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73回国会衆議院1974/11/12

農林水産委員会 第4号

発言数
206
登壇者
25
会派数
4
開催日
1974/11/12

会議録

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  先般、農林水産業に関する実情調査のため北海道及び九州地方にそれぞれ委員を派遣したのでありますが、この際、派遣委員より御報告を聴取いたします。愛野興一郎君。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員 委員派遣第一班の調査結果の概要を御報告申し上げます。  本班は、去る十月十五日から十八日までの四日間にわたり、私外六名の派遣委員及び三名の現地参加委員をもって、北海道地方の農林水産業に関する実情調査を行なってまいりました。  まず、簡単に調査日程を申し上げます。  第一日目の十月十五日は、道庁において、道及び関係機関等から道内農林水産業の概況説明及び要望等を聴取した後、道央の穀倉、森林地帯に入り、上川支庁において同支庁管内農林水産業の概況説明と要望等を聴取いたしました。  翌十月十六日は、大雪山狸台補償林道の開設現場を調査する等、旭川営林局管内国有林野の実情を視察し、引き続き、留辺蘂地区において、風倒木あと地及び針広混交林林相等、北見営林局管内国有林野の実情を視察、訓子府町において北見支庁管内農林水産業の概況説明及び要望等の聴取をし、次いで、美幌町において農業機械化研修所の視察を行なったのであります。  第三日目の十月十七日は、道東の酪農地帯に入り、中標津町及び別海町の二カ所で酪農家を訪問し、経営の状況等を調査した後、別海町において、国営事業から農用地開発公団が引き継ぎ実施する根室地区新酪農村建設事業の視察、同町福祉センターで根室支庁管内農林水産業の概況説明及び要望等の聴取、計根別においてパイロットフォレストの視察を行ない、次いで、釧路市において、釧路港の視察、釧路支庁管内農林水産業の概況説明及び要望等の聴取を行なったのであります。  最終日の十月十八日は、池田町の町営ブドウ酒工場を視察した後、帯広市において、帯広支庁管内農林水産業の概況説明及び要望等を聴取し、引き続き、帯広十勝畑作地帯の視察、芽室のてん菜製糖工場の視察を行ない、かなりの強行日程でありましたが、全日程を消化し、帰途についた次第であります。  すでに御承知のとおり、北海道は広大な地積、豊富な資源、雄大な自然に恵まれるなど、大きな開発可能性を有しており、明治二年以来独自の体制のもとに国によって計画的開発が行なわれているところでありまして、現在は、北海道開発法に基づく第三期北海道総合開発計画が、昭和四十六年以来十カ年計画をもって推進されており、北海道の有するすぐれた潜在発展力を効果的に発揮し、産業構造及び社会生活の革新を通じて生産と生活が調和する豊かな地域社会の先駆的実現をはかり、わが国経済社会の繁栄に積極的に寄与しようとしているところであります。  特に、農林水産業については、生産基盤の積極的拡充強化、資本装備及び技術の高度化、流通の効率化などを総合的に推進するものとし、新酪農村の建設、総合的な栽培漁業地帯の形成、大規模林業圏の開発などを地域の特性に応じて展開しようとしております。  北海道の農業を概括いたしますと、全国の一九%に当たる百五万ヘクタールの耕地を基盤として大規模な生産性の高い農業経営を営み、米、てん菜、バレイショ、豆類、牛乳などを中心に生産し、わが国の食糧基地として大きな役割りを果たしているところであります。  しかしながら、最近における農業資材、物価、賃金等の異常な高騰の中にあって、農家経営は深刻な事態にあります。特に、酪農については、飼料価格の高騰が農家経営を圧迫しており、われわれが調査いたしましたある酪農専業農家では、乳牛七十三頭、うち成牛三十六頭をもって経営していたのでありますが、現在千五百五十万円の負債を負っており、四十九年度においてはさらに三百四十万円の赤字の増が見込まれるとのことでありました。  われわれは、各地の酪農家から、去る三月に決定された昭和四十九年産加工原料乳保証価格の改定、飼料需給の安定対策の充実について強く要望されたのであります。また、肉用牛の飼養頭数が近年著しい伸びを示しているのでありますが、これまた飼料価格の高騰、肉価の暴落により、肉用牛生産農家の経営は逼迫しており、なかんずく、間もなく下牧する三万五千頭の乳用雄牛により市価はますます低落することが予想されるのでありまして、各地において価格の安定対策及び流通機構の改善対策が要請され、特に、多頭飼育している開拓農家から切実な要望がなされたのであります。  次に、畑地農業についてであります。  てん菜は、寒地農業の基幹作物として、合理的輪作体系の中で振興する必要がある作物でありますが、本年度の作付が昨年度に比し二六%減と激減したのであります。われわれが現地へ参りましたときが事業団買い入れ価格の決定直前であったこともあり、四十九年産てん菜最低生産者価格をトン当たり一万五千円以上に改定するよう強い要請を受けました。  また、大豆についても、国際的穀物需給の逼迫、物価、賃金の高騰等を考慮し、四十九年産基準価格を一俵当たり一万一千六百七十三円に設定し、一律二千五百円の生産振興奨励金を交付するよう要請されたのであります。  次に、米についてでありますが、本年は平年を大きく上回る収穫が見込まれており、約十万トンの予約限度数量をこえる出荷が確実であると言われております。これを全量政府買い上げとし、事前売り渡し限度数量の不足分について追加配分するよう、特に、米生産の中心である上川管内で強い要請を受けてまいりました。  次に、第三期北海道総合開発計画において国際的水準の高生産性農業の確立を目ざす大型草地酪農経営群と、生産生活諸施設を機能的に配した新酪農村建設の中核となる根室中部地区を視察してまいりましたので、以下、若干その概要を御報告申し上げます。  本事業は、第七十二回国会で成立した農用地開発公団法に基づき設立された農用地開発公団が、四十八年度以来国営事業として行なってきた事業を本年十月から引き継ぎ実施しようとするもので、昭和五十五年度に事業完了を目途としているものであります。  この事業は、別海町及び中標津町にまたがる約一万五千ヘクタールの広大な未利用地等の開発を中心に、この区域の農業構造の改善を推進し、農畜産物濃密生産団地の大規模な建設を行なおうとするものでありまして、具体的には、事業対象地域における平均的農家である二十から三十ヘクタール層を三十から五十ヘクタール層に規模拡大をし、新規入植も加えて、同地域における家畜飼養頭数を現況の乳用牛四万四千頭から八万頭へ、肉用牛一千頭から三万四千頭へとそれぞれ拡大しようとするものであります。  この事業に要する経費はおおむね五百八十七億円で、基盤整備にかかる費用については国がその四分の三を補助し、農業用施設にかかる費用については国がその二分の一を補助することとなっております。この事業に寄せる地元農家の期待は大なるものがありますが、しかしながら、入植者の自己負担は約三千万円とされており、このほかに、住宅建設、家畜導入等の資金までも必要とされ、ばく大な資金の調達のため多額の負債をかかえることが予想されるのであります。さらに今日の物価高騰が続く場合には、計画期間内の事業費の追加投資が予想され、それに伴い農家負担はますます拡大するおそれが懸念され、計画工期内の完成と農家負担の軽減対策が切望されるところであります。  次に、林業の概要について申し上げます。  北海道の森林面積は土地面積の七二%に当たる五百六十三万ヘクタールで、全国森林面積の二二・三%を占めており、国、公有林の占有率が五五%と、そのウエートがきわめて高いのが特徴であります。  森林は、温帯林から寒帯林までの多様な混交林で形成され、その七〇%が天然林であります。  その開発のため、第三期北海道総合開発計画に基づき、大規模林業圏開発計画がすでに策定され、四十九年度からその一部着工が予定されております。この計画は、大雪、阿寒、日高、北見等の林野百七十八万ヘクタールを対象に二百六十六キロメートルの林道を開設しようとするものでありまして、これが開発をめぐり、地域住民等から自然破壊と観光道路の性格を持つものとしてきびしい批判がなされ、開発と自然保護の調和をどこに求めるかが当面する大きな問題となっております。  また、我々が視察いたしました大雪山狸台林道も同様の問題をかかえており、旭川林政民主化共闘会議の代表者から陳情がなされたものであります。この林道は、大雪ダム建設により水没する林道の補償林道として、北海道開発庁が昭和四十七年度から四十九年度にかけて全幅員三・六メートルから四メートルのものを敷設しているのでありますが、その第二林道について、位置、工法等につき批判があり、今後の事業推進について再検討を余儀なくされているところであります。  現場を視察したわれわれは、林道開設の際の工法に林地の損傷を最小限にとどめるための十分な配慮がほしかったこと、また、林道開設の計画作成の段階で自然保護団体等の意向を十分反映する機会を設ける必要があったこと等を痛感した次第でありまして、早急に円満な解決策を講ずるよう期待するものであります。  次に、われわれは、北見営林局管内留辺蘂事業百十二から百十三林班において、昭和二十九年の洞爺丸台風による風倒後の施業を視察いたしました。当団地は激害地であり、蓄積の五五から六〇%の風倒木が発生したとのことであります。被害あと地の造林状況は、天然更新の少ない個所については、トドマツ、アカエゾマツを中心とした造林を行ない、また、天然更新のよい個所については天然生のトドマツの活用と苗木のモザイク状の植え込みを行なう等、現在までに総計五百三十七ヘクタールの造林を行なっており、被害後二十年たった現状では、みごとな針葉樹と広葉樹の混交林を構成しておりました。  また、人工林に関しまして、帯広営林局管内パイロットフォレストの視察を行ないました。パイロットフォレストは、昭和三十二年から四十一年までの十年間に、未立木地の緑化を目的として約一万ヘクタールに及ぶカラマツの一斉造林を行なったものであり、これに投入した労働力は延べ四十三万四千人、経費は十三億円にのぼるとのことでありました。われわれは、望楼の上に立ち、見渡す限りのカラマツの人工林に感嘆し、また、その保護の状況、間伐の状況等をつぶさに視察したのでありますが、間伐材及び主伐材の有効利用についていまもって不十分であり、その方策の早期確立が望まれるのであります。  なお、最近の総需要の抑制、金融引き締め等の影響で木材製品の荷動きが少なく、一部の木材業者には倒産の事態もあらわれており、これに対し、木材業界からその緊急対策を要望されたのであります。  次に、水産業の概況について申し上げます。  北海道においては、スケトウダラをはじめとする一時性多獲魚を中心に全国の二三%に当たる二百十四万トンを漁獲し、国民のたん白食糧の供給に大きな役割りを果たしているところであります。  漁業経営体数は二万七千、就業者は五万三千人であり、その九三%が沿岸漁業に従事しております。  漁家の経営状況を見ますと、沿岸漁家の経営は長期的には向上の傾向を示しているものの、沖合い、遠洋漁業については、最近の石油、漁業用資材の高騰による経費の増加、国際規制の強化、労働力の不足等により楽観を許さないものがあり、十分な対策が必要であると考えるのであります。  われわれは、水産業に関して、釧路市において、釧路港副港及びその関連施設を視察いたしました。本港は、スケトウダラ、サケ、マス、サバ等を中心として八十九万トン、約四百六十七億円の水揚げをあげており、まさに北洋漁業の中心地であります。その関係で、地元漁業関係者は第三次海洋法会議の行くえに重大な関心を持っており、二百海里の経済水域が設定される場合には、本港の水揚げ高の七〇%が減少し、市内約百二十の水産加工業者の受ける影響をも考えると、これら関係者の運命は海洋法会議の行くえにかかっているとのことでありました。来年三月に予定されているジュネーブ会議までの間に、アメリカ、カナダ、ソ連との強力な漁業外交を推進することを強く要請されたのであります。  このほか、釧路市水産関係者からは、石油等漁業資材の高騰と魚価低迷による経営不振に対する緊急融資措置、魚価支持対策、流通加工センター設置の際の公害防止施設設置費の高騰問題と、これに対する補助ワクの拡大、釧路港副港の整備拡充等の要請がありました。  なお、今回の調査にあたり、北海道農林水産業関係者から受けた各種陳情のおもなものについてはすでに申し上げましたが、次に申し上げる点についても、本委員会として、その実現に努力されることを希望するものであります。  まず、農業関係については、北海道の食糧供給基地としての位置づけと総合的かつ重点的な農政の推進、農業後継者の育成確保対策、当面の農業金融対策、農業労働災害補償制度の確立、土地改良事業通年施行補助金制度の確立、農業関係税制の改正等であります。  林業関係では、森林造成の総合的推進、山地災害危険地対策事業の創設、木材備蓄事業の拡充強化、雇用保険制度の早期確立等であります。  また、水産関係では、沿岸漁場整備開発事業の推進、北方海域における安全操業の確立と拿捕漁船船主及び乗り組み員の救済措置、北洋漁業の安定対策の促進、新酪農村建設等地域開発に伴う水産資源保護対策等であります。  最後に、このほか各地において地元に関する種種の要望を受けたことを申し添えます。  以上をもって第一班の調査報告を終わるのでありますが、この調査に際し、政府機関、北海道当局及び農林水産業団体等の関係各位から寄せられた多大の御協力に対し深甚なる謝意を表しまして、御報告を終わります。(拍手)

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 御苦労さんでした。  次に、安田貴六君。

安田貴六自由民主党

○安田委員 私は、第二班を代表して調査結果の概要を御報告申し上げます。  本班は、去る十月十五日から十月十八日までの四日間にわたり、自由民主党吉川久衛君、日本社会党竹内猛君、日本共産党・革新共同中川利三郎君、公明党瀬野栄次郎君、民社党稲富稜人君と私の六人によりまして、大分県、熊本県、鹿児島県管内における農林水産業に関する実情、特に、ミカン産業、畜産業、土地改良事業、阿蘇、桜島両地域の火山活動に伴う農林業被害等の実情を中心に調査をしてまいったのであります。なお、現地参加の委員として、日本社会党の馬場昇君が熊本県のみ参加されましたことを申し添えます。  まず、簡単に調査の日程について申し上げますと、十月十五日は大分県に参り、国東地区における広域営農団地農道整備事業とミカンの生産状況、杵築市における果汁工場を調査した後、県庁に参り、県当局及び九州農政局より管内の農林水産業の概況と要望を聴取いたしたのであります。  翌十六日は久住高原に入り、塚原牧場、九州林産株式会社所有の水源涵養保安林、県草地畜産開発センターを調査いたしたのであります。次いで、熊本県当局及び熊本営林局長から管内の農林水産業及び国有林の概要と要望を聴取した後、山鹿牧場の畜産事情を調査し、阿蘇町周辺の火山活動に伴う農林業の被害の実情を調査し、県事務所に立ち寄り、被害概況と、関係町村長等からの要望を聴取し、さらに赤水工区の圃場整備事業を視察したのであります。  十七日は鹿児島県に入り、まず、県庁にて県内農林水産業の概況と要望を聴取した後、西桜島町の桜島南岳の火山活動に伴う農林業の被害状況をつぶさに調査し、翌十八日は南薩農業水利事業の現況と頴娃町を含む地区の県営畑地帯土地改良事業の実情を調査して、全日程を終了した次第であります。  次に、おもなる調査結果の概要を申し上げますと、総体として、大分、熊本、鹿児島の各県とも、県勢に占める農林水産業の比重が大きく、中でも、ミカンの生産と肉用牛を中心とした畜産業のウエートが高いことが特徴であります。そのため、農外所得の増大、農業労働力の減少等の農業をめぐる一般的諸問題のほかに、ミカン価格の暴落や飼料の高騰と肉牛価格の暴落により農業者が生産意欲を低下させており、ミカンの生産量の増大に伴う需要の喚起と価格の安定、畜産経営の安定のために国の積極的な施策を望まれたのであります。  第一は、国東地区の広域営農団地農道整備事業及び同地区のミカンの生産状況についてでありますが、同地区は、戦後の開拓と近年の農業構造改善事業、国及び県営による農地造成事業等により、現在六千ヘクタールに及ぶ一大ミカンの新興産地となったのでありまして、木事業は、地域内の各樹園地を標高百メートルから百五十メートル付近を縦走する幅員七メートルの完全舗装の農道で結ぶことにより、一つの営農団地として、大型機械化による作業能率の向上、選果、出荷の一元化等をはかり、安定したミカン生産農家を育成しようとするものでありまして、昭和四十五年度に着手し、現在ほぼ五割の進捗率となっておりますが、共同作業等に大きな成果をあげておりました。  ミカンは昭和四十七年以降需給バランスがくずれ、価格が暴落したため、表年に当たる本年は二〇%を目標に摘果作業を強力に推進中で、摘果されたミカンが樹園地にそのまま放置されている状況を見、ミカン生産に必死に取り組んでいる農民に接して、感慨無量なものがあったのであります。  そして、この現状を救済することがわが国果樹農業の緊急なる課題であることから、その対策として、ミカンの需要の拡大、生産の安定のための基金の創設、生果及び加工原料の価格安定及び加工品の調整保管等の事業を行なう振興事業団の設定等を含めた国の抜本的な対策を要望されたのであります。また、大分県果実連の杵築果汁工場は、国の果実加工需要拡大緊急対策事業により昭和四十七年十月に完成したもので、ミカンの処理能力一日百六十トンの新鋭工場でありまして、新製品の実用化等積極的な経営を行なっておりますが、ミカン生産量の増加と生食の消費の停滞及び輸入の悪影響等を受け、ミカン果汁の在庫量の増大を来たし、また、工場経営には原料、ミカン価格がミカン生産費の半分以下でなければ採算がとれにくいという生産農家の要望と逆の内容となっているという、ミカン対策としては複雑な要素があるのであります。その上、皮その他の廃棄物の処理等の公害問題が経営圧迫の形でのしかかっているようであります。  第二には、久住飯田、阿蘇地方の畜産業についてであります。当地方には、大分県の久住飯田地域に一万ヘクタール、阿蘇地域に一万四千ヘクタールの開発可能の原野があり、これらは、従来から、入り会い慣行による国用牛飼養のための放牧採草地として、主として野草利用を行なっていたのであります。そして、この地域の粗放的利用の原野を開発し、畜産基地とすべく、農用地開発公団がその事業対象予定地としている個所でもあります。  塚原牧場や山鹿牧場は、いわばこのような畜産的開発の先駆的役割りを果たすべき牧場として設立されたものであり、たとえば塚原牧場は、総面積三百三十五ヘクタール、山鹿牧場と同様に農事組合法人の経営にかかる牧場で、低利用原野を草地造成するとともに、合理的な施設や機械を導入して乳用牛多頭飼養の効率的経営を確立することと、当地方の牧場としての展示的役割りを果たすことを目的として昭和四十七年に設定されたもので、現在は収支もほぼ均衡しているとのことでありましたが、なお、当地域の今後の畜産開発を進めていく場合には、当地域は入り会い権の権利者の数が多いこと、また、最近の肉牛価格の下落等により畜産に対する農家の意欲が低下していることなど幾つかのむずかしい問題があるようであります。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  また、当地域には、畜産振興の一環として、大分県が草地畜産開発センターを設置しております。これは民間所有の久住農場のあと地を県が買収し、昭和四十三年に設立されたもので、草地畜産経営の実証展示、基幹営農者育成のための実技研修、当地域の営農指導等を業務としておりまして、当センターが当地域の畜産業の発展の指導的役割りを果たしていくことを強く希望した次第であります。  次に、阿蘇山中岳及び桜島南岳の火山活動による農林業の被害についてであります。  阿蘇山の火山活動は本年七月下旬ごろから活発化し、大量の火山灰と火山ガスが阿蘇郡を中心に三郡二十四カ市町村を襲い、十月十日現在で、農作物を中心に約五千ヘクタール、五億六千万円に及ぶ被害を与えております。熊本県では、被害対策本部を設けて、被害状況の把握と現地の技術指導や対策に当たっているところでありますが、この異常活動は今後なお相当期間持続するであろうと予測されております。  このため、阿蘇山周辺地域をすみやかに活動火山周辺地域における避難施設等の整備に関する法律に基づく地域に指定の上、防災営農施設整備計画の実施方を県並びに関係市町村から陳情されたのであります。  また、桜島南岳の火山活動は昭和四十七年以降激しくなり、被害額も、かんきつ類や桜島大根を中心として各年五億円に達し、被害率も本年に至っては八〇%をこえるさんざんの状態であったのであります。  当地域は、活動火山周辺地域における避難施設の整備に関する法律により地域指定を受け、昭和四十八年度以降防災営農対策事業を実施してきておりますが、被害率が高いため、農業収入が激減し、生活がきわめて苦しい状況に置かれているため、事業への国の補助率の引き上げ、採択基準の緩和、貸し付け利率の引き下げ、据え置き期間の延長等の措置を講ぜられるよう、県、鹿児島市、桜島町から強く要請されたのであります。  われわれといたしましては、以上各般の実情にかんがみ、これら地元関係者の要望はまことにもっともなものでありまして、政府としてもこれらの実情をよく把握され、早急にこれらについて所要な措置を講ずべきものであると痛感した次第であります。  最後に、南薩地方の土地改良事業であります。  本事業は、薩摩半島南端の二市四町にまたがる六千四百四十二ヘクタールの畑地を対象に大規模畑地かんがいを行なうとともに、機械化営農に適する圃場整備を行ない、これによって当地方の農業をカンショ中心から野菜類、果樹、飼料作物中心に脱皮させようとするものであります。  本事業は、基本施設を国営で行ない、付帯施設を県営で実施することとし、国営事業は昭和四十五年度から五十二年度までの八カ年、総事業費約百九億円で、県営事業は四十七年度から五十三年度までの七カ年、総事業費約百十五億円で実施される予定となっておりますが、国営事業の進捗率は四十九年度末でわずか二六%と低く、また、国営事業の採択基準を百ヘクタール以上としたため、県営事業の比重が高くなって、地元負担が非常に大きくなっておりまして、頴娃町はじめ地元市町村からも地元負担の軽減と食糧自給率の向上が叫ばれている際でもあり、国の総需要抑制策による公共事業費の削減とは切り離して、工事費を確保し、事業の早急な進展をはかることを強く要請された次第でありますが、われわれといたしましても、これらの要望はまことにもっともなものでありますので、政府もこれらの要請に沿って努力すべきであると感じた次第であります。  以上が調査結果の概要でありますが、この際、今回の調査にあたり、県、農林水産団体等から出されました要望事項のうち、すでに述べましたもののほか、主要なものにつき御報告申し上げますと、まず、開拓地肉用牛対策についてでありますが、飼料価格の高騰と牛肉価格の暴落により開拓牛飼育農家は崩壊寸前にあるため、さきに政府が実施を決定した肉用牛の緊急対策を促進すること、牛肉を畜安法の指定食肉とし、抜本的価格安定対策を確立すること、飼料価格安定基金制度の拡充強化をはかること、外国産牛肉の輸入を禁止すること、等の措置を講ぜられたいとの内容の陳情を九州開拓協議会からうけたのであります。  次に、阿蘇地区の広域農業開発事業の推進についてでありますが、当事業は、低位利用原野を草地造成し、濃密な肉用牛生産団地を育成しようとするもので、昭和五十年度から事業が着工されることとなっておりますが、この事業の計画どおりの着工と推進方を関係市町村から要請された次第であります。なお、当地域は水源の乏しいところでありますので、当事業に付帯して深層ボーリング等を実施して水源の確保をお願いしたいとの要請もあったのであります。  以上のとおりでありますが、最後に、今回の調査にあたり御協力をいただきました大分県、熊本県、鹿児島県、関係市町村、農林省出先機関をはじめ関係諸団体の各位に対し深甚なる謝意を表するとともに、御同行いただきました各委員の御協力に対しましても心から感謝申し上げる次第であります。  以上で、報告を終わります。(拍手)

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 以上で、派遣委員からの報告聴取は終わりました。      ————◇—————

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 この際、いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員長より発言を求められておりますので、これを許します。坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会は、去る十月二十八日に会議を開き、当面するてん菜糖の事業団買い入れ価格等について調査を行ないましたので、この際、その経過を簡単に御報告申し上げます。  当日は、最初に政府からてん菜の生産事情並びにてん菜糖の事業団買い入れ価格の算定方針等につき説明を聴取した後、これと関連して、芳賀、美濃、瀬野及び諫山の四委員が質疑を行ないました。  当日の小委員会で問題となりましたおもな質師事項は、  一、本年四月に決定されたてん菜の生産者価格については、糖安法第二十一条第三項に基づき価格改定の措置を講ずるか、または、甘味資源法第十八条に基づく買い入れ価格に関する指示等によって価格の大幅な引き上げ措置を講ずべきではないか。  二、てん菜の生産者価格の算定にあたっては、他産業に見合う労賃を補償するとともに、バレイショ等競合作物と実質上均衡がとれる価格の実現をはかるべきではないか。  三、てん菜糖の事業団買い入れ価格については、原料不足による操業度の低下並びに原料歩どまり等を適正に織り込むべきではないか。  四、てん菜糖の売買にあたっては、事業団の売買差益を極力抑制するとともに、これによって生ずる国内産糖業メーカーの利益については、これを生産農民に適正に還元すべきではないか。  五、てん菜の長期生産見通し達成のため、価格政策、生産政策等総合的な施策を講じ、また、畑作輪作体系を確立すべきではないか。 等でありました。  以上、おもな質疑事項を集約して申し上げましたが、てん菜糖の事業団買い入れ価格の決定時期が切迫しておりましたので、当日の小委員会におきましては、次の事項を取りまとめ、その実現につき小委員長から政府当局に申し入れを行ないました。    昭和四十九年産てん菜の生産者価格等に関する件   国際的に砂糖需給が逼迫し、国際糖価が未曽有の高騰を続けるなかで、わが国甘味資源の作付けが異常に減少していることは、農政推進上誠に憂慮すべき事態と言わざるをえない。よって政府は、甘味資源自給率の維持向上と生産農家の所得確保のため左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。       記  一、昭和四十九年産てん菜の生産者価格については、四月の決定価格等が作付の減少をまねいた経緯にかんがみ、甘味資源審議会の答申を尊重し、価格の大幅な改定を行う等により、てん菜の再生産を保証し、生産者の所得を確保するよう措置すること。  二、てん菜糖の事業団買入価格については、前項により定められた生産者価格を適正に折り込むとともに、原料不足による操業度の低下と製造経費の上昇並びに国際糖価の高騰事情等を十分に反映させ、適正な引上げを行うこと。  三、糖価安定法第三条第三項に基づくてん菜の長期生産見通し(五十三年度七万ヘクタール)の達成のため、生産条件を整備拡充し、農民の生産意欲を高めるとともに、農畜産物の均衡ある総合的な価格補償制度の実現につとめること。  以上、御報告申し上げます。      ————◇—————

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、てん菜糖買い入れ価格の決定について、政府から説明を聴取いたします。森食品流通局長。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 四十九年産てん菜糖の事業団買い入れ価格につきましては、ただいま小委員長より御報告がございました経過がございますが、翌二十九日、トン当たり十六万六千五百円と決定いたしまして、十月三十一日付で告示をいたしました。  なお、この決定と同時に四十九年産てん菜の作付面積が大幅に減少をしております事態に対処いたしまして、来年産のてん菜の作付面積の増加をはかるために糖価安定事業団が売り戻すてん菜糖の市価参酌率を七〇%から二〇%に引き下げる等の措置によりまして、次のように措置することになりました。  一つは、四十九年産のてん菜に対しましてトン当たり千円相当分を報償金として加算して支給する。二番目は、四十九年にてん菜の作付を行なっております農家でございまして、引き続き来年五十年に一定の基準、たとえば輪作体系でやっていくというような農家に対しまして、てん菜の作付を行なうために反別の奨励金を交付することにいたした次第でございます。なお、この奨励金は別途基準を定めて傾斜して配分するというように考えております。この結果、農家の手取りが、てん菜につきましてトン当たり最高一万五千円になるように措置した次第でございます。  なお、この基準等の細目につきましては北海道庁で決定することにいたしておりますが、その決定にあたりまして、また、その実施につきましては、農林省といたしましてもその指導に万遺憾なきを期したいというふうに存じておる次第でございます。  以上、御報告申し上げます。      ————◇—————

