地方行政委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/10/24
会議録
○委員長(久保田藤麿君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 この際、派遣委員の報告についておはかりいたします。 先般、当委員会が行ないました地方行財政等の実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保田藤麿君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(久保田藤麿君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 きょう午後の地方制度調査会の関係で非常に時間が制約をされておりますから、端的に質問して、簡単にお答えをいただいておきたいと思うんです。 まず、三菱重工、三井物産の爆破事件に関連をして若干のお伺いをいたしますが、最近の報道によると、犯人グループというものが一定の範囲に縮まってきたといいますか、そういう形の発表なり、報道なりというものがなされているように思います。たいへん特定の人物を推測をさせるような報道があってみたり、ところが、それがかなり、たとえば「腹腹時計」なら「腹腹時計」の問題一つ考えてみても、違っていたという結論的なものになってみたり、何かかなりジグザグしているんですが、警察としては、捜査の現況から見て犯人を突きとめる自信を強めてきている、こう考えてよいですか、これが第一です。 それから第二。この前の三井物産の場合に、警察官の初動捜査に私はたいへんミスがあるんではないかということを報道の中で見るのです。たとえば、通報のあった紙包みを巻尺でまずはかっている。はかって動かして、その後、中から時計の音がしないとかするとかということを理由にしながら、凶器探知器を持ってこいなどというような形のことをやっている。これは、一般市民に向けていままで警察の側がたいへんな危険物の取り扱いについて注意を促していることと、現場の捜査官のこの状態というのは、一体どこから生まれてきているのだろうか、この辺についてどういうふうに理解をしたらいいのか、二点についてまず伺います。
○国務大臣(町村金五君) 先般の三菱、三井の両事件とも、多数の死傷者を出しましたきわめて悪質な事件でありますので、犯人は必ず検挙しなければならぬというかたい決意のもとに、事件発生以来、警視庁はもとより、全国警察総力をあげて努力をいたしておるところであります。 ただいまいろいろな点について和田議員からも御指摘がございましたが、この詳細につきましては、ひとつ刑事局長からお答えをさせたいと存じます。
○説明員(田村宣明君) 犯人を突きとめられるかということでございますが、現在のところ、特定の犯人グループに捜査がしぼられたというような段階まではまだ至っておりませんけれども、必ず犯人を検挙しなければならないという決意のもとに捜査を進めておるという状況でございます。 それから、当初の初動の段階にミスがあったのではないかということでございますが、これはそういう脅迫電話がございまして、現場に参りまして、不審のものはないかということでさがしたわけでございます。そこでこの爆発をしたものを発見したわけでございますが、その段階では、まだ、これがはたして爆発物であるかどうかということがわかっておりませんので、まず形状をはかる。当時私が聞いておりますところでは、その時計の音というようなものは聞こえなかったということで、まず大きさ等をはかって、次に凶器探知器等を持ってきて、金属性のものであるかどうかというようなことを確認をいたしましてから、これはいよいよおかしいということであれば、爆発物としてこれを処理していこうということであったわけでございますが、結果的に見ましてあのような結果になりまして、まあいろんな点で反省すべき点がございますので、今後はさらに警察官が処理をいたします場合にも、慎重にやってまいらなければならないというふうに考えております。
○和田静夫君 今回の事件に関して、たとえば目撃者であるとか、あるいはアパートのチェックなど、市民の協力が非常に重要なかぎになっております。多くの有識者たちが、この種の犯罪の捜査に市民協力が非常に大切だということを訴えています。同時に、私は、個人の基本的人権の侵害にならないように配慮をすべきだということを指摘をしておきたいのです。ということは、三菱重工以来幾つかの訴えがあります。たいへん行き過ぎの捜査の訴えがあります。きょうは時間がありませんから、そのことを述べることは次回に譲りますが、私はもっと根っこの問題として、市民協力を訴えられるのならば、いまの警察がほんとうに市民から好意を持って受け入れられる存在になっているだろうかということを、もう一ぺんこの機会に振り返ってみたいと実は思ったのです。国の政策が、市民や、また市民に支えられた自治体の立場としばしば対立をしている場合があります。たとえば高度経済成長策と公害、あるいは核持ち込みと国民の拒否、あるいは具体的な例としては最近の原子力船「むつ」の問題など、あげたら切りがないのですが、そうした場合における市民運動的なものに対して警察がとる態度、国の政策を物理的に強制する措置として反対市民の弾圧だけをはかるというようなことが、やはり残念ながら散見をされる。そういう中から、市民の捜査に対する協力というものが自発的に生まれるはずがない。警察官にはやっぱり近寄りがたいものとしての距離を置く、こういう状態に残念ながらなっていると思うのですね。そう考えますと、警察がほんとうに国民の協力を得たいと言い、市民的な情報というものに多くの期待をかけられるというのならば、警察自身が、その最高責任者を含めて、現在の日本国憲法をよく理解をし、また健全で民主的な市民団体、労働組合の活動というものに理解を持つ、こういうことが必要だと思うのですが、警察庁長官きょうお見えになりませんから、大臣から——実は警察庁長官の決意を承りたいと思っていたのですけれども、警察官に対してどういう教育を一体されているのだろうかということをこの機会に伺い、そして警察学校などでお使いになっているところの教科の内容を、資料としてひとつこの機会に提出をしていただきたい、そう考えますが、いかがです。
○国務大臣(町村金五君) このたびの重大な両事件の捜査を進めていく上において、先ほども刑事局長もちょっと触れましたが、また、いま和田議員からも御指摘がございましたように、やはり市民の協力を得ることもこの捜査を進めていく上においてたいへん大事な点でありますので、警察としては、その点についてもでき得る限りの市民の協力を得たいということでいろいろ努力をしておるように私も承知をいたしておるわけでございます。 まあこれに関連をいたしまして、和田議員によりますれば、いままで警察がやっておりまする行動の中には、必ずしも一般市民の協力が得がたいような、いわば市民運動に対する弾圧といったようなことがしばしば行なわれておる、そういうようなことが改められない限りは、なかなかほんとうの市民の協力は得られないのではないかまあ確かに——そういう感じをお持ちになる方もおありだろうと私は思うのでありますが、もとより御承知のとおり、現在そういった市民運動等に対する警察の取り締まりというものは、言うまでもなく、一般の公安を護持することによりまして、市民全体の生活をやはり守っていこうという角度から警察としてはこれに対処しておることは申し上げるまでもないのでございます。しかし、何と申しましても、今日の警察は国民のための警察であるということを基本の考えにいたして運営されておることは言うまでもございません。そういったようなことから、ただいま警察官の教育というようなものについて一体どういう態度でやっておるのかということでございますが、私から大体の基本の考え方だけを申し上げて、さらに関係者から御説明をさせますが、言うまでもなく、私は、警察官としては民主警察の本質なり、あるいは警察の責務というものをまず深く自覚をしながら、できるだけ民主的で公明——公正明朗で、かつ能率的な職務が遂行できるように教育をするということを基本的な方針としてやっておるということは、これはもう申し上げるまでもございません。したがって、そういった点には、まず各警察学校というものにおける若い初任警察官の教育から、その後におけるいろいろ再教育がしばしば行なわれておるのでございますが、そういった段階におきましても、そういった基本の考え方で教育が進められておるということは申し上げるまでもございません。 なお、この点について、ひとつ関係の者から補足的な御説明をさせることにいたします。
