農林水産委員会いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/10/01
会議録
○坂村小委員長 これよりいも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会を開会いたします。 私がこのたび小委員長に選任されましたが、何ぶんよろしくお願い申し上げます。 いも、でん粉及び甘味資源等に関する件について調査を進めます。 この際、いも、でん粉及び甘味資源の関係資料について、政府から説明を聴取いたします。森食品流通局長。
○森説明員 それでは、お手元にお配りしてございます「いも、でん粉関係資料」につきまして、私から御説明を申し上げますが、これについては先生方もう十分御承知と思いますので、要点だけ簡単に御説明させていただきたいと思います。 一ページでございますが、カンショ、バレイショの全国の生産事情と、春植えのバレイショにつきましては北海道が載っておりますが、簡単に申し上げますと、カンシヨでは、三十一年が作付面積が三十八万六千ヘクタールということで、これが最高のようでございます。その後ずっと面積が減少しておりまして、四十年以降ことに減りが激しいようでございます。これはいろいろな事情がございましょうが、最近の直近時点では七万ヘクタールということで、ことしもさらに若干減少するというふうに見込んでおります。 それから春植えのバレイショでございますが、これは全国的にはやはり面積が減少しておりますが、北海道では四十一年以降減少しておりましたのが、四十六年ぐらいから増加傾向に転じております。四十九年は、あとから申し上げます事情等もこれございまして、若干面積が減少したということでございます。 反収につきましても増加、それから収穫量全体としましては、まあ横ばいというのが大体の見方であろうというふうに思います。 二ページをお開きいただきますと、ことしの春植えバレイショの予想収穫量が統計情報部から八月十五日現在で発表されておりますので、これに従いましてことしの所見を若干申し上げたいと思いますが、便宜私から御説明をいたします。 北海道が中心でございますが、結局、面積としましては九二%でございますから、六千二百ヘク減りまして、八%の減少、収穫量が一一%の減少という予想になっておるわけでございます。これは八月十五日現在ということで御承知おきをいただきたいと思います。 それから、文章を飛ばしまして、次の四ページをお開きいただきますと、全国、北海道、都府県、東北その他関東・東山ということで出ておりますが、北海道以外は全部生食用でございます。生食用とでん粉原料とは若干性格も異なっておりますから、問題の所在は違うと思いますけれども、一応ここに書いてございますように、おもな生産県の減りは少ないというふうに思います。 それから、五ページに、ことし北海道の面積がなぜ特に減ったかという事情が書いてございます。「解説」の「作付面積」の「北海道の作付面積は、」という以下でございまして、過去最低であった四十五年をさらに下回った。これは先ほども陳情のほうでお話しがあったと思いますが、前年に多発しましたウイルス病の種子感染が多かったこと、冬期間の記録的な降雪不足と寒さとかわきの異常気象によりまして、土壌凍結が深かったため適期植えつけが不能の地域があったこと、それから貯蔵中の種子が腐敗したというようなこと、等とされておるわけでございます。それから、転換されたおもな作物は大豆、小麦、牧草というふうになっております。 地域別に見ますと、帯広で前年に比べて一六%減った、北見で二%、札幌九%、函館五%、全体としては八%の減少ということになっております。 それから、作柄でございますが、北海道が問題でございます。 四行目に、「特に、十勝地方では前年を上回るウイルス病が多発し、そのため茎葉の生育が悪く、開花も遅れたため、着いも数が少ない」となっておりますが、それからいもの肥大も緩慢だということで、作柄は不良ということでございます。北見では五月から七月中旬の低温と寡雨ということで生育がおくれ、その後は好天候で生育は急速に回復したけれども、斜網地方を中心にウイルス病が蔓延し、イモの肥大が緩慢となっているということで、平年並みということになっておるわけでございます。しかし、先ほどお話しもございましたが、その後なお病気の問題が非常に憂慮されておりまして、最終の見込みはこれよりまた若干落ちるのではなかろうかとわれわれも心配をいたしておるわけでございます。 それがただいままでの春植えバレイショの現状でございます。 それから、八ページに参ります。 でん粉の生産事情でございますが、ただいままでは原料のイモの問題でございますが、でん粉のほうの生産事情、これも先ほどの原料の盛衰と大体似ておりますが、甘でんは三十八年以降ずっと減ってきておる。四十八年の見込みとしましては約九万二千トンというふうに見込んでおります。それから、馬でんにつきましては、過去横ばいで推移いたしましたけれども、四十二年、四十三年とふえてまいりました。四十八年は若干減少ということで見込みを立てておるわけでございます。若干といいますよりも、四十八年のでん粉の生産事情は非常に低いというふうに考えております。これに伴いまして、コーンスターチの欄をごらんいただきますと、四十二年以降急速にふえてまいりました。四十八年は七十万トンという見込みを立てております。これらを足しまして、合計といたしまして大体百十万トン前後、正確に言いますと、百万トンから百二十万トンのでん粉の原料を供給として確保しておるということでございます。それから、カンショのなま切り干しでございますが、これにつきましては、でん粉の減少とともにこれも急速に減少しておるというのが実態でございます。 それから、九ページに参りまして、ただいまのは生産事情でございますが、でん粉の総合需給表がここに載っております。四十八年でん粉年度の見込みといたしましては、ここにございますように、全体としまして百二十三万トン、その内訳は、特に需要の欄の水あめ、ブドウ糖、これがいわゆる糖化用と称されておるもの。需要の形態としましては、ここに水産練り製品、繊維・製紙・段ボール、化工でん粉、ビール、グルタミン酸ソーダ、食用・その他と書いてありますが、こういうものが一応使用されまして、残りのものが糖化用に使われている。こういう性格のものでございますが、糖化用といたしましては、四十八年五十七万トン、四十九年六十万トンということで、特に四十八年の中で馬でんの政府払い下げ五万五千トンというのがございます。全体の七万トンから見まして、さきに、四十六年に一万五千トンを出しました。ことしの春、狂乱物価で相当、むしろ異常に糖化製品が上がりまして、でん粉も高騰する、なかなか出てこないという事情がございまして、馬でんの五万五千トンの払い下げに踏み切ったわけでございます。これで政府在庫なしということでございまして、いずれにしましても、こういう供給を加えましてバランスがとれるということでございます。それから、四十九年、先ほど馬でんの供給量が十八万トンと申し上げましたが、そういたしますと糖化用に馬でんが回らないということで、その分だけコンスがふえる、あるいは外でんがふえるという需給バランスになっておるわけでございます。甘でんにつきましては六万トンを糖化用に見込むということで大体需給計画を立てておるわけでございます。 それから、一〇ページでございますが、これは過去のイモの原料の基準価格、それからでん粉等の政府の買い入れ基準価格の推移が書いてございます。御注意いただきたい点は、昨年御承知のようにバレイショにつきまして歩どまりを一六%基準価格にしたということで、実質の価格引き上げといいますか、実態に合わしたといいますか、そういうことになっております。それから、政府の買い入れ基準価格のうち、バレイショでん粉につきましては下に書いてあるとおりでございます。告示の日にちが下に書いてあります。 それから、でん粉の価格の推移ということで一一ページにございますが、御承知のように、このでん粉の基準価格というのは、政府がきめておる一種の支持価格、農業団体等が調整保管をしまして売りますものの支持価格ということになっておりまして、実勢の価格はどうであろうかということがここに書いてありますが、これは日経の仲間相場ということでございます。トン当たりの表示でございまして、四十八でんぶん年度の最終のほうを甘でんでごらんいただきますと、約十一万六千円台、それが政府の基準買い入れ価格が六万八千七百五十円ということで、実勢価格と基準価格が対比してごらんいただけるように書いてございます。馬でんにつきましても、十四万円に対しまして七万三千二百四十円ということでございます。 それから、でん粉を原料にいたします糖化製品の価格が一二ページにございます。これも日経の中間相場ということこなりますが、特にここで御注意いただきたいのは、四十八砂糖年度ということで、ことしの春先になりますが、たとえば精製ブドウ糖、結晶ブドウ糖もそうでございますが、一、二、三、このあたりは相当異常な高値になっておりまして、ちょうど狂乱の時代でございますが、その後平常の姿に戻りつつありまして、ただいまのところ十六万円台になっておるということでございます。 それから、一三ページに参りますと、水あめについて同じく価格が出ておりますが、やはりこれも同様でございまして、ことしの春先非常に高値の相場が出ておる。その後最近に至りまして平静に戻っておる。十一万、十二万という価格が出ておるということでございます。 それから、一四ページは生産費の推移でございます。四十四年から四十八年までの生産費調査を併記してございます。これは毎年の推移でございます。ことしの生産費調査につきましては、後ほど統計情報部長から詳細に御説明をいただく予定にしておりますので、これはこの程度で御説明を省略いたしたいと思います。 それから、一五ページが農業パリティ指数がどうなっておるかということでございます。四十八砂糖年度、すなわちことしの七月のパリティが三三一・四四ということでございます。四十七の欄に書いてある年度のところと四十八年度との最近の傾向を申し上げますと、一年間で大体二七、八%ある。大体そんな傾向になっております。指数だけ書いてございますが、パーセンテージにしますとそういうことでございます。 以上で、簡単でございますが、御説明にかえさせていただきたいと思います。
○坂村小委員長 次に、吉岡統計情報部長。
○吉岡説明員 それでは、統計情報部のほうから、調査をいたしました四十八年産原料用カンショ及び原料用バレイショの生産費という速報でございますが、お手元にお配りしてあると思いますので、これによって四十八年産のそれぞれの生産費を御説明いたしたいと思います。 最初の表にございますように、原料用のカンショは十アール当たりの第二次生産費が三万三千四百六十三円ということになっておりまして、対前年比七・一%増、百キログラム当たりにしますと千三百六円、その結果一日当たりの家族労働報酬というのが千四百十円ということになっておりまして、去年に比べまして一九・八%の増ということでございます。 原料用バレイショでございますが、これは十アール当たり生産費が二万五千七百二十四円、前年に比べまして一二・四%増、百キログラム当たりが八百四十五円で、一五・八%の増、その結果一日当たりの家族労働報酬は六千二百七十九円ということになりまして、前年に比べまして一一二・一%の増という大幅な増加になっております。 内容について若干申し上げますが、次の二ページをお開きいただきたいと思うわけでございます。 最初に、原料用カンショの十アール当たり生産費は、内容といたしましては、労働費のほかに肥料費の増加がありまして、そういう結果、先ほど申し上げました若干の増加を来たしたということでございます。 それから、百キログラム当たりに直しました生産費は、生産調査農家が昨年よりもその収量が若干減りましたということもございまして、去年に比べて十二%の増となっております。 その費目の中で大きなものは、「ア、イ、ウ」の「ウ」に書いてございますが、労働費が五五%という過半を占めておりまして、これは他の作物に比べましても非常に労働費のウエートが高いという作物になっております。次いで肥料費が一八%、農具費が一五%というようなことでございます。 その中の労働費でございますが、労働時間は八・一%ばかり減少をしておりますが、労賃の単価が一七%ばかり上昇しておりますために、結果としては昨年を七・三%ばかり上回っておるということでございます。 肥料費、農具費等それぞれ若干の増加がございますが、これは説明を省略いたします。 それから、(2)の収益性でございますが、まず、十アール当たりの粗収益でございます。これは、結局、農家の販売いたしました単価に反収をかけた、要するに水揚げでございますが、これが昨年より全体として八・四%上回っております。それは、先ほど申し上げましたように、収量は若干減りましたが、販売価格が上昇いたしましたためにそのような結果になっております。 それから、いわゆる十アール当たりの所得でございますが、これは、いま申し上げました水揚げから物財費及び雇用労賃の支払いを控除したものでございます。この所得が昨年を一〇・七%上回る結果になっております。そのような結果、先ほども申し上げましたように、一日当たりの家族労働報酬というのは前年を約二〇%上回るという結果が調査農家について出ております。 それから、次は原料用のバレイショでございますが、十アール当たり生産費で前年より一二・四%増加しておるわけでございますが、農具費、労働費、種苗費、肥料費と、こうしたものでそれぞれ増加をいたしております。 百キログラム当たりの生産費は、収量が若干減少をいたしましたために、昨年より一五・八%の増ということでございます。 大きな生産費の費目は、肥料費二四%、労働費二三%、それから農具費一八%、種苗費一五%、農業薬剤費八%ということでございまして、これはほかの作物に比べまして労働費の比重が非常に低いというのが特徴でございます。これは北海道のような大規模な畑作地帯で生産が機械化農業で行なわれておるということに見合いまして、結果的に労働費のウエートというものが非常に少なくなっております。 この中で、肥料費は、複合肥料等の施用量が増加しましたためにふえておりますし、労働費は、先ほども申し上げましたが、投下労働時間というもとはずっと減ってきておりまして、昨年よりも二・九%減の十アール当たり二十時間という時間で、減ってきておるわけでございますが、労賃の単価が一七%ばかり上昇いたしましたために、労働費全体といたしましては昨年を一四%上回る、こういうことになっております。 なお、農具費は、掘り取り機とか高馬力のトラクターが導入されたというふうなことで、償却費が増加をいたし、前年を約三〇%上回る結果になっております。 以上でございますが、収益性は、十アール当たりの収量が昨年より若干下回ったということを申し上げましたが、販売価格が上昇をいたしましたために、十アール当たりの粗収益としましては前年を三六・六%上回る結果になっております。 それから、十アール当たり所得はさらに前年の水準を七三%上回るという結果になっておりまして、そのような結果、一日当たりの家族労働報酬で見ますと六千二百七十九円ということでございまして、前年を一一二・一%上回る、約二倍以上の伸びを示しておるということでございます。 以下、六ページ、七ページ、八ページ、九ページにわたりまして、ただいま御説明をいたしました原料用カンショと原料用バレイショのそれぞれの費目のこまかい内訳がございますが、時間の関係がございますので、説明は以上のことで終わらしていただきたいと思います。
○坂村小委員長 続いて、甘味資源審議会の答申と、その経過の説明を願います。
○森説明員 それでは、お手元に一枚紙でお配りしてございますわら半紙の紙で御説明を申し上げます。 これは、去る九月十日に開かれました甘味資源審議会の答申でございます。この審議会に、政府といたしましては、五年ごとに目標生産費をきめまして、その五年ごとにきめる目標生産費についてどうかという諮問をいたしたわけでございます。これについての答申でございます。 御承知のように、五年ごとに目標生産費をきめまして、それに基づいて毎年の砂糖の合理化目標価格をきめて、それと同時に国際糖価水準等を勘案いたしまして、安定すべき砂糖の粗糖ベースの上下限価格をきめるということになっておるわけでありまして、その前段の作業としましての目標生産費についての諮問に対する答申があったわけでございます。 その結果、上下限価格につきましては、下限価格を粗糖ベースでただいまのトン当たり二万七千円できめておりましたのを、五万五千四百円ということに改定いたしました。五万五千四百円というのは、いままでの五万四千円の上限価格をさらに上回るもの、だから上限が下限になったということでございます。 それから、上限価格といたしましては、十万六千七百円ということに決定いたしました。従来の上限価格の倍ということでございます。実際の価格というのは、外国から入ってくるものにつきましては、これに関税を乗せまして、関税の四万一千五百円というのを足しました水準ということになるわけでございますが、ただいま、それよりもさらに上回る相場でございまして、関税は三月三十一日まで、四十一円五十銭全部減免をするという考え方で告示をいたしておるわけでございます。厳密に言いますと、この関税価格を足しましたもの、すなわち十四万八千二百円をこえる分については減免をするという考え方で告示をいたしました。そういうことでございます。 そこで、この答申に入りますが、答申につきましては、その目標生産費につきましてはやむを得ないということでございますが、具体的にきめますてん菜糖及びサトウキビの生産者価格と事業団の買い入れ価格は、毎年諸物価の変動が非常に激しいから、その物価高騰の実情、それからほかの農産物価格との均衡、それから収量が減りますと操業度が落ちますが、そういうものの実態等を考慮して決定せよということでございます。 なお、付帯意見といたしまして、国内甘味資源が減反をしているという憂慮すべき実情を考慮いたしまして、てん菜の四月にきめました生産者価格につき、早急にその改定を実施されたいということの意見がついておるわけでございます。それから、二番目に、サトウキビにつきましても、前年を大幅に上回る適切な水準に定めることとされたいという付帯意見がつきました。それから、最後に、農産物価格間の問題の根本的な解決をはかるために、各農産物の価格算定方式とその時期、決定時期と思いますが、そういうものの統一など、各農産物間の均衡ある価格制度の確立につき早急に検討を加えなさい、と、こういう付帯意見がついたわけでございます。 私どもといたしましては、てん菜の生産者価格の改定という問題につきましては、後ほど御質疑があろうかと思いますが、現在のところ、価格そのものが適正な手続において定められたということと、その後の価格変動がどうかということをパリティで見ましても、きめた当時と著しい変動がないということ等から、価格改定につきましては消極的に考えておるわけでございます。それからサトウキビにつきましては、ことしは、去年十一月にきめた価格より大幅にきめろということでございますが、法の手続に従いまして適切な価格水準に決定するようにしたいというふうに考えております。その時期につきましては十一月の末までにきめたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、最後の問題につきましては、基本的な御指摘でございまして、私どもとしてはぜひ解決をしなければならない問題だと考えておりますけれども、それぞれの作物の価格の定め方、その前にそれぞれの作物の取り扱いにつきまして、歴史的にそれぞれの時代、時代に応じた法律がございまして、それに基づきます価格支持なり価格決定なり価格保障なり、そういう考え方で算定方式ができておるわけであります。そのものにつきまして、もちろん検討を加えていくということはやぶさかではございませんが、基本的な問題でございますので、やはり時間をかしていただかなければなかなか——均衡ある価格制度の確立という問題につきましてはいろいろな検討課題がございますので、そういう点につきまして配慮した上、なるべく早い時期に御趣旨の線に沿うように努力いたしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 簡単でございますけれども、甘味資源審議会の答申の御説明、それに対する若干のわれわれの考えている点を御報告申し上げまして、御説明にかえさせていただきます。
○坂村小委員長 以上で説明は終わりました。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田貴六君。
○安田小委員 この小委員会はいも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会ということでございまして、いま、農林当局より、関連いたしまする問題等についてそれぞれ説明がありましたが、まず、本年の北海道農産物の、特に畑作物の作付の動向等を考えますると、これはきわめて憂慮すべき状態になっておると私は考えておるわけでありまして、そういう観点から、てん菜の問題をまず取り上げて、政府の考え方をただしたいと私は考えます。 なぜ私がまずてん菜の問題を取り上げるかというと、北海道はもう秋まき小麦の作付が始まるわけでございます。したがいまして、全体の畑作面積の中で従来農林省が指導しておりまするように、それぞれ適切な輪作体系のもとにおいて均衡のある作付を行なわなければならぬ、と、そういうようなたてまえで農林省、道庁ともに指導をいたしておりますけれども、その状態が、今年のビートの作付を見ますと全くくずれかかっておるというふうに考えざるを得ないわけであります。したがいまして、麦作の作付が開始されまする前に、北海道の寒地農業の確立のためには、てん菜に対する政府の方針がどうしても明確にされなければならぬと私は考えておるわけでありまして、そういう観点で、まずビートの問題から御質問をいたしたいと存じます。 そこで、ことしの北海道農業の実態というものを農林省のほうではどのようにまずとらえておるのか。最も理想的に近い畑作全体におけるところの各作目別のいわゆる作付実態を一体どういうふうに見られておるのか、それをまず冒頭にお伺いいたしたいと思います。
○松元説明員 ただいまの御質問は、北海道の畑作全体として、その中で各作物がバランスをとって伸びていくと申しますか、そういうことに対して現状はどうかという御指摘かと存じますが、本年の場合は従来の傾向とかなり違った動きがあったわけでございます。と申しますことは、北海道の作目、普通畑面積というものは、長い目で見ますと、他方牧草畑がふえている関係もございまして減少傾向がございますが、その中で作物間の競合という問題があるわけでございます。一つには減った作目がある、他方はふえた作目があるということでございます。 そこで、問題の中心はてん菜かとも存じますが、その前に道全体で見ますと、四十八年と四十九年を比べてみますと、ふえた作物といたしまして、一部見込みもございますが、麦、大豆、それから野菜、特に牧草、これはふえた作物でございまして、他方におきまして、てん菜、バレイショ、雑豆というものが多少減少をいたしておるわけでございます。これは道全体の動向でございますが、さらに、てん菜につきましても、てん菜は約一万四千ヘクタール減少いたしたわけでございますが、それに対しまして、てん菜の地域におきまして、しからば他方におきましてどういうものがふえたかということを見ますと、一部にはいわゆる稲作転換で行なわれたてん菜がございますから、それが水稲に戻ったというものがございます。畑の中でございますと、麦、豆それから飼料作物、こういうものがふえておりまして、他方バレイショ、てん菜、こういうものが減少をいたしているわけでございます。 しからば、このような作物間の変動がはたしてどうかということでございますが、これは年による多少の変動は当然年々あろうかと思うわけでございます。ただ、本年の場合、その変化が少し急激に過ぎる。一方では、従来ペースに比べまして麦、大豆それから飼料というものが非常にふえた。他方においててん菜が減った。それから、一部バレイショも減少いたしました。これがはたして今後の姿としていいかどうかということでございます。また、正直に申しまして、ことしの場合少し変動が大き過ぎた。年々多少の変動がございますが、少し異常ではなかったかと思っております。したがいまして、たとえばてん菜につきましては、ことしの急激な減少傾向というものは今後はもとへ戻していかなければならぬだろう、長期的にはてん菜はやはり戻していかなければならぬだろうというふうに考えているわけでございます。そうなりますと、一方がふえて一方は減ったわけでございますから、減ったやつをふやすとなりますと、他方、しからばふえたものがはたしてどうかということにもなりかねないわけでございます。したがいまして、そうなりますと、一つには、一定のきまった普通畑面積の中で何をどう伸ばし、何をどう減らすと言っては語弊がございますが、どういう組み合わせがよろしいかという問題が一つございます。 もう一つ、私は普通畑の減少というものは長い目で見てあるわけでございますが、しかし、他方では、いわゆる牧草がふえているという傾向があるわけでございます。牧草の場合には、いわば畑の中でつくられます牧草と、それからいわゆる永年牧草と申しますか、草地のような牧草と両方あるわけでございますが、土地資源という面から見ますと、いわゆる永年牧草地の形態の利用は若干問題があるのではなかろうか、牧草でももう少し収量を増すような使い方があるのではなかろうか、単に面積を伸ばすばかりが適当ではないんじゃなかろうかとも考えるわけでございまして、そういう面を含めまして、作物間のバランスある輪作体系というものを考えていかなければならぬ。そういたしますと、本年の場合は少し異常でありまして、今後とも麦、大豆というものはやはり伸ばす必要がございましょうが、確かに、あまり伸び過ぎても若干問題があろうかと思うわけでございます。特に、牧草畑についてはかなり問題があろうかと私は思っております。 いまの問題は畑面積を一定とした場合の問題でございまして、現実には、他方草地がふえておる点もございますから、畑面積は多少減っております。同時に、草地との関係が一つ。もう一つは、やはりこれはロングランの問題でございますが、いわば農用地造成と申しますか、農地の外延的拡大ということもやはり考えていかなければならぬ問題であろうというふうに考えておりまして、その中で適当なバランスをもって伸びていくというふうにするのが適当な姿ではなかろうかと思っておりまして、現在までにおきまして、しからば望ましい姿で作物別にどうかということを計数でぴしゃりお答えはまだできていないわけでございますが、その辺のところにつきましては、私ども現在農政審議会で生産の長期の見通しというものをやっておりまして、その中で具体的に地域別問題も詰めていかなければならぬわけでございますし、さらに北海道庁の計画もございますし、そういうことで、全体といたしまして、農用地造成を含めまして、普通畑とそれから牧草畑の関係、その中における作物関係というものをバランスよく伸ばしていかなければならぬだろうというように考えております。
