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73回国会参議院1974/11/14

社会労働委員会 閉会後第2号

発言数
281
登壇者
18
会派数
5
開催日
1974/11/14

会議録

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十月三十日、斎藤十朗君が委員を辞任されました。また、去る十一月十二日、鹿島俊雄君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君が選任されました。     —————————————

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。小平君。

小平芳平公明党

○小平芳平君 本委員会を代表して、山崎委員長、片山、沓脱の両委員、それに私、小平によりまして、去る十月二十九日から五日間の日程で、沖繩県下の厚生、労働行政の実情調査をしてまいりましたので、御報告いたします。  今回の調査は、医療及び米軍基地の日本人労働者の離職対策等の問題に焦点を当てて行ないました。沖繩県庁において、屋良知事をはじめ関係者の方々から調査項目についての概況を聴取した後に、沖繩本島及び宮古島の現地で調査をしてまいりました。  まず、本調査を通しまして、結論的に申し上げますと、沖繩県は四十七年に本土に復帰して満二年半を経過しておりますが、今日においても依然として経済、社会の両面において、その混乱が継続されていると言えることであります。つまり、本土とのいわゆる一本化の諸制度の変更の上に、広大な米軍基地の存続による基地経済依存、ドルショック、物価の高騰、農業の崩壊、開発による環境汚染の拡大、医療整備の貧困による医療不安の増大、さらに最近の不況経済による失業率の増大等が折り重なり、これらの諸問題が集中的に沖繩県全域を襲っていることが痛感されました。  次に、労働と厚生問題に分けて御報告いたします。  まず、労働問題では、米軍基地の日本人従業員の大量人員整理問題があげられます。この解雇は基地の整理縮小、撤去に基づいて行なわれているものではないところに大きな問題点が内在しております。本土復帰後、これまでに七千五百七十三人の人員整理が発表され、そのうち五千四十二人がすでに離職を余儀なくされているといわれ、しかも、失業を余儀なくされた者の大多数が中高年齢者であり、第二次産業の基盤が貧弱な県内の労働市場のもとでは、再就職がきわめて困難となっております。  特に、本年十月中旬に発表されたORE(沖繩地区エクスチェンジ)の千六十二人の大量解雇は、施設を現存しながら、単に米軍の事情による顧客の減少、人件費の加速的増大を理由にしたものであります。逆に、解雇従業員を低賃金のパートタイマー雇用に切りかえ、さらに、米軍退役軍人や、米軍人家族を雇用していることが明らかとなり、今後、日本人労働者の大量解雇と引きかえに、こうした雇用形態が多くなると十分予想されます。  以上のように、米軍当局から一方的に従業員の大量解雇が発表されるたびに、機関委任事務を行なわなければならない沖繩県は、基地労働者と米軍との間に入って、解雇問題に苦慮しているのでありますが、解決すべき手段もなく手をこまねいているのが実情であります。  そこで県の委任事務は、米軍、全軍労の間で一致した合意事項のみを行ない、米軍への労務提供にまつわる問題は、国の責任において防衛施設庁に労務部を新設し、そこで問題の解決をはかるよう国と県の行政事務を明確に区分すべきであるという切実な要望がありました。  さらに、現在施行されている基本労務契約等について、一、米軍による外国人の直接雇用の禁止、二、人員整理通告期間九十日以上の明文化、三、現地米軍と労働組合との直接交渉、四、県が日本人労働者のために、労務管理安全衛生面等の労働条件の調査及び紛争事案の調査で基地内に立ち入る等々の改正要望がありましたことをつけ加えておきます。  次に、基地労働者の解雇問題とあわせて、いま一つ労働面で暗い影を投げかけていますのが、民間企業労働者の失業問題であります。  現在、沖繩県の労働人口は三十七万三千人で、推定される完全失業者は約一万五千人、その失業率は四・一%となっていまして、全国平均の一・二%より飛び抜けて高い失業率を示しております。  その結果、失業保険の支払い状況は、本年四月の時点では四千三百七人で二億一千百七十七万円でありましたのが、八月には六千二百四十一人にふえ、三億七千八百六十五万円の保険金支払いとなり、しかも注目すべきことは、失業保険金の受給者は、統計で見ますと、一万五千人の失業者の半数以下でありまして、他の半数以上の失業者は、失業保険金もなく、収入がないままに再就職の活動を行なわなければならないという実態であります。さらに総需要抑制による不況の波によって、失業問題は今後さらに深刻の色彩を強めようとしております。  次に、私たちが調査いたしました労働関係の施設について、その現況と問題点を簡単に申し上げます。  県立コザ専修職業訓練校は、事務職である養成訓練と建設機械運転科及び大型自動車免許の取得を目的とした職業訓練からなり、昼、夜の二部制をとっており、米軍離職者の再訓練の場にもなっております。しかしながら、職業訓練の指導体制を見ますと、専任指導員は、わずかに三人、そのほかに非常勤指導員十六人という内訳で、指導体制の不備はいなめない事実となっています。このおもな原因は、専任指導員の待遇が悪いことと、県内に技術者が少ないということが重なって、専任指導員の確保が困難になっているからであります。  一方、雇用促進事業団の沖繩総合高等職業訓練校は、コザの専修校と同様に、養成と転換訓練を併設させており、訓練科目は、板金、自動車整備、ブロック建築、塗装などの四科からなっております。当校の入学競争率を見ますと、四十六年に一・一四倍、四十七年一・六倍、四十八年二.一四倍、四十九年二・三倍と年々入校競争率が高まってきております。現在までの卒業生の就職は県内六〇%に対して県外四〇%の割合で推移してきましたが、さきにも触れました経済不況によって、これまでにわかりました来年三月の養成訓練卒業生の県内求人は、わずかに三件で、求人数は十人であり、この分でいきますと昨年の求人数の五〇%減となり、逆に、このことが今後の入校率に悪い影響を与えるだけでなく、訓練卒業生の就職浪人をも発生させることが懸念されます。その結果、指導員が、本来の訓練業務とは別に、求人開拓に対してもエネルギーを注がなければならないことがわかりました。  次に、第二の柱であります県下の医療と社会福祉施設問題など厚生行政について言及いたします。  沖繩県の保健医療を一口に申し上げますならば、他府県と比較して著しく立ちおくれていることであります。たとえば、昭和四十五年に県が発表しました医療における従業者密度と類似県平均との比較によって、沖繩県の医療の実情を見ますと、医療施設数は類似県平均の四八%、全病床数五六%、医師数四三%、歯科医師数四三%、看護婦、准看護婦数一二%、薬剤師数六〇%ということで、類似県である島根、徳島、香川、高知の各県と比較して五〇%以上の格差があり、わずかに保健婦だけが一〇九%と若干上回っているといった低い医療水準であり、今日でもこの問題は解消されずに残っております。  しかも、このように、県全体が低い医療水準の中にあって、医療施設、医療従事者が那覇市を中心に、本島中南部に圧倒的に集中偏在しておりまして、この地域に全県の医療施設総数の七八%強、病床数の七%強、医師数の八三・八%、看護婦数の七三・一%を占めておりますことから、同時にはなはだしい医療の県内格差の問題が伏在しております。その結果、四十八年八月現在、無医地区は、十六町村、無歯科医町村三十三にも達し、その無医人口は二万人以上にもなっております。  一方、沖繩県は、復帰特別措置によって、県内市町村が昭和四十九年四月一日までの間に国民健康保険事業を開始すれば足りるとされましたが、四十八年四月一日から全市町村が国民健康保険事業を開始しましたので、ここに、いわゆる県民皆保険の念願が達せられたのであります。市町村が財政困難にもかかわらず、国保の実施時期を早めた要因を見ますと、老人医療など医療需要が非常に大きいことがあげられます。すなわち、昭和四十八年三月分の社会保険診療報酬請求は十八万件にも達しまして、国保実施前の四十七年の五〇%増、人口比による受診率では本土の二倍になっておりますことからも理解できます。  こうした医療需要の急増傾向に対して、医療施設、医療従事者など医療供給体制は全くその対応に欠けていることは、さきの県全体の医療水準の低さ、さらに県内の医療格差によって、明瞭であり、保険あって医療なしの感を一そう感じざるを得ませんでした。  次に県内の病院等の施設について申し上げます。  那覇市の沖繩赤十字病院は、昭和二十七年に琉球臨時厚生協会の厚生協会病院がその前身でありまして、幾多の経過を経て、今日に至っております。この病院は、病床不足から病床増加に追われており、建物の老朽化が非常に目立つにもかかわらず、現在、建物の建てかえ計画もない状況であります。さらに、経営情況は、本年三月末現在七千四百四十万円の累積赤字をかかえ、これが来春には一億円以上になるという報告がありました。その結果、県の健康福祉事業団から融資を受け継いで経営を続けているという報告がありました。  県立中部病院は、本島中部地区の二十五万人の県民の診療をおもに対象として設置されております。この病院の特質は、米国人の医師が診療する一方、日本人医師の養成につとめており、ハワイ大学医学部から多いときには十四人が来ておりましたが、現在は四人の医師がその仕事に従事しております。さらに九人の定員外の日本人派遣医師のほかに、三十四人の日本人医師がおり、定員の医師のうち三十三人が沖繩県出身者であって、医師の平均年齢が若く、この病院で養成した医師の定着率が高くなっていることがわかりました。ここでの医師養成は米国の方式を取り入れ、医師とインターンが一対一で行ない医師の充足につとめているとのことでありました。  一方、この病院は、救急患者を除いて、診療を開業医の紹介によって行なう第二次病院の方式なとっております。また百七十人の看護婦は全員正看護婦を採用しておりまして、今後の夜勤体制では明年度二人で月十回、明年度以後には二人で月八回にする目標だといわれ、人事院勧告の二・八の線に達しますのは、まだ先のことと言えます。さらに、交通戦争による犠牲者など救急患者が多くなる中で、救急患者の場合、百円の収入に対して、四百十九円の支出となり、その差額三百十九円が病院負担で、救急患者一人につきそれだけ赤字が増加するといわれております。  次に、来年七月に始まる沖繩国際海洋博覧会とその医療要員確保の問題について申し上げます。  この復帰記念事業は、半年間の開催期間中に、延べ五百万人の入場者と約三千人の従業員によって運営に当たる計画であります。  海洋博協会の関係者の説明によりますと、博覧会の開催中には、一日平均九十人から百人の救急患者が日射病、交通事故等の原因によって、発生すると予測され、そのうち〇・八%に当たる患者が会場に近い県立名護病院を中心に入院しなければならないという試算を出しております。しかし、ふだんでさえきわめて低い医療水準にある県が、独自に医療要員を確保することは、非常に困難でありますことは多言を要しません。  そこで県当局は、国の責任によって医師二十二人、看護婦百八人の医療要員を確保するとともに、これに要する二億八千八百六十五万円の必要経費を全額国の補助とし、この記念事業が終了したのちにおいても、県民の医療不安の解消のために、医療従事者が県内にとどまるようにしてもらいたいという強い要望がなされましたことをつけ加えておきます。  県立沖繩療育園は重度の心身障害児・者の福祉施設であります。ここ浦添市経塚にあるこの施設は四十七年四月に開園され、現在、職員定員数百二人でありますが、八十一人の職員で四十五人の障害児・者のめんどうを見ております。障害児・者の内訳は、男子二十三人、女子二十二人でありますが、障害児の多くは脳性麻痺の子供たちで三十一人を数えます。  こうした子供たちは、沖繩県内に約二百五十人いると推定され、そのうち施設への入所の希望者は百九十九人であり、現在、収容されている子供たちが九十三人でありますから、残る百六人について、施設を整備して、早急に措置する必要があります。この療育園においても、最近の物価高騰の影響を受け、子供たちの食事にはカロリーを落とさないよう県が指導していると聞きましたが、栄養の質の面で十分満足できるかどうか問題があります。  次に、私たち一行は、宮古島を訪れ、平良市の県支庁において、島内の厚生、労働行政の実情を聴取したのちに、国立療養所宮古南静園にて、園長及び患者代表から意見を聞きました。南静園は、わが国で最南端の国立らい療養所であります。現在、二百四十九人の患者が入園し、その内訳は男子百六十一人、女子八十八人、最低年齢十三歳、最高年齢八十四歳、平均五十三歳の年齢構成になっております。  ここでの問題点は、まず職員定員の増員があげられます。つまり、入園者の老齢化と病状が進み不自由度の増進によって、寝たきり老人、身体障害者が増加し、生活介助職員をはじめ、看護婦の不足が非常に顕著になってきています。さらに、患者の作業返還によって、職員の業務量が増大していることと、あわせて、全くの僻地という立地条件から職員の確保の困難性が加わり、本土療養所と比較して約七〇%の定員数しか配置されていないのが実情でありました。  そのほかに、特種専門医師が不在でありますので看護婦が医師法上問題とされる眼科、耳鼻科の診療に従事している状態であり、専門医師の確保など医療の充実、患者作業返還に伴う賃金職員の定員化、賃金職員の賃金単価千七百五十円の引き上げ等の要望が出されました。  県立宮古厚生園は、平良市を中心に島内の老人たちが余生を送っているところであります。現在、養護老人十二人、特別養護老人三十四人がおります。台風常襲地帯の当地はサトウキビ農業を除いて、大きな産業はなく、人口は一年に二千人の割合で流出しているといわれ、島内人口の老齢化は、急速に高まっております。その結果家族から見放され扶養困難な老人たちが増加し、県の試算によりますと、毎年九十八人の老人たちが施設に入所を希望すると見込まれ、こうした実情から、当分の間は、毎年一施設ずつ増設しなければならないといわれます。さしあたり五十年度において、一億五千万円の予算で五十人収容の老人ホームの新設が計画されておりますが、こうした事業に対して国の補助の充実が望まれます。  最後に、県立宮古病院と島内市町村経営の宮古救急医療センターの実情について申し上げます。  宮古病院は、宮古本島及びその周辺諸島の住民六万人を対象とした唯一の総合病院でありまして、医師六人、そのうち常勤医師三人、看護婦三十四人、その他の職員によって診療が行なわれております。この病院の建物も老朽化が進み、雨漏り等の悩みが訴えられ、十二億円の予算で来年四月に建てかえ工事に取りかかる予定で計画が進められており、その際に五十床を増加し、合計二百床に整備する方針との説明がありましたが建設資材の高騰によって、予算不足が目に見えているといわれ計画の実現に幾多の困難が考えられます。  宮古病院が第二次診療を受け持つのに対しまして、宮古救急医療センターは一次診療を行なっております。この救急医療センターは、一昨年まで日本赤十字社が経営しておりましたが、赤字経営が続き、二年間閉鎖されました。しかし、住民の医療需要が大きく、本年四月、市町村営として再び診療が開始されまして、一日二十人から三十人、平均して二十五人の患者を扱っております。その結果、本年四月からわずか半年の間に千二百万円の赤字が関係市町村に及び、ただでさえ財政難の中でこの赤字をどうするのか、大きな問題となっており、この赤字額はさらに増大する傾向にあるといわれております。  そこで現在、厚生省が人口十万人以上を対象とする公的診療機関の赤字経営に対して国庫補助をしていますのを僻地、離島、さらにこうした地理的条件から生じる苦しい地方財政の実情を考慮して補助対象地域の拡大をするよう切実な要望がありました。  以上で沖繩県での調査報告を終わりますが、本調査報告の関係資料、各地での要望事項などを会議録の末尾に掲載していただきたいと思いますので、委員長よりお取り計らい願いたいと存じます。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 派遣委員の報告は、これをもって終了いたしました。  ただいまの小平君の報告中に御要望がございました資料の会議録掲載につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいいたします。     —————————————

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) この際、大久保労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大久保労働大臣。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) このたび、労働行政を担当することになりました大久保でございます。  本日は、とりあえず、就任にあたりまして一言ごあいさつを申し上げます。  今日、労働問題はますます重要性を加えておりますが、私は、当社会労働委員会の委員各位が、かねてから労働行政に御指導、御鞭撻を賜わってきましたことを深く敬意を表するものでございます。  激動する七〇年代の後半を迎え、わが国経済はいよいよ大きな転換期に入りつつあります。私は、五千二百万人にも及ぶ働く人々、その中でも、三千六百万人の雇用労働者の方々が急激な変化に取り残されることなく、安定した豊かな生活を実現、確保できてこそ、わが国の今後の安定した発展があると考えており、誠心誠意、労働行政の推進につとめてまいる所存でございます。  しかも御承知のように、当面の労働行政は物価問題、景気停滞に伴う雇用問題など、重要な問題をかかえ、さらに、長期的にも高年齢者等の雇用の安定、能力開発の推進、勤労者の財産形成促進、職場環境の改善、労災保険の充実等、勤労者の福祉向上のための多くの課題を追究していかなければならないものと考えております。加えて、前国会からの懸案事項も少なくございません。  私といたしましては、これらの重要な諸問題に真剣に取り組む覚悟でございますので、委員各位におかれましても一そうの御支援、御協力をお願い申し上げましてごあいさつといたします。     —————————————

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 続いて、労働問題に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 ただいま大臣から安定した生活を少なくとも雇用労働者三千六百万人のことを考えながら、就業人口約五千二百万人に責任を持ちたい、こういうふうにおっっしゃっていただきました。労働省は、まさか資本家の味方の機関であるまいと思う。少なくとも労働者——働く人たちのサービス機関だと思うが、それは間違いないだろうと思うんです。  これから聞きたいのは、いわゆる沖繩の御報告、いま小平さんにお願いをいたしました。私たちは、いまの報告を満場一致、心からしようと、そのときに屋良首席が私たちに言ったことですが、いわゆる皆さん、沖繩は本土並みに復帰したというけれども、それは形ばかりなんですよ、内容は全く違います。たった一つ、核抜きを宣言しただけが、——日本の国にラロック証言で核があるらしいけれども、沖繩は違いますね。そう言いました。基地の面積が沖繩県の半数を占める、たいへんなところです。この基地の問題を抜きにして沖繩経済も、政治も語れません、どうか……ということでことばを始められました。胸の痛む思いをしながら、聞きながら、これからいわゆる労働大臣をはじめ、関係の所管に私の願いを、私が考えていることを答えてほしい。  すなわち、軍事基地を通じて民族支配が行なわれてまいりました。そのなごりが、いや、その本質が、いまもなお、無条件的にアメリカ軍によって大量首切りを平然とやっておる。しかもこの所管が防衛施設庁などということでは、ほんとうはとんでもないことです。労働省の所管であります。日本の労働者の、いま労働大臣はいみじくも三千六百万のいわゆる雇用労働者、就業人口五千二百万の責任を持つと言われた。ですから、労働省が日夜専心してそうやられていただいたと思うけれども、その実態を見るとき、これは見のがすことはできません。アメリカ軍のアメリカのペーパーワークの中で基地をただ同然に使わせながら、人間の首を切ることを平然としてやっていく、こんなアメリカのいわゆるやり口に黙ってついてきておる防衛施設庁または労働省があるとするならば、きょうから改めてもらいたい。日本の国は独立国です。日本の国の労働基準法や労働慣例が認められないようなことでは、私たちはこれを認めることができない、こういう立場から申し上げたいのです。  まず一つは、軍事基地の中の沖繩県は、広大な軍事基地を県民の手に取り戻さない限り、好むと好まざるとにかかわらず、沖繩の経済は基地経済にならざるを得ません。基地経済とはアメリカ軍の基地に働く人々の、またアメリカ軍の人たちが出て物を買うなどということから出てくる問題と思います。ですから、そこに働く軍関係雇用者の解雇というものは、それは沖繩県民の命を切り捨てることになる、暮らしを破壊することになる、この立場で一億一千万のいわゆるすべての国民が、百一万の県民をしっかりと抱いてもらいたい、こういうことについて所見をいただきたいのです、まず第一点。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) ただいま御発言がございました沖繩の駐留軍関係の離職者対策はきわめて重大な問題であると考えております。労働省といたしましては、これらの離職者に対しまして、総合職業相談所の設置等によりまして、職業紹介体制の強化でございますとか、本土への就職希望者に対する広域求職活動費の支給、あるいは失業保険金の給付日数の延長などの措置を講じまして鋭意努力をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いまのおことばに引き続き、国は沖繩県における基地の撤去と基地の転換対策を早期に確立し、そこの責任においてその計画を実施をする、それまでの間米軍による大量解雇をやめさせるとともに、人員整理の計画、見込みの把握をし、失業させないことを基本にして、いわゆる次の仕事ができるまで国が保障するという形を具体的にとってもらいたい。そして、基地の雇用問題は沖繩県では対処ができませんので、国がすべての責任を負う、すなわちあとから申しますが、日米安保条約によっていわゆる行なっておることでありまして、沖繩県は委任事務をやっておるだけであります。そこのいわゆる地方自治体が前面に立たなきゃならないような今日の情勢は改めてほしいと思いますが、いかがでしょう。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 私からお答えできる範囲をお答えいたします。  条約に基づきまして駐留しております在日米軍の労働需要は、わが国の政府機関が援助をして充足することになっております。それで、私どもの防衛施設庁が雇用主ということになっておりまして、沖繩の関係で申しますと、今年の四月現在、年度初めで一万四千数百人の従業員が働いております。これにつきまして、たくさんの人員整理が最近出てきているのは事実でございます。ただその背景が、いま先ほど先生もおっしゃいましたように、沖繩県における駐留米軍の基地というものが非常に多いといいますか、膨大な面積を占めている、これは整理縮小してほしいという県民の要望があることは政府として承知しているわけでございまして、外務省その他と協議しつつその整理統合の計画を持っております。それからもう一方、整理が出ています原因が、近来アメリカ軍の状況は、日本のみならず、この周辺におきましても、だんだんと派遣軍の整理の方向に向かっておりまして、そういう米軍の方向と、私どもの、日本国政府の考え方というものが相まって、結果としまして米軍基地のいろいろな機能の整理とかあるいは再編成とかあるいは基地の整理統合、そういったことが行なわれつつございます。それに基づいて人員整理が行なわれておりますので、こういう体制のもとの人員整理でございますので、やむを得ないものであるというふうに考えておりますが、それの扱いにつきましては、できるだけそういう摩擦の起きないような方向ということが考えられているわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 あまりくどい話はやめてほしいのです。早いんです、私は。そういうような話はもうわかっています。ところが合議をやってアメリカと日本とでよく相談をして首切っておるそうでありますから、よくわかりました。アメリカが押しつけておるのだと思っておったら、よく相談して日本政府はやっておると、こういうことであります。私は基地を返してくれたんならば、それに見合って減らされることはあまり文句を言えないんじゃないか。私どもは返してほしいんですから、アメリカに、私の立場は。ですから、基地を返さないで、これから言いますが、合理化首切りをやってくる、アメリカの財政を軽くするために、お隣りのドルを少なくするために日本に肩がわりをされてきておる。もう間もなくフォードさんというのが私はお招きはいたしませんが、おいでるそうですが、とにもかくにも意見があるのです。  次、ところが、防衛施設庁はアメリカのためにあるのであって、日本人のために何ら役に立たないのではないか。突然首切りの通告があって、突然やっておるというのを見ると、そう思います。ですから、米軍から突然解雇が通告されて、いわゆる腰抜けの交渉をしたのかどうかわかりませんが、基地の労働者の首を切るということをやめる、この約束をまずしてもらいたい。人集めの仕事をさせられて、その集めた人間を、必要でなくなればぽいっと、まあ軍ですから、軍隊というものはそんなものですよ。軍隊というものはそんな人と相談しますか。しておったら、あなた軍の秘密は漏れるっちゅうていよれへん。こんなんを相手にしとるんですから、よほど外務省は何や言いよるけれども、腰を据えてやってもらわなきゃならぬ。そのために次のように約束してほしいのです。いまのような形ならば、そういうことで労働慣行としてとりあえず九十日の予告期間を守る、紳士協定、口約束などと言ってはいけません。人間というのは口約束が一番大切です。書いたものというのは、信用せぬから書いたものをするのです。信用している者同士が、書いたものをしますか。口約束でやってきた九十日、これをもう信用でけぬから、ほんとうは。ですから、協約に、協定にしてください。そういうことで、それができないようであれば、やっぱり日本人のための防衛施設庁でもなければ労働省でもない、アメリカの利益のためのいわゆる組織だと考える。私は労働者の解雇問題について、施設庁として最も神経を使っていますという文章がありました。神経など使わず、腹を使え、こう言います。そういうことで、ちょっとこのごろありますドラマの「勝海舟」のテレビでもちょっと見て、少しは日本人としてどういうことをするのか、こういう点考えてもらいたいのですが、いかがなものでしょうか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 簡単にお答えします。いま書いてあります日米間の取りきめとしましては、基本労務契約関係では四十五日前、諸機関労務協約関係では四十日前に解雇の事前通告が参ります。ただ、それではいろいろ準備等もございますし、政府部内の調整も困りますので九十日前にしてくれという話が前小幡次官のときに相手の参謀長と話ができております。その実施状況は、いまできる限りということになっておりまして、実績を申し上げますと、沖繩では昨年は残念ながらわずか三割でございました。それで、これではいけないということで、繰り返し中央で私どもの交渉、それから地方では沖繩県等の努力がありまして、現在約九割まできております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 まあ、しつこくもう一度聞きますが、とにもかくにも九十日ぐらいの予告ができなくて、あの膨大な基地をアメリカがかってに使うなどということは、私はほんとうに日本人を踏んだりけったりするものだと思う。去る一月三十日、安保協の第五項で、「委員会は、在日米軍に係る労働問題を討議した。双方は、再就職を援助するためのあらゆる努力を含め、今後人員削減によって影響を受けるすべての人々の困難を軽減するために、最善を尽すとの意図を確認した。」と言っているが、しかしその後、大量解雇が行なわれるにあたって、先ほど申し上げた最善を尽くすならば、労働者の要求である九十日を守るべきだと思う。しかし、それはいまのような御答弁ですから、もう一度立ってもらうと時間が足らなくなって次が言えないからやめておきますが、とにかく最善を尽くしてない、尽くしたという証拠はこの首切りについて、あとから言うことについて答えてもらいたいんです。特にこれからのことでありますが、直接軍雇用またはプライベートの民間の雇用であってもわがまま一方的に日本人を、人を人とも思わぬような大量解雇には法的、制度的に規制をすることが沖繩では必要ではないか。沖繩県のいまの失業状態、いろんなことから言えば、軍関係のいわゆる雇用については、法的に制度的にいわゆる大量解雇についての規制をする必要があるんじゃないかと思いますが、庁のほうではいかがでしょう。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) これは離職対策の問題と関連がございますが、どういう努力をしているかと一例を申し上げますと、財政当局の協力を得まして、私どもの分担となっております離職前の職業訓練費とか、そういうものの増額をはかっております。また来年度も若干の改善をしたいと思っております。それからアメリカ側との関係で申しますと、先ほどから申し上げておりますように九十日前の事前通告をできる限り努力をするという方向と、それから、そういう事前通告がございましたあと、実際の整理者をできるだけ少なくするための希望退職者による振りかえその他の措置によって約三割弱の実整理者の減少を見ておりますが、そういったことをやっております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 間接雇用になっているが、それは日本政府が基地の労働者を守るということで、いままでのアメリカ軍との直接雇用から切りかえたはずだと思います。ところが、復帰前ですと、アメリカ軍が直接雇用でありましたから団体交渉をやり、戦うことができてむしろそのときのほうが身分が安定をしたのではないかと現地で聞きました。庁として間接雇用になったために基地の労働者がどれだけ多く権利が拡幅し、守られておるのか、これから守っていけるのか、日本政府はその労働者の権利をどのようにカバーしておるのか、これを簡単に御説明願いたい。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 簡単にお話しいたします。  復帰いたしましたので本土並みということに制度を全部変えております。一例を申し上げますと、従来は団結権その他ございませんでした。団体交渉権もいわゆる権利としてはなかったと思います。しかし、これは現在は本土と同じようにございます。それに従って団体交渉等は私どももやっておりますし、沖繩県等でもやってもらっております。  それから、給与その他の労働条件にいたしましても、たとえば退職手当を全部通算してやるとか、あるいは扶養手当を新設するとかその他相当の改善を見ておると思っております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 まあ話半分として聞いてみても、そのようなことについて団体交渉権がなかった。それが団体交渉権があるといっても、確かに本土のほうの人たちは防衛施設庁の労務部に来て交渉をすることができますけれども、向こうではそういうような権能もありません。いわゆるそういう具体的なものがありません、力が。それは出先機関はあります。役所というのは大臣の次に次官があると、次官のほうが値打ちがないようになっておる、ほんとうの話は。大臣が答弁するのと次官では値打ちが違うようになっているのと同じで、いわゆる出先機関がありましても、沖繩では率直に、すぐに解決はできない。本土の基地の労働者は、すぐに東京へ来るなりして交渉できましても、現地ではできておりません。  そこでもう一度お伺いします。直接労務管理を行なう県の主体性の確立が求められるのですが、委任業務とは、先ほど小平さんから報告しましたように、米軍と全軍労との間で一致した合意、米軍といわゆる全軍労との間、また日本政府との間で一致したことだけをやることにしてもらいたい。すなわち、県は日本人の労働者のために日本の労働条件の調査をする基地の立ち入りができるようにしてもらいたい。県は日本人の労働者のいわゆる労働条件、安全度とかそういうことについては、だれでもかれでもとは言いませんが、特定の人間を任命するんでしょうが、軍の基地に入って、労働者がどうなっておるかということぐらいは、日本人を守る立場から当然であります。このことを努力をすることを約束してもらいたい。そうすれば、労働省が先ほど申しました、すべての働く人たちのことを考えているということになるわけです。沖繩県が基地の労働者と米軍の板ばさみになって非常に困っていると、こう言っておるのは、知事に権限がないからであります。知事にいかなる権限を与えておるか。そうして、いま申しましたように、米軍といわゆる日本政府との間、全軍労との間に一致した合意された事項だけ県が仕事をするようにしたらどうかと思うが、いかがなものでしょうか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 仕事の配分のお話でございますので簡単にお答えいたしますと、事が日本人の従業員の問題でございますので、昔は直接雇用の時代がございました。たとえば諸機関の関係で申しますと、昭和三十五年までは直接雇用でございました。そういうことではいろいろ問題がございますので、間に日本政府が入るということが間接雇用でございます。具体的に申しますと、防衛施設庁の長官が雇用主になっております。それから、その事務のうちで実施に関する事務、たとえば給与を支払うとか、あるいは採用の手続をするとか、そういったようなことは、各都道府県知事にお願いしてございます。これは委任をしてございまして、これは地方自治法にも載っております。したがいまして、その実施に関する部分の権限は知事がお持ちになります。事は労働問題でございますので、基本的な、基準的なものは中央できめます。きめますが、実際それを運用いたします場合は、やっぱり青森県の知事さんが青森県内の労働事情をお考えになっておやりになる運用と、沖繩県知事が沖繩県の中の状況をよく御承知になっていて運用なさるのと、いろいろ若干の運用の差が出てくるのは当然でございまして、それは各地各県知事の権能でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 米軍に労務提供をしておる日本の国としては、私たち基地の労働者のために沖繩におけるところの労務部をつくっていただきまして、そこと全軍労とで交渉ができるように、まずしてもらいたい。いわゆるどこと話をつけるかというと、防衛施設庁の労務部と全軍労とが交渉ができるように、直ちにやってもらいたいですが、それはいかがですか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) お答えします。  私のことを申し上げて非常に恐縮ですが、復帰いたしましてから二年ちょっと、まあ三年未満でございますが、その間、私労務部長としては、四十七年の秋になりまして、いろいろ出張をいたしますが、出張いたしまして内地の、内地というのはおかしいですが、本土の、要するにほかの県に出張しましたのは一、二回でございます。あとは全部沖繩県でございます。それは全部全軍労との団体交渉のためでございます。それから、こちらでも、東京でももちろんやっておりますが、現地にもずいぶん出かけております。  それから、沖繩に労務部をつくったらどうかということでございますが、これは各県と同じことでございまして、結局中央段階でないと片づかないものは私どもがやりますが、各実施に関する問題につきましては各県知事がおやりいただいておるわけでございます。ただ、沖繩は非常に離れておりますし、それから、こういう特殊な昔からの、ああいう特別に二十数年も離れていたというような関係がございますので、いろいろふなれでございましょうということで、沖繩の施設局には特に労務連絡室を設けまして、室長以下七人の連絡員を置いております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いや、全くおそれ入りました。いわゆる沖繩におけるところの基地の重要性と青森県と同じにする。たとえもよろしいが、好き好きですが、しかし沖繩県民が聞いたら、そんなことでしておるからヤマトの人間が征伐に来ておると思いますよ。私が申し上げるのは、沖繩県は二十数年間アメリカの支配下にあったことを繰り返して書いたくなかった。それが復帰したらその日からできるのですか。彼らの心の痛手、兄弟のうずき、こんなことを知っておったら、なぜこの軍の基地をそのまま置いておくのならば、そこで団体交渉が、——幾らおるのですか沖繩県で、一万三千か一万二千おるんでしょう。その人たちの団体交渉をする相手が東京です。それならば行きますが、これから支部ごとの、当支部でも、そうですね、団体交渉するときに、言ったら飛行機チャーターしてくれますか。だれが責任をとるんですか。官僚の冷たい仕打ち、その根性、何ですか、それは。私が言っておるのですよ、労務部を置くということは、それはほんとうに復帰への道につながる、心と心がつながる。彼らが話をしたい、こう言っておるのです。あなたたちが、よくわかっておる、それはあなたはよくわかっておる、ほかの人はわからぬということでしょう。一人じゃないのです。多くの人が理解をしなければならぬ。ですから、労使紛争のすべてを解決できる場所を沖繩につくりたい。沖繩が日本の基地の半分以上でしょう。違うのですか、大方。いや、大半といってもいい。あそこがなかったらアメリカはあなた、フォードが来るかどうかわからぬでしょう。横須賀とか、ミッドウエーの軍港基地と沖繩がほしいのでしょうが。ほしいほしいとやってくる、フォードが。そういうことじゃないですか。その沖繩に対して労務部も置けない。県ですから、違いますね。これは非常に大きなアメリカの戦略基地です。そこで働かされておる労働者の権利を日本政府が具体的に取らなければだれが取りましょうか。私はそういう意味で、さっき労働大臣おっしゃったけれども、やっぱりうそですね。やっぱり口だけはうまい。人間福祉優先だとか、ことばの上で言うけれども、この昔をさかのぼれば薩摩藩以来、島津藩以来やってきた政策、今日もなお沖繩県が基地でなければ生活できませんねと言ったら、そうですと、こう言った。それならば、この基地に働く人々のことを特別に労働省なり、——それは防衛施設庁なんてやめておきなさい、労働大臣。たよりにならぬです。庁の長官より大臣のほうが上ですからな、ほんまは、いやほんとうに。これは失礼でございますが、あなたのほうがずっと責任を持っておる。アメリカの軍の顔色をうかがうようなことはもうやめたらいい。これは御答弁を得ましてもあまり適当に、適当にというか、私の願うようなことをできない。労務部を置いてもらいたいということは置けないという答弁だと思いますが、いかがでしょう。イエス、ノー。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) いまの法制上ではむずかしいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わかりました。団体交渉権のない一万三千名余りの労働者、中央交渉をやったらいいじゃないかなどと言うけれども、労働組合でもなかなかむずかしいのですよ、これはなかなか。しかしそういう痛みも感じない、冷たい冷たい田中内閣が沈没していく姿をこの御答弁でしみじみ感じます。何とか法制を変えてでも、法律などということなく、閣議決定を見てもらったらわかるとおり、早く事情を聴取した上で対策したい、どういうふうに首切られるのか、どうなるのかわかった上でしたい、雇用対策もしたい。したいのならそこへ重点的に労働省なり防衛施設庁なりがちゃんとすべきだと思う。しかし、それを思わぬところに、あなたたちは墓穴を掘っておるのだから、好き好きだ。これ以上は言いません。  次、ただいま約七百人をこえる米軍を中心とする退役軍人や米家族など外国人が雇用されて基地で働いております。これは出入国管理法に抵触しないのかどうか。長期に外国人が日本で恒常的に仕事をすることができるようになっておるのかどうか。私はせんだっての衆議院の沖繩特別委員会における答弁を見ておると、不当に長く滞留ができるように思われないのかなあと、——アメリカは権力を使って基地に居すわり、治外法権を利用しておるように思います。そして、軍人として送り込んできて、途中で軍属にしてみたり軍人にしてみたり、入れかわり立ちかわりしてやっておるように思うのです。これは祖国日本に対する冒涜だと思う。沖繩の市内にそういう人がまさか出歩いておると思わぬがどうか。ビザとの関係があるが、そんなことどころじゃなくて、アメリカの言うことは何でも聞くので、もうそんなことは言いません、アメリカさんならさまざまですということになっておるのかどうか。アメリカ軍の退役軍人などのやっておる仕事は特殊な技能を持ったものでなくて普通のことです。それを私たちの、いわゆる基地の労働者を首を切って、それにかわっておるということがあります。それだけではありません。スト対策のために日本人をパートに切りかえ、いま申しましたアメリカ人など外国人を雇っておるというのはいわゆる基地を維持する対策だと聞いておりますが、それはやめさすつもりなのですか。今後やらないつもりですか。七百名をもうアメリカが自主的に——最善を尽くすと言いましたね、先ほど、一月三十日に、安保協で。その趣旨に沿って、七百名はいつどういうようにして解消するか、明らかにしてもらいたい。以上、答えてください。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) あとのほうの部分をお答えいたします。  いまの日米間の取りきめ上は、アメリカ軍が日本人を雇用する場合は私どものほうで扱いますが、そのほか必要に応じてパートタイムその他で雇います外国人の関係というものを禁止しておりません。いまの数でございますが、おっしゃっている、七百人とおっしゃったのはたぶん沖繩地区エクスチェンジの関係の数じゃないかと思いますが……。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうです。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 私どもの調べでございますと、ほんとうに普通の勤務体制で雇われております外国人の雇用者の数は二百四、五十人でございます。それから、そのほか約同じ程度の、三百人程度のパートタイムその他の外国人がいると承知しております。

