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74回国会衆議院1974/12/20

社会労働委員会 第2号

発言数
52
登壇者
10
会派数
4
開催日
1974/12/20

会議録

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これより会議を開きます。  雇用保険法案、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案及び日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  川俣健二郎君の発言を許します。川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 さきの通常国会において雇用保険法案の審議がなされました。衆議院のこの委員会の質問の最終段階で私が労働大臣にいろいろと確認いたしました。その確認事項、かなり長い項目にわたっておりますから、議事録にも正式に載ってございますので、理事会でもその話が出ましただけに、時間の関係でここであの事項をまず再確認をしたい、こう私は思いますが、いかがでございますか。  さらにつけ加えますと、通常国会では雇用保険法案そのものが廃案になりましたが、しかし、考え方は、雇用保険法案を進めるという政府の考え方でもあり、もし雇用保険法案をどうしても進めるということであれば、最低こういう確認だけはして、この考え方に留意して今後各項目に対処してもらいたいと思っておりましたが、たまたまあの際の大臣がいまの大臣であるだけに、さらにここで再確認してよろしいかどうか、ひとつ御答弁願いたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 通常国会で御指摘いただきました事項につきましては、国会で答弁いたしましたとおり、責任をもって対処してまいる所存でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 次に、この雇用保険法案によって新たに適用されることとなる零細事業所の被保険者の中には、最近の雇用・失業情勢から見て、受給資格を得る前に解雇される者が非常に多くなったと私は思います。このような者がいわゆる補償されるという考え方でなければ、何のために保険法をつくるのかわからないから、ひとついままでの各党の委員の質問の中にも出ておっただけに、ここで最終的に確認してみたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 新たに当然適用される零細事業所に雇用される被保険者は、法施行後六カ月を経過しなければ受給資格を得ることができないため、最近の雇用・失業情勢から見まして、御指摘のようなケースも起こると考えております。これに対しては、職業転換給付金制度を充実して、その活用により対処してまいる所存でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 次に第三番目ですが、今回の雇用保険の特徴の一つである給付制度の仕組みを勤続年数主義から年齢主義に変えて、中高年対策を考えようという面は評価されると思います。しかし反面、年齢主義で切られるために、前回の雇用保険法案の提案では三十歳未満は一律に六十日という提案でありましたが、与野党の折衝で九十日になりました。そこで、そうなりますと、たとえば女子の場合、十八歳で高校を出られて十年もつとめ、結婚されて家庭に入る、あるいは結婚退職なんという無謀な会社の労働契約もあるようですから、それらを片やこの新制度によって九十日という修正はとれたものの、従来の百八十日の半分であるということに対して、これはあまりにも急激な変更ではなかろうか。加えてこの皆さん方は、特に繊維産業その他女子労働者が大量に三十歳になる前の人方がいるということを考えますと、これはかなりここ与野党で折衝してまいりましたが、最終的に大臣の考え方を、これら従来よりも半分にダウンされるという人方に何らかの裏づけがなければ、私たちはこれに対して新たな態度をここに表明したいと思うので、あえて伺いたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 給付日数の延長制度を実効あるものとするために、最近の雇用情勢を十分勘案して御提示の方法で対処してまいりたい、こう思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 次に四番目は、短期雇用特例被保険者、いわゆる出かせぎ農民などがこれに当たるわけですが、これも先ほどの三十歳未満と同じように、今度は修正で五十日、まあ一律一時金制という考え方でとれたものの、これが急に九十日の最高額が五十日で、一律に来年の四月一日から実施されるということに対して、これはかなりの精神的な打撃ばかりじゃなくて、いろいろ事務的にも非常に混乱すると思います、特に初年度は。