建設委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/10/15
会議録
○委員長(小野明君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、まず、先般当委員会が行ないました九州地方における建設事業の実情調査につきまして派遣委員から報告を聴取をいたします。古賀雷四郎君。
○古賀雷四郎君 九州地方における建設事業の調査につきまして御報告いたします。 去る九月十七日から二十日までの四日間、小野委員長、沢田委員、私の三名は、福岡、佐賀及び長崎県における建設事業の実情調査を行ないました。ここにその概要について御報告申し上げます。なお、松本委員は福岡県建設事業調査について現地参加がありました。 第一、道路整備について御報告申し上げます。 一般国道の整備についてであります。 産業の発展と人口の集中の著しい北部九州地帯では輸送力の増強が緊急な課題であります。この北九州地域の交錯する道路網から佐賀、長崎両県に通ずる道路網を見ますに、福岡市はその要衝を占めています。すなわち、福岡市を接点として、鳥栖、佐賀、長崎と結ぶ国道三号及び三十四号と、唐津、伊万里、西海、長崎に通ずる国道二百二号及び飯塚、田川、大分に通ずる国道二百一号は、当地域の主要都市を連係する基幹道路であります。きわめて重要な交通動脈となっているのであります。 特に、近時の経済活動に伴う交通量の増加により、渋滞、事故発生等が顕著になっておりますが、その対策として、一連のバイパスの建設、拡幅等が取り上げられています。今次調査の対象となった建設省直轄施行にかかる博多及び福岡東バイパス、諌早西の拡幅等もその一環をなすものであり、筑紫野有料道路もその一例であります。 博多のバイパスは、国道三号のバイパスとして、福岡市の北部の香椎バイパス、南部の福岡南バイパス、東部の福岡東バイパスと結ぶ枢要な計画路線であり、福岡市の都市計画街路網としての役割りも大きく、昭和四十四年度に用地取得に着手されて以来、工事が進められているものであります。 福岡東バイパスは、国道二百一号バイパスとして、また九州縦貫自動車道の福岡東インターチェンジのアクセス道路として、しかも福岡流通センターの機能的道路として重要な路線であり、縦貫自動車道の供用開始と流通センターの竣工との関係から最も開通が急がれているのでありますが、一部で若干おくれを生じ来秋ごろの完成が見込まれております。流通関係のばく大な投資の有効な発足のために一日も早い完成が要請されるところであります。 また、諫早西の拡幅工事は、国道三十四号の長崎バイパス及び諌早北バイパスの両交差区間七・三キロメートルの現道二車線を四車線に拡幅し、交通緩和をはかろうとするもので、その六三%がすでに進行しております。 なお、今次の調査の通過路線となりました長崎県内の国道二百二号は、昭和四十五年に一般国道に昇格されたものの直轄施行区間から除かれているためもあり、きわめて整備がおくれております。昭和四十八年三月末において、県内実延長約百十キロメートルのうち、改良率は四六%、幅員四・五メートル以下が四〇・九%、砂利道が約五〇%という状況の道路であります。県もこの道路の重要性を強調されておりましたが、その整備の促進が必要であるように考えます。 さらに、長崎県は、国道三十四号の日見バイパスの必要性と離島の開発振興をはかるため、五島縦貫道−平戸縦貫道−佐世保のルート、対馬縦貫道−壱岐縦貫道−唐津市のルートの主要な県道を一般国道に昇格し、整備の促進がきわめて必要であると強調されております。離島の特異性を考慮することも最も重要なことであると存じます。 九州縦貫自動車道、九州横断自動車道等について御報告します。 九州縦貫自動車道は、昭和四十一年に粕屋−熊本間百三・六キロメートルに第一次整備計画が策定されて以来、現在第七次整備計画に及んでおり、日本道路公団により順次工事が進められ、すでに鳥栖−熊本間七十六・四キロメートルが供用されており、九州にも本格的に高速道路が登場したのであります。古賀−島栖間三十八・四キロメートルは、用地取得をほぼ完了し、土工工事は約九八%進み、舗装工事も約五七%の進行を見ているといわれ、昭和五十年三月の供用を目途にして鋭意施工されております。第二次施行命令区間の北九州−粕屋間六十八・三キロメートルは、一部工事の施工、中心杭の設置作業という状況であり、まだ完成までには相当の期間を要するように思われます。 また、九州横断自動車道は、いち早く第六次施行命令の出された長崎東−大村間、武雄−鳥栖間について、用地の取得、中心杭の設置、設置のための地元折衝という状況にあるといわれております。また、整備計画の決定を見ない長崎束以西及び大村−嬉野間について早期決定を望む声も地元当局の強い姿勢となっております。なお、鳥栖と甘木インターチェンジ間の小郡地区にインターチェンジの設置の要望のほか、福岡−唐津−伊万里−佐世保−長崎と結ぶ西九州縦貫自動車道を予定路線として法定化をはかられたいという強い要請もありました。これら自動車道は、地元の積極的な協力によって建設されるものであり、当該地域の経済効果と交通環境効果の向上がはかられるとするならば、地域浮揚のために検討を行なってしかるべき問題であろうと思われます。 都市高速道路の建設について御報告します。 これらの基幹道路の整備に呼応して、福岡市においては、昭和四十六年に都市高速道路の建設計画がなされ、福岡・北九州高速道路公社により建設が進められてきております。その計画の概要は、総延長二十一・二キロメートル、総事業費六百六十億円で、昭和四十六年度から五十二年度までの七カ年を目標に、現在高速一号線の香椎ランプから高速二号線の呉服町ランプ間七・七キロメートルが事業実施中であります。特に箱根一区埋め立て地内の高架橋橋脚七十七基の建設が進んでおり、同地区内の上部工に着手されているところであります。 一般的に、この種の都市高速道路は、往々にして土地利用と周辺環境から騒音、排気ガス等、地域住民の生活環境を阻害する要因が発生するため、その対策には緩衝帯の確保、線形の簡略化、勾配の削除並びに遮音壁の設置等に十分意を尽くした具体的な施策を住民の協力のもとに事前に対処しておくことが肝要と思われます。 第二に、都市計画事業についてであります。 福岡流通センターの建設について御報告します。 福岡流通センターは、流通業務市街地の整備に関する法律に基づいて、福岡市の都市計画決定した流通業務団地の多々良地区に、総面積四十三・四ヘクタールの造成を行ない、四百億の投資をして各機能施設を建設し、昭和五十年六月を完成の目途に進められているものであります。この地区は、九州縦貫自動車道の福岡東インターチェンジと箱根地区複合ターミナルを結ぶ福岡東バイパスの中間に位置し、さらには博多バイパスに接する利便さもあり、福岡市はもとより、九州地方の物資集散基地となり得る条件を備えているものであります。この流通センターは、卸商、運輸業、倉庫業の三つの団地組合が、福岡県より中小企業高度化資金の助成を受けて集団化移転するとともに、一体的流通センターの連合組織化がはかられたものであります。 なお、同センターの中心部の公益的施設用地には、福岡流通センター株式会社により、管理センタービルのほか、電子計算センター、給食センター等が建設されるとともに、コンテナーデボ関連施設が共同ターミナルも併設されるなど近代的装備を施した施設計画からなっています。現在は、一部の移転が行なわれ操業しておりますが、関連する道路の整備がおくれているため十分な機能も保障されてない現状であることを御報告します。 天神地下街の建設計画について報告します。 福岡市の中心市街地の中央区天神地区に公共地下駐車場等の地下街建設計画が実行に移されております。その計画は、福岡市をはじめ九州電力等民間七社の出資協力を得た福岡地下街開発株式会社によって、出入車路を含む延べ面積三万三百五十平方メートルの地下三層ビルを建設し、地下一階を公共歩道と店舗に、同二階を約四百十台を収容する公共地下駐車場にし、同三階に機械室を設けるというものであり、昨年七月着工されて、その掘削工事が行なわれているところであります。また、国道二百二号線下には地下鉄、同駅の計画もあり、その接続部分の調整のほか駐車場出口車路が一カ所で適当かどうかの問題があるということのようです。 次に、長崎本線及び佐賀駅の高架移転事業について御報告します。 一方、佐賀市には、県施行により、国鉄長崎本線及び佐賀駅の高架移転が都市計画事業として現在進行中であります。この事業は、佐賀市の発展そのものが長崎本線北部地域に著しく移転しつつあり、鉄道と道路の平面交差が南北交通のはなはだしい障害になっていること、及び佐賀駅の老朽化、駅前広場の狭隘による機能低下が著しいことなどから抜本的対策として計画されたもので、長崎本線の二・四キロメートルを連続高架とし、現在の位置から約二百メートル北に移動させるとともに、貨物及び機関庫を鍋島駅の南側に移し、旅客専用の新佐賀駅を建設するというものであります。 また、駅前広場を南北両側に八千平方メートルを確保するほか、高架下を駅舎商店街、公共駐車場、バスターミナル等の利便施設として整備することができ、昭和五十一年の佐賀国体に対処して都市機能の発展的向上をはかった施策と言えます。 第三に流域下水道整備事業について御報告します。 福岡県施行の御笠川、那珂川流域下水道地域は、近年、県下で最も都市化の著しい地域であり、これがため家庭汚水や工場排水によって、流入水域の水質汚濁や都市環境の悪化を招くに至っている現状といわれております。その対策としてこの流域下水道は計画されたもので、福岡市等四市二町にまたがり、処理面積九千百十七ヘクタール、計画人口五十五万二千人を想定した大規模な事業であります。また、下水の排除方式は分流式で、管渠延長二十七・六キロメートル、処理場十八ヘクタールとなっており、昭和四十六年度から五十五年度までの十カ年計画で、全体計画事業費はおおむね二百七十五億というものであります。 このうち、第三次下水道整備五カ年計画では、全体計画の四分の一に相当する下水処理場と、これに連結する幹線管渠の一部を整備することにより、国鉄山陽新幹線の車両基地の排水等に対処しようとするもので、昭和五十年三月には一部の処理開始を行なおうとして整備が急がれているところであります。 また、これを関連して、計画遂行のための予算の確保、国庫補助対策範囲の拡大、国庫補助対象の拡大をはかるほか、第三次処理技術の開発とその実用化を推進する必要があるといわれています。十分に検討し、善処すべき問題であると思います。 第四、雁の巣大規模公園化について御報告します。 かつて雁の巣、西戸崎地区の総面積五百二十九・五ヘクタールの広大な土地は、米空軍博多基地として使用されていたものでありますが、使用を解かれ、現在すでに五百十五・八ヘクタールが返還され、十三・七ヘクタールが基地閉鎖措置となっているものでありますが、この広大なあと地を大規模な国営公園として活用しようという計画が持たれているものです。特に大都市は、人口増加と過密化が進行する中で都市環境は悪化へと進み、都市公園も地価高騰によって用地取得も容易ではないという現状から、この福岡市域に数少ない自然資源を無秩序な開発によって荒廃させることは許されないとしております。 福岡市は、当初に返還されたあと地の一部を国と無償契約を結んで、市立の雁の巣レクリエーションセンターとして整備し、野球場、サッカー場、サイクリングロード等の施設をつくり利用しておりますが、これをさらに拡大し、明治百年記念事業として整備した武蔵丘陵森林公園の例にならい、地域公園の形態を備える国営公園の計画化と言えるものであります。建設省もそれを実現したい方向のようでありますが、推進すべきことだと思われます。 第五に中核工業団地計画について御報告します。 佐賀県は、農工一体化を基調とする産業振興政策により、佐賀、唐津・伊万里、武雄・鹿島の三地域にそれぞれ中核的工業団地を造成し、工業開発を進めていく方針がとられています。 今次調査の佐賀東部中核工業団地計画もその一つで、交通の要衝である鳥栖市に近い三田川町ほか二村にまたがる面積百三十ヘクタールの計画規模のものであり、かねて県がインダストリアルパーク的な内陸工業団地計画の構想を持ったことがあるといわれるもので、地域振興整備公団によって整備されるものであります。現在は土地開発公社による用地取得の段階で、その九〇%が契約済みということで進んでいますが、当該地域には弥生式埋蔵文化財が三十一カ所あり、その保存の必要性もあり、今年度で取得を終わりたい方針であり、昭和五十年から土地整備の意向ということであります。 一方、伊万里地区につきましては、伊万里湾総合開発の一環として、西九州臨海工業地帯の中核拠点として、六百二十ヘクタールに及ぶ工業団地の造成計画の中に地域振興整備公団の計画する百三十六・五ヘクタールの伊万里工業団地もあります。今回の調査で七ツ島工業団地百八十八・三ヘクタールの埋め立て造成工事の進められる現状を視察しましたが、そこには赤茶けた造成地の一部に名村造船所がすでに操業しております。炭鉱閉鎖の続いた当地方の中で伊万里湾は新たな工業都市として生まれかわろうとしております。 第六に河川事業について御報告します。 六角川河口ぜき建設工事は高潮による流域一帯の被害を防除するとともに、淡水化による不特定かんがい用水の確保を目的として、河口から四・六キロメートルの佐賀県福富町福富に、本川を横断して河口ぜきを河川総合開発事業により新設されるものであります。 この河動ぜきは、高潮の遡上を防止し、せき上流の築堤高を低下させる役割りを持ち、せき下流の高潮堤防が完成されるならば約五千八百ヘクタールの区域が高潮被害から防除されるという治水効果を持っております。また、利水面では、六角川からの「アオ」取水しているかんがい面積四千四百ヘクタールの区域に計画貯水量三百三十万トンを不特定用水として補水するという効果もあります。 現在、せきは概成し、偉大な全容を見せておりますが、その工事の概要は、第一期工事として昭和四十四年度より四十六年度までの三カ年にせき本体の基礎リバース杭工、三十万立方メートルの陸上掘削、仮締め切り等が施工され、第二期工事として四十六年度から四十九年度までの四カ年に、せき本体工事をはじめ、陸上・水中の四十万立方メートルの掘削、旧川の締め切り、門扉工事、管理橋等が進められております。そして内水排除施設、築堤工事等の付属工事を施工し河口ぜきを完成させる予定であるといわれております。 一方、白石町を中心とする平野部と佐賀市及びその周辺地域において地盤沈下が顕著となり、昭和三十二年より昭和四十七年までの累積沈下量は五十−七十センチに達しているといわれます。この地域一帯は有明粘土層といわれる地盤でありますが、沈下の主原因は農業用地下水の過剰揚水であるとされております。その年間総揚水量は約四千万トン、そのうち佐賀地区が二千七百万トン、白石地区が千二百三十万トンといわれております。 また、この地域の地盤標高は、おおむね三メートル以下であることに加えて、有明海は最大潮位差が六・五メートルもあるために地盤沈下による被害を助長することになるとしています。このため、佐賀県は、県公害防止条例によって地下水の利用及び規制をはかっておりますが、恒久対策は、ダムの建設、流況調整河川事業による導水路等による不特定かんがい用水の確保であるとされております。そうした施設を行ない揚水量を低減するということでなければならないと存じます。 なお、昨年八月の集中豪雨による災害で大きな被害を受けました御笠川は、支川原川の上流に土石流防止対策として緊急砂防事業によって砂防堰堤が完成しています。また、災害復旧及び災害復旧助成事業等によって改良復旧が進められているところであります。 宝満川については、直轄施行区間外となる端間橋から上流の宝満橋まで十一・八キロメートルの区間を中小河川改修事業として実施されておりますが、昭和二十六年から進めてきた進捗率はわずかに三〇%にすぎないといわれておりまして、その促進について実施されることが肝要であると存じます。このほか地盤沈下に伴って排水ポンプの設置の必要性、白石川、只江川、佐賀江川、筑後川支川の太刀洗川、陣屋川、轟木川、松浦川等の改修工事の促進について数多くの要望がありますが、治水利水事業は国政の基本であります。積極的に推進することが肝要と考えられます。 第七、西諌早ニュータウンの建設について、御報告します。 西諌早ニュータウンは、長崎市より約十七キロメートル、諌早既市街地の西北部に位置し、健全で快適な郊外住宅都市を創造して、新住宅市街地開発法の手法を用いて長崎県住宅供給公社の施行している事業であります。 その計画は、総面積百四十八・八ヘクタールに住宅用地として四九・〇%の七十三ヘクタール、道路、公園、緑地等の公共用地として四二・二%を充当するもので、収容想定人口は約一万八千七百人、戸数にして約四千五百六十戸というものであります。建設される住宅の種別は、公営住宅一千一百戸をはじめ、宅地債券、宅地分譲、積み立て分譲のほか給与住宅等、各種の方式を取り入れたユニークな住宅市街化をはかろうとしております。また、住区を東西二住区とし、地区中心に地区センターが建設されるほか、施設として教育施設、医療施設、ショッピング施設等、一連の利便施設を合理的に配置することにしております。 しかし、このニュータウンには、国道三十四号と分岐する接合地点付近に学校施設を配置していること、幅員三十メートルの実質的バイパスとなる道路が計画されていることなどから、騒音等に対する環境対策を事前に整備しておくことが肝要と思われます。 第八、大村新空港建設について報告します。 この大村新空港の建設は昭和四十六年に着工されているものであり、現在の第二種大村空港の西方約一・八キロメートルの大村湾に浮かぶ標高九十七メートルの南島と四十二メートルの北島の二島からなる約九十ヘクタールの箕島を開削し、その土量と骨材の活用をはかり、同島を含む百三十四・四ヘクタールの埋め立てを伴う造成を行ない、二千五百メートルの滑走路と近代的施設を設備した新空港を建設するものであります。 また、この新空港と内陸は、延長九百七十メートルの連絡橋によって結ばれており、すでに完成の域に達しています。さらに造成工事も概成し、現在は整地工事のほか滑走路等の路盤整備、管制塔、ターミナルビル等一連の工事が推進されており、来春の開港に向けて進行中であります。この新空港は、離着陸の就航安全上からも、騒音基準の面からも完全に確保されることにした画期的な事業であり、将来の空港建設の指標をなすものと期待されるものであります。 第九に建設業団体の陳情事項について御報告します。 建設業界では、一昨年来の建設資材等の異常な高騰によって大きな打撃を受け、加うるに、ことしの政府による総需要抑制策により重大な危機が生じてきております。三県の建設業会の代表もその深刻な様相を訴えております。また、その陳情の内容は大要次のとおりであります。 一、建設業は受注産業であることから、計画的に、しかも安定的な発注が必要であるとともに、第三四半期は年末対策を考慮し、すみやかに発注をはかること。 また、中小建設業者、地元業者が対象となる道路、河川、砂防等の補助工事について促進するごと。 二、災害復旧工事の設計要領によって、土木工事は、きめこまかい積算体系となっており、公共建築工事についても同様に体系化をはかられたい。 三、労務賃金の上昇並びに建設資材の高騰にかんがみ、昨年十月の措置と同様、三省協定による設計労務単価の是正措置を本年度も適用すること。 新規発注工事は、実勢に即した設計単価の採用をはかるほか、即契約工事については、一定時点における残工事分の設計変更を行ない増額措置を講ずること。 四、安全対策費は業者負担で処理している現状にかんがみ、特に補助工事に対しても工種別に純工事費に計上する措置を講ずること。 五、請負契約締結後に条件変更が生ずる場合には、すみやかに設計変更を行なうこと。 六、大規模工事等に関連する付帯関連工事並びに小規模工事については、地元建設業者の活用をはかること。等であります。いずれも中小業者の多い建設業者の深刻な問題であります。行政当局は十分に意を体し、善処されることが必要であろうかと存じます。 最後に、今回の調査を通じて、次に申し上げる点について特に関係行政当局は十分に検討されて、すみやかに対策を講ぜられるよう要請するものであります。 第一は、福岡流通センターの機能向上をはかるためには道路整備が緊急な課題であることを認識して、総需要抑制下といえども、その選別投資により福岡東バイパス、博多バイパス等関連する道路の整備を促進すること。 また、移転者あと地の買い取り制度として、工場あと地の買い上げ制度と同様な措置を講ずる必要があること。 第二は、佐賀県下の地盤沈下の発生原因は、農業用水、雑用水のくみ上げによるものであり、その代替水を補完する施設を建設し、不特定利水をつくり出すとともに、内水排除のためのポンプ施設の設置、あるいは住宅改良に伴う補助、貸し付け制度、さらには集団移転制度等についてすみやかに対策を講ずること。 また、地盤沈下は土地の荒廃を招くものであり、積極的な姿勢としては、地盤沈下対策について特別措置的な立法化をすみやかに行ない、抜本的な対策が講ぜられる道を開くこと。 第三は、長崎県の離島の特殊性、人口も多く、離島振興をはかるため、その基盤となる主要地方道を一般国道に昇格する道を開き、整備の促進をはかること。 第四は、中小建設業を育成強化するため、計画的、安定的な発注を行ない、受注の適正化につとめること。 また、前払い金保証制度の趣旨に即し、地方公共団体の工事についても活用されるよう指導すること。 以上であります。 なお、今回の調査にあたっては、松本理事の協力もありまして、また関係各位からの与えられました御協力に対しまして深甚な謝意を表し、報告を終わらしていただきます。
○委員長(小野明君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。 これよりただいまの派遣報告をも含め質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○沢田政治君 十月十二日付の朝日新聞に掲載されておるわけでありますが、つまり特定政党員である、特定の組合に所属しておる、このゆえをもって建設省が昇進なり、処遇に差別をつけている、こういう点が十二日の朝日新聞に掲載されているわけであります。おそらく建設省としてもこの記事の内容は読んでおられると思います。はたしてこれが事実であるのかどうか、肯定するのか否定するのか、否定するならば否定するだけの根拠をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私もあの新聞を見てびっくりしたわけであります。そこで早目に建設省に参りまして、もしそういうことがあればたいへんな問題であると、私も就任以来、とにかく三万一千人の建設省の職員がほんとうに国民の公僕として、全力をふるって自分の持てる能力を発揮できるような建設省にしたいということを国民の前に公約をしたわけでありますので、そういう立場からも、もし朝日新聞に指摘されるような問題があればこれはたいへんなことであるということで、厳重な調査を命じたわけであります。その結果、事務当局からそういう事実は全くないという報告を受けておる次第でございます。私といたしましても、このようなことはあり得ないことでもあるし、また、あってはならないことであると、このように考えておる次第であります。
○沢田政治君 もしかりにですね、この報道が事実であるとするならば、もちろんこれは憲法の第二十八条違反であるし、国家公務員法百八条の七違反であると思います。まあ想定に立った答弁を求めるのはこれは私は好ましいことじゃないと思いますが、行政の立場にある者が、こういう事実があったならば、これはやっぱり法的にどうなるのかというぐらいの見識がなくちゃならぬと思います。そういう意味で、これがもし事実であるとするならば、憲法違反であり国家公務員法違反であると、こういうことは認めますか。
○説明員(高橋弘篤君) 特定の組合活動家等のゆえをもちまして、それだけのことをもちまして昇任昇給等、人事の差別をしたことは私どもはないわけでございますけれども、想定のことで私どもも答えにくいわけでございますが、憲法及び国家公務員法には、たとえば国家公務員法第百八条の七におきましては、「職員団体の構成員であること、これを結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと、又はその職員団体における正当な行為をしたことのために不利益な取扱いを受けない。」ということ等の規定がございます。したがって、それだけの理由でそういう不当な不利益な取り扱いをすれば国家公務員法違反になるというふうに考えております。
○沢田政治君 この記事によりますと、「この文書は、同会議が建設省幹部に近い筋から非公式に受け取ったもので、「厳秘」の判が押され、通し番号が打たれている。」と、こう書いてありますね。だから、私もこれはもう事実だと即断はしませんよ。しかし、非常に信憑性が高いと思いますね。もちろん公務員には職務上の秘密を漏洩してはならぬという法律があるわけなんで、それはそれでいいとして、しかし、これが事実とするならば、明らかに憲法違反であるし、公務員法違反である、違法なわけですよ。違法のものを外に持ち出して、これを常道に戻すということは、当然これは憲法下、法律を守る、これは法治国家にあっては当然の行為で、正当な行為で、称賛される行為だと思うわけですね。もしこれが事実として、それを持ち出した者があったとしても、私はやっぱり法の追及というものはないと思います。これは当然違法なものなんだから、もともと。どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) おっしゃるとおりであります。
○沢田政治君 まあ、事実無根だと、そういうことはないと、こう言っておりますが、私気にかかるのは、高橋官房長、あなたの談話が載っておりますね、「そんな極秘文書はここ五、六年はあり得ないと思う」。これはどういう意味ですか。ここ五、六年あり得ないと思うことは、ここ五、六年以前はあったというように私はすなおにとるのは、これは当然じゃないかと思うんですよ。この文書はいつごろ出したのかさだかじゃありませんが、「ここ五、六年はあり得ない」というひとつのアクセントをつけることは、それ以前にはそういうことがあっただろうということを暗に認める結果だと思いますよ、すなおに日本語を聞く場合においては。いや、そういうことはもう終始ありませんでしたと答えるはずですが、「ここ五、六年」と、こうアクセントをつけることは、それ以前にはそれらしきことがあったということを肯定しておるととってもこれはさしつかえないと思いますが、どうですか。
○説明員(高橋弘篤君) ちょうど新聞に出ます前夜、夜おそく電話による取材であったわけでございまして、ここに出ているだけではございませんで、いろいろのやりとり、問答があったわけです。相当長くあったわけです。その全部が載らずに一部だけ載っているのはまことに残念でございますけれども、私としては過去においてもない旨を強調いたしたわけでございますが、その中で最近はどうですかというような、そういうお話もあったものだから、もちろん最近五、六年もそういうものはないのだということをいろいろ長くお答え申し上げたわけでございます。そういう意味で、ただそういう私の言い方が少し不十分であったために誤解を招くようなことになったことは申しわけないわけでございますが、私は五、六年だけがないと言ったのではないわけでございまして、過去においても現在においてもそういう事実はないというふうに述べたつもりでございます。
