公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/12/18
会議録
○角屋委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 公害対策並びに環境保全に関する件、特に昭和五十一年度自動車排出ガス規制問題について、本日、参考人として、中央公害対策審議会自動車公害専門委員長八田桂三君、中央公害対策審議会大気部会長伊東彊自君・七大都市自動車排出が規制問題調査団長柴田徳衛君、及び日本自動車工業会会長豊田英二君、以上の方々の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○角屋委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 自動車排出ガスの五十一年度規制問題については、従来より当委員会におきましても重点的に調査を行ない、去る九月十一日にはメーカー九社を参考人として招致し、意見を聴取するなど、熱心に討議を続けてまいったところであります。 一方、本問題に対する毛利環境庁長官の中央公害対策審議会への去る八月三日の再諮問について、中央公害対策審議会自動車公害専門委員会より報告が出され、続いて大気部会が同報告を答申原案とすることを了承し、また昨日は総会が開かれました。 さらに本件について、自動車排出ガスに日夜悩む七大都市から、独自の調査団の調査結果に基づいて、中央公害対策審議会に対し強い要請がありましたことは御承知のとおりであります。 目下、本問題は国民の関心の的となっているところでありますので、本日は、特に中公審及び関係者の皆さまに御出席をいただき御意見を承り、もって本委員会の調査の参考にいたしたいと存ずる次第であります。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。 なお、議事の整理上、御意見の開陳はおのおのの十五分程度に要約して簡潔にお述べいただき、その後委員の質疑にもお答えいただくようお願いいたします。 それでは八田参考人からお願いいたします。
○八田参考人 ただいま委員長より御指名いただきました環境庁中央公害対策審議会大気部会自動車公害専門委員会の委員長の八田桂三でございます。 私の本職は、東京大学宇宙研究所の教授で、飛行機や自動車のエンジンの研究や教育に携わってまいりました。本日は、自動車公害専門委員会の委員長としてお呼び出しを受けたものと存じますので、十二月五日夜八時ごろまでかかってようやくまとめました「昭和五十一年度自動車排出ガス規制について」という大気部会への報告書及び付属資料であります「自動車の窒素酸化物排出低減のための技術に関する評価」の審議の経緯と結論を簡単に申し上げたいと存じます。 委員会の委員は私を含め十名でございまして、石油関係の専門家の島村委員が片山委員にかわられましたほかは、四十七年十月に、いわゆる和製マスキー法などと呼ばれております五十年度、五十一年度の自動車排出ガス許容限度設定目標値の中公審答申の原案をつくった委員会とメンバーは変わっておりません。専門別に大別いたしますと、エンジン関係者五名、衛生関係者二名、気象関係者一名、燃料関係者一名、交通関係者一名となっております。 四十七年度の時点で、五十年、五十一年度排出ガス許容限度設定目標値、ことに五十一年度の目標値は技術的に非常に困難で、むしろほとんど不可能と考えておりましたので、答申では許容限度とせず、許容限度設定目標値とし、ざらに、許容限度の設定にあたっては、防止技術の開発状況を勘案して行なうべきであり、その場合においては、許容限度の設定年次をいたずらに遅らせることは厳に避けるとともに、技術的に可能なかぎり最もきびしい許容限度の設定を行なうものとするというような答申原案を作成し、中公審より原案どおり答申された次第でございます。 しかし、このきびしい目標値を設定し、企業及び国の開発努力を促進するといういままでにない方式はみごとに効果をあげ、上記答申を受けて昭和四十七年十月、環境庁が告示されました五十年度及び五十一年度に関する自動車排出ガス許容限度設定方針のうち、五十年度の分、これも現在世界一きびしい規制値でございますが、これは昭和四十九年一月二十一日に排出ガス許容限度としてそのまま正式に告示され、まさに実施されようとしております。 五十一年度許容限度につきましては、前述の答申の趣旨に添い、各自動車メーカーの技術開発状況を環境庁がお聞きになった結果、規制値達成は不可能という答えが全社から出てまいりましたので、四十九年八月三日、中公審大気部会に再検討方をはかられ、それにより本専門委員会で八月九日から技術開発状況などにつき審議を始めました。それ以来、トヨタ、日産、本田の三自動車メーカーの現地調査を含め、十六回にわたる審議を行ない、十二月五日夜おそく大気部会に提出する報告と技術評価とを取りまとめ、十日の大気部会に提出、同部会の御承認を得て和達会長に報告された次第でございます。 その間、東京都、大阪府より窒素酸化物低減計画の御説明や、それに伴う御要望を承ったり、窒素酸化物が原因物質の一つである光化学スモッグについて環境庁の新谷氏、機械技研の柳原氏、千葉大の鈴木教授などその方面の権威者の方々から日本の光化学スモッグの研究の現況や光化学スモッグの状況の御説明を受け、光化学スモッグの発生には環境大気中のメタンを除いた炭化水素と窒素酸化物の量の比が大きな影響をするというようなことなどをいろいろと承りました。 その間、各種防止技術や還元触媒などの検討を行ない、また各種市民団体や日本弁護士連合会、七大都市首長会、京都府議会などから要望書や御研究の結果を承り、また七大都市調査団とも討議をいたしました。また、最近〇・四グラム・パー・キロメーターのNOx値を満たす自動車を五十一年度より可能と言われたと伝えられました東洋工業の方々にも委員会においでいただき、お話を伺いました。またその間、建設省、警察庁より御要望をいただき、運輸省、通産省の方々にもお話も伺い、また環境庁の聴聞の結果や米国のEPAや全米科学アカデミーの報告や資料を調べ、それらの結果を踏まえまして、人の健康を守るという基本的立場に立って、十二月四日に主として技術的評価について取りまとめを行ない、翌十二月五日に五十一年度規制に関する専門委員会の大気部会への報告を取りまとめた次第でございます。 ガソリンエンジンの燃焼には、空気とガソリン蒸気の混合の割合が非常に大きな影響があります。完全燃焼する割合より燃料が非常に多くなりましても、反対に非常に少なくなっても燃えなくなり、その燃えない近くでは炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)がふえます。また窒素酸化物(NOx)は空気中の窒素と酸素が高温高圧になると反応して生ずるものですので、簡単に申しますと、ガソリン空気混合気を完全燃焼し、HCやCOを減らすと反対にNOxがふえるという対策技術上やっかいな関係がございます。この辺の理論は、報告書に添付いたしました技術評価の資料にやや詳しく書いてございますので、それを見ていただくことにして、ここには触れませんけれども、これらの理論から多くの排出ガス低減システムが考えられます。 しかし現在のところ、五十一年規制目標値である〇・二五グラム・パー・キロメートル、またはそれに近い値を実験室的に、言いかえますと耐久性や実用性は無視して、とにかく排出ガス量の低減だけを目的として試作したときにその値を満たすことができるシステムは次の六種類に大別できます。 すなわち第一は、CVCC、NVCCなどのトーチ点火とか、副室層状燃焼とかいわれておるエンジンでございます。 第二は、成層燃焼型のロータリーエンジンでございます。 第三は、東大の熊谷教授が発明されまして、熊谷エンジンなどともいわれておりますが、非常に燃料の濃いシリンダーと非常に燃料の少ないシリンダーの燃焼を行ないまして、その燃焼ガスをサーマルリアクターでまぜるというシステムでございます。 第四番目は、いわゆるツー・サイクル・エンジンです。 第五番目は、排気再循環をつけ、還元と酸化、その両触媒をつけた在来型のエンジンでございます。 第六番目は、排気再循環を行ないまして、さらに三成分処理触媒をつけた在来型エンジンでございます。 いずれもエンジンの中のNOの生成を極力減らしまして、HC、COなどはあと処理で除くというものでございますが、そのうち初めに述べました三つのエンジンは、エンジン全体の混合比が燃料の薄いほうでございますので、NOをあと処理で減らすことはできません。四番目のツーサイクルはNOの生成は少ないのですけれども、ハイドロカーボンの処理が困難でございます。あとの二つは、混合比は燃料が濃いほうにございますのでNOをあと処理で処理できます。 いまのところ耐久性上最も実現に近いと思われるのは初めの三つでございますけれども、これは燃料消費率と運転性の劣化は避けられません。最後の二つ、触媒を使うものは、触媒やあるいは三成分処理触媒の使用に必要なO2センサーの耐久性がございません。しかし進歩はしつつありまして、もし耐久性のあるものが見つかりますならば、車両重量の大小を問わず、また消費率や運転性の劣化もなくすべて解決することができます。 現状では、初めの三つのシステムが一応実用に最も近いようですが、まだそれでも実用システムとしては耐火性とか生産性とかを含めて完成しておりません。あとの二つは、触媒の進歩は見られますが、これまたまだ耐久性のある実用システムではございません。 一方、五十一年規制値は、五十一年度に量産される自動車に適用するものであり、そのためには量産準備のために少なくとも一年半か二年前である今日か、または今日にきわめて近い時期に耐久性、安全性のある実用システムが完成していなければなりません。さらに、環境庁の告示を受けて、運輸省が定める道路交通車両法の基準では、新型車の認証基準といたしまして、新造車と運輸省の定めました一定の走行条件のもとで、三万キロ走行した車の両方ともが規制平均値以下の排出ガス量でなければならず、その審査には申請より十カ月の期間が要り、さらに量産時にラインオフ、すなわち組み立てラインの最終時点で生産車の一%以上を抽出して、それに約十時間くらいかかる十モード及び十一モードテストを行ないまして、それらの結果を全部運輸省に報告し、その測定車の全車が規制最高値を満たすとともに、四半期間の全測定車の平均値が規制平均値以下でなければならないということになっております。 ラインオフ時はまだすり合わせができていず、排出ガスが多い目に出ますので、なおきつい規制となり、これらの申し上げましたような条件のもとで量産するためには、メーカーでは規制平均値がきまりますと、それを二〇ないし三〇%下回ったよりきびしい開発目標値を立てざるを得ません。 また五十年規制車以降の車については、いままでメーカーもユーザーも経験したことのない新技術が多く使用され、排気系が高温になり、各種の熱害を生じ、その対策や耐久性、安全性の確保に運輸省ともども最善の努力をしておられますけれども、不特定多数のしろうとであるユーザーの手に渡ったときなどを考えますと、どのような事故が起こるか未知の事柄でございます。その上、全社の全機種が同時に一種のフルモデルチェンジをするという状態で、しかも世界一きびしい五十年規制ですので、そのまま五十年規制を一年延長し、その次に暫定値を設けるべきであるという意見が委員会でもかなり有力にございました。しかし、わが国の大気汚染の現状と人の健康を第一に考える立場から、それは許されないと考えた次第です。 としますと、以上のことすべてを考えますと、遺憾ながら、五十一年規制として実施し得る最もきつい規制は、五十年規制車の技術の延長上にあり、許し得る時間内に可能な限り改良したもの以外にあり得ないと考えざるを得ないわけでございます。 すなわち、在来型エンジンでは、排気再循環を強化し、NOxを減らし、それによりますHC、COをサーマルリアクターまたは酸化触媒の改良で応じ得る範囲であり、CVCCやロータリーエンジンでは、混合比をよりNOx生成が低減する方向に変え、同じく増加するHC、COをサーマルリアクターの改良で処理し得る範囲しかあり得ないことになります。また、NOxの触媒処理が不可能な現時点において、言いかえますと、いま申し上げましたような五十一年対策しか実施し得ぬ現状のもとでは、大幅に車両重量とエンジン行程容積との比が変わらない範囲では、車両重量が増しますとNOx排出量が増加する傾向がございます。それで、排出ガス規制値は、元来一本にするのが筋でありますけれども、以上のことを勘案して、現在の五十一年規制目標値をそのまま昭和五十三年まで二年間延期し、その間の暫定値としまして、車両重量に百十キログラムを加えました等価慣性重量のランクで、等価慣性重量一トン、すなわち九百三十八キロから千百二十五キロまでなんでございますが、その等価慣性重量一トン以下の自動車、これは全自動車数の七五%ぐらいに当たりますが、この自動車については、十モード試験で〇・六グラム・パー・キロメートルとし、等価慣性重量一トンをこえるものは〇・八五グラム・パー・キロメートルとする二本立ての規制とし、さらに四サイクルの軽自動車につきましては、先ほど申しました車両重量とエンジン行程容積との比の関係で苦しくなりますので、別に配慮していただくというようにした次第でございます。 さらに今後の技術開発を絶えず調査して、なるべく早く〇・二五グラム・パー・キロメートルの目標値を達成できるようにすること、及び上述の二本立て規制でNOx排出量の多い車と少ない車ができ、また、新しい低公害車より使用過程車のほうが、従来の見方からみた性能がよいので、これら全体にわたり低公害車の開発及び普及を促進するために、十分な格差を持つような税制上の措置をとるよう要望いたしました。税制のみならず、低公害車を使用したほうがほんとうにユーザーが得になるような行政上の措置が必要です。 しかし、いずれにせよ、五十一年規制目標値より大幅な後退でありますので、他の自動車、とりわけディーゼル車、小型トラックなどの規制の強化、大気汚染の著しい都市地域における総合的な都市交通体系の一環として、自動車交通量の抑制などの処置が必要と考える次第でございます。また、従来の内燃機関と全く異なった新型の低公害車の開発を国家的に進める必要もあると考えております。 以上で終わります。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、伊東参考人にお願いいたします。
○伊東参考人 中央公害対策審議会の委員で、大気部会長を仰せつかっております伊東彊自でございます。 五十一年度規制につきましての大気部会での扱いました経過につきまして、概略を御説明申し上げます。 四十六年九月十八日に、自動車排出ガスの許容限度の長期設定方策につきまして、中央公害対策審議会に諮問されまして、それが大気部会に付議されたわけでございます。 翌四十七年の十月三日でございますが、自動車排出ガス許容限度長期設定方策について大気部会で答申案を決定いたしまして、即日答申されたわけでございます。 この答申におきまして、第一としまして、わが国の深刻な大気汚染の実態にかんがみまして、アメリカの一九七〇年大気清浄法改正法、いわゆるマスキー法でございますが、これの規制と少なくとも同程度の規制を目標とする。第二に、この規制を達成するための防止技術の開発の可能性は、一部にはきわめて困難であるとの見解もございましたが、実用化を含めてその開発は必ずしも不可能ではない、こういうふうに述べられておりますように、五十一年度における窒素酸化物の排出量一キロメートル走行当たり〇・二五グラムの値は、技術開発の目標値として設定されたものでございます。したがって、答申におきまして「許容限度の設定にあたっては、防止技術の開発状況を勘案して行なうべき」旨を明記してございます。 今年に入りまして、八月の三日に大気部会におきまして、毛利環境庁長官から、防止技術の開発状況等についての意見が求められました。その内容が専門的、技術的でございますので、自動車公害専門委員会で検討することにいたしまして、専門委員会からの報告を受けてあらためて大気部会の意見を取りまとめることにしたわけでございます。 去る十二月十日に大気部会におきまして、自動車公害専門委員会から「昭和五十一年度自動車排出ガス規制について」の報告書を受けまして、自動車公害専門委員会の委員長をつとめられました八田委員から、経緯とそれから報告の内容の説明を伺ったわけでございます。 大気部会といたしましては、当日二十人の委員のうち十七人が出席いたしましたけれども、各委員が、現下の大気の汚染の状況の改善のために種々の角度から活発な意見を述べられました。そして四時間にわたりまして慎重な審議をいたしました結果、技術開発の現状から見まして、専門委員会の報告のとおりとすることがやむを得ないと判断したわけでございます。 しかしながら、一キロメートル走行当たり〇・二五グラムという値は、目標値であるとはいえ、環境基準、公害防止計画の達成等に大きな役割りを果たすものとされておりますので、各委員の意見も踏まえまして、大気汚染状況を改善するため次の対策を中心に総合的に実施することが必要であるという旨を付言したわけでございます。 それは第一に、自動車排出ガス規制の強化、とりわけディーゼル車、小型トラックなどの規制の強化、第二に、低公害車の技術開発の促進、第三に、大気汚染の著しい都市地域における総合的な都市交通体系の一環としての自動車交通量の抑制、第四に、低公害車の開発と普及を促進するため、汚染物質排出量の多い車と少ない車及び新車と使用過程車との間に十分な格差を持つような税制上の措置、この四つを付言したわけでございます。 簡単でございますが、経緯につきまして御説明申し上げました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、柴田参考人にお願いいたします。
○柴田参考人 私は、七大都市自動車排出ガス規制問題調査団の代表の柴田でございまして、現在は東京都の公害研究所長をいたしております。 それで、私たちの願いと申しますか、言いたいところ、訴えたいところという要点をこの場でまず言わせていただきたいと思いますが、私たち並びに私たちを委嘱されましたもとである七大都市の知事、市長さん方は、現在の日本の大都市における大気汚染、特に自動車の窒素酸化物によりますところの汚染というもの、あるいはそれに基づきます光化学スモッグの頻発、毎年それの始まるときが早まっている、あるいは範囲がじりじりと周辺に広がっていく、こういう実態をたいへん憂えているものでございます。 特に、日本の大都市というのを見てまいりますと、そこに全国から若者が集まってきて、これが日本経済の大きなエネルギーをなしている。そしてそこからまた新しい次の世代というものが次々と生まれ出してくる。それで、現在の大気汚染と申しますものが、こういう新陳代謝の激しい若者、あるいは母親から生まれてきます次の世代の赤ん坊たち、こういう者の健康を直接、間接に大きくむしばんでいく憂いがある。また、事実そういう現象が次々と出てきている。 さらに、この窒素酸化物が一つの引き金となりまして、その他の物質と複合しましていわゆる複合汚染というものを生じ、これが長期緩慢なる一種の殺人と申しますか、あるいは市民の健康を長い目で見ていくと取り返しのつかぬほど大きくむしばんでいく、こういう状況がだんだん全国的に広がっていくのではないか、大都市、そしてその周辺、さらに自然、農村というふうに広がっていくのではないか、こういう点をかねがね非常に憂えているものでございます。 そして二年前に、先ほども両参考人から御紹介していただきましたけれども、このいわゆる日本版マスキー法というものの勧告といいましょうか答申案が出され、四十七年の十月五日にそれが告示として、窒素酸化物一キロメートル、〇・二五グラムというのが出され、そこに、年次を下げることは厳に避けるとともに、これは技術的に可能な限り最もきびしい許容限度の設定を行なうものとする、技術的なぎりぎりの高いところでこの窒素酸化物の排出量を押えるように、こういう格調高いことがうたわれているわけでございます。そして私たち並びに大都市の市民は、排ガスには悩んでおりますが、五十一年度になれば、もうあとしばらくすれば空気はきれいになる、それを唯一の楽しみにして、大いに期待していたわけでございます。 ところが、ことしの春あるいは夏あたりから、それがたいへん緩和されそうである、こういう声がたいへん出てまいりまして、私たち、八月の末でございますが、七大都市の調査団が結成されまして、そしてエンジンとか公衆衛生、いろいろな角度からこの問題の検討をさせていただき、メーカーの方々にいろいろ教わったわけでございます。 そして技術的にいろいろ研究させていただいた結果、私たちとしては——まあ私たち自身が自動車をつくっている、百万台つくっている、二百万台つくっているというわけでありませんので、わからぬことは非常にございますが、しかし状況を見ると、せっかく二年前に高らかに掲げたこの市民の健康を守ろう、そういう大きな旗をここでわざわざゆるめる、市民に納得できるそういう理由があるのだろうか、また、あるならばそれをぜひ教えていただきたい。そして私たちとして見る限りは、現に相当成績のよい自動車も走っているし、また学術論文その他をあわせまして、相当の高い技術、私は日本の自動車メーカーの方々の技術というものは、世界の最先端をいくものと深く尊敬しているものでありますけれども、それを使えれば相当高いところまでいき得るではないか、可能である。わざわざここで規制をおろすという理由は、私たちとしては納得できない。また納得できるようにぜひ教えていただきたい。もしそれがどうしてもできないのならば、できない理由を教えていただきたい、こういう趣旨、そしてぜひ市民の健康を守る、その点からすべての議論を出発させてください、こういう一つの報告書を十月の二十一日でございますけれども、まとめさせていただいたわけでございます。 その後いろいろ中公審におきましても、ただいま両参考人から御報告いただいたように、いろいろな審議があったようでございますし、また私たちとしては十一月の六日に、ここにいらっしゃる自動車公害専門委員会の八田委員長以下の委員の皆さまともお話しする機会を得たわけでございますけれども、市民の健康を守る、そしてそれをすべてに優先させ、そこから問題を立てていく。その場合に一社でも一番高い線が出れば、他の社の車はその技術というものにならい、それを導入し、その線にいくべきではないだろうか。またもし小型車と大型車——大型車がどうしても規制できないとなれば、小型車を中心にして、社会的にどうしても必要なもののみこれは大型車でもやむを得ないという線、そして現在の商業ベースでももちろん相当いきますけれども、国民の健康を守るという意味で、現在の商業ベースというものをもう一回考え直し、市民にその問題を大いに訴えていただき、市民との合意の上に新しい方向を出していただきたい、こういうことを懸命にお願いしたわけでございますけれども、残念ながら、私たちの考えとしましては、せっかく二年前に立てた旗が大きくおろされるという線が出てきたのではないかということをたいへん心配しておるわけでございます。 そして七大都市をはじめ各大都市あるいは地方都市の公害防衛計画と申しますのは、この五十一年度規制ですべてが成り立っておるわけでございますので、ここで大きくゆるむということは、全体の公害対策というものの根底が大きくゆらいでいく、そして公害に悩む市民の生活を一体どうしたら守れるだろうか、こういう問題に私たち当惑せざるを得ない、あるいは私たちの住んでおります市あるいはそれの首長たちは当惑をせざるを得ない、こういう状況にあるわけでございます。 幸い昨日環境庁の総会でまたもう一回よく審議がなされるということがきめられたそうでございますけれども、これからぜひまたそういうところをその場で検討していただくと同時に、今日この場にお集まりいただいた諸先生方にも、この問題を、市民の健康を守る、そこからすべてを考える。経済発展との調和という問題をせっかく四十五年に削除した、その線からぜひ御検討いただきたい、こういうわけでございます。 先ほど申しましたように、日本の自動車メーカーは現在までいろいろたいへんな業績をあげてきていただいたと私はたいへん尊敬しているわけでございますけれども、そのすばらしい技術を、今度は周辺の市民が喜ぶ、あるいは迷惑しない——現在は窒素酸化物が中心でございますけれども、そのほかいろいろの公害の問題あるいは事故が大きく問題になってございますけれども、そういうことでない、市民に歓迎されるよい自動車づくり、それがあって初めて次の日本の経済発展というものもほんとうにそこから導かれるのではないか、こう思うわけでございますけれども、その面でまた進めていただきたいし、諸先生方もそういう方面にいろいろの御協力をしていただきたい。 そして幸いこの議論が、いろいろあるわけでございますけれども、私たち大都市の関係で、自動車の内部は別としまして、大気汚染、市民の健康という問題ではいろいろ調査をしておりますし、そういう面から私たちの技術で役立つものがございましたならば、これはあらゆる限りの技術を協力して、そして市民の間に健康が保てるように、そしてそのためのいろいろ審議、特にアメリカの環境庁もいろいろこの面では国際的なリードをしていると聞きましたけれども、環境庁もぜひこの面でのリーダーシップというのをとっていただいて、そして業界、市民あるいは環境庁、これらが一緒になって、そしてあらゆるデータというものを常に市民に投げかけていただき、公開していただいて、そして大きな、広い視野でもってこの問題を進めていっていただきたい、そしてすべてを市民の健康、そういう面から進めていただきたい、これが私たちの気持ちであり、願いであるということを、この場でとりあえず言わしていただきたいと思います。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、豊田参考人にお願いいたします。豊田参考人。