こういうものに対して何ら手だてが考えられないかということなんですが、これもかなり与野党で折衝したわけですけれども、ひとつ大臣の少し懇切丁寧な返事をいただかなければ、私はどうしてもこれは納得し得ない問題だと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 御指摘の点につきましては、十分配慮してまいりたい、こう思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それから、この不況で中小企業の倒産が特に目立ってきておるわけですが、一方、さっきのような短期雇用労働者なんというのは、大企業が直接雇用しないで、中小零細がどうしても直接賃金を払うという雇用状態になる。そうしますと賃金の不払いが非常に目立ってきた。極端に言えば、朝起きてみたら会社がもぬけのからだったというのがよくあるわけですが、これは労働省は非常に個別的にも指導しておるだろうし、出かせぎ組合もかなりこれには神経を悩ましているところですが、これらの救済制度というか、たとえば基金を設けて立てかえ払いなどをやるかとか、やはりこういったものを前向きに労働省がやるという考え方がはたしてうかがえるだろうかということを非常に私は疑問に思っています。ひとつ率直に大臣の御答弁を願いたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 賃金不払いに対する救済制度につきましては、賃金不払いの実態の分析、公租公課やほかの私法上の債権との関係などについて研究を行ない、五十一年度から一部発足させまして、五十二年度からは全面的に発足させるようにつとめてまいりたい、こう思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 それから最後に、この雇用保険法というのは、昭和二十二年以来の日本の失業保険制度がなくなって、新たに雇用保険法というものになるわけですが、したがってこの雇用保険法、前の失業保険法に関連する産業というか階層というか業種というか、非常に多岐にわたっております。ところが、これは日本の場合、民間に限られておるというのが特徴であります。公務員の場合はないというのが特徴であります。  ところが、農林省林野庁の問題で大臣とこの前もいろいろと意見の交換をしましたが、林野庁というのは長官以下七万人いる。七万人のうち一万七千人という林野庁の職員が、間違いなく九カ月働いて三カ月首だという反復雇用、反復首切りの状態を続けておるという問題に対してどうかということを各大臣にこの前聞いてみたら、まことに変則であり、おかしい——。ところがこの一万七千人は、当初は労働省に失業保険を納めて、六カ月二十二日で国家公務員になりました。ところが九カ月つとめて首になりました。それじゃ失業保険に見合う金を今度は逆に林野庁の特別会計からもらっていく。これは制度としてもおかしいし、仕組みそれから失業保険制度というものはそういうものじゃないということで、ひとつこういうのは’休業補償で取り扱うべきでないかという考え方でディスカッションしたわけです。しかし問題は、反復雇用、反復首切りを労働行政で避けて通っておるというところにも、労働省も責任があるのじゃないか、こういう面を大臣はどのようにお考えになっておるか、最後ですが、少し聞かしておいてもらいたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 前々からその問題に対する御議論は拝聴しているところであります。私たちといたしますと、やはり通年雇用化に努力してまいる、こういう姿勢で取り組んでいきたい、こう思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 じゃ、終わります。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これにて四法律案についての質疑は終了いたしました。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 ただいままでに委員長の手元に、雇用保険法案に対し、大野明君、川俣健二郎君、大橋敏雄君、和田耕作君から修正案が、また石母田達君外二名から修正案がそれぞれ提出されております。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 順次趣旨の説明を聴取いたします。大野明君。