○安田小委員 概括的な意見はお聞きいたしたわけでありますが、端的に言って、四十九年のこういう寒地農業という北海道農業の、特に畑作については、農林省の農業経営技術の指導の基本方針としては、何といっても輪作体系を確立していくということが基本的な方針でなければならぬと私は考えておるのであります。そういう点が一つ。それから、もう一つは、北海道には本州にはないビート工場というものがあるわけですから、農業の経営安定という観点と、それから、いまあるビート工場の存立という問題と、こういう面を特に考えなければならぬと私は思うのであります。したかって、そういう点から言えば、ことしのビートの作付実態というものは、統計情報部からいただいたものによると、四十八年は六万一千八百ヘクタールの作付面積になっておるが、これはいま四万六、七千ヘクタールになったと思いますから、たいへんな減反なんです。したがって、こういうことはいわゆる農業技術の本来の指導方針から言ってもたいへんな悪い結果になっておるということが一点。もう一つは、農林省がつくっておるところの、国内におきまする農産物の自給度を高めるという観点に立った農畜産物の需給とその作付の見通し、こういうような方針から言いましても、まさに逆行するもはなはだしいという状態になっておると私は考えておりますが、そういう点は端的に言って局長はどうお考えですか。
○松元説明員 御指摘のとおり、てん菜は合理化輪作体系の中で重要な作物でありますから、本年のような現象がこのまま続くということは適当ではないというふうに考えております。ただ、他方、ふえた作物を見ますると、先ほど若干触れましたが、麦、大豆等もふえているわけでございます。これもローテーションの上でやはり必要作物でございまして、いわば、従来の傾向では、地域によりまして一部てん菜多作地域もあると私は思います。片方、一部麦の入り方が不足だという地域もあろうと思っているわけでございます。したがいまして、てん菜面積が本年まで減るということは適当ではないので、伸ばしていかなければならぬわけでございますが、同時に、逆に、しからば本年ふえた麦、大豆をもとに戻していいかというと、そうではございませんで、両者がバランスをとり、伸びていく。そうなりますと、しからばほかに何が減るんだという御議論もございますが、私は先ほど若干永年牧草という問題に触れましたが、この問題もあわせて考えなければならぬだろうと思います。それから、地域全体としてまだてん菜は伸びていく地域もあろうというように考えておりまして、そういう意味からしまして、北海道農業におきまする合理化輪作体系の一環としまして、てん菜はことしの現象は以上であって、これはやはり伸ばしていかなければいかぬというように考えております。
○安田小委員 そこで、畑全体の面積について、いろいろと、大豆もふやさなければならぬ、麦もふやさなければならぬ、ビートもふやさなければならぬと言うが、そういう調子よくなかなかいかないんだというような考え方もあるように聞こえてくるんですけれども、統計上の問題もありましょうけれども、飼料作物というものが、いわゆる草地の改良、造成、基盤整備の促進というような問題によって解決できる余地がたくさんあると私は思うのですよ。デントコーンであるとか、その他の、どうしても畑でつくらなければならぬものは別でございますけれども、いわゆる自給飼料の中における牧草というような問題については、いま牧野改良事業も進められておるんですから、いわゆる既墾地を毎年毎年耕して、耕起をして、そうして畑と称して使われておるところでないところで、別なところで、飼料作物の中でも相当なものは収穫させる道があると私は思うんですよ。そういう北海道の既墾地の畑作の全面積に対応する農林省の作付の理想図というようなものがなければならぬと思うのですが、そういうものはお持ちになっておるのですか。参考にお聞かせいただきたい。
○松元説明員 飼料作物、特に草地まで含めるとなりますと、若干私の担当の範囲を越える問題もございますが、先ほど来申し上げました農産物の長期の生産目標というもの、その中におきまするいわゆる地域指標というものもございますし、それから北海道の計画もあるわけでございまして、そこで、畑の利用のしかた、特に、その中でも飼料作物を畑でやる場合の問題、それから、いわゆる飼料作物を草地でやる場合——私も若干申し上げましたが、永年牧草地には問題があるというようにたしか申し上げたわけでございますが、畑に飼料作物をつくる場合には、それにふさわしいつくり方をしていただく、それから、畑にはなりがたいところは、これはいわゆる草地として利用していただくという使い方があろうかと思いまして、両者をあわせまして合理的な目標を立てて進めていかなければならぬというふうに考えております。
○安田小委員 局長さんはわかっておってお話しになっておると思いますから、あまりそう突っ込みたくないんですけれども、永年牧草地、永年牧草地と言いますけれども、永年牧草地というのは、これは畑にしようとすればすぐなるんですよ。そういう面の努力が農林省としてはまだ足りないと私は思うんですよ。片方では農用地造成事業を行なって牧野をつくっている。そうしてそれができ上がると、いろいろな管理上の問題もあり、利用上の問題もあって、永年牧草地化する場所が非常に多くなってきておりますが、これをいわゆる畑として使うという面に対しては適切な施策がまだ欠けておるんじゃないかと思うんですよ。だから、永年牧草地と言いますけれども、永年牧草地というのは、やり方によってはりっぱな畑になるんです。それは困難な場所もありますよ。高い場所もありますから、それはありますけれども、平地のある一定の水準の高さまでのところでは、これは畑になるんですからね。そういうような面については、基盤整備の中で、畑地帯総合土地改良事業とか、そういう部分でいろいろ実効をあげている点もありますけれども、永年牧草地の利用という面と、北海道の畑作の面積の拡大というような点は、これはここではあまり議論しませんけれども、そういう問題は熱心に御検討おきをいただきたいと思うのでありまして、いまの局長さんの御答弁の中で、大豆がふえれば、麦がふえればビートが減るという傾向になるのは当然だというか、やむを得ないんだというような、こういうものを防ぐ方法を立てなければ成り行きにまかせておって、片っ方がつくって片っ方が減るのはしかたがないんだということでやっているなら、いつまでたったって北海道の農業というものは安定した農業にならぬわけですから、そういうことを特に意見として私は申し上げておきたいと思います。 それから、次にお伺いしたいのは、ビートの作付面積がこんなに減ったことですね。ビートが減った原因は一体どこにあるというふうに御理解になっておりますか。それをお聞かせ願いたいのです。
○松元説明員 ただいままでの論議も関連するわけでございますが、基本的には北海道の普通畑面積は減少する傾向にございまして、その中で作物間の競争が激化したわけでございます。すなわち、てん菜が減少いたしましたが、他方、その地域では、先ほどから論議がございましたが、麦、大豆、飼料作物、野菜といったものが増加しております。それからまた、一部、稲作転換によりてん菜が減少したというものもございます。それから、また、一部地域においててん菜が過作だったという地域もございますので、その是正による減少という面もあるわけでございます。 しからば、そのような他作物関係の中で減ったということ、その理由は何かということになりますと、これはいろいろ理由はあろうかと存じますが、まず、基本的には、てん菜はほかの作物よりも労力が多くかかるわけでございます。また、作期も長いわけでございます。それからまた、一戸当たりの経営規模は年々増加をいたしております。したがいまして、労力という面からいたしまして、てん菜のように多くの労力を要する作物は忌避されるといった傾向がございます。この労力問題が一つございます。 それから、もう一つ、それにも関連するわけでございますが、収益性という問題もございまして、いま申しましたとおり、てん菜は本来労力がかかるわけでございますが、それでも、これまでは、ほかの作物に比べれば、いわば相対的と申しますか、収益性がよかったという面がございまして、これは一つの魅力だったわけでございますが、いま申しましたとおり、労力がかかりますものですから魅力は減ったということ、それからまた、作物間の関係を受けまして収益性の面の有利性が低下したということもございまして、これらが合わさりまして減少したという考え方でございます。 なお、若干補足して恐縮でございますが、先ほど先生が御指摘をされました永年牧草地の問題ですが、これは私の答弁のしかたがちょっとまずかったので、あるいは誤解を招いたかと存じますが、私も同じように考えておりまして、せっかく畑につくった中で飼料作物が有効に使われていないんじゃないか、それを有効に使う、いたずらに面積を維持するのが能ではないということは、実は、まさに同じことを申したつもりでございまして、その点若干誤解がございましたら、恐縮でございますが……。
○安田小委員 いま、局長さんも、私の言い方とはちょっと違うのだけれども、大体同じような意味のことを言っているんだろうと思うのですが、ビートが不利だからつくらなかった農家は、それで減反になったということを私は端的に言っていいと思うのですよ。これは釈迦に説法ですからあまり言う必要もないんだけれども、政府のほうでは、甘味資源特別措置法によって、第二章に「甘味資源作物の生産の振興」という一章を設けまして、これについては徹底的な振興策を講じなければならぬということになっておるわけですよ。そして、これに伴うところの長期の振興対策といいますか、振興計画もお持ちになっておるわけですよね。そういう点から言いましても、ビートという農作物が他の畑作物から見て不利な作物であるということであっては、この甘味資源特別措置法にうたわれておるところの、いわゆる目的とするところの国内産の甘味資源の増産ということはどうしてもできないわけですよ。だから、そういうことで、いろいろな言い方がありますけれども、端的に言うと、ビートの面積が減ったということは、これは不利な作物になったということだと私は思うのですよ。だから、そういう点を率直に農林省は御理解をいただいて、そうしてそれをどう直していくかということにならないと、ただじょうずな言い回しばかりやっておって、そのときそのときのことばは一応それで飾って終わるにいたしましても、農民のほうはそういうわけにいかないのです。役所のほうではそれで済むかもしらぬけれども、農民は毎日の生活がかかっておるわけですし、意欲がかかっておるわけですから、そういう点、農林省の責任ある皆さん方の立場では、政策的に片手落ちがあったならあったんだ、しかし、四十九年においてはこれはやむを得なかったのだというならやむを得なかったのだというふうに率直にお認めいただいて、その上に立って、それならどのように手直しをするかということに入っていっていただかないと、農民の方々も政府に対する信頼を失いますからね。だから、その辺のところは、むしろ皆さま方に対して、こういう問題に対応する場合の姿勢をあたたかい姿勢に直していただくというか、そういう姿勢を示していただきたいということを私はまず特に強調して、次の質問に入りたいと思うのです。 てん菜という作物は、ほんとうは、農林省も、四十九年度でも、直接的な生産対策の助成金というのは大体七、八億をこえているのじゃないですか。この価格問題以外の問題で、ですね。地域、地域の特用農産物に対する助成金などを入れましたら、てん菜の振興のためにも直接金を出してもらっていますし、概括的に見ておそらく十億くらいになっているのじゃないかと私は見ているのですけれどもね。直接の振興対策費としてはそんなにありませんよ。六億くらいでしょう。そういうふうに考えておりますが、そういうふうに、農林省自体には、北海道のビートに対しましては年々非常に奨励策を講じてきてもらっておるわけですよ。その点は北海道の農民もよくわかっておるのですよ。したがって、四十八年まではいろいろな事情があるにせよ、面積というのはてん菜の長期的な振興計画というものに大体近い作付面積を確保してきたわけですよ。ところが、四十九年になってとたんこれは急激な減反をしたわけですよ。その原因は、直接的に言うと、やはり不利な作物になったということだと思うので、これは局長さんはよく御承知のことですから私はあまりくどくどしくは申し上げませんが、大体ビートというのは、さっきの統計情報部長さんの説明の中にもありましたけれども、他の作物よりは生産費が相当多くかかるわけですよ。そして、労働時間というのは、反当たりから見ましても全く飛び抜けて違うわけですよ。四十八年の例をとれば、てん菜については三十七・九時間かかっているわけだ。小麦については十二・五時間、大豆は二十・三時間、バレイショ二十・六時間というふうに、労働時間の比較をしてみただけでも極端な差があるわけです。それから、栽培作業期間が非常に長いのです。労働時間が長くなるということは、結局栽培期間が長いということでございまして、これもてん菜の四十八年の例をとれば、てん菜では大体みぞれが降る中で収穫作業をやるのですから、これは農家の方々にすればたいへんな御苦労なんですよ。二百四十日くらいかかっている。小麦は百五十日、大豆は百七十日、バレイショ百七十日。これも格段の開きがある。それから、病害虫の防除回数というのは、他作物に比較いたしましてたいへん回数を多くやらなければならぬことも農林省の方々はみな覚えておるのです。それから肥料についても、他の作物から比較するとうんと肥料をやらなければならぬわけですよ。 こういうことで、生産費が非常に高くつく作物であるということが特色としてまず言えると私は思うのですよ。それに対して、御案内のとおり、小麦や大豆については、増産という方針から、いわゆる支持価格のほかにそれぞれ奨励金が二千五百円、二千円とついたでしょう。ところが、同じ畑作物でありながら、ビートについてはそういう仕組みがないわけですよ。これはわれわれとしても反省しておりますけれどもね。そういうような面から見ると、これは当然不利な作物ということになるのですから、農家のいまの生産資材の高騰あるいは生活物資の高騰あるいは賃金の上昇という、こういう経済事情の中において有利なものを選択せざるを得ないわけですよ。何ぼ合理的な輪作体系がどうだこうだという指導をしても、いまのような時世においては、これはやむを得ずてん菜のほうを削ってもっと有利なものをつくるということになると思うのですね。これはやむを得ないと思うのです。理想的なことを言えばいろいろな意見が出てくると思いますけれども、これは農民の現状から見るとやむを得ない。したがって、・こういう点を考えると、これはどうしても不利であるがゆえに減反したのだというふうに一口に言って言わざるを得ないと私は思うのです。 そこで、参考に聞きますけれども、さっきもちょっと説明があったが、てん菜と、米とか小麦とかバレイショとかの一時間当たりの家族労働賃金のあれはどうなっているか、聞かしていただけませんか。
○吉岡説明員 北海道におきます一日当たりの家族労働報酬で申し上げますと、四十八年でございますが、ビートが三千六百四十一円、それから原料用バレイショが、先ほど御説明いたしましたように六千二百七十九円、大豆が四千五百八十九円、小麦が五千七百二十円。それからちょっと参考までに申し上げますが、タマネギが一万六千八百六十一円……(安田小委員「ほかの作物と比較してどういうことになるの」と呼ぶ)失礼いたしました。ビートが三千六百十四円でございます。訂正申し上げます。
○安田小委員 それは何番目ですか。
○吉岡説明員 それは、いま申し上げました中でいきますと最下位になっております。
○安田小委員 一番時間もかかれば労力も要る。それから、いま申し上げましたような栽培期間が長いとか、肥料がたくさんかかるとか、病害虫の防除もやらねばならぬとか、そういう一番の悪条件の中において、農林省や道の助成と指導によって北海道の輪作体系を整えて経営を安定させるのが農民の使命だということで、この六万一千町歩まで面積を高めてきたわけです。ところが、その高めた結果が、いまの統計情報部長さんからの説明のように、一日当たりでも一時間当たりでもいいですけれども、労働賃金の収入が最下位に置かれておらなければならぬということは、私はどうしても納得されないと思うのですよ。そういう現状というものは、先ほど食品流通局長さんから、ビートの価格の改定問題について、きめたばかりだから上げる必要はないというような話もあったけれども、そういう問題でないと思うのですよ。これは農林省とか政府のメンツとか何かの問題じゃない、もっと本質的な問題だと思うのですよ。いわゆる農民を生かすか殺すかということですからね。そして農民の方々に、北海道農業のために精魂を傾けて、その大事な農作物の増産に意欲的に励んでもらえるかもらえないかということですから、そういう点はじっくりと反省するところは反省して、価格体系の上におきましても、農家の収入の上においても、あまりにも不均衡な農作物ならば敢然として是正すべきだと思いますよ。私はそういうことを痛感をいたしておりますので、その点を申し上げます。 そして、これはきょうはあまりくどくどしく申し上げたくはありませんけれども、他の作物から見ますると、毎年毎年の支持価格の伸び率がてん菜というのは一番悪いのですよ。これは皆さん方よくわかっていると思いますが、そういうことであれやこれやを申し上げますが、そういう実態を把握して、農林省であるとか政府であるとかという立場におけるところの、そういうきめた直後であるとかなんとかいうことではなしに、農民生活の現状が一体どうなっておるのかということと、政府がいままでにきめておるところの支持価格というものは他の農産物に比較して一体適切であったのかなかったのかということに対する反省と、それから、北海道農業をよくするにはこれはどういうふうに直していかなければならぬのかということ、そういうふうな基本の観点に戻って、原点に立ち戻ってこの問題にもっと取り組んでいただきたいということを私は強く強調をいたしておきたいと思います。 そこで、九月十日の徳安甘味資源審議会会長からの答申の内容について少しく、質問をいたしたいと思うのですが、答申の内容を見ますると、私は、この答申は異例の答申だと思うのですよ。諮問の直接の動機というのは国内産糖の目標生産費であるかもしらぬけれども、その直接の諮問に答えるほかに、先ほど食品流通局長は、何か、付帯意見としてとかなんとかと言っておったけれども、私は、これは付帯意見ではないと思うのですよ。「なお、とくに」とあるのに、何で付帯なものですか。これは答申の本論ですよ。しかも、この本文の中にも、「現行糖安法の下において、従来の算定方式による国内産糖目標生産費は諮問案のとおりやむを得ないものと認めるが、」となっていて、これにも異論がありますが、時間がありませんから言いませんが、「具体的な毎年のてん菜及びさとうきびの生産者価格及び事業団買入価格は、諸物価高騰の実情、他農産物価格との均衡、操業度の実態等を考慮して決定せられたい。」と言っているわけです。それを受けて「なお、とくに」と言って、そして早急に改定を行なえと言っているわけですからね。サトウキビについてももちろん触れております。しかも、また、「また、」と書いて、これは基本問題に触れているわけですよ。最近の農林省関係の審議会の中で、これほどりっぱな答申はないと私は思っていますよ。これは勇気ある答申だと言うべきだと考えて私は敬意を表しております。こういうような内容は異例な答申だと思いますけれども、勇気ある答申だと高く評価してよろしいと私は思いますが、こういうような答申に対しまして農林当局としてはどういうふうに考え、また、一体いつごろ結論を出そうとされておるのか。幾つかありますから、一つ一つ項目別に違うかもしれませんが、そういう点と、もう一つは、こういう異例の答申がなされたのは何のためになされたかということに対する御認識をお伺いしたいのですよ。
○森説明員 お答え申し上げますが、甘味資源審議会の答申の内容につきましては、率直に申しまして、先生御指摘のように非常に重要な内容のものを含んでおるというふうにわれわれは理解をいたしております。特に、議論は、てん菜、サトウキビ問題、自給率、そういう議論が主として戦わせられたわけでございます。ことに国際糖価がまことに異常なまでに水準が上昇しておる、それに対して国内産の砂糖、特にてん菜が非常な減反をしておるということを踏まえての御答申であったと思います。したがいまして、私どもも、事態はまことに深刻な事態であるという認識は持っております。特に、最後に述べられた点については、最近の価格の決定、その結論、それがやはり——先ほど農蚕園芸局長が申されました北海道の畑作の位置づけとその輪作のあり方、それの相互の価格関係、そういうものを早くバランスのとれたものにしないと北海道の農業が安定しないというふうにわれわれは理解をしておるわけでございます。 ただ、先ほど私が申し上げましたように、弁解をいたすわけではございませんが、この問題は、米も含めまして今後の価格政策のあり方とも関連いたす問題だというふうに思いますので、農林省としましても時間をかけて取り組むべき問題であるというふうにわれわれも認識しておるわけでありますが、ただ、一点だけ、てん菜の問題につきまして、事態が深刻でございますから、価格の改定ができるかどうかということもさらに検討してみたいと思います。 しかし、いままでのところ、先ほど私の気持ちを申し上げました点につきましては、価格改定ということにつきましては、私はへ理屈を言うわけではございませんけれども、法を適正に運用していく立場から申しますと、四十九年産の価格について価格改定を必要とする事態があったかどうかということについて先ほど私もお答えいたしましたけれども、消極的な考えを持っておるわけであります。もし価格がだめならほかに何か方法はないものだろうかということをいろいろ検討をしておるわけでございます。いまここでお答えできる結論を私はまだ持っておらないわけでございます。
○安田小委員 いまの局長の御答弁ですが、答申の中の最後の「価格問題の根本的な解決」という点につきましてはある程度の時間を要すると思いますけれども、この(1)と(2)のほうは、これからすぐサトウキビの問題が出てくるんですから、そこで解決ができるでしょう。(1)の問題のてん菜糖の価格改定の問題については、これは私も冒頭に申し上げましたように、秋まき小麦の作付がもう始まるわけですから、そういう麦作との関連がありますから、畑作物間の均衡ある価格形成という点が何といっても基本ですから、そのためには時間をかけておったんではどうにもならないんで、少なくとも二十日までにということになっておりますけれども、十日前後には同じ甘味資源であるでん粉あるいは原料バレイショ、カンショ等の価格がきまってくるわけですから、その段階までには、この答申でいうところの四十九年産てん菜の生産者価格に対する改定の態度というものを何としても最終的にきめていただくべきだと私は考えておるんですが、そういう御熱意があるのかどうか。いまの御答弁の中にはそういうところまでは突っ込んだ御意思はなさそうですが、そうしてやっていただかなければ北海道の畑作農業はもう崩壊するわけですから、その点を御理解いただいて、これに対するお考え方をお聞かせいただきたいと思います。簡単でよろしゅうございます。
○森説明員 先生の御指摘の点について率直に申しますが、イモ、でん粉関係につきましては、二十日までということで、これは先生御指摘のように、なるべく早くきめたいと思っております。 それから、てん菜の問題につきましては、確かに、来年の作付との関連、他作物との関連から早急にきめるべきものと思っておりますけれども、先ほど申しましたように、四月に価格をきめたわけです。四月にきめたその価格を改定する必要があるかどうかということにつきましては消極的に考えている。ただ、十月末にてん菜糖の買い入れ価格をきめることになるわけであります。その時期までに、いまのてん菜の価格につきまして、もちろん反省もし、いろいろ考えてみたいと思っております。 ただ、その全体の中で、あるいは来年てん菜農家が喜んで増産に励んでいただく方法が何かほかにあるかないか。全然なければ、それは価格改定ということもあり得ると思いますけれども、いろいろな手だてを当面の問題としては何か考えられないものだろうかというふうに実は私は苦慮いたしておるわけでございます。
