公害対策及び環境保全特別委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 438 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/10/18
会議録
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査のため参考人の出席を求め、原子力の開発利用と生活環境の保全問題に関する件についてその意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 先般、当委員会が行ないました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告を願います。近藤君。
○近藤忠孝君 じゃ報告いたします。 第一班は鶴園委員長、井上委員、矢田部委員と私が、去る九月十日から十三日までの四日間、主として琵琶湖の公害発生状況とその対策及び、原子力発電所の安全対策と環境保全について実情調査を行なうため、滋賀県及び福井県を視察いたしました。 九月十日は、滋賀会館で県側から説明を聴取した後、浜大津港より船で南湖の水質汚染状況、湖南中部浄化センター、瀬田川洗堰を視察いたしました。 九月十一日は、琵琶湖大橋、日清食品株式会社栗東工場、彦根・長浜浄化センター予定地、日電ガラス株式会社高月工場を視察した後、福井県を訪問、県側から説明を聴取いたしました。 九月十二日は、関西電力株式会社美浜原子力発電所、福井県営レインボーラインを視察いたしました。 九月十三日は、日本原子力発電株式会社敦賀原子力発電所、福井県水産試験場を視察いたしました。 以上が今回の調査範囲の概要であります。 次に、今回の調査で問題と思われる八つの点を報告し、これに対する政府の善処を要望したいと思います。 まず第一は、琵琶湖湖南、中部浄化センター建設の問題であります。 現在、滋賀県は琵琶湖総合開発計画の一環として、湖南中部、彦根長浜、湖西及び高島の四つの個所の流域下水道の建設を計画しております。このうち湖南中部につきましては、草津市の矢橋町と新浜町の地先六十二万平方メートルを埋め立てて人工島をつくり、湖南、中部地域の終末処理場を建設しようとしております。その計画処理面積は約二万五千五百ヘクタール、計画処理人口は約七十九万人、関係市町は大津市ほか四市十四町であり、すでに矢板打ちの作業が八〇%以上完了しております。県当局からは、人工島の建設は用地取得難のためやむを得なかったとの説明がありましたが、埋め立ての問題につきましては琵琶湖の水質保全の観点から、地域住民の間、あるいは琵琶湖の水を飲料水とする下流の府県からも反対の意見がかなり強く出されております。埋め立て工事にあたっては水質汚濁等二次公害の起こらないよう工法等につき万全を期す必要があります。また、工場排水と家庭下水とが当浄化センターで共同処理されるため、重金属類の有害物質の処理能力について疑問が出されておりますので、工場における完全なクローズドシステム化と監視体制の強化が必要であります。 琵琶湖流域下水道計画では三次処理まで行なうことになっておりますが、富栄養化の原因である窒素、燐等の除去についてはいまだに実験段階であります。早急に実用化をはかる必要があります。また、処理場から出る汚泥、スラッジの最終的な処理方法につきましてはまだきめられておりません。二次公害の起こらない処理体制を整備する必要があります。 第二は、琵琶湖に総量規制を実施する問題であります。 昭和四十年以降、七百四十五の工場が滋賀県下に進出しており、特に湖東部の草津、栗東、八日市、彦根等への進出が顕著であります。このため、琵琶湖東岸の水質汚濁が激しく、特に南湖東岸の山田港、杉江港等の水域の水質悪化が顕著であります。工場排水の琵琶湖における汚濁負荷を見ますと、BODは四八%、CODは六〇%、SSは三九%となっており、CODについては工場排水はきわめて高い寄与率を示しております。国の水質基準につきましては、南湖はその達成がかなり困難であり、北湖についても一部環境基準を越えております。富栄養化の点につきましては、南湖はすでに富栄養湖となっており、オオカナダモの異常発生の現象等が起こっております。北湖についても全窒素では富栄養化の限界である〇・一五PPMをこえております。政府は琵琶湖の水質保全のためすみやかに環境容量の範囲内に汚濁負荷量を制限する総量規制を実施すべきであります。 第三は、滋賀県から要望が出されております国立水環境問題研究機関設置の問題でありますが、政府としては琵琶湖の水質保全問題の重要性にかんがみ、特段の配慮をする必要があります。 第四に、原子力発電に伴う温排水の問題であります。 敦賀発電所の冷却水は敦賀半島東側の浦底湾奥の水深八から十三メートルのところから取水され、復水器から排出された温排水は約五百メートル暗渠を通り排水口に達しております。取水口の西側に隣接する排水口からは湾口に向かって約二百五十メートルの開渠を流れて、海面に放出されております。敦賀発電所の原子炉は沸騰水型軽水炉であり、その計画発電出力は三十五万七千キロワット、実際の使用水量は毎秒約二十トン、温排水の水温差は摂氏七から九度となっております。 美浜発電所の冷却水は敦賀半島西側の丹生湾奥部から取水され、温排水は湾外の美浜湾に放出されております。一号機及び二号機の温排水は湾外の針岩東側にある排水口から海面に放出されており、建設中の三号機は一、二号機とは別の経路を通り、針岩と舟通崎の中間に排出される予定であります。美浜発電所の原子炉は加圧水型軽水炉であり、その計画発電出力は一号機は三十四万キロワット、二号機は五十万キロワット、冷却設計水量は一号機は毎秒二十一トン、二号機は三十六トン、実際の水温差は、十二月から一月の冬季には、一号機で摂氏七・一度、二号機で五・五度、七月には二号機で五・九度であります。 温排水の漁業への影響につきましては、現在のところ漁獲高に大きな被害が出ておりません。しかし、将来若狭湾地域には現在建設中のものを含めて八基、六百万キロワットの原子力発電所が操業することになります。温排水量は発電量に比例するため、将来はかなり影響が出るものと思われます。ことに水深数メートルのところに主棲所を持つアワビ、サザエ、ワカメ、テングサ等の定着性資源及び稚仔期を沿岸の浅い所で過ごすナマコ等については影響が出るものと見られます。定置網の場合でも、敷網水域の水温が異常に上昇すると、魚群はそこを回避するため網に入らない等の影響が出るものと見られます。 次に、温排水の水質の問題であります。温排水には復水系のパイプに海生物が付着するのを防止するため、遊離塩素が注入されており、浦底湾では水産用水基準の〇・〇二PPMをこえる〇・〇五PPMが検出されております。さらに温排水には、発電所内で放射性物質によって汚染された作業衣や機器類の洗浄排水、手洗い水などが混入されております。敦賀発電所では三カ年の平均で年間〇・二キュリーのコバルト、マンガン等が作業衣等の洗浄排水から排出されており、指標生物のホンダワラ、ムラサキイガイからマンガン五四、コバルト六〇が検出されております。 政府は、漁業への影響について監視体制を整備するとともに、プランクトン、底生生物等の生態系への影響、原子力発電所から海中に放出される人工放射性物質の食品への移行等についても正確な調査を行なう必要があります。また、政府は四十九年度中に、温排水の排出基準を設定することを明らかにしておりますが、早急に設定すべきであります。 第五は、美浜発電所一号炉に事故が多発している問題であります。 美浜発電所の一号炉はアメリカのウエスチングハウス社から購入した加圧水型軽水炉であります。美浜一号炉の事故が最初に発見されましたのは操業開始から一年半ほど経過した昭和四十七年六月であります。調査の結果、蒸気発生器に漏洩があることが発見され、百十本の細管にめくら栓をし、四十七年十二月出力を七〇%に落として運転を再開しております。しかし、その後四十八年三月の第二回の定期検査の際にも蒸気発生器の細管漏れが多数発見され、約千九百本の細管にめくら栓をするとともに、ジルコニウムの燃料被覆管にもつぶれ現象が発見され、約三分の一の燃料体が取りかえられております。ことしに入って再び二月の第三回定期検査で四本、七月の定期検査では百五十六本の細管漏れが発見され、私たちが視察した時点では運転を停止しておりました。 福井県当局からは、このような事故の頻発によって、地元住民の間に原子力の安全性に対し潜在的な不安が高まっている。関西電力に対しては、細管の取りかえをも含めた会社として準備すべき事項を示すように指示した、との説明がありました。 政府としては、責任をもって事故原因の究明に当たるとともに、蒸気発生器を取りかえさせる等抜本的な措置をとる必要があります。 第六は、原子炉周辺住民の許容線量の問題であります。 四十七年度の敦賀地区の空間ガンマー線量は九十七から百六十四ミリレム、美浜地区は六十七から百四十ミリレムであります。わが国の平常運転時における原子炉周辺の一般の人の被曝基準は年間五百ミリレムであるため、この程度の被曝は安全であるといわれておりますが、最近アメリカの原子力委員会は、一挙に百分の一に引き下げ五ミリレムを限度とする新らしい基準をきめております。現在、まだ低放射能の遺伝的影響、晩発性効果等については十分究明されておりません。政府としては、基準をきびしくする方向で再検討すべきであります。 第七に、放射性廃棄物の処分及び使用済み燃料の再処理問題であります。 気体及び液体から放射能を取り除く処理のために使用したろ過材、イオン交換樹脂、作業衣等の固体廃棄物は、ドラムかんに詰められ、ピッチあるいはコンクリートで固められております。敦賀発電所では、四千七百本のドラムかんを入れることのできる千平方メートルの貯蔵庫がすでに一ぱいになり、現在第二棟目の貯蔵庫に入れ始めており、合計約五千四百本が構内に貯蔵されております。この固型廃棄物の最終的な処理方法を政府はまだきめておりません。すみやかに処理体制を確立する必要があります。敦賀発電所では、使用済みの燃料は現在イギリスで再処理を行なっているとの説明がありました。五十年度をめどにわが国においても動力炉・核燃料開発事業団が東海再処理工場を稼働させるとのことであります。政府としては安全性の確保と環境の保全に万全を期す必要があります。 第八は、原子力行政のあり方の問題であります。 原子力委員会と科学技術庁が原子力の開発と日時に規制を行なっている現在の原子力行政のあり方については、安全性の確保、環境の保全等の宙から国民の間に批判が高まっております。この曲政府は、原子力の安全性の確保と環境保全行政の強化をはかるため、原子力行政のあり方を再検討すべきであります。 以上、簡単でございますが、報告いたします。 なお、関係県から出されました要望書等を別途報告書として会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますので、委員長がよろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、第二班の報告を願います。原君。
○原文兵衛君 第二班について御報告申し上げます。 栗原理事、内田理事、菅野委員と私は、去る九月十日から十三日までの四日間、北海道における公害の発生状況とその対策及び環境保全状況の実情調査を行なうため北海道を視察いたしました。 九月十日は北海道開拓記念館を視察、翌十一日は帯広市役所において都市計画、緑地計画の説明聴取の後、帯広市の緑地計画地域と大雪山国立公園の自然環境保全の現状を視察いたしました。 九月十二日は、北海道庁において道内の公害・環境保全状況の説明聴取、また十三日には、伊達市役所において北海道電力伊達火力発電所の立地に伴う公害対策、環境保全問題の説明聴取の後、伊達発電所建設現場を視察し、さらに苫小牧市役所において工業開発に伴う公害・環境保全問題の説明を聴取した後、苫小牧工業地帯及び東部工業開発地域の視察をいたしました。 以上が今回の調査の概要であります。 次に、今回の調査で問題と思われる点を若干報告し、これに対する政府の善処を要望したいと思います。 第一は帯広市の緑地計画についてであります。 帯広市は御承知のとおり、人口十三万八千、日高・大雪連峰を望む十勝平野の中央部に位置し、九十年にわたる先人のたゆまぬ努力により、北方畑作農業地帯の中核都市として、また北海道における内陸三大拠点都市として大きな役割りをにないつつ発展を続けております。しかしながら、帯広市に限らず、近年の都市環境は幾何級数的な悪化をたどっており、これを抑制する手段として全国的に緑が再認識されている中にあって、この帯広の緑地計画は、単に人間が生物として生き得るだけの環境の創出にとどまることなく、より快適で高次な人間環境の創出を目的としたたいへんに壮大な計画であります。 参考までに、この計画の規模を申し上げますと、市街化区域と市街化調整区域の間を幅約五百メートルをもって東は札内川から西は西帯広工業団地に至る約十一キロメートル、面積約七百ヘクタールの森で結ぼうとするプランで、昭和四十八年度を初年度として、六十七年までの二十年間に約八十八億円の事業費を投下しようというものであります。 言うまでもありませんが、木を育てることはたいへんな年月を要します。この帯広の緑地計画のような大事業は、当然、一自治体だけでは資金の確保が非常にむずかしく、政府の施策、たとえば新たな補助制度、超長期、低利資金の融資制度、広地域利益者負担等の制度の創設も期待されております。 第二は、国立公園の自然環境保全についてであります。たとえば、大雪山国立公園について申し上げますと、わが国最大の面積を有する山岳公園で、山腹に広がる大原始林と、その偉容、変化に富んだ渓谷の奇観、豊富な温泉郷はあまりにも有名であります。しかしながら、近年の観光レクリエーション需要の増大に伴う公園利用の増大や、地域開発の進展により、自然公園の自然状態が次第に変化してきている事実もまたゆるがせにできない事実であり、北海道においてもいろいろの問題を提起しております。 その一つは、自然公園における現地の管理体制の問題であり、レンジャーが現地における自然公園の適正な管理と利用者の指導などを行なっていますが、あの広大な大雪山国立公園ですら、わずか二名のレンジャーにすぎず、広大な自然公園の風致景観を保護し、その適正な利用をはかるためには、どうしても現地における管理・監視体制を大幅に強化するとともに、園地、駐車場、探勝路の整備促進、国立公園施設整備事業の促進をはかり、国庫補助率の引き上げなどを検討する必要があります。 その二つ目は、自然保護用地の乱開発の問題であります。洞爺湖周辺などは、北海道でも比較的早く開かれた土地であるだけに民有地が多く、国立公園といっても公有地は湖と有珠岳を含む一部だけであり、周辺はいうに及ばず、近年はレジャー基地としての観光開発が公園内においても急速に進んでおります。この民有地対策については、道庁でも重要な地域の公有化、利用地域の高さ、建蔽率の規制等を検討していますが、自然環境の保全対策上必要な交付公債制度による民有地買い上げ制度について、買い上げ対象土地の範囲の拡大と税制上の優遇措置が期待されております。 その三つ目は、湖水の汚染問題であり、然別湖などは現在二十メートルの透明度で、内地の湖水に比べてかなり透明度が高いとはいえ、昔に比べて湖水の汚染が最近急速に進んでおります。特に大沼、阿寒湖等の湖沼汚染防止対策としての下水道の整備促進が望まれております。 最後に、伊達火力の問題であります。北海道電力が昨年六月、伊達市長和にある伊達火力発電所建設予定地へ不本意ながら機動隊員の出動を要請、道路にすわり込んだ地元の反対派住民等を実力で排除する間に着工したのは、まだ記憶に新しいところであります。また、この発電所については、隣接の有珠漁協が建設反対を決議したほか、一部の住民の間から、火力発電所が建設されると公害は避けられないとして、建設禁止の措置を求めて札幌地裁に提訴中のいわゆる環境権訴訟の中でも争われております。北海道庁並びに伊達市としても、発電所建設にかかる被害についても、この点を十分に留意しており、たとえば、井戸の水枯れ、取水口外郭施設の海水汚濁防止シートの破損等に対して、できる限りの十分な措置をとっております。しかし、一部の住民が沿岸流の変化による有珠漁協への影響、ホタテガイの被害等について主張しており、これに対して関係者が十分な調査を実施し、被害の対処に当たる必要がありましょう。 また、北海道庁としては、発電所建設にかかる公害対策について、住民との環境アセスメントを得るために最善の努力をしていますが、必ずしも全面的に同意を得られていないのが現状であります。政府においては、発電所の建設に限らず、地域の開発及び整備に伴う環境上の諸問題に適切に対処するため、思い切った予算を投入し、環境アセスメントの手法を確立するとともに、環境科学技術の開発を促進する必要があります。 以上、簡単でございますが報告いたします。 なお、北海道庁から出されました要望書の全文を別途報告書として会議録の末尾に掲載したいと思いますので、委員長がよろしくお取り計らいくださるようお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) ただいま報告がございました両班から、別途報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(鶴園哲夫君) 速記をちょっととめて。 〔速記中止〕
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を起こして。 次に、本調査に関する質疑を行ないます。 まず、自動車排出ガス規制に関する件について質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 環境庁にお伺いしたいと思いますが、中央公害対策審議会で、いわゆる五十一年規制についてすでに相当の論議がなされているように伺いますが、その経過と現在の状況等について、まず、お聞きをしたいと思います。
○説明員(春日斉君) 八月九日に、自動車公害専門委員会におきまして審議を開始したわけでございますが、それ以来、自動車メーカーの視察も含めまして、いままでに約九回の委員会を開催いたしております。そして五十一年度規制の諸問題につきまして、鋭意、検討を進めているところでございます。もちろん、審議の内容でございますが、これは当然のことではございますが、対策技術の可能性に重点を置いて検討が進められておるわけでございます。
○矢田部理君 技術的可能性を中心に論議をしているということは、私どもも聞かなくてもわかるわけですが、それが具体的にどんな状況まで進んでいるのか、もう少し詳しくお話願いたいと思います。
○説明員(春日斉君) 私どもは、自動車公害専門委員会の事務方といたしまして、審議の状況について簡単に申し上げますと、自動車メーカーの対策技術の可能性についていろいろな立場で委員の方々が討論をされております。それから、何と申しましても五十一年度規制を行なうということは、国民の健康を守るために大気汚染をいかに減らすか、ことに、窒素酸化物に関連する大気汚染をいかに減らすかというところが前提でございますので、窒素酸化物と最も密接な関係のある光化学スモッグの問題、これにつきましてもかなり討議が行なわれております。これと自動車の問題との関連等でございます。それから窒素酸化物の固定発生源の規制の問題、それからその他もろもろの周辺の問題点につきまして討議が行なわれておるわけでございまして、その経過につきましては一々いま申し上げるあれはございませんけれども、九回の委員会がすでに行なわれ、さらに短い時間にそれを詰めてまいりまして、なるべく早く結論を出していただくようにお願いしておるところでございます。
○矢田部理君 どうも抽象的なので具体的に伺いますけれども、十月の九日の朝日新聞によりますと、いわゆる八田私案というものが出されております。その私案の内容を見ますと、NOx規制を〇・六グラムから一・〇グラムの間で暫定値を設けるということを内容とする私案のようでありますが、きわめて業界寄りの私案が出されたと聞いております。そういう私案が出されたのかどうか、その私案の取り扱いが最終的にはどうなっているのか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(春日斉君) 確かにいまおっしゃったように、新聞報道があったことは事実でございます。しかし、新聞が報道しておりますように、環境庁が〇・六グラムといった暫定規制値について案を専門委員会に提出したというような事実はないわけでございますが、先生がおっしゃっているのは八田私案でございますね。——八田私案というものの問題でございますが、専門委員会の審議を促進するために、八田委員長がいろいろな観点から対策技術の可能性あるいはそのバックになっておりますところの大気汚染の現状、そういったものを、検討を深めるべき問題点を整理されまして、委員長メモとして委員に配付されたことはございます。これは委員会の運営に関する問題でございまして、事務方といたしましてとかく申し上げる問題ではなかろうかと思っております。
○矢田部理君 その、八田試案——メモといってもいいと思いますが——の内容には、いま私が質問をいたしましたNOx規制を当面〇・六から一・〇の間でゆるやかな暫定値を設けるということが入っているのかどうか、その点確認したいと思います。
○説明員(春日斉君) 暫定値として〇・六グラムから一・〇にすべきであるというような決定的なお話はどこにも書いてございません。
○矢田部理君 暫定値を一定基準で設けるという、いまあげたような数値は、八田私案の中にはどこにも出ていないというのですか。
○説明員(春日斉君) 検討の過程におきましていろいろな問題を提起されております。その中に〇・六という数字も確かに出ているでしょう、一・〇という数字も出ておりましょう。これはしかし、九回にわたる審議の一つの流れの中の一点でございますから、それだけつかまえて〇・六から一・〇に暫定値を置くのであると八田委員長がメモでお書きになっておるわけではないのでございます。
○矢田部理君 そうしますと、もう一度確認しておきますが、メモで書いたわけではないけれども、少なくとも考え方として〇・六から一・〇あたりの間できめてはどうかという考え方なり提案があったということは事実でございますか。
○説明員(春日斉君) そういうふうにとられてはちょっと困るんでございますが、実は五十一年度規制を最終的にきめますのにはいろいろの考え方があるわけでございます。一番きつい規制と申しますか、これは四十七年十月のいわゆる中公審の中間報告によるところの五十一年度規制の目標値、すなわちパー・キロメートル・〇・二五グラムというものをあくまでやるという、こういうことも一つ。それから、それを一番きびしいといたしますと、一番ゆるやかなものは何か、五十年度規制の一・二グラム・パー・キロメートルというものをそのまま塩づけにするという考え方だってあろうと思います。それから、その間にいろいろなバラエティーのある案もあるでございましょう。そういったものをすべて含めて検討をしておるわけでございまして、八田メモにはそういったことが書いてあるわけでございます。したがって、暫定値を〇・六にすべきだとか、あるいは一・〇にすべきであるという、そういう断定的なことは何にも書いてございません。
○矢田部理君 考え方はいろいろあり得ると思うけれども、単なる考え方としてではなくて、審議会の論議としてそういうものを出されたのではないかと、こういうふうに伺っているのです。一般的な考え方を伺っているのではありません。
○説明員(春日斉君) 審議会は九回行なったわけでございますけれども、いまだに暫定値をどうするとか、いわんや暫定値を〇・六にするとか、〇・四にするとか、一・〇にするとかという論議までは至っておりません。したがって、八田メモもそういった断定的なことを書いてあるわけではございません。
○矢田部理君 結論的に至っていないことはわかりますけれども、局長の答弁によると、朝日新聞の、八田私案が出され、かつ、それは時期尚早であり、問題点の論議が不十分だということでたな上げにされたという記事は、そうしますと、うそを書いたということになりますか。
○説明員(春日斉君) 私はうそとかまこととか申しておるわけではございませんので、受け取り方はいろいろあろうと思いますが、私は委員会の事務局といたしまして私の申し上げたことを理解いたしておるわけでございます。常に新聞報道がうそとかまこととか、そういうようなことは私は論評をする立場ではないと思います。
○矢田部理君 これは非常に重要な問題だと思うのですね。しかも事実の問題です。単なる受け取り方とか評価の違いというふうには考えられないわけです。この朝日新聞の記事とあなたの答弁内容とは非常に大きく食い違っている。あなたの立場に立ち、あなたの説明によれば、朝日新聞はうそだということになりはしませんか。
○説明員(春日斉君) 私は、新聞記事の問題につきましては、これは言論の自由というものもあり、あるいは推測も自由であろうし、それにつきまして私が論評をする必要はないことでございます。ただ、私は事務方といたしまして私が申し上げていることはほんとうのことを申し上げておると、こういうことでございます。
○矢田部理君 どちらがほんとうかということが主体ではなくて、事実がどうかということが問題だと思いますけれども、いずれにしても、朝日新聞がそう受け取ってもやむを得ないような論議があり、経過があったというごとはそれじゃお認めになりますか。
○説明員(春日斉君) 私は、再三申しておりますが、ニュースの問題につきまして論評をする必要はないと思っております。
○矢田部理君 それでは、次の問題に移りますけれども、先ほどあなたが質問をしないのに答えられた点です。これは環境庁の原案としてNOx規制を〇・六グラムの暫定値を設けたい、そういう原案が固まりつつあるという新聞記事があるわけでありますが、その状況はどうなっておりますか。
○説明員(春日斉君) 報道されておる事実は知っております。しかしながら、環境庁が〇・六グラムといった暫定規制値についての案を専門委員会に提出した事実は毛頭ございません。また、そのような方針を固めているわけでもございません。現段階においてはそういう方針を固めているわけではございません。現段階におきましては、まだ環境庁としてできるだけ既定方針に沿って対処したい考えを捨てているわけではございません。
○矢田部理君 暫定値を固めたわけではないし、もちろん提出したわけではないということはわかりますけれども、そういう方向での検討はやっておるわけですか。
○説明員(春日斉君) そういう中公審の中の自動車公害専門委員会の討議とは別に、結論とは別に、事務局が一定の〇・六だとか、〇・四だとか、そういうような考え方を持っておるならば、何も中公審に答申することはないんです。われわれは持っていないから中公審の自動車公害専門委員会に討議をお願いしておるわけです。したがって、私どもがそういう案を委員会のディスカッションとは別に提案するなどということはあり得ないことです。
○矢田部理君 わかりました。そうしますと、環境庁としては暫定値等についての案を固めたり、その固めた案を中公審に提案をする、原案として出すということは今後とも一切ないと、こういうふうに伺ってよろしいのですか。
○説明員(春日斉君) もちろんそうでございます。ただわれわれもいろいろ考えはいたしますけれども、それを中公審に出してこうでなければならぬ、そういうようなことは毛頭いたすつもりはございません。
○矢田部理君 ちょっと、いまの最後のことばにひっかかるわけですが、こうでなければならぬという提案はしないけれども、こういう原案でどうだろうかという審議を求めることはあるのでしょうか。
○説明員(春日斉君) みずから積極的に行ないません。
○矢田部理君 そうしますと、現段階でも環境庁は五十一年規制を堅持したい、堅持するという考え方に立っておられるというふうに伺ってよろしゅうございますね。
○説明員(春日斉君) できる限り既定方針に沿っていきたい、かように考えております。
○矢田部理君 次の質問に入りたいと思いますが、そういう観点で事実問題を考えていった場合に、今後の五十一年規制を、とりわけNOx規制を達成する技術的な方途として、たとえばCVCCエンジン方式とか、ロータリーエンジン方式などが一定の水準に達してはいるわけでありますけれども、同時に最近の傾向としてはあと処理でやるしかないだろう、とりわけ還元触媒を重視する傾向になってきているように思われるわけですが、環境庁としてもそのように受け取っておられますか。
○説明員(春日斉君) 窒素酸化物対策は矢田部委員も御承知のとおり二つの方式があるわけでございます。で、要するに一つはエンジン内で生成されたNOを減らすためいろいろな方法があるわけですが、あと処理方式とそれからエンジンそのものの改良ということになるわけでございます。で、その場合どちらがじゃ可能性があるかということになりますと、これは論議の分かれるところであり、自動車工学の基本的な問題にもかかわってくるわけでございます。私は前の委員会でもお答え申したと思いますが、確かに非常にすぐれた触媒システムというものが完成されたならば、確かに燃費も落ちぬであろうあるいはドライバービリティーが悪くなる劣化の条件も少なくて済むわけでございますから、理論的に。これが私は一つの望ましい道であることは事実でございます。さりとてエンジン改造によって全くじゃあいま以上に進むことはできないか。これもいますぐはできないにしても若干のリードタイムさえあればさらに飛躍はできようかと思います。したがいまして、私ども環境庁といたしましては、あと処理装置にプライオリティーを置くのか、あるいはエンジン改造——新型エンジンと申してもいいと思いますが、そういったものにプライオリティーを置くのか、あるいはそういったものを全然やめてしまって、ガスタービンあるいはスチームエンジンあるいは電気自動車——全く新しいアイデアのもとに進むか、こういった点はさらに検討を要するものと思っております。したがいまして、いま触媒に環境庁のプライオリティーは変わりつつあるとおっしゃられましても、まあ先生のおっしゃることがわかるわけでございますが、必ずしもそうきめたわけではない、こういうことでございます。
○矢田部理君 環境庁がどちらにきめたのかということを伺っているのではなくて、前回の参考人のお話でも、あるいはその後の調査でも明らかになりましたように、大手メーカーと言われるトヨタ、日産などはどちらかというと還元触媒方式を重視をしていく傾向にあるのではないか、そういうふうに環境庁も受け取っておられるかどうかを伺っております。
○説明員(春日斉君) それはもう全くそのとおりでございまして、これはもう当初から日産、トヨタという大手は、アメリカでもそうであったわけでございますが、触媒方式によって五十年度規制を達成し、さらに五十一年度規制を還元触媒によって達成しよう、このアイデアはそのとおりでございます。ただし、それがうまくいかないから本田のCVCCとかロータリーというようなエンジン改造による方策が生まれてまいりました。それが非常に五十年度規制あるいは五十一年度規制でも〇・二五は達成できないまでもいい成績をおさめつつあるということでございます。
○矢田部理君 そこで、前回の委員会で私どもが問題にしましたグールド社のGEM68という触媒に関連してお尋ねをしたいと思うのでありますが、この十月三日の日刊自動車新聞によりますと、グールド社の還元触媒について幾つかの問題点を業界として指摘をしております。しかもその問題点は、この新聞によりますと、業界筋だけではなくて環境庁も同意見であるというような記事になっておるわけですが、業界と軌を一にするような問題点を明らかにしたことはあるのですか。
○説明員(春日斉君) そのような新聞記事は拝見したことはございません。
○矢田部理君 記事を拝見したかどうかを伺っているのではなくて、そういう問題点を明らかにしたことがあるかと伺っている。
○説明員(春日斉君) グールド社の触媒の一つの評価を私どもいたしておりますけれども、それが自工会でございますか、先生の御指摘になった、メーカー側とおっしゃいますのですか。
○矢田部理君 業界筋という言い方をしているのです。
○説明員(春日斉君) 業界筋——そういうことはちょっと考えられません。私どもは別にメーカーと相談して評価をしておるわけではなくて、われわれは独自にグールド社の資料によって、あるいはそれを日本でテストしているメーカーを、実際に資料を見、現場を見ながら評価いたしておるわけでございます。メーカーの評価と一致するところがあるとすれば、それはたまたま一致したということでございましょう。
○矢田部理君 それでは、環境庁としてグールド社の行なったGEM68を使った実験結果について、あるいは内容についてどういう評価をされているか、その点を伺っておきたい。
○説明員(春日斉君) まあ触媒、ことに還元触媒の評価と申しますと、なかなかむずかしい問題がございます。還元触媒の研究開発というものは、私は二つの、何と申しますか、協力体制が必要だろうと思います。 一つは、いわゆる触媒メーカー、これはまあグールド社と言っていいでしょう、この場合は。グールド社というような触媒のメーカーの役割りと、それから何と申しますか、その自動車メーカーがそれを利用して車に乗せるわけでございますから、還元触媒を含む浄化システム全体についての責任を負う自動車メーカーとの協力、この二つがなければ、私は開発できないだろうと思うんです。したがいまして、私どもはグールド社が、これは還元触媒メーカーでございますけれども、グールド社は、私は、触媒担体の開発に一番大きな責任を持っている。そのグールド社の自動車にくっつけて実際に走らしてみる、耐久試験をやってみるというようなことに関する評価は、むしろ自動車メーカー側の私は責任であるように思うんです、評価する場合は。私どもはどちらも実は拝見いたしておりますけれども、まあ種々の問題点があろうかと思います。この点はすでにグールド社自身もいろいろ言っておるわけでございまして、グールド社自身のレポートによっても問題点はみずから指摘しているわけでございます。これは、この前の本委員会で私が申し上げたとおりでございます。
○矢田部理君 それでは一つ一つ伺いたいと思いますけれども、グールド社から環境庁あてに二回にわたって報告がなされておりますね。それは文書によるものでしょうか。
○説明員(春日斉君) 二回どころか、もう数えられぬぐらいきております。
○矢田部理君 私が伺っておりますのは、GEM68、特にO2ゲッターをつけたGEM68を使った、しかも日産のブルーバードを使用した実験内容の報告について伺っています。
○説明員(春日斉君) たしか七月と九月に私どものところに持ってまいりました資料が先生のおっしゃっている資料に相当するのではなかろうかと思っております。
○矢田部理君 その最後に持ってきたものは、青表紙のページ数にして九十七ページ、約百ページに及ぶ報告書でしょうか。
○説明員(春日斉君) 青表紙かどうかは忘れましたけれども、まさにそうでしょう。
○矢田部理君 私もこの報告書を入手をして検討をしたのですが、前回の委員会で局長が答えた問題点、それは一体どこに出ているのでしょうか。
○説明員(春日斉君) ごらんいただくとわかりますが、「以下はグールド社の開発状況を示す質疑応答の内容である」というようなところがたしかあったと思いますが、その中に出ております。
○矢田部理君 一つ一つ伺いたいと思います。 前回の議事録で春日局長が説明をした部分を読み上げてみますと、「グールド社のこのGEM68ゲッター方式は、COに対しては規制値を満足するけれども、ハイドロカーボンは低減がきわめてむずかしい、規制値はすべてのテストで満足するに至ってない」、こういう指摘があるわけですが、そのとおりでしょうか。
○説明員(春日斉君) そのとおりであります。
○矢田部理君 NOxについてはどう考えられますか。
○説明員(春日斉君) たしか六万キロ走行のキロ別あるいは日時別のテスト値を見てみますと、これはすべてNOxを満足しているわけではございません。ばらつきがかなりありまして、規制値をこえているものもございます。
○矢田部理君 私もこれを分析をしたのですが、ばらつきがあるというお話は、非常に低いところにおけるばらつきではないでしょうか。しかも、三十九回の測定で、上限である〇・三三をこえたのはわずかに四回にすぎません。しかも、〇・二五の規制値を下回ったのは実に二十五回という内容になっておりますが、そのことは御存じでしょうか。
○説明員(春日斉君) よく存じておりますけれども、公式テストと申しますのは一回でもこえちゃだめなんです。
○矢田部理君 そこで私が伺いたいのは、私も完ぺきであり、全然問題がないと言っているのではありません。問題は、そういう五十一年規制値を達成するような、少なくともその方向に沿った触媒が出た場合にそれにどういう評価を与えるか。問題が若干残っているとすれば、さらに改善の余地があるのかどうか、そう考えるのかどうかが問われている問題だと私は思っている。 そこで、それならば、確かに〇・三三を四回ほどこのデータはこえております。なぜこえたのか、どういう原因だったのかを追跡しましたでしょうか。
○説明員(春日斉君) 追跡しておるわけですが、先生が盛んに〇・三三というのが上限値であるとおっしゃっておりますけれども、上限値はきめておりません。〇・二五の場合は上限値なんというのはまだないわけです。ハイドロカーボンの場合はございます、五十年度規制でございますから。上限値というのは最大許容量ということだろうと思いますが、先生おっしゃったのは。ですから窒素酸化物の〇・二五というのは中央値でございまして——まあ中央値を平均値と申してもいいと思いますが、その上限値というのは、これは五十一年度規制を定めるときにきめるわけでございますから、上限値というものはまだないわけでございます。先生のおっしゃるのは、〇・三三はどういう意味かわかりませんけれども、上限値だとしましても、それをこえているものがあるということを申しておるわけでございます。 それから御承知のとおりに、あのデータをごらんいただきますと、エンジンを途中で分解していろいろいたしております。あるいは酸化触媒を取りかえたりいたしております。