竹村照雄法務省入国管理局次長

○説明員(竹村照雄君) 外国人の在留管理につきましては、当然私どもがやっておりますが、この中で、外国人の中でアメリカの軍人、軍属及びその家族につきましては日米安全保障条約第六条に基づく地位協定の対象になっておりますので、われわれの規制の対象外でございます。したがいまして、その軍事基地の中で米軍の家族らが稼働しておる点につきましては、私どもとしては何ら介入できません。ただ一般の外国人が一定の雇用契約をもってこの軍事基地で働くという問題があろうかと思いますが、私どもの原則は、先ほど先生の御指摘もありましたように、日本人の職種をもって代替し得るようなものは原則として認めないという方針を貫いております。ただ復帰前からアメリカの基地には一般外国人として雇用されておる者がおりまして、これのワクにつきましては、一定限度内で引き続き雇用を認めておる、われわれとしても在留を認めておるという関係にございます。以上です。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは先ほど言いましたが、いわゆる県は日本人の労働者の実態を、基地の中で安全労働の問題から含めて、いわゆるこの調査ができるようにアメリカと話をしてもらいたい、こういうことについて御答弁願います。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) これは復帰後ずっとやっておりまして、特に労働法、特に労働安全衛生法というものができたり何かしておりますので、そういうようなものについての実情調査といいますか、検査の権限のあるものの立ち入りというものにつきましてはアメリカ側とかねて話ができております。そのほかのそういう検査機関と申しますのは、普通は労働基準監督署であるとか、そういったことになりますが、そのほかの立ち入りとなりますと、これはやはり条約に基づいて駐留しておりますものの基地でございますので、アメリカ側に事前に連絡を、しかるべきものを通じて連絡いたしまして、その調整を得て、調整を得た場合行なう、そういうしかけになっております。  それから先ほどちょっと答弁漏らしましたので補足いたしますと、たとえば沖繩地区エクスチェンジの外国人、第三国人が十人程度と、アメリカ人がそのほかだと思いますが、そういうものの扱いにつきまして、日本人の従業員の首を切って、かわりに外国人を入れると、そういうことはしない、そういうことはもうしては困るという話をしまして、しませんと、そういうことになっております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 実態はそのようになっておりませんから、また、きょう限りでお話しをするんじゃなくて、これから再々いやというほど繰り返しやりますから、そのつもりで、いまの答弁を、次聞いたときにはこのように前進させましたと、御安心くださいと、こういうふうに答弁をするように心がけてもらいたい。  一月二日の日に千三百三十七名の首切り通告やって県と施設部に連絡をして、三月三十一日に解雇をした沖繩の事件について、それに対して相模原では十二月の二十八日でございますか、一千百二十四名解雇の通告をして、四月から九月の間解雇と、こういう見通しを持ちました。それはアメリカ軍の都合であっても、沖繩というところの労働市場が非常に狭いにかかわらずこんなやり口をしておることについて、あなたたちが幾ら強弁されても、アメリカが強くて日本が弱いからしっぽへついて、金魚のふんみたいにふらりふらりとついておる、こういうことに相なりますので、気をつけてがんばってもらいたい。あまりにたよりがいのない日本政府だと、私、新米でございますが感じました。  そこで、実は一月に発表したOREの沖繩地区エクスチェンジの問題ですが、千六十二名の大量解雇のやり方にしても、先ほど申しましたと違って、まずパートに切りかえ、低賃金政策をとって再びフルタイマーで雇ってくる、こういうようなことを、あのような首切りのやり方、再雇用のやり方は二度としないということになったのか、またまたこれから、アメリカの政策だから、アメリカ人は合理性というか、冷たい国民ですからそうしたのかどうか、こういうことについてお聞きします。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 先ほどの一月の話は、牧港の話じゃないかと思いますが……。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 あ、牧港です、失礼しました。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) それから、そのあとのお話は沖繩地区エクスチェンジの話だと思います。その両方とも当時の山中大臣の指示を受けまして、それの摩擦をできるだけ軽減する方向ということでアメリカ側としばしば繰り返し協議いたしました。で、牧港の場合には、たまたまこれはやはり離職者対策の問題でございますので、私どもとしましてできます分野、たとえば退職手当のほかに特別給付金というものを支給するようになっておりますが、その特別給付金の増額、基準額の増額というものを大蔵省と相談いたしました結果、行なうことになりました。その対象者はそこで増額されることになりました。  それから沖繩地区エクスチェンジの関係でございますが、これは沖繩地区エクスチェンジばかりじゃございませんで、全国的に非常にそういう諸機関関係の経営状態が悪うございます。ことしは約百万ドル、百二十万ドルばかりの赤字だということでございますが、そういうものでつぶれてしまうということになれば、千百人の従業員が困ります。それから、それを立て直す、事業所を全体七十幾つありましたものを減らすとか、総体の人数をある程度減らさざるを得ないということもいろいろあるわけでございますが、経営の立て直しということについて、そういう方策をとることも現実的処理としてはやむを得ないということでやったわけでございまして、これはたびたび関係の沖繩県庁はじめ全軍労の皆さんとも話し合ってきたところでございます。  それから、今後そういう大量のものを実施しないかという御質問でございますが、これは、その諸機関の関係につきましては、そういうもの、大量に一ぺんにというようなことはできるだけ避けるということは、この間のことを中心にしましてアメリカ側と話しているところでございまして、そういう方向で進むと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、労働者のことに関して、年休の権利ですが、離職をする場合に、その権利が行使がされて離職をしていけるような余裕を持ってもらいたい。いわゆるこれは国家公務員、地方公務員等あらゆるものが日本の国では行使をしてやめておる。突然やってくるのはアメリカの都合ですが、日本政府が雇うておるんですから、ですから、このことについてだけ年休の権利は保障するということを言明してもらいたいと思うのですが、いかがですか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) これも昨年来の交渉案件でございます。で、そういう方向で努力してみます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 沖繩県駐留軍関係離職者対策要綱というのは、沖繩県が持っておるのですが、それは大体進捗状況は順調にいっておるのか、どの点に隘路があるのか、簡単でよろしゅうございますから御答弁を願います。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 離職対策は、約十三の関係省庁がございますので、私どもの分野をまず申し上げます。  先ほどちょっと申し上げました離職前、非常に不安定になっておりますので、離職前に職業訓練をして差し上げて、できるだけそういう資格を持って次の再就職が容易になるようにということでやっております。これは、沖繩県の関係につきましては、特に復帰後初めてやっておることでございますので、本土に優先して現地の実情に合うものということで実施してもらっております。予算も非常に傾斜して使っております。  それから、そのほかと申しますと特別給付金の増額でございますが、これは四十六年にきめましたものを今回改正しまして増額いたしております。中身を申し上げますと、四十七年当時は最低が三万円、最高三十五万円でございましたが、ただいまは最低四万円、それから最高六十万円ということになっております。ただ、これもできますればもう少し増額したいということで五十年要求をいたしております。  それから、職業訓練の関係の五十年予算では、何とか、中高年の方が多いものですから、こういう方は勉強もたいへんだろうということで奨励金を何か出せないかということで、いま財政当局と折衝いたしております。  それから、そのほかのことで申しますと、沖繩地区で昨年離職者対策センターと俗に称しております公益法人が設立されました。したがいまして、それに対してそういう公益法人が職業安定所を補う機能があるということでございますので、元雇用主としましてそれに補助金を出すということで、とりあえずすでにことしから初めて新規に補助金を出すことにいたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 時間が来たようですから……。  失業率が全国と比べると四・一%ですから、先ほどの御報告のように全国は一・八といい、また一・二といわれるようにずいぶん高いので、その対策を格段とやってもらうために訓練所の問題、訓練学校の問題、養成所の問題、これについてはことばの上ではなくて特に配慮してもらいたい。私以外の方も一緒に行きましたので、おそらく沓脱先生のほうからもお話があると思いますが、とにかく失業率というのはアメリカ軍の離職者と同時に景気の関係からたいへんなことになっておる。これは沖繩県百一万の県民の非常な苦しみですから、それを受けていただきたいと思います。  そこで次の質問に入らせていただきます。  頸肩腕症候群による労働災害、業務災害が電電公社などに多発しているところでありますが、すでに国会の審議を通じ、労働省は認定基準再検討のための専門家会議で検討することになって非常に久しいのですが、一体いつこの会議の結論を出すつもりなのか。大体役所ですから、ひまだから、ゆるゆるとやっておる間に病気でもなくなると思っておられるんではないだろうか、こう思いますが、それに基づいて基発第七二三号や労基法施行規則第三十五条の改定を行なう考えには変わりはないか、いつするのか。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいま御指摘の頸肩腕症候群の業務上外の認定基準の改定の問題でございますが、昨年の三月に専門家会議を設置いたしまして検討を進めているところでございます。これは役人というよりは外部の専門家が中心でございまして、小委員会を設けましてずっと努力を続けた結果、本年五月に小委員会として一応のまとめが得られたわけでございます。しかしこの病気、ただいま先生御案内のとおり、医学的に非常に問題の多い分野が残っておりまして、小委員会のまとめを専門家会議の全体会議にかけましたところ、その際結論が得られませんで、さらに小委員会で検討を行なうということになりました。この再度行なっております小委員会での検討も間もなくまとまるという見込みでございますので、これを待って、また近く全体会議を開催することになると思います。いずれにしろ、この問題についての結論を早急に得たいと考えておるところでございます。  それから労働基準法施行規則三十五条の問題でございますが、これは労働基準法に業務上の疾病について労働基準法施行規則三十五条という規定がございまして、業務上かどうかという問題をいろいろやっておるわけでございますが、新しい物質がかなり出ております。それから機械化の進展に伴って新しい健康障害がふえております。こういう現状に対応するためにこの規則の見直しについて専門家会議等の御意見を聞いているところでございます。しかし、申し上げますると、この規則の検討といいますのは規則の整理のしかた、それからいろいろの病気の性質によってはなかなか規定のしかたがむずかしいわけでございますので、それらの問題を含めてさらに検討を進めなければならないと思っております。  それから基発七二三号についてはただいま申し上げたとおりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 専門家会議の小委員会がえらい権威があるようでありますが、私たちは頸肩腕症候群という病気がそこにあることだけはわかっておるんです。あなたはないという前提、あるという。それを職業病にするのかしないのかということで、そういうように見ておるようでありますが、頸肩腕症候群の位置づけとしては、一つは労働基準局長の名前で「頭頸部外傷症候群等の労働災害被災者に対する特別対策の実施について」という基発第九三号の通達が昭和四十八年十一月に出されております。そこで、では特別対策の対象として頸肩腕症候群が明記されておるのです。書いてあるのです。これは間違いないですね。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) そのとおりでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、この場合の頸肩腕とは一体どんな病気をさしたのか、どんな職種の労災に出るものと言えるのか、これも専門家会議を設けて報告を得た結果なのかどうなのか。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ここで頸肩腕症候群とはどういうことかという医学的専門的なことを申し上げる私、知識ございませんが、頸肩腕症候群というふうに私ども取り扱っておりますが、それは直接頸肩腕症候群の原因が明確なものと、ややその発症の機序が複雑にからまっているものがございますが、いずれにいたしましてもそういうものを一括して頸肩腕症候群と考えております。これらの問題についてはもちろん専門家等の意見を徴しているところでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 実は基発五九三号によると、職場復帰のことまで先に心配をしておられるようであります。そういう意味から基発第七二三号の規定を変えるぐらいは時間がかかるはずがない。いわゆる頸肩腕症候群の職場復帰のことを心配しておられる。それならば、そのようなものを指定をして早くなおしてやろう、こういうふうにすべきだと思うのです。基発三七三号の昭和四十九年七月十六日付によると、頸肩腕症候群が追加されておって、本年の七月十六日の通達基発第三七三号ですが、頸肩腕症候群について機能回復援護やアフターケアに関し明示した事実がありますが、それはどのようなことであるのか、そうしてそうならば頸肩腕症候群という病気をオーソライズしたものだと、それは認めたというように考えますが、いかがでしょう。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 頸肩腕症候群というものがございまして、それが業務上かいなかという問題はございますが、いわゆる業務上となることはおっしゃるとおりでございます。頸肩腕症候群というものの中でどういうものが業務上かどうかということを専門家会議等で認定基準を早急にきめたい。ただいま申し上げましたように、近くその結論が出ると私どもは期待しているわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 近くというのではわかりませんから、いつごろまでに出す、出る、こういうことを明確にしてください。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいま申し上げましたように、小委員会で五月一応結論出しましたが、それが結論まとまりませんので、再度検討を進めておりまして、全体会議にかけるわけでございますが、それは十二月初めごろ全体会議を開くと、こういうことになっております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 しかし、こういうような実態は非常に簡単なことで、三十五条に第十四号として「電話交換手、キーパンチャー、タイピスト等の頸肩腕症候群」と書けば、それで職種がわかるし、業態がわかる。何もむずかしいことないです。書いてください、どうです。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 先ほど申し上げましたように、頸肩腕症候群というものは、その業務についていれば起こるし、それ以外では起こらないという性質のものじゃございませんで、業務外においても頸肩腕症候群になり得る可能性がございますので、その辺を検討いたしまして、どうそういう限定的な書き方ができるかということを含めてこれから検討していこうと、こういうことでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それはお話はおかしいので、電電公社の仕事をしておってなっておるので、その人をさすのであります。道ばたを歩いている人を言っておりません。電話局の前を通ったから頸肩腕症候群になったとか、電話局に行ったからなったのと言っておるのじゃないのですよ。そこで一定の期間やっています。それならば言いましょう。基発第七二三号を次のように変えたらはっきりします。現行の1の(3)を次のように改正してください。「電話交換手その他手指を過度に使用する業務に一定の期間継続して従事した労働者であって、頸肩腕症候群と医学的に認められ、かつそれが業務以外の原因(頸部の脊椎、脊髄疾患等)によるものと明確に判断されるもの以外」、すなわち、業務以外の原因だということ、頸部の脊椎とか脊髄疾患等によるものと明確に判断されるもの以外すべてを頸肩腕症候群にすれば簡単であります。いかがですか。私は明文を提案をしているのですからね、答えてくださいよ。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいま申し上げましたように、頸肩腕症候群の認定基準とか施行規則三十五条の問題については専門家の方にお願いして検討を進めているところでございますが、ただいま先生のお話ございましたので、その問題も含めてさらに検討を進めてみたい、こういうふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 外部の人に、専門家にやってもらうのはよろしいのですが、生き身で現に困っているのですよ。あんたとこの子供さんも電話局に連れていって痛い目にあわしてみてください。そうしたらわかるよ、すぐに、親だから。かっけと違うのですから。どうも先ほどの基地の問題も同じですが、自分が関係しないからひょうっとしたええことを言いよる、こういうように思います。  それで私が申し上げるのは、電信電話公社というのがいつからこのようないわゆる頸肩腕症候群が出たか、このことであります。電電公社のほうで答えられるなら答えてください、それを。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。  頸肩腕症候群は昭和四十四年ごろから発生を見始めております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 御承知のように電話の夜間あるいは早朝のコールが、呼びがたくさんありまして、朝は五時ごろからどんどん鳴りっぱなし、夜は八時過ぎから夜中までどんどん、電話が安いということ、いろいろと都合がありますから、かける。夜間労働、深夜労働、早朝——婦人労働者にとっては深夜労働を禁止するのを原則にしておるにもかかわらず、看護婦といわゆる電話交換は法的に許された。それを最大限活用した。そういう形で実はおる。もう一つは、コンピューターの問題で、キイパンチをする仕事がふえる、こういうことがあります。あなたがおっしゃりたいのは、一般的に町の人でも神経痛があるじゃないか、リューマチがあるじゃないか、肩が痛いじゃないか。それは私の家内もそうだからわかりますよ。そんなのを拾っているのじゃない。現に医者がずっと一定の期間仕事しよったらそうなったということを言っておるのでありますから、電電公社の仕事のやらし方が悪い、こういうことが出ておるに違いない。電電公社もそれは改めてもらわなければ困る。これは労使問題だけじゃありません。こんなものをほったらかしにして電話局だけ大きく建てて、機械だけつくって、人間の痛い痛いということ、そんなものはだめだということが起こるようなことのないようにしてもらわなければならぬですね。特にここで申し上げるは、いわゆるこれを職業病として認めるか認めないか、こういうことだけじゃなくて、この問題をなくする、絶滅する具体的なことを労働省は指導してもらいたい。そして、医者が認定したのをほかの者がああでもないこうでもない言うのはやめたらよろしい。厚生大臣がこれは病気じゃ言うておるのだから、それはどこでなったのか、いろいろ言うけれども、イタイイタイ病だって、カドミウムだって、水俣病だって、あんたらは黒を白言うたじゃないか。とうとう大衆の闘争によって負けて、いまごろになってあれは工場でつくったものだということになった。こういうことだってあるのだから、ああいうふうに追い込められて、電電公社もよそも全部これは裁判にならぬといかぬようになってからやってもよろしかったらやってもよろしい。行政府といいますか、立法機関としては早くやらぬと、これは裁判でもやってほんとうにそうなのかということを言わなきゃならぬようになりますよ。ひとつ早急にということは、もう一度言うけれども、いつまでにさしてくれますか。この小委員会という、おじさんたちが集まっておる、ひまなんでしょう、ひまな人ばっかり集まっておるんじゃないですか。ひとつ教えてください。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいまお話し申し上げましたように、小委員会の結論が近くまとまる予定でございまして、十二月の初めには全体の専門家会議を開こう、こういうことになっておりますので、そう遠くない時期にまとまるのではないかと思います。いずれにしましても、おまかせしてある問題でございますので、私ども早くやっていただきたい、こういうふうに期待している次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 おまかせしたんですが、片山委員としてはおまかせできないので、早くしてください。あの社労の委員が言いよったが聞かぬだろう、聞く意思はないだろう、ゆるゆるしたいんだろう。社労の委員、片山甚市がやな、早くせいと言いよったけど、そんな新米の議員の言うことなんか聞くもんかと言いよった、こうしてください。聞きますか。私のほうは社会党を代表して言うておるのだから早くしてください。頸肩腕症候群の人たちはほんとうははたから見たらわからぬから困るんだよ。いや、けがでもしたらわかるんだけれど、あれはわからない。それだからしようがないんだよ。それをつべこべつべこべと理屈をつける前に、先ほど労働大臣も言いよったように、五千二百万人の人たちの就業人口に対して責任を持ちたい、こういうようにおっしゃっていることを、こんなちっぽけなこと——また先ほど申し上げた全軍労に対する首切りに対して労働部を置けと言えば、ああのこうの、ああのこうのと抜け答弁のでたらめほうだい、と言ったら失礼でございますが、これは適当でありませんが、——とにかく何とかつくらぬでおこう、おれよりえらいものをつくったらいかぬ、こういうような官僚の考え方がいわゆるいまの政府にあったとしたら、非常に残念です。ですから、そういう点でもう一度電電公社に聞くけれども、起こらぬような対策について万全を期する、こういうことになっておるのか。これからどんどんつくりたいと思っているのか、電電公社は、こういう病人を。聞きたい。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。  現在まで電電公社では頸肩腕症候群罹患者の中から業務上に起因するということを事業者として認定した者が四百三十四名ございます。これは昨年八月以来急速にこのような対策を進めた結果、相当多数の認定者を出したわけでありますが、対策といたしましては、予防対策、それから罹患者の治療対策、あるいは療養が長引いて休職に入った者に対する特別対策、これは給与は一〇〇%出すというようなことを労働組合とつぶさに話し合いながら対策を講じております。したがって発生状況も、従来は毎月百名以上の発生が出ておりましたが、ここ数カ月は五十名程度の発生に減って、初めて発生の状況がやや少なくなってきたのだということで、私どもは徐々にわれわれの対策の努力が成果をあらわしているのじゃないか、このように考えておりますが、今後とも一そう努力してまいりたいと考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いまの答弁では満足できませんが、それは少なくとも労働者の要求をきちんといれて、働く環境をきちんと改善をする、こういうように特に私のほうから発言をしておきます。そうしてもらわなければ困る。  先ほど実は時間がないので、あわてて沖繩の問題のうち重要な部分を落としておりましたから、もう一度沖繩の問題についてお聞きします。  基地の労働者の賃金は公務員と同率同時期に支給せよというのが現地の要求でありますが、特に牧港などで解雇された方々に対する賃金の支払いについては遡及されるものと思いますが、いかがでございますか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 従業員の給与につきましては、いまおっしゃいましたように、公務員のそれに準ずるようにということで進めております。おっしゃいました牧港その他、牧港に限りませんが、今年四月以降人員整理等で離職やむなくされた方という方々に対する遡及措置、そういったものができますように最大の努力をします。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 次に失業対策事業賃金について若干の質問をしておきたいと思います。賃金決定にあたりまして、少なくとも一般の所得水準を下がらないように、それを基礎にして、全国平均的な金額を基礎にして賃上げについて検討してもらいたいと思います。これが一つ。昭和四十八年には一八・一%、四十九年には、四十八年十月の額に対して二一・八%しかしておりません関係から、非常に低めであるということで私たち不満を持っております。賃上げ額をきめる場合は、現に支払われている賃金を基礎にするのはよろしいけれども、年度当初額を基礎額にして賃金を幾ら上げたと、いまの今日のような状態ではどうしても納得できません。特にそういう意味で失対事業の賃金については格段の配慮、いわゆる私の大きらいなことばですが、弱者救済などというような、まるで強い者があるような言い方するのは大きらいですけれども、非常に社会からいえば取り残されている人たち、そういうような状態をつくらないために、この問題については他の人々と権衡がとれるようにしてもらいたい。これは具体的な要求があとからも出てくるし、皆さんにも出ておりますから、これは考えてもらいたいと思うのです、ひとつ。  もう一つは臨時の賃金についてですが、公務員の期末手当増給措置が行なわれた場合、従来どおりの慣例に基づいて失対事業の就労者に対して臨時賃金の日数増を措置してもらいたい。これについて実は私の知る限りでは大蔵省のいわゆる主計官はこのような考え方を持っておるように聞きました。これは聞きましたが、労働省として先頭に立って、この公務員の期末手当の増給措置が行なわれた場合、従来どおりの慣例に基づいてそれができるようにするのか。やらない、こういうふうに聞いておるので、それでは一番大きく取り残される。そこで先ほど失対賃金のいわゆる額について賃上げの基本的な態度として、現に支払われている賃金額を基礎額として賃上げを願いたいと言いましたが、実は十月に賃金が三十円上がりました。米代が七十円一人当たり上がったと思うときに、たった三十円上げて、そのときには何とかあとからやるからこれだけでかんべんしてくれということになりました。いまの賃金は四月の物価で六月の賃金を八十六円八十七銭、六%上げたということになっております。その間に物価が上昇しているのでありますが、この際賃金を引き上げる、スライドしてもらいたいと考えるんで、このことについては梅津大蔵主計官と当該の労働組合の交渉においても物価を見て考えるというように言っておりました。しかし、近ごろいわゆる総需要抑制から始まる不況攻撃で一番苦しい生活をしている失対事業賃金をいただいておる失対労働者に対して、もうそういうものを措置をしない、それが日本の国のインフレをおさめるためだと、こういう言い方をしておるようですが、こともあろうに失対事業の賃金をそのぐらい上げたら日本の国がそうなるんなら、田中さんのあのわけのわからぬびっくりするような文春の金はどこからわいてくるんでしょうか。そういうようないわゆる自分たちにとっては湯水のごとく金が出てくるような仕組みになつとるのに、この人たちに対して三十円米代上げたんだから来年までほっとこうかと言うのか。これも賃金が四月の物価で六月にきめたのであります。八十六円八十七銭。そういう意味で、私はこれはもう実際歯ぎしりしておるのは全日自労やその他の組織された労働者、されないままで失対事業をしておる人もおりましょうが、とにかくそういうような人です。特に高年齢者ですよ。年齢が高い。そういうようなことを考えてみましたら、お年得りを大事にする、——先ほど大臣は高年齢者の方の就業の問題について、こうおっしゃいましたが、ほんとうに今度新しくまあ大臣になられたんだから、お年寄りに、あなたと同じようなお年狩りと言うては失礼だが、年齢の方々にいわゆるおお、おまえかと言うように、こんなに冷たい、もう年末には金を出さぬぞと、こういうことにならぬように、年末は二十三・五日ぐらいの程度のものを出しとったようですね。夏には九・五日ほど出しとったようです。これは最高の人で、低い人はうんと低いんですよ。一番低い。ですから、そのあたりの金をもらってどういうことになるのか。とくと承知の上で、労働省は傘がないと言うのか。そうでなくて、そんなものを上げたら生活保護世帯の者も上げなければならぬし、どこも上げなければならぬようになる。そうすると労務コストが高くなる。いわゆるいつも考えているのはお国のさいふの中から金が、資本家の連中の金が減っていく、大金庫から金が減っていくことを心配しておるかしらぬけど、その人たちはその日その日使ってしまうんです。ためておけるような金と違うんです。その点をちゃんとしてもらわないと、私はやはり田中角榮さんというのは金もうけはじょうずだけれども、人を困らすのだけはもっと名人である、こういうことのないように、頼みもしませんでしたが改造してしばらくやられるそうですが、ひとつそのあたりをいい答弁をしてもらって、——大臣が言われたことについて心から私は尊敬しておるんですよ。先ほどのように言われるなら、お年寄りの失対賃金の問題だけは何とかこの声を聞いてしてもらいたい。そういうことぐらいができない国じゃない。よその国へ経済援助しようじゃないか。頼みもせぬところの韓国へどんどんどんどんと金を出そうじゃないか。どこや台湾にも行ってどないぞしようじゃないかとおっしゃるほどの国でございますから、家の中のおじいちゃんおばあちゃん、どうぞ御苦労さん、こう言ってくれる労働大臣になっていただきたいことをお願いして私の質問を終わりますから、お答えを願いたい。大臣、お願いします。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) いま御発言のように、雇用問題は非常に私も心配をいたしております。失業者に対する対策につきましては、いまお話がございましたように、消費者物価の動向等につきまして私も十分これから関心を持ち、また自分としても発言をすることは発言をいたしまして、今後の国民生活の状況、消費者物価の動向等を十分考えながら、実態を見守って善処していきたいということを考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 これで終わりますが、念を押して、どうか失対労働者のいわゆる切なる願いというか、要求を正しくくみ取って、門前払いというか、どこかの局長がどっかのところでああもうだめだよと大蔵省でも言わぬようなことを言わぬようにお願いをして、終わります。ありがとうございました。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 先ほど大臣の所信表明のように、今日インフレと不況が一そう深刻な状態になっておると思います。そういう中で、労働問題はきわめて重要な国民的課題であるというふうに思うわけです。  そこで私は、新しく労働大臣に就任をされました大臣に対しまして、次のような問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけです。  まずその第一は、今後の労働政策に対する基本的な考え方、それから第二は、深刻な不況下における雇用、失業など諸問題をはじめ、その中で犠牲を受けておるところの中小企業や労働者に対する救済対策、第三は、失対事業に従事する労働者の皆さんの賃上げなどについてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  最初に、大臣の基本的な当面の諸問題に対する考え方についてお尋ねをいたしたいと思います。先ほど所信表明を伺いますと、三千六百万の雇用労働者並びに五千二百万にわたる就業労働者の福祉並びに生活を守ることがきわめて大臣に課せられた重要な仕事であるというふうにおっしゃっておられます。そこで、その勤労者の生活や福祉を守るという具体的な政策についてもう少し詳しくお話を承りたいというふうに思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私の所信は先ほど申し上げましたとおりでございますが、ただいまも御発言がございましたとおり、何と申しましても人間優先の理念を貫いていきたいということを考えておる次第でございまして、勤労によってのしあわせが実現することができますように、そういう条件、基盤をつくり、福祉社会の形成に中心的な役割りを果たすことが必要だと考えておる次第でございます。特に、御高承のように、ただいまわが国の経済が非常に激動いたしておりまするし、内外の情勢も変転きわまりなきものがございます。こういう環境の中において、働く人々が急激な変化に取り残されるといったようなことがございませんで、安定した生活の確保ができますように、私どもはこれを緊急な課題といたしまして、全力を尽くしていきたいと考えております次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 また、その抱負の中で次のようにもおっしゃっておられることを知っております。特に大臣就任直後の十一月十二日の各新聞にも報道されましたが、問題は賃金と物価の問題でございます。しかし、要は勤労者の生活を豊かにするためには勤労者の実質賃金をふやすことが大切だというふうにおっしゃっておられました。そこで、総需要抑制下における物価と賃金の問題が今日大きな国民的課題であることは申すまでもありません。それに全力を尽くすというふうにお話があるわけなんでございますが、そこでお尋ねをしたいのは、賃金と物価とのかかわり合いというものを重視するとするならば、その最も重大な物価高騰、悪性インフレーションの原因というものを明確にしなければなりません。その原因について大臣はいかように考えていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 現在の物価の状況は、いろいろな原因がございますと存じます。これは国際的な影響も多分にございますし、それを受けましての国内への波及、また非常に原料の乏しい日本としての、その逼迫からくる物価の押し上げといったようなものもございましょうし、そういう諸条件のもとにおいて物価を安定いたしますためには、ある程度総需要の抑制をはかっていくということが必要であろうと私どもも考えておる次第でございます。そういう政策をとる場合におきまして、それに伴って起こってくる労働者に及ぼす影響というものを極力私どもはその幸福をはかるという観点から食いとめていく、そのためには実質賃金が確保されるような、そういう生活を守ることが大切ではなかろうかと、かように考えております次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いまのお話ではまだ不十分なんでございますが、要するに、物価が上がれば働く勤労者というものは非常に生活が苦しいことは申すまでもありません。そして、そのために勤労者は非常に苦しいということを今日訴えておると思うわけであります。しかし、政府や労働省のこれまでの考え方がときどき出されておりますが、物価が上がるのは賃金が上がるからなんだということを大きな理由にされておるようでございます。したがってもう一度、賃金が上がるから物価が上がる最大の要因になっておるかどうかという点について、大臣の見解を承りたいと思います。

