農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/10/14
会議録
○仮谷委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、当面の農政の問題の中心である国際的な動きと日本の問題並びにその中で特にえさの問題、さらにこれに関連する養鶏、牛肉並びにこの運営に関する諸問題に関して質問をいたしたいと思います。 最初に、農林大臣にお伺いをいたしますが、最近の世界と日本の食糧事情あるいは農業情勢というものがかなり変化をしたように思います。わが国が従来から考えていたいろいろな考え方というものが抜本的に再検討しなければならないような状態に入ってきた、とりわけ、アメリカの穀物の輸出規制によって農林省筋でもたいへんあわてふためいている、というような感じがいたしますが、この影響等について一体どのようにいま考えられているのか、まず、この点を最初にお伺いします。
○倉石国務大臣 ただいま、世界の食糧事情について、各方面でたいへんこれが重要視され、それから、また、先般東京で開かれましたFAOのアジア地域の会議等におきましても、各国ともいずれも非常に重要視いたして、熱心な討議が行なわれました。そういうことを考えますというと、もちろん食糧問題は大きな問題であることは間違いありませんし、われわれもそういう点について真剣に取り組んでおるわけでありますが、静かに今日の客観情勢を観察いたしますというと、この大事な食糧を、国内において生産し得るものは可能な限り国内生産を増強して自給度を高めてまいる、同時にまた、その間において、いま申し上げましたような目的で最大の努力をいたしましても、国土資源の制約等、そういうことを考えてみますというと、やむを得ず輸入にまたなければならないものにつきましては安定的な輸入を確保する、こういう方針は変える必要がないと思っております。 そこでいまお話しにございましたように、最大の輸出国であるアメリカ合衆国において、新聞等の報道によりますればいろいろ伝えられておりますが、わが国はそういうようなことも念頭に置いてずっと前長にもろもろの対策を講じておりますし、当面、私どもは、国民の食糧はもちろんのこと、畜産、酪農等について最大の努力をいたしておりますので不安は感じておりませんが、なお引き続き注意をいたしながら対処いたしてまいりたい、と、こういうふうに思っております。
○竹内(猛)委員 四十八年度における海外の食糧及び穀物の輸入は二千四百万トンで、このうちで、その多くがアメリカから輸入をされているということだが、日本の農業、日本のいわゆる食糧というものがアメリカに依存をしている度合いというものはどういうことになっているか、この点を明らかにしてもらいたい。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 数字にわたりますので事務のほうからお答え申し上げますが、御案内のとおり、先生のお話しのように、世界の農産物の貿易の一割はわが国が占めておるわけでございまして、アメリカからの輸入額は、従来はおおむね三〇%で推移してきたわけでございますが、四十八年度におきましては、お話しもございましたように、アメリカ以外の主要農産物輸出国の不作等の関係で輸出余力が低下したこともございまして、アメリカからの輸入は三十億八千四百万ドル、全体の三四%ということに相なっております。大きいのは申すまでもなく大豆等の約八割以上、トウモロコシの八割、小麦は従来はアメリカ依存度は低かったわけでございますが、四十八年度は七割近く、マイロが七割というような数字に相なっております。
○竹内(猛)委員 そういうような状態の中で、いま話があったように、アメリカの不作によって、物がかりに確保されたとしても、その価格は一体変動がないのかどうか、こういう価格の見通しについてはどういうことになっているのか、この点はどうですか。
○大河原説明員 お答え申し上げます。 輸入穀物の価格につきましては、御案内のとおり、一昨年、過去二十年の過剰基調が一変いたしまして需給が逼迫いたしまして、価格もそれまでの国際価格に比べまして二倍、三倍というようなことに相なったわけでございます。 四十八年度におきましては、アメリカをはじめ輸出国がおおむね豊作であったために需給は緩和してまいりましたが、輸出増のための世界的な在庫の減少というものを復元する時間が相当かかりましたので、価格はなお高水準に経過してきたわけでございまして、本年一月がいわばピークとわれわれは判断いたしまして、その後は国際価格は漸次低下の傾向にあったわけでございますが、今般のアメリカの穀物の不作ということから需給がタイトとなりまして、価格も、たとえばトウモロコシでございますと三ドル九十セント、あるいは大豆にいたしましては九ドル五十セント、小麦等におきましても五ドルをこえるというような形でありますが、需給の点についてはともかくといたしましても、価格は高水準に推移するというふうに思っております。
○竹内(猛)委員 そこで、私は前から農林省のほうに要求してきたわけですが、五十七年度を目標にする生産計画というものの根底が大きく狂っているわけでありますから、これを農政審議会なり、そういうところで議論をしてもらいたいということで要求をしてきた。それはやっておられるわけだけれども、これはいつごろまでに政府はその成案を出すのか、そうしてそれを農家に示して、農家自体がこういう国際情勢のもとで安心をして生産ができるようにして、その農家の生産したものに対して価格を支持して所得が補償されるようにするためには、一体いつごろまでにその作業ができるのか、もしできないとしたならば、できないその根底はどこにあるのか、こういう問題をこの際明らかにしてもらいたい。これは前から言っていることですから、引き続いてこの点についての見通しと問題点を要望したいと思うのですが、それはどうですか。
○倉石国務大臣 私どもは、現実に即しまして、五十七年度を用途に長期見通しを立てておったわけでありますが、その後石油事情その他多くの変化がございましたので、こういうことも踏まえまして、しかも全体のワク組みの中でこれを再検討する必要があると考えまして、いまお話しのございましたように、農政審議会にはかりまして鋭意検討を進めてもらっておる最中でありますが、大体来年の春までには農政審議会の回答を得たいという考え方でやっております。
○竹内(猛)委員 それじゃ、一体、来年の春までの間は何を基礎にしてそういう農政の指示、割り当て、通達を出すのか。どういうものを目標にして出すのか。この混乱しているときに、来年の春ということになると、また半年くらいかかるのですか。それはその間はどうされますか。
○倉石国務大臣 御質疑の内容がよく把握できませんが、来年の春期待いたしております農政審議会の考え方、これができましたら、十分われわれのほうにおいても検討をいたし、世の中に公表をいたしまして、私どもの考えを明らかにいたすつもりでありますが、現在は、竹内さんも御存じのように、当面必要なものと、それから、先ほど私がお答えいたしましたように、国内生産は裏作の活用まで最大限の土地資源の活用等をいたしまして、従来やってまいりました方針に基づいて自給度の向上をはかる。同時に、また、輸入にまたがるものについては安定的供給に最大の努力をするという方向で、生産者に不安なからしめ、消費者にも安心していただける方向について最大の努力を進めてまいる、こういうことであります。
○竹内(猛)委員 この問題はこれ以上触れませんが、ともかく、去年からこの問題は私は要望してきた問題であるし、今日の、たとえば米にしても、米をつくれと言いながら、一方では減産あるいは転作を奨励する、ミカンをつくれと言いながら、今度は転換をしなきゃならない、あるいは鶏にしても生産調整をするというように、あらゆるものがあのときに立てた方向と違ったことが行なわれて、農家が非常に混迷をしておる。しかも、その中で一番中心の柱であると言われるところの畜産物のえさの問題については、まさにえさの値上がりというものが反映をして、いま、養鶏農家であれ、肉牛であれ、あるいは養豚であれ、まあ最近は多少の変化がありますけれども、いままでの赤字がそのまま継続をしていて、たいへんなことになっている。そこで、この問題については、私はそういうテンポでは了解ができないわけなんです。だから、もっと早くこれは進めてもらいたいということを要望しながら、次に進みます。 飼料の問題に関して質問をしていきますが、飼料が去年からことしまでにもう何べんでも値上がりをしている。あるいはまた十一月から値上がりが余儀なくされている。来年の一月からもまた値上がりをする。こういう形で、商社はすでに何回でも値上がりを通告をしながら、ようやく押えながら来ているけれども、いままでの関係からして、不安でたまらないという要求、声があります。そこで、えさの値上がりというものの反映が直ちに畜産物の価格に映ってこない。だとするならば、えさの値上がった部分については畜産物の価格を上げるとか、あるいはえさの値上がりの部分については国がそのまま補償するとか、ともかく農家の手取りあるいは畜産物の価格を安定しなきゃならないという立場から立ってみたときに、現在の飼料の価格をきめる基準というものは何を基準にしてきめているのか、値が上がったからやむを得ない、商社や全農からいろいろな資料をとって、これはやむを得ないから値上げはやむを得ないというのか、それとも、何か農林省としてえさに対する特別な方針があるのか、この点について伺いたいと思うのです。
