商工委員会 第2号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/12/24
会議録
○松岡委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件、資源エネルギーに関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 この際、通商産業大臣及び経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 このたび通商産業大臣に就任いたしました河本敏夫でございます。わが国の経済環境がきびしい局面にございますだけに、その責務の重大さを痛感いたしております。 私といたしましては、この難局にあたり、国際社会の真の一員として、国際協調につとめるとともに、わが国産業の活力と将来にわたる創造的発展力を確保しつつ、真に豊かな福祉社会の実現を目ざして、通商産業政策の展開につとめてまいる決意であります。 この機会に、これからの通商産業行政の進め方につきまして所信の一端を申し述べたいと思います。 まず初めに、石油危機の後遺症を克服し、今後のわが国経済を調和のとれた安定成長路線に乗せるため、物価の安定に全力を傾注していく所存であります。したがいまして、明年三月の消費者物価の上昇率を対前年同月比一五%程度にとどめるよう万難を排し努力することとし、なお当分の間総需要抑制策を維持してまいる必要があると考えます。同時に、総需要抑制策の浸透に伴う失業、倒産等の摩擦現象に対しましては、金融対策等きめこまかな手当てを行ない、社会不安の生ずることのないよう、万全を期してまいります。 さらに、明年度以降の経済運営につきましても、石油危機等による根深い傷を治癒することが先決であり、また国際情勢も不安定でありますので、ここ二、三年は中期調整期間として、特に慎重な経済運営を行なっていく必要があると思います。 なお、物価問題に関連して豊かな国民生活と活力ある産業社会を実現するため、消費者保護対策の充実、流通機構の合理化、近代化及び産業の競争条件の整備には特段の配慮をしてまいります。独占禁止法改正問題につきましても、前向きに取り組む決意でありますが、この問題は、わが国経済の将来を方向づける重要問題でありますので、経済のバイタリティーをそこなうことのないよう十分な配慮をしてまいりたいと考えます。 第二に、今日の経済運営の困難さをもたらしている最大の原因の一つは、資源エネルギー問題であります。昨年来の石油危機により資源エネルギーの大部分を海外に依存するわが国経済の脆弱性が明らかとなり、資源エネルギー確保の重要性があらためて痛感させられました。 最近の石油をめぐる国際情勢は、産油国側における価格決定方式の変更や生産量調整の動き、消費国側における国際協調の進展等流動的であります。わが国としては、かかる情勢を踏まえつつ、産油国、消費国との協調につとめ、資源エネルギーの安定供給の確保に最大限の努力を払っていくことが必要であります。 すなわち、供給面におきましては、備蓄の抜本的強化をはかるとともに、サンシャイン計画を中心とする新エネルギーの開発、供給地域の分散化等を強力に進めてまいります。 また、需要面におきましては、内閣に設置されました資源とエネルギーを大切にする運動本部を中心に、わが国独自の立場から、消費節約の国民運動を展開いたしますほか、長期的観点から産業構造の省資源、省エネルギー型への転換を促進してまいります。さらに、廃棄物の再資源化にも力を入れてまいります。 第三に、わが国経済において事業所数で約九九%、製造業出荷額で約四九%、輸出額で約三三%を占める中小企業の健全な成長を促すことは、わが国の発展にとって不可欠であります。このため、特に、小規模企業対策に力を入れてまいりますほか、引き続き中小企業高度化施策を拡充いたします。また、総需要抑制策の浸透に伴う不況現象に対しましては、先般政府系中小企業金融機関の貸し出しワクの大幅追加を行なったところでありますが、前述のように、適時適切な手を打ち、摩擦回避に万全を期する所存であります。 第四に、わが国経済は、諸外国と密接な相互依存関係にあり、資源エネルギー問題をはじめ、今日直面している諸問題は、国際的観点に立って解決をはかる必要があります。また、わが国経済は、国際経済において大きな地位を占めるに至り、その経済力を生かして国際社会に貢献することもますます要請されております。このため、国際間の相互協力を一そう推進してまいりますとともに、経済協力を量、質の両面から拡充するようつとめてまいります。 また、貿易面におきましては、国際収支の動向を注視しつつ、秩序ある通商関係を維持、拡大してまいります。 最後に、無公害で快適な社会は全国民の希求するところであり、引き続き産業公害防止技術の開発、環境アセスメントの実施等公害防止に全力を注いでまいります。また、産業活動の高度化に伴う危険、たとえばコンビナート災害から国民生活を守るため、全力を傾注する所存でございます。なお、先日の三菱石油水島製油所及び三井砂川炭鉱の事故につきましては、現在全力で事故処理につとめておりますが、原因を徹底的に究明し、今後このようなことの起こることのないよう万全の措置を講じてまいる所存であります。 以上、通商産業行政を展開いたします上での基本方針を申し述べましたが、かかる方針を踏まえて国民福祉の一そうの充実と国際社会への貢献につとめてまいる決意であります。委員各位の深い御理解と御支援をお願いいたしまして、職責を全うできるようにしたいと考えております。(拍手)
○松岡委員長 福田経済企画庁長官。
○福田(赴)国務大臣 私、今回、副総理、経済企画庁長官に任命されましたので、この機会に、皆さんに格段の御協力、御教示にあずかりたいとお願い申し上げます。 ちょうどいい機会でありますので、私の考えておることどもにつきまして皆さんに申し上げさしていただきたいのですが、書面で皆さんに配付されておりますが、なおつけ加えて、特に重要な諸点につきまして申し上げさしていただきます。私がいま当面しておる最大の問題が二つあるのです。一つは、世界情勢が非常に変わってきておる、それに対応してわが国の経済運営の基本的方針につきましても、これを根本的に改定をする、こういう必要に迫られておりますので、このわが国の長期、中期展望をどうするかという問題です。それから、もう一つの問題は、その長期展望、中期展望、こういうものに立っての諸計画が立案されるまでの、当面の経過期間における問題であります。これはもう申し上げるまでもなく、インフレとデフレが混在しているような情勢、この情勢に対していかに対処するか、こういう問題でございます。 第一の、世界情勢、それに伴うわが国のとるべき基本的方針という問題でありますが、いま世界情勢は、私、見まして、これはもうほんとうに、戦後このようなむずかしい時期はなかったと思うのです。戦前でいいますれば一九三〇年代、これは一九二九年のアメリカのフーバー不況に端を発しまして、世界が総不況におちいりました。それ以降五年間に、実に世界の総生産が四割減った、総貿易が三割減ったという深刻な状態であり、その深刻な経済情勢のはけ口が世界第二次大戦争に発展していったというような経過と私は見ておるのでありますが、今日の情勢は、これは私は、世界総貿易が三割減ります、また総生産が四割減りますというような、そういうような落ち込みは予想はいたしません。というのは、これは世界経済の協力機構というものが戦前に比べまして非常な発展をし、完備されているといってもいいくらいである。国際連合が強化された。それと相伴いまして、IMFでありますとか、OECDでありますとか、いろんな国際機構があるわけであります。そういうことを考えますと、あのような深刻な落ち込みにはなりませんけれども、しかし反面、もっと深刻な問題をかかえておる、これは資源の問題であります。いままでわれわれは、資源のことをそう心配しないで、金さえ積めば資源は入手せられるという世界に生きてきたのでありますが、これからは金を積んでも資源が入らない場合もあり得るという世界に変わってきておる。これはたいへんな世界情勢の、また人類の歴史の変化といってもいいかと思うのでありまするが、そういう中でいろいろの変化が起きてきておると思うのであります。資源保有国が、自然どうしても売り手市場という立場に立つ、また資源保有国がその持てる資源を経済的目的を越えて政治的、戦略的な目的のために使用するという傾向が出てくる。それに対応しまして、石油はじめ資源の消費国におきましては、そういう資源保有国の出方というものに対しまする身がまえをしなければならぬ、こういう必要に迫られてくる。そういうことを総合しますと、どうしても世界の経済というものは、まあ戦前のような落ち込みにはたりませんけれども、どうしてもこれから先というものは低成長時代、資源を節約いたしましょう、そういうようなことを踏まえての低成長時代というものを想定せざるを得ないのであります。しかも、その低成長というものが、安定した低成長であればまだしもでありますけれども、その低成長の合い間、合い間に資源保有国による戦略的行動というものがまた間々あり得ることを考えておかなければならぬ。つまりこれは一言で言いますと、波乱含みの低成長時代というものが展望される、そういうふうに考えるのであります。 そういう中において、資源的に小さい弱い立場にあるわが日本国がどういうふうにするかということになりますと、私はもういままでのような高度成長というあの考え方は、資源の制約という一字をもってしても続けることは考え得られないことである。資源の制約ばかりじゃありません。公害列島化するというようなことをいわれる。公害問題をとらえてみてもそうであります。 また、物価が今日非常に困難な状態になっておりまするけれども、物価問題を今日のような混乱に再びおとしいれてはならないという、そういう問題もまた考えなければならぬ。あるいは国際収支が昨年度は実に百三十億ドルの赤字を露呈したのです。もうおそるべきことであります。このような状態に再びしてはならぬ。それらのことを総合して考えますると、わが国の経済はやはりいままでの高度成長政策といいますか、その根底に横たわるところの高度成長思想、これと完全に絶縁をしなければならぬ、そういうふうに考えます。 そういう認識の上に立ちまして、中、長期の展望、これはどうしても静かな控え目な成長という方向に踏み切らざるを得ない。いままでも安定成長だとか控え目の成長ということはいわれておったのです。おったのだけれども、財界あるいは国民の一部には、まあいまはそういう状態であるけれども、しばらくするとまたもとのような経済状態が復元してくるのじゃあるまいか、そういうような考え方を持つ人がかなりおると思うのです。そういう考えでもうやっていけない。私は、政府といたしましては、はなばなしい見通しを述べるわけじゃございませんから、国民に対しましては言いにくいようなことではございまするけれども、率直に、再びわが国は高度成長思想というものを持ってはならぬということをはっきり申し上げ、そしてこれから静かな控え目な安定成長路線に移るんだということを申し上げなければならぬ、こういうふうに考えております。 そのためには、とにかく政府といたしましても態度で示さなければならぬと思うのです。その態度は何だといいますれば、いままで高度成長下でできておったもろもろの長期計画、特にその中の基幹となるところの経済社会発展計画あるいは新全国総合開発計画、これを根本的に見直しまして、そしてこれらの中期、長期の諸計画を再出発するということにふん切りをつけざるを得ない。と同時に、長期的な国政の運営の基本方針といたしましては、いままでは高度成長であります。そのためには、どうしても成長の成果を次の成長へつぎ込む、つまり端的に言いますと、工場をどんどんつくるというために金を重点的に使ったわけでありまするが、そうじゃなくて、低い成長ではありまするけれども、この成長の成果というものをわれわれの環境整備、落ちついた静かな生活を楽しめるような環境整備のために使う、福祉政策のために使う、そういう方向に内容的、質的な転換もしなければならぬだろう、こういうふうに考えております。 それから、当面、さような安定した経済情勢に移るまでのこの一、二年間というものを一体どうするか、こういう問題でありますが、これは申し上げるまでもなく、いま狂乱物価のあとを受けてわが国の経済は非常に混乱の状態をまだ抜け出ない。一番大事なことは物価の安定という問題であります。物価は、私はあの狂乱の状態つまり需給インフレの状態はもう脱し得た、こういうふうに見ておりますが、なお根強い物価上昇の勢いというものはあるのです。それはコスト要因だ、こういうふうに見ておるのであります。 コストの要因といたしましては、これは賃金問題もあります。あるいは公共料金の問題もある。その他、外的の要因というものもあるわけでありまするが、それらの問題をなだらかに克服いたしまして何とか早く物価を落ちつけたい、そうして国民の心の安定というものを実現したい、こういうふうに考えておるのでありますが、何せあれだけの荒れに荒れた狂乱物価のあとでありますので、そう急速な解決はできない。残念ながら来年三月時点における一年間の物価上昇、これはずいぶん苦心をいたしておるのでありまするが、一五%程度のものは覚悟せざるを得ないような情勢であります。しかし、この一五%年間上昇、これは何とかして実現をいたしたい、こういうふうに存じまして、最大の努力を傾けたいというふうに考えておるわけであります。 なお、昭和五十年度につきましては、これは長期安定計画に移る過渡的な時期に当たりますので、やはり経済安定の指針といたしましては物価の安定、これに最大の重点を置かなければならない、こういうふうに考えておりまして、この五十年度におきましては、五十一年三月の時点における年間の消費者物価の上昇率を一〇%以内にぜひ押えたい、かように考え、賃金問題また公共料金問題、大きなコスト要因であるこの二つの問題につきましては、特になだらかな解決が期待されるという状態であります。 ただ私は、賃金問題につきましてはこれは非常に重大であると思うのです。つまり高度成長時代にありましては、高度成長でありまするから企業の規模は拡大する、そして賃金が上がりましても生産性は上昇し、製品価格に賃金の上昇が転嫁されないような状態であったわけでございまするけれども、低成長になりますると、もう生産性の上昇はそう見られないのであります。したがって、賃金の上昇というものが物価に大きくはね返るという要素を持つ、この点の理解、認識というものは、これは国民全体が持つべきであるし、特に労使双方においてその認識を持つべきである、こういうふうに考えますが、政府が労使の賃金決定に介入すべきではない。介入はいたしませんけれども、そういう賃金問題の新しい段階という理解につきましては、労使双方また広くは国民全体によく持っていただきたい。そういう認識の中でこの賃金問題がなだらかな解決ができるようにということを期待いたしておるわけであります。 また他方、一つのコスト要因の大きな問題である公共料金、これにつきましては、公共企業体等におきましても物価が上がる、賃金が上がりますものですから、したがって、この企業経営も悪化するような状態になりますことは当然であり、企業体としてその経理を適正にしなければならぬという問題、これも当然企業体としては要請するところであり、また企業体財政の健全性について非常に関心を持つ大蔵当局がこれに同じような関心を持つ、これも当然のことである。したがって、企業体から見、あるいは大蔵財政当局から見て、この際、公共料金の引き上げを行なうべしという議論の出てくること、これは私は前に大蔵大臣をしておった関係もあり、十分うなずけるところであります。しかし、ただいま申し上げまするように、ここ一、二年というものがわが国をほんとうに安定させ得るかいなかという非常に重大な時期である、そういう時期でありますので、そういう大事な、私は非常の時期であるとも言うのでありますが、非常の時期には非常の考え方をとってしかるべきじゃないか、こういうふうに考え、いま昭和五十年度の予算の編成ともからめ合わせながら、何とかして公共料金につきましては、これが物価対策上から見てそう刺激的な結果になるということのないように、いま全力を尽くしておる最中でございます。 内外、非常に激動のときであり、しかも当面特にわが国は大事な時期にある、その時期にこういう大事な職責をになわされたことにつきまして、たいへん私も責任を感じておるわけでありまするが、委員各位の格段の御教示と御鞭撻にあずかりまして、何とかお国のために役に立つという任務を尽くしてまいりたい、かように存ずる次第であります。 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○松岡委員長 この際、新たに就任されました政務次官を御紹介申し上げます。渡部通商産業政務次官。
○渡部政府委員 このたび、通商産業省の政務次官を拝命いたしました渡部恒三であります。 国民生活の安定向上のために力一ぱい働かせていただきたいと存じますので、何とぞ委員の先生はじめ関係の皆さまのあたたかい御指導をお願いしてごあいさつにさせていただきます。(拍手)
○松岡委員長 嶋崎通商産業政務次官。
○嶋崎政府委員 このたび、参議院のほうから通商産業政務次官に任命されました嶋崎でございます。 浅学非才の者でございますけれども、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。(拍手)
○松岡委員長 安田経済企画政務次官。
○安田政府委員 ただいま委員長より御紹介いただきました三木新内閣の発足にあたりまして経済企画政務次官を命ぜられました安田貴六でございます。 ただいま福田大臣からも経済政策に対しまする一端の御発表がございました。私も大臣の意を体しまして、現下きわめて重大な問題でありまする物価問題をはじめ、国民生活の安定のために誠心誠意努力をいたしたいと存じておる次第でございます。どうか各位の格別の御鞭撻と御協力のほどを心からお願いを申し上げまして、簡単でありますが、私のごあいさつといたします。(拍手)
○松岡委員長 以上紹介いたします。 ————◇—————
○松岡委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。
○近江委員 福田長官が物特のほうに行かれます。そういうことで、先ほど理事諸君の了解を得まして、非常に短時間でございますが、行かれる前に御質問したいと思います。時間がございませんので、簡潔に、また誠意をもってお答えいただきたいと思います。 長官は、公共料金の値上げ抑制をあくまで強く主張しておられるということにつきまして、非常に頼もしく思っておるわけでございます。先ほどの所信表明におきましても、今後政府が態度で示していく、あるいは非常の時期であるがゆえに非常の考え方をとる、また公共料金の引き上げ等で刺激が起こらないようにしたいというような非常な意欲的な御発言もあったわけでございます。現在値上げが問題になっておりますのは麦、たばこ、塩、郵便、電報、電話のいわゆる六品目になっておるわけでございますが、こういう非常の時期でございますので全部凍結すべきじゃないか、このように思うわけです。これらの品目につきまして、大蔵、農林、郵政の各所管省はそれぞれ理由をつけましてこの値上げを主張しておるわけでございますが、これを超越した政治的な決断によって物価の安定を最優先させるべきであると思います。 六品目をすべて凍結した場合、昭和五十年度予算におきまして政府が手当てすべき資金は、総額で一般会計二千億円前後といわれておるわけですが、この程度でございますと、二十兆円をこえると予想される五十年度予算の一%内外にすぎないわけであります。反面、これらの公共料金の据え置きによりましてインフレ抑制の波及効果ははかり知れないものがあると思います。したがいまして、この際勇断をもって全面凍結に踏み切るべきではないかと思います。 そこで、各品目に入って申し上げますと、まず麦につきましては、昭和四十九年度の国内産麦の赤字は補正を入れて約百五十億円前後であります。食管会計全体の赤字約八千億円の中で非常に微々たるものであると思います。五十年度において消費者麦価を据え置き、かりに生産者麦価を上げたとしても、食管会計の運営に支障を来たすおそれはないのではないかと思います。 次に、塩及びたばこの専売品につきましては、塩の赤字の増大とたばこの益金率の低下が問題となっておるようでございますが、これとても、国庫に対する専売納付金が少しずつ減る程度でありまして、専売制度の根本的な問題ではないと思います。塩、たばこの価格を据え置いて物価対策の一環にすることと、値上げして国家財政を若干潤すことと、どちらが大切かおのずから明瞭ではないかと思います。 郵便の赤字は主として人件費の増大によるものでありまして、早急な解決は非常に困難であろうかと思いますが、郵政事業特別会計だけの独立採算制にあまりとらわれることなく、他の郵便関係事業の収支と合わせ考えて経営方式を改善することが必要ではないかと思います。また、赤字分の借り入れを早急に返させることを前提にして郵便料金を値上げするということをやめて、返還猶予とかたな上げを考慮すれば、料金据え置きは可能ではないかと思います。 電報、電話料金につきましては、電電公社の収支が昭和四十八年度ごろからやや悪化してきておるとはいいながら、四十九年度当初におきましても約三十億円の黒字が見込まれ、なぜ値上げをしなければならないか、理解に苦しむところであります。たとえ五十年度で少々の赤字となっても、総予算約二兆円という公社予算の中で調整できないものかどうか、いずれにしても、値上げの理由に乏しいと思います。 以上の理由によりまして、目下問題となっております麦、たばこ、塩、郵便、電報、電話の公共料金は、いずれもこれを凍結できるし、凍結すべきであると考えております。 以上申し上げました点につきまして、簡潔に誠意をもって御答弁をいただきたいと思います。
○福田(赴)国務大臣 近江さんからいま公共料金の値上げ、これを凍結することはいともやさしいようなお話ですが、そういう状態でもないんです。 たとえば麦につきましては、昭和四十九年度、今年度凍結をしておるのですが、これは四十九年度だけで千七百億円の赤字になる、そういうような状態でございます。それに対しまして、農林省としてはこれを若干でも改善をいたしたいというので三〇%引き上げ、四月一日に実施して七百五十億円の増収、改善をはかりたい、こういうような状態でありまして、いまの農林省の原案でも、これはかなり控え目の要求になっておるわけなんです。 公共料金全体の赤字額、昭和四十九年度で申しますと一兆二千億円ぐらいになる。それでそれを改善したいというので、各省からそれを補てんするための計画が大蔵省に提出されておる、こういう現状でありまして、問題は一兆二千億円の規模の問題なんです。ですから、これを値上げをしないでということになりますと、それだけの財政対策を、あるいはこれは予算の面もありましょう、あるいは財政投融資の面もありましょうけれども、それだけの対策はしなければならぬ、こういう状態に迫られておりますので、私といたしましては、その財政当局なりあるいは企業体当局の立場、これはよくわかるのです。わかるのでありますけれども、いまお話しのように、物価の問題が非常に大きな時期である、しかも賃金、公共料金がいわゆるコスト要因の二つの大きな眼目になる、そういうことを考えますときに、とにかく政府ができること、これはやってのけるべきである、こういうふうに考えまして、何とかして公共料金が物価にそう刺激的にならぬように措置したいというので、ただいませっかく努力をいたしておる最中なんです。 いずれにいたしましても、二十八日には予算の編成方針をきめなければならぬという日程になっておるのでありまして、おそくもそのときまでには結論を得たいと思っておりますが、その日を待つまでもなく、今明日ぐらいにでも結論を得たい。しかも、ただいま申し上げましたような私の趣旨が貫けるような形でとにかくこの問題の決着を得たいと思って、せっかく努力をいたしておりますということを御理解願います。
○近江委員 時間がありませんので、これで終わります。 —————————————
○松岡委員長 この際、三菱石油株式会社水島製油所の重油流出事故について、政府から発言を求められております。これを許します。増田資源エネルギー庁長官。
○増田政府委員 三菱石油の水島製油所におきます重油流出事故について御報告申し上げます。 事故の状況でございますが、昭和四十九年十二月十八日午後八時四十二分、岡山県倉敷市水島海岸通四番地に所在します三菱石油水島製油所タンクヤードの二百七十号タンク、これは容量が五万キロリットルでございまして、この中に脱硫済みのC重油三万八千キロリットルが入っておったわけでございますが、このタンクの底部からの漏油が発見されました。 その後、タンクからの流出が激しくなり、タンク側面に付置されました鉄製のはしごの基礎コンクリート部分が、流出油の圧力によりましてはしごとともに吹き飛ばされたと推定され、タンクから約八メートル五十離れましたコンクリート製防油堤に衝突いたしました。このため、防油堤の上部を幅三メートル、高さ九十センチ程度破壊いたしたわけでございます。防油堤の高さ一・五メートルでございますが、これにより最底部では六十センチの高さになったわけでございます。 防油堤内への流出の油は合計約四万三千キロリットルでございます。これは先ほど申し上げました二百七十号タンクの中に入っております重油の全量と、バルブで連結しました二百七十一号タンクに入っております重油の一部でございます。防油堤外へはこのうちの約一万六千キロリットルが流出いたしたわけでございます。製油所では土のうを積みまして海上への流出防止につとめましたが、流出した重油が九十度の熱油でありましたために作業が阻害され、一部重油が製油所の南西部より海上へ流出いたしました。流出油の量は千キロリットルから三千キロリットルと見られておりますが、現在のところ正確な数字は判明しておりません。 第六管区海上保安本部は、三菱石油・川崎製鉄切り込み港湾入り口に二重に、さらに水島港の入り口にも航路部分を残しまして二重にオイルフェンスを張り、重油の港外への流出防止を試みましたが、強風と潮流とのために相当量の油がオイルフェンスを越えて港外に流出いたしました。 なお、火災、死傷者の発生はございませんでした。 以上に対しましての措置でございますが、防油堤内の流出しました油約二万八千キロリットルにつきましては、移動ポンプで九十九号タンク、これは容量が三万七千キロリットルでございますが、これへの回収を実施中でございます。防油堤外に流出いたしまして、構内約八万平米の範囲内に滞留しております重油につきましても廃油タンク等に回収中でございます。 第六管区海上保安本部は、二十日に三菱石油流出事故総合対策本部を設置いたしまして、海上流出油の回収にあたっております。二十二日まで油処理剤約七百九十一キロリットル、油吸着材約三百五十三トンを使用いたしまして、約二千二百キロリットルの浮流いたします油の回収処理を行なっております。油回収船は、現在水島地区には装備されておりませんために、アジア共石坂出、出光徳山、出光姫路、堺市港湾事務所等から出動しております。二十二日の出動は五隻になっております。 流出油は、北西の季節風に流され、二十三日朝には、水島港から四国多度津を結びます線、東は小豆島南西部から鳴門海峡にわたり拡散しておりますが、特に四国の坂出から高松にかけての海岸近くには高濃度部分があることが確認されております。 当省といたしましては、広島通産局に対策本部を設けまして、汚染処理資材の手配、需要先に対する石油製品の供給に支障がないよう近隣の日本鉱業水島製油所等の応援も得て手配等を行なっております。 石油製品の需給面からは、三菱石油の水島製油所の供給比率は約四%であり、現在同工場の生産設備は全面停止しているものの、さしあたって影響がないということでございます。 以上のようなことでございますが、このたびの三菱石油の水島の事故につきましては、各方面にたいへん御迷惑をおかけいたしておりまして、このような事故が今後再び起こらないように私ども全力をもって対処いたしたいと思っております。 —————————————
