交通安全対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/12/24
会議録
○勝澤委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 政務次官にきのうも私ども要求事項を持って話し合いに参りましたが、そのときにお話がありました長距離トラック運転者の公共休養施設について、まずお尋ねをしたいと思います。 これにつきましては、御承知のとおりに、いままで参考人をこの委員会で二回も招致をして、交通安全に対し、交通事故防止のために過積み、過労運転をなくする、この立場でいろいろと検討されました。その際に、学者、学識経験者あるいは運転者自体の統計から見て、二百キロ程度走行いたしますと非常に疲れをみるということが本委員会で明確になってまいりました。したがって、休養をすることが必要であるという観点から公共休養施設の設置の問題が委員会で取り上げられ、四十九年、熊本ですか、まず試行的に実施をするという段階に入ってまいりましたが、今日の交通安全対策から、またトラックの事故というのは非常に重大な事故に発展をするわけでありますから、それらについての観点、さらに休養施設が不十分であるというような事態から、今後熊本に端を発して全国的にこの公共休養施設というものは設置をする必要がある、こういうふうに考えておるわけでありますが、運輸省としては、これから年度別にどういうぐあいに、あるいは二百キロおきにでも公共休養施設をつくる考えかどうか、まず伺っておきたいと思います。
○小此木政府委員 休養施設の問題は、交通安全対策の上からも、なるべく早くつくらなければならない問題でございますけれども、現在のところ、民間業者の間にはこのような施設がございましても、公共施設あるいは体系的にこれができていないことは事実でございますので、私ども新しい年度の中でこういうことを研究し、取り組んでおりますけれども、二百キロ区間その他具体的な問題につきましては、事務当局から答えさせることにいたしとう存じます。
○真島説明員 お答えいたします。 トラック運転者のための休養施設、これを増強をはかるべきであるという問題につきましては、ことしの春闘以来いろいろ問題になっております。私どももその必要性というものは十分あると思っておりますので、たとえば道路沿いの施設としてパーキングエリアの拡大であるとか休憩施設、食堂、仮眠所というようなものを設置する必要があるだろうということで、とりあえず高速道路上の休養施設の問題につきましては、これは国道でございますので、建設省にいろいろお願いをいたしまして検討を進めておる段階でございます。 建設省のほうでも前向きにこれを取り上げていただいておりますので、間もなく具体化がされるのではないか。ただ、全体的なこまかい計画につきましては、とりあえずモデル的なものを一つまず来年度にはつくってみる。その利用の状況その他をも参考といたしまして、どの程度の道路にはどの程度の施設が必要かという問題をさらに検討を進めたい、このように考えております。
○野坂委員 どの程度の道路にどの程度の施設かということでありますが、公共の休養施設という立場で体系的に運輸省としては考えるべきであろう。従来の民間の施設はある。あるけれども、非常に不自由であるし値段も張る、こういうことで出発をするわけでありますから、運輸省自体の考え方を建設省に示さなければ、建設省が主体的に動くということにはならぬと思うのです。 運輸省としては、二百キロでは非常に疲れる、だからその程度なのか、あるいは三百キロなのか、相当の利用状況というのは、トラックの台数なり走行状況というものを掌握しておられるのが現状であります。だから、それらの動きというものを十分把握をされておるわけでありますし、検討の段階は過ぎて、具体的に設置をするという段階に入ってきたわけですから、それに対する今後の方針というものは、いまの段階で確立をする。まず利用状況を見て、それからどの道路にはどういうふうなというようなことでは、あまりにもこの一年間では成果があがらないということになろうと思うのです。だから具体的に、いままでの状況から見て必要性に迫られて第一弾を発したわけですから、その次はどう、この次はどういうふうに年次的な計画が、いまの段階でなされていないというのは怠慢ではないですか。
○真島説明員 先ほど高速道路上の問題について建設省の関連で申し上げました。この問題につきましては、国道上の施設であるということで、特に建設省と緊密な連格をとって進める必要があるということで申し上げたわけでございますが、一般の幹線道路の問題につきましては、すでにトラック協会等を通じまして、どのようなところにつくったほうがいいのか、あるいはどのようなところに希望をするかというような調査を進めておりますし、かたがた実際問題として、利用される運転者のサイドからは、一体どういうところにどういう施設がほしいのかという調査を現在進めておる段階でございまして、その調査の結果を見ながら具体的に考えてまいりたい、このように考えております。
○野坂委員 その調査はいつ終わるのですか。
○真島説明員 トラック協会のほうのアンケートに対する希望の調査は、ある程度出てまいっておりますが、運転者サイドの方々からの御希望、こういうところにこの程度のものというものを現在お願いをしておりますが、まだ出てきておりません。これを待ちまして処理したいと思います。
○野坂委員 早急に調査をして、その結果を集約をして、善処されることを要望しておきます。 次に、トラックの自家用車と営業車との問題があるわけですが、今日トラックの自家用車と、それから営業用車は何台で、昭和四十九年度の貨物の輸送数量は、両方に分けるとどういうぐあいになっておるか、まず聞いておきたいと思います。
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。 私どもの手元にございます資料が四十七年度の資料でございますが、営業車、自家用車全部そろえて比較するためにこの資料しかございませんので、若干古いのですが、お許しいただきたいと思いますが、傾向はおわかりになると思います。 四十七年度末で、営業用車が四十万台ございました。自家用車が六百万台ございました。したがって、営業用の約十五倍の数の自家用車があるわけでございます。これはトラックでございます。そしてどのくらいの貨物を運んだかと申しますと、営業用車が一年間に十三億トン、自家用車が三十八億トン、これを比率にいたしますと、営業用車の一〇〇に対しまして自家用車は二〇、つまり五分の一のトン数を自家用車が運んだわけであります。 さらに、トン数と運んだ長さをかけましたトンキロという数字がございますが、これで見ますと、営業用車が七百六十五億トンキロ、自家用車が七百七十億トンキロでございます。これを一台当たりにいたしますと、営業用車が十九万トンキロ、自家用車が一・二万トンキロ、一〇〇対七という数字でございます。 先ほどのトン数について一〇〇対二〇と申し上げましたのは、ちょっと説明が不十分でございまして、一台当たりの輸送トン数が、営業車は年間三千二百トン、自家用車が六百四十トン、この比率が約一〇〇対二〇でございます。 このように、自家用車は数ばかりは非常に多いわけでありますが、全体の輸送トンキロでほぼ同じ量ということは、一台当たりの効率が非常に悪いということにはなるわけであります。もちろん自家用車はそれなりの事情がありますので、あながちこの数字だけをもって自家用車はけしからぬというわけにいきませんけれども、数字を比較するならば、営業用車の輸送効率は非常に高いということはいえるわけであります。 以上であります。