○倉石国務大臣 酪農、肉用牛経営に最も必要な飼料のことでありますが、これは先ほど申し上げましたものの中で、輸入にまたざるを得ないようなものの一つの大きな柱になるわけでありますが、それにつきましても、私どもは草地の造成や既耕地への飼料作物の積極的導入をはかっていく考えであることはしばしばお答えいたしておるとおりであります。 そこで、配合飼料原料の大宗でありますトウモロコシ、コウリャンにつきましては、内外の生産性格差や労働力事情等から、国内生産を進めることはなかなか容易でない事情は御存じのとおりであります。配合飼料原料の相当量は今後ともやはり輸入に依存せざるを得ない状況でありますが、したがって、配合飼料の価格は、飼料穀物の国際的な需給の変動に影響されるおそれが強いことも御指摘のとおりであります。特に、一昨年末から本年にかけまして、国際的な飼料穀物の需給の逼迫、価格の高騰等によりまして、畜産経営にかなりの打撃を受けることになりましたので、これを緩和いたしますために、畜産農家への低利融資と、それから配合飼料価格安定基金に対する助成等の、配合飼料緊急対策を再三にわたっていたしました。同時に、また、基本的には、畜産物の価格は、このような飼料価格の変動等生産費の変動を反映した適正な水準で形成されることが畜産経営の安定にとって必要であるという私どもの観点から、本年三月の畜産物の政策価格の決定にあたりましてもこの点に十分配慮いたしたところでありまして、安定的にそういう原料の輸入に努力すると同時に、やむを得ないものについてはいま申しましたような諸施策を講ずると同時に、やはり適正に価格に表現せざるを得ないということは当然なことではないか、このように思っておるわけであります。
○竹内(猛)委員 現在、大臣が言っているような状態にえさの価格の値上がりと生産物の値上がりばなっていない。えさの価格は年に何べんでも上がるのに、畜産物の価格をきめるのは、いまのところは年に一回しかきめていない。三月に審議会できめた。それ以後あまり動いていない。こういう状態では、これは適当ではない。そういう適当でないような状態のものが各部門にあらわれていて、その最大のものがいまは養鶏と牛肉になっている。その牛肉の中でも、見通しによるといろいろなことがありますけれども、現状の段階では、去年十二万七千トンの牛肉が入ってきた。ことしも多くの契約をしているけれども、いろいろな状態でまだ輸入が押えられているようなわけだけれども、近く田中総理が第二回目の外国訪問をする際に、豪州に残った肉をさらに輸入をするというような含みで出かけるということだが、大臣はこの牛肉の輸入に対して同意されるかどうか。
○倉石国務大臣 私どもは、すでに輸入ワクを与えております輸入につきましても、下期において四万トン、これを抑制いたしておりましたことは御存じのとおりであります。それから、また、畜産振興事業団が一万トンの保管をいたしておることも御存じのとおりであります。そのようにいたしまして価格の安定に努力をいたしておるわけでありますが、こういう状況のもとに、いまお話しのございましたように、さらに輸入を押えておるものを開始するかどうかというお話しでありますが、先般オーストラリアの農業大臣が見えましたときに私も会見をいたしまして、現在のわが国の状況をつぶさに話をいたしました。私どもといたしましては、ただいまの方針を変える意思はないということを明確に答えておりますが、しかし、全体として、竹内さん御存じのように、わが国ではある程度の量を輸入せざれば国民全体の需要をまかなうことができないということは御存じのとおりであります。ただ、しかし、そういうことを念頭におきながらも、今日の牛肉価格の状況、生産者価格の状況等を勘案いたしますとたいへんむずかしい段階に来ておりますので、ただいまのところは、そういうことについて、どのように善処すべきであるかということを鋭意検討しておるわけでありますが、現在のところは、新しく輸入を開始いたすということにつきましては消極的な考えを持っているわけであります。
○竹内(猛)委員 われわれも、大会に出たり、あるいは要請を受けたり、陳情を受けたりする中で、現在の段階で、この輸入ということについては、絶対に生産者のほうは賛成はできない。これは自民党の中からもそういう声が出ております。党派を越えて出ているわけですから、輸入については、いま言うように消極的であるというようなことではなくて、これは当面はやらない、と、こういうぐあいに明確に答えはできないものかどうか、そういうふうに答えができませんか。
○倉石国務大臣 もう一つ、私はいずれ皆さま方に政府の考えを御提示いたしまして、御賛成を得て、場合によっては法律改正をしなければならぬと思いますが、牛肉価格の安定について、やはり他の肉類と同じような取り扱いをして、価格の安定に資したいということを実は施策として考えておるわけであります。そういうようなことをいたしつつ、需給に見合った価格の安定をはかってまいりたいということで、したがって、ただいまのところ、押えておりますものを解除いたしまして、輸入に踏み切るということは考えておりません。
○竹内(猛)委員 このことと関連をして、開拓地の問題を私は特に取り上げたいと思うのです。 去年の委員会で、戦後長い間悪い条件の中で、開拓を通じて日本の食糧生産に努力をされてきた開拓者の皆さんに対して、まあ一定の条件に達したから、今度は一般の農家と同じような形で取り扱いをしていこうじゃないか、いろいろな条件もそういうふうにしていこうというわけで、条件を付してそのような方向に移行をすることになった。ところが、開拓の皆さんの多くのところでは、畜産を多くやっております。一般の国内では平均三・五頭くらいの牛を飼っておられるようですが、開拓地においては三十頭から五十頭というような大型の肉牛の生産をしておられる。こういうところでは、いまの状態では一頭飼うたびに十万円以上の赤字が出るということが現在の計算から出てくる。こういうような状況は、開拓の皆さんがなまけたり、あるいは別な条件で赤字になっているわけじゃない。やはり、国の農政上のいろいろなひずみがそこにしわ寄せをされて、えさが高い、売るものが安い、一般の物価が高い、そしてまた金利をしょわなきゃならないというような問題が積み重なってここに来ているわけですから、この開拓地の問題について、農林省の当局は一体どのように現状を理解されているのか。まず、現状理解から伺いたい。
○倉石国務大臣 開拓農家の畜産につきましていろいろ問題もありますことをわれわれも承知いたしておりますが、そのことにつきましては事務当局から御報告いたさせます。
○大山説明員 御指摘のように、開拓地におきます乳用牡犢飼育といいますか、開拓牛を飼育し、販売している農家が約千百戸あるわけでございます。確かに、平均して五十二頭というような多数の飼育をし、そして、毎年一万八千頭ほど販売している。こういう、いわば畜産、乳用牛の販売についての非常に大きな中核的な存在になっているわけでございます。 たまたま、最近の肉の値下がりがあり、一方、一貫飼育している農家はその千百戸のうち約四分の一で、四分の三はいわば子牛を買っておるというふうなかっこうになっておりますが、当時、肉の値段との関係で子牛は高かった。しかし、いまは肉が下がっている。そして、これらの農家の経営形態が、均一の質の肉をつくるというたてまえから配合飼料を大幅に食わせる、こういうふうな特殊な形態として開拓牛が存在しているために最近非常に赤字が出てきている、損失が出てきている、こういう事実のあることはわれわれよく了解しているわけでございます。
○竹内(猛)委員 そこまでの理解は大体われわれは一致するわけですが、しからば、その原因というものは、開拓農家の皆さんがなまけたり、別な仕事をしたから出た赤字じゃない。国の農政上のひずみがそこにしわ寄せをされて、大型の経営をすればするほど赤字が出るという形になっている。農林省の方針としても、中核農家を育成するということが方針だが、これから育成するのではなくて、現在農林省が示しているような中核農家、中堅的な農業経営が赤字になっているわけだから、これに対して一体どういうぐあいに保護を加え、守っていくのかということを考えることと、その人たちが安心して次の経営に進めるようにするためには、いままでの借りている金の利子補給なり、あるいは金の借りかえなり、その他の助成、保護ということを考える必要があるが、それに対してはどうですか。何か考え方はないですか。
