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73回国会衆議院1974/11/27

物価問題等に関する特別委員会 第6号

発言数
107
登壇者
15
会派数
4
開催日
1974/11/27

会議録

平林剛日本社会党

○平林委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私から、長官にまず御質問いたしたいと思います。  ここに「エコノミスト」の十一月十九日号があります。その中で、「この人と一時間」という中に、長官が自民党の独禁法問題懇談会座長をやっておられるときに、一問一答で記事にして四ページほどにわたって載っているわけでありますけれども、このときには一応座長ということで、いま長官におなりになったわけですけれども、立場は違いますけれども、独禁法の改正問題についての取り組みについて、大筋として基本的に変わりがあるのかないのか、その点についてまずお聞かせ願いたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいまの御質問の雑誌「エコノミスト」に、私が自由民主党の独禁法問題懇談会の座長としての意見を述べてあると思いますが、独禁法に対する基本的なものの考え方、すなわち市場経済が円滑に機能するために競争秩序の維持が必要である、また現在の寡占、独占の問題がいろいろと問題になっておる、したがって、この市場経済のさびを落として、円滑な機能を発揮して競争秩序が維持される、自由な公正な競争を確保して、そのことによって資源の適正配分が行なわれる、また消費者利益に反射的につながる、こういう基本的な私のものの考え方は、長官になりましても全然変わっておりません。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そこで、私は二つの点について大筋として非常に疑問に思うと同時に、私自身非常に不安に思う点がありますので、お聞きしたいというふうに思うわけであります。  そのまず第一点は、この中でも一番最後に述べているわけでありますけれども、「自民党としての改正案は年内にまとまりますか。」こういう質問に対して、「これからの政局の動きとか、いろいろな問題ともからんできますからね。独禁法どころのさわぎじゃないということになるかもしれませんね。」ということを言っておる。いま長官がそういう立場にお立ちになって、ここで言われているように、政局が非常に激動していて、こういう不安な状態の中で、いままで私どもがいろいろ御相談し、また要求してきたのは、この改正案は何といっても通常国会までに整備して通常国会には出すべきだ、こういうことを言ってきたわけでありますけれども、そういう政局の不安状態の中で、独禁法どころの騒ぎじゃないということになってしまったのではたいへんだ、こういうふうに思いまして、特に長官は、いままでも自民党の中で独禁法についての権威者でもありますし、取り組んできた方でありますので、そこら辺のところの不安についてひとつ解明していただきたい、こう思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいまの雑誌の記事は、雑誌社の方が、政局がだいぶ騒がしくなってきたのではないでしょうか、そういう中で、独禁法の改正案をまとめることできますかというお話でございました。私自身として、当時田中総理の退陣を必ずしも予想したわけではございませんけれども、政局が非常に不安定になった、そういう状況で、こういう経済の基本的な憲法ともいうべきものについて、政府部内での意思統一をすることはなかなかむずかしいのじゃなかろうかという、ざっくばらんな政治家としての私の考え方を率直に申し述べたまででございます。  しかし、御案内のとおり、いま田中総理が退陣を決意されてその決意を表明された。そしていよいよここ数週間の間に新内閣が誕生するかと思うわけでございますが、やはりそういう政局の安定、それから新内閣の陣容の確定、こういうことが、やはり独禁法改正にとって不可欠の要件ではなかろうかというふうに思うわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 法案を担当するところは公正取引委員会であります。しかし、先ほど申し上げましたように、特に独禁法問題については、もういままで自民党の中でもいろいろ取り扱ってきた責任者の方でありますので、特に長官としての現在の立場から、言えば各省庁間でもいろいろ意見があるようでありますけれども、やはり長官の立場から、次の通常国会には出せるような姿勢で全体をまとめていくというか、そういうことが必要じゃないか。そういう展望を含めて、総理がやめたわけでありますから、それについての対処は一日も早くしていかなければならぬことは当然でありますけれども、特にこの問題について取り上げてみた場合に、長官としてその決意というか、取り組みというか、そこら辺の考え方をひとつ明らかにしていただきたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいま中村委員の御発言の中で、公正取引委員会がこの法案の取り扱い官庁であるというお話でございますが、実施官庁であって、法案の提出権は政府あるいは国会にあると私は思っております。公正取引委員会にはございません。  したがいまして、これについて政府部内でどう扱うかということは、私は、消費者行政、物価関係の担当閣僚としては、その面からは独禁法の問題に積極的に取り組んでいく所存でございますけれども、政府全体を私がいま代表する立場にはないわけでございます。これは独禁法のいろいろな問題について、各省庁が非常に深いかかわり合いを持っておる問題でございます。したがって、新内閣が成立したあと、党の独禁法問題懇談会の意向も十分参酌しながら、政府としてどういう取り扱いをしていくのかということを、やはりよく協議しなければならないと思うわけでございます。政府の閣僚の一員としては、この問題に十分真剣に取り組んでいく所存でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 公正取引委員会は、いま試案を出しているわけでありますけれども、あくまでも試案で、これを法案として出すところはまだ確定しないようでありますけれども、普通の筋からいけば総理府で、内閣委員会にでも出てくるわけですか。いずれにしても、取りまとめは公正取引委員会が中心になって試案が出ているわけでありますし、やっているのではないか、こういうふうに思うわけであります。  しかも、先ほど申し上げましたように、いろいろ各省庁で意見が出ている。しかも、日程からすれば通常国会ももう目前に来ているし、その前に政治的ないろいろ流動的なものがある。こういうふうになっていきますと、失礼でありますけれども、長官は、次に内閣がかわってもまた長官になられるんじゃないか、こういうふうに私は思いますけれども、そこも流動的であります。しかし、現在の時点で、そういう流動的な中でも、やはり通常国会にはまとめて出すんだ、こういう強い姿勢がなければ、これをまとめて通常国会に出すということはなかなか困難ではないか、こういう不安が私は非常にあります。しかも、この独禁法の問題を考えてみた場合に、私はこの政局の問題とあわせて、国民全体がそういう不安を持っておると思うのです。ですから、もう少し見通しを含めた決意をお聞かせ願いたい、こういうふうに思うのです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 最初の、公正取引委員会が取りまとめるというのは、これは適当でないと思います。公正取引委員会はあくまで実施官庁でございます。したがって、法律の提案権は政府あるいは国会にある、この点だけははっきりしておく必要があるのじゃなかろうかと思います。実施官庁としての意見を申し述べるということでございまして、ここが全体の意見を取りまとめるという筋合いのものではないということは、御理解いただきたいと思うわけであります。  それから、政局が流動的であるということは、もう中村先生も政治家の一員としてよく御承知のとおりでございます。やはりこれを一日も早く安定させるということが、問題の出発点ではなかろうかと思うわけでございます。それじゃ、現時点でどうするのかということを言われましても、これはちょっとなかなか私の立場ではお答えしにくい、率直にそう思っております。  しかし、この問題の重要性については、私も党の懇談会の座長をしておりますときから、微力でございますけれども一生懸命真剣に取り組んでまいりました。その点だけは、いまも、これからも真剣に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 提出権が政府にあることはあたりまえなのです。  それと、二番目の問題として私が非常に不安に思う点が幾つかありますけれども、時間の関係もありますから、二、三点だけお聞きしておきたいというふうに思うわけでありますが、長官の考えている、独禁法の改正は二段ロケット方式という方法で対処していくということが適当だろう、こういう、この「エコノミスト」の記事でいけば四九ページの中段でありますけれども、二段ロケット方式ということを考えているというその中身について、簡単でけっこうですけれども、ひとつ明らかにしていただきたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいま私は経済企画庁の長官でございます。したがいまして、長官としての意見を申し述べよということになりますと、白紙であると申さなければならないと思います。  ただ、独禁法問題懇談会の座長としてのときの私の考え方を率直に申しますと、非常に重要なむずかしい問題をずっと議論しておると、これは果てしなく続いていく。これはもうドイツにおきましても、アメリカにおきましても、いろいろの法案の審議というのは一二年、四年、五年とかかっておるというような状況でございますから、やはりそういう問題は問題として十分検討を進めていく。しかし、コンセンサスが得られた面は実施に移していったらどうか、そういう考え方を座長として考えておるということを申し述べたまででございます。いまの私の立場では、どうだと言われましても、政府の一員でございますから、もう少し政府全体の意思統一ができないとお答えしにくいというところでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 立場が立場になれば、その立場というものが生まれてくると思いますけれども、その二段ロケット方式という方式でいくと、私は二番目の非常な不安ということで申し上げたわけですけれども、この座長としての記事、これで感ずることは、まず相当意見が方々から出てまとまるということが困難なような、企業の分割の問題とか、原価公表の問題とか、それから価格の引き下げの問題とか、こういうものはロケットの後段のほうへつけておいて、課徴金とか罰則の問題で意見があるとすれば、さしむき罰則の強化の問題とか、そういう意見のまとまるような点についてロケットの前段へ取りつけていくとか、どうも長官の考え方からいくと、消費者保護という問題について相当考えておられるようですけれども、消費者保護についても十分対策を立てていく必要があるという点については私も同感でありますけれども、特に、その消費者保護の中の独禁法との関係で、申告制度か何かそんなようなものを一つぐらい取りつけて前段のほうでさしむきやっておいて、あと後段のほうのロケットはいつ発射できるかわからない、こういうことで、改正するにしても有名無実のようなかっこうになる危険性というものが十分あるのではないか、こういうことを強く感ずるわけであります。  したがって、いまの立場は白紙だというふうに言われますけれども、私はそういう二段ロケット方式というのは、いま申し上げたような意味で、まことに有名無実になってしまう要素がありますし、不安を感じますので、その点についてひとつ、白紙のところをどうだと言ってもまた白紙かもしれませんけれども、考え方をお聞かせいただきたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 私が「エコノミスト」で申しました二段ロケットの御解説を中村委員からいただいたわけでございますけれども、私は、やはりこの問題は非常に重要な問題である、したがって、十分国民のコンセンサスを得る形で実施をしていかないとまずいんじゃないか。そのコンセンサスをどういう形で得るのかということについては、いろいろくふうしてみる必要がある。私が懇談会の座長のときにも、労働組合にも意見を求めたわけです。総評あるいは同盟、そういう方々にも意見を求める、そういう手続を踏んでおるわけです。たとえば、アメリカのハート法案が非常に難航しておるというのは、アメリカでは、労働組合がこれに非常に反対をしておるわけです。  そういういろいろなことがございますので、やはりいろいろな点であらゆる角度からこれを検討する、そしてコンセンサスを得るということが何よりも大事でございまして、そういうことなしで、ただ試案が出たからこれをこのままやれということでは、私はうまくいかないのじゃなかろうかというふうに思っております。しかし、御質問の趣旨と申しますか、積極的にこの問題に取り組め、そういう中村委員の御発言の御趣旨はよくわかりましたので、十分参考にさしていただきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 二段ロケット賛成で、前のほうへ装置したのだけ打ち上げるということを言っているわけじゃありませんからね。  それともう一つ。いま申し上げたわけですけれども、消費者保護の問題で長官の考え方があったら明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。先ほど申し上げましたように、いままで長官がいろいろなところで語られ、また長官が出しておる書物を見せていただいても、消費者保護という点については相当見識を持っておられるようでありますし、そういう意味で、消費者保護という問題について特に真剣に考えていく必要があるだろう、こういう立場でいろいろ質問をしたい、こういうわけです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 独禁法と消費者保護との問題ということになりますと、独禁法自体は、御承知のとおり、競争秩序の維持ということがその法律の目的でございますので、消費者保護というのは反射的な利益である、非常に間接的なものである、こういう性格のものではなかろうかと思います。  私が日ごろから考えております消費者保護というのは、独禁法という範疇だけにとらわれないで、もっと広い立場から消費者保護ということを考えてみたらどうか。これは産業官庁、たとえば通産あるいは農林というような産業官庁は、どちらかというと企業サイドからものを見がちであるということになる。経済企画庁というような役所は、やはり消費者サイドからものを見ていく。物価局あるいは国民生活局というのがありますけれども、しかし、まだまだ人数も少ないし、また権能も非常に弱い。そういうことで、思うように消費者保護の十分な役割りを果たしていない。したがって、もう少しこういう機能を充実していったらどうか。しかし、そう申しましても、すぐ機構を拡大したり、予算、人員をふやすということはできないにしても、もっと親しみやすい役所に経済企画庁をしていく方法はないか。いろいろ物価指数、その他の指数が出てくる。これは確かに指数としては科学的に検討し、また学者の意見を取り入れたものであって、決して間違いではないけれども、しかし、主婦の実感からすると必ずしもぴんとこない。そういうはだで感ずる国民の気持ちを体して、これから先の行政をやるべきではないかということを、私は長官に就任してからも、関係の庁内の局長諸君とも話し合っておるような状況でございます。  それから、独禁法に関して申しますと、消費者保護については二十五条の無過失損害賠償の制度、また四十五条の制度というのがありますけれども、これも過去の実績を調べてみますと、なかなか実効をあげていないということになっておりますので、この辺で何かいいくふうはないものであろうか、そういうことを考えてきたわけでございます。  いま、それじゃどうするかということになると、まだ皆さまの前で、これをこうするということを申し上げるまで、私の考えがまとまっていないというのが現状でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 今度内閣がかわって、また続いて長官をおやりになるというようなことになれば、消費者保護について、何かもっとまとまるのですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 私は、就任後まだごくわずかの期間でございますし、いろいろ部内の諸君とも相談をしておりますし、また内閣全体ともいろいろ相談をしなければならないことばかりでございますから、消費者保護の十分な機能を果たすことができるような方向で、これから勉強してまいりたいと思うわけでございます。  したがって、私は現在、現在の機構、現在の立場でやれることを全力をあげてやっていくという姿勢で、一日一日を努力いたしておるということでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に進めていただきたいというふうに思いますが、通産省の天谷審議官がお見えになっていると思いますが、やはりこの「エコノミスト」の同じ十一月十九日号で、この中身によりますと、一市民としての意見の開陳、こういうことで長文の論文が出ているわけでありますけれども、前書きにはそういうふうになっていますが、中身をずっと見せていただきますと、非常に私どもとして参考になる点もあります。しかし、中身のところどころに通産省の立場、通産省ということで発表になっている面もあるような気が私はいたします。  そこで、この論文の性格についてちょっとお聞きしたいのです。と申し上げますのは、中身で一応、一市民というふうになっていますが、一番最後のほうを見ますと、やはり「あまやなおひろ通商産業省通商産業審議官」こういうふうにカッコ書きですけれども書いてもございます。しかも、先ほど申し上げましたように、この中身に通産省という例を引用しながら随所に記事となって出てきていますので、確かに通産省のまとまった代表的な意見でないことは明らかでありますし、それからその政策でもないことも明らかでありますけれども、しかし、あなた自身、審議官として現存しておられるわけでありますから、それを一市民というふうに——まあ一市民ということになれば言いたいことも言える、審議官ということならば一応のはかまをはかなければならぬ、その気持ちも私はわからないこともないような気がするのです。しかし、これを見せていただいて、私自身、これをどういうふうにというか、ほんとうの一市民ということで、いまの独禁法改正問題について見たほうがいいのか、それとも、あなた自身審議官でありますから、通産省の考え方というか、そういうものも随所にあるのかな、こういうふうに考えたほうがいいものか、非常に迷う点がありますので、まずその点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。

