商工委員会流通問題小委員会 第1号
- 発言数
- 199 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/12/19
会議録
○武藤小委員長 これより商工委員会流通問題小委員会を開会いたします。 流通問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)小委員 農林省にお尋ねしますけれども、卵価が不安定で値動きが非常にひどい。そのことは生産者にとってもたいへんなことだろうと思うのですが、同時にそれは消費者も困るということになるわけであります。この原因は、飼料の値上がりその他いろいろな面もあると思うのですが、同時にこの流通上の問題も多分にあるのではないかと考えるわけです。卵価の市況、ただいま私が申し上げましたような点について、農林省としての対策はいかがなものか、その点についてお尋ねします。
○高須説明員 鶏卵の価格につきましては、二十年来非常に安定して推移してまいりまして、四十五年当時一個十四円ぐらいなのが、昨年十六円ぐらいということで推移してまいったわけでございますが、昨年来の種々の要因によりまして若干上がり始めておる。現在は一年の中でも一番高いときでございますから、この十二月、最近の現状を申しますと、卸で三百六十円程度、それから小売りで四百三十円程度、これは一キロでございますが、一個当たり二十五円から二十七円ぐらいということで推移いたしておるわけでございます。 流通上の問題は種々ございますが、卵の場合にはマージンもほとんど一定いたしておりまして、大体二割ぐらいで、特にそういう問題はないかと思いますが、ともかく非常に変動をしますと、家庭にとっても、先生もおっしゃいましたように生産者にとりましてもいろいろ問題がございますので、私ども卵につきましてはまず第一に卵価安定基金というものを設けておりまして、ここで下がりましたときに補てんしていくというような制度をいたしております。もう一つは、調整保管事業を続けておりまして、これは卵価が非常に下がりましたような場合に生産者団体が買い入れて調整保管をいたしまして、卵価があまり上がりましたような場合にこれを放出するといったような操作を行なっております。さらにもう一つは、液卵公社でございますが、液卵公社では非常に下がりました場合に市場から卵を買い入れまして、これを液卵にいたす、そうして保管する。このような三本立ての制度をもちまして、できるだけ卵価を安定するという方向で努力いたしておる段階でございます。
○中村(重)小委員 卵価安定の方法として、いまお答えの点は私も承知をしているわけですが、この調整保管というものをもっと積極的にやったらどうか。それから、割卵費用というようなものもある程度めんどうを見ているようですけれども、この割卵費用というものをもっと増額をしていくとか、いろいろ調整保管についてのもっときめこまかい措置を講ずることが卵価の安定ということにつながっていくというように考えるわけですが、その点どのようにお考えになりますか。
○高須説明員 調整保管、現在千五百トン程度やっておるわけでございますが、夏場非常に下がるというのが普通の形態でございまして、夏場を中心にこういったものを行なっております。 割卵費につきましては、大体経費の三分の二、現在で約五十円、四十六円八十銭でございますが、これを見るということで、生産者団体の自主的な御努力に対しまして、ほぼ妥当な助成を私どもいたしておる、かように考えておるわけでございます。 おっしゃいましたその他の制度につきましても、私どもでき得る限りの努力はいたしておるつもりでございます。
○中村(重)小委員 卵価安定基金という制度があるのだけれども、これは団体であるとか生産者が合わせて二円六十何銭ですかの出資を、積み立てをやる。政府もこれに対して出資を行なっているようですが、なおそれでも足らなくて、基準価格を下回るために、赤字補てんということのために借り入れをしている。その借り入れの額がいま三十四億になっているというように伺っているわけですが、この点に問題があるような感じがしてならない。 一つは、この基金に加入者が非常に少ないんじゃないか。なぜに加入者が少ないのかということになってくると、借金を負っているから、結局その責めを負わなければならないという形になることも、加入することについてしり込みをしていくということになるのじゃないか。私が伺っておるのでは二五%程度しかこの基金に加入をしてないということ、これでは私は国の施策としては適当ではない。もっと基金に積極的に加入するような施策が必要ではないか。そのためにはもっと国が大幅に出資をしていくということですね。あるいは利子補給をやっているようでございますけれども、その利子補給にいたしましても、もう少し額を引き上げていくとか、そのような措置というものが当然考えられなければならないというように思います。 きょうは時間の関係がありますから、実は議論をする余裕がないわけですが、この赤字補てんのための、いわゆる三十四億の赤字をなくするための措置というものをどのようにお考えになっているのか、それらの点等もあわせてひとつお答えをいただきたい。
○高須説明員 この赤字が発生いたしましたのはことしの夏のことでございまして、これは毎年春先は卵価が高くて、そうして夏非常に下がる、それからまた冬場になりまして卵価が上がる、こういうのが毎年の周期の繰り返しでございます。したがいまして、夏下がったときにその分を補てんするというような形で、必要があれば融資等によって行なっておるわけでございまして、これは卵価の高いときに分担金を徴収いたしまして、それで徐々に弁済していっていただくということでございますが、ただ、毎年のパターンと違いますことは、四十九年は異常な年でございまして、えさの値上がり、その他諸資材の値上がり等で非常に生産費の水準そのものが上がったということで、特別な事情が発生いたしたわけでございます。 そこで、今年度につきましては特に多額の融資を必要といたしたわけでございまして、この分の融資のあっせん等につきましては、極力私ども努力をいたしまして、さらにこの融資による負担が重くならないように、利子補給ということで、これらの負債につきましては利子の補給をいたしております。ただ、元本だけを将来返済していただく。通常の場合でございますと、大体これでいけるわけでございますが、四十九年だけは異常な年でございまして、したがいまして、卵価安定基金が生まれまして以来このようなことは初めてでございます。平常な状態になれば無事に推移していくものと思われます。 しかし、それだけではいけませんので、明年以降はこの卵価安定基金のてこ入れをする、そうして魅力を持たせる。さらにまた、この鶏卵問題は現在過剰生産でございますから、計画生産と申しますか、生産調整というものを強く打ち出さざるを得ないというようなこともございまして、基金を通じて計画生産を遂行するというような意味もございまして、何とかてこ入れをしたいということで、目下財政当局と種々お打ち合わせをいたしておる段階でございます。
○中村(重)小委員 考え方は非常によろしいわけだけれども、なかなか実効が伴っていかない。それはやるにいたしましても非常に小刻みだという点が私は問題のような感じがしてなりません。赤字補てんのための積み立てということになってくると、当然国が出してくれ、出さなければならないということになるんだろうと思うのですが、大蔵省にどの程度この赤字補てんのための積み立ての要求をしていらっしゃいますか。
○高須説明員 明年からの制度は赤字補てんということではございませんので、この卵価安定基金という基金の運営が円滑にまいりますように、その元金としての金を大蔵とただいま御相談中でございまして、規模といたしましては、まだこれは私どもの要求ベースでございますが、大体特別な基金を、三十四億円程度の基金をつくるために、二分の一を生産者あるいはこの基金関係の方に負担していただきまして、二分の一を国のほうで出して、そうして万一の場合にそれを使うというようなことを前提にいたしまして、この基金の造成を二カ年間というふうに計算いたしますと、大体来年八億円くらいの国の助成ということでお願いいたしておる段階でございます。
○中村(重)小委員 三十四億の半分ということになってくると、おっしゃるように十七億、その十七億のまた半分と、こういうことになるようですが、大蔵省はどうですか。いま農林省のほうから要求されておる八億あるいは八億六千万というようにも伺っておるわけですが、それに応ずる用意がありますか。
○宮下説明員 お答え申し上げます。 先般来、先生から御指摘の卵価安定についての施策につきまして、いろいろ各種の対策が講じられておるわけでございますけれども、私どもは基本的にはこの卵というのは非常に生産期間が短くて、大家畜等と違いまして容易に生産調整ないし計画生産ということが行政指導の面からも可能であるというように考えております。ただいままで議論がありました卵価安定基金、液卵公社あるいは事業団による自主的調整保管というような種々の安定のためのメカニズムがございますので、これらを適切に運用してまいれば供給の安定、したがってまた価格の安定がはかれるのじゃないかというようにわれわれは基本的には考えております。 八億六千万円くらいの卵価安定基金、この基金は二つございますが、掛け金について国庫補助をしてほしいという要求がございますけれども、これについては目下予算編成の一環として検討中でございますが、基本的には先ほど申したような考え方で対処していきたいというように考えております。
○中村(重)小委員 三十四億赤字が出ているということは現実の問題です。その二分の一ということになると、先ほど申し上げたように、十七億本来出してやらなければいけないのでしょうが、それをまた半分に値切って八億、いまお答えになりましたような数字ですね。これは大蔵省が出してやらないということになってくると、またまたもって、結局大混乱におちいって、そのツケは結局卵価の不安定、消費者にしわ寄せという形になってまいります。卵の価格というのは、いままで比較的に長い間、ほかの物価の上昇と比較をいたしますと安定をしてきた。最近非常に混乱をしておるということ等を考えると、畜産振興という面から大蔵省も積極的にこれに対応していくという姿勢が必要であろうというように私は考えますから、そういう方向で取り組んでいただきたいということを要請しておきたいと思います。 なお、飼料代の値上がりは、十一月は八千五百円ですか、また一月にはトン当たり七千円上がるというようにいわれている。このツケがまた消費者に回るというのじゃ、これはどうにもならないのです。ツケを消費者に回さないような対策というのが当然考えられなければならないと思いますが、その点いかがですか。
○高須説明員 これは非常にむずかしい問題でございますが、畜産物につきましては、えさが非常に重要なものでございまして、卵の場合には七〇%くらいはえさで占めておるわけでございますが、えさが海外のいろんな要因によって値上がってまいりましたので、やや長期的に見ますと、そうした傾向というものが畜産物価格の中に自然に取り入れられて実現してまいるのが至当であろうというふうに思っておるわけでございますけれども、しかし、これが短期間にこのような値上がりというような事態が発生いたしますと非常に問題がございますので、そこで私ども数々の飼料対策をいろいろやってまいります。この飼料のほうにも資料価格安定基金というのがございます。現在自主的な基金が三つございますが、明年度から予定いたしておりましたいわゆる親基金制度というものを、財政当局と御相談いたしまして、明年一月からさっそく発足させまして、現在のところ補正予算でその予算はお願いいたしておるわけでございますが、大体国から六十億円、民間から六十億円くらい、百二十億円の基金を設置いたしまして、そうして異常な値上がりが発生いたしました場合には、その相当程度の部分をその基金がカバーするといったような形で、これは親基金制度、正式名称はまだきまっておりませんが、再保険制度のような形でございまして、これでえさの価格の高騰をできるだけ吸収し、ならして、逐次こうした価格体系というものが無理なく履行できるような対策を考えておるわけでございます。
○中村(重)小委員 親基金の関係は、卵価の基準価格との関連があるのかないのか、えさが、めったに下がることはなしのですが 前回若干下がりました。下がったときに基準価格を下げたというように伺っているのですが、そういう事実があるのかどうか。それから、非常に上がった場合、変動幅が八%というように伺っているのですが、八%、三百円ということになってまいりますと、二百八十円に下がりますと二十円ということになる。ところが、その下がった分の八%ということになるのかどうか、あるいはそうでなくて、下がった分を補助する、三百円の場合に、かりに、いま二百七十円ですかね、二十円下がるとその二十円を補てんをするという意味なのか、それから飼料価格がかりに下がった場合、また基準価格を下げるということになるのか、そこらあたりいかがです。
○高須説明員 えさ基金の場合と卵の場合は、直接は連動いたしておりません。えさはえさで独立で考えておりまして、八%と申しますのはえさのほうのことでございます。 えさ基金の考え方でございますが、現在原料でございますトウモロコシ、コウリャン、大豆の油かす、こういったようなものの値上がりが非常にきびしいわけでございます。過去十年くらいを見ますと、大体変動率というのが一五%になっております。これが配合飼料の中に原料となりまして入ってまいりますときには、大体配合飼料が八%値上がりとなるわけでございます。この八%の変動、上がったり下がったりいたしますこの八%の範囲というのは、いわゆる通常変動でございますので、このえさの通常変動の部分は民間の自主的な基金でもって調整していただく範囲でございます。それをこえた場合は親基金のほうでめんどうを見ますということでございます。そういう意味の八%でございます。これが直接に卵の価格にどう響くかということは、直ちには連動いたしていないわけでございますが、たぶん先生のおっしゃいましたのは、ことしの夏に四千円配合飼料価格が下がったことがございます。そういうことを原因といたしまして二百七十円の卵価を二百五十三円に下げていただいたことがございます。そのときの理由といたしましては、配合飼料価格が四千円値下がりを示したのだから保証価格も若干減らしてもらいたいということをお願いいたしたことがあるわけでございまして、そういう意味でたまたま連動したということでございまして、制度として連動はさせておりません。ただ、新しく卵価をきめますときにえさのことを十分考慮してきめることは当然でございまして、そういう意味では、直接の連動はないにしても、間接的には当然そういうことも考慮されるわけでございます。
○中村(重)小委員 まあしかし、いずれにしても異常なえさの値上がり、それから流通上についてもいろいろな問題点もあるんです。しかし、そのことについていま直接的な手を加えられないまま、生産者とか消費者に犠牲が要求されるというあり方は、私は好ましくないと思う。また、えさにいたしましても、業者の扱い、農協の扱いを比較をいたしますと、業者の扱いが高い。むしろそういった場合に、流通問題とあわせて、業者扱いと農協の扱いと価格を同じくするとか、それがどうしてもできなければ農協扱いというものをもっとふやしていくということとか、ともかく弱いものにツケを回さないようにするという対策が積極的に講じられなければならないというように考えます。その点に対してまた大蔵は、赤字が出ました場合に当然補助をしていかなければならないということについて重要な関心事でもありましょうから、そうしたいろいろな点に総合的な対策というものを各省協議をして講じていくということが必要である。ともかく、結論的に申し上げて、先ほど申し上げたとおり、弱いものにしわ寄せをしないという基本的な姿勢でもって対策を講じていただくということを要請をいたしまして、最後にお答えを願って、この問題に対する質疑を終わります。
○高須説明員 私どもも、一方には消費者に対して、卵というのは日常必需品のような形になっておりますので、できるだけ安価な、安定した供給を続けてまいる。そのためにはどうしても生産者の生産体制ということを維持してまいる必要がございますので、そのような観点から最も重大なえさ対策ということに真剣に取り組んでまいりまして、消費者にとっても、また生産者にとっても安定した供給と需要というような体制に進めてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)小委員 それじゃ商品取引の問題をお尋ねいたします。 法改正はいつごろ提出されるんですか。また、法律事項と政省令でやられる事項とあるだろうと思いますが、その時期等について、また内容もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○鯨井説明員 商品取引所法の改正につきましては、ことしの四月に産業構造審議会から答申をいただきまして、次期通常国会に出すことを目途といたしまして現在作業を進めておる段階でございます。 内容につきましてはいろいろございますが、大きなものを申し上げますと、第一は委託者債権の保護でございます。これにつきましては、たとえば委託を受けました商品取引員が倒産をいたしましたような場合に、委託者の預けておりました証拠金が返ってこないという場合がございますので、そういったことをなくするために何か措置を講じなければならないということがございまして、産業構造審議会の答申におきましては完全分離保管と申しまして、委託者から預かった金を別なところに分離して保管するということを含めまして、その方策を検討しろという答申をいただいておるわけでございます。これにつきましては、われわれもいろいろ法律的に検討したわけでございますが、確かにそれは委託者の保護という面ではすぐれた面もございますが、一方商品取引員の金繰りの問題もございますし、またいろいろ別な機関をつくる場合の設立手続等もございますので、現在まだそれにきめたわけではございません。業界とも相談いたしまして、また別な手段があるかどうかといったことも含めまして考えている次第でございます。 それから第二には、市場管理の問題でございまして、これは最近過当投機の弊害が見受けられる。相場が異常に乱高下いたしまして、取引所があるためにかえって当該商品の流通が阻害されるといったような面もあるわけでございまして、これを何とかしなければならないというのが第二の改正の趣旨でございます。これは法律事項はあまり多くございませんで、大体政省令あるいは取引所の定款等で行なえるものもございますが、こういったものを現在検討しておる次第でございます。 それから、第三の問題といたしましては、外務員の問題がございます。今度の法律改正で考えておりますことは、外務員に対しまして受託業務に関しまして取引員の代理権を与えるということでございます。現在は外務員は受託自身はできませんで、受託の勧誘だけできるということになっておるわけでございますが、これを改めまして取引員の代理といたしまして受託自身もできるというふうに変えたいというふうに考えております。 以上三点が大体主要なものでございますが、そのほかの項目といたしましては、たとえば現在法定されております取引所上場商品をより弾力的にするために政令事項にするということでございますとか、あるいは取引所の合併を促進するために合併に関する規定を設けるというようなこととか、あるいは現在ございます商品取引所審議会の権限の拡充あるいは人員の増加といったようなことも考えてございます。
○中村(重)小委員 岩野さん、いまお答えがあった分離保管の問題ですが、審議会の答申は完全分離保管ということになっております。これに対して委託者の保護という点から、業者が相互に保管し合うということで補償組合をつくらせる指導をされていくということでありますが、その点はどうなっておるのか、またこの分離保管と補償組合との関係はどのように理解をしたらよろしいか、その点いかがですか。
○岩野説明員 完全分離保管の制度もあわせて検討するようにということが、産業構造審議会の御答申だったというように考えております。 その趣旨は、第一点は、委託者債権と申しますか、そういうものを完全に補償する、委託者債権の安全整備の確保、こういうことが第一点であろう。 それから第二点は、完全分離保管のねらいといたしておりますのは、流用制限、お客さんの金を他のほうへ使われないということを趣旨としておるのではないか、こういうことであります。 それから、完全分離保管のねらいとして、第三点は、常にそういう明朗に会計といいますか、そういうものが把握されるということが、完全分離保管を御議論になった産業構造審議会の御見解であろうというふうに考えております。 そういう事項につきまして最も大事なのは、お客さんから預かった金というものが常に安全に確保されるという点をどういうような方法で実現できるかということの一つの方法として、業界では委託者債権に対しまして補償機構というものをつくろうということを現在進められておるわけです。不幸にして倒産というような事態が出ても、お客さんから預かっている金については業界全体で一〇〇%補償をいたすというようなことを現在検討しております。これが実現いたされますと、お客さんの金についての補償ということが大幅に実現できるということで、ある面におきましては分離保管以上の機能を発揮できるというようなこともございます。このシステムにつきましては、十分検討をして、その実現方に努力をいたしたいというふうに考えております。で、法律改正の際におきましても、この機構につきましては十分高く評価していくということを考えていたしております。 そのほか、お客さんの金についての流用制限というようなことも、制度改正にあたりましては十分考えていかなければならない問題であるというふうに考えております。
○中村(重)小委員 委託者の保護というのが最優先されなければならない。私は、その点に対しては手心というものは加えられてはいけないということは、これは基本的な考え方として持っているわけです。それは政府としても当然のことである。ところが、補償組合というのを農林、通産両省は、委託者の保護という点から推進をしてきている。この補償組合がどの程度積み立てをするのか、伺うところによりますと一枚五十円というように聞いていますが、一枚五十円ということになってくると、一年間どの程度の積み立てということになるのか。いま申し上げたような積み立てをやりましても、いままでの実績からして、倒産の場合、委託者に損害を与えるというような不安があるのかどうか、そこらはどうですか。
○岩野説明員 これは毎年の出来高の変更によりまして、かなり年によって違うということはあろうかと思いますが、私どもは大体一年間に二十億という積み立てが可能であるというふうに考えております。 それから、過去の倒産のケースでございますが、不幸にしてそういうケースが毎年――本年度一件ございました。四十八年に一件ということで、許可制以降二件の倒産があった。私どもはそういう不幸な事態にならないように最善の努力をしていきたいというふうに考えておるわけであります。そういう不幸な事態になりましたときに、委託者の債権を十分補償できるようにこの措置を充実していきたいというふうに考えております。