道正邦彦労働省労政局長

○説明員(道正邦彦君) 大臣就任以前の経過もございますので、私から若干事務的なことになるかもわかりませんが、御説明させていただきます。  物価と賃金の問題につきましては、非常にむずかしい問題が多々あるわけでございます。しかし、端的に申しまして、ことしの春闘三二・九%の大幅賃上げの少なくとも主たる原因は狂乱物価に対処するためやむを得ず行なわれたという面があるということは、春闘直後から私どもはっきり見解を公表いたしております。ただ、三二・九%という大幅な賃上げがしからば今後の経済あるいは物価に影響がないかといえば、それはそういうわけにはいかぬと、したがって、原因と結果はこれははっきり区別して考えなきゃいかぬ、このことも同時にはっきり申し上げてきておるわけでございます。そういう点につきまして、経済企画庁の分析、これは政府の統一した見解でもございまするけれども、物価を約一〇%程度押し上げる要因であると、ただ、それは労使の努力によりまして、生産性を向上するとか、俗に三方一両損というふうにいわれますように、お互いにがまんするとか、あるいは消費者の賢明な選択をお願いするとか、いろいろそういう総合的な対策が行なわれればこれが緩和されることも当然でございます。そういうことも訴えてきているわけでございます。今後の問題といたしましては、やはり物価の安定が至上命令だと思います。そういう意味でとにかく物価を安定すると、そのために全力を尽くすという趣旨で、労働省はもとより政府あげて努力をしておるわけでございます。で、その結果、物価が鎮静化し、それによって実質的な勤労者の賃金と申しますか、生活の改善をはかる、これが高度成長から安定成長へ日本経済が切り変わっていく非常に重要な時期でございますので、どうか前年実績プラスアルファというような従来のやり方ということについては、日本経済全体のことを考えて労使が良識を持って措置をしていただきたいということを訴え続けてきているわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 労働省の見解というものがこれまでしばしば都合によって変化をしておるということを私どもは承知しておるわけであります。その例を申し上げますと、ことしの春闘直後だったと思うんですが、前の長谷川労働大臣は、大幅賃上げも総需要抑制の下での企業努力で吸収することができるという発言をなさいました。もちろんこれについてはいろんな考え方を持っていらっしゃるところの政府部内で大きな異論となったということを新聞報道で私は承知をしておるわけであります。そういうことかどうかわかりませんけれども、その後大幅賃上げについては物価上昇に拍車をかけ、雇用にも悪影響を及ぼすと、そういう新しい見解を長谷川労働大臣は明らかにされました。つまり労働省は春闘直後の考え方からその後の考え方は大幅に百八十度その考え方を転換されたものだというふうに思うわけです。私はまことにこの発言は不謹慎だというふうに考えておるわけでございます。さらにその後、賃金物価問題懇談会という委員会が組織をされまして、これは八月二十一日だったと思いますが、新しい七五年度の春闘対策の手を打っておるのではないかというような印象を私どもに与えておるわけであります。そこで私はこの懇談会の性格あるいは目的を明確にしていただきたいと同時に今後どのような運営をなさっていこうとされておるのか、お尋ねをしたいというふうに思うわけです。特に先ほどの物価と賃金の関係について、やはり賃金を押えなきゃならぬという見解を発表されておる座談会でございますので、重大な関心を持っておるがゆえにあらためてお尋ねをしたいというふうに思います。

道正邦彦労働省労政局長

○説明員(道正邦彦君) ただいま御指摘がございましたように、巷間、私どもの立場から申し上げれば誤って伝えられておることは事実でございますけれども、私ども当初から、今次春闘の大幅賃上げの原因の分析は先ほど申しましたとおりでございますが、大幅賃上げがもたらす結果もまたこれは重要な問題だということは同時に言っておるわけでございます。そのためにいろいろ政府も労使も努力をしなけりゃいかぬということを言っているわけでございまして、ことしの七月発表いたしました労働白書の分析もその両面を言っております。決して片っ方だけ言っているわけじゃございません。また同時に経済企画庁が発表いたしました経済白書におきましても同じようなことを言っております。したがって変心でも何でもございませんで、労働省の立場は一貫しているつもりでございます。  それから、八月二十一日に発足いたしました懇談会の性格でございますが、私どもといたしましては、政府の責任におきまして関係各省庁と連携をとりながら施策を講じていくわけでございますけれども、いやが上にも万全を期したいという意味で私どもは考えまして、斯界の権威者というふうに目されておりまする先生方、——非常に御多用のところでございまするけれども、わずらわしまして、私どもの考えていることも申し上げ、先生方の意見も拝聴すると、それによって施策の誤りなきを期したいという趣旨でございます。八月以来毎月一回やっておりますが、たとえば物価と賃金の問題は確かに重要だと、最大の問題の一つであるけれども、そのためには雇用の問題であるとか、その他周辺の問題をやはり同時に解決する必要があるとか、その他いろいろ貴重な御意見をいただいております。そういうものを私ども執務上の参考にさせていただきまして、あくまで政府の責任において施策は講じていくということでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 懇談会の性格につきましては、いまあなたがおっしゃったようなことを八月二十日の日経に前の労働大臣の談話として載っておることも承知をしております。  そこで、私はこれは特に大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、この懇談会の性格と目的は他意のないということはわかりましたが、しかし、来年の春闘にあたってこの懇談会が設置され、一定の見解を述べられるということになりますと問題があるというふうに思うわけです。そこで、たとえば春闘の賃上げを規制するような報告書、まあガイドポストと申しましょうか、ラインと申しましょうか、そういうものを提出しないで、賃上げ交渉というものはあくまでも労使の自主性にまかせるんだと、そういう方針であるかどうかという点を、特にこれは大臣から御答弁をいただきたいというふうに思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私もこれからその会合とも接触するわけでございますけれども、まあ考え方といたしましては、ガイドポストと申しますか、あるいは所得政策と申しますか、そういうようなレールではなくて、やはり本来労使間の話し合いで解決をしていってもらいたい、そのためにはいろいろな条件というものを、状況というものをひとつ踏まえてお考えをいただきたい、こういう姿勢で取り組んでいきたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 答弁非常に不十分なんですけれども、また、じゃ次の機会にこの問題は質問さしていただくことにいたします。理事会の申し合わせがあるようでございますから、それを尊重しながらさらに質問を続けます。  次の問題は、先ほどからお話しになっておるように、賃上げと物価の問題は非常に重要だというお話がございます。そこで、来年の春闘における賃上げの率というものは確かに、その度合いは別といたしまして、今後の物価上昇の動向に左右されることはこれはまあ言うまでもないというふうに思うんですが、その物価上昇の見通しにつきまして労働省のほうでもし見解を持っていらっしゃればお答えをいただきたいというふうに思うわけです。で、政府は四十九年度、つまり来年の三月末までの物価の上昇を一応平均一五%以内に押えたい、そういう発言を機会あるごとになさっておられます。しかし、この秋には御承知の公共料金の値上げが相当行なわれましたし、そして今日では二五・三%という物価の上昇が十月にすでに発表されまして、第二の狂乱物価の状況に突入をしておるのではないかというふうに思います。そういう現状からかんがみますと、はたして政府の計画どおり物価を一五%以内に押えることができるだろうかということを考えますと、私はできないのじゃないかというふうに思っておるわけです。すでにそのことにつきましては、政府の部内におかれましても、たとえば内田経企庁長官——これは前のですね、及び小坂総務長官も無理であるという発言もなさっておられることが報道されております。さらにまた、十月八日だったと思いますが、経企庁が発表されました消費者物価の上昇率の予測は二二%、さらにまた、来年の一−三月の予測を一七%というふうにされておるわけであります。こういう事例を見ましても、およそ一五%というのはナンセンスであるというふうに私は思うわけであります。そこで、賃上げと最も関係があるというふうに労働大臣もおっしゃっておられるわけでありますから、一応担当官のほうに物価上昇の見通しを労働省はどのようにされておるかということについてお尋ねをしたいと思います。

道正邦彦労働省労政局長

○説明員(道正邦彦君) 物価の問題は非常にむずかしい問題でございまして、相当な思い切った努力をしない限り、年度末一五%という努力目標の達成は非常にむずかしいと思いますけれども、十一月五日の物価閣僚協議会におきまして、いろいろそれまでは見通しであるとか見解が述べられた経緯もございましたけれども、協議会として一五%実現に向かって努力をするということを申し合わせたわけでございます。政府あげて来年の三月末の消費者物価を一五%以内におさめるように努力をしているし、今後もしなきゃいかぬというふうに考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 まあ答えにならぬのですけれども、時間がないので次に参りまして、論争を次の機会に譲りたいというふうに思います。  次は、所得政策の問題について重要な事柄でございますからお尋ねをいたしたいと思うわけです。最もはっきり見解を政府の中で発表されましたのは、九月十一日大蔵省の高木事務次官でありますが、これは日本記者クラブで「今後の経済運営について」という講演をなさいました際に、物価と賃金の悪循環を断てという意味の発言をなさいまして、昭和五十一年以降賃上げ上昇率を欧米諸国の平均並みないし四十年から四十七年の上昇率、つまりこれは一〇%ないし一五%程度ということでございますが、そういうふうにすることが望ましい。そのためには来年の春闘がかぎになる。そこで来年は適正な賃上げを希望するという旨の発言をなさいました。この高木発言というのは、もちろん政府を代表した発言でございますから、明年の春闘を目ざしたいわゆる日本的所得政策というふうに私は理解をしておるわけでございます。それに続きまして、九月十三日には、産業構造審議会が「わが国産業構造の方向」という文書を出しまして、その中に、来年の春闘を高木さんの発言に合わせるように一六%程度のベースアップを予測しておるという発表をなさいました。引き続きまして、経団連の会長が九月二十六日の記者会見で一〇%台の賃上げを期待するという発言をなさいました。この一連の経過を見ますと、大蔵省、通産省、財界、あるいはまたさきの発言のように、労働省を含めまして所得政策の一環であるところの賃金ガイドラインが打ち出されておるのではないかというふうに私どもは危惧をしておるわけでございます。こういう一連の発言に対しまして、特にこれは労働大臣のほうから所得政策は実施しないのだという明確な御答弁をいただきたいというふうに思うわけです。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 先ほども申し上げましたように、所得政策をとる考えは労働省として持っておりません。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 結論としてこの問題について申し上げますが、元来、もし労働大臣がおっしゃるように、所得政策の意思は毛頭ないのだということになれば、まことにけっこうだというふうに思うわけです。本来、所得政策というものは、物価、賃金、利子配当などの引き上げを自制ないし抑制をし、総合的な政策を実施するということであろうというふうに思うのですが、私どもが危惧するように賃金のみのガイドラインを導入されまして、いわゆる日本的な所得政策はとられるという場合には、労働者だけにそのしわ寄せを転嫁されるという危険性がございますので、しかとそういうことのないように労働行政の中で配慮をしていただきたいということを希望いたしたいと思います。  次は第二の質問に入りたいと思うわけです。第二の質問は、不況下の中でいろいろな問題が起きておりますけれども、特にこのあおりを食って困っておるところの中小企業や労働者の救済措置、対策などについて集中的に質問をしてみたいというふうに思います。  今日、日本の生産をささえてまいりました勤労者は、深刻な物価高と不況の中で苦しい生活と、それから雇用不安に脅かされておるというふうに思うわけです。特に中小企業の労働者は、賃金の遅配、欠配、操短、休業、整理、倒産というような問題が相次ぎまして、労働条件の悪化、雇用不安、失業という問題に脅かされておるというふうに思うわけです。最近の政府の統計を見ましても、求人倍率の低下であるとか、失業者の数が八月には七十四万人になったとか、来年の一−三月には百万人を突破するであろうというような危険な状態が報道されておるというふうに思うわけです。しかも、その傾向というのはますます悪くなると同時に、長期化する傾向にあるというふうに私は理解をしておるわけであります。他方、そういう状態の中で、大企業の中にはこれに便乗いたしまして、下請とか臨時工、パートなどの切り捨てを行なったり、さらに意識的な人員整理を行なうような状態になっておるというふうに思うわけであります。そこで、私どものそういう今日の把握なんでございますが、大臣は今日の状態をどのように把握をされておるか。まず状況把握についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。   〔委員長退席、理事須原昭二君着席〕

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま御指摘ございましたように、昨年の十月の石油問題を契機にいたしまして、わが国経済は非常に後退の時期に入りまして、本年に入りまして御指摘のように雇用あるいは失業の面でもきわめて深刻な状態になっております。で、ここ数年労働力不足ということが非常にきびしくいわれておりまして、昨年の秋には史上空前といわれました求人倍率も二・二倍という労働需給の逼迫を如実に示しておりましたけれども、それがことしに入りまして急激に低下してまいりまして、八月には九月の求人倍率一・〇四、そこまで下がってまいりました。こういう情勢が今後ともまだ私どもは続く、いま御指摘のように過去に、四十六年当時の不況下と数字の面では大体似たような数字でございますけれども、当時は高度成長というバックにささえられまして、きわめて短期間にこれを吸収することができましたけれども、今回の場合は、先ほどお話ございましたように、高度成長からいわゆる低成長、安定成長への経済の切りかえの時期にあたっておりまして、こういった雇用面の不安あるいは失業者の増加といった事態が今後まだまだ続くと見ざるを得ないだろうと思います。で、私どもはこういう事態になってまいりますと、一番しわ寄せを受けやすいのが、中小零細企業の労働者であり、あるいはいま御指摘ございました大企業等におきましても、季節工とか臨時工とか、あるいは出かせぎの人たち、こういう一番しわ寄せを受けやすい人たちの雇用の安定ということに特に私どもは重大な関心を持って臨んでまいらなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。実は私、先月北海道へ参りまして、東北、北海道の出かせぎの人たちがこういった求人の減、雇用不安というようなことで実態がどうなっているかということを見てまいりましたわけでございます。で、この出かせぎの人たちにつきましても、ごたぶんに漏れませず、やはり昨年に比較いたしますと求人が四〇%ぐらい減っております。これから冬にかけて出かせぎに出る人たちにつきまして、北海道内の求人と求職の状況を見ますると、非常に私は懸念をしながら行って状況を調べてみたわけでございますが、その実情はいま申し上げましたように、求人は減っておりますけれども、非常に私どもが心配をしておりました中で、   〔理事須原昭二君退席、委員長着席〕 まあ、ややほっとした点は、求人は減ってはおりますけれども、求職者、出かせぎに出ようとしている人たちに対してその頭数を上回る、いわゆる求職者に対しまして求人のほうがやや上回っております。いままでより取り見取り、自分の好きなところへ、希望するところへ行けた人たちが、必ずしもそういう希望どおりには行けないけれども、まずまず求人には事欠かない。それから同時に賃金も昨年に比較いたしますと、二〇%から二五%ぐらい上がっている、こういう状況でございまして、こういう出かせぎの人たちの月収、月間の手取りになりますと、御承知のようにことしの春以来、いわゆる残業時間の規制、こういったことがありまして、いわゆる時間外労働が極度に減ってきております。そういう関係で、賃金は上がっておりますけれども、月収にしますと、昨年と同じか、あるいは若干下回るものも出てくる、こういう状況でございまして、これからこういった出かせぎ、臨時工、あるいはパートタイマー、こういう人たちについて、私どもは特にこれからの施策の重点を振り向けながら考えていかなければならない中で、まあ、この程度の状態を何とか今後確保していくように努力をしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 こういうふうに不況と物価高が共存するという経済事情になった一番大きな理由は、私ども考えまするのに、政府がこれまで大企業優先の政策を続けてきた結果だというふうに理解をし、その責任を強く追及をしたいというふうに思うのですが、特にこの財政金融政策の中で、一律に総需要抑制政策を行なっておりますため、中小企業や、そこに働く労働者を一そう大きな犠牲に追い込んでおるのではないかというふうに実は思っておるわけです。今日、中小企業は、金融難におちいっておることは申すまでもありませんが、同時にまた、大企業の価格つり上げ、原料をつり上げるという状態の中で原料高の製品安という状態に直面をしておるわけであります。その上に大企業のいろいろな横暴が重なって倒産が日増しに増大をし、すでに一千件をこえる状態になっておると思うわけです。労働者もそういう中で、不安定な雇用や失業の浮き目にあわされておるわけでございまして、まさに労働者の生活は危機に直面をしておるというふうに考えて差しつかえないと思います。ちょうどこの状態を例にたとえてはなはだ悪いのですけれども、冷凍庫の中で無防備の労働者を作業させるようなものではないかというふうに私は思っておるわけです。つまり心臓という大企業はまことに、しごく元気でありますが、その手足は、つまり中小企業は凍傷でどうにもならないような状態になっておるのとまさに同じではないかというふうに思うわけであります。私ども、およそ常識的な判断からいけば、冷凍庫の中で労働者を作業させるためには、凍傷にかからないように十分な防備をしてかからなければならないというふうに思うわけです。今回、政府がとった総需要抑制の場合も、弱い中小企業や低所得者の皆さんに対して十分な手当てをしてから実施をしなかったところに問題があるのではないかと思うんですが、労働大臣に就任されました大臣の考え方は、その辺いかがでしょうか、誤っておったからこういう結果が出たのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 政府といたしましても、中小企業対策につきましては従来もいろいろと配慮をいたしておりましたところでございまして、今回の年末に対しましても、政府関係に七千億の追加資金を出しましたり、あるいは業種別にどういう不況の実態がきておるかといったようなこともよく企業別に検討されておるところであると存じております。私どもといたしましても、そういうことをいたしましてもなおかつ起こってくる不幸な方々、雇用をはずれた方々、そういう方々に対しましては、今後、十分な対策をとっていかなければならぬと考えておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 まあ、十分な対策をとっていかたきやならぬというふうな御答弁なんですが、特に労働省として、そういう危機に直面しておるところの中小企業並びに労働者の救済措置を具体的にどういうふうにとっていかれようとしておるか、個々の局部のほうでいろいろなお考え方があると思いますから、それをひとつ御答弁いただきたいというふうに思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 私どもは、いまお話ございましたように、どういう事態になっても労働者をその職場から離脱させない、失業させないということが、これが最も大事なことでございますけれども、こういう全国的、全産業的な不況の中で、失業者が出るということも私どもはやむを得ない事態だと、かように考えております。まあ、そういうことで、不幸にして、やむを得ず離職をされた、失業された方々につきましては、私どもは現行の失業保険法あるいは雇用対策法、こういった法律なり、あるいは従来の行政措置によりまして、こういう人たちの再就職をできるだけ促進するということで努力をいたしておるわけでございますが、その中でも、特に中高年齢層の方々や、あるいは身体障害者のようなハンディキャップを持った方々、こういった方々につきまして、できるだけ早く新しい職場についていただくように、私どもは全国の六百の安定所を総動員いたしまして、こういう特に社会的な弱者の立場にある方々、就職の困難な方々について重点的な運用をはかっていきたいと、かように考えておる次第でございます。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 全体的な、こういう不況の中で、中小企業等を中心にして賃金の不払い、遅欠配と申しますか、そういう問題があらわれてまいっておるわけでございますが、この問題に対しましては、何と申しましても賃金は労働者の生活の唯一のかてでございますので、全力をあげてこういうことのないように、特にわれわれといたしましては事前に早く問題をキャッチして、早く対処するということで、全国の労働基準監督署に指示いたしまして、極力、賃金遅欠配の解決につとめておるところでございますし、今後とも十分力をいたしていきたいと、こう考えます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 安定局長から雇用問題についての見解が出されたんですが、私は、特に次のようなことをぜひとも要請をしたいというふうに思うわけです。  まず第一は、下請社外工の工賃切り下げの規制、それから雇用の確保、下請代金の支払い促進というような問題を第一にやっていただきたい。  それから、第二は、臨時工、パートタイマー、季節労働者、日雇い労働者の賃金、雇用の確保のための積極的な具体的な措置。  それから、第三瀞目は、特に、中高年齢層の方が職場から追われるという例が多くなっておりますから、それらの方々の雇用確保についての特段の措置。  こういうものを直ちにひとつ実施していただきたいと思うわけです。  なお、操業短縮や休業に対する賃金保障もできるだけ解雇をさせないということからいきますと、その保障額はやっぱり一〇〇%に増大をする必要があるというふうに思うんですが、最後のところはひとつ御答弁をいただきたいと思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 下請の小零細企業の労働者、あるいは臨時工、パートタイマー、季節労働者、日雇い労働者、あるいは中高年労働者、いずれも雇用労働者総数の中で、全体の中で一番しわ寄せを受けやすい人たちでございます。先ほど申し上げましたように、こういう人たちのまず職場の確保、どうしても職場から締め出されたりする、こういう人たちに特に重点を置いて再就職を確保していきたい、こういうことで、私どもは中高年齢者の就職促進の特別措置法もございますし、あるいは転換給付の制度といったような制度もございます。あるいは現行の失業保険制度を最大に運用しながら、こういう人たちの失業期間中の生活をささえていく、そうして一日も早くこういう非常にむずかしい雇用情勢の中ではございますけれども、こういう人たちの優先的な職場の確保をはかっていきたい、こういうことで、実は先月の三十日に全国の関係課長全員を集めまして、こういう今後の情勢に対処して的確に事態の把握につとめますと同時に、こういう人たちの再就職の促進をはかっていく措置を講じてまいっておるわけでございます。御承知のように、アメリカ等におきましても、最近十月になりまして失業率六%をこえ、失業者五百五十万といわれておりますが、日本の場合と逆に、いわゆる先任権制度というような制度がありまして、若年、若い人たちの失業が深刻になっております。日本は、逆に中高年齢者が先に切られる、こういうことでございますので、それだけに、私どもはこの中満年齢者をはじめとする弱い人たちに対する対策を今後再重点として強化していきたい、かように考えておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 特に、その中で最近私は聞いた話なので、事例を申し上げて見解を承りたいと思いますが、ある県で三カ月ぐらい休業をいたしまして、そして解雇された。結局、できるだけ操業を続けたいという考え方があったんだろうと思いますが、その間、努力をされたことは認めるんですが、結果的にまあ工場閉鎖、解雇という形になりました。そうなってまいりますと、その労働者は休業保障六〇%、さらに解雇後の失業手当が三六%というふうに低下をすると、その労働者が比較的低賃金労働者でありましたために、結果的には、失業保障として受ける手当も生活保護手当以下の状態であると、こういう問題があるということを聞いたんですが、また、別な業務取り扱い要領などではそれを七〇%ぐらいにふやすことができるという見解もあるやに伺っておりますが、こういう事情に対してどうするか。なお、当局としてのこれに対する具体的な対策を承りたいというように思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) この六、七月以来、いま御指摘になりましたように、操短による一時休業というような状態が繊維産業を先頭に各業界に波及してまいっております。私どもは、この問題につきましては非常に強い関心を持って各現地の実情を聴取してまいっております。一番端的に全般的に波及いたしております一時休業の最も事例の多い繊維業について言いますと、かなり小零細企業におきましても、一時休業中の賃金につきましてはほぼ一〇〇%近い保障がなされておったように私どもは承知しております。と同時に、その反面労使双方から休業中の賃金保障について一〇〇%保障できるように、労働省としても何らかの政策手段を講じてほしいという非常に強い陳情も受けておったわけでございます。そのことにつきまして、私どもは先般の国会におきましても法案を提出いたしまして、使用者の全額負担による財源をもとにいたしまして、休業期間中の賃金保障の道をできるだけ助成したい、こういうことも考えておったわけでございますが、実現するに至りませんでしたけれども、その後の状況はまあまあ小零細企業におきましても何とか解雇しないで持ちこたえていきたいということで、私どももそういう行政指導をしてまいりましたし、使用者側も労働組合と一緒になって精一ぱい休業期間を延ばしながら続けてきた。それがどうしても企業経営上成り立たなくなって解雇、人員整理という事態に発展してきておるわけでございます。  そこで、いま御指摘のございましたように、失業保険をいざ支給を受ける段階になりまして、六〇%だからその六割の三六%、そういう事態は私どもの承知しておる限りはまだ聞いておりませんけれども、もしそういうふうに非常に不当に実際の賃金とかけ離れた実態が出てまいりますれば、これは過去の取り扱い、法律解釈上の運用の問題でございますけれども、通常支払われた賃金をもとにして保険給付の計算をするというような措置もとり得る余地がございますので、そういう不当に低いような場合はそういうことによって対処してまいりたい、こういうふうに考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 これは具体的に伺いますが、不当に低いという水準は、通常受けておった賃金の何%程度というふうに理解してよろしいですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 失業保険給付が支払われた賃金の六〇%、前職賃金の六〇%という考え方でございますが、いまお話しのようにそれが二割とか三割に落ちるということになれば、これはそういうふうにお考えいただいてけっこうだと、こういうふうに思います。ただ、失業保険給付の場合は御承知のとおりでございますが、前職賃金と申しましても、実は年間二回支払われますボーナスが月割りで加算されております。したがいまして、前職賃金に比較いたしますと、いわゆる六〇%プラス付加的な家族給付を加えますと、ボーナスを除いたいわゆる離職前の月収と申しますか、月収手取り額に比較いたしますと現行法では大体八割から賃金の低い方になりますと十割近い支給額になっております。したがいまして、そういった実態も十分考えた上で、きわめて不当な事態が出ればそういう考え方をとる余地は残されております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 ちょっとはっきり答弁してもらいたいのですが、結局それじゃ不当に低いという意味は、所定の賃金の六〇%は最小限保障しますということですか。いろいろ言い方をされるのでよくわからないのですけれどもね。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 病気で休まれたとかあるいは操短で休業中だというようなことで、その結果出てきた賃金が通常支払われる賃金の七割程度以下になったというようなことになれば、そういう措置も講じ得ると、こういうことでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それはよくわかりました。それじゃひとつ基準局長のほうにお尋ねするのですが、賃金の不払い問題ですね。私の手元に集めました情報によりますと、たとえば私鉄のみをとりましても五十二社、総額が五十七億から六十億円程度の不払い賃金があるというふうに報告をされております。この賃金の不払いということは、企業の支払い能力の問題もあるでしょうけれども、同時にまた労働者の生活に非常に大きな影響を及ぼすことは申すまでもありません。  そこで基準法上、たとえば二十三条、二十四条の条文に照らしましても、不払いは違法行為であるということは明らかなんですが、たちの悪い経営者になりますと五千円罰金払えばいいじゃないかというようなことで、できるだけ賃金を払わないようなことを考えておる人があるやに聞いております。これは許せない犯罪行為であるというふうに思うんですが、そういう企業はもちろん基準局として積極的に指導することが望ましいと思うんですが、全体の不払い賃金についてどういう考え方を持っておられるかお尋ねしたいと思うわけです。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 先ほどちょっと申したところでございますが、いま御指摘のとおり、賃金というものは労働者の生活の唯一のかてでございますので、これはたいへんな問題である。そこで賃金不払いがとにかく生じないように、またそれを早く察知してできるだけ払わせるようにと、最優先に考えておるところでございまして、その問題については私どもも機会あるごとに、特に最近におけるような状況下においては地方に厳重に指示しておるところでございます。  それから、ただいま御指摘ございましたように、中にはまあ、ごくまれかもしれませんが、賃金を払うことなく事業主がどっかへ行っちゃうなんという事態もございます。そういう際におきましても、できるだけ全国的な私ども監督署が配置されておりますから、そういうものを動員いたしまして追及をしていくということを考えておる次第でございます。  なお、私鉄の問題につきましては、ただいま御指摘ございましたが、私どものほうでも同時にいろいろの手を打っておりまして、現在においてはいまお話しございました数字よりは少なくなっておる、こういうことでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 そこで、倒産後の不払い賃金を実質的に労働者が確保するような措置が法的に講じられないかということを私も思うんですが、私の経験から申しましても、確かに民法や商法の規定によりまして先取り特権的なことはあるんですけれども、しかし一たん倒産してしまいますと労働者の賃金を含めまして、他の一般債権と同様な結果になってしまうわけでございます。そういうことではせっかく働いた労働者の所定の賃金すらもらえないということでは、これはほんとうにどうにもならないことだと思いますので、したがって労働者を守るために、そういう賃金の何か救済措置を法制化できないかということをいま私深刻に考えておるんですが、それに対する考え方はいかがでしょうか。これは労働大臣のほうから、あるいは労政局長でもけっこうです。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいま私申し上げましたのは、労働基、準法の刑事罰を背景にしてその支払いを迫るということでございますが、いま御指摘ございましたように、会社が倒産してしまう、してしまったという場合にはどういうことになるかと、御指摘のように一口に倒産と申しましても、破産という手続もございますれば、会社更生法その他がございます。で、会社更生法の問題になりますとかなり優先弁済の措置が講ぜられておりますが、単なる破産ということになりますと、おっしゃるとおり弱い形になっております。ただ、現行のこういう先取り特権といいますか、優先弁済を強化するかどうかにつきましては、この賃金不払い、それから公租公課、他の私法上の債権との関係などを検討する必要がございますので、私どもも関係のところと連絡の上、慎重に検討しているという段階でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 次に問題になりますのは、退職金とか社内預金の保護という問題があるわけです。新聞によりますと労働省のほうも日本熱学、阪本紡績などのいろいろな問題があった関係上、改善命令をそういう企業には出すと同時に、特別監査を行なっておるということを聞いておるのです。これは社内預金の問題なんですが、その結果はどうなっておるかということについてお尋ねをしたいと思うわけです。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 御指摘のとおり、とにかく早目に問題をつかまなきゃいかぬという観点から、社内預金を持っております事業所のうちから一千事業所を選びまして、全国一斉に臨検監督を実施した次第でございます。これは十一月に実施することになっておりますので、かなりのところは進んでおりますが、いまのところまだ最終的にまとまっておりません。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 いつごろまとめるつもりなんですか、大体予定は。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 十一月に監督を実施しておりますので、十二月にはまとめてみたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 この問題は特に調査が終わったら報告をしていただきたいと思うと同時にですね、社内預金の規制をやっぱりすべきじゃないかというふうに私は思うわけなんです。社内預金の規制をする考え方はないかということについてお尋ねをしたいと思うわけです。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 社内預金につきましては、かなり額もふえておりまするので、われわれといたしましても、これがいざというときに不払いとか返還不能となってははなはだ困りますので、いろいろの手を考えまして指導に当たっているところでございます。たとえば金融機関による保証をさせるとか、質権の設定による保証をさせるとか、あるいは預金者を受益者とする信託契約による保証をさせるとか、さらには預金保全機関を労使で設置する等の方法を講じた上でそれならばいいであろうという手をいろいろ考えておりますので、こういう方向でさらにそれを強化していきたいというふうに考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それらの問題について十分なる保全の措置を講ぜられるように強く要望したいと思うわけです。  最後に、時間がないので金融対策についてお尋ねしたいんですが、去る八日の閣議で年末特別融資として七千億円の追加を決定されたということを伺っております。そういたしますと、合計年末資金としては九千四百億円ということになるんです。団体交渉の場合に常に資金繰りの問題が労使間で大きな問題になるわけです。特に政府融資が構造的に問題になる企業については大きな問題になります。したがって、それらの見通しを早く当該労使間で把握することが必要だろうと思うんですが、これは大臣にお伺いするんですが、どういう産業にどの程度いつごろ特別融資が行なわれるかということが決定されるのか、その時期について伺いたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私もすみやかに通産大臣、大蔵大臣等々と協議をいたしまして、年末の手当におくれないような時期を設定するように努力をいたしたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 最後に労働金庫に対する融資ワクの問題について伺いたいと思うんですが、話によりますと、何か労働四団体のほうで折衝した結果七十七億の申し込みに対しまして大体四十億程度年末融資として対策が講ぜられるという話を聞いておるわけなんですが、この政府の財政投融資の中には勤労者みずからが蓄積した資金が大量にあるわけなんでございますから、その資金を労働金庫を通じて困っておる労働者、あるいはまたこれから家を建てようとする労働者にどんどん貸し付けていくという制度を確立すべきではないかというふうに思うんですが、労働金庫の融資拡大について最後に見解を承りたいと思うんです。