○松岡委員長 引き続き質疑を続行いたします。板川正吾君。
○板川委員 通産大臣の所信表明に関しまして、時間の関係もありますから一言質問を申し上げたいと思います。 まず、冒頭に私ども申し上げたいことがあるわけです。それは、御承知のように三木内閣は、田中金脈を批判し、清潔な政治を標榜して、国民に約束をして内閣を組織したわけであります。その三木内閣の大臣をお引き受けした以上は清潔な政治を行なうということについての相当の覚悟がおありであったと思います。ですから、予算委員会で野党から通産大臣に、身辺にかかわる問題についてすみやかにあかしを立てなさい、こういう質問があったのでありますが、私どもも今後信頼して通産行政を議論する上に、この問題が国民の前に明確に処理されないと信頼できない、こう思います。野党議員のおそらくだれもが持つ心境であろうと思います。通産大臣、ひとつこの点に関して所見を承りたいと思います。
○河本国務大臣 三木内閣が、御案内のような経過をたどりまして成立をいたしました。私も三木内閣の使命をよく承知しております。あくまで政治は国民の信頼にこたえていかなければならぬ、これが最大の使命であるということはよく承知しております。 そこで、ただいまお尋ねの私の問題についての御質問でございますが、実はその問題につきましては私は機会あるたびに解明をしていきたいと思うのです。これまでは私は積極的に説明するということをほとんどしなかったのでございますが、それではいけませんので、機会あるたびに積極的に説明をしていきたい、かように考えております。 そこで、この際、ほんの一、二分お許しをいただきまして申し述べさせていただきますならば、私自身に対する疑惑ということよりも、むしろ私の経営しておりました、もちろん現在は社長をやめておりますが、三光汽船の経営方針について、疑惑が、あるいはまた疑問があったのではないかと思います。 第一に、現在の日本の海運政策は御案内と思いますが、補助政策が中心でございます。過去十年の間に開発銀行を通じまして約一兆円の財政資金及びそれに対する利子補給金千三百億円が主として海運六社に対して出ております。しかし、私は戦争直後ならばいざしらず、すでに戦後三十年もたちました現在において毎年大量の財政投資を出し、それから大量の補助金をいまなお続けるということに対しては反対の意見を持っておるものでございます。したがいまして、私は自主独立という立場でずっとこの経営をやってきたわけでございます。もちろん、この立場をとるにつきましては決して強制されたものではございません。補助金をもらってもいいし、もらわなくてもいい、こういう自由選択の立場があったわけでございますので、私は補助金をもらわない、国の金も借りない、こういう基本方針をもってずっと経営してきたわけでございます。 それから第二には、私は海運というものはもちろん国内の輸送も大事であるが、同時に第三国間に出ていって外貨をかせぐこと、これが海運の本来の使命である、こういう観点に立ちまして、現在二百五十ぱい、千五百万トンばかりの船を運営しておりますが、その大半を第三国間、主として大西洋に出動させまして海外の船会社と激しい競争をいたしておりまして、私は日本海運の第一線に立ってきたつもりでございます。補助金を受けないで日本海運の第一線に立ってきた、こういうつもりで私は堂々と活動してきたつもりでございますが、いずれは私の立場につきまして正しい評価をしていただく時期があるのではないか、かように確信をいたしております。今後は機会あるたびにこういうふうな問題についても御説明をいたしまして、十分な御理解をしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○板川委員 ここで議論すると長くなりますが、御承知のように日本は六億トンの物資を輸入して、その一割の六千万トンの製品を輸出して経済というものが成り立っておる。そうした六億六千万トンという物資を毎年輸送する海上輸送というのが、経済上非常に重要な任務を持っておることは当然なんでありますが、言われている点はそういう海上運輸の重要性ということよりも他にある点でありますから、そういう点も今後早急に誤解を解くように、あかしをちゃんと立てて通産行政に没頭してもらいたいということを要望いたします。 次に、時間の関係があるようですから、一言独禁法の問題について通産大臣の所見をこの際確かめておきたいと思います。 前任者の中曽根大臣は、公取委員会でまとめた九項目にわたる試案、これは公取委員長の私案だ、こういう感触の発言のもとに、問題にならない、こういうものは通らないというような感触で発言をしておったのであります。過日、御承知のように三木・中曽根合意なるものが発表された。私はさっそく三木総理大臣に会見を申し入れてその問題を確かめたところ、そういった事実はない、これから独禁法改正問題懇談会を開こうというときに、あらかじめワクをはめておくという失礼なことはできない、そういう事実は全くない、こういう言明をされました。それは当然でありますが、御承知のように三木内閣は対話と、野党にも議会政治の責任の一半を持ってほしい、われわれも十分話し合いをします、野党の意見も聞きます、こういう姿勢をとっておられるわけです。私ども社会党をはじめ各野党も独占禁止法の改正という問題については非常に重要な課題として次の通常国会で取り組もう、こういうことで野党でもそれぞれ改正案を出しております。ですから、ひとつ三木内閣総理大臣の対話の姿勢というものを考え、野党の独禁法に取り組んでいる姿勢というのも考慮された上で、今後独禁法の問題を通産行政の場で発言する場合には、そういうことも念頭に置いていただきたい、こう思いますが、大臣いかがですか。
○河本国務大臣 初めに中曽根前大臣のこの問題についてのお話がございましたが、実は私は中曽根前大臣からはこの問題について詳しく聞いておりませんが、公取の案についての中曽根前大臣の御発言は、公取の案そのものが、今度政府が設けますような懇談会、こういうふうな公の場をつくりまして、その公の場で議論され、まとめられたものではない、こういう趣旨のことを発言されたのではないか、かように私は想像しておるわけでございます。詳しくは聞いておりませんが、たぶんそうであったのではなかろうか、かように考えております。 なお、今度の独禁法の改正は三木内閣の大きな公約の一つでございます。したがいまして、通産省といたしましても私といたしましてももちろん前向きに取り組んでいく覚悟でございます。そして、あくまでも経済のバイタリティーをそこなわないように、しかも消費者やあるいはすべての関係に対してプラスになるような、自由主義社会、自由主義経済の一つの大きなルールがこのために確立される、こういう方向でひとつ取り組んでいきたい、かように考えておる次第でございます。 各方面の意見を聞くことにつきましては、政府自身も非常に幅広く各方面の意見を聞きまして、懇談会を近く発足させる予定でございますが、私自身も各方面の意見をよく聞きまして、そしてこの問題に取り組んでいきたい、かように考えておる次第でございます。
○板川委員 通産省の行政はいままで産業育成に中心があったのですが、最近は消費者行政にも力を入れようという姿勢を見せております。この大臣のあいさつの中に、独禁法については、経済のバイタリティーをそこなうことのないよう十分な配慮をしてまいりたい、こういう意味のことが書かれており、いまもそういう答弁がありました。しかし、独禁法という分野から見ますと、経済のバイタリティーというのが行き過ぎて、独占の弊害というのが一方において生まれつつある、こういうこともあるわけですから、経済のバイタリティーをそこなうことのないようにという点は、これはまた慎重な解釈をしなければなるまいという感じがいたします。こういうことで、経済のバイタリティーをそこなうことがあってはいけないから独禁法は反対だという結論に、この解釈によってはなりかねないですから、その点をひとつ念頭に置いてもらいたいと思います。時間がありませんから、通産大臣よろしいです。 ついでに、総理府総務長官に、独禁法に関してだけお伺いいたしましょう。 三木内閣は、御承知のように、独禁法改正問題懇談会をつくって、総理府総務長官がこれをまとめる、こういうことになったようでありますが、長官に伺いたいことは、いつごろまでにこの懇談会の成案をまとめようとされているのか、そして懇談会の答申というのは尊重をされるお気持ちであるかどうか、念のために伺います。
○植木国務大臣 総理府総務長官に就任いたしました植木光教でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ただいま板川委員から御質問がございましたように、十日の閣議におきまして、独禁法の改正案を通常国会に提案をすべく、その改正案の取りまとめを私に指示されたのでございます。 具体的な内容につきましては、慎重に検討いたしたいと存じておりますが、ただいまお話がございましたように、独占禁示法改正問題懇談会というのを総理府の中に設けまして、ここで国民の理解の得られる改正案をつくりたいと考えているのでございます。 この改正案につきましては、二月の下旬までに取りまとめをいたしまして、その後法制局の審査等の手続がございますので、それを経まして、通常国会で十分に審議していただけるよう、間に合うように提出をする考え方でございます。 なお、この懇談会は各界、各層の有識者をもって構成をいたしております。これは国家行政組織法第八条に基づく審議会ではございませんで、懇談会といたしました。法律事項にいたしますと、手続等がたいへんまたいろいろございますので、急いでいろいろ御相談を申し上げようという考え方でこうなったのでございます。 そこで、この懇談会のメンバーの方々には、特別に答申をいただくということは考えておりませんで、あらゆる角度からの御意見をいただきたいと存じます。したがいまして、しいて意見の一致を求めるということはいたしません。しかし、いろいろ協議、論議をしていただいております中で意見が一致いたしましたものが出てまいりますと、これはたいへんしあわせなことでございます。 私どもといたしましては、第一回目を二十七日の午後に開きまして、政府の考え方を申し上げ、また、これからの手順等について御相談をいたすことにいたしておりまして、一月以降できるだけひんぱんに開きまして、御意見を聴取いたしたいと存じております。したがいまして、いつの時期にこの御意見がどのように集約されるか、あるいはものによりましては集約されないものも出てこようかと思いますので、特別に日限を切っているわけではございませんで、毎回毎回いろいろ御意見を聴取しながら改正案取りまとめの参考にさせていただきたいと考えているのでございます。したがって、先ほど申し上げましたように、二月の下旬に改正案をつくり上げます間にこの懇談会での意見聴取を進めていく、こういう手順を考えているのでございます。
○板川委員 二月下旬までに改正案をまとめたい、懇談会のメンバーの意見が一致すれば幸いである、一致しない場合でも、その意見を参考として取りまとめをします、こういうことであろうと思います。 御承知のように、この独禁法改正に対して、三木内閣のいままでの発言は、これは三木政治の第一弾であるということで、三木内閣における一つの政治的な大きなウエートをかけておるわけでありますから、ぜひその三木政治の第一弾としての独禁法改正案が竜頭蛇尾に終わらないようにやってもらいたいと思います。 そこで、この懇談会にかける議題というものは、おおむね公取の改正案、野党もそれぞれ出しておりますが、審議のベースになるものは、公取案をベースにして審議をするのですか。ばく然と改正懇談会といっても、焦点がなければ、これはなかなか広範な法律ですからまとまらないと思うのですが、何を中心に懇談をするのでしょうか。
○植木国務大臣 たいへん国民の関心の強い問題でございますし、国民の理解を得られる改正案をつくるというのが私どもの目標でございます。この懇談会のメンバーをごらんいただきますればおわかりいただけますように、独占禁止法その他経済諸問題につきまして有識の方々の御参加を得たのでございます。したがいまして、これらの方々は、独占禁止法問題につきましては、それぞれ知識、体験を持っておられる方々ばかりでございます。したがいまして、二十七日にこれからの手順をいろいろきめていくわけでございますので、そこでどういうふうにするかということになろうかと思うのでございますが、ただいまお尋ねのございました公正取引委員会から出されております試案につきましては、この懇談会の論議の中で当然一つの参考の資料といたしまして論議されるであろうということは十分予想されるところでございます。 いずれにいたしましても、二十七日の第一回の集まりにおきまして、どういうふうに取り運んでいくかということは、御相談をさせていただきたいと存じております。
○板川委員 それではひとつ十分な論議を尽くして、しかも国民の期待にこたえるような案を早急に取りまとめることを要望いたしまして、総務長官に対する質問を終わります。 公取委員長、一言この独禁法の改正問題で伺いますが、実は私ども社会党はさきに独禁法の改正案を出しておりますが、その後検討をいたしまして若干の手直しをして通常国会に出し直す、こういうことであります。その手直しの中でわりあいに重要と思われるのは、公取委員会に他の行政官庁に対する勧告権を持たせようじゃないかということです。これは同じ行政官庁としての斉合性を期すということにもなりましょうし、また環境庁が他の行政官庁に環境行政上の勧告権を持ち、経済企画庁が他の行政官庁に経済企画についての勧告権を持つ、こういうことがありますから、公正取引委員会も今度の改正案が通れば大きな権限を持つことになると思うものですから、そういった勧告権を合わせて改正案の中に追加する、こういう気持ちはございませんか。この点をお伺いいたします。
○高橋(俊)政府委員 ただいまの御意見は、私は一面においてはまことにもっともで、実際問題としていま勧告権を持たせようという御趣旨は、いわゆる行政指導などによりまして独禁法が事実上無視されるような結果を招く、そういうおそれがあるときには——独禁法に明らかに抵触することを行政指導という名前のもとに合法化する、こういうことは不都合じゃないかという御趣旨で、全くその点、内容的には私どもは同感なんですが、法律上の問題といたしまして、行政指導というのが一体どういうことになるのか。その行政指導というのを法律でうたってあるという形はないわけですね。何が行政指導であるか、たいへん広範なものですが、行政指導とは日本独特のものだという説もあって、一体どういうものなのか、法律上の位置づけというものが若干むずかしい点があります。 私は、事実上各省がそれぞれのいろいろ権限、義務を果たす場合に、行政指導は実際問題としてある程度必要だということはわかるのです。ただ問題は、独占禁止法上適用除外の法律をもってしなければいけないことを行政指導でやってしまうというところにひっかかりがあると思うのです。どんな指導もいけない、独禁法にひっかかるわけじゃありません。 そこで、いまおっしゃった趣旨を法制化すれば実は非常に明確になるわけです。いま現に争っております石油のカルテル事件につきまして、裁判中も行政指導に従ったんだというふうな被告側の申し立てがある。そういうようなことがあって、したがって、それは合法的なものじゃないか、こういう主張があるやに聞いておりますが、かねてからこういう点は争点の一つになっております。私どもは、解釈上当然法的に適用除外にならないものは行政指導といえども何らその行為を正当化するものじゃないんだ、これは実際は民間業者がきめることですから。法律に基づく命令によってやるものはいいのです。これは法律上の権限に基づいてダイレクトにそういうことを命ずることができるという場合はいいのですけれども、そうでないあいまいな根拠に基づくものはいけない、こういう解釈をすでにとっております。つまり御記憶にございますように勧告操短はいけない、こうなれば、勧告の価格カルテルは当然いけないということは私はすでに解釈上は成り立っていると思いますが、お説のように今度の社会党改正案要綱を拝見しますと、確かにそういう点を明確にしようという御意図があらわれております。この点については、いま私ここでいいとも悪いともはっきり明言できませんが、むしろあいまいもこたるものよりもそういうふうにしたほうがいい。ただし、勧告した場合の効果がはっきりしないわけですね。私はやはり勧告すると同時に、もしそういうことであれば、それに基づく行為は独禁法の適用除外にならないんだということを明確にすればさらにはっきりするのじゃないかという感じはいたしますけれども、ただ勧告だけでいいのかどうかという点で若干法律的な効果として問題があろうかと思いますが、御趣旨のほどは私どもたいへんけっこうなことだと思っております。
○板川委員 そういう追加改正点もありますから、御検討願いたいと思います。 次に、私は水島コンビナートにおける三菱石油タンクの重油流出事故について質問をいたしたいと思います。 コンビナートは、近代科学の粋を集めて十分安全な装置もしてあるし、公害もない、事故も起こらない、こういう宣伝をしておったわけでありますが、すでに公害は至るところに発生しておりますし、またコンビナートにおける事故が最近相次いでおります。 このような意味において、私は政府の責任は非常に重大であろうと思いますが、特に今回起こし一ました三菱石油のタンクの破損事故については、私は次のような問題があるだろうと思います。 これは全国のコンビナート地区の住民に重大な不安を与えている。地震でもないのにこういう巨大なタンクが漏って、しかもその地域の海上を非常な広範囲に汚しておる、こういうことで全国的に地域住民に大きな不安を与えておると思います。 もう一つは、いまエネルギー政策の激動期といわれておりまして、中東動乱がいつ再発するかわからない、こういう説もあるわけであります。前の体験を生かして政府は備蓄という問題に重点を置いておる。この備蓄政策を進める上においても、タークの安全性というのが国民に理解されない限り、今後いかなる地域でもタンクの増設ということは住民の反対運動にあっていくだろうと思います。エネルギー政策面からもこの事故の影響というのは私は大きいと思います。ですから、政府はすみやかにこの石油貯蔵タンクの安全対策というのを国民に明確にしておく必要がある。今度の場合には引火点が高い重油であったからいいようなものですが、万が一あれがもっと軽い石油であった場合には瀬戸内海じゅうが火事になってしまうということもあり得るわけでありますから、これはもう重大な危険物であり、安全をはかるということは政府の使命だと思います。 そこで、お伺いをいたしますが、先ほどこの事故の原因について報告がございました。これは消防庁になるのかもしれませんが、タンクの安全検査について一体法令はどういうふうにきめているんだろうか、まずこの点を明らかにしてもらいたいと思います。 たとえば、タンクができて、その安全の検査をする場合に、いろいろのバキュームテスト、水張りテスト、あるいは放射能テスト、こういうようなテストをした結果、安全性を確認するといわれておるのであります。ところが、この安全性の確認については業者の自主検査、法令に規定をされてない自主検査だといわれておるわけです。こういう点が今回の事故の一つの遠因に当たるのではないだろうかと思いますが、この安全検査についての法令はどうなっておるかという点と、このタンクをどういうふうにやったのか、その検査した資料、そういうものを後日提出をしてもらいたいと思いますが、とりあえず、どういう検査をやって安全を確かめたのか答弁を願いたい。
○森岡政府委員 石油貯蔵タンクの設置につきましては、御承知のように消防本部があります市町村におきましては市町村の消防本部におきまして、また、ないところにつきましては都道府県知事が設置の許可をいたします。その際に御指摘のような安全検査をすることになっておりますが、法令で安全検査の仕組みとして規定しておりますのは、いま御指摘のありました中で水張り検査でございます。水は申し上げるまでもなく油よりも比重が重いわけでございます。それを相当期間張ることによりまして、強度あるいは比重による歪曲の状況、そういうものを検査するということにいたしておるわけでございます。なお、お話の中にございましたバキュームテストとかあるいはエックス線テストあるいは磁気探傷その他の科学的な方法による検査はもちろん各事業主体において行なっておりますが、それらの検査の内容なり結果につきましては、当然消防機関に報告されてまいります。私どもといたしましては、できるだけその場合立ち会い検査をする、あるいはまた事後、書類はできるだけ精査、確認をするということを指導いたしておりますので、おおむねそういう形での検査は徹底しておるもの、かように考えております。
○板川委員 では、その事故のあったタンク、これは去年の十二月ですかにできて、ことしの五月から使用を開始した、その間に水張り検査等をやった、こうということだろうと思いますが、このタンクの安全検査はどの種類のものをどういうふうにやったのか、その資料はありませんか。
○森岡政府委員 日時は、資料を持っておりますが、ちょっと見当たりませんのであとで申し上げますが、タンク設置後八十六日間、約三カ月弱ですね、水張り検査を行なっております。
○板川委員 八十六日間何をどういうふうにやったのかというのを聞いているのですよ。問題は幾日やったというばかりじゃないでしょう。どういう検査をやったのか、たとえば水張りだけなのか、放射能テストというのはやらなかったのか、どういう検査をやったんですか。立ち会うと言っているのでしょう。自主検査を業者がやっているけれども立ち会うと言っているのだから、どういう検査をやったんですかというのを聞いているのです。
○森岡政府委員 私どもが報告を受けておりますのは、水張り検査を市町村消防本部当局が実施をした、これは明確な報告を受けております。 なお、各種の、エックス線とかその他の科学的方法によるテストに立ち会ったかどうかということは確認いたしておりません。
○板川委員 じゃ、水張り検査だけですね、これでやったのは。エックス線テストはやってない。業者もやってないんですね。この水張りテストは、大体石油より水のほうが重いですから、一・五倍ぐらい、五〇%ぐらい圧力をよけいかけて長期間入れてみて様子を見るということであろうと思いますが、その一・五倍程度というのも多少問題があると私は思いますが、まあそれはそれとして、じゃ、次へいきましょう。 この水張り試験で従来故障を起こしたという場合はありませんか。事前に試験をやった結果、これはまずかったという例はありませんか。
○森岡政府委員 私ども、この水島の事故が起こる以前までに水張り試験過程で事故が起こったという報告を受けていなかったわけでございます。しかし、こういう事故が起こりましたので、私どもといたしましても、これはやはり全国的に問題があるということで、いろいろ各消防本部にいま報告を求めておりますが、一部そういう検査中に水漏れがあったという報告を受けておる例がございます。
○板川委員 極東石油、これは千葉県にあるんですが、工事会社は日本揮発油が元請をし、石川島播磨が下請をした極東石油で事故が一回ありますね。それから、シェル系の西部石油、九州でしょうが、これまた数年前に、この水島の事故を起こした千代田化工が元請をして、トーヨーカネツという会社が下請をやった。ここでも水張り検査の場合事故を起こしている。この水張り試験をやった結果を検討すると、いずれも溶接上の欠陥ですね。この溶接上の欠陥というのは、どうも石川島播磨という造船会社のやった工事の中で非常に多い。こういう点を問題にしたことはないんですか。
○森岡政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、実はこの事故が起こるまで、私ども消防機関から水張り検査中の亀裂の発生ということについての報告は一切受けていなかったわけでございます。今回こういう事態に直面いたしまして、急速各消防本部に報告を求めたところ、いまお話しのような西部石油のタンク及び極東石油のタンクの試験中における亀裂の発生という報告を得たわけでございます。 確かにこの溶接部分の周辺のところで亀裂が生じておるというのが今回の事故の実態でもございますし、また西部石油なり極東石油の際の事実でもございます。ただ私ども、今回の事故の原因調査というものをできるだけ早くやりたいと思っておる、またそれを進めておるわけでございますが、溶接部分に問題があるのかないのか、その辺のところを科学的に詰めてまいりたい、かように思っておるわけであります。
○板川委員 こういう水張り試験で事故があったということを聞いてない一あなた、消防庁の次長個人が聞いてないというのか、消防庁としてそういうものを聞いてないというのか、どっちなんです。これは西部石油では四十五年四月八日に事故が発生しておるし、極東石油では四十三年七月八日にすでに事故が起こっておる。あなたが当時消防庁の次長でないから私は知らなかったというなら、それはあるいはそうかもしれないけれども、消防庁としてもこういう問題を聞いてないのですか。どっちなんです。こんなでかい事故が起こってくるかもしれぬその前ぶれ的事故に対して、何も消防庁が知らないのですか。
○森岡政府委員 消防庁として正式の報告を消防機関から受けた事実がないというふうに、私は消防庁内部でこの事案に関しまして聞いております。
○板川委員 この水張り試験で溶接部分が不良だというのは当時の新聞に出ておるのですよ。そういうものを消防庁が見のがして、全然地方から報告もなかったから消防庁として知らなかった、そういう状態だから今度のような事故が起こるんじゃないですか。この事故は消防庁の責任だといわれてもしかたがないですよ。国民に大きな不安を与え、ばく大な被害を与えているのに、こういう前ぶれ的事故をしさいに検討しないというのは消防庁の怠慢じゃないですか。今回の事故の状況から見まして、底板と側板との溶接関係の欠陥だろうというのが推測されるわけです、そこが亀裂をして重油が漏ったのですから。タンクの底板では高張力のHW50という特殊鋼が使われておる、側板はそれよりもやや高張力の弱いSS40というのが使われておると報道されておりますね。この特殊鋼は石川島播磨でつくったものだろうと推定をしますが、こういう特殊鋼の溶接上に何か問題がある感じがしますが、この点は検討したことはありませんか。通産省でもいいです、どちらでも。
○森岡政府委員 御指摘のように、今回亀裂を生じました部分は側板と底板の溶接されました付近でございますので、確かにその点が一つの問題だと思います。鋼材は高張力鋼ということで引っぱりの力が強い鋼材を使っておりますことが、通常の鋼材の場合よりも溶接工法をやりました場合にその付近を弱めるということになるのかならないのか、その辺確かに問題があるわけでございます。私ども、その点についていろいろ議論はしておりましたけれども、まだ十分な結論を得ておりません。しかし、今回の事故を考えました場合、確かに溶接工法の問題、その付近の強度がどうなるかという問題は、これは早急に技術的な検討を加えなければならぬ、かように考えております。
○板川委員 海運事故の関係で運輸省の関係者に伺います。 昭和三十九年四月に第三松島丸、所属が日本水産、四万六千二百トン、四十一年三月に富美川丸、川崎汽船、三万五千トン、四十二年十月に八雲丸、所属は川崎汽船ですが、三万七千五百トン、一四十三年十二月高千穂丸、郵船、七万二千六百トン、いま四つとりあえずあげましたが、以上の船は欠陥船である。しかも、その溶接部門に問題がある。この四つの船の造船はどこでやったのかというと、石川島播磨造船相生第一工場、呉造船所、こういうことがいわれておる。それから、ぼりばあ丸が四十四年一月に沈没した。それからかりふおるにあ丸、これまた四十五年二月に沈没をした事故があり、当時運輸省船舶局では、ぼりばあ丸やかりふおるにあ丸と同種の船を全部検査をしよう、こういうことになって検査をした。そうしましたら六十八隻の中で三〇%の二十隻の溶接忘れの件数が発見された。しかもこの六十八隻の点検隻数の八〇%近くは、石川島播磨造船の建造であった。こういう事実があるのでありますが、この点をひとつ確かめる意味で伺っておきたいと思います。
