内閣委員会 第1号
- 発言数
- 281 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/12/18
会議録
○小宮山委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が本日所用のため出席されませんので、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないますので御了承願います。 この際、理事補欠選任の件についておはかりいたします。 現在、理事が一名欠員となっておりますので、これより理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮山委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に木野晴夫君を指名いたします。 ――――◇―――――
○小宮山委員長代理 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 今会期中、国の行政の改善をはかり、公務員の制度及び給与の適正を期する等のため、 一、行政機構並びにその運営に関する事項 二、恩給及び法制一般に関する事項 三、国の防衛に関する事項 四、公務員の制度及び給与に関する事項 五、栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により国政調査を行なうこととし、議長にその承認を求めたいど存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮山委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○小宮山委員長代理 この際、松澤行政管理庁長官、阿部行政管理政務次官、植木総務長官、松本総務副長官及び坂田防衛庁長官から発言を求められておりますので、順次これを許します。松澤行政管理庁長官。
○松澤国務大臣 私は、去る十二月九日に行政管理庁長官を拝命いたしました松澤雄藏でございます。委員長さんをはじめとして皆さん方に、何かとごやっかいになろうと思いますが、今後ともよろしく御配慮のほどをお願いいたします。(拍手)
○小宮山委員長代理 阿部行政管理政務次官。
○阿部政府委員 行政管理政務次官の阿部喜元でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○小宮山委員長代理 植木総務長官。
○植木国務大臣 去る十二月九日、新内閣の発足にあたりまして、総理府総務長官に就任いたしました植木光教でございます。微力でございますので、どうぞよろしくお力添えをくださいますようにお願いいたします。 なお、この国会におきましては、給与諸法案の審議をお願いすることになっております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○小宮山委員長代理 松本総務副長官。
○松本(十)政府委員 総理府総務副長官を十二日付で命ぜられました松本十郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○小宮山委員長代理 坂田防衛庁長官。
○坂田国務大臣 今回、防衛庁長官を命ぜられました坂田道太でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○小宮山委員長代理 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 ――――――――――――― 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置沖の一部を改正する法律案 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小宮山委員長代理 順次趣旨の説明を求めます。植木総務長官。
○植木国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本年七月二十六日、一般職の職員の給与について、俸給表及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行なわれたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について、所要の改正を行なおうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一は、全俸給表の全俸給月額を引き上げることとしたことであります。 第二は、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員に支給する支給月額の限度額を十一万円から十三万円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表の適用を受ける職員のうち、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める職員に対し、月額二万五千円を限度として初任給調整手当を支給することとしたことであります。 第三は、扶養手当について、配偶者についての支給月額を三千五百円から五千円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族についての支給月額を、二人までについてはそれぞれ千五百円とすることとし、この場合において、職員に配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については三千五百円とすることとしております。 第四は、住居手当について、月額一万円以下の家賃を支払っている職員についての支給月額を家賃の月額から四千円を控除した額とするとともに、月額一万円をこえる家賃を支払っている場合には、二千円を限度として加算を行なうこととしたことであります。また、自宅等に居住している世帯主である職員に対し、新たに住居手当として月額千円を支給するとともに、その住宅が新築または購入されたものである場合には、五年を限度として一定の加算を行なうこととしております。第五は、交通機関等を利用して通勤する職員に支給する通勤手当について、全額支給の限度額を月額五千円から八千円に引き上げるとともに、最高支給限度額を七千円から九千円としたことであります。このほか、自転車等を使用して通勤する職員または交通機関等と自転車等を併用して通勤する職員についても、それぞれ通勤手当の支給月額を引き上げることとしております。 第六は、宿日直手当について、勤務一回についての宿日直手当の支給限度額を、通常の宿日直勤務にあっては千円から千三百円に、管理、監督等の業務を主として行なう宿日直勤務にあっては二千円から二千六百円に引き上げるとともに、土曜日等の退庁時から引き続いて行なわれる宿直勤務についても支給限度額を引き上げることとし、また、常直的な宿日直勤務についての支給月額を七千円から九千円に引き上げることとしたことであります。 第七は、期末手当について、その支給割合を、六月に支給する場合にあっては百分の百十から百分の百四十に、十二月に支給する場合にあっては百分の二百から百分の二百十に引き上げることとしたことであります。 第八は、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、その支給限度額を日額一万二千円から日額一万五千五百円に引き上げることとしたことであります。 以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員について所要の給与改定を行なおうとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一は、特別職の職員の俸給月額を引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣の俸給月額は百二十五万円とし、国務大臣等の俸給月額は九十万円とし、内閣法制局長官等の俸給月額は七十五万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、六十五万円から五十五万五千円の範囲内で改定することとしております。 また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は九十万円とし、大使五号俸は七十五万円とし、大使四号俸及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、六十四万円から四十九万五千円の範囲内で改定することとしております。 なお、秘書官については、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしました。 第二は、委員手当について、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を二万七千二百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を日額一万五千五百円にそれぞれ引き上げることとしたことであります。 第三は、沖繩国際海洋博覧会政府代表の俸給月額を六十四万円に引き上げることとしたことであります。 以上のほか、附則においては、この法律の施行期日、適用日等について規定しております。 以上が、両法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○小宮山委員長代理 坂田防衛庁長官。
○坂田国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の給与の改定を行なうものであります。 すなわち、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても従前の例にならい改定することとしております。 なお、事務官等の俸給、扶養手当、住居手当、通勤手当、医師及び歯科医師である自衛官または事務官等に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改定が行なわれることとなります。 以上のほか、一般職の職員におけると同様、職員が死亡したときは、その月まで俸給を支給できるようにするとともに、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職にある者で医療職俸給表(一)の適用を受けない者に対し初任給調整手当を支給できるよう改正することとしております。 この法律案の規定は、公布の日から施行し、昭和四十九年四月一日から適用することとしております。このほか附則において、俸給の切りかえ等に関する事項について、一般職におけるところに準じて定めております。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○小宮山委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○小宮山委員長代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 七月二十六日に勧告が出されているわけでありまして、十二月の二十日という声のかかる今日であります。おおむね五カ月間、勧告がたなざらしになっているわけでありまして、まして今回の勧告は、私もこの間になくなりました佐藤総裁ともずいぶん話を詰めてまいりましたが、総理府の統計局の皆さんなどを含めてたいへんな苦労をして間に合わしたわけであります。二週間以上早いということは、徹夜をする回数もそれだけふえていたということでありまして、職場の諸君にまでお願いをして実は早めたわけであります。 その趣旨は、かつてこの委員会の議事録にも残っておりますが、たいへんに物価の上昇が激しい昨今の段階である、したがって人事院の総裁としても、参議院選挙が終わって臨時国会が開かれるに違いない、これに間に合わせるように勧告をする、だから、この国会であげてもらいたい、決着をつけてもらいたい、そういう意欲ですということを明らかにして懸命に勧告を早める努力をしたわけであります。にもかかわらず、国会が開かれていた、かくて勧告は出された、だが時の政府は、施政方針演説をしないというたてまえにこだわって、ついに人事院がそこまで考えて、開かれている国会に勧告をしたんだから必ず処理してくれということを、総裁この席に来ておなくなりになる寸前まで答えておられるわけであります。つまり五カ月間もずれてしまった責任というのは、一体どこで負ってくれるのですか。
○植木国務大臣 ただいま大出委員からお話がございましたように、七月二十六日という例年よりも非常に早い時期に人事院の勧告がございました。当時、七月二十四日から七月三十一日までの臨時国会が開かれておりまして、会期としてはそうきまっていたわけでございます。しかも、ただいまお話がございましたような趣旨のもとに早く出されたという事情等もあったということを、私も承知をいたしております。七月三十日に第一回の関係閣僚会議が開かれましたが、ここでは非常に高率、高額である、財政問題等のいろいろな問題があるということで、ついに前国会におきましては、提案に至らなかったのでございまして、この点につきましては、今日になりましたことを、政府といたしましてもたいへん残念に思い、また遺憾に存じております。
○大出委員 民間の賃金の引き上げというのは、おおむね五月の賃金台帳に載っているわけでありまして、三二・九%、後に訂正して三二といいますが、高額なというようなお話がいまありましたが、決して民間、公労協に比して高額なわけではない。これは数字の上で明確です。数字くらい正直なものはないのでありますから。民間は三二・九%。やみ値上げなどで国会でいろいろ詰められた石油会社などというのは、みんなよけい出しているのですから、決して何も高いものじゃない。 そこで、いままことに遺憾であるというお話なんですが、ただ単に遺憾だといわれてみたところでどうにもならぬ。その間物価はどんどん上がる。月々支払われていても、物価上昇に基づく目減りはどんどん出てくるわけであります。ところが月々支払われていない。四月遡及でございます。しかも八月、つまり七月二十六日に出た勧告ですから、この国会で片がつけば、八月からは支給されているわけであります。八月から支給されたものとして計算をした場合に、この二十日過ぎに通って支給されるというのと比べてみて、たいへんな目減りをしている。これをもらって貯金しておけば、預金利子がつくのはあたりまえ。逆に、サラリーマン金融から金を借りれば、天引きで頭から取られるわけであります。貸し出し金利の計算をしたって一割をこえる。 だとすると、このたいへんな目減りについての責任は、一体どこで負うのか、具体的に聞いているわけであります。遺憾でございましたでは、これは生活にかかわるのですから。八月に差額をもらって物を買っておけば、何も年末にきて高い物を買わぬでも済むわけであります。だから、世の中の新聞も、これを取り上げて書いているわけであります。そういう実際に生活にたいへん大きなマイナスのファクターになっているということについての責任は、どこで負ってくれるのかと聞いているのです。
○植木国務大臣 物価問題につきましては、これは政府全体の大きな課題でございまして、御承知のとおり、最高の重点政策としていま政府が取り組んでいるわけでございます。その間、ただいまお話がありましたように、物価の上昇が続いて目減りがある、こういうお話でございまして、この点についても、私としましても理解はできるのでございますけれども、これは公務員だけではございませんで、国民全体の問題であろうかと思うのでございます。したがいまして、今日に至りましたことは、きわめて残念であり遺憾でございますが、中立的な第三者機関としての人事院の判断によりましてこの給与問題を措置してまいるというのが一つのたてまえでございます。したがいまして、私どもといたしましては、ただいまお話がございました物価上昇に伴う目減り云々の問題につきましては、人事院の判断にゆだねる以外にないということでございます。
○大出委員 それでは、人事院に承りたいのですが、島田さん、人事院が判断をして勧告をした、その支給がおくれた、したがって物価問題に対する目減り、この問題は人事院の判断にゆだねる以外にない。人事院、これをどうしてくれるのですか。
○島田政府委員 私どもといたしましては、こういう物価の上昇の時期でございましたから、先ほど大出先生御指摘のとおり、できるだけ早く勧告をするということによって、できるだけ早く公務員にお金が渡るということでやってまいりまして、そして一貫してその気持ちで通してまいりましたので、現実の問題として今日まで至ったことは、私どもとして非常に残念に思っている次第でございます。 ただ、目減りの問題につきましてお話がございましたが、私どもといたしましては、四月に、民間水準に合わせるということを基本といたしました勧告でございますから、この本体をできるだけ早く通していただいて、そしてこの勧告が通りました暁に差額が支給されるわけでございますから、それを一日も早く職員の手に渡していただくということが、いまも変わらない一番の念願なのでございます。
○大出委員 それじゃ答弁になりゃせぬじゃないですか。総務長官は、目減りの問題は人事院の判断にまかせる以外にない。人事院のほうは、早く通してくれと言うだけだ。それじゃ一体、どこも責任を負わぬことになるじゃありませんか。どこが責任を負ってくれるのですか。 あなたのこの新聞の記事、日本経済新聞四十九年十一月二十八日、これを見ると、人事院は平均三二・四八の給与アップの勧告を出した。そして人事院としては「一刻も早く公務員に給与改定を実現してやりたい」こう考えた。総裁談話にもそうなっていました。すみやかにやってくれとなっている。これはこのとおり。ところが、ここにも書いてありますが、事務当局は徹夜の作業をふやして、例年より十日以上も早く七月二十六日に勧告した。これが延々とたなざらしになった。「タナざらし扱いに当の人事院は、四月以来の物価上昇は二五%であるのに対し、国家公務員給与はすでに“先取り勧告”で一〇%アップした分しか措置されていない。」この一〇%だって、さんざっぱらぼくらは苦労させられた。最後まで総裁はうんと言わなかった、なくなった佐藤さんの悪口は言わぬけれども。最後にしかたなしに割り切ってお出しになった。それにしても、この一〇%しか措置されていない。したがって「現時点では実質で公務員給与は一五%減少していることになる」(尾崎事務総長)尾崎さんが一五%減少していることになると日経の記者に話している。そうでしょう。ここには島田さんの名前も載っかっている。「臨時国会の日程や政局見通しの記事に一喜一憂している」(島田人事院総裁代行)と、こう書いてある。そうでしょう。一五%実質目減りをしているということを事務総長が言っている。 事務総長尾崎さんは、公務員給与の権威者ですよ。他にかえがたい人物ということで給与局長をずっとおやりになってきた。今回の勧告に限り、新給与局長茨木さんが手をつけておられる。だが、体系をいままでつくってきたのは尾崎さん。尾崎さんが人事院に入ってきたときに、私は官公労の事務局長だから最初から知っているけれども。そうでしょう。あなた方自身が一五%目減りしているということをお認めになっていて、総務長官に聞いたら、総務長官は物価の目減りは人事院の判断だと言う。人事院はこの目減り分を回復する判断をお持ちにならなければ、公務員の生活は守れはせぬじゃないですか。それを、一刻も早く実施してくれだけで事済みますか。あなたのところで一五%目減りしているということを明確に認めているじゃないですか。どう回復してくれるのですか。
○島田政府委員 新聞記事の数字について、私いま詳しく存じませんが、目減りの問題は、先ほど総務長官のお話もございましたように、公務員だけでこれだけ目減りしたから――目減りしたという客観的な事実はございますけれども、しかし、そのためにその目減りを補てんするという問題は、私はまた別の問題で、国民全体の観点から見なければならない問題だと思って、必ずしも目減りしたから、それをすぐ人事院として補てんするというふうなことにはいかないのじゃないかと思いますし、それに私どもの場合、先ほど先生から、勧告が八月にもし仮定の問題として通ったとしましたら、そのときに現金が手に入っているのに、入らないための金利の問題というふうな御指摘もございましたが、これは公務員独特の問題として、国民全体のインフレによる目減りという問題とは別の問題として、私も、何と申しますか心情的には非常によくわかって、何とかしてあげたいなという気持ちはございますが、しかし公務員の給与は、御承知のとおり、国会において法律改正を待って初めて実施されるということでございますので、国会においてこの法案が実施される前の問題について、これが手に入っていたらこれだけの金利がどうこうということを論ずるのは、私としても非常にむずかしい問題だというふうな気がいたします。
○大出委員 勧告をするしないの判断は、確かに人事院ですよ。だが組織、機構からいけば総理府傘下におたくはある。総理府の総務長官が人事院の判断だとおっしゃるから聞いている。いま目の前で答えたじゃないですか。あなたのおっしゃるとおり、公務員固有の問題だ、特有の問題だ。七月国会に向けて勧告をした、そこで実施されていれば八月からもらっているわけだから、九、十、十一、十二、足かけ五カ月にわたってほうり投げられている。こんなことをやっているところはどこにもない。 私はここに、たいへんたくさんの、ことしの各組合の賃上げの状況というものの数字を持っている。あとから質問いたしますが、これだけたくさんの組織が賃金を上げている。だがしかしどこの組織でも、七月に上げるという約束を十二月までぶん延ばしておく組織は一つもありませんよ。そんな会社は一社もありません。そんなことをしている会社なら、とっくにつぶれておる。だとすると、あくまでもこれは公務員特有の問題、固有の問題。その公務員固有の問題について、どっちかが責任を負ってくれなきゃ負いようがないじゃないですか。給与の責任官庁である総理府の大臣でしょう、給与担当大臣でしょう。人事院の総裁代行でしょう。どっちが責任を負ってくれるのですか。こっちは人事院の判断にまかせるのだと言う。人事院は国会で法律が審議されているのだから、私のほうではその前のことを言うわけにいかないと言う。そういう責任のなすり合いでこの問題は一体どうなるのですか。泣かされるのは公務員だけじゃないですか。そんなことを言うんなら、一体どっちが責任を負うのですか。 私は、ここにたいへんたくさんの、七四秋闘獲得の月数というのを持っているが、これは、これだけで百九十二組合ある。これは全部経過が載っかっている。片一方が二百十四組合ある。合計すると約四百組合。四百組合の賃金台帳から、五月から拾って計算してみたって、七月のものを十二月までぶん投げておくという、そんな会社は一社もありませんよ。いまだに日本の賃金というのは公務員主導型の賃金。その中心の、国が使っている、使用者としての政府、そこで働いている公務員の賃金を、こんなことをしておくばかなことを放任はできませんよ。何ですか。それであなた方は、一々私のところへ早く通してください通してください、非公式だからとやかくは言わぬけれども、総理府から始まって人事院からみんな通してくれと言う。じゃ五カ月間ぶん延ばした責任はだれが負うのだ、それなら。はっきりしてください。こんなもの簡単に通せるか。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、人事院は例年よりも早く勧告をせられたわけなんでございまして、したがって、政府といたしましては、すみやかにこれを受けまして、国会の御審議にゆだねるということが当然の措置であったろうと思うのでございます。ただ、政府並びに国会両方にこの人事院勧告というものが行なわれるのでございまして、したがって、もう十分大出先生御承知のように、勧告が行なわれましたときの国会が七月三十一日に終わりまして、その後国会が開かれないまま今日に至ったのでございまして、その間、政府といたしましては、先ほど高率高額と申し上げたのに対しまして、いろいろお話もございましたけれども、財源措置をしなければなりませんし、また行政事務の簡素、合理化もやらなければいけませんし、また既定経費の減額措置等も勘案をしなければならないというような事情もございまして、八月にも給与関係の閣僚会議が行なわれ、十月に至り今日に至った、こういう事情なんでございまして、御批判はごもっともだと思うのでございますが、今日に至りましたことはまことに残念であり、遺憾であると申し上げる以外にないのでございまして、何とぞ御了承をいただきたいと思うのでございます。
○大出委員 妙なことをあなたおっしゃるじゃないですか。人事院勧告というのは、政府のみならず国会にも勧告された、ならば、国会のわれわれにも責任があるという言い分になるじゃないですか。ふざけたことを言いなさんな。国会開かなかったのはだれなんです、それじゃ。開かぬものを審議のしようなんかないじゃないですか。じょうだん言っちゃいけない。一週間のうちに五回も、われわれは二階堂官房長官と話したこともあるのだ。あなたが言ったようなきれいごとを一つも言っちゃいない、官房長官は。軽井沢に引きこもった田中の角さんが、人に会うのをきらうというのだ。わしが行っても会わぬという、二階堂氏は。面壁九年だというんだ、これは。人ぎらいになって会わないというんだ。相談のしようがないという。施政方針演説なんというのは、こんりんざいやらぬと総理が言うものを開きようがないというのだ。だれが悪いのだ、それならば。恣意的に国会を開くのを延ばしたことになるじゃないですか。 そういう総理個人のものの考え方で人事院勧告を五カ月もたなざらしにしておいて、責任がないなんてそんなばかなことはありませんよ。そうでしょう。ほかの理由と違うのだ、中身は。幾らあなた方が理屈をつけても――理屈をつけることぐらい簡単だ。財源難だ、へったくれだ、そんな、じょうだんじゃないですよ。二階堂氏は大蔵省をちゃんと呼んで話をしている。詰めている。小坂徳三郎さんだってそんなことは知っている。お互行いにわかり切っているんだ、そんなことは。だから九月末に給与国会を開こう、政経分離をしてくれという。政治と給与を分けてくれという。分けるのはよろしゅうございますというふうに私は請け負って、ここにおいでになる中路さんにも鈴切さんにも受田さんにもちゃんと話した。各党の皆さんが、そっちから声をかけてくれれば、公務員の生活にかかわるのだから切り離してもいいというところまで行ったのだ、これはちゃんと。にもかかわらず、政府部内の事情で政府のほうがまとまらぬとおっしゃる。大蔵省は大蔵省で給与だけじゃ困る、災害までやってくれなんというようなことを言う。そうなれば施政方針をしゃべらざるを得ないという。得なければ開いちゃ困ると総理が言う。堂々めぐりをしたのだ。一ぺんや二回や三回あったのじゃないんだ。そういういいかげんなことじゃだめですよ。国会の側の責任もある、野党の責任もあるから何べんも話している、これは。そんないいかげんな逃げ口上じゃだめですよ。責任負ってくださいよ、これは。人事院は人事院でまた勧告を出しっぱなしで、あとろくなことを何もしやしないじゃないですか。一喜一憂しただけだ。そういう無責任なことで公務員の諸君は一体どうするのですか。生活にかかわる、これだけ物が上がってしまった年の瀬に。そんなものを簡単に通せますか。 この際、一つ大蔵省に承っておきますが、この間、私が六日の日に質問をしたら、大野明政務次官が目減り問題について――私のほうは、これこれ目減りしたという計算の中身まで申し上げた。私もここに全部計算して持っている。どれだけ目減りしたかということは詳細に書いてある。念のために印刷も全部してある。専門家に計算させている、これを。われわれの側にも労働金庫というのがあるんだから、労金で金利計算している、専門家に計算させた、全部。七月に勧告をされたのだから、あの国会で通っていれば八月から手に入っている、差額は。一〇%のけて計算して二万一千三百八十五円になる、差額は。そうでしょう。それが四月から八月まで。八月でもらったとして八、九、十、十一、十二、もらった分を黙ってそっくり預金したら幾らになるか。利子は幾らつくのだ。三千六百十七円つく、利子だけで。ところが、もらってないのだから、言うなら政府に貸したままになっているんだ、これは。その意味じゃ貸し出し金利の計算が必要でしょうと専門家はちゃんと言っている。そこで貸し出し金利で計算してもらいたいと言ったところが、貸し出し金利で計算したら一万六百六円。一万六百六円の目減りだったら、これだけで、一万三千円で〇・一ですよ。〇・一カ月分。それが預金どころじゃない。サラリーマン金融から金を借りれば天引きだ、頭から。天引きでなければ貸しやしませんよ。そういう計算をすると、物価の問題を除いてもこれだけだって〇・一分ぐらいある、はっきりいって。物価の問題を入れたら〇・一どころじゃない。それも全部ここに計算してあります。 そこで、約束は約束だから、私は大蔵省から目減りの――あとからこれは差し上げるが、目減り分をあなた方計算して出すと約束した。約束したものは出してください。
○森(美)政府委員 大出理事と大野前大蔵政務次官との間で、いろいろの質疑応答があったことはもちろん聞いております。しかしながら、やはり給与法という法律の改正によって生ずるものでございますので、ただいまのところは、計算を持ってこないで臨んでおります。
○大出委員 あなたは、大野君と私の間のやりとりで約束があると言うのだが、どういう約束だというふうにお考えですか。