道正邦彦労働省労政局長

○説明員(道正邦彦君) ただいま四十億のワクは確保したそうだというお話ございましたが、そこまでいっておりません。おりませんので、地方からの要望も昨年末と違いまして強い要望がございますので、そのワクをふやすように目下大蔵省と折衝中でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 最善の努力をしていただくことを特段に希望したいと思います。  第三の質問に入りたいと思うわけです。これは失対事業に働く労働者の賃金の再改定について強く要求する立場で以下質問を申し上げたいと思うわけでございます。  まず、今日失対事業に従事する労働者の賃金は全国平均で千八百十五円になっておるというふうに聞いております。これは就労日数が二十二日でございますから、したがって一カ月の賃金はおおむね四万円になると思います。しかし失対労働者の皆さんの平均世帯構成を調べてみますと二・二人ということになっておりますので、四万円の給料ではとても生活ができないというふうに私は思うわけであります。特に最近のこの異常な物価情勢というものは、これはまた再び狂乱化しておりますが、先日発表されました十月の消費者物価指数は対前年比で二五・八%、それから対前月比でも二・五%というふうに急速かつ相当大幅に上昇をしておりまして、低所得者の皆さんはきわめて深刻な状態になっておるということが考えられます。こうした中でことしの春闘相場は一応約三万円、民間ベースに面して三二・九%、公務員賃金の場合には三万四千八百円で三二・四八%の賃上げになっておるわけであります。しかもそれは四月にさかのぼって支給されることにも予定をされておるわけであります。ところが失対事業に従事する労働者の皆さんの賃金はことしの四月で二百十四円、前年度に比べて一五・二%、六月は八十六円、十月は米価措置として三十円の二・一%、合わせまして約三百三十円、前年度に比べまして二一・八%の増額にしかなっておりません。これは一般の賃金水準や物価上昇に比べまして著しく立ちおくれておると同時に、最近の物価上昇の傾向から見まして実質的にはますます生活条件が低下しておる結果になっておるというふうに私は思うわけであります。そういう観点から考えますと、ことしの賃上げはあまりにも低いのではないかというふうに考えられます。  そこで質問をいたしたいと思いますのは、これまでの賃上げの基本的な考え方について、まずお尋ねをいたしたいと思うわけです。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(岩崎隆造君) 先生御案内のとおり、失業対策事業就労者の賃金につきましては、緊急失業対策法の規定に雄づきまして民間の類似の労働者の賃金を基準として定めるといのことになっておりまして、直ちに物価とかあるいは生計指数とかいうようなものにリンクすることになっておらないわけであります。ただ、本年諸般の事情がございまして当初前年度比一九・二%の賃金アップから六月に六%、さらに十月一日以降政府買い上げの消費者米価の改定に基づきまして三十円上積みをしたわけでございます。それによりまして前年度比当初比二七・三%、先ほど先生おっしゃいました千八百十五円でございませんで、私どもの試算では千八百四十五円七十銭ということになっております。先生先ほどもおっしゃいましたが、私ども政府といたしましては、消費者物価の抑制ということについて最大限の努力を今後いたしてまいるわけでありますが、消費者物価の動向は十分に重大な関心を持って見守りつつ善処してまいりたいというように考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 さっき部長は民間の類似の賃金というようにおっしゃいましたが、たとえばどういう類似の賃金か例示してもらいたいと思います。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(岩崎隆造君) 失業対策事業に従事しておられます大部分の方々は屋外あるいは屋内の軽作業に従事しておられる方でございます。そしてかつ臨時日雇いという雇用形態でやっておられますので、民間の場合のそういった労働形態におられる方々、まあ具体的には屋外労働者の賃金調査がございます。毎年いたしますが、それに基づきましてそれの上昇比率というものと対比してやっておるわけであります。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 基準局長にそれじゃお伺いするんですが、軽作業の屋外労働者の賃金、これは平均的に幾らになっておるか、及びその作業に従事しておるところの労働者の最低賃金というものが決定されておると思いますが、それは幾らになっておるか、お尋ねしたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) ただいま手元に具体的資料がございませんので……。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 それじゃ、具体的な資料がなければ論議になりませんから、次の回に譲りたいというふうに思います。  続いてお尋ねしますが、三十円の米価措置、二・一%を実施されたというふうに聞いておるんですが、その根拠を伺いたいと思うわけです。特に私はその点について、私どもの考え方を申し述べて根拠を伺いたいと思うわけであります。御承知のように、三二%の消費者米価の影響で、三十円値上げされたんでありますが、これについての資料を、社会保障研究会の低所得者部会の江口さんという方が発表されておるのを見ますと、とても三十円では米価対策についていけないという状態が報告されておるわけです。つまり、失対世帯の米価が、米の食料費のうち、米の購入価格が四千九百二十七円というふうに報告をされておるわけでありますが、そうしますと、三二%上がりますと、千五百七十六円七十銭になるわけであります。つまり、三十円では実質的には四一%しか保障できてないという結果が試算できるわけなんですが、実質的に七十一円もの影響があるとするならば、米価措置としては正しく行なわれるのが当然ではないかと思うわけです。しかも、失対従事者の方々は、非常に日ごろから賃金が安いわけでありますから、せめて米の価格の上昇につきましては、正しく保障する措置が望ましいと思うんですが、その根拠並びに私が申し上げました見解についての反論があれば、伺いたいというふうに思います。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○説明員(岩崎隆造君) 先般三十円引き上げました消費者米価の引き上げに伴う加算の問題でございますが、失対就労者の米の購入のための経費、それからその米価引き上げ率というようなことを勘案いたしまして、従来の消費者米価引き上げに伴う失対賃金の加算の例にならいまして、十月一日以降三十円という算定をいたしたわけでございます。  先生いま御指摘になりました社会保障研究会の報告は、私どもも承知はいたしておりますが、ただその内容につきましては、一つはサンプル数が非常に少ないことからくる問題、あるいは調査対象の、世帯構成とかその他の問題がありまして、私どもは、総理府の統計局で出しております家計調査の中の臨時日雇いの方々の世帯を勘案いたしまして、そういうような消費状況を勘案いたしまして、そういう試算をいたしておるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 年末一時金の特別措置と加えて米価対策三十円というのも、あわせて再検討する用意があるかどうか、これは重ねて労働大臣にひとつ伺いたいと思うわけです。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) いまお話しの年末につきましては、昨年あるいは今年の年度末、諸般の情勢を考慮しながらいわゆる弱者対策ということで、生活保護対象者、失対就労者につきまして、増給措置が行なわれたわけでございます。私どもは、ただいま御答弁申し上げましたように、昨年に対比いたしまして二七%余りの賃金増額をいたしております。年末に支払われますいわゆる臨時の賃金につきましても、これは先生も御承知のとおりでございまして、国で措置いたします二十三・五日分のほかに都道府県、市町村、そういったところからあわせて支給されております実情でございます。これは県によってあるいは市町村によりまして、その額の差はございますけれども、国で措置します額以上のものがおおむね支給されております。こういったものを合わせますと、私どもは賃金増額措置によりまして、年末の臨時の賃金もそれ相当に引き上げられてくるわけでございます。したがいまして、いまこの問題につきまして直ちに増額の点につきまして、御質問の点にお答えする段階ではございませんけれども、先ほど来大臣がお答え申し上げておりますとおり、消費者物価の動向等も考慮しながら、今後の実態を十分見きわめた上で検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 千八百十五円と申しましたが、千八百四十五円だというふうにおっしゃったんですが、これは目くそと鼻くその議論でございまして、要するに低いということははっきりしておるというふうに思うわけであります。しかも、不当に低いということが、もうはっきりしておるわけであります。ちなみにもう一回江口さんの調査をもとにいたしまして、その低いという理由を申し上げて、再検討を重ねて要請をしたいというふうに思うわけです。  失対労働者の皆さんの夫婦世帯の食料費が、一日で平均五百六十八円であるというふうに報告をされております。これは昨年の九月時点の資料でございます。これを一人の食料費を、いわゆる消費単位で計算をしてみますと、一日当たり二百九十九円ということになります。私、あえていろんな他の変な動物の飼育費に当てはめて説明することは不見識でございますから、避けたいと思いますが、要するに低いということが明確だろうと思うわけです。この二百九十九円でいきますと、昨年の九月時点で何が買えるかといえば、ラーメンが二はいであったというふうに思うわけでございます。しかも、この金額で摂取する栄養の量というのは一人で、労働されていらっしゃいますから二千三百七十カロリー、しかも、そのカロリー摂取量のうち六六%は米で充足しておる、ないし穀類で充足しておるということが報告をされておるわけであります。これに対しまして、低いといわれておる生活保護世帯の単身者の一日の食費を調べてみましても、三百五十六円でございまして、なお低いというのが失対労働者の実態であろうというふうに思うわけです。また政府公認の理論値の一つとされておりますところの人事院の理論生計費を調べてみましても、食料費ではその五二・六%にすぎないということになっておるわけであります。だから賃金が安いので、全体にこの食料に要する費用が多いというわけで、エンゲル係数は実に四八・一%ということになっておるわけです。まさにこれではもう食うだけだという生活の実態だろうというふうに思うわけでございます。したがって、江口氏の計算によりますと、当時の千五百四十六円の二・二倍、そういう賃金は必要なんだ、そうなければ最低生活を維持することができないというふうに申されておるわけでございます。したがって、少なくとも失対労働者の皆さんの賃金を大幅に引き上げて、その最低生活をせめて保障するという態度が望ましいというふうに思うわけでございます。  私はこれまで日本の現状の中で年金、失対賃金、生活保護というものが、日本の国民の価値を下げる三大要素になっておるというふうに主張してきておったわけなんでありますが、せめて新しい労働大臣がここに誕生したわけなんでございますから、失対労務者の皆さんの生活を、最低の条件を保障するために、大幅な失対賃金の引き上げを再検討していただきたいと思いますが、労働大臣もう一回ひとつあなたのさっきの所信のように、はっきりと低所得者を保護していくんだということを答えていただきたいというふうに思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) ただいまの浜本さんの御質問に対しまして、先ほどもお答えいたしましたとおり、これらの方々の御生活をお守りするために、今後の経済の動向、消費者物価の動向等等をにらみまして、十分御生活を守る配慮をしていきたい、かように考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 時間が参りましたので、最後に一つだけお尋ねしますが、十一月十九日には、日本の労働運動の多くの人たちが、インフレ問題、特に低所得者の皆さんや、年末問題を中心といたしまして、統一的なストライキが予定をされておるわけであります。話によりますと、春闘共闘委員会、つまり労働者のサイドの代表の方も、関係省庁の責任者の大臣の皆さんに会って、いろんな問題について直接交渉したいという希望があるように聞いております。その時期が十六日ないし十八日というふうに伺っておるわけでありますが、今日の労働者の窮状を打開するために、その申し入れに対しまして、労働大臣としては積極的に応じるおつもりか、さらに、その交渉の中で、先ほどおっしゃったような原則的な考え方をさらに具体化されまして、労働者の要求が実現するような方途を講じられる所存があるかないか、お尋ねをしたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私は、働く方々のおことばには十分耳を傾けたいと考えております。しかし、ただいま御発言のストライキということは、ひとつこれはぜひお避けを願いたいという気持ちもあわせて持っております。どうか、そういう最後の手段でなく解決することこそ、私は日本の現在の社会情勢、経済情勢あるいは働く人々も含めた国民を守るゆえんではなかろうかと、かように考えております。御意見につきましては、十分私は傾聴いたします。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 じゃあ会って、率直にお話しをされるということと理解してよろしいですか。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) そういう声に十分耳を傾けたいと考えております。

浜本万三日本社会党

○浜本万三君 どうもありがとうございました。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時から再開することとし、休憩いたします。    午後一時十三分休憩      —————・—————    午後二時九分開会