○謝敷説明員 お答えを申し上げます。 昭和三十年代から船型の大型化ということが始まりまして、主として鉱石専用船あるいは鉱石と油を積みます船、こういったものが一万五千トン程度から五万トン、あるいは鉱油船におきましては十万トン程度に大きくなったわけでございます。 それで、四十四年と四十五年に先生御指摘のようなぼりばあ丸、かりふおるにあ丸の沈没事故が起こりまして、その点につきまして運輸省といたしましては、造船技術審議会あるいは大型専用船の海難特別調査委員会を海難審判庁の審判と別に設けまして、技術的な検討をしたわけでございます。そこで指摘をされておりますのは、一つは、非常に激しい気象にさらされますので、こういった気象をもとにしました強度計算の精密化をやれということと、それから先生いま御指摘のありました工程管理に伴って品質の管理を徹底的にやりなさいということと、それから運航マニュアルをつくれ、こういうのが中心でございます。 そこで、それぞれの研究をやっておりまして、完成したものもございますが、それと別に船舶局としましては、直ちに四十四年に造船所の品質管理の自主点検をさせ、六十九隻の同型船につきまして四十五年に検査をしたわけでございます。それで、その結果といたしましては、船体の亀裂なり沈没に直接つながりますような外板までの亀裂というものはなかったわけでございますが、横縦に入れております骨の部分に、局部的な応力の集中によります損傷あるいはバラストタンクの、水を積んでおりますタンクの上部の部材に衰耗が出ております。(板川委員「わかりました。溶接の問題について答えてくたざい」と呼ぶ)その点につきまして、四十八年に六百二十八工場の品質管理の検査をいたしまして、その結果、最近におきましては品質管理の水準も向上しまして、その後今日までこういった船につきまして問題が生じてないと考えております。 それから、溶接工につきましては、私どもとしまして船舶安全法に基づいて技量試験をやり、さらに溶接時の検査を徹底してやるということで、その後この種の事故を未然に防ぐべく努力をしておるところでございます。
○板川委員 よく聞いてもらいたいのですが、四十五年十一月に運輸省船舶局で出した「鉱石運搬船点検結果の概要」この三〇ページに「造船所別溶接忘れ件数」というのがある。点検隻数が六十八隻、溶接忘れが発見された船の隻数が二十隻、溶接忘れの数が百二十二カ所、こういうことですが、六十八隻の八〇%近くが石川島播磨造船で建造した、こういうことを聞いている。これには石川島が八〇%やったとは書いてありませんけれども、かつて新聞にも出たのですが、第三松島丸、富美川丸、八雲丸、高千穂丸、この欠陥船の原因は溶接にある、この四つとも実は石川島でつくっておる、こういうことを私が指摘したのは、先ほどの水張試験の結果判明した溶接部門の欠陥といい、あるいは今度の三菱製油所の重油タンクの事故といい、石川島造船がこれに関係しておる、こういうところに欠陥があるんじゃないか、どうも特殊鋼の溶接というものについての欠陥があるんじゃないかという感じがするから聞いているわけであります。 この溶接は、説明がちょっとむずかしいのですが、底板を置いて側板を溶接をして積み重ねていくわけですけれども、非常に手間がかかる。しかも簡単に溶接するんじゃなくて何回も何回も溶接を積み重ねていって底板と側板との密着をはかるという方式をとっておるそうであります。ところが、手間がかかるものだから、その間に適当なものを入れて表面だけ完全に溶接したようなことをやってしまう、こういうおそれがあるといわれている。過去の溶接の事故について検討いたしますと、そういう板が入っておったとかあるいはパイプを詰めてその上に溶接をして一見何ともないように、完全にやってあるようにしたということもあると聞いているのです。だから、そういう意味で特殊鋼の溶接技術が非常にむずかしい、めんどうだ、つい手を抜いてやるということが今度の事件であったのではないか。その点はどう調べておりますか、それを伺っておきましょう。
○森岡政府委員 特殊鋼の溶接工法が非常に技術的にむずかしい問題であり、また溶接の結果その周辺部の強度に問題が出る可能性があるのではないかという問題は、私どもも御指摘のようにあると思います。ただ、今回のケースがどういうことで亀裂を生じたのかということになりますと、これは率直に申しまして具体のタンクの実地検証を綿密にやりませんとなかなか出ないと思います。私どもは、いままだタンク周辺に油が若干残っておるという状態でございますけれども、できるだけ早く実地検証をやりたいということで現在担当の技術課長を派遣し、鋭意その調査を進めております。関係機関と協力いたしまして早急にその原因究明をはかりたいと思います。ただ、非常に技術的に高度な問題でございますので、現在の役所の組織だけで十分解明ができるかどうか、その辺にも若干問題があると思いますので、早急に高度の科学知識を持った学者を中心にいたしました事故調査委員会というふうなものを編成いたしまして、できるだけ早く原因の究明をはかりたい、かように考えております。
○板川委員 たとえば放射能テストをやったならば、そういうインチキな欠陥というのが事前に探査、発見できるということもあり得るかもしれませんね。ですから、今度の事故の及ぼした被害や国民に不安を与えたことを考えれば、検査というものを水張りだけにして、そして十分な検査をしないということは、私は今後問題だろうと思うのです。だから、そういう法制的な面もひとつ検討して、絶対に今後こういう事故を起こさないような体制をとらなくてはいけないと思いますよ。 じゃ、次に行きましょう。 タンクには御承知のように加熱式のタンク、一定の温度以上に常に加熱をするというタンクがあります。それから、魔法びん型、いわば保温式のタンクがある。この事故を起こしたのは加熱式なんですね。加熱式は御承知のように九十度ぐらいの一定の温度、下がったらまた加熱をしてその辺まで持っていかないと中が固まってしまうということもあって加熱をする。加熱をすると熱いから、したがって、間隔を置いてはしごを外に立てる、こういう方式が加熱タンク。ところが、保温式、魔法びん式のタンクは、熱が出ないようにできておるから外板は熱くない、したがって、外板にはしごをらせん型に取りつけていく、こういう方式である。保温式、魔法びん式は施設の費用に五%ほどよけいかかるそうですが、しかしその後加熱する費用等がないから結局長期的に見ればそのほうが安上がりだといわれておる。ところが、事故を起こした三菱石油のタンクは加熱式だ、しかも去年できた新鋭のタンクである。新鋭のタンクでありながら加熱式をとった、この辺に私ども疑問がある。なぜ加熱式をとったのだろう。若干安いかもしれないが、しかし維持費から考えたら魔法びん式のほうが安いといわれている。 これは通産省でもいいですが、この種類のタンクは加熱式と魔法びん式ではどちらが多いのか伺いたい。
○森岡政府委員 技術的な問題でございますので、私もちょっといま資料を手元に持ち合わせておりません。たいへん恐縮でございますが、後刻申し上げたいと思います。 ただ、御質問の外にはずれるかと思って恐縮でございますが、はしごをつけております場合に、御承知のようにらせん階段と垂直式のものとございます。この事案は垂直式のものを使っております。これはきわめてまれであるということでございます。
○板川委員 このタンクをつくったときに、古い、十年も十五年も前で垂直式の縦型のはしごをつけておるというならわかるのですが、去年の十二月に完成をしたという新鋭のタンクで、しかも日本ではほとんど保温式をとっておるのに、なぜこういう縦型をとったのか。今度の場合でも、もしこのはしごが倒れなければ、被害はもう少し押えることができたと思うのです。だから、今後こういう縦型というものはこういう危険もある、二十何メートルも上に立てて、こういう事故の場合にはそれが吹っ飛ぶという危険性もある、らせん式ならば、これはそういう事故はない、こういうことを考えてみますと、縦型のはしご、いわば加熱式というのはタンクとして好ましくない、こう思いませんか。どうです。
○森岡政府委員 タンクの効果とか機能とか、それに関連いたします構造の良否の問題、これはいろいろな角度からいろいろな議論があるのだと思いますが、今回の事故に関して見ますれば、垂直式のはしごが吹っ飛びまして、それの基礎部分が防油堤をこわした、その結果、本来であれば防油堤の中でとどめ得た重油が外に流れ出たということでございますので、率直に申しまして、あまり好ましいものではない、かように私は考えます。
○板川委員 私はいずれ機会を見て関係者に聞きたいと思っているのですが、なぜ加熱式をこの際とったのか。日本で数の少ない、しかもこういう危険性がある、しかしコストは安い。らせん式ですと外板を溶接して積み重ねていくときどきに、はしごをそれに取りつけなくてはならない。垂直型はしごというのは、よそでつくっておいて、完成したらそこへ持ってきて立てればいいということで、安いけれども、しかし加熱のために維持費がかかる、結果的には高いものだ、こう聞いております。だから、三菱のような会社がなぜこの加熱式をとったのか疑問でありますが、こういう点も将来垂直式のはしごという方式は好ましくないとして指導すべきだろう、こう思います。 もう一つ、事故の原因と思われる中に、不等地盤沈下が考えられますね。石油の重みによって地盤の一部が、いわばバランスを欠いて沈下をしてゆがみが生ずる。そこに圧力がかかって溶接部分が破損する、こういうこともあり得るわけでありますが、この不等地盤沈下かどうかということは、いずれ現地に調査をして、タンクをあげて調査してみればわかることですが、この検査をする予定でありますか。
○森岡政府委員 確かに地盤の構造からいいまして、状況によりましては、不等地盤沈下が生じ、それが底板に歪曲を生じて亀裂を生ずる原因になる、こういうケースがあり得ると思います。この事案がそうであるかどうかということは、調査の結果にまちたいと思います。もちろん、それを十分調査いたしたいと思います。
○板川委員 それから、タンクの圧力で地盤が沈下をして、おまんじゅうのようによそへ吹き出る、圧力を加えるとあんこがよそへ出るというようなことで、土壌が横に流出しないように、周辺にコンクリートで壁を設けるわけですが、今度の場合に、これもやはりいずれ調査をするでしょうが、それがこわれておって不等地盤沈下というものが起きるという場合もあるわけですから、こういう点もひとつ、いずれにしても調査をして、その結果を報告してもらいたいと思うわけであります。 それから、ちょっと戻るのですが、加熱式の欠陥は、これは熱がどうしても上部へいきますし、底板が比較的温度が低い。加熱をする、温度が常に変動するが、溶接部分は温度の変化がなかなかしない、こういうことで、この加熱方式というのは溶接上も好ましくないという説もあるようであります。こういう点もひとつ十分精密な調査をして、報告を願いたいと思います。 それから、防油堤の問題でありますが、この防油堤は、どうもこの資料を見ますと規定が不十分ですね。高さも距離も強度も規定がない。タンクからじわじわと漏れた場合には、一つのタンクの半分ぐらいまでは防油堤で押え得るのだ、こういう基準になっているわけです。そして、防油堤で取り囲んでおるもの、今度の場合にはその防油堤の中に六つのタンクがあって、このタンクの容量と防油堤の容量というのは、この規定によりますと、防油堤で取り囲んでおる六つのタンクのうちで一番大きいものの五〇%、他のタンクはその一〇%の程度で、それを押え得る程度の容量があればよろしい、こういうことになっておるわけでありますが、この防油堤の規定をきちんともっと強化して、防油堤で第一次的な被害を押える、こういうことが必要じゃないかと思います。同時に私は、万が一こういう事故が起こるとこのように膨大な被害を各方面に与えるわけですから、第二次の防油堤といいますか、第二次の防油設備というのも必要じゃないだろうか。たとえば、海岸に流れ込む周辺のところをなるべく狭くしておいて、土のう等を用意しておき、事故が起こって第一の防油堤でそれを押えることができないというときには、海の中へ流れ込む前に土のうでそれをある程度押える、こういうような第一段、第二段の防油施設というのもつくる必要があるのじゃないだろうか、今回の事故にかんがみて、こう思うのですが、いかがですか。
○森岡政府委員 防油堤につきましては、その設置の技術基準は、いまお話のありましたように、最大容量のタンクの二分の一、あとは一割ということで、その合算でございますので、今回の件に関して申しますと、四万八千キロリットル分でございますから、一基の流出油は収容できる、こういう形にはなっておったわけでございますけれど、しかし、防油堤がこわれて流れ出た、こういうことでございます。あるいはもう少し防油堤の容量をふやしまして、多数のタンクに、好ましいことではございませんが、かりに流出がありました場合、第一次的に完全にそこでせきとめるということが必要ではないかという感じが私どもいたしております。そういう意味合いでは、防油堤の技術基準につきましていま一度洗い直してみたいと思います。 構造につきましては、鉄筋あるいはコンクリート造ということでございますので、いまの技術基準でほぼいいのではないか。高さは一・五メートルでございますが、その高さをどうするかということも一つの検討事項だと思います。 それから、第二次的な流出油の防止設備でございます。これは一つの検討課題だとは思いますが、やはり当面は第一次的な防油堤の容量なり技術基準を思い切って改善をして、そこで食いとめるということに検討の全力をあげたい。さらに引き続いて、そういう必要性があるという結論に達しますれば、あわせて検討いたしたい、かように考えております。
○板川委員 第二次防油施設というのは、さらに必要があればといったって、今度の事件で必要があると思うから私はそういう措置を考えたらいいと言っているわけですよ。 一体消防庁は今度の事件に責任というのを感じないのですか。これほど全国のコンビナート地域におる住民に対して不安を与えておる、あるいは瀬戸内海の地域において漁民等に膨大な損害を与えておる、こういう事態を何か他人ごとのような感じで言っていますが、これはどこだってそうでしょう。第一次、第二次の第一次でやれなかった万一の場合を考えたら第二次の措置というものを当然考えておくべきじゃないですか。それを一次をやってみて考えてみるというのはどうもあまりにもこの事故を軽視しておる、責任を感じないという気がしますね。いずれ消防庁長官に来てもらおう。あなたじゃだめだ。 ついでだから、もう一つ伺うけれども、コンビナートの自衛消防組織と地域消防組織の協力関係、どうもコンビナートの自衛消防隊というのは特殊な施設の内部ですから、一般の消防隊が来てかえって事故を起こしては困るということもあるかもしれません。あるかもしれませんが、そういう消防技術上の問題は、日ごろからお互いに協力し合い、学習といいますか、そういう訓練をしておけば私はある程度解決できると思うのです。 出光の徳山工場の事故の場合には比較的自衛消防と地域消防とが連携がよくいったというのですが、今度の場合にはどうも企業側が事故が起こってもなかなかほんとうのことを知らさなかった、だから対策がおくれた。あとから行ったときには、対策がおくれたために結局オイルフェンスにしてもあるいはオイルを回収する船を呼ぶにしても、それだけ手間どって油を海上に拡散した、こういう感じがするわけです。この自衛消防と自治体消防との提携というのはいま少しうまく協力関係というものを確立する必要がある、こう思いますが、いかがですか。
○森岡政府委員 自衛消防につきましては、消防法におきまして貯蔵数量あるいは製造数量などに応じて必要な化学車だとかあるいはそれに配置すべき人員だとか、そういうものの基準をきめております。しかし、御指摘のように地域消防と自衛消防とが緊密な連絡をとる体制を整え、また現実にそういう機動的な動きがありませんと、事故が起こった場合の早急な対策にならない、これはお話しのとおりでございます。 私どもといたしましては、地域消防と自衛消防組織、それぞれ充実いたしますと同時に、相互の応援協定その他を綿密に結びまして、必要な際の協調体制を整えるということで指導もし、また進んでおるわけでございます。 ただ、その場合に的確な情報を早急にお互いに通報し合うということがないと、かりに応援協定なりあるいは体制が整っていましても現実の問題として後手後手に回ってしまうということでございますので、お話しのような緊密な連絡体制をとると同時に、情報の的確な通報によりましてそれが機動的に動くような仕組みを今後とも指導してまいりたい、かように思います。
○板川委員 このコンビナート内の自衛消防、それが防ぎ切れなかった。そのために瀬戸内海沿岸あらゆる地域で被害を受けている、こういうことになると思うのですね。そこまで自衛消防がやるわけじゃない。だから、この自衛消防を十分に監督をして、地域消防に協力をさせて、そうして事故を未然に防ぎあるいは事故が発生した場合にそれをいち早く防止する、こういう措置を消防庁はもっとしっかり指導すべきだと思います。 今度の事故の経験でオイルフェンスが役に立たなかったという報道もあります。オイルフェンスというのはバケツで火事の火を消そうという程度のものなのか、もともとそういう程度の期待しかないものかどうか、オイルフェンスの限界というものはどういうのでしょう。この点を関係者に伺います。 それから、報道によりますと、新しいオイル回収船というのもある、しかし水島コンビナートにはそれがなかった、こういうふうにも報道されておりますが、今回の事故の経験からオイルフェンスあるいはオイル回収船その他万一に備えての防備体制というのをどういうふうに強化しようと考えているのか、これは通産省も答えてみてください。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 オイルフェンスでございますが、今回の事故の経験によりますと、オイルフェンスが役立たなかったということは先生御指摘のとおりでございます。オイルフェンスは御存じのように大体七十センチの幅がありまして、海の中に四十センチとそれから海の外に三十センチ出て、それで油を防ぐということになっておるわけでございます。ただ、これにつきましては潮流の関係あるいは風の関係その他で波などが出ますとこれが油をとめる作用をいたさないということで、オイルフェンスにたよるということが非常に危険であるということが今回証明されたわけであります。 オイルフェンスを張ることにつきましては、海上保安庁がまだ海上への油の流出がそれほど多量でなかった時期にもうすでに掘り込み港湾の入り口に張ったわけでございますが、しかしそれが先ほど申し上げましたように風の関係で役に立たなかったわけでございます。今回の事故を経験いたしまして、いかにして海上への流出を防止するか根本的に考え直さなければならないということになったと思います。 それからもう一つ、回収船でございますが、事故を起こしました三菱石油水島工場には回収船がなかったということでございます。回収船につきましては発注をしておりまして、これが来年には到着をするということになっておったわけでございますが、いずれにいたしましても三菱石油は古くから操業をいたしておるところでございまして、回収船を用意しなかったという点についても問題が指摘されておるわけでございます。ただ回収船につきましては、先ほど報告申し上げましたように、近辺のほかの精油所から応援を得まして、現在それが活動いたしておるわけでございます。
○板川委員 時間ですから終わりますが、通産大臣、この水島コンビナートの三菱石油のタンクの重油流出事件ですね、これについてひとつ要望しておきたいのです。これは安全を検査をするのは消防庁の所管だといわれます。しかし、こういう事故が起こりますと、コンビナートというものに国民が大きな不安と不信を持つんですね。コンビナートというのは絶対安全なんだ、あるいは公害も起こさないと宣伝をしてきて、そしてそれがこういう事故を起こしたとなりますと、コンビナートというもの自体に国民が不信を持つ。これは通産行政に大きな関係があります。 それから、先ほども申し上げたのですが、御承知のようにエネルギー行政、特に中東の動乱がいまなおおさまらない、再発するおそれもある、あるいは石油の輸出禁止をされるおそれもある、こういう事態もあるわけです。ですから、九十日を目途に備蓄体制をとろうという考え方を通産省、政府もとっておるのです。しかし、今度のような事故が起こりますと、国内で備蓄のためにタンクを増設することを歓迎する市町村はほとんどないと思いますね。私はエネルギー行政にも重要な影響を与える事故だと思うのです。ですから、これは消防庁の関係だといっておけないものがある。私がさっきから取り上げた問題は、どうも溶接関係に問題があるんじゃないかということを強調したいのです。大臣は船の関係者ですからよくわかるだろうと思うのですが、すでに石川島播磨でつくった四隻の船は溶接上欠陥ありとされておる。あるいは運輸省の船舶局が昭和四十五年十一月に出しておりますが、ぼりばあ丸、かりふおるにあ丸の海難事故のあとに行なった六十八隻の鉱石運搬船の点検の結果を見ても三〇%が溶接漏れが発見されたといわれておる。六十八隻のうちに二十隻。いままでタンクの水張り試験をやって、二つの事故があったんですが、それを調べてみますと——底板の溶接部分に非常に手間をかけるんだそうですね。手間をかけて、外板と底板の溶接を何回も何回もして接着をさせるんだそうですが、めんどうなものだからパイプを詰めたり、あるいは中には板きれを詰めたりして、表だけを溶接しておいたということも過去にあるそうであります。ですから、今度の事件はまさにこの溶接部分が破裂した感じがします。ですから、この溶接上の検査というのを、目で見た、あるいは水張り試験じゃなくて、もっと科学的な検査をして、そういうインチキな接着をした場合には未然に欠陥を指摘する、こういう措置をとらないと、エネルギー行政上も今度の事故は重大な影響を持つ、こう思いますが、消防庁を督励してぜひタンクの安全性について抜本的な対策を打ち立ててもちいたい、それでなければエネルギー行政というのは一歩も進まない、こう思いますが、いかがですか。
○河本国務大臣 こういう事故が起こりますと、わが国のエネルギー政策を進めていきます上に非常に障害になるだけではございませんで、産業政策全般に対してもたいへんな悪影響があると私は思います。この事故は水島における単なる一事故として片づけられない重大な意義を持っておると私は思います。そういうことでございますので、関係の方面とよく連絡をとりまして、今後こういう事故が一切起こらないようにするためには、そうして万全の措置をするためには一体どうしたらいいかということを技術的な検討も含めまして十分対策を練ってみたい、かように考えておるところでございます。
○板川委員 終わります。
○松岡委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 大臣にお尋ねいたしますが、自動車排気ガス五十一年度規制について賛否両論、たいへん問題化しているわけですが、中公審の部会答申に対する総会においての検討経過、それから結論の見通しと申しますか、それらの点について一応伺ってみたい。 時間の関係がありますので、簡潔にお尋ねをいたしますから、答弁も簡潔でけっこうです。
○河本国務大臣 専門的なこともございますので、政府委員から答弁させます。
○森口政府委員 お答え申し上げます。 現在、五十一年の排ガス規制につきましては、環境庁のほうから中央公害対策審議会に諮問をされております。御存じのとおり、中央公害対策審議会の下部機構でございます排ガスの専門委員会の結論はすでに出まして、大気部会の結論も出ております。その結論を受けまして総会に付議をしたわけでありますが、御指摘のように、総会ではいろいろ意見が出まして、部会長がこれを預かりまして、総合部会でさらに検討するということで、近く総合部会が開かれる予定であるというように私どもは聞いております。
○中村(重)委員 大都市の調査団の報告というのを新聞紙上等を通じまして私ども知ることができるわけですが、それによりますと、五十一年度規制は可能という結論を出しているようですね。ところが、通産省は、森口局長が環境庁に申し入れをやるとかあるいは通産省自体でのいろいろなこれに反する考え方といったようなもの等もあるわけですが、環境庁、運輸省、通産省の見解はどういうことでしょうか。
○小林説明員 お答え申し上げます。 私どもは、昭和四十七年の十月に、自動車排気ガスの長期規制方策といたしまして、中公審から五十年度、五十一年度規制というものに対して御答申をいただいておるわけでございます。 先生御存じのとおり、五十年度規制につきましては、ことしの一月下旬にすでに告示を出しまして、これを実施することになっております。五十一年度規制につきましては、非常に技術的に困難であるということでございますので、もう一度専門委員会で御検討願うということで、ただいま御検討願っておるわけでございますが、専門委員会の報告は、すでに十二月の五日に出たわけでございます。そして、大気部会におきまして、これは十二月の十日でございますけれども、ここでは一応答申案という問題が出たわけでございます。その間の経緯につきましては、先ほど森口局長からお答えしたとおりでございますけれども、五十一年規制について環境庁としてどう考えるか、こういう御質問の趣旨だと思います。 四十七年の答申の中に、五十年、五十一年規制については、技術の開発状況を勘案してやりなさいという御答申があるわけでございます。そして、技術的にむずかしいという場合であっても、できるだけきびしい、その時点で技術の限度、できるだけぎりぎりのきびしい線で規制をやりなさいということも同時にうたわれておるわけでございまして、私どもは、技術的に可能な限りきびしい規制をして、この大気をきれいにしていくというのが私どもの使命であろうということで努力しておるわけでございますけれども、いまお話し申し上げましたように、まだ中公審の正式の答申を得ておりませんので何とも申し上げられませんけれども、中公審の御答申を得ますれば、その線を尊重してやってまいりたい、そのように考えております。
○森口政府委員 公害対策は、国民的課題として解決しなければいけない最も重大な課題の一つでございまして、私どもも自動車の排気ガス規制につきましては、技術上できます極大限のことはしなければいけないというように考えておりまして、常日ごろメーカーもそういうふうに指導をいたしておるわけであります。 ただ、当初いわれました五十一年規制のNOXの規制値〇・二五グラム・パー・キロメートルにつきましては、私どものほうも生産を所管するという立場から、いろいろメーカーのほうの話を聴取したわけでありますが、いかにしても現在の技術水準をもってしてはできないということでございますので、そういうような趣旨を環境庁に申し上げたことはございます。しかし、五十一年規制につきましては、技術上可能なマキシマムということで、環境庁に私のほうとしては現在できます規制、暫定規制値のマキシマムの数値はこの程度であろうというような御意見を申し上げたわけであります。御意見を申し上げたと申しますのは、私のほうは自動車の生産を所管しておるわけであります。最も公害発生の少ない車を生産いたしますと同時に、他方、廉価でかつ容易に手に入るように車を供給するという責務を持っておりますので、そういうようないろいろな点を勘案いたしまして、私どもとしては公害規制はこの限度であるべきではなかろうかという御意見を環境庁に申し上げたわけでありますが、もちろん排出基準の問題は環境庁がおきめになるわけでありまして、私のほうの意見は参考として申し述べたわけであります。