○安田小委員 食品流通局長もこの問題についてはたいへん苦慮されておる点については、私もよく理解できます。したがって、食品流通局長のところにおける御苦心もさることながら、農林省は、大臣はきょうは来ていませんけれども、大臣なり、次官なり、政務次官なり、あるいは関連局長なり、一体となって、てん菜糖の価格の改定に対する甘味資源審議会の答申に対して、これを尊重する姿勢というものを早急に持っていただくということがまず第一に大事だと私は思うのです。いままでのところでは、農林大臣は、衆参の農林水産常任委員会等においてこの問題に触れた質問があると、どうも誠意のあるような態度を示されておらぬ。したがって、北海道の農民の方々は、気持ちの上においては現在の農林大臣に対して非常に冷たい感じしか受けておらない。どうせ同じ仕事をやってやらねばならないのですから、あたたかい農政の姿勢というものを関係農民に感じさせるような姿勢というものを農林省はやるべきだと私は思うのです。ただ逃げ回るような姿勢というものは何にもプラスにならぬと思うのです。農林省のほうもプラスにならないし、農民のほうとしてももちろんプラスにならないし、また、われわれの立場から言ってもプラスにならない。こういうことをよく御理解いただいて、まず農林省の基本方針を早くきめて、その原動力になるのは食品流通局長さんかもしれませんけれども、このことを強くお願いいたしておきたいと思います。 それから、この答申に関連しまして、ビート価格の問題と直接関係はございませんけれども、諮問に対する説明の中で、農林省側が説明しておる内容について私は残念な点があるのですけれども、最近の外国の砂糖の値段がだんだん高くなつてきて、本年八月平均では三百八ポンドになっているということを認めているわけです。だけれども、「このような最近の国際糖価の異常な高騰は、砂糖の国際需給の逼迫傾向によるものというよりは、むしろ、先高を見込んだ投機的行為にその主たる要因があると思われる。」というものの判断と、それから、そのあと、「最近の異常な国際糖価の動向のみを考慮することは適当でないと思われる」というのでこの目標生産費の諮問原案ができておるわけですが、こういう考え方というものはどこから生まれてくるのですか。そのよってきたる理由を教えていただけませんか。 砂糖のみならず、飼料作物にしましても、あらゆる農産物が上がってきているわけです。だから、外国産の砂糖だって上がるのはあたりまえだと思うのです。それを農林省のほうでは、政府側としては、これは先高を見込んだ投機的な価格であって、何も恒久的にこういう価格に上がっていくものとは思われないというのは、だれがどうしてそういうことが保証できるのですか。そこをひとつお聞かせいただきたいと思います。これがすべての根源になりますからね。
○森説明員 砂糖の目標価格というのは、やはり国際糖価も勘案してきめるわけです。そこで、従来の国際糖価というのは、過去一番高いときで、ロンドンでロングトン九十九ポンドで推移してきておるわけです。十数年そうです。ところが、最近非常に高くなってきた。この高くなったのは、ずっと棒上げに上げておる。ただいま三百六十ポンドまで来ておるわけです。まことに異常な価格であるということでございます。もちろん、過去の国際糖価水準に戻ることはなかろうという判断をわれわれはしておるわけです。したがいまして、倍に安定帯価格を引き上げたわけでございますが、さりとて現在の三百ポンドをこえる価格水準というものはなぜ出てきているかということにつきましては、もちろん需給問題がタイトであるということは言えると思います。しかし、最近の穀物相場にしても、砂糖の相場にいたしましても、オイルダラーが非常に動いているのではないかとうわさされるくらいに異常な変動が多うございまして、そういうことをここで申し上げたわけでございます。したがいまして、私ども、どれが正しい国際糖価水準かということはなかなか断定しがたい面がございますけれども、これはわれわれも手放しで放置しておくということでなしに、われわれもむしろ国際糖価水準を安定させるという動きを対外的にするように、そういうことで日夜努力をしておるということで、この相場は必ず下がる、だが、どこまで下がるか、また、どこが適正な水準かということについては、今後のわれわれの努力次第。やはり、いろいろな国際的な関係の動きというものの関連によってきまっていくものと理解をしております。
○安田小委員 一応わかりました。私は与党の議員ですからこれ以上あまり申し上げませんけれども、やはり、説明内容については、こういう極端な表現はもう少し避けておかないと——こういうふうなものは投機的な価格なんだということを断定する材料は農林省にはないのじゃないかと私は思います。あるのかもしらぬが、私はないのじゃないかと推察しておる。そういうときはそういうふうにしておかないと、あとでまたそのことによって農林当局の考え方を強く責められる種を残すことになりますから、そういう意味も含めて私は申し上げておるのです。 過ぎたことについてはいろいろ申し上げてもやむを得ませんからここでとどめますけれども、私は、外糖の価格というものはそんなに下がらぬのじゃないかというふうに、推測ですけれども考えておるのです。いま新聞等を見ましても、外糖そのものがごく少ないわけでしょう。外国に輸出されるものは半分にならないのでしょう。ほとんどが特別に契約しておる国なり生産地の消費なりに向けられることによって、日本などが買う対象になる数量というものは、総生産の中に占める割合というものはそんなに多くないわけでしょう。こういう中で奪い合いになっておるわけですから、そんなに安くならぬと思いますが、それはこれ以上申し上げません。しかし、そういうものの考え方に立ってできているいまの砂糖の値段が、ビートの価格なり、その他のサトウキビの価格なりに、生産者の原料価格に対してみんなはね返ってくるわけですからね。ものの考え方がそういう重要な要素になっておるということを考えますから私は指摘をしておるわけですから、その点をお含みいただいて、今後の具体的なてん菜生産者価格の改定なり、あるいはサトウキビの生産者価格の決定なりにおいては、あれとこれとは必ずしも一つじゃないんだという考え方に立って御判断をいただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。 それから、同じくいまの諮問案の中に使われておるのですが、五十三年ですか、七万ヘクタールという作付計画を立てておるわけですよ。こういうことは、いままでのてん菜の振興計画から見るとこういう数字になるわけですよ。これはわかりますよ。しかし、ことしのような激減した年の実態というものはこれに一つも加味されていないわけです。ことしは例外の年だ、来年からはまた六万三千町歩、六万四千町歩に、さきにつくられておるところのてん菜の振興計画の方針どおり増反できるのだということに基づいてこの諮問案はつくられておるわけでしょう。だから、その振興計画なるものを行なう場合、その辺も修正改定する必要はないのかどうか。改定しないとすれば、そういうふうに改定する必要のないような、いわゆる増産意欲を高めるような価格政策なり、あるいは助成政策なり、生産対策なり、大幅なそういう奨励政策というものの前向きのものをつくっていくのでなければ、そういうものが前提になっておるからこういうふうな数字を用いても心配ないのだと言えるようになっていなければ、これはまことに不用意な数字だと私は見ているのですよ。これはいまのビート価格の問題と直接大きな影響はないようにも考えられますけれども、やはり、ものの判断というものは全部こういうものが基調になるわけですから、こういう点について愚見があればお聞かせいただきます。時間がなくなってきましたから、簡単でよろしゅうございます。
○松元説明員 ただいまの御質問、これは先ほど来の御質問にからむわけでございますが、いわば長期的に見て、北海道の畑作における各作物間のバランスある位置づけというものを考えまして、てん菜はことしは減ったが、確かに異常である、したがって、長期目標とすれば、前にきめました五十七年の生産目標、また北海道の計画もございます、それに即応してやはり伸ばすべきである、と、こういうふうに考えて、ただいまの途中年次の数字もそういう考え方できめておるわけでございます。 そういたしますと、問題は、ことしこんなに減ったのにそれができるかということになるわけでございますが、ことし減ったことは、これは当初考えたよりも以上に減ったということはやはり事実でございます。したがって、この異常な事態がいつまでも続くわけがない、同時にこれは施策もしなければならぬと思っておりまして、もちろんこれは価格政策の適正な運用と、それからまた生産政策を一そう推進することと、両者が見合ってこの目標というものを実現しなければならぬというふうに考えております。
○安田小委員 それで、先ほども陳情の方からお話しがありましたけれども、五十三年には七万町歩も間違いないという前提で農林省はこういう国内産の目標生産費というものをつくり上げておるわけですけれども、ことしの現状は農林当局ももうわかることと思うのですけれども、いずれの工場というものも、面積が少なくて、収穫量もしたがって予定どおりはいきませんから、みな操業度が四〇%とか——一番いいところで、私の住んでおる地域の北糖北見工場というのが七〇%まで何とか原料が確保できるのじゃないかと言われておりますが、あとは六〇%ないし四〇%の原料しか確保できないという状態である。こういう状態に対して、もしこのとおりになってしまった場合には、農林省としては、工場に対してはどういう対策を講じようとなさっておるのですか。生産者とあわせて工場が立たなければ生産者が立たなくなるのですから、生産者がつぶれれば工場もつぶれていくわけですから、生産者も工場経営者も両者全く一つの運命体なのですから、こういう面に対してはどういうことを考えておられるのか。これに対してもしお考えがあればお聞かせをいただきたい。
○森説明員 作付が減って生産最が減っていることと、それから、もう一つ私どもが心配しておりますことは、非常に作柄がよくないということ、したがいまして全体の収穫量が落ちるということ、したがいまして一工場当たりの原料の数量が減るということ、それから産糖量に関連する歩どまり問題がもう一つある。そういう問題全部を含めまして早急に実態を把握する。そういうことの結果、歩どまり関係、操業度関係、そういうものをいろいろ、正確に把握いたしまして、工場の操業に問題の残らないように価格の決定を急ぎたいというふうに考えております。
○安田小委員 これは生産者対策と相まって、その結果は今度糖価の問題に入ってくるわけですからね。消費者が使う砂糖の値段の問題、これも率直に言うと、物価高のときですからあまり上げることを私は強調するつもりはありませんけれども、公共料金はどんどん上がっておる。どんどんと言うと、これもまた語弊があるかもしらぬが、相当上がっておる。そして、砂糖だけについて何のためにこのように押え込まなければならぬのかという点もあるのですよ。そのことは、実際問題としては生産者にすぐはね返ってくるわけだ。国内産糖のいまの目標生産額というものが全部砂糖の値段をきめているわけですわな。そうすると、それが全部原料のビート代をきめるときに逆の作用してくるわけでしょう。そういう点は消費者対策という観点では大事なことでございますから、これは粗末にできませんけれども、その辺は農林省としてもよほど総合的に見て、踏み切るべきところは踏み切るというときが来ているのじゃないかと思いますので、その点一点申し添えますと同時に、結論として私は申し上げますが、とにかく、現状のようなてん菜の北海道における減反の状況を見れば、これはもう急速に甘味資源審議会の答申どおり改定すべきだということ、これが私の基本の意見であります。 それから、外国の砂糖の価格の現況から見ましても、これはもう値上がりするのが当然だというふうにも考えております。それから、畑作物の他作物に対する価格支持政策、あるいは奨励金支出の現状を考えますれば、当然、改定問題とあわせて、てん菜に対しましても奨励金をつけるというような方針を十分に検討して、早急につけるという結論を出していくべきではないかというふうに考えるわけでございます。これは先ほど冒頭にも言いましたけれども、てん菜に対するこういう問題の解決は一日を争うわけですから、これは早急に結論を出していただきたい。そうしなければ、さっきの話ではないけれども、麦作等に畑がみな転用されていくということになりかねないわけですから、そういう点を千分に考えていただきたい。 もう一つは、てん菜の価格決定は、いま四月になっていますけれども、この四月の問題は、私どももかねがね強く愚見を述べてまいっておりますが、一体一月がいいのか、これをもっと繰り上げるという問題ですよ。ペーパーポットは大体二月ぐらいになると準備は始まるのですから、雪の中から苗床をつくらなければならないわけですから、四月なんというのはぺ−パーポットの普及されない前の決定の時期なんです。ところが、農林省は一生懸命ペーパーポットを奨励して、北海道のビートの耕作面積の中で七〇%以上、八〇%ぐらいになっておるでしょう。そのぐらいペーパーポットをみなでやっておるわけですよ。そういう事態になっても依然としてペーパーポットのつくられていない時期にきめられておる四月を砂糖の原料のてん菜の価格をきめる時期にしておるわけですからね。これは私も矛盾を感じておりますが、こういう決定時期の改正問題にも十分御検討をいただきたいと考えます。 それから、バレイショの問題については、時間の関係もあり、また、この次の機会もあると思いますから多くを申し上げませんが、先ほど来私がてん業問題について申し上げておると同じような問題はバレイショについてもあるわけです。したがいまして、先ほど農業団体の代表の方からるる御陳情がありましたけれども、こういう問題については、先ほど統計情報部長さんから説明のあった生産費の現状あるいはいろいろな実情を基本にして、この陳情要請されました内容を極力実現するように御努力をいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。その中で、特に、何といっても農業団体の要請されておりまする政府買い入れ価格の金額、これを十分に尊重されるように願いたい。これを尊重されれば、これはバレイショにしましてもカンショにしましても同じでありますが、原料基準価格のほうもまた尊重されることになるわけですから、そういう点を私は強調をいたしておきたいと存じます。 それから、関税割り当ての問題、これも御要請がありました。これはいつもまぎわになってからばかり解決というか、引き延ばし、延長をするわけですけれども、政府側としては延長するという方針をあらかじめなるべく早くきめて、皆さん方からあまりやんややんやと要請されたりせっつかれたりしなくとも——農林省が早目早目に、もうそのとおりやります、と、こういうふうに結果的にやるなら、そういうふうに早目に方針をきめてやってもらったらいいとぼくは思うのですよ。そういう点を特にお願いを申し上げます。 それから、公害問題ですが、これは毎回こういう問題が出ておりますが、これに対しましても十分に要請が生かされるような助成措置を講じていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 また、陳腐の中には奨励金の問題も項目として入っておりますから、これについても十分御検討いただきたいと思います。 時間がありませんからでん粉問題については次回に譲りますが、いま申し上げましたようなてん菜の問題——私は締めくくりとして申し上げたのですが、いままで御答弁のなかった奨励金の問題であるとか、あるいはてん菜の価格決定の時期繰り上げの問題、この二点について御説明をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○松元説明員 ただいま御質問のございました生産奨励補助金、これをてん菜及びバレイショに対しても交付することを検討せよという御質問があったわけでございますが、私は、端的に申しまして、これはきわめてむずかしい問題だと考えておるわけでございます。と申しますのは、本来でございますれば、価格政策の適正な運用と生産対策の推進ということで対応するのが本筋でございます。それに対しまして、しからばなぜ現在、麦、大豆、飼料作物にそういった生産奨励補助金を交付したのかということになるわけでございますが、これは先生とくと御承知のとおり、一昨年後半以来の国際需給が異様に逼迫をいたしたわけでございまして、それで穀物の需給が異様に逼迫いたした。それまでは国際的需給は緩和いたしておりましたから、輸入に依存すると言うと語弊がございますが、そういたしましても需給上心配はなかったわけでございますが、そのような国際需給からしまして、極力国内自給度を高める必要があるということがこの麦、大豆、飼料作物について強く認識されたわけでございます。かたがた、これらの作物、特に麦が一番典型的でございますが、国内生産は年々著しい減少を示しているわけでございます。麦の場合でございますれば、年率三割以上の減少を示しているわけでございます。もちろん、それに対しまして、農林省としましては、食管制度による買い入れのほかに各般の施策、たとえば農業団地対策等で生産確保をはかってまいったわけでございますが、にもかかわらず結果は現に減っている。このような国際需給の事態と国内生産の動向に対応いたしまして、緊急に生産を増強する必要があるということで、従来ない手法といたしまして生産奨励補助金という施策をとったわけでございますから、これを他の作物に及ぼすということはきわめてむずかしい問題だと私は考えております。 もちろん、基本的に申しますと、先ほど申しましたとおり、各作物間の価格のバランスの問題がございます。そういうことを見合わせまして基本的に検討すべき問題であろうと考えておる次第でございます。
○安田小委員 一言だけ申し上げますけれども、いまの局長さんの御説明を聞いておると、園芸局長のほうでは奨励金はだめだと言うし、食品流通局長のほうでは価格改定はだめだと言う。すると、生きる道がなくなっちゃうんじゃないですか。両局長がそういう立場立場で、これもだめだあれもだめだと言っておられるなら、先ほど来の質疑応答の中で出てきたところの、何とかしなければならぬという御意見、お答えはどこかで立ち消えになっちゃうんじゃないですか。だから、私は、そういうことにならないようにあらかじめ申し上げたのですが、大垣を中心にして、次官、政務次官やあなた方局長さん方は、基本的にそれぞれの立場がありましょうから、それはわれわれは多くを申し上げませんけれども、てん菜という問題、北海道の畑作農業という問題をどうすべきかという非常な危機にいま立たされておるわけですから、これをどうするかということを考えていただきたいと申し上げてあるはずですから、御検討の結果、その中でそれの適切な対策を講じてもらえばいいと私は思うのですよ。だけれども、両方の局長さんがそれぞれの立場でみなだめだということになれば、私がいままで質問したことが何のためにやったかわからなくなるんですよ。そういう姿勢というものはおかしいと私は思いますよ。先ほど来お話しになったことはあなたの答弁でみな立ち消えてしまうんじゃないですか。だから、そうではなくして、各作物間の価格政策についても、適切を欠いておるところがあればしっかりとそれは是正する。奨励金は、てん菜については北海道の作物だからやれぬと言うのですか。麦は全国の作物だからやれる、大豆も全国的な作物だからやれる、ビートについては北海道の作物だけだ、したがって奨励金は適切ではないという御意見ですか。大体、先ほど申し上げましたように、あなた方自信が七万ヘクタールの荷積を五十三年までには北海道にふやすんだと、諮問案の原案をつくるときの基礎になる数字として言っているんじゃないですか。それをあなた方の責任上やり遂げなければならないでしょう。審議会に諮問して、五十三年には作付面積を七が町歩にしますと言っているのですから、七万町歩にするためには何をしなければならぬかということが当然出てくるんじゃないですか。何も、北海道だけの作物だからそんな状態に置かれていいということを考えているのじゃないでしょう。そこのところを明確にしてもらいたいのだ。北海道の作物だから奨励金を出さなくていいのだというふうにあなたの御説明なら聞こえてきますよ。そうではなしに、この間ちゃんとつくった需給見通しがあるのですから、それに基づけば面積をふやすことになっているのですから、しかも、最近の諮問案にもそれと同じような思想に立った七万ヘクタールの面積を確保しますということを言っておるのですから、それを達成するためにどうすべきかということを考えてもらわぬと、それは、だめですよ。
○松元説明員 私が申し上げましたのは、北海道のてん菜の目標といたしまして七万ヘクタール、これはやらなければならぬということを申し上げておるわけでございます。問題は、そのための手段、方法であるわけでございます。そこで、私が申し上げましたのは、生産奨励補助金を麦、大豆、飼料作物につけましたのは先ほど来の事情があるということを申し述べたわけでございまして、私、考えますと、やはり、生産奨励補助金は一種特別の施策であるわけでございます。いままでかつてとったことのない施策で、普通ならば、本来の価格でございますとか生産対策でやるのが本筋でございます。それに対して、あえてそういった特別施策を講じてまでこの三つの作物の生産増強をはからなければならぬ時代があったということを申し上げたわけでございます。したがって、何も、北海道の作物だからどうこうと言っておるわけではございませんで、そういった生産奨励補助金という手法を使うにはそれなりの十分の理由が必要だろうと申し上げたわけでございまして、奨励金はだめだ、だから価格だと、いわばお互いにキャッチボールしているという意味ではございませんわけでございます。 したがいまして、目的に照らしましてそれぞれの各般の施策はいろいろ位置づけがあるわけでございますから、それを基本的にみんなバランスをとって展開するということを申し上げたわけでございます。
○安田小委員 これで終わりますけれども、最後に要請しておきます。 麦とか大豆についての話をいろいろしていますけれども、砂糖だって圏内の自給度は二〇%切れているのですから、同じだと私は思うのですよ。一七、八%でしょう。それは大豆、麦なんかより少しいいという理屈になるかならぬかわかりませんけれども、いずれにしても自給率が低いことについては大差がないですよ。これを高めるというのが、あなた方が一昨年つくったこれからの日本の自給度を高めるための需要と配給と見合った作付計画なんでしょう。だから、大豆と麦類だけに奨励金を出して、二つの作目以外は、あとのものは特別に奨励金を出す理由が一つも成り立たないのだ、存在しないのだという見解は絶対にないと私は思いますよ。これは答弁は要りませんけれども、私はそういう考え方に立っておるのですから、これは均衡ある価格政策をとらない限り、平均した増配、平均した増反というものは望めないわけですから、その点をとくと御理解いただいて、適切な対策を御研究いただきますように御要請申し上げて、私の質問を終わります。
○坂村小委員長 美濃政市君。
○美濃小委員 まず、でん粉問題を先にお尋ねしたいと思います。 〔坂村小委員長退席、山崎(平)小委員長代理 着席〕 昭和二十七、八年当時あるいは三十年代は、この資料によっても、でん粉の需要は大幅に国内生産でまかなわれておる。三十五年から四十年当時の五カ年の平均を見ても、カンショでん粉が大体六十万トン、バレイショでん粉が十八万トンで、この五年間をとってみても七十万トンの国内産でん粉が生産されて、非常に商い水準で自給が行なわれておった。ところが、本年になりますとカンショでん粉が八万トンになってしまって、バレイショでん粉が大体十八万トンで、二十六万トンの自給率しかない。コーンスターチのほうを見ますと、三十年代はなかったようなものですね。あっても十万トン以内のものだ。それがだんだんふえてきて、ことしの自給体制を整えるということになると、コーンスターチが八十一万トン、輸入でん粉も二万トンか二万五千トンの輸入であったのがことしになると十三万トンと、こういう推移をたどってきておるのですが、これは農林省としては一体どう考えておるのか。腹のうちでは、これは国際経済で非常にいいことだと思って、こういうふうになることを喜んでおるのか。何ぼ私どもがやかましく言っても、とってきた政策がこういうふうになるようにとってきたと思うのです。あとからビートの問題も話しますが、いまのような姿勢でものを考えておると、甘味だってこうなってしまうと思うのですね。ところが、いつも言っておりますが、国際的な食糧の方向は違うでしょう。たとえば、コーンスターチと言ってもトウキビですから、国際全体の食糧というものは長期的に見れば不足して、非常に窮屈な状態に年々おちいっていく。現在もその傾向が、一部作況の傾向があって、すでに出てきておりますね。そういう条件のときにこういう国内農業の破壊傾向が出てくる。これは完全に破壊じゃないですか。破壊傾向が高まるということはどういうことなんですか。まず、その見解を先に承りたい。