○森(美)政府委員 その目減りの数字を出しますということでございます。
○大出委員 それだけですか。
○森(美)政府委員 私の聞いている範囲は、それだけでございます。
○大出委員 時間がないから私のほうで言いますが、私は全部速記まで調べた。確実に調べた。これは大野さんの答弁だ。必要なところだけ先に読みますから。「いずれにしても、そういう計算」そういう計算というのは目減りの計算。「いずれにしても、そういう計算をまだしておりませんけれども、一度計算いたさせて先生のお手元へ差し上げるということにさせてもらいたいと思います。」私の手元に差し上げるということにさせてもらいたい、よろしゅうございますと答えている。手元に何にもいただきませんよ、皆さんから。差し上げていただいておりませんよ。あなた方差し上げると言ったのだから。三木さんという総理大臣は、うそを言わない政治をやると言っている。そうでしょう。このあとのほうは社会的公正だ、一つの。三木さんは社会的公正を期すると言うんだから。さっきの公務員だけ五カ月もぶん投げられたというのは、社会的公正に反するでしょう。不公平だということです。間違いないでしょう。島田さんもお認めになった。全く気の毒な気がするとおっしゃっていた。そうでしょう。だから「一度先生と目減りについてゆっくりお話しさせていただいて、そこで考えるということのほうが正確のような気がするのです。」ちゃんとお手元へ差し上げます、その上で目減り問題については話しましょう。で、どうするか、これを考える。そのことが正確なように思う。「どうぞその点は御理解を賜わりたいと思います。」きわめてはっきりしている。六日の日にそういうやりとりをしている。 政務次官の人がおかわりになったって、それは皆さんの御都合だ。責任継承の原則というのは、これは万古不倒の原則です。うそを言わない総理がてっぺんにおいでになるという世の中に、この間言ったことをひっくり返しちゃ困りますよ。六日の日に言ったんだから。わずかしかない時間で苦労して私は聞いたのだ。履行してください。お手元に差し上げますと言うが、差し上げていただいていないのですから、私に差し上げてくださいよ。目減りについて直接相談したい、してくださいよ。どうにかしてください、これ。でなきゃ審議はできない。
○森(美)政府委員 大野前政務次官との間には、きのうまでのところ、この話し合いが私はまだ済んでおりません。おりませんということは、現在数字が出ておりません。しかし私どもといたしますと、この問題は慎重に、前向きに、一生懸命努力をしてやりたいと考えております。
○大出委員 前向きに一生懸命やりたいとか、先ほど来一生懸命考えると言うけれども、何にも考えていないじゃないですか、数字一つ出さぬでおいて。六日の日に約束している。これは、この国会の議事録にちゃんと残るものです。そんなものをいいかげんにされたんじゃ審議はできやせぬじゃないですか。できませんよ、そんなものは。審議の進めようがないじゃないですか、そんなことだったら。
○森(美)政府委員 検討さしてもらいます。
○大出委員 検討じゃ審議はできぬじゃないですか、出してくれなければ。
○森(美)政府委員 ともかく五カ月おくれたということによりまして、法律がまだ改正されておりませんもので、その点については事情をおくみ取りいただきたいと思います。
○大出委員 改正されていませんものですからなんて言ったって、あなた方この国会に提案したんじゃないですか。提案した以上は審議してくれというんじゃないですか。だから質問しているんじゃないですか。だからお手元に差し上げることになったんじゃないですか。だから目減りについては相談しようというんじゃないですか。何にもやらぬで審議できぬじゃないですか、あなた。法律を提案した以上、審議権がわれわれにあるんだ。審議ができぬものはやりませんよ。出してください。
○森(美)政府委員 大野前政務次官と協議をいたしまして、検討いたします。
○小宮山委員長代理 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○小宮山委員長代理 速記を始めて。 ただいまの大出俊君の質問に対して大蔵省、総理府協議の上、資料を速急に出すように要求いたします。
○森(美)政府委員 委員長の御趣旨よくわかりました。これは法律的にはなかなかむずかしい問題でございますが、仮の計算というのですか、そういう意味におきまして、真剣に、至急に検討さしていただきます。
○大出委員 仮ということばが入りましたが、七月の国会に勧告したのですから、国会にも責任があります。そこで、あのときに通しておれば、こういう問題は起こらないわけであります。島田さんもおいでになりますけれども、そのために人事院も何とか間に合わそうと苦労されたわけであります。だから、いまの仮というお話は、八月に実施されていたとすればこういうことになるという、数字は仮も本物もないわけですから、そういう意味にとってよろしゅうございますね。
○森(美)政府委員 承知しました。
○大出委員 お出しいただけるということですね。よろしゅうございますね。
○森(美)政府委員 早急に検討した上でお出しいたします。
○大出委員 私は、実はなぜこの問題にこだわるかといいますと、先ほど新聞の記事を引用いたしましたが、人事院側でも非常に心配なさっていた。日経の記事ですが、いまお話が出ましたように、ほんとうに正確に数字をはじけば、この数字は多少の誤差がございます。ございますが、ここでいっておりますのは「四月以来の物価上昇は二五%であるのに対し」というところから始まっているわけですが、つまりここまで心配している。 「実質一五%減少していることになる(尾崎事務総長)」こういう言い方になっておるわけであります。しかも、この最後のほうには、もしこの暮れに片づかなかったら「その際は一カ月分のインフレ手当支給を勧告するかもしれないとの意向もチラつかせている。」これは島田総裁代行になっている。なるほど、これは私のところに非公式だけれども、人事院からお電話をいただいた。年末片づかなかったら何らか特別措置を講じなければならない、その節は、ということでお話をいただいたことがある。つまり、そこまで心配をされた。これが五カ月延ばされたことによる、さらにまた年末なおこれが見通しが立たぬとするならばと、たいへんな心配をされた。 そこで、そのことは何も人事院の心配ではない。ここにも公務員の方おいでになるけれども、公務員の方々全部の生活にかかわるだけに、御家族を含めての心配なんです。国会が開かれているところに勧告しているのに、五カ月も延びたという現実があるのです。しかも新聞が当時「政治の壁で泣かされている公務員」という見出しで、施政方針演説はいやだ、何でやらないのだ、法案を出してないからやらないのだ。給与法というのは法案だから、法案を出せば施政方針演説をやらざるを得なくなるというのが二階堂さんの言い分、私が直接さしで話したら。そういう政治の壁で恣意的に延ばされたと受け取っている。新聞もそう書いている。普通の延び方ではない。それだけにこの責任は、何らかの形で負っていただきたい。だから、五つ理事会に私は問題を提案している。 いずれにせよ、そこらのところで公務員の方々が泣く泣くであっても万いたし方なしになるような気の配り方をしていただかぬと、まさに三木総理の言っている社会的公正を欠きますよ。そこのところだけはっきりしていただきたい。それが私の真意です。そういう角度からこれは検討をいただきたいのだが、いかがでございますか、総務長官。
○植木国務大臣 先ほど私が、人事院の勧告は政府及び国会に勧告が行なわれる、こう申し上げましたのは、これは法定主義であるという意味で申し上げたのでございますから、御了承をお願い申し上げたいと思います。 この問題につきましては、いま二階堂官房長官等とのお話などもいろいろあったという向きをお伺いをいたしましたが、実は私も総務長官になります前は、参議院で議院運営委員長をしておりまして、その関係で政府に対しまして早く法案を出すように、国会を開くようにということをしょっちゅう言ってきた立場でございます。したがいまして、その辺のところは大出理事と全く同じ立場でやっていたと思うのでございます。 ただいまのお話でございますが、法定主義でありますとともに、大きなたてまえといたしまして、人事院の勧告を待つというのを終始一貫した制度としてとってきているわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、人事院の判断を尊重するという立場でまいりますので、その点、御了承いただきたいと存じます。
○大出委員 そこで皆さんのほうで、きょうは数字をお出しいただけると思いましたから、私どものほうも、それに対応する数字を持っていなければならぬ、こういう考え方に立ってさっき申し上げたように計算させてある。ちょっと委員長、いいですね、これを差し上げたいのです。 いまお手元に差し上げましたのは、この大きいほうの紙でございますが、一番上の欄に四月から八月分、これは一時金が入っております。一・七プラス〇・三ですから、まるい数字の二になるはずでありますが、それが入っている。そこで平均引き上げ額が二万一千三百八十五円であります。いま申し上げました臨時給与が入っておりますので、月数にして七カ月になります。預入月数は五カ月なんですが、月数にして七カ月になります。これは預金金利の計算で一人当たり三千六百十七円という数字が出てまいります。計算の中身は、もう申し上げるまでもございません。それからその下に平均ベースに直すと十三万円が平均ベースでございますから、〇・〇二七八カ月分にこれだけでなる。それからその下のほうの計算は、貸し出し金利で計算をしている。貸し出し金利計算をいたしますと同じ月数、同じ計算で一人当たり一万六百六円になる。これは平均ベースで計算して〇・〇八一六カ月分。これが一人一万六百六円ということになりますと、公務員の数というのはたいへん多い、ここに計算をして出しておきましたように、国家公務員、地方公務員合わせて三百二十三万人おいでになる、三百二十三万人おいでになりますから、これをかけますと三百四十三億円になる。国家公務員が四十九万人、地方公務員が警察、消防を含めまして二百七十四万人。だから一人一万円の計算で三百億をこえてしまう。一人一万円目減りすると三百億をこえる。一万六百六円で計算すると三百二十三万ですから三百四十三億円になる、こういう計算になります。 それから横に「物価目べり分」こう書いてありますが、四月の消費者物価、これを一〇〇といたします。そうすると、経済企画庁の物価調査課で発表いたしております東京の分、全国、東京をとっておりますが、東京で計算をしてまいりますと、これだけで、累計というところに十一月分が出ておりますように六千二百九十円。したがいまして、これまたたいへんな額になりますが、これでいうとそれは国民全体が一緒ではないかという話が出てくる。 そこで、小さいほうの紙が一つございますが、この小さいほうの紙のほうに書いてありますのは公務員固有の分を含めている。こちらのほうは、八月にもらうということになった場合、つまりあの七月国会で通った場合を想定いたしますと、二万一千三百八十五に七カ月をかけまして四・五九%、四月を一〇〇とした場合のこの八月の物価の上昇分であります。以後九月、十月と入れてまいりますと七千四百二十円になります。そうすると、こちらのほうもおおむね三百億近い金になる。だから全体としてみると、何百億という金が目減りをしている。 そこで、これは皆さんのほうであとで御計算をいただいてどういう計算をお出しになるかは別として、目減りしていることは、人事院の尾崎事務総長、給与の専門家が――国家公務員給与に関しては、尾崎さんは最高の権威者でございましょう。尾崎さんの新聞に述べておられること、それは一五%実質減になっているという言い方をしておられる。おそらくここらの計算が入り込んでいるのだと思うわけです。新聞にはまた「実質賃金マイナスに」ということで、ここに別な記事も出ている。 そこで私はこの際、だから理事会に修正案を実は差し上げたわけでありますが、これは理事会には出してありますから、委員長、ちょっと参考に差し上げます。これは私のほうから質問をするのが筋でありますが、きょうはわかっていただきたいと思いますから、このところを私からしゃべりますが、この修正案は、民間の十八歳の成年男子、これを労働省の資料を基礎にいたしましてはじいてみたわけでございます。労働省は六月調査の形をとりまして数字をあげておいでになります。人事院は四月本調査というかっこうになっておりますが、労働省は六月に調査をされているわけであります。 ちょっと申し上げますと、民間の十八歳男子、これは基礎は労働省の賃金構造基本統計調査の新規学卒の初任給、企業規模十人以上の男子の管理、事務、技能労働、全部入っているわけです。これによりますと、四十七年の十八歳男子、もちろん民間でございます、これが初任給でございますが四万三千二百円。これはカッコして所定内給与でございます。四万三千二百円。ところが、この年の人事院勧告に基づく十八歳の、つまり新高卒初任給は、所定内給与で計算をいたしますと四万二千四百七十七円になります。だから四十七年度ならば七百二十三円の開き、こうなる。ところが四十八年になりますと、この労働省の調査によりますと、民間の十八歳男子が五万三千四百円に伸びております。この年の人事院勧告による十八歳男子の計算をいたしますと、所定内賃金で五万四百三十円。だから、その差は二千九百七十円という開きになってきているわけであります。四十九年は労働省の六月がまだ正確には出ておりません。出ておりませんが、推計はできます。推計をいたしますと、民間の十八歳、四十九年、七万四百円になります。人事院勧告が出ておりますから計算ができますが、本俸だけならば五万九千二百円でありますが、所定内賃金で六万六千五百五十二円、こういう数字になります。だから民間の十八歳と一般公務員の十八歳は、何と三千八百四十八円開いてしまう、これは、たいへんな開きであります。 そこで今回、そこに差し上げました修正の趣旨と申しますのは、いま申し上げました民間の十八歳、四十八年、これを基礎にいたしまして、理由としては、日本の賃金が年功序列型でございますから、同一労働、同一賃金という形ではありません。ありませんから、若年層にインフレというのはどうしてもしわが寄る。それから初任給がいま大きく動いている。これにもう一つの理由として、公労協の初任給というのが、三公社五現業の初任給が極端な上がり方になっている。この三つを合わせて理由といたしまして、八等級の三号のところを二千八百円上げた形になっております。つまり、新高卒初任給であります。そして六等級の五号を、最後はこれは百円乗っておりますけれども、そういう俸給カーブに調整をいたしまして、そこにございます案になっているわけでございます。ここまでのことをして、ようやく公務員の、つまり低いところの層、これが民間の俸給カーブに乗るということになる。同じところに、大体似たようなところにいく、こういうことになる。あわせて、公労協の低いほうの方々のところも、大体似たようなところに乗せられることになる、こういう実は中身であります。つまり、八等級の三号、新制高校卒で実は公務員のほうが三千円近い落ち込みになっている、ひどいものだ、こういうことであります。 そこで、念のためにここで申し上げますが、この三公社五現業のほうはどうなっているかといいますと、全林野、これが現行、新高卒、十八歳、五万九百円という金額でございますが、仲裁裁定が出た配分交渉の結果、全林野が六万八千百円、したがって十八歳、新高卒で一万七千二百円、今回この賃金改定で上がっている。公務員は、今度の人事院がお出しになった勧告では、わずかに新高卒は一万四千四百円しか上がっていない。全林野は、つまり林野庁は一万七千二百円上げている。同じ筆法でいきますと、郵政省が初任給を一万七千三百円上げている。大蔵省の印刷局、ここが一万七千九百円上がっている。アルコール専売、ここが一万七千四百円。国鉄、国鉄公社でありますが、これが一万七千三百円。電電公社が一万七千三百円。専売局が一万七千円。専売局が一番上げ幅が低いんですけれども、それでも一万七千円上がっている。人事院勧告の十八歳、新高卒は一万四千四百円しか上がっていない。一万四千四百円上げて、五万九千二百円にしかなっていない、こういうわけであります。だからついに、これからは同じ高等学校を出て、郵便局や国鉄や印刷局につとめた人と、農林省や運輸省や文部省につとめた人と一万円開いてしまう。これは使用者が政府なんですから、国鉄や郵政省や専売局、こっちへつとめた人と、農林省や運輸省、文部省等につとめた人の間に、いきなり一万円違うというばかなことが許されていいはずはない。だから、そういった大きな矛盾は解決をしなければならぬ。 それで、この案でいきまして直接的に必要な金は三十三億円、はね返りを入れまして五十億。先ほど申し上げましたように、三百億をこえる目減りがあるんですから、そうだとすると、せめてそのくらいのところに乗せてやっていいじゃないか。人事院は、旧来の初任給算定の方式はついえ去って、今日は変わった方式をとっている。それでも公労協とこんなに開いてしまう、こういうばかげたことを黙っているわけにはまいらぬ。だからこの際、そこのところは、ひとつ初任給というものを、三公社五現業あるいは民間並みに引き上げていかなければ、やはりつとめようと思ったら給料をながめて入ってくるわけですから、そういう意味で人も集まらなくなる、こういうわけであります。 その辺のところを理事会で申し上げましたところが、理事会の結論として、この席で政府に対してそこのところをものを言うておいてもらいたい、その上で理事会としても検討しよう、こういうお話でございましたからいま御説明をした、こういうわけであります。つまり、これだけ大きな初任給の差というものを皆さんがどうお考えになるかを、結論として承っておきたいわけでありますが、総理府はいかがでございますか。
○植木国務大臣 ただいま修正案は初めて拝見をいたしましたので、これにつきましては、直ちに意見を申し述べるだけの専門的な知識がございません。ただ、公務員の初任給というものは、申すまでもなく人材を確保いたします上におきまして、たいへん重要な要素を占めるものだというふうに存じております。 三公社五現業のお話がございましたが、三公社五現業の初任給は、民間の初任給の中でもトップクラスに位置するというようなことを、人事院のほうから伺っているのでございまして、人事院は専門的な立場でいろいろ判断をせられて勧告をお出しになったわけでございますし、中立的な第三者機関である人事院が、専門的な立場でこの初任給の問題につきまして御検討をいただき、それにつきまして御勧告がございましたならば、私どもといたしましては、それを尊重していくという立場になると思うのでございます。さしあたり、それだけをお答え申し上げておきます。
○大出委員 人事院に承りたいのですが、これの三カ月短縮を考えていることになっておりますね。説明書等にもそう書いてありますが、その三カ月短縮というのは、どういう趣旨でございますか。
○茨木政府委員 三カ月短縮は、あの当時御説明申し上げましたように、いろいろなきっかけはありましたが、初任給のところで、やはり採用者をできるだけ公務員に誘致するということで、高卒の試験採用の方のところ、それから中級、上級、そこまでのものでございますが、その三種類にわたりまして、今年度採用者について三カ月次期昇給期を短縮する、ですから、来年の四月一日になるものを一月一日まで短縮して持っていく、こういうことでございます。現在のところ、そういうものを考えておるわけでございます。
○大出委員 つまり、なぜ三カ月短縮をしようとなさるわけですか。
○茨木政府委員 いろいろ御議論ございましたように、背景事情としまして、民間の大手筋なりあるいはいま議論になっておりますような三公五現等を考えましても、その辺に、やはり試験採用である者についてそのような感もございますので、その試験採用をせっかくいたしました者が、正式に採用されるまでの段階においてほかのほうに行ってしまうということを少しでも食いとめたい、そういうことでございます。
○大出委員 つまり、そのことは、初任給が民間に比べてもあるいは三公五現に比べても低い、そこらのことがやはり一つの大きなファクターになるというふうに御認識なんじゃないですか。
○茨木政府委員 その辺に、いろいろな面を考えなければいけないものですから、なかなか苦しいところがあるわけでございます。御案内のように、百人規模以上のところで比較したものですから、それからいきますと、今年の報告でも申し上げましたように、いろいろ調査のしかたも、先ほど御指摘いただきましたように、変えまして努力をいたしましたけれども、百人以上の規模のところでやはり一つの、国民の理解を得るという点も押えなければいかぬものですから、なかなかその辺のところの苦労があるわけでございます。
○大出委員 君は知っていてそう聞くなと言うかもしれませんが、ともかくさっき私が例にあげましたように、この傾向というのは、日本で一番初任給が高いのは、朝日新聞でしょうけれども新聞の方お聞きになっているか知らぬけれども、まさに追いつかん勢いの公労協というのも、いまいみじくも総務長官がお答えになっておられましたが、片やある。そして民間のかくのごとく急激な上げ幅が、六月と四月の調査時期の違いはありますけれども、出てきている。だから、そうだとすると、やはり私は、いま人事院が三カ月短縮を考えているとおっしゃっていることは正しいと思っている。 さてそうなると、そこで問題は、三カ月短縮をするとすれば、先ほど私が例にとりました八等級の三号、初任級、新高卒の試験採用、この方は今度の勧告では、五万九千二百円ですね。昇給間差は千六百円ございます。そこを一万四千四百円上げる、こういうことですね。引き上げ率が三二・一%になっている。これを三カ月短縮するということは、つまり、四百円乗るというわけです。四分の一ですから四百円乗る、こういうわけです。四百円乗れば五万九千六百円だったわけです。 ところで、前年度採用者との関係でいうと、どこかで三カ月間同じ給与で並ぶ時期ができる。そうすると、これは一種の矛盾なんですね。片一方は十二カ月で昇給する、こっちは九カ月で昇給するわけですから、前年度の採用者は、一年たたないうちに三カ月一緒の時期ができる。先輩と後輩と三カ月間給与が並ぶ。ここにどうしても俸給表上の在職者の調整措置が必要になる。ここのところはお認めになりますか。
○茨木政府委員 いま御指摘のような点を検討いたしまして、そこでまず、逆転をするということは絶対に避けなければいかぬ。そこで、ことしの一月二日以降採用の者は、それをやりませんと、おっしゃるように逆転するというかっこうが出てまいりますので、一月二日以降の採用者につきましては、同様の措置をやはり実施いたさなければならないというふうに考えております。それから、それ以前の者につきましては、逆転というところまではまいりませんので、前向きで、人材誘致ということでございますので、この短縮措置をいたしたい、こんなふうに考えております。
○大出委員 そこが問題で、逆転というところにポイントをなぜ置く。矛盾であることに間違いはない。そうすると、やはり金額でその周辺は乗せていかなければ、まさに社会的公正を欠く。去年入ってきた人が特に成績が悪いわけではない。悪いわけではないが、社会環境の変化でことしは初任給を三カ月短縮するという。そうすると、前年度採用者については、逆転しないからほうっておくというわけにはいかない。やはり金額で何がしか乗せなければならぬ。ただ、そこが言いにくいのは、いま乗せると言えば人事院勧告のワクをはみ出すということ。そうでしょう。官民較差というものをおとりになって、較差のワク内で俸給表をおつくりになった。そこに、あとになって積み上げ措置を講ずるとすれば、その分だけは較差のワクをはみ出す。人事院としてはそれ以上言えないというなら、国会でやるより手はない。そうでしょう。 だから、私はそこがポイントなんだが、八の三、新高卒初任給というものを三カ月短縮する。これは八の五が中級短大卒です。八の五の場合でも四万七千五百円、間差千八百円、これが今回六万二千五百円になる。間差は二千三百円、引き上げ額一万五千円、これを三カ月短縮すれば同じ現象が出る。それから上級乙、大学卒五万三千五百円が七万円になる。間差が二千八百円。ここでも同じことが言える。つまり試験採用の初級、中級、上級乙を三カ月短縮すれば、やはり七等級の二号くらいまでのところは、最小限度でも手を入れなければならない、積み上げていかなければならない。そうなると、これは目の子計算で恐縮なんだが、必要ならば詳しく計算をいたしますが、その職員分布を調べてみて、おおむね六万人くらいの数になる。一人平均五百円ちょっと欠けるくらいの金が要る。そうすると、十八カ月の計算で目の子で勘定すると、月三千万ですから五億四千万、五億何がしの金があれば、これは、いまあなたがおっしゃった逆転をするからなんて、こっちのほうへ行ってやらなければなんてというようなことでなくて、逆転をしなくたって不合理は不合理なんだから、在職者調整をそこまでやる。勧告のワクをはみ出すというならば、はみ出す分だけは国会で手直しをすればいい。勧告は国会にも、さっき総務長官がおっしゃったように出ているのだから、国会にも勧告されているのだから、国会がやるというなら別に問題はないでしょう。茨木さん、いかがですか。
○茨木政府委員 国会のやることであれば、こう言われますとなかなかお答えしにくいのでございますけれども、率直に言わしていただきますと、そこのところを、かりにそういう修正をするということになりますと、来年度また民調で官民較差にいたしました際に、その積み上げました分は、その中に入ってくるわけでございます。そうなりますと、やはり初級採用前後のところと中級それからその上のほうのところというような、全体のバランスというものが俸給表にあるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございますから、その辺のところが一点気がかりなところでございます。 もう一つは、おことばでございますが、賃基との関係で時期的な調査の相違の点も、先ほど先生おっしゃられましたが、そのほかにあれは男子が中心でございます。それから、どうしてもこちらのほうよりも大都市周辺の職員数があの中に多く入っておるようでございます。それから職種も、ややこちらのほうですと別の俸給表のほうに回る者があの中に入っておるというようなことがありまして、どうしても高く出てくるというきらいがあるわけでございます。その辺のこともございますものですから、官民比較の原則を維持しながら初任給の問題を解決しようといたしますと、私のほうとしては、なかなかつらいところがあるわけでございます。
○大出委員 しろうとくさいことはだめですよ。あなた、いままで初任給決定の方式というものは、人事院は人事院で持っておられたが、社会的現象に追いつかない。私が何べんも、尾崎さんが給与局長のときに指摘をしたとおりだ。とうとう最後は、先生御指摘のとおりになりましたというようにお答えになった。ぐずれてしまったのだから。そうでしょう。 いまやまさに、公労協がどんどん上がっていくと、同じ使用者としての政府なんだから、おかしいじゃないかといわれればおかしいのだ、政府は二つも三つもあるんじゃないですから。そうでしょう。二つも三つもあるんじゃない。しかも三公社五現業、この中には非現業もいるのだ、事務職員もたくさんいる。そっちもそうでないところも――文部省なんというものは気の毒なものだ。人確法の中に文部省の職員というのは入らないのだ。そうでしょう。だから、ある一つのねらいからいえば、人確法というものを大学までというものの言い方は、逆転現象、逆転現象で短大の助教授までさわっているわけだ、大学までさわらなければならなくなってしまっているわけだ。それなら文部省の職員も教育関係の仕事をしているのだからということになる。ところがそっちは入っていない。先生と名がつけば人確法に上がるのだけれども、文部省の職員と名がつけば上がらない。そうでしょう。しかも、学校の中の事務職員さえ上がらない。事務職員というのは、小学校なんかは一人しかいない。子供は知らないから先生と言っている。しようがないから答えている。担任の先生にこうですと言っている、その人も上がらない。明らかに矛盾なんですよ。それで片っ方は、三公五現業ではないからというので一万円また開く。こういうふざけたことをほってはおけない。 だから、私の申し上げているのは、そこはあなた方、技術者なんだから、給与に関してはまさにベテランがおそろいなんだから、俸給表をどうつくるかぐらいのことは、きのうきょう始めたわけではない、俸給をいただく原則はそこにあるのだから。だから、私が申し上げた原則が、ここでもって方向が明らかになれば、あなた方があとをおやりになればいい。そこで人事院がやりにくいところは国会がやろうと申し上げている。過去に初任給の百円手直しの例もある。財源は二億二千万円かかっている。私が出てきてからやったのだから三十八年。そうでしょう。だから、その例にならえばいい。十一年前の二億二千万、だからさっき、私が五億何がしと申し上げたのもふしぎなことはない。したがってこの点が、次の問題点であります。 もう一つ、次に承っておきたいのですが、宿日直手当、この宿日直手当というのは、これは、ちょっと委員長に承りたいのですが、当委員会は宿日直手当の請願を満場一致で採択したことがございますが、御記憶でございますか。
○小宮山委員長代理 記憶しております。
○大出委員 委員長はよく知っているとおっしゃったわけですが、満場一致で採択をいたしまして、この回答が実は出されているのであります。採択をいたしましたよということで回答が出ている。公のものであります。 そこで、人事院に承りたいのですが、なぜ一体、本年九月ということにしたのですか。