○中村(重)小委員 私がお尋ねするのは、補償組合というのが一枚五十円でもって積み立てをすると、いまのお答えによると一年間に二十億になる、だから五年間積み立てをすると百億ということになるが、いままでの倒産の実績ということからして、それで足りないような倒産というものは起きないのではないか。だから、積み立てでもって足りるということになってくるのに完全分離保管という制度をつくると、補償組合という必要はない。補償組合もやらせて一年間二十億、五年間百億というように積み立てをする、倒産の場合にそれから取りくずしをしていくといっても、それほどの大きい額ではないであろうということは考えられる。そうすると、完全分離保管にするということになってくると、これは業者自体がつぶれちゃう、業者がつぶれるということは、何というのか、経営がまずくてつぶれるのであれば業者の責任だけれども、政府が、さあ分離保管もしなさい、補償組合で積み立てもしなさいといって過重な要求をして、それでつぶれたということになってくると、それは政府の責任だということになりかねない。そこらをどうお考えになっていらっしゃるか。
○岩野説明員 この補償機構が充実をいたしまして、そこに金を預けてそこの補償契約を受け取るという取引につきましては、分離保管というようなことにつきましては、そういうことの必要性というものは少ないんではないかというふうに考える、制度改正にはそういう措置を考えていきたいというふうに考えております。
○中村(重)小委員 少ないというあいまいなことではなくて、いま補償組合に対してあなた方が相当期待を持っているということは、お答えの中からわれわれはうかがえるわけなんですよ。それで足りるんだったら、何も審議会が答申をしたからといって、審議会の答申は実情に合わないことだって、それを実施しなければならぬということはあり得ないわけなんです。いずれにしても、補償組合でやらせるほうがいいのか分離保管でやらせるほうがいいのか、どちらが委託者に対して被害を与えないということになるのか、委託者に被害を与えないということを最大目標としてそのいずれかを採用していくということでなければいけない。その点をどうしようと考えていらっしゃるのか。
○岩野説明員 ただいま中村先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもは業界自体で補償機構というものを全員が賛成して実現するかどうかということを現在見守っておるわけでございまして、補償機構というものを、ほんとに完全に業界全体あるいは取引員の方々が、こういうものをつくってそれに基づいて社会的な信用の向上に役立てるのだということになりますと、委託者債権の保全というものについては十分この機能が発動できるというふうに考えております。業界のコンセンサスがなかなか得られないという場合には、そういう方々については別途そういう取引については委託者債権の保全のための措置を講じていただくということもあわせて考えていかなければならないというふうに考えておるわけであります。
○中村(重)小委員 それじゃ、補償組合に入らない人だってあり得るという心配があるようですが、補償組合に入らない人は分離保管をする、補償組合に入って、そしていままでの倒産実績等から考えて委託者に迷惑をかけないという見通しが立つ場合は補償組合のほうを採用していく、その両方を使い分けをしていくという考え方になりますか。
○岩野説明員 現在考えられておりますのは社団法人でございまして、一応形式的には加入、脱退は自由ということになっております。私どもは全員が入るということを望んでおりまして、業者に対しては強くそういう指導をいたしておるという現状でございます。そういうことが実現されない場合には、そういうこともまた別途考えなければならないというふうに考えております。
○中村(重)小委員 時間の関係があって、商品取引のほうはぼくはあらためてやろうと思うのだけれども、質問しようと考えている担当課長が見えないわけです。――それじゃ、もう少し尋ねます。 いずれにしても、あいまいな態度をとらないで、すきっとした態度をとらぬというと、この商品取引というのはなかなか複雑でやっかいで、行政当局としても頭の痛いところだろうというようにお察しできるわけです。それは多分に政府のあいまいな態度というものはあるのですよ。こういうことがよろしいというように考えるならば、その方向を推進していく、しかしこれをやったらまたどういうことが起こるか、またそれで国会でつるし上げられたらたいへんだというような配慮もあるのだろうと思うのだけれども、遅疑逡巡する。看板調整の問題しかり、それから外務員の問題しかり、さらに支店、出張所の問題しかり、あきシートの問題しかり。ともかく数年前からこれはこうしなければなりませんということを言っておりながらなかなかやらない。私はそれが委託者に迷惑をかけないのであるならば言わないのですよ。単品でもって倒産する会社というのをあなた方が引き受けさせる。倒産したらたいへんだから強いような業者にこれを引き受けなさいといって引き受けさせるのだろうと思う。引き受けさせるのはいいですよ、倒産をしないのだから、迷惑を委託者にかけないのだから。ところが、単品の場合、その商品が市場に上場されない。ストップ状態になる。さあ外務員をかかえて、職員をかかえて経営圧力がかかる。どうにもならない。そのことが原因になって倒れていくということにだってなるのです。だから、委託者保護という点からその会社をつぶさないで、特定会社にそれを引き受けさせるというやり方をやるのだったら、今度はその会社が倒れないような方法を考えるべきだ。支店や出張所を認めていく必要があれば認めていかなければなるまいし、看板をふやしていかなければならないのだったら看板をふやしていく、外務員をふやす必要があるのだったら外務員をふやしていくということで経営の健全化をはかって、委託者にはいささかの迷惑もかけないというやり方でなければならない。しかし、右を向いたり左を向いたり、遅疑逡巡することによって非常に問題を混乱させていく、ひいてはそれが委託者に迷惑をかけるという結果が現に起こっておる。その事実に反省をされなければならないということを私は申し上げておくのであります。外務員の問題についても、全商連ルールとかということによって実際はやっているんだ、政府は責任ないんです。しかし、現実には政府がリーダーシップをとってやっていらっしゃる。だから、外務員だって、私は何回かこの問題に目を触れているんだけれども、定員をおきめになったらどうだ。それが減ったならば天井までは外務員を採用することができるということにしておかないと、二減って一入れるんだということになってくると、減っただけ認めてくれないから質の悪い外務員もかかえなければならないという結果が起こるでしょう。質の悪い外務員をかかえていくことは結局は紛議を巻き起こす種になってくるでしょう。だから、そこらも十分配慮される必要があるということを申し上げておくのであります。 それから、外務員に種類がありますか。何か給料外務員とか歩合外務員とかというのがあるのですか。私はいつか課長にも申し上げたことがあると思うのだけれども、外務員同士の売買によって――売買ということばは適当ではないのでしょうが、勧誘、受託によって紛議を起こした、それが相当長い期間にわたっているんだけれども未解決だ。よく業界関係の人たちの意見を聞いてみると、いやその事件はもう多く知られておりますが、それは歩合外務員です、歩合外務員は業者は責任を持たないのです、外務員同士が解決をしなければならないんですという言い方をしているように聞くのであります。私はけしからぬ話だと思う。給料で採用している外務員であるとか歩合外務員であるとかということは業界内部の問題、その企業自体の内部の問題にすぎないのではないか。少なくとも委託者に対しては、歩合外務員である、あるいは給料で採用している外務員であるという区別をもって迷惑をかけてはならないと私は考えます。その点はどのような御見解でございましょう。
○岩野説明員 外務員の登録につきましては、外務員が第一線におきまして委託者と接触するわけでございますが、外務員同士の過当競争を防止する、あるいは外務員の定着率といいますか、こういうものの向上あるいは資質の向上をはかるというような観点から、現在研修を実施したり、外務員の総ワクを設けまして、先生御承知のように全商連ルールというのを設けて、そういう総ワクあるいは登録等について実施をいたしてきておるわけです。これにつきましては、営業姿勢あるいは資産内容というものを十分考慮いたしまして、会社ごとに、そういう営業姿勢、財務内容が充実している取引員につきましては、逐次、基準数といいますか、それに対するワクの増加というようなことも考えて、現在基準数に対して三五%または十五人ということを実施をいたしておるわけです。外務員の補充につきましては、定着率というようなことを勘案して現在の制度をとらえております。本年の二月から、特別な理由があるという場合には、全商連ルールにおきましてもそういう弾力的な運営ができるようにいたして、先生の御趣旨がはえるように措置をいたしてきておるわけであります。 それから、歩合外務員の関係でございますが、現在の外務員の給与体系につきまして、固定給あるいは歩合給というものを併用いたしておりますのが約四三%でございます。それから、固定給というのが三八%、歩合給というのが一九%程度になっております。関西系の取引員におきましてこういう完全歩合給システムというものをとっている取引員がかなりおるわけでございます。これはいろいろな昔からの歴史といいますか、その店の営業方針というようなことから、こういう給与体系をとっておるわけです。完全歩合給の外務員でありましてもこれは会社の従業員でございますから、その外務員が起こしました委託者との関係の紛議につきましては、給与体系のいかんを問わず、それは同じように厳正に措置をするということでございます。
○中村(重)小委員 いま営業姿勢というお話があったのですが、かって紛議で袋だたきにあったことがあったようです。認可制から許可制に切りかえる際に営業姿勢でA、B、Cとランクづけをなさった。ところが、倒産の状況を見てみると、営業姿勢よろしいとしてAクラスにランクされた業者の倒産が多くて、Cクラスにランクされた業者の倒産というのはあまり聞かない。どこに原因があったのでしょう。
○岩野説明員 許可につきまして点数をつけましたのは、いわゆる営業姿勢についてのA、B、C、Dでございます。私どもはチェックポイントといたしまして、取引員の財務内容ということを一つ大きくポイントといたしておるわけです。いま一つは営業姿勢でございます。先生のおっしゃいましたA、B、C、Dというのは営業姿勢についてのA、B、C、Dで、これといま一つ資産内容、この両面から会社について見ていくということを現在やっております。
○中村(重)小委員 現在そういうことでやっておるとすれば、両面からやるということはけっこうです。ところが、当初は大混乱の中であったので、あなた方お二人とも当時の課長ではいらっしゃらなかったから、あなた方についてその点はやり方がまずかったんじゃないかと言おうとは考えません。しかし、いずれにしても、当時A、B、Cというのは紛議の件数だけで見た。営業規模が大きければ紛議もしたがって多い、そういう科学的な面の検討をなされないままどさくさみたいな形で、あるいはあなた方両省が緊急避難的なやり方でおやりになったというところにいまのような原因があった。ですから、そういうようなことを繰り返してはならない。しかし、両面からおやりになるのならばその点はうまくいくだろうというように思います。 ともあれ相当頭を痛めて取り組んでおられるということは、それなりに私は評価をいたしておりますが、決して拙速をたっとぶものではありません。ありませんが、ともかく何か責任回避をやっているのではないかというように考えられる面が多分にある。もっと積極的に取り組んで、そして商品取引というようなものを――こういう市場というものが必要であるのかどうかという点については、必ずしも私どもは市場を評価するものではありません。ありませんが、現実にある、それによって多くの人が迷惑を受けているということについては、これを見のがすわけにはまいりません。したがいまして、問題点を取り上げ、善良な委託者に迷惑をかけないようにしてもらいたいという観点からいつも指摘をしているわけです。皆さんが遅疑逡巡するといったようなやり方は決して委託者を保護する方法ではない、こうすることがよろしいと判断されたならば、これを決断していく、逃げるのではなくて取り組んでいくという姿勢をおとりになることを強く要求をいたしておきます。 またいずれ適当な機会に質問することにいたします。 委員長、担当の課長が見えませんから私はあと回しにいたします。それで、同僚の諸君に先にやらせてください。保留をして、一応終わります。
○武藤小委員長 板川君。
○板川小委員 私、このたび伝統産業振興法によって新しく指定をされました十一品目、その中での大島つむぎ、本場大島つむぎといいますか、鹿児島県の織物工業協同組合を中心とする団体から過般陳情を受けたものですから、この問題について若干質疑をいたしたいと思います。 この本場大島つむぎの関係者の陳情を見ますと、せっかく伝産法で指定を受けたのであるが、いま御承知のように非常な繊維不況であり、同時に韓国からの不当な輸入という両面の攻撃を受けて実は壊滅状態に瀕しておる、こういう陳情を受けております。それで、何とか韓国産の大島つむぎと称するものを輸入禁止できないかというのが第一の希望のようであります。もう一つは、輸入の方法が、不当な表示あるいは無表示、表示をしないという方式で輸入されているために、本場ものと類似的に見られて大きな被害を受けている、こういう二点がこの陳情の中心であったものですから、その二点についての問題を取り上げてみたいと思うわけであります。 奄美大島は、御承知のように離島でありますし、内地と違いまして多角的な産業が発展しているというわけじゃありません。伝統的な工芸品である本場大島つむぎの関係者は企業数で八〇%、従業員数で七四%、こういうふうに地域的には圧倒的な影響、社会的な経済的な影響を持っているわけであります。日本全体としては必ずしも大きい問題ではないにしましても、奄美大島あるいは鹿児島という地域においては実は非常に重要な社会的、経済的影響を持つ、こういう状態であるわけであります。 韓国の輸入の方式を見ますと、これは、関係者は陳情を受けたからある程度御承知と思いますが、たとえば反物の末端の縦糸を二十センチぐらい残しておいて、そして輸入して、あとで縦糸に横糸を入れて本場大島つむぎという表示をする。縦糸がぶら下がっているのは飾りと称しているそうであります。また、無表示もの、これは最近は幾らか少なくなったようでありますが、全く表示のないものあるいは反物の末端の内側に本場大島つむぎという表示をしてあり、その外側に韓国製という表示がしてある。売るときには韓国製という表示の織ってある部分だけは切り取って売るということになりますと、本場大島つむぎものと全く表示が同じになる。あるいは表示されたラベルを見ますと、一見本場ものと同じような中に、虫めがねで見ればわかる程度の韓国産という表示がある。こういうような表示問題もあるわけであります。いずれにしましても、こういうものが相当輸入されて大島つむぎの市場を荒らしている結果になっているわけであります。 そこで、一つ通産省に伺いますが、輸入の実績がどの程度であるかということと、それから輸入禁止をぜひしてほしい、こういわれているわけです。輸入禁止をすれば、逆にまた報復的な措置を受けるおそれもあるわけでありますが、一応実績と輸入禁止ができない理由を明らかにしてもらいたい。これは通産省からあるいは外務省でもけっこうでありますが、説明してもらいたいと思います。
○黒田説明員 お答えいたします。 まず、輸入の実態でございますけれども、実は通関段階で絹織物あるいはしぼったものというような分類での統計というものはでき上がっております。しかし、その中で大島つむぎと非常に似通ったと申しましょうか、大島つむぎ相当品というものは、実はいろいろと大蔵省とも御相談をしておるわけですが、なかなか定義もむずかしい面もございまして、それ以上の細分類の把握が確実にできかねておる現状でございまして、私どもといたしましては、その輸入数量の把握という点になかなか困難をしておるというのが現状でございます。 第二点の輸入禁止というものができないかということでございますが、輸入禁止というふうなことになりますとまことにドラスチックなことでございまして、輸入禁止というのはよほどの、安全上の問題でございますとか健康上の理由というようなこと以外では、通常の場合輸入禁止ということは考えられないというふうに思います。ただ、一段下がって輸入の数量制限をしたらどうだということが通常よくいわれるわけでございますが、この点につきましてはやはり国際的な従来のいろいろな経緯あるいは約束あるいは国内的な今後の産業の持っていき方というような点とあわせて慎重に対処しなければいけないというのが従来の私どもの考え方でございます。
○板川小委員 現地の人はほんとうに死活問題であり、その地域の地場産業としては重大な影響を受けるわけですから、輸入禁止をしてほしいという要望をするのも無理からぬことだと思いますが、国としてそれがなかなかできないというなら、やっぱりできないという理由をよく説明をし、同時にそういう人たちに対して、じゃ、国としてできることは何か、こういうようなことをやっぱり考えてやる必要があるのだろうと思います。いまの説明では、おそらく現地の人たちは、これは国としてはそうできないのもしかたがないかなと思うのには説明不足じゃないだろうかと思いますが、ひとつもう少しそういう点を検討して、現地の人に納得できるような答弁をしてもらいたいと思います。私は輸入禁止をしたりすることはなかなかむずかしいということはある程度理解できるのですが、せめてひとつ表示の問題だけでもきちんとして、この人たちの要望というものを取り上げていく必要があるのじゃないだろうか。輸入禁止問題は、韓国だけの問題じゃなくて国際的な影響があるから、なかなかそうできないかもしれない。そうであれば、せめてできるのはやっぱり表示の問題、表示だけはひとつきっちりとしてやって、影響をできるだけ押えてやるという必要があるだろうと思うのです。 そこで、お伺いをいたしますが、これは大蔵省に伺いますが、関税法の七十一条にこういう規定がありますね。「原産地を偽った表示等がされている貨物の輸入」これがタイトルですが、第七十一条「原産地について直接若しくは間接に偽った表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。」こういう趣旨の規定があります。「直接若しくは間接に偽った表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物」こういう点を、この規定を設けた趣旨からいうならば、原産地を表示すべきところに、縦糸だけを残して、無表示のまま輸入する。無表示の場合には取り締まる方法がない、こういうことをおっしゃっておるようでありますが、この七十一条を置いた趣旨からいいますと、無表示であることは、無表示によって誤認をさせるという意思が隠されておる、いわば一種の脱法的な手段ではないだろうか。こういうものは関税法七十一条で輸入を許可しない、こういうチェックのしかたはできないものかどうか。この点、法解釈もありますが、どうお考えですか。
○小田説明員 お答えいたします。 ただいま先生が七十一条の規定を御説明になりましたが、関税法七十一条の規定には、直接または間接に外国貨物に原産地の表示がなされておるという場合に、その表示が虚偽または誤認を生じさせる表示に該当するかどうかということによって輸入を許可しないという扱いをすることになっておるわけでございまして、先生御指摘のように、縦糸だけが出ておって、どうも国内へ入ってから横糸を織り込むというようなケースにつきましては、少なくとも通関の際にはいまだ何らの積極的な表示はない段階でございますので、七十一条の解釈といたしましては、さような場合には適用できないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、輸入後にいろいろな表示が行なわれるかもしれないという予測のもとに、通関の際にこれを切り取らせるというような措置までとらせることは法律的には困難である、かように私どもは考えている次第でございます。
○板川小委員 しかし、この七十一条の趣旨からいえば、原産地を偽った表示――とにかく表示がないわけですから、縦糸だけぶら下がっておって、これを飾りと称しておるのだそうですが、お相撲さんの前のほうじゃないけれども、下がりじゃないけれども、不必要な糸がぶら下がっておって、それを内地に入れてからそこに原産地名を表示する。明らかに偽った表示をしようという意図が隠されておると思うのです。そうすると、七十一条の脱法行為ということでこれが何らかの――表示がないことは七十一条じゃ取り締まれないんだといって見のがしておくのはどうかと私は思うのですがね。これはひとつこの七十一条を置いた趣旨等も考慮して、さらに検討を願いたいと思いますが、いかがですか。
○小田説明員 実は先生がおっしゃったような観点から種々検討をいたしてきたわけでございますが、その結果、先ほど申し上げたような結論に達して、現在取り扱っておる次第でございまして、確かに通関の際に、あるいは国内に入ってから何らかの原産地を織り込むというような意図はあるかもしれません。そういう推測はできるかもしれませんが、何ぶんにもその通関段階ではっきりした確証がやはり得られなければ、法律の適用ということになりますと、やはり問題があるのではないか、かように実は考えておるわけでございます。
○板川小委員 いずれにしましても、これはこういう無表示とかあるいは虚偽の表示を前提にした品物、こういうものは法を置いた趣旨からいえば、やはり問題があると思うので、大蔵省もひとつ関係各省と相談をして、実効あるような措置を今後考えてもらいたいということを要望いたします。 次に、通産省と外務省に伺いますが、不正競争防止法という法律がありますね。これは通産省関係ですか、昭和九年に成立し、これは一九〇〇年にブラッセルで、あるいは一九一一年にワシントンで、その他あるいは一九二五年にヘーグでというように国際的な一つの取りきめの中から成立を見た法律のようでありますが、すでに独占禁止法という法律ができる前からあった法律であります。この不正競争防止法という法律の一条には、商品の品質等の誤認を生じさせる行為等の規制行為の差しとめ請求権という条項がございます。この不正競争防止法という法律、国際的な取りきめによる法律から見ますと、この無表示あるいは縦糸をたらしたままあるいは韓国産というものを外側に置いて、内側には本場大島つむぎという表示をしておいて、売るときには韓国産という外側の端のほうを切り捨てておる、こういうような商取引というものが予測されるわけですが、これは一つの不正競争、不正な方法による商行為になる、こう思うのですが、この不正競争防止法を適用して、こうした韓国側――一応これは韓国側よりもあるいは日本の商社なり企業なりの示唆によるものが多いと思いますが、こういったものを防止することは、これを適用して防止できるのではないかと思いますが、この点、通産省ですか関係省の見解を伺いたいと思います。