○野坂委員 いまお話がありましたように、自動車の台数、車両数というのは、大体青に対して白は十五倍、一台当たりの輸送トン数は大体営業用車が五倍半ということになっておりますが、全体の自動車の営業用車の車両数と自家用車の車両数と比べると、自家用車のほうが非常に多いし、運んでおる全体の数量を見ても十三億トンと三十八億トン、全体で見ると大体三倍程度。一方は三倍、一方は十五倍ということになっておるわけです。 そこでお尋ねをしたいのは、いまはエネルギーをどう節約をするか、どう交通事故をなくするかということになりますことと、もう一面では物流をスムーズに流して、むだな輸送をなくする、あるいは交錯輸送をなくする、こういう一面等をとらえてみますと、どこかでこれの合理的な輸送体制というものをつくる必要があろう、こういうふうに思うわけです。このトンキロの状況を見ますと、やはり自家用車というのは近距離輸送をやっておるということになると思うのです。今日経済企画庁で出されております「年次経済報告」を見ましても、輸送量というのは四十八年度は五・六%減っておるし、四十九年度も引き続き減っておるという状況であります。 したがって、今後の輸送体系を指導されるにあたって、この自家用車をある程度押えてむだな輸送をなくするように、もっとそれらの点を詰めていかなきゃならぬじゃないか、それらについての運輸省としての指導はどのようにして進められておるであろうか、こういう点を非常に疑問に思うわけですが、どのような指導をし、交通体系というもの、あるいは物流の輸送状況の省力化といいますかむだをなくする、そういう方法を進められておるかを伺いたいと思うのです。
○高橋(寿)政府委員 数字からいいますと、明らかに自家用車の効率は悪いわけでございまして、道路空間の占用の度合いあるいはエネルギー消費の度合い等から考えても、私どもは営業用車をもっと活用する物流体系が正しいと思います。ただ、この営業用、自家用という区分は、御承知のように人さまの荷物を運ぶ契約で商売しているのが営業用でございまして、自分の荷物を運んだら自家用でございますので、そういった営業形態、契約形態まで私どもが立ち至って指導はできないわけでありまするので、そちらのほうの面から、いわゆる道路運送法の面から自家用車を減らすということは、これは不可能でございます。 そこで、私たち考えておりますことは、これはすでに重量税の改正などのときに一部行なわれた考え方でございますけれども、重量税を値上げしたときに営業用車は据え置きました。二年間据え置いたわけでありますが、そういった形で営業と自家用の間に税制などで差別をつけていく、そして自家用車に対してディスインセンティブと申しますか、使いにくくする状態をつくって、そちらのほうの面から営業用車のほうに荷物がなるべく流れるようにするというふうな方策でありますとか、あるいは自家用車をなぜみんながそんなに使うのかという点をよく考えてみますと、実は天につばするようなこともございます。営業用トラックを使おうと思っても、実はたいへんに不便なんだ、一見の客は取り合わないとかということがあって、非常に営業用トラックが使いにくいものだから、好ましくないのだけれども自家用車を使ってしまう、こういうことがあるわけであります。 そういったことを防ぐためには営業用トラックのほうの側で、たとえば地域ごとに協同組合をつくりまして、その協同組合の中で車の相互融通をいたしまして、地域の小売り商店その他から注文があったときには断わらずに、みんなで注文をお互いに融通し合って引き受けるという形にして、自家用車を持っている町の商店のだんなさんたちが、これは別に持つ必要ないわというふうな状況をつくるのが正しいのじゃないかという形で、営業用トラックの側、つまりトラック業界の側に、そういう地域の中での共同輸送組織をつくってください、これがその地域の自家用車を要らなくする一番効果のある手段であるというふうなお話もしたりいたしまして、多角的な戦略でこの自家用から営業用へのあぶり出しをやろうと思っております。 また、私どもいろいろ知恵が足らない点ございますので、先生方のお知恵を拝借いたしまして進めたいと思っております。
○野坂委員 いまお話しになったように、たとえば東京でも日本橋あたりでは横山町とかあるいは堀留町とか本町とか富沢町とか、そういうところは大体一時間に一回ずつ一台の、共同集配センターというものが設けられてぐるぐる運用して、大体月二、三千台のものが千八百台で終わる。しかもコストはダウンになるではないか。そして交通事故は完全になくなる。ああいう狭い問屋街でそういう青と白が話し合って、青が中心になって進むということで、だんだん白がなくなってきたというのが今日の現状なんですね。そういうことをやればできるのですが、別段運輸省は、こちらのほうで話をしていらっしゃるけれども、具体的に下のほうにそういう点が徹底をしていなくて、繊維街のおやじさんがずいぶん苦労して、ようやくそういうかっこうにしようということがきまったということを聞いておるわけです。 そういうことの例から見ますと、三千台が千八百台になるということになると相当なものですから、それらを最近では、たとえばセンターという卸団地というものが全国的につくられておるわけですから、そういう措置をしていけば、ある程度物価に対するコストダウンも考えられますし、自動車事故もなくなる、こういうことになるのではないかということを思うわけです。それが一つ。 それから、都市の少量の配達あるいは集配ですね、そういうものについても一定の共同組織をつくるということになれば、いま具体例を申し上げましたように、そういうことになってくるということがはっきりいえる。だから、それは白ナンバーを持つ業者の皆さんと青ナンバーを持つ営業車の皆さんと話し合ってくれば必ずそこに道は開けてくる。それを積極的に行政指導してもらえば、全日本的にも変わってくる面が確かにある、こういうふうに思うのですが、どうお考えですか。