○沢田政治君 おかしいですよ。あなた、これは不用意に言ったかもわからないけれど、不用意というのはほんとうのことを言っておりますからね。意識した場合にはちょっと考えながら言いますからね、あとの引っかかりがどうなるかということをね。これは正直言っていると思ううんですよ。しかもあなたが、「ここ五、六年はあり得ないと思う」ということと、最後に「昇格や昇任で差別することは、今後あり得ない。」——「今後」とか「五、六年」とか二回つけているところをみれば、これは心証でぼくはどうこう言うわけじゃないけれども、案外あなた正直に言っていると思いますよ、これは。そこで、人事院の方が来ておられると思いますが、もし、これが事実とするならば、これは違法です。これはもう言うまでもありません。これは建設省も違法だと言っておりますし、かりにこれが事実として暴露された場合にも、これは違法行為なんだから、あっちゃいかぬことなんだから、それを持ち出した者も公務員の秘密とか何かを受けるものではないということは大臣も、答弁しているので、そのことはわかります。 そこで、人事院にお聞きしたいわけでありますが、ある調査によると五十億、六十億の実損があると、この差別の結果。こうなると、その差別というのは違法な差別であったのだから、当然これは差別を救済しなければならぬと思いますね。したがって、人事院にもお聞きするわけでありますが、この事実が違法であるのかどうかということと、もしこれが事実関係がはっきりしたならば、五十億、六十億、こういうものの実損を回復するのにどうしてするのか。銭金の実損はこれは回復がつくでしょう。しかし、本来課長になるべき者がまだ平だというのは、これは金ではとても計算できない。これは当然課長にすべきだし、その間、なるべき者がならぬ場合の心理的な何といいますか犠牲、こういうものもあると思うので、これが事実とするならば、どういうようにしてこの実損回復を精神的なものを含めて救済するのか、この点をお聞きしたいと思うんです。
○説明員(角野幸三郎君) 人事院からお答え申し上げます。 職員の昇任とか昇格問題で、組合員であるとか、あるいは特定の政党を支持しているとかいうことで、そういうことを基礎にして不利益な取り扱いをしてはならないということは、いま申されておるとおり、もしそれが事実であるとするならば、これは違法でございます。しかし、人事院といたしましては、日ごろからそういうことがあってはならないということで各省に対して指導は重ねてまいっているところでございまして、当然そのような差別はあってはならないと存じます。 給与上の問題に入りますが、人事院といたしましては、こういう昇任昇格問題につきまして人事院規則で一定の基準を定めておりまして、その基準の中でやっておりますが、現行制度上、実際の運用と申しますと、この個別問題といたしましては、各省の各任命権者の権限と責任でおやりになっておると、そういうたてまえをとってございます。 で、御質問のようなそういう組合員等であるということで、特段に給与上不利益な取り扱いをするというようなことが、かりにでございますが、かりにあったとしたそういう場合の給与上の取り扱いということでございますが、そういうたてまえでございますので、その場合は各任命権者のところで給与上認められる範囲内において適切な措置がとられるということに相なろうかと存じます。まあ救済措置ということでございますが、個々の事案についてのこのような問題の救済をはかる方法といたしまして行政措置要求などの道が開かれております。具体的にはそのような手続を経て処理さるべきものと考えております。
○沢田政治君 官房長、建設省にいま約三万人の職員がおるわけですが、この労働組合の関係がどうなっていますか。私もよくわかりません、四つあるのか、五つあるのかですね。何といいますか、どういう組織別になっていますか。そうしていまの労働関係はどういう関係になっていますか。何といいますか、どこを基準にするかわかりませんが、非常に労使関係が円満にいっているのか、あるいは非常にまあ対立状態にあるのか、どういう関係になっていますか。
○説明員(高橋弘篤君) 建設省におきます労働組合は、いまいろいろあります、数がたくさんありますけれども、地方の二事務所以上にわたるものが大体四つあります。建設省職員組合、それから全建設省労働組合、建設省職員労働組合、建設省関東職員労働組合協議会、この四つでございますが、そのほかにも事務所単位に五つの職員団体が結成されているわけでございます。 組合との関係は、私ども団交の申し入れがございましたら、いろんな話し合いをいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、そういう意味におきましては非常に安定してきているというふうに考えている次第でございます。今後とも十分そういう話し合いをいたしまして労使関係の安定につとめたいと考えている次第でございます。
○沢田政治君 従来各官庁に、極秘かマル秘かこれはわかりませんが、そういう秘密文書があるだろうとは私も想像つきます。そこで、新聞に掲載されておるように、極秘、こういうものもあると思います。極秘の判が押されてあるそうですから。その場合どういう扱いになっていますか。やっぱりここに書かれておるように一連の一連番号を打っていますか。極秘というそういう判を押す扱いをしていますか。そういう機密文書の扱いは、非常に関連がありますので、どういう扱いになっているのかどうか、全くこの記事がとっぴでもないものかどうかを私ちょっと判断をしてみたいので、わかりませんから。どういう扱いをしていますか、従来は。
○説明員(高橋弘篤君) 文書の取り扱いにつきましては、建設省文書管理規程というのがございまして、これは各省みな大体同じような扱いをしておりますが、極秘と秘というものがございます。しかし、建設省には極秘文書というのはございません。秘文書というのはあります。秘文書は、たとえば人事の関係のことだとか、それから入札のときのいろいろな一時的なものでございますが、そういう書類だとか、それから試験問題だとか、そういうものを指定いたしておる次第でございます。極秘文書はございません。
○沢田政治君 番号を打っていますか、見せちゃならぬようなものを。秘だか何だかわかりませんが。
○説明員(高橋弘篤君) 番号を付するということはたしか書いてなかったと思います。中には番号を付したものがあるかもしれませんけれども、原則としては番号は書いているというものでは必ずしもないと私は記憶しておりますが、ちょっとこの点もう少し確認いたしまして、またあとで御報告いたします。
○沢田政治君 新聞記事によりますと、通し番号が打ってあるというように書かれておりますが、そこで、身に覚えのないことだと、こう言っておるわけでありますが、身に覚えがない、確実にそう自信を持つならば、明らかにこの記事は誤報だと、こういうことになるわけだね。にせ文書だと、こういうことになるわけだ。新聞記事が間違っちょると、こういうことになるわけですね。その際、これは事実でない、こんなものを載っけてもらっちゃ困るというようなことを新聞社のほうに意思表示しましたか。そしてまた、事実無根だと言っているのだから、新聞が誤報だと、こういうように考えますか、いまもって。当然こういうものが出た以上は、身に覚えのないことであるならば、これは内外に記者会見でもして、こういうことは事実ないと、こう言い切るはずなんですよ。それを言い切っておらぬところを見ると、五、六年はなかったとか、今後あり得ないと思うとかというのだから、どうも信憑性がないんだよな、正直なところを言って。ここではっきり朝日新聞の記事はこれは全く誤報だと内外に宣明する、未来永劫こういうことはなかったと、こういうことを言い切るべきですよね、どうですか。
○説明員(高橋弘篤君) 先ほどのまた先生おっしゃいましたことにもう一回申し上げますと、今後差別はあり得ないという、私、今後差別はあり得ないということは、実は言った覚えないのです。さっきから申し上げましたように、電話の長い間のやりとりですが、私は、今後ということばは使っておりません。終始、やっぱり前からないと思うしというようなことを私は申し上げたんです。さっき申し上げたように、最近はどうですかとか、今後はどうですかという話があったときに、その問いに対してお答え申し上げたことはあるかもしれませんが、今後ということは私は使っておりません。それはちょっと申し上げますが。 それからこの記事は、新聞そのものが入手して出したというものより、むしろこの記事によりますと、国公共闘か何かがそういう取材を提供したというようなことで、その事実を書いておるだけでございます。この内容につきまして、私ども全く身に覚えのない、いろいろな調査をいたしましたけれども、こういうことについては覚えがないことでございます。これは国会で私が申し上げているわけでございますから、そういうように、調査した結果そういうことはなかったということをお答え申し上げておる次第でございます。
○沢田政治君 もちろん持ち込まれた材料ですね。こうだと載っけたことはわかりますよ。しかし、少なくとも大新聞が新聞記事を掲載する際、ガサネタを、これは全く信用にたえないものを載っけて、世間にセンセーションを巻き起こすというようなことはないと思うのです。やっぱり相当の信憑性に基づいてこういうものが出されておると思うのですよ。しかし、これは水かけ論です。あんたの言ったことも、事実こうであるかどうか、あんたがそうじゃないと言えば、そうであるという私は反証もあげられませんが、いずれにしても、そうなると、この新聞記事の事実というものは、全くこれは事実無根である、間違いだと、こういうことですね。そうしてこれはやっぱりそうであるならばあるほど新聞記者会見でもやって、大臣、これはもう事実ないと、未来永劫になかったということを表明しなさいよ。そうでなければなかなか信用できませんよ、これは。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私も、朝日新聞がしかもトップに出したわけでありますから、先ほど申し上げたように私としても非常に驚いたわけであります。それで、さっそく事務当局に参りまして、どうだと言ったら、そういうことございませんと、一応はそういう報告を当局から受けたわけでございますが、しかし、とにかく天下の朝日新聞がトップで出す以上はこれは相当な取材源というものを持っておるに違いないと、それに対抗するだけの建設省の立場というものが事務的にきちんとできておるのかどうかと、こういうことを再三再四調査を命じておるわけでございます。けさも実はその報告を受けたわけでございますけれども、まだ十二日のきょうでございますので、本省にはもうそういうことは全くないと、それじゃ関東地建なり、よその地建なりというところはどういう扱いをしているか、それを徹底的に調べなさい、調査しなさい、こういう処置を実はけさも指示したところでございます。したがいまして、私としては、いま現在のところ、新聞に指摘されておるような事実はないと、こう申し上げることのできることを御理解いただきたいと思うわけであります。
○沢田政治君 これはあったらたいへんなことだと私は思います。 そこで、人事院のほうで、国家公務員法ですね、これはやっぱり所管官庁でありますから、守らせる義務もあるし、人事院のほうで、朝日新聞のこの記事を見て、これは事実であったならばたいへんだということを言っているのだから、事実があるのかないのか、こういう記事が出ること自体がこれは重要なことだから、建設省とこの問題について、事実であったのかどうか、こういう点の連携なり連絡をとりましたか。全然これを無視しっぱなしですか。もし連携をとったり、あるいは事情を聞くとか、そういうことがあったならば、いつごろ、だれとそういう連絡をとったのか、その件を明らかにしていただきたいと思うのです。こういうものは、記事は出っぱなしで、これはこっちは知らぬということじゃないと思うのですよ。どうなっていますか、その点。
○説明員(飯野達郎君) 私ども新聞を見てみまして、やはり先ほど先生御指摘のように非常に関心がございますことなんで、実は昨日私のほうの担当官が建設省の海谷調査官においでを願いまして事情を聴取いたしました。
○沢田政治君 聴取した結果、どうでありましたか。
○説明員(飯野達郎君) ただいま建設省からお答えがございましたように、現在のところ事実は全くないということでございました。
○沢田政治君 この件に関しては、これ以上続けても水かけ論で、私自身も確証を持って言っているわけじゃありませんから、新聞掲載の記事をたよりに、これは事実であるならばたいへんなことだと、こういうことで質問しておりますので、これ以上ことばの応酬をしてもこれはむだだと思います、きょうの段階ではですよ。だから、きょうはこれでとどめておきます。 そこで、いずれにしても建設省は非常に行政に厚さがないと思います、私はですね。大体建設省の性格というものは、これは発注官庁であるのか実施官庁であるのか、これは非常に疑わしいんですよね。たとえば労働災害が起こったということになると労働省だと。今度賃金の不払いが起こったということになるとこれは基準監督署だと。骨材がないというと通産省だと。全くこれは発注官庁で、大蔵省から予算を取って発注するだけの官庁で、こんな官庁であるならば、行政遂行上のいろいろな施策を持っておるような官庁じゃない。全くこれは無意味な官庁で、これは国土庁と一緒にしてもいいような感じすら抱くわけですね。これは私の感じですよ。そうするべきだと、こう言っているわけじゃないんですよ。そういうことでいろいろな問題が起こっておるわけです。特に災害の頻発度の高いのもこれは建設事業ですよね。かつては炭鉱があったわけでありますが、炭鉱が斜陽化してもう建設が一番ありますね。そういう業者を監督する、指導する、こういう機能は全然持っておらぬですよ。これは幾らか消極的にやっていると思いますがですね、これはまああとで——移ります。 そういうことで、いろいろ何といいますか出かせぎの賃金不払い、こういう問題がこれは随所に起こっておるわけです。私のところにも幾多この問題が持ち込まれております。これを全部取り上げると、全く私自身が私設基準監督局にならなければならぬほど、そればっかりに終始しなくちゃならぬほどの件数があまた持ち込まれてくるわけです。それがほとんど建設業ですよ。だから、建設業のあり方、今日のようなことでいいのかどうかという重大な不信と疑問を私は抱いていることもこれは事実であります。これはあとの質問でお聞きしますが、たとえば建設業法がありますね。まあ建設業法は去年、一昨年ですか改正になりましたんで、その場合、元請業者の責任ですね、たとえばひどいものになるともう六つも七つもころがしていくわけですね。元請、そのまた下請、第三次、四次、五次、六次、そして一番最終の段階で契約不履行、これは労働賃金を支払わないというのも契約不履行、これは民法上の問題ですわね。また労働基準法上の問題ですわね。こういう場合、一体どこが責任を持つんですか。もちろん建設業法をすなおに読む限りにおいては、元請が責任を負わなくちゃならぬというように私は理解しておるわけでありますが、そういう場合は責任を持って——これは基準局の問題でもありますよ。が、しかしながら、業者を指導監督する責任も建設省にあると思うわけですね。これはその付近の関係はどうなりますか。
○説明員(大塩洋一郎君) いま御指摘のとおり、建設業法におきまして、賃金不払い等の事案が発生いたしましたときには、労働省との事務上の連絡を密にしておりますが、その通報等によって処理する場合、あるいはそういう事件を発見いたしましたときには、建設業法上の四十一条の規定によりまして、元請に対してその下請の賃金不払いに対する立てかえ払い、またはそれにかわる措置等を行なうべきことを勧告し、またはそれを順守させるという規定が御指摘の四十六年の法律の改正で入ったわけでございます。一般的にいいまして、こういった労働関係の事案、不払いをはじめとして災害その他の事案につきましては、労働省と緊密な連絡をとって、通報制度をとり合いながら、建設業法と労働関係法規とを常に事務的にリンクさせているように日ごろやっているところでございます。
○沢田政治君 私は、下請を全面的に禁止すべきだと、こういうことはこれは言っておるわけじゃないんです。ある場合はこれはやむを得ません。たとえば大きなダムならダムを建設する場合、工程がいろいろな専門的なサイドがありまして、これは一つの業者が全部そろえるということは不可能でしょう。これはやっぱり部分的な何というか下請ということに回すことは、その限りにおいては私はやむを得ないと思いますが、たとえば道路工事等の比較的技術も要らぬという単純工事ですね、こういうものは、これはやっぱり下へ下へところがしていくべきじゃないと思いますね。これはどういうようにそれを指導しておるのか。建設業法によりますと、まる投げは禁止されておるわけですね。まあ、まる投げということばは専門用語らしいので、私もきのう聞いたわけでありますが、請け負いして、全然手をかけずに、おい、次、おい、次と、こういくのは、これはまる投げだそうでありますが、まる投げは禁止されていることはこれは事実であります。建設省直轄の工事はまる投げは比較的少ないと私は考えます。ところが、地方公共団体等の仕事になりますと、まる投げの件数が非常に多いんですよ。県会議員やって非常に実績をつくったというやつは、もう子供を持って次々とやって、一〇%、ある場合は五%ですね、こういうようにもう何というかマージンか手数料か取ってまる投げしておるわけですね。こういうことは好ましいことじゃないんですよ。国の金であろうが、地方公共団体の金であろうが、少なくとも税金であることはこれは間違いありません。四つも五つもころがして、五%、一〇%のマージンを取ること自体は、元請に対する積算の単価が甘かったと、政治単価だと、こういうように国民からとられるのはこれは当然だと私は思うんですね。 でありますから、まる投げのこの監視体制、聞くところによると、それは密告か何かがなければわからないというんですね、建設省は、まる投げを。そんなばかなことがあってはいかぬと思うんですよね。機構がなかったらば、そういうものを監視するぼくは体制をとるべきだと思うんですよ。たとえば積算が、これは甘いか辛いか別として、甘かったならば——甘くなかったとしても、四つも五つもころがしていく場合においては、何といいますか、もう相当過酷なものになって、下のほうはこれは過重労働になるか、労働災害法規を無視して、そうして災害が頻発するというのは当然の帰結として考えられるわけです、これは。国の予算をむだに使うということと労働災害を頻発させるという二つの作用を来たしておると思うんです、これは。ゆゆしい問題であると思うんです。でありますから、そういうものをどういうようにして監視しているのか、実態をどういうように把握していますか。私は密告じゃ至るところで知っていますよ、まる投げですね。実際行なわれているんですよ、それが。公然と行なわれていますよ、それは。
○説明員(大塩洋一郎君) 御指摘のとおり、いわゆる重層下請、しかも三重、四重の下請ということは、きわめて好ましくない現象であることは御指摘のとおりでございます。これにつきまして、元請の義務といたしまして、建設業法にもいろいろ規定がございまして、たとえば契約を文書で履行すべきであるとか、あるいは下請の系列を表示しなさいとか、こういった規定はございますけれども、その末端まで元請が把握するということはかなりむずかしいいろいろな事情もございまして、現実にはそういう事案もあるように聞いており、また散見しておりますけれども、二重、三重、四重の下、末端まで元請が把握できないような状態に置いていること自体がいけないのでありまして、われわれとしましては、これを元請がもっとしっかり末端の下請まで把握するような仕組みをもう少し徹底すべきである。そうすれば、そういう不要な下請が行なわれない、あるいは自粛されることになるわけでありますから、まず、たとえば局長通牒で重層下請はいけないというような通牒もたびたび出しておりますけれども、そういうことではなくて、それが守られるような形にいたしますためには、元請の責任を、工程の管理だけではなくて、それを実施させるところの契約の過程をはっきりとつかむような具体的な方法を至急検討すべきであるというふうに考えておりまして、そういう具体的な方法につきまして、近く中建審等にかけまして、その制度的な、また実行可能な方法を至急検討いたしたいと、このように考えているのでございます。
○沢田政治君 あんたがおっしゃるとおり、やらないのがいかぬのよ。ともかくA、B、C、Dところんで、Dが実際工事をやっている。AがDまでこれは管理しなければならぬわけだ。それを、Aの技術者なり監督が来ているかと思ったら、みんなDばっかりでやっていますよ、どこもですね。もちろんBもCも来てないんですよね。これは制度的にはっきりさせるべきだと思います。これはいまの建設業法が不備であるならば不備、政令が不備であるならば不備、早急にやっぱりこれを改めなければ非常に疑惑を持つわけです。国家の金、公の金がはたして適正に使われているかどうかという疑問、しかもここに働く方々は非常に最下層——最下層までいかぬけれども、非常に貧しい方々が働いているんですよ、建設業界にですね。それが四つも五つもころんできて、はたして国の予算の使い方、公の予算の使い方、これでいいのかという素朴な疑問、そこから官界と政界の結びつきとかいわれる、いま言っておるところの金の癒着、こういうものが非常に疑惑の渦を巻いておると思うんですね。法改正するなり規則改正するなり、はっきりさせるならさせるということを大臣ひとつ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私も大臣就任する前、いろんな中小業者の方々また大手の方々から、密告といいますか、裏話と申しますか、そういう話を人一倍聞いたと申しますか、まあ聞いておるわけであります。御指摘のとおりの面がこれはあることはもう事実でございます。それを、あるということは、結局は国民に害を与えておると、その国民に害を与えておるという意味は、結局各省でそれぞれ公共事業等の予算を編成いたしますときには予算単価というものを積み上げるわけでございますが、その予算単価というものはそう甘いもんじゃないと私も思うわけであります。それがいろんな段階でピンはねされて、下請下請ということでいって、現実の工事がその下請業者によって施工されるということになりますと非常に無理が出てくるんじゃないか。それで、いろいろそういう下請業者の泣き声と申しますか、そういうのも実は私いろいろと聞いておるわけであります。それを防止するにはということで、業界の結束なり業界の、ということを一応言うたりやったりしてみましたけれども、とてもとても、結局何か言うと、もう仕事がもらえなくなると、したがって、公共事業関係の受注者はもうほんとうに泣きながら仕事をやっているという事態も実は経験をしておるわけであります。 そこで、大臣就任いたしますと、直ちにそういう実態を事務当局にも明らかにするようにいたしますとともに、とにかく沢田委員から御指摘いただいたように、この建設産業というものを通じて生活を維持しておる国民はどのくらいいるかということも実は調査をせしめたわけであります。これはもう一千数百万の日本の国民がこの建設産業によって生計を立てておると、維持をしておるという現実等も考えました際、やはり仕事を発注すればもうそれでこと足りるというような行政姿勢じゃなく、やはりそういう方々が安心して仕事ができるという体制、そういうものをつくれるような指導監督、育成といったような行政の姿勢があるべきではないかということを検討をいたしまして、そういう方向に向かっての建設省の姿勢を組織の上につくっていこうということで、実は来年度の概算要求にもそういう姿勢をとるような方向をとっておるわけでございます。確かに組織をつくりまして、その上で、具体的にそうすれば今日まで長い間踏襲をされてきております業界の現実というものをどのように近代化してまいるかというような問題、御指摘いただいたわけでありますが、そういう面についてもやはり今後専門の方々、学識経験者等の方々に御依頼をして結論を出していただかなきゃならぬのではないかという感じを持っておるわけでございますので、御指摘のような方向に向かって積極的に取り組みたいと、こう思っておる次第でございます。
○沢田政治君 大臣もかなり建設業界の内部の実態というものは把握しておると私はいまの答弁で理解するわけです。まさに前近代的なわけですよ。たとえば発注して応札する場合ですね、これは半ば公然と談合が行なわれているのは、これはもう公然の秘密ということなんですよね。今度はどこだなと、こう何というか親分が、地方のAクラスだったら今度はどこだ、あそこはどこだと。それはもう何というか契約したわけじゃないけれども、ツルの一声で、おそろしいもんだからね、間違ってもAクラスでそのものがとったものをまた下へ回してもらえないもんだから黙して語らずと。大臣の答弁にもそういう意味のことが出ておりましたが、これはもう非常に前近代的なんです。これは疑惑を招きますよ。だから、これはもう洗いざらいに建設業界のあるべき姿というものを明確に立て直すべきだと思いますね。最近はランク制が出ておりますが、そのランク制の歴史もそう古くないんですよ。最近なんですよね。県によってはランク制がなかったところもあるわけだ。地方のAクラスというのは百万円ぐらいまでとって次におろしちゃうと、こういう例は一ぱいあったんですよね。最近はほとんどの県がランク制をとっていますね。Aクラスはどれだけの工事料と、こういうことをきめておりますが、Dクラスはどのぐらいときめておりますが、これは地方にもばらつきがありますな、地方ごとに。でありますから、全国一律のランク制ということはこれはむずかしければ二つに分けるか、地域ごとに三つに分けるか、いずれにしても県の条例とかそういうものにゆだねなく、やっぱり建設業というのは特定の県に集中するもんじゃありませんから、また建設行政としても特定の県の建設業だけ発展して力を持っていいわけじゃないわけですから、でありますから、研究課題として、やはり一つ二つぐらいに区切って、ABCぐらいのランクをつけて力をつけさしていくと。そうでなければまさに労働災害が頻発してたいへんですよ、まる投げをしているわけでありますから。この上をどう考えますか計画局長。
○説明員(大塩洋一郎君) われわれはそれを発注標準、そういうランク制をそういうことばで呼んでおりますけれども、そういう制度を採用いたしまして、よりABCDEというような四段階、五段階の発注標準を厳守するように各発注主体にたびたび通知をいたしまして、その順守を奨励し、そしてこれを守ってきておる。また、各発注主体におきましても、これは公共工事が主でございますけれども、これを現実に守っていると思います。それは効果としましては中小企業なら中小企業向きの工事が他の大企業からとられないようにというような保護的な意味もありますし、またそういった専門的なものを育てていくという積極的な効果もあるというふうに評価いたしております。そういうことでございますので、今後ともそういう発注標準を守るように指導を続けてまいりたいと思っております。
○沢田政治君 私、詳しいことはわかりませんが、もし発注する場合の発注単価ですね、積算ですね、この中に当然——東北新幹線とか新幹線の工事で非常にもうたいへんな労働災害が頻発しておる、しかもそれがやみからやみに葬られるような一面もあるということで、わが党が調査団を出して調査したわけですが、そういう場合、先ほど言った元請が下を把握しないという問題もありますよ、単価自体にも問題があると思いますのでお聞きしますが、その積算の基礎に、地下工事であるならば、これはいろいろな何というか安全衛生規則もありますから、そういう安全対策、衛生対策、そういうものを積算の基礎に、当然法律を守らなければなりませんから、建設省とか鉄道公団が発注するわけでありますから、当然法律とか規則を念頭に置いた単価を組むと思いますが、そういうものを具体的に組んでおるわけですか、単価の中に。そういう単価の中に組んでおるならば一つ例を持ってきてくださいよ、東北新幹線でも。安全衛生対策にこれだけの費用を見込んで、材料費は幾らとか、工賃は幾らとか、一回分解してみたいと思うんですよ。でありますから、何らもう、何というか安全衛生規則なんか守っておらぬから、ああいうことが出てきたわけだからね、これはもう当然一貫して建設業を監視していく義務があるんだよ、あんたのほうはね、当然。労働省は労働省サイドで、建設省は建設省サイドで。それが今日まで、もう何で発注したからわれ終われりと、あとは手抜かり工事がないか、あるいは工期までに完工するかどうか、それを見ればいいということだけじゃこれはもう建設省無責任ですよね。どうなっていますか、それは。