○茨木政府委員 宿日直の問題につきましては、一般の俸給表等の改正と異なりまして、ことしは民間調査というものを正式にやっていないわけでございます。大体三年に一ぺんぐらい民間給与調査をやりまして、そして合わせていくというような経過をたどってまいりました。昨年一応改正をやったわけでございますが、御案内のように、たいへん給与のほうが上がってまいったものでございますから、ことしはそういうわけにもまいらぬような事情になってきた。ただ、いろいろ調査事項がたくさんございまして、やはりことしのうちに宿日直手当というものを、民間と合わせる調査を大々的にやるという間合いが、時期の関係もございましたし、なかったわけでございます。そこで、給与のアップ額その他のことを勘案しながら勧告を申し上げたという事情でございます。 そこで、連年になりますものですから、昨年の分が九月実施でございましたので、去年とことしの一年間の給与のアップ率等を参考にしながらいたします関係上、昨年の九月からことしの九月ということで、ちょうど一年間ということで間合いをとってやったわけでございます。
○大出委員 どうも人事院は、この件に関しては国会に勧告をお出しになるのに国会の意思をお認めにならないわけですな。 ちょっと読みますよ。「昭和四十九年一月二十二日受理、人事院勧告における宿日直手当の実施時期に関する請願(第一三九七号)」中身は「昨年の人事院勧告における宿日直手当(一回千円、土曜日千五百円)の増額は当然のことであり、」という書き出しがら始まりまして、「宿日直手当の勧告の実施時期を四月一日に改められたい。」こうなっている。委員長がお答えいただきましたように、満場一致でこの委員会はこれを採択した。皆さんもおいでになった。委員に席をお置きになった方々は、全員御賛成でございました。政党政派の別なく、超党派でございます。つまり国会は四月一日、こういうことでこの請願を採択しているわけでありますが、またまた九月というのは、どういうわけですか。
○茨木政府委員 その点は、たいへん申しわけないといいますか、この前のときにお答えしましたように、いろいろ内部連絡が悪かったわけでございますが、勧告をやります段階において、その後採択になっておるということは、全くどうも存じ上げなかったような次第でございまして、その点は、たいへんおわびを申し上げなければならないと思います。
○大出委員 内部連絡が悪かったことは、御答弁の理由にはならぬと私は思います。 そこで、これは四月にいたしますと、概算で金が六億円要るんです。これは総務長官、御記憶をいただきたいんですが、おおむね六億要る。それで、昨年の人事院の答弁がこれまたふるっている。何て答えているかといいますと、実績主義の手当ですというんですよ。だから、八月に勧告が出ましたから九月からやりますということにいたしました、実績主義だから、勧告は八月だから、したがって九月からやることにしたのです、こういう答弁です、簡単に言えば。 ことしは茨木さん、七月に勧告したんですよ。実績主義の手当だという人事院の答弁どおりいったって、ことしは七月に勧告したのだから、八月からやらなければおかしいじゃないですか、この去年の答弁どおりに言えば。そうでしょう。あなた方は、八月勧告だから九月からやりなさい、ことしは七月勧告なのに何で九月にやるんですか。一カ月抜くんですか。なぜこの際、こんなところでうろ抜きするんですか。実績主義といったって、四六時中宿直も日直も一年三百六十五日やっているんですよ。実績はすでにある。そうでしょう。 そこで、四月一日が満場一致で採択されている。これはひとつ、理事会に私、提案いたしておりますので、委員長もこの請願採択に御参画のお一人でございますから、しかるべく御処理をいただきたいのであります。これは委員長を含めてお願いをいたしておきたいと思います。 次に、インフレ手当と称するものが総理府、また人事院に、関係職員団体の側から提起をされてきて今日に至っております。そこできょうは、実は労働省にお出かけをいただこうと思ったわけでございますが、労働省の責任のある筋の方々からいろいろ御連絡がございまして、あえて実は御参加をいただかないことにいたしたのであります。その理由はどういうことかといいますと、仲裁裁定は明日十一時に三公五現に対して出されるわけであります。目下、案文はすでにできておりまして、公労委の金庫の中に入れてかぎがかかっている、金庫は明日の十一時にあく、とこういうことであります。そこで、それに触れられるとたいへんにお困りになるというのです。 ここで実は、植木総務長官にぜひひとつ聞いておいていただきたいのは、ここに一つ非常に大きな予盾がある。昨晩実は、これをたいへんおそくまでかかって詰めてみた。また先月二十六、二十七日に徹夜で実は詰めてみた。私もかつて公労協の代表幹事、総括代表をやっておりましたから、前官礼遇で参画もし、徹夜のおつき合いもしてみたわけであります。だから、いかなることが話し合われてここまで来たかということは、逐一知り抜いています。記録も全部ございます。金子美雄さんなる賃金の専門家が公益委員でおいでになりますが、彼がどう言ったかというところまでわかっております。労働省の道正労政局長が詰めの段階でどう言ったかということも、これも全部わかっておる。 ただ、ここで一つだけはっきりしておきたいのは、公労委の側は臨時手当に関しては人事院勧告に準ずる、こういう方式をとっている。各期の手当、これは人事院勧告に準ずる。だから、今回〇・一勧告がふえているから、向こうさんも〇・一はすでに団体交渉でふえている。公労委の手はかりなくて済んでいる。公労委側の原則が人事院勧告に準ずるということだからであります。 そこで今回、仲裁裁定を書くにあたって困っているのは、公労委がこの種のものを公労委に出されては困ると言う。人事院勧告に準ずるのに、その各期の手当について金をくれという仲裁申請ですから、すると仲裁委員会のほうは人事院勧告に準ずるわけですから身動きがとれない。しかし団交権は法的にあるわけですから、団交権のあるところに、片や人事院勧告に準ずるというワクがある、これは一体どういうことになるか。制度的なこれは明確な矛盾であります。 だから最初のときには、仲裁段階で公益委員の方々は、これは一ぺん差し戻そうじゃないか、私鉄と同じように差し戻すから労使双方で片づけてくれ、超過勤務か何かをくっつけて片づけてくれというわけです、早い話が。そうしたら、さて国鉄公社とか郵政省というのは超勤のつけようがない。なぜないか、郵政省の例をあげますと、年賀はがき等を扱いますから年末は繁忙でございまして、十二月という月のうちに何と三十九時間超過勤務をやるということになっている、やらなければ片づかないのだから。そのほかに自主交渉でといったら、いま時間単価、平均で一時間の超勤は七百円、一時間超勤をやると七百円、〇・二というものを超勤に直すと三十二時間かかる、〇・一で十六時間、三十九時間超勤がくっついている十二月に、また三十二時間くっつけたら寝るひまがなくなっちゃう。物理的に不可能だ。だからというので、これは成り立たないというところから出発をしまして、各期の手当をどうするか、非常にこれはむずかしい。そのワクはふやせないのだから、仲裁裁定はゼロ。ゼロ以外にない、ふやせば人事院に準ずることにならないのだから。 さてそこで、残るのは一体何が残る。そうすると、つまり仲裁委員会の委員長談話の形のようなもので仲裁裁定をゼロにした理由をくっつける。人事院勧告に準ずるということになっているんだから、ゼロよりしようがない、制度的にこれはちょっと問題があるというようなことをちらちらっと言って理由づけをして、裁定らしいものにするというわけです。そうすると、労働省にしても、たとえばここで私がその点を聞かれても、人事院勧告に準ずるのだから、それ以上のことは言えないということです。こういう実は大きな矛盾をかかえている。 ただし、こちら側は、公務員の側は違う、さっき申し上げたように。だから計算してくれと申し上げたんだけれども。五ケ月にわたってほうり投げられていた人事院勧告。たいへんな目減りがある。公労協の側は五月段階できまっちゃっている。全部もらっちゃっている。そうでしょう。公労協と国家公務員、地方公務員と一緒にされちゃたまったものじゃない。五ヶ月もぶん投げられていた、その分だけは、目減り分〇・一なり〇・一五なりというものはもらわにゃならぬ。そこへもってきて人事院は期末手当〇・一ふやすにあたって、〇・一八をまた〇・〇八切った。だから理屈を言うなら、〇・〇八だけでも黙って出してくれと言いたいわけです。五ケ月おくれたのだから人事院にも責任がなくはない、ここのところは、そういうことをやっているわけですから。 そこで、総務長官に承りたいのですが、つまり向こうがそういうことで非常に苦労をしていて仲裁が出ます。ゼロ仲裁が出ます。これはゼロにならざるを得ない理由がある。しかしゼロだからといって、一般公務員や地方公務員の側はという言い方はしてほしくない。制度的に理由があるのだ。そうでしょう。あとは団交権があるのだ。団交権でいかようなことになるかなんということは、せんさくの余地はない。 したがって、私がここで申し上げたいのは、つまりインフレ手当と称するものについて、どういうお考えを人事院が持っておられるのか、まず人事院からこれを承りたい。
○茨木政府委員 ことしの民間の大手筋でございますが、その状況を見てみますと、結局、最終的には〇・一くらい去年よりへっ込んでいる、少なくなっているというような姿が出てきておるようでございます。したがって、そういう情勢がございますものですから、それから大手で鉄鋼だとか私鉄あたりのきまり方を見ましても、やはりこちらの、これからおきめいただこうとしております〇・一が乗りました姿というものと、まあ遜色はない姿になっておるというようなこともございますので、まあ心情としましては、いろいろ問題があったということは、重々私どももわかっておりますけれども、ここにさらに期末手当をふやしていくということについては、やはり問題があるというふうに考えております。 それから、御案内のように、二けた目のところを見送ったわけでございますが、これは従来から、また特に来年度の姿がどんなふうになるかということを考えますと、ぎりぎりそこまで処理をいたしますと、減額という問題もどうも起こりかねない。たいへんデリケートな状況になっておるというようなこともございまして、ただいまのところ、直ちにインフレ手当という姿でどうこうするというところまでは申し上げかねるという状況でございます。
○大出委員 異なことをおっしゃるんですが、〇・一引っ込んだというんですが、引っ込んだ数字はどこの数字ですか。出してください。
○茨木政府委員 大出先生も御案内だと思いますけれども、毎年発表になります労働省の大手筋の数字でございます。
○大出委員 労働省は発表しましたか。
○茨木政府委員 まだ公式に発表はしていないのじゃないかと思います。
○大出委員 公式に何も発表していないものを、あなたは何で〇・一引っ込んだと言うんですか。非公式なものならここにありますよ。どこにも発表していないから、ぼくも言う気はないけれども。ここで言うてくれるなというんだから、マル秘だというんだから、まだ発表できないということだから。そうでしょう。決着がついていないところが幾つもあるのに、出せやしないじゃないですか。簡単にあなた公式に〇・一落ちたと言う。その資料はと言ったら、労働省が毎年発表するものだと言う。ふざけたことを言っちゃいけませんよ、あなた。発表できないものを、決着ついていないものを、何であなた簡単にこの委員会で、事もあろうに議事録に残るのに〇・一マイナスなんと言うんですか。ふざけたことを言っちゃいけませんよ。そんなものはないんだ。 ここにある七四秋闘の結果、これは公式なんだ。なぜ公式かというと、春闘共闘委員会、ここが全部とった、これだけある。一つ残らず中身全部、あらゆる職種にわたって書いてある。しかも、これは四団体の話し合いの場もありますから、同盟系統のところまでみなとってある。間違いありません。みんな協約を結んだのだから、これは協約なんだから。東洋レーヨンだの、帝人だの、旭化成だのというのは、みんな春闘共闘系の組合じゃない。ないけれども、全部一つ残らずとった。これが月数でわかるのは百九十二組合、毎年月数できめていない慣行になっている組合二百十四組合、これは金額で三二・二一%、労働省は三二・九と発表された。あとでこれは手直しをして三二だと言う。そうでしょう。これは全部こまかくございます。必要なら幾らでもリコピーをとって差し上げますよ。 私は、労働省の方と話し合った。昨年も実は労働省が、私どもよりも大出先生のほうが正確に早く御存じであった、ことしもそういうことでしょうけれどもと言っていた。かくてことしはまだ発表できません、とこう言う。だから、知っておられる先生のことだから、一応持ってはきたけれども、これは表へ出さぬでくれとおっしゃる。どこへも出していない、出せないのだから。その出せないものを人事院かってに出しちゃっちゃ困る、所管は労働省でございますから。 そこで、これだけたくさんの組合の月数、金額、両方をこまかく当たってまいりまして減っていない。これはまさに昨年並み。こまかい数字を申し上げてもけっこうです。昨年並みということになると、いいですか、年末が昨年並みということになると、夏は一体どうなっているんだということになる。夏についてはどうお考えでございますか。夏は公式に出ているでしょう。
○茨木政府委員 いま数字は手元に持っておりませんが、毎勤関係のあれで見ますと、夏は〇・一か二ふえているのじゃなかろうかというふうに思っております。
○大出委員 これまた労働省が出している資料でありますが、公式に発表していますから。これは茨木さん、さっきのなまのじゃないですよ、夏ですから。これは大企業の夏期一時金妥結状況、労働省がとっております。この労働省調査、これによりますと、四十九年の夏、これは三十年から載っておりますけれども、各業種別にふえているのが四七%ですよ、伸び率四七%、三百人以上のところをとっております。これを、いまお話に出た月数の方式に直しますと、プラス一・一〇六%になりますので〇・一七カ月。いま〇・一から二ぐらいとおっしゃいましたが、そういうことで公務員に引き直した場合に〇・一七カ月分ふえている。これに人事院の〇・〇八ぶった切ったのを入れるとちょうど〇・二五になる。いい数字ですよ、〇・二五というのは、夏のは。秋がプラスマイナス・ゼロならば、夏ふえたやつだけはプラスで残る。間違いない、人事院が旧来おっしゃっているとおりなんだから。それは茨木さんとしては、冬が〇・一か一五ぐらい引っ込めば、夏と合わせてちょうどプラスマイナス・ゼロだから出しませんと言いたいのだろうと思うんだけれども、そうはいかないですな。そうなると、茨木さんがおっしゃっている話は成り立たない。そこにプラスァルファがくっついて、くどいようだけれども、五カ月ずれたのはどうしてくれるのだという問題が出てくる。だから、茨木さんそうおっしゃったが、まだ発表もされてない労働省の資料を持ってきて〇・一マイナスなどと、これは困りますよ。そうじゃないんだから、ちゃんとここにあるんだからマル秘と書いて。だからこれは、まだ発表できない。 そこでもう一つだけ、労働省の話が出ましたから、きょう呼んでおりませんから承りたいんですが、実質賃金というのは、一体どういう傾向を持っておりますか。
○茨木政府委員 実質賃金は、結局物価で割り返した給与という御趣旨だろうと思いますが、私どもが考えるのに、勧告申し上げました数字そのものがまだ渡っていないものですから、いまの給与のままでいいますと、先ほど新聞で引用されました尾崎総長のことばになるわけで、渡りますとまた違った形になる。先般の、新聞に出ましたのも、あの中の数字をよく読んでみますと、どうも公務員に渡らない姿でぶち込んで平均したわけでございまして、その辺のところが、実質賃金ということになりますと、たいへんむずかしい問題があろうかと思っております。
○大出委員 時間がありませんからいいことにしましょう。 そこで、ここに労働省が昨日、私のところへお持ちになった実質賃金指数及び対前年同月増減率。四十七年、四十八年、四十九年、四十九年の十月までが出ております。三角じるしは減である、こう書いてある。計算方式もここに書いてある。御指摘のとおり、名目賃金指数を消費者物価指数で割ったものに百をかけている、こういう数字であります。 そこで、これは出どころは労働省の毎月勤労統計調査、全国調査の甲の調査、規模三十人以上。これで見ますと、一月、二月、三月、四月というのは全部マイナス、前年度同月に対比いたしまして全部マイナス。実質賃金は一月が四・一%マイナス、二月が五・九%マイナス、三月が五・五%マイナス、四月がまだ回復しないで〇・三%マイナス、これが五月の賃金台帳に、つまり春闘の賃上げが乗ってまいりまして、やっと五月に六・五プラスになり、六月に五・五プラスになり、七月に一〇・二プラスになる、手当も入ってまいりましたから。そして、これが物価上昇とだんだん相殺されていっている。不況の時間外手当の減もございましょうが、しかし、八月でプラスが四・二%に減り、九月で二・四に減り、ついに十月でなんと二十三年ぶりにまたマイナス二・九。十月がマイナス二・九なんです。十一月はマイナス四ぐらいになりはせぬか、まだ確定数字は出ていないけれども。そうでしょう。この年の瀬に来て、十一月に来てマイナス数字が出てくる、マイナス四なんていう。現在そういう状況なんですね。 そうすると、これは私、先ほど申し上げましたように、いろんな資料がございますけれども、総体的に見て五カ月間もおくれた公務員の特殊事情だけは、何としても救済しなければならないという気になる。 以上の展開をいたしました資料、申し上げました中身をしぼっていきますと、五カ月もぶんなぐられた公務員の方々の生活の実態を考えれば、そうしてインフレ手当などというものは、各期の手当にかかわるものであるだけに、本来公労委がやるべきものじゃない、これは人事院が主導型でものを考えるべきものなのです。ところが昨年は、人事院どういうふうにお考えか知らぬけれども、ふてくされたようなつらをしたと言ったら、おかしな話になるけれども動くことをなさらぬ。公労協の側は、何とか動いていって繰り上げ支給の措置ができた、そうでしょう。それで人事院のほうが切り離されないように申し入れをなさって、これに御努力をいただきまして、そして人事院も文書をあとからお出しになった、とこういう経緯。これは、ほんとういうと本末転倒なんです。 だから私はこの際、今度こそこの五カ月間のおくれに対しては、人事院の方々を含めて何としてもこれは何らかの、全体回復はできないとしても、さっき申し上げたように三百億からの金になりますので、それはできないとしても、できるだけのことはしなければ、国会にも出された勧告だから相済まない、そういう気持ちがあるから、私は冒頭にああいう言い方をして、約束をしたことだから出してくれと申し上げた。幾ら政務次官お人がかわっても、約束をして、私のところに来て相談をするとまでおっしゃって議事録に残っておるのに、それをお出しにならぬという手はなかろうということを申し上げたわけでありまして、どうかひとつ、昨日理事会でいろいろやりとりをしたわけでありますから、そこで、きょうはこれらの論点を皆さんに申し上げて、そうしてもう一ぺん各党御相談なさることになっておりますから、あらためてひとつ、理事会等で相談をしようということできょう開くことにしたわけであります。 防衛庁給与に触れませんでしたが、坂田さん、実は計算することはいとやすいんですけれども、たいへん多岐にわたりますのと、防衛庁の方々も使わなければなりませんし、そこらのことがあるので、一般職の方々のほうで議論をしていって、それがどういうことになるかによっては波及することは間違いないわけでありますから、そういうふうに割り切ろうということで、昨日もその辺のことは申し上げましたが、私どもの党の性格もありまして、あまりどうも立ち入りたくない気もございましたから、こちらだけの問題にいたしましたけれども、これは自衛官の方々だって俸給生活者でございます。だから、ここに法律が出てきておるわけでありますから、傘下の皆さんだってのどから手が出るほど五カ月間お待ちになったわけだし、これだけ五カ月も待ったのだから、何とか利息ぐらいくれやというのは、政府委員室の方がって言うんですから。労働省の方が私のところに来て先生、公労委の金庫に入っておる中身はどうなっておるのでしょうかと逆にお聞きになるんだから。幾らか何とかと思って、実は自分で統計当たっているのだけれども、すれすれなんだが、どうもこれはなんと思っているのですという話が出てくるんですから。だから、そこらをお考えいただいて、ぜひひとつこれは、できることはお互い国会で顔を合わせる皆さんと私どもの間でやらしていただきたい、こう思っております。 最後にひとつ総務長官から、私が申し上げた、こんなにずれた公務員の特殊性というものを、さつきの宿日直手当なんかも請願採択しておるのに、昨年と同じことをおやりになるという人事院のあり方も、私はいささかふに落ちぬところもございますから、そこら含めて総括的にこの窮状を何とかわれわれの責任において少しでもということで御見解いただきたいのであります。
○植木国務大臣 ただいま大出理事から非常に広範に、また該博なる知識をもっていろいろ御意見や御質問がございまして承りました。 いまインフレ手当の問題が出ておりましたが、これは公務員だけではありませんで、民間の勤労者、勤労者でない国民一般にもかかわる問題でございます。したがいまして、私どもとしては、国民の理解が得られるような配慮をしていかなければならないと思うのでございます。 いずれにいたしましても、今回、人事院勧告完全実施ということで法案を提出させていただきました。今後とも人事院勧告を最大限尊重していくというたてまえでまいりますことを御披露申し上げまして、御了承をお願いいたしたいと存じます。
○大出委員 いずれにしても、昨日の理事会でのお話し合いの結果、きょう開くことになったわけでありますから皆さんおいでになったわけですし、各党御検討いただいておくことになっておりますから、またひとつそちらのほうででも検討さしていただきますように、委員長にもお願いいたしまして終わらせていただきます。
○小宮山委員長代理 上原康助君。
○上原委員 私は、いま大出先輩のほうから、公務員給与については、いろいろ詳細にわたってお尋ねがありましたので、そのことは省きまして、ややもすると公務員賃金といいますか、公務員給与改定の陰に隠れて、なお深刻な問題となりつつある駐留軍労務者の給与改定というものが、あまり国会においても議論されない面もあるわけですから、これまで関係をしてきた立場もありますので……。 従来、駐留軍労働者の賃金改定についても、公務員給与と同時同率という一つの原則のもとに、今日まで年々ベア改定その他がなされてきているわけですが、今日、大量解雇の問題なりいろいろな面で、日米間の政府交渉も非常に難渋しているということを承っております。そういう立場で、あとの方の御質問の時間もありますので、できるだけ給与問題についてしぼってきょうはお尋ねをさしていただきたいと思いますので、ぜひ誠意ある御回答を前もってお願いしたいと思います。 そこで、議論を進めていく上で、一体最近の、これは本土、沖繩を含めてですが、駐留軍労務者の実際の数というのはどのくらいになっているのか、MLC、IHA、俗にいわれている基本労務契約あるいは諸機関労務協約に基づく在籍者数はどういう分布状況になっているのか、そういう点。さらに本年四月以降十月末日でもいいし、九月段階でもよろしいと思うのですが、解雇になった雇用員数というのは一体どのくらいおるのか、そういう面から御説明を賜わりたいと思います。
○松崎政府委員 お答えいたします。 駐留軍関係の労働者の数は、本年の四月、年度初めの数でございますが、本土で一万九千八百名、沖繩で一万四千五百名、合計三万四千三百名でございます。それからその後、人員整理の要求が出てきておりますが、九月末現在でその要求状況を整理いたしますと、七千百一名要求が出ております。
○上原委員 解雇になったのは、九月末現在で七千百一名ですか。
○松崎政府委員 いま申し上げました七千百一名と申しますのは、人員整理要求数でございまして、実際にそれが解雇月日が九月までに当たりましたものの実解雇者数は三千五百八十四名です。したがいまして、九月末の在籍者数は三万一千三百名になっております。
○上原委員 そこで、まだ相当数の雇用員が米軍基地で働いているということが言えるわけです。それを前提にお尋ねをしていきたいわけですが、四十八年度の実績で一体、この基地関係労務者に要する人件費というもの、いわゆる米側が支出をする人件費はどのくらいになっているのか。これは人件費といいましても、いろいろ社会保険費等含めてあると思うのですが、MLC、IHAに分けてどのくらいの人件費を米側は年間支出をしてきているのか、そこいらも明らかにしていただきたいと思います。
○松崎政府委員 四十八年度の関係を先に申し上げますが、基本労務契約に基づいて雇用されております従業員、その関係が八百三十一億円、それから船員契約に基づきますものが七億一千五百万円、それから諸機関労務協約に基づいて雇用されておりますものが百四十五億円でございます。合計いたしまして四十八年度一年間で約九百九十八億円、約一千億円でございます。
○上原委員 大体年間一千億。これは期末手当、そういったのを全部含めてですね。そのほかこれは退職手当の支給も含んでいるのですか。大体、四十八年度で退職手当はどのくらい支出されたのか、そこいらも明らかにしていただきたいと思います。 〔小宮山委員長代理退席、木野委員長代理着席〕
○松崎政府委員 いまおっしゃいましたように、退職手当とかボーナスとかそういったものを含んでおります。 それで、退職手当に払いました分と申しますのが、ちょっと手元にそこまでの内訳はつくっておりませんが、大体の私の記憶で申し上げますと、約二百億円程度ではないかと思っております。
○上原委員 大体、一千億円米側が年間いまの基地労務者に支出をしている。予算がかかる。そこで、冒頭申し上げましたように、公務員給与と同時同率の改定をやっていくという、ここ十数年来の方針といいますか、原則を踏まえてきているわけですね。もちろん、その過程においては若干の調整なり変更はあったにしても、原則、たてまえがそういうふうになってきていることは、これは御案内のとおりだと思うのです。 そこで、かりに今回、従来の給与改定方式で基地関係労務者の給与を改定するという場合に、米側が新たに負担をする費用というのは幾らぐらいになるのかということが一つですね。四十八年度で大体一千億円としますと、いまの基地関係労務者の給与は、公務員にないのもあるわけですから、それを含めて新たに米側が向こう一年間、三万一千三百名と仮定をして幾らぐらいに見積もられるのか。新たな原資として幾らぐらいプラスせねばいかないのかということと、トータルではどのくらいになるのかという二点あると思うのです。そこいらは政府としてはどういうふうに見積もっておられるのか、お答えをいただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 お答えいたします。 一応四十九年度は、先ほど申し上げました三万何がしかの人数が変わらぬという前提で積算いたしましたものでございますが、そういうもので、通常給与とか季節手当その他の関係で百八十億円程度増額が必要だと思います。それから退職手当、これが、いまの約七千人ぐらいという推定でやりまして、退職手当にはね返ります分、それが約七十五億円ぐらいになるかと思います。したがいまして、それを合計いたしますと、二百五十八億円程度、通常払いますベースとして増額を必要とする。それから実は、特に諸機関の関係は、仲立採算制をとっております関係上、退職手当引責当ての積み立てをいたしておりますが、そういったものも、いまの公務員に準じまして三〇%の給与改定をいたしますとはね返ります。そういったことを考えますと、それで概算三百億円ぐらい積み立て金をふやさなければいかぬ。 もう一回申し上げますと、現実に四十九年度に支払います経費が二百六十億円弱ふえる、それから引き当て積み立て金のほうが約三百億円積み増しをしなければいけない。合計いたしますと、約五百六十億円程度負担増になる。したがいまして、先ほど申し上げました一千億というものに見合いますのは二百六十億円でございますので、その分は二百六十億円増、そのほかに約三百億円の増、そういうことです。
○上原委員 この三百億円積み立てをしなければいかぬというのは諸機関なんですか。MLCも含んでのことですか。
○松崎政府委員 これは一応含んでの計算でございます。