○高橋(寿)政府委員 私全く同感でございまして、実は先日も秋葉原の駅の構内にございます堀留の共同集配のターミナルを見てまいりましたけれども、非常に劇的に車が減っております。ああいったことをぜひやりたいと思っておりますが、ただ秋葉原の場合でも、問題は実はもっとこれを手広くやりたいのだけれども、用地がないということを盛んに嘆いております。そこでやはり都市の場合には、そういう集めてきて荷さばきをする場所がないと何もできません。また町の中でやる場合には周辺の住居に音がうるさいというような反対が出たりして、なかなかかっこうな土地が得られないということもございますので、たいへん困難があります。 実は、これは私見ですが、たとえば国鉄の駅の構内なんかを一部使わせてもらって、そういう施設に転用するというふうなことを考えたらどうだろうか、また国鉄はただで貸すのではいやだとおっしゃるなら、要すれば物流関係の第三セクターをつくりまして、第三セクターが国鉄から譲り受けてもいいと思うのであります。何かそういったことで、民有地はなかなかたいへんでございますので、公共の所有地を転用活用いたしまして、そういう場所をつくる。一カ所せいぜい三百坪か五百坪あればいいわけでありますから、それを都内各所につくりまして、いま先生のお示しのような共同配送システムをつくるのが一番基本的な対策である、私はこういうように考えておりますので、積極的に進めるつもりでございます。 運輸省でもごく最近、官房に流通対策本部をつくりまして、その第一の眼目は共同配送の問題をやることになっております。そういった場を使いまして、積極的に進めたいと思います。その場合には同時にいまの先生の二番目の御指摘の少量物品の問題、これにつきましても、そういったところで取り上げていきたい。このことは都市の問題だけではなくて地方の問題にも当然関連してまいりますが、中央地方を通じまして少量物品の問題というものは、ちょうどバスでいいますと過疎バスの問題みたいな点もございますので、国民の日常のお荷物を運ぶ、不便をかけないという点で少量物品を大事にする輸送システムを考えなければいかぬということで、これも前向きに進めることにいたしております。
○野坂委員 それでは次に、いまの営業用車も、局長も御案内のように、基盤が弱いために最近の不況にからんで輸送量が減少する、四十八年も四十九年も。きょうの新聞を見ますと、年末はチャーターをしなければならないということですが、それは二十日ごろから起きた現象であって、一般的には貨物量も非常に減少しつつあるというのが実態であります。基盤の弱い営業の会社は最近倒産がきびしい、賃金の遅欠配もあるというようなことで、きのうも政務次官にそれらの金融公庫を設置してはどうかというような話まであったわけですが、それについて、新聞でも何回も見ましたが、倒産をする業者があるというのは荷物がないということでありますから、いま運輸省としては、道路運送法の五条とか六条とかに示されております新免ですね、通運にしてもあるいは区域にしても路線にしてもそうでありますが、現在新免をやることについては各陸運局の自主性にまかせるというようなことでございますけれども、今日の物流の状況から見て新免はしばらく禁止をする。これは六条の基準にもありますように、需要と供給というものが一つの基準になるわけでありますから、そういう点から見て、まず基本的には、今日しばらくそういう新免については禁止をする必要があるではないか、こういうふうに思うわけです。 これについては、政務次官も時間がないようでありますから、どのようにお考えか、今日の物流状況、トラックの状況、そういう点から見て十分配慮しなければならぬじゃないか、こういうふうに思いますし、懇談会等のときにはそういう話がございますが、運輸省としてはどのようにお考えでしょうか。
○小此木政府委員 荷物がないということが中小企業の賃金の遅欠配の原因となり、あるいは倒産の原因になっているということが事実であるといたしますならば、もちろん新免をしばらく停止するという必要性もございましょうが、倒産の原因がすべてそれにつながるということも必ずしも言えないのでございまして、また、その新免をおろすかいなかということをしばらく停止するという結論にまだ至っていないということが現在の状況でございます。
○高橋(寿)政府委員 若干補足をさせていただきます。 トラック業界、確かに不況風が吹いておりますけれども、これは荷主によりまして、ずいぶん違うわけでございます。荷主産業の不況の状況がかなり業種によって違います。したがって、たとえば繊維のような不況の度合いの濃い荷主さんに出入りしているトラック業者は確かに苦しい。かつまた、中小で、一社にぶら下がっているというトラック業者は非常につらいわけであります。荷主の中でも、かなりまだ荷動きがある荷主もございまして、こういったところに出入りしているトラック業者あるいはかなり大きな規模で、いろいろな種類の荷主をまぜて多角的にそういった景気の波の防衛をしている業者、これは比較的強いということがございます。したがって、荷筋あるいは地域によりまして需給関係は相当違います。 そこで、私どもが現地陸運局に指導いたしておりますのは、地域の実情をよく見て、その地域の実情の中で新免を押える必要ありと判断した場合には押えなさい、こういう指導をいたしております。一律にやりますと、地域によっては、まだ車があってもいい地域まで押えることになりますので、一律にやることは危険でありますので、各陸運局ごとに、それぞれの申請地域の状況に応じましてバルブを締めてよろしい、あるいは締める方向で検討しなさい、こういうことを、全国の貨物課長を集めまして指示をいたしております。したがいまして、現在、各陸運局はそういう方向で行政をいたしておると思います。
○野坂委員 いろいろバルブの締め方についてのお話があったのですが、しかし、それはいままでどおりと変わりはないことに結果的にはなるのじゃないでしょうか。どうでしょう。
○高橋(寿)政府委員 御説明申し上げます。 数年前に通達を出しまして、トラックにつきましては、いわゆる免許制ではありますけれども、その運用は、要件充足主義登録制みたいな運用をやろうじゃないか、したがって需給関係は、実は調べましても、正直のところあまりわからないのです。バスやタクシーのように、需要の質が均一なものはわかりますけれども、トラックの場合には、もう荷主によってみんな違いますので、お役人が机の上で書類をにらんでも、なかなかわからない。へたにやると、かえって間違うこともありますので、トラックの場合には要件がそろっていれば、あまり新免を押えないということで従来やってきております。それを、不況の場合はこの限りにあらずということで通達を出しておるわけでありますから、したがって、従来トラックにつきましては、要件が整っていれば、たとえば車庫がちゃんとあるとか資本金がちゃんとあるとかいうことが整っていれば、どんどん右から左へ免許しておったのを、不況色の強い地域については押えることにしたわけでありますから、明らかに、地域によっては従来の状況と変わってくるわけであります。
