決算委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 368 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1974/09/11
会議録
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。 —————————————
○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省と、それに関係する中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行ないます。 この際、おはかりいたします。議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こしてください。 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○工藤良平君 私は通産大臣にまずお聞きをしてまいりたいと思いますが、昨年のオイルショック以来、たいへん物価の上昇の原因ともなりました石油問題さらに現在非常に中心的に議論がされでおりますエネルギーの問題等について若干お聞きをしてまいりたいと思います。 先日、私は商工委員会で原子力の問題につきましてはいろいろとお聞きをしてまいったわけでありますけれども、特にエネルギーの問題について、現在の電力事情の問題からいたしまして、一体、その中で火力発電の占めている役割りというものが非常に大きいわけでありますけれども、将来の電力需要の長期の見通しなり、あるいはその中における特に主要な部分を占めてまいります石油の関係について、若干、その見通し等についてまずお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず第一に電力需給の現状と見通しを申し上げます。 今後の長期電力需要につきましては、昭和四十九年度の電源開発基本計画によりますと、四十八年から五十三年にかけて年平均八・六%の伸びと予想しております。また、これに対応する最大需要電力は、昭和四十八年度は七千四十三万キロワットであるに対し、堅調な民生用需要の伸び、冷房用需要の普及等の動向を考慮して、五十三年度には約一億一千百万キロワットと、年平均九・五%で伸びるものと予想しております。 一方、電力供給面では、電源立地が地元の反対運動等によって、電調審で立地が決定された発電所は、開発目標に対し四十七年度は三二%、四十八年度は四四%、四十九年度は現在のところ三一%にすぎない状態であります。この結果、五十三年八月の供給予備率は、適正水準といわれる八ないし一〇%より大きく落ち込み、一・六%を保持するにすぎない見込みであり、電力の安定供給上支障を来たすおそれがあるとも考えられる状況であります。 なお、四十九年七月時点までの対前年平均増加率は、九電力会社ベースで見ますとほぼ前年並みで推移しており、四十九年度後半も、景気の引き締め基調が続く限り、このような状態で推移すると思われますが、これによって電源開発基本計画の想定に比べ需要の伸びがやや落ち込んだとしても、今後、供給予備力が適正水準に達することはないものと見込まれているという状態であります。 なお、このような電力事情の中で、やはり水力の見直しということもある程度考える必要があります。石油危機発生以前の火力発電の建設単価はキロワット当たり四万円程度でありました。発電原価はキロワットアワー当たり三・五円ぐらいでありました。水力発電は、従来、火力発電の経済性との比較のもとに開発されてきており、建設単価はキロワット当たり十四万円ぐらいであり、発電原価は、供給信頼度の差などを考慮して、キロワットアワー当たり四・六円ぐらいでありました。現在の火力発電の建設単価は六、七万円であり、発電原価はキロワットアワー当たり八円ぐらいになってきております。火力発電原価の高騰状況から見ますと、水力は国産のクリーンエネルギーであり、地域開発への貢献等、国民経済的な諸効果があるものと考えますと、火力発電の原価を三ないし四割程度こえるものについても極力開発していきたいと考えております。 このような観点から見ますと、わが国の未開発包蔵水力のうち、約八百五十万キロワットが開発可能と目されますので、水力緊急開発計画として昭和六十年度までにこれを開発することとし、電気事業者等に強力に行政指導を行なっておるところであります。また水力開発は初期投資が大きいので、財政投融資——四十九年度は十六億円でありますが——により開発の円滑化をはかっておる次第であります。
○工藤良平君 先般、電気事業審議会の需給部会の報告による電力の需給見通しという資料をいただきまして、私見ているわけですけれども、家庭用、業務用、産業用、それぞれ総電力需要は、五十五年度あるいは六十五年度の予測を見ましても、かなり大幅な需要見通しというものが立てられておるわけでありますけれども、その中で、それに見合った供給の見通しと電源構成というものを見ましても、いま若干の御説明はありましたけれども、四十八年度を基準にいたしましてみましても、たとえば水力の場合を見ますと約二倍強、それから火力にいたしましてもこれは二倍ちょっと弱ですけれども、それに原子力のウェートがかなり高くなろう、こういうような状態でありますが、原子力の問題につきましては、これは安全性の問題等から先般も商工委員会で私は約二時間ばかりこの問題で議論をいたしたわけですけれども、これは本日の質問の主要な部門からは除きたいと思います。 その中で、特にこの水力と火力の関係、で火力の中でも、一体今後、石油、石炭、LNGあるいは地熱、こういった各部門がそれぞれ目標として立てられておるわけでありますが、この中で火力の中における石油のウエートが漸次漸減をしていくという傾向にございますけれども、この理由といたしますものは、さっきお話がありましたように、原油の異常な高騰という、いわゆるエネルギー価格の高騰が今後なお引き続いて長期的に続くであろうという判断の上に立ってこのような予測というものが立てられているのかどうか、その点をもう少し御説明いただきたいと思います。
○説明員(大永勇作君) 先生御指摘のように、昭和六十年度末までの電源構成の推移を見てまいりますと、現在水力は約二千万キロワットでございますが、六十年には四千八百万キロワット、その中には先ほど大臣から御説明されましたように、いわゆる一般水力の開発も八百五十万ぐらい見込んでおりますけれども、非常に大きくなってまいりますのはいわゆる揚水発電、ピーク調整用の揚水発電でございます。それから火力発電につきましては、現在約六千万キロワットございまして、先生御指摘のように六十年には二倍弱の一億一千万ぐらいになるわけでございますけれども、その中では、今後の考え方としましてはLNGの発電をなるべくふやしていくということを考えておりまして、LNGの発電を、現在はごくわずか百十五万キロワットぐらいでございますけれども、二千九百万程度にふやしていく。それから石炭につきましても、できるだけ石炭を活用していこうということで、これも千二百万キロワットぐらいまで発電するということでございまして、いわゆる石油火力につきましてはできるだけ開発を少なくしていこうというのが基本的な考え方でございます。 これはもちろん、先生御指摘のように、石油の供給可能量が今後増加するとしてもそれほど大きくは増加しないであろうという前提のもとに、なるべく水力それから原子力、それから火力の中でも、申し上げましたようにLNGとか石炭とかのウエートをなるべく高めていきまして、石油への依存度を減らそうという考え方によるものでございます。
○工藤良平君 そこで、石油の問題に入る前に、ひとつこの電力問題の中でいまお話がありましたように、水力発電の関係について、今日まで傾向としては非常に火力発電に重点が置かれてきたような私は印象を受けているわけでありますけれども、もちろんこれはダムの建設等におきましてかなり制約されたいろんな条件が出てきたということもありましょうけれども、私は、この際、全体的にいつも言ってきたことでありますけれども、経済企画庁を中心として水の問題については総合的ないろいろなマスタープランが立てられておるわけでありますけれども、ややもいたしますと、この水の関係についてはやはり河川の指定と同時に建設省が主としてその実権を握るというようなことがしばしば考えられてきたわけでありまして、そういう点から、特に水の総合的な利用、これは工業用水もありましようし、基本は農業用水が非常に中心になるわけですけれども、この電力の問題、こういうものを総合的に判断をする中で水力発電の問題をもう一ぺん見直してみる必要がある。 日本の場合には雨量は多いわけですけれども、比較的こういう島国でありますから河川が短いということから、水の問題は非常に深刻な問題でありまして、やはり総合的な私は対策が必要だと思いますし、その際に、いまちょっとお話がありました揚水発電に対する考え方、これはやはり相当積極的に考えてしかるべきではないだろうかというように思います。 で今度の多摩川の場合、農業用水の取水ぜきが非常に大きな問題として出ているわけでありますけれども、ああいう取り方ではなくて、私は一昨年北朝鮮に参りましたけれども、あの大同江の河口あたりから大量の水が、たとえば毎秒二十トンの水が揚水によりまして吸い上げられて、それがだんだん奥地に持っていかれて再利用されるというきわめて合理的な水の利用というものを見たわけでありますけれども、そういう意味から考えてみますと、たとえば揚水発電の場合もまずその揚水をしていく動力の問題で火力を使わなきゃならぬじゃないかという話もあるんですけれども、私が北朝鮮で見た実情というものは、たとえば三十メートル揚水をするのに直径百二十センチの鉄管が約十本入っている。そのうちの一本を電力をつくることに利用すれば、あと九本は水を揚水することができるというようなことから、十分の一の電力で十倍の水を揚水できる。それを移動させることによって水の有効利用というものがはかられているということ、私はそういう非常に合理的な水利用というものが徹底した形で行なわれている。 日本の場合も、いまのようなエネルギー資源が非常に高価格の時代になってきた段階では、私はそういう意味で水というものをもう一ぺん総合的に見直してみる必要があるのではないか、こういうように考えておりまして、この点については、それがこの地域の開発とどう結びついていくのが非常に重要な問題はありますけれども、ぜひ考えてみる必要があるのではないか、こういうように考えておりますから、これはぜひ今後の非常に重要な問題として、いまお話がありましたように、揚水発電に基づいて八百五十万キロワットの電力を確保しようという形もあるわけでありますから、ぜひその点は検討を進めていただきたいと思うわけです。 そこで火力の関係についてもうちょっと詳しく見てみたいと思うのですけれども、現在、火力発電用の燃料実績というものは、たとえば原油、重油あるいはナフサ、LNG、石炭と、こういうような幾つかの火力発電用の燃料があるわけでありますけれども、この一体それぞれの割合、それから傾向としてはどのような傾向にあるか、ちょっとその点もお聞きいたしたいと思います。
○説明員(大永勇作君) 昭和四十八年度の燃料の使用実績でございますが、重油換算量で七千六百万キロリッター全体で使っておりますが、そのうちで、これは単位がいろいろでございますけれども、重油は四千二百万キロリッターでございます。それから原油のいわゆるなまだきというものが二千三百万キロリッターございます。それからナフサが二百二十万キロリッター、LNGが、これはトンでございますけれども、百三十八万トン、それから石炭が四十八年におきましては約八百万トンというふうな形でございます。 最近の傾向といたしましては、いわゆる公害問題が相当大きくなってまいっておりますので、LNGでございますとかあるいはナフサ、あるいはなまだきにつきましても若干量が増加していく傾向にあるわけでございます。
○工藤良平君 いまお話がありました火力発電用の燃料実績の見通しから見ましても、重油の消費量の傾向と原油、いわゆるなまだきの傾向を見ますと、なまだきの傾向のほうがちょっと消費が伸びているような気がいたしますけれども、これは採算ベースで考えた場合にどの程度の有利性があるのか、その点はどういうことなんでしょうか。
○説明員(大永勇作君) 最近なまだきに使っております原油は、主としましてたとえばミナス原油等のいわゆる非常にローサルファのものでございます。これを使います理由としましては、経済性というよりもむしろ公害対策ということで使っておるわけでございまして、そういった傾向は今後とも続くのではないかというふうに考えております。
○工藤良平君 もちろん原油なり重油を使う場合に問題になるのは、サルファが一体何%なのかというのが非常に重要な問題になってくるわけで、いまお話しのように、原油をたく場合にもちろんローサルファでなければ相当大きな影響が出てくるわけで、先般の新聞によりまして、環境庁が公害健康被害補償制度の財源徴収の基礎となる産業業種別の硫黄酸化物の排出量を発表いたしておりますけれども、その硫黄酸化物の排出量のトップが実は電力になっております。 そういたしますと、現在使用しているローサルファのなまだき原油と、それから重油として使っている中に含まれている硫黄分、そういうものは一体どういうような比率で考えられているか。これは環境庁にもちょっとお聞きをしたいと思うのですけれども、影響というのは現在使用しているC重油それからなまだき、この関係は公害の立場から見ても硫黄酸化物の排出量はどのようなことになっているのか。もちろんこれは通産省も把握していらっしゃると思いますけれども、お聞きをいたしたいと思います。
○説明員(大永勇作君) 先生御指摘のように、現在でも大体重油消費量の三割ぐらいは電力で使っていると思いますので、サルファ総排出量に占めます火力発電のウエートというのは相当大きいと思います。 いま御指摘になりました発電所で使っております燃料のS分でございますけれども、四十八年度の実績で申し上げますと全体で〇・六五%ということでございますが、その中で重油関係は〇・七%、それから原油なまだき分でございますが、これは〇・五四%ということでございまして、たとえば昭和四十五年におきましては全体の平均が一・五八%であったわけでございますが、これが四十八年には〇・六五に落ちております。それから重油でいいますと、四十五年が一・五六%でございましたが、これが〇・七七%ということで約半減いたしております。それから原油の場合には一・四五%でございましたのが、四十八年は〇・五四%ということで三分の一程度に落としておるわけでございまして、逐年サルファコンテントを落としてまいっておるというふうな状況でございます。
○工藤良平君 もちろんC重油と原油なまだきの関係について経済的な面から見た場合に、それぞれ輸入先なり種類によって違うと思います。またサルファ分の率によっても価格というものは違うと思いますけれども、なまだきがだんだんふえていっているという状況というのは、それが経済的にも非常に優位性にあると、このように考えたらいいのかどうか、その点はどのようなことになっておりますか。 これはあとまたお聞きしますけれども、石油精製業との関連の中でそういう状態が続いていく、しかもC重油を提供している石油業界にとりましては、たとえば脱硫装置の資本投下というような面からいたしまして、一体、それがどういう経済効率をもたらすものなのか、せっかくつくった脱硫装置というものが過剰投資という形になっていくのではないかということ、それが全体的に石油の値上げというようなものにも影響していくのではないかといういろいろな複雑な要素というものを考え合わせますときに、傾向としてそれがどのように結びついていくのかお聞きをしたいと思うのです。
○説明員(大永勇作君) 経済的な面から申しますと、かつては、先生御承知のように、原油の価格よりは重油の価格のほうが安かったわけでございますけれども、最近では脱硫費というものがかかりますので、その分だけはかなり重油が高くなっているということが言えようかと思います。ただ原油なまだきをいたします場合には、重油専焼の火力とは違いまして、やはり揮発分がございますから、爆発その他に備えて装置をかなりがんじょうにつくる必要があるということで、設備投資は一方では高くなるということでございます。したがいまして経済性を比較することは非常に困難でございますが、しいて言えば、原油なまだきのほうが脱硫した重油を使うよりは若干安いということは言えようかと思います。 ただ、先ほども御説明いたしましたが、なまだきをしております主たる理由はやはり公害対策の関係でございまして、特に〇・一とか〇・二とかといったような非常にローサルファということになりますと、なかなか脱硫では技術的に対応できないという問題がございますので、そういう場合に、やむを得ず、いわゆるC重油の輸入の範囲でなまだきを使っておるというのが実態でございます。
○工藤良平君 いまの点については、環境庁いらっしゃいますか——環境庁としては、どのように把握していらっしゃるか。
○説明員(山崎圭君) 硫黄酸化物によります大気汚染防止対策という考え方からいたしますと、私どもは要するに大気中に放散される汚染物質が問題になるわけでありまするから、硫黄酸化物の量そのものを減らしていく、抑制していく、こういうことを期待しているわけでございます。 したがいまして、それに対する対応策といたしましては、もちろん先生御指摘のように排煙脱硫装置なり、あるいはLSというものをたいていただく、こういうことになろうかと思いますが、それぞれの個別企業のあり方なり、あるいは技術的な対応なりという問題が入ってまいりますので、一番適切なものをとっていただきたい、こういうことが基本的な考え方でございます。 —————————————
○委員長(前川旦君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま玉置和郎君が委員を辞任され、その補欠として木内四郎君が選任されました。 —————————————
○工藤良平君 そこで石油の問題についてもう少し入ってみたいと思いますが、さっきちょっと私触れたわけですけれども、まだお答えがないわけですが、一体、これからの原油の量の確保についてはかなり見通しが安定的に出たようでありますけれども、もちろんこれはまだ流動的な部分もありますが、価格の面について、将来の展望として通産省としてはどのように理解をしていらっしゃるか、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 御指摘の原油価格の面でございますが、これは御承知のとおり昨年からことしの初めにかけまして、原油の産油国の公示価格は大体四倍に値上がりをいたしましたのですが、その後は公示価格は変更なく、ことしの一月一日以降は横ばいを続けております。 ただ、これについては産油国の中でもいろいろ意見がございまして、なお公示価格を上げるべきであるという意見、あるいはむしろ公示価格は引き下げて、もう少し需要を促すべきであるという意見がございまして、まだはっきりいたしておりませんし、この十二日からまたOPECの会議がございまして、その点の産油国間の討論がなされるようでございます。 われわれが見ておりますところは、短期的にはいま石油の需給も緩和しておりますので、それほど上昇要因はないと思いますが、長期的に見ますと、やはり産油国の団結等々から見まして、価格は昨年からことしにかけてのような急激な上昇はないにしても、相当強目に推移するんではないかというふうに考えております。
○工藤良平君 いまお話がありましたように、OPECの会議等によりまして、さらに産油国におけるいろいろな問題がわが国の石油輸入にきわめて重要な影響を及ぼすことは申し上げるまでもないわけですけれども、今日まで進められてまいりました原油の国際的な価格の状態というものを見てみますと、いわゆる外資、メジャーによる買いつけと、それから民族資本が石油ショックの際に産油国とかなり直接取引をやった部面があるようでありますけれども、これらの問題について、政府としては今後どのような対処のしかたをしていくのか、その点についてちょっとお伺いをしたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 御指摘のとおり、最近の原油の価格は、民族系の企業が入手する場合には、メジャーからの供給のみならず、直接取引いわゆるDD原油というものを購入いたします関係上、どうしても原油価格が外資系の購入する原油価格に比べまして割り高になるということは避け得られないことでございます。ただ、これについては今後の成り行きもどうなりますか、産油国の状況によりましてこの二重価格がだんだん縮小していくという説もございますので、その成り行きを見て対処したいというように考えておりますが、当面の問題といたしましては、やはり、民族系というものについて、従来から金融上たとえば開発銀行による育成融資等もやっておりますし、また民族系の体制問題というようなものも検討しておりますので、そういう点で解決をしていきたいというふうに考えております。
○工藤良平君 およそ、現在、メジャー系と民族系のこの価格差というのはどの程度の格差が出ているわけでございますか。
○説明員(左近友三郎君) 原油の引き取り価格といいますのは各取引ごとにも違いますし、先ほどお話にありましたように、昨年暮れからことしの初めにかけての非常に原油不足が懸念された時代の輸入価格が高いということで、なかなかならしにして比較するということはむずかしいわけでございます。また伝えられるところによりますと、最近は比較的接近したというふうな説もございます。われわれのほうも可能な限り調べておりますが、なかなかはっきりしたことはわかりませんが、その額としては、現在では、一ドルというふうなことにはならないで、もう少し少ない差であろうというふうに考えております。
○工藤良平君 これはバーレル当たり——。
○説明員(左近友三郎君) バーレル当たりの価格でございます。
○工藤良平君 バーレル当たり一ドルということになりますと、現在、為替レートが三百円をちょっとこしているという状態で、これを一キロリットルに直しますとかなりの差ということになるわけですが、つい近ごろの新聞によりますと、石油製品の行政指導価格をやめたいということから石油製品の再値上げが具体的に出てくるというような状況が報道されておりますけれども、その先発として特に民族系の値上げというものが表立ってくるような気配があります。 もちろん、さっきお話がありましたように、メジャー系と民族系の業績の比較を見てみましても民族系がかなり不利な条件が出てきて、ほとんど各企業とも赤字決算をしているというような状態が顕著にあらわれておるようでありますが、この原因というものが、原油の輸入価格の格差というものが一つの大きな原因として値上げの要素になっているようなきらいがあるのでありますが、そういたしますと、これ私専門家じゃないからよくわからないんですけれども、その辺の調整というものは、いまお話しのように、金融関係においてかなりの手だてをしてその格差是正というものを政策的に行なっているというような御説明にとれるのでありますが、そこら辺をもう少し通産省としてのこの考え方を具体的にお示しいただけたらと思うんですが。
○説明員(左近友三郎君) 民族系と外資系の購入の原油の格差が出てくるという問題が当面非常にむずかしい問題として持ち上がっておるということは御指摘のとおりでございます。実は、以前、原油が豊富に入手できましたときはこの格差がない、あるいは場合によるとひもつきでない原油を買うほうが安いというような時代もあって、そういう時代においてはこの問題がなかったわけでございますが、最近のこの石油危機以来の情勢がそういう問題をもたらしております。 したがいまして、これに対する対策はなかなかむずかしいということでございますけれども、当面の問題として現在われわれとしていろいろ検討をしております。ただ、この直接取引、いわゆるDD原油というものについて国が何か手当てをするということについては、産油国との関係等も非常に問題がございますので、なかなかこの解決はむずかしいと思います。ただ、政府ベースで長期的に引き取りますGG原油と通常言うものがございますが、こういうものにつきましては、何とかこの買い入れが容易になるような施策も現在検討をしております。 なお、先ほど申しましたように、現在やっております開発銀行を通ずる設備投資金融というものを民族系に出すということによってある程度のいわば援助を与えるということも続けていきたいというふうに考えております。
○工藤良平君 これはいろいろな、たとえば「エコノミスト」あたりを見てみましても、特にこの民族系の企業が石油危機に直面をいたしましてスポット原油あるいはDD原油の購入を進めた。そのことが非常に圧迫になって企業の状態が悪化しているというようなことがいわれているわけでありますけれども、だとするならば、その手だてというのがもちろん必要だろうと思います。それが即石油製品の値上げという形で端的に私ども国民に反映し、出てくるということになりますと、非常に問題が起こってまいりますし、民族系のたとえばこの値上げが行なわれる、さらに続いておそらくメジャー系も相次いで値上げというものを考えていくんではないか。そういたしますと、その値上げの状況というものが全体的に市場メカニズムの中で一体どのように動いていくのか、非常に複雑な問題が私は出てくるような気がいたします。 したがって、そういう面からいたしまして、さっきお話がありましたように、政策的に融資の状況を見てみた場合に、そのような措置というものが十分にとられているのかどうか。たとえば日本開発銀行の融資状況を一見しますと、確かにそのような措置はとられているようではありますけれども、一体、これでそのような値上げを若干抑制できるような措置というものになっているのかどうかという点については若干疑問を持たざるを得ないわけでありますが、通産省として、それではいま開発銀行から出されている各業種別の融資の状況というものを年度別に見た場合に、どの程度の貸し出しというものが、融資対策というものが行なわれているか、その点について若干御説明をいただきたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 現在、開発銀行から石油産業に融資をしておりますものは、この民族系の石油会社に対する設備金融というものと、それからあとそれ以外に石油備蓄という政策目的から必要な金融というもの、あるいは公害対策融資というようなものをやっておるわけでございますが、現在の融資残高からいたしますと、大体石油企業全体には千五百九十億ぐらいの残高がございますが、そのうちの大体八〇%程度が民族系に出されておるということでございまして、そういう点ではこの民族系のほうに非常に比重が多い、融資がされているということは事実でございますが、これについて今後も十分な処置をいたしたいというふうに考えております。
○工藤良平君 開発銀行いらっしゃいますか——現在、開発銀行が融資をいたしております石油関係の四十八年末の貸し付け残高、これは大体幾らになっておりましょうか。そしてその中でたとえば民族系のどういう系統に幾ら、あるいは備蓄に幾らというのがわかりましたらちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○参考人(北村昌敏君) ただいまの通産省の石油部長の御説明に補足をいたしましてお答え申し上げます。 四十九年三月末現在の石油産業に対しまする貸し付け残高は全部で千五百八十五億でございます。そのうち民族系石油会社に対しまする貸し付け残高は——いま手元には小さな貸し付け分のものは落ちておりまするが、共同石油グループ及び出光、大協、丸善のような大きな民族系の会社に対しまする貸し付け残高は千二百六十五億でございます。先ほどの石油部長のお話のように八割ちょっと強というようなことでございます。 なお、これを項目別に申し上げますると、千五百八十五億のうち、民族系及び備蓄を含めまして千二十二億、それから公害関係が四百二十一億という次第でございます。 なお、現在の開発銀行の金利は一般基準金利が九・四%のところ、民旅系の資本育成のための金利につきましては特別金利を設定しておりまして、七分五厘ないし八分、それからまた公害防止のほうも同様八分という特利を設定いたしまして貸し付けをやっている次第でございます。
○工藤良平君 民族系にはかなりの部分が貸し出されているわけでありますけれども、私の調査によりますと、その民族系の中で、特に、これはかって民族系の企業の再編をいたしました際に共同石油をつくりました、それにやっぱりかなりの部分、ほとんどの部分がそちらにいっているというような私は数字を持っているわけでありますけれども、そのことについては間違いでございませんか。
○参考人(北村昌敏君) 総残高千五百八十五億のところ、共同石油グループの関係が千七十五億ということでございます。
○工藤良平君 民族系に融資されている中の圧倒的な部分が共同石油に貸し出されている。その共同石油の実績を見ると、四十八年、たとえば下期におきましてはかなりの欠損を生じているという状況が出ておりますね。こういうことを見てみると、やはり原油の価格差というようなものがかなり大きな影響を及ぼしているのではないか、こういうような私は気がするのですけれども、そういう意味から特に原油高価格時代の石油供給体制について、一体、今後どのようなあり方が必要なのか、こういうようなことがたいへん大きな問題になってきておると思いますが、この点について通産省としては一体どのように考えていらっしゃるか、その点についてお聞きいたしたい。
○説明員(左近友三郎君) 実は、その問題につきましては、先般総合エネルギー調査会の石油部会の中間答申でもこの問題を取り上げまして、これに対して何らかの措置をする必要があるということで石油引き取り体制について政府ベースの引き取り体制を進めるとか、あるいは業界の体制を整備するというふうな問題が出ておりまして、われわれもその趣旨に基づきまして現在検討中でございますが、いずれ本件については来年度の予算の内訳といたしましてやっていく、あるいは体制整備については今後いろいろな面での方策を打ち出すというふうなことを考えております。 御指摘のとおり、いままでの開銀融資というだけで現在のような事態を乗り切るというのははなはだむずかしいというふうにわれわれも考えております。今後、早急にこの問題は検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○工藤良平君 いまお話の中で、特に輸入段階での開発あるいは輸入段階での和製メジャーの育成と精製輸入段階での民族系企業の再編ということが非常に大きな中心になって検討されている、それがさらに石油業法の改正という石油管理体制の強化という方向に進んでいこうというようなことがいわれておるわけでありますけれども、通産省としては石油業法の改正というものをどのような形で考えているか。ある報道によりますと、次の通常国会あたりに出そうというようなこともいわれているようでありますけれども、その点について、もしある程度固まっているとすれば示していただきたいと思います。
○説明員(左近友三郎君) 石油業法につきましては、従来の石油業法といいますのはむしろ原油価格が安い時代に国内で石油業界が乱立をいたしまして、それが石油の安定供給に支障を生じてはいけないというふうな側面の配慮が比較的強く出ておったように感じております。現在の情勢はむしろ高価格原油時代というふうなことになってまいりましたので、これに対して昨年来の石油危機の教訓を踏まえまして業法を見直すという必要があるというふうにわれわれは感じております。 ただ、その内容につきましては、実は、この石油情勢自体がまだ流動的な面も残しておりますので、鋭意検討はしておりますけれども、残念ながらまだ結論に達するには至っておりません。しかし、こういう問題をそう遷延させるわけにもまいりませんので、極力早く成案をまとめまして、できましたならばなるべく早い機会に国会の御審議を仰ぎたいというふうに考えております。
○工藤良平君 現在流動的であるし、石油業法の改正につきましてもまだ最終的な固まりではないということで、その内容については私ども今後検討していきたいと思いますが、いまのような状態の中で企業の業績そのものもきわめて不安定であるし、かなり多数の企業が赤字決算をしている、こういうことから、それが今回の石油製品の大幅な値上げという形に直接結びついて、それが全体にまた大きな影響を及ぼすということになりますと、たいへん重要な問題でありますし、それが消費者そのものに転嫁される前に何とか方法はないものかということを私どもは検討してみるわけですけれども、先ほどちょっと触れましたように、融資のあり方等の問題につきましてももっと根本的に検討してみる必要があるのではないかと思いますが、この点について、大蔵省として——大蔵省いらっしゃいますか、関係の方いませんか。これは大蔵省にもお聞きをしたいと思っていたんですけれども、見えてないようですから、この点はぜひひとつ通産省として考えていただきたい、こう思います。 そこで、もうあまり時間がありませんから、価格の問題と関連をいたしまして、先般、これは通産大臣が発表したわけでしょうけれども、石油備蓄公団の創設をしたい、そして九十日分の備蓄を達成したいという報道がなされておりますが、現在、かなり需給関係は緩和いたしておりまして、約七十日分くらいの備蓄があるのではないかといわれておりますけれども、もちろんこの備蓄を持つことは石油の供給面からいたしますと、安定的な面はあると思いますが、しかし、この九十日分をそれでは備蓄するといたしますと、それに要する一体資金的な面ですね、それが及ぼす全体の石油のコストの面からいたしまして一体どういう影響が出てくるのか、かなり大きな影響が出てくるのではないかと思うんですが、そういたしますと、それはこの全体的な石油製品の価格の部分に上積みされてくるという気がするんでありますが、この構想について、価格との面から、通産省としてはどのような構想をお持ちで進めようとしておるのかお聞きをしたいと思うのです。