○黒田説明員 不正競争防止法というのは、御指摘のように、たいへん古い法律でございまして、私どもたぶん特許庁の所掌だと思いますが、確かにある種の誤認、混同を生ぜしめる行為が実際に起こったときに、それによって営業上の利益を害せられるおそれのあるものが差しとめの請求ができるという規定がございまして、たぶんその産地あるいは大島つむぎを扱っている人たちが差しとめ請求をすることによって、その辺の、当然差しとめられるべき事態というものはあり得るように、私法律を見た限りでは考えております。ただ、その後最近の新しい法律で、公正取引方法の関連で、相当詳細な、近代的なかっこうが出ておりまして、むしろそちらと重ね合わせながら考えていくことも必要かと思っております。
○板川小委員 これは特許庁ではないでしょう、通産省の関係だというので通産省に質問しているのですが。 これは差しとめ請求ができるということで、もちろん差しとめてくれという陳情があるくらいですから、この法律によって請求権ありということであれば、これは禁止をしてくれといっているのですから、当然動くわけであります。だから、これによっても、そういう措置、商品の品質の誤認を生じさせる等の不正行為というものを禁止することができるのだろう、こう私は思うのです。 それから、ガットの九条の五項を見てもらいたいのですが、ガットの九条というのは「原産地表示」という項目であります。この五項には「締約国は、輸入前に表示の要件に従わなかったことに対しては、表示の訂正が不当に遅延し、虚偽の表示を附し、又は所定の表示を故意に省いた場合を除く外、一般原則として、特別税又は罰を課してはならない。」こういう規定があります。これを反対解釈をすれば、ガットの加盟国でこういう問題が出た場合には、日本が相手方に適正な表示をしてほしいという問題を持ち込む、そして、それが非常に不当に、向こうががんとして応じなくておくれておるとか、あるいは明らかにこっちのそういう意思表示があったにかかわらず、この表示なしでなお輸出をするという場合には、これは故意に表示を省いたということになる。その場合には、反対解釈として、国内において特別税または罰を課してもいい、こういう解釈が、このガットの九条の五項ではできると思うのです。ですから、こういう韓国側の輸出業者のいわば不当表示、無表示あるいは一種の脱法行為的な措置に対して、わが国から韓国に意思表示をして、これを防止するという措置もできるんじゃないだろうかと思いますが、通産省あるいは外務省関係のこれについての御意見を承ります。
○川出説明員 お答えいたします。 ガット第九条の第五項に、ただいま先生御指摘の条項がございます。私どものこの条項に対する解釈といたしまして、このような場合に特別税または罰を課すということはガット違反ではないというふうに解釈いたしておるわけでありますが、第一義的には、これは関税法その他、国内法の問題であるというふうに考えております。 原産地表示という要件をきびしくいたしますと、一般的には貿易を制限したりあるいは阻害する要因となり得るので、こうした原産地表示の要件をきびしくするということは、私どもは積極的には求めておらないという立場でございます。 こうした特別税または罰を課するかどうかということは、何といいましても日本の原産地表示についての、第一義的に国内法の問題でございまして、国際的に、原産地表示という問題がガットの場で検討されておるわけでありますが、多くの国々が原産地表示を非常にきびしくする場合には、ノン・タリフ・バリアというものになり得るということで、原産地表示が貿易阻害的な効果を持たないようにしようということで、原産地表示の問題も見直そうという動きがあるということを御報告申し上げたいと思います。
○板川小委員 通産省は。
○黒田説明員 ただいま答弁もございましたように、ガット上ある一定の、九条に述べられましたような条件のもとで原産地表示を求めるという可能性が認められておることは、先生御指摘のとおりだと思います。他方また、ただいま答弁がございましたように、従来、原産地表示というものがその本来の消費者の保護という必要を離れまして、各国でやや悪用と申しますか、乱用をされて、わが国の輸出が非常に迷惑をこうむってきたというような事例がございまして、実は私どもといたしましては、原産地表示の強制という問題についてはこれをできるだけ避けるべきだというような態度で、従来ガット場裏と申しましょうか、国際場裏で言ってまいった経緯があるというようなところに一つの問題があろうかと思います。 私ども、確かにまぎらわしいという点、まずまぎらわしいものが入ってくるという、そのまぎらわしいものにどういう表示をつけさせるかという問題がございます。他方、まぎらわしくされているほう、まあ本人ということばが適当かどうかわかりませんが、この場合は、本場の大島つむぎのサイドで、これが自分たちの表示だというものをきちっといたしましてこれが徹底いたしますならば、こういう方向でこれが自分たちの伝統的な本場大島つむぎなんだということさえしっかりしておりますならば、それも一つ、消費者としての選択の場合の有効なる手だてではないだろうか。そういう方式については、いろいろ公正取引規約とかいろいろな道具立ても現行法の体系の中でございますので、まずその活用を考えてみるという方向で慫慂しておるというのが現状でございます。
○板川小委員 こういうことですか。原産地表示という規定は、ガットの中にあり、解釈も、私が言ったような解釈もとり得る。しかし、日本の貿易としては、逆に韓国の立場のような場合も間々あるので、この条項を多く振り回すことは必ずしも日本の貿易にとって有利とはならない、従来そういう態度をとっておったために、これを一がいに、この条文だけを振り回すわけにいかない、こういうことのようでありますが、まあ日米間の繊維協定等もありますし、確かに、大島つむぎという大島の産地、離島ですからね、その地域としては重大な影響を持つわけなんです。死活の問題になるわけですから、まあ一般的なこの条項を振り回して何でもかんでもやれということではありませんが、やはり外交的な手段をもって通ずるなり、何らかの手段を通じて、こういう条項も背景に持ちながら、不当な表示というのを防止するような手段をとってもらいたい。この条項を振り回してやれということは申しません。しかし、こういう条項もあるのですから、これを背景にして、通産省なりあるいは外務省なりが相手方に対してひとつ接触をして、未然に防止するようにしてもらいたいということを要望いたします。問題は、国内でそういう体制を整えて、そして不当表示を防止するような体制を整えていけば、ある程度それが防止できるじゃないかという結論になるようでありますが、そこで公取に伺います。 この不当表示防止法の第四条あるいその補完規則としての告示三十四号で、原産国の表示をしろ、こういうことになっておりますが、表示されないもの、無表示の品物に対しては、この法律なり規則なりは適用されるのですか、されないのですか、この点をお伺いいたします。
○利部説明員 まず、この間公正取引委員会が告示いたしました原産国の不当表示のほうでお答えいたしますと、原産国の不当表示の告示では商品の国籍をまぎらわしくする原因となるような表示をまず特定いたしまして、そしてその表示によって消費者が期待する国籍と違う場合にはその旨を明示しろ、そういう立て方をしております。したがいまして、通常、消費者から見ますと、日本の会社名が書いてあったり、日本の企業の商標があったり、あるいはその商品に表示されている文字の全部または主要部分が日本の文字であったりいたしますと、これは日本でつくられたものだと常識的に思うであろう、それなのに実は外国品であった、これはおかしいじゃないか、そういう場合には外国品である旨を明示しなければいけない、そういう立て方をしたわけでございます。 そういうわけでございますから、原産国の不当表示を指定した告示では、会社名とか商標とか日本の文字とか三つの種類のものによって国籍をまぎらわしくするものを対象にしたわけでございますから、そういう表示のないものは、この告示の対象外ということになります。
○板川小委員 そうすると、表示のないものは不当表示防止法の、あるいは告示三十四号の対象にはならないということが明らかになるわけです。そうしますと、結局大蔵省の関係もそうですが、無表示で入れればどういうことでもできるということになるのじゃないですか。 そこで伺いますが、この告示三十四号は不当表示防止法の補完として告示された。それでは、不当表示防止法というのは何を母法として生まれたのですか。これは独禁法でしょう。独禁法のどこに根拠を持つかといえば、これは独禁法二条の七項の三号である。御承知のように、二条の七項が不公正な取引方法を規定しておるわけです。「この法律において不公正な取引方法とは、左の各号の一に該当する行為であって、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいう。」「左の各号の一」というと、おそらくこの中で、「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること。」この辺に当たる。こういう中から、一般指定として告示の十一号が生まれた。これは昭和二十八年九月一日の告示十一号として「不公正な取引方法」とある。そして、この中の六号で「正常な商慣習に照して不当な利益または不利益をもつて、直接または間接に、競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、または強制すること。」こういうところに根拠を置いた法律だと思うのですね。これは一般指定で、特殊指定ではありません。ですが、この独禁法の二条七項、それから一般指定の告示十一号、こういう根拠になる法律には、正常な商慣習に照らして不当な手段で競争者のお客を自己と取引するように誘引することという内容が柱になっておるわけですね。そうしますと、表示しないというのは、正常な商慣習に反しますよ。そして、競争者の顧客を自己と取引するように誘引するということになるのじゃないですか。ですから、この表示しないということを取り締まれないというのは、不当表示防止法が不十分である、あるいはその告示がまだ不十分である、こういう理屈になりませんか。どうも公取が、この不当表示防止法もそうですが、表示のないものについては対象にならないというのは、根拠法である独禁法の条文からいうとおかしいと私は思いますが、どうなんですか。
○利部説明員 先ほどお答えいたしましたように、原産国の不当表示を指定した告示では、無表示のつむぎに対して適用することはできませんけれども、いま先生御指摘のような独禁法、特に一般指定の六号を適用する可能性は、少なくとも文理的にはあると思っております。
○板川小委員 文理的には一般指定の告示十一号の六号に該当するだろう。では、公取は、ひとつこの無表示の問題、それから末端の縦糸だけ残しておくというのは、大蔵省のほうでは無表示だというのだ、書いてないから。しかし、必要のないものをぶら下げておくのもおかしいわけですけれども、そういう無表示といわれるものを一般指定の六号の文脈からいって、正常な商慣習に戻すような方法はどう考えておられるか、どうしようとされておるのか。この問題はどうも結局公取がしっかりしてやってくれということになるのですね。いままでの関係者の議論を聞いていきますと、結局は国内法、しかも不当表示防止法、告示三十四号があるじゃないか、これでやってもらうほかはない、相手方までいっていろいろ言うと、わがほう必ずしも有利でないものもあると外務省は言うし、国際的な関係も、日本はこのことをあまり大っぴらに主張できない立場にある、こう言っているのですね。だとすると、私は不当表示防止法なり独禁法なりの精神からいって、公取がこの問題をどうしても積極的に取り上げていかなくちゃならない。もし、不当表示防止法に不十分さがあり、告示三十四号に不十分さがあるというならば、あるいは別途の告示をするなり、あるいは不当表示防止法の改正、要するに無表示による正常な商慣習を誤認せしむるような行為というものを取り締まることも必要じゃないか、こう思いますが、いかがですか。
○利部説明員 一つの取り上げ方は、先ほど通産省の御意見にもありましたように、本物のつむぎ、本物の国産品のほうの表示を明確にする、それからさらに伝統的な本物の国産品に対する価値を消費者に認識せしめるということが本筋であろうと私どもは考えております。そして、そのことによって相対的に韓国製品と国産品とが区別できるようになってくるであろう、そういうふうに考えておるわけでございます。そのために国産品を、特に伝統的な国産品をまじめにつくっておられる業者の方が、自分自身のつくっている大島つむぎというものはこういうものであるべきだということをみずからの手で基準を定めて、そしてそれを天下に宣明するということが有効な適切な方法ではなかろうかと考えておるわけでございます。そのための、それに役に立つ一つの方法といたしまして、景品表示法の中に、表示の問題について公正競争規約を定めることができるという制度ができておりますので、これを活用して表示に関する適正なルールを定めてもらう、これがいいことではないかということで業界を指導しているといいますか、正直に申しますと指導を開始したというところでございます。 それから、もう一つの取り上げ方でございますが、まず無表示で税関を通り抜けて、途中でといいますか最終消費者に渡るまでの間に何らかの表示がつけ加えられて、そのために国産品とまぎらわしくなるもの、これは原産国の不当表示として規制することは当然可能でございます。ただ、証拠をうまくつかむことができるかどうかということにかかわるわけでございますが、これは業界のほうの協力といいますか、まじめにやっておる業者の方の協力が得られますと、ある程度証拠をつかむ、そういうインチキに手をかしているものを排除することは可能ではないか、現に私のほうもそういう努力をしております。 それから、消費者に渡るときまで、最後の最後まで無表示のままで売られるのだろうかということを私相当疑問に思うわけでございます。実際売られておりますものは何らかの表示がされております。ですから、流通段階での無表示ものというのは、消費者に売られる段階では不当表示製品になる可能性が非常に大きいように思います。そういたしますと、それを仕入れる段階で、不当表示を惹起するかもしれない商品を取り扱うことを自粛してもらう、そういう方法はとり得るのではないかというふうに考えております。
○板川小委員 確かに末端の消費者の手に渡るときには無表示ではないのですね。輸入するときには無表示だけれども、末端に入るときには、これは本場大島つむぎとか、あるいはそれにまぎらわしい表示が必ずつけ加えられておる。だから、その意味では誤認せしめる一つの予備行動というものがあるわけですから、いま言った不当表示防止法あるいは告示に違反するということになると思います。結局は当面有効な措置としては、公取が積極的に公正競争規約をつくらして、そしてこの伝統産業に携わる人々の表示を明確にして、商慣習を破ってやる不当な行為があった場合にはどんどん摘発していくということで、当面この表示問題と取り組んでいくほかないと思います。いつごろまでにこの公正競争規約が指導してできるか、その大体の時間的なめどはどう考えておられますか。
○利部説明員 正直に申しまして、この問題は他の業界の場合と違いまして、表示のルールをきめることについて同じ業界の中でも必ずしも利害が一致していない向きもあるようでございます。業界の中でも、必ずしもいままでも足並みをそろえて動いていたとは見られない節が多々ございます。御承知のとおり公正取引委員会、私のほうの役所はどうも足並みのそろっていない業界をうまく取りまとめるという、そういった方面の仕事はあまり得手でないわけなんでございます。その点、業界のほうでそういう合意ができませんとなかなか私ども進めにくいわけでございます。そういうことで、通産省のほうと現地の鹿児島県なりそういう自治体のほうの御協力が得られるということが第一に必要といいますか、むしろ業界がまとまって表示を適正化するということをまじめに考えられるというのが第一でございますけれども、関係官庁の御協力が得られるということが第二の問題かと思います。 そういうことでございまして、私のほうは実を申しますとなかなかむずかしい問題でございますので、どうも手をつけるのをやや逡巡していた気持ちがあったことは実はそうなんでございますが、このたびの伝産法が動き出す機会なんかをとらえまして、関係省の御協力を得られると、表示の適正化ルールの実現の見込みも出てきているのではないかというふうに最近思い出した段階でございますので、いつというめどはちょっと申し上げられませんが、本気になって手をつけますと、通常の規約の例ですと、一年ぐらいの間でおおよそのめどがつくのが普通の例でございます。
○板川小委員 これで終わりますが、通産省も伝統産業振興法の所管庁でありますし、中小企業の地場産業の振興という面においても通産省関係であるわけです。ですから、こういうものについてはひとつ公取となわ張り争いしないで、協力をし合って、伝統工芸産業が振興されるように努力してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○田口説明員 先生御指摘のように、この輸入品の不当な表示を取り締まっていただくということと同時に、いわゆる本物、本場のつむぎの表示をちゃんとやっていただくということが非常に大事だというふうにかねがね考えておったところでございます。通産省のほうからも、業界に対しまして、たとえば公正競争規約を結んで統一的な表示を実施したらどうかということも何回となく申し上げて指導をしてきたつもりでございますけれども、これも公正取引委員会のお話がございましたが、どうも業界内部で従来は利害が必ずしも一致していなかったというような節が見られるわけでございます。しかしながら、最近伝統産業振興法に基づきまして大島つむぎを伝統工芸品に指定したいということで今月、十二月の十二日に審議会を開きまして御説明申し上げ、審議会の委員の皆さまからも大体御了解を得られたというふうに考えておりますので、大体明年の一月には正式な告示の形で大島つむぎを指定するということに相なると思います。そういたしますと、伝統産業振興法で指定された伝統工芸品としての本場大島つむぎという表示を産地としても統一してできるということになりますし、それがまた消費者の信用を高めるということになります。 それから、この伝産法の指定をめぐる準備、いわゆる県が中心になりまして業界を指導し、まとめていただいたわけでございますけれども、その利害が非常にまとまらないといったような従来の姿が、この伝産法の指定の問題をめぐりましてどうやらだんだん雪解けと申しますか、業界の中がまとまるんじゃないかといったような期待も私ども抱くことができるというような状態になっておりますので、伝産法の指定を機に、産地は産地でその表示をする。同時に輸入品についてのいわゆる不当表示の規制をさらにきびしく指導していただくといったようなことで力を入れていきたいと思います。
○板川小委員 伝産法にも表示の規定がありますから、そういうものを合わせてひとつ公取としてもこの問題は公正競争規約をつくらせるように指導してもらいたい。 終わります。
○武藤小委員長 神崎君。
○神崎小委員 今日の中小企業の受けておる倒産現状とも関連いたしまして、流通問題の観点から一つの問題にしぼりまして、幾つかの点について伺いたいと思います。 まず第一に、市販されておりますところの洋がつら、また和がつら、すなわち日本髪がつらです。これらはどのような製造過程から市販されているのか、その流通過程をひとつ聞かしていただきたい。
○森説明員 お答えいたします。 いま神崎先生からお話がありましたかつらの流通でございますが、かつらのうちに、昔からあります日本がつらと、それから三十年代から非常に普及いたしました洋がつらがありまして、日本がつらにつきましては、現在一般の消費者はほとんど利用しないということで、芸能関係とか特定の用途に使われておりまして、これの流通経路についてはわれわれもつかめないというのが現状でございます。現在、かつらのほとんど大部分を占めます洋がつらにつきましては、日本の国内メーカー、日本かつら工業組合というのがございまして、ここに主要なメーカーほとんどすべてが入っておりまして、国内産については二十四社がつくりまして、かつら屋さんを通じ、あるいは美容関係を通じて消費者に渡るという経路をとっております。 それからもう一つ、現在、国内生産ではなくて、外国から輸入した洋がつらが非常に多く、大きなシェアを占めてきておりますが、これにつきましては、その大部分は、日本のさっき申し上げました二十四のかつらメーカーが輸入商社を経由して、あるいは直接外国から買い入れまして、再度品質等をチェックいたしまして、国内産と同じルートを通じてかつら屋さんで販売するということをやっております。ただ、輸入品のうちの二、三割につきましては、そういう従来のかつら販売ルートを通じないで販売されているものもあるようですが、これについては現在のところ流通の実態をつかんでおりません。
○神崎小委員 いま、日本がつらですか、日本髪がつらというのは芸能人関係だけであって一般はあまり使用されてないということは、あまりにも現状を知らな過ぎると思うのですね。いま、日本がつらというのは、結婚式の場合でも、それからお正月、節分、こういうときは非常に流行して、もう至るところでわれわれは散見するのですね。特に結婚式などは、一時かぶるのでも非常に高価な借り賃を出してやっているのに、芸能人関係であって一般は使用されてないというようなことをおっしゃるのは、あなたはあまりにも御存じなさ過ぎるのじゃないか、こういうふうに思います。ちょっと町を歩かれて、そういう節分だとかお正月だとか結婚式場へ行かれるとほとんど、私もよく媒酌人をやりますが、まず第一番は日本髪で出てきて、そして衣がえというのですか、衣装がえをやるときはもとの自分の髪になりますが、前半のところはたいがいそういうような状態ですよ。だから、これはまたあとで日本がつらについてのときに申しますが、そういう見解であったら少し違うと思います。もうちょっと視野を広げていただきたい。 そこで第二に、いまも外国製という話がありましたが、最近のかつら、洋、和とも年間輸入総額というのはどのくらいになっておるか、その動向についてひとつ説明をしていただきたい。たとえば四十六年はどうか、四十七年はどうか、四十八年はどうか、四十九年は現在時点ではどのくらいになっておるかということを、御存じだったら報告していただきたい。
