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74回国会衆議院1974/12/24

公害対策並びに環境保全特別委員会 第3号

発言数
291
登壇者
25
会派数
4
開催日
1974/12/24

会議録

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 これより会議を開きます。  この際、小沢環境庁長官から発言を求められております。これを許します。小沢環境庁長官。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先般、環境庁長官を拝命いたしました小沢辰男でございます。一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  今日、国民は公害のない快適な生活環境、美しい国土を強く求めておりまして、環境問題は政治の重要な課題の一つでございます。また、環境行政は国民の健康の保護と生活環境の保全を第一義として、清浄な大気や水やあるいは美しい自然など、豊かで恵まれた環境を確保し、これを後世の国民に伝えていくことをその最大の任務とするものでなければなりません。  私は、このような認識に立って環境行政を推進してまいる決意でありますが、具体的に施策を進めるにあたっては、第一に国民の皆さまのいろいろな要望に率直に耳を傾け、その御理解と御協力を求めながら行政を行なっていきたいと考えております。  第二には、長期的な見通しを立て、絶えず問題を先取りにいたしまして、あと追い行政におちいることのないような注意を十分していかなければならないと考えております。  当面するいろいろな問題、あるいは来年度の予算編成等につきましては、着任早々予算委員会、本会議等がございまして、まだ十分勉強いたしておりませんけれども、連日鋭意勉強させていただいておるところでございます。  ただ、総理はつい先ほどまでの環境庁長官でございますし、環境行政につきましては深い御造詣と非常に強い熱意を持っておられる方でございますので、総理の御指導も仰ぎながらこの重大な責務を全うしていきたいと考えておるわけでございます。  どうぞひとつ委員各位の、非常に練達なまた経験の深い各位でございますから、格段の御指導、御鞭撻、御協力を切にお願いをいたす次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 これより請願の審査に入ります。  本委員会に付託されました請願は十五件であります。  本日の請願日程全部を議題とし、審査を進めます。  まず、審査の方法についておはかりいたします。  本請願の内容につきましては、先刻の理事会において御検討いただきましたので、紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。  採決いたします。  本日の請願日程中第一、第二、第六ないし第十及び第十二、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 この際、御報告申し上げます。  本委員会に参考のため送付されました陳情書は、自動車の排出ガス等による公害防止に関する陳情書外四件であります。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  中島武敏君外一名提出の   公害対策基本法案   大気汚染防止法の一部を改正する法律案   水質汚濁防止法の一部を改正する法律案   騒音規制法の一部を改正する法律案   公害委員会法案  島本虎三君外四名提出の   環境保全基本法案   公害に係る事業者の無過失損害賠償責任等に    関する法律案  岡本富夫君外一名提出の   環境保全基本法案 並びに  公害対策並びに環境保全に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。      ————◇—————

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 小沢環境庁長官の就任を私どもは心から期待し、お祝いを申し上げるとともに、今後の奮闘を願ってやまない次第であります。  何代目の長官か、長官おわかりですか。あなたはちょうど六代目になるわけです。まず山中長官が暫時でありましたけれども初代であります。その後、大石長官、小山長官、三木長官、毛利長官、その次が小沢長官、こういうようなことになっております。  それで、代々この長官の場合にはジンクスがあります。うんとやるかと思ったらそうでない、うんとやるかと思ったらそうでない。あなたはちょうど上がり目の長官なんだ。したがってここであなた自身、大いにこれを自負し、大いに確信を持ってやってもらわないといけないわけです。あなたは、金脈、人脈、資産拡大のあの悪評高かった田中内閣の際には、経理局長として金庫番、そして大臣としては、建設大臣として、いわば環境破壊と取っ組んできたわけです。今度は、環境を十分に保全しなければならないという百八十度転換した大臣ということであります。ここで緊褌一番の勝負をしなければならないどたんばへ来た、こういわざるを得ないと思います。  それで、あなたは先ほど重要な課題を持っている、そうおっしゃいました。そのとおりであります。それでは大臣としては、どういうような姿勢でこれからやっていくのか。いままでやってきた日本列島改造、こういうような計画に対するいわば推進者であった。それが今度はがらっと変わって、環境保全を全面的に守らなければならないという、一つの重大な十字架をしょったわけであります。こういうような意味におきましても健闘を望んでやみません。ここで徹底的にやってもらわなければなりませんが、その覚悟はおありかどうか、まずそれを伺います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 たいへんいいことばがございまして、君子豹変ということばがございますので、私はそこまでの君子ではございませんが、環境庁長官になりました以上は、当然環境保全を第一義と考えまして、環境保全の鬼となって人間の健康と自然を守る、これに徹していかなければならないと決意をいたしておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それならば具体的にお伺いいたします。  三木前環境庁長官が副総理として在任のころ、六月の五日、NHKホールにおきまして、副総理として出席いたしましたが、自然保護憲章、これが可決になったのであります。それはもう御存じのとおりでありますが、この崇高なる憲章、この後半には九つに分けて、具体的な問題として行政の中に取り入れる、これを長官としてはっきり言明したのです。で、その席上では、自民党を代表して現理事の登坂さん、それから社会党では私、共産党では米原胆さん、それから公明党では岡本委員です。これらの人が全部これに対して賛意を表した。そうして自民党の登坂委員が、これを実施するためには率先遂行これにつとめると言った際には満場の拍手を受けたのであります。  その項目の一つに「開発は総合的な配慮のもとで慎重に進められなければならない。それはいかなる理由による場合でも、自然環境の保全に優先するものではない。」これがあるのであります。いかなる理由の場合でも開発は自然環境保全に優先するものであってはならないのだ、これを今度行政の中にはっきり位置づけるということを、現総理であります当時の三木環境庁長官が副総理として出席して言明したのであります。当然大臣も今後はあらゆる法案、あらゆる行政の中にこれを生かさなければならない、こう思うわけです。当然これはそうあってしかるべきでありますが、これに対して大臣いかがでございます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 当然その憲章の精神なり御趣旨は十分尊重し、これに沿った姿勢で行政に当たらなければいけないと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 わかりました。念のためにもう一回言っておきます。「開発は総合的な配慮のもとで慎重に進められなければならない。それはいかなる理由による場合でも、自然環境の保全に優先するものではない。」二回言いましたが、これを忘れないようにして、行政の中にこれを取り入れてください。それを約束いたしましたから、確認いたします。全委員も聞いておりますから。  では次に伺いますが、これは五十一年規制の問題です。具体的問題の第二としてこれを伺うわけですが、いま光化学スモッグや大気汚染に悩む国民にとって、健康と良好な生活環境を確保するための必要最低限度の施策、それが五十一年規制である、こういうふうにわれわれ考えてやってまいりました。ところが、環境庁は自動車メーカーなどの業界の要求に押されて、八月に中公審に再び諮問をし直したという事態がございました。五十一年度の規制を大幅に後退させる暫定値の答申、こういうふうなものもいま出されるような状態にあるわけであります。これは国民としてはまことに納得できない問題であろうと思います。  したがって、もしこれをやる場合には重大な問題が起きるのではないか、こう思われます。五十一年規制では、これは東京都、大阪府をはじめとしてすでに環境管理計画をつくっております。それと同時に、運用計画をいま練っている最中であります。もし一方的に後退さるせような告示をし、それによって運用しようとすれば、地方自治法一条、二条にきられておるところの地方自治の原則にこれは違反することになるおそれがあるわけであります。この点等についても十分心しなければならないと思いますが、五十一年規制に対しましての大臣の決意を聞かしてもらいます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私どもは、総理がたびたび本会議あるいは予算委員会でお答えをいたしておりますように、中央公害審議会の真剣な、また技術的な学問的な御検討というものを、その結果が出ました場合にはこれを尊重して行政方針をきめたい、こう申し上げておるわけでございます。この趣旨は、私も総理と全く同意見でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 しかし、長官としてはもうすでに、五十一年規制の重要なる窒素酸化物のこれに対しては〇・二五という努力目標をはっきり告示してございます。しかし、現在はそれより後退しようとしておるわけです。後退させたならば、これは当然国民の健康に重大な支障を来たすわけです。現に東京都内でもこの規制を上回っているような場所がほうぼうにあるじゃありませんか。現在のままでもそうなんです。まして今後東京都としてもその他の七大都市におきましても、このままでもし推移するか、この五十一年規制、それを完全実施するのでなければ——ここに、一つの光化学スモッグだけじゃなく、また国民の健康を守るためにはどうしても自動車の規制をしなければならない、こういう状態になるわけです。そうしてまた、そういうような答申も出されているのであります。  そういうふうにした場合には、東京都だけでもまさに百数十万台減らさなければならない、乗り入れも規制しなければならない、こういうような状態になるのであります。参考人の意見を徴しましても、乗り入れ禁止というようなことは言うべくして困難である、至難である、こうさえ言っておるのであります。そういう状態だとすると、何が何でも〇・二五の窒素酸化物の規制値、これは達成しなければ国民の健康が守れない、こういうようなことになってしまうじゃありませんか。したがって……(「それはむずかしい」と呼ぶ者あり)むずかしくてもこれはやらなくてはならないのです。むずかしいからやらなくてもいいと、こういうようなところで逃げたならばだめなんであります。  ここなんであります。大臣がいま重大な関頭に立っておるというのはそういうところなんであります。これでひとつあなたはためされるわけであります。そういう答申が出たならばそれを尊重する、こういうようなことであいまいにすることは将来に悔いを残すことになる。こういうことを心配するのです。やはりどんな答申が出ても、その答申を尊重して、そして〇・二五、この規制値までやる努力はどういうふうにしておやりになるのか。その場合には規制をきちんとしなければならない、乗り入れも禁止しなければならない、こういうようなことは言うべくしてできないと自治体がいう。しかしながらそれをやれという。一体この点、責任が持てましょうか。どうでしょう。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 一昨日でございますか、参議院の予算委員会あるいは衆議院の代表質問においても、社会党の先生の代表質問の中に、むしろ個々の規制よりも総量規制のほうが大事ではないかというような御趣旨の御意見を交えた御質問がございました。私ども、これから慎重に審議をされた結果、中公審の答申がいかようになりますか、まだ二十七日の総合部会の御審議を見なければわからないわけでございますけれども、総量規制ということにつきまして、一応大気部会の御結論が総会にかかりました。その大気部会のお考え方をまとめたものを拝見いたしましても、特に四つの問題点をあげられまして、乗用車のみならずディーゼルあるいは小型トラック等の排出ガスの規制問題やらあるいは交通規制を伴う総量の問題やらあるいは中古車と新しく開発される低公害車との税制上の取り扱いを検討することによって総量の規制を強化する問題やら、いろいろな点を提示されておりますので、その答申の中に、なおいろいろ中公審の総会やらあるいは総合部会等でそのほかにも御意見があるいは出るかもしれませんので、答申を受け取りましてから、私はできるだけ各省に協力を求めまして、特に総理にもお願いをいたしまして、強力なこれらの施策を関係各省でとっていただけるような仕組み等にも考えを及ばしつつ実効をあげるように努力をして、最終的な目的であります環境基準に合致する大気を守っていくように努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 環境基準に合致した数値を出したい、こういうふうに言っておられます。これはもうすでに生活環境と環境基準に対しては昭和四十五年十一月からのあの公害国会で経済との調和という文言が全部取られてしまって、ないのであります。もうすでに、生活環境と環境基準、これをきめるに際しても、経済との調和条項、これがあってはだめだということで、取ってしまったのです。ましてこの健康被害、こういうようなものに対しては、初めからないのでありますから、この問題は厳重に取り扱わなければならないことになっているのです。  しかし、いまこの大事な生活環境と環境基準をきめる、こういうような問題に対して、ともすればまた四十五年十一月から削除された公害対策基本法の経済との調和条項の精神、こういうようなことを生かすような結果になりかねないのであります。五年間逆戻りするような結果をここに招来するおそれがあるのであります。したがって、ここはもう厳重に注意して行政を実施しなければならないと思うのでありますが、この問題に対して、長官、いかがでございますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は、国民の経済活動、生産活動、消費活動、これらに対しまして、環境保全の見地かも適切な討議を加えていくことが非常に大事だと考えておるものでございます。経済との調和の条項が削除された経過も承知いたしております。したがって、最初に申し上げたような私の基本的な考え方でこれからも進めてまいるわけでございますが、いま提起された本問題につきましては、中公審がほんとうに真剣に念には念を入れて御審議をいたしておられるわけでございまして、また専門的な見地からの答申が出るわけでございますから、これらを十分尊重いたしまして、行政庁がそれに対しましていろいろな観点からいやしくも圧力をかけたり、これをゆがめるようなことのないように十分配慮をしてまいる所存でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 行政庁が圧力を加えないように配慮する、これは当然であります。しかし、それ以前にもう一回配慮してもらわなければならない問題があるのであります。この自動車の排出ガスの問題等についていろいろな世評がありました。環境庁自身もかなえの軽重を問われる、こういうようなことが何回かございました。いまでもある。これは自社の資料を公開しないでおいて、そしてこの規制は不可能であると主張するメーカーの言い分、こういうようなものは通用しないのに、しかしだいぶそれに近いような答申を出している。これじゃ国民に信頼され得ないのではないか。  ことに中央公害対策審議会の自動車公害専門委員会、それから中央公害対策審議会の大気部会、この大気部会においてはただの四時間の審議でこの結論を出している。この中央公害対策審議会の構成メンバーの点、こういうような点では片寄りがあるのかどうかというような点、それと同時にこの審議のしかたに、これは密室審議、全然非公開でこれをやらされておるのでありますが、こういうようなやり方に欠陥があるのじゃないか。それと同時に国民が関心を払った窒素酸化物の問題では、七大都市等の自治体や住民の代表、こういうようなものも中に入れて、公開ではっきりやってもらいたいというような声がちまたに満ち満ちている。しかし、依然として構成メンバーは今までのとおり。そして密室審議、これも改めない。そして、できるという七大都市のこれらの人たちの意見も、ただ単に承るだけで、中に、討論にも参加させない。こういうようなことであるならば、もうすでに民主的な、上の方から圧力を加えないと言われる前に、もう中でこういうような片寄ったような審議がされる。こういうようなことになるならば、なおさら国民の信頼をつなぎとめることはできないのじゃないか、こういうように思うわけです。  したがって、もう一回これらの構成メンバー、それから審議のあり方、並びに自治体の代表、住民の参加、こういうものに対しては検討する意思がおありかどうか。この点について、ひとつ長官の忌憚のない意見を聞かしてもらいたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 島本先生も御存じのように、各種審議会というのは、私どもの役所のみならず、いまの法律あるいは行政の中にたくさんございます。私、わずか十四、五年の経験でございますけれども、国会において野党の方々があらゆる場合に主張されるのは、審議会の答申を尊重をすべし、尊重しないのはけしからぬじゃないか。ことに選挙制度調査会に対する長い間、七年半の佐藤内閣時代は、小骨、大骨を抜かない、抜いたじゃないかという議論をほんとうに真剣にされておられます。  審議会を尊重するのは、これは政府も与党も野党も当然審議会の意見というものは尊重すべきじゃないかと私は考えておるわけでございまして、少なくともこの中公審の委員の先生方は、いま各界、各層から最もりっぱな方々、その分野において見識のある方々だというので、政府が責任を持って選びましておまかせをいたしておる先生方に対して、私は、この意見をほんとうにそのまま尊重をしていくのが私ども政府の態度だと考えておるわけでございます。  ただ私、着任をいたしたばかりでございますから、おまえは新たなる観点から今後委員の人選については、この任期が切れたときに、いろいろ世論の動向や先生方の意見等も参考にして見直す意思が全くないのか、こう言われますと、私は所管大臣として、この委員会の委員をお願いをする責任者として考えますと、これはそのときになって、そのときのいろいろな問題別による環境行政のいろいろな観点から、いまのままでいいのか、あるいはまたさらにつけ加える必要があるのかどうかは、十分そのときの情勢を考えながら問題を頭に置きながら検討をしてまいる、こういうのが私の立場ではないか、こう考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 何かわかったようでわからないようで、この点は私は少しあいまいな点があるように承りました。  私が言っているのは、往々にしてちまたの声として、たとえば自動車公害専門委員会の委員として専門的に知識のある人が何人いるか疑問だという声さえ出ているわけです。私はわかりませんよ。それを把握しておるのがあなたであります。同時に大気部会では、たった四時間でそれを是なりとして認めてしまっているのです。中央公害審議会のですよ。  そういうようなことであるならば、ますますもってその委員会自身、委員会の決定そのものがどうも国民としては納得しかねる、こういうような点が多いから、構成メンバーに片寄りがあるかないか、これも検討してみる必要があるのじゃないかということなんです。  同時に、審議のあり方として密室審議は欠陥ではないのか、もう少しオープン一にしてやったらどうなんだ。七大都市の調査団ができるというものをできないと言うのだから、両方合わしてみてできないならば、両方の合意の上でできないということならば、国民は納得するじゃありませんか。それを密室の中でやって、これらの人の意見は聞くけれども、討議に参加させない、企業秘密があるからだ、こういうようなことでやったならば、ますます国民が環境庁から離れるのです。それと同時に住民の代表、こういうような者を参加させておいてやったならば、なおさらはっきりするじゃありませんかね。  できない、できる、これは私もわかりません。やるべきだということは、私主張する。〇・二五グラム窒素酸化物の規制、これは主張する。しかしながら、どうしてもできないのだという場合には、密室の中できめてやるから信じないので、どうしてもできないのだというのならば、できるという七大都市の公害調査団、これらの人とその住民の代表者でも入れて、その中で公開で討論して、ほんとうにできませんと言ったら国民は納得するのじゃありませんか。こういうような点を十分考慮して、運営の中でこれを入れる意思がないのか、検討する必要があるのじゃないかと言っておるのであります。  審議会の審議の決定をそのまま尊重すればいいのだ、これはほんとうの根本の根本なんですよ。私はそうする以前の問題を言っておるのですよ。ですから、こういう点は十分配慮してやらぬと悔いを残すのじゃありませんかね。これは私の愛情あふるる忠告を含んでの質問です。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 いや、先生のおっしゃっておることは、私も何も攻撃のための攻撃というふうには受け取っておりません。非常に環境行政に熱心な先生の御意見でございますから、十分その趣旨で受けとめておるわけでございますが、ただ審議の公開をやれというお話でございますけれども、これはやはり中公審のこういう制度をつくり、中公審の委員の方もほんとうに公平な、しかも専門的な方々をお願いをしている以上は、これらの方々の審議にいやしくも役所もまた他からも、いろいろないい意味においても悪い意味においても身心ともに圧力がかかるような仕組みというものはどうだろうか。これはやっぱり自由に討論をしていただき、検討をしていただくのが一番いいことではないかと私は考えますので、この点はどうも先生のお説と若干私どもは違うわけでございます。  なお、代表の人選については、これは先ほど言いましたように、少なくとも私は先ほど先生御指摘のように六代目でございまして、これはもうずっと前から大臣がよく検討されて決定をした人選でございますので、まだ任期の途中において所管大臣がそれらの人選につきまして云々するようなことはとるべきでない、私はかように考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 あなたは上り目の運命をしょった大臣なんです。それがどうもそういうような慎重というかなんというのですか、ありきたりの答弁をする。環境庁の長官というのは、答弁は二歩、三歩はみ出しても何でもないのです。一番はみ出した答弁をやって喜ばれたのは大石環境庁長官のころです。あれでも時流に沿うておるからこれはもう先見の明があるということでほめられておるのです。そういうような点をいまあなたはできるのです。また国民は期待しておるのです。いまのような官僚答弁に類するような答弁では国民の期待がぐらつきますよ。ジンクスが破られる日も近いのじゃないか、こういうようなことで、あなたに対する期待がはずれたら私は困ると思う。切ない願いを込めての質問でありますけれども、これはどうもあなたの答弁はまことにかたい官僚的答弁で、私はこれでは合格点つけるわけにいきません。五十点以下です。私はもうこればかりにこだわっていることはできませんけれども、今後ひとつ大いに奮闘を期待してやまない次第であります。もう少し十分考えて行政に当たってください。  同時に、あまり内部で、あなた自身も初めてで遠慮しているだろうけれども、あなたを補佐する各局長も、部長も、課長もいるはずです。十分点検してそしてやりなさい。いままでと、はだ合いが違うような存在すらあるようです。このような点も、今後の環境行政を実施する上において、あなたの重大な一つの責任だ、こういうふうなことでこれも勧告しておきます。  では、次に移ります。私はつい先般、きのうおととい、調査してきたのですが、いまの水島の三菱石油タンクからの重油の漏洩事故、この問題でひとつ長官、環境庁にお伺いします。  瀬戸内海環境保全臨時措置法、これができて一年目です。三年間でCODを四十七年の調査より半分にする。三年間でこれをやることになっている初年度でこの油事故があった。いまそれは瀬戸内海のほとんど全域にわたろうとしておりますが、この計画はそのまま実施できますか、できませんか。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたように、瀬戸内海ににつきましては、一年前に瀬戸内海の環境浄化の臨時措置法が策定されまして、その施策を実施しているわけでございますけれども、そういう意味におきまして、瀬戸内海の浄化というのは水質保全行政の一つの拠点といいますか、橋頭堡といいますか、試金石といいますか、そういうぐあいに私ども考えているわけでございます。  今回の事故は、そういう意味におきまして、産業排出にかかるCODを半分にするという形で、各企業あるいは生活排水にかかる汚濁につきましては、いろいろ下水道等も建設を通じて、浄化につとめておるわけでございますが、そういった努力をふいにしてしまうというのは少しどうかと思いますけれども、かなり致命的なダメージを与えてしまうということになりますので、非常に残念に思っております。  環境庁といたしましては、この事故の発生と同時に、現場に係官を派遣いたしまして、そういった瀬戸内海の環境の浄化というたてまえから、海洋に汚染が拡大しないように切に関係機関に要望いたしたわけでございますが、結果は残念ながらかなり広範囲にわたって汚染が拡大しておる。この上はいち早く、ことに海岸等に油のかたまり等が漂着しておりますし、そういった事故対策を全力をあげて各機関にお願いし、環境庁ももちろん音頭をとりますけれども、そういった浄化の対策をとって、早く本来の水質保全行政の軌道に乗せたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 長官もよく聞いておいてもらいたいのですけれども、実施一年目ですよ。一年目にしてこのような重大な事態に直面した。しかし、これにも多大の疑問があるのです。  通産省来ておりますか。——もともとこの防災対策、これは三重のチェック機能があるはずです。耐震、耐火はもちろんのこと、どんな圧力にも耐えられる設計のタンクであるはずです。そしてもしそれが漏れても、防油堤でそれを十分阻止できるような、防油堤のこれも構造が指定されているはずです。もしそれから破れて出ても、オイルフェンスによってこれの流出を防止する、この三重のチェックの機能が完全にはかられているはずであります。  ことに水島はコンビナートでもわりあいに機能のいいほうだといわれているところじゃありませんか。しかし警報機はあったのですか、ないのですか。全然作動していない。手で動かしてやっている。防油堤は、倒れたそのはしごによって破壊されて、そのまま防油堤が油を出してしまっている。オイルフェンスは、備えつけのものは少なくて、方々から借り集めてきてやっている。あの細い掘り抜きのような港から、いま瀬戸内海全域にわたってこれが流出されている。一体、こういうチェックの機能というようなものは、全部これはばかっているはずなんですが、どうなんですか。これは全然はかられていないと同様なんであります。  瀬戸内海の環境保全のため、汚濁負荷量を昭和四十七年の二分の一に三年間でしなければならない第一年目にこういうようなことをやっているのです。諸悪の根源とはこのことじゃありませんか。あの諸悪の根源は、公害のこの委員会で通産省に対して出したことばなんですよ。水質汚濁を防止するために、瀬戸内海環境保全臨時措置法を出して、実施第一年目にもうこういうような状態である。一体、いま言ったようなことは完全にやられておったのですか、やられておらぬのですか。これだったら、今後瀬戸内海関係は全部再点検しないとわからぬじゃありませんか。一体、どうなんでしょう。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 今回の三菱石油の水島製油所におきます重油流出事故につきまして、たいへん多大な影響を各方面にお与えするということになりましたことにつきまして、石油産業を所管しております通産省といたしましても、まことに申しわけなく思っております。  先生いま御指摘の問題でございますが、この防災体制につきましては、消防法とかあるいは海洋汚染防止法とか、そういうふうな法律に定められておりますので、それに従いました施設その他はこの三菱石油も備えておったわけでございますけれども、それの作動状態が、先生御指摘のとおりうまくいかないで、結局油が瀬戸内海に流出したという結果を招きました。  この点につきましてはわれわれも十分調査いたしますし、法律所管の各官庁からも十分調査していただきまして、その結果につきまして今後の対策を講じてまいりたいと思いますが、さしあたって、先生おっしゃいますように、今後こういう問題を起こすことがないように、各石油企業についても注意を促しまして、そういう上で、原因がわかりました上でさらに点検をいたしたいというふうに考えております。まことに申しわけないと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いま、これから点検し注意をする、こういうようなことをおっしゃいました。いままでこれに類するようなことが何回もあって、今後こういうような事故がないように点検、注意する。やりながらの事故ではありませんか。今度のこれだって、前から指摘されている問題でしょう。ことにこういうようなところに対しては、あの油の回収船、こういうようなものは他のコンビナートはみんなあるのですか、水島にあったのですか、ないのですか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 現在までは備えつけておりませんでした。