天谷直弘通商産業審議官

○天谷説明員 先ほど先生が、立場立場によりましてものの考え方なり言うことも変わり得るということをおっしゃいましたように、公務員も、公務員としての立場とそれから私的な立場ということ、この二つをとり得るというふうに私は考えておるわけでございます。個人的な見解あるいは私見を述べるということが許されないということになりますと、非常に窮屈なことになりまして、そういうことはある程度許されるのではなかろうかというふうに理解をいたしておるわけでございます。  この論文につきましては、私、産業政策を長くやっておるものでございますから、それについて幾つかのつまらない論文を書いたこともございまして、その産業政策という分野と、それから独禁政策という分野は非常に重なっているところがございまして、今度の独禁法改正問題につきましては、そういう産業政策の立場から非常に興味のわき起こってくる問題でございます。それで、ぜひ論文をひとつ書いてみたいということになりまして、役所とは別に相談したわけでもなく、私的な立場から書いたわけであります。  まず、この一番最後に、「あまやなおひろ通商産業省通商産業審議官」と書いてあるではないかという御指摘でございますが、これは、私はほんとうはこういうことを書いてほしくないのでございますけれども、雑誌は何かすべてこういうことを書くというしきたりになっておるようでございまして、あらゆる雑誌をのぞいてみましても、たいがい必ずみな肩書きというものがくっついておるようでございます。肩書きのない論文というものは、どうも雑誌に認めていただけないらしゅうございまして、削ってくださいと頼みましても、これはだめということで、私の意思でついているわけではございません。私の本来の原稿には、こういうものは書いてないわけであります。  それから、なおついでに釈明をいたしておきますが、その題でございますけれども、「独禁法改正試案に反論する」と、こう書いてあるのでございますが、これも私がつけた題ではございません。私は自分の原稿には、「日本的競争の特質と独禁政策」という題をつけておいたのであります。独禁政策なり産業政策なりを議論いたします場合には、日本の社会の特質なり現実なりをよく認識するということが議論の出発点であるというふうに、私は個人として考えております。ですから、そういう立場からこの論文を書いてみましたわけで、別に公取案を反駁しようとか、そういうつもりは全くなかったと言ってよろしいわけでございます。しかし、雑誌としましては、何かおもしろそうな題をつけなければいかぬということなんでございましょうか、私が知らないうちに雑誌が出てみましたら、「独禁法改正試案に反論する」と、こういう題がついておりました。  それから、私はここに、先生もおっしゃいましたように、一市民としての意見の開陳であり、私の勤務する通産省の独禁法改正問題その他の政策問題に関する見解を代弁するものではないと、一番最初に断わりをしておいたわけでございます。ところが、その上のほうを見ますと、「「一市民の資格で」と断ってはいるが、ここに掲げた改正試案に対する反論は、独禁政策に関する通産省の考え方を知るうえで、有力な手がかりとなろう。」とかいう注釈がくっついているわけでございますが、これも、私としてははなはだ予想外の注釈でございます。私としましては、自分で理論的に考えておるものごとの見方を述べまして、それが独禁法改正問題という非常に重大な経済政策の問題について、何か建設的な役割りを果たすことができれば幸いである、こういうふうに思って書いたわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いきさつについてはよくわかりました。それで、私は別に、一市民という立場で審議官がどういうことをお書きになるのも、それを制限したり、そういう意味で言っているわけではありませんから、ひとつその点は理解していただきたいというふうに思うわけであります。  まあ、私がこれを見た限りでは、先ほどもちょっと触れましたけれども、一面審議官という公な立場にいる。それで、一市民という立場でこれを書いたというふうに言うけれども、この中身全体から見ると、何か公正取引委員会の独禁法に対する改正試案というものについて、非常に言い方はきついかもしれませんけれども、実は何か敵意を持っているような、何かゆがんでそれを反駁しているような感じを受けてならなかったわけであります。  これは、時間がありませんから、一、二カ所だけ指摘しておきますと、「今回、公取委が発表した独禁法改正案は、一種の「ご神託」である。ご神託には説明や証明はなくて、」とこうきて、「高橋公取委員長は、箱根の山から九項目の改正案をもって下ってこられた。」これは何か少しオーバーというか、言っている趣旨はわかるんですよ。このところにもはっきり言って、前にも言っておりますように、日本的な企業風土を無視してはならないんだということを一貫して書いてありますから、わかりますが、しかし、改正案そのものは、公正取引委員会としては懇談会をつくって、ある程度の年月をかげながらやってきたわけでありますし、それから国会においても、この問題については、特に昨年の狂乱物価というふうにいわれる中で、生活安定緊急措置法案が審議されたときにも、衆議院のこの委員会でも相当問題になりましたし、それから参議院の物価対策委員会の中でも、これは附帯決議として、改正する、または公取委の強化をはかる、それから、特にいま試案の中身になっております値下げの問題とか企業分割の問題等についても触れながら、附帯決議になっているわけですね。  だから、いままでのような形で独禁法というものが、「原始独禁法の「復古」こそが」とか、「歴史的色盲のたぐいであろう。」とか、それは経過はここに書いてあるとおりでありますけれども、まあそこら辺のところも、簡単な言い方を私はしておりますけれども、いまいろいろお聞きしましても、これは全く市民的な立場に立った意見だ、こういうことですから、別にこれ以上はいろいろ言いませんけれども、それにしてもちょっと、あまり楽になり過ぎて、羽が伸び過ぎているんじゃないか、こういう感じを私は受けました。何かちょっと言うことがあればあれですけれども……。

天谷直弘通商産業審議官

○天谷説明員 市民の立場で書いたものでございますけれども、通商産業審議官の職務にもあるわけでございまして、先生が御指摘になりましたように、まあ羽がはえたと申しますか、筆がすべったと申しますか、ことばづかいに不穏当な点があったことにつきましては、反省をいたしております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 高橋委員長がお見えになりましたから、一つだけお伺いします。  いま公正取引委員会で発表になりました独禁法の改正試案について、それぞれの関係の方からずっとお聞きしてきたわけでありますけれども、こういう政局の中で、私自身、時間がありませんから一点だけ委員長にお聞きしておきたいというふうに思いますのは、試案をお出しになって、その試案の説明なり真意というものについて、各界または各省庁で御苦労されている点についてはわかるわけでありますけれども、そういう形の中で、はたして次の通常国会までに、一応の法案というものがまとまって出される段階にいくのかどうかなという、これは私を含めて、国民のこういう政局に対する不安の一つとして、非常に心配している面があると思うのです。  そこで、試案を中心にして、いろいろとおまとめになっておられる委員長から、そういう見通しを含めて、いまの感じというか、それからこの試案に対しての見通しというか、そういう点について一点だけ御説明願いたい、こういうふうに思うのです。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋説明員 私どもは、政局混迷の中でどういうふうになるかというふうな政治的な見通しはつけにくい、これはどなたもそうでありましょう。しかし、次の国会に独禁法の改正案を提出したいという、ただし私には提出能力はありませんけれども、政府が提出することに全力を傾けたいという気持ちには、いささかも変わりはありません。  結局、いままでいろいろ御批判を受けたのを簡単に申しますと、非常にまともなといいますか、正面から取り組んでくる批判もありますし、それから、たとえば規制を受ける側の産業界というものは、私は初めから賛成するという態度をとるほうがほんとうはふしぎだろうと思うのです。規制をする側としてはこうしたい、これはもう日本経済の現在及び将来を見て、ぜひともそうすべきであるという考えでおりますけれども、これを受ける企業は、自分が規制を受ける側である。それが、われわれと全く同じ次元に立ってものを考えるということは、よほど進んだ方でなければそういうことはない。ですから、形としては一応やはり反対的なものが出てくるのはやむを得ない、私は最初からそう思っております。  しかしながら、できるだけ大きな、広い範囲で合意を得たいということでありますから、そういう反対の立場にある方にも、できるだけこの趣旨をよく了解していただいて、まあまあ最後にはしかたがないというくらいになってくれれば非常にけっこうである、ありがたい、こう思っておるわけです。  それからまた、一つの批判のあり方として、何か官庁間で独禁法と権限争いがあるんじゃないかというふうに考え違いをしておられる。私のほうで言えば、それは勘違いではないかと思うのです。しかし相手の側には、それはそれぞれの言い分はございましょう。そういう点について、もう少し同じ立場に立って、決して独禁法というのは、私どものやっていること、そのことに直接衝突するというわけではない。ただ、事柄によりましては、いわば独禁法の適用を受けないでやりたいというふうな考えが基本にある場合には、そこはやはり問題になりますね。そういう考えがあると、正面からそういうことは、法律の上で適用除外にするかどうかということを論議すべきことだと思います。ですから、そういう気分だけで、どうも何となく権限を侵されるような感じがするということだけではいけないんで、そういう点について、十分事柄の実態を認識していただければ、そういうことはないんだということがおわかりだろうと思うのですけれども、これも立場の相違でございますから、すべての官庁等について、全く斉合的な見解に達するということには、私は多少無理があると思います。  ですから、要は、最終的には次の政権を担当する政府のあり方、ことにその責任者の決断のいかんが大きく左右するんじゃないかと思いますが、私どもは、そういうことに対しても十分な努力を払っていくつもりでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 以上で終わります。