○野坂委員 この政府の年次報告にありますように、四十八年でも四十年不況時を上回る不振であった、こういうふうに述べてあります。四十九年もそれに上のせをするものだ、こういうふうに推定をされるわけです。そういたしますと、確かに局長がおっしゃるように、全国画一というわけにはならないと思いますが、この基準でも、十分に審査せい、こういうふうに書いてありますね。「形式的画一的に流れることなく、」十分に考え、というふうに書いてあるわけです。それは需要と供給との関係なんだと書いてあるわけですが、そういう事情から考えて、この新免の問題については、特にハイヤー、バスとは違ってわからないということですけれども、それならば公聴会等がありますね。一般の業者の諸君たちが意思表示をしますね。地方住民の意見も聞きますね。そうすると、大体の書類整備があっても、供給と需要との関係で、既存の諸君たちが、いまの状況では十分運べる、こういうふうな意見を述べたのは一つの参考になろうと思いますが、そういう状況からして、多くの反対があり、十分運べますということになって、それを許可せずに、さらに荷主の皆さんが不便を感じた場合には、その反対を陳情した諸君に対してきびしく追及をして、その段階で許可をするということだってあろうと思うのです。 だから一般的にいって、私たちは、今日の不況時では、倒産その他いろいろな問題がありますから、しばらく、一定の安定が見られるまで新免というものは、画一的でないとしても、原則として留保すべきだ、こういうふうに考えておるわけですが、その点についても十分御理解いただけませんか。
○高橋(寿)政府委員 私どもが地方陸運局に申しております考え方は、その地域の需給の状況が、かなりいわゆる供給過剰になっている場合には新免を押えるということを言っているわけであります。したがって、かりにそういった地域が全国的でありまするならば、結果的に新免はほとんど出ないことになるわけでありますので、先生のただいまお示しの御趣旨もよく体しまして、その運用に遺憾なきを期したいということで、ひとつ行政指導をさらに強化する方向でやらしていただきたいと思います。
○野坂委員 終わります。
○勝澤委員長 次に、平田藤吉君。
○平田委員 第二回交通遺児と母親の全国大会が十二月二日に開かれました。そこで決議された要望書が政府にも出されているというふうに思うのです。この大会には、私も野坂議長と一緒に参加いたしまして激励をしたわけです。この大会で要求が出されていますけれども、要求は、交通遺児育英会が、ことし五月に実施した交通遺児家庭の実態調査に基づくもので、交通遺児家庭の切実な要望を反映しております。政府は当然この切実な要望にこたえるべきだと考えるわけですが、きょうはこのことを重点に置いて質問したいと思います。 まず、総理府にお聞きしたいのですが、ごく最近の調査で交通遺児は年間何人になっているか、そのうち小中学生は何人か、小中学生のうち要保護世帯は何人か、それから準要保護世帯は何人か、まず最初にこのことについてお答え願います。
○竹岡政府委員 最近の調査では一番正確だと思いますのが、総理府が行ないました四十六年の調査であろうと思います。四十六年五月現在で遺児の実態調査をやりました。大体乳児院あるいは保育所、幼稚園、小中学校、高等学校、こういった施設に入っている者につきましての調査だったわけでございますが、対象の子供たちは二千百九万人が調査の対象になり、そのうち遺児の数は五十一万九千三百九十六人。この五十一万九千三百九十六人の遺児のうち、いわゆる交通遺児といわれますのが六万三百六十六人、それから他の災害によりまして遺児となった子供の数が三万四千六百八十八人、その他病気等で親を失ったというような遺児の数が四十二万四千三百四十二人ということでございました。対象児童の千人当たりで申しましたら、交通遺児は二・九人、災害遺児が一・六人、その他が二十・一人という状況でございました。 この交通遺児六万三百六十六人のうち、いわゆる生活保護法の適用を受けております要保護とされておりますのが約八・九%、これに準じます準要保護といいますのが二九・一%、合わせまして三八%の遺児が要保護あるいは準要保護ということで気の毒な生活になっている、このように思います。この六万有余人の交通遺児のうち、小学生が二万三千六百四十七人、中学生が一万七千五百五十一人、高校が全日制が一万三千三百六十五人、定時制高校が千六百五十八人等々になっております。この調査には高校生の一部についての報告漏れが、あるいはあったかもしれません。あるいは乳児院に入っていない者等があったと思いますが、大体九割以上の正確さを期しておる、このように考えております。
○平田委員 ざっと見まして交通遺児の四〇%近くが保護を必要としているということは、いまの数字でもはっきりしていると思うのです。交通遺児育英会の調査によると、四十八年当時でゼロ歳児から十八歳までの遺児は約十万人というふうに推定されております。いま申し上げました四〇%の比率で見ますと、約四万人以上が、たいへん困難な生活条件のもとに置かれているというふうに判断せざるを得ませんが、この点どう考えられるか。
○植木国務大臣 まず最初に、私、このたび総理府総務長官並びに総合交通対策担当の国務大臣となりました植木でございます。よろしくお願い申し上げます。 ただいま御指摘がありましたように、交通遺児の方々、たいへん困った境遇の中で御苦労をされているわけでございまして、いま総理府の調査の結果、あるいはまた育英会での想定の模様などをお伺いいたしましたが、厚生省が昨年調査いたしましたものによりますと、全母子家庭数六十二万六千二百世帯のうち、交通事故世帯は五万五千世帯である、こういうふうになっております。 そこで、この遺児に対する対策でございますけれども、これは原則的に申し上げますと、先ほど室長のほうから申しましたように、交通遺児以外の災害遺児及び母子家庭遺児というのがたいへん多いわけでございまして、したがって、現行の社会保障諸施策の中でこの交通遺児対策も行なわれなければならない。同じような非常にお気の毒な境遇に、それぞれあられるわけでございます。 ただ、交通遺児に対しましては、御承知のとおり自動車交通に関連のあります基金を財源といたしまして、これを何とか御援助していこうということで、現在も自賠責の特別会計の運用益を財源といたしまして昨年十二月運輸省において、特殊法人自動車事故対策センターを設立いたしまして、義務教育終了前の交通遺児に対し育英資金の貸し付けを行なわせております。また、民間の育英団体であります交通遺児育英会に対しましても補助を行なっている現状でございます。この補償をさらに厚くすることは重要であると考えておりますので、御承知のとおり、昨年の暮れには自賠責保険の保険金限度額を五百万円から一千万円に上げたわけでございますけれども、これをもっと上げるという努力をいたさなければならないと考えているのでございます。 なお、いま育英問題についてお話がございましたが、この交通遺児育英会におきましては自賠責特別会計から今年度は一億円補助いたしまして、同時に民間から三十億の寄付を受けまして、高校生、大学生の交通遺児四千人に対しまして月額五千円から二万円の育英資金を貸し付けております。また特殊法人の先ほどの事故対策センターには、これは自賠責特別会計から十五億五千万円の補助をいたしまして、義務教育終了前の交通遺児に対しまして、約千九十人でございますけれども、一時金六万円、月額五千円という育成資金の貸し付けを行なっているという実情でございます。これらは、いずれも対象となる遺児の方々が、まだまだおられるわけでございますので、その対象の人員をもっと増加しなければならない、このように考えております。