島本虎三日本社会党

○島本委員 備えつけておらない。とんでもないじゃありませんか。この問題でも、ついにその必要を迫られて、ほかのほうから借りてきて操作していますね。なぜこういうようなものを準備さしておかないのでか。それからもう一つオイルフェンス、これは十分準備してあったのですか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 油回収船につきましては、来年の三月に入手するという予定でやっておったわけでございます。なお、そのほかに海上保安庁も大体今年度末までに水島に油回収船を配備する予定であったと聞いております。  それからオイルフェンスでございますが、これについては大体千五百メートル準備しておったというふうに承知しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それでは全然間に合わないでしょう。それも三菱そのものは、ほんの少しより持っていない。全部近郷近在から集めてきて、約七千メートルほどのものを使った。それでもなお瀬戸内海にどんどん出てしまった。今後改める、こういうふうなことであります。しかし、もう構造上の欠陥というのですか、こういうふうなものに対しては、十分やらないと、瀬戸内海環境保全臨時措置法が出て、あの周辺に対して同じようなものが幾つもある。  その中で、今回の場合にはどうなんですか。石川島播磨重工がこれを施行して、基礎工事は千代田化工建設が行なっている。いずれもこれは札つきじゃございませんか。通産省の推薦業者ですか、これは。あの原子力船「むつ」もここじゃございませんか。それから五年前に沈没事故を起こした「ぼりばあ丸」、これも石川島播磨重工じゃございませんか。そしてまた、この基礎工事をやっているのは——昭和四十五年の四月に小野田市でもタンクが同じように底部の破損で、ちょうどこれは水を張っておったときだから事故にならないで済んだ。今度は油で事故になった。これは基本的な問題で、まさに何か考える必要があるのじゃないかと思うのです。こういうような業者、一度ならず二度三度、こうやっていることに対して、同じような構造でやらして今度は大事故を起こしている。これはとんでもないことじゃないかと思うのです。これはどういうふうな考えでやっているのですか。  それと同時に、流出した油、私もセスナ機で全部見てまいりましたが、ばく大なものですよ。初め二百キロリットルくらいだと言っていた。それから三百キロリットルになって、実際は三千以上じゃございませんか、出ているのは。業者はまたこういうふうにうそも言っている。これで瀬戸内海を完全に荒らしてしまった。一体これは完全な施行ですか、技術上のミスですか。  同時に、保安庁がおりましたならば、この油の回収、こういうものはいつ終わりますか。これを答えてもらいます。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 今回の事故が作業の施行ミスであるか、あるいは設計が悪いかというような問題につきましては、現在主管官庁でございます消防庁で調査をしていただいております。この結果が出ました上でわれわれが対策を講じてまいりたいというように考えておりますが、現在のところは、やはり厳正な調査をしていただいて、その結果によって処置をいたすというのが一番適当ではないかというように考えております。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 海上保安庁といたしましては、この流出事故の通報を受けまして直ちに立ち上がったわけでございますが、きのう現在までに巡視船艇延べ百二十二隻、航空機三十一機、またほかの自衛隊から四十四隻、民間の作業船三百三十二隻、あとは油回収船延べ二十八隻、漁船が千四百八十隻、バキュームカー五十九台等によりまして、極力油の処理、回収を実施しております。  しかしながら、最初張りましたオイルフェンス、港内で食いとめようといたしましたが、きわめて多量であったということと、引き潮等によりまして、残念ながら切断いたしました。そしてまた、C重油でありますためにかたまりまして、回収あるいは処理が非常に困難な状態となりまして、現在相当広範囲に流れておるわけでございます。また、岡山県の漁民は直ちに翌日から立ち上がって、作業船を出しましたが、香川県側がきのう決議しまして、きょうから大量に漁船を出してやるという状態でございます。C重油でありますために、非常に原始的な方法でありますけれども、ひしゃくでくみ取るとかというようなことまでやらなくてはいけないという状態でありまして、われわれの巡視船はもちろんのことでございますけれども、関係の船総力をあげて逐次やっていかなくちゃいかぬという状態でございます。  いつ終わるかということにつきましては、現在大体が高松の沿岸、高松付近、香川県の沿岸及びその付近の島嶼に漂着しております。一部は鳴門海峡から徳島沖まで流れておりますが、それを回収するのには、あるいは処理してしまうまでにはまだ若干の、数日の日時がかかると考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それだけではないのであります。警報、これは通産省も消防庁も、この通報はなぜおくれておるのですか。消防法からしても、そういう事故があった場合は自動的に警報が鳴る、そうして対策を講ずる、こういうようなことがコンビナートの中ではきちっとしているはずなんです。ところが警報が全然ない。そして手動でやっておる。  同時に、知らされたのがもうすでに数十分たったあとで、会社側が救急車の要求をしておる。救急車が行ってみたらこれはとんでもない。そこで救急車のほうから、消防のほうから逆に化学消防車を要請しておる。会社側は何もやっておらない。どうなんですか、通産省では。これをもう全部ないしょにしようとしておる。そして香川県のほうへの通報は十二時間も経て後に行っておる。そのころはもう油は行っておるのだそうじゃありませんか。それでノリ、こういうものの被害がばく大である。私どもの調査した岡山県では十四億、香川県を入れたら二十七億、ノリだけでそれほどだと聞いた。ところが、現在四十四億以上にもなっておる、こういうことさえいわれておる。十分対策をするために、被害を最小限度に押えるために、通報だけは周辺の府県に早くしてやらぬとだめなんです。その通報さえ怠った。とんでもないことです。  まして、これは全額誠意を持って賠償に当たる、こういうふうに会社側で言っておりますから、いかに被害が膨大であっても会社は損害賠償に応じさせなければならない、こう思うのであります。この点等についても通産省どういうふうに考えておるのか、この機会に聞かしておいてもらいたい。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近政府委員 先生おっしゃいますように、事故が発生すれば直ちに関係の所管庁、消防庁ないし海上保安庁に連絡すべきことは当然だとわれわれは考えておりますし、常々そのように所管官庁から指示されておるはずでございます。それが実行されなかったということはまことに遺憾なことでございます。石油産業を所管しております通産省といたしましても、この点については十分注意をいたしておったのでありますが、実際に実行されなかったことはまことに残念に考えております。今後は各産業に対して、消防庁なり海上保安庁に対する連絡というものを緊密にやるように十分注意をいたしたいと考えております。  なお、補償の問題につきましては、本件について十分会社に対して誠意を持って当たるように、社長を呼びまして指示をいたしております。今後もわれわれは十分それをさすように指導してまいりたいというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 起きてから、あとから指導する指導するではもうだめだという例をあとから、最後に言いますから、聞いてもらいますけれども、それより先に、消防は消防できちっとして立ち会ってやっているのです。現行法のもとではやはり妥当なんです。しかしああいう事故が起きているのです。底板がなぜ割れるのか、この辺に対してはもっともっとこれは慎重にやらぬといけない。  したがって、これは対策のうちの一部として、一業者や地方だけにまかせないで、中央でこのための技術者、専門家です、まさにこういうような専門的な技術者に、もう一回タンクの構造、それからこういうようなことに対して徹底的な調査をしてやらせる必要があるのじやないかと思うのです。そして法律の改正、ことに消防法ですが、こういうふうなものに対してはもう一度点検してみる必要があると思うのです。  これは大臣に聞いておいてもらって、あなた閣議で発言しないといけない状態だろうと思うのですが、合法的にやっていてこんな事故が起きている。一再ならず起きているのです、方々で。これは必ず資材の欠陥か材質の欠陥か何かあるはずです。したがって、中央からひとつプロジェクトチームをつくって、タンクの構造、そこだけではありませんから、方々でやっていますから、はたしてそれがいいのか悪いのか、妥当なのか妥当じゃないのか、これらの専門的な調査をすべきだ、その結論を待って指導すべきだ、こう思うわけであります。それに対して大臣最後にこれを答弁してもらいたい、こう思うのであります。  それと同時に、やはり力学的な、技術的な点からも、これはもっと考慮してもらいたいというのが現地の立ち会った消防署員の考えです。消防署員としてはまともにやっているのです。立ち会ってきちっとしてやっているのです。しかし、こういう事故が起こっておる、こういうことです。したがって、今後どんな圧力にも耐えられるようなタンク、それとあわして警報、それと同時に防油堤、防油堤までの距離、それと同時にオイルフェンス、こういうふうな一つの連携した機能が同時に作用するようにしないとだめなんです。この点は十分考えておいて、もう一回中央から専門家を派遣して徹底的に調査させるべきです。このことを私は心から要請しておきたいと思いますが、大臣よろしゅうごごいますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 この事件を聞きまして、その目すぐ私は通産大臣にも、技術的な点はよく私わかりませんでしたが、厳重に各基地、タンク所在地、またその所有する会社に注意するようにお願いしておきましたが、ただいま先生のおっしゃるような点につきまして、早急にひとつ私からも十分強く申し入れをするつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 島本君に申し上げますが、時間になっておりますのでよろしく……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 わかりました。もう予定の時間であります。したがって、このことだけはひとつ報告し、注意を喚起しておいて私は終わりたいと思うのです。  私もこれを空から見て、瀬戸内海一帯が油で光っているのです。これは二十二日の午後四時です。そして波は静かだったのですが、青松白砂の白砂がまっ黒く油ですでにしまをなして周囲が染められているのであります。瀬戸内海です。国立公園地帯です。こういうふうな状態です。おそらくこういうふうな点もきちっとしないとだめだと思うのです。  それと同時に、意外に油は広がっております。環境保全臨時措置法、これを実施する上からも今回はきちっとした態度で、いままでで一年目ですから、これで十年間の負荷を背負うようなことになってはたいへんでありますから、いかに予算を請求しても、いかに機能を動員しても、これはきちっとやらせるべきだ、こう思います。これも長官にもはっきり申し上げて終わりたいと思うのであります。  それに通産省、あなたはすぐ、事故が起きてから、これはやりますやります、こう言ったけれども、過去の例をひとつあなたに申し上げて、いかに通産省の対策がずさんであり、業者庇護に片寄っているかということを例をもって言っておきたい。これは参考にしてください。  昭和四十八年の七月に爆発事件があった。これは出光石油化学徳山工場です。政府のとった対策としては、全国の十七コンビナートのエチレンセンターの総点検をいたしました。  そうしたところが、同じ昭和四十八年の十月八日に、今度は千葉窒素化学五井工場が爆発いたしました。これで死傷者も出たのであります。十七のコンビナートを総点検したのに何だ、こう言ったところが、これはエチレセンターではなくて関連工場であったから総点検の対象外であったと言っておるのです。それで政府としては直ちにコンビナート内の二百二十の関連工場の総点検をこの時点でやった。  そうしたところが、今度また昭和四十八年十月二十八日に信越化学直江津工場が爆発した。一体総点検したのに何だと言うと、これは単独化学工場であるからこれも点検からはずされた。一体どうなんだと言ったら、結果が高圧ガス取締法。家屋の距離、これを離すような法律ができた。二十メートルのものを百五十から二百メートルにした。依然としてコンビナートの関連工場と単独工場、これは適用外になっているという法律であります。  こういうようにして見ますと、事故が起きてからすぐ点検する、指導するといっても、過去の例としてこういうずさんな例があるのであります。今度はこういうことがないように、瀬戸内海環境保全臨時措置法が瀬戸内海で実施されている最中であって、環境保全はいかなる開発にも優先するのです。そういうような立場であります。いまの総理大臣もそれを言明したのです。何ですか、これは。次から次と後手後手、これがいままでのならわしです。今度は、関連工場、これが山ほどございますから、こういうようなことを再び起こさないように、これは十分配慮してもらいたいことを通産省に要請いたします。  同時に、大臣は、こういうような事態でありますから、あなた自身きれいな顔に油をかけられたのと同じ状態でありますから、あなた少しここで憤激して、いま言ったようななまぬるい対策に終始することがないように、閣議で発言して、おそらく環境を守るために最善を尽くしてもらいたい。このことを要請し、最後に決意だけ承って私は終わります。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 まことにこの種の事件の発生は、私どもにとりまして九仭の功を一簣に欠くような事件でございますので、今後御説のように、私からも強くこの種の問題について事故が起こらないように、あらゆる点にできるだけ目を光らして、厳重にひとつそれぞれ関係各省に申し入れをしていきたいと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 環境庁長官に最初にお伺いをいたしたいと思いますが、さっき君子豹変というおことばをお使いになりましたが、建設大臣としてきょうまで、日本のいわば、それが意識的であるかどうかは別として、環境破壊を含む開発、こういうことに実はお取り組みをいただいたわけでありますが、環境庁という役所が持っている性格について、この際見解を承っておきたいと思うのであります。  君子豹変はたいへん——そういうことばづかいも私はどうかと思うのですけれども、少なくても環境庁長官におなりになった際に、いままで建設行政の上で管掌してこられた事柄について、多くの反省を必要としなければならぬと思うのであります。とりわけ経済の調和とかあるいは不況対策とかという問題が深刻な状況になっていること、それが議論になっていることを私も承知しています。しかし、環境庁という役所は、あるいは環境行政というものは、少なくても国民の健康やあるいは環境保全、自然保護、こういう立場に立つことが当然だと思いますけれども、その意味では、かたくなにそういう立場を固執なさることが、閣議なら閣議という全体の場所の中ではむしろ必要ではないか。つまり、住民のサイドに立つ、国民のサイドに立つ、こういう環境行政に徹していくことがむしろ必要ではないか、このことを私は思うわけであります。  その意味で環境行政というものに取り組む新しい環境庁長官の環境庁に対する評価といいましょうか、環境庁というものの政治全体の中における姿勢といいましょうか、そういうものについて、いままでの建設行政を含む政治的な活動をなさってこられた実績と経過を含めた、反省のことばを含めた御意見をひとつ承りたいと思うのですが、その点について見解を承りたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先生おっしゃるような気持ちで運営をしていかなければならないと考えております。  反省をということでございますが、私、建設相はちょうど二十八日間でございまして、建設省の中でも、特に環境庁として協力を願っていかなければいかぬ仕事が非常に大きくいま存在いたしておるわけでございます。たとえば下水の問題を考えましても、下水の現在の処理のしかたは第二次処理のしかたでございます。これではほんとうの意味での水質保全というものは保てない。だから第三次処理というものに大きく踏み出してもらわなければならない。こういう点についても私は非常な情熱をわかしておったわけでございますが、遺憾ながら二十八日間という短命でございました。  ただ、念のため申し上げますが、きよう五カ年計画等について、すべての問題を五十一年から発足をするという基本方針を閣議で国土庁長官から御発言がありましたときに、私はすかさず、所管の建設大臣もおりましたけれども、私のほうから発言を求めまして、生活排水によるいろいろな水質の汚濁というものは、最近は特にその点が非常に顕著であるので、下水についてはまた厚生省の住宅、そういうものの小型を含めた屎尿処理の扱い方については来年度予算で、いま国土庁長官の発言にかかわらず、五カ年計画にこだわらぬですけれども、ひとつ十分配慮してもらうという発言をしたわけでございまして、そういう意味で、先生おっしゃるような態度と考え方で、あらゆる機会にそうした考え方を進めるように積極的に、前向きに発言をして先取りをしていく決心で運営をいたしたいと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 いま問題になっている五十一年規制の問題についてお伺いをしたいと思うのですけれども、いよいよその問題の決着が大詰めに来ているというふうに申し上げても差しつかえないと思います。  で、三木総理大臣の御発言もあり、いわば異例ともいうべき、自動車公害専門委員会のレポートというものを総会の議論にかけてきたという経過は、私はいいことだろうと思うのであります。たいへんけっこうな姿勢であります。ただ、手続としてけっこうなことでありまして、問題は、その内容が伴わなければ意味がないと思うのであります。  つまり、委員会とか審議会というものの答申を尊重するということはけっこうですが、そのことが隠れみのに使われてはならぬと思うのであります。そうした意味で、私は先般、この自動車公害専門委員会の委員長の八田さんや大気部会の部会長伊東さんなどにも承ったわけですが、この専門委員会の議論というものは技術的な議論、こういうことに終始されたわけであります。しかし、この五十一年規制というものを議論する場合には、技術的な問題だけでは済まされない、こういうふうに思うわけであります。  そういう意味で、二十七日に予定をされている総合部会が、単に技術的な問題だけではなくて、たとえば大気汚染の今日的な状況であるとか、あるいはインセンティブの問題であるとか、国民の健康と生活を守っていく上でどのような措置がとられるべきかというふうな、全体の問題を含めて議論をすべきだと私は思うのです。それについて環境庁長官としてはどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか、その点について承っておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は着任早々でございますので、この自動車排出ガスの件につきまして技術的な問題、あるいはまた三木長官以来あるいはその前の長官以来の、たしか告示は小山長官のときだったと思いますが、そういうような経過についてまだ非常に勉強不足でございます。また審議会の先生方と隔意なくいろいろお話し合いをいたす機会も、ほとんど実は本会議、予算委員会のためございませんので、先生おっしゃるような、この問題の扱い方につきましてどういうふうに技術的に考えていくべきものかという点については、率直にいいまして私自身まだそこまでの自信はございません。  しかし、総理から最初辞令をもらいますときに、いろいろ御指示がございまして、国民的立場に立った慎重な審議が望ましいのだが、それについて環境庁主管大臣としてできるだけの努力をしなさいというおことばをいただきました。その御趣旨を体しまして、ちょうど私が着任した日が大気部会の結論が出た日でございまして、和達会長とお目にかかりまして、もちろんそうした審議会は自主的な独立機関でございますので、行政庁からとやかく申すべき筋合いのものでありませんけれども、いろいろ御懇談申し上げた結果、和達会長も、自分としてもこの問題は事の重要性にかんがみてさらに慎重にしたいというので、いろいろな手続をおとりになっておられるわけでございますので、二十七日はどういうような結果になりますかわかりませんが、これだけりっぱな和達会長が同じようなお気持ちで慎重に審議を進めておられることにつきましては、私どもとして全幅の信頼をせざるを得ないわけでございます。  そういう意味で審議会の答申をあくまでも尊重して、この問題の処理に当たっていきたいと考えておるわけでございますから、先ほど申し上げたとおりの考え方で進むいまの私の立場であることを御了承願いたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 先ほど申し上げたのは、技術的な問題ということだけでこの結論を出すのではなくて、今日の社会や、大気汚染の問題を含む国民の健康やあるいは生命、そういう問題を含む議論をなさることが総合部会の持っている一つの客観的な位置ではないかと私は思うのです。その点については長官も同意いただけますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は、先ほど言いましたように、実はまだ中公審の総会に一回も出る間がないという状況で、どういうような委員会の御審議かつぶさには承っておりませんけれども、確聞するところによりますと、やはり先生おっしゃるような御趣旨も十分踏まえながら、一方技術的にも十分検討して結論をお出しになっておられるというふうに私どもは考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 ということになりますと、必ずしも二十七日に結論を出さなくても、もっといろいろな国民の意見を受け入れながら議論をしていくという時間的な余裕はあるのだというふうに理解していいわけすすか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私はそういう趣旨で申し上げたのじゃございませんので、私どもとしては慎重に審議をしていただいておる和達会長を信頼申し上げているということを申し上げたわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 春日さんに伺いたいと思うのです。同じ意味ですが、要するに技術的な問題というのはそれはそれとして専門委員会で議論が出ているわけですね。それがすべてを縛ることはまずいと思うのです。そのためにこそ大気部会とか総会とか総合部会があるわけですから。つまりそういう委員会のランクでグローバルな問題を討論していくということがどうしても必要だと思うのです。その場合に、環境庁としてはこの中公審の総合部会にどんな資料を用意しておられるか、その点について承っておきたいと思います。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 先ほど長官から御答弁申し上げましたように、十二月の十七日の中公審の総会で、いろいろ各般にわたる広い視野における御意見を賜わりまして御討議が行なわれたわけでございますが、その結果、非常に広範な御意見がございました。それをその総会においてまとめることはなかなかむずかしいという御判断もございまして、その総会におきまして和達会長に一任をする。一任をする内容として、さらに本月二十七日に総合部会を開く、そしてそこで総会においてなされました各般の広範な御意見というものを取りまとめていこう、こういう御発言がございまして、総合部会を開く運びになったわけでございます。  したがいまして、二十七日の総合部会に対しましては、十七日におきます審議の経過の集約、それから全体で八十九名の委員のうち五十五名の御出席でございましたので、御欠席の委員に対しましても、実は会長から意見を文書をもってお出し願うように要請もいたしておりまして、そういった委員の意見メモも添えまして提出するつもりでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 長官に伺いたいのですけれども、この問題の処理というのは、いずれにせよ政府全体で取り組まなければならぬ問題であることは御理解のとおりでありますが、この問題の処理についての閣僚協議会の設置ということを漏れ承っておるわけでありますけれども、どんな構成で、その責任者はだれで、どんなプログラムでその閣僚協を運営なさるおつもりか、承っておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 御承知のとおり、二十七日に総合部会でさらに御審議を願うわけでございますので、その御審議の結果を待たないうちに私どもがその内容をそんたくいたしまして、そういうような、このあとの対策についての組織をどうするとかこうするとかということに言及することは、私は慎むべきだと思っておりますので、この点は、答申をもしお出しくださるなら、その答申を見た上で、ひとつ十分実効があがるような組織を考えさしていただきたい、こう思っているわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 個々の構成についてそういう御答弁であるならば、この問題に対する三木内閣の取り組む姿勢ともいうべきものとして、環境庁長官としては責任者はどなたになることをお考えになっていらっしゃるか。私は、三木内閣総理大臣がその関係閣僚協議会のいわば責任者として、この問題についてのリーダーシップをとることが妥当だと思いますが、環境庁長官は私のその意見と違った意見を持っておられるとするならば、その点についての御意見を承っておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 総合部会でどういうような御審議になって、その結果和達会長がどういうような御答申をお出しくださるか、これを見た上でないと、私はいまのそれを受け取ったあとの対策を進める組織に言及することは、審議会のあれだけ慎重な御配意のもとに進めておられる会長以下委員の皆さま方にたいへん失礼に当たるのではないかということで、私はそれに言及しないでおるわけでございますけれども、まあ仮定の問題として、一応答申をいただいて、それに先ほど言いましたような総量規制を十分確保できるようないろいろな諸条件がついた場合に、それを実施するのはやはり環境庁のほかに、運輸省もあれば自治省もあれば——国家公安委員会ですね、あるいは通産省もございますし、その他に広く関係がわたってまいりますから、その協力を得て実施をしていかなければいけない問題でございますので、実効があがるような組織というものを考えていかなければならない。  まあ、三木長官の場合は、副総理というお立場で環境庁長官をやっておられましたので、これは別に環境庁長官が主宰をされましても、副総理という立場を駆使することによって実効はあがったと思いますが、遺憾ながら私はまだそこまでいっておりませんので、やはり考えられることは、総理なりあるいは内閣官房なりの力をかりまして、関係各省に実効のあがる対策を確実にとっていただけるような組織を考えたほうがいいんじゃないか。いまのところは、一応仮定の議論ということが前提ではありますが、もしつくるとすればそういうほうがより効果的ではないか、かように考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 私はきょうまで公害対策特別委員会の委員として、この問題をいろんな角度で質問をしてきました。その中で、実は私自身の反省を含めて、この審議の経過なりあるいは結果というものを振り返ってみて、この問題点というのは大きく三つに整理することができると思うのです。  それは四十七年の八月、実際には十月が総会の報告でありますけれども、その答申が出て以降ですね。この答申の中に明らかになっているように、窒素酸化物の〇・二五グラム・パー・キロメートルを五十一年度から規制しようということ、それには「許容限度の設定年次をいたずらに遅らせることは厳に避けるとともに、技術的に可能なかぎり最もきびしい許容限度の設定を行なうものとする。」という文言があるのであります。つまり、技術的に最もきびしい許容限度、こういうことばがあるわけでありますが、私は、いま議論をしている過程の中で、われわれが小型〇・六、大型〇・八五というこれがはたして技術的に最もきびしい許容限度だろうかどうか、そういう議論を今日までしてきたように思うのであります。その意味でこの議論は重要です。これはまあ、あとで伺いたいと思います。  二番目は、その議論の中で、どうも人間の健康とか生命とか環境保全とか、そういう問題が国民の中に大きく理解されるための努力というものが、これは環境庁の姿勢を含めて、あるいは私どもの姿勢を含めて必ずしも十分ではなかったのではないだろうか。つまり、技術的にどうかこうかという議論のところへ非常に矮小化した議論が続けてはこられなかっただろうか。この問題が提起されている歴史的な経過あるいは人間それ自体の生存にかかわる問題とのいわば問い直しというものが十分ではなかったのではないか。  三番目は、やはり手続の問題だろうと思うのであります。手続というのは、言うまでもありませんけれども、企業はいわば加害者であります。国民は被害者であります。この加害者の論理のほうがどっちかというと優先している。そして専門委員会の議論を聞いてみても、メーカーの言い分がこうだからこうではないかというふうに実は従わざるを得ないような形になっている。少なくとも被害者の論理というものが、あるいは市民の論理というものがこの討議の中で実は十分しんしゃくされていないという弱点、つまり、手続における民主主義的ないわば配慮といわれるものがどうも不十分だったというふうに私は思うのであります。  以上、三つの点。つまり技術的にわれわれはこれを可能なかぎり最もきびしい許容限度というふうに見るか見ないか、ここのところがやはり問題だと思う。私は、ぎりぎりではなくて、もっときびしくても企業はやっていける、またそれだけの努力はしてきたはずだと思うのですが、一体今日までの企業の努力というものが十分であったかどうか、そして企業の努力と、今日の〇・六あるいは〇・八五というものがぎりぎりのものであるかどうか、また五十一年の問題について、環境庁長官、あなたは今日まで実はいろいろな御発言をなさっているのですが、それらのことがございましたら、そのことも含めて承っておきたい。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は環境庁に参ります前に、この問題の存在すらと言うと極端でございますが、そういうようなことについてあまり承知をいたしておりませんでした。いまおっしゃる、最もきびしい、技術的に可能なぎりぎりの限度を示すべきではないかということにつきまして、それが一体〇・六であるのか、〇・八五という数字であるのか、それ以下であるのかということの判断は、これはやはり私どもとしては中公審の専門的な御検討にまつべきではないだろうか。それ以上の尺度というものは、私ども自体がこれを行政当局でいろいろ検討してみるよりは、やはり中公審の大気部会、その下の自動車公害専門委員会、そういうところで検討した結論をいただくのが一番合理的ではないだろうか、私はそう考えます。  それと、もう一つおっしゃいました国民の側といいますか、健康を守る側に立った議論がもう少し強く出るべきではないか。審議会の中で、承りますと、総会のときも、おっしゃるように、国民の、いわば消費者側といいますか、あるいは主婦側といいますか、そういう方々の非常に活発な強い意見もあったり、あるいは働く者の側の、これは都市のほとんどの住民の代表というような立場の組合の方々の強い発言等もあったやに伺っておりますので、構成自身でこの中公審の審議の中にそういう意見が反映をしていないとは私ども考えないのでございまして、この点は、あるいは私がまだ来たばかりで先生より詳しくないのかもしれませんけれども、私としてはそう思っておるわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 聞いているポイントは、企業のいままでの努力、少なくとも政治的な目標がきめられたあと、企業の努力というものは不十分ではなかったかと私は思うのです。その点についてどうかということを実は承っておきたかったのです。  それはまああとで御答弁をいただくことにして、ゆうべの朝日新聞の夕刊ですけれども、実は「こがらし列島」という連続ものがありまして、その中で、いまの排気ガス規制の問題に関連して、企業戦争の内容が指摘されております。トヨタ自動車が十五万円から二十万円のダンピングをして売っているということはいまや業界の常識だといわれている。そしてそれは、公害規制の網がかかる前に割安な公害未対策車を売りまくって、市場占拠率を一気に拡大をして、企業の体質と発言権を強化するために実はやっているんだ。現実にたとえば市場占拠率というのは、この不況の状況のもとでもかなりレベルを上げてきているということを、例をあげて指摘をしております。その結果というか、その大攻勢をもろにかぶっているのが、低公害車用のロータリーエンジンをいち早く開発したものの、燃費がかかって車が割高になるなどの理由で苦境に立たされている東洋工業だと書いてあります。  私は、特定の企業のことはともかくとしても、いまのこのトヨタ自動車がやっている、業界における常識となっている、とにかく規制がかかる前に売って売って売りまくっておこう、こういうやり方というものはいいことか悪いことか、この点について長官の御見解を承っておきたい。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は自動車産業のことについてあまり詳しくないものですから、いまのお尋ねの点について私が答えるのはどうも適当でない。   〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 自信のあるものはお答えをいたしますけれども、自動車産業の問題について、私はどうもそういう事実があるのかどうかもよくわきまえておりませんので、この点はそれぞれ所管大臣にひとつお問い合わせをいただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 あるかないかということは、ではこっちへおいでおいで、そういうやり方で自動車を売りまくっていくということが、公害行政という観点から見て、つまり大気汚染をますますひどいものにしていくという状況について、長官はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 事実上あるかないかを一応別問題にして、その点についての知識は私ないものですから、それを前提にして申し上げるわけではありませんが、いまおっしゃったようなことであるとすれば、私どもとして、はなはだ遺憾だと思います。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 同じようにトヨタ自動車、これは自工会という立場の見解もあると思うのですけれども、豊田社長が、五十年規制の問題に関連して、新車は四月一日からです。しかし、ラインの取りかえというふうな、これ自身も私は問題だと思うのですが、いうところの継続生産車の問題がある。これは十二月一日ですね。両方行くわけですね、新車と継続車。その場合に、新車のほうに税制の上で、つまり割高になるのだから、めんどう見ろ、こう言っていますね。こういう言い方というのは、少なくとも四月一日という期日を前にして不穏当な発言だと思いませんか。これは大臣でなければ春日さんのほうから……。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 五十年度規制で、いわゆるモデルチェンジをした車は四月一日、それから十二月からは継続生産車も入れすべての車が五十年度規制にかかるわけでございます。もちろんツー・サイクル・エンジンとかあるいは輸入車等は若干のリードタイムを与えてございますけれども。   〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕 そういうわけでございますから、それぞれのメーカーの生産予定の中で、四月一日から新しい低公害車をモデルチェンジして売り出すか、あるいは十二月にならないと時間的に間に合わないのか、そういった点がございますので、私は軽々にその辺、いいか悪いかということにつきまして申し上げる段階ではないと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 どうも話がへんてこになってしまうのですけれども、まあ時間がないから移りましょう。  建設大臣をおやりになって環境庁長官なんですが、私のさっき質問というか、提起した二つ目の人間の健康の問題であります。車社会の問題はやはりここで問い直してみなければいかぬだろうと思う。その意味で、道路というのは一体人間にとって何なんだろうかということも私は考えてみなければならぬと思うのです。  特に高速道路が、そのまわりに住んでいる住民を非常に、健康だけ、呼吸器の関係だけじゃなくて、情緒不安定、騒音問題を含めた、そういう点で幾つかの問題がありまして、私の選挙区である川崎で自動車公害実態調査委員会というものを設置して、東名高速の川崎のインターチェンジのすぐ向こうのところの調査をした資料がありまして、これは環境庁に提出してあります。これによれば、人間の健康というものを、どんなに深刻に自動車公害というものが大気汚染、騒音、振動という面で破壊しているかということを実は報告、レポートの中につまびらかにしているわけであり.ます。  それは後ほどごらんをいただくことにして、道路というのは一体何だろうか。従来の概念でいえば、交通というのはより早く、より多くの人や物をより遠くへ運ぶということが方法であったと思うのですが、いまや人間の健康というものを考えてみたときに、道路の構造それ自体、たとえば緩衝地帯を必ず設けるとか、あるいはドーム、トンネル化ということを考えるとか、そういう人間の健康を阻害しない道路構造というものについての基本的な考え方がいまや必要だと思うのですけれども、その点について、両方の所管を担当なさった大臣としてどのようにお考えでしょうか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 確かにおっしゃるように、やはり一番の欠陥といいますか、人間の価値観が変わってきたり、あるいは経済運営の実態が変わってきているにもかかわらず、既存の計画を慢性的に進めるということは、これはやはり政治としても行政としても考えなければならないのではないだろうかという点は、特に私は強く感じております。  おっしゃるように、環境行政というものがもう少し全体のあらゆる役所の開発なり公共投資の計画実施の前に先行しまして、そしてその方針に基づいた社会資本の投下なり、あるいは開発なりというものが行なわれていかなければならない時代だ、その気がつき方がおそかったのではないかというふうに十分反省をすべきだ。御趣旨は私も同様の意見であり、かつ、その点いま申し上げたような反省をすべきだという考え方でございます。  ただ、私、建設省におりましたときに、建設省の仕事の中で、そのときは環境庁へ来るなんということは考えてはいませんでしたが、国全体から考えても、たとえば都市の再開発の中で、工場あと地を三割ぐらい住宅にして、あとは緑地帯に残すというような考え方の行政を数年前から始めております。これらのことなんかは、全体の環境保全から見ても、都市のいまの再改造の問題から見ても、非常にいい政策の一つではないだろうか。  そういう点を考えましたり、あるいは住宅をつくりますときも、公団が大量に住宅団地を開発する場合でも、たとえば汚水処理の問題等について十分配慮さすような努力を、私、前の厚生省の経験でそういうような注文もつけましたり、いろいろやるべきことはまだたくさんある。  道路の点は、私は少なくとも、これは実らなかったのですが、建設省で都市を中心にした道路というものは考え直すべき時期である。したがって、市町村道、いなかのほうの町村道にうんと重点を置くべきである、生活道路に重点を置くべきである、そういうようなことを強調して、建設省全体の予算の配分を数年間調べてみて、少なくとも六大都市と他の地方との配分が一体どうなっているか、そういう観点から全体を見直していけという指示を与え、資料の提出を求めつつ、実は退任したというようなことでございます。  基本的には、先ほど申し上げたような方針でございますが、構造についても、おっしゃるように十分緩衝地帯を設けたり、おっしゃるような方向で、私はやはり環境庁としては十分今後注文もつけていくべき筋合いのものだと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 時間がありませんので、最後に一つ承っておきたいと思うのですが、やはりインセンティブの問題です。これはいま議論している規制基準の問題とインセンティブの問題とは、カテゴリーが別の問題だと思うのです。しかし、にもかかわらず、極力〇・二五に近づけるというその目標がなければなりませんし、その接近策の具体的なものを私は承りたいと思うのです。  実はこの四つの項目で問題が解決したとは思えないのでありますが、その中で、今後国は〇・二五に近づけていくためにどんな具体的な手だてをなさろうとしていらっしゃるか。それは国がある程度技術改革、技術研究、技術開発をリードするとかいうような問題を含めてだろうと思うのです。これが一点。  それから二点目は、私はインセンティブという問題を議論をしたときに、低公害車に対して税制上優遇をするという措置は、たとえばいまここに提起されている〇・六とか〇・八五というようなところが基準になるものではなくて、少なくとも〇・二五のところに近いものをいまから、もし〇・二五ができたらこれだけの税制上の優遇措置をとりますよ、こういうことをはっきりさせなければならぬ。あるいは〇・四ということでも可能かもしれません。そういうふうに企業がその目標に向かって努力をした結果としてその税制上の優遇措置というものが保障されている、こういうふうにしなければならぬと思うのです。  その問題について、いまや環境庁はものを言うべき時期が来ている。つまり、もっとはっきり言えば、もしそれができれば、五十一年規制の時期を待たずしても〇・三なり〇・四なりという車が現実に走ることが可能になるわけであります。  そういう意味で、環境庁は少なくともこの項目の中の四に、使用過程車との間に十分な格差を持つような税制上の優遇措置といわれるものを指摘をしているわけですから、その税制上の格差というものは、これから熱心に、まじめに開発をしていこうという人たちにどのように税制上の優遇措置をとるかということを、たとえば〇・二五が実現したときにはこれだけのことを考えたい、〇・四のときにはこれだけのランクをつけてもよろしい、つまり優遇措置にランクをつける、その目標に向かってリードしていく、こういうお考え方が当然あるべきだろうと思うし、これはそのことを期待していると思うのです。その点についてぜひ御意見を承っておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 いま御提示をされた四項目目の税制上の措置というのは、どうも優遇措置を考えろという趣旨には書いてない、格差を設けろというだけでございます。しかし、先生の御意見は一つのたいへんいい御意見のようにも私は思います。  ただ問題は、御承知のとおり、環境基準を達成するための企業に対するやり方は、非常にきびしいリードラインを設けて、そしてそれに向かってやらせるという行き方と、OECDのような考え方の、うんと負担をかけて、その負担が耐えられないから一生懸命になって公害防止をやれというような行き方と二つある。日本はリードラインを設けて、うんと詰めていく。私は、やはり優遇措置は非常に卓見だと思いますから、もしそういうような機構ができたらそういう点もあれしてみたいと思いますけれども、まずそれが進みますと、こちらのPPPの原則に一体抵触しないだろうかというような問題も十分検討してみないといかぬと思いますし、その辺のところは、一つのほんとうにいい御意見として私の頭にテークノートさせていただきたい。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 先ほどお話がございましたような四つの提言が大気部会の答申案として出されておるわけでございまして、その案についての具体的な問題をもう少し詰めろというお話で、先ほどの税制上の措置の問題もその一つでございますが、まずこの中でいわれておりますことが自動車排出ガス規制の強化、とりわけディーゼル小型トラックなどの規制の強化をどうするのかというお尋ねであろうと思います。  ディーゼル車につきましては、これは先生がかなり長時間にわたってかって御質問いただきましたように、本年九月から窒素酸化物の低減に重点を置いた規制をすでに実施しておるわけでございます。ただ、ディーゼル車と申しますのは、いわゆるガソリンエンジンの車と同じ程度まで下げられるかということは非常にむずかしい問題であります。  要するに、じゃ十分の一にディーゼルも乗用車並みにできるかといえば、この前これは参議院の公環特でございましたが、七大都市調査団の西村参考人も言っておりましたけれども、これは非常にむずかしい。しかし、あえてわれわれはそういったことをやっていくつもりでございます。それから軽量トラック、バスについては五十年度から規制が強化されることになっております。  このほか自動車排ガスの長期許容限度設定方策の一つとして、ディーゼル軽量トラック、それからバスなどに関する規制をもっと強化するための自動車公害専門委員会の検討、これを早急に進めることといたしております。  それから第三番目の提言でございますが、大気汚染の著しい都市地域における総合的な都市交通体系の一環としての自動車交通量の抑制ということでございますが、これは先ほど島本先生からも御指摘があったように、これは非常にむずかしい問題でございます。言うことは簡単であるけれども、排ガスの規制値が小さくなればなるほど、いわば交通規制の効果が減少していくわけでございますから、非常にむずかしいことでございますが、ただ、都市地域において全体の自動車交通量を減らす有効な方策、これは駐車制限とか専用バスレーンとかマイカー通勤規制とかいろいろなものが考えられるわけでございますが、総合的に都市交通体系の一環としてこれはやっていかなければいけない。これはいわゆる五十一年度規制の問題とは別個の立場でもやっていかなければならないものと考えております。  それから低公害車の技術開発の促進でございますが、低公害車と申しますと、いわゆる電気自動車あるいは蒸気タービンあるいはガスタービン等いろいろございますが、そういった企業の研究開発ベースではなかなか乗りにくいものがあるわけでございまして、こういったものは国みずから研究開発を進めるとともに、五十年度及び五十一年度の自動車排ガス目標に対応する技術開発、こういったものは本来自動車メーカーに要請されているわけですから、これは自動車メーカーの努力とそれから国のそれに対するいろいろな援助と申しますか、そういったものとあわせて行なってまいりたいと考えておるわけでございます。すなわち、たとえば東洋工業のロータリーエンジンとか本田のCVCCエンジンの開発に対しまして、国は開発銀行の低利融資、五十年度規制適用先行開発車に対する優遇税制、いわゆるインセンティブを行なってきたわけでございますが、こういった問題も含めまして、今後とも技術開発のためには、単に企業の自主的な開発のみならず、国も十分な努力をしてまいるつもりでございます。