○豊田参考人 ただいま委員長より御指名をいただきました日本自動車工業会の会長をいたしております豊田でございます。 本日は、国会の場におきまして、昭和五十一年度の自動車排出ガス規制問題につき、業界を代表して意見を述べる機会を与えていただきましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。 大気汚染問題及びそれに関連いたします五十一年度排出ガス規制問題は、われわれ業界にとりまして最も重要な課題であることは十分認識いたしておりますし、またその責務の重大さを痛感いたしておる次第でございます。 したがいまして、大気汚染防止のための自動車排出ガス低減につきましては、かねてから業界をあげてその防止技術の研究開発につとめてまいったのであります。このために業界が投入いたしております研究人員及び排出ガス関係のみの研究投資は、お手元に差し出しました資料一ページにございますので、ごらんをいただきたいと存じます。 この結果、現状においては、一酸化炭素と炭化水素を十分の一に、窒素酸化物を二分の一に一挙に低減させるための、いわゆる五十年度規制を世界にさきがけて実施できる段階にまで到達いたしておりまして、さきに実施されました使用過程車に対する規制の効果とあわせ、自動車による大気の汚染は著しく改善される見通しを得ておるのでございます。 お手元の資料三ページは、産業構造審議会の資料として通産省が環境庁、運輸省などのデータにより試算されたものに五十一年度暫定規制値案の実施結果の予測を追加したものであります。これによりますと、東京都における自動車の窒素酸化物総量は、五十年規制固定の場合においても、すでに昭和四十一年並みというかなりの改善が予想されております。 しかしながら、昭和五十一年度までに窒素酸化物をさらに五分の一に低減しようという、いわゆる五十一年度規制につきましては、前回九月十一日の本委員会で私ども各社が申し上げましたように、懸命な努力にかかわらず、現時点においてはその達成は不可能でございます。 政府におかれましても、この点を十分御理解いただき、さきに中央公害対策審議会に再諮問され、審議会で検討されております。 その案の内容はすでに御案内のとおりでありますがその概略として第一に、五十一年度規制の当初目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルを実用段階で満足する防止技術システムは現在まだ開発されていないし、いつ実現するかの具体的見通しも予測も立てがたい現状であるとして、とりあえず昭和五十三年度を目途に技術開発を促進させること及び技術開発の状況については逐次その評価を行なうことにより達成をはかるべきであるとしていることであります。 第二に、昭和五十一年度から適用可能な窒素酸化物排出量の許容限度としては、等価慣性重量一千キログラム以下の乗用車では、窒素酸化物排出量(平均値)を〇・六グラム・パー・キロメートル程度は可能であるとし、千キログラムをこえる乗用車については〇・六グラム・パー・キロメートルに押えることは技術的に困難で、最もきびしい場合でも〇・八五グラム・パー・キロメートルが限度であろうとしていることであります。 第三に、四サイクルエンジンの軽自動車については、技術的困難があることに留意する必要があるとしていることであります。 そこで、この案につきまして私ども業界の率直な意見と今後の対応について申し述べたいと存じます。 まず、とりあえず昭和五十三年度を目途に研究開発を促進させるとされております当初目標値達成につきましては、もちろん業界として新規の技術開発を進めることにより、引き続き最大の努力を傾注するにやぶさかではございません。しかし、去る九月の当委員会におきまして私ども参考人のどなたかが山登りにたとえて申し上げましたように、現段階においていい数値のところにきているからといって頂上へ早く行けるかどうか疑問でございまして、どの社がどの登山道をとったらよかったかは頂上に到達してからでないとわからないのでございます。それほどむずかしい、見通しのっけにくい未知の技術開発であることを御理解いただきたいと存じます。 また、五十一年度から適用されるべきものとして示されている暫定値案は自動車から排出される窒素酸化物の量が一般的に言って、車の重量とエンジン行程容積の比が大幅に変わらない範囲において、車の等価慣性重量の増大に応じて増加する傾向があるとして、複数の許容限度が採用されておりますが、現状技術に照らして見た場合、大部分の企業にとって対応の目途が立っていない状況から、非常にきびしいものであるといわざるを得ないのであります。したがいまして、政府が暫定値を決定されるにあたりましては、何とぞ慎重な御検討をいただきたいと存じます。 現在、業界各社は来年からの五十年対策車の生産に向かって万全を期して努力しておりますが、正直申して、それでもどんなふぐあいが起こるかわからないと懸念している状況であります。御承知のように、自動車は、ユーザーに提供するまでにばかなりの年月をかけて、すべての部品に至るまで耐久性、信頼性、安全性のテストを行ない、政府の厳重な審査認定を経て量産され、さらに一台一台について検査の上出荷しているのでありますが、にもかかわらず、従来におきましても残念ながらリコールを必要とするものが、ごく一部ではありますが、あったのでございます。 五十年対策車が各種の新しいシステムや装置を採用している上に、ドライバビリティの悪化、熱害などに基づく安全上の問題に対処するためには、慎重の上にも慎重なフォローアップが要求されます。そのフォローアップの中でさらに五十一年度対策を実施していくわけでございまして、まことに容易ならぬことでございますので、十分なリードタイムについて御配慮をお願いいたしたいと存じます。 また、今回のきびしい暫定値案がそのまま実施されました場合は、一部車種の生産は不可能となることが予想されます。このことが自動車メーカーに与える打撃はもちろん多大なものがありますが、これが関連産業に及ぼす影響も無視できないものがあります。 現在、米国及び欧州では、不況のため自動車会社による大量のレイオフが続いており、これが関連産業にもかなりの影響を与え、重大な社会問題となっておりますが、日本の場合におきましても、理由は異なりますが、同様なことが出てまいるのではないかと憂慮されます。 関連産業を含めて四百四十万人に及ぶ従業者、及びその家族の生活に大きな影響を及ぼすことが危惧されます。また、国際競争力の低下ということも避けられません。 すなわち、一部の車種の生産打ち切りは、それだけにとどまらず、全社的にコストアップを招き、現状においても割り高な価格で輸出されているものが、決定的に不利な価格差により競争力を失うこととなるかと存じます。それでなくとも西欧の自動車生産国では世界一きびしいわが国の五十年度排出ガス規制について非関税障壁なりとして現に非難しております。 先般パリで開催されました国際自動車工業会連合会、われわれはBPICAといっておりますが、その国際団体の総会におきましてこの問題が主要議題として論議され、われわれの代表は各国からの非難に対し、弁明に苦慮した次第であります。 ちなみに、ヨーロッパ諸国では資料二ページでごらんをいただきますように、排出ガス規制においても、一酸化炭素、炭化水素についてはわが国に比べて非常にゆるい規制を実施してはおりますが、窒素酸化物につきましては、全く規制をいたしておりません。 しかも、資料四ページでごらんをいただきますように、ロスアンゼルスもパリも単位面積当たり燃料消費量は、東京よりもはるかに多く、単位面積当たりの自動車保有台数では、パリの場合は東京より過密な状態にあるのでございます。 そのような中で、窒素酸化物について何ら規制もしていない国々に対して、わが国のきびしい規制について、理解を得ることははなはだ困難があるのでございます。 現実に五十年度規制、さらに五十一年度暫定値による規制が実施される時期になりました際に、これら西欧諸国から非関税障壁であるとして非難され、何らかの通商上の困難な事態に立ち至ることは、十分危惧されるところでありまして、国際競争力の低下と相まって、わが国の自動車輸出は、致命的打撃を受けることとなり、これがひいては、わが国の国際収支に大きな影響を及ぼすものと考えられます。 また、省エネルギー、省資源の点からも憂慮される問題もございます。 現状の技術におきましては、五十年対策車につきましても、約一〇〜一五%燃費が悪化しますが、五十一年度に暫定規制値案のまま実施されますと、さらに一そう燃費悪化が避けられないと考えるのであります。 米国のように、エネルギー資源の海外依存度がわずかに一〇%程度のところでさえ、現在、政府は自動車業界に対し、燃費の四〇%改善を指導している状況であります。わが国のようにエネルギーの八三・五%を海外に依存している国においては、燃費の悪化は重大な問題であります。 以上、五十一年度規制の暫定値案実施にともなう幾つかの問題点についてるる申し述べてまいりましたように、きわめて重大な影響を与える問題でありますので、規制値の御決定にあたりましては慎重な御配慮をお願いする次第でございます。 最後に、現状においても、われわれの防止技術は世界のトップレベルにあると自負しており、さらに低公害車の開発に向かって全力を傾注していく所存でありますことを申し上げて私の陳述を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。 —————————————
○角屋委員長 引き続き参考人に対する質疑を行ないます。 なお、本日の質疑時間につきましては、理事会で申し合わせをした趣旨もございますので、その線を踏まえて質疑を行なわれるようお願いをいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林義郎君。
○林(義)委員 参考人の各位には、年末御多忙のところ御出席をいただきましてありがとうございました。心から御礼を申し上げたいと思います。 ただいまの御陳述の内容、非常におもしろい問題がたくさんあったと私は思います。ただ理事会の申し合わせで時間も限られておりますから、私も要点のみにつきまして御質問申し上げます。したがいまして御答弁のほうも、まことに恐縮でございますが、簡潔にお答えをいただきたいと思います。 八田先生にお尋ねいたしますが、自動車公害専門委員長でございますから、私は、自動車の公害はこの排出ガス規制の問題だけではない、自動車騒音の問題があると思います。環七などというものはまさにそういったところに問題がある、こういうことでございます。この御報告を見ますと、排出ガス規制についてだけの報告のようでございますが、委員会の過程におきまして騒音の問題をお考えになったかどうかということをお尋ねしたいと思います。 実は時間がありませんから、私、全部質問をざあっとやりまして、皆さんからお答えいただいたほうがいいと思いますので、そうさせていただきたいと思います。 それから、触媒の問題が報告書の中にありますが、触媒を使うということになれば白金、パラジウムというものを使うことになると思います。相当な量の白金、パラジウムを使うわけでありますから、私は、それを使うところの重金属障害というものがまた新しい公害問題として出てくるのではないかという心配をしておるのです。この辺につきましてどういうふうな御検討をされたかということをお答えいただきたいと思います。 第三点、ツー・サイクル・エンジンにつきましては、報告書を私きょう初めて拝見したのですが、この中にはこの処理は困難である、五十年規制においても困難である、こういうふうな片言が書いてございますが、これは技術的な観点からそういうことなのかどうかという点、この辺につきまして御説明を賜わればと思います。 それから、柴田参考人でございますが、七大都市自動車排出ガス規制問題調査団の報告書は私も読ませていただきました。きょうは時間がございませんから、一つお願いでございますが、いろいろな技術的なデータがございます。その辺を駆使してやっておられますから、こうした技術的なデータにつきましてお調べになった点をひとつ出していただくことができるかどうかということであります。あの中に書いてありますことだけでは必ずしもわからない点がありますから、それが一般論として出していただけるかどうかということをまずお答えいただきたい。 それから第二の問題は、東京とかというところになりますと、騒音問題というのがやはりたいへんな問題だと思いますから、この辺につきましては、この調査団の報告書の中にはあまり触れておられませんから、どうかということです。 それから第三点ですが、東京とか大阪というような非常に大きな都市になりますと、東京一千万の人口をやはり養っていかなければならない。そういたしますと、やはりそこには食糧もありますし、いろいろな日常生活品も必要でございます。私は、やはりそこには大都市整備というものがどうしても必要だろう、こう思うのです。答申の中にも交通量の規制であるというふうなことが出ておりますし、またいろいろな御提言もあるようであります。 私は東京の問題をいろいろ考えますのに、税制でやる場合と、都市施設というものにつきましても考えていかなければならない。大きく申し上げますと、東京には七環というものがあります。八環というものもあります。もう一つ外に外郭環状線という話がありますが、そういった交通体系の抜本的な整備というのも、この排出ガス対策としてはきわめて有効な方法ではないかと私は思うのです。さらには東京湾岸道路をつくるというようなことも、当面の対策としては必要なことだろう、こう思います。人口を減らせという話があります。東京都から工場を全部追い出せとか、学校を追い出せとかいう話もありますが、そんな話は別にしまして、当面の問題としたら、やはりそういったような都市計画づくりというものこそ一つの方向だと思いますが、この辺につきましてはどういうふうにお考えになっているかということでございます。 豊田参考人にお尋ねいたしますが、いまのお話を聞きますと、なかなかむずかしいというお話であります。で、五十年対策車というものは一体どうなっているのか、これがはたしてまずできるのかどうか。これは五十一年自動車排出ガス規制だけではない問題です。安全性、アフターサービスの問題を考えて、一体五十年対策ができるのかどうかということであります。特にツー・サイクル・エンジンの話でございますが、八田さんのほうからの御報告の中にもありましたように、できない、こう書いてあるが、この辺につきまして、五十年対策としてもできない問題があるような話を聞いておりますが、御見解を承りたい。 第二は、〇・八五、〇・六という暫定値の目途がありますが、これはむずかしいというお話でありますが、ほんとうにできるのかどうか。できないとまたこれは困ることになりますから、もう少しはっきりと御答弁いただきたい。 それから、この問題でNOx低減の効果というのがどのくらいあるのかということであります。 それから、〇・二五という目標値であります。この目標値の達成見込み。特に私は、大手のメーカーができなくて、小さなほうのメーカーはできる、こういうふうなことが伝えられておりますけれども、一体この辺はどういうことであろうか。大手であるならば、技術開発力というものは当然あるはずでありますから、これは当然やらなければならない問題ではないか、こう思うのですけれども、なぜできないのかお答えいただきたい。 以上、各先生方に御質問申し上げましたが、ひとつ簡潔に御答弁のほどをお願いいたします。
○角屋委員長 ただいまの林委員の質問については、それぞれ御答弁を願いたいと思います。
○八田参考人 それではお答え申し上げます。 一番初めの、騒音について論議をしたかということでございますが、私どもの自動車公害専門委員会は、中央公害対策審議会の大気部会の中の自動車公害専門委員会でございますので、騒音のほうは、別に中央公害対策審議会の中の騒音振動部会というのがございまして、そこの自動車騒音委員会のほうでやっておられます。私どものほうでは何もそれはいたしませんでございました。 それから第二番目の触媒の白金、パラジウムの二次公害のお話がございました。この白金、パラジウムについては酸化触媒、五十年車から出てくるほうの触媒でございます。それから五十一年に、いま問題になっておる還元触媒というのもまた違った材料でございますが、これについてわれわれの委員の中に慶応大学の外山教授という公衆衛生の委員の方がおられまして、その方に特に二次公害について、われわれは五十一年のことを議論したのでございますけれども、それを含めまして、いろいろ伺いました。それからアメリカあたりでもそういうような文献が多少ございますから、勉強もいたしました。だけれども、外山先生のお話では、要するに、そういうものが空気中に出たときにどういう形で、どのくらいの濃度で、しかもどのくらいの大きさでというように、そこまで言ってくれなければ評価のしようがないのだ。 それからいまのところ、先ほどおっしゃいました白金、パラジウムにつきましては、表面は非常に広くなっておりますけれども、量としては非常に少ないものですし、アメリカのEPAあたりの考えではほとんどないだろう。 ただ、還元触媒の中で現在一番耐久性があるものの一つにルテニウムというものを使うものがございます。ところがそれは酸化されますと、すぐに気化いたしまして昇華して、しかも酸化ルテニウムというものは非常に有毒である、そういうような話がございます。現在その酸化ルテニウムが空気中に飛び出さないようなシステムを開発はされつつありますが、一方その酸化ルテニウムはこわいので、ルテニウム以外の材料を使おうという方向に還元触媒が進んでいるような傾向もございます。 とにかく完全にということはあれですが、テクニカルアセスメントはぜひやるべきなんで、やろうとしたのですけれども、現状ではいわばデータ不足と申しますか完全な意味での評価はできないというのが御専門家の御意見でございます。 第三番目のツー・サイクル・エンジンのハイドロカーボンの困難性というものが技術的なものかどうかというお話がございますが、これはツーサイクルというのがいろいろな型式がございまして、詳しくはお話する時間がございませんが、掃気方式、要するにガスの交換、新しい空気と燃え残ったガスとをシリンダーの中に入れかえるときのやり方がフォアサイクルと全然違います。そのときにコンプレッサー、大体クランクケースを使っているのですが、そこで新しいガスで古い燃え残りのガスを押し出すわけでございますけれども、その押し出すときに、新しいガスの中に入っておりますハイドロカーボンが、どうせガスがガスを押し出すものですから、そのまま素通りしまして、排気のほうに行ってしまうという現象がございます。これは掃気方法を全然変えてしまう。 たとえば現在普通日本でツーサイクルが使われているのは軽自動車だけでございまして、これについてはクランクケース圧縮のシニューレ方式の掃気というのが全部使われておりますけれども、それ以外のたとえばユニフロー掃気とか、そういうふうなことをすれば、それが多少減りますけれども、やはり吹き抜けがゼロにはまいりません。そのときにさらに気化器を使わないで燃料を噴射などをすれば、それは減らし得る可能性がありますけれども、ガソリンの燃料ポンプの耐久性の問題、コストアップの問題、それは確かにコストアップが入って、非常に大きくなると思いますが、そういう関係でいまだかつて世界じゅうどこもそれを使っておりません。 したがいまして、そういうような、現在つくられておるツーサイクルに関して申しますならば、技術的と申し上げてもよろしいと思います。それはハイドロカーボンが非常に多いものですから、あまり多過ぎてそれを熱害と申しますか、あとで処理する装置が熱くなり過ぎてしまう。もちろん東洋工業さんがある程度できたとおっしゃっておるのですが、これも聞いてみますと、技術的に何とかできたけれども、それもやはり耐久性が非常に不十分で、一車検の間かろうじてもつくらいのものができたので、商品としてできるかどうかは実は自信がないのだというような、ざっくばらんな御意見も伺いました。 以上で終わります。
○柴田参考人 お答えします。 まず、私への御質問の第一の技術的データでございますが、これは実は私たちは環境庁の関係あるいは今回の中公審の御関係と違いまして、いわば自治体の調査団でございまして、実際のメーカーの方々の中に入っていってそのデータを求めるということに非常に限界がございまして、むしろこの点で私たちたいへん苦労したということでございますが、しかし、九月十三日、十四日に私たちメーカーの方々からいろいろ話を伺ったときに集めたデータ、それからその後のこれに関連しましたいろいろの自治体側の声明書であるとか動き、それから十一月の六日に、こちらにいらっしゃいます八田参考人を委員長とする自動車公害専門委員会の方々との話し合い等の私たちのメモと申しますか覚書、そのほか各委員の研究による、たとえばリードタイポとかその他の資料がございまして、これはいつでも喜んでこれをとおっしゃってくだされば私たち御提出いたします。 それから二番目は騒音の問題でございまして、これも市民と自動車という問題を考えていただくときにはぜひ大きな問題ではないか。その意味で、御質問でございますけれども、自動車公害対策の審議委員会でございますか、そこでもいろいろほんとうは取り上げていただけるかなと期待しておったわけでございますけれども、ただいまの八田参考人のお話では、それはなかったそうでございますが、実際の都市の市民に接している私たちとしましては、現在この面での市民の声というものは非常に高くなっておりまして、たとえば、先ほど御指摘ございました環状七号線でございますけれども、たとえばこれの最近の調査の測定結果でございますが、これはたとえば練馬区の羽沢でございますけれども……(林(義)委員「けっこうです。騒音のものだけでけっこうです」と呼ぶ)はい。やっておりまして、たとえば、そこでは一時間値平均七十八ホンというような非常に高い値が出ております。それとあわせて振動、これが非常に市民の生活、特に夜間の静穏というところに非常に大きな問題になっている、こういうことでございます。 それから三番目に大都市の整備ということでございまして、たとえば現在東京湾の中の百メートル道路でございますか、これなどの建設はいろいろ進めているようでございますし、これは整備しなければならないと存じますが、ただ、自動車がはんらんしているから道路を広げなければならないという問題はここで大きく反省せなければならないのじゃないか。そして道路を広げるとさらにその何倍もの勢いで自動車がはんらんし、公害の源となるのではないか。 そういう意味で、しかし市民の足を大事にするという意味での大衆輸送機関、バスというようなものをできるだけ整備してこちらのほうの整備改善をはかる。それから物流、物資の流通も御指摘のようにこれはいろいろ市民にとってたいへん大事でございますけれども、現在見ておりますと、それぞれの会社が物流を行なっていて帰りのから荷が多いとか、あるいは商習慣で多くの企業が一々部品をいろいろなところにお互いに相互に持ち合っていく。その辺を共同化して相当近代化し整理をする、こういうような研究がいろいろ必要ではないか。また、もう一つ新しいパイプ輸送とか新しい輸送手段なども、これは国といいましょうか、共同といいましょうか、そういう形で今後いろいろ研究していく必要があるのではないか、こう存じております。