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 農林水産業の振興に関する件について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 むつ小川原開発の農地転用の件について質問します。  むつ小川原開発会社から新住区の農地転用の申請がなされ、農林省がこれを受理して目下審査中だと思うのですが、この申請の目的、計画、その内容はどういうものか。これを審査するにあたって、東北農政局が現地で詳しく調査したという話を聞いておりますが、農林省の受けとめている現地の状況は大体どういうものか、お尋ねしたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 この前の委員会でも御説明いたしましたけれども、第二次基本計画の骨子というものにつきまして、十二省庁会議でその基本的な考え方につきまして了解いたしまして、その中で、住民対策というような見地から、A住区の建設は早急に行なうべきであるというふうなことがあったわけでございますが、それを受けまして会社のほうから、県を経由いたしまして農政局のほうに転用申請が出ているわけでございます。そればA住区につきましての転用の申請でございます。  その、A住区の転用の基本的な考え方といたしまして出てまいりました資料によりますと、千歳地区の七十五万四千三百十三平米を計画区域として、人口規模の想定といたしましては、個人住宅用宅地区画数、集合住宅戸数等を総合勘案して、当面の区域内の居住人口をおおむね千五百人と想定するというようなことで、土地利用計画といたしまして、三十三・七八ヘクタールを居住地、教育施設として十・五五ヘクタール、それから中央地区センターとして五ヘクタール、発電ですとか汚水処理といったような供給、処理施設として〇・九ヘクタール、公園施設五・六七ヘクタール、地区内道路、歩道等で十一・五三ヘクタール、のり面等の、いわば将来とも利用されないけれども、のり面になるところといったところが五・一四ヘクタール、取りつけ道路が二・八六ヘクタール、こういうようなことについて農地転用をいたしたい、こういうふうな申請が出てきたわけでございます。  それに対しまして現在われわれのほうでやっておりますことは、このA住区の農地転用にかかわりまして、先に事前審査の際に内示いたしたわけでございますので、その内示の際につけました条件が満たされているかどうかというようなことの審査、それから、特に先生が先般来言っておられます地権者二百五十三名からの移転の希望の確認、こういったようなことにつきまして現在調査を継続しているわけでございます。村あるいは県あるいはむつ小川原開発会社などからもいろいろと東北農政局が聞いておりますとともに、農政局のほうからも現地に参りまして調査をいたしているわけでございます。調査の過程でございますので、現在の段階におきまして農政局がどういう心証を得たというようなことはこの際は遠慮させていただきたいというふうに思うわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 その申請内容によると学校等も含むわけだが、資金計画はどうなっているのでしょうか。特に、造成費は会社が出すでしょうが、学校はだれが持つのか。屎尿処理施設はだれが持つのか。それから、住宅を建てるのは、そこへ入属しようとする農民の負担になると思うが、その資金計画というものはどうなっていますか。それがないと具体的な計画とは言えないわけです。の条件に沿わないわけです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 このA住区の建設に要します所夢資金といたしまして、約六十億の資金が必要で航るというふうなことが、申請のときにつけます資金調達計画というかっこうで出ております。そして、六十億の中で、土地の用地費から始まりまして、造成、それから先ほど来申し上げましたような公共施設整備、こういった点につきましての内訳が出ているわけでございます。いま先生が言われました汚水処理施設とか上水道の供給とかいうことはそれぞれの機関において行なうことになっておりますが、おおむね町がやるという、町営といいますか、の計画になっておるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 前々から繰り返し私は指摘して警告しているわけですが、大体、この第二次基本計画というものはまだないわけです。骨子案というものがあるだけなんです。しかも、第二次基本計画というものも、特に十二省庁会議が開かれて、閣議に口頭報告をして口頭了解を得たというときのむつ小川原開発というのは、その時点においても全く架空であり、虚構なんです。ましてや、今日の情勢においてはそのとおりなわけです。たとえば石油二百万バーレルなんというのは、その時点においても考えられなかった。今度はそれを骨子案というので、日五百万バーレルにした。一年四百万トンの石油価格というものを八十万トンにかりにしてみたところで、遠い将来はともかくとして、農地法上考えられる三年や五年の中にその土地がほんとうに転用利用されるという条件があり得るとは私には考えられない。それに基づいてそこに人が集まるということも考えられない。二百五十三名という人たちはどこから移る人口なんですか。工業も興きないところに労働者が集まるわけがないのです。そこへ集まる二百五十三名というのはどこから移る人だと計画の中にありますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先般、十二省庁関係むつ小川原の総合開発会議におきまして確認いたしました内容というのは、さきの閣議口頭了解の線、逆に言いますと第一次基本計画案というかっこうで、基本計画として県が出してまいりましたものを踏まえて、その方向に向かって進めてまいるということを閣議口頭了解しておるわけでございます。そして、今度出てまいりました第二次基本計画の骨子というのも、その閣議口頭了解の延長線上の問題といたしまして、その後関係省庁の指導のもとに県において詰めまして、現段階におけるといいますか、近くつくる第二次基本計画というものの骨子というかっこうで出てきたわけでございます。  それにつきまして、先般の十二省庁会議で決定を見たわけでございますが、石油事情といたしましては、六十年度においても石油の依存は五億キロリットルを上回る可能性が非常に強い。これは先般もたしか国土庁のほうから御説明したと思いますけれども、そういう中におきまして、むつ小川原は石油コンビナートの適地として重点的かつ優先的に考える候補地の一つであるというようなことの確認が、先般の関係各省会議において確認されたわけでございます。  そこで、いずれにいたしましても、むつ小川原開発は、そういう意味において、四十七年の九月ですか、あのときの閣議口頭了解をもとにしまして、関係省庁で所要の調整を進められているようなわけでございます。そして、先ほど申し上げましたように、第二次基本計画の骨子というものを先般確認したわけでございますが、これをもとにいたしまして、本年度末を目途に第二次基本計画の作成を県は進めているわけでございまして、最終規模という問題につきましては、その段階で明らかになる。当面の規模といたしましては、先ほど先生も言われましたような規模ということになるわけでございますが、最終規模等につきましては、この第二次基本計画という中において明らかになるわけでございます。そして、第二次基本計画の骨子におきましても、その第一次の事業といたしましては、五十三年度ごろを目途に進めるということになっているような次第でございます。そういうことでございまして、この間のときにも申し上げましたように、環境保全なりあるいは設備拡張というための十分の余地を持った規模として、約五千ヘクタールということをこの間申し合わせたわけでございます。そういたしますと、当初の考え方と何ら異なることにはならぬわけでございます。そういう意味で、今回はあらためて閣議口頭了解は求めなかったというわけでございます。それに基づきまして、そういうところの地権者ということを頭に入れましたA住区というものの転用ということが今度出てきたわけでございます。二百五十三名というものが、いわば入居希望者というかっこうで出てきているわけでございますが、それは現在あの町村にいる人もおれば、とりあえず他に一とりあえずと言っていいか悪いかは別といたしまして、他の地区に移った人も含めてでございます。他の地区に住所を移しているという人の中には、子供がすでに青年期に達しているというような方が非常に多いわけでございまして、そういう意味から言うならば、他のところに移った人間がこちらに地権者としての入居を希望しないということにもなりません。その辺の問題も、われわれといたしましては、規模の問題との関連において目下調査しているような次第でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 その二百五十三名というのも、われわれは現地の者だから、だれそれが何をやっているかということは手にとるようにわかるわけです。ほんとうは開発というものは、四十七年に掘り込み港湾の重要港湾の指定があり、四十八年には工事に着工するという前提があったのです。だから、土地を売って、すき、くわを手放して、牛もやめちゃった。開拓地なんです。二十年以上の労苦が注がれている。ところが、見込みがないから、あんな架空な工業開発というものは、遠い将来はともかく、考えられなくなったから、およそ大部分の人は、アパート経営、ドライブイン、ガソリンスタンドというふうに、他へ移って新しい職業を求めている。どこから考えても、こういう人たちが、むすこが一人前になってみたところで、土地もない、すき、くわは放棄した、仕事も始まらないというところに、来年、再来年に家を建ててきて何をすると思いますか。これはうそなんです。何人かはここしか行きどころがないという人はありますよ。しかし、この人たちはみんな開発がすぐ始まるということにだまされて土地を売った人なんです。大体、許可もとらないうちに開発会社が土地代として払った金は二百億になる。許可にならないとしても、これはもとへ復元することはきわめて困難な状態なんだ。あなた方がこの内示をしたときに、条件として何を書いているか。農地法の趣旨をよく徹底してそういうことのないようにということを指示している。法に触れなければ何をやってもいいというなら、いまの田中総理と同じじゃないか。私は法律に触れませんと言ったって、事実目の前ではおかしいことをやっている。これはいまはやりのことばで言えば金脈政治だけれども、世の中に通常通ることばで言えば、金力と政治権力の結合した農民に対する土地収奪の行動なんです。それをあなた方は法律の裏っ端だけ考えて違法ではないとか言うが、しかし、法の精神というもの、農地法の趣旨というものをじゅうりんしていることは明らかだ。  農林省が現地を調査したそうだが、あそこで荒廃に帰した土地は千何百ヘクタールあるか、調べていますか。開拓者が家を建てて牛を買った。それが解体された。開拓地なるがゆえに新しく建った小学校がなくなっているんだ。これまで農業をなくしても法律に違反しないのですか。農地法の精神は守られているとあなた方は考えながらこの行政をやっているのか。実に不届ききわまる問題だ。これはなぜかと言うと、金力と結合しているからなんです。法律どおり法の趣旨を守ってやっていればこういう事態にならぬ。要すれば、石油がどうなろうと、経済がどうなろうと、すでに支払った二百億の金を生かすためにはしゃにむにこういうことをやっていかなければならぬのです。  そこで、はっきりしたことを言うが、私の言うことに間違いがあれば私はおわびします。政治責任もとりますよ。われわれはうそやだてやはったりでこの問題に取り組んでいないのです。だれそれがどこへ行ってアパートをやっているという資料、これはあなた方に上げたはずだが、そこまで克明に調査したのも——子供が大きくなれば来るはずだなんと言ったって、これはここでは通るかもしれないが、世の中では通らない。こういうふうな明らかなことを、あなた方が政府だとかなんとか言ったっておかしい話なんだ。  たとえば、いままでも繰り返し聞いているが、閣議で了解したと言うけれども、それは形の上では閣議に口頭了解を求めたでしょうが、求めたのは何かというと、世にもまれな石油二百万バーレル、年にして一億トン、石油化学が日本の生産量の二倍というものを一カ所に集中するというものを閣議は了解したんだよ。何の権威があるものですか。うそを閣議に報告して、閣議でそれを形式的にいいだろうと言ったって、その土地をむつ小川原開発会社に一元的に取得させることを了解したにすぎない。開発そのものの中身は了解されてもいないし、そんなことは常識上もあり得ない。ただ政治圧力で、いわゆる金脈政治で、行政が法律を無視して行なわれるということに問題がある。その点をよく慎重に調査したまえ。何も手数がかかることじゃない。法律に違反した行為をして、許可そのものが重大な誤認に基づいたりしていて、調べれば簡単にわかることを無視して許可されるなら、これはあとで法律上無効になるのだよ。それを考えたならば、慎重に調査して、私は不了解でも世間が了解する程度までやりたまえ。そうでもなければ、これは重大な問題なのです。  大臣はきょうはいないけれども、世界的な食糧問題のときに、日本において、あの五千ヘクタールというような土地にかわる一団地を特に他に求めようといったって、おそらくいまの狭い日本にはあるまい。山岳を一万町歩開拓するよりも農業的にいい土地なんです。しかも、大部分国有地を開放したものであり、その金は全部国費なんです。これを二束三文にして、あなた方が別な場所に農地を造成しようなんていったっておかしい話だ。それでも、石油が切迫して日本人はなま米をかじらなければならないほどの状態ならばともかく、五年先か十年先かわからぬ石油コンビナートに、事前審査の段階で土地の買収はほぼ完了している。これは明らかに農地法違反なんです。法律に触れないとしても、精神をじゅうりんしている。ただあなた方が登記が完了していないと言ったって、仮登記している。土地の受け渡しをしていないと言ったけれども、人がいないんだ。こういう実態に基づいてわれわれは議論している。あなた方はただ机の上で書類だけ見て、だれに有利な話をしているかというと、資本に対して有利な立場をとっている。これは問題なんだ。もっと慎重に調査することを要望しておきたい。局長、どういう考えですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 農林省の姿勢といたしまして、優良農地を確保する、そして、農産物の需給見通しに即応した農地をもちまして、国内で生産可能なものは極力国内で生産していく、この基本方針において何ら変わるわけではないわけでございます。ただ、狭い国土の中におきまして、農地としての存在理由と、それからまた他用途としての土地の利用という、こういった問題の調整という問題が各方面において起こるわけでございます。このむつ小川原の工業開発という問題につきましては、これは四十七年来しばしば申し上げておるわけでございますけれども、農地と他用途との調整ということを関係各省庁の間においてはかった結果といたしまして、五千ヘクタールの規模において工業開発を行なうということをきめたわけでございます。それに基づきまして第二次基本計画を現在県は鋭意作成中でございまして、先ほど申し上げましたようなスケジュールで作成しているような次第でございます。  五千ヘクタールというところにつきまして、その中に含まれます農地は千六百ヘクタールでございますが、その農地の農地法上の取り扱いについては、これまたしばしば申し上げているような次第でございますが、いずれにいたしましても、この五千ヘクタールの中の農地千六百ヘクタールですか、こういったところにつきまして事前審査のオーケーは先般出したわけでございまして、それとの関連もございまして、生活再建という角度から、A、B住区という問題の一環として、この際A住区の農地転用という申請が出てきたわけでございます。先生の言われている趣旨とわれわれの考えておりますものと、趣旨ということにおいて基本的には異なるわけではないのでありまして、要するに、地役権者で入居を希望している人について、その人への宅地を供給するということがA住区の一つの大きな目的になっているわけでございます。  したがいまして、われわれといたしましては、転用許可の申請にあたりまして、地権者の居住の希望というものについては十二分に調査をしているような次第でございますが、ただ、調査した結果といたしまして、もしもそれが先生の言われるように希望がないんだというようなことになりますと、これはあき地をつくることにもなりますので、われわれといたしましては、一定の期間以内にその希望したところに家を建てぬというような場合においては買い戻し条件をつけさせるというようなことも当然考えて——今度また転用の許可という問題を十二市町長会議でも協議することになりますけれども、最終的に転用するということになりましたときには、条件といたしまして、買い戻し条件というようなことを会社と居住者との間につけさせるというようなことは当然実施したいというふうに考えるわけでございます。  なお、A住区に関連いたします学校につきましては、三つの小学校を一本にするというふうなことになっているような次第でございまして、いずれにいたしましても、できた土地が利用されないというようなことのないように、逆に言うならば、希望を確実にわれわれとしてはつかんでまいりたいと思いますとともに、買い戻し条件等によって規制してまいるというようなことで対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 最後に一問。買い戻し条件をつけるということは、これはまあ当然のことでしょう。しかし、一たん宅地に、市街地に造成したとすれば、これを復元することはきわめて金のかかることです。やってできないことはないが、原形に復帰するということはむずかしくなる。したがって、その前にもう少し厳重に調査する必要がある。というのは、開発会社がそこに入居する人にどういう条件で売るのかということが明らかでない。かりに、一戸当たり十アール宅地として買うかもしれないとして、それは一平米何ぼの価格で、どういう条件で売るのかということさえ、入りたいという人がまだ知らないのです。要すれば、坪何万円で売ってくれるのか。自分たちの売った土地の値段を標準に考えているのですよ。したがって、権利をつけておけば、市街地になるし、宅地だから高くなるだろうというから、仮の需要があることだけは間違いない。だから、二首五十三人も判こをついて、私もほしい、私も行きたいと言っているにすぎない。開発がいつになるかということもわからぬし、値段もわからないから、これはまだ架空なんですよ。この点はあたりまえで、常識のことなんです。ですから、会社に、どういう条件で入居者に売るかということを明らかにさせてください。学校や上水道はいつできるか、だれの負担でできるか、市街地の道路の工事費はだれが負担するか。それも宅地に含まれていくとすれば、これはべらぼうに高いものになる。あの会社の目論見書を見ても、十アール五、六十万で買って一坪八千円で売るというのがあの会社の目論見書なんです。そんなものに金を出して買えませんよ。入れませんよ。だから、この点を条件として、入居者に売り渡しの条件を明示して、そしてあらためて入居者から、本気の、仮の需要じゃなく、いつ幾日までに行って家を建てますということを聞いて、ここまで明確になった段階で許可するならば、そこへ行かざるを得ない人はいます。土地を売ったがどこへも行き場がないという、開発難民の形の人が十数戸はいますよ。この分だけはやはり何らかの形でやる必要がある。  しかし、これはあえて開発会社を必要としない。県知事の許可の範囲でできるはずだ。これをあえて六十億出すといったって、この会社に金はありはしませんよ。資本金六十億の授権資本で三十億しか払い込みのないのが、借金で二百億も土地を買っているのだ。ことしから二十億の利子を払いますよ。これは必要ですよ。いまの状態ではこの増資は不可能なんだ。第一、国が、北東公庫が出資していますよ。金利分が不足だから増資しようなんということを大蔵省が認めるはずがない。こういうふうな問題も含むので、政府部内のことだから、よく大蔵とも相談して——六十億の金をこの会社にだれが貸すものか。しかも、日本銀行が貸していないんだよ。地方銀行からまで金を借りているのだよ。そのために、青森県に、このむつ小川原開発のために見込み投資が多過ぎて、建設関係の投資もオーバーになっているし、金融梗塞が起きているのだ。特に、農協の金まで土地資本に移っている。えさ代がなくて、県庁から金を借りなければ経済連が全購連に払えない事態さえ起きているのだ。この開発という怪物のために、六ケ所だけじゃなく、青森県の農業がつぶされようとしている。しかも、青森県では農地法については無政府状態だ。すぐこの隣に二千万キロという世界にも考えられない原子力基地をつくるといって、福島県の端っこならば関東に近いけれども、関東を配電区域に持つ東京電力までがここに土地を買っているのだ。北海道へ送るならともかく、青森県の北端にこんなことをやるんだ。いまの開発というものは一番先に土地を必要とするから、これは、その先兵をなしているのは農林省の君たちなんだ。実に悪どいやり方だ。次の機会にまたこれは質問しますけれども、局長、この考え方についてはどうですか。あなた方がこれでいいというならおれは態度を別にしますけれども、農林省というものは積極的に農業を発展させるものであって、農業を滅ぼすということにはきわめて消極的であっていいはずなんだ。局長はそれでいいと考えているなら答弁を求めたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 むつ小川原開発会社のA住区の宅造につきましての所要資金について、先ほど約六十億と申し上げましたけれども、それは一応全部借り入れでまかなうというふうな計画になっているわけでございまして、北東公庫なりあるいは日本興業銀行外二十七銀行の協調融資というかっこうで対処したい、こういうふうになっているわけでございます。  個々の転用を認めまして、そしてA住区ができてくるという過程において、たとえば居住するところについて、かつての部落単位に集まるような方向がいいのかとか、あるいは村というものの中でどういうふうな組み合わせの居住のシチュエーションにしたらいいのかといったような問題もありますし、その辺の問題は、宅造の過程におきまして、建設の過程において逐次具体的にならざるを得ないのだろうというふうに考えるわけでございます。南向きに面するところとか、あるいはそれの入り口との関係の日陰の問題というような個々の希望というような問題も当然出てくるわけでございまして、最初の段階から個々の希望を請け負ってやるというかっこうは、これは事実問題としてなかなかできないのだろうと思うわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、われわれといたしまして、せっかく農転した目的がその目的どおり達成されぬということにならぬように、考えられるあらゆる条件は付するようなかっこうにおいて対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  農林省の基本的姿勢は先ほど申し上げましたようなことで、何も転用をあれするために農林省はあるわけではございません。ただ、他用途との調整において必要なものについては、これはやむを得ないというふうに考えるわけでございまして、その土地がそれなりの目的に確実に転用されるということについて、各種の条件をつけ、監視してまいるというようなことが転用との関係におけるわれわれの姿勢であるというふうに考えているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 私は、ミカンの問題について二つほどお尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に、アメリカのフロリダ州から入っておりましたグレープフルーツについておりましたカリブミバエのその後の状況、技術的な検討がどうなったか、かいつまんで御報告を願いたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 フロリダ産のグレープフルーツにミバエの幼虫が発見されましたものでございますから、米国農務省に対しまして、今後わが国が輸入するフロリダ産グレープフルーツにミバエが付着することがないような適切な措置を講ぜられたいという旨、それから、次期の船積みシーズンまでにその措置の内容について両国の検疫担当者間の合意がもし得られなかった場合には、米国側に対して輸出の自粛を要望することになるという旨、これを予告いたしたわけでございます。そこで、その後、船積みシーズンも迫りましたものでございますから、再度アメリカ大使館を通じまして、農務省に対しまして、この問題が未解決のうちに輸入が行なわれることのないように、輸出の自粛方を重ねて要請をいたしたわけでございます。  それから、他方、国内のフロリダ産のグレープフルーツの輸入関係者に対しましても、問題解決までの間輸入を自粛するよう強く要望いたしたわけでございます。  このようにいたしまして、検疫関係につきまして合意が得られるまでの間の輸入のチェックをいたしたわけでございますが、それとあわせまして、検疫の方法につきまして技術的検討をいたしたわけでございます。  それから、なお、この要請に対しまして、輸出に対しましては、日本向けのフロリダ産のグレープフルーツの船積みを阻止するために、フロリダのかんきつ委員会からすべての集荷業者及び輸出業者に対しまして、問題を解決する前に船積みを行なわないようにということを要請をいたしましたし、同時に、米国の農務省の動物植物検疫局は日本向けに輸出されるフロリダ産のグレープフルーツに輸出検疫証明書の発給を行なわないように指示をしたという通告がございましたものですから、これによって、現在までのところ、フロリダ産のグレープフルーツの輸出自粛は実施をされているわけでございます。  そこで、これとあわせまして検疫面をどうするかということでございますが、まず、第一は、この問題解決のための日米両国の検疫当事者間の話し合いということでございますが、九月の二十五日から三日間、米国の農務省の海外農業局国際青果物流通課長外三名が来日いたしまして、わが国の検疫当局者と検疫上の取り扱いについて技術的検討を行なったわけでございます。その内容といたしまして、カリブミバエを殺虫する方法につきましてアメリカ側から示された方法がございますが、それはEDB薫蒸を行なうこと、この方法が有効であるということが提案されたわけでございます。それから、それを実用化するためにトレーラーを利用する方法が提案されたということでございまして、したがいまして、EDB薫蒸を行なう、それをトレーラーを使って行なうという方法が提案されて、その間の検討で、この方法が有効であるという印象を受けたわけでございます。  そこで、それをさらに現地について具体的に調査しようということで、十月十日から二十一日まで、私の局の植物防疫課長外二名を米国のフロリダ州に派遣いたしまして、先方が提案いたしましたカリブミバエの殺虫試験の状況、それからトレーラーによります実用化試験の状況、それから消毒実施の場所、検疫の状況、これらにつきまして現地調査を行なうとともに、輸入が再開される場合の検疫上の諸問題につきまして協議を行なった次第でございます。  そこで、現在の段階ではこのEDB薫蒸の方法は有効であるというふうに技術的にまず確かめられるわけでございますし、その実用化はまずだいじょうぶだろうと思っているわけでございますが、さらに念を入れまして、こちらからいろいろ資料を発注いたしておりましたし、さらに残った試験の完成もございますものですから、それらの試験成績等についての資料の提出を現在求めておる段階でございまして、その結果を待ちまして、これを検討した上最終的な結論に達するように進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 おおむねの努力は買いますが、そこでお尋ねしたいのは、EDB薫蒸をトレーラーでやるということですが、そうすると、この間行かれて、それはどういうふうにどのくらいの濃度で何分やればいいとかいうマニュアルがもうはっきりしているのかどうか。それについての合意がなければ、ただやりますということだけでは非常に心もとないわけであります。そういった現地でのテストの結果のそれに対する問題点というものをかいつまんで報告してもらいたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 御指摘のとおり、EDB薫蒸の具体的な内容について、その時間とか濃度等が問題だということはそのとおりでございます。これにつきましては、実は、EDB薫蒸というのは今回初めてのものではございませんで、たとえば現在わが国が輸入を禁止しておりまするものについてミバエ類がございますが、それを特別に解除する場合にEDB薫蒸を行なっているという例もあるわけでございますし、さらに、アメリカでも現在行なっておるわけでございまして、そこで、そういった例も見ながら現にアメリカ側で試験をいたしたわけでございまして、その濃度と時間につきまして、現地でさらに確認をしたわけでございます。  これについては、試験成績につきまして、まず東京に来まして、向こうから資料の提出があったわけでございます。そこで、専門家としますとまずだいじょうぶだと思ったわけでございますが、さらに現地に行って見なければいかぬというわけでございますから、現地で濃度とか時間等をさらにチェックをいたしたわけでございます。さらに時間、濃度の詳細は必要がございますれば、あるいは技術担当課長から御説明さしてもよろしゅうございますが、その試験成績は十分確認してございます。同時に、それがワーカブルに実用化でき平なければならぬわけでございます。したがいまして、それはトレーラーを使ってやるわけでございまして、そこで、トレーラーの基準なり、実際に的確に薫蒸を行なう方法等につきまして、さらに現地の例も見まして注文を発しておる、こういう次第でございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 そのいろいろと交渉をしますときのわが国の基本姿勢、基本態度というものについては前の委員会でも私は申し上げたのですが、わが国のミカン農民の心情は、グレープフルーツの自由化については非常に反対をしておったが、にもかかわらず自由化されてしまって、その上にカリブミバエという害虫のおまけまでついて日本に来ることについては、これは非常に不信があるわけです。もう一つ、日本の例のカイヨウ病の取り扱い方についてアメリカは非常に厳格であり、植物防疫上の日米間の交渉なり取り扱い方がいかにも不公平じゃないだろうかという気持ちが農民にあるわけです。したがって、この問題については執拗にその結果の状況を見守っておりますし、さらに一歩進んでは、例の植物防疫法の別表の改正を行なって、カリブミバエというものを禁止の対象にしてほしいということを強く言っておるわけですが、あなた方は、各国そういうことをやっておる国はないんだということで、できませんというお答えである。しかしながら、ほんとうに農民の心情を考えるならば、日本だけでもやってもいいじゃないかという気さえ私はするわけです。現に、カイヨウ病については、アメリカのほかに一国ぐらいしかその輸入規制をしていないというふうな話も聞いております。しかし、これはあるいは私の聞き間違いかもしれない。  そういうことで、多数国がしなければだめだということだが、あなた方がそう言って農民がはたして納得するかどうか、私は非常に疑問に思うわけです。だから、いまあなたが言われた薫蒸の方法等についても、こちらが疑義があるものならば堂々とそれを主張し、ちょっとの疑義でも見のがすわけにいかない、ほんとうにこれならば一〇〇%安全だというところまで達しない限りは、軽々と日米両方が合意したということになってはならない、と、このように思うのですが、これはどうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 かんきつ農家がこの問題に非常な不安を持っておるということは御指摘のとおりでございます。そこで、私どもは、この不安をなくするように、そのたびに十分技術的に詰めるという基本的な考えでいるわけでございまして、したがいまして、今後カリブミバエが絶対に付着しないために技術的に万全の措置を講ずるという基本的考え方で対応いたしているわけでございます。  実は、カリブミバエにつきましては後段にまたもう一度御説明申し上げますけれども、これはいわゆる輸入禁止対象の害虫でないわけでございます。そこで、普通ならば輸出国におきまして輸出検疫を行ない、それから輸入国、わが国におきまして輸入の検疫を行ない、それによってもしも虫が発見された場合には廃棄処分等をするというのが普通でございますが、遺憾ながら発見されたわけでございます。そこで、もう一度輸出検疫もちゃんとするし、輸入検疫もちゃんとするというふうに対応するのが普通でございますが、それだけではどうも不安であるということで、これはある意味では異例の措置になるわけでございますが、禁止対象ではございませんけれども、先方に対しまして薫蒸によって虫を殺すという方法を求めているというわけでございまして、EDB薫蒸ということから、技術的内容からすれば虫が死ぬことは間違いないわけでございますが、さらにそれをワーカブルにするための方法について詰めているということで、要は、これによってカリブミバエが付着することがないよう万全の措置を講ずるということで、いわば、私どもは念には念を入れているというつもりでやっているわけでございます。したがいまして、農家の方がもうだいじょうぶだというように思っていただくように十分御説明もし、納得していただくようにしなければならぬというように私どもは考えておるわけでございます。  さらにもう一つの問題のカイヨウ病との対比の問題でございますが、これも重複して恐縮でございますが、カイヨウ病につきましては、これは国際的にも非常に危険なものであるという一般通念になっているわけでございます。わが国にはカイヨウ病がある。アメリカにはない。したがいまして、これは輸入禁止の対象である病気でございますから、これに対しまして非常に厳重な検疫を余儀なくされているという実態にあるわけでございまして、それに対してこれは程度問題というお話しもあるかも存じませんが、カリブミバエは一般的には分布が局部的であり、それから一般的に記録されるほどの被害が知られていないということでございますから、国際的にもこれは輸入禁止の対象になっていないわけでございます。  そこで、日本だけでもしたらどうかという御意見もございますが、やはり、これは全体のルールというものがあるわけでございまして、全般の国際植物防疫条約の精神によりますと、輸入禁止措置はできる限り最小限にとどめるようにという基本的理念があるわけでございます。したがいまして、世界的に現在これを輸入禁止の対象にしている国はないわけでございますから、これを輸入禁止までするということは全体のバランスからいかがかと考えておりますし、要は、これが付着しないように万全の措置を講ずることで対応できるというように考えておる次第でございます。  なお、カイヨウ病につきましては、これをその国が禁止するかどうかにつきましては、もちろん、先ほど申しました被害の程度、蔓延の度合いということが一つのものさしでございます。それから、その国で現にその病気があれば、これは輸入禁止するわけにまいりませんから、もちろんいたしておりません。そこで、カイヨウ病につきましては、アメリカがないから輸入禁止の対象になっているわけでございますが、私どもが調べたところによりますと、それ以外にオーストラリアとかトルコとか、南アフリカ共和国等々の国でも禁止の対象にいたしているわけでございまして、いわば、国際的には非常に被害のひどい病気であるということで輸入禁止の対象になっているが、それに対しましてカリブミバエは、一般の通念からいたしますと、被害の局部性とか被害の度合いということから輸入禁止の対象にするまでの害虫ではないということでございますから、そのような扱いをしている。それでも通常の検疫法だけではどうも心配だということでございますから、ある意味では異例の措置でございますけれども、先方に対しましてEDB薫蒸という方法を要請している、それによって付着することのないように念には念を入れている、こういう次第でございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 ただ、まだふに落ちないのは、アメリカの中でも、たとえばカリフォルニア州はフロリダのほうから入ってくるものについてEDB薫蒸をしているのでしょう。ということは、カリブミバエというものが入ったらやはり困るからでしょう。だから、困るという考え方はいま世界的にプリベールしていないとあなたは言ったけれども、私はそうでもないと思う。だから、日本国だけだからできないというものの考え方は、少なくももう一度考え直す必要があると私は思います。  と同時に、いまの薫蒸の問題に戻りますが、この薫蒸の方法があなた方がもし十分納得できないというならば、何度でもその方法についての改善方を要求すべきであるし、それから、また、それができなければ輸入を再開しないという腹づもりでなければならないと思いますので、この点についての覚悟をまず聞くと同時に、いつ幾日までにやらなければいけないなんということをよもやあなた方は考えているんじゃないと思うが——その点をまず聞いておきましょうか。それはどうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 御指摘のとおり、カリフォルニア州ではフロリダから来るものに対して薫蒸をさせておるわけでございますが、その場合でも、これは同じ国内でございますから輸出ではございませんが、移入禁止はやはりしておりませんで、そのかわり、薫蒸を義務づけているということで、薫蒸で対応している。したがって、同じ方法をわがほうもとると、こういう次第であるわけでございます。  それから、この薫蒸の技術的な内容につきましては、技術的に十分納得し得るまでやるということはもちろん当然でございますし、そこで、これは、薬の性質から言いまして、大体一応のものさしがあるわけでございます。しかも、他の前例もあるわけでございます。したがいまして、まず向こうの説明を聞きまして、いわば書類審査と申しますか、試験成績を見まして、まずまずだいじょうぶだという印象を受けた。しかし、それだけじゃ不十分だということでさらに現地まで行ったわけでございまして、私どもは、そういった濃度なり時間なりについては、いやしくも虫が死なないということのないように万全の措置を講ずる考えでございます。  それから、いつまでに再開しなければならないということから逆算するということはごうもございませんで、これはあくまでも技術的にだいじょうぶであるということが確認されなければ入れないということは当然でございまして、その結果のためにその方法論をルーズにすると申しますか、そういうことはごうもございません。したがいまして、くどいようでございますが、この技術的な内容が十分納得し得るまで——私は必ずしも植物の専門家ではございませんが、虫の専門家、植物防疫の専門家と、それぞれの専門家同士がやるわけでございますから、まず万々心配ない方法になるはずだというふうに確信をいたしております。