平林剛日本社会党

○平林委員長 次に、金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、きょう経企庁長官に、いまのこの狂乱物価を乗り越えた、何という名前をつけていいかわかりませんが、ものすごい消費者物価指数の値上がり、これに関連する問題で、二、三御意見を伺わせていただきたいと考えております。  まず、こまごまと数字を申し上げるまでもなくすでに御承知でいらっしゃいますから、時間を節約する意味におきましても、あまり述べたくないと考えておりますけれども、この十月の指数として示されました前年同月比二五・八%のアップでございますが、これは昨年の石油危機といわれたときの、暮れから四月へかけての、中でも最もひどかった二月の二三・六%よりも上がっているわけですね。これは特徴的に言えば、日本は世界的にものすごい上昇率を示しているのであって、よその国に比べてみたらもう抜群に高いわけでございます。この点もよく御承知のことだと思います。いまアメリカでは、インフレで大騒ぎしているようですけれども、そのアメリカのインフレだって、せいぜい一二%くらいで一〇台でございますし、それからスウェーデンだとか西ドイツだとかいうようなところを見ますれば、一〇%を切れているわけですね。ですから、そういうことを考えても、日本の消費者物価指数のものすごい暴騰ぶりというのは、何が一体こういうことになっているのだろうということを考えざるを得ないと思うのです。  それで、東京都が家計簿の調査をいたしましたときに、物価局の調べでございますが、特別に公共料金だけを取り上げて調査をしたのが報道されておりました。ごらんになったと思いますが、それによると、公共料金だけの家計支出の増額分というのは約七万円ある。これがことしの十月と昨年の十月と比べますと、これは標準家庭でございますが、昨年は十四万円だったのがことしは十七万円になっているというふうなぐあいで、猛烈に上がっております。ですから、私の考えでは、この物価上昇率の原因として考えられるのは、これはこの十月が特別に高く上がったというのは、例の国鉄ですとか、あるいは医療費でありますとか、あるいは地下鉄、バス、消費者米価、その他いろいろございましたが、そういった公共料金の値上がりを政府が許可なさったことによって、全部それがほかのものに波及してこういうふうになったのじゃないかというふうに考えられますが、その点はお認めになるのでございましょうか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいまの御質問は、おそらく十月の東京都のCPIの二・五%の問題じゃなかろうかと思いますが、企画庁のほうでのいろいろな計算では、そのうちで大体一・六%程度が公共料金の寄与率である、そういうふうにいま計算をいたしております。  ただ、おそらく金子先生が御指摘になりたいのは、そういう公共料金の値上げ、特に十月の場合にはお米とか国鉄とか、国民生活に非常に密着しているものの値上げがございましたから、これがまあ非常に心理的な影響を与えたということじゃないかと思いますが、その点は、私もまさにそのとおりだというふうに思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、いま私どもは、新聞その他で報道されておりまして情報を受けているのですけれども、電報とか電話とかあるいは郵便料金、あるいは水道ですか、そういうようなものがまた値上がりをする。しかし、その問題につきましては、いま公共料金の値上がりが非常な問題になっておるときでありますからというので、閣議決定をなさって、来年の三月までは、来年と申しましても今年度ですけれども、今年度内は値上げをしない方針を出したのだということを承っております。  そうしますと、三月まではしないとしても、四月になったらまたきっとぱっと一斉に上がるわけですね。その可能性はあるだろうと想像いたします。たとえばこの十月がそうでございました。四月に上げるというお話であったのを押えて押えて、十月にきてぱっとみんな上がりましたね。あれと同じような状態にまたなるんじゃないだろうか。そうしますと、この十月にすごく上がりました分、これ以上上回った分が四月から出てくるんじゃないかということを非常に心配するわけでございます。  それで、これを何とか押えていただく方法はないだろうかということについてお尋ねしたいのです。ちょっとこまかくなって恐縮ですが、たとえば郵便の場合ですね。郵便というのが私ども庶民といたしましては一番使われている情報交換の手段でございますが、その郵便物の中の量ですが、八〇%は企業のダイレクトメールだそうですね。大体それぐらいになるんだそうです。ところが、その企業のダイレクトメールのほうは最高一五%の割引が認められている。残り二〇%が庶民が出す手紙とかはがきとかというものになるわけですが、これが今度はがき十円が三十円になる、あるいは手紙の二十円が五十円になるということになりますと、倍どころじゃないですね。三倍にはね上がるというひどい上がり方をします。あるいは書留でもそうです。外国郵便よりも書留料金のほうがいま高いですよね。アメリカへ航空便出そうと思えば九十円で行きますよね。ところが書留料金は百円です。百円プラス二十円の郵便料ですけれども、百二十円かかる。そういうのが現状ですが、その書留料金を庶民が百円払っているときに、大銀行なんかが使っている簡易書留というのは六十円で済んでいる。ここら辺がどうしても納得いかないわけですね。  さらに、この前の国鉄運賃のときに問題になりました、客車よりも貨物の運送賃が安くておかしいじゃないかという話がございましたですね。その経過から貨物に対する値上げを計画なさったんだろうと思うのですが、その値上げのなさり方が、私どもから見るとやっぱり納得できない。と申しますのは、いわゆる大企業が使う機械だとかあるいは自動車だとか、そういった大型の機器類を運ぶ場合には六・八%アップしなさい、しかし、お米だとか麦だとか野菜だとか、そういう庶民の日常生活必需品を運ぶ場合の運賃は二九・二%アップだ。これまた国民側に非常に不利で、企業に対しては出血をしてでもサービスをするというようなかっこうに見えるのですけれども、この辺は何か政策的に考えられて、そうして四月からのアップを差し控えさせるということはおできになるとお考えになりますか、あるいはそのようにしてみたいとお考えになるでしょうか。もう少し希望的なものを国民にお示し願いたいと思うのですが、いかがでございますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 郵便料金の改定の問題でございますが、いま郵政審議会で郵政大臣から諮問案が出されて審議中であることは、御承知のとおりでございます。  公共料金の取り扱いというのは、私も非常に苦慮しておるわけでございますけれども、私もかつて経済企画庁の政務次官を、十年以上前になりますが、やりまして、そのとき公共料金の一年ストップというのをいたしたことがございます。ところが、これを解除したときに、いま御指摘のように、非常に大きな値上げをしなければならなかった。非常に大きなつけが回ってきたわけでございますね。ですから、公共料金も価格である以上、コストが上昇していくということになると、厳密な査定はいたしますけれども、やはり国民の御了承を得てこれをある程度上げざるを得ない。それを怠っておりますと、ひずみが出てきてサービスが低下するか、あるいは大きなつけがあとでやってくるか、それを避けるためにはばく大な財政負担を覚悟するか、この三つの選択をしなければならないわけでございます。したがって、郵便料金の問題ついては国民生活に非常に密着したものでございますし、何とかしてこれを押えたいということで、いろいろ関係当局の御要望はあったけれども、今年度じゅう、来年の三月まではこれはひとつ押えよう、そういうことを閣議決定を先般いたした次第でございます。  それじゃ来年はどうかということになれば、率直に言って、ある程度上げざるを得ないだろうと思います。しかしながら、やはりいまお話しのように、ダイレクトメール等の関係であるとかいろいろな問題がございましょうから、これは来年度予算の政府案を決定する際には、やはり大筋としてのものはきめざるを得ないということになりますから、経済企画庁としてはできるだけ国民生活あるいは物価情勢、そういうのとにらみ合わして、この値上げの問題は取り組んでまいりたいというふうに思うわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまここですぐ、それをこのようにするとかしないとかという御返事をいただくことはむずかしいかと思うのでございますけれども、いま例にあげましたような事実があるといたしますれば、これはやはりもっと国民寄りの姿勢でものを考えていただくようにしていただかなきやならないと思うわけです。  そこで、先般来ここの委員会でも質問がございましたし、御回答もございましたし、いろいろなものにも書かれておりますが、いまの上がりました価格の指数を来年の三月には一五%にとどめたいという考えを持っているということを伺っておりますけれども、それはとどめたいという希望的観測と申しますか、希望的なものであって、とどめることの自信がおありになるのかどうかという疑問が一つあるわけです。それともう一つは、一五%に押えるために具体的にはどうなさるかというその具体的なお考えですね、こういうふうにすればこうなるんだというふうにおっしゃっていただけば納得もできるかと思いますが、それがございましたら聞かせていただきたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいまの御質問まことにごもっともと思います。私どもも庶民の立場からいうと、こういうふうにすれば大体一五%になるんだという的確な資料を示すことが、できればこれは一番いいと思うのですけれども、残念ながらそこまで的確な資料を示すというか、統制経済をやっているわけではございませんので、なかなかそこはむずかしいと思うのです。物価対策というのは一つでのきめ手がないわけでございます。公共料金だけで物価を全部押えることができるということになればいいけれども、公共料金の全体に占めておる比重というのは、百分比でしますと、狭義の公共料金で一二%、米やその他を入れますと一八%ということでございますから、波及効果は別ですけれども、なかなかそれだけでもきめ手にならない。したがって、あらゆる政策を総合的にやっていかなければならないというところに、物価政策のむずかしさがあろうかと思うわけでございます。  そこで、そういう政策のかなめになるものは何かということになりますと、第一は、これまでの物価の上昇というのが物不足、超過需要というところにあったかと思うのでありますけれども、その問題はおおむね解決してきた。すなわち、需要を押えてまいりましたから、物の面ではかなり潤沢になってきたということはいえると思います。ただ、コスト面から、やはり人件費が上がったりいろいろな資材が上がったりする面からの上昇の要因が残っておりますし、また潜在需要と申しますか、ちょっとゆるめるとまた需要が急激に伸びてくる。たとえば住宅投資一つとってみましても、住宅はわれわれはぜひつくらなければいかぬと思うけれども、これが一ぺんに需要として出てくれば、木材とかその他の問題にすぐ響いてくる。そういう潜在需要が非常に強いわけですから、やはり人々の気持ちの中に、企業家の気持ちの中にインフレ心理というのが残っておる。物は先になったら上がりはしないか、そういうことが背景としてあるわけでございます。私は、いまインフレとの戦いで一番大事な問題は、やはり国民の中に定着しつつあるインフレ心理をどうやって断ち切るかということに、国民各階各層の理解と協力がなければ、このインフレの問題は解決しないと思っておるわけでございます。そういう意味で、やはり総需要の抑制政策ということを、財政金融面からさらに続けていかなければならない、堅持していかなければならない、こういう感じを持っております。これがやはり第一の要件であると思います。  ただ、この総需要抑制政策で一番私どもが悩んでおりますのは、やはり繊維産業はじめ中小企業、下請などに波が非常に強くきておりますので、これらの問題に対してどういうきめこまかい配慮をしていくかというかね合いの問題、ここがこれからの政策として非常に重要なことではなかろうかと思いますけれども、しかし、基本としては、総需要抑制政策は堅持していくということを考えております。  それから第二番目は、来年の上期というのが、何と申しましても日本経済にとって非常に大きな節目になる。まあこの時期に運営を誤り、そして日本経済が再度インフレを誘発するということになりますと、私はイタリアのような経済になる可能性があるんじゃないかということを非常に心配しております。そういう意味から申しましても、先ほども御指摘ございましたように、今年度じゅう郵便料金、麦、塩を据え置くことを昨日の閣議で決定をいたしたような次第でございます。そういう主要な公共料金を抑制し、それから生活必需物資について価格や需給状態、まあ金子先生にもいろいろお教えいただきたいと思うのですが、黙っておくと値上がりしそうな品目をずっと調査をいたしまして、これに対して絶えず監視をしていく、そして先制攻撃をかけていく、そういうことで、いつの間にか値上がりしているということのないようにしていこう、そういうことを第二の柱として考えておるわけでございます。  第三の柱としては、やはり年末年始対策だと思うのでございます。やはり年末になりますと、正月用品を中心に、または年末の商戦ということで、どうしても生活必需物資の需要が大幅に増加する、これを見越して価格が上がってくるということになりますから、どうしてもそういう年末、正月用品の供給を十分確保する。幾らお説教しましても、供給が確保されなければ物の値段は上がるというのが原則でございますから、輸送対策を含めてこれをぜひ確保する。それからまたストライキとかそういうことが起こりますと、これが輸送に非常に大きな影響を及ぼして、物価の値上がりにも響いていくということも考えられますので、これらの問題についてもよく話し合いをして、そういう不幸な事態が起こらないように努力をしていくということで、昨日の閣議で私から、年末年始時における物価対策についてということで、関係各省庁と物価担当官会議でこまかく詰めましたモチ米をはじめ、野菜、くだものや肉、魚、あるいはその他の加工食品についてのこまごましたきめこまかい対策につきまして御報告をいたしまして、これについて関係各省庁の御協力をお願いいたしたわけでございます。例年よりもかなり早い時期にこの対策を打ち出して、これらの年末対策に万全を期そうということでございます。これはやはり物価抑制に大きな役割りを果たすと思うわけでございます。最近の物価の値上がりの半分程度は、こういう生鮮食料品を中心として起こっておるわけでございますから、これを押えていくということが、やはり大事なことではなかろうかと思います。  それからもう一つは、消費者へ的確な情報をお知らせするということでございまして、これは主婦連その他にもいろいろ御協力をいただいておりますけれども、やはり消費者団体にも御協力いただいて、われわれのほうからも的確な情報を流す、また、そういう身近に生活の実感として感じておられる皆さまからも企画庁のほうにいろいろな情報をいただく、そして両方相まって正確な情報を国民が承知をする、そしてむだな、無用な買い急ぎをしたりすることによって価格をつり上げたりすることのないようにしなければならないし、また、国際商品でどうしても輸入価格が上がるというようなものについては、できるだけ消費を合理的に、節約できるものは節約をしていく、そういういろいろな施策を全部ひっくるめて総合的な物価対策というのをやっていかなければならないのじゃなかろうかと思うわけでございまして、これらの点についていろいろ私ども知恵をしぼっておりますけれども、なかなか思い至らない点が多々あるかと思いますので、私は当物価対策特別委員会、非常に御経験の深い皆さま方から、こういうことをやったらどうかというようなことを、いろいろ積極的な御提言を賜われば非常に幸いだと思っておるわけでございます。特に、金子先生には主婦の立場から、そういう御提案をいただけば幸いと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 たいへんにいろいろと御計画の一端を教えていただきましてよくわかりましたが、私が期待しているのは、そのことがみんな庶民が希望しておるような形に奏功しなければならないということですね。そのことについて私は非常に関心を深くしているわけでございます。公共料金は押えたといっても、もうあとわずかなものですよね、いままで目ぼしいものはみんな上がってしまったのですから。ここでそれをなさっても、それは公共料金が理由じゃなかったとか、いろいろおっしゃる。それだけが理由じゃないということもわかりますけれども、まあ責任のがれのような形にならないように、実現させていただきたいと強く要望させていただきたいと思います。  いまお話の中にも出てまいりました、情報を的確にするとかいうような問題と関連いたしまして、次に、これは直接には総理府の製表部というところがなさったことだと思うのですけれども、消費者物価指数その他について総理府の統計局が研究をしたものをいつも発表しておられますけれども、これは一つの目安であるし、情報としてけっこうなことだと思っております。ところが、どうも実感として庶民の気持ちとすれ違っちゃうんですね。どうもしっくりいかないというのが非常に残念だと思うわけです。  それで、生活経済研究所というところがありまして、ここが生活実感的消費者物価指数という研究したものを発表しておったのを読んだことがあるのですけれども、このほうは生活実感に大きな影響がある日用品、それから先ほど来話の出ています公共料金、こういうものに重点をかけてこれを中心にやっている。それからウエートの置き方にしても、できるだけ新しい時点の、これはやはり統計局がお出しになっていらっしゃるのですけれども、消費構造を使って研究していくということで、ここが発表しております数字は、どちらかと申しますと、総理府のお出しくださる数字に比べますと、ほんとねと言えるような、やはり共感の持てるような数字が出てきているというふうな、そんな気がいたします。ですから、そういう意味で、総理府でお出しくださいますものも、もっと何か国民生活に密着したものを出していただけないだろうかということなんです。  なぜこんなふうに食い違っているのだろうということを私なりに見てみたのですけれども、私が発見しましたのは、時間がありませんから一ぺんに申し上げてしまいますが、基礎品目のとらえ方ですね。たとえばその中に、びっくりしたんですが、自動車とか宝石とかあるい毛皮ですね、そんなものが入っているんですね。そういうものは日常生活品として庶民は使っていないんですよ。かりに何か小さな宝石を一つ買ったとしても、それは一生持っていますよ。毎年毎年宝石を買いかえるなんていう人はいないですね。ですから、そういうところに問題があるのじゃないかと思いましたことと、いま一つはウエートの置き方なんですけれども、五年間固定されているということがわかったんですが、なぜ固定していらっしゃるんですか。こんなに激しく移り変わっている今日の経済情勢の中で、適応しないのは当然じゃないかと思うんですね。ですから、そこら辺の理由がわかりたい。たとえばテレビなんかは白黒で計算していらっしゃるでしょう。いまはどっちかといえばカラーですよ。ほとんどカラーになっているというような問題もあります。それから、これはまた別問題ですけれども、薬なんか、これもたいへんに新製品がどんどんできますね。そうすると、古いものはたなざらしになりますからストックになっちゃうので、安くして売ろうということになって売り出してしまいますね。そうすると確かに安くなります。  そんなようなことで、全体として計算の根拠がたいへんに違うんじゃないかと思うんですね。一口に言ってしまえば、何かいわゆる一般庶民に密着していない。ことばをかえれば、低所得者と言っていいかと思いますが、大方の低所得者でなく、一握りの高額所得者の人たちの、何というか、それによったような指数が出てきているというふうな感じがいたします。これは私ども貧乏人のひがみかもしれませんけれども、しかし、そういうふうに感じますので、この辺のお考えを聞かしていただきたい。特にその基礎品目とウエートの置き方について、なぜこういうことになるのか、もっと一般庶民に密着したものがどうして出せないのか、それを聞かせていただきたい。