○林(義)委員 外郭環状線は。
○柴田参考人 これはいまやはり周辺の公害の問題で慎重に検討しなければいけない問題ではないかと私は考えております。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 まず、御質問の第一の五十年対策車はできるか。五十年の対策につきましては現在各社とも万全を期して準備を進めております。御承知のように、五十年規制は世界でも最もきびしい規制でありますので、これは決して容易な問題ではございませんが、各社の努力によりまして来年度には逐次対策車が生産され販売される見込みでございます。しかしながら、正直に申しまして、先ほど陳述でも申し上げましたように、新しい技術開発によるものでありますだけに、車の品質の耐久性、信頼性、安全性などについては念には念を入れて、ふぐあいの発生を防ぐために努力が必要であると考えておりますし、またそのフォローアップが非常に重要であると考えておるのでございます。 また、ツーサイクルの軽自動車につきましては、先ほど八田先生からもお話がありましたようにHCの規制値の達成のめどが立っておらないのが現状でございます。 次に、第二の御質問の五十一年度の暫定値案についてできるのかという御質問でございます。これは私どもが考えておりますぎりぎりの線よりもさらにきびしいものでございまして、大部分の企業においてはこれの対応は不可能ではないかというふうに思うものでございます。 次に、NOxがどうなるかという御質問がございましたが、お手元に差し出しております資料の三ページをごらんいただきますと、現在実施されております使用過程車の規制と、来年、五十年規制が行なわれますと、それだけでこのグラフに示してありますように五十年規制の実施によりまして昭和四十一年レベルまで改善される見込みでございます。なお、使用過程車のほうの実施がどんどん行なわれておりますので、それが原因かどうかはまだ明確ではございませんにしても、光化学スモッグ予報の発令回数は本年は昨年に比べて相当減っておりまして、昨年の五十七回に対し本年は二十五回、また被害の届け出件数は、昨年が四千件に対して本年は二千七百十一件というように減っております。これは本年の気象状況による点もございましょうが、少なくとも改善される方向に向かっておるように存ずるのでございます。 それから第三の御質問といたしまして、大手がどうしてできないかという問題でございますが、先ほど答申の中の文言を申し上げましたように、車の重量によって排出量が変わってまいりますので、小さい車のほうが比較的排出量は少ないというような関係もございまして、ある車についてはできても大きな車についてはできないというような問題も起こるわけでございます。 かようなわけでありますのと、それから御承知のように現在まで私どもは〇・二五というものを目標にして進んでまいりました。先ほど陳述で申し上げました山登りの話の問題でございまして、頂上に向かって各方面からアプローチをしました。これは会社別でいろいろなアプローチをいたしましたが、その中である会社においてはかなりのところまで到達をしました。そういうような関係にありますが、しかしながら頂上に到達するのがいずれが早いかという問題についてはまだまだ予測が立たない問題でございまして、将来頂上に立ったときに初めてどの道がよかったというような結論が出るのではないかというふうに思われるような予測のむずかしい問題でございますことを申し上げさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○角屋委員長 藤本孝雄君。
○藤本委員 時間の関係がございますので、さっそく質問に入りたいと思います。 自動車公害専門委員会の結論が出ました今日、いわゆる五十一年度排ガス規制についての問題点は、私は二つあると思うのでございます。 まずその第一は、自動車排ガス低減に関する自動車公害専門委員会の出したアセスメントと、さらに、七大都市自動車排ガス規制問題調査団が同じくこの問題に関して出したアセスメントに食い違いがあるということであります。これの解明が第一の問題だと思うのでございます。 さらに第二の問題といたしましては、むろん申し上げるまでもなく、排ガス規制の目的は国民の健康を守るために行なうものでありますから、この規制が大気の浄化にどのような効果をあらわすかというアセスメントをするということであろうと思うのでございます。私は、大気を浄化するために長期的総合的な対策を立てて実施しなければならないと考えておりますが、その対策をきめる場合には、その効果に対する正しい理解が必要であると思うのでございます。 今日の五十一年度排ガス規制問題の論議を聞いておりますと、私は、先般問題になりました原子力船「むつ」の問題を思い出すのであります。この問題は、周知のことでございますから、ここで詳しく繰り返す必要はありませんが、事実問題としては、微量な放射線が漏れたのであります。そのことが、放射線と放射能を混同して放射能が漏れたかのごとくいわれたために、そこから、事実問題として放射能が漏れたということはたいへんな問題でありますから、放射能が漏れたのであればこれは大問題でありますが、実際は放射能が漏れたのではなくて、放射線が漏れていたのでございます。これがだんだんと大きな騒ぎになったわけでございますけれども、しかし、だんだんとこの事実問題がわかり、しかも、その漏れた放射線の量は、一回レントゲンを受ける量の実は五百分の一から千分の一の量であるということが正しく認識されまして、現在は、地元においてもこの問題については平静に返っておるのでございます。 私は、この「むつ」の問題から考えられることは、一番大切なこととして、事実に対する正しい理解が欠けていたということであろうと思うのでございます。私は、したがって、今回の五十一年度排ガス規制の問題にいたしましても、規制の目的は、言うまでもなく国民の健康を守るためであり、幾つかの規制案の大気浄化効果をアセスメントをして、そしてその差があるかどうか、その評価こそが、今日の五十一年度排ガス問題の結論を出す上での一番のポイントであろうかと思うのでございます。 そこで、伊東部会長にお尋ねするわけでございますが、八田委員会での結論の規制値を二、三年行ないまして、その後目標値でございます〇・ 二五に移行した場合と、五十一年度から直ちに〇・二五の目標値を実施した場合とでは、その大気浄化の効果が完全にあらわれる五、六年先の大気の浄化にどのような差があるかどうか、この点を、私は部会長にお尋ねしたいと思うのでございます。 時間の関係がございますので、私が調べました内容について申し上げ、そのことについてのお答えをいただきたいと思うわけでございます。 まず、ケース一として、五十一年度から直ちに窒素酸化物〇・二五を実施した場合、ケース二としては、当初は〇・六、〇・八五の二本立てでいき、二、三年先から〇・二五の規制値に移行した場合、それぞれ数値を調べてみますと、NOxの削減率は、いろいろの前提はございますけれども、五十二年末でケース一の場合で四五%、ケース二の場合で四二%、完全にこの規制が効果をあらわすと考えられる五十五年末においては、NOxの削減率はケース一の場合で七四%、ケース二の場合で七二%、ほとんど差がないということが実は調査の結果わかったわけでございます。この点につきまして伊東部会長の御意見を承りたいと思うわけでございます。
○伊東参考人 お答え申し上げます。 ただいま御質問のございました五十一年から〇・二五グラム・パー・キロメートルが実施されました場合と、それから〇・六と〇・八五を二年実施をしまして、その後〇・二五グラム・パー・キロメートルに移行した場合との違いでございますが、御指摘いただきました数字と同等でございまして、ごく簡単に結果について申し上げますと、試算をしましたものがございますけれども、それによりますと、昭和四十年からモータリゼーションが非常に急速な上昇カーブをたどりまして、四十五年、四十六年、四十七年にほぼピークに達しまして、五十年規制に移りますと、それがまた急速な形で下降してまいります。そういたしまして、五十一年から〇・二五を実施しました場合の五十六年における効果でございますが、それがほぼ四十年ないし四十一年の値に近づいてまいります。 それに対しまして、〇・六、〇・八五という暫定値を二年実施しまして、その先〇・二五に移しました場合でございますと、五十六年におきまして四十一年ないし四十二年の値にほぼ近い。でございますから、五十六年というのを目標にして考えますと、それほど大きな差はないということに相なります。
○藤本委員 ありがとうございました。 次に、八田先生にお尋ねいたしますが、七大都市の調査団の報告アセスメントと、いわゆる八田委員会のアセスメントの食い違いの点でございます。時間の関係がございますので、幾つかの食い違いを指摘したいと思うのでございますけれども、その中のごくポイントになるであろうと思われることについてお聞きいたしてみたいと思います。 私、報告書を読ましていただいたわけでございますが、その中で、八田委員会と七大都市の調査団の報告書の違いの一番大きな点はリードタイムの問題であろうかと思うわけでございます。 具体的に申し上げますと、二四ページ、二五ページ、それから三八ページ、たとえば二四ページにおきましては、五十一年度中にNOx〇・三四ないし〇・四グラム・パー・キロメートル達成の能力、さらに一、二年のリードタイムで〇・二五可能、また二五ページには、五十一年度中に〇・四グラム・・パー・キロメートルの可能性が高い、一、二年のリードタイムで〇・二五が完全達成の推測、また三八ページには触媒方式で二年以内に五十一年規制クリアの可能性大、こう七大都市の調査団の報告書にはございます。 私はこの記述を見まして思うのでありますけれども、これは技術的達成の見通しがあるということと規制値等に混同があるのではないかというふうに思うのでございます。規制値はむろん申し上げるまでもなく量産車が達成し得る値であって、そのためには、開発のためのリードタイムのほかに生産準備のためのリードタイムが必要であるわけでございまして、この記載の事実からいたしますと、明らかに一、二年すれば〇・二五の五十一年度規制は技術的には達成の見通しがあるといっているのでありまして、五十一年度から量産に間に合わせるためには、現在すでに完全に開発の見通しのついたもの、つまり技術的に達成できたものでなければ五十一年度の規制には間に合わないわけでございまして、この点から考えて七大都市の調査団の技術評価は、〇・二五対策車が実際に製品としてできるにはまだまださらに一、二年かかる、つまり三、四年先であるというふうにいっておられるのではないかというふうに解釈することが、私は常識的な解釈ではないかと思うのでございますが、この点について八田先生の御意見を承りたいと思います。
○八田参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 先生のお考えと、この前私どもが討議いたしましたときに向こうの関係の技術者の方々とお話ししたとき、全く同じ考えでございました。御指摘のように、先ほどの私どもの技術評価を読んでいただいても、それから先ほど読み上げました簡単な御報告に対しましても、かなり七大都市の技術者の方々が言っていらっしゃる以上に、ほかのシステムでもかなり実現性の近いシステムは少なくとも軽量車にはあると思います。ただ、それが全車種となりますと、かなり問題だということと、それからその軽量車、いま一番実現性が高いと申し上げたものは全部触媒以外のものでございますので、それはほかのほうの燃費だとかドライバビリティ悪化というのがどうしても伴う。だけれども、われわれ環境庁側の審議会としてはそれは問わないとしますと、十分可能性があると思います。 ただ、触媒ができますと、それも含めて全部解決してしまう。しかも燃費が悪くならないし、性能もいい。しかも触媒のほうもどんどん進みつつある。ただし、触媒のほうはちょっと当たる、当たらないということがございますので、あと二年でどうかということに対しては技術予測がむずかしく、片一方のほうが技術開発的には予測がよりたやすいと考えます。そういうことでございます。 それであとは生産と開発のリードタイム。それ以外にもう一つ、その規制値を、われわれは平均値でたとえば〇・二五といっておりますけれども、〇・二五という規制を引いたときは、先ほど申し上げましたような運輸省のいろいろな審査を通らなければいけない。そうしますと、〇・二五ができたのじゃいけなくて、東洋さんではたしか前に社長さんが〇・一七とか何だとかおっしゃったと思いますが、大体その規制値の〇・七倍か、〇・八倍くらいの規制値のものができ上がらないと、それを量産に移したときに平均値がそういう規制にならない。そういうための困難さがさらにもう一つつけ加えられると思います。 以上でございます。
○藤本委員 時間の関係で八田先生に、ロータリーエンジン、東洋工業の車で〇・四の問題をお尋ねしたかったわけでございますけれども、先ほどのお答えの中で、生産にはばらつきがあるわけでありますから、当然〇・六という平均値をきめた場合に、〇・四の車もあれば〇・七八の車もある、こういう意味で〇・四ができるということは当然のことだ、こういうことを東洋のほうが言われた、こういうふうに理解してもいいかどうか。それから、それではなくて、実験室段階での値であるかどうか。その点、いかがでしょう。
○角屋委員長 ちょっと答弁の前に……。 記録との関係で、速記者のほうが苦労されているのではないかと思いますので、答弁のスピードと、それから声について、ひとつ明確にお願いをいたします。
○八田参考人 どうもいまの御意見は、いつも私が学校で講義してもしかられることで、申しわけございません。できるだけ注意いたしていくつもりです。 いまの御質問でございますが、東洋さんに私どもの委員会においでいただいて——その前に新聞で、〇・四グラムは可能だということをいっておられることを聞いたものですから、委員会へおいでいただきました。そうしたら、技術的に可能かといって聞かれたから技術的に可能だということを申し上げたのだ、だからそれは平均値として考えていただいてけっこうだ。ただしそれを、最近あそこは前のロータリーエンジンが非常に燃費が悪いということでほとんどユーザーが使われないということから、ニューロータリーというのをお出しになって、それによって現在二〇%の燃費アップをされました。そのニューロータリーは燃費アップだけで、それには混合比を変えたり、それからサーマルリアクターを強化したり、いろいろやっておられますが、それ以外に中のアベックシールだとかなんとか、ロータリーエンジンの中のシールなんかも改良して、いろいろよくしておられまして、総合した結果、現在二〇%の燃費アップをされた。それを一五%ぐらい燃費ダウンすれば、そのくらいのときに技術的には可能だと考える、だけれども技術的に可能かと聞かれたからそうお答えしたまでで、そういうものを商品として生産するつもりはないとおっしゃったものですから、私から、むしろそれは評価するから、〇・六グラム以下でも、〇・四グラムができれば、そればインセンティブのほうはできるだけ税制とか何かでやっていただくようにお願いしているのだからぜひ出してくださいということをお願いいたしました。 それから、おっしゃったのはロータリー全部でできるのではなくて、あそこでつくっていらっしゃる中の一番小さい車についておる一番小さいロータリーに限るので、それ以外のロータリーはだめである、そういうことでございました。
○藤本委員 最後に、自工会の会長にお尋ねいたしますが、この七大都市の調査団の報告書を拝見いたしますと、随所に、二大メーカーから資料が出なかった、秘匿された、調査の困難さがあったということが書いてございます。三〇ページにもそういう記事がございます。このことは、事実であるとすればきわめて遺憾なことでございまして、業界、メーカーとしての姿勢から考えてまことに遺憾なことであると思うわけでございます。 そこで、トヨタ自動車の社長として、名前が出ておるわけでございますので、調査団から資料の提出を求められた際、それを出されたか、出されなかったか。イエス、ノーでけっこうでございます。 さらに工業会の会長として、この七大都市の調査団から工業会に所属するメーカー全社に対してどのような資料の要求があって、どのようなデータ、回答をされたかということを、恐縮でございますけれども、あとでけっこうでございますが、お示しいただきたい、かように思うわけでございます。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 七大都市からの御要望に対して資料はお出しいたしました。また、工業会に対しましては資料の提出の御要望はございませんでした。
○藤本委員 以上です。
○角屋委員長 島本虎三君。
○島本委員 全参考人にお伺いいたします。 二回ずつに区切ります。答弁はわりあいに簡単に願いたいと思います。 それでは八田参考人から先に伺います。 八田参考人 自動車公害専門委員会報告書、これの五十一年規制の二年間延期と暫定規制の数値、この数値についての技術的な理由、そういうふうなものに対してはどうなっているのか、これはできないのか。これはもうまことに不明確であって、十分国民を納得させるような説明がなされておりません。また、七大都市自動車排出ガス調査団の報告、これとは大きく見解を異にしているわけです。ただいままでいろいろ議論の対象になりました東洋工業のようにNOxの〇・四グラム、これも可能であると主張するメーカーもいるわけであります。こういうようなことからして、国民は当然多くの疑問を持っております。 したがって、延期及びその暫定値の技術的な理由、これはやはり国民の前に明確にしなければならないわけであります。ことに暫定値は二つに分けているわけであります。さらに、この判断の基礎としたデータ、こういうようなものを十分に公開、公表すべきでなかったか、こう思うのであります。 それと同時に、五十一年度の規制は当初の方針どおり実施してもらいたいというのが、私のたてまえです。また一歩譲って、暫定値をきめるとしたならば、東洋工業は小型車は〇・四グラムは可能だというのであるから、それはもう技術的に可能ならば実際やれるということ、やれるというならばこれはもうはっきりやらせるというのが筋じゃなかろうか、そしてこの数値を採用すべきじゃないか、こう思うのであります。どうもそれは試験段階であるとかいろいろな理由を付して、そうしないようでありますが、この二点についてひとつお伺いいたします。あまり冗言は要りませんから……。
○八田参考人 ただいまの先生の御質問に対してお答えを申し上げます。 初めの、われわれが暫定値をきめた資料が明確でないというのは、それは付属資料といたしました技術に関する評価というのを見ていただければ、私としては十分御納得いただけるように御説明しておいたつもりでございます。 それから、資料の公開の件でございますが、そこにはわれわれが利用いたしました全資料は確かに出ておりません。その資料につきましては、そのほかにも外国の資料、それから国内の、環境庁がヒヤリングでやられました資料もわれわれはある程度の制約のもとにいろいろ見せていただきました。しかしながら、環境庁がたとえばヒヤリングでやられました資料も、環境庁とメーカーさんとの間のいろいろなお約束がありまして、それは全部公表することはできないようになっており、私どももいろいろ審議の中でそういうものが必要になった場合には、そういうことをお願いしますと、その中のたとえばいろいろな名前が書いてあるところは名前をAとかBというふうにかえるとか、何とか大体われわれの審議に必要な程度に、だけれども企業の秘密は企業の秘密として守られる、そういうふうな形で資料はいただきました。そういうものは出してございませんが、それ以外は論理的にはああいう暫定値にならざるを得ないということ。七大都市の方々との違いは、先ほど御説明申し上げましたように、広い意味のリードタイムに対するとり方が違うということでございます。 それから二番目の〇・四グラムがどうしていれられなかったかというお話でございますが、これは規制値としては本来ならば一本でやるのが筋だと私は考えておりましたし、それが一番いいことだと思うのでございますが、もし一本でやりますと、どうしても大きな車——一番大きな車という意味ではございませんが、比較的大きな車を中心に考えざるを得ない。そうすると、小さい車は非常に楽になる。 それで、われわれ委員の中にも実は〇・四グラム、〇・六グラム、〇・八グラム、一グラムというような何段階で、しかもロータリーと二サイクルというふうに分けて規制しろというような話もございました。実際そういう委員の方の御意見もございましたけれども、そういうことをいたしますと、早く低公害車を出した方にかえって不利な面を与えるということもございます。大体そういう複雑なものよりは、できるだけ簡単にしたい。それでいろいろ考えまして、全車の七五%ぐらいの一トンの等価慣性重量のところで分けて、ちょっと無理だと思う数字もあるのですけれども、それを〇・六グラムとし、それ以上のほうを〇・八五グラムとするというように分けた次第でございます。 〇・四グラムにつきましては、先ほど申し上げましたように、税制上とか何かで優遇していただいたほうがむしろ一番いいだろう、そういうのが私どもの判断でございます。
○島本委員 どうも私どもとしては、その判断は理解に苦しみます。 次の二点は八田委員長の姿勢についてですが、伺いたいのであります。 十月三日に委員長は、小型車NOx〇・六グラム、大型車一・〇グラムという、いわゆる八田メモなるものを委員会に提示したといわれておるのでありますが、そういう事実ははたしてあったのですか。もしそうだとすると、五十一年度の規制の完全実施は困難であるから暫定値による規制はやむを得ないという専門委員会の結論を誘導するような結果になった、こういうふうに思わざるを得ないのであります。委員会の最中にこういうメモを委員長個人として提示するというようなことは、技術を主にするといいながらも、これはきわめて軽率な行為に類しないか、この点を姿勢として心配するものであります。 同時に、いま二つの点に分けてやるのが当然だということです。四十七年十月の自動車排出ガスの量の許容限度の設定方針及び五十年度規制においては、これは大型車、小型車の区別がなく規制値がきめられているわけです。今回の専門委員会の報告で暫定値を大型、小型の二つに区分した。実際は〇・四可能だといっているにもかかわらず、これが大型車の場合は〇・八五グラム、こういうふうにやった。これでは大型車にはゆるい数値をきめて、大型車生産を主力としたメーカーに対して有利な誘導であり結論である。国民はこういうような点から当然疑問を起こす。この委員会そのものに対する不信感が充満するのじゃないか。ことに自社の資料は公開しないで公害対策は不可能だと主張するメーカー、この言い分、こういうものを認める結果になりはせぬか。ここに私は国民に信頼されないという一つの根拠があっては困ると思うのです。 この二点について明確にしておいていただきたいと思います。