○高須説明員 開拓農家の問題と申しますよりは、むしろ畜産経営一般の問題であろうかと存じますので、私のほうからお答えさせていただきます。 ただいま先生が御指摘になりましたとおり、乳雄を肥育、育成いたしております農家は単に開拓農家のみならず——一番大きな原因は、昨年の十月、十一月ころまで素牛が非常に高かった。その素牛を導入いたしまして、それが今日ようやく成長して市場に出回ることになっておるときに牛肉価格がきわめて低くなっておるというところが一番大きな問題でございます。もちろん、その他の諸物価の高騰等いろいろな要素もございますが、現在肉牛生産者がお困りになっておるのは、それが一番大きな問題でございます。 そこで、まず、基本的には、市場価格の早期の回復をはかることが第一番の政策でございます。これにつきましては、先ほど大臣からお話しがございましたように、輸入調整というようなこともあるわけでございますが、国内にかなりの乳雄が滞留いたしておるわけでございますので、これを市場から隔離することが何よりも先決問題でございます。先生御承知のとおり、第一次調整保管事業約二千トン、第二次調整保管事業三千三百トン、これを完了いたしましたので、続きましてこの十月から、第三次調整保管事業といたしまして、とりあえず二万頭の調整保管を行なうということでございまして、このような結果で乳用雄牛の価格も徐々に回復してまいりまして、御承知のように、盆過ぎから、従来七百円くらいを推移いたしておったものが八月には八百円、九月には九百円台にというふうに、大体四十九年の一月程度の水準まで回復してまいったことは御承知のとおりでございます。こうした市場隔離の問題がございます。 それから、先ほど先生もおっしゃいましたように、そうは言っても、高い素牛を購入いたしております関係上、負債関係あるいは後継の素牛を導入することにたいへん御苦労なさっていらっしゃるということでございますので、第一番目には、後継の素牛を導入する低利資金を融通申し上げる。これは現在具体的に進んでおりまして、大体今年末までに全部融資が行なわれる予定になっております。 それから、なお、そういたしましてもたいへん赤字が累積しておるということもございますので、この負債整理のための低利資金、末端金利四分ということがきまっておりますから、この末端金利四分の赤字整理、負債整理というための低利融資というものをただいま準備中でございます。今年末の都道府県会のころまでには間に合うように現在調査、計画の作成というようなことをやっておる段階でございます。
○竹内(猛)委員 努力をしていることはわかるのですけれども、なおこれをスピードを上げてやってもらいたいと思うのです。それは、たとえばいま一千万円の赤字ができたからという形で、もうやっていけないというようなことで、開拓の農家が一千万円を全部借金のために売った。そうすると今度は譲渡税というやつが二百八十万もかかってきて、生産の手段はなくなったけれども税金はかかってくるということもあって、開拓の皆さんは予想以上の苦労をしている。こういうような中でなお続けていかなければならない。これは当然そうしなければならない。農林省だってこれに対してささえていかなければならない責任がある。そういうときに金の借りかえをするなり、あるいは最も条件のいい低利資金の融資をするなり損失の補てんをするなりということをぜひやってほしい。 それから、もう一つは、先ほどから食肉の輸入の問題について質問しましたが、輸入というものは一体何を基準にしてだれがどうきめるかということさえまだわれわれにはわかっていない。どこできめるのかさっぱりわからない。こういう点も明らかにしてもらわなければならないが、ここら辺はどうですか。
○高須説明員 お答えいたします。 外国から牛肉を輸入いたしますのは、畜産局のほうで、国内の生産状況、消費状況等を勘案いたしまして輸入量を大体きめておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 その点、資金の問題については、早急にそれを準備してもらいたいと思います。 それから、飼料の問題については、私たちは各地を回ってみて、農家が農林省なり、あるいは商社なり全農に一番不信を持っているのは、輸入の原価が公表されないということ、あるいは成分も明らかにされないということ、こういうことなんです。一体、えさの原価がなぜ公表できないのか。この点について、農林省と通産省から、原価が農民の前に明らかにできない理由をまず明らかにしてもらいたい。
○高須説明員 これは、飼料の、特に配合飼料、トウモロコシその他種々のものをどの程度入れますかということは非常に複雑でございまして、そのつど、時価であるとかいろいろな要素、あるいは養分率等を換算して、コンピューターで計算しながらやっておるというような複雑なものでございます。しかし、大筋は、たとえば育雛用であればどうであるとか、そういう養分の関係はわかっておるわけでございますが、それぞれ各自、各企業において独特の手法を持っておるわけでございまして、いわゆる企業秘密に類するものでございます。したがいまして、このようなものを公表するということはいろいろ問題がございますので、考えておりません。
○瀧説明員 ただいま農林省のほうからお答えされたと同様の事情とともに、現在えさの輸入につきましては自由化されておりまして、商社の自由な取引にゆだねられているわけでございます。当省としては、安定的な輸入の確保のための総体的な数量の把握をしておりますが、原価等の取引条件、個々のそういった条件については把握を行なっていない状況でございます。
○竹内(猛)委員 いまの農林省と通産省の答弁は、私は非常に不満なんです。農家がつくって売るところの肉にしても、牛乳にしても、米でも、すべてそうですけれども、それは、農林省のほうでは農家の考え方と違ったような形で生産費を算出して出す。農家の使うところのえさはわかっているはずですね。そういうことで、売るほうの農家の側の価格のほうはちゃんとわかっていながら、今度農家が使うほうのえさの輸入価格が企業秘密でわからないということになったら、農民が政府に対して、行政に対して不信をもつのはあたりまえでしょう。そういうことに対して疑問を持たないんですか。何で一体これが明らかにならな いのか。いま各地で農民が大会をやっております。また大会を開く。近く農林省にすわり込みをしようということを決議をしますが、そのときの中心は、少なくとも自分たちが使うえさの原価くらいは明らかにしてもらいたいということである。輸入価格を明確にできないはずはない。アメリカの農場と日本の商社が契約をする。何月何日にどれくらいか、そのときの価格は幾らだ、それに運賃、倉庫料その他のものを加えれば原価がわからないはずはない、これがわからぬようでは行政としては全くゼロじゃないか、と、こういうふうに私は言いたい。どうしてこれができないのか。できない理由について、何かできないような法律があるのかどうか、その点も含めてもう一度説明をしてもらいたい。
○高須説明員 私どもが飼料価格を行政指導いたしております際、代表的な飼料の内容、原価構成等を知らないわけではございません。厳密に各要素をみなチェックいたしております。チェックいたしておりまして、私どものほうにおきましてもいろいろな情報をとりましてそれを査定するわけでございますから、私ども存じております。存じておりますが、企業秘密に類することでございますので、なかなかこれは発表できないということを申し上げたわけでございます。知っておることは知っております。 それから、農林省のほうで査定いたします前の基準等は、これはむしろ発表いたしますといろいろな弊害が起こりますので、農民の方々のために発表しないということでございます。
○竹内(猛)委員 その点について農林大臣から答弁をもらいたいです。これはもう非常に大事な問題です。
○倉石国務大臣 われわれのほうでは、配合飼料等につきまして、その構成等現に行政指導を行なっている。これは飼料ばかりじゃありません。ほかの物資でも、私どもはそういうことについて必ずしも行政的権限があるかどうかは別問題といたしましても、国民の生活に密着いたしておるいろいろな品物の価格につきましては、もろもろの条件を見まして、これはもっと少なくするべきではないかといったような行政指導をいたしておるわけでありまして、現在の経済社会のもとにおいては、全部これを公表せよというふうなことは、先ほども事務当局からお答えいたしましたように、企業の機密に属することでありまして、ただ、私どもといたしましては、全体の農政の中で飼料がこういうふうになった、しからばこれはやむを得ないものであると認めるが、それに応じて畜産農家の家計、経済をどういうふうにめんどう見ていくべきであるかというふうなことを総合的に考えるわけでありまして、竹内さんも御承知のように、公共料金でもやはりそういう原価というものは公表いたしておりません。したがって、たとえば先般豚肉を三三・何%か引き上げた、それから不足払いの乳価につきましても四四%余り引き上げているという場合におきましても、私どもは、もろもろの資料を取り寄せまして十分に検討した上で、この辺が妥当であるという考えのもとにあれだけの値上げをいたしておるという次第でありまして、行政指導でそれを実行いたしておる。こういうことであります。
○竹内(猛)委員 どうしてもそれは私は納得がいかない。というのは、農家のほうの生産費は明確になっている。これは農林省は知っている。しかも、農林省のほうでは、いま高須審議官が言ったように飼料の原価もわかっているということだが、わかっていて明らかにできないというのは、何かそういう法律があるのかどうか。要するに、企業秘密法というような法律があって原価を明らかにできないのか。原価が明らかにできないものを、どうして最終価格がわかってみんなにそれを押しつけるのか。ここにおいて国民は政治に対する大きな不信を持っている。外国に八割も依存をしている食糧であるならば、国が一元的に輸入をして、輸入ソースを幾つかきめて、アメリカだけに依存しないで、各地の生産地と契約をして、国と国とが契約をして、そしてそれを一元的に国が瞬間タッチで入れて、公団でも公社でもいいからそれをつくってやって、取り扱いは業者にまかせてもいいから、ともかく生産農民に、この原価はこれなんだ、それの構成成分はこういうぐあいに組み合わせて一トン幾らなんだということがわかるようにしなければ農家は安心をして生産ができない。そういうことはできないのか。いま私が言ったようなことについてはどうですか。