○北川説明員 お答えいたします。 運輸省といたしましては、環境庁におきまして先ほど来お話がございましたように排気ガスの規制につきまして技術上可能な一番きびしい規定がされますと、それを受けまして、個々の車に対しまして基準が守られるということをチェックする担当でございまして、道路運送車両の保安基準というものを改正いたしまして、五十年、五十一年の規制の適用をするわけでございます。その際におきましても、排気ガスの問題と同時に安全性の確保ということが同様に非常に重要なものでございますので、排気ガスの問題、安全性の問題、両方の面において確実な適切なものであるかどうかをチェックし、きびしく規定をしていく予定にいたしております。
○中村(重)委員 時間の関係があるので次の点は通産省にだけお尋ねをするのだけれども、森口局長は技術的に最大限までこれが認められる点は認めなければならないということなんです。ところが、御承知のとおり東洋工業はNOX〇・四までいけるのだということを言っているのですね。あなたはこの点をどうお考えになっていらっしゃるのですか。できる会社があるのに、あなたはメーカーの意見をいろいろ徴してみたところがはなはだむずかしいというようなことを言っている。できるメーカーがあるわけだから、その点が明らかにならなければ、どうも通産省はトヨタとか日産とか大手企業の立場に立っている、技術的というようなことを名目にしているけれども、実際は大企業の経営面ということを考えた企業べったりではないかという批判が出てくるのは私は当然だと思う。その点はどうお考えになっていらっしゃるか。
○森口政府委員 御存じのとおり、自動車には非常に大きな車から小さな車までたくさんの車があるわけであります。専門委員会における討議におきましても、大きな車になりますとどうしてもNOXの排出量はふえるというような点を原則的にお認めいただいておるというように私どもは考えております。したがいまして、現在まだ中公審としての最終結論は出ていないわけでございますが、専門委員会等におきましては車の重量を一トンのところで切りまして、一トン未満の車につきましては排気ガスの量を〇・六グラム、一トン以上の車につきましては〇・八五グラムというように区分をいたしておるわけであります。 東洋工業の御指摘の車はどちらかというと小さい車に属するわけであります。したがいまして、小さい車は当然排出量が少なくなるということは理解できるところであります。 なお、御指摘の〇・四グラム云々ということをおっしゃいました点につきましては、これは従来のレシプロエンジン車ではございませんので、おそらく東洋工業が言っておりますのはロータリーエンジン車のことを主として言っておるのであろうというように私どもは考えております。〇・四グラムが、大量生産した場合にはたして数値として充足できるかどうかということについては、私どもは確認をいたしておりませんが、ある程度試作車で値が出ましても、実際市販をする車の規制値という場合には、ある程度の安全圏を持ちませんと、なかなか車の安定的な供給はできないというように考えておりますので、私のほうは東洋工業の〇・四という数字は承知いたしておりますが、やはりその対応する車は〇・六くらいが限界ではないかというように考えておるわけであります。
○中村(重)委員 あなたの答弁は、聞き方によってはトヨタとか日産とかの言いたいことを代弁しているようにも聞こえるわけなんです。ところがどうなんですか、いろいろ技術的にむずかしい一かなんとか言っているけれども、本音は、五十年規制の準備をいま進めているわけだから、それ上りもきびしい五十一年度規制というものが行なもれることになると、五十年規制によって準備をした設備費というものがむだになる。だから、五十一年度規制は困るんだということで反対をしているというのが実態だというようにあなたは考えていないのですか。いかがですか。
○森口政府委員 先ほども申し上げましたとおり、私どもとしては現在の技術水準の許す極大の値を公害規制値としたいというのが考え方であります。したがいまして、五十一年規制値につきましても五十年規制値を踏まえまして、その延長線上として可能な最大限の規制値は一体幾らであろうかというような観点から考えておるわけでありまして、先生御指摘のように五十一年規制値をそもそも設定することに反対であるというようなことは毛頭考えておらないわけであります。
○中村(重)委員 諸外国の排気ガス規制の実態から考えてみても、こんなに車がどんどんふえている日本でこの五十一年度規制、すでにこれはスケジュールにのっておったわけだから、それがいまごろ無理であるとかなんとかということを企業自体が言うことがおかしい。それに輪をかけて通産省が企業の側に立ったような、これはむずかしい、むずかしいというようなことを言い回るということは、実際通産省何を考えているかと言いたい。御承知のとおり、通産省は公害防止の技術開発という任務があるはずなんだ。その任務をあなた方が遂行しておれば、そういう指導をしておったならば、こうした問題が出てくるはずはないし、企業べったりだなんというような批判をされるような、企業のしり馬に乗ったようなことを通産省が言うということはなかったのではないか。職務怠慢だと言われたって弁解の余地はないんじゃありませんか。いかがですか。
○森口政府委員 私のほうは御指摘のように、公害防止技術の開発を受け持っておるわけであります。エンジンの改良あるいは触媒の改良等につきましては、これは有数の巨大メーカーが自動車工業におるわけでありますから、当然業界自体がその技術開発をすべきであるというような考え方を持っておるわけであります。ただ、自動車の排ガスの問題は排ガスのみにとどまらずに、むしろガスを出さない車を送り出すということがやはり大事であるという観点から、先生御存じのとおり、数年来電気自動車の開発を進めておるわけでありまして、ようやく所定の性能がほぼ出かけておるという段階であります。また、自動車の都市内交通を減らすということになりますと、一体自動車にかわる代替交通手段は何であるかというような点も問題になりますので、電子計算機制御の電気自動車、いわゆるCVSを走らせるというような研究もここ数年来行なっておりまして、そういうような研究もだんだん緒につきかけておるわけであります。 なお、交通制御の問題につきましても、大型プロ等で警察庁と協力して現在開発を進めておるというような現状であります。 なお、私のほうの立場は、とにかく安定的に安くできるだけ公害の少ない車を供給するということで、安全性と公害排除、それから安価、低廉な車という三つの調和の上に成り立った考え方でないとむずかしいわけであります。 排ガスの規制強化の問題は運輸省のほうが御専門でございますが、若干安全性の問題につながる面もございますし、それからやはり排ガスの規制を強化いたしますと燃費が増加をするというような問題もまた他面からは指摘されるわけであります。もちろん、公害対策は国の最大の目標の一つでありますから、それだからといって公害規制をゆるめるというわけではありませんけれども、やはりそういうような側面もある程度考慮して、規制値をきめるべきではないかというような意見を持っております。
○中村(重)委員 トヨタ、日産が規制を前にして、公害対策の不完全な車をダンピングをやって売りまくっているということが伝えられているんですが、実態はどうなんですか。これは運輸省からもお答えいただきます。
○森口政府委員 石油ショック以来、自動車の販売台数は著しく減少をいたしておるわけであります。私どもの現在の見通しでは、昭和四十九年度の国内販売台数は、昭和四十八年度に比して一七%減になるのではないかというように考えております。しかし一方、従来の生産ベースは、関連企業等の関係もありましてなかなか減らせないものでありますから、自動車業界は現在相当大きな在庫を持っておるというような現状であります。 こういうような現状でありますから、やはり販売部門におきましては、ともすれば乱売におちいるというようなことは先生の御指摘のとおりでありまして、乱売の結果、先生が言われるような考え方、つまり公害規制前に車を売り込もうとするのじゃないかというような観測もなされておりますが、そういう考え方よりはやはり現在の膨大な自動車の在庫をはかしたいという考え方が両社に基本的にありまして、販売競争が非常に過当的になっておるというような傾向は、全く御指摘のとおりだと思います。
○北川説明員 お答えいたします。 運輸省におきましては、排気ガスの問題、安全の問題について、先ほど申し上げました道路運送車両の保安基準によりまして、十分な検査、チェックをいたしております。で、現在は排気ガスの問題につきましては、四十八年にきめましたレベルでやっておるわけでございますが、五十年からはこれを一酸化炭素、炭化水素を十分の一にする、窒素酸化物を五分の一にするきびしい規定に入るわけでございまして、そのための車について現在続々と技術開発を進め、五十年対策に適合するものをつくる準備を進めておるところでございまして、すでに五十年規制に適合するものについて先取りをしたものについては税制上の優遇措置がとられる、こういうものにつきましてもいち早く昨年の春に第一号を出しまして、約十車種くらいのものについては出ております。あわせまして、五十一年基準に適合するものについても、一日も早く出るよう、もうすでに私どもの交通安全公害研究所におきまして所要の試験をいま進めておりまして、基準に適合するものが出れば、続々来春からは出る予定になっております。
○中村(重)委員 運輸省からお答えがあったような、そうした税制上の優遇措置といったようなものもあるんだけれども、実は森口局長からお答えがあったように在庫がある、しかもそれはゆるやかな五十年規制の公害対策もやってない車だ。そういったことから、在庫をなるべく少なくするという考え方もあるんだろうけれども、あなたは、私が指摘することを、できるだけそうじゃないんだということで否定しようというような気持ちで精一ぱいになっているような印象すら答弁の中から受ける。公害対策を不完全にしている車をできるだけ早く売ろう、そのことが乱売という形になっている。現実にはあなたがお答えになりましたように自動車の売り上げが減ってきているということも、総需要抑制その他の面から需要者の節約というようなことで事実あると思うのです。だから、そのあらわれがどこにきているのかといったら、公害対策を十分やっているような東洋工業等の車が実は市場から駆逐されるという現実が出てきていることをあなたは見のがすわけにはいかないと思う。現実にそのために東洋工業の経営は困難になっているということが伝えられているじゃありませんか。これらのことを考えると、あなたは、公害対策というものは最優先しなければならぬということばはきれいなんだけれども、やっていらっしゃることはそうではなくて、日産とかトヨタとか、公害に対してあまり熱心でないようなメーカーの言うことに対して、そのしり馬に乗って動き回っているというような感じがしてならない、あなたのいまの答弁からしても。通産省は行政として何をやっているのかということを言いたいのですよ。 どうなんですか、大臣は、お聞きになっていらして。あなたはものごとにたいへんまじめに誠実に取り組んでいかれる御性格の方であるということを私承知しているわけですが、いまの通産省の企業べったりというようなことをこの際払拭していく必要がある、ましてや公害問題等々から考えてみると、通産行政に対する国民の不信感というものは非常に強まっているわけですが、いまのこの排気ガスの問題に関連をいたしましてあなたのお考え方はいかがでございますか。
○河本国務大臣 いろいろないきさつがあったようでございますが、中公審の方針が正式に決定いたしますならば、それに従いまして、そのとおり実現するように業界を指導していきたいと思っております。
○中村(重)委員 同じようなことを何回も繰り返しますが、通産省の生産第一主義という基調は私は変わっているとは思いません。ともかくこれを改めていかなければならない。 まず私が言いたいことは、低公害車の優遇方策という点を考える、それから排ガスの人体への影響ですね。環境を守るための自動車の走行規制といったようなことこそ議論の中心にならなければならない。このようなことはやはり国民に公表していくというようなことですね。その実態を国民が十分知るということ、そういったようなことこそ通産省、なかんずく環境庁それから運輸省といたしましても心しておかなければならない点であろうという感じがいたします。一般国民の受けている印象は、技術技術というけれども、実際はその経営の面、トヨタ、日産という大企業を中心とした自動車メーカーの利益ということに振り回されているんだというような感じを持っているのではないかという感じがいたします。 それから、先ほど森口局長から公害技術というものが大きく前進をしていかなければならないというようなことについてのお答えが実はあったわけです。それであるならば、可能な限りきびしい許容限度を設定するということが、私は公害対策の技術というものが前進をしていくことになると思う。あまりぬるま湯にいつまでもつけておいて、そして無理もないだろう、無理もないだろうといったようなことになりますと、技術というものは前進をしていかない。そのことが環境を破壊し、汚染をしまして、そして国民の健康を阻害するという結果になるわけでありますから、その点は十分心していただきたい。ただいま大臣がお答えになりましたようなことが今後の審議の中で十分生かされていくように御留意をいただきたいということを希望しておきたいと思います。 次に、私は中小企業の倒産の問題についてお尋ねをいたします。 倒産の実態それから倒産の今後の見通し、倒産の原因といったようなことについてお聞かせをいただきたいと思います。
○河本国務大臣 総需要の抑制が始まりましてからもうすでに一年以上経過しておりまして、この間、金融的に非常にきびしい引き締めが続きました。そういうことのために、最近の中小企業の動向を見ましても、その生産、販売、在庫、いろいろ数字を検討いたしましても情勢は非常に悪い状態になっておると思います。倒産も非常にふえておるわけでございます。いろいろ対策を立てておりますが、いまは現状いかん、こういう御質問でございますから、その数字の具体的な分析等につきましては政府委員から答弁をさせます。
○齋藤(太)政府委員 倒産の状況でございますけれども、一千万円以上の負債によります倒産の動向で見てみますと、昨年の後半からふえ始めておりますが、ことしに入りましてからも総需要抑制策が維持され、金融引き締めが続いておりますので倒産件数は増加傾向にございまして、特に三月に一千件をこえたのでございます。その後は七月から九月までおおむね八百件ないし九百件という台で推移をしてまいりましたが、この夏ごろから金融引き締めが特にきいてまいっておりますので、十月にさらに再び千百件台に入りまして千百九件、十一月が千百二十三件といったような高水準にございます。過去に見てみますと千件台をこえる倒産がございましたのは昭和四十三年に四回ございましたが、四十四年以後は月に千件をこえたケースはございませんで、今回は四十三年に次ぐ千件台の大台の倒産といったような高水準にございます。 最近の倒産の特徴を見てみますと、一つは一件当たりの負債の金額が非常に大口化しておることでございまして、先月あたりですと大体一件当たりが平均で一億五千万円ぐらいの負債額になっております。昨年の平均は約八千万円ぐらいでございましたので、一件当たりで昨年の二倍ぐらいの額になっております。 それから、業種別に見てみますと、ことしの前半は建設業が非常に多かったのでございますけれども、後半に入りましてから、建設業はもちろん高水準で大体月間三百件をこえるぐらいの数字でございますが、そのほかに繊維業あるいは木材業それから自動車とか家電の不振を反映いたしまして金属機械関係の下請等々、それに卸売り業といったような分野にもずっと業種が広がってまいっております。 それから、倒産の原因でございますが、ことしの前半ごろまではどちらかといいますと、過去の金融緩和期に借金で仕事を非常に急激に拡張したといったようなところ、あるいは他の、ボウリングに手を出すとかいった副業に手を出したようなところが引き締めによりまして倒産をするといったようなケースが多かったのでございますけれども、最近は販売不振と申しますか、売り上げが急激に減少したということによる倒産がふえてまいっておりまして、たとえば十一月で見ますと、販売不振による倒産というのが原因別には全体の四六%を占めておる。ことしの春ごろですと、販売不振による倒産というのは大体三〇%ぐらいで、そのほかの理由が七割ぐらいでございました。そういうことで、業種が非常に広がっておることと、原因が販売不振によるものが多いというのが最近の倒産の特徴でございます。
○中村(重)委員 インフレと不況の同時進行、金融引き締めというのが弱い中小企業というものに大きくしわ寄せされるという傾向が強く出ていることは、御承知のとおりだろうと思う。そのために、年末対策として七千億の融資を決定されたようでありますが、具体的に不況対策というのでどのような対策をお進めになっていらっしゃるのか。これは各省からそれぞれお聞かせをいただきたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 御承知のように、今回の総需要抑制は、石油危機等に端を発しましたいわゆる物価の高騰を抑制するために行なわれておるものでございますが、この総需要抑制なり金融引き締めによりまして、まじめに仕事をしております中小企業が、金融面で金繰りがつかなくて、いわば黒字倒産に追い込まれる、こういった不幸な事態は絶対に避けなければならない、こういうふうに考えておりまして、当面、金融面でつなぎをつけるということに実は全力をあげておりまして、まず政府系の中小企業三機関、これは年間約二兆円の融資規模で年度当初発足をしたわけでございます。これは昨年に比べますと、約二割増の年度当初の計画でございました。この二兆円に対しまして、六月に千五百億の追加をいたしまして、これは主として繊維業と建設業を中心に融資を行ないました。それから、九月に千億の追加をいたしまして、これは機械関係、特に自動車下請、それから家電関係の下請、それから通信機関係、それに合板、製材、家具といったような建築関連の業界、こういうものを中心に融資を行なったのでございます。さらに、先般十一月の初旬に年末追加ということで七千億の追加を決定いたしました。この結果、十−十二月の三機関の融資規模は大体九千三百億になる予定でございまして、昨年の十−十二月が七千三百億でございましたので、昨年よりも約二千億多い融資規模に相なっております。今後の推移を見まして、さらに適時適切な手を打ってまいりたいと考えております。 それからもう一つは、信用保険の面の特例でございますけれども、ことしの春の通常国会で中小企業信用保険法の改正をいただきまして、いわゆる不況業種を指定いたしますと、その業種に属する企業につきましては、通常の場合の保証額と同額だけ、つまり合計いたしますと倍額まで信用保証が受けられる、こういう制度をつくっていただいたわけでございますが、この制度を活用いたしまして、六月に第一次といたしまして、繊維、建設その他三業種を指定をいたし、九月に機械工業関係を中心に十一業種の追加をいたしまして、つい先日、今月の十四日にさらにもう十五業種指定をいたしまして、現在、全体で二十九業種が不況業種ということで指定になりまして、信用保証面での特別措置を受けておるわけでございます。 それから、民間金融機関に対しましても、中小企業向けの融資を特別にお願いをいたしておりまして、一つは、年末金融といたしましては三兆一千五百億をこの十−十二月の間に中小企業向けに出してもらうように、政府としても銀行にお願いをいたしております。 それからもう一つ、中小企業救済特別融資制度というものを設けまして、政府系金融機関と同じ安い金利で特に不況業種向けに一定の条件下に融資をしてもらっておりまして、これがこれまでに約千五十億ぐらいの融資額に相なっております。 さらに、下請関係につきましては、下請振興協会等を大いに督励いたしまして、仕事が減った下請に新しい仕事をあっせんするように努力をいたしております。 それから、官公需の確保につきましても、ことしは昨年よりも高い目標を立てておりますが、それの達成について各省に協力をお願いいたしておるところでございます。 おおむねかような措置によりまして、金融面のつなぎ措置と仕事の確保という両面で、年末を越せますように努力をいたしておるところでございます。
○中村(重)委員 それでは、時間の関係があるから私のほうから……。 建設省にお尋ねをいたしますが、中小建設業者等に対しての、これは通産省にも同じようなことになるわけなんだけれども、官公需の優先確保ということで、具体的にどのようなことをやっているのかという点が一点であります。 それから、官公需の入札制度の改善をやらなければ、いまのような最低入札——もちろん見積もり単価というものもあるのだろうけれども、最低入札ということになってくると、競争が激烈になりまして、ダンピングという形になる。そのことがまた、金融面のやりくりの面から無理して仕事をとったけれども損をするということによって、倒産につながっていくというようなこともあるわけですから、そうしたことについて、どのような対策をお考えになっていらっしゃるのかという点が第二点であります。 第三点といたしましては、スライド制を完全に実施していくのでなければならぬ。地方自治体は地方自治体がやるのだというようなことでは私はいけないと思う。やはり自治省とも十分連絡をおとりになり、関係各省と十分に連絡をおとりになって、地方自治体のそうした発注に対しましてもスライド制をおとりになるのでなければ、実際問題としてはどうにもならないのではないかというのが現実であろうというように思います。 それらの点に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのかということを伺ってみたいと思います。
○京須説明員 私、住宅計画を担当いたしておりまして、先生ただいまお尋ねの官公需の問題あるいは中小企業対策について、特に専門ではございませんが、知っている限りにつきましてお答え申し上げまして、後に詳しい資料で御報告申し上げます。 まず、中小企業に対しまして官公需の契約上どのような配慮をするかという点でございますが、これにつきましては、入札する際に各契約予定額のワクごとに各ワクをつくりまして、それぞれそのワクの中におきまして、そのワクをちょうど消化するに適切な規模の業者を選定いたしまして、そのもののワク内でもって入札を行なっております。 それからまた、ダンピングあるいはスライドの問題でございますが、スライドにつきましては、適切な単価に極力伸ばしますように、また必要があれば財政当局のほうに要望いたしまして、単価の改定その他につきまして努力をいたしております。
○中村(重)委員 齋藤長官、いま私が申し上げたような点について、各省とどのような連絡をとっておやりになっていらっしゃいますか。これは大臣に今後十分考えていただかなければならないことは、中小企業問題ということになってくると、私はすべて中小企業庁が掌握していなければならないと思うのです。ところが、たとえば建設関係になってまいりますと、中小企業庁所管ではなくなっているが、実態は中小企業問題だから同じようなことなんですね。だから、これは機構の面についても運営の面についても、大臣は今後改める点は改めさせなければいけないんだろうというふうに思う。 私がいまお尋ねいたしましたようなことは、各省に関連する問題としてずばり齋藤長官が十分把握して、それに適切にお答えになる、また、対策も講じさせるということでなければならないと思うのですが、それらの点について、大臣のお考え方並びに長官がどの程度把握をし、どの程度私が申し上げましたようなことについて各省と連携をとって推進しておるのかということについてお聞かせをいただきたい。
○河本国務大臣 官公需の仕事を中小企業へ回すということは、これは内閣の基本方針でございまして、先ほど齋藤長官が申し上げましたように、ことしは昨年に比べまして相当パーセンテージも上げていく、具体的な数値も設定いたしまして、それを努力目標にしておるわけでございます。ただ、何ぶんにも関係する省が非常に多うございまして、お説のようなことがあるのです。なかなかこの実態を掌握しにくい、こういうこと等がございますので、官公需の仕事を具体的に中小企業に回すためにはやはり何らかの積極的な連絡措置が必要でなかろうかと思います。御注意がございましたから、よく留意をいたしまして、そのように配慮をしていきたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 中小企業庁は組織としては通産省の外局でございますけれども、御指摘のように全業種の中小企業の世話をする役所でございます。私どもは通産省所管業種、他省所管業種かかわりなく、その振興に努力をいたしておるわけでございまして、たとえば金融の面で申し上げますと、この六月の三機関の千五百億の追加融資の中で建設業に五百億を回したのでございます。また、民間金融機関にお願いをいたしまして、約千億の低利による特別融資を行なっておりますが、その中で建設業に二百億出るように手配をいたしました。 かように建設業の最近の不況の状況にかんがみまして、金融面で格段の措置をとっておりますが、この官公需の場合に特に中小建設業者に仕事が回るようにということにつきましては、ことしの八月に決定をいたしました国等の契約の方針、閣議決定におきまして、特に指名競争入札のやり方につきまして、大きなものも小さなものも一緒に受注をいたしますと、大きいほうが強くいろいろな面で有利でございますので、そっちに落ちるといったような面もございますので、同じくらいの規模のものを極力集めまして指名入札を行なう、つまり工事の額の段階に応じまして同クラスの業者の方に集まっていただく、そういうふうに極力同じような資格のものを集めて競争させる、そういうことで中小企業に向いたような建設工事は中小企業になるべく落ちるように、こういう配慮をいたしております。 それからもう一つは、特にことしの国の発注方針の中で例年になかった点といたしましては、中小建設業者に対する配慮という一項目を加えまして、抑制型の財政執行の場合におきましても、特に中小建設業者の受注機会の確保に特段の配慮を払うように、こういうふうな一項目が入っておりまして、これは実際的なやり方としましては、中小の工事を早く発注するという運用をしようということと、もう一つは、極力地元の業者に発注をするように、こういうふうな指導を建設省を通じてやっていただくことにいたしておるわけでございます。 それからもう一つは、地方支分部局に極力契約限度額を、権限を委譲すると申しますか、委譲してございますけれども、それの限度額をなるべく——いまは非常に小さい額でございますので、それを引き上げていただいて、地方の中小建設業者が受注がよりできやすくするように、こういった配慮もお願いをいたしております。 こういうことによりまして、中小建設業のいまの不況の切り抜けに努力をいたしたいと考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 考え方もそうだろうし、そのことが答弁となってあらわれたのだろうと思うのですが、私どもは地域の実態を承知しているのです。残念ながら、いま長官からお答えになりましたようなことが生かされていないということを申し上げざるを得ないのです。最近は町村にまで大企業が進出をしまして、これは中小建設業者にやらせてもいいんだなと思うものまで実は大企業がやっているというのが実態なんです。 それで、大臣お答えになりましたように、内閣の基本方針をお立てになったということも新聞等を通じて私ども承知をいたしております。そこで、もう年内には間に合わないでしょうから、一月に開かれます当委員会に、十二月末現在でもけっこうであります、内閣の基本方針に基づいて中小建設業者その他の中小企業に対して官公需がどの程度重点的に発注をされたのかという資料をひとつ御提出をいただきたいと思います。 建設省と大蔵省にお尋ねをいたしますが、いま倒産が、繊維であるとかあるいは中小建設業、不動産業というようなものに非常に多いことから、関心が中小建設業というものに向けられるということは私は当然であろうと思う。その不況を回避するという対策等からいたしましても、住宅金融公庫の融資を大幅にふやしていく必要があるというように考えます。具体的には、今年度はみ出している分については、この年内ということが業界の非常に強い要望でありますが、年内と申しましてももう数日を余すだけということでありますから、年度内には貸し付けを必ずするということが確認できるのかどうか、それから八万戸の追加分について、この実現は可能なのかどうかという点については、これは大蔵省の理財局が財投の関係でございますから、まあ大蔵省がうんといわなければなかなかできない問題であろう。大蔵大臣も、積極的ともとれるし、また消極的ともとれるような答弁をしておられたわけでありますから、事務当局としてこれらの点はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○京須説明員 住宅金融公庫の融資、特にその中での個人住宅融資につきましては、中小企業と非常に関係の深いものでございます。本年度は予定では十五万戸の融資の予定でございまして、五月二十七日から受付をいたしましたが、予想を上回る申し込みがございまして、七月二十日をもちまして、十五万戸を約七万戸上回りまして二十二万戸ばかり受付をいたしまして、ついに締め切りに至りました。そのために、七万戸ばかりは予定をオーバーしたわけでございますが、幸いその分の必要となりました予定の資金は、千七百八十六億、先般財政投融資の弾力条項をいただきまして手当てが済んでおります。しかしながら、予定を七万戸オーバーいたしましたが、なおさらに国民の住宅に対する要望がきわめて強うございます。それから、あわせまして、中小建材店あるいは工務店等に対しまして実需を与えるというような観点から、私どもは八万戸の追加をお願いいたしまして、なるべく早く住宅金融公庫が受付を再開できるように要望いたしております。その見通しでございますが、幸い財政当局のほうも非常に慎重に検討されておりますので、できるだけ早く結論を出したいと考えております。