○説明員(左近友三郎君) 備蓄の増強につきましては、今回の石油危機で非常に必要性を痛感したわけでございますし、現在、消費国の間に緊急時における安定供給の確保をはかるための体制についての相談も進められておりますので、そういう点を考えますと、少なくとも西欧諸国並みの備蓄水準を持つ必要があろうというふうに考えております。西欧諸国並みといいますと大体九十日でございますので、九十日の備蓄を目標に早急に備蓄を増強いたしたいということで、いろいろ検討をしております。 検討いたしますが、いま御指摘のとおり、備蓄を増強いたしますについては相当巨額の資金が必要なことは事実でもございますし、また備蓄基地をつくるということは、やはり基地をつくる場合の地元の方々への御了承を得なければいけない。また、そういう基地をつくるについては公害対策等々をしっかりして、御迷惑をかけないようにしなければいけないというふうないろいろな問題がございますので、現在検討中でございますが、価格の面につきましても、これがもろに石油の元売り業者等々の負担になりますと、それが消費者に転嫁されるというような問題がございます。 したがいまして、この備蓄の推進にあたっては、政府が相当力を入れなければいけないのではないかということで、公的な何か備蓄の機関、推進機関というものをつくる必要があるのではないかというふうな検討もいたしております。あるいは民間が自力でやる備蓄事業につきましても、これについて相当な助成をする必要があるのではないかというふうな検討をいたしておるわけでございます。そういう点でやはり国の相当な助成ということをやることによって、本問題の価格へすぐに転嫁されるというふうな問題を何とか緩和いたしたいというふうに検討をいたしております。
○工藤良平君 そこをもう少し、たとえば現在まで通常備蓄してきた、先般石油パニックが起こった際には六十二日とか六十七日とかいう話でありましたけれども、それを九十日分というようにした場合に、一体、資金的にどのような資金が必要になるか、そういう点ももう少しわかれば御説明いただきたいと思いますが。
○説明員(左近友三郎君) この備蓄の経費でございますが、これにつきましては、実は、九十日分と申し上げましたが、九十日分というこの解釈にも国際的な基準をきめようというふうな動きもございまして、現在われわれが言っております言い方とまた若干異なる点もございますので、数量的にまだ最終的にどのくらいということも確定しかねる点もございますので、したがいまして金額についても非常に大ざっぱな計算しか現在できておりませんので申しわけございませんけれども、それで見ましても、この油自身だけを見ましても、これは油の値段の評価にもよりますが、七千億から八千億くらいの油の価格が要るのではないかというふうに思います。なお、それに必要なタンクの資金あるいは土地の取得費というものを考えれば、それにまた近い額の資金が要るのではないかというふうにやっておりますが、いずれにいたしましても、これについては少し現在体制をきめるにあたってこれを固めなければいけませんので、関係の業界その他を当たりまして、いま至急にこの必要経費の算出をいたしている現段階でございます。
○工藤良平君 備蓄公団の問題につきましては、これは民間との関係で確かにむずかしい問題があると思いますけれども、一部にはたとえばさっきから議論をしてまいりましたように、メジャー系と民族系の間における輸入格差の問題がある。したがって民族系企業に対しましては内部の合理化を通じた経営改善を当面緊急な措置としてやらせる。それと同時に、外資系の問題については差額の部分である利潤を公害防止とかあるいは備蓄に向けるべきではないかというような話も一部出ているようでありますけれども、それにいたしましても、やはり備蓄という問題についてはかなり資金的にも大量の資金も必要とすると考えますし、これが消費者の負担ということになりますと私は非常に大きな問題があると思いますし、特に資源問題という観点から考えますと、これは国家的見地から当然取り扱うべきものであろう。 もちろん、それが企業の自由競争を阻害するという点との関連は重要な問題が出てくると思いますけれども、この点についてまだばく然としたようなかっこうではありますけれども、私は全体的に高価格エネルギーという状態になってきた現在の状態の中で、抜本的にこれらの問題について検討を加え、この石油の上昇というものはただ単に石油だけの問題ではなくて、私はいつも農業の問題を取り上げて言うのですけれども、特に生産あるいは流通すべての面にわたってもろにその影響を受ける、たとえば農業という問題をとってみましても今後たいへん重要な問題が出てくるわけで、そういう意味合いからも私はこの石油の問題についてはより一そう国の徹底した抜本的な対策というものを要請しなければならないのではないか、こういうように実は考えておりまして、この点についてはひとつ大臣のほうから、締めくくりといたしまして、ぜひ十分なる国民的な立場に立った検討というものを私は要請いたしたい、このように思うわけでありまして、その点を大臣から御答弁をいただきまして、時間がまいりましたようですから、この辺で終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま日本の総合エネルギー政策の観点から、石油やあるいは石炭そのほか水力、各般にわたるエネルギーの基本的な政策について貴重な御示唆をいただきました。私も御議論を拝聴いたしておりまして同感の点が少なくなかったのであります。特に日本の国民生活や産業のセキュリティという面から考えておりまして、いままでの石油の多消費型という面から転換をして、できるだけ安全性の強い、安定度のあるエネルギーに転換をする、同時に公害問題についても即応していくという考えに立って、いままで御答弁申し上げたような考えを進めてきつつあるところであります。 しかし、当面するところは、御指摘のように備蓄の問題にいたしましても、あるいは民族系企業とメジャー系企業との関係にいたしましても、かなり困難なむずかしい問題がございます。しかし、これだけの大きな試練を経て、われわれは技手傍観しているときではないと思います。先般、総合エネルギー調査会に諮問いたしましてその中間答申をいただきましたが、大体妥当な答申であると私は中間答申を見て思っております。 そこで各エネルギーバランスのこれからの採用、それからいまある外資系・メジャー系及び民族系との矛盾や対立それから備蓄の問題等々の問題につきましては、政府委員から御答弁申し上げましたような線を基本線にいたしまして、さらに高度の政策的観点を加えながら政策として現実化していく、来年度予算等にかけまして政策として固めていきたい、そのように思っておるわけであります。 いろいろさらにに御指導をお願いいたしたいと思います。
○和田静夫君 いま問題になっています独占禁止法改正問題、この問題は、この問題の帰趨によっては今後の日本の産業のあり方がまあよくもなったり悪くもなったり、たいへん多くの問題を包蔵いたしております。したがって私としてもこの問題に重大な関心を寄せますし、この改正をめぐる国会の審議にも主体的に今後かかわっていく考えですが、その予備的作業としても、きょうは、この決算委員会の場を利用して幾つかの質問を出して政府側の基本的な考え方についてお聞きをしようと思うのです。 公正取引委員会は今週中にも改正案大綱をおまとめになるそうでありますが、少し詳しくまずその内容をお示しください。
○説明員(高橋俊英君) 新聞情報には今週中にもとありますが、必ずしも時点をそういうふうに限ったわけではございません。できるだけ早い機会に公正取引委員会としてのたたき台といいますか、試案のようなものをつくりまして関係方面といろいろ折衝するのに役立たしたいと思っているわけです。 簡単にその要旨を申し上げます。一つには、独占あるいは寡占の対策としまして企業分割という制度を法律の上に設けること、原価公表を求めることができるようにすること、こういう二点でございます。 要するに独占の弊害を規制するということは独禁法本来の目的でありまして、もともとは発足当時の独禁法には企業分割の規定が入っておりました。それが二十八年に至って削除されましたが、その後の日本の経済の動向からしますと、一たんいろいろ集中排除法等によって分散させられた企業が再び相寄って集中化の方向をとった。これには日本経済がどうしてもたどらなけりゃならなかった国際競争力の強化という面が多分にあったことは私も否定できません。しかし現段階で言いますと、そのほうにおいては相当競争力の充実もある。一方において、このまま放置すれば——私は現在直ちに企業分割に該当する企業があるとかないとか申したくありませんが、相当に企業集中度の高いものが生じておりまして、これは単に寡占とはいえない、独占的形態にある、こういうふうに言えると思いますが、そういうものについては、いろいろ方策を講じてはみるといたしましても、それでうまくいかない場合には、やはり企業を分割するというところまで考えておかなければならないだろう。そういう備えはいますでに必要な状態にあるというふうに考えます。したがいまして自由な競争がほとんどない状態、完全に硬直化した独占的な状態から、いわゆる流動的な競争を再現する、自由競争の再現ということを目途としてこういうことを考えたい。 原価公表につきましては、これは独占を含めますけれども、独占的な状態ばかりではなくて、寡占的なものに対しまして、その中で競争が十分に行なわれていると考えられる場合には問題がないのです。寡占でありましても常に寡占の弊害が出ているとは限りません。寡占でありましても競争が行なわれていることが見えているものはいいのです。そうでなくて、少なくとも価格の面において過去の動向等を見ますと価格競争はないんじゃないか、こういうふうに認められるものが幾つかあります。そういうものに対して、これはカルテルであれば証拠によってカルテルの排除ができますが、カルテルであるという証拠が把握できない場合があるわけです。そういうものについて、いろいろ外国、たとえば西独では非常にきびしい措置がございますけれども、私どもとしては、いまのところは原価を公表してそれを一般の批判にさらすということによって、恣意的な、つまりその業界が暗黙の行為のうちにかってな値上げ等をする、それも不当な値上げ等をするということを抑制するのがねらいでございます。どれだけの効果があるかは別としまして、そういうものの選び方については、十分過去の実績その他の事情を勘案してやりたいということでございます。何でもかんでも原価が公表されていいという考えではありません。 次には、やはりカルテル対策として、いまの対策がしり抜けといいますか、ほんとうの押えになっていない。だからカルテルは次から次へと発生する、こういう非常にきびしい批判も受けております。つまりカルテルに対する破棄命令、これは審決をもって行ないます。勧告であれ審判を経たものであれ、審決をもって行ないました結果がカルテルを破棄させるといいましても、それは協定を破棄いたしましたという広告をすれば終わりだというふうなかっこうになっておる。結局、価格はカルテルによって引き下げられた一種の独占価格だと思いますが、それが少しも動かないということは破棄の実質的な効果があらわれないというととではないかということでありますので、これに対する解決策として、一つの方法としては価格をカルテル前の価格に引き戻すということを命じ得ると、ただしこれは私はどんな場合でも機械的にもとの価格に戻れということを強要するつもりはありません。これはいかにも価格に対する介入として好ましくないという意見もありますが、なるほどアメリカは価格介入しておりませんが、西欧諸国は何らかの形で独禁当局が価格に介入しているという場合のほうが多いわけでございます。 次には、カルテルに対して課徴金を課する。どのような課徴金を課するかということは最終的に案がきまっておりませんのでいま申し上げられませんが、要するにカルテルをしてももうからない、カルテルによって業界が不当な利得を得るということを課徴金で召し上げてしまえばそれは得にならないということでありまして、いま現在の措置としては告発によらなければならないということでありまして、これは実は日本の現状ではあまりみだりに使えない——使えないわけではございませんが、やはり行政処分としての課徴金制度というものがあったほうがはるかにいいのではないかという感じがいたします。これは刑罰ではございません。 次に、株式保有の制限につきましては、金融機関の場合にいま一社の株式を百分の十をこえて持ってはならぬというふうな制約がございますが、これでは現状を見ますと、ずいぶん当時の二十八年の改正によって百分の五から十に引き上げられたんですが、実情に合わないんじゃないか。というのは会社それ自体の規模が大きくなる、いろいろなことがございますが、金融機関が全体として見ましても発行株式の三分の一を持っておる、上場会社について見ますと。その結果、小当たりに見ましても、一つ一つ個別に見ましても上位の株主を占めている、筆頭株主から第三位ぐらいまでに入る場合が非常に多い、これは好ましくないという考えでありまして、もっと分散することはいいんですから、百分の十を引き下げるほうがいいんじゃないか。 一般会社につきましては、一般会社と申しましても、これはすべての会社じゃありません、規模の比較的大規模なものを選びまして、そういうものについては株式の保有について何らかの制限を設ける。何らかの制限と申しましても、まあこれを個別に一つずつ百分の十とか五とかいうふうなやり方ではたいへんでございます。現在すでに相当の額を持っておりますから直ちにそういう大きな変革を求めることはどうかと思いますので、いろいろ実態を調べた上で一定規模以上の大規模の会社は総額を規制したらどうか、保有総額をまず規制するということが必要ではないか。この中にはもちろん一番大口のものとして総合商社が含まれます。総合商社といわれているものが——商社といってもいいんですが、これは保有額が割合が高いので、全体的に見た場合に多いので、これらに対して規制を設けることが適当であると、これはいろいろな観点からでございます。 なお、一般会社の場合に、自己と競争関係にある会社の株式の保有についてだけは特に規制をする必要があるんじゃないか。つまり総額規制だけではなくて、競争会社の株式を持つ——ただし、これは絶対的な禁止にはいたしません、いたさないつもりでありまして、当然持っても差しつかえないようなものについては、これは別であるという考え方を持っております。 その次に刑事罰の強化でありますが、現状、罰金については五十万円というのが最高でありまして、三十万円、二十万円というのが最高額になっております、他は。これはもちろんほかの法律ではすべて最高五百万円というふうなのが普通になっております。五百万円になりましたのもだいぶ以前でございますから、まあ相当の引き上げをしたほうがいいんじゃないかということを考えますし、それから行為者責任というか、日本の刑法の本則のたてまえからいって行為者を罰するということから責任者を罰するという点がどうも弱い。現状では、私どもの規定には会社の場合にはございません。事業者団体の場合にはそういう責任罰がございます。ただし、これは何も知らなかった場合には罰せられることはない。事情をよく知っておった場合、それに対して何の手も施さないといいますか、当然とめるべきである、違法行為とわかっているんですから。とめるべきであるのにとめてないというふうな場合に責任罰——これは罰金だけでございます、そういう制度を設けたらどうかということです。 その他に、不公正な取引方法を、現在の規定は若干規制の方法が弱くできておりますので、これをほかの独禁法違反行為と同程度に規制できるというふうにしたい。それから過去にすでに一応終わった形になっている違反行為でも、これはいろいろ私どもの実務上の体験から申しまして、排除措置が加えられる、景品表示法には過去の既往の違反行為に対しても排除措置を命ずることができるという明文がございます、で本体のほうの独禁法にはそれがございませんためにバランスを失するというケースも少なくありません。景品表示法以外の不公正な取引、これにはそういうことが景品表示法でないためにその規定がないということでありますので、経験的に見ましてそういう規定を設けたほうがいいんであろうと、こう考えておるわけであります。 大体の荒筋を申し上げますと、こういうことです。
○和田静夫君 そこでですね、昨日の衆議院の商工委員会で中曽根通産大臣はいまのこの公正取引委員会の案を強く批判をされたそうですと述べざるを得ないのですが、新聞によれば。そこで私も新聞を見た限りのことですが、たいへんこの中で気にかかることがあります。 新聞には、中曽根通産大臣は「公取委は本来形成力を持つべきではない」と発言をされて、「自由競争を制限する行為や、不公正な取引を公取委が取り締まることは認められるが、公取委が企業分割を命じたり、価格引下げを命じたりすることは、準司法機関である公取委の権限の範囲を逸脱するものであるとの見解を示した。」と、こういうふうになっているわけです。で私はきょうあとでも触れますが、価格という問題に行政が手を触れるということはたいへんむずかしい問題がある。したがって軽々しくすべきではないということは理解ができます。しかし「公取委が企業分割を命じたり、価格引下げを命じたりすることは、準司法機関である公取委の権限の範囲を逸脱するものである」という言い方ですね、この言い方には抵抗を感じざるを得ません。 まず第一に、いま問題になっているところの独禁法の改正の機運がどういうような事態を背景にして出てきたかということを考えざるを得ないからです。それは言うまでもなく物価問題であります。近年の恒常的な物価の上昇、特に昨年末からの狂乱物価によって寡占的な巨大企業の協調的行動であるとか管理価格という問題がそこに存在をしてきた。でもちろん管理価格インフレが物価の上昇の主役であるということがはっきりした証拠があるわけではありません。あるわけではありませんが、しかしここ数年の動きの中で明らかになったことというのは、幾つかの高度に寡占的な産業部門で価格の上昇があること、それからやみカルテルなどの摘発が行なわれるにつれて企業間の競合が実際にはかなり存在することがわれわれに推測されること、流通段階にインフレの原因となる事態が生じておって、それが大企業の流通支配との関連があってそうなっていることなどということから、寡占的市場構造と価格の管理が問題になってきていると思うんです。 で、この問題に対して行政があまりに無能力だからこそ実は産業のあり方にまでメスを入れなければならない、そういうふうに考えなければならなくなったのではないでしょうか。そこのところを考えることなくして、この独禁法改正機運に水をぶっかける中曽根通産大臣の態度というのは私は不遜ではないだろうかと思うほどなんですが、そもそも公正取引委員会の準司法的性格というのは第一に何なのか、まずそれをお尋ねしたい。 その次に、この準司法的性格といわれる公正取引委員会が、なれと惰性に満ちてしまって少しも政策効果をあげない行政とは別の観点から、産業のあり方にメスを入れることは一体悪いことなのだろうか、公取委の権限を逸脱するというのは一体どういう根拠をもってそういうふうに大臣はお述べになったのか、この二つをお答え願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) きのうの答弁が新聞に出まして、一部で誤解もあられるようでございますから、もう一回基本的な考え方を申し上げます。 私は、きのうも申し上げましたが、企業が非常に最近大型化してきた、いままでの過去十年間のケースを見ると日本経済の様相は著しく変化してきた、そういうときにおいて独禁法改正ということをお考えになることはきわめて有意義であり、われわれも検討してみたいと思っておりますと、それがまず第一点であります。 それから第二点は、私は決定的な結論は申し上げなかったんです。ただ疑問を表明いたしました。そういうポジションが第二であります。これはこれからの秋の大問題であって、通産省としてもいろいろ研究をやらしており、林前局長をアメリカやドイツにも派遣して調査をさせたり、また党においても自民党政調会がわざわざ調査団を派遣したり、そういうようなさまざまな研究活動が行なわれておるので、そういう党やあるいはわが省内部のいろんな調査、検討の結果を待って自分は最終的判断をしたい、それまではそれが通産省の正式の考えというふうにはおとりにならないように願いたいと、御質問がありますから私のいま考えているフィーリングを申し上げましょうと、そういう意味で申し上げたので、留保してあるわけであります。 それで準司法的機関ということばは、ことばが足りなかったと思いますけれども、要するに第三条機関、行政委員会であって、特立した立場を持っておる、そういう表現を簡単にわかりやすいように申し上げたのであります。審判を行なうという、そして政府から特立しているという意味でもあります。 それから私の基本的観念としまして、いまのいわゆる独禁法第一条は非常によくできていると思っておると、それは企業間の拘束とか制限とかなれ合いを排除して、そして公正にして自由な取引を保障している。そしてその結果、国民生活及び国民経済に福祉をもたらすと、そういう段階でつくられておると。ねらうところは公正競争、徹底した自由な取引ということをねらっておるんだ、それで独禁当局がおやりになることはそれをひたむきに追求されるというほうがいいのではないかというふうに私には感ぜられる。そういう点からするというと、拘束が出たり網が張られたりした場合に、それを破壊する力を持つのはいいだろうと。爆破力であり破壊力であると。 形成力、ものをつくるという方面の力というものは、これは行政官庁がいままでやってきたので、これはまた非常に苦心をしてむずかしい問題がありますと。たとえば価格を指示する、指示するという場合にわれわれは先般来行政指導価格というのをやりましたけれども、一体バルクラインなんというものが出てきます、そうして景気に変動も出てきます。そうすると、先般来指摘されたように、せっかくこっちが物価を下げようと思ってきめた指導価格が下ざさえになって下げないという現象も出てきます。また場合によっては大企業に超過利潤を生ませる要因にもなりかねない。そういうような生きた現実等々を考えてみますというと、そう簡単にできるものでなくして、これはそういうことを本格的におやりになるとなると、ひょっとすると徹底的にやれば物価庁がもう一つ公取に要るんじゃないかとすら思われるぐらいの複雑難解な仕事が背後には実はある。 われわれは、先般来、いろいろ標準価格や指導価格やいろいろやってみまして、やぶを突っついてヘビが出てくるという危険性がある、だからやみカルテルと称するものがあれば徹底的にこれを破壊する、破壊して破壊して何回も破壊し続ける、そして価格の形成はその自由な競争が保障されてくれば自然に市場機能で出てくる、そのほうが消費者のベネフィットになる面のほうが多いのではないかと、そういう気がするんです。独禁当局では何回それをやってもだめだと言っていらっしゃると思うんですけれども、何回もおやりなさいという感じが私はしておるのであります。まあそういうフィーリングを申し上げたので、別に他意はございません。
○和田静夫君 まあいま大臣が述べられた立場というのはわかりましたが、ただ、留保をつけながら述べられたにしても、現職の通産大臣が述べられたことですからね。 たとえば私たち報道を一応まともにこうとらえざるを得ないんです。そういう立場からいって、たとえばカルテル価格の原状回復命令がいわゆるプライスメカニズムに介入することになるのか、それは議論のあるところです、確かに。しかし、いまはその議論を私は十分尽くせばよいんじゃないかと思うんですね。十分に議論を尽くせばいいのであって、頭から公取委の権限を逸脱すると言われる言い方というのはたいへん非建設的だなあと感じとらざるを得ません。通産省は財界の意向を受けて、初めからこの独禁法改正というのをつぶそうとしているのではないかと疑いたくなるほどなんですよね。まさか通産大臣そんなことないと思うんですが、ここ一言大臣お答えを願います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 冒頭第一条に申し上げましたように、企業が大型化してきてここ十年の経過を考えてみると、ここでよく御検討なさるということはきわめて有意義である、通産省も検討いたしますと、そういうふうにむしろその流れに対しては肯定的な考えを持っておるわけであります。
○和田静夫君 公正取引委員長のほうですが、この内容に立ち入って少しお聞きをいたします。 先ほど述べられました、まず企業分割の制度ですね、これについてこの企業分割というのは自由主義経済の理念に反するという議論が依然として根強いものがあります。でありますが、公正取引委員長はこの議論について、時間の関係もありますから、端的にどうですか、どういうふうにお考えですか。
○説明員(高橋俊英君) 先ほどの独禁法の目的ということの中に、私は、これは現在でも生きているわけですが、経済力、経済支配力の過度の集中を排除する、まあ予防する、こういうのもあるわけです。ですから、分割につきまして、それ以外には自由な競争、公正な競争がもう再現できない、こういうふうに認められる場合に、分割を行なうことは独禁法としては、当然許されてしかるべきでないか、こう考えます。 これは母法であるアメリカの非常に古い法律も、表面化した分割の規定はありませんけれども、現実には純然たる司法機関である裁判所が分割を命じておる、判決によって命じておるという事例はこれまでにもあるわけでございまして、また実際に行なわれていないということはありますが、イギリスにも明文規定がございます。そういうことでありますから、私ども独禁法としてそういう規定を設けること自体、これは運用については十分慎重を期するということでありますが、ずばり申せば私はそういう規定があったほうが有意義であるというふうに考えます。
○和田静夫君 先ほど述べられました企業集中が生じている、そして独占的形態にあると、これはいまどこをおさしになりますか、具体的には。
○説明員(高橋俊英君) これはこの場ではひらにごかんべん願いたいということなんです。具体的に私がこういうところで申しますと、それは直ちに分割の対象になるんだというて騒ぎがたいへんなことになりますから、私はあくまでこの問題は具体的にどこどこをねらっているんだということは言わないで、お互いに、まあこれはお願いでございますが、それを明らかにしないで解決したいというふうに思っておるわけでございます。あしからずお願いします。
○和田静夫君 この問題との関連で私が想起するのは、先年の八幡製鉄と富士製鉄の超大型合併であります。この合併というのはやっぱり独禁政策の見地から見て多くの議論を呼びました。で多くの問題点を残したまま強行されました。これによってわが国の独禁法における合併規制規定というのは事実上歯どめを失ったんじゃありませんか。私は失ったと言っていいと思うのです。 一方、企業分割については、昭和二十八年の改正で、旧八条、不当な事業能力の格差排除規定が削除されて、そして現在では不可能になっています。したがって巨大企業がいろいろな作戦を使って一たび合併を実現さえしてしまえば、以後はどんなことをやっても、独占的規制的行動を繰り返してももはや分割されるそんなおそれはない。これは独占禁止法体系上はなはだ片手落ちであると私は考えますが、法体系の整備という点から見ましても、今日、何らかの形で企業分割規定を復活させるのが至当だと考えます。この点については中曽根通産大臣はどういうふうにお考えになっているわけですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いろいろ各論に入りますと、これはまだわれわれのほうとして正式の考え方が固められている段階ではないので、いろいろ差しつかえもありますから、この際は控えさせていただきたいと思います。
○和田静夫君 答弁を差し控えられたんじゃこれは議論にもならないんですがね。もう各紙は連日にわたってどの新聞も、読売であろうが毎日であろうが朝日であろうが日経であろうが、もうみんな書いていて、そして私の質問に対してだけはとても答弁をしてもらえないというんじゃ話にならない。公正取引委員会の態度も出ておれば、通産省の態度も出ている。 まあ大臣が昨日述べられたことについてはわかりましたが、通産省そのものとしては、たとえば公正取引委員会の考え方について、分割はスケールメリットがそがれる、国際競争力の低下や物価上昇を来たす、こういうような見解を述べられていますね。で私はそれを前提にしながら少し——論議ですから、大臣どうですか、虚心に一ぺんあなたのお考え方をお聞きをしたいのですがね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 新聞にいまスケールメリット云々という記事が載っておるようですが、私はそういうことを一言も言ったことはないんです。各論につきまして目下慎重に検討中でございますから、現に衆議院、参議院各委員会における委員先生の御質問に対しては慎重にかまえておりまして、私の考えを述べておりません。それは新聞が推測して書いた部分ではないかと思います。
○和田静夫君 それじゃ私は私の見解だけを一応述べておいて進みますが、たとえば企業規模が大きいほど技術革新に大きな成果をあげるという見解も通産省の見解として載っているようですが、決して私は現実にこれは立証されたわけではないだろう。この種の議論では、すぐれた研究設備あるいは研究スタッフを申し分なくそろえた超巨大企業とでもいうんですか、と、そういう研究設備や研究スタッフと一切無縁の零細企業とを対比して、そして前者の優位性というものを説く手法がたびたび用いられるわけですけれども、そういうすりかえを私は行なうべきではないだろう。超巨大企業が支配するいわゆるガリバー型寡占の市場構造と、いわれるところの適正規模企業がかなり多数ドングリの背比べ的に共存するというか競争する市場構造、そういう両者を比較すると、どうもドングリの背比べ型の市場構造のほうがすぐれた成果をあげるケースがすこぶる多いんだろうと、私はこう考えます。 で、超巨大企業の場合、一般に旧来の技術体系を基礎にして膨大な設備投資を行なっているために、これを陳腐化させるかもしれない新しい技術体系の採用にたいへん消極的である。でそういうことは間々あることで、スケールメリットということを無批判的に取り入れてこの企業分割制度に反対するというのは私はどうもおかしいというふうに考えてるんです、まあ大臣が述べたことないと言われるんですから、報道を中心にして考えてみればですね。そういうことをずっといくと結局は一産業一社集約論とでもいいますか、そういうものになっていく危険性があると思うんですが、ここのところは意見だけを述べておきますが、公正取引委員長として、分割基準というものについてはいまどういうふうにお考えになってるんですか。
○説明員(高橋俊英君) 先ほども若干触れましたが、分割の基準は、実は、独占的状態にあるといわれる一社——一社に限るということでなくて、三社独占ということもあり得るわけですから、そういうケースも含めて考えたほうがいいのだと思いますけれども、シェアだけ見ればこれはもう圧倒的に高いと、その高さの程度は単なる寡占産業ではなくて、まさに独占的状態にあるといわれるに足りるような高いシェアを一社または二社が支配しておるということが前提になると思いますが、ただ、そうかといって、いろいろなほかの事情、まあ国際競争力というのをどの程度考慮するか、これも問題でございます。国際的に見た場合も、競争力自体が、大体どういう状態で比べるかということにもよりますが、日本の輸出がどんどん伸びてる場合に、これは国際競争力があると見るか、あるいは国内で非常な不況策がとられてるから輸出が伸びてるんだと、こういう見方もあるでしょうが、そういう場合の事情なども十分考えなければなりませんが、原則としては非常に高いシェアであるということはもちろんでございますが、他の新規産業がそこに入ってこれないということも考えなきゃならぬ。 いろいろ業界によりましては、資本さえ持ってくれば、たとえば外国の資本でありましてもそこに参入できるというものもございます。資本と技術が——技術もそれほど特別の秘密な技術じゃないという場合には新規参入もできるでしょう。ですから、そういうときに新規参入が容易にできるんならばこれはそれで解決されればいいわけです。しかしそうでなくて、競争関係が生ずるわけですから、そうでない場合ということが一つのメルクマールになろうと思いますが、いずれにしても他の方法で競争再現をはかることが著しく困難であるというふうなこと、まあ普通の方法では解決できない、でますます独占化の傾向がどちらかといえば強まる方向にあるというような場合には、競争政策上これは放任できないんじゃないかというふうに考えますが、運用上、私どもは、いまさしあたって急激にそういうことを行なうんじゃなくて、できるだけ手を尽くす、そしてまあ慎重に検討した上で、こういう問題に具体的に取り組むときにはそういうふうにあらゆる角度からいろいろのデータを集めて調査して上でやりたいと、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 いまの答弁でこれ聞く必要もないかと思うんですが、七月三十日の日本経済新聞によりますと、この規定が成立すると公取委はいやおうなしに麒麟麦酒問題に取り組まざるを得なくなる、こういう記事がありますが、そういうことですか。
○説明員(高橋俊英君) 私は新聞記事——先ほど中曽根大臣もしゃべってないことが書かれておるとおっしゃられたんですが、いまの麒麟麦酒云々ということは新聞のほうで——これはそれまでにも実は国会の委員会でどうするんだというふうな話は出たことはあるんですよ。ですから、思いつくとすればそういうものをすぐ頭に浮かべるというのはもっともだと思うんですけれども、しかし私どもとして、いま麒麟麦酒をどうこうするということを言うことは悪影響こそあれ、いい影響はない。言ってみれば週刊誌調になりまして、こういう非常に高度の支配力を持っているものをずらっと並べまして、これが対象になるんだというようなことになると、おもしろ半分に取り扱われる、興味本位でもって扱われる、そして対立を激化するといいますか、私どもの案をつくり上げていく上において大きな障害がむしろそこにつくられてしまうということを考慮しなきゃなりません。 ですから、私どもは、いま新聞にどう書いてありましても、あるいは雑誌にありましても、具体的な問題について云々するということは避けていきたい、これが実際にこの問題を何とか成立させたいという考えの上から必要な事柄じゃないかと、かように思いますので、御了承願いたいと思います。