○森説明員 先生御指摘のとおり、でん粉の供給事情というものは、国産が非常に減って、トウモロコシを原料とするコンスが伸びてきておるということはこの資料のとおりで、まことに残念だというふうに思っております。 それじゃ基本的にどう考えておるのかということになりますれば、馬でんは馬でんなり、甘でんは甘でんなりにそれぞれの固有の用途を持っておるわけであります。私も専門家ではございませんから、いろいろな業界の方々の愚見を聞いてみますと、やはり、イモの持っているでん粉のよさということは争えない。したがいまして、最近タピオカを原料とする外でんの輸入まで行なわれておるわけです。これは少なくとも国産でできるものはわれわれは維持をしていきたいということに変わりはございません。したがいまして、このまま減らしていくというつもりは決してないわけでございます。ただ、この制度の持っております性格というものが、最低の価格、支持価格といいますか、そういう性格を制度的に持っておるわけであります。したがいまして、運用といたしましては、先ほど安田先生から御指摘もございましたし、農業団体の御意見にもございますように、関税の割り当て制度の運用を通じまして、市場価格というものが適正な価格に維持されるということをわれわれは運用として処置しておるわけでございまして、それが現実に農民の手取りになって返ってくるということでございまして、そういう観点から支持価格は支持価格、市場価格は市場価格ということで、制度の適正な運用を通じて国内産でん粉の確保ということに努力をしてまいりたいというふうに考えているわけであります。
○美濃小委員 いま、局長は、制度の適正な運用と言いますけれども、このでん粉の制度は、いままでのこういう価格の傾向あるいは国際的条件というものがすでに変わってきておるわけです。たとえば議員立法で農安法をつくったときは、さっき申し上げたように、でん粉の需要の八〇%、九〇%と高い自給率を持っておって、国内が豊作のときには、一部、たとえば小麦粉でん粉あるいはそういうでん粉もできるわけですから、これは原料は輸入であっても国内でできる。これが国内産でん粉を圧迫するというものじゃないが、そういうものを入れると、豊作のときには国内産でん粉が需要に対する過剰傾向になる。そこでああいう制度をつくって、政府が一定量買い上げて、需給推算をして、余ると思うものを政府が買い上げて荷すかしをして、最低支持価格の維持をはかっていく。そして、作況が悪くて供給量の少ないときにそれを調整放出をする。もういまになってくると、農安法の適正な運用と言ったって、これは全然条件が変わってきましたね。それから、関税で規制すると言っても、ああいう条件の制度ではなかなかうまくなくなってきた。適確な価格支持ができないという条件になってきたと私は思うのです。そうすると、先ほども申し上げたように、また局長も過去の白紙率はあくまで維持しなければならぬと言うのであれば、ここで海外要因との間にはいわゆる価格の——外国の農産物も、きょうの資料によっても、コンスターチもものすごく高いわけでありますから、こういうときにはあまり調整機能を働かす必要はないのです。しかし、将来三十年光とか四十年先とか言われるが、国際的な食糧危機が来るのだと言われているが、それまでの間においても国際価格の変動もあろうかと思います。自由市場における国際穀物市場価格の変動というものがある。ですから、国内産の生産を維持する支持価格をきめれば、その輸入農産物との価格調整機能をきちっと整えなければ、ものすごく条件が変わってきておりますから、いままでの農安法やいわゆる調整関税で、その制度の機能で最低価格を維持していこうという条件ではなくなってきたのじゃないか。これは、国内自給体制を維持する価格調整機能というものを、制度としてまずきちっと根本的に総点検をして整理をする時期にもう入ってきたと思うのですが、いかがですか。
○森説明員 確かに、先生御指摘のように、農安法制定当時とイモでん粉をめぐります事情というものが非常に大きく変わってきておるということについては、率直に言って私も御指摘のとおりだと思います。しかし、それならば、先生御指摘のように、いろいろと外国との農産物との調整をはかりながらいまの制度をどういうふうに変えていくのかということにつきます制度問題は、これはイモでん粉に限らず、いろいろな農作物についてあろうかと思います。そこで、私がいま基本的に考えておりますことは、やはり、イモというのは畑作物で、特に、北海道も、大きなローテーションの中の一つの根菜類の重要な作物として位置づけられている。それが需要面でどうかということになりますと、カンショにしろ、バレイショにしろ、これもむしろ生食用として相当高く評価されておる。それで一種の市場価格が出ておるわけでありますが、ことしもむしろ高過ぎないかということで、物価対策の担当局長として心配をしているくらいであります。 私が申し上げたいのは、野菜の問題全般で、これはいろいろ御議論はあろうと思いますけれども、市場の実勢価格と申しますか、趨勢価格を中心に価格の補てんをしていこうという考え方で基本に位置づけられておるわけであります。この考え方は私どもは正しいと思っております。そういたしますと、その生食用とバランスするイモのでん粉の価格については、若干生食用よりは価格は落ちるかもしれないし、また品種も違うかもしれないですけれども、そういうバランス関係があるというふうに私どもは考えざるを得ない。そういう関係からいたしますと、私が申し上げたいのは、農案法の考えております支持価格の制度という考え方は、いまの畑作物について、イモ類について適切な措置ではなかろうか。もちろん、価格算定方式等についていろいろ問題はあろうかと思いますが、考え方としてはそれでいいのではなかろうか。ただ、いま御指摘の、それでは海外との関係がどうかということにつきましては、もちろん関税率審議会で有力な反対意見がございます。それは、抱き合わせみたいな話はやめろということで毎回議論がありますから、先ほども御指摘がございましたけれども、早めにきめろと言いましても、関税率審議会で大議論をしながら毎年延ばしておる。遺憾ながらそういう現状でございますけれども、いまの関税の割り当て制度というものの細目なりやり方につきましては、私どももいろいろ検討をすべき問題があろうかと思いますが、基本的には、その考え方の運用を通じて、先ほど申しました適正な市場価格というものを維持していくといいますか、そういうことが可能であるし、また、それが適正な運用ができればそういうことになるのではないかというふうに考えておるわけであります。
○美濃小委員 局長はいまの制度に非常にこだわっておりますけれども、やはり、思い切った制度改革をやらなければならない。たとえばそれは必ずしもいいと——これはこれから非常に論議を要する問題ですがしかし、関税率審議会もかなりきびしい条件の付帯意見をつけている。おととしですか、ことし限りの措置ですよ、あと農林省でごたごた言ってももう問答無用ですよというふうな一そういうふうには書いていないけれども、趣旨から言えばそういうふうな付帯意見も突きつけられておるのですよ。そうすると、これはECがとっておるのですから、日本がとれないということはない。ECの海外農産物と域内農産物の価格調整は、体制は全部課徴金ですね。課徴金を取って、折り返し調整価格制度をとっておるのですね。ECも自由国家でしょう。ECのやれる政策が日本でやれないということはないと思う。ああいう輸入農作物と国内農作物との支持価格については、主要農産物はECも全部支持価格があるわけです。支持価格の調整、価格プール制度、こういう制度をここで確立していかなければ、関税率や、そういうものだけの小手先でやってきておるからこうなってしまうと思うのです。ですから、結局は生産者は陳情しているが、生産に大きな不安を感じている。ですから、年々減っていくわけです。崩壊してしまうわけです。このままだとカンショでん粉は崩壊するのではないですか。この速度でいけば、もう三年たったらカンショでん粉はなくなったということになるの、じゃないですか。そういうところに抜本的な対策をしなければならぬと思うのです。 ところが、私の感じでは、食糧あるいは農産物の自給に対して、農林省は通産省や貿易側から非常に押されて、その方向を誤っておる問題があるのではないかと思うわけです。一例を申し上げます。八月の末にアズキ一万トンの輸入オーダーの問題が出ました。アズキについては、前年度が豊作であるからかなりの在庫量があるし、ことしの作況も豊作とは言えないけれども、霜を避ければやや平年作の作況を示す。いまここで一万トンのオーダーを出すことは好ましくない。作況がきまって、収穫がきまって、そして出さなければ、いかに自由農産物といえども、国内にも御存じのような需要量があり、農民はそれを販売すべく生産をしているの、だから、これは実勢価格から言えば、いまから二十年、三十年、四十年前から大体玄米価格と同じにずっと推移してきておる農産物である。その実勢は尊重してもらわなければ困る。ことしの米価が一万四千円ときまれば、作況のよくない、八〇%ぐらいの作況を示しておる北海道のアズキについては、最低米価並みの実勢価格が維持できる条件を——これは無理して価格を維持せいとかなんとか言っておるのじゃないのですが、需給操作の上で、みだりに輸入をしないで、その実勢価格は維持することが農林省のつとめではないかと私は思うのです。それを何ぼ言ってもやはり一万トンオーダーを出した。その結果いまはどうかというと、一万トンといえば十七万俵です。今日でも五十が俵をこえている。適正な繰り越し在庫は三十五万ぐらいだと思いますけれども、それをこえておるのですね。今日現在でも、六十万ぐらいの前年度アズキの在庫がある。道内、道外、市場在庫を加えれば六十万俵ぐらいあると思う。そこへ十七万俵のオーダーを出したものだからがたくずれですよね。これは、ことしアズキをつくった農民がこれから収穫して出すときには、一万円切れるのではないですか。それでは生産費が償えないのです。肥料代も払えない。借金がある。そういう借金を負債整理するといったって、それは条件が緩和されるだけで払わなければならぬ。この責任はしょってもらおうと私は思う。こういうことをやった行政当局の責任というものをきびしく追及しなければならぬ。こういう原因を起こして、それは自然条件だというものではないと思うのです。人為的条件で再生産を破壊した責任をどうとってくれるか。私は、局長さん二人にこれからきびしくこの責任をとってもらおうと思います。何ぼ言っても、言うことは通らない、そして無責任でいいかげんなことをやられるということでは困ると思う。それでは国内農業を破壊してしまいますよ。無責任きわまりないと私は思う。この責任はどうとってくれるのか。 これからどんなことをやろうと、国会の中においてこの責任体制の明確化というものをつくり上げていかなければならぬと私は思う。まっ黒になって働いた農民がいまどんなに窮地に追い込まれていると思うか。テーブルの上のそういう行政の感覚一本で、農民が死んでしまうようなことをどんどんやられて、口の上では可能な限り自給をすることは大切なんですと言ったって、何をこいておるのだと私は言いたいのですね。本気になっておるのかどうか疑わざるを得ないのだが、そういう見方についてはどうですか。これは答弁ができなければできぬでもいいですが、少し責任をしょって行政をやってもらわなければならぬ。
○松元説明員 ただいまの先生のご質問、アズキの輸入の問題と思いますが……(美濃小委員「アズキは一つの例を申し上げたので、アズキだけではありません」と呼ぶ)ただ、たまたまアズキの例があがったものでございますから申し上げますが、実は、基本的には、先生十分御承知のとおり、アズキの場合はいわば輸入割り当てをしておるわけでございまして、考え方としては、需要から生産量を引いて足りない分だけ入れる。基本姿勢はそうでございました。そこで、実は、アズキにつきましては年々豊凶も相当ございます。そうしまして、当時の事情といたしまして、価格はかなり高くて、しかも高値は続くのではなかろうか、しかも当時作柄が非常に悪いという、そういう見込みがございました。したがって、私ども、ざっくばらんに申しまして価格を不当に下げようという意図はございませんで、そういった市価の状況で、しかも高値が続くと見通されましたし、他方作柄は非常に悪いという見通しがございまして、むしろ安定的な価格にしたほうがいいのではなかろうかということで、これはもちろん見込み違い云々もありますが、実は、関係者といろいろ相談いたしまして数字をきめて、そのほうが安定するのではないかと思った次第でございますが、もし万々一見込み違いがございましたら作柄もフレてまいりますから、私ども、これからの割り当てにつきまして十分考えるところでございます。 ただいま先生から強いおしかりを受けたわけでございますが、そういった意図でやったわけではもちろんございませんし、価格を非常に下げようという意図はさらさらございませんで、もし万一私どもにそういった需給数の見そこないがありましたら、これは随時修正しなければいかぬというように考えております。
○美濃小委員 この問題はこの程度にしておきまして、答弁は要りませんが、アズキは決して高かったわけではありません。私が言っておることは無理ではないでしょう。あの大正、昭和の初期時代の二十年、三十年、戦前を通じても、米とアズ千は同じだったのです。それで、国民にとっても伏して高いアズキでもないし、ずっと長期にわたる実勢価格が米とアズキは同じという——私の言っていることは無理じゃないでしょう。それと比較験したら、ことしの米価は一万四千円です。あの輸入のオーダーをきめたときに、まさかアズキが一万円になっておったわけじゃありません。それは、消費地市場の末端へくれば別ですよ。私は生産地価格で言っておるわけです。生産地価格で玄米とアズキと同じだと、こう言っておるわけですから、それは決して上回っておったわけではないのです。生産地市場が二万円になっておったわけではない。だから、暴騰しておったということじゃないわけですね。そういうことです。これはいいです。この程度にしますが、これからの問題として、十分そういうところを注意をしてもらいたい。そこで、次に、これからの需給体系をどうかするにあたって、まずこれはいつも言っておることですけれども、きょうは御意見を承り、提案したいと思うのですが、たまたま審議会の答申にも、農産物の価格をきめるときはできるだけ期日も統一して、その算定の基礎もばらばらにならぬように統一する必要があるという甘味資源審議会の答申があった。これは当然だと思いますが、ここで一番大きな問題は、やはり統一ができていないという問題です。これはまあいろいろありますが、たとえば物財投下については、ことしのでん粉価格をきめるについても、確たる資料の統計の集計が九月時点ではできておりません。前年度は集計ができておりますから、四十八年度経費に対する生産経費の上昇率、パリティですね。これを一応パリティで推定をして物財投下をきめる。これはやむを得ないと私は思います。九月にきめる四十九年度の物財投下の生産費を確定計算をして集計すると言ったってこれは無理ですから、四十八年度の生産費に肥料が三〇%上がったとか、そういうパリティで生産経費の上昇率をきめることはいいが、家族労働賃金については、国内で可能な自給を整えていくというのであれば、私はいつも言っているが、農業で働くのも、工業で働くのも、公務員の皆さんが行政に努力して働いていただくのも、これは国内分業で同じだと思うのです。ですから、家族労賃については、どの作物も均衡労賃をとるべきだと思います。あとからビートにも触れますけれども、そうしなければ、基礎の安い労賃、統計の出ておるようなこういう労賃に——たまたまバレイショでん粉については、去年のでん粉の実勢価格が高くて、それがイモに反映して粗収益が上がっております。ですけれども、他の面、統計上の生産費から見るとものすごく安いですね。統計で把握しておるが、いつも言っておることですが、統計で計算した家族労賃というものは二百円ちょっとでしょう。それに去年の原料用バレイショについては、でん粉の実勢価格が原料イモの生産に反映して粗利益が上がって、家族労働報酬は一日当たり何ぼになったと、こういうように出ておるわけです。計算しているものは安い。こういう安い基礎に今度パリティをかけていく。だからこのように開いていく。他産業労賃と農業の家族労賃とはますます格差が拡大していく。 ビートの問題は、この間も委員会できちっと申し上げてありますが、あのとき申し上げたように、寒地作物としてビートをつくりたくないんじゃないのですね。つくっても生活できない。だからつくりにくくなってくる。つくらぬのじゃなくて、日本の農政ではつくれなくなってくるわけです。これがカンショでん粉にも起きてきておると思うのだな。つくれなくなってくる。つくっても生活のできないものはつくったってしかたがない。だから、これからの改定は、甘味資源審議会からも指摘されておりますが、算定の基礎の統一とは、まず第一番に家族労賃は均衡労賃で計算すべきものである。パリティですべきものではない。従来のパリティ方式というものは家族労賃については当てはまらない。パリティというものじゃない。ですから、家族労賃には、いわゆる計算の基礎として、いずれの農産物も支持価格あるいは保証価格、均衡労賃で計算する方式をとるべきだ。これが算定の基礎を変える一番大きな問題だと私は思うのです。それなくしてはこういうふうにばらばらになっていくわけですね。 そういうふうに考えますと、いまここで、ことしのでん粉価格の計算には直ちに均衡労賃をとれと言っても、すぐにとれますか。将来の、来年からの問題としては鋭意検討して均衡労賃をとれということだけれども、均衡労賃で計算することがことし間に合うか合わぬか、やれるかやれぬかを聞いておきたい。
○森説明員 先ほど私が申し上げましたように、先生の御提案につきましては、確かに、そういう検証的な措置をとりながら、農家の所得が確保されているかどうかということをわれわれとしても心がけていくべきだというふうには考えております。しかし、たいへん恐縮でございますが、いま、いわゆる生産費所得補償方式というような考え方を畑作物についてとれるのかどうか。これは非常に根本的な問題で、実は、せっかくの御提案ですので私の意見を言わせていただければ、私はちょっと疑問に思っておるわけです。ただ、先生が御指摘のような点につきまして、実現されたものについてどうだということを常に検証をしていくということは必要であろうかというふうに思いますけれども、畑作物がいろいろな競合作物を持っておる、それでそれが農家の選択でいろいろ植えられていく、また、一つの、ことに輪作みたいなものを考えた場合にはそういうことが非常に必要なことだというふうに考えてまいりますと、方式そのものについては、私としては、そういう考え方がいいのかどうかということについては疑問を持っておりますということでございます。 理由につきましては、私が先ほど申し上げましたとおりでございますので省略をさせていただきます。
○美濃小委員 何か、中間のような考えですね。でき上がったもの、支持価格を計算してみると、所得が均衡されておるかどうかということはやはり重大な課題だということですね。そうですね。だから、そこらの、所得方式で、いま直ちにその所得方式を導入するということは、ことしすぐ導入せいということは無理だと私は思うのです。やはり制度を変えてからでなければいかぬです。いま差し迫った、ここ十日間ぐらいできめるのに所得方式を導入して均衡労賃で計算せいと言っておるのじゃないわけです。これは無理だろうと思います。だけれども、将来の展望として、あるいは局長も——いまちょっと私はそういうふうに聞きましたが、ことしは所得補償方式が導入されなくても、きめる価格には、イモをつくって、他産業との所得均衡が、すなわち農民の生活ですが、これがどういう結果の価格であろうということは十分検討して価格をきめなければ、ただパリティだけかければいいのだというものではないと思うが、どうですか。
○森説明員 整理して私の申し上げましたことを申し上げますと、水田ですとか、乳価でございますとか、酪農でございますとか、確かにこれは変わりようがないといいますか、ある程度までそういうところにつくられておる。水田にほかのものを転作をすることに非常に農林省も苦労したわけでございますが、そういうものにつきまして生産費所得補償方式を現在とっておるということについては、それなりの意味があるというふうに私は思っております。しかし、畑作物につきまして、いろいろな競合作物が非常にローテーションに入ってまいったりいたします場合にそういう方式をとっていくということは、まかり間違いますと、ある作物をそこへ固定化する、あるいは需給を離れてそこに作物を誘導してしまうという政策的な欠点を持っているのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。 先生の御指摘のように、その作物をつくりました結果の労働報酬なり反当収益というものがどうであるかということは、もちろん農民の最大の関心事でございます。そういうものはもちろん検証としては大いに必要であるし、いままでこの委員会で御質問、御指摘がございましたように、各農産物間の報酬がどうであるかということにつきましてはわれわれも十分反省もし、そういう価格観で今後検討も加えていくという必要はあろうかと思います。そういう意味で私はお答えを申し上げたつもりでございます。
○美濃小委員 そこで、これは答弁は要りません。ここで確認せよと言えば無理なことですかり、私から一方的に提示しておきますが、ことしの価格をきめるにあたってそういう配慮が必要だという局長の見解は、私もそれなりに受けとめますから、そういう見解でぜひやってもらいたいと思いますけれども、そこで、カンショでん粉についは七万四千七百円、バレイショでん粉については四万六千七百円が十アール当たり生産経費である。これを下回るということは、他産業との均衡の前に、やはりこのでん粉というものはだんだんなくなっていくんだ。他産業との均衡もさることながら、従来のようにそれを大幅に下回ったものでは——たとえばこの統計でいっておるように、前年度が二万五千七百円であります。ただ、でん粉の実勢価格が高かったから、家族労賃はかなりのものになる。六千何ぼになる。二万五千七百円なんかという、こんな計算では生活できません。バレイショにおいて二万五千七百円。もちろんこれは家族労賃が入っておるわけですね。それから、原料カンショにおいて三万三千四百、六十三円。繰り返しておきますが、ここにパリティ表もついておりますが、これに予想されるパリティをかけたのでは、さっき私が言ったように、とてもじゃないが農民は生活できぬ。そういう他作物との均衡どころか、その作物そのものを再生産あるいは生産して生活できない条件のものである、と、こういうことになるということを申し上げておきます。そこで、そういうことをきちっと踏まえてことしのでん粉価格は正当にきめられるべきである。たとえばそのときの情勢としてコンスが十一万六千円するとか、あるいはこれからビートの問題に入ろうと思いますけれども、こういうふうに動く国際経済動向というものは、ある程度国際価格というものは長期的に——そのときあらわれたそのもので私はものごとを判断しようとは考えていないわけでありますから、その現象だけの、たとえば国際価格が暴騰して一番高いときをつかんで、それが長期的にそういうものだというふうに判断してものを律しようとは考えていないわけであります。だけれども、実勢価格というものも、国際価格の動向とか、国際需給の逼迫とか、そういうものをある程度考えて、長期的に判断できるものは長期的に判断していかなければ、局長も先ほどの答弁でも言われておったように、たとえば砂糖がもとの価格に戻ることはなかろうと思うが、どうですか。トウキビでも、コーンスターチの原料コーンでも、二、三年前の価格に戻るということはもうおそらく言えないのではないですか。去年の高値で推移するということを即断するということもちょっとどうかと思いますけれども、これももとの安い値段に下がるという想定はつかないのではないですか。国際的なインフレの関係もあるでしょうし、需給体系が、国際穀物の需給というものが、国際食糧機構で打ち出されておる方向へ需給がくずれてしまうのじゃないですか。逐次その方向へ動いてきたと私は思うのですね。需給体系が逐次その方向へ多少動いてくるだろうと思うのですが、その辺の見方はどうですか。
○森説明員 トウモロコシの国際水準の御指摘だと思いますが、確かに、砂糖で申し上げましたと同じ事情が穀物についてもあるのではなかろうかというふうに私どもは考えております。と申しますのは、世界的にはアメリカがおもな生産地でございますが、アメリカ中心でものを考えざるを得ないといたしますと、ことし六十億ブッシェルの生産の見込みが立てられておったわけでございます。それが逐次変わってまいりまして、昨今の収穫の新しい見通しでは、五十億ブッシェルを割るという事態になっておる、そこで異常な価格水準をいま出しておる、と、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、かつては、トン当たりで申しますと五十ドルの水準もございましたし、六十ドルの水準もございました。ブッシェルに直しますと一ドル三十だとか、一ドル五十だとか、そういう価格水準にシカゴ相場でなるわけでございますが、そういう水準に戻るかどうかということになりますと、昨今の国際的な動きというものは、何か底上げが水準にあったというふうに考えざるを得ないと思います。 したがいまして、そういう水準に再び戻るということはわれわれも考えておりませんが、さて、どの程度かと言われますと、トン当たり八十ドルがいいのか、トン当たり百ドル前後の見通しがいいのかということになりますと、私どもも確たる自信はございません。いままでは安過ぎた、それからいまの価格は高過ぎる、と、言えることはそういうことで、たいへん申しわけないのですけれども、これは私だけでなしに、専門の方々も非常に苦慮している問題だと思います。ただ、私どもは、八十ドルか百ドルという水準というものを一応念頭に置いて行政を進めるべきではなかろうか、と、こういうふうに考えておるわけであります。