○倉石国務大臣 いまお話しのございましたように、輸入先を多角化するということはけっこうなことでありますので、私どもは先般協力事業団というものを設けました。あれは大手は主としてアメリカ合衆国でありますが、そういう地域に不測の事態が生ずることもあり得ることでありますので、なるべく多角的に輸入先を持っていたいという考え方であります。 いま竹内さんのお話しがございましたけれども、しからばそれにかわるべき多角的目標といたして、これから各国との間に努力をするわけでありますが、現在の状況ですぐに間に合う国がどこかにあるかというと、なかなかこれは困難であります。これから開発することであります。 そういうことを考えてみますと、やはり努力は大いにいたさなければなりませんが、当面一番大手はアメリカ合衆国だ。ところが、そのアメリカ合衆国から輸入してまいります飼料原料たる穀物について、配合飼料をつくって農家に供給いたしておる一番の大手は全農であります。全農は農業団体でありまして、その辺のところが一番大手でありますので、その全農のきめる価格は、これは輸入業者との間にいろいろな相談をいたしまして、適当な価格できめてこれを配給しているということで、これが現在の農家に対する一番の大手でありますので、その辺のところは自然に十分理解ができておるではないかと私は思います。 竹内さん御存じのように、全農の取りきめました配合飼料の価格というのが商系の価格を左右いたしておるわけでありますので、そういう事情でいまやっておるわけであります。これがいいか悪いかということはこれからもさらに検討すべきものがありますけれども、私は、現状の行政指導が一番妥当ではないかと見ております。
○竹内(猛)委員 もう時間がなくなったから、あとの質問者が引き続いてこの問題は引き継ぐと思いますが、いまの全農の問題にはまた問題がある。私は、えさの問題はなお了承しません。いまの答弁なんかとても了承できないのですが、そのえさの大元締めをしている全農が、最近の新聞によると、前からわかっていたことだけれども、特に上層部において、養鶏部長が二重帳簿をつくって、鶏の病気につけ込んでというか、それを利用して、ワクチンに水うめをして、金をいろいろな形で農家からつかんだ、と、こういうようなことが出ている。そして末端の農協のほうは、そういう原価のわからないえさを一生懸命に畜産農家の皆さんに売って金を集めている。上層部では全くわけのわからないことをして金もうけをして、不当な私有財産をつくっている。こういう状況というものは、何も全農だけじゃなく、地方の農協にもこれがある。私は、昨年の農協法の改正のときに、あるいは農林中金法の改正のときに、こういうことがないようにということで、特に付帯条件をつけてあの問題については協力をしてきた。 ところが、最近の新聞を見ると、群馬県の信連あるいは高知県においても、あるいは私のところの茨城県の農協においても、農民の金をゴルフ場をつくるために貸して問題が起こっている。こういうように農民と全く無関係なところにおいて農協の上層部がいろいろな形で動いているということは許しがたいことだ。私は、将来とも農協というものが農民のためになってもらいたいという立場から——農協は必要じゃないという立場じゃない。農協は必要なものであるけれども、いまのような形で農協があるならば農民は農協を必要としないだろう、一種の利益集団じゃないか、商社と変わりはしないじゃないか、と、こういうぐあいに農家の人たちは理解をしている。だから、この農協に対して、農林省としては一体どれだけの監督、指導をしておるのか。これはどういうことですか。
○倉石国務大臣 農協及びその連合会につきましては、適切な指導をかねてよりいたしておるわけでありますが、行政検査等を通じまして所要の指導を行なっておりますが、今後とも指導、監督面の強化についてはもちろん意を用いまして、農協及び連合会が組合員農家の協同組織として、わが国農業の発展と組合員農家の社会的、経済的地位の向上ができますように指導をいたしておるつもりでありますが、いまお話しのような問題、全農のマレックワクチン問題でいろいろなことが報道されておりますが、これはすでに検察当局の手に入っておりますので、その結果を見て、なお私どもがなすべきことにつきましては対策を講じてまいりたい、こう思っております。
○竹内(猛)委員 これで最後ですけれども、農協の問題等については、きょうは時間がないからこまかいことは申し上げないけれども、もうすでに農林省としても調査をされている段階だと思うが、こういうものを黙って見ていると農家はますます農協から離れます。そして、農協は上層部に行けば行くほど農民と無関係なものになる。だから、えさの原価などというものは公表をして、農家が納得する形で、なるほどそうなのかというような状態がない限り、生産農民と農協との間、特に、その監督庁であるところの通産、農林あるいは日本の政府との間に今後ますます大きなみぞができてくることは明確です。だから、その点はあとの質問者もそれを主張すると思いますけれども、その問題はぜひ早急に腹をきめてもらいたい。そういうことをすると同時に、国内におけるところの自給飼料の増大のために土地利用の高度化をすることと、それから、外国からの輸入については、輸入ソースの多元化と、国におけるところの一元的な管理をして、商社にそれをゆだねていくというようなことができないかどうかという提案を私はこれからしていきます。 それから、もう一つ、開拓者の問題ですけれども、私はさっき質問をしましたが、なお十分にまだ詰めるところができておりませんので、後刻この開拓の皆さんと関係者との間で話をしたいと思いますので、この休憩後に若干の時間をとってそういうことをするようにお願いをしたい。これは委員長のほうで取り計らうと思いますから、開拓の皆さんも見えておりますので、ぜひ話す機会をつくっていただきたい。それをお願いをして終わります。 ————◇—————
○仮谷委員長 この際、いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員長よりの発言を求められておりますので、これを許します。坂村吉正君。
○坂村委員 いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会の審議の経過を御報告申し上げます。 いも、でん粉及び甘味資源等に関する小委員会は、去る九月十日の委員会においてその設置が決定され、同月十一日委員長より小委員及び小委員長が指名されました。 次いで、十月一日に小委員会を、また十月七日には、列国議会同盟会議の開催期間中であることから、小委員懇談会を開催し、政府から、イモ、でん粉等の需給事情と価格算定の方針並びに甘味資源審議会の答申等につき説明を聴取し、質疑を行ないました。 以下、両日の会議を通じて問題となりましたおもな事項を集約して申し上げます。 まず、イモ、でん粉関係としましては、一、カンショ及びバレイショの原料基準価格については、国内産でん粉の自給率向上をはかるため、再生産可能な価格まで大幅に引き上げること。特に、価格の具体的算定にあたっては、パリティ指数のとり方及び労賃の評価方法等を実情に合うよう改善するとともに、でん粉の需給の逼迫事情等についても算定要素に加えること。二、でん粉の政府買い入れ価格については、原料歩どまり並びに加工経費等を適正に算定するとともに、実勢価格水準との乖離の是正をはかること。三、イモ作の生産目標を明確にするとともに、目標達成のための価格政策、生産政策等、総合的な施策を講ずること。四、国内産でん粉の生産及び価格の安定をはかるため、輸入トウモロコシに対する現行の関税割り当て制度と抱き合わせ販売制度を延長すること。五、北海道においてバレイショのウイルス病が多発している現状にかんがみ、無病種子の普及体制を整備すること。六、でん粉工場の水質汚濁等の公害防止対策を早急に確立すること。等でありました。 次に、甘味資源関係としましては、一、九月十日付甘味資源審議会の答申に対し、政府が適切な措置を講ずること。特に、本年四月に決定されたてん菜の最低生産者価格については、その後の物価変動等を考慮し、価格改定等の所要の措置を講ずること。二、てん菜糖等の事業団買い入れ価格については、操業度の低下、国際糖価の高騰を適正に反映させ、大幅に引き上げること。三、北海道畑作地帯におけるてん菜作付の位置づけを明確にするとともに、輪作体系を確立すること。四、国際的な砂糖価格の高騰と需給の逼迫傾向に対処し、国内産糖の自給度向上をはかること。等でありました。 以上、おもな質疑事項について申し上げましたが、イモ、でん粉等の価格決定の時期が切迫しておりましたので、十月七日の小委員懇談会においては、イモ、でん粉等の価格につき次の事項を取りまとめ、小委員長から政府当局に対し、これら事項の趣旨を十分に尊重し、適切な措置を講ずるよう口頭で申し入れました。 申し入れの内容は、一、国内産イモ、でん粉の自給率が近年低下の一途をたどっている現状にかんがみ、本年産カンショ及びバレイショの原料基準価格については、再生産の確保がはかられるよう大幅な引き上げ措置を講ずること。二、農業パリティ指数に基づき算出する原料基準価格は、一年間のパリティの変化率が反映されるよう算定すること。三、でん粉の政府買い入れ価格算定にあたっては、原料歩どまりを前年並みとすることを旨とし、加工経費についても操業度の低下等にかんがみ適正に算定すること。の三点であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○仮谷委員長 次に、イモ、でん粉の価格決定について、政府からの説明を聴取いたします。森食品流通局長。