岩垂寿喜男日本社会党

○岩垂委員 終わります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時四十五分休憩      ————◇—————   午後一時三十六分開議

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 先ほど長官の環境行政に対する所信表明を承りまして、われわれ非常に意を強くしたわけですが、信念としては、何よりも人間を尊重する、そして自然を保護するという理念で、しかも政治的な手段としては先取りであって、あと追いでない、こういうものを披瀝されましたが、非常に大事なことでございます。私はそれをぜひやっていただきたいと思うのです。きょうこれから短い時間でございますが、私が御質問申し上げる点からいたしましても、環境行政はあと追いばかりであって、なかなか先取りにならない、こういう点も、ひとつ大臣に最初から印象づけていただいて、大いにきょうのお約束を履行していただくような御努力をお願いしたいと思うのです。そのことについていろいろ申し上げたいのですが、それが私の長官に対する敬意でありお願いであるというふうにお受け取り願いたいと思います。  実は私は、前の長官のときでございますが、といってもまだ一カ月ばかり前でございますが、最近、林道をつくることが非常に自然を破壊しておる、ことに国立公園等もそのために破壊をされて、環境庁としては非常に困っておられるという点から、林野庁と環境庁でもっと連絡を密にして、このことに対する事前の措置をしっかりしておったら、こんなことはないじゃないかというお話をしましたら、直ちにその方法をとりますということであった。  で、実は正式にそういう計画をお渡ししていただけばなおいいのですが、いま林野庁のほうからお借りをして拝見をしましたが、非常にむずかしい問題だと思ったのですが、短時間の間にこうやってできるところを見れば、なるほどいままで林野庁も環境庁もこの問題について怠慢であったのではないかと思うくらい簡単にでき上がっているので驚いているわけです。その驚きと同時に、こんな簡単にできるものをいままでやらなかった。やったけれども、しかし実際においてはこれが履行されないというふうなこともあるわけです。  そのまず第一は、実は林野庁から補助金が出る。補助金が出て、しかる後に環境庁のほうに国立公園内に林道をつくる許可の申請をするわけです。ところがそれが、長いのは五カ月もかかったという地方からの陣情も私どもは受けております。少なくとも二カ月や三カ月かかる。それがこんな簡単にできるとすれば、いままで怠慢であったのか、あるいはそういう仕事に能率のあがらないような体制が環境庁にあったのか、あるいは林野庁と環境庁の自然に対する考え方というものにそごがあったのか、こういう点を疑わざるを得ないわけなんです。これができましたからいまさら文句を言わなくてもいいわけですが、何か環境庁のほうでは審査をするための人員をふやすとか、あるいはそれなりの対策を講じてこれが了解されたのか、局長のほうからお伺いしたいと思います。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 先生御指摘のように、林道の建設等につきまして関係省庁が二つ以上あるような場合には、密接に連絡をとってやるべき問題であると思うのでございますが、私ども、いままでの林道の問題につきまして、補助金の交付等は環境庁の許可をした以後交付されているというふうに理解しておりまして、その点私どもは手抜かりがあったといいますか、認識が甘かったといいますか、そういう点は反省しているわけでございます。したがいまして、林野庁とも早急に先生の御指摘の点を御相談をいたしまして、申請の以前に県の林務担当部局と自然保護担当部局でよく話し合って調整をとり、さらに国立公園の管理人とも相談をして、申請以前に調整のとれた段階で申請をしていただいて、林野庁のほうからの補助金の交付決定も環境庁の許可のあったあとやっていただくというふうに話し合いがなされたわけでございまして、そのためにいろいろ担当する職員の人員の不足というような問題につきましては、これはこの問題だけじゃございませんで、自然保護行政が昨今特に重要性が叫ばれているおりから、できるだけ今後レンジャーの増員等について力を尽くしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 いま、東京都も山梨県内でこの林道工事をしておりましたが、環境庁から許可なしで仕事をしておるという点から差しとめられましたね。東京都庁のその係から話を聞きますというと、係が二人ぐらいしかないのですから、もう審査がおくれるのは当然ですというのです。  これは向こうの言い分ですから、私は信用しておりませんが、やはり人員を整備するというようなことは必要だし、私がいつか申しましたように、そういう審査をする、実地の調査をする機能というふうなものを備えなければ、この問題はせっかくこういういいプランが出て、これさえ実行されれば——いま私の県では知事選を前にして林道問題について大きな争いになっているわけですよ。知事側は林道をつくることが何が悪いのだ。だれも悪いとは言わないのですが、そういうことで乱開発なんといいうことは、山の多い県としては乱開発じゃないが、要するに奥地開発なんか当然だ。都会のインテリがレジャーでもって山を楽しむ、そういうものから見る山に対する考え方というものは妥当でないというような論争が出ている。  山梨県では、林野庁と環境庁とけんかしているような状態なんですよ。こんな不愉快な問題が起きないようにするということも大事であるし、そしてまた、自然を愛し、そしてほんとうに奥地を開発する、あるいは林業を振興させるということも大事でございますので、いままでそういう不手ぎわな点があったことは私はまことに残念に思うわけですが、しかし、人員もあのふやします程度でもっていいのかどうか、これはあとの宿題としてまたお聞きいたします。  だからといって、今度は、いままで環境庁だけが手抜かりであって、林野庁のほうに責めがないということは私はないと思うのです。この計画を見ましても、私は納得できないところが一つあります。というのは、二月中旬ごろ路線審査、設計審査というのをやりますね。そして、それを環境庁のほうに通知をするとある。私はここで、できるものならば官庁の中を、私は知りませんが、私どもの考え方からすれば、ただ林野庁が路線の審査をする、設計の審査をするだけでなく、その審査の中に、これは環境庁に意見を聞かなければならぬというようなものがあった場合には、単なる通知でなくて、そこで話し合いをして、そしてまずそこから了解を求め合うというふうなことが必要じゃないかと思うのですが、どうですか。これではほんとうに形式になってしまって、また同じことを繰り返すようなことになりやしないかと思いますが、どうですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○藍原説明員 お答えいたします。  私ども、従来は補助金の交付と同時に県のほうが環境庁に許可の申請をしておるという形でやっておりましたけれども、先ほど先生お話ございましたように、今後は補助金交付以前に環境庁の許可をとって、その確認を得て補助金の交付をするという形にいたしております。したがいまして、それ以前に環境庁に先ほど通知という形に内容的にはなっておりますけれども、同時に環境庁と十分協議いたしまして、その路線が国立公園の中で開設していい路線であるかどうか、設計がいいかどうか、その辺も十分協議させていただいて、その結果に基づきまして路線を決定し、そして環境庁の許可をいただいて補助金を交付するという考え方に立って、その通知を出しております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 もう少し具体的に申し上げなければ、林野庁のほうの考ん方というものは徹底しないと思うのです。たとえば今度山梨県で——山梨県の例ばかりとりますが、私はほかのところを知らぬから言うのですが、十三の工事中止がなされているわけです。それくらいひどい林業行政かあるいは環境行政か、いずれかがでたらめといっては失礼ですが、そういうところへきていると思うのです。その中に東京都の問題がある。東京都は水源林の涵養ということで、木を伐採して木を植え返すという話でございました。それくらいのものだったら、そんなに審査を長引かさなくとも、林野庁のほうで十分責任を持ちますというようなことで話をすれば——これは申請をしたのが四月ごろ。ところが九月末になってようやっと事務レベルでもって許可がされるだろうという、そういうものが把握されたから伐採を始めた。林道はつくってないのですが、とにかく伐採を始めた。だからいま裁判になりまして、木を伐採しただけでも、国立公園内の木を伐採したということは、これは工事に着手したのと同じことだというのでいま裁判になって、その担当官はそれに出廷しているようです。私、きのうその人の心境を聞さましたら、私が減俸になるくらいなら何でもないのですが、もっとこういう被害が少ないように、ひとつ根本的に改めてくださいということでした。  これは環境庁にまだ聞いてないから事実かどうかわかりませんが、九月末まで引き延ばされて、何となく承認をしてくれそうだから工事に着手した。私は、工事に着手するほうもしっかり許可書をもらって工事に着手しなければいけないと思いますが、そんな事務レベルで話をしたということが至るところから聞こえるわけですよ。  これも事実かどうかをお聞きするのですが、そういうような事実をただ林野庁は林野庁、環境庁は環境庁で扱うのでなくて、いま相談をするとおっしゃいましたが、たとえば今度の黒金山と鶏冠山、両方とも国立公園内ですね。どうしてあんなところへ両方から道路が出ていくのか、国立公園の中にどうしてもつくらなければならぬその理由というのは、どういうふうに林野庁のほうでは確認をされているのです。

藍原義邦林野庁指導部長

○藍原説明員 先生御指摘のように、あの地域に鶏冠山林道と黒金山林道と二つございます。ところがこの地域に、先生十分御存じのように、林地が広範囲にわたって広がっておりまして、林業の振興という意味から鶏冠山林道のほうを先に出発させて工事をいたしております。その後、黒金山林道に着工しておりますけれども、林業の振興という意味で造林事業あるいは植えつけ事業等を行ないます場合に、あの地域には二本林道が要るという考え方に立ちまして、黒金山林道それから鶏冠山林道、二本林道の設計をし、工事をいたしておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私が聞くところでは、そういう国立公園内に林道をつくる、これは、そこを通り抜けて向こうへ行って、国立公園でないところの木を伐採するとか、あるいは植林をするとかというふうなこと、その両方の国立公園内に林道をつくることによって、ほかのそういう国立公園以外の地域の林業の仕事が容易にできるという便宜的なものでもってつくっているわけですね。こんなところへ林道をつくるということについては、やはり環境庁のほうは首をかしげなければならぬじゃないかと思うのですよね。あなたのほうは、そういう山の仕事をするのに都合がいいから国立公園内に両方から林道をつくっていって、そうしてほかを便利にするというような簡単な考えでしょうが、そこら辺に林野庁と環境庁のものの考え方に違いがある。この計画を環境庁に通知をするというときには、われわれはここへ林道をつくらしてもらえばこの方面が非常に利益になるのだがどうかというような見解の披瀝をして、環境庁の了解を求めるということがなければ私はうそだと思うのです。  したがって、単に環境庁に通知をするのでなくて、国立公園の中を林道が通らなければならない理由というものをよく環境庁に私は理解をさせ、納得をさせるということがまず手始めの仕事だと思うのですね。そしてそれを聞いて今度は環境庁が実際に調査をする、審査をするという形をとればいいと思うのですが、ただこの計画だけでは私はそういう疑義が残るではないかと思うのです。  そこで、環境庁のほうにお伺いしますが、先ほど申しましたように、事務レベルではもう了解を得たような気持ちでもって工事に着手します。それがみんなですよ。あの奥多摩地域にありましても、十三の中止個所があるのですが、みんなそれを、事務レベルではもうそういうような承諾が得られるという気持ちでもって工事に着手した、こう言っていますが、これはどうですか。一つ一つ具体的に私は聞きたいと思うのです。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 事務レベルの相談の段階におきまして、これはお互い役所同士でございますから、別にけんか腰で話をする必要もないわけなんでございますが、ただ先ほどおっしゃられた東京都の林道の場合でございましても、四十八年度分につきましては合法的に許可を得てから東京都のほうも事業に着手をしておるということでございますが、四十九年度分につきましては、遺憾ながら、一部特別地域であるところを持つ地域と東京都のほうで勘違いをして着工した部分と、それから許可が得られるのではないかということで着工した地域があるわけでございまして、これにつきましては、私どもの環境庁の事務担当者あるいは環境庁全体を通してこれに許可を与えたつもりはありませんし、内諾をしたというような事実もございません。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 山梨県のほうはどうですか。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 山梨県のほうの問題につきましては、四十八年度分の林道の新設許可の申請書が環境庁に到達した時点ですでに四十七年度の工事と当該申請工事の一部が着手されておったということがわかりましたので、そこで四十七年度の工事の緑化措置の実績を見た上で四十八年度分の処理をしたいということで、ある程度保留をしていたわけでございまして、漫然とぐずぐずしておったという意味ではないわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 まあ私もそういう事情を知らないでもないですが、しかし、そういうように地方自治体は解釈して一切環境庁のほうに責任を負わせようとしておる。やはり環境庁の自然保護の姿勢というものをもっと厳然としなければいけないと思うのですね。そういうことで、奥地を開発してもらいたい林業業者という人たちは、環境庁というのは悪いやつだというふうに認識をする。それで自然保護という問題があなた方が考えるようにいかないという現実が生まれているのじゃないかと私は思うんですよ。確かにいまの話の、前の無許可でやったところが環境庁にわかって、その修景を十分にしなさい、してからでなければ、申請をするということは不見識じゃないかというようなことが環境庁の気持ちじゃないかと思うのですが、そういうものをもっと歴然とわかるようにしなければ、一方的にそういう乱開発というものが継続される。とにかく山梨県がやっておる一三カ所の林道が中止をされるというのですから、もう環境庁あってなきがごときものだとその事実からは考えられるですよ。  そこで、いまの四十七年度に無許可でやった林道、これにも林野庁は補助金を出しておると思います。そしてまた、今度の許可されないものに対しても一応差しとめたようでございますが、補助金を出した。その事実を林野庁ではどのようにお考えになりますか。

藍原義邦林野庁指導部長

○藍原説明員 お答えいたします。  林野庁といたしましては、補助金の適正化法の定めるところに従いまして補助金の交付をいたしておりますけれども、この問題につきましては、目下関係方面によって捜査中でございますので、今後の取り扱いにつきましては、関係方面と十分協議をいたしまして対応してまいりたいというふうに考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そういう答弁をしている間は、あなた方の仕事のほうでもって幾ら環境庁が努力しても、乱開発が続いて、林道と称して自然を破壊してくる、そういうものが続いていくと私は思います。先日長官がこの場所で、少しぐらいこわしたって、そのこわしたときにはなるほど破壊されているようであるけれども、林業の技術というものは完全に修復いたしますというふうなことを言っているわけですよ。そして専門家に聞きますと、工事の中途でもって私どもは写真をとり、実際調査をして、そしてその破壊状況というものをつぶさに調べ、そして修景というものは完全になされるように努力いたしております。そういうふうに広言をしているわけです。  だから、やっておる仕事に対して林野庁はかなりの責任を持っておるわけです。それが無許可であっても何か責任を持っておるというふうなことばの印象がありましたよ。いまあなたから、要するに、裁判がなされている、裁判の結果が出なければ何とも言えない、その結果に従ってこれから対処いたしますというような答弁でしたが、環境庁がこれほど全く困っておる状態なんです。そしてあなた方は、そういう自然破壊に協力する、促進をするような仕事をしてきた。裁判の結果でもって何とか対処いたします、そんなことでもっていいですかね、どうですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○藍原説明員 従来の林道の候補につきましては、個所によりましては、必ずしも適切でないものがあったというふうにわれわれも理解いたしております。しかしながら、今後の問題につきましては、先ほど御説明いたしましたように、毎年都道府県が前年度の十二月ごろにそれぞれの林道につきまして計画、設計いたしますが、私どもその時点で環境庁の出先機関と十分連絡調整をとり、なおかつ二月ごろに林野庁が路線審査を行ないます場合に、環境庁に通知いたしまして、環境庁と十分協議して路線の確定をし、そして補助金交付以前に環境庁から許可をいただいて、いただいたものにつきまして交付をするという手続をとるということで十分対応してまいりたいというように考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 あなたも十分承知しながら答弁していると思います。私は今後の問題でなく、いままでの林野庁の林業行政に対する姿勢というものは、私はもう一ぺん反省しなければいけないのじゃないかという意味で質問をしているわけです。  たとえば、黒金山の林道の四十七年度分は無許可でやっているわけです。それをやっちゃって今度は四十八年度、四十九年度についての申請をしておる。そういうのに補助金を出しているわけでしょう、あなたのほうは。許可されようが許可しまいが、あなた方のいままでのたてまえからいえば、審査をしてよければあなた方は補助金を出したわけですよ。しかし、あなた方の答弁の中に、そのかわりに厳重にその工事を監視して、決して自然破壊にならないように留意をいたしておりますというのですから、ときどきは行ってみるとか報告は受けるわけでしょう。しかし、その報告を受ける中に、これは許可をとったかというくらいなことは言いそうなものだと思うのですが、言わない点は環境庁を明らかに無視した、ただ林道さえつくればいい、そういう林業行政ではないかとも私は考えるわけです。  そのことはあなた方も十分承知の上で、これから、これからということでいま答弁をしておると思います。したがってそこはもう聞きません。そういう中から、全国で二百何億の金を補助金としてもらって、林道がつくられているのですから、よほど今後注意しなければ、ほんとうに自然破壊というものは全くはかり知れないものが出てくるのじゃないか。長官があと追い、あと追いをこれから続けていかなければならぬようなことになるような気がします。  そこで、私はこの問題をいろいろ探ってまいりまして、林道というものは奨励されているような形、しかし自然保護という立場から、がけを削ったその土は下へ落としてはいけない、必ず一定のところにその土を持っていかなければいけない。そうすると、従来の工事費よりも非常に高くなりますね。だから、仕事を受ける人は、単価が高くなって非常にもうかるわけですね。そんなことが林道行政というものが盛んになる原因ではないかと思うのですが、どうですか、この点は。

藍原義邦林野庁指導部長

○藍原説明員 林道の完成にあたりまして、設計書等の内容その他につきましては十分検査をいたしまして対応いたしておりますので、いま先生が御指摘になりましたような問題はないというふうに考えております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 これは一ぺん委員会と林野庁あたりで行って、どこかの林道の実態というものを見なければ議論をしてもしかたがない。あなた方は絶対に問題はない、こういうふうに言い切りますが、きょう私は写真を忘れましたが、今度の問題になっております個所なんかを見ますと、全く山はだというものは緑はありませんよ。しかし、これをまた長官に言わせれば、それは私どもの技術でもってりっぱに修景しますというようなことを言っておりますが、切った土を一定のところに持っていって積むのじゃない、がけから落としてしまえば一番簡単に林道がつくれる。そうすれば工事費はうんと助かる。総需要抑制の中で、土建業というものはどこかに抜け道をさがして、たまたま林道というふうなものへ行っておるような気が私はしてならないのです。  あなた方がそういう弁解をしておる以上は、山はどんどん破壊され、そのために不当な利益を得るというような業者が出やしないかとも思うのです。それが政治献金なんという形になったら、なおさらたいへんなことですよ。(「それは横道だ」と呼ぶ者あり)なったらたいへんなことですよ。私はないとはいえないと思う。それくらい、林道行政というものがいまほんとうに隠れた存在でありますが、この問題には私どもはよほど監視を続けなければいけない、こう思っております。  時間がもうございませんので、今度はきのう自然公園部会で、ある個所が拡張されたという話を聞いたのですが、どこがどういうふうに拡張されたか、御存じであれば聞かしていただきたいと思います。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 北富士演習場として使っておりましたところの一部国有地であったところ、二百十ヘクタール含みまして国道百三十八号線の南側部分が返還されたわけでございまして、その部分につきまして国立公園の特別地域及び普通地域に編入を審議会で御承認をいただいたわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 要するに、演習場から返還されたからその個所を国立公園の指定地域にした。  これは長官に聞くことですが、そういうふうに北富士演習場の一角でも返ってくれば、それは国立公園の指定地にしなければならぬ、そういう条件にあると思うのですよ。私は少し酷なことを言いますが、二百十ヘクタール、これがもし国立公園に指定されるならば、長官がさっき言われましたように、ほんとうに人間尊重とか自然保護とか、これを優先的にやるという信念でもってお考えになるならば、なぜあの演習場を国立公園に指定をしないか。大きな国立公園の中にぽっかり穴があいたように取り残されておる北富士演習場、私はもっと積極的にここも国立公園に指定するというくらいな自然保護の精神があっていいのじゃないかと思うのです。  これは少し論議がむずかしくなりますからよしますが、私はそういうくらいの積極的な態度が必要だと思うのです。そうすれば、ほんとうに世界の富士山といわれるあの地域が生きてくると思うのです。とにかくそのまん中に穴があいたように北富士演習場がある。一角が返ってくれば返ったものは国立公園に指定するというわけですが、そこで審議会に諮問したものは、指定をすることと同時に国道百三十八号線と、そしてそれに接している私有地がありますが、そして今度の二百十ヘクタール、これを一律に一種、二種ですか、何かそういうように区別するようでありますけれども、区別するのがいいか、あるいはほんとうに狭い、細長い個所でありますので、同じ種類にするほうがいいか、ここら辺が問題だと思うのです。環境庁はどういうふうに諮問をしたのです。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 日本の象徴的な山である富士山の周辺地域が返還されたわけでございますので、私どもといたしましては、その返還地域は十分な自然保護の見地から乱開発というようなことのされないような措置をとっていきたい、そのためにはやはり規制もきびしくしたいということで、大部分の土地は特別地域に編入をしたわけでございます。  ただ、先生いまおっしゃいました第一種、二種、三種という区分につきまして、審議会に諮問申し上げました際の私どもの考えでは、百三十八号線の南側百メートル地域につきましては、これが文化財保護法による特別名勝の指定を受けておる地域でございますので、きびしい規制といたしまして第一種の指定をしたい。それから国有地の二百十ヘクタールにつきましては、これももちろん乱開発をするというようなことを容認するつもりは全くございませんが、あの返還に際しての政府の方針といたしまして、地域住民の民生安定のために森林の経営にこれを充てたい、こういうことがございますので、その意味をもちまして第三種の地域としたい。その中間地帯は第二種の地域として指定をしたいというふうに考えて、そういう内容で諮問を申し上げたわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 その審議会の内容等もお聞きしたり、これに対する私の意見も申し上げたいのですが、とにかく細長いところを幾つにも分けるというようなことは、私は何か政治的な意図がありはしないかというくらいに勘ぐるわけですが、そういうような一般の疑惑を招かないような処断を私はお願いしたいと思います。  それから十六日に最初の審議会をして十九日に調査に行って、そしてまたきのう審議会を再度開いた。環境庁の非常にスローな事務から考えればばかに早いですね。それから先ほど申しました林道問題のいま中止されている個所について、年内にこれを解決いたしますというようなことを私聞いたことがあるのですが、ばかに急に態度が改まって、これは長官がかわったからかもしれませんが、非常に急いでおりますが、これも私は勘ぐるものがあるのです。  二百十ヘクタールというのは、これは北富士演習場を一ぺん山梨県に返還をしなければならなくなった。それをもう一ぺん米軍に使わしてもらいたい、自衛隊に使用転換してもらいたい、その交換条件として二百十ヘクタールがいくというわけでしょう。これが防衛庁のほうの調査、大蔵省、そしていま審議会でもってこれに対して何か見解を加えなければならぬ。まあ山梨県の知事選が始まりますよ。それへ皆さんが協力をするようにいま仕事を急いでおるような気がするのです。林道問題もしかりです。  私は急ぐことはいいと思いますよ。いいとは思いますが、環境行政というものはあくまでも厳正でなければいけない。そういう政治的なものに利用されることが、あの富士保全法の問題でも私たちは委員会で指摘をしたはずです。結局あの法案が流れたということは、富士保全法そのものには何も問題ない。しかしこの前の国会、その前の国会、あれが審議未了になりさらに廃案になったあの過程を考えても、政治的なものに環境行政が利用される場合には、これは世論あるいは国会の中であのような状態におちいることを環境庁は知っているはずなんです。また今回の問題でもそのようなことをすれば、それこそ長官がきょうはっきり所信表明をされましたですね、どんな圧力にも屈しない、あるいは妥協もしない、取引もしない、私はそれが環境行政の基本的な姿勢だと思うのです。それが単に自然を守るだけでなく、私は国民を教育すると思うのですよ。そういうふうな疑いがないように私は処置していただきたいと思うのです。  とにかく十六日以降の環境庁の動きを見ておれば、まことに従来の態度から考えれば想像もつかないスピーディに仕事が運んでおる。その中からほんとうの自然保護というものは出てこないのじゃないか、私はこう思うわけでございます。一言私の意見も申し上げまして、何かお答えがあったらお願いいたします。