○美濃小委員 国際価格の見方は、おそらくそれ以上は言えないと思うのです。しかし、いずれにしても、現在あらわれておる実勢価格をそのままというのではなくて、国内生産の再生産をするという、そういう国際的動向から、先ほども私が申し上げたような機能が発揮できるような方向へ価格制度を改正して、画然と国内生産維持の体系を確立すべきであると私は思います。動向についてどう考えておるかという御意見を参考に承ったわけですけれども、言えることはそんなところだろうと思います。だから、それだけにこだわって国内生産あるいは国内価格、農産物の需給をきめていくべきものでもない。そういうふうに私も考えているわけではないわけであります。それらも長期的な可能な展望を踏まえ、そして、局長も言われたが、国内生産もあくまでできるだけ可能な限度で維持をしていくんだ、需給体系は整えていくんだということを、これからのでん粉対策の上にも、あるいはことしの国内産でん粉の価格の決定の上にもきちっと反映して、消えてなくならぬように体制を確立してもらいたいと私は思います。 次にビートに移ります。 局長から、てん菜価格の一万一千百十円ということし決定した価格には、何か過去の計算の中で忘れられたものがあるのではないかという表現を、公式な表現ではないけれども、ちょっとお聞きしたことがあるのですが、一体これはどういうようにお考えになっていますか。一万一千百十円、そして価格要求をせよ、それは政策事項としては困難だ、いま局長はこう逃げておるんですが、逃げておったのではうまくないので、これはかけ引きの要求でもなければ、このことは来年度の作付反別と大きな関係を及ぼしてきます。 また、てん菜については先ほどちょっと話があったけれども、きちっと指示して、あるいは作付意欲が——これは輪作の関係がありますからね。北海道において、七万ヘクタール以上に需給動向を無視して作付が伸びるという心配はありません。これは確かに、局長の言われたように、農産物もものによっては需給動向を無視して、その価格政策によって需要を越える生産が起きるものもあります。だけれども、てん菜については、需要を越える生産などということは心配する必要はないわけですね。膨大な消費量ですからね。しかし、輪作計画と、現在持っておる北海道のいわゆる家族労働の事情から言うと、七万ヘクタールをこえるということはよほどのことがないと——たとえば極端に申し上げますならば、てん菜一トン三万円ぐらいにきめたら、それは一挙に十万ヘクタールをこえるでしょう。ものすごく有利ですからね。いま一万五千円の改定要求が行なわれておる。ここで四千円や五千円上げたからといって、四千円や五千円の引き上げでは——それと、来年はことしの物賃の動向で価格修正が行なわれたとしても、その程度のものでは九工場をかろうじて維持する限度ですよ。そんなに需給の動向や輪作を破壊するような急激な耕作意欲が起きるというような価格じゃないわけです。いまのままで非常にめんどうだといってこれが推移したら、来年はもうどうでしょうかね。また三〇%、四〇%ぐらい耕作が減退してきたら、あの大工場の操業度が低下して手がつけられなくなると思うわけです。またこれは破壊の方向に向かっていくと思う。北海道のてん菜が耕作破壊の方向へ向いて、政策が流動していくと思うんだが、どうですか。何が置き忘れたと思うのか。まあ、公式な発言じゃないですから、はっきりしなければしないでいいです。無理して答弁してくれとは言いませんが、何か置き忘れたものがあるというのは、何を置き忘れてきておるのか、ちょっとその御意見を承りたい。
○森説明員 私、非公式な席でそういうことを申し上げた覚えはございますが、その趣旨は、現在のてん菜糖の価格の算定方式上、ある前年のきめられた価格につきましてパリティの伸び率を見まして、価格を次の年に——もちろんそれだけではございませんけれども、他の作物あるいは生産費等を勘案しながらきめていくという価格体系をとっておるということを申し上げたわけでございます。したがいまして、それでは過去の価格決定がどうであったかということを歴史的に考えてみますと、ある年では、おそらくその当時の事情がいろいろあったと思います。そういう関係で、そのパリティの伸び率を下回る水準で価格がきめられておった時期がございます。率直に私はそういうことを申し上げたわけでございます。 小麦につきましては、御承知のように、二十五、六年の麦の価格、それをパリティで伸ばす、それを下回ることを得ないと法定されておるわけであります。したがって、それを下回った価格決定はないわけであります。てん菜につきましてはそういう規定はございません。そういう価格算定の考え方なり、当時のいろいろな政策事情等によって、小麦とてん菜の間にはそういう差異があるということを私は申し上げたわけでございます。 それから、先ほどの先生の御指摘のとおりに、この減反された面積を回復していくということについては非常にむずかしい問題があることは率直に認めざるを得ないと思いますけれども、何といたしましても、あれだけのりっぱな工場が北海道で建てられ、政府も甘味資源振興法のもとにビートの生産を進め、かつ七万ヘクタールという目標を掲げて政策を立ててまいったわけでございます。ともかく、時間がかかっても、まず私が考えておりますことは、農蚕園芸局長と私も全く同一意見でございますけれども、他作物とのバランスを考えながら、とりあえず、ともかく失地回復をしたい、次にステップとして七万ヘクタールを目標に近づいていきたい、こういうふうに基本的に考えておるわけでございます。
○美濃小委員 局長は北海道を見てこられましたが、どうですか、ことしの状況は。まあ、確定でなくていいですが……。私は、ことしの収量は大体平均四トンは切れないと思うけれども、北海道てん菜は平均四トンぐらいではないか。昨年より収量はずっと落ちます。それから、防除はしておるんだが、どういうわけか褐斑病がつきまして、葉が早く枯れますから、登熟も悪くなる、含糖も一五%という歩どまりにはならぬのではないか、悪くすると十三%ぐらいの歩どまりしか取れないビートになるのではないか、と、いまこう見ておりますけれども、これは今月の十日かそのころになればわかるが、しかし、歩どまりをある程度確定的に推定するには、やはりある程度操業してつぶしてみなければわからぬというのがいままでの実績ですから、そういうふうに見ておるわけです。そういう状況でありますから、ことしのてん菜糖はかなり高くなると思います。この間甘味資源審議会が出した目標の百二十円じゃできないと思いますが、それはいいです。これは推移していった上できめればいいのですから、いまここで何ぼになるんだということを聞こうとは思いません。 しかし、そういう状況にあり、したがって、先ほどの質疑の中で、ビートは一日当たり三千六百十四円と統計情報部長が言われたが、昨年は統計対象農家は五トンだったわけです。北海道の耕作された総平均は、十アール当たり収量は四トン八百だったわけですね。そうすると、まず、耕作されたことしの対象面積の平均は四トンだろう。それから、不幸にして春先の雨量が多くて消えてなくなって廃耕した反別があるわけです。廃耕反別を入れれば四トンは切れると思います。それは多くはありません。多くはありませんが、それはゼロになります。ビートをまいたことには間違いないわけですね。廃耕反別を入れて計算すれば四トンは切れる。廃耕反別は除外しても大体四トン収量であろう。しかしながら、片やパリティで、昨年の価格からことしの価格に上がっておりますけれども、生産物財投下のほうはパリティでまかなえるかどうか。パリティが大幅に上回って、生産経費が上昇したとも考えております。大体、パリティで上がっておりますから、そこそこで物財投下のほうはおさまるだろうと思うのですが、こえても若干のこえ方だろう。切れるということはありません。パリティ以下でおさまるというふうには見ておりませんけれども、生産意欲が阻害されるほど、価格を決定したパリティをそんなに大きく実際のことしの物財投下が上回るというふうにも私は考えておりません。若干は上回っていくだろうと私は見ております。しかし、そうなると、収量四トンということになると、この物価狂乱の中で、生産経費を引けば、ことしのてん菜は三千六百十四円の一日当たり労働報酬は出てこないだろうと私は見ております。実勢に応じた生産経費がパリティを若干上回りますから、それを引いて、ことしは収量が落ちますから、ことしの実際収量で推定計算をすると、前年度の一日当たり労賃の確保は困難である。これではビートは減っちゃうのですよ。そこに問題があるわけだ。この物価狂乱の中で、均衡労賃は、いずれも御存じのような状態で全部上がる。ビートをつくった農民だけは、前年度所得、すなわち家族労賃が前年度分が確保ができないということになれば、これはビートをつくっておる農民だけでなくて、いかなる業種にある人でも、この物価高の中で——そして、去年が高ければまだいいのですよ。去年の四十八年度の実勢というものは、男女込み労賃で、他産業の製造業平均は大体六百円をこしておるわけです。そうすると、六百円として、八時間で四千八百円ですが、それをこえて去年の実際のビートは八千円だった。それから落ちるのであれば問題はないが、去年そのものが、均衡労賃、均衡所得、国民平均の所得にてん菜耕作部分は達していない。ことしは賃金も全部上がっておる。ただ、てん菜をつくった部分は去年よりも下がるというのであります。そういうことに結果がなることには間違いありません。だから、今度何ぼ下がるかということは、収量なり何なりがはっきりしなければならぬが、前年度所得に到達しないということはもうはっきり言えるわけであります。それが一点です。 それから、たとえば前年度収量と言いますけれども、てん菜の収量は、過去四年、五年をずっととってみると、やはり四トンぐらいを基準収量で見るのでなければ、昨年、一昨年のような異常なてん菜の収量、糖分はなくて異常に水太りするああいう収量だけをてん菜の収量と考えるのはあやまちでありますから、私どもはやっぱり現状において四トンと見ます。四トンを大体この近い年限の基準収量として考えた場合、こういうことではどうにもならぬわけですね。ですから、忘れてきておるのか。確かに、過去において労賃は一〇%以上上がっておるのにてん菜は三%しか上がらなかったというような、まことにてん菜耕作を無視した価格のアップが行なわれておることも事実であります。そういうことは、忘れてきたのではないかというのは、それも一理、そのとおりだと思います。忘れてきたのなら、そういうことがわかれば早く直さなければならぬでしょう。私がいま申し上げておるように、確かに、ことしのパリティをかけて、ことしの物賃の動向とことしかけて上げたパリティとを論争すると、糖価安定法二十一条三項の規定での、四十八年度計算においてこれを改定しなければならぬという法律的根拠は満たされぬ。これも確かに一理あると考えます。それほどことしのパリティというものは無視されたパリティではないということも、これはわかります。過去に忘れてあったということだ。忘れたものをいつまでも忘れさせておいたのでは親切な政治とも言えないし、忘れてあったということが計算上はっきりすれば、その忘れをいつ直すのか。生産農民の立場になれば、ことし直しなさいと言わざるを得ないわけです。ここはやっぱりあたたかい政治という考えで割り切らなければ、理論的にへ理屈ばかりお互い言い合っておったのではだめで、ことしの理論計算では、ことしのパリティの範囲、ことしの上げ幅のパリティを修正した中においては、どう計算してみても糖安法二十一条三項の規定による価格修正の法律上の根拠はありません。へ理屈になるかもしれません。ただ、過去においてかなり忘れたものがあるからこれではうまくないというのでは、どうもちょっとうまくないので、そこをどうするかということです。要は政治ですから、行政的に理論、理屈づけはどうあろうと、忘れたものなら忘れたもので、しからば、改定でできなければどういう方法でとりあえずことしはこれをアップする、そして忘れてあったのだから、ことしは暫定としてこういう措置をとって、来年の価格決定には本価格に織り込みますよ、と、これが明確になれば農民も安心できるわけです。無理にいじり回って、告示価格で引き上げるということだけが手段ではないと思う。もう一つぐらいの手段はあると思う。ことしのてん菜価格を、現実に農民の手取り価格を引き上げて、そうして来年に安心と期待を持たすというもう一つぐらいの方法があるのじゃないですか。どうしても告示価格を引き上げれば、他との関連もあって非常にまずいから、告示価格の引き上げでない方法で忘れたものをとりあえず現実の糖業との取引価格で形成をして、そして、そのかわり、これは一年ぎりの措置だから、忘れておったのだから、来年は基本価格に織り込みますよ、と、こういう措置もやってやれぬことじゃないんでないかとも思うわけですね。それで、とりあえずそういうこともやってやれないことではないと思いますので、何としてもことしはその忘れた分をきちっと農民が納得できる体制をとり、来年はそれを基本価格に織り込む。だから、寒地作物だし、北海道の畑作経営も、この作物を輪作の一定反別につくることによって経営が安定する。農民も一定反別をつくりたいわけですから、つくりたい者が所得が低くてつくれないというところに問題がある。サトウキビの問題はまだちょっと告示期間が先ですから、この委員会は存続するわけですから先にいたしますが、将来は両方合わせて六十万トンくらいの砂糖はいざというときに持っていなければ、砂糖だって、この間の通産当局の見解では、世界的な供給がすでに少し足らないのですね。生産が需要を若干下回っておるという見解でありますから、そこでこの価格も出ておると思うのですね。 将来に向かって砂糖の消費は伸びていくと私は思います。値段が少し上がれば生産も伸びるだろうけれども、たとえばアラブが石油を上げてああいうふうに外貨が裕福になってきますと、いままでがまんして食わなかった砂糖は、やはり文化のバロメーターですから、所得さえふえれば発展途上国の需要量はまだまだ伸びていくと思うのです。餓死する条件の中では砂糖の消費は伸びぬけれども、しかし、いろいろな条件で所得が伸びれば、発展途上国の砂糖の消費はまだまだ伸びていく。いままではほとんど食っていないような条件です。そういうふうに考えると、世界的な砂糖の需給も、将来の長期展望はなかなかたいへんであろうと思います。すると、可能な六十万トンの条件は、これが減っていくような政策ではだめだと思う。今月の十日からビートの買い入れがもう始まるわけですから、一週間あったらやれるはずですから、ひとつすみやかに——きょうここでどうするという回答を求めることは無理だと思いますし、私の持ち時間もちょっと経過しておるので、確たる回答を求めるように突っ込んではいきませんが、やはり、それをしないと、これは甘味需給上の問題で、単に北海道の農民の所得だけの問題じゃないと思うのです。これでは非常に大切な甘味需給対策がくずれ去ってしまう。泡沫になってしまう。それをやらずして、七万ヘクタールで、ヘクタール五トンで、一工場当たり三十六万トンの操業度を保って、そうして糖価は百二十円であります、と、そんなものは何を言っておるかと私は言いたいのです。あんなものは全部絵にかいたもちになってしまいますから、何ぼ皆さん方がテーブルプランを書いて、ああいうものを審議会にかけて、これが国内産糖の安定目標だなどと言ったって、そんなものはもう消えてなくなっちゃうわけですから、そういう総合的な考えについて局長の意見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○森説明員 先生の御指摘のように、現在の砂糖を取り巻く条件というものは非常にむずかしい段階にございまして、国際糖価は高い、国内のビートは減った、これは実に深刻な事態でございます。これは物価対策上もゆゆしい問題でございますし、また、今後の北海道の農業を考えた場合に、何とかして増反をさせたい、その方法はどうか、ともかくことしはことしなりに何か考え方はないだろうか、と、こういうことでいろいろ検討をいたしておるわけでございます。また、来年は来年ということで、ともかく、御指摘のように、価格というものが増産の刺激効果という面を非常に持っていることも確かに事実でございますけれども、価格だけの問題でないことは先生も先刻来いろいろ御指摘のとおりであります。その辺を種々勘案をいたしまして、きょうの先主の御指摘の問題を踏まえまして考えてまいりたいというふうに思っております。ただ、法的な手続といたしましては、十月一ぱいにてん菜糖の価格決定をするということでございます。 〔山崎(平)小委員長代理退席、小委員長着席〕 このチャンスをとらえまして、われわれとしては何とかその知恵を出してみたいというふうに考えておるわけでございます。
○美濃小委員 終わります。
○坂村小委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時二十七分休憩 ————◇————— 午後二時十一分開議
○坂村小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀小委員 当面するイモ類でん粉並びに甘味問題について質問をいたします。 第一に、先般九月十日に、政府においては甘味資源審議会を開きまして、ことしから始まる五カ年間の合理化目標計画を審議し、答申を見たわけでありますが、その中で、国産糖の原料であるてん菜並びにサトウキビの五カ年間の合理化目標計画については、従来と趣きを異にして、すでに決定した四十九年のてん菜の最低生産者価格を合理化目標価格に設定したわけでありますが、これは運用いかんによっては、経済変動の中である程度妙味を発揮することができると思う。また、権力的にこれを価格政策に悪用するということになれば、五カ年間の国内の甘味資源の生産発展というものが停滞するという、そういう両面の特徴を持っておると思いますが、この点について、まず森局長から、内容についての忌憚のない説明をお願いします。
○森説明員 私ども、甘味資源審議会にはかります目標生産費は、先生ももう十分御承知のとおり、五年ごとに改定をしておるわけであります。前回は四十八砂糖年度産のものについて定めましたので、今回定めましたのは五十三砂糖年度産のものについて、五年後の目標生産費をどうするかということで諮問したわけです。 ここで諮問します場合に、私どもが非常に考えあぐねた問題は、最近の物価動向というものは非常に変動し、かつ、動きが非常に大きい。そこで、五年後の目標を一応推定をして定めましても、これは絵にかいたもちになるし、現実の見方あるいは将来のそのときどきのこれをもとにしてつくります合理化目標価格について、かえって本来の目的が達せられないのではないかという危惧の念に非常にかられたわけでございます。それで、今回考え出しましたのが現時点の価格、要するに、実質価格としてきめておいて、それを四十八年価格で表示したものを五十三年の目標生産費にする。そのほうが現時点で価値として変動がないわけですから、そのときどきの物価変動はその時点で考えていくというほうがかえって実態に近いんではないかということで今回の諮問案を作成したわけでございます。 その点は、先生御指摘のように、ここに書いてありますように、「算定時までの物価その他の経済事情を勘案して」きめられていくのだというふうに断わり書きを特にしまして、この価格を定めたわけでございます。したがいまして、今後五年間毎年きめてまいります合理化目標価格というのは、そのときどきの物価その他の経済事情を織り込んだものとして表示をしてまいるというふうに考えていきたいということでございます。この点につきましては審議会でも御了承を得られたというふうに思っております。
○芳賀小委員 九月十日という日は、われわれの農林水産委員会も開会されておったわけですけれども、当日の審議会の論議の内容というものはつまびらかになっていないわけです。ただ、答申の中に、昭和四十九年の四月十日に告示したてん菜の最低生産者価格をすみやかに改定すべきであるということが書いてありますが、これは単に審議会が思いつきで今年度の価格を年度中途において改定するというだけではないと思います。これから五カ年間の合理化目標の基礎をなす原料価格というものは、非常に非難の強かった一万一千百十円にこれを据えて、これから五カ年間の毎年の原料価格決定時の経済の実態を勘案して、弾力性をもってきめるということであれば、基本になる四十九年度の最低生産者価格というものは少なくとも納得のできる正しいものにして、そこから新しい農林省の方式といいますか、あるいは森方式というか、それはわからぬが、そこに議論が集中して、あのような前例のない答申が出たと私は受け取っておるわけですが、その点はどうですか。
○森説明員 目標生産費の基礎になりますてん菜の価格についての改定というよりは、先生の御指摘のような考え方で議論をされた方があったかどうかについては、私どもつまびらかに承知をしておりませんけれども、何せ、始まったとたんに——まあ、中身のことはあまり申したくないわけでございますか、てん菜の価格が安いから減反になったんじゃないかということで、最初からその議論に入ってしまいました。目標生産費そのものがどうということよりも、たまたまそこに原料の価格として表示されておるてん菜の価格をめぐりまして、減反とからめての非常に激しい議論がいろいろあったわけでございます。それと、もう一つ、国際糖価が非常に高騰しているおりから、国内のてん菜は四分の一近くも減反をしている。そういう国際糖価との関連で国産糖の扱いの問題が議論された。この二点がおもな論議の内容でございます。審議会の討議の内容というものはそういうふうに私ども承知しておるわけです。 先生の御指摘のようなお考え方で、直ちにあそこの価格というものを改定して、それを基礎にして今後の目標価格をつくるというふうな御意見が必ずしも有力にあったというふうなことではないと思っております。
○芳賀小委員 これはわれわれに言わせれば御用審議会ですか、御用審議会においても、その辺、特にことしの生産者価格の改訂をやるということを明確にしておかぬと——まず、五カ年間の合理化目標計画の中の目標生産費というものを是認したわけでしょう。その基礎をなすのは一万一千百十円という原料価格から出発するわけですから、それを認めておいて、あとでことし政府が決定した生産者価格は安過ぎるからすみやかに改定しろということでは非常に矛盾があるわけですね。だから、基礎をはっきりして、このようなことではこれはもう認めるわけにいかぬ、と、まずことしの最低生産者価格を適正なものに改定して、それから、自民党の自由経済のもとにおいては五カ年の将来なんというものはお先まつ暗で全然わからぬわけですから、それは、毎年の経済の諸般の事情とか生産性の動向等を考えてきめるのかいいではないかということではないかと思っておったわけですが、その基本論に論議が集中されなかったということになれば、これは非常に遺憾であります。ただ、午前中の同僚委員の質問に対する森局長の答弁を聞いておっても、絶対に最低生産者価格の改定はしない、改定する必要はないということをあなたは言っていないわけです。これに対してはきわめて消極的であります。ただ、十月の下旬までにその原料を製造した国産糖の買い入れ価格をきめることになるので、その時点までに何らかの方法というものを措置したいというふうに私は受け取ったわけですが、その点はどうですか。
○森説明員 先生の御指摘のとおり、そのとおりに私は考えております。
○芳賀小委員 それでは国会答弁としてはきわめて抽象的な消極的な答弁ですけれども、腹の中は改定するという考えがあるんじゃないですか。そうでなければああいう答弁にならぬですよ。やる気がなければ、政府としては絶対改定する意思はありません、改定の必要はございませんと明快にするのがあたりまえなんだが、あなたの答弁は非常に含蓄があるわけだから、その点をこの際明らかにしてもらえば、われわれとしても十分な審議ができるのです。
○森説明員 たいへん恐縮でございますけれども、私はそう含蓄があるつもりで申し上げたわけではございませんで、私は先生とあまり議論するつもりはございませんけれども、法律をすなおに読んでいく場合に、価格が四月にきめられた、その後何か大きな改定すべき問題があったかどうかということを、どうも法律は改定の要件として書いてあるようでございます。そういたしますと、その後の要件というものは非常に見出しがたいというのが私どもの考え方でございます。そこで消極的に考えざるを得ないということを私は申し上げたわけでございます。 しかし、先ほど御質問がありましたとおりに、ともかく国際糖価は高いし、自給率あるいはともかく転換をしていきました面積を何とか逆に取り戻したい。これまた、そうしないと製糖のメーカーも成り立たない。てん菜糖のメーカーも成り立たない。また、農民も輪作の体系の中に適正にビートを生産していくということも必要でしょう。両方考えますと、やはりこれは何とかしなければいけない。 さすれば、このてん菜糖の価格をきめる際に、あわせて原料のてん菜につきましてもう少し農民が増産に協力していただけるような方法はないものだろうか、と、これをいま真剣に考えております。それができるかできないか、これはわかりませんけれども、そういうことを考えております。もしできない場合に、それなら価格がどうかということがあれば、それもその段階で考えてみる必要はあると思いますけれども、いまの前段に申し上げましたように、価格改定の要件というものが書いてございます二十一条の三項を発動するような数字的な根拠はどうも見当たらないのではないか、こういう意味で消極的でございますということを申し上げたわけでございます。