○八田参考人 ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。 初めのほうの、八田メモがあったかどうかということは、八田メモというものを私は書きました。ちゃんと私がメモを委員会に配りました。それはいかような御批判をいただいてもけっこうでございますが、私は議事進行を促進する上において、先ほどおっしゃいました数字なども、いろんな議論を引き出すためにたとえばということで、たとえばこういうようにしたらというような考え方のものをそのとき私が思いつくままに書いて、そういうものによっていろいろ議事進行をはかりながら早く結論のほうに導いていこう。何もそれが今度の結論になったわけでもございませんし、何か私が特定な結論を導くためにやったわけではございません。一般の議事進行をさせようと思ってやった私の考え方でございます。 それから、〇・八五というのが大型車に有利じゃないかというお話でございますが、〇・六グラムというのが約七六%か七五%かわかりませんが、そのぐらいの車を〇・六にして、それからそれ以上の車は〇・八五にする。〇・八五にするかわりに、それには〇・六の車よりは少なくとも重い税制上の差をつけるべきである、そういうことをお願いしたわけです。 〇・八五のクラスになりますと、等価慣性重量一トン以上——一トンを含まないわけてすけれども、その車の中でもいろいろございまして、大体先ほど豊田参考人からもお話がありましたように——豊田参考人はいまのところ不可能だとおっしゃいました。私は完全に長期にわたって生産が停止になるほど不可能ではないと考えておりますけれども、一時的には、ある機種については——その技術開発のおくれを一生懸命に取り返されるでしょうが、そのために一時的な生産停止がひょっとしたらあるかもしれないと考えておるぐらいでございます。特にその中で一番問題なのは、税制上、たとえば二千ccのところで普通車と小型車に分かれております。そうしますと、大きな車で、本来ならば二千六百とか三千ccぐらいのエンジンを積んだほうが車全体としての性能上はバランスがとれて、しかもNOxなんかも発生量が少なくなり得るような車に対して、税制上の問題から千九百五十cc、要するに二千cc以下であるというような意味のエンジンを積んだような車がかなりたくさんございます。そういうような車は、先ほど言いましたように、大きな車に小さいエンジンを積みますと、先ほどの軽自動車もそうでございますが、非常にNOxの規制値がつらくなります。そういうことで、決してそれがゆるいというふうには私は考えておりません。 以上でございます。
○島本委員 その考え方について、やはり合意の形成の努力を欠いておるということで、答申は国民にも信頼されなかった結果がいまの現状でありますから、私はそういうような点を十分考えてほしかった。答えはわかりました。わかりましたけれども、その点では私は納得できないということだけ言っておきます。 次に伊東参考人、先ほどいろいろ承りましたけれども、これも端的にお伺いします。 四十九年十二月十日、五十一年度自動車排出ガス規制の報告書これをお受けになって、そして二十名中十七名で、四時間にわたって慎重にこれを審議した、こういうようなことであります。大気部会が、たった四時間、それも一日の審議で自動車公害専門委員会の報告を妥当と認めて結論を出した、こういうようなことになりますけれども、国民の健康を保護し、大気の環境基準を確保する上から、大気汚染防止対策に関する総合的な見地から、これはもっと慎重に考えるべきではございませんか。 ことにこれを認めたということは、昭和四十五年十一月、公害対策基本法が改正されたのです。第一条の目的から戸「生活環境の保全については、経済の健全な発展との調和が図られるようにするものとする。」これを削ったのです。九条の環境基準これも「生活環境に係る基準を定めるにあたっては、経済の健全な発展との調和を図るように考慮するものとする。」を削ったのであります。何よりも人間優先、環境優先、こういうようなことに変わったのであります。しかし、これをそのまま認めることは、結局はもう大気部会みずからがこの法の精神に少しももとるようなことを考えなかったかどうか、これが問題であります。これが一つです。 それと大気部会では自動車の総量規制ということを自動車排出ガスの減少対策として十分討議を行なったのかどうかであります。 と申しますのは、東京都、大阪府をはじめとして、もうすでに公害防止計画を立てている地方自治体のこういうような具体的な方策について十分意見の交換があってしかるべきじゃありませんか。四時間、たった一日でこれを認めて、法違反のおそれさえもここに残した、こういうようなことであります。 そしてなおかつ、この伊東部会長から審議会長の和達さんのほうへ行ったこれには、第三の項目に、大気汚染の著しい都市地域における総合的な都市交通体系の一環として自動車交通量を抑制せい、こういうようなのを出しておるのであります。こういうようなことについて、はたしてどのようにしてやれということなんですか。具体的にこれはもう自信をもってこういうようなことをやったのですか。やる前に、きちっとやるべきものをやらないで都道府県に押しつけていく、こういうようなことは私としては納得できないのであります。したがって、自動車の交通量の規制、抑制、こういうようなものはほんとうに困難じゃないか。五十一年度の規制を当初どおりやってもなおかつこれを考慮しなければならないのに、それをやらないでおいて、地方自治体に考慮せい。こういうようなことに対しで、これは軽々しい、無責任なる答申じゃないか、こう思うのであります。 この三点について具体的に伺います。
○伊東参考人 第一点でございますが、専門委員会におきまして、先ほど御指摘がございましたような法律に関しましての、人の健康という問題も十分に審議いたしまして、それを考えた上での結論でございますので、そのことを八田専門委員会委員長から御説明をいただきまして、それを踏まえた上で結論になったわけでございます。そういう意味で、たった四時間という御批判でございますけれども、四時間という間に十分に各委員の御意見が伺えたというふうに判断いたしましたので、ああいう結論を出したわけでございます。 それから、自動車の総量規制を十分に審議したかという御質問でございますけれども、これは、今回の問題は五十一年のNOxの規制の問題でございますので、それに限定をして議論がなされたわけでございまして、総量規制の問題につきましては今後とも十分に行なわれなければいけない問題であると判断しております。 それから二点でございますが、地方自治体に責任を負わせるという意味ではございませんで、地方自治体ではすでに十分な注意のもとにいろいろの角度から御検討しておいでになりますので、環境庁におきましてもそれを受けて今後さらに一そうの検討をされるように伺っておりますので、大気部会におきましても今後の問題といたしまして十分考えなければいけない問題であるというふうに判断しております。
○島本委員 むしろ慎重にやった、こういうようなことであります。窒素酸化物、炭化水素、紫外線、これはやはり何としても人間の健康に影響する光化学スモッグの一つの物質になりますから、そういうような点で私はもっと慎重にしてやってほしかった、こういうようなことであります。はたしてこれで快適な生活ということに合致するのかどうか、私は疑問であります。まことに遺憾だと私は思います。 それと、次に柴田参考人にお伺いいたします。東京都では、もうすでに低公害車の排出ガス、これを数社において行なっておる、こういうようなことであります。その結果どうなってございますか。この結果については〇・三程度の窒素酸化物、こういうようなものを現にもう使っている、こういうようなことでございますが、これは何社くらいあるのですか。そしてどういうようにしてこれを調べたのですか。もういま走っている車にはどんな車があるのですか。これをちょっと説明してもらいたいと思います。
○柴田参考人 私たち、五十年対策車として出しております東洋工業、三菱自動車、本田技研、この三社につきまして、十二月五日から七日の間に計十台、それぞれ三回ずつ、私たちの研究所及び前輪駆動のため研究の施設の及ばないところのみ本田技研工業の和光工場、それでいたしました。 〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 そしてその結果、手動、つまりマニュアルとオートマチックとございますが、十モードで東洋工業のマニュアル、これは通称サバンナAPリーブス4でございまして、先月売り出したというものでございますが、これがNOx三回平均値〇・三八、それからオートマチックが〇・四、〇・五一、両車平均で〇・四八、こういう値でございます。 それから本田技研のマニュアルでございますが、これで二車平均〇・六二、このような各種の値が出ておるわけでございます。 並びに私たちが昨年の七月でございましたか、購入しまして約一年一カ月、一万五千キロないし四万キロ走りました低公害車五台、それの実際走りましたも一のにつきましてはNOx〇・三一グラムを一番低い値としまして平均〇・四二、これは現在すでにそれだけ走った車の結果、こういうことでございます。
○島本委員 現にもうそういう車が走っている。現にそれがある。しかし、これは技術的な点で難点がある。どうも私はなおさら理解できなくなる。これは自動車公害専門委員会、大気部会、この方面においては専門的なはずでありますけれども、現にこれが走っている。これがまだ試験の段階でしょうか。 それと同時に、今度も同じ柴田参考人ですが、自動車公害専門委員会の報告、七大都市の自動車排気ガス規制問題調査団報告書、この二つでは五十一年度の規制の実施について見解を異にしたわけであります。 〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、できるといういまの皆さんの考え方に対して専門委員会のほうでは、規制基準の達成に関する技術的な可能性についてはほとんど専門技術的検討をしていない、こういうように言っておるようです。これはもう完全に専門的にだめだということになるのじゃないかと思いますが、これに対してどうお考えですか。
○柴田参考人 私たちとしましては、九月の十三日、十四日、各メーカーからいろいろ伺いまして、そしてそれを整理いたしますと、相当の社でいろいろの部分でかなり進んだ技術的解決のめどが出ている、それらを合わせまして、さらに学術論文並びにただいま申しましたような現に走っている車、その成果、これらを合わせまして相当高いところまで可能である。現在のコマーシャルベースでも〇・四は可能であり、さらにそれらを変えればこの規制値かあるいはそれに非常に近いところまで可能である。せっかく二年前にすでに掲げた旗というのをわざわざここでおろす理由というものはどうも見当たらない。 ただ、メーカーの方々に聞きますときに、なるほどこれは困難であろうと思われましたことはございました。たとえば「公害対策審議のために必要でありましょう」「必要です」「では、それに対してその対策、施策のためにどれだけ費用がかけられますか」答え「ゼロです」、こういうような答えがございました社もございまして、なるほど各社はいまきびしい競争下にそれぞれあると存じますし、コストはこれ以上かけてはできない、あるいは加速性が大事なセールスポイントである、ガソリンの質はもちろん一つの社では変えることができない等々の条件、これらの条件を与えてしまえば商業的にはなるほどこの規制値というのはたいへんむずかしいかもしれませんが、しかしこれこそ環境庁の規制と申しますか、それによって全体として市民のためにそれらの条件をもう少し考え直していこうとしますならば、先ほど八田委員長もおっしゃっていただいたように技術的に非常に可能性が高い。むしろ私たちが考えているよりも八田委員長のお考えのほうが高いというおことばが先ほどあったと思いますが、高い。これが第一点。 それから次に、それを量産化するリードタイムでございますが、これを実際に一回どれだけコストにしたらセールスがどの程度になるだろうかというような市場調査まで入れればいざ知らず、今回の場合はエンジンあるいは触媒、これらのことである。それらが技術開発されれば、全体の試験、試作、実験等々の段階の最初から入るのではない。そうしていきますと、私たちの西村委員でございますけれども、のセドリックとかブルーバードとか、いろいろの過去の例から察するに、CVCCで一年前後、あるいは一番大きい触媒でも一年半ぐらいでこれが技術開発できれば、量産体制になるのではないか、この点、実際の専門委員会でどのようにこの辺を実例で調査をされたか、たいへん私たちも、むしろ教えていただきたいと思っているわけでございます。 こういうわけで実際に規制が非常に可能である。ただしわれわれはメーカーそのものでもないので、もしわれわれの思い違い、推量違いがあり、このとおり不可能である、ここが技術的に間違いであるという点があれば、喜んでそれぞれの委員会なりあるいはメーカーの方から教えていただきたい、反論していただきたい、こう申しているわけでありますが、きょう現在までそれはまだ私の理解では教えていただけないのではないか、こう思っているわけでございます。 その他、たとえば「触媒が摂氏何度でどのような形で溶損したのか」「溶損してだめだ」「では」というようなことをお伺いすると、なかなかそういうデータを教えていただけないという点が、たいへん嘆いているところ、当惑しているところでございます。 まあ私たちの理解では、自動車専門委員会ではむしろエンジン中心で、その後に健康とか騒音ということもまた討論されたと理解しておったのですけれども、ただいま伺った話だとそうではないようですので、その辺がそれぞれ健康の問題、騒音その他いろいろ自動車全体の問題というものが討論されたのかどうか、現在のところむしろ私たちとして教えていただきたい、こう思っている次第でございます。
○島本委員 答弁、簡単でよろしゅうございます。 前の伊東大気部会長からの答申によりますと、これは都市交通体系の一環として自動車交通量を抑制せい、こういうようなことがございました。東京都では、もし後退した案でいくと五三%これを減らさなければならない。昭和四十八年度で二百六十二万台、こういうようなことで五十二年度を推定すると三百三十万台、そうするとここに二百万台を削減しなければならない、乗り入れを禁止しなければならない、こういうようなことになりますか、可能ですか。——失礼しました。柴田参考人でございます。
○柴田参考人 ただいまの御指摘のとおりでございまして、環境庁の規制値というものを窒素酸化物に当てはめて、現在のまま推移して五十五年になるといたしますと、ただいま御指摘のように五三%規制しなければならない。しかしこれは警察庁の方などの話を伺いましてもたいへん困難なことである、これは非常なたいへんなことである、こういうお話でございました。
○島本委員 ありがとうございます。 豊田参考人に最後にお伺いいたします。 豊田参考人から先ほど意見の開陳がございましたが、これはもう五十一年規制は技術的に困難である、こういうようなことでございますけれども、いま発表になったように、それに対しましてはまだまだいろいろ研究の余地があるようでございます。その根拠とするデータに対して、国民の納得の得られるように自動車工業会長としてメーカーを指導して、そういうようなものはきちっとすべきじゃなかろうかと思うのであります。低公害技術の開発について依然として企業秘密、こういうようなものを持っているようでありますけれども、少なくともそんなものは廃止して、共同研究によって技術の向上をはかるべきである、こう考えるし、そういう心がまえこそ必要なのじゃないか、こう思うのであります。 そういうようなことに対して豊田参考人は、ただ困難である、困難である、こういうようなことだけ言うのでありますけれども、国民としては、自社の資料は公開しないで、公害対策は不可能だと主張するこの言い分のほうが社会的には通用しないのじゃございませんか。そういうようなことからして、はっきりと工業会長としてここに勇断をもってして企業秘密を排除して、共同研究によって技術の向上をはかる、これに踏み切らなければならないのじゃないか、こう思うのであります。 私どもとしては、そういうような点からして、もうすでに東洋工業では〇・四グラムに押えることは可能だと言っている。なのに、日産、トヨタさんの大手メーカーといわれる人は、こういうような点はまだ不可能と言う。これじゃどうも国民を納得させることにならないのじゃないかと思います。そういうようなことです。その決意についてはっきり伺います。 それとトヨタさんのほうではカローラ一号ですか、外国に対しては〇・七グラムの車をもう輸出しているようであります。これは新しいものであります。こういうようなものを輸出する場合にはNOxの低いものを輸出している、国内の場合にはそれが不可能である。こういうようなことだとすると、これは国民の納得を得ることにはどうしてもなりません。同時に、いろいろと影響があるのだ、ことに家族にも影響する、この規制をすることによって関連産業に与える影響は無視できない、こういうように言っていらっしゃいます。しかし、日産、トヨタはアメリカへいわゆる〇・七グラムの窒素酸化物の車を売っている。そうすると、これは向こうのほうが市場としては優秀でありましょうし、もし国内でもこれに切りかえたならば不可能じゃないことになる。 この辺でやはりメーカーとしてのモラルに私どもはどうも釈然としないものを持つわけであります。ひとつ、こういうような点について解明してもらいたい、こう思うのであります。二ついま言いましたがおわかりでしょうか。 最後に、こういうような事態でございまするけれども、前回では自民党に対する政治献金は続ける、こういうようなことでございました。いまでも心境はお変わりございませんかどうか。
○豊田参考人 御質問の第一にお答え申し上げます。 第一は、工業会として共同研究をしてこの問題の解決に努力せよというお話でありますが、前回の委員会においても申し上げましたように、工業会としては共通で研究できる、比較的基礎的な問題につきましては、自動車研究所並びに自動車技術会等を使いまして研究をさせておるのであります。 それから、各社の研究の問題でありますが、私どもの見解では、現在つくっております車が各種ございまして、それに対応する排気ガスの浄化方法といいますのはいろいろ考えられるわけで、それぞれ車に適合したものを考えなければならない、こういうわけでありますので、各社別々に競争的に研究をさせるほうが非常に効率的であるという考え方で行なっておるわけでございます。 なお、各社の中で研究の結果、これは優秀であって他にも応用できるというものにつきましては、相互に技術の交換といいますか、技術の提供を受けて実施をすることが可能であるという申し合わせもいたしておる状況でございます。 第二の質問でありますが、米国に出している車がよくて、どうしてそれが国内へ出せないかという御質問のようでございますが、このデータはたぶんアメリカにおける認証テストの結果をごらんをいただいておることと存じますが、この認証試験は認証車のデータでございまして、一般の量産車はこれよりも少なくとも二〇%のスリッページを見込まなければならないのでございます。かような状況にあるのと、もう一つ重大な問題といたしましては、アメリカにおける一酸化炭素及び炭化水素の規制は日本の倍以上の数字を採用いたしておりますので、この方面が緩和されておるということで窒素酸化物の問題が比較的容易になるわけでございます。以上の二つの条件がございまして、現在アメリカに出しておるものを日本で出すことは不可能でございます。日本の規格には合格いたさないと思います。 最後に、政治献金のお話がございましたが、現在私どもは現在の自由経済体制の維持を念願いたしておりますので、応分のことを考えさせていただくことが必要ではないかと考えております。
○島本委員 じゃ最後に、これで終わりますが、いま言った皆さんの専門的な御答弁、しかしやはりHCもCOもこれは酸化触媒によって十分取れるということもはっきりしているじゃありませんか。そうしてNOxについては還元触媒方法もあるということがはっきりしている。できませんなんてここで断言して、自民党に献金は続けると言う、この姿勢が悪いのであります。何ですか、それ一体。国民の健康を犠牲にしても自分がもうければいいと、こういうようなことでは国民のコンセンサスを得ることはできません。 遺憾の意を表して私の質問を終わります。
○角屋委員長 土井たか子君。
○土井委員 まず私は、八田参考人と伊東参考人、このお二人にお伺いをしたいと存じます。 これはもう周知のことでございますが、昨日中央公害対策審議会の総会がございまして、最終結論がそこで出て、おそらく答申も出されるであろうという予想が違ってきたわけであります。これには大きな理由として、大気部会ですでに出されている答申案は尊重はするけれども、しかし、総合部会では昨日の総会で出た意見を十分に盛り込んだ答申をつくるというふうに中公審の会長みずからが語られているとおり、昨日実は総会で出ました意見でおおよそ注目すべき中身にございますのは、もう御承知のとおりに、審議の過程においての公開性が十分に行なわれていないということ、またどうもこの審議に参加をなすった構成メンバーが片寄っているということ等々が問題にされたわけであります。 そこでお二方にまずお尋ねをしたいわけでありますが、審議をなすっている場所を公開すること、このことについて、何か公開をすれば差しさわりがあるとお考えでいらっしゃるかどうかお伺いしたいのです。 先日、六日の日に参議院のほうで同じような質問がございました節、きょうここに再度御出席をお願いいたしました八田参考人は、自由な討議を守るために公開をしないということが望ましいと考えたという趣旨の御答弁をなすっておりますけれども、しかし昨日の総会で述べられたいろいろな意見をひとつもう一度考えの中にお入れをいただいて、公開をしないというその立場でいままで審議をなすったこと、そのままでよいかどうかですね。公開すると何か差しさわりがあるのかどうか、その辺を率直にひとつお聞かせをいただきたいのです。
○八田参考人 八田でございますが、まず私から、私のほうのお答えを申し上げます。 私自身は、この前参議院で申し上げましたように、きのうの総会を経た今日におきましても、いわば失言をするような、あとでほかの人が聞いたら失言だと思われるようなことを平気で言えるような雰囲気の中で十分討論して、そのかわりに、その結果はできるだけ公開する。今日のように委員会そのものは非公開にしまして、そのあとで必ず記者会見をして、詳しく私及び事務当局から毎回報告する、そういう方法が一番よかったし、今後、もし私がやるのなら、私がいつまでやるかそこは関係ございませんが、私はそのほうがいいと確信しております。
○伊東参考人 ただいま八田参考人がおっしゃいましたように、私も公開ということがいろいろ引き起こします誤解という問題があり得るという点を考えますと、会議のほうは非公開にしておきまして、あとで記者会見等で詳しく結論をお話しするというほうがよりいい方法だろうと考えております。
○土井委員 お二方からの御意見はそうなんですが、あとで審議の過程でいろいろ出された重要問題が公開されるということが約束されていたら問題は別ですよ。でも、そうじゃないのです、現実は。したがいまして、密室会議というふうに言われる。いま、誤解を招く向きもあるかもしれないので公開は思わしくないという御発言がございましたが、むしろ公開されないことのためにいたずらな誤解を招くという向きがありはしませんか。いろいろとそれに対しての意見が出ていいのじゃないかと私は思います。むしろ公開をされて、百家争鳴であっていいと思うのです。 特に公害対策審議の上での審議会のありさまというのは、何としても国民の健康や命ということを守る環境保全というところに重要課題があるわけでありますから、肝心かなめの主人公は国民でございましょう。したがいまして、国民の目から見ると、中身がどういうふうに進行されていて、どういう代表者がどういう意見を持ってその場に臨んで討議がただいま展開されているかということを知ることは、非常に重要だと思うのです。一部の限られた学識経験者、一部の限られた業界代表、一部の限られた専門家、その方々が限られた場所で、また外部に公表しないその場所で審議をなさるということが、はたして国民の期待にこたえているゆえんであるかどうかということを、もう一度考えていただきたい。このことを私は申し上げて先に進みます。 五十一年度の規制について、自動車公害専門委員会で出されましたあの中身は、ずいぶん後退を現実いたしております。これは四十七年にすでに出されているあの中身からするとずいぶん後退している。これは率直にお認めになるだろうと思うのです。 ところで、先ほども島本委員からの御質問にも少しございましたが、大都市では窒素酸化物の環境基準がこれでは達成できないという現実面がございますね。四十七年に出た規制値というものを順守した上で、さらに交通量の規制が現実においては必要なのです。そこにもってきまして、現実は、四十七年の数値を大きく裏切るような中身に後退しているわけでありますから、いよいよこれは、やはり大気汚染防止に対しての悪影響をどのようにカバーしていくかという問題が大きな問題として出てまいります。 そこで、八田参考人にお伺いをするわけですが、あの六日の参議院のほうの公害対策の特別委員会での質問にお答えになって、なるほど大気汚染防止に悪影響は出るかもしれないけれども、それをカバーするのには車の総量規制などの方法があるという旨のお答えをいただいたかと思います。この節、車の総量規制とおっしゃっているのは、大都市並びに大都市周辺の交通規制を認識しておっしゃっているのであるか、それとも車の生産台数そのものに対しての規制ということまでもやはり必要と考えなければならないというふうにもお考えでいらっしゃるのか、ひとつその車の総量規制とおっしゃっている中身についてお聞かせをいただきたいのです。