○矢田部理君 質問以外のことを答えないでください。
○説明員(春日斉君) いやいや、それは質問のことを申しておるんです。 そのあとでNOxというものがばらつきが生じておるわけですから、そういったことは今後の追及と申しますか、なぜそうなるかというようなことを追及してまいらなければならないと思っております。
○矢田部理君 今後の問題聞いているんじゃなくて、ばらつきがあるとか、〇・二五をこえた部分が幾つかあるというお話はそのとおりだと思いますけれども、全体の平均値は〇・二五を下回っていることは明確なんですね。そこで若干のばらつきがあった原因が一体何だったのか、そこを追跡したかと私は伺っている。
○説明員(春日斉君) 要するに日本の排気規定に準じたテストをテンモードで行なったわけでございますが、三月の二十九日から始めまして八月の二十日まで行なったのが新しいテストでございますね。その中で、たとえば五月六日、四万一千キロ走ったところでNOxが〇・四九になっておると、ところがその前に五月六日に三つの数字が出ておる。ここでエンジンの分解をして掃除をしておるわけです。そういったことと関連があるんでございましょう。それは燃料消費量のばらつきなんかにも関連してくるでございましょうし、あるいはハイドロカーボン、あるいはCOのばらつきとも関係があるだろうと考えております。こういったことは公式の耐久テストでは認められないことなんでございます。しかし、先生がおっしゃるように公式のテストではないにしても、いままでの還元触媒に比べればいいではないかとおっしゃるならばそのとおりでございます。私どももこの前の委員会で申したように、いままで出ておる環元触媒の中では最もすぐれたものの一つであると評価しておるわけでございます。ただし、残念ながら五十一年度規制をこのままで到達できるとは考えられない。ことに窒素酸化物の〇・二五だけをじゃ到達できればいいではないかという話にかりますけれども、そうではないわけですね。われわれは同時にハイドロカーボン、COも達成しなきゃいけない。窒素酸化物だけならばいまのツーサイクルの軽自動車だってできると思います。そういうようなことございますので、私どもは慎重に評価をせねばならぬ、かように申しております。さらに問題はいろいろなところに実はまだまだあるわけでございます。これは御質問あるだろうと思いますから申し上げませんけれども、そういったものを総合評価しなければならない、こういうことでございます。
○矢田部理君 五十一年規制で問題になっているのは確かにHCやCOの問題もあるわけでありますが、一番ポイントはNOxの規制ですね。それがなかなか到達ができないということで悩んでおられる。そこで、このグールド社の実験というのはNOxの問題を中心にやられたというふうに理解しておられますか。
○説明員(春日斉君) 五十一年度規制と申しますのは炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物、三つを十分の一にするということなんですね、現状に比べて。これは非常にむずかしいんです。要するに炭化水素、一酸化炭素をそのままにしておいて窒素酸化物だけ減らすというなら技術的にこれはできる、先ほど言いましたようにツーサイクル・エンジンで。しかしどちらも減らすところにむずかしさがあるんでございますから、私どもはグールドは確かに還元触媒のメーカーでございましょうか、窒素酸化物を減らすというところに重点を置いたテストをいたしております。あとは酸化触媒なりサーマルリアクターで適当にやってくださいと、そこまでは言わないにしても、そういう感じは多少あるだろうと思うのです。それは先生のおっしゃるとおりです。
○矢田部理君 HCとかCOというのは、触媒の中では酸化触媒で処理をしようということになっておりますね。それで酸化触媒でいろいろ実験をした結果、たとえば五十一年規制などは十分にパスをした。そこで問題はNOxをどうして消していくのかということが大事になってきて、それを還元触媒でやろうと、しかも酸化触媒と還元触媒を二つ使って両方の規制値を達成しようというのがいまの触媒問題をめぐるあるいは五十一年規制を達成する流れでしょう。その場合に、その組み合わせなり手順なりをどうするかという問題は確かにまだ残っておりますけれども、あと処理方式、しかも触媒というやり方で〇・二五以下に平均値を出したのはおそらくこの触媒が初めてだろうと思うのですがいかがでしょうか。
○説明員(春日斉君) 事はそれほど簡単なものではございません。非常にむずかしい問題で、要するに還元触媒で窒素酸化物を減らして残ったHCとCOは酸化触媒で減らしゃいいじゃないか、これはそうはいかないのでございまして、常に炭化水素、COとともに窒素酸化物の排出のぐあいというものはバランスがとれて——バランスと申しますか、関係があるわけでございまして、なかなかそううまくはいかないんでございますが、まず還元触媒を用いる方法としてNOを還元性の零囲気の中で、すなわち排気中にCO、H2などの存在する状態下でCO、H2などによってNOのOを取り、N2にしていくという方法がございますね。それからもう一つは理論空燃値の近辺のきわめて狭い空燃比のもとでCOやHCやNOを同時に除去する三元触媒方式と、こう二つあるわけなんでございますが、先生がおっしゃったような還元触媒でNOを除去できてもHC、COは残るんだ、それをその還元触媒通過後の排気に二次空気を吹き込んで酸化雰囲気に変えてやる、そこで酸化触媒または温度が許せばサーマルリアクターでHC、COをH2OなりCO2にすることになるわけでございます。そこで酸化触媒の重要性がここに出てくるわけで、これがいわゆる白金やバナジウム等を使った酸化触媒なんでございます。そう簡単に単純にはまいらないわけでございます。そこで、サーマルリアクターの問題とかいろいろ出てくるわけでございます。あるいはツーサイクル・エンジンみたいにハイドロカーボンが非常に多い場合はアフターバーナーというような考え方も出てくるというようなことでございます。それから還元触媒の場合はアンモニア生成というような問題もございまして、きわめてむずかしい問題を残しております。しかしながら、そういった問題は先生も御指摘のように逐次改善され、完成に近づいているということは私どもも認めており、評価もしておるわけでございます。ただし、これがいま直ちに五十一年度規制に近づき得るかと申せば、これは運転性能の劣化の問題、あるいは燃料の問題、それからミスファイアによる脆化の問題、耐久性の問題等々、まだ考えるべき開発をすべき問題がいろいろ残っておる、かように考えております。
○矢田部理君 あまり講義を承る必要はないんですが、もう一回整理して申し上げますと、NOxについては多少のばらつきはあるけれども、三十九回のテストをした結果、六万キロ走行で平均値が〇・二四という数値になっていることはお認めになりますか。
○説明員(春日斉君) 計算してみないからわかりませんが、そうなんでしょうか。
○矢田部理君 私の計算です。
○説明員(春日斉君) 算術計算ですか、平均してとおっしゃるのは。
○矢田部理君 計算もしてないんですか。
○説明員(春日斉君) そういうことは私は必ずしも必要であるとは考えておりません。
○矢田部理君 少なくとも実験結果を見る場合に、何度も出されたデータについて、その平均値がどのぐらいになるかという計算はしていないんですか。
○説明員(春日斉君) これはまあ評価の考え方の違いでございまして、耐久試験は公式のテストの方法があるわけでございます。それで、何回やって何%合格しておったところがあり、何%不合格であったということだけではだめなんでございますね。また、算術平均全部して、それが〇・二五を満たしておったからいいではないかというぐあいにもまいらないわけでございます。これはまあ評価の問題でございます。
○矢田部理君 私の質問をはぐらかさないでもらいたいのです。私は、この触媒で合格をするとか、五十一年規制は達成できるというふうに断言をしているんじゃありませんよ。メーカーがずっと触媒問題を重視してきた。その中でいままでよりもよりすぐれた、局長も認められておられるように、触媒ができて六万キロのテストをやったところ、かなり性能のいい実験結果があらわれた。こういう事実を重視をして、より五十一年規制を達成するために努力をされる方向でやるのかどうか、そういう観点でものを見るのかどうかということを私は一つ一つただしていきたいわけです。あれはだめだ、これはだめだというお話を聞くために伺っておるわけじゃないんですよ。そういう環境庁の姿勢そのものにたいへん問題があると思うんですが、いずれにいたしましても、たとえばCOについては、このグールド社の実験結果についても規制値は達成しておるというふうに認められるわけですが、もう一つのHCについて若干伺っておきたいと思います。HCについてはどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(春日斉君) HCにつきましても達成しておりません。全部は達成しておるわけではございません。それから、COも達成してないところがございます。
○矢田部理君 前回の委員会でCOに対しては規制値を満足するという答弁をしておるじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) 前の委員会で申し上げましたのは、グールドの話によればということを、利グールドみずからも言っておるということを申したと思いますが、グールドはそういうふうに申しております。しかし、現実のテストのあれを見ておりますと、こえておるところもあるということでございます。
○矢田部理君 これは議事録に正確に出ていますからね、グールドの話によればなどという限定もついてないし、いまのような内容ではありませんよ。グールド社のこのGEM68ゲッター方式は、COに対しては規制値を満足すると、しかしHCが問題だと、こういうふうに言っておられるわけです。
○説明員(春日斉君) 私はどっかで——いま議出録を見ているわけではございませんので、記憶さだかならないところもございますが、これはグールド社みずからもそういうことを言っているということはどっかで触れているつもりでございます。なお、私がこの前申し上げましたのは、グールドの資料によればということでございますので、そういうふうに御了承いただきたいと思います。
○矢田部理君 COについて伺いますけれども、COが規制値をかなりこえたのが当初の段階で出ておりますね、三月二十九日から始めた実験の中で、三十日、三十一日にかなり高い数値が出ていることは事実のようでありますが、なぜこういう高い数値が出たのか、それを調べたことがありますか。
○説明員(春日斉君) 推定いたしますに、NOxの初期値を非常に低いところに押えるためには、ハイドロカーボンと申しますより、COの値を多少高い目に調整するという技術的な調整のしかたもあろうかと思います。そういうことではなかったでしょうか。NOxの初期値を低く押えるためにはそういうような調整の方法もあるのではなかろうかと、私は推定いたしております。
○矢田部理君 私が伺っているのは、どういう推定ができるかということじゃなくて、なぜこう高くなったのかという原因をグールド社等に確めたことがありますかというのです。
○説明員(春日斉君) 確かめましたけれども、グールド社から的確な回答はございませんでした。
○矢田部理君 私のほうで調べた結果では、初めてのテンモードの運転であったためにふなれであったという説明を受けておるのですが、そういう説明はありませんでしたか。
○説明員(春日斉君) それはHCについても、COについてもそういう意味ではあったのです。しかし、不特定多数のユーザーが運転する自動車の問題なんですから、そう専門メーカーがふなれであったというようなことは、われわれの耳には聞えませんと、こういうことでございます。
○矢田部理君 私はこれをもって、先ほどから繰り返して申し上げているように、直ちにこれで実用化しろなどと言っているわけじゃないんだということを十分理解して答弁してほしいと思いますが、いずれにしても一部規制値をそれなりにオーバーした部分があることは事実ですが、COそのものもかなり低いところで押えられているように、この数値を見ると出てくるのですが、そうは理解できませんか。
○説明員(春日斉君) 繰り返してお答えいたしますが、私どもが公式のテストと申しますのは、一回でもそういうのがあっちゃいけないのだということでございます。
○矢田部理君 質問の観点を十分踏まえて答えてほしいと思うのですが、私はこれで十分だと言っているのじゃないんですよ、何回も言っておりますように。従来の触媒なり、あるいはやり方に比して、このグールド社の実験結果については、十分評価をし、これからの五十一年規制を達成するにあたっては、大きな足場になりはしないか、一回基準値がオーバーしたからだめなんだというものの言い方はおかしいじゃないか、もう少し前向きの方向で評価をし、より発展させる改善策を考えるべきではないかという観点で聞いているんですから、そういう立場で答えてほしいと思う。 そこでハイドロカーボンのほうでありますが、これも、たとえば〇・三九という上限値をこえたのは三十九回中四回程度ですね。しかも、平均値である〇・二五を下回ったのが実に二十二回、こういうふうになっておるんですが、その点はこれは事実ですからお認めになるでしょうね。
○説明員(春日斉君) それは認めますけれども、このテストの一番最後のほうをごらんいただきたいと思うんですが、性能確認のため、酸化触媒を一定時間交換したとか、あるいは測定技術上の理由で誤りがあるかもしれないだとか、いろいろなことを言っておりますですね。それから、かなりばらつきがあるというようなこともございまして、私ども五十一年度規制を達成するという、その三つのものをそれぞれ同時に満足するという立場からすれば、やはり先生のおっしゃるようには、それほど評価はできないと、こう申しているんです。ただし、何回も、これ、私申しているんです。グールド社の環元触媒というものは、いままでの中では最もすぐれたものの一つであると、こういうふうに評価しておるわけでございますから、その点においては、もう先生と全く同じなんです。ただ、具体的な問題をおっしゃられますと、この表についてだけ見ましても、いろいろ問題はあるでしょう、こういうふうに申し上げておるわけです。
○矢田部理君 そこで、この表の最後のほうの説明書きについて、いま局長が触れましたので伺っておきたいのですが、(1)、(2)、(3)と番号がふってあって、そこの記載を読みますと、「フレッシュ・オキシデーション・カタライスト」と書いてありますね、御存じですか、この資料見ていただきたいと思います。
○説明員(春日斉君) 知っています。
○矢田部理君 この「フレッシュ」ということばを交換というふうに見られたわけですか。
○説明員(春日斉君) これは、六月二十一日、二十二日は(1)ではかり、二十七日は(2)ではかり、二十八日は(3)ではかり、二十九日は(2)ではかったと、こういうことでございましょう。
○矢田部理君 先ほどの局長の話の中に、酸化触媒を三回ぐらい交換した形跡があるというふうに述べられたかと思うのですが、そのデータ上の根拠として、いま私が読み上げた部分を理由にしているのかと伺っているんです。
○説明員(春日斉君) そのとおりでございます。それからグールド社自身も、酸化触媒を交換したことは認めておるわけですけれども……。
○矢田部理君 私も、この点はいろいろ調査をしたのですが、酸化触媒をチェンジしたというふうには書いてないんですね、「フレッシュ」という表現なんですね。しかも、事実は「フレッシュ」という意味はどういう意味かということを詰めたところ、従来最初から使ってきた酸化触媒の性能がどうなったかを確かめるために取りはずした、そしてそのときだけ新しいものをつけてテストをし、性能検査が終わった酸化触媒、もとの触媒は、さらにすぐつけ直して六万キロずっと走行さした、そういう実験を途中の段階で三回やった、こういう意味だというふうに説明をしているのですが、環境庁の理解は違うんでしょうか。
○説明員(春日斉君) もちろんそのとおりでございましょう。
○矢田部理君 したがって、六万キロ走る間、触媒を三回かえて、最初からのものを一貫して使ったものではないということではないわけですね。
○説明員(春日斉君) そういう意味ではそうかもしれません。
○矢田部理君 それからNOx問題の中心になる環元触媒は、六万キロ走行中全く交換をしていないというデータであることはお認めになりますね。
○説明員(春日斉君) グールド社の資料そのものを信用する限り、そのとおりでしょう。
○矢田部理君 それからもとの質問に戻りますが、前回の委員会で局長は、「手動変速自動車ではむずかしいようであるというふうにグールド社自身がその報告で私どもに申しております。」、子のとおりでしょうか。
○説明員(春日斉君) 七月のレポートをごらんになりますと、グールド社のレポートにはそう書いてございます。
○矢田部理君 環境庁に報告された実験で使った自動車、これはどの自動車でしょう。
○説明員(春日斉君) ダットサン六一〇をテストに使っておるようですが、これは手動でしょう、おそらく。そういうように解釈いたしております。
○矢田部理君 グールド社が説明をしたのは、ノークラッチよりも手動変速自動車——普通の自動車ですね——のほうがむずかしいという説明はしたようですが、それは前段の説明で、そういう自動車でやった結果、先ほどから論議をされておるような数値が出たんだと、それで到達をしたんだと、こういうお話だったんじゃないですか。むずかしいところだけ強調されると、変に誤解を受けるおそれがあります。
○説明員(春日斉君) 七月のレポートをよくお読みいただくとわかるんですが、グールド社みずからがそう書いておるので、そういうふうに申し上げておるわけでございます。
○矢田部理君 ですから、前段の部分はそう書いてあるかもしらぬけれども、ノークラッチよりも手動変速の自動車のほうがむずかしい、そのむずかしい自動車で実験をした結果、こういう数値が出たんです、こういう説明ではありませんか。
○説明員(春日斉君) 七月のレポート、ここに持ってきておりませんから、私そこまで覚えておりませんが、グールド社のレポートによると、私が申し上げたように書いてあったことは事実でございます。
○矢田部理君 次の質問に入ります。 それから前回の委員会で局長は、ガス欠が生じた場合、触媒が溶解する、特に高速時にそうだという答弁をされておりますが、そのとおりでしょうか。
○説明員(春日斉君) 議事録に出ている以上、そのとおりだと思います。
○矢田部理君 その根拠はどういうデータをもとにしたんでしょう。
○説明員(春日斉君) これも七月のグールド社のレポートに書いてございます。
○矢田部理君 九月に受け取ったと思われる報告書はどうですか。
○説明員(春日斉君) ガス欠等による失火によってそういうようなことはなかったと。ただし、これよく読んでみるとわかるのですが、どこかに、二つの条件なんかで溶融したというものも出ておったと思います。「高速時の片側二プラグ下点火、全プラグ下点火の場合にのみ物理的損傷を生じたが、このような事態は酸化触媒だけのシステムにも損傷を与えると考えられる。」ということが書いてあります。
○矢田部理君 それはプラグバンクミスファイアのことじゃないですか。ガス欠は別のところですよ、書いてあるのは。
○説明員(春日斉君) ですから、いま申し上げましたように、片側二プラグとか、全プラグとか、こういうふうに申し上げております。
○矢田部理君 プラグを抜いた場合ののミスファイアとガス欠は違いますよ。いまあなたがお答えになっているのは前段のほうじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) ガス欠云々ということばは、グールド社のレポートにそのように書いてあるのでそういうふうに申し上げております。
○矢田部理君 それよく読んでみてください。このグールド社の報告書によると、四四ページに、GEM67の場合には問題があったけれども、GEM68ゲッターシステムでやった場合には、九十七キロまで走行しても問題は起こらなかったと書いてありますよ。混同しているのじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) 私が前回の委員会で申し上げたのは、七月のレポートに基づいてお答えをしておるのです。先生の御質問はおそらく九月のレポートに基づいたものであろうと思います。たとえばこういうことを言っているのです。九月のレポートでございますが、エンジンの異常状態は触媒にどんな影響を与えるかという質問に対して……。
○矢田部理君 何ページですか。
○説明員(春日斉君) これは先生のと若干違いますので——四、五ページのところだろうと思います。クエスチョン6ですね。答えとして、ガス欠をはじめとするエンジンの異常運転状態に起因する種々の問題のため、還元触媒の実用性については多くの論議がなされてきた。グールドも、他社の高速時にガス欠が生じた場合、触媒が溶融することを報告している、そう書いてあります。
○矢田部理君 じゃ同じ資料の四五ページ、実験結果を詳細に報告したその内容を図示しているところがありますね。ここの資料は見ておられませんか。
○説明員(春日斉君) 絵はそのとおりでございます。
○矢田部理君 四五ページの——絵じゃなくて——ページ数違いますか。図表です。
○説明員(春日斉君) どういう図表かと申しますと、「ゲッター・システムについて異常エンジン操作時の予備分析」というところでございますか。
○矢田部理君 そこで、九十七キロまで走ってもダメージはなかったという記載になっていますでしょう。
○説明員(春日斉君) この検査に関する限り、六十マイル・パー・アワーまでは何ら物理的損傷はないと、こう書いてあります。それはピストンについてのみということでございまして、それを一般化できるかどうか、これは問題でございます。
○矢田部理君 もちろんテストについて伺っているのですよ。 そのほかこまかいこともありますけれども、そろそろ時間ですから、締めくくりに入りたいと思いますが、いずれにしてもグールド社はアメリカで実験をしたブルーバード、六万キロを走行させたブルーバードをその後日本に持ってきて、空輸して日本車両協会のテストを受けているのは御存じでしょう。御存じだとすれば、そのテスト内容について御説明をいただきたい。
○説明員(春日斉君) そのようなことがあったやに聞いておりますが、テスト内容については報告を受けておりません。
○矢田部理君 これも新聞によりますと、十月一日にこの実験報告書、グールド社のレポートをつくるにあたって使った実験車そのものも日本に持ち込んできている。日本車両協会で四回にわたってテストをした。そのテスト結果は、NOxについて、平均値ですが、四回の平均ですが、〇・二一、COについて二・二五、HCについて〇・二四であったという報道がなされているのですが、御存じありませんか。
○説明員(春日斉君) 正式にはそういうようなデータ、なまデータについての提示がございませんので、正式にはわからないと、こう申し上げたほうがいいと思います。
○矢田部理君 環境庁として、まあすぐれた触媒の一つであるとも言っておられる。いろいろな論議があるわけですから、少なくとも車両協会という、それなりに公的な性格を持っている団体がテストした結果については、十分注目してテストの状況と結果などを問い合わせる、調べてしかるべきじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) 実は還元触媒について、個個のメーカー、あるいは触媒メーカー、自動車メーカー、いろいろいたしております。それをすべて私どもが検討するということはきわめてこれは事務的にむずかしい問題だと思います。そういった問題につきましては、私ども正式の報告を待っておるわけでございますが、いまだに報告がないと、こういうことでございます。
○矢田部理君 五十一年規制問題が重要な山場に差しかかっておるとき、日本メーカーが非常に技術的に困難だと言って抵抗している段階。何か規制を実現するための手がかりがないだろうか、指導するための技術的な方策がないだろうか、積極的に環境庁として調べたり調査をしたりするのが当然じゃありませんか。 そこで、次の質問に入りますけれども、日本車両協会のテスト結果で、COは満足しませんでしたけれども、NOxとHCについては満足をした。ただCOについては、その後の説明によると、有鉛ガソリンを使った結果、こうなったんだということで、原因の説明もあるわけでありますけれども、東京都はこういう経過と事実を踏まえて、最近グールド社のGEM68の触媒を入手をした。みずから実験をしよう、テストしてみようという準備を進めておるようでありますけれども、環境庁として、提出された資料にあれこれ問題点を指摘するだけではなしに、そういうすぐれたものであるのかどうかを確かめる意味でも、政府関係の機関などを使い、あるいはメーカーなどを指導して直接的に実験をしてみる気持ちにはなりませんか。
○説明員(春日斉君) 残念ながら日本の環境庁はそういった現状調査を行なう役割りは持っておりません。もちろんこれは政府のいろいろな関係研究機関あるいは自動車メーカー、ことにグールドの触媒については、この前の委員会でも出ておりましたように、グールドのGEM68というものをシステムとしてひとつ完成に近づけたという一番大きなものはオキシジェン・ゲッター方式という方式なんです。これがなかったら、GEM68はできぬわけですが、その辺は日産のアイデアである。日産が協力をしてできたわけでございますので、日産がかなりこの問題についてもやっておることは当然でございます。そういったデータ等については承知いたしております。
○矢田部理君 東京都がそういうことでみずから実験をしてみようという方向でいま準備を進めているようですが、そういう実験について、環境庁としてはみずからできないとすれば、積極的に協力する用意があるのか。
○説明員(春日斉君) 東京都がおやりになるのはまことにけっこうなことでございます。
○矢田部理君 けっこうな話かどうかを聞いているのじゃなくて、それに積極的に協力する用意があるかどうかを伺っている。
○説明員(春日斉君) 御要請があれば協力にやぶさかではございませんが、おそらく協力要請はないと思います。
○矢田部理君 そこで、春日局長もいま触れたわけですが、日産で開発したともいわれる、そうでないともいわれるO2ゲッターですが、日産自身がこのGEM68を使って、しかもゲッター方式を取り入れて実験をした内容がございますね。日産はこれは失敗をしたと再三にわたって説明をしているんですが、その実験内容、状況、結果、なぜ失敗をしたのか、原因等々について環境庁は知っておるでしょうか。
○説明員(春日斉君) これは、この前当委員会が日産の研究所を訪れて、詳細に先生みずからが現物を見、なまデータを検討なすったのでございます。いまさら私が御説明するまでもないと思います。
○矢田部理君 局長のきわめて不親切な答弁ですけれども、二万五千キロに及ぶ実験をしたわけでしょう。その間五千キロごとのデータについては聞きましたけれども、また現物も見たけれども、それは言ってみれば、ごく、実験全体の中から見れば一部でございます。たとえばこのグールド社の報告にもありますように、還元触媒と酸化触媒をどういう位置に取りつけたのか、あるいはゲッターシステムをも含めて、その順序はどうであったのか、なぜ、一方ではある種の成功をおさめたというのに他方では失敗をしたのか、どちらにより技術的に真実性があるのかということを、環境庁として本気に五十一年規制を考えるとするならば、詰めてみてしかるべきじゃありませんか。先生もあそこに行ったから私から答える限りではありませんと言うのは、いかにも答弁としてはいいかげんじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) じかにいらっしゃいまして、じかにごらんになる、じかにみずからただされたことでございます。私は、先生の御理解を尊重して、あえて私が蛇足を加える必要はないと考えたので申し上げませんでした。しかし、私の聞いたものも同時に言えとおっしゃるならば申し上げますが、ゼロキロから始めて二万五千キロメートルまで日産における耐久テストは行なわれたわけでございまして、二万五千キロ走行で物理的にダウンしたのでございます。その間NOxにつきましては、平均値の〇・二五を達したものはゼロキロから始まって二万五千キロまでございません。それからハイドロカーボンの場合は、その上限値と申しますか、最大許容量で見る限りすべて満足いたしております。それからCOにつきましては、最大許容限度も三万五千キロのところでは多少オーバーいたしております。一々その数字を申し上げてもよろしゅうございますが、そういうところでございます。 そこで、最も大切なことは、それ以外に、これは日産が問題を提起しておったわけでございますが、使用中に脆化する問題があるわけでございます。脆化したからといって、必ずしも転換効率が低下するというわけじゃございませんけれども、脆化してぼろぼろになって流れ出す、これが酸化触媒に対しまして問題になるというようなことでございまして、自動車メーカーとしては、自動車の浄化システム全体を評価する立場に立てば、やはりNOxの転換効率と同等、あるいはそれ以上に脆化性の問題というものを重要視しているということをこの前申しておったのでございます。それは先生もお聞きになったとおりでございます。したがいまして、GEMの活性化温度が高い点、脆化しやすい点今後改善する必要があるのではなかろうか、そういったことを申しておったように記憶いたしております。
○矢田部理君 いまの程度のデータは私も聞いておるわけですが、私が伺っておるのは、なぜそう溶けてしまったのか、一体その触媒等の取りつけの順序とか位置はどうなっていたのか。これはグールド社でもいろいろな実験をしているわけですがね、何に原因があったのかを環境庁としては知っておるか、あるいは日産側に対して問いただし、データを求めるようなことをやっておるかどうか。それとグールド社の資料とを突き合わせてみて、あるいは技術的に専門家の意見も聞いて、より前向きの方向で作業を進めているのかどうかということを伺いたいわけです。
○説明員(春日斉君) 実は、専門家の意見はどうかということでございますが、これは自動車公害専門委員会でもグールド社のデータをしさいに検討いたしております。 それから、どうして溶けたか、耐久性がないかということは、これはまあわれわれいろいろ検討いたしております。 それから酸化触媒をどういう位置にくっつけたかとかなんとかというような問題、全体に自動車の何と申しますか、浄化装置、浄化システムとも申したほうがいいかと思いますが、浄化システムのバランスの問題、こういったことはやはり自動車メーカーが責任をもって検討すべきことであって、グールド社みずからが責任をもって評価するものでは私はないと思います。グールド社は、御承知のように、還元触媒メーカーでございます。酸化触媒についてもあまり責任を負えない立場なんでございますから、自動車という全体のシステムの中での評価と申しますのは、この場合、日産が現在行なっておりますテスト、その評価のほうが優先するのではなかろうかと私どもは考えております。
○矢田部理君 そうしますと、環境庁自身がさらに詳しいデータなどを取り寄せる、原因を追及すると、グールド社と日産の食い違いについて、どこに問題があり、どこがだめなのか、どうすればそれについて改善の余地があるのかというようなことについて、環境庁自身が検討し、方向づけをしていることはないんでしょうか。
○説明員(春日斉君) 再三申し上げておりますように、私どもは自動車公害専門委員会でも詳細にこの点を検討をいたしておりますし、それからまた今後とも日産自動車はグールド社との共同開発のパートナー、これはもっともグールド社にとっても、日産にとっても、切瑳琢磨しながらいい触媒システムというものを完成するために現在も行なっておるわけでございます。当然そのデータにつきましては、私は重大な関心を持ち、その報告を求めるということは今後ともあるわけでございます。しかしながら、現在までのところはこうである、現状はこうである、こういうことを申したわけでございまして、その点につきましても、先生がこの前いらしてじかにごらんになったとおりでございます。
○矢田部理君 この前私どもが、きわめて短時間、二十分しか全体の質問時間なかったわけですが、質問した程度以上のことはそうすると環境庁でも知り得ていない、少なくとも溶けた原因とか、実験のやり方ですね、取りつけ位置等についてただしていないということでしょうか。もう少しはっきり言いますとね、還元触媒等の一連のシステムをエンジンルームに取りつけたというふうな見方をする人もいる。それから運転席の下でもやってみたんだという見方をする人もおられる。しかも、このグールド社のやり方では幾つかの還元触媒、酸化触媒それからゲッターシステムをどういう手順でやったらより効果を発揮するだろうかという実験をしているわけですが、そういう実験等を日産自身もやっているのかどうかというふうなことは調べてないんでしょうか。
○説明員(春日斉君) 先ほども申しておりますようにグールド社と日産とは、これは共同開発をいたしておるパートナーでございます。ことに先ほども申したように、オキシジェンゲッターというアイデアは日産から提供したものでございます。そういうようなことからいって、グールドと日産とは密接な連携を持ちながら、先生が言われたような種々のテストを現在も続行中のようでございます。まあ、それ以上の問題につきましてはテストの結果が出ておりませんから、あるいはなぜ物理的にダウンしたか、二万五千キロと。そういった検討も行なわれて、まだ最終的な結論は行なわれていないわけでございますけれども、そういったものは十分に検討いたしておる、われわれも重大な関心を持っておることは事実でございます。
○矢田部理君 私は日産か、グールドか、両社の提携関係がどうであるかということを聞いているんじゃなくて、環境庁として一方では相当程度すぐれた触媒ができた、実験結果はこうであるという報告があり、日産はだめだ、だめだと言っているわけでしょう。しかも、五十一年規制を目前に控えて、なぜだめなのか、どこに問題があるのかを、環境庁自身として原因を追求したり、専門的な意見を聞いたり、さらには日産の失敗の問題点について、資料を取り寄せたりということを現にやっておられますか。やっておられるとすればその内容を明らかにしてください、具体的に。こういうことを聞いてるんです。
○説明員(春日斉君) 私、何回も申し上げますけれども、自動車の排気ガス浄化システムと申しますものは、それを積み込みます自動車が不特定多数のユーザーで、あらゆるかわった運転走行が行なわれることに耐えていかなきゃいけない問題でございまして、そのための技術というのは、これは私は非常にこなれた技術でなきゃいけない。要するに完成した技術でなきゃいけない。まあ一〇〇%完成でなくとも、少なくとも九十何%の完成したものでなければいけないわけでございます。したがいまして、同じ開発の協力者同士の開発データというものがかなり隔たりがあるということは、矢田部委員の御指摘のとおりでございます。これすなわちまだこの技術というものが、熟度と申しますかね、完成度といいますか、これはまだ低いものである、こういう全体としての技術評価、テクノロジーアセスメントはせざるを得ないわけでございます、全体としては。しかしながら、われわれは、何回も申しておりますように、このグールド社の触媒というものはいままでの中ではすぐれた還元触媒の一つであるということでございまして、こういったものをさらに伸ばすべく、われわれは重大関心を持っておると、こういうことでございます。
○委員長(鶴園哲夫君) ちょっと委員長発言しますけれども、春日局長、矢田部君が質問している趣旨に沿う答弁をしてもらわなければいかぬと思うんですがね。ですから、いまグールド社のほうはこう言っている、日産のほうは失敗した失敗したと言っていると、それについて、原因究明について報告書がきてないんですか、日産のほうから環境庁のほうに。あるいはその原因を今後はっきりさせる意思があるのかどうかという点を聞いているわけですから、そこら辺でもはっきりとした答弁をしてもらわなければいけないんですがね。
○矢田部理君 一般論聞いているわけじゃないんだ。
○説明員(春日斉君) グールド社の言っていることと日産の言っていることと違います。そこまでは明らかなんであって、グールド社のデータと一致しないゆえんを日産が環境庁に届け出をしたか、報告をしたかと言われれば、報告は別にしておりません。しかし、これはわれわれも会社まで行き、見学をし、いろいろ質問をしておるわけでございまして、そのグールド社のデータも私ども決して信用しないと言っているわけじゃありませんし、日産のデータも決してうそではなかろうと思います。その中での判断をわれわれがいたしておるわけでございます。
○矢田部理君 まだまともに答えてないんですよね。両方対立していることは説明聞かなくてもわかる。同じGEM68を使って、一方はそれなりに成功する、他方は失敗したと言っている。とすれば、どこにその原因があるのか、なぜそういう食い違いが出てくるのか、それを環境庁として詰めているのか。重大な関心を持っているかどうかじゃなくて、みずからそれの原因を詰めるために努力をしているのかどうか、努力をしているとすればどういうことをしているのか、そこを明らかにしてほしいと思う。まっ正直に答えてほしい。