○芳賀小委員 それはおかしいじゃないですか。二十一条三項というのは、物価及び経済変動に対応して価格改定することができるということになっていますね。それでは、四月から十月までの毎月における物価の動向がどうなっておるかというと、毎月前月に対して、消費者物価においても少なくとも一・一%ないし一・四%の幅でどんどん上昇しておるわけです。だから、四月から六カ月経過した場合、この六カ月間の物価の上昇というものは十分掌握しておるわけでしょう。価格決定から六カ月間の物価上昇がどのくらいであるかという点、それから四月十日の決定というものは、ことしの国民春闘を通じて、民間産業あるいは国の公務員労働者関係の賃金改定が行なわれていない以前のパリティ計算ということになっておるわけでありますから、最低生産者価格決定後の農家の自家労賃応対する評価というものについても非常な差異が生じておるわけです。だから、物価並びに賃金、それから政府が巻き起こしたインフレ、狂乱物価というものは、これを見て法律が示すところの価格改定の要件は満たされないということにならぬと思うのですよ。だから、ことしはこれを十分改定すべきなんです。議論の余地がないと思うのですよ。
○森説明員 私どもの考え方で申し上げますと、結局、前提といたしまして、農業パリティの動きがどうなっておるかということを一応の基準に考えたい。それについていろいろ御議論としてあると思います。そういうふうに考えた場合に、前年の生産の期間、四月から十月までの間のパリティに対します今年の二月のパリティということで、四月に価格を決定しているわけです。当時の二月の農業パリティの総合パリティでございますが、たしか二九%であった。二九%というのは一年間の値上がり率が二九%で、厳密に言いますと、一年間の農業パリティが二九%で、それを考えながら当時価格決定をしたというふうに聞いておるわけであります。したがいまして、その価格決定時における価格が適正にきめられたかどうかということになりますと、これは附録一式ですか、附録算式によりまして適正な手続を経て適正に価格がきめられたのではないかと思います。 では、先生御指摘のように、糖安法の二十一条の三項に書いてございます「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、」改定できるという、その事態に当たるかどうかということになりますと、その後のパリティの動きを見ましても、三%台最近までとりました。したがいまして、それが著しい変動かどうかということになりますと、価格を四月にきめる。あるいは厳密に言いますと、ここでは播種期ということになります。播種期にきめるということ自体のいろいろな議論はあろうかと思いますけれども、法律的にはどうも播種期にきめるということで明定されておるように思います。そうしますと、播種期にきめる。四月。すなわち、四月についても一応問題がありますから、四月にきめた価格というものがその後著しい変動があったかどうかということになりますと、パリティの指数上の動きとしては、どうもそう大きな動きというのはないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、もう一つ申し上げますと、この背景といたしまして、価格の決定後いろいろ物価の変動があることは当然でございますけれども——当然と言うのはあるいはいけないのかもしれませんが、事実としてそういう変化はございます。そういたしますと、毎年いろいろな農産物の価格をきめておりますけれども、その農産物の価格をきめた後に、確かに物価の変動というものは常に繰り返されておる。それをすべて改定をするのか、それが著しい場合に、物価狂乱とかいう場合にどうかというような問題はございましょうけれども、いろいろと全体を考えてみますと、特に、適正にきめられた価格を改定するそれぞれの事情というものがあるかどうかということになると疑問だというふうな意味で申し上げたわけでございます。
○芳賀小委員 そうなれば、二十一条三項というのは要らぬの、じゃないですか。何のために法律があるのですか。何のために二十一条の第三項があるのですか。農安法の中にも改定の法文があるでしょうし、食管法の中にもあるでしょう。政府が一たんきめて、次の生産が行なわれるまでの一年間に、年中途で改定ができるとしなければならぬということを何のために書いてあるのか。あなたの論法でいくと、これは必要ないということになるのじゃないですか。あなたの考えからすれば、どういうような経済事情あるいは賃金とか物価事情が生じた場合に二十一条第三項を発動するわけなんですか。実例をあげて言ってください。
○森説明員 この規定は、「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、」ということでございますから、四月にきめましたけれども、その後の事情によりまして、てん菜につきましての再生産をしまして、そういう生産が困難になるというようなことがあった場合に改定をするというふうに考えておるわけでございます。いろいろ時期の問題がございますけれども、四月に播種が行なわれまして、肥料が入れられまして、いま収穫期に入っておるわけでございますけれども、その間に該当するような大きな変動があったかということになりますと、どうも消極的に考えざるを得ないのではないかというふうに私ども考えたわけでございます。
○芳賀小委員 大きな変動というのはあったでしょう。いままで二十年間、営々として国も国産糖の生産拡大に努力した。ようやく北海道においても面積にして六万ヘクタールを維持することができて、北海道の畑作農業の中においても、てん菜生産というものは大体定着した、てん菜だけが順調に伸びたということが替われておるわけです。それが一万一千百十円という、全く不当な低価格できめたことによって、六万町歩が一ぺんに一万五千ヘクタールも減少したわけです。これは経営面とか労力面だけの選択によって減少したわけじゃないですよ。こういうような低い政府の最低生産者価格であってはてん菜の再生産ができないという、そういう経済上の事情に強圧されて、ある意味において、半ばてん菜生産を放棄したというようなこういう現象というものは、法律から見ても、これは著しい生産事情あるいは経済事情の変動が政府の低価格から出発したということになるわけです。こういう前例はないじゃないですか。 それから、もう一つは、それでは輸入砂糖を原料として国内で販売されておる精製糖の価格が一体どうなっておるかということですが、七月から今日まで、ロンドン相場というものは、ロングトン当たり大体三百六十ポンドないし七十ポンドしているわけでしょう。だから、これを手っとり早く、それじゃ日本の砂糖の小売り価格にこれを置きかえる場合にはといういろいろな計算はあるが、大体、ロンドン相場のポンド当たりの価格というものは、日本のキロ当たりの小売り販売価格の場合には、これは円に直せばいいということになっているわけです。だから、ロンドン相場が三百六十ポンドの場合には、すなわちその原糖を入れて精製すれば、これは小売り価格はキロ当たり三百六十円ということになるんですよ。これは国産糖と輸入糖を問わず、甘味全体の問題として、もう顕著な経済事情の変化ということが言えるわけでしょう。そういうものを全く無視して、ただパリティだけを根拠にして、六カ月間に四%しか上がっていないと言うが、しかし、実際はまだ八月のパリティは発表になっておらぬが、昨年の七月パリティとことしの七月パリティというものの変化率を求めると、去年の七月から見て大体二九%上がっておるわけでしょう。だから、法律を発動する熱意があれば、どういう面からとらえても、これはもう価格改定をしなければならぬという条件が具備されておるわけですよ。それをしろうとだましみたいに、いや、パリティが四%しか上がっていません、この法律の示す条件には合致していませんというようなばかなことを考えておったのでは、これからの政策というものは全然進まぬと思うんですよ。もう少し正直な答弁をしてください。
○森説明員 私は、そのまま考えているとおり申し上げているわけでございまして、これは議論でございますから、へ理屈というふうにおとりにならないでいただきたいと思うのです。 第一点の、作付面積が減ったというのは、むしろ、四十八年産にあるいは問題があったかもしれない。ということは、価格をきめる時期においてすでに手当てがされておることは、もう先生の御承知のとおりでございます。ですから、その時点で作付についての農民のいろいろな選択が行なわれたというのではなしに、その他の四十八年の当時のいろいろな作物間の奨励金もあったでございましょう。ほかの作物について奨励金があったとか、てん菜の価格がどうきまったとか、いろいろな事情はあったと思いますが、そういうようなものを背景にして選択が行なわれたのではないか。それが確かに作付の減につながっているということは、これは正直に認めざるを得ないし、また、その当時をわれわれも反省せざるを得ないというふうに考えておるわけです。しかし、この法の手続に従いまして、四月にきまっちゃたものをその後改定するかどうかという、ここがどうもへ理屈だと言われる。そして頭がかたいと言われるかもしれませんけれども、この法の適用から言いますと、どうもそうではないのではないだろうかというふうに考えておりますということが先生の第一点の質問に対するお答えだと思います。 それから、第二の問題につきましては、これは先生御指摘のとおり、大体小売価格をそういうふうにすれば、ロンドンの相場で輸入して製造して小売りに直していくということにすれば、そういうような価格になろうかと思います。それに近い価格になろうかと思います。そういうことからすれば確かにそのとおりでございますけれども、この糖安法というものは、釈迦に説法でどうも恐縮ですけれども、やはり、上限下限というものの価格をきめて、そこの間であくまでも国内の糖価水準を維持していくという、こういう考え方であろうかと思います。そこで先般来改定に踏み切ったわけでございますけれども、その上限価格というのは、大体いまの凍結価格に見合う水準の価格である。いまのロンドン相場からいたしますとこれはたいへん低い価格であるということは間違いございません。しかし、私どもは、そういう問い価格を国内に適用していくということについては、これはどうも現在のところ高過ぎるのではないか、むしろ、いまの上限価格は、非常に苦しくても何とか続けられないものだろうかというふうに考えております。そういう意味からいたしまして、この制度との関連においては、国際糖価を直ちにこういう生産者の最低価格に反映させるということは妥当かどうか疑問でございますということでございます。
○芳賀小委員 それじゃ、そういう頑迷な態度ですね。十月三十一日までには、この一万一千百円を基礎にした事業団の買い入価格をを政府がきめるわけでしょう。そうでしょう。そうすると、いまの一万一千百円を基礎にして、製造に要する経費も物価変動で相当上昇はしておるが、従来の手法で計算した場合には、ことしの十月末の買い入れ糖価はどのぐらいになるわけですか。
○森説明員 いまのような仮定を置きまして計算をいたしますにももう一つ前提がございまして、収量がきまっておりません。それから、非常に産糖量が問題になっております。そういう要素が近く確定いたしますから、それで計算をして、また操業率も落ちます。そういう経費を見込んでまいりますと、製糖の加工経費、製糖メーカーの、てん菜糖のメーカーの加工経費、そういうものは相当高くなるだろうというふうに考えておりますけれども、その数字がまだちょっと確定をいたしませんので的確に申し上げられませんが、一応従来私どもが平常、平年作を予定して考えておりましたよりもコストは相当高くなるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀小委員 これは大事な点ですからね。この輸入糖との関係ですが、輸入糖であっても、国産糖であっても、市場へ出回る場合には、砂糖に変わりはないでしょう。まさか、国産糖を押えて砂糖専業団の収益をかせぐなんという、そういうけちな考えはないでしょう。 では、これは数字にわたる問題だから永井課長でもいいですけれども、いろいろな生産上の悪条件とかコスト高の事情というものは言うまでもないかもしれないが、どのぐらいことしは前年価格に対して上がると思うのですか。
○永井説明員 先ほど局長から申し上げましたように、本年のてん菜の収量、歩どまりということを想定をいたしまして各メーカーの操業度を加味し、その中に各メーカーのコスト的なアップをまた取り入れまして、原料価格に上乗せして砂糖の価格を計算いたすということにしておるわけでございますが、その前提が、まだ数字が出ておりませんので的確に申し上げるわけにはまいりませんが、昨年価格に対しまして倍近い数字にはなろうかというふうに考えます。
○芳賀小委員 だから、去年の倍近いということになれば、トン当たり二十四万円ぐらいになるでしょう。これは何ら生産者のためにもならぬし、消費者のためにもならぬという結果を政府がつくったわけでしょう。国難糖にしても、合理化でん粉事業にしても、近代的な設備が持たれておっても、とにかくそれを満度に操業できる原料というものが生産されて充足されなければ、合理化の期待というものは逆になってしまうわけです。だから、去年に比べて三〇%も生産を減退させた。この工場を地域別に見ると、去年に比べて原料が三〇%秘度不足すると思われている。中には、五〇%原料が足らぬものもある。この分だけ製造経費というものは大幅にコスト高になるわけですね。これは幾ら倍になっても、三倍になっても、法律の二十二条で買い入れ糖価の決定方法というものは書いてあるわけだから、これは高過ぎるといってかげんをするわけにはいかぬでしょう。だから、そういう去年の倍の買い入れ糖価をきめるというのであれば、ことしの四月に生産者が熱心に要求した一万五千円の価格をなぜきめなかったかということになるわけですよ。これはあげて政府の価格政策上の失敗として、責任をとってもらわなきゃならぬと思うのですよ。それをまた来年も再来年もことしから始まる五カ年計画の中で繰り返すということは、これはもう断じて許すわけにはいかぬわけでありますからして、この点は買い入れ糖価決定前に、消極的であっても何らかの方法でこれを実行すればいいわけですからね。まだ十月末までには相当の期日があるわけでありますからして、この点を踏まえて、どうしてことしの買い入れ糖価というものは二倍のコストになるかという問題と——とにかく、この国際価格が世界的には約八千万トンの生産があがっておる。そのうち六千万トンは生産国の自家消費で、それから残りの二千万トンの半分は、これは長期協定とか特恵によって、よその国はもう確保されておる。だから、日本で買っておる自由市場というのは、大体一千万トンないし一千百万トンしかないわけだから、いままでの投げものを集めれば安い砂糖が費えるという時代は全く過ぎ去ったわけでしょう。そうすると、相当海外に依存する粗糖価格というものは、少なくとも三百ポンドを上下するということは、ここ一年間ぐらいはそういう状態が変わらぬと思うわけですよ。 とにかく、局長はことし初めてイモでん粉、砂糖を扱うのだが、幸いというか、永井課長は去年もやっているわけだから、これはぜひ間違いのないようにやってもらいたいと思うのですよ。失敗してからわれわれが委員会で声を大きくして追及しても、もう取り返しのつかぬ場合もありますからね。そういう点について間違いなくやる決意であるかどうか。きょうは大臣も来ておりませんが、担当局長として、行政の立場でその決意というものを明らかにしておいてもらいたい。
○森説明員 先生御指摘のように、てん菜の生産量が減ったり、それからこれはいろいろ災害の問題もございましょうが、あるいは生産量が、原因がつまびらかではないけれども落ちておる。そういうことによりまして、製糖メーカーの加工経費というものは、操業度が落ちるということで上がってくる。それを農民に転嫁すべきものではないし、それはそれなりに別の問題であるというふうに私どもは理解をいたしております。 それから、もう一つ、今後の砂糖の価格の水準というものはどうなるであろうということにつきましても、われわれはわれわれなりに指をくわえて見ているわけではなしに、もう少し適正な価格水準に安定的にする、また、そういうソースをわれわれも確保してまいるという考え方で進めたいと思います。 そういうような国際的な糖価の事情なり、いまの国内の生産の事情なり、それから特にメーカーの今回のいろいろ操業度が落ちるというような問題なり、それらを総合的に考えまして、岡内の生産者が六万ヘクタールまではともかくつくってもらいたい、できればそういう措置をとってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○芳賀小委員 いずれにしても、四十九年の最低生産者価格を改定する場合には、法律的な根拠としては、これは砂糖価格安定法の二十一条第三項の発動によらなければならぬ。もう一つは、甘味資源特別措置法第十八条第一項に、農林大臣が買い入れ価格を指示することができるということになっておる。だから、これはいかに大幅に改定するという場合においても、糖安法の二十一条三項ないしは甘味資源特別措置法の十八条第一項の発動ということになると思いますが、その点は間違いないでしょう。 それから、二十一条によって価格を改定する場合においても、政府のいまの甘味資源審議会の運営方針から言うと審議会に諮問する必要はない。われわれは諮問すべきだと思いますが、いまの政府の態度は、諮問しなくてもきめることができると思っておると思うのです。それから、甘味資源特別措置法の十八条第一項の場合には、当然、大臣の権限で砂糖の製造業者と生産者の間における原料の取引価格を指示して公表することができるということになっておるわけですが、この解釈は政府においても間違いがないと思いますが、どうですか。
○森説明員 糖安法の場合も、甘味資源特別措置法の場合も、いずれも甘味資源審議会を開く必要はなしに、そういう措置をとる必要があるとすれば運用でとることができるというふうに考えております。
○芳賀小委員 二つの法案を国会で審議して制定した場合は、この国会の代表を学識経験者ということで審議会に加えるということになっておった。ところが、法律の中に国会議員から何名ということが書いてないわけだから、食管をはじめ全部国会議員を締め出して、現在のような御用審議会というまことに無気力なものになったわけでしょう。月来、こういう大事な価格をきめる場合にも、審議会にそれはもう諮問する必要はないという、この運用は間違いですよ。 次に、時間の関係で、ことしのイモでん粉の価格問題についてお尋ねしますが、まず、決定の時期については、農安法によると、十月の二十日までにイモでん粉の価格を政府が決定して告示するということになっておりますね。ちょうど明日から列国議会同盟総会がこの国会において十一日まで開催されるわけでありまして、その間は、閉会中でもありますが、国会の審議は行なわれないというような慣例に基づいた取り扱いになっておるわけです。そうなると、十一日まで議会同盟の総会がかかるわけですからして、例年の十月九日ないし十日ごろの期日にきめるということになれば、再度本小委員会あるいは農林水産委員会を開くことがその時期には不可能ということになるわけです。しかし、午前中からのわれわれとの質疑の中においても解明されない非常に重要な問題が含まれておるわけですが、局長としては、ことしのイモでん粉の価格決定の予定日をどのぐらいの時期に設定しているわけですか。
○森説明員 国会の御都合がおありになるということは承知をいたしておりますが、二十日までに告示するという法定の手続に対しまして、従来、これも国会の御意見だというふうに聞いておりますが、十日前後に運用上きめてまいるという慣例になっておるようでございます。農民も農業者団体もそういうことを期待をしておるようでございますので、それをめどになるべく早く御意見を聞きながら決定をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○芳賀小委員 そこで、四十九年の需給見通しですが、ことしはもうすでに、政府の手持ち、かつて七万トン買い入れて凍結した分の残り五万五千トンを全部売却したわけですね。その売却は当時の買い入れ価格から見ると二倍以上の価格で、これは時価によっての売却ということになっておるわけですから、政府としては、これはもう金利、倉敷を全部回収して、農安法のおかげで全然苦労はなかったということになっていると思うのですよ。その点の結果がどうなっているかという点と、それからことしは需給見通しから言うと、バレイショでん粉十八万トン、カンショでん粉が八方トンで、あと政府の手持ちはゼロですからして、国産でん粉ということになれば合わせて二十六万トン、年間のでん粉消費が百二十万トンということになれば、約九十五万トンをコーンスターチはじめ外でん等に依存しなければならない。だから、結局、国内のでん粉の需給率が、カンショ、バレイショでん粉を合わせて二〇%そこそこに低下してしまったわけです。これ以上低下させると、大豆、なたねのように需給率ゼロということになるわけですが、ことしは国内でん粉の生産回復ということに、てん菜あるいはサトウキビの場合もそうですが、よほど重点を入れた価格決定の配慮をする必要があると思うわけです。 たまたま私は二十日間のオーストラリア並びにニュージーランドの衆議院派遣の調査を終えて昨夜帰ってきたわけです。二十日間空白がありますが、ことし生産者が農協を通じて販売したバレイショでん粉の場合においては、先日、指定団体である全農が、末端生産者価格を、二十五キロ当たりの精粉を二千七行円ということに精算をしたわけです。二十五キロ二千七百円ですね。そうすると、昨年政府がきめた政府買い入れ価格から見ると、これは千八百三十円ですからして、大体九百円、わずか二十五キロ一袋の価格が、政府の低い買い入れ価格から見ると九百円高値に販売されたということになるわけです。ですから、私どもの経営しておる上川北部合理化でん粉工場においても、四十八年産の原料バレイショについては、二回の追加払いを行なって、六十キロ当たり一六%を基礎にして、七百円で精算をしておる。ことしも操業開始しておるわけでありますからして、昨年の生産者価格であるところの七百円でことしは暫定価格を設定して、いま受け入れをして製造を進めておるということになるわけです。だから、これも砂糖と同じように、国内のでん粉価格というものは、政府の買い入れ基準価格よりも倍に近い線でずっと取引をされておるわけです。農安法の場合は、糖安法と違って、きめた値段で必ず取引をしなければならぬということではなくて、これは下ささえの法律でありますからして、たとえば政府が不当に安い価格で基準価格をきめても、正常な有効な取引が行なわれれば、それによって生産者の価格を維持することは生産者団体の努力等によってできるわけですが、しかし、政府買い入れ価格と一年間の実勢価格というものが二倍も開きがあるということでは、何のために役人が法律を運用しておるかということにもなるわけですから、ことしは何ら憂慮する点はないと思うのですよ。買い入れの必要も何もないでしょうし、どうしたならば国産の生産を拡大するかという、かかって生産者に対しての生産意欲を高めるために農安法並びに糖安法の運用をするということに集中してもいいんじゃないかと思うのです。そういう基本的な点を踏まえて、ことしはどういう方針でイモでん粉の価格をきめるのか。 ただ、ここで付言しておきたいことは、従来の一七・五%の歩どまり率を去年は十六%に下げたわけです。十年前の一六%に引き下げたということは、去年はこれは農林当局におけるただ一つの成果であったというふうに私は評価しておるわけでありますからして、ことしも小手先で歩どまりを操作するということでなくて、やはり実態に合った一六%を堅持して原料価格をきめるということでいくべきではないかと思うわけですが、それらの点をあわせて局長から明快な答弁をしてもらいたいと思います。
○森説明員 一番最初に御質問がございました五万五千トンの売却についてでございますが、買い入れ価格を、トンでいきますと六万一千七百二十五円、売り値は九万三千七百四十六円ということで、政府の売買としては異例なことであったということでございます。 それから、次の、ことしのイモでん粉なりイモの価格につきましての考え方でございますが、先生御指摘のように、政府の買い入れの基準価格と市価——先ほど先生御指摘になりました生産の価格がきまってまいりましたけれども、その価格と非常に乖離してきたということは御指摘のとおりです。したがいまして、考え方といたしましては、ともかく実態に近づけたいという気持ちで考えたい、処置をいたしたいと思っております。 ただ、この場合に非常に迷っております点を率直に申し上げますと、いまの市価というのが、もう一つ探りますと、いまのトウモロコシの国際価格が非常に異常な高値になってきております。南アのほうのトウモロコシがどういうふうになってまいりますか、未知数の要素がございますけれども、この市価というものがいまのトウモロコシの価格から形成されておるとすれば、もちろん関税割り当て制度等の運用もございますけれども、基本は国際トウモロコシの価格と考えていいのではないか、そういたしますと、その価格がどうも異常な価格ではないか、どの辺がいいのだろうかということは、これまた非常に判定しがたい要素がございます。しかしながら、率直に申しまして、非常に悩んでいる問題はそこにございますけれども、いずれにせよ、先生御指摘のような買い入れ基準価格と市価との差を詰めるということは、これはもっと現実的に考えていかなければならない措置ではなかろうか、こういうふうに思って、そういう考え方で進めてまいりたいと思っております。 それから、歩どまりの問題でございますが、この問題につきましては、食糧事務所の成績がまだ出ておりませんけれども、いろいろ聞いておるところによりますと、やはり、ことしもあまり基本的に去年と変わるような要素というのは、どうも少ないように思っております。しかし、これは正確に歩どまりをとりまして、それをもとにいたしまして基準価格をきめてまいるということに取り計らいたいというふうにも思っております。