○平田委員 いまいろいろ手だてを講じているというお話が長官のほうからありましたけれども、高物価、インフレの中で、交通遺児家庭をはじめとして生活困難に邁遇している数は相当数にのぼっておりますね。先ほどの総理府の調査ですと、かなり詳細なものが四十六年五月の調査で出ている。しかし、その後の正確な調査がなされていないわけですね。これは、三木内閣が公平な行政だとか、あるいは弱者救済だというようなことを方針としているわけですけれども、この方針を実行していく上で生活実態を知っておくということは、やはり大事なことだと思うのです。これがなければそれはできやしないです、自分たちは十分なものをやっているという判断に立たざるを得なくなるのですから。そういう意味で早い時期に実態調査をやる必要があると思うのだが、どうお考えか。
○植木国務大臣 お説のとおりでございまして、私も、四十六年の調査以後なされていないということで、これでは、やはり問題であろうということを痛感をいたしたのでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、他の遺児の方々に対する対策もやっていかなければなりませんが、この交通遺児に関しましては、ひとつ精密な調査をいたしますとともに、できますれば交通遺児の方々の名簿を完備するというようなところまでやらなければならないんじゃないか、このように考えております。
○平田委員 交通事故により、遺児家庭が毎日三十人、年間にしますと、約一万人も新たにつくられているというふうにいわれております。これを根絶していく道は、やはり交通事故をなくすことに限るというふうに思うわけですけれども、そのためには交通事故防止の対策に全力を尽くさなければならないと思うのです。最近、死亡事故が全体としては減少傾向にあるとはいえ、依然として年間一万人以上にのぼっているわけです。やはり事故が非常に多いということの根本的な原因をはっきりとっかんでかからなければいけないのじゃないかというふうに思うのです。その原因ですけれども、自動車の急増にあるということは、自動車の増加とともに事故率が上がっているという、激増したという事実が雄弁に物語っていると思うのです。 自動車の急増はなぜ行なわれたんだということになりますと、これは代々の自民党政府が強引に推し進めてきた高度経済成長政策がつくり出したものだと思うのです。事故の急増自体が安全対策をないがしろにした自動車の急増政策がもたらしたものだと思うのです。それは、自動車優先の幹線道路の政策、歩行者の安全をはかる諸施設に力を入れずに立ちおくれさしてきていること、バス運行などの公共輸送機関の放置、トラックの過積み問題その他に見られる交通労働者に対する過酷な労働条件と賃金制度などに見られるように、きわめて政策的につくり出された条件のもとで事故が起きているというふうに考えるわけです。これらに対する対策が真剣に取り組まれるかどうかが事故を根絶しようとしているかどうかの試金石だというふうに私は考えるわけです。 交通遺児を励ます会全国協議会は、提出された要望書の中で次のように指摘しております。「交通遺児は高度経済成長政策の産物である。昭和三五年来の成長政策で自動車産業は戦略産業として選ばれ、急速なモータリゼーション政策を強行、交通事故率は欧米の最高八倍にものぼり、遺児は量産され、お粗末な保険制度のもとに急転落層の道をたどらされた。交通遺児は繁栄日本の“人柱”だったのである。」、こういうふうに指摘しております。この見解に対して、長官、政府はどう考えられるか。また、こういう状況のもとでつくり出された犠牲者である交通遺児の救済の道は、どのような方向で行なうべきだと考えられるか、お聞かせいただきたい。
○植木国務大臣 交通事故の増大というものが、自動車交通量の増大によってこのような状況になったということにつきましては、私どももそのような認識を持っております。この自動車交通の増大というのは、いまは自由民主党政府の政策の結果であるという御指摘でございましたけれども、私どもといたしましては、必ずしもそうは断定はできない、やはり国民的な要望や社会的な要望もあって、このように自動車の数がふえたんだというふうにも考えているのでございます。 もちろん政府といたしましては、交通事故が増大してはならないということで、あらゆる施策をやるべきでありますし、いままでもやってまいりました。御承知のとおり交通安全施設の充実につとめてまいりましたし、また交通安全教育等安全対策のための啓発にもつとめてまいったのでございまして、たいへん車の量はふえましたけれども、お説のように最近では大幅な事故の減少を見るというふうになっております。これでよろしいということは、私どもも絶対に考えていないのでございまして、御承知のとおり、総合交通体系というものが、昭和四十六年に臨時閣僚協議会によりまして基本的な方針をきめたわけでございますけれども、私どもはこれを基本的には尊重はしてまいりますが、昨今のエネルギー問題あるいは環境問題というような社会、経済情報の変化もございますし、そしてまたさらに、交通事故を絶滅しなければならないという社会的な要請、また国家的な課題もあるのでございますから、私どもといたしましては、この総合交通体系というものを固定的なものとしては考えないで、弾力的に考えていきたいと思っているのでございます。資源の効率化を確保しながら、必要な分野の施設整備を進めてまいるということが基本的な考え方でございまして、お話のように、交通事故者が出ませんような対策を精力的に展開をいたしてまいりたいと存じます。 そしてまた、事故者に対する今後の施策というお話がございましたが、これは先ほども申し上げましたように、交通遺児、交通事故者のほかに災害事故の遺児あるいは災害事故者というような人たちがあり、またそのほかにもたいへん気の毒な方々も多い状況でございます。総合的に社会保障対策の中で施策を展開していきますと同時に、この交通遺児に対しましては、またさらに先ほども申し上げましたけれども、いろいろな知恵をしぼり、また施策を充実していくための努力をいたしたいと存じているのでございます。 何とぞ御理解と御協力をお願い申し上げたいのでございます。
○平田委員 やはり見解の基本に違いがあるのですね。といいますのは、国民の要望もあって自動車はふえたというふうにおっしゃるけれども、これが明らかに急増し始めたのはいつなんだといえば、高度経済成長政策を政策として打ち出して推し進めた、しかもアメリカ的なモータリゼーションを取り入れて強行した、これがポイントなんですよ。ですから、もちろん大企業、自動車メーカーにも責任がある。同時に、そういう政策を強行してきた政府が責任をとるという姿勢が、交通事故の場合にはやはり確立されていなければならないのじゃないか。このところが私は、今後の方向をきめていく上で大事なポイントだというふうに考えるわけです。 さて、いろいろな施策を社会保障関係で総合してやっていくんだというふうにおっしゃるけれども、それでは交通遺児家庭に対する——きょうは私、交通安全対策特別委員会で質問しているわけで、ここのところへしぼっています。これは誤解のないようにしておいていただかなければならぬと思うのですけれども、この救済対策として一般行政による生活保護、母子年金、それから自賠責の関係で、先ほども言われましたように被害者の保険金の支給、自賠責再保険会計からの交通遺児育英会への補助、自動車事故対策センターからの育成費などがあるけれども、このほかに国として交通遺児家庭に対して行なっている対策があるのかということについて、厚生省、運輸省、総理府それぞれからお答え願います。