永山貞則総理府統計局製表部長

○永山説明員 お答えいたします。  たいへんたくさんの内容がございますので、全部正確にお答えできるかわかりませんが、ただいまの消費者物価指数の考え方でございますが、これは定義にございますように、消費生活に影響する物価の変動を測定する。したがいまして、私たち国民の生活に必要な商品、サービスは一応原則として全部含まれるというのが体系でございます。しかしながら、商品には何万種類とございますので、その中から全商品を代表するように四百二十八品目調べまして、それぞれにウエートをつけて物価指数を計算するという方式になっております。  ただいま先生から、いろいろ生活必需品だけの指数と試算の御紹介がございました。私も若干見ましたけれども、一つには、統計局の指数とそれからそういう指数との関係は、消費者物価指数というのはあくまで消費生活全体に影響する物価をはかる、いわゆる全体の指数でございまして、それに対して、ある生活必需品だけを取り上げた指数というのは、それは一種の部分指数でございます。統計局の指数の場合にも、総合指数のほかに、食料品指数あるいはさらにこまかく肉類とかあるいは魚とか、そういう指数を発表しておりまして、それぞれ個別の指数をごらんいただきますと、あるいはもう少し実感と近づくかと思いますが、総合指数になりますと、たとえば、たばこのようにいまのところずっと上がっていないものも入れて平均をするという形になりますので、どうしてもその生活実感というものと若干食い違い、そもそもの基本的な性格の差が出てくるかと思います。  それからもう一つ、基礎品目のとらえ方で、いま御紹介いただきましたテレビで、カラーはすでに入っております。それから毛皮は入っておりません。それから宝石は、いわゆる普通の金無垢の、金無垢というのですか、かまぼこ型の指輪ですか、それだけで、いわゆる宝石は入っておりません。  それから、二番目に先生の申されました、ウエートが五年間古いのではないかという問題でございますが、確かにいまのような生活様式が激変する時期ですと、五年というのは長過ぎるという意見もございます。私たちは、これは試算でございますが、毎年毎年ウエートを変える方式の試算もいたしております。これでも実は数値はほとんど変わりが出てまいりません。で、これを毎年変えるのは非常に膨大な手間もかかりますし、それから結果的にもそれほどの差が出ないということで、現在の方式でいいんではないかと私たちは考えております。  それから、これは一つだけ一般に誤解がございますが、ウエートが古いと指数が低くなるんじゃないかという誤解がございますが、これは逆でございまして、ウエートが古くなりますと、どちらかと言えば指数は高目に片寄る、この点だけはちょっと申し上げておきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 統計的には私はしろうとですから、いまのお話はそういうものかなと思って聞いているにすぎないのですけれども、その辺をもう少し確認したいのですが、時間の関係がありますから、きょうはここまでにいたしておきますが、私のほうでももう少し勉強しておきます。  ただ、毎年すると手間がかかるというのは、ちょっといただけないですね。それはお仕事じゃないでしょうか。毎年やると手間がかかるから、これは五年くらいで一括してやるんだ、こういうのは、私はやはり庶民が聞いたら黙っていないと思いますね。それはやはり訂正していただきたい。変化がないからしないんだというのは理由としてわかりますけれども、やはりこれだけ動いておるときには、毎年やったけれどもやはりこうなったんですよと出してくだされば納得がいくんじゃないですか。どうも政府の方たちというのは、そこら辺庶民の気持ちがわからないといいますか、きめこまかくやっていただかなければと思います。ウエートが古いほうが指数が上がるものなんだというお話は、これから私も勉強いたします。そういうものかどうかということですね。いずれにしても、みんなが納得できるような形で今後お示し願えるように、ぶしょうをなさらないでやっていただきたいということを希望しておきます。  それから、時間がたいへんに切迫いたしましたので、予定のように進みませんけれども、一つだけ石油の問題で、通産省エネルギー庁の方が来ていらっしゃいますので、お尋ねしておきたいと思いますことは、いろんな資料その他から私ども承知いたしておりますのは、石油の必要量というものは不足していないということが一応わかっているわけなんですが、量が不足していなくて、それで今度非常に価格が上がってきてしまっております。これを一つ一つ申し上げておると時間がなくなりますから省きますけれども、もうおわかりだと思いますから申し上げませんが、昨年政府が政策的に十八リットル三百八十円と標準価格をきめられましたね。ところが、その標準価格がはずれたとたんにものすごく上がってきて、いま高いところは七百円から七百五十円になるわけです。その中身を一々申し上げませんが、なぜこんなに高くなっているかという理由ですね。これは原料の原油の値上げがそれなんだ、こういうふうにおっしゃるかと思いますけれども、原油の値上げをそのまま全部値上げしなければいけないのだというふうにお考えだとすれば、これは何の政策もないわけですね。元が上がったんだからこっちが上がるのは当然だという考え方じゃおもしろくないと思う。そうじゃなくて、原油は上がっているけれども、その原油からいろいろな種類の石油製品をおつくりになりますでしょう。それのつくり方のウエートの問題をなぜもっと考えていただけないかということなんです。  たとえば、ナフサの問題だとかあるいはA重油、B重油、C重油、ああいうような問題ですね。一つずつ申し上げている時間がないので省きますけれども、ナフサなんというのは、国際的価格から見ても安過ぎるのだということも聞いております。なぜそれをもう少し高くできないか。あるいはC重油なんかは、ほかの企業が全部不景気で倒産したりあるいは困っているときに、ゆうゆうと利潤をあげている鉄鋼企業がございますね。こういうところなんかが使うC重油はもっと高くしていいのじゃないか。そういうことをすることによって、一般庶民が使う灯油の値上げの幅を狭めることができるのじゃないか。値上げを全然しちゃいけませんとは申し上げません。それはわかりますけれども、あんなにものすごく上げなくてもいいんじゃないですか。元売りの値段を四百六十円ですか、そんなに高くしなくても、もっと上げ幅を狭めることができるのじゃないか。この点を私はぜひ努力していただきたいと思うわけなんです。去年政策的にできたものが、この冬政策はもう要らないのだ、なるがままにまかしているのだというのでは、私は庶民の生活を考えたやり方だとは考えられない。やはり相変わらず大企業寄りの政策だなあとしか思えないんですが、そうでない、大企業寄りではなく、庶民寄りにしなければいけないのだと通産省その他は反省なさったようです。そういう記事も拝見しました。ですから、それならばその辺をなぜもう少し考えていただけないか、その辺をお聞かせいただいて質問を終わります。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近説明員 お答え申し上げます。  石油の値段は、需給が現在非常にゆるんでおることは事実でございまして、それにもかかわらず昨年以来たいへん上がったという御指摘でございますが、これは先生もおっしゃったように、原油の価格というものが産油国の協定によりまして、需給を反映せずに値が上がってくるという事態でございますので、やむを得ず値が上がってきておるということでございます。  ただ、それでは灯油のような民生用のものについて、もう少し政策的な配慮が要るんではないかという御質問でございます。お説のとおりわれわれとしても努力をいたしておるわけでございまして、実は昨年の需要期は、昨年の十月に灯油の価格を押えまして、それをとにかくその後、昨年の十月からことしの二月ごろまでが原油価格が一番上がった時期でございますが、その時期も据え置かしたのでございます。そういたしまして大体三月になりまして、全体の原油価格が非常に上がりましたので、ほかの製品は上げることを認めましたが、灯油につきましては、家庭用灯油に限って据え置いたわけでございます。しかしながら、当時据え置きました元売り価格が一万二千九百円ということでございましたが、六月になりまして需要期も終わりまして、その時点におきますと、原油価格がすでに一万九千円台になっております。したがいまして、一万二千九百円というのは非常な逆ざやにもなりますので値上げを認めざるを得ない、需要期も終わりましたので認めざるを得ないということになったわけでございます。  従来の価格の割り振りから申しますと、灯油については大体二万七千五百円ぐらいに元売り価格をすべきでございました。しかしながら、こういうふうな高値ではとうてい消費者のためにはならないということで、これを押えることにしたわけでございます。したがいまして、その六月の時点では二万五千三百円ということで、いわば平均の均等割りにいたしますよりも二千二百円安の値段をきめたわけでございます。その後原油はまだ上がってまいりました。しかもまた、当時為替レートを一ドル二百九十円と考えておりましたのが大体三百円近くに上がりました。そういうことから申しまして、大体キロリットル当たり三千円強ぐらいはその後の原油コスト負担になっておるわけでございますが、その後もこの二万五千三百円については、ほかのものは実勢によるとしても、上げてはいけないということで現在指導いたしておるわけでございまして、今後この冬一ぱいもこの値段を据え置くということで、ほかのものは、ナフサその他上げ交渉をやっておりますけれども、これだけは上げさせないということでこの冬を貫きたいと思っております。  数量的にも、ことしの冬は在庫が当初予定以上に、この十月末は六百万キロリットル以上たまっておりますので、数量的にも値を引き上げる要素もございませんので、ことしの灯油は、比較的平静に推移するのではないかと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それなら、押えようと考えているというお話でございますから、それを具体的に五百円台ぐらいに標準価格をおきめになる御方針はおありですか。

左近友三郎資源エネルギー庁石油部長

○左近説明員 標準価格につきましては、家庭用の必需物資でございますので、需要期に入りまして価格が急騰するというようなことが起こりますならば設定をしようということで、市況の状態を見ておったわけでございますけれども、現在の状態では大体平静な状態になっておりますし、二万五千三百円という値段から積み上げました理論計算値が大体六百円強、六百三円くらいになりますけれども、これは店頭販売でございますが、大体その値あるいはそれ以下の販売が相当ございますので、むしろそういう標準価格をきめることが、下ざさえ効果を出してはいけないということを考えまして、現在市況を見ておるわけでございます。通産大臣と消費者団体その他の方との懇談会を開きましても、やはりそういうことで、生協などが安値の協定をするときに、かえって標準価格を急いで出すことが、何と申しますか、安い値ぎめの支障になってもいけないから、そこは慎重に考えてくれというふうな御要望もございまして、現在見守っておるわけでございますが、いまの情勢が続く限りは、むしろ現状のような状態で置いておいたほうがいいのではないかということで考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 生協とかあるいは団地なんかが、安く買うように努力しているというのは防衛上ですよ。それはやはり、黙っていればどんどん上がっていくから、交渉してそういうことにしたのであって、いまのお話ですと、主客転倒の感じがいたしました。ああいうことがあるのだからしないほうがいいだろうというのは、いかにも正しいように聞こえますが、実は逆だと私たちは考えますので、これはやはり五百円未満台で標準価格をおきめになったほうが、全体として落ちつくし、それ以上上がらないものが出るから、ああいうことにならないで済むと思いますので、その点はやはりもう一歩考えていただきたい。しないというふうにお考えにならずに、もう一度あらためてよく考えていただきたいというふうに私は要望しておきたいと思います。  時間が過ぎましたので、大蔵省の方、お呼びしておきましたけれども、申しわけありませんが、次回に譲らしていただきます。

平林剛日本社会党

○平林委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      ————◇—————    午後一時四十四分開議

