物価等対策特別委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/10/25
会議録
○委員長(小笠公韶君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。去る二十一日渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○委員長(小笠公韶君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 当面の物価等対策樹立に関する調査のため、本日日本銀行総裁佐々木直君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小笠公韶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小笠公韶君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 先般、本委員会が行ないました当面の物価等に関する諸問題の実情調査のための委員派遣について派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告をお願いします。鳩山君。
○鳩山威一郎君 第一班の御報告を申し上げます。 第一班は、去る九月十七日から二十日までの四日間にわたり、小笠委員長、中沢理事、粕谷委員、志苫委員と私の五名で、福島県及び宮城県の物価行政、特に生活関連二法の施行状況、消費者行政、生鮮食料品等の流通の実情、公正取引委員会地方機関の業務の実情等を調査してまいりました。 以下、調査の概要について御報告いたします。 まず、物価行政につきましては、最近の生活関連二法の施行状況に焦点を合わせて申し上げます。 昨年秋以降の物価の高騰、物不足。パニックの頻発に対応するため、各県とも、県民の強い要望を背景として、緊急を要する物価行政に迅速かつ積極的に取り組み、生活関連二法等の法令や行政措置の運用、そして県の実情に即した独自対策の実施など、短期間のうちに広範な対策を講じ、多くの成果をあげております。 福島県では、昨年十一月下旬に物価対策本部を設置し、その実効を期するため、国の行政機関との連絡を密にすることを目的とした「福島県生活安定緊急対策協議会」や、物価対策、消費者保護について県民各層の意見を聴取し、その円滑な推進をはかる目的で、福島県物価問題等対策会議を矢つぎ早に設置しております。 これらの組織整備の状況につきましては、当該組織の名称等に相違はあるにいたしましても、宮城県におきましても同様の措置が講じられております。 物価問題への取り組み状況を宮城県の例で見ますと、同県では、社会、経済動向の展望の中から望ましい県民生活のビジョンを描き、そこに到達するための長期総合計画の中で、「物価安定対策」について、主として生鮮食料品や中小企業製品及びサービス料金などの低生産性部門の生産性向上などの構造改善対策、流通機構の合理化対策を進めるとともに、不当な価格形成についての監視の強化や消費者教育事業などを強力に推進しております。 また、生活物資等需給安定緊急対策は、昨年十一月に策定され、緊急対策懇話会、推進本部、県市町村連絡会議の設置、生活必需物資の緊急確保モニター、苦情処理体制の整備充実、供給及び価格安定のための行政指導の強化、消費節約の実践運動及び流通、消費者情報の迅速な提供などの諸対策が県民あげての協力のもとに実践されております。 具体的に、生活必需物資の価格、供給の安定化促進対策について見ますと、まず、地場産業の生産流通の合理化による廉価提供と、県産品利用の促進、食肉について現在行なわれている生鮮食料品全県一斉奉仕デーの実施、青空市場の開設、仙台市内四デパートで月一回実施されている産直コーナーへの助成、四Hクラブ等の組織による生鮮食料品バザールの開催、公設小売市場、農協経営等総合食料品小売センターの増設、秋冬期野菜を中心とした冷凍食品の普及促進、主要野菜安定導入事業等が行なわれております。 次に生活関連二法の施行状況について福島県の実情を申し上げます。消費者の物価問題に対する関心が高まる中で、その協力と支援のもとに、円滑、効果的に推進されたことが印象的でありました。 標準価格等の表示及び価格の順守状況につきましては、ことしの初めから八月中旬までの間に灯油、LPG、トイレットペーパー、ちり紙の四品目について調査が行なわれ、このうち、物不足パニックの中心品目となったちり紙につきましては、本年二月一日から同月二十四日に至る悉皆調査で、巡視件数七千五百七十八件に対し、表示の指示が行なわれたもの四千八百四件、価格引き下げが指示されたもの四千三百八十四件という数にのぼりました。 これらの調査結果から、標準価格につきましては、その表示が特に生活用品について徹底していないという点、標準価格を上回る価格で販売されていたケースが、トイレットペーパー、ちり紙というパニック商品には多かったという点が指摘できると存じます。 次に、買占め等防止法指定物資に関しましては、十二品目について定期的な需給、価格動向調査が、また、食用油、精製糖、しょうゆ等について卸売り業者を対象に流通の実態、価格、需給動向等の調査が実施されました。 個別物資対策につきましては、不足物資のあっせんが行なわれ、このほかに、生鮮食料品等緊急輸送用燃料の確保対策、小麦粉、食パンなど九品目について値上げ等に対する業界の事情聴取、国の価格抑制対策に対応して県内のデパート、スーパー五十八店等に対して生活関連物資等の値上げ抑制指導が行なわれました。 次に、消費者行政について申し上げます。 昭和三十年代以降における経済の高度成長の過程の中で、新しい行政の分野として登場した消費者行政は、消費者保護体制の整備・強化、消費者教育と組織活動の育成指導などを基本として進められてまいりましたが、今回の調査を通じ、私たちは地方においてもこれらの消費者行政が着実に実績をあげつつあることに意を強くした次第であります。 すなわち、今日では消費者が積極的に行政をプッシュし、各県とも広範な市民の参加を得つつ行政が進められるという方式が定着しつつあるのであります。 なお、福島県消費生活センター視察の際、センター職員より、かしこい消費者を育成するためには、中等教育過程から、教育の一環として消費者教育を組み入れる必要があるのではないか、消費生活センター間の横の交流を密にし、一そう機能の向上をはかることが必要ではないか、商品テスト結果の公表をしてはどうか等の諸問題が話題となりました。 また、市町村の消費者行政を充実強化するため、市におけるセンターの設置及びセンター内の機械設備につきましても国庫補助の対象にしてほしい旨の要請がありました。 次に、本調査団が、最近の物価事情、行政に対する消費者のなまの声を聴取するため、宮城県庁において行なった消費者等との物価問題に関する懇談会について申し上げます。 出席者は、何らかの形で日常積極的に物価問題消費者運動等に取り組んでおられるリーダーの方々十五名で、流通機構の改善、食品の安全対策、消費者米価等公共料金政策、製造年月日表示制度、生鮮食料品の規格の簡素化、独禁法改正問題等の諸問題について熱心な意見の交換を行ないました。 その一例を申し上げますと、生鮮食料品の流通機構の問題では、生産県でありながら大都市における価格水準が基準とされ、生産地のメリットが生かされていないことや、複雑な流通機構の簡素化によって中間マージンを削減することが必要ではないか等が強調されるとともに、生活用品、野菜などの規格が不必要に複雑であり、単純化すべきこと、流通近代化を目的に水揚げ港に設置された倉庫が業者の利益保全のためにしか機能していないのではないか等が指摘されました。 これらに対し、委員長より、特に流通経路の簡素化についてば、全国的、地域的、業種別に調査し、勇断をもって取り組み、既存の流通形態に対してバイパスとしての産直等が定着できるよう指導援助に努力したい、また、耐久消費財、生活必需品について資源節約という観点からも、消費者の立場に立ってモデルチェンジの行き過ぎ規制、規格の簡素化について、強力な行政指導を政府に要請してゆきたい旨の発言がありました。 このほか、公共料金抑制対策、消費者基本法の積極的活用、商品に対する製造年月日表示制の義務づけ、耐久消費財の耐久性能の引き上げ、家庭用灯油の低廉な価格での安定的供給、医療費の明細書発行の義務づけ、自主流通米制度の再検討、食品添化物の安全性など各般にわたる諸問題について意見の交換を行ないました。 次に、流通行政について申し上げます。 福島県卸商団地、福島市公設卸売市場、仙台卸商団地と、これに併設された仙台トラック・ターミナルでは、流通近代化の要請にこたえるため、着々とその体制の整備がはかられております。 まず、福島県卸商団地は、福島旧市内の卸売業者五十六店を郊外に団地化して収容しているものでありますが、単に移転を目的とするだけでなく、団地造成によって施設の共同利用、近代化をはかり、流通のパイプを太くする等の改善によって、物流の大型化に対応するとともに、そのメリットを消費段階にまで及ぼそうとするものであります。 この卸商団地は本年三月に事業の完成を見たばかりでありますが、すでに商圏の拡大と取り扱い高の著しい伸びが見られ、小売業者にとっても仕入れの集中化によって好みに合った商品の選択が可能となるなど、数々のメリットが確認されております。 福島市中央卸売市場は、経済圏の広域化に伴う経済活動の急速な活発化によって増大する需要と交通量に既設市場が対応できなくなるなどの事態が深刻化したため、その打開をはかるため、四十七年に卸商団地の隣接地に移され、機能の拡充がはかられたものであります。 この結果、卸売業務の迅速化、集荷能力の増大がはかられ、消費人口六十万人に対応できる流通の拠点となっております。 協同組合仙台卸商センターは、東北における卸商団地の草分けとして昭和四十五年に施設の完成を見て以来、四年目を迎えておりますが、当初百九十一社でスタートした組合もすでに二百八十五社に達しております。 集団化による現実のメリットを団地建設の前後で比較してみますと、集団化後の四十五年度とそれ以前の四十年度の売り上げ額比較では、一社平均伸び率が二・三倍に上昇し、市内一社平均伸び率一・六倍を大きく上回る結果となっております。販売エリアの面では、仙台市内依存度が低下する一方、東北六県のウエートが高まり、東北地方における流通の拠点となる傾向が強まっております。 また、卸商センターでは、販売額の上昇の反面、配送部門における経費増加、自家輸送の行き詰まりが販売活動の障害となっている実情などを打開するため、物流合理化対策の柱として昨年八月に共同配送センターを設け、輸送業務を隣接して設けられた協同組合方式による仙台トラック・ターミナルに委託するなど合理化の努力が重ねられております。 次に、本調査団は、福島県相馬市において、相馬地方十六農協と町田市民生活協同組合との間で行なわれている産地直結事業の実情を調査いたしました。 近年、流通の近代化、合理化が叫ばれている中で、産地直結事業は、生産者と消費者をダイレクトに結びつける流通の最短コースとして全国各地に多くの事例を見ることができます。しかし、その多くは長年月を経ずして破綻しているところを見ますと、一見最も合理的に見える産直事業にも多くの問題点のあることがうかがえるのであります。 本産直事業の場合は、昭和四十六年十月に第一回事業が実施されて以来三年間を経過しております。四十八年度の実績を見ますと、相馬地方産の自主流通米年間ほぼ百八十トンを除き、酒、魚類、みそ等を主体に年間販売額は約千二百四十万円にのぼっております。 相馬・町田の産直方式の特色は、本事業の目的として「農村と都市の相互信頼と理解による人的結合を基盤とし、融和と協調を旨として文化的、経済的交流と親善提携を強化し、相互の地域社会の発展と繁栄を期する」と規約にうたっているところからも明らかなように、単純な経済行為にとどまらないところに特殊性があり、また、それが今日まで順調に推移してきている背景になっているのではないかと思われます。 しかし、産直事業の将来を展望いたしますと、まだ未解決の問題が残されていることも事実であります。その第一点は、現在の事業規模は一回当たり二十万円から二十五万円程度でありますが、それを経済事業として独立し得るように拡大することであります。第二点は、生産者、消費者の双方で現在提供している労力奉仕的な事業への協力等の事業計算以外の種々の支出、輸送途上の事故の保障、売れ残り商品の処理対策などの経済的処理対策を確立することであります。第三点は、産直事業を継続する上で最も困難な問題の一つであります商品の価格の決定方法と需要に対応できる品ぞろえの確保であります。また、産直問題については、受け入れ側の整備が何より大切であることであります。 このほか、国や地方団体としても、産直が法的保護を受けない自由流通であることに起因する不利を是正するとともに、消費者教育、物価対策、消費者運動としての側面から、施設、資金などについて積極的な行政援助を行なうことが望まれるとともに、農協、生協間の提携の強化が一そう必要になると思われます。 以上のほか、仙台ミート・プラント、塩釜魚市場、塩釜水産加工団地の視案を行ないました。 最後に、公正取引委員会仙台地方事務所について申し上げます。 最近の東北経済は一次産業のウエートが依然高いとはいえ、農村地域への工業導入の進展、新産都市建設、工業再配置促進法の具体化等によって工業化の進展が著しく、流通面でも中央大手スーパーの進出、各地で流通団地の建設が行なわれるなど、近代化、大型化が目ざましく、これらの経済活動の活発化に伴い最近の独禁法違反や景表法違反件数は増加の一途をたどっており、事務量の増大に加えてその内容も複雑、多様化しております。一方、消費者等の公正な取引の確保に関する要請は、昨今の経済社会情勢を反映してとみに高まっており、これに十分対応するためには、本地方事務所の旅費等庁費の拡充や四十二年以降九名に据え置かれたままの定員の増加等の措置が緊急に望まれるのであります。 以上をもちまして、第一班の報告を終わります。
○委員長(小笠公韶君) 次に、第二班の御報告をお願いします。中西君。
○中西一郎君 引き続きまして第二班の報告をいたします。 第二班は九月十七日から二十日までの四日間、竹田理事、森下委員、柏原委員と私の四名で、大阪府、兵庫県、岡山県下における物価行政、消費者行政の実情、青果物の生産流通の実態、公正取引委員会地方機関の業務の実情等を調査してまいりました。以下、その調査の概要について御報告いたします。 まず、物価行政について申し上げます。 昨秋の石油危機に端を発したわが国の経済情勢は、生活関連物資の不足及び価格の高騰を招くなど危機的な様相を呈し、こうした事態に対処して各般の緊急対策が講ぜられてきたところでございますが、大阪府、兵庫県、岡山県におきましても、それぞれ専任の執行機関を設けて物価行政に対処しております。 その基本的施策としての第一は、物価対策促進体制の整備強化であります。生活二法に基づく地方公共団体への権限の委任及び国民生活安定緊急対策本部からの指示に基づき、広範にわたる物価行政の各部局の事務、事業の連絡調整を行ない、体系的な行政運営が推進されております。すなわち、生活二法に基づき指定物資の監視体制強化のため、各関係機関に物価調査員を配置し、生活関連物資の需給及び価格動向調査を定期的あるいは随時に行なって、その動向の把握と監視につとめ、もって物資の確保、価格の抑制等そのつど必要となる措置を講じております。 第二は、生鮮食料品の安定供給であります。生鮮食料品の安定供給をはかるために、産地指定を行ない、集団産地の育成と計画的な生産出荷及び共同販売体制を確立し、生産者の経営安定に資するかたわら、価格安定基金制度の運用により価格の著しい低落が生じたとき、生産者に及ぼす影響を緩和することによりまして、生産と出荷の安定をはかっております。 第三は、流通機構の合理化対策でございます。流通活動の近代化、システム化は時代の要請であります。流通の近代化を推進するため、卸については、卸売り市場整備促進に対し資金の融通助成を、小売りは、中小企業者相互の組合組織による事業共同化、協業化の推進、助成を行ない、特に生鮮食料品については需給調整機能をあわせ持つストックポイント的な施設設置の具体化など新しい見地からの流通経路の検討を進めております。 第四は、公共機関が決定するいわゆる公共料金につきまして、物価安定の見地からきびしい財政事情もさることながら、極力抑制していこうとしておることであります。これらの実情にかんがみ、各地方公共団体から物価行政について次のような要請がありました。 物価対策促進体制の整備強化については、価格抑制の対象物資の指定または解除にあたり地方公共団体との連絡を密にすること及び物価監視を継続するにあたって交付金の交付を、また農産物価格安定対策の推進については価格安定事業に対する生産費補償の実施、基金に対する国庫助成に上る機能の強化、事業対象品目の拡大、流通改善のための調整保管施設に対する助成措置等が、また流通合理化の推進については、適正価格による円滑な流通合理化を推進するため、特に中小流通業者の高度化対策として地域ぐるみの商業近代化地域計画の助成措置及び共同仕入れ、パレットシステム促進のための融資助成等が、さらに市場施設整備の拡充強化については補助金及び起債ワクの拡大、補助率の引き上げ、用地取得等の国庫補助対象への繰り入れ、市場近代化資金の融資ワクの拡大と貸し付け条件の改善等が、またそのほか、他の物価に与える影響のきわめて大きい公共料金の抑制、濃厚飼料の価格安定対策の改善のため飼料の値上がりによる生産者負担の軽減をはかるよう政府買い入れの輸入飼料品目の拡大、量目の拡大と財政措置の強化等多岐にわたる要望が出されました。 次に、消費者行政について申し上げます。今日急速に発展する科学技術の進歩や事業者による販売競争激化の中にあって、消費者がこうむる不利益の事例は増大する傾向にあります。こうした中で消費者としての立場が尊重され、消費生活の安定と向上をはかるために、積極的な消費者行政が各府県において進められております。その基本的施策としての第一は、消費者行政推進体制の整備であります。つまり、きわめて広範多岐に及ぶ消費者行政の内容をそれぞれの任務権限に応じて、互いにバランスよく効率的に行政運営がはかられるよう努力している点であります。 第二は、消費者啓発と消費者団体の育成であります。消費者教育を実施すると同時に、自主的な組織活動の育成指導を強化し、生活物資の不足や物価高騰等変動する消費社会に対応し得る消費者行政を推進しております。 第三は、消費者保護対策の推進であります。すなわち、家庭用品の品質表示、規格、安全性などの指導取り締りを強力に行なって不良商品の追放につとめ、消費者のみずからの権利と安全を確保するよう啓蒙を行なっている点であります。 このほか、消費生活センターの設置により消費生活相談、商品テスト、研修会、講座、移動教室、情報の提供など消費者行政機能の充実整備につとめているところであります。以上、消費者行政を進めるにあたって、地元より消費者センターの人件費の補助新設、指定都市によるセンター事業及び情報収集体制の運営補助、消費者啓蒙活動に対する補助金の増額及び生協活動促進上必要となる資金調達のため全国一元的な信用補完制度の実現等について要望がありました。 次に、公正取引委員会大阪事務所について申し上げます。現在、当所の管轄区域は近畿中心に二府五県にわたり、所員二十二名をもって管内における独占禁止法等の施行に関する業務を行なっております。業務のうち消費者保護に関するものとして、違法な価格協定、再販、誇大広告等の規制や調査を行なっております。業務の運営にあたっては、地方公共団体との連絡、協調、消費者モニターの活用等に意を用いているほか、行政相談、広報活動にもつとめているわけであります。このような公正取引のための業務を遂行するにあたって、その事務量の増大等にかんがみ定員の増加、業務の地方移管問題等早急に検賭されるべきものと思われます。 次に視察してまいりました大阪中央卸売市場について申し上げます。 大阪中央卸売市場においては、物資の取扱量が増加の一途をたどり、最近では特に大阪市周辺の衛星都市や、近隣府県の消費量が激増し、それが当市場の搬出量の半分を超える現状でございます。従来大阪市内を対象にした当市場は、いわゆる集散市場の性格をも要求されており、今のままでは市場施設が狭隘で、正常な市場取引が阻害される状況をきたしております。このため市場施設を抜本的に整備することとし、従来の施設と隣接して市場施設を増設し、間もなく供用開始するはこびとなっております。また北部市場、南部市場の計画も進められております。さらに、市場関係者と懇談いたしました際、市場施設の拡充整備の要望とともに、水産業者に対する助成、海、河川の水質汚濁による漁獲の減少、カキなどの養殖漁業の問題また青果物の計画栽培、仲買い業者の危険負担等従来からの問題点について、根本的な解決を要請されました。このほか岡山市中央卸売市場も視察いたしましたが、都市化の急激な地域にあっては、やはり大阪と同質の問題をかかえており、漸次これらの問題解決につとめている状況であります。 次に、神戸市消費者協会との懇談会について申し上げます。この懇談会においては、消費者運動の機能集団化への脱皮と、それに対応した「市民のくらしを守る条例」の制定を皮切りとしまして、JISの再検討、表示面の行き過ぎを防ぐための公正競争規約の制定、過剰包装防止対策としての商品の適正包装基準の徹底化、国民生活センターによる消費者行政の浸透強化、商品価格の高値改定時における価格構成の公表などが話題の中心となりました。このほか、暮らしの見直し運動、学校教育の中に消費者教育課程を新設することや、国民生活のシビルミニマムの設定など多岐にわたる消費問題が浮きぼりにされました。 次に、灘神戸生協の視察について申し上げます。灘神戸生協は、周知の通り規模と内容において日本有数の生協に成長してきております。生協においてはそのモットーとする消費者が品質、価格、量目等安心して買える商品を供給するため生産施設の整備拡充、厚生施設、消費者教育を核に近代経営を積極的に推進しております。特に生産施設については、食品工場の拡張工事により省力化、コストダウン、品質の向上、均質化、完全衛生などの効果が生まれたとのことでした。このほか四十六年神戸市東灘区甲南町に完成した配送センターは陸海物資流通の要地にあり、さらにこのセンターの機能を十分に発揮するため、すべて最新の電子計算機を備えた情報処理センターを設置しております。これらの機能が十分に発揮され、大量仕入れが可能になれば、流通経費の削減、相場に左右されない価格の設定及び流通機構の合理化実現に各方面の注目を集めておるとのことでありました。 なお生協からは消費生活協同組合法に規定されている生協の活動区域制限の撤廃及び当期利益より消費者教育のため教育事業充当金を計上した場合における免税などの要請がありました。 次に、岡山県において視察した青果物生産地の状況について申し上げます。 私どもの視察した備南農協においては、昭和四十五年の米の生産調整を契機に、昭和四十六年の水田転換促進特別事業などによりまして施設ナス団地の造成が進み、また育苗センター、集出荷施設の整備を進めるなど、高能率野菜生産団地の育成につとめているところであります。 引き続き総社市秦のネオマスカットで有名な秦果樹生産出荷組合を視察いたしました。戦前戦後を通じとうがらしの生産地として知られておりましたが、総社市の果樹振興計画によりぶどうが奨励作物に打ち出され、以後、第一次、第二次の農業構造改善事業を経て、ネオマスカットの集団産地化の実現をはかっております。しかし一応の効果をあげているのでありますが、最近の農業をとりまく諸情勢は、貿易の自由化、交通の発達等により、世界の距離は短縮され、国際競争、産地間競争等諸条件が一段とむずかしくなっており、今後多くの問題点をかかえております。このように、最近の農業事情の変化に伴い地域農業が今後専業農家として成り立つ方向は、協同体制の強化による主産地形成をはかり、市場構造の変動に対応することが急務と思われ、営農団地づくりを基本に地域農業の振興をはかるべきであろうと思われました。 組合関係者と懇談いたしました際、石油危機に端を発しました各種石油製品の中で、施設園芸農業にとって施設ハウスをおおうビニールやまた灯油の高騰の問題さらにその供給不足にたいへん悩まされた等の話が出ました。今後石油製品の価格と供給の安定をはかるよう強い要望がございました。 最後に、このほか消費生活の安定向上と消費者保護を目標に、日夜消費者意向把握のためにモニター調査、相談と苦情処理を行ない、監視取り締りの確立をはかる一方、商品テスト施設の整備や消費生活に必要な情報の提供等に力を注いでいる大阪市消費者センター、神戸市生活情報センター、さらに神戸市湊川地区の小売市場街及び量販店としてダイエー三宮店を視察いたしましたことを出し添えて報告を終ります。
○委員長(小笠公韶君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 これより本調査に対する質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○中西一郎君 初めに一般問題なんですけれども、経済企画庁政務次官お見えになっておりますので、思ったとおりの御答弁でけっこうなんですけれども、お願いしたいと思います。 昨年、水銀あるいはPCBの問題が出ましたときに、私、本会議で実は質問をいたしました。簡単に申しますと、石油危機ということも予想はされましたし、食糧危機も予想された、南北問題もやかましい、総じて先進諸国、北半球の経済の伸びというものが非常に大きい時期を経ながら、何か大きな意味での歴史の転換期に来ておるのじゃないか、そういうような前提で総理に質問したのです。というのは、経済構造とか、われわれ自身の生活の中身もそれぞれ歴史の転換点だというような観点で、見直しをする必要がある時期じゃないか、そういったような質問をしたのです。片一方、繁栄は続けなければいけないし、あわせて環境問題公害対策をしっかりやっておればうまくいくのです、こういうような御答弁で、やや私としてはすれ違いの御答弁をいただいた。最近、フォード大統領が三十何項目ですか、にわたる相当きびしい訴えをアメリカ国民に対してしている。アラブ諸国が先進諸国に対していろんな形で、新しい歴史を開くきっかけといいますか、を自分でつくっておるというような自負心も持っておるのじゃないか。そういうようなことを全体考えて、国の基本政策としていままでのような繁栄がいつまでも続くということは、もうだれも思ってないと思うのですけれども、きびしい情勢なんだということを訴えるべき時期が来ておるのじゃないか、そのことがわが国の場合少し足りないのではないかという気がするのですが、いかがでございましょうか。
○説明員(竹内黎一君) たいへんむずかしい、いわばフィロソフィーに関する質問をいただきまして、御満足のいくような答弁ができるか、たいへん心もとなく存ずるわけでございます。いまお話にもございましたが、今日の私どもの人類文明がその内部に多くの深刻な矛盾をかかえておる、たとえば人口爆発であるとか、あるいは環境の汚染、破壊であるとか、資源の制約であるとか、さらにはまた南北間の格差であるとか、あるいは価値観の混乱とか等々、こういった事象をながめてみますと、確かに今日の文明というものは転換期に差しかかっておるという認識では私も同感でございます。しかしながら、これを脱却して次の世界、どういう方向に向かうべきか、これは私の私見でございますけれども、これに対して、たとえば脱イデオロギーであるとか、脱工業化社会であるとかという諸説もございますが、私は、今日世界において一致した見解というものはまだなくて、そういう意味ではいま模索中の時代ではなかろうかと、このように思います。しかしながら、経済一つを取り上げてみましても、もはや高度成長ということはもう望めないし、またそれを期待してもいけない時代だということは、これまた一つのコンセンサスではなかろうかと思うのでございます。特に今日、なかんずく先進資本主義国におきましては、先生も御案内のように、異常なインフレーション、あるいはまた国際収支の大きな赤字、さらには失業率の増大等、いわゆるトリレンマという問題に苦しみ、各国ともその対策に苦心をしておるわけでございますが、これもまた解決の妙薬というものをなかなか発見していないと、こういう時世ではなかろうかと思います。お話のとおりに、私どもの日本経済もまた世界経済の一環でもありますし、そういう意味におきまして、これまでわれわれが享受してきたもの、そういうものについてもう一度見直しをいたし、何と申しますか、新しい生きがいとかあるいは真の豊かさというものをどこに求めるか、こういうことでこれは国民全体が真剣に考えるべき問題であり、そういう意味におきまして、私ども政府が果たす役割りというものは、その問題点とデータというものを私どもは時宜に、必要に応じて国民の前に示していくことが、今日の政治のかかえている一つの問題ではあろうかと思います。どうもたいへんむずかしい御質問をいただきまして、十分なお答えができないのを遺憾に存じます。
○中西一郎君 質問するほうもはしょって言っておりますので、十分まあ私の気持ちをお伝えしたとは思わないんですが、御答弁の趣旨はそれなりに私もよく理解できます。 そこで考えるのですが、総理演説とか、大蔵大臣あるいは経済企画庁長官の演説というのは例年あるわけです。国会のたんびに聞かされるんですけれども、何かいま私が申し上げ、お答えがあったような次元での緒言といったようなものが前置きに入っていいんじゃないか。どういう文章をお書きになるかそれは別にいたしまして、そういう大きな時代の流れの中での転換点なんだという意識を与党、政府十分踏まえていただきたい。そこから例年の論議に入っていっていいと思うのですけれどもね。何かその前置きが抜けておるように思うのです。で、きょうは優秀な官僚諸君もお見えになっておるので、一緒に聞いておっていただければたいへんありがたいのですが、私の気持ちを申し上げたわけであります。 そこで物価問題に入りたいと思うのですが、ひとつそういうことを申し上げながら気がついたのは、先般、週刊雑誌で四・三・三というようなことが書いてありました。ある著名な人がそういうことを言われた。四というのは政治無関心、政治不信頼の層である。三というのがまあ保守系ですか、ことばは私、必ずしも感心しませんが、いわゆる保守系、あとの三がいわゆる革新系だというようなことで、四をどうするんだというような問題提起がありました。私、いま申し上げました、別段フィロソフィーでも何でもないんですけれども、大きな立場でのものの考え方を打ち出すということが、その残されておる四の人に対して何ものかを提起するんではないかとも思うのです。意見をつけ加えさせてもらったわけです。 そこで、これはまた大臣、機会があるときに同じことを何回でも私、質問するときは前置きとして必ずやりたいと実は思っておることでございますので、きょうはもう大臣にはお尋ねいたしません。そこで物価なんですが、この間うちから小坂さんの調査会なりを新聞なんかで見ると、ずいぶん大ぜいの方が参加されていろいろ意見を言ったけれども、最後は何か不満が爆発したようなことで散会になったというような感じのことが書いてありました。この間うち経済企画庁で千人でございますか、三百人でございますか、モニターをお集めになって会議をやられた。これも新聞に出ておりましたけれども、その限りではみんなあんまり満足したわけではない、何となく散会している。で、ことしの三月から来年の三月までに、これは一七、八%前後ですかの物価上昇になるんではないか、それを一五%に押えるんだと、こういうふうにも政府は言っておられる。そこで私、申し上げたいのですけれども、その一七、八%を一五%に押えるんだというその二%ですね、あるいは三%、これと取り組んで実現するにはたいへんな努力が実は要るだろうと思うんですが、その辺のお見通しを聞かしていただきたいんです。どなたでもけっこうです。
○国務大臣(内田常雄君) 閣議がございましておそくなりまして失礼をいたしました。 中西さんの御意見でございますが、来年の三月時点、すなわち本年度の終わりにおける対前年同月の消費者物価の対比、すなわちことしの三月に対する消費者物価の対比というものは、これはまあ私のほうの若干の試算から私は従来それは十数%で押えたいという実は表現をいたしておりました。しかるところ、二つの方面からぜひ一五%程度といいますか、以内といいますか、一五%目標で押えるべきであると、こういう御意向が表明されました。その一つはいま中西さんが言われました小坂総務長官が特に設けられた物価問題調査会、これは総理府で世論と申しますか、社会のいろいろの御意向をまとめるのが総理府の仕事でもございますので、総務長官が特に物価について各方面の意向を集約したものを承りたいということで、ああいう仕組みをつくられたと思っておりますけれども、その物価問題調査会の総会でございましたか、総合部会でございましたか、おっしゃられたように一五%以下でやれと、こういうきつい御要請が出てきたということが総務長官から私どものほうにも伝えられております。もう一つは自民党のほうからも一五%目標というようなはっきりした目標でやってほしいと、こういう御要請が出ておりまして、それは経済閣僚協議会などの席でもそういうことが伝えられました。そこでまあ十数%というのははなはだあいまいの表現でございますので、一五%でできるならばそのほうがけっこうだと思いますが、経済企画庁のこれまでの二、三の試算によりますと、一五%より少し高い十数%というものでございますので、おっしゃるとおり、それを実現しますためにはこれから先の公共料金の残されたものであれ、あるいはまた他の一般の消費者物資等の価格についての操作などにつきまして、よほど政府全体で、これは通産省も農林省もあるいは郵政省も運輸省も大蔵省もみんながそのつもりになってやっていただくほかないと、そうすることによれば達成不可能な目標ではない、こういうふうに考えておるところでございます。