○説明員(高橋弘篤君) 請負工事の工事費の積算基準の中に、ただいまおっしゃいましたたとえば安全施設等に要する経費、安全費ですね、交通管理とか安全施設等に要する費用というようなものも入っているわけでございます。なお、この積算基準の内容につきましては、いろいろ関係の業者も入れた、関係各省とも研究会をつくって、そして十分内容を検討し、その際に先生の御意見も十分参考にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○沢田政治君 それで、賃金の未払い、これは秋田県は出かせぎ御三家とかなんとかといわれるほど、あまり名誉じゃない出かせぎの多発地帯なんですね。これは農業地帯ですからね。それで日本鋼管工事株式会社、ここが不払いしたわけじゃないけれども、その下の三つ目の篠崎組、その下の木島重信なる者ですか、これが不払いを起こしておるわけですね。まあ金額はさだかじゃありませんが、私どもに対する何というか知らせによりますと、百二十三万一千九百十円と、こういう報告があるわけです。これを基準局に持っていっても、これはもう全然——取り合ってくれたたろうけれども、まあ基準局の私は体制もわかりますよ、非常に人員は不足だと、これをさばくにはね。そういうことで、半年たってもどうしてもどうもしてくれないと、こういうことで、これは零細な方々ですよね。農業だけじゃ食えないから、これは出かせぎに出ているわけですからね。こういう方々がたくさんありますよ。持ってこいと言うなら、たくさん持ってきてみせますよね。そういうことで非常に困って、基準局も相手にならぬというわけで泣きつかれておるわけですが、まあ事前に、ここで委員会で取り上げる前に、こういう実態があるぞということを建設省のほうにお知らせし、基準局のほうにもきのうお知らせしておるわけでありますが、その結果はどうなりました、これは。
○説明員(岸良明君) ただいまの日本鋼管の問題でございますけれども、基準局のほうが相手をしないということでございますが、私どもの調べた限りでは、この労働者の方々のおられます秋田の所轄監督署にも、また日本鋼管の所轄をいたしております横須賀の監督署にも、この事案については申告がないようでございます。私どもとしては、特に出かせぎの方の賃金不払い問題については非常に注意をして、いろいろと配慮をいたしておりますけれども、やはり事案として申告がございませんと、これに対してなかなか対処ができないわけでございます。 で、本件につきまして、先生から昨日御指摘をいただきまして、事案の内容を直ちに所轄の神奈川労働基準局に連絡をいたしまして、この問題については鋭意解決をするようにただいま努力をさせておるところでございます。そのように御了承いただきたいと思います。
○説明員(大塩洋一郎君) 昨日、先生から御指摘の事案があるということを聞きましたので、先ほど申しましたように建設業法の四十一条の規定に基づく特定業者に当たりますから、さっそく連絡をとりまして、建設大臣がこれを「勧告することができる。」という規定がございますけれども、こういった事案は多くは行政上の運用措置として事前に解決しておりますので、その担当者の重役にそういう事案があるかどうか、それからまたどうするつもりかということを申しまして、立てかえ払いをするようにいま話をいたしておりまして、その旨を当該重役は了承しておりますので、近くそういう形で解決するというふうに私は確信しております。
○沢田政治君 要は賃金の不払い、しかも非常に苦しい方々ですから、これはもう六カ月も一年も払われないということになるとたいへんなんですよね。建設省に言うと、基準局で、早く払うんですよ——。これはもう何というか建設業法のたてまえからいって、立てかえ払いでもしなくちゃならぬわけでありますから、だから私は、やっぱり建設省はもう少し——あまり役所をふやすのは好きじゃありませんが、本来やらなくちゃならぬこういうものを、業者を監督しておらぬわけだから、やっぱり行政の責任の一端はあるわけだ。それがどうしても払えないということになりますと、基準局のほうに回るとして、こういうことが起きないようにするのがやっぱり建設省の所管官庁としてのつとめだと思いますね。そういうことで、秋田県の南秋田郡の菅原剛、菅原雷初、菅原留蔵、菅原という三人の方の一応めどがついたようですが、特に業者が徹底しておらぬですよ。ともかく下請へころがしたならばあとは知らぬと、下請の事故は下請けの事故だと、こう思っているんですよね。建設業法がどう改正されたかということを知らぬわけだ。知ろうともしないわけだ、これは。そうじゃないですか、事実。徹底さしていますか、どうですか。
○説明員(大塩洋一郎君) 特定建設業者の先ほど来申し上げております下請人等が賃金不払い等をしたときには元請に責任が来るんだ、立てかえ払いその他適切な措置を講ずることが建設大臣から勧告でき、それに従わない場合には監督処分をすることができるという規定が四十六年の法改正でできたわけでありまして、当然これは各業界を通じまして、あるいは各発注主体に対しましても、そういう旨を再三これを行政指導し、通知をしているところでございます。
○沢田政治君 全然わかっていないんですよ。それは千葉県印旛郡四街道のつくし座ですか、これは建て売り新築工事で、十一棟分の工事をこの下請会社がやったわけで、発注は大明建設というところですよね。そこでその下請が賃金を払わないと、これは秋田県の方ですが、どうしても下請に話してもらちがあかぬと、こういうことで、この大明建設会社に社長名で、何とかしてくれと、こういう手紙を出しているわけですね。その場合の返事がここに出ておりますが、おれはもう下請に金は払っちゃったんだと、おれが払ったものをなにおれが責任を負うのだと、これはもう下請の責任だから下請に請求せいと、おれに請求するなんてお門違いだと、こういう返事をよこしているわけですね、出稼組合の方々に。実態はそうですよ。だから、こういうところもまだまだ法律さえも徹底していないですよ、この建設業者が。これはあとで資料をやりますから、これも処置してください。これはもう秋田県の南秋田郡と能代市の大工さんとか、これは相当ばく大な額ですよ。これもこまかく言っているひまありませんから、あとで差し上げますから、当然基準局と連携をとって早急にこれは返してもらわなくちゃなりません。特に帰りの金がないんですよ、払わぬものだから。出かせぎの農家の方々がうちから送金させて帰郷しているわけですよ。まさに首つりの足を引っぱるような所業だと思うのですね。こういうのは許されちゃいけませんよね。だから、はでな新幹線をやるとか高速道路よりも、こっちのほうへもう少し力を入れなければおかしいことになりますよ、建設省は。これはこれで終わります。 次に、古賀委員がそれぞれ報告をしたわけですが、私どもはただ報告をしたということじゃいかぬと思いますね。少なくとも国政監視の任にある国会議員が視察して報告し合ったということだけじゃ意味なさぬわけですから、これをまとめて質問と要望をしてみたい、意見を述べてみたいと思いますが、一体この委員会における委員派遣の視察の報告を行政担当の行政府はどういうように受けとっていますか、ああそういう報告があったというふうにとっていますか、それを尊重してやはり正しいものは行政レベルに乗っけると、こういうようなぼくは当然の義務だと思うのだが、どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) それは御指摘のとおりでございます。私も当委員会から御指摘を受けました点、また調査団からちょうだいしました報告書等につきましては、これはもう国会の意思として行政のベースに直ちに乗るものはこれを乗せるという努力をいたしておるわけでございます。と同時に、法律上の問題等につきましては、建設省といたしましてはそれぞれの部門別、各局別に分けまして、そうして各局で検討をし、法律改正を要するものについてはその措置をとるような対策をとり、また審議会に御相談を申し上げなければならぬ問題等につきましては審議会に諮問を申し上げるという手続をとらしていただいておるということを申し上げることができるわけであります。
○沢田政治君 時間がありませんので簡略に要を得る答弁をしていただきたいと思いますが、一般国道昇格、これは五年に一回という——法律にあるわけじゃありませんが、大体五年に一回になってきておるので、ことしは五年に一回ですから大体その年になると思いますが、これの基準というのは一体どうなっているのか、あるようでないようで、道路法の第五条もあるわけですが、必ずしもこれは厳格に守られているとは思いません。私もいろいろなケースを知っていますが、市と市とか、県から他の県というんだけれども、同じ県内のものもあるしね。でありますから、私はやはり法律に縛られて国民が望むような道路行政ができなければ法を思い切って改正すべきだと思うのです。法を改正しなくとも、やはりいまいわれておる産業のメリットを考えた道路というのは国民がもうそっぽを向いていますよね、高速道路でも。でありますから、産業にメリットをもたらすのじゃなく、国民にどういう生活向上なり、文化の向上なり、生活の利便を与えるかというのが今後の道路行政の私はかなめにならなくちゃならぬと思いますね。 そういうことで、いまの道路法でもできると思いますが、私ども九州に参りまして、古賀委員の報告もありましたが、長崎県は非常に離島が多い県であることは御承知のとおりであります。そこで、たとえば壱岐、対馬、これはお互いに五万ぐらいの人口があるわけですね、五島五万。こういうところで福江というような市もありますね。これは三万五千人ぐらいあるでしょう。いまは三万市というのがありますね。市から市を結ばなくちゃならぬということになればね、だから、行政レベルで島という場合と、市という場合と内容は同じだと思うのですよ。人口がそれだけ多くて、それだけ裨益するのだから、ここは当然自然開発なり、文化の向上なり、生活の利便なりを考えて、やはり一般国道昇格を望んでいるわけですよ。私はちっぽけな三万と三万の市を結ばなくちゃならぬというよりも、こっちの比重のほうがずっと多いと思うのですよね。しかも道路行政に望む国民の声というのは単に長距離とか都市と都市を結ぶのじゃなく、もう少し底辺から生活の利便というものを上げてほしいという、これは国民の一致した声なわけでありますから、いまの法律でも私はできると思うんですよね、こういう要望は。ここばかりじゃない、随所からこういう問題が出ていることも承知です。でありますから、端的にこれに対する一つの見解ですね、ここでこれを昇格させますとかなんとかいうことには相ならぬということは私も重々知っておりますが、一つの方向だけでも示唆していただきたいと思うんです。どうしても法律解釈上無理だなんて石頭のような法務省かなんかあったらこれ直しましょうよ。これはできると思うんですよ、いままでやってきていることだからね、どうですか。
○説明員(井上孝君) 国道の指定につきましては、原則として主要地方道になっておるものから、道路法の第五条の国道の要件として五項目ございまして、それに該当するもの、さらに国道網の網の大きさと申しますか、あるいは交通量等を勘案して昇格追加指定をいたしております。御指摘の離島につきましては、ことし予定をいたしております国道追加指定につきましては離島が一番の問題でございまして、御指摘の点十分心得まして、道路法五条の規定の範囲内で御指摘の離島が私どもは指定できるという立場で関係省と折衝中でございます。
○沢田政治君 わかりました。いまの答弁でわかりましたんで、その方向に沿って、国民世論もそういう方向を支持しているわけですから、御努力願いたいと思います。 それから有明湾に面する佐賀・白石平野、ここが非常に地盤沈下しているわけですね。まあこれは地層ですね、地質関係もこれは学問的に究明するとあります、これは粘土層とか、収縮作用とか、こうありますが、そういう科学的なことを言わぬことにして、ともかくいま今日地盤が沈下しておるというのは地下水をくみ上げたわけですよ。この地下水もほとんどかんがい用が非常に大きな比重を占めておるわけですね。白石町なんかは国策公害ということばを使っていますよね。私は初めて国策公害ということばを聞いたわけですが、あそこを埋め立てて、干拓というのですか、干拓して、これは水がないものだから地下水で食糧大増産の農林省の指導によってどんどん井戸を掘ってかんがい用水にしたわけです、これは。その限りにおいては、あの米の足りない時代に開田をせよ、干拓せよ、そうして米の増産だ増産だということを指導したのはこれは行政であるんだから、その結果地盤が沈下したんだから、これは国策公害ということもまさに当たっておると思うのですね。 そこで、これに対してどういう対策を講じるかということですね。しかもこれは農地としても使えなくなると思います、いまのままいくならば。これは平均沈下するならいいけれど部分沈下するわけですね、こうウェーブのように。だから、これは農地としても将来は使えなくなる可能性があるわけです。それと住宅は慢性的にこれはほとんど水びたしになる。毎年のごとくこれは水びたしになると、こういうこと。したがって、地下水を揚水しないということが第一の方法ですね。そのためには流況調整をするなり、どこかから揚水をするなり何か考えなくちゃ、あの地区、佐賀市を含めてまさに国土が荒廃していくと思うんですね。どういう手段を持っているか、特にこれは国土庁ですね、これは農林省にも関係あるし、建設省にも関係あるけれども、そういう各省にまたがるものを調整するのは国土庁ということになって、何もいま実績がないけれども、こういうことぐらいひとつ実績をあげてもらいたいと思うんですね。どう考えておりますか、これは。
○説明員(宮崎明君) 御指摘のとおり、地下水に過度くみ上げによりまして非常に大きな地盤沈下障害を生じておることは非常に残念に思います。国土庁としましては、出発したばかりでございますけれども、関係省庁と連絡をとりながら、それぞれ代替水源の確保方策につきましていろいろ御協議申し上げているわけであります。 特に白石地区につきましては、建設省で施行の六角川河口ぜき、これは五十年から効用を発揮すると思いますが、これによりまして年間三千万トン程度の特定利水、三百万トンですか、不特定利水として水源が確保できます。それから同じく嘉瀬川の第二ダムですか、嘉瀬川ダムが建設省で現在直轄調査を実施中でございます。これの完成によりまして年間約四千万トン以上の用水量が確保できる、それが白石地区の水源として予定されているわけでございます。そういうことで、非常に水源対策のほうはダムの建設等が促進されればかなり早い時期にできる。今度それを受ける農業用水路のいわゆる土地改良事業、これも農林省のほうで来年特に地盤沈下対策事業ということで高率補助のお願いとともに新規着工ということを要望しておりまして、そのほか二級河川の出口等につきましては河川費で排水ポンプを設置する、そういうことでいろいろ対処しております。それぞれの事業を完成するまでには相当一千億近い投資が必要かと思いますが、逐次そういうことで手を打っておるわけでございます。
○沢田政治君 この件に関して建設省、農林省にも質問をしておるわけですが、まあ代表して国土庁ですか、いま答弁したのは。これは調整の役割りを皆さん今度になってもらわなくちゃならぬから、こまかいことは言いません。それでまた後ほど、しからばいまの答弁に基づいてどうやったのか、機会を見てまた委員会で具体的なことをお聞きいたします。 ただこの際、慢性的に学校とか官公庁もそうです、公共施設あるいは個人住宅が水びたしになるんですよ、毎年ね。普通の浸水したものだったら、洪水がおさまって二、三日たつと引くわけですが、何せあんなに沈下しているものだから、なかなか溢水したものが水が引かぬ、こういうことであって、衛生上も住宅にはたしてそこがいいのかどうかという問題もありますね。これに対する、住宅に対する補償というのがいまの現行法じゃ何もないわけだ。たとえば急傾斜地の場合は、建設省の急傾斜地に対する法律があるわけですが、事地盤沈下に関しては何もないわけだから救いの手がないわけですよね。でありますから、もちろん法律にないことは国庫から金を出すことはこれは不可能です。しかし、現に毎年連続してこう困っている人があるのだから、これに対する法制化を一応研究してもらいたいと思いますね。と同時に、地方で地下水の何というかくみ上げを禁止する、規制する条例ができてきているわけだね。ところが国には何もないわけだよね、これは。これはやはりもう全国的な問題として考えていくべきだと思います。これは強く私は意見として主張しておきます。 次に、福岡県に流通業務市街地の整備に関する法律で流通団地ができているわけです。これは四百億の巨額な投資でやっておるわけですが、ところが関連道路のほうがおくれておるわけですね。しかもこれは先行投資しちゃっているのだから、これはもう物価にも関係あるわけでありますから、でありますから、今度道路がおくれておるから用をなさぬわけだ、四百億の巨費を投じて。もちろん総需要抑制のあおりだということはわかりますよ。総需要抑制については原則的には私どももこれは是とします。しかし、総需要抑制といっても事によりけりですね。事物価に関係ある問題、こういう問題についてはやっぱり選別して考えるべきだと思うんですよ、一律に二五%とか三〇%じゃなく。業者が困る困らぬの問題もありますよ。四百億の巨費を投じて道路のほうができないんだから、これはたいへんな大損害になってくるわけですね。でありますから、これは当然物価という見地から——業者救済ということは私は意識にありませんが、やっぱりここは大きな流通センターになりますから、物価に大いに関係があるわけでありますから、そういう見地から考慮をすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(井上孝君) 福岡の流通センターに関連する道路は幾つかございますが、そのうち九州縦貫自動車道の福岡東インター付近につきましては、ただいま日本道路公団の手で鋭意工事中でございまして、今年度末、来年三月には古賀と鳥栖の間が開通する予定でございます。また、国道三号線の博多バイパスというのも、この流通団地と福岡市をつなぐ幹線道路で予定されておりますが、これは若干用地交渉等で当初の予定よりもおくれましたが、来年の七月には完成をいたしまして、主要地方道の福岡−直方線以西、福岡市までが完成する予定でございます。それからもう一つ、国道二百一号、福岡東バイパスにつきましては、全体の開通は来年の暮れごろになるという予定でございますが、すでに流通センターの区域内の部分につきましては完成をして供用を開始いたしております。この流通センターから旧国道三号、福岡市に至ります区間につきましては、特に工事を急ぎまして、来年の七月にはでき上がる予定でございます。いずれも当初の予定では昭和四十九年度末、今年度末にこれらの道路が完成する予定で工事をやっておりましたが、先ほど申しましたように、一部で計画に対する反対、あるいは用地単価の折り合いがつかないというようなことで若干おくれておる次第でございます。総需要抑制の施策の中でございますが、御指摘のような事情でございますので、これらの事業につきましては今後とも重点的に施工の促進をはかるつもりでございます。
○沢田政治君 最後に、時間が来ましたのでこれで終わりますが、私ども視察に参りまして、特に中小建設業の方々から、もう少し行政の密度といいますか、手厚さというものを考えてほしいと。たとえば資金がどうこうということになると、これは金融機関に泣きつかなくちゃならぬし、労働問題は労働省だというように、全国に三十万のこの土建業者がおるわけですね、そのほとんどがこれは零細企業なわけですね。しかも大臣がおっしゃられましたように、そこに働いて、関連しておる家族も含めると一千万の方々が建設業に何らかのかかわり合いを持っておる。しかもそれがほとんど発注、受注関係だけで、何ら行政の厚さがない。まあ先ほどの請負の問題、出かせぎの問題、災害頻発の問題、これはもうやはり建設省は本腰を入れて業者を指導育成していかなくちゃならぬぼくは任務があると思いますね。そうでなければ単なる発注官庁、あるいはまた予算ぶんどり官庁的なものにならざるを得ないのですよね。いままでやってこなかったのがこれはおかしいと思うんですよね。そういうことで、業者の方々が建設局を設けてくれとか、地建にもそれにふさわしいものを設けてくれとかという表現ですが、私はその内容に入りませんが、いずれにしても、発注して、あとはもう応札さして工期までに完工させればいいということだけじゃ建設行政としては全く手抜かりだということだけは私は数々の事例をあげて指摘したとおりです。そこで、行管、どう考えますか。まあ公務員の数を減らすということは私ども賛成ですよ。賛成ですが、ところによりけりだと思うんですね。余っているところから持ってきたらいいじゃないですか。そういうように全部の定員の中で何か考えるべきだと思うんですね、この問題は。もうまさに建設行政は発注だけして何も手をつけておりませんから、この点は行管の見解をちょっとお聞きしておきたいと思うんですね。
○説明員(向坂浩君) 行政管理庁でございます。 昭和五十年度の定員、機構等の要求につきましては、現在各省庁から要求内容等を聴取しております段階でございます。今後引き続き十分に検討してまいりたいと存じております。
○委員長(小野明君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時十五分開会
○委員長(小野明君) これより委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○坂野重信君 議員生活本日は最初の質問でございますので、よろしく御協力願います。 総需要抑制下の公共事業の執行と、きびしい建設業界、当面している諸問題、これにどう対応するかというような問題につきまして御質問申し上げます。 公共事業の執行につきましては、建設大臣はじめ大蔵省、関係各省非常に苦労されているところでございますが、先般当委員会で多摩川の災害地の視察をいたしました。多摩川に限らず全国各地で今年度もかなりの災害が発生しております。それによって国民生活の基盤というものが被壊されている。いろいろ原因はございますが、やはり全国的に治水施設というものが非常に不十分である。そういう私は災害のやはり実態というものを見て、そういう証拠があらわれているというぐあいに見ているわけでございます。いまだに、治水の施設というものは明治以来営々としてやっておりますが、その標準というものがわずかに三〇%か四〇%、そういうような程度じゃないかと思います。また、道路にいたしましても、いわゆる生活道路というものが非常に不足している。そして出水時や積雪時等では通学道路というようなものが、交通が途絶して町や村が孤立するというようなところも多い。私は過去一年間以上にわたりまして全国各地を走り回ってつぶさに地元の人々とひざを交えて話し合いましたが、ほんとうに心の底からそういった公共事業に対する整備というものがおくれている、一刻も早くそういう整備というものを進めてもらいたいという切なる願いというものをはだに感じたわけでございます。 最近公共事業についてはいろいろな批判がございます。確かに環境破壊の問題等いろいろありますけれども、やはり地元にとっては、特に開発のおくれた過疎地帯の地域住民にとっては、公共事業というものがいかに緊要かつ重要なものであるかという認識が非常に強いということを私は感じ取ったわけでございます。また、下水道あるいは公園等の生活環境施設、いわゆるそういうものを考えてみましても、下水道の普及率はわずかに二〇%弱ということでございますから、欧米各国に比べますというと、これも非常に低いという状態、まあ三分の一から四分の一程度のまだ普及率しかないという状態、公園にいたしましても、都市公園が非常に低い状態でございまして、諸外国に比べますというと、これも五分の一から二十分の一程度というような、一人当たりの面積を考えてもそういう状態である。公園の五カ年計画によりましても、五十一年度末というものがようやく一人当たりが四、二平方メートルというような状態である。住宅の問題を考えてみましても、先般建設省の発表が出ておりましたが、その資料によりましても、非常に住宅に対する不満というものが指摘されております。建設大臣も住宅問題につきましては、新聞紙上等で拝見しますと、非常に苦労されているようでございますが、住宅の整備につきましても非常に立ちおくれているというのは明らかな事実でございます。水資源の問題を考えましても、だんだん逼迫しているような状態であるということを考えますときに、私はそういった公共事業というものの性格、最近は御案内のとおりに、やはり福祉政策というものがわが国の政策上の最も重要な一つの柱でございますから、公共事業というものがまさに福祉政策の一環として緊急的に推進されなければならない。 ところが、とかく公共事業というものは福祉政策と別の問題として考えられがちである。予算科目を見ましても、社会保障等の充実というような項目には一般的に公共事業は含まれてない。また、経済社会基本計画においても、分類を見ましてもいわゆる生活環境という分類がございますが、その中にも下水道、都市公園、住宅というものは含まれておりますけれども、さっき申し上げました地方の生活道路であるとかあるいは中小河川というような生活の基盤を破壊されては、せっかくのそういった福祉そのもののまた基盤がゆらぐというような重要な問題も含まれてないということを考えますときに、ほんとうにこの辺で公共事業というものを福祉政策の一環だという立場から思い切った強力な推進というものをぜひともはからなければならぬということは、私がいまさら釈迦に説法で建設大臣に申し上げる必要はないわけでございますが、その辺のところの実情をよくおわかりでございます建設省は、ひとつ勇気をもって率直に、この公共事業というものを現下のきびしい時期においても何としてでも緊急的に進めなければならぬということを私は世論に訴えてでもがんばっていかなければならぬと思うわけでございますが、その辺に関する建設大臣の所見、あたりまえの質問でございまするけれども、所見と、また大蔵省の御見解をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) たいへん重要な点を御指摘いただいたわけでございます。しみじみ思うわけでありますけれども、ほんとうに国民のための公共事業というものが、明治の初めから考えました際に、旧憲法時代においては民生安定ということばはあったようでありますけれども、現実に国民のための公共事業であったのかどうかということに非常に疑わしい感じを私は持つわけでございます。特に十年ごとに大戦争をやって、国民の汗の結晶、努力の結晶を全部気泡に帰したという感じがいたすわけでございます。戦争がいかに国民のために不幸をもたらすかというようなことを体験した結果、人類がかつて歩んだことのない国づくりの道をわれわれは選んで、平和憲法をつくって、国民のための政治ということに昭和二十二年以降最善の努力を続けてきておるわけでございまして、ある意味においては、ほんとうに国民のための公共事業というものは非常に歴史が浅いと言っても過言ではないという感じを私自身は持っておるわけであります。 ところが先進国、私もヨーロッパ等つぶさに見たわけでございますけれども、先進国はそういう意味において、いわゆる国民のための社会資本というものがもう一〇〇%あるいはそれ以上に充実をされておる。道路予算なんか取ってみても道路の整備をする場所がない、橋をかける予算を取ってみても橋をかける必要がないほどまで先進国は公共事業が整備をされておるわけでございます。しかもそれが国民生活の基盤の上に立った公共事業というものが行なわれてきておる。戦後三十年間、日本は初めて国民のための公共事業という立場からせっせと努力をし社会資本の充実をしてきておるわけでございますが、戦前富国強兵策に熱中した結果、道路にいたしましても、河川の改修にいたしましても、住宅の問題にいたしましても、とにもかくにもおくれておるということはもう厳然たる事実でございます。しかも一面きびしい国際経済情勢の中で競争をしながら、これに勝ち抜いていかなければならないという私は日本は両面の責苦を負いながら、日本の政治を進めていかなければならないという立場にあると考えるわけでございます。 最近、特に福祉政策重点ということをいわれるわけでありまして、これはもちろんそのとおりでございます。しかし、その福祉を国民のためのものとするためには、やはり公共施設の、社会資本の充実がこれが基本になってくるということを考えますとき、道路なんかにつきましても、町村道を考えますと、百万キロ近くある中に十九兆円という五カ年計画の国費を費やしても、市町村道等の改修整備というものは二〇%までいくかどうかわからぬような状況であるということでございまして、そういう意味合いから、全国の国民諸君から公共事業を積極的に進めよという声が出てくるのは私は当然過ぎるほど当然であると。そういう意味におきまして、やはり公共事業を実施するにあたりましては十分民意を尊重しながら、しかも国土の環境というものを破壊しないように、公害を起こさないようにという立場で進めていかなければならぬことはもちろんでありますけれども、とにかく道路、さらには河川改修、特に治水等においてはもっともっとやはり力を入れていかなければならぬのではないかという感じがいたすわけであります。ちょっと集中豪雨があったために多大の生命財産というものを喪失するというような脆弱性を考えますときに、この河川改修等についてはほんとうにもっともっと積極的に進めてまいらなければならない、こう感ずるわけであります。住宅問題も御指摘のとおりでありますし、特に今後水の問題にいたしましても、たいへん水の不足が予想される。そういう際に下水処理をした水も使わなければならぬ時代が来るのじゃないかとさえいわれておるわけでございまして、そういう立場をも考慮しますとき、この下水道の整備といったような問題についても御指摘のとおりであるわけでございます。 したがいまして、建設省といたしましては、先輩の築いた公共事業整備の足あとを踏んまえまして、そうして積極的に公共事業を進めてまいるという立場をとることが建設省としての基本的な立場でなければならないという考えで、実は来年度もきびしいきびしい総需要抑制を実行する中においても、国民生活に直結するような公共事業につきましては積極的な予算要求をしておるということをもってひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