大野明自由民主党

○大野(明)委員 ただいま議題となりました雇用保険法案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  雇用保険法案に対する修正案の要旨は、第一に、基本手当の算定の基礎となる賃金日額の最低額を千五百円から千八百円に引き上げること。第二に、政府は、昭和五十年一月一日から施行日の前日までの間において必要があるときは、失業保険の福祉施設として、景気の変動等により一時休業を余儀なくされた事業主に対し、失業を予防するため必要な助成及び援助を行なうことができるものとすること。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 次に、石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 お手元にすでにお渡しの修正案について、その趣旨を説明いたします。  今日不況のもとで企業倒産、人員整理による失業が著しく増大して、きわめて深刻な社会問題を提起しておるわけであります。特に、繊維、電機、建設など多くの産業で解雇、希望退職、帰休、出向、配転などが続出し、たとえば繊維では、十一月中旬までに東洋紡の二千三百人の希望退職をはじめ、全体で五万人が何らかの形で職場を離れることを余儀なくされているわけであります。また、誘致企業などの農村工場での解雇も激増して、東北六県だけで十月現在、八万人が解雇されているわけであります。こうした中で、この失業者の生活をどのように保障するか、あるいはまた、失業中の仕事をどのように保障していくか、こうした問題はきわめて緊急な問題になっているわけであります。  これに対して、今回の政府が提出いたしました雇用保険法案によるならば、若年労働者、特に三十歳以下、あるいは女子労働者、あるいは季節労務者、こういう物価値上げ、インフレの中で最もその生活が困難な状況に置かれている失業者に対して、その給付を大幅に切り下げる。あるいはまた、本来資本家と国が負担して行なうべき雇用対策事業を失保の財政から持ち出していく。そして、たとえば一時帰休制に対する——いま大資本、大企業中心にかなりのそうした帰休者が出ておりますけれども、これに対する財政の投入を見ましても、結局はそうした大企業中心の企業に多額の金が注ぎ込まれ、大企業などが一時帰休を自由に行なう条件を整えるために役立つものといわざるを得ません。  わが党は、このような雇用保険法案に対して、次のような全面的な修正を行ないまして、こうした失業者の生活保障のために役立たせたい、こういう緊急の処置を提起するものであります。  次に、その内容を申し上げます。  お手元にある中でごらんのように、第一は、失業保険法の改正をいたしまして、その適用の範囲の拡大、これは労働者が雇用されるすべての事業と事務所を適用事業として、来年を待たずに、いまからでもすぐこれが適用されるようにすること。また、たくさんのパートタイマーの人たちが現実に毎日のように失業に追いやられているわけですけれども、一日の労働時間が四時間以上のパートタイマーについてもこれをすべて適用する。こういう適用範囲の拡大によって、そうした人々を救済したい。  もう一つは、失業保険金の給付改善であります。これは、現行法は御承知のように給付日額は賃金日額の百分の六十になっておりますが、これを百分の八十にする。また、給付日数を、こうしたインフレ、物価値上げの状況のもとでの失業者の生活を保障するために、一律に百八十日間を延長する。そして、この延長分については、緊急の措置でございますので、国庫負担にしたい、こういうふうに考えているわけであります。  三つ目の問題といたしまして、日雇い失業保険の改善であります。これは、こうした不況の状況のもとで就労日数が少なくなるというようなことも考慮いたしまして、現行の前二カ月間の二十八日を、通算して二十二日分以上の保険料が納入されている場合には受給資格があるものとする。また、給付日額は現行で二つの段階になっておりますので、たとえば二千三百三十円以上の人は千七百七十円しかもらえない。これでは、何千円も取るような人たちは全部これになってしまうというのでは、現在の賃金実勢に見合ったものとはいえないので、五段階に分けまして、こうした不合理性をなくしたいというふうに考えて、このような緊急措置をとることによって、ぜひともこの雇用保険法案を全面的に修正したいというふうに考えております。  さらに言うならば、現在の失業・雇用情勢の悪化の中で、やはり失業者の仕事と就労を保障するために、現在の緊急失対法を、中高年法の附則第二条によって現在失業者だけに限られておりますので、これをはずして失業者に多く門戸を開放するという問題、あるいはまた失業防止のために、たとえば大量解雇、大企業とかあるいはまた社会的に不当と思われるような交通遺児をかかえている母子家庭、あるいはまた寝たきり老人、身体障害者、原爆被爆者、こうした人たちをかかえた人たちの不当な解雇というものを一定に規制する問題、こういった問題、あるいは、いま日に日に激増している労働債権については支払い基金を設けて国の負担で立てかえ払いあるいはまた支払う、こういうような幾つかの緊急な課題が必要となっているわけであります。  私どもは、この一助として、ぜひともこうした雇用保険法案に対する修正案について委員各位の御賛同を心からお願いいたしまして、私の趣旨説明を終わりたいと思います。(拍手)

野原正勝自由民主党

○野原委員長 両修正案について内閣の意見があればお述べを願います。労働大臣長谷川峻君。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 ただいま共産党の石母田君から御提案になりました修正案につきましては、政府としては反対であります。  なお、ただいま大野君外三名提出の四党共同修正案につきましては、政府としてはやむを得ないと認めます。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これより四法律案を討論に付するのでありますが、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案及び日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案については申し出がありませんので、雇用保険法案、これに対する大野明君外三名提出による修正案、石母田達君外二名提出による修正案、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、これを許します。まず、枝村要作君。