○説明員(春日斉君) ですから、再三申しておりますように、技術がまだ完成していないがゆえに、そういう食い違いが起こるわけでございます。これをやはりばらつきのないようなデータが得られるように、これはさらに努力しなければならぬと思っております。これは、アメリカのEPAでも同じようなことを昨年から申しておるわけです。
○矢田部理君 局長ね、技術が完成していないから違いが出てくるんだというようなこの大ざっぱな見方、考え方じゃなくて、もうちょっと具体的に実験の事実に即してその原因を詰める努力をしなければ、技術は進まないんじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) 私は、もうこれまた何回も申し上げて恐縮でございますが、グールド社は還元触媒のメーカーでございます。窒素酸化物の減少というものにプライオリティーを置いて、それに調整をしながら実験を続けておるわけですね。で、片やハイドロカーボン、CO、NOxともに減らし、しかも安全性、運転性、燃費あるいはミスファイアに伴ういろいろな問題等々を全体として評価しようという考え方でございます。したがいまして、その点については多少評価が違うのは当然であろうと思います。それからまた、日産が行ないましたもので二万五千キロで物理的にダウンしたということも事実なんでございまして、その究明はいま日産が究明しているところである、かように考えております。もっと具体的に申せば、耐久性をいかにしてグールド社のGEM68というものは獲得するかという技術開発をわれわれはグールド社あるいは日産に要請をしておるわけでございます。
○矢田部理君 どうもまた答えをはぐらかしていると思うのですね。もう時間がきますから、繰り返し質問することはやめますけれども、グールド社では六万キロ走行して先ほど論議をされてきたようなデータが出た。日産は二万五千キロで溶けちゃったと、こう言う。その溶けた原因が触媒そのものの耐久性にあるのか、あるいは他の原因に起因をするのか、取りつけの位置や順序によって原因と思われるようなものが出てくるのか、等々を含めて実験の内容について明確にしなければ技術は進まないのじゃないか。とりわけ、メーカー側はできるだけ五十一年規制を、技術的理由だとは言いますけれども、その他の背景も幾つか持つて延ばそうとしているわけでしょう。それだけに、より環境庁などが指導的な役割りを果たして技術の推進に、あるいは五十一年規制の達成のために努力する姿勢を持たなければ、ずるずると引き延ばされてしまうのじゃないか。とりわけ、グールド社の副社長が日本に来て日産と何回かにわたって交渉を持っている。その交渉の結果として、一部はこのGEM68ではだめだという合意に達したという日産側の発表があった。ところが、十月十六日、一昨日の日経産業新聞によると、ケプラー副社長はシカゴで日産との合意を完全に否定をした、こう述べておるわけです。私はグールド社の肩を持つわけじゃありませんけれども、問題は健康と環境にとって非常に重要だから申し上げますけれども、「日本の自動車メーカーの技術力なら、当社の触媒を使用して規制値を達成しうる制御システムができるはずである。しかしメーカーは十分なテストを行っていないようである。少なくともわれわれの手元には十分なデータは届いていない。テストが十分行われていないことは残念であり、しかもグールド社の触媒についてあれこれと異なった意見や発言がなされていることはいかんなことである」という内容の発表をしているわけです。一方で提携をしておりながら、他方では非常に鋭く対立した見解を発表しておるわけです。そこで、東京都などは、その真実性を明らかにする意味でも、そしてまた五十一年規制を何とか達成したいという悲願からも、みずからその触媒を取り寄せて、東京都自身で実験をして確かめようとしている。こういう姿勢が環境庁になければ、いま局長が答弁しているような姿勢では、実際問題として五十一年規制達成というのは非常にあぶないのじゃないか。われわれだけでなくて、国民が懸念することになるじゃありませんか、その点で最後にもう一回答弁を求めます。
○説明員(春日斉君) グールド社の副社長がシカゴでの発言からつながって、大気保全局長ずるずるとだめになるのじゃなかろうかというふうに結論を持ってこられるのに対しましては私いささかあれでございますが、いずれにいたしましても、グールド社の副社長のことばも企業としてはそういったことを言いたいであろうと思います。これやはり商売でございますから、そういったことも言おうとするのは当然だろうと思います。しかし、私どもはいままで得られた資料を評価いたしてみますると、残念ながらまだこなれたところまでいっていない。しかし、将来の見通しは決してないわけではない。こういったものに対しましてわれわれは十分な期待をかけ、さらに脆弱性の問題、言いかえれば耐性の問題ですが、耐久性というようなものに、さらに創意くふうを重ねて、一刻も早く五十一年度規制の役に立ててもらいたい、かように考えております。したがいまして、その開発に従事しておるグールド社、あるいは日産、トヨタその他の日本のメーカーにおいても十分これを検討するように、私どもは期待しておる次第でございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 午後一時五分まで休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後一時十分開会
○委員長(鶴園哲夫君) 委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久保亘君 午前中の矢田部委員の質問に関連をしてお尋ねいたしますが、昨日十月十七日、自動車公害専門委員会は開かれたのでしょうか、それからお尋ねいたします。
○説明員(春日斉君) 昨日の午後一時過ぎから開かれまして、五時過ぎまで討議が行なわれました。
○久保亘君 大臣は、昨日の自動車公害専門委員会の審議の模様について報告を受けておられますか。
○国務大臣(毛利松平君) まだ報告を受けておりません。
○久保亘君 それでは大臣にお尋ねいたしますが、八月九日の当委員会におきまして、大臣は、中公審の審議結果を待って環境庁としての態度をきめたいということを言っておられます。そしてまた、四十七年の中公審答申を後退させる考えはないということを述べられておりますが、現在もそのことについてはお考えは変わっておりませんか。
○国務大臣(毛利松平君) 五十一年度の、先般から申し上げておるように、規制の問題については、できるだけ既定方針に沿った規制を実施したいと考えております。ただし、技術的な可能性についてのやはり今日も種々の意見が存在しております。内容が技術的、専門的なものでありますので、現在御質問のように、中央公害対策審議会自動車公害専門委員会において鋭意御審議中であります、昨日もあったように。したがって、検討の結果を得た上で最終的結論を出す所存であることは、先般申し上げたとおりであります。
○久保亘君 ところが、先日の新聞の報道によれば、先ほど矢田部委員の質問にもありましたように、排ガス五十一年規制については、暫定規制値について環境庁の原案が固まったと報道されております。そして、この環境庁の原案が固まったという報道については、午前中春日局長は、事務方としてはニュースの問題については論評の限りでないと答えられております。そのような事実はないと、こう言っておられるわけであります。しかし私は、この排ガス規制について重大な関心を寄せている国民にとっては、新聞に報道をされたこのことはたいへん重要な意味を持っております。それだけに、この問題について事務方としては論評の限りでなければ、政治家として環境庁長官は、この新聞の報道について環境庁の立場を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(毛利松平君) 全く局長の言うように固まっておりません。なお、記事は予想記事だと思っております。
○久保亘君 予想記事ということでありますが、かなり詳細に、環境庁がなぜ〇・六グラムを暫定規制値として専門委員会に提案するに至ったかという、その事情等についても詳細に報道されております。そして、それだけではなくて、環境庁の一部では、初めきびしい数値を出してあとでゆるめられると、いかにも環境庁行政が後退したような印象を与えてしまうから、最初にゆるくして、そしてだんだんきびしくしていって規制値をきめたほうがよいのではないかという意見がある、ということまで報道をされております。こういうようなことが書かれておりますと、この問題について大きな関心を持っております国民の立場としては、環境庁はわれわれに言わないが、中央公害対策審議会に対しては何かをすでに環境庁の考えとして示しているのではないか、こういう気持ちを持たざるを得ないわけです。さらに自動車公害専門委員会の委員長が、ちょうどこれと軌を一にするような、先ほど局長は八田メモと言われておりますが、そのような形での私案を委員会に提示されるということになってまいりますと、私は、すでに環境庁と業界と公害対策審議会との間に一脈すでに通じ合うものがあってその上で議論されているのじゃないかという、この疑惑をどうしてもぬぐい去ることができないわけです。 で、私は、局長が、ニュースは論評する限りでないし必要もないと、こう言っておられますが、この問題に対して、国民の立場からはどうしても真実を知りたいし、知らなければならないと考えております。したがって、環境庁が、もし自動車公害専門委員会に対して一定の考え方を提示した事実が全くないのであれば、この新聞報道を否定する立場を環境庁として明確にせられるべきであると思いますが、この点について長官の御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(毛利松平君) わがほうとしては後退もしていない、固まってもいないというのが事由であります。したがって、新聞報道は自由でありますので、これをわれわれが規制することは不可能であります。 なお、事務当局に説明を追加させます。
○説明員(春日斉君) 〇・六グラムの暫定値を事務方として自動車公害専門委員会に提示したのではないか、その疑いがきわめて濃厚だとおっしゃいますが、私は、午前中の質疑の中でもお答え申しておりますように、そういったことは毛頭ございませんし、またそういったことをすべきものではないと考えております。それがゆえに、中央公害審議会としての自動車公害専門委員会の御討議を願っておるわけであります。
○久保亘君 長官は、新聞の報道については規制する考えはないと言われましたが、私は、何も新聞の報道を規制しろと言っているわけじゃありません。新聞の報道が、環境庁の原案が固まったということで報道されているのであるから、その事実が違うならば、そのことについて報道した新聞社に対して、事実と違う報道が行なわれたことは遺憾である、だからわれわれとしてはこの五十一年規制の問題についてはこのような立場を守っているのだということを、明らかにされるべきじゃありませんか。そうしないと、いまこの新聞を通じて受け取っている国民の側は、環境庁の原案は固まって、自動車公害専門委員会に〇・六グラムを暫定規制値とする方向で提案をされたものだと思っておるわけです。
○説明員(春日斉君) 当日の朝日新聞の記事をごらんいただくとわかりますが、確かに見出しはそういうふうになっております。ぎょっとするような見出しでございますが、中をよくお読みいただきますと、非常に慎重な配慮のもとに書かれた記事であろうかと思っております。したがいまして、決して、中をお読みいただきますと、提示したとか、必ず提示するというふうには私読まなかったわけでございます。
○久保亘君 それでは、いま朝日新聞を例にとられましたが、朝日新聞でも、中を読みますと「提案する方針を固め、検討を始めた。」となっておりますし、ある新聞にこれは中央の通信社が提供したニュースであると思います。地方においては、最も信頼度の高い地方紙にはこう書かれております。環境庁「大気保全局は十七日開かれる中央公害対策審議会大気部会の自動車公害専門委員会に「〇・六グラム」を環境庁案として提出する。」こういう記事に、断定的記事になっております。だから、この新聞報道を、受け取った国民の側は、環境庁がそのような提案を、どういう形でやられたか、提案という形でやられたか、あるいは事務局の検討資料として出されたか、そのことはよくわかりませんが、何らかの形でこの専門委員会に対して環境庁が一つの方向を示されたと、こう受け取らざるを得ない報道になっているわけであります。したがって、そのことが、あなたが言っているように事実と全く違うのであれば、そのことに対して私は新聞に抗議をするとかそういう形式的な問題ではなくて、環境庁長官として明確に、われわれは自動車公害専門委員会の審議の結果を待って環境庁としての方針をきめるのであって、現在すでに出されている〇・二五グラムで五十一年規制を行なうようにという中公審の答申についてその実現の方向でこの審議を求めているのであって、このような提案を行なった事実はないということを、記者会見等を通じて明らかにされる必要があるのじゃありませんか。
○国務大臣(毛利松平君) 御質問の趣旨はよくわかりますが、後退もしていない、固まっていないというのは事実であります。新聞記者のお話しに対して抗議云々とかいろいろな話の点につきましては、それよりも権威あるこの委員会に事実を申し上げておるのですから、御理解を賜わりたいと思います。
○久保亘君 私はかなり執念深くあなたにお尋ねをいたしますのは、よく官庁が使う手だと聞いておりますが、あるいは事実と違うのかもしれません。私はその道の専門でありませんからよくわかりませんが、非公式なルートを通じて一定の自分たちの考え方を流しておいて、そして世論の反応を見ながら、ときには世論を操作し、誘導をするというやり方が行なわれるのだと聞いております。だから、公式には、あなた方が言っておられるように、そのようなことが行なわれたことがあるいはないのかもしれない。しかし、環境庁の考え方として、この非公式なルートからそのようなことがある目的を持ってマスコミに流された、そのようなことはありませんか。
○説明員(春日斉君) この五十一年度規制と申しますものは、日本国民の健康を維持するために、最も大気汚染を少なくするために行なうものであって、さような小手先みたいな技術を弄して世論を誘導する、そういったことはつめの先も考えたことはございませんし、またもしそういうことがあったとしても、日本のマスコミはそういうことを断固拒否されるだろうと思います。私は、そういう意味ではマスコミを信頼いたしております。
○久保亘君 いやあなた、それだけ自信を持って言われるなら、少なくともこの種の報道に対しては、環境庁の信頼にかかわる問題として、こっちを向かずに向こうを向いてもう少しあなたは開き直らなければいかぬ。なぜかというと、先ほど言いましたように、初めきびしくしてあとでゆるめるとどうも後退したのじゃないかと思われるから、最初に少しきびしくしておいてあとからゆるめたほうがいいのじゃないかという意見が環境庁の中にある——いや反対ですね。初めゆるくしてあとからきびしくしたほうがいいのじゃないかという意見がある、こういうことが報道されている。だから、こういう朝三暮四的な手段をもってやるようなふうに書かれているので、国民は、あなたがここで幾ら私に対して語気を強めて反論をされようとも、環境庁というのはほんとうに国民の健康と生活環境を守るという立場で仕事をしているのであろうか、こういう疑問を持ちます。そういう疑問を持たれるような報道に対して環境庁は、あなた方の現在の考え方を抽象的なあいまいな言い方ではなくて、五十一年規制の問題について環境庁がいまこの公式の場で示し得る方針というものをきちんと出すことによって、そしてそういう国民の疑問を解消をしておく必要があるのじゃありませんか。もしそういうふうに世論を操作したり誘導したりするような、そういう次元の低いことはやらぬのだと言われるのなら、なおさらのこと、その点についてあなた方の考え方を明確にされる必要があると思うのです。
○説明員(春日斉君) 朝から私何回も申しているのですが、さようなことはございませんし、中公審に御討議願っているさなかに、事務案を、これでやってくださいなんということはあり得ないことでございます。私がもしそういうことがあったとしたら、そしてもし私がその委員だったとしたら、委員をやめます、そんなことを言われたら。そのくらい委員会を侮辱したことだろうと思います、そういう提案がなされるとしたら。したがって、そういうことは私はあり得ないことではございませんか。そして私は、決してそんなことはないと申しております。そして、新聞社の皆さん方に対して訂正を申し込め、いろんなことをおっしゃいますが、ここには記者の諸公が皆さんいらっしゃるのでよくお聞きになっているわけでございますし、この権威ある場ではっきりと私どもが否定し、さようなことはなかったと、もう一回申し上げておきます。
○久保亘君 それでは私確認をさしていただきますが、中公審の審議がまだ途中であるから、その審議の結果を待って環境庁としては最終的な方針をきめたい。そして、中公審の審議に対して、環境庁側が一定の考え方を事務局案としてでも示すようなことは審議の過程においては一切あり得ない、このように理解してよろしゅうございますか。
○説明員(春日斉君) そのとおりでございます。ただ、いろいろ煮詰まってくる段階で、事務当局の考え方いかんというような御質問が出たときには、それにはやはりお答えする義務はございますから、そういった段階では多少あろうと思います。しかし、全体といたしましては、あくまでも委員会独自の御見解によって結論をお出しになる、こういうことでございます。
○久保亘君 事務局の考え方を求められたら、提出する義務があるだろうと思います。それならば、この専門委員会から環境庁の事務局の考え方を求められたときには、提出する準備が行なわれているでしょう。だから、あなた方は一つの考え方を、この専門委員会の要請に応じて提出できるように準備をされておるんじゃありませんか。
○説明員(春日斉君) 責任のある行政を担当をいたしております私としては、常にそういう準備なり考え方というものは固めており考えておる、これは当然のことでございます。
○久保亘君 それでは、あなたのほうでいま準備され固めておられる考え方というのは、先ほど長官が答えられ、ここで私がさっき確認をいたしまして、あなたがそのとおりですと言われたその線で事務局の考え方は固められておる、そのように理解してよろしゅうございますか。
○説明員(春日斉君) 先ほど長官からお答え申し上げましたことはやや抽象的でございますから、もう少し具体的に申せば、いろいろな考え方もあろうと思います。ともかく、中公審の四十七年の中間報告に盛られた線を全うしてまいりたい。少なくともそれが達成できないときには技術的な可能な線で考えていくと、こういうことでございます。
○久保亘君 あなたのその最後のほうのところで、私はその新聞の報道とつながっていくんだろうと思うんです。しかし、現在は、環境庁として責任ある長官並びにその事務方の責任者としての局長のほうから、四十七年答申の中間答申の線に沿って後退することなく中公審の審議の結果を待っているんだと、こういうことでありますから、意見を求められてもあなた方のほうから、よもや〇・二五グラムを下回る暫定規制値などを、事務局としてはこの辺が妥当でございますといって示されることはなかろう、私はそう思います。で、もし、もしもあなた方がこの中間答申よりも、中間答申の〇・二五グラムという数値を、中間答申の中に条件的に書かれている内容に沿ってその数字を動かされる場合には、自動車公害専門委員会に報告をされる前に、事務局の考え方として当委員会に説明を行なわれるものと考えてよろしゅうございますか。
○説明員(春日斉君) 事務当局といたしましては、いろいろ考えいろいろ準備もいたしておりますけれども、いまだにこうするんだという数字を固めたわけではございません。それは、私どもは、審議会の諸先生の御意見を勘案しながらわれわれなりに考え方を固めていくわけでありますから、そういったことはまだきまっていないわけでございます。
○久保亘君 私、お聞きしているのは、もしもその数値を暫定規制値に変えられる場合には、この委員会に対してあなた方のほうから事務局の考え方として説明を行なわれますかと聞いている。
○説明員(春日斉君) まあかなり先の推定のことをお尋ねのようでございますが、現在専門委員会の審議の中で、事務当局にそのような質問をいたされるというような段階では現在ないわけでございます。 それから、〇・二五グラム以外の数字は、全部当委員会に御報告してそれから審議会で報告せえとおっしゃいましても、これは私どもの専門委員会の審議の中の一つの過程でございますから、私は必ずしもそういたしますと、先生の御提案をすんなり受け入れるつもりは、ちょっとむずかしいのではないかと思います。
○久保亘君 この種の問題は、私は何にも秘密にして審議をすべき筋合いのものじゃないと思う。だから私は、あとで委員長のほうでお取り計らいをいただきたいと思っておりますのは、当委員会に対して、五十一年規制の問題について論議を行なった自動車公害専門委員会の取り扱った討議資料とその審議の結果に関する会議録、それから先ほど局長が八田メモという名前で呼ばれました委員長私案なるものを、その正式なるものを私どもに資料として提出をしていただきたいと考えているのですが、これはあなたのほうでそれを拒否される筋合いのものじゃないと思うのですよ。この専門委員会の委員長の権限に属するものだと思いますが——委員長、私のほうでそれを提出方をお願いしたいと思うのですが……。
○委員長(鶴園哲夫君) 委員長発言しますけれども、その審議会の八田メモというものは印刷物としてまとまっているのですか、あるいは口頭で述べたものですか。いずれにしましても、まず八田メモがこの委員会に提示できるかどうか。まあ秘密を要する問題じゃないわけですから……。
○説明員(春日斉君) 中公審の審議これ自身は、確かに先生がおっしゃるように、決して秘密にすべきものでも何でもないわけですけれども、さりとて、中公審の専門委員会のメンバーが自由濶達な意見を述べ合うときに、そこにあった資料すべて提出しなければそれはおかしいというものではないと思うのです。私は、やはり専門委員会のいろいろな討議の中で、いろいろな資料も配られるでしょうしそれから自由濶達なお話しもあるでしょう。それをすべて公開するということになりますと、これはまあかなりたいへんなことでございまして、私ども事務当局としましても、そういうふうにすればどうというわけにはいかぬわけでございます。これは、中公審の専門委員会の委員長八田先生の御意見も十分に尊重しなければいかぬ問題だろう。すなわち、八田メモというのは、あくまでも八田委員長個人のメモ書きでございます。それを事務方としてすべて提出すると、これはいささか問題であろうかと思っております。
○久保亘君 個人のメモ書きだと言われますけれども、すでに自動車公害専門委員会に対して論議のたたき台として提示されたものでしょう。何か八田さんが自分で、こういうことでどうだろうかというようなことを書かれてポケットの中へしまわれておったのが、突然レントゲン照射で見えたという問題じゃないでしょう。それは委員に対してこれでどうでしょうか、こういう線でこの委員会として論議をしていったらどうでしょうかということで示されたのじゃないんですか。だからあなたも知っておられるのじゃないですか。
○説明員(春日斉君) 八田メモと申しますのは、これはあくまでも審議を促進するために八田先生がみずからメモ書きをなすって、それを朗読するだけでは何だろうから、それをコピーして委員だけに見せたというものでございますから、これは性格的にいえば、あくまでこれは八田書簡みたいなものでございます。で、これは二回にわたって八田先生お配りになったわけでございます。お述べになったわけですが、一つは大気汚染の状況、二つは自動車NOx排出防止技術の現状、それから自動車NOx排出技術の現状と五十一年度対策、この三項目についてメモをお出しになった、これはあくまで八田先生の個人的なメモである、かように私どもは考えております。
○久保亘君 その発想は個人的かもしれませんが、すでに委員長として公式の会議に論議の対象として提示をされたら、これはもう個人のメモという段階ではなくなっておるわけです。私はその資料を提示されれば、できればその専門委員長にも御出席を願っていろいろお尋ねしたいことがあるんです。というのは、自分たちが中間答申として〇・二五グラムの規制を提示しておきながら、それを大幅に緩和する暫定規制値を、これでどうだろうかといって専門委員会の委員長が個人の資格で出されるということになれば、どういう根拠でそういう論議が始まっているのか、ぜひ聞きたいと思うんです。したがって、この専門委員会の審議の資料や経過などについて、われわれは知らなければならないと思うんです。そうしなければ、この委員会においてこれ以上この問題について私たちは議論をすることが非常にむずかしくなってくるわけです。もしもそれが、秘密事項にされて非公開で行なわれている問題でないのなら、この問題についてもっとオープンに国民の意向も聞く、専門家の意見もオープンに聞いていくという態度でこの専門委員会はやるべきものだと思います。そして環境庁長官や局長のほうでは、従来の方針からわれわれは少しも変わっておらぬと言われるけれども、すでにこれを審議しているこの小委員会の委員長が、個人のメモという形で自分の考え方の大幅な変化を提示しているわけです。私はそこのところに、事務当局と全く無関係に小委員長のそういう私案が示されるということはあり得ないと思うんです。だから、委員会の審議に使われた資料とか審議経過というものをどうしてもここに、私ども一に提示をされるように求めるわけです。
○説明員(春日斉君) 委員長が大幅に変えた提案をなすっていると先生はおっしゃっておりますが、午前中、矢田部委員の御質疑に対してもお答えしましたように、八田メモは必ずしもそういった断言的なことを申しておるわけでも何でもないわけでございます。一つのたたき台として、議事促進のテクニックとしてこういったメモをお出しになっておるわけでございます。中公審の専門委員会の運営についていろいろ御議論はあろうと思いますが、これは八田委員長なりの運営のしかたでございますから、メモを出したらそれは必ず当委員会にも提出しなければならぬということならば、おそらく八田先生もお出しにはならなかったかもしれません。そういったことで、やはり私どもは個人メモだと解釈いたしておるわけでございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 委員長発言しますけれども、いまの久保君が言っている内容は二つある。八田メモと、もう一つは審議の、会議の会議録みたいなものですね。会議録の問題については若干問題がありますから検討しなきゃいかぬと思いますが、いまお話しの八田メモというのは、これはメモとして出しておられるわけだから、この委員会に提示されても差しつかえないものじゃないかというふうに思いますね。 なお、八田さんをこの委員会に呼ぶかどうかということは、これは従来の経緯からいっていろいろあります。ですから、委員会が答申が終わってから呼ぶということも考えられますし、いろいろあると思うんですよ。そういう問題については、後ほど理事会で相談をしたいと思います。ですが、八田メモそのものはどうですか。
○説明員(春日斉君) 再三申しておりますが、これは八田先生個人の問題にもからむことでございます。したがいまして、事務方として、はいお出ししましょうと、こういうふうには私申しかねる次第でございます。これは、八田先生が委員長として会の運営上お出しになった個人的のメモでありますので、八田先生の御趣旨にさからってまで出すということになれば、これはなかなか問題があるのではなかろうかと考えております。
○委員長(鶴園哲夫君) それじゃ、いまの八田メモと、それから会議録ですね、これは会議録の問題はいろいろあると思うのです。それから八田委員長をこの委員会に呼ぶかどうかという問題については、これは答申の最中、答申のできない前にどうという問題はあると思うんです。ですから、いずれにしても理事会で協議をして、それで相談してきめることにいたします。それでいいですか。
○久保亘君 いま委員長の取り扱いでもかまいませんが、できますならば、その答申が行なわれてからこのメモの経過やその根拠などについてお尋ねをしてもあまり意味がないわけです。それで、ぜひ早い機会に、八田委員長個人としてと言われますが、八田個人という立場と、委員会の審議に付されたということにおいては公的な八田委員長としての一つの見解の表明ということにもなるかと思いますから、そういうものについて私どもはその根拠をお尋ねしたい。別にあなた方を疑っているわけじゃありませんけれども、その専門委員会というのが事務局の示すいろいろな資料をもとにせずにそのような非常に大胆な、自分たちが答申した内容と大幅に違った後退した形のメモを示すことができるものなのかどうか、その辺について、私は八田さんの見解も求めてみたいと思っておるわけです。ぜひひとつ、その点については時期を失して八田さんに御出席願うことの意味がなくならないように、委員長の取り扱いをお願いをしておきたいと思います。 それから、時間がなくなりましたのであと二つほどお尋ねしておきますが、もしも八田委員長がいま出されたように、〇・六から一・〇というような暫定規制値になっていきます場合に、事務当局のごく初歩段階の検討としては、総量規制とか、あるいはこの暫定規制値にも到達しない車種についての生産制限とか、そういうようなことも含めてこの五十一年規制の趣旨に合致するような検討が進められているのかどうか。これは、あなたはまだ暫定規制値の問題なんか考えていないと言われるかもしれませんけれども、求められればいつでも提出できるように事務当局の準備はしているのだと言われるのだから、おそらくその辺までも仮定の上に立った検討としては加えられているのではないか。だから、そういうようなことも考えられているのかどうか、その点、局長のほうのお考えをお聞きしておきたい。
○説明員(春日斉君) 自動車公害の著しい大都市等におきまして、要するに過密地域でございますが、自動車排ガスを減らすために、先生の御提案のような、おそらく総量規制とおっしゃるのは交通総量の総量規制だろうと思いますが、そういった交通量対策を含めて総合施策の樹立が必要である、全く先生のお考えどおりであろうと思います。その線に沿って、われわれもいろいろ検討いたしておることは事実でございます。
○久保亘君 時間がなくなりましたので、実は生産制限の問題について環境庁がやる意思があるのかないのか。これは暫定値であろうと、〇・二五であろうと、業界の代表がこの間ここで話をされた限りにおいては、多様な車種を持っておるのでとても無理だと言っておられるのだから、そうなってくると、車種の統合とか、あるいは一部車種の製造中止とか、そういうようなことが起こってくると思うんですよね。その場合に、賦課金の制度とかいろいろ考えられているようですが、賦課金の制度というのも、ある意味では販売を困難にして製造制限に及ぼしていくという一つの方策だと思う。だから、もっとずばり、クリアできない車種についてはその生産上の規制を加えていく、こういうような考え方も検討されているのかどうか、その点をお聞きしたいと思う。
○説明員(春日斉君) 賦課金と申します、いわゆるペナルティー的なチャージの御趣旨だろうと思います。それと、そのうらはらでありますところのインセンティブ税制の問題、これは組み合わせていろいろ考えていかなければならぬだろう。非常に私どもは検討し、数カ月かかってある種の結論めいたものも出しておるわけでございます。非常にこれはむずかしい問題がございます。たとえば、ペナルティー的なチャージを、先生は新車の中でも〇・二五からほど遠いものにかけろとおっしゃる。といたしますと、それではそれに十数倍する排出ガスを出すところの、二千万台に及ぶところの中古車の問題あるいは貨物自動車、そういったものにさらに十倍のペナルティーをかけるのかというようないろいろなインセンティブのうらはらの問題、検討はいたしております。しかしながら、種々の困難な問題があろうと思います。今後、さらにこれは時間をかけて検討してまいりたいと思っております。
○久保亘君 最後に長官にお尋ねいたします。いま局長のいろいろな答弁をお聞きいたしておりましても、わりにすっきりした答弁があるかと思えば、必ずそれに付帯条件のような話があとについてまいります。そして、新聞の報道ばっかり取り上げてたいへん恐縮でありますが、新聞の報道などを見ておりますと、この暫定規制値についても大手メーカーなどがかなり強く反発しているほか、自民党筋も難色を示すものと見られ、最終的にはかなり政治的な緩和がはかられる公算が強い、こう書かれてあります。こういうことが国民の間に一つの疑惑として残っている場合に、そのことに対して明快な態度を示す一つの道として、この五十一年規制の問題がいま渦中にあるこの段階で、自動車業界からの政治献金については一切これを拒否するという態度を自民党員でもある環境庁長官として明確にされることが、環境庁が国民のサイドに立ってこの五十一年規制の問題をきめていかれるにあたって最も必要なことである、こう考えるのですが、長官の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(毛利松平君) 先般も衆議院の委員会でそういう同じ質問を受けたのでありますが、こういう重大な、大気の清浄化のためにこの重大な問題をいま検討中であります。それだけに、いささかの疑惑を招くようなこともしてはならないという基本の姿勢で進むべきであるとかたく思っております。
○久保亘君 いささかの疑惑も招かないという基本的な姿勢を貫いていかなければならないほど五十一年規制の問題が重大であるとするならば、いささかの疑惑も招かないということはこの際自動車業界の政治献金は一切断ち切る、こういう立場を長官としてはお持ちだと考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(毛利松平君) 党に向かって、私がそれをことさらにことあげをして言うべき性質のものであるかどうかということについては、私は結論を出し得ないです。当然いま申し上げますように、規制が大事だということをあらゆる機会に自分も言い、訴えるつもりであります。
○委員長(鶴園哲夫君) 委員長発言しますが、さっき久保君が提案をしました問題につきましては、あとほど理事会で相談をいたしまして結論を出します。
○小平芳平君 けさほど来のずっと質疑を聞いておりまして、あと繰り返しての質問は一切いたしませんので、ひとつ簡単に結論だけお答えいただきたいと思います。 つい先ほどの質問に対する御答弁で長官は、五十一年規制については後退もしていない、固まってもいないというふうな答弁をされたのを、春日局長はさらに具体的に、もしそれが技術的にできないなら暫定規制値を設けるというような趣旨の答弁をされたんですが、ということは、確かにこの現段階では四十七年答申から後退はしておりません、環境庁としては。しかし、それが技術的に困難、できないということになったならば、規制をそのまま二年、三年延期するということではなくして、暫定規制値でいくというふうに先ほど言っておられたように伺ったんですが、いかがですか。
○説明員(春日斉君) ほぼそのとおりでございます。ただ、そういったことはまだきまっているわけではございません。
○小平芳平君 そこで、春日局長は実に自動車についての詳しい御見解をお述べになっておられますが、私しろうとでちょっとのみ込みにくい点をお尋ねしたいのです。それは、たとえば五十年規制値を満足できる車が試作されまして、実験車ができまして、それが運輸省で事前申請、耐久走行、届け出、認証試験というようなものを受ける、その期間はどのくらいかかりますか。
○説明員(春日斉君) 新しい五十年度規制にいたしましても、あるいは五十一年度規制にいたしましても、試作をし耐久試験をし認証試験を受けるまでにはやはりかなりの時間かかると思います。五十年度規制でも大体二年以上かかっておると思います。したがいまして、五十一年度規制は五十年度規制よりさらに新しいアプローチが必要なので、相当な私は日時が必要ではなかろうかと考えております。
○小平芳平君 そうしますと、試作車ができてから二年くらいかかったということですか。そうしますと、五十一年規制車というものは実際問題試作車さえできていないわけですから、実際上五十一年規制ということは、そういう時間的な問題でもうすでに時期が過ぎちゃった、こういうことじゃないですか。
○説明員(春日斉君) 五十一年度規制は、大体新型を出しますときには五十一年の四月あるいは継続生産車では五十一年の十二月までつなぐことができるわけであります。それからツーサイクル・エンジンの車でございますと、五十二年の四月まで。したがいまして、最終的には五十一年度規制車が出ますのは約二年間まだあるわけでございます、五十一年の十二月というものが一つのリミットといたしますと。したがいまして私どもは、いまの段階で一つの値をきめてしまいたい。最大許容量を示したい。したがいまして、ことし一ぱいというものが、先生の御指摘のとおり五十一年度規制車の一つのデッドラインであろう、かように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 そうしますと、いま十月ですから、あと十一月、十二月、この期間に先ほど来のエンジンの改良なり、あるいは触媒なりで四十七年中間答申を満足できる、そういうものができるならともかく、それができなければ実際上五十一年規制車というものは五十一年にできるはずはない、技術的にできるはずはない、こういうことですか。
○説明員(春日斉君) ほぼ先生の御見解どおりだと思います。