○説明員(西垣昭君) ただいま建設大臣からお答えのありましたとおりでございます。御指摘のありましたように、日本の社会資本の水準につきましては欧米より立ちおくれている点が多々ある等いろいろと問題がございます。国民福祉の向上のためにもこの社会資本の水準を引き上げていくという努力をわれわれはしなければならないと思います。ただ、現実に公共投資を進めていくにあたりましては、やはりそのときそのときの財政事情でございますとか、経済情勢でございますとか、そういったものをよく見きわめながら、許される範囲内で着実に進めていくということだと思います。
○坂野重信君 そこで、いま大蔵省から答弁がありましたように、公共事業は確かに国家財政のワクの中において計画され、また実行されております。従来そのために経済の動向というものに左右されて、世に公共事業というものは景気の調整弁だというぐあいにいわれるような状態に置かれておったことは事実であります。たとえば昭和四十六年、四十七年度はいわゆる事業促進の期間でございました。やれるだけひとつ仕事をやってみようという時代でございました。むしろ行政官庁たる建設省の能力の範囲内においての予算をつけるというような状態でございましたが、四十八、四十九年度は、まさに今度は逆の状態でもって事業抑制の時期である。事情まことにやむを得ないと思いますけれども、公共事業というものは本来そういう景気の調整弁に使うべきものじゃない。一定のペースに従って、やはりこのナショナルミニマムを達成するための年次計画といいますか、なるべく経済の動向に左右されないで極力一定のペースに従って推進すべきであるということは私は論をまたないと思いますが、この辺のところをひとつ大蔵省にもう一度お伺いいたしたいと思います。
○説明員(西垣昭君) 現在は、政府といたしまして、物価の安定を重点施策の第一に置きまして総需要の抑制をやっているわけでございます。そういった意味で、公共事業もその総需要抑制の一環として抑制、繰り延べをやっているわけでございまして、公共事業につきましては、もちろん計画的な目標達成ということも大事でございますけれども、こういう時期におきましては、やはりその例外というわけにはまいらないというふうに考えます。
○坂野重信君 今度新しく発足いたしました国土庁というものを、私はやはり公共事業の推進の中心的な役割りといいますか、全体的な国土を見直して、そこでバランスのとれた公共事業なり国土の発展というものをやはりはかるべき立場にあろうかと思います。公共事業の問題につきましては、確かに大蔵省のおっしゃる事情はわからぬわけではございませんが、国土庁の立場として、今後法律に基づいて、国土利用計画であるとかあるいは新々全総の計画をいま策定の作業中であるわけでございますが、そういうものによって、しっかりしたナショナルミニマムというようなものの配慮の上に立った長期構想というものを全国的なバランスのとれた形で策定をし直しまして、そしてやはり一たんそういうものを策定いたしましたならば、それによって各省のいわゆる縦の長期計画というようなものを横に並べてこれを調整し直して、そしてがっちりしたそういった長期計画というものを打ち立てる。打ち立てた上は、なるべく財政のワクの中で、確かに大蔵省のおっしゃるようなことはわからぬわけではありませんけれども、極力ひとつ一定のぺースに基づいて私はやっぱり公共事業というものは進めるべきだという考え方をとるわけでございますが、その辺の考え方をひとつ国土庁のほうからお答え願いたいと思います。
○説明員(下河辺淳君) 公共事業につきましては、事前に十分調査を必要といたしますし、環境との関係など特に調査を必要といたしますし、地域の方々との話し合いということにも十分時間を必要といたしますし、そして実施いたしましても、やはりその工事中の問題もあるわけでございますから、公共事業に関しては相当長い目で安定した計画を持ってなければならないという御趣旨については、国土庁としても全くそのとおりだと思っております。そのために私どもは新しい計画をこの段階でつくりたいというふうに考えておりまして、新しい計画は、いままで幾多の計画をつくってきた経験もございますし、その結果に関する反省もあるわけで、そういう成果を踏まえまして、また一方では昭和七十五年、西暦二〇〇〇年でございますけれども、もう二十五年の先でございますが、そういった超長期の見通しというものについても検討を加えまして、安定した計画をつくりたいというふうに考えております。計画としていまのところ国土庁として正式にきめてはおりませんが、約一年、あるいはもう少しかかるかとも思いますけれども、時間をかけて、そしてかなり安定した昭和六十年の全国計画をつくってまいりたいというふうに思っております。もしこの計画が策定されれば、私どもといたしましては、どうしても関係省庁の公共事業について、この計画との整合性ということに仕事を進めてまいりたいと考えておりまして、その間に、でき得れば日本の経済政策というものが安定して、物価問題あるいは総需要抑制というものが効を奏して、安定して公共事業が進められる基盤が強固にできるということを国土庁としては期待するわけでございますけれども、そういう基盤の上に立って安定した社会資本の整備ということに進む努力をしたいと考えております。
○古賀雷四郎君 建設大臣とそれから大蔵省に御質問したいんですが、坂野委員の言っておられるのは全く同感でございますが、物価安定のための総需要抑制をやられるという大方針はよくわかるのです。よくわかりますけれども、坂野委員も歩いていろいろ感じられたのだと思いますが、おくれているところもあるし進んでいるところもある。あるいは業種的にやっぱり非常に困っている業種もあるし、いろいろある。だから、総需要抑制を、一律抑制じゃなくて、もう少し選別抑制という問題をしっかり考えてもらう必要があるんじゃなかろうか。また、総需要抑制が、たとえば予算をつけても起債がつかない、そういったいろいろな面で私は総需要抑制が完全にきめのこまかい配慮がなされてないという点で、現地で各所で痛感するわけですね。そういう意味で、今後の、予算編成の問題も近いですから、その場合に、そういった問題をどういうぐあいに考えていただいておるか、その辺の御所見を伺っておきたいと思います。たとえば地域的に選別をしていくのか、あるいは業種別に選別していくのか、いろいろなそういった問題をひとつお聞きしたい。坂野委員がやるとか言っているんですから、あと坂野委員の質問のときでけっこうですから、あとで御答弁願いたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) この選別政策をすべきじゃないかというような御趣旨、私も実は理解できないわけではないわけであります。しかし、やはり何といっても、これまた地球上で私は初めて経験したこのエネルギー問題、これは日本だけじゃなくて全人類がこういう経験をしておるわけであります。物の値段というものは需給のバランスによって出てくるというように私ども経済学で習ったわけでありますが、昨年の十月の石油の問題につきましては、そういう原則が全く無視された価格というものがこの人類社会に提起されたわけであります。それによってもたらされた問題を、各国ともそれぞれ全力をあげて乗り切るために英知をしぼっておるわけであります。われわれもその一環として、どうしても総需要抑制というのは、これはもうほんとうに徹底をさせなければならない、それが物価鎮静の一つの大きな柱であるということ、さらには金融の引き締めというこの方策を政府がみずから実行することによって国民の協力も得られるという立場を堅持してやってきておりますことは古賀委員も御承知のとおりでございます。したがいまして、業界の苦労ということも最近ではずいぶんきびしくなってきておることも承知をいたしております。したがいまして、緊急融資でありますとか、あるいは民間の金融機関等にも協力を呼びかけるとか、さらには単価の是正でありますとか、スライド制の実施でありますとかということで、とにかく対策を講じまして、犠牲者の出ないような配慮も私どもとしては最大いたしておる次第でございます。 ところが、何と申しましても、十月、十一月というのは公共料金のアップ等々ございまして、消費者物価あるいは卸売り物価の動向がどのように動いてまいるかということは、最近やっと政府においても、三月の時点になりますと消費者物価一五%前年度アップ程度でおさめていくことができるというめどをつける段階にまで来たことは御承知のとおりでございます。もう一歩最後のふんばりというところへ物価抑制、総需要抑制の成果が来ておる、こう見ておるわけでございまして、ほんとうに苦しいわけでありますけれども、もう少しのしんぼうということで進んでいただかなければならぬのではないかと、こう考えるわけであります。しかし、一面、そうはいっても、やはり国民に夢をなくしたのではしようがありませんので、住宅問題等については国民の三割以上も不満を持っておるというような点を考慮いたしまして、家をつくりたい、家を持ちたいという方々のささやかな希望に沿うためにというようなことで、公庫の七万戸の貸し出しを始めるというような問題についても大蔵とも十分話し合いをしてきておるゆえんもそこにあるわけでございますし、またきょうの閣議でも話し合ったわけでございますけれども、政策金融等につきましては十分慎重に取り扱って、金利アップをしないということも実はきめたような次第でございまして、古賀委員の申されるとおりの問題についても、ケース・バイ・ケースによってきびしい情勢を乗り切ることができるような配慮はいたしておるつもりである、こういうふうに申し上げたいわけでございます。
○坂野重信君 時間の関係もありますので少しはしょって質問いたしたいと思いますので、ひとつ簡明にお願い申し上げたいと思います。 自治省の方が見えておりますのでお伺いいたしたいと思いますが、大蔵省を中心といたしまして公共事業の抑制あるいは金融引き締めということが行なわれているわけでございますが、最近地方公共団体に対する起債の配分率といいますか、充当率が四十七年度ベースまで引き下がってきたということもあります。また、いろいろ事情がありましょうが、起債ワクの配分のおくれが目立っている。そこへもってきて地方税の徴収もなかなか円滑にいっていない。そういうことから、今後の地方交付税等が大半人件費に回されるというようなことで、賃金のベースアップ等もあって非常に地方公共団体も苦慮されていると思いますが、そういうことから、あるいは地方公共団体から今後公共事業の返納、返上というようなことまで出現しかねないような状態にあると思われるわけでございますが、その辺の実情なり今後の指導方針、どういうぐあいにお考えになっているのか御説明願いたい。
○説明員(石原信雄君) 昭和四十九年度の地方財政計画を策定するにあたりましては、国の総需要抑制策その他の財政基本方針に準じまして、地方財政におきましてもできるだけ緊縮基調で策定いたしました。特に地方債計画におきましては、生活環境施設系統の地方債ワクは前年に対してかなりの増ワクを確保しておりますが、一般公共事業債につきましては、地方交付税その他の一般財源の充実とも対応いたしまして、起債の充当率をおおむね昭和四十七年度並みに引き下げております。これは地方団体全体といたしましては、充当率の引き下げに対応する分だけ一般財源の増強をはかっておるということで、計画上はバランスがとれておるわけであります。ただ、最近までの地方公共団体の予算の編成状況におきましては、先般の大型人事院勧告に伴う給与財源の将来見通しという問題もありまして、九月補正までの段階ではかなりの団体が公共事業の計上の一部を差し控えておったという実情があります。一ただ、最近、九月補正の状況を私ども調査してみたところでは、公共事業につきましてもほとんどの団体が認証額についてほぼ一〇〇%近い計上をしております。ただ、一部の団体において、特に直轄事業の負担金などを中心にまだ計上を見合わせているところもあります。結局、今後の問題としましては、給与改定の財源が完全に確保できるかどうかという点が大いに問題になると思います。この点につきましては、自治省といたしましては、国家公務員の給与水準に準じまして給与改定の財源所要額を算定し、これから地方税の増収額その他を差し引いた残りについては地方交付税等によって完全な財源措置をしてまいりたい、このように考えております。したがいまして、その給与改定の財源見通しが明らかになりますと、大部分の団体が公共事業については完全に予算計上をすることになるではないか、このように見ております。
○坂野重信君 建設省の資料によりますと、非常に努力されて、少ない抑制された予算の中においてもかなり事業が進んでおりますが、その中身を見ますというと、補助工事のほうがやっぱり直轄工事等に比べて若干発注率がおくれております。やはりそれはそういういま地方公共団体のいろいろな事情があろうかと思いますが、ひとつ今後とも自治省は公共事業を返納するというようなことができないように極力御指導願いたいと思います。 次に、市町村工事で前払い金が実施されていないところがあるという問題、それから県工事についての前払いの率の問題でございます。四〇%までいけることになっておりますが、従来の三〇%、最高四〇%、それがまだ自治省令が改正されていないために実施できないというような問題がございます。そういう県の工事、市町村工事の前払いの問題を含めて御答弁願いたいと思います。
○説明員(高橋弘篤君) まず、都道府県の前払い状況でございますが、これはいま御指摘ございましたように、この前政令改正がございまして、四〇%あるいは二〇%というような弾力的な規定がございました。このことはちょっと別にいたしますが、調べますと、全都道府県がすべて条例をつくりまして三〇%支払っている状況でございます。ただし、東京都をはじめといたしまして、大体十三都府県におきましては一定額、これは県によってだいぶ違いますが、五千万から一億五千万というような一定額きめまして、それをこえた部分については二〇%という府県、これからそれ以上は打ち切るというような措置をきめておる県がございます。それから市町村事業につきましては、前払い制度を採用している市町村が大体四十九年度で七五・六%、やっと四分の三ということになっておる次第でございます。そして採用している市町村について公共事業の請負金額を見ますと、大体その前払い率は二三・一%というふうになっている次第でございます。私ども常々地方公共団体のそういう事業についての前払い金をひとつなるべく拡大するように、また採用していない市町村についてはこれを採用するようにということを指導してまいっておるところでございます。今後ともこういう指導を強化してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○坂野重信君 その点、ぜひともひとつ進めていただきたいと思います。 そこで、そういうような状態の中において、建設業並びに建設関連産業というものは、大企業含めて、特にこの中小企業、たいへんなピンチに立っております。これら私が申し上げるまでもないことでございまして、倒産企業というものも続出しております。その中身を見ておりますと、やはり個人の業者というものと、法人の業者の中でも、たとえば資本金が五百万以下というような零細企業というものが特に倒産の件数が多いというような実績が出ておるわけでございます。また、大手につきましても、最近は非常に手持ちの量が減っております。未消化工業月数等にいたしましても従来のものよりもはるかに低下しておる。これは先ほどからいろいろ議論が出ておりますが、単なる企業の問題ではなくして、やはりそこの従業員あるいは労務者、その家族を含めますというと、実に二千万人近い人々が深刻な影響を受けるわけでございまして、いまの状態でもって進行いたしますというと、そういった人たちの生活の不安定ということから、あるいは社会不安というものも予想されるんじゃないかというぐあいに非常に憂うべき状態であろうかと思うわけでございます。また、過疎の、先ほど古賀委員からもお話がありましたが、地方の過疎地帯に参りますというと、建設事業というものが地元にとって主要な地場産業であると、労務者吸収の唯一の産業であるというような事実もあるわけでございまして、そういうことから考えますというと、建設業の不況対策というものは、ほんとうにいまにして何とかしなければならない逼迫した状態ではないかと思うわけでございますが、この辺の実態の認識、また、これに対する大臣の所見というようなものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほども申し述べましたように、建設業界については坂野委員御指摘のとおり非常な苦しい情勢にありますことは私も十分承知をいたしておるつもりでございます。特に中小業界の実情は、倒産等から見ましても非常にゆゆしい事態に立ち至っておることも承知をいたしておるつもりでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、公共事業の発注にあたりましては、できるだけ大きなものはセーブいたしまして、そうして地元の業者を優先にして公共工事を進めると、直轄工事を進めるというような指導をいたしましたり、また円滑な施工が期待できるものにつきましては分割発注を指導をいたしましたり、さらには発注標準を厳守をさせまして、中小建設業のワクをできるだけ多くいたしましたり、あるいは共同請負制度の活用等をはかりましたりして、できるだけ多くの方々に仕事が行き渡るようにという配慮は十分尽くしなさいということを各地建に督励をいたしてきておるところでございます。 また、建設業に関する金融の問題でございますが、政府関係中小企業金融機関の貸し出しワクの拡大を、通産当局、大蔵当局にも第一四半期、第二四半期、第三四半期とそれぞれ要請をいたしておるわけでございまするし、また一般市中金融機関に対しましても二百億ほどの建設業界向けのワクをつくっていただいて金融の道を講じましたり、さらには信用保証協会による債務保証の積極的な活用をはかりまして金融の円滑化をはかりましたり、さらに中小建設業の施工能力の拡大などをはかるために事業協同組合の結成等を強く指導いたしまして、事業の協同化、協業化を推進さしてもきておるわけであります。 今後とも建設業の健全な発展に資するため、公共工事の受注機会の確保をはかりますとともに、今回住宅金融公庫の積み残し分に対する貸し出し実現というような問題もそういう対策の一つと心得て進めてまいっておる次第でございます。しかし、なかなか容易ではない事態でございまして、特にこれからきびしい十月から十一月にかけ、また年末を控えて一番金融面において——平時でさえも金融面において需要の多い季節になってくるわけでございますので、十二月、年末等に対する金融措置についても、より大蔵省と積極的な折衝を始めておるという段階であるわけでございます。
○坂野重信君 ありがとうございました。 主としてこれは大蔵省の銀行局の方にあとでお伺いしたいと思いますが、 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 十月十一日の日本経済新聞の夕刊等にも出ておりましたが、経済企画庁の月例の経済報告等に出ておりますが、最近は、何といいますか、インフレ不況といいますか、そういう傾向が出てきたということを経済学者がいろいろ述べておられることは私が申し上げるまでもないことでございますが、そこで物価対策、あわせて不況対策ということがまさに必要な時期になってきた。 そこで、物価対策という問題からいいますというと、依然として公共事業の抑制という基本方針というものはいま直ちに変更することは困難であるが、先ほど古賀委員から質問がありましたが、その中におきましても、選択的に実行していくといいますか、特に金融面におきましてはその辺の徹底した選別規制といいますか、選別融資といいますか、そういうものをさらにやはり徹底する必要があるんじゃないか。そうして不況業種に対しては、やはり不況対策の一環から選別的に金融の緩和、場合によっては積極的な融資を促進するというようなこともあってもいいと思いますし、また比較的好況状態にある業種であるとか、抑制効果が大きいというようなものについては金融引き締めというものをさらに続行するか、強化するかというようなきめのこまかい配慮というものがあってしかるべきじゃないか。幸いに、建設業関係については銀行局が中心となって指導されて、あまりきびしい規制というものは行なわれておりませんけれども、公共事業の執行のワクというものをいま直ちに緩和するというのは、きょうは大蔵省の主計官が見えておりますが、私はなかなかむずかしいと思います。 しかし、これもやはりぼつぼつ検討してみるべき、その可否について勉強してみるべき時期に来ているんじゃないかと思いますが、特に金融面については、こういった弾力的な方向というものについて、この際ひとつ思い切った検討を加えるような時期に来ているんじゃないか。業界につきましても、御案内のとおりに企業間信用というものが非常にはやってまいりまして、なかなか銀行からワクが締められているために、苦しまぎれに企業間でもって長期ローンといいますか、取りきめというものをやって返済していくために非常な業界というものがピンチにおちいっている。その辺が金融引き締めのねらいかもしれませんが、一方、業界の立場からいうと、非常なそのためにピンチに、不況におちいっている。仕事がとれない。また、仕事をやっても支払いをしてもらえないというような状態があるわけでございまして、その辺のところを何とかこの際、大臣おっしゃいましたようなケース・バイ・ケースというような考え方を、いままでも選別融資ということをおやりになっておりますけれども、さらに今後の方向としてそういうものをひとつお考えになる必要があるんじゃないかと思うわけでございますが、この辺のお考え方をお聞きしたいと思います。
○説明員(清水汪君) ただいまのお話につきまして、先ほども大臣からお話のございましたように、やはり現在までとっております引き締めの基調というものはもうしばらくこれを堅持していく必要があるだろうというふうに考えておりますが、しかし、ただいま先生の御指摘のように、その反面におきましては、やはりそういう引き締め基調を持続させるためにも、きめこまかな配慮が必要だという点は全く同感に思います。で、現に金融面におきましては、特に健全な経営に努力しておられる中小企業に資金繰りの面から破綻を来たさせるというようなことは何としてでも避けなければならないというふうに考えておりまして、中小三機関、政府機関の貸し出しワクの追加をいたしますとか、あるいは全体の貸し出し額につきまして日本銀行の窓口規制が行なわれておりますが、そうした中におきましても、いわゆる不況色の濃い建設業その他の幾つかの業界につきましては、特に信用保証協会のワクを広げるという特別の措置等もいたしまして、そういうものを裏づけにいたしまして、民間のベースでも緊急融資的な制度の活用をはかっているわけでございます。それからさらに御指摘のありました、昨年の暮れから始めましたいわゆる選別融資規制でございますが、この面におきましては、やはり建設業の当面しております事情を十分考慮いたしまして、当初から抑制の対象からはこれをはずすというようなきめのこまかい措置を講じているわけでございます。それからまた住宅ローンの問題もこれはやはり中小の建設業界には非常につながりの深い問題かと思いますが、民間におきましても、これはまあ国民の住宅に対する要望ということが根本ではございますが、そういった面を含めまして、できるだけ全体のワクの中でも優先的に努力するようにということで民間金融機関を指導しているところでございます。なお、今後ともいま申し上げましたようなことを中心にいたしまして、できるだけ基調は堅持しつつも、実情を見て社会的不安等を招くことのないようにきめのこまかい配慮をできるだけやっていきたいと、かように考えております。
○坂野重信君 時間がありませんので、あと一、二簡単にひとつ御答弁願いたいと思います。 いまの問題に関連しまして、中小企業庁のほうから見えておりますが、特にこの中小企業に対する特別融資、追加融資というような問題が出てまいりまして、業界は干天に慈雨というようなことで非常に活が入っているわけでございますが、年末を控えていよいよ第三四半期に入ったわけでございますが、その辺の今後の年末融資等についてのひとつ考え方を簡単でけっこうでございますから、お願いしたいと思います。