○森説明員 小委員会の御論議それから小委員長の申し入れに基づきまして、それらの内容をいろいろ検討いたしました結果、農林省といたしましては、四十九年産のカンショ、バレイショの原料基準価格、それからカンショ平切り干し、カンショでん粉、バレイショでん粉の政府買い入れ基準価格につきまして、お手元に配付してございますように価格を決定をいたした次第でございます。 若干補足して申し上げますと、カンショの原料基準価格は一三八%、それからバレイショにつきましては一三一%ということになっております。 それから、お申し入れのございました「農業パリティ指数に基づき算出する原料基準価格は、一年間のパリティの変化率が反映されるよう算定すること。」ということがございましたが、このそれぞれのカンショ、バレイショにつきましては農業パリティの政府原案を約一程度に押えまして、その他需給事情、推定生産費の事情をより多く見るということでこの価格を決定をいたした次第でございます。 それから、三番目にございましたでん粉の政府買い入れ価格の算定についての原料歩どまりの問題、それから加工経費の問題でございますが、これも、バレイショでん粉につきましては現行の一六%の歩どまりに据え置くことにいたしまして、それから、加工経費につきましても、カンショでん粉、バレイショでん粉についてもそれぞれ適正に算定するよう政府原案を修正をいたしまして、決定をいたした次第でございます。 以上、私どものとりました措置につきまして御報告を申し上げます。
○仮谷委員長 以上で説明は終わりました。 ————◇—————
○仮谷委員長 質疑を続けます。美濃政市君。
○美濃委員 ただいま、四十九年産のカンショ、バレイショでん粉並びにカンショ切り干し等の政府の買い入れ基準価格というものの決定内容が報告されたわけですが、これは小委員会でもいろいろ質疑がかわされておりますが、まず、第一点として、この関係の農安法はもとより、その他の農産物価格支持の法律というものをつくったときの事情と現在とは大幅に変わってきておる。したがって、附録算式等についても現在としては非常に実情に合わない。たとえば、今回こういうふうに価格をきめられましたけれども、実際問題として、この価格では再生産が保障されていない。特に、これはパリティ方式でありますから、米や何かのように家族労賃何ぼと公表はされておりませんけれども、生産費で計算すればわかるのでありますが、生産費で計算して、少なくとも農家が生計し得る労賃というものが基準価格の中では保障されていない。片や、あとからもえさの問題で申し上げますけれども、国際的な穀物事情はだんだん悪化して、御存じのように、食糧が足らぬで栄養失調、餓死の出ておる国もある。この傾向というものは、国際食糧機構で、長期的には世界の食糧の需給は困難であるということは公表されておる。日本の食糧の自給率というものはどうしても維持していかなければならない。こういうときに国内農産物の再生産が保障できない価格を告示して、それで片や輸入する農産物はどうなのか。いま、でん粉関係で輸入コーンスターチ、これはトウキビでありますから、えさ用としても窮屈だ、と、こういうんですよ。アメリカは、さっきも竹内君の質問に大臣は答えたが、輸入承認制とか、国際的な需給の逼迫から輸出調整をやはりやろうとしておる。しなければならぬ。トウキビはそういう情勢にあるんですよ。そのトウキビは高くて、現時点ではトン十一万円以上、いずれも今回告示した価格より高いんですよ。どうしてこの輸入促進をやるのか、私にはわからぬわけです。そうして国内農産物を政治的に押えつければ、再生産確保、所得の確保ができないから農業は負債になって、あとから肉牛についても申し上げますけれども、大きな負債ができて国内農業は倒れていく。そうして、その現時点に立てばもう高いわけですね。輸入するものが高い。それは外国から入るものは高くなるんだからしかたがないんだということで、国内はやっぱり最低生産者価格というものの考え方、低賃金で押えつけて、流通天国で、流通のほうは野放しで——先ほども論争がかわされておりましたが、農民が供給を受けるえさにしても、資材にしても、流通天国ですから、何の行政措置もなければ、もうけほうだいで、手一ぱいもうけて農民は売りつけられる。高い資材を使って、そうして生産したものが生産費と所得が補償されない価格で行政的に押えつけられるということになれば、いわゆる国内農業というものは経済的に破滅せざるを得ない条件です。どうしてそれを続けるのか。あとからビートの問題もちょっと申し上げたいと思いますが、この際申し上げると、ビートも同じです。これから買い入れ価格をきめると思うんです。国際糖価というものはロンドン市場では一トン三百五十、三百七十ポンドでしょう。粗糖が、輸入された原価そのものが、三百ポンドといえば二百十円ぐらいです。粗糖で日本の港に着いたものが三百七十といえば、さらにそれより高くなる。そういう状態のときに、これはこの前の小委員会であったと思いますが、公表されておりますけれども、一日当たりビートの所得補償は三千円。この物価狂乱の中で、工業労賃や人事院勧告等から比較しても話にならない。生業として働いておる農民の一日当たり労賃が三千円しか確保できない条件でてん菜の価格をきめて、それで北海道の農民が本気になってつくればけっこうですが、つくって、一工場当たり三十六万トンの原料を供給して一五%の歩どまりになれば百二十円、これは国際糖価より一キロ当たり百円も安い。百円以上安い砂糖。いまの三百五十ドル、六十ドルという価格から比較すれば百数十円安い砂糖をつくらす。その裏には農民の所得は全然保障されていないから、これは特に実勢価格が——まだでん粉は実勢価格が反映するようになっておるけれども、砂糖については、とにかく糖価安定事業団がきめた価格で買い入れして、市価で売り戻しをするわけです。去年はおそらく何十億という差額を事業団は徴収しておるのですよ。私の聞くところでは、大体三十億近い差額を吸い上げたというふうに聞いておるのであります。なぜそういうことをしなければならぬか。ですから、てん菜はもう耕作ができにくくなってしまった。つくって生活できない作物は農民はつくれないですよ。大臣、日本という国はどうしてそういう政策をとるのか。そういう無理なことをする必要はないと思うんですね。いまのこういう政策とこういうインフレの中でこの政策を踏襲していけば、国内農業というものは破壊されるばかりです。外国から簡単に輸入できるのかというと、輸入できない。その面では農産物の国内自給度は高めなければならぬと政策的には言うが、具体的にやる政策は、国内農業の農民の経済収支を破壊してしまう。やりたくてもやれない条件に追い込んでいく。そうして政府は高い農産物を輸入して弄んでおると思うのですね。 これは工業製品を売る手段として表面はそんなことを言いながら、率直に申し上げると、政治献金や何かの因果関係があってこういう政策をどうしても政府はとらなければならぬのか。この段階ではうそを言わぬで、はっきり農民に言ったほうがいいと思うのです。おまえらもう要らぬぞ、自給などというのはアイデアで言っておるのであって、安くてもこじきよりましだと思って、やれる者はこの価格でやりなさい、やれぬ者は、おまえらの生活を保障するようなことは日本の政府はもうやらないのだというのか、どうなのか。この段階になって何を考えて政府は農政をやっておるのか、われわれも信用することができないわけです。言うことはうそを言って、何か表面をはぐらかして、アイデアだけは言うわけだ。いや、食糧の自給は大切です、これからも農業を見直します、自給は大切だ、と、こう言っておるが、しかし、具体的に行なってくるやつは、やれないようにしてしまうわけですね。農民に負債ができて、やめなければそれを職業として生活することのとうていできない条件を押しつけるわけだ。これをどういうふうに考えておるのか。 そうでないというのであれば、たとえばいま報告のあった関係でも、これは附録算式の第一算式なんというものは全く実情に合わない。パリティの半分だけを最低生産者価格といって、計算様式を調べたら、このインフレで上がるパリティの半分だけは上げてやろうというんです。そんなばかな算式が現在生きておる。現実に生きて、でん粉価格の算定に入れば、附録算式の第一は一応計算してみなければならぬ。計算して小委員会で報告したのでしょう。附録算式の第一で計算すればこうなります。小委員会一同は、これは完全一致であります。そんなばかな算式がないではないかということで、その附録算式の第一というものは計算上オミットされましたね。第二と第三をとって今回きめたと、こういうのです。それなら実情に合わない附録算式の第一などというものは、政令ですから、大臣はあんなものは廃棄してしまったほうがいいのです。廃棄して、新たな現時点に立って、こうなってくると国際的な食糧事情から見てどうしても自給は本腰を入れますというんだったら、本腰の入った政令なり法律なり、そういうものに変えていかなければならぬと思うのですね。そういう考え方について、大綱をいまこの機会に私はお伺いしておきたいと思いますが、どうですか。