○森説明員 かつらの輸入につきましては通関統計がございますが、これは先ほどお話のありました和がつらと洋がつらを区別した統計はございませんで、まとめた額でございます。しかもその数量は、個数ではなくてキログラムという重さであらわされておりまして、したがって正確に個数であらわすことはむずかしいと思います。したがいまして、金額で申し上げますと、昭和四十六年の輸入が八十七億五千万円、それから四十七年の輸入が二十四億八千万円、四十八年の輸入が十九億三千万円、それから本年、四十九年につきましては、一-九月で十七億七千万円というのが輸入の総額でございます。それで、このうちの大部分が韓国からの輸入、四十八年で見ますと、八七%が韓国、ことしの一-九月では九四%が韓国製というのが実情でございます。
○神崎小委員 そのいま出された数字は大体私のほうの調査とあまり変わっておりません。 そこで、いまあげられた数字の総額でございますが、国内生産総額と輸入総額との対比はどのくらいになりますか。いま言われた九四%というのは、あとは、国内に残っているのは六%だ、こういうふうに理解していいのですか。
○森説明員 いま申し上げましたのは、輸入総額のうちで韓国の占める比率が九四%、それから国内生産につきましては、通関統計のような統計がございませんで、これは日本かつら工業組合の推計といいますか、それをいまのところ使うほかないというふうに考えておりまして、それによりますと、四十六年が五十二億円です。それから、四十七年が十六億円、四十八年が三十五億円、本年度についてはちょっと明確でありませんが、年間で四十八年とほぼ横ばい程度ではないかというふうに考えております。 〔小委員長退席、板川小委員長代理着席〕
○神崎小委員 大体、対比から見たら国内産の半数程度のものが外国から入ってくるということですね。そこで、いまあなたがおっしゃったように主として韓国からの輸入である。しかもそれが九四%外国からの輸入に占めておる、こういうことですが、この影響で国内生産業者というのはいま全滅に近い。こういう状態になって、業者は非常に苦しく行き詰まったような状態に落ち込んでおる。こういうものを輸入しますところの商社、これはどこの商社かということです。この商社から一般の販売店等に至る過程、これについての流通状況、それからさらに取り扱い商社名と取り扱っている商社の総額といいますか、そういうものはわかりますか。
○森説明員 先ほど申し上げましたように、輸入品の七割程度は国内の生産メーカーを通じて市場に出ておりまして、その国内メーカーに引き取られる間に商社が介在して輸入業務をやっているというものもあり、あるいは一部は輸入商社あるいは販売業者が輸入して直ちに販売しているというケースもあると思いますが、かつらについては大手の商社は全くやっておりませんで、中小の商社が百社以上関係しておるというふうにつかんでおりますけれども、具体的に商社別にどうという数字は私ども現在のところつかんでおりません。
○神崎小委員 商社が百ぐらいあって、大体大きな商社ではない。だから、つかんでおらない、こういうことですね。商社をつかんでおらなくて総額がどうして出てくるのですか。どういう形で輸入の概要をおつかみになったのですか。
○森説明員 先ほど申し上げましたように、輸入については税関の統計、通関統計がございますので、それによってわれわれは総額、重量による量と金額は把握できるということでございます。
○神崎小委員 いわゆる一般的に大商社といわれているようなものはこれには全然関与してない、こういうことは当局として言われますか。
○森説明員 私どもは、輸入がつらを引き取っております国内メーカーの団体であります日本かつら工業組合のメンバーの情報としては、大手商社を通じて輸入はやっていないという話は聞いておりまして、ただ、それ以外の日本の国内メーカーを通じないルートで入っておる二、三割のものについては、はっきりつかんでおりません。
○神崎小委員 はっきりつかんでおらないと言われることについては、別のことでまた尋ねますが、私の考えておりますのは、特にわが国の婦人固有である日本髪、これは世界に売っていませんね。これが外国から入ってくる。しかも韓国から九四%も入ってくる。そうしてそれは人毛あるいは合成繊維がありますけれども、いまこういうかつら業者というものはほとんどその輸入したものを販売するというだけになっているのですね。そうして国内業者が、先ほど言うたように非常に被害を受けておる。こういうことから考えて、ガットの問題にも触れますけれども、こういう状態、日本の婦人の固有である日本髪が、特に人毛の場合がそうですが、外国から九十何%も入ってきて、そして日本の婦人がそれをかぶっている、そのために国内の生産業者はほとんど倒産、壊滅状態におちいっている、こういうような現況を当局は十分おつかみにもなっておらない。いろいろな観点から見て、私はこの際、ガットの問題とも関連して、外務省当局と通産当局からひとつこれについての見解をここで述べていただきたいと思う。
○森説明員 輸入の問題にお答えする前に、外国のシェアが九四%とおっしゃいましたけれども、四十八年について言いますと、国内が三十五億、輸入が十九億、したがいまして、約三分の一程度輸入のシェアがあることは事実でございます。 それから、先ほど国内の業者が非常な影響を受けておるという御指摘がございましたが、実はこのかつらにつきましては、日本がつらは古来からつくっておりますし、洋がつらについては三十年代の中ごろから日本でつくりまして、対米輸出を始めまして、日本が第一のシェアを持っておりました。四十年ごろは世界一の輸出国であったのです。それに対しまして、四十年ごろから香港、続いて韓国という国が台頭いたしまして、輸出はだんだん減ってくるという状況の中で、四十六年ごろに国内で非常なかつらブームというのがございまして、日本の国内メーカーの供給のみならず外国から多量に輸入しまして、個人に対する販売も四十六年は非常に多かったという年がありました。しかし、いろいろ品質上の問題等がありまして、特に輸入品の中に品質のよくないものもあるというようなことで、個人消費者がかつらというものは品質が悪いというイメージを強く持ちまして、四十七年以後国内需要は急速に落ちたということで、この過程におきまして、四十六年から四十七年にかけて国内メーカーもかなり数が減るという事態が生じました。それから、もちろん輸入業者も数が減るという事態がありまして、現在におきましては、こういう過去の経験にかんがみまして、よい品質のものを安定して供給するということがかつらに対する信頼をつなぎとめ、将来の需要を安定的に伸ばす道であるということを考えまして、国内業界が努力しているところでございます。 引き続き輸入があることも事実でございますが、四十六年が八十八億円、四十七年が二十五億円、四十八年が十九億円というふうにむしろだんだん下がっております。これは品質面でかなり日本の国内産のものが見直されつつあるということでございまして、かつ外国から入ったものも日本のかつらメーカーを通じて販売するものにつきましては、すべて国内メーカーが再度品質をチェックするということをやっておりまして、約四〇%のものについては国内に入ってから一たん手直しをするということまでやっておりまして、そういう経過を経まして輸入品についても国内メーカーが責任を持つというかっこうで市場に供給しておりまして、かつらに対する需要もやや安定を見せ始めたという時期ではないかというふうに考えております。 したがいまして、輸入のかつらについて、そういうものはとめてしまえという御議論もあろうかと思いますけれども、一つは先ほどもお話が出ましたように、輸入をとめてしまうという国際的な問題、わが国の貿易政策の問題があるとともに、現在のわが国のかつら業界というのは、中級品以下は外国からの輸入品を引きとって自分で品質をチェックして、それで自分のブランドをつけて市場へ出す。中級品の上から上級品については国内でつくって販売する。両方ほぼ同じ販売ルートで売るということで、四十六、七年で国内市場が非常に混乱した経験にかんがみまして、非常にかたい結束でこれをやっていこうということで、昨年からQマーク制度をかつらについても導入しましてやっておるところでございまして、そのメーカーを通じない、直接輸入販売というルートが若干ありまして、常に市場が乱される危険性はありますけれども、国内業界が結束してさらに努力するならばある程度の需要増も今後期待できないことはない、こういうふうに考えている次第です。
○神崎小委員 外務省はあとでもう一回……。 いま私の聞いているのはそういうことを聞いているんではないんで、日本人特有で、日本の婦人特有で、固有で、やはり日本まげというのでしょう、それが外国からたくさん入ってきて、それで日本の婦人がそれをかぶっている。しかもそれが人毛の場合。こういう現況があって、そしてそれをつくっておった日本の業者が破産、倒産、壊滅状態になっておるという、こういう傾向について私は伺っているわけです。たとえば卑近な例で適切かどうか知らないが、日本人は、げたをはきますね。くつもいま、はきますが、家庭では、げたもはきますね。これは日本特有のはきものですね。そういうものが圧倒的に多数外国から入ってくる。そして、日本のげた製造者はそれによって破産、倒産の苦しみにおちいる。そういうような状態についてどういうふうにお考えになっているかという見解を聞いているんであって、こういうものについては通産当局は日本の業者をもっと行政指導をするとか、技術指導をするとか、そういう形で指導していかなければならぬのと違うのか。 ここにもこういうパンフレットがありますが、このごろデパートへ行くと、一階でもどこでも行きますと、ずっとかつらがあって、最近はあなたのおっしゃるような傾向じゃないという状態ですから、圧倒的にこれが入ってくるためにいわゆる国内の製造業者はこれに圧迫されて、全部もう先ほど冒頭に言ったように困っておるんですね。こういうことについて、洋がつらは別にして、私は日本人特有の日本髪についていましぼって聞いているわけですね。そういうことをあなたはどういうふうにお考えになるか。そういう形からガットの関連面もあって、外務省当局のこういう傾向についての見解もあわせて聞きたい、こういうことを言っているのです。
○川出説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘になられましたように、伝統的な日本髪とかあるいはげた、そういうものの生産に携わっておられる方が、外国からの輸入ということで非常に苦しんでおられるということは、私、国民の一人として非常に深い同情を持つものでございますが、日本の国際経済関係という点から見ますと、輸入制限を導入するということはたいへん困難な状況にございまして、日本は御高承のように貿易立国でやらなければならぬ。まず日本の生産するものを外国に輸出しなくてはいけない。相手国が自由に輸入制限などをやられますと、日米の繊維の例をとるまでもなく、たいへんに日本としては困難な立場におちいるわけでございます。相手国に輸入制限を設けないようにしてくれと申しますには、日本自身が輸入制限をやらないということでありませんと、自分のところはやるけれども相手にだけ輸入制限をやらないでくれということは国際的には通用しない理屈でございますので、個々の場合は、かつら生産の方でございますが、その方の御苦心は十分に察しますが、日本の貿易立国、これでなければ食っていけないという立場からいいますと、日本の諸外国に対する貿易自由化要求というものを強めるためにも、ぜひともこの輸入制限というものを導入する問題については慎重な配慮が必要じゃないか。 ついででございますが、同様のことは輸出問題についても言えるわけで、日本の必要とするものを輸出制限あるいは輸出規制されますと、非常に日本が困る。だから、そういうようなものは輸出規制をしないでくれという申し入れをしたこともございますが、一般に輸出の場合も輸入の場合も貿易を規制しないほうが、自由な物の流れを確保することが、世界の貿易のためにも経済の発展のためにもいいのだという主張が日本の基本的な立場でございまして、一たび特定の産品について輸入制限というものを導入いたしますと、日本の国際的主張ははなはだ弱くなる、こういうむずかしい問題をかかえておるようなわけでございますので、どうも……。
○神崎小委員 日本婦人が、外国人の人毛でつくられたかつらをかぶらなければいかぬというのが自民党の貿易政策、そういうようなことから日本の婦人はそういうような状態にいま置かれているのです。しかし、それもいまの貿易政策でやむを得ないんだ、こういうふうに言われるんですね。それはあくまでもいわゆる日本婦人の日本髪なるものに関してだけいっても、非常に、これは何といいますか、外国に対する従属性といいますか、日本の自主性というか、そういうものを全く放棄した貿易政策である。こういう形からして、あなたも日本人の一人としてとおっしゃったが、私も日本人の一人として、そして日本の国内に人毛というものが、そういうかつらになるような人毛が全然ない場合は別ですよ。ずいぶん日本人の人毛もたくさんあるのですからね。そして、日本人のかつらをつくっておる業者が破産、倒産しておっても、なおかつ日本の婦人は外国人の人毛でつくったかつらをかぶって、そして外貨を出していく、こういうようなあり方というような状態は、これは私は非常に悲しむべき政策ではないか。日本人で、日本がつらをつくる人毛も全然ない、製作能力もない、技術能力もない、こういう場合は、それはやむを得ないと思うのですが、そのために業者が破産、倒産したり非常に苦しい状態に追い込まれているときに、なおかつ主として韓国からそういう形で入ってくる。買っている人は、これが韓国のものだか何かわからないでかぶっているかもわからない。これは、日本婦人のかぶるかつらがすべて韓国人の方々の人毛でつくられているかつらだということになれば、少し何か感じるでしょうね。そういうことから見て、日本人の一人としてという冒頭の表現があったので、こういうような貿易政策というもので、日本のそういう中小企業者を塗炭の苦しみに追い込んでいるという現状はいいのかどうかという見解を通産当局と外務当局に私は聞いたわけです。通産当局、どうですか。
○森説明員 先生、和がつらを特に取り上げて言っておられまして、先ほど芸能関係等一部と申し上げましたが、芸能関係その他、先ほど先生のおっしゃった結婚式場とか、そういうものももちろんあると思います。一般家庭用には少ないという趣旨でございます。ただ、こういうものも日本の国内でやりますと、最近の人件費の高騰のもとにあって、非常にコストが高くなるということで、韓国につくらせるというかっこうが行なわれているのではないかというふうに考えられます。和がつらは輸入がつらのうちでも一%ないしはそれ以下ではないかと思いますが、非常に数が少なくて、実態がなかなか私どももつかめませんので、正確なことはお答えできませんが、本来、韓国では日本の和がつらというのは使わないものですから、韓国では使わなくて日本でしか使わないものでありまして、したがいまして、当然日本でつくっておったわけですが、人件費の関係で国内ではなかなかつくれないという実情のもとに、一部韓国でつくって持ってくるという実情が出てきたのではないかというふうに考えております。確かに国民感情としては、日本のそういうものまで外国でつくってくるという感じはわからないではないのですけれども、事業者として人件費その他コスト、それから製品の価格を考え合わせまして、国内ではなかなか成り立たないという状況であります。さらに、和がつらでも高級なものとか特別注文品はおそらく国内でつくられているのではないかと思いますが、そういう特別なものに生産を特化して、一般的なものは外国に注文するという事態も起こってくるという実情は、現実の問題としてはある程度やむを得ないのではないかというふうに考えております。
○神崎小委員 あまり知らぬのに苦しいお答えをやっておられても気の毒ですから……。 大体私の調べでは四十六年八十八億、あなたのほうは八十七億五千万円とこう言われたんですが、そのうちで、わが国で一番大きなかつら業者というのは年間どのくらいやっているかというと五億円です。少し大きいなと思うところで一億五千万円くらいです。その中で四十六年の例を見たら約八十八億なんですね。それから徐々に下降してきております。そういうような形になって、ことしになって、あなたは一月から九月までのデータで十七億七千万円とおっしゃったが、また最近は急にブームが起こっているんですね。だから、これは年度末になるともっと大きな数字になってくると思うんですが、私が先ほどから言ったのは、特に先ほどあげられたような大島つむぎだとかいうようなものと同じく、やはり伝統的なものですね。しかも日本国固有のものです。そういうものが依然として貿易政策の名によってやられ、しかもそれの被害として国内業者を倒産やらあるいは非常に苦しい状態に追い込んでいる。なかんずくこういうことについては特に私は配慮すべきだ、こういう観点から言っておるわけなんですね。そしていま苦しめられている業者を守るべきだということを言っている。 そこで、続いて聞きますが、わからないことはもうわからないでよろしい。これからひとつ国内業者を守るために強力に行政指導なり援助をしていただきたい。 〔板川小委員長代理退席、中村(重)小委員長 代理着席〕 フォンテーヌという業者がありますね。この会社は一体どこにあるのですか、またこれの資本背景は一体どこなんですか。
○森説明員 フォンテーヌは、本社は東京にあると思います。(神崎小委員「あると思いますですか」と呼ぶ)正確に確認しておりませんが、背景といたしましては、かつらの原料が従来は人髪でございましたが、現在はほとんどすべて合成繊維にかわっております関係もありまして、数社のかつらメーカーが合繊メーカーの系列でできておりまして、フォンテーヌもそのうちの一社であるというふうに了解しております。
○神崎小委員 どうも課長、先ほど聞いておったら、大体のことは答弁できるとおっしゃったから、けっこうだと言ったんですが、十分な確答を得られないんですが、いま、こういうかつらが町で売られていますね。これは婦人の洋がつらが多いんですが、大体平均してどのくらいで売られているか、また外国から入ってきたときの価格はどのくらいか御存じですか。――先ほどチェックしているとおっしゃったから聞いているのです。
○森説明員 大体、国内のかつらの価格は、もちろん洋がつらでございますが、国内でつくったものは一万三千円から一万八千円くらい、輸入がつらの場合は若干安くて九千円から一万円程度、こういうふうに考えております。
○神崎小委員 これは価格などあまり言いますと、こういう中小販売業者に影響もあるので言いませんが、全然あなたのおっしゃっているような値段でもないものもあります。そういう程度でこれはおいておきます。 これは先ほどちょっと触れられましたけれども、Qマークというのがありますね。このQマークというのは一体通産省がつけさせておられるのか、あるいは業者が自主的につけておるのか、一体これはどちらがつけさしておるのですか。もしつけるなら、これに対するつけさすべき法的根拠は一体どこにあるのか、これを聞かせてください。
○森説明員 Qマークにつきましては生産者団体が集まりまして、Qマーク管理委員会というのをつくっておりまして、これはかつらだけではなくて繊維品が大部分でございますが、そういう生産者団体が集まりましてQマーク管理委員会をつくりまして、そこがQマークをつけたいメーカーとQマークについての許諾契約を結びまして、品質を検査をしてその基準に合格しておれば証紙を渡してQマークをつけて販売する、こういうことでありまして、これは民間の団体が自主的にやっておるものでありますが、ただ検査は非常に公正にやる必要があるということで、検査については繊維製品検査所が主として検査に当たっております。
○神崎小委員 繊維検査証というのは子供用のあるいはおとな用の繊維品、それからカーペット、洋がつら、これにはそういうふうに、いまあなたがおっしゃったようになっていますが、日本髪の場合はこれは別になっていますね。それとこの管理委員会というのがありますね、Qマーク管理委員会、この委員会の性格は一体どういう性格ですか。
○森説明員 先ほども申し上げましたように、メーカー団体が数業種集まりましてQマーク管理委員会という民間の団体をつくりましてやっておるわけですが、ただ、その基準をつくるにあたりましては消費者代表等も入れまして、十分その品質に問題がないようにということで基準をつくっておりまして、その基準に合うかどうかという点について繊維製品検査所を中心に検査をする、そういうやり方でございます。
○神崎小委員 では、これはつけていてもつけてなくても通産省は関係ないのですね、みんな自主的に団体がつけているから。あなたのほうでは、これをつけているからという行政責任も何も負わない、管理委員会というものがかってにやっているのだから通産省は知りません、こういうことでいいわけですか。
○森説明員 民間が自主的にやっているものではありますけれども、消費者に優良商品であるかどうかという識別をさせるという意味で、この制度を推進することが消費者の利益を考えて非常に好ましいということで、推進すべきであるというふうに私ども考えて、応援するという見地から繊維製品検査所もこの検査に協力する、こういうことでございます。
○神崎小委員 どうも不明確ですね。自主的につけておるけれども、そういうものをつけたほうが好ましいから応援していると――応援しているという意味はどういう意味なんですか。奨励しているんですか、応援しているんですか。つけているほうがいいと思っているから事後的に追認しているんですか。あなたのほうは先ほど一々チェックしておりますからということをおっしゃっていたんですが、そういうことには何ら行政的な責任も、監督的な義務も、そういうものは、自主的につけているんだからいいんだ、だから応援しているのだ。応援ということばはこの際義務、権利やらそういうものと関連ありますか。
○森説明員 Qマークがついている品質について、もし品質の悪いものがある場合の責任がどうなるかという点につきましては、各メーカーが責任は負うということでQマーク管理委員会と各メーカーの話し合いができております。ただ、Qマーク管理委員会は、そういう責任を負う能力があるかどうかという判断を行ない、かつ繊維製品検査所で品質のチェックはするということでやっておりまして、私どもは応援しているといっても、かつらについて具体的に補助金を出しているとかそういうことは別にございません。これを推進すべきであるという意味でございます。
○神崎小委員 聞いていることを少し何かあいまいにするんだね。これはあなたのほうでつけなさいと言うているのか、その任意団体がつけておるのか。あなたのほうがつけなさいと言うたら、みなつけなければならないでしょう。任意団体がこれをつけているんだ、こういうことを言うて、それはつけたほうがいい、品質がいいということだ、だから応援しているんだというたら、品質がいいか悪いかはどこでチェックするのだ。行政指導したりチェックするんだったら、検査所とかなんとかでこれはやっていかねばいかぬのでしょう、繊維製品検査所とかこういうようなもので、これは合格証だという形で。ところが、どっちにそれが責任があるかといえば、通産省でもない。任意団体であるこのQマーク管理委員会が自主的につけているんだ。それは品質を保証することになるように思うから応援をしているのだ、こういうことをおっしゃっているのですよ。応援というカテゴリーの中には行政責任というものが入らないか、入るかということを聞いている。どっちがつけさせて、どっちがこれについての最終的責任をとるのか。というのは、これがついておったら、消費者は全部適格品であって合格品だ、これは安心して買えるんだ、こういう形で買うんですよ、ついているんだから。そうでしょう。それに対して、監督官であるおたくは、直接それをつけさせているんでもない、これは自主的にやっているんだ、しかし、そのことはいいことだから応援しているのだ、こういう答弁では、責任は一体どこにあるのだといえば、この管理委員会にあるというふうに理解していいんですか。通産省は、まあいいことだから応援しているのだ、見ているのだ、こういうことですね。そう理解していいですね。あなた、もっと明確なかちっとした答弁いただけませんか。