○上原委員 そこで大体、米側がどのくらいの予算を要するかということは、大まかは明らかになったわけです。先ほども公務員給与の改定が、人勧が出てから五カ月余りも延ばされたということで、非常に問題になったわけですが、駐留軍の場合は、正直申し上げてもっとひどいわけです。一〇%のいわゆる繰り上げ支給といいますものも、きまったのはごく最近だったんじゃないかという感じを持つわけです。公務員の皆さんに支給がきまったのが、たしか六月三日に本委員会を通って国会を通過して六月四日、六月分から支給されたということになっておると思います。しかし軍関係労務者の場合は、何と十月の十一日にやっとこさきまったという事情があるわけですね。しかも、この一〇%の繰り上げ支給の問題にしても、賃金の全体の改定との関係もあるとは思うのですが、在籍者にしても十月十一日在籍者というふうに限定をされている。 また後ほど少し議論をしたいのですが、以前問題になりましたJREやOREのいわゆる全員解雇をして、パートにして、また本採用を最近やっている。これもきわめて悪らつな合理化の一種で、そういう人々にも不利益を現に与えてきておる。なぜ、こういう結果を招いておるのか。この一〇%の取り扱いについては一体、日米間でどのような交渉が進められてそういうふうに落ちついたのか、そこいらの政府の対米交渉の経緯と、これに対してとった処置についてお答えをいただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 お答えいたします。 いま御質問にありました、公務員に基本給の一〇%相当額の増額という措置が六月にとられたわけでございます。それで私どものほうも、駐留軍関係の従業員は公務員に準ずるというたてまえでございますので、直ちにアメリカ側にそういう提案をいたしまして、協定の改正協議に入ったわけでございます。 一応その内容を要約して申し上げますと、アメリカ側としましては、実はことしの給与改定について全体の見通しといいますか、そういうものがそのときにはまだないではないか、それでこれを、その部分払いの話であるから、その見通しも得てやりたいということを非常に強く申しまして、私どもは、それでは公務員の場合に準じなくなるので困るということで交渉いたしておりましたが、おくれました。その後、人事院のいわゆる包括的な本格的な全体の勧告が、先ほどから御質疑がありましたように七月に出ましたので、そのことに基づいてさらに交渉いたしましたところ、アメリカ側としては、いままでにない非常に大幅な引き上げであり、先ほど申し上げましたような大幅な負担増がある、それで、これが必ずしもことしだけの問題ではなくて、将来の問題といいますか、たとえば来年の賃金の改定というものが、いまの日本の経済事情からすれば必ずしも低率のものとは思われないというようなこととか、そういうようなことも含めまして、全体的に給与制度そのものの見直しをしたいという提案をしてきました。 それで、その内容は三つぐらいの範疇に分かれると思いますが、いわゆる公務員に準ずるといいながら、従業員の給与の項目の中には、公務員にない、いわばアメリカ側からいえば優遇してある項目がたくさんあります。そういったものについても、自動的に三割引き上げるということではなくて、何かスローダウンできないだろうかという問題。それから公務員にない職種がございます。たとえばバーのバーテンダーというような者、そういった者について公務員と全く同じ扱いでいいのかどうか、もう一ぺん再検討したいということ。それから退職手当、これも実は公務員の退職手当の計算方法よりも、いろいろな事情がございまして高くなっておりますが、この問題についても何とか再検討したいということを、たくさんの項目を書き上げてまいりまして提案をいたしてきました。 この話につきまして、私どもとしては、その理由を検討して、引き下げなければならない理由に相当疑義がございますので、そういう理由がはっきり私どもの納得できないもの、したがって、労働組合のほうとも話のできないもの、そういったものは受けつけるわけにまいりませんので、それは向こう側に再検討方を逆提案いたしましてやってまいりました。これは、たいへんゆうちょうなように聞こえるかもしれませんが、回数で申し上げますと、実際にそういう人事院の勧告が出ましたあとの八月から、先ほど先生のおっしゃった十月までの約三カ月でございますが、その間に、私どもの長官みずからの交渉も含めまして、対米交渉は約三十回――正確には三十一回ぐらいやっております。非常にひんぱんに、いろいろな段階でこちらの言い分を申し述べまして、アメリカ側の言い分のはっきりしないものをはっきりさせるということをやってまいりましたのですが、何ともその話がつきかねました。したがいまして、その話の決着つけるのを待っていますと、ますますその一〇%の話がおくれますので、これはもう理屈なしに、幾らその話がアメリカとつかないからといって、一〇%の前払いをおくらせるわけにいかないということで、切り離しまして、十月にようやくこの措置ができた、そういう事情でございます。
○上原委員 そういたしますと、一〇%の暫定支払いといいますか、前払いというのは、あくまでも暫定的な取り扱いとしてやった、その原資も米側が負担をしたのではなくて、実際の内容は政府の立てかえなんでしょう。一〇%の十月支給というものは、あくまで暫定的な取り扱いだというふうに理解をしていいわけですね。
○松崎政府委員 おっしゃるとおり暫定的なものでございます。しかし、アメリカ側と協定なしに日本政府が負担をするように制度がいまなっておりませんので、協約は一応つくってございますが、アメリカ側がこちらに償還をしてまいります実際の期日と申しますのは、十月よりもあとでございます。
○上原委員 これは、もちろん四月に遡及ですね。――十月十一日在籍者、これもあくまで暫定だという受けとめ方でいいわけですね。
○松崎政府委員 おっしゃる意味をこういうふうに理解すると、十月は暫定でございます。十月十一日、非常に半端な日でございますが、十月十一日在籍者ということでやったわけでございますが、私どもの基本的な態度は、公務員に準じますので、四月に在職していた人でその後かりに人員整理等で退職されたとしましても、四月以降に在職しておられたその従業員には、いまの三〇%の給与改定を行ないたいという態度は変わっておりません。
○上原委員 基本的な立場は、四月一日といいますか、四月に在籍をしておった従業員に対しても、従来どおり支給をする考え方だということですから、その点を踏まえて……。 そこで、一〇%の問題でさえ非常に交渉が長引いて、ほかの公務員の皆さんとは約四カ月以上のおくれをとった。これも目減りの話じゃありませんが、たいへんな損失なんですね、基地関係労務者の場合。きょうから給与関係法案も審議に入ったわけですが、おそらくいま、このインフレ、物価高のおりに、どうしても年内には公務員の皆さんには支給をしたいという各党の強い考えもあるわけです。しかし残念ながら、基地関係労務者の場合は、例年そうなんですが、年を越しているというのが実情なんです。おそらく今年も、相当長引くのじゃないかという感じを私は持っておるわけです。そうなりますと、公務員の皆さんもたいへんでしょうが、同時同率で改定をすべきである基地関係労務者の賃金というものが、実際に人事院勧告が出されてから半年も、あるいは民間関係からいうと、もう来年の春闘準備をそろそろなさっているわけですが、悪くすると一月ではなくて二月、三月にずれ込む危険性さえもあるんじゃないかという感じを持つわけです。ここらも後ほど、防衛庁長官からいろいろお考えも聞きたいわけですが、もう少し何とかしなければいけない問題だと思うのです。しかし事相手のあることで、政府が全然努力をしていないとは私は申し上げません、それなりに御苦労なさっていると思うのですが、一〇%の問題を見ても、もう今回の人勧で勧告されたベアその他を片づけるというのは、かなり骨の折れる状況にあるということだけは言えると思うのです。 そこで、先ほど給与制度の見直しを米側は提案をしてきている、中身については、あまりお触れになりませんでしたが。一体、全体の給与改定、これは私、何も沖繩だけのことを言っているのじゃありませんで、本土全体の基地労務者のことをいま申し上げているわけですが、全体の給与改定の交渉というのは、日米間でどう進められているのか、また、米側が提案をしているという内容は、具体的にはどういうものなのか、ぜひ明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 これは、あらためて申し上げるまでもなく、私どものところの施設庁長官が駐留軍関係従業員の雇用主になっております。したがいまして、施設庁長官の責任で対米交渉をいたしております。 それから、アメリカ側がこちらに提案してきております内容というものは、先ほど申し上げましたようなものでございまして、もう一回申し上げますと、公務員にない職種、特にバーのバーテンダーというような人たちの給与というものを、いままで公務員と同じようにやってきたわけでございますが、見直しをしたいというようなことが一つございます。それから、公務員の給与制度よりもいわば高率といいますか、よい点といいますか、そういうものについて、公務員の給与が上がる率と全く同じ率で上がるということでないようにできないかという提案がございます。 それから、先ほど一つ言い忘れましたが、契約主義をアメリカ側は非常に強く主張しておりまして、日本政府との協約が成立いたしました時点で在職していた人については、その契約に従ってそういう改定の費用をお支払いしたいが、その前にもうおられなくなった方については対象にしたくないというようなことを申しております。
○上原委員 松崎さん、盛んに公務員にないものを、あるいは公務員よりも基地労務者が給与面においてあたかも恩恵を受けているというような表現をなさるわけですが、しかし、そもそも公務員にないという手当にしましても、私のほうから具体的に申し上げますが、格差手当にしましても語学手当にしても、あるいは退職手当の算定基礎となる基準内賃金にしましても、もう釈迦に説法で申し上げる必要はないと思うのですが、基地労務者の置かれている不安定、雇用の不安定ということと、その職場事情からそういう手当というものが生まれてきたのであって、これは何もアメリカ側が恩恵的にやったものだとは思えないわけですね。そこいらはしかと押えていただかないと――語学手当にしましても、これは公務員の皆さんだって、もちろん外務省におつとめになる方は、英語にしても、そのほかのことばがわからなければいかぬという義務があるわけでしょう、資格の問題で。軍の職場で語学手当、英語手当というものは、どうしてもアメリカ人と職場を一緒にするという面で、ほかの職場環境とは違う面から語学手当というものが生まれてきたわけです、その淵源をたどると。それは決して恩恵ではないとわれわれは思うのです。 そこで、いまいろいろおっしゃってはおるのですが、具体的にアメリカ側が提案をしていることについては、まだ十分言っておられないわけですね。私のほうにも資料がありますから申し上げますが、一つはIHAの規定を改めるということでしょう。いわゆる諸機関労務者の規定を改めて「バー、食堂、小売、ホテル及び厚生関係等の職種については、別に分類して現地の給与調査に基づき給与改定を行う。」という提案をやっているわけですね。さらに、いまおっしゃったように二点目には「在籍従業員の格差給を固定し、新規採用者には支給をしない。」というようなもの、これは一体、米側は幾つ提案をしておるのか、ここではっきり説明してくださいよ。どういう内容のものか、いま一、二を申し上げましたがね。 これは、きわめて重要な、目減りどころの話じゃないのです。もし、いま米側が提案をしておるような――これは改定ではない。改定というのは、読んで御案内のように、よいほうに改めるのが改定であって、全くはなはだしい改悪の提案なんですね、私の知る限りにおいては。一体幾つの提案をやって、その内容について政府はどう考えておられて、米側にまた再提案もしたということでしたが、どういう再提案をなさって、話はどこいらまで話し合われて合意点があるのか、あるいは全然平行線で今日までやってきているのか。もうここいらまできますと、はっきり日米間の相違点ということと、あるいは米側の提案に対して、提案がどういう内容であって、わがほうはどういう案を持ってどういう話し合いをしているんだということを、ここではっきりしたお答えができないにしても、日米間の相違点と、どれだけ関係者、該当労務者に悪影響を与えるかということについての共通認識というものをやっておかないといかないのじゃないかという感じがしますので、具体的に米側が提案している内容についてぜひ明らかにしていただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 お答えします。 基本的に日米の相違点ということでございますので申し上げますが、私どもとしましては、一々それには歴史的な経緯が、たとえば公務員よりもいい給与という、かりにいろいろなものがございますけれども、そういったものについても、それにはそれぞれの歴史的な経緯があり、理論的な背景があるわけでございまして、これは、いまおっしゃったとおりでございますが、それを一々こういうことでこういう手当ができている、こういう計算方式になっている――たとえば退職手当で申しますと、公務員の場合には御案内のように、くどくは申しませんけれども、基本給だけが基礎額でございまして、基本給にその後の在職年数等、ある係数かけましてでき上がっておりますが、駐留軍従業員の場合には、まずそういう公務員の方式のほかに、一カ月分まるまる足すとかあるいはいまおっしゃいました語学手当その他のものを基礎額に算入するとか、そういったことで、たとえば勤続二十五年ぐらいの公務員と同じような勤続年数の駐留軍従業員と比べますと、その差額は数カ月分駐留軍従業員がいいわけでございます。それにはそれだけの、いまおっしゃった身分が公務員に比べて不安定なわけでございますから、そういうものができている。 それからいまの、平たく申しますと四月にさかのぼって遡及はしたくないということにつきましても、私どもは公務員の給与に準じてやろうという場合、人事院の勧告の前の調査というものを非常に尊重しておりまして、その調査時点が、ここで申し上げるまでもなく四月時点でございます。したがいまして、四月時点で官民較差がこれだけある、それでこれだけ公務員を引き上げるということでございますから、その調査時点が四月であるから、それが契約主義で契約の時点が十一月になったり十二月になったりしましても、その契約の内容としては当然、四月時点以降に在職していた人は対象にすべきである。そうでないとその理論は成り立たないわけです。 それから、いまのバーテンダーとかそういう諸君の給与にしましても、これはやはり長い歴史がございまして、約十年前でございますが、それまでいろいろ各県といいますか各地方地方で職種別賃金等で定まっていたようでございますが、そういったものではなくて、やはり全国統一した体系に直すべきであるということで、日米間で協議を二年もかかってやりましてでき上がったものでございます。確かにバーテンダーとかそういう人たちは、公務員にない職種でございます。しかしそれも、そういうことで全体に当てはめてでき上がっておりますので、それをいま急に非常に巨額の金が要る、将来にわたってたいへんな負担になる、アメリカ側の事情はわからぬではございませんが、ただ、それだけの理由でこれを変えるということは、なかなか納得しがたいということで全くの平行線でございます。 それでこれは、実は若干感情的にもなってきておりまして、私は担当部長でございますので、向こうの参謀次長とやっておりますが、とうとう先週は、俗なことばでいえばけんかになってしまいまして、それでもう別れたというようなことでございます。しかしこれは、一応雇用主の責任がございますので、ただ対米交渉不調であるというだけでおくれることが非常に困るということは、長官も非常に憂慮しているわけでございます。したがいまして、私どもの交渉あるいは私どもの部下の交渉だけでございませんで、長官みずからの交渉というものもやっておるわけでございます。 いまのところ、何とか申し上げられるのは、公務員の給与改定が近々のうちにできると思いますので、従来は公務員の給与法が成立いたしましたあと約一月半ぐらいが実績のようでございますが、その実績におくれないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
○上原委員 米側の改定案というか米側案、いわゆる提案がありますね、それは具体的にもう提案されているわけですか。その内容はここで明らかにできないのですか。いきさつは大体わかりますが、幾つの項目を提案してきているのか。そしてその中で特に問題になっていると思われるのはどういうものなのかも、ぜひ詳細にしておいていただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 これは実は、日米間の協議でございますので、その交渉内容につきまして、細部にわたって申し上げることができないのはたいへん遺憾でございます。したがいまして、いまその要点、日米の対立点ということを主にして申し上げた次第でございます。
○上原委員 皆さんがどういう交渉をやっているかという詳細についてまで、言えないことまでここでお答えなさいとは私は言っていませんよ。先ほどのお答えの中でも、制度についての見直しが提案されている、それに対してわがほう、政府のほうもある提案をして話し合いを進めているということでしょう。私がお尋ねをしているのは、米側が具体的にどういう提案をしてきているのか。もうすでに、全駐労やあるいは全軍労その他関係者から聞いても、七項目とか八項目にわたる米側提案というものが出ている。内容はきわめて重要な問題があるわけです。 後ほど数字をあげて申し上げますが、実際に十五年勤務者あるいは二十年勤務者の場合に、もしも米側提案のように押し切られた、あるいは日米間で合意をせざるを得なかったという最悪事態になった場合に、これはもう目減りどころの話じゃなくて、一体何のために十五年も二十年もあるいはそれ以上働いてきたかという、基地労務者にとっては、退職手当の改定問題とかそういう面から数字をあげて申し上げますと、ほんとうに死活の問題なんですね。しかも最初に申し上げましたように、人件費といってもわずか一千億かそこいらのものです。 これは最後に申し上げたいのですが、これだけの予算しかかからないというものを、なぜこんなに難渋しなければいけないのか、アメリカ側が首を縦に振らないのか、一体その裏には何かあるのか、そこいらもある程度明らかにしていただかないと基地労務者は浮かばれませんよ。ですから、米側がどういう提案をして、最もネックになっているのはどういうものなのか、明らかにできる部分は明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 アメリカが私どもに言ってまいっております提案の数といいますものは、申し上げますと八つございます。最も対立と申しますか、対立の非常に激しいものと申しますと、いまの退職手当の問題、それから遡及の問題等であろうかと思います。
○上原委員 それじゃ、あなたのほうから、その米側提案がどういうものであるということを言うのは差し控えたいというお気持ちがあるかもしれませんので、私のほうからこういうものでしょうと言いますからね。その内容についてお尋ねしますから、ひとつ答えてください。 二項目か三項目までは先ほど言いましたね。「夏季手当、年末手当及び年度末手当の計算から語学手当を削除する。退職手当の計算基礎から語学手当及び調整手当固定額を削除する。」これが第三項ですね。四項は「全等級の最高号俸を除く上位六号俸の定期昇給算定期間は一八月とする。」いま十二カ月でしょう。これも引き延ばそうという。「最高号俸及び全枠外号俸は、定期昇給算定期間を二四月とする。」現在十八カ月。「枠外五号俸に到達後の定期昇給は行わない。」五項「給与改定のそ及対象者は、調印日の在籍者に限定する。」いまおっしゃったように、遡及はやらぬ、これが問題になっているのがわかる。六項「国家公務員又は民間に認められていない給与項目は、他の給与の計算基礎から除外する。」七項「退職手当の規定を次のように改める。(a)退職手当を現在の時点で固定する。」これは、どういう意味かちょっと内容を聞きたいのです。「(b)計算式から一ケ月の給与」加算を削除する。(c)固定後は年毎に算定し、かつその額も固定する。(d)人員整理又は辞職等の支給百分率については、雇用の最後の年のみに用いる。」第八項「この退職手当は、従業員又は使用者の選択により支払う。」これだけ悪い案を提案されているということを、なぜ公にできないのですか。 これは間違いないですね。こういう提案を、米側から公式か非公式かわかりませんが、給与改定交渉を通してお出しになっているということはお認めになりますね。
○松崎政府委員 私どもは、そういうものを消したいといま考えておりますが、大体そのようなものであります。
○上原委員 大体そのようなものということでは、これはいけませんよ。消したいという決意はわかるのですが、しかし、そう簡単なものでなくなっているわけでしょう。大体そういうものだ――大体じゃない、これは、はっきりしているんですよ。 そこで、お尋ねしたいことは、まず「給与改定のそ及対象者は、調印日の在籍者に限定する。」これは何も今回出されたものでなくして、昨年も相当問題になった点なんですよね。一昨年あたりからぼつぼつそういうものが頭をもたげてきたのは、私もお話を伺っていないわけじゃありません。しかし、最初にも申し上げましたように、公務員と同時同率という一つの原則を踏まえて今日まで駐留軍関係労務者の賃金改定がなされてきたということと、いま一つは、たとえば公務員の場合には、その年度半ばでどんどん人員整理を政府側が一方的にやるということはないですよね。めったにない。それが御承知のように、四月から九月までの人員整理にしてもすでに三千余り出ている。そういう不安定な状況下での雇用関係にあるからこそ、賃金改定においては、なおこの種の問題については労使間の重要な交渉事項になってきたであろうし、それだけにまた日米間では困難な交渉事項になったと思うのです。したがって、その経緯と歴史、淵源については十分踏まえなければいかぬと思うのです。 そこで、米側はなぜそんなに従来の方針を変えようとしているのかということ。いま一つ、ぜひここで明らかにしておいていただきたいことは、退職手当の規定を改めるということ、退職手当を現在の時点で固定化をする、一体これは具体的にはどういう内容を言おうとしているのですか。たとえば二十年つとめた、十五年でもいい、十五年つとめて、今年何月か、四月一日とかりにしましょう、四月一日と仮定をして、米側はどういう時点でどのように固定をしようとしているのか、これまでの話し合いがあると思うので、米側の考え方について明らかにしていただきたいと思うのです。
○松崎政府委員 いままでの交渉内容に若干入りますが、いま御質問がありました退職手当のたとえば凍結というような表現になるかと思いますが、そういう問題については、私どもは論外であるというふうに思っております。したがいまして、内容にわたってこれはどういう意味だとかなんとかというようなことは質問もしておりません。これは、いま人員整理が相当出ている、大量に人員整理が進行しているという中で、いまやめていく、離職するということが非常にたいへんなことであるということの上に、退職手当まで下がる、そういうようなことは、とてもこれは実行できない話でございますから、これは初めから全然だめだ、こういう話は日本政府としては受け取りかねるという一点ばりでございまして、これは、どういう意味だというようなことも聞いておりません。
○上原委員 じゃ、退職手当に限らず、いま私が申し上げた八項目、このほかにもありますか。少し質問を変えますが、ほかにも米側の提案は何かあるのですか。いま申し上げた八項目以外にも、何か改めたいとかあるいは提案があるのですか。
○松崎政府委員 あると思います。あると思いますというのは、非常に不正確で恐縮でございますが、全貌はまだはっきりいたしておりません。ただ、いままででわかっておりますものを申し上げますと、たとえば住居手当の増額とか、それからこれは今回の人事院の一般の勧告ではございませんが、別の勧告でことしの春出ております看護婦関係の給与の増額措置についての反対とか、そういったものがございます。
○上原委員 それはアメリカのいつもの手なんですよ。公務員にないものは落とすと言っている。公務員が今度よくなったほうはやりません、そんな筋の通らぬ話がありますか。そこまでは言いませんが、一方において家族手当の上がったものについては、これはできません、看護婦さんについても確かに給与が上積みをされたが、そういうものは押え、できません。ここにもはっきり書いてあるように「国家公務員又は民間に認められていない給与項目は、他の給与の計算基礎から除外する。」こういう論理、つじつまの合わないことは、やはりさせてはいけませんよね。 そこで、そのほかにもあるということでいま一、二点あげたのですが、そういたしますと、中身については政府は交渉の過程で具体的にお尋ねをしていない、詰めることはやっていないということですか。米側の出された八項目の提案について、全く白紙の立場で、これは政府の立場では無視だとは言えないと思うのですが、しかし白紙だという立場で給与改定交渉を、いわゆる人勧に基づいた給与改定をやるための交渉を現在やっておられる、それから一歩も引かない、それが政府の考え方であり姿勢であり、これからもそのことを続けていかれるというふうに理解をしていいですね。そうであればできるだけ協力もしてあげたいと思うのですが、どうですか。
○松崎政府委員 表現は違いますが、基本的な気持ちとしましてはそのようでございまして、理由のないものは受け取りかねるということでございます。
○上原委員 もう一度念を押しておきたいと思うのですが、非常にむずかしいといいますか、アメリカ側もなかなか出すほうは渋く、取るほうは歓迎というような立場をとりますのでね。しかし私は、地位協定にもありますように、いわゆるその国の、地域の労働慣行とかそういうものを尊重するという立場をとってきた以上は、ここで人件費が年々上昇していくからというような短絡な、単純な理由でこの種の問題の基本をくずしてはならないと思うのです。これは防衛庁長官もぜひお聞きになっておいていただきたいと思うのですが、いま表現は違うけれども、白紙じゃないのだが、従来の制度、慣行の基本はくずさない立場で交渉なさる、その姿勢はいいわけですが、そのとおりにいけばけっこうだと思うのですが、たいへん骨の折れることだと思う。 そこで、重ねて念を押しておきたいのですが、退職手当のこの私が先ほどあげました改悪内容、改定内容というものについては政府は同意できない、また従来のように、解雇をされた方々に対する賃金遡及の問題に対しても、従前どおりにやっていくということで、賃金の問題というのは最終的に結論を出すよう交渉をやっていく、その姿勢というのはこれまでも変わらなかったし、これからも変わるという考えは持っておられない、その点だけはきっぱりここで確認できるわけですね。
○松崎政府委員 いまおっしゃいました二点、遡及の問題と退職手当の問題、そういう問題につきましては、私どもの長官以下うちの給与課の係長まで全然変わっておりません。ただ、ほかの問題につきましては、理由がいろいろあると思いますが、その理由がないものは受け取れないということで、理由の理論的な話し合いというものを続けるつもりでございます。 それから、アメリカ側の態度と申しますものは、同盟国でございまして、協約の締結国でございますので、基本的な態度として、いまおっしゃいます現地の慣行と申しますか、日本の慣行を尊重しないとは言っておりません。したがいまして、私どもこれから微力ではございますが、いろいろできる限りの努力をいたしまして、それがなぜ日本で受け入れられないか、日本で受け入れられるとすれば、こういう形でなければ受け入れられないということの説明なり協議なりは十分やるつもりでございます。
○上原委員 その決意のほどはわかりましたが、まだ私のほうも立場がありますので、この二点だけ通せばあとはいいという質問じゃないんですよ。特に、この二点が問題になっているやにお答えがありましたので、そのことを申し上げているのであって、ここにあげておる八項目については一歩も譲れない、そのことは念を押しておきたいと思います。この二つが何とか片づけば、あとは納得するだろうというような質問でないということも強く申し添えておきたいと思うのです。 そこで、いま中身についてはあまり触れてきていないということでしたが、また米側もそんなに深くは交渉の中で言ってきていないというふうに受けとめているようですが、私はそうじゃないのじゃないかという気がします。そこで、かりに米側が出している案を受け入れたという場合に、どういう影響を該当者に与えるかということをお考えになったことがあるのか。 その前に、いまの駐留軍労務者の平均賃金は幾らですか。
○松崎政府委員 二つ御質問がございます。あとのほうを先にお答え申し上げますが、平均賃金は現在まだ改定前の形でございます。基本労務契約関係で約十三万円程度でございます。 それから、先の御質問のどういう影響が生ずるかということについては、私どもなりに十分精査いたしております。
○上原委員 大体十三万円。これはMLCですね。
○松崎政府委員 はい、そうでございます。