今井勇自由民主党

○今井委員 最後に申しますが、その問題については今後とも十分納得するような交渉をしてもらいたい。交渉で十分納得するまでは輸入の再開をしないということと、それから、また、合意に達したあとでも、たとえば年に何回かあなた方の係官が向こうへ行って、そのマニュアルどおりやっているのかどうかということを確かめるぐらいなことをして、農民にこれ以上の不安の気持ちを起こさせないというふうな決意で当たってもらいたいと思います。繰り返して申しますが、時間の制限等々を頭の中に置くようなことのないように、しかも万全の措置を講じて、わが国のミカン農民にこれ以上の不安を与えないようにしてもらいたいと思います。これは答弁は要りません。  次に、ジュースミカンあるいは加工用のミカンの問題について質問をいたしたいと思いますけれども、加工原料用のミカンにつきましては、例の安定基金制度というものがありまして、保証基準価格を下回ります場合についての救済措置があることはよく存じております。ところが、その保証基準価格のきめ方に非常に問題があると私は思う。それは、保証基準価格というのは、現行やっておられるのは、過去四カ年の平均の取引価格を調べまして、その中から中庸二カ年の平均をとる。ここまではまあわからぬでもないんですが、さらにその中庸二カ年の平均を八掛けしておる。これは何のために中庸をとるのか。何のために八掛けするのか。中庸をとるという意味ならば少なくとも私もわからぬでもないが、さらにそれを八掛けするようなことによって、私に言わしめれば、保証基準価格を不当に安く押えているような気がしてならない。  このものの考え方について、農林省は正しいと思うのかどうか、なぜこういうことにしているのか、まず、御答弁を願いたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 御指摘は、加工原料用果実価格安定対策事業につきまして、特に価格のきめ方について御指摘があったわけでございますが、この制度は、目的から申しますと、加工原料用の果実の価格が著しく低落した場合に生産者に補給金を出し、それによりましての果実加工業に対する原料供給の安定ということが一つと、もう一つは、果樹農業者の経営の安定をはかるということ、これが第二。この両者はもちろん裏表の関係があるわけでございますが、そういう目的があるわけでございます。  したがいまして、問題は、価格が著しく暴落した場合に補給する、その程度と申しますか、かね合いだろうと存ずるわけでございます。もちろん、生産者の立場からいたしますれば、保証価格が高ければ高いほど望ましいことは、それはそうでございますが、問題は、わずか下がった場合でもすべて補てんするのかどうかということで、この辺は保証の中身の程度いかんだろうと存ずるわけでございまして、他のこういった安定制度を見ましても、市価よりもある程度ひどく下がった場合に補てんする。たとえば野菜もそうでございますが、そういうことも見合わせまして、現在ではそういうふうに八掛けということを一つのめどにいたしておるわけでございますが、これは、生産者の側からいたしますと、もっと手厚い補給をしてもいいじゃないかという御議論は当然あろうかと思います。しかし、また、一方では、しからばどこまで一体見るべきかというまた別の論点もあるわけでございまして、問題は、著しく低落した場合とのかね合いだろうと存ずるわけでございます。  したがいまして、いまのやり方が一〇〇%である、これ以上絶対改良の余地はない、満点であるというふうにはもちろん私は申し上げませんが、しかし、これは絶対間違っているというわけでもない。要は、さっきから申しました程度問題だろうと思いますし、したがいまして、全体の情勢を見ながら私たちもこういう点はいろいろ考えなければならぬというふうには考えている次第でございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 私はまだたいへん不満足なんですが、ミカンには裏作と表作があって、とれないときにはミカン農家はジュース用ミカンにはなるべくしないで、なまで食べるほうに回そうとする。今度たくさんとれますと余りますから加工のほうに回るわけですけれども、加工業者のほうからすれば、ミカンが少ない年であっても、たくさんとれたときにちゃんと値段を保証してあげますから、そういうときでも心配なく入れてくれというのがそもそものこの制度だろうと思う。この制度の趣旨がそうだと思う。だとすれば、これはやはり状況が少し変わっているんだろうと思うのですよ。とれる年、とれない年が交互に来ることを頭に置いてつくった制度に相違ない。ところが、最近はどうですか。毎年毎年、少なくとも去年ことしはとれ過ぎて困るという悲鳴をあなた方はあげているのではないですか。しかも、また、ジュースというものについての考え方は、とれ過ぎて余るからつぶしてとっておこうというものの考え方から、日本としても、国民の体位向上といいましょうか、国民保健の問題から考えても、公害のない天然の果汁を日本の皆さんに飲んでもらい、そして健康の増進に資しようという積極的な面も今後これから考えなければならぬと思う。そういうふうに思いますと、いまあなたの言うように他の理由であるかもしれないけれども、その保証基準価格というものを、過去四年のうちの中庸二年の平均をとってさらにそれを引き下げるということは、少なくともこれは世間さまに言ってもなかなか通りにくい議論だと思う。しかも、あなたが言うように、そういう保証基準価格をきめまして、取引価格の差を全部まるまる見ているかというと、見ていないのですね。取引価格の差額の八割を見ているわけです。そこでまた八掛けになっている。だとすれば、ますますいまの保証基準価格のきめ方が不合理であると言わざるを得ない。これに対してすなおに反省をし、すなおに検討をするという姿がなければいけないと私は思うが、これはどうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 加工原料の価格安定対策事業の、この価格安定の必要性と申しますか、それが最近の情勢では当初の典型的な事態から多少変わっているということは、私も確かにそうだと存じます。当初の場合は、特に表裏というものが典型的にあって、裏年でも供給を確保しようということが大きなねらいであったわけでございます。それに対して最近は表裏の差もだいぶ縮まりましたし、しかも、裏年でもかなり加工用へ回る量が多いという事態に変わっているわけでございますが、逆に申しますと、極端に申しますと、そういう事態であれば、価格安定の仕組み自体が別個の見地から変わるということもまたあり得るわけでございます。たとえば、そういった一種の過剰処理であったら、価格安定はいまの安定基準価格よりももっと下げていいという別個の議論はあり得るわけでございます。  私が申しましたのは、したがいましていまの事態は変わってまいりましたものでございますから、この安定制度を現在の事態に即応してどういうふうなぐあいに仕組んでいくかということで、これは制度の基本問題に触れるわけでございます。当初の基本的な姿といまとは少し変わっている。それからまた、今後ジュースは大いに伸ばさなければならぬということはもちろん事実でございますが、ただ、伸ばす場合に、それが通常のノーマルなかっこうで需要が伸びるのは非常にけっこうなわけでございますけれども、ざっくばらんに申しまして、一種の財政負担を伴うという場合、これはやはりこのかね合いもあるわけでございまして、それらをにらみ合わせて総合的に検討していかなければならぬ。先生の御指摘もその面から理解も私は十分いたしているわけでございますが、一体これを制度の基本的な仕組みにどうからめていくか、正直に申しまして私も非常に苦吟している問題がございます。いまの制度はやはりそれなりの合理性は持っていると私は思いますが、別の面からの問題指摘ももちろんございます。それらをあわせまして、制度の基本的な仕組み、その技術的な運用のしかた等を含めまして、もうちょっと慎重に基本的に検討していかなければならぬというふうに私は考えております。