平林剛日本社会党

○平林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 長官、十五分遅刻されましたが、お見えになりましたので進めたいと思います。  物価問題が今日の最も大きな政治問題であるということについては、いまも一向に変わりないばかりか、一そう重要な問題となっておるということについてはお認めだと思うわけですけれども、特に、いまの日本の国民の暮らしあるいは日本経済、これはたいへん深刻な事態が到来しておる。これはOECDのいろいろな指標を見ますと、今年度の経済見通しについて、たとえばGNPについていいますと、日本が前年対比で約一・五%減、こういう見通しも立てております。ところが、逆に物価だけは、消費者物価指数で同じ見通しによりますと二四・七%アップ、つまりスタグフレーション、不況の中で物価だけは異常に上がる、こういう状況が今日まで継続しておるわけでありますけれども、こういう中で、きょう私が特に取り上げてみたいのは、第一には、いわゆる大企業型製品あるいは大企業性製品の問題であります。  日本銀行の卸売り物価指数、これによりまして大企業性製品の値上げを調べてみますと、たいへんな事態なんですね。国民生活白書の中にも出ておりますが、四十九年六月を基準にした対前年同月比、これは大企業性製品が三三・六%、中小企業性製品が二五・二%、こういうことになっております。なお、総理府統計局の消費者物価の特殊分類指数というのがございますが、これを見ましても、大企業性製品の値上げ率が、これまた異常に高いというのがここに顕著に出ております。  これも少し数字をあげてみますと、四十八年九月の対前年同月比が六%アップ、これに対して四十九年九月、ことしの九月の対前年同月比が二九二%も上がっておるわけですね。これは単純には比較できませんけれども、この一年間で、去年のアップを基準にして約五倍の大企業性製品の値上げという結果が出ております。これに比べて中小企業性製品は、四十八年九月の対前年同月比が二一%、四十九年九月の対前年同月比は二七・四%、その伸びが中小企業性製品についてはこういうふうに鈍化ですね。ところが、大企業性製品だけがこのように異常にアップしているという現状であります。  このことからうかがえることは、おそらく、政府はいままでも言っておられましたけれども、海外インフレ、原材料、資材の高騰がアップの要因であるということも私たちもお聞きしました。確かにそれが一因であるということについて、私もこれを否定するわけではありませんけれども、しかしながら、同時に、最も大きな原因としては大企業の便乗あるいは先取り値上げ、それから人為的につくられた物不足、これによるところの投機行為、こういうものがいま申し上げたような数字に如実に出ておるというふうに私は認識するわけであります。このことは、私も予算委員会等で取り上げましたけれども、あの大手商社の物隠しの問題であるとか、あるいはゼネラル石油の千載一遇のチャンスという、わが党の荒木議員が指摘したこういう問題等々で、すでにもう国会の中でも、また国民の前にもこの事実が明らかになった、こういうふうに言わざるを得ないわけです。  この大企業性製品の大幅なアップ、これと同時にもう一つの大きな問題は、やはり公共料金の値上げだと思うのです。四十八年九月の対前年同月比は四・三%アップ、ところが、四十九年九月の対前年同月比で一二・一%のアップという数字が出ております。さらに、これには十月に上げた一連の公共料金の値上げ、これは含まれておりません。たとえば消費者米価やバスや、あるいは国鉄、地下鉄、郵便の小包、医療、大阪ガス、あるいは通運料金等々ございますけれども、これだけで消費者物価指数を約一・六%押し上げる。これも経企庁の関係で数字が出ております。  しかも、このような大企業性製品、あるいは公共料金、これらが一体その家計支出の中でどれだけのウエートを占めておるかという問題であります。午前中の金子委員の質問にもございましたけれども、この総理府統計局の特殊分類指数、これによって大企業製品や公共料金、あるいは米麦、これも含まれるわけですけれども、これが家計支出に占めるウエートは一体どうなるかというと、約四割なんですね。大企業製品が二二六二、公共料金が一二五七、米麦が四八一、これは一万分比ですけれども、約四割。ですから、このような大幅な公共料金のアップや、あるいは大企業性製品のアップ、これが国民の暮らしを一そう圧迫しておることが顕著に出ておるということが、この指標からも明らかにうかがえるわけであります。  物価の主管庁である経企庁は、もちろんこういう事実を認識はされると思いますけれども、実際にこういう事実を認識されておるかどうか、これらについてどのように対処され、または対処されようとしておるのか、簡単にひとつ最初に所見を承りたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 昭和四十八年に至る過去十年間の卸売り物価の上昇率は、平均いたしまして約二・六%でございます。どうして卸売り物価が安定してきたかと申しますと、やはり大企業の生産性の向上ということ、そのことが卸売り物価を安定さしてきたと思うわけでありまして、この期間においては、大企業製品の値上がりと中小企業製品の値上がりというふうに分類すれば、大企業製品の値上がりの率が少なかったということは、はっきり言えると思うのであります。  ただ、昨年から今日に至る傾向においては、ただいま野間委員の御指摘のような傾向が出ていることも承知いたしております。これは、まあ一つには、やはり生産性の点、またコスト要因というのが非常に高まってきたということではなかろうかと思うわけであります。細部については、もし必要があれば政府委員からお答えをいたしたいと思います。  それから公共料金については、御指摘のように、大体狭義の公共料金で約一二%、お米その他を入れると一八%弱、これが公共料金の物価指数に占めるウエートでございます。したがって、公共料金のアップが、ことしの十月の消費者物価、東京都の二・五%の中に一・六%程度入っておるという分析を、企画庁としてはいたしておるわけでございます。  したがって、こういう公共料金はできるだけ抑制をしていくという基本的な考え方にわれわれは立っておりますし、また、大企業の製品につきましてもできるだけ生産性を向上して、その生産性の向上を何に還元するかということが問題でございまして、労使がアベック闘争で、これをただ賃金の面だけに還元するという場合もある一部の企業については見られるが、そういうことではなくて、やはり生産性の向上があれば、これはやはり価格の引き下げという点、また利潤の問題についても同様、もうけ過ぎはさせない。そういう意味で、消費者の立場から価格に還元をしてもらいたい、そういう姿勢を、これからわれわれはとってまいりたいと思っております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 いま答弁の中で、故意かあるいはそうでないのか、一つ落ちたのは、私の申し上げた、いわゆるつくられた物不足であるとか、あるいは便乗、先取り値上げ、これらが大企業製品の大きなコストアップの原因になっておるという事実を認識されておるかどうか。これは経企庁の生活白書の中でも出ておりますけれども、そういうことが一つ。  それからもう一つ、いま所得政策に関する御発言のように私は理解したわけですけれども、人件費あるいは賃金の問題については、これは日銀の舟橋さんなどの論文を見ましても、三二%賃金が上がっても、七一年の下期並みの利益、これで試算すると、むしろ卸売り物価を一・五%ダウンさせることができるという試算も発表されておることは御承知のとおりだと思うのです。この賃金と物価の関係については、きょうは私は論議しませんけれども、新価格体系についてきょうは少しお聞きしたいと思います。  いま申し上げた、最初の便乗あるいは先取り値上げ、これについてはお触れになりませんでしたので、あらためて確認したいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 原油価格の暴騰をめぐって、一部の企業において売り惜しみ、買い占めがあったり、便乗値上げがあったという事実は私どもも認めます。  この点については、まことに遺憾なことでございましたので、政府としましては、買占め売惜しみ防止法の適用やその他あらゆる手段を尽くして、さような便乗値上げということはこれは厳に戒むべきである、こういう姿勢で指導してまいったことは御承知のとおりであります。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それで、物価抑制策と称する施策の一つとして、価格の凍結、事前了承制、こういう施策をとってこられたわけでありますけれども、これについて最初にお伺いしたいのは、こういう価格の凍結あるいは事前了承制、これをとるようになった理由と、それから対象品目をどのような基準で選定されたのか、このことをまずお伺いしたいと思うのです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 細部については政府委員からお答えいたしたいと思いますが、事前了承制は、私もこの委員会の委員の一人として国民生活安定緊急措置法の審議に参加いたしまして、皆さま方ともいろいろ議論を戦わしてきたところでございますけれども、去る三月の石油製品の価格の改定で、その波及をできるだけ少なくするということで、緊急な臨時の措置として実施をしたということでございまして、これはやはり、安易にこういう事前了承制をとるということは私は適当でない、価格に介入していくということは適当でないと思いますけれども、あのように一挙に石油の値段が一年間に三倍半にも上がるというような事態、また、これが他の石油関連の物資に波及するという事態においては、やむを得なかった制度ではなかろうか、かように思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 要するに原油価格、石油価格の値上がりによって、それが波及をして物価が上がる、それを押えるためにそういう措置をとったんだということですね。これは五十九品目あるようですけれども、これをちょっと見ますと、大部分がいわゆる大企業性製品、こういうことになっておりますけれども、こういう事実についてはどうですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 まあ小形棒鋼等は、御案内のとおり建築関係のものでございますが、これは平炉メーカーがつくっておるものでございまして、大企業製品と言えるかどうか問題であると思いますけれども、いずれにしましても、ここに掲げられたような品目が一番値上がりの可能性があるということで、事前了承制の対象物資になったと聞いております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 小形棒鋼については、いま御議論ありましたけれども、いまの答弁の趣旨をそんたくすると、大企業性製品だというふうにいま受け取られたわけで、確かにこの品目を見ると、ほとんどがそうなっております。  そこでお聞きしたいのは、これは凍結されて、それから事前了承制をとって解除されるという段取りになるわけですけれども、事前了承制のとられた期間内に、五十九品目のうち値上げの申請がなされた品目と、それから値上げが認められた品目、これは大体何品目くらいあるのか、これをまずお伺いしたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 細目にわたりますので、政府委員をして答弁をさせます。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村説明員 事前了承制の対象物資のうち、価格の改正をいたしましたものを順次あげてまいりますと……