○森説明員 品質につきましては、通産省の繊維製品検査所で検査をしておりまして、かつらにつきましては大体月二回、Qマークをつけたいという事業者について製品検査をやっておりまして、そのメーカーの製品であれば、品質基準には十分合っているかどうかということについては十分な検査をやっております。ただ、この制度に乗ってQマークをつけるかどうかという点につきましては、各メーカーの自主的な判断で、メーカーと管理委員会の契約でつけるかどうかということはきまる。ただ、つけたものについての品質については十分検査をしているということでございます。
○神崎小委員 聞かぬでもいいことを何べんも聞かなければいけないのですが、あなた、いま月二回やっておると言われておるのですが、月二回どこでやるのですか。どれだけ数が出ているかわかっていないんでしょう、先ほどおっしゃっているように。入ってくるものも、いわゆる目方ではわかるけれども、個数ではわからぬというのでしょう。個数でわからぬで目方でわかっているものを、月二回、どこの場所でどういう形で何回くらいやっているのですか。それを、いま言った答弁について聞きたいのです。もうあまりこれで時間をとるのはいやだから。 私が問題にしたいのは、この裏にこういうことを書いてあるのですよ。「この商品は通商産業省繊維製品検査所の品質総合検査に合格した製品と同等の品質をもつものです」ここが問題なんです。いいですか。「総合検査に合格した製品と同等の品質をもつものです」これはこの検査に合格したことを証明いたしますといって、これでつけておったら、こんな質問せぬでいいのです。いいですか。「検査に合格した製品と同等の品質をもつものです」というようなことはどういうことだ。だから、これは通産省がつけさせているのか、任意団体がつけさせているのか。あなたのほうはチェックする、どうチェックするんだ、月二回やっているんだ、どんなやり方で何ぼやるんだ、こう聞かざるを得ぬようになる。問題にしたいのはそこなんです。合格したものと同等のものだというのは、これは合格品だということにならないで「総合検査に合格した製品と同等の品質をもつもの」だということについて、ひとつ消費者に理解のできるようにしないと――そこは普通の活字で、上はゴシックのすぐ読めるような大きな字で「この商品は通商産業省繊維製品検査所」それから文字は細くなりまして、「の品質総合検査に合格した製品と同等の品質をもつものです フォンテーヌ WB」と、こう書いてあるのですね。業者名と製品番号、これをつけて売っているわけですね。そうすると、買う人が上を見て、これは通産省の合格品だな、こう思いますよ。いわゆる合格と同等の品質を持つという意味について、これはなにですか、上の通産省と書いたのは、かってに詐称しているのですか。承認しているんですか、通産省は。
○森説明員 それは、全数検査はやっておりませんで、先ほど月二回と申し上げましたが、販売がつらのうちからロットを抜き取りまして、定期的に検査しております。したがいまして、販売がつら全部ではないので、抜き取って検査した品物と同等であるということで、そういう表示を行なっております。全数検査ではなくて、抜き取り検査である、そういう意味でございます。
○神崎小委員 検査のしかたをいま聞いているのではないのですよ。先ほど聞いたら、月二回やっておる。もう検査のことは聞いたのです。あなたのほうは、これは通産省は関知しないで自主的につけているんだ、こういうふうに言われたんでしょう、先ほど。しかし、いいことだから応援しているんだとおっしゃったんでしょう。だから、これはそんならかってにつけているのか、こういうようなまぎらわしい文章を書いているのを、これも応援するんですか。合格したものに同等のようだということも応援するんですか。これは正確にあなたのほうは、抜き取りであろうが――おそらく全部やれないでしょう。抜き取りであっても、ここに書いてある、通産省の繊維検査所ですかが、これは合格品だと認めたというようにはできないんでしょう、これは任意団体がかってにつけているんだから。かってにつけておってもそれを――いわゆる抽出検査したら、合格品なら合格品とやり得るんでしょう。そうすると、合格品なら合格品ということにはっきりしたほうが、消費者の立場から見たら安心するんじゃないんですか。こういうまぎらわしい文章にならないでいいんじゃないですか。これは、そんならあくまでも通産省には直接関係ないんですね。
○森説明員 そこに書いてありますマークの表示につきましても、十分私どものほうと相談の上でやっているマークでございまして、先ほど申し上げましたように全数検査でないということでそういう表示になっておるわけですが、この辺の表示のしかたについてどういう表示がいいかという点の議論については、Qマーク全体の問題でして、私、直接の担当ではありませんので明確に答えられませんが、この表示自身は通産省とも相談の上でやっておるマークでございます。
○神崎小委員 これは答弁者は失格ですわ。直接関係してやっていることであったら、応援するということばはまぎらわしいんじゃないでしょうか。Qマークについてはわかっておりますかと事務当局から聞かしたら、答えられるということだからあなたにおってもらったんですが、それをやっているということになれば、応援しているということばは適切でないんですよ、いま言われたことばは。応援というのは客観的な状態です。直接的に指導しなければならぬということは、直接行政責任がそこに存在するわけです。あるいは追認という場合もあります。ところが、任意団体がおやりになっていることで、いいと思うから応援しているということである。フォンテーヌという会社はどこだ、たぶん東京でしょう、こういうことでは、検査に対しても的確な検査もしてない、これについてはあまり御存じないということです。だから、野放しでどんどんと韓国からこういうものが入ってきて、そして日本の業者を苦しめる。そして、検査を抜けたあるいは検査をしてないような、そういうようなものが、非常に業者を苦しめる中で、同時に小売り業者を苦しめる中で販売され、そして消費者は、こういうあなたがおっしゃっているような段階のものを全部かぶらされている。しかも、何べんも言いますように、日本人固有の日本髪であるのに、外国人の人毛でつくられた日本髪を日本の婦人がかぶってあるかなければならない、そしてそれはいまの自民党の貿易政策上やむを得ない。全く論外であって、これに対しての説明も十分でない、こういうことにしかならない。だから、次の質問者の都合もございますので、次回、もう少しこの問題について明確に、特にこのQマークについての責任ある答弁をされる方にお越しを願って私はあらためて聞くことにいたします。しかし、先ほどの答弁の中では、これは任意団体が自由に任意でつけていることで、いいことであるから通産省はこれを応援しているんだと言われたことだけは、はっきり確認をしておきます。 以上で終わります。
○中村(重)委員長代理 近江巳記夫君。
○近江小委員 まず初めに、繊維問題についてお聞きしたいと思うわけですが、昨年末の石油危機以来、戦後の混乱期を除きまして味わったことのない非常なインフレ、物価高騰、また今日においては、不況が押し寄せてきておるわけです。そういう中で、この繊維業界はいまたいへんな打撃を受けておるわけです。原因はいろいろあろうかと思います。外国からの輸入の急増あるいは在庫の急増、金融引き締め等々、いろいろな問題があろうかと思います。そういう繊維の非常にきびしい状況の中で、さらに地場産業一つ一つ見ていきますと、非常にその地域にとっては壊滅的な、そういう打撃を受けておるようなところが随所に出てきておるわけです。 特に私は、ここで一例をあげてみたいと思うのですが、一つは、大島つむぎの問題であります。御承知のように、こうした大島つむぎといった製品は、日本の心ともいわれておりまして、全く日本の特産品ともいうべきものであります。ところが、最近韓国から輸入が激増しておる。こういうことで、奄美大島あるいは鹿児島県におきましてはたいへんな問題をいま惹起しておるわけであります。特にこの奄美を見ますと、人口が十六万四千人おりまして、大島つむぎの群島内の地位というものは、事業所数において七九%、従業員数が七四%を占めておる。私のこの資料からいきますと、これは四十七年度の資料でありますが、奄美群島でできる反物が二十六万五千六百反、それから鹿児島でできるのが五十六万三千五百反、合計八十二万九千百反。このときの金額で、奄美群島が百二十億、鹿児島産が百五十億、合計二百七十億。最近におきましては四百億を突破しておるということをいわれておりますが、こういう状況を見ていきますと、地域経済において、これはもう実に七、八〇%を占めておるということですね。あとの産業はどういうものがあるかというと、砂糖産業ですね。これが年額三十五億。奄美についていいますと、先ほど申し上げたように、大島つむぎが年産額百二十億。こうなってきますと、つむぎがだめになってくるということになってきますと、この地域全体がもうだめになってしまう。これはたいへんな問題だと思うのですね。特に奄美につきましては、御承知のように戦後復帰いたしまして、奄美群島振興開発特別措置法というものがありますし、あるいは離島振興法がある。また、本商工委員会で、われわれでつくった伝統的工芸品産業の振興に関する法律、この中にあって、政府としてもトップに、日本の伝統産業としてこの大島つむぎをあげておられ、一月にはこれを正式に決定したい、こういうことを聞いておるわけです。あるいはまた、繊維工業構造改善臨時措置法、そういう法律もあるわけですね。そのように法律はいろいろあるわけでありますが、現実にそういう輸入品によって非常な打撃を受けておる。特に韓国産はやはり安いということがありますし、そして向こうでいわゆる韓国産という表示も端のほうにしておりまして、輸入してきてからそこをちょん切って国内産という売り方をする。あるいは無表示で入ってきて、本場大島つむぎというネームをこっちで入れて売る。そのように韓国産が安いものですから、問屋あたりも現地へ行きまして、幾らでも安いものがあるんだ、もっと安くしろというようなことで値段をたたいてくる。あるいは支払い条件においても、最近はもう百八十日から二百十日、そういう支払い状況になってきておる。今日これだけ物価が高騰しておって、いわゆる大企業等に働いておられる方は、三〇%というような賃金のアップもあるわけですが、こういうところに働いている人は、賃金のアップどころか、工賃カットというような状態にもなってきている。こういうたいへんな問題がいま随所に出てきておるわけですね。こういう問題につきまして政府としては一体どう考えておられるかということです。これは何十万という人の生活がかかっているわけですね。こういうような影響が出ておりながら平然として見ておられるのかどうか。どういうように状況を把握されておられるのか、この辺もひとつ政府の考え方をお伺いしたいと思うのです。
○田口説明員 ただいま先生から御指摘いただいたように、ただいまわが国の繊維産業、なかんずく繊維中小企業は前古未曽有といっていいくらいの非常な不況に直面しておるということで、私ども対策に腐心しているわけでございます。なかんずく中小零細企業の方が多いというだけでなくて、同じ地域にたくさんの繊維関係の業者が集まっておられる地域が多い。いろいろな町へ行ってまいりましても、市民、町民の大部分が繊維に関係しているというようなことで、地域社会ぐるみの問題になりかねないといったような問題がございますので、特にそういった中小企業が地域社会の中でかたまって産地を形成しておるというところに対しては、いろいろ不況対策の面等におきましてもできるだけ重点を置いて努力しておるつもりでございます。 なかんずく御指摘の大島つむぎにつきましては、やはり中小零細企業が非常に多いということ、のみならず今回伝統産業振興法に基づきまして伝統工芸品として指定する準備をいたしておるわけですが、そういった面からもきわめて重要であるということ、それから先生からも御指摘いただきましたように、奄美群島振興の特別措置法という観点から見ましても特に留意しなければならないといったようなものであるということで、分け隔てをすることもなかなかむずかしゅうございますが、率直に申しまして私の所管しております繊維の各業種の中でもやはり大島つむぎというのは特段に重要な業種であるという気持ちで、従来から行政をやっておるつもりであります。 具体的な不況の実態につきましては、実は昨日から担当官を二名派遣いたしまして、実態のさらに一そう正確な把握に努力しているところでございますけれども、大体現在把握しておりますところによりますと、大島つむぎ、これはいわゆる鹿児島の分、それから奄美群島の分、両方含めまして、昭和四十年に約三十六万五千反の生産だったものが、四十七年までは比較的順調にふえてまいりました。四十七年が八十四万三千反というふうなことになっておると聞いております。四十八年には八十二万九千反ということで若干減少しております。最近の数字でございますけれども、私どもが鹿児島県庁を通じて調査いたしましたところによりますと、本年度の一-十月までの生産は約六十七万三千反という数字になっておりまして、昨年の一-十月、つまり前年同期に比べますと五・三%の生産の減少になっておるという県庁からの報告を得ておるわけでございます。なお、工賃等につきましても昨年に比べまして相当の低下をしておるということでございます。しかしながら、もっともっと具体的な個別の実態を把握すべく現在実態把握に努力しておるつもりでございます。 それから、対策面でございますけれども、できれば輸入問題を中心にいたしましたいわゆる対外政策面の関係、それから国内対策の関係ということで二つに分けて御説明させていただきたいと思います。 先ほど板川先生からの御質疑にもございましたけれども、業界からは輸入の全面的な禁止をぜひしてほしいというお話が再々あるわけでございますけれども、私どもお気持ちがわからないわけではないわけですけれども、やはり一方的な輸入禁止あるいは輸入制限をするということは、国全体としても非常に大きな問題になるのではないかということで、いわゆる直接的な輸入禁止に至る前にできるだけの措置を講じたいということで従来から努力しているつもりでございます。 輸入関係での第一の対策は、先ほど来実は質疑がかわされておったわけでございますけれども、一つは表示の問題があるわけでございます。関税法第七十一条の規定に基づきまして、大蔵省にお願いして、いわゆる原産地についての虚偽の表示あるいは原産地について誤認に導くような表示をつけた輸入品についてはこれを輸入許可しないということで指導していただいておる。これは具体的には昨年の春からやっていただいておりますけれども、この春に入りましてさらに指導とか実施を強化していただいておるということでございます。同時に、表示の国内的な問題につきましては、公正取引委員会にお願いいたしまして、いわゆる不当景品類及び不当表示防止法に基づきます告示を五月一日施行で出していただいておるということで、いわゆる原産地、原産国に関して不当な表示を行なってはならないといった趣旨の告示を出していただいておるということでございます。 それから次に、いわゆる輸入の直接規制には至りませんけれども、やはり行政指導の面でできるだけ本場の大島つむぎが圧迫されないように、いわゆる伝統的な日本の中小企業がつくっておるものと競争的な製品をわざわざ外国から入れることはないではないかといった方針で行政指導をやっておるわけでございます。具体的にいままでいたしておりますことは、ことしの八月あるいは十月、大手商社の繊維の担当重役を当省に呼びまして、ほかの品種も含めました全般的な繊維問題について行政指導を十分いたしましたかたわら、特に大島つむぎについては名前をあげまして、やはり大島つむぎの重要性、あるいは非常に困窮しておる実態にかんがみて、大手商社はいわゆる外国の大島つむぎ類似品を扱ってもらいたくないということを申し述べ、大手商社のほうは扱いませんということで、今後取り扱わないという確認をとっておるわけでございます。しかしながら、大手商社ばかりが扱っているわけではないという業界の声も当然あるわけでございまして、行政指導についてさらに強化する方向で検討していきたいというふうに考えております。 それから次に、輸入の行政指導をいたします場合でも、実態を十分に把握してからでないと十分な行政指導ができないということから、率直に申しまして、従来繊維は輸出産業ということで輸出統計は総体的によく整備されておったと思いますけれども、輸入統計が非常に大ざっぱであったということは事実だったと思います。ことしの一月分から入着しました貨物についてインボイス統計をさらに整備するということで、従来よりは内容をもう少し具体的に把握するという努力もいたしておりますけれども、かたがた本年の十二月分、つまり今月分からいわゆる輸入成約統計、輸入契約を結んだ段階で届け出させるということを発足させていく。予定といたしましては、来年の二月になるとことしの十二月分の契約の結果が出てくる予定でございます。 こういったことで、やはりできるだけ前広に、物が入ってきてしまってから押えるというのではやはりおそ過ぎるので、入ってくる前の契約の段階で実態を調べて、これを背景といたしまして行政指導をするというふうに努力したいと思います。 ただ、これも率直に申し上げておきますが、大島つむぎが幾らで村山つむぎが幾らでといったような――つむぎ類というところで一応統計を整備しておりますけれども、大島つむぎと村山つむぎとどこが違うかということを技術的にいろいろ議論してまいりますと、これは定義が非常にむずかしい問題がございます。もちろんむずかしいといって放置してまいるわけにはいきませんが、やはりつむぎ類ということで一応統計をとる。それで、あといわゆることばで定義をぴしっと、大島つむぎと大島つむぎでないつむぎというような分類をつけるのはむずかしいといったような問題もございますけれども、しかしこれはできるだけ内容を厳密に把握することができるような努力を実は現在もしているということはございます。 ただ、申し上げたかったことは、大島つむぎということで何反ということがすぐにわかるという状態には残念ながらなっていない。それから、背景的には技術的な非常にむずかしい問題がある。しかしながら、何とかその技術問題を乗り越えて少しでも厳格に把握しようではないかという努力はしているつもりでございます。 それから、従来から日本から糸なら糸、原料を出しましていわゆる逆委託加工契約と申しますか、外国で加工して製品を日本に持ってくるという逆委託加工契約の形をとる場合がございますけれども、これは輸出貿易管理令の第一条六項の規定によりまして、逆委託加工契約は許可を要することになっておるわけでございますけれども、当省といたしまして、大島つむぎ関係につきましては、この契約の申請があっても不許可にするという処置をとっておるわけでございます。 なお、外国にいわゆる合弁企業の形で進出いたしまして大島つむぎをつくるといった案件につきましては、従来実はケースがあったわけでございますけれども、行政指導いたしまして、その結果これを翻意しているといいますか、考え方を変えて合弁進出することを思いとどまったといったようなケースもあると聞いております。 それからなお、非公式ではございますけれども、通産省のほうから韓国の政府の方に対しまして、大島つむぎという問題がある。大島つむぎに関連する方々が非常に困窮しておられるというような、当省といたしましてもきわめて重要な問題であるといったその大島つむぎの実情を十分伝えるように努力しておるつもりでございます。 大体以上が対外関係、特に輸入問題を中心といたしました対外関係の施策でございます。 それから、国内関係でございますけれども、先ほども出ましたが、とりあえず伝統産業振興法に基づく伝統工芸品として指定する。具体的には一月に告示をする準備をいたしておりますが、十二月十二日の審議会でいろいろ技術的な説明も申し上げ、審議会の御了解も得ているということで、大体予定どおりやれるんじゃないかと思います。 これとあわせまして、指定いたしますとすぐ伝産法に基づく振興計画をつくるわけでございますけれども、これにつきましてもできるだけその業界の将来の成長のためにプラスとなるような計画がつくられるように、私どももあるいは県にもお願いしてできるだけ努力もしたいと思いますが、とりあえずのところは伝統工芸品として指定する。指定に基づいて本場大島つむぎの表示をする。その表示を日本国民にPRする。いわゆる本場のほんとうの大島つむぎの表示はこういうふうになっているんだといったようなPRについても、できるだけの御協力というか、推進を通産省としてもしたいというふうに考えております。 さらに、新しい繊維の構造改善臨時措置法に基づく構造改善事業につきましても、できるだけ産地のお役に立つように積極的に御相談、助言をしてまいりたいというふうに考えております。 それからなお、短期的な対策でございますけれども、不況対策としていろいろ中小企業の金融措置が講ぜられておるわけでございます。これは御高承のとおり、政府系の中小企業三機関から各中小企業に金が流れていくということで、政府が直接に関与するたてまえのものではございませんけれども、私ども大島つむぎにつきましては、政府系の中小企業三機関に対しまして、冒頭申し上げたようにあらゆる面で特に重要な業種、産地であるので、中小企業金融を行なう場合に、どうしても必要な資金はぜひ貸し出すようにお願いをするということで、大島つむぎについては特段に中小企業の政府系三機関に対しまして配慮を要望しておる。これは実はことしもやっておりますし、昨年の年末もやっておるということで、国内の金融対策に努力しているわけであります。 それから、業界の不安も高まっているようでございますし、政策のほうもまだまだ十分でない面もあるかもわかりません。やはり直接規制というわけにはなかなかまいらないと思いますが、それに至らずにまだできることがないかということで、今後ともさらに煮詰めてできるだけの施策を講じたいというふうに考えております。