○小平芳平君 そうなりますと、各新聞が暫定規制値が〇・六あるいは一・〇というふうな方針を環境庁がきめたのではないかという報道が出るのも、そういうところからくるのじゃないですか。これは環境庁長官、どう思われますか。後退はしていない、あくまで五十、一年規制を貫くと長官はそう言う。そう言いますが、実際上時間がなくなっちゃって、もっと早く中公審に再度諮問するなら諮問するとか手が打たれているならともかく、現在の段階でなおかつ中公審からいつ答申が出るかもわからないというようなことでは、実際上長官が後退していないと一方で口では言いながら、実際上五十一年規制はもう放棄しちゃって、あとは延期するか暫定規制値でいくかということになってしまう。そこで春日局長としては、まだきまってはいないが暫定規制値でいく以外なかろうという見解を述べておられましたが、長官、いかがですか。
○国務大臣(毛利松平君) いろいろな議論が行なわれておることも事実だと思います。しかし、三つの方法しか残されていない。そのいずれとも決定していない、きまっていないということがそこにあります。したがって、従来の、先ほど来申し上げておるように、既定方針に沿った方針で私の方針がおることも事実でございます。いかなる別の方針を打ち出してもいない。というのは、三つというのは、きまった方針のまま突っ走る方針、あるいは延期する方針あるいは中間答申、だれが考えても、大ざっぱに言ってこの三つの方針しかない。それを変更しようとする意思、その他行動は一切私にはないのです。それを申し上げておるわけです。
○小平芳平君 その点はわかります。その点はわかりますが、国民の立場で実際排気ガスを朝晩毎日吸って生活をしなければならないそういう一市民の立場で、これを方法は三つしかない、さあどっちへいくかなというふうに見ているわけにいかないわけです。せっぱ詰まった問題なんです。 そこで、実際上、技術的に五十一年規制は時間的にもう間に合わない、そういうところまで追い込まれてしまったということを長官感じませんか。
○説明員(春日斉君) 先生が御指摘のように、五十一年度規制車を市販する時間的な壁というものがあるわけでございます。したがって、それを私どもはことしじゅうと見ておるわけでございます。そこで、現状の技術の水準でどこまでできるか。〇・二五が達成できればよし、できなければどうするかという問題をいま検討しておるわけでございます。私どもは四十七年に目標値を掲げまして、それを技術革新の起爆剤にしてまいったつもりでございます。それで五十年度規制はともかく達成できる、五十一年度規制も達成できると私どもは信じて、中間報告の線に沿って告示をいたしたわけでございます。 いまの段階でどうなるかということは、もう心し中公審の審議の最終結論に待ちたい、かように考えております。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
○小平芳平君 それは、けさ来の論議の過程で絶えずそういう御答弁でしたので、私の言わんとする趣旨は、要するに怠慢と責められてもやむを得ない、今日そこへ落ち込んでしまっている。それは時間的にそうじゃないか。五十一年度規制車が、車種によっては五十二年三月から売り出されるということもあり得るでしょう。それで、それは確かに字づらではそれで合うでしょう。しかし、五十一年の何月ごろからか、少しでも空気がきれいになるであろうという期待には反するわけです。 そこで次に、暫定規制値についても先ほど来繰り返しいろいろな問題が提起され、八田メモについても言われましたが、いずれにしても、技術的、技術的と言われますけれども、小型車〇・六グラム、これは本田あるいは東洋工業等の参考人が、小型車〇・六グラムは可能だというふうに前回の委員会でも発言されておられたように記憶しておりますし、また日産、トヨタ等においても、小型車〇・六グラムということは可能なんですか。局長、これはいかがですか。
○説明員(春日斉君) 私がここで先生の御質問に対しまして意見を表明できますことは、実は専門委員会が討議されておる段階でもございますので、それの結論を待たずして申し上げることはまことに遺憾に存ずるわけでございます。私が申し上げられるのは、ヒヤリングの結果あるいは参考人としてこの国会でそれぞれの各社が述べたところを信ずると申しますか、それを引用する以外にはないわけでございまして、その表現につきましては、決して長い期間ではございません、自動車専門委員会の報告が出ますのは。もうちょっとその結論待ちにさしていただきたい、かように思います。
○小平芳平君 それは、私も他の審議会のメンバーに入っているような経験もありますのでよくわかります。よくわかりますが、先ほど来の質問にもありますように、これだけの大事な問題が、まあこれは政府の行政権限といえば行政権限でありましょう。行政権限でありましょうが、これだけの大きな問題、また国会でも、委員会で再三取り上げて論議されていることが、さっぱり内容が明らかにされないうちに、すっとどこかできまってしまうということに対するその懸念があるわけですよ。したがって、そういうことをお尋ねしても、局長、答弁できないと言われますが、少なくともメーカーが小型車は〇・六グラム、それから中型車は一・〇あるいは一・一グラムというふうな規制値を達成しようとして努力しているということは、メーカー自体が発言していたことでもありますので、そういうところへ落ちつくということは、全くメーカーサイドといいますか、メーカーの主張どおりうのみにしてまるのみにした結果だと、こういうふうになるわけでしょう。そういう点、環境庁長官、もっとしっかりと、ただ後退はしてないと口先でそう言われても、ああほんとうですか、じゃあの長官ならだいじょうぶだなと、こういうふうに思えないわけですが、いかがですか。
○国務大臣(毛利松平君) 仰せのとおりで、まことに不徳のいたすところ申しわけないですが、がんばってみます。
○近藤忠孝君 先日、当委員会が日産自動車の工場を調査した際でありますけれども、触媒の状況を見てまいりまして、その際に会社側の説明では、ここにある触媒、使ってよくできなかったやつ、失敗したやつ、この触媒の成分を分析することは触媒会社との契約によってできないのだと、こういったことを言っておったわけでありますけれども、そういった事情は御承知でしょうか。
○説明員(春日斉君) グールドとそれから日産の間に、開発のための契約が結ばれておると思います。その契約の中で、そういったことがあるのではなかろうかと推定はいたしております。
○近藤忠孝君 そういたしますと、日産自動車にいたしましても、トヨタにいたしましても、触媒に重点を置いている、こういう状況でありますね。その触媒の研究自身、そういうことに失敗したものの分析自身もできませんと、一番大事な部分、これから開発すべき一番中心的な部分が、自動車会社のなすべき分野じゃなくて全く触媒会社に依存しているという、そういう結果になりはしないか、その点についての環境庁の見解を伺いたいと思います。
○説明員(春日斉君) これまた、午前中の矢田部委員の御質問にもお答えしたとおりでございまして、私は、還元触媒の開発、研究というものは二つのメーカーが協力しなければならない。一つは、触媒メーカーが触媒担体の問題についての研究、開発の責任を持つべきだろう。それから自動車メーカーは、それを自動車という一つのシステムの中に組み込んでいって、そうしてシステム全体としての開発をしていく、こういう二つの協力関係が必要なわけでございまして、私は、触媒メーカーとそれから自動車メーカーが相集まって、相寄って、これは自動車排ガス規制のためのシステムを完成していく。それには、やはりパテントの問題もございましょうから、契約によってなされていくものと考えております。
○近藤忠孝君 大ざっぱにいま言ったような分担があるにいたしましても、しかし一番大事な部分ですね、触媒自身の開発が進まなければ、いかにそれを自動車に適用する研究が進んでもいかぬわけでありますが、その一番大事な部分が、自動車会社の働く余地よりは全く別のところにある。そんなところについて、しかもその点が秘密で、一番大事な部分が秘密にされているという、こういった実態がむしろ今日の開発を最も妨げているのではないかと、そういったぐあいに考えますが、その点についていかがでしょうか。
○説明員(春日斉君) 確かにすべての触媒について、触媒メーカーでは企業秘密と申しますか、あるいはパテントという壁、つまりそれがございまして、確かに秘密が多くて、それが開発をおくらせている一つの原因になりはしないか。こういったことはやはりアメリカのEPAもたしか言ったことがあるのではないかと私も記憶しておるのですが、しかしそういったパテント、企業秘密という問題は、これは業界の中に遺憾ながらあるということは現実でございましょう。
○近藤忠孝君 それで国内の触媒メーカーの開発状況について伺いますが、幾つかのメーカーあるようです。その開発状況がどの程度進んでいるのか、それから環境庁として独自の調査をされているかどうか、この点について伺います。
○説明員(春日斉君) 還元触媒、いわゆる固定発生源の還元触媒については、日本も非常に進んだわけでございます。しかし、こういった自動車の還元触媒について、残念ながら日本のメーカーでは、きわめて進んだ触媒はいまのところないように聞いております。
○近藤忠孝君 私どもが聞く範囲では、国内の触媒でも〇・六ならば軽くいけるのだ、こういった事実を聞いておりますが、その点いかがでしょうか。
○説明員(春日斉君) これは午前中の問題にも関連するわけでございますが、還元触媒のメーカーが、一方では炭化水素やCOというものの対策を考えないで、窒素酸化物だけをやればどうだというようなデータは、私どもかなり聞くわけでございますが、それでは私どもの目的とする、その三者を十分の一に減らすという基本目的にかなわないわけでございますが、そういう意味からして、〇・六グラムならばCOもHCも満足しつつできるシステムがあるのだ、こういうふうには私、報告を受けていないわけでございます。
○近藤忠孝君 先ほどの問いに返りますが、国内の開発がどの程度進んでいるかについてのデータはあるわけですね。そしてそれがあれば、これは当委員会へも提出してもらえるかどうか。
○説明員(春日斉君) 私どもの調べました範囲内で、具体的な耐久試験まで行なったというような具体的なデータはないようでございます。少なくとも私は報告を受けておりません。
○近藤忠孝君 私が聞いておるのは、環境庁としてそのデータを集めているかどうかということなんです。
○説明員(春日斉君) 私ども、還元触媒で可能性のあるもの、これを調べておりますけれども、そういったものはないようでございます。御承知のとおり、自動車メーカー、たとえて申しますとトヨタでもよろしゅうございます、日産でもよろしゅうございますが、数十の触媒メーカーと契約しながら数百種類の触媒を検討いたしております。そういったものはそれぞれ聞いておりますけれども、いずれも優秀なものは見当たらないのが現状のようでございます。
○近藤忠孝君 それでは次の質問に移ります。 午前中の矢田部委員の質問の最後のところは、日産自動車とグールド社との間の食い違いについて、環境庁として独自にどのような追及をしたのか、これが質問の趣旨であったかと思いますが、その点につきましては委員長からの注意があったにもかかわらず、ついに、それに対するまっ正面からのお答えはなかったように理解しております。 そこでお伺いしたいのは、その理由が、これはまあ矢田部委員からも指摘されたとおり、誠意がなくてそのことを答えなかったのか、あるいは環境庁がその辺を独自に調査し追及する能力がなかったために答えられなかったのか、そのいずれかであると思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(春日斉君) それはどちらとも言えないわけでございまして、現在、日産は、さらにグールドとの契約の範囲内でいかにして耐久性を増すかということに取り組んでおるようでございます。その試験もやっておるようでございます。そういったことをわれわれは見守っておる段階でございます。御承知のとおり、環境庁は、みずから実験を行なえると、こういうシステムにはございませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 みずから調査をし研究をする能力はないにしましても、環境庁の職員、もしくは自動車専門委員会の委員等に専門的な知識があり、それを見抜くための力があると、そういったことであれば、それぞれの食い違いもその立場から解明することが可能だと思うんです。ところが、私どもずっと環境庁の状況を見ておりまして、その一番肝心な技術的な問題で、それを理解しそれを追及し解明する能力が環境庁にないのではなかろうか、このことについて重大な疑問を持たなきゃいかぬと、こういう状況ですが、いかがでしょう。
○説明員(春日斉君) 私は、いまの御発言に対しまして全面的に承服できないわけでございまして、名誉のために申し上げておきますが、能力がないとおっしゃいます理由につきましては、私、よくわからないわけでございます。それから、私どもが直接そういったことをやる能力がないとおっしゃいましたが、やる立場にない、環境庁という役所はみずから行なうという立場にないと申しておるので、やる能力がないと言っているわけじゃないんでございます。それから、現在も中公審の中で、グールドのそういったデータについては検討の俎上にのせておる段階であると、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 そういうことを調査し解明する立場にないという、こういった御発言でありますが、そういうものが実際には自動車メーカーを呼んで聴聞会を開いたり、また先ほどの質問にもあったとおり、求められれば一定の意見も述べるという、こういったことを言われておりますね。そうなりますと、まず立場にあるかないかという問題と、もう一つ私が先ほどから指摘したとおり、それを判断する能力があるのかないのかという問題も、これは密接に関連すると思うんです。こういう立場からお伺いしますが、本年の六月にメーカーを呼んで事情聴取を環境庁としてやっておりますね。この場に立ち会った環境庁側の人に、そういう自動車メーカー側からの技術的な説明を反駁し、かつもしうそがあればそいつを見抜いていく、そういった力のあった人がおったんだろうかどうか、その点についてお伺いします。
○説明員(春日斉君) おったと確信いたしております。
○近藤忠孝君 それはどなたでしょうか。
○説明員(春日斉君) 自動車公害課の職員でございます。
○近藤忠孝君 それではその職員は、自動車メーカー側の説明に対して具体的に質問はされましたか。
○説明員(春日斉君) 十分に質問いたしました。 それから、たまたま先生の御指摘のその職員が来ておりますので、その職員のほうからお答えさせます。
○近藤忠孝君 それではちょうどよかったわけですからお伺いしますが、具体的に、特にこの技術的な問題について具体的にどんな質問をしたのか、それをお伺いをしたいと思います。特に問題になっている点ですよ、全部はたいへんだから。
○説明員(小林育夫君) どういう点について質問したかと言われましてもいろいろあるわけでございます。問題は、いま先生の要するにお調べになりたいというのは、私どもがはたしてそういう技術的な判断をする能力があるのかどうかということをお聞きになっているのだろうと思いますので、先ほどのグールドの話でお答えしたいと思います。 で、私ども、先ほど来局長がお答えしておりますけれども、これについては、私どももっとはっきりした御見解を申し上げられるわけでございます。しかし、こうした公式の席上で、ある特定のメーカーの特定の製品についてとやかく申し上げるというのは、私どもの態度としていかがかというふうな判断のもとに申し上げないわけでございますけれども、それがかえって、そういう、私どもが実際にそういうことを判断する能力があるかどうかという非常に基本的な問題になってまいりましたので、一言お答えさせていただきたいと思いますけれども、グールド社におきましては、昨年のEPAのヒヤリングにおきましても、七六年の規制が到達できるということを証言いたしておりました。で、これについてはアメリカのビッグスリー、日本の日産、トヨタその他から非常な反発を受けまして、結局のところアメリカのEPAにおきましては、現段階ではそのポテンシャルはあるけれどもまだ非常に問題があるという判断をしておるわけでございます。ひるがえりまして、それでは日産のやった試験とグールドのやった試験とのどこが違うのか。片方は二万五千キロでだめになる、片方は六万キロもつ。これは部分的には、私どもの局長が先ほど申し上げましたように、途中でいろいろ手を加えております。そういうこともございますけれども、私が考えますに、基本的な違いはその燃料の混合比でございます。これをエア・フューエル・レシオと申します。で御承知のように、自動車のエンジンというものは、この燃料と空気をまぜる割合、これは七とか八とか、あるいは一五とか一六とかいう数字であらわしておりますけれども、これは重量比でございます。数が大きくなりますほど空気が多くなって燃料が薄くなると、こういうことでございます。で、これを非常にリッチ、と申しますと濃いほうでございますが、その数の少ないほうへいきますと、NOxは非常に下がります。ただし、一酸化炭素と炭化水素は非常にふえてまいります。それから、これを理論混合比と申しまして、全部の燃料が水と二酸化炭素、要するに炭酸ガスになってしまうという化学的な理論的な割合がございます。これを理論混合比といっておりますけれども、普通のガソリンでは大体一四・五から一四・九ぐらいのところ、エア・フューエル・レシオでそのくらいのところでございますけれども、これを過ぎますとまたNOxは減る。NOxはその理論混合比の近傍において非常に高いと、こういうことでございます。で、ちょっと余談になりますけれども、本田のCVCC等はこの理論混合比よりも薄い領域を使っているわけでございまして、ほかのエンジンは理論混合比よりずっと濃いところを使っている……
○近藤忠孝君 途中ですが、その辺のところまでは私どもも最近勉強してわかったわけです。問題は、あなたが、そういった問題で両者の意見が対立する、あるいはたいへん自動車会社がどうもおかしいじゃないかという説明があると、その辺についてあなた自身がどんな質問をし追及をしたのか、そのことを端的におっしゃってもらいます。
○説明員(小林育夫君) 端的にと申しましてもちょっと困るわけでございますけれども、それはグールドの質問——それでは、グールドに質問した質問を申し上げます。グールドには、要するに、六月六日の時点で非常に燃料消費がふえておる、これはいかなる理由か、こういう質問をいたしました。それに対してグールドの答えは、これは点火せんに非常にカーボンがたまり過ぎたと、それからシリンダーの中にもカーボンが非常にたまったのでオーバーホールをしたという説明でございます。で、それに対して私は、それであればそれ以後の燃料消費というものが改善されているはずだけれども、それについて改善されないのはなぜであるかという質問をいたしましたところ、それについては不明であると、お答えできませんというのがグールドヘの質問でございます。で、これは一例でございますけれども、そういう種類の質問は常に私はいたしております。うちの課員もいたしておるはずでございます。
○近藤忠孝君 いまのあなた方のところはわかりましたけれども、もう一つ、大気部会の自動車公害専門委員会ですね、この委員の中にはそれぞれりっぱな専門家いらしゃいますけれども、たとえばエンジンについての専門家、それから触媒についての専門家ですね、自動車の第一線の専門家と対等に渡り合える、そういった専門家はこの中にはおるんでしょうか。
○説明員(小林育夫君) エンジンの専門家は、八田委員長はじめ山家先生、家本先生おられます。それから触媒については……
○近藤忠孝君 山家さんと……
○説明員(小林育夫君) 全部名前をあげれば、エンジンの専門家は、委員長、喜多先生、山家先生、それから家本先生でございます。それからエンジンと触媒の両方の専門家——あるいは公害全体と言ったほうが適切かもしれませんけれども、八巻先生は触媒を専門に取り扱っている研究の方でございます。
○近藤忠孝君 これらの専門委員が、それぞれ自動車メーカーに調査に行っていますね。そんなときの自動車メーカーにおける質問、先ほどあなたが言われたような、一番問題になっているところについての端的な質問、どんな質問をなされましたか。
○説明員(小林育夫君) たとえばある社へ行ったときに、先ほども御質問に出ましたように、小型車においてはよそでは〇・六ができると言っておると、貴社においてはそういうことが技術的に可能であるかどうかというような質問がなされました。で、これに対してはその社では技術的には可能でございますと、おそらく可能であると、その同じような大きさの車については。ただし五十一年の四月までには生産的には間に合いませんと、そういうような質疑もございました。
○近藤忠孝君 その程度の質問ならば私でもできるんですけれども、問題は技術的にね、いまたとえば触媒であれば、端的に日産とグールド社のお互いに意見の対立になっている部分、それからエンジンにつきましても東洋工業それから日産、トヨタ、それぞれ立場が違いますね。東洋工業などはそれなりに相当な努力を傾け、混合比の低いところでさらに解明していこうという、こういった努力をされておりますね。いわばそういう、普通しろうとではなかなか質問し切れない、またそこを、自動車会社がだめだというところをもう一歩突いて、別の角度から、あるいはその分野でも追及し、それをさらに突破していくような、こういう質問が実際されたんだろうかどうかと、その辺を聞いておる。具体的にそういった質問があったならば、その具体的な質問のことばとしてこの委員会に御説明いただきたいと思います。
○説明員(小林育夫君) 具体的な質問を一々私覚えているわけではないので、そういう意味ではちょっとお答えしにくいと思いますが、これも、ある社へ行った場合に、ある種のエンジンが回っておったわけでございますけれども、これは全然新型のエンジンです。それにつきましては、非常にいろいろ鋭い質問も出ました。相手側も、答えられるものについては答える、それ以上のものについては非常に企業秘密であるというようなことを言いましたけれども、さらに突っ込んでそれなりにいろいろ御質問もあり、ある程度の向こうの答えも得たということはございます。
○近藤忠孝君 鋭い質問の中身をほんとうにお聞きしたいんですよ。具体的にその点を御説明いただきたいと思うんです。中身を聞かないとわからぬからね。
○説明員(小林育夫君) たとえば、そのあるエンジンというのは一種の成層燃焼エンジンでございますけれども、それがいかなる動作のもとにそういう成層燃焼が可能であるか、要するに副室なのかあるいは渦流なのか、そういうようなものについて相当鋭い質問も出たわけでございます。それにつきましては、メーカー側としては企業秘密もあるということで非常に抵抗も示しましたけれども、しかし、やはりある程度の概念といいますか、考え方の基本というようなものは示したということはございました。
○近藤忠孝君 そういった調査をし、現場でやりとりをして持ち帰られて、そうして委員会でそれなりの技術的な面での検討をされておると思うんですが、そこで〇・二五は可能である、そちらへ近づけるという、そういう面からのどんな議論がされておるわけですか。それも、一番端的な例ですね、エンジンについても触媒についても幾つかありますけれども、その点について具体的な討議の中身として、各委員の発言の中身として明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(春日斉君) 現在、実験室内ですでに試作されておる五十一年度合格車もあるわけでございます。あるいはそこまでいかないにしても、ポテンシャルを持っておるものがあるわけでございます。試作車までいっている。たとえて申しますと、一つが、トーチ点火の副室成層燃焼プラスEGR、あるいはそれにサーマルリアクターないしは酸化触媒、そういう一つのシステム、これはすでに試作車があるわけでございます。それから二番目には、成層燃焼型のバンケル型のロータリーエンジンで、プラスEGR、プラスサーマルリアクターあるいは酸化触媒。それから三番目が熊谷エンジン、たとえばこれはリッチ燃焼とリーン燃焼を一対にいたしまして、交互あるいは同時に混合さしてやる方式ですね、それにサーマルリアクターをくっつける。それからツーサイクル・エンジン・プラス・アフターバーナーというシステム、こういったのは試作車がすでにできておるようなものもあるし、それに近い可能性を持っておるわけでございます。ただし、これはあくまで実験室内の試作車でございまして、耐久性や交通安全上必要な運転性、あるいは量産して品質管理をし得るような生産技術、あるいはそれを装置し得る自動車全体としてのシステム技術、こういったものが十分完成してないので、ただ窒素酸化物の規制目標値のみをまず満たすべく努力した、何とか到達したというようなそういう試作車、あるいはそれに近いもの、これがあるわけでございます。 したがいまして、それをじゃ現実に近づけるにはどうしたらいいか。たとえば本田のCVCCや日産のNVCC系のもの、こういったものでは、トーチ点火によって五十年規制のエンジンよりも希薄混合気を燃焼させるわけでございます。そうして必要ならEGRをかける、そうして燃焼不良のために生ずるハイドロカーボンやCOというものは元来酸素は残存しているわけでございますから、さらに五十年度規制よりも滞留時間とか保温の問題とか、そういったことを考慮しつつサーマルリアクターとか酸化触媒にかけていってはどうかと、こういった技術的な観点も当委員会を通じまして検討されておるわけでございます。またバンケル型のロータリーエンジンにいたしましても、今後成層燃焼方式というようなものをそれに取り込んでいったらどうなるか、そういったことについても中公審のほうでいろいろ討議されております。 それから熊谷エンジンも同様でございます。熊谷エンジンにつきましては、先生御承知のとおり、先般日産でも試作車が陳列されておったのを御存じだろうと思いますが、三菱等でも試作を行なっております。こういったもの、理論的にはかなりいいところまでいけるけれども、運転性能、それから燃費の問題等々から現実性はいまのところないわけでございますので、それをどうしていったらいいか等々ということをいろいろ検討いたしておるわけでございます。まあ現実の町を走る車というのは、たびたび申し上げますが、運転免許証は持っておるけれども、技術が非常に未熟な者からじょうずな者が千変万化の運転状況によって運転をするわけでございます。非常に過酷な条件でございます。それに耐え得るような運転性というものもある程度持っていなければならない。それから燃費の問題もございましょうし、そういったものを量産をする技術というものもこれは今後確立していかなきゃいけません。そういったことをいろいろ検討していただいておる。それから触媒の問題につきましては長くなりますからやめますが、同様にいろいろな委員会で検討されておるということを申し上げておきます。
○近藤忠孝君 そういう研究討論も必要だと思いますが、一番大きな問題は、メーカー側が説明してこれ以上だめだというところですね、たとえば七大都市の聴聞では、聴聞したあとそれなりの意見が出ておりますが、それぞれの会社の意見の食い違いとか、また技術的に見た問題点など直ちに指摘して意見が述べられておりますが、環境庁並びに中公審のほうからそういった意見が一向に漏れてこない。となりますと、一番会社側がここが問題だと言っているところについてそれをうのみにしておるのか、それともそれに疑問を持ち七大都市が具体的に明らかにしつつあるとおり、ここが問題だ、いやここは会社うそを言ってるというような点が具体的にあるのかないのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(春日斉君) 私どもは、東京都が行なわれました公聴会の全容については知りません。私どもの課長が説明には行っておりますが、あとは聞いてくれるなと、同席すると圧力が加わってほんとうのことを言わぬであろうから出てくれということで、われわれは聞くことを禁ぜられたのでございますけれども、したがいまして……
○近藤忠孝君 そういうことじゃなくて、環境庁の聞いてるんです。
○説明員(春日斉君) どういう意見があったか知りませんが、私どもは決してそれに劣らない、さらにすぐれた質疑応答というものはあったつもりでございます。決して、メーカー側の意見をそのままにうのみをするという先生方ではないと思います。
○近藤忠孝君 じゃ具体的に、たとえばトヨタの触媒についての説明はここがおかしいと、日産のここがおかしいと、こういう指摘は現実にされておりましょうか。
○説明員(春日斉君) 日産あるいはトヨタの視察に際して、個々にそういった討議が行なわれたと考えております。
○近藤忠孝君 じゃ具体的にどういったことが指摘されておりましょう。
○説明員(春日斉君) 私ども御承知のとおり、会社の視察にあたりましては、個々に専門委員が個個の技術者といろいろ討論なすっております。すべて私がそれを聞いておったわけではございませんので、それについては何とも申せませんが、いろいろ活発な意見の交換あるいは問題点の指摘、そういったことをなさっておったようでございます。
○近藤忠孝君 質問にお答えいただきたいんですけれども、活発な意見を聞いておるんじゃなくて、具体的にたとえば日産の説明のここがおかしいという、そういうことが議論されたのであればそのことを具体的に御指摘願いたい、これが私の質問なんです。
○説明員(春日斉君) それを、すべて私は知ってるわけではございません。
○近藤忠孝君 あなたの知ってる範囲でいいんです。
○説明員(小林育夫君) 一例でございますけれども、日産自動車とは申しませんが、日産、トヨタのうち、車が大きくなればなるほどNOxの排出量が多くなるということを申しておる。はたしてそれがほんとであるかどうかということにつきましては、本田に参りましたときにも、あるいは日産、トヨタに参りましたけれども、非常に活発な議論がございましたということは事実でございます。ただ本田におきましても、はっきりは、現在のところでは要するにデータが少ないので、数字的に、数学的に、数式的にこれを明示することはできないと、しかし一般論としてはそういうことはあり得るけれども、個々の例では必ずしもそうでないものもあるというような議論がございました。
○近藤忠孝君 幾ら聞いても、活発な議論だけで具体的な指摘がなかったわけですので、まあきょうは時間の関係で質問はこれで、その問題の質問はこれで打ち切ります。 次に、最後になりますけれども、自動車メーカーのほうでは公害防止のほうではかなり消極的、また成果があがっておりませんけれども、販売競争のほうではたいへんなものでありまして、最近の新聞記事など見ましても、まさに決戦のときだという状況で、前回の当委員会でも指摘しましたとおり、社内秘の怪文書まで出して販売競争やってる、これが実情でありますが、こういう実情から見ますと、現段階で国の自動車政策を抜本的に考え、そして抜本的に変えていかなけりゃならない時期にきてるんじゃなかろうか。 ここで、これは運輸省と、それから環境庁にお伺いしますが、まず運輸省にお答え願いたい部分は、自動車の生産に消費される資材の量、ですからそれを、直接それに使う材料、たいへんな資材を浪費するだけじゃなくて、エネルギー全使用量の生産だけで三五%分を使っている。またエネルギーや道路を合わせますと、全原油輸入量の二〇%が自動車のために使われている、こういった計算もされておりますし、また燃料コストを実際見てみますと、鉄道の七倍、こういう計算も具体的にされておるようであります。そこへ加えていま問題になっておる公害問題、こうなりますと、この運送という面で自動車を根本的に考え直さなきゃいけないんじゃなかろうか、この点について運輸省としてどう考えていくのか。これまず運輸省についての質問であります。 環境庁については、先ほども御質問もありましたけれども、車種の多いことや、それから大型車のあることが技術的困難の理由にされている。ですから、思い切って規制値に達成しない大型車また車種、こういったものをどんどん切り捨ててでもこの規制を実現していく、こういった意思であるかどうか。さらに、東京、大阪などからすでに指摘されておりますとおり、五十一年規制に達しても交通規制がなお必要である、こういった強い要望が出されておりますけれども、これに沿った対策を立てていくおつもりかどうか、この点について最後に聞きたいと思います。
○説明員(高橋壽夫君) お答え申し上げます。 お答え申し上げる前置きでたいへん言いわけみたいなこと言って申しわけございませんけれども、先生もよく御承知のように、自動車に関する総合官庁というのがはっきりしてないわけでございます。私どもの立場は、主として自動車というものを乗りもの、あるいは物資を運ぶものとして考えまして、輸送行政という中でとらえているわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘のような重工業として見た場合の問題若干からんでまいりますと、私どもの分野でないかと思いますけれども、ただ多少運輸省の所管も離れまして私の考え方を申し上げますと、ただいま先生お話ございましたような、自動車というものが他の乗りものに比べまして資源をかなり消費する、輸送の効率に比べて資源を相当消費するということにつきましては、私も全くそのとおりだと思います。特に私ども一番問題にしておりますのは、私どもは輸送を担当する官庁でございますので、特に都市のような限られた空間のところにおきまして私どもは一〇〇%の移動の自由を求めたんではいけないんであると、都市のようなところでは私たちが少しずつ一〇〇%の自由をあきらめることによって、全市民が一番マキシマムな自由を享受できるというふうなことがあると思いますので、たとえばみんなが自動車というふうな比較的一台当たり、あるいは輸送人員一人当たり、あるいは一トン当たり占有する、あるいは使用する交通空間の大きなものをみんなが使うということは、これはもう考え直さなきゃいかぬじゃないかというふうにいま考えております。御承知のように、戦前は、都市交通といえども鉄道それから路面電車それからバス、これにまあごく少数の自家用車とそれからハイヤー、タクシーやってたわけでありますけれども、戦後のいろいろの政策から非常に車が使いやすくなったというところから、もう戦前では想像できないほど道路は車に満ちあふれた。これに対しまして一生懸命道路をつくりましてもなかなか供給のほうが追いつかないというふうなことで、ごらんのような混雑状態を引き起こしております。この混雑状態というものは、騒音とか、交通事故あるいは排気ガス公害というふうなものによりましてその地域社会にダメージを与えているだけではなくて、もう一つ、自動車に乗っかっている方自体がお互いに足を引っぱりっこしているという関係があると思います。したがいまして、私どもは自動車というものをほんとうに都市の中におきまして自動車らしい使い方をするためにも、みんなが少しずつ自動車の使い方というものを良識の上に立ってセーブするということがなきゃならぬじゃないか、というふうに基本的に考えております。したがいまして、今後の方向といたしましては、安全問題あるいは騒音防止、公害防止等につきまして、できる限りの開発努力あるいは規制努力をし、かつそれに対してこの利用する人が協力をするという体制を踏まえまして、さらに都市における自動車の使い方というものを総合調整していく必要がある。この際に、たいへん便利なものでございますので、ただおりろと言いましてもなかなかこれはおりられない。したがって、私たちは自動車をそんなにやたらに使い回さなくても足りるような交通体系、つまり都市でありますと、軌道組織、地下鉄とか、あるいは私鉄あるいは大型のバスというふうなもののサービスをできるだけよくいたしまして、これでかなりの交通需要は達成できるんだと。そしてどうしても乗用車でなければ移動できないような需要は、これはやむを得ずやはり自動車にたよらざるを得ない。したがって、そういった意味で、一言でよく言われますところの都市におきまする総合交通体系というものを、私は一日も早くつくる必要があると思います。そういったものを、いままで私どもは、主として大量交通機関でありますところのバスをいかにして速くかつ時間を正確に走らせるかというところから考えてまいりましたけれども、それにプラスもう一つ、都市の空気をきれいにするというふうな意味からも、みんなが自動車の使い方というものをもうちょっと考え直すということが必要であると思っています。 以上でございます。
○説明員(春日斉君) 五十一年度規制を行なうことによりまして、多数の車種というものが必然的に整理総合される方向に動いていく、そういう見通しはございます。四十八年度規制ですら一部ありました。五十年度規制は当然でしょう。さらに五十一年度は、そういう方向に好むと好まざるとにかかわらずいくでありましょう。それから輸入車について言うならば、輸入できるメーカーというものが整理統合されていくでしょう。それは四十八年度規制車でもそうでありました。五十年度規制車は、さらに日本に輸入できる車は少なくなるでしょう。五十一年度規制はどうなるか。まあそれは御指摘のとおりだろうと思います。 それから交通規制の問題でございますが、これは東京都心あるいは大阪都心というような、現状でも過密なものにつきましては、これはあらゆる面からいいましても交通量というものの削減という方向にどうしてもいかざるを得ないだろう。これには、十分関係省庁と連絡をとりながら、その方向に向かって努力をしてまいりたいと思います。
○委員長(鶴園哲夫君) 自動車排出ガス規制に関する件についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本調査について他に質疑のある方は、順次御発言願います。