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 数だけでいいです。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村説明員 二十品目でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 二十品目について値上げの申請があり、その値上げを了承した、こういうことですか。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村説明員 経済企画庁は、この事前了承制の品目に対しましては、事前協議という関係で各省とかかわり合いを持っておりますので、私どものほうに参りますときには、すでに申請をなされておりまして、関係各省のほうで、値上げを認めざるを得ないというところで協議を承っておりますので、私どものほうでは、協議を受けましたものについては、すべて値上げについて協議をしてお認めした、こういうことでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ですから、その品目が、いまあなたが言われた二十品目について申請があって、その全部を認めた、こういうことになるわけでしょう。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村説明員 そのとおりでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それから次に、事前了承制、五十九品目あるわけですけれども、この中で、解除をされたあとで値上がりしておるものが一体どのくらいあるのか。これは時間の関係でこちらのほうで調査したものを申し上げますと、通産関係では十一品目、それから農林関係では二品目、それから厚生関係、若干医療品も一値上がりしておりますけれども、解除されたあとでこういうものが値上がりをしておる、こういうことになっております。  そこで、若干個別物資についてお聞きをするわけですが、最初に農林物資、私が特に問題と思うのは、家庭用バターの問題であります。三月三十日に加工原料乳の生産者保証価格のアップに従って家庭用バター等々六品目を指定され、そして事前了承制をとられたわけであります。これらのその後の価格の推移を調べてみますと、期間中は値上げもなく、そして八月二日にこの指定が解除されておるわけです。この解除された理由です。いま申し上げたように、加工原料乳が三月三十日に上がったということで価格凍結をされた、凍結期間中は事前了承制の対象にもならなかった、八月二日に解除された、こういうことになっておりますけれども、解除の理由について、一体どういう理由なのか、ちょっと御報告願います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 御指摘のように、八月の上旬に家庭用バターを含めまして、主要乳製品六品目につきまして事前了承品目からはずしたわけでございますが、その当時事業団がバター、これは業務用、家庭用両方でございますが、さらに脱脂粉乳等大量に在庫を持っておりまして、大量かつ継続的に放出をしておりまして、需給事情は全体としては大幅に緩和しておりました。市況も安定的に推移しておりましたので、価格に対して、特にさしあたり不安はないというような考え方で、臨時、緊急的な措置である事前了承品目からははずして差しつかえないのではないか、こういう判断をして解除したわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 その理由の中には、いつまでも解除せずに置いておくと下ざさえになる、こういうことも解除の理由になっておるというように私は聞いておるわけですけれども、その点についていかがですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 六品目の中で、ものによってはそのような見方も当時あり得たわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 そこで、次にお伺いするのは、いま言われた需給の緩和あるいは下ざさえの問題等々で解除されたわけですけれども、家庭用バターを見ますと、解除後にぐっと上がっておるわけですね。四十九年十月にキロ当たり九百五十一円。八月に解除されたわけでありますが、八百四円で凍結しておるものが、十月になりますと一気に九百五十一円に上がっておるわけです。これは私はどうも解除された理由がわからない。わからないと申しますか、むしろこういう大手乳業業者の利益になるために解除されたと理解する以外にないと思うのです。原料乳の値上げが三月であります。したがって、それから価格凍結をされたわけでありますが、その後は八百四円にずっと落ちついておる。それがいきなり八月に全部解除されたから、十月には九百五十一円になっている。だから、需給の緩和とかあるいは下ざさえというような幾つかの理由をあげましたけれども、やはりこういう事態の中で上がる可能性があるから、これは解除せずにそのまま凍結しておく、こういう措置がとられてしかるべきであったにもかかわらず、解除されたがために一気にアップされておる。  もう一つ私は疑問に思うのは、家庭用バターについてはこのようにアップしておりますけれども、業務用のバターはそのまま値上げがされておりません。若干数字をあげますと、たとえば七、八・九は八百九十二円で落ちついておる。少しさかのぼりますと、家庭用に比べて業務用が高い時期もあったわけですね。ところが、その後業務用のほうが高く家庭用が安く推移したわけでありますが、十月になりますと一気に、業務用については値上げしない、家庭用だけ値上げされた、こういうことに数字の上でなっておるわけです。  こういう点から考えまして、これは凍結をして事前了承制をとること自体が、原材料のアップの中で、製品にこれが波及するのを抑制するという大きな理由があったわけです。そうであれば、当然上がる条件にあるものについては、凍結をそのまま継続するというのがしかるべき措置であったと思うのです。ところが、解除されたために十月から家庭用だけが上がった、しかし業務用はそのまま上げていない、こういうことですね。これはどういうことでしょう。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 家庭用バターにつきましては本年十月、一番早いメーカーにつきましては十一日から、工場の仕切り価格を引き上げるということにつきまして、監視品目に現在しておりますので、十分事情も聴取した上、その限度の範囲内ならばということで農林省といたしましても認めたわけでございまして、その後他のメーカーにつきましても、追随をいたしまして、十月末ころまでにほとんど引き上げが行なわれたわけでございます。  そこで、家庭用バターと業務用バターとの関係について若干申し上げなければいけないと思いますのは、家庭用バターは、実は昨年の八月以降ずっと据え置きで参ってきておるわけでございます。御承知のような昨年末以来の諸物価値上がりの中で、家庭用バターは一種の建て値制度のようなことになっておりまして、消費者に直結するものであるだけに、業務用バターとは価格形成のあり方が違いまして、なるべく安定をして動かさないということを、これまでも業界としてもやってきておるわけでございます。したがいまして、昨年の八月以来ずっと据え置きになりまして、諸物価の上がっておる中で、おそらく加工食品の中でも唯一に近いのではないか、主要な加工食品の中では、いままで据え置きで来たのは唯一ではないかとも考えておりますが、そのような情勢になっております。  ところが、業務用バターにつきましては、昨年の三月末、これは法律に基づきまして安定指標価格というものを定めることになっておるわけでございますが、それ以後かなり値上がりをいたしまして、農林省といたしましても、バターを輸入いたしまして放出をするとか、いろいろな対策も講じまして値下げには努力をしておるわけでございますが、たとえて申し上げれば、昨年の八月以降を見ましても、かなりの値上がりをいたしております。キログラム当たりでございますが、業務用につきましては、昨年の八月に八百三円であったものが、ことしの一月でございますが九百十四円。それを基準にいたしまして、ことしの三月末に新しい業務用バターの安定指標価格というものを九百十四円というふうにきめた。したがって、八月以降だけを見ましても、キログラム当たり百十一円というようにかなりの値上がりを実はしたわけでございます。  それに比べまして、家庭用バターはほとんど据え置きという形で参りまして、若干正確に言いますと、われわれの調査では八月に七百七十三円、一月に八百四円と、先生がおっしゃったような数字でずっと推移してこれまで来ておるわけでございまして、ほとんど値上がりせずに来ておるということでございます。  したがって、価格形成のしかたが、業務用バターにつきましてはそのときどきの需給関係によって形成される。それに比べまして家庭用バターは、先ほど言いましたような消費者に直結する、家庭の消費に直結するというようなこともございまして、これまでなるべく安定させる、上げ要因がある場合もなるべく上げないように、下げ要因がある場合もそのかわりしょっちゅう下げるというようなこともない、比較的安定というようなことを旨として価格形成が行なわれてきたわけでございますが、このたび乳業各社から、加工原料乳の基準取引価格が、御承知のようにことしの三月に上がりました、そのこと、さらに包装資材費、光熱水費あるいは人件費等の製造諸経費が高騰するということを理由に、仕切り価格の改定について農林省に打診をしてまいりましたので、われわれといたしましては十分精査をいたしまして、企業努力によって吸収できないという部分については、最少限の値上げはやむを得ないものじゃないかというふうに判断をして、先ほど申し上げましたような、小売りベースに推定をいたしますと、半ポンド二百二十円から二百九十円というふうに、七十円の引き上げを限度にやむを得ないというようにきめたわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 どうも長々と答弁されたけれども、さっぱりわけがわからぬわけです。家庭用バターの場合、いま言われた原乳の値上げは三月でしょう。これを凍結したのはそのころですよね。三月でしょう。つまり、原料は値上げするけれども価格に波及するのをとめていこうということで、しかも、原乳費の値上げが予測された中で凍結されたわけですね。それでずっと八月まで推移したわけですよ。もし原乳費の値上げのために家庭用バターを上げなければしようがないという事態があれば、この事前了承制で実際現にほかの品目については上げているわけですね。それをせずに、三、月に原料が上がった、それで凍結をした。凍結したまま八月に解除されるまで推移してきておるわけですね。もし価格を上げなければならないとすれば、事前了承制で上げられるわけですね。そうでなくてずっと推移をしてきた。ところが、推移して八月まで来て、そして先ほど話がありましたけれども、需給が緩和したとかあるいは下ざさえになるからというようなことでこれを解除された。一気にこれが上がってきた。これが一つですね。  もう一つは業務用のバターですが、これについては、ことしの一月から六月まで九百円台ですね。これは七月から下がっておるわけですね。価格は下がっておるわけですよ。だから、同じ原料を使うのに、業務用のバターは価格がむしろ下がっておる。家庭用のバターについては原料が上がったころに凍結をして、しかもこれが事前了承制の値上げの申請なしにずっと八月まで推移した。そこではずした。上がった。これはやはりおかしいじゃありませんか。これはおかしいと考えるのが普通だと思うのですね。  だから、こういうことについては、農林省の解除そのものが誤りであったというふうに私は理解せざるを得ないと思うのです。どうですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 先ほどお答えいたしましたように、それぞれの品目別にこれまでの価格の推移の経過が違いますし、他の関係品目との相対価格関係、たとえば家庭用バターについていいますれば、マーガリンとの関係とかいうようなこともございますし、値上がり要因もそれぞれ違いますが、先ほど申し上げましたように、業務用バターにつきましては、昨年の夏以来あるいはそれ以前から順次上がってきて、先ほど申し上げたような数字で示しますようなかなりの値上がりをしたところで凍結をした。三月末に凍結をしたわけでございますが、家庭用バターにつきましては、先ほど言いましたように価格形成の方法が違いますために、昨年末以来の諸物価値上がりの中でも、昨年の八月と同じ水準でずっと据え置きさせてきた。その際、三月に凍結したのは、家庭消費生活に直結するものでございますので、値上がりはできるだけ最小限度に押えていく、あるいはできるだけ引き延ばしていくということのために、さしあたり、そういう業務用バターとは価格形成の方法なりあるいは価格の推移のこれまでの経過なりは違いますけれども、その時点の価格で凍結をするということによって対処したわけでございまして、業務用バターと家庭用バターは、そのように価格形成の方法なり経過が違いますので、同じように考えるわけにはいかないという面もございます。  このたび、申請の内容を十分審査いたしまして、コスト要因で吸収され得ない部分については、やむを得ないということで来ているわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 やはり相変わらずさっぱりわかりませんが、いずれにしても、原料が値上げされたころに凍結をして、値上げ申請がないままに解除した、解除後に上がったというのが一点と、それから業務用と価格が違う。業務用を上げろというようなことを私はごうも言うつもりはないわけですけれども、この二点についての行政指導ですね、これはやはり農林省としては誤っておると言う以外にないと思います。それについては時間の関係で留保して、さらに今後議論したいと思いますけれども、私は、あくまでこういう誤りについて指摘をしておきまして、またあと引き続いてやりたいと思います。  同じようなことが通産物資のベンゼンですね、これについても言えるわけです。このベンゼンについて言いますと、凍結期間内に一度事前了承制で値上げがされておるわけです。この理由については、三月の石油、ナフサの大幅値上げ、これによるもの、こういうふうに説明を受けておるわけです。それが事実かどうかということと、それから最近またこれが上がってきておる。九月に比べて十月には七九・二も大幅な値上げが見られるわけですね。これについての値上げの理由は一体どこにあるのか。この二点について、まず通産関係をお伺いします。

石原純徳通商産業省基礎産業局基礎化学品課長

○石原説明員 いまの二点についてお答えをいたします。  先生御指摘のとおり、ベンゼンは価格の事前了承制度のしかれておりました時点で、六月と七月に値上げをいたしております。その根拠は、三月に凍結をいたしました時点でベンゼンはキログラム四十六円という価格であったわけでございますが、当時の前提となっておりますナフサの値段は、キロリットル一万二千円というベースで押えていたわけでございます。ところが御承知のとおり、三月十六日にナフサの価格が、新石油価格体系への移行に基づきまして八千円上がっておりまして、その分は織り込まずに凍結をいたして、在庫の吐き出し等によってやっておったわけでございますが、結局ナフサの価格要因、ナフサによるコストアップというものが主力原因となって値上げの申請がございまして、六月十一日と七月十二日、二度に分けまして値上げを認めたわけでございます。それが一点目でございます。  それから二点目の解除は、BTX、ベンゼンに関しましては八月九日に実はいたしておりまして、先生御指摘のとおり、その後また値上がりがあったわけでございますが、これは実はベンゼンの凍結を解除いたしました後、大体八月の中ごろでございますが、ナフサの再値上げ交渉が起こっておりまして、これは各社によって違うのでございますが、最初の持ち出しは、キロリットル七千円から九千円程度の価格アップの要求があったわけでございます。それを前提といたしまして、ベンゼンの関係が、大体九月の中ごろぐらいからユーザーと価格の改定交渉をいたしまして、その結果が、先生の御指摘にございましたように、全部じゃございませんけれども、ある程度の話がついた部分がございまして、その分が価格上昇のかっこうであらわれているというのが現状でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 二度目の値上げの件ですけれども、これは通産省の石油計画課でも聞いたわけですけれども、またあなたもいま答弁されましたけれども、このナフサの値上げですね。これはほんの一部で、あとはほとんど交渉中である。これは通産省に聞きまして、私も実は個別に当たりました。交渉中なんですね。だから一部しか現に上がっていないわけなんですよ。ほとんどが交渉中なんですよ。つまり、これは仮価格というような形で、これが製品にオンしておるわけですね。これは私はおかしいと思うのですね。つまり、現にナフサの価格は上がっていない。上げるかどうか、あるいは上げるとしたらどのくらい上げるかという交渉中にもかかわらず、すでにベンゼンの価格は上がって取引されておる。それが製品にオンされておるということなんです。このことは、例の昨年末の、十一月とか十二月のいわゆる便乗値上げ、先取り値上げ、これとまさに一緒なんですね。原油の価格が上がるであろうからということで先取りあるいは便乗でどんどん上げて、これは問題になった。特別の法律までつくって吐き出しをさせたり、あるいはこれを規制しなければならぬということで大論議をした。これと同じことが現にいま行なわれておるわけですね。  要するに、凍結を解除したあとでこういう事実が起こっておる。これは実際には上がってないのに上がったものとしてやっておるわけですから、しかもこれは現に上がっておるわけですから、これはまさに便乗、先取り値上げそのものなんですよ。こういうものを通産省は行政指導するというのが当然の話なんです。あなたの答弁によると、交渉中云々という話がありましたけれども、これをきびしく規制するという姿勢が全くない。これは一体このまま放置するのか、あるいは行政指導でこういうものをやめさせるのか、その点はどうなんですか。