○芳賀小委員 あわせて、先ほどのてん菜にしても、前年に比べて一万数千町歩面積が減っておる。バレイショの耕作面積も、昨年に比べて、北海道においても大幅に減少しておる。畑作は主要な経済作物の耕作がどんどん放棄される。午前中も松元局長は、生産者の選択性によって飼料作物かふえてけっこうとも言わなかったかもしらぬが、それは生産者の選択の任意の帰結であるというような、まことに傍観者的な発言があったが、そういうことでは日本の畑作農業というものは壊滅すると思うんですよ。私どもがニュージーランド、オーストラリアを回っても、向こうは畜産が主体であるが、牧場面積が最低大体五百エーカー、日本の面積にすれば約二百ヘクタール、多いものは一千エーカーとか五千エーカーというものがあります。北海道をニュージーランドとかオーストラリア並みに草地化する、牧場化するなんということは全くナンセンスなことになるわけですからして、日本のいまの食糧事情、国情から見て、米にしても、穀類にしても、たとえば一ヘクタール当たりの単位面積から、最も高カロリーの、そして高度の生産をどうしたならばあげることができるかというところに基本を置かないと、労力がなくてバレイショやてん菜が安ければ、もう草地にでもしてしまえばいいじゃないかというふうに投げやりの考えでこれから皆さんが農政に取り組むということになれば、日本は全く回復ができないような食糧危機を迎えることになるわけであります。 ことしのイモでん粉の価格にしても、あるいはてん菜の最低生産者価格の改定にしても、特別に政府の財政的な支出を待たなければできないという問題は何一つないわけです。しかも、適正にこれを改定し、決定しても、これが消費者の負担の増加になるという危険性もいまの消費者物価の動向から見るとないわけですから、もう十年間の農政の撤退作戦の眠りからさめて積極的に前進するような体制にやってもらわないと、われわれ長年の間国会を通じて農政に取り組んでいる者としては、まことにたよりにならぬ、慨嘆にたえぬというような気持ちが多いわけです。その辺についても、この際農林省の役人を代表して——森さんが代表ということじゃないが、ここにいる局長ということになれば森局長と松元局長ですから、あなたが身内を代表して明快にしてもらいたい。
○森説明員 先生御指摘のように、いまの北海道の畑作の問題というものは非常にむずかしいけれども、私ども、率直に申しまして、むしろ非常に混乱をしたのではないかとさえ思われるくらいな問題をいま持っておると思います。 それで、先ほど農蚕園芸局長も申し上げましたように、どの作物をとりましても、われわれが農林省全体として見れば非常に重要な作物ばかりでございます。確かに、いままで何か忘れられていたという表現は非常にいけませんけれども、こういうふうに国際的に国内の問題というものをもう一回考えてみる時期に入ってきているわけでございます。どの作物も非常に重要でございます。てん菜を一つとってみましても、減ったのは他作物に食われたという要素があると思いますが、率直に申しまして、北海道のいまの畑作の中のてん菜のパーセンテージから言いますと落ちていないわけでございます。これは何かということになりますと、やはり、牧草地がふえておる。これも一つは、酪農がある意味では定着しつつある事情にもう一つ入っていると思います。しかし、私ども、これをもう一つ外延的に延ばしていく方向も考えなければいけませんし、また、ローテーションの中で定着をさせていくということも考えなければいけません。その気持ちにつきましては農林省としてみんないっしょであると思います。 ただ、そういう事情でございますから、ともかくこういう国際的に価格が高い中で、それぞれバランスのとれた畑作の進展、振興ということを基本に生産を伸ばしていく。そのために価格というものも一つの重要な要素でございます。しかし、その他の生産対策というものも重要な要素でございます。これらをバランスのとれたやり方に早く定着させていきたいということでわれわれとしては考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
○芳賀小委員 余談になりますが、いまの北海道の畑作の現況というのは、来年もう一年水田の転作奨励の時期があるでしょう。水田を休まして、転作以外には政府から奨励金が出ないわけだから、じゃ、転作をする場合にはどの作物を選んだのが転作として一番有利かという判断によって、あるいは麦がある程度ふえておるとか、アズキはじめ豆類もふえたということになっておるわけだから、これは定着じゃないですよ。もう一年政府が無謀に転作を続けるということであっても、五十一年からもとに復するわけですから、おそらく北海道の場合には、農家は、水田はもう全部米をつくるでしょう。そうなると、いまの畑作物のそれぞれの種類別面積から、今度は転作からまた米に戻る面積というものを差し引いてしまわぬと、五十一年の時点に立ってながめて、初めてこれが定着したかしないかということを判断すべきで、いまのような変則な時代に定着とかなんかということを論議するのは、これは全く軽率なことになるわけです。 それから、最後になりますが、ことしのバレイショの作況不良は天候にもよりますが、特に、統計情報部の概況報告にもあるとおり、十勝、北見を中心としたウィルス病の多発ですね。昨年からこれが顕著になっておる。これに対する防止対策というものを農林省が指導的な立場で積極的にやらぬと、どんなに天候がよくてもこれは生産を高めることはできないと思うのですよ。農林省の原々種農場においても予算が足りないということで防除もできない、手抜きをしなければならぬというような、そういう実態があるわけですからね。来年の農林省の予算については、概算要求はもう提出済みでありますが、特に、このバレイショ等を中心とした防疫、根本的な防除ということについては思い切った予算を投入して、また、現場において人員が足らぬ場合においては増員をして、ほんとうに原々極農場としての価値ある経営ができるようにしなければいかぬと思うのですよ。これが一点です。 もう一つは、昭和五十一年から、でん粉製造の合理化でん粉工場の場合においても、公害防止のための水質基準が今度は本格的に適用になるわけですが、これは森さんはあっちのほうへ行っておったのだからイモでん粉よりよくわかるでしょう。五十一年から本格的な水質基準が適用ということになると、これはたいへんなことになりますよ。場合によってはもうでん粉の製造を放棄しなければならぬというような事態にもなるわけですから、まだ問題はあるが、特に、ウイルス病を中いとした防除の完全実施と、農林省が中心になってのバレイショの原々種農場あるいは道段階の原種農場等の経営の抜本的な改善と、それから、バレイショでん粉の製造工場である合理化でん粉工場の水質基準が経営の中で完全に実行できるように——それには価格問題もあるし、政府の助成措置が必要になるわけですが、そういう点についても、今回のイモでん粉等の決定時期までに農林省、政府としての基本的な方針を明確にして、生産者並びに生産者団体が安心して生産に取り組むことができるようにすべきだと思いますが、その点はどうですか。
○松元説明員 まず、第一の御質問のウイルス病の問題でございますが、御指摘のとおり、最近ここ二年来アブラムシが異常に発生いたしまして、ウィルスにかなり汚染されておるのは事実でございます。これに対する対策は二つございまして、一つは、いい種イモを供給すること、自家採種の種はなるべく使わずにいい種イモを使うようにすること、第二点は、やはりこれはアブラムシの防除をするということ、この二つの方法があると存ずるわけでございます。 正直申しまして、いままでアブラムシの防除のほうは、若干の手抜かりと申しますか、いわば慢性化という点がございました。と申しますのは、先生十分御承知と存じますが、一般圃場の段階になりますと、その年アブラムシに感染いたしましても直ちには収量が落ちないものですから、一般圃場ではとかくやはり手抜きになりがちである。かたがた、アブラムシは他の作物にもつくものでございますから、とかく手抜かりになりがちだという実態がございました。そこで、私のほうは、防除することは当然でございますが、さらにいい種イモを供給する。これも原々種の段階、原種の段階、採種の段階と、三段階あるわけでございまして、国の原々種農場はりっぱな原々種を供給することは当然のことでございまして、私たちとしてもより一そう管理につとめてまいるつもりでございますが、やはり、一番問題にいたしておりますのは途中の原種、採種の段階でございまして、これが従来は一般のイモから隔離された場所にあったものが多かったものですから健全なイモができたわけでございますが、近時まわりが開発されるというようなこともございまして、いわば一般圃場の病気とまじり合う機会がふえた、したがってアブラムシも来る機会がふえたという実態がございます。 そこで、正直申しまして、最近いわばいい種イモをつくる体制が少したががゆるんだ、と言うとことばが悪いかも存じませんが、そういうゆるみということもございます。したがって、これを引き締めなければいかぬというので、そこで原種、原々種農場の再編成ということを考えまして、これはもちろん生産者の方々の話し合いもございますが、たとえば一般からまとめて別に圃場を移す。圃場を移しまして、まとめてそこに新しい機械設備を入れるということを考えまして、実は、そういった体制づくりに来年度新しい予算要求もしている次第でございまして、ぜひこれを実現させて体制固めをしてまいりたい。ただ、基本的には全体——これは国もそうでございますが、道、それから農業団体の方も一緒になりましていい種イモを供給する、防除もするという気がまえがやはり必要であろう。その上に乗りまして、いま言った体制づくりと、いわば種場を隔離して、しかもいい施設を入れるという予算要求もいたしておりますから、ぜひこれを実現してまいりたいと考えておるわけでございます。
○森説明員 最後に御指摘の公害の問題でございますけれども、正直に申しまして、これはたいへんむずかしい問題でございまして、先生も御承知のとおり、われわれも専門家の研究会を設けましていろいろ検討を急いでおりますけれども、まだ結論が出ておりません。しかし、いろいろと実験事業としましてそういうものを押えていくという努力をまずわれわれが率先してするということ、現段階ではともかくそれを先に進めるということが第一ではないかと思っておりまして、五十一年の暫定期限が切れるということに対しましては、いま誠意をもって解決をはかっていくということで、ともかく押える技術を開発するということに専念をいたしたい。その時期において努力がどういうふうに報われるかということにつきましてはまだ結論が出ておりませんけれども、相当コストがかかってまいるということもやむを得ないのではなかろうか、それはそれなりにまた考えていかなければいけないのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもとしましては、せっかく法できめられました期限までの最善の努力は続けてまいりたい、こういうふうに思います。
○芳賀小委員 これで質問をやめますが、先ほど松元局長から種子問題についての説明がありましたが、まず、順序として、農林省の原々種農場をできるだけ拡大してもらうということと、ここからは絶対無菌、無病の原種しか出さぬということで責任を持ってやってもらいたい。それから、次の段階では、北海道の場合には道営とか団体営の原種圃がありますが、これに対しても農林省としての的確な厳正な指導というものはやはり必要だと思うのです。これも十分にやってもらいたい。特に、末端の採種事業については、実は、参考までに申しますと、私どもの上川北部合理化でん粉工場は、三年前から合理化でん粉工場と傘下の九農協で相談をして、採種事業は末端の農協が市町村と協力して全面更新をやるというようなことで、現在は、私の剣渕町だけが、ことしでちょうど三年間、指定採種圃約六百町歩毎年バレイショを耕作しているが、これに必要なおおよそ三万俵の種子は全部指定採種圃で厳正に管理して生産をして、生産者に全部これは供給をしておるわけです。その結果というものは、十アール当たりの収量にしても、以前と比べると十俵、二十俵生産が高まっておるわけですが、これも徹底しないと、いいことであってもなかなかできないわけですね。だから、種子対策というものは行政的にも一貫した農林省の方針に基づいてやらせる、やらぬのはけつをたたいてもやらせるというくらいでいかぬと、毎年価格決定の時期に、ウイルス病が出て収穫が減ったからイモを高くして売れなんということを繰り返したのではだめだと思う。だから、この機会に、この点については来年からぜひ積極的にやってもらいたいと思います。 あと、生産費の関係については吉岡部長まで質問が及ばぬわけですが、きょうはこの程度にしておきます。
○坂村小委員長 諫山博君。
○諫山小委員 私は、今月の初め一週間ばかり鹿児島県に行って、さまざまな農業事情を調査しました。そして、カンショが南九州の風土に合った実に適切な作物だということを痛感したわけです。台風に強い。シラス土壌に耐える。さらに、桜島の降灰の被害にもあまり打撃を受けない。こういうものはどうもカンショだけではなかろうかということを感ずるわけです。 ところが、そのカンショ生産の実情を見てみますと、年々耕作面積は減少する。生産も減っていく。たとえば、昭和二十八年の作付面積が約三十六万ヘクタール、昭和三十八年度が約三十一万ヘクタール、四十八年度が約七万三千六百ヘクタール、そして、四十八年度は前年度に比べて一万八十ヘクタールくらい減っている。これは驚くべき急激な減少ですが、政府としても、これほど急速にカンショの作付面積が減少するとはおそらく予想していなかったのではないかと思います。たとえば、昨年私は同じ小委員会で同じ問題を質問したのですが、池田政府委員が、昭和五十七年度の見通しで百四十万ないし百五十万トン程度のイモの生産は維持したいという説明をされているのですが、もうすでに昭和四十八年度でこの程度まで生産が減少しているように思います。この昭和四十八年度の実績というのは政府の予測どおりに進んでいるのか、それとも、政府の予想以上に急テンポでカンショが打撃を受けているのか、どちらなんでしょうか。まず、この点をお聞きしたいと思います。
○松元説明員 カンショの作付動向でございますが、ただいま先生の御指摘の数字は、たしか全国ベースの数字かと存じますが、全国的にも確かに減少いたしておりますし、それからさらに九州、南九州、いずれも減少傾向をたどっていることは事実でございます。 そこで、たとえば四十八年の数字でございますが、全国ベースで作付面積七万三千六百ヘクタール、これに対しまして、実は、一昨年策定いたしました生産目標によりますと、五十七年見通しを七万七千ヘクタール見込んでおりますから、もはや五十七年の数字を下回っているということは事実でございます。ただ、そういうように見込みより減っていることは事実でございますが、実は、一昨年策定いたしました生産目標におきましても、このときは基準年次は四十五年でございますが、先々やはりカンショは減少するという見込みは立てていたわけでございます。その見込みの度合いが当初の見込みより大きかったということでございますが、やはり、カンショというものは地域地域でもちろん他の畑作物といろいろ競合する問題もございまして、ほかの作物が伸びるということもございますが、傾向とすれば当時も減少は見込んでいた。ただし、実態は、当初の減少テンポよりも多少テンポが早いということは事実でございます。
○諫山小委員 作付の減少が当初の予定よりか早いというふうに言われましたが、これは少々のことじゃないわけですね。昭和五十七年度に予想していた水準がすでに昭和四十八年度に実現しているというのですから、たいへんな見込み違いというか、計算違いというか、こういう状態が出てきているわけであります。 そこで、私は主として南九州のカンショについてこれから質問しますが、昨年、南九州のカンショをどうするのかと質問したのに対して、現在残っているのはこれ以外では生活できない区域のものばかりだ、だから、現在のものについては何とか継続して生産を維持していただくようにしたい、その対応策も講ずべきだと考える、と、こういうことが池田政府委員から言われております。ほんとうにこの立場がとられるなら、昭和五十七年度の見通しがすでに現在実現してしまうというような状態にはならなかったはずなんですが、昨年から今日までの一年間、ほんとうに農林省としては、現在残っている南九州のカンショは何とか生産を継続させたいという立場で農政を進めてこられたのか、それとも、こういう収益の低いカンショはつぶれてもしかたがないんだという立場でこられたのか、どちらでしょうか。
○松元説明員 カンショの減少でございますが、これは全国ベースと、特にお話しの南九州とあるわけでございまして、両方とも減っていることは事実でございますが、ただ、その場合に、南九州におきましても、具体的には、統計数字では、宮崎、鹿児島の数字で私はものを申し上げるわけでございますが、宮崎から鹿児島の南九州でも、確かに四十年が約九万一千ヘクタール、それが四十五年は六万七百ヘクタール、それに対して四十八年が三万七百五十ヘクタールでございますから、減少傾向をたどっているということは事実でございます。 ただ、申し上げたいことは、減っているものもございますが、南九州全体をとってみますと、他方ふえている作物もあるわけでございまして、結局、何がふえているかということになりますと、野菜とか、果樹とか、飼料作物とかいったものはふえているわけでございます。いわば畑作でございますから、片一方減るものもあればふえているものもあるということで、やはり、南九州と申しましてもカンショばかりつくっているわけではございませんから、その中で作目の転換が行なわれるということは、これは需要傾向に即応しているから一がいに否定はできないわけでございます。 ただ、御指摘は、地域別にさらに細分化いたしました場合に、いま私は南九州ということで、宮崎、鹿児島のトータルの数字で申し上げましたが、その中でもさらに市町村別あるいはさらにその中のいわば集落別に詰めていきますと、カンショ以外に転換がほとんど困難だというところはあろうかと思います。あるいはまた経営の形態といたしまして、従来カンショをつくっておりましたから、ほかに転換はなかなかむずかしいというところもあろうかと存じます。したがいまして、南九州ということで一律の議論もございますし、全体としますと、同じく、いま申しましたように作目転換もございますが、その中でさらにきめこまかく市町村別とかあるいは集落で見ましてカンショが中心であるというところに対しましては、やはりそれなりの対策を講じなければならぬということで、私、ただいまその計数は持っておりませんが、カンショの生産面の対策といたしましては、たとえば特産物生産団地育成事業というようなものも予算に組んでおりまして、これを活用いたしまして、生産性の向上をはかるための省力機械の導入でございますとか、あるいは品質の向上をはかるための貯蔵施設でございますとか、集出荷施設でございますとか、こういった設備も進めてまいったところでございまして、地域的にどうしてもほかには転換しきれぬ、やはりカンショが大事であるという地域につきましては、こういった事業を活用いたしまして、極力合理化を進めてまいりたい、生産性の向上、集出荷の合理化を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○諫山小委員 私は、南九州でカンショばかりつくっておればいいとは思っておりません。私が特に聞きたかったのは、昨年の小委員会では、つぶれるカンショというものはもう大体つぶれてしまった、いま残っているのは、これ以外になかなかほかに転換できないところばかりのようだ、これだけは何とかして生産を維持できるように対応策を講じたいと言っておられたから、その立場はいまでも変わらないのかということを聞きたかったのです。
○松元説明員 基本的には、その地域におきましてカンショ以外にどうしても転換作物がないというところにつきましては、極力カンショ生産の合理化、集出荷の合理化をはかって維持してまいりたいという基本的考え方は同じでございます。
○諫山小委員 そうすると、現在の鹿児島県におけるカンショの価格というものは、生産費とかあるいは労働報酬というようなものに実際に見合う価格になっているんでしょうか。これは実際の価格です。
○吉岡説明員 先ほど御説明申し上げましたのは四十八年度の原料用カンショの生産費調査農家について出ておりますものでございますので、実は、これは鹿児島というふうに限っておりませんが、鹿児島もその生産費調査農家の中に入っておりますのでその一部でございますが、四十八年でトン当たり一万二千百二十一円に収穫物が売れた、こういうことになっております。
○諫山小委員 生産費との関係はどうなりますか。
○吉岡説明員 これも先ほど御説明いたしましたが、百キログラム当たりで原料用カンショの生産費が、四十八年千三百六円ということになっておりまして、トンに直しますとこの十倍になりますので、一万三千六十円が一トン当たりの生産費ということになります。
○諫山小委員 そうすると、幾らつくっても赤字が出る計算になるようですが、そうなりますか。
○吉岡説明員 先ほど御説明を省略いたしましたが、原料用カンショの平均生産費農家の十アール当たりの所得では一万七千六百四十一円の所得が出ております。ただ、いま申し上げましたような利潤を込めましたような生産費調査という形でいきますと、利潤部分としてはマイナス二千四百五十九円ということになりますが、これは生産費調査の中には、地代あるいは資本利子あるいは一般的な企業利潤というふうなものを見込んだものが入っておりますので、その中に食い込む部分が約二千四百五十九円ばかり計算上ある、こういうことでございます。
○諫山小委員 要するに、十アール当たりの利潤というのはマイナス二千四百五十九円ということですから、これではまともなそろばん勘定が合うはずはありません。これでもなおかつカンショをつくっているというのはよくよくの事情があると見なければならないと思います。簡単に転作できるのであれば、こんな割りの合わない、赤字が出るカンショをつくるはずがありません。このきびしい現実の中でさえ、なおかつたくさんの農民がカンショから離れられないんだということを十分農林省としては理解しない限り、この問題の解決はできないと思うのです。 そこで、農産物価格安定法の第一条には、政府が買い入れ基準価格をきめる場合の準拠として、「農産物の価格が適正な水準から低落することを防止し、」ということが掲げられております。これをすなおに読む限り、この買い入れ基準価格というものは農産物の適正な価格水準でなければならないと思うのですが、この法律はそう解釈していいでしょうか。
○森説明員 この法律の制定の当時と実態が非常に異なってきているというふうに思いますが、カンショが現在現実の問題として生食用に行き、それから残ったものがでん粉の原料になり、そういうでん粉工場のないところでなま切り干しをつくられるということで、先生がいま御指摘のような、どうしてもカンショをつくらなければならない、また、それが一番適しておるという地帯があって、そこの再生産が確保されていくということの最低の基準は守っていかなければいけないというふうに、この法律を読みます場合にはそういうことが言えるのではないだろうかというふうに思っております。
○諫山小委員 この農産物価格安定法では、買い入れ基準価格がきめられるけれども、この価格というものは再生産ができるような適正な水準でなければならないということ、これが大原則です。そうすると、昨年度のこの価格は再生産が保障されるような適正な水準にきめられたと思いますか。これは物価とか実際に生産に要した費用とか、そういうものに照らしてどうでしょうか。
○森説明員 基本的には、これは、ただいま統計情報部長から言われましたように、非常に労働時間がかかり過ぎておるという結果が出ておる。やはりそういう問題がございますけれども、したがいまして、基本的には農産園芸局のほうでいろいろ特産物についての生産対策が講ぜられている中で、カンショもそういう対象に取り上げておる、そういう合理化をはかりながら再生産を確保する価格をきめてまいるということになろうかと思いますが、現在きめられておる価格というものが、実際の市価水準によって価格がきめられておりまして、支持価格的な価格決定がこの農安法の規定によって行なわれておるということでございます。 この支持価格がどうかということにつきましてはいろいろ議論がございますけれども、市価水準できめられている価格がどうかということからわれわれ判断いたしますと、現在の市価水準というものは相当高く決定をされておるというのが現状でございまして、ここでいま統計情報部長が答えられましたのは、四十八年産のものについての過去の数字でございます。ことしに入りました市価水準というものは相当高目にきめられておりますから、その価格から見ますと、相当事情が異なって市価がきめられておるのではないかというふうに思っておるわけです。