○近江小委員 韓国で大島つむぎがつくられかけたのは昭和四十六年と聞いております。そうしますと、これは三年間ですよ。今年度はいろいろな繊維全体の不況ということもありますが、国内経済全体の不況、国際的なインフレ、いろいろあるわけです。先ほど課長おっしゃった五・三%ですか、減少をしておる。ここまで結果が出てきているわけですね。韓国ではいわゆるセマウル運動の目玉として考えておる。そうなってきますと、向こうでつくられかけて三年目にこれだけの影響が出てきておる。向こうはいわゆる目玉として考えておる。こうなってきますと、これは加速度的になってきますよ。ただ、いまいろいろ対策をちょっとお述べになったわけですが、これではたしてほんとうに伝統産業として今後法律に基づくそういう振興ができるかという問題があるわけです。この問題については、大蔵省なり公正取引委員会なり外務省なりいろいろ関係があるわけです。それで、いま課長がおっしゃったわけですが、現実に大蔵省なり公取等にそのように通産省のほうから依頼をされ、お願いされておるわけですが、現実にどのように実行していただくかということが問題であるわけです。各省それぞれお答えいただきたいと思うのです。公正取引委員会については、現在この韓国製品をてことしていわゆる値段の買いたたき、あるいは手形サイトにしてもそういう二百何十日というようなものが出回ってきておる。こういうことがはたしていいのかどうか。下請代金支払遅延等防止法の関係もあるかと思います。ですから、不当表示防止法の関係もあわせてお答えいただきたい、こう思います。大蔵省、公正取引委員会から御答弁いただきたいと思います。
○小田説明員 お答え申し上げます。 先ほど通産省のほうからお話がありましたとおり、税関といたしましては、通関の段階で虚偽の表示または誤認を生じさせる表示のある貨物については輸入を許可しないという考え方で指導を強化してまいっております。 ちょっと具体的に触れますと、昨年の五月からは韓国産の表示がありましても、それがつむぎという表示の外側にある場合は、通関後にそれが切り取られるおそれがございますので、そういうものについては認めない。必ずつむぎという表示の内側に韓国産という表示をしなさいということを指導いたしております。 それからさらに、昨年の十二月からは、韓国産という表示を内側にする場合でございましても、そのつむぎという表示のしかた自体に問題がないかどうか。つまり、単なる大島つむぎならよろしいけれども、たとえば本場大島つむぎであるとか、奄美大島つむぎというようなまぎらわしい表示をするものはまかりならないというふうにいたしております。 それからさらに、ことしの五月からは、韓国産という表示をメード・イン・コーリアというような形ではなくて、必ず日本文字でわかりやすく表示をするようにということにいたしております。 さらにまた、日本文字で韓国産と書く場合でありましても、虫めがねで見なければわからぬような、そういう表示のしかたはだめだ、あるいは通関後容易に取りはずすことのできるような、そういう表示のしかたではいけないということで、関税法七十一条を根拠にしての取り締まりといたしましては、できる限り最大限の解釈運用をいたしまして取り締まりに当たってきた、こういうことでございます。
○利部説明員 公正取引委員会といたしましては、いま大蔵のほうからも通産のほうからもお答えになりました点と同じ点が一つございます。前前からの懸案でございました商品の国籍をまぎらわしくする行為につきまして、原産国の不当表示に関する告示を出しまして、ことしの五月から施行された、これは御承知のとおりでございます。それの施行に目下力を入れているということが一つございます。 それから、原産国の不当表示の告示をしただけではなお足りない点が多々あるわけでございますが、これに対しまして一つの方法といたしましては、国産品について、国産品であることをもっと明確に示すことによって、韓国製品と国産製品との区別が買い手にとって明確になるであろう。さらに、消費者も本物の価値を認識して、それ相応の評価をする、そういうことになるのが業界にとっても基本的に大事なことであろう、そういうふうに考えておりまして、その面を表示でもってはっきりするように、そういう指導を考えたわけでございます。 その方法としまして、景品表示法に定めのある表示についての公正競争規約を業界に設定してもらって、そこで大島つむぎの表示についての適正なルールをつくっていただく、そして関係者にそのルールに従った表示をしてもらう、その表示を尊重してもらう、そういうふうにすべきだろうというふうに考えたわけでございます。その公正競争規約設定の指導を開始した段階でございます。 それから、もう一つの問題といたしまして、韓国製品でありながら全く表示がないままに税関を通り抜けてしまう、これは税関のほうでも何とも方法がないことだろうと思います。それにつきましては、日本国内に入りましてから表示のないものにあたかも国産品であるような表示をつけさせたもの、これは景品表示法に違反するわけでございますから、それに対する取り締まりをきびしくやっていきたいということでございます。 それから、もう一つの方法といたしまして、消費者の手に渡る最後の最後まで無表示のままということは実際問題として考えられません。途中のどこかの段階で不当な表示ないしはあいまいな表示がされるはずでございますから、その段階で取り締まるなり、そういう不確かなものが出回らないような――不確かなと申しますのは、不当表示になるおそれのあるような大島つむぎが出回らないような方法を具体的に考えたいということでございます。
○近江小委員 それから、先ほどの支払い条件等の問題ですね。これはどういうように把握されていますか。
○利部説明員 私の直接の担当ではございませんので、ちょっと自信ございませんが、下請法の定義といたしまして、親事業者、下請事業者の関係を資本金で定義しております。その関係で、発注する問屋とそれを受けるつむぎの製造業者との資本金の関係のいかんによっては、下請法で保護される下請取引に当たらない場合もある、当たる場合もあるということでございまして、目下下請法を担当しております課で、下請法の対象になるならば、当然この法律によって規制すべきものでございますから、その問題を調査している最中でございます。
○近江小委員 通産省は係官を二名派遣したということをおっしゃっているわけですね。公取さんとしては、現地の調査に伺っているわけですか。
○利部説明員 私のほうは福岡に地方事務所を持っておりますが、その福岡地方事務所の所長とそこの担当官二名が、つい最近奄美まで事情を聞きに行ったことがございます。いまのところはそこまででございます。
○近江小委員 これは非常に重要な問題でありまして、公正取引委員会としてもよく報告を求めて、ひとつ適切な処置をすみやかにやっていただきたい、こう思います。 それから、最近になって統計もやるようにした。これはやることについては非常にいいことです。しかし、時期がおそいと思うのですよ。結局、これはどういうところに根本的な原因があるかといいますと、やはりわが国が高度成長をやってきた、それはやはり柱は重化学工業品なんですね。それで輸出をどんどんやる。そこで、貿易のバランスからいってやはり輸入もしなければならぬ。そして、こういう繊維製品であるとか、軽工業品であるとか、わが国の中小企業、零細企業が担当しておる分野が、顕著にいろんな分野において影響を受けておるわけですね。これはやはり国全体のそういう方針として、全く大企業優先の高度成長路線というものを政府の皆さんがささえてきたわけですよ。そこにこういう大きな問題がいま出てきておるのですね。そういう点におきまして、当然国内業者が打撃を受ける、そういう中小零細業者というものについて社会的な大きな影響もあるわけですし、それを皆さん方が念頭に置いておられるなら、もっと早く正確なそういう統計なり何なりについて把握なさるのが当然であったわけですね。いかに皆さんが中小零細企業について冷たかったかという一つのあらわれだと思うのですね。ですから、その点はほんとうに反省に基づいて、今後そういう統計をしていくという姿勢であるのか、言われるから統計をやりますというのか、どっちですかということを一つは聞きたいということ。 それから、当然外務省もこういうことは重要な問題として考えておられるなら、通産省と協力して、また大蔵省とも協力してそういうことを打ち出しておらなければいけなかったわけですね。外務省としては、こういう問題についてはどう対処なさっていくのかお聞きしたいと思うのです。 ですから、いま根本的に、どういう気持ちでこの統計をやっていくのか、一つは通産省の繊維課長にお聞きしたいことと、それから外務省は今後どういう対策をとっていかれるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○宇川説明員 外務省の立場からお答えさせていただきます。 先ほど通産の担当課長からもお話がございましたように、この問題、非常にいろいろむずかしい点もございますし、私どもとしては、一般的な考え方として申し述べさせていただきますと、輸入面、入ってくる面で対処する以前に、国内的になし得る処置を全部考えていくべきだという考え方をとっております。先ほどからお話もございましたように、日本として対外的にいろいろ処置をとる場合にはいろいろの影響もございますので、その点も十分慎重に見きわめて考える必要もございますし、現在の世界的な、わが国の置かれております状況から考えます場合には、いかにして各国が保護主義的な方向に傾斜するのをとめるかということが非常に重要なことだと思いますので、その意味で日本自身も姿勢を正して進んでいくということが肝要かと心得ておる次第でございます。 本件自体につきましては、先ほどから通産その他から詳しく御説明がございましたように、各種の処置もとられ始めておるわけでございまして、関係省とも私どもとしては今後とも十分強力に御相談して、適切な対処というものを考えていきたいと存じております。
○田口説明員 御指摘いただきました統計についての考え方でございますけれども、率直に申し上げまして、昨年あんなに輸入が急増するということは私どもなかなか考えた者は少なかったと思いますし、それから業界人も少なかっただろうとは思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、ことしに入りましてから輸入成約統計というものをとり始めておるわけですけれども、できればもっと早くからとっておくべきであったろうというふうに私ども思っております。必ずしも適切な時期にやったかどうかという点は、あるいはもっと早かったほうがよかったのじゃないかと思っておりますけれども、これから力を入れて大いにやっていきたい。 それから、統計問題で、中小企業の実情の統計と申しますか資料のことでございますけれども、これも率直に申しまして十四万六千の企業があるわけで、九九・六%が中小企業でございますけれども、私ども組合なり県なり通産局なりあるいは地方の金融機関なり地方の新聞なり、いろんなソースから業界の実情、なかんずく不況の実情を把握するように努力はいたしておりますけれども、たいへんな企業数と、それから失礼かもしれませんけれども、やはり中小零細企業になればなるほど実は企業の中でも帳簿なり数字というものをがっちり正確に保存と申しますか、おつくりになっておらないといったようなことで、特に私ども中小企業対策をやりますときに、自分ながらもう少し実情が的確にわかればと思うようなことが実は少なくないわけでございます。 大島につきましても、実は担当官を派遣いたしますのはこれが初めてであるわけではございませんので、昨年も課長がたしか参ったと思いますし、かねてから一応把握に努力はしておるわけですけれども、先ほどもちょっと出ましたけれども、業界の中で必ずしも利害統一とか組織統一とかといった面でぴしっと統一がとれていないといったような面もあったかと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、たいへんな問題であるという認識はしておるつもりでございますので、今回担当官を派遣して一〇〇%正確に事態が把握できるかどうかその辺は問題だと思いますけれども、とにかく与えられた期間の中でできるだけの把握をしてくるように申しつけてございますけれども、不足な点があればまたさらにあらためて調査に出すということも含めて実は考えておるわけでございます。これは御説明にならないかもわかりませんが、私ども中小企業を担当しておって、輸入統計のほうはおそかったけれども整備もするし、今後ますます努力する、国内のほうも努力はいたしますが、実はたいへんな数の、しかも聞きにまいりましてもなかなか帳簿その他もはっきりしていない方々の事態を把握するのに苦労しながら、なるべく事実を正確に把握するような努力をしているつもりでございます。今後も努力したいと思うわけでございます。
○近江小委員 私は声が大きいほうですけれども、あなた方も答弁をもっとはっきり大きく言ってください。マイクがありませんので聞き取りにくいところがたくさんあるのです。
○中村(重)小委員長代理 答弁は簡潔にしてください。
○近江小委員 それから、大手商社を呼んで行政指導をして協力してもらうように頼んでおると言っているわけですが、大手商社というのはダミーを使うのですよ。その辺についてはどういうように指導しておりますか。
○田口説明員 先ほど申しましたように、大手商社はこれから大島つむぎ類似品を取り扱わないということを私ども確認しておりますけれども、先生御指摘のようにダミーを使うのではないかとか、あるいはダミーではないにしても、大手商社以外の中小の商社なりあるいは問屋が扱うのではないかといった産地の声も実は聞いているわけでございます。非常に小さい問屋さんあたりが、いろいろな土地の方々が扱うとなると、実態の把握がそう簡単ではないかもしれませんけれども、私ども、先ほどちょっと御説明申しましたときに、さらに行政指導を強化する方向で考えたいという趣旨のことを御答弁申し上げたと思うわけでございます。その内容は、一般の繊維製品につきましては、大体大商社中心で行政指導しておるという実態でございますけれども、大島つむぎにつきましては、もっと小さいところまで行政指導の手を広げていく必要があるんではないかと私考えておりまして、実は局の中でもそういう方向で検討していただいておるという実態でございます。
○近江小委員 それで、政府のいわゆる韓国ものの輸入につきましての数字と現地の人々の把握しておる数字とはえらい食い違いがあるのですね。その食い違いというのは、結局観光客が行って個個にみやげものとして持ち込んでくるというようなことであるとか、いろいろな形でその差が出てくるかと思うのですが、現地の人は、大体十万反は入っておるだろう。政府が大体推定しておるのはその半分以下でしょう。今後統計を厳格にしていくということをおっしゃっておりますが、すでに十万反も入ってきておるのです。今年の生産量だって、いまあなたがおっしゃったようによくいって七十万反ぐらいと違いますか。そうなってきますと、生産が始まってからわずか三年ぐらいでこういう状況になってきたら、来年、再来年となったらどうなるか。 そこで、被害を克明に調査されて、そうなってきますとこれはガットに提訴するということが考えられるわけですね。その辺については外務省と通産省はどのように考えておりますか。
○田口説明員 輸入の数字でございますが、私ども、実は国内行政担当でございまして、非常に精密なことまではわからない面がございますけれども、たしか従来から、昨年の輸入が大体三万反ないし四万反程度ではないかと考えられる、正確な区分の統計はないわけでございますけれども、こういう御答弁も申し上げてきたかと思うわけでございます。昨年の輸入については、一応業界の方方の十万反というような声のあることは実は私も存じておりますけれども、鹿児島県の書類等を拝見いたしますと、大体四万五千反ぐらいと見ておられるようで、これらの四万五千反あるいは十万反、これは証明できるほど正確な数字がないと私は思います。これはさっき申しましたように、少しこまかい話になりますけれども、つむぎの中でほかのつむぎと大島つむぎとどこが違うのかという点になりますと非常にむずかしい技術的な問題があるということも関係しておるかと思うわけでございます。いずれにいたしましても、さらに一そうの実態の把握をしたいというふうに考えております。 それから、奄美大島のいわゆる大島つむぎの方が非常にお困りであるということはまさしく認識しておるつもりでございますけれども、やはり昨年の一-十月と本年の一-十月と比べますと、生産で五%程度のダウンという一応の県からの数字があるわけでございまして、これについてはやはり輸入のために減っているという面と、国内の金融引き締めあるいはどうも消費者が買い控え傾向にあるといったような国内の不況の要因からも実は減っている面もある。大島の方々から見ますと、韓国の生産がますますふえていくんじゃないか、この分でいったら大島つむぎ産地というのはどうなっていくのだろうかという御不安のあることも承知しておるわけでございますけれども、さらに国内の生産が落ち込むのか、さらに工賃が落ち込むのか、あるいは国内景況も実は底をついていると見られる産地もほかの産地では幾つか出てきておるということもございますので、非常に慎重にというか、心配しながら産地の実態を継続して把握してその対策を考えたい。とりあえずは、さっき申しましたように、ガットに持ち込むというところまで至りませんで、やはり輸入品の表示の問題、あるいはむしろこれからは本場のつむぎの表示を統一的にやってPRしようではないかというような問題、あるいは国内対策の面でできるだけの対策を講じていきたいといったようなことを中心に、それから輸入については、行政指導を大島つむぎについては特段に厳密に実施していくということで努力したいと思っておるわけでございます。
○宇川説明員 ただいまお答えのございましたとおり、私どもといたしましても関係省とも十分打ち合わせながら進んでまいりたいと思っておりますし、ガットへ持ち込む以前でできるだけ問題が軽減されるように計らっていくのが現在は重要なことだと考えております。
○近江小委員 現状の認識なり皆さんのそういう今後の決意なり、そういうものはほぼ各省一致したんじゃないかと思いますが、対応する皆さん方の実行の問題だと思うのですね。 〔中村(重)小委員長代理退席、神崎小委員長代理着席〕 ですから、関係各省よく連絡をとり合っていただいて、いま政府の皆さん方は責任をもって今後伝産法に基づく産業としての振興をはかっていくということをおっしゃっておるわけですから、特別な力を入れて守っていただきたい、このように思います。特にそれを要望しておきます。 それから、農林省が先ほどからお待ちでありますのでちょっとお聞きしますが、いろいろ農林関係の問題というものは多いわけですが、一つの問題として卵の問題をちょっと聞いてみたいと思うのです。 卵価というのは、例年夏場に下がって九月から上昇して年末年始をピークとして春先にまた徐々に安定していくという周期性を持っておるわけです。しかし、ことしの年末の卵価というものは例年になく高騰しておるわけです。この最大の原因は、これはあらためて申し上げるまでもなく、一昨年来の飼料の異常な急騰によるものじゃないか、このように思うわけです。この十数年間物価のエースと称されて、技術革新等の努力によって生産コストを下げ続けて価格を長期に据え置いてきた、こういう鶏卵の価格というものも、鶏卵生産費の約三分の二を占めるといわれております配合飼料の価格が、過去二年間に約二倍も値上がりしておるということに対して、何らなすすべも持たなかったということは言えるのじゃないかと思うのです。皮相的に見ますと、国際的な農産物価格の高騰にあるということでありますけれども、より基本的には、こうした飼料を安易に海外へ依存して、わが国の畜産また養鶏業を単なる加工業へ指向させてきたこういう政府の態度自体、私はそこに責任があるんじゃないか、このように思うわけです。したがいまして、卵価の安定のためには、飼料価格を安定させるということが一番大事だと思うのです。この飼料価格の安定に問題をしぼってお聞きしたいと思うのですが、政府としてはこの飼料価格の安定対策についてはどのようにお考えですか、まず初めにお聞きします。
○高須説明員 ただいま先生もおっしゃいましたように、飼料価格は、ここ二年の間に原料が大体三倍になっておるという関係がございまして、約二倍になっておるわけでございます。これにつきましては、四十八年一月の値上げ以来、第一次、第二次、第三次と、値上がりのたびに価格補てんに対する利子補給等を実施いたしておりますし、また低利融資を大幅にいたしておりまして、また食管会計で取り扱っております飼料勘定等から安値売却等も実施いたしてまいったわけでございます。こうしていままで二カ年、個々の値上がりに対してはそのつどそのつど対処してまいったわけでございますが、やはり恒久的な長期的な対策を考えなければならないということで、五十年度予算におきまして私ども当初から考えておりましたのは、現在飼料の価格を安定いたしますためには三つの配合飼料価格安定基金がございますが、これらの基金だけではとても対応し切れないような異常変動ということが起こってまいるおそれが出てきておりますので、したがいまして、親基金というものをつくりまして、この親基金が異常な価格変動の際には乗り出して価格補てん等の業務を行なう、こういうふうな構想を考えたわけでございます。これが、関係各省との間の話し合い等もございまして、この一月から繰り上げて実施するという結論になりましたので、ただいま国会のほうに御審議をいただいております補正予算の中に政府の出資金三億円、民間の出資金三億円、計六億円の出資金で、まあ大体一月末ごろになると思いますが親基金を創設いたしまして、そこへ政府から六十億円それから民間から六十億円持ち寄りで約百二十億円の基金を創設いたしまして、今後の飼料価格の変動に備える、かような体制になっておるわけでございます。
○近江小委員 この原資はいわゆる国と民間で切半する。四年間で大体八百億ぐらい上積みをするということを聞いておるわけです。ところが、今年度は補正予算で六十億なさっているわけですが、この親基金制度でいきますと、配合飼料の工場建て値が過去一年間の平均価格を最低八%上回らなければいけない、こういうことになるわけですね。そうすると、八%までの上昇であれば一体どうするのか、また飼料価格安定基金への補てんを一体どう考えておられるのかということなんです。しかも、こういう親基金制度がそれだけの力を持つようになるまでには二、三年の期間が必要じゃないかと思いますし、しかもいわゆる民間負担ということになってきますと、これだけ飼料高騰で苦しんでいる農家がさらに負担をしいられてくる。現在たいへんなんですよ。そういう点からいきますと、それまでは現在の飼料価格安定基金に国がいわゆる大幅な補てんをする、そういう措置をする必要があるのじゃないか、このように思うわけです。 また、来年早々からトン当たり一万円ぐらいの飼料の値上げがあるのじゃないかといううわさをちょっと聞いておるのですが、政府としてはそういう問題に対してはどのように考えておられるか、この二点についてお伺いして、もう時間がありませんから私の質問を終わりたいと思います。