○説明員(若杉和夫君) 建設業につきましては、われわれとしては繊維と並んで最重点業種ということで対処しております。その理由は、一つは仕事量の落ち込みが激しいということと、時間がもうすでに一年経過しておるということで非常に苦しくなってきておるということで、われわれは、いろんな不況業種がありますけれども、繊維と建設を最重点というように観念してやっておるわけでございます。従来からもこういう線で、一般の追加の際に建設、繊維等に重点的に金が流れるように指導し、実績もあげてきておりますけれども、さらに年末を控えまして、季節需要はさらにいまのところいろいろな指標から苦しくなることはあっても楽になることはこの二、三カ月ないだろうという判断をいたしておりますので、年末金融につきましても、大蔵省とこれからの交渉になりますけれども、例年以上に取りまして、いただきまして、そしてきめのこまかい金の流れ方をして、いやしくも黒字倒産とか健全な企業が金詰まりでへたることのないように全力をあげて対処してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○坂野重信君 先ほど建設大臣からきめのこまかい建設業対策がお話がございましたが、まあいろいろ建設業対策としては、融資の問題なり発注のしかたの問題、あるいは積算の問題、その他事業の執行の協業化の問題、いろいろあろうかと思いますが、ひとつこういう時代でございますから、単なる企業ということでなしに、社会不安、この不況を除くという大乗的な見地から、ぜひともひとつ思い切った措置をお願い申し上げたいと思います。第三四半期の発注についてもいま努力されていると思いますが、発注がおくれますというと、いままでのように単なる八%の繰り延べではなくして、繰り越し分を含めますというと、さらにこれは事業というものが、今年度の消化というものが減ってくるわけでございます。減らされた事業というものが、昨年度に対して伸び率のゼロというような公共事業がさらに繰り延べプラス繰り越しということに相なっては、ますますわが国のこの福祉政策という面からいってもマイナスになるわけでございますから、ぜひともひとつがんばっていただきたいと思うわけでございます。 最後に、もうすでに議論になっておりますが、業界対策の問題を含めまして、大臣の発想と聞いておりますが、建設業対策の一環または建設省の今後のあり方の転換といいますか、そういう立場から建設業局というものを設置構想があるようでございますが、これにつきまして、そういう問題を含めまして、今後の業界対策の指導育成というような方針につきまして、最後に大臣の御方針をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 建設業は、先ほど申し上げましたとおり、建設業によって生計を立てておる国民の数が、私どもの調査によりますと千四、五百万あるいは二千万といわれておるわけでございますけれども、まあ一面、その建設業という産業そのものがわが国産業の中にどういう地位を占めておるかというと、これまた非常に大きな地位を占めておることも御承知のところであります。したがいまして、この産業がほんとうに国民のために伸びていく、発展をするというようにしていくことによって、いろんな面で益するところが多いと、こう私は前々から思っておったわけであります。ところが、先ほど沢田委員からも御指摘されましたように、非常に前近代的な産業であるとも言えるわけであります。これを近代化して、将来国際的な競争の場に立ったときでも十二分に仕事が信頼を受けながらやっていけるような立場にしていかなければならないという要請もあるわけでございます。 それやこれや考えますとき、どうしてもやはり三十万建設業、八万近くの不動産業、三十万近い建築士の設計関係の方々のやっぱり今後の発展というものを考えました際には、発注官庁的な色彩に、さらに業界の、またそういう関係者の方々の仕事の発展ということも指導していかなければならないのではないかということ。また、それが国民に直接プラスにもなると、こういうふうに考えましていろいろやりましたところ、四十九年度の予算のときも何かしたいと、こう思ったんですが、就任早々で私の考え方も打ち出すことがなかなかむずかしかったわけでございます。労務関係、労働問題、あるいは左官屋さんとか、大工さんとか、ブリキ屋さんとか、トタン屋さんとか、そういう方々の後継者の教育の問題等はもっともっと建設省が積極的に業界を指導しなければならぬじゃないかという問題一つとってみても、これはもう非常に地方に参りますと後継者がないということで、各県の職業訓練所なんか見ましても、左官屋さんになる人が少ないというようなこと、大工さんになる人が少ないというようなこと、こういう問題もゆゆしい問題でございますので、そういう面に対する教育指導ということもやっぱり忘れてはいけない問題であるわけでございますので、そういう考え方のもとにひとつ建設省も姿勢を、業界の指導育成、監督というものをきちんとして、そして国の予算の合理的使用というような面、さらには業界の近代産業としての基盤というものを築いていくことができるような環境をつくるための行政指導ということは、これは建設行政に課せられた私は重要な使命ではないかと、こういうことで実は来年度の予算要求に当たりましては、思い切って建設業局というものをつくって、そうして各地建にもそういう部門をつくりまして、そうして指導育成、監督という面の実をあげていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 と同時に、今度のようなこの危機に当面いたしてみまして、建設業界のいわゆる緊急の際の金融を受けるための基盤というものが非常に薄弱である。仕事がとれない際の金融というのはほとんど不可能であるというような面も幾つかあって、倒産というような事態に追い込まれた例も少なくないわけであります。したがいまして、中小企業、通産関係において制度をつくっていただいておるそのほかに、やはり建設省として独自に基金制度等を考える必要があるのでないかということを事務当局にいろいろといま具体的な検討を命じておりまして、従来の制度にさらに上積みした建設省独自の制度を打ち立てることによって業界がこういうピンチを乗り切っていくことができるような体制をつくりたいということで鋭意検討を進めておるところでございまして、ぜひ実現をしたいと、こう思っております。
○坂野重信君 たいへんありがとうございました。時間の関係で、あと公営住宅の超過負担の問題であるとか、あるいは建築の積算の問題へいきたいと思いましたが、また日にちを改めてお伺いしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○田代富士男君 私は、庶民の夢であります住宅に、壁のかわりに使用されております「燃えない合板」と通称いわれておりますが、特に近建式抗火合板の問題につきまして若干質問をしたいと思います。 そこで、その近建式抗火合板の問題に入る前に、建築基準法に基づきまして、一つは不燃材料、二つ目には準不燃材料、三つ目には難燃材料、このような一応の分け方がされておりますけれども、特に準不燃材料、難燃材料等のその基準やその試験方法につきまして、最初に御説明を建設省のほうからお願いをしたいと思います。
○理事(古賀雷四郎君) この際注意しておきますが、政府側の答弁は簡潔明確にお願いしておきます。
○説明員(山岡一男君) 準不燃材料につきましては、まず政令で定義をいたしておりますが、「木毛セメント板、石膏ボードその他の建築材料で不燃材料に準ずる防火性能を有するものとして建設大臣が指定するものをいう。」と定めておりまして、その実際の試験方法その他につきましては告示の三千四百十五号というので定めております。その告示によりますと、試験をいたします炉でございますとか、試験のやり方等で詳細を定めておりますが、簡単に申し上げますと、不燃材料と、試験体を加熱炉の中で十分間に摂氏三百五度になるまで加熱をいたしまして、その結果、試験体に防火上有害な変形、溶融、亀裂がないかどうか、残炎時間が三十秒以下かどうか、それに燃焼の程度、発煙量は基準以下であるかどうか等によって判定したものを指定するということになっております。 難燃材料につきましては、やはり政令に基準をきめておりまして、「難燃合板、難燃繊維板、難燃プラスチック板その他の建築材料で難燃性を有するものとして建設大臣が指定するものをいう。」としておりまして、これもやはり告示の三千四百十五号に詳細な試験方法を定めておりますが、要点を申し上げますと、試験体を定められた様式の加熱炉の中で七分間に摂氏二百六十度になるまで加熱をいたしまして、その結果、試験体に防火上有害な変形、溶融、亀裂がないかどうか、残炎時間が三十秒以下かどうか、それに燃焼の程度及び発煙量が準不燃材料の場合よりやや低い値できまっておりますけれども、それに合格するということが指定の条件になっております。
○田代富士男君 次に、これは通産省にお尋ねいたしますが、企業合理化促進法の第三条に基づきまして、各省におきましていろいろな事業が行なわれております。その第三条に基づきました工業化試験補助事業についての御説明をお願いすると同時に、通産省におきましては重要技術研究開発費補助金制度がとられておりますけれども、これについても御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(帆足万里君) 重要技術研究開発費補助制度と申しますのは、環境保全あるいは安全性の確保、住宅問題、産業構造の省資源・省エネルギー化、その他産業経済の諸要請にこたえますために、重要技術の研究開発を促進するために毎年研究開発を行なっております民間の企業等に対しまして、それらの申請に基づきまして、技術的ないしは経済的リスクの一部を国が負担してやると、そういう目的で行なっておりまして、研究開発に必要な必要経費の大体二分の一以内を原則といたしまして補助金を交付いたしておる制度でございます。この制度は、わが国鉱工業の技術の向上をはかりますために、試験研究者に対して補助金を交付する旨をこれは企業合理化促進法の第三条に規定してございますが、これに基づいて交付しておりまして、実質的にスタートいたしましたのが昭和二十五年でございます。それ以来ずっとわが国独自の技術開発の振興のためにいろいろの役割りを果たしてきたと、かような制度でございます。
○田代富士男君 そこで、いまお尋ねしましたそういう工業化試験補助事業の一環といたしまして、四十四年の二月の二十八日に近代建材株式会社から工業化試験補助金交付の申請手続がとられたと思いますが、その内容の御説明を通産省からお願いしたいと思います。
○説明員(帆足万里君) この制度に基づきまして、昭和四十四年の二月二十八日、ただいまお話のございましたように近代建材株式会社から抗火化粧合板の製造に関する工業化試験の研究について研究補助金の交付申請が提出されました。この試験研究の目的は、可溶性の珪酸塩を——珪酸の化合物でございます、珪酸化合物を主成分とする耐火性の材料を合板——ベニヤ板でございます、ベニヤ板に塗布する耐火性化粧合板の製造技術を小規模のプラントで開発するとともに、試作品の性能試験を行なおうと、こういうのが研究の目的でございました。研究目標は、建設省が指定しておられます準不燃材料の認定に合格するような抗火合板というものを歩どまり九九%以上で生産することを目的としておりました。
○田代富士男君 研究内容その他についてもちょっと御説明願います。
○説明員(帆足万里君) つくります製品は、合板の両面に耐火、耐水性の塗料を塗りまして、その上にただいま申し上げました珪酸塩を塗布するわけでございます。こういたしますと、珪酸塩が加熱されました場合には発泡状態になりまして耐火性を有すると、こういう性質を利用いたしましてしたいと。研究の内容につきましては、これに基づく塗布速度を毎分二十五ないし三十メートルパー分、それから防火層の厚さが、大体公差がマイナスゼロからプラス〇・三ミリメートル、防火層の塗布重量の公差がマイナスゼロからプラス一〇%、製品含水量が二〇%、プラスマイナス五%と、こういうような製品を持ちたいと、こういうことでございます。
○田代富士男君 研究結果について、あわせてお願いします。
○説明員(帆足万里君) 研究結果につきましては、昭和四十五年の五月に近代建材株式会社から研究の補助事業の終了届けが提出されました。この報告書に記載された内容につきまして私どものほうで詳細に検討いたしますとともに、東京通省産業局の職員が現地調査を行ないまして、その調査結果、研究の成果が研究目標を、当初の目標を達成しているものと認められました。また、この補助事業の過程におきまして試作いたしました抗火性化粧合板が、建設省の規定しておられます準不燃材の認定を受けていることが判明いたしました。さらに二度の公開試験を行なっておりますが、その公開試験の結果におきましては、試作品が普通合板あるいは難燃合板等に比較いたしましてすぐれた耐火性を有しているという事実が証明されました。こういうようなことを考慮いたしまして、本補助事業は研究を成功したものと認定いたしました。
○田代富士男君 そこで、建設省が四十四年の十二月二十五日に認定しました準不燃材料第二〇〇二号と呼ばれておりますものは、その材料等構成について簡単に御説明を願いたいと思います。
○説明員(山岡一男君) 四ミリの厚さのラウン合板を基材といたしまして、その表面に化粧紙、それから変性珪酸カルシウム、変性珪酸塩、変性珪酸カルシウムを重層で張りまして、裏面には変性珪酸カルシウムを塗布したものでございます。総厚は五・二ミリメートルというのが認定のときの基準でございます。
○田代富士男君 そこで、お尋ねいたしますが、いま御説明していただきました準不燃材料第二〇〇二号の生産、販売実績、販売期間、また販売を中止された理由について、これはわかる範囲内の数字等を示して御説明をお願いをいたします。
○説明員(山岡一男君) 現在までの総使用量等については現在手持ちいたしておりません。ただ、昭和四十四年の十二月二十五日に準不燃材料としての認定を受けましてから、四十五年の七月に製造を一時中止しておるということでございます。そのときは、寒冷地におきまして、しわが発生したということが原因でございます。四十六年の四月に仕様を一部変更いたしまして生産を再開しておるということでございます。その後昭和四十六年七月から昭和四十九年三月までの約二年九ヵ月の販売実績を手に持っておりますが、それが約九十四万三千平方メートルでございます。それ以外の資料につきましては詳細手持ちいたしておりません。
○田代富士男君 私がいま尋ねたのは、二〇〇二号のまだ四十九年の三月までの分は質問をしておりません。それで、手持ちの数字がないと思いますから、これは時間もなにでございますから省略しますが、いまもお話がありましたとおりに、この準不燃材料第二〇〇二号の認定が四十四年十二月二十五日にされまして、これが生産販売になったのは四十五年の五月である。そして四十五年の七月のたった二ヵ月間だけ販売をしております。この販売されたのは北海道地区のみの販売で終わっております。いま販売中止になった理由は何か、これはこの準不燃材料第二〇〇二号のこの合板がしわが出てきた。これは北海道の老人ホームに使用された。お年寄りのところで使用された建物で、お年寄りのところだからしわが出てきたというわけでもありますまいが、そういうことでたった二カ月間でこれが中止になっておる、この事実。 そこで、私は通産省の方に尋ねたいんですが、いまこの質問の当初にいろいろ私は質問をいたしましたが、いま建設省から説明がありましたこの事実を、工業化試験補助事業制度の立場から見てどのようにこれを評価されるのか。これはたった二カ月間だけ販売して、そして中止になった、この点に対する通産省のお考え方はどうでしょう。
○説明員(帆足万里君) 通産省の行ないました研究開発補助におきましては、本研究は工業化試験でございますから、かりに工業化試験が成功いたしましても、このことをもって直ちにその製品が市場性——商品として申るのに適当であるかどうかということにつきましては、さらに大きな検討を企業で行なう必要がございます。たとえて申しますと、試験研究がかりに成功しました場合でも、試験研究を行ないました性能以外に商品が持っておかなければいけない性能、たとえば耐候性——天気に対して強い、あるいは取り扱いが簡便である、あるいは社会的な環境に対して十分調和しておるか、そういうような性質はこれは一つの工業化試験だけでは不十分なんです。検討することにつきましては不可能でございまして、そのほかいろいろな試験研究を、調査あるいは研究を行なった上で大量生産し、商品化、販売する、こうするのが当然であろうと考えております。
○田代富士男君 それで、この問題は、工業化試験の段階を通産省で担当されまして、商品化市場に商品が出ていく段階においては通産省としてはタッチできない立場だということは理解いたしますけれども、いま建設省のほうからちょっとお話がありましたが、この二〇〇二号の準不燃材料が四十四年十二月二十五日に認定をされて、そして販売されたのが四十五年の五月から七月までの二カ月間で、約一年間これは生産も販売も中止されております。そして四十六年の七月に再びこれが製品として販売されております。このように近代建材が一年間生産を中止した後、四十六年七月から製造開始し、販売した抗火合板につきましては、その材料と構成はどうなっているのかということをまず説明していただきたいのが第一点であります。第二点は、その四十六年七月から製造開始し、販売された抗火合板は、四十四年十二月二十五日に認定されました二〇〇二号のこの商品と同一の材料と構成になっているのかどうか、この第二点。この二つについて御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(山岡一男君) 詳細につきましては、さかのぼって調べたものでございますが、四十六年七月ごろ近建式抗火合板として売られておりましたものの仕様によりますと、四ミリの厚さのラワン合板を基材といたしまして、その表面にアミナールキッド、それから化粧紙、アルミ箔、変性珪酸塩、変性珪酸カルシウム等を順次張りまして、裏面には変性珪酸カルシウムを塗布したというものでございます。で、二〇〇二号と違います点は、アミナールキッド、それからアルミ箔が付加された点が違っております。で、全体の総厚は、前回のものは五・二ミリでございましたが、今回は五・五ミリということになっております。
○田代富士男君 そうしますと、近代建材から発売されました四十六年七月からの抗火合板と、四十四年十二月二十五日に認定されました二〇〇二号のこの商品とは材料と構成ともに違っているということでございますね。
○説明員(山岡一男君) 先ほどお答えしましたとおり、二〇〇二号にアミナールキッド、アルミ箔、この二つを付加したというものでございます。
○田代富士男君 いや、端的に私は聞いておりますが、同一のものであるかどうかという、端的に聞いておりますから。
○説明員(山岡一男君) 同一のものではございません。
○田代富士男君 じゃ、同一のものではないということが明らかになりました。 そうしますと、これは通産省にお尋ねしたいと思いますが、四十四年十二月二十五日の二〇〇二号のこの商品と、ただいまの四十六年七月近代建材から発売された商品とはこれは違うわけなんです。そうしますと、この四十六年の七月からの商品は、製品は、工業化試験補助事業の成果を踏まえた企業化、商品化されたものと認めるかどうか。通産省のお立場としてどうでございましょう。
○説明員(帆足万里君) 昭和四十六年七月に近代建材が製造販売いたしましたものにつきましては、その製品の製造、開発過程におきましては四十四年に交付いたしました補助金の交付によります試験研究が大きなファクターになっている、こういうことは言えると思います。しかし、その商品の構造が四十四年の補助金交付に基づきます試験研究のときの商品の構造、それからその製造工程、そういうものが違っております関係上、これは同一のものとは言えないと考えております。
○田代富士男君 そこで、いま通産省のほうからは、これは同一のものということは認めるわけにはいかないという、これは建設省もそういうお立場でありますし、通産省のお立場も、端的に言うならば同一のものではないということでございます。さすれば、ここにその近建式抗火合板の近代建材株式会社から出されましたパンフレットがございます。このパンフレットにはどう書いてあるか。「業界唯一の通産省指定重要技術研究開発補助事業」と、このように書かれて出されておるわけなんです、このパンフレットは。これは認めないというお立場であるならば、こういうパンフレットに書いて出すということに対して通産省はどういうお考えでしょうか。
○説明員(帆足万里君) 広告宣伝に重要技術研究開発補助事業とか、そういうようなことばを用いますことは、この重要技術研究開発補助金というのが試験研究に対する補助金でございまして事業補助ではございませんので、こういうことを会社のPR等に用いますことは一般的に申し上げても好ましいこととは考えておりません。特に本件の場合には、補助金の対象とするものは抗火性能を有する化粧合板でございまして、それの製法の研究でございまして、商品としてはその他の品質性能も重要でございます。こういうような場合に、消費者に誤解を与えるようなまぎらわしい表現というものは適当じゃなかった、かように考えております。 なお、付言いたしますならば、本件につきまして事実を知りましたのがたしか昭和四十六年ぐらいだったと思いますが、通産省指定重要技術研究開発補助金というそういうPRに用いておりますことばに私ども気がつきましたときに、直ちに会社に注意いたしまして、そういうことばを使うことをやめてもらうように指導いたしております。
○田代富士男君 それから、同じくこれは建設省にもお尋ねしますけれども、「合板唯一の建設省認定」とあります。そうしますと、この字のとおりにいきますと、合板ただ一つの、ほかにはないという、建設省で認定された準不燃化粧合板第二〇〇二号となっておりますけれども、このような掲示はこれは認めてよいものでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(山岡一男君) 認められないと思います。
○田代富士男君 そうすれば、いま通産省も建設省もこれは認められないと、まあそういうことでいままで各消費者団体、また個人の人から、これらの化粧合板並びに準不燃材料につきまして不当表示ではないかという申し出が行なわれております。特にこの問題がありましてからいろいろ出されております。それにつきまして、公取にもこの問題が出されております、その公取の立場といたしまして、経緯とその内容、どのように措置されたのか、また、これに対する公取の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(後藤英輔君) 本件につきましては、昨年の二月の十二日に日本消費者連盟から申告がございまして、この近代建材の合板の販売についてのカタログに「燃えない合板」、あるいは通産省指定合板、唯一の建設省認定と記載してあるのは不当表示ではないかということを申告してまいりました。私どもではさっそくカタログをとりまして事情を聞きました。そういたしますと、この問題はかなり技術的な問題でございますし、ことに通産省の指定の意味、それから建設省認定の意味ということにつきまして、これは法律の運用の問題でございますので、建設省及び通産省のほうでもってそれぞれそれについての調査をしているということでございましたが、われわれといたしましては、これらの点については少なくとも不適切なことば、法律でいう、直ちに法律違反というふうに認定いたしますについては各省のそれぞれの御見解がございますけれども、少なくとも不適切な表現ではないかという感じがいたしまして、それに対して注意はいたしました。ただし、これがはたして法律違反になるかどうかというのは、建設省のほうで、はたしてこれが燃えないということばを使っていいのかどうかというそういう技術的な判断がございますので、そちらのほうの調査に待っておったわけでございます。そして本年に至りまして、それらの点について全体としてやはり不適切であり、また消費者を誤認させるような表示ということで法令違反というふうに措置いたしますにつきましては若干 この商品が一般消費者向けに直ちにというよりも、流通段階は材木店、工務店ということで、消費者がすぐにカタログ等を見て判断するというようなものと違って、かなり専門的な立場でもって判断するというような法律的な問題もございますので、法律違反としては処理いたしませんでしたけれども、厳重に警告いたしまして、てんまつ書という形でもって始末書をとって処置いたしました。
○田代富士男君 そこで、いま通産省、建設省、それから公取のそれぞれの立場から、これは不適当である、消費者の皆さんが誤った見方をさせられるものである、法律的な違反については建設省、通産省の関係もありますけれども、これは消費者に対しまして好ましいものではないという警告を発し、始末書をとられたと。これは二〇〇二号の商品に対してでございますが、その警告をされたあとに、これは四十九年の三月の十一日に二〇〇二号の認定取り消しの願いが出されております。そうして四十九年五月の九日に二三〇〇号の認定がされております。そして認定がされると同時に二〇〇二号の取り消しが決定されております。それで、いま二〇〇二号の合板に対しましても警告を発し、始末書をとると、こういう態度で臨まれた。それであるならば、この二三〇〇号の認定を受けた場合には、その効果といえば何かと思いますが、ことばは当てはまらないかもわかりませんが、そういうような改めた姿勢というものがあらわれてこなくてはならない、そうしなければ、それだけの指導した価値というものがないじゃないかと思うんです。 そこで、二三〇〇号のこのパンフレットでありますが、ここにゼロックスしたこれがございます。これでお尋ねしたいと思いますが、「ベニヤ板基材の火災に強い超新建材」という見出しでるる書かれた中で、これは通産省にお尋ねいたしますが、「昭和四十四年五月通産省より、業界で初めて重要技術研究開発費補助金の交付を受け、ほとんど自社技術で完成した準不燃化粧合板です。」と、これは通産省が重要技術研究開発費補助金制度によって出されたのは、その効果は二〇〇二号の商品に対して出されたものであるし、これはふえんしたといえばふえんしたと思いますけれども、これがこういうふうな表示はよくないということを通産省も申されたし、公取の立場としても指導されたにもかかわらず、こういうことが出されているということに対して、通産省として、こういうことを使ってもよいという立場であるのか、好ましくないという立場であるのか、この点について通産省のほうから明らかにしていただきたい。まとめて、時間の関係もありますから……。 それから、そちらへ持ってまいりませんけれども、ここに「煙をほとんど出さない」とか「表面が美しく豪華です」——これはあとでまた私問題出しますけれども、いろいろ書いてある中で、一つは「遮音性絶大(ベニヤ板十五ミリ以上の効果です)」と、ほんとうに遮音性は絶大であるのかと、こういう問題。それから一番下に書いてありますが、燃焼比較実験をされまして、これは「着火後十分三十秒後抗火合板のミニハウスはビクともしません。他は燃えつきました。」——ほかは全部燃えたけれども、この準不燃化粧合板の二三〇〇号は燃えなかったと、これは業者が、端的にとるならば燃えないんだと、このような表示を認めてよいかどうかです。これに対して建設省はほんとうにそうであるのか、これは建設省のお立場として尋ねたい。 最後に、公取のお立場として警告を発し、始末書までとったです。これは二〇〇二号に対してでございます。そしてあらためて、ことしの五月の九日に認定された二一二〇〇号のこの商品のパンフレットの中におきましては、文章が変わっただけであって、そのような姿勢の変わりはないし、だからこの表示は適当であるかどうかです。通産省、建設省、公取委員会のほうから順番に……。まず通産省からお願いいたします。