今井勇自由民主党

○今井委員 この制度の再検討はぜひお願いをしたい。  もう一つおかしいのは、果汁原料の場合と、かん詰め原料の場合と、これがまた違うんですね。実際取引価格が違っておりますから、その平均が変わっているわけですね。よく考えてみると、ミカンというものができて、それをなまで食べるか、あるいはジュースにするか、かん詰めにするかということは国全体として考えて、このくらいをなまでやればいい、このくらいはジュースあるいはかん詰めにしようという仕分けがあって、そういうふうなものを確保するためにはどういう制度がいいかというものの考え方にいかないと、いま申し上げたように果汁とかん詰めとで原料の買い入れ価格が違ってくるということもあるし、したがって、生産コストというものを一応基準に置きまして、生産コストの何%を償うというような形で果汁あるいはかん詰めにすればいいのかというふうに考えていって、生食とあるいは果汁、かん詰めというものとをうまいぐあいに仕分けができるように、おのずから価格の面で仕分けができるような形の制度を、抜本的にといいましょうか、合理的に考えていかなければこの問題は解決しないというふうに私は思います。  あなたのおっしゃることで聞き捨てならないのは、たくさんできるから保証基準価格を下げてもいいというようなことをいまちょっと言ったけれども、これは大きな問題ですよ。そう簡単に割り切られたんじゃ困る。たくさんできて安く入るから保証基準価格を下げてもいいだろうなんという議論には直結しない。これは重ねて申しますが、生産コストを著しく割るような形でそういうものを考えられたのでは、ミカン農民はたまったものではないわけですから、そういうことであってはならない。  そこで一つ提案しておきますが、この基準価格につきましては、将来のミカンの生産量、生食及び果汁、かん詰め用、その両方をどういうふうな仕分けにするか、それに対してどういうような価格にすれば農民が安心してミカン生産ができるかというふうな考え方を組み入れてこの保証基準価格をきめてもらいたい。特に、申し上げたように、いまのような中庸二年の平均にさらに八掛けをするようなことを、ぜひこれは改善をする方向で検討をしていただきたい。  それから、もう一つは、この基準価格とうらはらになりますのは最低基準価格であります。最低基準価格は、いまワンシグマ・マイナスのところでいっておりますが、ワンシグマでいいのかどうかという問題がさらにあります。農民の感情としては、ワンシグマ以上もっと下げてほしいという気持ちがたぶんあるだろうと思う。ここらあたりも、いまの保証基準価格のきめ方との関連できめるべき問題であろうというように思います。したがって、この基準価格についての検討をすみやかに行なっていただいて、なるべく早い機会にこの改善方をできるような努力をしてもらいたいと思います。これについての意見を聞いておきましょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 ただいま、保証基準価格のきめ方と、さらにまたそれと関連いたしまして、いわば下限の問題についての御指摘があったわけでございますが、ざっくばらんに申し上げまして、この問題は非常にむずかしい問題をはらんでいるわけでございます。当初のように典型的に表裏があって、特に、裏年の供給を確保するためのインセンティブであるというふうに仕組んだ時代とかなり違っているわけでございます。私の先ほどの御説明が若干うまくなかった点もあったかも存じませんが、たとえば過剰対策ならいまよりも支持水準をもっと下げていいという議論は、論点としてはあり得るわけでございます。そういう論点があり得るということを申し上げたわけでございまして、したがって、それらを含めてどう対応しなきやならないか。特に、ミカンの場合には、すべてが原料用の価格だけで農家経営が成り立つわけではないわけでございまして、おっしゃるように、生食用の価格が一般に高いわけでございます。原料用が安い。両者をプールして考えている。ほっときますれば、どうしても生食用がいいものですから、生食に流れてしまう。それじゃ加工は成り立たぬというのででき上がった。当初はそうであったわけでございます。  しかし、いまは事態がかなり変わって、裏年でも相当量があるという時代でございまして、そこで、生食を含めまして、全体として、一体これから基本的にミカン価格をどう安定させるか、その中でこの制度を位置づけなければならないということでございまして、この問題につきましては、非常に基本的にむずかしい問題をいろいろはらんでいるということを実は私は申し上げたわけでございます。もちろんこれは再検討いたしますが、したがって多少時間もかかると思いますけれども、そういった両面で、ある意味では矛盾する論点がいろいろあるわけでございまして、それらを合わせまして、総合的に検討を進めてまいりたいというふうに存じているわけでございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 時間も来たようですからこれでやめますが、具体的に愛媛県の場合で言いますと、果汁用の温州ミカンでは、県単の助成を含めて二十七円八十銭で来ているわけですが、いまのあなた方の考え方でまいりますと、中庸二年の平均が三十一円で、それを八掛けするものですから、二十四円八十銭ということで、基準価格を上回るということで、結局、県が一生懸命助成をしてやって、金をつぎ込んでやって、逆の結果になっているわけですね。最低基準価格を上回るために補助が出ないという形になる。これではものの考えはおかしいのじゃなかろうかということであります。したがって、いまの御答弁どおり、この問題は全国的な問題として、早急に抜本的な対策を立てるような努力をやっていただくことを希望して、私の質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 畜産局長にお尋ねを申し上げたいのですが、今日の畜産関係全般は、養鶏、養豚、和牛、乳牛を含めて非常な危機を迎えておるわけでありますが、その中できょうお尋ねを申し上げたいのは、肉牛に関連をしてお尋ね申し上げたいと思います。  まず、今年度の需要の見通しはだれが立てたのか、その点をお尋ねしたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 農林省におきまして、公式に発表しておるということではございませんけれども、そのときどきに毎年度の需要の見通しを立てております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 各地域で聞くことは、畜産事業団は農民の味方ではない、農民をだます機関だということをわれわれはよく聞くわけでありますが、畜産事業団ができた経過というものを考えた場合には、農民をだますとは思えないのですが、しかし、結果的には、いまはどうも農民の味方にならない機関になっておると農民は受けとめておる。  要するに、輸入の問題と国内の生産の問題をにらみ合わせて、そこは需要の見通しというものに基づいて輸入のワクもきめたであろうし、そしてまた、国内生産の体制の推進もしたであろうが、その需要の見通しを立てた者がいまほおかぶりをして逃げてもらっては困るのだ。畜産局長はその重大な責任者だと私は思うが、その点を踏まえて畜産行政の取り組み方を明確にしないと、正直なところ、農民は今後畜産行政の中であなたを信用しないと私は思う。だから、今日の番頭危機を迎えたときに、そういう原因をつくり出した者が、そういう需要の見通しを立てた者が責任を持って解決していかなければならぬという気持ちを持ってもらわなければ困ると私は思うのですが、その責任を感じておられるかどうか、聞いておきたいと思う。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 ただいま御指摘の点は、輸入肉の問題が原因で最近のような価格の暴落を来たしております点についての御指摘が主かと思いますが、昨年の下期に九万トンの輸入を、十月の終わりごろにきめたわけでございます。実際の公表割り当ては二回に分けておりますが、当時、一昨年の後半以降国内の牛肉価格が非常な高騰をいたしまして、消費者価格、消費者対策というような観点からもかなり思い切った輸入をきめたわけでございます。それが、いわゆるオイルショック等によります諸物価高騰の中におきます消費の減退という時期がちょうど昨年の末以来まいりまして、ふやした下期の輸入肉が到着するころ、ただいま申しましたような需要が急速に減退したというようなことになりまして、国内価格、生産者価格が急落をするということになったわけでございます。われわれといたしましても、もちろんオイルショックの問題まで予測はできなかったのでございますけれども、結果としてそのような輸入になったという点については深く反省をしておるところでございまして、できるだけその悪影響を緩和するために、先生すでに御承知のように、二月以来、輸入の一部の停止、四十九年度の輸入の割り当てを行なわずにこれまで来て、その他、国内対策といたしまして、調整保管の問題、あるいは低利融資、あるいは消費拡大等によりまして、生産者価格の回復に極力努力をいたしておるところでございまして、重大なる責任は十分痛感をいたして努力をいたしておるところでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 そういう責任を感じていただいて、今後どうするかという恒久的な対策と、それから緊急対策という、この二つの方法をにらみ合わせてやらなければならぬと私は思うのですね。輸入のこの数字は一時的には押えられる。けれども、長期にわたって輸入問題を完全に押え切れるかどうか、これは正直言うて疑問があると私は思う。たとえばアメリカにしても、ニュージーランドにしても一、オーストラリアにしても−田中角榮さんは外遊をして約束をしたかどうか知らないけれども、オーストラリアは人口千三百万人ですね。肉牛が二千五百万頭もおる。そのうち百五十万トンはやはり肉の生産をされておる。そして、国内消費は五十万トンで、百万トンぐらいはオーストラリアだけでは余るという。それは日本向けにある程度肥育をしておるから、日本がこの輸入を規制をしてくれたのではたいへんなことになるという、こういう問題から端を発して、結局いろいろと国際紛争になる可能性もある。  それから、完全に押え切れるか、拒否できるかということはなかなか疑問になるところだと私は思う。むずかしい問題だと思う。それなら国内の畜産を押えてというわけにはいかない。国内の、あなたらがこしらえた農業基本法——畜産と果樹と米という三本の柱で、農業基本法の中の精神をもってああいう法律をつくったのだが、今日、その米や果樹や畜産が行き詰まっておるというところに、やっぱり輸入の問題、国際的な問題がある。それから、オーストラリアなどがあくまで肉を買うてくれいと言うたときに拒否できるのかどうか。アメリカであろうと、ニュージーランドであろうと、そういうように全部今後拒否できますか。日本の畜産を守るために絶対輸入はできないんだとあなたが拒否できる自信があるなら、あると答えてもらいたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 昨年の末以来のわが国内の肉牛生産と経営事情の異常な事態に対処して、先ほど来申し上げましたように、輸入の一時停止という非常措置をとっておるわけでございますが、私どもといたしましては、今後の日本経済の成長がどうなるかという基本問題もございますけれども、現在の異常事態を脱すれば、かつてほどではないにしろ、国内消費はかなりふえてまいるというふうに一応見通せるのではないかというふうに思います。  その際、最近の世界食糧会議等で種々議論もありますように、国内資源を使いながら畜産生産をやるということも今後は一そう考えなければいけないという意味では、草に、資源に依存できる肉牛生産というものを、消費の伸びに応じて国内で生産をやっていくということを努力しなければいけないという、ふうに思います。しかしながら、これまでの経験が示しますように、これはなかなか言うべくしてむずかしい問題ではございますので、むずかしい点が非常に多いわけでございますけれども、極力やる。しかし、そういうことをやりましてもなお、輸入は、正常な消費に返りますれば、やはり着実に安定的に確保していかなければならないということでございますので、現段階としては、いま直ちに輸入再開をするということは生産者にさらに大きな打撃を与えますので拒否せざるを得ないということで、先般田中総理が訪豪された際にもそのような態度で応答されたわけでございますけれども、いずれ国内消費が回復をし、また、ことしの初め以来の輸入停止措置で最近はほとんど輸入肉が入らなくなっておりますので、そうなりますれば、価格がすでに回復基調にのぼりつつありますので、適正価格水準まで回復した段階では輸入を再開をするということで、先ほど御指摘がございましたような豪州側の非常に困った事情もわれわれとしても理解すべきであり、相互依存関係で長期的に安定的な取引ができるというような体制をやはりつくっていくべきであるというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長は総論はよくわかっておるのですね。ところが、あなたがやらなければならぬ任務を持っておる各論にわたっての基本方針というものが、正直言ってはっきりしない。たとえば国内の安い肉をつくり出すということについての生産方式または流通の改善、それから消費拡大をどうするのかということだが、いまのような肉の販売方法で消費が伸びるのか。それから、日本列島の特殊事情というものをあなたはどう理解しているのか。たとえば全国で約二千五、六百の、三千ほどある漁協を持っておる港で、魚を食っている地域に牛肉を食いなさいと言ったってなかなか食うものじゃない。長い習慣がついている。たとえば関東ブロックと近畿ブロックとで、豚肉は食うけれども牛肉は食わないという地域がある。日本列島の地域的、習慣的なそういうものをよく踏まえて、消費拡大をどうするのかということをいろいろと考える必要がある。  それから、肉というものは都市だけが食うのだという考えでなしに、もう少し農村に食わせることを考えねばならない。いま、農民の力というか、体質というか、体力というか、そういうものがだんだん減退されておるというような、栄養の不均衡という面があるわけですね。そういう栄養改善という立場から言っても、もっと農村に肉を食わせる販売体制をどうするか。たとえば全部と言わなくても、地域において、農業協同組合に生産から販売ができるような許可をおろしていくということも消費地を拡大する一つの手段として考えてもいいではないか。そういうことを一つ一つ考えてみたらどうか。国内の消費をどう伸ばすかということについては一つもあなたは方向が出ていない。  それから、もう一つは、流通の問題でもそうです。この間北海道で農民が、ホルスタインの子ではあるけれども、牛の子を二頭売って三千円だということを言っていた。晩にレストランでテキを食うたらなくなってしまったと言う。一方、人工授精料が最低八千円で、最高が一万五千円だ。かけ金が、交尾料が八千円から一万五千円かかって、できた子供が千五百円で、二頭持っていって売って、レストランでテキを食うたらパアになったという、この現実をあなたはどう理解するのか。われわれは同じ農民であって、これは割り切れない問題がある。こんなことが現実に起きている。これはどこに矛盾があるのか。精肉販売店、小売り店で、一番最高の肉が百グラム六百円だ。一キロ六千円だ。その基準がどこから出てくるのか。そういう点の現実のとらえ方があなたは認識が非常に欠けておると私は思う。そういうことを十分知りながら解明をして、流通の問題をどうするかということと、それから、生産のコストを下げることも大事だが、消費者価格をどう安定させて価格を押えていくかということも考えなければならぬ。その点を十分理解をしてお答えを願いたいと思います。まず、その販売体制の合理化をどうするかということと、農村でも消費地をどう拡大するかという点。  それから、今日、肉牛を飼っておる畜産農家で、畜産関係でいま一番困っているのは肉牛だと思う。ほんとうに困っておる。たとえば素牛は案外下がっていない。上がっておる。そしてえさはどんどん上がる。屠殺場へ販売しようとしたら、もう半値以下だ。売るに売れない。この場合、当分資金的なやりくりが必要だ。中小企業だって年末融資という制度がある。だから、和牛の農家も一つの企業としてやっておるのなら、一時しのぎではあるけれども、緊急融資措置を考えるべきではないか。大ざっぱに言って、岡山県でも十二、三億どうしても要るという数字が出ておる。そうすると、全国的に少なくとも二百億から二百五十億緊急融資措置を考えてやるべきではなかろうか。国も県も利子補給をある程度する安い金利で緊急融資措置を考えるべきではないか。これは恒久的なものじゃないが、当面の緊急の救済措置としてそういう融資措置を考えたらどうかというのがわれわれの意見なんですが、これに対してのお答えを願いたいと思う。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 生産から流通、消費まで、非常に広範なお尋ねがございました。確かに、御指摘のように、現在畜産全般が非常に困難な事態にございますが、中でも肉牛経営が一番困難な、かつて例のないような非常に苦しい実態にあることはわれわれも十分承知しておりまして、先般来いろいろな対策を講じておりますけれども、一番最後に先生がおっしゃいました当面の緊急の融資措置につきましては、ことしの五月、肥育維持継続資金という制度を緊急に開きまして、後継子牛を導入することに対しまして低利融資の道を開いて、これはすでに各県でも予算措置をとりまして、総ワク約三百三十億くらいの融資を始めておるわけでございます。  それと並びまして、経営困難のために債務が返済できないという、いわゆる延滞債務になっておるというような農家を五月末現在で全国的に戸別に全部当たりまして、調査をいたしまして、五月末現在ではそれほどまだ大きな金額になっておりませんけれども、その後御承知のように牛肉の価格は低落をしておりますし、さらにえさ価格は引き続き高いということでございますので、その後債務が一そうふえ、しかも延滞になっておるということが五月末現在の調査によって推定できるわけでございます。したがって、それらの推定がくを含めまして、低利融資に借りかえをするというような措置を現在検討いたしております。  全国的な調査も終わりましたので、できるだけ早急に、もちろん年末までには間に合うようにそのような融資措置を決定をいたしたいと思います。県の一部補助を含めまして、低利で国の金利補助をしまして、できるだけ償還期間も適正に延ばして、有利な資金に借りかえをするというような措置を早急にとりたいということで、鋭意検討を進めております。  長期的な問題といたしましては、生産につきまして、えさの問題、草の問題等もちろんございますが、えさにつきましては、恒久的な配合飼料の価格安定制度をできるだけ早急につくりたいということで検討を進めております。来年度予算ということも考えておりますが、できますればさらにそれを繰り上げ実施することも現在検討を進めております。  さらに、もう一つ、生産対策として重要なのは、生産者の価格を安定するということがやはり基本にならなければならないと思いますので、豚肉に類似したような、畜安法によります畜産振興事業団による買い入れ売り渡し措置ということによりまして牛肉価格の安定をはかるという措置を来年度からぜひ実施をいたしたいということで現在進めておりますので、通常国会には法案改正の審議もわずらわしたいというように考えて準備を進めておるところでございます。  生産関係は以上でございますが、流通につきましては、御指摘のとおり、肉全体がそうでございますけれども、なかんずく牛肉につきましては、生産段階から市場まで、あるいは市場以降小売り段階の間までいろいろ複雑になっておりまして、不合理な点が多々ございます。屠場の整備の問題、あるいは中央市場の、一応できておりますけれども、合理的な運営改善の問題等多々ございますが、市場以降小売り段階までの間も、これは地域によってかなり差がございますけれども、非常に段階が多くて、その間のマージンがかなり多くなっておるというような点もございますので、われわれといたしましては、この点にどうしてもメスを入れていかなければいけないということで、おそまきながら研究会もつくって検討を始めているわけでございますが、来年度予算といたしましても、食肉の流通体系を総合的に整備するための産地の処理施設、さらには貯蔵施設、あるいは部分肉までの処理あるいは包装肉をつくるというようなことまでやれるような施策を来年度からも実施をしてまいりたいと思います。  消費拡大につきましては、消費者価格を安定するということがやはり基本になります。御指摘のように、都市と農村、あるいは関東と関西とで牛肉の消費量の差がかなり大きいわけでございます。京都と札幌では二十倍くらいの差がございます。そういうことでございますし、また、都市と農村の差もかなりございますので、全国的になお消費の非常に少ないところ、たとえば農村部とか、あるいはわが国全体で言えば東日本というようなところにさらに低廉な牛肉が供給できるように、これは御指摘のあったような生産者に役割りをになっていただいて、農協等でミートセンター等も整備をいたしまして、低廉な形で農家に供給をするというようなことも重要な一つの課題であるということで現在研究を進めておりますが、もちろん、できるところから来年度予算から一部実施してまいるということで準備を進めておるところでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 それは本気でやってもらわなければなりません。  それから、乳価の問題を私は聞きたいと思ったのですが、時間があまりないので保留して、食糧庁の長官にちょっと聞きたいのですが、それは余り米の問題です。  実際、食糧庁で、今年度、四十九年産米が政府買い入れ限度数量よりどの程度余るのか、どういう数字を押えておるのか、まずそれを聞かしていただきたいと思います。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 先生御承知のように、統計情報部で、作況指数の予報、収穫予想高を出しております。作況指数が現在一〇二%ということでございまして、そうしますと、全体の生産量が千二百二十八万トンということになるわけでございます。食糧庁で食糧の需給計画上予定いたしました生産量が大体千二百十五万トンでございますので、その全国的なラウンドの数字で申しますと、計算上は一応十三万トン程度余るという数字が出てくるわけでございますが、ただ、これは全国的なラウンドの数字でございますので、県内で申しますと、たとえばある市町村は予約限度数量一ぱい生産されても、ある市町村ではそうでない場合がある。それを県で積み上げますと、各県ごとにそのでこぼこが相当出てくるわけでございます。そういう調整を全国的にやった段階でないとはっきりした数字はわからないというのが現状でございます。  食糧庁としましてももちろん現在集荷いたしておりますし、検査もいたしておるわけでございますが、そういった状況から見ましても、もう少したたないと、現段階でははっきりした数字はまだ出てこないというふうに思っております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 中間的な報告数字になっておると思うのですが、十三万トンぐらいなら全量買い上げをしたってたいして影響はないと思うので、全量買い上げを食糧庁はやられるだろうと私は判断をしておるので、これはぜひやってもらわなければならぬ。これは早急に方向を出してもらいたい。これが第一点。  それから、食糧庁でいろいろ検討しておられると思いますが、容量の問題ですね。長い間一俵当たり六十キロだった。ところが、いまは五十キロにしてくれという要望もあるようだが、私たちは三十キロ入りの米袋にしたらどうかという気がしておるわけです。六十キロというのは、米価や何か積算をするときには六十キロ単位で論争してきた手前で、一俵六十キロというのが長い歴史のわれわれの先入観である。だが、この辺で三十キロ袋くらいにしたらどうか。現在の流通界、輸送関係から言ってもそのほうがいいという気がします。  この点と、それから、いま農業団体が非常に心配をしてやかましく言っておるのは、保管料だとか集荷手数料だとかいう中間経費の問題です。この中間経費の問題は農業団体と相当話し合いをしておられるだろうと思いますが、これは大幅な引き上げをぜひ早急にしてやるべきではないか。これは予算の関係が補正ではどうにもならぬと言われるだろうと思いますが、この中間経費の値上げというものはもろもろを含んでいるわけですから、何としてもこの点の考え方を聞いておきたいと思います。  この三つの点について、食糧庁長官から、全量買い上げをやる、袋の問題については早急に検討して結論を出すというように簡単にお答えを願いたいと思います。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 第一点の全量買い上げの問題でございますが、先ほど申し上げましたように、私どもとしては集荷の見込みが大体わからないと、どの程度予約限度数量が——現在八百六十万トンで、御承知のとおりでございますが、その以内にはまるかどうかということも県間調整をやってみないとわかりませんので、そういう段階でないと、現在どうするというふうにはなかなかお答えができないという状況でございます。県間調整を大体十一月の末から十二月にかけてやりますので、その段階で、各県のでこぼこもございますし、そういうものを調整をしてみたいと思っております。  それから、麻袋の重量の問題でございますけれども、御承知のように長い歴史と伝統がありまして、現在六十キロでやっておりますが、現在、紙袋は三十キロに一応いたしております。六十キロというと、荷役の関係で、最近は人夫の方も六十キロというとなかなか重た過ぎるという話もあるのを知っておりますが、それを三十キロにするということになりますと、六十キロを半分に切って三十キロにするというわけにもなかなかまいらぬような実態があるようでございます。といいますのは、三十キロにした場合に、はいつけの場合に高くやった場合にこわれるかこわれないかという試験もしなければいけませんし、そう簡単ではないわけでございます。それから、三十キロにすると麻袋なんか相当コストがよけいにかかる。六十キロの麻袋をつくるより三十キロの麻袋をつくるほうが六、七割くらいコストがかかるんじゃないかということも言われております。それで、現在、六十キロはちょっと重過ぎるということで、五十キロくらいにすることを考えたらどうだろうかというような意見も相当強うございますし、食糧庁で直接実験しているわけではございませんが、日通等民間では、荷役の都合等で、試験と申しますか、そういうことをやっておるような状況でございますが、三十キロにすぐ変えるというわけにはなかなかまいらぬかという感じでおります。  それから、第三点の集荷手数料のお話しと農業倉庫の保管料の問題でございますが、私どもも農業団体から、来年度予算についてはこれを相当大幅に増額してもらいたいという要請を受けております。これは毎年ある程度上げてきているわけでございますが、最近の経済事情等も十分勘案して、財政当局とも相談をこれからしていかなければいかぬと思いますが、現段階では、もう少し具体的にきめのこまかい詰めを農協とやろうではないかということで、事務的に全農等とこの実態の詰め等をやっている段階でございます。そういうことで、来年度予算の問題として、今後農協団体等の詰めが終わりますれば予算を要求するということにしたいと思っております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 経済局長には来てもらって気の毒だけれども、この次にやります。  終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は、先ほど行なわれました農林委員会の調査報告に基づいて、当面緊急に処理すべき事項に限定して質問をいたします。  まず、第一に、十月十五日現在の四十九年度の水稲の予想収穫量が公表されたわけでございますが、これによりますと、全国の作況指数は平年収穫量に対して一〇二ということになっておるわけでありますが、都道府県別に検討いたしますと、平年の収量を下回る府県が十三県に及んでおるわけでありまして、その中で、特に北海道の場合には異常な大豊作でありまして、作況指数が一一七ということになっておるわけであります。したがって、この、ことしの作況が判明した現在において、政府がことし予約限度数量を都道府県別に割り当てを行なったわけでありますが、この実施状況というものの見通しがどうなっておるか、この点について、まず、食糧庁長官から説明を願います。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 いま先生が申されましたように、統計で発表いたしております収穫予想高作況指数が全国平均で一〇二ということになっております。ただ、県ごとに申しますと、先生がおっしゃいましたようにでこぼこがございます。特に、北海道の場合は大豊作でございまして、統計の予想でも二七%と、平年より多いということになっているわけでございます。  それで、予約限度数量との問題でございますが、現在、食糧庁としましては、その集荷に全力を注いでいるわけでございますが、集荷の見通しというものがまだはっきりいたしませんし、そういうことで、この予約限度数量の八百六十万トンでこれをオーバーするかどうかという問題につきましては、今後、集荷の実態等を見合わせて、県からのいろいろの事情を調べまして調整をしていくことになるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう抽象的な答弁をする時期じゃないでしょう。具体的に全国の予想収穫量というものがもう公表されたわけだし、しかも、農林省自身の調査に基づいて公表されたわけですからね。それは都道府県別に収穫量が分けられるようになっておるわけですし、政府がことしの春に都道府県に示した予約限度数量というものがあるわけだから、これは政府としても必ず実行しなければならぬと思うのですよ。それを都道府県別に対比した場合において、実行上どういうような見通しが立っておるかということを聞いておるわけです。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 私は全国的な問題で一応申し上げましたのですが、都道府県ごとにどうなっているかというお話しでございますが、これにつきましては、私どもが調査をずっと続けております食糧事務所単位で、食糧事務所が集荷の見込み等を含めて県内の情勢を把握するのが一つと、それから、県自体でその実態を調査し把握するのが一つと、この二つございまして、食糧庁としましては、県ごとの数字につきましては、どのくらい余るか、どのくらい足りないかという問題の数字につきましては、大体今月の二十五、六日ごろから、実は毎年そうでございますが、各県ごとに食糧庁で県を呼びまして、あるいは食糧事務所長を呼んで、そこで詰めてまいるというふうに段取りを現在とっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林委員会の北海道調査の場合においても、北海道の各米作地帯においては、ことしの豊作に伴って、政府が北海道に年当初割り当てをした限度数量が六十万六千百トンということになっておるが、売り渡し可能数量というものはこの六十万六千百トンをさらに十万トン以上上回るような状態になっているので、この分については全量を政府の買い入れ対象にしてもらいたいという、こういう具体的な数字をあげた資料に基づいた切実な強い要請があったわけです。  農林委員会の調査が十月十五日から十八日までですが、農林省の十月十五日現在の予想収穫量の公表は十一月一日に行なわれておるわけでありますが、これによると、十万トンがさらに十二万トン程度に作況の結果から言うと上回るのではないかというふうに判断されるわけであります。北海道のことしの生産調整目標の指示にいたしましても、政府の限度数量の割り当てにいたしましても、私は、当委員会において、二月の委員会あるいは五月の委員会、それから七月の米価審議の委員会等においてもその矛盾を指摘した経過があるわけでございますが、ことしの作況は、この北海道の平年を十アール当たり七十四キロ上回っておるわけでありますから、こうした作況の結果に基づく収穫量の増大というものに対しては、農林省として、いまの食管制度の示すところに従って全面的に適切な処理を行なうのが当然だと思うわけです。  それで、長官においても、全国四十七都道府県ごとにはわからぬと思いますが、当初から問題のあった北海道についてはどういうような方針ですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 北海道の収穫予想高は、作況指数が一一七%で、大豊作になっております。十万トン程度余り米、限度超過米が出るのではないかという予想を北海道からも聞いております。この問題につきましては、先生からもこの前の委員会で指摘されましたし、北海道あるいは農業団体からも従来から私ども陳情を受けております。  先ほど申し上げましたように、この予約限度超過米が出るかどうかという問題が先決問題でございますし、そのために県間の調整を全国的にやりますし、先ほど申し上げましたように、大体十一月二十六日ごろから各県ごとにこれをやって、全国的にどの程度ということを——これは全体のワク内に入れば問題はないわけでありますが、その辺の見通しをつけたいということを考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いま長官の説明された点は、七月十一日の当委員会においてもすでに私の質問に答えておるわけであります。それは秋になれば実収が判明するので、その時点において、年当初の予約限度数量の割り当て数字と実収というものをにらみ合わせて適切に処理します、と、こういうことは明確になっておるわけです。  それで、問題は、十万トンないし十二万トンが超過分として見通しが持たれるわけでありますから、これをいつまでも処理をおくらすというわけにはいかぬと思うのですよ。いま長官も言われたが、たとえば今月の下旬から各都道府県別の確認を行なうということだが、その結果、府県別に予約限度数量に対する過不足というものが当然出てくると思うのですね。ですから、全国の農林省の割り当てが八百六十万トンでありますから、問題は、北海道の十万トンないし十二万トンが八百六十万トンの全体の限度数量の目標範囲におさまるかおさまらぬかという問題が手順として一つあると思うのですね。おさまるということであれば、それは迅速に進めてもらいたいと思うのです。十一月下旬から確認作業をするとしても、一カ月もかからぬと思うのですね。そうなれば、少なくとも十二月の中旬ごろまでには判明するわけでありますから、その結果に基づいて、全国の八百六十万トンの中に北海道の超過分というものが吸収される、おさまるということであれば、その点を迅速に明示して、そうして予約限度数量内の取り扱いと同等の取り扱いを行なうべきであると思うのですよ。その点はいかがですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 先ほど申し上げましたように、十一月の二十六日ごろから県間調整を始めます。それで、十二月の上旬まではこれはかかると思いますので、先生がおっしゃいますように、できるだけ早くそれをやって全体の見通しをつけたいというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、年内、十二月中に一切の処理が完了するというところにどうしてもいくべきだと思うのです。これはやればやれることですからね  そこで、いつまでに完了させるということをこの際明確にしてもらいたいのだが、北海道の関係生産者等は、農協にしても生産者自身にしても、その見通しが判明しないとその間非常に不安を持たれることになるわけです。ですから、これは事務的な問題として、確認作業が順調に進めば、その結果に基づいて、年内、十二月中には、北海道並びに他の府県においても、超過分があるという場合においてはこれの処理を一切完了させるという長官の方針であるというふうに受けとめていいですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 先生御存じのように、西のほうは集荷が——検査も十二月に入ってまだやりますので、私どもが申し上げておりますのは、できるだけ早い機会に全体の見通しはつけたい、十二月中にはその一応の見通しはつけたいということで努力したいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 特に私が強調するのは、いま北海道は米の出荷の最成期なわけです。最盛期ですから、農家としては、収穫量全部を調製して、農林省の検査を受けて、農林省の米の管理倉庫に収納するわけですから、そうなると、まず問題は、予約限度数量内の数量については当然即時政府に売り渡し完了ということになるわけですが、それをこえる数量については、検査並びに保管の方法とか、あるいは倉庫内におけるはい積みのやり方にしても、これはやはり食糧庁の一定した指導方針に基づいて農協が行なっておると思うのです。そういう事情があるわけですし、これは長官の方針に基づいてごく事務的に処理できる問題ですから、こういう問題については、質問や指摘がなくても、食糧庁長官のほうから生産者の不安を解消するというような挙に率直に出たほうがいいのじゃないかと私は考えているわけです。くどいようですが、もう一度この点を明確にしてもらいたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 昨年もやはり同じように県間調整をやりまして、その時期もやはり十一月から十二月にかけてやりましたが、先生御承知のように、県でからワクのあるところはなかなか出してこないのですよ。県ごとに非常に違いまして、去年なんか北海道はなかなかおそくまで出さなかったのです。そういうことでだいぶ手間どったりなんかしましたけれども、ことしは北海道は余っているということで逆になるわけでございますが、ほかの県でそういうところもございますし、私ども事務的に早くやりたいということで県を督促しておりますが、そういう事情もこれありということは先生十分御承知のことだと思います。  そういうことはございましても、できるだけ早くやりたいということで私どもは努力したいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いま長官から皮肉にとられるような発言もあったのですが、確かに、昨年は、農林省の北海道に対する限度数量割り当てから約十七万トンを下回る出荷で終わったわけですね。その実績は、去年が大体六十一万トンなんです。だから、その報復手段のように、北海道だけについて昨年より十七万トン限度数量を削減した割り当てをしているわけですからね。そういうような報復的な配慮をするということは、春以来当委員会でも指摘したところですが、ことしは限度数量を十万トンないし十二万トン超過するとしても、それは農林省が指示した生産調整の目標というものが消化されないで、販売数量がふえるということじゃないわけですからね。この点を間違えないでもらいたいと思うのです。いいですか。農林省が示したことしの北海道に対する生産調整の目標数量というものは三十七万四千六百トンでしょう。これは面積割り当てじゃないですからね。数量で、北海道はことし三十七万四千六百トンを転作を中心にして生産調整をしてもらいたいということだ。これはことしの作況の結果、この分も十分上回っていると思うのですね。北海道においては、農林省は去年よりも十五万トン生産調整をふやしているわけですね。ふやされたけれども、これも完全に消化をして余りあると思う。なおかつ、予約限度数量についても、最初から他府県と違った方針で、去年よりも十七万トンも削減したわけだが、しかし、十七万トンは超過しないで、大体十万トンないし十二万トンでこれはおさまるわけですからね。北海道は生産調整もやらぬで、販売面だけに数量を上げてきたということではないわけですからね。これは統計情報部長もおられるので、ことしの転作あるいは休耕面積に対して五百三キロの反収が確保された場合の数字というものはすぐわかるわけですから、北海道はことしはよくやってくれたと言わなければならぬでしょう。長官の感謝状ぐらい出さなければならぬのじゃないですか。  そういう意味においても、最初から過酷と思われる予約限度数量を超過する分については、すみやかに年度内にこれを全面的に完了するという、その点をもう一度明確にしてもらいたいと思うのです。あなたは正直だからそうくどく聞く必要はないですけれども、年内十二月中に完了するということを……。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 先生が言われますように、北海道にことしの割り当てを報復的にやったというようなことではございませんで、北海道は、従来から、昨年も十数万トン、その前の四十七年も十万トン、四十六年は二十万トンぐらい、これは転作に協力していただいたという意味もございますけれども、それだけあきが出たという実態がございましたし、また、休耕している水田からまた復元するというようなものもあるわけでございまして、そういうことも北海道庁なんかと事前には十分打ち合わせをして割り当てはしたわけでございます。ただ、作況指数が二七%と非常によかったということは現実の事実でございますし、北海道の場合、米の収穫の場合、毎年反収のフレというものが非常に多いわけでございまして、そういうこともございましたし、いずれにしても作況指数がこれだけいいということは、前代未聞というわけにもまいりませんでしょうけれども、大豊作でございますから、そういう問題もあるわけでございまして、その点はひとつ御了解を願いたい。  先ほどから申し上げておりますように、できるだけ早く県間の調整をやって、全体の予約限度数量がどういうふうになるかという見込みを早くっけまして、できれば年内にそういう見込みをつけたいということで、先ほどから御答弁申し上げておりますように私どもは努力をいたします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、ただいまの長官の方針を了承いたします。したがって、昭和四十六年一月二十五日に、「余り米に関する政府と農協の了解事項」という、倉石農林大臣と宮脇全中会長の覚え書きがあるわけですが、これまで持ち出して議論する必要はないと思うので、これは参考までに付言しておきます。  次にお尋ねしたいのは、先般の農林委員会調査の際に、特に国有林を中心とした林業に関する調査を相当積極的に行なったわけでありますが、その中の問題点として、先ほども報告にありましたが、一つは、大雪山系を中心とする大規模林業圏開発計画の実施についてこの際根本的な検討をする必要があるのではないかということが一点ですね。それから、もう一点は、大雪ダムがりっぱに完成いたしまして、もう湛水を開始しているわけでありますが、この大雪ダムの建設に伴って既存の林道が水没することになるので、その補償林道として、代替林道として、狸台第一号、第二号の林道が継続で建設をされておるわけですね。この狸台林道というのは、現地を調査しました結果としましても、その林道の工法においても、あるいは林道の効用を果たすための森林の伐採搬出という点においても、造林のための通路としてこれを使用する場合には過大に過ぎる林道の建設ではないかというような判断も委員会の調査班としては持ったわけでありますし、それに、もう一つの問題は、この狸台の一号、二号の林道をさらに接続させて、将来はダム周辺の観光道路にも使うのじゃないかというような非難も相当高まっておるときでありますので、せっかくの補償林道であるし、林道が必要ないとはわれわれも考えておらないわけですが、この際、自然環境の保全というような点から見ても、林道は林道としての目的に合致した建設を行なうということであれば、第一号、第二号の接続ということではなくて、むしろ、今度の新しい国道から新規の林道をつなぐというような設計に変更をしてこの補償林道の完成を期したほうがいいのじゃないかというふうに判断されるわけです。これはもちろん林野庁としてもそうだが、それから関係省としては北海道開発庁も、大規模林業圏の問題については、北海道第三期総合開発計画の中で北海道開発庁は基本計画を樹立した関係等もあるし、それから補償林道の建設については、原因者負担の原則の上に立って北海道開発局が実施したというような経過もありますので、この際林野庁並びに北海道開発庁の秋吉総務監理官からそれぞれ答弁を伺いたいのだが、大規模林業圏の計画に対する再検討の問題と、狸台の一号、二号の補償林道の今後の完成についての計画変更と、もう一つは、すでに開設された林道についても非常に幅員が広過ぎるわけですが、ああいう急斜面にああいう幹線林道のような幅員がはたして必要かどうかという問題があるわけですから、できるだけこの道路の安全性を配慮しながら、自然環境の保全等についてもできるだけ復元する努力もしたほうがいいのじゃないかというふうに考えるので、この点を明快にしてもらいたいと思います。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  第一点の大規模林業圏の再検討のことでございますが、御承知のように、大規模林業圏と申しますのは全国的に見まして七地域ございまして、薪炭林等の生産の低いところで、林野率がきわめて高く、しかも、潜在的に、ここに手を入れますと林業を中心とした地域開発が将来大きく期待されるというようなところにつきまして、林道開設とか、あるいは大規模の造林とか、さらにはレクリエーション基地の建設とか、木材産業基地の建設とか、いろいろな目的を持って、林業中心の総合開発ということで計画いたしておるわけでございます。特に、北海道の場合、非常に生産力が高いが、しかし、労力の点とか、いろいろな道路の開設等が未完成なためにそういうことが実行できないという地帯につきまして計画いたしたわけでございます。ただ、その中核的な大規模林道を中心としていまスタートしようといたしておりますけれども、これは少なくとも地域住民の理解を得るというようなことが前提でございますので、現在、私どもは、自然保護調査とか、保全工法とか、そういうことにつきまして調査をいたしますと同時に、地元の御理解をいただくということを中心として計画いたしておりまして、地元住民のそのような要請につきましても十分配慮しながら検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  次に、第二点でございますけれども、御承知のとおりの狸台の林道でございまして、先生も御視察いただいたようでございますが、御承知のように既設林道の一部が水没いたします関係から、つけかえ林道として、北海道開発局で補償林道として開設していただいているわけでございますが、これが過大に過ぎるのではないかとか、あるいは接続することにより観光道路的なものにするのではないかとか、あるいは幅員が非常に広いのではないかとか、林道としての性格上ちょっと問題があるというような御指摘でございますけれども、私どもは、この林道は、先ほど申し上げましたような目的を持ちまして、森林施業とか、それに必要な林道ということで計画いたしておるのであります。しかし、その中には国立公園でもございますし、あるいは水源涵養保安林でもございますので、従来から自然保護という面につきましては十分留意してまいったのでございますけれども、十分でない、御指摘のような部分がございます。したがいまして、先般先生から御指摘がございましたように、ペンケチャロマップ線等につきましては中止をいたしました。第一号は孤立したような林道になっておりますが、それにつきましては、狸台三号をやるか、あるいは下の橋梁で連絡するかというようなことにつきまして、現在開発庁等関係機関とも十分打ち合わせをいたしておりますし、私ども、概略の設計等を、橋梁の部分についても、あるいは三号線につきましても現在進めておりまして、関係機関と十分協議いたしまして、林道の目的に合うような方向へ持ってまいりたいと思っております。  なお、いままでつくったところで、土どめとかのり面緑化というようなことは現在も実行いたしておりますが、今後も、完全な林道として崩壊等が起こらないように処置してまいる所存でございます。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉説明員 ただいま林野庁長官からお答えいたしましたとおりでございますが、何せ、北海道の場合は、大規模林業圏の問題につきましては、森林面積といたしましては全国の二割二分ですが、しかしながら、林道網の整備は全国的に見ましてかなりおくれておるわけでございまして、全体的に申しますと、林道密度は全国対比八割にも達していないというような数字に置かれております。特に道央と、それから道東の一市三十六町村の大規模林業圏地域においてはそういった傾向が著しいわけでございまして、せっかくの北海道の潜在的な林業生産力を社会的生産基盤の未整備のために発揚できないということでは非常に問題があるということからいたしまして、第三期計画におきましても、全国的な大規模林業の構想の一環といたしまして取り上げられておるところでございまして、私ども北海道開発庁といたしましても、林野庁並びに道と密接な連携をとりつつ、先般から大規模林業圏の開発構想というものをまとめてきておる段階でございますが、なお、これに基づきまして、具体的な大規模林道等の路線の問題、基本計画の問題については、現在林野庁において基本計画等の問題について鋭意作成、検討がなされておる段階でございます。しかしながら、これを遂行するに当たりましては、自然環境の問題とか、いろいろな地元問題がございますので、そういったいろいろな手続、特に自然環境との関係におきましては、環境アセスメントあるいは自然保護の問題からする工法の問題等々を十分調査の上、万々遺憾なきを期してまいりたい、と、このように考えておるわけでございます。  それから、大雪ダムについての御指摘でございますが、私どももいろいろ注意はしておりましたけれども、ただいま先生が御指摘になりましたように、いろいろな御指摘がございますから、林道の建設につきましては一そう細心の注意と配慮をいたしてまいりたいと思っております。  なお、この林道の路線のいろいろな御指摘がございましたが、ただいま林野庁長官からも御答弁いたしましたように、自然環境の保全の問題、技術的な問題でどういう案が一番適当であるかということにつきまして、現地の関係機関において、橋梁案を含めまして現在検討中の段階でございます。  なお、具体的な幅員等の復元の問題の御指摘もございましたが、一そう細心の注意を払ってまいりたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 約束の時間ですが、もう一点だけ質問いたします。  それは畜産局長の所管ですが、一つは加工原料乳保証価格の年内改定の問題について、委員会調査の際に非常に強い要請があったわけであります。ことしの三月二十八日の当委員会における決議の経過から見ても、四月一日から実施されておる今年度の加工原料乳の保証価格については、もう半年経過しているわけですから、この際根本的な検討を行なって適切な改定をすべきではないかと思う。  この際、その必要性ということを申しますと、第一は、この四月以降の自家労働の賃金評価というものだが、国民春闘の結果民間労働者の賃金が三十数%上昇している経過にかんがみて、当然自家労賃の再評価をやる必要がある。二番目は、その後の濃厚飼料等の異常な高騰が続いておるわけでありますからして、これをやはり乳価に適正に織り込む必要がある。三番目は、乳価算定上、乳牛の子牛を一定基準で評価して、副産物収入として結局生産費から差し引いておるわけですが、この点についても、局長も御承知のとおり、特に乳牛、雄子牛等の肉の価格が昨年の一割も暴落しておるわけでありますからして、そういう点からも算定のし直しをする必要があるのではないか。四番目は、その後の飲用向けの乳価等についても、現在においてはキロ当たり九十五円ないし百円というような取引が行なわれておるわけであります。以上四つのおもなる理由を基礎にして、迅速に農林省として検討を行なって、加工原料乳の補給金法の十一条八項の根拠規定もあるわけでありますからして、これらに対して積極的に取り組む必要があるのではないか。そして、もう一点は、以前から当委員会においても問題になったところですが、牛肉の価格安定あるいは肉牛の今後の振興対策をはかる上から見ても、この際現在の畜産物価格安定法の改正を行なって、現在豚肉については対象になって基準価格等を設定することになっておりますが、この際、牛肉を豚肉同様に法律の対象品目に加えて国内の畜肉価格の安定をはかることによって、そのことともあわせて、以前から問題になっておるオーストラリアからの牛肉の輸入問題等についても明快な施策を進めることができるんではないか。こういうふうに考えておりますので、この点について局長から責任ある答弁をしておいてもらいたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 二点のお尋ねでございますが、第一点の加工原料乳の保証価格の年度内改定の問題でございますが、御承知のように、四十九年度の加工原料乳の保証価格は、生乳の再生産を確保するということを旨といたしまして、算定方式につきましてもいろいろ懸案がございましたところ、大幅に改めて算定をいたしまして、一キログラム当たり七十円二銭ということで、いままでにないほど大幅な、四四%という引き上げをしたわけでございます。その後、確かに、先生から御指摘のございましたような労賃の値上がりとか——一部乳牛の値下がりという問題もございますけれども、あるいは資材では一部下がっておるものもなくはございませんけれども、労賃の値上がりあるいは副産物収入の、これは逆に値下がりというような問題があるわけでございます。われわれといたしましては、この改定問題につきましては、法律にございますように、物価とかあるいは需給、経営その他の経済事情に著しい変動があったという場合、それによって加工原料乳の、一道四県を中心といたします主要な生産地帯において明らかに生乳の生産が減退をする、再生産が確保できないというような著しい支障が出るようなことになれば、もちろんそういう場合には改定問題を検討しなければいけないというふうには考えておりますけれども、現在はそれらの事態の推移を見守って対処していくという考えでおるわけでございます。  それに関連いたしまして、濃厚飼料の引き上げの問題について、必要性の一つの理由として御指摘がございましたので関連してお答えいたしますと、濃厚飼料につきましては、十一月から全農ベースでトン当たり七千六百円上げる。商系はそれよりもやや上げ幅が大きいのでございますが、一月になりまして、これはもちろんまだ未定でございますけれども、さらに引き上げが行なわれるということもございますので、今回の引き上げに対しまして、基金からの補てん、あるいは一月以降の値上がりに対しましても何らかの対策を講ずる必要がある。先ほどもお答えを申し上げましたけれども、明年度から配合飼料価格の安定基金制度を、国といたしましても、俗に親基金と言っておりますけれども、そういう制度を予定して準備を進めておりますが、できますればこれを繰り上げてでも実施できないものかというような点を含めて現在検討をしておるわけでございます。  それから、第二点のお尋ねの、牛肉の価格安定制度の確立の問題でございますが、これは先生の御指摘でおっしゃったとおりにわれわれも問題点を考えておりますので、御指摘がございましたオーストラリアからの輸入問題についても、長期的に考えますれば、安定輸入を確保するということも考えて、相手の国内事情も考慮する必要もあろうかと思います。当面は緊急やむを得ざる措置として停止はしておりますけれども、そういう長期的な観点からいたしまして、輸入の安定的な確保ということにも役立つ。もちろん、第一には国内生産の安定振興ということでございますけれども、両方満たすために、ここで豚肉に類似したような事業団の需給操作による価格安定制度というものをやはり確立すべきではないかということで、現在内部で鋭意検討をいたしておりますので、成案ができますれば、できれば通常国会におはかりをして御審議をわずらわしたいということで準備を進めているところでございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 午後は二時より再開することといたします。  暫時休憩いたします。    午後一時三十九分休憩      ————◇—————    午後二時二分開議