○中西一郎君 そういう御答弁だろうとは思ったんですが、そこで申し上げたいのは、小坂さんのときに集められた人たち、あるいは経済企画庁でもいろんな会合お持ちでございますし、モニターの皆さんもお集まりになった、それが物価に対して物価行政というのはないんじゃないかというふうなことで散会しておられるんじゃないかと私は思うんです。そういった人たちの頭の中にあることは、その一七、八%を一五%に押える、それはぜひやってもらいたいと思います。しかし、その苦労はたいへんなものだと私は思うんですけれども、まず一応それ別にしまして、その一五%というのは土台にあるのが、これがいかぬのじゃないか、これを何とかしてほしいという気持ちがあるから物価行政不在だ何だということがいつまでたってもおさまらない。そこで、これも答えにくいのかもしれませんが、その一五%を下げるために手段ありやということなんですが、時間がございませんので、まあ私なりに答弁のかわりにいたしますが、倒産とか失業、アメリカでは九月の失業率が五・八%ですか、で、年明けると七%ぐらいになるんじゃないかと、こう言っておりますが、日本の場合は、言ってみればいま若干のかげりがあるにしても完全雇用、従来超完全雇用でまいりました。そういった点を続けるわけにいかない。物価一〇%や五%に押えるんならば倒産、失業起こるんだと、引き締めもっときつくやらにゃいかぬ。といってそれははたしてできるかというと、考え方としては成り立っても実行はできないのかもしれません。しかし一五%を押え込んでほしいとおっしゃるからには失業率二%か三%かしりませんが、わかりませんけれども、何かそういった問題で二者択一の問題なんだということがこれは国民の皆さんによく説明すべきではないか、その説明が足りない。さきも説明の足りない点を御指摘したんですけれども、この説明はしにくいんでしょうか。あるいはしておられるのか、これからもっとするつもりなのか、その辺をちょっと確かめたいんです。これは政務次官さんでも、大臣さんでもけっこうでございます。
○国務大臣(内田常雄君) お話にもございましたように、それはまあ非常に両面のありますむずかしい問題でございまして、そのジレンマというような言い方もこざいましょうが、しかし国民が希望をいたしておるのは、物価も極力上昇率を押えて鎮静さしてほしい、と同時に倒産や失業や経済の不況現象というものも極力消してほしいという二つのことであって、どっちかいずれか一方を私どもに選ばしてくれとか、あるいは政府が一方をやるなら一方のほうはがまんしますということでは、私どもは政治家として立っておりますとし得ないようでございますので、そこで極力、まあ政治の目標としてはこの矛盾を解決をしながら進むほかないと私は考えます。しかし、その場合に物価対策としての総需要の抑制とか金融引き締めとかいうものを手直しをするとか緩和するとかいうことも、物価対策が最大の政治課題であります以上できませんので、私は実は他の例を用いて立体構造というようなことを言ったり、あるいはまた他の省では細心の配慮を払いつつ総需要の抑制は堅持すると、こういうようなことを言っているのは、それぞれ私がいま申しますように両面を十分配慮しながらやりますと、こういう姿勢をとっておるところであると思います。
○中西一郎君 そこで、これは一つの提案でもあるんですけれども、週刊雑誌によく消費者物価指数、経済企画庁のお出しになった数字だと思うのです、対前年同月幾らで、対前月どうで、数字が入って統計の表まで出ている。しかし、あれ見ておる人あまりないと思うのです、私なんか興味持って見ますけどね。そこで、あれ総理府はお金使っておるんだろうと思うのですけれども、ああいうものの中にだれかこう経済の評論家、斎藤先生いらっしゃいますが、なるべく国会議員でないほうがいいのかもわからない。そういう人たちがあの数字の読み方とか、そういうものはこうなんですよ、この数字はこういうことを意味してますということをコメントする人をだれかさがして、あの数字のコメントをさしてほしい、これは要望であります。 そこで、次は物価、賃金、生産性、もう古くて新しい問題でございますが、最近の、ことしになってからの賃金の上昇率と物価生産性の伸び率、経済企画庁数字をお持ちだと思うのですが、いかがでしょう。いままでの五年、十年と違ってたいへん大きなギャップができておると思うんです。できておるかできてないかだけ、事務当局でけっこうでございます。
○説明員(小島英敏君) ちょっと古いところの数字を持ってまいりませんで、恐縮でございますが、四十六年以降の数字を申し上げますと、製造業の現金給与、いわゆる賃金でございますが、これの前年比が四十六年一三・八%でございます。それから製造業の生産性でございますが、これは生産性本部の統計によりますと四・三%。それから、四十七年は賃金のほうが一五・七%、生産性のほうが一一・一%。それから四十八年は賃金のほうが二三・六%、生産性のほうは二〇・一%。それから最近、本年に入りましてから月別に見ておりますと、一番初めの、年初の段階では賃金が一月の前年同月比が一七・〇でございますが、生産性は一四・六、この辺は比較的バランスと申しますか、同じような上昇率でございましたが、やはり春闘で賃金が大幅に上がりました以降は、賃金のほうは伸び率が高くなり、八月の数字は三一・九%となっております。一方、生産性のほうはその後ますます生産水準が停滞的になっておりまして、七月の数字が一番新しゅうございますが、〇・三%、非常に差が開いております。なお、数字で申しませんでしたが、四十六年以前、過去十年ぐらいの平均をとりますと、大体生産性と賃金の上昇率はパラレルであったというふうに理解しております。
○中西一郎君 ごく最近の数字だけでけっこうだったんですが、たいへんさま変わりになっておる。イギリスのウィルソン労働党の政策、社会契約、むずかしいこと言いませんけれども、というようなことも向こうではやっている。日本はその議論は何か出かかっては行きつ戻りつしておるんですけれども、これ、たいへんな経済危機を迎えておるんで、何かの形で幅も、そして深みも従来よりは増して、これも国民に訴えなければいかぬのじゃないか、訴え方が足らぬと私、思うんです。要望いたしておきます。 そこで、いろいろお聞きしたいことがあるんですが、もうあまり時間がないので、あとは簡単に言いまするけれども、一つは、食糧庁来ていただいておるんで、けさの新聞でも出ています馬場先生が提案されたと、あるいは東畑精一先生ですかも何か言っておられる。世界食糧会議でも何へ言っている備蓄の問題なんです。 そこで、食糧庁のサイロ建設計画は、聞くところによると二・三カ月分を目標にすると言っておられる。その二・三カ月という根拠を聞きたいのです、根拠を。
○説明員(志村光雄君) 現在、私たちは海外から穀物を輸入しておりますけれども、それの在庫数量につきましては、従来、これは製粉工場あるいは二次加工へ供給いたす操作をいたす数量の必要量というのを従来の経験なり実績から判断をいたして、一・六ヵ月で十分操作はできるということで、一・六カ月を通常の繰り越しとして操作をいたしております。 そこで、昨年来の国際的な麦の需給関係、それから……。
○中西一郎君 ごく簡単に、根拠だけ一言でけっこうです。
○説明員(志村光雄君) これは一応国際関係等も考慮いたし、しかも海外の港湾事情のもとでのスト等も考慮いたして〇・七ヵ月を積んでいる。従来の一・六カ月に〇・七カ月を加えて二・三カ月にいたしております。その中には一応備蓄的な考え方も入っております。
○中西一郎君 それと、これも新聞で恐縮なんですけれども、運輸省で港湾局関係が、私の地元なんですけれども、淡路で埋め立てをして、四十万トンのサイロをつくるといっておる。サイロが足りないのですから、つくることはいいんですけれども、それはおたくの二・三ヵ月の中に入っておるんでしょうか。
○説明員(志村光雄君) 運輸省のCTS構想に基づくサイロの建設量につきましては、私たちのほうは小麦と大麦を念頭に置いておりまして、ほかのほうは、運輸省のほうはおそらくトウモロコシ、マイロ、大豆等が含まれておりますので、入っているとも言えるでしょうし、入っていないとも言えるかもしれません。私のほうとしては十分つまびらかにいたしておりません。
○中西一郎君 要するに農林省の計画と別の計画で、だからあと九十何万トンのサイロをつくるとすれば、その四十万トンは、それに足されるのだと考えていいんでしょうね。
○説明員(志村光雄君) 運輸省との連絡、まだ完全にとれておりませんので、それに上積みするものですか、あるいはまた減るものかはまだはっきりは申し上げられません。
○中西一郎君 申し上げようとしていることは——思い出したのですが、赤城宗徳先生も何か一年分備蓄しろというようなことを言っておられるというようなことを考えあわせて、日本人が食べる分はもちろん必要でありますが、外国に対して供給する基地というのもあっておかしくないのじゃないかとも思われる。そういうことをあわせ考えて、二・三ヵ月というのを練り直してほしい、要望であります。 さて、あと三分しかございませんので、次の質問をしますが、これは中央市場その他生鮮食料品関係、私、思うのですけれども、明治のときには日露戦争、日清戦争、大正のときにもいろいろあって、台所があと回しになっておる。だから欧米諸国に比べて、ああいった中央市場の施設、地方市場もそうだし、産地の施設も、またその間の輸送手段も、冷蔵庫の数にしてもともかく足りない。資本投下ができていないのじゃないか。ここ数年、農林省も一生懸命やられて、中央市場の施設費の予算が何といいますか、急激に伸びている。物価が上がった、上がったと言われていますが、物価の上昇率よりも、もっと施設費のほうがふえているということで、着眼点は敬意を表するのですけれども、そこで、今後五年か十年ぐらいにどういう計画を持っておられるか、一言でいいんですが、担当の方から……。
○説明員(中川正義君) 卸売り市場の整備につきましては、卸売り市場法に基づきまして十年単位の整備計画をつくるということになっております。現在の計画は五十五年度までのもののちょうど中間段階、ちょうど来年が前期の五カ年、来年で終わるわけであります。これは五年.ごとに見直しをすることになっておりまして、五十一年度から六十年度にかけましての新しい整備計画というものを検討して、それに基づいて施設整備を進めていくということになっておりまして、現在ぼつぼつ準備をいたしておるところでございます。
○中西一郎君 そのぼつばつ準備していただいているやつのやり方をちょっと考えていただきたいと思うのですが、消費者団体いろいろあって、そして物価問題やかましいのは、もう十数年続いておりまして、いろいろ現象的な、牛乳の値段がどうだ、お米の値段がどうだとか、いろいろお騒ぎがあるわけです。しかし静かに考えてみると、日本の物価問題というのは、流通過程の中で人手がかかり過ぎている。人手がかかり過ぎている。中央市場に行ったってネコ車を押しておりますからね、いまでも。そういった意味での施設の近代化、設備の合理化というのが欧米諸国に比べてものすごくおくれている。先ほどもパレットのお話しましたが、係員に聞いてみると日本ではパレットの種類が八百種類あるというんです。そんな国どこにもない。そういうような点の合理化もおくれている、規格の統一もおくれている。そういうことを含めて資本投下を飛躍的に増大するべき時期にきておるんじゃないかと思うんです。そういう意味でこれから十年計画をおつくりになるならばひとつ申し上げておきたい。それは消費者も関係の業界なんかも含めまして、地方自治体も国も、そして積み上げ計算をする。ということは、いま市場の施設をつくってほしいといってくれば、農林省受けて予算化されるが、それも十要望があって十できるとは限らない。地方にすればやりたくても土地がないとか、お金がないとか、いろんな制約があって農林省に要望出し切らない。しかしそれを出させないといかぬと思う。そのためには援助も要るかもわかりません。財政資金、金融の世話も要るかもしれない。それはあとのことにしまして、一応全国で人手のかかり過ぎておる流通過程というものを人手のかからぬものにするための施設、装備の充実ということになれば資本投下は一体どうなるか、輸送手段も含めて……。例の平野赳さんの言っておられるコールドチェーンなんかも含めまして、そういうものを含めての物的計画と資金計画、計画というと語弊があるかもわかりませんが、積み上げを一ぺんやってみたらどうか。それなしに地方のほうから上がってくるものを待っておるだけでは、消費者の皆さんが物価、物価と言っておられることにこたえるこたえ方が先へ先へ延びていく。実はこういうことをやることによって人手というのは節約できるんですということが明らかになれば、これ私流の言い方ですが、万博にしても、オリンピックにしても大ぜいの人で騒いだんであれだけの大事業がばっとできたと思うんです。そのぐらいの気がまえで生鮮食料品対策には取り組まなきゃいかぬのじゃないか、やや取り組みつつあるが、いまはまだ地方の国体ぐらいのエネルギーしか入ってないんじゃないか、エネルギーを爆発させるためにそういったことを考えられないだろうかという、これは私の要望であります。何かこの要望について御所見がありましたら伺いますし、なかったらもうこれできょうの質問は打ち切らさせていただいてけっこうでございます。
○委員長(小笠公韶君) 特別ありませんか。
○説明員(中川正義君) 御示唆の点ごもっともなことだと思っておりますので、今後計画を練っていきます場合に十分念頭において努力をいたしたいと思っております。
○竹田四郎君 十一時半から日銀総裁がお見えになるということで、約三十分というお約束でございますので、長官に対する質問はそのあとからひとつ本格的にやってまいりたいと思いますから、先に日銀総裁お見えになるまで若干こまかい点お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 通産省の方、工業技術院の方お見えになっておりますか。——実はこの間、神戸へ行きまして、消費者との懇談会やった際でございますけれども、電気洗たく機の洗たく物の容量、このことが実は問題になりました。普通の表示には何キログラム洗たくができるんだ、こういうことでありますが、実は洗たく物の内容によってかなり違っていると思うのです。そこでの話は、この機械の洗たく機については何キログラムまで入るんだということで入れてみると、実際その洗たく槽の中で洗たくものが回転しない。JISマークというものが消費者の間にある程度信頼性を持っている。絶対的な信頼性じゃもちろんないと思うのですけれども、ある程度の信頼性を持っているということになれば、そのJISマークの決定の際にもっと消費者の意見というものを入れて、そして消費者が納得できるようなやり方のJISマークをつけていく必要があるんじゃないか。工業技術院でそのJISマークを、たとえば洗たく機のJISマークをやる場合に、具体的にどういう布でやったのかというと、現実にはあまり水を吸収しない、またあまりいろんなひだがたくさんついている普通の衣服とは違ったひだ布といいますか、そういうようなもので試験的にやってますから、そういうものになるだろうと思いますけれども、それだけでは実は消費者の実際の使用と食い違いが出てくる。したがって、消費者としてはこれだけは当然入るんだということであるけれども、実際に使えない、あるいは家庭用品である片手なべなんかも私そうだと思う。これも神戸の生活センターで試験をしておりましたけれども、実際はJISマークがついているからいいと思ってコンロヘかける、そうするとひつくり返っちまう、そしてやけどをする、こういうような事態だと思うのです。しかし、ある一定量の容積の液体を入れれば、おそらくこれは固定するだろうと思います。そういう点で消費者の安全性というのが必ずしもでき上がっていない。大阪へ行った場合には、この洗たく機の穴、何ですか、脱水槽の回転、これで指を落としたという例がずいぶん聞かれたわけです。そういう点で脱水槽のふたをあける、ふたをあけるととまるということになっておる、実際は。ところが、とまらない。手を入れて指を落としてしまった。こういうこともやっぱり初めのときのブレーキがうまくかかっているときであればそういう形でJISマークが出せると思うのです。現実にはそういう事故というものは今度行ってあちこちで感じられたわけです。そういう意味でJISマークというのがある程度社会に、国民の生活の中に定着している今日の段階ではもう少し消費者の常識というものに基づいていかないと、学者の研究室におけるところの基準だけでこのJISマークをつけていくということになると、あまり実情に合わないと思う。こういう点は何らかの意味で改善をされて、やはりJISマークの信頼性といいますか、JISマークのついているものの安全性といいますか、そういうものがもっと確保されるような、信頼されるようなものにしていくには、現地の意見ではもっと消費者の意見を取り入れたような形でのやっぱりJISマークの決定をすべきじゃないか。JISマークというものの性格もありますけれども、しかし、これだけ定着してくると、私はその点は考えてもらわないといけないだろう、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(齋藤顯君) JISマークにつきましては、特に消費者とのつながりの深い最終製品につきましては、先生の御指摘のような問題がJISマーク製品が消費者に信頼度が増すにつれまして発生しておることは事実であろうかと思います。 まず、洗たく機について申しますと、当初洗たく機の容量の表示という問題をJISの中に取り入れましたときは幾ら洗たく物の使用が可能であるかということの正確を期すという意味から一つの代表的な素材を指定して、それで何キログラム、こういうふうに指定したわけでございます。しかし、一方そういうふうな指定のしかたというのは、御指摘のとおりユーザーのサイドから見ますと、非常になじみにくい表示であるということも事実でございます。そこで、メーカーはそれぞれパンフレット等でワイシャツであれば何枚ぐらいというふうな表示でその使用のしかたを示しておるわけでございますが、これはまた製品別にそういう示し方をいたしますと、生地により形により千差万別というふうなことになりまして、これまた容量を示すという点から言いますと、不完全な示し方になるという点を備えざるを得ないという問題があるわけでございます。したがいまして、洗たく機の場合は、やはり現在も昨年の十二月にJISの改正をしたわけでございますけれども、やはりそのおりには洗たく物を「かなきん」によりましてその容量を示したわけでございますけれども、しかし、洗たく機に限らず、末端のユーザーがそのものを正確に大体の見当がつかめるということも非常に必要なことでございますので、今後そういうふうなものの容量表示等につきましては、一般ユーザーの立場というものを考えて考えたい、表示制度というものを検討していきたいというふうに私どもも考えております。 第二の点の片手なべのことでございますが、なべにつきましては、御指摘のとおり引っくり返りやすいものもございます。引っくり返りやすいというのは小さいなべでございますと、柄が長過ぎるとかいうふうなことが原因になっておると思いますが、これまた柄を短くいたしますと熱いとか、いろんな問題が出てくるわけでございます。その辺のバランスでございますが、JISでは現在柄の長さは規定しておりません。なべの素材であるとか、あるいは直径であるとか、あるいは重さであるとか、そういうふうなことでございまして、JISに制定された範囲におきましては、片手なべはふたをはずした状態でもその安定が、すわりが良好であることというふうな抽象的な表現にならざるを得ないわけでございます。しかし、これは御指摘のとおり、いろんな、柄と本体の重さの関係等もございますので、これは検討していかなくちゃならないというふうに私ども考えております。 それから、消費者の声がJISを制定される際にどういうふうに参酌——いれられるようになっておるかということに対する問題でございますけれども、これはJISはそれぞれ専門委員会がございまして、専門委員会で学識経験者、メーカーという方々のほかに末端の消費者代表にできるだけ入っていただきまして、特に一般日用品のものにつきましては今後ふやしていきたい、こういうユーザーの声をできるだけ取り入れる方向でふやしていきたいというふうに私どもも考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 工業技術院のお話、私も大体理解いたしましたので、そういう形で危険な商品というものがかなりあるし、また使いにくいということではこれは困るわけであります。いま最後に申されましたように、ひとつもう少しユーザーの声を取り入れて、日常生活の中でひとつJISのマークが信頼されるというような形に改めていただきたいと思います。 で、日銀の総裁、お忙しいところをわざわざお見えいただきましてほんとうにありがとうございます。 最近の景気の状況というのは、たいへん判断が、おそらく一般国民にとってはむずかしい事態になっていると思うわけであります。一体、先ほども中西理事からのお話もありまして、総需要抑制策どいう引き締めの問題と、これは財政金融両方面からの引き締めというものが同時にあるわけでありますが、それで、片っ方におけるところの不況の状況というものがかなり深化をしているということで、紡績会社等においてはレイオフから首切りというようなものがかなり進展しておりますし、最近の労働力の需給状況でもかなり余裕が見え始めてきているというような事態であると思うわけでありますけれども、最近も日銀の支店長会議おやりになったようでありまして、総裁は特に各地域の経済情勢というものを支店長会議で十分に把握されていらっしゃるだろうと、こういうふうに思うわけでありますけれども、まずこれから年末にかけて、あるいは来年の上半期といいますか、来年初めにかけての日本経済の状況というものは一体どうなるのだろうか。参議院選挙後いろいろ予想をされていたわけでありますけれども、十、十一、十二月の期になれば景気は回復するだろうというような主張もかなり行なわれてきておりましたけれども、どうもそういうものもいまの段階ではちょっとはずれそうだというような感じもいたしますけれども、景気の現在の状況というような点を総裁としてどう把握されていらっしゃるのか。大体もうこの十月で底になったのか、あるいはなべ底みたいにかなりの先にまで今日のような景気の状況が続くのか、その辺の景気の見通しについて総裁の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(佐々木直君) 経済の実態は非常に停滞の色を濃くいたしておりまして、生産その他の数字もいまのところまだ回復の徴候を全く見せておりません。ただいまお話がございましたように、支店長会議を昨日まで三日間やっておりまして各地の事情の報告を聞きましたけれども、今度の会議の特徴は、全国的にそういう経済の動きの方向が同じようであるということに非常に特徴がございます。もちろん地域により産業によって多少のニュアンスの差は、ございますけれども、総体として経済が停滞の色を濃くしておるということにおいてはみな共通しておるように思われます。需要の側におきましては、やはり個人消費は徐々にふえてはおりますけれども、そのふえ方は非常に鈍いわけであります。それから設備投資のほうは、これは鉄鋼でございますとか、あるいは石油化学等について大きな計画がございますけれども、これがまだ具体的にそれほど大きく動いておりませんし、そのほかの業界における設備投資はやはりだんだん置きかえられておる傾向が強うございます。輸出が最近のところややよくなっておりまして、これがある程度は景気のささえになっておるのではございますけれども、これとても最近後進国の外貨事情の悪化から先についてはたして楽観できるかどうかというようなことも疑問な点も出てきております。財政需要のほうはこれは御承知のようにいろいろの点で押えられております。ただ、今後ベースアップの追加払いというようなものが出てまいりますと、これが需要につながるという可能性はあるんではないかと思いますが、農村の需要も米の値段が大幅に上がりますので、だいぶふえてはきておりますけれども、しかし農外収入の伸びが鈍っておる、ある場合にはむしろ減っておるような場合があります。それから都市近辺の土地の売買がめっきり落ちてまいりましたので、農村に土地代金の流入するのがこれも非常に減ってきておるということで、農家の消費態度も農機具を相当手当てしておる以外はあまり活発ではないわけで、こういうふうに見てまいりますと、総体として需要は沈滞しておりまして、それでこれが回復していくまだきざしはちょっといまのところ見当たりません。したがってそういうことが最近の卸売り物価には非常にはっきり出ておりまして、これが九月のわずか〇・一と、しかも九月の数字は、毎旬別に見ますとみんな三旬とも下がっておるわけです。十月は米の値段が上がりますので、これにより多少の上昇はありますが、おそらく十月の卸売り物価も一%以下の上昇にとどまるものというふうに思われます。 こういろいろ見てまいりますと、当面ちょっと景気は上向く徴候はございません。ただ、これ以上そう大幅にまた落ち込むということもないのではないか。したがって、ただいま御指摘のありましたような、ちょっとこう同じような、底をはっていくと申しますか、そういうような感じで推移するのではないか、こういうふうに考えております。
○竹田四郎君 しかし一面では、中小企業者を中心として、この不況の摩擦というものが、企業の倒産数等々から見ていくと、そんなに、非常に顕著だというわけには言えないと思いますけれども、実際上はかなり摩擦状態が私はあるんではないかと思います。私ども地回りをしていても、そうした問題で手形が割れない、あるいは金がなくてつぶれそうだという声は実によく聞くわけでありまして、また、政府の中小企業金融機関への資金の申し込み等々を見ましても、非常に件数も多くなっているし、金額も多くなっているというようなことは、やっぱりそういう資金需要が非常に一般の銀行から追い出されて、そうした政府の金融機関へと向いている点がたいへん強くなってきているという感じを私は持っているわけであります。そうした中で、一体財政面から見ていきますと、この間も大蔵委員会をやりまして、補正予算の金額が幾らになるかというようなことがかなり大蔵委員会の中で議論になりましたけれども、大平大蔵大臣から具体的な数字はもう一カ月くらい待ってくれというようなお話でございました。しかしその財政面からは、いまお話がありましたように、公務員のベースアップの追加払い、あるいは十二月のこれは民間を含めてでありましょうけれども、年末のボーナスの問題がありましょうし、あるいはいまお話がありました生産者米価の支払いというような問題あるいはその他いわゆる比較的所得の少ない人たちに対する救済の問題こうした問題を考えてみますと、補正予算あるいは来年度の一般会計予算、五十年度予算というようなものは必然的にかなりふくれざるを得ないという様相が出てくるだろうと思います。そういう意味からの資金供給というようなものがかなりふえてくるんじゃないかというふうに私ども思うわけであります。 それと、金融政策の面でも、けさの新聞を見ますと、日銀総裁が地方銀行等、都市銀行は別であるけれども、地方銀行以下については窓口規制を若干ゆるめるというような記事も出ていたわけでありますし、その他の新聞等を見ましても、金融は若干緩和せざるを得ないじゃないか、こういう感じを新聞は非常に伝えているわけであります。 そうした面で、財政問題とからめて、いままでもときどき日銀総裁は、もう少し——これは景気の上昇局面であったと思いますけれども、財政のほうがもう少し責任を分担してもらわなければ、金融だけにその責任をおっかぶされてはかなわないというような御趣旨の御発言もあったやに私は承っているわけであります。そういう意味で、今度は景気の下降の最後の局面から回復への局面の中で金融政策というものはいかにあるべきか、今後の金融政策はどうしていったらいいんだろうかと、その金融政策によって景気の回復もあり、あるいは社会的な摩擦も少なくしていくというための金融政策はどうあるべきかと、まあこの点なかなか私どもわからない点でありますけれども、ひとつこの点日銀総裁から教えていただければ幸いだと思うわけです。
○参考人(佐々木直君) なかなかむつかしい点でございまして、私から十分御説明できるかわかりませんが、いまの金融の引き締めの程度というものは相当強いのでございまして、引き締めを始めましたのが去年の一月からで、戦後これほど長く引き締めを続けたこともございません。またこの七月ぐらいからやっております窓口指導の程度は大体もうぎりぎりのところへきておりまして、これ以上金融を締めていくということは実際的にはもうほとんど余裕はないと思います。したがいまして、これ以上金融を締めるという前提でいろんな問題を考えられるということがありましてはそれは非実際的な考え方だというふうに思います。 けさの新聞に非常にいろいろ出ておりますが、実はきのう、きめのこまかい配慮をするという内容は何だと、そういう抽象的なことではわからないからというので、例をあげて説明いたしましたところが、その例が一般の問題になってしまいましてああいうことでございますけれども、しかしいま申し上げましたように金融の引き締めの程度はもう目一ぱいという感じでございますので、今後具体的に、いま御指摘のありましたような倒産なんかが広がってくるとか、その地方における影響の強い企業に問題が起こるというような場合にはやはりそれなりに手を打っていかなければならない、そういうことが引き締めの大筋を維持することの必要な条件だとすら思うのであります。そういう意味で、いまの金融引き締めの程度をこのまま続けてまいりまして、それで年末を越して来春になってどういうふうになるか、結局そのときの経済の情勢によりましてはやはり依然としていまの引き締めの程度を続けざるを得ないかと思います。 世界的に見ましても、工業国で大体日本と同じような事態にある国が多いのでありますが、どこの国も、多少のいろいろいま申し上げましたようなきめのこまかい対策は講じておりますけれども、大筋としては引き締め政策を維持しておりまして、それでこれが当面いつ変化できるかなかなか見通しが立たない、こういう状態でございます。したがって、いまのように経済の実態の先行きがきわめて不透明な状態では金融政策もいまの筋を維持しながら、変化に対して対応し得る準備をしておくということしか方法はないではないかと、こういうふうに考えております。
○竹田四郎君 どうも私ども、いまの御答弁では具体的にどういう方向にいくのかということについてはなかなかよくわからない点でありますけれども、そういって、もうこれ以上金融を締める余裕はないんだと、まあないということになればこれはゆるめていくんじゃないのかという感じが実はするわけでありますけれども、総裁の口からゆるめるというようなことばもなかなかおっしゃりにくい点であろうと思いますから、その点には触れていきませんけれども、最近在庫調整ということが盛んに言われております。これは、思わざる在庫のための投資資金というものがかなり要ったようでありますけれども、物価が最近非常に下がってきているというのは、おそらく先行き見通し難というようなことから、かかえていた在庫を吐き出している面、あるいは支払いの期限が来たけれども、金融がつかないから在庫を吐き出しているというような面があろうと思いますけれども、この在庫調整というものと物価の引き下げの問題、卸売り物価の引き下げの問題というのはかなり私は影響があるだろうと思いますけれども、現在の在庫調整の状況というものは一体どんなふうに推移しているのか、この点を教えていただきたいと思います。
○参考人(佐々木直君) 在庫を流通段階の在庫と、それからメーカーの手元の在庫、この二つに分けてみますと、流通部面での在庫はわりあいに調整が進んでおりまして、それほど大きな在庫をかかえているところは、特殊な例は別といたしまして、一般的に言ってあまりないように思います。そのかわりにメーカーの手元の製品在庫は相当高くなっておりまして、いろいろそのメーカーが生産調整等を強化いたしておりますけれども、いまのところは、そのメーカーの手元の製品在庫がはっきり減る傾向はまだ看取されません。しかし、おそらくいまの生産調整が続いておりますと、やがてはメーカーの手元在庫も減ってくると思いますけれども、これにはもう少し時間がかかるのではなかろうか。したがって、いま全体として見ました在庫率指数も、いまだかってないような高い率が指数になっておりまして、まだこの数字も減少を見せるに至っておらない。したがって、いまの在庫問題というのはメーカー在庫の問題というふうに私どもは考えております。
○竹田四郎君 政府のほうは本年度末、三月状況において消費者物価一五%以下の線にしたいと、こういうことでありますけれども、やはりある意味で、まあ一五%といったって、これはここわずかの間から見れば低いんだけれども、いままでの常識からいえば、一五%といってもこれはたいへん高い数字だと思うわけですね。本来ならばその半分以下ぐらいにあることがわれわれの希望だと思うんですけれども、そういうことにしていくには、やっぱりそうしたメーカー在庫等をもっとこう吐き出させるような、そういうような金融政策というものを私はとってもいいんじゃないだろうかと、こう思うんですが、そういう面で、これ以上その面での金融調整をやっていくということになると、これはかなり大きな犠牲が出るものですか、出ないものですか。
○参考人(佐々木直君) 確かに、在庫を投げてくればずいぶん安いものが取引されるわけでございましょうが、現に繊維品などについては相当投げがもう出ております。それから鉄鋼につきまして最近投げが出て、これが鉄鋼価格を非常に低落させておるわけであります。それでまあ投げさせるための金融政策というふうに的をしぼるということば、金融政策の運営上事が非常にむずかしいことでございますが、総体としての資金の供給量を押えていって、結果として過剰なものの整理を進行させるという間接的な方法しかないと思いますが、傷がどの程度出るかということはちょっと私もわかりませんけれども、現に繊維、鉄鋼においては投げが出ていると、これは事実であろうと思います。
○竹田四郎君 大体、総裁、年末あたりにおける卸売り物価というのは、いまの情勢で進めていきますと、どのくらい下がりますか。おそらく上がることばないだろうと思うんですが、どのぐらい下がる見通しですか。
○参考人(佐々木直君) 実は残念ながら下がるというふうにはなかなか申し上げにくいのでございまして、先ほどもちょっと触れましたように、九月が上旬、中旬、下旬いずれも〇・一ずつ下がりました。ただ、こまかいことになりますけれども、八月に上がっておりましたので、そのいわゆるげたというものがありまして、そのために月の平均としては〇・一上がったわけなんです。それで十月は米の値段の引き上げとか、そういうものが影響してまいりまして、さっき申し上げましたように一%以下ではございますけれども、やはりまだ多少上がるんじゃないか。あと年末まで十一月、十二月の問題でございますが、この二ヵ月にはたして下がるかどうか、どうも私もそれをはっきり下落を予期するわけにもまいりません。ただ、しかし上がるにしてもきわめて小幅なものであるということは申し上げられると思います。狂乱物価が終わりました二月末から八月末までの六ヵ月間の卸売り物価の上昇率は五・六でございます。それからあと、いま申し上げたように九月と十月がごくわずか上がるということでございますと、この二月におさまってからの上昇率はもう一〇%以下ということは十分考えられるわけでございます。まあただ、具体的にちょっとその年末に幾らになるかということは、私も正確には申し上げることができません。