○和田静夫君 どうも新聞記事はあんまり信用ができないようなことになってきたんですが、一時から公取委員長の何かまた定例の記者会見があるようですけれども、定例の記者会見のほうで発表が先行するというようなことのないように、委員会ではもう少し具体的に答弁してもらわなきゃ困ると思うんです。 原価公表制度についてちょっと尋ねますが、この制度を適用するいわゆる一これまたかんべんしてくれということになったら話にならぬのですが、高度の寡占産業にどういうものを想定されますか。
○説明員(高橋俊英君) これは原価公表の対象でございますから、それほどこれをあげたからといってびっくりされる問題じゃないと思いますが、いまあげられたビールの問題というのは一つのケースになるかと思います。これは独占というのか寡占というのか、実質的に中身を見ればかなり高度の寡占ということも言えるでしょうが、それ以外にもあることはあるんですが、私どもの調査でありますけれども、そういうことが実は価格についてあまり競争関係がないのじゃないかというふうに疑うに足る資料がなければなりません。 つまり価格競争が十分行なわれておればいいんですから、あとは私はたくさんあげるのは弊害があると思いますので、といって何もお答えしないと申しわけございません。品物別に見ますと他にかねてから公取が調査してまいりました管理価格と称されるもの、これは板ガラスであるとか、あるいは品目で申しますればピアノであるとかというものが、ほかにも多少ありますが、そういった種類、あとはそのほかに占拠率、非常にシェアが高い、一社、二社で相当高いシェアを占めておるもの、これはもう八、九〇%にもなるというケースは品目別に拾えばあります。しかし、それのすべてが価格競争なしと認定できる状態ではありませんので、いま私が申しましたのは、過去の調査によりまして、同時的な価格引き上げが行なわれる、引き上げが行なわれた場合には、ほぼ主要な二社なら主要な二社が同時的な引き上げを行なっているんではないかというふうなことがありますので、そういった種類のものを幾つか選びまして、その引き上げのつど考えるということでございます。 ですから、何もしないでいる場合に原価公表を求めるんじゃなくて、一斉に引き上げる、その間隔は同時的といいながら、実はずらす場合もある、意識的に時期をずらしていますが、結果は同じになると、こういうものは過去の趨勢から見まして、原価公表を求めるに足る品目じゃないかというふうに思います。
○和田静夫君 その他幾つかというのを少し、ちょっと並べてみてくれませんか。
○説明員(高橋俊英君) これはたいへんその点デリケートでございますので、これを申し上げるとまた何というか新聞種になりまして、原価公表ということについて私どもが考えているよりもこれを受け取っているほうがより深刻に言われると、原価公表がつまり企業の仕事の上ではマイナス要因になるのだという感覚が少し強いように思います。 私はもちろん国際競争上著しく不利になるというふうな場合にあえて強行するとは思いません。いろいろ日本の国益というものを勘案した上でやるわけですから、原価公表以外の方法でも、正面から求めるということでなしに、原価の提出を求めるということもこれはあるわけで、公表するかしないかはそのときの得策がどうかということを考慮した上でやりたいと思っておりますので、具体的な業種をあげることについては何とぞひとつこの辺でかんべん額いたいと思います。
○和田静夫君 これは決算の委員長の責任において処理するという形で資料要求を私がしたいと思いますが、それでもお出しになりませんか。
○説明員(高橋俊英君) まだ、つまり私どもがこの問題について言ってみれば公取試案というか、試案といいましても法律案の試案じゃなくて、どういう考え方でどれをどうするかということですね、つまり、いま私が申し述べましたことの中に具体的なものを、具体的なといいますのは、たとえば課徴金ならどういうふうなことをするというその内容が確定しておらぬわけです。確定しておらない状態で、何を考えているのかとこう言われますと、ちょっと私どももためらうわけでございまして、その点は、もしこの案がかりに法律案になって国会で御審議を願うという場合にどうするかということについては、これはまだ何とも申しかねますが、ただいまの状態ではひとつごかんべん願いたいと申し上げたい。
○和田静夫君 いや、私もあなたと同じような立場に立って実は討論に参加をしていくといいますかね、そういうことを実は考えているものですから求めたのですが、そのうちに個人的にでも聞きにいきましょう、それじゃ。 公正取引委員会はもう一つ、何といいますか、提出された原価について正しいかどうかということを当然チェックしなきゃならないと思うんですが、それはどういうような形でおやりになるつもりですか。
○説明員(高橋俊英君) いま固まっておらないと申し上げたのは、そういうやり方が固っておらぬのです。 考え方は二つありまして、公表というんですから、こちらが資料を、つまりこれは原価なら原価をもらって、提出を求めて、これを公正取引委員会のほうが積極的に公表するというやり方もございます。 そうではなくて企業に公表させる。しかし公表させるにあたっては事前に——全然インチキなものを公表したら困りますから、もちろんこれは明らかに虚偽だという場合には罰則を付さなきゃならぬとさえ考えております。で企業のほうから提出は求め、一定の期間を置いて企業に公表させる。ですから公取が全責任を持つという形でなしに、企業の側の責任でやるが、しかしそのやるについてそういう原価の計算というものは簡単なようでそうやさしくないんです。ですから、たとえば向こうの責任でする場合に、本来ならば相手企業がたとえば公認会計士ですね、必要とするしないといろいろな問題がありますが、公認会計士のちゃんと証明をつけて公表する、提出してもらう、これをこちらが必要なほかの資料を検討しますから、明らかにこれはおかしいと思う場合には注意を与える、それで自発的に訂正を求めるというふうな方法とか、いろんなやり方があるわけでございまして、いまどういうようにやるのが一番いいかを検討中でございます。
○和田静夫君 私、ここに金沢会長の記者会見発言要旨、四十九年七月二十六日のを持っているんですけれども、これでも、いまこの制度は運用いかんにより価格引き上げを正当化する結果となるなどのおそれもあるので、実施にあたっては慎重に配慮する必要がある。そういう指摘をしていますから、いまお答えになったようなことだろうと思うんですが、この原価の公表というのは、結果的に原価プラス適正利潤の価格設定ということを認めることになって、需給関係による価格設定というメカニズムを否定しかねないという批判があちらこちらにありますね。で、これですが、こういう点について公正取引委員会としてはどういうふうにお考えになっているんですか。
○説明員(高橋俊英君) その批判は、ちょっと私は的を射てないんじゃないかと思います。 と申しますのは、この対象となるのは相当の寡占企業であって、まあこれまでもカルテルの摘発につとめたことがあるけれども、実は証拠が出ないと。証拠が出ないんですけれども、形の上では全く同調しておるというふうに見られる場合、つまり客観的に見た場合には、あれはカルテルじゃないかというふうな場合ですね、ですから、でき上がった販売価格というものはほぼ同じなわけでございます。これはまあピアノの場合などではどれをとるかによってむずかしいんですけれども、たとえばビールなんかの場合は簡単でございますね。そういう場合に、その販売価格が幾らである、これは一本当たりで出すとかりにしますと、その販売原価というのが出てくる、すなわちその差額は利益である、そうすると利益が一本当たりでどれだけ違うかというのが出てくるわけです。そういうことをやりまして、価格形成そのものに公取がその場で介入するということは、これはあり得ないわけです。 つまり業界がそれぞれにきめた、そしてそれぞれにきめたと言いながら同一価格であるというふうな場合に、なぜそれが同一価格になったんだろうと。まあコストがあるいは似ておれば同一価格になる、競争がないような形になってもあるいはしかたないかもしらぬけれども、実はそうじやないんです。コストの間には相当の開きがある、しかし販売価格では完全に同調しておるというふうなことですね。だから販売価格が同調していることを公取が認めるわけでも何でもないんです。むしろそういうことが批判の対象になるということが望ましいと。
○和田静夫君 通産大臣、いまの公正取引委員長の見解については、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど来申し上げましたように、各論についてわれわれの考えの中身を申し上げることはいま自重しております。いわんや公取委員長が御発言になったことを、私がこれをいろいろ評価するということはやはりいま慎んだほうが一いいと思います。
○和田静夫君 どうも回転が速くて多弁な能力のある通産大臣が一向に口を閉ざすというのはよくわからないんですけれどもね。 それでは、これはまた同じことを言われたら困っちゃうが、八月二十八日の衆議院の物価問題特別委員会で、カルテル価格の原状回復の命令について中曽根通産大臣は反対の意思を表明されたようでありますが、そこの辺はどういう御説明になりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 冒頭申し上げましたように、爆破力、破壊力として拘束とか制限というものを排除する、これが第一条に一番明記している、隆起している部分だろうと思うんです。それが不十分な場合には、徹底的におやりになって価格の形成というものは市場のメカニズムにたよることが長い目で見て安全であるし安定性があると、そういう思想が私の根底にございます。 そういう根底にあるものを爆破力とか破壊力という表現で出しておるので、価格を指定するとか、あるいは引き下げの価格を幾らにするとか、それが適当であるということに対して私は疑念を持っておると、そういうことでございます。
○和田静夫君 公取委員長、いまの通産大臣の見解についていかがです。
○説明員(高橋俊英君) お隣に通産大臣もおられまして、私もこれは政府の機関の一員でございますから、これからも通産省のほうには十分御理解を得なきゃならぬ、そういう立場なんで、こう、まあはなからですな、私どもはそういうお互いに角突き合うような形になるということはできるだけ避けたい、こう思っておりますが、せっかくのお尋ねでございますので、価格の介入の点について、こちらがどう考えているかという点を若干簡単に申し上げます。 それは一口に言えば、カルテルに対していままで行なった破棄命令というものは実は内容的には何らの破棄効果を伴っていないんです。せっかく破壊力と仰せられますけれども、これはその内容を持っておらなければ何にもならない。ではどんどん告発すればいいじゃないかと、これは実情としてそういう手段ができません。ずいぶん、御記憶あると思いますが、石油業界の告発をいたしましたが、まあ夏休み等のこともありましょうが、まだ第一回の公判も開かれておらないという実情でございます。非常に長期にわたる問題ですし、それからそういう問題にずっと以前からなれておるアメリカの制度そのもののようなぐあいにはまいらないという実態でございますから。 としますと、何をもってカルテルを破壊していくか、これは私は破壊ということばはまあ適不適は別としまして、それはそれなりに意味はあると思うんです。ですからカルテルをほんとうの意味でこらしめるといいますか、それ相応の結果を伴うというためには、一つには課徴金の制度があるけれども、これもあまり強く制裁的色彩を持たせることには法務局の難色がございます。ですから、刑罰でない以上、行政機関——私どものほうは準司法機関であります、まさに。しかし行政機関でもあるという。そういうまあ言ってみれば特異な性格を持った機関なんでございますが、そこが行ない得る政策としてじゃ何があるのかといいますと、独占価格的なものが形成された場合に、それを放置しておくことよりも原状に戻すことを原則とすることが正しいんじゃないか。私は価格形成というふうにはこうとらなくてもいいのじゃないかと。価格形成というよりは、その形成された独占的価格、それをやめていただく。でスタートラインに戻ってもらって、しばらくそのスタートラインでやってもらう。ただし、そのスタートラインに戻ることがあまりにも現実離れしたものである場合には、それは私は経済の原則から考えてそういうものは無理であると思います。ですからそこに考慮を加えるといたしましても、一律価格を命ずるということはございません。 ですから、価格形成といわれるんじゃなくて——まあそれは個別にもいえば形成の大きな範囲の中には入るかもしれませんが、しかし一律価格、標準価格をきめるような意味で価格を命令するつもりはないわけでございますから、ただ考慮すべきものは考慮するというだけであります。原則はスタートラインに戻って競争をやり直しなさいと、こういう趣旨なので、そのことは欧州諸国においては国が独占禁止当局に一般の価格形成までやらせる国があるんです。そういう国も幾つかありますが、しかし私はそういう立場はとりたくありません。やはりこれは、もしそういうことをやるんでしたら、物価庁のようなものを別におつくりになればいい。 私どもやるのは、違法行為ですね、独禁法に違反した行為によってつくられた価格をやめていただく、一たんはやめていただくというのが筋ではないか。それをそのままにしておいて自由競争しなさいと言うよりは——まあそれはおそらくある程度は必ず不当な値上げを含んでおります、そうでなければ強調する必要はないわけです。協定をするのにはそれだけの理由がある、こういうふうに考えますので、これは一般の価格介入とはちょっと意見を異にするのじゃないか。違法行為を是正するための一つの手段というか、手段としてそういう個別にもとへ戻るということを命令するという、こういう意味でございますから、御了解はいただけるんじゃないかと思っておりますけれども、しかし、これについてはアメリカ流にいえばアメリカはどんどん容赦なく刑事事件に持っていくということもやっておりますので、風習の違いといいますか、価格介入を全くしてないといえばアメリカだけだと言ってもいいくらいではないかと思います。
○和田静夫君 何か高橋教授の御高説を拝聴するような決算委員会になっておりますけれども、私かなりこれ独禁法の改正に期待をするし、国民もそういう目で見ているから基本的な論議をやっぱりやっておいたほうがいいと思って取り上げているのです。 私は、どういうような形であれ、一度形成された価格というのはそこですでに独禁法の問題ではないなどとは思いません。法律違反の上に成立した価格をもとの価格に戻すというのは当然の論理ですが、それが現実に適用されるとなると何かたくさん問題があるような気がするんですね。たとえば価格引き下げの期間をどれくらいにするかといった問題がしろうとなりにちょっと頭に浮かぶんです。三カ月なりあるいは六カ月なりといった期間が過ぎれば価格はまた上昇する、そういう先高思惑から買い占めが起こるのではないかという問題が想定をされる。あるいはメーカー段階で価格カルテルが行なわれて、そうしてそれを排除しても流通段階に及ばないでその先高の思惑というものが市況を過熱させる、そういう問題などもあるんではないだろうか。ここらについてはどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(高橋俊英君) たとえば価格が先高、つまりもしも引き下げ命令がかりに期限つきであった場合に、いまおっしゃるようなその期限がたとえば非常に短ければ、あまり短ければ初めから売り惜しみが起こったり、買い占めが起こったりという、これは非常に不自然な価格が強要された場合に起こる。しかし私どもこちらがたとえばしんしゃくを加えた価格にしましても、そういうケースが全くないだろうとは思いません、あり得る。 その場合、その一つの予防措置としては、買い占めということはそう簡単には規制できませんが、売り惜しみのほうはこれ規制できると思います。しかし、生産量それから出荷量というものをいまでも実は価格の動向については取っておるんですが、生産カルテルの場合にはそういうものを取っております。ですから、かりにメーカーの違反事件についてそういう引き下げ命令を出した場合には、メーカーのサイドから売り惜しみが起こってくるということは避けられるのではないか。しかし途中から先高期待が起こって需要者の側から買い占め的な行動が起こるとすれば、それはその価格にかなり無理があったというふうに思います。上げることが必至である、上がることが必至であるという場合に起こりますが、この点については、いまどうすれば防げるかという点はその価格のきめ方によるんじゃないかということ以外にちょっとお答えのしようがございません。
○和田静夫君 カルテル以後に経済変動によるコストアップがあれば、その分の値上げを認めるという言い方に、明らかな価格介入だということで通産省あたりの反発が強いようですがね、これは公正取引委員長、その点はどういう見解をお持ちですか。
○説明員(高橋俊英君) カルテル以後にコスト変動が起こった場合に、それを考慮するという、そういうこまかいことを私ども申した事実はございません。それは推量記事でございます。
○和田静夫君 これは各紙全部推量記事ですか、述べられたことはないわけですか。 そうすると八月二十一日の段階で超過利得の二、三倍という大幅課徴金を考えていらっしゃったが、超過利得分だけに落ち着くことになるようないきさつですね、このいきさつはどうなんですか。
○説明員(高橋俊英君) ただいまその問題については法務省となお折衝中でございまして、いずれともまだ申し上げることはできません。ただしかし二、三倍というふうになりますと、超過利得ということばに問題があるのですけれども、いずれにしても限度額ですから、あまり複雑怪奇な限度額にはしたくない、これははっきりしておりますが、しかし二、三倍を考えておったが、こうだろうというのは、交渉上、かなり制裁的色彩を持たせるという課徴金を行政処分で徴収するということには法務当局の強い反対が予想されます。いままででもスムーズにいっているとは申し上げられません。
○和田静夫君 これは法務省の見解は一体どういうところにあるのですか。
○説明員(高橋俊英君) つまり制裁的な措置を対民間で行なおうというのは、原則としてこれは裁判所がやるのか日本の憲法の精神といいますか、条文の上からもそういうふうに解釈すべきであるというふうなことでございまして、その法律解釈についてはたいへんデリケートな問題がございますから、一がいに私ここであまり法務省の見解をるる述べることはできません。私も実はそういう点については法律解釈上どこでどうなったかという点について非常に突き詰めたところまでは私自身頭に入っておらないわけです。ただし、これは法務省当局から来ている委員もおりますれば、検事もおりますから、それらの方々に法務省にはかっていただいているというのが現状でございます。
○和田静夫君 委員長、この課徴金制度の導入、あるいは告発による刑事罰の強化、独禁法の違反行為に対する制裁をより実効あらしめるといいますか、かつ独禁法に違反したら損だという認識を与えることによって予防的な効果を期待するという、そういう意味での改正には、これは通産大臣も異論はないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) たいへん恐縮ですが、ともかく先般来各論にわたるところはいま研究中でございますので、この際、御答弁を御容赦さしていただきます。
○和田静夫君 困りましたね、これはほんとに。別にやりとりじゃなくて、これは円卓会議ですからね、一つのいいものをつくっていくという意味で、どうですか、ひとつ中曽根さん個人の見解は。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、どっちかといえば、やっぱり法務省的な考えというものが憲法解釈上妥当ではないかという感じがいたしております。
○和田静夫君 もう三つ、それじゃ加えてですが、公正取引委員会が考えている株式保有等の規制については、中曽根大臣個人としてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) もっとも課徴金の問題にしても、やっていいか悪いかは別であります。いまの話に関する限りは法務省当局の考えのほうがより憲法的であると、しかしやるかやらぬかということはまた別個の問題として考えなければいかぬ。 それからまあ株式保有にせよ、原価の公表にせよ、いずれにいたしましてもなかなか重大な問題でありまして、ここで答弁申し上げることはぜひ御容赦願いたいと思います。
○和田静夫君 どうですか、勉強会で中曽根さん個人がひとつうんちくのあるところを吐露されたという形でいかがです。
○国務大臣(中曽根康弘君) また時と場所を改めまして、よろしくお願いいたしたいと思います。
○和田静夫君 速記をとめてもいいですよ、ちょっと聞いておきたいところなんですがね。速記をとめて委員長取り計らえないですか。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こしてください。
○和田静夫君 先月の末に、公取委はやみカルテルの容疑で毛紡業界に立ち入り調査されましたですね。そしてこの業界もやみ協定、こういうような形にまあなっているんですが、その結果どうなりました。
○説明員(高橋俊英君) これは審査のほうで取り上げまして、目下、これはそう単純に結論出せませんからいましばらくかかると思いますが、審査中の事件でございます。その審査をするに至った経韓についてはすでに新聞に発表しておりますが、その後の経緯についてはお話ができないという法律の規定がございますので、その点は御容赦願いたいと思います。
○和田静夫君 通産大臣、これ最後にします。時間余っちゃって答弁もらえなかったからあれですが、またあらためて機会を見て法律でも出たとき、実は法律出たときにこの論議をしたのじゃもうおそいので、われわれの見解もやっぱり組み入れていただくという意味でこの問題を取り上げたつもりですが、不幸にしてその意思は通じませんでした。 で、いまの問題で、公取委の行為に通産大臣何か意見を述べられて横やりを入れられたような形になった、これも報道によりますが。で通産大臣が公取委の準司法的性格を云々されるとすれば、そうしたことは客観的に見ておかしいんじゃないかという感じがしたのですが、いかがです。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず第一に、公取委員長ないし公取委が独禁法改正をおやりになるという意思を通産省としてまだ正式に聞いていないんです。事務当局にもきておりません。ただ、たまたま国会で隣同士にすわりまして、委員の先生方から御質問がありますから、その御質問に対してお答えしなきゃならぬ部分については自分の判断でお答えをしております。 やはり、こういう重大な問題は改正なさる御意思があるということをやっぱり役所間を通じて事務的に御連絡願って、なるほど、じゃ本格的にやるのだなと、われわれは国会議員でありますから、国会で御答弁なすったことは責任持っておやりになることであると、そう思っておりますが、事務レベルにおけるそういうチャネルはまだございません。そういう点はひとつお考え願ったほうがいいポイントではないか。 そしてどういうポイントをお考えになっておられるか、いま作業はどの程度進んでおられるか、そういうようなこまかいこと、さまつなことではありますが、そういうことを御連絡願ってから、われわれのほうは本格的に正式に検討もし、省議として意見をだんだん形成していきます。われわれは、いま、新聞やあるいは国会で御答弁なさることをたよりにして、模索しながらこうであろうと推測しつつ検討も命じており、調査員も海外へ出しつつある、そういうことでありますので、そういうような事務的な面において、必ずしも私格式ばって官僚的に申し上げるのではございませんけれども、そういうポイントは御考慮を願ったらいいのではないかと、これは私のほうだけでなくして、おそらく企画庁の方面もあるいはほかの関係各省の方面もそういうポイントはあるんではないかと、やっぱり国会優先でありますから、国会の先生方のお示しになった御見解にはわれわれはお答えしなきゃなりませんからお答えいたしますが、事務的にはそういうポイントが一つあります。 それから、いまおそらく各政党ともこの問題については最大問題として御勉強のように私は国会の公報等を通じて政調会の日程等で拝見いたしておりますし、われわれのほうもそれはやらしておりますし、自民党もやっております。いまそういう意味でみんな検討しておる過程なのであって、まだ最終的な、あるいは終末に近い議論まで煮詰まっておらない、各省等においても。しかし、それにはやはり公取委側のお考えがセットしてからみんながいろいろ自分たちのファイナルセットをつくっていくという形になるので、実際は、まだ公取委側のその最終的なお考えはお示しになれない、目下各省とも御折衝になっておるようです、いまのお話ですと。そういう時点でないと全貌もわかりませんし、部分的に食いちぎって議論をしても一波万波関係するところがございます。 いまちょっとお聞きした中で、価格引き下げ命令というようなものについてきょう私お聞きしたのでありますが、原点に戻すということでも必ずしもないと、その後の経済市況の変化も考えると、それから先生がいま御質問なすったのはわれわれも研究している中に実はあったわけで、期間はどの程度なのかとか、あるいは品物が影をひそめやしないかとか、あるいはメーカー段階でいろいろそういうことがあった場合にも流通段階においては一斉に思惑が動いて日本の商業的な特色が出てきて消費者が困りやしないかとか、いろんなそういう生きた有機的な経済に対する反応をわれわれ現場官庁としてはまた考えておるわけでございます。 そういうようないろんなポイントについて、やはり一番基本的な公取委側の全貌が露呈してきませんと、われわれとしても中途はんぱな議論で無責任になります。ですから、おやりになるというのであるならば、以上のような点についていろいろ御配慮していただいたらいいのではないかと、そういうように思います。
○和田静夫君 もう一つ、大臣に。 そこのところはわかりました。私の質問した、いわゆるカルテル容疑で公取委がやられたことに対して横やりを入れられましたよね、通産省。その答弁が落ちているんですよ。
○国務大臣(中曽根康弘君) それはあれですか、公取委がカルテルに対して手入れをしたのに対して通産省が横やりを入れたという——そのことは私いままでそういうことを聞いたことございません。そういうことはないと思います。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こして。 それでは、午後一時五十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 —————・————— 午後一時五十一分開会
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前中に引き続き、昭和四十七年度決算ほか二件を議題とし、通商産業省とそれに関係する中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松岡克由君 計量法、特に計量表示、使用などの問題についてこの際意見を聞き、正せる部分があったら正してほしいと希望を含めて質問をいたします。 現計量法が施行されたのが昭和二十六年、またメートル法の完全実施が昭和三十四年ですから、その二十六年から二十三年、そして完全実施から十五年の歳月がたったわけですが、しかし相かわらずこの問題について、もっとわかりやすく言うと、ぼくらが舞台でこの話をすると客はやんやと笑うんですね。ということは、非常に興味があるし、また矛盾しているということでもってうけるわけで、したがってそういった大衆の意見を踏んまえた上で質問をしたいんですけれども、問題確認のために伺いたいんですが、非法定計量単位、要するに尺貫法と俗に言うやつです。これの使用禁止、あるいは違反した者に対する罰則を含めた、強制と私は言ってもいいんじゃないかと思われる現計量法を制定した意義、目的というのは何にあったのか、この際確認のために手短くひとつ返事をお願いします。
○説明員(森口八郎君) 計量に関します制度は、貨幣制度はちょうどものの価値をはかりますために重要でありますように、いろいろな重さあるいは長さ等をはかります単位として社会生活において最も基本的な制度であります。したがいまして、この制度は統一的であり、かつ合理的な制度でなければいけないということでございまして、そういうような制度の確立は社会生活の便益と安全をはかるために必要不可欠であります。わが国におきましても、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保いたしまして、それによって経済の発展と文化の向上に寄与することを目的といたしまして、先ほど先生御指摘のとおり、昭和二十六年に計量法が制定されたわけでございます。計量法は計量単位の統一をはかりますとともに、正確な計量の推進、それから計量関係事業の規制、それから計量器の検定、定期検査等の適正な計量の実施のための措置を講じておるという内容でございます。
○松岡克由君 合理的ということばがありましたけれども、合理的というのは字のごとく、両方の利に合っているから合理的と言うんで、片一方だけ合うと片理的ということになるんで、その合理的の問題は後ほどにすることにしまして、いまおっしゃるとおり計量法の第一条によりますと、「適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。」と、いまそうお答えになりましたですけれどもね。その「文化の向上に寄与すること」、これもっと具体的に説明してくれませんか。
○説明員(森口八郎君) 目的のところに、「経済の発展及び文化の向上」というように書いてございます。「経済の発展」と申しておりますのは、統一的な計量制度を定めることによって商取引間の混乱をなくするということでございます。取引を行ないます場合に、いろいろな計量単位が用いられますと、迅速、的確な取引を妨げるということで、そういうような意味で経済の発展ということを書いたのであろうというように思います。 それから「文化の向上に寄与する」ということでございますが、やはりいろいろの人間の生活をやっていきます上におきまして、日常生活におきましてもいろいろな計量の単位が用いられるわけであります。その場合に共通的な尺度としての計量単位を定めるということは、日常間におきましてのいろいろな混乱をなくするというような意味で「文化の向上」というようなことを書いたのではないかというように考えております。
○松岡克由君 混乱をなくすことが文化の向上という言い方というのははなはだこれは不可解なんで、混乱をなくすということと文化の向上ということは私は必ずしも一致しないんだと思います。また混乱をはたして起こしているかということにも問題があると思うのですがね。いまおっしゃいましたけれども、そのような所期の目的を達したと思いますか、どうですか。
○説明員(森口八郎君) 私どもまあ子供の時代にはいろいろ、尺貫法もありました、それからポンドで表示されておるものもありました、メートルで表示をされておるものもあった。私どもが日常いろいろな買いものをする場合とか、いろいろな新聞の記事を読みます場合にも、頭の中で換算をしてやらなければいかぬということは非常に不便な思いをしたことがございます。現在におきましては大体メートル法で統一されておると、共通の尺度で見られるというような点で、やはりメートル法の採用によりましていろいろなそういうような不便、不利はなくなったというような意味で私どもは進歩があったのではないかというように考えております。
○松岡克由君 進歩がないとおかしいですよ。進歩すると思って始めたんであって、そこに二十三年または十五年の歳月がたって、ぼくが聞いたのは、目的を達したと考えますかということに対してはどう言いますか。
○説明員(森口八郎君) 現在でもメートル法につきましては、実施につきましては先生先ほどおっしゃいましたとおり、一般のものにつきましては三十四年から、それから土地建物等に関しましては四十一年からでございますが、メートル法を実施いたしておりますが、現在におきましてもなお当分の間ということでメートル法を主にいたしまして坪等を従として使用するということが現在まだ通達で認められておる状況でありまして、現在メートル法はある程度の効果はあげておりますことは申し上げたとおりでございますが、完全実施というまでにはまだ至っておらない状況であります。
○松岡克由君 私、その答えを聞きたかったわけです。ということは、何でも完全ということは私は言い切れないし、どんなものでも不備な点はあるし、そこへいくまでも時間がかかる。しかし、時間がかかり過ぎる。たとえば、この聞きめた、休日が二日ダブッたときはこれをもう一ぺん休日をふやすということは、これはもうだれも疑問をはさまない。それは、中にはカレンダー屋さんが困ったという一部の例があるけれども、ところが、メートル法という、もっもっととわれわれの生活、日常生活に関係のあることでいまだに戸惑っているということがあるというのを言外にいまにおわしてくれました。ということは、やっぱりここに何か欠陥があるのではないかということを当然考えてしかるべしだと思いますが、それは時間が少ないからこうなっているんであって、欠陥がないと、間違いないと言い切れる自信がありますか。
○説明員(森口八郎君) メートル法の実施にあたりましては、実はこれは長年の経過があるわけでございます。メートル法を採用すべしという議論は、実は歴史的に顧みますと、現在の計量法ができます前から実はこの議論があるわけでございまして、計量法の以前の段階、度量衡法という法律があったわけでございますが、度量衡法の時代におきましてもメートル法を採用するということがきめられて、一定の期間後には採用するということがきめられたわけでございます。ただ、先生御指摘のとおり、やはりこういう非常に基本的な事柄を実施するにはそれ相当社会の全体の合意が要りますし、猶予期間が要るだろうということで猶予期間が設けられましたけれども、結局何べんも延ばされて、先ほど申し上げました一般的には三十四年からメートル法を施行するというような状況になったわけでございます。特に、こういうような社会の基本的な約束ごとの基礎をなしております計量法というものにつきましては、その施行にはやはり細心な注意が要るわけでございまして、そういうようなわけで、非常に長い年月を経て三十四年から実施になった。それから、先ほど申し上げました土地、建物等につきまして坪表記を当分の間、従としてよろしいということでございますが、これは技術的に申しますと、土地台帳等におきまして従来の慣行によりまして坪表示でなされておるというような点を考慮して、土地台帳がメートル法に切りかえられるまでの間、従として表示をしてよろしいというような考え方でやっておるわけでございまして、日本全国におきまして土地台帳等がメートル法表示に切りかわるということでありますれば、できますれば私どもはメートル法に全部統一をしたいというのが現在の心境であります。