○上原委員 そこで、私もちょっと組合関係の資料なども調べてみたのですが、これは米側の出している案がいかに人件費を切り詰めようとしているか、あまりにも理屈が合わない、安上がりの方針をとろうとしている一つの典型的な例になると思うのですが、一応、本土の場合も資料が出ておりますが、沖繩の場合にかりに、十五年勤務者で六月三十日に解雇になった人は、いま米側が出している退職手当などの改定、改悪の面で考えた場合に損失額が実に九十四万五千六百七十六円、これはもちろん、改定の賃金の分も入っていると思うのですが、この人はこれだけの損失をこうむるんですね。九月三十日に解雇された場合はどうなるかというと、百七万七千百九円。十月三十日に解雇された人は、同じく十五年勤務でどれだけの損失になるかというと、百十二万一千六十一円。おそらく数字のとり方で若干の食い違いはあるかもしれませんが、この数字は当たらずといえども遠からずなんですね。 これは与党の皆さんも聞いていただきたいのですが、これだけの改悪をいまアメリカはやろうとしているわけです、退職手当、賃金、私が先ほど言ったような内容からすると。もし、これを日米間で合意をしたという場合は、もう目減りどころの話じゃない。いま基地労務者というのは、御案内のように退職手当だけが目当てなんですよ。公務員の皆さんの場合は年金もある。身分も保証されている。実際にこのインフレ下の状況でしかも首を切られていく、先はもう短い、平均年齢にしたって四十五、六歳あるいは五十歳前後でしょう、そういう労働者が百万近い、あるいは百十二万、百十四、五万くらいの損失になるということになりますと、これは生活の基礎そのものがくずれる結果になるわけですよ。だから、駐留軍労務者の場合は、今度の賃金改定に対しては異常なほどの関心を持つと同時に、深刻な受けとめ方をしているんですよ。 したがって、先ほどの基本姿勢、そういう方向でやるということは、それだけ重大な影響を与えるということを一応は試算もしているということですから、おわかりで決意も相当のものだと思うのですが、実際に数字をあげてみると、こんなにまで影響があるわけですね。二十年の人になると百四、五十万以上、あるいは最高の勤務者については二百万円前後の損失というものが出てくるわけです。これは一応平均をとったようですが、全駐労のほうはこれより額は上回る。百三十万前後になっているでしょう。平均を、本土と沖繩をとって比較した場合、勤務年数が長い、賃金ベースにおいても若干高い。したがって、こういう内容でもし、いま私が言ったような米側の改悪案というものが押し切られた場合には、いかに該当者に対して重大な損失になり、生活そのものの基礎がくずれていくか。その点はしかと御理解いただいてやっていただかないと、たいへんな問題だと思うのです。 これについて、相当数字を使って調査をしてはじき出した数字のようですので、当たらずといえども遠からない内容だと思うのですが、大体皆さんもそういうふうに受けとめておられるのか。これだけ深刻な問題なんです。だれだって、皆さんだって自分の退職手当なり給与の改悪によって百万も二百万も損失をするとなると、これはもう個人の問題じゃない。家族を含めての生活設計そのもの、公務員一人一人、だれだってそういうようなことに対しては異常な受けとめ方をするし、もう死活問題だということは、人情としてもわかると思うのです。 そこで、この内容について、大体私はそんなに間違った数字じゃないし、あるいは場合によってはそれ以上かもしれないと思うのですが、どうお考えなのか、見解を賜わっておきたいと思います。
○松崎政府委員 お答えします。 いま一人一人の試算は実はしておりません。総額でやっておりますが、これは相当な――相当というようなことより非常にたいへんなことでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、退職手当の凍結とかそういったたぐいの話は、これは、てんからどうも受けつけられない。と申しますのは、実は去年、ことしにかけまして昭和四十年代で最大の人員整理が進行中でございます。こういう時期に人員整理そのものをやっていくことについても、ここに御出席いただいております総務長官を会長にします全関係省庁の離職者対策協議会というものもことしの春やりまして、関係省庁の御努力を願い、防衛施設庁としましては、もちろん元雇用主としましてのことをいろいろやっているわけでございますが、それをやっていくだけでも非常にたいへんなんでございます。それはまあしかし、基地の整理統合だとかいろいろ米軍の再編成とかいうようなことの態勢のもとでございますので、人員整理そのものは、事前通告等があればある程度やむを得ないというようなことでやっておりますが、さらに、それの退職手当を下げるというような話になりますと、これはもう全然問題にならない。これは日本だけでないと思いますが、ちょっと考えられない話でございますので、それは提案はあったけれども、こんな提案はなかったことにしろ、したがって、私どもここで申し上げているのが幾つだ、中身は何だとおっしゃいますけれども、最終的にはそういう提案はなかったことにしたいと実は思っているわけでございます。細部の話にわたるまでもなく、そういう話はとてももういけない、したがいまして、遡及の話と退職手当の改悪の話というのはいけないということを、繰り返し繰り返し――幾ら英語がかりにへたでありましても、向こうが日本語がわかりませんでも、もう三十四回ぐらい同じ話をやっているわけですから、いいかげんわかっているわけです。したがいまして、その話はアメリカ側がだんだん言わなくなると思っておりますが、まあしかし、ほかにもいろいろございますので、そういったものについて、ある程度向こう側の提案が変更なり何なりこちらが理論的に納得し得るものにならない限りはのめないということでやっておるわけでございます。 この問題は、いろいろ労働関係をやっておりますので、たくさん問題はかかえておりますが、ただいまのところ、施設庁としましては最大の問題だと思いまして、新大臣がお見えになりましたときにも、これだけはひとつ先に御理解をいただきたいということで業務説明をいたしているわけでございまして、まあ私どもの気持ちはおわかりいただきたいと思います。
○上原委員 そこで、ほかの点であと一、二点質問いたしますので前に進みます。 きょうは最初からお金の話で新しい防衛庁長官に質問するのもどうかと思うのですが、しかしこれも、確かに雇用主は施設庁長官であっても、施設庁長官の任命権者は防衛庁長官ですから、最高責任は防衛庁長官にあるわけです。従来私は、たびたび指摘をしてまいりましたが、基地のいわゆる施設、区域の問題とか日米間の軍事問題になると、トップレベルの交渉というのが非常にひんぱんに行なわれておる。だがどうも、その基地で働いてきた労務者――いろいろな面で、ある意味じゃ協力者なんですね。いろいろ問題はあるにしても、生計をそこで立てざるを得なかった、そういう人々のことに対しては、常に二次的に考えられてきた。あと回しにされてきている。もっと人間を大事にしなさいというのが私のかねがね申し上げている点なんです。いま、これだけ賃金改定をめぐってのやりとりを見ても、どれだけ深刻な問題であるかということは、長官御自身もお気づきになったと思うのです。もちろん施設庁長官なり労務部長が御熱心になってやっていただくでしょうが、ここまでくると、アメリカ側の基本的な考え方、予算の問題等にからむので――きょうは時間の都合で外務省は呼べませんでしたが、地位協定の二十四条一項を見たって、こういう問題については、アメリカは出すべきものは出さなければいかぬ。出し惜しみをして年間わずか一千億から一千三百億。改定されるたびにだんだん、鉛筆々削るみたいに基地労務者は減っていっている。 そういう状況下で、わが国の労働慣行なりにあるべきはずがないような問題を持ち出してきて値切ろうとしていることに対しては、ひとつ長官のほうからも、き然たる態度でやっていただかなければ解決しない問題だと思うのですが、これも施設庁だけにまかすのか、あるいは長官御自身でやっていかれようとするのか、決意のほどをお伺いしておきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 ただいま松崎部長からお答えを申し上げましたとおり、この問題につきましては、深刻に受けとめておるわけでございまして、一歩も引かないつもりで私みずからもがんばりたいと思います。御協力を賜わることをお願い申し上げる次第でございます。
○上原委員 ひとつぜひ、一歩も引かない立場でやっていただきたいのですが、問題は相手があります。これは早めに答えを出さなければいけない問題で、もしまとまらない場合はどうするかという話は、またあとでいろいろできると思いますので、早くやっていただきたいと思います。 そこで、これとの関係において、新しく防衛庁長官になられたわけですが、いずれまた、いろいろなことでお尋ねもしたいし、御見解もお聞かせいただきたいのですが、例年一月二十日ないし三十日ごろ、一月一ぱいには日米安保協議委員会というのが持たれているわけですが、それを来年、五十年も持つ用意があるのかということが一つ。あるとするなら、私は前にも労務部長なり施設庁長官に、お話の中で申し上げたことがあるのですが、労働問題だけに限っても、やはりもう少し太平洋軍司令部に行くとかペンタゴンに行くとか、施設庁はもっと熱心になれという提案をしたことがあるのです、非公式で。 そこでもし、そういう日米安保協が持たれるということであるならば、軍事面だけを話し合わずに、最近のこのアメリカのやり方に対しては、労務者の問題に対しても、やはり柱の一つとして、具体的にわがほうの政府側の見解というものをまとめて提供して、この労働者の置かれている立場なり今後の見通しなりについても、賃金問題、わが国の労働慣行について、あるいは公務員の給与体系についてもやるべきだと思うのですが、この安保協を持つのか。また持った場合は、いま一歩も引かない決意でやると言うけれども、そこまで持ち込んでいかなければいけない問題かもしれませんよ、これは。その点についてお考えがあれば、聞かしておいていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 従来、どういうようなしきたりになっておるか存じませんけれども、聞き及びますところによりますと、毎年一月中ごろ協議が行なわれておるということを承知しておるわけでございます。そういう際に、やはりこういう問題を考えなければならないのじゃないかというふうにいま思っておる次第でございます。
○上原委員 安保協はあるわけですね。
○坂田国務大臣 従来はそういうことでございましたが、開くか開かないかということについては、ことしまだここでお答えできないのでございます。
○上原委員 ある場合はこの問題も話し合うということは言えますね。これは大臣からお答えいただきたい。
○坂田国務大臣 基地問題といたしまして、駐留軍労務者の問題は、やはり大事な問題でございますから、そういうときにお話を申し上げるということは、やはり大事なことだと考えております。
○上原委員 そこで、先ほどもお話があったのですが、有言実行でないといけませんから、不言実行とは言いませんが、言ったことはぜひ守っていただいて、やったかどうかで、またしばらくおつき合いをすると思いますので、この問題を真剣に取り上げていただく決意だと思いますので、この給与改定については、公務員の皆さんは年内にきまりますが、最初にも申し上げましたように、相当尾を引くと思いますから、ぜひひとつ十分な姿勢で、早目に駐留軍労務者の方々に対しても、まあ年内とは言えないと思うのですが、少なくとも一月中旬ないし一月一ぱい、長くても一月一ぱいには支給できる処置をとっていただく、そういうお考えであるということでいいですね。
○松崎政府委員 できるだけ早く詰めます。そして支給の時期は、詰めましたあとの事務手続がございますが、できるだけ早く支給するようにいたします。
○上原委員 ぜひ、そうしていただきたいと思います。 そこで、給与と若干関係しますので、時間も約束の時間はあとしばらくですから、法務省に一、二点だけお尋ねをしておきたいのです。 これは給与改定ともいろいろ関連をするのですが、法務省関係の沖繩の各機関に対して、復帰時点で法務省の大臣官房人事課長から通達が出されているわけですね。さらに四十八年の二月段階においても出されていると思うのです。 内容については、時間がありませんからこまごま触れませんが、ほかの省庁は、こういう本省の人事示達は出していないですね、私が調べた限りにおいては。なぜ、法務省だけがこういう官房の人事課長の示達を出して、定員補充の問題なり、あるいは昇給昇格、一切の人事について本省の了解を得てやれということをやっているのか。これを見ますと、人事管理の適正を期するためということをうたっているようですが、むしろ、人事管理の適正にはならずして、現場段階ではいろいろな困難さえ起きているような節もあるわけです。電話でもちょっと人事課長の御見解は賜わりましたが、この意図するものを一体皆さんとしてはどう考えておるのか。ほかの都道府県にはこういうものはない。また総合事務局にしても、ほかの通産省なり農林省なり開発庁なりは、そういう示達は出していない。なぜ、法務省だけがすべて人事の問題について、人事の措置については本省の人事課長の裁定を仰げという示達を出しているのか、きわめて問題だと思うのです。これについてどうお考えなのか、今後どうなさるおつもりなのか、御見解を聞かしておいていただきたいと思います。
○香川政府委員 お尋ねの通達は、二点あるわけでございます。一つは、欠員が生じました場合の補充について本省に内示するということ、もう一つは、復帰後初めて昇格させる場合に本省に内示されたい、その二つでございます。 前者は、沖繩県に法務省の出先機関がたくさんございますが、他の省庁と異なりまして、きわめて厳格な、あるいは複雑な法令によって行政事務が運用されておる、そういうふうなことから、復帰直後なお今日でも事情はさして変わらぬと思いますけれども、本土との行政事務の取り扱いにいろいろ問題がございまして、できるだけ早く本土と同じ行政事務の取り扱いがされるようにというふうなことで、人事の交流をいろいろ考えておるわけでございます。これは本土から習熟した者を向こうへ転勤させまして、あるいはまた沖繩県の職員をこちらへ転勤さして習熟させるというふうなことをやっておりますので、さような関係から、いろいろ人事交流の面で、欠員ができた場合に直ちに現地で補充いたしますと、たとえば沖繩県からこちらに来ている職員が向こうへ帰りたいというふうなときに、欠員がなければ帰れませんので、非常に不都合なことが生ずるというふうなことがさしあたりの理由でございます。 なお、御承知のとおり、総定員法のワク外になっておりまして、暫定的な定員法のもとでやっておるわけでございまして、本土と比較いたしまして、定員に相当アンバラがある、また、出先機関相互間でもアンバランスがあるようでございます。やがてこれらが是正され、総定員法のワク内に取り込まれるときに、全く自由にその欠員補充をするような運用をいたしておりますと、そのときに非常な支障になるというふうなことも基本的にはあるかと思います。それで欠員の補充について、一応本省に内示してもらいたい、しかしこれは、内示がありました場合に、それを抑制するというふうな運用は一切いたしておりません。 それから、第二の昇格の場合の内示でございますが、これは各省庁とも同じと思いますけれども、復帰の日以後に昇格させる場合の給与の点が、これは法令自身が非常に複雑でございまして、復帰直後、昇格については内示制をとっていなかったのでありますが、実際洗ってみますと、非常に間違いが多くて、給与の面で職員が損をしておるというふうなことがございましたので、その面で四十八年に、昇格の場合には内示して間違いのないような給与の手当てをするというふうなことにいたしたわけでございます。 したがいまして、この第二の点は、昇格の場合の格づけ、給与その他の事務に習熟いたしてまいりますれば、これは直ちにやめていくことになるわけですが、遺憾ながら現在でも、なお十分習熟しているとは考えられませんので、当分内示制を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。
○上原委員 理屈を並べるとそういうことかもしれません。それと復帰時点における人事措置の点で確かにいろいろ制度面の違いがあって、それがなじむまで、あるいはまた給与の調整があったということは認めます。しかし、これにも当分の間と書いてある、それが三年目に入っているんですね。たしか、ほかの都道府県の場合は、五等級以下の職員については、人事措置はその出先の局長なり部長なり責任者ができると思うのです。それが一般的だと思う。しかし、すべての人事の措置について、補充についても、昇格についても、昇給についても本庁の裁定を仰げということになると、千六百キロ以上も離れたところで、そう簡単なものではないのです、あなたがおっしゃるようには。当分の、復帰の時点のどさくさの間ならわかりますよ。実際調べてみますと、そういうことでないのです。これは、法務省関係は確かに人員も多い。同時に欠員の補充なども、現に皆さんの資料でも欠員百八名いるでしょう。定員法のワク外といったって、かえって事務量は法務省関係はいま多くなっているんですよ、きょうこまかいところまで議論できませんが。 したがって、あなたがおっしゃるように給与の計算、これは、そんなのんきなものじゃないですよ。間違っておればあとで直しなさいという指示をやればいいのであって、こいつは幾ら給与をもらっているというようなことは勤務評定ですよ、実際皆さんがやっておられるのは。現地はそうとしか受け取っていない。この内容はぜひ改めていただきたいのです。ほかの都道府県でやっているように、人員補充についても、現地の出先の権限のある方ができるものについては現地にまかす、それが事務の能率においても、住民サービスにおいてもかえっていいのです。 だから昇給、昇格の問題にしましても、われわれが調べてみますと、たとえば四十八年度の分は本土関係では七、八月に大体済むようなんだが、沖繩の場合は四十九年の二月からそれよりあとになっている。だから、その間に組合といろいろな労使交渉などがあって、春闘の三十分以内のストとかなんとかがある場合には、全部それを一々チェックして内示としてあげる、あげてそういった評価を本庁はやりながら、昇格についても、昇給についてもきわめて不当なことをやっているんですよ。 これは、いずれまた議論をいたしますが、皆さんの善意は、いまあなたがおっしゃるような内容でこれを示達したかもしれませんが、運用する側はそうでない。また現に、現地の人事関係者にしても、局長や部長にしても、せめてほかの都道府県でなされておるように、五等級以下の職員の採用とか人事措置については、みずからの権限によってさしてもらいたいということを言っているわけですよ。そこは公の議論もいいですが、これは問題があるという点だけ私は指摘をしておきたいと思うのです。したがって、これは早晩改めていただきたい。ほんとうにそういう事務上の問題であるならば、それは行政指導でやれば、役人はそんなに年がら年じゅう、ミスをおかすものじゃないですよ。それで逃げちゃいけないのです。これは一応御検討いただいて、そういうふうに悪用されているといいますか、皆さんが当初考えたような趣旨でこれが運用されていないとすると、検討して改めるという御意思はありますね。
○香川政府委員 私どもの承知している限りでは、いま上原委員のおっしゃるような運用にはなっていないと考えておるわけでございますが、運用状況をさらに調査いたしまして検討したいと思います。
○上原委員 またいずれ機会がありましたら、内容とかこれまでの処分問題、実際の具体例について、この点をもし改めなければ、改めるならそんなに一々問題にしませんから、それを指摘しておきたいと思いますので、ぜひ御調査をいただいて、早急に現地の関係者の――これは何も組合側が言っているわけじゃないのです。現に管理者がそういうことを言っているのです。いつまでもこういう通達で拘束されてはにっちもさっちもいきません、人事措置もできません、もう少し現地の権限のある方々にそういった面についてはまかしてもらいたいということが強いわけですから、その点はぜひ含んでいただいて、改めるべき点は改めていただきたいと思います。よろしいですね。
○香川政府委員 十分御趣旨を踏まえて検討さしていただきたいと思います。
○上原委員 ちょっと歯切れは悪いですが、期待しておきます。 そこで、もう質問を終えますが、総務長官ちょっと留守をしましたが、あなたは総務長官であると同時に沖繩開発庁長官でもありますし、きょう基地労務者の給与改定の件でいろいろお尋ねをしたのですが、同時に公務員関係の給与担当責任者でもあられるわけですから、こまかい議論はお聞きにならなかったと思うのですが、たいへんな改悪問題が出ている。いずれまた沖特なり本委員会でも、沖繩のことについては十分御見解を賜わりたいわけですが、前の小坂総務長官は、静かな沖繩づくりとかいろんなことを言ってきたわけです。給与問題なり排ガス問題なり物価問題なりでたいへん御多忙な長官だとは思うのですが、最初大臣に御就任なされた記事を見ると沖繩の「お」もなかった。私もがっかりしましたが、何かあとでつけ加えたという話も聞くのですが、忘れてはいらっしやらないと思うのです。 私も一応質問に立ちましたので、開発庁長官として今後沖繩問題に対してはどういうことでやっていかれるのか、一言決意をお伺いして私の質問を閉じたいと思います。
○植木国務大臣 先ほど総務長官就任のごあいさつを申し上げましたが、お説のとおり開発庁長官を兼務いたしておりまして、沖繩県の開発振興並びに民生の安定向上につきましては、強い決意をもって臨んでまいりますことをお誓い申し上げます。 本土と沖繩県との間の社会資本の格差でありますとか、あるいは教育あるいは医療をはじめといたします社会福祉体制、その他いろいろな面で本土と格差がございます。これを一日も早く解消することが沖繩県の基盤づくりであるというふうに、私は認識を強く持っているのでございます。また、離島振興につきましても、港湾の整備その他いろいろ問題がございますことを十分掌握いたしまして、開発振興計画に基づきまして鋭意努力をいたしてまいりたいと存じます。 また、明年は海洋博が行なわれるわけでございますが、これを無事に成功させますとともに、ただいまお話がございましたように、沖繩県の古いよい環境そして歴史、文化を守り育ててまいりますとともに、沖繩県民の方々がほんとうに住みがいのある、生きがいのある沖繩県をつくってまいりたい。そのためには、沖繩海洋博以後が非常に大事なときである。もちろん、それまでもいろいろな施策が必要でございますけれども、そういう意味におきまして、鋭意努力を積み重ねてまいりますし、また、できるだけ早い機会に沖繩県を御訪問いたしまして、皆さま方のなまの声を聞きますとともに、現地の情勢をはっきりと掌握をしてまいりたいと思っております。どうぞ御指導と御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
○上原委員 決意のほどを伺いましたが、いろいろな問題をかかえてたいへん御苦労だと思うのですが、ひとつ沖繩のこともぜひ十分御配慮いただきたいと思います。 そこで振興局長、きょう来ていただきましたが、どうも失礼しました。これで質問を終えたいと思います。
○木野委員長代理 次に、中路雅弘君。
○中路委員 植木総務長官きょう就任のあいさつをされましたが、植木総務長官とは私、文字どおり小さいころからの、竹馬の友といいますか、学校時代もともに机を並べて学んだ仲であります。学校を出てから、お互いに故郷を離れてから三十年後、こういう場所でまたこういう質問でお会いするということは、お互いに考えてもいなかったことだと思いますが、青年のころ、ともに社会正義ということについて、そのために働こうということでは誓った仲ですが、党派の違いはありますが、これからも、総理府といいますと公務員給与もありますし、あるいはいま問題になっています同和対策を扱う所管のところでもありますので、こういった問題についても、やはり行政の公正、民主的な行政、あるいは社会正義の立場に立ってひとつ努力をしていただきたいということも、最初にお話をしておきたいと思います。 先ほど大出議員の質問の中でもありましたが、昨日、理事会で私のほうからも、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の修正案を検討していただくということで提案をしてあります。中身は同じものですから、先ほど大出議員が手元にお渡しをしていますから、見ていただきたいと思うのですが、総務長官は就任されたところですから、先ほど修正案を初めて拝見をしたというお話なわけです。しかし、この修正案の中身については、私も八月八日の、人事院勧告が出ました直後の内閣委員会で質問もしているわけです。議事録の中でも、先ほども質問にありましたが、公労協に比べると六、七千円公労協のほうが高卒初任給で公務員より高かったわけですが、今度の場合も四万四千八百円から五万九千二百円、六万円を高卒初任給で切れているわけですし、約一万円の較差が、公労協に比べて一そう開くという状態になっています。こういう状況もお話をしました。また、国税や建設省関係の公務員の皆さんの独身寮の生活の実態も、その質問のときにはお話をしました。あるいは民間との比較、民間の場合でも大体六万二、三千円というのが、最低の高卒初任給の現状であるわけですから、今度の人事院勧告で少なくとも初任給は改善をして修正をしていかないと、いまの現状からいって、若い人たちが物価上昇のこれからの見通しを見ても、生活をやっていくということが非常に困難ではないか。過去においても、初任給の問題については、二回にわたって勧告を上積みした例もあるわけですから、この点について給与法の改正の作成の作業の中で、ぜひとも初任給の引き上げ、上厚下薄を少しでもなくしていく処置を検討していただきたいということを、質問の中で述べています。 小坂総務長官は、この問題につきまして、八月八日の委員会では「初任給の問題につきましては、ただいまも中路委員からるるその較差の是正についての強い御発言がございました。私も十分承っております。十分考えて検討をしてみたいと考えます。」という御答弁をされているわけです。 最初に御質問したいのですが、前総務長官がこの問題については十分検討をしてみたいということを答弁されているわけですが、その後どのような検討がされたのか、最初にお聞きをしたいと思います。
○植木国務大臣 先ほど冒頭に中路委員から、党派を越えた御激励をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 さて、ただいまの初任給の問題でございますが、先ほど大出委員にもお答え申し上げましたように、初任給は必要な人材を公務員に誘致いたしますための入り口でございまして、政府としても最大の配慮をしていかなければならないということは十分心得ております。したがいまして、小坂長官にかわりまして私、就任いたしましてからあと、この問題について人事院からも、簡単でございますけれども御説明をいただきました際に、私からも配慮が行なわれているかどうかということにつきましてお伺いをいたしまして、人事院としてもこの重要性を十分に認識をして配慮しているというようなお話でございました。 いろいろ民間の初任給あるいは三公社五現業の初任給というものを取り上げてみますと、確かに公務員の、今回提案いたしました人事院勧告に基づきます給与表は、それを下回っておりますが、人事院としては専門的な立場で、また全国民的な配慮を加えながら今回の勧告を行なわれたというふうに私は承知しているのでございまして、ただいま申されました前長官の意思は、私も十分に受け継いでまいりますし、人事院もまた従来からの経過もございますので、公正妥当な専門的判断を加えていかれるというふうに私ども期待をいたしているのでございまして、人事院の勧告につきましては、私どもは最大限尊重をしていきたい、こう考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○中路委員 実際に下回っているということは認められているわけですから、私たちも前回、この問題について検討をしてほしいということを要請したのは、検討して、少なくともこの部分だけは、過去二回手直しをした経験もあるわけですから、検討して改善をしてもらいたい、修正をしてもらいたいという要望を述べておいたわけです。 しかし、そういう形では今度の給与法案が出されていないので、昨日、修正案という形で各党の皆さんに、大出さんとともに検討をお願いしているわけですが、簡潔に私たちの基本的な修正の考え方を述べておきますと、先ほども一部説明がありましたが、条文の修正はできるだけ避けて、三十五年と三十八年に行なったように俸給表の修正を中心に行なったわけです。行政職俸給表(一)の初任給号俸八等級三号俸に二千八百円を上積みして、修正をして六万二千円まで引き上げる、そして下位の一般職員の給与の底上げをこれとともにはかるという原則で六等級五号まで修正する。修正のやり方は、引き上げ額の上積みと間差額の減額による収斂方式といいますか、現行の間差額を下回らないようにしながらとっているわけですが、他の俸給表は、この行政職(一)表の初住給号俸と金額差を保つように全体のバランスを考慮して修正を提案をしています。 いま各党の皆さんにも御検討をいただいているわけですが、前回にも質問しましたけれども、人事院にもう一度、あるいは政府のお考えもお聞きしたいのですが、これは先ほど大出議員から詳しく、今度の三公社五現業の初任給との違いについて、較差について数字をあげて質問をされましたから重複を避けますが、公労協に比べていままで六、七千円の較差があった。先ほど言いましたように、今度の場合にさらにこれが一万円前後の較差に広がっている。三公社五現業が、先ほどお話しのように、一万七千円から一万七千九百円の引き上げになっているわけですが、国家公務員の場合に一万四千四百円、これを少なくともこれ以上拡大しない、そのためには一万七千二百円を引き上げて六万二千円の水準にまでする必要があるということが私たちの主張なわけです。 先ほどお話しのように、使用者としての同じ政府、そのもとで高卒で入る、公務員としていく場合、郵政や国鉄、電電公社につとめる場合とは一万円からの較差がある、こういう問題は、不公平は、最初、学校を卒業して就職する人たちに大きな影響を与えるということはやはり事実ですし、人事採用の面でも障害が起きることは明らかなわけです。 簡潔にもう一度、お伺いしておきたいのですが、こういう事態について人事院の皆さんはどのようにお考えなのか。