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 きのう内閣改造があったわけでありますが、わが林野庁長官は一足先に新しく長官の席についたわけでありまして、きょうは新長官になっての委員会の初答弁でありますが、ひとつお伺いしたいのでありますが、いま、資源問題というものが新たに見直されまして、木材需給もその例外ではないわけであります。したがって、新長官は、国際的に注目を浴びておりますところの今後の資源問題、なかんずく木材の需給についてどのような御見解を持っているのか。まずそこからお伺いしたいと思います。簡単にお答えいただきます。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  先生ももう御承知いただいているところでございますけれども、四十八年度外材六四%、国内生産材三六%ということでございまして、日本の森林資源それ自体の資源内容という問題もございますし、あるいは林道網の不整備というようなところ等もございまして、これ以上の国産材の増産ということが当分の間望めないというようなこと等もございまして、したがって、国際的な林業展開をいたしまして、安定的な外材の入手というようなことを一つの手段といたしまして、さらに外材のそのような安定的な入手ということがあって初めて国内林業も安定するというようなこと——同時に、公益的な機能というものがたいへん大事になってまいっておりますので、国内林業を振興するということがまず第一であろう、こういうふうに考えているわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 外材をおもな重点として、その見合いの中で日本の林業を発展させるということでは、そういう資源に対する新しい国民の要請にこたえることにはならないと思うんだな。これはたとえば農業がだんだんだめになったということもそうした外国に対する依存ということになるのでしょうが、いまこそ発想を転換して、抜本的に方向を転換して、新しい長官にふさわしいような、そういうものの自給体制を根本的にとるという考え方にお立ちになれないものかどうか、お伺いしたいと思います。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  私は、外材が現在数量的にも価格的にも主導権を持っているという意味で申し上げたのでございまして、先般、林業基本法に基づきます日本の資源の長期見通し等を立てまして、さらに前国会で御審議いただきました森林法の改正等を含めまして、これに対する国内林業の育成ということが一番基本だということで、私ども、全国森林計画とか、あるいは諸計画制度とか、あるいは開発規制とか、そういうものを含めまして、日本林業の育成ということがやはり根本であろうと思うのでございます。特に、公益的機能等につきましては、これは金で買えないわけでございますから、そういう意味でも国内林業の育成というものが第一義であろう、と、かように考えているわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こういう情勢の中で、たとえばおたくで出しておる事業量等の見通し試算でございますが、こういうものを大きく手直しするのかどうかということがさしあたり問われるわけですね。単なる企業の収益性だけで山を見るのではなくて、いまこそ、自給体制をとるということから、つまり日本の林業をほんとうに守るという意味から、資金も、あるいはそれに見合った労働力もふやして、ほんとうに国民の要請にこたえるという体制をとるべきではないかと思うのですが、それに対する御見解を聞いているのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたように、森林の長期資源計画に基づきまして、また、国有林等につきましては林政審議会の答申等を踏まえまして、その線に沿いまして私ども事業を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 新しい長官になっても、いままできめられた路線をただずっと踏襲するのであったら、新しい長官になった値打ちも何もないと私は思うのですね。あなたになったからこそ、おれはこうするのだというところがあって、初めてあなたが長官になった意義があるということをわれわれは考えておるわけでありますけれども、これは非常に遺憾だと思うのですね。  ところで、本題に入るわけでありますが、私は、御承知のとおり、選挙区は秋田県ですが、秋田といいますと、あなた方も御承知のとおり日本一の国有林の地帯で、秋田杉という名前だけでも日本三大美林の一つに数えられておりましたね。私どもは小さいときから、秋田の林業、秋田の山というものを誇りとして生きてきたわけであります。そして、秋田のいろいろな地域そのものも同様に国有林とともに喜び、泣き、一緒に育ってきたという歴史を持っているわけでありますが、そういう点であなたにお伺いしたいことは、秋田県の国有林は、歴史的に見ても、その豊富な資源をもってこれまで日本の国有林の中でも最大に貢献してきたものだと思っておるわけでありますが、長官はこれをお認めになりますか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  秋田地方におきましては、御承知のとおりに、秋田の天然杉を中心といたしまして——特に天然杉の分布しておりますのは北秋田でございますけれども、そういうものを中心といたしまして、日本の木材供給という面にも非常に大きく貢献したことは事実でございます。そして、また、そのあとにつきましては、伐採したあと地に造林等をいたしまして保続をはかっているということもまた私どもの施業の一つでもございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そのようにたいへんな日本の国有林の中に秋田が占めた役割りというものをお認めになっているわけでありますが、では、お聞きしますけれども、しからば、その山を守る、山を育てるという基幹労働者について、たとえば定期作業員ですね。定期作業員の充足率は秋田県の場合はどの程度になっているのか、これは全国的に比べて一体どのような位置づけであるのか、この点をお聞かせいただきたいと思うのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  全国的に定期作業員が一万七千人程度ございます。そのうち秋田では四千四百五名で、約二六%を全国のうちで占めておりまして、一局平均からいたしますと大体七%程度でございますけれども、秋田の場合全国の二六%を占めておる、こういう実態でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 充足率が二六%ということでありますが、それは全国に比べて何番目なのかね。このことをお聞きしているのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  定期では、いま申し上げましたように、全国一万七千のうち四千四百でございますから、七七%の比率でございまして、常用で言いますと、常用化率といたしましては二四%でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 常用化率は秋田県の場合は二四%だとわかりましたが、これは全国で何番目になっているのかということを聞いているのです。一番ビリですか、それとも中ほどですかということを聞いているのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 二四%でございまして、全国で最低でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 全国的にも有数に貢献した国有林を持つ秋田県が、この山を守る基幹要員である労働者について、とりわけ身分が一番不安定な定期作業員について、それの常用化に対する充足率が日本で最低だということは、これは一体どういうわけですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  私、四点あると思うのでございます。秋田の常用化が困難になっております理由、つまり定期作業員が多いということでございますが、まず、第一点といたしまして、事業量の基礎になります収穫量がきわめて縮減方向にあるということでございます。たとえば収穫量の全国指数から申し上げますと、昭和四十三年に比較しまして、四十八年との比較でございますが、全国で八一%くらい少なくなっております。しかし、秋田の場合は七一%と、ちょっと差が一〇%程度ございます。  二番目といたしまして、直営の比率が従来からきわめて高いということで、あとから続く定期の方々を常用化できないという点がございます。これもちよりと数字で申し上げますと、四十八年でございますけれども、生産事業の直営と請負を全国と秋田で比較してみますと、全国が八三%、しかし、秋田の場合は全部直営で生産をいたしております。また、造林事業にいたしますと、全国は直営が六〇%でございますけれども、秋田は八四%と、これもまた非常に高い率になっております。こういうことで、直営率が非常に高いということが一点の理由でございます。  また、三番目といたしまして、先ほどちょっと数字を申し上げましたけれども、定期作業員が全国の二六%を占めておる。特に、生産造林の定期作業員というものが三二%を占めておる。こういうように非常に夏の時期を中心とした定期雇用型になっておるということが一点でございます。  また、人件費率等につきましても、全国が実は六八%程度でございますが、このような実態を踏まえまして、秋田は約八〇%ということで、非常に人件費率が高くなっておる。  こういう実態からいたしまして秋田の局の常用化が困難だということでありまして、こういう理由でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 収穫量がだんだん少なくなったということ、それをあなたは常用化率の低い第一の原因にあげておるわけでありますが、それはなぜですか。労働者が木を切り過ぎたからですか、営林局が木を切り過ぎたからですか、それはなぜかということですね。  それから、直営や、あるいはその作業人員の数が多いということですが、これはそれだけ重要な役割りをいままでになってきたということでしょう。この点において何で労働者に責任をしわ寄せされる部分が出てくるのですか。これは一体だれが乱伐したのですか、労働者が木を切り過ぎたのですか、はっきりしてください。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  これは労働者の方々が木を切り過ぎたとか、そのために収穫量が減になったとか、そういうことを私は申し上げているんじゃございませんで、必ずしもそういうことではないとは思いますけれども、現実は現実である、こういう実態を踏まえてのお話しを申し上げておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 現実はそうだって、現実は過去のそういう累積したものが現実なんでしょう。その当時の皆さん方の指導の責任が問題であって、山を乱伐しながら、いまは事業が少なくなった、木が少なくなった、だからおまえたちの身分は確保してやることはできないなどということは、これは一般の民間でさえもやりませんよ。ましてや、林野庁は国の事業ですよ。そういう体制でいいのかということが一つの大きい問題だと私は指摘しておきたいわけですが、この点については、たとえばおたくの足元の労働組合の方々でさえも、「国民のための豊かな緑の山づくりのために人手と資金をいまこそ投入すべきであり、不成績造林地、造林手おくれ地の解消、治山治水、輸送部門も含めた直営直用拡大の検討は、今後の時間短縮の情勢なども踏まえ、見通し試算の全面的な見直し、検討を行なうべきである。」ということをあなた方に突きつけているわけだ。それを言うまでもなく、単なる収益だとか、単なる企業性だとか、単なる現実の問題だとか、そういうことの中でどこの山もみんな亡ぼされていくという体制ならば、日本の山はみんな秋田の二の舞になるのですよ。この点についていまこそ抜本的な見直しをすべきではないかと私は思う。ほんとうに国民的な要請にこたえる、緑の山を守る、木材の安定供給をはかるという立場に立つならば、根本的な発想の転換が必要だと私は思うけれども、その点についてはどうですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 私ども、先ほど来申し上げておりますように、一つの大きな資源計画というものを持っておりまして、しかも、これは林業という超長期の特性のものでございます。四十年、五十年ということでございまして、秋田の場合をとりましても、秋田杉を中心とした伐採で、それを伐採しながら、その後それのあとに造林等を行なっておるわけでございますけれども、なおそれが生産に参加するまでの時期に来ていない、と、こういうこともございます。しかし、私どもは、そういう日本全体としての資源の保続培養ということは基本理念に持っておりまして、今後ともそれを充実していくという方向には私ども変わりなく前進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 裏づけのない資源の保続培養といったって、これはまあことばだけのことにしかすぎないのではないでしょうか。あなたはもっと裏づけのあることを言ってもらいたい。労働者の身分を不安定にして、しかも、基幹要員をそう置いていきながら、資源の保続培養なんて言ったって、だれも聞く耳を持たない、まじめに聞く人はいないと思うのですよ。  そのことをなんだかんだと論議しても始まりませんから次に進みますけれども、次々に手を打って山を育てているのだとか、あなたからいまもそういうお話しがございましたけれども、秋田は天然杉のふるさとだと言われておりましたのですが、いまも天然杉ばかりだという声があるのですね。あなたもせんだって東北林材大会に出てきたようでありますけれども、あのときの参加者の声の中では、いまでさえも秋田は天然杉ばかりだということを言っておるのですよ。なぜかと言ってぼくがびっくりして聞きましたら、植えっぱなしであとはかまわないでおくから、ほったらかしておくから、秋田県の国有林はみんな天然杉ばかりじゃないかと、こういう痛烈な批判も飛んでおるのですよ。私が聞いたところ、あるいは見たところによりましても、民有林と比べて国有林がどれだけ荒れているかというと、秋田に行ってごらんなさいよ。ほんとうに三倍違うのです。保育でも何でもそうです。荒れた山、坊主山、ひどい山、それイコールが国有林だ。「ヤマアラシ」というのは小説の「坊ちゃん」に出てくるあれしかないと思っておったのですが、これはとんでもない話なんですね。そういう問題を長官は何と見ているのですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  ただいまたいへんきついおしかりをいただいているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、私ども、森林の保続ということを前提として経営に当たっているわけでございまして、たとえば保育作業、下刈り等が十分でないのじゃないかとか、そしてそのことが森林を十分生育させていないんじゃないかとか、こういう御指摘だと思うのですが、私ども、保育作業等につきましては、植生とか、繁茂の状態とか、造林地の地形とか、あるいは造林木の状態とか、そういうものをそれぞれいろいろと考慮しながら手入れをいたしておるわけでございまして、その手入れのしかたにつきまして民間と違うというような場合もございます。たとえば筋刈りとか、坪刈りとか、いろいろ私ども手法をやっておりまして、民間の一部で行なっております全刈り的な作業とやや趣の違う種類も採用いたしておりまして、この方針に従って私どもは十分な手入れをいたしておるわけでございます。  あるいは、たまたま先生はこういうことがあったという御指摘じゃないかと思うのでございますけれども、四十七年度にたいへん財政的に窮屈なときがございまして、それの手おくれというものがございました。しかし、現在計画的にその手おくれを取り返すべく私ども努力いたしておるわけでございますので、そういうように御理解をいただきまして、十分森林が保続していけるように私ども持っていくつもりでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなた、実際の山をごらんください。あなたのおっしゃるようになっていれば私は文句言いません。しかも、県道の両側にある山がそういう状態になっている。奥山なら隠れて見えないけれども、何ぼか恥ずかしいからそれは見せないなんという配慮がいままであったと思うのです。いまはなりふりかまわずにみんな坊主にしてしまって、しかも、先ほど言ったように、山荒らしというか、荒れた山は国有林だという評価が定着しているということですね。こういう実態にあなた方は導き出しながら、いま十分な保育管理をやっているけれども、やれ方法が違うのだとか言うが、あなた方の方法というのは、ああいう雑木をどんどんはえさせて、雑木のほうがほんとうの造林杉よりまだ背が高いなんというような、そういう方法ですか。そんなでたらめなやり方で、これは言いわけとしては通るかもわかりませんけれども、それは実態を見ない単なる国会答弁にすぎない。そういうことでは日本の山は守れないと私は思うのです。  まあ、これはここで演説することは差し控えますけれども、そういう点で、いま皆さんのおやりになるやり方の中でどれだけ労働者が苦しんでいるかということですね。私もせんだって山を回ってみましたら、ある場所の定期作業員の方がこういう陳情書をよこしました。ちょっと読みますから聞いてください。「私たちは国有林で働いてから十五年から二十年以上にもなっております。このように何十年働いても差別はますますひどくなっております。定員内職員、常用作業員、定期作業員と三段階に身分区別され、賃金の差をはじめ、身分、諸手当、休暇等すべて差別されています。又、定期作業員は四月一日に雇用され、十二月六日になると、山に仕事が残っても雇用延長もせず、大根か人参のように首を切られるのであります。私たちは一日でも長く働きたいのですが、当局は認めません。」と書いてあるのです。さらにもう少し読みますと、「民間企業であっても二十数年働くと何百万という退職金になります。従って、国営企業でありながら一円の退職金もなく追い払うとは全くひどいものです。」と言って、皆さんのことを告発しているのです。そして、「失業期間中に、学校に行っている子供が父さんの職業を書いてくれと一枚の紙を持ってきました。しかし、私には職業はありません。失業者と書くか、無職と書くのかと迷います。面倒くさいから無職と書いたら、アレ、父さん、営林署の国家公務員でなかったの……。私は子供にどう答弁してよいか迷いまして、バカ、今は公務員ではないのだ。アレ、どうして。お前に言ったってわかるもんかと言ったら、子供はフーンと変な顔をしていました。ヤレヤレ、国家公務員になったり、失業者、無職になったり、忙しい身分なもんだとあきれ果てています。近所の人々は、営林署で働く人は年老いて退職すると何百万の退職金をもらうだろうと話し合っています。(一円の退職金もないことを知らずに)私達定期の人々は人間並みの生活と権利を要求して、労働組合に結集して、全員常用化、差別撤廃、処遇改善を要求してストライキで訴えてきました。しかし、当局はその度毎に処分をしてきました。処分をする時は国家公務員であり、首を切っては失業者、これを毎年繰り返されています。」と書いてあるのです。長官、あなたはこの要求に対して何と答えますか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  ただいまのいろいろ雇用制度の問題と、それに伴います退職金の問題かと思うのでございますが、これは常用化等が一つの処遇改善につながることでございまして、私ども、この問題につきましては、かねてから、林業労働者の福祉の向上という観点等からいたしまして、基幹要員につきましては極力常用化という方向でつとめてまいっておりまして、四十一年から約一万一千六百名という常用化をはかっておりまして、秋田におきましても千四十一名という常用化をはかっておるわけでございます。特に、基幹的な要員につきましてはそのような処置をしてまいっておりますが、定期作業員につきましては、秋田局のようなところは特に非常に豪雪地帯でございますので、国有林野事業として行なわれる冬季間の事業といたしましては可能な限界というものもございます。したがいまして、この基幹的要員として見込まれる者すべてについて、企業的あるいは能率性ということを踏まえて常用化するということはなかなか困難ではございます。しかしながら、何かこれを安定していきたいということをもちまして、現在私どもの林政審の中に設けております林道小委員会の中間報告、こういうものを受けまして、近く出る予定でございます。また、同時に、私ども自体も大きなプロジェクトをつくりまして、秋田の実態、豪雪地帯の作業仕組みとか、そういうものを現在調べておりまして、それらを踏まえて鋭意検討中である、こういうことでございます。  なお、退職金でございますけれども、定期作業員につきましての雇用の実態が採用と退職というような繰り返しでございまして、退職のつど国家公務員等の退職手当法の規定に基づきまして退職手当を支給しておるのでございまして、制度上の特別な退職手当を支給するということがいまの制度ではなかなか困難である。したがって、私が先ほど前論で申し上げましたように、基幹的なものについての常用化というような方向でこれに対処していくというようなことで、私ども、各種関係する省とも鋭意いろいろと打ち合わせをしているところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何も、聞かないことを先回りしてあなたはお答えする必要はないんですよ。私は、この労働者がよこした陳情書を読み上げて、これが人間としての、長官としてのあなたの魂にどのように響いたのか、そのことについての全体的な御所見をお伺いしたわけであります。  私は、これを訴えた労働者の人から山の奥深くに入っていた作業小屋でこの陳情を受けたわけでありますが、二十年も蓄積した悲しみと怒りを、国会議員が来たからといって一回にそれに打ち明けなければならない。しかし、国会議員と会うことだってこの人たちにとってはたいへんなことだ。自分が話したいことが、自分がもどかしくて言えないで、そのうちに涙がぽろっぽろっとこぼれてきて、大の五十、六十くらいの男の人が口をもぐもぐさせながらも、この私たちの苦しみを聞いてくれということでこういうものを書いてよこしたんですね。こういうことについて、それは退職金のことでございましょう、それはこれでございましょうなんて割り切るようなことで、どうしてあなたはこの人たちの陳情にこたえることができますか。ただ、常用化を何ぼかやってきたけれども、今度もやりますよ程度では済まされないと思います。むしろ、この人たちが国有林を長い間守ってきたんです。いいですか。いまこそ、あの過疎や何かでみんな若い者もいなくなっているときに、最後に残っている人がこの人たちなんです。これは林野の企業性がどうの、収益性がどうのと言う前に、国有林は林野庁のものだけれども、国民のものでもあるし、この存亡そのものはああいう過疎地帯の村や地域の存亡にかかわることなんです。そういう日本の林業を守ってきたこの人たちを、通り一ぺんのそういうことで済ませるとあなたは思うのですか。  いまの陳情書に対するあなたの全体の御所見をもう一ぺん伺います。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  ただいまいろいろおしかりをいただいたわけでございますが、事業の通年化について、特に秋田のような豪雪地帯につきましては、先ほども申し上げましたようになかなか問題のあるところでございますと同時に、限界というものもございます。したがって、これらの地帯の特性に適合いたしました能率的な冬季作業というようなものを確保いたしますためにも、作業仕組みをどう改善したらいいかとか、冬に仕事ができるための技術開発をどうすればいいかとか、あるいは職種間、地域間の流動化とか、そういうこと等が行ない得るかどうか、そういうことによる基幹要員の常用化の限界はどこにあるかということにつきまして、私ども現在真剣にプロジェクトを組みましてやっているわけでございまして、申し上げましたように、小委員会等の答申等が近く出る予定でございますので、十分それらを踏まえまして検討をしたい、こういうことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そういうことでいまやっていることもわかります。しかも、この方々は何ら身分を保障されないけれども、国から、農林大臣から表彰状をもらっているんだな。ここにあるんだ。ものすごい桐の紋がついている。定期作業員の農林大臣の表彰状だが、何と書いてあるかというと、「表彰状」として、「右は勤続二十有余年にわたり国有林野事業に精励し他の模範とするにたる よつて三級精勤章を授与してこれを表彰する 農林大臣」となっている。「農林大臣何のたろべえ」と書いて、桐の御紋まで入っているのですよ。そうして、実際は毎年首切りがあり、失業者が出るのです。あなたは冬季間の仕事がないとさっき言ったけれども、それはないかもわかりません。しかし、それをつくるのがあなた方でしょう。山を守るためにあなた方がどんどん考えれば何ぼでもできるでしょう。それはあなた方の仕事です。ただ、自然条件の中でおまえらが犠牲になっているということだけで、こういうものまでいただいていながら身分が一つも保障されない。おれたちの身分をどうしてくれるかということで皆さんが言えば処罰するでしょう。私のところに、定期作業員のいろいろな方の、おたくが出した懲戒処分書を一ぱい持ってきていますよ。「定期作業員何のたろべえ」と書いた、営林署長からの、任命権者の懲戒処分書です。そうして一方、冬というか、十一月になればおまえは失業者だというようなことですね。基幹要員とは一体何なのか。おたくの、四十六年三月十三日の関係省庁の統一見解も出ているでしょう。この方々についてはこういうものも出ていながら、国会でも何回も論議されながら、依然として検討中だ、調べているんだ、プロジェクトだと言って、何十年そういうことをやってきたのですか。いまこそはっきりこれを常用化するとか、そういうことをやれませんか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  全国的な自然保護とか、いろいろな公益性という面から、全国的に国有林の事業量は減退の方向に向かっておるのでございまして、今後いろいろと雇用を増加させるということはなかなか困難な事情にございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、豪雪地帯等におきますいろいろな事業の仕組みとか、技術開発とか、そういうことで何とか常用化して安定できないかどうかというようなことを真剣に検討いたしておるわけでございまして、しばらくの御猶予をいただきたいと思うわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 しばらくの御猶予とはいつですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  現在検討いたしておりまして、十二月中には一つの方向を出す予定にいたしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 十二月中には、方向でしょう。結論ではないね。それは国会に報告しますか。国会で何回も論議になっているんですからね。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 これを国会に報告するということ以前に、組合との内部的な交渉の問題でございますので、その辺を煮詰めまして後ほどまた検討する、こういうことにさせていただきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 国会で何回も何十回もこれは論議になっていますよ。そういうものができたら国会が聞くことは、これは国会独自のものでしょう。もちろん組合さんにもそうすることが必要ですね。だから、国会で報告するかどうかということをもう一回お聞きします。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたように、この一つの方向が出ますと、これに基づきまして、国有林全体としての、長い、十年とか二十年とかの一つの事業計画というものを策定いたします。そして、それをさらに組合あるいは関係するところと十分打ち合わせいたしまして、一つの限界あるいは手法というものが出てまいるわけでございまして、それらが煮詰まる段階では御報告申し上げたい、かように考えるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 たとえば定期作業員を常用にするために、国家公務員の体系だとか何だとか、そういうことにひっかかりがあるのですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 常用化については、そういう制限はございません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすれば、おたくの腹一存でできるわけだな。別に、国家公務員の総定員法の体系にかかわる問題でも何でもない。私が先ほどから申しているのは、もちろん常用の定員化の問題もありますけれども、一番底辺にあえいでいるこの人々に対しての、常用にしてくれという——常用も、これは日給ですよ。ほとんど権利は保障されておりませんよ。しかし、そういう人にさえも通年で働かせてくれという皆さん方の要求なんだ。この人たちが一番多いんですね。しかも、日本で一番貢献してきたこの人たち——それはいい過ぎかもわかりませんが、その部分に一番悪い条件を押しつけられている。しかも、先ほど来のお話しの中では、労働者がそのしわ寄せを受けなければならない積極的な理由は何らないわけですね。単なる、冬のせいだとか、仕事が少ないとかいうだけの話でしょう。しかも、おたくの統一見解を見ますと、この方々は「勤務の態様からすれば、長期の継続勤務となっていること等、常勤の職員に類似している」ということが関係省庁の統一見解にも出ているわけですね。したがって、これは言い過ぎかもわかりませんが、秋田や青森のような、一番のそういうひどい条件に置かれたところの問題を解決しなければほんとうの日本の国有林の問題は基礎から解決できないんだというふうに私は考えていますが、この点はどうですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 ただいま先生から御指摘のございましたように、東北型と申しましょうか、秋田、青森にそのような状態というものが一応多いということになっておるわけでございまして、言うなれば、一種の豪雪地帯ということでございます。したがって、先ほど来御説明申し上げておりますように、現在検討いたしておるわけでございますが、この常用化にいたしましても、社会的にも、あるいはまた国有林野事業の負担の能力という一面からも検討することは必要でございますし、また、丸太の販売上の問題とか、あるいは仕事の仕組みによりましては、冬伐採というようなことを考えますと、貯木場の非常な面積の問題とか、あるいは経費のかかり増しの問題とか、あるいは収穫量の減に伴います定員内要員の過剰の問題とか、そういうものとの調整というようなことがございまして、私ども、それらを踏まえまして十分検討しているところでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 時間がないからあとは集約しますけれども、現在検討して十二月には一応の方向を出すと、去年も組合さんに対してそういうことを言ったはずだな。国会でも何回も論議され、追及を受けて、去年も同じことを言って、去年はまた一年延ばしたはずだな。去年の十二月末にはそういう方向を出すということを言っておったはずだね。ことしもまた十二月過ぎて、一年延ばしだ。これは当てになるのかな。また何かとんでもない方向にそらして、まだ検討が煮詰まらないというようなことで、そういうことにならないかどうか。率直に言って、私はあまり信用できないのですよ。この点はどうですか。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  前論で御指摘がございましたことについては、ことしの三月一ぱいまでに何とか結論を出したいということでございまして、その後いろいろと事情等がございまして、実は十二月一ぱいというようなことにしておるわけでございます。  現在、小委員会の中間取りまとめというものも一応案として出ておりまして、林政審議会の中の制度部会の中でその案について現在検討いたしておりますので、近く大かたの方向が出る、かように私は信じておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 きょうは時間がなくて十分に詰めることができなかったわけでありますが、いま冒頭に申し上げましたように、この資源問題は、重大な国際的な注目の中にあらためてわれわれは見直しをしなければならないということになっているわけですね。しかし、先ほど来のあなたのお話しを聞きますと、積極的に次代にわれわれの山を引き渡すためには日本の山はどうあればいいかという根本的な認識に欠けている。いわば、昔の状況がいろいろ変わってきた、その前に定めた林政審答申の基本を踏襲するというだけに過ぎないと思うのです。新しい長官ですから、そういう点で新しい見直しをいまここで抜本的に検討すべきであると私は思う。その場合にもっともっと山に資金をかけ、もっともっと労働力を出し、そうして単にそういう皆さんの収益性だとか企業性だけに限らず、根本から山を守っていくという体制をとらなきゃならないし、そこに仕事がなければ、過疎地帯に林野庁が新しく仕事を興すということをして、その地域を全体として発展させていくという方策がぜひとられなきゃならないと思うわけでありますが、そうした抜本的な国有林のあり方に対して、いままでにおいて反省するところがおありなのかどうか。いまの労働者の問題を含めて、あなたの御見解を最後にお聞かせいただきたいと思うのです。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように、先国会において御審議いただき、可決いただきました森林法の改正に基づきまして、新しい事態を踏まえました全国森林計画なり、あるいはそれを受けました国有林の施業計画なり——民有林につきましては地域森林計画と、すべてそういう諸計画を新しくつくりかえたわけでございますが、当然、それらを受けまして、国有林におきましても、それぞれの分野において新しい国の要請に対応した計画を立てておるわけでございまして、それを確実に実行していくということでわれわれは進んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 阿蘇地域の火山活動に伴う農林業被害、阿蘇・久住飯田地域広域農業開発事業に関する畜産業並びにミカン問題、協同果汁対策及び飼料問題等について農林省並びに通産省関係当局に質問いたします。  国政調査のために当委員会を代表して、去る十月十五日から十月十八日までの四日間にわたりまして、大分県、熊本県、鹿児島県管内における農林水産業に関する実情、特にミカン産業、阿蘇・久住飯田地域広域農業開発事業に関する畜産業、土地改良事業、さらに阿蘇、桜島両地域の火山活動に伴う農林業被害等の実情を中心に調査してまいったのであります。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  現地でも、各市町村長から、また、関係当局からいろいろと陳情がございましたように、阿蘇山の火山活動は本年の七月下旬ごろから活発化いたしまして、大量の火山灰と火山ガスのフェーン現象等が阿蘇郡を中心に三郡二十四カ市町村を襲いまして、十月十日現在で、農作物を中心に約五千ヘクタール、五億六千万円、現在では六億円をこすであろうという被害を与えております。熊本県では被害対策本部を設けまして、被害状況の把握と現地の技術指導や対策に必死に当たっておるところでありますが、この異常活動は今後なお相当期間持続するであろうと推測されまして、地元ではたいへんな憂慮をいたしておるところでございます。  この問題については、過日当委員会で私が四回にわたり政府の姿勢をただしたところでありますが、阿蘇火山活動による農林被害について、その後現在までにどのような対策をとられてきたか、まず、最初に、その点と今後の見通し等について冒頭に伺いたいのでございます。