柳瀬孝吉環境庁自然保護局長

○柳瀬政府委員 スピーディに事を運んだということでかえっておしかりを受けるのもどうも心外でございますが、実はあれは無理にスピーディにやったということではないのでございまして、十六日に案をおはかりいたしまして、私どもは私どもの案でやっていただけるものと思って御諮問申し上げたわけでございますが、委員の方々の中にぜひ現地をごらんになりたいとおっしゃられる委員さんがおられましたものですから、ごらんになりたいというものをこれは引きとめることもなわけでございまして、ごらんになっていただいて、次の審議日程はやはり私どもがいつということをきめたわけでも何でもないので、これは審議会が、部会長さんが委員の方々におはかりをして、御都合を伺って、その次の日程をきめたわけでございまして、決して他意があったりあるいは政治的にどうこうということは、全く私ども考えておらないわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 もう私は言うつもりなかったのですが、それはスピーディであることが、これはもう私どもも好ましいことであって、これに反対するものではありませんが、そういう印象もあるような政治的ないろいろ考察の行なわれるところである、だからあくまでも厳正におやりになることを私はお願いをしておるだけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 木下元二君。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 私は、五十一年規制の問題の前に、少し瀬戸内海の埋め立て問題をお尋ねしたいと思います。  瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定をされました。世界に誇る景勝地であり、貴重な漁業資源の宝庫である瀬戸内海の環境保全の万全を期して、与野党一致の議員立法として制定を見たものであります。この法律制定の過程で最後まで議論されましたのが埋め立て問題でありました。結局、公有水面埋立法による規制のほかに、特に十三条によりまして、「瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない」という条項が置かれました。この趣旨は、新たな埋め立ては厳重に規制をして瀬戸内海の環境保全をはかるというところにあることは申すまでもありません。  そして四十九年五月九日付の瀬戸内海環境保全審議会会長の文書がございます。「瀬戸内海環境保全臨時措置法第十三条第一項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針について」という文書であります。この埋め立ての基本方針を定めた文書でありますが、これによりましてきびしい規制方針が明確にされております。特にこれを見ますと、その三項で、特定の海域を定めまして、特に示されました「留意事項に適合しない埋立てはできるだけさけるよう配慮すること」とされております。  その留意事項といたしましては、「公害防止・環境保全に資するもの、水質汚濁防止法による特定施設を設置しないもの又は、汚濁負荷量の小さいもの。」という三点が書かれております。つまり、これは指定された特定海域の埋め立ては原則的に禁止をされ、特に留意事項に該当するときに限って埋め立てが例外的に許されるということでございます。そこで、この留意事項とされているものの基準性が問題になるわけであります。これだけではやや不明確であります。この点は環境庁いかがでありましようか。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 ただいま御指摘のありましたように、瀬戸内海の埋め立てにつきましては審議会から答申をいただいております。その趣旨は、瀬戸内海の埋め立ては厳に抑制しろ、やむを得ず認める場合におきましても、それは環境への影響評価というものを十分にした上で行なえ、それから、ただいまこれもまた御指摘のありましたように、特定の水域、汚濁が進んでいる水域につきましては、ただいま先生が御指摘になりましたような留意事項に適合しない場合には埋め立てはできるだけ避けるよう配慮しろ、こういったことになっております。  留意事項として、水質汚濁防止法による特定施設を設置してないもの、あるいは汚濁負荷量の少ないもの、こういった形でごく一般的に書いてございまして、具体的な、定量的な表現はとっておりません。とっておりませんが、こういったことはケース・バイ・ケースで判断してまいりたい、こういうふうに思っておりますが、計数的に、客観的なスタンダードをつくってやるということは理想的でありますけれども、なかなかそれは技術的に困難であります。もちろん専門委員会等におきまして、この答申の部分以外にもまだかなり一般的な表現がございますので、その具体化なりあるいは定量化なりについて御検討願っておる最中でございますが、まだ現在のところ結論をいただいておりません。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 せっかくこのように基本方針をきめましても、特に問題になる留意事項というものが、たとえば汚濁負荷量の小さいものというだけでは、これでは基準にならないわけです。どこまでが小さいのか大きいのか明らかではありません。この点はこれだけでよいとお考えなんでしょうか。これは審議会でさらに煮詰めて、この留意事項の基準性を私は明確にしてもらわなければ困ると思うのですが、いかがでしょう。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 留意事項として、具体的には、水質汚濁防止法による特定施設を設置しないもの、こういうくだりがございます。これは法に基づきまして指定されております特定施設を持っていないものということで、かなり具体的であります。または汚濁負荷量の小さいもの、こういったことがその次にございますが、これは定量的には必ずしもなっていない、こういう御指摘でございますが、施設を設置していないもの、または汚濁負荷量の小さいものという、こういう連結をして読み合わせれば、汚濁量を排出しないもの、排出する特定施設を持っていないもの、またはそれに準ずるものという形でこの問題は運営してしかるべきだと思っております。またそれは可能であろうと思っております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 ちょっとお答えになっていないのですが、具体的な状況からケース・バイ・ケースで判断をするというお答えもありました。したがって、一律に一定の数値を出しにくいといたしましても、この留意事項としての基準性というのは明確にされる必要があると思うのです。そうでなければ、この埋め立て免許権者である知事が好きかってに判断をして、埋め立てをどんどん免許をしていくことになりかねないのです。何のために埋め立て禁止の海域を指定したのか意味をなさなくなります。この点は環境庁としてもそういう方向で進めておるように私は聞いておったのでありますが、違うのでしょうか、簡単にお答えください。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 先ほど申し上げましたように、そのほかにも一般的な表現がございます。これもその一部でございますが、できるだけ定量的にこれは実現したい、こう思っております。ただ現在までのところ結論を得ておりません。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 具体的な埋め立て問題について伺いたいのでありますが、広島県の海田湾というのがございます。この海田湾のきわめて大規模な埋め立てがいま問題になっております。東部流通センター、百五十一万六千平方メートル、森山工業団地二十二万三千七百平方メートル、さらに太田川流域下水道東部浄化センター、三十二万五百平方メートル、こういう三カ所の埋め立てが問題になっておるわけでありますが、ここは基本方針で指定された埋め立て禁止の特定海域に入っておるのかどうか、イエスかノーかお答えください。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 先ほど申し上げましたように、できるだけ避けろという答申がございます。その地域の中に入っております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 その地域の中に入っておるにもかかわらず、広島県当局は、この沿岸住民の反対を押し切って埋め立を進める方向で作業を進めております。漁業権の買い上げもほぼ完了したようであります。環境庁は県当局からこの埋め立て問題につきまして事情聴取もしていないのではないか、相談も受けてないのではないか、こう思いますが、いかがですか。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 手続的には、これから県におきましてアセスメントその他につきまして公告、縦覧をし、市町村の議会等の承認を求め、それから運輸大臣に埋め立ての免許の申請が来、それから環境庁が合議を受ける、こういう段階になるわけであります。環境庁としてはその段階において正式の意見を申し上げるということになると思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 環境庁はまだ何一つ相談を受けていない。こう伺っていいのですか。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 具体的にまだ相談を承っておりません。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 県当局はこの埋め立て禁止の指定区域であるにもかかわらず、先ほども指摘をいたしました汚濁負荷量が小さいものというふうに全く一方的な判断をいたしまして、埋め立てを進めようとしているのです。環境庁としてこれに対して一体黙っていていいのでしょうか。瀬戸内海の環境保全の立場から申しまして、これは当然行政指導をきびしくやっていただきたいと思うのであります。いかがでしょうか。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場政府委員 この地域に限らず、すべて埋め立ては厳に抑制すべきであるという基本方針でやりたいと思います。ましてこの地域につきましては、できるだけ避けろという御答申がありますので、取り扱いは慎重にいたしたい。ことにアセスメントということにつきまして、その中身が問題でございますので、まだわれわれはその中身については拝見しておりませんけれども、また県が一方的にやるということもこれは決して適当ではございません。いたずらに事実だけを先行させてあとで環境庁が同意するというような方針はとりたくありませんので、よく実情は県から聴取して善処したいと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 長官にもお答えいただきたいと思うのですが、環境庁の瀬戸内海環境保全審議会が定めました基本方針に反する埋め立てが進められている、こういうことでございます。環境庁としてこれは放置すべきではないと思うのです。現在はどういう段階かと申しますと、このアセスメントが知事のもとに提出をされました。私はこの問題はまた別の機会にあらためて詳しくお尋ねをしたいと思うのでありますが、このアセスメントの内容につきましてはきわめて不備、不十分のものであります。  ここに私は持ってきておりますけれども、きわめて内容が不十分であるし、またこのアセスメントの進め方についても非常に問題があると私は思っておるのです。これは埋め立てを強行するという前提でつくられているとしか考えられない。沿岸の住民は、これではいかぬということで、大学の先生たちに頼んで別にこのアセスメントをつくってもらっているのです。そのアセスメントと、県のほうに出されたアセスメントとは非常に対立をいたしております。内容が全く食い違っております。  私は、こういうふうなものを基礎に埋め立てが強行されることがあってはならないと思います。環境庁として、環境保全の立場から厳正にチェックをしていただきたいと思うのです。長官いかがでしょうか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先ほど局長が答弁いたしたのを聞いておりまして、ちょっと私言い足りないことがあったのじゃないかと思うのです。それは埋め立ての承認を運輸省に申請をしてきて、それから環境庁に協議がある、それまでは全然何か関与しないかのように印象づけられておりますが、そうじゃなくて、環境庁は県のほうに、これはもう先生御指摘のように、重要な、環境保全上瀬戸内海のあの法律に基づいて大事なところであるから十分慎重にやるべきだし、またそれには環境保全に対する十分な配慮をしなければいかぬぞということをあらかじめ出してあるわけですから、したがって、ちょっと先ほど事務的な経路を御説明したので、何か全然環境庁は関与していないというような印象を与えたのではないかと思いますが、これはもうすでに実は通知を出しているわけでございますから、その点は御理解をいただいておきたいと思うのです。  私、いま聞いておりまして、私は見ておりませんが、先生は何かりっぱなパンフレットみたいなものを持っておられましたから、これはもう相当周知の事実でありますので、これはひとつ私どももそういうような、たとえば海田湾だけではありませんけれども、そういうような計画がある場合には、やはり事前に環境アセスメントを十分やった上でないと軽々には自然保護の観点から見て許しがたいという態度で、先取り先取りでやはり注意をすべきものは注意をし、検討すべきものは検討してからやっていかなければいかぬと思います。  ただ、いまお話しのその環境アセスメントの県のものができた、これが一部のほうから反対があってとおっしゃいますが、私どもは県のアセスメントをいただきまして、これを今度環境庁として十分審査をしまして、それがいいか悪いかを決定するわけでございますので、この地域の特殊性にかんがみて十分慎重に、ほんとうに環境保全上支障のないような見通しをつけましてから実施をさすべきだというふうに考えます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 環境庁として、制度上認められた意見を述べる機会というのは別に、ずっと後にまたあるわけでありますが、その段階で環境庁が関与するというのは当然でありますが、それとは別に、いま長官も言われましたように、現在この段階で県当局に対してきびしく環境を保全するという立場からチェックをし、指導をしていただく、このことをお約束いただきたいと思うのでありますが、よろしいでございますね。長官からひとつ御答弁いただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先ほど申し上げたのもその趣旨で、もうすでにいまの御趣旨のような念押しをちゃんとやっております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 この海田湾の問題はまた別の機会に伺うことにいたしまして、五十一年排ガス問題に移ります。  長官に伺いたいのでありますが、去る十八日の委員会で、豊田自工会会長は非常にあけすけに企業の立場というものを表明いたしました。企業の国際競争力が低下するとか、輸出が致命的打撃を受けるとか、また大量の失業者が出るなどとおどしをかけるようなことを言われました。排ガス規制緩和を求める理由といたしまして、業界の最高責任者がこうしたことを述べていることについて、環境庁としてどのような見解をお持ちになっておるのでしょう。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私、午前中にも申し上げましたように、業界がどういうような御意見を持ちましようとも、中公審において技術的にも、また他の国民の全体的な環境の保全からくるいろいろな御意見を十分討議をされた結果出てまいりましたものについて、業界がたとえどうあろうとやはりその目標に向かって指導をしていくのが当然だ、私どもの立場でそう思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 私が伺っているのは、業界がどうあれ環境庁のベースで進む、これはわかりますが、この業界の私が指摘をしましたような考えに対して、そうした業界の最高首脳部がそういうふうな考えを持っておることに対して環境庁はどうお考えになるかというお尋ねでございます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私はやはり企業も、もう国民の持つ価値観といいますか、そういうものが大きく変化している、それに伴って企業の社会的責任というものが、いままでの企業本位の立場に社会的責任が大きくかぶさってきているものだという認識を十分持つべきものと考えております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 どうもことば足らずでありますが、そこまでわかっておられながら、もっと最後まで言っていただきたいと思うのでありますが、そういうふうに企業に課せられた社会的責任というものをお認めになるなら、この企業がこれに反するような、そういう趣旨を踏みにじるかのような言を述べている、このことに対して、環境庁長官としてははなはだ遺憾だ、こういう答弁があってしかるべきだと思うのですけれども、どうも一番肝心なところを言われようとしないので、私はどうも遺憾であると思うのです。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は最初にそれは申し上げたので、そういうようなことがあっても、中公審で出たその答申の実施に対して、たとえ企業側が先生がおっしゃるような態度であろうと、そういうことは一切私どもとしては考慮いたしません、こういうことを申し上げておるので、おわかりいただけるだろうと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 いや、企業の態度が私の言うとおりであろうと言われますが、いま私が指摘しましたように、この前の委員会で自工会会長ははっきり言っておるのですよ。だから私はそれを引用して言ったわけでありますが、結局そういうメーカーの健康優先ではなくて、利潤追求の資本の立場をあけすけに打ち出した、そういう態度というものははなはだ遺憾である、こういうふうにお考えでございますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 企業側も国民あって企業が成り立つわけでございますから、先生のおっしゃるような企業の責任者がそう極端に考えているものとは思わないのでございます。これは特に車の製造、販売というものは、これは国民なり消費者があって初めて成り立つわけでございますから、その消費者のためのいろいろな配慮をし、考慮をめぐらすことは当然のことだと思うので、私は先生のおっしゃるような経営者は万々ないものと思っております。また、たとえそういう先生のおっしゃるようなことがどこかで行なわれましても、私は通産大臣でありませんので、そういう点について企業者に向かってどうこうと言うことは私の立場でないので、私の立場は国民の側に立って、中公審が慎重に検討された結論を企業がいやでも守ってもらうようにすることが私の立場でございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 長官は初めにも環境保全の鬼となって自然と環境を守る決意であると表明されましたが、どうも具体的な問題を尋ねていきますと、幾らか後退しておるような感じを受けるのであります。  さらに進めて伺いますが、一部メーカーは五十年規制についてすら緩和を求めておりまして、豊田会長も切り捨て車種が出るというようなことを暗に申しまして、五十年規制の緩和を求めるようなことを言っておりますが、この点環境庁としまして、この五十年規制の問題についてそのような再検討の余地があるのでしょうか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私、責任者として、既定方針どおりであるということを申し上げておきますが、詳しいことについては局長から。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 五十年度自動車排ガス規制につきましては、既定方針どおり実施する予定でございます。ただ、問題が若干あることを申し上げておきますが、御承知のとおり、軽自動車の問題が若干あるわけでございます。軽自動車は、省資源、省エネルギー、あるいは省スペースというような立場から、その価値は十分見直していかなければいけない問題であろうと思うわけでございます。御承知のとおり、軽自動車のツー・サイクル・エンジンの問題でございますが、今回の自動車の窒素酸化物排出低減のための技術に関する評価というのが自動車公害専門委員会からすでに公表されているわけでございますが、その中で、五十一年度規制、すなわち窒素酸化物は、ツー・サイクル・エンジン、これは五十一年度規制は達成することはむしろ容易であるけれども、五十年度規制のコールドスタート対策に未解決の点が多い、大きな問題がある、こういうような指摘もされておるわけであります。  しかし一方では、そのような困難さもいわゆる触媒方式で達成可能であるというようなメーカーもございまして、前長官におかれましては、これらの点を調査するように私どもに指示をされ、現在検討している、こういうことを申し上げておきます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 環境庁がすでに一月にこれを実施するということを決定して、告示をしているのでありますが、その限られたツー・サイクル・エンジンの問題にいたしましても、いまさらこれを再検討するということ自体、私は理解に苦しむのであります。これは前に参議院でもそういうふうに再検討を進めているということを言われておりますので、その再検討がどうなったのか、その結果をきょうは聞きたいと思っておったのでありますが、いまでもその再検討中でありますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 現在も調査中であります。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 先ほど長官も五十年規制はきちんと方針どおりやるということを言われましたけれども、それは当然です。そういう再検討は私はやめるべきだと思うのです。この五十年規制はもう告示をされているわけでありますから、告示どおり実施をするということを長官初めに確認をされましたが、そうだとすれば、一体何のために再検討をしているのか。もう一ぺん足を引っぱって後退させるという意味ですか。そうでないとすれば、そういう再検討はやめておくべきだと思うのです。この点は、長官初めにも言われましたが、もう一度伺いますが、方針どおりやるということを確認していいわけでございますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 それだから局長答弁の前に私が申し上げたので、方針は私が申し上げたわけで、ただ具体的な適用にあたって、いま局長が、その後いろいろ補足して具体的な問題についてお答えをいたしておるわけでありますから、両者合わせて御理解をいただきたい。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 そうすると、その再検討は私はやめるべきだと思うのですが、一体いつまで再検討をやるのですか。それで、再検討の結果また後退するということもあり得るのですか。そういうことがあっては困ると思うのです。もうこれは告示もあったので、告示の前ならともかくも、もうこの段階で、これは当然やられるものと国民は理解しておるのですよ。それをいまごろになって、再検討をしてまた足を引っぱる、これはとんでもないことですよ。どうですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 この問題は、先生御指摘のように、五十年度規制ですから、すでにスタートしておるわけでございます。しかしながら、五十年度規制の炭化水素の規制というものは、こういった技術評価の中でも特に指摘されていることでもございます。それからまた、御承知のとおり、一方ではできるというメーカーもあり、できないというメーカーもある。その点の調査の検討を命ぜられたことは当然であろうと思いますので、私どもはその調査を進めておる、こういうことでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 その点は、私はもうそういう再検討はやめるように強く要請をいたしておきます。  前回、この十八日の委員会でも八田委員長に質問があったわけでありますが、日経産業新聞に掲載されました報告書と正式の報告書との違いの問題であります。全米科学アカデミーの部分の叙述が削られたことについての環境庁の見解はどういうことでございますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 当初日経産業新聞に連載されましたたたき台としての報告書でございますが、その中に記載されておりましたものは、要するに誤解を招くおそれがある。なぜ誤解を招くかと申しますと、窒素酸化物は確かに低い値を示しておるけれども、炭化水素と一酸化炭素はきわめて高い成績を示しておりまして、五十年度規制をオーバーするものでございます。したがいまして、私どもは現在五十一年度規制で目ざしておるものは、窒素酸化物を減らすと同時に、炭化水素及び一酸化炭素は従来より十分の一にするという原則がございます。そのうち窒素酸化物だけ減らせばいいなんというものじゃございませんので、あのような資料を掲げますると、まさに一般大衆の方々が、先生方も含めてでございますが、誤解を生むのではなかろうか、そういう意味で、委員会の討議の結果削除することがよろしい、こういうことになったのでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 十八日に八田委員長にこの部分についてただしました際に、ここに記された日産のHCのデータは基準の七倍だと答弁されました。しかも、これは春日局長の渡したメモを見て答弁をされておるのです。この点一つ見ましても、専門委員会の自主性について疑問が持たれるわけでありますが、ほんとうに七倍なのかどうか、この点について局長に伺いたいのです。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 あの席上でお渡しいたしましたのは、質問が性質がたしか違っておったと思います。あれは日産の某機種がアメリカのEPAで検査をされた結果でございまして、私が八田先生にお見せいたしましたのは、赤旗にそのことが記載されておりましたので、赤旗の記事をこれでございますということでお見せしたので、いまのお尋ねの問題とは違うと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 どうもその点よくわかりにくいのですけれども、この全米科学アカデミーの部分ですね、これをEPAと間違えられたようなことを言われますが、ここの叙述の部分には、日産車で千キログラム以上のものが、マイルからキロメートルに換算をいたしますと、CO二・四グラム、HC〇・三グラム、NOx〇・六グラムでありまして、CO、HCにつきましては、若干オーバーいたしておりますが、ほぼ基準値に達しておるのですよ。とすれば、この千キログラム以上〇・八五グラムという今回の暫定規制値の根拠はくずれることになるのです。しかも、このデータというのは、全米科学アカデミーの報告書でありますが、七三年二月でありますからそれ以前のものであります。この点はいかがですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように二つ問題がございまして、一つは日産のEPAに出したものですね、これはたしか赤旗に記載されておった問題だと思います。赤旗に表まで出してあります。これはたしかハイドロカーボンが五十年規制の平均値の七倍ぐらいだったと思います。それからCOがたしか四倍ぐらいだったと思うのです。(「それはたしか違っておるよ」と呼び、その他発言する者あり)ですから、赤旗に出たことを申しておるわけです。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 委員外発言は静粛に願います。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 私の申すのを聞いていただきたいと思うのですが、日経に連載されましたのは技術評価の資料の中の問題だろうと思うわけで、赤旗のあれとは御指摘のとおり違うわけでございます。それにいたしましても、私が申しておりますのは、窒素酸化物の低い値はけっこうだけれども、ハイドロカーボンとCOがやはりオーバーをしているので誤解を招く、こういうことでそれを削除した、こういうことであります。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 いや、それは私がいま指摘をしましたようにほとんどその基準値に達しているのですよ。ここに資料がありますけれどもね。あなたはNOx以外は七倍かあるいはきわめて高いので、この点がぐあい悪いかのように言われるけれども、この資料によって見ても基準値に達しているのですよ。だから、あなたの言われる問題は何ら論拠にならないわけですよ。違いますか。じゃ、どういう理由ですか。そのカットした理由も一緒に言ってください。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 お答え申し上げます。  それは試作車と申しますか、実験車的なものでございますので、少なくとも私どもが評価いたします場合には、その値の八掛けが規制の平均値ということでなければ、実際に生産ラインに入った場合の誤差と申しますか、これをプロダクションスリッページと申しておりますけれども、こういうものを見込みますと、少なくとも八掛け程度の値でないといけないということでございます。  いま先生御指摘のデータにつきましては、はっきり私記憶しておりませんけれども、おそらく四万二千マイルかその程度だったと思いますけれども、もうすでにそのときの時点においてCO、HCがオーバーしている。それでそういうものをこの資料として掲げました場合には、いま先生御指摘のようなもっと低い値ができるじゃないかという議論を生んで、それが非常に混乱を招く。真実それができるものであれば、それはけっこうではございますけれども、私が先ほどから申し上げておりますように、実際問題としてはその実験車の八掛け程度の値でなければできないわけでございますので、いかにNOxが低くても、CO、HCの値のほうがオーバーしてしまう。そういうことで、これは載せるべきでないというのが相当数の先生方の御意見だったというのが実態でございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 時間がありませんので、私、この点はもう詳しくは申しませんけれども、オーバーしておるなんて言われますけれども、たとえばCOは、さっき言いましたように二・四グラム、これは最高値は二・七グラムですよ。それからHCは〇・三グラム、これは最高値は〇・三九グラムですよ。オーバーしていないでしょう、最高値は。  だから、なぜあなた方のほうでこの当初あったものを削除されたのか、これはもうはなはだ理解に苦しみます。あなた方のほうではそのオーバーしておるということがただ一つの論拠のようですけれども、最高値を見てもオーバーしていない。いかがですか。

小林育夫環境庁大気保全局自動車公害課長

○小林説明員 確かに御指摘のとおり最高値で見ればオーバーしてないということでございます。ただ、これは八田先生も委員会でたびたび申し上げたと思いますけれども、現在——現在と申しますよりは、五十年からの規制につきましては、メーカーのプロダクションラインといいますか、組み立てラインの最終端において抜き取り検査が義務づけられております。この抜き取り検査の四半期ごとの値というものは平均値を満足しなければならないということになっておりますので、やはり全体として平均値がオーバーするということであってはならないわけでございます。したがいまして、普通メーカーが生産に入る場合には平均規制値が、どういうふうに申しますか、要するに実験車の八掛けが平均規制値を満足するということでないと、実際の生産には入れないわけでございます。  したがいまして、先生御指摘のその試作車につきましては、生産ラインに入るべき車としてはまだ完成してないということでございます。そういうものをその資料の中に入れるということにつきましては、やはり不適当なんではないかということが先生方の指摘にあったわけでございまして、私どもが削ったわけではございません。先生方の御指摘によって削ったわけでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 いまあなたがくどくどといわれましたけれども、どうも私は納得できません。平均値から見てというようなことを言われますけれども、それでも一つの資料として初め少なくとも報告書の中に記載しておったことを、それをわざわざカットをするということは、私は理解に苦しむのです。そのことは指摘だけしておきます。  もうあまり時間がございませんので、聞きたいのは、環境庁のほうではこの専門委員会に対して原案を提示されたのはいつのことですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 自動車公害専門委員会に対しまして原案を提出したことはございません。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 委員会に対して、名前はともあれもとになるものをお出しになっておると思うのです。そうでしょう。たたき台と言おうが何と言おうがけっこうですけれども、それをお出しになったのはいつのことでしょうか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 技術評価とそれからいわゆる答申と二つあるわけでございますが、先生の御指摘はどちらか判明いたしませんので……。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 技術評価のほうを伺っているのです。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 技術評価につきましては、いままで委員会の先生方の御議論を集約いたしまして、たたき台として提出したのがたしか十一月の下旬だったと記憶いたしております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 それとさっき言われましたその答申についても、技術評価と別の分、その報告書といいますか、それについてもお渡しになったのですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 答申案につきまして原案を出したということはございませんが、委員会の意見をほぼ事務当局において集約したものは、たしか十二月四日ぐらいに集約したと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 議論をいろいろ集約されたと言われますが、集約の作業はあなた方環境庁のほうで担当してやられたわけですね。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 自動車公害専門委員長の命によりまして、事務当局が行なったわけでございます。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 お出しになった集約した書面ですね、名前は何というのか知りませんけれども、それはひとつ見せていただけますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 これは専門委員会の問題でございますけれども、おそらくそういった過程の問題をお出しすることはいかがであろうか、かように推察いたします。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 それは決して過程の問題ではないでしょう。過程の問題ではなくて、結論が出る経過を明らかにする、過程を明らかにするものであって、それを出すことがなぜ悪いのか、委員会としてその結論だけ出せばよいというものではないと思うのです。しかもそれはおそらくというふうな言い方をされますけれども、あなた自身のお考えのようでありますが、どうもこれは納得いたしかねます。  それと、この前の委員会でも問題になりましたが、専門委員会の会議録、これは八田委員長が私が質問したときにうしろを向かれて、これも局長のあなたに相談されようとした。そこで私は、八田委員長にあなた自身の判断でひとつやってもらいたいということを要請いたしました。八田委員長は、出すのはけっこうだ、ただ環境庁の了解を得なければというふうに言われた。これは環境庁はその点は了解をされたのでしょうか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 自動車公害専門委員会の討議と申しますものは、必ずそれを集約いたしまして、その次の会に提出いたしまして、それぞれの委員方の訂正を経て承認というかっこうになりますか、確認されてまいるわけでございます。  しかしながら、そういったものは、公表をいままで前提といたしましてつくったわけではございませんので、それを公表するといたしますると、私どもそれぞれの委員会から、これは慎重にしてもらいたいという御意見も十分承っておりまして、今回八田個人としてはというお話がございましたので、それぞれの専門委員の方々に問い合わせましたところ、大半の方々はそれを公表することについては個人として好ましくないというお話でございました。  やはり専門委員会自身の問題でございまして、専門委員会の委員がそういう意思を表明される以上、事務当局といたしまして、それをお出しするというわけにはまいらないと考えております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 この前の委員会のときに八田委員長は、私個人としてはなんと言いましたか。そんなこと言ってないのですよ。何も私は個人として意見なんかあの場で聞いていないのですよ。委員長としての考えを聞いているのです。委員長も委員長として述べているのです。私はこう思うというふうに言われたのです。それをあなたがそういうふうにまぜて個人として言っている。そういうふうなことでまた委員会の各委員のところにいろいろ意見を聞いて回って、そして反対の人がおるからぐあいが悪い。何でそういうことをやるのです。  ここにもう明らかに環境庁があやつっている、この委員会を環境庁がまさにあやつっていることを明らかにしているじゃないですか。これはこの前の委員会のあなた方の態度といい、きょうのあなたの答弁といい、聞いておりますと、これはもう完全にあなた方が実質的には委員会を動かしておる、こうとしか思えませんよ。  それではどうですか、委員の人が個々に名前を出すのが困るというなら名前をふせて、A、B、Cというふうな形で発言者を出して、その会議録の内容を明らかにしていただけますか。私が知りたいのは、この専門委員会の会議が内容的にどういう形で進んだのか、これを知りたいわけですよ。それを明らかにできませんか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 何回も申しておりますように、委員会の議事録公開云々と申しますことは、これは委員会の委員の総意によってきまるものだろうと私は思います。いままで公開ということを原則として行なわれておった場合は、もちろんそういうことはないわけでございますが、いままでの慣例としては公開したことがございませんので、委員各位のお考え方によってこれはきめるのが至当ではなかろうかと私どもは考えております。今後こういった問題につきましては先生の御趣旨を十分くんで、これからの委員会の運営等についてはしかるべく委員会にもはかっていく必要があろうかと考えております。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 委員各位の総意なんということを言われますけれども、一体、それはあなたの思いつきですか。委員長がけっこうだと言っているのでしょう。委員長はけっこうだ、ただ環境庁のお許しを得なければという趣旨で言っているのですよ、この前の委員会では。環境庁がよければ、もう委員長としてひとつ見てもらいたい、こう言っているのですからね。それをどうもあなた方のほうで、環境庁として拒否をしておる、こういうことでは困ると思うのです。  私はもっともっといろいろお尋ねしたいことがありましたけれども、もう時間が来ました。私は、この審議の内容におきましても、先ほどは技術評価の書面は、これは別に原案をつくったわけではないというふうなこともございましたけれども、この点もきわめて疑わしいと私は思っております。審議のスケジュールも環境庁によってつくられてきた形跡がございます。一体、中公審はほんとうに自主的に審議をしてきたのかどうか、きわめて疑わしいと思うのです。  総理は、代表質問におきまして、五十一年規制は中公審で慎重に審議してもらっている、国民の声を反映させる民主的手続をこのように踏んでおるのだから、答申が出れば尊重をする、こういう趣旨を言われたのです。これ自体は私はわかります。わかりますけれども、しかしこれは、中公審が真に自主的、民主的に審議を進め、答申を出すという前提でのことであります。実際にはこの前提がくずれておるのではないか。中公審は、環境庁の隠れみのの疑いがたぶんに出ておると思うのです。これでは答申の尊重なんということを申しましても、それ自体ナンセンスであります。環境庁は中公審に諮問をし、その答申を受けるという以上、中公審の審議の中身に一切介入すべきではありません。この点は異論はないと思うのです。実際にはすでにいろいろと介入がされてきた。少なくともその疑いが濃厚である、こういうことでございます。  だから、この中公審は白紙に戻って、一切その介入を排した自主的な立場を堅持して、もう一度徹底審議をやり直すべきだ、こう私は思うのです。前の委員会のとき、八田委員長でさえ、前回の参考人質問の際でありますが、もし会長がやり直せというならやり直すという発言もしておるのです。ですから、この中公審の自主的な審議のやり直しを私は環境庁としては要請すべきだと思うのです。そしてそういう自主的な審議が行なわれてこそ初めてその答申が尊重されるということになると思うのです。いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先生だいぶ誤解をされておりまして、もう中公審の自主的な民主的な運営、審議については、環境庁は私を含め一切関与をいたすようなことはいたしません。したがいまして、そういう誤解はぜひ解いていただきますよう、これは中公審の名誉のためにも私からお願いいたしておくわけでございます。総理から私に閣議で慎重審議をするようにという指示がありましたときも、総理自身も私も、中公審というものは独立な機関でございますから、こちらのほうから行政権力で、いいも悪いもいろいろ関与するということはよくありませんので、総理のお気持ちを、またそれを体した私の慎重審議の要望を取り上げるかどうかは自主的な会長の御判断でございますよということは、念を押してございます。それだけに、私どもは慎重にこの中公審に対する態度はとっているわけでございますので、いろいろ御疑念はございますということは先生のお立場で私承りましたけれども、この中公審の公正な、ことに和達会長の人格識見についてはどうぞひとつ御信頼をいただきたいと思います。