○石川説明員 お答え申し上げます。 御質問の第一の、本年度の受付はみ出し分につきましては、ただいま建設省から御答弁がございましたように去る十月財政投融資千七百八十六億円を追加いたしまして、公庫の円滑な資金繰りを確保いたしたところでございます。その結果、公庫の四十九年度の貸し付け規模、現金を実際に交付する規模は一兆二百十四億円、前年度に比べまして五八・一%増という異常に大きな規模になりました。また、住宅公庫に対する財政投融資といたしましては九千三百四十億円、ちょうど前年度の六割増という、これも非常な巨額にのぼっております。それだけの大きな追加をいたしますにつきましては、総需要抑制策との関係につきまして慎重に検討いたしまして、大蔵当局といたしましては非常に思い切った決断を下したところでございます。 御質問の第二の、それにさらに上積みをして八万戸を追加してほしい、その点についてはどうかという点につきましては、きわめて消極的でございます。何と申しましても総需要抑制策が基本でございまして、その中でいろいろなめり張りはしていかなければなりませんので、そういう見地からそれだけの巨額の財投追加を住宅公庫に踏み切ったところでございますし、また住宅金融全体につきまして公庫だけで受け持つというものでもございません、民間住宅金融のウエートのほうが圧倒的に大きうございます。したがいまして、これは私の所管ではございませんけれども、銀行局におきまして民間住宅金融につきまして特段の強力な指導をいたしておりますし、私どもといたしましては、財投の追加あるいは民間住宅ローンの強力な指導の成果が徐々にあらわれ始めつつある、このように理解しております。 お答えといたしましては、そのような見地からきわめて消極的であると申し上げざるを得ません。ただ、大蔵大臣も予算委員会で答弁申し上げてありますように、住宅政策の重要性につきましては私どもといたしましては十分に認識いたしております。来年度予算編成の過程を通じまして、本、明年を通ずる住宅政策をいかにデザインしていくべきか、建設当局と十分に議論をしていきたいと思っております。
○中村(重)委員 石川課長のお答えもわからないではないわけですよ。しかし、総需要抑制といいながら、インフレと同時に不況が進行しているというこの事実ですね。同時に経済の安定成長という方向を目ざすということになってまいりますと、福祉政策ということ、それからいままで日の当たらないところの階層、中小企業、農業といったようなところには日を当てていくというようなことでなければ、ただ総需要抑制で、総需要抑制というものが物価を引き下げてくる第一の手段であるというようなことにその政策の重点を置くということになってまいりますと、これは大臣との議論になってくるわけですけれども、弱い層最も強い光を当てなければならない層に対して犠牲をしいるという結果になるということを私は申し上げざるを得ないわけです。したがいまして、この中小企業というものに対して強い光を当てていく、このことは同時にこのような労働者の場合にも同じようなことが言えるわけでありますから、これは消極的ではなくて積極的というような面から考えていかなければならないのではないかというふうに思います。 それから住宅、これは公庫だけではなくて民間金融機関も分担をするのだ、これはそのとおりであろうと思います。しかし、住宅ローンというのも金融引き締めの中において押えられて、最近は若干改善されつつあるということも伺っているわけでありますけれども、なかなかきびしいということも、これは現実であろうというように思います。石川課長のお考え方が、民間金融機関に対してやはり期待を持っておられるとするならば、民間金融機関の住宅ローンというものがもっと積極的に取り上げられるというようなことでなければならないと思います。 それから、個人融資が大手建設業者であるとかあるいは不動産業者が行なうところの分譲住宅に流用されるということが最近顕著な例としてあらわれているわけです。土地造成をやりますね。その際に人の名前、個人名を使って申し込みをしている。実際は名前だけをかりている。そこで今度は、そういう大手の建設業者であるとか不動産業者が建設をしてこれを分譲するというような行き方、これは許されてはならないことだというように思います。これは事実でありますから、これらの点に対する対策はどのように講じていかれようとしておられるのかということであります。
○京須説明員 先生お尋ねのような大手の企業に対します公庫融資は別のワクでございまして、いわゆる個人住宅でございますと必ずそこにお住みになる方にお貸しするというのが原則でございます。したがいまして、常にその点十分注意しておりますが、御指摘のような点がございましたら、さらに調査と申しますか、たとえば抽出いたしまして公庫法の個人住宅融資をお貸しした方々について、あとどの方がお住まいになっておられるか、そういったような実態調査を行なうとかいうような方法をとりまして、さらに適正な融資が行なわれるように注意しようと思っております。
○中村(重)委員 それじゃ時間が参りましたから、大臣と齋藤長官に二、三お尋ねをいたしてみたいと思いますが、七千億の年末融資を決定し、貸し出しを進めていらっしゃるんですね。そこでどうでしょう、これでだいじょうぶだというふうにお考えになっていらっしゃるかどうかということです。 それから、申し込みを政府関係金融機関にいたしまして、貸し出しまでどの程度の期間がかかっておるというように把握をしておられるかという点であります。
○河本国務大臣 金融面のことにつきましては、先ほど長官から詳しくお話を申し上げましたが、大体あの金額が順調に流れていきますならば、まず金融面はだいじょうぶである。ただ、事務的にスムーズにいかない、こういう場合には問題が起こりますけれども、順調に流れればまず金額的には問題ない。それよりも最近の倒産、不況の内容から見まして、仕事をどう確保していってやるかということのほうが非常に大きな問題になっておる、かように思いますので、この両方面から進めていきたいと思いますが、お尋ねの具体的な問題につきましては長官からお答えをいたします。
○齋藤(太)政府委員 七千億で十分かどうかという御質問でございますが、資金の申し込みは非常に大量にございますので、その申し込みを全部充足するというような状況ではございませんけれども、たとえば国民金融公庫の例で申し上げますと、平常時におきまして、大体申し込みましてから二十七日ぐらい事務的な手続に手間どる、時間がかかりまして、大体それぐらいで融資が実行されておりました。それが最近申し込みが非常にふえてまいりまして、一方、資金のほうに一応限度があるということで、資金面の制約等から、いわゆるお待たせ日数と呼んでおりますけれども、申し込んでから借りられるまでの期間がだんだん延びてまいりまして、九月末で三十八日ぐらい時間がかかるといったような状態になっておりましたが、今回の七千億の追加によりまして、十二月でまあ三十日、つまり十一月中に申し込まれた分は全部十二月中には金が出る、こういうぐあいに大体いけるぐらいの資金量になっておるというふうに思っております。
○中村(重)委員 長官、あなたがおっしゃるようなことも皆無ではないのです。申し込みから貸し付けが行なわれるまで一カ月以内で貸し付けを受けたという人もあるのです。しかし、これはきわめてまれなんです。中小企業金融公庫で決定をしてから三カ月かかります。ほとんど三カ月。ですから、申し込みから半年ぐらいしなければ貸し付けが行なわれないという例もたくさんあります。早くて決定から二カ月というところじゃないでしょうか。国民金融公庫の場合はそうまではございません。けれども、いまあなたがお答えになりました、七千億を決定してから、申し込みから三十日以内で貸し付けが行なわれておるなんというようなことをお考えになりますと、実情をあまりにも知らなさ過ぎるということになります。あなた方のほうでは書類で調査をなさるわけですね。私どもはそうじゃないのです、いろいろなことで知ることができるのですよ。こうして申し込みをいたしましたから何とかお口添えを願いたいといったようなことも、これは大臣だってあるだろうと思うのですが、好む、好まないは別といたしまして。おぼれる者はわらをもつかむということで、いろいろ私ども相談を受けることがあるのです。そうして、貸し出しを受けましたといって連絡をされること等がありますが、いつごろですかといって日にちを聞くと、三カ月ぐらいざらですよ。最近もそうなんですから、幾らか改善をされたというようなこともあるかもしれませんが、ともかくいま長官がお答えになりましたようなそんなものではないということだけは、はっきりひとつ実態としてつかんでおいていただきたい。 それから、最近はほとんど信用保険公庫のいわゆる保証の要求をするということであります。相当大きい金額、しかも環衛金融公庫等、長期にわたるものの保証も要求されるわけでありますから、信用保険公庫の融資基金というものを相当大幅にふやしていくのでなければ、これは中小企業の範囲の拡大ということで非常に大きい金額が信用保証の対象になっておりますから、保険公庫の金が窮屈になってまいりますと、これも独算制であるわけでありますから、信用力の弱いものは結局保証からも締め出されるという結果が生じているわけであります。この点は十分お考えをいただきたい。 それから、もう時間が過ぎましたから申し上げますが、下請企業と大企業の関係で、最近の親企業が発行いたします手形は十カ月あるいは一年というような手形はもうざらであります。これでは中小企業はたまったものではございません。弱い中小企業は親企業には文句が言えないというようなこと、それから中小企業に対して融資の道が講じられると、結果的にはそのために現金払いも手形になる、その手形の期間が延びていくというような形になってまいりますと、それは大企業のための融資緩和がはかられたにすぎないというようなことも実態であるわけでありますから、その点を十分お考えになりまして、下請代金支払遅延等防止法というようなものも公取とも十分お話し合いになりまして、この法の改正をする点は改正をやる、そしてこれは解釈がどんなにもできるようになっているわけでありますから、これをもっときびしく運用されるようなこともお考えにならなければいけないのだということを申し上げておきたいと思います。 これに大臣からお答えいただきまして、私の質問を終わります。
○河本国務大臣 信用保証のワクをふやしていこうということは通産省の来年度の大きな事業の柱になっております。御指摘のような方向にいま努力をする所存でございます。また、親会社からの下請企業に対する支払いの遅延防止ということにつきましても、これまた大きな問題でございますので十二分に配慮していきたいと思っております。
○松岡委員長 午後二時五十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十六分休憩 ————◇————— 午後二時五十二分開議
○松岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。神崎敏雄君。
○神崎委員 私は、戦後最悪の事態におちいった中小企業の現状について、まず通産大臣の現状認識について伺いたいと思います。
○河本国務大臣 最近の中小企業の現状を分析してみますと、総需要の抑制がもうすでに一年以上も続いております上に、金融的にも引き締めが続きました関係で、生産、販売、在庫、こういう数字を分析してみますと、非常に悪い状態になっている、こういうことが言えると思うのでございます。特に、金融面よりもむしろ仕事がなくなっておる、金を借りても仕事ができない、こういう非常に深刻な状態になっているのが現状だと思います。
○神崎委員 現状認識について、原則的な、現在出ている現象上の一つの見た目で大臣はそういうふうにおっしゃっていると思うのですが、私は少し掘り下げて大臣に申し上げたいのですね。というのは、中小企業庁のやっている中小企業の景況調査を基礎にされた現状認識では、大臣、きわめて不十分であるということをまずあげたい。なぜかといいますと、これは、特にいま深刻な事態におちいっている小零細企業に焦点が当たっておらないいわゆる一般的、平均的な調査結果であるということですね。 そこで、私の実態調査の結果を大臣に紹介いたしますが、時間の関係で一つ簡潔な実例をあげますと、大阪市の東住吉区、この地域はきわめて中小零細企業の多い行政区でありますが、ここでは昨年に比べて売り上げが減少した業者は五八%に達している。さいぜん長官は四六%と言われましたが、そうじゃなしに五八%に達しております。それから、四割以上減少した業者は三十二業種に及んでおるのです。このように、今日の中小零細企業の多くは受注と売り上げの減少で事実上失業状態です。実際に見てまいりますと、半日は仕事をしますが、あとの半日は出かせぎに出たり、奥さんがパートに出たり、こういうようなことをやらないと、現在生活ができないというのが現状なのです。いままでためていた幾ばくかのなけなしの預金も全部使い果たしておるというのが、現在のこの区における私の調査結果なんですが、その中で実に胸を打たれたものは、うまくいかぬために夫婦がその事業を続けていけないという観点からついに離婚をしている。あるいは自殺者まで出ている。自殺した場合は、新聞報道などで大臣もよく御存じだと思うのですね。特に最近の新聞で大臣よくおわかりだと思うのですが、事業不振のために銀行強盗をやった、あるいはデパートに脅迫的な借金を申し入れに行った、こういうような社会的な惨状までを引き起こしているというのが今日の中小零細業者の現状なんですね。この点について大臣はよく御存じなのかどうか。まあ、いまあげられたことはそのとおりで、総需要抑制の中で金融がない。金融がなくて非常に困っておる、仕事がないといって困っておる。いまは金を借りるよりも仕事がほしい。これはもう端的な中小企業者のいまの訴えです。また要求でもありますが、より深刻な状態としていまあげたようなことがある。これについてひとつどういうふうにお考えになるか、大臣から伺いたい。
○河本国務大臣 いま大阪の例をおあげになりましたが、私は隣の兵庫県の出身でございまして、兵庫県は中小企業が全国でも非常に多いところでございます。そういうことでございますので、私も最近の中小企業の現状につきましてはよく承知をいたしております。
○神崎委員 大臣が兵庫県出身でよく中小零細企業の実態をおわかりだということをみずからおっしゃったのですから、ひとつその観点に立って、あとの質問に対してお答えを願いたい、こういうふうに思います。 そこで、さきにも申しましたように、この不況の中で政府の中小企業対策はどのようなものかと申し上げますと、結局は政府系金融機関の融資ワクを幾らかふやしたこと、これなんです。それからもう一つは、きわめて実効性のない通達指導だけなんですね。そこで、大臣から私ははっきりこの際聞かせていただきたいのは、現在の通産当局がやっているあるいは中小企業庁がやっている中小企業対策というもの、あるいは措置というもので十分であるというふうに判断されておるのかどうか、それとも従来の施策のワクを越えて思い切った対策がこの際必要だ、こういうふうに判断をされておるのか、これをひとつ明確にしていただきたい、こう思います。
○河本国務大臣 通産省並びに政府が中小企業対策としてとっております措置は、いま御指摘のように金融面で考えられるあらゆることを配慮いたしておりますが、同時に、あわせまして、先ほども申し上げましたように仕事がないということで困っておるわけでございますから、仕事の面でいろいろ積極的に考えていくという二本立てで対策を立てております。しかし、何ぶんにも御案内のように総需要の抑制で非常な不景気な状態が続いておりますので、産業活動、経済活動そのものが全体として停滞をしておる、こういうさなかにおける中小企業対策でございますから、おのずから通産省の中小企業庁の仕事も制約される、こういうことで、考えられるあらゆる手は打っておるようでございますが、決して十分な状態ではない、かように考えております。
○神崎委員 現在の状態が十分でないということを確認の上でございますので、ひとつ抜本的な対策を要求し、また期待しておきたいと思うのです。 大臣が先ほどもちょっと触れておられたんですが、仕事がない、金がない、いわゆる史上最高のインフレの中で中小零細企業は仕事と金がなくて困っているという中で、十一月だけで千二百件、これは一千万円以上の負債を負うて倒れたところですね。したがって、一千万円でない九百万円とか八百万円で倒れているところを入れますと、大体これの約十倍ということが常識的にいわれております。そういうことから考えてみて、一月から十一月で大体一万二千件、総負債額は一兆三千三百億、これが一千万円以上の捕捉されたデータなんですね。だから、いま言うたように、一千万円以下の九百万円だとか八百万円ぐらいで倒れている人は、百万円ぐらいで倒れている人などを入れますと、大体これの十倍だと見ていい。しかもその中で不況業種として繊維とか建設、自動車部品あるいは家電、通信機、それから製材、合板、タイル、家具、こういうことで、先ほども長官が答えておられたように二十九業種が不況の業種になっておる。こういうようなことになれば、総需要抑制のもとで全体がそういう形になっているかというたら、そうじゃないですね、大臣。われわれが言うように、自民党の経済政策、政治路線が大企業擁護で、中小零細企業がいつも犠牲になっている。 こういう形で、私の言うておることがいかに事実であるかということを裏づける数字をあげてみますと、これは最近新聞で発表したものなんですね。これは時間の関係で二つか三つしかあげませんが、たとえば新日鉄の売り上げ高は、三月期で九千七百八十一億、トヨタ自動車は五月期で六千七百六十五億、松下電器が五月期で五千七百七十七億という売り上げをあげている。中でも、いま問題を起こしている三菱、なかんずく三菱重工の九月期決算が一番ひどい。この九月期決算で五千四百九十五億の売り上げをあげて、そして内部留保を八十一億五千万円しておるのですね。そして経常利益だけで三百三十三億円をあげている。これを堂々と発表しているのですね。そうすると、御承知のように、日曜、祭日等を取りますと、毎日約一億をこえる経常利益をあげている。同じようなこういう経済状態の中で、大企業は、時間の関係で二つか三つしか紹介しませんが、これほどのことがあるわけです。そして一方では強盗をやったり、夫婦別れしたり、首をつったり、こういう悲惨な状態が同じ次元の同じ現状の中で、同じいまの経済状況の中で起こっている。三木首相が常に社会的不公正を是正する、あるいは不公正はあってはならない、大臣もそうおっしゃっておられますが、現実問題としてこういうことが起こっているんですね。 そこで、ほんとうにいまのようなことでは現状の中小企業というものはもうたいへんな状態になる。年末からおそらく来年の二月ぐらいまでの間に想像のできないような状態になる。そこで、私は次の三つのことをあげて大臣から伺いたいのです。 まず第一は、従来の中小企業の施策の延長線上の対策で事足れりと判断するならば、なぜそういうことが言えるか。いま抜本的な対策をやるようなニュアンスの話がございましたけれども、もしも現状のようなことを続けていくなら、どのような根拠でそういうことを続けられるかということをこの際明らかにしてほしいと思います。あえて言うなら、そういう起死回生の特効薬みたいなものがあるならば教えてほしい。 第二は、思い切った対策が必要と、こういうふうにいま言われたんですが、もし現在の延長線上でない対策をおとりになるということであるならば、受注の確保についてどういうような施策を考えられておるのか、この点をひとつ具体的に示していただきたい。これが第二点であります。 第三点は、今日の中小企業のいわゆる経営危機を打開するために野党がいろいろ提案をしております。また考えております。こういうような提案を自民党は、当局は受け入れられる用意があるのかどうか。 この三点についてひとつお答えを願いたいと思います。
○河本国務大臣 初めに大企業の例を二、三お出しになりましたが、確かに数字はそのとおりだと思います。ただ、一面こういうことも考えなければならぬと思うのです。どの程度の総資本を使っておるのか、またどの程度の人間が働いておるのか、こういうことも考えてみなければいかぬと思うのです。たとえばいまおあげになったような例では、私は詳しい数字は覚えておりませんけれども、使っております総資本も二兆円とか三兆円とかいう巨大な額を投資している。そこで五万、十万という人間が働いておる、こういう企業でございますから、一がいにこれは多い、これは少ないというふうに断定するのはいかがかと、かように考えます。 それはそれといたしまして、中小企業対策でございますが、私は、いまちょっとお話にも出ましたけれども、やはり零細企業の対策というものをこれからは非常に重視していかなければならぬのではないか、こういうふうに考えております。中小企業の中でも特に零細企業を重視していく。こいう点に重点を置いていきたい、こう思っておるわけでございます。 それから、仕事の確保の面では、午前中もいろいろ質疑応答がございまして、住宅をふやすような話も出ておりましたけれども、そういうふうな官公需の仕事、その仕事を、若干の技術的な問題もありますけれども、中小企業のほうへできるだけ回していく。そうして仕事を確保していくということ。それから、親企業などが不振になりますと、ややもすると中小企業に回す仕事をばっさり切ってしまう、こういうおそれ等もありますので、そういうことのないように、親企業も苦しいが中小企業も、下請の企業も苦しい。同じように苦しんでいく。こういう形で仕事をばっさり切る、そういうことのないようにやっていく。いろいろな形で少しでも仕事が減らないように、少しでも仕事が回るように、こういうふうにいろいろ考えていくべきである、かようにいま考えておるわけでございますが、必要とあらばなお詳しい点は長官のほうから答弁をさせます。
○神崎委員 長官に答えてもらうのは、この問題と一緒に答えてもらったほうがいいと思います。 次にあげる問題は、中小企業の、いま大臣からもいわれている仕事の問題に関連するのですが、受注の確保をはかる上で、いま大臣の言われた官公需は、私は政府がその気になったらあしたからでもやれる、こう思うのです。大臣もそのことに触れておられますが、やろうと思えばすぐやれるのです。そこで、現在官公需の中小企業向けの発注の目標は、四十八年度、四十九年度、これは年度別にどうなっておるのか、その点を聞かせてほしい。また四十七年度、四十八年度の中小企業向け発注の実績はそれぞれ幾らになっておるのか。これはすべて金額で答えていただきたい。パーセンテージじゃなしに金額で答えていただきたい。
○齋藤(太)政府委員 中小企業に仕事を確保する対策の一環といたしまして、官公需を中小企業に確保するために、毎年閣議決定をいたしまして、中小企業向けの官公需確保対策をきめておりますが、今年度は官公需の総予算額が五兆一千三百五十二億でございまして、それに対しまして中小企業向けの目標額は一兆四千七百四十億でございまして、この割合は二八・七%でございます。それから、昭和四十八年度の実績でございますけれども、官公需に出されました総額が四兆四千二百億でございまして、これに対しまして中小企業向けの契約されました額が一兆二千二百六十億でございまして、この割合は二七・七%でございます。四十七年度がパーセントで二四・二%でございます。これは実績でございますが、ちょっと実額のほうはいま調べておりますから、すぐ申し上げます。
○神崎委員 四十七年度の金額はおっしゃらなかったですが、四十八年、四十九年は大体私の調べたと同じです。 そこで、まず目標額だけを取り出してみますと、四十七年度の目標は、これは中小企業向けですよ、一兆一千億だったのです。それから、四十八年度の目標が一兆三千四百億円でした。つまり四十八年度は前年対比で二千四百億円をふやす方針だった。ところが、四十九年度は前年対比で千三百四十億円をふやす方針になっている。四十八年より四十九年のほうが、ここに問題があるのですが、不況が深刻化している。それにもかかわらず、四十八年度の方針よりも中小企業向けの発注増大額が千六十億円も減少しているのは一体どういうことなんですか。
○齋藤(太)政府委員 四十八年度の目標額は一兆三千四百億でございましたが、実績は一兆二千二百六十億で契約額は確かに下がっております。ただ、これは総予算の実行の繰り延べがございました関係で総体の予算が減りました関係で、契約額が落ちたのでございますけれども、総体の発注されました官公需予算そのものもこれ以上に落ち込んでおります関係で、四十八年度の目標と実績は、実際の発注額に対しての統計をとりますと目標よりも実績のほうが上回った、こういった結果が出ております。
○神崎委員 これは長官、こういうことなんですよ。私の計算でいくと四十七年は一兆一千億だ。そして四十八年が一兆三千四百億。したがって、四十八年度は前年対比でプラス二千四百億ですね。ところが、四十八年一兆三千四百億、四十九年が一兆四千七百四十億。したがって、四十九年度は前年対比プラス千三百四十億円になるわけですよ。したがって、四十七年から四十八年の間のときはプラス二千四百億であって、不況が深刻化してこういうような非常に重大な段階が来ているときに、四十九年の総額が前年対比から見たら千三百四十億ですから、具体的にいうなら千六十億円のマイナスである。なぜこれがこういうような形になってきたのか。だから、口ではいろいろと、中小企業が非常に苦しいからいろいろ施策をやったりするようにおっしゃっておりますけれども、この数字にあるものは厳然としておりますから、そういう意味から見て、なるほどプラスである、プラスであるけれども四十七年−四十八年のプラスと四十八年−四十九年のプラスとを対比した場合は一千六十億も低くなっているじゃないか、ここを聞いているんですね。だから、非常に悪くなっているときになぜそういうことにしておられるのか、その根拠があればひとつ説明していただきたい。