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 理事会の申し合わせもありますので、なるべく短い時間で質問を行ないますことと、それから、繰り返した質問はいたしませんので、お答えもひとつ率直にお答えをいただきたいと思います。  先ほど午前中の質問に、失対賃金のことについてずっと質疑がかわされておりました。その内容については私は繰り返しませんが、一体労働省は基本的に現在の失対事業をどう持っていこうという考えか。これが、失対事業そのものが見直しの時期であるというふうなことも伝えられておりますが、こうした雇用情勢、経済情勢ともかね合いの上でどう判断しておられるか、その点についてまず伺いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 現行の失業対策事業、いわゆる失業者就労事業という正式の名称でございますが、これにつきましては、ちょうど三年前のこの国会におきまして中高年等の特別措置法が制定されました際に失対事業就労者の取り扱いがいろいろと問題にのぼったわけでございます。そのときに私は衆議院、参議院の両院の社会労働委員会におきまして、現在の失業対策事業就労者につきましては、今後、将来どういう事態になりましても、——当時失対事業につきましていろいろと世間から批判が寄せられておりました。失対事業はいわゆる惰民の養成ではないかとか、こういうものをやめるべきであるというような意見もございましたけれども、私どもは失対事業就労者の就労の実態につきまして、そういった世間からいろいろな批判を受けることのないように事業の正常な運営をはかっていただくと同時に、当時、現在時点で失対に就労している人たちにつきましては今後安心して働いてもらいたい。極端な言い方をしますと死ぬまで働いてもらってけっこうなんです。こういうことを申し上げたこともございます。その当時、当時十八、九万の就労者がおられましたけれども、そのときの法律の施行によりまして新しい職場に転向される、あるいはリタイア、引退される、こういう方を含めまして当時一年間に約四万数千の方が失対事業から離れてそれぞれの新しい道につかれたわけでございます。その後ほとんど減少いたしておりません。今日までことしの四月の時点で十二万五千くらいだと思いますけれども、こういう人たちがいま私がその当時お約束申し上げましたとおり安心して働いていただいているわけでございますが、最近巷間、緊急失業対策法に定められております失業対策事業の定期的な検討ということから何か失対、現在の失対事業を打ち切られるんじゃないかというようなことが流布されているようでございます。この失対の制度の定期的な検討と申しますのは私ども当時からいろいろと批判がありましたことにつきまして懸念をいたしております。そういう世間一般から失対事業なりあるいは就労している人たちに対していわれのない批判を受けることのないように事業の正常な運営をしていこう、こういうことで努力をいたしてまいっておりまして、私ども現在の情勢からいたしますと、まあ大部分がそういう批判を受けるようなことのない事態にまで改善されてきておると考えております。ただ一部には、やはり当時問題にされておりました一日に二時間しか働かないとか、いろいろ批判を受けるような面もまだ残されております。こういった点をより実態に即した今後改善の方向をどうしたらいいのか、こういった点を検討を進めていると、これはもちろんでございます。そういうことが何か誤り伝えられましていまの失対事業を打ち切るのではないか、こういうふうに懸念をされている向きもあるようでございますが、そういうことは決してございませんので、あらためてここで私の見解を申し上げておきたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 局長から失対打ち切りのようなことは毛頭考えてないという点ですね。それから一生涯安心して働いていただけるような制度として持っていきたいということでありますが、それにしてはあまりにもお粗末な賃金ではないかと。これは繰り返しませんけれども、はなはだいまこのインフレの年末を控えてとてもとても安心して働けるような内容でないということもよく御承知ですね。いかがですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 先ほど来御質問もございましたし、小平先生にはこの失対就労者の実態につきましてはいろいろ御勉強いただいておりますし、賃金その他の問題についてたいへん御理解ある御意見を承っております。私どもも、三年前の改定当時以来、失対就労者の賃金の改善につきましては私どもなりに努力をしてまいったつもりであります。で、まあ昨年以来のこういう非常事態につきましても、それなりの手は打ってきておるつもりでございますが、まあ実情の一端を申し上げますと、就労者の年齢構成、御承知のとおり、女子が半数以上を占めておりますし、次第に高齢化してまいっておりまして、作業内容もできるだけ屋外作業でなくて屋内作業、あるいは花壇で花をつくって市町村住民の方に提供するとか、そういった年をとった、六十を越えた、七十を過ぎた方もいらしゃいますけれども、そういう人たちが気持ちよく喜んで働いていただけるような職場にというような転換を進めてきておるわけでございます。  作業内容も、これも御承知のとおり、八時間働くというたてまえにはなっておりますけれども、実態は大体まあ五時間から、よほど地方のいわゆる公共土木事業的な作業をしておられるところでも六時間というのが限度でございます。作業内容もそういった年齢構成あるいは男女の構成比率等からいたしまして、きわめて軽易な作業が多くなってきております。したがいまして、私どもは、できるだけそういった、先ほどお話が出ました同種の作業内容に準じた賃金というたてまえをくずさない範囲内で、最大限の改善に努力をしてまいってきておりますし、今後とも努力をしてまいるつもりでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういう点の御説明はわかりますがね、私が先ほど発言した趣旨は、賃金がお粗末過ぎるということについて、安心してどころではないという、そういう生活の実態にある、賃金の実態にあるという点です。その点はいかがですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) まあ、この失対に就労している方の世帯収入の実態、生計費の実態もございますけれども、私ここでそれを申し上げるつもりもございませんけれども、確かに一般の常用労働者として働いている方に比べますと収入面では劣ることも事実でございます。私ども、そういう点も十分考えながら、今後改善に努力をしてまいりたい、かように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ、そういう経過だと思いますが、次に、この沖繩の米軍関係労働者についてでございますが、防衛施設庁は先ほど答弁しておられましたので、同じことは繰り返して御答弁いただかなくてけっこうですが、率直に言いまして、この労働団体の交渉相手はだれなんですか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 簡単に申し上げまして、第一次的に沖繩県知事でございます。それから、同時に防衛施設庁長官でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこが、沖繩県知事としましては、自分の権限外のことばかり持ち込まれて困るということが第一点です。  第二には、実際使っているアメリカ軍に対して労働者の要求をどう反映させるかということが自分にはできかねるというような点を、施設庁はどう考えていらっしゃいますか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) いま先ほどお答えいたしましたように、団体交渉を沖繩県知事、屋良知事がなさいますときにいろいろ御苦労が多いということは、私どももよく承知いたしております。それで、実はまだ、復帰後もう二年たちましたけれども、まだ本土のほかの県に比べまして、それから労働組合自体も、それから現地の米軍自体も、間接雇用の仕組みというものにまだまだふなれな面が残っております。したがいまして、沖繩県のほうに、私どもがいまどういうふうにして結局沖繩県が困らないようにするかということを考えているかということを申し上げますと、いわゆる日米間の取りきめ自体を変えなければ、結局要求にこたえられないような労働組合の要求というものをこれは当然施設庁長官のほうに回してくださいと、それで、それについての知事さんの御意見をつけてお回しくださればいいわけでございますから、お回しくださいと、それで、ただ現地で実際の委任の範囲が、法令のとおりを申し上げますと、大体給与の仕組み、その他いわゆる実施に関することでございます、その雇い入れとか解雇とかね。したがいまして、その実施に関することでありますれば、知事さんが解決できる問題もあると思います。しかし、実施じゃなくて、そのもとの、きまっている日米間の取りきめに関することとかというようなことについては、その取りきめを直さなければできないようなものにつきましては、当然施設庁長官に回わしていただいてけっこうなんです。それでまた、さらに申し上げますと、その実施に関することでもいろいろ、まだ日が浅そうございますので、沖繩県でまあ若干不明確といいますか、判断にお迷いになります場合には私どもの職員を差し向けますこともいたしますし、それから、ほかの県のそういう事務に練達の人もたくさんおられますので、そういう応援派遣を依頼すると、そういったことをやっております。で、昨年の例を、具体的な例で申し上げますと、遺憾なことに復帰直後給与の従業員の支払いがたいへん遅滞した事態が一時起きました。で、そういったことについてやはり応援を各県がするということで、ほかの県から、私の記憶ではその時期だけで延べ約五、六百人の人をほかの県から応援したと思いますが、それから私どもの職員でも延べ五百人ぐらいの者が応援に行ったと思います。それで、できるだけ現地の米軍のほうにもよくなれるように中央の米軍から指示をするといいますか、その変な、協約どおりのことを間違って沖繩県に要求してきたりしないようにするとか、それから労働組合の方にも、直接私どもも何べんも現地に行きまして、団体交渉の要求があるたびに出かけておりますが、そのときにも、大体こういう事柄は私どものほうに言ってもらったほうがいいことである、こういう事柄は、これは現地で県庁とお話しになるのがいいでしょうと、そういうふうに何べんも説明はしているんです。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういうようにあなたもずいぶん沖繩へ直接出張して事情はよくわかっていると先ほど答弁しておられたのですが、屋良知事の表現を申しますと、基地があるゆえに起きた問題、あるいは起きるであろう問題、それでもう奔命に疲れ果てていると、これが屋良知事の実情なんです、心境なんです。そういうことに対して、防衛施設庁の責任者としてただふなれのためだということでケリがつきませんよ。(「失礼だよ」と呼ぶ者あり)失礼じゃないですか。この沖繩県から出ている要望書はあなたごらんになったですか。「基本労務契約、船員契約及び諸機関労務協約の改正について」という見出しで、この冊子の中のこの3に、「制度上、県は基地従業員組合との団交当事者とされていますが、権限外の団交事項が多いこと及び従業員の意見を直接使用主に反映させる必要があることから現行制度を改め」てほしいと、こう言っているわけでしょう。現行制度を改めてほしいと。現地米軍と労働組合とが直接交渉できるようにすべきであるという御意見、こうした、当事者としては奔命に疲れ果てているとおっしゃる。その御意見に対してあなたはふなれなせいだぞと、なれさえすればそれでケリはつくんだぞということで押せますか。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) 先ほどの私の答弁が沖繩県知事がふなれだからというふうにおとりになったとすれば、それは私のことばが足りなかったせいだと思いますが、現地の米軍、それから労働組合、そういったものもなれていない面があると思います。そういった面をなれるといいますか、きまったことが間違えて行なわれるというようなことのないようにということは、中央の米軍からも現地の米軍にたびたび言っておりますし、研修等も行なっております。それで、私自身もそういう話を知事さんから直接お伺いしたことがございます、最近。それで、そのときに私申し上げましたのは、ほんとうに御苦労をおかけしていることはうちの長官も大臣もよく存じておりますと、それで、したがって、できるだけのことは沖繩についてはやれという指示を私自身も受けておりますし、それでどうしてもお困りになることはどんどんこちらに言っていただいて、私どもの、微力でございますが、私どもでできないことはまた関係各省がございますから、関係各省に私どもはすぐ連絡しまして御協力申し上げますと、それで実際上京されまして、この間七月に御上京になったときにお話しになったことについても、できるだけのことはそういうふうに、こういうふうなことはこういうふうにいたしましたと、そういうことをお知らせいたしましたし、それでただ、そのものの仕組みといたしまして、午前中ちょっとお答えいたしましたように、日本人の従業員のことであるので、国が雇用主になるほうがいいという考え方がいまの制度だと思いますと、それで、その県民——一方また沖繩の県民でございますから、沖繩の県知事がその世話をしていただくのがまたいいと、適当だろうということで、ほかの県も同じでございますが、東京都でも神奈川県でも青森県でも一応全部そういう仕組みでやっております。で、現地の米軍の司令官その他と知事さんがお話し合いになってできないことというのは当然こちらに、東京に話していただいてけっこうなのでございまして、それで、こちらが、私どもだけでできない場合は、関係省庁の、外務省等の力も借りてやるわけでございます。それで、ぜひそういうふうにこちらの大臣、長官の意向を御理解いただきたいということを申し上げたわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ午前中の答弁にありましたので繰り返すつもりではなかったんですが、要するに第一義的には知事にあると、で、知事の権限外のことは私のほうへ来てくれればいいと、こう言っているわけです。午前中もまたいまもそう言っていらっしゃるのですが、実際上組合がふなれだと今度はあなた言われますけれども、組合の人がね、神奈川から東京へ来るのと沖繩から東京へ来るのとどのくらい違いますか。ですから、そういう点、この制度の仕組みということを盛んに言われますが、制度の仕組みも考えてください。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) これはまた繰り返して恐縮でございますが、したがいまして、団体交渉をいたしますのに、私どものほうから沖繩に出向いて、組合から要求がございましたとき、それから県庁から連絡がありましたときは出向きまして団体交渉をたびたびやっております。それで、向こうから、沖繩から組合の方がこちらに上京されるのは確かにたいへんでございます。ですから、できるだけこちらから出向いて御要求があれば行くということは組合の皆さんにも申し上げております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 できるだけ出向くことと制度の仕組みについても考えていただきたい。あなたが考えますとか、検討しますという御答弁はいまできないでしょうから、これ以上繰り返しませんけれども、そういう点ほんとうに知事をはじめ関係者が奔命に疲れ果てるという現状、あるいは実際に次から次へ行なわれる人員整理、そしてこの沖繩全体の労働市場との関係、きわめてたいへんな時期にあるという点から、そういう点御検討いただきたいということを要望いたします。  それから、労働省としましては、この沖繩県の労働市場はいまの軍関係労働者の離職者とともに、やはり不況による離職者も相当ふえているという点ですね。私たちが行きました当時の新聞報道だと、失業率が沖繩県の場合平均して四・一%、全国は平均して一・二%というふうなことでありましたが、こういう点いまどうなっているかということと、それから沖繩が非常に失業の重圧にあえいでいるという点をどう把握しておられますか。よくアメリカの失業率が何%になった、あるいは西ドイツの失業率が何%になった、たいへんだというような報道がありますが、それに負けず劣らず沖繩として重大な事態にあるといういうふうに考えておられますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 沖繩は確かに労働市場の状況も本土とやや異質のものがございまして、失業の情勢も最近のような景気後退時期の本土における場合と違って、またさらに一そうむずかしい問題があるかと思います。九月の時点で失業者がたしか一万三千四百ぐらいだったかと思いますが、そのうちで一般失業保険の受給者と、それからあと駐留軍関係のいわゆる臨時措置法の適用を受けてこれによる手当てを受けておられる方、それからもう一つ沖繩は特殊な事情によりまして、沖特法の手当を受けながら再就職を活動しておられる方、こういう方がございますが、これは先生方現地を御視察いただきまして御承知のとおりでございまして、沖繩本島あるいは離島を含めまして、あるいは沖繩県内ではそういった失業者の人たちが再就職をするための企業、そういう雇用の場がきわめて少ないわけでございます。で、最近は、ここ一、二年は海洋博の準備のためのいろんな工事がございますが、これとてもこういった失業者を吸収するに十分ではございません。したがいまして、基本的にこの問題を解決するためにはどうしても沖繩県百万の人口が沖繩県内でこういった人たちの就職の場、雇用の場を確保するには人口が過大に過ぎるんではないかということもいわれております。どうしても本土に就職の場を求める、こういった人たちの再就職を確保するためには本土へ移住してもらうということが必要であろうということで、屋良知事をはじめ県当局とも再三再四私どもは話しをしてまいったわけでございますが、いろいろ特殊な事情がございまして、沖繩県から本土に人を移すということについては、極端に、何と申しますか、感情的にと申しますか、この動きを忌避する考え方がございまして、私どもは職業安定法なりあるいは雇用対策法なりによりまして沖繩県から本土に住居を移して就職する人のためのいろいろな援護措置等もございます。その就職を容易にするためのいろいろな方策が講じられておりますけれども、その具体的な前提になります措置としまして、沖繩県のこういった特定の地域をいわゆる広域紹介の対象地域として指定いたしますことによって、その移動就職を容易にすることができるわけでございますが、沖繩県の場合、過去本土復帰以来実はこの九月まで、どうしてもこの広域指定をすることをがえんじなかった。県内で就職の場を確保するということに固執された。これは県民感情としてやむを得ない面もあったかと思いますけれども、これでは県内に雇用の場がない以上どうしようもない、手の打ちようがないということで、私どもは屋良知事と再三再四この七月、八月にかけて折衝いたしまして、やっと九月の最終時点で十月一日からこの指定の、——毎年四月、十月に指定を改定いたしますので、その十月の指定に間に合いますように屋良知事に納得してもらい、県当局者、関係者等にも納得していただいて、ようやくこの十月から初めてこの指定地域に指定することができたわけでございます。そうすれば、沖繩県内のこういった失業者の人たちが住居を移転してこちらへ、本土へ就職しようということであれば、そういう希望者につきましては、本土で住宅も確保し、住居を移転して就職するための各種の援護措置も適用できる、こういうことで私どもは当面本土自体がこういう不況の時期でございますから、なかなかむずかしいわけでございますけれども、いままでと変わって、今度は本土を含めてこの沖繩に居住される失業者の方々の再就職が今後は道が開けてくるんじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大臣、いま御出席される前から質問を継続しておりますが、沖繩の失業問題がきわめて憂慮すべき事態であるということをいま述べているところですから、またあとで大臣に質問いたしますからお聞き願いたいと思います。  で、局長、広域紹介ということに非常に力を入れていま説明をされましたが、広域紹介もそれは一つの策ではあると思います。しかし、何といいましても、雇用促進事業団の沖繩総合高等訓練校、ここは先ほどの報告にもありましたように来年三月卒業する人の中で養成訓練、——若い人ですね。養成訓練の方は県内で三件、十人ですね。県外で四十六件百三十八人の求人があるにすぎない。ところが、転換訓練、中高年齢層の転換訓練の卒業生に対する求人は今日の段階ではゼロだという、こういう状況にあります。それで、ただ本土へ行け本土へ行けと言われましても、これは私たちが沖繩にいるときに地元の新聞の社説にも出ておりましたが、何千人の人が本土へ就職したと言われても多くは常用労働者になっていないということなんです。まして、家族持ちに、さあ向こうへ行きなさい、本土へ引っ越ししなさいと言われても、そうやすやすといかないわけです。  ちょっと局長首をひねりますので、社説を読みますと、「昨年の就職の実績は、学卒者を除いて約五千二百人が本土で就職したことになっているが、季節労働者が多く、常用はわずか一千人余しかいない。」、これは社説の記事ですからね、そう首をひねらないでお聞きいただきたい。そういうことで労働省としては限界があると思いますが、労働省の限界を越す分については大臣からお答えいただきたいんですが、また海洋博の工事はまさにまつ最中です。そして、局長もいま海洋博のことに触れられましたが、海洋博はもうやがて工事は完成します。そして来年海洋博が開かれる。それが終わったあとどうなるかということですね。その辺はどのように考えますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま小平先生から新聞の社説等も御被露ございましたが、実態は私、まさにそのとおりだろうと思います。学卒あるいは若年労働者で本土に就職される方は、これは本土がこういう景気の後退がありましても、いわゆる新卒を含めた若年労働力は依然として引っぱりだこでございます。したがいまして、沖繩県の出身者で本土へ来られる方につきましてもこういう若年に属する方々は、これは私は比較的問題はないと思います。問題はいまお話しのように家族持ちのまあ中高年とまではいかないにしても、それに準ずる方々だろうと思います。こういう人たちが本土へいまお話しのように五千人就職されても常用は千人だと、これは千人の方々は常用で家族を連れて本土へ移住されるということが可能な方だろうと思います、おそらく。で、家族をそのまま沖繩県に残して本土へ来られる方は、いわゆる季節出かせぎ的な形で、ある一定期間働いてまた沖繩へ帰っていくと、そしてまた翌年出てくると、こういう形が多いのが実態であろうと私どもは判断いたしております。  そこで、先ほど申し上げましたように、私どもは雇用促進事業団でいろいろな援助業務を行なっておりますと同時に、各県、各地域に住宅を設置いたしております。沖繩県から移住されて来られる方にはこういった住宅を優先的に割り当てるというようなことも安定所を通じて指示いたしております。できるだけ家族を連れて常用として本土に移住して就職をしていただけるように私どもは努力をし、指導してまいりたいと、かように考えておりますが、実際問題としましては、なかなかある程度の年齢に達した方が家族を連れて移住されるということは——これは住宅に対する不安が一番大きな問題だということは、私ども何度も直接伺っております。そういう点の不安を解消することによって本土就職を容易にするように今後ともつとめていきたいと思っております。  また、海洋博につきましては、現在一日の就労人員が約五千七百名でございます。そのうち沖繩県の地元の労働者が約三千五百から六百ぐらいございます。この三千五、六百の地元の労働者の方のうちの約二千八百ぐらいがいわゆる建設業者の手持ち労働者でございます。いわゆる建設業者の雇用労働者でございますので、沖繩海洋博の工事が終了いたしまして、結局失業という形で職を離れる方はその残りの五、六百から七百ぐらい、こういうことになるんではないかと、私どもはこういうふうに見ております。こういう人たちがいまの失業にさらにプラスされるわけでございますけれども、こういう建設関係に従事しておられる方はほとんどが熟練労働者、技能労働者でございます。いまこういう不景気のもとにありましても一番足りない技能職種でございます。したがいまして、私どもは海洋博の工事終了後のここから出てくる失業という問題につきましては、そういう懸念は必要ないんじゃないかと、これは本土なり沖繩県内でも、他のいろいろ工事に関係した技能労働者の不足は相当手きびしく私ども注文を受けております。そういった関係から海洋博に関する限りはこのことによって失業者が続出するというようなことにはならないんではないかと、こういうふうに考えております。  で、基本的には、先ほど申し上げましたように本土移住ということが私どもはこの解決の一番大きは方策であろうかと思いますが、同時に、やはり沖繩県当局に私どもいろいろお話をしておりまして、農業振興というようなことでこの沖繩の問題を片づけたいという県の意向もあるように私ども屋良知事からも承っておりますけれども、農業振興だけでこの百万の人口を養っていくということはとうてい不可能じゃないだろうかと、やはり沖繩県に適した企業を誘致することによって雇用の場を確保していくという、そういう方向で県としても御努力願いたいし、私どももそれに必要なお手伝いはさせていただきたいと、こういうふうに申し上げておりまして、今後とも県知事はじめ県当局と十分連絡をとりながらこの沖繩の雇用問題についての解決に努力をしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ局長がいま言われるように、海洋博の終わった段階で新たな離職者はほとんど問題にならないと、海洋博を終わった、そら不況が来たというようなことにはならないだろうと、そうなってくれることが一番ありがたいことです。一番ありがたいことですが、何せあれだけの工事をし、人が動き物が動いているわけです、現状はですね。それからまた、海洋博が開かれれば相当の多くの人が押しかける。また、そういう人が動き物が動くわけです。それがやがて海洋博を終わればその動きはなくなるわけですから、そういう直接、間接の影響がどう出るかという点が一つの問題であるというふうに私はいまでも考えます。  そこで大臣に伺いますことは、これは局長あれですか、アメリカの失業率は六%で、西ドイツが三%ですか、一番最近の報道は。そういう西ドイツが三%、アメリカが六%ということが日本のニュースとして流れるわけです。沖繩は現にもう四%こしているというわけです。しかも見通しは何があるかと、総需要抑制がかりにゆるんだとしても、沖繩の失業率が低下することが期待されるかどうかという点ですね、これは単なる見通しや議論をするだけでなくて、ひとつ大臣、労働問題がきわめていま県全体の大問題です。したがって、大臣として直接ごらんになる、直接沖繩の労働事情を視察すると、そして先ほど防衛施設庁との間にもいろいろ質疑をかわしましたが、そういうような点についても、大臣が自分から行かれれば一番いいし、もし大臣がどうしても行かれないなら政務次官とか、とにかく労働省として積極的に乗り出す、こういうことがお約束できますか。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 沖繩の失業状態は、まことに仰せのとおり非常な深刻な問題があると存じております。私が沖繩に参りましたのは、法務委員長をいたしておりましたとき、与野党一緒に参りました記憶がございますが、それから年数もたっております。今日の状況はまたひとしおのものがあろうと存じております。私どもといたしましては、あの小さい島に生活しておられる方々をどうしてお守りするか、また日本にお迎えした以上どうして幸福な生活を保障して差し上げられるかということは非常に大きな問題だと私も思っております。私自身時間が許せば、友人もおりますことでございますから、一ぺん飛んでいきたいという気持ちは切なるものがございます。また、私が参りませんでも、適当な方法を講じまして沖繩の状況をつぶさに掌握するような方途を講じまして、御期待に沿うような行政を進めていきたいと考えております。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 大臣、委員長からも、私、団長で行きましたので、一言つけ加えて申し上げたいのですが、あなたが行けなければ、政務次官あるいは当面の責任者の安定局長、それに加えて、何べんか団体交渉に行っているようですが、施設庁あるいは財政が伴うものであれば大蔵なり、そういうものをやっぱり派遣をして、この沖繩の問題というものはこっちで考えるようななまやさしいものじゃないということをぼくらもうしみじみ感じておりますので、早急にひとつ派遣をして、総合的な施策というものを講じてもらいたいというのが行ってきた団のすべての者の気持ちなんで、いま小平委員から出されまして、団長である私にも一言言ってもらいたいという特に小平委員からの内々話がありましたので、いま発言をしているわけですが、その点大臣ひとつ決意していただけますか。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) ただいま委員長の御発言は十分私も承りまして、善処いたしたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは次に、身体障害者の雇用促進について若干伺いたいのであります。  身体障害者雇用促進法がありますけれども、そしてまたこの雇用促進法では雇用の義務、——国の義務、一般的義務、あるいは計画を立てるというようなことがありますが、どうも、経済情勢がこうなったということもありましょうが、身体障害者の雇用促進には十分な成果をあげていないじゃないかという点、労働省はどう考えられますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 身体障害者の雇用の場を確保するという問題につきましては、過去、長期にわたりまして国会、各委員会におきましても御指摘を受け、私どもは精一ぱい努力をしてまいっているわけでございます。特に最近のように雇用情勢が悪くなりますと、先ほど来御指摘がございましたように、中高年齢者とかあるいは短期、臨時工、パートと、こういったところにしわ寄せが間々受けやすい情勢にございますので、先般事業主団体、電機から輸送各商社を含めました銀行、金融関係と全部含めた業者団体の会合でございます中央雇用対策協議会というのがございます。この場で、私は、こういったいわゆるしわ寄せを受けやすい、弱い層の人たちはもちろんでございますが、なお、特に身体障害者について従来とも雇用率が達成できていないような企業もございますし、雇っておられる方々を、こういう人員整理とか、そういう事態になりましても、こういう人については特に対象にすることのないように特段の御配慮をお願いしたいということをお願いしておるわけでございます。  それはそれとしまして、身体障害者の雇用につきましては、現在法律では制定されておりまして、この法律をもとにいたしまして、審議会のいろいろな御意見も参考にいたしながら施策も進めておりますけれども、いろんな面で十分でない点がたくさんございます。さきの国会でも、この委員会で御指摘を受けておるわけでございます。特に大企業を中心にしてこの身体障害者の雇用が必ずしも十分に成果があがっていない、こういった点を私どもはただ単に行政措置だけでは今後根本的な解決にならないんじゃないかというような感じも私はしみじみといたしております。できますならば、来年通常国会でこういった点を含めて、法律的な措置も含めた基本的な検討をしてみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 これは社会保障制度審議会の委員の方たちが今年十月に福島県を訪問したときに、福島県のいわき市の日東電工株式会社という小さな企業ですが、この企業では身体障害者の方を十三名現時点で雇用しておられる。その中でろうあ者を六名雇用しておられるという点、それからここの会社のやり方は一切差別をしない。仕事や職場経験について健常者と同じ扱いをするのと同様に、給与等の労働条件についても全く差別はしておりませんということがこの制度審議会の派遣で参りましたときに説明がありましたので、労働省のほうでこの事実を確認してほしいと申し上げておきましたが、確認できましたか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま先生の御指摘になりましたいわき市の日東電工の例でございますが、たいへんけっこうな話で、私も感銘いたしたわけでございます。昨年来、私どものほうでいわゆるモデル工場の特別融資の制度をつくっております。すでにこういったモデル融資を決定いたしまして、身体障害者を中心に運営をしていくための工場の設置も進んでおりますが、そういうところでは、私どもはこの融資を決定する際の条件といたしまして、身体障害者なるがゆえの差別はしない、健常者と同じ扱いをする、その能力に応じて働いていただけるような職場をつくるということを条件にしてこの融資の決定をいたしております。私は先ほど申し上げましたように、身体障害者の雇用促進についてもう一ぺん根本的に考え直さなければならない点があるんじゃないか、こういうこともいま申し上げましたが、実は、いま小平先生たまたま御指摘になりました身体障害者なるがゆえの差別感、あるいは身体障害者の側の方にも、受け入れる企業なり社会から同情をされる、あるいは救済の手を差し伸べてもらうのは当然だと、そういう考え方を、身体障害者の側のほうの方々にとってもそういう考え方をなくしていただく。同時に企業のほうも身体障害者だから、かわいそうだから使ってやるというのじゃなくて、その人の能力を十分生かせるような職場を確保してその人に働いてもらうようにする、こういう考え方を基本にして今後の身体障害者の雇用の対策を進めていかなきゃならないんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味からも、いま御指摘になりましたいわき市の日東電工の例にしましても、あるいは広島県でモデル工場をやっておりますひかり電機の例にいたしましても、あるいはムサシノ電子工業、こういったところで健常者よりも身体障害者がむしろ多い職場がございますが、こういうところでは普通の人と全く同じような状態で働いておられる、賃金その他の労働条件も全然差別がない。私はこういうのをモデルにしまして今後この身体障害者の雇用の問題の解決に当たっていきたい、かように考えておるわけであります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういう点からしますと、この最低賃金法の第八条、こうした障害者を除外するという、こういう規定は原則的におかしいですね。そういうことで実施しようという考え自体が間違っているじゃないですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○説明員(東村金之助君) 最低賃金は御承知のとおり、労働者であれば、それが障害者の方であっても適用されるたてまえになっております。ただいま御指摘にございました最低賃金法八条でございますが、八条には、「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」については条件をつけましてその最低賃金の除外が行なわれております。これは一つには、最低賃金をそのまま適用したのではかえってそういう障害者の方々の雇用の面、雇用の機会を狭めるんではないかという配慮もあるたてまえになっております。しかし、ただはずすというだけでは問題がございますので、それは当該業務についてその障害者の方が能力的に著しく劣っておるという条件があって、しかもその際にはこれこれの賃金で支払いたいということをつけさせまして、その賃金が妥当であるならばそれを許可すると、こういうふうに運用しているわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 基準局長、説明の御趣旨はわかりますけれども、実際それでは、——全国のろうあ者の方の全国研修会のような会合が東京でありました。ここには与党の方もいらっしゃったからどういう発言かされていらっしゃるでしょう、おそらく。そのろうあ者の集会でお聞きしたことは、ろうあ者なるがゆえに頭からもう就職を断わられる、それから、ひどいのは両親の中にろうあ者がおるからといって子供の就職に差しつかえるという声が次々と上がりましたので、そこで私は具体的にろうあ者の方がどういう企業に就職をしようとして断わられたかと、あるいはろうあ者なるがゆえに差別扱いを受けているという、そういう具体的な事例を教えてほしいと言いましたら、とてもそれはもう教えられるものじゃないと、数が多くて、どこへ行ったってみんなそうされるんだということでした。したがいまして、実際上ろうあ者が、両局長が答弁されるように、社会に受け入れられていない、現状は受け入れられていない、このろうあ者の方も確かにろうあだ、ろうあだが、手と足は何のあれもないわけですから、障害はないわけですから、自分のこの腕を使ってほしい、足を使ってほしいといって就職を求めるのに対してろうあなるがゆえに頭からはねられると、これが現状だということなんです。したがいまして、時間の関係で次にまとめて二、三質問いたしますが、障害者に対する差別賃金を撤廃するということ、これはかえって職域を狭めることになるおそれがあるという説明ですが、そういう説明だけで世の中いま動いてないということを前提にして御答弁をいただきたい。  それから職業相談員につきましても、ろうあ者専門の職業相談員を設置してほしい。つまり手話通訳者を設置してこれを恒常化してほしいというような点。あるいは働く障害者、ろうあ者をはじめ働く障害者に再教育訓練を実施してほしいという、以上のような点についてどう考えますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) まあ、ろうあ者に限りませんで、身体障害者、心身障害者、こういった障害、ハンディキャップを持っていることによって頭から差別的な扱いをされる、こういうことは私はないとは言い切れないと思います。確かに、まだアメリカやヨーロッパみたいに身体障害者の人たちに対して、そういうハンディキャップを負った人たちに対してあたたかい気持ちでそれを包容していくというような、そういう社会的な慣習といいますか、そういうものに私はまだ大いに欠けるところがあるんじゃないか。そういう点を私どもはこの身体障害者の雇用促進法の中でも国民一般、なかんずくこれを受け入れていただく企業の側に対して、そういう考え方を根底から払拭していただく、こういう運動を進めておるわけでございます。同時に、私どもは身体障害者の方々も雇用の場を求める、働き口を求める、一生安心して働けるような職場を確保するためには、それにふさわしい、それぞれの残存能力に応じた仕事を覚えていただく、能力を向上していただく、こういうことのために訓練施設も整備、拡充をしてまいりますし、同時に、お世話をするために、そういうろうあ者につきましては、強い御要望もございまして、いま十分ではございませんけれども、全国の主要安定所に専門のいわゆる手話相談員を設置いたしております。今後、まあ、こういった相談員も拡充してまいる予定でございますが、こういうことによりまして今後、先ほども申し上げましたように、今後の根本対策はまた別といたしまして、当面ろうあ者をはじめ各種の身体障害者の雇用促進に最大の努力を果たしてまいりたいと、かように考えております。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) 身体障害者の職業訓練につきまして一言申し上げたいと思いますが、ただいまお話しの、ろうあ者をはじめとして身体に障害のある人たちで一般の訓練ではなかなか効果をあげられないという者につきましては、御承知のとおり、身体障害者職業訓練校というものを設けまして、現在、全国に十三ございますが、そういうところで訓練を行なっております。   〔委員長退席、理事須原昭二君着席〕  四十九年度におきましても、特にいまお話しのろうあ関係でも、軽印刷、和裁、機械製図などのような訓練を百二十名行なっておるわけでございます。今後こういう聴力、言語障害者に対する訓練が非常に重要だということは御指摘のとおりでありまして、それを充実強化しなければならないことは、いま安定局長からも申し上げたとおりでございます。したがいまして、そういった研究開発につとめてまいりたいと思いますが、特に、お聞き及びかもしれませんけれども、厚生省のほうで所沢に国立のリハビリテーションを設けたいという考え方がございます。労働省といたしましても、これに併設いたしまして国立職業リハビリテーションセンターというものをつくりたいということで、相当大規模な計画をいま進めておりますので、そういう中で聴力、言語障害者を対象とするような訓練の問題についても十分検討をしていきたいというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 大臣にあと一、二点伺って私の質問を終わりたいと思います。  まず、大臣に伺いたい第一点は、この身体障害者の雇用につきまして、大臣、ひとつ、企業によりましては全く差別なく受け入れ、そしてまた職場になれ、働いていらっしゃるという、まあ外国ではそれはあたりまえだと思うのですが、日本ではなかなか、そういう企業があるからといって、なるほど遠藤局長がまことにけっこうなことだしいうふうなのが現状だと思うのです。ですから、そういうことを、ひとつ企業に対しても一般社会に対しても身体障害者が全く差別なく社会復帰できる、そういう行政を進めていただきたいと思いますが、いかがですか。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) ろうあ者をはじめといたしまして心身障害者の雇用促進につきましては、全く小平先生と同感でございます。私もこういう方々の御就職と御生活が安定してまいりますように、少しでも御不幸な境涯をおなぐさめするということにつきまして全力を尽くしたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それから、以上で身体障害者の問題を、雇用促進については終わりますが、大臣、就任のときに、雇用保険法案の成立に全力を上げたいというふうに申しておられましたが、これはまあ前大臣からの引き継ぎもあるしというようなことも述べておられましたが、やはり問題点をどう把握しておられますか。それによって、何でもかでも雇用保険法案が通ることが現在の労働行政の先決問題だということじゃないと思うのですけれどもね。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 最近の情勢は、先ほど来先生方からも御質問がございましたし、また、私どもからも御答弁を申し上げましたように、雇用状態は確かに心配すべき段階に達しつつあると考えております。こういう時点をとらえますと、私は雇用保険法を一日も早く成立するようにお願いを申し上げたいという気持ちで一ぱいでございまして、これによって職場の安定あるいは不幸な状態の間の一つの生活の保障と、そういう面のぜひひとつ解決に前進をいたしたいという気持ちでございますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 まあ、それは大臣のお気持ちを述べられたのでありまして、安定局長としてはいろんないきさつがあるわけでしょう。何でもかでもこれを出せば通るんだというふうに感じてないでしょう、いかがですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 本年の六月に通常国会が終わりましたあと、そのころからだんだんいわゆる民間各産業、企業における雇用調整措置が進んでまいりました。まあ、ことしの初めごろから残業時間の規制が始まりまして、春ごろからいわゆる中途採用、臨時採用が手控えられるようになり、求人が激減してまいりました。最終段階で人員整理、一時帰休というような事態が起こってきております。私どもはいろいろと御議論ございましたけれども、この用意いたしておりました雇用保険法の中で、大きく分けて二点ございます。  一つは、積極的に失業を出さないようにする。できるだけ職場から離脱させないようにしょう。そのために、いわゆる企業の社会的責任という観点から、企業の全額負担による原資をもとにしまして、できるだけ解雇をさせないで休業状態のときのささえにしよう、これが一つでございます。  それからもう一つは、いま大臣からお話ございましたように、現行の失業保険制度の中で特に中高年層につきましていろいろと問題点がございます。   〔理事須原昭二君退席、委員長着席〕  不幸にして失業した場合に、その失業した人たちに再就職までの間をできるだけきめこまかく手厚くしていこう、こういう考え方で新しい法案の体系を考えたわけでございます。  そういった点で、現下のこういう深刻になりつつある情勢の中で、まあ一日も早くこの法案を何とかできないかという陳情を労使関係の団体あるいは地方公共団体の知事さんとか市長さん方からも受けておりますが、そういった点で、私どもはいまの法案をできるだけ早く何とか実現したいと、これはもう大臣以下私どもは念願いたしております。まあ、こういう法案がかりに成立いたしましてもいまの事態に緊急に間に合わないのではないか、こういう御懸念もございます。私どもは法案の実現に最大の努力をいたしますと同時に、それまでの間、現行法の運用を最大限に拡大、運用をいたしてまいりまして、当面の難局に対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そういう原則はもういつも聞いておりますので、私があえてこの委員会の本日の委員会で発言したい趣旨は、ただ雇用保険法案さえ通ることが、そのことだけが労働行政の最も焦点になるというような、そういう受けとめ方はおかしいじゃないですかと言ったわけです。ですから、まあ大臣就任のときの会見ですから、そうこまかい説明はしかねたでしょうけれども、批判された面は局長はもうつめのあかほども言わないで、ただこういうプラスがある、ああいうプラスがあると言うのですが、そうじゃなくて、ただ大臣に対しましても、こういう欠陥もあるんだということもよく話しておいてください。以上です。いいですか、答弁。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 大臣御就任後まだ日が浅うございますので、この雇用保険法案の内容につきましても詳しい御説明は申し上げておりません。今後当委員会におきましてもいろいろと御意見、御議論をいただくことになるかと思いますので、それまでの間に十分大臣に実態を御納得いただけるように御説明申し上げたいと思っております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 六十八国会で慎重に審議をされて、労働者側の意見もいれられて勤労婦人福祉法が四十七年の六月に全会一致で制定されて早くももう三年目を迎えております。同法に基づいて勤労婦人福祉対策基本方針もつくられましたが、どこまでそれが徹底して実行に移されたかという観点に立って質問をしていきたいというふうに思っております。  まず、大久保大臣の就任にあたっての抱負が新聞に出されております。非常に短いスペースですから、私はこの中から真意というものを受け取ることができませんけれども、しかしわが国の就業人口は約五千百二十万人で、これらの人々の福祉を守ることが重要であると、非常にいいことをおっしゃっておられました。私はきょうの委員会で大臣の所信表明が行なわれるものと期待をしておりましたが、たいへん短いごあいさつでしたので、その中に触れるわけにはいかなかったのではなかろうかと、こう推察するわけですが、ところで、いまわが国の働く婦人の数は一千百八十六万人、全雇用者の三三%を占めております。もう日本の国においての産業は、女子労働者を無視しては成り立たないという状況になっていることはすでに御存じだというふうに思いますけれども、その意味でまず婦人労働者の激増の原因を一体どのようにとらえているのかということと、婦人労働をどのように評価をしていらっしゃるかということについてお伺いをしたいというふうに思うわけです。もし大臣がこの点について、ちょっとお答えづらいということであれば、政府委員のおことばを肯定をしていただいてもけっこうだというふうに思っております。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私が就任にあたりまして申し上げました考え方は、これから一つ一つその理念を踏まえて実現していきたいと念願いたしております。いま御指摘の勤労婦人の役割りというものは、非常に年を追って大きなウエートを占めてまいっておりますことを承知いたしております。私は、こういう働く婦人の方々が、ほんとうに生きがいのある御生活を達成できますように、あらゆる方面で今後手を打っていきたいと考えておる次第であります。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 基本姿勢はよくわかりまして、たいへんうれしいことだというふうに思いますけれども、私が質問しましたのは、激増したその原因がどこにあるのかということが一つでしたし、その婦人労働そのものをどのように評価しているかというのを非常に簡単にお触れになりましたので、もう少し詳しく触れていただきたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 勤労婦人の数が著しくふえましたということにつきまして、理由というお尋ねでございますが、わが国の産業の大きな発展ということに見合いまして、そこに働く人々の数がふえてきたということは男女ともに同じでございますが、特に女子につきまして特徴的に考えられますことは、女子の労働者の数と申しましても、特に中高年層においてふえております。以前は未婚者であり、若い女性であった者が大半でございますが、最近のふえております部分をしさいに検討いたしてみますと、年齢的にもかなり高く、また既婚者であり、かつ家庭責任を有する者であるというものがふえております。そのことから判断いたしまするに、働く婦人の以前との違いと申しますか、ふえてきました理由と考えられますのは、中高年婦人の、自分の能力を発揮したいという意欲、さらにまたそれだけの能力を持った人々がふえてきているということ、そして産業経済側での需要がまた高くあったということ、それらのいろいろな条件が重なりまして、現在のように婦人労働者の数がふえているのではなかろうかというふうに考える次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私もいまおっしゃったことについては肯定をしたいというふうに思いますけれども、しかし東京都の調査にありましたが、都の労働局の中小企業の女性就業実態調査、これは昭和四十九年の九月十七日ですから、つい先日行なわれたものです。ここの中に、働く理由は何かと、こういうふうに質問をしているのに対して、生活のためだと答えているのが五四%、家計補助だと、こう答えているのが二二・七%、ですから三分の二以上、もう大多数が必要に迫られて働いている。もうこの物価高、インフレの中で生活防衛のために働いているのだ、働かざるを得なくなっているのだというこの実態もやっぱり無視することはできないというふうに思いますし、逆に言えば、小づかいかせぎに出ているのだという者が一〇%だということもそれでうなずけるのではないかというふうに思うわけです。そういう実態の上に立ちまして、この勤労婦人福祉法ができているわけですが、この法律は、勤労婦人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、勤労婦人の福祉の増進と地位の向上をはかることを目的として、そしてまた、基本理念の中では性別によって差別をされることなく、その能力を有効に発揮するように配慮されるものと、こうなっておりますが、そこで質問になるのですが、この法律が制定された後に、どれほど婦人の地位が向上をしていったのか、現実にはいまだに結婚退職、出産退職、そして若年退職、また賃金格差、そしてまた職業訓練に、なかなか婦人が出られないという実態がまかり通っているようなときに、調査に基づいて性差別が解消されたかどうか、そして法律制定以前と比較して、どのようになったかということについて御答弁をいただきたいというふうに思うわけです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 勤労婦人福祉法が制定されましたのは昭和四十七年でございまして、まだ二年ちょっとの若い法律でございます。御指摘のとおり、最近の婦人労働者の特徴的な増加及びその内容の多様化に対応するべくつくられました法律でございますが、この法律が制定されまして後、どのようなことをしたかという御質問でございますけれども、政府といたしましては、勤労婦人福祉法にきめられておりますように、昭和四十七年の七月制定されて一年後に勤労婦人福祉対策基本方針というのを策定いたしまして、総合的な福祉増進のための施策を展開しているわけでございます。特に、職場におきます母性の健康管理に関する行政指導の実施及び母性の健康管理指導医を設けるなど、母性の健康管理につきましては新しい施策に手をつけているところでございます。さらに育児休業制度の普及促進に関する行政指導も行なっておりますし、また同じく法律にございます勤労婦人のための福祉施設であります働く婦人の家、勤労婦人センター等の拡充整備につとめているわけでございます。おっしゃいますとおり、まあ、それらのことがすべて完全に目的を達成したとは十分私どもも考えておりません。これからもさらに一そう努力しなければならないという面が多々ございますけれども、まあ私どもの努力の結果であるとばかりは言えないのかもしれませんが、最近の具体例を見ますと、いままでよりは結婚退職あるいは若年定年等の男女差別、そのようなものがやや以前に比べまして是正される例が多いのではないかというふうに考えております。また育児休業制度の普及などもささやかながら少しずつ進展しているというふうに考えている次第でございます。おっしゃるとおり、むしろこれから大いにやるべきものがたくさんあるというふうに認識いたしております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、具体的にでは質問をしていきたいというふうに思います。  差別退職という問題についてですが、裁判闘争もありましたし、原告支持の判例もありますので、もう性差別による退職は不当であるという社会通念もいまは生きているというふうに思いますが、労働基準法研究会の中で研究していると、この問題について研究しているということが四十七年の六月八日、政府委員の渡邊さんの答弁にございましたけれども、この研究結果ですね、それをお伺いしたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 労働基準法研究会の第二小委員会におきまして女子・年少労働問題につきまして専門的に調査研究が進められているわけでございます。で、労働基準法の中の女子の問題につきましては、いまおっしゃいました結婚退職あるいは若年定年は必ずしもこの労働基準法に直接該当するものとは考えられないのでございますが、それらをさらに幅の広い女子の問題全体につきまして労働基準法研究会の第二小委員会において研究いたしてまいったわけでございます。で、四十八年三月に、特に医学的、専門的な先生方を委嘱申し上げまして、女子の特質というものについて研究をしてきたわけでございますが、その医学的な専門家の御見解、調査の研究の結果が十一月六日に第二小委員会に一応報告されたところでございます。さらにこれを踏まえまして、第二小委員会で続けて検討が行なわれるというふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私がいただきたいなと思ったのは、昭和四十七年に質問に対しての答弁で、たとえば結婚退職は六%、それから出産退職については二%、若年退職については一・四%のこの事業所でそういうことがあるという、こういう具体的な数字をいただきたかったわけですが、まだ調査がしてなかったようですので、時間をなるべく短くということですから協力を申し上げまして、次に移りたいというふうに思うわけです。  それで、若年退職の問題なのですが、たとえば二十五歳退職ではいけない、三十歳退職では問題があるというふうにいままでの審議の中でも行なわれておりますが、それでは一体男女差別の退職年齢というのは一体どこまでが不当であって、どこまでが不当でないというふうにお考えになっていらっしゃるのか、私はこれは差別をしないということが前提でなければならないというふうに思うのですが、たとえば男子五十五歳で女子は五十歳とか、あるいは男子六十歳で女子は四十八歳とか、こういう問題点についてお答えをいただきたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 先生御指摘のとおり、二十五歳あるいは三十歳等の若年定年を女子にだけきめているという企業がたくさんございましたし、またいまでもまだあることは事実でございますが、何歳が最も適当あるいはいい年齢であるかということは非常にむずかしい問題でございますし、特に男女の間に何歳の差があったらいいか、あるいは全く同じであるべきであるかということにつきましてはいろいろと議論のあるところでもあり、国際的な例を見ましてもさまざまでございます。私どもの申し上げられますことは、合理的な理由のない差別というのは好ましくないというふうに考えているわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は憲法ということを大事にしていこうという立場に立って見れば、国際的にもいろいろな条件があるとか、わが国においてもまだまとまっていないとかということはやっぱり問題があるのではないかというふうに思うわけです。  私は教師をしておりましたから、私の所属しておりました教師の立場で言えば、いま小学校は二万四千五百九十二校学校があります。したがって、そこには一人ずつの校長がいるわけですが、その中で婦人校長は二百五十人しかおりません。そしてまた昨年の統計を見てみますと、小中学校の新採用者九千百人おりましたけれども、そのうちの八割が婦人教師で、あとの二割が男子教師だと、こういう状況ですし、すでに小学校の婦人教師は全国的に五三・二%だ、こういう実態の中で、圧倒的に婦人教師が多いという教師の実態の中でも、男女差別の定年あるいは勧奨退職というものが強行されているという実態があるわけですよね、それを御存じだというふうに思いますけれども、具体的に言えば、栃木では男子は六十歳、独身女性は五十七歳、共働きの女子は五十二歳、夫が管理職になる場合にはもう自動的に首を切られるということになるわけですね。森山大臣、森山局長などというような条件ではもう全然ないということになっているわけです。そういう状況は、たとえば富山、石川の五十二歳、福井、山形の五十三歳、秋田の五十四歳、鳥取の五十一歳、島根の四十八歳、愛媛はもう四十歳過ぎたら勧奨されていくという、こういう教師の実態があるわけで、憲法において性差別がないんだということを教えなければならない教師自身がそういう中でいじめられて落ちていく、こういう状況があるわけですから、この勤労婦人福祉法ができまして、一体そのような状況について労働省としては、これは文部省の所管ですなんて気楽なことを言っていられないと思うんですよね。前の局長は、婦人福祉という、福祉というのは幸福だと言いましたけれども、夫が校長になることによって自分が自動的に首を切られるなんという、そんな幸福はあり得ないというふうに思うわけですよ。こういう点についての行政指導というものをいままでなされたことがあるのかどうか、そしてまた、これからされていこうという気持ちがあるのかどうなのかということについて質問したいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) いま先生方の例が出たわけでございますが、先生方ばかりではなくて、男女の間にはいろいろと現実に差別と思われるものが存在することは私も十分承知いたしております。勤労婦人福祉法もそのようなことがないようにということで、特に第二条に「性別により差別されることなく」ということを、あらためてもう一度念を押しているわけでございまして、婦人少年局といたしましては、一日も早くこの男女の平等ということが実現されるように努力をいたしているつもりでございます。  具体的な仕事の一つといたしましては、本年度、近く、婦人少年局の仕事の一つといたしまして、就業における男女平等問題研究会議というものを設置する予定でございます。で、これは先ほど来申し上げておりますように、勤労婦人が著しく増加いたしておりまして、産業社会に果たす役割りが非常に大きくなっておりますにもかかわらず、職場において、なお男女の平等が十分確保されているとは考えられない。また、そのことが勤労婦人の能力の開発、あるいは有効発揮を阻害する要因にもなっておりますという認識に立ちまして、この問題に関する、対処するべき方策につきまして、客観的な調査研究を行ないたい、そして結論を得て、それを具体的に実行していきたいという、最初のステップといたしまして、この男女平等問題研究会議というものを発足させる予定でございます。ただいま準備中でございまして、今年度中、なるべく早いうちに発足させたいというふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 研究会をお持ちになることも非常に重要だというふうに思いますけれども、具体的にわかっている、もう具体的に問題になっていることについては、早急に手を打っていただきたいというふうに思います。そうでなければ、なすすべもなく手をこまねいているだけであったならば、私はこの法律はほんとうに審議の中でヤマブキ法案ではないかと言われたそのことばに対して、返すことばもないのではないかというふうに考えるからです。  次に、勤労婦人福祉法で重要なことは、勤労婦人が妊娠中または出産後の健康管理について、事業主が守るべき事項として「保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保すること」、こういうのがありますが、診断の結果に基づき、また勤務時間の変更、勤務の軽減など、必要な措置をとることを、母性保護の立場からも取り上げております。これは先ほど局長が御説明になったとおりですが、それで、こういうような配慮が、この法律の精神に基づいて、事業主がほんとうに配慮しているのかどうなのか、これを調査の結果明らかにしていただきたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 婦人少年局におきましては、女子保護に関する実態調査というのを毎年実施いたしておりまして、その中に、いま御指摘のような項目も含めまして調査をいたしております。現在、今年度につきましても調査を実施中でございますので、結果が明らかになりましたら、さっそく御報告申し上げられると存じます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 まだ調査実施中なんですか、できているのありませんですか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 今年度ではなくて、昨年度の数字を申し上げてよろしゅうございましょうか。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 けっこうです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 四十八年に実施したものでございますが、たとえば妊婦の通勤につきましての緩和措置でございますが、そういう措置をとっております事業所の割合が、四十八年には一四・五%でございます。これは二年前の四十六年、つまり勤労婦人福祉法が施行されます前の年でございますが、四十六年は四・一%でございましたので、かなり大幅にふえていると考えられます。さらに、育児休業制度につきましては、四十八年は四・二%で、これも四十六年の数字を見ますと二・三%でございまして、ささやかながら少しずつふえているというふうに考えられます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私はこの「婦人労働の実情」という、労働省婦人少年局の調査が、年々非常に充実をしてきているものになっているということではたいへん喜んでいるものなんですが、その中に、通院休暇の実施状況が一九・八%、そうしてつわり休暇が七・八%、大幅前進をしたとこう書いてありますけれども、私たちから見れば、二年——もう三年目に入っているわけですが、非常にわずかな数字ではないかというふうに思います。そうしてまた、軽易業務に転換をするというこの問題点が一一・〇%で、四十六年とほとんど差がないということになっておりますし、また、労働時間にしても、時間外免除をやっている事業所が二八・五%、特別措置がですね。交代勤務の免除が三・四%、深夜業の免除が三・四%、こういうふうにありますけれども、私はやっぱりこれ、こういうような実態では、事業所の母性保護がきわめて不十分だとしか言いようがないと思います。そうして、もう一方では、制度としてこういう制度がある。しかしながら、ほんとうにその制度が実施をされているのかどうなのかという点については、やっぱり問題点があろうかというふうに思いますので、調査結果も、事業所が制度をとっていることと同時に、ほんとうにそれが生かされているのかどうなのかという点についての追跡調査もやっていただきたいというふうに思うわけです。その追跡調査というのですか、実施状況のような調査があるのかどうかという点が一つ……。  次いで、たいへん国家公務員も、人事院の規則が発表されまして、通院休暇の実施がずいぶんふえております。私どもの婦人教師の場合にも、ほとんどの県がとられているわけなんですが、妊娠障害に伴ういわゆるつわり休暇、妊娠障害休暇という、これがまだできていない県、制度のない県が二十三県もあるという実情がありますので、この辺の政府機関としての指導がどのようになっていたかということについてお伺いいたします。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 私どもの資料、引用いただきまして、さらにもっとがんばるようにというお励ましと承りまして、たいへんありがたく存じますが、調査を実施いたしますのも、数字を書きますばかりではなくて、その事業所へ出向きまして、実際に面接いたしまして調査をいたすものが多うございますので、その際には、特に婦人少年局の職員、その他専門の者がおりますものですから、その者が調査をいたします場合には、その場で適宜指導をすることができるわけでございまして、単に数字を転記してくるという調査ではございません。特にこの女子保護の調査につきましては、そのような気持ちで、調査及び必要に応じて指導も実際には行なっているわけでございます。  それからさらに、この女子保護の調査のほかに、別に、個別の調査も行なっておりまして、追跡調査と、こういうものでは必ずしもございませんが、個別の具体的な例を数多く集めて勉強しているところでございます。  それから地方公務員のお話でございましたでしょうか。——国家公務員の……