木下元二日本共産党・革新共同

○木下委員 私の疑いはもう当然な合理的な疑惑でございまして、いまの答弁は納得できませんが、きょうのところはもう時間が来ましたので一応おいておきます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 七十四国会、今国会の初めてで終わりの委員会でありますが、これはまた七十五国会に通じていくわけでありますから、最初に環境庁長官になられた政治姿勢についてもう一度確めておきたいと思います。  それは、長官は先ほど私は環境保全の鬼になると言われた。これはほんとうの鬼になってもらわなければいかぬわけですけれども、しからば鬼の目にも涙ということがありますから、その涙がほんとうに国民の健康を考えた、要するに狭い日本の国で高度成長政策によってこんなにむしばまれている、こういった環境を保全する、ほんとうに住民の皆さんを守る涙なのか、あるいはまた経済のほうの調和、それに対する涙か、そのどっちなのかをもう一度ひとつはっきりと確めておきたいと思うのです。いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 実は私はほんとうに涙もろいほうでございまして、厚生省につとめておりましたときも、らい患者の皆さんや、あるいは社会保障の対象になるような方々に対するせつない思いでほんとうに十三年間やってまいりました。政治家になりましたのは、役人としてやっておっても非常な限界があるので、何とか政治の場でこの問題を少しでも前進させたいという気持ちでなったわけでございまして、先生おっしゃるような涙の種類ということになりますと、これはもう当然私は先生のおっしゃった前段の涙だというふうに、私の経歴からいたしましても御了承をいただきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると、住民の健康を守る立場からの涙だ、こういうことに一応あなたの御答弁がありましたから理解しておきます。  ところで、十二月二十四日、きょうの朝日新聞にあなたとの一問一答が出ているのですね。その中の「自動車排ガス問題をはじめ最近の環境行政には、経済との調和論が復活した感じだが」この質問に対して「その点で、経済との調和を全く無視するわけにいかない」この一点と、それから先ほどあなたのお答えの中に、三木長官は副総理だったからいろいろとできたのだ、私は副総理でないからどうも力が弱いというように聞き取れるようなお話があった。  代々の環境庁長官というのは全部が副総理とは違う。一番最初お産したのは山中さんですが、それから大石環境庁長官。こういうように、何か非常にあなたの政治姿勢というものは弱いというように感ずる。副総理を環境庁長官にしておけばいろいろなことができるのだ、また力が強いのだというあなたの発言であれば、副総理を持ってきてないということになると三木内閣の姿勢というものはすでに環境行政には弱いというふうにいわざるを得ない。だからあの発言をぼくは取り消したほうがいいと思う。(「謙遜しているんだよ」と呼ぶ者あり)これは環境庁長官が謙遜すると困る。あとの局長や役人の皆さんが絶えずほかの省あるいは局に遠慮しながらやらなければならぬ。断固として、環境行政は環境庁長官が全国民の輿望をになってやります。先ほどのあの答弁は一ぺん白紙にします。こういうように言わなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 まず第一の朝日新聞のきょうの記事でございますが、私はまず御指摘の記事の内容の前に、「環境一本ヤリ無理」という表題についてはなはだ遺憾であります。私が環境一本やりは無理だと言ったことはその内容の中には一つもございません。  経済との調和のくだりについて、その前段もあるわけでございますが、短時間でございましたから、よく私の気持ちを時間をかけて説明しなかったのは、私のほうの手落ちだと思います。まず公害基本法の改正のときに経済との調和条項が削られたことも、私は当時関係ありませんでしたけれども、国会議員としてよく知っております。経済との調和ばかり考えておりましたら環境行政はやれません。私はまず、経済活動をむしろ私どもの環境保全の見地から適切に討議をしていかなければいかぬということを先ほども申し上げたわけでございまして、調整をしていかなければいかぬとは申し上げてないので、私どもの環境保全の立場から、国民の生産活動なり消費活動というものを適切に環境保全の見地から討議をするということのことばを使ったゆえんのものも、私の気持ちがあらわれているわけでございます。どうぞこの点はひとつ御了承をいただきたいと思います。  第二の、私が先ほど副総理でもありませんのでと申し上げましたのは、お尋ねのような総量規制の問題をほんとうに実効あらしめるためには、各省をしていろいろな対策をとらしていかなければなりません。御承知のとおり、内閣というのは一体でございます。しかし、所管の責任を負っているそれぞれの大臣があるわけでございます。それぞれの大臣のお立場もあるわけでございます。それを環境行政の責任者の立場からコントロールしていかなければならぬわけでございますので、したがって、そうなりますと、その実効をよりあげるためには、私だけが先生おっしゃるように、おれがやるんだと言ってみましても実効があがらないということになってはいけませんので、むしろ総理なりあるいは官房長官なりのお力を借りてという意味でございます。  それから、私は本来性格的に外柔内剛の性格なものですから、一見低姿勢には見えますけれども、いざとなるといつでも自分のバッジをはずしても仕事をやろうという決意でございますことをどうぞひとつ御了承いただきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 コントロールというよりも、環境庁ができたゆえんというものは、要するに規制をしていくというあなたのほうの一段高い立場から、いままでの行き過ぎた経済活動を、全部とめてしまうわけにいかぬけれども、環境を保全するという立場からやはり規制していくという高度な立場から、主権在民ですから、ほんとうにあなたいまバッジをはずしてものを言うと言いましたけれども、これは一番強いのです。これはいい話だと私は思うのです。要するに規制をしていく立場なんですから、これを絶えず総理や副総理、官房長官から何とかということじゃなしに、強い立場で従来の環境庁のあり方というものを——この間毛利さんはヨーロッパのOECDに行きましてすっかり洗脳されて帰ってきておかしくなってしまったのですが、もう一度ここで、ちょうどいい機会に環境庁長官かわったわけですから、ひとつそういった強い立場で臨んでいく。それでなかったらあとの環境庁の役人さんがやりにくくてしようがないですよ。  それから、「中公審のメンバーに住民代表を加えるつもりはないか」という質問に対しまして「委員の任期があるので、交代のときに全般的見直しをしたい。国民のナマの声を聞く人選をすることも必要だ。十分検討する」。これは間違いありませんですね。  ないとすれば、中公審の五十一年度規制の問題でも、このメンバーにやはり問題がある。要するに、この中にはんとうに——専門部会で大体きまりましたら、これは大気部会でもうほとんどそれを取り入れられて、ちょっと意見が入って、それが中公審の答申で出てしまうわけですが、ここにほんとうに、いまあなたがおっしゃったように、たとえば環七のあの辺におる人たちとか、あるいはほんとうに困っている人たちの声というものは入っていない。だから、私はこれは完全でないといわざるを得ないわけですが、それでもあなた、任期があるのでその交代のときに見直す、これは一歩前進した非常にすばらしいアイデアと思うのですが、これは間違いございませんですか。もう一ぺん念を押しておきます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先ほどもお答えをいたしたわけでございますが、任期が参りますと今度私の人選に対する考え方をあらわすことができるわけでございます。ただ、私、先ほどもお答えしましたように、着任しましてからまだ中公審にも出るひまがない、また、委員の皆さん方のそれぞれについてもお会いしたり、お話をする機会が全然ございません。したがって、そこの中にありますような気持ちではありますが、委員の任期が一部切れましたときにどういうような態度でまた人選に臨むかということについては、審議会の構成あるいは先生が御指摘のような欠陥がはたしてあるのかどうか、十分よく検討いたしましてから判断をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 なかなか前向きなすばらしい長官ができたと喜んでおります。  そこで、五十一年度規制について、二十七日あるいは二十八日にもう発表してしまわずに、これは発表したものは答申として出てくるわけですから、これを尊重して、あるいはまたそれを使って、あなたのほうで規制するしないは環境庁の実施になるわけです。  ですから、小沢環境庁長官になって、五十一年度規制については、これは健康を守る最良のものだ、しかもこれは環境庁のほうで実は五十三年に、窒素酸化物を一時間値〇・〇二PPMですかの一〇〇%地方自治体に対して環境基準を明らかにしているわけですよ。それを達成するためにはどうしても必要なことなんですから、といって、自動車を五三%も東京で減らすと今度はどうにもならなくなるということですから、あなたのほんとうに自信を持った規制というものが今度環境庁長官になられた機会にできていいのではないか、私はこういうように考えるのですが、いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 総理も本会議で答弁をいたしておりますように、答弁が出ましたら、中公審の自主的な、民主的な、科学的な検討を尊重する、こういう立場でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私、中公審の専門メンバーについてもいろいろ問題があるということを指摘したのですけれども、あなたも、この記事を見ますと、確かに私はまだ会ってないし、ほんとうに責任を持ってだいじょうぶだとかということがまだはっきり言えない、だからそれに対して十分検討をするというお話でありますが、一たん出てきた規制値というものは、もう一ぺんすぐ変えるというわけにもいかないわけですよ。ですから、その点についてもひとつ検討をしていただくということが、私は真実に今度すばらしい長官ができた答えになると思うのです。それができなかったらまあたいしたことないということになるわけですからね。  そこで一歩退きまして、一トンを中心にして小型を〇・六、大型を〇・八四ですか、こういうことにしましたときに一これはなぜこうなったかと申しますと、これは初めは一本だったのですが、二本に分かれてびっくりしたというのですが、こういうことでありますと、〇・八四、要するに大型車に分類されるものは規制がやわらかいです。  これはなぜこうなったかというと、ブルーバードとか、ああいう日産やトヨタでつくっているものが入るというので、非常に規制がやわらかくなった。こうなりますと、一トン以下の車にちょっと何か乗せたらすぐ一トン以上になるんですね。セメントのかたまりでも乗せたらすぐ一トンになる。まあそんなことしないだろうということになりますけれども、ぼくはメーカーに聞きますと、どうしてもカローラとかそういうもので、一トン以内であって〇・六にならぬというときには物を乗せてちょっと重量をふやすということになる。しかも日本の現実として道路も狭いし、小型車のほうがほんとうはいいのですよ。大きなのに乗っているのはお金持ちのブルジョアとかそういう階級ですから、大型車については病院車やあるいはまた消防車、そういうような特殊なものがあろうと思うのです。そういうものに対しては特別の配慮をする。ですから私は、〇・六に一本化したほうが、そして前へ進ましたほうがいいんじゃないかという考え方も成り立つと思うのです。これについての長官の考え方があったらひとつ。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 最もきびしい値で規制は一本化すべきであるという先生の御主張でございます。五十一年度からの規制値は確かに乗用車の大きさ、エンジンの構造の区別などと関係なく、統一的に定めることが御指摘どおり望ましいと私は思います。が、車種において技術開発状況あるいは低減可能な窒素酸化物排出量に大きな差異があるわけでございまして、そういったことが現実にある以上、車の等価慣性重量によって必要最小限度の複数の規制値を採用することは、これはやむを得ないのではなかろうか。かようなことが自動車公害専門委員会の一つの結論として出ておるわけでございます。  そこで、先生は……

岡本富夫公明党

○岡本委員 もうよろしいわ。そこからいいわけみたいなことを聞いてもしかたがない。  そこで、答申より強いところの規制をしていいと私は思うのです。なぜかならば、大石環境庁長官のとき、航空機の騒音の問題で答申が出たのですよ。そのときはやはり答申より強くしてくれと私は要求しましたら、少し強くした。ですから、今度環境庁長官になられて、ほんとうに住民の立場から見ればいろんなことを——ひとつ答申は答申として、今度はそれより強く規制をしていくということも考えていただきたい。いまここでわいわい言ってもしかたがありませんし、時間がありませんから……。  それから、長官にもう一つだけ政治姿勢を聞いておきますが、私は前の佐藤総理のときも、それから田中さんのときはあまりこれは聞かなかったのですが、公害企業から自民党が国民協会を通じて政治献金を受け取らない前は佐藤総理のときはそういうことは好ましくないというような話があった。  ところが、四十八年度、私ども調べますと、昭和電工とか三井東圧ですか、これは公害の元凶みたいなところです。そこからやはり政治献金を受け取っておる、こういうことですから、これは大石長官のときも、そういうのは好ましくないという——好ましくないがいただいてもいいというようにとれるかもわかりませんけれども、やはりこの点について、あなたは就任にあたってひとつはっきりしておいていただきたい、こういうように思うのですが、いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私に対する御質問を、あやまりなくいたしたいと思いますので、確認をいたしますが、自民党はそういう企業から献金を受けないようにしろ、また受けるということが好ましいか好ましくないか、こういうことであろうと思います。  私、経理局長を約一年やりましたが、これはちょうど新聞にも最後に私聞かれて答えておりますけれども、自民党というのは国民協会からの寄付金によって大部分まかなっているわけでございます。したがって、国民協会から一本で受け取っておりますので、どの企業からの献金であったかという内容は一切わからないようになっておるわけであります。そのためにどの企業が自民党に幾ら寄付したかということは全く——私、約一年経理局長をやって、どこの会社、どこの企業体から自民党に寄付があるのだろうということは一回も調べたこともありませんし、またその必要もない、知らないのでございます。  したがって、いま先生がそういう会社の名前をあげて、自民党に献金があるが、これは好ましいか好ましくないかと言われましても、私自身一年間やった経験上、内容がわからないわけでございますから、党にそういう企業から入っているという事実は、いま先生から言われて初めてわかった、こういうことでございます。それは党が政策を立案したりするにあたって、政府与党でありますから、特定の会社とのいろいろな結びつきが表面に出てはいかぬ、またそれによって左右されてはいかぬというので、そういうことがいわば国民協会で全部きれいになって、そうして浄化されて出てきた資金を受け取る、こういう形になっておるものですから、いまお答えをいたしようにもいたしようがないというのが私の立場でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうするともともとはきたなかったのだけれど、国民協会できれいにクリーニングして出てきたというわけですか。公害企業からは好ましくない、これは佐藤総理のときもそういう答えがあったのです。大石長官もそうだった。あなたは、クリーニングされているからいいのだ、ちょっとこれは後退ですね。そのつもりで、今後も当委員会で発言をさしていただくようにいたします。  時間がありませんから、次に瀬戸内海の三菱石油の水島製油所、この問題についてお伺いします。  これをずっと調べてまいりますと、現地に山田太郎君も行ったわけですが、調べますと、結局消防庁の所管になっておるというわけですね。消防庁のほうでは、これは設置のときに間違いないということで許可をしたのだ、そういうふうに答えるであろうと思いますけれども、ではなぜ一月にできたものがこんなになったのか、これについてひとつ御答弁をいただきたい。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 三菱石油の水島製油所におきまして起こりましたタンクからの油の漏洩事故でございますが、このタンクにつきましては、もちろん消防法によりますところの設置の許可申請がございまして、書類を審査いたしまして、基準に適合するということで九月に許可をいたしております。そうしてタンク本体ができ上がりました時期に、水圧検査を完成に先立ちまして行ないますが、この完成検査、水を次第次第に張って漏れを調べまして、そうしてまたさらに次第次第に水を抜きつつ検査をする、この間に、タンクが重いものですから、わずかでございますけれども、どうしても傾くことがございます。この傾きを全部きれいにいたしまして水平に置くという作業をして、水圧検査が完全に終わりましたのが昨年の十二月の十五日でございます。  こういうタンク、非常に新しい、いわば一年たったときに起きた事故でございまして、私どもといたしますと、新しいタンクが切れるというのは、特に油が入っているときに切れるというのは経験いたしておりませんので、その原因につきまして鋭意検討をいたしたい、調査につとめまして、ほんとうの原因を探り出したいと考えておりますが、どうしてそういうことになったのか、現在のところでは明確な推測がつきかねる状態でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 この検査につきましても、消防庁の検査というものが非常におざなりであるということは、神戸沖でも給油中の重油タンクの天井が大音響を発して陥没している。こういった備蓄タンクが次々とこういう事故があるということは、消防庁としての検査が非常に不十分だというように考えざるを得ないわけです。  そこで、もう一つは環境庁長官、ぼくが調べてみますと、流れた油、これは水質汚濁防止法で取り締まるわけにいかないのですよ。それから流れると、今度海面にいるときは海上保安庁の責任、中へ入ったら港湾局の責任、被害があれば水産庁の責任。  われわれ瀬戸内海環境保全臨時措置法をつくるときに、私どものほうの公明党の案としまして、やはりここの瀬戸内海環境保全をするためには保全本部をつくらなければいかぬ、そして各省庁に対してもきちっとチェックする、あるいはまたその権限を少なくとも環境庁長官は持たなければいかぬという対案を出したことがあるのです。要するに実施官庁というものがはっきりしていないわけですよね。ですから横のつながり、これなら間違いない、こういうものをしていないところに私は問題が起こっていると思うのです。  ですから、瀬戸内海のほんとうの環境保全をしようとすれば、そういった実施官庁の瀬戸内海環境保全本部、その本部長に環境庁長官がなってもいいと思うのです。こういう実施官庁をつくらなかったら、私はいつまでたっても解決しないと思うのです。この点についての御意見を承っておきたいのですが、いかがですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私、まだ不勉強でございますから、貴重な御意見として拝聴いたし、検討させていただきます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これはよく検討してください。  それで、時間が参りましたから最後に、水産庁来ておりますね。——この瀬戸内海一円にこの油がどんどん流れまして、この被害総額というものがどうなっているのか。これはおそらくまだつかめていないと思うのですよ、どんどんふえていくわけですから。その被害対策についてどうするか。しかも今度はハマチの養殖やノリの養殖がやられておりますよ。それで何年でそういった漁業者がまた生活できるような瀬戸内海に還元するか、浄化するか、これがまたいつだかわからないということになるとたいへんなことだと私は思うのです。  それについての対策、あるいはまたその被害の救済法ですね。同時に、そのお金は全部原因者である企業が持たなければならぬと思うのですが、それまでの間、どういうようにするか、これについてあなたのほうでどういう対策を持っているか、ひとつお聞きしたい。

山内静夫水産庁研究開発部漁場保全課長

○山内説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  まず、漁業の被害の状況でございますが、きのうの五時現在におきまして各県からの報告によりますと、岡山県につきましては、ノリ養殖業関係が約二十六億二千六百万円、ハマチ養殖業につきましては二千万円、ワカメ養殖業につきまして一千百万円、合計二十六億五千七百万円。なお漁船漁業は休業しておりますが、これについての被害額は、現在のところ不明であります。  それから香川県につきましては、ノリ養殖業につきまして約二十億三千十七万円、漁船漁業の休業につきましては約二億二千八百九十六万円、合計二十二億五千九百十三万円になっております。  両県合計いたしまして四十九億千六百十三万円、こういうかっこうになっているわけでございます。  なお、きのう現在におきまして、兵庫県につきましてもノリ養殖業、ワカメ、ハマチ養殖業等が二、三やられております。今後の被害状況はわかりませんが、この金額については不明でございます。きのうの夕方現在、約五十億円の被害が出ている、こう思っております。  それで、この問題につきましての補償あるいは被害対策でございますが、今回の水島の流出油の事故につきましては、あくまでも原因者が明らかである、こういうことから原因者負担の原則によりまして、被害者が加害者から補償がなされるべきである、こう考えているわけでございます。  水産庁といたしましても、補償について早急に適切な解決がはかられるよう関係者を指導してきたところでございます。現在のところ、年末を控えまして被害者関係が非常に大きうございまして、現在、漁業者団体あるいは県が仲介になりまして、会社側との間で交渉を行なっております。きのう現在におきまして、香川県におきましては、被害漁業者に対する緊急的な金融措置等について原則的な了解事項に達した、こういう報告を受けております。額等あるいは配分等につきましては、この二、三日中に細目が詰まるであろう、こういうことでございます。岡山県につきましては目下交渉中でございます。これも二十六日ごろまでには何らかの形でとりあえずの措置がとられるであろう、こう期待しているわけでございます。  今後の問題として、この油の問題が何年続くかという問題について、こういう事例が過去にございませんし、私としても何とも答えようがございません。新潟のジュリアナ号事件のときには、五カ月ぐらいで一応安全宣言、こういうものが出ております。水産庁といたしましては、南西海区水研を中心といたしまして、各県の試験所と共同いたしまして、この問題についてどう対応していくか、研究体制を固めながら対策を練っていきたい、こう考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 時間が参りましたからこれで終わりますけれども、水産庁としては特別にひとつ、これは漁業者の全部の生活の問題にかわることでありますし、また新潟のほうは日本海ですからすぐ外洋に出ておりますけれども、瀬戸内海は六十年に一ぺんしかかわらぬという定説もあるというところでありますから、これは相当な決意をもって臨まないと、漁業者の生活はもう全部だめになってしまうということでありますから、その点は強い態度でひとつきめこまかい配慮を願いたい。  これで終わりますけれども、環境庁長官、もう少し自信を持って、環境行政についてはわれわれも応援しますから、またそういう公害企業から金をもらったりしないほうがいいですよ。これは国民協会のほうにあなたのほうから言っておけばいいですよ。そうして変な圧力がかからないようにひとつ、クリーン三木内閣と言いますけれども、ちょっとブルーになりかけておる。だからひとつ強い姿勢でりっぱな環境行政をやっていただきた.い。これをさらに要求しまして、きょうは終わります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 小沢環境庁長官から環境行政についての異常な決意のほどを披瀝されて、環境保全、公害対策の鬼になるということでありますが、環境行政の生命というのは、小沢長官が鬼になってがんばっておられるかどうかということがガラス張りであって明らかにされないと、それはよくわからないことであります。したがいまして、環境基準を定めるについても、あるいはいまこれから環境庁として手がけられるたいへん大事な問題である環境影響評価についての中身をどのように考えられるかということについても、公開制を本則としてガラス張りで国民の目にあざやかに映るようにするのが私は当然だと考えるのです。いわば環境行政の公開の原則は生命線ともいえると私は思う。  御承知かと思いますが、この六月の二十七日に中公審の防止計画部会環境影響評価小委員会が中間報告を出しております。いわゆる「環境影響評価の運用上の指針について」でありますが、その中にはこういうふうにはっきりと述べられているのです。「地域開発と環境影響に関する問題は、地域住民にとって最も身近な関心事であり、その意向が基本的に重要な意味をもっている。地域住民の適切な判断を可能にし、あるいは地域住民の選択に帰するものについてその意向を十分反映させる趣旨からも、環境影響評価の結果が事前に公表されなければならないことはむしろ当然のことと考えられるが、環境影響評価と地域住民との関係については、環境影響評価の手続面の審議の段階においてさらに具体的な検討が加えられる必要がある。」と述べられております。  この公開の原則について長官はいかようにお考えになっていらっしゃいますか、ひとつその点を伺いたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 環境アセスメントのいろいろな、ただいま先生御指摘の面その他を含めましてどういうふうにあるべきかということは、ただいま専門委員会の前提としての検討会が持たれまして審議を進めていただいておるわけでございますが、専門委員会、おそらく近くできまして、中公審でも十分検討をされるものと思っております。したがって、この答申が出てまいりましたら、それを受けまして、あるいは法的な手続が要るのか、その他の問題を含めまして、私どもよく検討してまいりたいと思います。  以上が基本方針でございますが、先生おっしゃるように、できるだけ事前にこれを公表し、地域住民のいろいろなそれに対する意見が反映をするようにするかどうかを含めて、この点を専門委員会でも十分検討していただく、こういうつもりでおります。

土井たか子日本社会党

○土井委員 専門委員会のほうの見解は専門委員会がお出しになるのであって、それは別途知る機会があろうかと思うのです。いまここで私がお伺いしているのは、環境庁長官に対してお伺いしているわけでして、環境庁長官は、審議会や専門委員会でそれを考えていただけるであろうというような姿勢では困るのですよ。長官としてこの問題に対してはどうお考えになり、どうお取り組みになるという御用意があるかをひとつ明確にお答えできませんか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 お尋ねの御趣旨はごもっともなんですけれども、私どもはいま専門委員会にお願いをしていながら、それとは別個にこちらの方針をきめておくということはやはり適当ではないのではないかというので、私、お答えをそういうふうにしているわけでございます。その辺のところは、審議会を持つ身のやはり私どもの立場も御了承をいただきたいと思うのでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 審議会の運営内容は審議会でおきめになる、これは当然のことだと思うのですが、審議会を設置して問題を具体的にいろいろ審議してもらおうというのは環境庁でしょう。環境庁長官の立場からすると、審議のあり方というのは本来環境行政をつかさどる立場からどうあってほしいとお考えになっていらっしゃるかというところを私は伺っているわけです。先ほど来申し上げた公開の原則というのは、何といっても住民の期待にこたえるABCではないか。どういうふうな問題がどういうふうに取り上げられ、それが具体的にどういうふうに考えられていっているかということを事前に知ってこそ住民は声をあげることが具体的にできるわけでありまして、その辺の公開の原則というものは環境行政をお進めになるについては生命線だというふうに考えていらっしゃらないかどうかという点を私は先ほど来お伺いしているわけであります。そのことに対しては、お答えはいまだ一向にいただいていないようでありますが、ひとつ明確にこれについてお聞かせくださいませんか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 実は私、まだ着任早々でございますので、これらの点について十分よく検討をしてみませんと、私がいまここで軽々に、責任者が言ったことは守らなければいけませんし、そうかといって一方において環境庁は専門委員会にお願いをして、そういう問題も含めて御答申を願おうとしている段階でございますから、それは気持ちは先生と相通ずるものがあると私は思っておりますけれども、いまここで私から軽々に申し上げるわけにはなかなか立場上いかないわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 何に対して遠慮をなすっていらっしゃるのですか。環境行政というのは一体何のためにあるのです。そこを考えられたら、いま私が申し上げていることに対して、これは着任早々であるから、軽々に言えないことであるので、ひとつこれから検討した上で答えさしてもらうなんというふうなことは、私はたいへん消極的過ぎると思うのです。そんなことで環境行政の鬼なんて、第一言ってもらいたくない。言ったことに対して責任をお感じになるのなら、一たん私は体当たりでひとつ環境行政に取り組みたいとおっしゃったことを具体的に実行する気持ちでやっていただきたい。  環境行政については公開の原則というのは生命線だ。だれでもこれは考えることですよ。住民からすればこんなことはABCだと思っている。これに対して着任早々だ、軽々に発言すればそれを実行しなければならない責任が出てくる、軽々には言えない、ちょっと待ってほしいなんというのはふざけていると私は思うのであります。どうですか、長官。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先生のおっしゃる気持ちもたいへんよくわかるのでございますが、公開の原則といいましても、いろいろなやり方があると思うのでございます。そういう点も含めて御検討を願っておるにもかかわらず、それをそのままにして、公開の原則のいろいろな手段方法がありますし、まあその先生のおっしゃる内容が具体的にはよくわかりませんけれども、場合によっては法律事項にも関連してくるかなと思われるような場合も想像できますので、そういう点を含めて考えますと、答弁としては今日の段階で慎重にならざるを得ない。ただ、私の先ほど言いましたのは、私の心がまえ、気持ちを申し上げたので、その気持ちはうそ偽りございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それでは長官は、先日来五十一年の排出ガス規制について中公審が最終的な答申づくりにたいへん難航している、開いた総会をもう一度開き直すということをしなければ答申が具体的にできないといういきさつがあった。なぜこうなったか、なぜこうなのかということをお考えになりましたか。これは、そこへ出てきた意見では、いままで密室の審議であった、これが一般の市民や住民の前に明らかにされてない、非公開であった、具体的にどういういきさつがあっていまのような規制値がつくられたかということに対してさだかでない、このまま答申をつくったのではおそらく将来に禍根を残すであろうということがたいへん大きな問題になっている。これは事実なんです。  そういうことからしましても、いま私お尋ねしていることは、環境行政一般についてどうお考えになるかということは基本的な問題として大きいのですよ。したがって、軽々には答えられない、技術的な面があるとおっしゃいますが、そんな技術的な面についてはそのときそのときにお考えになればいいんです。基本的には公開性の原則というものを立てながら、どういうことで運営をしていくことが最もふさわしいかということをお考えになればいいんです。  私がいまここでお尋ねしているのは、公開性の原則というのは環境行政の中心課題として考えておいていいですねということを聞いているわけでありまして、それについてああでもないこうでもない、どうも早計にここでお答えすればあとで何か災いが自分に振りかかるようなお気持ちで、先ほどからうしろ向きの答弁ばかりであります。しり込みして、しかもうしろ向きをなさっているような姿勢が私は見えてならない。  具体的にお伺いしますけれども、この排ガス規制についてはこれからどういう段取りで答申がつくられることになっているわけでありますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 従来は、大気部会でまとめられました答申と申しますものが、中公審の会長の同意を得て、そのまま大臣に答申をされるのが慣例であったわけでございますが、事の重大性あるいは世人の関心の高さということから、総理の御要請もありましたけれども、また同時に、中公審の会長の独自の御判断でもあったわけでございますが、先般、十七日でございましたが、総会を開いたのでございます。そうしてその総会で各般の多岐にわたる御意見が出たわけでございます。単なる自動車工学の技術的な問題あるいは大気汚染のみの問題にとどまらず、広範な御意見が出た。その広範な御意見が出た結論として、最終的には会長に一任するのではあるけれども、その一任を受けた会長としては、総合部会をさらに開いて、その総合部会で総会の意見をまとめましょう、こういうことになりまして、来たる二十七日に総合部会を開くことと相なったわけであります。  したがいまして、二十七日の総合部会で、これは仮定でございますが、もし答申案がまとまり、それが中公審の答申として大臣に御答申になった暁には、それを受けまして環境庁長官は告示をいたすわけでございますが、その告示はいわゆる許容限度の告示になります。すなわち、中公審の御答申は平均値で示されるものでございますが、告示の場合はそれを最大許容量をもって示すということになりますので、若干の時間がかかるわけでございます。おそらく一月の下旬ごろにはならざるを得ないと思います。そういうかっこうになろうかと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 一月の下旬ごろとおっしゃるのは、それは答申を受けて環境庁長官がいかようにお考えになるかという結論が出るのが一月の下旬ですか、それとも答申そのものが具体的に日の目を見るであろうときが一月の下旬でありますか、いずれでありますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 多少私、間違えましたので、訂正いたしておきますが、先ほども言いましたように、二十七日の総合部会で、かりにと申しておりますが、かりに御結論が出て御答申いただきますとなりますと、それを受けて告示があるわけでございます。告示になりますのには、先ほども申しましたような理由で時間が事務的にかかるわけでございます。作業がございます。一月の下旬と申しましたけれども、それはむしろ誤りと言ったほうがいいと思います。これはもう少しかかるだろう、かように事務的には考えておる次第でございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうしますと、いままでの審議過程で公開性が十分に保障されてない、それからまた、三木内閣総理大臣じきじきに、やはりこの答申については十分に慎重に検討を重ねるようにというふうな意見もございまして、いまそういう作業の最中でありますが、ひとつ環境庁長官、告示については、いま春日局長のほうから一月下旬か、いやそれとも二月に入ってからになるかもしれないという御答弁でございましたが、通常国会が一月再開される以前には告示は出さないということを、ここではっきりお答えいただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 先ほど大気局長の説明を聞いておりまして、これはできないものはできないのでございますから、二十五日が再開のようでございますので、一月末と答弁して、またとてもできそうもないので二月と、こう言っているのですから、二十五日までには私はできないだろうと思っておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 ただ、そういうことを確認をいたしましても、十二月二十七日の総合部会、この場所というのが非常に重要な場所になってまいります。そこで、この総合部会に属していらっしゃるメンバー以外の方から、たとえば自動車公害部会であるとか大気部会等々の部会に属しているメンバーでありながらこの総合部会に属していらっしゃらない方も現にございますね、そういうメンバーの方々から傍聴の申し入れがあった場合には、これは受けることが好ましいとお考えになりますか、いかがでいらっしゃいますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 先ほども申し上げましたように、今回の総合部会は、非常に広範な御意見を総会で賜わりまして、それをむしろまとめるという役割りが大きな役割りでございます。したがいまして、傍聴のお申し込みがあった場合はどうかということでございますが、これはまさに中公審自体の問題であり、総合部会長の御判断によるものと考えております。しかしながら、いままで慣行的には特殊の場合を除いてはなかったのではなかろうかと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 したがって、いまの御答弁からすると、それは万事総合部会長の判断であって、私たちとしてはいいとも悪いとも一切これに対しては言えないということがいまの御答弁の中身でありますか、どうなんです。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 中公審の独自性、独立性を云々すれば、私はやはりそのような判断は部会長にあるものと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 再度確認をしますが、部会長にあるのですか、いかがです。