○説明員(鈴木達也君) 警察官の教養訓練につきましては、民主警察官としての職責を十分自覚し、人権の尊重あるいは国民への奉仕の精神に徹した良識と実力のある警察官を養成することを目標にいたしております。特に、警察が市民に親しまれるようになることがぜひとも必要でございますので、市民の信頼と協力を確保する上で最も重要という考え方に立ちまして、警察学校における教養におきましては、訓育の時間にこの心がまえについて十分な教養をまずいたしております。さらに公衆接遇、巡回連絡、職務質問、交通指導取り締まり、その他の警察実務の教養の時間に、市民に対することばづかい、態度、話し方等についていま徹底した教養をいたしております。現在、各府県警察学校では、教育の方法とその内容につきまして、先ほどお話のありました教科課程、すなわち当庁で示しておる教科課程でございますけれども、それぞれ府県の実情を加味して初任教養を実施いたしております。その教養内容は、訓育及び一般教育あるいは法学、実務、術科などとなっております。先ほどお話ございましたので、検討させていただきまして、後刻先生に御説明に上がりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○和田静夫君 この自動車の排気ガス五十一年規制の問題でちょっと伺いますが、メーカーの巻き返しによってその実現が非常に危ぶまれている状態にあっていますね。こうしたときに、七大都市自動車排出ガス規制問題調査団の行なった、五十一年規制は可能だという内容の報告書がまとめられて、去る二十一日、関係首長から毛利環境庁長官にこれが渡されて、善処を求められている。きのう衆議院の公特委で、環境庁の局長答弁などというのが問題になっていることがけさ報道されていますが、例年の警察白書を見ますと、警察も、大気汚染を防止するため、汚染物質の発生源対策を並行して、交通規制による交通総量の削減等を推進しているわけですけれども、それにもかかわらず、現在行なわれている諸対策では市民の健康を守ることができないというのがまあ大都市の首長たちの考え方であります。で、都知事や大都市の首長は、こぞって、五十一年規制の実現は可能だから政府としても努力をしてほしい、こう言っているわけです。また、自動車の総量を減らすために、その対策、たとえば自動車関係税の増税等も場合によって必要であると指摘をしています。現在、自動車各メーカーが、経済の沈滞ムードをよそに増産に踏み切る、そういうようなかまえを見せ、一大販売のキャンペーンを実施中である。で、大都市生活環境の破壊や、あるいは世界的に展開されている省資源運動などどこ吹く風というような状態であります。これに対して、政府が、資源の節約運動を口にしながら、メーカーのこうした行動には見て見ぬふりをしているという状態に置かれている。つまり、たてまえとしては節約運動をかざして、そして本音としては、油をふんだんに使って、追い続けた成長政策を依然として維持しようとしているような、ちぐはぐな状態というものを感じとらざるを得ません。大臣は、大都市住民の健康を守るために、五十一年規制の実施を可能とする調査団の意見に十分耳を傾けて、都市における自動車の保有量の対策についても、国家公安委員長、自治大臣という、そういう立場から真剣にお考えになるべきだと思いますし、田中内閣そのものに対して大きくそういう意見を開陳をし続け、それが実る努力をされるべきだと思うんですが、所見を承ります。
○国務大臣(町村金五君) 先にちょっと交通局長からお答えさせていただきます。
○説明員(綾田文義君) 五十一年規制が二年ぐらい延期されるということは、新聞紙上に報道されておりまして、私どもまだ正式には環境庁からそういうことを聞いておりませんけれども、警察といたしましては、やはり国民の健康を守る、あるいは交通事故、渋滞を防ぐという観点から、やはりできれば五十一年規制が実施されることが望ましいとは考えております。しかし、これは技術的な面でございまして、私どものちょっと範囲を越えますので、したがって、警察といたしましては、交通警察におけるできる範囲の中において、趣旨に沿って努力をしたいというふうに考えています。たとえば、東京におきましては、いわゆる新総合交通計画というものを立てまして、そうしてバス優先対策——これは、バス優先対策をすることによって自家用車を吸収して総量を減らす。それから都心の全面的な駐車禁止、これによって不要不急の車が都心に流入するのを防ぐ、そういう対策。これがいわゆる私どもがやっております都市総合交通規制の一環でございますが、この中にそういう自動車の総量の削減を含んだ規制を実施をいたしております。ほかの都市におきましても同様でございます。また一方、現実に町を走る車、これがスピードが非常に出れば排気ガスも多くなる。まあいろいろ説もありますけれども、簡単に申し上げますとそういうことがございます。それから、とまったり動いたりすると非常にまた排気ガスが多くなる、あるいはNOxが多くなるということでございますので、そういう交通の流れを適正にする。すなわち、一方ではスピード規制、一方では信号の制御、そういうことによって交通の流れを適正にする管理をつくり出します。警視庁の実験によりますと、そういう流れを、パターンをつくり出すことによって窒素酸化物が一一%減ったというようなことも結果が出ておりますので、そういう現実の、町で走る車の流れというものをもう少しこれらの手段によって適正にして、そして排出ガスを削減する、そういう方途を考えております。で、私どもといたしましては、やはりこの交通事故、交通渋滞はもちろんでございますが、交通公害の防止ということが非常に大事なことでございますので、今後さらにいま申し上げたような点を極力推進をいたしたいというふうに考えております。
○国務大臣(町村金五君) どうも、この自動車の排出ガスの排出基準の問題について、メーカー側は五十一年の実施は現段階ではまだきわめて困難であると。一昨日でありますか、七大都市の公害関係の方々によれば、すでにそれは可能な状況になっているというようなことで、きわめて高度な技術上の問題についていわば意見が分かれておるというような段階で、これに対して、私どもはいま門外のものとして、そのいずれが今日の場合一番適正な判断であるかどうかということについては、どうも私どもも確たることは申し上げることはできませんけれども、いずれにいたしましても、大都市における車の非常な激増によりまして大気が著しく汚染をされており、それが大都市市民の健康に重大な悪影響が起きておるのではないかという懸念は私どもも強く持っておるところでございまして、警察といたしましては、いわゆる交通警察という立場から、できるだけ総量規制にも今後は私は協力をするという、新しい——いままで警察としては実はそこまでは警察の仕事というふうにはなっていなかったと思いますけれども、あるいは今日の場合におきましてはそういうこともさらに積極的に考えなければならぬのではないかというような感を私どもは持っておるわけでございますけれども、御承知のように、車全体の規制という問題まあいろいろな重大な問題をはらんでおり、ただ警察が一方的に権力的に押えるというだけではなかなか効果があがらないばかりではなく、むしろいろいろなやっかいな問題をそこに新たに派生をして起こさせるということにも相なりますので、私ども政府部内といたしましては、申し上げるまでもなく、こういった問題についてはやはりできるだけすみやかに望ましい排出基準が実現をされるようにすべきだということを、私は政府としても基本的にはもとより考えておると思いますが、ただ、現実の問題として不可能だというものを無理にやらせるということは実際問題としてはできないのではないか。そこに、たまたま七大都市からのそういうお話も出ておりますので、さらに私は、政府としてはこの問題は技術上の問題としてもう一度私は深く検討をすべき事柄であろうと、かように考えておるところでございます。
○赤桐操君 いま、市町村が住民の健康と、さらに福祉の保持のためにいろいろの行政を行なっているところでありますが、そういった行政の実施の過程で、本来公害から住民を保護すべき立場にある市町村が、現在、不可避的にあるいはまた結果的に公害の加害者の立場に立つと、こういう事例がだいぶ発生をいたしてきているところであります。きょうはこういう問題につきまして質問をいたし、政府の善処を求めたいと考えるのであります。 まず、具体的な事例について申し上げていろいろとお伺いしたいと思いますが、千葉県下の事例でありますが、昨年の十一月に千葉県の市川市のごみ焼却場の周辺で一・九PPMのカドミウム米が発見されまして、市川市がこれに対しまして処置をした例がございます。そこで、野田市におきましてもこうした事態が発生しているのではないだろうか、こういう立場に立ちまして、昨年の十二月に市自体の自主的な立場で焼却場排水の沈でん槽内の汚泥、あるいはまた放流先の水路のどろの検査を実施したところ、大量のカドミウムが発見されるに至ったわけであります。こういうことであります。そこで、焼却残塊と関係水田の検査を行なったところ、水田灰から許容量をはるかに越えるところのカドミウムを発見する、あるいはまたその他の重金属を発見する、こういうことがあったわけでございます。焼却場排水を使用した水田の四十八年産米の分析を行なった結果は、一PPMのカドミウムを見ております。そこで汚泥、汚染地区と見られる六十ヘクタール全体にわたりまして検査をしたところ、この事実が明瞭に出てきた、こういう一つの経過があるわけであります。 そこで、市川、野田等の事例にかんがみまして、千葉県は、農用地の土壌汚染防止法に基づきまして四十九年産米の重金属含有調査を行ない、その結果中間報告がなされております。これによりまするというと、松戸市内で最高二PPMのカドミウムが米から検出をされております。続きまして、成田、野田、我孫子並びに関宿等におきまして、相当量、すなわち農林省で流通を禁止している〇・四PPMをオーバーするところのカドミウムが検出をされた、こういう結果を見ておるわけであります。これらはいずれも調査地点がごみ焼却場の近くでありまして、市川、野田に続いて発見されたもので、またもごみ焼却場とカドミウム汚染との関係が大きく疑惑を持たれるに至っているところであります。