○倉石国務大臣 美濃さんの御意見はよく承っておきますが、私どもと少し違うところがあると思うのです。第二次大戦以来いままで、とにかく一生懸命で国の復興にわれわれ国民は全面的に努力をいたしてまいった。その間において、とにかくまず経済を復興しようということで、一方において日本人の才覚が工業化、経済成長の面において非常に激しい勢いで伸びてきまして、そういう経済成長の伸びの反面においては、農村における労働力が著しくその方面に吸収されてきた。そのひずみがいろいろなところへ出てきておる。そういうことの結果、一部に唱えられておりましたような国際分業というふうなことも、これはものによってはやむを得ないかもしれませんけれども、私どもとしては、食糧については可能な限り自給度を高めていく。これはもう伝統的に政府の方針であります。 しかし、実際の状況を見ておりますと、昨今は若干不況の関係もあってUターンの若者も出てまいりましたけれども、毎年毎年農村労働力というものは吸収され、同時に、経済成長が高まるに従って労働者の賃金は上昇してきまして、往年はチープレーバーなどと言われておりましたけれども、いまやアメリカに次ぐ世界第二番目の労働賃金のレベルに到達してまいった。そういうことを前提に置いて考えますと、私どもにとりまして一番困っておりますのは労働力と、それからまた、いまお話しのございましたように、土地利用について、いまのような状況をほうっておけば十分な土地利用がなかなかできないということ。そこで、いまお話しの生産費を償うだけの価格政策も大事なことでありましょうけれども、もう一つ、環境を整備して若者たちに土地に居ついてもらうということと、同時にまた、農業に専念していただく中核農家を何とかして育成してまいらなければならない。いま私どもの考えておりますのは、経済成長がこういうふうになって、来年度の経済成長があるいはゼロ%を見なければならぬかもしれないというような経済状況のもとにおいては、特に農業についてこういうときに特段の力を入れるべきときではないかと思っております。 先ほど竹内さんにもお答えいたしましたが、来年の春意見の決定をしてもらいたいと思って、いろいろといま鋭意検討いたしておりまして、農政審議会においても私どもの考え方を十分に取り入れてもらうつもりでありますが、農業は、世界全体から見ては、いま御指摘のように不足ぎみでありましょう。したがって、これはやはり人口の問題とも調整をしなければならない大きな問題でありましょう。しかし、そういうグローバルな話は別といたしましても、私ども日本だけを考えてみましても、やはり、可能な限り自給度は高めていくべきである。しかし、どう考えてみても、今日のような経済社会のもとにおいての土地利用についてはなかなかむずかしい状況がありますことは美濃さんもよく御存じのとおりでありますので、この土地利用をできるだけ高度にするために、先ほどもお答えいたしましたように裏作を十分にやって、同時にまた、可能な地域は農地の開発をいたしまして、当面百五十万ヘクタール、その中で大きな草地をつくろうということをここでしばしば申し上げておるとおりでありますが、農業を軽んずるというふうな考え方ではわが国は立たないと思うのです。 そこで、その農業を育成し、しっかり腰を据えた農業を営んでいくための条件は何であるかというと、これは一つは価格の政策もありましょうし、同時にまた、ただ生産費の価格だけ考えておれば他に波及する影響もありますので、生産コストをどうやって引き下げてやってもらえるかということにつきましては、えさの関係等もありますし、農薬の関係もあります。肥料の関係もあります。そういうことについては一方において最大の努力をしながら、農業は可能な限り国内で生産をいたしてまいりたい。個々別々のものを拾い上げれば、私がいまお答えいたしましたようなことの中にたいへんむずかしい問題も伏在いたしておることは政府も知っておりますけれども、私どものほんとうの考え方というものは、農業をさらに堅実なものにしていかなければならないという方針については変わりがないのでありまして、そういうふうに御理解をお願いいたしたいと思います。
○美濃委員 大臣はいつもそう言うのですが、時間の関係もありますけれども、具体的な問題をさらにもう一点お尋ねしたいと思います。 資源の少ない日本の現況の上に立って、日本の輸出というものは非常に大切なものだと私も考えております。特に油ですが、率直な卑近な表現で申し上げますと、石油類を買う外貨がないのでありますが、日本全体の経済のためには輸出はとにかく大切なものであるし、また、それにつながる工業も大切であると考えますが、片一方をつぶして——たとえば、昨年の肉の輸入はどうなったのか。上期六万トンですか、下期九万トンですか、膨大な輸入計画を立ててどかどか入ってきて、二月末に私どもが晴海埠頭の冷蔵庫を調べてみますと、輸入された牛肉の枝肉だけで二万五千トンも積まれておる。園全体では、マトンから豚肉全部入れると四万五千トン積まれておりました。どうしてああいうふうになるのだろうかということがわからぬわけであります。 それから、最近の加工原料乳に基づく乳製品でもそうです。一万三千トンもバターを入れて、高い保管料を事業団は払って、売れないでしょう。八月に入札したときには、千トン売ろうとして十六トンしか売れない。最近は安く輸入したものを市場価格よりもダンピングして売る。それを特定な者が買ってぼろもうけをしておる。物価狂乱のときのようなもうけにはなりませんが、確実にもうけておるということが言えるわけです。どうしてああいうことが起きるのか、私どもには理解できないわけです。外貨も十分じゃないのに何で要らぬものまで買うのか。食糧の自給が大切だというのであれば、農業が破壊してしまったらたいへんでしょう。大臣もそれはしないと言う。だから、農業が破壊できないというのであれば、農業を破壊するような輸入はせぬほうがいいのじゃないですか。そこまで工業製品の輸出をがんばる必要はないでしょう。 たとえば、農林省が言ったのか、通産省が言ったのか、それとも商社がかってなことを言ったのか、今日、オーストラリアから、日本向けの肉をつくってくれと言うからつくったら売れぬではないかといって抗議が来ておる。国内の農業は守る、世界的な食糧事情から見てこれは大切だ、可能なものは自給していくのだと言いながら、破壊するような輸入をして、そのために値くずれがしてしまって、可能なものが現実に消え去っていくのじゃどうにもならぬわけですね。私どもは輸出も大切だと言っておるのです。しかし、それを破壊してまで工業製品を売らなければならぬのか、それはどうなのか、そこまでやるというところに問題があるわけです。それは輸出を伸ばすための手段なのか、この際明確にできるものなら明確にしてもらいたいと思う。おととし牛肉を買ったのは実は工業製品を売る手段であったというのなら、そうであったとはっきり言ってもらいたいと思うのです。そうでないと言うなら、何のためにあんなに膨大な肉を輸入したのかですね。また、ことしの春先の、全然売れない、いまも、買って半年もたって、品いたみのするバターを一万三千トンも輸入して事業団に積んでおくということは大きな国損じゃないですか。そういう抗議が行なわれているということですね。なぜそういう抗議が行なわれているのか、これを明快に答弁を願いたい。何のためにあんなことが起きるのか、われわれには理解できないことです。
○倉石国務大臣 牛肉につきましては、お話しのように下期九万トンのワクは出してあります。これはまだ私の就任前のことでありますが、その当時の状況といたしましては、肉の需要はやはり相当量見込まれたものであると思っております。他のものを輸出するから肉を買うんだというようなことではありませんで、総体的に言えば、貿易でありますから相手国によっていろいろ考えるかもしれませんが、少なくとも肉についてはそういうことじゃありませんで、需要を見込んで、美濃さんの御存じのように大体一年に三十二、三万トン肉は使われておるわけでありますが、そのうち十二、三万トンは輸入量でありましょう。そういうことで牛肉の消費も計算をいたした結果、ワクは出しましたけれども、私はあの状況を見ておりまして、これは少しまずいなと思いまして、下期四万トンのワクは輸入を停止いたしました。そこで、前のワクというのはもう時間切れでありますから、別にそれをやらなきゃならぬということではございません。そして四万トンはストップしておるということでありますが、新しく輸入をするということにつきましては、私ども、先ほど竹内さんにお答えいたしましたように、現在の状況は消極的であります。 先般開かれましたFAOのアジア地域の会議においてもニュージーランドの農業大臣もおいでになり、それから数日前もオーストラリアの農業大臣が見えまして、肉の話もありましたが、現在の状況、つまり、日本では稲作転換のために畜産を奨励し酪農を奨励しているようなときに、いまの生産者価格が低迷いたしておるようなときにこれ以上輸入を考えられません、と、明確にそういうお答えをいたしておる次第であります。 お話しのございましたように、日本向けのフィードロットをつくっておるのに困るじゃないかという話は向こうでもよく言われる話でありますが、私は、現在新しい輸入をいたすことは考えておりません。これは日本の畜産物の消費の傾向を見て当時の政府においてやったことでありますが、最近、いわゆる総需要抑制というふうな考え方に端を発しまして、国民の消費傾向において、価格の商いものがやや売れ渋っておるという状況は観測されることであります。たとえば、絹織物が売れませんで、養蚕が非常に低迷して私どもとしては困っておりますので、思い切って蚕糸事業団の買い上げワクを十万俵に増加させて浮動しておるものを買い取ることができるような措置を講ずるなどしておりますが、肉などでも、御存じのように豚肉みたいなものの売れ行きは堅調であります。値段が肉とは非常に違います。ところが、上等な牛肉のほうは売れ行きが停滞をいたしております。十、十一月から暮れ、春にかけて、牛肉の売れ行きは毎年少しずつ堅調になってまいりますので、いまのような停滞状況ではないと思いますが、現在そういう状況でありますので、われわれは現在の消費の傾向を見て牛肉に対する政策を講じておるのでありまして、他に何ものもございません。