○久保亘君 私は、鹿児島市の錫山と呼ばれる地区の砒素汚染についてお尋ねをいたします。 この地域は、水質汚濁防止法の地域指定を受けたことによって、カドミウムに関する調査を鹿児島市が行ないました結果、その調査に付随をして砒素が検出をされるに至ったものであります。そして、この地域の七世帯三十一人に関して、日常飲料に使っております井戸水から最高〇・一四PPMから〇・〇七九PPMに至る規制基準の三倍近い砒素が検出をされまして、福岡の鉱山保安監督局鉱害防止課等へ依頼をいたしましていろいろ調査や対策を行なってまいっておりますが、福岡鉱山保安監督局は、鹿児島市の要請を受けましてかなりたちましてから現地の調査を行なっておりますが、その際、鹿児島市の調査結果などとみずから調査をいたしましたものとを持ち帰りまして、この原因について福岡の鉱山保安監督局を中心にして、通産省のほうでできるだけ早く明らかにできるようにしたいということで進められてきているのでありますが、現地の住民は、飲料水につきましてはすでに簡易水道等の措置によってこの井戸の使用を停止をいたしておりますが、原因について明らかでないために、ある不安が地域の住民の間にあるわけであります。 それで、この通産省鉱山保安監督局のほうの調査の結果並びにその原因について、すでにまとめられておればこの際御報告をいただきたいと思うのであります。
○説明員(佐藤淳一郎君) 先生の御指摘のとおり、鹿児島市の環境保全局が、ことしの八月六日、錫山地区六カ所の飲料水から砒素を検出いたしまして、さらに九月に入りまして二日、四日、六日と、三日間にわたりまして錫山地区の全飲料水七カ所の追跡調査を行ないましたところ、岩屋地区で四カ所、それから西谷地区で一カ所から、先生のおっしゃった数字と全く同じような〇・〇七九からないし〇・一四一PPMの砒素が検出されたと発表されております。で、福岡鉱山保安監督局はこの発表を受けまして、九月の二十五、二十六日の両日、鉱山との因果関係を調査するために、鹿児島県と鹿児島市との合同の現地調査を実施いたしました。その結果、現在の稼行鉱山でございますところの西錫山鉱山という鉱山名でございますが、西錫山鉱山の稼行区域と問題になりました岩屋区域との間には一つの山がございまして、別系統の水源の系統になっております。距離が大体九百メーターありまして、沢の系統も一応別でございます。それが岩屋区域でございます。それから西谷区域は、現在採掘中の区域から約二百五十メーター離れておりまして、採掘の個所と飲料水にお使いになっておりますところの西谷区域の場所とでは、飲料水にお使いになっている場所が七十メーター上にございます。そういう関係でございまして、今回の調査では、飲料水の汚染が直ちに西錫山鉱山の操業と因果関係ありということにはなかなか結びつき得なかったという報告を受けております。まあしかし、現実にそういう問題が起きておりますので、さらにこの辺につきましては非常に古い山でもございますので、あるいは古い時代の坑口があるのかどうか。もしあるとすればやっぱりそっちの関係も調べなきゃいけませんので、必要があれば県並びに市とよく御相談しまして、再調査も実施いたすということを検討いたしておるわけでございます。
○久保亘君 そうすると、現在の調査結果によっては原因の究明はできないと、こういうことになりますか。
○説明員(佐藤淳一郎君) いろいろ私のほうで監督いたしております資料、それから現実の操業の実態等いろいろ突き詰めて検討いたしました結果では、いまの現在の鉱業権者の西錫山鉱山の採掘に伴うものとはなかなか結びつき得なかったということでございます。
○久保亘君 前回か、前々回の委員会でしたか、私は鹿児島湾の原因不明の水銀の汚染の問題について、環境庁、通産省等にお尋ねをいたしましたが、これらの水銀汚染とか、あるいはいま私がお尋ねいたしております砒素汚染などについて原因が究明されないということは、住民にとっては非常に不安が残るわけであります。だから、もし必要があればさらに調査をするということではなくて、その責任官庁として、原因がわからなければその原因究明についてしかるべき手段を講ずるということでなければならないと思います。水産庁や環境庁のほうで、水銀汚染の問題については鹿児島県を中心にしながらこれに援助を行なうという形で調査が進められておりますが、それでもなかなか大がかりなことでありまして、この問題もなかなかはっきりしてこぬのであります。私は、だからどうもいろいろ調べた結果わからなかったと、これでは不安を解消することになりませんので、ぜひこの問題について引き続き必要な調査を行なってその原因を突きとめる、そういうことをやっていただきたいと思うんですが、通産省のほうではどのように措置されるかということと、それから住民の健康の問題に関して自治体でいろいろと調査をやりまして、いま健康異常を具体的に発見をするというような状態には至っておりません。ただ、つめや毛髪の残留等についてはまだ結果を得ていないという状態なのでありますけれども、その基準の三倍に及ぶ砒素が検出される井戸水を飲料水として長年にわたって生活をしていたということになれば非常に重大な問題でもありますから、環境庁としても過去にさかのぼって、これらの影響が人体や生物等にあらわれた事例はなかったのか、それらの問題についても研究、調査をおやりになる必要があるのじゃないか、こう考えております。通産省とそれから環境庁のほうでだれか見えておりましたら、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(佐藤淳一郎君) われわれのほうといたしましては、鉱区の設定いたしておりますところのいわゆる鉱業権に伴ういろいろなこういう問題につきましては、当然第一次的には通産省の出先の機関を使いまして徹底的に究明いたさなければいけないと思っておりますが、実際問題として、いままでの採掘が非常に古いものが多い関係もございますし、それから露頭等がだいぶございまして、その辺の自然汚染との関係等とこの汚染のメカニズムにつきましては、われわれとしてもわれわれなりに勉強はいたしておるわけでございますけれども、実際問題として非常にむずかしゅうございます。それでそういう非常にむずかしい問題、それから鉱区から離れた、若干離れたような問題等も含めまして、こういう汚染メカニズムにつきましては、環境庁のほうと十分に連絡をとりながら現在でもやっておりますし、今後ともそういう連携でこういうむずかしい問題に対処してまいりたい、こう考えております。
○説明員(橋本道夫君) いま御質問がありました件につきまして私ども現在把握している段階では、市当局におきまして九月二十七日、三十一名の人を対象としまして砒素中毒の第一次検診を実施したというところまで聞いております。この検体の分析等を行なっておりますので、やがて結果が出れば第二次検診の必要なものがあるかどうかということが確認できると思います。砒素中毒につきましては、従来土呂久が第一の指定地域となり、指定疾病として扱っておりました。次に笹ケ谷がこれに新しく加わりまして、笹ケ谷の場合に土呂久の場合よりも、一つ末梢神経の障害ということで幅を広くとってこれを認定するということで現在まで進んでおります。そういうことで、地域指定に関係すること、あるいは疾病の診断に関することにつきましては従来の研究の蓄積があるわけでございますので、それを基礎として、参考資料として提供して掌握したいというようにいま考えておるわけでございますが、いろいろまだ砒素中毒で解明されていないむずかしい問題もございますので、本年度新たに調整費及び委託費によりまして、その中で砒素中毒の問題も究明をするということに現在取りかかっている最中でございます。
○久保亘君 いまお二人の御回答によって、これからこの問題の究明について通産省、環境庁それぞれ取り組んでいただけるということはよくわかりました。ただ、今日までの経過を見ますと、もっぱら鉱山保安監督局が中心になっておりまして、環境庁は直接にはこの問題について現地に入って調査をするとかいうようなところまでは取り組んでおられないようでありまして、もっぱらその調査の結果を報告を求めるということにとどまっているようでありますが、鉱山保安監督局のこの調査というのは、環境保全とか住民の健康保持というような立場では、かなり私は限界があると思います。そういう意味では、原因究明とそれからそういう住民の健康を守るという一貫した調査を進める上で、通産省、環境庁が協力をして、現地の自治体といろいろ協同しながら、そしてなるべく早く原因を明らかにして、そしてとるべき必要な対策があれば積極的に進めていただきたいと考えております。 きょうは私の持ち時間がもうありませんので、以上のことを両省に対してお願いを申し上げておきます。
○内田善利君 私は、きょうは水俣病対策についてお聞きしたいと思いますが、長年の間水俣病につきましてはいろんなことがあり、いろんな問題が起こってきたわけですが、四十八年には地裁の裁決もありまして今日に至っているわけですけれども、公害健康被害補償法に基づいて、あるいは旧法の救済法に基づきまして、未認定の方々が水俣の周辺で育ち、また生活し、そして自分は水俣病ではないのかといって不安にかられて申請をしている方々が約二千六百名。いまの状態は検診もストップの状態、また認定審査会のほうもストップの状態、そういう状態で、健康被害者を救済する、あるいは補償をするという立場でできた法律もいまはあってなきが状態、そういう状態の中で申請者の方々は不安にかられておるわけですが、そういった方々に対して環境庁としてどのようになさっているのか、その対策、今後の対策等をお聞きしたいと思います。 まず一番最初にお聞きしたいことは、あの水俣湾ですが、埋め立てられる予定地で大体一〇〇PPMから六〇〇PPMぐらいになっているあの水銀汚泥が、ヘドロが埋め立てられる計画も、四十八年の五月、三木長官が水俣に行かれて、この水俣湾のヘドロ対策は年内に講ずると言われましたけれども、四十八年度内ですね、しかるにいまだに着工もされてないという状況でございますが、この水俣湾のヘドロ対策はどうなっているのか、今後どのようになさるおつもりか、この点についてまずお聞きしたいと思います。環境庁にお聞きします。
○国務大臣(毛利松平君) 水俣病についての御質問でありますが、認定審査並びに検診等について極力促進をいたしておりますが、ただいま直接はヘドロの問題でありますが、ヘドロの処理については、二次公害の発生しない工法で行なわれなければならないために、その技術的な検討を行なうのに時日を要し、着工がおくれております。熊本県は、本年九月の九日に検討委員会からヘドロ処理方法について答申を得て、現在これを地元関係者に説明中であります。その後熊本県は漁業補償、費用負担の決定等を行なうこととなるが、環境庁としては関係省庁と協力し、本年度内に工事に着工できるよう適切な指導をいたしております。
○内田善利君 本年度内といいますと来年の三月までと思いますが、に着工する予定ということですが、計画委員会あるいは技術委員会あるいは合同委員会、こういった委員会がなされておるようですけれども、事業主体はどこがやるわけですか。
○説明員(城戸謙次君) ちょっと経緯がございますので私から便宜お答え申し上げますが、従来月のほうは、国の直轄工事でやってもらいたいという希望もいろいろあったわけでございます。ただ、この点につきましては、本年の三月四日に基本的に考え方が熊本県及び私どもの環境庁それから運輸省の間にまとまりまして、事業主体は熊本県とする、ただ主たる工事の施行につきましては運輸省に委託する、ということできまっておるわけでございます。
○内田善利君 運輸省の直轄で、主体は県がやると、こういうことですね。
○説明員(城戸謙次君) 主体はあくまで熊本県でございます。ただ、工事には非常にむずかしいものもございますから、事業の実施を運輸省に委託すると、こういう部分があるということでございます。
○内田善利君 運輸省、見えていますか。運輸省はどのようにお考えですか。
○説明員(工藤秀雄君) 私ども運輸省といたしましては、水俣港の汚泥処理、ただいま城戸局長からお話しありましたようなことでございますので、計画等につきましては事業主体である熊本県が、先生おっしゃいましたような水俣港計画委員会あるいは技術委員会等をつくりまして、本事業の計画の検討を重ねてきた。その結果が九月上旬にまとまりまして、その検討結果を、県議会あるいは地元関係者に説明を行なっておりまして、その後その関係者の意見等を勘案いたしまして県の事業計画案を作成し、県の公害対策審議会あるいは地方港湾審議会等にはかることと聞いております。なお、事業実施にあたりましては、先ほどのお話のとおり、私どもが工事の実際の実施に当たりますこととなるように予定されております。運輸省の出先機関であります第四港湾建設局が主体となりまして、この工事の推進に当たることになっております。
○内田善利君 概算でいいですけれども、費用はどれぐらい要るのか。それから二次公害が起こらない具体策といいますか、これも簡単に。二次公害の起こらない具体的な、水俣方式といいますか、そういうものがあれば、洞海湾方式、田子ノ浦方式いろいろありますけれども、二次公害がいずれも起こっておるようですし、水俣の場合はどういう方式で二次公害が起こらないようにされるのか、この辺わかっておりましたら。
○説明員(大場敏彦君) まず金額の問題でございますが、これは着工までにいろいろ漁業補償等まだまだいろいろ解決しなければならない問題ございますし、そのいかんによっていろいろ大きくふえる問題でございます。ですから、現在の時点において金額が幾らかということを、まだちょっと申しかねるような状態でございます。 それから次に御指摘になりましたように、問題は、二次汚染というものをいかにして防止するか、こういった事柄でございますが、これにつきましていろいろ議論があったために、結論を得るのに時間を要したというような経緯になっておるわけでございます。具体的な結論といたしましては、具体的な工法として一部埋め立て、あるいは一部しゅんせつ、あるいは一部仮締め切り、こういったことで汚泥を処理するという工法を基本として採択したわけでございますが、この具体的な実施にあたりましては、ことしの春、中公審から答申をいただきました「底質の処理・処分等に関する暫定指針」というものがあるわけでございますが、それに基づきまして具体的なことをやっていく、つまり、細心の監視をもって施行し汚染防止につとめるべきである、こういった結論になったわけであります。この「底質の処理・処分等に関する暫定指針」と申しますのは、非常に技術的な側面が多いわけで、私もしろうとでございますのでその点は詳細に説明するのはできかねるわけでございますけれども、要するに問題といたしましては、二次汚染を防止するための除去工事をするにあたっての基本的な条件及び留意事項を「監視」という項目、あるいは「工事の方法等」という項目、あるいはしゅんせつした汚泥をいかにして保管しいかにして処分するか、そういった保管及び処分の方法ということにつきまして具体的に示しているわけであります。たとえて申しますならば、汚泥の保管をどうするか、あるいは処分をどうするか、こういった問題につきましてこの暫定指針で期待されております事柄は、海洋汚染防止法に基づきまして有害の水底土砂を処理する、あるいは有害な産業廃棄物を処理する場合には廃棄物処理法による手続による、そういったことを具体的に書いてある、こういった事柄でございます。
○内田善利君 その書いてあることは私も知っているのですがね。具体的に二次公害が起こらないようにどうやってやるのか。一部しゅんせつ、一部埋め立て、一部締め切りということですけれども、はたしてこれで二次公害が出ないという確信があってそういう方法でやられるのか。これを私が事業主体はどなたか、どこがやるのかと聞いたのは、また二次公害が出た場合に、あっちだこっちだと言って責任のがれをされると困るわけです。ですから二次公害がこういって起こらないという——先生方が計画委員会、技術委員会でなさって検討されておりますが、この委員の名前をお見受けしたところ、一体技術についてこういった先生方がはたしておわかりになるのかなあと、失礼ですけれども、そういうメンバーなんですね。そういうことではたしていままでの田子ノ浦、あるいは洞海湾その他のヘドロしゅんせつ作業を見ますと、二次公害が起こっているわけです。今度の場合はほんとうに起こらないのかどうか、これをお聞きしたかったわけですが、環境庁の指針を読まれたんでは、これも私は読んで知っておりますので、先生方に聞く以外はないと思いますけれども、このヘドロをしゅんせつする場合、大体幾らのヘドロがあって幾らの水銀が含まれていて、それをこっちのほうの埋め立てに持ってくる、水銀の含有量の多いところに持ってきて埋め立てをするという計画のようですけれども、大体費用がどれぐらいかかるのか、そしてその費用はどこが負担するのか、この辺まで検討されなければ私は来年の着工はむずかしいのじゃないかと、こう思うんです。その点いかがでしょうか。
○説明員(大場敏彦君) まさにその費用をいかにして総額をきめるか、その分担をどうするかということは今後の課題でございまして、その前提としての工法を採用するにあたってこの間結論を得て、そして実施するにあたっては漁業者の皆さんあるいは地元の方々の御同意が必要ですから、そのコンセンサスをいま求めている、こういう過程でございます。それが済みましてから額そのものをどうするか、工法のいかんによっては変わるかもしれませんし、額そのものをどうするか、あるいはその分担をどうするかということをいろいろ広い範囲で相談する、こういう過程になろうかと思います。 水銀の量でございますが、水俣湾に堆積しております水銀を含んでおります汚泥量で申しますと、二五PPM以上含んでおります汚泥量は、現在までの調査によりますと約七十万立方メートルと推定されております。今回の工法でこれを閉じ込めるわけでございますが、埋め立て区域にそのまま封じ込める汚泥量は処理区域の七〇%であります。水銀量では約九五%を埋め立てで封じ込めてしまう……
○内田善利君 だからそのためにはどれだけかかるかという費用を聞いているわけですよ。
○説明員(大場敏彦君) 費用はまだいまいろいろ漁業補償とか、そういった問題がありましていろいろ類推中でございますので、現在の段階では確定しておりません。
○内田善利君 それでは公害被害補償法のほうに移っていきたいと思いますが、現在の検診状態、それから認定審査会の状態、これはどのようになっているのかお願いしたいと思います。
○説明員(橋本道夫君) 患者の救済の問題でございますが、現在四十九年八月三十一日までに、本年に入ってから申請されたものは大体一カ月六、七十から九十人前後でございまして、申請総数、前から通算いたしますと二千三百九十人の方が申請されております。このほか百三十一名の保留の患者さんというのがございまして、まだ審査会として処分の終わっていない方が二千五百二十万名おられるというのが実態でございます。この中で県の認定審査会の状況でございますが、四十九年四月三日が第二十一回の認定審査会として県が持たれましたもので、それ以降新しい委員の任命ということに県知事も努力をいたしており、現在もいたしておりますが、現在のところ旧法の認定審査会の委員の先生一名を残してはほぼ了承を得たという段階でございますが、まだ辞令を発令するに至りますまでには、大学の先生等もございますので文部省の合意も得なければならず、またいろいろそのほかの困難な問題もございまして、現在新しい認定審査会がまだ発足し得ておらないという状態でございます。 検診につきましては、認定促進のための検診につきましていろいろ昨年度来努力をしてまいったわけでございますが、その点につきまして、まずこの認定促進のために動員していただく先生方はすべて大学あるいは国立病院の本務を持っておられる先生方にこちらに一部の時間をさいていただくという形になりまして、土曜、日曜も出るということになっておるわけでございます。その間第三水俣の問題もございまして、非常にそのほうにすべての先生方の労力がそちらのほうでも手一ぱいになっておるということで、検診促進が事実行なわれましたのは四十九年の七月と八月二カ月にわたりまして、約四百八十名の方々の検診が実施されたというのがいまの実態でございます。
○内田善利君 いまおっしゃった促進検討委員会ですね、これはどういう法律に基づいてできたわけですか。いままでは研究班があって、認定審査会があって、それに答申をしてデータを提出して、そして県知事がこれを認定する、こういうふうになっておりますけれども、この突然できた水俣病認定業務促進検討委員会というのはどういう法的根拠に基づいてできたのかどうか。
○説明員(橋本道夫君) 認定促進対策につきましては、これは熊本県が実施をいたしております認定のための検診というのがなかなか促進できないということが一点と、特に問題となりましたのは、昨年の裁判以降におきまして、それまでいろいろの患者さん自身が置かれたむずかしい社会的な立場からなかなか認定申請にまで踏み切れなかった方々も一挙に認定申請ということに踏み切られた方々が多くなりまして、二千数百名をこえるという状態になりまして、この県の業務に対しましては、やはり国も一緒に県と協力をして推進しなければならないということでこの認定促進のための委員会というものができたわけでございまして、これは法律に基づいて設けられたものではございません。
○内田善利君 行政指導で環境庁が編成されたものだと、このように受けとめますが、県がこのように二千数百名の方々をかかえて認定の業務がおくれる、こういうことでできたということはよくわかります。ただ、法的な根拠があったのかなと、そういうことでお聞きしたわけですが、こういった九州の大学あるいは国立病院の先生方が本務を持ちながら七月、八月集中的に検診をなさったということで、聞くところによりますと非常に乱暴といいますか、ずさんといいますか、そういう検診であったということで、だいぶ患者の方々の不評を買っているわけですけれども、この点はどのようにとらえておられますか。
○説明員(橋本道夫君) いま御指摘の点につきましては、七月の中ごろ過ぎでございましたが、この認定申請をしております患者さん方の協議会がございまして、その協議会のほうからこの認定促進のための検診についての苦情を環境庁までお申し出になったわけでございます。お申し出になった方のうち十八名の方は個人の名前をはっきり明記をされまして、私はかくかくしかじかのことで非常にこの検診について問題があるということでございました。それらの方々につきまして、県を通じて事情を一応調べてみました。そこの中で、このお医者さん直接に関係のある問題が六名と、そのあとの方は、もちろんお医者さんとのことばのやりとりもあったのかもしれませんが、医療従事の医師以外の職員の対応というところにも問題があったというように私どもは県から事情を聞いております。これは非常に私どもとしては医師の先生方には非常な無理をしていただいて、協力をしていただいているという反面、また患者さん方は非常に長い間にわたる抑圧された苦しみの中からこの認定申請をしておられるというような間に立ちまして、きわめてむずかしい問題を生じておりますので、何とか医師と患者との関係を回復しなければならないということで、患者さん方の御意見につきましては、水俣病の患者さん方のグループのすべてのグループに、現地に参りましてお会いをして御意見も聞き、環境庁にもお見えになった節、できるだけ御意見を聞き、また医師のほうの方につきましても私ども現在極力つとめまして、医師のほうのサイドとしてどのような問題を持っているかということを現在聞いておる最中でございまして、何とか一日も早く医師と患者との信頼関係を回復して認定促進のための検診をはかりたい、こういうふうに思っております。現在の段階におきましては、認定促進のための検診は行なわれておりませんが、重症者及び在宅検診という点につきましては、水俣市民病院の医師が中心となりまして、これはテンポはおそうございますが、その業務につきましては現在のところもいま続行されておると、こういう事態でございます。
○内田善利君 そうしますと、実際の検診は市民病院以下はもう七月、八月以降はなされていないと、こういうことですね。
○説明員(橋本道夫君) この九月に入りましてからはよそからの先生が来て従来どおりの検診促進をやってはおらないというぐあいに私は聞いております。
○内田善利君 そうしますと、検診を市民病院以外は、重症者の方々の診察以外は七月、八月集中検診はストップしていると、それから認定審査会のほうも第三次になりますか、補償法に基づいた十五人委員会ですか、それが九人というわけですね、そういうことでまだ正式な発足をしていないと、こういうことですが、環境庁長官、どうされますか、これ。審査会もストップ、検診機関もストップしているわけですね。二千三百何がしの方々が検診も受けられない、認定も受けられない、こういうことで非常に不安におちいっているわけですけれども、これに対してどのようにお考えなのか。
○国務大臣(毛利松平君) 何とか促進をしたいと思いまして、部長をしばしば現地に派遣して苦心の最中であります。
○内田善利君 何とかしてということですけれども、もう何とかしてという段階ではないと思うのです。いち早く、これは一日も早くやっていただかないと、これらの方々が苦しんでいるわけですから、患者の方たちとお医者さんとの間のいろいろな不信感というのは、やっぱり私あると思います。前も油症問題でも長崎大学の先生方との不信感、そういうのがありました。これはやっぱりやっている中で解いていかないといけないのじゃないかと思います。やはり私もテープレコーダーで油症患者の方々との検診の問答を聞いておりますと、やっぱり納得できないような問答があるわけです。お医者さんのほうでは、何人も何人も入れかわりですから、やはり何日もやっている間にいらいらしてこられる面も考えられないじゃありませんけれども、やはりそういった面、考慮の上で一日も早く検診体制、審査会の体制を整えなければならないと思いますが、いかがですか。
○説明員(橋本道夫君) 先ほど先生の大臣に対する御質問の中で事務的にお答え申しますべき点がまだございましたので、それをまず申し上げて、あとのほうにお答え申し上げたいと思います。 現在、二千三百九十名と先ほど申し上げましたのは、旧法の公害健康被害救済特別措置法による申請でございます。そういうことで、旧法におきましては十名の審査員ということでございまして、現在問題になっておりますのは旧法の認定審査がまだ行なわれておらないということで、十五名の方が埋まらないので十名でやっているというわけではございません。そういうことで、旧法の十名ということでございます。それから現在私ども非常にこれは心を痛めておるわけでございますが、不信の問題というのは確かにいろいろ御意見がございますが、患者さんのグループを全部回ってお聞きした範囲内では、不信の声を持っておられる方は一部であるということもこれまた事実でございます。やはり一部と申しましても、大体二割五分前後の方々であろうというように私どもは考えております。その方々に不信の声があるということでございまして、私どもはやはり二割五分の方からも不信があるということにつきましては、私どもはそれはもう完全に解消しなければならないというぐあいに考えております。現在の検診がなかなかうまくいかないということの問題につきましては、患者さんたちからの非常に強い要求がいろいろあるわけでございますし、また、それに対します医師のほうの立場からもいろいろな意見があるわけでございまして、これは医師と患者さん方の御意見をよくお聞きになっていただいていると思いますが、医師としましては、やはり医学的な良心に基づいて診断をするのが医師の役割りであるということで、水俣病かどうかということ、医学的に診察した場合にそうでないという者が出た場合に、非常なこれは、おまえが間違っておるということで猛烈な圧力を受けるということは医師として非常に耐えがたいということを言っておる面もあるわけでございます。患者さんの御意見とお医者さんの御意見、その両者のところに非常にむずかしい問題があるというところでございます。 それから今後の問題というところでございますが、私どもは一日も早く認定審査会を再開すべきであるということ、これは絶えず現地にも参りまして申し上げております。患者の一部の方々は、第一次の不作為の裁決が出るまで絶対に開かぬという強い突き上げの要望があり、また、それに伴った強い行動をとっておられるということで、それ相応のいろいろの反応を起こしておるということも一方において事実でございます。しかし私どもはこの四百八十名の方の検診のほかに、なおかつ四月以降あるいは四月以前にすでに検診を済まれた方がこれまた数百名待っておられるわけでありまして、いろいろのむずかしい難点はあるが、少なくとも認定されるべき人がおくれるというのはこれは許すべきではないということでございまして、まず認定できる人からとにかくやるということを強く県のほうにも要請しているところでございますが、県といたしましては、その委員の先生の任命の問題できわめてむずかしいいろいろの問題がございまして、やっと十名のうち一名の欠というところまでこぎつけたわけでございますが、あと一名の方に対して礼を尽くしてやはりお願いをするという態度は続けますが、私は現地におきましては、どうしても一名の方が埋まらないときには、少なくとも救済すべき人は救済をするということで審査会を開いて、そうして認定するべき人は認定をすべきであるということを強く申しておるような状態でございます。一日も早く認定審査会が再開をされまして、救済されるべき人は当然救済されるということと、もう一つは認定のための検診体制、これはもう絶対的に能力の限りがございます。現在の能力の限りの上に、さらに医師と患者との間の問題というのがあり、お医者さん方も大学はすでに始まった、また一方非常に強いアクションをとられて、それに対して大学としても非常なむずかしい問題に面しておられるというような中にありますので、私どもは誠心誠意、患者の側とお医者さんの側とをできるだけ歩き回り、できるだけ直接の声を聞き、そしてそのことを知事さんにもお伝えもし、私どもも働きかけて、この問題の一日も早い解決をはかりたいということをしておるわけです。
○内田善利君 先ほど市民病院側だけが検診をしているということですが、打開策として、促進策として、開業医レベルで審査、検診をやっていくと、こういう方法はどうなんですか。
○説明員(橋本道夫君) 開業医の先生からは水俣病あるいは水俣病の疑いという診断書を出してこられまして——そうしてこれは開業医の方だけではございません、市民病院の方もございます。出してこられて、それが認定審査会に対する申請になり、それを——これは非常に簡単な紙ぺら一枚でございます。非常に簡単な紙ぺら一枚に水俣病あるいは水俣病の疑いということがございました。その中に幾つかの所見を簡単に書いてあるということでございますから、ですから水俣病はこれは非常に複雑なむずかしい病気であることはこれまた事実でございまして、神経内科の方と耳鼻科、眼科、これはもうミニマム、その三つの専門家の方々の検査を必要とするということは、これは私どもがいろいろ御意見を伺っておりますこの専門の先生方の一致した意見でございまして、現在その開業医の先生から出されてきたその申請の診断書というものに対して専門の立場から検査をして行なうということの体制は、これはやはりどうにもほかのやり方がなかなか見当たらないというところでございまして、神経内科の分野におきましても精神神経科の方と神経内科の方とのいろいろな学問的な論議があるわけでございますし、眼科におきましても非常にむずかしい検診道具というものは要るわけでございますし、耳鼻科におきましてもかなりの道具が要るということ等もございまして、先生のおっしゃったような方向は現在の段階では、これはそういうところにまでとうてい踏み切れないというのが現在の実態でございます。
○内田善利君 開業医の方々にお願いすると私は早くいきそうに思うんですけれども、いろいろあると思いますが、いままで検診もストップされている、それから認定審査会もストップしている、そういうことで、二千三百九十名の方々が苦しんでいるわけですが、こういった方々は治療にもいかなきゃならない、診療もしなきゃならない、こういった立場の人たちに対して国で私は治療費を出してあげるべきだと、このように思います。いろいろ問題はあろうかと思いますが、地域指定をするなりいろんな方法を通して治療費を支給していくと、こういうふうにすべきであると思いますが、この点はいかがですか。
○説明員(橋本道夫君) 現在未処分の方が二千五百二十一名おられまして、そのうち保留の方が百三十一名おられます。この保留の方につきましては、これは国が研究費としての補助金を出しまして、事実上は医療費と医療手当とを見るという形で二分の一は国が持ち二分の一は県が持つという形のこの医療費を見るということをやっております。これは一回認定審査会にかかってまだ決断が一つかないというケースにつきましてそのような策をこの夏以来始めたわけでございます。現在先生の御指摘の問題は、認定審査会にもまだかかっていなくて待っているこの二千三百九十名に及ぶ方でございますが、私どももこの方々の問題につきましてはもう非常に心を痛めておりまして、この方々のうち六名の方が熊本地裁に仮処分申請をされまして、そうしてこの医療費とその他雑費といたしまして二名の方に仮処分申請が認められてチッソが払うということになったのがございます。そういうケースがございまして、私どもにも強く御要望があったわけでございますが、私どもはまずこの点は当然チッソが協定書の中においても、いろいろそういうチッソの起こした問題について努力をするということを書いておりますものですから、当然チッソがこれは払うなら払うべきであるということで、このチッソのほうの重役も呼びまして、それにつきましての、これはそれまでの医療費等の問題に一つきましてやるべきではないかということで申しましたが、チッソはその補償費を払うのにいま精一ぱいでどうにもその先に出られないということを申しておりまして、私どもはそれ以上裁判所ではございませんので強制することが行政の立場からはできないということになったわけでございます。それ以降数次にわたりまして患者さんから非常に強い御要望が出てまいりまして、確かに私どもといたしましてもいかに検診 の能力の限定があるとはいえ、一年以上あるいは一年半以上あるいは二年近くの方が中におられるというような状態に対しましては、これはもう何とか手を打たなければならないということでございますが、行政の通常のルールといたしまして、認定審査会にもかけていなくて申請を出してきた者に対してだけ医療費を出すというのは通常の行政の常識では考えられないことでございます。ただしかし、通常の行政の常識や社会常識では考えられないようなことが、二千数百名の患者さんが認定申請をして待っておられて、苦しんでおられるという事態が一方にあるわけでございますから、そこで、私どもはこの問題につきましては何とか来年度予算におきまして、認定申請を出されてそしてなおかつ待っておられる方、特にこれは今後幾らこれをやりましてもやはりこの検診促進体制というものは現在の限界がございます。そういうことで、どう見ても一年半ぐらいはかかるんじゃないかということでございますので、その待っておられる方々の、一定の条件のもとに医療費を出すということを、これはもう何とでもして、気違いのように努力をしなければなるまいということで、患者さんに対しましてきわめて行政的にはむずかしい異例のことではあるが、私どもとしても問題はわかるのでその努力を必死にいたしてみたいということを患者さんたちにお約束をいたしておる段階でございます。
○内田善利君 先月の九月二十日ですね、環境庁は百七十九人の行政不服審査請求に対して十六人だけすみやかに認否の判断を下せと、鹿児島県、熊本県両県知事に対して裁決を下したわけですが、沢田知事もこれは尊重して処分すると、再検診をして次回以降に審査の対象としたいと言っておるわけですが、これはいつ開かれるかわからない現状です。それから残り百六十三人の方々、これは未検診、未審査であるということで個別に事情を詳しく調べる必要があるということで、明日ですか、十九日が裁決の約束の日ということになっているわけですが、未検診、未審査だからということでこのように裁決がおくれたということですけれども、やはりあしたどういうふうに個々に出されるかわかりませんが、すみやかに同じように検診、審査をやれという裁決だろうと思いますけれども、やはりこの問題の核心ですね、ここにやっぱりメスを入れて環境庁の裁定をしていただきたい、このように思うんですが、明日のようですけれども、この点はどのようになされますか。
○説明員(橋本道夫君) 現在行政不服審査が三次にわたって請求がございまして、第一次は七月十六日に百七十九名、第二次が八月十七日に三百六十四名、第三次が九月十九日に百七名、合計六百五十名につきましての水俣病の旧法に基づきます行政不服審査の請求が出されております。このうちの十六名の方に、これは保留の方々ばかりでございますが、個別にこまかく審査をいたしまして、十六名の方に対しまして審査の容認ということで、すみやかに処分をするようにということを、これは裁決として去る九月二十日に出しまして、九月二十日に全部出すというお約束でしたがどうにも全部が洗えないということでこのように延びたということは私も非常にすまないことと思いますが、現実的に一人ずつの条件をこまかく洗いませんとどうにもできないということで、私どももこれは非常な、全力をあげまして現地の調査、あるいは県の調査をいたして現在までまいったわけであります。十九日に出すという約束になっておりまして、先日お見えになったときに、この十九日にわれわれは出すつもりですというお話をいたしました。それに対しまして、中央まで来るのがたいへんだから現地に来てその裁決文の説明をしてくれという強い要望がありまして、私はそれに対しまして、それでは現地に参りましょうということにいたしまして、これは患者さんの代表の方と相談した結果二十四日に現地に参ってその裁決につきましての発表をするということになります。したがって、私どもはこの現地で裁決を出すのと中央の発表とは同一にしてくれという要望がございましたので、その裁決が表に出ますのは二十四日に行なわれるということになっておるわけでございます。