○高須説明員 第一番目の八%の問題でございますが、これは過去十年くらいの海外の原料相場の変動、この変動計数が大体一五%になっております。したがいまして、これを配合飼料の中に混入いたします場合の影響が大体八%でございます。したがいまして、八%という範囲の変動であれば通常の変動であるというふうに考えまして、八%程度の変動であれば従来からやっております自主的な基金の運営によってやっていただきたい、かようなことでございます。したがいまして、八%以上の変動が起こるようなのは異常な事態でございますので、その際に親基金が出動する、このような仕組みを考えておるわけでございます。 それから、この基金に対する積み立て金でございますが、これは先ほども先生がおっしゃいましたように、将来四年ないし五年後には八百億円程度の基金、これは一応まだ私どもの原案でございまして、財政当局の御了承を得たものではございません。したがって、もし八百億円とすれば、そのうち四百億を国で負担いたす。その第一年度といたしまして、とりあえず六十億ということでございます。この二分の一は民間負担になるわけでございますが、これは現在は大体毎月六百円程度の負担をやっておるわけでございますが、現在の積み立て金と同じような形で長期間にわたって徐々に積み立てていただいて、それでもって繰り込んでいただく、無理のない方法を考えてまいる予定でございます。いずれにいたしましても、これらの基金の金というのは異常な際に農家に還元いたす金でございます。それまでは一時保留されるということもございますけれども、非常に異常な場合のために一応積み立てておくものでございまして、その二分の一を国で補助するということでございますから、本来民間で自主的におやりになる場合よりは二分の一助かるわけでございます。したがいまして、大幅なほどよいことはわかっておりますけれども、やはり財政上種々の問題がございますので、二分の一、かような考え方になっておるわけでございます。 それから、第二番目の点で、来年一月以降えさの値上がりがどの程度あるかという問題でございます。この点は現在、全農それから商系メーカーの方々はある程度の希望を述べておられるわけでございますが、私どもといたしましては、畜産農家に及ぼす影響がきわめて大でございますので、これは従来ともそうでございますけれども、できるだけ低く押えるということでお願いいたしたいと思っております。一万円というようなのはとても私ども考えていない数字でございまして、それよりはかなり下回るものになろうか、かように考えております。
○近江小委員 これで終わりますが、全農をはじめ商社系統におきましても吸収して値上げしないように十分な指導をしていただきたいと思いますし、それから先ほど申し上げた三つの基金、これについていわゆる親基金の問題もあるわけですが、これに対しての補助もしなさいということを言っているわけですよ。その答弁がなかったのです。それを聞いて終わります。
○高須説明員 親基金に対しましては、国が二分の一の積み立て金をやるわけでございます。これが国の助成金でございます。それから、出資金も、六億円のうち半額は、これは畜産振興事業団からでございますけれども、やはり国の金を出資する。それから、そのほか、一部事務費の補助を考えておるわけでございます。
○近江小委員 飼料安定基金の系統が三つあるでしょう。そこにも金を出せということを言っているのです。それについてはどうかということです。
○高須説明員 この親基金は子基金を再保険するような形になるわけでございます。したがって、子基金のほうは従来運営は自主的にやっていただきまして、異常変動の場合のみに親基金がお助けする、要するに子基金を親基金でお助けする、こういうことでございます。
○近江小委員 私がいま言ったその辺のところも農林省としてよく検討していただきたい。大臣にお伝えいただきたい、それを一つ申し上げておいて、終わります。
○神崎小委員長代理 中村重光君。
○中村(重)小委員 具体的な点は斎藤課長からお答えをいただいてけっこうです。重要な点は天谷審議官からお答えいただきたい。 冠婚葬祭互助会の許可の進捗状況はどういうことになっておりますか。
○斎藤説明員 ただいま許可申請が出ておりますものは、現在時点で三百五十九ございます。このうちすでに許可をいたしましたものがちょうど百でございます。残る数のうち、許可要件、許可の基準にいまのところどうも合致しそうもないというふうに考えられるものが、これは法人格を持ってないというものも含めまして、約百五十でございます。残りのものについては、現在検討を行なっております。 以上でございます。
○中村(重)小委員 この法人格がないとか、それから財務比率であるとか純資産比率といった点で許可ができないということもあるだろう。百が検討している。百五十は、いまの答弁からうかがえることは、ちょっとむずかしいというようにも受け取れるわけです。われわれは、現実にこの冠婚葬祭互助会というものが存在をしているのだから、したがって、みなし許可という形においてやっておかなければいけないんだ、法案審議の中で、この点は政府に注文をつけているわけです。ですから、これはだめだということで片づけるわけにはまいらないのですね。 そこで、じゃどうするのかということになってまいります。当然通産省がいろいろな指導をしていかなければならない。指導はどういう方法でお進めになっていらっしゃるか。
○斎藤説明員 いまのお尋ねの許可申請のほうの審査におきまして、通産局において各互助会から必要な点について事情の聴取をいたしております。その事情聴取の際に、明らかでない点あるいは必要な点についての指導を行なっております。ただ、現在なお審査が進行中でございますので、業者によりましては、まだ先方に十分な指導が行なわれていないと考えられるものもございます。
○中村(重)小委員 だから、できるだけ早くやらなければいけないわけだから、あなた方で積極的に指導しなければならないはずなんです。どのような指導を進めているのかということを聞いているわけです。だから、あなたまかせというわけにはいかぬでしょう。当然積極的な取り組みというものがなければ、あなたのほうは職務怠慢ということになる。だから、どうしているのかということです。
○斎藤説明員 先回の国会の附帯決議で不許可というような処分を軽々しくやらないようにという御指摘をいただいておりますので、中身において問題のものについては当然に指導が必要になってまいります。ただ、経理内容が悪いものにつきまして指導を行なって、直ちにきょう、あすのうちに変わるものでもございませんので、そういうものにつきましては、時間をかげながら、財務基準に達するように指導を行なっているわけでございます。ただ、現在のところは、先ほど御指摘のように、許可申請がたくさんございまして、まだ審査が途上にございますので、申請されているものについての許可、不許可の判断に主力を置いておりまして、それをある程度片づけました上で、許可基準に合致してないものについて指導を進めていきたい、現在のところは審査の促進というところに力を置いているという状況でございます。
○中村(重)小委員 審査の促進に力を入れているということ、それから、きょう、あすというわけにはまいらない、もちろんそうなんだな。そこで、指導しているというのはどういう指導をしているのかという具体的な中身を聞いているわけだから、中身をお答えにならなければ私の質問に答えたことにはならない。
○斎藤説明員 これは本省において直接やる場合もございますけれども、窓口として通産局において業界の申請書の中で財務比率がどうであるかというようなことを聞く際に、こういう点について経営の改善をするようにという形で指導を行なっているわけでございます。ですから、個別にその企業の財務状況に応じた指導を行なっておるということでございます。
○中村(重)小委員 それから、この法案審議の際、冠婚葬祭互助会というのは割賦販売法になじまないのだ、そうしたことで単独立法をつくってもらいたいという陳情が積極的に行なわれた、われわれとしても業界の団体の方々と何回も超党派でお会いをしまして、意見を聞いて、もっともだなというように考えられる点もあった、したがって、単独法の制定について検討しようという附帯決議をつけたわけです。今日まで実施をしてこられて、いろいろと業界との折衝、接触というものもあったろうと思うのですけれども、通産省としてはいままでの実施状況にかんがみて、この単独法の制定必要なしというような結論に達しているのかどうか、そこらの考え方はいかがです。
○斎藤説明員 明確に結論を出したわけではございませんが、現在までの判断のところでお答え申し上げますと、新しい法律をつくる実質的な必要があるということが必ずしも言えないという判断でございます。と申しますのは、現在消費者保護のために割賦販売法の中に入っておるわけでございますが、消費者保護のためにとるべき措置としましては、現在この割賦販売法で定めてある点というのは、必要最低限の線であろうというように考えられますので、この線について変更を加える必要はいまのところではないと考えられます。その他め点につきましても、現在の状況を改めるべきである、改めないとおかしいという点は、いまのところでは見つからないというのが実情でございます。
○中村(重)小委員 あなた、天谷審議官のほうにそうした動きについて報告をしておられますか。
○斎藤説明員 報告いたしております。
○中村(重)小委員 いま消費者保護の最低の線だ、こう言います。割賦販売法の対象として業務運営を行なうのでなければ、消費者保護が行なわれないというものではない、単独立法はそれなりにまた冠婚葬祭互助会の業務運営の点について必要である、消費者保護というものがより完ぺきに行なわれるという考え方だって私は出てくるだろうと思う。だから、みずから通産省は提案をしたのだから、それにこだわってそうした単独法をつくってもらいたいということに対して耳をかさないという態度があるとするならば、これは許せないことなんだ。ましてや国会において単独法の制定について十分検討しなさいという附帯決議が全会一致でつけられておるこの事実から考えても、そのとおりだと私は思う。報告を受けられた、こういうことですから、天谷審議官としては、まだ就任早々で時間がたっていないので、深く問題をきわめていらっしゃらないと思うのだけれども、その点はどのようにお考えになりますか。
○天谷政府委員 割賦販売法が改正されまして、改正法に基づく許可等がまだ目下進行中でございます。そういうわけでございますので、現在の法律に基づくところの行政がはたして消費者保護の目的あるいはまた互助会の仕事の実態によく適合しておって、法律の目的がうまく達成されるかどうかというようなことにつきましては、もう少し時日をかしていただきまして、この事態がもっと明確になりましてから、ほんとうに新しい法律が要るかどうかというようなことを慎重に検討するということが必要ではなかろうかと存じます。したがいまして、なお現下の過程におきましてはよく実情を把握いたしますとともに、あるいはまた単独立法制定等の御要望につきましてもよく検討を加えて、あらためてその事情がいろいろ明確になりました上で正確な判断をいたしたい、こういうふうに考えております。
○中村(重)小委員 私は審議官の答弁はまともだと思う。そのとおりでなければいけない。 そこで斎藤課長、最近の業界の動きはどうですか。
○斎藤説明員 業界の中には、いろいろの考え方の持ち主がおられるのは当然でございますが、大部分の互助会業者の方は、冠婚葬祭互助協会というところのメンバーになっておるというふうに聞いております。そちらの互助協会のほうからいろいろ意見が出されることもございますので、そういう問題については話を聞いておる状況でございます。それ以外に、政治団体をつくって単独法をつくろうという動きがあるそうでございますが、こちらの団体はいろいろ機関紙を発行されているようでございまして、私どものほうに直接の接触はございませんが、機関紙で読むところでは、法律をつくろうということが書いてございます。その中身などでそんたくいたしますところでは、必ずしもいまの法律のどの点をどういうふうにということがはっきりいたしておりませんので、その辺についてはもう少し見守っていきたいと考えておる次第でございます。
○中村(重)小委員 大部分というのは、いわゆる全互協、全国冠婚葬祭互助協会、これを全互協と言っていますね、そのことだろうと思うのだが、その他にとおっしゃるのは、いわゆる期成同盟、こういわれる団体のことだろうと思いますが、その期成同盟の動き、いまの答弁では明確ではなかったのだけれども、具体的にどのような動きをしているのか。接触がないからわからない、こうおっしゃった。また、その規模はどの程度だろうか、その点いかがですか。
○斎藤説明員 私どものほうに接触がないということで、先ほど申し上げましたように実態を正確にはつかんでおりませんが、その機関紙あたりで名前が出ております数から勘定いたしますと、二、三十の互助会が加盟しているように報じられております。
○中村(重)小委員 そうすると、その期成同盟という団体に参加をしている互助会は、全互協の会員にもなっているのですか、そうではないのですか、別ですか。
○斎藤説明員 両方あるというふうに聞いております。
○中村(重)小委員 あなたはその期成同盟というのに対して接触がない。昨日、私のほうにあなたに来ていただいたのですが、同じようなことを言われたのです。そのとおりであれば、それでよろしい。飾らないほうがよろしいから、まともな答弁をされることのほうがいいのですね。ところが、私も全互協の方々とお会いするし、また私の調査でも、いわゆる期成同盟は三十四名、そのうち二十八名は全互協に入っている。全互協に入っていない互助会というのはわずかに六つの互助会にすぎないということですから、したがって、その全互協に加盟をしている互助会といえども、その期成同盟というのが単独立法を制定してもらいたいという要求であるとすると、全互協の中にも単独立法をつくってもらいたいという意向というものがあるということを考えてみなければいけないのではないかというのが一点である。 もう一つは、あなたは接触がないとおっしゃった。私はその期成同盟の方々ともお会いをいたしました。あなたに、会ってほしい、事情を聞いてほしいということを申し込んでも、あなたは会う必要はない、通産省は全国冠婚葬祭互助協会と接触をしているのだから、それ以外の団体とは会わないのだということで、面会そのものを拒否しているということを伝えられているのだけれども、それであるとするならば、どういう動きをしているのか、われわれとは接触がないのだからわかりませんということでは、これはお話にならぬ。ましてや、天谷審議官がきわめて妥当な、適切な答弁をされたのだけれども、あの答弁というのは、実際は出てこないわけだね。いままでの動きというようなものを全く知らないで、審議官は、私がいまあなたに指摘したようなことをおそらく耳にしていらっしゃらないだろう。ところが、単独立法をつくってもらいたいという動きがあるとするならば、そういう方々と接触をして、そしてよく事情を聞いて十分検討しなければならないであろうという意味の答弁であったと私は善意に理解をしている。答弁のための答弁であったとは考えていない。ところが、天谷審議官が就任される前から、あなたは担当課長としていらっしゃるわけだ。だから、いま天谷審議官が御答弁になったようなことを裏づけする十分な調査、検討というものが加えられなければならない、そのためには会わなければいけないはずなんだ。それを、会うことを突っぱねて、われわれと接触がありませんという言い方は、これは官僚独善というのか、非民主的というのか、これはお話にならないですね。昨日も私のところにおいでいただいてあなたとお話をしていると、木で鼻をくくったような態度があなたにはどうも感じられる。不親切だな、通産省にもこういう課長がいたのかねと、まことに私は言いづらいことばだけれども、端的に言わなければならないから実は申し上げる。あなたにもそのとおり申し上げたつもりであります。だから、もう少し親切に応対をされたらいかがです。たとえ三十人であろうとも二十人であろうとも十人であろうとも、国民の声は国民の声なんです。それに耳を傾け、そしてその考え方が間違っておるとお感じになるならば、その団体に対して、これはそういうことではありません、あなた方の考えは間違っているんじゃありませんか、割賦販売法の運用をこうしたならばより消費者の利益を守ることにつながるのではないでしょうか、いろいろ話すべきことは話す。また、聞いて、あなたのほうが正すべきところは正していくというような態度をとることこそ、私は民主的な行政でなければならないと感じますが、あなたの見解はいかがですか。
○斎藤説明員 二つ御指摘がございました。 期成同盟から申し入れがあって私が逃げたとか断わったとかいうお話がございましたが、事実無根でございます。私の課は、いつだれが参りましても窓口を開く、開いているということをモットーとする消費経済課でございまして、申し入れについて断わったような事実は一切ありません。 それから、互助協会のメンバーに同盟の方が入っておられるから、互助協会のほうでも単独法の動きがあろうという御指摘でございますが、この点につきましては、私ども互助協会のほうから聞いておるところでは、いまのところではまだそういうような考え方は支配的になっていない、あるいは一部にあるのかもしれませんが、その点については、互助協会のほうでは特にそういう指摘はございませんでした。 それから、互助協会のほうでいろいろ問題点がある場合に、私どものほうに相談が積極的にございました。こういうものについては、御指摘のように私どもできるだけ話を聞いて処理をしているつもりでございます。 先ほど天谷審議官から、本件につきまして事態の推移を見守りながら処理をしていきたいということの答弁がございましたが、その考え方は、私も何ら食い違うものはないというふうに考えております。先ほどの答弁でお答え申しましたのは、現在の時点ではまだ結論は出ていませんが、こう考えておりますというふうに申し上げたつもりでございます。今後事態の推移を見守って、審議官の御指示に従って処理をしてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)小委員 結論が出ていない。結論を出すために、そうした業者の方々と接触をする、あるいは学識経験者の意見も聞く、あるいは委員会等における国会議員の意見も聞く、そういういろいろなことで検討を加えなければ、結論は出ないのです。しかも正しい結論が生み出せない、導き出せないということになると思う。あなたは、期成同盟の方々に面会を求められて拒否した事実はありませんと言う。なければけっこうです。けっこうだが、私もこの委員会で指摘しているくらいだから、そういう事実について調査をして指摘をしているわけです。鈴木係長とは接触をしたりあるいは電話をかけたりしておったのです。ところが、二月ごろから、電話をかけても、おいでになっても会えません、同じです、来るのをよしてくれということを、電話ですら断わるということのようですよ。だから、そういうことをことさら事実に反することを私は言うはずはないのだから、いまあなたがきっぱりと否定されたものだから、はておかしなものだな、こういうふうに思っているのですよ。実はきょう参考人として互助協会の代表と期成同盟の代表と保証会社の代表に来ていただいて、そうしていろいろと御意見も伺おうというように思っていたのだけれども、参考人がそろわないものですから、きょうは実はやめたわけですが、どうですか、きっぱりと言い切られたが、ことさらそれに食い下がって、あなたに対して、確かにそういうことがありましたと無理に言わせようとは考えていないのだけれども、手違いというようなこともなきにしもあらずです。それから、あなたが結論を出すためには、そうしたいろいろな方々とも接触しなければならないことになろうと私は思うのですが、今後はどうですか、審議官、私が申し上げた期成同盟、互助協会、学識経験者、いろいろな人の意見を聞かなければ、先ほどあなたがお答えになりましたような結論を生み出せないというようなことになると思うのですが、今後はどのように指導しておいでになるおつもりですか。
○天谷政府委員 さしあたりは現在の法律に基づきまして許可を早く進めまして、許可行為によりまして業界の実態も正確に把握するというようなことに重点を置きたいと存じます。 しかし、同時に並行いたしまして、現在の法律の不備その他についていろいろの御要望があるといたしますならば、それをお聞きしていくことにやぶさかではございません。 なお、いろいろ御注意があったわけでございますけれども、消費経済課長は私が全面的に信頼しておる部下でございまして、面会を拒絶するとかそういうことは万々ないと私は存じておるのでございますが、しかしそういう御指摘があるということは、何と申しますか、不徳のいたすところということかと存じますので、今後ともひとつ各方面の意見に耳を傾けながら、一そうよい行政の方向に向かっていきたいというように存じます。
○中村(重)小委員 当然ですよ。課長にも私は、耳に入ったことを単刀直入に、こういうことを言っているのだがどうかということを尋ねた。あなたが否定したことに対して、あなたの否定したことは間違いだ、うそを言うな、こう言っているわけじゃないのだ。そうあれば望ましい、こう言っているのだ。しかし、手違いということだってあるだろう、親切にこう言っているわけだ。部下の取り次ぎがあなたのほうに十分なされていなかったということだってあるかもしれないから、こだわらないで、そして国会の附帯決議もあるわけですから、十分耳を傾けて接触をしていかれなければいけない。あなたほどの聡明な課長がこだわりを持って、会わなければならぬと思っておっても会わないということになってくると、いま天谷審議官が答弁したことにも反するし、また、信頼にこたえないということになってまいりましょうから、今後とも十分御注意を願いたいということを申しておきます。 それから、互助会に加入している会員というのはだいぶ多いようですが、どの程度でしょうか。
○斎藤説明員 約七百万人というふうに理解いたしております。
○中村(重)小委員 そのうち期成同盟の互助会に加入をしている会員はどの程度いるのですか。
○斎藤説明員 理解いたしておりません。
○中村(重)小委員 私の調査しているところによると約半分。そうしてみると、信用度合いというのが相当高い互助会が期成同盟に加入をしているのではないか、参加しているのではないかというように思います。したがって、三百五十五名の中にわずか三十四名だというように簡単に片づけないで――同じようなことを繰り返すとくどくなりますから、その点はこれ以上繰り返しませんけれども、私が調査をしているのに担当の課長であるあなたが理解をしていないというようなことでは、不勉強だと言われたって返すことばはないかもしれませんよ。だから、十分ひとつ調査をしていただきたい。名古屋市の冠婚葬祭互助会というのもある。これも期成同盟に参加している。この名古屋市の冠婚葬祭互助会には四十五万の会員が入っているというのですから、これは相当重視してその声というものに耳を傾けなければならぬと思います。 それから、先ほどのお答えで肯定したようにも否定したようにも聞こえたのですけれども、期成同盟以外の互助会、いわゆる全互協の幹部の方々とは絶えず接触をしているのでしょうが、この方方も、私どもの法案審議の際は、相当数の幹部級の方々と話し合いをいたしまして、ぜひ単独法をつくってもらいたいというのは、これは業者の一致した声であったのですが、いまはそうじゃないのですか、変わってきたのですか、どうです。