枝村要作日本社会党

○枝村委員 ただいま議題となっております雇用保険法案及び同法案に対する修正案並びに雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、私は日本社会党を代表いたしまして簡単な意見を述べます。  雇用保険法案に対する日本共産党・革新共同提案にかかる修正案に反対、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党共同提案にかかる修正案に賛成、同修正案の修正部分を除く原案に反対、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に反対いたします。  さきの第七十二国会でも明らかにいたしましたように、この雇用保険法案は、今日のインフレ、不況という深刻な社会経済情勢のもとで、雇用・失業不安を解消することができないばかりか、法改正によって給付の切り下げが行なわれているので、多くの労働者に、より過酷な犠牲をしいていることになる面があります。とりわけ若年者、女子労働者には全く救いようのない措置がとられています。また、この法案は制度を基本的に改正するものでありまして、その限りでは問題は将来にかけられているとはいえ、十分に納得することのできないものであります点も反対の大きな理由であります。しかし、当面の緊迫した情勢に対処するため、附帯決議確認事項などがいまから行なわれるでありましょうが、今後の緊急事態に備えて万全の行政措置をされるよう強く望むものであります。  四党の修正案につきましては、本委員会の与野党の折衝によって成り立ったものであります。なお不十分なところもありますが、今日の政治情勢の中ではやむを得ないと思われますので、この修正案によって幾分でも雇用・失業不安に対処することができるならばと願うものであります。  以上をもって討論を終わります。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 次に、田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 私は日本共産党・革新共同を代表して、政府提案、雇用保険法案並びに雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対して、また、自民党、社会党、公明党、民社党四党共同提案修正案にも反対の討論を行ないます。  この法案は、第七十二国会で廃案となったにもかかわらず、政府があくまでも成立させようとしてあれこれの粉飾をこらしているのであります。この法案は失業中の労働者の生活保障としての失業保険制度の性格を変更させ、失業者特に若年労働者への給付を大幅に切り下げ、一方、本来資本家と国の負担で行なうべき雇用対策事業を失業保険制度と一緒にして、保険財政を政府、大企業の労働力政策の財源に充てる道を開くものであります。  さらに、特に指摘しなければならないことは、大企業などが一時帰休を自由に行なう条件を整えるために役立てようとするものであり、中小零細企業にはほとんど恩恵がなく、保険料だけが引き上げられることは明らかであります。中小零細企業にとっては踏んだりけったりといわねばなりません。したがって、政府提案は基本的に受け入れることができません。四党修正案はこれらの問題を基本的に修正しようというものではありませんので、あわせて受け入れることができないことを表明します。  先ほど石母田議員より日本共産党・革新共同提案の修正案の説明がありましたが、年明け早々には百万人からの失業者が出ようという不況の今日、必要なことは、来年四月を待つことなく直ちに労働者の不安にこたえることであります。  その点では、われわれの修正案は、失業保障制度としての現行法を、一、全面適用を繰り上げ、即時実施すること、二、四時間パートタイムなど不安定就労者にも適用を拡大すること、三、保険金の給付率を八割とすること、四、受給期間を一年延長し、二年間とすること、五、給付日数を大幅に延長し、最低を百八十日とし、最高を四百八十日とする、また延長分の財源は国庫負担とすること、六、日雇い失保の受給要件を大幅に緩和し、五段階給付として、その日額を千三百円から五千九百二十円とすること、七、被保険者期間の計算に関する経過措置をさらに三年間存続させること、八、保険料の負担割合を労働者三、使用者七とする、ものであります。  他に提案を予定している緊急臨時措置法案の、一、失業者の仕事と就労を保障するための失対事業等を拡充改善すること、二、不況を口実とした一恣意的な解雇などを制限する措置をとること、三、中小企業のために休業補償の融資制度をつくること、無担保、無保証、長期低利で財源は失保積み立て金の企業主分、二千四百十三億円を充てること、四、中小企業労働者の未払い賃金、退職金を立てかえ払いする基金制度を国の負担でつくること、をあわせ実施することが今日必要であります。したがって、私は強くこの修正案を支持し、政府案並びに四党修正案に反対いたします。(拍手)