カドミウムの含有量が〇・四PPMないし一PPM、この範囲のものについては、政府は米の買い上げをいたしておりまするけれども、一PPM以上のものについては買い上げをしない。したがって、市がこれに対する補償を行なっておる、こういう経過になっております。この種の被害というものについては、国民の健康あるいは住民の私経済に対しまして非常に大きな影響を与えておるものでありまして、政府においても真剣にこれは取り組んでもらわなければならぬ問題だと思います。特にその汚染源の状態から見まして、その周辺には特定の工場もない、すなわち産業公害として考えられるような原因がない、一般の廃棄物の処理を行なうごみ焼却場としてこれは見なければならないという状況であるだけに、調査の進展によりましては、その範囲は全国的な規模に及ぶ可能性を持つものであろうと思うわけです。したがって、たいへん深刻な問題に発展するだろうと思います。非常にゆゆしい問題でありまして、千葉県の事例について環境庁としてはどのような報告を受けておられるか、また、そのごみ焼却場と周辺地域のカドミウム汚染をその関連においてどのように考えておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) いま先生からお話がございました千葉県の汚染の事態でございますが、四十八年に細密調査を百七十五ヘクタールについて実施いたしました。そこで一・九〇PPMというカドミウム汚染米が出たわけであります。それによりまして、さっそく四十九年の二月に、どうも原因がごみ焼却場ではないかということでこれらの地域について調査をいたしましたところ、やはり野田市の焼却場の周辺からも高濃度の汚染米が出てきたわけです。そのため、県が四十九年度について現在概査をやっておりますけれども、十九カ所の焼却場——特に農用地と関係がございます焼却場十九について米を六十八点検出いたしましたところが、そのうちから二点一PPM以上の米が出てきたというものでございます。
○赤桐操君 大体御報告を伺うというと、あまり積極的な調査ではないというふうに判断をするのでありますが、非常にこういう状態が昨年の十一月から発生しているわけでありまして、これらに対する把握の状態等についてあまり詳しいものでないように思うわけでございます。いまの段階で、私はたいへん、これは今日になってこの程度では不満でありますが、ともかくカドミウム汚染が発見されて、農地の分布状況等から見て、当然これはもう発生源として工場がない以上、また、市川や野田の例等から考えてみても、焼却場が汚染源である、こういうように考えざるを得ないと思うのですが、この点についてはあなた方のほうも認めざるを得ないと思うのです。 それで、そのごみの焼却場についてでありまするけれども、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第八条によるというと、ごみ処理施設を設置しようとする者については、厚生省会の定めるところによって、都道府県知事に届け出なければならない。そしてまた、ごみ処理施設の設置については、厚生省会で定める基準に従って維持管理をしていかなければならないことになっている。ごみの処理施設に対する国ないし県の監督の状況についてひとつ御説明を願うとともに、いま問題になっている千業県下の各市町村のごみ処理施設はいずれも法会の定めに従って設置をされているものであり、さらにまた出先の自治体においては非常に真剣に運用されてきているわけでありまして、当該市町村に手落ちがあったとは私たちには考えられない。この辺のところについてひとつ伺いたいと思うわけであります。
○説明員(山崎卓君) ただいまの、千葉県下におきまして、松戸、成田あるいは野田、我孫子、関宿というような具体的な地名をおあげになりまして御質問いただきましたけれども、確かにそのうちの松戸、成田、野田、我孫子、この四つにつきましては、ごみ焼却場の付近から取れた米であるように私どもも県から聞いております。ただし、関宿につきましては、その付近にはどうもごみ焼却場がない、こういうような事情が一つあるようでございます。冒頭にその点だけお断わりいたしておきます。 それから、ごみ焼却場におきます監督と申しますか、規制でございますが、先生御指摘のとおり、廃棄物処理法に基づきまして行なわれておりまして、もちろん設置につきましては都道府県知事のほうへ所定の手続はとりますし、それからその規制は、廃棄物処理法の施行規則の第四条によりまして細部の基準が定められております。 問題となりますカドミウムとの関係を考えられますことは、ごみ焼却場におきまするごみを燃しますのでガスが出る、その関係。それから、いろいろとかす、その他を洗いますので水が出る。それからごみを燃しましても残りの灰が出ます、灰が残ります。その灰からの可能性。可能性としては大体そういうふうに考えられるかと思いますけれども、ごみ焼却場におきまする各種のデータ等も私どももいろいろと集めておりますけれども、常にごみ焼却場のガスあるいは水から、たとえばその大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法等で定められておりまする許容濃度以上のものがすでに出ているかというと、必ずしもそうではないようでございます。しかし、やはり燃すものの中に——これはまあ家庭ごみが普通多うございますけれども、やはり塩ビでございますとか、あるいは塗料等が塗られておりまする廃棄物、あるいは乾電池でございますとか、こういうようなものがまじっておりますると、その中に入っておりますカドミウムがそれぞれの残った灰の中にあるいは排水なりに出てくる可能性というものも一応考えられます。まあ具体的にこの松戸以下のところが、はたして焼却場のそうしたどこから出ているのか、あるいはほかにさらに原因があるのかにつきましては、私どもさらに千葉県のほうにも調査を命じております点でございますけれども、今後の問題といたしましては私ども十分関心を払って検討してまいりたい、かように考えております。
○赤桐操君 重ねてお伺いいたしますが、終末処置の指導というものについては、私は昭和四十五年にこの制度が制定されたと思うんですが、その当時の情勢といまの情勢との大きな差があると思うのですね。それでその当時の情勢で考えられた範囲の限界を越えているわけですよ、現状は。まさかこういう事態が発生しているとは当時は考えなかったと思うのですね。だから、結局終末に対するところの行政指導というものは非常に簡単な内容でしか出てないわけです。規則や省令等でもその点はあまりきびしく出てないし、その後における指導もなされていない。たまたま、県があわててことしの六月になって初めてそれに対する何らかの処置をしなきゃならないということで始めた程度なんですね。そういう意味で、もう一歩出て、この情勢が変わってきているという事実認識の上に立って新たにこれらに対応する姿勢をとる用意があるかどうか、この点ひとつお考えを聞かしてもらいたいと思います。
○説明員(山崎卓君) 具体的に申しますると、まあ焼却場から出ます可能性のあるルートは、先ほど申し上げましたとおり三つぐらいに大別できると考えております。その中で、私、一番やはり可能性の高いと思いますのは、燃したあとの灰の中に残っているもの、これをどこかに埋め立て処分なら処分をした場合に、そこに雨水がたまったり、降ったりなんかして浸出水が出てまいります。そういうような、可能性とすればそれが一番やはり高いのではないだろうか、かように考えておるわけでございます。そういうようなところ、結局最終処分、埋め立てのところをどういうふうにするかということでございますけれども、その前に、その灰の中に残らないようにするためには、まずそうしたカドミウムを含んでいるようなものを一緒に燃さないということも対策の有力な一つかと考えておるわけであります。事実、松戸市あるいは成田市あたりでは、四、五年前からプラスチック類とかかん類等の分別収集をやっておりまして、一緒に混焼するというようなことは避けておるようなこともございます。そういうことも一つの対策ではないだろうか、こういうふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、この問題さらによく実態を調査いたしまして、前向きに取り組んでまいりたい、かように思います。