○竹田四郎君 それから年末の金融問題についてでありますけれども、これは新聞の伝えるところでありますから、正確なところはわからないわけでありますけれども、いずれにしても、いろいろなオペ材料にしても、民間の銀行等はもうほとんどいままで日銀へ出してしまっているということで、国債や有価証券、手形、まあそういうものを出しての年末の資金需要に応ずるということは、これはもう大量を希望するということはほとんどできないという状態のようでありますけれども、そこでこれは新聞の報道するところでありますから、年末の資金供給、資金需給がどうなるかわからぬけれども、まあ新聞の想像するところですと、そうした持っている国債やあるいは手形を日銀が買い取って資金供給をやっても、大体二千億ぐらいの年末の資金不足が出てくるだろうと、これは新聞の報道でありますからよくわかりませんけれども、こういうふうに言われているんですが、そのくらいのものが大体出てくる可能性があるのかどうなのか。もし出てくるとすれば、その資金需要に対してどういう形でその資金需要にこたえていくか。確かに地方銀行の窓口規制、そういうものはゆるめると、そういう形でやっぱりその資金需要に応じていくのか。あるいはある意味で臨時的に、一定の貸し出し限界をそのときには臨時に越えてやるのか。あるいはいままで商社などの振り出した手形が日銀のオペの対象になっていないわけでありますけれども、そういうものを今回からオペの対象にしていくということで、そうした資金需要に応じていくのか、まあその辺が実はあまり明確にされていないところでありますし、またその辺を私どもとしては知っていきたいというところであります。 それから、あるいはいままで建設業やあるいは不動産業に対する貸し出しというようなものも、これはほとんどしていないというような形でありましたけれども、まあそうした不動産業者、きょうの新聞でもある不動産業者が倒産をしたという記事が出ておりますけれども、また建設業界でもこればかなり仕事がなくて困っているというのが実態でありますけれども、そういう点に対していままでは融資をとめていたけれども、そういう選別融資というようなものを緩和してそうしたものに当てていくのか。年末資金の供給というあり方がいろいろあるわけでありますけれども、まあその辺にも今後の金融政策のあり方というものを私どもは知ることができるわけでありますけれども、その辺はいかがでこざいましょうか。
○参考人(佐々木直君) 年末金融の問題につきましては、実はこれなかなか御理解なさりにくい技術的な問題が入っておりますので、この年末金融、まあ一般的にそうですけれども、企業に対する金融機関の資金供給と、日本銀行と金融機関との間の全く金融市場だけに関する資金の調整と、二種類ございます。現実に日本の経済の実態に影響します資金の供給問題というのは、金融機関から企業に対して出しているものでございまして、現に私のほうで十−十二の窓口規制ということで都市銀行に一兆二千七百億の貸し出し増加を認めますのが年末のそういう季節的な需要を考えた貸し出しの規制額と申しますか、そういうものでございます。ただ、年末になりますと、ボーナスが出たり、いろいろな点で銀行券が非常にたくさん出てまいります。これは企業に対する資金の供給とは別に、中には企業が自分の預金をくずす場合もありましょうし、政府の場合には政府の財政資金がボーナスとして払われる。このお札が一ぺんにずっと年末の一週間ぐらい出てまいります。これは三十日がピークでございまして、三十一日には一日で一兆円近く返ってくるというようなことでございます。この峠を越しますときには、これはもう全く季節的な問題でございまして、これは日本銀行と金融機関との間の資金のやりとりで決済して、これは一般経済実態と関係はございません。それでこのピークを乗り越すのにどういう手を使うかというきわめて技術的な問題がいまある、これが御指摘の二千億円をふやすとか何とかいうことがいわれている問題。これはおそらくいまのわれわれの予想では、もっと大きなものになるのではないか。ことに年末になりまして補正予算が通ってバックペイなんかが行なわれますと、もっと大きなことになるのではないか。ただしかし、それが非常に技術的な問題でございますので、われわれとしてはいまのところ検討中ではございますけれども、まあ合理的な方法で解決はできるのだと、これが金融政策の基調に影響する性質のものではございませんので、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。 それから第二番目の業種別の規制の問題でございますけれども、これはこういう質的な規制というのはなかなか現実にはむずかしいことでございまして、やっておりますうちにいろいろの問題もいま起こっておることは私どもも承知いたしております。しかし、何ぶんにも全体の引き締めとの関連もございますので、われわれとしては今後の推移を見ながらその取り扱いについて検討を進めてまいりたい、こう存じております。
○竹田四郎君 たいへん経済自体がむずかしい段階にあるわけでありますから、なかなか明確な御答弁をいただくということもあるいは御無理かと思いますけれども、時間もまいりましたので日銀総裁に対する質問はこれでやめたいと思いますけれども、日銀総裁には私長い間委員会でごやっかいになりましたけれども、もう一回この委員会があるわけでありますが、そのときに日銀総裁においでいただけるかどうか、実はわかりません。たいへん内外の金融情勢むずかしいときに、長い間にわたりましてほんとうに御苦労さまでした。その御労苦をひとつ多として、また何かの機会でお会いするときに、ひとつ御教示いただきたいと思います。きょうはありがとうございました。
○参考人(佐々木直君) いや、どうもありがとうございました。
○竹田四郎君 それではあと、企画庁長官、公取委員長に質問を申し上げたいと思いますけれども、最近の新聞を見ておりますと、企画庁の、これ正式な発表じゃないという話でありますけれども、これは政務次官も最近お話のあった中で、一五%以下にするというのは、いまの状況では、これはたいへんむずかしいという御発言が政務次官のお話の中にもあったと思います。また新聞の報道の中で、企画庁の計算でも一五%以下にするということは、いまの状況ではたいへんむずかしい、こういうふうにおっしゃっているわけでありますけれども、政府のほうから、とにかく来年の三月末においては前年度比一五%ぐらいにしろという、かなり強い要請があるやに聞いております。そういうことで、経済企画庁もその一五%になるべくいろいろな計算をなさっていらっしゃるようであります。しかしどういう具体的な政策をすることによって一五%になるかということになると、その予見を入れていかないと、経済企画庁の計算ではなかなか一五%前後になるというのはたいへんむずかしかろうと、こういうふうに思います。で、二十日の新聞でございますが、これは正式なものではないということでありますけれども、経済企画庁としては幾つかの抑制の項目、そういうものの柱を立てておられるようであります。そういうことをしなければ、当然一五%以下にはならない。この一五%にするために一体経済企画庁として、物価担当の省として具体的にどういうことをなさろうとしているのか。私どもが承知しているのは九項目でありますけれども、しかしその九項目というのは、まだ正式にきまったことでもないようでありますし、この九項目の中でも、すでに大蔵省から砂糖消費税の減免については、実はもうこれはおれのほうはやらないのだ、こういう形ですでに新聞の上でははねられているわけであります。具体的に一五%にするための企画庁の、具体的にどうやるのか。このプロセスをやっぱり国民にはっきりしていただかなければ、国民としてやっぱり協力のしょうがないと、どういうふうにやられるのですか。
○国務大臣(内田常雄君) 竹田さんが御理解になられておりますとおりでございまして、私どもが段階的接近法といいますか、積み上げ作業でやってまいりまして、同じような程度の総需要の抑制、金融引き締めということを続けますことはもちろん、その他の物資の価格などについても極力抑制をはかって、そうして四月以降のペースをそのまま続けてまいるというような計算をとってまいりますと、一部の新聞なんかにも出たようでございますけれども、十数%と申しましても、一五%より高い数字が出てまいるわけでございます。しかしやはりいま国民が求めておりますのは、そういうあいまいな表現よりもやはり一五%なら一五%という目標を掲げて進むことが政治的にもよろしいのだと私も同感をいたしますので、したがいましていまお尋ねがございましたような、いろいろのひとつ手段を用意をして、それを各省にことばは悪いのですが、ぶち当てようと、こういう考えも持つものでございます。お目にとまりました九項目とかいうのは、一部の新聞にございました、二十日の新聞でございましたか、その項目であろうと考えますけれども、あれは全部新しい項目ばかりではないようでございまして、従来からやってきているものもあれば、いままたお話がございましたような一部の消費税などに関するものも、ございますけれども、しかし肝心のその公共料金で残されたものをどうするかというような問題も実はあるわけでございます。あの中にはそれがはっきりなかったように記憶いたしますが……。実はそういうことも私がいろいろの機会で持ち出しておるのでございますが、ちょうど目下今年度の補正予算の編成、続いて来年度の予算編成ということが公共料金問題と当然からむ点もございまして、大蔵省とともに検討していかなければならない課題が幾つもあるわけでございますけれども、極力ひとつ物価の抑制というものが最大の政治課題であるという政府の態度を大蔵省はじめ各省庁にも背負っていただいて、そうして大きいもの、小さいもの、それからいろいろ調整をしてまいりながら進みたいと考えます。 もう一つ段階的調整法、いま段階的接近法、積み上げ作業のほかに経済企画庁がコンピューターを使いましていろいろの諸条件をインプットしましたそういう機械的な作業もございますので、これらはみないずれもまだ作業の過程にありますし、各省と打ち合わせ、検討の過程にありますので、はっきりしたことは申し上げられないと思いますけれども、なお政府委員の諸君に補足をさせたいと思います。
○竹田四郎君 詳しいのはあとで、私時間ありませんから、そういう具体的な指標そのものについてのいろんなお話は実はあとで、私の時間もうあと幾らもありませんからあとでお聞きしたいと思うのですが、しかし政局もたいへんいま何といいますか、混乱期といいますか、そういう事態にありますね。田中内閣総辞職するか、あるいはこの暮れには解散、総選挙になるかという形できわめて政局は激動期を迎えつつあると思うのです。私はこういう物価をいまからそろそろどうしても押え込んでいかなくちゃならぬ、またそういう時期に来ているという時期に政局が混乱するということははなはだ私は遺憾だと思っているんですよ。総選挙やるにしても、ある程度その間は空白的な状況になるでしょうし、いまの日銀総裁のお話でも、たいへん景気微妙な段階に来ているということになりますと、物価の問題も同じだと思います。そういたしますと、いま長官がおっしゃっていたような状況ではなかろうと思うのですね。だから、もう少し物価に対しては国民的にこれはこうしていくんだ。ここにもたとえば外食代を国民の監視のもとに引き下げさせていくというようなことも、やっぱり物価を下げていく私は一つの問題点だと思うんです。あとで食糧庁から伺いたいと思うのですけれども、たとえば横浜のある有名な弁当屋、駅弁屋、これ見るともう十月から百円上がっているわけですね、百円上がっているわけです。これはこの前も企画庁長官、私の議論をお聞きになったと思うのです。米代が上がれば外食代は必ず上がるよということは言ってたわけですが、はたせるかな百円上がっているわけです。米代の上がり方といったらこの中で一食分十円上がっているか上がってないかでしょう。しかし現実には百円上がっているわけです。何かシューマイが一個だか二個余分に入ったそうですけれども、それにしたって百円上がるというのは私は便乗値上げだと思う。そういう便乗値上げというのは、非常な大きな形での便乗値上げというのは終わったにしても、やっぱり便乗値上げの気分というのは明らかにあるわけですね。そういうものをやはりいまのうちにびしつと押えていくという体制を私はすみやかにつくってもらわなければ政局の混乱の中でうまくいかないと思うのです。そういう意味で新聞に書いてあるのは九項目でありますけれども、何項目か、これとこれとこれとこれはどうしても押えていかなくちゃならんのだ、こういうものをやっぱり私は国民に示すべき時期に来ているんじゃないかと思うのですが、この新聞に書いてある九項目を経済企画庁としてはやっていくんだというならば、私はそれでみんなでやって駅弁もひとつ下げさせよう、砂糖消費税もひとつ下げさせようと、こういう形で進めると思うのですけれども、そういう点で私はそうしたとりあえず一五%にする手段、具体的なそのための政策というものをやっぱり国民に明示する必要があると思うんですが、どうですか。
○国務大臣(内田常雄君) そこに新聞などに出ておりましたいわゆる九項目というのは、それで固まったものではございません。ほかにもいま申しますように、他省と検討中のものがございますが、なかなか一つ一つきちきちときめられない事情もございますけれども、おっしゃられましたような姿勢に立って、関係省庁とともに物価の動き方というものを鎮静の方向にぜひ持ってまいる努力を続けてまいるつもりでございます。
○竹田四郎君 それは具体的にいつごろまでにそういうぴちっとしたものを出してくれますか。それでないと三月の一五%というのは、言うならば賃金抑制の一つのガイドポストとしか私どもは了解できないわけです。だから一五%にするから賃金もとにかく一五%以内におさめてくれ、先ほど中西さんもそれに似たようなことをおっしゃっていたような気がしますけれども、生産性のほうですから、それは価格のアップ率とは違うと思います。それでなければ私はやっぱり一つのガイドポストとして政府は示した、それ以内に賃金を押え込むためのものだと、こういうふうにしか理解できないと思う。ですから一五%にするためにはこれはこうする、こうすると、この九項目の中にも消費節約を積極的に展開することによって個人支出の抑制をはかるというふうなことを書いてありますから、ひとつそれはおそらくガイドポストの所得政策の一種にこれをお使いになるという可能性も私は十分にあると思うんですけれども、どうでしょうか、その点。それでないとガイドポストに一五%を使うということになろうと思うんです。もう少し明確にその点を、少なくとも政局がこんな事態でありますから、一五%に押えていくための手段というもの、施策というものをもう少しひとつ明確に早く出してもらわないといけないと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 一五%というのは消費者物価抑制の、上昇鎮静の目標であり、すなわち物価抑制のガイドポストでございます。しかし、それをそう持っていきますためには、公共料金もございましょうし、またいろいろの消費財、生活関連物資もございますので、その一つ一つに政府が関与しているものではございません、具体的に幾らにきめるということは……。でございますので、一五%以上にそれらの料金や個々の物価を総合した指標というものは飛び出さないようにもう手に触れるもの、足に触れるもの、あらゆる努力を、企画庁はいろいろ手足もございませんので、関係各省共連れにするつもりでやってまいる、こういうことでございます。
○竹田四郎君 あなたのことを聞いていると全部やるような話で、いま企画庁が国民の応援を得ないで全部片端から並べ立ててできるとはだれも思っていないんですよ。しかし、私どもは企画庁が中心になって物価を一五%以下にとにかく三月末にしていくという、そういう努力というものはやはり企画庁中心になってやってもらわなければいかぬと思う。それには国民がやはり理解する何項目かというものを、その何項目かに入らない間のものとか、またその項目に上らないようなものももちろん努力してもらわなければならない点ですよ。しかし、国民的にこの問題とこの問題とこの問題とはどうしてもやらにゃいけないという、項目というものをやっぱり掲げてもらわにゃいかぬと思うのです。いまのお話ではそういうことをおやりになるという、はっきりした柱というもの、どうも出てきていないように思います。ここですぐ言えって無理であるならば少なくとも十月、十一月の中旬ごろまでには経企庁としてそういうものをつくっていくのだ、そうしてそれについては国民に御協力を願うのだというようなやはり柱をつくってもらわなければいかぬと思うのです、どうですか。
○国務大臣(内田常雄君) 同じことを答弁するようになりまして恐縮でございますが、消費者物価を形成いたしますものは、たとえば消費者物価の統計におきましても数百の項目がございまして、それらがいろいろ動くような諸情勢もございまして、したがって、下げるものもあれば上がるものもあるというような形が従来ございます。しかし大きいものは、公共料金もございましょうし、あるいはまた生鮮食料品もございましょうが、それらのものにつきまして、生鮮食料品の一つ一つについて何を幾らに下げるということは申し上げられませんけれども、生鮮食料品というものが、これはまあ天候の影響を受けますことも申すまでもないことでありますけれども、それはそれとして、流通機構あるいは販売の店などに対する指導とかいうようなこともやってまいるつもりでおります。これはまあそのものずばりで、これで物価が下がるとは思いませんけれども、きょうから始めますフード・ウイークの試みでありますとか、あるいはまた卵というようなものも、先月かなりの値上がりがございましたが、それらをより低い値段で売るような特約店というようなものを農林省と相談して設けるなどの、まあこれはこまかいことでありますが、そういう努力もいたしながら、いろいろその——また一番大きいところは、先ほど日銀の総裁からも話がございましたように、年末いろいろな技術的な課題がございましょうけれども、総需要抑制というもの、金融引き締めというものはそのまま堅持するというような方向でいって、初めて私は物価というものはその一つのワクの中で全体として落ちつきを示すことになろうじゃないか、かように考えます。
○竹田四郎君 どうもはっきりしてくれないから私残念ですが、新聞では少なくとも九項目というものが、これは経企庁の中で合意に達したかどうかは別として、現実には九項目というのは話されているのでしょう。話されているから記者の諸君がこういうふうに書いておるわけでしょう。この九項目というのは体系的になってるかどうかわかりませんよ、現実に話されているから新聞に出ているのでしょう。こんなもの全然知らないとはあなたも言ってない、こういうことも前から話されていたことだと、こう言っているのでしょう。そうしたものを明示すべきだと私は思うのですよ。あなたも、全然明示してはならないと、そうはおっしゃってないようでありますけれども、そういうような目標というものをやっぱりいまつくるべきだと私は思うのですよ。どうですか、もう一回、もう私の時間もありませんからね。
○国務大臣(内田常雄君) 私は同じことをお答え申すよりしょうがありませんから、こまかいこと、技術的なことでありますから、物価局長に説明をさせます。
○説明員(喜多村治雄君) いま長官は非常に部下思いの答弁をなさってるわけでございまして、役所におられますと、竹田先生と同じような趣旨でもって、われわれに早く何かを出すようにという御指示がございます。この九項目につきましては、実は係のワーク・シートの段階で突如新聞に出たものでございまして、これが局内で十分ディスカッションをしたものでもございませんし、まして庁内で大臣に十分御説明申し上げたようなものでもございません。ただ、こういう事柄を幾つか出しまして、そして一五%という、非常にむずかしいとは思いますけれども、その目標に向かって何かをする一つの知恵をいま結集しております。これを集めて何かをお示ししろということでございますが、これは現在物価だけの目標を立てましても、これはそれだけの話になりますので、経済全体がどういう形になっていくのか、あるいはそのほかのいわゆる外生変数と申しますものをどう考えていったらいいのかというようなことも含めまして検討しなければなりませんので、そういった問題を含めましてできるだけ早い時期に作業を終えたいと思います。 で、この問題は、大臣からもお話ございましたように、非常に関係各省にまたがる問題でございますので、御相談を十分しないと、われわれもそれを軽々に明示するというわけにもまいりませんので、多少の御猶予をいただきたいと思っております。
○竹田四郎君 局長の話は大体わかるんですが、やっぱりこれは三月ですからね、あと、とにかく五カ月末にはこれだけにしなくちゃならぬと思いますね。だから、各省のことは確かにあると思う。確かに、この九項目の中でも、もうこれは大蔵省はけっているわけですからね。それは私はたいへんだろうと思う。思うけれども、しかし、それを国民に提示をする中で、国民の意欲としてそれはやっていけ、いかなくちゃならぬというやっぱり意思結集をはかっていく必要があると思うんですよ。そういう意味で、確かに各省との関係あることはそれは事実です。事実だけれども、いつまでもこれをがたがたされていたんじゃ一五%に押えることができなくなっちゃいますよね。経企庁は、 いままでの計算じゃ一五%に押えられないということを言っているんだから、何か手を加えなければ押えられないということを言っている。だから、相当早くそういうものをつくり上げて、国民がそれに向かって進んでいけるという、そうしたものを示してくれない限りは、私は強力な一五%に下げるという動きにはならない、こう思います。それを早く出してください。われわれにも知らしてくれるし、国民にもその点は明示してくださいよ、どうですか、それは。
○説明員(喜多村治雄君) いま申し述べましたようなことでございますので、できるだけ御趣旨に沿うような努力をいたしたいと思います。
○竹田四郎君 公取委員長が次の時間おそらくせかれていると思いますので、公取委員長に二、三ここで質問をしたいと思いますが、まあ公取の独占禁止法試案についていろいろ議論があるところでありますけれども、公取試案、私どもとしては決して完全なものだというふうには思っておりません。いろいろ補充しなくちゃならぬ点があろうと思います。しかし、独禁法をここで改正しようという、そういう意欲においては私は同じだと思います。まあだいぶ公取委員長、あっちからこっちから十字砲火浴びているようでたいへんだろうと思いますけれども、一つお聞きしたいのは、私はあっちこっちから聞くんですけれども、中小企業でも独占的な商品をつくっているものがありますね、たとえばラムネなんというのは、もうあれは独占的な商品だと思うのですよね。しかし、メーカーは非常に小さいところだと思いますよ。そのほか、食料品でもいろいろありますね、そういうものは。こういうようなものが、たとえば市場占有率が七〇%をこえるというようなものも、私は中小企業商品ではあると思いますよ。そういうものも企業の一体分割対象にするのかどうか。私はそれはしちゃならぬと思うのですけれども、公取委員長はどうですか。そういうものまで企業分割をしてそこに競争体制をつくらせると、そういうようなお考えですか、どうですか。その辺、ひとつはっきり聞いておかないと、何でもかんでも市場支配力が強いものは片っ端から分割しちゃうんだというふうな理解というのは、私は間違いじゃないか、かなり大きな企業に対してはそういうようなことをやるんだろうと思うけれども、小さなところまでそういうことをやるんだということになれば、独占禁止法の改正のほんとうの趣旨をやっぱり国民は理解しないだろうと思う。そういう質問も私どものところへときどきくるわけであります。この際、その辺をはっきりしておいていただきたい。
○説明員(高橋俊英君) 分割の問題につきましては、いろいろ各方面から批判がございます。いま、おっしゃられました中小企業等であって、国民経済の全体から見まして、さほど影響力がない、影響力を重大視する必要はないというものは、私どもの考えとしては、分割の対象とすることはお説のとおり考えておりません。
○竹田四郎君 大体どのぐらいの大きさの企業のもの、どの辺からやるんですか。資本金とか、資産とか、あるいは市場支配力、そういうものが全体としてからんでくると思いますが、大体われわれの普通の国民の頭で、たとえば資本金百億以上とか、資産が幾ら以上のものかと、大体のめどというのはそういう点では、市場支配力のほかに私はあると思いますが、大体どの辺をめどに置いたらいいですか。
○説明員(高橋俊英君) たいへんむずかしい御質問でございまして、いま、私は数字をあげて即答はいたしかねますけれども、相当の規模のもの、だから、つまり先ほど申しましたように、その独占的な状態が国民経済全般から見て好ましくない相当の影響力を持っている、こういう場合にしかやらないということでございますから、したがいましてこれをまあ資本金で見るかというよりは、私どもやはり売り上げ高等によってその市場における影響力、それと関連のあるものに対する影響力、国民生活に対する影響力、こういうものを勘案した上で対象を選ぶとすればそうなる。ただし、いま直ちにそういうものが存在するというわけではありません。この分割の規定自体は、かなりその予防的な意味を持っておりますから、また時間的には十分余裕のある問題でございますので、いずれ私どもそういうことについても数字でもし基準を示す必要があれば、そういうことに取り組んでまいりたいと思いますけれども、ただいまのところでは数字で幾ら幾らということは申し上げませんが、相当の規模を持つものと、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○竹田四郎君 私も、当然そういうものだというふうには理解しておりますけれども、誤り伝わると、これはたいへんなことでありますから、特に委員長の御意見を伺ったわけであります。 もう一つけさの新聞で、原価公表について何かどこかでおっしゃったというふうに出ておりましたね。原価公表というのは、その個別商品の原価公表じゃないんだ。企業全体の原価公表なんだと。たとえばガラス工場なら板ガラスもつくっているだろうし、いろんなものをつくっているだろうと思う。そういうものをひっくるめての原価公表だと、こういうお話ですがね。そういうことになると国民はわからぬじゃないですか、せっかく原価公表といっても。国民が買うのはこれが幾らだろうか、あれが幾らだろうか、こういう形で買うわけですね。その原価が一体高いか、安いか。もちろん共通費用でほかの製品についてもあるものもあろうと思いますけれども、大体その辺を国民というのは知りたいと思うんですよね。ところが企業全体の原価計算をはっと出されても、原価公表されても国民は批判することできないんじゃないかと思うんですが、どうですか、その辺。
○説明員(高橋俊英君) きのうは、これは同友会の合同調査会の講演会の席で私が申し上げた話をしておる中で、若干これは公式意見じゃないということは断わった上でつけ足して説明している。なぜかとなれば原価公表というものについて、その単品原価と称するもの、これを公表することにどれだけの意味があるかというふうなことがあります。単品原価のつまりつくり方について、私は可能だと思いますけれども、非常に困難だという説もある。そこでそれがまだ私どもの内部で私案の段階でございますから、私案そのものは私は絶対動かさないというものではない。そこで何を一体求めているのかといえば、そういう実際にはやみカルテルであると推定されると。しかし証拠はないと、こういう高度の寡占業種について原価公表を求めているわけですから、結局その意味はなぜそういう整合的な一斉に値上げをすると、同じレベルに上げると、コストのいかんにかかわらずですね。そういうことが特定の業界にだけ行なわれる。これはほってはおけない。つまりそこに穴があるわけでございますから独禁法上の。そこでなぜ値上げをそこまでしなければならないのかというのを、個別の会社からそれぞれ求めると。ですからそのために原価の公表というものを出したわけです。したがいまして、どちらがいいかということはわかりませんが、いまおっしゃいました総合原価じゃございません。その部門ですね。たとえばわかりやすく言えば楽器の中にピアノという部門があります。このピアノはかねてからそういったその同調的な値上げ、非常に高度の寡占であります。まあおもな会社としては二社程度でございますから、ほかにも会社ございますこれは。会社の数としてはあるんですけれども、そういう場合に一つのタイプのピアノを取り上げて、そしてそれについて原価を出してもらう。そうするとそれと似たようなものを相手の会社にも出してもらうと、こういうふうにするか。ピアノ部門全体としてのコストの変化ですね。どうして値上げをしなきやならなかったかということもわかるような、そういう計数的なものが出せるならば、そういうことを求めてもいいのではないかという私個人の私見を申し上げた、個人の見解を申し上げたわけです。しかし、これは委員会の見解じゃありませんということは、はっきり断わってあるわけでございます。そういう考え方もあるので、あるいは二者いずれかを選ぶことができるようなことも、これも私、私案でございます。どうしたろうかということを検討をしておるということだけでありまして、そうきめたわけではございません、この点、御理解願います。
○竹田四郎君 私の時間がもうなくなってしまっているにひとしいわけですから、もう少し公取委員長にいろいろ聞きたい点があるわけですけれども、次の機会にひとつ譲らせていただきたいと思います。 せっかく農林省関係お見えでございますから、農林省関係一括して御質問を申し上げたいと思うわけです。 これもこの前大阪へ行きまして、非常に感じたことでありますけれども、実は話のきっかけは、業者のほうからもう少し、サンマやあるいはアジをもっと食うように、国会議員の人たちはひとつそういう啓蒙教育をしてくれという話が実は最初に出たわけであります。しかし、考えてみますとサンマなんというのは、二、三年前は高級料亭でなければ食えない、とても庶民の口に入るような値段じゃなかったわけですね。これとおんなじような議論がやっぱり野菜でも、たとえば曲がったキュゥリとかあるいは枝のある大根とか、そういうようなものは別に、特別に味が違うわけじゃない。そういうものを消費者のほうでは安く提供してくれ。生産地のほうではそういうものはつけものに使っちゃうか、あるいは大根のような場合にはもう畑へ埋めちゃうというようなことで、せっかくつくったものが国民の口に入らないという資源のむだづかいが私はあると思うんですけれども、結局、これは私はそういうものが市場に出てこない。このところにやっぱり一番大きい原因があると思うんです。なぜ市場に出てこないのかというと、荷受け機関の販売手数料、これは常にそこへ出した金額に応じて、たとえば七%とか八%というふうに委託料というのはさまっている。したがって、なるべくかさは小さくて高いものを出せば、そうすれば入ってくる委託料というのは、これは金額にしてかなりたくさんのものが入ってくる。これは仲卸やあるいは小売りにしても、やっぱり高いものを売れば入ってくる金、絶対額では多いわけです。率では別にして入ってくる金額は多いわけです。そういうことになれば、なるべくかさばらない高いものを出していく、こういうような市場のビヘービアというのは私は生まれてくるだろうと思う。そこで委託手数料をこれを金額だけじゃなくて重量といいますか、容量といいますか、そういうようなものも加味した委託手数料にしていけば、捨てられるようなものが入ってくる。そうすればかなり生鮮食料品の価格を引き下げる可能性というのは、私は生まれてくるんじゃないか。そういう意味で農林省としては、卸売り市場の委託手数料を、いままでみたいな金額一本でいくという形を私は改めるべきだと思うんですけれども、この件についてひとつ農林省のお話を承りたい。 それから食糧庁に伺いたいんですが、どうしてあの駅弁はいままで三百円で売っていたのが、米が上がったとたんに百円上がっちゃったのですか。私はそういう面で食糧庁としても、やっぱり便乗値上げというものは当然押えるべきであろう。そういうことをやっぱり強く訴えるべきだと思うんですよね。確かに一食分はこのぐらいしか上がりませんよということは、あなた方一回新聞に出したことは私も知っていますが、そうしたものをもう少し徹底させていくべきだと思うんですよ。横浜の駅で売っている駅弁、確かにシューマイが二つくらいは余分に入っているだろうと思うんです。だから駅弁全体が、人件費が入って上がったというなら、ほかで売っているシューマイも上がれば私よくわかるんです。シューマイのほうの価格はそのまま、駅弁のほうに、まあそう言われればシューマイが一個か二個余分に入っているでしょう。それで一ぺんに百円上がっちゃったんですよ、長官。私はこれはどう考えたって、国民納得できないと思う。労務費が上がったというなら、シューマイの価格も上がるはずなんです。ところが駅弁だけ上がっている。まさに便乗値上げだと思うんです。こういうものを私はそのまま放置しておくということは感心しないことだと思う。これは九項目にも押えろと書いてありますわね。大いにやってもらいたいと思うんですがね、これ。そういう点が第二点です。 それから第三点は、これは公取委員長にも関連してひとつあとでお答えいただきたいと思うんですが、合板の不況カルテル、これは紡績関係の不況カルテルもありますけれども、合板の不況カルテルもあるんですが、その合板の不況カルテルというものが認めなければならないというような帳簿上は私事態にあると思うんですけれども、しかしこの合板業界というのは、原木と製品とをほとんど商社に占められているわけです。だから景気がよくても、景気が悪くても、合板メーカーというのは大体あんまりもうからぬということになる。こういうふうにその合板メーカーに不況カルテルを認める。まあ申請してくるだろうと私は思うんですけど、まだ申請はおそらくないだろうと思う。申請してくるときに、たとえば原木は上げないにしても、今度は製品のほうでメーカーの利益をしぼり取っている、商社がしぼり取っている。こういうような体制というのをやめさせなければ、幾ら私は不況カルテルをそこに与えても、その不況カルテルによって合板メーカーが自分の経営を何とかするということは、私はできないと思うんですね。どうも私はそういうふうに感ずるわけですが、これは林野庁としては合板メーカーが不況カルテルを申請するということに対して一体どういうお考えなのか。あるいは公取のほうではどういうお考えなのか。私は少なくとも原木が商社で占められる、製品が商社で占められる。こういう体制というものをなくしなければ、幾ら不況カルテルを認めてやっても、これは私はどうにもならぬ。むしろ商社にしぼり取られるだけだというような、そういうような不況カルテルは認めるべきではないし、もし認めるということになれば、そういうようなものを排除していくように、そういうような形でやっていかなければ、私は合板メーカーというものが、安定的な供給あるいは経営基盤の確保ということはいつまでたってもできない、こういうふうに思いますけれども、その三点について、公取委員長を含めて、これは一番最後にお答えいただきたいと思うんですが、お答えいただきたいと思います。