野原正勝自由民主党

○野原委員長 次に、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ただいま議題となっております雇用保険法案及び同法案に対する両修正案並びに雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、私は公明党を代表いたしまして、雇用保険法案に対する日本共産党・革新共同提案にかかる修正案に対し反対、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党四党共同提案にかかる修正案及び同修正案の修正部分を除く原案に賛成、並びに雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し賛成の討論を行ないます。  この雇用保険法案は、現行失業保険制度が季節労働者や若年、女性労働者の片寄った給付実態などを理由に、給付条件を年齢別給付に改め、あるいは季節労働者の給付の適正化、雇用改善事業等の新設などを実施するとして、さきの国会において提案されたものであります。これに対しわが党は、衆議院段階において、三十歳未満の被保険者の給付を、一律六十日分としたものを九十日に、季節労働者には一時金制度とし、三十日分としたものを五十日分に、さらに給付率は、最低を六割、最高は八割給付へと改めさせるなど、修正をかちとりましたものの、若年または季節労働者にとって実質的給付の削減などのことから反対の立場をとったものであります。  しかしながら、わが国の最近の雇用情勢はきわめて深刻な事態におちいり、十月の有効求人倍率は〇・九六倍に落ち込み、各企業においても操業短縮、一時帰休の実施、賃金不払いの発生等、不況の波がさらに押し寄せてきているのであります。かかる深刻な雇用情勢に対応して本法案が再提案されたのであります。  雇用改善事業において雇用調整措置がとられ、一時帰休者の休業補償として、大企業には二分の一、中小企業には三分の二を国が補助するとし、その実施時期を四月一日から一月一日実施にさかのぼることとしました。あるいは給付率におきましては、基礎賃金日額千五百円のところを低所得者救済の立場から二〇%増額し、千八百円とするなどの修正をいたしました。さらに若年労働者に対しては、不況時は政令の定めるところにより九十日に六十日分を追加、合計百五十日分の支給とする。さらに出かせぎ労働者には一時金制度と従来どおりの支給方式のいずれかをとるという、労働者に選択権を与えるなどの確認をとったことは、懸念された部分の改善であります。まさに不況時代の今日に即応した措置として評価するものであります。特に現実に危機に見舞われております事業主あるいは労働者にとっては是というべき措置と認めるところであります。  公明党は同法案が今後さらに改善強化されるよう強く要望し、賛成の討論を終わりますが、以上の理由から、共産党・革新共同の修正案に対しては反対でございます。(拍手)

野原正勝自由民主党

○野原委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  第一に、雇用保険法案について採決いたします。  まず、石母田達君外二名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、大野明君外三名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決した修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  なお、ただいまの議決の結果、字句等に整理を要するものがありましたときは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  第二に、雇用保険法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  第三に、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  第四に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 この際、竹内黎一君、川俣健二郎君、大橋敏雄君及び和田耕作君より、雇用保険法案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。竹内黎一君。