○植木国務大臣 交通遺児だけに対する施策としては、いまお話があり、私からも申し上げましたような基金あるいはセンターからの援助でございますが、そのほかに何かあるかといえば、やはりほかの遺児の方々と同じように就学奨励金でありますとか、あるいは日本育英会からの育英資金の貸与、こういうことを行なっているというのが実情でございます。
○坂本説明員 年金といたしまして、厚生年金につとめて加入しておられる方がなくなった場合には厚生年金遺族年金、それから自営業の方で国民年金に入っておられる方がなくなりまして母子家庭になりましたときには、保険料の納めぐあいに応じまして拠出制の母子年金あるいは母子福祉年金、こういうものが支給されることになっております。
○宇津木説明員 運輸省といたしましては、先生のいまのお話の中にございましたように、事故対策センターを通じます遺児貸し付け、それから育英会に対します特会からの補助金、この二つだけでございます。
○平田委員 厚生省にお尋ねしますけれども、交通遺児家庭で生活保護を受けている世帯数、それから交通遺児家庭で母子年金を受けている世帯数は幾らになりますか、お聞かせいただきたい。
○坂本説明員 生活保護世帯の関係につきましては、私、ちょっと所管しておりませんので、いまここでお答えできませんが、至急連絡をいたしまして担当を呼ぶようにいたします。 それから年金の関係でございますけれども、これは特に交通遺児というものに限らず、父親が死亡した場合すべてに支給いたしますので、私どものほうで特に交通遺児の中で何人という調査はやっておりませんから、直接正確な数字はお答えできませんけれども、大体、父親が交通事故で死亡した場合には何らかの形で年金が出ているというふうに考えておるわけでございます。
○平田委員 母子福祉年金の支給ですけれども、現在は中学終了時までとされていますね。それを高校卒業時までに引き上げてほしいという要望が出されております。高校進学者は中卒者の九〇%をすでにこえております。私の住んでおります埼玉県の場合は九四%になっておりますね。こんなぐあいで、すでに高校教育というのは義務教育に準ずるものとなっているわけです。そういう意味で当然の要望だと考えるが、この中学終了時までになっているのを高校終了時までに引き上げるという考えがあるかどうか、お聞かせを願いたい。
○坂本説明員 ただいま御指摘のありましたとおり、高校進学率が非常に高くなっておりますので、私どもにおいても、その点は何らかの対策を立てたいということを考えておるわけでございます。現在、母子福祉年金の場合は、いま御指摘になったように義務教育終了までということになっております。一方、拠出制の国民年金でありますとか厚生年金のように、保険料を納めたことによって年金を受ける場合には十八歳まで支給の対象になっております。したがいまして、母子福祉年金につきましても子供の年齢を拠出制の年金と同じようにいたしたいということで、私ども現在その改善につきまして取り組んでおるところでございます。
○平田委員 交通遺児家庭の生活実態調査をした交通遺児育英会は、その報告の中で、インフレがどんなに深刻な影響を家計に与えているかということについて、次のように述べております。「貧困層、低所得階層が大部分である交通遺児家庭にとって、昨年秋からのインフレーションはとくに手ひどい影響をあたえた。「非常に苦しくなった」四四・七%、「いくらか苦しくなった」四四・八%、「とくに苦しくなったとは思わない」五・一%。全体の九割近くが苦しくなっていると訴え、その半数がそれをはなはだしいという。「非常に苦しくなった」というものの世帯の総収入との関連でみると一万円台で八二・九%ともっとも高く、二万円台で七〇・四%がこれにつづく、以下九万円台のあたりまで収入が低い世帯ほど「非常に苦しくなった」と訴えるものの比率が高いという関係がよみとれる。 このインフレーションの直撃を家計に受けて、交通遺児家庭はどのように対応しているか。いまさら新しい対応の工夫のしようがないというのが本音である。しかしいわゆる狂乱物価から逃げることもできない。そこで第一の対応は家計の再度の切りつめである。衣服費六〇・四%がもっとも多い。以下、飲食物費が三八・九%、娯楽費三一・〇%、光熱費一八・六%、交際費一二・三%がつづいて上位の五費目となる。」 このことでも明らかなように、加速度的に生活困難が増大しているいま、特に年末を控えて交通遺児家庭に対して特別の一時金などの支給の対策はとられたのかどうか、お聞かせいただきたい。
○植木国務大臣 非常に苦しい経済状況の中で、交通遺児に対して年末の一時金を出せという正式な御要請が民社党からも出されております。私どもといたしましては、何とかできないものであるかということで種々検討をしているのでございますけれども、交通遺児に対してだけに限って、これを出すということになりますと、他の、先ほど来申し上げておりますような困っておられる世帯あるいは家庭があるわけでございますので、交通遺児をかかえておられる、あるいは交通事故者をかかえておられる家庭に対してだけ、これを行なうということは均衡を失する点もございますので、たいへんいま苦慮しているという状況でございます。したがいまして、お答えといたしましては、出したかどうかということでございますが、出しておらないというのが現状でございます。
○平田委員 苦慮しているというのは、出そうと思っているということを意味しているのですか。
○植木国務大臣 出せないものであるかどうかということで、いろいろ御意見や御要請があるのでございまして、私どもとしても、交通遺児あるいは交通事故世帯というものに対してだけ、これに限って出せないものかどうかということで苦心をしているというところでございますが、一方、先ほど申し上げましたように、他のいろいろな困っておられる家庭との均衡をどうするかということがございますので、出すのがたいへんむずかしくて困っておるといいますか、出せない状況であるということなのでございます。
○平田委員 三木内閣がそういう態度であるということがわかりました。 自動車事故対策センターが設立され、ちょうど一年になります。この間の交通遺児に対して貸し付けた件数と金額、幾らになるか、これだけ簡潔にお願いします。
○宇津木説明員 交通遺児に対します貸し付けは、件数は先月末現在で千九十件、金額は約八千七百万円でございます。