○内田善利君 その裁決ですけれども、結局望んでおることは、早く審査をしてください、早く検査してください、早く審査して認定してくださいというのがやはり患者の方々の要望でございますから、それに沿った、核心に触れた裁決が望ましいと、このように思うわけですが、大石長官は四十八年の八月でしたか、疑わしきは救えと、こういう次官通達をなさったわけですけれども、聞くところによりますと、これは水俣病でないと否定できないものは水俣病と認定すると、こういうことだということですが、これはどうなんですか。疑わしいことは救えということと、水俣病ではないと否定し得ないものは水俣病と認定すると、こういうことだということですが、この真相をはっきりしていただきたいと思います。
○説明員(橋本道夫君) いまの問題でございますが、大石長官の場合の不服審査と違います点は、今回は早く処分をするようにということの要求でございまして、水俣病であるかいなかをこの環境庁が裁決をせよというものではございません。水俣病であるかどうかについての裁決をせよということは別件五十四件ございます。それはそれで現在また並行してやっているわけでございます。そういうことで、今回のものは早く認定審査をするようにということについての要望でございますので、大石長官の場合の不服審査の問題とは性質を異にしておるというところをまず申し上げておきたいと思います。 それから次は、この水俣病につきまして疑わしきは救済せよ、これは非常に、どういいますか、省略された表現でございまして、文書を読みますと、いまおっしゃった、否定し得ない——否定し得ないということにつきましては、専門家の判断をいろいろ聞いて、その上で否定し得ないかどうかということと、疫学的な条件、あるいはその人の地域環境、あるいは生活歴等、すべて考慮に入れた上でやるべきであるということで、その結果否定し得ないというものをいうというぐあいに、これは次官通牒と、それに伴った課長通牒に出ておるわけであります。私どもはこの方針をいささかも変えるものではございません。
○内田善利君 毛利長官はどのようにお考えですか。このような審査会のストップ、そして検診もストップしている状況ですね、これは明らかにあの当時より私は環境庁の行政は後退していると思うんです。どうしようもないという状態で、私は後退していると思う。疑わしきは救えと言って救済に手を伸ばした大石長官のあの当時から後退しておると、こう思うのですけれども、毛利長官はどのようにお考えですか、こういうような実態を。
○国務大臣(毛利松平君) 次官通達どおりやっているということと、それから先ほど来橋本部長が説明しておるように、患者さんの立場と、お医者さんの立場と、いろいろきわめて問題が複雑な中に全力投球でやっております。なお今後も一そうその方針で推進するということであります。
○内田善利君 この水俣病について、私もずっと見てまいりましたが、結局現況は、一つの例をあげて申し上げますが、こういう診断がなされて、水俣病ではないと——医学的最後の判定は、一、二、三、四、五とあるわけですが、四番目の、水俣病ではない、または有機水銀の影響が認められない、こういうことで否認されたわけですが、この方の病名というのは、脳卒中後遺症、動脈硬化症、仮性球麻痺、こういう診断で、水俣病ではないという判断が下っているわけですが、この人は十何年の間、あの百間湾の近くに住んで、ハマグリとかその他の貝を食べておられるわけですね。あそこのヘドロは、先ほども申しましたように一〇〇PPMから六〇〇PPMぐらいある、そのヘドロの中で泳いでいた魚、あるいは貝類を食べた、こういうこの人の生活。その生活の中に私は水俣病との関連性を持っていかなければならないんじゃないか。こういう、いま申し上げたような病名はどこでもあるわけですね。どこの人でも持っているわけです。脳卒中後遺症というのも、動脈硬化症というのも——動脈硬化症なんかは水俣病に関係があると白木先生も言っておられるわけです。あるいは仮性球麻痺ですが、こういう病々の人はどこにでもおるわけです。水俣病の場合はハンターラッセル症候群というのもありますし、その有機水銀と接触した生活をしてきた、ここが私は焦点にならなければならないと思う。その中から、どういう病気が出ている、水俣病との関係性、そういうものを検討していってはじめて水俣病であるかないか、こう診断すべきじゃないかと、——私も医者でありませんからよくわかりませんが、自分が接触した中からそう思うんです。そしてまた、水俣病については水俣の周辺の方々が一番よく知っていると思うんですね。水俣で育った方が一番よく知っていると思うんです。私も、かぜ引いたら、あっかぜ引いたとわかります。医者に見せなくても、あっ自分はかぜ引いたなとわかります。水俣の方々も、あれだけ魚を食ったんだから、あれだけあすこの貝類を食べたから危険だぞということはわかっている。そこへ持ってきて同じような症状が出てきたということになれば、確かにこれはもう自分が一番よく知っているんじゃないかと、こう思うんです。そういったことから、検診のあり方というものももう少し、単独にこの人は動脈硬化症である、この人は小児麻痺だというふうにきめないで、それとの関連性等をやっぱり調査していくという——まだほんとうの水俣病像というものははっきりしてないわけですから、私もこの質問をするために新聞を見ておりましたら、水俣病は全身疾患だと、サルで東大脳研で実証されておる、あるいは熊大の推測を裏づけておると白木教授がおっしゃっている。そしてこの全身疾患、いろんな病名をあげてありますが、これを見ますと、やはり全身疾患という立場で見ていくべきじゃないか。そして有機水銀とどれだけの接触があったかということが一番問題じゃないかと、こう思うんですけれども、この点はどのようにお考えになりますか。
○説明員(橋本道夫君) いま御指摘の方は、行政不服審査の中の、棄却されて、それについての不服を出しておられる方でございまして、私どもは慎重にその問題につきましては、特に先生の御指摘になった暴露の問題も十分頭に入れながらこの問題については公正な判断に当たりたいということであります。 もう一つは医学的な問題でございまして、この水俣病の問題は、大体分けますと、明らかに水俣病である、あるいは水俣病の疑いが濃い、あるいは水俣病であることを否定し得ない、それから水俣病であるかどうかわからない、水俣病ではない、まあそういうぐあいに熊本の審査会では言っているわけでございまして、この中の最初の三つの、水俣病である、水俣病の疑いが濃い、水俣病を否定し得ない、この三つは従来全部認定をされておるわけでございます。で、医学的に全くわからないというのが中にあるわけでございまして、その下の、わからないというのと、水俣病ではない、これはもうないというのはどうしても棄却になると、こういう形でございます。 そういうことで、この一番の問題は、水俣病を否定し得ないというものと、水俣病かどうかわからないということの中の問題につきまして医学の中で非常にいろんなむずかしい問題があるわけでございますが、私どもは、現在熊本県に対しましても、また前回の十六名の裁決を出しましたときにも、これは熊本にも参り、あるいは鹿児島にも参りましてお話をいたしましたことは、まず、やはり医学的にきっちりしたことをやってもらうことが基本ですということが第一でございました。その中で、医学的に明らかに水俣病といって診断がつく人、専門家が見て、それは問題がない。また水俣病でないという人、これまた水俣病に認定することは全然できない。水俣病かどうかわからないといった場合に、わからないと、否定し得ないというところの中で、この否定し得ないということでみんな審査会の先生方の意見が一致すれば、これはもう水俣病の中に入ってくるんです。ただ、わからないと、否定し得ないの境目が非常にこれはむずかしゅうございまして、理屈で言いますれば、水俣病の不全型の方もありますれば、あるいはまだわからない水俣病像というのもあるかもしれません。あるいは続発症や合併症があるのかもしれません。そこはおのおのの専門の医学の方が、一つは、やはり臨床でできるだけの診断をされるということでございます。で、臨床の診断は、やはり疫学の診断ももちろん参考にはなりますが、臨床はあくまでも一人の人を正確に見て、そしてその所見と、既往歴あるいは家族歴等見て、臨床医としてこれらの診断をされるわけでございますが、臨床診断がつかないというむずかしいケースになった場合に、一体どの程度疫学がこれに対して影響を及ぼし得るかというところの問題が私は行政に課せられた一番基本の問題であろうというように考えておるわけでございまして、この点につきましては、医学的に否定し得るものはこれはもう拾うわけにはまいりません。水俣病がわからないというときに、一体どういう性質のわからないというものであるかということと、その人の背景にある、先生の御指摘のあった暴露の条件、あるいは家族、それらの問題を詳しく判断した上で、臨床のお医者さんは、やはりその人が検査をし、その人が聞き、その人が見た以上のものを診断をつけるわけにはまいりません。これは臨床医としての良心であると思います。それの先に、わからないといったときに、これは従来、先生方の意見がなかなか一致しなければ認定の最終結論を出さないというところに非常に長くなる問題があったわけであります。その点に対しまして、十六名の不作為の容認におきましては早く処分をすることということを出したわけであります。そこで私ども申しておりますのは、医学的にわからないということの性質をいろいろ分けてみて、そうしてその中で、医学的にわからないということでどの程度人が法律上受給し得る資格を認めるか認めないかということを制限し得るのかというところに、これは医学と行政との役割りの非常に重大な関連性があるのではないか。そうして医学の先生方の結論がどうしてもつかない場合には、これは行政として決断をしなければならない。これは一種の不確定要素を伴いますが、やはり疫学等の問題、疫学データ等を考慮し、その上で判断を下さなければならないというぐあいに私どもは打ち出しておるわけでございます。
○内田善利君 そう言われればことばの返しようもないんですが、この審査資料を見ますと、明らかに有機水銀とは接触があっているわけですね、生活の中で。だから、水俣で生活していないということであればわかりますけれども、一応有機水銀のあるところで魚も好んで食べたと、そういうことであれば、やはりそういった面からもう少し検討すべきじゃなかったか。一口で水俣病ではないということなんですが、その水俣病ではないという結論がどういうことでなされたのか。ほんとうに有機水銀に十何年間接触してきた、そういう生活の中にもやはりメスを入れて検討すべきじゃなかったのか。また問診についても、いろいろ、本人はアルコールを好まないのに好むというところにまるがしてあったり、ネコや鶏などの死亡があった、ないというところでも、ないとなっておりますが、やはり近所の家ではあちこちで苦しんだ事実があると、やはりそういったところまでもう少し聞いてみる必要はなかったのか。あるいは家族に水俣病がいるかいないか、いないということだけですが、子供さんが悪い病気でなくなっていると、あるいは右のほうが中風で知覚がなくなっているわけですけれども、左のほうもおかしいわけですね。こういう症状があるのかどうか。大体片方だけが麻痺するのに、こちらも立てないくらいに麻痺している、こういう実態。それから目の場合も視野狭窄が相当あるわけですね。これもこういうふうに仮性球麻痺ということですけれども、水俣病によるハンターラッセル群の一つの視野狭窄ではないのかどうか。これは有機水銀と接触していなければ私は言いませんけれども、そういった点でもう少し綿密な検査が必要なんではないが。そういう判断は環境庁では下されなかったのか。第百三十一条による受診命令を出す必要はなかったのか、あるいは健康被害補償不服審本会、これを持たれたと思うんですけれども、この不服審査会ではどのように結論を出されたのか、そうしてその結論を審査請求人に通知をなさったのかどうか、この点はいかがですか。
○説明員(橋本道夫君) その方につきましては不服審査の請求がございまして、審理の対象となっている方でございます。そのケースは、現在の公害健康被害補償法ではございませんで、旧法の公害健康被害救済特別措置法のケースでございますので、新法によります不服審査会の仕事とはなりません。私どもは、いま先生からのいろいろな御意見もございました。また、御本人には私どもの課長が会いまして、いろいろお話を伺っております。そういうことで、慎重に御指摘のあったような問題点もいろいろ頭に入れ、医学の専門家の意見も徴し、そうして医学でわからないところで、そのときに行政としてはどのような判断を下すかということで、医学ではわからないからすべてノーにするというような立場には立たないで、これは暴露が非常に明らかなわけでございますから、そのときにどういう判断になるかということは、いずれこの全体の審理が終わりますと環境庁としての結論を出してくるわけです。現在審理中でございます。
○内田善利君 いまちょっとお聞きしたところでは、救済法は廃案になって補償法はいま施行されているわけですが、救済法で申請した方は九月一日からの補償法の適用にはならないということですけれども、私の聞いたところでは、この水俣の場合は、救済法が四十五年二月施行ですね、協定ができたのが、会社と全患者の協定が四十八年の七月七日。補償法が施行になったのが四十九年の九月一日。そうしますと、救済法で認定になった方々は、もちろん協定結んでその協定に従って救済を受けるわけですが、これは補償法もそのまま、たとえば介護手当とか、そういった医療費も私は支給になると、協定がない場合でもですね、一般の場合。水俣の場合は協定書がありますが、一般の場合は救済法で認定になった方は補償法でまたさらに救済されていく、救済法ではまだ申請しないで補償法ができたあと認定になった方は当然これはもう補償法でやっていくと、そのように解釈しておりますが、救済法のために不服審査はやらなかった、ただ知事の弁明書だけで裁決を下されたんですか。
○説明員(橋本道夫君) この点は法律的に御説明いたしますと、御本人は公害健康被害救済特別措置法の患者として認定申請をされておられて、そうして旧法によります認定審査会の判断でこれは棄却をされたというケースでございます。そういうことで、この新法には法律の附則十一条というものがございまして、この救済法の患者として認定されれば自動的に補償法の患者として引き継ぐということになっておりますが、御本人の不服審査の問題はあくまでも旧法の不服審査の問題でございますので、先ほど申し上げましたように、行政不服審査の手続によりましてその御本人からの請求が出、それに対する県知事の弁明、またそれに対する反論、いろいろの過程がある程度ございますが、それに基づいて旧法で申請した患者さんはまず旧法で完結をするということでございますので、旧法の患者さんが残っている以上は、その方々を旧法で認定するかいなかということをやらなければならないということが第一段でございます。 それから旧法で認定された患者は今度は自動的に新法で認定される形になっておりますから、そういうことで、九月一日以降水俣で認定申請をされる方は公害健康被害補償法として認定申請をされるわけでございますので、九月一日以降申請をされる方は公害健康被害補償法の認定審査会によって審査をされる。その九月一日以降の認定審査会の結論に対して不服がある場合には、この新法によりまして設けました不服審査会でその審理が行なわれる、こういう形になるわけであります。 そういうことで、現在この二千数百名の先ほど申し上げました人数は八月三十一日までの問題でございまして、八月三十一日までは公害健康被害救済特別措置法の時代でございます。そういうことで、この二千五百何名の方は、この旧法に基づいてまず認定をしなければならないということが一点あるわけでございまして、認定されればもう自動的に直ちに補償法の患者になるということです。
○内田善利君 それで救済法によるから、本人が不服審査請求した、環境庁に。そうしますと、知事の弁明書によってもうそのままだめですよと、こういう形でやられたんですね。不服審査会は持たないで知事の弁明書だけで、せっかく出てきた——この方はきょう見えておりますけれども、こういう不服審査できるような方じゃないんです。そういう方々がやっとの思いで出した、それが知事の弁明書だけで簡単に否決するということになりますと、大体知事が認定審査会で否認にしたわけですから、それを不服審査請求したわけですから、やはりここで補償法と同じように審査会を持ってやるべきだと思うんですね。あるいはそれに準ずるやり方でやっていただきたいと、こう思うんですが、その点はどうですか。
○説明員(橋本道夫君) これは誤解のないようにしていただきたいんですが、私どもは決してまだ棄却をいたしておりません。不服審査に出てきておりますので、審理の対象となっておるという段階でございます。 それからこの新法の不服審査会は、旧法で棄却されたものを扱う形に法律的にもなっておりません。そういうことで環境庁長官に不服が出てきまして、それに対して知事の弁明が出る、それに対してまた御本人の意見もいろいろあるでしょう。私どもは、これは別に、この行政不服審査の問題におきましては、私どもは一種の裁判的な立場にある——裁判というふうなことばは悪うございますが、レフェリー的な立場でございまして、あくまでも公正な立場で、知事がこう言っているんだからそうだということをうのみにするような形でやっておることではございません。それが四十六年の環境庁長官の裁決で、知事が棄却したものについて、それが再び患者として認定されるようになったという問題が四十六年の実例としてあるわけです。ああいうような問題になるかどうかということは、あくまでも今後の問題でございまして、環境庁といたしましては、事情をお伺いをし、これからこの問題は先生のおっしゃったようなことも頭に入れて、十分慎重にかつ公正に処理をすべきことであるということで考えておるわけでございまして、あくまでも法的に新法の審査会にはならぬ、もしもその方が新しく新法にも申請をされたということを仮定をいたしますと、その場合には、新法の認定審査会としてどういう結論が出たかということによって認定されれば非常にけっこうなことです。認定されなければ、また行政不服審査として出てこられると、その場合には、この新法の行政不服審査のための審査会で審査されることになると、このようなことでございますので、私どもは決していま先生のおっしゃったような、弁明書が出ているから、それだけを聞いてこれを棄却したというような事実は一切ございません。
○内田善利君 最後に一つ、環境庁から浦崎さんに対して四十九年十二月二日までには反論書を提出されたいと、こういうことなんですか、結論は。しかし、鹿児島県知事金丸三郎から提出されたのは、本件審査請求を棄却する裁決を求めると、こういう内容なんですね。ですから、ストレートで言っているような補償法による審査会を求めないで、旧法による場合は知事から出たその弁明書のとおりに請求を棄却する裁決を求めると、こういうことだから、当該弁明に反論のあるときは十二月二日までに提出されたいと、こういうことなんですね。非常に事務的で冷たいという感じがするわけです。補償法ができたんですから、それに準ずるような方法でもう少し検討していただきたかったと、こういうわけです。
○説明員(橋本道夫君) 再度申し上げますが、それは知事が言っている弁明でございます。その知事の弁明を受け入れるかどうかは、私どもが今後審理の結果で判断をするということでございまして、私どもはその知事の弁明をそのまま受けて、それじゃ棄却というようなことは一切申しておりません。ここで、ちょっと突っ込んで申し上げますが、御本人からそれではどういうぐあいに反論していいかわからないと、それについて環境庁が何とか人を世話をしてくれないと、こういう議論がありますが、これは非常に残念なことでございますが、環境庁は、先ほど申し上げましたレフェリーの立場でございますので、その患者さんに対して、それじゃこういうぐあいにこの人はどうですかというふうなことを環境庁自身としては、裁判官自身がそれをやるというわけにはいかないという議論と同じでございますので、その点は、私どもは御相談にはできるだけのことを御意見を聞いたりいたしたいと思いますが、私ども自身がその方自身を助けて、あるいはこの人に頼みなさいという形には、環境庁としては立場上できないという問題があるところは、御本人として御不服があるところだと、私どもは慎重にその問題に対しまして対処したい。特に、先ほど申し上げました、前回の四十六年の大石長官の裁決というのは、そのような形で環境庁事務当局として、この行政不服審査をした結果として出てきたものであるということも一応念頭に置いていただきたいと思います。
○内田善利君 長官、最後にお聞きしたいと思いますけれども、こういう状況でございますから、長官、やっぱり公害問題を論ずるためには、あの水俣病の胎児性水俣病患者、ああいった方々に一ぺんお会いしていただくと、あの悲惨な公害病はもう絶対に起こしちゃならないという、直接、はだに触れる感覚になると思うんですけれども、そういったことで、一日も早く患者にも会っていただきたいと思いますし、こういった二千数百名の方々が申請をしながら認定もされないという状況ですから、これに対してもひとつ長官の、今後のあと追いじゃなくて積極的な取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(毛利松平君) 御質問の御要望のようにつとめたいと思いますし、なるべく早い時期に現地に参りまして、はだで感じたいと決意をいたしております。
○小平芳平君 いまの水俣病のことでちょっと一言お尋ねしますが、橋本部長は、被害患者さんと、それから医師団との不信感は二五%くらいの人だというふうに言ったでしょう、さっき。で、それは毛利長官あるいは城戸局長、この水俣病の底知れない被害、それはパーセントで表現される、それが不信感じゃないと思うんですよ。要は、じゃあ水俣病という医学的に——医学的、医学的と先ほどから言われますが、じゃあだれが一番よく水俣病のほんとうの被害がわかっているんですか、あるいは先ほど内田委員からも指摘されたような、ほかに病名がつけば、ほかの病気で説明がつけば救済対象からはずされるというようなことが行なわれるとすれば、その辺が一番の不信感の根本じゃないですか。それが二五%とか、三五%とかいう、そういう問題じゃないでしょう、いかがですか。
○説明員(橋本道夫君) 私、先ほどパーセントで申し上げましたのは非常に不適切だったと思います。これはおわび申し上げたいと思います。申し上げたいのは、検診協議会の方々の人数ということと、全体の生きておられる方々の人数ということで申し上げたので、それで不信感のすべてをあらわし得るとは思わないということで、先生の御指摘のとおりだと思いますから、これは訂正させていただきます。 ただ、患者さんのグループを全部回ったときに、すべての方があれはだめだとおっしゃったわけではないということでございまして、これにつきましては患者会の方々のところを全部回りまして、会合ごとにお話をしたときの印象を申し上げて、やはり一部の方々がと言うことのほうが私は正しいというぐあいに思います。
○小平芳平君 ただいま武内教授は今回入っておりませんね、この結果、どういうふうなことが起きると思いますか。
○説明員(橋本道夫君) 武内教授は新しい委員にはならないということをおっしゃっておられて引かれたわけでございまして、私は、新しい認定審査会はあくまでも公正にやるべきことであるというぐあいに考えております。新しい認定審査会が曲がったことをやるというような先見的な考え方は持っておりません。
○小平芳平君 それじゃ水俣病に一番詳しい人はだれですか。
○説明員(橋本道夫君) 水俣病の生活体験と苦しさを最も知っておられる方は患者さんであり、家族でございます。医学的にそれをどう見るかということにつきましては、私はやはり医学のいろいろな方々がそれぞれの分野でそれぞれの持っておられる現在の知識の時点での限界がありますが、その医学的な立場を医学の専門家が言うことを、これは私どもはまたそれも否定し得ない事実だと思います。ただ、医学だけで全部が判断できるかというところに私どもは問題があることだというぐあいに考えます。
○小平芳平君 これはもうこれで申し上げませんが、長官にも、城戸局長にも、橋本部長にも最後に申し上げておきたいことは、水俣病の集中検診四百九十名を割ったというふうに言われますが、確かに医学的にすぐれたお医者さんでしょう。医学的にすぐれたお医者さんでしょうが、その方々がはたして——医学的にはっきりしない分があるわけでしょう。水俣病は一体どこまでいくんですか、それじゃ。これが水俣病の被害のすべてだと いうことがだれが言えますか、いま。したがって、私は、もちろん苦しみは患者さん御自身であるとともに、また、水俣病に一番詳しい方は患者さん自身であり、家族の方であり、地域に住んでいらっしゃる方が一番詳しいです、何といっても。それから若くて水俣に住みついて患者さんのお世話をしていらっしゃる青年は実に詳しいです。ですから、そういう点もひとつお考えいただきたいということを要望いたします。 で、私の質問は林野庁に対してですが、スーパー林道と称して林野庁はずいぶん林道工事を始められた。で、まあ具体的に申し上げますと、南アルプススーパー林道あるいは大雪国立公園内の林道ですね、これはつけかえ工事になるわけですが、こういうのは工事がストップしているわけです。で、私は林野庁に二つお尋ねしますからお答えいただきたい。スーパー林道の計画はどういう計画をされておられるか、今後どういう計画があるのか、それから具体的な南アルプスと大雪国立公園内の、これはどういうふうにこれから処理されるおつもりか、お伺いしたい。
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいま御質問の第一点でございます。スーパー林道の計画でございますが、スーパー林道は昭和四十年度から開始いたしております。全体計画といたしましては二十四路線を計画いたしております。そのうち四十八年度までに二十一路線を着工いたしておりまして、本年度新たに二路線を着工いたしております。なお、そのうち本年度で九路線が完了いたす予定でございましたが、大体昭和五十五年ごろまでに完了したいということで計画をいたして、また実行をいたしておるのでございます。なお、残り一路線ございますが、これにつきましては、現在その路線の選定等につきましていろいろ検討をいたしておるところでございます。 なお、現在このような、あるいは旭川管内におきますつけかえ道路等いろいろございまして、それらにつきまして、私ども自然保護というような面からいろいろ御指摘等をいただいておりまして、それらを十分配慮に入れながら今後も慎重な処置をしてまいるというような姿勢はずっと持っておるわけでございます。今後もそのように続けてまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 そういうわけのわからないことじゃなくて、工事が中止しているでしょう、南アルプスあるいは大雪公園内。で、はっきり申しますと、地元にとっては迷惑千万なんです。南アルプスにしましても、あそこまで環境を破壊されて、そして道路はできておりませんし、そのままほったらかしてしまうのか、早く環境をもとへ戻してくれるのか、それを聞きたいわけです。
○説明員(松形祐堯君) まず南アルプススーパー林道でございますけれども、昭和四十二年度から着工いたしまして、全長五十六・六キロという延長でございます。その新設あるいは改良等を含めての五十六キロでございます。現在いろいろ事業計画等に基づきまして四十八年度で九七%が完了いたしておりまして、あと千六百メーターということで工事がストップいたしておるわけでございます。私どもといたしましては、まあ林野庁という立場からいたしますと、計画どおりに事業を完成いたしまして、スーパー林道としての実効をあげるようにという立場でございますけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろ問題があるというような御指摘等もございますので、関係省庁ともこれから十分連絡をとりながら進めてまいりたい、かように考えておるのでございます。 なお旭川の大雪狸台林道でございますけれども、このストップいたしておりますのは第三狸台林道の千五百メーター部分を現在検討中でございまして、非常に急峻なところでもございますし、あるいは自然保護という問題等もございますので、現在、環境庁なりあるいは北海道開発庁というようなところとも十分相談を続けておる、こういうところでございます。今後もこのお話がついた段階におきまして実行するなり、あるいはそれなりの対処のしかたを考える、こういう姿勢をとっておるところでございます。
○小平芳平君 環境庁長官はいかがですか。だいぶ新聞で見ますと、高遠ですか、高遠で演説をなさったように報道されておりますが。
○国務大臣(毛利松平君) 地元住民のこの道路にかける願いもよくわかります。さらに、自然保護の立場からいかにこの自然保護が重要な問題であるかということはさらによくわかります。したがって、慎重に検討をする必要があることを自覚いたしております。今後は関係省庁と十分協議を重ねまして自然環境保全審議会の意見を聞きまして最終的な方針を決定したいと考えております。
○小平芳平君 一つは、これは長官あるいは事務当局に御答弁いただきたいことは、この南アルプスにしましても、大雪国立公園内の林道にしましても、これは林野庁が国有林の管理あるいは材木の切り出し、それだけが目的でないことはもうはっきりしているわけですね。また、林野庁御自身も、これが単なる林道という、林道とは言いながら、そういう国有林の管理と材木の積み出しだけじゃないと、当然これはレクリエーションにも使われるだろうし、あるいは産業道路にも使われるだろうと、観光道路にもなるだろうということはもう初めから計画の段階でわかりそうなものなんです、あの南アルプスが抜ければ、伊那谷から甲府盆地に出られるということはもうだれが見たってわかるわけですから。そういう場合になぜいまのようなスーパー林道と称して森林開発公団ですか、そういうところに工事をやらせるのか。その辺をもっと幹線道路なら幹線道路らしく、建設省なりあるいは環境庁なりそういうところで初めから審議されてしかるべきじゃないでしょうか。
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。 ただいまいろいろ御指摘ございましたが、スーパー林道としての性格的なものがあろうかと思います。スーパー林道といたしましては、森林開発公団法の第十八条に基づきます林道でございまして、この内容によりますと、地勢等の地理的条件が悪くて、かつ豊富な森林資源の開発が十分に行なわれていないという地域の林道網の基幹となるものである、こういう林道でございまして、その中には地域における林業以外の産業の振興ということにも寄与するということを目的といたしております。したがって、先生御指摘のとおりに、木材を搬出するとか、あるいは森林の施業をやるとか、そういうだけのものではございませんで、地域産業の総合的振興とか、あるいは地元住民の生活便益とか、そういうものを踏まえまして私どもは林道の性格として理解をいたしておるわけでございます。 なお、このスーパー林道は非常に大型な延長の長いものでございますので、御指摘のように、県から県へ越すというようなところでもございますので、この基本計画の策定とかという場合は必ず建設省の道路計画というものと十分調整をとり、御相談をいたしまして実行いたしておるわけでございます。
○小平芳平君 そういう趣旨のことはぼくが説明したわけですよ。ですから、そういう趣旨の道路をつくる場合に、環境庁なぜ——南アルプスのように、この段階へきて、それで自然破壊が激しい、崩壊も激しい、地元にとっては迷惑千万です。こういうことを繰り返されたんじゃ困ると言っているんです。いかがですか。
○説明員(柳瀬孝吉君) この南アルプススーパー林道は昭和四十三年に森林開発公団から申請がございまして、その時点で了解をいたして、いろいろの条件はつけましたけれども了解をしたわけでございますが、その了解する場合に条件がついておりまして、いまの北沢峠部分の工事を実施する場合にはあらためてその実施計画書を出していただきたいということで、この実施計画書がことしの六月に出てきたわけでございます。で、私どもといたしましては、この六月に出てきた段階で、単に北沢峠部分のいわゆる原生的自然環境というものがこの道路を通すことによってどういうふうに生態系が変化するかということだけでなく、その部分を通すことによって道路全体がどういう状態になるかということもあらためて検討したいということで、それにはやはりさっき先生おっしゃいましたように、スーパー林道というものが林業の施業だけの目的でないわけでございまして、いろいろな産業的な、産業振興的な目的あるいは生活道路あるいは一般の普通の自動車が通るというようなこともございますので、それによる一体影響がどうなるのか、あるいは林業の施業上のメリットはどういうメリットがあるのか、一般のマイカーその他を通すことによってどういうメリット、デメリットがあるのか、それから生活道路としてのメリットがどういうふうにあるのか、あるいはそれを通して自動車がたくさん通るということによって自然環境というものにどういう影響を与えるのかとか、そういうことも全般的に検討したい。特に承認をした時期から比べまして、現在まで特に高山地帯、亜高山地帯のような高いところを通る山岳道路についてはいろいろ考え方も非常に変わって、自然環境の破壊に対するきびしい批判というものもございますので、そういう面も考えながら、この問題について十分慎重に対処したいということで現在検討しておるわけでございます。
○小平芳平君 毛利長官、こういうやり方は二度と繰り返してもらいたくないですね。いかがですか。
○国務大臣(毛利松平君) 私も現地を見まして、工事が非常に荒い点、いろいろな点、亜高山地帯の状況等を見まして、いろいろと特に考えさせられた点があります。したがいまして、これから日本の大切な自然を守るという骨格を大前提にして、その骨格、自然をこわさない範囲にものを検討しなければならぬ、それは大前提であるという基本をひとつしっかりしなきゃならぬ。それからその他の諸要件で工事をやる場合、工事の施工法についてもっともっと愛情が厚いといいますか、近代的な科学の利用といいますか、施工法を考えてもらいたい、そうしたよほどいろいろ曲がりかどへきておる、注意しなければならぬ点があると、こういう点を考えております。
○小平芳平君 毛利長官、今度の南アルプスのスーパー林道の場合は昭和四十二年の厚生省の当時だそうですが、その当時はそういうふうにきまったんでしょうが、現在から考えてみますと、ずいぶん乱暴なことをやったもんだと、もっともっといま長官が御発言のように自然を大事にしなければいけないと、日本は。日本はということないですが、わが国の自然をもっと大事にしなければならないという基本に立って今後はやらなくちゃならない。それで、そういう場合、自然環境保全審議会へ長官諮問するまでもないじゃないですか。
○説明員(柳瀬孝吉君) この問題は正式に自然環境保全審議会に法的に諮問をするという性質のものではないわけでございますが、先ほども申しましたように非常に事が重大なわけでございまして、いろいろとほかのスーパー林道というようなことの今後の建設問題とか、いろいろな問題に関係もある問題でございますので、こういう重要な問題につきましてはやはり環境庁だけが専断でこれを判断をするというようなことは——従来もそういう重要な問題につきましては審議会の御意見を伺いまして、それを重要な参考といたしまして判断をするというふうになっておりまして、今回の場合も私どもそういう専門家の方々の貴重な御意見、御判断を伺った上で判断をしてまいりたい、こういう意味でございまして、法律的な諮問ということではございません。
○小平芳平君 したがって、毛利長官、全くのこの役所の責任のがれのために一応審議会へかけようと、御意見を聞こうというだけであって、結論としてはあのような自然破壊は許されるわけはない、あの破壊された自然、あるいは長官は二十一億円かかったものが云々というふうな発言をしておられるやに報道をされておりますが、こういうようなことはもう今後繰り返すことは相ならぬことは当然のこととして、この南アルプススーパー林道のことにつきましても、相当積極的な判断、積極的な自然環境保全への姿勢、これこそ環境庁長官の任務ではありませんか。
○国務大臣(毛利松平君) 御質問の趣旨、よくわかります。本件についてはそうしたことも頭に置きながら、より多くの権威ある審議会の方々に御相談した上で結論を出したい、こういう方針にきめておるわけであります。
○小平芳平君 私は、御相談するまでもなく長官はっきりしているじゃないですかと言っているわけですがね。 それから富士スバルラインというのに長官行かれましたか。あるいはこれ環境庁としまして、わが国では富士スバルライン、あるいは乗鞍の有料道路——乗鞍の場合はほとんど頂上まで自動車がどんどん入っておりますが、こういう点についてどう考えておられますか。