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ええ、そうです。国家公務員の制度ができたことにつれて、地方公務員もまあなっているわけですから、それとの関連で……。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 国家公務員につきましては、仰せのとおり次第に利用率も伸びているところでございますが、地方公務員につきましては、それぞれ地方の事情、地方自治のたてまえもございまして、私どもとしては、もちろんこの趣旨に沿って、できるだけ早く実施していただくように申し上げているところでございますが、特に自治省、所管の自治省の行政局長から、各都道府県知事及び人事委員会あてに四十七年の七月末、通達が出されているところでございまして、それに従って、各県おいおいとやっていただいているところだと解釈しております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それでは、たいへん御苦労いただいていることをほんとうに喜んでいるわけですが、それにしましても、この「婦人労働の実情」の中にある異常産の発生というものが、これは家庭婦人に比べてどのような状況になっているのかということを、また少し数字をあげて御説明をいただきたいというふうに思いますし、先ほど私が申し上げました深夜業を免除しているという事業所が、わずかに三・四%だと、そうしてさらにまた、交代制で勤務をしなければならないというのを免除しているところも三・四%だということは、これは非常にきびしい労働条件の中で妊婦が働かなければならない、働いているという実態をあらわしているものだというふうに考えているわけですが、その場合と業務軽減をした場合などの調査ができ上がっているかどうかということについてお伺いをしたいというふうに思うわけです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 勤労婦人の妊娠出産に関する調査というものを、四十七年から八年にかけまして特定の県を対象に実施したものがございます。報告書もつい最近できたところでございますが、これにいま御指摘のような事項がかなり詳しく調査された結果が出ております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それはできたわけですね。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) はい、ごく最近でき上がったわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それについて、たとえば家庭婦人に比して、働く婦人はこのような状況であるというふうな具体的な数字はまだ出ないのでしょうか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) これは勤労婦人の妊娠出産に関する調査ということで、特に勤労婦人を対象にしてとったものでございますので、全部につきまして家庭婦人との比較はしてないのでございますけれども、ある程度比較し得るものにつきまして、事例的に家庭婦人の率と勤労婦人の率を比較したものがございます。大ざっぱに申しますと、業務の軽減が行なわれた場合には異常が減少するということが言えるかと考えます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 非常にいい調査をしていただいたわけですが、ほんとうに業務が軽減をされていた場合には異常出産が少なくなるという、こういう調査はやはり事業所の方々に対して、あるいは妊娠をしている人たちに対しても非常に強力な説得力を持つ調査だというふうに思いますので、もう少し声を大にしてPRをしていただき、こういう母性保護をもっともっと事業所の中で徹底をさせていただくようにお願いをしたいというふうに思います。そして、先ほど引用をいたしましたけれども、都の労働局が発表いたしました調査で無視できない問題として、やはり法的に認められている生理休暇が、企業によって制度化をしているというところは全体の五割しかない、こういう実態がありまずし、さらに女子の休日労働の禁止、そして生理休暇などの労働保護規定があるということを知らない事業主が四%もいた、こういうおそるべき報告があがっているわけです。これでは女子労働者を採用する資格すらないと言わざるを得ないというふうに思いますので、こういう事業主の教育を、労働者保護の観点に立って具体的に、民間の事業主ですけれども、どのように行なっていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 婦人少年局におきましては、常時労使双方に対しまして行政指導あるいは啓蒙活動を続けているつもりでございますが、特に働く婦人の問題につきましては、九月に働く婦人の福祉運動という特別の期間を設けまして、その際に、労働者、使用者また民間一般の方々の御理解をさらに深めるための運動をいたしております。そのときには、おっしゃいますようにこの大きな調査資料をお読みいただくのもたいへんでございますし、わかりやすいように、簡単にいたしましたこのようなリーフレットなどにいたしまして、たくさん刷りまして皆さんにお配りしているということでございまして、もちろんまだ十分できているというわけではございませんが、最大限の努力をしているつもりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 今回の法の提案理由及び第二条の基本的理念の中に、「勤労婦人が職業生活と家庭生活との調和を図り、」云々と、こう規定されておりますけれども、婦人少年局の調査によりまして、女子の離職者の年齢階層別に見ますと、一体何歳ぐらいが多いというふうに判断をしていらっしゃるか、そしてまたその理由は何であるかということをお伺いいたします。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 婦人少年局の調査といたしましては、離職者の年齢別の調査はいたしておりませんので、ほかの調査を参考にして分析することをやっているわけでございますが……。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 していらっしゃるのではないですか。私が調べたところによれば離職者は一番多いという場合は二十歳から二十四歳で、四一・七%、二十五歳から二十九歳が一七・四%で、両者合わせても過半数をこえている。つまり婦人労働者の中では結婚、育児、出産、この年齢層の退職がやはり一番多いのだという統計が婦人少年局によって出されるというふうに思っているのですが、すでに女子雇用者の中に占める既婚婦人の割合はもう五六・五%から五九%、六割近くになっておりますし、有配偶者も二一・四%になって、ずっと上昇を続けているわけです。離職者数から見ていきましても家庭生活と職業生活を両立させていく上で大きな困難な問題点は、子供の養育であるということ、このことは、核家族化によって母親にかわってめんどうを見てくれる人がいないということと、保育所の絶対数が不足だということにありまして、働く意思を持ちながら退職を余儀なくされる婦人労働者が非常に多いということだと思います。  そこで、この育児休業の実施が切実な問題になっておりますが、この法律では育児休業の実施も事業主の努力義務とされております。したがって、この法制定以前から、審議経過でも明らかなように、かなり疑問視されてきたというふうに思いますが、先ほど現在の実施状況の御報告がありましたので、これは質問としては省かせていただきまして、この育児休業と関連して、これまですでに国会に提案されて七年近くになると思いますが、国会の中で審議をされ、国民各層からの署名もすでに百五、六十万にのぼっていると思いますが、参議院の文教委員会を通過し、参議院の本会議も満場一致で二回にわたって通過をしてきました女子教職員の育児休暇法案があることは御存じだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) そのような法案がございまして、非常に長い間懸案になっているということをよく承知いたしております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 勤労婦人福祉法の目的、そして基本理念、第十一条「(育児に関する便宜の供与)」そして附帯決議の休業中の生活安定の立場からそれに対する考え方をお伺いしたいと思うわけです。これについてもこの勤労婦人福祉法が提案をされたときの審議の中で塚原さんが、話し合いがまとまることを祈っていると、こうお答えになっています、議事録を調べますと。私は祈ってばかりいたのでは、これは信仰ではありませんからどうにもならないのだというふうに思いますけれども、その御意見をお伺いしたいというふうに思うわけです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 御指摘のとおり勤労婦人福祉法は、勤労婦人の福祉に関する基本的な法律でございまして、さらに公務員の使用者であります国家、地方公共団体も含めたすべての事業主に対しまして、育児休業の実施、その他の育児に関する便宜の供与についての努力義務を課しております。この精神に従いまして、先ほど御指摘の女子の教育職員の育児休暇につきましてもできるだけ早く実現することが望ましいと考えている次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 望ましいと考えてばかりいらっしゃるのでは困るのだ、祈ってばかりいたのでは困るのだということを先ほど申し上げましたので、具体的に、やはりこれが成立をする方向でお話し合い、指導を深めていただきたいという希望を持ちながら、婦人教師の福祉、これは母性保護のみならず、婦人教師そのものは広域人事で、医者もいないような僻地にも勤務するわけです。子供たちの教育の面も考えてこの法律が提案をされておりますので、先ほどの、成立するための努力を具体的にお願いをしたいというふうに思いますし、また、この切実な要求は各県の知事も十分承知で、中には県独自で国がやらなくてもやろうか、こういうふうに言っていらっしゃったところもありますが、なぜ婦人教職員、組合がこれを要求をしていかないか。それはやっぱり無給だから、それではとてもわれわれとしては受けられないんだという形になるというふうに思いますので、ぜひとも附帯決議を尊重するというようなことばの上だけではだめなので、実現をするようにお願いをしたいというふうに思うわけです。これは意見で終わります。  ところで、育児休業についての何らかの研究が行なわれている、そしてサンプルをつくる、こう答弁をされていたように思いますけれども、今後の御指導を強めていく気があるのかどうかということをお伺いいたします。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 昨年の八月、育児休業につきましては育児休業の研究会議の第一次報告というのが出されまして、それに基づきまして育児休業の望ましいあり方というものがつくられたわけでございます。これを事業主に対しまして普及促進につとめているわけでございます。で、引き続き育児休業に関する研究会議におきましては、さらに具体的にその後の措置につきまして検討が続いているところでございます。  サンプルとおっしゃられましたが、それはこの望ましいあり方のことをおっしゃっておられるのでございましょうか。育児休業の基本的あり方と普及促進についてという、こういう報告が出ております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 サンプルというのは、私が言ったのではなくて、議事録を拝見しましたらサンプルをつくりたいということばが出ておりましたので、そのサンプルができたかどうかという質問だったわけです。ことばが足りなかったら申しわけないというふうに思いますが、私もその第一次報告書をちょっと読ませていただいたわけですけれども、やっぱりなかなかいいことを書いてあるわけですよね。しかし、こんなの、報告だけを受けていたんではだめなんですから、もう少し具体的に煮詰めて、ほんとうに有給でもってやれるように、そしてこの報告書の中にありますのもいろいろな形の有給というものがあると思います。たとえば本給相当を出していくとか、あるいは六カ月間だけは全額支給をしていくとか、あるいは五〇%から六〇%支給していくとか、勤続年数によって異なるとか、いろいろな形がありますから、もう少し煮詰めた形の御指導を心からお願いをいたしまして、この点に関する質問を終わりたいというふうに思います。  さて次に、この法律が昭和四十七年に提案された本委員会でのわが党の田中寿美子委員と塚原元労働大臣との質疑応答の中で、大臣はこの法律案が成立したならば、この法律に基づいて行政指導をやらなければならない、さらに予算的措置も講じなければならないという趣旨の御答弁をされております。ところで、具体的にこの行政指導と予算措置が託児所、そして保育所に対してどのように講じられているのか。これは昨年との実績において本年の具体的な数字をお聞かせいただきたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 託児施設保育所は主として厚生省の所管になっておりまして、詳細については私ども承知いたしておりませんが、私どものわかっております範囲でお答えしたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 保育所については、じゃ、厚生のときにやりますからけっこうです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) はい。労働省で所管いたしておりますのは、いわゆる企業内の託児施設というものがございまして、それにつきましては労働省の所管でございますが、これは普及率をまず申し上げますと、企業内に託児施設を置いておりますものが全産業通じまして一・七%でございますが、産業別にかなりバラつきがございまして、サービス業では六・八、製造業では二・三、運輸通信業では一・五というようなパーセンテージになっております。で、このような企業内の託児施設につきましては、労働省といたしましては雇用保進事業団を通じまして融資をいたしておりまして、中小企業またはその団体が行ないます場合には年八・〇%、大企業の場合には八・五%という率で償還期間二十年以内の融資をいたしております。そのほか託児施設の遊戯用具の購入資金の貸し付け制度も設けている次第でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 具体的に数字を教えてください。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) ただいま申し上げました雇用促進融資によります企業内託児施設の融資額でございますが、四十八年度は一億三千四百三万円でございます。で、四十八年度末までで百二十一件の融資が行なわれまして、合計八億九千九百四十七万円の融資が行なわれております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 その数字はちょっと私も理解しかねるところがありますので、後ほど昨年のものと、ことし予算要求をされているというふうに思いますけれども、その資料をお届けいただければたいへんありがたいというふうに思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) わかりました。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 具体的に、たとえば託児所については労働省の所管だし、学童保育についても労働省だけれども、保育所は、これは厚生省だなどと、こういうふうにお考えになること自体が、受ける子供にとってみればどっちでもいいわけですからね。で、田中内閣のもとでの子供に対する養育の問題だというふうに思いますから、やはり基本的にどこへ質問をしてもわかるような形にしておいていただきたいというふうに思うわけです。そうしてまた、子供たちがほんとうにこの審議の中で、単に子供を預ける託児だなんということではなくて、りっぱに養育されるような託児所ができますように、できれば託児所などということばではなくて、保育所に肩がわりができるようなりっぱな託児所をつくるように心から御指導をお願いしたいというふうに思います。  さて、時間を短くしたいというふうに思いますので、最後に一つお伺いいたします。  この五月の十六日の議事録を拝見したわけですけれども、こういうきびしい労働環境の中で勤労婦人は労働に従事をしていますけれども、この委員会で問題になりましたILOに対して日本の女子労働者は過保護であるという報告がなされているということが書いてありました。そうして全国の婦人団体からも非難が矢のように向けられているという経過がありまして、これに対する質問があったと思いますが、資料を出します、資料の出所はどこかということも調査いたしますというふうに答えておられたようですが、これを御報告をいただきたいというふうに思うわけです。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) ILOの資料の件につきましては、ILOがどのような資料を用いましてあの書類をつくりましたのかわかりませんけれども、ILOが自分の資料、情報収集の手によって集めましたものによってILOが書いたものであるということがわかったわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 じゃ、責任はILOにあるわけですけれども、これについて、訂正を申し入れますと議事録に載っているわけです。訂正を申し入れて、そしてその結果がどうなったかということについて御報告をお願いします。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) 御指摘のとおり、訂正をさっそく申し入れまして、そしてこの次、正式の報告書として採択されるものについては訂正どおり掲載されるはずでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 一応具体的な事柄についての御答弁はよくわかりましたので、後ほどこの次の委員会にはひとつ意見も含めてさらに詳しく質問したいというふうに思います。  私の質問はこれで終わります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは最初に沖繩県の労働問題についてお尋ねをしたいと思います。  先ほど派遣報告がありましたように、私も今回の調査団の一員として沖繩県の実情の調査に参加をいたしました。そして率直に痛感をいたしましたことは、戦後二十七年の長期にわたる米軍の直接軍事占領下に置かれた沖繩県というのは、ほんとうに政治も経済もあるいは社会的にも文化の面でも、全くあらゆる面において本土と比べて大きな格差ができておるという点ではまさに胸の痛む思いがいたしました。さらにこれに加えて復帰後には、御承知のようにいわゆるドルショックによるたいへんなきびしい影響、さらにはいち早く独占資本、大資本の経済支配が強められまして、異常な物価高あるいは開発による環境の破壊、農業の崩壊、深刻な不況と失業、特に最近では総需要の抑制というふうな国策による倒産などなど、ほんとうに本土と同じように全面的に否定的な側面が、二十七年間の軍事占領でたいへん行政水準が低下している上にさらに加わっておる。したがって、県民にはまさに耐えがたい重圧を課しているということをまざまざと見せつけられたというふうに思うわけでございます。  さらに加えて、沖繩県で最も重要だと思いましたのは、巨大なあの米軍基地がいまだに存続をしておる、いまなお県民の経済復興あるいは県民の暮らしを守る諸施策の推進という上で最大の障害というのがこの米軍の軍事基地であるということはまさにこれはもう抜きがたい事実だということを沖繩県へ参りまして痛切に感じたわけでございます。したがって、今日沖繩県民の苦しみを生み出しておる根源というのは、二十七年余にわたるアメリカの軍事占領を許してきた政府の対米従属政策、さらには大企業奉仕のこの施策に全責任があるということはまさに明白でございます。したがって、沖繩県民の要求を実現していくというためには、政府が全責任を負って早期解決をはかるということは当然の責務だということを沖繩県に行って痛切に感じたわけでございます。したがって、今回調査の結果出されてまいっておりますような沖繩県の軍労働者の要求あるいは県御当局の要求というふうなものは全面的に政府の責任で解決するのが当然だというふうに考える次第です。  沖繩におきます労働問題の重要性というのは、すでに午前中から片山委員、小平委員からいろいろと質疑をされておる中で明確にされてまいっております。その中でも明らかになりましたように、いま完全失業者が大体一万五千人、失業率が四・一%。これは沖繩で伺いますと、その時点での比較、対比では本土では一・二%だ、したがって、四倍近い失業率になっておるということを屋良知事みずからが報告をしておられました。しかも米軍労働者の人員整理は間断なく行なわれている。七千五百七十三人の解雇が発表されて、うち五千四十二人が首を切られているというふうに御報告を承りました。特に重要だと思いましたのは、ことしの七月、二千百七十人の首切り解雇がやられ、さらに年末までに千六百人がふえると、したがって本年中に三千七、八百人の解雇者がふえるというふうな状態にあるのだ。この状態はきわめて深刻であるにもかかわらず、さらにたいへんだと思える実情というのは、一つは、海洋博の工事というのが来年の七月から開始を予定されているわけですから、当然今年度中にあらかた工事は済んでしまうというふうな状況。もう一つ、問題だというふうに思いましたのは、いわゆる就職促進手当という、軍労働者の解雇者に与えられている恩典ですけれども、この就職促進手当の切れる人、——これは私が沖繩県で聞いてきた数字ですから間違っていたら訂正してもらったらいいのですけれども、四十九年度中に五百七十七人がこの就職促進手当が切れてしまう。五十年度には二千二百三十七人が切れる予定だ。五十一年度には二千百一人が切れる予定だというふうに伺いました。これは雇用との関係がありますから、若干数値の変動は起こってこようとは思います。しかし、昭和五十年度というのは——現状もきわめて深刻であると同時に、特に昭和五十年度になりますと、海洋博の関係も含めて、沖繩における失業の問題というのはまさに深刻な事態になるということは明らかです。午前中からの御答弁を伺っておりまして、そういった点についての施策、これについていろいろお伺いをいたしましたけれども、こういう五十年度に集中的にあらわれてくる実態というものを踏まえて、ほんとうにどういうふうに対処していくのかという点について、基本的な対策、——これも広域紹介だけではとても片がつかぬということは明らかですから、そういう点を含めて、ひとつ基本的な対策についてお答えをいただきたいと思うわけです。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 沖繩県、特に沖繩本島における失業問題につきましては、午前中から御指摘のとおりでございまして、沖繩県内にこういった一万四千の求職者を対象にしてその再就職をはかるための職場がない。これは職域そのものが絶対的に不足をしている。しかもこういった基本的な解決のための企業誘致の計画も現在のところなされない。そこで私どもといたしましては、この百万の人口を適正規模にまで減らして、どうしても余剰と見られる人たちを本土に就職あっせんするということが、復帰後の沖繩を本土並みにするということについてはやはり最善の方策ではないかということで、屋良知事とも私はこの二年間再三再四いろいろと御相談してきましたけれども、屋良さんはつい最近まで、沖繩県内でとにかく解決するのだ、だから絶対に本土に出したくない、本土に出すという旗じるしを掲げちゃ困る、こういうことで、従来私どもの職業紹介上の、法律にございます職業安定法の十九条の二の広域指定、あるいは失業保険法上の指定地域の指定、こういったことについては、これは知事が申請をして、それによって労働大臣が決定をする、こういうことになっておりますが、何としても沖繩県知事としては申請をしてこられない。それじゃ私どもはどうしても手の打ちようがないから、もう一ぺん考え方を変えてくださいということを申し入れた結果、先ほど申し上げたように、やっとこの九月になって、その線で国としての努力をお願いしたい、こういうことになったわけです。本来ならば、沖繩県で生まれ、育った人たちが沖繩県内で就職の場を得たい、これはもう私は人情として当然だと思います。しかしながら、まあ現状では、将来は別といたしまして、現状で現在の求職者一万四千、あるいは沖繩の全体人口百万をいまのまま沖繩県内でその場を得させるということは私は物理的に不可能だと思います。何としてもやはり本土へ就職をあっせんする以外に方法はないんじゃないか。こういうことで私どもは全精力を集中してこの問題の解決に当たっていきたい。こういうことで地域の指定もいたしましたし、その線に沿って本土に移住可能な方についてはできるだけ優先的にあっせんをして本土で就職していただく、こういうことで努力をいたしたいと思っております。それから海洋博につきましては先ほど申しましたように、海洋博に従事しております労働者はほとんど全部が技能労働者でございます。本土の業者が手持ち労働者を向こうへ連れていっている部分、これを除きまして残った県内労働者につきましても大部分が業者の手持ち労働者であります。したがいましてごく一部ございますけれども、これもいわゆる熟練技能労働者でございますから、その点につきましては御懸念のようなことはないと私どもは考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 海洋博は全然関係がないんだということを力説をされておるんで、私は海洋博のことを重点に聞いているつもりじゃないんで、その問題は別といたしまして、軍労働者の問題で離職者が再就職をしておる人というのが、これは県でお伺いをしまして二五%程度だといわれているんですね。しかもその他の就職先の見つからない人は一体どうしているかといったらなかなかそれが捕捉できない。そういう実態にあるというわけです。にもかかわらず、深刻な状態にありながら何とかきておるというのはなぜだろうかということでいろいろ伺ってみて明らかになったのは、就職促進手当という特別措置法による措置で失業保険が切れても、これは労働省でいただいた資料によりますと平均にして月五万飛び四百九十円、たいへん安いですけれども。その就職促進手当がもらえているわけです。だからそれが基盤にあって、まあ不足分を何とか苦労して細々と暮らしを立てているというのが実態だ。それがもう来年度は先ほど申し上げた数字によりますと、合わせて二千八百人ぐらいが、その手当が切れるという時期になっているわけですね。これは復帰後そういう措置がやられていままでは何とかきた。いよいよ切れるという段階を迎えてきておるというところ、しかも次から次と首切りが、大量解雇がやられていくというふうな状況。したがってきわめて重要な事態が起こるんではないかということを申し上げているわけです。ですから、これ全部困るなら、本土へ広域紹介をいたしますと一応おっしゃるみたいな話ですけれども、現地でのお話というのは、単にこれは沖繩で長い間育った人が本土へ来るという感情的にいやなんだということでなくて、その軍労働者の年齢構成が非常に中高年齢層が多いと、これは私は沖繩で伺ったデータを見ますと一万四千の中でいま三十歳以上の人たちが約一万二千です。四十歳以上の方々が約七千、半分が四十歳以上の方だという状況になっている。しかもその中で婦人労働者が一万六百人ぐらいおるということなんですね。そういう状況の中でそう簡単に本土へしかもどんないい就職口があるかわからぬという状況の中で、そうやすやすと来れないというのが実態なんですよ。したがって、いままではまだ何とか何とかこれた。五十年度は何とかではもう済まないという段階だから深刻だということなんですよ。そういう点について、これは一般的なお答えだけでは、私ども現地の様子を見、現地のなまのお声を伺ってきた者としましてはちょっと了解いたしかねる。で、大臣または大臣にかわるべき方を現地に派遣をされて実情をということですけれども、これはまあ、いらっしゃるまでもなくもうそのことは百もおわかりだというふうに思うわけです。そういう点で、これはまあ労働省としては雇用失業関係の問題をあと始末として対処しなければならないということなんでたいへんだと思いますけれども、この問題というのはそうなまやさしい問題ではないという点を、これは大臣にも肝に銘じておいていただかなければならぬと思います。  で、私この問題だけに時間をとりたくないので深く突っ込みませんけれども、特に私どもが沖繩県へ参りましたときに問題になっておりました具体問題を通じて、これはひとつ御見解を施設庁のほうからも明らかにしていただきたいと思うんですけれども、県当局からも、また軍労働組合からも訴えられましたけれども、あのいわゆる諸機関労働者の解雇問題、解雇をして一日おいて翌日、——十月十一日付で労働者を一万六十二人も解雇をしてですよ。一日おいて十月十三日からパートとして再雇用するというんですね。まあ驚くわけですけれども。しかもそのパートというのは、労働内容はどうかといいますと、全くその、常用労働者が四十時間でしょう、労働時間、今度やられるというのは、労働時間三十九時間労働、それ以外の社会保険その他労働条件に対する内容は全く従来どおりというふうに、変わらないわけです。ねらいというのは、まさにこの給料、人件費を押えて合理化をするということだけがねらいだというふうな実情なんです。しかも、これは午前中の説明の中でもありましたけれども、独立採算制なんで何とかしなければならぬでというふうなお話ですよ。しかし、独立採算制で人件費を合理化していかなければならないというんだったら、日本人を解雇してパートにかえて、そのあとアメリカ人を常用労働者として雇うというふうなやり方、これはアメリカ側の言い分が、言うこととやっていることとは違うということになると思うんです。  その点について、これは軍労働組合の、全軍労の要求する中身をもう率直に申し上げますけれども、どう思うかということです。こういうふうに言っておられますよ。  「ORE当局による今回のパート・タイム切り替えを前提とした全員解雇は明らかに退職手当の清算をはじめとする賃金、諸手当並びに諸労働条件の切り下げ等、いわゆる安上り経営を意図した前代未聞の悪質きわまる合理化であり、かかる不当な解雇は日本の労働慣行上及び労働行政上からも絶対に許されるものではありません。したがって雇用主の責任にてこのような不当な全員解雇を全面的に白紙撤回」をしてもらいたいんだと。  それから二番目には、「日本人労働者を解雇、或はパート・タイム切り替え等によって徹底的に職場から締め出し、その後に米人を穴埋め採用していることは、労働市場の狭い沖繩県内の労働事情と労働慣行を全く無視したものであり絶対に見過ごすことはできない。ORE当局による一連の米人優先の雇用政策によって既に米人の数は七〇〇人余に達しており、かつこれら職種のほとんどが、これまで日本人労働者が従事してきた職種を肩代りしているのが実態であり、これら米人優先の雇用政策によって日本人労働者の職場は根底からくいあらされ、近い将来は米人によって独占されるという全く危機的状態におちいっています。したがつて雇用主の責任にて米人雇用の実態に関する基地内強制立入調査を行ない、米人雇用を直ちにやめさせると共に、これら米人の雇用を解除して日本人労働者を優先的に復職させること。」という要望がなされました。  こういうふうな労働組合の要望ですけれども、全くこの労働組合と使用者との関係が対等、平等の関係でないということを端的に示している。こういう点について、これは当然、雇用主である防衛施設庁ですね、これについては折衝をやってこられたと思いますので、いきさつ、経過はどうであったのかということを簡単にお伺いをさしていただきたい。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) それでは最初に、あとのほうでおっしゃいました沖繩地区のエクスチェンジの関係の経緯を簡単に御説明します。  これは昨年の夏ごろからの経緯がございます。その前に、昨年の初めごろから全国的にこういう食堂とか売店とかいう諸機関の関係の経営が非常に行き詰まっておりまして、青森県から始まりまして、ずうっと沖繩県までいろいろなところでそういう経営の改善のための措置というのがございました。その際どういうことが行なわれたかといいますと、もちろん事業所等の閉鎖とか、あるいは営業時間の変更といいますか、たとえばある基地では、いままで朝食、昼食、夕食というものを全部出しておりました食堂が、一番効率のいい、たとえば夕食だけにするとか、そういったようなことが行なわれております。従業員関係で、それに関連しまして、パートタイムヘの切りかえという問題がいろいろございました。そのときには、パートタイムヘかわることについての、何といいますか、従業員の意向といいますか、そういったものを取り合わせて行なわれたわけでございまして、その場合に、パートタイムになりたくないという人はやめる、やめる際には人員整理並みの高率の退職金を出す。それから、そのままパートタイムになられる人はもうもちろんそれでよろしいわけですが、その中間に、そういう高率の退職金は一応もらうが、そのあとあらためてパートタイム従業員になるという選択もあったわけでございます。ただし、この場合には、非常に、そういう選択を従業員がする期間が非常に短いケースがたくさんございまして、それは常用従業員という一つのワクの中で勤務時間の変更だけだというようなことで行なわれておるものですから、非常に短い期間でそういう選択を迫られる、非常に困ると、そういうことは。これは退職の選択も含む選択なんですから、いっそのこと、どうしても経営改善のためにそういう措置が必要であるというならば、人員整理をちゃんとかけなさい、で、その場合には、午前中からお話がありましたような、三カ月前の通告というようなものをちゃんとやって、それで、人員整理そのものではっきりやったほうがいい、思い切りがつくというような趣旨のお話が関係の組合からございました。それで、もう一つは、去年、——沖繩の場合は去年の夏ごろからでございますが、数回、こういうパートの問題がございました。それで、たいへんちょこちょこやられたんでは非常に見通しがない話なんで、少し見通しをつけてやってほしいという話がございました。それから、パートタイムで人を雇う場合も、いまおっしゃいますように、普通の勤務形態としましては四十時間を基準にいたしておりますので、四十時間の基準にする給与が標準になっております。で、それが従来の、昨年の例等でいいますと、一番悪い例では二十数時間というような要求があったこともございます。この場合には、選択しようがないわけでございまして、たいへん給与自体が下がる、生活のパターンが狂うわけでございますので、できるだけそのパートタイムとしての勤務時間数はふやすべきであるという要求もございました。それらのことが実は今度の措置のときの前に、こういうことは困るので、いっそのこと人員整理で、ただし三カ月前にちゃんと見通しをつけて、それでやってくれというようなことになってきてるわけでございます。  それで、そのあとのパートの——ただし、パートタイムになりますと若干四十時間以上の勤務体制とは変わってまいりまして、またその週三十時間とか三十二時間とかいう少ない勤務時間の体制に急に切りかえられては困るんで、できるだけ多い勤務時間がほしいという話もございまして、それが結局そういう話の積み重ねで、何べんも何べんもそういう繰り返し繰り返しいろんな段階でそういう交渉が行なわれておるわけでございますが、最終的に沖繩県庁に現地の米軍から言ってまいりましたのがいまの三十九時間ということでございました。  それで、この問題につきましては本土のほうにも同じような問題があったものですから、できるだけその従業員の関係について配慮ができる何かほかの方法がないかということを、私どもの長官自体もこちらの、現地の司令官でなくてこちらの米軍全体の司令官のほうにも直接話をいたしております。それで、その結果出てきたのがまあ、そういうことでございまして、しかも考えましたのは、これは非常にまあ、ある意味ではあれかもしれませんが、いまの失業者が非常に多くて困るという話等がございまして、現実にことしのたしか初夏のころだったと思いますが、沖繩の陸軍の関係も同じような機関でとうとう経営破綻を来たしまして閉鎖というようなことになりまして、その前にいろいろいまのような話があったわけでございますが、結局は閉鎖になりました。それで、その関係上全部、閉鎖でございますので関係の従業員は全部解雇と、再採用もできないと。それで、しかも手違い等もいろいろありまして、退職手当の支払いさえすぐできなかったというような非常に悪い例がございまして、そういうことではいけないので、少なくとも見通しのつくようなかっこうにしたいということがまあ目標の一つでございました。  それで、まあ私どもとしましては現地のそういう関係者、県庁等も含めまして、それから関係のいろいろな方も含めまして何べんも協議しました結果だものでございますから、そういうことで行なわれたわけでございます。  なお、最後に、もう少しその実施時期が延ばせないかという話もございまして、これも東京の段階で何べんも交渉しましたが、直接のいわゆる指揮権といいますか、そういうものがハワイにしかないということでございまして、ハワイまで行ってこいというようなことで、ハワイまで行きましたんですが、期限がちょうど切れる寸前だったものでございますから、既定の計画の変更というものができにくかったということがございます。それであとはただ何とか経営の改善についてこれだけ従業員が協力するんだから、先ほどの外人の話でございますが、その日本人の首を切ってかわりに外国人を雇うというようなことはしないということにつきましては、これは私だけではございませんで、外務省のほうでもそういう確認をとっておりますが、そういう確認をとるんですね。それから、今後空席ができました場合に日本人の従業員の募集をまずして、そしてその募集でどうしてもできないもの、充足されないものはやむを得ないとしまして、そういうことをまず心がけることですね。そういうことが話し合いなされております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いまこれに関連して、県の要望等については各委員から質疑がありましたから、私はあんまり詳しくお聞きをしようと思ってないんですけれどもね。いまの話を聞いておっても、午前中聞きました御答弁でも、もうたいへんだというふうに思うんです。もう一つは衆議院の社労委員会で昨年の三月二十七日にやはりこの問題がすでに問題になっているんですね。防衛施設庁の長官がそのときにこう言っているんですよ。「IHAのパート切りかえとか解雇とかいう問題についても、赤字だから直ちにパート切りかえということじゃなしに、そこに合理的なものがなければわれわれとしては納得いたしかねるということで、個々の問題について、ケース、ケースにおいて私どもとしてはかなりやっておりますし、また一般的な、基本的な態度としては、」——その質問をされた考え方ですね、施設庁としては大胆に交渉せいと、米軍に簡単に日本人労働者首を切ったり、パートに切りかえたりするようなことをやるなということに対するこういう基本的な態度として同じ考え方を持ってやっていきますという答弁をしておられるんですね。それは昨年の三月、速記録ですわ、たまたま拝見をしたのは。ところが、同じことが続いている。しかも、私はふしぎでたまらないと思いますのは、けさからの御答弁伺っていて思ったんですけれども、沖繩県当局から御要望になっておる、たとえば米軍がかってに日本人をやめさせたあと米人労働者を雇い入れるなというふうなこと、そんなことやめさしてくれと言うておられるんですね。これは話の中ではやりませんというふうに伺っておりますとあなたは言っておられる。しかし、現地の知事がそう訴えられ、あるいは現地で一緒に働いている労働者の組合の幹部が言うておられるということは、あなた方に言っておることとやっていることとが違うんだということを明確にしているわけですよ。その点では約束——口約束だとおっしゃいました、朝からも。その点については約束なら約束らしくこれは大胆に米軍に対して施設庁としては言うべきです、守らせるべきです。その立場をおとりにならなければこれはもうあなた米軍のためのあれですよ、口入れ屋の手先でしかなくなりますよ、ほんとうに。その点をはっきりしてもらいたいと思うんです。したがって、私は一つずつお聞きする時間がもう時間的にもありませんから、一つずつはお聞きいたしませんけれども、たとえば米軍がアメリカ人を直接雇用するというのをやめてくれというふうなこと、あるいは人員整理の通告期間というのは九十日前にやってくれということ、これはあなたは九〇%、昨年は三〇%だったけれども、ことしは九〇%だって朝御答弁になっておられた。しかし、九〇%になっておったら屋良知事が切実な願いとしての要求として出てきませんよ、これは。そういう問題というのを、それは話が違うんだと言わんばかりの御答弁で、この場だけを過ごそうとなさる態度というのは私ども納得できません。それから、もう一つはたとえば現地の米軍と労働組合とが面接交渉できるように、特に防衛施設庁の労務部長を現地沖繩に設けてほしいという御意見ね、これはいろいろと御答弁伺いました。必要ないんだ、いまのところではできないんだというお話ですよ。あるいは必要な立ち入り検査が円滑に行なえるように必要な契約を改めてほしいと言っている。そんな入れないはずはないと、こう御答弁になっておる。私は納得できないですよ。現地の監督官庁である県知事がいろいろお困りになるからこそ要求として出てきているわけです。うまくいっているんだったら要求をわざわざしますかいな。したがって、いろいろとお話しになると、いや、交渉は神奈川県でも青森でも県御当局がというような話が出ていました。そこに沖繩の特殊性があるんだということを正しく認識なさらないとこれは解決できませんよ。県の御当局が要望しておる内容、あるいはこれは当然全軍労の要求でもあるわけです。こういった問題についてもっと現地の意見をすなおにお聞きになって、解決のために基本契約の改定が必要であれば大胆に米軍に当然申し入れて改定をはかるべきです。こういう態度をおとりになることができるのかできないのか、はっきりしてください。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) いま一々の御質問でございますが、県庁、県知事さんの御要望なりあるいは関係労働組合の要求なりというものについては真剣にやっております。微力でございますが、真剣にやっているつもりでございます。  それから、そのいまの基本労務契約の改定なり何なりの問題につきましても、一、二はアメリカ側に申し入れているものもございます。ただしいまの立ち入りの話につきましては、すでにもう午前中お答えいたしましたように、いわゆる権限のある検査機関が必要な調査のために立ち入るという場合の手続も定まっておりますし、それから、これについて特に昨年からどうもいろいろうまくいかないじゃないかという話をいたしまして、特に休みの日などに事故が起きた場合など非常におそくて困ると、その話ができるのがですね。そういうことについて申し入れました結果、特に司令官等がいなくても、この人と、この人に連絡すればいいという人は全部任命し終わりました。これは休みの日でもけっこうでございますというふうになっておりまして、ただ、その権限がある検査機関の話はできております。そのほかの立ち入りの問題につきましては、これは関係省庁、外務省等で一般的な立ち入りといたしましてアメリカ側と取りきめたものがございまして、それは米軍——条約に基づきます米軍基地への立ち入りについては事前にしかるべき機関を通じて調整をしてその結果で入ると、そういうしかけになっておるというふうにお答えしておきます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それではこれ、この要求出てから少しはあれですか、事態は好転をしたということですか。いま部長がお述べになった事情があってなおかつこういう要求が出ているのか。これはやはり重大な問題だと思うんです。私はもう一つずつ御見解を聞こうと思わないのは、こういうふうに切実に出てきている御要望を御答弁の中ではうまくいっているみたいな御答弁しかなさらない、そういう態度をまず改めてもらわなきゃならぬ。現地沖繩県御当局が切に求めている内容というのは何なのか。もっと私は意見を聞いて政府が全責任をもって沖繩のいまの事態というものを解決していくというたてまえをとるなら、これは御要望に従って、そうして現地沖繩の全軍労並びに県当局の要求実現のためにあらゆる努力をするべきだ、そのたてまえをこれははっきりとしてもらうかどうかということがきわめて大事だというふうに思いますので、その点について簡単に決意だけでもお伺いをしたい。