○平田委員 自賠責保険特別会計のうち、貸し付け金は四十九年度は幾らか、五十年度予算要求額は幾らか、簡潔にこの数字だけ答えてください。貸し付け金に限るのですよ。
○宇津木説明員 先生のただいまの御質問、交通遺児に対する貸し付けだけという御趣旨であろうかと思いますが……(平田委員「交通遺児を含めて貸し付け金という項目で出している金額です」と呼ぶ)交通遺児に対しましては、四十九年度、本年度は一億でございます。そして来年度につきましては、現在予算要求は、全体のワクを含めまして約五億でございます。
○平田委員 自賠責会計から貸し付けている貸し付けの項目で、その総額が四十九年は幾らで、五十年度予算要求は幾らなのか。
○宇津木説明員 自賠特会から事故対策センターへの貸し付け金は、四十九年度で五億でございます。
○平田委員 五十年度の予算要求は幾らしておるのですか。
○宇津木説明員 五十年度要求しておりますのは、全体のワクとしては、やはり五億でございますが、中身といたしましては、遺児貸し付け等が充実せられるように要求し、折衝中でございます。
○平田委員 その数字、違うのじゃないですか。あなた方のほうからの資料によると、四十九年度予算額は四億三千二百万ですね。そして五十年度の予算要求は二億三千万になっていますね。この数字、合っているのでしょう。あなたのほうの資料ですよ。
○高橋(寿)政府委員 お答えいたします。 交通遺児貸し付け金を含みますところの貸し付け金の総額、要するに事故センターから貸し付けられる人に出す原資総額でございますね、これが四十九年度で五億でございます。それから五十年度の予算要求で、これも同じく五億でございます。 それから、いま先生のお示しの四億三千二百万円、または二億三千万円という数字は、この貸し付け金の原資の一部をまかなうために、自賠責特会から事故センターに対する貸し付け金でございます。ことばは同じですけれども、センターがもらうお金とセンターから貸し付ける原資との違いでございます。
○平田委員 何で二億円少ないのですか。
○深川説明員 お答え申し上げます。 先ほど自動車局長からもお答え申し上げましたように、政府から貸し付けいたしますお金と、それから前年度等に貸し付けまして回収されました金とを原資といたしまして、その年度におきます五億円の貸し付け規模に充てるわけでございますので、したがいまして、当初計画におきまして、前年度立てかえ貸し付けもしくは不履行判決貸し付けといったようなものが、かなり予算ワクとして組んでございましたので、それがそのとおり実行されました段階で、その回収額も次の貸し付けの原資となるわけでございますが、現実の姿といたしましては、遺児貸し付けが非常に需要が多い反面、立てかえ貸し付け等の希望は、目下のところ非常に少のうございますので、現実にはそういった回収金が非常に少なくなるわけでございますが、予算的には毎年そういった五億の貸し付けができるように、そういう回収金と合わせまして政府からその差額と申しますか、五億になるような形で補助をする。したがいまして、前年度に比べまして、結果的には当年度の政府からの貸し付けが少なくなりましても、全体の貸し付けワク自体は五億の規模が維持できるようにという形で措置をしているものでございます。
○平田委員 自賠責再保険特別会計で、純益勘定の四十六年、四十七年、四十八年の推移と四十九年度の見込みはどうなっているか、お聞かせください。
○深川説明員 お答え申し上げます。 自賠責特別会計におきましては、四十七年度、これは私ども再保険という制度をとってございますので、再保険料として収入に入りましたものを、今度は事故の被害者に対する支払いという形で、再保険金支出という形をとって支出のほうに充てるものが原則でございますが、こういった収入関係全般で四十七年度二千二百五十億、これに対しまして再保険の支出が一千百二十億、したがいまして、差し引き四十七年度につきまして千百二十億の結果的に余剰が生じてございます。 なお四十八年度につきましても、再保険収入二千五百六十億に対しまして再保険支出千三百五十億、差し引き千二百十億の利益を生じておるものでございますが、実は四十二年度から四十五年度にかけましては非常に大幅な赤字を計上しておりまして、こういった累積赤字がこれらの利益によりまして結果的に解消されまして、なおかなりの利益を生じたものでございますので、昨年の十二月に保険料を原則として現行のまま据え置いた形で、保険金支払いの限度額を、死亡等につきまして二倍に引き上げるという措置を講じまして、保険収支の均衡をはかっておるところでございます。 それからなお、四十九年度につきましては、ただいま申し上げましたように、そういった見込みに立ちまして保険収支が均衡をとる形で考えてございますが、これはあくまでも見込みでございますので、なお最近の事故等の状況から考えますれば、若干の利益が生ずるかと存じておるわけでございます。
○平田委員 若干であっても事故数が減り、そして支給額がふえたとはいいながらも、やはり全体では収入がふえて支出が減ってきているというのが現状だと思うのですね。ですから、前年度と同じ金額でまかなっていくという考え方、これ自体がやはり私は、たとえば交通事故対策センターにしても、店を開いたばかりで、まだまだどんどんやらなければならないことが一ぱいあるのですよ。しかも、PRも満足にやられてないのですな。知らないのです。そういう状況で利用度がまだ十分でないというわけですから、やはり予算は十分にとっていくようにしていくべきだというふうに考えるわけです。 交通遺児を励ます会全国協議会は、要望書の中で、事故センターの育成金制度を、一時金は六万円から十万円に、貸し付け金は月五千円から八千円に引き上げてほしいというふうにいっております。この育成金制度の貸し出しワクも千三百人から四千人に広げてほしいというふうに要望しておりますけれども、これにこたえるために用意があるかどうか。私は、やはりこの要求は当然だと思いますので、受け入れて努力をすべきだというふうに思いますが、その用意があるかどうか、お聞かせ願いたい。
○宇津木説明員 この貸し付けワクにつきまして、その貸し付け希望者数の動向をも十分勘案いたしまして、来年度予算におきましては、できる限りその貸し付けの数の増大をはかりたいということで関係方面と折衝中でございます。
○平田委員 貸し付け金の総額も、五十年度の要求額で、私はそういう意味では間に合うのかいなという心配をしているわけです。 もう一つ、自賠責再保険特別会計からの補助金総額、四十九年度予算は幾らで、五十年度の予算要求は幾らになっておりますか、お聞かせください。
○深川説明員 先生御指摘のとおり、自賠責特別会計の保障勘定の運用益の一部を、交通事故の防止及び被害者救済の事業を行ないますところの各種団体に対しまして補助金として交付しているところでございますが、この補助額は、四十九年度予算におきましては総額七億一千八百万円となってございます。なお、五十年度につきましては、ただいま予算要求の段階でございまして、具体的な額につきましては、まだ申し上げられる段階ではございませんが、前年を上回る額に増強するように、私どもとしては鋭意関係方面と折衝いたしておるところでございます。