○説明員(帆足万里君) 先ほども申し上げましたように、二三〇〇号は、二〇〇二号を開発いたしましたときに行なわれました研究が一つの大きなファクターをなしていることは事実である。したがいまして、この二三〇〇号のときに、こういう通産省の補助事業であると言うことが直接に違法であるかどうか、それは私どもとしては何とも申しかねますが、あまり好ましい表現ではない、好ましくないということは言えるかと思います。
○説明員(山岡一男君) 準不燃材料としての認定の中には遮音性は入っておりません。したがいまして、そういうことをもしお書きになるならば、やはり別途の遮音性の試験研究結果等がないとまずいと思います。 それから十分三十秒以内に残ったという話でございますが、先ほど申し上げましたように試験体を加熱炉で十分間やりまして、そのあと三十秒以下で煙がなくなるというものを認定しているわけでございます。ただ、その認定にあたりましては全然燃えないということではなくて、ある程度燃えるわけでございますけれども、燃焼の程度とか発煙量の基準等がございまして、その基準に合格しているかどうかできめるということでございますので、もし全然燃えないという感じを与えるようでございましたら適当ではないと思います。
○説明員(後藤英輔君) 私どもの最初申告を受けましたのは、おっしゃるとおり二〇〇二号でございまして、これについて先ほど申したような問題点がございました。これはいずれも通産省、建設省の関係で、そちらのほうの技術的な判断をお待ちしなければならないことでございます。公取で一般的に不当表示の問題を取り上げます場合、たとえば薬の効能効果というような問題を取り上げました場合に、公取ではこれは判定つきませんので厚生省に判定を仰ぐと、そして法律に掲げてあるような、一般消費者に著しく品質が優良だと誤認されると判断されるかどうかという点は、これは公取では判断つきませんので、それぞれ専門の官庁に専門の技術的な判断を仰いでおるということでございます。したがいまして、二三〇〇号になりますと、私どもの了解しておりましたのは、二〇〇二号のこれはさらに改良されたものであるということで、したがいまして、このような補助費の交付があったという事実も通産省のほうでお認めになっているのではなかろうか。それから、あと準不燃材というものにつきましての不燃の程度等についての表現、これは建設省のほうでお認めになっているところではなかろうかということで、特にこの問題につきましてさらに検討していたことはございません。
○田代富士男君 そうすると、公取のお立場としましては、これに対しましては、端的に言いまして二〇〇二号に対する警告は出されましたけれども、それにもかかわらず、これはその姿勢は改まっていないというその問題に対してはどういうお考えですか。
○説明員(後藤英輔君) 二三〇〇号のこのような表現に変わっておるということにつきまして、その内容がはたして技術的にこのような表現が許されるものかどうかということにつきましては、私ども最終的にはまだ出ておりません、判断しておりません。ただ、最終的なてんまつが出ておりますのがこの一カ月前の九月の半ばごろに出ておりますが、その間の建設省等との話し合いの結果というようなものがどのようなものであったのかという点についてのまだ実は確認はいたしておりませんので、今後このような表現につきましてはたして適当かどうかということを、表現上の問題につきましてなお検討さしていただきたいと思っております。
○田代富士男君 これはダブった質問になるかもわかりませんが、そのために、二〇〇二号のときの警告を出されたあとに、これは二三〇〇号は新しい商品ですけれども、一応内容において一歩進んだ、反省した姿勢があってもしかるべきだと、通産省としても適当ではないということを端的にいま示されました。建設省といたしましてもこれは不適当であるということを認められたわけなんです。公取といたしましては、ここにおいてもうはっきり提示されたわけなんですから、現在のお立場として、部長のお立場としてここで言えないかわかりませんけれども、これだけ明示されておりますし、二〇〇二号においても警告を発したわけなんですから、ここらあたりはもうちょっとはっきりしてもらいたいと思うんですけれども、はっきりできないならばはっきりできない理由、はっきりできるものであれば……、端的でけっこうです。
○説明員(後藤英輔君) 本件につきましては、先ほども申し上げましたように、これは一般消費者が消費のために使うというような性質のものではないということで、直接不当表示防止法違反として、法律違反として取り上げるについては法律上若干問題があろうかと思います。ただ、そういうことによって一般消費者も結果的に誤認されるおそれのあるような表示ということで好ましくないという面においては指導できますので、いまおっしゃったような点につきましては、なおよく建設省なり通産省の御意見も伺って、こういうような表現ならばというような指導をもう一度してみたいと思っております。
○田代富士男君 そこで、建設大臣、いま私が質問をしお答え願った中で、こういうことが前車の轍を踏むなということが世間でもいわれておりますし、このように警告を発され、指導された、にもかかわらず、こういうことが行なわれているということに対してどのように対処されるのか。そこらあたりを大臣のお立場としてひとつお願いいたします。
○説明員(山岡一男君) 二〇〇二号の場合に、建設省といたしましてもやはり厳重に注意をいたしまして、実はてんまつ書をとっております。始末書をとりまして、今後こういうことのないようにということを戒めております。 実は、二三〇〇号のそういうふうな表示につきまして、私はきょう実は初耳でございますが、十分中身を検討いたしまして、おかしいところがあれば至急注意をしたいと思います。 なお、今後の方向といたしましては、やはりそういうふうな準不燃材料等のPRに使います場合には、ほんとうの試験結果そのものを表示するようなことを指導してまいりたいと現在考えております。
○田代富士男君 大臣、いかがでございますか。 〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいま局長から申し上げたとおりでございまして、やはりこれを使う国民の立場から考えました際に、国民を惑わすことのないような措置一これは行政当局としてはきちっととっていかなければならぬわけでございます。特にこの建築資材等、火災になれば大きな影響を及ぼすわけでございますので、私も建築研究所に参りまして、こういう試験研究をやる場所も見てきておるわけでございます。私の感じとしては、もう少し大規模に試験研究ができないか、これで十分なのかと言うてまいったわけでございますが、技術者としてはこれで十分であるという返事があったわけでございます。あすこでおそらく検査されたものであろうと、こう思うわけでございまして、ただいま局長からも申し上げましたように、その検査したときの数字、これはもうきちんと計器が表出するわけでございますので、その数字をきちんと明示をするようなほうがかえって利用者を惑わせることがないんじゃないかという感じがいたしますので、その方向に向かって検討していきたいと考えます。
○田代富士男君 そこで、具体的なあれをいたしますと、ここにその近建式の抗火合板の見本があります。東京都の八王子市の渡さんという自宅の建築にこのめ組の4番、それからい組の103番の抗火合板を使いました。そのめ組の4番、い組の103番がどのようになったか、ここに写真があります。大臣、ちょっと見てください。(資料を示す)このように、これは写真です。こういうふうにお化けみたいにでこぼこになっておる。これはごく一部の写真です。あれは見本です。だから、この四十七年の六月に渡氏宅からこれが提起された。こういうむくんでいるようなお化けみたいなこの欠陥発生原因は判明したのかどうか、その原因は何であったか、これに対してお答えを願いたいと思います。
○説明員(山岡一男君) 八王子の渡氏邸におきまして準不燃材料の欠陥問題が生じたということを昭和四十八年の二月にわれわれもキャッチをいたしております。直ちに現場調査、工場調査を行ないまして、工場におきまして製品を抜き取り、性能を試験いたしました。その当時、工場製品の中から抜き取りましたものにつきましては大体試験の結果は準不燃材として合格でございました。ただ、いまの渡さんのところと同じようになりましたような合板がなかなか入手しがたいという点がございまして相当おくれておりますけれども、そういう状況を逆につくりまして、いろいろとやってみております。その結果といたしましては、そういうのを生ずるのは製造工程における乾燥が不十分だというのが大体原因だということになっております。ただ、でこぼこしましたものもやはり準不燃材料としての試験に合格するだろうかという試験をやはりやっておりますけれども、それはやはり不燃材としての試験には合格いたしております。
○田代富士男君 一応、渡氏のいろいろな意見も聞きました。そうしましたら、この会社側の言い分では、原因は何であるかということが、明確な原因が発表されておりません。その説明が不十分であったがために消費者にたいへん迷惑をかけた。いま、四十八年の二月にこの問題は建設省としてもこれを初めて知りました、そういう話でありますが、その間におきまして、四十八年二月に知りながら、実際この問題に対してどのように対処をされたのか。そして原因が会社側の責任でないかのように、モルタルの湿気であるとか会社の責任でないように、転嫁するようなそういう言い分を言い続けていた、そのために渡氏は、このようなことで許してならないということで建設省にも公取委員会にもこの問題を提起されたのじゃないかと思います。だから、建設省の立場として、消費者の立場に立つのか、こういう企業の立場に立つのか、消費者の皆さんの意見を謙虚に聞き入れてきたのか、企業側の立場に立ってきたのじゃないか、また原因を転嫁するようなそういう企業の姿勢でよいのか、この点につきまして建設省並びに通産省、公取の三者の立場からお願いしたいと思います。
○説明員(山岡一男君) 建設省が材料認定等を行ないます立場は、当然消費者の皆さんの側に立って行なうべきものと考えております。 それから今回のような渡さんのところの現地の実情等につきましては、わかりましてから、すぐ職員を派遣いたしまして実情を聴取いたしますとともに、建材側のほうにも参りまして現場調査、工場調査等を行ないましたわけでございますが、いま先生おっしゃいましたように、近代建材株式会社が、渡邸の問題が発生した直後約一カ月間は製品の製造を停止しまして、その原因を究明する措置をとったとわれわれには申しておりましたけれども、当邸の現場での説明等には応対等に適切を欠いた点があるということでございますが、そういう点はまことに遺憾であろうと思います。今後とも法令の順守、販売にあたっての注意等については遺漏のないように十分指導してまいりたいと考えております。
○説明員(木原滋之君) 一般的に新商品を出す場合には、その品質を十分チェックして、それから工程管理等品質管理の面でも十分な状態にあるという状態で販売されるのが至当かと思います。さらにアフターケア、消費者サービスのために苦情処理の機構等十分な体制をとらなければならないわけでございます。本件のケースはこういう点で非常に抜かりがあったのではないか、まことに消費者の皆さんに御迷惑をかけたということは非常に遺憾に思うわけでございます。今後こういう事態が起こらないように、本件に限らず一般的に建材業界を十分指導をいたしまして、このような事態が再び起こらないようにしたいと思います。
○説明員(後藤英輔君) 公正取引委員会といたしましても、広告とか表示でもって消費者なりが商品選択をするのは新しい商品なんかの場合にはどうしても避けられないことでございますので、その表現その他が消費者に誤認をさせるようなものであってはならないわけでございまして、その点につきまして、今後こういうふうな問題が起きました場合には、さっそくにおいてもわれわれとしても十分こまかい検討をして、そういうことのないようにつとめてまいりたいと思います。
○田代富士男君 そこで、いま私が事実の問題を提起したのは渡氏の例でありますけれども、私の手元に掌握をしている資料だけでも毎月十件内外のこういう問題が出てきております。これは渡氏宅だけであるならばいろいろな例外ということもあるでしょうけれども、こういう毎月十件内外の問題が提起されてきている。この点につきましては建設省、通産省、公取、ともに前向きにこれは解決するというそういう姿勢でございますから、あらためて一つ一つの問題については私は省略いたします。お認めになられて、解決するということでございますから。 そこで、どうしてこういう問題が起きたかということで、ひとつ私はこの機会に、こういう問題が起きた機会にこれは一つの提唱でございますけれども、難燃材料、準不燃材料につきましては性能試験重視という立場から、こういう見ばえやできぐあい、その他消費者が直接影響を受ける事柄については軽視されてきた。だから、この機会にこうしたことも考える必要があるのじゃないか。たとえばこの難燃材料、準不燃材料の性能試験を重視された。これは建築基準法の第一条の「目的」にも書いてありますけれども、その第一条の「目的」の範囲内におきます性能試験をなされ、重点とされて、そういう見ばえだとかできぐあいとかいうようなものは、いま言うとおり軽視されてきている。そういうことで建築基準法になじまないものであるならば、たとえばJIS指定その他の何らかの方法をとりまして、こういう事態が起きないように対処する必要があるのじゃないかと思うのですが、これに対しましていかがでございましょうか。建設省のお立場から、また通産省、両方から。
○説明員(山岡一男君) 最近いろいろな材料試験等につきまして試みがなされております。したがいまして、直ちに全部をJISで規定してしまうという点はいささか問題であろうかと思います。現在までも準不燃材料につきまして三百六十八件、難燃材料につきまして二百二十五件、不燃材料につきまして二百九十二件、相当の件数につきまして、研究、試験の結果、認定をしてまいっております。先生おっしゃいますように、確かにいままでは生命財産の保護という点に重点を置きまして、それが建材として耐久性があるのか、建材として見ばえがいいのか、それから建材といたしまして価格が適当かというような点については、われわれも、そういう意味からも対象にはなっておりません。なっておりませんでしたけれども、今後の認定等にあたりまして、そういう点はあわせて指導するというようなことを十分に前向きに検討してまいりたいと思っております。
○説明員(木原滋之君) 一般的な品質確保につきましては、先生御指摘のようにJISの制度がございます。御承知のようにJISの制度では鉱工業品の品質あるいは構造、性能、安全確保あるいは施工方法、それから試験方法等多面にわたって標準をきめるわけでございます。さらに、そういったものの中から特に必要なものにつきましては、JISマーク制度ということで一定の品質以上のものについてはマークをつけて出すことができるということになっておるわけでございまして、消費者の方もこういったマークを目安にお買いいただければと、こう思うわけでございます。現在建材関係でJISの規格、品質性能についての規格がきまっておりますのが百七十件ほどでございます。その中でJISマークをつけることができる商品というのが九十品目ございます。建材は非常に多種多様でございますのでこれだけでは十分ではございません。したがいまして、これからもJIS製品等を広く指定いたしまして普及につとめたいと思うわけでございます。 それからもう一つ、不良品が出回るというのを監視するために通産省では試買検査をやっております。四十七年から建材につきましても試買検査をやっておりますが、それによって不良品が出た場合には工場等に厳重な警告を与えるというふうなことで指導を続けておる次第でございます。
○田代富士男君 じゃ、時間もあまりありませんから次に質問移りますが、いまもるる述べてまいりました中にありますとおりに、四十七年の六月に八王子の渡氏からクレームがつきました。これに対して建設省の三名の係官が四十八年の三月の二日に渡氏宅へ参りました。そのときに二つの約束をして帰っております。一つは、建設省が許可したものと違うものを発売しているようだ、よく調べて処置をいたします。これが一つ。二つは、これについて聴聞会を開きますと、このように約束したまま何の連絡も今日まで渡氏にはありません。それと同時に、建設省の係官が言ったということは、渡さんは四十七年の六月に言っているけれども、みこしを上げなかった、なぜみこしを上げたかと。係官の行く前月、四十八年の二月の九日に消費者団体よりこれは建設省にまた抗議がいっております。たびたび抗議がいっている。その四十九年六月二十九日も消費者団体から建設大臣に問い合わせがいっております。これに対する返事もありません。係官三名現地へおもむいた、約束して帰った二つのことに対する返事もなければ、消費者団体から出した抗議に対する返答もない。これでは私は、いまさっき建設省は消費者の立場に立って建設行政を進めるのか、企業の立場に立ってやるのか、どちらであるかということを質問いたしましたが、この事実の問題の上からどのように建設省はお考えになっているのか。この特に三名の係官を派遣された、名前もわかっておりますが、ここでは名前は伏せておきます。三名の名前わかっております。約束したそれを約束どおりに履行する意思があるのかないのか、そこらあたりも含めまして、これは建設大臣から御答弁を願います。
○国務大臣(亀岡高夫君) いやしくも国家公務員たるもの、約束したことを履行しないということははなはだ怠慢であって遺憾であると思います。私も事情をよく聞きまして、どのような経過になっておるのか、回答を申し上げる結論がまだ出ていないのかどうか、その辺のところを調べました上に御本人の納得のいくような処置はとりたいと、こう思います。
○田代富士男君 じゃ、大臣が御本人の納得のいくように、また消費者団体に対しても処置をとるということでございますから、私も大臣のそのことばを信頼したいと思います。 で、この問題はそのままにしておきますが、そこでお尋ねしたいことは、いまいろいろ月日を言いまして、まあ聞く人からみれば、こんがらかるような月日になりますけれども、整理して申し上げますと、四十四年の十二月の二十五日に二〇〇二号が認定された。そうしてこれが四十五年五月から七月までの二カ月間で販売が中止になった。そして一年間研究をされて四十六年の七月から二〇〇二号として近代建材で販売しています。中身は二〇〇二号ではないわけなんです。いまさっきも説明がありましたが、アルミ箔なんかこれは加えられておりますから中身は二〇〇二号でないけれども、二〇〇二号として出された。私は、二〇〇二号でない、二〇〇二号ダッシュと、こういう立場で話をします、端的に分けるために。その二〇〇二号ダッシュ、四十六年の七月から販売されたその商品が四十八年の四月の二十三日に建設省の研究所で試験を受けました。これで合格をした。で、二〇〇二号としてそのまま販売を続けている。だから、四十八年の四月二十三日前と、試験に合格した前の二〇〇二号ダッシュの扱い方と、試験に合格をして建設省も認めたその後の二〇〇二号ダッシュの扱い方はおのずからこれは変わってくる。建設省が認めたのは二〇〇二号です。二〇〇二号ダッシュではない。それが四十八年四月二十三日以降も販売を続けたということは、建設省みずからが違反を承知で売らせたということは、建設省は建築基準法を破ったことになるのです。これに対してどのような責任を建設省はおとりになるのか。四十八年四月二十三日の検査前だったらば、まあそれは存じませんでしたということで済まされますけれども、検査以後これがなされているのです。販売されている。この点に対する責任はどういう責任なんでしょう。大臣、いかがでしょう。
○説明員(山岡一男君) 試験に合格したということは、それだけでございまして、認定したものではございません。したがいまして、そういうものにつきましては、もう一回出し直しをさせまして新しい認定をすべきであると思っております。その間の手続の指導につきまして怠っておりました点は、まことに指導が悪かったと反省いたしております。
○田代富士男君 そのような簡単なものじゃないと思うのですよ、これは。手続をあらためてやらせますと。四十八年の四月の二十三日から二三〇〇号の認定をするまで一年以上ありますよ。だから、私がいまここでただ単に日にちを追って質問しておりますけれども、そんな簡単なものじゃないと思うのです。建設省が建築基準法を破るのかどうかです。破っているじゃないかということです。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 建設省としては、忠実に法令を順守することがわれわれの使命でございます。したがって、その言う事実関係が出てきたということは私もいま初めて聞いたわけでございます。どのような具体的な行為によってそういうものが売り出されているのかということをやはり私どもの手によっても調査をしていきたい、こう考えるわけでございます。
○田代富士男君 じゃもう一つ私は問題を提起いたします。また繰り返すようなことになりますが、四十四年十二月に二〇〇二号が認定を受けた、そして販売中止になった。で、再販売がされたのが四十六年の七月からであります。で、その商品が渡氏からクレームがついたのが四十七年の六月です。四十七年の六月の時点で建設省はどういう商品であるかということはもうすでにこれは知っているわけです。だから、その商品を所定の手続きをさせますということをいま住宅局長が言われた。それならば、二〇〇二号として認定を四十四年十二月に受けて、四十五年の五月から七月までの二カ月間販売をして中止をした。一年間研究期間を置いて四十六年の七月の時点で二〇〇二号ダッシュとして販売をした。その時点でこれは正式手続をとらすように指導するのが建設省の行政指導の立場じゃないかと思うんです。いま局長は所定の手続きをとらせるように指導しましたと言うならば、四十六年の七月の段階でこれをとらすべきではなかったかと思うんです。この点は大臣いかがですか。だからいまの問題とこれはダブリの問題です。一つ一つあげればこういうものが幾つも重なっている。これに対して建設省としてはみずから建築基準法を破っているじゃないかと、その点を端的に認めなければ、こういう問題はあと幾つもありますよ、これは日にちを追っていきますと。
○説明員(山岡一男君) 先生のおっしゃいますとおり、四十六年の七月に仕様を変更して、先生おっしゃいます二〇〇二号ダッシュということで生産を再開した時点で、そういう問題がわかっておりますと、まさにそういうふうにやるべきだと思います。私聞いておりますところによりますと、本件を初めてわれわれが承知をいたしましたのが四十八年の二月の六日、日本消費者連盟からの建設大臣あての不当表示の疑いある旨の照会ということが初めてでございまして、それ以降順次いろいろな手続をとってまいったわけでございます。現場調査を三月二日、工場調査を四月十二日、それから仕様を変更した材料の試験の申し込みを受けまして、四月に試験を実施をしております。同六月二十五日試験結果の分析を検討しております。それから昭和四十九年の一月の二十八日にもう一回工場調査に参っております。それからさらに同四月の二十日にもう一回そういうような調査をいたしまして、認定を新しいものにつきまして五月から行なっているということでございまして、四十八年二月承知をいたしましてから以後の新しい二三〇〇号を売り出すまでの間の調査といたしましてはいろいろやったわけでございますが、その間に先生おっしゃいます二〇〇二号ダッシュの販売等につきまして、確かに試験に合格しておるからという点を甘く見まして、それをじんぜんとして売るのをとめなかったという点についてわれわれ非常に反省しておると先ほど申し上げたわけでございます。
○田代富士男君 一番いまから問題というときに遺憾だということでございますが、それは、大臣、この問題は深く反省していただきたいと思うのです。どうしてこういう手続を、試験を受けられなかったかというこの一つの問題は、聞くところによりますと、建設省が試験を受けなくてもよいと言ったとか言わないとか、これはあるしっかりした関係筋からそういうことも聞いております。そういうことがあればこそ、本来であるならば、四十六年七月の、研究一年後に試験をするべきはずであったけれども、建設省がそういう姿であったのじゃなかろうかと思うのです。こういうような建設省のあいまいな姿勢が、こういう問題もあいまいにまかり通してきたということになるのじゃないかと思うのです。だから、そのように建設省が試験を受けなくてもよいと言ったとか言わないとか、おそらくそういうことは言っておりませんという返事が返ってくるでしょう。しかし、事実はそうじやないように私は思う。私もいいかげんな発言はできません。聞いたところはしっかりしたところを聞いております。そういう問題を総体的に含めて、委員長からも時間が過ぎているからということですから、今後反省をして、こういうことのないように、あくまでも消費者の立場に立ち、業者に対しましても指導して、だれでも納得のいくようなそういう姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、最後に大臣の決意を聞きまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 事実関係、私どものほうとしても、私も十分つかんでおりません。したがいまして、まあ私の信頼する建設省の職員諸君が、公務員として相反するごときことばを吐くとは私は思いたくないわけであります。したがいまして、特にこの研究関係の機関につとめておる者といたしましては、この防災の立場については人一倍真剣に神経を使って研究に取り組むように指導いたしてきておりますし、それらの研究者の一挙手一投足が国民のしあわせにすぐつながってくるわけでございますので、真剣な気持ちで私は試験研究機関の諸君は任務を全うしておるものと信じておるわけでございます。もしそういう不心得者があったとすれば、これは公務員として私は適格者ではないと、こう考えざるを得ない、こう思うわけでございます。したがいまして、今後とにもかくにも間々ありがちなわけでありますけれども、一般国民の方々からいろいろ真剣に深刻に陳情なり申し入れがありました際には、ややともするとこれを軽んずる傾向が行政官としてないかどうかという点については、私も就任以来やかましく建設省の職員諸君に要求をしてきておるところでございますが、さらに念には念を入れて、御趣旨のように国民のために害をもたらすようなことにならぬように指導していきたいと、こう考えるわけであります。
○春日正一君 十月十二日の朝日新聞で報道された「労組役員や革新政党員 昇任・昇格させぬ」、こういう表題の報道について、これは憲法第十九条、思想及び良心の自由、第二十一条、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由、さらに二十八条の勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の権利、こういう憲法上の国民的な基本的な人権にかかわる重大な問題だと思います。この問題から質問したいと思います。 それで、午前中この問題について沢田委員のほうから質問がありまして、この十二日の朝日新聞の記事は事実かどうかということについて、建設大臣は、点検したがそういう事実はなかったというお答えだったと思います。それから、かりに事実とすれば、明らかにこれは違憲、違法なものではないかという質問に対して、官房長は、事実であればそのとおりだというふうにお答えになりました。そこで、私はそこのところからさらに質問を進めたいと思うのですけれども、最初に、建設省のほうで代表所長会議というものはおやりになるのですか。