信澤清環境庁長官官房長

○信澤政府委員 総合部会は官房で所管いたしておりますので、便宜私から申し上げます。  前回総会を開きました際に、先ほど大気局長から申し上げましたようなことで二十七日に総合部会を開くようになったわけでございますが、その主たる原因は、総会は九十名になんなんとする大人数のことでございますので、年内にそういう総会を開くことは困難である。したがって、総会にかわるような、それに最も近い場は何であるかという御判断から、会長がそれは総合部会でやりましょう、しかし同時に、総合部会の委員だけの御意見では困るので、何か適当な方法で全体の委員の御意見をくんでそうしてそれを含めて審議をする、またそういう御意見を踏まえて答申するようにいたします、こういうことを申しておられるわけでございます。  したがって、先生お話になりましたような、傍聴したいとか、あるいは参加をしたいというようなお話は、まだ私ども審議会の事務局の立場でいろいろお世話しておりますけれども、伺っておりません。伺っておりませんが、そういうお話がありました段階で、至急会長と御相談して、会長の御趣旨がそういうことでございますから、そういう御趣旨に沿った扱いを会長の御指示によってやりたい、こういうことでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 先日当特別委員会において、この五十一年排ガス規制に関する参考人にいろいろ御質問を申し上げたところ、八田委員長がその席で、私たちがいままで審議の過程で問題にしてきた資料は私としては公開することにやぶさかではないけれども、環境庁がどうお考えになるかを伺わなければこれを公開できないという御答弁があったのです。私はそれぞれの委員会の審議の中身を公開すると同時に、資料を公開する、同じ意味を持っていると思うのですけれども、どういうふうにこの資料について公開をしてよいかどうかというのは、環境庁に許可を求めて、その上で考えさしてもらうというふうな御答弁だった。  それから推しますと、いま御答弁では、会長がどうお考えになるかということを御相談申し上げる。その御相談もまたたいへん気にかかるわけでありますけれども、いろいろと環境庁のほうから指図をなさってこうやるべきである、ああやるべきでないということをおっしゃっているのじゃなかろうかと思われるのです。  かって十二月の六日に七大都市調査団が審議会に対しての傍聴申し入れをやって拒否されたという例がございます。これは七大都市の調査団の申し入れということになりますと、直接これに携わる関係者という意味では、市民代表という意味からしても私はたいへん大きな意味を持っている調査団だと思うわけでありますけれども、拒否されている例があります。  ところで、いま問題にしている中公審には中央公害対策審議会令というのがございまして、その審議会令の雑則、第五条というところを見ますと、これは御存じだと思いますが、「議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかつて定める。」となっています。公開するかしないかということは中公審における問題、万事これは会長が審議会にはかつて定めるわけでありまして、環境庁からとやかくいわれる筋合いのものでは一切ないのです。  したがいまして、この点に対してそれはやはり疑問を感じられるような過去のいきさつというのは多々あるわけでありますから、そういう点からすれば、ひとついまのこの中公審に対しての運営のあり方、これは万事会長に全面的にこの決定権はあるということをひとつここではっきり確認いただきたい。

信澤清環境庁長官官房長

○信澤政府委員 お答えをいたします前にもう一度申し上げたいと思いますが、環境庁環境庁と仰せになりますが、私ども審議会に対する関係では残念ながら二つの面があるわけでございます。つまり、審議会に諮問をする立場の環境庁の事務当局と、審議会の、法律的な用語で申しますれば、先ほど先生おあげになりました政令の中にもございますと思いますが、庶務を担当する事務局の、いわば審議会の手足となって働く部門と、二通りあるわけでございます。  したがって、先ほど私が申し上げましたのは、会長と御相談をしてというのは、審議会の手足となって働く事務局の立場ではそういうことを申し上げるということを発言したわけでございまして、環境庁、つまり審議会に諮問をする立場の環境庁としては、先ほど来大臣が申し上げておりますように、一切審議について干渉がましいことはしない、こういうことでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そこのところ、ひとつはっきりしておいていただきたいですね。決定権はあくまでも会長にあるので、庶務というのはそれに基づいていろいろと事務を処理するということだというふうに理解をしなければならないのじゃないかと思いますね。そのとおりでしょう。

信澤清環境庁長官官房長

○信澤政府委員 そのとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうなってまいりますと、これは万事この審議会の運営については会長の判断に従って二十七日はどういう運営のやり方をやるか、メンバー以外の方々がこの総合部会に対して傍聴申し入れをやられたときの取り扱いというのは、会長によってきまるわけでありますね。会長の御決断によってこの中身は具体的にきまるわけでありますね。

信澤清環境庁長官官房長

○信澤政府委員 先ほどお読み上げになりましたように、政令の五条によりまして審議会の運営については会長が審議会にはかってきめる。一応の議事規則を定めておりますが、その中には先生お尋ねのような場合を想定した規定がございませんので、さらにその議事運営規則の中でこれ以外のことはすべて会長が審議会におはかりしてきめるということをさらに書いてありますので、そういう手続になろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 ところで、中公審の場合はいまだかって外部の人たちの傍聴は言うまでもなく、新聞記者の方々に対する傍聴も認めていらっしゃらないようであります。いまほかのいろいろな審議会、これは各省庁それぞれございますけれども、見てきた場合に、まあおおよそいままで公開していない、前例がないということであるとか、自由な審議が妨げられるということを常にこれは理由にして認められていないという場所が多いようでありますけれども、中にはある程度、これはたとえば北海道の開発について審議をなさる北海道開発審議会などは新聞記者の傍聴を認めるというふうな行き方もとっていらっしゃるようであります。また電源開発調整審議会なんかについては、そのつど新聞記者発表というものをやって、そうして事前に関係地元の議会であるとか、住民の方々に対して事情を知らしめるという努力もなすっているようであります。  そういう点からしますと、どうでしょう、環境行政という点からいたしまして、ほかの省庁でもそういう点に対してはいろいろ配慮されるのですよ。事環境庁に関係のある審議会というのは、特に住民の健康であるとか、あるいは環境を保全することであるとか、直接これは国民、市民について生活にかかわる問題を直に取り扱っていらっしゃる審議会でしょう。そういう点からしますと、市民代表を本来はやっぱり入れてしかるべきだと私たちは思っております。  本来、今度これは環境影響評価なんかを問題にする際にも、この点は一つの大きな問題になるであろうと思いますけれども、しかし、そこまで当面はいかなくても、新聞記者の人たちを入れていろいろな場所については公開の原則にもとらないように配慮することはあってしかるべきだと思うわけでありますけれども、そこのところはあくまでもいまの中公審については会長のおきめになることであるに違いありませんが、環境庁とされてはこういう問題一般についてどういうふうに考えられているかをひとつ確かめさせていただきます。

信澤清環境庁長官官房長

○信澤政府委員 実際の審議会の運営はいま先生が御指摘になりましたように、一般に新聞記者の方を含めて公開をいたしておりません。これはいますでに先生おあげになりましたような理由もあったわけでございます。  ただ、少なくとも新聞記者の方々に対しては私どもの審議会はそれが部会であれ専門委員会であれ、常に終わったあとにその審議の内容等を要約したものを、審議会の事務当局である私どもがやる場合もございまするし、部会長なり委員長が直接会見に臨まれるということはございますが、少なくともそういう形で審議の経過そのものは報道関係の方々には明らかになる、こういう措置はとってまいっているわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 今回のこの五十一年排ガス規制に関する関係資料について、先日は八田委員長からあのような御答弁があったわけでありますが、環境庁サイドではいま手持ちの資料について公開することもやぶさかでないとお考えなのかどうなのか、その点ひとつお聞かせください。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 ただいま官房長が申しましたように、二つの環境庁の面があるわけでございますが、先生のお尋ねは、諮問する側と申しますかの環境庁の立場としてどう考えるかということだろうと思います。  それにつきましては、これはいろいろ考え方がございまして、私ども必ずしもまだまとまった考え方は持っておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 どうもはっきりしないですね。これはそうすると公開する場合もあり、公開しない場合もある、場合によりけりだ、今回の場合についてはまだそのことについては考えておりません、こういうふうな御答弁というふうに理解していいんですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 先ほども申しましたように、自動車公害専門委員会の議事録と申しますものを公開するのは、これは委員会がおきめになることでございまして、そういう意味では私ども何とも申し上げられない、かように言っておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 委員会に諮問なさっておる環境庁の立場としてはどうです。先ほど何ともお答えできませんということだったのですけれども……。

春日斉環境庁大気保全局長

○春日政府委員 いままで慣例といたしまして議事録を公表しないということでまいりました。したがいまして、今回はそういう立場で議事録が各委員から確認されたものでございまして、これを公表する以上は、委員の方々に伺いますと、もっと手を入れなければ誤解されるおそれがあるのでこのままでは困る、したがって現在のところ委員としては公表したくないという声が大半でございました。そういういきさつもございました。  今後これを公表するかどうかということが中公審として決定されました暁には、それはもう当然公表すべく最初から議事録は作成もされ、誤解のないようにしていくことになるだろうと思います。そういったことは今後中公審で御検討をいただくことになろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 中公審のほうに資料の公開をお尋ねすれば、環境庁に相談をする、環境庁の許可がなければとおっしゃる。環境庁にただいまお尋ねすると、そのような返答である。どういうことなんです、これは一体。何のための審議をいまおやりになっているかと言いたいですね、そうなってくると。  少なくとも誤解を招かないことのためには本来公表すべきじゃないですか。公表をされないことのためにいたずらな誤解を招くということもありはしませんか。そういう点からすると、堂々と修正なく、つじつま合わせもしないで、いまある資料というものを公開して、むしろ誤解を晴らすという立場を私は環境庁としては手持ちの資料によってなさるべきだと思うのであります。諮問されている立場にある環境庁にその事柄を強く私は促したい。  これ一つばかりを申し上げていても、らちのあかない御答弁しかおそらく出てこないと思いますから、おそらく年明け、国会が再開されてそれからがいよいよ告示以前の大事な段階を迎えると思いますので、徹底的に私はこの問題をさらにやりますから、ひとつそのつもりで、いままでがこうだからじゃもう通用しないということだけを覚悟の上でこの場に臨んでいただきたいと思うのであります。  さて次に、もう残り時間わずかでございますが、先日、先ほども質問にございました岡山の水島の三菱石油製油所の油流出事件について現地を調査をしてまいりました。少し気にかかる問題がございますから、これについてお尋ねをしたいと思います。  もうすでに先ほども御質問があったところですけれども、漁業関係の被害額がどういうことになっているか、現在掌握されている被害状況がどういうことであるか、これは先ほどの御答弁の繰り返しになると思いますから私はそのことは省きまして、一つ確認をしておきたいことがあるのです。それは、本日兵庫県の水産関係の担当者に伺ってみますと、油の漂着水域というのがずっと広がりまして、香川県は全域、それから徳島、兵庫県では淡路の西部から南岸にかけた一帯にもう広がっているようであります。  そうしますと、養殖ノリであるとか、ワカメであるとか、養殖ハマチをはじめとするいろいろな養殖漁業に被害が出てくるだけではなく、先ほども少しそれについて触れられていたようでありますけれども、現に、きょうは神戸なども中央卸売り市場が、油漂着水域からとれる魚の入荷を一切停止いたしましたことのために、漁船はこのところ操業停止を何日かやるに違いありません、油がある限りは。この被害補償というものも、現に漁業関係者の方々から要求された額をそのまま正確に補償するということが必要だとお考えになっていらっしゃるかどうか、この点ちょっとお伺いしたいです。

山内静夫水産庁研究開発部漁場保全課長

○山内説明員 ただいま私が御答弁申し上げましたのは、漁業協同組合を通しまして、県、それから瀬戸内の連絡本部、こういうところを通しまして国に上がった数字でございます。当然のことながら、被害があった額については全額企業側から補償さるべきである、こう思っておるわけでございます。  数字につきましても、現在各県、協同組合とも非常に取りまぎれておりまして、正確かどうか、あるいは生産数量の見込みがどうであるか、あるいは単価はどうであるか、こういった問題についてはこれから詳しく検討されると思いますが、わがほうといたしましては、できるだけ手厚い補償がなされるべきである、こう考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 海上保安庁ここにお見えになっていらしゃいますか。——海洋汚染防止法から考えまして、海上保安庁が現に行なっていらっしゃる作業内容の概況をひとつ簡単に説明を賜われませんか。そしてその際、つけ加えて申し上げますが、海洋汚染防止法三十八条にいう「運輸省令で定める量以上の量の油」とは一体どの程度をさしていっておるか。それから海上保安庁への通報はだれから、いつ、事この事件に関する限り行なわれたか。それから運輸省令で定める応急措置、排出油の防除のため必要な措置を講ずることで現在は十分とお考えになっていらっしゃるかどうか。十分でないということになりますと、「海上保安庁長官の措置に要した費用」については、この海洋汚染防止法四十一条によって施設設置者に負担されることになりますから、この点も全部あわせてお答えを簡単にお願いします。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 海上保安庁が会社から通報を受けたのが午後九時三十八分でございます。事件発生後約一時間後でございます。水島の海上保安部は二十四時間当直体制を持っておりますが、その当直班長が受けました。

土井たか子日本社会党

○土井委員 だれから……。

船谷近夫海上保安庁警備救難監

○船谷説明員 三菱石油の水島製油所通関課長からでございます。その内容は「たいへんなことになりました。五万キロリットル入りの重油タンクに亀裂が入って、九号桟橋付近から重油が海上へ流出しております。」という通報でございました。  直ちに水島保安部は巡視艇に現場に急行するように指示しまして、また同時に、水島地区大量流出油災害対策協議会というのがございますが、それを発動いたしまして、その時刻が二十一時五十分でございました。  指令しまして、約二十分後の午後十時ごろに三隻の巡視艇が出港しまして、流出油の状況調査、それから民間作業船と協力してオイルフェンスの展張や防除作業に当たったわけでございます。それできょうまで巡視船艇合計延べ約百二十隻が防除作業等に当たっております。航空機が延べ約三十機でございます。その他、民間や地方公共団体の船舶等と共同して防除作業を進めております。  最初できるだけ水島港内で防ぎとめたいと考えたわけでありまして、初めに川鉄の切り込み部分にオイルフェンスを展張しまして、その後二重三重に張りましたが、油が意外に大量であったということによってそれを越え、また強い引き潮がありましたためにオイルフェンスが破れたりいたしまして、港外に流出した次第です。  それで県に直ちに連絡をとりまして、漁船にも出動を要請いたしました。岡山県は翌日から直ちに防除作業等に入ったわけでございます。香川県にも通知いたしましたが、香川県はきょうから大量に出てその防除作業等に当たることになっております。  こういった措置をとりまして、われわれとしましてはできるだけの措置を従来準備してきたつもりではありますけれども、それが十分であったかということにつきましては、特にわれわれが足らないと考えておりますのは油の回収装置でございます。回収船が各地にありますのでそれを急速約十隻も集めましたが、それでは能力が足らないというところがございます。  また、これは非常に不幸でございますけれども、われわれ自身としましていろいろ世界的な機材を調査しました結果、アメリカのロッキード生産のクリーンスイープというのが非常に能率がよろしいということで、これを購入することになっておりまして、今年度末、三月末くらいに入手する予定になっております。これが間に合わなかったということを非常に残念に考えておる次第であります。われわれも民間も含めまして、この体制の整備には今後とも最大の努力をするつもりでございます。  それから、海洋汚染防止法三十八条にいいます施設あるいは船舶の責任者が当然第一義的な防除措置を講じなくてはいかぬことになっておりますが、その点につきましてこの間の国会で三十九条の二という条文が追加されまして、それらのものは油除去剤その他オイルフェンス等、防除資器材を整備するように義務づけられました。それをいま具体的に進めつつあるところでございます。そういった体制につきましての整備を急速にやらなくてはいかぬということで、われわれもその一端をになって国家機関としてもできるだけの整備をするというつもりでやっておるわけでございます。これで十分かということにつきましては、まだまだ足りない点が多いとわれわれは感じております。  以上です。

土井たか子日本社会党

○土井委員 けっこうです。まだまだお伺いしたい点もたくさんありますが、時間がもうまいりましたので、あと一問だけ通産省のほうに。  こういう海上保安庁のほうもまだまだ防災体制、それから事後処理に対する体制が不十分だというふうな率直な御発言もこれあり、海洋汚濁防止法などを見ますと、四十八条で、海上保安庁の職員が立ち入ること、それから物件を検査すること、これができるのは、船舶であるとか海洋施設であるとか、船舶所有者の事務所であるとか海洋施設設置者の事務所であるとかに限られております。  だから今回のような場合には、やはり立ち入り検査一つできないというふうな障害もある。それから、先ほども少し出ましたが、消防庁について言うと、やはり現行消防法のままではこういう場合に対応できない。しかも、事前のいろいろな技術上の基準に対しての検査というものがなされないというふうな一つの壁もあるようであります。  いろいろな点を考えてみて通産省に一つお伺いしたいことは、いまこれは通産省サイドで考えられているとおりで、日本は国際的な取りきめからしますと、消費国相互間で石油の備蓄量は六十日分ふやすということに対して、さらに日本独自で九十日分という見通しを立てて、いろいろ石油備蓄について配慮をされているようであります。石油備蓄については、言うまでもなく、油の貯蔵タンクというものをそれだけ増設しなければならないということにもなってくるわけでありますから、施設に対して予算措置要求というものを、一体具体的にどういう項目に対してどれだけ、九十日分備蓄増ということをお考えになるのなら、いま御用意なすっているか。これは資料要求をひとつしたいと思いますから、それは資料として出していただきたい。  そして、こういうふうな事情になってきますと、これはやはり石油タンクをあっちこっちで増設する。特にこれは九十日分の備蓄量をふやしていくということになると急造させなければならない。こういう備蓄に対する計画というものに対して、ひとつ変更して見直してみるというふうなお気持ちにいまなっていらっしゃるかどうかというあたりを率直に聞かしてもらいたいのです。いかがですか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 お答えいたします。  石油の備蓄計画につきましては、先回の石油パニックの経験からいたしまして、なるべくふやさなくちゃいけないということで、消費量の九十日分の備蓄をしたいということで、現在検討を進めておるところでございます。これは国際的な緊急融通計画というものからいきましても、その程度持つべきだということになっているわけでございます。  それで、それについての予算も要求しているわけでございますが、初年度三百五十億円というものを一般会計で、財投では千七百億円という要求を五十年度についていたしているわけでございます。これについては、それぞれタンクの建設に要する費用といったようなものが単価があるわけでございますが、先生のお話しのように、今回の事故からいたしますと、やはりタンク等についてはできる限りの安全性を確保することは当然必要でございますし、またそういったことがなければ、お話しのように住民の同意を得ることも非常に困難になるということは、これはもう明らかでございます。  したがいまして、そういった点については今後さらに検討を進める必要がございますが、いまのところは、先ほども消防庁等から御答弁がありましたように、原因の究明ということを早急に担当官庁のほうでお進めになっておられますので、その結果を見るということになろうかと思います。いずれにいたしましても、必要な保安設備というものは当然つくることになろうかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 しかとしたお答えというのは、いずれこれはさらに詰めていかなければならないと思いますが、環境庁長官、もう時間が来ましたからただ一点、はっきりこれについてお伺いしておきたいのは、場所が場所であります。瀬戸内海環境保全臨時措置法、御承知のとおり施行一年後、ずいぶんこの海は一年の努力の結果、以前に比べてきれいになったという、そういう率直な意見が地方住民から聞かれているやさきのできごとであります。  このときにあの事件を通じて具体的に明らかにされたことは、これは石油業界、こういう施設を管理している管理者サイド、それからさらに、あと起こってしまったときにどうするかという防災体制、それから監督官庁が一体手続上十分に監督できる体制にあるかどうか、いろいろな問題がございますが、少なくともあの瀬戸内海沿岸については石油を貯蔵する、あるいは精製する、そういうコンビナートの増設というのは好ましくないということだけはもうはっきり言えると思います、いまの段階ではですよ。  と同時に、大型タンカーをあそこに入れることに対しては、あの法案を審議している当時、私たちも強くこの問題を認識をして、大型タンカーというのは規制すべきでないかということを言ったところが、これはやっぱり海上交通法の問題だということで、具体的にはあの法案の中身に盛らなかったわけであります。  しかしこの節、やはりこういうふうな事件を通じて、油が一たん流れますと、金銭で解決して済む問題じゃ絶体ない。一たん海が油によってよごされると、これは大げさに言うと、内海なんかの場合には何十年かかっても元の姿に返すことが困難だということは、これはだれしも想像にかたくないところでありまして、そういうことを考えますと、今度のような多量な、しかもC重油が海に流されてしまった、こういう現実を踏まえて、これからの、瀬戸内海を含めて、こういう臨海のコンビナート、それからタンカー、この問題に対して、長官自身はどういうふうなお気持ちでいらっしゃるかをひとつお聞かせをいただきます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 おっしゃるように、私もこの事件に直面しましてまことにもう残念でならないわけでございます。瀬戸内海の海を守るためにどうしてもきれいな、元の姿とまでは言わぬまでも、この法案の目的に沿うような瀬戸内海に早くいたしたいという念願が私どもの念願でございますので、おっしゃるように、これから九十日分の備蓄の問題やら、いろいろございますが、私どもとしては、先生のおっしゃるような方針で通産省にも協力を願いたいという気持ちで一ぱいでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それと同時に、やっぱり企業に対してもき然たる姿勢で臨んでいただかないと、防災体制としてとるべき企業の責任というのはまことにずさんであり、しかもいいかげんなものだということが、今回の事件によって明らかになっているわけでありますから、今後一そうそういう点について環境庁長官の職務を全うされることを強く要求しまして、私は終わります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 米原昶君。   〔委員長退席、土井委員長代理着席〕

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 私も、いま土井委員から質問のありました三菱石油水島製油所の事故の問題について、若干、調査してきた点について聞きたいと思います。  私は、二十日に水島に行きまして、現地の状況を視察しました。第一にお聞きしたいのは、今回の事故は、地上のタンクから実に四万キロ以上というとほうもない量の重油が流れ出すという、確かにその点では世界にも例のない事件であります。実は、私が行ったときには、まだ四万キロリットルという数字を発表しないで、最初に報道されたように三万五千キロリットルですか、そういう報道でした。もう事件が起こっておるのに、一体どのくらい油が流れたかということすらわからないような、一日たつと一万キロリットルも数字が変わるというような、実に無責任な状態だということをしみじみ感じたのです。  操業は全部停止したのですかと聞いたら、停止しました。あそこに出ている煙は何ですかと私聞いたのです。そうすると、いや、保安用のものが少し動いている、こういうことなんですけれども、土地の人に言わせると、あれは保安用じゃないのだ、一部の仕事はほかのパイプで送らなければならないですから、製品をどんどん送るためにやっぱり動いておる、こういうことすら言っておるのです。私は実のところ、そこまで調べるわけにはいきませんでしたけれども、そういうような状態なのです。ですから、漁業にたいへんな被害をもたらしていることはいまでは明らかです。  大体タンクから流出した重油の総量及び海上に流出した量あるいは回収した量、まだ製油所の敷地の中に未回収のままの油が放置されておりましたが、その量が一体どのくらいなものかということを、いまではその点はもう大体つかんでおられると思います。その数字をまず聞かしていただきたい。