○説明員(柳瀬孝吉君) 富士スバルラインも乗鞍あるいは立山、そういうようなところも、これはいずれも二千メートルをこす高山地帯あるいは亜高山地帯を通る山岳道路でございまして、したがいまして、先ほど申しましたように、そういうような道路につきましてはいろいろと自然環境の保護というような問題から問題があるわけでございまして、これは自然環境保全審議会の林自然公園部会長が北海道の大雪山の縦貫道路を審議して、これを廃案にするという御意見を出された際に言われました、山岳道路につきましては相当慎重にやらにゃいかぬ。特に今後は亜高山地帯とか、高山地帯とか、あるいは急傾斜地とか、崩壊しやすい地形のところあるいは地質の地域等が緑化復元の困難な地域——復元が困難というのは、亜高山、高山地帯の植物なんかは非常に一ぺん破壊されると復元しにくい、樹木の性質上しにくい樹木が多いということで、たとえば富士スバルラインにつきましても、一合目から二合、三合目ぐらいまでは相当緑化修景をやっておるのでございますが、四合目、五合目はなかなかこれがしにくい。もう木が倒れて、倒れっぱなしで、あと植林をしてもなかなかはえないというような状況になっているという例にも見られますように、非常にこういう高山道路、高いところを通る道路につきましては、いわゆる自然環境問題というものが非常に重要な問題になってきておりますので、そういうところはよっぽどのことがあって、どうしてもそこをほかの理由で——そこ以外にかわる適切な手段が見出せない、いろいろ経済的、社会的な観点等から見て、どうしてもそこに通さなければならぬというような特別な事情でもない限りは、そういうような地域には今後は道路を通すべきでないと、こういうような御意見、談話があるわけでございます。そういうような考え方が今後も非常に道路建設問題について重要な参考になってくるのじゃないかと、こういうふうに思っております。
○小平芳平君 そこで林野庁、いまのように立山、乗鞍、富士ですね、そういう経験はもう積んできている。ですから林野庁も、そういう高山地帯、亜高山地帯の林野がどういうふうに影響を受けるか、植物がどういう影響を受けるか、それこそ林野庁だってそういうことはわかっているはずですよ、勉強もしていらっしゃると思うのですよ。ですから南アルプスの場合、先ほどは関係官庁の意見がまとまったら北沢峠を通すということですか。それからまとまらなかったら放棄するわけですか。放棄する場合の復元はどうしますか、そうすると。
○説明員(松形祐堯君) ただいまいろいろ植物へのあるいは生態系への影響というようなお話がございました。私、現実には行ったことはありませんけれども、写真とか、あるいは何回ともなく調査もいたしております。現在ほとんど九七%終わっております。したがって、まだ普通のマイカーとか、そういうものがラッシュで通っているという実態はございませんけれども、いまのところ林道開設による枯損木がきわめて出ているという実態はないように聞いております。 なお、残っております千六百メートルの中で七百五、六十メートルが特別地域の中に入っておりますが、現実にはそこが四、五メートルはすでに歩道的なものといたしまして伐開されておりまして、現在それが開通いたしましても、約三百本程度の林木を切るという程度で貫通するというふうにも私どもは設計いたしております。また、それを協議いたしておるわけでございます、環境庁のほうと。私どもの立場といたしましては、所期の目的が貫通というようなことで達せられれば一番ベターであると、まあこういうことを考えておるわけであります。
○小平芳平君 貫通できない場合。
○説明員(松形祐堯君) 貫通できないという場合に起こる問題というものが相当ございます。スーパー林道というものは国庫補助が三分の二でございまして、あとは県なりその地元の負担ということになっておりまして、これがすでに二十一億投入されておりますし、今後すでにのり面緑化とか、あるいは一部林道工事のために崩壊を生じているというようなところ等を考えますと、大体今後も相当な金額を要するわけでございます。これに対しまして地元の森林所有者なりあるいは県の負担というようなものが全く計算を変えましてこれが賦課をするというようなこともございます。もちろん諸計画というものがすっかり変わるわけでございます。特にこれは県なり町村あるいは地元の森林所有者、特に森林所有者、個人的な私有林でございますと無償でこの土地を提供いたしておるわけでございます。そういう方々への賦課金をどのようにするか、非常にきわめてむずかしい問題がそこに内在いたしておりますので、私どもここでこれをどうするのこうのということは申し上げられない段階でございます。
○小平芳平君 そうすると、毛利長官、貫通できない場合は林野庁はこうだと言われますが、それに対して、長官、どう感じられますか。
○説明員(柳瀬孝吉君) 先ほど高山道路の問題について一般的なお話を申し上げたのですが、この南アルプススーパー林道の場合には、いままで工事をそこまで承認のもとにやってきているというそういう現実ももちろんあるわけでございまして、そこでそういう貫通しない場合にはどういうメリット、デメリットがあるか、もし通す場合にはどういうメリット、デメリットがあるか、それから、それがもしも貫通するというような場合に維持管理がどうなるのか、あるいはその道路の安全性を保つというようなことについてのどういう措置ができるのかどうかとか、いろいろな問題がまだ残っておりますので、私どもも今後林野庁ともよく御相談をし、またそれ以外のいろいろな関係の省庁もございますので、そういうところの御意見も伺ったりいろんな資料を整えまして、その上で審議会におはかりして、十分な審議を尽くした上で結論を出していきたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 それはいつごろになりますか。
○説明員(柳瀬孝吉君) いろいろの問題があるわけでございまして、まあ審議会にただすぐかけて、いろいろ聞かれましても、これもわからぬあれもわからぬではぐあいが悪いので、そういう資料をいろいろと整えますとやはり相当の時間がかかるかと思いますけれども、できるだけ早い機会に資料の整い次第かけたいと思っております。
○小平芳平君 毛利長官、もしこの審議会にかけるなら初めからかけるべきであって、ですから、もうここまできて、実態はこれこれしかじか、メリット、デメリットって盛んに局長は言われますが、もう論じ尽くされているのじゃないですか。ですから、毛利長官としては、まあ審議会の意見を聞いてからと、こういうことしかおっしゃらないと思いますけれども、いつごろまでに結論を出したい、あるいは貫通できない場合はどうしたいというような御意見はありませんか。
○国務大臣(毛利松平君) いま局長がお答えいたしましたように、貫通しない場合のメリット、デメリット、貫通する場合のメリット、デメリット等等に対するきめこまかい調査、裏づけをいたしまして、そしてわがほうの環境庁の根本である自然保護という骨格を大きく打ち出して審議会に判断を願うと、その裏づけとなるものはどちらに判断が出ましても、この問題がすでにこれから始めようという問題ではなく、すでに二十数億円を費やしてこれだけ問題を提起したという問題でありますから、過疎の人々に対しても、その逆になった人々に対して、かりに開通しない場合のことを想定いたしました場合に、やはり説得への愛情、努力も裏づけもまた必要だろうと思いますし、いろいろやはり手放しでなく真にきめこまかい今後の努力が必要だと思います。そうしたことも時間をかけてやらなければならぬと考えております。したがって、いつまでにやるかということは、私のほうとしてはなるべく早く局長以下にそのきめこまかい裏づけ調査をやるようにということをいま命じておりますが、したがって審議会の方々が現地を見るということになれば、もちろんおいで願わなければならぬこともありましょうし、冬、雪が積もってくれば見えなくなるでしょうし、そういう事態にも出くわすかもしれないし、したがって、いつまでということは明確に私も答えられない、なるべく早く処置をすべきであると、こう考えております。
○小平芳平君 それじゃ長官、要するにこういう計画は失敗だった、こういう失敗は繰り返しちゃいけない、率直にこういう気持ちはいたしますか。
○国務大臣(毛利松平君) 同感です。
○小平芳平君 それでは今度は次の問題ですが、これは時間がありませんのでまとめて質問いたしますが、北海道の伊達火力発電所の建設について、先ほど当委員会の派遣報告が原理事から行なわれました。私はその委員派遣には参加できませんでしたが、通産省に次の点をお尋ねしたい。この伊達火力は先ほどの報告にもありましたように、機動隊を導入してというようなことで強行着工された。私が現地をたずねた段階では、埋め立てというか堤防工事が行なわれているわけですね。この堤防工事のために海水がよごれてきているということが第一点。 それから第二点は、フェンスで港をつくるところを囲ってあるから、このフェンスで囲まれているから汚染は海へ広がらないという説明にもかかわらず、フェンスが破れて、先ほどの報告にもあった有珠漁場へごみが流れ込み、有珠はごみのたまり場みたいになっているという点。 それから第三番目には海流が変化した。これは小さな堤防工事、港をつくる工事とはいえ、やはりそれだけ海へ突き出していくから、それだけの変化が起きるというのは当然だと思うのです。こういうようなことが伊達火力発電所建設にあたって——まだ火力発電所は動いているわけじゃない、もちろん。工事の段階でこういう汚染がもう表面化している。その上、赤潮も発生したという現実もあるわけです。あるいは、ホタテガイの稚貝が一部で全滅したというような点もあるわけですが、こういう点、通産省はどういうふうにわかっていますか。
○説明員(伊藤栄一君) ただいま先生の御質問は、伊達火力地先の噴火湾の濁りの問題と、その堤防の築造によります海流の変化と、赤潮発生及びホタテガイの稚魚の全滅した事件についての御質問と思いますが、湾内の濁りにつきましては、先生御指摘のように、現在汚濁防止をはかるためにシートを張っておりますが、そのほかに築造にあたりまして投石工事を行ないますが、その石の洗浄を行ないますこと、それから従来しゅんせつにあたりましてはバケット型のしゅんせつ方法を採用いたしておりますが、濁り発生の少ない吸い込み方式に切りかえますといいますか、そういう新しい方式を採用する、そういったことで対策を講ずることといたしております。それから工事中につきましては、地元道庁ほかの御指導を得まして、その濁りの定期的な測定監視を行なう、そういうことで対応いたしております。 それから海流の変化につきましては、防波堤及び護岸の築造によります海流の変化が予想されたかどうか、そのアセスメントを行なったかどうかという点でございますが、公有水面埋め立て免許に際しまして、北海道庁によって検討がなされた、そのように聞いているところでございます。 それから赤潮の発生につきましては、本年七月港湾工事による汚濁防止シート内の海面が懸濁いたしましたために、通産省、環境庁、水産庁がともに現地に立ち入り調査を行ないました。その結果、汚濁防止シート内に屎尿処理排水が放出されている。そういう結果がわかったわけでございますが、その対策といたしまして、沈でんろ過した屎尿処理水の汚濁防止シート内放出を切りかえましてシートの外へ出すようにいたしました。それから汚濁防止シート内海水につきましてはシックナーによる浄化対策等を対策といたしまして工事させて、現在は特に問題になっていない、このように理解いたしております。それからホタテガイの稚貝が全滅したかどうかということにつきましては、現在本件は訴訟によりまして係争中でございますので意見を申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますが、北海道水産部で八月下旬から九月の初めにかけまして、この事件のホタテ稚貝の斃死に関する調査を行なっていると聞いているところでございます。 以上でございます。
○小平芳平君 一々質問を繰り返しません、時間がもうありませんので。私が指摘したような問題は地元の漁業者がこぞって訴えていることですが、これに対して北海道電力は断じてそういうことはないという一点張りで、ちょうど私が間へはさまっちゃったわけです。ですから、そういう点ですね、通産省としては、これだけの工事をすれば何らかの影響が起きるのは当然。それはいまあげた中には工事に関係が直接あるもの、ないもの、あるでしょう。あるでしょうが、何の影響もない一点張りではねつけるという電力会社の姿勢は、私はけしからぬと思うのですよ。ですから、そういう点、通産省から、先ほどの委員派遣報告にもあったのですが、もっと政府が、通産省が、電力会社に対してどういう影響が起きたか——これだけの影響が起きた、それは漁民の言うとおりなら言うとおりだと認めるべきです。そういうように指導していただきたい。よろしいですね、それは。 それから環境庁は、伊達火力についてはそういうことが起きているということを覚えておいてください、またあらためて質問いたしますから。 それから環境庁に最後に一問伺いたいことは、水銀の汚染発表をされましたが、環境庁の環境基準は〇・五PPBを検出限界として発表されている。ところが厚生省のほうの水道の規制は一PPBですね。一PPBで規制値としている。つまり環境庁の水銀の環境基準の倍を厚生省は水道の基準値としております今日現在、これではおかしいと思いませんか。
○説明員(大場敏彦君) 水道水の水質基準の問題と、それから環境基準の環境基準値が異なっているではないか、こういう御指摘だろうと思いますが、まず水道水の水質基準につきましての考え方を御説明申し上げますと、水道の水質基準につきましては、これはいわばじゃ口をひねって給水栓から給水される水道水、そういったものを考えまして、それについての満たすべき要件というものをきめておるわけでございます。つまり、そういった水が人の健康上どう影響を及ぼすか、あるいは飲む人に不快な影響を与えないかどうか、こういった観点からきめているわけでございます。一方、環境基準でございますけれども、これも人の健康を保護したり、あるいは生活環境の保全と、こういった観点からきめているわけでございますが、ただ環境基準のほうは飲料水基準だけとは違いまして、それももちろん含みますが、水道用あるいは水産用、工業用、農業用、いろいろな利水目的があるわけでございますが、そういった利水目的というものを総合勘案して原水として満たすべき要件というものを基準化している、こういったことでございます。特に人の健康にかかわる環境基準につきまして、たとえば水銀、そういったものにつきましては、いろいろ利水目的があるわけでありますが、そういった利水目的からいろいろなレベルは出てくるわけでございますけれども、そのレベルの中で最もきびしいレベルを採用して環境基準としてこれを適用していると、こういったことでございます。そういう意味で、従来は水道用としてのレベルが一番きびしかったわけでございます。そういう意味で水道水の水質基準をもって環境基準としてきめておったと、こういう経緯が過去にはあったわけでございます。今回、この九月に環境基準を改定いたしまして、総水銀の環境基準を変えたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、その基準は先生から御指摘がありましたように〇・〇〇〇五PPMと、こういったきびしい数値に改めたわけでございますが、これはこの観点、改めた視点は、つまり総水銀の環境基準として最もきびしいレベルを採用するというのが環境基準をきめる場合のルールでございますが、水産用としての、水産用水としてのレベルをどうするかということが今回見直されました結果、やはり水産用としては一番、むしろ飲料水としての基準よりもっときびしいレベルをとるべきであると、こういった視点が出されまして、それをもって環境基準としたと、こういったことでございます。したがいまして、環境基準の考え方の中には、環境基準の値が水道の水質基準よりもきびしくなると、こういった事情は出てくると、こういったことでございます。 なぜ今回きびしくなったか、その理由は水産用水としての観点からきびしくしたと、こういったことでございますが、これは先生御承知のとおり、魚の生物濃縮、こういった観点から人間が単にじゃ口から水を飲んで、そこから水銀が人間の体内に入る、こういったものよりも、魚の中に自然の環境から蓄積されて、それが生物濃縮されて、それを人間が摂取して汚染されると、こういったことを特に重視いたしまして、そういう観点から特に環境基準はきびしくしなければいけないだろうと、こういったことできびしくしたわけでございます。
○小平芳平君 環境庁長官、私の意見に同感だと思いますが、こうやって局長に説明してもらうと、同じことをくるくる回って、言わんとすることがよくわからなくなっちゃうし、厚生省に説明してもらうと、また同じことをくるくる回ってわからなくなるんですが、私はきわめてしろうととしまして——今回環境庁のきめた環境基準、水銀の環境基準があるわけです。ところが、厚生省できめている水道の環境基準は、水銀については倍ゆるいわけです、水道のほうが。なぜ水道のほうがゆるいかというと、水道というのは人間が飲むから安全だ、環境のほうは魚が蓄積するから危険だと、こういう説明なんです。ですから、それは理屈の上でどうなるか、そういう生態学的な研究はこれからしていただくとしまして、しろうととしましても、あるいは国民としての立場からも、やはり環境基準が環境庁できびしくなれば、やっぱり人間の飲むほうの水も同じようにきびしくしろと、こういうふうに言ってください、同感でしょう。
○国務大臣(毛利松平君) 先生に言われると、ごもっともでございます。
○小平芳平君 以上です。
○沓脱タケ子君 それでは最初に、大阪国際空港周辺の公害問題について若干お伺いをしたいと思います。 端的にお伺いをいたしたいのですけれども、去る八月の十九日に毛利長官、大阪空港の騒音公害の実態を視察のために空港周辺を御視察いただきました。そうして伊丹市や川西市、豊中市などをずっと回られて、最も至近距離にあって被害の激甚地であります豊中の勝部地区、ここへ御視察をいただきまして、住民の声を直接お聞きをいただいた際に、そのあとで大阪空港事務所での記者会見で、豊中市の勝部地区の鼻出血被害の調査結果を待たずに救済の手を差し伸べたいというふうに記者会見でお述べになられたということで、これは国として初めて、長年、ここ数年来のたいへんな問題であったところを、国として初めてお考えを明らかにしていただけたということで、この報道を通じて被害に苦しんでおる住民がたいへん大きな期待をしておりますし、たいへん重要な発言だというふうに考えておる次第ですが、そこで長官にお伺いをいたしたいのは、帰京されてから、従来因果関係が明確でないということで何ら手を打たれずに放置をされていたわけですけれども、そうではなくて、調査結果を待たずに現実に被害者が困っておるのだから救済の手を差し伸べるというふうにおっしゃられたわけなんで、お帰りになって具体的にどういう対策をお進めいただいたのか、これを最初にお伺いをしたいわけです。
○国務大臣(毛利松平君) 過日視察の際に、鼻出血問題は何とかしなければならないと実際に痛感をいたしまして、現地でその真情を吐露いたしました。帰りまして運輸省にもこの趣旨を伝えて検討をお願いしておるところでありますが、なかなか進んでいない点があるのでありますが、環境庁としては先般来の、いま言う原因その他の問題を至急調査をしたい、調査結果の分析が先決だという考え方でこれを急がしておるというのが現状であります。したがいまして、いささか責任を痛感しております。
○沓脱タケ子君 声が小さくなって、そういうおっしゃり方はちょっと受け取れないのですがね。調査をする、調査をするということにつきましては、環境庁でもこれは議事録を拾っただけでも、四十七年あたりから、公害関係でも、あるいは運輸関係でも指摘をされて、そのたんびに——私は公害関係のをたまたま拾い上げてみましたけれども、すでに四十七年の九月に——小山長官時代ですよ、そのころに十分調査をやりたいと。それからその当時の大気保全局長山形局長もそういうふうにおっしゃっておられるというふうなことで、調査というのは、もうここ数年来そのことが問題になって調査をします、しますと言うて被害をそのまま放置してきた、その姿を長官この間おいでになってごらんになったんでしょう。そうしてこれは調査の結果を待たずに、これは被害はほっておけないから何とかしましょうということをおっしゃった。だからたいへん期待をしていた。ところが、帰ってこられて運輸省に言うたけれども、なかなかむずかしいので調査の結果を待っておりますということでは、これは国民に対してうそをついたことになりますよ。一国の閣僚が国民の前で明らかにされたことを変えられたら、態度が加わるというふうなことではこれはもう国民に対して申しわけないでしょう。無責任きわまりないと言われてもしようがないと思う。どうなさるんですか。 それでは具体的に聞きたいんですけれども、運輸省へどういうふうにお伝えになったんですか。
○説明員(春日斉君) 過般大臣が現地視察されましたときに随行いたしました者として、当時のことを若干振り返ってみたいと思うわけでございますが、この鼻出血問題の調査は先生の御指摘のようにいろいろな経緯がございます。本年の二月の二十七日だと思いますが、大阪の国際空港裁判の判決がございました翌日でございます。三木前長官に訴訟団の方々からこの鼻出血問題について陳情を受けたのでございます。そうして三木前長官は調査の実施についてお約束をなすったのであります。そして同日の国会においても同様な発言をされたことによりまして、私どもはこの鼻出血の問題調査を、疫学的、臨床医学的な方法による健康調査、あるいは航空機排ガスによる大気汚染の測定、航空機騒音の測定、そういったものを総合いたしまして勝部地区と、それから対照地域と、どういうふうに鼻出血の実態があろうかということを調査を現在いたしておるところでございます。 そこで、先ほども毛利長官が現地でその真情を吐露したのであると、こうおっしゃったのでございますが、私そのとき理解いたしました限りでは、調査を行なっておると、しかしながら因果関係が航空機の排気ガスとあるのかどうか、あるいは航空気騒音と鼻出血の因果関係があるのかどうかと、そういった因果関係の論議をいたしておりますと、これは二年、三年あるいは五年、十年かかるかもしれぬ、そういうような長期の因果関係の疫学的、臨床医学的な結論を待たないで、ともかく関係がありそうならばそれについて一刻も早く処置をしたいと、こういうような趣旨の御発言がございました。そうしてお帰りになりまして、運輸省のほうに伝えたのでございます。したがいまして、何と申しますか、一体どの地区にどのぐらいな患者さんがいらっしゃって、そしてそれは対照地域に比べてどのぐらい多いのか、鼻出血というものは全く航空機と無関係なところでも子供はときおり出すわけでございますので、そういったものと比べましてどの程度多いのであろうかとか、そういった比較調査を現在いたしておるわけでございますので、その分析が先決なのでこれを急がしている、こういうふうに毛利長官が答えられたわけでございます。運輸省に対しましてもそういった趣旨を十分お伝え申し上げまして、御協力いただきますことを要請いたしておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 春日局長に聞いてるのと違うんですけれどもね、あなたは現地におったというから、そういうふうにおっしゃるのだけれども、私はその現地にいなかったけれども、わが党の村上代議士が現地で長官とも御一緒でおって、そのことについてのお話し合いをされているわけですよ、そのことをあなたがおっしゃるなら。で、調査、調査といって因果関係が明確でない、明確にならないというままで被害者が放置をされているということでは困る。だからむしろ医療救済措置ぐらいはすぐにやって、将来解明をされたらこれは当然加害者がその費用をさかのぼって案分をすればいいではないかというふうな点について、わが党の村上代議士が長官ともお話し合いをなさっているわけですよね。そのあとの記者会見でそのように御発言になっておられるわけです。これは個人的なお話じゃなくて、まわりに住民が聞いていたわけですよね。ですから春日局長が言っておられるように、調査の結果を待たずにというふうにおっしゃったのは、因果関係の解明を待たずにというふうな意味だということとは、これは現地でもあるいは直接お話し合いをされておられました村上代議士からの私は見解を聞いたのですけれどもだいぶん違います、中身は。で、長官に再度お伺いをしたいのだけれども、そういった話の上で、なるほどそうだということをお感じになって、そういうふうに記者会見で御発表になったのだというふうに私ども承っておるわけですけれども、その点はどうなんですか。
○国務大臣(毛利松平君) 調査の必要であることはそのときもよくわかっておりましたし、なるべく因果関係の調査をしなければならないという前提に立って、調査を待たずして何らかの方法がないものかと、何とかできるようにしたいものだという趣旨のことを申し上げました。その後努力をしております。しかし、いまだあなたのおっしゃるように実現してないということは事実です。
○沓脱タケ子君 それで、それを押し問答していてもしようがないので、運輸省はどうですか、長官がああいうふうに発言をされたということについて、具体的には運輸省はどういうふうにお聞きになって、どういうふうに対処しようとし、あるいは対処されておられるか、具体的に伺いたい。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 去る八月、環境庁長官が大阪国際空港周辺における航空機騒音被害の実態を御視察をいただきまして、その際、いま御質問のございましたような鼻出血被害の問題につきまして御発言がありました内容につきましては、私も環境庁さんから御連絡、御通知をいただいております。ただ、この問題につきましては非常にむずかしい点がございまして、目下苦慮しておるところでございます。ただ、航空機騒音問題の重要性、緊急性というものにつきましては、当省として十分承知をいたしておりますので、万般にわたる適切な措置を鋭意進めるべく現在努力中でございます。
○沓脱タケ子君 だから結局、長官は現地ではええかっこうされたけれども、運輸省もあない言ってるし、環境庁でも春日局長もああいう御答弁の内容からして、そうすると一部でいわれているように、長官の発言というのはやっぱり心情的発言に終わるのですか。こんなことを国民許さぬですよ。その辺、はっきりしていきたいと思う。 で、その前に現状を、皆さん御存じだと思うけれども、もう少し現地の事情をかいつまんで申し上げたい。これは長官ごらんになったからよく御承知だと思うけれども、たいへん時間が短かったそうですから、かいつまんで申し上げましょう。どういう状況かというと、勝部地区というのは、豊中市の勝部地区というのは、昭和四十五年の二月からB滑走路が使用開始されて以後、それ以後鼻出血が頻発しだしているのです、子供の鼻出血がね。しかも私どもも現地へ行ってよく知っておりますけれども、B滑走路と住民の民家の間というのは五、六十メートルしか離れてないのですよ。そこで頻発をしておる。が、ともかく始まったのが、B滑走路が民家に数十メートルしか離れないところへできて、そこがひんぱんに使用されだしてから起こりだしたということなんですよ。それから調査、調査とおっしゃって、何べんもおっしゃっておられるのだけれども、いまだにまともな調査ができ上がっておらぬのか、いつでも調査、調査とおっしゃる。ところが現地では、やっぱり豊中市では住民の要求によっていろいろ調査をなさっておられます。これによりますと、小学生を地区の医師会が出身別に調べますと、一番被害の激甚地である豊中出身のお子さんですね、豊中市の中で勝部地区が含まれている小学校の中で、勝部地区から通っている子供さんたち一年から六年までの子供さんと、全然直接的な被害のない桜井谷という校区ですね、これは空港から離れた豊中市内ですがね、その学校と比べてみますと、鼻出血のあった子供というのは勝部地区では六三%だと、桜井谷の校区では三三%というふうになっているわけです。これは約二倍ですよね。もっとほんとうは差があるんじゃないかというふうに思いますけれども、これはたまたま出ておる資料がこれなんです。これは豊中市医師会が中心になって御調査になった内容だという資料があります。それで、さらに豊中市は阪大の耳鼻科へお願いをして佐藤助教授を中心に御調査になられた。これは調査の内容についていろいろ御異論も持っておられるそうですけれども、阪大の佐藤助教授を中心にしての調査の結果では、勝部地区の子供さんの中で鼻出血があるというのは八三%、大阪市内の小学校では八・五%というふうな数字が出てきているわけです。 こういうふうな状況で、がまんがならないということで、現地豊中市では市長名をもちまして、昭和四十八年一月三十一日、さらに昭和四十八年十月三十一日、二回にわたって、航空機による空港周辺における鼻出血にかかる疫学調査についての御要望というのを出しておられる。三回目は、長官がこの間八月十九日におっしゃられたので、現地ではたいへん御期待になって、再度四十九年八月二十六日に市長名をもってこういうふうな要望書が出てきているわけです。いかに責任があるかということをちょっと感じてくださいよ。ちょっと読みますよね。「謹啓 大阪国際空港の公害問題につきましては、種々ご配慮を賜り厚く感謝申し上げます。さて、過日貴庁長官が当空港周辺ご視察後「豊中市勝部地区の鼻出血被害の調査結果を待たずに救済の手をさしのべたい。」旨のご発言が報道されました。航空機公害に永年苦しんできた空港直近周辺住民は当然のことながら大きな期待感を抱いております。つきましては上記ご発言が早期に具体化することを強く要望いたしますとともに下記事項についてご回答賜わりますようお願い申し上げます。」。そうして一、二、三、四と四項目を記して、一は「救済措置実施時期について」、二が「救済対象者について」、三は「救済対象地区について」、四、「救済方法について」というふうに期待を込めて要望が提出をされている。ところが、いまだに御回答がないというふうに言われています。 しかし現地ではどういう状況かといいますと、これは先ほどもデータを申し上げましたけれども、私も具体的にその鼻出血の子供たちを見せてもらいましたけれども、ひどい人は一見して貧血症だとわかるようなほどのひどさになっています。特に鼻出血が起こる季節になってまいりますと、春から夏が非常に多いんだそうですけれども、出血をしだすと一日おきぐらいに出血をする。そうして一日に一回きりかっていうたら夜中に出るときもある。あくる日、朝の食事をしているときに目玉焼きの上にぱっと出血をして花が咲いたようになることがある。幼稚園へ行ってもう一ぺん出ることもあるというふうに言われているわけです。これはたまたま私は調べていたら、ことしの二月に衆議院で空港周辺整備法の審議の際に、わが党の梅田議員がやはりその方のことをもう例に出しておられるんですね。ところが、その後放置されておるから、その土田幸世さんという五歳のお子さんですけれども、非常にひどい貧血になって、いま阪大で、検査の結果では貧血がひどくて造血剤を週に二回注射をし、内服を続けて様子を見なければならない、そして鼻出血をとめるために週に二回鼻粘膜を硝酸銀で焼いて何とか押えてみようじゃないかというふうな措置までやられているという状況になっています。で、そういう子供さんたちというのはずいぶん多くて、これは時間がありませんから詳しくは申し上げられませんけれども、もうすでにその点についてはおそらく陳情の内容等で環境庁もあるいは運輸省も十分御承知になっておると思う。で、むしろお年寄りの人たちの話によると、これは鼻出血だけではないわけですけれども、鼻出血に限っていえば、遠方へ嫁入りした娘が孫を連れて遊びに来たら二、三日おればその子供は出血をする、鼻出血が起こる、だからせっかく孫の顔が見たくても連れて遊びに来いとは言えなくなっている、ここまでいっている。こういう状態がきのうやきょう起こったんじゃないんですね。数年にわたって続いておるわけです。そういうことで、長官もああいうふうにおっしゃられたけれども、なかなか具体的に動かぬ、住民からはやいやい言うてくるということで、ついに現地豊中市では大阪府から半分の御協力をいただいて、十一月一日から鼻出血についての治療費の自己負担分の公費負担に踏み切るということで補正予算をしているわけです。こういう状況まできているわけですけれども、対策を具体化するということをおやりになるのかならないのか。私は、因果関係、因果関係と盛んにおっしゃるけれども、さっき春日局長も騒音と鼻出血の因果関係とおっしゃったけれども、局長ともあろうお人が何で航空機騒音と鼻出血というふうに限定をされておっしゃるのかふしぎでならないという感じがするわけです。現地へ行かれたんだからよくおわかりだと思うのですけれども、航空機の公害というのは騒音も振動もあるいは大気汚染も——排ガスですね、みんなありますよ。騒音だけの公害じゃないと思う。そういった点を総合的に加害責任を持つ側が明確にするべきであって、被害者にいつまでしんぼうさせるという筋合いのものではないと思う。したがって、これは運輸省が因果関係、因果関係いうて長いことほってきているわけですよ。少なくとも長官がその実態をごらんになったんだから、そうしてこれはたいへんだということで発言をされておられるんだから対処するべきだと思う。どうですか。道がないということはないと思うのです。方法はやる気があれば必ずできるというふうに考えます。長官、どうですか。
○国務大臣(毛利松平君) 御質問のように、やる気があればやれることでしょうが、なかなか基礎調査がまだ完成してない、多数加害者あるいは多数方法論がなかなか前進しないというのが実情で、これから最善の努力をいたします。
○沓脱タケ子君 じゃ運輸省にちょっと聞きますがね、目下長官はどうも心情的発言だと言われてもしゃあないみたいですな。これはもう承服しがたい。運輸省に聞きたいんですけれども、四十九年の二月、「大阪国際空港における当面の航空機騒音対策について」という文書を、これは十一市ですか、に出しているんですね。その中にこういう項目がある。これは「当面の具体的対策」という内容の第三です。これは「騒音激じん地の住民の生活安定のための資金の確保」、「大阪国際空港周辺の騒音激じん地域の住民の医療対策、老人対策などで国や地方公共団体では直接実施し難いもの、不十分なものについて、その充実を望む声が強いが、これについて、地元公共団体より要望があれば、これに必要な資金を確保し、これを一定の機関にプールして、できる限り地元の希望する目的に応じて使用できる措置を講ずることとする。」という項目がありますが、こういうふうにお書きになっておられて、地元関係市からは御要望も出ておるやに聞いておりますけれども、具体的に何らか施策が進んでおりますか。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 大阪国際空港周辺の航空機騒音防止対策につきましては、従来、当省といたしまして最重点事項としてできる限りの措置を講じてきたわけでございますが、御案内のとおり、昨年の暮れに環境庁さんのほうから航空機騒音にかかる環境基準というものが制定されまして、その目標というものが明らかにされたわけでございます。それを達成することを中心にいたしまして、先ほど先生が御指摘ございました「大阪国際空港における当面の航空機騒音対策について」、ことしの二月に十一市協、この大阪国際空港周辺の十一の市町村で構成されております大阪国際空港騒音対策協議会にお示しをした内容の第三がいま先生御指摘のものでございます。で、私どもことしの四月に設立を見ました同空港周辺整備機構を中心とします空港周辺の整備、それから騒音の低い大型機の導入による騒音量の低減、こういうものとあわせまして、いま先生の御指摘のございました第三の点の措置を鋭意検討し努力をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。市町村のほうからは、まだ具体的な内容につきましての申し合わせというところまで至っておりませんけれども、私どもすぐにでも大いにこれにつきまして関係者と検討打ち合わせを進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。何せ制度として実っていないものを実施しようとするわけでございますので、何かと複雑な困難な問題がございますが、問題の重要性にかんがみまして誠意をもって鋭意努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 これは私の調査では、十一市協では四十九年の七月に運輸省に要望書を提出しているはずです、まだいただいておりませんとおっしゃったから。だから、これは二月に話をして、こんな文書を出して何もせぬというのはけしからぬと。 それからもう一つは、これは公共用の飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部改正という、ことしの二月の衆議院での審議の中で、これは徳永運輸大臣もはっきり言うておられるんですよね。もうちゃんとりっぱなこの法律の目的があるんだから、この目的の趣旨に沿って善処をお約束しますということで、公式の席上で言うておられる。それで、いつまでたってもその因果関係、因果関係じゃということで、わざわざ環境庁長官が、それはえらいことやということで発言をされて帰ってきても、運輸省がなかなかむずかしいということをおっしゃっているんでしょう。その辺はっきりせぬといかぬと思うんです。大臣も委員会ではことしの二月にちゃんと言うておられる、法案審議の際に。あなたのところも、これは航空局の名前で十一市協にちゃんと出してある。これは非常にはっきりしているんですよ。「国や地方公共団体では直接実施し難いもの、不十分なものについて、その充実を望む声が強いが、これについて、」かくかくしかじかやりますよ、これは明確に書いてあるんですよ。だから因果関係もへちまもありゃせぬのです。因果関係がはっきりせえへんから国や地方団体ではやれないんだ、やれないんだ言うているでしょう。そういう困難なものについてはちゃんと基金をつくって措置を講じますと、地方団体から御希望があれば、こない言うてちゃんと渡しているんですよ。それでやらぬというのは何でですか。私、時間がもったいないから、簡単に私は環境庁でやっておるやり方、これを運輸省も見習って、長官ちっと心情的発言やというようなことで国民の前で恥かかさぬように運輸省はがんばるべきだと思う。 というのは、先ほどからの質疑の中でも出ましたように、水俣病の場合に、これは保留の方、あるいは申請をしているけれども、審査ができないというふうな方々、何年も放置されて、ほうっておけない、厳密に言うたらそれは問題ですよね。しかしチッソは金出さぬというふうに、出すのがあたりまえや言いに行ったけれども、出さぬ言うているわけでしょう。だから国がちゃんとめんどうを見ますということで、きょうも毎日新聞にトップ記事で出ていましたですけどね、先ほどのお話にもありましたけれどもね。ほんとうに住民の被害がたいへんだということがわかっているわけです。もう認めておられるわけです。そうして、しかも、きのうやおとといではなくて、数年にわたって起こっているわけなんだから、少なくとも直ちに医療救済措置ぐらいはやるべきだ。これは医療救済措置いうたら非常に大きゅうなるんですわ、鼻出血だけと違いますからね、被害は、ほんとうは。よくお調べになったらわかりますよ。鼻出血というのは全く被害の氷山の頂点です、すそ野はうんと広いと私は理解しますけれども。しかし、その一番問題になっておる鼻出血についての医療措置ぐらいはおやりになってあげるということをどうしてできないか。そうして、あと因果関係が明らかになったら清算すればいいじゃないか。待ち切れなくて、大阪市や豊中市は、とりあえず追加予算を組んで発足をするという段階まできているのです。これは長官と運輸省と両方の見解を聞きたいと思うのですけれどもね。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 間違いがあってはなりませんので、お断わりをいたしておきますが、市からの要望事項という項目だけを列挙したものは私もいただいております。具体的な提案がないと申しますのは、要望がないというのはそういう意味でございます。項目だけは十項目ほどにわたりまして医療対策、老人対策ということで、項目だけはちょうだいいたしております。繰り返してたいへん恐縮でございますが、大阪国際空港の周辺におきます航空機騒音の——騒音だけではございません。先生御指摘のありましたような各般にわたります被害が非常に大きゅうございまして、住民の方に迷惑をかけているわけでございます。その対策につきましては今後熱意と誠意をもちまして努力を続けてまいりたいと、かように考えるわけでございます。