○松岡克由君 ちょっと意見がかみ合わない部分がある。ということは、やっぱりこれだけ年月がたってもまだそうできないということに対して、何か欠陥があるんではないかという疑問は全くないものかということを聞いているんです。それをちょっと一言答えてください。
○説明員(森口八郎君) 年月がかかって実施されないから欠陥があるのではないかというのが先生の御指摘であるわけでございますが、私どもとしては、やはり先ほども申し上げましたとおり、一番基本的な約束ごとであります計量法の実施については、必要な猶予ないしは経過期間を設けても万人の納得を得た形で実施をしたいというようなことで、法による直接的な規制ということは、長年の間、やるやると言っていながら実は延ばしてきたというのもその辺の事情に基づくものであるわけでございます。ただ、私どもの現在の社会を見回してみましても、私どもの年齢以上の者はメートル法のことについてよく知悉しておりますと同時に、尺貫法についても一部しみ込んでおるというのは、これは先生の御指摘のとおりでありまして、やはりそういうような点でなかなか、一部尺貫法が使われておるというような状態が残っておるのであろうかというように思うわけでございます。
○松岡克由君 それは違う。なぜかというと、尺貫法というのは、年寄りだけのノスタルジーとか長年の習慣において消えないというだけでなく、それはあとで触れますがね、非常に一次元、二次元、三次元の話になってくるんですが、後ほど触れることにして、現代においてもはたしてその施行ができるかできないかということにつながってくるんです。それは後ほど聞くことにしまして、そうすると、いまの意見を聞いていますと、これは反省する余地というものはないと解釈してよろしゅうございますね。とにかく一応役人である以上、これをとにかく実行していくために努力をするしかわれわれとしては方法がないのだと。かりにもし結果が、私がこれから言ったことに納得をしても、それはできないと。それは幾ら何でも言い切れませんでしょう。
○説明員(森口八郎君) 社会の基本的な単位であります計量に関する諸単位を私どもは一つの単位にできるだけ統合をして、先ほど申し上げましたように経済なり社会面において無用の混乱を避けるようにやっていきたいというのが基本的な考え方であります。
○松岡克由君 あまりくどくなるからこのロジック遊び、やめますけれどもね、遊びではないですがね、ほんとうは。それがいいと思っても、だめなんだということになったら、やっぱりこれは考えなければいかぬです。そんなことはあたりまえなんで、いいと思うからやったんで、悪いと思ってやられた日には目もあてられませんから。悪いと思ってやる場合も政治にはありますがな。 そうすると、尺貫法はもはや過去の遺物となったとは思っていないと、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますね。一言でいいです。そういうふうに解釈していいですね、どうですか。イエスかノーでいいです。
○説明員(森口八郎君) 計量法で、法をもってメートル法をいわば強制しておりますのは、取引上の取引をする場合または公の証明の場合に厳に限定をされておるわけでございまして、それ以外につきましてメートル法を計量法は強制はいたしておらないわけでございます。
○松岡克由君 しかし、罰則というのはあるんですからね、そう簡単なぐあいに流されてしまっても困ると。それじゃ何のための規則であり、何のための法律だかわからない。使うのはかってだけれど法律できめてあるなんて、そんなばかなことはないんで、どっちかといや、使っちゃいけないということですね。やっぱりメートル法を使いなさい。現に罰則規定があるわけですから、使いたいやつはかってに使えなんと、そんな返事をされたんでは、これは答弁にも何にもなりませんですよ。 で、文化の向上、そういった面についての目的を——まあ経済的な目的はいま聞きましたけれども、文化面における目的も徐々に達しているのだと、こういうことですね。
○説明員(森口八郎君) ちょっと私の説明が舌足らずであったので、若干くどいようですが御説明申し上げます。
○松岡克由君 いや、そうではないですよ。
○説明員(森口八郎君) 計量法の第十条を見ていただきますと、計量法の第十条に、法定計量単位以外の計量単位を使ってはいけないというように規定してございますのは、「取引上又は証明上の計量」であります。それ以外の分野について計量法はメートル法の使用を強制はいたしておらないわけでございまして、先生がおっしゃいました罰則云々というのは、この十条の違反に対して罰則がかかっておるわけでございます。ところが、十条には「取引上又は証明上の計量」に厳に限定をいたして強制をいたしておるわけでございます。
○松岡克由君 文化の向上のほうはどうですか。その目的を達したかということに対してはまだです。いまさっき言った、答弁、ちょっと……。
○説明員(森口八郎君) 文化は、ここではいわば結果としての文化という意味で、非常に広い意味に解釈をされているのであろうかと思います。
○松岡克由君 いや、経済的な面においてはさっき答えを聞きましたけれども、文化面においてははたしてどうなのかということを一つ聞いていたんですが、それはどうなんですか。一口にぴちっと言ってください、通産大臣のまねしなくてもけっこうですから。
○説明員(森口八郎君) たとえば十条に即して言いますと文学等で計量単位でメートル法以外のものを使うということは計量法の範囲外のことであります。
○松岡克由君 違う、文化の向上に対して寄与するということを言ってありますけれども、その目的が達しているのかと、何もそんな、これは問題のイントロだから普通に答えてくれればいいんですよ、そんな……。達していると、さっきは経済的な面においてはこのメートル法はいいと、文化の面においても成功しつつあるのかと、達しつつあるのかと、それを聞いているんだ。
○説明員(森口八郎君) 文化全般について達しておるかどうかという問題は非常にむずかしい問題で、なかなか答えられない問題でありますが、それ相当の法律が所期いたしております効果はあげておるというように考えております。
○松岡克由君 それ言ってくれればいいんだ、よけいなことを言わなくても。そのことが聞きたかっただけなんで、むだなことを言わないほうがいいですよ。時間の浪費というのは罪悪ですよ。ましてこうやって政治のことをやっているんですからね。 確かにおっしゃるとおり、メートル法というのは非常に合理的だと言いました、確かに合理的ですよね。たしかあれ、地球の子午線、大円周の四千万分の一を一メートルというんですか、これはわかりやすいし、いま言うとおり国際的な問題、または日本は輸出輸入国ですから、そういった面において確かにいいと思う。しかし私は、人間の生活というのはそういった合理的だけでは解決できない場合がある。いま言った文化というのはたいへんとらえにくいと、いみじくも局長おっしゃったように、たいへんとらえにくい問題です。変な例かもしれませんが、たとえば、そうですな、人に注意される、意見される、そのことが合っていても、その人のために屈服したという、おのれにやっぱり屈辱だとか感情的なものが残る、こういったこととたいへんに私は似ているような感じがするんです。私は文化というものはそんなもので解決できるものでないし、いたずらに、たとえば文化とは何だということを聞かれたら困るでしょう。困るから、ああいった非常に抽象的なわけのわからないことを言う。わかっていて抽象的なことを言うんならいいんだけれども、わからなくて私は抽象的にならざるを得ないんじゃないかと思うんですよ。具体的に説明できないでしょう、文化とは何かと言われたら、と私は思う。いまうなずいておりますけれどもね。だから私は文化みたいなものを、言っちゃ悪いですけれども、われわれみたいに大衆と血みどろになって生活している人間ならまだまだいざ知らず、私は大学を出て上級職公務員というんですか、あれの試験を受けて役人コースという、こういった俗にエリートコースとも言いますがね、こういうものと私は異質ではないかと。文化の向上に寄与するからメートル法を実施せよと——いまの会話を聞いていまして、寝ていらっしゃるか瞑想にふけっていらっしゃるかわりませんが、大臣どう思いますか、このやりとりを、文化云々ということに対して。
○国務大臣(中曽根康弘君) 松岡さんが伏線としてお持ちになっているお考えがどういうことであるか、私はいまじっと考えておったわけでありますが、いずれ出てくるだろうと思うので、それをお聞きしないとちょっとピントがはずれて、私よくまだ御質問の趣旨がよくわからないところがあるわけです。局長の御答弁は、要するに国際的な基準に統一することにより、かつまた国内においてもいろいろな考えがあるところに、われわれ世界じゅうの国々が一定の基準として採用するところに調整することによって非常に能率もあがるし、それからわりあいにスムーズにものごとが動くようになってきていると、それでわれわれのいまのゼネレーションでは問題点はずいぶんあるし、また郷愁もあります。しかし、次の成長しつつあるゼネレーションというものは、もう文句なしに一坪とか一尺二寸とかそういう概念じゃなくて何メートル何センチ、そのまま受け入れられてきている。そういう意味においてむだがなくなって、そういう意味においてはさらっとして世界的な空気の中に入れるという面がある。そういうようなところを文明開化といいますか、明治的表現で言えばそういうような開化の文化という意味にとっているのではないかと、そういう気がいたしました。
○松岡克由君 そうすると、文化イコール便利という、露骨に言うとこういうことになってきますがね、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 便利は文化の第一歩であります。
○松岡克由君 じゃ便利ということはあとへ持ってきましょう。 さて、問題にこれから入ってくるのですけれども、通産相の見解、いま聞いていました。要するに文化イコール便利、これははなはだ非常に文学的でない表現をされましたですけれども、文学的がいいか悪いかということは後ほどにしましょう。メートル法は定着しつつあるという、こういう御返事でございました。ところが、どんどん変わってきていると、いまの子供たちは素直にはいれる、われわれ年齢にはギャップがあるかというのですが、一応これ新聞でございます、読売新聞、御存じか御存じないか、日本ではわりと有名な新聞の一つなんですね、これ。この読売新聞にたとえば「一反」なんという文句が出ているのですね、これ九月七日の夕刊ですね、土曜日の。日本人は「一年一石のコメを食べ」る、「米の生産量が三千万石」なんて書いてあるのですね。最初の「一反」、下には「十アール」、「一石」の下に「百五十キロ」と、こう書いてあるのですけれども、こういうのが堂々と平気で通用しているのですね。それからもう一つは、これは四十八年の、あそこにおります野末議員の国会におけるこれ代表質問なんですね。その中に坪一千万円とか、三千坪近い敷地とか、三千坪ならいいが、例の田中さんに対する、広い家持ってけしからぬというあの野末議員一流の意見だったのですがね、使われているわけですね、何の抵抗もなく、公の場所でですね。いけないとは言っているのじゃないです。使われているこの現実ね。これ読売新聞というと、一応日本の一流新聞であり、野末先生というと、人が死んで当選したとはいいながら、やはりりっぱな現……、失礼、ごめんなさい、言い過ぎた、私も最下位だから文句も言えないんですがね、要するに現代人が堂々と一流の人がこういうことを使っていくと、これは公的な場ですね……。
○委員長(前川旦君) 松岡委員、質問途中ですけれども、おことばに十分御注意ください。
○松岡克由君 はい、ごめんなさい、気をつけます。ごめんなさい、あやまります。 これが定着していないということも言えるのじゃないですかね。こういうのが堂々と出てくるということになると、これはどうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 施行されてからまだ日もそうだっているわけじゃありませんから、しばらくは暖流と寒流が交錯していると、そういう時代だろうと思います。
○松岡克由君 ということは、だんだんに定着するであろうということを、黙って見ておれと、心配ないだろうと、こういうことでよろしゅうございますね。
○国務大臣(中曽根康弘君) こういう文化現象というものはやはり三十年、五十年、百年かかるものだろうと思うのです。これを五年や十年で判決を下すのは非常に早い。しかしわれわれがいまやっていることが必ずしも歴史的に見て正しかったという証明もまだないわけです。しかし、より一歩前進しているのであろうという確信はあります。
○松岡克由君 結論から私の意見を言わしていただきますと、計量法で禁止されている俗に言う尺貫法、私は合理的な部分がたいへんにあるということをこの際聞いてほしいのです。たとえば長さをあらわす単位としてのメートル、これはたいへんにすぐれております。メートルというとたいへんわかりやすい。なぜわかりやすいかというと、メートルというのは一次元の世界ですから、こういうふうにつなげていくことができる、一メートル、二メートル、百メートル、または何センチ、十センチ、一センチということができるのですね。これは人間の生活に非常に便利です。ところが、これに対して横が加わると二次元になってきます、すると面積。これが三次元になって高さが加わってくると体積。要するにあるスペースを持った空間。空間というのはどういうことかというと、よけいなことかもしれませんが、人間の生活の場所があるということですね。場所ができ上がるわけです。したがって、その場合に人間の生活の場所ができ上がった空間においては自分の生活基準というのが先行してくるのです。たとえばいま言うとおり、一メートル、二メートルはいいと、今度は一平米の問題になってくると、これが一平米になると、思考が二段階になってくるのですね、われわれの考えだと。たとえば五十平方メートルという、五十平米ですね、これを具体的にどういうふうに想像するかということはたいへん私むずかしい。なぜかというと、一平米というのは一辺が一メートルという思考でないのですね。一辺が一メートルを一平米ときめているのです。これから発展させていきますと、一辺がルート五十メートル、これが五十平米と、こうなってくるのです。こうならざるを得ないのです。ところが、坪というと、そのもののつまり要するに二次元の世界になりますから非常にわかりやすいのですね。だから、五十坪と言われても、一坪が五十にこうなっていくという、非常にわかりやすい。また畳というのは現にそういう生活があるし、あれ人間成人の大体寝られるところですよね。俗に、起きて半畳寝て一畳とか言いまして、非常にわかりやすいあれになってくる。そうすると、私は非常にこの坪というのは合理的みたいな気がするんです。なぜかというと、今度はそれに高さが加わって三次元になりますと、体積になると、容積になると、全くもう思考力が追っついていかぬですよ、通産大臣。だから、したがって、今度は上の場合になると、リットルにならぬのです。だから、米なんかキロになってしまうんですね。平米から今度は体積のほうまでいかないで、キロに変わってしまう。米を重みで食うと思いますか。やっぱり米というのは、重みで食わぬのです。やっぱり一升、二升で食うんですね、一ぱい二はいで。ですから、それは長年の習慣でなくて、思考力がそこへ及ばないんです。及ばないから、人間の知恵でこう変わってくるんです。この現実。だから、酒でも何でも、一升、二升、言わないまでも、デシリットルで飲まぬです。場合によっては、ビールを一本、二本、ウイスキーを何本あけたと、こうなるんですよ。これは何も古さとかなつかしさとかなんとかじゃなくて、私は人間の思考能力がまだせいぜい譲っても、一次元から二次元までわかるんです、これもむずかしいですよ、三次元になると、もうもたなくなってくるんです。この辺の意見どうですか、聞いていまして。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまお話聞いて、確かにつぼを得たお話だろうと、まさにずぼしだと、そういうふうに思いますね。あのつぼを得たというのは、そういう意味で使われてきたのかもしれませんね。私はそう思いますね。しかし、また一面、こう考えてみますと、確かにわれわれが生きていまやってきた畳の世界におきましては、そういうことでありまして、私ら全くそういう点じゃ同感で、不便です。五立米といっても、どの程度のものか、ちょっと頭の中で計算して、縦が幾らで、横が幾らで、何が幾らでと、再検討しなければ頭に浮かんでこない、そういう点はあります。しかし、いまわれわれは、そういう不便をやっておりますけれども、われわれの子供や孫の時代になって、小さいときから、一立米というとこのぐらいというイメージがぱっと浮かぶ、そういうものじゃないだろうか、人間の習性というものは。国際的に見ましても、雨が何ミリ降ったと、いや東京は千二百ミリだと、砂漠は六十ミリだと、そういうのが大体定着してきていますね。これを何貫降ったとかなんとか言わぬでも、何ミリということで定着してきておる。そういうふうに類推思考というものがだんだん定着してくると、講談でも何ミリといったのが変じゃなくなる。一升飲んだとか五升飲んだというのが、何デシリットル飲んだというのが変でなくなる。そういう時代が三十年後に来るんじゃないか。いまアジアオリンピックをやっている。百メートル九秒切ったとか。百メートルという概念はわれわれもわかってますね。それで、なるほど何秒というと、ずいぶん速いなと、われわれの子供のときのあれとはまるっきり違ってきているなと。そういうふうにやっぱり類推概念で、それで密着して生活していると、われわれが尺貫法によって頭に浮かんでいたのと同じようなものがぱっと浮かぶように、人間の場合なってくるんじゃないかと、そういう気もするんですが、どうでしょうか。
○松岡克由君 ならぬのですよ。百メートル競争はいいの、いま言うとおり、一次元だから。あれは二町競争といわれてもわからぬのですよ、一町、二町じゃね。それはわかるのですよ。ところが、その便利さとか、そういう事実からいくと、地球が回っているんだから、日の出、日の入りというのもおかしいんだ、そういう論理からいきますとね。あれは地球が傾くんですから。まあ奥さん、傾いてまいりましたわなんてことを言わないといけないです、そういう現実から即した合理的な判断からいくと。ガリレオがそう言っていましたですものね。地球が回っているんだと言ってましたね。これは定着していますね、日本で。これもおかしいんです。だけど、われわれには地球が回っているなんていうのは、これっぽっちも感じたことはない。科学的に言えばそうだ。でも、われわれ科学の実証のために生きているんでも何でもないんであって、やはりわれわれが生きていることが一番大事なんであって、したがって、ざっくばらんに言えば、太陽なんて、洗濯物をかわかしていればそれでいいだろうと思うような発想が当然われわれにあるわけなんです。そういう発想というのが、庶民に。それからいきますと、メートル法はわかるんですけれども、メートル法はけっこうなんですけれども、私は、畳の生活がなくなっても、これは思考力が及ばないだろうと。もちろん大臣として、思考力が及ばないからと言うと、これは問題になります。けれども、及ぶんではないかという意見の反面に、及ばないんではないかという意見もあるというのはいかがでございましょう、逆に聞きますが。
○国務大臣(中曽根康弘君) この辺は、人間生理学とか心理学の学者の話を聞かないと、私らも確信したことは言えません。
○松岡克由君 一般的でいいです。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただ一般的に言ってみて、人間というのは非常に順応性が多いものですから、チョウチョウでも木の葉に似せて色ができてくる、これは神さまがそういうふうにつくっているんですね。だから人間も同じように、そういう環境の中でつくっていくと、羽の色まで変わるんですから、人間の思考というものも、それに順応するぐらいには変わってくるんじゃないかという気がいたします。
○松岡克由君 それはけっこうでしょう。ただ問題は、さっき例にとりました雨が何ミリということは、われわれ、ミリというのが出てきたのであって、それにかわるものがなかったから当然頭にすなおに入ったのであって、かわるものがあったら、なかなか入らなかったんだということも私は言えると思うのです。だからそのたとえというのはあまり当たらないと思う。 昭和二十六年にこの法律が審議されたときの会議録をちょっと私、調べてみたんですね。そうすると、政府委員ではないですけれども、参考人の意見に、こんなことを言っているんです。私は暴論と言ってもいいんじゃないかと思うのですがね、早稲田大学の内藤多仲という教授が、メートル法の支持者です、支持はそれでいいです。こう言っているんです。つまり、日本の国字を廃してローマ字にせよと、こう言っているんですね。「我々はもう日本の国字さえも廃止して、いっそローマ字にしたらいいというくらいになっておる。ローマ字ならば必ず人の名前を間違いなく読める、」なんて言って、このメートル法の発想がこういうところからも生まれてきている。一つをもりてすべてを言ってはいけませんですけれども、日本の字を全部ローマ字にしたほうがわかりやすいというのです。さっきいみじくも言った大臣の合理的ということも、合理的といってくると、こうまでなってくる。たとえばローマ字でTAISHOと書いたとしますね。これ意味わからぬでしょう、いろいろな意味があるでしょう、わかるといったって。大正何年、大将中曽根、大臣と僕との対照的な意見、または大笑いした呵呵大笑、ジャイアンツは大勝した、キャラバンの隊商が行く、幾らもあるわけです、こんなものは。非常にこういう発想ですね。私はこの根底に、二十六年というと、よく言う進駐軍はなやかなりしころですから、私は何かそこに追従したお先ばしったような意見が多分にあったのではないか、これが出てきたときに。それを非常に想像してしまうんですがね。そんなところからも発想して、一生懸命守っていらっしゃる気持ちはわかるけれども、どうしても守りきれない、逆に進みきれないような部分が、たいへんにこだわるようですけど、あるのではないかという気がするが、こういった意見に対する、なるほどという意見は、どうです。これは松岡さんの行き過ぎだと言い切れますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は思いません。いまのローマ字という考えについては、私は反対であります。やはり国語、国字論者のほうで、その一国の文化というものは、文化的遺産を通して脈々として流れていくのであって、そういうものはできるだけ維持しよう、だから、谷崎さんのあの大阪弁が非常に尊重されて、「細雪」やなんかが非常に読まれたと、それは日本人にそういうりっぱな精神があるからで、それは非常に貴重であると、私はそう思っております。ただ、生活の一つの道具といいますか、基準と申しますか、そういうようなものに関するものについては、ある程度国際的に順応したほうがいいのではないかと、そういう気がいたします。
○松岡克由君 順応したほうがいいが、できない現実をどうするか、できない場合の現実が間違っているということは言い切れないと思います。やはりその根強いもの、いま言うとおり根強いのは、郷愁ばかりでなく、三段階の思考プロセスということは非常に困難であるし、苦痛である。それを重さでもって換算していくのも一つの逃げかもしれません。それをするためのいい方法だと思うけれども、何かそこにやはり最後まで処理できない部分があるんだろうという発想から私は質問しているのです。 次に現計量法に罰則規定がありますけれども、年間の違反事件というのはどのくらいか、非常に事務的でけっこうですから、答えてください。違反内容もついでにつけ加えてください。
○説明員(森口八郎君) 最近における計量法違反事件の内容についてわかっている限り申し上げます。 昭和四十三年に計量法違反で対象になりましたものは七十三件、四十五年には四十八件、四十七年は五十三件であります。このうち起訴をされましたものは、四十三年は七十三件に対しまして十二件、四十五年は四十八件に対しまして十一件、四十七年は五十三件に対しまして五件が起訴をされております。その違反の内容は、つまびらかにいたしませんけれども、法第十条違反、先ほど申し上げました、メートル法以外の単位を使用した者が大宗を占めておるというように承知いたしております。
○松岡克由君 これは具体的にどういうことかと私いろいろ聞いてみましたら、テキヤなんかが俗に露店だとか、路上で尺のものを売っているんですね。こういうのが取り締まりのまあいまいう具体的な例なんですね。そうすると、あまりない、違反というのは。これは一坪だとか一升ということを使うとこれが違反になるというのはずいぶんふえたでしょうけれども、そうでない限りない。まあないということは言いませんが、非常に少ない。どうなんでしょう、テキヤの取り締まりぐらいで私はこういう罰則をつくるというのは、何か法の趣旨に反しているような気もするんですが、こういう意見はどう受けとめますか。
○説明員(森口八郎君) おっしゃいますとおり、この起訴をされましたものは、先生御指摘のような件数がほとんどであるというように承知をいたしております。一般のケースでメートル法違反で摘発されておるものは非常に件数が少ないというように承知をいたしておりますが、これはひとえにやはり日本人の順法精神のしからしめるところであるというように考えておりますし、私どもといたしましては、やはりメートル法の施行ということについて大方の支持を受けておるので、一般的には違反件数は少ないというように考えております。
○松岡克由君 そう解釈するのかな。まあちょっと……。この法律が国際交流という立場で、尺貫法と一緒に並んで用いられるということは混乱すると、そういうことですわね。でも、人間というのはそうでないんです。最終的な意見は、非常に人間的なことから発想していますんで、人間は人間に戻りますがね。人間というのはその場その場でもって選んでくる。ゴルフがそうですね。私あまりやりませんが、飛ばすときは何ヤードといって、寄せというんですか、グリーンへ上がると今度はメートルになってくるんですね。そういうことですね。やっぱしそういうふうに平気でよっていくからだいじょうぶなのではないか。たとえば、総理府にきていただいておりますけれども、元号というのがありますね、明治、大正、昭和とかいう。あれはどうなんですか、法的な根拠があるのですか。
○説明員(遠藤丞君) 戦後の憲法の改正に伴います皇室典範の全面改正によりまして、法的な根拠を失なって、慣習的なものというような形で現在は存続しておるというふうに考えております。
○松岡克由君 総理府は、大体その一言ぐらいですから、まあけっこうだと思います。 法的根拠があるならともかく、いま別にない。ないものを使うことはないじゃないかという意見も当然出てくる。確かに一九七四年、昭和四十九年、ずいぶんわずらわしいと思います。しかし、これは政府の文書とか、または貨幣なんかにもたしか入っております。わずらわしくないんですね。これはやっぱりあるほうが便利なんですね。生活上楽なんです。私も田中総理と同じ大正生まれでなんというほうが、千九百何十何年とか、千八百何十何年というよりも非常に楽なんですね。私は、計量法の運用というものも、そういうものに即して運用されるべきで、私はどれだけ大衆が望んだか——大衆は望んでおらぬのです。最終的に国民投票にかけたら、私はいい勝負だと思いますよ。どうするかという国民投票にかけましたら、これおもしろいと思いますよ。そんなことは法律的にいまの政治で無理かもしれませんが、私はおもしろい結果が出ると思います。何か上役人の一片の通達で私は要求すべきものでなかったんじゃないかと思うし、どうですか、罰則規定なんというのはこの際取り除くということは。いかがですか。
○説明員(森口八郎君) 先ほどから再々申し上げておりますように、罰則の適用を受けますものは取引上または証明上の場合に限られておるわけでございます。したがいまして、先ほど先生がおっしゃいましたゴルフ場で何ヤード云々というのは、これはまた取引または証明の問題でありませんので、これは全然自由な領域として残されておるわけでございまして、法をもって強制しておりますのは、取引上または証明上の計量に限られておるわけでございます。もちろん罰をもって強制するということは、まあ事は立法政策の問題でございますけれども、確かに罰をもって強制せずに、一般的な指導でできればこれが一番最上の方法であるというように感ずるわけでございますけれども、やはり一応最終的には罰をもって担保をするほうが、実際上その法の施行の完全性を期することができるというようなたてまえから、一般的には法律は罰をもって担保をするような形をとっておるわけでございます。精神といたしまして、この罰則を振りかざしてメートル法の使用を強制するというよりは、おっしゃるような指導というような面を重視してだんだんそういうふうにしていくということが望ましいことは申すまでもないところであります。
○松岡克由君 だって、そんなにそういったものが指導や何かで済むものだったら、私は罰則規定なんか要らぬと思うんですがね。そういった罰則なんかないほうがいいんでしょう。なるたけなくて済むものならないほうがいいんでしょう、と私は思いますよ。それがなくて済みそうな状態になっているんだから、私はそんなもの取り除いちゃったほうがいいような気がします。また、それをぜひお願いしたいんですがね。それじゃ相撲や何かでよく、たとえば五尺八寸、三十五貫というのは、これはテレビやラジオで言っておりませんが、これは言うとどうなんですか。かまわぬですか。NHKなんかの場合。
○説明員(森口八郎君) これは取引または証明の問題ではないから、法律には触れないと思いますけれども、私どもとしては、できれば全体的な形から、そういうような場合にはメートル法を用いていただきたいというような感じでございます。
○松岡克由君 そうですか。いまここに新聞広告であるんですけれども、やっぱり坪、五百坪とか、坪十万円なんという表示をした広告を出して、下に書いてありますけれどもね。中には全く書いてないのが——これは写してきたんですけれども、書いてないのがあるわけですね。ということは、やはり現在におけるひとつの自分の商売、金もうけということは、生活がかかってきますと、それがだんだんやってないんですな。この辺が私はどうもたいへんこう——何度も繰り返して同じことになってしまうんですけれども、この大衆の持つ知恵、生活に対する知恵というのをやはり大事に大事にしていかないと、結局はこのまんま何の進展もしない。最後には使ってはいかぬと、もっと強いことをやって、また混乱をするというような感じになってくるような気がするので、その辺のバランスをひとつ政府サイドまたはそういった役所サイドではひとつ十分に頭に入れてほしいと、こう思います。 まあ私の言いたいことは、いま言うとおり、メートル法というのは非常に便利である。長さをはかったりするのは便利である。しかし、これがやっぱり、いま言うとおり、三次元になってくるとできない。または生活というものを基盤に考えていくと——法律を先行して、こうしたほうが便利だということを先行して、どんどんどんどん世の中をやっていくのはいい。やっていくのならば、私は新幹線に対する反対も起きなければ何も起きないと思う。だが、現実に起きているという事実。しかし、それは進んでいかなければならない文化の宿命であるかもしれない。新幹線のほうは文化の宿命であるかもしれないが、少なくとも、人間の呼ぶ呼び名、または伝統、そういった内面的なものをそう簡単に破壊していくと、たいへんに文化の逆に荒廃が出てくる。私は文化というものをひとつそういった一つ独善、独断から発想させるべきではないということで、私はいま言うとおり、この罰則規制、現実にそういったものがなくて済むならばないほうがいいし、また別にどうということも起きていないんだから、やめたほうがいいんじゃないかということと、それから私は、いま言う、俗に言う尺貫法の使用というものをもっともっとおおらかな気持で、自然になくなっていくものならばこれはけっこうだが、消滅するものはしようがないんだけれども、現にこういった人たちがいる。それは第十条に触れてなければいいと、おおらかな意見を言っておりますが、でも、もう一辺向こうの意見も、現在の生活というものも頭の中に入れながらどうぞひとつこれを進めてほしいと、これが今回の質問の趣旨なんです。どうぞひとつ文化の向上けっこう、または経済の発展そのとおりでございます。まして後者の経済の発展にとっては、たいへんなこのメートル法また尺貫法というのは弊害になる部分がある。弊害になるのは自然に人間が切り捨てます。やっている当人が切り捨てていけるもんなんです。どうぞその文化というものにまであまり介入せぬで、ひとつ庶民たちにまかせるという意見を一言局長と大臣に伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 松岡議員の御質問の御趣旨はよく了解をいたしました。確かに民族の伝統とか文化というものには法律や何かで容喙すべからざる領域もあると思います。御趣旨を尊重いたしまして行政に反映するようにいたします。
○説明員(森口八郎君) 御趣旨を尊重して行政の上に反映していきたいと思います。