○説明員(高橋弘篤君) 事務所もたくさんありますので、全国の事務所が自主的に代表所長がいろいろ選ばれて、そうしていろいろ打ち合わせをして本省に意見を具申したり何かする、そういう会議があるのでございます。
○春日正一君 それから昇格調書というようなものはおつくりになるんですか。
○説明員(高橋弘篤君) この昇格制度につきましては、御承知のように法令及び人事院規則でいろいろ規定があるわけでございまして、その昇格の運用にあたっての一般的な要件というものに適合した者から昇格をさせるということになるわけですが、任命権者が。それについての調べをするということはあるだろうと思います。
○春日正一君 私の言っているのは、個々の事業所で個々の職員に対して昇格、昇進について調書をつくるということがあるのかといって聞いているんです。当然あるはずだと思います。
○説明員(高橋弘篤君) ただいま申し上げました調べのことを昇格調書というふうに言っておると思います。
○春日正一君 そこで、私お聞きしたいんですけれども、あなた方は、いままでそういう事実はないというふうに否定しておいでになりますけれども、いままでの事実の経過、出てきた文書というものを順を追っていきますと、そういう事実があったというふうな確信をますます強めさせるような、つまり建設省がこういうことを実際やったんじゃないかという、否定にもかかわらず、疑いを強めさせるような、そういう結果になってくるわけですよ。 そこで、最初にお聞きしますけれども、この四月の五日に衆議院の社会労働委員会で、わが党の石母田委員がこの問題について質問をしております。それは、一つは「代表所長会議議題」、マル秘となっております。これ、山田という判こが押してある。これはあなたもごらんになったと思います。そして「昇格」、二「職転」、三「退職勧奨」として、資料一、二、三というようについて、それで、これの中では昇格基準として、「資格十割の者で」——当然資格のある者で、「1 機関責任者、活動家、原則として八−八」、こうやって八となっておる、これは八等級八号という意味ですか。「九月おくれ」「2 一般組合員、原則として八−八で六月おくれ」、これは七グループですか、いまのは。その次は六グループ、「役員、活動家は、原則としてこの昇格基準に達してから四ないし六年おくらす」と。「2 一般組合員は、当局の昇格基準に達してから原則として二年おくらす」というような基準を出して、それに基づいて、厳秘という形の中身として、東北では二年前には八−八以上の者を残した例があるが、いまはないと。関東では組合役員で活動家については十二月ないし十八カ月延伸、北陸では組合役員でない活動家については六月ないし十二カ月延伸、近幾では云々といって、各地方でのこの基準に照らしてやっておることの報告が出ておるんですね。これはどう考えても、あなたのいま言われたように、代表所長会議というものはやっておるというのだし、そのものの議題としてこういうものが出され、しかもこの中身にそういう重大なことが書かれておるということになれば、これはやはり建設省の中でこれが行なわれておったということは否定できないんじゃないんですか。
○説明員(高橋弘篤君) 四月五日の社労で石母田先生から質問がございました。その書類は実は私ども全く見せていただいてないわけです。ただ、御質問の中にいろいろそういうことがございましたので調べましたところ、そういう文書は存在してなかったのでございます。調査の結果なかったということだけ申し上げます。
○春日正一君 さらに、そういう者について具体的に昇格昇任の昇格調書というようなものがここにありますけれども、これを読んでみますと、「八等級全般資格十割」云々というようにして、木曽川上流調査課技官上野進、これはバツがつけてある。それから三重調査課技官森博幸、それから天竜川上流林廣子、これバツがつけて、マル共と書いてある。あるいは名阪国道、これが西村晃、支部長、これマル共としてバツが書いてある。そういうものがずっとたくさんある。こういうことは建設省で昇格昇任をやる場合におやりになるんですか。つまりあれは共産党員であるとか、社会党員であるとか、あるいは公明党員であるとかというようなことをことさらに取り上げて、それを昇格あるいは昇進、昇級の一つの目安にしていくというようなことはおやりになるんですか。
○説明員(高橋弘篤君) これは午前中にも御答弁申し上げましたように、私どもは国家公務員法及び人事院規則等によりまして公正忠実にやっているだけでございまして、特定の組合員であるからというだけの理由で差別するということは一切行なっていないわけでございます。
○春日正一君 まあ、一般的に先ほど言ったこの会議のあれで、原則として云々という程度なら、それはわしは知らぬで済むかもしれませんけれども、どこの事務所のだれそれということが具体の名前になって出ておって、それにマル共だとか支部長だとかというようなことが書いてあるということになれば、これはその内部のことを知った人でなければつくることができぬわけでしょう。だから私ども、知らぬと言われても、それじゃどうしてこんなものができてくるのかということですね。
○説明員(高橋弘篤君) 先ほども申し上げましたように、いまの私どもその文書というものは実は全く見ていないわけです。知らないわけですから、質問のときにそういうことをお聞きしただけで、それで調査をしたのですけれども、それはいま御指摘のようなものはなかったということでございます。そうしてそういう御指摘の、石母田先生からも御指摘のありました職員ですね、そういういろいろな人の。そういうことについて調べてということで調べましたが、そういう人たちが不当な格差を生じているという事実はなかったわけでございまして、そういうことでそのままになっている次第でございます。
○春日正一君 こういう具体の文書に基づく、本来建設省にあなたもあると、お認めになった昇格調書、これが行(一)六等級になっています。それからこれは行(一)七等級となっています。こういうふうなものがあって、その上にマル秘となって、そういうふうなことが書かれておる。私どもが労働組合の人に聞いたら、そう言っていました。実物を持ってきて見せて、建設省で正式に出しているこの調書には、政党だとか思想だとかそんなことは書いてない、ところが、実際につくっているものには書いてある、つまり二重帳簿をつくっているというふうに言われているんですけれども、そういうことがあり得るということになりませんか、これは二重帳簿だと。
○説明員(高橋弘篤君) 午前中から何度も申し上げておりますように、私どもはそういうことでなしに人事院規則にのっとっていろいろやっている次第でございまして、そういうものはないと考えます。
○春日正一君 そこで、これは、ないないと言われている、それはまあそうしておいて話を進めます。 それで、実際の状況を見ますと、ないないと言うけれども、あるという状況があるわけですね。たとえば、同じ四月の二日の衆議院の決算委員会でわが党の庄司議員が質問しておるのですけれども、新規採用者の採用にあたって建設省が思想調査をやっておるという問題で、中国地方建設局の総務部の人事課長という名前で各学校の校長に出した手紙があった、その中には、氏名、本籍、そういうもののほかに、品行から思想、それから趣味、スポーツというようなこと、さらにその人の友人三人についても思想調査を調べてくれということが言われておるということが問題にされて、本人の思想調査をやった上に、しかも友人三人についても思想を調べてくれと、こういうことがやられておるということが指摘されて、この点では、これは建設省内部の文書じゃありませんから、学校に出した文書ですからこれは間違いない、否定のしようがないわけですから、亀岡建設大臣もこの点では、「私も、庄司先生から御指摘を受けて、実は中国地建を調査いたしましたところ御指摘のとおりでございまして、あ然としたわけでございます。」と言って、あ然とされて、「即刻こういうことをやめるように指導をしたところでございます。」と言って、そういう思想調査をやるというような事実があって、これはのっぴきならぬ証拠でもって、それで建設大臣もお調べになって、これはやめろというふうにされたということがあるわけですね。つまりそういうことを現にやっておる、そういうことですね。 それからまだ私時間の都合でいろいろたくさん述べます。それから朝日新聞の十二日の夕刊には「建設省の不当労働行為」ということで、こういう記事が出ていますよ。「九月二日午後六時半ごろ、岐阜県多治見市坂上町、建設省中部地方建設局多治見工事事務所で、同事務所と道路公団、岐阜県警の会食会があった席上、安江和美同事務所工務課長は、同席していた三尾和明全建設省労組多治見支部書記長(当時)を名ざしで「三尾君は仕事はできる。しかし、アカだから困っているんだ」というふうな言い方をして、三尾書記長がこれに抗議をして、結局その事務所側は会食会を打ち切り、さらに労働組合の抗議によって中部地建の局長が、今月四日というから十月四日でしょう、「口頭で「現場の最高責任者としておわびする」と述べた」と、こうなっておるのですね。これは朝日新聞だけでなくて全建労の機関紙にもはっきりこう載っているわけです、「書記長はアカだからいかん」という形でですね。だから、それは書いたものは否定されても、現実に思想調査を頼むというような手紙を出してみたり、あるいは一ぱい飲んだところで、御本人を前にして、おまえ仕事できるけれどもアカだからいかぬというような言い方をする。そういう思想なり考え方というものがあるということはこれは事実でしょう。これは否定できないでしょう。
○説明員(高橋弘篤君) いま二つのことを御指摘いただきましたので、そのことについて簡単にちょっと申し述べますと、最初の話は中国地建の話で、新規採用者については建設省は身元調査を実は行なっていないのです。しかし、中国地建におきましては、採用を内定したあとで、先生の御指摘のように、学校長あてに身元調査書というものでいろいろ調べをしているわけでございます。学校の成績だとかクラブ活動とか交友関係とか健康状態というようなそういうものがあるわけで、その中で品行、思想というようなものがあるものですから、先生の御指摘のようなことがあったと思います。これにつきましては、あくまで採用後のことでございまして、それによってその採否がきまるというものではございません。しかし、建設大臣も当時委員会で御答弁申し上げましたように、どうも誤解を招くからこれはよくないことだということで、直ちにこれはやめさせております。ただこれは、あくまでそれによって採否を決定するものではございません、採用を内定したあとのこれは資料でございます。 それから多治見の問題につきましても、これもそういうようなことがあったということで報告を受けております。事務所のある課長が先生おっしゃったようなことを懇親会の席上で言ったと。この二人はどうも大学の先輩と後輩という間柄で、そういうようなことで言ったと本人は言っているようでございます。しかし、その場ですぐ課長は、どうもそういう私的な立場といえ穏当を欠くではないかということで所長からたしなめられております。本人も謝罪をして、すでに当人同士では謝罪が済んでおります。地建局長も遺憾の意を現地に行って表しております。そういうことはありますが、さっき申し上げましたように、先生の御指摘のようなそういう差別をしようと、特定の組合員だから差別をしようということは私はないと思います。そういうふうに私どもも指導してまいっておりますし、今後ともまいるつもりでございます。
○春日正一君 そこのところですね、採用決定してからの調べだから採否を左右するものではないと言うけれども、いまここで問題になっているのは、現に建設省で働いておる職員の組合所属や政党の所属、そういうものによって昇格昇給その他が差別されておるということが問題になっておるわけですわ。採用するその瞬間からそういう差別のための調査があったということじゃないですか。
○説明員(高橋弘篤君) まあ、このことについては確かに誤解を招くし、いいことじゃないと思います。だから直ちにこれはやめております。しかし、学校長に聞いても、これはあんまりそんなにわかるものではないような気がいたします。だから、軽い気持ちで学校の成績だとかスポーツだとか、そういうようなことと一緒におそらく書いたと思いますけれども、これはちょっと穏当を欠くことだということでやめさせておるということでございます。
○春日正一君 だから、結局よくわかるにしろ、わからぬにしろ、そういう思想問題の調査ということには興味があるということだと思いますよ。 そこで、もう一つの問題ですね。今度出た朝日新聞の問題の文書ですね、これは現物の写しですわ。これ見ますとこうなっているのですよ。「昇任等の取扱い」と、それで三つに分けて、「本省(案)」として、カッコして案となっております。「特定とは三役、活動家及党員」「一般とは特定以外の者」と、こういうふうに項目としてあげて、「昇任」「特定、主任以上にはさせない(係長以上不可)」と。「一般、同上、ただし悪影響ある者は個別に審査」。「昇格」「特定、可能な限りおくらせる、注、可能な限りとは、当面地建の判断によるが結果は本省に連絡すること」「一般、普通職員並み、ただし特定のものとの均衡からおくらせることもある。なお、拠点事務所(組合勢力の伸長に影響あるところ)はおくらせる」。「特昇」「特定、昇給に同じ」「一般」——これは消してあります。「普通職員並み、ただし特別なときはおくらせる」と書いて、これはペンで消してありますが、それから「勤勉手当」「特定、一般とも普通職員並み」。「研修」「特定、職員として必要な研修には参加させる」「一般、幹部研修、資格取得研修以外は参加させる」。「配転」「特定、一般とも普通職員並み、ただし特定のものについては従来の仲間との接触を断つよう考慮する」と。これが、「本省(案)」として出されて、「関東取扱い」、昭和四十五年二月とカッコしてあります。そして、「原則として」——昇格のところでは「組合員は行一6G並びに行二1G及び2Gへは昇格をさせない」云々と、まああと私は省きますけれども、そういう「本省(案)」と多少違ったところはここへ書き込んで、相違点として「関東取扱い」より「本省(案)」は緩和されていると、三役、活動家も例外にするとかなんとかまあ注がついております。 こういうふうにして見ますと、さっき私が石母田委員が衆議院で質問したというあれですね、代表所長会議の議題の中で問題にされ、各地建でこうしてる、ああしてるということが出されておったのが、それぞれの地建がかってにやっておったということではなくて、まさにこの文書の出現によって、建設省の本省がまず基準を示して、そうして各地建がそれぞれの実情に応じて多少強めたり弱めたりして実施しておると、それがぽつりぽつりと地方で問題になってくるということなんじゃないかと思う。つまり本尊さまが出てきたという関係になるんじゃないか。で、そういう点について言いますと、確かにこういう違法なものですから、公文書で出すというようなことはするはずはありませんよ、違法なものですから。だから、これなんか見ても、ここにはっきりと用紙には「建設省関東地方建設局」、カッコしてタテと書いてありますよ。そういうまあ建設省の用紙ですよ、関東地建の。それに書いてあるんだけれども、この文書についての常識的な判断を見れば、本省のほうからこういう案が出てきたと、しかし、関東地建としてはこういう扱いをしておると、そしてその違っている点は、こういう点とこういう点だということをこういうメモみたいなものにして、そして必要な幹部職員に配ったと。その場合抜けては困るから一連番号を振ってあると。これがまあ一番妥当の推理じゃないですか。これは世間のだれに聞いたって、知らぬ存ぜぬというだけじゃ通らぬですよ、もっと積極的な説明をしなければ。そこのところ、どうですか。
○説明員(高橋弘篤君) その文書、私ども全く朝日新聞のこれしかちょっとわからない、部分的に言っているものだけしかわかりませんが、こういうことは全く私らの調べでは記録にもありませんし、そういうことをした覚えがないとみな言っているわけでありまして、全く私どもとしてはわからないことでございます。
○国務大臣(亀岡高夫君) 午前中沢田委員にもお答え申し上げたとおりでございます。私も一度や二度、三度や四度じゃございません、とにかく朝日新聞のトップに出る以上は、こういうことはどこかに取材源があるはずだと、その取材源が、私が委員会で絶対にそういうことはありませんと言っているさなかにぼろぼろと出てきたら君たち一体どうするんだということで、実は現在も調査を進めさせておる段階でございます。したがいまして、午前中も、現時点においては全くそのようなことは私どもの本省とは関係のないものであると、こう私は当委員会に申し上げた次第でございます。この点をよくひとつ御理解を賜わりたいと思います。
○春日正一君 これは関東地建の確かに紙使った文書ですから、地建のものだけれども、「本省園」ということになっておるから、これは本省でつくったものが流されてきて、それが具体化されていった過程でできたメモみたいなもんだろうと、だから公文書として保管してあるというものじゃないかもしれませんけれども、大体こういうものはそういう扱いにするんでしょう、世間に知れて悪いものはメモみたいなかっこうにして廃棄してしまうとかなんとかいうことに。そこで、いま私これ幾ら議論しても押し問答みたいになりますから……。 しかし、これは先ほど言いましたように、基本的人権にかかわる重大な問題ですし、これだけ朝日新聞なんかでも報道されれば世間の疑いというものも強くなるだろうし、だから、そういう意味では、ここで私がこの資料に基づいて建設省当局に質問し、建設省が否定しましたということだけではこれは片手落ちになる、一方の言い分だけ聞くことですから。 だから、この際委員長にお願いしたいのですけれども、次回に、この問題を提起された国公労共闘会議ですか、それから当の全建労ですね、建設省労働組合、これの代表を参考人として出席してもらって、こういう事実について具体的にどうなんだということを究明さしてもらって、つまり当事者双方の意見を聞いて、この建設委員会としての判断もつくり上げるという措置をとっていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○委員長(小野明君) 春日委員の御発言でありますので、後刻理事会においてこの問題は協議をして決定をしていきたいと思います。
○春日正一君 それじゃ、理事の皆さんによろしくお願いしておきます。 それから、この問題はそういうことですけれども、実際には先ほど言いましたように昇格調書ですか、そういったようなものがつくられて、そうして実際に差が出ておるということが言われておるんですね。そうしてこれはやはり当事者が調べてみれば一番はっきりすると思うんです。だから私は、そういう意味での一番妥当な解決をすれば、その対象になっておる全建労の組合を実際に当局もお調べになったらよろしい。そうして全建労の組合がそれぞれの支部、分会についてどういう格差が生まれて、どういう損害が与えられておるかというような問題を具体的に提起してきたら、やはりこれを誠意をもって取り上げて、そうして確かに道理の立つものはこれは是正してあげるというようなことは当然私はやるべきだと思う。その点ひとつ大臣の考え方をお聞きしておきたいんですが。
○説明員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように中部地建の、先生先ほど御指摘あった石母田先生と同じ御指摘の点につきましても、さっき申し上げましたように、御指摘のあった職員等につきましていろいろ調べたわけです。ところが、組合が主張しておるようなそういう不当な格差は生じているというような事実はなかったわけでございまして、これは組合にも実は説明しております。人事院にも報告をいたしておるわけでございます。したがいまして、ただいま御提案になりました、組合のほうで、全建労のほうでそういうようなことを具体的に問題として、こういう人がこういうふうになっているというようなことが出てさましたら、私どもも調査をすることについてはこれは当然であると考えております。
○春日正一君 この問題がこういうふうに問題になって、組合の各支部などでも具体的な調査ですね、そういうものも全国的にやっておるようですから、組合からそういうものが出されて、したら当局としても誠意をもってやはり検討していただきたいと、そのことをお願いしてこの問題での質問を私は終わります。 それからその次は鶴見川の問題ですけれども、ことしの三月三十日に鶴見川の工事実施基本計画、これの改定が行なわれているんですけれども、その改定の理由を簡明に説明してほしいと思います。
○説明員(増岡康治君) お答えいたします。 鶴見川は昔は内務省で直轄事業でやっておりまして、昭和十三年の大洪水で、昭和十四年から計画高水量が末吉地点で六百五十立米でございました。その後いろいろ経過を経まして、昭和三十三年に大きな洪水に見舞われまして、昭和四十一年には末吉地点では九百立米になったわけでございますが、新河川法が施行になりまして、その法によって工事実施基本計画をつくることになっております。したがいまして、本年、その後の流域の開発はもちろんでございますが、従来の水文、気象その他の資料を整理いたしまして、やはり都市河川として整備しなきゃいけないほど非常に重要な流域であるということで、安全度を思い切って上げようということでございまして、全国的な観点も入れまして、先生がおっしゃいますように、三月三十日をもちまして、この九百立米を二千三百立米ということにいたしたわけでございます。
○春日正一君 九百を二千三百にした、それは上流の開発の関係もあるし、安全度を上げる。七十年に一回から百五十年に一回に上げるということが理由になっているわけですけれども、そこでお聞きしたいんですけれども、この開発によってふえる流入量と、それから七十年を百五十年に上げたことによってふえる分と、それはどういうふうになりますか。
○説明員(増岡康治君) 先生の安全度という問題と開発問題の関係はどうかという御質問だと思います。この安全度と申しますのは、流域の全体の重要度を示す一つの問題でございますが、いまおっしゃいましたように、今回は百五十分の一というようなものを一つの指標にして計画を立てたところが二千三百になったわけでございますが、そういうようなことで、たとえば雨をそういうような問題で整理いたしますと、それから今度は流れてくる場合には、流域が開発されますと、先生おっしゃいますように確かに到達時間も早くなりますし、流量がふえるわけでございます。そういうことで、今回の改定におきましては鶴見川流域の八割程度が将来開発されるであろう、都市化されるであろうという推定をせざるを得ない状況になっておるということを勘案いたしまして、流域のいわゆる流出係数という問題が、今度安全度という問題以外に量をふやすようなファクターが加わわってくるということで、そういうことを勘案して実は二千三百ということになったわけでございます。
○春日正一君 それは前から私聞いてどうしてもわからないんだけどもね、その説明では。つまり五十年に一度の雨というとまあ何ミリだと、百五十年に一度というと何ミリだというものがあるわけでしょう。そうしたら、百五十年にしたら鶴見川の流量はどれだけふえるかという計算出てくるはずだろうし、これからまた上流が八〇%開発されて流入係数が大きくなると、これはどのくらい大きくなるか、その計算もできるはずだと思うんですよ、そうしたら、いままでの五十年に一度並みでも、とにかく開発によって流量がどれだけふえるかということも計算できるはずだ。だから、百五十年にしたからこれだけふえて、それから上流の開発でもってこれだけふえると、だから二千三百にしたというような説明はできないものか。そこの分かれが、けじめがつきませんと、議論が非常にしにくくなるんですわ。私は開発の問題を問題にしているんだから。
○説明員(増岡康治君) まあ、どういうように御説明申し上げていいかちょっとあれでございますけれども、一般に私どもが統計的な手法を用います場合は、流量はゆがめられたものがあります、確かに。流量が早く出たり多くなったり、同じ条件でもいわゆる土地の条件が変わってしまうと、ランダムと言い切れない問題があると思いますので、まあ私ども一般に確率論の対象にいたしますのは、一つの雨というものはランダムであろうというようなことをまず考えるわけです。 まあ、そういう中で、すでにいまおっしゃいますように、そういうものから考えて雨の統計をとった場合に、どの程度のレベルのものをとろうかということはこれは全国一様にとれるわけです。その雨を想定した中で、それから今度は流出係数なり到達時間なりいろんなものの将来をやはり想定しておるということでございまして、まあそういうことで百五十だとか五十分の一だとか二百分の一というのは一応の一つの指標でございまして、結果的にはすべてそういうものが積み上がった計算をしておるということでございますので、計算の手法の過程にすぎないというような感じで私ども申し上げておるわけです。
○春日正一君 まあ、そういうことでは非常に私たよりないことだと思うんですがね。しかし、それ、かかわっているとおそくなるので先へ進みますけれども、この二千三百トンという流量は、これは鶴見川にとっては容易なものじゃない。それで、この「港北ニュータウン開発にかかわる関係河川についての調査研究報告書」と、この文書でもですね、それから建設省の「鶴見川水系流量改訂計画説明書」というようなものの中でも、まあ鶴見川はいままで九百でやってきたと、毎秒二千三百に変えてみて、とにかく末吉橋のあすこでどんなにしても千八百以上受け切れないということがこの研究でもこの説明書でも書いてますね。そうすると、あとの五百どうするか。それは上流にダムをつくるかあるいは分流するか、これよりほかないと、それを検討してみる必要があると、こういうことになっているんですね。 私は時間節約のためにもつと説明しますけれども、まあ千八百でそうなった、それから、では五百トンをどうするかということで計算してみますと、ダムをつくるという場合、これはまあ毎秒五百トンということで計算すると、千八十万トンですか、六時間ためるとして、大体それぐらいになる。そうすると、天竜の船明ダム、これが千九十万トンですね。それから薗原ダム、これが千四百万トンです。だから、それにほぼひとしいような貯水池をあの港北の平らなところにどうしてつくるのかという難問があるわけですね。だから、これはちょっと簡単に片がつかぬ問題だ。分流するのはどうか。このいきさつについては私長く鶴見に住んでいますからかなり知っていますけれども、自民党の飯田助丸という県会議員がおりまして——いまの飯田助丸じゃない、そのおとうさん。この方が大正の初期の時代から鶴見川の災害を防ぐためには分流しなきゃならぬということを主張して、鶴見川の治水に政治生命をかけて、これはもうなくなりましたけれども、そういう人ですわ。そういう努力が大正の初期からあって、それがどうしても反対にあってできなかったといういきさつがあるわけですね。そうしていま県のほうの説明のこの図を見ますと、横浜市のほうの、ここの鶴見川の本流と、鳥山川の合流点ですね、この下のあたりからずっと神奈川のノースドックの近所に抜くというようなふうに簡単にずっと筋が引っぱって説明がなっているんです。しかし、あそこは人家が非常に密集していますし、だからそう簡単に分流ができるのか、そういう見込みがおありになるのかどうか、そこらの辺をお聞きしたいんですよ。それがなければできないんだから、開発は。