○齋藤(太)政府委員 今回の目標は昨年の実績を考えまして、実績よりも大幅に伸ばすということで立てたわけでございます。今年度の官公需の予算の伸び率が一六%でございますけれども、中小企業向けの契約の目標率は前年実績に対しまして二〇%高くするということで、実際の中小企業向けのシェアを高める、こういった考え方をとっておりまして、前年の実績を見ながら翌年の目標を立てるということでいたしたわけでございます。
○神崎委員 そういうふうにお答えになるのは、そういう立場ですからそういうふうにお答えになっておられるだろうと思いますけれども、実際、数字としてこの目標額を見てみたら、私の言っていることはよくおわかりだと思うんですね。そうでしょう。こういうようなびほう策的な形では、いま置かれている中小企業の現状は回復もせなければ、言われていることと実際おやりになっていることとは非常に相反する。むしろ四十九年は、四十八年度から見てさらにもっと大きな実質的な予算処置をとるべきである。にもかかわらずいま言うたように、四十七年と四十八年との対比と四十八年−四十九年とでは、逆に金額では下がっておる。実績がそうであるというなら、実績はどのような行政措置やらいろいろな手続でおやりになったかについてはまたあとで言及しますが、少なくとも目標額においてはそのとおりであるということは、現在の中小企業に対してどのようにして守ろうかという目標、姿勢そのものに問題がある、こういうふうに指摘しておきます。 そこで、実績のいま言われたものですが、これを見ますと、四十八年度は四十七年度に比べて二千二百八十億円ふえているんですね。しかし、四十九年度は目標どおりに達成して、二千四百八十億円の増加です。そうすると、四十九年度の目標は、今年八月九日の閣議決定で決定されたように、中小企業の不況がすでに社会問題化している時期なので、閣議で特別に決定をしているというようなときに、なぜ四十八年とほぼ同じような水準の増加しかできなかったのか。しかも物価高騰は続いておるわけです。いま物価上昇率は低目に見て大体二〇%をこえてるのですね。この点を加味すればどうなるかといいますと、物価上昇率の二〇%で一つの試算をしてみた。そうすると、四十九年度目標額は一兆四千七百十二億円になります。つまり昨年に比べて中小企業向けの実質増はわずか〇・二%、しかもそれも弱ですね、〇・二%弱にすぎないことになる。こういうような事実について大臣、どのようにお考えになっているのか見解をひとつここで伺いたいと思います。
○河本国務大臣 総需要の抑制等がございまして、そういう面で若干計画どおりいかなかったのではないかと思います。 御議論を承っておりまして、もっと飛躍的に官公需をふやすべきである、そういうふうな御趣旨ではなかろうかと思いますが、技術の面や設備の面、こういう面の制約はございますけれども、なおよく検討いたしまして、ふやせる分はできるだけふやしていきたい、こういうふうにやっていきたいと思います。
○神崎委員 前向きの答弁をいただきましたので大いに期待をいたします。 そこで、いま大臣もおっしゃった官公需について、いわゆる中小企業者の受注の確保に関する法律、これの第三条の定める条項、すなわち、国等は「中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。」この定めにもこの目標では忠実でない、私は法律の厳正な運用に欠けることを指摘しておきたいと思うのです。その姿勢の転換として、いま大臣から現状を根本的に洗い直して官公需を中小企業向けに大幅に移行していかなければならない、こう御答弁いただいたのですから、それ以前に私は数字をあげているわけですね。だから、いま大臣お聞きのように、こういう状態になって、しかも閣議決定までしており、また法律でもきめられておる、そういうような状態ですので、ぜひともいまお答えになったような調子で中身の充実をしてほしい、私はこう思うのです。 そこで、八月九日の閣議で中小企業の受注の機会を増大さす措置として六項目にわたって決定しております。この決定によりますと、諸項目に関する措置状況を中小企業庁長官に通知するとともに、長官と密接に連絡をし、その方針の実施に遺憾のないようにつとめよ、こういうことになっております。 そこで、長官に伺いますが、この決定どおりに密接にあなたのところへ連絡をされて、通知されてきておる省庁はどことどこなのか。これは事実に基づいて、一般論じゃなしに答えていただきたい、こちらで調査しておりますから。
○齋藤(太)政府委員 この八月九日の閣議決定に基づきましての実施の確保につきましては、各省庁を集めまして連絡会を開きまして説明をいたしますと同時に、特にこういった不況の情勢になってまいりましたので、先月の二十八日に各省庁の責任者に再度受注機会の確保につきまして十分この閣議決定の趣旨を尊重するように、文書をもちまして長官名で依頼をしたわけでございます。 なお各省庁の最終的な、中小企業向けに発注いたしました実績につきましては、毎年度終了後に通産大臣に報告をするようになっておりまして、年度終了後に集計をいたすことにいたしております。
○神崎委員 私の聞いたのは、中小企業庁長官に各省庁の責任者といいますか、これが通知をして、そうして長官と密接に連絡をしてこの閣議決定のいわゆる六つの項目を実施することに万遺漏ないようにやれ、こういうふうなのに、いま伺うと長官のほうから集められて、そして協力を呼びかけられた、そして年度末に言うてくるのだ、こういうことだったら、まだ何にも、どこも言うてきてないということですね。
○齋藤(太)政府委員 実績報告等は、年度末ということでございますのでまだ各省庁から参っておりませんが、私どもの要請を受けまして、たとえば建設省は、建設工事の発注について関係向けにまた通達を出すといったようなそれぞれの措置はそれぞれの省庁におきましてとっていただいております。
○神崎委員 率直に私も腹を割って聞いているのです。どこも言ってこないということはわかっているのです。言ってこなかったら言ってきておらないとお答えになったらいいのであって、この六項目を一々読み上げたら、そんななまぬるいことであっていいのかどうかということになりますよ。いま非常事態なんですよ。異常な事態なんです。だから、現状認識を冒頭に大臣に伺っているわけです。大臣も現状がきわめてきびしいものであるということを認められて、そして改善の方向について前向きの答弁をされているのです。これは三年前のような状態ではないのです、いまは。だから、八月段階で特別に閣議で決定されているのですね。それを各省庁が順守しない。そうして中小企業庁長官のところに結集しない。これは年度末までほっておくというような状態にあってもいいというようになっておらぬでしょう、六項目は。年に一回だけ長官のところに報告したらいい、じゃ、密接なる連絡というのは一体どういうことなんだ。密接なる連絡ということは、年に一回ならあえて密接なる連絡というような表現をしなくてもいいでしょう。だから、具体的にはこれは空文化されておる。まじめに中小企業対策の措置をやっておらないということを逆に立証したことになる。だから、こういう閣議決定をして、そうして天下に中小企業の階層を守る、こういうようなアドバルーンを上げられるなら、もっと具体的にそれを実施し、そうして責任庁である中小企業庁は、なかんずく長官はどんどんと各省庁にそのことをやはり催促するなりあるいは向こうから情報を持ってこさすなりすべきだ、年度末一回でございますというような調子でやっておられるというのはきわめて現状認識が不十分であり、私はあえて言うならば職務的にも怠慢じゃないかと思う。だから、こういうような目標の数字で甘んじておられる、まさに現状認識が間違っておる、こういうふうにいわざるを得ない。この一兆四千七百四十億という数字は、結局は各省庁の計画を積み上げたそのトータルなんです。だから、当局は各省庁の官公需予算の執行について、いま大臣がおっしゃったように、調べてみてなお中小企業向けに発注できるようなものがあるかどうか、そして中小企業の経営を保護していく、こういうふうに一段とやらなければならぬとお答えをされたのですが、この四十九年度の一兆四千七百四十億円という目標を出されるときに、各省庁から来たいわゆる官公需の予算の執行、発注計画に対して中小企業庁長官は一つ一つ検討されたのかどうか。これはもっと中小企業へ回してよろしいというように、閣議決定に基づいた指導を各省庁にされたのかどうか、この点どうですか。
○齋藤(太)政府委員 まず、最初の年度途中の問題でございますけれども、私、申し上げましたのは、中小企業に発注しました最終的な実績は年度が終わりましてから報告が来るということでございまして、この閣議決定をいたしました趣旨に沿いまして、たとえば七品目の官公需特定品目の発注計画というものを、中小企業団体等を通じまして中小企業者に情報として流す、こういったことは四半期ごとに現に実施をいたしております。 それから、事業協同組合を大いに活用してもらうということで、適格組合の申し出がございました場合には審査をして適格組合の証明をいたして、これが官公需の場合には活用される、こういった点も実施をいたしておるわけでございます。 それで、この目標をつくります際の作業でございますけれども、各省庁にお願いをして目標をつくってもらうわけでございますが、私どもとしましては常に、特に今度の場合には前年よりも上回る目標でやってほしいということで、各省庁の作業を督励をいたしまして、こういった数字が出てまいったのでございます。
○神崎委員 長官、上回るようにせよということだけですか。金額だけを上回るのか、あるいは実際問題として、官公需は大企業に出さなくても中小企業でいいというようなことで、いろいろ点検をされたり検討をされて、チェックをされて、そして全部トータルしてみたら中小企業向けのほうが多くなるように、目的意識的にそういうふうな形で作業にタッチされたのかどうか。ただ、去年よりも少しふやせという程度のことで、結局出てきた数字が積み重なったらこういう数字になった、こういうことなんですか。
○齋藤(太)政府委員 予算の執行は非常に内容が複雑でございまして、各省庁が持っております予算でやっておりますので、大まかに申しますれば、各省庁にお願いをいたしまして、単に実額が上回るだけではございませんで、発注予算額の中の中小企業向けのシェアも上回るように計画を組んでもらうようにお願いをいたして、先方で作業をしていただいております。 〔委員長退席、森下委員長代理着席〕 特にこの七項目の、たとえば繊維品でございますとか紙の発注計画とかあるいは印刷、潤滑油、こういったものにつきましては、私どものほうで個別にこういった比率まで上げてほしいといったようなことで各省庁にお願いをいたして作業をいたしております。
○神崎委員 そうしたら、長官、ことしはふえるわけですね。
○齋藤(太)政府委員 そういうふうにお願いをいたしまして、ただいまのような目標数字ができ上がっておるわけでございます。
○神崎委員 それが結論だから不十分だということを先ほどから言っているわけなんです。 そこで、大臣に聞いていただいて、お答えをいただきたいのですが、たとえばいま言われた長官も相当力を入れた、各省庁も協力した、そうして積み上がったものが一兆四千七百四十億だ。これは二八・七%だと先ほどおっしゃったですね。これを中小企業の現況から見て、少なくとも官公需総額の五〇%以上は中小企業向けに発注するという緊急処置をとるべきである、こう思うのですが、先ほど大臣から相当思い切った形で官公需発注を考えてみる、こういう御答弁をいただいたんですが、いま言われている二八・七%を少なくとも五〇%をこえる、そういう形の方向にひとつ思い切った措置を考えられないかどうか。このことが、金融だけではなしに、いま金を借りるよりも仕事がほしいと言っている中小企業者に、ほんとうに少し息が吹き返されるようなカンフル的な重要な役割りになると思うのです。それについては、何も特別な処置をとる必要もなければ、あらためて財源を保証するものでもなし、大企業に向けて発注しておったものを中小企業に向けて発注すればいいのであって、そういう形から中小企業を具体的に守っていくという、そういうような構想、考え、実施等について、お考えがあるのかどうか、ひとつ大臣から聞きたい。
○河本国務大臣 大企業の仕事ですと、二、三年もかかるような仕事が多いわけでございますから、あるいは年度末に実績を集計すれば大体の見当がついて支障もない、こういうことだと思いますが、中小企業の場合は数カ月で終わるような仕事が多いと思うのです。でありますから、やはり少なくとも三カ月ぐらいには一回、各省庁間の中小企業向けの仕事はどうなっておるかというふうなことについて、やはりもう少し具体的に連絡をとってみる、相談をしてみる、こういうことが必要でなかろうか、そういうことを先ほど質疑応答を通じまして私は感じたわけでございます。ただ、御指摘のように一挙に五〇%にふやすということは、これは先ほども申し上げましたように中小企業にはやはりそれなりの力しかないわけなんです、設備の面でも技術の面でも信用の面でも。でありますから、何でもかんでも中小企業に回すというわけにはいきませんし、もう年度末でございますから、特に来年からことしの目標二九%をどの程度ふやせるかということについては、十分検討いたしまして、中小企業の能力に応じてふやせるだけふやしていく、そういうふうに検討してみたいと思います。
○神崎委員 それは常識的な答弁でございまして、それはそのとおりでございますが、たとえば私は新幹線を中小企業にやらせろとかあるいはトンネルをどうせよとか、そういう大規模なことを言っていないのですね。たとえば官公需で住宅を建てますね。そうすると住宅、市でやれば市営住宅、府でやれば府営住宅といいますか、県でやれば県営住宅でしょう。ああいう住宅というものがいま不足して、国民が非常に要求しているのですが、あれなどをどんどんお建てになると、まず電気工事が入ってくる。水道工事が入ってくる。そして畳屋さんも潤う。ふすまから障子から——住宅などは非常に平和的な産業でもあり、国民が要求している、しかも不足している、これなんかをどんどんと積極的におやりになれば、そのことで中小企業は非常に広範囲に事業が活況になっていく、こういうことが一つあります。 〔森下委員長代理退席、委員長着席〕 もう一つは、官庁でお使いになっているノートとか鉛筆とか、いろいろそういうふうな消耗材など、聞くところによると、デパートで一挙に仕入れてみたり、いろいろなことをやっているところもありますが、そういうものは、零細な文房具屋のようなところから意識的に買うように配慮する、そういうような形にずっと姿勢を転換されたら、もう二八・七%まできているのですから、すぐ改善される、そうむずかしいものではない、ほんとうに中小企業をいまの状態から救おうと思うなら、思い切ってやるべきだ、こういうことでございます。 それで、やろうと思えばこれは非常に簡単にやれるということについて、次の五点を私は取り上げて申し上げます。 まず第一に、予算決算及び会計令を改正して、また現行の法令に基づく諸方針を改めたらこれはできるのですが、こういうようなむずかしいものでやらないで、業者の認定、いろんな形を改められたらまずいける。第二は、中小企業に優先的に発注するいわゆる官公需特定品目、これを拡大していけばいいのですよ。三番目には、分割発注や資金、技術等の援助を行なえばいい。これだったら中小企業もけっこうやっていける。四番目には、各省庁等の発注計画を事前に機敏に中小業者に関知徹底させる処置をとればいい。仕事があってもわからないのですよ、特定のグループ以外は。これが四番です。第五番は、契約文書をそれぞれの事務所で閲覧に供することだ。こういう措置をとれば中小企業だっていま官公需が発注されているものを相当受注する能力を持っているし、消化する能力もあります。また、それを意識的に金融面においても技術面においても援助し、保護していく、育成していく。そのことが中小企業対策の背骨だと私は思うのです。ワクだけふやして、そうして一方ではそれの該当条件だけ強化する、こういうことではだめだ。 これは生きた一つの実例ですが、東京都の場合を研究しました。東京都の場合は、四十七年度と四十八年度を比較しますと、物品購入は、一八・九%を増加させて五一・九%を中小企業に出しているのですね。それから、工事は、五・八%だけ増加させて四一・六%を中小企業に発注しているのです。そうして東京都当局は等級ランクの変更や分割発注など政策的な処置をとったこと、これをこういうことができた第一の理由にあげているのです。さらに大切なことは、大企業に発注していた単価を例示して発注した。その結果予算の浪費は生じなかったと言明しているのです。 一般的にいわれると、中小企業にやりたいけれども、消化能力がないとか、あるいは逆に単価が高くつくとか、こういう形で大企業に流れていったからこういうような状態になっている。しかしながら、東京都の実例はそうじゃなしに、具体的にこうして率ができているわけです。ところが、国の場合はきわめて問題が多いですね。たとえば閣議決定では分割発注の方針を掲げ、法律で中小企業者の受注機会の増大をはかり、中小企業の不利の是正につとめる、こううたっておるのです。うたっておりますけれども、にもかかわらず、不経済購入を来たさないようにこういうふうにしておるのです。そこで、郵政省は、指名競争参加の指名基準に他官庁との取引の実績を問うているのです。このような各省庁の方針を改めたら、これは非常に積極的に前向きに転換できる、こういう形から強調しているのですが、もう一回大臣に、ひとつあらためて伺いますが、この私のいまあげた五点の提案、これについてどうお考えになり、どのようにしようというふうにお考えになるか、御答弁をいただきたい。
○河本国務大臣 当初に住宅のことをお述べになりましたが、住宅をふやして中小企業の仕事を増加するというお考えは全く賛成でございます。そのような方向で政府部内でもいま意見の統一をはかっておるところでございます。 なお、具体的に五つの方法についてお示しになりましたが、東京都のようなところと中央政府の場合は若干事情は違うと思いますが、いまお示しになりました五つの方法につきまして具体的にそれができるかどうか、これは中小企業庁の長官からまず意見を申し述べさせたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 国の場合には仕事の性格が若干府県と違う面もございまして、たとえば非常に大規模なプロジェクトが多いとかあるいは防衛庁の艦船の発注等のように高度の技術を必要とするような発注があるとかいったようなものもございまして、なかなか一挙にこの比率を引き上げることはむずかしい面もあろうかと存じます。また、もう一つは、予算の適正な執行というような面からの要請もございますので、その辺を考慮しながら中小企業が消化できる限りにおいてこの比率を引き上げていきたいと私ども考えているわけでございます。 大体、日本の製造業の出荷額の五割を中小企業製品で占めておりますが、これは部品とか下請の場合も含んでおるわけでございまして、官公庁が発注をいたしますものは最終製品でございますので、最終製品の中で中小企業が五割を占めるということはなかなかむずかしい面もあるのではないかと考えます。ただ、大企業が受注しまして、さらにそれを事実上下請が出してきた部品を使っておるとかいったような形は相当あると思いますので、あるいは再下請に出すとかその数字は正確には計算しておりませんけれども、そういった面を勘案いたしますと、現実には相当な量になっておるのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。 なお、御提案のございました五項目につきましては、予決令の改正は非常にいろいろ問題がございますが、私ども引き続き検討いたしたいと存じます。七品目の拡大につきましても、可能な限りそういう方向で努力をいたしたいと存じます。それから、分割発注を推進し、これに資金、技術援助を与えるということにつきましては全く私どもも同感でございまして、そういう方向で進めたいと考えております。各省庁の発注計画を極力早く知らせるという点につきましては、いま七品目につきましてはあらかじめ発注計画を中小企業の中央会等を通じて流しておりますので、もしまだ不十分でございますればよく徹底をはかるようにPR方をつとめたいと存じます。そのほかの項目につきましても可能な限りそういう方向で努力をいたしたいと存じます。契約文書の閲覧の件は、会計法規等々との関係がどうなりますか、もう少し研究をいたしたいと存じます。
○神崎委員 大体においてけっこうであります。ぜひともひとつ前向きに検討していただいて、そして考えの基礎、基本といいますか本質といいますか、研究の基準になるところで一つの問題点に当たった場合に、頭からこれはだめだという形で過去のような形に整理しないで、ときあたかもこういう現況ですから、大臣もそういう姿勢なんだし、あなたもいまおっしゃったような姿勢なんですから、極力法律などを改定されて、いま私が提案したことを全面的にひとつ生かしていただくように、いま言われた中で問題点は二つくらいだと思いますが、できることはひとつ可及的すみやかに実施していただきたい、こういうことを申し添えておきます。 そこで、最後に金融問題について二点だけ聞きますが、中小企業振興事業団が行なっている業務の中で無利子の融資制度にどんなものがありますか。そして四十七年、四十八年度のその実績は金額では一体幾らになるのか、またその財源はどういう財源なのか、これを聞かせてください。
○齋藤(太)政府委員 中小企業振興事業団のいわゆる高度化資金は、中小企業が共同して事業を営みます場合に特定の目的に対しまして非常に安い金利の融資をいたしております。そのうち、特に無利子で行なっております事業といたしましては、零細な企業だけが集まりまして共同工場をつくります場合、それから共同で設備を廃棄してそれを残った人たちが買い上げるということで事業の転換をはかっていきます場合、それから共同で公害防止施設をつくります場合、それから同和地区での高度化資金、地域集約化の方向へのいわゆる試験研究等の設備を実施する場合、それに商店街の関係で一定の要件に該当した商店街の公共施設、たとえば街路灯等、共同駐車場等を設置する場合、こういう場合にその八割を融資をして、これが無利子で行なわれる、こういうことになっております。その資金の出し方といたしましては四割を振興事業団が出し、府県が四割を出し、合計総所要額の八割を融資するというような仕組みで行なっております。 なお、振興事業団が無利子融資をいたします原資は、国からの出資によっております。
○神崎委員 金額をおっしゃっておらなかったわけですが、大体いまおっしゃったとおりで、公害防止共同施設、小規模企業者の工場の共同化事業、同和高度化事業、地域集約型共同事業、小売商業振興法に基づく事業、こういうものが無利子の融資を受けられる。それについて財源は一般会計ですね。一般会計からの出資で四十七年は三十二億二千六百五十万円、四十八年は五十九億四千四百五十万円、これだけ出ておるわけですね。 そこで、最後に聞きたいのは、冒頭に申しましたように、中小零細企業の現況にかんがみまして、倒産関連及び不況業種に指定された業者のうちから特に小企業者の——小企業というたら従業員が、製造業で大体五人以下、商業、サービス業でほぼ二人以下、これに対しては、市町村または特別区長が必要と認めた場合には二百万円までを限度にいたしまして二年間ぐらいの無担保、無保証人、無利子の融資制度を創設すべきであると私は思うのです。これについて、私の試案では、これをおやりになっても利子補給の財源は年間大体六十億円で済む。そこで、いま五十九億四千四百五十万円ですから、この上いま私があげたようなことでやれば大体無利子制度をやっても年間六十億円で事足りるんだ、せめてとりあえずこれだけはやったらどうか、こういうふうに思うのですが、大臣、最後にこのことを聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○齋藤(太)政府委員 中小企業の事業資金の確保につきましては、特に零細企業向けには、たとえば国民金融公庫におきまして三百万円まで無担保で融資をいたしております。また、信用保証の面におきまして百五十万円まで保証人なし、担保なしの保証制度というものもございまして、無担保、無保証といった制度はいろいろできておりますけれども、やはり事業資金でございますので、全く金利をゼロにするということは現状ではなかなか困難かと存じます。 ただいまの無利子融資制度は、中小企業の構造の改善ということでやっておる仕組みでございまして、府県と共同でやっておる制度でございますが、非常に限られたケースでございまして、ただいまお話しのように広く一般の中小企業向けの融資制度の中に無利子融資ということは現状では困難ではないかというふうに考えます。
○河本国務大臣 無利子の貸し付けをつくったらどうかという提案は、予算委員会でしたか、本会議でしたか、ございまして、私もいま長官が答えたと同じようなことを説明したわけでございますが、私は、現在、いま説明しましたようないろいろな制度がございますから、この制度をうんと資金をふやしまして積極的に活用していく、それで十分いけるのではないか、かように考えております。
○神崎委員 いまあげたように、たかだか二百万円の融資限度で、しかも二年間ぐらいという年限もつけて、無利子制度というものを地方自治体等はもうやっているところもありますが、国でそういうことをやられても財源は六十億円だ。これぐらいのことをやったら、三木内閣も、あるいは河本通産大臣にかわって、中小企業は、いままでないことをやはり一歩前進したな、こういうふうになると思うのですがね。大いにこのことはひとつ研究をしてもらって、先ほどの範疇に入れる人たちは十分その中に入っていきますから、入れない人たちを助けるという形から提起をしているわけなんです。 日銀の発行高は、十二月末では十一兆九千五百億円で、前年度対比で一八・三%伸びているというのですね。そして一万円札が三十五億枚、一枚ずつ積み上げていったら三百四十キロメートルになる。富士山の約九十倍だ。富士山の約九十倍も札が出ているのに、その中でたりた百枚か二百枚の金がないために首をつったり、倒産をしたり、政府の政策の間違いから常にショックを受け、常に犠牲の先頭に立っているのが中小企業であります。だから大臣、ひとつ思い切ってそういう制度もつくってみる、こういうふうに研究をされるかどうか、もう一言前向きな答弁を私は求めたい。
○河本国務大臣 無担保、無保証という形での融資は大いに拡充したいと思います。それから、金利の引き下げということも具体的に大いに検討してみたいと思います。ただ、いま直ちに無担保、無保証、無利息、こういう内容のものを実現できるかどうかは、もう少し研究しませんと、ただいま確定的なことは言えない状態でございます。
○松岡委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 非常に限られた時間の中で何点かお伺いしたいと思っております。どうか簡潔に誠意をもってお答えをいただきたいと思います。 まず初めに、独禁法の問題についてお伺いしたいと思っておりますが、独禁法の問題につきましては、田中さんにかわりました三木内閣の重要な柱になっておる、こういうことを聞いておるわけでございます。三木総理は、次期通常国会に改正案を提出するということを言明されておられるわけであります。一方、公取委員長のもとでつくられました試案につきましては、法律学者あるいは経済学者の支持声明が出される等、この独禁法の改正問題はいよいよクローズアップされてきておるわけでございます。ところが、最近三木総理と中曽根幹事長の会談の経緯等を見ておりますと、この改正の内容につきまして期待できないものになるのじゃないか、そういう非常な危惧を持つわけでございます。政府としましては、改正案提出のために総務長官の私的協議機関として独禁法改正懇談会を設置したわけでございますが、これは公取試案をまとめました独禁法研究会、さらには独禁懇に屋上屋を重ねておるんじゃないか、このように思うわけでございます。こういう中で、専門家の取りまとめました公取試案というものはどのような取り扱いがなされるのかということでございます。 そこで、公取委員長にお伺いしたいと思うのですが、この最近の改正問題の動き、特に公取試案との関係についてどのように思っておられるか、率直にひとつ御感想をお伺いしたいと思うわけです。