増田甚平農林大臣官房総務課長

○増田説明員 いま先生から御質問のありました阿蘇地域の粉じんによる被害でございますけれども、これに対しましては、農林省としましても、九月の五日に九州の農政局長と本省の担当官を現地に派遣いたしまして、実情調査を行なっております。被害の状況等は先生のおっしゃった数字とほぼ同じでございますし、私どもが聞いておりますのは十月二十三日現在の県の調査による被害報告でございますけれども、約六億三千万というふうに承知しております。  これに対しましての農林省の対策でございますけれども、御承知のように、いわゆる活動火山法に基づきます防災営農施設整備計画の具体的な内容につきまして、九州の農政局と熊本県当局とその具体的な内容について現在打ち合わせ中でございまして、その結果を待ちまして、私どもといたしましても前向きに対処してまいりたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、具体的な問題ですが、自作農維持資金の問題ですけれども、現在大蔵省と折衝中で、農林省の詰めに入っているというふうに伺っておりますが、今週一ぱい、すなわち十六日ごろには配分通達が出せるというふうに伺っておりますけれども、その点はどうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 阿蘇の噴火に伴います被害に対します自創資金の融資でございますけれども、被害農家の実態なり、あるいは需要の状況等を踏まえまして十分に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。先生が非常に具体的な日にちまで言われたわけでございますけれども、とにもかくにも、八月上旬から九月上旬にかけての例の一連の暴風雨に対します割り当てと一緒に、その一環といたしまして可及的すみやかに行ないたいというふうに考えている次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 おおむね今週一ぱいには配分通達を出すというようなことでわれわれは期待をしておるわけでございます。大山局長は可及的すみやかにということでございますが、ぜひ早急に決定がされますようにお願いを申し上げたい。これをさらに強くお願いをしておきます。  次に、特別立法の問題でお伺いいたしますけれども、活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律についてでございますが、「避難施設等」の「等」は防災関係、「整備等」の「等」は融資関係、こういうふうになっておるわけでありますけれども、現在、桜島にはすでにこれが適用されておる。県と農政局でも、今回、阿蘇の地域については二回にわたり細部打ち合わせをしておるところでありますが、地元から防災営農施設整備計画として強い要望が出されておるわけで、去る十月十九日にも、阿蘇の一の宮の阿蘇県事務所の会議室で各関係町村長等から、また県当局からも強い要請が各委員になされたわけでございます。その中で、水源開発事業、畑地かんがい事業、降灰対策桑園施設整備事業、さらには降灰地域土壌酸土矯正事業、野菜降灰防止栽培促進事業等、これらの五つの事業について特に要請があり、今月中にはこれらの点についていろいろと検討し、まとめて十二月末までに正式な申請をするということでいま準備をしておるところでございます。できるだけ早く地元からも申請を出すということで促進をはかっておりますが、この申請が出てきたならば、本省としてもすぐにでも大臣認可ということにしていただきたい、本件は大臣認可でできることでございますから、できるだけ早い決定をしていただくように努力していただきたい、かように強い要請をするわけでございますが、その点、本省としてはそのような腹組みであるか、本省のお考えを伺いたいのであります。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 県から要望されておりますところの、先ほど先生が言われましたような事業内容の、いわば防災営農施設整備計画としての具体的内容になるわけでございますが、九州農政局におきまして、細部にわたりまして前向きな方向で県と現在打ち合わせをやっております。  先生の御希望がありましたけれども、大体そういう方向で、とにもかくにも前向きな方向で対処していくという方針でいるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この特別立法に基づく計画が大臣認可になれば、実施は、予算の関係もあるので五十年度から実施ということになると思うのですが、その点は間違いありませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 この計画をなるべく早くと言っておりますのは、要するに来年度の予算との関連において対処したいということでございますが、御存じのように、たとえば活火山法で行なっております例の鹿児島の場合にいたしましても、既定予算といいますか、各種の予算の中で運用しておる、こういうことでございます。したがって、ここの場合におきましても、これだけを特別に特定したかっこうで、ということではないと思います。しかし、いずれにいたしましても、来年度予算で対処する方向で急ぎたいというふうに考えるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点伺いたいのですが、これはなかなか複雑な問題もあるので、あまり具体的に公開の席で伺うことはどうかと思っておりますけれども、ぜひ念を押しておきたい問題でございます。  さきに私が数回指摘した阿蘇郡阿蘇町赤水の県営圃場整備事業第十七工区等の土地改良事業についてでございますが、今回も去る十月十九日に国政調査の各委員にも現地を見ていただきましたが、地元から、防災営農施設整備計画として、先ほど申しましたように降灰地域土壌酸土矯正事業を含めるよう強く要請がなされているわけでございます。ただいまも大山局長からいろいろ御答弁をいただいて、前向きの検討のお考えがあることがわかりましたが、特別立法のワクの中にこの降灰地域土壌酸土矯正事業を一環事業として扱うというふうにぜひお願いしたい。そうしなければ救われないということで地元では強い要請をしているのですが、この点、見通しなりお考えをあらためて再度お伺いをしておきたいと思うわけです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 阿蘇の赤水の圃場整備事業の問題につきましては、かねがね先生から御指摘を受けているところでございます。今度阿蘇山の噴火によりまして多量の降灰があったというようなことで、いわゆる火山法に基づきます防災営農施設整備計画の中に降灰地域土壌酸性矯正事業について実施するかどうかということにつきまして、これはほかの事業との関連もあるわけでございますけれども、九州農政局において県と打ち合わせ中でございます。その結果をまちまして前向きに対処していく方針でございます。  なお、この地域の従前から行なっております圃場整備事業そのものの円滑な実施につきましても、この前御指摘もありましたけれども、今後とも万全の措置を講じていくという所存でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本件については前向きに対処するということでございますので、地元から申請が上がってきましたならば、ぜひそのようにして救っていただくようにお願いをしたい。また、圃場整備事業についても万全の対策を講ずるということでございますので、地元は来年のことを考え、また、ことしの営農ができなかったことによっての生活の心配等がたくさんございまして、現地でも切実な訴えが国政調査団にもなされました。いろいろとけさも報告があり、当局も十分御承知のことだと思いますので、今後引き続いての十分な対策を重ねてお願いをいたしておきます。  次に、今回国政調査の調査対象になりました高原開発の問題でございますが、特に、阿蘇南部地域農用地開発公団事業に関する事業について、去る七月二十九日に知事から申請が出され、九月二日に各省で協議が行なわれ、十月十八日付で実施方針を公団に出しておられますが、この阿蘇南部地域農用地開発は、阿蘇郡の蘇陽町、高森町、白水町、久木野村、長陽村、西原村にわたる地域面積が、二千四百ヘクタール中牧草地の改良面積が一千百ヘクタールでございまして、残りは野草地、林地または傾斜地等で、開発が行なわれない場所となっております。特に、現地でも要請がいろいろなされましたが、本地域に関係する農家おおむね千六百戸の営農状況は、平均経営面積というものが一・七ヘクタールで、農家の大部分は水稲と肉用牛、水稲と野菜またはたばこと肉用牛との複合経営になっております。そこで、農家の大部分が肉用牛を飼養している関係から、一戸当たりの肉用牛飼養頭数というものが三・三頭と少なく、したがって、一頭から四頭までの階層の農家が主体でございまして、飼養規模が零細であるという特徴がございます。現地でもいろいろと陳情があり、指摘をしたところでございますが、特に、複合経営を切り離すことはなかなかできない状況でございまして、一挙に多頭飼育専業とはいかない状況であるわけです。今回の調査でもこれらが明らかになったわけでありますが、段階的に自立専業農家を育成していく、こういうことでいかなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、当初の計画と内容が若干変わってきておりますけれども、当局はそのように考えておられますか。その点をこの席で明らかにしておきたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 いわゆる公団事業、広域農業開発事業の中の阿蘇南部地区の農業経営の方向づけということについての御質問でございますけれども、従前から粗放な利用のままになっておりました広大な原野を牧草地として開発するとともに、野草地としての有効利用をはかりまして、主として夏季におきます共同利用牧場として活用してまいりたいというのが当初からの計画であったわけでございます。  先生が御指摘になりましたように、地区内農家の現在の飼養頭数はおおむね三頭というようなきわめて零細なかっこうでございますので、やはり、水稲なり野菜、たばこといったような部門と合わせまして、農業経営の安定、所得の増大をはかるように計画してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  なお、先発工区として国営事業で行なわれましたあの地帯だけが、阿蘇全体としては肉用牛が減る中において三割もふえているという、こういうような実態を踏まえまして、この阿蘇南部地区におきましても、公団事業によりまして、そうしたいわば水稲、野菜、たばこ等の部門と合わせるかっこうの中において畜産経営規模をふやしてまいりたいというような方向で進めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、広域農業開発事業は全国でも四カ所ということで、最後に残された基地ということで、重要なウエートを占めるわけです。そういったことから、予算問題で五十年度着工要求が五カ所で、岩手県が二カ所、福島、大分、熊本が一カ所、さらに五十年度全県要求しているのが五カ所で、これまた岩手が二カ所、茨城、栃木、熊本が一カ所、こういうふうになっておりますが、農林省は約三十億円の事業費をいま要求しておられます。私たちもせっかくことし七十二国会で法案を通して、今後畜産の推進をはかっていく、濃密地域をつくっていくということで努力してまいったわけでありますが、公共投資抑制等でかなりきびしいものがあるやに聞いております。現在鋭意予算要求等に努力しておられると思いますが、もしこの予算が少なくなりますと、どこかの地区が結局削られるということも起こりかねないということで、実は憂慮いたしております。農林省に対しても、全部獲得できるように鋭意努力をしていただきたい。また、われわれも陰ながら最大の努力をはかる決意でありますが、これについてどういう決意で臨んでおられるか、見通し等があればお答えをいただきたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 農用地開発公団事業五十年予算三十億ということを言われましたけれども、三十億は、先生の言われましたのは、おそらく、内地の新規着工全計、この地区の事業費といいますか、国費を言っておられるのだろうと思います。そのほかに広域といたしましては根室を継続しておりますので、総額においては八十億をこしているわけでございます。  そこで、来年度の予算の獲得の問題になるわけでございますけれども、総需要抑制というようなきびしい環境の中にあるわけでございます。そういう中におきます基盤整備全体との調和をはかりながら、その中において、いわば本年度予算の重点施策というふうな感覚におきまして、極力、実現をはかるような方向で努力してまいりたいというふうに現段階において考えておるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この予算獲得には全力をあげて努力していただくように、さらに強くお願いを申し上げておきます。  もう一点は、大分県側の久住飯田地域でありますけれども、四十九年に全体実施設計に入っておるわけでございますが、御承知のようにここは入り会い権がなかなか複雑で、落ちこぼれなんかもあるということからいろいろ問題が多く、そのために手間どっております。知事申請も近く出るように聞いておりますが、十二月ごろにならぬと実施方針が出せないというような感じがいたしておりますけれども、こういったことで大分側は調整にたいへんひまどっております。今回の国政調査においても、われわれは促進方を地元知事にも要請をしてまいりましたが、この辺について当局はどういうふうに見通しておられるか、その点もお伺いしておきたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 久住飯田西部地区でございますが、これは先生の御指摘のように、四十九年度の全計地区というかっこうで予定したわけでございますが、約千二百ヘクタールの地区面積に対しまして、所有者なり入り会い権者が約二千七百名をこすというふうな状態でありますために、調整あるいは同意取りまとめ等によりましておくれていたわけでございますけれども、幸いなことに、最近になりまして関係者各位の了解を得まして、この十一月一日に大分県の知事から、農用地開発公団法の規定によりまして公団事業として申し出が行なわれました。そこで、これを受理いたしまして、所要の手続を進めるべくいま努力中でございますので、近く公団に対しまして事業実施方針が指示できるだろうというふうに予定しているような次第でございます。  なお、予算的には来年度着工要求をしたいというふうに考えておりますが、全体設計がややおくれているという点はきわめて遺憾だと思います。ただ、入り会い権の中身が、大分側と熊本側を比較いたしますと、大分側のほうがやや共有的色彩が強いという点は、かえって問題を後々に残さないで済むという意味におきましては望みもあるんだろうというふうに考えます。  いずれにいたしましても、ようやくこの段階まで参りましたので、早く全計を終わらせて着工の方向に持っていきたいというふうに考えている次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 広域開発事業法を推進するために、ぜひとも公団事業を貸し付けの対象にすべきであると思うのですが、この点については当局はどういうふうにお考えでありますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 すみません。ちょっと聞こえませんでしたので……。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この点は昨日通報しておきましたのですがね。時間が制約を受けておるので詳しく申し上げる余裕がないが、広域開発事業法を推進していく上で、公団事業を貸し付け対象にぜひ入れてもらいたいという要請が地元に強いわけですが、その点は当局はどう考えておりますか。前回の法案の審議のときもいろいろとこれは論議をしたことでありますけれども、検討するということでございましたが、その点は現在どういうふうに考えておられるかという問題でございます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 公庫の土地取得資金でございますけれども、四十八年度から限度額の引き上げを行ないましたが、規模拡大をさらに推進する必要がある、特に公団事業においてはそういうことが必要であるというような観点からいたしまして、相当の面積を一括に取得させるという考え方のもとで、農地等取得資金の限度額を大幅に引き上げるという線で大蔵省と現在協議している次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 それで、いま、土地取得資金の貸し付け限度額の大幅引き上げの問題、いわゆる改善についてのことが出ましたが、これまた私はぜひお願いしたいことがあるのです。これは農用地と未墾地とに分かれておるわけでございますが、農用地について、次のようにぜひ貸し付け限度額の大幅改善をしていただきたい。現行は個人が六百万でありますが、これを千二百万に、さらに公団事業にかかるものは三千六百万にしていただきたい。また、法人の場合は千八百万から二千四百万でありますけれども、これを四千八百万に、そうして公団事業にかかるものは一億八百万に、さらには未墾地については現行個人が三百万でありますが、これを六百万に、公団の場合は千八百万に、法人は千二百万円を二千四百万円にしていただくと同時に、公団の場合は五千四百万に、こういったように貸し付け限度額の大幅引き上げをぜひやっていただきたい。そして公団もぜひ貸し付け対象にして広げていただくということで、かねがねわれわれはこういったことを検討し、また、今回の調査においても強い要請等がなされておったわけでありますが、こういったことについて当局は今後十分検討の用意があるのか。まだ検討していないと思うのですが、その点をこの機会にぜひ伺っておきたいのであります。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 現在の農地なり未墾地なりの取得資金の実施状況を見ますと、限度額が低過ぎるということで逆に利用されないでいるというような実態にございます。そこで、そういう事態も踏まえ、先ほど来申し上げましたような一括取得というような必要性が非常にふえてきているということから、先生が先ほど言われましたような金額を一つの目標といたしまして今後大蔵省との間に協議を進めてまいりたい、というふうに考えるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 以上で阿蘇・久住飯田高原開発関係を終わりまして、次に、ミカン対策の問題に入りたいと思います。  ミカン対策の一環として、グレープフルーツの問題等について、去る十月十四日に当委員会でいろいろ質問しましたが、残余の質問についていまから逐次質問を申し上げてまいりたいと思います。  グレープフルーツの輸入の取り扱い先についてお伺いしたいのでありますが、全農は温州ミカンの強敵であるところのグレープフルーツを、自由化とはいいながらも大量に輸入しております。私が調査した別表があるわけでありますけれども、全部申し上げる余裕はございませんが、グレープフルーツの輸入会社の中でナンバーワンの輸入実績をあげておるのは事実であります。悪名高き総合商社の輸入量をも大幅に上回っております。そうして昨年の決算期には二十億の赤字が出たというふうに言われておりますが、この点について当局はどのように承知しておられるか。すなわち、グレープフルーツの輸入の取り扱い状況と収支について、全農が二十億円の赤字が出てるということについてどう承知しておられるか、その点をまずお伺いしたいのであります。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 全農系の株式会社、組合貿易、これがグレープフルーツの輸入を行なっているというのはそのとおりでございますが、その輸入数量全体の中のシェアは年々多少のフレはございます。四十七年が約九%、四十八年が約四%、四十九年が約八%というように年によってフレはございますが、全体のグレープフルーツの中の組合貿易の輸入のウエートはそういった推移を示しているわけでございます。  その場合、その収支はどうかということでございますが、実は、組合貿易は各種の品目を扱っておりまして、品目別に厳格な区分経理はいたしておりません。したがいまして、売り上げ高なり販売高というものは把握できましても、それからコストを引きました収支というものは品目別で出しておりません。したがいまして、ただいまの数字につきましては私のほうは十分承知いたしておりませんが、しかし、今度は、かりに売り上げ原価と買い入れ価格の差額を——いわばこれは粗利益でございます。それからコストを引くわけでございます。それについて見ましても、そんなに大きな金額ではございませんで、しかも年によってフレはございますが、いずれにせよ、それほどの大きな数字ではないと私たちは承知いたしております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 内容については過般いろいろと指摘したところですが、御承知のようにことしのミカンは過剰で、ミカン農家はずいぶん悩んでおります。国内のミカン生産者や国産かんきつ業者が痛手を受けて猛反対をしているグレープフルーツの輸入を、全農が輸入商社中ナンバーワンの輸入をするような主導権をなぜとらねばならぬのか、その点に対して農林省としてはどういうふうに指導をしておられるのか、その辺をさらにお伺いしたいのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 確かに、国内のかんきつ生産農家からしますとグレープの輸入は好ましくない。それはそうでございます。しかし、グレープの輸入は自由化が行なわれましたわけでございまして、そういたしますと、かりに全農系で輸入いたしませんければ、今度は他の商社がやるということになるわけでございます。したがって、全農系がこれによって特に故意に大きな利潤をあげよう云々と考えたのではございませんけれども、やはり、農産物の貿易というものを扱う一環としてこれも扱っているということにつきまして、これによってグレープフルーツの輸入がふえる、全農系の組合貿易を入れたからそれがふえるという性質のものではないわけでございますものですから、若干感情的にぴったりしない点はございましても、それ自体はとかく論議するということではないかと思っております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 時間も辿っておりますし、そういったことに対しては局長はその程度の答弁しかできないかもしれませんけれども、実際、こういった二十億円の赤字等の問題は別途データが出ておるわけです。  そこで、私はいろいろ指摘したいのですが、はしょって申し上げますけれども、かなりのこういった赤字が出ているにもかかわらず、しかも、このグレープフルーツによる赤字を飼料の利益で補てんをしているというようなことがなされているというふうに言われております。そうだとすればまさにゆゆしき問題である、と、かように指摘せざるを得ません。  ちなみに申し上げますと、四十九年九月二十四日の飼料値上げ阻止全国農民大会に全鶏会議が会場にまいたチラシによりますと、「全農は本年四月までの十カ月間に、飼料を含めて実に三年半分の利益をあげている」というふうに言われております。赤字が累積するグレープフルーツの輸入を即刻やめて、飼料の価格を引き下げるべきだというふうに言われている。飼料問題については来たる十一月十八日にあらためて小委員会でいろいろと論議することになりましたので、本日は飼料問題については深く言及いたしません。十八日にまとめて飼料問題については質問することといたしまして、ここでは省略いたしますけれども、飼料問題がたいへんな問題のときにこういったことはけしからぬ、と、かように私は思うわけです。  この点についてはいろいろ例をあげてお伺いしたいのですけれども、そういったことを含めまして、グレープフルーツの輸入がかなりの赤字が出ているということから、私は、全農もまた無理にこういったことに力を入れる必要はないじゃないかと思うわけです。もちろん合理的な組合貿易の道はあっても、農民感情から許せないということはもう数年前からたびたび指摘をしてきたところであります。しかも、全農は、輸入の企画会議に全農の企画室長等が出席しておりまして、組合貿易である全農がこのような会議に主導権をとって出席するというようなことをしておりますが、これはけしからぬと私は思うのですが、こういったことは当局は御存じですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 まず、前段の赤字の問題と、それとえさの黒字で云々の問題がございましたが、先ほど御答弁申し上げて、若干重複して恐縮でございますが、私どもが正式に把握いたしておりますのは、たとえば全体のバランスシート、損益計算で、これはもちろん正式に決算はわかっております。この場合はいわば全体の総合でございまして、品目別に物別の赤字、黒字というふうには出てこないわけでございます。したがって、別途の面からの推測になるわけでございますし、また、間接経費をどう割り振るかの問題とか、いろいろとそういったコスト経理の問題もございます。  ただ、グレープフルーツに関しまして、売り上げ高と売り上げ原価の差額、いわば売買差額、売り上げ利益と申しましょうか、それから人件費等の経費を引くわけでございますが、それについて見ましても、たとえばグレープフルーツに関する数字は年によってプラスもありマイナスもありということで、恒常的に赤字というわけではないわけでございます。また、その程度もそれほど大きなものではない。それは輸入の量でございますとか、価格でございますとか、国内の市況とかによりまして、年によってフレはございますが、それほど大きなものではない。しかも、年によってプラスありマイナスありというふうに動いている。少なくとも、意図的にえさの黒字をもってグレープの赤字を補てんする、そういう仕組みによってじゃんじゃんとグレープフルーツの輸入をふやすというふうな運営をしているというふうには私どもは理解いたしていないわけでございます。それは全体の農産物貿易という中から、そのときどきの状況でやっているんだというように考えるわけでございます。したがいまして、先ほども若干触れましたが、現に、グレープフルーツの総輸入量の中の組合貿易の比率も、年によってフレはございますが、意識的に年々非常に伸びているというかっこうではどうもないわけでございます。もちろん貿易業もいたすものですから、その中で組合貿易がグレープフルーツの貿易に関しまして意見を述べるとか発言をするということはございましょうけれども、少なくとも、正常な経営をゆがめてまでグレープフルーツの輸入に狂奔しているという事態とは理解いたしていないわけでございます。  ただし、そういった感情的にぴったりしない点もございますし、かりにも御指摘のような疑惑を招くようなことがあるということは遺憾でございますから、私ども今後さらにいろいろとこの内容を十分に把握いたして、必要に応じましてしかるべき指導もいたしてまいりたいというように考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 首相も農相も、従来から、全農が商社的行為をやることに対しては規制を断言しております。できるだけ削減をして、わが国のミカンの消費の拡大をはかるということは当然なことでございます。そういった意味から、いま若干はしょって指摘いたしましたが、これらの具体的な問題については、また機会を見て十分時間をとって当局の見解をただすということにしまして、もう一点お伺いしておきます。  グレープフルーツ果汁の輸入に対する問題でございますが、一部の果汁加工業界は、近年ナツミカン果汁価格が高騰していることを理由としてグレープフルーツ果汁の輸入申請を決議したというふうに伝えられておるわけでございますが、昭和四十六年のグレープフルーツの抜き打ち自由化によって打撃を受けたナツミカンの生産者は、その果汁の輸入が認められれば追い打ちをかけられまして、文字どおり壊滅することになるわけでございます。一部果汁加工業界のこれらの決議に対して、私たちは、絶対に輸入を認めるべきではない、阻止すべきである、と、かように考えておるわけです。国内ミカンを守るためにもぜひ強い態度で当局は臨んでもらいたいと思いますが、これに対する御見解を承りたいのであります。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 国内かんきつ類の需要の拡大をはかること、また、輸入によってその価格に対して重大な影響を与えてはならぬということは、私もまさにそのとおりと考えております。したがいまして、グレープフルーツの自由化に際しましても、各般の考慮をしてしかるべき対策を講じたわけでございますが、その後の状況を見ますと、晩かん類等はむしろ市況は好調でございまして、懸念されたような悪影響はなかった。需要も強かったものでございますから、アマナツ等晩かん類の市況も堅調であるというように推移をいたしたわけでございます。  そこで、いま御指摘の問題は、あるいはグレープフルーツのジュースの輸入拡大という問題かと存じますが、グレープフルーツのジュースの輸入につきましては、従来から、雑輸入品輸入割り当てとホテル利用特別割り当ての二方式があるわけでございまして、この二つの割り当てワクの中で割り当てをしてきておりますが、それぞれのワクは四十七年以降は拡大いたしておりません。現在、私ども農林省といたしますと、グレープフルーツについて、グレープフルーツジュースの輸入拡大の要望はまだ寡分にして聞いておりませんが、かりにそういう要望がございましても、国内のかんきつ類に対する影響を十分考えなければならぬわけでございますし、特に、本年は、先生も十分御承知のとおり、四十七年に匹敵する非常な生産量でございまして、国内の果汁の生産量も飛躍的にふえるという見通しでございます。したがいまして、生産者も多分の不安を抱いておりますから、このような事情にかんがみまして、グレープフルーツジュースの雑輸入ワク及びホテルワクをふやすということは適当ではないというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、通産省に香料の問題についていろいろとお尋ねをすべく通告いたしておりましたが、時間があとわずかになってまいりましたし、重要な問題について若干触れねばなりませんので、この点については別途機会を見てあらためて質問をいたすことにして割愛をいたしますので、その点よろしくお願い申し上げます。  最後に、協同果汁に対する問題でございますが、御承知のように、十月十四日に、この協同果汁についてはいろいろと私が追及したわけです。過去十二回この問題を取り上げておりますが、去る十月二十四日に協同果汁株式会社においては第一回総会を開いて、いろいろと検討がなされております。その総会の結果は、役員は全員留任ということになって、各株主のおもな人が役員になっておるやに聞いておりますが、この第一回総会の経過はどういうふうになったか、まず、概略お答えをいただきたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 去る十月二十四日に総会があったわけでございますが、そこにおきましては、株式会社協同果汁は発足はいたしましたが、まだ工場建設に着手をいたしていない事態にございます。そこで、これについていろいろ論議が行なわれて、どういうかっこうで今後協同果汁を運営していったらいいか、そのもとで一体どのようにして工場建設を進めたらいいかということについて論議が行なわれましたが、これにつきまして、チルドジュースの製造の方法あるいは販売のやり方というような会社運営の基本問題について株主の間で意見がまだ十分一致いたしていない。したがいまして、残念ながら、その総会において結論を得るに至らなかったものでございますから、もう少し情勢の推移を見て、株主間の意見の調整をはかるということで次に繰り越した、こういう経緯になっております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 去る十月十四日の質問の際にも私はるる指摘をいたしたところでありますが、倉石農林大臣からも「よく検討いたします。」というふうに答弁がございました。また、当局も検討しておられたわけですが、私が多年指摘をしてきたとおり、今回の第一回総会の二十四日の結果を見ましても、いま局長が言われたとおりであります。いま、局長からは、意見の一致を見ないとか、今後いろいろ検討するとかいうことでございますが、私がいろいろと承知している範囲では、全農もこの問題についてはすでにさじを投げたというふうに言われております。また、そういう声が各役員の中からも私の耳に入っておりますし、これらの現在の役員の人たちではどうにも調整ができない。土地もきまったやに言っているけれども、実際に、前回指摘しましたように、四十八年度でも工場建設のために一億八千万円、四十九年度でも一億八千万円の補助金が眠ったままで、二年凍結し、二つの補助金を合わせて三億六千万円で一工場にするというようなことが答弁がございましたが、そういうふうなことを提案しつつも、この工場の建設はなかなか進まずに、いよいよ三年目へ入ろうといたしております。  私が指摘したごとく、今回の第一回総会の二十四日の結果を考えましても、結局は農林省のあっせん待ちになっている。この一点にしぼられている感が強いです。いわゆる農林省の態度の決定いかんが重要なポイントになっております。いわゆる農林省の出方待ちということになったというふうに思うのですが、その点はどういうふうに認識しておられますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 前回の委員会でも御質問があり、私もお答えいたしたわけでございますが、私は、この協同果汁のつくられました趣旨というものについては、全農、日園連、果汁農協連等関係の農協連が一本化してチルドジュースをつくり、そして国内産のミカン果汁の消費拡大をはかり、それと関連して輸入オレンジの三百五十トンのワクも特別に割り当て、関係農協連が一体となって国産のミカン果汁の消費拡大の一翼をになうという使命を持っている、したがって、この本旨に照らして健全に工場が建設され、運営されなければならぬ、と、このように思っておるわけでございます。  ただ、そういった本来の趣旨というもの、いわば総論と申しますか、それについては一致いたしましても、具体的な各論と申しますか、それをどうやるかということになりますと、残念ながら構成メンバーの意見が必ずしも合わないということが確かに実態でございます。いわば、総論は一致いたしましても各論について意見が合わない点はございます。それはございますが、私としますと、いま言った設立の本旨に照らしまして何とかこれを実現するということに今後の果汁政策としての大きな意味があるだろうと考えているわけでございます。  おっしゃるとおり、一番の難点は、現在すでにチルドを製造いたしておりまする全農の工場の扱いで、これが大きな関連になるわけでございます。したがいまして、現に行なっております全農の工場との関係をどうするかということにつきまして、役所のほうでもいろいろ全農に対しても協力を求めて、それを踏まえて、全体として協同果汁がどういう経営をしていくかにつきまして協同果汁側の意見を求めるということでいろいろあっせんの労をとりつつある。こういう段階でございまして、私といたしましては、協同果汁をつくりました本来の趣旨に照らして、果汁政策の一環として役立つものにしてまいりたい、しかも経営が成り立つようにいたしたいと考えております。  端的に申しますと、たとえば本年のチルドの需要が、特に本年は夏場が短かったということがございまして、実は思ったとおりに伸びなかった、伸びが小さかったというようなことで、情勢が少し悪いということがいろいろ考え方にも反映しているということでございますが、ロングランで見ますとチルドの需要を伸ばす。もちろんジュースはチルドだけではございませんで、ホットものがむしろ量が多いわけでございますが、国内のミカンジュースの需要を伸ばす一環としてやはりこれを役立てていきたいということで、なおあっせんを続けたいというぐあいに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この協同果汁チルドジュース工場についてはしばしば指摘をしてきたところでございまして、いろいろな成立の経緯その他についてはいま局長が冒頭のほうで申されたとおりでありまして、われわれもミカンの消費拡大をはかる上からけっこうなことであるということで賛意を表し、推進をはかってきたものでありますが、事実、その後の経過を見てまいったときに、御承知のように、ポンジュースまたはハイジューシー、あるいはぶんごジュースというように、いろいろ各県でもジュースを生産しておりますし、そのジュースの原料が実際の生産者価格の半額でなければジュースに合わないというようないろいろな問題等もあります。今回の国政調査でもそういったことがきびしくいろいろと指摘をされまして、われわれもたいへん憂慮をいたしておりますが、大手としても、今後の国内のミカンの過剰対策としてもジュース工場、加工業を何としても進めていかなければならないということで、これには私たちも鋭意努力しているところであるが、チルドジュース工場場を進めるということになりますと、やはり、地元県の販路拡張または今後の推進をはかるために精一ぱいで、なかなか協同果汁まで手が伸びないというのが事実で、最初はなかなかよかったんだが、各県の実情もあり、だんだんやっていくうちに、いまおっしゃるように総論は一致しても各論はなかなか一致できないという状態で、役員の中からも本音とたてまえが違うという声もあろうかと思います。表向きはいろいろ前向きに検討しているかのように見えても、個々に会ってみれば、各役員の中からも、先ほど言いましたように、全農もさじを投げた、われわれとしてもとてもここまでは及ばない、先にはやるにしても現段階ではとても無理であるというようなことで、事実堂々といろいろ批判が出ているわけです。私も、消費拡大の上からみんなが喜んで推進すればけっこうなことでありますけれども、なかなかそうはまいらない実情であるから、やめるか延期するかというふうにすべきじゃないかということを言って、当局に対して仕事がしやすいようにこの間から指摘をしておるわけです。これはだれかが勇気ある発言をして指摘をしなければ、このままほうっておくわけにいかないのです。予算が補助金だけでも一億八千万ついているのです。二年で三億六千万もついている。また来年まで延ばすのかということになってきたときに、大蔵省がこういったことに対してはたしてどう対処するかと思うとたいへん心配であります。  同時に、私が先般来何回となく指摘しておりますいわゆるチルドジュース工場に対するオレンジジュースの割り当てでございますけれども、昨年は一千トン輸入いたしたわけでありますが、現在、チルドジュース工場に対して、濃縮ジュースの三百五十トンのワクの中で、すでに二百トンは保税倉庫に眠ったままであり、百五十トンはいまだに輸入をしていない。その残りの六百五十トンを各業界に割り当てております。業界の中には、そんなものをいつまでも置くと品質も低下するし、倉敷料もかかるし、金利もかかる、どうせ置いておくならば、ある業界でもほしいというところも幾つかあるし、ある団体でもほしいというところもあるの、だから、ほしいところへ回したらいいじゃないかという声がある。しかも、例年九月、十月までにはこのワクもすでに決定するものが、ことしは協同果汁の工場の問題等もあってか、ずっと決定がおくれて、もういよいよ十二月を迎えんとしております。当局もおそらく憂慮しておられると思いますが、今度の割り当てをする場合に、一千トン、昨年並みといえば、ことし三百五十トンは残っているわけですから、来年の割り当てとしてどうするのかという問題も起きてきますし、それらを含めて、おそらく局長としてはほんとうに頭の痛い、たいへんな問題だろうと思う。これは足立農相以来、あのときの伊藤局長時代からの問題で、一々ここでそんな問題を繰り返して言おうとは思いませんけれども、皆さん方が仕事をしやすいように、真の農民の代表としてやってもらいたいがために私はあえてこういう場で指摘をしているわけでございます。前から大臣も再三にわたってこれらの問題を善処すると言うし、中尾政務次官も昨年はわざわざアメリカまで行って、私の要請にこたえていろいろ検討してきたにもかかわらず、検討すると言ったことがそのままずるずるになってきております。こういったことではけしからぬと思う。何としても重大な決意をもって態度をきめなければならぬときが来ていると思うがゆえに申し上げます。  そこで、いろいろ申し上げましたが、一々言うとまた何だかんだ言いたくなるのでここでとめますけれども、ことしの協同果汁に割り当てたところの三百五十トンはどうするのか、凍結するのか、どうするのか。もうすでに三年分の割り当て分が凍結することになるということになってくると私は思います。まだ工場ができておらぬわけですから、そういったことを含めて、このままでいくと、来年の割り当ても、チルドジュース工場に対する、いわゆる協同果汁に対する割り当ては当然凍結せざるを得ない。と同時に、本年度のオレンジジュースの割り当てはどういうふうにするのか。それを含めて、時間もございませんので最後に御答弁をいただきたい、かように思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 ただいま先生から、この設立の趣旨を踏まえまして、さらにいろいろな問題で御指摘があったわけでございますが、ざっくばらんに申しまして、私どももいろいろ苦慮しているというのが事実でございます。しかし、私は、いまの経緯を踏まえまして、これをつくろうとした本旨を何とか貫きたいと思っているわけでございますが、確かに御指摘のようにむずかしい問題がございますが、ただし、いつまでもじんぜん日をむなしゅうするというわけにはまいりませんし、これをさらに来年度に持ち越すということは考えておりませんで、時間も非常に切迫しておりますことを十分痛感いたしまして、早急な解決を進めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。  それから、三百五十トンの処理でございますが、これはやはり協同果汁に一元化するということで特別に認めたものでございますものですから、そういう趣旨からも協同果汁を成立させたいと思っているわけでございますが、ただし、これを各構成メンバーにただばらまくということではやっぱり本旨に反するのではないかと思います。正直言いまして、各地域地域の県連において自分のところのジュースを伸ばすという問題と、国全体でジュースをいかに伸ばすかという問題は、これはお互いに一致する場合もありますし、また、食い違う面もないとは申せません。したがいまして、各地域地域にまかせるというわけには必ずしもまいらぬと私は思うわけでございます。要は、全体としてチルドの需要をどうして伸ばすか、その場合協同果汁をどのように位置づけ、役を果たさせるかという問題でございますし、御指摘の点は私も十分痛感をいたしておりますものですから、時間も切迫しておりますし、早急な解決をはかってまいりたいというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ただいまのチルドジュース工場問題については、またいずれ質問をすることにして留保しておきますが、これはあくまでも農林省のあっせん待ち、農林省の出方待ちで、この一点にかかっていると、かように私は最後に指摘します。いま、局長は、年内には何とかこれを了したいということでございますが、早急な解決を見なければこれはたいへんな問題になると思います。そのことを指摘しますが、また、オレンジジュースの割り当てについてもどういうふうにされるか、早急なる検討をなさるべきである。そうしなければ、各団体、業界の不安はつのるばかりであります。そういったことで、こういう問題についての今後の早急なる十分なる検討を要請して、質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私は、先般九州三県を視察して調査をしてまいった中で、多くの農家の人々が現在の農政に対してたいへん危惧を感じているというような点から幾つかの点を質問しようと思ったわけですが、先ほどまでの間に一緒に行った仲間からいろいろな質問が出ましたので、重複する点を省いて、土地改良の点について、ざっくばらんに最初に質問をしたいと思います。そしてあとは、地元に起きているはなはだけしからぬ問題が二つほどありますから、その点をどうしても取り上げてもらわなくてはならない。こういうことで終わりたいと思います。  まず、最初の問題でありますけれども、土地改良事業に関しては、農業の生産を高めて、そして自給度をさらに確実にしていくためには絶対に必要なことであるし、早くやらなければならない問題でありますが、まず、そこで、今日までの土地改良の進行状態というものを見ると、必ずしも、当初予定したように、農家の皆さんが期待をしているような形で土地改良事業が進んでおらないと思う。  そこで、農林省としては、過般土地改良の白書を出したことがありまして、これはかなり綿密であり、詳しいものであったわけですが、そういうものを近く考えて、総括として出す気持ちがあるかどうか。そういう計画があるかどうか。いわゆる土地改良の総括ですね。こういうことを最初に聞いておきたい。  わが茨城県の例をとってみると、二十三万ヘクタールの中で、土地改良事業に関して、基盤整備が七八%、揚排水事業が六六%、農道整備が五六%と、いまだ未完成の、必要があるという地域がこのようにあります。しかも、その中で、畑に関してはなお手つかずという点があるわけです。こういうような点から言って、現在の土地改良の進行状態、日本の食糧自給度というものと考え合わせてみたときに、必ずしも前向きに前進しているとは思えない。まあ、精一ぱいやっているとは言うけれども、いままでのような状態ではなお不十分であるので、この点に対して、基本の問題についてはどうだろうか。まず、最初にそれをお聞きします。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 四十八年にできました十カ年の土地改良長期計画に基づいて、現在われわれは土地基盤整備の充実をはかっているわけでございます。土地改良十カ年計画におきまして、圃場整備につきまして、全耕地の八割までも、あらゆる時期にあらゆる需要に応ぜられる圃場に整備する、こういうことが土地改良長期計画のねらいになっているわけでございます。そういう観点から、十カ年間に年率一六%の伸びをもちまして土地改良事業を推進してまいるというのが計画であるわけでございます。そういうことと、そしてまたそれが何で必要であるかについては、先生がいま言われたように、全くそのとおりだと思っております。ただ、四十九年度の予算編成にあたりまして、総需要抑制というようなことになりまして、公共事業一般の規模、予算が押えられる。こういうふうな中で、基盤整備事業もやはり公共事業であるがゆえに押えられざるを得なかった。そしてまた、最近におきます労務費なりあるいは骨材その他の資材費の高騰というようなことがありまして、当初の予定よりおくれていることは事実であります。来年度予算というものがまた総需要抑制というようなことでありますならば、計画よりもその点においてはまたおくれざるを得ないということに相なるわけでございますが、現在、われわれといたしましては、四十八年から五十七年ということであり、したがって、ここ一、二年の問題ということが究極的に非常に大きな影響を持つというふうにも実は考えていないわけでございます。ただ、現実の問題といたしますと、総需要抑制の中で各種事業機関の間に若干のアンバラが生じているということは否定できないわけでございます。そこで、たとえば大型プロジェクトと申しますか、国営事業等については、それの施行を効率的に行なう、あるいは圃場整備その他の問題につきましても、国営の進度との調整をしながら進めてまいるというようなことによって措置してまいりたいというふうに考えるわけでございます。  先生が総点検という問題を言われたわけでございますが、実は、その問題につきましては、各種の長期計画というものを、五十一年度から六十年までといいますか、五十一年を始点とする長期計画に統一するというような動きも一方にございます。また、別の問題といたしまして、現在、最近の食糧事情を前提といたしまして、食糧の需給の見直しということも農林省内部において行なっております。こういったような点から、長期計画の中身の問題についてまた検討すべき時期もあり得るのではないかというふうにも考えているわけでございますが、何ぶんにいたしましても、労賃なりあるいは資材というものが著しく高騰して、予測しがたい事態がまだ完全に終わり切っていないという事態の中におきましては、なかなかその辺むずかしい問題があろうと思っております。そういう点におきまして、個々の事業についての中身の効率的利用というような角度においての点検は今後とも続けながら、効率的に利用をはかってまいりたいというふうに考えるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この基本の問題に関しては、いずれ時間を改めてもっとしっかりした議論をしたいと思うのです。そうしないと、なかなかわれわれは安心できない点があるから、これはどうしてもやらなければいかぬ。  そこで、今度の調査の中で端的に一つ問題が出ているのは、鹿児島県の南薩地区の畑地かんがい事業の問題であります。これは四十五年に始まって、五十二年に国営としては終了する、県営が四十八年に始まって五十三年度に終わる、こういう形であるわけですが、この国の予算が百九億、そして県が百十四億五千六百万円、団体で一億三千八百万円、合計二百二十四億九千四百万円という総事業の中で、今日国営事業は二六%しか進んでおらない、県営が一一・二%、そして両方合わせて一八・三%しか進んでいないという状態では、とうていこれは約束した期間の中で終了するものとは思えない。これは一体どこに原因があって、いつになったらこれは終了ができるのか。この点は非常に重要なことだと思う。おくれるにも、これはちょっとはなはだしいおくれ方なんだ。このごろは国鉄がときどき脱線をしておくれることがあるけれども、それよりはなはだしくこれはおくれているので、こういうことについては、これはいつごろ見通しをつけてやるのか。要するに、県営の負担が多過ぎて耐えられないという面があるのかどうか。これはどういうことにしたらいいのか。この点はどのようにやられるのか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 南薩の事業のおくれの問題を御指摘になったわけでございますが、われわれの計算では、四十九年度までには三三%の進捗率というふうに考えております。先生が言われましたのは、五十年PWに直した場合の事業費で言われているわけでございますが、現実に過去においてできておるわけであります。現在進捗率としては三三%というふうに把握しておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、最近の総需要抑制あるいは労務、資材費の高騰というようなことで、当初の五十一年完工ということにつきましては、三年程度はおくれざるを得ないのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。しかしながら、地元におきまして早期に水をほしいというふうな要望もございますので、国営事業と末端の整備事業との間の調整をはかっていきたいと思っておりまして、部分的には五十一年度からかん水できるような方向に持ってまいりたいというふうに実は考えているわけでございます。  今後の問題といたしましては、何といたしましても国営事業を進めなければならぬわけでございますけれども、特に、特別会計事業でございますので、特別会計事業についてはより重点的に予算を配分するというようなことをもって対処してまいりたいというふうに考えるわけでございますが、御存じのように特別会計事業は建設利息がつく、工期が延びればそれだけ農民負担がふえるではないかという御指摘であろうかと思いますが、鹿児島におきますところの、鹿児島県の他の土地改良事業との均衡の問題もございますので、県と協議して、農民負担が極力上がらぬような方向で対処していく方針になっているわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これはたいへん要望されていることであるから早急に見通しをつけて指示をしてほしいし、われわれの調査の中でも、特に団長が地元の要望はよく理解ができるからというような報告もしているわけですから、ぜひこれはやってほしいと思います。  さて、そこで、建設省の方が来ていると思うのでお伺いしますが、国道六号バイパスについて四十六年度ごろから計画が予定をされていたということで、住民がそのことを知って、昨年の九月に市議会と建設省の常陸の工事事務所長に、あそこを通すことは反対であるという要請をした。にもかかわらず、その回答がないままに、ことしの十月の七日に開かれた市議会の特別委員会において、建設省の常陸の工事事務所長と石岡の市長が、請願を無視して、既定どおりのところを実施するというぐあいに発表した。したがって、地元の人たちは、われわれの要請なり請願というものは一体どういうふうにしたのかということで、たいへんびっくりして、いまここに署名として来ているのが、あの辺の兵崎、貝地、小目代、東大橋というような大きな部落の代表三千七百三十六名と、交通安全母の会の署名が四千三百名であるが、あの地域に対して、三キロぐらいのところで二百戸も民家を移転させてバイパスを通す意義がどこにあるのか、あるいはまた、都市計画法に基づいて特別住居地域としておきながら、どうしてあそこへそれを通さなければならないのか、それは一体だれが何の必要でそういうことを通さざるを得ないのか、どこがそれを企画したのか、住民が要求したのか、それとも市が要求したのか、建設省が必要ときめたのか、これはどういうことになってあれを強行しようとするのか、その点について説明をお願いしたい。