竹内黎一自由民主党

○竹内委員 私は自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますので、説明は省略させていただきますが、何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————    雇用保険法案に対する附帯決議  政府は、雇用保険制度の適切な運用を図るため、次の事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。 一 短期雇用特例被保険者の特例制度の実施に関連し、通年雇用の促進、農業政策その他の産業政策、地域政策を総合的、かつ、強力に進めること。 二 適用拡大に伴う新規被保険者が受給資格を得ずに不況により解雇された場合には、職業転換給付金制度を充実し、その活用により対処すること。 三 五人未満事業所への適用拡大を円滑に行うため、労働保険事務組合の助成等その育成強化に努めること。 四 出かせぎ労働、建設労働等の不安定雇用の問題について、専門の検討機関において、労働者の雇用及び生活の安定、福祉の向上を図るための制度並びに施策の確立についての検討を行い、速やかにその具体化を図ること。 五 中小企業の倒産等による不払賃金の救済制度の確立について、早急に検討すること。 六 常用就職支度金の支給対象となる就職困難な者の範囲を設定し、及びこれを運用するに当たつては、労働市場の実態を十分考慮し、制度の趣旨が十分に生かされるように留意すること。 七 雇用改善事業等の三事業、特に能力開発事業及び雇用調整対策については、中小企業も十分これを利用しうるよう配慮するとともに、補助率についても大企業よりも高めるよう努めること。 八 雇用改善事業等の三事業については、短期雇用特例被保険者を多数雇用する産業において、十分活用できるよう配慮すること。また、育児をはじめとする婦人労働者の諸問題に関する援護措置を含めるよう配慮すること。 九 身体障害者の職業訓練の充実及び訓練期間中の生活の安定並びに低賃金就労者の生活の安定等を図る制度を含め、身体障害者の雇用安定対策についての抜本的検討を行い、その具体化を進めること。 十 国有林労働者に対する退職手当について、従前に比し不利とならないよう措置すること。また、雇用の通年化を一層促進するとともに、通年雇用に必要な新たな措置についても積極的に検討すること。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立総員。よって、雇用保険法案については、竹内黎一君外三名提出のごとく附帯決議を付することに決しました。  次に、竹内黎一君、川俣健二郎君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君より、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議をすべしとの動議が提出されております。  趣旨の説明を聴取いたします。竹内黎一君。

竹内黎一自由民主党

○竹内委員 私は自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますので、説明は省略させていただきます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————    労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議  政府は、次の事項に関し速やかに所要の措置を講ずべきである。 一 労災保険の給付水準、給付基礎日額の算定方法、スライド制等については、今後ともその改善を図るよう検討すること。 二 労災保険の全面適用を早急に実現すること。 三 労災保険給付と他の社会保険給付との関係については、災害補償の趣旨からみて適切な調整のあり方を検討すること。 四 被災労働者の社会復帰のためのリハビリテーシヨンに関する措置を一層充実すること。 五 特別支給金の額は、社会経済の動向に即応し、今後ともその引上げを検討すること。 六 旧法以来の長期療養者の年金についての四〇日分の減額調整の廃止について検討すること。 七 業務災害の発生防止を図る等のため、関係職員を大幅に増員すること。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立総員。よって、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案については、竹内黎一君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、労働大臣から発言を求められております。労働大臣長谷川峻君。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、第七十二国会における附帯決議とともに、その趣旨を十分尊重し、関係各省とも協議の上、善処してまいる所存であります。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 この際、竹内黎一君、川俣健二郎君、石母田達君、大橋敏雄君及び和田耕作君より、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、趣旨の説明を聴取いたします。竹内黎一君。

竹内黎一自由民主党

○竹内委員 私は自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますので、説明は省略させていただきますが、何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————    日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議  政府は、医療保障を充実する責務にかんがみ、次の事項についてその実現に努めること。 一 医療供給体制を完備するため、無医地区の解消、救急医療体制の確立、病床の増大、差額べットの縮少、看護体制の充実、医師、看護婦等医療従事者の養成と待遇の改善等について積極的に推進すること。 一 五人未満事業所の従業員に対する政府管掌健康保険及び日雇労働者健康保険の適用の問題について具体的方策の樹立に努めること。 一 日雇労働者健康保険の保険給付の受給要件について、日雇労働者の就労の実態を勘案し、その緩和措置を検討すること。 一 日雇労働者健康保険の財政状況の推移をみきわめつつ、累積赤字の処理、国庫負担のあり方及び労使負担区分のあり方等財政政策について検討すること。 一 高額療養費の支給要件及び支払方式について、なお検討すること。 一 日雇労働者健康保険の賃金日額の区分のあり方等については、今後十分に検討すること。     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 起立総員。よって、旦届労働者健康保険法の一部を改正する法律案については、竹内黎一君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣から発言を求められております。厚生大臣田中正巳君。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、今後とも一そう努力をいたしたいと存じます。

野原正勝自由民主党

○野原委員長 なお、ただいま議決いたしました四法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由民主党

○野原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

野原正勝自由民主党

○野原委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十一分散会

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