松崎鎮一郎防衛施設庁労務部長

○説明員(松崎鎮一郎君) これは先ほどお答えいたしましたが、特に最近おやめになりました山中大臣からも沖繩の問題というのはちょっと違うのだということはよく指示を受けております。私自身もそう思っております。私どもの部下には私はそういうふうに言っております。それで、こういうことはこういうふうにするんだということについて、足りないところはそれは現状でたいへんうまくいっているということを申し上げていないつもりでございますが、昨年よりはいまがよくなっている。ことしの春よりはさらに進んでいるということを申し上げているわけです。今後もがんばるつもりでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いずれにしても、私は全軍労の要求等あるいは屋良知事の御要望等伺っていて、復帰したとはいえ労使間の関係さえも対等平等の本土並みの労働者の権利というのは保障されていない。全くまさに安保条約と地位協定の大きなかさの下で日本人の労働者の権利も守られておらないということをいやというほど感じさせられた。この点については心してほんとうに政府が責任を負って解決するという立場をこれは一貫して貫いていただきたいし、いま出されている要望については、これはもう一ぺん謙虚にお聞きになっていただいて、解決をはかるべきだというふうに思いますが、大臣に一言決意と御見解を伺いたい。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) けさほど来、各委員の先生方から沖繩の状況につきましては、繰り返し拝聴いたしましたところでございますので、事柄の重大性にかんがみまして、十分関係当局と協議いたしました上で善処いたしたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 で、基本的な立場をいまただしたわけですけれども、これは沖繩での雇用問題というのはきわめて多面的な問題を含んでいると思いますが、私はたまたま視察をして、せめてこれぐらいは何とかするべきだという点についてだけ一つお尋ねをしてただしておきたいと思います。それは職業訓練の拡充です。御承知のように、これはなかなか再就職ができないということ、そのこともあって、職業訓練については一定の施策を充実させようという努力をやっておられるということはよくわかります。ただし、この職業訓練の場合に、私ども参りましたのはコザの県立の訓練所とそれから総合職業訓練所、これは雇用促進事業団の設立にかかるものですが、大体米軍関係の労働者で解雇された人というのは、先ほども申し上げたように、中高年が非常に多い。したがって、解雇されますと深刻なんですね。いま私ども拝見して思ったんですけれども、職業訓練所の入校希望者ですね、入所希望者が二・三倍になっているという実情ですね。いかにやはり沖繩県民が正業につくために職業訓練を求めているかということ、これを示していると思うんですけれども、まず最初に、これは現地でもちょっと伺いましたけれども、第二総合高等訓練所というのをつくるんだという御計画のようですけれども、進捗状態ですね。それからいつから開所するのか、規模と内容はどういうものか、それも含めて簡潔にお願いします。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) いま御指摘のただいま建設中の沖繩の第二総合訓練校でございます。これは主として駐留軍離職者というようないまお話も出ましたような中高年の人を対象にこれをやりたいということで、実は昭和四十七年度から計画を持ちまして進めてまいりましたんですが、土地の問題が二転、三転いたしまして、たいへんおくれておるわけでございますが、ようやくここへきまして土地問題も解決のめどがつきまして、おそらく十一月の末までにはすべて話がつくと思っております。そこでさっそくに仕事をどんどん進めまして、できれば四月中には一部実習場あるいは付属建物を完成させて、できるだけ早い機会に発足をさせたい、こういうぐあいに思っているわけでございまして、訓練定員三百五十人、七科の総合訓練校というものを予定しているわけでございます。ただ、現地には土地問題ようやく解決しましたが、上水道の問題若干混乱いたしておりまして、そういうものも雇用促進事業団を督励いたしまして、できるだけすみやかに解決をして、早く開校したいというふうに思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 できるだけ早くというのは、四月の新年度から開校できる見通しを立てるということですか。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) ただいま申し上げましたように、四月から最小限のものの完成を見ましてやりたいと思っておりますけれども、上水道等の問題がありますので、いまここではっきりは申し上げられませんが、できるだけ早く、そういうつもりで精力的にやりたいというふうに思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 で、内容ですけれども、これは私ども拝見をしたのは、午前中の報告でもありましたように、職業訓練校の訓練種目ですね、転換訓練の種目ですね、特に転換訓練ですよ。溶接科と自動車整備科と配管科、三つなんですね。で、これは現地の県民の要求、同時に県の要求でもありますけれども、せめて転換訓練も養成訓練並みにいまやっている八科ぐらいはやってほしい、こういうふうに強い御要望を持っておられます。で、よくよく聞いてみると、それは、八科にふやすのにそれでは教室を建てて、また時間と金がたくさんかかるのかといったら、そうじゃないんですね。少なくとも転換訓練の場合には夜間の方が多いというふうなこともありますから、若干の指導教員を配置するだけで養成科の時間調整ができればやっていけるんだ、だから五十年度から訓練科目をふやしてほしいというているんだから、ふやしますか、どうですか。いまあるのも第二訓練所も両方です。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) 沖繩におきましては御視察いただきましたように、総訓校で転換訓練は三科、いま御指摘の溶接、自動車整備、配管でございます。そのほかに那覇とコザでこれは県立の専修訓練校におきまして、溶接、電子機器、自動車整備、事務、校正、和文タイプ、六科でございまして、そういうことでやっているわけでございますが、訓練科目をどう設定するかということは、入ってくる訓練生の質とか、あるいは将来卒業して出ていくときの就職の状態というものを見通してきめていくわけでございまして、多々ますます弁ずというわけには、それだけではまいりません。ただ、ただいま御指摘のように、まさに実は転換訓練以外にそれぞれの訓練校で行なっております養成訓練の中で、たとえば機械、板金、電子機器、ブロック建築、塗装、こういうものを養成訓練をやっておりますが、これにつきましては若干の余裕もありますので、ひとついまお話しのようなやりくりをいたしまして、職業訓練転換の実施について検討を進めたいと思います。  それから訓練校の中でやっていますもののほかに、施設外で現在も建設機械の運転でありますとか、自動車の運転というようなものをやっておりますが、そういう委託訓練につきましても検討を進めていきたいというふうに思います。科目のあり方、数についても、第二総訓も含めて、御視察の結果を私どもよく拝聴いたしました上で検討してみたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで職業訓練所というのは実習ができなかったら話にならぬ。もう時間をとるのはいやだから率直に申しますけれども、総合訓練所に行ったときに驚いたんですけれども、なかなかはでに実習をやっているのは自動車の板金と塗装だけですよね。隣の教室へ行ったら旋盤があれ十数台並んでいました。それはきれいに掃除して何にもしてない。それで一行から質問が出た、何でやってないんだと、そしたらインフレで教材費がどんどん上がりまして、旋盤みたいに削っていく材料が買えないんだと、だからやたらに実習できないんだというふうに、これは率直にお述べになっておった。たいへんなことです。資料を調べて聞いてみたら、幾らですか、運営費は沖繩の総訓でことしは九百万円、たったの。ほんとうに沖繩県民が失業のるつぼにたたき込まれて苦しんでおって、これを国が責任をもって何とかしなきゃならぬという、しかも重大な一翼である職業訓練所で運営費、教材費が足らぬで材料が買えない、そんなばかげたことでは先ほど私が申し上げた基本的な姿勢だとは、労働省もそういう立場に立っておるとは言えません。その点についてどういうふうに改善しますか。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) ただいま御指摘の点は、実は私どもたいへんいま悩んでおる問題でございまして、最近の物価急騰によりまして、全国の訓練校を通じまして教材の確保ということがたいへん頭の痛い問題でございます。何とか予算をやりくりして運営をしていかなきゃならぬと思っておりますが、ただいまたった九百万円ではないかという御指摘でございますが、沖繩第一総訓についての四十九年度の現在までの予算配賦は約八千万円を配っておりまして、教材費としては確かに御指摘のとおり九百万円でございます。ただ、私どもは、いま御指摘のようなこともございますし、今後さらにこれは追加配賦をしたいと思って現地の希望を聞いております。現地の総訓校から言ってまいりました希望額は私ども配賦ができると思っておりまして、いま鋭意作業を進めておりますので、できるだけ、十分な、ところまでいきますかなにでございますけれども、できるだけの措置をしたいというふうに思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 教材はそれなら何とか追加配賦をすると。  もう一つ問題は、これは県立のコザの訓練所へ行ってたいへん熱心に仕事をおやりになっているんですけれども、きょう報告書にも出ていましたね、中身は驚いた。専任の指導員が三名で、それから時間講師で十六名雇っている、しかもそれで昼も夜も二部制でやっているというんですね。どうしてこんなむちゃな超過——何というか、超人間的ですよね、毎日それをやっているとしたら。超人的な仕事のしかたしかできないのかということで聞いたら、給料が安いから実際に指導員になれるような熟練者は来てもらえない。もう一つは沖繩県の内部に人材がないということでたいへん頭をかかえておられる。こういう点について、政府としては援助するつもりはありませんか。県の訓練所だからわしは知らぬということでいくんですか、どっちですか。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) 沖繩県の職業訓練につきましては、県の財政問題その他ございまして、できるだけ政府としてもほかの県とは違った角度で措置をしなければならないと思いまして、実は総訓校もあれだけの地域で二つつくろうという考えで直接できるだけやりたいと思っておりますが、復帰以前から県立の訓練校を那覇とコザにお持ちでございます。コザの実態につきましては御視察いただいたとおりでございまして、私どもこの現状を決していいとは思っておりません。まあ非常勤講師のあり方につきましては、東京の品川訓練校あたりでもNHKのテレビに出ているような人を非常勤に雇って、かえってたいへん評判がいいというようなこともありまして、一がいには言えないのでございますけれども、ただ御指摘のようなバランスは、もうこれは弁解の余地がないと思います。その理由につきましても、いま御指摘のようなことでありまして、適格な技能者が得られないとか給与の問題とかございますが、まあ定員の問題もありまして、県立でございますので、県が定員をつけますれば、私どもはそれに対して必要な補助をするという用意がございます。ただ問題は、やはり県自体が定数条例のワクをなかなかふやせないというような事情もあるかと思います。そこで、まあ県ができないならばほうっておくのかという御指摘ですが、私どもは沖繩県のかかえております特殊な事情も十分考慮いたしまして、できるだけのことをしたいと思いますが、具体的にはいまの御指摘の給与が低いという点につきましては、最近実は沖繩県だけじゃなくて、全国のやはり一種の超過負担の問題として非常に問題となっておりまして、大蔵省でもこれを取り上げておりますので、五十年度予算でぜひこれは改定したい、思い切って改定したいと思っております。  それから技能者がいないという点につきましても、実は総訓のほうには中央の訓練大学校を出た優秀な若い人が十人も行っておるので、その辺もちょっとわれわれのほうでくふうをすれば何とかできるのではないかと思いますので、今回御視察いただいた上の御指摘でございますので、十分ひとつ研究さしていただきたい、このように思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いま思い切って五十年度補助をするとおっしゃったので、これは了解できます。  それでは、あわせて、四十九年九月十一日付で屋良知事から労働大臣と沖繩の開発庁長官にあてた要望があるわけです。これは専修職業訓練校施設及び駐留軍関係離職者等の職業訓練に対する補助とある。沖繩県の御意見を聞きましたのです、この要望があったので。そうしますと、現在コザにある訓練校を移転するのだと、三億円かかるのだけれども、国の補助は四千万円だけで、建築単価が一平米当たり四万九千円だと、ところが実際には十万六千円かかるのだと、何とかして実勢単価に引き上げてもらいたいという御要望なんですけれども、これもあわせてやれますか。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) 県立の、復帰前からございますこのコザの訓練校、それから那覇の訓練校、ともにいま御指摘のように非常に老朽でございまして問題もありますので、沖繩県当局としては、コザにつきましては四十九年度から三カ年計画で、那覇については五十年度計画で移転もしくは増改築というような希望を出しておられます。私どもとそれぞれ詰めておりまして、できるだけの援助はしたいというふうに思っておりまして、四十九年度については県当局と一応調整をした上の予算を県議会でも議決をしていただいておるわけでございます。ただ、問題はおそらく、私どものほうには法令によりまして補助の基準もございます。対象の範囲も限られております。そこで、そういったことでは十分なものにはならないので、そのワクを取りはずして思い切った援助をしてくれないかというお話かと思いますが、これはまあ財政当局のほうの御意見もございますし、法令の問題もありますので、私どもは将来に向かってできるだけ研究はしてみたいと思いますが、なかなかむずかしい問題もあろうかと思います。しかし、いずれにしましても、けさほど来のお話でも、沖繩県につきましては特別の考え方で臨まなければならないというふうに思いますので、できるだけひとつ知恵をしぼっていくということを申し上げまして御了解を得たいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 怪しゅうなってきた……。大臣どうですか、この三億かかるのを四千万しか政府が金を出さぬ、そんなむちゃなことを言わぬと、何とかして援助して、——沖繩県も何とかして立ち直ろうとしているのだから援助してほしいと言っているわけですよ。いま何かだいぶむずかしそうにおっしゃっておられますから、ひとつ大臣御検討いただいて、格段の措置をお願いできるかどうか御所見を伺いたい。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 十分検討して努力いたしたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで補助の問題について、これは政府が責任を負っていまの沖繩の窮状というものを解決する責務があるという立場に立って、これは建設についてもそうだし、あるいは駐留軍の離職者の職業訓練に対する補助、これについても同様の態度で臨むべきではないかというふうに思うのです。といいますのは、施設庁がやっておりますこの離職前訓練の補助率というのは、三分の二、五分の八でしたかな、三分の二か五分の八か、たいへん高いですよ。ところが県でやっておるのは運営費、政令では二分の一というふうになっているんですね。何とかして施設庁並みに補助率を上げてほしいというのがこれまた県の御要望でもあり、現地沖繩県民の切なる願いでもあるわけです。その点について改善をされる御決意ありやなしや明確にしていただきたい。