○説明員(若林正俊君) 卸売り市場の卸売り手数料の仕組みにつきましては、先生おっしゃいますとおり、従価定率手数料制で仕組まれております。この手数料のあり方につきましては、四十六年卸売市場法を制定いたします際に、種々論議がございまして、この仕組み及び水準のあり方について検討をすることとなっておりました。法律制定後、四十六年十二月に卸売市場審議会委員によります検討会を設けまして、十一回にわたり検討をいたしました。昨年九月に取りまとめをいただいたわけでございますが、この審議会の検討の結果、時間もございませんので、結論だけ申し上げますと、手数料の仕組み及びその水準については、当面は現行どおりすることもやむを得ないということでございまして、今後の生鮮食料品の流通諸事情の変化を見守りながら、これに的確に対応し得るように、これからは定期的に見直しをするようにしなければいけないと、こう報告されております。以来約一年になっておるわけでございますが、当方としましては卸売り業者の財務の分析、集荷出荷の実態、代金の決済の状況などを分析、検討をしている段階でございます。この審議会におきまして、その仕組みとして従価定率手数料の中に、おっしゃいますような量を基準にした手数料の仕組みが考えられないかということも、当然重要な検討課題でございました。ただ先生おっしゃいますように、確かに卸売り業者の集荷努力というもの、インセンティブがその収益に無関係であるとは申しませんけれども、同時に数多くの市場に出荷されます、たとえば青果物について申しますれば、その生産者の出荷選択、出荷意欲ということがございます。ちなみに……。
○竹田四郎君 簡単にしてください、簡単に。あとで資料はいただければいいから、簡単にしてください。
○説明員(若林正俊君) たとえばキュウリ一つとりましても、築地の市場で十月の十四日安値が七百円で高値が千円と、札幌市場では安値が五百円で高値が二千五百円、仲値が千三百五十円といいますように三倍、四倍、五倍と高値、安値が違っておるわけでございます。そうしますと、曲がりキュウリなり小粒リンゴなりを考えますと、生産者はそれだけつくっているわけでございませんので、優等材がさらにございますれば、その優等材を出荷するという選択をしたほうが何倍もの収益になるわけでございます。卸売り市場の手数料は青果物は八・五、七・〇というふうにきまっております。これらの手数料の占めますウエートなどから考えますれば、それらの出荷者の出荷選択のインセンティブのほうがかなり強いというふうに申し上げざるを得ないと思うのでございます。 ただ確かに一部分、そういう従量的なものを導入する必要性も種々論じられたんでございますが、幾つか技術的な問題がございます。たとえば大根、タマネギなどの大衆的なものの負担が高まるおそれがあるというようなこと、また需要の動向と必ずしも関係なく集荷または出荷が行なわれるというおそれがございまして、需給に応じた出荷、また需給に応じた価格形成がうまく行なわれないおそれがあるのではないか。さらに最も大きな問題ですが、実は規格なり取引単位なりが種々まちまちでございまして、従量で手数料を収受することになりますと、一つ一つその重量をはからなければなりません。これは市場における取引実態からいたしますと、その事務手数料なるものは膨大なる事務量になりますし、荷さばきに要する時間が相当大幅に延長されざるを得ないというような問題がございます等々の実務的な、技術的な問題が壁になりまして、その導入がはたして流通総トータルコストなり、集出荷の状況なりに、どのような影響を与えていくのかという点に、なお慎重に検討する必要があるということが提起されまして、この従価手数料を従量手数料に切りかえることにつきましては、非常に困難だというのが審議会の検討過程におきます各委員の御意見でございました。あきらめたわけではございませんで、種々検討はなお続けてまいる予定でございますけれども、状況はそういうことになっております。
○説明員(志村光雄君) 消費者米価十月一日に引き上げまして、外食に便乗値上げが、大幅な便乗値上げがあったではないかという御質問でございますが、私たちも米価の値上げが外食価格の値上げの引き金になるということは十分考えておりまして、そこで企画庁の物価対策費もいただき、職員あるいは府県庁の職員も動員して外食の調査をいたしております。そういう調査の中でいろいろ聞いてまいりますと、外食の値上がりは米の値上げの上昇分以上に便乗的な値上げが予想されますけれども、聞いてまいりますとなかなかそういうような実情にはなっていない。と申しますのはやはり労賃なり、副資材なり、そういうものの値上げが非常に大きいということでございます。先生御指摘のシューマイ弁当の値段でございますが、事務所からの調査によりますと、シューマイ弁当、主食関係では米の値段は据え置きになっております。その他副食の関係が、要するに、具体的に申し上げますと、シューマイが従来四個のものが一個ふえましてそれが十一円に値上げになっております。その他タケノコ、照り焼き等いろいろありますが、副資材関係で申しますと、旧価格百三十八円十五銭が百七十二円十七銭になって三十四円の値上かりになっております。それから容器——これはけさ買ってまいったわけですが、容器が大きくなっておりまして、ここにありますが、これが三百円から四百円に実は九月二十五日に上げておる。大きさはここに線がありますけれども、この部分だけ大きくなっております。容器の外装代として、折りぶた、仕切りぶたその他ありまして、これを合計いたしますと、旧価格三十二円四十七銭が五十二円一銭、十九円五十四銭上がっておる。そうして合計いたしまして三百円のときの中身代が百九十六円九十一銭ということで三百円の値段で売っておった。ところが、副食代あるいは容器代の変更によって二百五十円四十七銭に上がっておる。それをいま四百円で売っておるんだと、こういうような説明になっております。ですから、主食関係は百六十八グラムでございまして、その量目は変わっておりませんし、値段は二十六円二十九銭、米価改定後の新しい価格でまいりますと、大体やはり十円ぐらい米の値段は上げさしていただきますということでございますけれども、現時点ではそういうような状況になっておりまして、米の値段が上がったからといって、必ずしも便乗値上げ的な話にはなっておりませんということをこの際申し上げておきたいと思います。 以上が私たちの事務所からの調査でございますけれども、そういうような状況もあり、しかも外食というものはこのように非常に多種多様な態様がございまして、なかなか調査いたしましても、また聞き取りましても、なかなか判断のつきがたい、判定のつきがたい非常な困難な面があるわけでございまして、私たちもそういう困難な問題はありますけれども、こういう物価の状況でございますので、外食なりの調査にさらに巡回指導等も強めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(堀川春彦君) 合板産業の問題でございまするが、御案内のように合板産業は戦後、特に四十年以降急速に成長してまいった産業でございまして、四十年の当時の生産量から見ますると、約三倍以上というような生産をあげております。この合板産業が原料並びに製品の販売という面におきまして、先生御指摘のとおりのような実情がございます。原料である原木の購入の面におきましては大体原木のうち南洋材について申し上げますと、約八割五分程度のものが商社から直接購入をしておる。残りは商社から原木問屋が購入いたしまして、それをさらにメーカーが購入しておる。かような状況になっており、かつ製品の面におきましては、おおむねメーカーのつくりました合板を半分程度は商社系列を通じまして売っておる、かようなことでございます。これは先ほど申しましたような合板産業の発展の経路の中で自然とそのような形ができ上がってまいったというふうにわれわれは理解をしておるわけでございます。 そこで、先ほどお話のございました合板産業の不振の問題でございますけれども、建築着工がこの一月から七月期までの平均で申しまして、対前年三〇%以上落ち込んでおるというような状況を反映をいたしまして、この合板企業が製品の販売についてきわめて苦慮をしており、非常に経営が不振におちいっておるということでございます。かような状況から、合板関係の団体といたしまして、合板の工業組合の連合会がございまするが、これが中小企業団体の組織に関する法律、この法律に基づきまして生産数量の制限に関する調整事業をやりたいということで調整規定をつくりまして、農林大臣の認可を受けたいと、こういう希望、意向の表明がございます。まだ正規に申請書は上がってきておるわけではございませんが、事前にそういう申し出があり、われわれといたしましても、合板企業の内容、経営の状況等々を調査をし、そうして、それに基づきまして、私ども現時点におきましては、このカルテルの認可をするにあたりましてよるべき基準というものが関係各省の告示によりまして——この法律に基づいてできておりますが、その基準に該当するのではないかというふうに見ております。さような角度からこれを詳細に審査をし、それから、現在の段階では、公正取引委員会等関係のお役所のほうに事前に御相談を申し上げておるという段階でございまして、結論的なことを申すのはいまの段階では差し控えたいと思うのでございますが、林野庁といたしましては、この合板企業の経営の不振というものを何とか脱却するための一つの措置ということで、これを認可するよう進めたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、かような状況になりました根本的な原因は、やはり、非常に、先ほど申し上げましたように、この——七月期で見ましても、新設住宅の着工件数、着工の量が三割以上も落ちておると、かような状況にあることでございまして、建築着工が非常に年により季節により著しく極端にフラクチュエートするという姿は、私どもとしましては希望するところでないのでございます。国民の生活に非常にかかわりのある住宅の問題でございますから、これは安定的に着実な拡大という方向をぜひとも長い目で見てたどっていただきたいというふうに希望するわけでございます。さような角度から、建設省その他関係方面にもわれわれの希望は表明をし、そのような角度で政策が運営をされ、また、民間の金融機関における融資等もそういう態度で運営されることが望ましいと、こういうふうに考えておるわけでございます。 商社の問題がございましたが、このような発展の過程の中で自然に起きてきたものを人為的に変えていくということはなかなかむずかしいと思いますが、私ども合板メーカーの体質の改善ということも、これと合わして必要なことだと考えておりまして、構造改善的ないろいろの施策を業界としても積極的にとってもらいたいということを希望し、その方向に沿って指導する考えでございます。
○竹田四郎君 きのう、実は各合板メーカーの昨年の非常な値上がりのとき一体どのくらいそういう会社がもうけているかという二、三の点を調べてみたんですが、売り上げは非常にのしておる。売り上げは非常にのしておるけれども、利益のほうはそれに比べて非常に少ないわけですね。ということを見れば、売り上げ金額は伸びていても利益が少ないということは、結局、私は商社にしぼり取られていると。そういう状態で不況カルテルを認めても、これはいま最後のほうでおっしゃったメーカーの生産基盤を確保する、経営基盤を確保するということにはならぬと私は思う。この辺は、まあ、確かに、合板メーカーというのは競争が非常に激しいということは私も知っております。知っているけれども、結局、原料と製品を商社自身に握られているということになれば、その点を改善していかない限りはこれは意味ないと思うんですよ。それは、確かに原木を小さなメーカーが買ってくるわけにはいきませんから、それば商社から買うのはいいですよ。それから製品を商社に売らすのはいいですよ。そこでの取引関係というものをもう少しタッチして、しぼられないような形のものを確立さしてやらなけりゃ私は同じだと思うんですよ。だから、そういう面を十分にこれ見てやらなければ私はいかぬと思うんですが、公取委員長のところへいくのかどうかわかりませんがね、まだ。公取へいったら、その辺は私は十分もっと検討をしてもらわにゃいかぬと思うんですが、どうですか。 それから志村部長、その弁当箱をだれも大きくしてくれと言っていないんですよ、それは。何かそういう買う、需要者からその弁当箱を大きくして、包装費も上げてくれということの要求がどっかからあったんですか。そういうのがあったんですか。あって、そこの弁当屋はそういうふうに百円上げるようにしたんですか。そういうふうに、消費者にはかってに関係なしにどんどん上げていくというようなことは、私はびしっと取り締まっていかなきゃいかぬと思うんですよ。これは長官どうですか、そういうようなことでどんどん値を上げてもいいですか。これは長官にも意見を聞きたいと思うんですよ。
○国務大臣(内田常雄君) いや、私もあなたのおっしゃることごもっともだと思って聞いておりました。このごろ弁当に限らず、国民の側からいいますと、消費者の選択でなしに、生産者のほうが消費者に指図をするような、これはモデルチェンジでも、広告でも、またこうしたものでも、そういう状況がしばしば見られることを、私どもははなはだよろしくないと考えておりますので、そういう点をも含めまして——これはまた便乗値上げではなしに、便乗拡大みたいなかっこうでございますから、ぜひひとつ農林省にもそういう点も十分考えていただくように進みたいと思います。
○竹田四郎君 公取委員長、何か御意見あったら言ってください。
○説明員(高橋俊英君) 私ども公取委員会は、特に法律の規定に、三十八条でございますが、その事件について事実の有無または法令の適用についても外部に意見を発表してはならぬ、こういう規定があります。そのために、この合板の問題についてどう考えるかと、こういう御質問に対しては、ここで意見を述べることは、これは法律違反になります。で、それはできませんが、ただ私どもは過去において、三十七年当時でございますが、非常にカルテルについて甘かったんじゃないかというきびしい批判をいただいておりますので、一般的な方針としては、この法律の要件に十分適合するかどうかを厳密に解釈した上で運用を行ないたい、こう考えております。
○竹田四郎君 終わります。
○山田徹一君 公取委員長にちょっとお尋ねいたしますが、初めにこの物価安定の問題に対して、独禁法改正、これについて公取委員長のその熱意に対しましては、国民の一人として私ども深く敬意を表しておるものでありますが、先日の参議院の商工委員会では、独禁法改正の公取試案に対しましての質問の答弁で、中曽根通産大臣が公取試案は高橋委員長の私案であると、公取試案ではないと、こういう発言があった。それに対して公取委員長は、慎重に検討した結果出したものであって、そうした言い方は遺憾である、こういうふうな発言をなされておるように聞いております。 そこでお尋ねしたいのですが、いままでここ一年ばかりの間に、報道によりますと、三項目の案があったり、あるいは五項目と、あるいは今回は九項目というような試案が出ております。こういう点から考えまして、公取委員長の見解、またこの試案が私案でないという上に立ちまして、どのような審議機関が公取の中でつくられて、どんなメンバーで慎重に討議されて、この試案が提出の運びとなったのか、ひとつ国民の理解のいく、わかりやすい言い方でけっこうでございますから、明らかにしていただきたいと思うわけであります。どうぞ……。
○説明員(高橋俊英君) その中曽根通産大臣の発言に対しまして、私まあ試案か、私案かというふうなことで、どうもおかしなことになったんですけれども、私どもはなるべく御理解をいただいていく考えでありまして、決してあのとき、厳格に言えば、通産大臣は、消費者代表との話し合いにおいていろいろ申されたんですが、三つ、四つ公取案の試案を非難された中で、要するに委員長独走だと、独走のにおいがするといいますか、そういうふうにおっしゃられたそうなんで、それをその場で裏づけられましたので、委員長独走ということは、結局私だけがかってにやっているようなことになると、それは違うということを、私ははっきり確認してあるということを、全部五人の委員が——個人的な意見はこれは全くないと申せないんで、それは五人が初めから終わりまで終始一貫同じ意見であったとすれば、むしろ、これはふしぎなくらいでございます。こういう問題については、学者の間でもずいぶん意見が戦わされております。でありますから、われわれの委員の間でも、全部が全部同じ意見でまとまったというふうには私は申しません、あえて。しかしながら、大多数の要約として、こういうものをまとめたのであって、その五人の委員は全部——個人的な意見は付記はしておりますけれども、全部決裁をしてやっておるものですから、これは決して私案ではありませんということを申し上げたわけでございます。 なお、この問題について、どのような検討が行なわれたかということを簡単に御説明したいと思いますが、一番最初取り上げられましたのは、独占禁止懇話会というものがすでにございます。脇村先生が会長になっておりますが、これは二十数名のメンバーで、いろんな方が入っておられます、ここには。そこでずっと以前から、特に管理価格の問題について何回か、あるいは十回以上にわたって説明が行なわれたそうです。しかしながら、それらに対して何の対策も論議されておらなかったということについて、私はそれではいかないと思いまして、四十八年の二月、昨年の二月から六月にかけて、五回だったと私は記憶しますが、管理価格等について、自由な発言をいただきまして、そこで言われた有力な意見というものは、管理価格対策としての有効な方法は企業分割しかない。これは適当な機会に旧八条に相当する規定の復活をはかるべきであるというのが一つの意見でございました。もう一つの意見は、管理価格と認定された価格の引き上げについては、値上げ理由の公開がベターであると、それは分割よりもですね——というふうな意見、または分割と両方併用してもいいというふうな意見もありまして、こういうような意見がすでに何回か独禁懇で——いわゆる独禁懇と申しておりますが、そこで議題として論議されたわけでございます。また結論めいたものがすでに出ておったということでありまして、その後におきましても、私どもは東京において国際会議があって、その際、私は企業分割のことを考え、研究をしたいということを言い、また、十月になりまして、繊維企業に対して、分割の問題を導入したいと、分割命令権を導入したいということを発表、それを導入したいという意見を申し述べております。 で、その後、十一月になりまして、独占禁止法研究会設置要領というものを公表いたしました。これのメンバーはいずれも非常に有力な方々でありまして、東京大学を経て成蹊大学の法学部長をされた金沢教授、これを会長といたしまして、会員としまして、東京大学の隅谷教授、それから毎日新聞の論説室顧問山本進さん、それから朝日新聞の論説委員三好さん、それから慶応大学の教授の正田さん、国民経済研究協会理事長の竹中さん、一橋大学の教授の今井さん、法政大学の実方さん、上智大学の松下さん、ほかに準会員としまして北海道大学の今村さん、東京大学の教授の矢沢さん、神戸大学の経済学部教授の新野さん、それから東大教授の小宮さん、こういうメンバー、私はいずれもこれらの方々は現在独禁法の問題についての相当権威を持っておられる学者並びに学識経験者の方だと、こういうふうに思っておりますが、その後どのような足取りかと申しますと、四十八年の十二月の十四日に第一回の研究会を開催いたしました。その後四十九年の七月十二日までに十二回、一回の会議は正味三時間に及ぶものでございまして、通常の審議会に比べて非常に活発な発言が行なわれたということであります。それからさらに箱根におきまして七月の下旬に集中審議、これは午前午後にわたりまして、土曜日を除きましてこれらの問題を全部検討したと。これは実際は一日分が何回分にも相当するような非常に熱心な討議をいただきまして、そしてそのあとでこれまでの経過につきまして、四十九年の九月の三日にこれまでの審議結果に基づくところの改正案構想の討議を別途に行ないました。つまりこれは研究会をまたもう一度九月の三日に行なっておりまして、その後試案の作成に入りまして、試案の骨子なるものをまとめまして、九月十八日に校了いたしまして今日に至っていると、こういうことでございます。
○山田徹一君 よくわかりました。報道によりますと、政府は独禁法の改正について次官会議で検討するとか、あるいは審議会をつくるとか言っておりますが、昭和三十二年ごろにもこの審議会がつくられて、ほとんど大企業とかあるいは財界のメンバーで改正案を検討したというようないきさつがございます。かりにそのようなことになればいま以上の改正案となるかどうか。また、公取試案が公取の手を離れて、政府が独禁法改正案に取り組む何らかの会をつくるとしたならば、どのような構成で会をつくるのが最も妥当か。また、委員長としてさらに懸念のされるようなことはどういう問題があるか。そういう点につきまして御意見をお伺いしたいと思います。
○説明員(高橋俊英君) 私どもは、まあかってな言い分のようでございますが、審議会をこれからつくって検討をやり直すということについては、それは一種のたな上げ的なあるいは引き延ばし的な論議ではないかと考えておりまして、もし真剣に取り組んでいただくならば、私はこれは短い期間で終了するというふうなはっきりした線を打ち出していただかないと、いつになったらその検討が終わるのかわからないと、こういうことになりますから、せっかくこれだけ、先ほど申しましたような権威ある方々の、これはもうかなり独禁法というものは、一部においてはずいぶん専門的なものでございます。考え方においても相当これは各国の例などを頭に入れた論議でなければなりませんので、ただ私ども初めは財界の代表をもこういう席に入っていただくようにお願いしたんです。しかし入っていただけなかったというのが実態でございます。したがいまして非常に限定された会議でおやりになるのはいいのですが、ただいま自民党の中に倉成さんを座長とする独禁法問題の懇談会がすでに検討を十分されております。われわれも出席いたしましたが、他の関係者を次々とお呼びになって意見を徴され、質問をしておられると、そういう事実がありまして、これらとのかみ合わせばどうなるのか、一応自民党としてそういう問題をいま正式に取り上げておられるという事態をやっぱり無視できないんじゃないかと思います。そういうことでありますので、いま私どのような審議会をつくればいいかということについては、お答えするのはむしろ適当ではないのではないかと思いますので、まあそういう点もひとつ御考慮いただきまして、私の発言について、まあ不十分でございますが、御寛容願いたいと思います。
○山田徹一君 経企庁長官にちょっとこの問題で、これはもう新聞報道によって知ったわけでありますけれども、経企庁におきましては行政の総合調整は経企庁の役目だが、当庁はあくまで主要メンバーにすぎないと、このように言ってこの問題を敬遠するかのような姿勢であるというような報道を読んだわけでありますが、いずれにせよ経企庁がこの独禁法改正問題では政府部内の主役となることは間違いありません、当然だと思います。したがっていま公取委員長が話されたことを聞かれて、経企庁長官としてどうこの問題に取り組まれますのか、その点をお答え願いたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 取り扱い方と、また政府の行政機関であります経企庁自体の考え方と、こう二つの面があると思います。取り上げ方は御承知のように公正取引委員会は内閣総理大臣の所轄に属しておりますので、公取が独禁研をおつくりになって、たいへん熱心な御研究を進めておるような試案をおつくりになったものをどう処理するかということは、内閣総理大臣の手元、すなわち具体的に申しますと、内閣の審議室というのがございます。これは新しく審議会をつくるとかなんとかということと別の問題で、内閣の審議室、それがまた総理府の総務長官のもとにおる機構と兼ねておりますので、そこで現在取り上げられておりまして、私どもももちろん主要な経済関係機関として私どものほうから事務次官なども出まして、また通産省、農林省、大蔵省などからも同様な次官が出まして、先般取り上げ方の打ち合わせに入っておりまして、したがってこれをどのように処理するかということは、そこでだんだんきめられてまいると思うわけでありまして、公取委員会の今度の試案と通産省との意見が遭遇戦をやっているというような形も適当ではないと同じように、これはまた私どものほうと公取との間で遭遇戦、局地戦をやるということもまた適当ではないと思います。それから経企庁自体の声え方は、これは今日の日本経済の進め方、物価問題ばかりでなしに、これはもう言うまでもなく自由主義市場経済というものを軸にいたしておりますので、公正にして自由な競争原理というものは十分生かされることが、物価の問題はもとより消費者の利益あるいは日本の経済の全体の発展にもつながるものと考えますので、私どもは公取の今度の試案につきましては、それなりに敬意を表し、評価をいたしております。ただ独禁法そのものは他のいろいろな条項をも含めたいわゆる経済政策に関する憲法とか言われるような面もございますので、そういう面につきましても、こうした際にあわせて検討していく必要があるのではないかと思う点もあるわけでございますが、これらは最初に申しました本件の取り上げ方の中において処理をしてまいりたいと、かように思っております。
○山田徹一君 じゃあ、公取委員長どちらかおいでになるようですので、これで……、御苦労さまでした。
○委員長(小笠公韶君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後二時十分再開することとし、休憩いたします。 午後一時十九分休憩 —————・————— 午後二時二十三分開会
○委員長(小笠公韶君) ただいまから物価等対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き当面の物価等対策樹立に関する調査を進めます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田徹一君 経企庁長官にお尋ねしますが、先日の企画庁の経済見通しの試算結果によりますと、消費者物価が当初の見通しよりもぐっと大幅に二二%というような上昇率になっております。また、長官が四十九年度の消費者物価を年度末には一五%に押えようと、こう主張してきたものも、これまた試算結果によると一七、八%になるんじゃないか、こういう想定が出ております。政治家として最も大事な資格は何かといえば、先見性の問題だといわれております。また、今年の一月十九日の閣議決定による消費者物価の上昇率を九・六と、こうきめたことは、もう雲かかすみか消えてしまった。このように見通しが狂ったその原因は内外ともにあると思いますが、いずれにしてもこう誤った見通しを持ってきた長官は、国民に対してはどのような責任をとるのか、これが一つ。 さらに、一月十九日に閣議決定したところの経済運営につきましては、そのときにどのような政策と、またそれをどのように実行することを国民に約束いたしましたか、その点について、いまの二点についてまずお尋ねいたします。
○国務大臣(内田常雄君) 昭和四十九年度の物価を含む経済見通しというのは、御承知のとおり、本年の一月の初めに本年度の予算とともに発表をいたしましたが、経済企画庁における作業は十二月までの物価の情勢を基礎にいたしまして、はじいたものでございます。しかし、山田さんも御承知のように、昨年からことしにかけて一番物価が動きましたのは、たとえば卸売り物価も消費者物価も同じでございまして、昨年の十二月、それからことしの一月、二月と、こういう三カ月でございました。しかし、十二月、一月の物価の上昇というものは、当時はまだ統計上あらわれてまいってきておりません。また、かような大きな物価上昇がどうして起こったかということになりますと、これはもう第一の原因は、申すまでもなく原油の輸入価格の著しい上昇を中心とした海外物価の上昇でございます。自来、原油につきましては、昨年の価格の四倍ないし五倍という原油の上昇が行なわれておりますことも御承知のとおりでございまして、今日わが国のエネルギー源の数十%、おそらく七、八〇%というものは、若干の石炭は残っておりましょうし、若干の水力発電等もございますが、非常に多くの割合、七、八〇%というものは、これは石油に依存しているという状況であり、また今日の化学工業製品というものは、その多くは原油から生産されますナフサというようなものを原料にいたしておる状況から、これにつれましてことしの物価は私どもが全く予想することのできない上昇をいたしました。 さらに食糧につきましても、御承知のような世界的食糧の総体的な不足状況、それに伴う価格の上昇というようなものがこの一年間においても行なわれまして、それらの状況がわが国の物価に反映をいたしまして、当初の見通しよりも相当大幅な卸売り物価、消費者物価というものがこれまでのところあらわれております。しかし、これはたびたび申し上げておりますように、ことしのまた春以降は物価、ことに卸売り物価は鎮静の傾向が顕著にあらわれておりますし、また消費者物価につきましても卸売り物価と同じではございませんけれども、ある特定の月を除きましては、おおむね一%、月の上昇率一%を割り込む、こういうような状況も出てまいりましたので、これも山田さんのただいまのおことばにございましたように、来年の三月時点まで追い詰めてまいると、過去一年間の上昇率というものは、消費者物価では、これは私どももいろいろ試算をやりますと、私は十数%と、こういうことを申してまいりましたが、ここにおいでの小坂総務長官の主宰をされました物価問題調査会等の委員の方々は、十数%というようなあいまいな表現をすべきではない、一五%というような目標をもって努力すべきであるという提言を強くなさっておるわけでございまして、私どももこれからいろいろの政策努力をいたしまして、そのような一五%目標に到達し得ると思います。また卸売り物価のほうはことしの二月は昨年の二月に対しまして一番上がったときでございまして、三七%ぐらいの上昇をいたしておりましたが、これは先ほど来申し述べますように、この春からずっと鎮静をしてまいりまして来年の三月時点には私どもの試算によりましても一〇%を少しこえる程度、二%とか、その辺に私はなるというようなことを期待いたしつつ、いろいろの物価鎮静のための努力をいろんな各方面の施策にわたりましてやってまいるつもりでおります。それからこの一年間の経済政策につきましての私どものきめましたものは、もちろん物価対策というものを最大の政治的な課題として取り上げるということを中心にいたしまして日本経済がこのまま小さくなるようなことがなく、また国際的協調を害するようなことがなく、バランスを次第に回復して正常経済への道を進めると、こういうことできております次第でございます。
○山田徹一君 いま聞いておりますと、すべて企画庁長官としての見通しは結局海外要因によって見通しはできなかったんだと、こういうふうなことに聞こえるわけですけれども、政策上の問題としてこの四十九年度のおたくのほうで発行された「経済運営の基本的態度」、この項目を私読んで見まして、これについてこれは国民に、パーセントの点はともかくとして、許すとして、この内容については国民に対して長官は約束したわけであります。これ見てみますと、いま長官持っていらっしゃるようですが、二ページに「第一に」と、こう書いてある「物価の動向にかんがみ」、その二行目から「総需要の抑制に特段の配慮を払うものとする」と、二番目が「投機的行為の防止」、三番目が「必需物資の輸入の促進」、四番目が「生鮮食料品の安定的供給の確保」、五番目が「流通機構の合理化」、六番が「競争条件の整備等の諸施策」、七番目が「公共料金については、これを厳に抑制する」と、こう個条的に書かれてありますけれども、これをどういうふうに実行なさったのか、具体的にひとつ話していただきたい。私どもは少しもこのことは有名無実で、言うことは言ったけれども実行に移されていない、こう判断しておるわけであります。一項目ずつにわたってひとつ答弁してください。