○高橋(俊)政府委員 時間の関係もありますから、あまりくどくど申し上げたくないのですけれども、御承知のとおり、この改正試案は相当に時間をかけて練り上げたものである。ただし、その関係された方はおもに学界の方、評論家の方であるというようなことから、ただいまおっしゃられましたように、経済学者あるいは法律学者等からかってない大きな支援を受けておるという事実から見ましても、少なくとも、方法論的に若干の問題点はあるにいたしましても、試案のねらいとするところのおもなる方角、方向については、ほぼそれらの専門の方の御支持を得ているものと思う。だから、世論という意味でいえばどの辺までをさすのか知りませんけれども、少なくともそういった専門家の方から見れば、そういういま私が申し上げたような性格のものであろうと思います。でありますので、いろいろないきさつ、いまおっしゃられたようないきさつがありました。そして、総務長官の諮問機関といいますか、私的諮問機関として、いわゆる専門家のみに限らず、やや中立的な方やあるいは消費者、労働組合等の方をもメンバーに加えて意見を総合的に承りたいという御意見に対しまして、私どもは、これは確かに御丁寧過ぎるという批判もあるでしょうけれども、やむを得ないことではないか。この問題がとかく政治的に扱われるという傾向が強く、そうなった場合には非常にあつれきその他の問題が生じまして、スムーズに国会提出ができるかどうかさえ危ぶまれたわけでございますから、それに比べれば三木総理がそれを非常にき然としておっしゃった、そういう非常にワクを狭めて検討するというふうなものじゃないんだ、もっと広範に自由に意見を聞いた上で政府案をまとめたいと、こうおっしゃっておられる。私は、その総理の熱意に対しては十分信頼を置くのが私たちのあるべき姿だと思います。ただ、それだけで全体の意見がまとめ得るかどうかという点では、はっきりした見通しはわかりません。ですから私どもは、はっきりその中身を見ないうちは安心したということは申せません。それだけに今後もそれらの運び方などに対して十分注目しながら、私たちは私たちなりの努力、どういうことをするかということは申し上げられないにしても、われわれの意のあるところができるだけその政府提案なるものに反映するように努力していかなければならぬと考えておりますが、しかしあまり出過ぎたことを言うのもせっかくのそういう発想に対して逆に横から水をさすようなことになってはいかぬということでありまして、慎重に対処していきたいと思っております。おそらくわれわれのほうの試案が全く無視されるようなことにはならないのではないかというふうに思っておりますが、これは私たちのうぬぼれというのじゃなくて、先ほど申しましたいろんな専門家の方々の理論的なあるいは実際的な支持があるというような点に私ども期待をつないでおるわけでございます。そういうことでありますから、いわゆる純粋に政治的な立場から安直に扱われるというのじゃなくて、慎重ではあるが、とにかく相当な検討を尽くすということに対しては、私どもはけっこうなことであるというふうに申し上げておくほかありません。
○近江委員 委員長が御努力されましてまとめられましたこの公取試案につきましては、わが党の改正案も提出しておりますし、それから見ますと若干の欠落はありますけれども、非常によく努力された。したがいまして、この公取試案の中身についてはぜひともこの改正案の中で十分に生かしていただきたい、こう思うわけであります。公取委員長も、今後見守り、反映するように努力したいということをおっしゃっておられるわけでございます。しかし、政府の動きを見ておりますと、財界がまた突き上げてくる、また、ぐらぐらするというようなことで、非常に骨抜きにされていく心配があるわけですが、そういう傾向がさらに強くなってこられたときには、公取委員長としては何かアピールされるお考えがございますかどうですか。
○高橋(俊)政府委員 どういう手段、方法を用いるかは別といたしまして、いまおっしゃったように、これは仮定の話でございますから私も仮定としてお答えいたしますが、重要な柱が根こそぎとまでは申さなくても相当程度に抜かれて、あるいは完全に変貌するというふうなことになりますと、私の見るところ、国会における審議においてもこれはスムーズにいかないという感じもあります。そういうことで、せっかくのあれが折れ合わなくて結局流れてしまうというふうなことになったのでは私どもとしてはたいへん残念に思いますので、アピールというのはいかがかと思いますが、倒れかけた柱をもう一ぺん起こし直すというふうなくらいの気持ちで、まあ何らかの努力をしてまいりたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○近江委員 この問題につきましては、公取委員長としては非常に神経をとぎ澄まされて、動きについては注目されておられると思うのでありますけれども、この改正問題懇談会の今後の日程であるとか改正案提出のスケジュール等について、お聞きになっていらっしゃる点がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 いまのところ承っておりますのは、二十七日に第一回の会合を行なう、その場合、総務長官の午前中の話もありましたが、会議の進め方ですね、懇談会の進め方をどうするかというふうな取り扱いの手続的なことがおそらくその日のおもな話し合いになるのじゃないかと思うのです。それからあとは、来年になってどのような頻度で行なわれるのか、それらも問題でございますが、それらについてはいまのところ総理府自体でもまだ全くきまっておらないようでありまして、したがって連絡を受けておりません。
○近江委員 前通産大臣の中曽根さんは、この公取試案につきまして、これは高橋委員長の私の案である、そういう意味のことをおっしゃったわけですが、これにつきましては新大臣の河本さんはどう思われるかということをまずお伺いしたいと思うのです。それから、財界等の非常に強い意向もありまして、現在のこういう寡占体制についてどうするかという問題につきまして、企業分割あるいは原価公表等につきまして、通産省はどちらかというと非常に消極的である、反対であるというような空気をお聞きしておるわけでございますが、新通産大臣は、この独禁法の改正問題、特に公取試案につきましてどういうような御見解を持っておられるか、御所見をお伺いしたいと思うわけでございます。
○河本国務大臣 中曽根前大臣が公取案に対しまして若干言及されたということは聞いておりますが、私は、前大臣から詳しくは聞いておりませんけれども、いろいろ情勢を判断いたしますのに、前大臣は、公取が案をつくられるに際して、今回総理府に設けられるような、ああいうふうなたくさんの人たちから意見を聞いておつくりになったものではない、こういう趣旨のことを言われたのではなかろうか、こういうふうに推察をいたしております。 それから、案の内容についてでございますが、これはせっかく今度懇談会ができまして、二十七日には第一回の会合があるようでございますし、自由民主党には専門の委員会もでき、委員長もできたようでございます。ただ、いまからいろいろ検討されるわけでございますから、通産省といたしましては、全くただいまは白紙である、かように申すのが一番正しい状態でなかろうかと思います。ただ、私どもは、今回独禁法の改正がされるゆえんのものは、消費者の保護もありましょうし、あるいはあわせて新しい自由主義経済におけるルールというものをしっかりつくっておきたい、こういう御意見もあるのだと思うのです。それはたいへんけっこうなことだと思いますが、それにつけましても、私は現在の自由主義経済における活力というものは阻害されないような方向でひとつこの案というものができることを望みたいと思うのでございます。
○近江委員 活力を阻害されないということをおっしゃっているわけですが、いままでどちらかというと自由主義経済というのは、結局、企業がやみカルテルをやってみたり、好きかってなことをやっておった。そういうことができることが自由なんだというような、そして喜びを持っていわゆる物価つり上げをやる、そういうことが活力であるというような感じを持っておるように私は思うわけですね。ですから、なぜこういうような独禁法の改正というものが出てきたか、こういう背景についてどのように認識していくかというところからこれは出発するんじゃないかと思うのです。最近のこういう寡占化の構造から容易にやみカルテルもできるということになってきますと、やはりそういう寡占化の構造に対してもきちっとしたルールをつくっていかなければならぬ、こう思うわけですね。その点、いわゆる活力を阻害されないということはどういう意味ですか。
○河本国務大臣 独禁法を改正するということは、これは新しい三木内閣の基本的な政策の一つであると思います。総理もこの問題にたびたび言及せられまして、ぜひこれは実現をしたい、こういう趣旨の発言を繰り返ししておられますし、その際、やみカルテルというふうなものは、これはもう排除しなければいけないし、独占価格が市場を支配して、そのために消費者が非常に迷惑をする、そういうこともなくしなければならぬ、こういうことを言っておられますから、私の活力といった意味は、いま御質問のような趣旨では絶対ないわけでございます。
○近江委員 大臣として、現在のそういう市場構造の実態であるとか、その規制に関して企業分割とか原価公表についてはどういう認識をお持ちですか。
○河本国務大臣 通産省といたしましては、目下あらゆる角度から検討を続けております。ただしかし、先ほども申し上げましたように、内閣に懇談会ができまして、その発足の直前でございますし、党のほうでも正式の委員会ができたわけでございますから、そういうやさきにおきまして、いま通産省のいろいろ作業中の仮定の意見を申し上げるのは適当でなかろうと思います。
○近江委員 いずれにしても、この公取試案というものは、先ほども申し上げましたように、私たちは、抜けておる部分はありますけれども非常に評価もいたしておりますし、大臣もひとつそういう立場で、国民サイドに立って通産省としてまた力を入れていただきたい、このように思うわけです。 この改正案につきましては、私どもすでに提案もいたしておりますし、各党も準備されるんじゃないかと思うわけでございますが、その際、この公取試案が柱になるわけでありますけれども、私たちのそうした主張も十分取り上げて法改正をしていただきたい、このように思うわけですが、この点につきまして公取委員長、また通産大臣から、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 実は、もう現段階におきましては、少なくとも表から見る限り、私ども実際協力は申し上げるつもりでおりますが、問題の取りまとめというものは総理府の総務長官のほうに移ってしまっておるわけですね。そして、それらの方々が、先ほど申しました幅広いメンバーの方の御意見を聞いた上で、御意見そのものを取りまとめるというんじゃないけれども、それで原案をつくりたいとおっしゃっておられる。したがいまして、いまお話しの、各野党の方々が苦心していろいろ出されております問題をどの程度に吸収するのか、参考にされるのか、それはどうも私の口からは言えない立場になっちゃったんです。もうこの段階に来ますと、私どもの原案を、また試案をいじくり回してああだこうだというのはちょっとタイミングが悪いと思いますので、その点については、いま私は答えるべき立場にないということを御了解いただきたいのです。
○河本国務大臣 通産省の意見もまだ最終的には固まっておりません。ただ、私どもも幅広く各方面の意見を聞いて、これから意見をまとめていきたい、かように考えております。各方面の意見を幅広く聞いていきたいと思っております。
○近江委員 じゃ、公取委員長はけっこうです。 非常に限られた時間でございますので、次に三菱石油水島製油所の事故についてお伺いしたいと思います。 これも時間の関係がありますのでポイントをひとつお伺いしたいと思いますが、この事故につきまして報告も先ほど受けたわけでございますが、私が思いますのは、一つは、全容量の防油堤を当然築くべきである。ところが、現在の防油堤というものは約五〇%程度しか防ぐことができない。ですから、この問題についてはどう思われるか。それから、特に瀬戸内海は御承知のように六十年に一回ぐらいしか水がかわらないといわれております。こういうようなことが起きますと、これはもう、現在ただよっております重油がさらに沈んで、魚介類にも多大な被害を及ぼしていく、これはまたエコロジーの大きな問題になってくるわけです。そういうようなことになってきますと、現在のそういう防災体制の不備のもとにおきまして、今後通産省としては九十日間の備蓄をするということを政策として打ち出しておられるわけです。そのための新立法もされるんじゃないかと思いますけれども、そういう点からいきますと、こういう瀬戸内海のような地域においては絶対に増設はさせないという強い大臣の決意がこの際必要じゃないか、私はこう思うわけです。 この二点についてまずお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 実は私どもも今度の事故が単なる一つのタンクの事故であるというふうには考えておりません。この問題のためにエネルギー政策、また日本の産業政策全体に悪影響があっては困る、こういう角度から大きく考えていきたい、かように考えておるわけでございますが、なおもう少し原因等について、大体のことはわかっておりますが、技術的に究明をいたしまして、そして今後の対策を十分立てていきたい、こういうふうに考えております。
○森岡政府委員 防油堤の容量につきましては、一基の場合には五〇%でございますが、複数の場合には、最大のものの五〇%と他のものの一〇%というものの総和というきめ方をしておりますが、これで十分であるかどうかにつきましてなお問題があろうと思います。したがいまして、今回の事故を一つの契機といたしまして、防油堤の容量について前向きで検討を尽くしたい、かように考えております。
○近江委員 このタンクは全く新品同様なんですね。昨年の十月に完成いたしまして今年五月の使用開始まで、一体どういう検査をしておったかという問題があるわけです。たとえば技術的に見ましても、タンク側壁の基部と底部の鋼板の厚みが違うというようなことから溶接部門に力がかかるということで伸びかげんが違ってくる、そこに亀裂が起きる、こういう初歩的な技術の問題等についても非常に大きな問題があるわけであります。消防庁はいままでこういうことを心配しておりながらここまで手が打てなかった。これは全国的に現在のタンク全部を総点検しないと、第二、第三の大事故が起きる。この点についてどのようにお考えであるかということをお聞きしたいと思うわけです。 それからまた、今回の事故は考えられない事故である、またしてもこういうようなことを言っておられるわけですね。こういうような安易な態度であってはならぬと私は思うわけであります。しかも石油精製設備の許可は通産省、タンクの保安は消防庁と、こういう石油コンビナートの保安関係は非常に複雑であるわけです。この行政についてどう思われるかという問題。 それから、いま申し上げた幾つかの点から、政府としては全国の石油タンクについて保安の再点検、総点検をやるべきじゃないか。この問題についてどうお考えであるか。さらに、コンビナートの保安、公害等の総合的、有機的な処理をはかるためにコンビナート等の特別立法を行なう必要があるんじゃないか、この問題についてはどのようにお考えであるか。また、現在の既存法につきましてどういう改正をお考えになっておられるか。 以上の点につきまして、関係者並びに大臣から簡潔にお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 この事故を機会に全国のタンクの再点検をしなければならぬ、こういうふうに考えております。 その他の問題につきましては、それぞれの政府委員から答弁をさせます。
○森岡政府委員 いろいろ御指摘がございましたが、御承知のようにこのタンクは高張力鋼と申しまして、通常の鋼材とは違った非常に引っ張りの強い鋼材を用い、それが大型のタンクをつくる場合に構造的に非常にいいんだということで技術開発されてつくられてまいったわけでございます。しかし、高張力鋼を使いました場合の溶接の問題がございます。溶接いたしますとどうしても熱が加わりますので、その周辺部が弱くなる、亀裂を生ずる原因になるという問題があるわけでございます。 そういうふうな鋼材あるいは溶接という問題を含めまして、さらに今回の事案を対象といたしまして思い切って技術的な検討を早急にいたしたいと考えております。そういう技術的な検討をもとにいたしまして、今後タンクの技術基準につきまして改善すべき点は思い切って改善をしていく、またそれに伴う規制も思い切って拡充していく、こういうふうにしてまいりたいと思います。 それからまた、コンビナート全体の保安体制の問題でございますが、消防庁といたしましては、現在防災診断の委員会を設けまして、関係省庁とも十分御連絡をとって防災診断の基準あるいはその基準に基づく規制方法、対策、そういうものについて鋭意実地に検討を重ねております。それらを早急に進めまして、コンビナートの防災対策の総合的な施策を打ち出していきたい、かように考えております。 以上のような各般の措置を広範に検討し、また必要な措置を思い切って講ずることによりまして保安防災体制を確立していきたい、かように考えております。
○増田政府委員 今回、非常に不幸な事故が起こったわけでございますが、これに伴いまして、今後の備蓄政策をいかに考えるかという御質問でございます。 先生御存じのように、備蓄につきましては、日本のように油の輸入量が非常に多く、またこれが途絶いたしましたときには経済は根幹から非常に影響を与えられるという事態から見まして、私どもとしてはやはり備蓄政策は進めたいと思っております。 ただ、今回の事故のようなことが起こりますと、タンクの建設その他は行なえないということでございますので、現在行なわれています原因究明の結果を見まして、保安対策その他については十分予防措置を行ないまして、その上で国民の納得のもとに備蓄措置を行ないたい、こういうふうに思っております。 それから、コンビナート全般の問題につきましては、これも今回の事故の原因究明の結果によりまして、総体的に考えていきたい、こういうふうに思っております。
○近江委員 海上保安庁さんも来られておりますし、油の回収等で非常に御苦労なさっておると思うのですが、私は先ほど瀬戸内海にはこれ以上置く必要はないんじゃないかと申し上げておるわけです。海上保安庁さんとして、あなたの立場でごらんになって、率直に、これ以上置くことは非常に危険であると思っておられると思うのですが、ひとつ率直な御答弁をいただきたいと思います。
○安芸説明員 現在の油の浮流状況、十二時現在のを申し上げますが、水島港から水島航路、備讃瀬戸、それから播磨灘を経まして吉野川の東方海域まで達しておりますが、これは部分的に現在漂流しております。それから、濃い油は備讃瀬戸中央部に帯状で三カ所、播磨灘で二カ所程度浮流状況がございます。それから、沿岸海域では坂出から高松の沿岸海域と、それから水島航路周辺及び高松沖合いの島の周辺に濃い浮流油が漂着しております。
○近江委員 その状況は大体わかっておるのですよ。瀬戸内海は、要するに六十年に一回しか水が変わらぬわけです。ですから、これ以上タンクを設置さすということは、海上保安庁の立場としては非常にまずいじゃないか、そういう国民の立場に立った率直なあなたの感想を聞いているわけです。規制すべきだとお考えですか。
○安芸説明員 私は、そういう立場にいまありません。
○近江委員 これについては、先ほど大臣も増田さんも今後考えるということでありますし、私は、これ以上瀬戸内海でのそういうコンビナートなりタンクの増設については控えるべきであるということを強く要望いたしておきます。 それから、時間の関係であと中小企業の問題をちょっと聞きたいと思います。 民間金融機関の中小企業特別融資制度、この問題について聞きたいと思いますが、現在までネオン三十億、ガス三十億、繊維三百億、建設二百億、機械三百億、製材、合板二百億で、計千六十億しか融資していないわけです。これは三千二百億円のワクがありながら融資状況は半分以下、この理由は一体何であるかという問題であります。 それから、去る十二月十四日、信用保険法の不況業種を十五種類追加指定しておるわけですが、これらの業種に利用させないのかどうか。この制度は大企業の買い占め売り惜しみで国会で追及されたときに、次は金融機関に及ぶんじゃないかということでできたというような背景があるということもちょっと私聞いておるわけでありますが、中小企業といたしましても、政府は、政府系三金融機関をはじめ対策はとっておられるようでありますけれども、今日これだけ倒産も激増いたしておりますし、どんどん中小企業者に利用させ、ワクをむしろ広げさせるぐらいのことをやってもいいんじゃないか、こう思うわけです。この点につきまして簡潔にお答えいただきたいと思います。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の中小企業救済の特別融資の制度、これは本年の一月に設けたものでございます。現在までの融資の実績のほうは御指摘のとおり千二百億ほどでございます。ただ、これは三千二百億のワクを設けておりまして、現在この程度になっておりますのは、実はこの制度の運用としまして決して消極的に対応しているわけではございません。御案内のように、この制度は石油危機に伴ういろいろむずかしい事態が起きましたときに、中小企業に対して積極的に融資をするということでいわばワクを先取りいたしておりますので、そういう特別な業界、問題のある業界におきましてまとまって話がございましたものは積極的に貸し出しをいたしてまいります。そういうたてまえで指導もいたしておる次第でございます。ただ、普通の貸し出しと違いまして、まとめて出てまいります関係で、手続的に若干の時間がかかるわけでございますが、今日までに話がまとまって出てまいりましたものにつきましてはすべて貸し出しをいたしておる次第でございます。 今後につきましても、御指摘のようにこの制度はやはり弾力的に機動的に効果をあげていかなければいけないと思っておりますので、やはりそういう方向で指導をしてまいりたいと思っております。 従来でもこの制度発足のときは、石油危機に直接関係のあるものというような趣旨で発足をいたしましたけれども、実際の運用では、その後の情勢の変化によりまして金融的に問題が起こってくる、こういう業種につきましては積極的に拾い上げていこうという姿勢をとっておりますし、また融資のワクなども、これは固定的には考えておりません。当初各業種ごとに何百億くらいと予定はいたしますけれども、現実の申し込みがそれを上回るような場合には、それに対しましても資格のある場合には貸し出しをしていく、こういう趣旨で運用をいたしております。今後も御指摘のように弾力的にやろう、こういう気持ちには変わりはございません。 またもう一つ御指摘の信用保証のほうの制度とのかね合いでございますが、これは従来融資をいたしておりますのは、この制度の適用を受けます、つまり信用保証のワクの拡大のほうの適用を受けますものに対しまして融資をいたしておりまして、今後もいま御指摘のような業種につきましては、業界としてまとまってお話があるものにつきましては積極的にこの融資を活用してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 もう時間がありませんから、あと一問で終わりますが、政府関係金融三機関で一応七千億の追加が行なわれたわけでございますが、これが潤沢に融資されておるかどうか、さらに年末はこういう手を打ったけれども来年の一月から三月がまだたいへんな状態が予想されておるわけでございますが、この年度末についてどのようにお考えであるか、これにつきましてお答えいただいて私の質問を終わりたいと思います。 それから、いま大蔵省さんは非常にいい、今後やりますということをおっしゃっているわけですが、現実にことしの一月にできた制度は、三千二百億ありながら千六十億しか使われていないわけでしょう。だから、あなたが幾らいいことをおっしゃったって、現実に民間では締めておるわけですよ。だから、これをほんとうに使わさなければいかぬわけですよ。ですから、その運用の強化につきましてひとつ徹底していただきたい。もう時間がありませんからそれを強く言っておきますから、よろしゅうございますね。何かありましたら、簡単に答えてください。 それから、いま申し上げました年度末につきまして、長官並びに大臣からお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 年末につきましては、御案内のようなワクを設定をいたしまして、特別の融資をしていくことにしておりますが、なお一−三月等につきましても中小企業の様子を見まして、必要ならばワクをふやしていこう、かように考えております。
○齋藤(太)政府委員 七千億の追加をいたしました関係で、この十−十二月の政府系三機関の融資規模は九千三百億になりまして、昨年の七千三百億よりも二千億多い規模になっております。資金は現在各支店に全部配分をいたしまして、融資を実行中でございます。 一−三月につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。
○後藤説明員 市中金融のほうにつきましては、私ども先ほど申し上げましたような指導をいたしておるのでございますけれども、ただいま先生の御指摘の点につきましてはさらに注意をいたしまして、十分この制度が効果を発揮できますように運用してまいりたいと思います。
○近江委員 それでは終わります。ありがとうございました。
○松岡委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 私は最初に、わが国のエネルギー政策全般について、河本通産大臣にお伺いをいたします。 三木新内閣の臨時国会におきます各閣僚の言動を振り返ってみますと、内外の種々の条件から高度経済成長路線を安定成長路線に切りかえざるを得なくなってきたことがはっきりしたのでございます。もとよりわれわれ民社党は、一年前のエネルギー危機を体験する以前から、経済政策の変更を政府に迫っていたところであります。 そこで、経済の根幹をなすところのエネルギー資源の問題でありますが、三木内閣の看板となりました経済対策閣僚会議が五十年度の石油消費量を四十八年度並みの二億八千八百万キロリットルに抑制するという方針を出しておりますが、通産当局のお考えを聞かしていただきたいと思います。 また、福田副総理おっしゃるところの低成長時代下の石油の需給見通しを中期、長期的にどう修正していかれるのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
○河本国務大臣 来年度の石油の輸入量の見通しにつきましては、二億八千八百万キロリットルというのではございませんで、ほぼ四十八年度並み、こういうことで若干のアローアンスがあります。ほぼ四十八年度並み。ただし、これは最終の決定ではございませんで、たぶん今晩開かれます第三回目の経済対策閣僚会議できまるのではないか、かように考えております。 その見通しの根拠でございますが、御案内のようにことしは、節約いたしまして二億八千万キロリットルでございます。昨年は二億九千万キロリットルを少し割ったところでございますが、ことしはこの二億八千万キロリットルを基礎にいたしまして、経済成長の伸びを勘案いたしまして算出をいたしております。
○宮田委員 次に、備蓄についてお伺いいたします。 原重油の備蓄増強に関する問題でございますが、通産省は九十日備蓄を実現するための石油備蓄公団の設立は断念をされたようでございます。そのかわり石油開発公団の業務の拡充を計画しておられるようでございますので、その概要をお示しいただきたい。 まず、公団の備蓄業務とおっしゃいますが、その内容や計画をひとつ具体的にお答え願いたいわけであります。