○田代富士男君 午前中も質疑がなされたと思いますが、最初に通産大臣にお尋ねをしたいと思います。 昭和二十二年に成立いたしました独禁法が、その後改悪に次ぐ改悪で、大骨小骨が抜かれまして、いまではほとんどその効力を失っている状態であります。失っているどころか、不当行為の隠れみのとして悪用されている面が多々指摘されております。昭和二十四年の改悪で、合併や株式所有などの制限緩和がはかられ、そして昭和二十七年には、公取によります繊維産業界の四割操業短縮の認可、たとえば例外的カルテル、不況カルテルですが、を公認する立法によりまして、立て続けに独禁法を骨抜きにしてきた。また、昭和二十八年に入りまして、不当な事業能力の格差を禁ずる規定、すなわち巨大企業の分割を認め、独占や寡占を排除することをきめた条例を削除いたしまして、大骨を抜いてしまった。これで実質的に独禁法は形骸化されてしまった。そして昭和四十四年には、論議を巻き起こしました八幡、富士両製鉄の超大型合併会社の出現によりまして、現行独禁法の欠陥がいみじくも露呈されたのであります。それが昨年来の石油危機に便乗したやみカルテルの横行となりまして、狂乱物価を引き起こし、その原因になってきたということも指摘されております。 まあそういうことから、独禁法の改正というものは、これは必要欠くべからざる問題ではないかと思います。その立場から、現在独禁法研究会の中間報告がされております。またきょうは、公取委員長がいまの時間はおそらく記者会見をされていらっしゃると思いますが、このことも触れられているかと思いますが、現在公正取引委員会で改正案がつくられております。これは先日の一部の新聞にも改正の骨子が載っておりましたけれども、この中間報告に対しまして最初に中曽根通産大臣からどのようにお考えになっていらっしゃるのかお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点につきましては、けさも御答弁申し上げ、きのうも衆議院でも御答弁申し上げたのでございますが、ここ十数年来の日本経済の大型化、国際環境の変化及び国民消費者レベルにおける意識の変化、そのほか諸般の情勢等を考えてみますと、この段階において独禁法の再検討を行なうということはきわめて有意義であると考えますと、しかしながら、まだ独禁当局から成案というようなものが表明されておりませんし、事務的にも、通産省の事務当局に改正の意図、改正のポイント等々について事務的連絡もまだございません。新聞紙上や国会の答弁で私も拝聴しておるわけであります。したがって、委員各位から御質問があればお答えを申し上げますけれども、事務的にはそういう根拠なくしてお答えをしておると、委員長の答弁を国会で聞いたり、あるいは新聞紙上で拝見してやっておるので、正式にまだ委員長からわれわれのほうに、こういう改正をしたいという意思表示はまだ正式にはないわけであります。まあそういう段階である上に、われわれ自体も、これはたいへん大事な問題であるので、省をあげていま検討させ、わが自由民主党におきましても、調査団を外国に派遣し、いろいろ基礎調査もやっております。そういう段階でありますから、私としては意見を表明することはこの際は慎重にせざるを得ませんし、答弁につきましては差し控えさしていただくようにお願いをいたしますと、そういうふうに申し上げてきたところでございます。
○田代富士男君 通産大臣の慎重な態度をとっていらっしゃるということは、理解しないわけではございません。しかし、一、二漏れ承りますれば、これは正式御発言については慎重に対処するとおっしゃるのは当然じゃないかと思いますが、個人的意見といたしまして、たとえば価格引き下げ命令権等については反対であるというような、個人的な御意見かと思いますけれども、こういう発言をされていらっしゃることを私もお聞きしておりますけれども、これに対するお考えはいかがでございましょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) きのう衆議院の商工委員会でお答え申し上げましたのは、価格引き下げ命令という特定の対象を対象にして話した話でなくして、一般論としまして私のフィーリングを申し上げますと、これはいずれ正式に改正案その他が出てきてからわれわれも省の審議を経てお答え申し上げることですが、ただいまの私の個人的感触を申し上げますならば、独禁当局は拘束とかあるいは自由競争の制限とかそういうような、詰まってきたものがあった場合に、これを破壊する能力を持つ、爆破力、そういう方面で働かれるほうがより適当ではあるまいかと、形成力ということをおやりになるというと、われわれがかつて行政指導価格の決定、そういういろいろな面においてたいへん苦労をしまして、それでバルクラインというようなものを設けにゃならぬし、いつの価格基準にするか、その後変動があった場合にどうなるか、あるいはそれによって思惑が発生して、ある一定の時期の値段に指示された場合には品物は表へ出なくなるとか、買い占めが行なわれるとか、つまりそういうさまざまな現象が生きた経済には起きてくると、そういうことを考えますと、やはりそういう行政措置というようなことはほかの官庁がやるほうがいいので、むしろ公正取引委員会としては、第三条機関としての、準司法的なということばを使いましたが、そういうような第三条機関的な、政府に特立した審判を行なうと、そういうような感覚の行政に力を入れるほうがいいんではないかと、で、カルテルができてきた場合には、何回も何回も爆破して、価格の形成はやはり市場機能によって自発的につくられるほうが、より安定的であり、安全でありますと思いますということを申し上げたのであります。
○田代富士男君 いま、大臣がいろいろな個人的なお立場でお述べになったと思いますけれども、まあ正式な発言は差し控えなくちゃならないとおっしゃいますが、私は、この価格引き下げ命令権につきましては、大臣の意見にはちょっと賛成するわけにはいかないと思うんです。で、私なりの意見を、いまの大臣のお述べになったことに対しましても私は反発をするかと思いますけれども、大臣の意見に対しまして私の考えを二、三申し上げたいと思います。 まず第一番目には、いま大臣申されました価格介入等は公取の立場としてはやるべきでないと、これはそういうことをやれば自由競争の制限ということについて云々と申されましたが、統制行為だという、まあこういうことですけれども、私は形は似ているかもしれないけれども、公取の現在価格引き下げ命令権を出そうとしているこれは本質的に違うんではないと思うんです。たとえばやみカルテルを破棄する、そうすれば競争は回復するのだから、価格が引き下がらないのはほかの原因である、これは通産省の言い分だと思うんです。他の要因がある、コストアップ要因があると、こういうような言い方ですけれども、やみカルテルをやって、公取から破棄の勧告を受けてすぐに価格が下がるというものではないと思うのです。すぐに価格競争はあらわれるものではないと思うんです、まず。そうすれば、破棄勧告を受けて当然下がるべきところまでの間には時間的な差というものがあると思うのです。その時間差を埋めるために競争、秩序の回復という面で当然引き下げが考えられるのであって、これは私は統制行為というような、統制というのとは違うんではないかと思う点が第一でございます。 第二の問題は、違法に価格がつり上げられた違法行為が発覚をしたので、違法行為前に引き戻す、これが価格介入になるのか。一つの事件として見た場合に、もとの状態に引き下げる、すなわちカルテルなかりせばあるべき価格へ引き戻すのは当然のことではないかと思うんです。この考え方が第二点です。 第三点は、独禁法の究極の目的は何かです。これは私は言うまでもなく消費者利益の確保がうたわれておりますが、価格引き下げを行なわなければ消費者利益が確保されないではないかと、これが第三点でございます。 第四点は、いろいろ新聞紙上でもいわれておりますが、実施上むずかしい面があるというようなこともいわれておりますが、それはこの制度を導入するかしないとかとは別問題じゃないかと思うんです。だから実施するときまるならば、具体性は整えられるはずじゃないかと思うのです。この点が第四点。 第五点は、損害を請求すればいいといっても、すべて損害賠償ができないのが現実の姿であります。これは後ほどもまた私は質問いたしますが、概略いたしますと、ほかにもいろいろありますが、私なりの意見をもって申し上げるならば、価格引き下げ命令権は当然必要ではないかと思うんですが、大臣、この五つ、一応のことを申し上げましたけれども、これに対するお考えはどうでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) けさほども申し上げましたが、独禁当局からわれわれのほうに正式に改正のポイントや改正の意図等の表明もなく、いまわれわれ自体が検討中のところでありますので一般論を申し述べますが、各論に入って一つ一つ評価するということは、まだ仮想でありまして、差し控えさせていただきますとけさも御答弁申し上げて、御了解を得たのでございます。どうぞそのようにお願いをいたします。
○田代富士男君 これじゃあ、私も少しぐらいは大臣からお聞かせ願えるんじゃないかと思って期待をしていたんですけれども、だめなんでしょうか、大臣。個人的御意見はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 衆議院におきましても、けさ方来参議院におきましても同じ態度をもって一貫しておりますので、御了承をお願いいたしたいと思います。
○田代富士男君 じゃあ、その問題答えられないとおっしゃるならば、これ質問してもこれ以上は進みません。 次の質問に移りますが、課徴金の問題でありますが、やみカルテル行為の累犯事件が相次いでおりますけれども、不正取得額についてこれを徴収するのは当然じゃないかと思うんですが、これに対しましてはどうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) たいへん恐縮でありますが、先ほど来、各論につきまして一つ一つのアイテムについては私の評価は申し上げられない、御了承をお願いいたしますと、こう申し上げてるとおりであります。
○田代富士男君 これじゃねえ、聞きたくてもそれ一点ばりでやられたら大臣、これはどうにもしようがないですね。 じゃあ、この各論は答えられないとおっしゃるならば、これ聞きます。いま通産省で御検討なさってるかと思いますが、企業から物資需給の見通しを出させるとか、また設備投資の規模あるいは順位をきめると、また政府が増産命令や値下げ命令を出させるというような内容を織り込みました、まあ通産省では仮称基礎物資需給調整法というようにおつけになろうとしてらっしゃるかどうか、これは仮称でございます、こういう法案。また、産業調整、海外立地調整を行なう、まあこの場合の企業の共同行為を独禁法の適用除外とすると、こういう内容を織り込みました、これも仮称ですが産業構造転換促進法。こういうような法案を通産省で出そうといま鋭意検討してるということを申されましたけれども、大臣、これは、この法案を作成中と聞きますけれども、この法案の目的及び効果等についてお尋ねしたいと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(小松勇五郎君) 毎年六月、七月、八月ぐらいにかけまして各官庁でその次の年度に実施すべき新政策というのを検討するわけでございまして、ただいま先生の御指摘になりましたようなもろもろの考え方も新政策を研究の段階で出てきておることは事実でございます。で、産業構造転換促進だとか、基礎物資の需給安定だとかいうことはもちろん必要なのでございますが、これがはたして法律を要する内容になるのかならないのかということを含めまして現在検討しておる最中でございまして、別にまだはっきりした結論があるわけではございません。
○田代富士男君 いま検討の段階中ということですが、これがいま独禁法も検討されておりますけれども、その独禁法を骨抜きにされて今日までの弊害が及んできておりますが、独禁法の改正の前にこのような法案を出して通産省はそれと戦っていこうというような考え方を持ってらっしゃるんじゃないかという、一部のそういう声を聞いたんですけれども、通産大臣、そういうお考えはあるんですか、この法案、かみ合いまして。
○国務大臣(中曽根康弘君) 独禁法というものに対して身がまえてそういう法律をつくろうなんという意図は毛頭ございません。海外の問題、あるいは国内の問題について、いま小松政策局長から御答弁申し上げましたが、これはいつも政策立案を年じゅうやっておるのが官庁の性格で、まだ、それが目鼻だちが整って省の議として出てくるという段階にはきておりません。私、いま初めてお聞きして、そういう法律が出るということを私はそういうことを知らないと、したがって局長に答えさしたわけであります。最終的には私がどうするかということを決断を下しますが、ただ、いま考えておりますのは、やはり海外における企業のビヘービアについていろいろやはり調査ができるような、そういう意味のことは考えていいと思っておるんです。海外において日本の企業に対する批判が非常にやかましいおりから、ある程度自主的にいま経済団体でおやりになっておりますけれども、その実情をわれわれがあまり把握し切れない、そういう意味においてこの実情を調査し、報告を得るとか、そういうようなことはやっていいんではないか、そう考えております。
○田代富士男君 次に公取にお尋ねしたいと思いますが、再販によりまして、二十四条の二によりまして八月中に相当整理されているようでありますけれども、改正上はどう扱われるのか、たとえば歯みがき、洗剤などもまた指定するということがあるのか、はっきりこの点はすべきだと思いますが、どう取り扱うつもりか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(野上正人君) ちょっと私の所管でございませんので、その点お答えいたしかねますが、そういう考え方はないと思ってはおりますけれども……。
○田代富士男君 これは、きょうはいきなり私が質問しているんじゃないんです。きのうちゃんとこのことは質問いたしますよということを、事前に私は通告をしておりますが、私の所管と違いますということ、ちょっとはっきりしてください、通告しているんですから。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) それじゃ速記を起こして。
○田代富士男君 これはけさ方も質問されたかと思いますが、不況カルテルの認可の厳格さにつきましては公取委員長が再三触れておられますけれども、今後どのように対処されていかれるのか。また、景気が現在下降傾向にあるわけですから、従来のパターンでは申請が相次いで出るかもしれないけれども、どのように対処されるのか。独禁法の改正もいま検討されておりますけれども、この上から、この観点に立ってどのように対処されるのか、お尋ねいたします。これは、だいじょうぶですか。
○説明員(野上正人君) 不況カルテルの規定につきましては現在法改正ということを考えておりません。それから現在不況カルテルについての申請はまだ参っておりません。かりにそういう申請があった場合は認可要件に照らしまして厳重に審査していきたい、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 じゃ今回の独禁法の改正の中にもこのことは検討されないんですか。そこらあたり明確にしてください。
○説明員(野上正人君) 現在のところ法改正ということは考えていないと思います。
○田代富士男君 次に企業の合併の問題でございます。十五条でございますが、合併につきましては改正上どのようにお考えになっていらっしゃるのか。特に合併制限基準といたしまして、現行法の十五条の中にあります競争の実質的制限の蓋然性、それを競争の実質的制限の可能性に改めるべきじゃないかと、この蓋然性につきましては八幡製鉄と富士製鉄が合併するおりにもいろいろ問題がありましたが、これを可能性に改めるべきじゃないか、この蓋然性と可能性を明確にすべきじゃないかと思うんですが、この点どうでしょうか。
○説明員(野上正人君) 法律の用語といたしましては「競争を実質的に制限することとなる場合」という表現をとっております。これを蓋然性と読むのか可能性と読むのかの問題になるんではないかと考えております。それで今後合併につきましては現在のところ私自身の知っている範囲では法改正は考えていないと思います。
○田代富士男君 だから、私の聞いているのは、この蓋然性と可能性というそこを明確にしてもらいたいと言っておりますから、その点ちょっとお願いします。
○説明員(野上正人君) 「競争を実質的に制限することとなる場合」と、これが可能性——「することとなる」ということは当然可能性があるということになるのではないかと私自身考えております。
○田代富士男君 私自身の考えでなくして公取の考えをお願いします。
○説明員(野上正人君) 現在におきましても合併につきましてはきびしい基準でこれを審査しておりますから、従来のように蓋然性で合併を認めるというようなことはあり得ないと思います。
○田代富士男君 じゃこれはもうこれ以上質問することは一応やめておきましょう。 今回の法改正をいま検討していらっしゃいますが、寡占価格については許可制にすべきであると思うんですが、この点に対しましては私の意見というんじゃなくして公取の立場としてお答え願います。私はこうと思うというんじゃなくして、公取の立場としてお願いいたします。
○説明員(野上正人君) 結局許可制ということ自体が、価格につきまして、これは不況カルテルの場合におきましては価格については認可制をとっておりますが、個々の価格自体について公取が許可制にするということは公取からの独占禁止法上なじまないのではないかと考えておるのでありまして、これは検討の余地があると思います。
○田代富士男君 まだお見えになりませんでしょうか、どうでしょうか。——じゃ、まだお見えにならないそうですから、この問題もこの程度で一応公取の御意見としてお聞きしておきます。 制裁措置の強化についてでありますが、「私的独占又は不当な取引制限」を行なった者に対しまして現行法では「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」と、このようになっておりますが、これを強化するという立場で、懲役は十年以下または罰金五百万円以下に改めるべきではなかろうかと、また再販価格維持行為の無届けにつきましては現行の「二十万円以下の罰金」を三年以下の懲役または百万円以下の罰金に改めるべきではないかという、これは一つの提言でございますけれども、これに対してはいかがでございましょうか。
○説明員(野上正人君) 罰則の強化につきましては、現在改正問題と同時に検討しております。それで、それがどの程度のものになるかということについてはまだ結論が出ておりません。
○田代富士男君 じゃ今度は私があらためて、結論が出ておりませんけれども、部長さんの今度は個人的な御意見はどうですか。私が今度は個人的御意見として聞きますが、どうでしょうか。
○説明員(野上正人君) 罰則につきましては、独禁法自体の問題もさることながら、あらゆる経済法、全体の上から、その他の刑法の罰則との均衡があると思います。それで直ちに、現在それがどの程度がいいかということをいま言われましても、私ちょっと答弁いたしかねますが……。
○田代富士男君 強化する方向についてのお考えはどうですか。
○説明員(野上正人君) 強化する方向は現在考えております。
○田代富士男君 じゃ、その度合いについては、私がいま申し上げたこのくらいでまあ妥当であるか、そこらのあたりの考えは、全然それはいま言えませんじゃなくて、どうですかそれは。一応の対比を出しておりますか。
○説明員(野上正人君) 現在直ちに私がいまこの段階で御答弁するだけの何も持っておりません。
○田代富士男君 じゃ再販、二十四条の二についてちょっとお尋ねいたしますが、八月中に相当整理をされたようでありますけれども、いま独禁法改正を検討していらっしゃいますが、改正上どう扱われるのか。たとえば歯みがきそれから洗剤、こういうものをまた再び指定するということがあるのかないのか、この点をはっきりお願いをしたいと思います。
○説明員(渡辺豊樹君) お答えいたします。 再販の問題につきましては、いま私どもが検討しております独禁法の改正の項目の中には現段階では入っておりません。これはすでに委員長も国会において答弁しておりますが、再販の問題は九月一日で解除されたということもございますし、しばらく事態の推移を見る、慎重に考えていきたいというふうな現在は考え方でございます。
○田代富士男君 じゃ、いま申しました歯みがき、洗剤等を、再びこれを指定するということはあるかないか。まあ検討中だとおっしゃいますけれども、その点はどうですか、たとえて言っておりますけれども。それも検討中ですか。
○説明員(渡辺豊樹君) 個別の商品の問題について、現在まだ九月一日に解除された段階で、日もまだあまりたっておりませんので、公取としての考え方をまだ申し上げる段階ではないかと思います。
○田代富士男君 じゃ次に、消費者の小さな権利を守るという立場からクラスアクションを導入するという論議がいま起きておりますけれども、これは独禁法とも関係するところでありますけれども、これに対して、公取としてどのようにお考えであるのか。消費者行政の充実というような立場からもこれはまた通産省とも関係がありますし、通産省といたしまして、このクラスアクションに対しましてどのようなお考えを持っていらっしゃるのか。公取と通産省との両方から、まず最初に公取からお聞きし、そのあと通産省からお願いいたします。
○説明員(渡辺豊樹君) クラスアクションの制度は、先生御存じのようにアメリカで行なわれている制度でございます。ただ、わが国では現在ない制度でございまして、これは訴訟制度全般にわたる問題でございます。したがいまして公正取引委員会だけで結論が出せる問題ではございません。また、アメリカで行なわれている制度でございますが、たとえばアメリカでも、クラスアクションの訴えを起こしまして原告側が負けたという例もございますが、そういう場合に費用負担の問題をどうするか等いろいろむずかしい問題もございまして、なお勉強は続けたいと思いますが、公取だけで勉強する以上の大きい問題だと考えております。
○説明員(小松勇五郎君) この問題につきましては、現在経済企画庁が主管しております国民生活審議会におきまして消費者保護部会というのがその中にあるわけでございますが、その部会におきまして消費者救済特別研究委員会というのが設置されております。そこでこの問題も審議をされておるというふうに伺っております。で、この委員会で、クラスアクションを含めまして、消費者保護の法手続的な側面につきましても検討が進められておるわけでございますので、通産省といたしましても、この結論が出るのを待ちまして何らかの方法を考えたいというふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 じゃ、次の質問に移ります。 現在総需要抑制政策がとられておりますけれども、建築土木関係の伸びとともに骨材の需給は当然今後とも増大していくことが予想されるんじゃないかと思います。そういう意味から、通産省といたしまして骨材の政策はどのようにお持ちであるかということをお尋ねしたい。特に、骨材資源をいかに確保していくか、また有効利用をどのようにはかっていくかということは大きな問題点じゃないかと思います。また、骨材を安定的に供給するためにどのような対策で臨まれるのか、まず最初にこの点からお尋ねしたいと思います。
○説明員(橋本利一君) 骨材の四十八年度における需要は約八億トンになっております。このうちコンクリート用には六七%、道路道床用等には残りの三三%、かような数字になっております。ただいま先生御指摘になりましたように、骨材需要というのは逐年増加していく性向にございまして、五十五年度時点におきましては約十二億トン程度になるのではなかろうかと推定いたしておるわけでございます。 こういう需要に対しまして一方供給サイドから申し上げますと、従来は河川砂利が骨材供給の主力をなしておったわけでございますが、今後の傾向といたしましてその供給は減っていく、せいぜい年間ベースで一億トン程度ではなかろうかと考えておるわけでございます。さような事情から、今後、骨材需要が増大していくのに対しまして新しい供給ソースを開発していく必要がある、かような考えに立っておるわけでございます。 まず一つには粗骨材でございますが、これにつきましては、今後は採石に重点を移していくべきでないか、かような考え方から資源の賦存状況を調査するとあわせまして大規模拠点開発の促進につとめておるというのが現状でございます。 次に、細骨材につきましては、今後は海底砂利に依存度を高めていくということになろうかと思いますので、この面における資源調査を実施いたしておる、かような状況でございますので、計画的にただいま申し上げましたような事業を推進していくことによりまして増大する需要に対して安定的な円滑な供給を確保したいと考えております。
○田代富士男君 骨材は、これを採取する段階から一般消費者の段階まで移る流通過程におきましていろいろな公害、たとえばダンプの公害だとか濁水の問題だとか粉じんの問題だとかいろいろあります。また災害、これは御承知のとおり土砂のくずれ、自然の破壊等、こういうことを引き起こす可能性を含んでおりますけれども、このような流通段階における公害や災害の現状をどのように考え、防止策を考えていらっしゃるかお尋ねをいたします。
○説明員(橋本利一君) ただいま御指摘ございましたように、骨材の生産あるいはこれを輸送する過程におきましていろんな自然環境の破壊あるいは公害等を発生するおそれがございます。こういった災害なり公害を未然に防止するという観点から砂利採取法と採石法によりまして規制を行なっております。その中身は、まず第一に、事業者の登録制度を実施いたしておりまして、これを人的側面からまずチェックする。たとえば関係諸法令にかつて違反したことがあるかどうかといったような面からのチェックをいたしております。 それから第二には、砂利等の採取所ごとに採取計画を提出させましてこれを認可いたします。で未然に災害防止をはかるということでございますが、河川につきましては河川管理者その他の者については都道府県知事がこの計画の認可の決定権を持っておるわけでございます。 それから第三には、災害等の発生のおそれがある場合あるいは現に災害が発生いたしておる場合に、都道府県知事等が緊急措置命令を出すということをいたしております。たとえばため池の水が溢水しそうであるという場合には、それに対して補修工事をやる。状況によりましては事業を一時停止させる。かような観点に立ちまして災害防止につとめておるわけでございます。 〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 それから、ただいま御指摘になりましたダンプカーによる交通公害につきましては、いわゆるダンプ規制法が強化されましたので、この規制の方向に従いまして逐年改善されつつあるというのが現状でございます。 ただいま申し上げましたように骨材の安定供給をはかるという観点からいたしましても、諸法令によりまして自然環境あるいは社会環境との調和をはかっていくということとあわせまして大規模拠点開発あるいは骨材の流通センター、セメント二次製品加工団地等の建設によりまして新しい流通システムをあわせて積極的に推進していくと、かようなことによりまして極力事前に災害の防止につとめたい、かように考えております。
○田代富士男君 その骨材の一つであります砂利の採取ですけれども、これは砂利は山砂利と河川から取ります砂利とありますが、その河川から取ります砂、これは大体八分の一ぐらいじゃないと思いますが、それを採取しております淀川低水路整備事業協同組合という組合がありますが、この組合の概要を御説明願いたいと思います。
○説明員(橋本利一君) 御指摘の淀川低水路整備事業協同組合でございますが、これは淀川の河川敷におきまして砂利を採取する事業者が、砂利をとったあとのあと地を整備するための協同組合として設立したものでございます。四十三年の三月の二十六日に大阪の通産局に申請をいたしまして、同年の四月九日に認可されております。所在地は大阪府の枚方市でございまして、理事長は山本捨三氏、副理事長は奥村安太郎氏、常任理事は四名、理事十二名という構成になっております。それから、組合員の数と出資口数でございますが、発足当時は組合員は四十名、現在は四十五名。総出資口数は発足当時が二百口で一千万円、現在は八百八十口で四千四百万円となっております。
○田代富士男君 この淀川低水路整備事業協同組合で、川砂利の採取をやっておりますが、この採取をいたしましてから消費者に渡るまでの流通段階におきます価格が、概略でけっこうですが、わかっていたならば御説明を願いたいと思います。
○説明員(橋本利一君) 現在数字を持ち合わせておりませんので、後刻必要とあらば調べて御報告申し上げたいと思います。
○田代富士男君 数字の持ち合わせがないということでございますが、これもこの関係に対する質問はいたしますということを言っていたはずでございますが、お持ちでないとするならば、私の手元にある資料で申し上げなくてはならないと思いますが、これはまず淀川の河川で砂利を取ります。取れるのは砂と砂利と土じゃないかと思います。その砂を例にとりますと、一立米大阪府へ、河川法第三十二条によりまして四十円納められる。そして、この事業協同組合の作業下請をしているその下請業者に対する支払いが五百七十円。土場渡しの価格というのは、組合員への売り渡し値が千三百五十円ぐらいで渡されている。この千三百五十円と五百七十円の差額が組合の収入となっておりますが、この千三百五十円の土場渡しの価格が、組合員以外の非組合員等への売り渡し値が二千五百円から三千円、そして市場価格が四千円ぐらいになっている。こういうようなまことにこれは、まあ計算をいたしましても四十八年度だけでも十四億八千六百万円ほどの販売収入の会社になっているわけなんです。この会社は単独でこのような砂や砂利のこういう採取をやりているんでしょうか、どうでしょうか、そこらあたりのことをちょっと詳しくお聞かせ願いたい。
○説明員(橋本利一君) 組合主体が協同事業として砂利採取とあわせてあと地の整備をやっておると承知いたしております。
○田代富士男君 これは組合だけが砂利採取をやっているように通産省として承知していらっしゃるのですか。それ以外のものは参加していないんですか、そこを明確にしてください。
○説明員(橋本利一君) 事業自体は組合がやっているわけでございますが、河川砂利の採取につきましては先ほど申し上げましたように、河川の管理者がこれを監督しておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして建設省のほう、と申しますのは地方建設局かと思いますが、淀川の管理をやっておるという立場から、砂利採取の面から監督的な立場において指導しておられるかと考えております。
○田代富士男君 監督の面からそういう建設省が指導しているわけなんですね。それ以外のそういう作業をするに手助けをするような団体は入っておりませんか。建設省が監督をしているだけですか。
○説明員(橋本利一君) 建設省と申しますか、あるいは地方建設局が監督するにあたって、あるいは指導の立場から別途そういったことに対してコンサルタント的な、指導的な機関を使っておるということも聞いております。
○田代富士男君 ただ単に、きょうの質疑は、聞いておりますじゃなくして、ちゃんと前もって通告をしてあるわけなんです。建設省が、もう一回聞きますが、建設省に監督がされているだけであって、それ以外のものに対しては事業協同組合がやっているんですね。砂利採取にあたって事業組合だけでやっているわけなんですね。その点明確にしてください。
○説明員(橋本利一君) 事業そのもの自体は協同組合がやっておると思いますが、この事業を遂行するにあたりまして、協力関係、あるいは指導関係に立っておるものはあるかと思います。
○田代富士男君 それはどういう団体ですか。団体名を言ってください。
○説明員(橋本利一君) 近畿建設協会なるものが採取計画等につきまして、調査、設計を委託と申しますか、指導しておるということでございます。
○田代富士男君 その近畿建設協会なる団体はどういう団体ですか。内容を概略御説明願います。
○説明員(橋本利一君) この協会は私のほうの所管でございませんので、私は詳細存じ上げておりません。
○田代富士男君 局長ね、これ、端的に言っていただいたらよろしいですけれども、いまうしろからメモを渡されて、近畿建設協会ですよと。メモを渡されて言うようじゃ、何のために前もって通告していたわかりませんよ。近畿建設協会を、委託業務をやっているそういう会社はどういう会社であるかわからないと。どういう団体であるかわからないと。そういうあれじゃこれはたいへんですよ。もっと熱意を持ってこれやっていただきたいと思いますね。だからどういうことがここで——事業協同組合を通産省が指導する立場ですけれども、ここでどういうことが行なわれているか。いまから私は——所管が違うとおっしゃいますから、所管は建設省でしょうから、建設省の代表の方に来てもらっておりますから、建設省のほうからるる聞きます。どういう実態がなされているかということを知った上で最後にまた質問をいたします。 だから、その近畿建設協会の問題ですけれども、この近畿建設協会が業務委託をやっていらっしゃるということですけれども、これは全国どこでもこういう形態でやっていらっしゃるんですか。どうでしょうか。
○説明員(増岡康治君) 淀川のような姿で、このような姿で、このような協同組合から、また近畿建設協会、そういう法人へそういうような、この形で委託されたものはほかのほうでは存じません。
○田代富士男君 これは、全国各地にこういう事業協同組合等はありますけれども、こういうように、近畿建設協会のような、こういう協会が委託業務を受けているのは近畿地方だけに限るわけなんですね。これは通産省にお尋ねしますが、これははっきり、全国、北海道から九州、沖繩に至りまして、こういう事業協同組合がありますが、こういう近畿建設協会なるものが委託業務をやっているようなところがありますか。
○説明員(橋本利一君) よその地域につきましては、現在時点で十分調査いたしておりませんが、まず近畿建設協会の実例しか私たちとしては承知いたしておりません。
○田代富士男君 そうしますと、通産省としても、近畿に限ってこういうような近畿建設協会、この近畿建設協会というのは、建設省の元官僚であった皆さん方、高級官僚がこの近畿建設協会なるものを設立していらっしゃる。この近畿建設協会がどうして近畿地方に限りこういう事業協同組合と業務委託契約をしなくてはならないのか。法的な根拠があるんでしょうか。