○国務大臣(内田常雄君) 私どもはこの線に沿って本年度の政策を進めてまいったつもりでおります。これまたいろいろ議論になることを避けたいと思うわけでございますが、先ほど来申しておりますように、物価の施策というものは最優先の政策課題であるということは、これは私も総理大臣も申しておるとおりでございますし、また総理大臣の直属機関であられますところの、ここにいらっしゃる総務長官も同じ努力をされてまいったこと御承知のとおりであります。 「総需要の抑制に特段の配慮を払う」ということも、総需要抑制、金融引き締め、これもずっとやってまいりまして、最近ではそれが行き過ぎるではないかという一部の批判も地方などでは私どももしばしば聞かされます。ことに中小企業や特定の産業は生産は著しく低下し、また出荷はこれもまた著しく減り、これに反して在庫は増加する一方であるというようなことで不景気の行き過ぎに対して何らかの手を打つべきである、こういうような面が中小企業をはじめとして出ておりますことも私どもは注意をしなければならないところであると考えますけれども、総需要の抑制をつとめてまいってきたところでございますので、これは景気の問題とからまる問題で今後もむずかしい課題でばございますけれども、御承知のように政府は総需要の抑制、金融引き締めをこの際手直しをしたり、ゆるめるというような方向は、たてまえとしてはとらないということも申し述べておるとおりでございます。また、けさ日本銀行総裁からも述べられたとおりでございます。 「投機的行為の防止」ということにつきましては、国会、皆さま方の御理解をいただきまして、売惜しみ買占め物資を改正、強化をいたしまして、ここに書きました趣旨に沿うようにいたしてまいりましたことも御承知のとおりでございます。 「必需物資の輸入の促進」、これはなかなかむずかしいところでございまして、たとえば牛肉などにつきましてはかなりの輸入の外貨割り当てまでいたしておるわけでありますけれども、それが国内の肉牛の価格をまた著しく押し下げるというような、そういう状態も出てまいりましてこの問題が行き悩んでおるというようなこと、これ必ずしも政府がそれを無理に輸入促進をしていくことが事態に即するかどうか、この辺むずかしい問題があるようでございます。 それから「生鮮食料品の安定的供給の確保、流通機構の合理化」、正直に申しまして、私はこの辺に一番問題があると、この一年間痛感をいたしてまいってきております。これは主として農林当局を中心としていろいろの近代的な施策を講じていただいておるわけでありますけれども、しかし必ずしも流通機構が合理化されている状況であるとは私は考えませんので、今後物価対策の大きな柱といたしましては、ここに書きました生鮮食料品についての流通機構の合理化ということにさらに思い切った施策を進めなければならないと考えております。 次の「競争条件の整備」ということにつきましては、たまたま今回公取委員会からこの趣旨を達成するための改正の試案が出ておりますので、私どももその線に沿う限り独禁法の改正に関する公取の考え方というものは、他の問題とからむ面ももちろんございましょうけれども、この市場のメカニズムを自由にして公正なる競争の確保によって進めていくということはやるべきであると考えております。 最後の「公共料金」でございますが、これも山田さん御承知のとおり、大きなものをあげましても、国鉄の運賃につきましては、すでに昨年早くから上げなければならないものをことしの三月三十一日ということで引き延ばして、その時点で運賃改定の法律の制定もいただきましたものをさらにこの十月まで延ばしてまいりました。その間国鉄は非常に大きな赤字になりまして、これ以上どうにもならないと、こういうようなところにきておりますことも御承知のとおりでございます。米につきましても、昨年の秋もことしも生産者米価はかなり大幅に引き上げてまいりましたが、昨年の消費者米価の改定は本年の四月一日からという予算で組んでありましたものを、さらにこれもことしの十月まで持ち越すというような努力もいたしております。その他の公共料金につきましても、これはいつも申し上げておりますように、極力その抑制するという方針をとってまいっておりますけれども、しかし公共料金をいつまでも押えれば押え込んでいけるものでないことは山田さんも御理解をいただけると思うわけでありまして、それによりまして当該企業体を破壊をしたり、あるいは資源の配分やら、利用者に対するサービスを妨げるというような面がとどのつまりは出てまいりますので、これらの押え込みにも限界があることは、これもこれまでも申し上げておるわけであります。私どもはこの十月にそうした状況にかんがみまして、卸売り物価、消費者物価とも鎮静をいたしつつある際にこの公共料金の改定をはさんだというような経過になっております。これからも若干の公共料金、あるいは国が関与する価格の改定の問題がお気づきのように幾つかまだ残っておりますけれども、それらにつきましてはここに書かれましたことばを援用いたしながら、私は経済企画庁長官といたしましては極力それは押えてまいると、それが麦であれ、あるいはそれが塩であれ、あるいは郵便料金であれ、私の立場としてはそれは押えてまいるというようなことにすべきだと、私はかように考えております。
○山田徹一君 いま認められましたように生鮮食料品の安定的供給確保と流通機構の合理化、これがどうもうまくいってない、この問題が生活必需物資として低い所得者の階層には最もこたえている問題なんです。それを焦点にしてこの物価安定施策をお考えになってないんじゃないだろうか。総需要の抑制、それにあわせて物価を安定していくというふうに強調しているけれども、現実はどうなのかというと、生活必需物資については、上昇率の二二%だ、二三%だという数字を聞いても、一般国民の方々はぴんとこない。二割やそこらじゃないんじゃないか、四割も五割も、ひどいのになれば七割も上がっているんだ。したがって、長官のように高い所得を持っていらっしゃる方は、そういう生活必需物資については別段こたえないかもしれません。しかしながら、そうじゃない、実質的な支出、実質的な所得の支出という面について見ると、あの五分位の中の一のランクに入ってくるそういう低い立場の方々のほうが国民のレベルとすれば半数以上あるわけです。そのランクをおたくのデータで見てみると、四十九年の一月ではむしろ実質的に支出が減っていっている。ところが、あの五分位の上のランクのほうの方々はむしろ実質支出も名目支出もふえておる。そのしわ寄せはどこへきたのかと言えば、結局低所得者、あるいは年金、あるいはそういう低い方々の、弱者のところにしわ寄せになっている。そのしわ寄せに持っていって物価の安定をはかろうとしている、こういうふうにしか国民はとれぬわけです。いまの公共料金にいたしましても、きびしく抑制——きびしく抑制するというのは上げないということじゃないですか。しかしながら、情勢はこうなっていつかは上げなきゃならぬのだから上げるんだと、しかも、十月安定しかけたころをねろうて上げた。やはりそれは物価にはね返って、生活必需品にはね返りとして物価は上がっておる、かえって。不況下の高物価、こういう姿が見られているわけであります。こういう点に対して、そんなしわ寄せが国民の低い所得層へ持っていってしわ寄せをしていくような酷なそんな物価安定策なんというのは許されぬ問題である、こういう声がどんどんわれわれの耳に入ってくる。こういう点について長官としてどう反省して、それを今後はどう具体的に対策を立ててやっていかれるのか。そういうところから一五%の問題もからんで、一五%にならないというような問題もからんであの九項目ということが新聞にも出たんじゃないかと私は思うんですけれども、けさほどの答弁によりますと、まだあれは腹案であって、表に出すべきものじゃなかったのだというような話ですけれども、長官として、あと半年で——半年もない、五ヵ月すればもう三月末がやってくる、その間に一五%以下にでもしょうと思うならばもっともっと今度は無理な線も出てくるかもしれない、物価対策が。そのときに低所得者に対する圧力が、しわ寄せがもっといくんじゃなかろうか、こういうような点も心配するんですが、長官としてはどうお考なのか。
○国務大臣(内田常雄君) いろいろ御心配をいただきましてまことに恐縮でございます。私はあのインフレということばの使い方、いろいろあれも論議がございましたが、簡単に申してインフレ、異常な物価高というものの一番その気をつけなければならない、警戒しなければならないところはやはり国民の各層に非常な不公平を生ずることが多いことであろうと思います。所得の多い人、少ない人、また資産のある人、ない人などにこれらのインフレ、高物価が適用されますときには不公平を拡大をするという問題を大きく気をつけなければならないと私は思うものでございますので、山田さんのただいまのお話をも私は十分理解をいたす次第でございます。でございますから、今後高物価にならないように物価を鎮静さしていくということも、そうした所得格差間の不合理を消していくと、こういう趣旨にほかなりません。そのことは御理解をいただきまして御激励をいただきたいと思います。 公共料金につきましては先ほど申し述べたとおりでございまして、政府の関与する企業でこれをどうしても押え込むということになりますと、政府が一般会計から繰り入れをするとか、補給をするとかいうことになるわけでございますが、今日四十九年度の予算でも御承知のとおり公債を一部発行しているような状態でありますし、また五十年度の予算の編成というものがなかなかむずかしい事態でございますので、公共料金抑制の問題とかね合って公債をふやすというようなことになりますと、今度はそれによって物価は押えられたように見えるけれども、財政インフレを生じてまた物価の上昇の要因をそうした面からつくり上げると、こういうことにもなるわけでございまして、公債を発行しても公共料金を押えればいいというふうにも簡単に考えられない面がありまして、大蔵大臣ともいろいろこれは苦労して打ち合わせまして、ここに書きましたような公共料金抑制の趣旨を達成してまいりたいと思うのでございます。
○山田徹一君 満足に思いませんが、総務長官にお尋ねしますが、十月の十一日の物価対策閣僚協議会に物価抑制に関する長官の私案とでも言いますか、そういうものを出されたと、これ新聞で見たわけでありますが、その中に六項目ほどの項目が出ておりました。その中の一つに、現在まで引き上げられた公共料金のうち値下げ可能なものは値引きすると、こういうことも書かれてありましたけれども、これは信頼してよろしいですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私、すでに引き上げられた公共料金の中でも、その後、たとえば電力会社のように配当をふやすというようなうわさのあるところは、それは電力会社自体としては増資をしたいんでしょうけれども、しかし料金を上げてからあと配当をふやすなんということは、私は言語道断だと思うんです。そのことは、同時に、配当がふやせるならば引き上げた公共料金を再検討するくらいの良識があってもいいではないかということでありまして、またガスも同じでございます。そういうようなことで私は提案をしているわけであります。
○山田徹一君 まことに私も長官の話を聞いていい気になったわけでありますけれども、経企庁長官に伺いますけれども、いままでに値上げされた公共料金で値下げするだけの余地がある、値下げする余地を含んだものを認めたということはありませんね。——公共料金に対して経企庁長官も賛成したわけです、閣議でね。そのときに、その値下げできる、値下げ幅を含んだそういうことで、そういう余地を含んだ公共料金の価格を認められたということはありませんね。
○国務大臣(内田常雄君) それはもう全くございません。
○山田徹一君 ところが、いま小坂長官の話にありましたように、電力料金は、値上げしてからまたもとの配当率に復活するというような事柄はそのときの計算にはちゃんと考えられていたことじゃないかと、私はこう思うんですがね。利益が出てくること、配当ができるぐらいになってくることも考えられた。となれば、幅はすでにあったんだと、こう私は判断するんですけれども、長官どうですか。
○国務大臣(内田常雄君) 電力料金が引き上げられましたのは参議院の選挙の前でございまして、したがって、電力会社の事業年度というのは九月期と三月期が多いと考えますので、九月期においては電力料金引き上げの好結果を全期にわたって受けて当然いないわけであります。でありますからそのときは減配をせざるを当然得ないはずでございます。ところが今度は、次の三月期に入る段階になりますと、つまり十月以降につきましては、公共料金値上げが全期間について働きますので、その公益事業会社の経理が九月期よりも全体として楽になることは数字の上からは私はあり得ると思います。しかしながら、いま、国の経済成長が御承知のようにゼロ成長とかマイナス成長というような状態であり、また賃上げなどにつきましてもでき得る限り自主的な抑制を求めようとする空気がある中におきまして、公益事業会社が減配を復活するというようなことは、これは私はいま小坂総務長官が言われるとおり適切なあり方ではないと思うものでございますので、その点につきましては小坂さんの説に加担をいたすものでございます。
○山田徹一君 それじゃ、小坂長官の私案である公共料金の下げられるものはこれから下げるということには強く応援をすると、こういうことですね。
○国務大臣(内田常雄君) いやもう、ことばの上でいろいろやりとりするつもりではございませんが、しかしそれは、私どもが公共料金を担当官庁とともに査定をいたします際に、先ほど申し上げましたように、下げ得る余地というものは全くないはずでございますし、このまま、エネルギーの料金が下がるとか、あるいは賃金が下がるとかいうようなあり得べからざるような事態が生ずれば別でありますけれども、そういうものがいまのような状態にあります限り、私はそれは電気、ガスばかりでなしに、他の地下鉄にしましても、バスにしましても、国鉄にいたしましても、下げる余地というものはないのではないかと。小坂さんが述べられたのか、小坂さんに対して物価問題調査会の委員の方々が提言をされたのは、それは一つの気概を示されたということではないでしょうか。
○山田徹一君 いま小坂長官が言われたのは、すでに電力料金、電力会社においては利益が出てもとの配当を復活するというほどになっているんだから、ガスにしても下げられる余裕があると。したがって公共料金の値下げを、下げられるもの、可能なものは値引きするということを主張された。そのことに対していま内田長官も賛成したわけでしょう。——いまさっきの話を聞くと、何となくあやふやな話をされましたで。
○国務大臣(内田常雄君) それは、余裕があれば下げたほうがよろしいと思います。しかし私が申し上げているのは、そういう余裕があるはずはないと。そんなまた余裕のあるような査定は通産省であれ、あるいはそれを再査定した経済企画庁であれやっていないのでありますから、したがって下げ得る余地あるいは増配する余地というものは現実にはないものと私は考えております。配当を復活するというような話があるかのごとく一部の新聞に出ておりました公共企業体といいますか、公益事業が載っておりましたことを私も見ましたので、実は私も職務柄さっそくここにおります物価局長等を通じて通産省にただしましたところが、新聞が伝えているような事態はないんだと、こういう話でございました。
○山田徹一君 そうなると、それは希望論であって現実には起きないんだと、こういうことになりますね。——この問題をやっていれば時間もなにしますので、またの日にしますけれども、そういう実のない話を国民に訴えられたんでは全く遺憾で、だまされた感じがするわけです。まあこれも、決定した事項として新聞に報道したわけじゃありませんので、ここでは云々いたしませんが、そこで問題を、時間の関係上次に移りますが、物価指数の統計改善についてでございます。 いま年金もスライド制というようなことが出ておりますし、消費者物価指数がこれから生活保護費等の改正基準にもなっていくと、これ間違いないわけであります。すべての目安になってくる指数でありますので、その指数算出方法がたいへん重要な問題になってくる。この算出方法についてもう過去から、数年前からいろいろ問題がございますが、経企庁長官としてはこれを改善していくというような考え方がありますかどうか。また、総務長官に同じことをお尋ねするわけでありますが、そういう問題について、消費者物価指数の問題点について現在検討しているかいないか。しているとすればどういう点を検討の中で検討されておるのか明らかにしていただきたいと、こう思うわけです。
○国務大臣(内田常雄君) 御承知のように消費者物価指数は総理府の小坂さんのところの麾下にある総理府統計局で全く独立につくっておられるわけでありまして、これは国際的の関連におきましても国際比較ができるような事柄も取り入れながらこの消費者物価指数の組み立て方をきめておられるわけであります。しかしこれ五年ごとにそれの組み立て方を検討することになっておりまして、来年がたしかその組み立て方再検討の年に当たるはずでございますので、総理府におかれましていろいろな問題を検討をしながら改善方の準備を進めておられるはずでございます。以下は総理府のほうからお答えをしていただきます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの御意見は私もよくわかります。それで、いま発表はしておりませんけれども、一応所得階層別の物価指数というものは非公式にはつくっておりまして、そうしたことの出た数字を各行政官庁のほうには回しておるわけであります。なお、今後の方向等につきましては、きわめて専門的でございますので、統計局長から簡単に御答弁します。
○説明員(川村皓章君) それではただいまの御質問について、いまやっておる状態についてお答えを申し上げていきます。 消費者物価指数が最近いろいろな面で活用されているということは事実でございまして、この面で大まかに言いまして二つの方向で検討すべきであるというふうに私どもは考えております。 一つは、あくまで生活の実感とこの指数が合う合わないというような感覚は、実際にいろいろ言われております。この合う合わないという問題は五つばかり実は原因がございます。かいつまんで申し上げておきますと、やはり平均的な消費構造をあらわしておるわけでございますので、個別の世帯の状況と合わないというような問題から出てくる実感との差の問題それから第二番目の問題は、購入頻度と実感の問題とずれてくるという問題があります。それから三番目は、生活必需品みたいなものは買い置きができないものですから、その辺の問題と家計への圧迫の度合いという問題から実際の実感と違うと言われる問題。それから第四番目は、所得水準の向上の問題と物価の問題が往々にして混同される問題の事実があるという問題から出る実感。それから第五番目は、どちらかというと所得弾性値と申しますか、所得額が上がってくる、そういうことの状態で同時に希望も上がってくる、それに対して物価が値上がりすると一種の満足が得られないというような問題から出てくる実感との差異、そういうようなこまかい分析を実はいたしております。だから、これもやはりなるべく実感と近づけていくという努力はいたすべきであろうと考えている方向が大まかな一つでございます。 それからもう一つの問題は、たまたま現在の消費者物価指数がたった一つの指数であらわせるという、ある意味で宿命から起こっている問題がございます。なぜかというと、比較的簡単にお話ししますと、前月に比べてどれだけ上がったんだと、こういうことをはっきり詳しく知りたいという意味で指数に期待する向きと、それから比較的十年ぐらいの昔からどう動いているんだということを一つの数値で言ってくれという向きと、国際水準あたりから見てどうだという動きと、それを一つの数値である意味で答えなきゃならぬという問題があります。これがたとえば老人世帯あるいは母子世帯、そういうもののそれぞれの動きをそれ別に出せないか、いわゆる多目的化の問題と一つの指数という問題でございます。それがもう一つの方向ということでございまして、これらいずれも検討していかなきゃならぬ問題というふうに私どもは認識をいたしております。 そこで、現在の指数は、先生御存じのように昭和四十五年を一〇〇としてあらわす形をとっております。これを基準時と言いますが、この基準時の改定は、実は国際的な関係もございまして、ほぼ昭和五十年というのが基準時の改定というふうにいまは予定をいたしております。そこで、そろそろこの問題について——四十五年のときも行政管理庁にあります統計審議会等にいろいろ御相談申し上げ、それらのいろいろ御注意もいただいて、直すべき点は直したという問題がございますので、今回もそのような方向でやることを考えておりますし、そろそろ御相談を申し上げている段階でございます。
○山田徹一君 四十五年を一〇〇にするその以前に、四十二年にこの問題についてはすでに改善に関する諮問をされているわけなんですけれども、聞くところによるとその答申は出ていないようであります。いま現実の問題として先ほどおっしゃったような事柄が全くありますもので、国民一般から見ると、あの指数を見ても何ら実感がない。しかも、現実とそぐわないというような事柄から、どうしても五十年度にはこの消費者物価指数についてはぜひ改善をしてもらいたい、こう思うわけです。そこで、でき得れば少なくともいまのを五分位単位に——現在の消費者物価指数というものは全体を一つにしてあります。そうして平均値を出してやっている。これじゃ非常に不公平がある。したがって、五分位単位に消費者物価指数を出すという問題。さらにもう一つは、ぜいたく品とまた生活必需物資というものに立て分けて、そこにいまの消費者物価指数をかね合わせて出していくと、こういうふうにぜひこれを取り入れていただきたいと、こう思うんですけど、いかがでしょう、長官。
○国務大臣(小坂徳三郎君) おっしゃる意味もよくわかります。しかし、いま三百万世帯の中で実際統計の数値を求めておりますのは三千ケースでございます。したがいまして、その中でこれを五分位に分けて詳細に出していくという場合には、そのケースが少な過ぎてどうにもならない、わけでございますから、非常に多数のケースを求めるということになりますと、非常な人手と、また経費がかかるわけでございまして、もちろん、そのような所得階層別の物価実感というものにそぐうような指数を求めたいのはわれわれも同じでございますが、なかなかそうした行政費の関係等から見ますと、非常にまたむずかしい面もございますので、いずれにいたしましても、非常に全般を一つにまとめて申し上げると、そこに実感との乖離があることはよくわかりますが、相当なラフなものでございますれば、たとえば消費者米価等につきましては五分位のそれぞれの実感にわりあいに近いような数値は求めております。でございますから、そういう御要求があれば、それにお答えできる——しかし満点ではございませんが——準備はできておりますが、それ以上にさらにいまの御指摘のような形で消費者物価指数を公表していくということになりますと、非常な経費もかかりますので、その辺がこれからよく検討しなければならぬと思いますが、御趣旨の点は十分踏まえて、新しい方法の開発とか、あるいは合理化等によってできるだけのことはしてまいりたい、そのような考えでおります。
○山田徹一君 経費がかかる、経費がかかるって、全くそれ経費もかかることでありましょう。しかし、これは大事な問題でして、そういう年金あるいは生活保護者に対する費用ですね、これをいまの消費者物価指数にスライドをして上げていくと、こういうことがきめられておりますが、そうした場合に、二百万も三百万もするような自動車はこの年金所得者には必要ないわけです。現実に食べるもの、着るもの、住むところ、これに現在でも少なくて泣いているんじゃありませんか。それをどう合わせるのかということになってくると、どうしても五分位、あるいは生活必需物資とぜいたく品とに分けて、そうして消費者の数値を出していかなければ血も涙もない政策に終わってしまうと、こう思うわけです。金が要ったってしょうがないじゃないですか、これは。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先ほどの御質問に対しまして、私から御答弁申し上げました数字がちょっと間違いましたので、訂正さしていただきます。三千万世帯、そしてわがほうでやっておりますサンプルは八千世帯でございます。訂正をさしていただきます。 それからただいまのようなお考え、たいへんに私らは統計、消費者物価指数そのものの持つ意味の重要性につきましては、全く同じような認識を持っておるわけでございまして、努力をしてなるべく御期待に沿うような改善をしてまいりたい、そのように考えております。
○山田徹一君 最後に企画庁長官に……。長官は「明日の暮しを考える消費者集会」というものを長官のアイデアで持たれたそうでありますが、そのときの大会のテキストの中で、「物価が上がって困る」という声をよく耳にするけれども、物価上昇は悪でない、こういうふうなくだりの文句があるわけです。今日の物価高、生活不安、一般の。そういう背景のときに物価上昇は悪でないときめつけたその姿勢は、もちろんこれは長官が書いた文章でないと、これは思っていますが、そういうくだりがあるということは、国民感情としては許されぬと思うのですが、どう思われますか。
○国務大臣(内田常雄君) 同じような御意見が先日衆議院のほうの物特委員会でもございました。お察しのとおり、私が書いたものではございませんが、私がずっとまたあとから前後を読み直してみますると、山田さんがおっしゃったような、そういう発想のもとに書かれたものではございませんで、やはり物価の上昇というものが国民生活を圧迫するので、これはどうしても物価対策をもって対処しなければならない問題だという、そのことがずっと書いてございまして、その一行だけの趣旨で書かれてないようでございますので、いま私が申し述べましたように御理解いただければ幸いでございます。
○山田徹一君 これに書かれてあることは、いいですか、その物価上昇は悪でないというところだけを私は言っているわけじゃありません。最初のくだりで、「物価が上がって困る」という国民の声、それを耳にするけれども悪でないと、こういう読み方になるわけです。ごらんになってください、そうなっている。それでは物価と福祉というものは両立しなければ、両立させることが政治であるわけです。善とか悪とかいう問題は、これはいろいろ哲学的に論争は展開すればあると思います。しかしながら、国民生活を離れた物価なんてありますか。その生活者が困るという声は出ている。それにこたえての物価の上昇は悪でない、そういうくだりはちょっと私は問題であると思いますので、これはもっと詳しく切り離した……。学問的な理論ならそれでも通るかしりませんけれども、生活に不安を感じて低所得者の中には、年金所得者の中には、自殺している人だってあるんじゃありませんか、この物価上昇で。そういうときにそれをうたいながら、弊害としてうたいながら困るという声を聞くけれども、物価の上がることは悪でないなんていうこの論法は全然切り離そうとしている、切り離した考え方です。物価と生活は切り離せますか。そういう上から私は長官が注意して、ひとつこの問題をもっと詳しく別問題としてでなくて説明するなり、あるいは取り消すか、これをお考え願いたい。国民感情としてはこれ許せません。長官どうですか。
○説明員(喜多村治雄君) 長官からお答えいただきます前に、この趣旨につきまして御説明申し上げます。で、いま……。
○山田徹一君 趣旨はわかるんですよ、前後の何をすれば……。
○説明員(喜多村治雄君) これは「物価上昇の弊害について」という項目で書き上げましたところの導入句部分でございます。確かに物価は上がって困るということを耳にします。確かに困っている実情を訴えましたあと、しかしこの物価問題を考えるときに、それだけではないのだと、「すぐ「物価は悪なのだ」ということになりません」とは書いてありますけれども、すぐまたそれを打ち消しまして、そういうことをいってもなおかつ所得の分配問題、資産の分配問題について非常な弊害をもたらすということが、それ以降先生がお述べになりましたような口調でずっと書かれております。確かにその一部分だけを取り上げますと、そういう誤解を招きますということがございましてたいへん申しわけありませんけれども、私どもの趣旨は、物価のもたらします弊害をるる筋道を説明したということでございます。
○国務大臣(内田常雄君) 物価局長からるる説明申し上げたとおりでございますが、何にしてもしかしその一行だけでもとって誤解を誘導するようなことばは、私はまずいと思いますので、私が書けばああいうことは書かぬのですが、私はここですなおにあの文章については陳弁をいたしながら、取り消さしていただく気持ちを表明をいたします。
○志苫裕君 新人ですからおそるおそる質問をいたしますが、少しこう初めてですから、慣例にそぐわぬ点があるかもしれませんが、我流でやりたいと思います。 実は独禁法の問題と合板のカルテルの問題、二つを通告をいたしておきましたが、最初に独禁法の問題について若干お尋ねをいたします。 平均的な国民の感覚でお伺いしたいと思いますが、率直に申し上げて、独禁法あるいはそれを扱う公取委員会というようなものは従来あまり一般大衆にはなじみが深かったとは言えないと思うのですが、またその取り扱いというのもどっちかというと法の重さに比べて非常に軽く扱われ、あるいは法律を骨抜きにするのかどうなのかという議論だけがいままで多かった。こういうせいかもしれませんが、むしろいままでは空洞化の一途をたどっておったように思うのでありますし、また公正取引委員会の存在そのものもそう目立った存在じゃなくて、国民となじみのあるというような存在ではなかったというふうに思っておるわけですが、まあそれでも四十年代に入りまして、例の新日鉄の合併、そういうころから実は存在がクローズアップする、機能の重大性が重視をされる、こういうように私は感じておるわけです。これと前後いたしまして、公取委員会そのものも幾つかのケースを取り上げるようになりましたし、また存在も目立つようになる、こういうふうに思っておるわけですが、そこへやってきましたのが例のオイルショックということになるわけでして、オイルショック、物価狂乱、それにつけ込みましてまたして寡占やカルテルというものがこの狂乱物価の因果関係をなしたかなさぬかは議論のあるところでありますけれども、とにかくそういうことは別にいたしましても、石油から始まって即席ラーメンに至るまであらゆる分野でカルテルが続出をする、便乗値上げが横行する。こうした企業のいわば悪徳企業といわれましたけれども、そういう企業の行動をもう何とかしなきゃ国民の生活は危機におちいってしまう、破壊されてしまう。そういう危機感のような状況がまずこの問題を考える場合に存在をしたと思う。それが独禁法の改正の機運をつくり上げた、あるいは国民的なコンセンサスを形成をしていった。独禁法はそういう意味ではようやく骨抜きどころか、向きを変えて強化をする、重視をするという方向に向きを変えたんだと思うのであります。今日公取試案をめぐって独禁法は物価のための法律じゃないとか、公取委は物価庁じゃないとか、物価の問題は別のところでやればいいじゃないとかというようなさまざまな議論もありますけれども、しかし、じゃ一体そういう状況のときに政府といわれるものは何をした、こういうことを考えてみると、わずかに独禁法、公取委員会だけが国民の共感を得る存在であった、こういうふうにさえも私は思うのですね。とまれ、そうした状況の中で独禁法は国民的なコンセンサスを形成をして、政府もいわば独禁法の強化、改正という問題については責任を背負ったはずだ、このように思います。加えて日本経済がこれからいままでと違いましてあまり大きな成長は望めない、あるいは技術革新等もあまり進まないだろうというふうなことになってまいりますと、企業も競争からむしろ協調のほうに向かって、ふだんならむしろ価格競争の時代には目立たない、弊害にならない寡占の弊害というようなものがどんどんクローズアップされてくる。こういうとも予想されて、ますます重要性というようなものが出てきておると思うのでありますが、私がこれから申し上げますのは、法改正の内容のといいますか、技術的な議論というのはいろいろあるだろうと思うのですが、しかしいろいろあるでしょうが、とにもかくにも現在の法律で対処できなかったさまざまの事態が現にあったということは事実なんでありまして、それが法の強化や改正を必要とする何よりも証拠になっておるということを強くまず指摘をしておきたいわけであります。 ところで、この改正が具体的に試みられるやいなや、すでに業界や政府の一部である通産省などではもう身がまえを始めて公取とのつばぜり合いが始まった。九月の公取試案の発表のころにはもうすっかり過熱をしておる。前科のある業界とかあるいは防衛過剰意識の業界が反論、反対をするというようなことは、それなりにはわからぬわけじゃありませんけれども、しかしことばが過ぎて、企業はもともと悪徳色なのは間違いないのであって、企業はもと性善なりというあたりは、こういうあつかましい学説は別にしまして、通産省が業界そっくりの反論を掲げて公開質問状を出したり、あるいはまた改正よりも現行法の運用を主張したり、公取の手から内閣の手に移しての時間かせぎをしようと考えたり、審議会という隠れみのを使って骨抜きやたな上げを画策をしたり、これには何か経済企画庁長官も加わっておるそうでありますが、新聞に出ておりますが、あるいはまた自民党の独禁懇に至っては法改正を国会に出す権限などというものは公取にはないんだから、ないものが議論をするなどというのはおこがましいなどという筋違いの発言をする始末だと思うのでありますが、そこでお伺いいたしますが、一体こういうことを考えてみて、法律の強化あるいは改正、こういうものが必要なんだという国民的な合意というものは存在したはずでありますけれども、あるいは政府はそれに対して責任を負ったはずでありますが、こういうものは一体今日どうなったのか。私はたまたまさまざまな動きを見ながら実に苦々しく思うわけでありますが、まずこういう問題についての見解を私は最初にほんとうは総理大臣から来てもらえば一番いいのでありますが、官房長官と言ったら官房長官も都合が悪いそうでありまして、副長官おいでですが、副長官から総理大臣にかわってまずひとつ見解をお伺い申し上げたい、こう思います。
○説明員(大村襄治君) 自由な市場メカニズムの機能する競争条件を整備し、有効競争を確保しますことは、物価の安定、国民生活の改善のためのみならず、経済全般の適切な運営のためにきわめて重要なところでございます。政府といたしましてはかねてより物価政策の一環として競争条件の整備について大きな関心を払ってきたところであります。独占禁止法は経済の基本的なワク組みを定めるきわめて重要な法律でございまして、その改正は今後の官本経済の大ワクを規定するものであるため、経済政策全般の立場から慎重に対処することが肝要であると考えております。今回公正取引委員会から独占禁止法改正試案が示されたのでありますが、その骨子をなしている企業分割、原価の公表、株式保有制限、価格の原状回復命令等は経済的の重要な問題を含んでおり、これらの改正が物価の安定や国民生活の改善に具体的にどのように寄与するか、また経済の実態から見て妥当かどうか、さらに今回提案された内容以外にも検討すべき項目がないかどうか等について国民経済的観点に立って政府部内において十分検討を加える必要があると考えております。
○志苫裕君 次に経済企画庁長官の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(内田常雄君) 正直に申しましていま内閣官房副長官がおっしゃられましたのは、ほんとうに正直に申しますと私の考えをそのまま述べていただいたところでございます。午前中にも山田さんの御質問に対して申し上げたと思いますが、二つの面がございまして、いま日本の経済が自由主義経済、市場経済というものを中心にして、そうして経済の発展や国民生活の安定や物価の安定を求めております以上、自由にして公正な競争を確保するための措置というものはきわめて大切でありまして、そういう機能が失なわれているところを公正取引委員会が御検討になりまして、そうして研究の結果を提起されました今度の試案というものは、そういう角度から経済企画庁の私どもはこれを高く評価をいたしております。しかし、もう一つの面は、そうしたこととともに、独占禁止法はいわば広い意味の経済の憲法としての面を幾多含んでおりますので、そうしたこともあわせ検討する必要があるのじゃないかと私は思う点がございます。今回、でございますから、通産省が直ちに取り上げて公取と意見を戦わしておるという状況は私から見ますと、率直に申すと何か局地戦のようなふうにも思われるわけでありますから、これをちゃんと内閣の場に移して、そうして検討してもらうということがよかろう。ちょうど内閣には審議室というものがございます。しばしば間違えられて何かそのために特別の審議委員会をつくるということにもうきまったようにも誤解されている面があるようでございますが、私が理解するところでは、今後どう発展するかは別といたしまして、内閣の審議室、つまりそれは大村官房副長官が率いる審議室、これは各省各庁にも通ずる仕組みになっておりますので、そこでこの公取の試案の取り上げ方というものをきめていただいて、しかる上私どもも自分らの分野から意見を出すのがよかろう、こういうふうに考えております。