○諫山小委員 私は、農安法が制定された原点といいますか、初心に立ち戻って少し考えていただきたいのです。この法律が制定されたときには、政府の買い入れ価格というものは再生産ができる金額でなければならないという立場であったはずです。また、適正な水準でなければならないということは法律に書かれております。そうすると、いろいろな要素は抜きにして、昨年政府がきめた買い入れ価格で再生産ができると思っているのかということなんですが、どうでしょうか。実際の価格がどうかこうかということはさらに次の問題です。また、カンショの生産性が非常に低い、これをどう解決するかということも別の問題です。この法律のたてまえからいけば、政府のきめる買い入れ価格というものは再生産ができる金額でなければならない、と、私はこうしか解釈できないのですが、どうなんでしょうか。
○森説明員 先生の御質問の趣旨から言いますと、それからいま統計情報部長の言われた調査結果から言いますと、他の農産物に比べていろいろと低目な労働報酬になっておるということは率直に認めざるを得ないと思います。しかし、法のたてまえなり、価格の決定の方法なりから最低の価格というものを定めまして、それ以下に低落を防止していくという意味での昨年の価格決定というものは、私どもは適正にきめられたと思いますが、今回の決定にあたりましては、昨年の結果が他の農産物に比べまして見劣りがするというような数字の結果にもなっておりますから、今回の価格の改定につきましては、十分そういう点も考え合わせて適正な価格水準に決定していくべきものだと私は考えております。
○諫山小委員 昨年きめられた価格が非常に安かった、ことしはもっと高くきめたいと言われた。これはけっこうです。 ただ、私は、この問題を検討する前提として、買い入れ価格というものはそれ自体で農家の再生産を保障する金額でなければならない、これが農安法の原則ではないかと思うのですが、このこと自体はどうでしょうか。
○森説明員 この法律の中身を詳細に検討いたしてみますと、たとえば価格のきめ方の中で、パリティを使って計算をする方式と、それからもう一つ、需給の事情に応じて価格をきめていく方式、逆に言いますと、需給、要するに供給量が少ないときには供給量をふやすようなrという係数を求めていく、そういうやり方でやっておるわけでございます。したがいまして、再生産という意味につきましてはいろいろ問題はあろうかと思いますけれども、考え方といたしまして、全体の需給の問題と合わせながらそういうものを決定してまいるということがこの法律の趣旨ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○諫山小委員 「再生産を確保することを旨として」というのは、赤字が出ないような価格をきめなさいということじゃないのですか。どうでしょうか。
○森説明員 もちろん、一般論としては先生が御指摘のとおりのことだと思いますけれども、ただ、私は……
○諫山小委員 私、それだけでけっこうです。 それでは、昨年の価格は赤字を生み出しませんでしたか。いかがでしょうか。
○吉岡説明員 私が先ほど御説明申し上げました中で、生産費調査におきます計算上の赤字が二千円ばかりございますということを申し上げたわけでございますが、現に、十アール当たりの所得では一万七千六百四十一円という所得が生まれておりますし、これを家族労働の一日当たりの労働報酬で計算をいたしますと千四百十円ということになっておりまして、これが他の作物の中で、水稲は確かに高うございまして四千八十四円ということになっておりますが、小麦が千五百三十四円、それから大麦が千六百十七円、それからビール麦が千四百二円、原料用のカンショが先ほど申し上げました千四百十円ということになっておるわけでございまして、そういう横並びの関係から考えますと……
○諫山小委員 ちょっと前提が違うと思うのですが、私が聞いているのは、政府のきめた買い入れ価格で赤字は出ないのかと聞いているのです。
○吉岡説明員 先ほどの生産費調査との関係では、現実に農家が売りました価格との比較を申し上げたわけでございます。
○諫山小委員 そうでしょう。だから、前提が違うわけですよ。政府のきめた買い入れ価格はその手分くらいの金額でしょう。私はこれ以上法律議論しようとは思いませんが、しかし、ちょっと聞いてください。あなたたちはいろいろな要素に基づいてこの金額をはじき出していると思います。しかし、この農安法を忠実に適用していく限り、政府の買い入れ価格で農家が赤字が出ないような金額でなければならない。これは原則なんですよ。イロハですよ。私自身皆さん方ほど農業の専門家ではありませんから、それだけにこの点がよくわかります。ところが、皆さん方がきめている買い入れ価格というのは、カンショにしても、バレイショにしても、とても生産を保障する金額ではないわけです。そこで、もう一つの問題は、この買い入れ価格か、カンショについてもバレイショについても長年にわたって発動されていなかったこと、ここにもう一つの問題があると思います。この買い入れ価格というのは、これ以下に価格が下がってはいかぬ、どうしても生産を保障しなければならないこいうぎりぎりの金額としてきめられているんです。特に、カンショの場合のようにどんどん生産が減少しているというようなときには、この買い入れ価格をむしろ実勢価格以上に引き上げて、そしてカンショの生産が崩壊するのを食いとめるというのがこの法律のそもそもの趣旨だったと思うのです。ところが、これだけカンショが急速に崩壊しているのにこの法律が実際に発動されていないということは、怠慢ということばでは済まないようなひどい状態だと私は思うのですが、どうでしょうか。いまこの法律を実際に発動するような状態ではないのか。特に、カンショについていかがでしょうか。
○森説明員 私ども、基本的にカンショの生産が減退をしてきた、その中には、先ほど農蚕園芸局長が申されましたように、有利な作物を求めて転換をしてきたという事実があると思います。したがいまして、それが農家のためにいいとか悪いとかいうことよりも、農業政策として間違っておったかどうかということになりますと、これはわれわれは決してそうは思っておりません。しかし、先生御指摘のように、したがいましてこの価格は最低限を守って、実勢の価格でそれがほかの作物とどうかということで農家が選択をしていく、そういう制度になっていると思います。その選択の限界として、もうそういうカンショにしかたよれない地帯があって、それについて何とか措置をしなければいけないという意味で、何かこの法律の底ざさえが必要であるということであれば、それはそういう措置をとるべき問題になろうかと思いますけれども、全体からいたしまして、全体の需給から見まして、カンショのでん粉の量から言いますと、やはりその程度のものはわれわれとしても確保していくべきだと思いますから、今後、そういう運用につきまして、考え方としまして、基準価格をなるたけ実勢に高めていく、そういうことによりましてその効果を発揮するよう措置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○諫山小委員 カンショだけで南九州の畑作をまかなえとは私も全く考えていないのですが、実際、いまの時期に何をやれば農家は経営が安定できるのかということが非常に現実的な問題です。たとえば、あそこはミカンが非常に奨励されましたが、しかし、農林省は、いまどんどんミカンに転作させろとはおそらく言わないと思います。イグサもつくられております。しかし、これも過剰生産だそうです。昨年の委員会ではお茶をすすめているのだということが言われましたが、茶もことしは過剰生産で値下がりだそうです。野菜はどうかというと、確かに野菜はいまいろいろ奨励されているようですが、しかし、あの遠い鹿児島県、宮崎県で野菜がいまから発展できる状況はあまりないんじゃないかとみんな言っております。そうすると、一番風土に適していると思われるカンショがこういう状態だとすれば、何をつくればうまくやっていけるとお考えですか。
○松元説明員 何をつくればいいかということは、まあ具体的にその地域その地域で違うわけでございますが、私が先ほど申し上げましたのは、南九州ということで県全体を見ますれば、やはり、地域によりまして、カンショが減ってほかがふえているものがある。もちろん作物ごとに土地の事情で需給事情も違いますし、価格動向も違うわけでございますが、県全体のトータルで見る限りは、確かにカンショは減っているが、ふえた作物もあるということを申し上げたわけでございます。さらに言いましたことは、ただしいまのは県全体であるので、その中でさらに市町村とかあるいはある集落を見ますと、ほとんどほかに転換作物はないという場合でございますれば、それが生産が振興されるようにしなければならぬということを申し上げたわけでございます。したがいまして、具体的に何をつくったらいいかというと、そこはやはり地域で違うわけでございますから、しからばミカンならよろしゅうございますとか、あるいは果樹なら茶がよろしいとは一律に言いがたいわけでございまして、基本的には全体のそういった需給動向、価格動向の中で農家が選択するということで、いま言った作物が変動があるわけでございますが、カンショ以外にほとんどかわるものがない地域につきましては、やはり、その生産が成り立つようにしなければならぬ、こういうことを申し上げた次第でございます。
○諫山小委員 カンショにしても、あるいはバレイショにしても、でん粉の生産が減少する、あるいは伸び悩むという状態が続いているわけですが、これと対照的に非常に年々伸びているのがコーンスターチですね。前年の委員会での質問で、大体でん粉というものは原則として国内の原料で生産していく、足らない分を輸入に求めるのだというふうに言われております。ことばとしてはこれはけっこうですが、実際はどうもそうじゃなくて、外国から買い入れたほうが安いのかどうか知りませんが、とにかく外国からの輸入ということを第一義的に考えて、国内でのカンショとかバレイショというものは第二義的に考えられているように思えてしかたがありません。しかし、コーンスターチの国際価格が年々上昇してきた、そしてこの傾向はおそらくこれからも続くだろうということはもう午前中来言われているとおりでありますが、こういう国内産と輸入とのバランスというものはもっと根本的に国内産を中心に切りかえていくという方針を、いまこの時期において政府としてはとろうとしておられないのかどうか。特に、いまのように国際需給状況が不安定になっており、価格も上昇しているという状況の中で、この面の政策転換をする気持ちはないのかどうか、お聞きしたいと思います。
○森説明員 先ほど申しましたように、最近コーンスターチのウエートが非常にふえてきておりますけれども、ともかく、ここまで減りました国産でん粉をこれ以上減らしたくない、と、率直に申しまして私はそう考えておるわけでございます。私と言うのはおかしゅうございますけれども、農林省としてそう考えておるわけでございます。したがいまして、できれば外国産でん粉、コーンスターチじゃなしに外でんを輸入しているわけでございますが、そこまではともかく国産でまかなえるような状態にしたら一番望ましい状態ではなかろうかというふうに考えておりますが、コーンスターチ全体を、でん粉をもとの姿へ戻していくことは、これはいろいろな事情がございまして、むしろ非常に困難な問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○諫山小委員 そうすると、国内産の比重を高めていくという方向のようですが、具体的にはどういう方法で高めていかれますか。項目だけでも列挙していただけませんか。
○森説明員 これは、基本的にはいまの農安法の運用の問題がございます。でん粉の価格水準が、外国産のコーンスターチとの関連を考えながら、国内産のでん粉が有利に出回るような運用をしておるわけでございます。したがいまして、そういうことで、でん粉固有用途にまず充当いたしまして、残りにつきまして糖化用の措置をしてまいるということを通じまして、現在も国内産のでん粉の確保につとめておるということでございます。
○諫山小委員 南九州のカンショで何といっても解決を急がれているのは、生産性が非常に低いという点だと思います。この問題で、昨年は、池田政府委員が、現状のままの極端に零細な栽培面積でなく、全体の構造改善事業等を含む総合的な対策を立てていきたいというふうに発言されでおります。私も、この問題を解決しない限り、いつまでたっても家族の労働報酬というようなものはなかなか上がらないだろうと思うのです。去年からことしまで、この生産性を向上させる、あるいは基盤整備を進めるという点で、南九州のカンショにどういう措置をとってこられたでしょうか。私は放棄されているような気がしてしようがないのですが。
○松元説明員 御指摘のとおり、生産性をあげることは基本でございます。ただ、その場合に一番のネックは経営規模の零細性ということでございまして、零細のまま幾らいたしましても、そのままでは基盤整備にも機械も入らない。そのために、土地の利用の集積と申しますか、いわば集団化ということが必要でございます。ところが、個別経営のワクの中に入っている限りは、それはきわめて困難でございます。したがいまして、方向といたしますと、いま言った基盤整備、それからまた構造改善事業、さらに、先ほど私が申し上げました特産物生産団地育成対策事業ということで、省力機械の導入とか、あるいは出荷施設の導入ということをいたしているわけでございます。いろいろ道具立てはそろっておりますが、やはり、現状のいわば零細規模というものが根底にございまして、なかなかまだそこには向いてきていない。現状では、希望する方には確かに特に生産団地育成対策事業のほうはいたしております。ただ、全体が一律にぱっとは向かぬものでございますから、せっかくのそういった手法がなかなか使えないというのが現状でございます。
○諫山小委員 いま、南九州では畜産が非常に盛んになってきております。そして、外国から購入する飼料価格がべらぼうに上昇していることは言うまでもありません。そこで、南九州の特産物とも言うべきカンショ、あるいは、いまはもう奄美大島以外ではほとんど崩壊したようですが、サトウキビ、こういうものを飼料としてもっと活用をしていくことができるはずだ。むしろ南九州に最も適した農業として、カンショ、サトウキビ、さらにこれを結合した畜産の振興ということを私たちは提唱しているんですが、この点は農林省としてはどのようにお考えでしょうか。
○松元説明員 私は、畜産問題、えさ問題は専門ではございませんから間違うといけないのでございますけれども、確かに、カンショは、特に自家用の場合には養豚等の飼料に使うことはございます。ただし、それが流通用として売れるかどうか、これは多分に価格との関連があると存じます。したがいまして、いわば畜産のほうで、飼料として、価格バランスもちゃんとそろばんが合うようにこれを利用していただけば、もちろんそれにこしたことはないわけでございますが、率直に申しまして、私はまだ飼料の勉強を十分にいたしておりませんものですから、自家用には使っておられましたが、そういった流通用には広く使われておるかどうか、私は的確にお答えいたしかねる次第でございます。
○諫山小委員 さっきの南九州における基盤整備との関係ですが、金をかけたのではカンショをつくっても引き合わぬ。だから、基盤整備をするのであれば、カンショ以外のほかのものに転換してからという指導方針がとられているんじゃないかと思うのですが、カンショそのものに対する基盤整備というような点も農林省は進めてきていますか。
○松元説明員 別に、作目によって、この作物の基盤整備は進める、これは進めないという差別をしているわけではございませんが、御指摘のとおり、基盤整備までしてやるためには、収益性と申しますか、採算がよほどよくなければなかなか乗ってこないわけでございます。カンショの場合には、これはおそらく畑地でございますから、畑地の基盤整備あるいは農道整備が中心かも存じませんが、その場合、必ずしも作目ごとに即してやっているわけじゃございませんで、その地域を含んで農道を整備する等、圃場整備をしているのだろうと思うわけでございます。作目によって差別はいたしませんが、やはり、あとの負担の問題がございますから、結果といたしまして、たとえば果樹等のやつは基盤整備が進む、それからカンショ等、いわゆる普通作物は進みがたいという実態にはあろうかと思います。
○諫山小委員 北海道におけるバレイショ、南九州におけるカンショ、これは長い伝統があるし、たとえてみれば米にも匹敵するような中心的な作物だったと思います。しかし、これがなかなか振興していない。バレイショの場合にも生産は伸び悩みということが出ているようですが、この問題を解決するためには、農産物価格安定法がありますから、これをもっと積極的に活用する、そのために政府も金を出し惜しみしない、そして抜本的な振興を策するというようなことは非現実的でしょうか。
○森説明員 北海道のバレイショと鹿児島のカンショ、両方の主産地でございますが、それぞれ事情は若干異なると思います。バレイショのほうはむしろ最近の面積が落ちましたことは、先ほどもお話しがあったと思いますが、バイラスの問題が相当大きく響いてきておるということでございます。ことしの生食用の価格あるいは今後のでん粉の需要等から勘案いたしますと、バレイショはまだまだもっと面積をふやさなければいけないし、そういう種の手配、そういうことの円滑な手配が行なわれれば進むというふうに考えております。 カンショにつきましては、先ほど先生が御指摘のような非常にむずかしい問題がございますけれども、いずれにいたしましても、農安法を運用していく、適用していく場合の基本的な考えといたしまして、畑作物の市価水準というものを維持していく、そのバランスをとっていく、それのためのイモのでん粉を通ずる支持と申しますか、そういうことのために適正な買い入れの基準価格というものをきめてまいる、そういうことから、むしろ、市価と現実の買い入れ基準価格が相当乖離をしてきておるということに今後着目しまして、そういう乖離を、格差を縮めていくという方向で運用し、また努力してまいりたい、それを通じましてイモなりでん粉の振興を価格面では考えてまいりたい、こういうふうに私どもは思っておるわけでございます。
○諫山小委員 でん粉工場の公害というものが昨年も問題になりましたが、先日私は鹿児島の出水市のアルコール専売工場に行って、アルコール専売工場で地元のカンショをもっと利用することはできないのかと申し入れたわけです。これは地元の農民団体の要請でもあるわけですが、その場合、アルコール専売工場としては、地元と仲よくやっていくためにも、地元のカンショをできる限りもっと利用したいと思っているけれども、公害問題がやかましくて意にまかせませんという話です。これはでん粉の場合にも共通だと思います。しかし、考えてみますと、カンショの公害などというものは現代科学を駆使すればいとも簡単に解決できるはずだと私は思うのです。いまの日本の技術水準から見て、ある程度の金をかけて本気で研究すれば、こんな問題でごたごたするはずはないと思うのです。ところが、毎年同じような議論が続けられ、鋭意研究中だと言うだけで、これが根本的に解決したという話を聞かないのです。 本気でこれをやろうとしているのか、それなりの金をつぎ込んでこの点の研究をしているのか、いつごろこの問題に解決のめどを持っているのか、お聞きしたいと思います。
○森説明員 この問題は非常に深刻な問題になっておるわけでございます。私どもも、無公害製造方式の開発に関する研究会ということで、学識経験者を動員いたしまして、そこで対策の検討を急いでおるわけでございます。すでに、新しい実験方式に基づきますプラントの助成につきまして、今年度から対策に着手をいたしておるわけでございます。来年度も引き続きその技術開発を実験的に実施していくということで措置を進めておるわけでございます。具体的には、若干地域によって違うと思いますけれども、一つの方法は、地下に浸透させるか、あるいは草地に散布する。これはやはり大きな広い条件のあるところでないとできない。そうしますと、そういうことのできないところにつきましては、脱汁処理施設ですとか、たん白の回収施設、あるいは酸素の曝気装置の改良、それから高速度フィルターの開発、こういう技術開発につきまして、研究会の意見を聞きながら公害の防止対策ということを進めてまいるということでございます。
○諫山小委員 いつごろ成功する見通しでしょうか。また、そのためにどのくらい金を使っているんですか。
○森説明員 先ほどもお答え申し上げましたけれども、現在、その研究会での結論が出ておりません。こうしたら全部解決するという結論は出ておりません。しかし、その技術そのものにつきましてはもちろん開発が進められておるわけでございまして、ただいま、研究会費みたいなものを除きまして、助成費といたしまして国が計上しておる予算は、今年度につきまして千七百四十四万円でございます。
○諫山小委員 私は予算の話までなぜ聞いたかといいますと、どうせ国内のでん粉なんてもう期待する必要ないのだ、こんなことに金かける必要はないのだというふうに農林省が考えているんじゃなかろうかと思ったからです。というのは、あまりにも国内のでん粉の崩壊度が早いものですから、いずれこれはつぶれるということを計算に入れておるんじゃなかろうかと思ったんですが、そうじゃないのですか。
○森説明員 いや、私どもはそんなことは毛頭考えておりませんわけでございまして、むしろ、非常に頭の痛い問題として、何とか早くこの問題を処理する技術を開発しまして、でん粉工場等に対する対策を講じてまいりたいということで鋭意検討をしておるわけでございます。それは、べらぼうな金を使って徹底的にやるということはともかく、理論的には可能だと思います。それをもう少し合理的な金の使い方でいまの対策が何とか講じられないかという研究を進めておるわけでございます。
○諫山小委員 日本で生産できる食糧は極力日本で生産していき、外国からの輸入というものは必要最小限にしぼっておかないとたいへんなことが起こり得るぞということは、これはもう広く言われているとおりです。私は、でん粉についてもこれは例外ではないと思います。ですから、国内産のでん粉をもっと大切にして、外国からの輸入というものは、農林省の公式答弁にあるとおり、国内産で足らざるところを補うのがコンスターチだというたてまえはやはり堅持してもらいたいと思います。同時に、この立場がほんとうに貫かれるためには、バレイショあるいはカンショを生産して、十分再生産ができるような価格、また、十分それで生活できるような価格が保障されることが必要です。そして、このぎりぎりの価格を維持するための制度として農安法が制定されている。これは農安法の第一条を見れば明らかです。ところが、この農安法が実際にはどうも何にも役に立っていない。心理的な影響ぐらいはあるかもしれませんが、実際は、長年にわたって農産物の価格を適正な水準に維持するという点で効果的に作用しなかった。私は、これは非常に重大な問題だと思います。この農安法が発動されなくても十分高い生産価格が維持されて、たとえばカンショの作付面積が減少するというような事態が起こっていないというのであれば、何もこの法律を持ち出さなくてもいいわけですが、しかし、実際は、特にカンショに顕著に出ているのですが、政府の予想をはるかに越えて、急テンポでカンショが崩壊に瀕しつつある。こういう場合に農安法が発動されなくていつ発動されるのかということを私は率直に疑問に感じたのです。そこでこの法律の条文解釈にわたってまで質問したのですが、以上のような観点から、今後改める点があればどういうふうに改めていかれようとするのか、私は結論的に御見解を聞きたいと思います。
○森説明員 率直に言いまして、いまの買い入れ基準価格が発動されなかったということが決して悲しむべきことではなかったと私は思っております。ただ、今後の考え方といたしまして、市価水準と買い入れ基準価格があまり乖離するというのはむしろおかしい。そういう意味から、買い入れ基準価格をむしろ市価に近づけてまいるということで、この法律を適正に運営してまいるという方向でものを考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
○諫山小委員 買い入れ基準価格が発動されないことは、一般的には好ましいことだと思います。しかし、これは、その価格そのものが適正にきめられているときに言えることです。現在出てきていることは、実際に生産農家がばたばた倒れている。つぶれている。こういう中で発動されないのは決して健全ではないと私は思うわけです。生産がちゃんと維持している、農家も何とか再生産ができる、このような状態でこの法律が発動されないのはけっこうだけれども、政府の予想を上回るようなテンポでカンショ農民がつぶれているときには、この法律が発動されないのは正しくない、これは本来の趣旨が殺されているというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○森説明員 ただいま、北の問題は別にいたしまして、たとえば鹿児島のカンショにつきまして、もうこれ以上転換がきかないということであれば、また、その地帯にそういうカンショが必要であるということであれば、合理化対策とあわせながら、農安法で救えるものは救ってまいるということについては私どもも異存はございません。
○諫山小委員 終わります。
○坂村小委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後四時二十三分休憩 ————◇————— 午後四時三十八分開議
○坂村小委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会