浅井新一郎建設省道路局企画課長

○浅井説明員 御質問の計画線の問題につきましては、石岡の市内を通る国道六号線の区間、これは約五キロぐらいにわたるわけでありますが、この区間のバイパス計画を——これは御承知のように、現道が、石岡市内が大体二車線道路になっておりまして、沿道の市街化が非常に激しいわけでございますが、一部区間を除いて歩道もないといったような状況でございまして、一方交通量のほうは昼間十二時間当たり二万台以上の交通があって、交通渋滞が非常にひんぱんに起きているというような状況でございますので、建設省としては、二次改築事業がぜひ必要だというふうに考えまして、昨年度からそのための調査をしてまいっているわけでございます。  そこで、四十八年度に数本の計画線——先ほど五キロと申し上げましたが、五キロ前後の数本の比較線を検討いたしまして、この数本の比較線の中から技術的にいろいろな評価をいたしました結果、現時点では、現道拡幅の案とA案B案の二案の、合計三案ぐらいにしぼられておるわけでございますが、そのうちの比較的現道に近い案が技術的に最もすぐれているのではないかというような考え方になりつつあります。しかし、いずれにしても昨年調査を始めたばかりでございまして、本年度は、昨年の調査の結果を踏まえまして、千分の一の図面で詳細になお計画線の検討を行なうこととしておりますので、結論は出ておりません。現在、調査の一環としまして、市当局にいろいろ協議しながら話を進めておる段階でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そうすると、それは住民の要求であるよりは、建設省がやりたいということでやったわけですね。住民から何か請願があったとか、あるいは署名があって、ぜひやってくれとかいうような要求があったかどうか。建設省の必要でこれはやったということですか。その辺はどうですか。

浅井新一郎建設省道路局企画課長

○浅井説明員 石岡バイパスの建設の要望は、市当局からは出ておりますが、住民と申しましても、計画線に沿った住民の方々からの反対意見は、現在反対意見としては聞いておりますが、建設要望としては、市当局が住民の声を代表して建設省側に要望しているということでございまして、要望はそういうことですが、先ほど申しましたような必要性については、建設省の必要というよりは、結局、ああいう状況でございますので、住民の方々にとってもそういうバイパスが必要ではないかというような判断に基づいて調査を始めたわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そうすると、その予算はどれくらいの規模でやられるか。その予算規模について伺います。

浅井新一郎建設省道路局企画課長

○浅井説明員 事業費につきましては、現在、先ほど申し上げましたように計画線をいろいろ比較調査しておる段階でございますので、こまかい数字はまだ出ておりませんが、大体五キロ前後の計画区間でございますので、百億前後の金がかかるものというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これはわれわれも年じゅうあそこを通っているからよくわかるわけだけれども、あの地域がそれほど渋滞をするということは——まだまだ渋滞する場所はほかにある。土浦のバイパスだってまだできていない。いま完成しようとしているけれどもね。それから、これは話がちょっと違って恐縮だが、古河駅というのが東北線にあるけれども、古河市のあの駅を高架にして——あの西と東の踏切くらい渋滞するところはないはずだ。あれも建設省がいま検討していると言っているけれども、これもまだ結論が出ていない。そして、石岡のようなああいう住民が要求もしないところへ——あれは三キロと聞いていますが、あの三キロのところへ百億も金をかけて上からきめるということであるならば、それよりも、住民が要求しているものをなぜもっと早くやらないか。せっかくの国のなけなしの金を使ってやるなら、それをやるべきだ。住民がこれほど反対しているものに対して、あれだけの陳情について何らの回答もしないで、今度は市が要求するからといっていきなりきめる。市議会の中だって半分以上反対しているじゃないですか。これを一体強行する気ですか。

浅井新一郎建設省道路局企画課長

○浅井説明員 先ほど申し上げましたように、これは昨年から調査を始めた段階でございまして、事業化するまでにはまだだいぶ時間がかかるわけでございまして、事業化の順序は、そういった全体のプライオリティーといいますか、着工のプライオリティー等を十分勘案してきめるわけでございます。その際には予算的な問題も十分からまってくる問題でございまして、いつから事業化するということは現在まだきめておりません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この問題はたいへん重要な問題になろうとしておりますから、建設省のほうでも、住民の意思というものに対してもう少し誠実にこたえてもらいたい。このことを要望して、きょうはこれだけにしておきます。  続いて、これは環境庁に関係するわけですが、筑波山の筑波町の山口という地域に薬師堂という場所がありますけれども、そこに現在霊園をつくろうという動きのあることについて承知をされているかどうか。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○宇野説明員 国定公園の問題でございますので、詳細に私どもは承知をしていないわけでございますが、いま先生からのお話しの概要につきましては、県に照会いたしまして知っておるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 県のほうからどういうような報告があったか、それを述べてもらいたい。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○宇野説明員 国定公園内の許可の問題は県知事の権限でございますので、私ども詳細に承知していないと申し上げましたのは先ほどのとおりでございますが、現在、私どものほうでこの問題につきまして照会をいたしまして、県から承知をいたしましたのは、四十八年の十月に宗教法人の宝寿寺というところから申請がございまして、約三万平方メートル、三ヘクタールの霊園をつくりたいということで申請があったということでございます。これにつきましては、条件をつけまして四十九年の九月に許可をしておるということでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 四十九年九月に県が全部の許可をしたのですか。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○宇野説明員 国定公園のほうの問題につきましては、自然公園法による許可は、先ほど申し上げました四十九年の九月三日に許可をしたということでございますが、そのときの許可条件がございまして、「土地開発事業の適正化に関する指導要綱」というものが県のほうにございまして、この要綱に基づいて設計の承認は今後受けなさいという条件をつけまして許可をしたわけでございまして、そういう意味で、ここの工事には着工ということは現在まだやっていないわけでございます。そういうふうに私ども承知をいたしております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 あそこの地元は百十六戸の家がありますが、その百十六戸のうちの三分の二の七十五戸が反対で、五戸が中立で、賛成をしているのは元の警察署長を中心とした利権屋ですね。こういう者が中心になって、恐喝をして霊園を推進しようとしている。こういうことでまだ最終的に許可が出ていないのに、四十八年十月には、こういうような霊園ができているという形で東京都内で宣伝をして、もうすでに売買をしているのですよ。売っているのです。まだ許可が最終的に出ていないで、現実にまだそこには草がはえていて、そこの住民がそれだけ反対していて立ち入りもできないのに、それを売って、それで金を若干とっている。こういう状態は詐欺じゃないですか。このようなことが許されていいものかどうか。そして、県のほうの課長は書類が整っていたから判を押した、許したと言うが、書類さえ整えばどんなことをやっても許すのか。これは行政的にもはなはだまずい。反対の者がすでに前々から要請をしている。そして、あの筑波の山というものは公園としてすでにきまっている。その百メートルも離れていないところの自分の庭先に二千のお墓ができて、毎日毎日霊枢車が出入りしたら、その住民がどんな気持ちになるかということはだれだってわかるわけだ。これは特に環境庁の範囲外だけれども、こういうような問題に関して、行政的に県のほうにもう少しまともな指導をお願いしたい。これはきょうここで初めて私は申し上げるわけだけれども、もうこれ以上こういうようなばかなことはないようにしてほしいわけですね。これは現に去年の十月に東京都内に売り出した広告ですが、こういう点について環境庁としてはさらに調査してほしい。霊園ができれば厚生省の管轄だと思いますが、そこは確かに県知事の権限かもしれない。面積が狭いですからね。それにもかかわらずこのような不届きなことがあるということは、これは刑事問題だってやがて出てこないとも限らない。そういう点について今後さらに調査をしてほしいということを私は要求するのですが、これはどうですか。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○宇野説明員 私どものほうでは自然公園の関係で許可をしたという事実は知ったわけでございますが、なお、これにつきましては、設計等について県のほうで審査をする条件がついておりますので、実際には着工というまでにはまだ相当時間がかかるだろうというふうに考えております。  いまの先生の御指摘のそういう売買行為がすでに始まっておるということにつきましては、私ども全然存じておりませんし、県の当局も実は知らなかったというようなことを言っておるわけでございます。事実は私のほうで調査をいたしてみたいと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私は、これは地元の住民の人々といろいろな資料をもっていま整理をしておりますけれども、書類のつくり方に作為がある。要するに、当初はあそこの事業屋である大久保隆という人がこれを申請したのですが、そうしたら、谷田部の保健所は、こういうものは宗教法人でなければだめですということで却下をした。却下をしたらば、今度は宗教法人であるところの宝寿寺というところの坊さんを立てて再申請をするという形になっている。そのときに書類の書き方に著しく不当なことがあるのです。しかも、多額の金が地域にばらまかれているといううわさがある。最近は、金の話は、中央から始まってもうあたりまえのことになってしまっているのだけれども、これは実際困る。そういうわけで、問題は背景がかなり深刻な問題がありますので、特に環境庁としては直接には指導関係はないかもしれないけれども、現にこういうような問題になっているときに、これ以上忌まわしい問題を起こさないためには、この最終的な認可に対しては県のほうにストップをかけておかないと流血の惨事が起こらないとも限らない。現に三分の二以上の住民が反対しているのだが、これができることによって土砂がくずれて災害が起こることは明確だということは、これまで二つのゴルフ場によって明らかに先例を示している。あの土地は関東ローム層といって、なかなか草木がはえにくいところなんです。一ぺんそこをこわしてしまうと、もうなかなかつかない。だから、大雨が降った場合には必ずそこへ土砂が流れて、水田が流失し、たいへんな事故が起こる。現に起こっております。そういう問題がまだ始末ができていない段階でまたこのようなものをつくるということは、住民としてはどうしても理解ができないというわけです。  ここではきょうはこれだけにとどめまして、いずれまた書類が整理された段階で別にこの問題については質問をいたしますけれども、環境庁としてはどうか厳密な調査をしていただきたいということを要望しますが、どうですか、これはやってもらえますか。

宇野佐環境庁長官官房参事官

○宇野説明員 御要望のとおり調査をいたしまして、私のほうでは遺憾のないようにしたいと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これで終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、野坂浩賢君。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 簡単に質問をして終わりたいと思いますが、まず、米のことです。米につきましては、国民の食糧を確保するということが一つと、生産者に対しては、生産費や物価や米の再生産を期すという意味で、来年もまた新たな意欲で生産に従事をしてもらわなければならない。こういう考え方を基本にして、生産者の状況から質問をしていきたいと思います。  地域の問題で恐縮でございますが、陳情書も出してありますから長官はすでに御存じのとおりだと思うのですが、私の出身の県であります鳥取県に日野郡という地域がございます。この郡部には四つの町村がございますが、全部過疎地域に指定をされて人口が減りつつありますし、今日の産業というものは米と肉用牛と繁殖牛で、こういうところで生計を立てております。したがって、水稲がその生活の大部分に寄与しておるというのが実情であります。  この日野郡地域は、当時は三善長官は官房長でありましたが、ずいぶんと純朴でありますから、政府の指示に協力をして減反、減産を実施してまいりました。そして、ことしから減産の率が減りましたために、休耕田を復旧をいたしました。四囲は山に囲まれておりますから山田が多いわけでございますけれども、ことしの夏、カメのようなカメムシという虫が発生をいたしまして、米が固まる前に米のやわらかいところをずいぶん吸うということになって、もみをすると言いますが、脱穀をいたしました後に黒い斑点がついて、一応黒変米という姿になって農家の皆さんは驚いております。今日、この黒変米が日野郡だけで一万八千三百五十トン程度出ております。町別にいたしますと、日野郡の日南町が一五・六%、日野町が二〇・三%と、全生産量の二〇%程度まで影響しておるというのであります。したがって、来年の米は、当面の生活は、というのが農家の皆さんの偽らざる声でありまして、日本の政界の中では黒い霧で大金が流れておりますけれども、そういう地域ではわずかの金で生活に苦しんでおるというのが実情であります。  これが現況でございまして、お尋ねをしたいと思いますのは、この現況からして県としても色別の選別機をもって色彩別に分けていくというのでありますが、食糧庁の長官がよく御存じのとおりに、死に米が何割とか、あるいは着色米が何%とか、そういうことで分けても規格内に入ることはできない、規格外になるというのであります。これらの再生産を行なっていくために、このような地域に対する農家についてはどのようにすべきかということが一点。  それから、われわれも知恵を出しまして、酒造用等の原料米に積極的に売り出さなければならぬと思っておりますが、これらについてどのようにお考えか。  それから、この黒変米は手でやってもはげるのです。黒はとれる。だから、今度はそれを精米にして売却をすれば大勢に影響はないと思うわけです。したがって、自主流通米として認めてもらうということになれば農家の所得に影響することが少ないと思いますが、その辺については一体どうなのか。また、これが他県に出て非常に問題があるということになれば、自県において消費をするということを条件にして措置したらどうなのかということであります。  まず、その辺から、私の時間がわずかでありますから明快に御答弁をいただきたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 カメムシの被害のことでございますが、御承知のように、カメムシの被害では、黒変病といいますか、それが出るわけでございますが、最近カメムシの被害というのはわりあい少なくなってきていると思っております。と申しますのは、防除が非常に徹底してきておりますので、カメムシの被害もそれに即応して非常に少なくなってきておる。いま先生が言われましたように、鳥取県と島根県と広島県の三県にことしそれが出ているということは私ども承知しております。ただ、数量的には、鳥取県の場合は非常にこまかくその被害の状態をいま把握しておりますけれども、いま一万八千トンと言われましたのは一万八千俵じゃないかと思いますが、千トンぐらい出ているということも聞いております。  そこで、従来でございますと、食糧庁が何でもかんでも買うとか、何でもかんでも自主流通に回すというようなことはなかなかむずかしい問題でございまして、基本的には、カメムシの被害の黒変病の場合なんか、特定低品位米と申しますか、そういうことで特定の流通ルートを通じて売ってもらっていたというのが従来の行き方でございますが、今回、いま先生が言われましたように、非常に特定の地域で、しかも非常に被害の程度が大きいというような問題もあるようでございますし、鳥取県だけではなくて、島根県、広島県——ほかの県からはまだ聞いておりませんが、そういう実態を私どもはもう少し詳しく調べてみたいと思っております。  私ども、県と食糧事務所にその調査を命じまして、被害の程度、量、地域的なそういう問題等を十分調査をした上で検討をさしていただきたいというふうに思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 そういうことだろうと思っておったのですが、御検討いただくということは当然だと思うのです。当該の農家の皆さんが来年度の生産意欲が減退しないように、そして、また、人並みの生活ができるように、そういう措置としては最大に御努力をいただけるものと思いますが、そう考えてよろしいかということです。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 私、ここでそういうふうに考えてよろしいかと言われましても、よろしゅうございますとはいまこの場ではなかなか申し上げにくいわけでございまして、もう少し実態を調べさせていただきたいと思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 最初に申し上げましたように、その地域であなた方の言うことをよく聞いて休耕して、そういう休耕田とその山のきわだけにカメムシが出ておるのですから、そうすると、政府の責任は全然ないとは言えないわけですから、ぜひ精米にして政府の買い入れ措置をしてもらわなければならぬと思う。わが県は非常に後進県でありますし、水稲を中心にする県でありますから、そういうことについては十分配慮していただきたいということを要望しておきます。  それから、経済局長、急で恐縮でありましたが、いま話をしておりますカメムシ被害による米ですね。これが農業共済組合にかかるかかからないかということであります。この共済法をながめてみましても、農林大臣から指定をされて防除施設をするということで、それを一生懸命にやったわけでありますが、収量としてはありますけれども、商品価値がない。だから、それは収量の中に入るかどうかということは、見方、考え方によっていろいろあろうと思うのですけれども、それについて農業災害補償で、つまり、農業共済組合が補償するという体制にはなるまいものなのか。われわれも一生懸命に現地に参りまして協議をしておりますが、非常にむずかしい面があろうとは思いますけれども、収量はある、しかし商品価値はないという事態でありますし、農業の所得から考えてぎりぎりの生活をしておるという実情でありますので、この点について配慮をすべきではないかということですが、どのようにお考えでしょうか。