○説明員(増岡康治君) 先生のおっしゃるような意味におきましての法的根拠はございません。
○田代富士男君 じゃ、法的根拠がない。それならば、これは近畿建設協会以外のコンサルタントでもこれは契約できるわけなんですね。どうですか。
○説明員(増岡康治君) この砂利採取にあたりまして河川管理上条件がいろいろついております。これが全うできる能力のあるコンサルタントであれば先生のおっしゃるとおりでございます。
○田代富士男君 問題はそこなんです。だれでも——だれでもいうわけにはいきませんが、それだけの資格のある人であるならば当然業務委託契約を結ぶことができるかもわからないけれども、この近畿地方に限り、近畿建設協会と業務委託をしなければならないような仕組みになっている。これは私ちょっとおかしいじゃないかと、まあ第三者の立場から見て。じゃ、北海道それから九州までいま通産省としても詳しい調査はしておりませんけれども、そういうことはありませんと、こういうことであります。事実、北海道におきましては北海道開発協会、これは北海道におきます建設省の官僚でありました皆さんがおつくりになっていらっしゃいますOBの協会です。こういう協会が全国あるけれども、そのように砂利採取をやるところの事業協同組合等に対しましてはそういうような業務委託契約等はやってない。近畿だけでやっている。ここらあたりはちょっとおかしいじゃないかと思うんですが、この点はどうですか。
○説明員(増岡康治君) ちょうど、淀川は御承知のような大阪周辺の骨材——砂利の非常に需要の強いところにあるわけでございますし、また事実、対策工事を実施すれば売れるところでございます。そういうさなかにありまして、いま先生がおっしゃいましたように、この砂利の協同組合なるものが設置されまして計画的にこれを取っていこうということになったと思いますけれども、たまたま、近畿建設協会は先ほど先生おっしゃいますように、私どもの近畿地方建設局のOB団といいますか、そういうものが中心になって形成されておる公益法人でございますが、この中には淀川の工事事務所といいますか、淀川に非常に詳しい皆さん方——まあ相当お年の方が多いのでございますけれども、ずっと現場経験の豊富な方もおりますし、局のほうで行政指導に当たった方々もいろいろまじってこの協会におられるわけでございまして、そういうような淀川の状況に詳しい、しかもそれが行政的に、また技術的に詳しい人たちの集団でございますので、先ほど先生がおっしゃいましたような低水路整備事業協同組合等が土石採取をする場合の技術指導について委託契約を行なったものと思料しております。
○田代富士男君 問題は、そういう技術者であると、まあそういう点で、特に業務委託契約を結んでいるのだということですが、この事業協同組合の選択が、だれを選ぶかというその選択をする余地がなくして、近畿建設協会に委託をしなくてはならない仕組みになっている、現実には。そういうように、法的裏づけはないとおっしゃっても、法的裏づけよりも何よりも、その近畿建設協会なるものの力というものは余りある。想像以上の力でもってそういう契約をしなくてはならない仕組みになっている。これは河川管理者である建設省として、こういうことが北海道や九州ではなされてない、これが近畿だけ、こういうような、まあこういうことばはどうかと思いますけれども、特権ともいうべき、こういう立場で契約が結ばれているという点に対しましては検討する余地はないかと思うのです。これでよいとするのか、これは検討する余地があるという立場であるか、そこらあたりはどうでしょうか。
○説明員(増岡康治君) 協同組合と近畿建設協会との間におきます委託契約の実情につきましては、いま先生のおっしゃるとおりでございまして、やはりこれについては国は適正な契約でなければいけないと思っております。したがいまして、不備な点がございましたならば、私どもは十分指導をいたしまして、第三者から見てやはり公平な契約を結ばれるよう今後指導をしてまいりたいと思っております。
○田代富士男君 そこでひとつ具体的なことで御質問をしたいと思いますが、淀川低水路整備事業協同組合と近畿建設協会との業務委託契約がなされておりますけれども、これは四十三年から行なわれていると思いますが、年度ごとにどのような金額になっておるのか、その点お願いをいたします。
○説明員(増岡康治君) 先生おっしゃいました四十三年からの業務委託契約の金額でございますけれども、いま手元にございますのを申し上げますと、調査設計及び出来高管理、それに研修と、三つの項目になっているものを合わせて申し上げさせていただきます。 四十三年が四千三百二十六万円、四十四年が四千三百二十三万二千円、四十五年七千五十万円、四十六年度八千五百三万円、四十七年度九千六百五十万円、四十八年度一億二百万円、四十九年度一億九百四十万円になっております。
○田代富士男君 ちょっと数字の点で、私が持っております手元の数字と幾ぶん違いがありますが、大ワクは同じですが、合計いたしますと五億五千万円、これが業務委託契約をしております近畿建設協会が手数料として受けている額であります。私はこれはたいへんな金額じゃないかと思うのです。たとえば四十九年だけを見ましても約一億一千万円、これだけの手数料といえば語弊があるかもわかりませんが、業務委託契約料を受けております。これに対して、まあいろいろ数字的な面がありますけれども、私はこれはちょっと問題ではないかと思うのです。建設省の立場とすれば、協会がやっていることですからとおっしゃいますけれども、まあいろいろ技術指導もあるとおっしゃるけれども、この点については妥当な線であるか。少なくともこれだけの業務委託契約が五億五千万円にわたってなされているという、この点に対して妥当と見られるか。この点に対しては検討の余地はないのか。この点はどうでしょうか。
○説明員(増岡康治君) ただいま先生の御指摘がございましたとおりでございますと、これは私どもの建設省の立場におきましても十分これは調査しなければいけない。しかもそういう含みがございますと、やはり前向きにひとり適切な指導を行なうようなことを考えたいと思います。
○田代富士男君 これは私、いまも申し上げました北海道開発協会、これも近畿で言えば近畿建設協会になるでしょう。このようなOBの皆さん方がおつくりになっている協会です。ここの年間の事業収入は三億円です。この北海道開発協会の目的は福利厚生を目的としていらっしゃいます。このような砂利の採取等、こういうものに対しましては一切タッチしていらっしゃらない、そういう立場で事業収入が三億円、この業務委託契約だけで一億円以上の委託料が入ってくるという近畿建設協会のこの姿を見て、さすが大阪だなと、うまくやっているなと、こういうようなことをおっしゃっていらっしゃるお方がいらっしゃったと聞いておりますけれども、これはやはり正当な立場で業務委託契約がなされているというならばいざ知らず、ただ、その近畿建設協会でなければ業務委託契約ができないという、まして仕事の場所が国有地である、こういうところから考えまして、これだけの高額な手数料に対しては前向きにこの点については検討するとおっしゃっていらっしゃいますけれども、これは検討してもらいたい。また、四十三年のことに対して、四千三百万に対しての内訳をおっしゃいましたが、この内訳はあまりおっしゃらないほうがいいと思います。内訳になりますと、私はまたここで内訳について聞かなくちゃならない。「内訳がなっております」と、そういうことはおっしゃらないほうがいいと思います。だから、このあり方、まあ私はこれは一つのあれですけれども、委託者とそれから委託を受ける側というものは一応これは建物の場合でもそうですが、話し合いというものをするものです。しかし、今回のこの近畿建設協会と淀川低水路整備事業協同組合との間におきましては、これはどちらかと言えば、近畿建設協会の力関係というものが強い、そういう面で一方的にこういう話し合いでなくして業務委託契約料というものがきめられているというようなこともあるそうなんです。だから、前向きに検討するとおっしゃるならば、こういう点も公平に話し合いをつけるべきじゃないかと思いますけれども、一方的なきめ方に対してはよくないと思うのですが、この点はどうでございましょうか。
○説明員(増岡康治君) 先生のおっしゃるとおりでございます。こういうような委託契約というものは両者対等でございまして、お互いに話がつかなければいけないようなものが多い。この場合は委託契約というものはそういうものでございまして、お互いの立場立場で両者がやはり話がついてからきめられるべき筋合いのものでございますので、先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○田代富士男君 そこで私は局長に申し上げたいのですが、先日もこの決算委員会で、私は、淀川におきまして河川敷に捨ててはならない産業廃棄物が投棄さていると、姫島地先の問題です。それから淀川の河川敷にだれ人か知らないけれども、不法投棄されている問題があるということ、それから、このいま質疑の中に出ております近畿建設協会がこの河川敷を管理するという立場から、業者が、地下鉄やあるいはビルの建設等の、その際出てまいります残土の処理に困っている業者に河川敷に捨てさすために一立米三百円内外の手数料を取っている、こういうことは国有地を利用する利権ではないかという、この三点を私は質問をいたしました。建設省として調査するということを前回の委員会で聞きました。その答弁も聞きたい。 私はここで言いたいことは、そのように河川敷——河川という、国有地です。ここに残土を処理するときにも、一立米三百円内外の手数料を取られております。今度は国有地であります砂利を採取する、その中から全部採取しております。で、砂と砂利と土とに分けておりますが、言うなれば国有地の中の今度は、この前の委員会は、捨てるにも取っていた、今度はとるほう。これが、いまさっき申し上げましたとおりに、大阪府に対しましては四十円納めまして、千三百五十円で売られている。これは、協同組合だからといえばそれまでですけれども、じゃあだれもかれもというわけにはこれは許されない。協同組合はそれといたしましても、今度はそこに北海道や九州等ではない、近畿だけで、近畿建設協会が業務委託契約料という名のもとに五億五千万円も、この前の残土のときには五千万円でした、残土の手数料。今回は五億五千万円、こういうことがよろしいかという問題です。だから、こういう点については、改めるべき点があったならばこれは改めていかなくてはならないじゃないかと私は思うんです。だから、全部が悪いとはいいません。改めるべき点があるならば改めていかなくちゃならない。だから、前回の質問のときに私は問題提起をしておりました。姫島地先に産業廃棄物が投棄されている。私は現物を持参しました。それから、河川に不法投棄されている問題、河川の管理上の問題、一立米三百円の残土投棄をされている、これは私は問題提起をして、調査するとおっしゃった。この三点も報告をし、いま私の言ったことに対してお答えを願いたいと思います。
○説明員(増岡康治君) 前回の委員会におきまして先生から御指摘を受けました点につきましては、直ちに本省といたしましては本間治水課長を団長にいたしまして関係者を現地に調査をさせました。その結果を申し上げます。 第一番目でございますが、いわゆる姫島地区の高水敷復元工事に伴う産業廃棄物の投棄のことでございますが、これは御指摘のとおり当該個所に廃棄物が投棄されておりました。事実を確認いたしました。河川管理上好ましくないものにつきましては、現在撤去作業を実施しておりまして、近日中に完了する予定でございます。 それから、第二番目のことでございますが、十三地区の不法投棄につきましても、調査の結果今回そのようなことがありました。したがいまして、これは、不法投棄につきましては、河川管理者といたしましても、日ごろから巡視によって注意しておるわけでございますけれども、今回このようなことがなされたことにつきましては、非常に遺憾に思っておりますので、直ちに当該の不法投棄のものにつきましては撤去作業に着手いたしまして、現在完了しております。 それから三番目の件でございますけれども、いわゆる捨て土にいたしましても、それから先生が先ほど申されました砂利関係からいたしましても、おのおのの理由をもって近畿建設協会が間に入ったりいたしたことと思うのですけれども、 〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕 なおかつ御指摘のような点につきましては、いろいろ私どももこれは検討しなければいけないというように感じておりますし、協会は協会で言い分はあるにしろ、私どもはやはり公平にこういうものが運営されるべき公益法人でございますので、正しい方向で、いろんな批判に耐えられるような公平な運営をすべきであるという観点から、今後こういうような委託契約料につきましても、さらに先ほど申し上げましたように、前向きに指導していきたいと考えております。
○田代富士男君 いま局長が申されたとおりに、前回私が質問をいたしました三点につきましても、産業廃棄物が捨てられていた、また不法投棄されていた、残土が一立米三百円前後で徴収されていたということでございます。今回私が、いま質疑の中で明らかにしておりますこの近畿建設協会の業務委託契約の問題またこの料金の問題等につきましても、私の調査の段階でございますが、調査をして前向きにこれを改めていくということでございますから、そのように、期待に沿うようにやっていただきたいと思います。で、そのような近畿建設協会が監督をし、というような形かわかりませんが、事実は事業協同組合がやっておりますけれども、そこで標識掲示を、砂利採取法の二十九条にもありますけれども、これを立てなくてはならないようになっております。それが、四十九年四月三十日の要綱が、具体的な通達という形で実施される時期が不明だったために、砂利採取に関する許可申請と許可処分について、当該許可期間が一カ月、二カ月、三カ月と小きざみに行なわれることになったために、現地では混乱が起きております。私も現場を数回にわたって確認してまいりましたが、許可期間が四十九年四月三十日までと、四十九年六月三十日までの標識掲示板が掲げられたまま八月下旬までに置いてあった。そして現場では採取作業が行なわれていた。そのために、現場に掲示されてありました標識だけから判断いたしますと、許可期限が過ぎているにもかかわらず作業が行なわれている、これは好ましいことではないと思うのですが、こういう点に対しての、これがだれかれの指導監督でやっているということでございますが、こういう点が、これは小さいといえば小さい問題であるかわかりませんけれども、これはただ単に——こういうことは基本姿勢の問題にかかってくると思いますが、この点はどうでしょうか。
○説明員(増岡康治君) まことにおっしゃるとおりでございまして、砂利現場の標識と申しますのは、砂利の場の付近の住民の方々が、いつ砂利の採取が行なわれるのかと、いろいろなことを知らせることによって安心感を抱いていただくような重要な意義を持っている標識でございます。現在そういうような内容が正確でないということの御指摘がございました。これにつきましてはまことに遺憾でございまして、今後このようなことは絶対にないような、強力にひとつこの点は指導していきます。
○田代富士男君 まあ私はただいまの許可期間の問題だけをまた解決されればいいという問題じゃありません。同じようなそういう基本姿勢が、たとえば標識掲示の中に、土木用の機械の数が明示されてあります。何々が何台と。ところが、私は現場でこの目で見ておりますけれども、その表示されてあります機械の台数よりも、圧倒的に多い機械が砂利採取等に動いておる。こういうことも、指導監督する立場としてこれはどうなんだ、だから標識掲示だけの問題と見るか、これを通して関係者の基本精神をうかがわれると見るか、この点に対するお考えはどうでございましょうか。
○説明員(増岡康治君) こういうような標識一つ一つがそういうような不正確であるということ自身がやはり、どういいますか、私どもから見ますと非常に申しわけないことでございます。まずこういうことから出発いたしまして、いろいろとまだあると思います。一つ一つこういう問題からシビアにいたしまして、誤解を招かないようにいろいろと多角的にひとつ行政指導をしてまいるつもりでございます。
○田代富士男君 これもまた小さい問題だと言われればそれまでですけれども、これもいまのような基本問題にかかわると思うことは、先日大山崎地先の採取場で、ことしの春中学校を卒業したばかりの十五歳の少年がペイローダーを操縦していたことが確認されております。これは危険性を伴う大きな機械ですが、この十五歳の少年はそういう免許というものを持っておりません。ところがこういう機械を作動していたという点についてどう思うか。だから、この点につきましてはまた労働基準法に照らしましてもこれは問題があるんじゃないかと思いますし、また、これは作業場所というのは道路上ではありませんけれども、これは今後道交法の運転免許は要求されないかわからないけれども、この問題につきましては一応検討の余地があるんじゃないかと私は思うんです。この問題は監督をする建設省、また労働省、あるいはこういう許認可の問題もあります警察庁とも関係がありますが、簡単にこの点に関するお考えを御説明願いたいと思います。
○説明員(中西正雄君) 動力によって運転されます土木用の機械は、これは十八歳未満の者は運転してはならないということが労働基準法、それに基づく女子年少労働基準規則に定められておりますので、そういう事実がありますればこれは労働基準法の違反でございます。調査をいたしまして、その結果に基づいて厳正な処分をいたしたいと考えております。 それから、もう一つの問題の公衆災害を防止するといいますか、道交法の適用のない場所における建設機械等の運転技能等の問題でございますが、労働安全衛生法には、車両を建設機械に用いて作業を行なう場合には、運転中の機械に接触することによって労働者が危害を受けるということを防止するために、労働者を危険のある個所に入れてはならないと、立ち入り禁止規定がございます。したがいまして、この規定の趣旨を生かしまして、そういう危険な個所には公衆を立ち入らせないように今後行政指導してまいりたいというふうに考えております。
○説明員(増岡康治君) 建設省のほうの河川管理の立場からも、ただいまのことにつきまして私自身存じませんでしたけれども、これは私どものほの立場からも労働省等と協力させていただきまして、われわれの河川管理の場の中でこういうことが起こらないように今後とも気をつけさせていただきます。
○田代富士男君 時間がありませんからちょっとまとめて御質問したいと思います。 まず建設省に対してでございますが、四月三十日の新しい河川砂利基本対策要綱が発表されまして、さらにこれを受けまして七月二十二日には次官通達など三本の通達が出されました。このうちの局長通達によりますと、河川法第二十条の承認による対策工事をうたっておりますけれども、対策工事を従来の条件工事から請願工事に切りかえた背景なり理由があれば説明してもらいたい。 また、将来この特定採取制度はどのような形で生かされていくのか、河川管理と砂利採取の両面から明確に御説明を願いたいと思います。 まずこの場合、淀川など一級河川におきます河川管理者の河川管理上の責任がどのような形で担保されるのか、さらに砂利採取に伴って災害が発生したり、災害を大きくしたりした場合、まず第一に河川管理者の責任が明確に果たされるのかどうか、これをお尋ねしたいと思います。 それから、これは通産省と建設省に関係がありますから通産省にお尋ねしたい。これは、事業協同組合の実情につきましてはいまよく通産省としておわかりいただいたと思います、短い時間でありますけれども。その協同組合の事業報告書を見ますと、非常にわかりにくいんです。時間があれば一つ一つやりたいと思いますが、時間がありませんからそれは省略します。 建設省が許可を与えた砂利を採取する場所の地名、それが事業報告書では別の地名に書きかえられております。たとえば建設省の許可名では浜町地先になっております。それが事業報告書の中には大堰になっている。それから鳥飼、これは建設省の許可名。これが事業報告書では鳥飼上。一律屋という建設省の許可名の地名が事業報告書では鳥飼。これは土地勘のない人が見ますと書類が合いません。こういう問題をどうするか。 それと、砂や砂利を採取しますね。そして販売実施量などの数量のとらえ方が建設省あるいは通産省、それから大阪府などで一致していない。たとえば大阪府では許可変更後の掘さく土量、砂・砂利・土の量をとらえてあります。たとえば一万立米でやっていて一万二千立米になったならば追加の申請を出さして許可をする。その量を出している。今度は、建設省では生産段階でとらえている。通産省では販売時の検収量でとらえている。こういう面から、これらの数字が事業報告書や許可書などに注意書きもなければ備考も記載されていない。非常にわかりにくいです。合わすことができません。だれが見ても理解できるような、そういう改善をすべきではないか。 そういう意味から、書式も、合理的で一般的な書式に変えて、収入支出なども明確にすべきであると思いますが、この点につきまして通産大臣の御所見を、改善するかしないか、この点に対しましてこういうややこしい、実際の書類の面からいいますと。これに対しまして、建設省と通産省からお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) いま初めて承りましたが、事業協同組合の報告書の中身が真実と違うということはたいへんいけないことであります。将来改善するように努力をいたします。
○説明員(橋本利一君) ただいま御指摘の生産段階あるいは販売段階でということになると非常に実態が把握しづろうございます。そういったところから建設当局ともよく打ち合わせをいたしまして、だれが見ても何人も誤りのないようにいたしたいと思います。特に、地名につきましては、やはり俗称等を用いる傾向もあるのではなかろうかと、これは推定でございますが。さような場合、正規の地名を使うように指導してまいりたいと考えております。
○説明員(増岡康治君) 河川砂利の基本対策要綱のお尋ねでございますが、これは第一回目には昭和四十一年度にこの要綱を出したわけでございますが、今回、本年度の四月にこの要綱を改定をいたしました。この改定の中に対策工事ということが出てきたわけでございます。これは、いままでの砂利対策はいわゆる非常に貴重な財源であるのでこれを規制するというところにあったわけですが、ことし出しました改定の要綱はやはり安定して砂利を供給すべきであるという立場を入れました。そのためにば適正な河川管理のもとに砂利採取を計画的に行なわせるとともに、河川管理上の支障を排除するための対策工事を行なうということで、そういうような条件で砂利採取業者が実施するということを一つ加えたわけでございます。これがいわゆる請願工事に切りかえた大きなことでございまして、やはり治水上の問題、砂利をとることによって治水上あるいは河川管理上マイナスがないようにやろうということで、やはり取るならば対策工事をしっかりやろうということ、その工事のほうを前へ出しまして、あと砂利がついてくるというようなことを一つ制度化いたしたわけでございます。これが最初の第一点でございます。 二点につきましてのいろいろと通産省御指導のものと私どものほうの書類の問題、数量の合わない問題、今後ともこういうところまで私どもはきめこまかく合わせまして遺憾なきを期したいと思っております。
○安武洋子君 兵庫県の淡路島のCTSの問題についてお伺いしたいと思います。 兵庫県の津名郡津名町の埋め立て地約六十五万坪ですけれども、ここに三菱商事、三菱石油、ゼネラル石油三者の連名で埋め立て地を利用してCTSを建設したい、こういう申し入れを津名町長に昭和四十七年二月十日に行なっております。この事実は御存じのことだと思います。そのCTS構想の具体的な内容、これを明らかにしていただきとうございます。
○説明員(左近友三郎君) いまお話がございました兵庫県の淡路島の津名町の埋め立て予定地にCTSの建設計画があるということは当方も聞いております。ただ、その規模その他につきましては実はやはり今後の地元とのお話ということもあるわけでございますので、それほど詳細に聞いておるわけではございません。ただ、この津名町にCTSをつくろうという構想自体につきましては最近の石油の輸送の合理化、それがひいては石油の確保なり、価格の低廉につながるわけでございますが、そういう点でこの大規模な原油の中継基地、いわゆるCTSというものを増強するということは必要ではなかろうかと思いますが、位置的に申しますと、瀬戸内東部、中部の製油所に対して比較的交通の便がいいというようなことから、その計画は石油の輸送なり保管という面から見れば意義があるというふうに感じております。 ただ、こういうものを設置するにあたりましてはやはりいろいろ地元との折衝なり、そのほかの影響も十分考えなければいけないというように考えておりますので、そういうものがはっきりした上でわれわれとしてはこれを許可したいというふうに考えます。
○安武洋子君 私いまここに「広報つな」というのを持ってきております。これは発行しておりますのは津名郡津名町役場の企画室なんです。四十七年五月二十日号です。ここの中に、この申し入れとともに、この内容が示されているわけです。「広報つな」にもこの内容が示されている。この程度も御掌握ないような御返事なんですけれども、この「広報つな」で明らかにされているだけでも具体的内容とは言いがたいわけです。これは安全設備一つにしても、科学的な裏づけも何もないわけですから、だから石油行政に責任をお持ちの通産省がまだこの具体的な事実も明らかにされていないというたいへん無責任な態度、そして科学的な裏づけも安全設備一つにしてもないというふうなことから、住民が非常に大きな不安をいだいているわけです。この津名のいままでの住民の動きも含めての経過、そしていまの現状、これを通産省ではどういうふうに把握されておられるか、この点をお聞きしたいわけです。
○説明員(左近友三郎君) この津名の埋め立てについては、当方の承知しておるところでは、当初は鉄鉱の基地をつくるというふうなことで兵庫県に埋め立ての申請がなされたというふうに聞いております。大体、昭和四十三年のころのように承わっております。それで、実は埋め立てを始めたわけでございますが、その後、鉄鉱石の基地を撤回して、四十七年二月ころに石油基地にしたいというふうな申し入れがあったというふうに聞いております。ただ、この誘致についてはいろいろ地元で問題があるようでございます。そしてその問題も聞いております。したがいまして、この問題といたしましては、十分地元との納得の上で話が進行するということにしなければいけないというふうに現在考えております。
○安武洋子君 いまの御発言にもあったように、地元の意見はいろいろあるわけなんです。いろいろあるので、大規模な地域開発をやろうという計画については住民の意見を十分に聞きたいといういま御発言だったと思うんですけれども、こういう主権在民の立場から見ても、住民の意見を十分に聞くということは大原則だと思うんですけれども、それはそのように確認させていただいてよろしゅうございますね。
○説明員(左近友三郎君) 先生の仰せのとおりでございます。
○安武洋子君 いま現状の一部をおっしゃいましたけれども、この中で、住民が具体的にどう動いているかというふうなことについては御発言なかったと思うので、その点を申し上げたいと思うんです。 住民はこの原油基地に対して反対署名を集めております。これは七千五百二十名で住民の過半数をこえております。それからまた、四十七年の九月の九日、津名の岡田町長——この町長は津名町議会の海域開発特別委員会、これを設けておりましたけれども、この中で、CTSの問題について、現在のような状況があるので、今後、将来にわたって取り組まない、こういう言明をいたしております。そしてまた、この海域開発特別委員会、これは昭和四十七年九月二十日に廃止されております。だから、CTS構想について審議をする体制がなくなっていると、こういうことなのです。こういう経過を見ていただいてもわかるように、住民の合意を得ることはたいへんむずかしくなっている、困難であると、こう言っても間違いないと思います。だから、通産省は、三菱商事のこのCTSの進出計画の中止を行政指導すべきではないか、このように考えますが、御見解を伺いとうございます。
○説明員(左近友三郎君) いまお話がございましたように、このCTS計画について地元の御反対があるということは私らも承っております。ただ、このCTS計画自身は、現在のような石油の危機を経過したあとで考えますと、やはり石油の供給を確保するということ、それから、その輸送費を低廉化するという点で、日本においてこういうCTS基地を設けるという必要性は石油危機以前に増して必要になってきたというふうにわれわれは考えております。したがいまして、われわれとしては、石油行政を担当しております通産省といたしましては、こういうものがこの日本の必要な地域に設置されるということが望ましいというように考えております。しかしながら、このCTSの問題につきましては、現実に反対運動がございますように、いろいろな問題点もございます。したがいまして、このCTS計画を進めるに当たりましては、十分地元の御了解も得た上でないと実現はし得ないというふうに考えております。したがいまして、われわれとしては、今後も十分地元の御意見も聞きながら計画を進めていきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 重ねて申し上げけれども、いま私が現状を御説明しましたのは、住民の合意を得ることは困難であるというふうな状態になっているということで申し上げたわけです。先ほども住民の合意を得るべきだと、これは大前提であるということに御回意いただいておりますので、この住民の合意を得られないような三菱のこの具体的な津名の進出に関してはこれをやめるように行政指導すべきではないかというふうに、私お伺いいたしております。
○説明員(左近友三郎君) その点につきましては、私のほうも現在の地元の御意向を十分お聞きした上で判断をいたしたいというふうに考えます。
○安武洋子君 では、具体的に行政指導をするというお考えはないわけですか。
○説明員(左近友三郎君) 現在の段階におきましては、この地元の御意見についてどういうふうな形になるかということについてわれわれとしてもまだ最終的な判断はできないと思うんです。したがいまして、その点については事情を調査した上で決定さしていただきたいというふうに思います。
○安武洋子君 ここに総合エネルギー調査会の答申を私持ってきております。これは四十二年の二月二十日。御存じのことと思いますけれども、この中でも、CTSは石油政策の重要な柱の一つであるということで、いまの御答弁はわかるわけですけれども、しかし、私は具体的に津名の問題を申し上げております。で、石油行政の責任をお持ちなのはこれは通産省です。ですから、いま住民の合意を得るのが非常に困難であると、こういう現状を申し上げているにもかかわらず、行政指導をいまの段階ですべきだというふうなお答えをいただけないというのは、私は行政指導の任務放棄ではないかとこういうふうに思うわけです。そして、さらに行政指導できないのは、三菱商事と事前に話し合っておられる、そういう淡路島のCTSの進出に対して事前に了解を示していらっしゃる、だからこそ行政指導ができないのではないかというふうに思うわけです。 私、ここに昭和四十六年五月二十七日の三菱商事株式会社の内部資料の写しを持ってきております。この中に、これは「淡路島共同貯油基地計画に係わる件」という内部資料ですけれども、ここにまず「共同貯油基地に関する兵庫県の意向」ということで、兵庫県の意向が「元々県は貯油基地については中央官庁の意向待ちという態度であり、」というふうになっており、また「共同貯油基地に関する中央官庁の意向」、この中で、読み上げますが、「一方通産省関係は、備蓄問題を中心に議論され居り今回のOPECの原油値上げ攻勢を契機としてむしろ備蓄問題の面からは国の政策に一致する事となり、淡路についても相当理解され居り、県より照会あれば趣旨賛成の旨、回答して呉れる事となり居る。現在通産にて石油流通合理化調査委員会の一環としてCTS委員会が作られ、今后CTSについて真剣に討議される事となる。この検討の一環として近々吾社、GSSKにも通産より説明を求められる事となって居り、備蓄問題からすれば、略、許可取得可能なムードとなって来て居るが、」云々です。 こういう文書から見てもわかるように、事前に好意を示されている、三葬商事に対して。だからこそ行政指導ができない、こういうふうに解釈させていただいてもよろしゅうございますか。
○説明員(左近友三郎君) 先ほど申し上げましたとおり、日本でCTSをつくるということは、われわれの石油政策上は必要不可欠であろうというふうに考えております。ただその具体的なケースについては、先ほど申しましたように、その個々の立地についての御理解がなければできないということは当然でございます。しかしながら、われわれ石油の確保をはかる、国民生活のために石油をなるべく安く供給するという任務を持ちます通産省といたしましては、あらゆる可能性をとらえて検討するということは必要でございます。しかしながら、この三菱についてそういう了解を与えたという事実はございません。しかしながら、このいろんな可能性についての検討は今後も続けてまいりたいというふうに思っておりますが、重ねて申しますが、この三菱についてあらかじめ了解を与えたというふうな事実はございません。
○安武洋子君 私がいま読み上げましたのは内部資料です。決してうそをつく必要のない内部資料で、天下の三菱商事がこれはうそを言ったというふうにおっしゃっていらっしゃるわけでしょうか。そしてこの文書は、たれが読んでもいまのような御回答にはならないと思います。三菱商事と通産省が、この国民の目の届かないところでたいへんよく話をされている、こういうことの証明だと思います。この通産省の姿勢こそまあ住民の合意を得ることが必要だと言われながら、まさに大企業本意の姿勢じゃないかと、こういうふうに私解釈いたします。しかもこのたびこの姿勢を一歩進められて、四十八年の十月には石連に対して津名にCTSをつくったらどうなるか、こういう石油流通合理化調査の委託をしておられます。三菱商事のこの津名の進出、これはあくまでも合理化してあと押しするものだと思いますけど、御見解を聞かせてください。