○赤桐操君 そういうことでひとつ前向きで本格的な終末処置に対する省令なり、行政指導全体の強化をはかる、こういうことで進んでもらいたいと思うのです。 それから三つ目の問題ですが、ごみを焼却する場合に、いまお話のとおり、相当の量の水を使うんですね。噴煙が出ていきます。これに対して粉じんを落とすために洗浄用水を用いる。そういう形で、排ガスから粉じんを取り除くための洗浄用水が大量に用いられる、あるいは焼却によるところの、そのあとに残った灰の冷却のための水も使う、こういうことになるわけでありますが、ごみの焼却場周辺のカドミウム汚染というのはそういう中から出てきている。それからもう一つ問題は、煙からも出ると思うのですね。この煙の問題もひとつ対象にしなければならない。 そういうわけで、結局煙なりあるいはその汚水なり、そういうものが要するに積もり積もって農地に蓄積をされていく、それが土壌汚染という結果を招来をし、結局いまのような結果が出てきていると思うのですね。非常にこれは大きな問題だと思うのでありますが、民間の工場なんかであれば、それは生産工程の中でチェックすることができるでしょうけれども、この場合はいろいろな形で出てきているわけですよね。で、カドミウムの含有されている実態というものは、生産工程の中でかなりそればチェックできなきゃならぬはずですけれども、いまそういうようなことは事実は行なわれてはいないし、そう簡単にできないだろうと思うのです、事実問題として。そうなってくるというと、結局はこの自治体自体の中で解決をしていかなければならない、この焼却の中で解決をしていかなければならない、こういうことになるわけでありまして、カドミウムをそれぞれの各市町村のごみ焼却場で処置をしていくということになれば、当然結果的には市町村がこの被害防除の責任と膨大な財政負担を負わざるを得ない、こういう結果になると思うのですね。私の調べたところによりまするというと、野田市の場合では、生育中の稲のカドミウム含有量を減らすために、井戸の発掘、かんがい等を行なっております。これは学説に従って行なったものであって、開花の時期から稲穂ができるときに水をたくさん加えておくというと、いわゆる湿田にしておくというと、これは非常に結果的にカドミウムが出ないというそういう説によって直ちにこの処置をとった。そうすると、これらの諸費用も相当なものになる、その他検診等もやらなきゃならない。大体この間計上した補正が三千万円にのぼっておりますね。また、焼却場の残った灰をどういうように処理するのだという問題になってまいりまして、いろいろ現地でも検討を加えているようでありますが、それにコンクリートを固めるためにセメントをかける、そして大体鉄筋コンクリートに近い強度になるそうでありますが、ここまでくるというと、ほとんど外に出ないということがわかってきているわけですね。それから県のほうの指導によりますと、コンクリートの箱をつくってその中に詰めると、こう言っているわけですね。いずれにしてもこれは相当の費用がかかるのですよ、ここまでくるというと。こういう方法でないというと押えることができないというのがこの灰の始末だと思うのですね。いま野田市にあるいままでの灰の山を処理するのにはどれだけかかるか、一億をこえるであろうと、こう言われておるわけですね。それから毎年そういう水やらあるいは灰が出てくる、これに対する処置をするのにはどのくらい歴年かかるか、大体五千万円程度を見なければならぬ、こういうことが言われているわけです。そこまで処置しないと、ほぼ完全に近いものにはならないだろうと言われておるのですね。そうなってまいりまするというと、この人口七万程度の都市で、これだけのものをかかえていかなければならない、これは私は非常に大きな負担だと思うのです。この種の事業に要する費用を市町村が負担していくということについては、私は率直に申し上げて根本的に問題があると思うし、公害対策の原点に帰って、本格的に実は政府側の意見を伺いたいところでありますけれども、時間の関係がありますので、しぼりまして次の三点にひとつお答えいただきたいと思います。 第一は、いままで述べてきたようなわけで、これは千葉県の市町村のごみ処理場の周辺地区の問題でありまして、しかし、この性格を考えていただくとおわかりいただけるように、その性質上、これは千葉県に限定された問題ではない。千葉県が一つのはしりとして出てきた現象である。これはむしろ、今回の調査は千葉県のそれぞれの自治体が独自に行なった程度のものでありますが、米、土壌の調査にさらに大気、排水等を加えまして、本格的にごみ処理場の周辺地域に対する国の助成による総合的な細密調査、これを全国的規模で実施すべき段階にきているんじゃないか、こう思うんです。この点について、そういう考えがあるかどうか、この点ひとつ伺いたいと思います。 それから第二は、ごみ処理周辺地区のカドミ汚染を防止するために、国において市町村に積極的に協力をし、その対策を至急検討してもらわなければなりませんが、同時に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第四条三項の規定の趣旨にのっとりまして、市町村に必要な技術的、財政的な援助を行なうべきものである、このように考えておりますが、その用意があるかどうか。いままでは市町村、自治体の立場でもっと試験、検査、改良等を行なってきております。 第三点は、この問題の処理のために、いままで述べてまいりましたように、相当な財政負担を余儀なくされている市町村が現在あるわけでありますが、関係市町村の財政状況等を勘案いたしまするというと、特別交付税等の配分にあたって十分配慮をされる考えがあるかどうか。以上三点について、誠意ある御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) 第一番目の問題でございますが、確かに先生に御指摘いただきましたように、どうもこの原因が、こみ処理場にかなり原因がありそうだという感じを私ども持っております。そういう意味で、ただごみ焼却場の周辺に農用地があり、またごみの処理量がかなり多く、それからまた、排水、それから排水の処理の問題とか、そういう点いろいろございますので、いま関係県と早急に打ち合ちせをしまして、必要のあるところには、国のほうで助成をいたしております細密調査をなるべく重点を置いて実施をしていくという方向で県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○説明員(山崎卓君) 私も先ほど、カドミ汚染の関係がごみ焼却場との関連において可能性がないわけではないということははっきりいま申し上げたわけでございますけれども、千葉県の場合でも、私ども承知しておるところでは、四十九カ所ぐらいのところを調査したところ、四、五カ所ぐらいが出てきておる、こういうような実情でございます。したがいまして、ごみ焼却場は必ずカドミウムを排水するということにはならないわけでございます。問題は、ですからやはりひとつのポイントといたしましては、カドミウムを含んだものをなるべく一緒に焼かないというようなこともひとつの有力な対策の方向ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。全国的な調査、その他につきましては、なお環境庁その他とも十分検討いたしまして連絡をとりつつ行なってまいりたい。それから、ごみ処理施設につきます助成の問題につきましても、その設置の補助金につきましては従来から厚生省も補助金を交付してまいりました。これにつきましては、来年もさらに飛躍的にその単価等を上げまして、りっぱなものができていくようにという考え方で予算要求しておるところでございます。その中では、当然ながら排水の処理装置等々につきましても補助対象になっておるわけでございます。 以上でございます。
○説明員(松浦功君) これまでも環境汚染に伴いまする住民の健康診断経費等、こういった事象から起こってまいります特別の財政需要につきましては、毎年度、実態を伺って、当該団体の財政事情をも勘案をいたしました上、特別交付税で十分考慮してまいっております。ことしもそのような方針で臨ませていただきたいと存じております。
○赤桐操君 これは念のために申し上げておきますが、千葉だけの問題ではなくなってきますから。さらに私のところには運河というのがありまして、その運河という水の中へ、柏もそれから野田もこの汚水を全部注いでいますから、現在。これはやがて東京都民の飲料水になる計画だそうでありますから、この辺も念のために申し上げておきます。 要するに私は、いま申し上げてきたように、少なくとも四十五年の法制定当時の情勢では、いわゆる施設に対しては補助とかそういうものについて非常に勘案されておったし、またそれで済んだと思いますけれども、今日の段階では、情勢が結果的にこういう問題を招来しておりまするからして、したがって、それはもう一歩突っ込んだ形で改良あるいはそれに伴ういろいろの公害対策に必要な諸費用というものを自治体が背負わなければならぬというところにきた以上は、国がこれを避けて通ることはできないと思うので、その点は四十五年十二月十一日の政府統一見解でも示されていると思いまするので、そういう観点に立って御検討おきを願いたいと思います。
○国務大臣(町村金五君) いまいろいろ御指摘がございましたが、確かに御指摘になりました問題は、私どももこれは千葉県だけの問題でなかろう、全国同じような共通の問題であろうというふうに判断をいたしておるわけでございます。 なお、ただいま御指摘のございました中で、比較的廃棄物の処理に関する施設等については、補助金あるいは交付税等で相当に見てもおり、これは相当に金額も年々増額をされて処理をされておるということは、すでにお答えを関係者から申し上げておるとおりでありますが、ただいま御指摘になりましたような問題は、確かに新しい問題としてさらに深く検討をいたさなければならない問題であろう。これは自治省というよりは、むしろ他の関係省において十分検討をされ、自治省としてもそれに協力を申し上げるというような方向でこれに対処していくべきものであろう、かように考えておるところでございます。
○上林繁次郎君 私、自治医科大学について、この設立にあたって何点か御質問していきたいと思います。 私が申し上げるまでもなく、この自治医科大学が設立されたその意義といいますか、それは過疎地の医療対策の一環、こういうようなことで昭和四十七年に発足したわけでございますが、御承知のように、こういうふうにインフレ、物価高というようなことで、当初考えられていた資金計画、こういった計画に大きな狂いを生じてきた、これはもう当然だろうと思いますが、どの程度狂いを生じてきたのか、その点一つ。