○八田参考人 先生の御質問にお答え申し上げます。 この前参議院で申し上げましたときには、一つは総量規制というときに、いわゆる総量規制的な考え方、要するに現在は行政区画だけで総量規制を考えておりますけれども、私個人的にはそれはおかしいのじゃないか、もう少し、たとえば東京なら東京の大気汚染の原因になっておる空気のかたまり、特に窒素酸化物になりますと、これは自動車の排気として出たときはNOでございますが、それがある時間たって、大体三十分から二時間くらいたたないとNO2になりません。またオキシダントのほうもやはりかなりの時間がかかります。その間微風にいたしましてもある空気の移動がございます。 そういうことで考えますと、たとえば行政区画内だけで総量規制的な考え方をいたした場合には、たとえば夏の千代田区ですと一〇〇%自動車ということになると思います。汚染源は自動車だということになるだろうと思いますが、千代田区の空をきたなくするのは千代田区から出た汚染物質だけではありません。そういう意味で、一つの空気のかたまりと考える、何といいますか気象的に比較的そういう現象が出やすいときの、統計的に見て一番出やすいような一つの空気のかたまりの下にある地域全体で総量規制をやるのが一番望ましいのじゃないかというふうに考えております。 そういうふうに考えた上の総量規制でございますから、それはその地域を走っておる車の数を減らすという意味でございます。いなか——たとえば今日では団地なんかで特にドーナツ現象みたいなところへ行きますと、そういうところの全体の交通体系がない。あるいはほんとうのいなかへ行きますと、いなかのほうは大気汚染はあんまりないと思いますけれども、自動車がなければほとんど生活できないようになっておりますから、そういうところを含めまして、いま車の生産云々は何も私は考えたのではございませんで、先ほど申しましたような、ただ東京都なら東京都だけでなくて、もう少し広いところの中の全体の車の総量を規制すべきである。それにはどういうふうな方法があるかということについては、走行規制とかあるいは課徴金とかあるいは持ち主に対するいろいろな制限とか、具体的なことは行政ベースでいろいろお考えいただきたい、そういうふうに申し上げたつもりでございます。
○土井委員 大体いまのお考えわかりましたが、再度確認の意味でもう一たびお聞かせをいただきたいと思います。 それは、いまお出しになった基準値というのが四十七年当時に指針として出していた中身からはずいぶん後退をしているということを念頭に置いて考えますと、はたしていまお聞かせをいただきました交通量の規制のみで、一体車の総量規制とおっしゃっていることが実現可能なのであるかどうかですね。むしろ生産台数に対しての規制というものを、いまのような数値でやっていくのなら考えなければならない。そういうふうに考えていくことが、四十七年当時に出されたあの中身の方、向に持っていく一つのあり方ではないか。 四十七年に出された〇・二五というのが実現不可能だということで今度の数値が出たわけでありますから、そういたしますと、台数はそのまま据え置きにしておいて交通量規制をやっただけでは、これは間に合わない問題だ。したがって生産台数についての規制というのもやはりあわせて考えなければ、今回技術的に不可能であるということでこういう数値になったのであるならば、これはやはり市民感情としてはあると存じます。したがって、こういう市民感情に対して、専門家のお立場で、特に自動車公害専門委員長とされてどうお考えになっていらっしゃるかを、ひとつお聞かせいただきたいです。
○八田参考人 ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。 四十七年のときは、私自身もむしろ技術的に不可能だと考えておったわけです。それで目標値として答申した次第でございます。だけれども、ああいう高い目標値を出したがゆえに今日五十年規制ができ、それからあと二年もたてば技術的な見通しも、いまよりは〇・二五の値がはるかに実現が明確にできるような状態になったということは大成功だと思っております。 それから、先ほど生産台数の制限ということをおっしゃいましたけれども、これはそういう総量規制というのはある区域の大気汚染を防止するためですから、その大気汚染の区域の中の——先ほど私は、私の個人的意見でございますけれども、何もそれが全体に認められているという意味じゃございませんけれども、行政区画における総量規制はゆるいのじゃないか、もう少し本格的な空域といいますか、そういうところの総量規制ということを考えたほうがいいのじゃないか、そうでないと効果が上がらないのじゃないかということを申し上げましたけれども、その空域なら空域の下にある車の数を減らすということでございまして、それ以外のところにある車の数には関係ございません。したがって、総量規制という意味は、そういうところの中の車の走行を減らすという手だてだと私は考えます。 それから、生産制限とかなんとかいう問題は、いまの大気汚染の問題じゃなくて、いまの私が申し上げましたような総量規制が関係することであって、それ以外の問題は政治的な問題あるいは経済的な問題だろうと思いますので、私の技術的な範囲外だと私は考えております。
○土井委員 そうしますと、これはいま八田委員長のお考えからすると、八田委員長の果たされる役割りからはみ出た問題だというふうな御認識をお持ちになっているというふうに理解させていただいていいわけですか。
○八田参考人 生産制限とかいう問題は私の考えから関係ないと思いますけれども、大気汚染には総量規制が必要だと申し上げました意味は、その汚染されている大気に関係しておる車でありまして、それ以外の車については何も関係はないということを申し上げた次第でございます。
○土井委員 ちょっといまのところよくわかりませんが、大気汚染に関係のある車について関係があるのであって、大気汚染に直接関係のない車についてはそれは問題外であるという御発言の意味が私にはよくわかりません。いま生産台数の制限というのは、やはり大気汚染に関係のある車についての生産を問題にした台数の規制でございまして、それ以外のことを別に私は申し上げているわけじゃないのです。したがいまして、関係があるなしからすると、大いに関係があるという前提で私は申し上げていることをひとつ御理解いただきたいと思うのです。いかがですか。
○八田参考人 お答え申し上げます。 私が申し上げましたのは、数についての御理解が、あるいは私の申し上げ方が悪かったかとも思いますが、大気汚染がいまここに起こっておるとしますと、その大気汚染の起こっておる空気に関与している車というのはどこかを走っていって、その走っていて出した車が関与しているのであって、その大気汚染じゃないところを走っている車は関係がありません、そういう意味で申し上げた次第でございます。
○土井委員 これについての論議をやり合うと時間がたいへんに必要になってまいりますが、大気汚染に関係のない大気というのがいま日本全国にどういうふうな関係で分布されているかというのはどうも私も理解に苦しむんです、いまの御答弁では。大気汚染に関係のあるところとないところという区分けをどういうふうに御理解なすった上でいま問題になすっているか、これはまた追っていずれかのときに私ひとつ資料としてでもいただくようにいたしましょう、これは論議していますと切りがございませんから。その大気汚染ということについて、車と直接どういう相関関係を考えていらっしゃるかということが先生御自身の何らかの資料で示されたものがあれば、お知らせいただきたいと思います。
○八田参考人 先生のいまの御質問にお答え申し上げます。 私がかつて、機械学会という学会がございますけれども、機械学会の中の委員会でそういう大気汚染と自動車、もちろん自動車だけじゃございませんから、そういういろいろな自動車なり静止汚染源から出るものも含めまして、そういうシュミレーションモデルみたいなものをつくって、どういうふうにすればその関係がだんだんわかっていくだろうか、それからそういうためには当然データもたくさんとらなければいけませんけれども、そういうデータをどういうふうにしてとったらいいだろうかというような研究を、私が分科会の主査といいますか、そういうものになりまして、そういう方面の数学者だとかそれから気象の関係の方とか、そういう方にやっていただいたことがございます。そしてその報告は機械学会から出され、アメリカのEPAは、私が聞くところによるとそれが非常にいいというので、日本語の報告だったのですけれども、それは向こうでかってに英語に訳されて、何か利用されたりしておるようでございます。 それは一つの例でございまして、それは光化学スモッグまで考え、車も考え、静止汚染源も考えた数学モデルとしては、おそらく日本では初めてだったと思いますけれども、その後日本でそれ以外の方法、数学的な方法でいろいろな方法がございますし、それから最近のいろいろな測定などの測定個所もふえておりますから、そういうものもデータを取り入れてそれをより改良する、そういうような試みはいま各方面でなされておりますが、現在は私はそういうことはやっておりません。
○土井委員 これについてはさらにお伺いしたいこともございますが、時間の都合がございますから、いま具体的なことをそれじゃひとつお尋ねするようにいたします。 八田参考人にさらにお尋ねをするわけですが、暫定基準をおきめになった以上は、その判断基礎となったデータというのが当然にあるはずでございますね。先日、七大都市の調査団と専門委員会が討論をなすった席上でのできごと、八田会長が調査団以上のデータは持っていないという趣旨のことを御表明になったということを私たちは聞かされております。それがまず事実であるかどうかですね。そうしてさらに時間の関係がございますから追ってお伺いをしてまいりますが、その判断基礎となったデータというのは、必要にしてかつ十分なものであるというふうに考えていらっしゃるかどうか。以上二点について、まずお伺いいたしましよう。
○八田参考人 お答え申し上げます。 七大都市と申し上げましたのは、われわれも七大都市の方よりは多少環境庁のヒヤリングのデータなどで、データは多いだろうと思いますけれども、それほど、比較にならないほどたくさんのデータを持っているのじゃないというような意味を申し上げたと思います。全然同じ資料しかないというような表現は、とった覚えはございません。 それから、資料が十分であったかどうかということに対しましては、完全な意味で十分であったとはもちろん申せないと思いますけれども、とにかく環境庁のヒヤリングで、初め委員会で直接会社のヒヤリングをしようかという考えもあったわけでございますけれども、そうすると会社の企業機密というようなものでなお出てこなくなる。それで監督官庁のほうで、そのかわりこれは極秘なら極秘扱いをするというようなお話のもとで集めていただいて、その中からわれわれに必要だと思う資料を環境庁のほうで公開してもいいような形に、少なくとも公開というか、私どもに見せてもいいような形にモデファイしたような形の資料にしていただいたほうが、たぶん日本の現状では資料をたくさん得られると思いまして、環境庁のほうでヒヤリングをしていただく。そしてわれわれはその結果を受けて審議する、そういうふうにいたした次第でございます。 そのほかの海外の資料その他は、これはたぶんわれわれよりも七大都市の方々のほうが時間的な制約がより多かったと思いますので、どれほどお集めになったか、それは存じませんけれども、そういうものはかなり環境庁にはEPA等の資料も来ておりますので、そういうものはいろいろ参照いたしました。 だから、どこまで十分かということはいろいろ議論の分かれるところだと思いますけれども、私どもとしては、完全に十分であったとは申しませんが、十分自信のある結論を出したものと考えております。
○土井委員 いまのお話を伺っておりますと、もっと十分で、もっと必要な資料というものがあるいは得られたかもしれないところが、企業秘密によってかなりの点で十分なものを、さらに必要なものを取得することにいろいろ支障があったという旨の御答弁、お話であるというふうに私は承ります。したがいまして、確認をさせていただきますが、より必要な、より十分なデータを集めようとした場合にそれの差しさわりになったのは企業秘密というふうに考えてようございますか。
○八田参考人 時間的制約ももちろんあったと思います。けれども、いまの企業秘密的なものがゼロであったとは思いません。
○土井委員 そうしますと、これは肝心かなめの自動車を生産する側の企業において秘密であるからといって、本来出して討議の場で討議の資料として十分に参考に供さなければならないところが、十分に出てない、あるいは必要であるにもかかわらずその必要性を充足していないという向きもあるいは残っているかもしれません。そういうことからしますと、この暫定基準をおきめになったただいま、八田参考人とされてはどういう御気分でいらっしゃいますか。
○八田参考人 お答え申し上げます。 先ほどの資料の件でございますが、五十一年対策車というものは、最初に陳述いたしましたように現段階ではまだ開発段階のものでございまして、世界じゅうどこにもそういうものはございません。したがって、ない資料を出せといってももちろん出ないという面もございます。先ほど企業秘密というようなことも申しましたけれども、企業としても確かに特に先のものになればなるほど将来の企業展開のための秘密というものもあるだろうと思いますけれども、同時にデータそのものもないという面もいなめないと思います。 それから、もちろんそれだけの時間的制約それから資料の制約、その他ございましたけれども、その範囲内で私としては最善を尽くしたつもりでございますし、それからあの結論に対しては、この前の記者会見のときに、おまえ自身が及第と思うか、合格点をとったと思うかという質問をされまして、それは皆さんからどんな点をつけられるかわからないけれども私自身は合格だと言ったら、だいぶ笑われたことがございます。
○土井委員 そこで、失礼にわたる向きもあるかもしれませんが、これは大事なのはこれからということでございますから、今後の問題として、いままで出されているものを受けてこれからということを考えた場合に、自動車公害専門委員会の構成を思った場合に、そこに国民の意思が十分に反映されているかどうかということを考えていきますと、どうも市民サイドからすると、エンジン関係の専門の委員も少ない、そこへもってきてはたして市民の意見というものを十分に代弁するような構成になっているかどうか、その辺からしてもやはり問題は少々あるようであります。 そこで、いま賜わりました御意見なども含めまして、本来専門委員会にはデータについて強制提出をさせるという権限を持たせなければいけないのじゃないか、各会各部にわたって必要なデータについては強制的に提出させるという強制提出権限というものが本来あるべきだと私は考えている一人でありますけれども、そういうものをも持たせて、それをちゃんと保障して、そして新たに委員会というものを改編、改組する、そして五十一年度規制値の再検討をもう一度やってみるという必要があるように私は考えているわけでありますけれども、これについては委員長自身はどのようにお考えでいらっしゃいましょう。
○八田参考人 お答え申し上げます。 初めの資料提出命令というのですか、義務づけるという、それは私企業の現在の条件からして私は非常に困難ではないかと思います。現在もうすでにできているものを、それがいいとか悪いとかというような審議あるいはそれが有害かどうかというような審議だとずいぶん話が違うと思うのですけれども、これから開発のものに対してはかなり困難なことじゃないかと思います。 それから、もう一ぺんやり直すかどうかという御質問でございますが、私自身としては、先ほど申し上げましたように、現段階で最良の、自信のあるものがよくやれたと自負しております。けれども、これは私の個人的な意見でございますから、政府なりあるいは中央公害対策審議会御自身なりにやり直すお気持ちがあればおやりになることは当然可能だろうと思います。私自身の考えはいまのところ私は自信があるというだけのことであって、それはほかの方の御評価にまつことだし、それからそういう権限は私にはございませんけれども、ほかのほうには十分あるだろうと私は想像します。
○土井委員 豊田参考人に次にお伺いしたいのですが、お伺いをするのに先立ってちょっと確認をしておきたいことがございます。 それは七大都市自動車排出ガス規制問題調査団、これからは調査団というふうに申し上げたいと思いますが、この調査団の行なった技術予測に反論が十分になされていないという旨の御発言が先ほど柴田参考人からございました。 そこで前もって確認をしたいのは、柴田参考人についてまずお伺いをしたいと思うわけであります。 技術予測に対してお出しになった調査団からの報告書、それから問い合わせに対して十分な反論が自動車業界のほうからあったというふうにはお考えになっていらっしゃらないようでありますね。事実を少し確認させてください。
○柴田参考人 それがあったとは考えておりません。
○土井委員 自動車工業会の中でもメーカーがいろいろあるわけでありますが、メーカーの中で十分な反論が加えられていないということが特に顕著なメーカーがございましたらこの節あげていただきたいと思います。
○柴田参考人 全体のメーカーとしまして、公といいましょうか私たちのところのどの何ページはこういう間違いがあるというのは、私の理解ではそういう反論があったとは思いません。
○土井委員 そこでお伺いをいたします。自動車工業会の会長とされまして豊田参考人にお伺いをするわけでありますけれども、これは本来メーカーのほうで不可能なら不可能というメーカー側の積極的な、かつ説得性のある具体的な、不可能であるということについての経過なり実験データなりを提示をして反論をなさるというのが、これは本来市民から見れば当然なさるべきことであろうと思うのです。 現在、柴田参考人に伺いますとそういう御意見でありますから、そこで質問をするわけでありますが、お考えになっていらっしゃる中身は、いま七大都市の例の調査団の報告の中身は非科学的であるので反論するだけの価値がないというふうにお考えになって反論なすっていらっしゃらないのか、それとも調査団報告というのが正当な技術予測であるのでいまだにどうも反論をすることに対して、こちらは手持ちの中身では十分な反論にならないとお考えでいらっしゃるのか、いずれであるかをひとつお聞かせくださいませんか。
○豊田参考人 お答えをいたします。 七大都市の調査団の報告書につきましては、私どもこの御調査にあたりまして各社から資料を出し、また質問にはお答えもいたしましたが、私どもの真意が十分に理解されなかったのははなはだ残念に考えております。また七大都市調査団の報告書には、自動車メーカーの努力を十分にお認めいただけなかったこと、また技術的可能性の推論に無理があること、それからリードタイムについてのお考え方が私どもの実際とは合わないことなどが二、三といいますか、承服できない点がございます。 以上です。
○角屋委員長 土井君に申し上げます。 社会党の手持ち時間があと約二十分でございますので、岩垂君の質問とも関連をして結びにしていただきたいと思います。
○土井委員 いまお伺いをした豊田参考人の御意見からしますと、そういう旨を具体的に披瀝なすって自動車工業会としてはお答えをお出しになっているわけでありますか。
○豊田参考人 自動車工業会としては反論を出してはおりません。私どもは出しておりませんで、この報告書を公害規制問題に対する一つの御意見として承っております。
○土井委員 以上で終わります。
○角屋委員長 岩垂君。
○岩垂委員 最初に私は、柴田先生に伺いたいと思うのですが、東京都が住民と協力をして環状七号線の大気汚染状況について合同調査を行なったというふうに伺っておりますが、そのデータの中で一番NOxによる汚染値が高いのはどのくらいになっているか。そしてそれは環境基準の何倍ぐらいになっているかということ。それからこれはできますればでけっこうでありますが、東京都は従来から大気汚染状況を定期的に調査されてこられているというふうにも私は承っておりますので、そのデータの中で一番汚染値が高いのは一体どのくらいになっているか。それは固定発生源の問題もありますから、この際は、できれば自動車と考えられる地域でけっこうでありますが、その数値と、それは環境基準の何倍ぐらいに及んでいるかということをちょっと伺っておきたいと思うのであります。
○柴田参考人 ただいまの御質問の環七の沿線の調査は、十二月五日、六日にいたしまして、午前の十時から翌日の十時までいたしました。これは杉並の和泉町でございますが、一番高い値は夕方でございますが、〇・一四ないし〇・一五〇、六時から七時、このときに〇・一五〇という値を出しております。これは、環境基準値〇・〇二の一時間規制値ではございますが、この〇・〇二に対しましては七倍ないし八倍、それからただいまの全体の平均をしましても二十四時間値で約〇・一で、これは環境基準値の五倍、こういう高さでございます。
○岩垂委員 いまのは環七ですけれども、東京都全体で定期測定をしたそのデータをお示し願いたい。
○柴田参考人 四十八年でございますが、これは新宿の衛生研究所の場所でございますが、新宿で〇・四二という値が出ております。これは一時間値ではございますが、環境基準の先ほどの値からは約二十倍、こういうことになります。
○岩垂委員 いま柴田さんのお話があったわけでありますが、続いて八田先生に伺いたいと思うのであります。 アメリカの科学アカデミーと技術工学アカデミーが、マスキーさんも所属をしているアメリカ上院の公共事業委員会の依頼によって、大気汚染の研究委員会というものを設置して、一年がかりで自動車排出ガスとマスキー規制の科学的合理性を研究調査した結果が発表になっておりますが、これは八田先生御存じでございますか。
○八田参考人 あるととは存じておりますけれども、分厚いもので私はまだ読んでおりません。
○岩垂委員 この調査報告書というのは、お答えになりましたようにたいへん分厚いものだそうですが、総論といいましょうか、要約報告書というのを拝見をいたしまして思うのですけれども、これはマスキーが所属している委員会で一年がかりで検討をし、しかも御存じのとおりアメリカの科学アカデミーというのはアメリカの最高の学術的権威だといわれているわけですけれども、その調査によりますと、アメリカの都市におけるすべての健康障害の一%の、そしてまたその四分の一が自動車排出ガスに起因するものとすると、米国の都市では年間四千人が排出ガスによって死亡し、四百万人が病気によって活動を制約されているというデータが指摘をされているのであります。アメリカのこういうデータというのは委員会の中で議論なさる余地はなかったのかどうか、その点について承っておきたい。