○美濃委員 あまり時間がございませんので、ここで明らかにできればしてもらいたいのです。せっかく申し上げたついでに、特に牛肉関係につきまして……。 肉関係はことしは非常に問題が多かったわけです。最近は卵も豚肉も回復してきたけれども、一時はもう生産破壊になったわけですね。卵、養鶏関係あたりは、おそらく力の弱い農家からつぶれて、生産が減って価格が回復してきたのではないかと思っておるような状態ですが、さっきも申し上げたように、その中でも液卵が輸入されるとか、あるいは国内の生産が過剰になるとか、これは鶏卵等に言えると思うのですが、これについてはやはりそれなりの手段を講ずべきであろうと思います。液卵が輸入されたり、粉末にした卵が輸入されたり、それから特に牛肉やバター、乳製品についても、結果的に見ると明らかに過剰だという輸入が行なわれるわけです。ですから、そういうことが今後起きないように需要量と生産量を的確に把握しておいて、少なくとも今後においては、バターにおいて全然売れないものが一万三千トンも、半年以上も事業団で眠っておるなどという輸入というものはすべきではないと思うのですよ。これが千トンや二千トンのものだったら私は言いません。そのくらいは事業団が持っておってもいいわけですし、需給操作や何かのための、価格調整用もあろうかと思いますからね。だけれども、膨大なものですよ。全然需要のない膨大な輸入が行なわれるというところに問題があると私は指摘しておるわけです。なぜそういうことをするのか。もちろん、当面足らないものを輸入にたよるということは、さっき大臣が言われたように、私もそう思いますし、これだけ要るえさが簡単に近い年限で自給されるとは考えられません。これから可能な限りえさも自給体制を整えるにしても、当面は大幅にえさは輸入にたよらなければ、直ちに自給すると言っても、それはもう言うだけで実行が伴わないということは私もわかります。それはそれでいいのですが、間に合うものを、こんなばかげた過剰な輸入をなぜするのだ。こういうことが行なわれるのはどういうことなのかと私は聞いておる。
○高須説明員 いま先生のお話しになりましたのは大部分畜産物でございますので、私のほうからお答えさせていただきます。 昨年は、先ほど大臣のお話しがありましたように特殊な状況でございまして、牛肉等、昨年の十月まではウナギ登りの国内価格の上昇といったような特殊事情がありまして、畜産局といたしましても、多少多目にといいますか、当時の需給事情としてはこれが正しいと信じて輸入ワクを決定いたしたわけでございます。ところが、それが、エネルギー、特に石油を中心といたしました非常なオイルショックというものが発生いたしまして、国民の皆さんの買い控えといった極端な節約ムードの浸透というようないろいろな激変がございまして、当初より見込み違いというようなことが結果的に発生いたしたわけでございますが、これにつきましては、一つは輸入体制で、農林省におきまして輸入をしてまいります場合、従来のような割り当て方式というものを一考しなければならないということも痛感いたしておる次第でございます。 そこで、牛肉等は当面いまの問題ではございませんが、将来の問題といたしましてもし輸入が必要となってまいりましたような場合にも、一体現在の輸入制度でいいかどうかというようなことで、そういった制度そのものを根本的にただいま検討いたしておる段階でございます。そういった割り当てワクの使用の方法というものも、節度ある、コントロールのきくような方向というようなことをいろいろ考えて、先生のおっしゃいましたような、ほんとうに必要に応じたことができるような可能な体制を検討いたしている段階でございます。
○美濃委員 それでは、いま御答弁がありましたが、急ぎますから、次の国会までに鋭意やってください。畜産はわかりました。それから牛肉の問題もわかりましたから、全般の問題についてそういうことを十分検討して、現時代に合わない政令や法律をもう大幅に修正して、大臣も可能な自給には全力をあげるという気持ちには間違いないと思うのでありますから、その方向が実現できるようにお願いを申し上げたいと思います。 そこで、具体的な問題を一、二お尋ねして終わりたいと思いますが、次はビートの問題です。これはこの前の小委員会でも論議をしたことですが、ことしのビートの買い入れ価格はどうしても早期に根回しをしてもらわぬと、ことしのてん菜の告示価格で寄り切ってこのままの体制でいくと、おそらく——あのペーパーポットというのは種をつくるのですから、冬、凍上しないうちに土なんか寄せておかぬと、北海道は一メートルも土が凍上してしまうわけです。春先になってペーパーポットをつくる、いわゆる苗をつくる土が相当多く要るわけですね。そういうものは二月、三月の雪の中で、凍上した中で寄せるものじゃないわけです。秋が終わったら、十一月、十二月のうちに全部ビニールハウスをつくって、ビートの苗をつくるところに土を全部持ってきてちゃんと準備をするわけです。ですから、てん菜耕作農民はもう準備をする意欲がなくなってしまう。おそらく来年はまた大幅に三割、四割と減って、九工場は半分くらい閉鎖しなければ原料がなくなっちゃう。片や国際糖価は、いまのところは私どもの見方でもそう簡単に下がらぬだろう。それも糖価決定の時期に合わせて、ことしの価格の問題、将来の方向を明示しなければ、北海道のてん菜耕作はたいへんなことになると思う。ですから、きょうの場合、いつどうするかとか、価格をどうするとかということは言えないと思いますから、スケジュールだけを、言えるだけの範囲のことを言ってください。言えなければしかたがありません。黙秘権を使われてもしかたがありませんから、どういうスケジュールでこの問題をお考えになっておるのかということと、それからいま起きておることしの価格引き上げの問題、それから明年度以降の展望ですね。展望を与えれば、それで安心してまた段取り、いわゆる準備もするわけですね。来年度の準備にも入りますけれども、何かここで政策的な手段でそれを明示してやらぬと、来年はもうつくれぬですよ。つくっても、生活のできないものはつくれません。これはもうはっきりしてきておるわけですから、それをひとつ伺いたいと思います。 それから、ついででありますからもう一つ伺いますが、答弁される方は、時間の関係で立って答弁してもらっていいですが、素牛導入資金は、どういう方法でどのぐらいの額を流すか。これは大切です。政策がはっきりすれば、いまから畜産農家に指導して、四%の負債整理資金は何年で総額何ぼ出すのか、その流し方はどこを通じてどう出すのか、どのボタンを押したら的確にそれがいま困っておる者に——来年は、いわゆる指定食肉にも入れて価格安定をする。きょうはそういう話は出ておりませんけれども、私どもが考えても、来年は海洋法会議で経済海域が二百海里になることはもう間違いないわけです。そうすると、構想としては、国民たん白資源として牡犢も全部肉に仕上げるんだということなんでしょう。どうでもいいというんじゃないでしょう。その法律も出すというのであれば、いまつないでやらなければならぬわけだ。ことしはそれが大切です。これは牡犢だけじゃありません。ことし牛肉を生産した農家の先はこうなって、大切なたん白食糧としての法律的な位置づけもして、とにかく生産可能な条件をつくるから、ここはひとつがんばり抜いてくれ、いま法律はないんだからすぐ適用するわけにもいかぬけれども、とりあえずいま困っておるのは融資で補完する、そういう政策をつくって、四分資金で、十年になるのか十五年になるのか、償還年限を長くするから長い目でひとつがんばってくれ、それしかいまできぬ、と、こういうことならば、国会もまだ休会中だし、いま法律をつくって、指定食肉としてすぐ事業団に買わせるといったって無理なことも私はわかります。しかし、現実にやっておる農家は待っておれぬわけだ。経済的に言うなら、ことしも首がかかっておるわけだ。これが企業であれば不渡りを起こして倒産する。少し大型に牛肉をやっておる農家は全部倒産寸前になっておるわけだ。それを倒産せぬように、一応融資なら融資でいいですから、思い切って突っぱってもう一ふんばりせいと言ってやらなきゃならぬわけです。これを、どのくらいの額をどういう方法で出すと明確にしてもらいたい。この二つをお伺いしたい。