○説明員(松浦功君) 自治医科大学の建設費は、当初七十五億という計画でスタートいたしまして、最終的には百九十八億という形に相なっております。
○上林繁次郎君 百九十八億。当初が七十六億ですか……。
○説明員(松浦功君) 五億でございます。
○上林繁次郎君 五億。だいぶの開きが出てきたわけなんですが、たとえばその負担金ですね、これについては特別交付税、これで措置をされているわけですね。それでその総額、それから各県別の交付金額を、これを年度別にひとつお聞かせを願いたいと思います。おわかりになりますか。
○説明員(松浦功君) 都道府県の負担金は六十五億ということで、特別交付税で措置をいたしております。 県別はこれは一律じゃないんで……。
○上林繁次郎君 それじゃ、年度別に。
○説明員(松浦功君) 四十五年度、沖縄は除きまして四千万、四十六年度、沖縄を除いて四千万、四十七年度、沖縄を除いて四千万、四十八年度、沖縄も含めて一千九百万、四十九年が沖縄だけ四千二百万、五十年が沖縄だけ七千八百万と、こういう形になります。したがって、それを合計をいたしますと、四十五年度で十八億四千万、四十六年度十八億四千万、四十七年度同じく十八億四千万、四十八年度が八億九千三百万、四十九年度四千二百万、五十年度七千八百万、合計いたしますと六十五億三千三百万と、こういう数字になっております。
○上林繁次郎君 続けてお聞きすればよかったんですけれども、これに対して出資金がございますね。出資金の内容について、やっぱり同じようなあれでよろしいですからお答え願いたい。
○説明員(松浦功君) 出資金の総額は百二十三億でございますが、これは全部地方債の発行を許可する、そしてその元利償還金を年次別に従って普通交付税に算入するという措置をとっております。 金額といたしましては、四十七年度は沖縄県と栃木県を除きました県が六千万、栃木県が十億六千万、それから沖縄はこれはございません。四十八年度が栃木、沖縄以外が八千万、栃木が十億八千万、沖縄が八千万、四十九年度が栃木、沖縄以外が五千八百万、栃木が十億五千八百万、沖縄が五千八百万、最終年度の五十年度、来年度は沖縄だけが六千万ということになっておりまして、四十七年度が、いまのような結果三十七億六千万、四十八年度が四十七億六千万、四十九年度三十七億二千六百万、五十年度が六千万、あわせて百二十三億六百万ということになっております。
○上林繁次郎君 負担金もそうでありますけれども、出資金の場合、この原資がいわゆる起債であるということですね。その起債の元利償還分については今後特交でこれを見ようというような、そんなような考え方なんですか、その点どうですか。
○説明員(松浦功君) 御指摘のとおり、償還金については償還計画が出てまいりますから、それに基づいて、それぞれの償還年度で特別交付税で措置をすると、こういう方針であります。
○上林繁次郎君 そこで、特別交付税で負担金、出資金の措置をやるということなんですが、いわゆる特交の本旨といいますか、特別交付税、この本旨というか、これに立脚した場合に、これは当然特交のワクというものがあるわけですから、こういったものを特交で扱うという考え方がいいのかどうかという問題こういった点、どういうふうに考えておられますか、ひとつお答え願いたい。
○説明員(松浦功君) 自治医大は、いわば、全国の自治体が一緒になっておやりになっておられる事業というふうに観念をすべきものかと思うのでございます。その利益は、もちろん国の医療行政にも役立つと思いますけれども、一番地方団体が困っておられる辺地行政というものに役立てる趣旨で出発したわけでございますので、地方公共団体固有財源の中で、各団体に、何と申しますか、不平等が起こらないような形で措置をしていくということは、現在の制度のもとでは——必ずしもこれが特別交付税のやり方にぴしゃっと合っているということを申し上げるべきかどうか知りませんけれども、そういう趣旨からいたしますれば、私どもとしてはやむを得ない措置であろうかというふうに考えております。
○上林繁次郎君 深くその点については議論しようという考えはありませんけれども、いわゆる自治医科大学を設立するということについては、これは既定の事実というか、これは明らかなわけですね。ですから、そういう明らかなものについてわざわざ特交で措置をするというその考え方、特交には、特別交付税を交付するという場合には、こういう事態が生じた場合にこれが適用されるんだというような、そのためのいわゆるワクとして六%ですか、これが確保されておる。そうなりますと、何かの場合に——もちろん、その全体の六%という、それは意味があって六%の確保をしておると思う。いろいろな諸般のいままでの経験からもですね。で、そういったことで、もし、こういったわかり切ったものに対して特交として扱った場合に、そのいわゆる特別交付税それ自体の運営に支障を来たさないか、そんな感じがするんですが、その点どうでしょう。
○説明員(松浦功君) この点につきましては、昨年の法案御審議の際にもいろいろと各先生方から、特別交付税の六%のワクは多過ぎるじゃないか、もう少しつづめて普通交付税に回したらどうかという御意見もちょうだいし、大臣からも、特別交付税でルール計算でやっていて、普通交付税に技術的に投げ込むことができるようなものはそうしたいんだという御趣旨のお答えを申し上げたとおりでございます。現在の状況からいたしますれば、自治医大に対するものを特別措置で見るために、本来特交で処置すべきものが、ワクが不足のために処理ができなくなるというようなことはまずないものと私どもは考えております。
○上林繁次郎君 いわゆるこの自治医科大学の運営費ですね、運営費については基準財政需要額に算入されておると、こういうふうに聞いておるわけですが、そこで、普通交付税でどの程度の措置が金額的にどのようにされておるのか。
○説明員(松浦功君) 一府県当たり五千八百万円をそれぞれ負担をしていただくという予算になっております。五千八百万普通交付税で措置をいたしております。
○上林繁次郎君 そこで、自治省のいままでの考え方、その考え方からしますと、いわゆる大学の教育関係に関する費用、これは原則として授業料でまかなうという、こういう考え方、それから病院運営の経費については、これは原則として診療報酬でやるんだと、こういう考え方を自治省は持っておるわけですね。ところが、自治医科大学の場合は、授業料の免除制度、こういうものがありますね、それから看護婦の養成などを行なおうという。で、こういったことを考えますと、一般の大学あるいは病院の場合と違うわけです。したがって、違うということは、そのいわゆる超過した分といいますか、その分は各県が分担をしなけりゃならぬという、こういう立場になるだろうと思いますね。そこで、交付税に織り込まれているいまおっしゃった五千八百万、この五千八百万のいわゆる積算の根拠といいますかね、これはどういうところに置いているのか。当然いま申し上げたように、各県が負担をしなければならない問題が起きてくることは当然であろうと思いますがね。それをあわせて今後の問題、それが必ず出てくるということ。その場合ですね、根拠と、それから将来にわたってのそういう問題処理に対する一種の考え方、こういったことについてひとつお答え願いたいと思います。
○説明員(松浦功君) 御承知のように、自治医大は非常に特殊でございまして、授業料をとらないのみならず、いろいろ学生に経費まで交付をするという形で、将来の一定の義務づけと申しますか、拘束をそれで付するということで僻地医療に役立たせようという制度から出発しております。したがって、一般の大学とはちょっと財政の問題は違うかと存じます。そのことは先生の御指摘のとおりでございます。私どもが毎年各都道府県に御負担を願うということの計算の根拠は、これはあくまで大学の実態を大学当局から十分お伺いをいたしまして、そしてこれだけの負担金が要るだろうということで、いわば予算査定のような形で計算をいたしまして、それをそれぞれ設立者でございます都道府県等に御了解をいただくという形で決定をいたしておるわけでございます。御承知のように、現在まだ三年目でございます。したがって、六年制が整うまでにまだ負担金が少しずつふえていくという形になりますので、この辺のところについては運用が乱に流れないように十分私どもで見回りつつ、かつ必要な経費は確保してよりよい学生を育て上げると、そして僻地医療に役立つようにしていくという方針でわれわれとしても十分関心を持ってまいりたいと、このように考えております。
○上林繁次郎君 そこで、この十九日に、いわゆる教育部門、研究部門、診療部門、こういったものが全機能が活動を開始した。そのための記念行事があったわけですが、すべての機能が活動を開始したと、こういう中で、そのいわゆる病院に関しては非常に問題になっているんではないか。ということは、いわゆる看護婦不足というような問題、こういったことで非常に大きな問題になっている。せっかくりっぱな——八百八十床くらいですかね、そういう大きな規模を持っていながら、これを十分に活用できない、生かせない。わずかな約一五%程度しかそれが活動していない。こういうようなこの実態の中で、なぜそれじゃそういった状況下に置かれているかといえば、これはやっぱり看護婦問題であろうと思う。こういった問題を今後どうしていくのかという問題。入れものだけつくったけれども、それに伴ういろいろなその体制ができ上がらない。これは早急に何とか考えなければならない、また措置しなけぜばならない問題であろう、重要な問題であろう、こう思います。そこで、そういった点について今後どういうふうにお考えになっておるのか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(松浦功君) この問題については、法人の側においても、最大の問題として目の色を変えて取り組んでおるようでございます。各都道府県に御協力をいただくという形で現在最大の努力をしておるようでございます。ぜひ効果が出てまいりまして、大学の運営が円滑に行なわれるようにわれわれとしては期待をいたしております。また、法人の活動のみで力足りずという場合があれば、自治省当局も各府県知事に側面的に御協力をお願いするというような努力も繰り返してまいりたいと、このように思っております。