永瀬章消防庁予防課長

○永瀬説明員 事故が起きました際に漏れました油は、実は一つのタンクに約三万八千キロリットル程度入っておりましたが、漏れました関係で、隣のタンクに移すべくバルブ操作をいたしまして、そのためにそのほうから隣のタンクに油が移ったわけでございますけれども、爆発的にどっと油が出ましたあと、そのバルブを締めに行くのに今度は時間がかかりまして、せっかく移したタンクのほうからも、ある時間の間、油が出たことがあとでわかってまいりまして、そういたしました関係上、現在のところ約四万四千キロリットルの油が両方のタンク、事故タンクと隣のタンクと含めまして流出したものと思われております。  そういたしまして、防油堤がございまして、防油堤の中には四万八千キロリットル程度たまる容量ではございましたけれども、タンクについておりました垂直の階段が油の勢いですっ飛ばされまして、防油堤を一部破壊いたしました。その破壊部分から外に油が流れたわけでございまして、内部に二万八千キロリットル程度残ったものと思われます。  したがいまして、差し引き一万六千キロリットル程度が防油堤の外、敷地の中及び海上に流れたという結果に相なったわけでございますけれども、私どものほうでは、海上に流れ出た油の量については、いまだ推定が立っておりません。  陸上のほうはほとんど回収したはずでございますが、この数量についてはまだ報告に接しておりません。  以上であります。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 陸上に残った分は回収したはずだとおっしゃるのだけれども、事実はちょっと違うのです。歩けないほど油が道にあふれていまして、私も長ぐつをはいて入ったわけです。それは確かにひしゃくでかき集めているのです。しかし、あんなやり方で全部回収できないことはだれが見たってわかるのです。広い敷地です。  一番心配していましたのは、天気がいいから助かっておるのですが、雨が降ればあの未回収のものは全部海に流れてしまう、これはもう明らかなんです。しかし、その点については会社は全然何一つ手を打っていない。ひしゃくですくわせているだけだ。これは問題だと思うのですがね。雨が降ったらだめですよ。全部流れてしまう。そうすると、海上の汚染はさらに広がるわけです。これはだれが考えたってそうなんです。その点、手が打たれていますか。  これは通産省のほうとしても指導していただきたいのです。あのままでやっていれば、雨が降れば一ぺんです。相当の量がまだ敷地内にあるというのは明らかです。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 御趣旨の点につきましては、さっそく現地の通産局のほうに指示いたしまして、会社のほうに指示し、関係の機関とも御相談をして、さっそく御指示のような点について改善していきたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それをやっていただければ、現地ではそのことを実は一番心配していたのです。だから、ちょっと見ただけでまだ何キロ残っているのかというのは私たちにはわかりませんけれども、相当の量がまだ敷地内には漂っているのですから、雨が降ったらたいへんです。  それともう一つ、見てすぐにこれは不可解だなと思ったのはオイルフェンスです。海に流れたところで、あそこから港の外のほうに出ないようにオイルフェンスで防いでいるわけです。ところが、オイルフェンスの一部をわざと二十メートルほどあけてある。何のためにあそこをあけているか。オイルフェンスをやっていても、これでは油がどんどん流れて出てしまう。聞きましたら、船を通すためです。しかも、それは三菱の船です。  海にどんどん流れて、まだ流れているのに、三菱の汽船を通すためにここをふさいでない。これは全く企業の利益第一で、ここまで来ても企業第一主義でやっているということをしみじみ感じたのですがね。二十日の日にまだそうでしたし、その後行った人に聞いても、まだあそこは閉じられていないと言っておりました。こんな間の抜けた防災措置があるだろうか。とにかく、ああなっても企業の利益が第一になっているのですよ。これでは被害はもっと広がりますよ。こういう点でも全くおかしいと思うのです。  通産省からも行っていらっしゃいましたよ。しかし、通産省の人が指示されたかどうか知りませんが、ああいうことを見のがしていたのでは指導にならないと思います。その点、事情を知られないかもしれませんが、どういう措置をとられているか聞かせてください。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 お話の状態については私も報告を受けておりますが、これは海上保安庁のほうでやっておられることだと思いますので、そちらから聞いていただきたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 海上保安庁いらっしゃいますか。——もう帰られましたか。じゃ問題を先に進めますが、それは非常に不可解なので、海上保安庁がそこの責任を持たれるのかもしれないけれども、とにかく油がどんどん流れている時期に船を通すためにフェンスをあけておくなんというやり方では、漁業被害がもっと広がる一方だというのはだれが考えたって明らかだ。それだけの措置も実際は現地ではとられていないですよ。  それから、海上に油がどっと出ているわけですが、それが徳島県あたりまでも行ったそうですけれども、この油をひしゃくですくうようなことをやっておるというのが新聞にも出ておりますけれども、油回収船の問題についてちょっと聞きたいのです。  現地に行ったときに、油回収船が全然あそこにはなかったということは先ほど聞きましたし、なかったわけです。それでよその港から油回収船を持ってきてやっているらしい。しかし、実をいうと、油の回収船というのはほんとうにちっぽけなものですね。あれだけ大量の油が流れたら回収船をおそらく二百隻か三百隻持ってきたってだめだろう。能力がないのです。  いま使われている油の回収船なんというのは、実際はああいう事故のための回収船ではないのです。つまり、石油基地にタンカーがやってきてタンカーに油を移す、その過程で油が漏れたりこぼれたりすることは始終どこでも起こっておる。その程度の油を回収するためにはいまの小規模の油回収船でいいと思います。しかし、ああいう大事故になると、いまおそらく日本だけじゃない、世界じゅうでしょうが、あるような油回収船は役に立たないと思う。  こういう点について、対策を根本的に考え直される必要がある。回収船が来年になったらできるなんという話を聞きましたけれども、それが間に合っていたって、ほんとうをいうととうていだめだった。そうすると、あれだけの大事故が起こったときの油の回収をどうするかという問題です。  もう一つ、お聞きしたいのは、その油が残っているわけですが、直接漁業に対するたいへんな被害が起こっていることは、五十億円近い被害ということはさっきのお話でわかりました。おそらくそれだけでは済まないでしょう。あの油が一部は沈でんしますね。そしてたいへんなことになっていくのではないかと推察されるわけです。  さっきも話がありましたし、現地でも聞きましたけれども、水島の沖というところはちょうど瀬戸内海のまん中になるのですね。それで一番潮の流れの少ないというか、ほとんど潮の流れのないところといわれるところですね。そのために、あそこで油が沈んでしまいますと、流れてどこかに拡散してしまうということが一番考えられないところだというのです。ですから、この被害というのは、ノリとかワカメとかハマチの養殖とか、その被害は直接もうすでにあらわれて、それが五十億円ということでしょうけれども、それじゃおそらく済まないですね。もっと深刻な被害、あのあたりの漁場そのものを全くつぶしてしまうような被害が発生してくるのではないか。  こういう点で、対策をどう考えられているか。こんなふうに油が残った場合に一体技術的にはどういう措置をとるのか、私はよく知りませんが、どういうふうな考えでおられるかということを水産庁のほうに聞きたいのであります。

山内静夫水産庁研究開発部漁場保全課長

○山内説明員 ただいま先生の御指摘の問題でございますが、何ぶんにもこういうケースは過去に事例がございませんので、はたして油濁の関係で底に沈んだ油がどういうぐあいに漁業関係に被害があるのか、あるいは今後これがどの程度続くか、こういう問題についてわがほうとしては現在知見がないわけでございます。つきましては、早急にわがほうから指示をしまして、南西海区水研と試験場等とタイアップしながら、この影響がどういうぐあいに続くのか、こういう問題を見きわめながら今後の問題に対処していきたい、こう考えておるわけでございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 先ほど、この被害に対しての補償はもちろんこの場合は原因者がはっきりしているわけで、当然企業のほうが全面的に補償すべきだという話がありましたけれども、私たちも当然そうだ、それがいま起こっている被害だけでなくて、そういうふうに漁場をすっかり台なしにしてしまうということになりますと、一時的な補償だけではだめだ、半永久的にこの点を補償しなければならぬと思います。  そういう点で、通産省のほうでこういう場合当然そういういま起こっている被害をはっきり計算できるものがあると思うのです。これも企業がもちろん全面補償しなければならぬが、同時に、そういう半永久的な被害となってくるとそれも補償しなければいかぬ。この原則を通産省としても確認していただけますか。そうして、ぜひ企業のほうを指導してもらいたいです。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 先ほどの御質問に私お答えしましたときに、備蓄をするということは現在の日本にとって非常に大きな国民的な課題だということを申し上げたわけでございますが、その備蓄というものを今後進めていく上において最も大事なことは、タンクの安全ということが一つ大きな問題だろうと思います。今回非常に不幸な事態が起こったわけでございますが、備蓄ということから考えましても、とにかくこの際、会社側が誠意を持って十分な補償をするということが、まずその第一歩であろうというふうに私どもは考えるわけでございます。したがいまして、先日三菱石油の社長を長官のところに呼びまして、補償については誠意を持って当たるようにという指導をいたしたところでございます。  先生のお話しの臨時的なもの、一時的なもの、あるいは恒久的なものというそういう実質的な問題については、今後水産庁等とも十分御相談に乗っていただきたいと思うわけでございますけれども、基本としては、誠意を持って損害を企業が補償するということであろうかと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それではもうちょっと聞きますが、いますぐにやってもらいたいのは、年末でたいへんきびしいです、ことしは特別に。その中で被害を受けた漁民、ノリの養殖業者とかハマチ、そういうところは直接の被害ですね。この年の瀬が越せるかという問題があるわけですから、原則としてだけでなく、この年末の間に一定の補償はすぐにでも出す、こういうふうにやるべきだと思いますが、この点も同意していただけますか。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 とりあえずの漁業被害につきましては、香川県、岡山県等でいろいろと年末の一時的な支払いの問題等について企業と御相談をしておられるようでございます。水産庁のほうからもその点についていろいろと御指導をいただいているようでございますが、私どものほうは、企業を指導いたしまして、できる限り誠意を持ってそういったお話し合いに応ずるようにという指導を続けていきたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それでは次に、さっき申しましたが、事故の発生以来、十八日以来三菱石油としては全面操業ストップということには一応なっておるようであります。たださっきも言いましたが、一方では煙突から少し煙が出ているのです。そのあたりは明確でないのですが、とにかく方針としては、この事故原因が明確になって対策が一応の完了をするまでは絶対操業をやらしてはならぬ、こういうふうに思いますが、この点について御意見を聞きたいのです。  この点については環境保全という関係もありますから、こういう事故が起こった場合には当然いままでも環境庁としては全面操業ストップということを原則としてこられた。今度の場合もそうすべきだと思いますが、この点については環境庁長官の御意見も聞いておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 米原先生の御質問は、操業を全面的にストップさしたらどうだ、こういうお考えでございます。私、先ほど土井先生にお答えいたしましたように、今後二度とこういう事態が起こらないように、やはり貯油施設については厳重な管理を徹底し、またこれから新しく瀬戸内海のような、法律をもって三年間で何とかりっぱな瀬戸内海に返したいという国会、国民の意思があらわれているような地域については、できるだけひとつ私ども目を光らせまして、今後そういうような施設がふえることがやはり万一の事故のもとにもなりますので、そういうことのないように、できるだけ主管官庁にも強く要望してまいりたいと考えておるわけでございます。  現在の事故発生の工場についての操業停止につきましては、これは通産省なりその他いろいろな方面の実際の状況等を承って、私の態度をきめるべきではないかと思って、突然の質問でございますから、いまのところはそういうことでお許しいただきたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 それでは通産省のほうに見解を聞いておきたい。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 事故が発見されまして、直ちに企業側で全面ストップをいたしたわけでございますが、その後現地の消防署のほうから操業停止の指示が出ているというふうに承っているわけでございます。したがいまして、その期間中は当然それを順守するようにという指導はしていきたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 そこで、こういう事故はもちろん企業そのものに直接の責任があるし、第一の責任があると言っていいと思いますが、同時に、指導監督の点では行政に全然責任がないというわけにはいかない。その点で、こういう石油の貯蔵所、精製所等の安全保安対策の問題です。  先ほども話がありました消防法、これが適用されているわけで、石油の貯蔵や精製施設は高圧ガス取締法の対象からはずされて、そして市町村の消防署がこれを扱う。この点自体に私はちょっと問題があるのじゃないかと感ずるわけなんです。ああいう近代的な大コンビナート、ああいうところにああいう事故が起こる。倉敷あたりの市の消防署がこれをやろうといったってできないです。技術的にできないことをやらせるようになっておるのじゃないかという点、一つ問題があります。  これは何もあんなコンビナートでなくても、すでに熊本におけるデパートの火事の問題がありました。ああいうのでも、いまでは普通の消防署で扱うということ自体にすでに無理がある。もっと科学的な、専門のそういう消防車も持っていなければならぬだけでなくて、タンクの水圧試験のやり方なんか聞きましたけれども、消防署が水を張って、水漏れしないか検査して、それでオーケー、あとは書類審査だというようなことですね。外観から見て故障を起こしてないと判断するようなことで、一体ああいう事故が防げるかということをしみじみ感ずるのです。これは根本問題です。  それで、方々に製油所がありますし、石油の備蓄の問題も大問題になってきているだけに、これの安全ということは非常に重大だと思う。この事件をきっかけに、これの監督体制というものを変えないとだめじゃないか。私は費用は当然企業が持つべきだと思うのです。政府が責任を持ってそれを監督して検査するというような方式にしませんと、一般の市町村の消防署にこれを委託してやらされるというようなことでは、こういう事故が起こってももうやむを得ないということに結局なってしまう。  責任を問うにも、消防署に行って聞きましたけれども、私たちはそれ以上のことはわかりません、法律とか規則に書いてあることはやっておるのです。しかし、その程度でああいう事故は防げない。こういう点が実は根本問題だということを痛感したのです。この点はもちろん環境庁長官一人の責任問題じゃありませんが、閣僚の一人として今度の問題に対する根本的な措置として消防法を再検討して、こういう予防措置を別のところでやるべきじゃないか、もっと責任の持てる、能力のあるところでやる、こういう消防法の改定をやる必要があるというふうに痛感したわけであります。この点について環境庁長官の御意見を聞きたい。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 たいへん私、ごもっともな意見だと思います。ただ、現行法上は消防法関係の責任の分野になっておりますので、これはひとつ、今度の事件をいろいろな角度から政府でも検討しておりますし、同時に国会でもいろいろな先生方の御意見も出ますので、それらをまとめた上で、私、閣議でひとつ十分な今後の対策が講ぜられるような観点から十分検討しようじゃないかという意味の提案をいたしまして、それぞれ関係閣僚と協議をしてみたいと考えております。  それから、先ほどちょっと私は先生の御質問を御理解しないままお答えしたわけでありますが、この油の回収なり、その他の措置がとりあえず一段落するまでは、やはり操業停止ということはいいことじゃないかというふうに思います。これらの点は永久にというわけにいきませんので、やはりとりあえずそういう措置ができるまでは、そういう点も含めて、これは通産省から企業全体に指導してもらうべきじゃないかと思いますので、この点は、権限は私ございませんが、通産省のほうに、大臣と至急協議をしてみたいと思います。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 もう時間になりましたから、これで私も終わりますが、ただ一言だけ。  これは先ほども島本委員からも話がありましたが、通産省の責任は非常に重大であります。私、痛感するんです。というのは、昨年コンビナートの事故が続出して、いわゆるコンビナートの総点検を通産省でも行なわれた。ところが今回事故のあったような石油貯蔵、精製所などは全くこの総点検の対象からはずされていた。しかもこの三菱石油の水島製油所も総点検のあとではあるけれども、昨年十月にも一度事故を起こしておる。ですから、こういう点でも思い切った総点検をもう一度やる必要があるんじゃないかということを痛感するわけです。  それと、事故が起こったときに通報がおくれて、一時間近く、五十六分後に消防署のほうにわかったわけです。それも初めは救急車が飛んでくる。救急車を呼んだのですね。そうして救急車がやってきて、これは救急車のような事件ではないというので、救急車が電話をかけて化学消防車が出動するというような事態になったところを見まして、これはいつでも三菱石油自身がいままで方々でやったことですが、工場内に事故が起こる、これは何とか工場内で隠してしまって、外に知らせないということですね。隠しおおせたらそのまま知らせないでしまっておるということですね。  それが今度の場合、隠しおおせなくて、通報したときはもう一時間後、こういう事態を見ましても、こういう企業のこういう態度に対して、通産省はもっと強力な指導をやっていただきたいということです。そうしないとこういう事故を繰り返さないという保証がないと思う。この点について通産省の覚悟を聞いておきまして、私の質問を終わります。

松村克之資源エネルギー庁石油部精製流通課長

○松村説明員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、私もいささかそういう感じがいたしまして、それで、昨日石油連盟の各社を呼びまして、二つのことをとりあえず指示したわけであります。  一つは、年末年始という事態がすぐ来るわけでございますが、年末年始の保安監督体制について、各製油所ごとにきちんとスケジュールを立てて、それを私どものほうに報告するように。  それから第二番目は、事故自体につきましては、これはたとえば高圧ガス取締法でございますとか、消防法でございますとかあるいは海洋汚染防止法でございますとか、それぞれの所管庁があられましてそれぞれ御努力いただいているわけでございますが、そういった事故がもし発生した場合に、発生したあとそれを回復するシステムがどういうふうになっているのか、その辺がどうも弱いのではないか。いま先生のおっしゃったのもその点であろうかと思います。  したがいまして、その点は重要でございますので、とりあえずというわけにもまいりませんから、一月の二十日まで、いまから一カ月ございますので、一カ月の間に各製油所でそれを検討して、その強化したシステムについて私どものほうに報告書を提出するようにという指示をとりあえずしたわけでございます。今後とも石油精製業の保安の確保については、それぞれ所轄の官庁のほうに御協力すると同時に、私どもでできる点については努力を続けていきたい、そういうふうに思っております。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原委員 終わります。

土井たか子日本社会党

○土井委員長代理 坂口力君。

坂口力公明党

○坂口委員 最初に長官にお聞きしておきたいと思います。  昨日の予算委員会におきまして、私のほうの矢追議員の質問に対しまして、三木総理大臣は環境アセスメントについてお触れになりましたが、その中で法律化できなくても環境アセスメントというのは進められるけれども、しかし環境アセスメントの法律化ということについて、つくることに決してやぶさかでない、こういう御答弁であったと私は思います。  そこで長官にお尋ねしたいのは、きょう長官が御決意でもいろいろ述べられましたとおり、これからの環境行政というのは、いわゆるあと追いではなしに先行した形で環境というものは守っていかなければならないという御決意であったと思います。私も全くその点では同感でございます。そういう意味で環境アセスメント一この法律化ということについてどのようにお考えになっているか、きようの私のあとでお聞きします問題とは別に、この一言だけお聞きをしておきたいと思います。   〔土井委員長代理退席、委員長着席〕

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私は参議院で御答弁申し上げましたのは、環境アセスメントについて必要があればというよりは、法律上の問題点がいろいろ出てきて、法律上の何らかの措置が要るのかどうか、そういう点もいろいろ含めまして専門委員会で御検討願おう、こういうことを申し上げましたので、まだ私の浅い経験で法律が要るのかどうかという点については研究不十分でございます。三木総理もあの際に、法律がなくとも環境影響評価については十分事前にやって、県から出てくるわけでございますから、その審査を中央でやりまして、そこでこれならいいだろうということにならない場合は開発を実行させないということも可能なんだから法律にこだわる必要はないんだという趣旨の御答弁をやられたわけでございまして、私、着任しましてからこの環境影響評価の重要性、それからしたがって環境行政そのものが先取りになるような意味においては一番大事なことでもございますので、ただそのやり方等について、といいますのは環境評価をやるという技術的なやり方でなくて、そのあとの取り扱い、それは公表するのかあるいはどういうような手段方法で直接国民の声を反映するようにするのかどうかというような手段方法等について、立法を要するような問題があるのかどうなのか、まあそういう点も全部検討さしていただきたいという意味で申し上げたわけでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 いまいみじくも長官おっしゃりましたように、住民の声を反映し、また専門的な立場の人々の声を反映をし、そういうふうな意味でも公正な一そして中立的な第三者的な機関というようなものの設置につきましても非常に重要ではないかというふうに私どもは考えております。  そういう意味で、今後の環境行政のあり方としてやはり法律化ということが非常に重要な問題になってくるのではないか、むしろ来年はこの問題が環境庁の中で一つの大きな問題に発展すべきだというふうに私ども考えております。ひとつよく御検討をいただいてこの問題を煮詰めていただきますことをお願いをしておきたいと思います。  非常に次元の高い話から現実的な話に移るわけでございますが、いまの環境アセスメントとは直接の結びつきはございませんけれども、列車黄害の問題がございますので、続きまして質問をさせていただきたいと思います。  この列車黄害という問題は、いわゆる典型的な公害の範囲には入らないかもしれないと思います。運輸省あるいは厚生省、環境庁というような各官庁にまたがったと申しますか、その中間的な一つの問題ではないかとも思うわけです。しかしながら、いわゆる典型的な公害だけではなしに、いろいろの角度から自然環境というものは守っていかなければならいという現状でございますので、それは古典的な公害の中に入っていないからといって、環境庁が知らない顔をしていただくわけにはいかないと思うわけでございます。  最近のように文明の進んだ世の中にあって、しかも列車という非常に文明の利器でありながら、まことに原始的な方法で排出物を処理をしているということがいまなお続いているわけであります。これは騒音のように直接的にわからないということもございまして、かなり大きな問題を含んでいるにもかかわらず、わりに改善をされないままに今日に至ったというふうに思うわけです。  まず、国鉄のほうにお伺いをしたいと思いますが、現状の調査等はおやりになっておりますでしょうか。もしも調査等がございましたら簡単でけっこうでございますからひとつお示しをいただきたいと思います。

山岸勘六日本国有鉄道常務理事

○山岸説明員 たいへんむずかしい御質問でございまして、私どもも実態をできるだけよく把握いたしまして、現在たれ流し式のところにおきまして、しかも民家の密集地帯等におきましてはお客さんに御使用を御遠慮願うとか、あるいは非常に密集地帯におきましては一部へいを設ける等によって対処してまいったわけであります。  この全体と申しますか、先生の御質問の実情の調査という点でありますけれども、これは現在各線区にわたって現実の問題といたしましてたれ流し式が行なわれているわけでありまして、たとえば総武線におきまして東京駅へ地下で乗り入れている線の総武快速電車とかあるいは東海、山陽線を走っております一部の列車に限りまして貯留式タンク方式による汚物処理の装置を施しているわけでありますけれども、その他の線区についてはまだまだの状況でございます。私どもも一体どのぐらい日本にこういった汚物が列車から排出されているかというようなことにつきましてもいろいろ先生方に——先生方と申しますのは当方のお医者さんの先生方でありますけれども、計算をしてもらったりもしておるのでありますけれども、大便におきましては大体日に二十トン以上、それから小便におきましては大体日に百二十トンぐらいのものが流されているのじゃないか、このように聞いております。

坂口力公明党

○坂口委員 もう一つお尋ねしたいと思いますが、このたれ流しの形になっている列車というのは全部で何台ぐらいいまございますか。

山岸勘六日本国有鉄道常務理事

○山岸説明員 現在便所を所有している客車は七千両強でございますから、大体七千両ぐらいとお考えいただいてよろしいのじゃないかと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 厚生省のほうはこの近くの民家等に対する影響等で何かお調べになっていることがございますか。

山崎卓厚生省環境衛生局水道環境部計画課長

○山崎説明員 計画課長でございます。直接の所管をいたしております吉崎環境整備課長はただいま参議院のほうへ出席いたしておりますので、私がかわって参上いたしましたわけでございますが、直接の民家に対する影響等につきましては、かって公衆衛生局長が赤痢とかそういうような意味での伝染病的なものについては特段な影響があるというふうには認められないということは国会でも答弁をしたことがあるように聞いておりますけれども、特段にこの面に焦点を当てましての調査というものは私ちょっと記憶にございません。

坂口力公明党

○坂口委員 環境庁のほうでこういうふうな問題、何か手がけられたことがございますか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私、かって公衆衛生局の庶務課長をやったことがございますので、この問題はもっぱら厚生省の問題としていままで処理されておったと思います。いま御指摘がありまして、環境庁としては相当重大な関心を持つべき性質のものかもしれません。したがって、私どもその点は厚生省のいまの公衆衛生なりあるいは環境衛生行政で考えている考え方等よく聞きまして、私どものほうの行政とどういう関係になっているか、まかせておけばいいのか、そういう点を至急ひとつ検討してみたいと思います。

坂口力公明党

○坂口委員 私も、こういうふうなことについてどういうふうな研究がやられているのかちょっとひもといてみましたら、私の調べました限りでは、一番最初は昭和二年に報告されているわけです。まだ私どもの生まれる前の話でございますけれども、この時期に植村先生というのが研究発表をしておみえになりました。おそらくこまかくやられたのだろうと思いますが、その詳細につきましては、私の手元にございませんのでわかりませんが、この植村先生は、各客車ごとに内容約三斗の引き出し式の箱便器を用いれば済むことだというような結論を出してお書きになっているものがございます。乗客百名に対する約十二時間のふん尿全部をこれで収容できる、こういうふうな結果を発表しておみえになります。  それからこちらに幾人かの人の研究発表もございますし、先ほど国鉄のほうからもおっしゃいましたとおり、国鉄の診療所等からいろいろの調査も出ております。その中で、やはり列車のスピード等とも関係はすると思いますが、両側約三十メートルの幅にそれが飛び散るということになっております。  最近になりまして、沿線の市町村からも、これを何とかして早く禁止をしてほしいという陳情書も参っております。特に洗たく物等がひどくよごれるというような、そういう訴えが多いわけでございますけれども、しかし、もっと目に見えない形でおそらくいろいろの害を与えていることは、これはもう想像にかたくないわけであります。特に、線路の両側にお店屋さんなんかがたくさん並んでいる。特に食料品店等が並んでいるところもかなりあるわけでありまして、八百屋さん等の店先にそういうものが散ることは当然であります。三十メートル以内はかなり散るという結果が出ておりますし、もちろん大腸菌その他の細菌がその中にかなり含まれていることも報告をされているわけであります。  もしも乗客の中に、たとえば赤痢だとかあるいは腸チフスだというような患者さんが乗っていたと仮定しましたならば、これは非常に重大な結果を起こしているに違いないというふうに私は思います。しかし、直接にそれが原因だというようなことがわからずにきているものですから、列車からのものか何かわからないままに、私はうやむやのうちに済んできているのではないかというふうに思うわけであります。環境衛生上たいへん重要な問題が今日なおかつこういう形できているということは、これはゆゆしき問題だというふうに思うわけであります。  ところが、先ほども述べましたように、騒音だとかあるいは悪臭だとかというように、目に見えてぱっと感じないものでありますから、存外に関心も薄かったということも一つございます。厚生省のほうにもお願いするわけでありますが、これは保健所等もそういうことにつきましてはあるいはお調べになっているところもあるのではないかと思いますが、そういうふうな報告等はございませんか。

山崎卓厚生省環境衛生局水道環境部計画課長

○山崎説明員 ちょっと私ただいまのところ存じ上げません。

坂口力公明党

○坂口委員 時間もございませんから国鉄さんのほうにお聞きをするわけでございますが、新しい新幹線等の場合には改善されておりますから問題がないと思うわけでありますけれども、先ほどもおっしゃったように、七千両からの車両においてまだ旧式のままに残されているわけであります。この改善計画というものはどのようにお立てになっておりますか。

山岸勘六日本国有鉄道常務理事

○山岸説明員 お答えいたします。  私ども、この問題につきまして、とにかく早い機会に改善しなければいかぬという方針的決定は、すでに四十三年度におきましてやっているわけであります。その後、四十四年に入りまして、品川、田町、向日町、宮原、南福岡といったような幹線の優等長距離列車を受け持っている基地におきまして何とか早く改善をいたしたいということで、先ほど申しましたように貯留式タンク方式を採用いたしまして、これは新幹線と同じ方式でありますが、取りかかったわけでありますけれども、相手方、処理場の地域の問題との話し合いが非常に難航いたしまして、この中で現在使用可能になっておりますものは、大阪の宮原の基地だけでございます。これは昭和四十七年から一部使用開始いたしまして、いま全面使用をいたしているわけであります。  なお、これではとてもテンポとしておそいということで、さらに四十八年に入りまして、青森、仙台、秋田、長野、金沢、こういったところを追加すると同時に、先ほど申し上げました総武快速線の線増を行なっておりましたので、これに伴う幕張電車区、大船電車区というものを追加して、鋭意基地の整備並びに車両の整備に当たってまいったのであります。  以上、申し上げましたのは、一次、二次合わせまして在来線だけで十二カ所になります。これと同時に、先ほど申し上げました七千両の車に対しまして、これらの線区に使用する車を優先といたしまして、現在タンクを取りつけるばかり、あるいはまたタンクが取りついているものを含めまして、三千三百両ほどの準備ができているのであります。  しかし現在、いま申し上げましたように、十二カ所で鋭意現地の工事局当局の当事者が現地と折衝に当たり、協定の済んだところから工事に着手しているわけでありますけれども、なおかつこれでもテンポがおそい。どうしてももっとたくさんのところから手をつけていくほうが、一そう早いのじゃなかろうかというふうに最近は思わざるを得ない状況を呈しているわけでありまして、私ども、近くさらにこれに十カ所を追加して現地の折衝に当たらせたいと思っております。  このようにいたしましても来年度、昭和五十年度におきまして使用開始ができるだろうと思われるようなところは、三カ所ないし四カ所ぐらいにしか現在至っておりません。まことに私どもといたしまして残念でございますけれども、ひとつ国民の皆さま方の御了解を得まして、これらの工事を早急に推進するように一そうの努力をいたしたい、このように考えておるところでございます。

坂口力公明党

○坂口委員 そういたしますと、三千三百両は準備ができているというふうにおっしゃるわけでありますが、いわゆる車両の改良ということについては、もう三千三百両はいつでもできる。いつでもできるというわけではございませんでしょうけれども、とにかく予算的にはできるという意味なんでしょうか。できないのは、いわゆる基地の問題、市町村とのかかわりの問題でできない、それさえ解決つけば、これは一、二年の間に全部解決できるということなんでしょうか。

山岸勘六日本国有鉄道常務理事

○山岸説明員 お答えいたします。  車両の三千三百両はいつでも使えます。いま先生おっしゃいましたように、基地の態勢が整わない。これはやはりタンクから真空で抜いて処理をして、あるいは河川あるいは都市の下水に流させていただくことになるわけでありまして、この点の話し合いができませんと工事に着手できない、こういう問題に直面しているわけであります。  なお、私ども市町村並びに関係の方々の御了解が得られて、われわれの思うとおりの工事が進むとかりにいたしますと、大体昭和五十三年度内におきまして約八割の処理はできるのじゃなかろうか、このように考えております。