○八田参考人 おもに私どもがやりましたのは、五十一年度規制が、五十一年度に量産できるような値ができるシステムが実在するかどうかということを議論しておりまして、その周辺のことについては光化学スモッグとか、それがNO2の環境基準とそれからオキシダントと両方ございますので、そういうことは少しは勉強いたしましたが、そういう全体の周辺のことについては、時間的制約もございまして、今回の専門委員会の間ではそう勉強しておりません。したがいまして、いまのことをだれかが詳しく読んで、委員会で報告して論議をする、そういうようなことはいたしませんでした。
○岩垂委員 排出ガスによるところのアメリカの都市部の死者が四千人になるという統計的な計算というのは、日本にこれをそのとおりに類推することは必ずしも科学的ではないのかもしれませんが、しかし人口でいえばアメリカのいわば半分でありまして、二千人の死亡者ということになるのではないかと思うのですが、しかし反面で、可住地面積当たりの自動車の密度というのはアメリカの八倍でありますから、二千人かける八倍という意味でいうと、日本では死者は一万六千人にもなるのではないだろうか、実はこういう計算が成り立つわけであります。 それからもう一つは、これも環境庁もおそらく御検討になっていらっしゃるのではないだろうかと思うのですが、防止費用とそれから、いまのような人間の生命の問題は別にしても、いわゆるそれによって得られるコストベネフィットの計算という問題がどこでもなされていない、こんなふうに思うのですけれども、それらの問題についてこのデータをきちんと示しながら、もう一ぺん日本でこういう検討をなさる、そしてこのデータを社会的に明らかにする必要があると思うのですが、この点について、もし伊東先生、総合部会としてお考えになっていることがあったら承っておきたいと思うのであります。
○伊東参考人 ただいまの御指摘の件につきましては、いますぐその問題について検討するような段取りにはなっておりませんけれども、ぜひそういう検討をさせていただきたいと思っております。
○岩垂委員 別にアメリカだからというわけではございませんけれども、今度のマスキーのいわば出発点でありましてアメリカの世界最高の学術的権威ともいえるこのアカデミーが、きわめて明快な判断を下しているわけであります。それはアメリカのNOxの環境基準というのは実は日本の倍なんでありますが、その倍でもややきびし過ぎる、こういうわけですね。つまり、日本の場合には半分にしたら、〇・二五ではとてもじゃないけれどもゆる過ぎる、こういう見解をアメリカの科学アカデミーが示しているわけであります。特にそれは自動車の密度の問題を含めてこういうデータを出されているわけですが、伊東先生に伺いたいのは、この総合部会の中で、もう環境庁で翻訳してありますから、ぜひこれは御検討いただきたい、そのことを伊東先生にお伺いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○伊東参考人 十分に検討するようにいたしたいと思います。
○岩垂委員 伊東先生に、たいへん恐縮ですが、 ついでに伺いたいと思うのですが、中央公害対策審議会の総会というのは一体何年ぶりに開かれたのでありましょうか。
○伊東参考人 はっきりしたことがちょっと私の記憶の中にございませんけれども、環境庁が発足しましてから二回目と思います。
○岩垂委員 総合部会は何回でございましょうか。
○伊東参考人 はっきりした回数を覚えていませんけれども、数回はあったことを覚えております。
○岩垂委員 これは伊東先生にお伺いするのは実は酷なのでありますが、中央公害対策審議会の総会にしてもあるいは総合部会にしても、三年に一ぺんくらいしか開かれてないのであります。つまり、私に言わせれば、環境庁は、たいへん申しわけない言い方だけれども、この総会なりあるいは総合部会というものをむしろ隠れみのに使っているのではないだろうか、こんな感じがしてならないのであります。いま伊東先生がその年月を御自身ですぐ御記憶の中でたどることができないという状況というのは、私はたいへん遺憾な状態だと思うのであります。 そこで、いま伊東先生から伺って、いまの私が指摘した科学アカデミーの資料などもこの総合部会で検討をなさるというお答えをいただきましたので、たいへん私は心強く思うわけですが、総合部会では技術的な面、それから健康被害及び環境を守る立場からの再検討をこの際お願いしたいと思うのでありますが、その点について、総合部会の議論をどのようにリードなさるおつもりか、その点について承っておきたいと思います。
○伊東参考人 総合部会の部会長は和達会長でございますので、和達会長がどういうふうにリードされるかによってきまりますので、私の一存ではきめかねる問題でございます。
○岩垂委員 しかし、大気部会での、この問題についてはある意味で中心的な役割りでございますので、先生の率直な御見解をこの機会に承っておきたいと思います。
○伊東参考人 大気部会といたしましては、自動車公害専門委員会からの報告を受けまして、それを部会として認めて、それに付記条件をつけて部会の結論としたわけでございまして、それから先の問題になりますと、どういたしましても中央公害対策審議会会長の問題になりますので、いまの段階で私がどうこうというのはちょっと申し上げかねる問題でございます。
○岩垂委員 それならば伺いますけれども、この答申は総合部会へ差し戻されたわけでしょう。そうじゃないですか。中央公害対策審議会の総会へ差し戻されたのですか。どっちでしょうか。
○伊東参考人 総合部会に差し戻されたというふうな報道が新聞等に一部ございますけれども、私は差し戻されたという表現であらわされる問題ではないと存じます。十分に慎重に考えるために会長が総会を開き、総会での結論をまとめるために総合部会をお開きになる、こういう御判断だと思います。
○岩垂委員 そうしますと変なことになるのです。総合部会は、もう結論が出てしまっているから、変える余地はない。それから総会でいろいろ意見があったから総合部会に戻したのだ。総合部会のほうは動かない。これはパッキングなのです。一体何のためにこういうUターンをするのですか。まさにこれが隠れみのだと私は言いたいので、あります。そうではなくて、やはり和達会長が言っている意味がどの辺にあるのか。いま伊東先生がおっしゃっているのと私の理解がかなり食い違っておるので困るのですが、総合部会というものに差し戻されたとすれば、総合部会がもう一ぺん総合的に御判断をいただくということが、世間を欺くことにならないのではないだろうかと私は思うのですが、その点について承っておきたいと思います。
○伊東参考人 中央公害対策審議会の中に十一の部会がございまして、その中に総合部会がございまして、大気部会もまた同列にあるわけでございまして、大気部会で答申案をまとめまして、会長にお渡ししたわけでございます。会長の御判断で総会をお開きになり、総会でいろいろの御意見を出していただきまして、その結果を踏まえて総合部会をお開きになる、こういう運びになっておるわけでございます。
○岩垂委員 たいへんくどくなって悪いのですが、その結果を踏まえて総合部会を開くわけですけれども、開かれたときに総合部会は再検討はなさらないのですか。
○伊東参考人 ただいまの御質問は、私一存では申し上げられませんので、会長がおきめになる問題でございます。
○岩垂委員 部会の運営は部会長がなさっておるわけでしょう。部会長がリードされておるわけでしょう。
○伊東参考人 総合部会の部会長は会長がおやりになっております。
○岩垂委員 それでは大気部会としてはその問題についてどのように、総合部会の議論の中にどういう意見を持っていらっしゃるか、もう一ぺんちょっと承っておきたい。
○伊東参考人 大気部会といたしましては、自動車公害専門委員会の報告書を認めまして、それに付記条件をつけて大気部会から答申案として会長にお渡ししたわけでございます。したがいまして、会長のほうであとどう処理されるかは、私どもの部会のほうの問題ではなくて、部会を離れた問題になると存じております。
○岩垂委員 それはここで伊東先生といろいろ詰めてもいたしかたがないことなのですけれども、この大気部会長伊東先生の名前において出された答申といいましょうか報告というものは、「やむを得ないと判断する。」という前提に立って、以下四つの課題を指摘をされているわけですが、一番最後の「低公害車の開発と普及を促進するため」という、全部読みませんけれども、そのインセンティブの問題については、先生はどのような御見解を持っておられるか、その辺について承っておきたいと思います。
○伊東参考人 インセンティブの問題につきましては、環境庁だけの問題でもございませんし、大蔵省その他との関連問題がございますので、軽々しく申し上げるわけにはまいりませんけれども、十分にユーザーが低公害車を用いまして、不利な立場にならないようにインセンティブを与えていただきたい、こういう考えでございます。
○岩垂委員 やはりこういう報告をなさったわけですから、それは大蔵省の問題も配慮しなければならぬかもしれませんのですが、やはり部会としては、一生懸命で開発をした、そういう努力というものを評価をする、同時に、できないところについてはある意味でペナルティーをかけるということが私はどうしても必要だと思うのですけれども、もうちょっと具体的な議論というものはございませんでしたでしょうか。
○伊東参考人 ただいまのインセンティブとかペナルティーの問題につきまして具体的な詰めた議論というのはございませんでした。
○岩垂委員 ありがとうございました。 時間がございませんので、豊田参考人に伺いたいと思うのですが、豊田さんが六月の環境庁の聴聞会では一・〇ないし一・一しかできない、それから暫定値にも反対だという意味のことを述べられております。十月の記者会見では一部の車種では〇・六グラムが可能である、こういうふうに変わってこられたわけであります。マスコミや世論の動きに対してかなり敏感に反応なさっていられるように思いますし、その反応が技術的可能性をさらに一そう濃いものにしているように私は考えられてならないのですが、このように、いわばバナナのたたき売りのように変わってきた経過について一体どのようにお考えになっていらっしゃるか、承っておきたい。
○豊田参考人 私どものほうは〇・六ができるということを申し上げた記憶はございません。私どもの申し上げていることは変わっていないつもりでおります。
○岩垂委員 もう時間がございませんので、どうもたいへんかっこうが悪いのですが、五十一年四月からの暫定時期の緩和を求めるというふうなことも発言なさっておられますね。つまり規制基準が下がって、その上に暫定基準さえ延期を求めるということを、豊田さん、どこかで記者会見でしゃべっておられますが、それは真実ですか。
○豊田参考人 私どもは、先ほども御説明申し上げましたように、五十年規制に対するフォローアップの問題を非常に重要視いたしておりますので、私どもの考えとしては、五十年規制のまま二、三年継続をしていただいて、その後に暫定値をおきめいただきたいというふうに申し上げたつもりでございます。
○岩垂委員 先ほどお話しをいただいた中で、かなり奥歯にもののはさまった言い方をなさっているわけであります。たとえば十分なリードタイムがほしいというふうな意味のこと、あるいはもう一ぺん、五十一年の二年延期をここで固めてしまわないで、やはりもう少し時間的余裕がほしいんだというような意味のことも、やや奥歯にもののはさまった言い方ではありますが、おっしゃっているわけでありますが、そういうことが私はやはり問題だろうと思うのであります。今日まで国民の前に、国民の健康やあるいは生命を守っていくという角度でなさった努力の足あとが、私たちの前には見つけることができない、そういうふうに思わざるを得ません。 この意味で、今日の時点で、つまり三木総理大臣が実現をして、そして三木さんが、年内にやろうというのを少し延ばした、こういうことなんでありますが、これについて、最後でありますが、柴田先生に伺いたいと思うのです。 三木さんがそういうふうに延ばしたことに対する評価と、同時にそれがもう一ぺん総合部会で何となく同じ形でもってしまっていくような傾向もあるわけであります。もっと一言申し上げますれば、政治のレベルに上げて処理していくという考え方もないわけではないと思うのでありますが、これらの点についての、この段階での柴田先生の御見解を承っておきたいと思います。
○柴田参考人 急速にこの自動車公害専門委員会の結論がそのまま総会も通らずに結論となるのではないか、それを市民の一員として私たちたいへん心配していたわけでございますが、今回こうした形で、ただいまの御指摘のような形で、総会からさらに総合部会でございますか、ここで再審議される、こういうことはたいへん幸いでございます。 ただ、私たちとしましては、たとえば自動車の問題といいますと、大気汚染が中心でございますが、騒音、振動、いろいろな問題がございますし、エンジンだけではなしに、一方ではこういうもっと広い問題、さらに市民の声というものをぜひそこに盛り込んでいただきたい。またわれわれもわかる限り、できる限り何か御協力できればそれをしたい。そして広く国民の納得のできるよい線、一番可能なできるだけの線というものを突き詰めていただきたい、こう考えております。
○角屋委員長 木下元二君。
○木下委員 私は、中公審関係の参考人に伺いたいと思います。 まず、八田参考人でありますが、中公審の自動車公害専門委員会の四十九年十二月五日付の報告の内容に関してであります。これがずいぶん後退をしておる、環境行政の大幅後退だということで、自治体や住民団体からもきびしい批判が高まっております。この国民的な批判は当然だし、さらに一そう高まっていくものと私は思います。 そこで、この報告の中身についてでありますが、先ほどからも指摘をされておりますように、五十一年度から〇・四グラムで達成できるということを東洋工業は言っております。すでに〇・六の車が走っている。これは東洋工業ばかりではなくて、本田の車も走っている。こういうことであります。 東洋工や本田ができるのに、大手のトヨタや日産ができないはずはないわけであります。総力をあげてやれば必ずできると思います。燃費やドライバビリティーの問題等々、若干格差はあるにいたしましても、それらは企業努力で克服できると思うのです。もしどうしても達成できないというならば、エンジンをほかのできる企業から買うことだってできるのです。企業の利益よりも国民の健康を優先する立場に立つならば、これは当然のことだと思います。どうしてこの国民の健康を優先する見地に立たなかったのか、この点を伺いたいと思います。
○八田参考人 委員会といたしましては、十分に国民の健康の立場に立って判断してきたつもりでございます。五十一年の時点で量産し得るような技術レベルというものを評価した結果、そういう結論になった次第でございます。 それで、先ほど東洋さんで〇・幾つですか、本田さんで〇・六。本田さんで確かに〇・六ぐらいの平均値のものを出しておられますが、規制値が、先ほども申しましたように今度平均値として〇・六ということになりますと、〇・五ぐらいですか、〇・四から〇・五ぐらいのものができないと、平均値〇・六という規制値はミートしないわけでございます。東洋さんも確かに〇・四、そうすると、もうちょっと大きな規制値でなければいかぬと思いますけれども、それにしても、平均値が〇・五のものよりは〇・四のほうがいいわけですから、そういう点はあまり——規制値は一本にするのかたてまえなのを、やむを得ず、いまのをあまりこまかくするとかえって不公平も起こってくるというふうなことから、先ほども申し上げたことでございますが、ああいうふうな規制にいたした次第でございます。
○木下委員 私はもう時間がありませんので、ここで議論はいたしませんけれども、たとえば東洋工だって〇・四で量産ができるということをはっきり言っているのですよ。この〇・六と〇・八五という許容限度は、国民の健康を守るという見地に立つならば、これはできなかったことだと私は思います。 もう一つの問題としまして、報告によりますと、昭和五十一年度からのいわゆる暫定値が示されましたけれども、五十一年度規制の当初の目標値をいつから実行するかの点は、何ら明らかにされておりません。中間答申で示されました五十一年度規制は、五十一年四月から行なわれるということでありますが、かりのそれが困難だというならば、何年何月からこれを行なうということを明記するのが当然だと思うのです。この点でも、前の答申から大きく後退をしておると思うのですが、これはどうしてですか。
○八田参考人 お答え申し上げます。 期限は、だから五十一年が五十三年になったというわけでございます。そこにちゃんと書いてあるつもりでございますけれども……。
○木下委員 この五十三年度を目途というようなあいまいな、不明確なものではなくて、きっちりいつからという期限をどうして付さなかったかということを聞いているのです。
○八田参考人 この前の四十七年のときにも、私どもでは五十一年規制目標値、それを目標とすべきであるという表現で答申した次第でございます。それと同じような意味で、今度も五十三年に〇・二五ができることを目標とすべきである。 先ほど来、最初のときにお話し申し上げましたように、前は、そんな値は私個人的には不可能であると考えておったのですけれども、それがそういうきつい規制をすることの効果によりまして、今日では、先ほど申し上げましたように、五十一年ごろになればかなりの、少なくとも軽量車などでは〇・二五なんというものが実現可能である、そのシステムは三つぐらいある、あるいは五つと言っていいかもしれませんが、そういう説明を最初にいろいろ申し上げましたけれども、それから技術評価のところにも詳しく書いてございますけれども、そういう意味で、五十三年のときには、前に比べればはるかに目標値としてそれが達成される確率は高い。 ただしそれを、ではそのときにあらゆる車について絶対にできるかどうかということになりますと、もし触媒が開発されて、しかも触媒に対しては非常な勢いで進歩しつつあるわけでありますけれども、触媒さえできればあらゆる車で絶対に達成できると申し上げていいと思います。ところが、触媒というものが多少当たりはずれがあるものですから、そのためにそれのほうは技術予測が困難である。技術予測の非常にしやすいほうのシステムですと、軽量車なら十分達成できると思いますが、大型車においては多少まだ一るの危惧がある、これは私の個人的な見解でございます。
○木下委員 第一メーカーは、期限を切らぬと本気でやる気でやらぬでしょう。期限を切ってもルーズにやるのに、期限を切らなかったら、それこそ本格的な努力は期待できないと思うのですよ。これは八田参考人はどうですか。この期限の点は少なくとも何年何月からというふうに、五十三年四月からというように、明確に期限をきめるということは賛成ではないのでしょうか。あるいは委員会としてそこまでというお気持ちがかりにあるとしても、少なくとも環境庁の告示で明確に期限をいつまでにやるということをきめるということについて、どう思われますか。
○八田参考人 私個人は、五十三年度というものは、この前の四十七年ですか、あの和製マスキー法のときの五十一年と全然回し意味を持っておるものだと考えております。その表現につきましては、委員会で逐条審議いたしまして、委員の皆さんの審議の結果、そういう表現が一番いいということでそうなったわけですから、表現については多少御批判があるような表現が付されているかもしれませんけれども、それは私の一存で変えることもできませんが、私自身の考えは、要するに五十一年といっていたものが五十三年で、したがって暫定値はその二カ年間しか通用しない、そういうふうに考えております。 けれども、その次にさらに全部が〇・二五ができるのかどうかについては、先ほど私の考えは申し上げました。
○木下委員 二カ年延期で当然五十三年四月から〇・二五が適用されるということにはなっていないので、私は聞いているのですけれども、そういう不明確な点を残しておるという不十分さがあると思うのです。 それからもう一つ、この報告では「四サイクル・エンジンの軽自動車については、技術的困難さがあることに留意する必要がある。」というふうにいわれております。これはどうせよということなのかはっきりしないのですが、どうして軽自動車については数値を出さなかったのでしょうか。短い時間ですので、簡単明瞭に答えてください。
○八田参考人 軽自動車では三百六十ccというワクがございますので、先ほど申しましたように、車の目方の割合にエンジンが非常に小さいのです。そうしますと、ある測定モードで測定いたしまして、何グラム・パー・キロという値にするものですから、非常にNOxが出やすいような状態のところを使わないと、軽自動車では走れません。 したがって、軽自動車では、目方からいいますと一トン以下ですから、〇・六というのがかかるわけですが、〇・六という値は軽自動車では、フォアサイクルではそれは実現できないということが明確なものですから、それについてはもう少しツーサイクルの問題等、いろいろございますので、軽の問題は行政ベースでその辺はよく配慮して実行できるような形のものにしてくれ、そういうような意味でございます。
○木下委員 少なくとも専門委員会として専門的な検討を加えて答申をする。したがって、ただ何となく留意をしてくれというようなことでなくて、やっぱり具体的な正確な数値を出してやるべきじゃないか、こう言っているのですよ。この点は専門委員会の報告としては不明確のそしりを免れないと思うのです。詰めが足りないといいますか、この点はいかがですか。時間がなかったということでございますか。
○八田参考人 時間がなかったということよりも、明確にできなかったと申し上げたほうが正確だと思います。要するに軽自動車では〇・六という値は困難である。では幾らまでの値にすべきかということになりますと、現在軽自動車が運輸省や環境庁、通産省の間で、フォアサイクルでは、あのままで軽というのは三百六十ccでは車にならないからというようなことで、ccを大きくするとかいう話も出ておりますし、それからツーサイクルのほうでは、先ほどもありましたように、ハイドロカーボンができないからゆるめろとか、いろいろな話が出ております。そういう意味で、軽のほうはいまのところ一種の過渡期のような状態でして、それを明確に数字であらわせるような状態にないというのが委員会の判断でございます。
○木下委員 伊東参考人に伺いますが、十二月十日の大気部会で、専門委員会の報告をまとめて答申案として会長にお出しになったわけでありますが、専門委員会の報告はやむを得ないというまとめになっております。 しかし、その後の経過を見ますと、御承知のように、それが答申としていまだに出されず、会長預かりということになって、十七日の総会では総合部会にはかって答申をつくるということになったわけであります。共産党の米原議員からも、十日の日には大気部会に再検討の申し入れをしていたわけであります。 こういう経過に照らしても、大気部会の審議とそのまとめというものは、いささかずさんではなかったかと思うのです。三木総理も慎重審議をということを言っておりますし、そしてその結果、いまだにとまっているわけですね。こういう経過をあわせ考えますと、少し急ぎ過ぎたきらいがあるのではないか、こう思うのですけれども、率直な部会長としての感想を、簡単でけっこうですから……。
○伊東参考人 大気部会といたしましては十分に審議をした結論でございまして、あとの問題につきましては、会長の御判断で総会あるいは総合部会というふうに運んでおいでになると判断しております。
○木下委員 先ほど藤本議員の質問に対してお答えになったことですが、今度の大きな後退によって、NOxの減少はスムーズに達せられないと思うのです。一体改善がどれだけおくれるかということが問題になると思いますが、この点は一体大気部会の中で数字的に押えたことなんでしょうか。部会として数字的に押えたということを責任をもって言えるのかどうか。あるいはそうではなくて、先ほど言われたことはあなた御自身のお考えということなのか。この点はいかがですか。
○伊東参考人 大気部会といたしまして、少し長い時間で判断した場合にどうかという判断をいたしました。五十六年の時点でどうかというふうな判断をいたしております。検討しております。
○木下委員 そうしますと、数字的にきちんと押えを出してやったというならば、それは出してもらえますね。明らかにしてもらえますね。
○伊東参考人 お出しできると思います。
○木下委員 それではその点は私のほうで、お出しいただいて、それについて検討したいと思いますので、よろしいですね。どうですか。