○説明員(左近友三郎君) 先ほども申しましたように、全国のいろんな地域についてCTSが建設される可能性があるかどうかということは、われわれ今後も調査を進めてまいりたいと思いますし、過去においても調査を進めてきたところでございます。その調査の一環といたしまして、瀬戸内のCTSについて、津名町でこの建設の可能性がありゃなしやということでの調査をしたことは事実でございます。ただそれはあくまでもいろんな部面で検討し、その中には環境問題も検討する部会も設けております。そういうことでいろんな面での検討をして、その結果を見て決定をするということでございます。その決定の前段階には、当然そのいまの環境問題その他を含む地元の方の御意見というものもこの中に入ってくるということでございますので、CTSの調査というものは、事前にそういうことが可能かどうかということを調べるというものでございます。
○安武洋子君 私がこのCTSの問題で、津名にCTSをつくったらどうなるかと、こういうことで石連に委託調査をなさった、これは三菱商事のあと押しをするものだ、津名に進出する前提だ、そう申し上げている理由は、いまのでは答えにならないと思うのです。まずこの津名に進出しようとしている企業、これは御存じのとおり三菱石油であり、ゼネラル石油、関西石油、大協石油、アジア石油、エッソ・スタンダード石油、こういうところですけれども、これらの石油会社のこの石連は連合体ですね。ですから津名にCTSをつくったらどうなるか、こういう調査を委託されれば、だれが考えてもそこに進出は不適当だ、こういう答えにはならないはずです。どろぼうに対してどろぼうをつかまえる法律をつくれというのと同じじゃないでしょうか、これが一点です。 それからこういうものはとてもまともな調査とは考えられないわけですね。ですから、私はこの調査は中止すべきだ、こういうふうに考えているわけです。この御見解を聞かせてください。
○説明員(左近友三郎君) 調査に当たりましては、学識経験者あるいはその道の専門家を集めまして、大体二十名の委員を任命いたしまして、その委員の中には大学の教授とかあるいは専門家も入っております、そういう者を集めて客観的な報告書をつくるということで進めておるわけでございまして、決してこの報告書でつくってしまおうというような意図を持った報告ではございません。また瀬戸内CTS調査といいますのは、瀬戸内海における石油の移送の合理化ということをねらっておるわけでございますので、その結論が必ずしも津名にぜひ置かなきゃいけないという結論になるということにもきまっておりません。したがいまして、この調査というものは、客観的な調査として十分評価できるものと私は考えております。
○安武洋子君 進出計画のある津名をあげて調査をなさるということは、だれが考えても、その津名に対して進出をしようとする三菱商事などのあと押しになると、こう考えられます。 それから、津名に置くか置かないかわからないっていまおっしゃいましたけど、津名には置かれないんですか。お答えいただきたいです、二点。
○説明員(左近友三郎君) このCTSというものは、相当な大規模な工事をいたしますし、それから産油国から入ってきます原油の油送船、タンカーの通路ということも考えなきゃいけないということでございますので、こういうものが適当かどうかということを調べるにあたっては、事前に相当な調査が必要でございます。これはそういう意味において客観的に、この瀬戸内にございますいろいろな製油所に対して、最も合理的に油を供給するための中継基地としてどこがいいかということを調べる調査でございますので、事前に予定をして、それを結論としてきめるための調査では決してないというふうにわれわれは感じております。
○安武洋子君 お答えになりません。津名は具体的に進出計画にのぼっている土地ですね、そこをあげて調査をなさっていらっしゃるということが一点。それから、この進出をしようとする企業を含めている連合体である石連に委託調査をなさっていらっしゃるということから考えて、いまのではお答えにならないと思うんですね。 なぜこういう石連に委託をなさって調査をなさるか。学者を含めているとおっしゃいますけれども、石連に委託していることは、これは間違いないんです。ですから、先ほど私がお尋ねしたように、こういう連合体に、進出企業を含めている連合体に調査を委託なさっていらっしゃるということは、これはだれが考えても、そこが不適当という答えは出ないじゃないかということに一点明確にお答え願いとうございます。 それから、この具体的に進出計画にあがっている津名に、それをケースとしてそこを設定して調査をされているということは、だれが考えても、そこに進出しようとしている三菱商事、これの進出を合理化しようとするものではないかと、こういうことをお尋ねしております。
○説明員(左近友三郎君) 石油連盟に委託をしたということでございますが、しかしながら、この石油連盟では、先ほど申しましたように、専門家を設けて客観的な結論を出すようにやっておりますので、この結論は客観的な結論が出よう、出るだろうとわれわれは期待しておるわけでございます。 それから候補予定地について調査をしたから、それは候補予定地に必ずつくるつもりではないかという御質問でございますが、私はそうは考えません。候補予定地の調査をしてみて、もし問題がありとすれば、その候補予定地をやめるということも十分あり得るというふうに考えておりますので、いまの段階でこの調査をしたことが、すなわちこの地域にCTSをつくるという結論を出したということにはならないというふうに通産省は考えております。
○安武洋子君 じゃあ、この調査、津名にCTSをつくるという、こういう前提をのけて、いま非常に瀬戸内海汚染が進んでいる地域です。ここに大規模な開発であるCTSを持ってくるということは、だれが考えても、これはたいへん、公害の問題、環境保全の問題からも、問題あるわけです。ですから、根本的に再検討すべきだと思いますけれども、津名にCTSを持ってくるという、そういう前提をのけた再調査、これをしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(左近友三郎君) たびたびお答え申し上げておりますように、この瀬戸内CTS調査は、津名にCTSを持ってくることをあらかじめ前提としてやった調査ではございません。したがいまして、この調査結果を見た上で、また先生がおっしゃいます地元の御意見も十分聞かしていただいた上で、この設置の当否をきめさしていただきたいというように考えております。
○安武洋子君 ちっともお答えにならないわけですね。 私たち住民がいま大きな不安を抱いているということは——この進出企業、そこを含めている石連に調査を委託している。いくら学者を含まれても、これは石連であることは変わりないわけです。内部にそういう調査を依頼して公正な調査結果が出るというふうには考えられない。それを尊重されては困るわけです。ですから、そういう調査をやり直してほしい。やり直すについては、私はやはりそういう石連というのではなくって、いま考えられる範囲内の民主的な委員会の構成にしていただきたい。これは地域住民も含め、そして学者、学識経験者、これも含めた調査機構をつくるべきだと、こう申し上げているのですが。
○説明員(左近友三郎君) 現在まだ調査結果を私のほうにいただいておりません。したがいまして、その調査結果を見まして、それがそういう非常に予断に満ちたものであるとすれば、検討する必要があると思いますけれども、私といたしましては、たとえ石連で調査いたしましても、客観的な委員をもって構成した委員会で出た調査というものは、必ずしも一面的な結論にならないというふうに考えております。ただ、もしその出た調査報告書の内容についてまた問題がありますれば、再検討するということは必要だろうと思います。
○安武洋子君 予断に満ちたものであるかどうか、その報告書がね、それを国民みんなが判断できるように、じゃ、その石連の調査結果については全資料を公表していただけますか。
○説明員(左近友三郎君) 本件については確かにおっしゃるとおりでございます。 で、これについては、この内容について、これは委託調査の結果でございますので、手続が要りますが、手続をとった上で考えたいと考えております。
○安武洋子君 確認させていただきますが、全資料を公開していただけると解釈してよろしゅうございますね。
○説明員(左近友三郎君) 必要な資料は公開させていただきます。
○安武洋子君 しぶといようですけれども、必要な資料とおっしゃいましたけれども、こちらが必要なら全部公開していただける、そう解釈してよろしゅうございますね。
○説明員(左近友三郎君) 私のほうでまだどういう調査報告書が出てくるかわかりませんので、その調査報告書の内容というものについては公開するということでございます。
○安武洋子君 本四架橋にパイプライン構想としてパイプラインを取り付けるというふうなことを聞いているのですけれども、これについてはいかがなんでしょうか。
○説明員(左近友三郎君) まだあまり検討はしておりません。
○安武洋子君 検討はしていないということは、取り付けるかもわからないと、そういうことですか。
○説明員(左近友三郎君) そのパイプラインと申しますのは、おそらく各地域への製品の配送ということになろうかと思いますが、瀬戸内では配送については船も使えることでございますし、いまのところそれについての必要性というものがどういう点があるかということについては、まだわれわれとしても十分な検討が進んでおりません。したがいまして、いまのところ本四架橋にパイプラインをつくるという計画はございません。
○安武洋子君 確認させていただきます。いまのところ本四架橋にパイプライン構想はないと、こういうことでございましたね。 で、先ほどのお話の中でも、住民の意思を尊重するというふうなお答えもいただきましたし、資料を公開しようと、こういうこともお答えいただいたわけなんですけれども、私、いろいろいままで聞かせていただきましたけれども、結局住民の声を尊重すると、たいへんいいお答えでございます。しかし、いま先ほど私が現状を申し上げましたように、住民の反対はたいへん強うございます。住民の過半数以上の反対署名が集まっているというふうなこともありますし、今度の石連の委託、こういうことが発表されまして、さらにこの反対運動が盛り上がっております。こういう住民の声を踏みにじって進出しょうとしている三菱商事、これは先ほどの内部資料とかいろいろ御提示いたしましたけれども、通産省は一貫してこれを擁護なさっていらっしゃる。この進出についてもあと押しをしていらっしゃる。まさに大企業本位の通産省の石油行政、こう言わなければならないと思うわけです。このような上に立って考えられる備蓄政策というのは、先ほど石油を国民に安定供給するのだと、こういうふうにおっしゃっておりましたけれども、これは大企業本位であり、大企業のための高度成長を推し進める備蓄政策だと、こう言わざるを得ないと思うわけです。こういう石油の備蓄政策については私は根底から改めて、国民の立場に立って考え直していただきたい、こう通産省に強く要請して、次に移らせていただきたいと思います。 次は運輸省にお伺いさせていただきます。これは先ほども経過の中で通産省の方のお答えにもありましたけれども、当初鉄鉱石ヤード、こういうことで昭和四十六年の三月に認可をされているわけです。その後三菱商事の中止の申し入れで、現在利用目的が空白になっております。この経過については把握をなさっていらっしゃいますかどうか、お伺いいたしとうございます。
○説明員(勝目久二郎君) 津名港港湾区域内の埋め立てにつきましては、先生からただいまお話ございましたように、四十六年の三月に免許いたしております。起業の埋め立ての目的といたしましては、公共埠頭用地、鉄鉱石のヤード用地、護岸用地、道路用地、それから緑地ということで、全体で約九十ヘクタールということに相なっておるわけでございます。で、その後三菱商事のほうから鉄鉱石のヤードについての計画は撤回をするということの申し出がありました。起業者であります兵庫県は、その後事実上埋め立てを中止しております。また、その後の土地利用計画について現在検討をしておるというように承知いたしております。
○安武洋子君 いま埋め立て中止をしていると言われましたですか。
○説明員(勝目久二郎君) 事実上本格的な埋め立て工事はやっていないという意味でございます。
○安武洋子君 それは少し違うと思うのです。スローペースではありますけれども、埋め立て工事は続行していると思うんですけれども、そういう点はいかがでしょう。把握なさっていらっしゃいませんか。
○説明員(勝目久二郎君) 兵庫県より事情を聴取いたしておりますけれども、それによりますれば、現在やっております工事はいわゆる海岸の保全上の見地、あるいはフェリー埠頭の泊地の静穏を保つために必要な最小限の工事をやっておるというように説明を聞いております。
○安武洋子君 これは昭和四十五年度ですね、漁業補償で十億円出資し、それから昭和四十六年に三十億円、これは十六億円が漁業補償、十四億円が造成事業なんです。護岸、造築ですね。それから昭和四十七年に十億円、造成事業です。それから昭和四十八年十五億円、これも同じく造成事業で護岸、造築ですね。これだけのお金を使っている。それはスローダウンで工事ペースを落としておりますけれども、現場は私も行っております、この津名に。着々と工事を進めているということで、たいへん現状把握が違いますけれども、こういう点、もう一度確認していただきとうございますが……。
○説明員(勝目久二郎君) 私ども現地を確認しているわけでございませんので、御質問の趣旨もございますので、再度調査をし確認したいと考えております。
○安武洋子君 いまおっしゃいましたように、四十六年の三月に埋め立てを認可し、それからわずか半年後の四十六年の九月一日に三菱商事から中止の申し入れがあって、その後現在まで三年間、これは利用目的がきまらないままになっているわけです。たいへん異常なことだと思いますのですが、その点運輸省はどうお考えでございましょう。
○説明員(勝目久二郎君) 埋め立ての工事は大体長期間を要するものが多いわけでございます。途中におきまして埋め立て目的を変更することは当然考えられるわけでございます。この免許につきましても、県知事が特に免許に際しまして条件をつけておりますが、その条件は、埋め立て地を免許の際の利用目的以外に使用しようとするときは知事の許可を受けなければならないという条件がついておるわけでございます。で、ただいまのところ主たる目的、面積的には相当部分を占めておりました鉄鉱石ヤード用地という目的が空白になっておるわけでございまして、これにつきましては早急に県におきまして新しい土地利用計画を策定の上所要の手続をとらせるというように指導したいと考えております。
○安武洋子君 早急に指導したいというお答えたいへんけっこうなんですけれども、三年間利用目的空白のまま埋め立ての工事がどんどん進んでいるということを異常な事態だとお考えになりませんかと、どういう御見解ですかということでお伺いさせていただいております。
○説明員(勝目久二郎君) 現在の工事の実態につきましては、先ほど申し上げましたように、再度調査の上確認をしたいと考えておりますけれども、その調査と相まちまして適切な指導をいたしたいということで考えております。
○安武洋子君 では利用目的について早急に行政指導していただきたい、こういうことを申し添えます。 次に環境庁さんにお伺いいたします。 この瀬戸内海環境保全臨時措置法、この精神ですね、特にここにも私いま持ってきておりますけれども、瀬戸内海環境保全審議会の昭和四十九年五月九日の答申です。このような精神からも瀬戸内海のこの中にわずかに残されている淡路島の景観たいへん美しいわけです。私もよく淡路島に行きますけれども、この海岸線の美しさというのはたぐいまれなわけなんです。ですからこそ阪神間からこの夏の間だけでも百十万人の人が訪れている。こういう美しい海岸に突如として巨大な埋め立て地ができる、しかもそこにたいへんぶざまなCTS基地ができるというふうなことでは、淡路の景観も大きくそこねますし、しかもここにこういう大きな数百万キロリットルのCTS建設をするということになりますと、公害の問題からもたいへん問題が発生すると思うのです。この瀬戸内海の環境保全審議会の答申、それから瀬戸内海の環境保全臨時措置法のこの精神、こういうものに基づいてこの問題に環境庁はどういう見解を示さているれかお伺いいたしとうございます。
○説明員(大場敏彦君) 瀬戸内海の環境保全につきましては、ただいま御指摘がありましたように、昨年議員立法で臨時措置法という法律を制定していただきまして、それに基づいていろいろ施策を実施しているわけでございます。その一つとして埋め立てにつきまして審議会から御答申をこの五月にいただきまして、おっつけて各県知事に御通知申し上げた、こういった経緯になっております。その答申の趣旨は、瀬戸内海の特殊性にかんがみまして瀬戸内海の埋め立てば今後厳に抑制すべきである。やむを得ず埋め立てを認める場合でも、それは瀬戸内海の環境への悪影響を起こさないように十分なアセスメントを行なった上ですべきである、こういったことが答申の趣旨でございます。ただいま問題になっておりますこの津名の埋め立てば四十六年の三月にたしか埋め立て免許がされておりますので、この答申以前の話でございますから、それでまた現に埋め立てが進行しているわけでございますから、埋め立てそのものを、あるいは埋め立ての免許そのものをいま過去にさかのぼって云々するというわけにはまいりません。 ただ、もちろん環境保全ということへの影響が非常に重大でございますから、埋め立て地のあと地の利用、それから埋めた造成地の造成される施設がどういうものであるかということにつきましては、環境庁としては十分の関心を持たざるを得ない。ことにそれが水質汚濁防止法の「特定施設」というようなことになりますれば、これは瀬戸内海の臨時措置法に基づきまして「(特定施設の設置の許可)」という規定がございますから、そういった規定に基づきまして十分な監視をしていきたいと、かように考えているわけであります。
○安武洋子君 いま埋め立て完了のようなお答えでございますけれども、埋め立てそのものはいま続行中なわけですね、まだ完成しているところが少ないわけなんです。 ですから、私申し上げているのは、いま申し上げたこういう精神に基づいて、瀬戸内海環境保全臨時措置法とか、それから瀬戸内海環境保全審議会の答申の精神に基づいて、いまからさらに公害を発生しようとしている埋め立てを続行するわけですね。ですから、そういうものに対して、またそこに上に乗ってくるのがCTSということなんです。そういうものでは大きな問題があると思うので、環境庁の御意見を聞きたいと、こう申し上げているわけです。
○説明員(大場敏彦君) 先ほども申し上げましたように、この埋め立てば四十六年の三月に免許がおりている。すでに完了したとは申し上げておりません、進行中であると申し上げたわけであります。ですから、埋め立てそのものを、免許をどうのこうのするわけにはまいりません。 ただ、今後、埋め立てがされたあと、その利用がどうなるか。ことに汚水を出すような施設が設置されるようなことになりますれば、それは環境に与える影響は甚大でございますから、十分なアセスメントをした上で、それから住民等の意思をよく聞いた上で、そして県知事が許可するということになっておりますので、そういった面で環境保全上の立場から県知事をよく指導してまいりたいと、かように考えているわけであります。
○安武洋子君 では、いま環境保全上とか公害行政上にゆゆしい問題が発生するということが予測される場合には、環境庁としては県や関係省庁に対してそういうことを起こさないように、この瀬戸内海の環境保全法、こういうものの精神に基づいてやはりこの埋め立て計画とか、それから通産省のCTS構想、こういうものに歯どめの行政指導をしていただけると、こういうふうに解釈してよろしゅうございますね。
○説明員(大場敏彦君) 瀬戸内海の環境を破壊したりあるいは汚染するというようなことになりますれば、それはそういうことを防止することについて関係省庁に意見をし申上げることは環境庁の当然の責務でございます。
○安武洋子君 それとともに、いま埋め立てが続行しているわけです。この埋め立てに伴う環境汚染の調査、これをなさっていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(大場敏彦君) 埋め立てに伴うアセスメント——環境への影響評価ということは、これは国自身がやる事柄じゃなくて、元来埋め立てをすべき施行者がする責任の問題でありますから、これは県知事においてしかるべきそういった調査はするのが当然だろうと思っております。 ですから、問題といたしましては、現在の時点におきましては、埋め立てを施行することに伴いまして、あたりの水質が汚染しないように十分それを配慮しながらやっていっていただくということは、これは当然そういうことだろうと思います。
○安武洋子君 環境庁として、やはりこういう大きな地域開発です、ですから環境保全に責任を持たれる行政の庁として、環境を個々の調査をして瀬戸内海の汚染を少しでも食いとめていくと、こういうことで私は環境調査をやはり独自に行なっていただきたい、こういう申し入れをいたします。
○説明員(大場敏彦君) 基本的には、環境への影響評価というものに対する調査というのは、ただいま申し上げましたように、開発担当者が自分の責任においてするというのが原則でございます。そういうものを環境庁としては十分ウォッチして、そして検討し評価して、正すべきところは正していきたい、それの過程において必要な調査も出てくればそれは別途行ないたい、こういうふうに思っております。
○安武洋子君 運輸省にお伺いいたします。 三菱商事などのこのCTSの構想ですね。昭和四十七年九月九日に、津名町長は将来にわたってもうこれは取り組まない、とう言明しているわけです。昭和四十七年の九月の二十日には津名町議会の海域開発特別委員会、これが廃止されているわけですね。ですから埋め立て地利用の問題についての審議をする体制、これが解消しているわけなんです。ところが、最初は当初鉄鉱石ヤードということで県の諮問が津名町議会にあったわけですね。それが中止になったいまも、当初の町議会への県の諮問の内容と違っているにもかかわらず、この埋め立て工事が進められている、これは私先ほど申しました。これは当然公有水面埋立法に基づく用途変更の手続、これをしなければいけないわけですし、ましてこの用途変更の手続もせずに三年間も工事を続行しているというのは、これは公有水面埋立法の厳正な運用、こういう面からはたいへん問題だと思うのです。 このようなあいまいな埋め立て計画を許可した運輸省に私は責任があると思います。環境保全の立場からも、また公有水面埋立法の厳正な運用、こういう立場からも強力な行政指導を行なって工事の中止をさせるべきだと、こういうふうに思うのですけれども、見解をお伺いいたします。
○説明員(勝目久二郎君) 現在の公有水面埋立法、ことしの三月から施行になっておりますが、これによりますと土地利用計画を変更する場合には所定の手続が要るということになっておるわけでございます。ところが、この改正されました規定は改正前になされました免許については適用がない、これは旧法の規定でやるということになっておるわけでございます。 ただ行政指導の姿勢といたしましては、たとえ旧法時代の免許であっても、できる限り新法の趣旨にのっとって運用すべきであるというように考えております。昨年、公有水面埋立法の改正がまず公布されたわけでございます。その半年後に施行されたわけでございますが、その改正法が公布になりました直後、免許基準等については、その旧法時代でやる免許であっても新法の趣旨にのっとって運用をするようにという指導もいたしております。それで本件の新しい土地利用計画というものが県においていずれ策定をされることになろうかと思います。その際は、この新法の趣旨にのっとりまして、免許基準なり環境評価等は十分に埋め立て者が行ない、また免許権者である知事もそういう点をチェックするということを指導したいと考えております。
○安武洋子君 いまのところ、用途変更の手続もなしに三年間工事を続行しているわけですね。これは旧法のときであっても新法のやはり精神にのっとってと、こうおっしゃるあれからすれば、公有水面埋立法の適用という面から非常に問題があろうかと思うわけです。ですから、私、環境保全の立場、それから公有水面埋立法の厳正な運用、こういう立場からもほんとうにこの工事を中止させるというふうな行政指導を行なってほしいと、こういうことを申し上げているんです。 この御見解をもう一度重ねて聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(勝目久二郎君) 私ども現在まで県から聴取いたしておる限りでは、現在やっております工事は本格的な埋め立てではなくて、フェリー埠頭の前面の泊地の静穏を保つための護岸の工事であるとか、海岸保全的な意味を持ちます離岸堤の役割りを果たすような護岸の部分の工事、そういうことにとどまっておると言っております。 これにつきましては、私どもも実態を確認しているわけではございませんので、調査をするというように申し上げたわけでございますから、その調査の状況によりまして善処したいと考えております。
○田渕哲也君 私は、まず初めに、蓄積公害対策につきまして通産大臣にお伺いをしたいと思います。 環境庁は、九月二日、「昭和四十八年度カドミウム及び銅による土壌の汚染調査結果について」を発表しております。それによると、カドミウムは三十六地域から一・〇PPM以上の汚染米が見つかっております。また前回の調査と比べて汚染地域の広がりを示しておるわけであります。また銅については鉱山地域を中心として全国の十四地域で土壌汚染防止の基準である一二五PPMをこえております。こういう観点から私はこの蓄積公害対策を問題として取り上げたいと思います。 現在、操業中の鉱山などにおいては一応防止対策は進んでおるように思われますけれども、問題は、昔からの鉱山、それも現在休廃止のところで対策がおくれがちだと思います。去る七月の三十日に、鉱業審議会が「金属鉱業等に係る蓄積公害対策のあり方について」という答申を出しておりますが、その中に「金属鉱業等においては、その責任を負うべき者が存在しない場合、あるいは稼行鉱山であっても現存する事業者にのみ責任を負わせることが適当でない場合等がある。したがって蓄積公害問題の早期解決を図るためには、関係事業者の努力を前提としても、なお、前述の如き社会的要請に応ずることはできない場合もあることにかんがみ、国はこれに対し積極的に取り組む必要がある。」こういう指摘をしておるわけでありますけれども、これについて通産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 金属鉱業等にかかわる蓄積公害問題に関しては、その対策の重要性と緊急性にかんがみ、鉱業審議会に蓄積公害対策部会を設置して、そのあり方について諮問していたところ、去る七月三十日、答申を得た次第です。 通産省としましては、本答申に沿って、これまで地方公共団体が行なっていた事業者が不存在等の休廃止鉱山の公害防止工事を金属鉱業事業団で実施するとともに、地方公共団体の負担軽減をはかり、また農用地の土地・土壌改良を行なうための事業者負担金及び公害の賠償に必要な資金の貸し付け制度を創設する等、金属鉱業等にかかる蓄積公害対策を早期かつ円滑に推進するために必要な施策の強化、拡充をはかってまいる所存であります。 なお、本答申は他省間に関連する事項も含まれており、これらの問題に関しては関係省と緊密な連絡をとりつつ総合的な対策を講じていく考え方であります。
○田渕哲也君 私は、この蓄積公害の問題については、現行法というものが非常に不合理な面が多々あるんじゃないかと思います。具体的に言えば金属鉱業事業団法それから鉱山保安法、さらに鉱業法、こういうものについてやはり公害対策に対する取り組みが必ずしも十分に行なえないような状況を来たしておる面が非常に多いと思います。 いま、大臣は、いわゆる責任者の不在の鉱山については金属鉱業事業団が直轄的にその公害防止事業を行なえるようにすることを検討中だ、このように言われましたけれども、私はそれだけでは必ずしも十分とは言えないと思います。たとえば責任者不在の場合はもちろんでありますけれども、たとえ責任者がいても、公害発生の原因がかなり過去にさかのぼる場合、その当時は国も公害に対する知見が十分ではなくて具体的な規制等も行なっていなかった、そういう時期における操業に起因するものがある、こういうものが非常に多いと思います。それから、さらには自然汚染との競合等によりまして汚染の寄与度の確定が容易でない、こういう面もあるわけであります。したがって現存する関係事業者に負担せしめることを中心とする制度下においてはなかなか早急な解決が困難ではなかろうか、こういう気がするわけです。 したがって、私は、金属鉱業事業団法の改正にあたっては、もう一歩進めていただいて、少なくとも休廃止鉱山については、この事業団が公害防止事業なりあるいは損害賠償についてとにかく暫定的に早急に事業を行なえるようにする。そしてとにかくそういうことに取りかかっておいた後に、その費用負担については原因者に対してその事情を調査した上、寄与度が明確になった段階で、それに応じて費用負担を求める、こういうやり方に切りかえる必要があると思いますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) まず第一点の、相当過去の古い蓄積公害について現在の鉱業権者の責めに帰するのは過酷じゃなかろうかという点でございますが、この点につきましては、お説のとおり、わが国の非鉄鉱山といいますのは農業とともに非常に古い歴史を持っておりまして、現在の蓄積公害の相当部分が古い時代の採掘に伴うものであるという実態は確かでございます。そういう面で現在の鉱業権者にすべてを負担せしめるということは、確かにいろいろな費用負担法の問題もからみまして問題があることはわれわれも承知いたしておりますし、それからこの間の答申をいただく際におきましても、部会におきましてその議論は相当出たわけでございます。しかし、この問題につきましては、鉱業法におきますところの鉱業権者の一つの採掘の権利との見合いの問題もございまして、非常にむずかしい問題でございます。 したがいまして、この点につきましては、審議会でもいろいろ出た御意見を十分に踏まえまして、今後、その辺の公平な負担の方法について慎重に検討してまいるという考え方に立っておるわけでございます。 それから第二点の、蓄積公害に対しますところの特に財産被害につきまして、被害者の早期救済ということを目途といたしまして、まず金属鉱業事業団が一括先行的に事業をやりまして、それで費用負担につきましては、原因者がはっきりした段階であとからそれを負担せしめるという方法でございますけれども、これは確かに一つの方法であろうかと思いますが、要は、被害者に対しまして早期にしかも潤滑に紛争が起きない形において解決していくということが精神でございますので、現段階におきましては、われわれとしましては先生の御指摘になった精神を十分に今度の対策の中に織り込んで、しかも各省と十分な連絡をとりながらやっていくかまえをとっておりますので、一応、先生の御指摘になった趣旨は十分に生かし得るものと私は考えておるわけでございますが、いろいろ融資の面なり、あるいは地方自治体に対する補助の問題等々の、単なる助成の問題だけじゃなくて、金属事業団の技術的な問題点も十分に強化いたしまして、即応体制を十分にはかっていく考えでおるわけでございます。
○田渕哲也君 私は単なる助成をふやすとか、あるいは融資をふやすとか、そういうことだけでなかなか解決できない問題だと思うんです。 やはり、いわゆるPPPの原則に基づいて、自分たちの責任で出したものは自分たちで処理させる。同時に、自分たちの責任でないものまでそれをやらせるというのはやっぱり無理があるのじゃなかろうか。こういう限界をはっきり引いて責任を明らかにする。もちろん、そうすればこの責任者が不在という場合がかなり出てくると思いますけれども、それについては、やはりやむを得ないから国が何らかの対策を講ずるべきではないか。こういう基本的な根本を変えない限り、単に小手先の融資の額をふやすとか助成をふやすだけでは解決できる問題ではないと思いますが、こういう点についてはいかがですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 確かに問題点といたしましては、原因の発生が非常に古い時点の発生であるということと加害の原因者が非常に不明確であるという問題が問題を非常に複雑にしている面は肯定されるわけでござますが、この問題につきましては、やはり科学的に十分に実態を把握した上で、それぞれの費用負担をきめていくという立場に立たざるを得ないわけでございますが、問題はそれに対して相当の時間がかかるということでございますが、これにつきましては、十分にわれわれのほうの通産省の試験所等も動員いたしまして、いま逐次そういう問題についての勉強もやっておるわけでございまして、これはやはりある程度その辺の知見が蓄積いたしませんと、体制が先に先行いたしましても、やはりものさしがないと十分に動きませんので、そういうものと並行的に体制を整備していく必要があるであろう。 それから加害者が不明とか、あるいはまた無資力であったり、それから鉱業権者が不存在であるという場合の考え方につきましては、もうすでに国と地方公共団体とでやるということで、明確にその辺は現行法律の中で割り切っておりますので、問題はやはり実施体制をすみやかに整備して、円滑にしかもスピーディに事を処理するということが基本だろうと思いますので、その辺を十分に今度の来年度の政策の中に盛り込んで、御趣旨の線に沿ってまいっていきたいと思っておるわけでございます。