○茨木政府委員 これは昨年以来、そういう問題が特にクローズアップいたしまして、私どもとしても苦慮をしておる問題でございますが、ただ、これにはいろいろ、お話しのようなことをどうやったら解決できるかという問題があるだろうと思うのです。法のたてまえからいえば、こちらが基準になって向こうさんがおやりになるというのがたてまえでございますけれども、実態は変わっている。その中で特にいろいろ問題がございますのは、向こうさんのほうは、どうもいろいろ委員さん等にお聞きしてみましても、千人規模以上の企業と比較していらっしゃる、それをこちらのほうは、百人以上の規模になっているのを、一体国民全般の立場で御了解を得られるのかどうか、これが第一点の問題点としてあるわけでございます。 それからもう一つ、給与表の形でございますが、だんだん勉強してみますと、向こうのほうは普通職の俸給表と称する、いわゆる労働ベースという問題だろうと思いますが、そういう俸給表とほとんど並行いたしまして、管理職俸給表とか指定職群俸給表というふうに、それぞれの企業体によって名前が異なっておりますが、そういう呼び方の俸給表を同時に持っております。それがやはり、こちらのほうでいえば主任とか係長、課長補佐クラスがそういう俸給表を別建てで持っておるという状況がございます。そうなりますと、官民比較をやりましても、一般職員の中の分配だけでそういうふうな別のほうに抜けました者は別俸給表になるという点が一つございます。そうなってまいりますと、私のほうは課長以下全部下までが一つの俸給表で官民比較しましたものを分配しておるという点がございます。その辺の建て方も今後直すかどうかというような問題まで入ってまいりますので、この問題は簡単にいかない問題をいろいろ含んでおるというふうに実は考えておりまして、たいへん苦慮しておるというのが実態でございます。
○中路委員 前回、質問をした八月八日の際に、三公社五現業の場合に一般職に比べて確かに初任給は高いけれども、上のほうにいくと一般職のほうが高くなっているという趣旨の説明があったのですが、これは何を根拠にしてそういう説明をされたのですか。もう少し具体的にどこか数字をとって御説明願いたい。
○茨木政府委員 それは俸給表そのもので、いま言ったような俸給表のカーブを向こうの普通職の俸給表についてみますと、こちらのほうの制度線を歩かせます者と比較いたしますと、こちらのほうがやはり途中から高くなるという実態はございます。現にたとえば、農林省等で異動しております者とか郵政省で異動しております者というようなものの異動の状況を見ておりますと、ここでは個々の名前はあげないほうがいいと思いますが、ある企業体においては、やはり先般御答弁申し上げましたように、六等級の中間のところでこちらのほうが高くなって、それ以前のほうの場合には向こうが高い、だから、それ以前でこちらに参りますと下がります、それから、それを越えてから来ますと、こちらへ来て上がるというような実態がございます。それから、ほかのある企業体でございますと、そういう関係が見えないので、そこでよく吟味してみますと、いまの俸給表をもう一つ持っておる、それから同じ俸給表でございますが、別途調整額というものを加えておるという実態があるようでございます。そういうものがあります場合には、その俸給表の形はそうでございますが、来ます場合に上のほうの職員でもこちらに来ると下がるという実態があるというような点もだんだんわかってまいりました。これも、まあお互いの家庭の事情がございますから、なかなか率直には教えてくれません。だから、苦心をしていろいろ調べてみますと、そういう実態が出てくるというようなことがありまして、いろいろ向こうの企業体の建て方と、一般のこちらのほうの建て方と違っておるということであるようでございます。
○中路委員 この前は、初任給に大きな較差があるという質問に対して、いや初任給は高いけれども、上のほうへいくと一般職のほうが高くなるという趣旨のお話があったのですが、私は、必ずしもそうなっていない、それは初任給の較差の理由にはならないと思うのです。 一例だけ、これは皆さんのほうからいただいた資料をもとに計算したのですが、たとえば公務員の皆さんの四十歳の年齢だけをとりましょう。六等級で十三万一千円、三等級で十四万一千三百円ですね。だから四十歳で見ますと、六等級と三等級で俸給月額に十三万一千円から十四万一千三百円という間がありますが、これをたとえば電電公社で四十歳で見ますと十三万一千六百円。変わらないんですね。アルコール専売で見ますと十四万四千八百円。これはみな七四年春闘の改定後の数字です。電電公社とアルコール専売を一例にあげてみましたけれども、これで見ても皆さんが言うようにはなっていないのです。国公のほうは、上へ行くと一般職のほうが高くなっているというようなことはないわけです。アルコール専売のほうが高いのです。 また、これは中労委の資料ですが、四十八年、昨年の六月度の資本金五億円以上、従業員一千名以上の賃金事情調査を見ますと、やはり四十歳でとりますと十五万一千九百五十九円、五十五歳になると二十二万七千六百三十三円。幾つも資料がありますけれども、一例であげましたように、公労協との初任給の較差が非常に大きいというのに対する反論として皆さんがこの前答弁されたことは、必ずしもそういうふうにはなっていないという事実だけははっきりしていると思うのです。初任給の較差がこれだけ大きいという、その反論にはなっていないというのは明らかではないかと思うのです。いまおっしゃったように複雑ですから、若干の変化はありますけれども、しかし公労協の問題は、決して初任級の較差の問題についての反論の答弁の資料にはなり得ないということだけは明白じゃないですか、いま一例だけあげましたが。
○茨木政府委員 ただいまお示しのもので、あとのほうで示されました中労委との関係でございますが、中労委調査の数値の十五万一千九百五十九円というのは、モデル賃金でございますが、これは諸手当込みになっておりまして、かつモデルの相当数のところに課長、課長代理というようなものが含まっておるものの平均であるということに立っております。こちらのほうは、係長段階なり補佐段階なり、それぞれ別々の数値をおあげしておったと思いますが、その場合のモデル条件は、一応中労委のほうでは扶養家族四人というふうになっておりますから、それ相当の場合にこちらを直しますと、扶養手当とか調整手当というようなものを含めなければいけません。そういうものを含めて計算いたしますと、十六万一千六百七十六円ということになって、必ずしもこちらのほうが低いということでなくて、むしろ高い数字に、その場合の比較数字としては置き直されるのではなかろうかというふうに考えております。 それから、その前のほうのアルコール専売の例は、あまり交流がないものでございますから、具体的に実例として私どものほうでも吟味したものを実は持っておりませんけれども、全般としまして、四十年ごろは御案内のように、大体初任給が合っていたわけでございますが、その後の数値を見ますと、大体こちらと国家公務員とで似たようなアップ率に、国鉄の場合で見ましても四十九年と四十年とでは一〇〇に対して二九七、二・九倍ということでございますが、その程度の伸び率に基準内給与の平均額のアップ率がなっておる。しかし初任給のほうは、先ほどいろいろ御論議のとおり違う。アップ率で見ますと、向こうが四四三に対してこっちが三六七、そうすると、同じワクを使っておるならば、そういうことはあり得ないはずだと思うのです。ですから、俸給表上で見ますと、どうもこちらのほうが高くなっていって向こうが寝た数字になるのに、もし実際の運用上の問題がそうでないとすれば、その俸給表を使いながら何らかのことをやっていなければ、そういうことが出るはずがないだろうと思うのです。ですから、飛び運用をやっているとか、そこに何らかの問題があるのじゃないかと思うのです。そうでなければ、そういうことはあり得ないだろうと思うのです。
○中路委員 私が一例であげているのは、皆さんのほうが、一万円から初任給に較差があるじゃかいか、これに対して、いや上に行けばこっちのほうが高いのだと言われるから、必ずしもそうじゃないのだということを言っているわけなんです。そういうことの資料を使って、公労協との較差が初任給でこれだけあるのを弁護しようとしても、それはその材料にはならないということを、やはりはっきりさせておかなければいけないということなんです。 初任給の問題でもう少し聞きますけれども、この初任給の調査のやり方ですが、二段がまえですね。四月一日に三月の調べをやって、四月中に確定したものを含めるということで、五月以降に確定した初任給はとらまえられていないのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○茨木政府委員 昨年までの問題につきましては、初任給というものが、特に前年度の、民間のほうでも九月ごろの採用時期からずっと初任給幾らというふうに相談してまいるものですから、大体四月の時期に調べましたもので、その後それをまた改定していくというような変わってくる状況はそう多くないであろうというふうな見方をしておりましたが、どうもいろいろ、ことしは特に、給与の改定のアップ率が民間でもたいへん高かったわけでございます。そういう事情がございますので、ことしは六月八日で調査を打ち切ったわけでございますが、その段階までの状況で相手の会社に聞きまして、四月に遡及いたしましてこういうふうに初任給を直しますというふうに確定いたしておりますものは、その数字に置きかえて初任給を出すというやり方をことしはいたしておるわけであります。それを別表二の備考のところに注意書きで書きまして、前年までのものとことしとは数字が違いますということを付記いたしたわけでございます。
○中路委員 もう一度念を押しますが、昨日ですか、私のところに説明に来られた給与第一課長が、浦中さんですか、五月、六月に確定の初任給はとらまえられていないということなんですね。五月、六月は古いものが入っているという説明をされたのですが、この点は正確にしておいていただきたい。
○茨木政府委員 それは、こういう場合であったようでございます。 先ほど申し上げましたように、四月に遡及いたしまして直しますものは全部つかまえますけれども、四月でなくて五月からとか六月からそう直しますというのが、やはり若干ございますようですが、そういうものは四月調査がたてまえでございますものですから、入っていないということでございます。
○中路委員 いまの答弁で、そう多くないことは事実だと思いますけれども、たとえば五月一日から初任給が上がる、それは入っていないということは、いまの答弁でもはっきりされていますね。その点で、調査時期の問題もありますが、初任給の調査のやり方で新しい確定分を入れていくということからすれば、たとえば五月一日初任給になるというのは、その場合古いのが入れられているわけですが、少なくとも正確にしていくという意味では、最低、古い算定のものは基礎に入れない、そうしないと正確なものが出てこない。特に、最近のような一カ月、二カ月は、このインフレの中ですから、相当な開きが出てくるわけですから、その点で今後、初任給調査のやり方の中にこういう古いものを算定の基礎に入れるということはしないで、これだけは少なくともはずすということをやらないと、正確なものが出てこないのじゃないかと思うのですが、この点は検討していただけますか。
○茨木政府委員 いまのお話は、四月と五月との関係でございましょうか。
○中路委員 ええ、一つの例でね。
○茨木政府委員 たてまえが四月調査なものですから、いまここで、どうこうというふうにはっきり申し上げかねますが、よく検討をいたしたいと思っております。
○中路委員 ここで、労働省の労政局労働経済課の四十九年十一月の時期別賃上げ企業比率というのでパーセントを見ますと、一月から三月までの賃金引き上げ等の実態に関する調査結果、これを全部の規模の合計で見ますと、一月から三月までが二一%、四月が四八・四%、五月以降が三二・八%、一千名以上になりますと、一月から三月までが六・七%、四月が六二一六%、五月以降が三一・九%、五月以降に賃上げが確定した企業が、いずれも三割以上あるわけです。 そこで、人事院の初任給調査で、これらの企業の初任給の新しい確定を正確にとらまえていかないと正しい調査ができないわけですから、少なくともこの中で古いものが基礎になっているのは、いま検討してみるとおっしゃいましたけれども、これだけははっきりとやはりはずしてもらってやらないと正確でないということは明白ですから、検討しますというお話でありますけれども、来年の勧告までにこの問題についてどうするか、古いものははずすということを強く要請しているのですが、ひとつ結論を出していただけますか。
○茨木政府委員 給与調査そのものは、やはり四月でございますので、四月にさかのぼりますものは全部、御案内のように積み残し分も五月、六月の時期でこういうふうにいたしますということで、わかったものはその分を加味いたしましてアップ率を出しておるわけでございます。それじゃ、それに対応いたします初任給のほうはどういうふうに出すのがいいのかという問題だろうと思うのですが、四月調査という場合には、三月なり、いまお話ございましたように二月とか、そういうところに給与改定がありましたものは、その額で、全部四月の状況で入っておるわけでございます。その場合に、古いからといって三月なり二月にきまった初任給を落とすというわけにもまいりませんで、だから、どの辺のものを一体落とし、どの辺のものだけを残すのかというのは、たいへんデリケートな問題だろうと思いますので、よく検討させていただかないとということでございますが、やはり引き続き初任給の問題は、たいへん問題になっておりますので、よく検討したいと思っております。
○中路委員 私が特に言っているのは、とらまえられていないやつですね、このとらまえていないのを、古いのを入れちゃうということだけは、少なくともそれをはずすということは、当然、初任給の調査のやり方としてはやるべきではないかということで、検討されるというお話ですけれども、少なくとも来年の勧告までには、この問題についてもう少し明確な結論を出していただきたいということを要請しているわけです。念を入れてもう一回聞きますけれども、これは当然のことじゃないですか。
○茨木政府委員 どうもいまのお話を聞いていますと、かりにあまり景気のよくない企業がありまして、その年の二月なり三月なり四月なり五月のところで、どこでもいじらないというものは除外しろというようなことでございますと、やはりそれは、ちょっと給与調査としてはいかぬのじゃなかろうかと思います。
○中路委員 特に五月、六月を言ってください。
○茨木政府委員 五月なり六月から前向きで改定はする、が四月は、そこに入っていないというやつを落とせ、そういう意味でございますと、やはり多少はいろいろ考えてみないといかぬ点があるのじゃなかろうかと思いますので、よく検討いたしまして、来春までに結論を出したいと思っております。
○中路委員 来春までにひとつ検討して結論を出すということですから、急いでいただきたいと思います。 次の問題は、大出議員がすでに発言をしていますし、私のほうも修正案で出している問題、いわゆる宿日直手当の実施期日の問題ですね、四月一日に修正すると。これは先ほども出ておりましたけれども、私は重要な問題がこの中にあると思うのです。七十二国会の内閣委員会で、宿日直手当の実施を四月一日にするということを求めた請願を、満場一致で採択しているわけですね。先ほどそちらの理由はいろいろおっしゃいましたが、それも理由にならないですね。いままでの慣例でいえば、たとえば今度の勧告は七月ですから、八月からというのが、皆さんの主張でも九月になるようだったら当然おかしいわけです。 しかしその前に、国会でこのことが採択されているということを踏まえて、人事院の皆さんの仕事のやり方の問題ですが、やはり国会の委員会で満場一致できまったこういう問題は、十分反映して作業の中には尊重して取り入れていくというのが当然じゃないか。人事院の皆さんが、国会の委員会で採択されたこういうものに対して、それと全く関係なしに仕事をやる、こういう歩き方は、人事院のあり方としても非常にまずいのではないか。 だから、四月一日にするか九月一日にするかという論議のもっと前提に、国会でのこういう意思を人事院が十分仕事の中に反映さしていく、この姿勢をもっと明確にしなければいけないのじゃないかというふうに私は考えるのです。ですから、先ほど大出議員からも、この問題については指摘がありましたが、大事な問題なので、私ももう一度明確にしておきたいと思います。
○茨木政府委員 請願の採択をされましたものを全然考えずにどうこうするというような考え方は、人事院としては持っておりませんが、おそらくたまたまそのときに、私のほうの者も呼ばれてなかったのかどうかわかりませんでしたが、もう作業最中でございましたので、連絡がどこかでとぎれたのかわかりませんが、そういうことで実は全く不承知であったわけでございます。なものですから、あとからそれがあるということがわかったわけでございまして、もしもありとすれば、その段階でその関係も十分議論しまして、請願の内容もよく読ましていただいて、そして考えなければいかぬ問題であったろうと思います。 それから内容も、いつからやるかということと金額をどうきめるかというのは、たいへん相関関係があるわけでございますが、そんなことで先ほどは、昨年の九月の改定から一年たっているので、時期を押えて一年、要するに去年とことしとの給与改定のアップ率の差を考慮してやったということを御答弁申し上げたわけですが、全くそういう事情でございまして、今後また宿日直手当を検討する時期が参りました節には、こういうものがあったということは十分承知いたしまして検討したいと思っております。そういう意味で国会をあれするという意思も決してなければ、ほんとうにそういう連絡が全く私どもの耳に入らなかったということでございますものですから、御了承を得たいと思います。
○中路委員 だから私は、この四月一日にする根拠がどうだ、九月一日がどうだという議論をいまするつもりはありません。先ほどから言っているように、いきさつはわかったように、国会でそういう採択をされているということも十分伝わっていない、配慮なしにやられているということは明らかになっているわけですから、その点は先ほど来言っているように、人事院の仕事のやり方として、所管の委員会でどういうことが討議をされ、しかも、これは満場一致で採択されたものですから、これは、やはり仕事の中に反映させる、こういう姿勢がなければ、国会で給与をきめていくといういまのたてまえからいっても、非常に大きい問題だと思うのです。この点については、私は総務長官にも一言聞いておきたいと思います。
○植木国務大臣 ただいまの請願が採択されたのに、人事院に対して連絡が行なわれなかったということにつきましては、実はきょうこの委員会で初めて伺ったのでございますけれども、院で採択されました請願は、当然内閣が責任を持ってそれぞれの関係省庁に送り、それに対して処理方についての報告を院に対して行なうということになっているわけなのでございますが、おそらく人事院に送る時期が、いろいろな事務的な手続が十分でなくておくれたのではないか。これは私の推測なんでございますけれども、人事院勧告をなされる作業をしておられる重要な段階までに届かなかったのじゃないか、そういうふうに考えられるのでございまして、この点につきましては、今後そのようなことがないように十分に注意をしてまいりますし、担当機関に対しましても、私からこの旨を伝えますことを御了承いただきたいと思います。
○中路委員 いまの問題は、私たちが修正案で出しているものでありまして、経過は、いまのこの質疑の中で御存じだと思いますので、金にして六億ぐらいですから、ひとつ各党の皆さんにも、この修正案についてはそういう点で御協力をお願いしたいと思います。 私は、大蔵省のほうは、きょうはいいということでもう帰っていただいたわけです。というのは、先ほど大出議員が、目減りの問題で銀行の貸し出し利息の問題等を質問されました。私も前回、この問題をお聞きしたのですが、きょうはやっと、検討をしてあとで出すという御答弁があったので、この点の質問は重複を避けますけれども、いずれにしても公務員の場合、国会審議が必要だとしても、一般的なインフレによる目減りというだけではなくて、特に今日のように七月に勧告が出て十二月まで延ばされる、しかも実質賃金も下がる、インフレが高進するという中では、一般国民というだけじゃなくて、個人的にも非常な不利益を受けるわけですね。人事院がスト権の代償機能としてつくられている中で、こういう事態、しかも政府の、この前の臨時国会にかけないという恣意によって今日まで決定及び支給がおくれたということは、先ほど総務長官も遺憾であるということをおっしゃいましたけれども、私は、こういう中での政府の責任は非常に大きいと思います。 もう一つ、今後の問題として、公務員給与の改定あるいは支給の手続について、人事院の勧告を閣議で実施する、勧告が出されて実施するということがきめられているにかかわらず、それがずっと国会にかけられない、引き延ばされる、物価がどんどん上がっていく、そういう事態の中で、いまのような状態でほっといていいのか、それ以上に何か手はないのかという問題を、今後十分考えてみる必要があるのじゃないか。 少なくとも物価上昇の範囲で、いわゆる適切な範囲で、たとえば一つの考えですが、閣議決定をして国会で追認をするとか、いろいろのことが考えられると思うのです。もちろん国会できめるというこのことは、くずしてはなりませんし、それを前提にしながら、今日のような事態の中で公務員の皆さんが特別不利益をこうむる、こういう問題をどうしていくか。公務員給与の支給の手続その他について、抜本的な改善の措置を今後考えてみる必要があるのではないか。今日のような状態をそのまま放置しておくことはできないのじゃないかというふうに私は考える。これは御意見でけっこうだと思うのですが、私たちも、この問題については、もっと具体策をいろいろ検討していきたいと思いますけれども、この問題で人事院や政府の皆さんのお考えを一言聞いておきたいと思います。
○植木国務大臣 この問題につきましては、すでにいろいろ検討をいたしているわけでございますが、御承知のとおり、人事院勧告を尊重するというたてまえと、国会においてこれを審議し、決定するという法定主義のたてまえがあるわけでございます。この二つのたてまえがありますとともに、いろいろな面で検討すべき問題があるのでございまして、今後さらに検討を続けていきたいと存じますので、御了承をお願いいたします。
○島田政府委員 ただいまの件に関しましては、人事院といたしましても、私ども勧告をいたしましてから、その実現のために所要の措置をすみやかにとっていただきたいということを国会、内閣に対して申し述べるだけでなく、提出の際に総裁から、内閣総理大臣に対してもできるだけ早くということを申し上げているような状況でございますので、今回の場合のように、こういう御承知のような事態でおくれるようなことが再びないように、私どもといたしましても、どうすれば一番いいかということについて、できるだけ勉強したいと存じますし、いまのおことばもございますので、どうか皆さま方からも、いいお知恵を拝借して考えていきたいという決意でございます。
○中路委員 この問題は、きょうはこれ以上詰めません。時間もそうありませんので、私はあと、人事院の標準生計費の出し方の問題で幾つか御質問したいと思います。 国公法の六十四条の二項に「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ、」云々とあります。ここの生計費という問題なんですが、いま人事院が生計費というものを出される際には、食費の場合は理論生計費、それと総理府の家計調査の実態生計費、この組み合わせでやっておられるわけですが、これは間違いないですね。いま、そういうやり方をとっておられるわけですね。
○茨木政府委員 そうでございます。
○中路委員 そこで、この生計費の問題でいろいろな角度からお聞きをしたいのですが、一つは、生計費の増加率の問題です。人事院の資料ですと、対前年比の伸び率、四人世帯、東京で例をとりますと一五・三%になっている。総理府の消費支出、全国勤労者世帯、これは東京で見ますと二一・三%になっている。東京で総理府の消費支出が二一・三%、人事院の生計費が一五・三%、六%の開きがある。東京の場合で六%低く出ている。これはどういうことですか。
○茨木政府委員 立て方がいろいろ違っておりますので、そういう関係じゃないかと思います。というのは、家計調査のほうの平均というのは、統計局のほうでおやりになっていらっしゃるわけですが、いろいろな世帯を抽出いたしましてやっておりますから、それの平均という姿で出てまいります。そこで、その中に高額支出のできる家計が入っておりますと、やはり全体の伸び率等を変えてまいります。こちらのほうは標準生計費ということでございますから、夫婦と子供から構成されていて、一人が、大体普通夫でございますが、就業しておるという標準世帯を想定いたしまして、その家計支出が、世間並みであるいわゆる並み数階層を算出の基礎とするというような立て方になっております関係上、標準的な生計費というものがこちらのほうは出てくるし、向こうのほうは、いろいろな世帯を平均いたしましたものが出てくる、そういうところから来る相違であろうというふうに考えております。 それから、ことしのものについては、いわゆる物価の騰貴がたいへんことしはあったわけでございますが、四月段階ではいわゆる春闘等のベア会計の影響が各家庭に及んでいないというようなことも、その基礎の数字のほうに影響が参りまして、四月の段階ではそれの入らぬものがやや出てきておるというきらいはあるというふうに当初から私どもも見ておりました。そういう点で例年とちょっと違った姿がことしの四月分には出てきているように承知いたしております。例年の姿でございますと、この生計費をもうはるかにこえたところに初任給もみなきまっておりまして、この生計費はあまり問題にならなくなってしまったというような姿であったわけでございます。
○中路委員 いまの答弁でもありましたように、 一つの大きな要因が、人事院の場合は並み数階層の平均値をとっておられる、そこで結果として六%の開きがある。これについての議論は別にして、結果としてこの開きがあるのは、並み数をとっておられるということで、それは御答弁でもはっきりしているわけです。 いまのは率の問題ですが、たとえば額の面からの違いを見てみますと、増加額の問題ですが、人事院の生計費で見ますと、東京でやはり例をとりますと、増加額は前年対比で四人世帯十二万二千三十円。七四年四月です。総理府の消費支出ですと、これは勤労者世帯をとりましょう、十四万五千五十七円。世帯三・八人ですからほとんど変わらない。これを増加額で見ると、人事院のほうが、東京の例ですが、二万三千円くらい低められています。これは全国で見ても同じです。全国で見ますと、人事院の生計費は増加額十万五千四百十円。総理府の消費支出は全国で十二万六千八百五十四円ですから、全国でも二万一千円低められている。これも並み数値をとっているというところから、こういう問題が起きているわけです。 先ほど平均値との違いだというお話ですけれども、高いところがあるからというお話ですけれども、少なくとも私がいま例をあげているのは、勤労者世帯の例であげているわけですから、勤労者世帯の場合にそんな大きな、飛びはねて上が高いというようなものはないわけですから、このように結果として並み数値をとっているということによって額においても、東京でいえば二万三千円から低められています。増加率においても六%低められている。こういう結果が出ているという事実については認められるわけですね。
○茨木政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、こちらのほうは一人しか収入を得る者がないという前提でございますが、向こうさんのほうは実態でございますものですから、奥さんも共かせぎとかあるいは内職をしていらっしゃるとか財産収入があるとか、いろいろなものが入っております関係上、そういうことになっておるのだと思っております。
○中路委員 あと生計費の中身について、もう少しまたお尋ねしますけれども、一つの問題は、この増加率、額の問題のこの違いが、並み数値をとっておられるからという点は間違いないわけですね。これは認められるわけですね。それの論議ということはいまは別ですよ。それが結果として、こういうものにあらわれているということは認められるわけですね。
○茨木政府委員 並み数階層を算定の基礎にしていることは事実でございます。
○中路委員 もう一つ、別の面からまた見ますと、たとえばエンゲル係数ですが、総理府の統計局の家計実態調査、これのエンゲル係数で見ますと、四十一年から数字がありますが、全部三〇%台です。最近でいいますと、四十七年が三二・七%、四十八年が三一・九%、四十九年四月が三二・六%、勤労者のみですと三一・三%ということになっております。人事院の標準生計費でエンゲル係数を見ますと、東京が四二・四%、全国が四一・四%、約一〇%の開きが出てきているわけです。これは食料費が理論生計費をとっている、そのために食料費の額が引き上がった、エンゲル係数が高まった、そういうことですね。
○茨木政府委員 それは従来からも毎年議論がございまして、よく吟味いたしておりますが、二つの原因がございます。一つは、厚生省の発表しております国民栄養調査の主要カロリー数として一応出ておりますのが二千八百二十カロリーでございますが、これをとっております、実際はそれほど食べていないのだと思いますが。ですから、そこにその原因が一つありまして、一般の実態のほうは三〇%台でございますが、こちらは四〇%近いものが出ている。それが一つと、それからもう一つは、先ほどから議論になっております並み数階層のほうをこちらはとっておりますものですから、所得全体のワクが小さければ食料費の率は当然上がってまいりますから、そういうことでもその点が上がってくるという点、この二つの原因だろうと思っております。