岡安誠農林省農林経済局長

○岡安説明員 先生も御承知のとおり、一般的には、農産物の品質の低下によります収入減は農業共済補償制度の対象になっておりません。ただ、いま御指摘のカメムシの被害によりまして黒色に変わるというようなものにつきましては、特別に、特例の措置といたしまして黒色に変わった粒を控除して、その控除した分を減収に計算をいたしたり、精米歩どまり等が下がったものにつきましては、その歩どまりぐあい等につきまして、これを減収量に加算するというような措置をいたしております。  ただ、これは立ち毛の状態では明らかにならないわけでございますので、県のほうから農林省に相談を受けまして、どの程度減収に見込むかということを御相談の上、これは私どもとしましては共済の対象にいたすということにいたしております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは、カメムシ被害は今日検討するということでありますから、できるだけすみやかに御検討をいただいて善処をしてもらうということをお願いをして、米は終わります。  それから、構造改善局長にお尋ねをしますが、同じようにもう先刻御承知の鳥取県の名和町に、戦後、農家の皆さんが約四百戸程度入植されまして、四百五十町歩でありますか、その程度の開墾をされましたが、しかし、中途で水がないために下山をされた。こういう事情がございます。時間がございませんからはしょって申し上げますと、この下山をしたあとを、四十一年の五月に県が保安林にするということを条件に申請をして、国は七月にこれを許可されております。水源涵養林というかっこうになっております。しかし、この保安林指定というのがわが県は非常におくれておった。条件はつけられておりますけれども、一年ばかりおくれて指定をしております。そのあたりは当初開墾されておったのですが、下山をして山になってきた。その近所はきれいに開墾されて、現在の農家の皆さんがお働きでございますが、水不足ということから、昭和三十六年からだったと思いますが、三年間農林省に御調査をいただきまして、国営でかんがい事業を四十一年から実施をしていただきました。当初、あまり工事がよくないということで、それを受け取るとか受け取らぬとかいう議論がございましたが、説得をされて農家の皆さんはちょうだいをいたしました。そして営農を続けておりました。  しかし、最近に至りまして観光ブームで、「県民の森」とかいうことで道路がつき——これは道路がつきかけたと言ったほうが正当だと思いますが、遊歩道がつくられるということで、それが進行中に減水をいたしまして、私も現地を見ましたが、通常の十分の一程度になった。われわれはこの水を湧水と呼んでおりますが、「わき水」というふうにところの人たちは言っております。その湧水で飲料水も畑地かんがいも十分実施できておったのでございますけれども、この水がとまった。飲む水をやめるというわけにまいりませんから、しかたがないので、その雑用水をいま飲んでおります。この百七町五反歩の皆さんは、今後これからの農業をどうすべきかということでたいへん心配をして、この間、十月二十八日だったと思いますが、岡山農政局からも来ていただきましてお話しを聞いていただきました。今日、県も二百二十万円の調査費をつけて調査中でありますけれども、非常に地元民は心配をしておりまして、ぜひ水を出してほしいということであります。  したがって、国がつくり上げたこの畑地かんがいを維持、管理をしてもらわなければならぬ、やったらやりっぱなしであとはよろしくというわけにもならぬと思うのですが、これについては調査をされておると思いますし、また、お聞き及びだと思いますが、これと今後の水の確保ですね。畑作を振興させるという意味と、営農を行なえるという考え方に立ちまして、農家の皆さんの心配を取り除いていただくような措置をお考えだと思うのでありますが、これをどのように進められ、考えられておるか、お伺いをしておきたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 御指摘のところは、旧開拓制度で、大山開拓建設事業で、香取開拓団の入った場所の一部であるわけでございまして、現在のところ、水不足という問題が非常に大きな問題になっているということをわれわれも伺っているわけでございます。それで農政局からも調査に行っているわけでございますが、「県民の森」に指定されたということとの関連において湧水が非常に減っているのではないかというような問題が一つ指摘されているわけでございます。  そこで、県のほうで、先生も言われましたように、二百二十万の金をもちまして、水源の水量でありますとか、地下水の賦存の状態でありますとか、あるいは現在の施設機能でありますとか、こういった調査を行なうということになっておりますが、その調査の結果、水源涵養保安林あるいは保健保安林としての「県民の森」のいろいろな工事が原因であるということになりますれば、これは原因者負担というかっこうでその水の問題に対処しなければならぬことになると思います。  しかし、そういう点が明確にならぬ場合との関係もあるわけでございますが、実は、この地区も含みまして、四十六年からは、新制度によります大山山ろく開拓建設事業を——これはたしか下蚊屋ダムですか、それをつくりまして、あの地域も含めました国営事業を現在実施しているわけでございまして、その国営事業の水源といいますか、いまの大山干拓でやられました当時の水源といいますか、要するに流域の転換等のこともこれとの関連において考えねばならぬかもしれないというふうに考えるわけでございます。  むしろ、それとはまた別に、開拓に対しましては、前に開拓の総点検をいたしまして、その結果、現在、開拓道路等補修事業というものを実施しております。第一期事業といたしまして、四十六年以降五カ年計画で三百億の金をもちましてそれに対処してきたわけでございますが、その後さらに四百六十億程度の追加希望も出ているわけでございます。開拓道路等補修というのは、開拓事業で行ないました道路の補修とか、そのほかに飲雑用水等の施設の補修とか、こういうような問題もあるわけでございまして、この地域からは、その開拓道路等補修の第二期事業としての要請も来ているというような事態もございます。  いずれにいたしましても、水の問題の原因追及というものがまず第一前提であり、これの結果が十一月一ぱいでわかったという段階におきまして、水の問題については、一つはそういった開拓道路等補修事業との関連において、あるいは新制度によります山ろくの開発事業によりまして対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまお話しがあったことで大体尽きておるとは思うのですけれども、大山の開拓パイロット事業の推進の状況は、開拓地は御案内のように一定の程度進められてはおりますけれども、いわゆる水の源であります江府町下蚊屋から水をとるということは、今日地元住民がなかなか納得をしないという状況からむずかしい。現地におきまして、名和町、中山町におきましては、あった水を出してくれというんですね。あった水だから出せと言う。遊歩道等の道路の上で湧水が六カ所ばかりまた新たに出ておる。これを見て皆さんは、水脈が切れた、変わったということを言っているわけです。私もそう思うんです。だから、いまおっしゃいましたように、原因がわかればそれによって対処するということでありますが、お話しがありますように、飲雑用水の施設も第二期工事としてとられるわけでございますから、この飲雑用水の施設というのは一カ所からとったものだけではなしに、ある水を集約をしてそういう畑地かんがいをやる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 現在あります取水口をそのままにおいて改修するという意味ではございません。それよりも、むしろ多数のところからとるというようなことも一つの目的達成のために必要であれば、それも当然対象になる、いわば改良的なものも対象になるというふうなかっこうで措置しているわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 ありがとうございました。  終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 津川武一君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 サトウキビのことと、森林のマツクイムシ、シンクイムシのことと、土地改良のこと、この三つのことについて質問いたしますが、質問は時間がないのでまとめてやりますから、まとめて答えていただきたいと思います。  まず、マツクイムシ、シンクイムシのことをやりますが、日本の国は松の国と言われ、日本の海岸の美しさも松の美しさである。神社、仏閣、城址などの美の一つの重要な要素は松であると思いますし、海岸美もそうだと思います。この間ふとした機会から私は熊本県の天草の最北端の苓北という町に行きまして、富岡城址というところを見せていただきました。松の非常に名所だそうでございますが、行ったときは全部シンクイムシにやられておりました。全部切られておりまして、日本の城址の名所の松がつぶれてしまっております。林野庁からもいろいろ聞き、私たちも聞いたところによると、日本の三大風景の松島、厳島、天の橋立の中で、厳島の松がやられておると聞いております。また、日本の三大庭園の兼六公園、後楽園、水戸の借楽園の、この水戸の借楽園の松もまたシンクイムシにやられていると聞いているし、奈良の橿原神宮と法隆寺の松までもシンクイムシにやられていると聞いておりますが、このとおりでありますか。これに対してどうされておるか。これが一つ。  二つ目には、松は保安林として、防風林としてかなり大きな役割りを果たしております。山形県の酒田から鶴岡にわたる防風林の内側には、あのとおり庄内平野という日本一の米の産地がある。津軽半島の屏風山も松が防風林、保安林として——このうちには、これまた日本一の米の生産地の津軽平野が開かれておりますが、こういう防風林が今度マツクイムシに、北のほうではシンクイムシにやられているところがありますが、大きく言えばどんなところがやられているのか。これが二つ目の質問です。  三つ目は、松は用材としての役割りを果たしております。この間、熊本県水俣市の北のほうの芦北林業地で——ここはアカマツの人工林で、日本の松の三大密集地帯の一つですが、実は、私はここで恥をかいたのです。山がモミジできれいだと私が言ったら、「先生、何を言うのですか、あれはマツクイムシで死んでしまった松です」と言うのです。こういう形でかなりの松がやられております。そこで、こういう用材としての松の被害状況がどうなっておるのか。これが第三点。  四点目は、神社、仏閣、古城といったところの松のシンクイムシ、マツクイムシはどのように予防して駆除をするのか。これが四つ目。  五つ目は、保安林、防風林になっているところ、酒田と鶴岡、津軽半島の屏風山——屏風山にはこの間もシンクイムシが出てかなり苦労しましたが、こいつをどのようにして防除するのか。  それから、今度は、用材としての、そういう芦北などの松林になっているところはどのように駆除していくのか。そういう用材には特殊林地として復旧改良をやるということがありますが、それが全面適用されるのか。保安林には国が全額お金を出して駆除するということがありますが、これが全額やられておるのか。私たちが林野庁から聞きますと、百万立米、十七万ヘクタールという被害があるのに対して、予防のための予算が四十八年度で六千ヘクタールで、四十九年度で一万二千ヘクタールです。被害が十七万ヘクタールですよ。用材としての、保安林としての一つの日本の美の要素である松を守らなきゃならないとすれば、この体制ではいけないと思うので、さらにさらにこの予防、駆除を進めなければならないと思います。これが六つ目です。  七つ目には、この駆除予防は非常によくきいております。その点はどんどんやるべきだと思います。ところが、スミチオン有機燐剤が環境を破壊する心配がある。攪乱する心配がある。こん虫がいなくなったり、鳥類の繁殖が押えられたりする公害上の問題がございます。そこで、このスミチオンの空中散布に反対する人たちがあります。現に私も覚えております。そこで、この調整をどうするのか。よく話し合いをして、必要な時期を限ってやるならばやれるのじゃないかとわれわれは思っておりますが、この点がどうなっているか。  最後に、こういう点で、現実にスミチオンの空中散布がやられておるところでこん虫や鳥の生息状態に変化があるのかどうか。これを具体的に林業試験場で、一定の試験地を使って試験研究をして明らかにすべきだというふうな考え方なんです。  重ねましたけれども、これに答えていただきます。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げます。  たいへん数多くでございまして、あるいはちょっと抜かるかと思いますが、よろしくお願いいたします。  最初の第一問に、松によって日本の海岸風景が成り立っておるのだが、特に、日本三景とか偕楽園とか、そういうところでどうなっているんだということでございますが、実は、日本三景のうちの天の橋立とか松島については、現在マツクイムシはございません。ただ、御指摘の日本三景のうちの宮島につきましては、いままで被害が非常に多うございました。したがって、予防ということで本年度もやっておりますし、昨年度もやったわけでございますが、その点につきましては、空中散布が非常に効果を発揮いたしまして、被害は急激に減少いたしております。  また、佐賀の虹の松原の辺は非常に発生が多かったわけでございますが、これは全面散布をいたしておりまして、ほとんど見られなくなっております。  なお、階楽園とか後楽園あるいは栗林公園というようなところにも一部出ておるところがございますけれども、これは被害としてあまり見るところではないと私どもは思っております。したがって、こういう風景地に対しましても、空中散布等予防になるべく中心を置きまして、今後ともりっぱな松が維持できるように対処してまいりたいと思っております。  なお、二番目に先生が御指摘の、農地をうしろに控えました酒田あるいは先生の御郷里のほうの屏風山にシンクイムシ等が出ておりまして、これにつきましても、私どもいろいろと防除をやっておるわけでございます。空中散布を予防を中心としてやっておりますと、扉風山等につきましても非常に効果があるということでございます。したがって、防風林等につきましても、そういう予防を中心としていきたい、このように考えておるわけでございます。  なお、三番目といたしまして、水俣の芦北、これは紅葉みたいになっているというお話しでございまして、実は私もよく承知いたしております。芦北は松の生産地としては非常に有名な林業地でございましたが、現在それがほとんどマツクイムシにやられまして、これを植えかえなくちゃならぬというところまでまいっております。特に、御指摘がございましたように、被害状況といたしましては、全国で百四万立方というのが四十八年度でございまして、四十六年度の五十万立方に比べますと倍ぐらいになっております。これが駆除にいたしましても、御承知のように、立木を伐倒いたしまして、剥皮、焼却、あるいはそれに対して薬剤を散布するということでございますが、この立木駆除につきましても、労務の問題等がございまして十分でない点がございます。したがって、私どもとしましては、空中からの、あるいは地上からでもございますけれども、予防を中心としたスミチオン系の散布ということを対策としてとっておるわけでございます。  なお、予防方法でございますけれども、私ども、御指摘がございましたようなスミチオン系のもので春時期に散布いたしております。特に近ごろになってわかってまいりましたもので、御承知いただいておりますけれども、マツノザイセンチュウが松を枯らす原因でございまして、マダラカミキリが運び屋ということでございます。その運び屋をいかにして退治するかということで、このスミチオン系のものを散布いたしております。こういうことを中心といたしまして、防風林等についても、シンクイムシ等につきましても対処してまいりたいと考えております。  なお、予防でございますが、先生のほうがよく御承知いただいているのでございますけれども、四十八年度は薬剤予防は約五千六百ヘクタールということで、予算といたしましても一億四千万円程度しかございませんでしたが、このように空中予防散布が非常に効果が大きいということで、四十九年度はそれを倍にいたしまして、対象面積といたしましては一万二千ヘクタール、予算として約四億と、三倍程度に拡大いたしておりますし、また、立木駆除等につきましてもそれぞれの予算を計上いたしておりまして、今後もこのスミチオン系の空中予防ということを中心といたしまして、五十年度にも飛躍的にこれを拡大してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  なお、芦北等でいろいろと見てきていただいたわけでございますが、そのようなところにつきましては、造林補助事業につきましてほかの樹種——芦北でございますと、まずヒノキしか地質からできませんけれども、ヒノキ等を中心といたしました高率な、激甚災害的な指定をいたしまして、これの補助金で樹種の改良を行ないますと同時に、特殊林地改良事業は補助率が非常に高いわけでございまして、七割でございますが、そういうもので対処いたします。同時に、抵抗性のある松の新しい品種を育種場でつくろうと、こういう仕事もいたしておるのでございます。  なお、スミチオンがこん虫とか鳥とかいうものに影響があるのじゃないかというようなことでございますが、私どもが現在使っておりますスミチオン糸では、投下している成分量からいたしましても、野鳥に対する影響というものは私どもはあまり認めておりません。ただ、一時的にこん虫類が減少するということがございますが、一カ月ぐらいその経過を見ておりますと大体もとに復しておるようでございまして、現在、岡山県と奈良県の両方におきまして、そういう経過を連続的に調査するべく試験地を設けておりますけれども、御指摘のように、林業試験場等を中心といたしましてより一そうこの試験研究ということを進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  以上、非常に取りとめのないことを申し上げまして、あるいは漏れたことがあるかもしれませんけれども、一応そういうことでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 大体わかりましたが、長官、芦北は、皆さんが激甚指定、特殊林地指定をやっていたけれども、県庁とも相談したのだけれども、自己負担が多くてやれないと言うのですよ。なぜ自己負担が多いかというと、松というものはなかなかこれからがたいへんなんです。ヒノキでも杉でもそうだけれども、松だと二十年から二十五年なければ収入にならない。ヒノキであると四十年かかるそうです。しかも、あそこはなかなかやせ地で、松でなければならないが、松の用材としての需要がこのごろ必ずしも芳しくないので、もう少し補助金が出ないかということが端的なあそこの意見なんです。県によっては非常に消極的なところと積極的なところとあるが、熊本県で必ずしもそれに踏み切れないのは、それをペイする採算の問題が非常にあるので、これを特別に現地の熊本県と御相談していただければよろしいと思うのです。私はここであえてその答弁をもらいませんけれども、相談する体制はあります。この間私はこれについて県庁に寄ってきました。  それから、その次は屏風山ですが、初め空中散布にかなり反対していたのですよ。話ししてみたら納得して、あのあとはたいしたことはないらしいが、そこで、予防がきくので、こん虫、鳥のことの納得がいけば、かなり広い面積にこれは要求が出てくると私は思うのです。十七万ヘクタールに対して、四十八年の六千ヘクタール、四十九年は倍にして一万二千ヘクタール、五十年は格段に広めるといま長官が言ったが、そうでないとだんだん北のほうにものぼっておりますし、北のほうにはまたシンクイムシが出てきておりますし——聞くと、やはり広まっているそうですよ。そうなってくると、私たちもこれは援助しますが、五十年度の格段の予算をとることが必要だと思うわけです。  そこで、地元の問題で最後に一つだけ質問しますけれども、扉風山あたりへまた来たならば、今度は——この間は空中散布のときに予算でかなりしぼられ、交渉がなかなかめんどうだったのだけれども、これからはかなりスムーズにそういう予防の薬剤散布ができるようになりますかどうか。もっと多く十七万町歩全部に対して考えるようにすることと、芦北あたりでもう少し県庁と相談していただいてあと押しをしてくれるとあそこはいけそうな気がするので、その点もし所見がありましたら答えていただきます。

松形祐堯林野庁長官

○松形説明員 お答え申し上げますが、第一点の熊本県とは十分打ち合わせいたしたいと思います。おそらく補助率という関係以上に補助単価の、あるいは肥料木等の混植もいたしますので、そういう関係のかかり待ちということもあろうかと思いますので、十分連絡してまいりたいと思います。  なお、空中散布につきましては、私ども懸命にこれを拡充してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 次は、土地改良ですが、昭和四十八年五月一日に閣議決定された土地改良長期計画によると、十カ年で十三兆円、最初の五カ年で五兆二千億円という計画ですが、総需要抑制と物価値上がりでこの計画が十分やれるかどうかという問題でございます。皆さんのこの計画でいきますと、最初の五カ年は前年比二四%の工事費を増加しなければならない。そうすると、四十八年、四十九年で一兆四千二百八十九億円の事業費でなければならないのに、実際は一兆二千九百八十七億円で、四十八年、四十九年の二カ年で一千三百二億円後退しております。したがって、十カ年計画がやれるかどうか。この点が一つ。  第二の問題は物価の値上がりです。四十八年は前年比二一・二%、四十九年は二五・四%と、これだけ物価が上がった。したがって、事業量でやるとすれば、物価値上がりを勘定すると一兆七千八百八十七億円というのが私の計算になる。それなのに実際にやっているのは一兆二千九百八十七億円で、四千九百億円の事業量の落ちになっております。これは地元ではかなり国営事業を求めておるときにこの落ちなので、たいへんだと思います。総需要抑制は別なところにやっていても、いま農民が求めておる事業は、日本の食糧事情がこうなっておるときだから、どんなにしてもこれはやらなければならない事業だと思うのです。この点が第二の質問です。先ほどの林野庁みたいに全部繰り返していきます。  第三の問題は、先ほどの委員会の国政調査の九州班の報告書ですが、薩摩半島の南端の二市四町村にまたがる六千四百ヘクタール、十カ年計画で百九億円、八年かかって二六%よりやっていません。したがって、この促進方をかなり強く要求しております。同じことは青森県の西津軽かん排事業、四十二年から十カ年計画、八カ年やって用水路は六〇%、排水路は二〇%より完成していません。しかも、この間に当初の予算の三十九億四千万円全部使ってしまっております。同じところにある県営の分、四十三年度から十カ年計画、七カ年かかって最初の予算の二十四億九千万円全部使って、現在までに二十七億九千万円使った。しかし、用排水路はまだ四五%より進行していません。ここに物価高の影響があらわれております。総需要抑制とこの二つをどうしてもはねのけて、いま農民が求めておる事業をやらなければならない。そこで、県営、国営のことでお金は全部使ってしまったが、まだ県営用排水路が四五%、国営では用水路が六〇%、排水路が二〇%。全部やり抜くことを皆さんが求めているが、同時に、農民の自己負担が最初の予算に比べて倍、三倍になってきている。この負担が今度は農民の側に負い切れなくなっておる。この負担をどうするのかというのが第三の問題です。  第四の問題は、青森県と農林省とすでに話しておりますけれども、こういう区画整理は、国営事業の用排水路が進んだ分だけ土地改良区の面工事補助事業が進行していけば望ましいと言っている。県庁もそう言っている。ところが、農民のほうは待っておれない。進めていっている。ところが、肝心の用排水路ができないものだから、新しい用排水路をつくったりして、むだな工事をして、ここにもまた超過負担が出ている。何といっても根本につながるものは、国営事業を計画したとおり実施すること、事業量を消化すること、総需要抑制をここには持ってこないこと、物価が上がった分だけここに手当てをすること、農民の負担をふやさないこと、そして農民が求めている面工事もおくらせないでやること、こういうことが根本問題になっておるわけでありますが、こういう四、五点に対してまず答えていただきます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 土地改良長期計画は、先生の御指摘のように年率一六%の伸びでやってまいるということを背景としてできているわけでございます。確かに、現在のところ、この四十八、四十九年と、総需要抑制という中におきまして、基盤整備事業も公共事業でありますために規模が押えられている。あるいは、最近におきます労賃、資材の値上がりというようなことから計画の進捗がおくれていることは確かでございます。そこで、長期計画をかりに事業量ベースで考えるならば、年率二八%というのを、この二年間のおくれを今後取り戻すとしますと一七・九%の伸びにしなければならぬだろう、と、こういうふうに思っておるわけでございます。  長期計画作成の当時におきましても、財政事情その他によって弾力的に運用するというふうなことがあったわけでございまして、長期計画の目的達成を、十三兆予算において目的としたところを達成するためには、五十八年までということから考えますならば、伸び率一六%を約一八%程度にすることによって一応可能であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、物価の問題がございますが、物価の問題につきましては政府をあげて物価の安定ということをねらっているわけでございまして、現在のようなフラクチュエーションの非常に多い段階では将来は展望しかねるというのが現状であろうかと思います。  そういうような中におきまして、先生の御指摘の南薩事業の問題があるわけでございますが、百九億というのは、われわれが調べますと、五十年ベースでのPWで計算してみたときに百九億ということでございまして、したがって、過去のもっと安い物価のときにやった分もかりに計算するなら二六%ということでございますが、われわれの計算では三四%というふうになっております。いずれにいたしましても、三四%でいいかということになれば、これは決していいとは思っておりません。ただ、南薩のように、いままで水のなかったところに水を持っていくということでありますので、この辺につきましては圃場整備事業との間の調整をはかりながら進めてまいりたいというふうに考えるわけでございますが、もう一つ、南薩が特別会計であり、そして鹿児島の特別会計というものにおきます南薩の位置づけというものが、鹿児島の他の国営事業との均衡の上において農民負担を考えるというふうになっておりますので、その点についての問題はないようにしたいということで、これから県と相談してまいりたいというふうに思うわけでございます。  西津軽の場合になりますと、これは南薩とは違って、すでにある水路の改修的な要素を多分に含んだ問題であるという点からいたしますならば、南薩のような新たな水路をつくっていって畑かんをするという場合とは、総合的に見るならば緊急度において多少差があってもやむを得ぬではないかというふうに思うわけでございます。先生は三十九億という事業費を言われましたが、これは四十二年ベースでございまして、現在計画変更を予定しているやに聞いております。  いずれにいたしましても、国営事業と他の事業との間において均衡をとらせる、あるいは現在ある水路の改修的要素を含むものについては、その基幹的な用排水施設の効率的な施行をはかって緊急度のあるところからやってまいる、そしてそれとあわせたようなかっこうで圃場整備をやってまいる、こういうふうな方向で進めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。  農民負担金という問題につきましては、これは確かに早くやることがきわめて必要であるというふうには考えておりますが、一つの考えとして言うならば、たとえば物賃等で見ます場合に、農産物の販売価格と資材との間においてはある程度の均衡をとって上がっているというような面もあるわけでございますが、ただ、それだからいいのだということを申し上げるのではなく、極力事業をふやしてまいりたいというふうに思うわけでございます。  要は、公共事業というものの中にある基盤整備事業を、公共事業全体の総需要抑制の中においてどう位置づけていくかということが今後の問題であろうというふうに考えて、われわれといたしましては来年度予算に最善の努力を尽くしたいというふうに考えるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 時間も少し越していますから間もなく終わりますけれども、局長、国営事業がおくれているためにほんとうに困っているのは、たとえば西津軽郡では基幹用排水ができていない。したがって、古い用排水を使っているわけだ。換地もできないのですよ。そこのところが抜けている。したがって、どうしてもやらないと、これは下から始まらないので、この点はぜひやらなければならぬ。やってほしい。やるつもりだろうと思うけれどもね。  もう一つは平川左岸です。水がない。非常に苦労して水をかけている。土地基盤整備をやりたいんだが、国営の事業も水が来ないからやれない。農民は機械化したほうがいいからわんさやりたい。こういう形で国営事業というものを末端の事業にあわせて——皆さんのほうは国営事業にあわせて末端の事業をやると言っているが、末端の要求にあわせて国営事業をやるように、現地からも相談させます。われわれも総需要を押える点についてはあなたたちに応援します。物価分だけまた予算をとるようなかっこうになるのはわれわれも応援しなければならぬ。共産党は近いうちに大蔵省に予算要求をこの点で出そうと思っているわけなんです。その点で、平川左岸が面工事をやっていいのかどうか、これが一つ。  岩木川の西津軽かん排ですが、あの基幹作業を早くやらなければ換地にも困るので、これをどうするのか、簡単に答えてください。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 平川の問題について、ダムが用地交渉のおくれから非常に遅延したということはまことに残念だと思っております。ただ、あの地区の区画整理事業の採択のしかたについてもやはり反省すべき面があったのではないだろうかという感じもいたします。平川での六羽川の関係等については、すでにあれとの関連においてやられてまいる。そういうふうな、いわば国営事業と均衡ある発展、圃場整備というような方向に向かって進めねばなりません。ただ、過去の申請事業ということから、それとのギャップの出ているところは極力早く施行してまいる、そのために必要最小限度において施行してまいるというようなことも考えねばならぬだろうというふうに思うわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 最後に、サトウキビの価格ですが、私たちは、これを生産する農民の再生産を保証するということで、その再生産という意味の中には、労賃は土地労働者並みにということを主張してまいりましたし、そういう意味の法の改正もやろうと思っております。そういうときに、沖繩県の人や鹿児島県の砂糖生産農民から、砂糖の価格安定に関する法律第二十一条一項の規定を、「生産者価格は、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定めるものとする。」というように法改正をするように要求が来ております。私たちはこの要求は支持できます。  第二番目には、ことしのサトウキビの価格ですが、四十九年度産について言うならば、先ほど坂村小委員長が大幅な値上げを政府に要求したと——私たちも大幅な値上げを要求したいと思っておりますし、この間も政府に申し入れしました。農民のほうは一万八千円要求しております。この大幅値上げにこたえなければならぬと思いますが、この点が第二点。  第三点。サトウキビの生産対策について、高性能収穫機械の早期開発と高率補助による導入の促進、それから圃場整備事業をうんと進めること、それに対しては休耕しなければできないので、休耕補償、改植補助等の措置を講ずること、こういう形で圃場整備事業をやることを求めておりますが、この三点を答えていただいて、私の質問を終わります。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 まず、第一点の価格の算定につきましての方式の問題でございますが、私ども、北海道の畑作物についても、沖繩のサトウキビと鹿児島のサトウキビにつきましてもいろいろ議論を内部ではいたしておりますけれども、一つは、基本的に現在の生産事情——先ほどの先生の御指摘のような土地基盤整備という問題がございますし、今後むしろそちらがまず先行すべき問題ではなかろうか、生産性の向上というのが当面の課題ではなかろうかというふうにわれわれは認識をいたしております。したがいまして、今後の合理化のメリットということを考え合わせていきますといろいろ議論はございましょうけれども、農業パリティ方式といいますか、それが現行の算式がいいかどうかということは別にいたしまして、やはり、それを基本に今後考えていくほうが妥当なのではないだろうか、これはもちろんてん菜との関係も考えての上で、やはりそれらを総合的に考えながらいく必要があるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、第二点の大幅引き上げの問題についてでございますが、これにつきましては、沖繩にしろ、鹿児島にしろ、離島であったり、あるいは戦後復帰をしてごく時期も短いということもございます。そういう農業事情で、まさに基幹作物であることはもちろんそのとおりだと思います。それから、もう一点は、国際糖価がここまで参ってまいりますと、国内で、幾らでもいいからわれわれとしてもつくってほしい。そういうような事情を考えますと、御指摘のような問題につきましてはわれわれも十分検討をいたしたいと思いますが、現在の価格の算定方式等、これは一応法令で定められておるわけでございます。したがいまして、いろいろなデータを現在収集中でございますけれども、農業パリティというものを一応基本に考えながら、生産費なりその他の要素をいろいろ算出をいたしまして、どの程度が適当かということを今後法令の規定に従って適切に決定してまいりたい。もちろん、気持ちといたしましては、いまこういう時期でございますから、われわれとしてもできる限りの努力はしてみたいというふうに思っておるわけでございます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 第三番目の生産対策、その中で収穫機械の御質問があったわけでございますが、御指摘のとおり、栽培の省力化のためには収穫が非常に大きな問題でございますから、そのために従来から収穫用機械の導入も進めてまいりましたし、それから、収穫用機械の開発等も進めてまいったわけでございます。もちろん、機械につきましても、必ずしもまだ全部完備をしておるわけではございませんが、開発を進めながら同時に緊急に導入するように進めてまいりたい、それの場合の助成につきましても、通常の場合よりも手厚い助成をいたしましてこれを推進しているという事情にございまして、今後ともこれをさらに一そう推進してまいりたい、こういうふうに考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 土地基盤整備……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 基盤整備の必要なことについてはわれわれとしては十分に自覚しているわけでございますが、残念ながら、過去におきましては、沖繩に配賦いたしました予算が消化し切れていないというような事態にございまして、先般も農民の方が多数来られましたので、われわれとしては、幾らでも出してください、幾らでも応じられますからというふうなかっこうで対処しているような次第でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 では、これで終わりますが、最後に、糖価安定法の改正を、パリティ方式でなく、生産費を償うような形で今度の通常国会にぼくらも提案しますので、政府でもそれを考えるように強く要求いたしまして、質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後五時十六分散会

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