藤縄正勝労働省職業訓練局長

○説明員(藤縄正勝君) 訓練関係の経費の補助率につきましては、ただいま御指摘のような御要望が出ておることは承知をいたしております。ただ、これにつきましては沖繩復帰の際にもいろいろ御議論がありまして、経過は詳しくはいま申し上げませんが、いろいろな経過を経て現状のようにおさまっておりますので、私どもとしては御希望の趣旨はわかりますけれども、なお財政当局とも十分話をした上でなければ、いま直ちにここで思い切って改善いたしますというようなわけにはまいらない事情にあるわけでございます。十分今後検討さしていただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 一つ一つ取り上げますと、ちょっと時間が足りないほどたくさんあります。私は、私どもが直接見聞をしたことの内容についてこれは代表的な実例という形でただしたというふうに御理解をいただきたい。したがって、現地から、現地の沖繩県当局からの御要望については少なくとも国の責任で、政府の責任で解決をするというのが当然の責務だという立場で対処をしていただくという点だけははっきりしていただいておきたいわけです。そうしませんと、いや補助率がこういうふうに政令できまっております、これは大蔵省との関係でうまいこといきませんというふうなことになったのでは、これは政府が責任を負って解決するという態度にならない。その辺をこれは大臣、十分含んでいただいて対処していただくことを心から要望したい。最後に御決意を伺っておきたい。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 先ほど申し上げましたとおり努力いたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ沖繩問題はおきまして、あと少しの時間をいただきまして不況対策の緊急措置について、きょう午前中にも同僚議員から各般にわたる御質疑がありましたので、そういった点を踏まえましてひとつ具体的な問題も含めてお尋ねをしていきたいと思います。  御承知のように新聞報道でも労働者の首切り、帰休制などの雇用不安というのが毎日のように報道されて、どんどんその不安というのは大きくなっておるのはもう周知の事実です。また十一月の月例経済報告によりますと、十月、十一月にかけて雇用情勢の悪化というのが予測されると、国民に大きな不安をもたらしておるというふうになっておるわけです。そこで大臣に最初にお聞きをしたいのは、これはもう午前中からもお伺いをいたしましたけれども、御答弁を伺いましたけれども、再度簡潔にお尋ねをしたいのは雇用、失業情勢のいまの見通しと、これに対する対策の基本、これについて最初にお伺いをしたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) けさほど来申し上げましたように、今後の事態は非常に心配いたしております。そこで、こういう事態において、不幸にして職業を失われました方々に対しましてあらゆる対策を講じまして、その生活のできるだけ安定を得るようにいたしたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この問題に関しては全面的に私も質疑をしたいというふうに思っていたんですけれども、持ち時間の関係もありますので、具体問題にしぼって実はお聞きをしたいと思うのです。  いまの情勢の中では不況になってきますと、まず第一に犠牲になるのはどこか。一番先に犠牲になっていくのはどこかというと、大体臨時工、パートタイマー、季節労働者、出かせぎ労働者、これは局長も御答弁の中でおっしゃっておられた。したがって、これらについての対策というのはこういうふうに雇用、失業情勢がたいへんな不安な状態になってまいりますと、一番先に不安定な状態におとしいれられる、首を切られるというところに対する対策というのは特別に必要だと思うのですね。これについてどういうふうに扱っておられるかということですが、これはなぜ私こういうふうなことを申し上げるかというと、実際にたいへんな問題が幾つも起こってきている。これらの一番先に首を切られるという層ですね、これに対する特別対策は大事だと思いますが、労働省としてはどういうふうにお考えになり、どういう手だてを講じておられるか、簡潔にひとつ。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 先ほど来御質問ございましたのに御答弁申し上げておりますように、確かにこういう不況になりますと、まず人員整理、合理化といったような措置がとられます際に季節出かせぎ、臨時工あるいは日雇いあるいはパートタイマー、こういったところにしわ寄せがまずきやすい。これはもう御承知のとおりでございます。そこで私どもは先月三十日に全国の課長会議を開きまして、全国各地域、各安定所管内のそういった実態を迅速的確に把握いたしますと同時に、不幸にして職場から離れざるを得ないような事態になった、そういう人たちにつきましては、その中でも中庸年齢者あるいは季節出かせぎ、臨時工、こういった人に重点を置いてむずかしい中で再就職の確保をはかる、こういう措置を指示いたしておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 実際にはどういう事例が起こっているかというのをごく一、二、例を出してみますと、たとえば、大阪に本社のあるダイキン工業という会社は、これは九月の二十七日に一時帰休をいち早く提起した。そうして大阪にある淀川工場のパートタイマー百三十名のうち約十名を十月、十一月に分けて解雇した。  一方でまた名古屋ですけれども、これは名古屋の地裁で身分保全の仮処分が出ておるんですけれども、これもパートタイマーで首を切られた。それは、仮処分の判決ではこういうふうに書いてある、言うているんですね。「単に会社においてパートタイマーとしての取り扱いを受けていたという理由だけで整理解雇に際し第一順位の解雇対象者とするには合理的な理由を欠くものというべきである。」したがって、「本件解雇は相当な理由を欠き無効というべきである。」というような判決まで出ている。そういう争いが起こっておる。こういうふうに身分保全の仮処分でも明らかなように、都合が悪くなる、経済情勢が変動してくると一番先に首を切られるというやり方、一番弱いところ、これはなるべくやらさないという指導ができるのかどうか。やるべきだと思いますよ。それはどうしているかということが一つ。それからいまパートタイマー等の雇用・失業状況が労働省ではわかっているのかどうか、その点について伺いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) いま私どもは人員整理とかあるいは一時休業、こういった形でいろいろな整理が行なわれておりますが、全体としてはできるだけ的確な情報を把握するにつとめております。パートタイマーと申しましても、これはもう御承知だと思いますが、いろいろな形がございます。いわゆるほんとうにアルバイト的に働いている人もいますし、一日八時間労働のところを六時間で常用労働者として働いている人も、いわゆるパートと呼ばれている場合もあります。私どもはパートタイマーがどれくらいどういうふうになっているか、その実態を、パートタイマーという形で把握することは現実に不可能でございますから、把握いたしておりません。それから企業が非常に不況になりまして不振になったときに、一体どこから整理していくのか、人員整理をやる場合に希望退職でまんべんなくやられるのか、あるいは臨時工という雇用契約に期限のあるものからまず手をつけるとか、あるいはそういう短時間労働を常態としたアルバイト的な人を先に整理するとか、これはいろいろ企業の都合もあることでございましょうし、労使間の労働組合との話し合いによってもきまることであろうと思いますので、私どものほうからどれをどう切っちゃいかぬとか、どれを先にきめるべきだとか、そういう指導はいたしかねると思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それはどこから切れというようなことを労働省が命じたらたいへんなことになりますけれども、なぜ私がそういうことを言うかというと、パートタイマーの解雇者の中ではたいへんないろんな問題が起こっている。具体例をちょっと言いますと、解雇されるパートタイマーのうちで、これは私はたまたまダイキン工業の淀川工場の解雇されたパートタイマーの、解雇に該当する人たちの給料明細書、これを持っているんですけどね、どんなことになっているかというと、ここでは労働時間が一日六時間、作業服の支給から食堂の利用など全く常用労働者と同じで、この会社は週休二日制になったから労働日は二十二日、だからパートタイマーの給料明細書を見ますと、皆勤手当のついている人がたくさんあります。これは六人のを持っておりますけれども、皆勤手当がついておるのが、四名が皆勤手当がついている。ところが、この人たちが失業保険に入ってない。よく調べてみますと、ダイキン工業でほかの工場でのパートタイマーというのは、これは大阪の堺工場では同じ条件で採用しているのだけど失業保険に入っている。しかも、私がたまたま持っておる六人の給与明細書を見ますと、パートタイマーで一カ月ずつ、——二カ月更新、一カ月更新しながら、勤続年数が五年、長い人は七年、連続して七年、八年、短い人でも一年をこしてます。しかも、給料も一カ月五万二千円あるいは五万四千円というふうなですね、これはもう一家の生活の中の重要な部分を占めているというふうな人たち。ところが、失業保険に入ってないから首を切られたら何の保障もない。だから、経済情勢が変動して首を切られるのは一番先で、しかも首になったら失業保険もない、こういう状態になっているわけです。ここで、私どもはこれはたいへんだと思って、大阪府の労働部にいま調査をしてもらった。ところが、労働省が御指導になっておるいわゆる短制度、パートタイマーの労働者にも失業保険の特別適用をするという取り扱い要項ですか、この短制度というのがあるんですね、御存じないですか。これは昭和四十三年六月十一日付で職業安定局失業保険課長通知です。「短時間就労者に対する失業保険の適用について」という制度化がなされている。これによりますと、パートタイマーの失業保険の適用基準というのをちゃんと労働省示しているんですね。その内容を見たら六項目ある。時間を省く意味で私読みますけれども、適用基準の六項目というのは、所定の労働日が通常の労働者のそれと同様であることが一。二が、一日の所定労働時間が原則としておおむね六時間以上であること。三が、一年以上雇用される見込みの者であること。四が、賃金の月額が当分の間二万五千円以上であること。五が、労働時間及び賃金を除くその他の労働条件が、当該事業所の通常の労働者のそれとおおむね同様であること。六が、他の社会保険において被保険者として取り扱われていること。というふうになっている。これは大阪府の労働部で調べてもらいますと、ダイキン工業の例では一から五までが全部該当しております。ところが六項目の他の社会保険に入っていることということが、これは入ってたい。それで適用ができないのだと、こういうお話ですね。これはやはり労働者の保護の観点からいってきわめて重要だと思うんです。事業主の姿勢をやっぱりはっきりさせていく。それは一人か二人で本人が希望して入っておりませんでしたと言うんなら話は別ですよ。まとまって一工場で百三十人もおって一人も入ってない。これはやはり労働省としても事業主の姿勢、行政上の徹底、こういったものをやるべきだと思うんですけれども、その点についてはどうですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) パートタイマーのいわゆる社会保険、失業保険の適用問題につきましては、過去いろいろの問題がございました。この取り扱いでここにありましたのはむしろ、先ほど申し上げましたいまパートタイマーというのはいろいろな意味に使われておりますけれども、いわゆる当初パートタイマーというのはきわめて臨時的に家庭の主婦の方なんかが家事の合い間を縫って短時間働くと、そういうアルバイト的な様相が非常に強かった。そういう際に、こういう人たちに社会保険を適用するということになりますと、なるほど利点もあるかもわかりませんけど、こういう人たちについてはかえって保険料の負担だけがその人の余分な負担になって、給付を受けられる状態にない。こういうことが当時前提としてあったわけです。したがいまして、いまお読みになりましたような、なるほど労働時間は通常の常用労働者の労働時間よりは短い。賃金もそれに応じて低いかもしれない。その他の条件については常用労働者と同じような状態である。こういうことが一応数項目にあげて掲げられておりまして、そういう者についてはパートという名前ではあるかもしらぬけれども、常用労働者で勤務条件が違うということで、こういうことで保険も適用することになっておるわけです。  そこで、いま御指摘になりましたダイキン工業につきましては、労働組合があるのかないのか私調べておりませんから聞いておりませんけれども、おそらく労働組合はあるだろうと思います。労働組合がありながら、そのパートという百三十人の人たちが組合員になっているのかなってないのか、それも存じませんけれども、そういう実態がありながら社会保険の適用について黙っていままで見過ごされている。これも私は問題だろうと思います。と同時に、まあ、いま御指摘のような例もございますけれども、それ以上にこういった人たちを含めまして、いわゆる小零細企業に働く労働者の人たちが、失業保険はもちろん他の社会保険も適用されてない、法制上もできてない、これは私はたいへんな問題だと思います。それだけに私どもは来年の四月からは何が何でもとにかくこういった一人二人の小零細企業の労働者の人たちも失業保険、現行の失業した場合のそれに対する給付金、こういう制度の均てんをはかろうということで、私は非常に思い切ってと申しますとおしかりを受けるかもわかりませんけれども、社会保険の適用ということになりますと実は非常に大きな技術的な問題と申しますか、行政上の問題がございまして、そういった零細企業を適用するとなりますと、いま私どもの現行の失業保険制度だけでも五人未満の商業サービスを含む零細企業に適用いたしますと、約百万事業所ふえます。この言万事業所を現実に適用把握をするということになりますと、相当な人間を使って人海戦術をやっても完全な把握はきわめてむずかしゅうございます。したがって、これは適用できないというのがいままでの考え方です。で、私はあえてそれを承知の上で、いままでの考え方を変えて、一つ一つシラミつぶしに把握できなくても、そこで働いている人が失業した場合には、解雇されたら、それには保険給付をするというたてまえに踏み切って、この完全適用を来年四月から実施しょうと、こういうことにしたわけです。で、これはもうパートとか臨時とかそういうものをおしなべて、みなそういう人たちに均てんさせようという考え方から出ているわけです。したがいまして、いまの問題は私は具体的にまだ聞いておりませんけれども、もしそういう条件が整っているんであれば、適用されてしかるべきだったんでないか。また組合の人たちも黙っていたのもおかしいんじゃないか、私はこう思います。まあ今後はこういうこと、問題を含めまして、もうすべての働く人たちが保険制度の適用を受けられるようにすべきであろう。私はそういう方向で努力いたしたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 おかしいんじゃないかちゅうたって話にならぬわけですよ、問題はね。パートタイマーとして働いた人は初めは短期雇用だと思っているわけです。それがずうっと、ずるずるいって七年八年になっているのに、これはまあ労働組合言いますけどね、雇い主がこんな七年も八年も常用労働者とほとんど変わらんで、一時間だけしか違わんような状況でね、社会保険も適用さしてない、失業保険にも入れてないというふうな状態で、しかも三人や五人ではなくて、一工場見ただけで百三十人もまとまってそういう事態があるということは、これは当然労働省として行政指導を徹底させなければ、いまおっしゃっているけれども、これは失業労働者が救えない、労働者が失業したときに救えないというふうなことにもなるわけですよ。そういう点で行政指導の徹底ですね、事業主に対する指導というのはきわめて大事だ。これは労働者自身にとっても大事だと思いますよ。しかし、本人がもうあと半年したらやめるのかもわからぬというふうに思っているんですからね、それがどんどんどんどん延びていくというふうな関係にあるわけですから、働いているほうは何年働けるやらわからへんですよ。経済の見通し、その工場の発展の見通し等についてもよくわからないわけです。これは当然雇用主として責任をもってそういった点については必要な社会保険なり失業保険なりに加入させると、もし労災が起こったらまたたいへんですよね、労災にも入っていない。そういう状態になっている。これはぜひ解決をしてもらいたいと思うんです。改善をしてもらいたい。  さらに加えて、私は、首を切られるときにはパートタイマーが一番先に切られて、しかも失業保険にも入っていないから、首を切られても失業保険ももらえないというふうな状態に置かれる可能性がある。さらには失業保険に入っていても給付が受けられないというふうなことが起こるわけです。これはおたくのほうの——これも改善してもらわにゃならぬと思う、昭和四十三年六月十一日の失保八第六九号ですが、労働省職業安定局失業保険課長名で出ておるんですけれども、これの「給付関係」というところのイにこう書いてある。「短表示の離職票を提出した者に係る受給資格の決定又は失業の認定に当たり、その者の求職条件の内容(例えば労働時間)が、当該地域における労働市場の状況等から判断して雇用可能性がないと認められる場合には、労働の意思及び能力を有しない者として取り扱うこと。」、そんな通達が出ているんです。これもたいへんだと思うんですよ。なぜかといいますと、これに書いてあるのは、パートタイマーで失業保険をもらえる受給資格者がもらいに行っても、パートタイマーの職場がその労働市場になかったら働く意思も能力もない者とみなせ、渡さぬでよろしいということになっている。そういうことになりますと、それじゃパートタイマーというようなものを、職安が全部その需給状況というものを知っているのか。これは、大体パートタイマーというのは、新聞の折り込みやら、電柱へ張って募集をしているというのはざらなんですね。職安を通して全部需給状況が把握できるというような実態じゃないわけです。ところが、職安でこれは労働市場がありませんということになったら、払わなくてもよろしいということです。そういう官僚的なやり方というんですかね、機械的なやり方というのはどうしても改めるべきだと思うんです。失業保険というのは、これは私が申し上げるまでもなく明らかなように、失業保険の目的というのは「被保険者が失業した場合に、失業保険金を支給して、その生活の安定を図ることを目的とする。」とちゃんと一条に書いてある。ところが、パートタイマーで首にたって失業保険をもらいに行っても、パートの職場はないというふうに判断をしたら、片やその人間が働く意思も能力もないと認めてよろしいというような、そんなひどいことはこれは撤回するべきだ。そして、不幸にして首を切られた場合、当然掛け金をかけた失業保険の保護を、本来の趣旨を貫けるように改めるべきだというふうに思うんですけれども、その点について御見解を……。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) まあ、パートタイマーが非常に中心の問題になっておりますが、実はパートタイマーのこの失業保険の適用問題につきまして、何年ごろだったか、私、はっきり記憶ございませんが、四十四、五年ころだったか、あるいはもうちょっと前だったかと、四十三、四年当時だったかと思いますが、私は全面的に適用すべきだという主張をした一人でございます。ところが、その当時、パートタイマーの関係のいろんな人たちが、これに対して、適用して保険料を徴収するということについて非常に反対をされた。私たちは保険料だけ取られて保険給付を受けられる立場にないんだ。——要するに、先ほど申し上げたように、アルバイト的な臨時的なもので、現行の失業保険法でも四カ月未満の雇用期間の者は適用されないということになっております。これは、保険給付の対象にならないから、要するに保険料の掛け捨てになるから、そういう明らかなものは適用をはずす、こういうたてまえになっておるわけです。それと同じような考え方で、こういう短時間労働でしかも臨時的でアルバイト的なものについてははずすべきだというのが意見の大勢を占めたわけです。私は当時からそういう考え方を持っておりましたが、こういう人たちが、いまお話しのように、適用になった上で、離職をして給付を受けられない。それは、労働市場にそういう口がないからということではなくて、当該労働市場で当該地域で御希望のような仕事がありませんから、どうしても就職をしたいとおっしゃるならば、こういうものもございますと、いやそんなものはだめなんだと、こういうことになった場合に、そういう問題が起こってくると思います。たとえば、非常に極端な例をあげますと、私が三年ほど前に安定局におりましたとき、失業して小豆島に帰られた人がおります。ところが、小豆島でどうしても就職をしたいからあっせんしてくれと、ところが、小豆島には一軒も企業がない。人を雇ってくれる会社も工場もないわけです。私は小豆島でなければ就職したくないのだ、だから保険金をよこせと、こう言う。そればだめです、それは就職の意思がないということを、逆にいえば、意思がないことをはっきり証明できるから給付できません、と。これはきわめて極端な例ですけれども、それと同じように、その地域にないような就職口を、私はこれでなきゃいかぬ、で、就職できるまで保険金をよこせ、こう言われてもそれは出せません。就職の意思がないものと認めざるを得ません。——この趣旨のことを書いた通達でございますけれども、この通達は、実はいま廃止になっております。  したがいまして、今後、こういう問題につきまして、おっしゃるような、——官僚的とおっしゃいましたけれども、私は、安定所は役所ではなくて、ほんとうに人をお世話をするところだと思っております。そういう官僚的な扱いをしているところがもしあるとすれば、今後、私は厳重に注意してまいりますし、いままでも、十数年間、そう言い続けてきておりますけれども、今後十分そういう方向で指導してまいりたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 委員長、時間おくれておるんですけれども、最後に……。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 最後にしてください。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いま、これは廃止されていると言われたのでちょっと言っておかなければいかぬ。  廃止されているけれども、新しいのに同趣旨のことが書かれている。これは極端な引例をされて、こういうものだけだというふうに言われているけれども、そうじゃないから問題になっているのです。だから、そういう扱いというのは一切やらないんだというふうに明確にされるということがいま大事だと思うんです。  で、私、もう時間を超過していて委員長に申しわけないので最後に、私は大臣に御意見を伺いたいと思いますのは、こういうふうな不況の進行や不安定な雇用情勢の中で労働者がたいへんな実態になっておるというのはもう明らかです。で、大臣も、ごあいさつの中でも、五千二百万の働く人たちの暮らしを守っていくというふうにはっきりおっしゃつておられるわけです。ところが、そういった中で、不況を口実にして大企業の人減らしや合理化や労働強化、あるいは賃金抑制というようなことをやられていくわけです。こういうことは絶対に許すべきではないと思います。九月期の決算を見てみましても、金融だとか、鉄鋼だとか、紙・パルプなどの大企業では、依然として増益が続いていますよ。わが党の調査によりますと、四十八年の大企業の申告所得の上位五十社、このため込んだ利益というのは、五十社の中で五社以外は全部相当な内部留保を大幅にふやしています。時間がありませんから具体的に申し上げませんけれども。しかし、現に片方ではそういった上位五十社がほとんど社内の内部留保をふやしておるというふうになっておるのに、片方では雇用不安が増大をしておる。そこで、こういった中で、不況と失業が同居するというふうなたいへんな深刻な事態に対処していくために、失業保険の給付率の引き上げ、それから給付日数の延長、こういう点をお考えになる必要はないか、やるべきじゃないか。二つ目は、失業対策事業の計画を策定するべきだ。そうして、これは国庫補助率の引き上げをやるべきだ。三つ目は、失業防止措置の強化、解雇を制限させていくというふうな指導が第一、失業を出さないようにしたいといっておられた。四番目は、元請の大企業の負担する基金制度を設けて、下請企業の賃金の遅配やら不払などの解決を早急にはかれるようにする。こういったこれらの対策を緊急対策としてお考えになる必要があろうと思うのですけれども、大臣の所見を伺って私は終わりたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) ただいま沓脱委員からお話がありましたように、私も企業にとりまして人は宝だと思っております。そこで、その宝を無用に切り捨てるということはこれは企業自体がなすべきではなかろうと思っております。そこで、企業自体のやむを得ざる情勢によって出てきました職を失う方々、またそれをなるべくつなぎとめていく安定性の維持、そういう面から考えてまいりますと、私はやはり、先ほども申しました雇用保険法でございますか、あれをひとつ何とかこの際皆さまの御賛同を得ましてできるだけ早期に成立させますことがいま沓脱委員の御心配の点でもあろうかと思いますので、どうぞその点ひとつ御協力を賜わりたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 時間に制限がありますので、簡略に要点のみを質問いたしますので、お答えを願いたいと思います。  質問の前に、冒頭述べられました新大臣の所見に対して敬意を表するものでありますが、ことばではなく、ヤマブキ答弁ではなく、これがほんとうに実のあるものとして実行されることを冒頭期待をいたしたいと思います。  なお、沖繩県における雇用安定政策の強化につきましては、各委員から指摘されたところでありますので、重複することを避けたいと思いますが、職安局長はこの一つの基本的な形として広域職業紹介の方途を強化したいという御答弁があったわけでございますが、基地労働者のみならず、民間においても雇用の不安は深刻でございまして、特に繊維産業などにおきましては有夫の婦、いわゆる本土に広域職業紹介をしようとも実際上行ない得ない失業者が今後増大することが予測されるわけでございます。これらの点も配慮した特段の雇用、失業対策の強化を求めたいということが一つ。  それから、失対事業就労者につきましては、これまた各委員から指摘されたところでございまして、あたたかい措置を期待いたしますが、同盟系の失対事業関係労働組合の責任者に対しまして前齋藤厚生大臣は、生活補助世帯についてもモチ代のほかに一時金の支給を年末にあたって配慮したいという回答をされたやに聞いております。給料の改定とあわせ年末一時金の支給について答弁にありましたとおりの措置が具体的に実ることを期待し、問題の質問を雇用情勢とその対策にしぼって御質問を申し上げたいと思います。  四十八年以来のオイルショックによりまして、実質経済成長率、鉱工業生産増加率などあらゆる経済指標は急速に低下していることはもう申すまでもございません。その結果、通産大臣も四十九年度は経済マイナス成長という戦後初めての事態を迎えるのではないかということを言っております。かてて加えまして、政府の総需要抑制政策によりましてこの景気の停滞、混迷は今後なお長期化すると考えられるわけでございます。こうした経済情勢の不況が雇用面にも反映いたしまして、労働省の発表によりましても残業時間数が九月度は対前年比三三・六%の減少を示している。失業保険受給者実人員は同じく一四・六%の増を示している。有効求人数も三七・五%の減、特に製造業だけをとってみれば、五二・八%の減であると統計は示しております。さらに、新規求職数の増加等がもたらしまして有効求人倍率は一・〇四、各委員から指摘されたとおりであります。まさに現在の雇用情勢は深刻という一語に尽きると思うわけであります。現在の不況産業の代表である繊維産業の現状をとりましても、二月以降十一月十一日現在までの間に、繊維の労働者で組織しておりますゼンセン同盟の組合員だけで百七十件の合理化提案があり、すでに一万名をこえる失業者が出ようとしているわけでございます。ゼンセン同盟は百七十万繊維労働者の中の五十七万を組織しているにすぎないわけでございますから、未組織労働者、さらに季節工、パートタイマーなどをこれに加えますと、繊維産業の状態はまさに深刻の一語にこれまた尽きると思うわけでございます。弱電、建設等もこれと大同小異であると思われます。  こういった現状はすでに統計において把握しているところでございますが、今後の経済情勢の展望とあわせ考えますと、今後の雇用失業の先行きはまさに憂慮すべき事態に入っていくということが予測されるわけであります。これについて、簡潔に今後の雇用失業情勢の見通しについて職安局長からお伺いをいたします。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 現在置かれております経済情勢の中で、雇用失業の情勢は柄谷先生から御指摘のありましたとおり、私がいまあらためて数字をあげて御説明申し上げるまでもございませんで、きわめて深刻な状態にございます。ちょうど日本経済が高度成長期に入りましてその間における不況期、四十三年、それから四十六年末当時と比較いたしますと、いまの十月の時点での失業あるいは求人倍率、こういった数字がちょうど同じような状態でございます。ただ、基本的に違いますのは、四十三年なり、四十六年の一時的な不況によります雇用失業情勢の悪化、これは高度成長というバックにささえられておりましたことと、それから同時に、今回の場合のように全国、全産業的な不況ではございませんで、特定の産業あるいは局地的な問題に限られておりました。したがいまして、そういった求人倍率の悪化あるいは失業の増大といったような事態もきわめて短期間に回復をし、吸収することができたということが言えるわけでございますが、今回の場合は、昨年の秋以来の石油危機に端を発しますインフレ、それに伴う景気調整あるいは総需要抑制による不況、こういったことで、今後相当期間長期化することが予想されます。したがいまして、現在は底ではなくて、もっとこの状態がさらに低下をしていく。しかもその状態が相当長期間にわたって継続するということは私どもは十分覚悟した上で今後対策に臨まなければならない、こういうふうに考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 一般的に今後長期化し、さらに失業雇用状態が悪化する、こういう御答弁でございましたが、これは一般的情勢もさることながら、たとえば繊維産業等は地場産業的要素を持っている。こういうことを考えますと、中高年齢者及び地域によってその深刻の度合いはなお一そう激しいものになると理解しておられますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま私は、この不況下の雇用失業情勢の悪化の現象は全国的、全産業的と申し上げましたが、その中でも産業別に見ますると、鉄あるいは化学産業の一部を除いてほとんど全産業でございますが、中でも繊維、電気、輸送部門、こういったところがきわめて顕著に出ております。  それから地域的に申しますと、こういった産業が集中しておりますような地域が、町ぐるみというような状態が出てきつつあるようでございます。また労働者の階層別に見ますると、先ほど来申し上げておりますように、中高年齢者、季節出かせぎ、こういった人たちのところに特に顕著にあらわれている、こういう状態ではなかろうかと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 そういう現状と展望、特に問題点の指摘というのは正確に把握されていると思うわけであります。とすると、今後失業の発生を防止することはもちろん、従来に比べまして、より再就職が困難である、中高年齢者等に対する手厚い雇用政策を推し進めなければならないということにはね返ってくるわけでございます。長谷川前労働大臣が十月二十一日、田中総理大臣に対しまして、不況下で雇用情勢は深刻化し、十月以降有効求人倍率は一を割る危険がある。しかし、物価抑制のためには総需要抑制政策は堅持すべきであるということを進言したということが新聞に書かれているわけであります。大臣は退任せられましたけれども、その記事によりますと、労政局長、職安局長はこの場に同席をされておったということが報道されております。ということは、いま遠藤局長がそのような認識と展望を持ちながら、なお総需要抑制政策を堅持すべきであるということを言った背景には、これに対応して当然十分な雇用政策の裏づけを労働省は持っているというふうに考えられるわけであります。労働省は現行制度の運用だけで——新聞紙上には弾力運用により対処したいということが書いてあるわけでありますが、単に現行制度の弾力的運用だけでますます深刻化するこれらの情勢に十分こたえることができると考えておられるのか、それについてお伺いをしたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) 御指摘のように、十月に長谷川前労働大臣から総理大臣に対しまして、現下の情勢の中でなおかつ総需要抑制を堅持すべきであると、こういう進言をなされたわけでございます。確かに、総需要抑制が今後引き続き堅持される、そういたしますと、その波及効果としましては、雇用面には相当な影響が出てくることは私ども覚悟しなければならない、こういうふうに考えております。しかしながら、それでなおかつ総需要の抑制を堅持すべきであると、私どもがあえて申し上げておりますことは、総需要抑制をもし一部にいわれますように、事態が悪化しているからこれは緩和したらどうだと、部分的に手直しすべきだという意見もあるように聞いておりますが、そうすることによって、いま当面の最大の課題でございます物価の抑制、インフレを克服しなきゃならぬ、そうすることによって労働者の実質賃金、収入を確保し、生活を安定させよう、こういう目的からいたしまして、当面、雇用面に相当に深刻な影響があるにしても、まず現下の最大の課題を克服することが先決である。その間出てきました雇用面の影響については、私どもは歯を食いしばって最大限の努力をして、これを何とかささえていく努力をすべきであろうということで、現行法——失業保険法なり雇用対策法あるいは中高年の雇用促進特別法あるいはその他の予算措置等をフルに活用し、最大限に運用の幅を広げることによって当面の問題に対処していきたいと。なお、それだけでは必ずしも十分じゃないじゃないかと、こういうおしかりも再三受けております。先ほど来お話が出ておりましたように、ことしの夏以来、こういう事態を予想して、労使関係の団体の代表者が大ぜい連日のようにお見えになります。また、県知事あるいは市町村長さん方も非常に強い関心を持って、住民対策ということで、雇用の悪化するこの状態を見過ごしておけないということで、さらに前国会で出ておりました雇用保険法案の内容について御質問も受けましたし、できるだけ早くこういった新しい体制をつくってもらいたいと、こういう御要請を受けておりまして、私どもも、先ほど冒頭に大臣からお話ございましたように、そういう体制を一日も早くとれるように努力をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 大臣にお伺いいたします。  職安局長、まさにこれからの雇用情勢は深刻の度を増すであろうと、こういう展望を申されました。同時に、いま歯を食いしばって、現行法の活用により最大の努力をしたいとは言われましたけれども、なおそれだけにおいては不十分であるということも申されました。長谷川前労働大臣は、かねがね失業は最大の社会悪である、雇用・失業情勢というものを基本的な指標の一つとして国の政策の適切な運営をはかるようにしたいということを各所において述べられております。  労働大臣もまた、本日冒頭のあいさつの中で、人間尊重の基本を貫き、生活安定を最重要課題としたいと、こうお答えになっております。とするならば、雇用情勢がきわめて悪化の一途をたどりつつある今日、これを政府の経済政策の運営に反映させまして、物価安定、確かに必要であります。そのために総需要抑制政策の基調を変え得たいという事情もわかります。しかし、一方、深刻化する雇用・失業情勢というものを考えれば、これに対するその面からの手直しということが当然必要な現状ではないかと思うわけであります。経済関係閣僚の一人として、これらの問題について雇用労働者の雇用を守るという立場から積極的に政策転換、政策手直しの提議を経済閣僚会議において行なわれる用意があるかどうか、お伺いをしたいと思います。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私も柄谷委員と全く認識をひとしくいたしております。総需要抑制を続けていかなければならぬ大きな筋道というものは、私は、いまのところしかたがないと思いますけれども、しかし、それからくる人の職場の不安というものにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、私は日本にとって人ほど大切なものはないと思います。人間の労働力、人間の知恵、そういうものがこれから日本の将来を私は大きく飛躍させていくんじゃないかと考えますだけに、この点につきましては、私も非常な心配と、何とかこれに対応しなければならないという気持ちを持っておりまする次第でございます。  そこで、先ほど来申し上げます、年末に向けましての資金の分配等につきましても、業種別の分配というものを相当関係当局、関係省におきまして見ていただきまして、そして必要なところにできるだけ必要な資金が流れていくような、そういう道をぜひとってもらわなければならないと。そういう点につきましては、大蔵大臣、通産大臣とも十分協議いたしたいと考えておる次第であります。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 その点に関しましては、今後さらに果敢な大臣の手腕というものを期待をいたしたいと思います。  で、私の調べましたところによりますと、西ドイツにおきまして一九六九年に雇用促進法が制定されております。そして、その雇用促進法が有効に働きまして、一九七〇年から七一年にかけての世界的な失業情勢悪化の中で、西ドイツのみは逆に失業率は低下し、そしてこの水準は低水準で推移したということを、これは統計が示しているわけであります。やはりこの根本には、従来の失業救済措置から失業の予防等を中心とする積極的、総合的雇用政策に転換したことがこの雇用安定の大きな力をなしたと私は評価するものであります。雇用保険法、この内容につきましては決してベストとは言いがたいと思いますけれども、雇用調整措置、能力開発事業、雇用福祉事業を現行法規に加えておりまして、現下の雇用失業情勢の変化に対応し得る一つの有効な手法であることは疑いないと思うのであります。労働組合関係もすでに同盟、中立労連、新産別、総評傘下の民間労組、さらには民間労組共同行動会議等におきましても、また関係、特に中小企業業界からも、地方議会としてもこの雇用保険法の早期制定を望む声は日増しに高まっている、こう認識をいたします。またテレビ等で放送がありました際に官房長官、通産大臣も早期にこの法律の成立をはかりたいということを述べておられたと記憶をいたします。私は労働大臣は、いま申されましたような基本的な考え方と、そして今後の情勢の展望というものを考えますならば、当然この委員会において必ず次期臨時国会にこの法案を再提案するということを大臣の責任において明言すべき時期にきていると思うわけでありますが、率直な所見をお伺いします。

大久保武雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(大久保武雄君) 私も、この事態を解決していきまする非常に有力な手段が雇用保険法であると考えておりまして、一日も早い、実施の機会の到来をひたすらこいねがい、また国民の希望もそこにあるように察知いたしております次第でございます。私といたしましても全努力を傾倒いたしまして、委員の皆さま方にもお願いを申し上げまして、一日もすみやかな成立ができますようになるべく早い機会に御審議をいただきたいものだと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 法案が臨時国会に提案されたとしても、この早期成立を期すためには当然前国会の衆議院社労委員会段階及び本会議において実質上与野党四党の合意を得た修正事項というものは十分尊重いたしまして、それが政府原案の中に織り込まれるということがいま大臣の趣旨に沿って一日も早い成立を期すことに私は大きな力になると考えるわけであります。この点、大臣は修正事項を尊重の上提案する御趣旨と理解してよろしいかどうか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、できるだけ早い機会にこの実現をはかってまいりたいと、私どものほうも切望をいたしております。その際に、もし提出いたしますとした場合に、衆議院の社会労働委員会で修正をされました内容を尊重することはこれはもちろんでございますけれども、御承知のとおり、衆議院の段階で修正が行なわれました経緯につきましてはいろいろ事情ございます。そういった点を考えあわせますと、これをどういうふうに取り扱っていったらよろしいか、これは国会関係の先生方とも十分御相談の上で関係者の方々に御納得いただけるような措置を検討いたしてまいりたいと、かように考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 問題をさらに進めまして、そのような雇用保険法が臨時国会で成立したといたしましても、その施行は来年の四月一日であります。これでは当面する深刻な情勢に対処できない、これは当然であろうと思います。本年五月七日の衆議院社労委員会でわが党の和田耕作委員の質問に答え、当時の労働大臣は、「私は、この法案が五十年四月施行ということになっておりますが、やはり応急の場合に措置するところに妙味があるのではなかろうかということで、事務当局には、施行を、そういう事態があった場合には、非常によくスピード化して考えてもらうように、」指示をいたしておる、こういう回答をされております。あわせて、再質問に対して、各新聞社の社説もいまのような場合であるから施行を繰り上げてでもという実は社説が出ているわけでありまして、特に先生の意見なども参酌しながら、前向きの姿勢で考えていきたい、こう答えておられます。冒頭からの認識といい、大臣の答弁といい、これらを総合いたしますと、当然に法案成立後、その施行の繰り上げについてその措置がとらるべきである、少なくても雇用調整措置だけでも成立と同時に可及的すみやかにこれを実施に移していくということが、まさに当面の私は課題ではないかと思うのであります。総理大臣や大臣が、これははなはだ失礼なことばでありますけれども、その職を失いましてもこれは生活の苦しみはありません。しかし現に深刻を極める民間産業におきましては、この物価高の中でしかも年末を控えて雇用の不安におののきながら毎日々々を暮らしている何十万という雇用労働者があるということを考えますならば、冒頭の大臣の人間尊重の理念はこの施行の繰り上げという事実をもっておこたえ願うべきでは私はなかろうかと思うのであります。法案の繰り上げ施行について明快な御答弁をお願いしたいと思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) たいへん御質問の御趣旨、ごもっともでございます。私ども、こういう緊急の事態に際しまして、法案が成立いたしました暁には、たとえ徹夜してでもその準備を強行して一日も早く施行に移したい、こういう気持ちはもう重々承知いたしておりますけれども、実際問題といたしまして、法案が上がりますと、その施行について関係の政令、省令、こういったものを制定しなければなりませんし、その制定に際しましては、その基準なり細則等を職業安定審議会に諮問いたしまして、その御答申によってこういった細則を定める、こういう手続が必要でございますし、同時に全国四十七都道府県にその周知徹底をはかりまして施行に万遺憾なきを期するということになりますと、なかなか実際問題としては繰り上げ施行というのは非常に困難な状態にあることは、これは御理解いただけるだろうと思います。したがいまして、その施行時期を繰り上げるということについては事実上非常にむずかしい状態にあるということを御承知をいただきたいと思います。なお、雇用調整交付金の制度でございますとか、あるいは保険給付の失業給付の給付延長の措置、こういた点につきましては確かに緊急を要する問題でございますけれども、やはり繰り上げということになりますと、技術的にむずかしゅうございます。私どもといたしましてはその趣旨を十分汲みながら現行法制の中で最大限に運用をはかっていく、こういうことで対処してまいりたい、かように考えているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 与えられた時間が四十分でありますので、ただいままでの答弁でははなはだ不満足でございます。しかしこの問題のみに時間をかけることも時間的に許されません。したがいまして、私は現下の雇用失業情勢の深刻な情勢、さらにこれが悪化の一途をたどっていくという展望の上に立って、私は労働大臣、勇断をもって臨時国会に前回国会の経緯を生かした提案を行ない、いま遠藤局長は行政技術上のことを言われましたけれども、しかしあらかじめ基準案を作成するとか、中央職業安定審議会の審議を促進するとか、私はその気になっていま現下苦しんでいる失業者の実態を考えるならば、私はその手段がとれないはずはないと思うのであります。特に過般、前の委員の御質問の中で、繊維等では現行においても一〇〇%賃金保障による休業が行なわれている事例が多い、こういうことを答弁されたわけでございますが、これらは私は早急に雇用保険法が成立し、これが施行されるであろう、こういう労使の大きな期待感を持って現在の生活保障がかろうじて守られているという実態を認識願いたいと思いますし、さらに未組織等におきましては、一〇〇%賃金保障の実態とはほど遠い現状がいま各所にあらわれていると、そういう事態について深刻な認識を賜りたいと、これは意見として申し上げておきたいと思います。  次に、問題を進めまして、繊維産業などの中には、いわゆる働きながら定時制高校に学んでいるという勤労学生が多いことはもう御承知のとおりであります。で、遠隔地から集団就職をいたしまして、普通ならば十五歳、十六歳の年ごろであれば、親のもとで普通高校に通いたい、それが家庭事情、その他やむを得ざる事情によりまして新制中学卒業と同時に就職をする。しかし向学心を持ちながら一日八時間労働のほかに、定時制高校に通いつつ学んでいるという、私は勤労学生の姿はまさにとうといと思うのであります。ところが、工場閉鎖、解雇等によりまして、みずからの職場を失うと同時に、その学業もまた中途で放棄せざるを得ない、こういう事態に逢着するとするならば、現に一部生じつつありますけれども、まさに働いている青少年の夢を破る、これは人生において大きな影響を与える私は現象まで発展するのではないかと思うのであります。こういう事態を考えますと、私はやはりそういう問題があっても、継続して就学できるというための万全の措置をとることが、人間としてあたたかみのある政治としてこれは当然とられるべき措置であろうと思います。同時に、もう四年近く勉強して、来年の三月には卒業できる、それが卒業を目前にして職を去っていかなければならない。こういう人々に対しては、明春卒業予定の者に対しては繰り上げ卒業という私は措置をもって、これにこたえるべきではなかろうかと、こう思うのであります。そういう観点から、私はこれらの問題点に対する、文字どおり人間らしい当局の回答を求めたいと思います。

奥田真丈文部省初等中等教育局審議官

○説明員(奥田真丈君) 文部省におきましては、働きながら学ぶ生徒——定時制にたくさん入っておるわけでございますが、この生徒たちが中途で脱落することのないように、できるだけ勉学を継続いたしますように、かねてから教育委員会や学校等に対して指導をしてきたのでございますが、今回企業が不況のために勉学が継続できない、あるいは継続が困難になった定時制高校のおることを承知いたしておりまして、その生徒たちについて勉学心をそこなわないように何とかいろいろ手当てをしたいと、こういうように考えておるわけでございますが、まあ、できるだけそういう生徒も中途で脱落することなく、勉学が継続できるよう、生徒それぞれの実態に即した措置を講ずるように努力したいと考えておるわけでございます。たとえば、定時制高等学校に通学しておりまして、そのしておる生徒の中で、企業の従業員になっておる者がおりますが、たとえばその企業が一時帰休と、こういうようなことになった場合には、その期間が短期的なものでございましたならば、休学等の措置によって復学する機会を待つというようなことも考えられますし、また、長期的なものでございましたならば、帰休先の、帰りました先の高等学校への転入学、これを配慮するということも考えられるわけでございまして、そういうようにできるだけ転入学等を十分に配慮して、生徒の勉学が継続できるようにしたいと思っておるわけでございます。文部省におきましては、現在そういう企業、あるいはそういう生徒がどれだけおるか、あるいは企業の不況というものが定時制の高校生にどういう影響を及ぼしておるかということを調査中でございます。調査結果を見まして、さらに対策を検討していきたいと、こう考えているわけでございます。  なお、卒業者の繰り上げ卒業ができないものかというお話でございますが、これにつきましては、学校教育法におきまして、定時制高等学校の修業年限というものは四年以上、こういう定めがございます。そういうわけでございますので、その法改正を行なわない限り、修業年限を短縮するということは不可能なことではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○説明員(遠藤政夫君) ただいま文部省からも御配慮いただいておりますが、私どもは文部省と御連絡をすると同時に、各県の教育委員会にお願いをいたしまして、不幸にして離職をされた方は、その就学が続けられるような再就職口を最大限の努力をして就職あっせんをする。それから郷里に帰られる、あるいは居住地を移転される場合には、いまお話がありましたように、転入学の措置を教育委員会を通じてお願いをする、こういうことで、現に愛知県等でそういう実例が出ておりますので、県当局とも連絡をとった上で、万全の対策をとっておるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ただいまの点、これまた答弁必ずしも満足ではございません。もう少しきめをこまかに、たとえば定時制高校に入っている者は非常に遠隔地からの就職者でございます。その地域に産業がないために出てきているわけであります。多くの事例を見ますと、いま遠藤局長の答弁にはございましたけれども、今回の問題で傷ついた心を抱きながら故郷に帰る、故郷には働きながら学ぶという便宜を与えてくれるような企業も少ない。みすみす学業を中途で放棄せざるを得ないという労働者が各所に出てきていることは、これはもう事実でございます。さらに法のたてまえ上、繰り上げ卒業ができないということでありますけれども、戦争中のことを例に出しては失礼でございますけれども、国家政策遂行のために繰り上げ卒業という勇断を、当時は勇断かどうかわかりませんが、措置をとられたこともあるわけでございまして、これだけ深刻化した雇用情勢の中に、何らかのそれらに対する救援措置というものは当然政治がとられるべき私は姿勢ではなかろうかと思います。この点については意見として申し上げて、時間の関係から次に移ります。  次の問題は、各委員から指摘されたところでありますけれども、最近の企業合理化問題の中で、特に指摘しなければならない点は、いわゆる便乗合理化の問題でございます。特に労働組合の組織がないところ等におきましては、明らかにこの経済不況に籍口した合理化というものが行なわれている、これは各地に散見されている事実でございます。こういう点を考えますと、私は労働行政としても、事前協議制の徹底により失業を未然に予防する、そういう体制の指導が必要であろうと思います。また週休二日制の完全実施や、交代勤務の改善等によりまして、相対的な労働力需要の坑大をはかる、こういう行政対策も必要であろうと思います。また、これまた委員の指摘されましたように、労務債権の確保についても格段の配慮が必要であろうと思うわけであります。雇用保険法の制定を強調されております。私としてはこれに賛同するものでありますけれども、ただ問題はそれだけで解決するものではない、こうした、より積極的な面における労働行政を、単に従来の慣例ということではなくて、いまこのきびしい情勢下、改まった私は行政指導の姿勢が、当然労働省から打ち出されてしかるべきであるし、それが労働省のいま果たさなければならない重要な任務の一つと思うわけであります。これらに対する労働行政の基本方針について労政局長からお伺いします。

道正邦彦労働省労政局長

○説明員(道正邦彦君) 深刻な繊維をはじめといたしまする不況ムードの中で、労使、国民あげてその打開に苦慮している中にありまして、いやしくも便乗合理化を行なうというようなことがあったとすれば、これはもう反社会的な行為でもあり、きわめて遺憾なことだと思います。もとより繊維産業におきましては、当面の総需要抑制政策の影響ということだけでなくて、発展途上国の追い上げ等の構造的な問題もございまして、その意味では合理化が必要な面もございますけれども、しかし、いずれにいたしましても先ほど大臣もお答えになりましたように、また私どももほんとうにそう思っておるわけでございますけれども、人生にとってほんとうに不幸は、最大の不幸は失業でございます。したがって、雇用を確保するということは従業員自身はもとよりでございますけれども、事業主、経営者に課せられた大きな責務だと思います。そういう意味で労使が相ともに協力をして、極力雇用を確保し、失業者を出さないような努力をすることが必要でございます。そのためにも労使協議を制度的に、ある場合はもちろんでございまするけれども、そういう制度がない場合におきましても、実際問題として労使がほんとうに相協議し、対策を相ともに考えるということが必要でございまして、そういう趣旨は私ども全く同じ考えでございますので、せっかくの御指摘もございましたので、今後ますますその方向で努力をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 質問時間が迫ってまいりましたので、最後に一つだけの質問を行なうことによってとどめたいと思いますが、その前に大臣ひとつ頼みますよこれ。ほんとうに深刻ですよ。この状態に対しまして、やはり労働省あげてこれらの問題に取り組んでいく。それを働いている者はいま期待しているわけです。この点に対していまの答弁が単なる答弁に終わらずに、逐次これが実現していく。それを私は期待したいと思いますし、それを注目をしたいと思います。なお、この問題については、さらに次の機会に細部の問題について意見を述べたい、質問を申し上げたいと思います。  最後に、私は粕谷委員も指摘されたところでございますが、雇用保険法の審議にあたりまして、前国会の衆議院における附帯決議として、勤労婦人に対する助成措置を講ずべきである、こういう一項が、附帯決議がなされているわけでございます。育児休業に関する研究会議の第一次報告書は読ましていただきました。近く十二月に入ってさらに第二次報告がなされるやに聞いております。しかしその方向は、育児休業に対して何らかの助成措置をとることが必要であるという点は強く指摘されているところでございますが、私は、女子の雇用安定をはかるため、育児休職制度を実施する事業主または企業内保育所、託児所を設置する事業主に対しまして、当然雇用改善事業の一つの大きな柱として援助、助成の措置を講ずべきである、こういうふうに考える。この点に対する回答を求めます。  なお、時間の関係がありますので、この母性保障を中心とする女子の雇用安定政策につきましては、その答弁をいただいたあと、次回の社労委員会においてさらに質問を続けたいと思います。

森山眞弓労働省婦人少年局長

○説明員(森山眞弓君) ただいま先生が御指摘なさいましたとおり、育児休業に関する研究会議におきまして休業中の生活安定の問題につきましては目下専門家に検討をしていただいているところでございます。その結果が近く出る模様でございますが、私どもといたしましては、何らかの援助措置をしたいということを考えております。  なお、先生おっしゃいましたとおり、雇用保険法案の事業の中の一環といたしましても育児休業を実施する事業主に対しまして援助措置を講ずることができればということを考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 終わります。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 本調査に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時十五分散会      —————・—————

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