○志苫裕君 もう一度お伺いしますが、いまの官房副長官の通り一ぺんの話より、もう少し焦点をしぼってみたいと思うのですが、私が申し上げているのは、独禁法の改正が重大になったのは公取が試案を発表したから重大になったんでもなければ、問題になっているわけでもないわけです。先ほど少し長く述べましたけれども、独禁法を強化、改正しなければならぬという事態が、あのいわば機運というふうな、あるいは状況というふうなものが去年から今年にかけてのあの異常な状況の中で起きて、これは改正なり強化をしなきゃならぬ、こういう国民的な合意というようなものがずっと成立をしていったはずだ。政府がまたそれについては責任を持ったはずだ。いまお尋ねすれば、いや公取案が出ましたので重大な問題でありますから、慎重に対処をいたしましてというようなお話がありますが、新しくまたほかに盛り込む内容があるかどうかも、これからやおら検討してなどという、そういう問題じゃないでしょう。これは後ほど引き合いに出しますけれども、たとえば今年の春の国会のときにもすでにこれは重大な問題であるし、やらなければならぬから、公取は公取でやってもらうが、政府もひとつ一生懸命に勉強を進めてこれに対する対応を講じていきましょうと、こういうふうになって進んできている。そうでしょう。いま公取の案が出て、内容的にいろいろな技術的な議論があるんでしょう、おそらく。そのことは私らも意見がありますから一まずおきますけれども、そこで大騒ぎをして、さてこれから慎重に対処をしようという性格のものじゃないでしょうということを私は申し上げているわけです。 あなたは、いろいろお読みになっているが、そんな型どおりののんびりした話じゃないでしょう。しかも、政府といってもいろいろなところがあります。各省庁の意見を聞いておると、法改正などはもう必要なくて運用でもいいじゃないかという意見も飛び出してみたり、あるいはまあ審議会どうのこうのという意見が出てみたり、あるいは公取あたりで議論するのは大体お角違いだというような議論が出てみたり、そういう状況を生んでいるじゃないか、これについて私は実は国民もそうだと思うのですが、苦々しく思っているんだけれども、それは一体どうなんですか。改正しなければならぬという、そういう当初あったその基盤というふうなものは、もうどっかやっちゃったんですか、こういうことを聞いている。
○説明員(大村襄治君) 昨年末から今年にかけての国会において、独占禁止法の改正についてのいろいろな御意見なり議論があることは十分承知いたしております。
○志苫裕君 よく承知をしておるじゃなくて、副長官ね、まず政府は独占禁止法の改正、強化というものに、私、状況もうあらためて言いませんが、一連の経緯を踏まえて独占禁止法の強化、改正というものについて責任を負っているというふうに私は考えているんですが、皆さんのほうはどうですか。検討して必要があれば改正しなければならぬがという程度のものですか、これはもう改正しなければなるまいと、そういうものの出発点なんですか、そこのところを聞いているんです。
○国務大臣(内田常雄君) これは通産省が、さっき私のことばで申す局地戦を始めてしまいまして、私はこれ非常におかしいことだと思っております。経済企画庁がそこに飛び出して、両者の間の政策調整をすれば済むというものではありません。また、先ほどまでここにいらっしゃった総務長官は、これは公の席でも、先般、先ほど山田さんから引用のありました全国のモニター大会の席上でも、私見だがという前提はございましたけれども、御自分の考え方を述べられておりまして、これもまあ一つの考え方。ところが公正取引委員会というものの仕組みは、これ独禁法の第二十七条でございましたか、その辺に規定がございまして、内閣総理大臣の所轄に属しておって、その内閣総理大臣の所轄というのは、詰めてまいりますと、この総務長官が予算も人事もあずかっておること、御承知のとおりであります。そこで、そういう意見がありまする以上は、やはり私は、大村さんのところの内閣審議室というものがございますから、そこへ持ち出しておおむねの取り扱いの方向をきめてもらうということが私らの一番いい方法だと私は思って、そして大村さんの考え方や内閣の考え方に賛成をいたしておるわけでありますから、通産省の次官にも出てきていただくし、総理府の総務副長官にも出てきていただく。これはやがて両大臣にも出てきていただく、私も出てまいることになろうと思いますが、慎重にといっても、これ引き延ばしてうやむやにしてしまうという意味の慎重ではなしに、どうするかということを一ぺんも相談もしないままで走り出してしまうこともいかがかと思う点がございまして、経済企画庁も——あなたは何か経済企画庁もネガティブな態度のようなことが新聞にあったとおっしゃるのですが、私は、これ抹殺しようという意味のネガティブではないので、いまここで私が通産省と同じような意味で、多少それに違ったような自分の考え方をつけて取り組んでしまうことは適当ではないと、こういうことを申しておるわけでありますから、しばらくこの取り扱いが進むのをごらんになっていただくのがいいのではないかと、これは出過ぎたことでありますが、申し上げておきます。
○志苫裕君 経企庁長官、いまあなたの答弁はちょっと要りませんで、あとでもう少しあれしていいですが……。 いま経企庁長官もお話しになりましたように、私もやっぱり内閣の、あなたのような、取り扱いはそうなるだろうと思いますので、総理ということになれば官房ですから、だからおいで願ってるわけですよ。だからその取り扱いのことを聞いている。取り扱うには一連の経緯を踏まえて法律の強化、改正をしようと、取り扱う場所もですよ、そういう意思がなければ取り扱えないでしょうが。あちらの人がこんなことを言う、こちらの人がこんなことを言う、集まってみて相談してみましょうかじゃないのであって、これは一連の経緯からいって、法の強化、改正というものはしなきゃならぬという前提がなければ取り扱いにも何にもならぬでしょう。そういうことでいままで進んできて、公取委員会もせっせと案をつくった。ところが寄ってたかって水をぶっかけるような、たなざらしにするような、引き延ばしをするような、中には法改正要らぬじゃないかというようなことが出てきて、取り扱いがその内閣のほうにいこうとするわけですから、そこで取り扱う御本人からおいで願って、あなたのほうは一体いかなることを考えているのですかということを聞くためにおいで願ってるわけですよ。よく重要性は承知していますなんていう答弁じゃなくて、一体その取り扱うあなたのほうでは、この一連の経緯を踏まえて独禁法の強化、改正というふうなものはやろうとしているのですか、どうですか。そこのところを聞いているのです。
○説明員(大村襄治君) 最近の経済情勢からしまして、現行の独禁法を改正する必要が高まってきているという点は私ども承知いたしているわけでございます。で、たまたま試案が公正取引委員会から提示されたことでもございますし、また各省にまたがる問題を調整するのは内閣の責任でもございます。そういったことで、審議室を中心に関係各省の代表の方に集まっていただいて、この公取の試案を中心に独占禁止法の改正の問題を鋭意検討しているというのが現在の状況でございます。
○志苫裕君 もう一度念を押しますが、必要が高まっていることは承知している、試案も出てきたし、各省にも意見があるようだから、それをひとついろいろ鋭意検討をしたいと思っていると、あなたが言うのはこういうことでしょう。私が申し上げているのはそれは改正案をつくるためにですか。検討してみた結果、改正案はつくるかつくらないかを考えるんですか。改正案をつくるために集まるんですか。
○説明員(大村襄治君) 改正を行なう必要のある個所があるかどうか、ありとすればどうすればいいか。その場合に、この試案が重要な参考になるということを申し上げたわけであります。
○志苫裕君 改正の必要があるかどうかというレベルにまだ皆さんとこはいる答弁ですが、それは副長官違うんじゃないですか。あなたがそういうことでいるとしますと、これはとてもじゃないが、私ども国民の平均的な感覚としましたら、まるっきりズレていると思うし、そればかりじゃない約束とも違う。たとえばこれは四十九年三月十二日の予算委員会、これは衆議院ですね。予算委員会で田中総理こう答えておりますよ。公取でも勉強中でございますが、云々……。以下続きますがね。「できるだけ早く成案を得たい、」独禁法改正についていつ出すか。いつ出すの、いつの国会に出すのかという質問に対して、早く成案を得たい。成案というのは変える案のことなんですよ。変えないものに成案要らぬのですから。それからもう一カ所では公取委を中心にして、公取委を中心にしての成案を得るのを待って国会の審議にゆだねたい。公取の成案ができるのを待って国会の審議にゆだねたい。国会に出すということですよね。これは三月の時点です。これは大事な問題だからひとつ公取も勉強してもらうが、政府も一生懸命勉強しているんだ、していくんです、これは三月です。 それからだいぶ過ぎて、いまの副長官のお話ですと、必要性が高まっていることは承知をしておりますとか、改正する必要があるかどうか。あるとすればそれはどこか、などを検討したいというそういうずいぶんおくれた話じゃないんじゃないですか。もしそういうふうに総理自身がずっと、政府自身がずっとこの改正問題が後退をしているということをあなた答弁なさっているわけですか。
○説明員(大村襄治君) 私が申し上げましたのは、独占禁止法はかなり大きな法律でございまして、内容も多岐にわたっているわけでございます。また今回提示されました公正取引委員会の改正試案におきましても、企業分割、原価公表、株式保有制限、価格の原状回復命令、それぞれ多岐にわたる提言をされているわけでございます。それぞれの点について検討の必要ありやなしや、またありとした場合にこの提案と照らし合わせてどういうふうに扱ったらいいか。そういったことをそれぞれ具体的に検討する必要があるということを申し上げたわけでございまして、法案全体についてみて改正の必要ありという点にはまさに御意見のとおりでございますが、この点につきましてはなお吟味を加える必要がある、そういうことを申し上げたわけでございます。
○志苫裕君 そうすると法改正については必要がある、中身のことは私全然議論をしていませんよ。独禁法は強化改正されなければならないということは確認をして、それでさまざまな意見の取りまとめというふうに理解をしていいですか。
○説明員(大村襄治君) 法全体については、改正を検討をしなければいけない時期にきていると。個々の点についてはまた試案のこれを重要な参考にして、大いに検討を加える必要があると、さように考えています。
○志苫裕君 これはぼくはね、副長官、あなた総理は早く成案を得たいと言っているんですよ。どういうことになります。あなたの親方が早く成案を得たいと言っているんですよ。早く成案を得たい。公取にも一生懸命勉強をしてもらっているから、それが出次第国会の審議にゆだねたい、こういつているわけですね。あなたのいうのは改正検討の時期にきていると思う、こう言っておるんです。ずいぶんニュアンスの上でも実態の上でも違いがあるんじゃないですか。これは総理に来てもらわぬとだめになりますかね。もっとその辺はしゃきっとしてくださいよ。
○説明員(大村襄治君) 個々に検討を加えた上、法律の具体的な改正案を得られれば、これを得次第国会に提出して御審議を仰ぎたいと、そういうことを総理は申されたと思うのでございまして、私どもの考えておる点とそう違いはないものと思います。
○志苫裕君 ずいぶん違うから聞いているんですが、いま改正案を得られれば国会に提案をしたいということで確認をいたします、一番最後のことで。 そこであれですか、その取りまとめ方にもさまざまな御議論があるわけでして、公取委員長にちょっとお伺いいたします。 私は先ほど来申し上げましたような一連の経緯を経ながら、公取委員会、委員長たいへんな御苦労いただいて、内容についてはぼくらも意見がありますが、とにかく一つの試案をまとめられた。それをまたいま審議室という話がありましたが、中曽根通産大臣の発表で何か審議会というような新聞記事等もありますし、審議室で取りまとめを相談するというものじゃなくて、審議会をつくってさまざまな学者の意見も聞いてなどということが述べられていますわな。きょうは通産大臣おりませんからそれは聞きませんけれども、そういうことで午前中の委員長の答弁でも、そういうことは引き延ばしとか、あるいはたな上げとかいったようなことになる心配があるという懸念を表明されました。何かこの間のそういう問題についてあなたの見解を再度お伺いしたいことと、十月二十三日の衆議院の物価委員会では、そういうことについておれはじきじき二階堂官房長官とも会って、その辺ひとつはっきりさせるのだというような御発言もされているようでありますが、ひとついま若干やり取りがありましたが、それらについてあなたの見解も含めてお答えをいただきたい。
○説明員(高橋俊英君) この審議会をつくって云々というのは、まずいまの段階では決して固まった考え方ではないようであります。そして、一方で自民党自身が、この問題を特別な懇談会をつくって審議しておられるということは先ほども申しましたが、それだけではやっぱりうまくいかない。うまくいかないというのじゃありませんが、自民党だけにこの試案の審議を、試案の検討をお願いするというのじゃなくて、政府自体も、政府のサイドでこれは自民党と離れて、また並行的に審議を進めていくのが至当ではなかろうかということで、これは先般日にちははっきり記憶しません、関係省の次官会議、関係省の次官会議と申し上げたほうがいいと思いますが、それ川島官房副長官が司会者、主宰者のような形で行なわれました。その会議にいろいろな意見が出され、私のほうからは事務局長がそれに対する答える立場になっておりました。ところがそのときの様子を聞いてみまして、これは新聞発表は必ずしも内容とぴったり一致しているとは思いませんけれども、ですからいろいろ表現が違いますが、私のいま官房長官との話ということでありましたが、先ほど会ってまいりました。官房長官にお会いして、この試案についてその考え方について基本的な私どものほうの考え方を御説明いたしまして、同時にそれだけではなくて、今後の進め方について審議会を、かりにそういうものを設けるとすれば、私どもとしてはきわめて実は時間を限ってやっていただかないと、いつになったら結論が出るかわからぬようなものでは困りますと申し上げたが、そのことについて別に審議会をつくるとかいうことは官房長官ははっきりおっしゃっておりませんでした。そして、まあ私が理解するところで、これは官房長官のほうから発表がすでに行なわれていると思いますが、新聞に対して。要するに私が申し上げたいのは、どういう課題であれ、もう次官会議でもって最初に論議した場合に、これはかねてから関係各省には私のほうの事務当局から出向いて十分説明しておりますから、しかしその質疑の中身が、まあそう言っては何だけれども、こちらの期待に反する。私どもは試案は試案として非常に大まかに書いてあるわけです、ですからこれは言ってみれば、早く言うと全体として独占禁止法がいかにあるべきかという、まあちょっとややこしいことばを使えばフィロソフィーの問題なんだと、経済に対する一つのルール、このルールを強化するにあたってこのようなことを考えていくという、言ってみれば大まかな方向づけを書いたものである、試案というのはそういうものである。ところが質問がすぐ手続問題に飛んでいったり、あるいはそういうことをやるのは何にもならぬじゃないかというふうな、必要があるのかどうかというふうな何かばく然としたものであって、建設的なものがないということですね、非難、攻撃だけはありますけれども。そういうことではなしに、いかにすれば今後の経済に十分対処し得るような独禁法であるべきかということを中心に、つまり考え方としてまず整理をはかっていただきたい。考え方が反対なら反対でいいんです。しかしそういうことは、頭から否定するとか、手続的に問題があるとかということを取り上げるだけでは何ら話は前進しないということでありまして、その点は官房長官も了とされたようでございます、私のこれは推定でございますが。したがいまして、今後の進め方としまして、とりあえずせっかく関係省次官会議というのを設けて来週の火曜日に第二回目を開くことになっておりますから、何回やるかは別にしまして私は少なくともその段階において十分討議をしていただきたいということ、また先方も、先方と言いますか川島副長官ももちろん同席しておられました。そういうことで要するに批判をするのはけっこうだけれども、この考え方をどう持っていくかということについて基本的な考え方の整理をお願いしたいということ、そしてそれがあとで手続問題に入るということならばさらに前進してもいいんですけれども、そうではない。いろいろ各省からの質問等も聞いてはおりますが、中にはもっともなものと思われるものもありますけれども、どうもそうも言い切れない。非常に早く言うと、私どもから言いますと、ものによっては枝葉末節という、悪く言うとそうなっちゃう。そうではないんで、中心的にこの問題をどうつかまえるかということを討議していただきたいということを言いまして、審議会ということではなくて、そういう関係省次官会議でまずもんでもらう。それを何回やるか知りませんが、その後において関係閣僚レベルにおいて、私も場合によっては、場合によってではなくて、私も出て要旨を十分御説明申し上げて理解を深める、そういう方向で進めたらどうかというふうな話で、はっきりしたことについてはむしろ責任はあちらさんに、官房長官のほうでございますから、私のほうからここで申し上げるのは少し僣越だと思いますけれども、事実は事実でございますので、これは先ほど私が会ってきたばかりでございますので、その状況を申し上げた次第でございます。
○志苫裕君 時間が詰まったようですが、そこでもう一度、官房長官が話しているのに、副長官が来てずいぶんとうしろに下がった話をされても困るんですが、あれですか、先ほどのお話、いまの委員長の話ですと、審議会というんじゃなくて、内田長官もしばしば言っていますように、まあどこかまとめ役になって各省の意見のとりまとめという性格のものだということはいま委員長のお話でわかりましたが、問題は、なぜそれをやるのかと言えば改正、強化をするためだ、それを早く成案を得て国会の審議に付するためだ、こうならなければ論理一貫はしないでしょう。何となく騒がしいから議論してみようかじゃないわけでありますから。で、私が先ほど来念を押しておりますのは、改正の意思を持って、成案をまとめて、審議にゆだねる、こういうことでやっているんですかということをもう一度お伺いします。
○説明員(大村襄治君) きょうの官房長官と公取委員長の会談には、私ちょっとほかの委員会に行っておりましたので、その内容は、いま公取委員長が述べられましたとおりではないかと思いますが、なお帰りましてから確認いたしたいと思います。いずれにいたしましても、新たに審議会を設けるとか、そういうことじゃなく、ほんとうに関係のある省の責任者に集まってもらって、内閣官房が中心になって検討をするというふうに私は承っておるわけであります。
○志苫裕君 少しずつ話が整理されてきましたが、公取委員長は、次期の通常国会にどうしても提案をしたいという強い希望を持っておられることはしばしば発言をされています。とりまとめに当たる官房では、次期の国会に出すように努力をされますか。
○説明員(大村襄治君) 先ほども申し上げましたように、鋭意検討をすることにいたしているわけでございまして、それがまとまれば次の通常国会に提案することもあり得るとは考えております。
○志苫裕君 まとまれば次の国会に出すこともあり得る。——それはまあことしの春からの問題でありますから、大体いまごろ騒ぐのじゃなくて、十分に検討されるべき問題だったと私は思うんですから、それはひとつ急ぐように要望しておきたいのでありますが、問題は、たとえば一閣僚等に至っては現行法で十分じゃないかとか、全く別の観点で云々というふうな発言も一部に出ているようでありますが、そこで田中総理が言っておりますのは、あくまでも公取試案を待って、公取から案をつくってもらってということをしばしば言っておるわけですが、この場合はあれですか、総理が言っておりますように、公取委員会が出した試案、まあいまの委員長のお話ですと、考え方の整理という程度のものだそうでありますが、いずれにしても試案ですよね、公取試案というふうなものは、政府が取りまとめに当たる場合に公取試案をもとにいたしますか、あるいは参考にいたしますか、どちらでございますか。
○説明員(大村襄治君) 先ほど来参考、特に重要な参考にいたしたいと申し上げておるわけであります。
○志苫裕君 それは副長官違うんじゃないでしょうかね。公取試案を待って国会審議にゆだねたいという、こういう一連の議論から見れば、公取試案はまあ参考にしましてというものではないんじゃないでしょうか。表現はわずかな違いですけれども、ずいぶんと内実的には違いがあります。公取試案をもとにするというのと、公取試案は参考にしてというのでは、これはずいぶんと違いがありますね。再度お尋ねいたします。
○説明員(大村襄治君) 私も最近の国会の関係の質疑応答、一通り目を通したつもりでございますが、基礎とか、参考とか、そういうことではなく、公取の御意見があれば政府内部としても検討したいと、そういうふうに総理の答弁があったように承知いたしておるわけでございます。
○志苫裕君 今度は、もとでなく、参考でなくと言ったんじゃ何になるのかわかりませんが、経企庁長官、あなたにもかかわりがあるので、いまの点についてお伺いしますが、例の国民生活安定緊急措置法案が通りましたときに参議院で附帯決議をつけました。その附帯決議には、もうすでに御存じだと思うんでありますが、「公正取引委員会に寡占企業に対する分割命令及び価格カルテル排除にあたっての価格引下げ命令等の権限をもたせ得るような方向で独占禁止法の改正問題に早急に着手すること。」と。それに対してあなたの御答弁は、「ただいまの御決議につきましてはその趣旨を尊重して善処いたします。」という答弁をいたしておるわけですが、こういうものも一連の経緯に入っているわけですが、あなたの理解ではどうですか。こういう一連の経緯を経ながら、公取委員会が試案をいずれにしても提出をした。これは公取委員会の試案はもとになるんですか、参考になるんですか。
○国務大臣(内田常雄君) その附帯決議が行なわれましたときに、御引用になった私のことばのとおりに善処してまいるというわけですが、公取委員会の試案を待ってと総理が言われたとすれば、公取の試案だけを基礎にしてということではなしに、私はそういうことばの使い方からすれば、公取試案が出てきた段階で、そういう状況をも尊重しながら検討を進めると、こういうふうに私はいま自分では理解をいたしております。
○志苫裕君 別のことばで総理は公取委員会もまた政府機関の一部でありますから、公取委員会を中心にして成案を得るのを待って、公取委員会を中心にして成案を得て国会審議にゆだねたいという発言をされていますね。もとにする、参考にするはたいした文字づらは違いませんが、ぼくはやっぱり姿勢の問題としてはずいぶんの違いが出てくると思うのです。なぜかというと、法律改正要らぬじゃないかというところまで現に政府の一部から出ている。そういう状況を踏まえての取りまとめですから、私この点を実はしつこく言っているわけであります。公取委員長の見解はいかがですか。
○説明員(高橋俊英君) 私どもはこの独禁法自体相当私どもから言うのはなんですけれども、やや難解な専門的な法律である。諸外国の制度と、それからその国の実情、それをいかに合わせて一番適切な方法をとるかということでありますので、こういう附帯決議がありました、このところにはっきりありますのは、企業分割、価格引き下げ命令というふうなことの権限を持たせ得るような方向でということでありまして、ついでにそれ以外に私どもは総合商社などを中心とする大会社の株式保有が著しく行き過ぎがある、こういうことが日本の経済にとって好ましいかどうかということを十分検討した結果、それを規制すべきである。金融機関の株式保有についても同様である。行き過ぎにならないようにいまのうちからチェックしておいたほうがいいのではないかと、こういうふうなことも含めて一つの試案をまとめたわけでありまして、私どもの考え方からすれば、やはり別個の観点からいろいろおっしゃる気持ちもそれはわからぬではありませんけれども、しかし、この試案そのものについてまず検討を加えていただきたい。ほかの問題を持ち込むのはそのあとでもいいのではないかと。私どもをして言わしめれば、今回の試案が完ぺきなものであって、独禁法の不備を全部補っているとは思いません。まだ、それ以外に独禁法の中に問題が残されている。しかしながら、それは現段階では早急には結論は出せない問題であって、相当時間がかかるかもしらない。そこで、とりあえず私どもが重要と思われる事項について、この通常国会を目ざしてその改正の重要な点を取りまとめたという性質のものでありますから、したがいまして、他にそれは御意見はあるでしょう、こういうことをやらないでほかの点を改正せいという御意見はあるかもしれませんけれども、どれだけ十分考えて言われるのかどうか、その辺については問題なしとしませんで。とりあえずは、私たちの希望としましては、この試案をたたき台と言われてもけっこうです、それを中心にまず検討を加えるようにしていただきたいと思っております。その方向で、いま政府も、政府と言いますか、官房長官がどういうふうに今後運営されるか知りませんが、しかし、大体この試案を離れて議論するという話は少しも出ておりませんで、それでよかろうと存じておりますが、私どもとしてもそうお願いしたいものと思っております。
○志苫裕君 時間があれで恐縮です。なれていないものですから、まことにすいませんが……。 で、いまの点で委員長の見解ははっきりいたしましたが、どうも、副長官の見解は、私、ほかの責任者の発言に比べてさっぱりわからないんで、ついついあなたに対する質問が多くなって、結局わからずじまいになるんですが、経企庁長官は国会に対してそのような責任ある答弁をされ、また政府の一翼をになって政府案の取りまとめに参画をされるという立場にあるわけですが、私、くどいようでありますが、いま高橋委員長の答弁もありましたが、やはり公取試案というものをもとにしてさまざまな意見を取りまとめるというのが私は正当だと思うんでありますが、長官の考え方を伺いたい。
○国務大臣(内田常雄君) 実は、率直に申しますと、私も二階堂官房長官に二回ほどこの件について話をいたしておるわけであります。それは、さっきもことばが悪いからということで申し述べましたが、公取試案に対して通産省の考え方がたいへん衝突したような形でやりとりされているような状況に考えられましたので、ああいう形に置くよりも、公取というものは内閣総理大臣の所轄に属しているんだし、かつまた、国家行政組織法第二条第三条でございますか、がございまして、行政官庁というものは相互の連絡を緊密にして、そうして内閣ベースで統一ある行動をとるべきであるという規定が実はあるんであります。その国家行政組織法の二条か三条を受けまして公正取引委員会というものは総理府設置法の別表に行政機関の一部として置かれているものですから、そういう趣旨から考えても、早くひとっこれは内閣で引き取って、そして経済閣僚協議会なりあるいはまた通常その下部機構として働いていらっしゃる内閣の審議室等で引き取って、この問題の取り扱い方をきめてほしいと。そうでないと、私どもは、また通産省と同じように局地戦を展開するつもりはございませんものですから、そういう申し入れをかなり早い時期にいたしております。ごく最近におきましても、問題がいろいろこじれてはいけませんので、同じような趣旨で総務長官のほうにそういうアドバイスをいたしておるわけでございまして、第一回の経済関係省庁の次官の会合がございましたのは、この十月の二十一日のはずでございます。二十一日におおむね私が官房長官に申し入れたような、そういう筋をもって、いまの関係次官会議というものが行なわれてきておる。これからそれがどう発展するか、それはまあここに副長官もいらっしゃいますし、官房長官も承知ですし、直接担当の川島副長官も審議室を率いておられますので、これほうってしまうというようなことでなしに進められていくことを私は期待をいたしております。
○志苫裕君 この問題はこれで、何か中途はんぱですが、まだ先もあることですから、私この問題打ち切りますが、いずれにしても、改正の中身についてはもちろんわれわれも意見があります。いろいろ意見を戦わせていいものをつくればいいと思うのでありますが、ただ、冒頭から申し上げておりますように、現行独禁法というものが現実に問題になって、そして強化改正しようというこの道筋というものを踏みはずすようなことについては、われわれは断固として認めがたい、こういう立場で先ほど来お尋ねもしたわけでありますが、しかし、いつまでも議論したらいいという問題でもないわけです。総理とのやりとりの感じからすれば、前国会でこの国会に出せということの議論のあとで、この国会は無理だということで、公取から早いところ案をつくってもらって、われわれも早く成案を得たいという経緯からいけば、最も早い機会に成案を得て審議にゆだねる、効力を出すというのが正当だと思う。そういう点について強く要望をしておきたいと思います。 じゃあ、私、合板カルテルの質問も持っておりましたが、少し約束をあまり違えてもいけませんし、農林省の方ずいぶん待たせたようなかっこうになりまして、まことに恐縮ですが、質問は打ち切りたいと思いますので、御了承願います、どうも……。 〔委員長退席、理事中西一郎君着席〕
○近藤忠孝君 昼前から、消費者物価昨年比一五%に押えることを目ざして一生懸命やるという、こういうお話がございました。しかし、実際いま灯油は現実に二倍に、昨年比二倍になっていることが、これは実際の政府の調査でも明らかでございます。 そこで、最初に内田長官にお伺いいたしますが、先ほど長官は一五%を目ざして手に触れるもの、足に触れるもの、あらゆる努力をしてやっていきたいという、こういう御発言がございましたので、具体的にこの灯油を下げるために実現可能な方法があった場合ですね、そのために全力を尽くしてそれを行なっていく決意があるかどうか、このことを最初に伺いたいと思うんです。と申しますのは、灯油はこれは家計や家庭生活の中で米や水にも匹敵するたいへん生活必需品でありますし、特に北海道、東北、北陸、こういったところでは命にかかわるこういう重大な問題であります。こういう特に重大な問題である以上、特にそういう決意があるかどうか、これを冒頭に伺いたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 御期待になられましたとおりでございましてですね、これはこの物資の所管庁はもちろん通産省でございまして、私どもは通産省を通していろいろ意見を申し述べておるわけでございます。これは通産省の担当部長さんがいらっしゃいますから、お話がこれからございましょうし、また近藤さんも十分御承知だと思いますけれども、灯油につきましてはことしの三月の時点で石油製品のすべてにつきまして新しい価格体系を設けて、そのときに八千九百四十六円という平均の仕出し価格の引き上げを認めました際にも、灯油につきましてはそれを認めないで、昨年の十二月ペースでございましたかの三百八十円という値段で無理に押えて、それを標準価格にいたしてまいった経緯がございます。 〔理事中西一郎君退席、委員長着席〕 でありますから、灯油だけについてはほかの石油製品とアンバランス——均衡がとれないまま国民生活を守るというために無理の値段をつけまして、その損はまあいわばほかの油の製品でかぶっておけと、かぶらせろと、こういう趣旨でこの六月までやってまいってきたわけでございます。しかし夏になりまして灯油は不需要期に入りましたし、いつまでもそういう無理は続けられない。と申しますのは、そういった安い値段できめられた灯油が工業用に流れてしまったり、あるいは他の油脂と混合してほかの方面に使われるというようなもんちゃくも起こっておりましたので、その無理の三百八十円というものを当時やめたはずでございます。しかしこうしてまた需要期においてはあらためて灯油については新しい価格設定をすると、それはそのときはもう三百八十円というものは現実の原油を精製した元売り仕出し価格に合わないものでありますから、適当の価格で押えてまいるということになってまいりましたわけでございますが、その際に私から特に通産省のほうにお願いをいたしまして、——お願いをいたしましてというか、一つの思想哲学を述べまして、灯油についてはことしの夏までそうやってきたんだから、今度新しい価格を設定する際にも同じ要領で、これはできる限り低い価格で、標準価格であれ、指導価格であれ、押え込んで、そこで生ずる無理というものは他の油脂のほうで見てもらうとかなんとかいうことをやってほしいと、それが政治というものだと、こういう意味のことを実は強く申し入れまして今日に至っております。実は御承知のそういう申し入れもございまして、たいへん困られて今日まで動きがとれないでおるような状況ではないかと私は考えております。