坂口力公明党

○坂口委員 これはいろいろの関係市町村との関係もあろうかと思いますけれども、ひとつこれは国鉄側で積極的に努力をしていただく。これは努力もちょっと足らないと私思うのです。どうしても五十三年までというような形、もう三千三百できるのなら、これは一、二年のうちにでもやり切る覚悟でひとつやってもらいたい。結局これは目に見えない形で国民の健康にかなり大きな影響を与えていることは事実だろうと思うのです。また国鉄の施設労働の皆さん方にも非常に大きな関係のあることでありますから、国鉄の皆さんも、自分のところの労働者が非常に努力もしているわけでありますから、その点もひとつあわせてくんで、この問題は早急に解決をしていただきたいと思います。  環境庁のほうも、こちらに関係なしというような態度ではなしに、この問題をあわせて、国鉄あるいはまた厚生省等との連携の上に解決に御努力をいただきたい、その点をお願いいたしまして終わりといたします。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 私は、新長官に水俣病対策のことについて幾つか質問を申し上げたいと思います。  現在の三木総理が環境庁の長官でありました昭和四十八年の五月に水俣を訪れられまして、そのときに次のようなことを言われたわけでございます。今回、私が水俣を訪れたのは、現地の実情をよく見て、良心と責任感にむち打ち、力の限りを尽くしたいと考えたためだ。私のやることは、行政、政治に携わる者の深刻な反省であり、この上に立って、二度と悲惨な人災を起こさないという決意と、それを裏づけするきびしい環境管理である。さらに別なことばで、なすべきことは政治に携わる者の深刻な反省と、すでに起きた悲惨な事態に対する緊急かつ長期の対策である。こういうことを患者なりその家族なりあるいは住民に約束をされたわけでございます。  質問の第一は、新長官は、現在の三木総理のこの考え方を完全に引き継いで、さらに発展させた水俣病対策をとられるかどうかということが第一点でございます。  第二点は、長官も、当時の三木長官もやはり現地に来てみなければ水俣病のほんとうのことはわからない、こういうことを言われて行かれたわけですが、やはり公害の原点水俣に来て水俣病患者の家族と接し、話し合う、そういうことをやらなければほんとうの水俣病の行政はできないのじゃないか、私はそういうふうに思います。そういう意味で、新長官が水俣現地を訪問していただきたいという希望もあるわけですが、ぜひ訪問していただきたい。  この二点についてまずお答えをお願いしたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 第一点の、三木総理が水俣を訪れられまして決意を表明された、その基本原則は、私はもちろんそのとおり守ってこれを引き継ぎ、またさらに進むべき点があれば進めてまいりたいと思っております。  それから、水俣訪問の件でございますが、私も、着任して、国会が終わりましたらできるだけ早く行きたいという希望を事務当局に申し入れをいたしました。ただ年内はなかなかその時間もございませんし、また正月早々は予算編成でございますので、これらの期間はひとつかんべんしていただこうと思っておるわけでございますが、できるだけ早い機会に私もそうした現地をほんとうに見せていただいて、できるだけ対策を講じてまいりたい、かように考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 三木総理以上の決意でもって対策に当たられる、また現地にも行きたいというお話を聞きまして安心をいたしました。その上に立って次の質問をいたしたいと思います。  私は、いま水俣病対策の行政というのは、どちらかというと今日後退しつつあるのじゃないか、こういうような感じが実はいたしておるわけでございます。水俣病は発生いたしましてからもう二十年以上たっているわけでございますし、水俣病とわかってからも実は十五年以上たっているわけでございます。この期間に行政庁が進んでみずからの手で患者を掘り起こすとか救済をするということはなかったのじゃないか、私はこういうぐあいに思っております。  たとえば治療とか研究という問題については全く熊大にたより切っておるわけです。専門医の養成なんかもほとんど行なわれていない、こういう状況でございまして、さらに疫学の調査で患者の実態をつかもうということさえ実はサボってこられたというような状況もあります。  認定の問題につきましても、やはり切り捨てという面が強く出て、途中で川本さんという人が行政不服審査をやりまして、その後疑わしきは救済というような門戸が開かれたという状況もあったわけでございます。  さらに補償の問題にいたしましても、熊本県の知事が見舞い金契約ということで事を済まそうとしてみたり、あるいは厚生省の調停ということで事を濁そうとしたとか、いろいろあったのですけれども、患者さんたちの裁判だとかあるいは自主交渉とかという非常に涙ぐましい努力によって解決せざるを得ないという面が多かったわけです。  いまこういうことはもう言いませんけれども、私は今日の水俣病の対策というのは、こういう患者さんたちのみずからの力によって、いわばみずからの戦いによって、言うならば先進的な氷山の山の部分の対策、解決というところが今日の状態ではないか。ほんとうの水俣病というのは、氷山の海に隠れた部分、すそ野、これがまた非常に広く、深いわけでございます。そういう点を考えますと、私は、当初言いましたように、水俣病問題は何か後退しつつあるという感じがしたのですが、いまからこそほんとうの水俣病の対策というのは必要じゃないか、こういうぐあいに実は考えておるわけでございます。  それが、たとえば第三水俣病がシロになった、これ以降水俣病対策の流れというのは逆流しておるような感じがいたすのです。さらに言うならば水俣病はもう終わったのだ、あるいはさらに言うならば水俣病を押しつぶそうとする一つの動きがある、こういうようなことを感ぜざるを得ない面もあるわけでございます。  そういう点から考えて、ただ一言答えてもらえばけっこうですけれども、やはり水俣病の行政というのはいまからだ、そういうような決意でもってこれに取り組んでいただきたい、この私の考えに対して長官のお考えを聞いておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 そうした心組みで私も真剣に取り組みたいと思います。詳しいことは保健部長から……。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 いま先生から水俣病の行政は後退しておるのではないかというような御批判がございましたが、この点につきましては、私どもこの四月以来認定審査会というものがまだ組織できず開かれていないという問題、現在約二千七百名近くの申請者が待機しておるというようなこの非常にむずかしい状態におきまして、非常なむずかしい停滞のところにきているというところの御指摘は、私ども非常にきびしく感じておるわけでございます。この点につきましては、前長官の時代に不作為の裁決をいたしましたときに、長官として非常にその問題に、長年の行政の問題に心を痛めておられるということにつきましての長官の御見解もその中にあったわけでございますが、私たちは、この問題をできるだけ解決しようと思って、いま必死の努力をしておるというような事態でございます。いろいろ御指摘のありました点も、私ども、いままでは行政的には検診に始まり、次にいかに認定するかというところだけにこの焦点がしぼられておった感じでございますが、医学の先生方も、認定というのはあくまでも医学と行政の接点の問題であって、それ以降の患者さんを一体どう持っていくかという問題、また現在非常に困っております申請者の方々の問題、あるいは水銀の暴露に非常な暴露の経歴があって将来を非常に心配しておられる方々の問題、こういう点につきましては、先生御指摘のとおり水俣病の本格的な対策は全くこれから長期、永続的に進めなければならないというぐあいに考えておるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 次に、具体的な問題について御質問を申し上げたいのですが、それは水俣病認定申請者の認定の促進と医療救済でございます。これは三木さんも環境庁長官時代約束されましたし、前毛利長官もお約束されたことでございますが、現在の申請状況はいま部長も言われましたように、水俣病の申請者は二十七都府県に現在わたっておるわけです。そうして二千七百名をもうこしました。そうして毎月毎月、実は申請者がふえているのです。  ところが、その申請した者を認定する処理能力というのは、まさに非常に困難な状況も確かにあります。有機水銀中毒という、世界でもまれな中毒症でございますし、限られた専門医しかいないということもございますし、その審査処理能力というのはまさに不十分です。  そういうような状況の中で、熊本県が言っておりますのは、従来のスピードの二倍半のスピードで申請認定作業を急いだとしても一二十年はかかる、こういうことを熊本県は発表いたしておるのです。ところが、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、旧救済法、これによりましても、さらに新法の補償法によりましても、法の目的とするところは迅速、公正な救済と、すみやかな救済というのがうたわれておるわけでございますが、実は二千七百人も申請しておるのに、その処理能力はない。その現実と、法がすみやかに救済をするという法の精神、現実はこの法の精神が生かされるかどうか、あと具体的質問をいたしますので、イエスかノーかだけでけっこうでございますので、この部分について答えていただきたいと思うのです。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 いま先生の御指摘のございましたように、一番新しい数字を見ますと約三千人近くの方がまだ審査を完了してないという事態があるわけでございます。この点につきましては、四十九年四月が前回の審査会の最終になっておりまして、それ以降、従来のペースでいきますと六月、八月、十月、十二月と、これだけの月におきまして各二日ずつ開き、毎回八十名ずつはこの認定審査ができるというのが従来のペースでございましたが、この問題につきまして、この審査会の委員の人選という問題、あるいは昨年来非常に水俣病の患者さんがたまっておる、停滞しておることにつきまして、検診を促進すべきであるというような御要望もあり、私どもが必死の努力をいたしましてやりました検診そのものの中で、この患者さんとの間に問題がありまして……(馬場委員「そこはいいです、イエスかノーかだけでいいんです」と呼ぶ)私どもはこの最善の努力を尽くしまして、救済法の趣旨の達成ということをいたしたいという決意でございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 実はおかしいのですよ。たとえば現在三千人申請しているわけです。法はすみやかに救済しろといっているでしょう、法の精神は。ところがこれは具体的にいいますと、三千人がいまストップしておりますが、そのことはあとで言いますけれども、従来の二倍半のペースでいったって二十年以上、これは申請を認定するまでかかるわけです。この事実をお認めになりますか。それからもう一つは、そのことは法の精神に違反をしておりはしませんか。そこをはっきり答えてください。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 現在三千人になんなんとする方が待機しておられるという事実は認めます。  それからその解消実施について二十年近くの歳月がかかるという県の見込みというもの、私も昨日拝見いたしました。この点につきましては、このような仮説に立てばこういう問題があるということでございましょうが、私どもはその根拠そのものにつきましてはまだいろいろの議論があることと思いますけれども、非常に困難なところにぶつかっているということは認めなければならないというぐあいに考えております。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 これははっきり答えられませんけれども、いま審査会はとまっているのですよ。とまっていれば、さらに認定作業は延びるということは当然でございます。いまの処理能力では、どんなにしたってやはり二、三十年はかかるという現実はあるわけですよ。これは長官、ぜひその現実を認めてもらって、そこからどう対策を立てるかということは、あとの質問でもするわけでございます。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私も、実は着任いたしまして、前から水俣の問題は知っておりましたものですから、いろいろ聞いているうちに、何でそんなに待たせなければいかぬのか、何でできないのか、早くやったらいいじゃないかと、こう言いましたら、実は非常にめんどうな点をるる医学的あるいは方法論的な問題等の説明を聞きまして、それはたいへんだな、しかし何とかして認定しなければ県がやるわけでございますので、県のほうともよく協議をし、協力すべきものは協力して早く再開をしなさい、再開をして処理をしていくようにすれば、それでも二、三年はかかるのじゃないかという説明を聞きましたので、いま先生がおっしゃるのは今後またどんどん出てくればというお話だろうと思うのです。まあ二千七、八百人から三千人の間の患者さんの処理だけを考えれば、それは二十年とかそういう問題はないと思います。  先生のおっしゃる意味は、今後もどんどん申請があった場合のことをおっしゃっておられるのじゃないかと思いますが、その辺のところはやはり促進のための一つの問題点として、疫学的な何か基準を早く中央のほうで考えまして、そのものさしをもっていって、そこで神経症状的な面についてのいろいろな検討がさらにそこにつけ加わって審査が終了するというような行き方をやるようにしていけば県としてもこの審査会の再開については努力をしていただけるのじゃなかろうかというので、この点の疫学的な基準の作成について、いま保健部長にひとつ鋭意努力をさせておるところでございますから、できるだけ早く私の方針としても再開をして、患者さんの救済の措置をとり得るようにしたいと、こう思って、いまこの面で熱心に検討しているところでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 いま大臣が、いままでよりも一歩進んだ原則的な態度を示されまして、私もそういうことを進めていけば打開の方法はあるなあと意を強くしたのですが、そのことについてはもう少し詳しく部長等に聞きます。  そこでひとつ、いま審査会が中断しておりますが、ここでまず最初に患者さんの心というものをお知らせしておきたいと思うのです。私は、長官御存じないかもしれませんが、あの地元の生まれでございますから、よく知っております。三木さんも、水俣病の対策というのは、どんなことをやるにしても患者との信頼関係がない限りこれは実行できないのだとあの人も基本的に信念を持って考えておられました。私も同感でございました。審査会がいま中断しておりますけれども、これについて一部に何か過激派とまではいいませんけれども、そういう人たちが妨害しておるのじゃないか、こういうようなお話があるのですけれども、実情はそうではないのです。  これは長官にぜひ知っていただきたいのですが、これは審査会に対する不安だとか不満とかというのは全部持っておられます。これはもう明らかでございまして、しかし、やはりそれを公にすると、たとえば審査会が開かれなかった場合に自分たちの生活はどうなるのだろうかという心配があるものだから、それを公に不満だ不平だということを強く言うグループ、あるいは心配で生活がどうだということでそれはあまり強く言わない、こういうような状況であって、全部が審査会に対する不安、不満を持っているということは、これは事実でございます。だから現地の人たちと会いますと、ほんとうの気持というのは審査会を開かなくて認定してくれというのがほんとうの気持ちなんですよ。これは法律的な云々はありますけれども、気持ちとしては実はそうなんです。  それからもう一つ、いま長官言われましたように、開くとするならば疫学面を重視してくれ、こういうのが大体患者さんたちのほとんど全部の気持ち、こういうことでございます。そしてまた、あそこの患者さんたちは、いまの審査会に対しまして、ほんとうに当初から水俣病を見続けてきました熊大の神経精神科等に期待するところが非常に大きいのです。そこからも入っていないのです。そういう状況もございます。  だから、環境庁としてはやはり審査会が開かれないという面につきましては、こうした患者さんたちの気持ちを理解をしながら審査会を再開するように御指導を願いたいということでございますし、やはり審査会と患者さんたちの信頼関係の回復ということを基本にして審査会を開くという態度をとっていかなければ私は開かれないと思うのです。具体的に言いますと、やはりこういうお医者さんたちは信用できぬという具体的なことも出ておりますけれども、そういうことも含めながら、やはり審査会と患者の信頼関係というものを基本に置いた再開という態度で臨んでいただきたいということを、これは要望として申し上げておきまして、先ほど長官が答えられました問題について、さらに具体的にお尋ねしていきたいと思います。  先ほどから言っておりますように、認定促進は県の能力というのは実は越しておるわけでございますが、私はこのまま進んでいきますと、環境庁の能力も越すと思います。どうにも環境庁も手が打てないという状況になる、私はこういうぐあいに思います。  たとえば環境庁に対していま行政不服審査法に基づく不作為の審査請求なんかが六百四十七名から出まして、第一次は裁定がありましたが、二次、三次の裁定がまだなっていない。こういう不服、不作為の審査請求というのは環境庁にどんどん来るということは、いまのままの状況でいけば明らかでございますし、さらに環境庁がたとえば不作為を裁定をする。その場合に認めればいいのですけれども、この間の場合のようにほとんど認めないということになりますと、十二月に行政事件訴訟法に基づく不作為の違法確認の訴えというのが熊本地方裁判所に出されました。これもどんどんふえてくると思います。そうすると、やはりそれは県という立場ですけれども、環境庁も指導的立場でたいへんなことになっていく。  それからさらに、最近鹿児島等においては棄却される患者が非常に多い。その棄却された人たちが行政不服審査請求をもうすでに現在六十人ぐらいやっておると思う。これも二年ぐらい放置されておる人もおるそうですけれども、今度はやはり棄却されますといま言ったように、ほとんど行政不服審査請求が行なわれてくる。そうなりますと、この人たちは旧法の適用ですから、これは審査会じゃなしに、環境庁がこれをさばかなければならない、こういうかっこうになりまして、まさにこのような状態でいきますと環境庁もたいへんなことになってしまう。県の能力も越した、環境庁の能力も越した、それならば、患者はどうやって救われるのか、こういうことになっていく状況でございます。  こういうことになりますと、法のすみやかな救済という精神というのは完全に死んでしまう、こういう状況になるわけでございますので、私は具体的には、先ほど疫学面と言われましたが、それも含めまして、環境庁の中にやはり水俣病対策室というようなものをつくって、その中で当面の対策と、さらに必要であれば、法改正ということまで含めた対策をいまとらなければ、もう完全に行き詰まってしまった、こういう状態でございます。そういう点について、環境庁の中に水俣病対策室というぐらいのものをつくってやられてはどうかというのが一つでございます。  もう一つは、この事態を打開するためには、先ほど長官が言われましたように、いま認定基準というのがありますが、これをそのままにしておきますともう破裂してしまってどうにもならないという状況、先ほどから説明しておりますから、この認定基準というのをやはり変える必要があろう。スピードアップし、患者から信頼されるようにする。そういうことで、その精神はかっての次官通達を精神に置きながら、やはり認定基準を患者が納得するように、この当面の行き詰った状況を打開するために変えたらどうか。一方的に変えたらまた患者の信頼はありませんから、患者さんたちの意向を聞きながら認定基準を変えていく。そうしてそれを患者さんたちに示して御理解を願ってスピードアップをしていく、信頼を受けていく、こういうことをしたらどうか、こういうことでございます。  その中の一つの例として、私は汚染指定地域で疫学条件が合致しておれば、そうしてそういう疫学的に見て疑いの余地がないというならば、もう検診もしなくて、審査もしなくて認めるというような認定基準、こういうものが当然考えられてしかるべきだ。さっき長官が言われたのは、この辺をひとつやりたいと言われたが、私はいま言ったところとはその辺じゃなかろうか、こういうぐあいに思うのです。さらに一斉検診なんかをやっておりますし、熊大の第二次研究班なんかもやっておる。その検診結果というのは出ておるのです、そういう人はもう無条件に認定していくとか、そういう認定促進、認定基準の改善というものをはかっていかれてはどうか、こういうことでございます。  これについて、環境庁の部長でもけっこうですから、具体的に現在の状況をどう考えておるかということをお示し願いたいと思います。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 第一に御指摘のございました県の能力を越えておるのではないかという点でございますが、これは非常にむずかしいところへきておることは事実であると思います。私どもは県に対してできるだけの協力をしてこれを進めていきたいということでございまして、それほど、むずかしいところだとは思いますが、私はまだこれはあきらめるべきではないという考え方に立っておるわけであります。  その点で、この対策室というお話がございましたが、現在環境庁の保健企画課と保健業務課の能力の大半、私のエネルーギの大半もこれは水俣病に注いでおります。これは県の方も病気になって倒れるぐらいでありますし、私どものほうの担当の者もふらふらになるぐらいのところまで実はやっております。そういう点で、来年度の人員の中では一番大きな問題は、人員的な能力としては不服審査の問題が先生の御指摘のごとく最も大きな問題であるということで、私ども強くこれは行管のほうにもお願いをして、いま努力をしているところでございます。御指摘のように、旧法の不服審査は公害健康被害補償法の委員会には参りません。すべてその事務当局に参るという事態がございますので、その努力をいまいたしておるというところが第一点でございます。  それから第二点の認定基準でございますが、県の御要望の中で、検診や審査もしないで認定するようにというところでございますが、これは現在の法律の体系で検診も審査も何にもしないで認定するということまでやるということは、私は事務の立場でございますから、法律的にはそれは不可能でございます。ただ、この場合に、県の御指摘のあるところでもあり、私どもも、いま取り組んでおりますのは、一つは四十六年の裁決、それに伴った事務次官通達というものの中に、水俣病の症状の全部もしくは一部があって、そして生活歴から見て、専門家が否定し切れないという原則が示されておるわけでございますが、その原則があまりにもばく然としておって、非常に認定審査をする上において、審査会の委員の先生も全く苦境に立っておられる。あるいは行政当局も非常に苦境に立っておられる。それに対して環境庁は、もう少し具体的な条件を示すべきであるという考えを私たちも持っておりまして、一つは疫学的な条件というものにつきまして、もう少し具体的に、地域の汚染の程度の問題であるとか、あるいはその人の職業、魚に対する摂取暴露の問題であるとか、家庭の問題であるとか、そのような疫学的な条件をもう少し具体的に整理をして、もう一つは医学的な所見、これは何らかの神経症状と県の方が言っておりますが、水俣病にはこのような症状があらわれる、そのような症状の組み合わせであるということにつきまして、四十五年の医学の専門委員会のレポートもございますので、そのうちのどういう組み合わせの場合に認定をするのかという、一部でもあって否定し得ないというような場合は具体的にどのような場合なのかという条件の整理に、いま必死に取りかかっているところでございます。その問題を基調にいたしまして、この認定の審査の基準というものを整理をして、そしてそれによって従来よりも効果的に審査が進められるというような形を実現するように、最大の努力を実はいま傾けているところでございます。  それからもう一点、先生の御指摘にございました、その結果のあるものということにつきましては、これは不作為の行政不服審査のときにも示しましたように、熊本県の依頼によって行なわれました第三次検診、国もこれに補助金を出しております。その検診の成績のある人及び熊本大学の第二次研究班の成績がはっきりある人、その人は新たな検診の順位を待つということではなしに、一日も早く審査にかけるということで、それをかけていないということに対する不作為を認めた訳です。その成績から見て、これはまだこの点を調べなければならないという場合には別でございますが、そのようなことをすでに不作為の裁決のときに出したわけでございまして、私どもは、そのような努力によってできるだけ効果的に進められるような方途を講じたいという努力を現在いたしておるところでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 基本的な問題で、検診もしないで、審査もしないで認定することは、これはもういまの法体系の中ではできないのだとおっしゃいましたが、そこは、たとえば疫学的には検診ということもいえると思うのですね。それからそれに基づく認定のときの審査ということもいえると思いますが、しかし基本的には、私は、そういう便法よりも、法改正をやって水俣病単独の特別立法でもつくる、こういうような方向でやるべきだと思うのです。  そこで、まず長官に、ここに実は水俣病の全指定地域の認定をされたもの、現在申請をしているものの全戸の家を書きまして、それにしるしをつけてあります。これをひとつ見ていただきたいと思うのですが、たとえばこれは芦北町の女島というところですが、これは私の町なんです。ここには実は五十四戸ございます。これは海岸線にずっと家が配置されておりますが、ここの赤の部分というのが、実はこれは認定されておるのです。これが大体二十八世帯。それからグリーンの部分が申請中なんです。  これを見た場合に、これだけ見たって、この地域というのは全部認定していいじゃないかというような、疫学的な問題につきましても、自然条件とか、完全にこれはもう合っておるわけでございますし、病原体というものは、完全に有機水銀ということはわかっているわけでございますし、あとはこの地域で、同じところで、同じ人間的条件で魚を食ったかどうかということは大体わかっておるわけでございますから、こういうのを見れば、もうこの地域は審査も検診もなしに認定していいのじゃないかと、私は常識的には思うのですよ。これはたとえば水俣市の茂道というところですけれども、これはずっと見てもらいましょう。もう政治家が見るとすぐわかると思うのです。長官はそれを見ながらひとつ考えておいてください、その間部長に具体的に聞きますから。  部長、いま答弁された中で、もう少しはっきりしなかったのですが、結局、認定基準というものをもう少し具体化したいと言われましたが、その基本には、環境庁次官通達をもう少し、あれはばく然としておるから具体的な条件をつけてやりたいのだとおっしゃった中で、疫学的条件というのは、いまその分布図でごらんになったようなかっこうだと思うのですが、それから医学的な所見と言われましたですね、その医学的な所見というのは、いま、やっぱりハンター・ラッセル症候群をみんなそろえなければというぐあいにきつくなっているような状況も聞くのですけれども、もう少し、疫学的な条件というのはこういうことだ、それから医学的な所見というのはこういう方向に改善したいのだ、そしてできればそういう基準の具体的な条件というものはいつごろ示すのだ、そうして、たとえばそれを患者さんたちあるいは県に指導するのだ、そういう、もう少し具体的にその辺を、内容ところばし方について説明していただけませんでしょうか。  それから長官には、やはりそういう状況ならば、いまの法律でどうにもできないならば、水俣病単独の特別立法でも考える必要があるのではないかと私は思うのですが、その状況を見て、ここにもあるのですけれども、見られながら、特別立法に対する所見をまず大臣から聞いて、そのあと具体的に部長からお答え願いたいと思うのです。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○小沢国務大臣 私どもは、保健部長が先ほど申し上げましたように、何とか軌道に乗せたいというのでいま一生懸命でございますので、現行法を全然別にいたしまして新しい立法をいますぐ考えろと言われましても、私どもはどうもお答えのしようがないので、どうしてもいろいろな隘路の打開を精力的にはかって、早くこの認定審査会を再開をさせたい。再開いたしませんと、認定の方法についても改善したいと思っても、この認定審査会で決定を願わなければいかぬわけでございますので、そういうことで一生懸命にいまやっておるわけでございますから、いまのこの時期に、もう一切そっちのほうの努力はなかなか困難だから新しい立法を別に考えて、いまの公害健康被害補償法のものからうんと進んだような別の観点から立法をつくれといわれましても、いま、どうも私お答えがなかなか困難でございます。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 先生の御指摘のございました疫学と臨床の条件の組み合わせということをもう少し具体的に述べよということでございますが、この疫学という問題につきましては、あるそこから出たこの患者さんは、これは有機水銀の影響と見ても蓋然性が非常に高いといい得るような条件のほうを疫学で固めるという問題でございます。そういうことで、先生の御指摘の、この女島の問題もございましたし、あるいは茂道の問題もございました。地域によっていままでの発生した様相が非常に異なっております。これはことばは、私はよく、いかにひどく水銀に汚染された方々であるかということを説明するのに、まるで水銀づけになったような地区があるのではないかという表現をいたしております。そういうところの中で、ある症状を持って出られた方で、その人が水俣病であるかどうかということを純医学的に議論をした場合に、非常にいろいろの可能性のあるものがございますが、そういうときに何か割り切りができないものかということの問題でございまして、あくまでもこの場合には疫学のほうで蓋然性を高めるための基礎与件をやり、個人の人につきましては、やはり臨床医学でどのような所見があるかということを抜きにして、私は水俣病だとその地域の人が言ってきたら、それはもう何もしないで全部認めるということは、これは、私は行政官の立場でございますが、それはできないということしか申し上げられないと思います。  これは患者さんのお立場ともう一つは、やはり医学を全然無視をしたやり方はできないということでございます。やはり医学を最大限に使うが、どういいますか、医学に不合理に縛られたようなやり方をするなというぐあいに、先生の御指摘はあるのだろうと思います。  そういう点で、疫学のほうで、一つは地域のどういうぐあいの汚染のレベルということで、地域の区分ができるだろうかという問題。それからもう一つは、職業という観点からいきますと、網元と、それからたな子といいますか、そういう関係がございますし、あるいはどこの漁協の方かというような問題もございますし、あるいはお魚屋さんという問題もあるでしょうし、その人たちがどういうぐあいに分布しておったかということもございましょうし、そういうような問題、あるいは家族の発生の状態、そういうものが、疫学的な条件というほうでもう少し具体的にその程度を分けて整理をできないものかということを、いま鋭意努力をしておる最中であります。  臨床のほうにつきましては、このハンター・ラッセルが全部そろってなければ認定していないという御指摘でございますが、さようなことはございません。認定審査会の先生方のところへ私もずっと参りました。聞いてみますと、医学的には非常に気持ち悪いことであるが、前の裁決が出て、次官通達が出てからは、自分の医学の立場からきわめて心苦しいが認めているケースもずいぶんふえているのだということをおっしゃっているわけです。  そういう意味で、問題を解決する段になりますと、もちろん患者さんの理解協力を得なければならないことは事実でありますが、医学の方から全然見放された形でそのような救済ができるかというと、私はできないと思います。そういうことで、どの点までその医学の条件を満足するところで、お互いに患者を救うということができるものになるであろうかということで、いろいろ、非常に具体的には、四肢末端の神経の麻痺だけがあって、そして医療を要するかどうかというような議論の場合に、先ほどのような非常な濃厚汚染地域にいるという場合にはどうなるのだろうかというような議論につきまして、私どもの腹案をつくりまして医学の専門の先生方とも議論をいたし、そしてこの前の次官通達の線というものを、具体的にこのような条件の人は蓋然性があるとして救済すべきだろうというような条件を明確にいたしたい、いまの段階でできる範囲内で最善の努力をいたしたい、ということでございます。そういうことで、私は患者さんたちのお気持ちはもっともだと思います。  ただ一方、医学の方の言っておられる問題を全然無視した形で行政を行なうということは、これはまた医学の方から全部見放された場合に私どもの環境保健行政はこれまた運営できないということも事実でございますので、そこに私たちの最も苦衷の存するところがあるわけであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 馬場君に申し上げますが、持ち時間が過ぎておりますので、ひとつ集約を願います。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 それではいまのについて、ひとついつごろまでにその基準を出されるのかということについてお尋ねしておきたいと思います。  それから、もう時間が過ぎたそうですが、あと全申請者を直ちに医療救済をやるということで予算要求もされておると思うのです。これについて、何か一部じゃなしに、全申請者に対して、こういう行き詰まっている状態ですから医療救済をやっていただきたい。それがどうなっているかということ。  それから水俣病総合センターの建設がどうなっているか。これは委員会をつくってやると三木さんは約束したのですよ。その委員会には患者代表も入れるということを約束しているのです。そういうことは行なわれていないのですけれども、詳しく追及したかったのですけれども、できませんが、水俣病総合センターの建設はどうなっているかということで、ひとつお尋ねしておきたいと思います。

橋本道夫環境庁企画調整局環境保健部長

○橋本説明員 第一点の、いつまでかという御質問でございますが、私どもは三月末までに現在五十数件出ております棄却分に対しての不服審査の一部の初めの番号の若い方々につきまして、できるだけこれは裁決を出さなければならぬ。一部の方には出すというような約束もいたしております。その基礎になるものを整理しなければならないということでございまして、新春の、一月中とはまだはっきり申せませんが、できるだけそれに間に合うような形で最善の努力をいたしたいということでやっております。  それから待っておられる方々の医療費の問題でございますが、四十九年度の問題で私どもは患者さんともお話もいたし、大蔵省にも努力いたしておりますのは、不作為の忍容をされた方、及びそれと同等の条件の方、それから五十年度の問題で私どもは患者さんにいろいろお話して、長く待っておられる方ということで、この点につきまして大蔵省に鋭意かけ合って、大臣も非常に御熱心にこの点のバックをしていただいているということでございまして、そのような立場で長く待たれた方ということを中心として要求いたしております。  総合センターにつきましては、これは本会議におきましても総理がお答えになりましたように、五十年度の予算編成においてその結論をつけて実現をするという方向になっております。これは委員会という問題でございましたが、私どもは現在までのところでは懇談会という形で県、市、あるいは学者の先生方の御意見のまず基礎固めという.議論だけをいままで承って、考え方を整理いたしてまいりました。  これから具体的に進めるという段になりますと、私どもはできるだけ患者さんたちの意見を、いろいろの立場がおられますから、そのいろいろの立場の患者さんの意見をできるだけ反映さすような機会をふやして意見を聞くようにいたしたいということと、従来の準備の過程におきましても、医療需要調査という点につきましては全会派の患者さん方の御協力を得て、その要望のあるところについてかなり近いものを得たというような実績もあるわけでございます。

馬場昇日本社会党

○馬場委員 これで時間が過ぎましたから一つだけ要望して終わりたいと思います。  医療救済はやはりいま言われたのでは不十分だと思うのですよ。たとえば期間が短くても非常に重症な人もおるわけですよ。たとえば検診を受けてこれでもう認定をされるだろうと思って申請もしない、わからなかったということで最近申請をしたという人もおりますし、やはり申請患者には全部適用をする。さらにいうならば指定地域には全部医療救済をする、そういうぐあいの方向で積極的に取り組んでいただきたいということで、また後日残った問題について質問いたすということにいたしまして、私の質問を終わります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員長 長時間御苦労さんでございました。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時二十八分散会

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