○上林繁次郎君 非常に簡単な御返事でございましてね。 ちょっと私のお尋ねする最後なんですがね、大臣ひとつ。何のために自治医科大学をせっかくつくったのかという問題、これは重要な意義を持っているわけです。しかし、その運営にあたってはいろいろなところに支障を来たしてきている。これではせっかくりっぱなものをつくり、そのりっぱな趣旨を持っているこの問題——問題といいますか、これを充実させていくことができないということなんで、これはもう非常に自治省としても重大な問題として真剣にぼくは取り組んでいかなければならない問題だろうと思う。そこで、まあいわゆる滞りないというか、そういった運営をやっていくために、自治省としては、看護婦問題を含めてどういうふうに今後おやりになっていくのか、まずその辺の大臣の責任ある立場でひとつお答えを願いたいと——前にお答えいただいたのが責任がないというわけじゃありませんが、ひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(町村金五君) 私も先日大学の落成式に参列をいたしまして、学校の設備あるいは病院の施設というようなものを一通り見せていただきましたが、いままであんなりっぱな医科大学は、私は少なくとも寡聞にして見たことがない。まことに近代医学の粋を網羅したようなすばらしい設備のように見てまいったわけでございます。ただその際、病室がどうも入院患者が非常に少ないという感じがいたしたのであります。もちろん、まだ学生はようやく三年生が教養課程を終わって、これからほんとうの医学の勉強に入るという段階でございますから、その点は一面まだまだこれからだなあということも感じたわけでありますが、その際、学長その他から伺いましたことは、なかなか看護婦が十分に、こちらが計画をしておったようなぐあいにまだ看護婦が確保されていないというお話も伺ったのでありまして、もしこのままの状態で推移していくならば、学生のいわば臨床的な研究にも支障を生ずるおそれがあるというようなことで、目下看護婦を確保するということには実は全力を尽くしているところである、看護婦の養成の施設あるいは看護婦の宿舎というようなものもちょっと他には類がないくらいすばらしい設備であるのだ——まあそこは見せてもらう時間がございませんでしたけれども、そういう説明でございました。いずれにいたしましても、学校当局としては、看護婦の確保ということには全力を尽くしておるようであります。自治省としても、あるいはそういう点できるだけ協力をさらにしていかなきゃならぬのではないかというように感じてまいったわけでありますが、いずれにいたしましても、看護婦を必要程度のものを確保しなければ病院としての機能が発揮できない、学生の教養にも重大な支障を生ずるということは、これはもう言うまでもないと思うのであります。この点について、どこに一体なかなか入手が困難な点があるのかというような問題等を含めて、さらに学校当局が真剣な検討をいたしておることと思いますので、われわれとしても協力のできるところはひとつできるだけ協力をして、その実の上がるようにわれわれもできるだけの努力をしていきたい、こう考えております。
○神谷信之助君 私は最初に、まず、いま兵庫県の朝来郡朝来町で起こっておるところの、部落解放同盟の、いわゆる朝田一派といわれる組織の下部組織の澤支部の数百名の者が起こしておる事件について質問をいたします。最高裁が出席できるといいわけですけれども、かわって法務省のほうがそれを聞いてもらってくれるようにと連絡してありますから、法務省のほうにまず最初にお尋ねをしたいと思います。 この問題で、昨夜、神戸の地方裁判所の豊岡支部で仮処分の決定を出されました。したがって、この仮処分の申請、それから決定に至る経過及び決定の内容について説明をしていただきたいと思います。
○説明員(萩原直三君) お答えいたします。 私どもも時間がございませんので、正確な詳しい内容はまだ明らかにすることができるまでに至っておりませんが、ただいままでに判明しました事実について御報告を申し上げたいと思います。 まず、この仮処分申請の債権者は橋本哲朗となっております。それから債務者は部落解放同盟澤支部でございまして、この代表者は支部長の丸尾という方のようでございます。 その申請の理由を要約いたしますと、債権者すなわち橋本さんは、小学校の教員で、教員組合の朝来支部長の役職にあるようでございます。債務者は、この債権者側の主張によりますと、反共部落排斥主義を唱える部落解放団体であって、正当な部落解放運動をする債権者をことさらに敵視し、その運動を妨害するために、今月二十日の六時ごろから、傘下の同盟員約三百五十名を債権者の自宅前に集合させて、投光器五基、テント八基を設置し、その辺を徘回たむろして気勢を上げている。さらにこの実情調査に来た共産党の木下議員等も包囲して、これらの人たちが外出できない状態になっておる、こういう申請理由をあげまして、次のような仮処分を求めてきたわけでございまして、それはただいま申し上げます仮処分決定の主文とほぼ同じでございます。 その主文を申し上げます。 第一は、「債務者は、自ら又は第三者をして債権者の居宅(兵庫県朝来郡朝来町口田路二五〇の一、以下同じ)の周囲を多人数で包囲し同居宅に向けて拡声機を使用するなどして大声を発し、投光機で同居宅を照射するなど債権者の私生活の平穏を侵害する行為をしてはならない」、これが第一項であります。 第二項は、「債務者は、自ら又は第三者をして債権者の居宅の周囲を多人数で包囲し債権者の居宅からの出入りを自動車などで妨ぐなど債権者の居宅からの出入りを妨害する行為をしてはならない」、これが第二項でございます。 第三項としまして、訴訟費用は債務者の負担とするということになっております。 そして、ただいま御説明申し上げました仮処分の申請は、十月二十三日の午後二時に出されまして、同日の夜九時ごろに決定が出されたわけでございます。 どのような審理をしたかということも、これははっきりわかりませんが、書面審理で、審尋はしておらないようでございます。それから債権者側から、疎明資料としまして実情報告書、それからビラ、「赤旗」十月二十三日付のものが出されておりまするし、さらに債権者代理人の報告書が出されております。決定の理由は、相当と認めるという程度のことが書いてあるだけでございまして、具体的なものは何も記載されておりません。 さらに、債務者には二十四日早朝、郵便で送達に付しているということのようでございます。 大体以上でございます。
○神谷信之助君 この仮処分の決定は、神戸の地裁の判事自身も現場を見て、そして出されたという、そういう仮処分の決定経過であります。そこで、いまの仮処分の決定の内容で明らかだと思いますが、特に人権擁護局長に、人権擁護の立場からお尋ねをしたいと思います。 いまの仮処分の申請の内容、それから決定の内容でももうはっきりしておりますように、橋本先生及びその家族、これらの社会生活の自由が拘束をされている。そして、しかもその家族は八十九歳のおばあさん、六十一歳のおかあさん、それから奥さんも小学校の先生、それから子供は小学校二年の長女、それから三歳の長男、一歳の娘がいる。そういう家族ですね。だから、お年寄りからまだ一歳という娘までかかえたそういう七人の家族、これに対して、昼夜を分かたずラウドスピーカーでがなり立てる、あるいは投光器で照射をする。まさにこれはひどい状態で、しかも言っていることは、その八十九歳のおばあさんに対して、「両足がかんおけにつっこんどって、死んだって庭に埋めんならんぞ」、すなわち墓には埋められぬぞ、葬式は出させぬぞというようなことも言ったり、あるいは松の木があるからその松の木で首つってしまえと、自分でようつらんなら助けたるぞというようなことも言っています。あるいは赤犬とか、いろんなばり雑言を夜三時、四時ごろまでですね、こういう状態が続いている。そして道路上には——五メートルぐらいの道路です。——三十メートル余り自動車を連ねて、出られない、そういう状態が起こっている。これはまさに著しい人権の侵害だと思うんですが、人権擁護の立場からこの点についてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○説明員(萩原直三君) この問題につきましては、私どもの下部組織であります神戸地方法務局及び豊岡支局の担当職員が直ちに取り調べを開始しております。ただ、何ぶんにも時間の関係で事実関係がまだ把握できない状況でございますので、私どもの立場からこの問題をどう見るかということは、実はまだお答えできない状態でございます。ただ、もしただいまお話しのような強制、圧迫に類する行為がございますとしますならば、これは人権上看過できない問題ではなかろうかと、このように考えております。