○近藤忠孝君 いまのお話伺いますと、特に灯油については特段の配慮をしたい、その点は努力をしたいと、こういうぐあいに承ってよろしゅうございますね——。 ところで、実際たとえば北海道などですと、一冬過ごすのに、いまの値段ですと大体六百円以上になっておりますが、かん代含めますと、運搬代含めますと、大体一かん当たり七百五十円ぐらいになっている場所がずいぶんあるようです。そういたしますと、一冬過ごすのに七万から十万かかるという、こういう実情でありますね。実際寒冷手当のない世帯が北海道などですと五十万世帯もあるということですし、ほかの地域ではないところがたくさんございますので、特段の配慮をとりあえずしてもらいたいと思うわけです。 そこで、まあ基本的にこの灯油の値段を下げるには、私どもの党が従前から主張しているとおり、やはり原油の値段を、輸入の値段を下げなきゃいかぬという。そのためにもうメジャーと、もっと根本的に強い姿勢で立ち向かって、メジャーのもうけ分をもっともっとまけさせる、こういう交渉をすべきである、こういった主張をしてきたことは御承知だと思います。ただ、いままでそういう要請に対しては、アメリカに比較してかどうかわかりませんが、なかなか実現しておりません。きょうも緊急の問題ですので、その問題については要求だけいたしまして、その問題は深く入りません。私はいまこれから申し上げたいことは、特にこの灯油の値段を具体的に下げるために、すぐ可能な方法として政府の財政面の援助によって可能ではなかろうか。特に灯油につきまして、全体上がっているから灯油が低過ぎるのだというお話ありましたけれども、しかしこの灯油はもう全世帯が使っておりますし、しかもまた政府の政策の転換によってやむを得ず使っている。しかも水や米に匹敵する、そういうもんであるならば、これを昨年並みに押えるという 昨年並みの三百八十円に一かん当たり押えるという、その努力が必要ではなかろうか。しかも、その財源は、簡単に計算してみますと、いま平均六百円といたしまして、六百円から三百八十円引きますと、一かん当たりは二百二十円ですね。そこで一キロリットル当たり一万二千二百二十円になります。これを四十九年下期の灯油需給計画、特にこれを民生用、それから農林漁業、要するに工業用を除いたものを、七七・八%という数字が出てまいりますので、これで計算して、灯油内需量一千六百万キロリットル、これ掛けますと、一千五百七十八億円になります。それで、その一千五百七十八億円を政府が財政支出することによってこの三百八十円に押えるという、このことが必要ではなかろうか。そうすれば実際下がるわけですし、しかもそれは政府の努力によって下がったとなりますと——いま物価を下げることに、しかも一五%目ざして一生懸命やっているそのことは、まず政府の努力によって下がったという実績ができますと、これは政府に対する信頼も上がるでしょうし、政府が率先したということで、全体の物価の値下がりの先頭を切るということにもなろうかと思うんです。 この点について、もちろん困難だという答弁が出てくるかと思うんですが、困難がどこにあるのか。一つは、大蔵省来ておりますので、大蔵省の面から、それから経済企画庁、あるいは通産省の面から、どこにその困難があるのか、このことを御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 近藤さんのお説のとおりにすれば、それだけ安い灯油を供給することになるわけでございましょう。そのかわり、それは財政の中に灯油管理特別会計とか、あるいは灯油需給公団とかというようなものをつくりまして、それで石油の精製企業から政府が適正価格をもってその特別会計あるいは事業団で買い取って、そしてこれに一般会計等から補給をしてやればできるわけでありますが、それについては私はやはり二つの問題があろうと思います。 一つは、簡単に申しますと、財政上の問題で、それが千億であれ、二千億であれ、米についてはやや似たようなことを食管会計というものを置いてやっておるわけでありますが、しかし多くの公共料金や多くの国民の生活必需物資について御示唆がありましたようなことをやっておりませんし、またそれは財政の限界というものが必ずあろうと思うわけでありまして、今日の予算でも、御承知のように、これは四十九年度の予算でも、やはり実質的には赤字予算で公債をたしか二兆円前後歳入財源に充てるような編成のしかたをしておるわけであります。でありますから、それにそれだけ、そのおっしゃる金額だけ、ほかに特別の歳入がない限り、そういう公債の発行ということに、途中を抜きにして考えますと、つながりますし、そうすると、一方においてはそれだけ安い物価になりますが、他方においては今度は財政インフレといいますか、赤字公債インフレというような問題が一方に起こってくるわけでございますので、名案であると同時に、またたいへん困った案であるということが一つでございます。 それからもう一つは、やはり今日それは公債であれ、あるいはまた増税等を行なって税で埋めるのであれ、そういう一般国民がかぶるもので、ある特定の必需物資の価格を安く埋めるという考え方が全体としていいのだろうか。特に公共料金などに考え及びますときに、もちろんバスへ乗る人とか、地下鉄へ乗る方は、それは自動車へ乗られる方よりも所得階層が低い——とも限りませんが、このごろオーナードライバーというものが一ぱいあって、交通混雑を来たしておる状況から見ますと、そうでもないかもしれませんけれども、それにいたしましても、やはりでき得る限りその利用者の負担という要素も取り入れて、税は、あるいはやむを得ない場合の公債財源というものは、一般国民の前向きの幸福の施策を進めるために使うべきだというやはり考え方があると思いますので、その二つの課題を乗り越えない限り、経済企画庁の私だけが、あるいは通産省だけが独走することがむずかしいと、こういうふうに実は考えるところがございます。
○近藤忠孝君 その関係で大蔵省にお伺いしますが、制度上は、いま長官も言われたとおり、まずそういうものをつくることには問題はないと思いますね。その点まず第一点。 それからいま長官が説明されたような財政上の問題がほとんど唯一だと思いますが、財政問題以外に何か支障があるかどうか、この点をあわせて伺いたいと思います。
○説明員(島崎晴夫君) 私、主税局の者でございます。で、ただいまの先生の御質問は、石油の価格差について政府から補助金を出すことが適切かどうかということについての御質問だと思いますが、主税局の立場からは、いまの御質問についてはお答えする立場にございませんので、申しわけございませんが、失礼させていただきます。
○近藤忠孝君 じゃ……。 そこで、財源の問題が中心のようですので、一つの提案をしたいと思うのですが、要するに、石油全体として見てみますと、特に灯油が安いという話が先ほどありましたけれども、しかし原油から重油ができ、軽油ができ、ガソリンができ、灯油ができますね。そこで、全体として採算が合えばよろしいのじゃなかろうか。全体としてメーカーに、石油会社に損がいかなければいいんじゃなかろうかという問題が一つであります。 そこで具体的な問題としますと、揮発油税ですね、特に国税の部分、この部分を徴収はするにいたしましても、これをその分だけ灯油のほうに回すということですね、しかもこれは計算してみますと、そんなにたくさん回さずに済むわけですね。実際、揮発油税ですね、これは国税分だけ見てみますと、四十九年度下期税収見込み四千十五億円になります。で、そのうち先ほど言った一千五百七十八億円をこちらに回すという、そのことは可能ではなかろうか。そしてまた、石油全体として値段を下げていくというこの考え方、石油全体の中で灯油の値段を下げていく、そしてそのことによって、まず石油が特に高いのだというこの状況の一角をまずくずしていくという、そのことは、財源問題は離れてですよ、財源問題を離れまして、そういう考えをひとつ追及してみることはどうなんだろうか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) その考え方が私が冒頭に申述べたとおりでございまして、御承知のとおり、原油から数種類のナフサでありますとか、あるいはABCの重油、軽油、灯油、ガソリン等々の石油製品ができるわけでありますから、全体として採算をとらせるという仕組みのもとに、灯油を国民生活の格別の必要品として値段を下げるという方向を通産省に研究を願うと、こういうことで実は持ち込んであるわけであります。これから先は通産当局のほうの御説明をいただいたほうがより的確だと思いますが、それがなかなかやれない。それをやりますと、その安い灯油が今度工業用の灯油のほうにどんどん流れてしまったり、あるいは場合によると、灯油のように安くない軽油と一緒にまぜて、それがディーゼルに使われるというような問題もあるようでございまして、通産省では私の言うこと、もっとものように聞こえるが、現実性がないということで悩んでいらっしゃるようでございます。 それから税金、いまの揮発油税を取っておいて、その税金を灯油を下げるほうへ回せということにつきましては、主税局の担当者、税のほうの担当者がおられますが、これは御承知のとおり、もう一つそれをねらっている人がありまして、揮発油税をさらに場合によっては高めて、それを今度は原油の貯蔵の利子補給なり財源に回すべしという議論があるんですが、それは大蔵省部内でとてもそれはだめだと、こう言っておりまするし、私もあまりその説には賛成でない。なぜならば、物価というものは灯油ばかりでなしに、それがやはりガソリンであれ、そういうものに税金がよけいくっつきますと、それだけやはり揮発油の消費者価格が高くなって消費者物価を押し上げる。安くするほう、実は今月二十八日から御承知のように物品税などにつきまして、物価が上がったために免税点のいままでのあり方が低過ぎるものを税金がかからぬ限度に引き上げました。これは税金を安くするほうでございまして、そうすることによって家具等、かなり価格が安くなるようなことにつきましては、私ども大蔵省やれやれと言って大いにサゼストをいたしたわけでありますが、税金を高くするほうのことはいかがかと思う点がございます。
○近藤忠孝君 そういたしますと、財源問題と関係して石油の備蓄問題があるということですね。 それからそのほかの問題としますと、財源以外の問題としますと、工業用に流れる、それから軽油のほうに回るということですね。そのことなかなか阻止できないと、こういうぐあいに伺ってよろしゅうございますかね。
○説明員(左近友三郎君) いまの問題でございますが、実は現在の灯油の価格は民生用の灯油と、それから工業用灯油ということの二本立てにするように指導しております。それで、大体平均的に言いますと二千二百円ぐらい元売りの値段で民生用の灯油を通例の、従来の価格配分方法よりも安くさせておるわけでございます。これは先ほど申しましたように、安くさせたという理由は、長官がおっしゃいましたように、A重油とか軽油というものの値段よりも格段に離れますと、そちらのほうに流れるというふうな経済現象がございますので、それを起こさないぎりぎりの限度まで下げておるわけでございます。したがいまして、われわれとして現在のところは行政的にはこれがぎりぎりではなかろうかということを考えております。ただ、これにつきまして、たとえば北海道等におきましては非常に生活必需的なものでもございます。大量にも消費されるということがございますので、北海道については大量消費というところに目をつけまして、これについて何らかの対策を講じたいということで、実は北海道庁とも寄り寄りいま相談をして近く何らかの対策を打ち出したいというふうに考えておるわけでございます。ただ、われわれ現在考えておりますのは、そういうふうなわれわれの行政指導の範囲の中で何とかしたいということでございまして、揮発油税等の財源でもってやるということについてはなかなかむずかしい問題があるというふうに考えておりますので、現在のところ、やはりわれわれのできる範囲で手当てをいたしたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 いまの問題はまたあとでお伺いしますが、先ほど長官が言われた備蓄の問題ですね、備蓄の問題に関連して、消費税の増税は考えていない、こう承ってよろしいのかということがまず第一点です。 それから、しかし備蓄のために、きょうも読売の記事に出ておりますが、備蓄のために一兆七千億円、五年間かかる、こういうことでありますし、そのために金が必要である。だから私が申し上げた提案はそういう面からいってもできないんだと、そうなのかどうか、これが第二点でございます。
○国務大臣(内田常雄君) 何しろいまの政府の政策の最大なるものは物価政策のはずでございますので、備蓄のためでありましても、その最大の物価政策をあずかる私どもといたしましては、増税をすることによってガソリンの値段を上げてもかまわないから、備蓄のほうに金を回すという考え方については、備蓄のほうのことはまた別に物価を上げない方法でもっといい考えを出してもらいたいという私は気持ちがいたすわけでありまして、私が上げないとここで言い切るわけのものでもございません。また正直申しまして私はそうした問題があることを承知はいたしておりましたが、それは政府の中で、あるいはまた正式に大蔵省なり通産省なりからそういう御相談を受けているわけじゃありませんので、あまり真剣にそんな相談を受けられる前にそれは賛成じゃないと、こういうことを申しておいたほうが安全だと、こういう気持ちがいたします。
○近藤忠孝君 もう一点は、要するに私が提案したような財源は備蓄のほうに回すことを考えておられるのかどうかですね。それからあるいはむしろ通産省のほうかしれませんが、その点どうでしょうか。ですから、そういうようなよけいに金がかかるんだから、ましてや灯油を下げるほうには回せないのだと、そういったぐあいに聞いていいのかどうかということなんです。
○国務大臣(内田常雄君) でございますから、それは備蓄のほうに回すのであっても、ガソリン税の増税などによってガソリン価格というものを高くすることはいかがなものであるか。したがって、そっちのためにガソリン税の増税がいいと思わないとすれば、これは私はまた灯油を下げるほうにそれを使うと言われましても、右手で上げておいて左手で下げるのでは、これは物価指数から見ましても何にもならないじゃないかという面もございますので、灯油を下げることにつきましては増税などのことを考えなくても、何らかこれは日本国じゅうがいま経済のマイナス成長の時代でありまして、国の経済自身が上向きになっていないんですから、何らかやはりそういうことは消費者にもいろいろな節約をお願いをしておるわけでありまするし、企業も忍ぶべきものは忍ぶというような面もお願いしなきゃならぬ面もあるから、もっともっといろいろ通産省で御検討願いたいと、こういう少し頑迷なる気持ちを持っておるわけでございます。
○説明員(左近友三郎君) いまの長官のお気持ちをくんで、いま検討をしておるわけでございますが、この備蓄につきましてはこれまた通産省がいろいろ検討しておるところでございますが、現在のところ財源をどのようにするかはまだきめておりません。現在のわれわれのほうで大蔵省に予算を要求しております要求の形としては、一般会計で財源をいただくということで御要求を申し上げておるところでございます。したがいまして、これがそういう揮発油税というふうなものになるのかどうかということは、いまのところわれわれとしてはきめていないというのが現状でございます。
○近藤忠孝君 いま備蓄の問題をめぐって増税になるかどうかですね、少なくとも新聞記事によりますと「意外に冷淡、大蔵省」なんですからね。あまり大蔵省は積極的でないかのごとく聞こえますが、そうして長官も消極的となりますと、増税はいま特に考えなくていいかもしれません。私はそれまでも心配しておったのですけれども、しかし、としますれば、これはさておいて、問題は増税しないで備蓄問題をやっていこう、こういう問題になろうかと思うのです。そうですね、そうなりますね。そうしますと、その財源をこれは五年間で一兆七千億円になりますから、年間に直しましても相当の額ですね、政府の支出が。少なくとも年間三千億円以上になりますね。そういたしますと、問題は、じゃ、備蓄のための財源か、それとも灯油を下げるための財源か、私の提案に対してはまさに二者選択を迫られるのじゃなかろうかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(内田常雄君) 私が申し上げているのは、増税は何でもいかぬというわけじゃないのです。ガソリンというものに、ガソリン税はいま一リッター三十四円五十銭かかっていますのを、それを何十円か引き上げるということをしますと、ガソリンが高くなる。しかし売れるか売れないか、総需要を抑制しておりますから、それは税金を上げましてもそれだけ高くならないかもしれませんが、増税に財源を求めるとすれば、そういうものの値段を上げるようなところに求めないで、求め方も私はあるのではないかと思う。しからば何かということになりますと、私はそういう大蔵省のふところに手を突っ込んだようなことまで申し上げませんけれども、いろいろ検討をする余地も、段階もあるんじゃないかと思います。
○近藤忠孝君 ですから、ガソリン税の増税からいま言った備蓄の財源を出すお考えがないと、これを前提にして次の質問を私はしておるのですが、私が質問した点は、となれば、ガソリン税について増税しないで、いまのままにしておいて、そして片や備蓄をやっていこうか、そして片や灯油を下げようかとなりますと、少なくともいま当面している、ことしの冬に向かっていく灯油を下げるための財源は、先ほど申し上げたとおりのそんなたいした額じゃないわけです。となりますと、そこへ支出をすることは可能じゃなかろうか。片や備蓄の問題についてあまり一生懸命財政支出を考えなければ、それば可能になるんじゃなかろうか、このことが私の質問なんです。
○国務大臣(内田常雄君) そのお答えは、私は当初に申し上げましたとおり、それは灯油の値段が、灯油というものが、今日の国民生活、なかんずく北のほうのわが国の諸地域において非常に重大でありますことはわかるのですが、しかしそれはそうなりますと、他の公共料金などにつきましても同じような考え方を導入をすべきものが幾つもあって、それらに対しましてはやはり利用者負担といいますか、そういうような面をも取り上げて考えていかないと、それは戦争直後の価格差補給金というものがあって、一方においてはその価格差補給金でその物の値段は下がった形をとりながら、他方においてはまたそれだけの財源をどこから見つけるにいたしましても、とどのつまりは財政インフレみたいな現象を起こしまして、竹馬の足を切るというようなことで、価格差補給金を切ってしまった苦い経験などにかんがみてみまするときに、灯油だけにいまのお考えをアプライすれば済むことではないという問題もあるのではないかということを、私が冒頭に二つの困難のうちの一つと、単に右のお金を左に移すというような制度上の問題でなしに、ものの考え方、政策の考え方としてあるのではないかということをやはり考えざるを得ないのではないかと思います。しかしこれは私の私見でもない、経済企画庁長官としての私の考え方でありますが、大蔵省やあるいはまたその物を管理する、これは通産省といいますよりも、生活省、厚生省でございましょうか、自治省でございましょうか、あるいは私自身のほうかもしれません、経済企画庁の国民生活局を持つ私自身のほうかもしれませんが、それらの意見といろいろかみ合わせてやらなければならないことでございますので、たまたま私はここにおりまして御質問を受けましたので、政府を代表するという意味ではございませんで、私の考え方を申し述べているということでございますので、そのようにお聞き取りをいただきたいと思います。
○近藤忠孝君 私、備蓄の問題について、これから質問をする前提としていまの質問をしているので、端的にお答え願いたいのですが、私が提起したような灯油を下げる問題は、いま新たに提起された問題ですね。そして片や石油の備蓄の問題も昔からあるんじゃなくて、最近出てきた問題です。しかもごく最近です。しかもその財源について、つい最近考え始めたといういわば新たな問題なんです。となりますと、新たな問題同士で、しかもいずれも国民生活にたいへん関係がある問題です、しかも国の将来にも関係がある問題ですね。となりますと、むしろいまここで可能な財源が出てくるものなら、ということは、備蓄のための財源をそちらへ回さないでもし済むようなことが可能ならば、これを灯油のほうに回すことも考える余地があるんじゃなかろうかということで聞いておるのです。まさに新しく出てきた問題ですからね。長官の冒頭の説明ですと、財政全般を見て、いまの段階でなかなか苦しいのだ、なかなか一つ回すとこうなんだという話があります。しかしこの備蓄問題はまさに新たに出てきた問題です。ですから、私が申し上げたいのは、この備蓄の問題の適否の問題、いろいろ問題があると思うのです。石油を安定的に供給するのかどうかという面から見て、私は問題があると思うんですが、その適否の問題とこの灯油の問題とを、まさに真正面から比較考量して政府が決断をすることは可能じゃなかろうか、こういった角度から聞いておりますので、それに対して率直に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 原油の備蓄の問題は、灯油という一つの油種に限られたものでなしに、言うまでもなく日本の石油の供給の九九・七%はすべて輸入でございまして、それらの安定性につきましては、今日必ずしも終局的に安定した国際情勢でもない面もあろうかと思いますので、備蓄の問題が起きております。したがって、これは将来灯油にもなり、ガソリンにもなり、いるんな国民生活の面に使われる石油全体の問題でありますから、ガソリン税の増税はいかがかと思いますが、他に財源を見つけた場合に、その備蓄のために財源的な措置を進めるということと、それから灯油という一つの——それがいかに大切なものであれ、灯油という一つの特定の用途に供され、特定の物資で、生活必需品としてのウエートは多いんでありますが、それを財政でもってカバーするのとは、やはり少し違いがあると思います。しかし、これは論議をいたしておりますと、終局点に達しませんし、あるいは私の思慮が浅いのかもしれませんので、お話がございましたことは、私もここで銘記をいたしまして、今後のまた検討課題にさしていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 備蓄の問題についてお伺いしたいと思うんですが、もちろん私どもも決して備蓄を否定するものではありませんし、一定の備蓄はもちろん必要だと思うんです。しかし、いま進められているアメリカの指導のもとにおける産油国と対決したような形の備蓄については、かえって石油の安定供給という面から見まして大きな問題がありはしないかと思うわけです。これはもうすでに御承知のとおり、アメリカを中心に開かれました先日の五カ国の会議ですね、そこでいろいろきめたようでありますが、それについては直ちに産油国が反発をしておるという、こういう状況があります。ということは、むしろ今後の石油を安定的に供給していくということ、さらにすでに論じられているとおり、産油国と直接取引をやっていく道を開いていくという、そういう面から見てむしろいまの備蓄体制、アメリカの指導のもとにおける備蓄体制はかえって問題がありはしないかということがまず第一点であります、安定供給という面からですね。 それから、もう一つの問題は、そういう体制のもとで、要するに産油国と対決するような方向での備蓄体制のもとで、何日備蓄すれば大丈夫なのか、こういう問題がすでにあろうかと思うのであります。百日以上備蓄しておっても困ったという例は、すでに前例もあるわけであります。 それから、次は、はたしていま論じられている備蓄ですね、アメリカの指導のもとにおけるこの備蓄がいざというときにほんとうに安定して供給してもらえるのだろうか。というのは、せんは産油国が握っているわけですからね、そうでしょう。産油国ににらまれた場合、そしてそこで供給削減があった場合に、はたして安定して入ってこなくなってくる可能性があるのではなかろうか、これがその次の問題であります。 以上について御答弁願いたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 備蓄につきましては、実は最近問題になっておりますのは、先生お話しのように、消費国が集まりまして、石油の供給が減少した場合にどうするかというふうな話し合いをしておりまして、これは現在新聞に載っておりますが、IEPと申しまして、インターナショナル・エナージー・プランというようなことでございますが、それにおける備蓄というものが問題になっております。ただしこの備蓄ということの考え方自身は、現在急にそう問題になったわけではございませんで、実は日本におきましても、従来からやはり日本のように石油の九九%以上を海外に仰ぐ国については、まさかのときに輸入が途絶したということに対しては対処しなければならないんじゃないかということから、従来も通産省政策をとってまいっておりまして、実は四十七、四十八、四十九の三年間におきまして十五日間備蓄を積み増ししますということにいたしまして、四十五日から六十日までの備蓄増強計画を進めてまいったわけでございます。そしてこれに対しましては税制上の恩典とかあるいは金融上の財投からの融資等々をやりまして、大体これが計画どおり今年度末には達成できそうな状態になっております。したがいまして、そのような六十日という備蓄を持つことになりましても、これで十分かということの検討をいたしておりまして、実はこの備蓄量と申しますのは、やはり主要な消費国がどの程度備蓄しておるかということとも関連をしておりまして、ヨーロッパの大部分の国は現在九十日の備蓄を大体達成いたしまして、近隣諸国に迷惑をかけないようにしようと、こういうことをやっておりますので、われわれといたしましてもヨーロッパ等々の国と歩調を合わせた程度の備蓄を持ちたいというふうに考えておったわけでございます。そのときにあたりまして、本年の春にワシントンに会議がございまして、そのあと、この緊急時における消費国の間の協力関係というものが議題になりました。それが先ほど申しました計画になったわけでございますが、ただその計画は、その計画の中にも明記されておりますように、決して産油国に敵対するものではございませんし、その計画自身の一つの大きな項目といたしましては、産油国との対話をするというふうな場所を設ける、あるいは協調国関係を続けるというふうな条項も入っておりますので、これについて特にそういう産油国と対決するというふうなものではないというふうにわれわれは考えております。その場では、大体、とりあえずは六十日各国が持とうではないか、そして将来九十日を大体目標にしてやっていこうということでございますが、われわれといたしましても、ヨーロッパ並みに持てば、お互いに迷惑をかけずに相互融通ができるということでございますので、現在の時点では、やはりヨーロッパ並みの水準まで——といいますのは大体九十日でございますが、持てばいいというふうに考えておるのが現状でございます。 それから第三の御質問にございました、いざというときにうまくいくであろうかという問題でございますが、このIEPの考え方は、石油の供給が減りましたときにはまず消費節約をすると、消費節約をやった上で、足らない部分については備蓄を取りくずしていくということになっております。しかもまた、そのときに石油の供給が国ごとにアンバランスになりますと、自国の備蓄を取りくずすだけではなくて、ほかの国へも援助をするという形になっておりまして、備蓄というその国の中に入って積まれておるものの相互援助というようなことになりますれば、比較的うまくいくんではないかというふうに考えておりますが、しかし、こういうことは世界各国の間の相互交流でございますので、実は今後、むしろこのOECDの中に機関を設けまして、このIEPの実行について検討するということになっておりますので、その中で具体化していくんではないかというふうに考えております。
○近藤忠孝君 いまの備蓄のユーザーの石油融通制度が産油国に対決するものではないと、その中にも、文書にも書いてあると、こういう説明でありますが、こちらはその気持ちでなくても、産油国側の受け取り方が問題だと思うのです。そうして現に産油国側でこのことを、アメリカを中心とする産油国に対する重大な宣戦布告である、こういった指摘もされていることは、これは御承知だと思います。そうしてまたこのことは、私どもが言うだけではなくて、これは十月二十日付の朝日新聞にも、これはアメリカの石油の世界戦略じゃなかろうか、市場の力によって、長期的に見まして、こちらの体制をつくって、供給過剰状況をつくって、その上で値段を下げようという、こういうアメリカの石油戦略の一環として、今回の備蓄、そして石油融通制度が設けられたのじゃなかろうか、こういった指摘が現実にされております。これは国際的には一般的なものとなっておるようでありますけれども、そういう中で、逆に安定供給に道をふさぎはしないかということが私が先ほど質問した趣旨なんです。その点いかがでしょうか。
○説明員(左近友三郎君) この計画についてのいろんな論評はあろうかと思いますが、われわれが考えておりますのは、これについて世界の主要国が十分相談をしてきめたことでもございますし、産油国においてもいろんな議論はございますが、現在きわ立って、こういうことを消費国がやったからそれに対する報復措置をとるとか何とかいうふうな動きは見られませんので、これについてわれわれとしてはこの計画に参加をいたしたいというふうに考えておりますが、ただ、くれぐれも産油国にそういう敵対的な行為であるということにとられないようにするためには十分注意を払う必要があろうかと思いまして、実は日本といたしましては、これを特殊な機関をつくるんではなくて、OECDという、経済協力機構という、従来ある機構の中でやっていくということを主張いたしましてそういう形になっておりますし、先ほど申しました条項もございますので、われわれとしてはこれをやることが決して産油国を刺激するものではないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 その点は水かけ論になりますので、私、意見だけを申し上げますけれども、産油国がいますぐ敵対的な行為として報復措置をとらないというのは現実だといたしましても、腹の中じゃどう思っているかわからないわけだし、腹の中ではそれに対して敵対行為だと思っている場合ですね。いざ何かものごとが起きた場合、そのときに報復措置を受ける可能性はあると思うんです。そしてそのことは、日本のアメリカとの関係、メジャーとの関係の長い歴史がいままで何とも言われていなかったけれども、昨年突然火を吹き出して、三木さんがやっぱりずっと回って頭を下げなければならないような事態がある日突然やってきたわけですね。こういう経験を日本は持っているわけです。そういう面から、この備蓄問題、しかもアメリカの指導のもとに行なわれている備蓄問題にたいへん重要な問題があるということを私は指摘したいと思います。 それから、時間がありませんのであと急ぎますが、この備蓄体制をつくるためには相当の設備の費用が企業側もかかると思いますね。国の財政資金もたいへんなものでありますが、このような設備にかかるために、石油製品の価格への転嫁ですね。先ほど石油消費税は引き上げないという方向だという話が出ておりますけれども、しかし、いつまた上がらないとも限らない。そういう意味では値上げに拍車がかかりゃしないかという問題。それから現実に各地に公害問題が起きておりますので、やはり六十日から九十日にするために相当多くの土地取得、しかも各地方にたいへん大きな負担をかけなきゃいけないだろう、それについて国のほうから補助金など出してその地域の開発等に充てるという、そういった構想もあるようでありますけれども、それはかつて原子力発電所をつくる場合にも行なわれた方法です。しかし、いま各地方公共団体や住民は、そのときは金もらったけれども、そんなものは使ってしまって、現実にはかえって迷惑をしている。使ってしまった金はもう現実には役立ってないと、こういう状況では、かえってそのことを迷惑に思っている状況もあるわけです。そういう迷惑な状況もある現実から見ますと、はたして受け入れてくれるのかどうかという現実的な実現困難な問題があろうかと思いますね。そうしますと、根本的には石油の安定供給がむずかしい面もある。そうして、その上いま言ったような物価にはね返る可能性があり、しかもその上土地取得は困難である。これほど問題の多い備蓄問題をはたしてほんとうにまじめに進めていくことがいいんだろうかどうか、このことについて御答弁願いたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 備蓄につきましては、先ほど申し上げましたように、そのIEPに関連しての備蓄ということだけではなしに、日本、ことに石油の大部分を海外に仰ぐ日本といたしましては、そのIEPに加盟するとか加盟しないにかかわらず、一朝有事のあったときにある程度期間たえられる備蓄を持っておくべきであるという必要があろうかと思います。たまたまそういう機会にあいました、ので、いかにもIEPのために備蓄するというような形に見えるわけでございますが、そういうつもりではございません。われわれといたしましては、そういう意味における石油の備蓄というものは進めていくべきであるというふうに考えております。しかし、それが先生御指摘のように、こういう時期に、IEPというようなこととも関連いたしますので、産油国にあらぬ疑惑を招くというようなことがないようにわれわれいたしたいと思いますし、われわれといたしましては、当面そういう産油国、一面石油消費国との間の相談には乗っておりますが、他面、直接産油国とも交渉いたしまして、たとえばイラクとの石油の長期協定を結んでその買い入れを現在進めておりますし、そういうふうな産油国との接触も続けておりますし、イラクとの交渉の過程におきましても、このIEPの議論は別に支障にもなっておりません。そういうふうなこともございますので、日本としては両面の政策を進めてまいりたいと思っております。なおまた、この立地等の問題につきましては、確かにいろいろ御議論があろうかと思います。住民の方については十分御納得のいただけるような御説明なり措置をいたしましてやっていきたいということにしたいと思っております。
○近藤忠孝君 備蓄問題をめぐって議論してまいりますと、少なくともいまの答弁聞いた範囲では、これを強行するについてはいろいろ問題があろうかと思いますし、そういう点では財源的に見てみますと、そこに回す金があるならば、そんな大きな金でないわけでありますので、ひとつ財源として十分お考えいただきたい、灯油のほうに回すことをお考えいただきたいということを要望いたします。 そしてもう一つ、先ほど長官のほうでは、工業用に流れる、また軽油の関係も申されましたね。そうしますと、財源問題以外は、このほかに流れてなかなか取り締まりがむずかしいという点にあるようですが、しかし、これはまさにそういうものを取り締まるためにこそ政府があるんじゃなかろうかということと、そして、ほんとうにむずかしけりゃそこへも、工業用についても一緒に回したらどうだろうか、その揮発油税をですね。財源としますと、そんな大した額にならないんです。せいぜい工業用灯油全部負担いたしましても二千二十八億円ですよ。先ほどの一千何百億円に対しましてほんのわずか上乗せする程度で工業用も全部できちゃいますね。そうしますと、民間用から、家庭用から工業用への取り締まりがむずかしいと いうようなことも解決可能でありますし、そういう点から見ますと、私はやる気さえあれば、そうしてほんとうに日本の安定供給を考えて、アメリカを中心にやってたいへん危険な現在の備蓄体制よりは、いままさにここで政府が積極的に財源を回しましてね、どんなに最大限いたしましても二千二十八億円です。これを灯油のほうに回しまして、そこで積極的にまず政府が灯油を下げた、そのことによって国民はほんとうにあたたかさを感じながら、やはり物価は下がるんだという確信を持てば、これは政府の信用にもずいぶんよくなると思いますね。決して共産党の提案を受け入れたから政府の信用が下がるというもんじゃないと思うんですよ。そういう点ではひとつ積極的にお考えいただきたいというぐあいに考えます。