石原純徳通商産業省基礎産業局基礎化学品課長

○石原説明員 現在、ベンゼンを外販いたしております会社が十五社あるわけでございますが、御指摘のとおり、その中でナフサ価格が決定いたしまして五千円から五千五、六百円のところできまっておるのは、十五社のうち二社しかございません。それは御指摘のとおりでございます。  ただ、そのほかの会社のうちほとんどは、いま先生がおっしゃいましたように、一応たとえば五千円から七千円くらいの間でございますが、仮価格ということで価格をきめまして、実際にはほかの業界といいますか、他社の推移を見て、最終的な決定は延ばすが、一応それは払うというかっこうで支払いをいたしておるわけでございます。先生、そういうのを便乗だという御指摘でございましたけれども、私どもの感じといたしましては、それがたとえばかりに五千円という仮払いをしておいて、現実に落ちついてみたら三千円になっていたというときに、その五千円を前提にして、べンゼン製品価格にしますと二十円前後でございますが、ということであれば、これは行政介入を、私どもとしても場合によってはしなければならぬということになろうかと思いますが、その辺の推移を見て判断をすべきではないかというふうに思っております。  ただ、先生が御指摘のような便乗値上げ、先取り値上げではないかという懸念を実は私ども持っておりまして、業界の実情も調べたわけでございますが、いま先生の御指摘がございませんでしたが、実は仮価格もきまっていないで製品価格が上がっているというのが二、三社ございます。これにつきましては、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、ナフサ価格の値上げ交渉は、一応八月の中ごろから上げてくれというのが石油会社のほうの言い分でございますが、かりにこれが十一月から上がるということになって、ベンゼンの価格が九月から上がってしまったというようなことになれば、それはもう吐き出してもらうというかっこうの指導をいたしておりまして、各社ともそれで了解いたしておるというふうに了解いたしております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 長官、いまお聞きのように、実際には上がらずに交渉中である。ところが、現に全部ユーザーが価格にオンされて取引をせざるを得ない、これが、私がいま申し上げた去年の暮れからことしの初めにかけての便乗、先取りですね、こういう特徴が出ているわけですね。そのために、ずっと解除後にアップしておるというようなことについて、いまお聞きの答弁のようなことしか出てこない。これはやはりいまの時点においてきびしく査定して、こういうことはやらせない。これが実際許されたらたいへんなことになると思うのです。こういうことについて企画庁としてはどういうふうにお考えになるのか、ひとつ御見解をお聞かせ願いたいと思うのです。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 事前了承制は、あくまで緊急の臨時的なものであるというふうに思います。したがって、現時点で事前了承制をずっと続けていくのがいいのかどうかという問題は一つあるかと思いますけれども、便乗値上げがありそうなものについて行政指導を行なっていくということは、当然やるべきでなかろうかというふうに思っております。ですから、全般として、全部の価格にわれわれが介入していくということは、いかがなものであろうかということで考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 私、お聞きしたいのは、凍結あるいは事前了承制、これはもう繰り返しはいたしませんけれども、少なくともこういうことで何とか価格を押えなければならぬという姿勢で来られたわけですね。ところがそれを解除した。解除の理由は何なのかといいますと、これは下ざさえになるとかあるいは需給が緩和したとかだ。だからこれは市場価格にまかせていいだろうということですね。ところが、現に解除したらぐっと上がっておる。上がった理由について調べてみますと、一部は、たとえばいま申し上げたベンゼンのごとくナフサを上回っておるところもあります。しかしほとんど上がっていない。現に交渉中である。ところが、それがオンされてユーザーにその価格でいま取引されておる。これが末端の製品にオンされるのは当然の話ですね。ですから、実際に上がっていないのにこういうもので取引されるということ、これはたいへんなことだと思うのです。これはやはり行政指導をしてきびしくこういうものはやめさす。実際に価格の取引で上がれば、上がった時点でまた規制のしかたがあると思うのです。私はそれを混同したらいかぬと思うのです。この一つ一つを大切にして、もしそういうような方針でやったとしたら、少しでも値上げのないように、きびしく施策をとるということが、私は政府の義務だと思うのです。  そういうふうに私は申し上げておるのですけれども、それじゃ通産政務次官、その点について……。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部説明員 事前了承制は、いま長官から答弁されたとおりでございます。外的な非常に大きな要件があったとき、非常緊急の措置として講じたものですから、いま御承知のように、漸次総需要抑制策と相まって鎮静化の方向をたどっておるので、解除してきておる。ですから、また特別非常なような条件ができて急騰するというような事態があれば、当然これは処置さるべきものだと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 事前了承制を解除したあと、やはりこれを野放しにしないで、十分価格動向を見きわめていくということは大事なことだと思うのです。どうしても非常におかしなことになれば、また事前了承制の中に繰り入れるということも考えられますけれども、私の感じとしては、あまり非常のとき以外に政府が価格に介入していくということはいかがなものだろう。公共料金とかその他の物資は別でございます。ですから、やはり価格は需給関係できめられていく、しかし、それが非常な便乗値上げとか特殊な事態が起こったときに、事前了承制というようなものは考えていくべきではなかろうかというふうに思っております。  したがって、全体のワク組みをどうするかということをやはり基本的によく踏まえてやらないと、何でもかんでも政府が価格に入っていくということは必ずしも適切ではない、かように思っております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 どうもすれ違いなんですね。私はそういうことをお聞きしておるのではなく、現にこういういろいろな実態の中で解除後上がっておる。上がったのは、ほんとうに原料が上がって上がるのなら、これはやむを得ない。その約束も、たとえばナフサについての取引の単価のきめがない。現に仮価格でこれが取引されておる。それが結局ユーザーにオンされておる。そういう事実を私は申し上げておるのです。こういうことを許しますと、あらゆるものが実際に価格がきまらぬままにやられていくわけですね。これがやはり先取り、便乗値上げ、去年の暮れからことしにかけていろいろ批判されたのは、実はこれなんですね。価格への介入の有無ではなくて、こういうのを放置するとたいへんなことになるというふうに私は申し上げているのです。  あと時間がなくなりましたが、この新価格体系、これについてはいろいろ問題があるわけです。たとえば合成繊維、これなどは三月八日の月例経済報告などを見ましても、「繊維製品は、天然糸、スフ糸の急落に加え、合繊も仮需のはく落、先行き見通し難などから軟化し一月中旬以降四旬続けて下落している。」これは確かに統計を見たら、繊維については下落しておるわけですね。ところが三月にこれを価格凍結しておるわけです。これが下ざさえになっておるのですよ。これは合成繊維だけでなしに、鉄鋼もまさにそうなんです。これも同じ経済報告の中にありますけれども、小形棒鋼を例にとりますと、三月十六日に凍結しておるわけです。ところが、三月の八日に出ておる月例経済報告、これによると、「鉄鋼は石油供給削減にともなう減産が予想したほど大幅ではなかったことから、国内需給バランスは緩和の方向にあり、市中価格の大幅下落を中心に反落している。」はっきり見通しが書いてあるわけです。現実はこう認識して分析してあるわけです。ところがそれにもかかわらず、三月十六日に凍結をして下ざさえをした。これはまさに下落の防止なんです。現に凍結したあとで、六月に凍結した上にさらに値上げが了承されたという事実は御存じのとおりです。これももともと無理に値上げをやっておるから、七月には、実際には実勢価格は下がっておるわけです。八月にこの凍結価格よりもさらに下がっておるわけです。  こういう経過からしましても、この鉄鋼についての価格の凍結、これは単に下ざさえの機能しか果たさなかった。ここまでして大企業に奉仕する必要はないと私は思う。そういうことが、いまの合成繊維、繊維関係あるいは鉄鋼関係で明らかに数字の上に出てくるわけです。これは塗料とか段ボール、まさに同じなんです。  ですから、これは時間の関係で省きますけれども、結局新価格体系、凍結あるいは事前了承制というようなことをやってこられました。これについていろいろな動向、推移等を見ますと、いま申し上げたようにたくさんの問題があるわけですね。たとえばベンゼンにしたって鉄鋼にしたって、繊維にしてもあるいはバターにしても、現にこれが実際に出てきておる資料ですから、これから考えますと、政府がいままでとってきた施策というものは、ほんとうに国民の暮らしを守るために価格を凍結して値上げを抑制するということでなくて、あれやこれやの理屈をつけて、結局大企業に奉仕しておる。現にこの統計の中で私は出てきておると思うのです。ですから、新価格体系の名によるこういう施策に私はいままでもずっと一貫して反対してきましたけれども、そうでなくて、もっと抜本的に大企業にメスを入れる。  一つの例として、私たちは独占禁止法の改正について、きょうは時間の関係で触れませんけれども、要綱を発表したのは御承知のとおりだと思うのです。あの中では、いままでの自由競争の原理に加えまして、適正な原価に対して不当な価格で販売したものも規制していこうということも含めて、あるいは原価の公開、こういうことで抜本的に大企業を規制しなければ、小手先の細工でちょろちょろやっていることでは、これは故意か過失かはともかくとしても、こういうことでは物価の抑制、鎮静はとうてい望むべくもない、私はこういうふうに考えておるわけです。  そういう点で、物価政策について根本にメスを入れて検討するということがなくて物価の安定はあり得ない。この点に抜本的にメスを入れるべきであるという要求をここでいたしまして、時間の関係で質問を終わりたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員長 次に、有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 最初に、年末年始における物価安定につきまして、さきに経済企画庁に対して申し入れ等を行なってまいりましたけれども、特に生鮮食品の流通、その中における価格の操作であるとか輸送の問題であるとか、それからもう一つは、年末年始の消費の拡大に伴っての不公正、不当な取引といいますか、あるいはうそつき食品などが出回るとかというようなことが例年発生しやすいわけでございますけれども、こういうことに対して経済企画庁としてどのように対処していかれるか、その概要について承っておきたいと思います。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 きょう午前中、公明党のほうからも、いろいろ年末年始に対する物価安定に関するお申し入れをいただきました。私もつぶさにその内容を拝見したわけですけれども、御案内のとおり、年末にどうしても消費需要が高まってくる、したがって年末の生活必需物資、生鮮食料品が値上がりをしてくる、こういう傾向にあるものですから、例年その対策をそれぞれ政府でとってまいりましたけれども、ことしは、特にこういう政局の事情もありますので、少し早めにこの対策をやるべきであるということを私から提唱いたしまして、農林省、通産省その他各主管官庁とも御相談をいたしまして、こまかい細目を各省の物価担当官の会議で詰めまして、昨日の閣議で、私から年末年始における物価対策について、特に生鮮食料品の対策等についての要綱を説明いたしまして、各省庁の協力をいただいたということでございます。  その中心になりますのは、一つは、生活必需物資の輸送対策でございます。物はあっても、北海道や九州その他から持ってくる輸送が十分でないといけませんので、これは運輸省に特に御協力をいただいて、年末に輸送する物資についての計画的な出荷とかあるいは輸送とか、そういうことをあわせて考えていただくということにいたしております。  それから、やはり保管物資の放出というようなことも必要があればやっていくということで、野菜あるいは牛肉、鶏卵、冷凍魚、こういうものについても、こまかい品目についてもいろいろ準備をいたしておるような次第でございます。  それからもう一つは、どうしても海外からの輸入にたよる品物等になりますと、黙ってほっておくと値上がりをしていくというような品目がいろいろございます。そういう加工用の食品、あるいはそういう海外に非常に原料を依存するというようなものの値上がりをできるだけ押えていく、業界に自粛を要請していく、そういうことも関係省庁にもお願いをしていく。いわゆる価格監視、値上げの抑制ということが第二の柱でございます。  第三の柱は、消費行動が合理的にこれに対応していくということが必要じゃなかろうかということで、どんな政策も消費者団体の協力がなければできないことでございますから、これも上から押しつけるということではなくして、消費者団体、あるいは主婦連その他の方々とも十分御懇談をしまして、それらの方々の御意見も聞きながら消費行動を合理的にやっていくというようなことをお願いしていこうということを考えておるわけでございます。  それから、いまの点と関連するわけでございますけれども、消費者に的確な情報を提供する。これは新聞、テレビその他テレフォンサービス、あるいはその他の手段、媒体を通じまして消費者に的確な情報を提供するし、また消費者のほうからも、そういういろいろな苦情と申しますか、こういうものがどうも品不足であるとか値上がりであるとかいうようなこと、モニターの制度もございますけれども、さらにいろいろな手段でそういう消費者の声を聞いていく。  そういうことで、年末対策については万全を期していきたいということでございまして、昨日の閣議で私から関係各省、各大臣に御協力を要請いたしたということでございます。その細目につきましては、お手元にもうすでに差し上げているかもしれませんが、ありますとおりの資料でございますので、足らないところがあれば、さらにひとついろいろ御指摘をいただきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 そうした手をいろいろ打っていく、これがほんとうに実を結んでいくか、あるいはいろいろやったけれども、だめであったということになるか、これは今後の問題でございますけれども、政府がほんとうにこの御計画どおり万難を排して実行していただかなければならないことでもありますし、それからもう一つは国民の協力を求める。いま政局全般に騒然としておって、いま最後にあげられましたPRの問題ですけれども、相当力をかけていかなければならないのじゃないかと思います。  それからもう一つは、苦情処理のテレフォンサービスと言われたのは、たぶんそのことではないかと思いますけれども、これに対しても大きく窓口を国民に示して、これは大ざっぱな問題よりも個別的な問題が非常に多くなるはずでありますから、そこに今後力を十分尽くしてもらいたい、そういうように考えます。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 最後に申しました苦情処理の問題は、実は現在の機構ではまだ不十分だと私は思っております。この点については、私の理想は、できましたら全国各地のいろいろなそういう声が、即時に企画庁長官である私のところに届くくらいのシステムをつくり上げたい、そういう理想を持っております。ただ、一ぺんになかなかそこまでいきませんけれども、何らかの形でそういう声が適時入ってくるように、ひとつくふうしようではないかということで、関係局長にもその勉強をいまお願いをしているというところでございます。

有島重武公明党

○有島委員 いまの苦情処理の点は、それは勉強ということを言われましたけれども、特にこれはもう多年の懸案だったわけでございますから、この年末年始に十分それが機能できるように努力いただきたいと思います。  それから、消費者保護という観点からワクをもっと広げて、国民生活全般についていま危機状態というようなことから、私はきょうは、ひとつ下請代金の支払い遅延について取り上げておきたいと思うのです。  御承知のように、下請企業が、いま原材料はたいへん上がってくる、それから人件費も上がってくる、それで仕事がない、不況である、こういったようなダブル、トリプルのパンチを受けて最悪の状況におって、それでこの年末を迎えるわけであります。ほんとうに憂うべきことなんですけれども、こういった苦しい中でもって、下請企業に対して支払い条件がまたきわめて悪い。私の聞いている範囲でも、大体もう五カ月くらいの手形というのはあたりまえになってしまって、二百日の手形というようなことがもうあたりまえになっている。ある場合には、仕事を始めてから一年たたないと金が入ってこないんだというようなことがある。その一方、たとえば百貨店のようなところは、これはまあ一週間サイクルぐらいで現金が動いていくというようなことでもって、今度はそこに納めてくる下請さんのほうは非常に不利な条件に置かれておる。  こういったような状況の中で、下請代金支払遅延等防止法というものが、その法の目的に沿って機能しておるのかおらないのか、これを一つ問題にしなければならないと思うのですが、長官の御意見を承りたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 いま有島委員の御指摘のとおりに、金融が逼迫してまいりますと、また不況の状態になってくると、そのしわが零細中小企業、特に下請企業に行く。手形のサイトが延びるし、また、ある企業によっては手形のワクをきめておりまして、決済の時期は示すけれども手形はなかなか出さないとか、いろいろな実情を私も詳しく聞いております。  したがって、そういうしわが、まじめに働く中小企業に行かないように、これは政府としては万全の施策を講じていかなければならないと思うわけでございます。これはそれぞれ関係各省庁が主管がございますから、それぞれの主管庁にお願いをして、さようなことのないようにいたしてまいりたいとかたく決意をいたしている次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 万全の施策をやっていただくというお約束でございますけれども、たとえばこの下請代金支払遅延等防止法にかかわる勧告、それから勧告に至らないけれども行政指導というような処置がとられるわけですね。じゃ、大体どのくらいそうした処置がいま政府によってとられておるか御存じですか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 ただいまの点は、公正取引委員会の所管に属すると思いますので、公取のほうからお答えするのが適切と思います。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 下請代金支払遅延等防止法の運用につきましては、公正取引委員会といたしましては毎年定期調査といたしまして、約一万の親企業に対して書面でもって、親企業としての下請に対する支払い状況の一般的な報告を個別に求めておりまして、その内容でもって、不当な遅延があるとか、あるいはまた法律でもって禁止されているような問題点があれば、それについてこちらのほうといたしまして立ち入り検査をいたしまして、直ちに是正されればよろしゅうございますけれども、直ちには是正されない、ある程度期間をかさないと親企業の資金繰りとの関係もあるといったようなものにつきましては、ある程度の期間を監査という形でもってこちらで見ておりまして、普通数カ月後にその状態がなくなるようにということをやっております。そのほか、正式に勧告という措置もとってございます。  本年度の四月から九月までの間に四千の親企業に対して調査いたしまして、そのうち問題があるというので約三百八十の企業に対して、これを検査対象といたしまして立ち入り検査をいたしました。その結果、現在までのところ勧告いたしましたのは二件でございますけれども、監査の必要があるということでもって、ある期間公取のほうでもって監査をして、向こうに改善計画を出させてそれを検討するというものが約百三十ほどございます。それから、直ちにやめたというものも百ほどございました。大体三百七十六件につきまして、現在措置をとっておるという状況でございます。  なお、下請代金支払遅延等防止法は公取だけではございませんで、中小企業庁も同時にこの法律に基づいて調査をいたしまして、いま申し上げましたような措置もあわせてとっております。