○伊東参考人 お出しできると思います。
○木下委員 もうあまり時間がありませんので、一つだけ聞いておきますが、専門委員会の会議録をぜひ拝見いたしたいと思うのですが、これは八田参考人、拝見てきますね。——ちょっと、私は、そのうしろのほうでいろいろ言われずに、参考人に聞いているのですよ。参考人、そういうことを聞かぬとわかりませんか。
○八田参考人 環境庁のいろいろなしきたりもありますから、私、聞いておったわけでございまして、私としては出してもいいんだろうと思いますけれども、一委員会で——環境庁にはたくさん委員会がございまして、一つの専門委員会が先例を開くということに対しては多少やはり配慮すべきではないか、だから一応聞こうと思っていたのですけれども、聞いちゃいけませんでしょうか。
○木下委員 これは中公審として独自に自主的に、何も——一体、中公審は環境庁の手足になってやっていることなんですか。いまのやりとりはまさにそれを私は暴露しておるように思うのですよ。これは中公審として自主的に審議をし、そして結論をお出しになる、これがたてまえでしょう。その会議録をお出しできるかどうかについてなぜ一々環境庁のほうに了解を得なくちゃならぬのですか。
○八田参考人 私どもがやりました技術的な審議に対しては、完全に自由にかつ何の制約もなく、自分で十分納得するように、全委員が納得するようになったと思っております。ただし、環境庁の委員会の運営のしかたとかなんとかというようなものは、一つの環境庁としての慣習もあるでしょうし、そういう運営のしかたとか発表のしかたとかいうものは、中でほんとうに審議したということとは必ずしも同じ次元のものではない、そういうふうに私は考えております。
○木下委員 ひとつ八田委員長として、その専門委員会の委員長としてお考えいただきたいのですが、この報告をすでにお出しになったわけです。この段階で特にそれを秘匿しておかねばならない理由は何ら考えられないと思うのですね。もしそれをいまだに見せられないというならば、その理由を聞かしていただきたいと思うのです。理由はないと思うのです。
○八田参考人 最後に技術の評価に対する資料は、十分拝見していただければ結論はわかると思うのですが、中の議事録自身は、何と言いましょうか、必ずしも表現なんかがちゃんとしているかどうかわかりませんけれども、別に私個人としては出して一向差しつかえないものだ、そういうふうに思っております。
○木下委員 その審議の結果は報告を見ればわかる、それはそうですけれども、その審議の結果とともにその審議の過程が大事なんでして、これがどうであったかということもこれは国民の前に明らかにしてもらいたいと思うのです。そういう角度から伺っているわけであります。 それからもう一つ伺いたいのは、メーカーからの資料、これは企業秘密ということも言われましたけれども、そのメーカーからの資料以外の資料は何と何があったのか、そのコピーをお見せいただきたいと思うのです。
○八田参考人 いま、何と何があったかということは記憶しておりませんけれども、それは、はっきりわかっておるものは、たぶん資料は議事録に書いてあると思いますから、企業秘密に関係ないものならそれはもちろんお出しできると思います。
○木下委員 それは何と何があったかということはいま言えませんか。先ほどもちょっと言われておったと思うのですけれども、外国の資料があったとか言われておりましたけれども、いまここでもし言えなければ、それでは後ほどそれはコピーをお願いしたい。 それから、先ほどの会議録の点は個人としては見てもらってもけっこうだけれども、というようなお話もあったのですが、もう一度伺っておきますけれども、それは環境庁の了解を得なければお見せできない、こういうことですか。
○八田参考人 私はそのほうがベターだと思っております。
○木下委員 私はもう時間がきましたのでこれで終わりたいと思いますが、いまの八田委員長の答弁の中で明らかになりましたのは、この中公審、特に専門委員会がほんとうに自主的な立場でこの問題を審議をしたのかどうか、きわめて疑いがある。先ほども言われましたけれども、環境庁の隠れみのではなかったかということが出ましたけれども、そういう疑いを私は強く持ったわけであります。そのことを指摘いたしまして、これは環境庁に対しましてまた別の機会にお尋ねをすることにしまして、質問を終わりたいと思います。
○角屋委員長 米原昶君。
○米原委員 私も、ただいまの質問にあった点と関連しますが、八田参考人にお尋ねしたいのです。 自動車公害専門委員会の報告が十二月五日に出されたあとで、この報告が日経産業新聞に連載されました。ここに置いております。ところが、この日経産業新聞に載ったのと、そのあとで私たちが正式にいただいた専門委員会の報告とでは違う個所があります。それが簡単な個所ではなくて非常に重大な個所であります。 というのは、こういうところであります。「さらに、NAS(全米科学アカデミー)の報告書によれば、日産はEGRと酸化触媒とにより低減対策を行った一九七五年型開発車(行程容積九十八立方インチ、等価慣性重量二千七百五十ポンド)の二万四千五百マイル耐久走行後においてLA−四モード・テストで一マイル当たりCO三・八グラム、HC〇・四八グラム、NOx〇・九五グラムと米国連邦規制を達成している。特にNOx排出量は十モードよりも排出量が多いといわれるLA−四モード・テストにもかかわらず、一キロメートル走行当たりに換算すれば〇・六グラムというレベルに既に到達していた。したがって上述のデータから判断し、改良EGRを用いることにより〇・八−〇・九グラムを達成することは不可能とはいえない。」こういうような重要な個所ですね。これが日経産業新聞には載っておりますが、あとでいただいたこの正式の報告書にはここが脱落しているわけであります。 これはすでにお聞きになっていると思いますけれども、どうして正式の報告書ではこの重要な部分がすっぽり抜けてしまったかという点なのです。原案としてあったのか。原案にないものを日経産業新聞が入れたということはちょっと考えられないのであります。おそらく原案としてはあったと思いますが、あったならばどのような段階でこれを削ったのか、一体だれがこの部分を書いてだれが削ることを主張したのか、こういう点をはっきり教えていただきたいのであります。
○八田参考人 いまおっしゃったデータは、原案といいますかそれにはあったのを、委員会で事実上逐条審議をしていく途中におきまして、これはどなたか忘れましたけれども、とにかく委員の中からいまおっしゃったデータは、NOxについてはミートしているのですけれども、あとのハイドロカーボンとCOについてはミートしていないわけです、日本の環境基準に。それでそういうものを出すことはかえって誤解を招いて混乱させるばかりだから取るべきであるというような強い御発言があって、そしてほかの委員が賛成されたために削除されたものだ、そういうふうに記憶しております。
○米原委員 ほかのCOとかHCとかそういうものとの関連は確かにあるかもしれぬ。しかし、この部分は、ここがはずされますと、——この車の等価慣性重量二千七百五十ポンドは千キログラムのクラスを若干オーバーする値でありますが、違うといっても、CO、HCについてもほぼ五十一年規制に合う値であります。とすれば、当然千キログラム以上、〇・八五という数字の根拠がくずれることになる、これは明らかだと思う。すると、これは意図的にはずしているのじゃないか、こういうふうに考えざるを得ないのです。どういう根拠でだれが一体これを削ることを主張したのかお聞かせ願いたい。
○八田参考人 どの委員が言われたかということはいま私も記憶しておりませんけれども、とにかくある数人の委員から、こういうことは先ほども申し上げたような理由で誤解を招くから取るべきだというような御発言があったと記憶しております。そしてそれが〇・八五をそのためにどうとかという意味はなくて、要するに一番最初に申し上げましたように、ハイドロカーボン、COというようなものとNOxというものは、片っ方を押えると片っ方が出てくるというようなものがございますので、やはり全体のバランスとして全体の数値をながめなければいけないという点がございますので、そういうものは——それは載っけてもかまわないとは私は思うのですけれども、そういうような意味合いの御発言がございまして削除したと思います。
○米原委員 だから繰り返して言っているのですが、確かにちょっとでこぼこはありますが、COもHCもほぼ五十一年規制を達成している数字ですよ。その点で、これをくずしたというのはまさに意図的にやったとしか考えられないのです。 もう一つありますが、先日参議院でわが党の沓脱委員がアメリカの官報、フェデラル・レジスターに出ているデータについて八田さんに質問いたしました。ところが、八田さんはそのときに、知らなかったという答弁がありました。先ほどはいろいろ外国の資料も調べたという話ですが、こういう点でも専門委員の報告書は非常に不十分な点があり、あいまいではないか。これは非常に重要な点であります。もっと突き詰めて討論すれば、〇・八五なんというような数字じゃなくて、現実にアメリカはすでに二年前にそういう数字が出ている、こういうことがはっきりわかっているわけでありますから、不十分な点があったことを認めるのが当然じゃないかと思う。いかがですか。
○八田参考人 お答え申し上げます。 ただいまハイドロカーボン、COについてもほとんどたいしたあれはないとおっしゃいましたけれども、いま見ますと、これは、ハイドロカーボンについては七倍ぐらいオーバーしておりますし、だから、そのハイドロカーボン、COがそういうふうにオーバーしますと、NOxのほうは減らし得るわけでございまして、この前のレジスターの値も、明らかにハイドロカーボン、COがはるかにオーバーしておる、そういうふうに考えております。
○米原委員 それでは自工会長の豊田参考人に聞きます。 実は、先ほど社会党の島本委員の質問に対してお答えがありましたが、それにちょっと関連するのです。というのは、前々から日本では輸出車よりもはるかに多量のNOxを排出する車を押しつけておいて、外国には、アメリカにはアメリカの基準に合うように、そうでない車を売っているじゃないかという問題であります。この問題について、豊田さんは先ほどCO、HCについてはアメリカの基準は日本の二倍以上だから、幾らNOxが低くても日本の規格に合格しない、こういうふうに答弁されました。確かに来年以降、五十年規制を実施する段階では日本の規格に合わないことになることはわかります。しかし、現在ではこれは合いますよ。現在または以前についてはそうではないとはっきりいえます。アメリカの七三年、七四年規制のCO、HCの規制は日本の四十八年規制、現行の規制とほぼ同等であります。その意味では日本の規制に合格します。フェデラル・レジスターを見ますと、日産が〇・七、〇・八、トヨタが〇・九、一・〇程度のNOxの車をアメリカで売ってます。そうだとすると、さっきの答弁はおかしいじゃないか、いままでもそういうことをやっておられるじゃないかということなんです。この点について明確に答えてもらいたい。
○豊田参考人 現在私どもがアメリカへ出している車が、現在の日本の規格に合致しているかどうかまで、いまちょっとここで資料を持っておりませんが、しかしながら、現在アメリカへ出している車と同じようなものを私どもで現在出すことば、五十年の規制に対処する車を出すことをおくらす結果に相なりますので、私どもとしては五十年規制の車を確実に間に合わすために、現在は、従来の日本の規格、四十八年規制に合うものを製造し、販売しておるわけであります。
○米原委員 実はその問題については、もう三年、四年前からこの委員会で議論になっていることであります。輸出車に対しては公害対策を行なって、国内車では手抜きをしているということが、本委員会でも何回か議論になりました。当時の自工会長の川又さんもこの委員会でそれを認めておられるわけなんです。四年たったいまでも同じような考えであります。この点、変えるという声明があったはずであります。同じじゃないかという点を痛感するわけであります。 それから、技術の問題は企業秘密でいろいろ逃げておられるのですが、実をいうと、技術の問題についてはもういまから四年前、一九七〇年です、昭和四十五年に自工会で決定されたということが、その当時の新聞にも何回も出ております。たとえば七〇年、昭和四十五年の三月十三日の朝日新聞とか、その当時の、昭和四十五年の二月二十日の日本経済新聞、これを見ますと、「国内の自動車メーカー十二社は最近、四十六年末を目標に公害をまき散らさない自動車の開発に乗出した。さらに各メーカーはこのほど個々に開発した公害と安全に関する特許、工業所有権を互いに開放し合うことを申合わせた。」「日本自動車工業会でも最近の理事会で各社が公害対策技術の特許公開を申し合わせた」。このことはもう四年前に新聞にも報道されているし、ここでも言われたことなんです。ところが、いまになっても資料は企業の秘密だとかなんとか言って見せない。これはおかしいんじゃないか。こういうことがあったということを全然知られませんか、工業会は。
○豊田参考人 先ほども申し上げましたように、特許は相互に利用することができるという申し合わせをいたしております。それで、いまおっしゃった新聞が出たころの時期のことはいま詳しく記憶をいたしておりませんけれども、ほぼ同じ趣旨のことを書いておるように考えます。 なお、企業秘密の問題は、特許になるかならないかの手前の時期の問題であろうかと存じます。
○米原委員 もう時間がありません。企業秘密の問題、これは非常に重大であります。これでひっかかっているのです。当然企業秘密を公開するのが原則である。それができなければ、私たちは最高の国権機関として国会でこれをきめてやらざるを得なくなるのであります。国民の健康と生命を守ることが第一であります。コストがどうだとかドライバビリティーがどうだとか、そんな問題は二の次、三の次の問題であります。それで何かコストが高くつくからこの問題が延期されるということは許されないことであります。根本的なその考え方です。その点では、当然企業秘密と称されるものも国民の健康を守るために公開すべきである、こういう立場であるということを申し上げまして、それについてはいままでのような態度をとられるならば、当然そういう措置をとらなくちゃならぬ。そういうことが何か自由経済を守ることであって、そのために政治献金やるなどといったらますますけしからぬことであります。私たちは断じてそういう態度は許せない。こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。
○角屋委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 最初に、柴田参考人にお聞きいたしますけれども、今度の中公審の答申というものを見ますと、その前に大気部会で決定をした。その一番中心になりますのが自動車の公害専門委員会でありますけれども、この委員会の構成、これに若干私は問題があるのではないかというように考えられるわけです。 たとえばエンジン問題、エンジンのオーソリティーといわれるのは八田委員長、それから自工会の家本さんという委員は日野自動車の会社の方でありまして、あと工業技術院の八巻さんというのは触媒の専門家、あとは医者とか、石油業界から一人とか、運輸省、警察庁から一人、衛生試験所から一人あるいは伊東さんという方が出ておりますけれども、これは気象の専門家。 こういうことを見ますと、実際のエンジンの専門家というものは八田委員長だけである、こういうふうにも考えられるのです。したがって先ほどからの論議を聞いておりましても、非常に勉強不足だといわれる。時間的な制約があったということもありますけれども、この打開策、これをどういうように考えておられるか、ひとつ七大都市調査団長の柴田さんから御意見を承りたいと思います。
○柴田参考人 私、この委員会の審議の全部の議事録を拝見しておりませんのでわかりませんが、しかし、私たちが十一月の六日に四時間にわたりまして自動車公害専門委員会の方々ととっくりとお話をする機会が与えられまして、いろいろ幸いな機会だったと思うのでございます。ただ、自動車専門委員会では、私のその場の印象では、むしろエンジンと申しますかその辺がかなり論議の中心で、委員の方々の関心の中心ではなかったか。先ほどもお話にありましたように、騒音の問題であるとかその他の公害の問題、健康の問題というものがどこまで詰められていたのか。現在の業界のエンジンの開発の現況、これがおもに議論の中心ではなかったか。また発言中、私たちたいへん当惑いたしましたのは、委員の中で、われわれ業界としてはこうであるというようなことから発言が始まる委員もございまして、この点で私たちとしてはたいへん当惑したのでございます。 私の印象としては、ただいまの御指摘もございましたが、ぜひ市民の声、現在環七でありあるいは神戸の四十三号線、全国的にいろいろ自動車公害一般の問題で困っておるわけですけれども、そうした市民の声あるいはそれを代表する自治体の代表、そういう方々の声あるいはそういう方々の組織というものはここにないのじゃないかということを私たちその四時間を通じて痛感した、このことだけ申させていただきたいと思います。
○岡本委員 そうしますと、あなたの感触では、中公審の専門委員会の皆さんとお話ししたときに、要するにエンジンの開発問題ばかりが焦点であって、そして肝心の五十一年度規制の一番よって来たるところは何かというと、やはり国民の健康を保持する環境基準を守る、この環境基準によって市民を守ろうとする、それが一番の目的でありますが、そういった声が非常に少なかったということでありますが、この点について八田委員長のひとつお答えをいただきたい。
○八田参考人 先ほどエンジンの専門家が私だけだというようなお話でございましたけれども、委員は、先ほど一番最初に私の陳述で申し上げましたように、ここに名前かございますけれども、伊東委員は大気部会長であられますが、これは確かに気象の御専門家でございます。それから喜多委員というのは、現在運輸省で新しい車の審査なんかをやっております交通安全公害研究所の交通公害部長、これはそのほうの行政官の審査部じゃなくて、研究官のほうで、これはずっとエンジンの公害の研究を運輸省のその研究所でやってこられた方で、エンジンのことでは非常に詳しい方であります。それから片山さん、これは石油連盟の公害対策委員長で燃料の専門家。それから外山さんという方は慶応大学の医学部の教授で、二次公害なんか多少お話を伺いましたが、公衆衛生の方でございます。それから塙さんというのは科学警察研究所の交通部長さんで、この方は交通方面の専門の方だろうと思います。それから山家さん、これは通産の機械技術研究所の次長でございますけれども、この方は課長時代に学位論文を取られましたが、それは自動車のエンジンの燃焼の問題で学位をとられたような方で、きわめてエンジンのことに詳しい方でございます。それから八巻さん、先ほど触媒の専門家とおっしゃいましたけれども、化学屋さんでございますけれども、これも通産省の公害資源研究所の公害第二部長でおられまして、化学屋さんでありますからもちろん触媒も特にお強いことはお強いのですけれども、一番最初に通産省の中で自動車の今日のようないわゆるCVS測定法及びシャシーダイナモでああいう測定をちゃんとやれる設備をつくって、自動車の公害そのもの、エンジンそのもののことについて一番古くからやられておりまして、化学屋さんですけれども、エンジン、機械はある意味において私ども以上に十分実際に知っておられる方でございます。それから山手委員、これは国立衛生試験所の環境衛生第一室長をやっておられまして、これは公衆衛生のことと同時に分析のことが得意なものですから、測定法のことについてはいろいろやっておられます。それからあと家本委員というのは、これは自動車工業会の安全公害委員会の委員長でおられます。これはもちろんエンジンの専門家でございます。だからそういう意味でエンジンの専門家が少なかったとは思っておりません。 それから、われわれの委員会が五十一年のときにどういう一みんな環境庁のヒヤリングに対して全メーカーがノーと言った、ノーと言ったけれども、どういうようなところまでなら技術的な可能性があるのかという、そういうことを調べるのが主目的であったわけでございますから、おのずからその方面の仕事に最大の努力をしたことは事実でございます。 そのときに、いわゆる環境庁の委員会ですから、先ほどおっしゃいました経済との調和ということが公害基本法からなくなったということは非常に大事なことでございまして、ところがやはりその委員の中の特に技術系の方は、とかくやはり技術者なものですから、そういうようなことが委員会の席上議論にはなりました。そのつど、われわれの委員会はそういうことを考慮すべき委員会じゃないのだ、それは通産省なり運輸省なりで考えていただくべきことであろう。たとえば燃料消費の問題が云々ということになったこともございますが、そういう問題は資源節約という問題であるならば通産省のほうで、たとえば交通機関、自動車なら自動車のほうにどれだけの燃料を割り当てるかという問題として処理されるべきだろう。そんなようなことで、そういうことをいろいろチェックいたしまして、人の健康を守るという公害基本法の立場に立って技術評価を進めてきた、そのつもりでございます。
○岡本委員 そうしますと、あなたのそういう考え方に立って、そして四十七年度に五十一年度規制の答申を発表した。このときに、これだけの権威ある皆さんがやったのであれば、四十七年度に審議したときに、五十一年度にはできるであろうと、こういう見込みを立てて、そして五十一年度規制の〇・二五グラムですか、これを答申を出したのですか。いかがですか、これは。
○八田参考人 先ほども実はお答えを申し上げたと思いますけれども、四十七年の時点では私はもうほとんど不可能だと思っておりました。それから委員の大部分の方も、技術系の委員の方は、この間もそういう話のときにほとんど同じように不可能だと思っていたということを言われました。ただ、不可能だということを証明はできません。それでマスキー法もございますので、それでそういう高い目標を掲げて、マスキー法的発想といいますか、それによって企業のしりをひっぱたく、あるいは国家のしりをひっぱたく、そういう方法なものですから、あれをわれわれは許容限度設定目標値、目標値としてこの前御答申申し上げたわけです。 だから、そういうような目標値としてやったことは非常に有効であった。五十一年は非常に困難だと思っておりましたけれども、五十年のほうでもかなり困難だと思っておったのですが、五十年のほうはみごとそのとおり成功したわけです。しかも五十一年度も先ほど来お話ししていますように、かなりの程度——前には私はほとんど完全に、いかに技術者として明がなかったかと御批判いただくことになると思いますけれども、ほとんど完全に不可能だと思っていたのが、今日では、かなり可能性が高い、むしろある車だったら必ずできるのではないかという気がいたしております。
○岡本委員 五十一年のときにこういうようなものはできないであろうというのを予測して、そして同じメンバーで出していたということは、また今度もこれは同じことになるのじゃないのですか。ですから、一部のメーカーでは、もうこれでけりがついた、自動車排気ガス規制についてはもうこれで暫定規制でけりがついた、こういうような考えを持っているところもあるのです。今度は自信を持って、二年延期すれば実現ができるという、あなたもエンジンの専門家ですからね、どうですか、その点もう一ぺんはっきりしてください。