○説明員(春日斉君) この問題につきましては、十分運輸省のほうとも相談いたしまして検討いたすつもりでございます。
○沓脱タケ子君 当然ですよ。いまごろ検討するなんていうようなばかげた話はないですよ。八月十九日に長官が言うておるんだから、帰ったらすぐ相談してしかるべきですよ。いまごろ何言うておるのですか。それはそうですよ。だから、少なくともそれで環境庁が全然踏み切れない仕事じゃないじゃないですか。さっきも例を出したように、水俣病の扱いについてもすでにそういう扱いに踏み切っておられる。そうでしょう。しかもあれだけ住民が強い要求を持ち、しかもお困りになっておられ、命の危険まできてるような状況が起こってきているのに、これは、長官それをごらんになったから発言せざるを得なかった。私はお察ししますよ。私らだって行ったらそう思います。ようこんなのほっておくなと思いますよ、実際。ですから、少なくとも環境庁としては、そういった長官のお考えの趣旨に基づいてお進めになるかどうか、この点ですよ。その立場に立って春日局長が運輸省と御相談をしてということなら話わかる。従来の関係で御相談なさっていただいておっても、これはもう何も前進がないわけですから、その点はどうなんですか。それはそうですよ。
○国務大臣(毛利松平君) ただいまの貴重な発言を実行に移すべく最善の努力をいたします。貴重な発言におこたえすべくです。
○沓脱タケ子君 それでは運輸省、鋭意努力をすると先ほどから繰り返しおっしゃっておられるんですが、私は、先ほど現地の事情ということで被害状況あるいは当該市等の対策の実態等について述べましたけれども、大体いつから手をつけて具体化をいつどうするか。もうゆうちょうな時代と違うんですわ。飛行機ばっかり速う飛ばすのが能じゃないですよ。実際、住民の被害何年でも、人のしんぼうだから何年でもしんぼうさせるというのはだめですよ。いつから手をつけて、いつごろからはきちんとやりますというふうなことをきちんと御答弁いただきたい。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 私、過去四年、三十九年から四十三年までにわたりまして飛行場課長をいたしております間、常に大阪の飛行場周辺へ参りまして、いま先生の御指摘のございましたようなことは十二分に了解をいたしておりますので、できるだけ早く御期待に沿えるような努力をいたしたい、騒音対策に万全を期するように努力をいたしたい、かように考えているわけでございます。
○沓脱タケ子君 いや、できるだけ早くではちょっと了承しがたいんですわ。というのは、調査はことしの七月から環境庁、大阪府、兵庫県等へ委託してやっていますよね。その調査はいつできてくるのか知りませんけれども、出てきて因果関係がどうのこうのということになってから対処するというのか。そのできるだけ早くというのはどの時点かということですよ。因果関係が明らかになりましてからできるだけ早くというんなら、もう従来と一緒なんです。そうではなくて、少なくとも住民の被害をできるだけ早く救済できるように対処したいということになるのかどうか、その辺ですよ。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 なかなかむずかしい問題でございますので、実はいま苦慮しておるところでございまして、関係の向きと十分相談をいたしまして、早く対処できるように努力をいたします。
○沓脱タケ子君 いや、むずかしい問題ということではないということを申し上げているのは、すでに航空局からちゃんと十一市協に対して、そういった点については対処しますということを明示しておられる。このときに態度はきまっているはずでしょうがな、このときに。何がむずかしいんですか。環境庁でも、公害による被害者についての対策のとり方という点では、新しく門戸も開いていっておられるわけです。そういう点を含めて、少なくとも長年にわたって強い要求があり、被害の激甚な状況の中で、おたくのほうが提起されておる内容、こういうやり方でもよろしかろうし、あるいはこれがむずかしいということであれば、水俣病でお扱いになっておられるように、あらかじめ救済をしておいて、因果関係が明確になったら、加害者の負担に清算をするというやり方をしてもよろしいじゃないですか。そういうやり方をも含めての早急な対処ということなのかどうかということを私はお聞きしているんです。因果関係が明らかになってからというのやったら、いまごろ声を大にして聞く必要もない。
○説明員(梶原清君) 先ほどお答えを申し上げましたように、ことしの二月、私のほうから十一市協にお示しをしました第三項目、これは私どものはっきりした考え方でございますので、そうした考え方を含めまして、早急に善処する考え方でございます。
○沓脱タケ子君 いや、その考え方を含めましてと言って、あんたね、これはあんたのところが出した書類なんです、文書なんです、腹をくくって出しているはずでしょう。これでうまくいかぬのなら、環境庁がおやりになっている方法については、御相談をしてやっていただいたらよろしい、やる方法はないことはないわけです。やる気がありさえすればできるということを申し上げたのはそういう点なんです。何とかして住民を救済してやろう、救済するという行政措置をとろうということをお考えにならないか。 一つだけもう一ぺん念のために聞いておきますけれども、運輸大臣は二月に、空港周辺整備法の一部改正のときに、目的はりっぱやから、そのりっぱな目的の趣旨に沿って必ず善処をお約束しますと言うているんですけれども、あの法律で人体被害の救済はできますか。
○説明員(梶原清君) 先般改正をしていただきました航空機騒音防止法の一部改正の内容によりましては、そうした問題の対処はできないわけでございますが、先ほどもお答え申しましたような、ことしの二月の私どもの方針第三項に基づきまして、地方公共団体とよく相談をいたしまして、先生の御趣旨を十分体して、早急に解決するように努力をいたします。
○沓脱タケ子君 そうすると、運輸大臣の答弁もこれはうそやな。そういうことになりませんか。法律の目的に沿って善処を必ずお約束しますと言うて、これ、ちょっと議事録を読んで抜粋したんですがね、法律がなくてもあなたのほうの約束でやれるというなら、これは直ちにやるべきだ、法律改正が必要だというのだったら、これは法律改正をするべきだ、提起するべきです。そうでないと、空港の周辺の公害ですね、公害対策が、騒音だけで人体被害がないということはないのですよ、現に起こっているのだから。それが救済できないのであれば、少なくとも法律改正は提起する、そういうことにしたらどうですか。
○説明員(梶原清君) 先生御指摘の勝部地区における鼻出血対策等につきまして早急に地方公共団体とよく相談をいたしまして、地元の方の御不満のないように努力をいたしたいと思います。
○沓脱タケ子君 御不満のないようにとおっしゃったので、もうちょっと聞いておきますと、できるだけ早くということは、新年度からを考えておられるのか、あるいは来年の一月からを考えておられるのか、その辺の見通しはどうですか。
○説明員(梶原清君) お答えをいたします。 私どもさっそくに足を運びまして関係の向きと相談をすることを即刻始めたいと思っております。
○沓脱タケ子君 長官、その実現方についてひとつ強力にバックアップをしていただきませんと、心情的発言だということにされますよ。ひとつ最後に決意のほどを伺っておきます。
○国務大臣(毛利松平君) どうもたびたび激励を受けましてありがとうございます。
○沓脱タケ子君 ちょっともう残り時間がありませんのでこの問題は一応終わりまして、あとまとめまして——実は健康被害補償法が法案審議の際には大部分が政令事項にゆだねられていて、具体的な問題についてなかなか審議が十分尽くせなかったということもございまして、やっと政令が公布をされ、九月一日から実施の運びになるというふうな段階になりましたので、幾つかの問題点について実はただしておきたいというふうに考えておりました。で、時間がありませんので、お伺いをする点についてまとめて申し上げますので、ひとつお願いをしたいと思います。 まず一つは、指定地域の問題。九月一日からは従来の旧法の特別措置法をそっくりそのまま引き続いておやりになっておられるということでございますけれども、新しい地域をいつから、どこどこを対象として広げていくかというふうな問題。それから四十九年度さらに被害地域を調査をするということになっておりますけれども、その調査対象についてどこどこをやるかというふうなこと。これは法案審議のときにも、附帯決議にも明確にされているのですけれども、地域の指定にあたってはすべての公害患者が救済されるように適切な指定を行なえというふうに附帯決議も明確にされておりますので、その点は非常に重要だと思います。そこで、その点についての御計画をお伺いをしたい。 それからもう一つは、指定疾病について、従来どおり四疾病にとどまっておりますけれども、従来から問題になっており、また中公審でも問題になっております、いわゆる急性症状、一過性症状ですね、のど、鼻、目等のそういった急性症状、これは明らかに公害にかかる健康被害の現象ですが、それについて指定から漏れております。明らかに公害にかかる健康被害だということはもう明確なのですけれども、これらの一過性症状あるいは急性症状、そういったものについて認定の方向で検討しておられるのかどうか。少なくとも現地の被害者の実情を見ておりますと、医療の給付ぐらいはするべきだというふうに思うわけですけれども、その点について検討を進めておられるかどうか。 それから、まとめて申し上げますから——障害補償の給付の問題ですけれども、これは法案審議の際には各党、各委員からずいぶん強い御要望がありました。ところが、標準給付基礎月額というのが平均賃金の八〇%ということにされておりますが、少なくとも公害にかかる障害補償というふうなものは一〇〇%であるべきであり、私もあのときに審議の際に主張いたしましたけれども、一〇〇%が当然であり、さらにプラスアルファ、慰謝料的なものが加味されてしかるべきだというふうな点の主張もやってまいっておりますけれども、八〇%、あるいは遺族補償費が七〇%としたというふうな根拠について、これは簡単にお伺いをしたい。 そうして、そういう状況というのはたいへん不満足なんですけれども、しかも、わけても男女格差というのはきわめて大きい。こういうふうな点で、少なくともこれはもう具体的に例示をしたかったんですけれども、男女差で五十歳から五十四歳、あるいは四十五歳から四十九歳ぐらいの家庭の中心の人でありますと、男の人が十六万三千百円のときに女の人が七万九千七百円と、半分以下なんですね。そういう格差のひどさになっています。これは少なくとも、全部男女差をなくせということを一挙には、簡単にはできないかもわからないですけれども、少なくとも女子の世帯主、これについてはこれは男子並みに考えていくべきではないか。特に、すでに地方団体でやっていたところでは、男女格差という形ではなくて、世帯主、世帯構成員という形での格差というのが従来からあったわけです。したがって、女子の世帯主の場合には、ずいぶん大きな開きが出てくるというふうなことになって、せっかくの補償法の姿というのが住民の被害者のたいへん頭の痛いという要素になってきているわけです。男女格差の問題について、特に女子の世帯主の対策について。 それからもう一つは児童補償手当なんですが、これは金額が明示されておりますけれども、前のときにも私主張いたしましたけれども、子供たちの公害被害というのはどのような状況になるか、ひどい実例を申し上げますと、こういうことが起こるんです。これは実例なんですがね。小谷信夫さんという、これは大阪市西淀川区大和田町の住人の方ですけれども、十六歳、この方はここ数年来ずっとぜんそくで——知能指数は普通なんですよ。ところが、ぜんそくのために一カ月に四日か五日しか学校に行けないというために、だんだん普通のクラスでいけなくなった。そうしてやむなく特殊学級へ行って、特殊学級で中学を卒業せざるを得なかった。そうすると就職できないわけです。そうして、しかも十六歳、間もなく十七歳になるんですけれども、ぜんそくがよくなって体力が出てきた。健康が回復してきた。ところが実際に義務教育を受けるときには病気がずっと続いていたために、ほとんど授業が受けられずに特殊学級に行かざるを得なかった。やっと健康が回復したけれども、今後将来に対する展望というのはほとんど持てないというふうな状況になっているわけです。こういう障害に対して、一体こんな月に一級で二万円、二級で一万円、三級で六千円ぐらいの児童手当というふうなものでほんとうに償えるんだろうか、こういった点は一体どういうふうにお考えになるのかというふうなこと。 それから最後にお聞きをしておきたいのは、障害等級がきまらないということで、被害者がいま非常に頭を大阪ではかかえています。というのは、片方では公害患者の担当医療機関では、法の二十条に基づいて辞退をしたいというふうな見解まで起こってきているという動きも伺っておりますけれども、一体これはどうして起こっているんだと、こういうことを起こして、認定患者に混乱や損害を与えるというふうなことがあってはならない。少なくとも早期に解決をする必要があると思いますが、これに対してはどういうふうに対処しておられるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(橋本道夫君) まず第一点の指定地域の問題でございますが、九月一日には旧法を引き継ぎまして、現在この中央公害対策審議会の中の第三分科会におきまして指定地域の要件等につきまして御審議をお願いしておりますが、ほぼ結論がもう出かかっておるところでございます。で、おそらく来週あたりから、今度は関係の地方公共団体といろいろ事務的な最後のまとめのことをやり、その次に各省折衝をやり、審議会の答申というような議論になろうかと思いますので、十一月には新しい指定地域が、七地域につきまして、まあ最終どうなるかということはまだ明言できませんが、七地域につきまして審議会から得られました条件を当てはめて新しい地域指定が始まるものというぐあいに考えております。十一月じゅうには必ずこれはもう決定いたします。 それから、あとは本年度の四十九年度の指定地域でございますが、かなりの候補があるわけでございますが、そのうち地方公共団体と話をして、すぐ踏み切れると、新しい調査に踏み切れるということがはっきりめどがついたのが全部で五つございます。これは東京都の一部とそれから富山市と高岡・新湊、名古屋市と倉敷、これはさっそくに調査を始めるべく現在地方公共団体といろいろ打ち合わせをしている最中でございます。これは第一次でございまして、また、話つき次第、次の第二次のものを四十九年度にやろうというぐあいに考えておるわけでございますが、第二次のものはまだ数は明らかとなっておりません。 それから指定疾病でございますが、特に問題は子供の病気でございまして、子供の病気ということにつきまして特に問題になりましたのは、慢性の、何度も繰り返す鼻炎等の疾患、これを何とか、これはやっぱり非常に問題じゃないかと。ただ、いままでのデータが非常に手が合ってない調査とか、そういう問題がございますので、来年度の調査にこれをはっきり入れておりますので、それの結論がつけば加わっていくということでございます。 それから光化学スモッグのほうは大気局のほうで調査、検討を進められておりますので、それの結果を待って、これならばいけるというめどがつけば当然に指定疾病としてやらなきゃならないと思いますが、まだその段階までちょっと光化学スモッグのほうは至っておらないということでございます。 それから補償レベル、男女格差、児童補償手当と、この点は局長にお願いいたしまして、一番最後におっしゃいました障害等級の問題でございますが、障害等級の問題、私ども九月一日に必死になってスタートをいたしましたが、診療報酬のきまったのが八月の末ということになりまして、たとえば大阪も、私ども直接参りましてお話をいたしましたが、なかなか非常に事務的にやっかいな問題があり、現在、この診療報酬の問題とか、医師会とも私たち御相談してやったんですが、いろいろ税金の問題とか手続の問題ということでいろいろの御意見がございます。これにつきましては、まず動かしていって、そうして医師会の方々と私どもとで検討委員会を設けて、来年度を目途にそれを整理をしていこうということを、これはもう話をいたしておりまして、それによって解決していきたいというように思っております。 それで、公害医療機関の問題でございますが、公害医療機関の問題につきましては、どうするかということで、実は立法の初めに問題がございまして、指定医療機関制度をとろうかという議論がありましたが、指定医療機関は絶対にいけないという医師会からの強い御要望がありましたので、それははずしました。患者さんのほうは、患者としての医師の選択の自由が極度に幅広くほしいということでございまして、そこで、この指定医療機関制をとらないで、包括的に健康保険、生活保護の医療機関は公害医療機関になるという形をとったわけです。実は、その時点においては、現在一部の医師会で言っておられます問題点は全然あらわれておりませんでした。今回あらわれてまいりましたのは、指定地域が一部にありまして、指定地域外のお医者さんも、申し出なければ必然的にこの公害医療機関になってしまうということがありまして、そこのところでの問題が非常に大きいということでございます。それで、いまの障害等級の問題で、大阪でも問題が起こっておるといいますところの問題の一部には、この指定地域以外の医療機関の問題もありますが、一方は、先ほど申しました診療報酬とか税金とか手続ということの問題から、これだけでは不満だという御意見が中にあるということで、私どもは、極力、その点につきましては、九月の二十八日に会議を持ち、また、十月の十三日にも、日曜日でございますが、会議を持ちまして、私どもの課長も参りまして話をしております。この点につきましてまず動かすということで、医師会側の方々と環境庁とで検討委員会を設けて、来年度を目途に整理をするということで最大の努力をいたしたいと、こういうぐあいに考えております。
○説明員(城戸謙次君) まず障害補償の給付レベルの問題でございますが、障害補償給付の給付レベルにつきましては、私ども非常に重要な事項だということで中公審におきましても慎重に御検討をいただいたわけでございますが、本制度創設につきまして四月にございました答申の基本的考え方に立ちまして、公害裁判における水準と社会保険諸制度の給付水準との中間を設定するということで、八〇%ということに決定したわけでございます。ただ、この給付レベルに使います障害補償標準給付基礎月額のとり方等につきましても、できるだけ有利になりますようにいろいろとくふうをしてまいっているわけでございます。なお、将来の問題としては、御指摘のような点もございますので、この制度におきます因果関係の考え方等とも関連させながら、さらに検討をしてまいりたいと思っております。 それからいまの場合、男女の格差の問題でございますが、これはこの制度におきましては働いている方以外に主婦だとか、老人だとか、いろんな方がおられるということで、全部の男女の平均賃金ということでやっておるわけでございまして、これをたとえばそれぞれ男女の差をつけませんでやりますと、全体とすると非常に低くなるということになるわけでございますし、また生計中心者とその他を分けるということにつきましても同じような問題があるわけでございまして、現在のような立て方にしているわけでございます。特にまた女子の、主婦の何といいますか、労働の財産的価値ということにつきましては、先般の最高裁の第二小法廷の判決にもございますように、私どもとしましては、現在ではこういうふうな女子労働者の平均賃金を使うということが一番妥当ではないかと、こう考えておるわけでございます。 それから児童補償手当でございますが、この額につきましても、これはしばしばここでも御指摘いただきました点でございますので、特に小委員会の席等でも申し上げましていろいろと御検討いただいたわけでございます。それで究極におきましては、この児童補償手当の趣旨としましては、児童が家庭あるいは近隣学校等におきまして通常の児童並みの生活ができないことによる苦痛があるということ、それから指定疾病にかかった児童については特に成長がおくれると、あるいは学業がおくれると、こういうこともいろんな支障を来たすという点、それから発作等によります肉体的、精神的苦痛と、このようなものを中心としまして慰謝料的要素を中心とした手当の性格ということで、一応私どもとしまして現在のような形に割り切りまして、最重度の児童の場合におきましては二万円、それから一万円、六千円と三段階にいたしたわけでございます。
○近藤忠孝君 それでは休廃止鉱山問題と自然環境保護問題についてお伺いしますが、いずれも時間がありませんので端的にお答えを願いたいと思います。 まず石川県小松市金平地区下藪坑口より排水基準の一・六倍のカドミウム、それから二・五倍の鉛などで汚染された廃水が本年七月突然流出して、ここに写真ありますが、こういう穴から郷谷川に流出したという、こういう事実がございます。これは現に汚染された水が川へ流れ、そしてさらに下流域の農作物等に重大な影響を与えるという点でたいへん重大でありますけれども、その原因はいままでの調査によりますと、北陸鉱山大谷鉱の廃鉱において、いままでポンプでくみ上げておって、その上、廃水処理をして、そして流しておったけれども、それを中止してそして坑口を埋めたために、ずっとたくさん穴があって地下でつながっておったもんですから、そこで下藪坑口、かなり離れておりますが、そこから流出したものである。このことがはっきりしたわけであります。こういう状況を見たり、また各地の休廃止鉱山の管理状況、現にたとえば笹ケ谷鉱山とかその他の鉱山回ってみますと、廃水、廃滓の処理が必ずしも十分でない。こういう状況から見ますと、今回のこの例を一つの契機にして十分な休廃止鉱山対策を立てないとたいへんなことになるというぐあいに考えます。そこで次の点について、これも問題申し上げますので端的にお答え願いたいと思います。 まず第一は、鉱山保安の職務に従事する職員の数とその配置状況を聞きたいと思います。実際見てみますと、日本じゅうのこういう休廃止鉱山その他、現に動いている鉱山を管理するのに必ずしも十分な体制があるとはとうてい思えない。これについて実際どう考えておられるか、これが第一点であります。 それから第二点は、鉱山保安法二十六条の命令によって今回の坑口を埋めるという命令を出したようでありますけれども、これについては鉱業権者側に報告の義務がないという解釈を現にとっておるようであります。こんなことで十分な対策が立てられるのかということが第二点。 それから第三点は、私のほうでこの命令書を実際見せてくれということを要望したわけであります。現に秘書が名古屋鉱山保安監督部に参りまして書面を見せるように要望いたしましたが、これは拒否されました。拒否する理由があるのだろうか。やはりこういうものはみんなで十分に検討して問題のないようにすべきであろう。その点について、なぜ拒否されたのか、それが第三点であります。 第四点目としては、金属鉱業等鉱害対策特別措置法が制定されたわけでありますけれども、これ十分に執行する体制があろうか、そして、これによって現実に鉱害の流出を防止することが可能なんだろうか、これについての御意見を伺いたいと思います。 そして最後に、付近住民はともかくこうして流れている郷谷川を清流のもとへ戻せというたいへん強い要望を持っておりますが、その見通しについてお伺いしたいと思います。
○説明員(佐藤淳一郎君) 御質問の五点につきまして、逐次簡単にお答え申し上げたいと思います。 まず第一点の通産省におきますところの鉱山旧安監督の体制でございますが、沖縄を含めまして九地方に鉱山保安監督局あるいは部、まあ沖縄は事務所でございますが、そこに金属鉱山関係につきましては鉱務監督官が百九十六人、それからその他——監督官はこれは資格が要りますが、そのほか技官と称します、まあ技術屋でございますが、技術屋その他五十一人が配置されておるわけでございます。これで全国の現有鉱山と休廃止鉱山を監督させておるわけでございますが、御指摘のとおり休廃止鉱山の数が相当な数にのぼっておりまして、なかなかわれわれのほう全部では調査し尽くせませんので、しかし実態を早期に把握するために四十八年度から地方公共団体に委託調査を実施いたしておりまして、そこで一応概査をやっていただきまして、問題のあるものを監督部に上げて精密調査をするという二段がまえの形でやっておるわけでございます。しかし、現状必ずしも十分でないというわれわれの反省もございますので、毎年実は定員要求をいたしておるわけでございまして、来年度も定員の要求をいたしまして、ぜひこれを確保したいと、こういうふうに努力中でございます。 それから二番目の点でございますが、休廃止いたしました鉱山に対しまして、五カ年間はその鉱害防止工事に対しまして、鉱業権者とみなしまして、その防止工事を命令する法的な規制がなされておるわけでございますが、これは完了した段階におきましては監督部の職員が現場に行きまして確認することにいたしておりますので、そういう意味から報告の義務はまあ必要ない、目で確認いたすということによって報告以上の実態把握をしておるという考え方をとっておるわけでございます。 それから二十六条の命令書につきまして、名古屋の監督部で書類を出すのを拒否したという点でございますが、これはいわゆる国家公務員法の云云という問題はここで話すつもりはもちろんございませんけれども、われわれとしましてはやはり国政調査上そういう重要な問題につきましては、ある程度やっぱりお出ししてお見せするということはしたいと思っておりますし、この場合もあるいは失礼にあたったかもしれませんけれども、内容については口頭で概略は申し上げたつもりでおりますけれども、書類そのものは差し上げなかったわけでございますが、口頭の内容と、それから何といいますか、国政調査上必要であるという場合は出す場合もあり得るということで、これは前向きに検討してまいりたいと、こう考えております。 それから第四点でございますが、四十八年度に新しい法律、特措法をつくりまして、いろいろやりだしておるわけでございますが、確かに四十八年の改正でございますから、まだやって二カ年経過しておりません。しかし、現実にやってみまして、確かに不備な点が考えられますので、実はまだ幾らも日だってなかったわけでございますけれども、ことしの春にいろいろ関係の方々、環境庁等も入っていただきまして、いろいろ十分に審議を尽くしまして、その結果に基づきまして、できれば来年度さらにこれを強化する対策を、予算面、法的の面においても講じたいということでいま検討中でございます。 それからいま出ておりますところの休鉱からの水は、確かに先生の御指摘のとおり、いままでは稼行中は心棒を掘っておったものですから、ポンプでくみ上げておったわけです。山の採掘やめましたですから、当然ポンプアップはやめた、そうしますと水位がじわじわと上がってきまして、いままでポンプアップしておれば水位が下がっておったために出ないものが、まあ水道(みずみち)が通っているところにはみんな出てくるということでございまして、たぶん出てきております坑口は非常に古い、しかもこの鉱山というのは昔加賀藩の時代から掘っておる非常に古い山でございますので、そういう関係もございまして、その現有坑道と水の出た坑道の脈絡はちょっと判明しかねますけれども、しかし類推いたしますと、たぶん先生のおっしゃったような原因で水が出てきたんであろうというふうに私も考えておるわけでございます。しかも出てきました水は排出基準を上回っておりますので、いま早急にこれの中和清浄装置を工事中でございまして、できるだけ早くこれを完成する予定でございます。できるだけこの郷谷川をきれいにする努力は今後とも続けてまいるつもりであります。
○近藤忠孝君 いまの話にもありましたとおり、たいへん古くから鉱山が生きておりますし、おそらく今回の場合はかなり鉱山を甘く見たために出てきたことだと思いますので、その点での今後の十分な対策を要望します。同時に、自治体に対してかなり依頼しているようでありますけれども、しかしまた、自治体の財政その他人員に対する圧迫にもなるので、国独自の対策を十分に立てることを要望して、次の質問に移りたいと思います。 次に、自然環境保護問題でありますけれども、先ほど来の討議のとおり、失われた自然は戻らないということがすでに幾つかの自然環境破壊の原因になっておりますし、その原因が、自動車優先の観光開発計画が進行しているという、そのことの結果であることも明らかであります。で、例を立山にとってみますと、弥陀が原、これは二千メートルから二千五百メートルに及ぶ広大な高原でありますが、ここに自動車道路がつくられたことによって、餓鬼田というのですが、自然にある大小さまざまの水たまりが現に相当部分なくなっておるという、もう道路ができただけでそれだけの影響が出ているということもありますし、また氷河時代からのここに生きている動物である雷鳥、それにも重大な影響が出ているわけであります。こういった点を見てみて現に地元の県知事も、このアルペンルート計画はいまの自然保護という考えからいうと当然失敗だったということを県議会でも表明しております。 で、こういった状況を見てみますと、国のほうでも、国立公園内における自動車利用適正化要綱、これを作成して、上高地、立山、乗鞍など六地区をモデル地区にしておるようでありますが、こういうモデル地区こそまさに完全に自然を守っていく必要があろうと思います。で、こういう点で例を立山にとりますと、まさに現状はマイカーの乗り入れをここで完全に国の責任で禁止をして、完全に守っていくということが必要かと思います。この点での国の見解、環境庁の見解をお聞きすると同時に、現在、立山の場合には県の責任でマイカーの乗り入れを禁止しておりますけれども、たいへんな財政上の問題がありましてきわめて困難な条件がある、いつ財政的理由からこれを取りやめないとも限らないという状況もあるわけであります。その点で国の責任において、まずマイカー乗り入れを禁止する、かつ、それに対する財政的な措置も国としてとっていく意思があるかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○説明員(柳瀬孝吉君) 立山をはじめといたしまして国立公園の中に非常にたくさんの自動車が、特にマイカーが入り込むことによりまして、自然環境が破壊されるということがだんだん顕著になってまいりまして、そのために適正な利用が妨げられるというようなことでございまして、環境庁といたしましても、モデル地区を、先生おっしゃいますように六地区につきまして交通規制などの手段をもって適正な利用を推進していこう、こういうことで自動車規制ということを進めてまいったわけでありまして、これの方法につきましてはいろんな方法がございまして、ふもとに駐車場を設けまして、そこまでは自動車を持ってきて、それから先は歩いてもらうというような尾瀬のような方式や、あるいは相当上のほうに駐車場を設けまして、そこの駐車場が一ぱいになったら下のほうでとめてしまうというようなやり方もございますが、立山の場合にはマイカーは通さない、バスだけを通すというやり方で規制をはかりまして効果をあげておるわけでございまして、これは地元の立山町、あるいは富山市からも強い要望がございますし、県ともよく打ち合わせをし、警察関係その他ともよく打ち合わせた上で実施をいたしておりまして、この措置は今後もゆるめるつもりはないわけでございます。ないつもりでございます。 それから先生おっしゃいましたように、そういう措置をとるために、有料道路でございますから、自動車がいわゆる当初建設の時代の予定台数から減るので、償還計画なんかにも非常なそごを来たすのではないか、そういう場合の何らかの手当てが必要じゃないかということでございますが、確かにそういう問題もございますので、これは地元の富山県ともよく相談をし、富山県のほうの御理解も得ながらいろいろな方法でそれに対するやり方があるんじゃないかと、償還期限の問題とか、あるいは利用料金の問題とか、いろんな問題があると思いますので、そういう点で県のほうともよく御理解を得ながら関係者と検討を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○近藤忠孝君 いまの具体的な問題ですが、本年は県のほうからも具体的な要望が出ておると思いますし、県と相談と申しましても、県のほうの希望は財政的に国のほうもめんどう見てくれないかということだと思うんですね。実際上約六十億近いのがマイカーから入る予定をしておったものですからね。それが入らなくなったという点で重大な圧迫をかかえているという、この点につきまして、国としても積極的な方向で財政的な面もめんどう見てやる、こういった意思があるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○説明員(柳瀬孝吉君) これは、この問題の解決のしかたにつきまして、いろいろと交通規制は国立公園内だけの交通規制じゃない、たくさんいろんな交通規制があるわけでございますが、そういう場合のいろいろな直接間接の被害を受ける場合が当然あるわけでございまして、それをどういう形で解決していくかという場合非常に問題でございますが、やはりこれは公益上の必要から規制がやられるわけでございまして、一般的にはこれは公益が優先するということで、そのために許容される限度の被害は別に国が何らかの措置をするということは一般的にはないわけでございます。ただ、この場合にそういう有料道路という関係で、料金の規制問題とか、あるいはこれをつくるために融資を受けているということに対する償還の問題とかあると思いますので、そういう点をやはりいろいろと考慮してやっていくべきじゃないかというふうに私どもは思っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 まあちょっとわからない、最後のところはね。国としても検討に入った段階だと思うんですが、ただ私ども見ておりますと、県の場合はこれだけの財政的圧迫で、財政的な面から県としてのいまの規制をはずしてしまう可能性もあるのじゃなかろうかという点を心配するわけなんですね。国のほうはただマイカー乗り入れ禁止だけ言っておりましても具体的に実現が不可能になる面があるのではなかろうか、こういった場合にどうするのだろうかという、このことを端的にお伺いしたいと思います。
○説明員(柳瀬孝吉君) この償還問題ももちろんございますが、それに優先して立山のあのすぐれた自然環境を守るために、やはり富山県と環境庁とよく相談をして、これを守っていくためにはやはりこういう措置をすることが必要だということをよく富山県にも御理解をしていただくようにやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(鶴園哲夫君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十九分散会 —————・—————