有島重武公明党

○有島委員 実際に勧告されたのは、ことしは二件であります。去年はどうだったですか。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 昨年度正式に勧告いたしましたのは十七件でございます。

有島重武公明党

○有島委員 四十五年、四十六年、四十七年はずっとありますか。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 はい、ございます。

有島重武公明党

○有島委員 言ってみてください。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 四十五年が五十二件、それから四十六年が五十六件、四十七年が四十一件、四十八年が十七件でございます。そういう数字でございます。

有島重武公明党

○有島委員 経済企画庁長官、いまお聞きになったとおりでございますけれども、ますますきびしい状況に追い込まれておるにもかかわらず、勧告した件数というのは四十五年、四十六年、四十七年、これは五十二件、五十六件、四十一件ですか、こうなっておる。四十八年になって、が然落ちてしまって十七件になった。ことしは九月まででたった二件だ。これは一体どういうことなんでしょう。どう思いますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 それぞれ公取なり中小企業庁、お考えがあって、そういう措置をとられたことと思うわけでありますけれども、下請代金の支払い遅延の問題は、産業全体がこういう不況状態になってくると、どうしてもそのしわがだんだん弱いものに及んでいくということにもつながってまいりますので、やはりそういう各産業ごとの実態とあわせて、きめこまかい対策を打っていかなければ、なかなかうまくいかぬのではなかろうかと思います。  しかし、いま御指摘のように、いろいろな実際遅延の状態があって、そして親企業が非常に不適切なことをやっておるにかかわらず、これに対する措置がされていないということがかりにあるとすれば、それはひとつ、ぜひそういうことのないように、私のほうからも関係のほうに強く御要望、御要請申し上げたいと思っております。

有島重武公明党

○有島委員 いろいろな点があるわけなんですけれども、強く御要請するということですな。一万件に対してアンケートを求めておる。これは親企業に対してのアンケートである。ここからそんなに、自分のところはこういうひどいことをやっておりますという報告が来るとは、ちょっと思えませんな。この辺が、やはりこれは万全を期してやっておる姿ではなくて、しかたなしにちょっとこれはやらなければ義理が悪いというふうな措置に、こちら側からは見えます。  いま、勧告の点だけございましたけれども、勧告に至らないで行政指導をやっておるものがやはり同じような傾向がございまして、先ほど昭和四十九年の九月までには二百七十五件の措置をやっておる、そう言われましたけれども、四十八年度は実は五百六十九件やっておる、その前の年四十七年には四百八十五、こんなふうになっております。こうした点でも、これはよっぽど考えなければいけないんじゃないか。これは非常にきびしくなってくればくるほど、今度は、さっき言ったように弱いほうにしわ寄せが来る。来るから、ますます今度は弱い立場になるから、大っぴらに口がきけなくなる。言ってきてくれない。これは非常にやりにくいことだと思いますけれども、最初に申し上げたように下請代金支払遅延等防止法というもの、この法の精神というのは、まさにその弱い人たちを守るための法律であったわけでしょう。世の中がきびしくなってくるに従って、こうした法律がその機能をだんだん失って減衰してくる傾向、これは考えなければいけない。法を改正するか、あるいはその運用のしかたについての欠陥があるんじゃないか。その点どうお考えになりますか。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 これは、それぞれ各官庁でおやりになっておることでございますけれども、私は、やはり法律だけでこれは片づく問題ではない、法律を幾ら厳格につくりましても、これの運用なり経済の実態と合わないと、なかなか実際うまく機能していかないというふうに思うわけでございます。勧告の数は少ないかもしれないけれども、一般的にはかなり強い行政指導で、さようなことのないようにそれぞれの所管官庁が御指導いただいておると思っております。  ただ、御指摘のように、非常にこういう不況の深刻な状態に、ある業種についてなってまいりますと、その付近においては下請の部門がたいへん苦しい思いをする。いま御指摘のような点があろうかと思うわけでありますから、この点は、やはり十分配慮していかなければいけないんじゃないか。これを下請代金支払遅延等防止法の適用だけでうまくいくとも考えませんので、そういうことを含めて、その対策にできるだけのきめこまかいことを配慮していかなければならないと思っておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員長 公正取引委員会、有島委員の指摘をした傾向があるというのはどういう理由か、御説明していただきたいと思います。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、毎年一万件をあげまして、先生もいまおっしゃいましたような、決してアンケ−ト調査ではございませんで、これは具体的な下請業者との間についての取引の詳細な書面上の報告を求めておりまして、当然ごまかしたような内容のものを出すわけにはまいらない、厳重な書面上の調査をいたしました。  それで、一応支払い代金の滞留が二カ月をこえているとか、あるいは手形が標準の期日をこえているとか、そういうような場合につきましては、一律な基準でもって問題として取り上げているということでございまして、ある意味におきましては、親企業もいまはかなりこの法律の存在というものを注意いたしまして、その法律になるべく沿ったような運用をするということもやっておりまして、勧告件数がいままでのところ少のうございますけれども、これは決して法律の運用をゆるめているとか、手が足りないとかということだけではございませんで、現に措置件数というものを全体として見ますと、四十五年の四百八十六件、四十六年の五百四十四件、四十七年の六百二十五件、四十八年の七百十六件、これは勧告それから監査を含めました件数ですが、このようにして、私どもといたしましてもできるだけこの法律の運用について力をつとめております。たまたま本年度の四月から九月までの間につきましては、勧告件数が二件であったという状況でございました。  これは考えようによりますと、親企業のほうも下請の立場を、この法律に違反をしないようなということも、ある意味においては考えられないこともないのではないか。私どもといたしましては、最近の状況につきましては、やはり実情を正確に把握しなくてはならぬということで、下請の協力団体というものがございまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、下請の業者から公取に申告すれば、すぐ親企業のほうから報復を受けるということでその声が入ってこないのではなかろうか、そういうような点につきましては、下請の協力団体というものを五十団体指定いたしまして、この団体から一般的な状況を聞いておりまして、ことしも十一月の十八日と二十日にこの五十団体から実情を聞きまして、いろいろと最近の下請に苦しい状況が出てきているという状況はつかんでおりまして、そういう状況に応じまして、ことしは下請業者からも直接調査をしてみよう、例年親企業のほうからの調査を調査の発端にいたしておりましたけれども、ことしは下請企業からも直接調査をしてみようということで、現在調査表を下請企業に出しておりまして、これは年度間に相当数についての下請企業からの調査を求めて、親企業について問題がないというような表面的な問題が、はたして下請企業のほうからの調査でもって、ほんとうにそうであるかどうかという調査も、あわせてやっておる次第でございます。  そのほか親企業につきましても、最近は、従来は製造業を中心にした親企業からの調査でございましたけれども、これも調査の対象を広げまして、たとえば繊維の商社だとかあるいは自動車のディーラーだとか、そういうような、いままでの調査では若干はずれていたような対象につきましても調査をいたしております。  そういうことでもって厳重に、現在の公取の体制としてできるだけのことはやっている状況でございます。

有島重武公明党

○有島委員 経済企画庁長官、いまの公正取引委員会の事務局のほうからのお答えですけれども、後段のほうはたいへん積極的なお話だったと思います。で、これから下請企業のほうからもやる、調べてみる、これはたいへんいいんだけれども、この件数がだんだん少なくなっておる傾向は、これは親企業がたいへん理解を持ってやってきたというようなお考えであると、これはわれわれの知っている実情とはたいへん違うと思うのですね。そのような認識でもってやられているとすると、これはもう重大問題だと私は思います。だから、いまの最初のほうのお答えは私はいただけない。  それからもう一つ、公取のほうでもって本来、この席で言われるなら言ってもいいと思うのは、おそらく人員が足りなくて手が回らぬということじゃなかろうかと私は思います。それから中小企業庁との協力関係でもってやっていくということになりますけれども、人員からいいますと、公正取引委員会で、じゃ、一体この法律のために全国で何人の人が動きますか、人数でいきますと。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 現在、下請法を運用しておりますのは、取引部の下請課という課がございます。そのほか、公取の地方事務所におきましても下請法の調査に当たっているところがございます。全体を合わせまして約四十名弱、本局の下請課が現在定員十六名でございます。ただ、地方の事務所におります者は下請法だけではございませんで、同時に不公正取引関係全般をあわせてやっているという状況でございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういう実態があるわけです。四十名足らずでもってこれはできっこない。この問題を一体どうしたらいいのかということですね。これはぜひともお考えいただきたい。  それから、法の改正については、いまの下請取引の範囲について、商社、ディーラーにまで及ぼしていくというようなお話でございましたけれども、これはこの前に法改正のあったときに、この話が出たと私は記憶しているわけですけれども、製造業、修理業から建設や運輸のほうにもこれは及ぼさなくちゃいけないんじゃなかろうかというようなことがたぶん議論として出たのだろうと思いますがね。いま繊維は非常に困っているわけですけれども、建設なんかも非常な不況になっておりまして、これはこのまま放置していくと非常に、何といいますか、民心に与える不穏な状況が起こりやすいということが現にあるわけでございますね。こうしたことも、そこの法律自体も少し考えなくちゃいけないんじゃないだろうか。  それから、手形のサイトについて、このまま野放しにしておいていいものかどうかというようなことですね。これも、私は最初に年末年始のことを申しましたけれども、やや広げて、この年末から来年三月あたりまでのところに何か処置をとらなければこれはたいへんなことになるのじゃなかろうか、そういった危機感を私は持つわけです。お考えを伺いたい。

倉成正自由民主党経済企画庁長官

○倉成国務大臣 現在の景気の状況というのは、非常に微妙な段階でございまして、私どももよほど注意して見守っていかなければならないということを考えておる次第でございます。  それから、さっきの下請代金の問題、手形のサイトの問題を主として中心にお話しでございましたけれども、現在の下請の関係では御案内のとおり、単価が一つ問題なんですね。だからサイトだけで攻めてまいりますと、今度は単価を非常に引き合わない形で押しつけられるという問題もあるものですから、ただ形式論だけではなかなか議論ができないという意味で、私は、全体の問題をもう少し総合的に考えていかなければいかぬのじゃないかというお話をしたわけでございます。  いずれにしても、弱者の立場に中小企業あるいは下請業者があるわけでございますから、これをできるだけ保護していくという立場は、私どもも、ぜひそういう姿勢で関係各省庁とも御協力しながらやっていきたいと思っております。

有島重武公明党

○有島委員 しっかりやってもらいたいと言う以外にはないわけですけれども、では、どの点とどの点とどの点をこういうふうにしたいということをここで言っていただくのは無理かと思いますけれども、これはぜひとも早急にやってもらいたいと思います。  それから、手形のサイトの問題のほかに問題があるとおっしゃいましたけれども、たとえばかなり大きい企業からの下請の中にも、三〇%だけは現金で来て、手形があとの七〇%ということになりまして、その中のまた三〇%、四〇%ないしは五〇%積み立てというようなことが行なわれる。その積み立てはくずしてもかまわないのだけれども、くずせばそれでばったりだというような、半ば恐喝と言ってはいけないけれども、きわめて不公正といいますか、強い立場と弱い立場との格差が非常にあって、その変な慣習の中で苦しんでおる。こういったことを、たれ込みと言っては非常にことばが悪いけれども、ストレートに入って、そこにきめのこまかい指導措置なりそういったことが行なわれるように、どうしてもくふうしてもらわなければならぬ。私たちもこのことについては、個別的にいろいろなことをそちらに情報も差し上げて御協力したいと思いますけれども、そちらの体制をしっかりやってもらいたいと思います。  それから、あとは公正取引委員会に、いまの問題とちょっと関連するような問題なんですけれども、企画庁長官、もうけっこうですが、百貨店の中にいろいろな店が入っているわけですな。そこに、いま販売合戦がありまして、納入業者、出入りの業者に対して品物を割り当ててくるというようなことがあるわけです。これは、ここのところにこういうことがあったと名前をあげたいんだけれども、それをあげるわけにもいかないのですな。それで、そういったような事実があることを御存じかどうか、それだけ伺っておきましょう。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 百貨店と納入業者との取引におきましては、やはり何と申しましても、百貨店が大量販売の場として納入業者にとってはたいへん魅力のあるところであるということから、納入業者といたしましては、どうしても百貨店で売ってもらいたいという取引上の弱いところがあるというようなところから、先生おっしゃるような無理が、いろいろと納入業者のほうに百貨店のほうから出されているという事実は、具体的ではございませんけれども、よく聞くことがございます。

有島重武公明党

○有島委員 これはちょっと私どもが具体的に言いたいところなんだけれども、ここでは具体的には言わない。  それで、公正取引委員会のほうでは具体的にもっと手を打てるなら打ってもらいたいと思う。やはりそれは不公正な取引という範囲に入りますな。

後藤英輔公正取引委員会事務局取引部長

○後藤説明員 百貸店と納入業者、そういう力関係で一方が非常に強い、そういう場合に、その強い力を乱用いたしまして相手方に通常の取引の慣習、条件からいいましたら著しい不利益を及ぼしているという場合には、優越した地位の乱用という不公正な取引方法の規定がございまして、その問題として取り上げられるようになっております。  特に百貨店につきましては、そういうものが一つの商取引のシステムとしてございますので、百貨店につきましては、特殊指定というもので、具体的な納入業者との間の取引について、百貨店が強制、拘束しているような不当な取引条件につきまして、たとえば不当返品、不当値引きとかいうような項目をあげまして、不公正な取引方法の優越した地位の乱用の特殊指定というものを規定してございまして、そういう条項で問題にすることができるようになってございます。

有島重武公明党

○有島委員 じゃ、以上で終わります。

平林剛日本社会党

○平林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時十六分散会

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