○河本国務大臣 エネルギー庁の長官から答弁させます。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 私ども備蓄増強政策といたしまして、現在タンク能力が大体六十日になっておりますのを、九十日に五年間でふやしたい、こういう考えでございます。 それから、いま宮田先生がおっしゃられましたように、当初の考え方では石油備蓄公団というものを設立いたしまして、これを推進母体にいたしまして各種の施策を行なうという計画であったわけでございますが、その後いろいろ客観情勢を検討いたしまして、石油備蓄公団というものの設立にかえまして、ただいま御指摘のように石油開発公団を通してこの備蓄政策を推進するというふうに方針を訂正いたしたわけでございます。 石油開発公団が行ないます業務につきましては、一つには、民間の石油精製会社が今後備蓄をいたしますためにタンクを増設し、またその中に備蓄の原油をためる、これを促進いたしますために、低利もしくは無利子の融資を行なうということを考えております。ただ、御案内のように、現在の精製業者自身ですべての備蓄タンクを建設することはいろいろの面で限界がございますので、その足らざる分、大体私どもは九十日を達成いたします三十日増強分のうちの約半分、これは従来は石油備蓄公団が建設するという考えでおったわけでございますが、それにかえまして共同の備蓄会社というものをつくりまして、これに対しまして石油開発公団が出資をする、こういうことを考えております。石油開発公団の出資を受けました共同備蓄会社が備蓄基地を建設いたしまして、そして精製会社の原油を預かるという形、つまり保管業務を行なう、こういう形で考えております。 以上要約いたしますと、石油備蓄公団にかえまして石油開発公団が備蓄を推進いたしますための融資の業務を行ないますのとともに、先ほど申しました共同備蓄会社に対する出資業務を行なう、こういう形になっております。
○宮田委員 そうしますと、公団が土地を保有したりあるいは貯蔵タンクを建設するいうことでなしに、民間がそれをやりやすいようにいろいろな援助をする、こういう意味でございますね。 もう一つは、業務が相当大きくなるわけでございますが、これに伴います人の問題についてはどうお考えになっておりますか。
○増田政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、公団自身が土地を買ってそしてタンクを建設するということを改めまして、共同備蓄会社というものをつくりまして、これがみずから土地を買い、そしてタンクを建設する、こういう形になるわけでございます。 この備蓄会社につきましては、一部の資金を石油開発公団から出資するということは先ほど御説明を申し上げたとおりでございます。これに伴いまして石油開発公団の業務が増加いたすわけでございますが、これに必要な人員その他、これはまだ現在備蓄に関します予算折衝中でございますので、その規模に応じました人員の増強を確保いたしたい、こういうふうに思っております。
○宮田委員 備蓄量をふやすことには、われわれも従来から九十日以上の線を打ち出しておりますので、問題ないわけでございます。しかし、その財源といたしますいわゆる石油税については、現在の関税に対する海外からの反発が相当強くなっておると聞いておりますからこれに対する懸念もするわけでございます。この点、通産大臣は、産油国あるいはまた主要消費国との関連をどのようにとらえてこの対策をお立てになるものか、それをお聞きいたします。
○河本国務大臣 先に、関税の問題につきましては、エネルギー庁の長官から説明させます。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま宮田先生御指摘のように、関税につきましては、これは従来原油及び重油その他に関税がかかっておりますが、こういう関税をかけることは現在の消費国の中では日本だけがやっておるわけでございます。そういう意味で関税の増強というものがあまり望ましくない、産油国に対して非常によく説明すればわかってもらえると思いますが、これは、備蓄のためにこの関税を課するということは一つの行き方かと思いますが、関税を上げるということでなくて、私どもがいま考えておりますのは、石油消費税という形でやっていきたいと思います。 石油消費税につきましても、もちろんこれは産油国との関係、いろいろございますが、御案内のように、各国それぞれ消費税を相当多額にかけております。日本が今度九十日の備蓄政策を実現いたしますためにそれに必要最小限度の消費税をかけるということにつきましては、産油国に説明は十分できる、こういうふうに思っております。
○宮田委員 通産大臣、いまおっしゃいました産油国に対する理解その他の関係ということでいろいろ説明するとおっしゃっておりました。ところが、消費国との関係です。日本だけが特別ということに対しましては、石油問題が国際的な問題でございますだけに、その関係というものを十分に理解をさせるといいますか、その調整ということを十分に考えておかないと思うように備蓄ができかねるのじゃないかというふうに思っておりますので、その点、これから質問いたしますものと関連してお答えを願いたいと思っております。 もう一つは、節約のことについてであります。最初に質問いたしましたものと若干関係がございますが、河本通産大臣が明らかにされましたように三%、年間九百万キロリットルの節約運動を国民に協力を求められた。三木内閣の精神に沿う内容であろうと思っておりますが、この三%という根拠と、もう一つは、来年度の需給見通し予測がむずかしい時期ではございますが、三%、九百万キロリットルから逆算をいたしますと、来年度の消費量三億キロリットルというふうにならなければならぬ、こう思っておりますが、冒頭質問いたしましたときに、まだ最終的な決定ではないということをおっしゃっておりましたが、それを含めて、大臣どうお考えになっておりますかお聞きいたします。
○河本国務大臣 第一番に、いま長官が説明いたしました消費税の問題は、これは私は、産油国側にとってはそう大きな問題ではない、これは十分説明がつくと思いますし、またそんなに異議は出ないのではないか、むしろ国内的にいろいろなむずかしい問題がある、こういうふうに考えております。 それから、第二点の消費節約の問題でございますが、先ほどもお話しいたしましたように、ことしはおよそ九百万キロリットル近くを節約をいたしまして、その結果、輸入量が約二億八千万キロリットル、こういうことになったわけでございます。でありますから、もし節約をいたしませんと、約二億九千万キロリットルの輸入が必要であった、こういうことになるわけでございます。 そこで、先ほど、来年度の輸入量はほぼ四十八年度並みであるということを申し上げましたが、四十八年度の数量は約二億九千万キロリットルでございますから、つまりほぼ二億九千万キロリットルという数字はすでに九百万キロリットルという節約を織り込んだ数字でございます。でありますから、もし節約をしないとすれば、御指摘のように、約三億キロリットル輸入しなければならない、こういうことになるわけでございます。
○宮田委員 もう一つは原子力開発の問題についてお伺いいたします。 これは平和的な原子力の開発利用は、わが国の置かれたエネルギー事情からいまや必然的なものと私は思います。われわれ民社党の姿勢もそういう考えであります。しかし、原子力船「むつ」の放射線漏れ事故が、原子力の開発利用に関しまして一段と国民の不信感を増幅せしめたことはいなめない事実と思います。原子力時代へのスムーズな転換のためには、安全性に関する国民合意の形成が不可欠でありますことは言うまでもございませんが、わが党はこれまでに原子力委員会の独自性の欠如、専任の安全審査委員の不足、それから行政の一貫性の欠如などを指摘し、政府に改善を迫っておりますが、政府の若干の見解をただしたいのは、原子力発電所の安全問題について、原子力発電所定期点検に関し、最近電力労働者から不安の声が聞かれるわけでありますが、定期点検の作業の実態はどうなっておりますか、まずそこから聞きます。
○井上説明員 作業の実態でございますが、御承知のように、原子力発電所の検査といたしましては、新しくつくります際にいろいろな検査をやりまして、新しい設備の安全の万全を期するわけでございますが、そのあと、運転に入りまして一定期間、具体的には一年ごとでございますが、一年ごとには設備を停止いたしまして、原子炉をはじめその他の設備の定期検査をするということが法律上義務づけられております。 お尋ねの定期検査の内容でございますが、おもな作業といたしましては、燃料体の検査あるいは耐圧部分の外観あるいは超音波探傷検査などの供用中検査あるいは蒸気タービン、ポンプ、バルブ等主要機器の分解点検、その他チェックいたしました結果改良すべき事項がございましたならば、その改良工事等が含まれるわけでございます。
○宮田委員 通産大臣は五時から退席ということを聞いておりますので、大臣に対する質問をこれで終わらしていただきますが、まずエネルギー問題のいま申し上げました原子力問題、これは「むつ」の問題が起きまして、国民アレルギーというようなことになっておるようでございます。特にそのことの中心は安全対策だというふうに思っておるわけでありますが、中でも廃棄物処理の問題は非常に大きな問題と思います。これから原子力発電所が増加をすると思いますので、この安全問題に対する対策としての基本的な姿勢といいますか、お考えといいますか、通産大臣の御所見を聞かしていただきたいと思います。
○河本国務大臣 先般通産省といたしましては総合エネルギー調査会からも答申を受けましたが、その中におきましても、将来わが国は原子力というものを非常に重視していかなければならぬ、非常に大きな柱である、こういう趣旨の答申を受けております。したがいまして、お話しのように、これからは原子力が国内では最大の問題になろうかと思います。つきましては、このアレルギーを除去するためには、どうしても安全性をしっかりやりまして、そしてこの面からの心配はない、こういう形にしませんと、なかなかアレルギーが強うございますから、各地で思うようにいかない、かように考えますので、御指摘の点は十二分に考慮いたしまして進めていきたい、かように存じます。
○宮田委員 三菱石油の事故の問題について、消防庁、それから海上保安庁の方々に質問いたします。 水島製油所の重油の流出事故についてでございますが、今回の事故について関係方面に実情を伺ったわけでございますが、関係省庁とも、予想せざる事故ということで、原因究明をまたなければ今後の対策は立たないというふうに言っておられまして、理解はできるわけでございますが、この際、ひとつ前向きの答弁をお願いいたします。 まず、防油堤の保安基準でございますが、すべてが守られておるかどうか、この点についてお聞きいたします。
○森岡政府委員 防油堤につきましては、まず容量でございますが、容量は、複数のタンクがあります場合には、最大容量のタンクの五〇%とその他のタンクの一〇%分の総和の容量が必要である、これは満たしております。それから、高さは一・五メートル、これも満たしております。それから、構造は鉄筋コンクリートないしは鉄骨鉄筋コンクリート造等でなければならない、こういう要件も満たしておりまして、およそ防油堤に関する要件は満たしておるわけでございます。 ただ、御案内のように、タンクについておりますはしごが吹っ飛びまして、それが防油堤を損傷した、こういうことでございます。
○宮田委員 ところが今度の事故が起きたということでございます。問題は、現行法で十分かどうかという問題が問われることに必ずなるのじゃないかというふうに私は思っておるところでございますので、この事故を初めの最後というようなお考えでなしに、これからもあり得るのだという前提を置いて、しかも今度の事故は一つのタンクだけということでございましたが、場合によりますと、事故が事故を招くということで、複数という、こういう問題も起きるわけでございますので、この基準をさらにきびしくするというお考えがあるかどうか、この点をお聞きします。
○森岡政府委員 予想せざる事故であったという表現をいたしましたのは、いままでこの種の油を貯蔵したタンクが貯蔵中にこういう事故を起こした経験がない、そういう意味合いで申しておるものと私は考えております。したがいまして、いまの状態でこういう事故が将来絶無であるという保証はないと思うのであります。そういう意味合いで、今後こういうことがないようにあらゆる手だてを講ずる必要がある。そういう意味合いで、防油堤の容量につきましてもいろいろな問題を検討してまいらなければならぬと思います。技術的な問題がいろいろございますので、どういう形で改善していくかということについては早急に検討を進めたい、かように思っております。
○宮田委員 聞くところによりますと、水島製油所には油回収船がまだ設備されていなかったようでございます。 海上保安庁にお聞きいたしますが、全国の製油所の現状と今度の事故の教訓を今後の行政にどう生かされるおつもりか、その点をまずお聞きいたします。
○安芸説明員 現在油回収船は全国で四十三隻ございますが、性能的にはまだ十分な性能はありません。特に今回のようなC重油の流出に対する十分な回収船がまだ開発されておりません。回収船についてはわが国においても開発研究を急いでおります。それからまた、世界各国の実態も調査しておりますが、まだ十分有効なものが確認されておりませんので、企業に対する保有の義務化につきましては、今後有効なものが開発された後に検討したいと考えております。なお、現状でも行政指導で、いろいろと開発されました回収船等を海上実験を行ない、またよさそうなものを紹介してできるだけ整備をするようにしております。
○宮田委員 この問題に関連いたしまして通産省に一点お伺いいたしますが、水島のこの事故は単なる瀬戸内海の汚濁という問題だけではなくなってこようと私は思います。といいますのは、さきの原子力船でも同じようなことでございますが、通産省がこれから推進しようとしております原重油の備蓄増強に対する国民の石油基地立地のアレルギーというものが相当大きく助長をされるんじゃないかと懸念をいたします。この際、通産省として石油タンクの定期的な点検を義務づけるような、まさに産業政策の一環として取り組む用意があるのかどうか、これをお聞きいたします。
○増田政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、備蓄はぜひとも実現いたしたい、こういうことでございますが、今回の事故というものは、これは非常にその影響が大きいと私どもも思っております。原因の解明が近く行なわれましたなら、これに対して対策を立て、そして地元住民あるいは付近の方々が安心して備蓄基地の建設を受け入れられるというような体制をしきたい、こういうふうに思っております。
○宮田委員 石油問題はこれで終わりますが、最後に通産省の産業政策局の方どなたかお見えですか。——一つだけお聞きいたします。 産業構造の流通部会がさきに答申をしましたマルチ商法の問題です。この通信訪問販売などの規制についてですが、通産省はこれを受けて法制化の作業に入るというふうに伝えられておりますが、次の通常国会あたりに提出するお考えがあるのかどうか、これだけお伺いいたします。
○天谷政府委員 お答えいたします。 マルチ商法その他の特殊販売につきましては、その商法が特殊でございまして、消費者等が場合によっては不利益をこうむることが少なくございませんので、これの規制方法につきまして産業構造審議会流通部会特殊販売小委員会に諮問をいたしておったわけでございますが、十二月十六日に答申を得ましたので、通産省といたしましてはこの答申の線に沿いまして法律化の努力をし、法律案の成案を得ましたならば、次期通常国会に提出したいというふうに考えております。 ただ、ちょっと御理解を願いたい点といたしましては、新しい取引形態でございまして、しかもその取引形態のうち一体どういうものが消費者に害があり、どういうものは害がなくてむしろ営業の自由という見地から認めるべきであるか、その辺の選別がなかなかむずかしゅうございます。選別をして、悪いものは規制し、悪くないものは自由にするというふうにしなければならないわけでございますが、その辺の選別がうまくいくかどうか、そして民法等の特則をつくらなければなりませんので、法務省等と技術的な点をよく詰めまして問題点を解決しなければ法律案ができないわけでございますので、その辺のところを事務的に極力努力をして、できる限り次期国会に提案したいという方向で進めたいと存じております。
○宮田委員 終わります。
○松岡委員長 森下元晴君。
○森下委員 十分ばかり質問をしたいと思います。 私は、三菱石油の重油の流出事故について通産省並びに消防庁、農林省の係の方にできるだけ簡潔に御質問して、お答えのほうも簡明にお願いをしたいと思います。ただいま宮田委員からもこれに関連する御質問がございましたので、できるだけ重複を避けながら要点だけの質問をしたいと思います。 初めに水産庁のほうから、現在まで水産関係に与えた被害、また与えようとする被害についておわかりになりましたら簡単にお答えを願いたいと思います。
○佐々木説明員 ただいまはまだ被害範囲も若干広がっておりますし、報告の集計は最終的なものでございませんが、関係県から報告がありましたのをそのまま集計した数字で申し上げますと、岡山県と香川県のノリ養殖業を中心にいたしまして両県で合計四十九億円をちょっと上回る被害報告がまいっております。このほか、兵庫県と徳島県でも一部ノリ養殖業、ハマチ養殖業等に被害が出ておるという報告を受けておりますので、最終的にはさらに若干県からの報告はこれを上回るかと考えております。
○森下委員 ただいまの説明では五十億に近いというお話でございます。なお、この流れ出た油は鳴門海峡を越えましてまた紀伊水道を越えて、やがては太平洋まで出て黒潮に乗って北上するかもわからないというような危険な状況でございまして、おそらく私は百億をこすような被害が出るような感じがいたします。瀬戸内海におきまして、いろいろな漁業に対する被害が過去に出ておりますけれども、昭和四十七年には御承知の赤潮によって約七十億ぐらいの被害を与えておる。これは人災であるとか天災であるとかいろいろ論議がありましたけれども、水産に非常な害を与えておる。去年はPCBの問題で魚価が非常に下がった。そしてことしは何とかうまくいくだろうと思っておりましたこの年末、たいへんな災害でございまして、沿岸の漁民は非常に心配もしておるし、不安な毎日が続くわけでございますけれども、この被害に対する補償はだれがいたしますか、これについて通産省のほうからお願いします。
○増田政府委員 現在今回の水島の事故の究明が行なわれておりますが、それによりまして責任の所在、範囲が明確になるものと考えております。そういうことで、現在事故究明中でございますので、だれが責任者かということは、この事故の原因究明を待ってでなければお答えできないわけでございますが、しかし、発生者であります三菱石油におきましては、きわめて誠意をもって今回の事故の対処をやっておるわけでございます。
○森下委員 相手が三菱石油でございまして、かなりの大きな企業でございますけれども、小っちゃな企業の場合はこの補償額だけで会社はまいってしまうといういまの原因者責任、いわゆるPPPの原則があるわけでございます。前の水俣病の問題でチッソが大きな責任を負わされておるし、こういう問題について、私は、水島という地域は新産都市の中でもいわゆる優等生であって、非常によく管理されておるんだというふうに理解をしておりましたけれども、今回の事故によって、そう簡単にはいかないんだというふうに実は感じております。 そういうことで、通産大臣から先ほど所信表明の中で、資源、エネルギーの安定供給の確保に最大限の努力をするとか、それから備蓄の抜本的強化をはかるというような御発言がございました。私もこれには賛成でございます。現下の資源、エネルギーの問題は国の運命を左右するような問題でございまして、石油の備蓄という問題は、六十日より七十日、また九十日より百二十日、こういう方向で意欲的に取り組んでおるやさき、一番模範的といわれたあの水島のコンビナートでこういう事故が起こった。先ほど宮田委員がおっしゃいましたように、あの「むつ」の問題で、せっかく進みかけた原子力の開発が足踏みをしだした。それと同じような問題が起こって、非常に心配をしておるわけでございますけれども、ともかく膨大な被害が出て、その責任を、発生せしめた企業に課さなければいけない、企業もおそらく責任持つと思いますけれども、ただ問題は、沿岸の漁民は年末から年始を控えまして、いろいろと生活上のお金にも困るし、もうすでに要求も出ておるようでございます。企業がすぐにそういう金が出せるかどうか、また政府として何か金融の方法によってそれを補うことができるかどうか、もしそういう指導をなさっておるとか、またそういう状況がわかればお答えを願いたいと思います。
○佐々木説明員 私どもが現在現地の関係県から受けております連絡によりますと、香川県につきましては、漁業団体が三菱石油のほうといろいろ話し合いをしまして、これは県が仲介をしながら話し合いをしておりますけれども、とりあえず、年末を控えての漁業被害でございますので、暫定的にしろ何か対策をとってほしいということで、会社側のほうも一応誠意をもって善処をしましようという態度で対応されているというふうに伺っております。 具体策といたしましては、香川県に水産振興基金という公益法人が、県と市町村と関係漁業団体ですでにことしの初めに別の目的でできておりますけれども、ここが、三菱石油の裏書きで県の漁業信用協同組合連合会のほうから借り入れをして、その資金を漁連を通して末端の被害を受けた漁業者のほうへいわば仮払いをする、こういう形で基本的な了解が得られまして、具体的な額についていまいろいろ話し合いをしておる、かように承知をいたしております。 それから、岡山県につきましては、漁業の被害額についての認定の問題あるいは漁業者自身がいろいろ基本線でまだ統一をされてないところがございまして、会社のほうとそれぞれ話し合いを進めている。しかし、これについても近々のうちに、年内の当面対策というのは一応基本線について了解が得られる見通しである、かような報告を県のほうから受けております。
○森下委員 できるだけ早い処置をしていただきたいと思います。 それから、少し論題から離れるかもわかりませんけれども、今回の場合は原因者が大体はっきりしておるということでございますけれども、この油による汚濁の問題で、原因者のわからないようなかなりの漁業被害が過去においても出ておりまして、それはだれが責任を持つのか、国が持つのか県が持つのか、また疑わしい企業に持たすのか、また海運会社に持たすのか、いろいろと検討されたし、非常にその点で経済団体とも交渉を持っておるようにも聞いておりますけれども、今回のこういう大きな災害を見まして、私は、原因者のわからないような油による汚濁、水産業者に対する被害というものについてできるだけ早くこのルールを確立しなければいけないと思います。たとえば、これからかりに瀬戸内海で原因者不明の油による被害が出た場合に、おそらく今回の三菱石油が発生源であろうということで、あらゆる問題でこの三菱の原因による汚濁である、こういうレッテルを張られるような感じが私はしますね。瀬戸内海の三分の一ぐらいはそれで汚染されております。将来海洋に出て、犬吠埼からおそらく西日本の海岸は、高気圧の張り出しによって南の風が吹いたり、また北の風が吹くと、そのたびにあちらこちらの海岸に漂流していくだろうと実は思われるのですが、そのたびに、原因のはっきりしておる今回のようなケースが持ち出されて、それで一つの会社に責任を持たされるような感じすらするのです。 そういうことで、私が申し上げたいのは、やはり通産省としては、石油の問題等、将来の資源、エネルギーの問題を考えました場合に、やはりこの立地を厳重にするとともに、一つの企業がそういう問題で挫折しないように、そういうためにいわゆる共済制度のような方法、こういうものの指導を将来されるかどうか、こういう点をひとつお聞きしたいと思います。
○佐藤政府委員 原因者不明の場合の公害補償、特に財産補償の問題につきましてはまだ制度が確立されておらないわけでございますけれども、油によりますところの油濁につきましては、ただいま水産庁が中心になりまして、通産省、運輸省、あるいは環境庁も入りまして、鋭意その救済方法につきまして検討中でございます。できるだけ早く具体的の措置を見つけるべくいまやっている最中でございますが、大体の考え方といたしましては、関係の業界に応分のお金を出していただきまして、それに国と地方公共団体がそれぞれ協力していくというような形で現在努力中でございます。そう日がかからないうちに一応の見通しが立てられるものと考えております。
○森下委員 一企業が負担できるくらいの災害でございましたらけっこうでございますけれども、何十億、何百億というような、原因者のわかったこういう災害が起こった場合に、これはたいへんな事態でございます。各企業においても人ごとと考えないで、財界全般がこういう問題に今後取り組んでいって、やはり協力して相互扶助の精神によってこういう問題を解決してもらわなければいけない。そういう努力の中に、やはり国が援助したり、また地方自治体が援助するであろう。従来の考え方でいくと、どうも企業はそういうものから逃げよう逃げようとしてその責任の所在から逃避しておる。私は、今回のこの三菱石油の流油事件によって、企業といえども、お互いに協力してこういう問題を出さないようにすると同時に、万一起こった場合にもお互いに助け合うような共済的な方法を早く樹立するように要望したいと思います。 最後に、消防庁のほうにお聞きしたいと思うのです。いろいろ今回の問題を検討しても、罰する法がないようでございます。これだけ大きな被害を出しながら海洋汚染防止法でも適用にならない、また水質汚濁防止法でも適用にならない、また刑法でも適用にならない。それから、港湾法でも漁業調整規則でもどうも罰する方法がない。ただ、この消防法だけが、通報の時間が非常におくれたというようなことでほんの少しだけかかるようでございますけれども、私は非常にこれはおかしいと思うのですね。海上投棄によって汚濁を生じた場合には海洋汚染防止法が適用になりますけれども、いわゆる製品という形のものが陸上から流れた場合には法律上何のとがも受けない、これは非常におかしいと思うのです。それはただ申し上げるだけでございますけれども、ああいう状況で、科学消防というものについて、今回の教訓を前向きに生かさなくてはいけないということで今後どういう指導をいたしますかということだけを最後に消防庁に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○森岡政府委員 危険物の取り扱いは厳正にやっていただきませんと、申し上げるまでもなくたいへんな事故を生じ、それが関係住民の大きな被害につながるわけでございます。そういう意味合いで消防法におきましては、先ほど通報の話がございましたが、たとえば通報すべき事項を虚偽通報したというような場合には罰則規定がございます。それからまた、消防法令で定めております基準に違反しており、それを順守するように命令を出しました後にその命令に従わなかった場合には罰則がつく、こういうふうな形での保障規定はそれぞれ設けておるわけでございます。 今回の場合はどういうことになりますか、さらに根本的に原因究明をした上でないとなかなか結論が出ないと思いますけれども、しかしいずれにいたしましても消防法令で求めております規制を厳正にきちんとやっていただくことはぜひ必要なことでありますし、私どももそういう趣旨が貫徹されますように、今後政府あるいは地方公共団体を通じまして厳正な指導を進めてまいりたい、かように考えます。
○森下委員 終わります。
○松岡委員長 次回は、明二十五日午前十時理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会