○斎藤説明員 法律ができるときには、そもそも互助会が規制されることは好ましくない、あるいは割賦販売法で規制されることには反対であるという意見がたくさんあったというふうに聞いておりますが、御指摘の全互協では、いまの段階では特に法律を、特定の内容の法律をつくってほしいという意見があることは聞いておりません。 それから、先ほど会員の数の御指摘がございましたが、私ども、会員の数が多いのはだいじょうぶ、要するに消費者の信頼ができ、少ないものは信頼ができないというかっこうの処理を避けまして、総合的に判断をいたしておるつもりでございます。これは法律によって課せられました許可基準という基準がございますから、許可基準に照らして処理をいたしております。 もう一つ、同盟のほうにいろいろな業者の方があるというお話がございましたが、私ども同盟の方がどういう方であるか存じませんけれども、法律の要件である法人格を取得してない方がかなりありまして、そういう法律上の要件に欠けるために許可ができないという実態にあることをつけ加えさせていただきたいと思います。
○神崎小委員長代理 ちょっと斎藤課長に言いますが、質問に答えていただくだけでいいので、その質問者に対して議論を吹っかけるような意味を含んだような発言は慎重にやっていただきたいと思います。
○斎藤説明員 はい。
○中村(重)小委員 いまその点を指摘したいと思ったのだけれども、七百万の中に約半分程度あるようです、相当規模の大きい業者の方々がこの期成同盟に参加をしているのではないか、したがって、数が三百五十五の中に三十四だという形で簡単にこれを見てはいけない、やはり耳を傾けなければならないでしょうと、やわらかに言っているのだ。それをあなたは私に挑戦的に何という態度だ。数の大きいとか小さいとかということによって、その互助会の内容というようなものを一律に律することにはならないと私も思う。思うけれども、やはり規模の大きいということはそれなりに信用度合い――あの互助会に入っていたならば、冠婚葬祭に対して非常に親切にサービスもよくしてくれるだろう、また倒産することもないだろうという信頼感というようなものがやはり参加をしていくことになるんじゃないか。あなたが個人として互助会に加入しようとする場合に、わずか三十名とか五十名しか入っていないようなそういう小さいものと、二十万も三十万も入っているような互助会とどちらのほうをあなたは求めるだろうか。やはり信頼度の高い、多くの人に人気のある互助会を選ぶということになるのではないか。それが人情だと私は思う。また、大きければ結婚式場をつくったり、あるいは葬儀社をつくったり、いろんな点についてやはり行き届いたサービスだってできることになっていくのではなかろうか。また、人の金を預かる――なるほど五〇%は保証会社に金を預けたり、あるいは銀行に預けたり、あるいは供託をしたり、いろいろなことをやるけれども、五〇%はそうではないのだ。やはり今日人件費は非常に高騰している。会員が少なければどうしても収入も少ない。経営圧力というものは、コストが高くなって圧力がかかってくる。倒産の危険性だってあるということになってくるのだ。子供に対してあなたものを言っているつもりなのか。取り消しなさい、さっきの発言は。――審議官、あなたは聞いておってどう感じておるか。
○天谷政府委員 先生の御指摘になりました名古屋の互助会、四十五万の会員がいるという御指摘でございまして、ともかくそういう事実の重みにつきましてよく認識をいたしまして今後の行政を進めていきたいというふうに存じます。
○中村(重)小委員 いや、あなたにいまそれを求めたのではないのだ。先ほどの斎藤課長の答弁なんですよ。私は質問という形で言ったんじゃないのだ。あなたに対して、こういうことのようだから、やはりこれを軽視してはいけないのじゃないか、耳を傾けるということが必要でしょう、こう言ったのだ、私の意見として。ところが、ああいう反論するような答弁態度というものは、これはけしからぬ態度なんだ。質問者に対して討論を吹っかけるような態度というものは許されてはならぬと私は思う。私は問題を感じている、この斎藤課長に対しては。しかし、感情をもって、憤りをもって私は斎藤課長にいま接しようとはしていないのだ。しかし、斎藤課長はまさに質問者に対するところの挑戦的な態度をとっているじゃないか。あなたは上司としてああいう態度に対してどうお考えになるのか。発言に対して、それを取り消させるというような、そういう考え方はないのか。これは陳謝が当然なんだ、取り消しではなくて。陳謝すべきだ、ああいう態度は。
○斎藤説明員 失礼の段はおわびいたします。取り消します。
○中村(重)小委員 それから、この互助会というのは収益法人と見ていますか、あるいはそうではなくて、会員相互の互助組織というふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○斎藤説明員 法人の性格によりましていろいろあるだろうというふうに私どもは理解をいたしております。現在の法律でもって認めておりますのは、法人であるということは要求いたしておりますけれども、法人の内容については定めておりませんので、御指摘のような互助組織の場合もあり得ると思いますし、営利組織の場合もあり得るというふうに考えております。
○中村(重)小委員 収益法人でなければ割賦販売法の対象としてはなじまないでしょう。これはやはり会員相互組織ということになってくると、これは収益法人という概念からは私は若干それるような感じがする。だから私は、割賦販売法に互助会というのがなじむか、なじまないかという問題を――こういう基本的な互助会というものの性格はどうなのか。しかも割賦販売法の対象としていく場合は、どうしても法人格を持っていなければならぬということになっているわけだ。だから無人格ではだめなんです。法人格でなければならない。法人格である場合に、収益法人かどうかということは割賦販売法の対象になるかならぬかという基本的な問題にも関連をしてくる。そこであなたにお尋ねをしたわけだ。ところが、どうも、収益法人である互助組織というものもあるようだというようなあいまいなことでは、問題の基本というものをまだがっちり踏まえたことでやっていない。それでは、ことばじりをとらえたり、あげ足をとったりするわけではないけれども、どうも割賦販売法の対象からはずさなければならぬということは考えておりませんという先ほどの答弁と、若干これは問題が食い違ってくる、基本がくずれてくるような感じがしてならない。そこは統一した見解をお持ちにならなければいけないのではないかと思うのだけれども、いかがですか。
○斎藤説明員 現在の法律におきましては、前払い式特定取引を行なう者は規制をするという形で規制を課しておりますので、御指摘のような営利であってはならない、営利でなければならないということは、いまの段階では問題ないというふうに考えております。
○中村(重)小委員 私はそうではないと思う。きょうは短い時間で、ここで結論を出してしまう必要はないのではないか。私のほうもなお検討はいたしますよ、附帯決議をつけたのだから。だから、政府に今後迫っていくについても迫っていかないについてもやはり検討するという責任はわれわれも感じておる。だから、互助会というのは収益法人なのか、あるいはそうではなくて単なる互助組織という形のものであるのかという点については、いまのあなたの答弁では不十分だというふうに感じます。ですから、十分検討して統一した見解をお持ちになるように、この点は審議官に求めておきます。 それから、許可条件として地位の承継が必要だろうと思うのですが、その点について、先ほどの、どのような指導をしているのかということと関連をしてくるわけですが、その点に対しての考え方をお聞かせいただきたい。
○斎藤説明員 承継の問題というのは、御指摘の点はおそらく法人格を持ってないものが新しく株式会社その他をつくるときの承継の手続の点をお尋ねだろうと考えますが、これにつきましては、民法その他ではいろいろのやり方があることを定めておりまして、私どもはどのやり方でなければいけないという考え方はとっておりません。ただ、一般的に多くとられておりますのは、重畳式債務引き受けという方式でなされているようでございまして、一番問題のないやり方だろうというふうに考えております。
○中村(重)小委員 その点はあいまいにしてはいけないのです、これは民法との関連も出てまいりますから。ですから、地位の承継をするということになってくると、合併または営業の全部の譲渡、これが条件にならなければいけないのだろう、私はこう思うのです。この点ははっきりしているのではないかと考えるのですよ。いろいろな方法がありますというようなことでは、これは債権債務を引き継ぐということになるので、そんな簡単なものではないと思いますよ。その点はどうですか。
○斎藤説明員 ちょっとことばが足らなかったかと思いますが、承継というお尋ねがございましたので承継の方式をお答えした次第でございます。 おっしゃるように、法律の上では合併の場合と全部譲渡の場合というのを定めておるわけでございます。それにのっとって承継が行なわれているというふうに理解いたしております。
○中村(重)小委員 そうすると、地位の承継というものは合併または営業の全部の譲渡というものが条件になってくる。ということになってくると、無人格と法人との合併というのはあり得ないというように思うのですが、その点の見解はいかがですか。
○斎藤説明員 御指摘の点につきましては、ちょっと私のほうでそういうケースにいままで出会ったことがございませんので、法律上の十分な検討ができていないということで、ちょっと明確な答弁ができないことを御容赦願いたいと思います。
○中村(重)小委員 法人格を持たないものが百あるんだということだった、あなたの答弁では。そうすると、この割賦販売法の対象となるものについては法人格でなければならないということは厳たる事実なんです。それが全然無人格である。ところが、この法律の対象として地位の承継をしていく、地位の承継というものは合併かまたは営業の全部の譲渡でなければならない、こういうことになっていくわけなんです。そうすると、その無人格と人格を持っている法人との合併はできないということになってくるんだから、それならどうするのかということについては、当然あなたは指導を強力に推進していかなければならないわけですから、そういうケースにぶつかっていないんだからわかりませんという簡単なものでは私はいけないと思いますよ。それは当然はっきりした考え方の上に立った指導をしていくということにならなければ、いつまでたったってそのまま放置するということになっていくでしょう。そういうあいまいなことではいけないと思うのですよ、担当課長は。
○斎藤説明員 個人との合併のケースというのはほとんどないのでございますけれども、大部分は個人から、つまり法人格のないものから法人への承継というかっこうで行なわれているわけでございまして、現在法人格を持っていないものは四十ちょっとでございまして、大部分のものが法人への承継を行なっておるような状況でございます。
○中村(重)小委員 それは地位の承継というものは合併または営業の全部の譲渡なんだから、合併というのができないということになってくると、当然営業の全部の譲渡をしなければならないということになってくるわけです。そうなってくると、その営業の全部の譲渡はどうするのか、どういう方法があるのかということを考えなければいけない。その点は、営業の全部の譲渡の手続的なものはどういうことになるのか、そこはどう進めていらっしゃるのか。
○斎藤説明員 先ほど御答弁申し上げましたこととダブってまいりますけれども、債務の引き受けというかっこうで行なわれることになります。その場合に、いろいろの債務の引き受けのやり方がございますが、一番多くとられているやり方は重畳式債務引き受けであるというふうに理解をいたしております。
○中村(重)小委員 重畳的なことについてはまたあとで尋ねます。 そうすると、営業の全部の譲渡をやるという場合に、会員に対して契約の更改が必要ではなかろうかと思いますが、その点の見解はいかがですか。
○斎藤説明員 重畳式債務引き受けの場合には、更改という行為は必要ないというふうに理解をいたしております。
○中村(重)小委員 重畳的な場合に、そのことの必要がない。ところが、あなたのほうは、当初は重畳的な債務の引き受けというものはこれは適当ではないという考え方を示しておったのでしょう。私の調査する限りは、重畳的な債務の引き受けというものはこれは適当ではないんだ、それでは効果を発揮しないんだという否定的な態度をおとりになっていらした。ところが、最近互助協会のほうから、どうも会員にこれを更改する、会員全部から判こをとるといったようなことはもうむずかしくてしょうがない、何とかしてほしいという働きかけを受けられて、それで最近になって前の態度をひるがえして、重畳的な債務の引き受けもよろしいというような態度に変更されたという事実があるのではありませんか。
○斎藤説明員 営業譲渡の方式につきましていろいろなやり方があり得るという点を考慮いたしまして、私どもはそれについてのどういうやり方がいいとか悪いとかと言った事実はございません。重畳式債務引き受けについて当初否定しておってあとで変えたというようなことはございませんで、当初からそれについて特段の意見を出しておりません。ただ、先般債務引き受けのやり方について互助協会のほうから、重畳式債務引き受けでもいいんだろうかというお尋ねがありまして、もちろんそれもかまわない、一般的に民法上認められている債務引き受けの方式の一つであるということを申し述べたことは事実でございます。
○中村(重)小委員 重畳的債務の引き受けでやってもらいたい、それもいいだろう、こうおっしゃったというんだけれども、それは準拠法は何ですか。いやしくも債権債務というものを他人に譲渡するという場合、これは更改が原則なんです。これは民法によってはっきりしているのです。そうしなければならないのを、そうしなくてもいい、重畳的な債務引き受けでよろしいということをあなたが言われるならば、当然それに準拠する法律というものは、民法なら民法の第何条によってやるんだということがはっきりしていなければ、これは他人の財産権の侵害という形になってまいります。ですから、準拠法は何ですか。
○斎藤説明員 債務引き受けにつきまして、重畳式債務引き受けが民法の上で書いてあるということではございませんで、債務引き受けの方式の一つとして重畳的債務引き受けがあるということは、学説が示しており、多くの学者がこれを認めているやり方でございます。
○中村(重)小委員 債権債務、そうした譲渡というものは、民法の規定しているところです。その民法で規定しているそれを否定をして、そしてその重畳的な債務引き受けで、民法にない、いわゆる法に準拠していないものを適用してやろうとするならば、単なる学説という形であなたのほうでそういう行政指導をされるならば、通産省を相手にして行政訴訟を起こされたときに、あなたのほうでは責任を持たなければならないという結果が出てまいります。そう簡単なものではありません。ですから、検討には検討を加えてやっていくのでなければ、単にこういうことで陳情を受けたから、うん、それもいいだろうというようなことで処理されるということは、私は問題があると思いますよ。十分検討をして、これならだいじょうぶ、しかもそれは一課長の判断ではなくて、上司に十分伺いを立てて、この種のものは少なくとも大臣の決裁を受けるぐらいの慎重な態度をもってお臨みにならなければ、これは他人の財産権の問題です、そんな簡単に扱ってはいけませんよ。単に学説だ。法律にこうしなければならぬという定めになっているのを、それをしないで、別の便宜な方法をとろうとする場合に、単なる学説だというようなことでおやりになるということは、私はこれは問題があると思う。天谷審議官、いかがですか。
○天谷政府委員 いま御指摘の問題につきましては、非常に重要な問題であると存じますので、法務省、法制局等ともよく相談をいたしまして、検討をしたいと思います。
○中村(重)小委員 そのとおりだと思います。そうされて、間違いのないようにおやりにならなければいけない。何も私はこだわって言っているのではないのです。非常に重要だからこのことを言っているわけです。 それから、前受けの業務保証金の供託というのは、われわれは法律案の審議をやったわけですが、五〇%ということになっていますね。そのとおりに指導して実施させていらっしゃいますか。
○斎藤説明員 経過措置がございまして、逐次ふやすということでやってまいっておりますけれども、現在は二分の一ということで、前受け金保全措置をとるように指導いたしております。大部分の業者はとっておりますが、ごく一部の業者でまだ十分できてないものもございまして、それにつきましては現在指導を行なっているところでございます。
○中村(重)小委員 それから許可を受けた業者は通産省の公認団体、公認事業ということになるのでございましょうか、いかがですか。
○斎藤説明員 法律上許可を受けたものも、以前から事業を営んでおりまして法律上のみなし許可を受けたものも、法律上の扱いはどちらも許可として扱われるわけでございまして、ただ実際の内容について判断をした上で正式の許可がおりたものとおりてないものというのの違いがあるにすぎないと思います。特に通産省の云々というかっこうで言うのは適当でないだろうと思います。ただ、実態は通産大臣が許可をおろしているわけでございます。
○中村(重)小委員 許可をしたものもあるいはみなし許可であったにしても一応通産省が認めてやらしているものも、営業行為をやらしているのだから、したがって許可を受けたものだけが公認であってそれ以外は――これは許可が即公認となった場合のことですよ。これはあとで公取から見解を伺うのですけれども、許可即公認ということには私は若干疑問を持っているが、それは公認であるとするなら、みなし許可も同一に扱わなければならないと判断します。その点の見解はあなたと一致したわけですが、ただ公認かどうかということで……。 そこで、私は朝日新聞の広告を見ているんだけれども、「冠婚葬祭の互助会が政府公認事業へ」でかでかとこうなっているのですね。そして許可を受けたから公認だと書いてある。しかもこの中に「別に互助会保証株式会社が設立され、この保証会社と全互助会は一種の保険に似た契約を結んでおいて、万一、互助会が倒産しても掛金は会員に対して全額保証されることになっている。」こう書いてある。これは五〇%保証、全額保証というのは明らかに不当表示と判断しますが、利部景品表示指導課長はどのような見解をお持ちになりますか。
○利部説明員 いま初めて御指摘のありました問題でございますので、若干自信がございませんが、そこに書いてありますのが事実に反するならば不当表示であることは明らかであると思います。
○中村(重)小委員 これは事実に反することは、いま課長のお答えをあなた聞いていらした。法律にもはっきり五〇%と書いてある。その特定互助会が自分で一〇〇%保証いたしますと書いているのであるならば――別のそういう方法を講じておるのであるならば話は別ですよ。そうでなくて、この法律の制度の中にある保証会社と全互協は一種の保険に似た契約を結んでおいて、万一、互助会が倒産しても掛け金は会員に対して全額保証するとあるんだから、これは当然被受託機関が一〇〇%保証するんだということになっているのですね。そうすると五〇%保証に反する。明らかにこれは不当表示だということになる。お調べになってさっそくこれに適当な法的措置をおとりになりますか。
○利部説明員 さっそくに調査いたします。
○中村(重)小委員 課長はこれを御存じになりませんでしたか。
○斎藤説明員 いま初めて承りました。
○中村(重)小委員 まだいろいろお尋ねしたいことがあるのですが、これでやめますけれども、指定受託機関、いわゆる保証会社、これは受託事業基金の保証料率というのが私の調べる限り〇・四五%、こうなっているようですが、この点はそのとおりですか。
○斎藤説明員 ちょっといま手元に数字を持っておりませんが、これは業務方法書その他で通産大臣の認可を得ることになっておりまして、通産大臣のほうに出ております認可申請書では〇・三前後のところでたしか幅を持って承認を申請していたと思っております。ちょっと数字がさだかでございませんので御了承願いたいと思います。
○中村(重)小委員 私の調べる限り〇・四五%、銀行が保証する場合〇・一%で、〇・三五%これは高い。どうしてこの会社がこんなに過当と思われるような保証料を取るのか。しかもこれは通産大臣が認可した団体である。これだけコストが高くなるのだから、結局あなたが冒頭おっしゃった消費者の利益を守る、保証していくという考え方で発足したはずのこの割賦販売法の対象になる互助会のあり方が、実は営利会社の銀行ですら〇・一%の保証料しか取っていないのに、あなたのほうの認可団体であるこの保証会社が〇・四五%のの保証料を取っておるということ、これは問題であるということを感じました。いろいろ内容を調べてみると、六つの銀行がこれにばく大な出資をする。そして、銀行の古手が重役としてこの保証会社に入ってきている。それから、通産省の古手官僚が天下ってこの保証会社の専務をやっている。しかもその専務の給料は、最近の貨幣価値の低下からその程度はということかもしれませんが、五十万円の給料を取っている。そして、各銀行から出向いたしております重役も相当なこれに準じた給料を取っている。この保証会社はほとんどが人件費である。はなはだうがった言い方かもしれませんが、消費者の利益を保護するという観点で出発したはずのこの保証会社のあり方が、むしろこれを搾取する方向に働いておるといわれても、これは必ずしもそうでないと否定できないのではないかという感じがしてなりません。だからして、本来この割賦販売法の対象とした趣旨、精神、目的というものに十分合致するようなことで今後の運営をされる必要があるということを指摘をしておきます。 それから、〇・四五%は、許可をしたときはそうでなかったとおっしゃるのだから、かってに〇・四五%に上げたとするならばそれ自体も私は問題であると考えます。十分調査、検討を加えられ、是正すべき点は是正をしていく。それから、天谷審議官から冒頭お答えになりましたように、割賦販売法になじまないということであるならば、これは単独立法というようなことも十分検討していく必要があるということを私は申し上げておきたいと思います。 この期成同盟の方々が言っておられる互助会というものは取り締まるべきものではなくてこれを助長させるべきものだという主張も、私は必ずしもそれを肯定するものではありません。取り締まりは取り締まりとして、やるべきものは私はやらなければいかぬ、消費者の保護を全うすることにはならないと考えます。だから、正すべきところは正す、耳を傾けるところは耳を傾ける、そうしてより完全な行政運営が行なわれるように対処していただくことを強く要請をいたしまして、私の質問をこれで終わります。 最後に天谷審議官からお答えをいただきたい。
○天谷政府委員 いま先生御指摘のすべての点につきまして、十分調査、検討いたしたいと存じます。
○神崎小委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会