○神谷信之助君 先ほど、最高裁に問い合わせをしてあなた自身が、仮処分の申請と、それから決定の内容を述べてもらったわけです。これは事実なんですね、裁判所がそういう仮処分を決定したことは。仮処分の決定の内容を見れば、明らかにそういう行為がやられているわけです。すなわち、居宅の周囲を多人数で包囲をしているとか、それから居宅に向けて拡声機を使用するなどして大声を発しているとか、そして投光器で同居宅を照射する、こういった債権者の私生活の平穏を侵害する行為を現にやっているから仮処分決定出ているわけでしょう。さらに、債権者の居宅の周囲を多人数で包囲し、債権者の居宅からの出入りを自動車などでふさぐなど、出入を妨害する行為が現に行なわれているから、行なったらいかぬと、こう言っているわけです。そういうことで決定が出ているわけです。ですから、事実このことがあるということは裁判所自身も認めて決定をしている状態ですが、ですから、この点は、客観的にもそういう事態というのは人権の侵害になるというふうに私は思うんですが、その点はいかがですか。
○説明員(萩原直三君) この仮処分の中身自体も実は電話で問い合わせたという状況でございまして、実ははっきりしないのでございます。ただ、この報告によりますと、やはり審理状況は書面審理であり、疎明資料としては債権者側から出された書類によっておると。ただ、先ほど御指摘のように、裁判官が実際に現場の状況を見て審理の参考にしたというふうな事実もあるようでございます。ですから、私どもとしてはこの仮処分決定についてとやかく申す気持ちは毛頭ないのでございますけれども、御承知のように、われわれ法務省の人権擁護局といたしましては、この裁判とはかかわりなく、やはり自分たちの立場で、自分たちの担当職員が実際に調べた上でないと、はたしてこのとおりの事実があるかどうかということをただいまこの席では申し上げかねる状況でございますので、その点はぜひとも御了承願いたいと思います。
○神谷信之助君 それじゃ、先ほど私が言ったような状態、先ほどちょっとあなたのほうもお触れになりましたが、そういう状態があるとすれば、それが事実であれば、やはり人権の侵害になる疑いがあるということは明らかだと思いますが。
○説明員(萩原直三君) そのような事実がかりにあるとすれば、これは確かに人権上由々しい問題でございまして、私どもとしてはいかなる意味でも暴力は否定されなければならないと思っております。ただ、私どもとしましては、そのような行為が起こらないように、関係者のいわば心の啓発をつとめるということに重点を置いておりまするし、今後もこのようなことが起こらないように、もしこういう事実があるとすれば、そういうことが再度起こらないように関係者に説得を試みたいと思っております。
○神谷信之助君 それじゃ、次に刑事局のほうにお伺いしますが、いままでの質問で状況大体明らかになったと思うのですが、このように橋本先生とその家族が、終日、ラウドスピーカーで大声でやられたりあるいはばり雑言を投げかけられたり、あるいは居宅の出入が自由にできない、それに社会生活上、一時自由が奪われているという状態が続いているわけです。こういうひどいことがやられているわけですけれども、これはいわゆる犯罪にはならないのですか。
○説明員(河上和雄君) 現段階でまだ検察庁が事件を受理しておりませんので、事実関係については、抽象的に先生のおっしゃったとおりということでお答えいたしたいと思います。考えられますのは、事実関係いかんによるわけですけれど、たとえば暴力行為等処罰二関スル法律の第一条で、多数の威力を示して脅迫的言辞を弄すること、これは処罰されております。それから軽犯罪法の一条の十四号、これは公務員の制止を聞かないで大きな声で人に迷惑をかける、それからあるいはその被害者が業務を持っておって、まあ会社員というかあるいは教員でございますが、そういったほかに家庭で仕事をされていると、そういった仕事がたとえば威迫的な言辞で妨害されたということになると、あるいは威力業務妨害ということも成立し得る余地がある。そのほか、事案いかんによりますか、逮捕監禁——刑法の二百二十条でございますが、そういうものも考えられないわけではないだろうと思います。ただ、事実関係が何ともはっきりいたしかねる状態でございますので、抽象的には、その際の暴力的な言動というものが相当従来の判例、学説から見て強いものならば問題ないというふうに思います。
○神谷信之助君 このいわゆる部落解放同盟朝田一派という組織ですね、これが単にここの朝来町でこういう問題を起こしているというだけじゃなしに、未解放部落の出身者以外はすべて差別者だという立場に立って、そして差別でない者でも糾弾をして、そして暴力的に押え込んでいく、あるいはさらには自治体にまで不当な要求を突きつけて屈服させるというふうな事件がずっと起こっておって、これはわが党の議員が、衆議院でも参議院でもそれぞれの各委員会でいままで明らかにしてきているところです。まさに暴力集団であり、そして自分たちの利益を追求する、そういう集団になってきているという状況で今度の問題も起こっているわけです。したがって、裁判所のほうも、仮処分を、実際の現場も見て、そしてこういう決定をする状況になっているわけです。 そこで、警察庁のほうに伺いたいのですが、仮処分決定が出て以後、どういう対応をなさっていますか。いや、仮処分決定だけじゃなく、この事件が起こってからずっとどういう対応をされてきたか。
○説明員(山本鎮彦君) この事件については兵庫県警のほうから報告が来ておりますが、これによりますと、十月二十二日午後、先ほどお話のありました木下議員ら一行が兵庫県朝来郡の朝来町において部落問題について調査のためおもむかれたとき、調査先の朝来町の口田路にあります橋本氏方を訪れたところ、解放同盟の人たち約三十人が同人宅付近に押しかけて、調査を終えてそこから出発しようとした木下議員ら一行の乗用車の前方に宣伝カーをとめて出発を妨害した。それから、解放同盟の人たち約五百人が同人宅の付近に来て、集団的な抗議をずっと二十三日——昨日までですか、ずっと行なっている、こういう事案が発生した。それであすこは、警察でいいますと和田山署の管内で、警察の本部は神戸にございますので、そこから機動隊等所要の警備部隊を直ちに派遣をいたしておりまして、この部隊は大体五時ごろ——四時から五時にかけてだんだんと到着いたしまして、この和田山署の署員と一体になって不法行為の防止等につとめたわけです。特に車でふさいでいるということで、この車はやはり道交違反の疑いがあるので、すぐにどくようにという警告を繰り返した。ところが、中に入ってロックをしてしまったということで、なかなか車が動かない。それで、排除にかなり手間どってしまった。そういうことで、木下議員一行は一応出られたんですけど、また橋本氏のうちに戻ってしまったというようなことがあったようでございますが、その後、警告に従ってその車は動いたということで、それから所要の部隊も配置いたしまして、木下議員のほうには、もう十分な措置をとったのでどうぞ出発されたらいかがかということを再三申し上げたんですが、自分はこの問題が解消するまでは出るわけにいかないというようなお話でございまして、そういうことであれば、われわれとして、いつでもお出になるときにはわれわれで十分警戒警備いたしますのでという形を再三申し入れるところにとどめておきまして、その他、そういう部落解放同盟の方もかなりそこいら付近におるということでございますので、部隊を付近にとどめて所要の警戒措置をとったという報告が来ております。その他、デモ等も二十日ごろから行なわれているということ、これは道交法関係で許可をとってやっておるわけでございますが、その過程で、ただいまお話のあったようなことが実際にあるのかどうか、そういう点も十分調査いたしまして、われわれとしては、それがどういう運動であり、どういう目的であるにしろ、違法行為が行なわれるというようなことがはっきりすればこれは厳重に取り締まるという態度で、現地としてもその心がまえで十分この問題に対処しているという報告が参っておる次第でございます。
○神谷信之助君 現在はどうなっておりますか。
○説明員(山本鎮彦君) 現在は、木下議員は昨晩出発されたというふうに聞いておりまして、現在はやはり橋本氏のお宅付近に、八十メートルぐらい離れたあき地に天幕が張られており、そこに解放同盟の人たち二、三十名がおる。それから付近にもやはり四、五十名の人が行ったり来たりしておるというような状況があり、そういう意味で部隊を警戒的に付近に配置してそういう状態を監視しているという状況でございます。
○神谷信之助君 けさも朝七時ごろから家の前に宣伝カーを持ってきて、そしてボリューム一ぱ上げてですな、赤犬とか、それからさっき言ったような、おばあさんに対して松の木で首つってしまえとかやっているんです。仮処分の決定が出ているのに、まだそういう状態が続いているというのは一体どういうことなんですか。
○説明員(山本鎮彦君) 仮処分は、われわれとしては、その内容についてはただいま伺いましたし、けさも「赤旗」に出ておりますので、そういうことは承知いたしておりますが、われわれとしては、警察の立場としては、警察自体そこら付近にやはり適当な者を配置いたしておりますので、そういう者の独自の判断によって違法行為があるということになれば、これは所要の措置をとるというたてまえでおりますので、いま言ったようなお話、事実関係がはっきりすれば所要の措置がとられるものというふうにわれわれとしては考えております。