○八田参考人 それは先ほどお話し申し上げましたように、この前の時点ではほとんど不可能だと思っておりましたのが、今日では非常に先ほどもお話ししましたCVCC系のエンジンと、それから同じく層状燃焼を伴うロータリーエンジンと、それから熊谷エンジンと、こういうものは耐久性の問題とか、何か機械方面のことなものですから、いまのところは実用システムとして完成しておりませんけれども、少なくとも軽量車に対してはあと二年もたてばかなりめどがつくんじゃないか。そうしますと、それからあと生産期間が要って、実際に商品として出てくるのはさらに二年とか三年とかかかると思いますけれども、とにかく軽量車についてはその辺ならいけるだろう。非常に大型車に対しては多少の危惧があるとは思います。そういうシステムのほうは。というのは、そういうシステムは全部エンジンの中でそのNOの生成を減らすだけなものですから。 それに対して触媒を使うほうのシステム、これも触媒の耐久性が現在ございませんので、現在のところ完全に実用性のあるシステムはいまございません。だけれども、その触媒そのものは、これは還元触媒です、酸化触媒はもう使われるようになっておりますが、還元触媒あるいは三成分処理触媒、それを使うために必要なO2センサーというようなものがやはり日に日に、この前グールド社の方がいろいろお話があって、私も伺いましたけれども、グールドのものも現在では実用化はまだ不可能でございますけれども、グールド社のもの、それからケスター社のもの、あるいはUOPのもの、そういうようなものはかなり進歩しておりまして、もしうまくいって——ただ触媒なものですから、前の三つのものは純機械的でございますけれども、触媒をさがすということなものですから、多少技術予測がはずれる可能性がある。はっきりと二年後にできるかどうかということに対しては非常に予測がむずかしいと思います。だけれども、それができれば、今度は先ほどのように大きな車とかいうことがむずかしいのじゃなくて、どんな車でも、しかも燃費も何もよくて、ユーザーからも喜ばれるような車ができるだろう。ただ心配は二次公害の問題が検討しなければならない問題として残るだろうと思いますが、そのように考えています。
○岡本委員 先ほどもお話に出ておりましたけれども五十一年度規制ということを目途にして各自治体は環境基準の達成目標をきめておるわけですね。これは環境庁から示されたのが四十八年から原則としては五年、これは一時間平均値〇・〇二PPMですか、目標値ですね。この長くて八年になりますから五十三年、こういうことで、東京都においていろいろと目標値をつくってやっておりますけれども、現在緩和された場合、要するに五十一年度規制ができない場合は、この目標値が達成できるのかどうか、これについてひとつお聞きしたいと思うのです。
○柴田参考人 私たち、現在の趨勢で計算してみますと、昭和五十五年度におきましては、この排出量すべて、未規制値が十四万二千トン、それに対して現在まで規制されておるものを除きまして、それから他方、環境庁から示されております一時間値の一日平均値〇・〇二PPM以下、許容排出量二万五千トン、これらを足しますと、で、現在の五十一年度規制がこのたび発表された線で行なわれますと一万九千トンにとどまり、まだ二万四千トンを何らかの方法を講じて、量削減等で削らなければならない、これは交通量に当てはめますと約五三%、こういうたいへんな大幅な量に至っている。したがいまして、これはたいへん困難と存じますし、非常に都民の健康という面からして憂うべき事態が起こってくるということを心配しておるところでございます。
○岡本委員 そこで柴田参考人に、この中公審の報告書ですか、これを見ますと「五十一年度から現に規制を行うためには、耐久性、信頼性、安全性などの要件を具備する技術システムが現時点で完成しているか、遅くともごく近い時点で完成する見通しがえられることが必要であるが、現段階ではその見通しがえられていない」という専門委員会の報告の判断が、これは正しいのかどうか、これについてあなたの御意見を伺いたい。
○柴田参考人 報告書によりますと、約二年前後でございますか、あるいは都議会における豊田さんのお話では、この生産量産体制に入るのに四年くらいかかる、こういうお話でございましたけれども、これは全く市場の調査とかいろいろなものをすべて含めたのではないだろうか。で、私たちとしてはエンジンのこのCVCCあるいは触媒、これも耐久性というのは一体どの程度かという問題をおっしゃいましたけれども、これを詰めて、そして可能になりましてから、長くておそらく一年半、それからロータリーエンジンなどでは半年ないし一年、これで十分できるであろう、そういう意味で、この辺をそれぞれ全体のところからどのように審議会でこれをお詰めになったか、日本の具体的例でどこまで詰められたか。 先ほど私申しましたように、私の印象では、むしろエンジン中心に討議が、現状の技術を中心になされていたのではないだろうか、その辺をむしろこういう調査をした、そしてこういうことであるという点で、いろいろ議事録の面からお示しくださって、これはこういうぐあいだというふうに御説明くだされば、われわれもたいへんありがたい、こう思っておるところでございます。 われわれとしましては、もう一回言いますと、それほどの時間は要らないのではないか、こういうことでございます。
○岡本委員 これについて、八田委員長から見解を求めたいと思います。
○八田参考人 その技術評価の資料のほうにもよく書いてございますように、現在かあるいは現在にごく近いとき、要するに五十一年から量産をするということは、いまから一年半から二年というと現在でございます。したがって、現在か現在に近いときに十分耐久性と信頼性と安全性のあるようなシステムが存在しなければ、五十一年規制として運輸省がそれを審査してそれが走ることを承認する、しかもその運輸省の審査というものは、一番初めに答えましたように、非常にめんどうな、その審査だけでも十カ月はかかる。そういうようなシビアなものを受けまして量産するためには、いまそういうものがなければならない、そういうふうに考えております。
○岡本委員 あなたは四十七年に、五十一年度規制はできないであろう、こういう目標を出してもできないであろうと思いながら、要するにそのときは、何としても国民の健康を守らなければならぬ、その効果があがったとか言うてましたけれども、そういう気持ちで、そのときは一応五十一年度規制をつくった。今度は、いまの五十一年度暫定というのですか、五十三年まで延ばせというこういう後退をさせる。これはもとの考え方といまと、うんと後退しているじゃありませんか。要するに、五十一年度から現に規制を行なうためには、耐久性、信頼性、安全性などの要件を具備する技術的な云々、こういう——前はできないであろうと思っておった、今度はこういうものを現段階では見通しが立たなければできないのだ、ここに私は同じ専門委員会のメンバーでありながら、要するに大きな考慮はどこにあったかと申しますと、この目的は国民の健康を守るというところにあった、そういうことを一つ指摘しておきまして、時間があれですから、次に柴田参考人の御意見を伺いたいのですが、すべての車種について可能な規制値を設定するということから、複数の許容限度を採用することになった、この問題について、柴田参考人の御意見を承りたい。
○柴田参考人 ただいま先生の御指摘にございましたとおり、すでに二年前に技術的に可能な限り最もきびしい許容値の設定を行なうといっていたのに、しかるに今回最もきびしい許容限度といわれるものが二本出てきた。これはたいへん私たちとしてもむしろ残念に思うところでございます。小型車であれば相当の規制値が可能である、大型車は困難であるという場合には、国民の健康という面で、私は大型車の生産は取りやめる。ただし、社会的に病院車であるとか救急車であるとか必要なものももちろんございましょうが、それらを勘案して、その場合には相当大きく制限をする、そして小型車中心にいく。国民の健康を守るという点からそれでもっていっていただきたい、こう思うわけでございます。そして業界の混乱というような問題も、いろいろ先ほどの自動車公害専門委員会のお話の中には出てきましたけれども、私たちとしては、すでに二年前にもこういうことが立てられていることであり、ぜひこの線に沿って最もきびしい値、それでもって一本でいっていただきたい、こう思うわけでございます。
○岡本委員 確かにいまおっしゃったように一部の大型車、これは乗用車でいうとセンチュリーとか、こういうのはもう何百台単位ですね。非常につくっている量が少ないわけですが、これは大メーカーがどっちかというとあれもある、これもあるというので、非常に宣伝効果がいいということで、私はこの二つの規制値をつくるということは大メーカーに有利になると思う。だから、こういった大型車は、いまおっしゃったように国民の健康の上からいえば必要ではないのではないかという御意見ですが、八田委員長はそれについてどういうふうに感じられますか。
○八田参考人 ある車をカットするということ、これは政治問題だろうと思います。私は技術的な評価として現時点において一番きびしい——大きくなるときびしいわけですが、一番きびしい値はどの辺だろうかということ。それから五十一年の〇・二五というのを五十三年まで延ばしましたけれども、五十三年にはできるだけそうなってほしい、その前の五十一年の目標値と意味は一つも変わっておりません。一トンを含まない一トン以上というのは約三〇%ございまして、それはいまおっしゃいましたプレジデント、センチュリーだけではございません。クラウンとかセドリックとか、何かよく知りませんが、とにかくそういうようなクラスがたくさんございます。そういうようなクラスの中で、〇・八五というものは小型と普通車の関係がございまして、千九百五十ccなどというエンジンがついているのがございます。本来ならばそれは二千六百とか三千ccとかつくべきものが、そういうエンジンがついているためにそういうものはNOxを主として非常に苦しい。決して大メーカーだけが有利であるとか、そういう値にとった覚えはもちろんございません。
○岡本委員 最後に、豊田さんに業界を代表して。今度の暫定措置が出たということで、もうこれで一応けりがついたんだというふうに言っているところが私の耳に入るわけですが、そういう考えはないか。そうでなくしてこの五十一年度規制に真剣に取り組むのだ。先ほどから聞いているとどうもぼくはその点もう一つ懸念するのですが、これについてひとつ決意のほどを伺っておきたいと思うのです。
○豊田参考人 先ほども申し上げましたように、五十一年の暫定規制値の案にいたしましても、私どもとしては非常にきびしいものでありまして、かなりのメーカーは、大部分のメーカーはこれに対応するめどは現在立っておりません。かような状態にありますので、もちろんその五十一年の最初設けられました目標値に向かって努力をすることにはやぶさかではありませんけれども、まず手前の暫定値の問題を私どもは切り抜けなければならないという立場にあるのであることを御理解いただきたいと思うわけであります。
○岡本委員 時間ですから終わります。
○角屋委員長 折小野良一君。
○折小野委員 最初に八田参考人にお伺いをいたします。 今回の報告によりまして、いわゆる五十一年度規制が二カ年延長されたという形になります。そしてまたいろいろ御答弁にありましたように、五十一年度規制はいわゆるマスキー法的発想によるものだ、五十三年度もおそらくやはり発想の基本はそういうことであろうと思います。しかし、そういう中で八田参考人からいろいろと見込みと申しますか、御意見がございました。私もお聞かせをいただきました。そしてまた、ただいま豊田参考人からの御意見もございました。そういう面を含めて考えました場合に、五十三年度というこの時期において、そして五十三年度の〇・二五の目標値につきまして、これは車ですから耐久性とかあるいは信頼性、安全性、こういうものももちろん考慮しなければならないでしょうし、また実用化につきましては一定のリードタイムというものももちろんあるわけでございます。そういうものを十分お考えいただいた上で、二年後の見込み、特にエンジンの専門家であられる八田参考人のそういう面の技術的な見込み、こういう面をもう一ぺんひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○八田参考人 お答え申し上げます。 〇・二五というのは非常に、当初四十七年度時点では、私自身は不明にも完全に不可能だというに近い考えを持っていたぐらいでございます。だけれども今日では、いわゆるマスキー法的発想といいますか、そのおかげといいますか、それが私が考えていた以上に功を奏したと申しますか、先ほど申しました、少なくとも三つのエンジン、要するにわれわれの同僚の熊谷君が発明したリッチ・リーン・リアクター、または熊谷エンジンと言っていますが、それともう一つはCVCC系のエンジン、それから同じくCVCCをロータリーに応用したようなエンジン、ロータリーのCVCCと考えていいかもしれませんけれども、そういうもの、そういうものは、まあ少なくとも今度の〇・六に相当する範囲のところなら、五十一年時点になればはっきりして、五十一年にはっきりすれば、生産準備をやれば五十三年には量産に移せるかもしれない、その可能性はかなり高いと私は思っております。 だけれども、それより大きい、一トン以上というような車が、それは社会的に要らないとかいうことになれば、また別な皆さんのほうの御判断にもなりますし、それから今度〇・八五と〇・六と二つつくりましたので、その間に、これは環境庁だけでできないことだと思いますけれども、われわれの希望としては、要望といたしまして、十分格差のある税の開きをつけてくれということを申し述べてございます。そういたしますと、だんだん小型車といいますか軽量車のほうへ全体のユーザーのほうがいくような施策もできるのじゃなかろうか。そうすれば、大きなほうが不可能であってもいいかもしれません。だけれども、大きなほうがやはり社会的ニーズがあってある程度必要かと思いますが、そういう場合にはちょっとあぶないかもしれないという気はいたします。 それからもう一つの触媒のほうに関しましては、これは先ほど来申し上げておりますように、酸化触媒でも、初めて出てきたときは、とにかく使いものになるはずがないと思っているようなものが、特に機械屋の面からそういうふうに思えたものが、今度は五十年規制車として非常に出てくるわけでございます。それに対するまた熱害その他の非常な多くの問題をはらんでおりますけれども、それも十分——今後ユーザーの手に渡ったらどういうことになるかということを私も心配はしでおりますけれども、とにかく一応五十年規制車というものができ上がるような段階になってまいりました。 それを考えますと、いまはむずかしいと考えております還元触媒あるいは三成分処理触媒及びそれを使うためのO2センサーといって空燃比を狭い範囲にコントロールするための排気分析器のようなものが要るのでございますが、それもいま耐久性がなくて困っておりますけれども、そういうものが日に日に進歩しつつあります。したがってそういうものが進歩いたしますれば、今度は全車ができるということになります。ただその触媒は多少当てものみたいなところがございます。それでもある程度系統がございますから、進歩し始まるとずっと進歩することは技術の一般論でございますけれども、先ほどの三つのエンジンは大体機械的に処理する。触媒みたいな特殊な物性といいますか、そういうものに依存しないものでございますから技術予測はかなり確実にできるけれども、触媒のほうは、ひょっとして見つからないことがあればこれはだめである。そのかわり、見つかれば、先ほどひょっとしたら大きなほうはむずかしいかもしれないと申し上げましたけれども、そうでなくて、大きなほうでも小さいほうでも全部ちゃんとできるだろう、そういうふうに考えます。しかも性能も燃費も全部いいだろう、そういうふうに考えます。
○折小野委員 次は、伊東参考人にお伺いをいたします。 大気部会におきまして自動車公害委員会の結論をいろいろ御検討になって、そして大気部会としての報告が出ておるわけでございますが、NOxの規制、これは端的に言いますと、光化学スモッグ対策、いわゆる大気汚染対策ということでございます。そうしますと、この報告の中にもその他総合的な対策というものがいろいろあげられておりますが、ひとつ固定発生源に対する汚染対策、こういうものがもう一つあっていいのじゃなかろうかと私ども考えるのでございますが、大気部会におきましてはそういうような御意見はなかったのか、あるいは固定発生源に対する対策というのは必要ないのかどうか、こういう面の御見解を承りたいと思います。
○伊東参考人 ただいまの固定発生源に対する問題につきましては、すでに御承知のように、SOxにつきましては総量規制が始まっております。NOxにつきましても総量規制が行なわれる段階に近づいていると私どもは判断しておりますので、固定発生源につきましては、移動発生源よりも早くその問題については対処できる姿勢にあると思っております。
○折小野委員 総量規制の問題につきましても、私どもはNOxの問題が今後の一つの重要な課題であるというふうに考えておりますのですが、しかし、私ども、先生がいまおっしゃったように、それほど実現が近いというふうには考えておりませんのです。まあしかし、専門家である大気部会でいろいろ御検討になったのだと思いますのですが、私どもは、そういうようないろいろな情勢は考えましても、やはり固定発生源に対する対策、近く実現されるであろうということでありましても、それの促進、こういう面についての大気部会の意見というものがあってしかるべきじゃなかったろうか、こういうふうに考えるのでございますが、いかがでございますか。
○伊東参考人 NOxの総量規制の問題に関係いたしまして、すでに一部の固定発生源等につきましては、行政指導ベースでかなりきびしい指導が行なわれておりますし、一部にはまた地方自治体におきまして、公害防止協定等によりまして、きびしい要求が行なわれておりますので、私は、そういう結果をかなり高く評価したいと思っております。
○折小野委員 次は、柴田参考人にお伺いをいたします。 公害対策、大気汚染対策あるいは今度の自動車排気ガス規制の問題、こういう問題につきまして、国が基本的な対策を講ずること、これは当然でございます。そしてまた、その面に対しまして国により多くの努力を要求すること、これも当然だと思います。しかしながら、現実には国の規制だけが公害対策のすべてではないと考えます。やはり地方自治体は地方自治体なりにそれぞれの立場の対策というものがあっていい。また、車の排気ガスにいたしましても、それが影響するところが非常に大きく影響するところと、そうでないところと、まあいろいろな態様があるわけでございます。そういう面からいたしまして、柴田参考人が、七市の対策委員会という立場からでもけっこうですし、あるいは東京都の立場からでもけっこうでございますが、NOx規制の問題について自治体として具体的に対応できる対策、こういう面についてお考えがございましたらお教えをいただきたいと思います。
○柴田参考人 私たち調査団は、自動車の排気ガスを中心にいたしまして、実際にそれをどのように行なうかというのは、それぞれの知事なり市長なりのすることであるかと存じますが、しかし、いま御指摘のように、確かに自治体としてもいろいろしなければならないことがあると存じます。 たとえば、市民に率先しまして低公害車というものをできるだけ多く使うようにするということ、それからまた、光化学スモッグというような緊急事態には、なるべく一般の、公害を多く出す車は通行を遠慮願って、低公害車を優先させて通行させる、あるいは税制でございます。 ただやはり、おことばではありますが、現在のところ、特にこの自動車問題に限りますと、交通問題といいますものが非常に国の権限に属するところが多くて、自治体が行ない得る範囲というのが狭いので、自治体市民の足というものですから、ぜひ自治体に多くの権限を持つようにという運動をすること、そしてただいま言いました低公害車の優先通行をし、あるいはバス優先レーン、これは警察庁との話し合いが要るかと存じますけれども、バスあるいはタクシーの優先レーンであるとか、歩行者天国を拡大する、あるいは生活道路というものをできるだけ広げて、市民が楽に町を歩けるようないろいろのシステムを考える、あるいは足を確保するためにできるだけ多く大衆輸送機関、バスであるとか、地下鉄であるとか、このほうの普及をつとめること、あるいは国と共同してつとめること。 それからさらに税制でございます。現在の自動車をめぐります税制といいますものは、たいへん国税中心であり、かつ、これが目的税、道路財源と限られているわけでございますが、現在このように公害問題が深刻化してきております。そうしますと、自動車関連税というものもそういう公害という観点から再検討すべきではないか。そして特に低公害車というところに、先ほども話がありましたけれども、自治体としてもできるだけインセンティブを与え、公害を多く発生する、規制の目標におくれた車というものに対しては、自動車税、あるいは名前は何となりますか、賦課金、課徴金、いろいろな形でいわゆるハンデをつける、こういう方向ということをし、そして広く市民一般にこの公害問題そしてこの自動車問題に臨むということを訴える、こういうことかと存じます。
○折小野委員 確かにいろいろな方法があろうと思いますし、できるだけの方法を講じて公害を少なくする、これは当然なことであるというふうに考えます。ところで、この五十一年規制問題が、おそらくは明けて一月ごろ何らかの形できまる、こういう段どりになっておるわけでございます。したがいまして、それに対応いたしまして、七市でもけっこうですし東京都でもけっこうですが、次の年度からでも、そのうち直ちに実現をしたいというふうにお考えになっておる具体的な対策はございますか。
○柴田参考人 申しわけありませんけれども、私たち、いま言いましたのは、調査団として市長さんなり知事さんなりにいまのような考えをぜひ実現していただきたいということを提言しているということで、実際これをどこまで実現するかということは、知事、市長さんなり、あるいはそれぞれの地方議会の皆さんできめることであります。 ただ、それにしても今度の五十一年規制の最後の決着というところへぜひ、市民のいままできた公害対策の基本計画、それに乗っていくようにきめていただきたいということ、それから先ほどちょっとお話ありましたけれども、固定発生源の窒素酸化物はもちろんこれとあわせて規制しなければならない。現在の私たちの計算では、東京都の場合約三分の一が固定、三分の二強が移動発生源、こうなっております。もちろん、三分の一であるとはいえ、これは五十一年からこの固定発生源の窒素酸化物の総量規制をいま実施の予定でございますし、そして自動車の問題ただいま申しましたようなことをぜひ実現していただいて、できるだけ市民の協力で低公害車の普及と申しますか、それからこの総量規制、その一環としての大衆輸送機関への移行、これをぜひ期待いたしたい、こういう次第でございます。
○折小野委員 最後に豊田参考人にお伺いをいたします。 いろいろな対策が講じられなければ公害をなくするということはできない、これは当然なことでございます。自動車の排気ガスの規制につきましても、これもまたいろいろな対策がございますでしょう。しかし、一番基本になりますのはやはり技術であるというふうに考えます。現在各自動車メーカーが多くの人員をさき、また多くの研究開発費をこれに投じて、鋭意努力しておられる、こういう点につきましては最初の御説明でもお伺いをいたしました。また、その技術をより高めるために、技術の交流、こういうようなものもやっておるというふうに伺ったわけでございますが、ところで、自動車工業会といたしまして、自動車に関する技術の特定の分野につきまして共同研究をやっていこう、こういうようなお考えはございませんか、あるいはそういう面についての御見解はいかがでございますか、お伺いいたします。
○豊田参考人 私どもは技術の研究につきまして、各社の問題点のうちで、共通に取り扱える主としてグルント、基礎的な問題になると思いますが、そういった問題については、現在でも自動車研究所並びに自動車技術会によりまして共同の研究をさせております。なお、個々の車に直接適用しなければならない問題は、やはり車それ自身によって若干ずつ相違がございますので、各社競争的に開発を行なっておるというのが実情でございます。
○折小野委員 終わります。
○角屋委員長 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の各位には、御多用中のところ長時間にわたり貴重な御意見を述べていただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。 次回は、来たる二十四日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十一分散会