○田渕哲也君 確かに政策面でもそういうことを配慮していただきたいと思いますが、私が申し上げたのは、法律面で現行法はちょっと問題がある。 これは鉱山保安法の二十六条の問題、それから鉱業法の百九条の問題、つまり自分たちがやったことについてあと始末をするのは当然かもわかりません。この場合でも、たとえば戦争中に国策に応じてどんどん増産した、それで全部物資を供出した、そのあとの問題が当時は適法であった堆積場等から鉱害が出ておる。これの責任は一体だれがそのしりを持てばいいのか。現在では、これは全部その事業者ということになっておりますけれども、はたしてそれで妥当かどうかという問題もあろうかと思います。しかし、こういう問題はさておいても、やはり大昔の操業に起因するものであっても現在の鉱業権者が全部その責任を持たなくてはならない、まあこういうことにも若干無理があるように思うわけです。だから、これはもう法律的に何らかの措置を検討しないといけないんじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 先生もおっしゃいましたように、この問題につきましては、他産業に見られない特殊性がございますので、国といたしましても他産業では見られないような諸制度を考え、助成措置も考えておるわけでございまして、本来であればPPPの原則で全く国の助成を待たずにみずからやらなくちゃならないたてまえを、非鉄金属鉱山につきましては、そういう歴史的な過程あるいは特殊要因を踏まえて、同情すべきこともございますので、それでまあこういうような制度をいろいろ考えてきているわけでございます。 ただ、法的の問題をどうかということは、確かに先ほども申し上げましたように、相当古いものまで、しかも基準がはっきりしていない時点のものまで過去にさかのぼってその責任を追及されるということは過酷じゃなかろうかという問題は、確かに御指摘のとおりいろんな議論のあるところでございますけれども、これにつきましては、鉱業法との問題、いわゆる権利と義務とのその辺の相関関係が一つございまして、その辺の割り切りについていろいろやはり検討しなけりゃならぬ問題がございますので、慎重に検討してまいると、問題点があるということはわれわれ承知いたしておりますので、今後勉強してまいりたいと、こういう考え方でおるわけでございます。
○田渕哲也君 私は別にPPPの原則を緩和すべきだということを言っているわけじゃないわけです。やはり自己の責任の存在するものはやっぱり負わせなければいかぬ。ところが、最近は、無過失責任ということもありまして、そういう古いものについてもやっぱり責任を負わなくちゃならないということになっておりますけれども、特に最近の土壌汚染、いわゆるカドミウムとか銅というような微量重金属の汚染というものが非常に重大化しておるわけですね。だから、これの対策費というものも非常にかさむわけです。 問題は、その費用はどこにかぶせればいいかということになると思うんです。それでいままで掘り尽くしてしまったあと始末ですから、いままで掘り尽くした者が当然やるべき措置を怠って、その分不当にもうけておるものならばそのもうけを吐き出させればいいと思うんです。ただ、そういうものがない場合に、これからの費用はどこにかぶせたらいいのかということになるわけですね。いま操業しておるところは本来そういうことをすべきじゃないと思いますけれども、これから産出する鉱物の値段の中に盛り込むということにおそらくなるでしょう。それも私は非常に不合理だと思います。ところが操業していないところでも、鉱業権を持っておればその費用はどんどんかかってくる。こういうものは一体どこにかぶせるべきものか。理論的にいって、あるいは公平の原則からいってどうすべきものか、こういう点について見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(佐藤淳一郎君) いま御提案になった問題点、いろいろまあわれわれ整理いたしておるわけでございますけれども、問題は、現在休廃止になっておりまして、現実にその山からものが生まれていないというのに対して、要するに鉱害の費用の負担のみ負わせられるという結果になるわけでございますけれども、その場合、無資力、不存在につきましては、もうはっきり国と地方自治体ということで割り切っておりますので、問題は、現在の鉱業権者が現存しておって、しかもそれが稼行しない休廃止の山を持っておるという場合、確かに支出のみがかかって現実に自分の企業の圧迫になるという事態が出てくるわけでございます。 やはり、そういうものにつきましては特段の助成措置によって、その企業が休廃止鉱山の復旧によりまして非常に経営が危殆に瀕しないように極力排除していくということで現在やっておるわけでございまして、これはやはり現状の法律上のたてまえからいきますと、どうしても避けられない問題でございますので、その法律のたてまえに沿った考え方で、その範囲内で極力助成の厚味を増しまして、それでそういうことのないように配慮していくという立場をとっておるわけでございます。
○田渕哲也君 次に、自動販売機の点についてお伺いしたいと思います。 自動販売機について四十六年の十月に通産省がアンケートの調査を行なわれたということを聞いております。この調査によると、利用者のほとんどが故障等で非常な不便をこうむり、不満を持っておるということがいわれております。特にいわゆるエスクロ装置のない、金を入れたかどうかわからない自動販売機について、これが全体の八〇%以上を占めておる。 こういう問題も明らかにされておるわけでありますけれども、これらのアンケートの調査結果に対して、通産省では具体的にどのような対策を講じられたか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(森口八郎君) 昭和四十六年の十月に、自動販売機について当省でアンケート調査を実施したわけでございます。自動販売機がちょうどふえつつある時点でございましたので、改良すべき点は改良して問題のないようにしようということで、生活改善監視員にお願いをしてアンケート調査を実施したわけでございます。 このときに寄せられました自動販売機の欠点といたしましては、御指摘の故障が多いという点、それから食品類を販売いたしておりますものについて不衛生である、それから危険がある、それから大量購入ができないというような四点について問題があるという御指摘をいただいておるわけでございます。 故障につきましては、まず第一にやはり故障が出ないような機械をつくるということが大事でございますので、メーカーについて開発体制とか部品の規格化について指導をしてまいったわけでございますが、他方、迅速なメインテナンスの体制をとるということも必要でございますので、オペレーターについてそういうような体制をとるように指導してまいったわけでございます。 不衛生の問題につきましては、これは厚生省の所管の問題でございますが、食品衛生法の基準に合致するようにオペレーターを指導してまいっておるところでございます。 それから危険であるという点については、一部新聞紙上にも載ったわけでございますが、ハンバーガーの販売機で子供が取り出し口の奥に手を入れて、それがためにけがをしたというような事故もあったわけでございまして、機械の奥にまで手が突っ込めないように機械の構造を一部改造いたしますとともに、危険防止のために消費者に認識しやすいようにステッカーを張り、正しい取り扱いをするよう行政指導をしてまいったところでございます。 大量購入ができないという点につきましては、複数の自販機も現在開発されておりますが、一般的には一個取り方式に合った中身商品が多いために、アンケートでは指摘されておりましたけれども、消費者からの苦情もあまり聞いておらないというような現状でございます。 以上でございます。
○田渕哲也君 次に、酒類、たばこ類の自動販売機の規制についてお伺いをしたいと思いますが、これは大蔵省ですか——。 最近は、酒類、たばこ類の自動販売機が非常にふえておるわけですが、これが非常にまあ問題があるわけです。たとえば未成年者が簡単に買える、あるいは運転手が買っていわゆる酔っぱらい運転の原因になる、こういうこともいわれておるわけでありますけれども、これに対する規制を大蔵省としては考えておられるかどうか。
○説明員(星野孝俊君) お答えいたします。 御指摘の自動販売機によります酒類の販売でございますが、御指摘のように飲酒運転あるいは未成年者の飲酒というふうな問題がございますので、国税庁といたしましても、これらの対策の一環といたしまして、実は、昨年の八月以降におきまして、自動販売機のみによります酒類の小売りの免許、つまり既存の業者が小売り免許を持っていて自動販売機を設置する、そういうケースでありませんで、自動販売機で販売しますということを条件に新たに酒の免許を申請してきたもの、そういうものにつきましては、先ほど申しました趣旨からしまして、これは適当でないということで、昨年の八月から原則として免許を付与しない、こういう方針をとっているわけでございます。 ただ、さきにも触れましたとおりに、すでに酒の免許を取得している小売り業者の方で酒を販売するための一つの省力化の手段としてこの自動販売機を使っているケースがございます。これは全国的にも相当の数にのぼっているわけでございます。そこで国税庁といたしましても、これら自動販売機を設置しております小売り業者に対しましては、四十六年の十月に通達を出しまして、自動販売機に、未成年者の飲酒は禁止されておりますということ、さらには飲酒運転禁止という表示を行なうように業界を指導しているところでございます。また機会あるごとに会議等を通じまして、これらの趣旨の業界への徹底方をはかってきたわけでございます。 しかし、御指摘のように、自動販売機の中には深夜にわたって酒類を販売できるような、そういうふうになっているものもございますし、中には二十四時間販売というふうな機械もあるようでございますので、それらにつきましては、もともとが省力化あるいは消費者サービスと、こういうふうな趣旨から出るものであったといたしましても、やや行き過ぎの感がいたすわけでございまして、そういうケースも間々見受けられるように思われますので、これらにつきましては、先ほど申しました未成年者の飲酒の禁止、それから飲酒運転による交通事故の防止、こういう趣旨の徹底をはかりますために、今後におきまして、自動販売機によります販売の時間制限等も含めまして対象を検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 それから設置場所もですね、いまは屋外に設置してある場合が非常に多いわけですが、これは全部屋内に改めるべきじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
○説明員(星野孝俊君) その辺の問題につきましては、現在、業者の販売の実態がどうなっておるのか、その辺のところもあわせて検討いたしまして、御指摘の点も含めまして検討したいと思います。 ただ、すべてを屋内に入れるということが物理的に可能かどうかというふうな問題もございますし、それからもう一つは、この自動販売機の趣旨がたとえば閉店後でもしばらくの間売れるようにというような趣旨もありますので、これを屋内に入れてしまいますと閉店後は売れなくなるというふうな問題もございますので、その辺のところもあわせまして検討したいと思っております。
○田渕哲也君 次に、このあきかん公害についてお伺いをしますが、最近、どこの道ばたでもあきかんがごろごろころがっておるわけであります。この原因の一つには、やはりこの自動販売機の普及というものもあると思います。どこでも買ってその場で飲まずに自動車の中で飲んで窓から捨てる、あるいは歩きながら飲んでそこらに捨てる、まあこういうことでこのあきかん公害というものが問題になっておるわけです。 それで、このごみの処理は本来自治体の仕事であるわけでありますけれども、各自治体ともこれにはたいへん苦労をしておるようであります。町田市とか三鷹市等では、あきかん回収条例などというものを制定したりしておるようであります。しかし、まあこの問題もかなり大きな問題になりつつありますので、私は単に一地方自治体の力だけではどうすることもできないような状況になっておるのではないかと思います。特に観光地等をかかえた自治体のこの財政面における負担というものは非常に大きくなっておるということもいわれております。こういう点について、私はこれは政府においても何らかの対策を立てるべきではないかと思いますが、通産大臣にお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在、ブリキかんは年間約五十四万トン、約百億個、アルミかんは約一万五千トン、約六億個が生産され、使用後はあきかんとなって一般廃棄物として地方公共団体の手で収集され、そのほとんどが埋め立て処分されております。 通産省としましては、あきかんの持つ資源としての重要性にかんがみ、その再資源化を促進し、あわせてあきかん公害の防止をはかることとしており、特にあきかん再資源化にあたって最大の課題である分別大量回収を推進するため、あきかんの排出実態に基づき、地方公共団体の協力も得て、あきかんが経済的に回収、再資源化される方策を早急に確立することとし、五十年度予算として所要の要求を行なっているととろです。また、鉄くず加工処理者の近代化、合理化をはかるため、設備の近代化に必要な資金の借り入れに対する債務保証を推進することとし、五十年度予算として二億七千万円を要求しておるところであります。
○田渕哲也君 少し前の新聞に、通産省では資源の再利用という観点から、このリサイクリングのための法案を準備しておられるということが報道されておりましたけれども、この点についてはどうなんですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) 通産省としましては、省資源あるいは再資源化のための政策をいまいろいろ検討中でございまして、具体的には来年度クリーン・ジャパン・センターなるものを設置いたしまして、ここを中核といたしましてこの運動を国民全般に推進さしていきたいということと、実証プラントをつくりまして具体的に資源の再利用の方途をさぐっていくつもりでございますが、いろいろとの問題につきまして、法的にこれをやったらどうかという御意見もいろいろあるわけでございまして、われわれとしてもいろいろいま検討中ではございますが、まだ成案を得ておりませんし、具体的に来年度からこの法律をお出しするかどうかという問題も含めまして、ただいま慎重に検討中でございます。
○田渕哲也君 資源節約という見地から回収の必要性ということはこれは異論のないところだと思います。ただ問題は、回収のための最大のネックは回収のコストがかかり過ぎて採算に合わないというところだと思います。 そこで具体的な一つの方法として、アメリカのオレゴン州等ではこういう方法をやっておりますけれども、たとえばびんを持っていけばお金を幾らか返してくれるという制度があるわけですけれども、かんの場合もそういう制度をつくるべきではなかろうか。もちろん五円や十円返したところでだれも持っていかないということもありますから、あのかんの値段が大体二十三円かかるそうですが、三十円くらい返す、あるいは自動販売機のそばにかんプレッサーの機械を据えつけてかんをほうり込めば三十円返ってくる、こういうふうなことを義務づければいいんじゃないかと思いますが、こういう点についてはどうですか。
○説明員(佐藤淳一郎君) われわれも先生のおっしゃった事実につきまして承知いたしておりまして、何らかとにかく有効な方法で大量に回収できる方法をいろいろ実は考えておるわけでございますが、一応、来年度につきましては、いま言ったようなことも含めましていろいろいま検討いたしておりまして、そういう新しい立法の必要性につきましては、いろいろな施策を一応やってみまして、その辺の進捗状況等を十分見た上で検討して、立法措置につきましては検討してまいる、こういう段階を踏んでやってみたいと思っております。
○田渕哲也君 以上です。
○野末和彦君 最近、新聞などで通信販売による被害という記事が目立つようになりまして、これはいまに始まったことじゃないですけれども、特に悪質な業者が最近出てきましたために、新聞など見ておりますと、やはり被害にあったというような記事がだいぶ出てきます。 そこで、私は、きょうは通信販売、訪問販売とかマルチ商法とかいろいろありますが、そこまでワクを広げますと非常に複雑になりますので、一応新聞とか雑誌その他を通じて、あるいはダイレクトメールを通じて物を売るという通信販売というものについて大臣にいろいろ質問したいと思うんです。もちろん大臣をわずらわすほどの問題ではないかもしれないんですが、お役所のサイドではらちがあかない面もありまして、この決算委員会の場をかりて一歩でも前進したお答えをいただきたいと、こういうふうに考えているわけなんです。 被害者が大体泣き寝入りする例のほうがこの通信販売というものなんですけれども、大体泣き寝入りということ自体おかしいので、そこには消費者保護というような姿勢が行政のほうにないからこうなってしまう、業界が野放しになってそのまま十年、二十年と続いているわけですね、この通信販売というのは。そこで、大臣御存じかどうかわからないんですが、最近のように特に悪質な、もう詐欺といっていいような、それなのに警察もきちっとした手が打てないというような事件が出てきている以上、ここで早急に何らかの規制の必要をこの業界に感じるわけなんです。 大臣、まず規制すべきだとお考えになるか、それとも規制まではいかないで、行政指導といいますか、自粛を要望するような形がいいのか、その辺まず大臣の感触をお聞きしたいんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 実態によりまして、被害が大きく悪質なものが多いという場合には、これは放置できませんから、行政的ないし法律的取り締まりを強化する、そういう考えを持っております。
○野末和彦君 ところが法的に全く野放しでありまして、強化するにもその根拠が全然ないんですが、どういう法律に基づいて強化なさるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 強化というか、行政的ないし法律的にと申しましたのは、立法も含むわけであります。しかし、それはよく事情を調査した上で判断をする、そういう意味で申し上げました。
○野末和彦君 それでは通産省のほうにお伺いしますけれども、じゃ、いま通信販売の業界には、小さいのは別としまして、大どころでどのくらいの業者がおって、資本規模がどのくらいで、売り上げがどのくらいで、そして大体どういう媒体をおもに使って商売をしているかというような、この業界の実態というものをどこまで通産省のほうは御存じでしょうか。それがわからないと、行政指導とかいうことを考えてもできないんじゃないかと思うんで、まず、その実態をどの程度つかんでおられるか、それをお聞きしたいんです。
○説明員(天谷直弘君) 通信販売業につきましては、はっきりした業界の姿がございません。と申しますのは、通信販売は、極端に申しますれば紙と鉛筆さえあればだれでもできる——通信は自由でございますし、営業は自由でございますので、そういうきわめて不特定な多数の人間が通信販売をやっておるというのが実情でございます。で、その販売する商品も種々雑多にわたっておりますので、通信販売業というカテゴリーとしてこれをとらえておる統計等は残念ながら現在のところないのが実情でございます。しかもこの通信販売につきまして問題があるとすれば、大どころではなくて、零細泡沫的な通信販売業者こそが問題でございますけれども、これの実態をつかまえるということは非常にむずかしい問題でございます。 したがいまして通信販売業につきまして、現在、われわれとして、あまり自信のある統計を持っておりませんけれども、本年六月に通産省で実施いたしましたサンプルアンケート調査、これは通信販売業のうちの大手九十八社を調査対象にいたしたわけでございますが、これについて見ますと、取り扱い商品では、書籍、文房具、趣味商品というようなものを一番多く扱っており、次いで化粧品、医薬品、それから電気製品というようなことになっております。またこの九十八社について見ますならば、資本金別の分布状況は、資本金一千万円以下が五一%、それから一千万円から一億円が二八%、一億円超が二一%というぐあいになっておりまして、売り上げ高は、四十八年度で六百九十億円というような一応の数字を持っておる程度でございます。
○野末和彦君 事実、そのように実態がわからない、またあるいは泡沫の業者が多いのが実情と思うのですけれども、この泡沫といえども消費者にたいへんな被害を与えているという事実は、これはもう確かなんですね。この被害という点だけに限って見れば、やはりここで消費者保護という基本姿勢を行政のほうで打ち出さなければ、幾ら大臣が法的なものを含めてとおっしゃっても無理じゃないか。 私、その被害のほうは通産省にもかなりきているのではないか。特に、最近、例外的といわれました、例外的に悪質な業者で、輸入代行も含めておりましたあのJTSというのがありまして、おそらくあれはちょっと例外でしょうけれども、しかし、こういう業者がつけ込んでくるほどこの業界はまあはっきり言って何の規制もなく野放しで、少々のことをやっても全く、何と言うんですか、制裁を受けないというようなことが実態ですね、大臣。 そこで、これからお伺いしていきたいんです。まず被害の状況、大体、通産省ではこれは重大だと、深刻だと思われるほどいろいろな苦情などがきているのかどうか、それとも何かそっちのほうは泣き寝入りのケースのほうが多くて、まだそこまで被害状況、苦情の届け出などが少なかったから何となくいまのまま野放しになってきていたのか、その辺の事情をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 通信販売に関する消費者の苦情は、通産省の私書箱一号、国民生活センター、県の消費生活センター等へ相当数投書が寄せられており、たとえば私書箱一号では四十八年度苦情総数千九百三通のうち八十通、国民生活センター及び県の消費生活センターでは四十七年四月から四十八年八月末までの間に百二十六件の苦情がありました。 内容としては、送金したが商品が送られてこない、カタログと現物とが大きく違っている等が圧倒的であります。商品としては家庭用機器、書箱、切手等の例が多いようであります。
○野末和彦君 通産省以外にも、もちろん東京都とかあるいは各地方自治体とか、それから自主的な消費者の協会というところにもものすごくたくさんきているし、それから新聞の投書欄などを見ましても、月に何回かはどこかの新聞に子供からあるいは主婦からだまされたとか、ちょっといいかげんなあまりにも広告と違うようなものがきて困っているんだがというような苦情もあります。 そこで、そういう面で消費者保護ということを絶対にここで考えなければいけないと私は思っているわけなんですが、どうでしょうか、大臣。まず、この業者は大小いろいろあるんでしょうけれども、やはりここで免許制にするというか、資格を厳重に考えて、ある程度のチェックをしなければいけないと思うのです。これは自由競争であるとか、通信は自由だし、商売も自由だ、そこに重点を置き過ぎて、いわゆる消費者の被害というものが忘られている、この業界に限って逆なんです。やはり業者のチェックを絶対に厳重にするということが一番だ。なぜならば、ものを頼もうとする消費者の立場からはいい業者か悪い業者か、信用できるかどうかは全くわからないのですね。その点で、大臣いかがでしょう、免許制にすべきであると私は思うのですが、御見解いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 免許制にするかあるいは登録制にするか、届け出制にするか、いろいろな態様はあると思いますが、この前、野末議員さんがおかあさんの問題でたしか電気毛布か何かでしたか、粗悪品がきた、履行しなかったというお話を承りまして、かなりそういうような悪質なものがあるんだなあということを私も知りました。また、われわれのほうでもう少し実態を見きわめまして、それに適当する対策を行政的にどの程度やるか、もし行政的に不十分な場合には立法的にどの程度やるか、その辺もひとつ検討してみたいと思います。
○野末和彦君 検討してみたいだけじゃ困るのですが、事実、通産省のほうでは、何かあれでしょう、諮問なさっているということを聞いたんですが、その経過は簡単にどうなっているんでしょう、もうそろそろ答えが出ているんじゃないでしょうか。
○説明員(天谷直弘君) 通産省では、昭和四十八年十一月に、産業構造審議会流通部会に特殊販売小委員会を設置いたしまして、現在、特殊販売についての全般的な審議をお願いしておるところでございます。まだ、この検討は継続中でございまして、答申を得るには至っておらない次第でございます。 そこでたとえば登録制、届け出制等の問題も議論されておりまして、その中間的な感じで申し上げますと、かりに届け出制をとるといたしましても、一体、はたして届け出てくるかどうか、泡沫的な業者が手紙を出すのを禁止するということは技術問題としてきわめてむずかしいのではなかろうか、要するに届け出を強制するということはかなり技術的な難点があるというような議論がございます。 それからまた、逆に、それでは優良な業者について届け出の申請があった場合には、届け出の基準をつくっておきまして、その基準に合致すれば登録する、登録したものは登録業者だということで消費者の信用を得るというような考え方も可能でございますけれども、それでは届け出の基準というものをたとえばどうするのかということになりますと、結局、外形標準によらざるを得ないのではなかろうかというふうな感じがするという意見でございます。外形標準によって登録を行ないますならば、結局、大手の業者というのはすべて登録されるけれども、中小の業者というのは登録されなくなるという問題が出てまいります。ところが中小の中で正直な業者、小さいけれども優良な業者と、それからJTSのような詐欺的な業者とが混合しているはずでございますけれども、この混合している全体をいかにして優良なものと悪質なものとに選別することが可能であるかという問題が出てまいります。 JTSのようなのは、ああいう犯罪的なことを起こしてからあとでこれは悪いやつだということがわかるわけでございまして、事前に役人がJTSをつかまえまして、おまえはどうも悪いやつらしいということをきめつけるということは徳川時代的なやり方でございまして、なかなかわれわれいまの通産省等の役人がそういう判断をするということは非常にむずかしかろうというような、そういう難点がございまして、目下のところ、一体いかなる方策があるであろうかということについて、なお検討をお願いしておるという実情でございます。
○野末和彦君 よくわかります。事実、非常にむずかしいと思います。しかし、むずかしいですけれども、ほうっておくわけにもいかぬのです。 ですから、大臣として、いまの私通産省のほうのお答えを聞いていますと、やはり方向としては何らかの規制が必要で、その規制は行政指導よりもどうも法的なものを含んでいる。登録あるいは免許制、そういうものを含めているんですが、何か法的に規制するのが望ましいのではないかという感触を得るのですが、それが非常にむずかしいという技術的なことがいま残っているんじゃないかと、そう思いますが、大臣のお考えもそうとってよろしいですか。方向としては、やはりここで規制したい、あるいは具体的に業者の、何というんですか、免許を登録制にしたいというような感じにとっていいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) とってけっこうです。やはり監督ないし規制の強化、取り締まりの強化、そういう方向に向かっていきたいと思います。
○野末和彦君 それでは、もっとこまかいところまでお聞きしたいんですが、実は、前回のたしかこの席だったと思いますけれども、テレビのバーゲンのことをやりまして、あれは公取の努力もありまして非常にいい結果が出まして、いわゆる二重価格というものもかなり少なくなって改善されました。それよりももっといいことは、テレビ局のほうの売り上げがぐっと落ちまして、番組をだんだんやめようという動きになっているんです。ですから、そんなことで、非常に大臣がはっきり、ちょっとあいまいなところもあるでしょうけれども、まあこうだとおっしゃっていただくと、非常に効果が大きいのではないかというふうに考えておりますので、やはり、この業界があまりにも野放しで、消費者というものが全く保護されていないということを、いままでいろんな実例で私よく知っておりますので、さらにお聞きしたいと思うのです。 物を前金で頼んだりあるいは頭金を払って、実際品物がくる。そうすると、きた品物が非常に自分の考えているものとは違うし、あるいは高い品物であるし、あるいはどうもいやで返したいんだという場合に、通信販売ではそれが返せないんですね。割賦販売では、この間の法律でもってクーリング・オフいう冷却期間があって返せると、こうなりましたが、通信販売にも業者の登録、免許ということとは別に、消費者の側に立ったこういういわゆる返品の自由、解約の自由、品物を受け取ってからというこれをやはり打ち出さなければいけないと、こういうふうにぼくは考えているんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 契約違反になるようなものについては、返品の自由は、当然、持つべきであると思います。
○野末和彦君 契約違反というのがだいぶ違うんですね。 品物でしたら、見て納得して買うからいいんですが、やはりこれ一片の広告と申し込み書でやりますから、契約違反という場合に、その契約書というものがあまり通信販売にないわけです。ですから、契約違反ならばということじゃなくて、品物を受け取ったが、どうもほしくないんだという場合に、返せるという意味の返品の自由を、数日問——割賦販売の場合、四日ということになっていたと思いますが、これをお聞きしているんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) それも考慮に値する御議論であると思いますから、考えます。
○野末和彦君 通産省のほうはどうでしょうか、いまの。
○説明員(天谷直弘君) 現実問題として、そういう一ぺん送ってきた品物を返品するということがはたして手続的にうまくいくかどうか、いろいろ問題があると思いますので、検討をしたいと思います。 ただ、もう一つ、通信販売の問題が非常にたくさん起きる基本的な原因は、要するにコミュニケーションが不十分であるということであろうかと思います。手紙一本あるいはカタログ一枚で、実際に品物を見ないで契約をすれば、そういうやり方をすれば、相当な意思の食い違いが起こる確率というのはきわめて高いと考えるのが普通ではなかろうかと思います。ただ通信販売業者が、たとえば米国のシアーズローバックのように非常に確立された信用がございますならば、通信販売であってもそんなに大きなトラブルは起きないだろうと思いますが、見も知らぬ相手から手紙がきまして、それに対して発注をするということをいたしますると、きわめて多くの場合にそういう意思のそごが起こる可能性があるわけでございますので、やはり消費者のほうでも信用できる相手か、できない相手かということを自衛のために選別していただくということが基本的に必要であろうというふうに考えます。 したがいまして通産省あるいは消費者協会、その他の消費者団体におきまして、そういう方向で消費者に十分な御注意を願うというような方向でPRをするというようなことも重要なことではなかろうかというふうに考えております。
○野末和彦君 実際、ほんとうを言えば、消費者の自衛のための自覚が一番大切なわけなんですよ。それはわかっているんですけれども、しかし被害を受けて、おまえのほうが自覚が足りないとも言えない。そうなったのは、結局、いままで通産省が監視を怠ったというか、この業界をほうっておいたからということになるわけです。 いい業者か悪い業者かよく見きわめてということですが、しかし、まさか通産省としてそんなPRはちょっと無理なんじゃないですか。それを言い出すと、いいのはこれだ、悪いのはこれだという基準を示さなければなりませんし、基準が示せるくらいだったらば、さっきの免許なり登録なんということも簡単になるわけですから、私はそれは無理だと思います。 時間も来ておりますので、あれですが、消費者のほうの自覚に待つと言っても、これはもう絶対無理だという例をじゃお話ししますと、これもテレビを通じた通信販売が実はあったんです。これは輸入代行なんですよ。大臣、輸入代行ですから、自動車とか、あとかなり高額のものですけれども、これはテレビを通じたんですから、いい業者と思うのはあたりまえですね。ところが、現実には、申し込んだ人の二人か三人ぐらいですか、これは車の場合ですが、二人か三人は届きましたが、あと全然だめですよ。そこで騒ぎになりましてテレビ局に苦情がいきまして、これ大騒ぎになったんですよ。どうなったかというと、この業者がインチキな業者だったもんで、さっきのJTSとは違いますけれども、インチキな業者だったんで、間に入った広告代理店が結局責任をとりまして、お金だけは返したんです。お金だけは返しましたから、これは事件とは言えないかもしれません。しかし消費者のほうはお金返してもらって済むことじゃないんで、やはりテレビを通じてだまされたなということもあるわけです。 そうなりますと、やはりいい業者、悪い業者っていう、消費者が自衛のために選別するぐらいの注意をして、自覚をしてほしいとこう言っても、これはぼくは絶対に無理だと、やはりそれは消費者にかわって行政の当局がするべきことで、その辺に通産省の、まあ通信販売の業界に関する限り、消費者保護という姿勢が、あるいはそういう努力が全然いままでなされていなかったのじゃないか、こう思っているわけなんです。 幸い、大臣から、非常に前向きの、いままでよりは前進したお答えをいただきましたので、ひとつ、今後、やはり消費者行政を充実させようというのが来年の通産省のかなりの目標だそうですから、こういう全く保護を与えられていないような消費者、通信販売でだまされた、泣き寝入りしてしまう、訴えても刑事事件にも何にもならないというような消費者がないように、この業界を、ひとつ規制なりあるいはきびしい行政指導なりでもって、もう少しまともな普通の業界にしていただきたいと、こういうふうに考えております。 よろしくお願いして、これで終わります。
○委員長(前川旦君) 他に御発言もないようですから、通商産業省とそれに関係する中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算につきましては、この程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十六分散会 —————・—————