○神谷信之助君 冗談じゃないと思うんですね。先ほど法務省の刑事局参事官も言ったように、そういう行為が現にやられておれば、たいがい暴力行為等の取り締まりの法令にも、あるいは脅迫にも、あるいは監禁にも、そういう罪状に該当する話があったでしょう。それで警官は現地におるんでしょう。そうして裁判所の仮処分の内容は、先ほど言ったように、具体的にもう居宅の周囲を多人数で包囲をして、そしてその居宅に向けて拡声機を使用するなどやって、債権者の私生活の平穏を侵害する行為をやっておる。こういう行為は、先ほど法務省も言っているように、そういった犯罪に該当する。現にそれがやられている、そこに警官がおるんだ。なぜやらぬか。やれないことがあるのか。これをはっきりしてください。
○説明員(山本鎮彦君) ですから、私が申し上げましたように、そういう事実があり、そういう事実を警察官のほうで現認しておれば、しかるべき所要の措置をとるということになるというふうに判断をいたしておるということを申し上げます。
○神谷信之助君 家に向けてラウドスピーカーでやっているんですよ。それで夜中の三時、四時ごろまでそれをやっておるし、投光器で照射しておる。その行為自身は、多人数でそれをやっているわけですから、それは犯罪に該当すると法務省も言っている。済んだことじゃない。現にやっている事実があるのに、それはまだ違反ではないという立場で警察のほうはおるということですか。
○説明員(山本鎮彦君) ですから、そういうような行為が、警察官が現認して、それについて十分の調べがいき、調査が進み、間違いないということになれば、これは犯罪として問擬できます。いま一方お話を承っておるわけですけれども、事実上そういうことが実際にあるのかどうか、その点をいま警察のほうで調べているということになるわけでございます。
○神谷信之助君 調べなきゃわからぬような行為でないでしょう、現に起こっておるのは。一昨日からずっと続いておるのは。現に警官もそこへ行っているわけです。そういう行為がやられているのだ、事実。やられているから仮処分の決定も出ている。私はきょうも現地を調べて、朝七時から来てやっている、また。これは現行犯じゃないのか。事実を調べると言って、一体何を調べるというのか。大体、昨日三時五十分ごろですか、衆議院の林代議士も国島官房長に会って、そういう事態について至急処置をせいと、なぜ放置をするのかということを警察庁のほうにも申し入れをしているわけですね。衆議院の地行委員ですがね、林さんは。そしてさらに、警察庁の安達真五さんですか、これとも林さんとの間で話をして、それじゃ夕方の七時には木下さんのほうも家を出る、そういうようにしようということで話をしているのに、実際に出たのは十時ごろなんですね。出ようということで話がきまってもなかなか出られぬという状況なんです。まさにこれは、相手側にいま話し合いをしているとかなんとか言っているらしいのだけれども、まさになれ合い、こう言わざるを得ぬですね。泳がせている、暴力を見のがしていると言わざるを得ぬと思う。大きな顔をして、大阪の羽曳野でもあるいは松原でも、あるいは京都でも、至るところで起こっているのですよ、こういう事態が。ところが、それに対して警察側が何らの処置をしない、こういう状況なんです。仮処分の決定が出てもなお、そういう状態を解決しよう、なくそうともしない、処置しようとしない。まさになれ合いだ、こう言われてもしかたがないと思うのです。この点どうですか。
○説明員(山本鎮彦君) 昨晩七時ごろから木下議員が出発されるということで、所要の措置は、われわれとしても十分兵庫県警のほうにも連絡いたしまして、とったようでございます。たまたま出るときに千人近いデモが通るということで、無用のトラブルが起きてもなんだということで、一たんそのデモの通過を待って出られるというようにしたというふうにわれわれは聞いております。警察としては、違法行為があった場合、これを見のがすというようなことであってはならないわけでありまして、先ほど申し上げました、最初に出た車についても、それぞれ警告あるいは排除というような措置はとっておりますし、先ほど申し上げましたように、現地において違法行為があれば、これは検挙するなり呼び出すなり、そういう所要の措置はとるようにというふうに、これは兵庫県のほうにも連絡をしておりますし、兵庫県としてもそのつもりで十分実態を調査して、違法行為があればこれは取り締まる、こういうふうにわれわれのほうに報告しておりますし、おそらく一部においては、すでに所要の措置、すなわち捜査の着手もしているというふうに考えておりますが、まだ具体的にだれだれを検挙する、したというようなことは聞いてないだけでありまして、警察としては、そういうものの措置について、積極的に、違法行為を放置するというようなことのないような姿勢で現地はやっておるものと、こういうふうにわれわれは確信をいたしております。
○神谷信之助君 数年前に私自身も経験しているのです。当時の京都の府庁の職員の労働組合の副委員長をやっていた大槻高君、この彼の家へ、十二月の二十日過ぎから大みそかに至るまで、連夜家の前へ来て、夜半にわたるまでラウドスピーカーでわあわあやるというのが続きました。家族のほうがもう奥さんも子供もノイローゼ。早くにいなかのほうへ帰す。そうして、われわれのほうから、危害を加えられては困りますから、護衛もつくということをして、一一〇番に、何ぼ警察へ電話したって、のけませんよ。のけなかった、われわれがのかさない限り。現にこれがもう何日も続いているわけです。きょうも朝電話しましたが、もう家族もそうやられているのですから、食事してものどを通らぬというのです。もうノイローゼぎみなんです。そういう事態をなくさなければいかぬわけです。この点、こういう事態が起こっていますので、大臣もう時間で出ていかなければいかぬのでえらいすみませんが、ひとつ公安委員長の立場から、こういう仮処分の決定も出る。しかもその処分の内容は、お聞きのように、具体的に法に触れるような行為が行なわれることをしてはいかぬというのです。それがまだ警察のほうでは、それが法に触れる行為とは認めないといって何の措置もしていない。こういう事態について公安委員長としての責任ある——この橋本さん家族の人権を守る、この見地から、ひとつ見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村金五君) いま神谷議員と警備局長その他とのお話し合いを私も伺っておったところでありますが、申し上げるまでもなく、日本の警察といたしましては、いやしくも法に触れるような違反の行動がある場合には、これは相手がどういう方であろうと厳正な取り締まりをするということは、これはもう当然のことと私は考えております。ただ、いま御指摘になりましたような事案について、神谷議員の御指摘になることと、警備局長等がお答えを申し上げておるところに、多少の食い違いがあるように私も伺ったわけでありますが、おそらく私は、そういう場合には、警察権の行使を行なうか行なわないかということは、現場におりまする警察官の判断によって私は行なわれておることと、かように考えるのでありまして、もしいまだ何らの措置がされていないとするならば、警察としてはまだその時期にあらずという判断をしたのではあるまいか。いずれにいたしましても、相手がどういう方であろうと、またどういう事情がございましょうと、いやしくも法を犯すような行動があれば、これに対して警察がとるべき正当な措置を講じないということはあり得ないし、またそういうことは許されないことだと、私はかように考えておりまするので、現地につきましては、現場に派遣をされておりまする警察官の判断によって警察権の行使が厳正に行なわれるべきものだと、かように私は考えておるところでございまして、いまの具体の問題につきましては、おろらく私がいまお答えを申し上げたようなふうに現地の警察官は判断をしておるのではないか、かように見ておるところでございます。
○神谷信之助君 大臣退席されるようですが、最後に一つだけお願いしておきますが、要望しておきますが、すでにこういう事態が三日ないし四日続いているのですよ。それでまだ警察のほうは何らの措置をしない。その措置をするのは現場の警官の判断だと。しかし、現場の警官が何をやっているのか。そういう状態にある場合に、これは国家公安委員長としては、そういう点についてちゃんときびしく点検もし、指導もしてもらう。現にその橋本さんの家族七人は三日、四日とそういう事態に閉じ込められたままでしょう。しかも八十九歳のおばあさんも、一歳の赤ちゃんも——三つの長男は腕を骨折しているのです。病院に通院せなければならぬ、そういう人もおる。夫婦は両方とも教員。御主人のほうは学校にも行けない。奥さんもきのうはとうとう行っていません。こんな状態が起こっている。それで、見ている現場の警官がまだどうにも措置できないというのは、一体どういうことかということです。ひとつこの点、国家公安委員長として十分判断をして、少なくとも仮処分の決定が出ているように、もとの平穏な生活ができるように、そういう異常な事態、不正常な状態というものを一日も早く直すようにやっていただきたい。ひとつそういうことで、どうぞ退席してください。まあこの辺で……。
○委員長(久保田藤麿君) 本件に対する調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会 —————・—————