○中路委員 それで、総理府の統計局のあれだと、さっき言いましたように三〇%台。だから、エンゲル係数を三〇として人事院の標準生計費を修正した場合どうなるか計算してみたのですが、全国で十三万六千三百七十四円、東京ですと十六万一千六百九十円になるのです。現状と比べて、先ほどあげました東京十二万幾ら、全国十万幾ら、人事院の生計費ですが、この現状と比べますと三万から四万の開きがある、こういうのが試算でも出てきます。この点も結果と問題ですけれども、これだけの開きがある。ですから、こういう計算をすれば、三万から四万の開きがあるということはお認めになりますね。
○茨木政府委員 内部でもそういう検討を、実は私が給与局長になりました早々に、勧告時期以前に相当吟味したことがございますが、いまの総理府のほうの平均の中にも、四〇%とかやはり高いエンゲル係数を持っておるものが、みんな平均になっているものですから、そういうことなんでございまして、こちらのものを逆算いたしましてというわけに簡単にはいかないわけでございます。そう思っております。
○中路委員 簡単にいかないけれども、一応こういう計算をすれば、修正してやれば三、四万の開きがあるということは、これは数字ですから事実として出てきております。これはお認めになると思うのです。 時間がそうないのでちょっと先を急ぎますけれども、あと二、三まだいろいろの角度から御質問したいのですが、食料費の理論生計費ですね、これをとっておられると言うのですが、私、これも少し調べてみたのですが、きわめて不十分じゃないかと思うのです。たとえば栄養価をカロリーとたん白質だけに限定されているのではないかというふうに思うのですが、これはどういう資料をもとにしてやっておられるのですか、簡単でいいですから。
○茨木政府委員 家計調査のほうで、実際各家庭で消費をしていらっしゃる品物の動向というものが、毎年多少ずつずれてまいりますので、そういう点を入れかえたりいたしまして、あるいは数量を加減いたしましたりして、その年その年の動向に合いますように、あるいはその季節のものに合いますようにということで計算をしておるわけでございます。そこで、カロリーその他がどの程度の組み合わせかということは、栄養士の方を私のほうの給与局の中に採用しておりまして、そういう人に専門的に吟味をさせまして従来からつくっておりましたし、その変更は、いま言ったような家計の実際の消費動向を見て入れかえておる、こういうことでございます。
○中路委員 これは人事院の出された資料ですが、「東京における独身男子食料費マーケット・バスケット(四十九年四月)」これを見ましても「栄養価」というのは、熱量とたん白質だけしか入っていないんですね。脂肪だとかカルシウムだとかビタミンだとか、当然考えなくちゃならない栄養価が入っていないし、栄養士をつけてということですが、資料としては出てないのです。手抜きがやられているのではないかということを、この資料を見て感じるわけです。 しかも、このマーケット・バスケット方式をとる場合に、これは実効価格をとっておられるわけですね、これは間違いありませんね。
○茨木政府委員 そうでございます。
○中路委員 実効価格でとっておられるのを見ると、たとえば牛肉八グラムなんというのが出ているのですが、いま、牛肉八グラムなんというのを買うのはいないですね。やはり市場価格をとって計算すべきではないか。市場価格よりも実効価格のほうが幾らか低いのです。季節変動の波があるからというお話ですけれども、しかし実際に、こういうものは現実に合わないわけですから、そういう点で、食料費は理論生計費でやっているということ自身も非常に不十分なものではないか。手抜きもあるし、また実際マーケット・バスケット方式も当然、市場価格に改めなければいけないというふうに思うのですが、これを改めていく、検討していくというお考えはありませんか。
○茨木政府委員 ただいまの点、これをたまたま一カ月なら一カ月とってみますと、これの三十倍というような量が出てまいりますが、それを、ある日は牛肉を買う、ある日は魚を買う、ある日は干ものを買うというふうに、いろいろな組み合わせが出てきて生活をしておるわけでございまして、それを一月間平均いたしますと、一日の断面にいたしますとこういう姿になるということでございます。ですから、そういう意味のものであるということを、ひとつ御了承いただきたいと思っております。 毎年その実態と合うようには、先ほどから申し上げておりますように吟味はいたしておりますけれども。毎日この量を食べるということではございませんものですから……。あと、ビタミンとかいろいろなものがございますが、その辺は、西洋野菜をどう入れるとか、くだものをどう入れるとかいうようなことで、それぞれ、なかなか数字には出ない問題があるのだろうと思いますが、それはこれに隠れておることでございまして、そこで野菜とかいろいろなものの組み合わせをある程度考えておる、こういうことでございます。
○中路委員 隠れておるといっても、資料には全然ないわけですよ。私がずっと幾つか例にあげているのは、皆さんのほうがみんな低いのをとっているということでお話をしているわけですけれども、先ほど言いました換算乗数を出す場合にも、並み数階層でやっておられるわけですから、これで見ましても、これも計算してみたのですが、時間がないので、こちらで試算してみた数字をあげますと、人事院の生計費を、並み数階層でなくて平均階層の換算乗数で修正した場合の数字をちょっとあげてみますと、人事院の場合に、並み数階層ですから、食費四万三千六百八十円、これが平均階層の換算乗数で修正しますと四万五千二百六十四円。住宅・光熱費が、人事院のほうは一万三千五百五十円、これを修正しまして一万六千八百三十二円。衣料費が、九千百九十円が一万四千七十四円。雑費が、三万八千九百九十円が六万五百四十四円。合計しまして、人事院のほうですと十万五千四百十円が、修正しますと十三万六千七百十四円。これでも三万一千円の開きがやはり出てくるということになるわけです。 時間が来ていますので私、幾つかの指標はまだあるのですが、省略しましてお話ししますと、人事院は標準生計費をもって、賃金水準が必要生計費を充足しているということを裏づけようというふうにされているわけですが、出された数字は、非常に低いものをとっているといいますか、また科学的にも必ずしもそれが実証されない、手抜きもあるし、作為もあるというような感じもするわけです。 国公法にいわれている生計費といった場合に、これは当然、健康にして文化的な生活を営む、そういう生活をいうわけですから、いまの標準生計費というのは、この国公法六十四条でいわれている国家公務員の生活保障のための必要生計費の基準という点から見れば、非常に不十分というよりも、基準になり得ない内容を持っているのではないか。これは私がいまあげました資料だけでもそういえますし、特に並み数の階層については、これは改めるということ。 ですから、結果としてこれは全部低く出すために、やはり使われているということは明らかじゃないですか。この点では、私はこの問題について、生計費を出す場合に根本的な検討が必要だというふうに考えるのですが、この点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○茨木政府委員 これは一種のモデルでございますから、そういう一人だけの所得で生活をしておる家庭の、しかも要するに、並み数のところのものをとるという一つの条件設定をして計算をしておるわけでございますから、そういうものとして御理解いただくということじゃなかろうかと思うのです。ですから実態の、そういういろいろな収入その他、条件の違うものをまたあげてまいりますれば、いろいろ見方が別にあるのだと思いますが、一応そういう条件のもとに算定をいたしますとこういうふうになりますということで、これを一種の下ざさえの吟味の資料として使っておる。しかし、いまはすでに、先ほどから申し上げておるように、相当上のほうへいっておりますので、最近はあまりそういう意味のあれが、いつの院議でもそういう話が出るのですけれども、終戦後みたいな意味のあれはなくなってきておるというものだと思います。ですからこれは、そういう意味の一種の条件設定でやっておるものというふうに御理解いただきたいと思います。
○中路委員 時間が来ていますので、もう一、二問で終わりますけれども、もう一つ、たとえば人事院が生計費という場合、消費支出を生計費としていっているわけですが、労働者の生活は消費支出だけじゃなくて、たとえば税金だとかそういう非消費支出あるいは月賦払いのような実支出以外の支出もあるわけですね。これを全部出して生計費というのが当然だと思いますし、総理府の家計調査――家計支出といっておりますが、これは消費支出と非消費支出あるいは実支出以外の支出、この三つを合計しているわけです。この中で総理府の統計を見ますと、この三つを一〇〇とした場合の消費支出は六七・三%ですから、三つの合計が金額にしますと十九万二千五百四十七円、それから人事院勧告の消費支出十万五千四百十円、これを六七・三%と逆算しますと十五万六千七百円になる。ここでも三万五千円以上の実態よりも低い数字が、こういう計算をすると出てくるということにもなるわけです。 私が幾つかいろいろの角度で御意見を申し上げているのは、先ほど言いました国公法の六十四条でいっている賃金決定の生計費とは何かという問題なんですが、労働基本権の代償として人事院が設置されたとすれば、生計費については当然、最低限、健康で文化的な生活をするための生計費でなければなりませんから、理論生計費であるべきだというふうに私は思うのです。しかも生計費のあれは、並み数階層のをとっておられるという中で、いま例にあげましたように、いろいろの角度で検討していくと、みんな三万前後低く数字が出てくるということで、この点は作為的にやられているのじゃないかというふうに私は思うのです。事実そうじゃないか。 これは今後、皆さんのほうで十分検討して、この生計費を出していく問題、国公法の六十四条にきめられている、賃金決定の生計費とは何かというものに即して生計費を出すやり方、この問題について、あらためて根本的に検討をしてみるということを私は強く要請したいのです。特に並み数の階層をとるということについては、これはやめるということを強く要請したいのですが、終わりにこの点について、検討されるのかどうか、少し御意見をお聞きしたいと思います。
○茨木政府委員 こちらのほうで給与額のチェックをいたします際には、いろいろ御議論にございましたような、ここに書いてあります雑費以外の共済掛金でありますとか、税金でありますとか、そういうものも一応考慮の中に入れて給与案というものを、この出ましたものの幅の外に、そういうものも考慮に入れて比較をして検討をしておるわけです。 並み数階層をとるという方法を、根本的に検討せぬかということでございますが、それにかわる何か条件設定のあれがあればまた別でございますが、私どもは、何かいいあれがないかということは、絶えず研究しなければいかぬので、研究はいたしますけれども、ここでそれを変えますとかどうとかいうことになりますと、まだどうも申し上げかねる状況でございます。
○中路委員 これで終わりますが、私が繰り返し言っているのは、人事院が労働基本権の代償として設けられているわけですから、ここでいう賃金決定の生計費という問題については、やはりその実態がはっきり反映できるようなものでなければならない。その場合に、幾つかの私なりに試算をした面から、幾つか検討してみると、いま言った数字なんですね。先ほどから、低い数字が出てきているという中で、しかもその中に、並み数階層をとっておられるということが大きな要因であるということも、事実出てきているわけですから、そういう点を改めて、やはり生計費を正確に出していくという点で検討をしていただき、正しい実態が反映できるようにしていく必要があるという趣旨で、私は、先ほど言ったように、やはり理論生計費でやるべきだというふうに思いますけれども、終わりに、この点について、生計費をより正しく反映させていくという意味で、大臣にも、総理府統計局の仕事でもあるわけですから、それを人事院の中でどういうふうに反映させていくかという仕事でもあるので、お考えをお聞きして終わりたいと思います。
○茨木政府委員 ちょっと一点、補充させていただきたいと思います。もう一つ申し上げておきたいのは、いまたいへん標準生計費のことが議論されておりますけれども、いまおっしゃったような実態も押えるという意味で、物価指数ということで総理府統計局の消費者物価指数でございますとか、同じくやはり家計調査の四月におきます動向というようなことも報告書の中には述べさせていただいて、その次に標準生計費というふうに、三種類並べて毎年書いておりますので、そこのところは、そういうものもそれぞれの意味をもって吟味しておるのだということは、御理解いただきたいと思っております。
○植木国務大臣 総理府統計局は非常に優秀なスタッフを持っておりますので、その統計調査が生きた数字でありますように努力するよう、今後も大いに督励をしてまいります。人事院も専門的な立場で公務員及び国民の期待にこたえてくださるように、私も今後いろいろ努力をしてまいりたいと存じます。
○中路委員 時間が過ぎていますので、一応終わりたいと思います。
○木野委員長代理 次に、鈴切康雄君。
○鈴切委員 だいぶ時間がおそくなってまいりましたし、私は、前にお二人の方々がそれぞれかなり突っ込んで質問をされておりますから、簡単に質問を申し上げたい、こう思うわけであります。 御存じのとおり、人事院勧告が七月二十六日、例年よりも二週間早く出されたわけでありますけれども、植木総務長官の前の小坂総務長官が、たしか本委員会において、勧告が早く出されたから早く支給できるように努力する、こういう趣旨の御答弁をされておられましたけれども、新しい総務長官になられた植木さんは、公務員給与が今日まで実現されずにいることをどのようにお考えになっておられるか、それについてまずお聞きしたいと思います。
○植木国務大臣 鈴切委員がただいまお話しのように、非常に早く人事院勧告が出されましたのに、これを提案して御審議いただくのが今日に至りましたことは、まことに残念であり、遺憾でございます。せっかくの御努力が人事院において行なわれたわけでありますし、公務員の方々も現在の経済状況の中で非常に苦労をしておられて今日に至っているわけなんでございます。いまとなりましては、どうぞ一日も早くこの公務員に対する給与法案を成立をさせていただきまして、公務員の方々の生活が少しでも潤うことができますように切に念願をしているのでございまして、ここにあらためて遺憾の意を表しますとともに、御審議を精力的に行なってくださいますように、心からお願いを申し上げる次第でございます。
○鈴切委員 インフレのもとにおける公務員の生活の窮状というものは、いま総務長官が言われたとおり、たいへんに苦しい状況にあるわけです。そこで、いま総務長官が残念であり遺憾でありますという、まことに都合のよさそうな、聞き当たりのいいおことばで表現をされておりますが、残念であり遺憾であると言う以上は、その残念であり遺憾であるそのあとのことばが続かなくちゃならぬわけですね。お気の毒です、これじゃ実際にはしようがないですね。だれがそういう問題については責任をとるかという問題です。 そこで当時、七月二十六日に勧告が出されたときに、たしか人事院側におきましても、何とかあのときの臨時国会に間に合わせたいという意向もありまして、それで早めてお出しになったわけですから、私どもさっそく、たしか七月三十日か三十一日ですか、臨時国会が終わる前に小坂前総務長官にお会いいたしまして、この国会を延長してもいいからこれを通したらどうか、しかも、たしか十二月の十日ごろまでは財源があるじゃないかということから、私どもは、それを提案したいきさつがあるわけであります。 ところが結局、政府はそれで打ち切られて、その間ずっと今日まできた。ですからそれが、全く自民党の中におけるいろいろの問題がからみ合って今日こうおくれたという以上は、私は、少なともこういうふうなことによっておくれた以上は、政府みずからがやはり責任をとって、それだけの公務員の方々に御迷惑をおかけしている点については、何らかの処置をしなくてはならない、こういうように思うのですが、その点いかがでしょうか。
○植木国務大臣 提案が前の臨時国会において行なわれませんでしたことにつきましては、実は、せっかく出たのであるから、早くこれを政府に出すようにということを強く要請した私、その一人でございます。したがいまして、遺憾だ残念だということでは――だれが一体責任をとるのかということでございますけれども、まあ、ここで完全尊重ということで今回法案を提出したのでございますから、諸般の事情は鈴切先生も十分御承知のところでございますので、どうぞ御理解をいただきまして、御協力をくださいますようにお願いを申し上げます。
○鈴切委員 植木総務長官も、やはり勧告が出た以上は一刻も早く法案を出して、そして一日も早く公務員に給与を払うべきであるということで、言うならば、政府にも言っておったけれども、しかし今度ところをかえて総務長官になられますと、今度は全くいままでとはほこをかえたような状態で守りに入られる。私は、それであってはいけないと実は思うのです。少なくとも政治家というものは、それなりのやはり所信を持って、自分が言ったことに対しては責任を持ち、そしてあなたが大臣になった以上は、あなたがそのときにおいて発言されたことは議事録に全部載っているわけですから、そういうことについては、やはりあなたみずからが責任をとって、そういうふうなことについては処理をするという姿勢がなくてはいけないんじゃないか。 いま完全実施をしたからかんべんしてくれというふうにおっしゃっておりますけれども、完全実施、確かにこれはもう当然のことであります。しかしあのとき、総裁談話が出されたときに、この勧告の早期実現のためすみやかに所要の措置をとられることを切望する、こういうことが出されているわけです。これも完全実施の勧告の一つと見ていいのです、実際は談話ですから。これがなされてないということは、実際には完全実施でないということです。そういうふうに思うのですが、こんなことがいつもいつも続けられるということになると、やはり公務員の士気が低下する。また言うならば、それに基づいてたいへんに公務員の生活の窮状が続くようなかっこうになりますから、人事院としてもこうやって早く出されたけれども、実際には今日法案がようやくかかったという状態の中にあって、こんなような状態でまた来年も同じことが繰り返されるということになりはしないかという疑問は、私も実はあるわけなんですが、人事院としては、何かもっと新しい考え方によって、これに取り組んでいく方法はないかということについてお考えになっておりませんか。あるいは総務長官は、この問題について、こういうことでいきますと、また来年もこういう形になると私も思うんですけれども、これについて、やはり勧告があったらすみやかに出すという方法について具体的な何かお考えをお持ちになりませんか。
○島田政府委員 もちろん私どもといたしましても、先ほど総裁談話をお読み上げいただきましたが、あの趣旨でできる限りすみやかにというつもりでやっておりましたのが、ことしこのようなおくれになりました以上、来年はこういうことを二度と繰り返したくはないという気持ちは、先生おっしゃるとおり私ども持っております。具体的にそれをどういう方法をもってそういうことのないようにいたすか、これは私どものひとり相撲でできることではございませんで、国会の御審議の関係もありますし、また現行の予算制度との調和の問題もございますし、いろいろの方面に目を配った上でやらなければいかぬと思いますが、私どもといたしましても、こういう遅延をしないような方策について、従来より一そう熱意を込めて勉強してみたいと思っています。
○植木国務大臣 先ほどもお答え申し上げたのでございますけれども、人事院の勧告を尊重するということと、国会で御審議をいただくという二つのたてまえがございます。一つには、できるだけさらに人事院にも御努力をいただいて、もっと早く何とか勧告を出していただけないかというようなこともあろうかと思いますが、これも非常に大きな、また広範にわたる数字を積み上げて苦心をして勧告を出されるわけでございますから、早期にとお願いをいたしましても、なかなかたいへんでもあろうかと存じます。先ほど申し上げましたように、何とかこういうことが起こらないような措置ができないものかということを、政府といたしましても十分に検討を続けてまいります。ひとつきょうは、この辺で御理解をいただきたいと存じます。
○鈴切委員 いまの勧告制度からいいますと、人事院勧告を早めるということは、もう物理的になかなかむずかしいんですね。そのむずかしい中で人事院はたいへんに努力をされている。結局やらなければならないのは政府であって、それをやらなかったということに問題があるわけですから、人事院のほうにもう少し早くしなさいというふうなことを言うのは、私は酷な話ではないかと思うわけです。そこについて、やはり政府の給与担当大臣を中心として来年もやはりそういう問題で、かなりこの問題は残るわけですから、御研究をされるように私は切望いたしておきます。 公務員給与を引き上げないことによる損失というものは、たしか十一月二十八日付の日経新聞によりますと「四月以来の物価上昇は二五%であるのに対し、一〇%分の暫定支払いしかされておらない結果、現時点でな実質五%減少していることになる。」また「給与改定の四月からの差額分の支給がこんなに遅れているのだからインフレによる目減り分と、利子分が十二万円にもなる。」という記事が出ておりますが、政府はこのことについてどのようにお考えになっておりましょうか。
○植木国務大臣 物価上昇によっていろいろ生活に影響を受けておられる方々は、国民大多数にわたるわけでございまして、したがって、物価問題につきましては、政府といたしましては、全力をあげてこれに取り組んでいく。「物価大作戦」ということを、総理も本会議で所信として述べられたわけでございまして、経済対策閣僚会議におきましても、これを最重点にただいま取り組んでいる最中でございます。 公務員についての物価上昇による目減りの問題でございますけれども、公務員もその影響を受けておられる、他の国民の方々も受けておられるというような実情でございますので、公務員にだけその措置を行なうということにつきましては、これまたいろいろ問題もあろうかと思いますので、慎重に対処をしてまいらなければならないと存じます。ただ、この問題につきまして、人事院が第三者的な専門機関として十分お考えいただきまして、政府に対して御建議、勧告がございましたならば、私どもは、それを待ちまして尊重をしてまいりたいというのが、ただいまの私どもの考え方でございます。
○鈴切委員 確かにインフレが諸悪の根源であるというとおり、物価上昇によって国民が受ける目減りというものは、これは一様に皆さん方受けているわけであります。たいへんな問題をかかえながら、それに対して政府は真剣に取り組むということでありますけれども、公平の原則からいいますと、確かに、そのような目減りのことについては、国民の皆さん方がひとしく受けるという状態であるにしても、公務員の方々は、七月、八月、九月、十月、十一月、十二月と、大体五カ月ぐらい、この間当然いただけるべき給与のベースアップ分がいただけなかった。そのために、ある人はお金を借りてこなくちゃならないという状態にまで追い込まれている。もしもそのお金が支払われておれば、銀行に積めば、目減りがあったとしても、当然それだけの利息はいただけるという中にあって、その目減りというものは、これは国民ひとしく受ける目減り以上に公務員が実は受けている、私はそのように判断するわけであります。ですから、いわゆる不均衡といいますか、その点は何とかならないのかということを私は申し上げているわけです。
○植木国務大臣 いまお話しの御趣旨は、私も十分理解をいたします。ただ御承知のように、公務員給与に関しましては、人事院勧告によって措置するということになっておりますたてまえがございますものですから、この問題についても、人事院の判断にゆだねるということしか申し上げられないという実情でございます。御理解を賜わりたいと存じます。
○鈴切委員 それは、ちょっとおかしいのであって、人事院勧告が出されることについては、これは人事院勧告が出されるわけですから、それまでは当然待たなくちゃならない。しかし、出されてからの処置がおそいことによる目減りということ、これを私は申し上げているわけであって、これはやはり政府の責任であると私は思うわけです。だから、そういう意味において何らか処置をしてあげなくちゃならないのではないかという感じも、実は私はするわけなんです。 そこで十一月三十日、労働省の調査によりますと、十月の実質賃金は、民間、三公社五現業は四月、賃金改定をしたにもかかわらず、前年同月比で二・九%減と発表しておりますけれども、労働省は労働者の生活の実情をどのようにお考えになっていましょうか。
○高橋説明員 最近の賃金の動向について申し上げますと、わが国の賃金はこれまで高い上昇が続いておりまして、実質賃金も四十八年の平均では八・七%の上昇になっております。四十九年に入りまして、消費者物価が非常に高騰いたしましたために、一月から四月にかけては実質賃金もマイナスになりましたが、その後、四月に大幅な賃金改定がございまして、また夏期一時金が高額に支給されましたので、四月以降十月までの実質賃金の増加は四・三%増になっております。ただ十月について見ますと、先生御指摘のように、前年の同月に比べましてマイナスの二・九という状況になりましたが、これは十月に、公務員のベースアップの差額が四十八年には支給されておりましたが、ことしは支給されておらないというような一時的な要因、それから消費者物価が十月に上がったというようなことから、このマイナスが出てきたというふうに考えております。
○鈴切委員 物価上昇と、それから近ごろは残業カットによる残業手当の削減というのが、実質賃金に大きく影響を与えているというふうに思うわけですけれども、その点についてはどのように判断をされておりましょうか。
○高橋説明員 所定外労働時間につきまして最近の動きを見てみますと、非常に大幅に減ってきておりまして、十月の所定外労働時間は、前年の同月に比べまして二三・〇%の減少ということになっております。そのような影響が賃金の増加額にも影響してきているということがございます。
○鈴切委員 所定外労働時間のいわゆる減については、業種別によってもずいぶん違うと思うのですが、特に不況業種として、労働省としていろいろ調査されている点について、大体どういう業種がそういうふうな傾向があるか、ちょっと御説明をいただきたい。
○高橋説明員 たとえば繊維工業について見ますと、十月の所定外労働時間は、前年の同月に比べまして四四・五%の減少、それから電気機械器具製造業について見ますと、同じく所定外労働時間が、前年同月に比べまして五二・二%の減少という状況でございます。
○鈴切委員 時間もあれですから最後に、給与改定の五カ月おくれたおくれを、最低限の法定利息で計算しても、ばく大なお金になりますが、先ほど大蔵省は、その目減りについて数字を出す、総務長官とも御相談をされたわけでありますけれども、総務長官のほうとしても、大蔵省でその資料を出すことについては、責任をもって出すようにしていただきたいと思うわけですけれども、膨大な目減りを給与上受けている公務員に対して、総務長官は給与担当大臣として今後どう考えるか。何らかの処置を考えるべきではないかというふうに思うわけですけれども、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
○植木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、今日に至りましたことは、まことに遺憾しごくでございまして、ただいまお話ございました大蔵省からの資料提出につきましては、先ほど委員長のもとでお取り計らいが行なわれるようになりまして、私どものほうからも、資料提出につきまして大蔵省に対して意見を述べておきますが、同時に、国民全体がいま異常な状況の中でこのインフレ問題に苦しんでおられるわけでございますので、これに精力的に取り組みまして、国民の納得の得られるような方向で私ども努力できますことは努力をさせていただきたい、このように思うわけでございます。
○鈴切委員 時間ですからこれで……。
○木野委員長代理 次に、受田新吉君。
○受田委員 委員各位からすでに重要なポイントは御質問になっておりまして、私、できるだけこれを繰り返さないようにします。 総務長官、人事院総裁が欠けているときには、いま島田先生が現在の場合代行しておられるそうですが、そういう場合に、人事院のあり方に対しては、総裁が欠けていても機能は常に生き生きとしておるとお考えですか。総裁が欠けておると、思うように仕事ができにくいものであると感じますか。
○植木国務大臣 総裁がおられないことにつきましては、この閉会中も政府と院の間におきまして、いろいろ協議が行なわれてまいりまして、できるだけ早く総裁を選任したい、そのための国会の御承認を得たいということで今日まで至っております。幸いにいたしまして、島田委員が代行をしてくださっておりまして、非常に優秀な委員及びそのスタッフでいま活動をしていただいております。このことにつきまして、生き生きというふうな表現は、私どういうことかと思いますけれども、いま機能は一応果たされている、政府といたしましては、できるだけ早く総裁選任の人事を国会におはかりをいたしたい、こういう考え方で準備をいたしておりますので、御了承を願います。
○受田委員 あなたが総務長官に御就任はいつでございましたか。
○植木国務大臣 十二月九日の夜でございます。
○受田委員 御就任以来、人事院総裁の新しい補充について、どのように動いてこられましたか。
○植木国務大臣 内閣に対しまして、できるだけ早く選任をしたいということを申し入れまして、すでに閣議におきましても、この人事について、総裁となられるべき方についての話が出てい状況でございます。