○説明員(増岡康治君) いま先生おっしゃるとおりです。鶴見川の下流は矢板でどんどんどんどん深くおろしまして、水域を下げまして、ほんとうの都市河川のように最大限いたしまして千八百立米が最高でございます。したがって、どうしても五百は何かの処理が要ります。これにはいろいろ考えておりましたけれども、遊水地はどうかと仮定したものもございます。あるいはまた、いまおっしゃる鳥山川の合流点から一気に出すと、四キロ、五キロかかります、トンネル。トンネルしかできない。これについてもうトンネルだけで四案を持っておりまして、私どもはやはり鶴見川の重要性を考えますと、技術的な問題でございますので、トンネルだから技術的な問題ということで、これはやはりやればできることではなかろうかという一つの前提に立ちまして、ひとつさっそくこれは調査に入ろうじゃないかというような方向をいま立てかけているちょうどさなかでございまして、やはりこの五百立米の処理というものは絶対漸次進めると私どもは思っております。ダムは無理でございます。遊水地には相当やはり人家が張りつきまして、なかなかこれにも折衝がかかるしお金もかかるであろう。その中におきまして、トンネル案はどうにかして勉強いたしまして、また地元の各位の御了解を得ながらひとつやりたい。そういうのが現在の作業中のところはちょうどいまそういうところでございます。
○春日正一君 事情はそういうことで、あとの五百の処理に困っておると、まだ具体的にはめどが何もついていない。こういうことなんですね。ところが大臣、これを見ていただければおわかりのように、これが東急のあれですわ、例の耕地整理によるニュータウンづくりですね。それからこっちが公団、今度許可された第一と第二の港北ニュータウンですわ、こういう形で東急の多摩田園都市、これは宣伝では四十万人というふうにいっていますけれども、これが約二千八十ヘクタール、組合施工で、三十四地区あってすでに終わって解散したものが十五地区、千三十ヘクタールはもう分譲されてどんどん始まっているわけですね。施工中のもの十地区、六百七十ヘクタール、準備中のもの九地区、四百八十ヘクタール、東急が実際施工していると、どんどん進んでいるわけです。それからそこへもってきて、ことしの八月二十七日に建設大臣が区画整理事業の認可をされた港北ニュータウンの開発ですね、これがあるわけです。これは第一、第二両方にかかります。そうしてこれは規模は御存じのとおり全地域二千五百三十ヘクタール、三十万人、住宅公団開発地区千三百十六ヘクタール、二十二万人、こういうことになって、しかもまあ大部分が山林原野、七百四十七ヘクタール、畑と水田が五百六十六ヘクタールというような形で、いままで遊水地とか水を一時留保する役割りを果たしておったところを開発するわけですね。そうすると、この許可がすでに出されて、昭和六十一年までにこれは完成するという予定で仕事が始まるわけですから、川の水をはかすほうはめどがつかないのに、そのはんらんの増水の原因をつくるほうはどんどん進められる、こういうことになっていくわけですけれども、そういうやり方をやっていいものかどうか、なぜそのめどのつかぬうちに許可されたか、そこをお聞きしたいのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実はこの建設行政は縦割り行政でありまして、私も就任以来総合的な立場からものをきめていかなければならぬという感じを強く持っておったわけであります。したがいまして、現在は建設省に事務次官を中心にしまして各局の調整をとって最終的な結論を出すと、そういうふうにしようと、こうしたわけであります。住宅は建った、そのあとすぐにまた道路の用地が必要だ、ところが、その住宅に入った人たちはそこに道路のできるということを承知しないで入っておる、そのため住民運動が起きているというようなケースも何カ所か聞いておりますし、ただいまも先生から御指摘いただいた点につきましても、そういうほんとうに申しわけない、建設省として恥ずかしいような実はケースを繰り広げてきておったわけであります。今後十分そういう点は注意をしてまいりますし、またこの鶴見川の問題につきましても、実は私も多摩川の問題を実地に体験いたしまして以来、この都市河川というものはよほどいままでの手法——私はしろうとでございますから、それだけ人一倍もめるわけでありましょうけれども、とにもかくにもあの多摩川のごときも、もう一日雨降っていたら何千人かの人がやられたんじゃないかと、あそこに立って不安を持ったわけであります。そういう個所が何カ所かあるわけでございまして、特に河川というのはもっともっとそういう都市防水、都市防災という見地から進んでおるものと思って、大臣の座にすわってみまして、実はそういう面ではもっともっと馬力をかけにゃいかぬ、特に都市河川、さらにいなかの案外中小河川が命を奪い去っておる例が多いわけであります。そういう面合わせまして、都市河川についてはいままでの手法に何か新しい発想を出せないものだろうかと。 一例を申し上げますと、この間、高知県に行ってきたんですが、太平洋岸のあの荒波をちゃんと防げるだけの堤防をつくる、しかもそう大きな地積もなくてちゃんとつくっておるわけであります。都市河川の場合にも何かああいう新式な工法でもって、住宅が移動できなくとも、せめて堤防の幅だけでも堤防を薄くすることによって流量をふやすというようなことは考えられないのかというようなことも実は河川局長のほうに検討を命じておるわけでございます。したがいまして、これは御指摘されるまでもなくたいへんな問題点の河川であるということは私どもも十分承知いたしまして、予算的にも、そのトンネルを掘ってそこで分流をするという案が残された考えられる最良の案であるというふうな事態にもなっておるようでありますが、あらゆる面から考えまして、開発した面についてのそれによる流量の増加というものを食いとめて、水害を未然に防止できるようなふうに持っていかなければならないと、こう考えておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
○春日正一君 私も鶴見川の沿岸に住んでいるものですから特別関心も持っているわけですけれども、鶴見川というのは昔から非常に大きな水害のある川でして、昭和十三年六月に大水害があって、それから国の直轄として改修がやられるようになり、そのあとずっと大きいものを拾っても昭和十六年七月の台風、それから二十四年九月一日のいわゆるキティ台風、三十三年九月二十六日の狩野川台風、それから昭和四十一年六月二十八日、台風四号、こういうふうな形で、少し大きな台風なんがで雨があればはんらんするということで改修を急がれておったんですけれども、現在でもいまの上流の開発に適用するという形でなくても開発が非常におくれているわけでしょう。これを見ますと、私どもは建設省に聞いてみますと、四十九年度の予算が十四億三千万円、事業費で、それで残事業費が六百四十億円、この割合でいきますと四十五年かかるわけですね。ところが、あと十年で上流は開発されちまうわけですよ。そうすると、三十年間水をかぶらなきゃならぬと、こういうことになるわけですね。だから、一番問題になるのはそこのところだと。建設省も私はある意味では気の毒だと思うのですね。住宅を一生懸命つくったと、それで河川がはんらんした、おまえらどうしたのだ、こう言って責められる、そういうことなんですね。だから、さっきあれしたニュータウン開発にかかわる調査研究報告書でも、「治水事業が追随し得ない流域の開発は、治水事業の立場のみを考えれば、遅らせる以外にない」と、「しかしながら、計画的な住宅建設等公共性の高い事業については、その需要の緊急性から見ても、総合的な立場からの調整が必要である。これらの問題の抜本的解決については、地域計画、都市計画の立場から、総合的に土地利用区分を明らかにし、土地利用規制を強化して、開発地域については、重点的な投資をはかる等の対策が必要である。」と、こういっておるんですね。 私は、この開発地域について重点的な投資というのは、治水対策のための投資を重点的にふやせ、つまり上流を十年で開発するなら、それに間に合うような下流の治水対策の予算をつけなければいかぬじゃないかということをいっておると思うんですよ。その点はまあ大臣も理念としてはそれはもっともだと、建設省としてはそうしたいというようにお考えだと思うんですけれども、しかし、実際にはいま言ったように、こっちの許可は大臣の名前でお出しになっているわけですね、この港北ニュータウンは。そうして鶴見川の改修も建設省の責任ということになっておるということになると、これは一体そういう矛盾の責任をもし大きな事が起きた場合だれがどうしてとるのか、そこらは真剣に私は考えていかなければならぬ問題だと思うんです。その点どうなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) そういう矛盾を解決するために努力するのがわれわれ行政をおあずかりしている者の使命ではないかと、こういうふうに考えるわけでありまして、計画する際にもそういう矛盾はできるだけ起こさないような立場で計画をするわけでございますけれども、御承知のように日本国土の立場から考えますと、そういう矛盾というものをはらみつつ、そういう矛盾を来たさなければ開発が進まないというような面、少なくないわけでございます。したがいまして、私も就任以来道路に負けないだけのやっぱり河川の治水の対策を講じなければいかぬと、こういうことを申して、来年度の予算編成に際しましても河川に重点を置いた編成のしかたを実はいたした次第でございます。従来この河川の予算の執行を見ておりますと、ほんとうに百年河清を待つがごとき感あるわけでございまして、そういう感じをなくすためにも、やっぱり重点的な予算の使用ということももう考えなければならぬのではないかということを事務当局に実は指示をいたしておるところでございます。
○春日正一君 それで、私は河川の許容量に合わせてやはり開発は押える、どうしても開発しなければならぬところは河川の許容量をそれに合わせて広げるような措置がとられなければならぬ、そう思うんです。 そこで、ことしの七月の集中豪雨なんかでいろいろ災害が起きておりますけれども、丘陵地帯の無計画な宅地造成とか、水田、遊水地の埋め立て、地盤沈下、都市河川や中小河川の整備のおくれというようなのが大きな被害の原因になっております。それで、治水対策の強化は当然であるけれども、開発のテンポに、河川改修がおくれるときは河川改修のテンポに合わせて開発を押えられるようにする必要があるんじゃないか、そう思うんですけれども、いまの制度では河川管理者である建設大臣なり県知事なりがこれをチェックできるような何らの制度的な規定もないように思うんですよ。私いろいろ聞いてみたけれども、河川法には、河川管理者の権限の及ぶ範囲は河川の区域に限られておって、区域外としては河川区域から五十メートル以内に設定する河川保全区域の規定があるだけですね、五十四条に。しかもこの五十メートル以内云々というのも開発規制とは別に関係ない、そういう規定になっているわけですね。だから、河川管理者は手のつけようがなくて、かってに開発されて、水出されて責任だけとらされる、そういう立場にもあるわけです。区画整理法でも、第四条でもって事業計画の決定認可の過程で河川管理者はらち外に置かれているわけですね。そうして四条では災害の発生の防止等事業計画の基準をきめてはおるけれども、それは開発地域内のことであって、その川の流域への影響を全面的にとらまえたものではないわけです。だから、結局そういうチェックをする、河川の側から開発をチェックをするというような何らかの権限も法的にきめられてない。その点では河川法のこういう点を補強するというようなことも考えていいんじゃないかと思うのですけれども、その点どうですか。
○説明員(大塩洋一郎君) 確かに国民生活の基盤をなす河川、これを早急に実施しなくちゃいけないわけでございますが、この鶴見川流域の二万三千ヘクタール、約七千万坪ぐらい、この地域はわが国でも屈指の生産地帯でありますし、もうすでに市街地を形成しておる、あるいはこのままほっておきますと全部スプロールしてしまうという非常にスピードの速い、都市化の早い地域であったわけでございます。そこで、四十三年にできました都市計画法におきましては、この地域は四十五年の六月に都市計画法の線引きの指定をしておりますが、市街化区域及び調整区域という線引きの規定を設けまして、市街化区域あるいは市街化が進行中の区域は市街化区域として、それからそれ以外のところは調整区域という制度をつくりまして、その調整区域につきましてはスプロールを認めない、家を建てさせないという制度ができたわけでございます。ですから、この市街化区域、調整区域の制度をつくりましたときには、大体いま申しました二万三千ヘクタールの中の七五%というのは既成市街地であるか、あるいは計画が進行中の地域でございました。で、御指摘の港北ニュータウン等も四十四年の五月の十四日には区域の計画決定がなされておったというようなことがありまして、計画が進行中であったというような事情がありましたので、これは市街化区域の中に編入したわけでございます。そういうことでございます。
○春日正一君 その説明はいい、時間がないから。私が聞いているのは、市街化区域だからどうして許可したじゃなくて、開発すればこれだけ、二千三百毎秒トンの水が出る、鶴見川では千八百しか受けようがない。しかも現状ではその千八百も受けられない、九百に対する治水工事がまだ四、五年かかるんですから、だから千八百しか受けられない。そして五百はどうしてもはかさにゃならぬ。こういう状況にあるのに、なぜここの開発を許可したのか。そうすると、当然災害が予想されているのに許可したということになる。だから、それを河川のサイドから、建設大臣が河川管理者として、河川のサイドから、この河川は受け切れないんだからもうしばらくこれをおくらせろとか、縮小しろとかというような、そういう河川のサイドから口のきけるような条項が必要なんじゃないか。私は建設大臣のために言っているわけですが、どうですか、そこのところは。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点は確かにいわゆる縦割り行政のもとにやってまいりました一つの問題点をいみじくも御指摘になったわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、私としても省内に各局長をもって、いわゆる次官を中心にした行政の総合化をはかるための手順を踏んで諸計画を立て、また各年間の予算措置をしていくという実は体制を現在とっているわけであります。立法措置によって総合的な国土の利用というものができていくようにしなければならないというお説は私も同感でございますので、今後検討をしてまいりたいと、こう思います。
○春日正一君 この問題はいますぐどうという問題じゃないけれども、しかし、将来かけてみれば大災害を引き起こすような可能性をはらんでいるという問題として真剣に考えていかなければならぬ問題だと思いますよ。 そこで、もう一つ具体例をあげてこの問題についての質問をさしてもらいますけれども、この神奈川区に滝の川という川があるのです。これは小さな川です、幅四メーターですから。それがこの上流に——上流といっても中部あたりに南神大寺の住宅公団の団地が昨年完成して、これは千四百三十戸、面積で約八ヘクタール、そう大きくないものですね。もとは山林、畑だった。ところが、昨年これができるようになってから下のほうで水が出始めて、二十分も雨が降れば道路がもう川のようになるということで、住民が滝の川水害対策促進会議というものをつくって、横浜市がこれは管理者ですから、横浜市当局に対してもこの河川のはんらんを何とかしてほしいということをいろいろ陳情もし、それからその問題については、公団も団地開発が一つの原因であるということをお認めになって、滝の川の中流、上流の河川改修の費用として、千九百万円でしたか、これを出して、そして堤防のかさ上げと、それからこう四角な、ちょうど何ですかU字溝みたいになっている川ですから、だからまん中を掘って六十センチのU字溝をずっと入れて、それで幾らかでも流量を軽くしようという工事をおやりになった。そういう努力をされたんだけれども、これが四月に完成して、そしてことしになって三回水が出ておるわけですね。私はこれはちょうどいまのこの鶴見川の問題を小さくして実際に目の前に見せてくれておるものだというふうに思うのですよ。 これを見ていただきたいんですがね、これをちょっと。(資料を示す)これは普通の状態のときですね。ここにU字溝が見えている。それからこれも普通の状態のときで、こんなに上があいている。私ら見たときにはほんの底のほうに少ししか流れていないのに、二十分も大雨が降るとたちまちこうなるんですよね。これなんかも渦を巻いている。これが川で、これが道路、バスの通る道路。しかも商店街でしょう。それで床上浸水になる。これ、大臣に見せてください。そういうような深刻な状況なんですね。そして特にあすこで気の毒なのは、七十二になるおばあさんが一人住んでいる家があって、いつ雨が降っても畳も上げられないから、腐った畳を外に出して、いい畳二枚だけ敷いて、寝るのはこういうテーブルの古いのを幾つか重ねて、その上に寝ている。年寄り一人ですからどうにもしようがない。そんな気の毒な状態がいまも続いておるわけです。 それで、私時間がなくなりましたから全部まとめてこれはお聞きしたいと思うんですけれども、これについて建設省は御存じなのかどうか、こういう状態があるということを。これが一つ。 それからこれについて横浜市当局や公団は、この神奈川雨水本管と言うんですか、幹線と言うんですか、神奈川雨水幹線というのをこの川のところから抜けば、そうすればこの水はなくなるだろうと言って、これがことしの末までには完成するというふうにいわれております。それで、多少完成されると思うけど、この沿線の住民はそれで安心してないわけですね。というのは、これができている場所がこういうところであり、そしてこっちのほうの神奈川大学ですか、あそこがこうずっと開発されて、これから水がどんどん出る条件が出ておるし、だから、六角橋三丁目あたりはこの幹線ができても水の問題は片がつかぬだろうといって不安に思っています。それから、実際ことしの七月八日の選挙の開票日の日に雨が降って、これがいまの問題の川ですけれども、この幹線がこう海に出てくる、ここに反町川というのがあって、ここの川の水をこの幹線に入れたわけですね、雨水幹線に。そうしたら末端がこうなって分かれているそうですね。そこのところでもって材木かなんかが引っかかっちゃって——横浜駅の西口になるんですか、これは。この商店街のあるところ、これはマンホールがばぁっと街灯のあるところまで水がふき上げるような勢いでふき出して、たちまち地下室なんか水だらけにしてしまったというようなことで、これは人災として横浜市は補償するということで話をしているようですけれども、しかし、補償が云々の問題じゃなくて、だからこういうことをやるということでもまだ十分じゃないといって不安に思っておるわけです。そこで、まあ建設省のほうにお願いをしたいんですけれども、やはりこういう状況を実際に点検されて、住民の考えも聞いて、住民が安心できるような方法を考えて、横浜市なり公団なりを指導して、ここの水害をなくしちまうというようにしてほしいと思うんですよ。 というのは、もう一つさらに南神大寺の上のほうに、三ツ沢公園のほうにまた団地ができる予定がきまっておる。三ツ沢墓地のほうにもできるらしいといわれておるということになってきますと、河川のあと始末するあとからいわゆる水害の源がつくり出されていくわけですから、そういう点まで含めてやはり河川の改修なり災害の対策なりを進めていきませんと、いつでも問題が絶えないわけですから、そういうことも含めて、ここを建設省として——この間、建設省の方とそれから公団と、私も一緒に行って実情をずっと見て回って、いろいろ話も聞いてここで問題にしているわけですけれども、建設省としてもっとそういう広い立場から見て、それで、これで十分なのかと、どういうふうにしてこの水害をとめるかというようなことをひとつ考えていただいて指導もしていただきたいし、私のほうにもこうするということが大体めどがついたら知らしてほしいと思うんですよ、住民みんな心配しておりますから。 それで最後に、私、この治水対策の強化と総需要抑制の問題について、これは簡単にお聞きしておきたいんですけれども、これ、国土庁の方も来ておられるようですからひとつよろしくお願いします。で、鶴見川の例から見ても治水対策を強化しなければならないし、そのためには従来の公共投資のあり方を改めなければならないんじゃないかと、そういうふうに思います。たとえば建設白書、四十九年度版を見ると、昭和四十年から四十九年度の十年間で、道路投資が十六兆七千四百七十九億と、河川海岸投資が三兆九千億と、四対一までいかぬような状態なんですね。それから六十年の整備目標を見ても、四十七兆円必要だというのに、四十七年から五十一年度の五ヵ年計画では四兆円しか組まれてないというような数字を見ても、やはりいまの事態の中で開発と防災という関係を考えれば、河川の予算をもっとふやして公共投資というものの配分を考え直す必要があるという問題をひとつこれは大臣に聞きたいと思います。 それから治水投資の飛躍的な増大とあわせて、当然いまの治水五ヵ年計画というのは改定されなきやならぬだろう、そういうふうに思います。それから政府の総需要抑制に伴って、昨年と本年度という措置が公共事業についてとられておりますけれども、これはまあ閣議決定で去年は八%の繰り延べ、四十九年度は七月九日の閣議決定で第二四半期の契約率抑制五四・七%、建設省関係五一・八%、それから八月三十日の決定では、昨年と同じ八%繰り延べると、こんなふうになっているわけですね。これは私一人でしゃべってしまいます、時間の節約上。それは高速自動車道とか港湾建設というような大規模なプロジェクトへの投資を、都市河川の改修とか、がけくずれ防止というような治水対策も一律にやられておって、結局積雪寒冷地とか住宅は四%にするとか災害復旧事業を除外するというような特別なものはあるとしても、基本的には、先ほど言った治水の問題その他についていえば、一律にやはり抑制されてしまっている。そこで、国民の生命の安全、生活の安定に欠かせない支出は押えるべきではないんじゃないかと、そうしてまた大規模なそういうものを押えることで、いままで失われておったバランスもとられていくということになるんじゃないか。 以上の点について大臣の見解をお聞きすると同時に、国土庁のほうからお見えになっておるので、私は最後に一言お聞きすればいいということで出席お願いしたんですけれども、つまりいまのような上流ではこういう開発がどんどんどんどんやられていく、しかもこれが適法に許可をされていく、そうして下流ではそれを受ける河川の容量というものが必要なだけ拡大できないということがわかり切っているというような状態ですね、こういう状態が起こってくることに対する責任はどこがとるのか。まあ理屈からいえば国土庁がまさにその責任をとって、こういう開発と防災との関係でアンバランスのあるところは、開発を押えるか、防災を促進するかというような形でその調整をとらなきゃならぬところだと思うのですけれども、その点について、一般論と同時に、この鶴見川の問題について国土庁としてはどう考えておいでになるのか、その点を聞かしていただきたいと思います。 それで私の質問を終わります。
○国務大臣(亀岡高夫君) たいへん力強い激励を込めながらの御質問でございますが、治水関係につきましては、先ほども再度申し上げましたように、道路等から比較いたしますと、もっともっと積極的になされるべきであり、道路に負けないだけの体制をとらなければならないということで、私も就任以来河川局を激励をし、来年度の予算編成にあたりましてもその気持みを若干なりとも出したいということで、総需要抑制の中ではありますけれども、そのような態度をとったわけでありまするし、また五十一年度を初年度とする五カ年計画の時期にももう近づいてきておりますので、やはりこの五カ年計画をつくります心がまえといたしましては、ただいま御指摘にありましたように、国民の生命を未然に災害から、水害から守るというような立場であればもっともっと積極的な計画ができてしかるべきであると、こういう考え方もいたしますので、その五十一年度の計画改定に向かっていまから準備をしなければならぬということで督励をいたしておるところでございまして、御指摘の御趣旨を十分生かしていきたいと、こう考えるわけでございます。 それから総需要抑制下において河川改修事業等については抑制対象とすべきではないという御指摘、確かにそのとおりでございます。建設省におきましても強くその点主張をいたしておるわけでございますけれども、やはり河川をあれすれば下水もこれも大事であると、大事でないものはだんだんなくなるというようなことで収拾がつかなくなるという立場もございまして、実は涙をのんで河川関係の抑制についてもこれを実施をするという立場を実はとった次第でございます。しかし、実質予算を配分いたします際には十分そういう点も考えまして、ほんとうに災害のおそれのあるというところにその予算が行き渡るようにという配慮をいたしましたり、特にがけくずれ、あるいは地すべりというような、もう雨が降れば当然出てくるようなところに対しての予算配分については十分心を使ったつもりでございます。 なお、御指摘の総需要抑制策によりまして事業の実施を繰り延げることとされている公共事業の中でも、災害復旧事業あるいは激甚な災害を受けた河川の改修事業等については御指摘のとおり除外いたしました。そうしてこれは予算どおり実行できるようにした次第でございます。いずれにいたしましても、やはり先般は利根川で、また荒川、東京都内の河川、さらに鶴見川の河川、名古屋市を流れる河川、淀川等々、全国見渡しましてもほんとうに速急に整備をして国民の不安を除かなければならないという地区が非常に多いわけでございます。そういう点には積極的に取り組みまして、できるだけ積極的な思い切った新治水五カ年計画ができますようにいまから準備を極力に進めていきたいと、こういうつもりでおるわけであります。
○説明員(山内一郎君) いま春日委員からいろいろお話ございまして私もよく理解できたのでございますが、やはり一つの開発ということをやれば必ずその影響が出てくるものである。鶴見川の例も一つの影響でございます。したがって、開発するために計画をつくる段階におきましては、これをつくればまずどういう影響が出るか、それの手当てはどうするのかと、こういうような点は十分に考慮して開発すべきであるというふうに国土庁としては方針を持っておるわけでございます。 また、開発自体も私は考えようがあると思います。従来の住宅団地といいますのはほとんど木を切ってしまいまして、土をならしてそこに住宅をつくる。しかし、やりようによりまして何倍かの地域を取りまして緑地をできるだけ残していきながらの団地開発もあると思います。その中にまた湿地帯があればそれは埋めないで置いておくと、そこで遊水機能を持たせるようなやり方をすればだいぶ影響が緩和されてくる。こういうようなことを考えながら今後の国土利用については十分国土庁としても、国土利用計画に書いてございますから、国土の均衡ある発展とか良好な環境の確保、こういう点について十分注意をしながらやっていきたいと思います。 それから治水投資が少ない点につきましては、公共投資がたくさんございますけれども、国土庁といたしましては、昭和五十一年度から各公共投資を全部ひとつ見直しまして、一線にそろえてスタートさしたらどうかということをいま考えております。ただ、五十一年度でおそいじゃないかというおしかりをこうむるかもしれませんけれども、五十年度におきまして国土利用計画法に基づく国土利用計画、全国総合開発計画というものを見直す時間を与えていただきたいと思います。それを基本にして五十一年度の公共投資を——十幾つかございます、これは。そういう点を十分均衡のあるような形で考えてまいりたい、こう考えております。
○委員長(小野明君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小野明君) それでは速記を起こして。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会