○平田委員 私のほうの資料では、前年度より一千万円少ない要求になっておりますね。だから、それはやはり仕事をもっとどんどんできるように、そして実際に救済の手を差し伸べられるようにしていく規模の予算要求でやってもらわなければならないと思うのです。 交通遺児育英会は、助成金を五十年度は三億にしてほしいと要求をしております。いま申し上げた一時金六万円を十万円に、貸し付け金は五千円を八千円に、貸し付けワクは千三百人を四千人に、またワクも一定ワクでいったのでは、これは一年度分は貸し付けできるけれども、二年ではできないという事態になるので、このワクもやはり累積して拡大していくような処置をとる必要があるというふうに思うのです。こういう要求は当然の要求だと考えるわけですが、とりわけ助成金の三億円の問題と、それからワクを累積していくについて、考えを聞かしていただきたい。
○宇津木説明員 まず最初に、ワクのほうの拡大の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、貸し付け対象者の増加に応じまして、これが確保できるようなワクにいたしたい、こう考えております。そして先生の御指摘のように、これは毎年新しい貸し付け対象者がふえますと、それが累積せられるわけでございますが、その分についてもカバーできるような形で折衝いたしてまいりたいと考えております。 それから交通遺児育英会に対する補助金の総額につきまして、たいへん具体的な数字を掲げられまして、お話があったわけでございますが、この会の趣旨その他に対しては、民間団体としてよくやっておるということで見ておるわけでございますが、やはり自賠責から出すということになりますと、本来、自賠責の運用益というのは保険金の引き上げ、限度額の引き上げ等、先ほどもお話がありましたが、そういうことも第一義的に考えなければならない要素もある。あるいはまた、この育英会に対する補助につきましても、被害者救済あるいはまた事故防止の事業を行なう他の団体に対しまして特会から補助をいたしておりますが、そういうもののバランスも考えなければいけないというような要素もございますし、そしてまた、現在育英会に出しております金は、いわば補助金渡し切りという形で出しておるわけでございますが、それを育英会のほうでは貸し付け金のいわば原資にも回るわけでございます。たとえば事故対策センターに対しましては、向こうの貸し付け金の原資に対しましては、やはり国からも貸し付け金という形で出しておりまして、これを渡し切りという形では出していないわけでございます。 自賠特会の補助を、つまり貸し付け金の原資に回るようなものについても渡し切りの金で出しているというのは、ある意味で異例の形でもございますし、それからまた、交通遺児育英会の五十年度の計画をいろいろと拝見したわけでございますが、現在五十年度計画で計上せられております貸し付けにつきましては、資金は一応足りておりまして、そしてこの補助金の増額につきましても、将来に備えました基金の増額のためという性格がかなり強いわけでございまして、いろいろな点を勘案いたしますと、五十年度予算において、当面このように増額することは困難ではなかろうかと考えております。
○平田委員 いま言われましたけれども、ずっと振り返ってみていただけばわかりますように、交通遺児育英会が、結局政府の施策の届かないところを補完するという役割りをいままでさせられてきているのですね。ですから、補助を三億円に引き上げて、そしてそれを原資として事業を進めると同時に、利子運用もはかりたいという願いなんですね。そんないままでの経過からずっと見ますと、政府が出している金なんて微々たるものなんですよ。だから、やはりそれは育英会の要望を積極的に受け入れていく必要がある。私はいままでのお話を聞きまして、全体として消極的過ぎるんじゃないかというふうに思うのです。 三木総理は、弱者救済を重要施策の一つに入れております。臨時国会後、直ちに五十年度予算を見直すというふうに言っております。また、十二月二十日の東京新聞によると、自民党は明二十五日、予算編成大綱をまとめる作業を進めている。その中でこういっているんですね。「公共料金の極力抑制、生鮮食料品の供給確保、住宅建設融資の拡大」とともに「交通遺児に対する一時金支給」などをあげている。こういうふうにいっているんですね。私はいまからでもおそくないというふうに思うのです。そういう意味で五十年度予算についても、やはり三木内閣ができる前に組んでいった予算ですから、三木内閣がああいうふうにいっておるのですから、重要施策に掲げておるのですから、あなた方のほうからも、やはり予算要求はばっちり出していくという態度が必要だと思う。その点どう考えるか。もう一つお聞かせいただきたい。
○高橋(寿)政府委員 実はいまの問題は、私たちの役所だけで結論を出しかねる範囲もございますので、ここで確定的にお答えはできないわけでございますけれども、私たちの手の中でいま考えられることは、貸し付け金の増額はできると思います。しかし、渡し切りの一時金を出すという形になりますと、関係方面たくさんございまして、なかなか簡単にいかない。先ほどまた総務長官からの御答弁のように、他の給付との均衡関係もございますので、なかなか簡単にいきませんけれども、何とか実質的に交通遺児の方に対する援助がふえるような方向は、自動車賠償責任保険持別会計のワク内あるいはまた事故センターの仕事のワク内で、ぜひ努力はしていきたいと思っております。
○平田委員 最後に、もう一度強調しておきたいと思います。 いままでずっと申し上げてまいりましたように、代々の自民党の政府が大企業本位の高度経済成長政策によるモータリゼーションを推し進めることによってつくり出した交通事故の犠牲者、交通遺児家庭が、いま出しているつつましやかな要求にこたえることは、政府の当然の責任だというふうに思うのです。三木自民党内閣は弱者の救済を施策の重点にするといっておりますけれども、それは交通遺児家庭にあたたかい政治の手を差し伸べることを抜きにして語れることばじゃない。私はそう考える。きょうの政府の答弁は弱者救済の政策となかなかかみ合っていかない。前の田中内閣の時代の考え方を継続しておるじゃないかということを疑わせるものであったというふうに思うのです。 私はいま一度、交通遺児の皆さんの困難な条件、この困難な条件のもとで苦しめられている実態に政府は目を向けて応急に対策を強化することを強く要求し、この問題については、引き続いて追及することを表明して、きょうの質問を終わります。
○勝澤委員長 今国会におきまして、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり、交通戦争の早期解決に関する陳情書外四件でありますので、御報告申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十五分散会