○受田委員 人事院総裁御逝去以後、相当の日月が経過しているわけであります。新任の総務長官は、人事、給与を担当しているお方である。したがって先般、十二月六日に島田人事官は――いまなたは委員とおっしゃったが、人事官ですから間違いのないように。その島田人事官は、後任の人事院総裁がきまるのを待って教職員の人確法の規定に基づく勧告をしたい。一月から三月まではすでに第二次改革の予算も取ってあることだから、総裁の決定を待ってしたい。つまり、総裁の決定待ちでこれはおくれておる。一月から給与を支給されるべき追加分が、予算まで取ってあるのが支給できない、勧告をすみやかにせよと申し上げたら、総裁の決定によってやりたい、こういうことです。 あなたが御就任以来、きょうでもう大かた九日になろうとしておる。その間に本会議は何回もあったわけです。にもかかわらず、その人事がおくれており、第二次人確法の規定に基づく勧告ができないということになっておる。総裁がいなくても勧告をすることはできるわけです。それを、島田先生は非常に遠慮されて、後任がきまるまでという発言をしておられる。後任にそんなに、前総裁御逝去以後日月がたっているのに困難な事情があるのでございますか。
○植木国務大臣 これは内閣の人事で、国会の御承認を得ることになるわけでございますが、逝去されましたとき、私は長官に就任しますまで参議院で議院運営委員長もいたしておりましたので、これを閉会中に発令して追認をすることはできないのかというようなことも内閣に申したことがございますが、これは本会議事項でございますので、したがいまして、就任いたしましてすぐ島田人事官にもお会いをいたしまして、いま受田委員がおっしゃいましたと同じようなことをお聞きをいたしましたので、内閣に対しまして、すみやかに次期総裁の承認手続をとってもらいたいということを申し入れてございます。私の知っております範囲内では、そんなに大きな支障があるとは存じておりません。できるだけすみやかに国会で御承認が得られますように、さらに努力を続けてまいります。
○受田委員 現に給与法の審議をしておる最中です。人事院総裁が欠けていることは適当でない。きょうの時点でも、新総裁によって答弁をしていただくべき性質のものです。国会の承認に難航している理由はどこにあるわけですか。政府はもう藤井先生をきめておるわけですね。それはどうですか、明確にひとつ。
○植木国務大臣 これは両院の議院運営委員会にかけられまして、これが各会派に持ち返られ、それぞれの意向によりまして本会議事項になるわけでございます。この人事が難航をしているということは、私は聞いておりません。したがいまして、すみやかにこれが決定に至りますように精力的に努力をいたします。
○受田委員 本会議は、総理の演説のあとで、代表質問に二日ほどかかっておるわけです。もう三日かかっておるのです。その間に人事は幾らでもかけられる。しかも給与法の審議をするという大事な時点で、当然この審議の時点ではもう新総裁はきまっておると思った。だから、そういうところは、すみやかにこの審議に間に合うように政府が人事を早くきめて、そしてこれを各党に相談されるという手続を早目にしておけばいい。あなたの就任と同時に直ちにやればよかったのです。就任してしばらく検討する時間があったのかどうか。
○植木国務大臣 候補者につきましては、いま受田委員からお名前が出ましたのでございますが、この方にぜひお願いをしたいということで、内閣といたしましては、それぞれの会派で御検討をいただいているわけでございまして、すみやかにこれを決定してやろうという、ただいまたいへんありがたいおことばでございましたので、ひとつ私もできるだけすみやかに御決定がいただけますように努力をいたしますので、御協力のほどをお願いいたします。
○受田委員 私、時間をかけません。この給与というものは、国家公務員法の第六十二条にも明確に書いてある。職員の職務と責任に応じてこれをなす、と書いてある。職務と責任で給与はきまると書いてある。今回出された給与法案を拝見いたしますと、そこにちょっと問題がある。職務と責任に応じた給与でない懸念があるわけです。それは特別職にずらりと懸念があります。 その一つ、特別職の別表二、大使の俸給、公使の俸給というのがある。この中で公使というものが四号俸に分かれておりまして、その職務にある人は、これに該当する公使は何人おるか。これは外務省で御答弁願いたい。
○浅尾説明員 ただいま御質問の特命全権公使は、現在のところ四名でございます。ただ、実員は現在二名でございます。
○受田委員 公使の職務を行なっている、つまり、給与に対応する職員の職務と責任という公使の職務を行なっておる者が何人おるのですか。
○浅尾説明員 いま申し上げました特命全権公使のほかに、いわゆる名称公使という、参事官で公使を名乗っておる者が現在二十三名おります。
○受田委員 その公使は、公使の職務と責任を果たしていないのでございますか。
○浅尾説明員 これは沿革的に申し上げますと、特命全権公使というのは、従来公使館というのがございまして、それの館長が主として特命全権公使ということになっておったわけでございます。ただ、戦後の国際政治の変化で公使館がほとんど大使館に格上げになりまして、そこで従来の特命全権公使はほとんど特命全権大使ということになりました。ただ一部に、日本を含みまして一部の国では、重要公館の次席では特命全権公使というのは残っております。しかし、そのほかには、一般的には館長を補佐します次席は、いわゆる参事官でございますが、ただ相手国との関係上、名称公使ということで運用しておりまして、後者の名称公使については、待遇上特命全権公使とは違っておりますけれども、従来から財政当局の御理解も得まして、在勤手当の面で今年度から名称公使の一部については、大部分でございますけれども、在勤俸の特別の手当というものがついておるという状況でございます。
○受田委員 公使の職務を行なっていないにせものの名称公使ですか。にせものですか、これは。
○浅尾説明員 いえ、いま申し上げましたのは、特命全権公使というのは沿革的には従来館長だったわけです。ただ、それが公使館というのがなくなりまして、ほとんど大使館になりましたけれども、重要公館については、公使の任務を行なう者について特命全権公使というのが現在四名ございます。
○受田委員 それはわかるのです。私は、そのほうはわかるのです。名称公使というものは、公使の職務を行なっていないのか、公使の責任を果たしていないのかを問うているのです。にせものかどうかです。
○浅尾説明員 これは名前上、特命全権公使と名称公使に分かれておりますけれども、実際の仕事は名称公使も特命全権公使に近い仕事をしております。ただし、その職務としては参事官で名称を公使といっております。
○受田委員 そうしたら、それは対外的には参事官で交渉しているのですか。公使では仕事をしていないのですか。
○浅尾説明員 これは対外的には公使という名称を持っております。ただ、国内法の公の名称では参事官であり、かつ公使という二重の人格を持っております。
○受田委員 外交官というのは、対外的な仕事をするんですよ。国家公務員法第六十二条の給与は職員の職務と責任に応じてこれをなす、だから、公使の職務を行なっていれば当然、公使の給料を払わなければいかぬですね。いかがでしょう。
○浅尾説明員 これは認証官とそうでない一般職というふうに分かれておりますので、一般職のいわゆる名称公使については、それに応じた在勤手当の特別の待遇というのをいま受けておるのが現状でございます。
○受田委員 外務省という対外的にも責任のある官庁が、実際にやっている公使の俸給を出さないで参事官の給与を出している。その公使は対外的にはちゃんともう公使という名刺も刷り、交渉の当事者にもなっていると私は思うのです。それに参事官の月給を与えているというのは、これは、もう給与の原則からいって非常に間違っておる。公使の職務を行なっておるのは当然、特別職の公使の俸給表を適用すべきである。人数が少なければわれわれが協力しますから、いまの特命全権公使と名称公使と一緒にして人数をふやすことにも協力しますから、そういうことに改正できませんか。協力してあげます。
○浅尾説明員 いまの先生の御趣旨は、私たちとしては、たいへんありがたい御趣旨でございますけれども、特別職というのは一定の定員がございますし、それからいまの名称公使というのは、あくまでも一般職でございますので、これは一般職として、しかし、それ相応の待遇ということで改善していきたいと私たちは考えております。
○受田委員 政府は、総務長官、あなたのほうで特別職を統括しておられるのです。ところが、いま人事院の担当しておる一般職は、全部職務と責任に応じて給与がきまっている。特別職のほうは、こういうふうに事実上、公使の仕事をしておるにもかかわらず、参事官の給与をもらって、冷たい待遇に甘んじておる、こういう不合理がこの給与法の中に出ておるじゃないですか。公使を名乗る以上は、もう公使の職務をやっているのだから、この中の定数をふやせばいいじゃないですか。どうなんですか。
○秋富政府委員 先生十分御承知のことでございますが、特命全権公使、これは認証官でございまして、いわゆる特別職でございます。これに対しまして、いまお話しの名称公使、これは、いわゆる外務公務員法に基づきます一般職の公務員でございまして、この間におきましては、おのずからその性格、権限といいますものは、やはり認証官と一般職という点から、あるいはその従来のいきさつ、ただいま公館長ということばも外務省人事課長からございましたが、そういったふうにおのずから違うわけでございまして、先生のお考えもいろいろと私たちうなずける点もあるわけではございますが、現在はやはりこういった形でいくべきものではないか、私はかように考えております。
○受田委員 特別職にあげておるのは、認証官でなければいけないのですか。そうなれば、ここにずらりと並んでおる中に認証官というのは数えるほどしかいないです。これは全部認証官じゃないのです。認証官じゃない者は、この法律の適用を受けないということであるなら、この辺はみな適用を受けないはずです。認証官を特別職の対象にするというのはどこに書いてあるか、法律の根拠を示してもらいたい。
○秋富政府委員 特別職につきましては、もちろん、たとえて申しますと秘書官だとかいろいろとございまして、すべて特別職の法律の適用を受ける者が認証官というわけではございませんが、外交官につきましては、ただいま申しましたように、特命全権大使あるいは特命全権公使と申します認証官、それから、いわゆる外務公務員法に基づきまず一般職の外交官、かようになっておるわけでございまして、適用につきましても、特別職と一般職というふうに分かれておるわけでございます。
○受田委員 それが誤りなんです。公使とうたってある者は、これに書いてあるのは認証官に限るとどこにも書いてない。特別職給与法のどこにあるか。すべて法律の根拠に基づくようにしなければならない。もし、この公使という名称を名のることがいけないならば、それは参事官というかっこうで参事官の仕事をしてもらえばいい。給料は参事官のしかもらわないが仕事は公使の仕事をしている、そういうものは、もし法律の適用に支障が起こるならば法律を改めればいいのです。事実公使の仕事をしている者には、公使の俸給表を適用する、とこう改めればごく簡単です。 それから、特命全権公使に人数が限られておる。これは対外的にどうですか人事課長、特命全権公使としてやってはいけない何かワクがどこかにあるのですか。名称公使の人を特命全権公使にしてはいけない壁はどこにあるのでございますか。
○浅尾説明員 特別職というか、認証官の公使というのは、現在定員法上四名というワクがございます。 それから、先ほどの先生の御質問に関連いたしますけれども、認証官である特命全権公使と一般職である名称公使の差異は、仕事の内容は非常に似ておりますけれども、いわゆる名称公使は、年次的に申しまして、本省の参事官であるとかあるいは名称公使が終わってから本省に戻って部長ぐらいになるという年次でございます。他方、特別職の特命全権公使のほうは、大体本省の局長を終わって外へ出まして、それから、その次は特命全権大使になるという、年次的な差によるものです。
○受田委員 年次的な問題は、それは公使をやめたときには参事官に戻ればいいのです。外務省に行って部長に戻ってもいいわけです。公使の職務を行なう間は、公使の任務を行なっているのだから、公使の待遇をしなければいけない。 だから、ここに四号俸あって、最低のいまの四十九万五千円というこの給与といえば、指定職の大体七、八号のところだ、そういうところでございますから、それをもっと下げて、これを五号俸にして、四十五万という新しい号を一つ制定してもいいわけです。幾らでも法律は改正できる。改正できるのですから、いつまでも外務省の古いワクにとらわれて、公使と名のる者の中に局長以上の者がおらぬ一それだけ外務省はわずかな職員の中で、ほとんどが認証官になるという恵まれた立場ではありましても、さらに認証官がふえるということは問題ではありましても、それはこの号俸を広げれば解決する問題です。私は、にせものの名称、事実待遇をもらっていない職務が外務省にあるということに非常に疑義を感ずるのでありますが、どうですか、このあたりでひとつ総理府はよく相談されて――事実公使という仕事をしておるのです。している以上は、公使のワクを広げて、号俸を五階級なり六階級なりにして、事実公使の職務を行なっている者は、その職務と責任において給与が支給されるようにすべきです。 いまあなた方お聞きになってもわかるでしょう。事実公使の仕事をしているのです。参事官の仕事じゃなくて公使の仕事をしている。都合によれば参事官の名刺を配り、都合によれば公使の名刺を配ってやっておるのじゃないのです。もう公使として、何々国駐剳公使として仕事をしていらっしゃる。よその国はもう公使として扱っている。これは参事官だが、いまはにせものの公使だとして向こうは待遇していないのです。公使として待遇しておるのです。そういうものについて、この際――私、何回かこれは指摘したんだが、検討するという約束を何回かしておって、いまも人事課長さんのお話では、白紙に還元したような答弁がある。これは給与体系上における職務と責任に対する異例の措置がここに行なわれておる。特別職の俸給表をお出しになった総理府として、ここに現に公使の職務を行なっている者は、公使のワクへ入れて――認証官と認証官でない者を分けるなんて、どこに規定があるのですか。この中には、認証官の公使だけだということはどこにもない。もし、それが問題であるならば、ここへ、公使である者にはこの号俸を適用すると入れておけば、名称も何も含まれるわけです。 ですから、いまのお話で、ちょっと待遇の低い人が公使になる場合があるから、それでこの中へは入れられぬので、参事官程度に置いておけばいいのだというんですが、それなら公使の職務が終わって参事官になったら、参事官の給与を出せばいい、公使の仕事をやっておるときは公使の給与を出すべきです。これは人事局長も、その点は造詣の深いお方ですが、植木国務大臣、これは非常に変な話です。公使の仕事を行なっておるが、実は参事官の身分で公使の名を使っておる。参事官の仕事をしておるんじゃないのです。公使の仕事をしておる。そうすれば、公使のワクを広げてでもそれを入れればいいのです。総理府でこの際、根本的に検討してもらいたい。認証官のワクが広がってほしいのならそうすればいい。非常に問題があるわけです。 それからもう一つ、人事課長さん、外務省に、この大使の中の五号俸をもらっている中で、特別の事情がある場合は、内閣総理大臣と外務大臣が協議して九十万円とするものとするという、今度の改正で九十万円になるが、そういう人がおる。これは特別職給与法の第三条の三項に該当するが、これは、いまだれがおるわけですか。
○浅尾説明員 現在のところおりません。
○受田委員 過去においてどんな人がおったのですか。
○浅尾説明員 私の記憶しておるところでは、岡崎外務大臣が外務大臣をやめられたあと国連の大使になる、そのときにこの特別の規定が発動されたというふうに承知しております。
○受田委員 自来、岡崎さんを除いて、この特別の事情によって協議する人はいなかった。――総理府、この規定が設けてあるわけですが、この規定のように、むしろ国家の権威を保つために、外国で、特に主要国においては国務大臣と同額の給与を支給する人を何人かつくっていいですよ。一国を代表する特命全権大使です。けちけちする必要はないのです。どうお考えですか。
○秋富政府委員 特号俸適用の方は、現在まで岡崎元外務大臣がなられた以外はございません。今後、ただいまの先生のいろいろな御指摘でございますが、こういった問題につきましては、私たちも、いろいろとただいまのいわゆる名称公使の問題の運用ということも含めまして、さらに検討をやらさせていただきたいと考えております。
○受田委員 外務省の課長さん、きょうはたいへんおそい時間をお差し繰り願って済まなかったんですけれども、私の質問が一番おくれたんですよ。おくれたので、年末差し迫った段階で申し上げるのですが、私が申し上げているのは、外務省の援護射撃です。できるだけ外交官を優遇しようという方針を立てている。あなたのほうはできるだけ冷遇しようと、私は優遇しようと、その見解の相違が一つあるんですがね。この点はあなたとしては、大いに激励を受けたのだというおぼしめしを持ってお帰り願いたいのです。帰られたらひとつ、官房長にも大臣にも、特に私の発言を申し入れていただいて、これの措置を適切にやっていただくようにお願いします。どうも御苦労でした。 それから、きょうは特別職、これに一つポイントを置きましょう。ここに、特別職の中に官房副長官と総理府総務副長官が六十四万円となっておる。政務次官は六十五万円、事務次官は六十三万円、内閣官房副長官も国会議員のほうは、もちろん政務次官と同じになる。総理府総務副長官でも二人おるが、政務のほうは六十五万円になる。ところが事務次官が六十三万円であるのに、この副長官が六十四万円というのは何か、理由はどこですか。どういう算定基礎ですか。
○秋富政府委員 これは沿革的な問題でございまして、実は内閣の両副長官、総理府の両副長官は特別職でございまして、先生よく御承知のように、かつては国会議員の方の副長官も事務の副長官も同額でございまして、政務次官よりも下で事務次官よりも上というところでございました。しかしこれは、非常に問題がございまして、昨年、いわゆる指定する副長官、すなわち国会議員の方の御就任になる内閣、総理府の副長官につきましては、これを政務次官と同額にいたしたという関係で、事務次官との関係あるいは政務次官との関係と申しますのは、かかって過去からのいきさつによりますものでございます。
○受田委員 いきさつで給与がきまってはいけないのです。給与は職務と責任においてきまっていくのが原則となる。いいかげんに給与をきめてもらっちゃ困る。これは政務次官が六十五万なら政務担当の副長官は、これは当然六十五万ですよ。しかし、一般の事務次官が六十三万なら、ここの特別職たる副長官も当然六十三万でいいのです。これは同額でいいわけです。総理府官房副長官は、一般の事務次官よりえらいのだというかっこうであるはずがない。総務副長官の政務をやっているほうは政務次官と同じ給与、そうでしょう。一万円高いのですか。同じでしょう。どうですか。 つまり、内閣官房副長官と総理府の総務副長官、どっちの副長官も国会議員がなるほうは今度六十五万ですよ。政務次官と同じです。それから各省の事務次官は六十三万です。それなら事務のほうから出た副長官は六十三万でいいじゃないですか。
○秋富政府委員 政務、事務を問わず、副長官はともに特別職でございまして、これは内閣の改造のたびごとに内閣とともにするというたてまえで、政務次官とともに両副長官は一応辞表は出して、そして一応そのたびごとに、またそのときのとおりになるという性格のものでございますし、一般の事務次官は一般職でございまして、必ずしも内閣とともにしないという性格の違いがあるわけでございます。
○受田委員 それなら政務、事務を平等にして六十五万にすればいいじゃないですか。性格が全く同じなら、政務であろうと事務であろうと内閣と運命をともにするなら同じ六十五万にすればいいのです。一万円下げなくてもいいですよ。私、はなはだけげんだ。同じとおっしゃったから、同じなら当然給与も同じでなければいけない。(「秋富さん新しいから」と呼ぶ者あり)それじゃ秋富先生これでおきます。これは国務大臣たる植木先生の答弁が要ると思うのです。
○植木国務大臣 ただいま、まことに含蓄のある御意見でございました。いろいろな経過あるいはその職務と責任等について勘案をしまして、こういう給与法をつくったのだと思いますが、さらにこれはひとつ、研究の課題にさせていただきたく存じますので御了承をお願いします。
○受田委員 この特別職に並んでいる各職名、常勤とか常勤でないとかいまごろ書いてあるが、一年間にどのくらい勤務しておるか、できるだけ早い機会に一覧表をお出しいただきたいのです。たとえば国家公安委員会は一年に何回会議をやっているか、公害等調整委員会は何回やっているか、行政監理委員会は何回やっているか、勤務日数というものは、やはり職務と責任の内容に通ずるものでございますから、勤務日数の一覧表を示していただきたい。 それから、公害等調整委員会の委員長が、この前ぐっとランクが上がったわけなんですが、これを見ると、あとの五十五万五千円のところにおる中にも、公害等調整委員会の委員長の給与に比べて――五十五万五千円でなくて六十三万円のところに上げてもいいのもおる。もう一つは、六十三万と五十五万五千、五十五万五千というのは指定職の九号俸、それから六十三万が指定職の十一号俸になっているが、十号俸に相当するちょうど中間があってもいいと思うのです。一ぺんにここでぐっと開いて六十五万、六十四万、六十三万から五十五万五千にぐっとダウンしておる。こんななだらかでない俸給表というものも非常におかしいので、こういうのを見ても、あまり勤務日数の多くないような分は下げればいいんですよ。ぐっと待遇を下げればいい。四十万台に下げてもいい。もう一度そういう再検討、総ざらいをする必要があると私は思うんですよ。思いつきで給与をきめられる、政治的配慮でいくということでは、ほんとうに職務と責任に応ずる給与にならぬ。これは非常に不均衡です。総ざらいをしていただくように要求します。 時間が迫りまして、最後に一つ私、指摘したいことは、今度人事院が一つの新制度を設けてくれました。設けてくれたといっても歓迎すべきかどうか、問題が一つあるわけですが、つまり、給与の銀行振り込み制度を創設されたわけです。これは十一月の末に人事院規則でこういうことをおやりになっておるが、この制度を創設された趣旨をちょっと御説明願いたい。
○茨木政府委員 前から、病気で長く休んでいらっしゃる方とか遠隔地に勤務していらっしゃる方等について、送金をするということによる給与の支払い方法が要るという問題がございました。それから、各省のほうの人事課長会議等においても、職務の特殊なところにおきましては、やはりそういう現金でそのつど渡すよりも、最近の取引関係の事情からいって振り込み制度というようなものが、民間でも相当使われておるという事情もあって、そういう方法を開いてもらいたいというようなこともございました。 そんなところで、給与法の現金で支払うという中にそれが一体入るのか入らないのかというようなこともありまして、その辺のことから今回、昨年の報告の際に、その問題を検討するということに触れておったわけでございますが、今年の勧告に際して、それを一応、本人の申し出に基づく形において実施に踏み切るという旨を触れましてやったわけでございます。
○受田委員 その対象の銀行というのには、金融機関としていわゆる中央銀行とか都市銀行とか地方銀行とかあるいは相互銀行とかいうのがみな入るのか、あるいは労働金庫とか信用金庫とかいうものまでも入るのか、どうですか。
○茨木政府委員 私のほうの人事院の立場から申し上げますと、これは会計法上の国庫金の支出に一応形としてなります関係上、日銀を通じまして現金が出ていくわけでございます。そこで、日銀の代理店または日銀、それらと口座振り込みの取引関係にありますものの金融機関等でございますれば、一応は対象になり得るというふうに私のほうは考えております。 それで、現実にそういうような関係に、現時点でありますものということになりますと、いま、いろいろおあげになりました都市銀行、地方銀行はすべて入るようでございますし、それから、相互銀行も大部分は入るようでございます。それから、信用金庫も一部分が含まれるようでございます。その他の問題については、いまのところまだそういう関係が、日銀ないしは代理店との間にございませんので、今後の問題であろうというふうに考えております。
○受田委員 最後に、今度は一つ、階級差が激し過ぎる給与体系を指摘したいのです。それは指定職の俸給の適用を受ける職員の中に大学長があるが、この大学長で最高給をもらうのは東京と京都の学長、その次が例のかつての帝大、それから一、二、三と別に、五階級に分かれておるのです。つまり、一等大学から五等大学まである。こういうのは教育のいかにも中央集権的な印象を与える危険があるし、あるいは大都市の大学長を優遇して地方を軽視するということもある。一等大学から五等大学の印象を受けるこの大学長の俸給を、指定職になぜ五段階に分けたのか。つまり、わが大学の学長は五等学長だよと学生に卑屈感を与えることになるのだから。まあ東大と京大は抜きとして、少なくとも二階級か三階級かで、また五等大学の学長が長年勤務した場合には、四等にもなり三等にもなり二等にもなっていくという道を開くということであれば、これは教育の現場に差別感を与えないのです。ところが、そういう配慮がちっともしてない。五等大学の学長が三年なり五年なり勤務したら、四等大学の学長として一階級上がるとかいう道が全然ない。 これは教育の機会均等ということと大学の格差を防止するという意味から、せめて学長の待遇だけは、できるだけ公平を期することが必要だと思うのですが、今回の改正でもこれが直されていないし、人事院も一向これを改めようとしていない。これは、どういうことですか。
○茨木政府委員 これは先生御案内のように、一番当初、甲表と乙表とあったわけでございまして、甲表のほうで一官一職的な運用で当初出発したわけでございますが、その時代に、大学の規模でございますとかいうようなことから、いま言ったような五段階に当時分けられた経緯がございますが、その後、先生いま御意見のような意見がありますことも事実でございます。それで、当時は六号俸の差がありましたものを、現在は四号俸の差に漸次縮めてまいったというようなことに相なっております。しかし今後、やはり検討の問題点であろうというふうには考えております。本年度は一応それぞれの区分分け等については見送った経緯がございますので、一応今年度はそういう意味の吟味をしなかったわけでございます。そういう意味で問題点であるということは、私どもも承知いたしております。
○受田委員 確かに問題があるんですね。これはひとつ検討してください。 いま一つでおしまいですが、国立学校の付属教官、文部教官たる付属教官、これが地方公務員と国家公務員とのまた関係になってくるのですが、地方公務員が国家公務員になった時点で、大半の府県では国家公務員の給与水準が低い。つまり、低い給与をもらうようになってくる。これは別のほうで、普通交付税を出していく関係で、地方公務員の給与は国家公務員の水準というところで押えるように中央がしておるということに関連する問題ですが、はみ出る分は認めないというようなかっこうに今度はね返るわけですが、今度、地方公務員から国家公務員の付属教官になった職員は、これは研究学校の性格もあって、特別に研究して、地域社会の各学校の範となる研究をしなければならぬ、そういう意味からも、このダウンを防止するために、研究費のようなものを特別に出すとかいうことによってそのバランスをとる必要はないかと私は思っているのですが、その研究手当の問題。 これは、もう全国的に問題になっている。地方公務員の給与の水準が高い。国家公務員が低い。そこへ今度転勤していった場合に急に給与が一割なり二割なり、ひどいところは三割も下がる。しかも非常に研究をして、地方の各学校の範となる勉強もしなければならぬ。教育実習で教育学部の卒業生あるいは各大学の教育実習の担当もしなければならぬという、重荷は多くて待遇は悪いというこれらの職員に対する研修手当その他の特別の措置をとる必要はないか。教育実習手当ならちょいとある分とは別でありますよ、私が申し上げるのは。考慮をしていただけるかどうか。
○茨木政府委員 これは前から問題になっておりますことでございますが、先生もいま御指摘になられましたように、給与決定のたてまえが法律、国家公務員法と地方公務員法との間のたてまえと実態とが違っておるというようなところから、そういう問題が起こっておるわけですが、そこで、いま先生御指摘のような問題点も一つの方法であろうという気持ちがいたします。 それで先般も、いま先生ちょっと名前をあげられました実習手当の関連でも、いろいろ要望を受けております。そんなところで、いろいろ研究はしておるところでございますが、学校側にも何か、要するに地方とは全く違うそういう性格のものが何か一体ないのかという質問を実は出しておるところでございます。その辺で公立のほうには影響しない固有のものがあるのだということになれば、それをどういうふうに給与上料理するかというふうに考えられるのだがというような提案も実はしてみておるところでございます。今後も研究していきたいとは思っております。
○受田委員 それでは終わります。おそくまで御苦労でございました。
○木野委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時五十九分散会 ――――◇―――――