○説明員(島崎晴夫君) 先ほどから揮発油税、地方道路税も含めてだと思いますが、ガソリン関係の税金の税収を……。
○近藤忠孝君 私は地方道路税は含まないで計算していますよ。
○説明員(島崎晴夫君) 灯油の引き下げに使ってはいかがかというお話でございますが、現在揮発油税等は、道路整備緊急措置法によりまして御承知のとおり道路財源となっております。で、揮発油税も含めまして石油関係諸税課税いたしておりますところの趣旨は、受益者負担、それから原因者負担といった要素を考慮いたしまして、道路整備に要する財源を石油の消費者の担税力に求めようとしているわけでございます。で、こういった趣旨から申しますと、揮発油税を含めました石油関係の税収を灯油の価格引き下げに使うということは適当ではないと考えております。
○近藤忠孝君 ほんとうはここで質問をやめようと思ったんですけど、道路問題出たから一言言わなきゃいけないんですが、道路に回すとなりますと、まさに日本じゅうにいま道路を張りめぐらした、そのことが今日の土地騰貴、そして今日の異常な物価上昇の原因になっているんだろうということは、もうすでに指摘されているとおりです。それからもう一つ、公害問題から見ましても、もういま自動車をふやすべきときじゃない。まさにいま環境庁のほうは、排気ガスの五十一年規制問題をどうしようかと、そのためには自動車をもっと減らす方向を考えようというのが、これは自治体で出ている意見なんです。政府はそのことをやっぱり考慮するといっております。それからもう一つ、省資源からいきましても、まさに自動車こそ最大にガソリンを食う、そして道路も最大限にこれは石油を食うもんです。となりますと、まずそこを少なくすれば、まさに資源の節約になるんじゃないでしょうか。それからさらに輸送効率という面から見ましても、これはこの間の公害対策及び環境保全特別委員会で運輸省の答弁ありましたけれども、最大にこれは効率の悪い運送制度です。それについては将来考えようということも、これは現実に運輸省考えているのですね。となりますと、それこそ私が申し上げた、いままさに国民生活を救うために灯油を下げることが必要なのかどうか、その税金でですね。それよりか、いま申し上げたような全く物価値下げには逆行し、しかも公害を出すような、こういう道路に金を使うのか、そういうどちらかという択一の問題になると思うんです。そうならば、よけい私の申し上げた提案が真剣に考慮されなければいかぬと思うんです。しかも私が申し上げた数字の基礎は、これは地方道路のほうですね、その分は全然入っておりません。国税分を計算して先ほどの計算をしておりますので、ひとつそのとおりお考えをいただきたいと思います。最後に、長官、私の提案ですね、決して共産党の提案を取り入れたからといって、むしろ内田さんの人気は上がりこそすれ決して下がりませんから、ひとつ積極的に御検討いただきたいと思いますが、決意を聞きたいと思います。
○国務大臣(内田常雄君) 示唆に富む御意見として十分承りました。
○中沢伊登子君 いまの石油のお話を聞いていても、また最近の経済の中にはいろんな矛盾がたくさんあると思います。その中の一つを取り上げてみますと、単純な考え方でいけば、経済の原理からいえば、供給がふえれば価格は安定する、むしろ安くなる、こういうことが経済の原理だと思うんですけれども、最近は供給が過剰になったために、たとえば、繊維業界のように、たいへん供給が過剰になったためにむしろ困ってしまって失業者まで出たり、あるいは操短を強いられているのに、デパートや小売店でわれわれがものを買おうと思いますと、非常に価格が上がっていると、こういう現象がございます。特に価格のはなはだしく上がっているのがはだ着でございますが、昨年の春に男物のはだ着を買いました。三百七十円でした。これは男物の下ばきでございます。ところが、ことしの春はこれが七百三十円にはね上がっております。そしてつい最近、九月末にはこれが八百円にもはね上がっておりましたが、こういった矛盾は一体どのように考えればいいんですか。
○説明員(喜多村治雄君) いま御指摘がありましたように、繊維製品の卸売り物価指数は、本年二月以降前月比で下落を続けております、卸売り物価指数を見る限り。また、本年六月以降は、前年同月比で見てもマイナスを示すようになっております。これに対しまして、繊維製品の消費者物価指数は、御指摘のように目立った下落は示しておりません。最近ではむしろ騰勢は鈍化しておりますけれども、目立って下落を示していないということで、個別の品目については先生御指摘のとおりでございます。これは、まだ卸売り物価の下落が十分に消費者物価に反映しないということでございまして、部分的に見ますと、一部の製品では相当の下落もある——消費者物価がですね。ところが一部の相当のものはこれがまだ反映しないという、そういうことでございまして、この傾向が進みますならば、やがて小売り物価に反映するものと見ております。
○中沢伊登子君 先ほど来のお話を伺っておりますと、卸売り物価が下がってきたという話があったわけですね。しかし、いま繊維の問題というのは、ずいぶん前からの話で、もう実は週休二日制どころか週休三日制ぐらいで、そこで働いている男の人は給料六割しかもらえないで、あとの四割はどうするかというと、かってにどこかで働いて求めてきなさいということで、このごろは、建設業の下請、そういうところに肉体労働として働きに行って、そしてその四割を埋めているというような現状なんですね。それで、物が余って余って困って、そういったような状態をとっているのに、はだ着類は非常に高いです。私もこの間、ちょっと海外へ行く前に、いわゆる化繊のアレルギーがありますから、純綿のはだ着を買いにいきました。スリップ一枚が大体千八百円、三枚ぐらい買おうと思ったんですけれども、五千円ではちょっと三枚買えないくらいな状態でございます。こういったように、非常に物が小売りの段階では高くなっている。たいへん私はこれを矛盾に感じるわけですけれども、これはどうなんでしょうか。——いや、おらなければけっこうです。きょうは初め例として少しこういうことを伺いますから、とは申し上げておいたんですけれども——。 そこで、この間、ちょうどロンドンから一人私の友だちが七カ月ぶりに帰ってまいりました。その彼が言うのに、日本に七ヵ月ぶりで帰ってきて非常にびっくりしたことは、日本がいま物価が二五%も上がったとかということでどんなにか困っているだろうと、こう思って見たら、日本人というのは着るものをどんどん新しくかえていって、むしろロンドンのほうが、このコートはおばあさんからもらったコートだ、ということを非常に自慢げに着ていた。日本のほうが経済危機なのか、イギリスが経済危機なのかわからないぐらいだ、こういうふうなことを言っておられましたので、これは消費者にもこれ考え直さなくてはならないような問題があるかと思いますけれども、そういったようないろいろな矛盾がいま中にあるわけですね。 そこで、これから二、三例をもってお伺いをするわけですが、実はきょうのこの委員会では、この間の委員派遣の問題を少しお尋ねをするはずでございました。しかし、私のほうに突然野球のバットの問題が出てまいりましたので、それを先に伺いたいと思います。 それは、最近、高校野球などを中心にしてすっかりなじみになりましたのが金属のバットでございますね。この金属バットの安全性に疑問があって、去る四月に握り部分のゴムが破れて、金属部分が野球を見ていたお客さんの頭部に当たって重傷を負いました。これは、先ほどまでここにいらしたんですけれども、実は前厚生大臣をされておりました神田先生の後援会の方でございます。そしてこの事故にあった方がいまだに意識不明で、家族から五千万円の損害賠償の請求訴訟が提出をされているのでございますけれども、これをはじめとして、この金属バットに関する事故が最近ずいぶん多発をしているわけですね。しかし金属バットがずいぶん普及をしてまいりましたその理由は、木製のバットが非常に値上がりをして、しかも品不足で、その上折れて、消耗が激しい、こういうために、費用がかさむために金属バットが最近非常に愛用されてるように伺っておるわけです。つまり、問題は二つあると思いますね。その一つは木製バットの価格と品質の問題、二つ目の問題は金属バットの品質の問題であると思います。 そこでお尋ねをするわけですけれども、木製バットの価格は原木の高騰などを反映して急騰をしていると思います。で、つい最近まで子供のバット——小学校の子供が使うようなバットが二百円だったのが、最近六百円前後。それからいままで、これはプロ野球やなんかのではございません、普通町でおとなも使っているバットでございますが、いままで千円ぐらいだったのが、いま二千円ぐらいにはね上がっておる。そして、いわゆる野球を愛好する人口は、子供からおとなまで、大体日本の国でいま二千万人だということです。そして、そういった中でこのバットの値段が野放しにされてきたのではないか。つまり、木材がずいぶん値上がりがしまして、一ころ材木の買い占めだの売り惜しみだのということがあったように、そういう材木が非常に高くなったので、このバットの値段というものが野放しにされてきたのではないか、こう思うわけですが、それはどのように指導してこられたか、まずお伺いをしたいと思います。
○説明員(森孝君) 私は運動用具を担当しておる文化用品課長でございますが、先生から御指摘のありましたまず第一点の、木製の野球用バットの価格の問題についてお答えしたいと思います。 先生御指摘のように、四十七年あたりまでは比較的安定しておりましたけれども、四十八年に、特に木材の値上がりが大きいということが主たる原因でございますが、かなり大幅な値上がりをいたしまして、先ほど六百円というお話しございまして、野球用バットには子供用の比較的短いものからおとな用もありますし、その中にもいろいろ銘柄がありますので、正確には先生御指摘の品物に合致するものをつかむことは非常にむずかしいんですが、標準品で申し上げますと、四十七年当時軟式用のおとな用のバットが大体千二百円という価格でございました。それが四十八年には千八百円に値上がりしております。で、現在はそれがやや上がりまして二千円程度に推移しておるかと思います。で、この木材と申しましても、バットに使う木材ば非常に限られておりまして、ヤチダモ及びセンという特殊の木材でないと使えないと、こういうことでございまして、一つは木材全般の値上がりが相当大幅である——メーカー等を調べましたところ、約四十七年までに比べて倍近く値上がりしておるということでございます。それからもう一点は、木材資源が非常に少なくなりまして、このヤチダモとかセンという木材を容易に入手するのが困難になってきた、こういう事情からかなりの値上がりをいたしております。で、私どもも野球が最も大衆スポーツであるということで、この野球用品の価格については非常に心配しておりまして、昨年来価格の安定について業界に強く要請してきております。そういう事情でございまして、まあ木材もいまのところ比較的安定してきておりますので、今後はそう値上がりすることもないかと思いますが、引き続き十分注意していきたいと、このように考えております。
○中沢伊登子君 わかりました。 その木製のバットがたいへん折れやすいというのは、——そのいまのヤチダモとかセンとかいう材質、それは非常にいい材質なのかどうか、それが一点伺いたいのと、それからその品質管理が十分なされているのかどうか。特に、JIS規格があるのか、あるいはまた品質表示を義務づけることができないかどうか、その点伺いたい。
○説明員(森孝君) 品質にばらつきが出てきていることは、生産工程自身は従来と変わっておりませんが、このメーカーは——野球用バットのメーカー約三十社ぐらいございますが、一社を除きましてほとんどが中小の零細メーカーがつくっております。さらに、先ほど申し上げましたように、ヤチダモ、センという木材が少なくなりましたために、従来は節がないとか割れてないとかいう良質なもののみを使っておりましたけれども、最近はそういう良質のものを選ぶことが非常にむずかしくなって、材質全般に品質が落ちている、木材の品質が落ちているということもございまして、品質に若干ばらつきが出てきているのは事実かと思います。それで、JISは現在のところございません。それから品質表示も特に行なわれてはおりません。JISにつきましては、零細企業が多いのでうまく適用できるかどうかわかりませんが、さらに研究したいと考えております。それから品質表示につきましては、木材製と金属製がありますが、特にまぎらわしい品質という問題はないかと思いますので、さしあたり品質表示のほうは必要なかろうかと、このように考えております。
○中沢伊登子君 これ、ことは安全の問題でございますから、しかも急を要する問題だと思いますから、安全には十分私は気をつけるように行政指導をしてほしいと思います。できることならやっぱり品質表示を義務づけるのがいいのではないかと思いますが、お考えをいただきたいと思います。 それから第二番目に、金属バットが急速に出回ったので、これもまた十分な品質管理ができていないような、町工場で安易につくられているのではないかと、このように思います。つまり、金属バットで事故が起こったわけですから、その点もひとつぜひともお考えをいただいておきたいと思うんですけれども、急激にこれ出てまいりましたんで、粗製乱売の気があるのかどうか、その辺の実態はお調べになったことがあるでしょうか。
○説明員(森孝君) 金属製バットは、日本では四十六年ぐらいから市場に出始めておるというふうに私どもは理解しておりまして、アメリカではもう少し早くから使われておったのではないかと思います。特にことしの高校野球を契機にして非常に一般に宣伝されまして、今後急速に伸びるのではないかというふうに考えております。 それで、金属バットの場合にはすでに新聞報道されておりますように、金属バットの手の持つ握りのところをゴム製のもので接着いたしまして握りをつくっておりますために、その接着剤が相当期間使っておりますと接着が弱くなってまいりまして、それで先の金属部分が抜けて飛ぶという、こういう事故が静岡県で起こって現在問題になっておりますが、したがいまして金属バットについては身体に害を及ぼす危険性があるということも十分考えられますので、通産省といたしましては、現在製品安全協会にユーザー、学識経験者、メーカー等集めまして調査委員会を設置していただきまして、その安全性につきまして現在調査研究をお願いしております。したがいまして、早急に製品安全法に基づく所要の措置をとるということで検討を進めていきたいと、このように考えております。
○中沢伊登子君 新聞のあれで見ますと、いまの金属バットも消費生活用製品安全法というのができましたね。この法律に指定するような考えのような記事が出ているわけですね、この新聞の記事に。もしもそういうことにしようとなさるんならば、いつごろまでに安全基準をつくられるのか、その辺を伺いたいと思うんです。
○説明員(森孝君) 消費生活用製品安全法の対象といたしましては、特に販売面まで、安全基準に合致しないと販売を行なってはいけないという規制のかかります通常S品目といっておりますが、それと自主規制によりまして安全基準を守っていこうというSG品目と二つありまして、現在その調査委員会におきまして、事故の原因等についても学識経験者を中心に研究していただいておりますので、その結果を待ちましていずれかに取り扱いをきめていくということになると思いますが、野球は大体春から夏のシーズンでございますので、できるだけ急いで来年の春からの野球シーズンに間に合うようにしたいというつもりでわれわれのほうは検討を急いでおる次第です。
○中沢伊登子君 なお、返す返す、二千万もの人が野球をするんですから、安全の問題については十分早く解決をしていただきたいと要望いたしておきます。 それから、ついでにボールの問題ですね。軟式ボール、ゴムを使いますが、商社がゴムを買い占めしたりするようになりますと、またこれ非常にボールが高くなります。この辺も十分監督をしておいていただきたい。これを要望いたしておきます。 じゃ次に、もう時間がありませんから手っとり早く申し上げますけれども、この間の委員派遣で調査をしてまいりました点について、二、三お伺いをしたいと思います。 たいへん微に入り細をうがったような報告をしていただきましたから、もうそれほど質問をすることはないかと思いますけれども、しかし、流通の過程で、昨年来の石油ショック以来、特に石油化学製品が暴騰をしたので、包装や荷づくり費が無視できない問題となっていると、私も視察の中でそのように思ってまいりました。出荷経費の小売り価格に占める割合はどのくらいになっているか。特に野菜を例にとって伺いたいと思います。
○説明員(市原淳吉君) 野菜につきまして、小売り価格に占めます包装、出荷経費の割合というものにつきましては、産地から消費地までの距離の問題、距離が違うと、あるいは野菜価格が変わると、そういうことによりまして、あるいは時期によりまして一がいに言えないわけでございますが、本年の二月に、まあ石油ショック以来でございますが、二月に行ないました農林省の統計調査部の調査によりますと、東京の中央卸売市場に出荷されましたおもな品目につきましてその割合を申し上げたいと思います。大根の場合六・八%、それから白菜の場合一九・六%、キャベツが六・七%、トマトが二五%、キュウリ九%、タマネギ一二%等となっております。
○中沢伊登子君 そこで、いまおっしゃったその中には当然出荷運送料というのは入ってますか。あるいは農協の手数料も入ってますね。
○説明員(市原淳吉君) そのとおりでございます。
○中沢伊登子君 そうすると、直接的な包装とか荷づくり費用はどの程度のものとなっていますか、それおわかりになりますか。
○説明員(市原淳吉君) それにつきましては、ちょっと直接の数字はここに用意してございませんけれども、四十八年、前年度に比べましてどのくらい値上がりしたということはちょっと調べてきております。それ申し上げますと、大根の場合約六〇%、これは包装紙代だけでございます。それから白菜の場合八八%、キャベツの場合四三%、トマトの場合九九%、キュウリの場合六八%、これは材料がいろいろ違いますので、いろいろ値上がり率が違いますけれども、そういうふうになっております。
○中沢伊登子君 野菜もいろんなその姿がありましてね。またキュウリでは曲がり方が二センチまでとか、四センチまでとか、いろいろな規格があるものですから、ずいぶんこれややこしい問題だと思いますけれども、その規格もまた多過ぎて、先ほど竹田先生がおっしゃったように、消費者は一ころはずいぶんその姿のいいものを求めましたけれども、最近のいろんな物価高騰の中でむしろそんなに姿がきちっとそろわなくても安くて新鮮なものがほしいと、こういうふうに消費者は最近考えているものですから、この野菜の規格の問題についてもいろいろ私ども意見を持っておりますけれども、きょうは時間がありませんで、それに触れるわけにいきませんが、いまの包装荷づくり費の問題ですね。ずいぶんパーセンテージが大きくなっておりますね。そこで、農林省においては出荷の容器の反復利用あるいは節約等に従来あまり関心を持っていなかったように思うわけです。たとえば一ぺん使うダンボールですね。まだとってもきれいなダンボールだのに、それをもう捨ててしまわなければ困ると。で、私のところの手伝いはおばあさんですから、私が日曜日のたびに、箱に入ったものを買ってきたりなんかすると、そのダンボールを足で踏みつけたりなんかしないと、ごみ屋さん持っていってくれないわけですね。非常に新しいダンボールもこわしてしまわなくちゃならないというようなことがありまして、たいへんこれはむだだと思うわけです。そこで本年度の予算あるいは来年度の予算要求においてこういったような反復利用あるいは節約等についてどんな施策を行なおうとしていらっしゃるかを伺いたいと思うわけです。また、そういったような包装の標準規格というものをおつくりになる意思があるかないか、その点も伺いたいと思います。
○説明員(植木建雄君) 御質問をいただきました出荷容器の反復利用という点でございますが、まさに具体的な形態といたしましては、いわゆる通い容器というようなやや流通業界ではことばをつくっておりますが、一種の省力的な物流技術、そういうものを特に農水産物につきましても積極的に採用すべきである、こういう機運にようやくなってきております。昨年のいろいろなショック等も加味されまして、結果的にかような面に対する関係者の意識というものが非常に向上してきております。政府におきましても、農林省におきましては、こういういわゆる通い容器の普及利用、普及浸透ということにつきまして、積極的に手を打つべき時点である、こういう判断をいたしまして、実は四十九年度から野菜につきまして一億数千万実験事業に着手をいたしております。これは通い容器というのは、ポイントは回収でございます。容器の回収、これが巧みにいきませんことにはなかなか普及いたしません。この回収がどういうかっこうに各業者の手を通じて円滑にいくか、この実験を繰り返すことによって普及させていく。こういう態度でございまして、五十年度におきましても同様の実験、検討を重ねてまいる所存でございます。さらに、野菜に加えまして五十年度におきましては、果実並びに水産物等につきましても同様な物流新技術の採用の可否についての検討に新たに着手をしていく、こういう段階になっております。 それから、出荷用の容器の規格の統一化という問題にお触れいただいたわけでございますが、規格は出荷用容器を含めまして内容そのもの、品位等を含めまして単純化、簡素化をはかるという方向が今後の方向であることは申すまでもございません。すでに青果物等につきましては生産者団体中心にダンボール等の規格化に一部取り組んでおるわけでございます。ものによりましては、これはなかなか農産物ではむずかしいのでありますが、一部パレット利用等も可能な事態ができるのではないかというようなこともありますが、非常にやはり多数の生産者から出荷をされ、卸売り市場を通じてまた多数に分散される、こういう性格のものでございますので、なかなかきょうあしたというわけにはまいりませんが、そういう方向での規格の統一ということにつきましては生産者団体との連係をとりつつすでに一部指導に着手しております。こういう方向で農林省も今後進めていくつもりでございますので、あわせてお答えいたします。
○中沢伊登子君 私も九年間毎年視察に行くときは物価でばっかり行っているわけですけれども、その九年間の中ではずいぶん世の中変わってまいりましたけれども、しかし私どもがいろんなところ、たとえば市場なんか見に行ってもトラックターミナルができたり、卸売り団地ができたり、いろいろなものが新しくりっぱになっております。そして、その配送の大型化ですね。そういったものをやりながら交通が渋滞するからというところでまた新しい郊外のほうに移ったり、とってもいいところはたくさん見せてもらってきているんです。それに対する資本投下というのは相当なものだと思いますけれども、しかしそういうものがはたして消費者に利益になっているかどうか、その辺を考えると相当疑問だと思うわけですね。それですから、いまはお答えをいただいたようなことでできるだけ包装を簡素化するとか、パレットシステムにするとか、いろんなことでできる限り今度は消費者に利益になるように、そういった方面で力をぜひとも尽くしてほしい、このように私は視察に行ってしみじみと思ってきたわけでございます。ぜひともそれを早急に進めて消費者に利益が還元するようにぜひともやってほしい、このように思います。 そこで、仙台で消費者の人たちと懇談をいたしましたときに、もう再三これも予算委員会やいろんなところで言われている問題ですけれども、過剰包装の問題についてやっぱり強い要望がありました。特にこれは名ざしで私に質問があったわけですけれども、先ほどから申し上げておりますように石油ショックのときですね。石油ショックのときは政府は国民に対して相当の節約をすすめました。そしてまたネオンを消したり、そしてまた企業にも石油の節約を呼びかけたりしてまいりましたけれども、しかし最近はこれがもとに戻ってしまったような感じがするわけですね。で、この点で石油はいま相当輸入をされて、あるようでありますけれども、わが国では先ほどお話のありましたようにほとんど一滴も石油は出ないわけですから、これからこの石油の消費節約をしなければならないと思いますけれども、どのようにして節約をしていくのか、それを伺いたいと思うわけです。これは企画庁長官がお答えいただくかと思いますが……。 それにつけても、一つぜひともその過剰包装の問題で申し上げておきたいのは、何か私、ここに手品の何か種を持ってきたみたいですけれども、実はこういうものですね。これみんな石油製品だと思うんです。私ども日本人の生活の中では、何か結婚だの、それから人がなくなったんだのというときに、いつもそのお祝いだの、香典持っていきますね。そういうときのいわゆるお返しというものがあるわけですね。それで、そのお返しにはこのごろよく実用品にというので石けんや何かをよくいただくんです。そうすると、どこの家でも石けんの石けん箱というのは、おふろでは水が落ちるように相当大きいものがどこの家にもあると思うんです。だからこういうものに一つ一つ石けんを入れてもらって、箱で九つだか一ダースだかの箱の中にこういうものに一つ一つ入れて、こんなのもらってはこれ始末に困っちゃうわけです、ほんとうは。それで中にはこういうふうにしてくださるわけですね。私はこれは過剰包装ということで、通産省のほうはこのスペースがこの箱に対して一五%以下とか、あるいは値段にすれば二〇%以上の過剰包装はやめなさいということを言われたと思います。だからこれは箱は相当小さくなったのですよ。ところが、こうまでして石けんを入れてもらわなくってもいいと思うのです。たとえばもうこれだけでいいのですよ、ここへ入れるのは。これだけでいい、これ紙ですから。ところが、これでも同じ石けんですよ、これでもこういうふうに入れて、箱の中に。これは銀紙で包んである。金紙ですか。しかも、この底に穴があいているわけです。これは水を切るためですね。ところが、石けんで上げるときには、かぜをひいたり、においがとれたらいけないというので、わざわざこの穴にふたをして、またそこに何だか講釈を書いた紙を入れて、こうやって贈ってくださる。これがまた箱に入ってるのです。こういったようなことで、いただく家はこれの始末に困っているのです、実は。捨てるわけにはいかないし、とっといたって何にもならないし、どうしようか、これ返す方法ないものだろうか、こう考えている。 この中にまだ一ぱい入っているのです。手品の種あかしみたいだからもうやめときますけれども、こういったようなことで、だから石油を大事にするといってもまずこういうところからでも徐々にやめさせるような方法を、通産省が係とすればそこら辺からこういうのをやめさしてほしいと思うのです、どこの家にも備えつけの石けん箱あります。 これ、ほんの一例なんですけれども、こういう要望が非常に仙台で強く出されましたので、これについてお考えがあったら答弁をしていただきたい。 長官からは、さっきの石油をこれからどういうふうに節約をしていくか、その方法をお話しいただきたいのです。
○国務大臣(内田常雄君) 中沢さん、たいへんいいお話をお聞かせいただきました。それは御承知と思いますけれども、先般まあこれ政府といっても、あなたのようにほんとうに実地を見てこられた方ばかりとは思いませんけれども、資源とエネルギーを大切にする運動本部というものを内閣につくりまして、それに通産省はじめ私どももそうでございますが、関係官庁の職員がみんな入りまして、その上民間からの識者の参与というような方まで御参加をいただきまして、石油ばかりでなしに、石油製品、その他モデルチェンジから個人の消費生活のみならず、企業のその廃品の再利用の方途というようなことまで含めまして国民的運動をいろいろな手段や機関を使って展開をすると、こういう段取りになって、作文とか何か段取りだけはできているようでございますけれども、それがこの次にあなたがお話しになるときには、そういうきょうお話しになられたようなそういうむだな包装や入れものがなくなって、まことに消費者本位になりました、それだけ値段も安くなり、資源もセーブできましたというようにぜひしなければならないということをあなたのお話を承りながら私はつくづく感じました。ここに物価局長と、ほんとうは私のほうはそれは国民生活局というのがございまして、各省のほうにもいろいろそのお話し合いを進めたりする担当の局もございますので、きょうのお話を私からもよく伝えまして、激励をしたり、私どもの所期した事柄が実現するようにつとめたいと思います。 石油については、備蓄の話ばかりでなしに、備蓄もさることながら、石油製品というものがむだでないようなふうに現実にもう一度気をつけて、ちょっとお説のとおりことしの初めぐらいの様子よりも逆戻りしたようなところが私は確かにあると思いますので、そういうことにつきましてもつとめてまいらなければならないと思います。
○中沢伊登子君 通産省、お答えいただけますか、いまの過剰包装。
○説明員(森孝君) 商品の担当の課長見えておりませんが、たまたま私のところ段ボール紙器を担当しておりまして、紙製容器の過剰容器の自粛について一般的にやっておりまして、現在包装適正化委員会というのをつくりまして、とりあえず百貨店とスーパー業界を取り上げまして、これにつきまして、さっきお話しになりました容器面積で一五%以下、価格で二〇%以下だったと思いますが、それを具体的に百貨店、スーパー業界で適用するにはどうしたらいいかということを自主的に御検討いただきまして、私のほうの包装適正化委員会に消費者代表、学識経験者も入っていただいておりまして、そこへ業界からその案をお話しいただきまして、そこで合意ができましたら業界が自主的にそれを守っていこうという運動を進めております。それでその百貨店、スーパー業界以外の商品は非常にたくさんありまして、それをまとめてやるというわけにはいかないと思いますが、代表的な業種を二、三取り上げまして、それで具体例を示して、それをモデルにしまして各業界団体で推進していただきたいというふうに考えておりまして、化粧品業界が対象になるかどうか、まだ具体的にはきまっておりませんけれども、そういうことで進めております。
○中沢伊登子君 もう時間が超過してしまったんですけれども、おそらくきょうここに来ていただいていると思いますから、最後に質問をさしていただきたいと思いますのは、やはり消費者代表が過大包装のときに言われたのは、最近、自動車や洗たく機やテレビ、こういったもののモデルチェンジを自粛してほしいと、こういう要望がたいへん強うございました。で、省資源で節約が国民経済的な要請となっている今日、これは当然の措置だと考えますが、なお耐久消費財の耐用年数が最近たいへん短くなった、こういう苦情も伺ってまいりましたんで、最後でございますから簡単でけっこうでございます。お答えをいただいて私の質問を終わります。
○説明員(富永孝雄君) お答え申し上げます。 自動車のモデルチェンジにつきましては、モデルチェンジの中には非常に大きなボデーを変えるようなモデルチェンジから、たとえば窓の形を変えるようないわゆるマイナーチェンジといろいろございますけれども、最近のモデルチェンジの傾向を見ますと、現在自動車の最も社会的に要求されておりますのは公害安全問題でございますので、公害安全のためのモデルチェンジを機能としてかね備えたモデルチェンジが非常に多く行なわれているわけでございますが、もちろん御指摘のように、いままで行なわれておりましたモデルチェンジの中には、いわゆる販売促進のためのモデルチェンジといったような単にまあ形を変える、それでユーザーの好みに合わせるといったようなものも間々あったように見うけられるわけでございます。で、自動車業界といたしましては、現在五十年から始まります排気ガス対策、これに対処するのが最大の問題でございますので、私どもといたしましては、この五月に自動車のモデルチェンジにつきましてまず公害安全対策、これを十分にカバーしていくということを目的としてやってもらいたいということが一点でございます。 それから二点といたしまして、特に来年からの排気ガス対策に備えまして、そのための構造変更、エンジンの改造といったようなこともあるわけでございますが、それをまず第一にやってもらいたい、そういうことを自動車業界に対しましては私ども機械情報産業局の局長名で通達を出しまして、過度のモデルチェンジの自粛ということを要望しているわけでございます。
○説明員(鈴木健君) 私、家電製品を担当しております電子機器電機課長でございますが、家電製品につきましては自動車の場合とちょっと事情が変わっておりまして、非常に技術進歩の激しいものでございまして、新しいものがどんどん出てくるというようなことがございます。それと消費者のニーズが非常に多様化しておりまして、そういうものに対応してモデルチェンジを行なうというようなこともございますので、一律にモデルチェンジはいけないというわけにはいかないわけでございますが、最近の資源不足の状況等考えますと、単に目先を変えるというようなモデルチェンジを行なうということは好ましくございませんし、また消費をあおるというようなことも厳に慎まなければいけないということで、モデルチェンジを自粛するように業界を指導いたしております。具体的な方法といたしましては、自動車の場合とちょっと異なっておりますが、補修用の部品を長く持っておるようにということを指導いたしまして、間接的にモデルチェンジ、過度のモデルチェンジが行なえないようなやり方をとってございます。これは昭和四十年以来行なっておりますが、最近の省資源、省エネルギーというようなことも考えまして、補修用部品の保有期間を長くするというようなことをきめまして、局長名で関係業界に通達を出しまして、できるだけ長く部品を保有することによって消費者に対するサービスを向上させるとともに、メーカーが過度のモデルチェンジをすることを行ないにくくするというようなやり方をとっております。
○委員長(小笠公韶君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十二分散会