○森説明員 ビートの問題につきましての最初の御質問につきましてお答えいたします。 先生御指摘のように、甘味資源の小委員会等で、また本委員会でもいろいろ御質疑がございましたが、そういう問題を踏まえまして、今月中にてん菜糖、ビート糖につきましての買い入れ価格を決定いたしたいと思っております。先生御承知のように、十日現在で道庁の反収の調査がまとまりますので、大体これは十五日ぐらいには、明日になりますが、集計が終わると思います。 それから、歩どまりにつきましては、そろそろ工場が操業に入ります。その実績がつかめますのは二十日ごろとわれわれは読んでおりますが、これらの調査結果に基づきまして加工経費等をいろいろ算定いたします。そういう際に、先生御指摘のてん菜の価格、原料の価格、それが非常に安過ぎるというのはいろいろの御意見で、ございます。私どもは、それを変えるということについてはただいまのところも非常に消極的でございますけれども、いまの砂糖の国際事情、それから工場の操業の問題、それから基本的にはてん菜の面積がやはり減少しておるということにつきましては、われわれも委員会の御意見のとおりいろいろと非常に憂慮いたしておるわけでございます。北海道の農民に喜んでビートの増産をしていただける何らかの対策が講ぜられないかということで、これにつきましては私ども政府部内でよく意見調整をいたしまして、なるたけ面積がふえるような、また、その意欲が起こるようなことにつきまして検討してみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○高須説明員 先ほど先生から御質問がございました三つの点についてお答え申し上げます。 第一番目は、後継素牛の導入低利資金でございます。これは末端金利四分、それから乳用雄牛の場合には一頭十万円、和牛の場合が二十万円、貸し付け期間というのは大体十五カ月くらいで肥育が終了いたしますので、一応十五カ月というようなことで現在具体的な手続が進行中でございます。おそらく十二月一ぱいまでには全部貸し出しが完了するであろうというふうに思っておりますが、総額は大体三百五十億円程度と考えております。 それから、第二番目の負債整理資金でございますが、これもやはり末端金利四分ということはさまっておりますが、九月末までに大体全国の状況を把握いたしましたので、これをもとにいたしまして、今月中に関係財政当局その他関係方面との具体的な条件設定についての交渉を終えまして、これが貸し出しが可能なように現在大至急作業を取り進め中でございますので、御了承いただきたいと思います。 それから、第三番目の問題で、これは来年の問題でございますけれども、牛肉も豚肉と同じように指定食肉に指定していただきまして、そうして畜産事業団が買い入れできるような体制を目下検討いたしております。しかし、それではいまの間に合わないということで、先生のおっしゃいましたような問題がございますが、第三次調整保管事業につきましては、従来は国から完全には出しておりませんでしたが、冷凍格差等をほぼ完全に補てんすることといたしておりますので、実質的には事業団の買い入れと同じような効果を生むことを期待いたしておる次第でございます。
○美濃委員 もう一点お伺いしておきたいと思いますが、負債整理資金の償還年限の構想ですね。これはちょっと長くしないと、疲れておりますから、たとえば肉価が安定しても、この疲れは大きいですから、一ぺんに短い年限で償還するということは不可能です。だから、相当年限を要するが、負債整理のほうは何年に考えておるか。 それから、素牛導入も十五カ月じゃちょっと短いと思うのですが、これは制度は十五カ月ともうきめておるのですか。変更はできませんか。私は倍ぐらい要ると思うのです。二回ぐらい、十五カ月なり十八カ月くらいで売るとしても、もう一回買って売るくらいの間——それとも継続して、状況によってもう一回出すか。いま、牛肉農家は非常に疲れが大きいです。素牛導入資金というのは、一ぺん十五カ月で払わして、そのときの立ち直りの状況によって、あらためてその次にもう一回くらい出しますというならば十五カ月でもいいと思います。十五カ月というのが償還でしょう。貸し付け月数でしょう。だからもう一回くらい出す。いま子を買うのに貸すわけですから、十五カ月なり十八カ月なり推移した後の肉価なり、そういうものの条件によってもう一回くらい反復して出しますというならばそれでいい。これで打ち切りだというのだったら、これはもうちょっと長くしておかなければいかぬ。この関係。 それから、負債整理のほうは、いま需要額はまとめておると言うが、償還年限はどのくらいに考えておるか。
○高須説明員 ただいまの二点についてお答え申し上げます。 後継素牛の十五カ月の問題が過ぎますのは、来年度の終わりか再来年の初めの問題でございます。こういうような事態が再び参るとは、私ども現在の段階では期待いたしておりません。したがいまして、将来また繰り返すかどうかということは現在検討いたしておりません。一応いまの急場の緊急対策でございますから、当面の問題として私ども考えておるわけでございます。 それから、負債整理のほうでございますが、これは先ほども申しましたように、現在需要額というものが大体つかめかかっておる段階でございます。これは先生のおっしゃいましたように、できるだけ長いほうがよいことは当然でございますので、私どももできるだけ御趣旨に沿うような形で各方面と折衝いたしたい、かように考えておりますが、現在ではまだきまっておりません。
○美濃委員 終わります。
○仮谷委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 ミカン等果樹対策並びに主要問題について、農林大臣、通産省、公正取引委員会等関係当局に質問いたします。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕 九月十日、当農林水産委員会で、本年度ミカンの生産につきまして、表年に当たる過剰問題等を取り上げ、ミカンの生産状況、さらには需給関係、また、ミカンの消費拡大の問題、ミバエ等害虫に対する対策、その他ミカン全般にわたる問題等について、農林省当局の見解と対策について質問してまいったわけでありますが、御承知のごとく、現在、愛媛、和歌山、静岡、佐賀、熊本県等、特に主産県をはじめ西日本のミカン生産地ではたいへんな過剰問題をかかえて、深刻な悩みを深めておるわけであります。ミカンについては、四十五年以来毎年十回くらいにわたって私は例年質問してまいりましたが、いよいよミカンも四百万トン台を迎え、さらには、五十二年には農林省の試算を上回る五百万トン台が来るということで、私たちもこの問題についてはたいへん憂慮して、日夜対策を進めておるところでございます。 そこで、本日は、九月十日の委員会で指摘しました内容を踏まえまして、特に当面消費拡大が最も重大であるということから当局に見解をただし、ミカン農家、果樹農家に対しての強力なる施策を政府当局においてぜひとも行なっていただきたい、と、かように思う次第でございます。 さっそく質問に入りますが、四百万トンのミカンが現実のものとなりますと、果汁消費の拡大は国家的事業という性格を帯びてくると私は指摘したいのであります。学校給食を含めて消費分野を広げることは、言うまでもなく、ジュースの中でも高果汁飲料、すなわち一〇〇%ジュースをナショナルドリンクとして位置づけるということがポイントであると思うのでございます。また、そうする必要が年々高まりつつあることも御承知であろうかと思います。そういった意味で、健康の面からも、ミカンの消費拡大をはかる意味からも、農林省はこういった高品質ということに対する強力な対策をやっていかなければならぬと思うのですが、農林大臣はどういうふうにお考えであるか。まず、大臣のお考えを基本的に総括的にお伺いしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 一〇〇%果汁はなかなか評判がよろしいし、また、栄養の面から申しても非常にいいと思いますが、やはり、人々の好みに応じまして、若干薄めて他のものを入れるものを好む人もあるそうでありますので、とにかくそういういろいろな製品をつくりまして、その販路の拡大につとめていくということはたいへんいいことだと思っております。 もう一つは、学校給食のお話しがございましたけれども、学校給食の予算というのは御存じのようにきまっておりまして、これにミカンを入れるということにつきましては、これは当方だけの考えできめるわけにもまいりませんが、これは若干困難があるのではないかと、このように見ております。
○瀬野委員 公正取引委員会にお伺いいたしますけれども、今後のミカンの需給という問題がいろいろと当委員会でも論議されておりますが、ちなみに背景を若干申し上げて、公取の御見解を承りたいと思うわけです。 御承知のように、現在、ミカンの生食用、生食向けが四十九年度は二百七十三万トン、輸出向けとして二・五万トン、加工向けとしてかん詰めが二十九万トン、ジャム一万トン、果汁五十六万トン、合計三百六十万トンというものが農林省のいわゆる需給調整の見通しということになっておりますが、例年のデータを申し上げる時間がございませんので四十九年度の見通しだけ申し上げましたが、このようにして見てまいりますと、現在の状況から見ますれば、生食用としては二百八十万トン、加工用のかん詰め用として約三十万トン、これがおおむね現在の限界であるというように思われるわけであります。したがって、これらを踏まえまして、あとは果汁をいかに拡大していくかということが大きな当面の問題である。御承知のように、農業は米、畜産、果樹が三本柱になっておりますが、その中でも果樹の対策というものは重要な問題になっておるわけでございまして、すでに四百万トン時代に突入しておる。しかも、先ほど申しましたように、五十二年度の見通しでは五百万トンが予想されるという段階になっております。早急なる果汁ジュースの消費拡大が必要であることはもう言うまでもありません。 御承知のように、ミカンジュースの需要拡大のためには、一つには、輸入果汁とのブレンドという問題が現にあります。これは緊急輸入ワクとして入れております。二つには、学校給食の拡大という問題がある。これもいろいろ問題はありますけれども、ぜひともやっていただきたい問題であります。三つ目に、特に本日公正取引委員会に申し上げたいことは、レストランメニューの適正表示の問題を私はお伺いしたいのでございます。 レストラン等でジュースと注文をすれば、そのうち九〇%は一〇%果汁、いわゆるオレンジエードというものが出てくるのであります。ちなみに、農林省の霞が関の食堂、それから通産省、科学技術庁、公取委員会、経済企画庁等の食堂なんかでも、オレンジジュースと注文すると、コンクが八十円ないし百円くらいの価格で売られておるが、実際はこれはオレンジエードであります。そういったことで、農林省のひざ元においてそういうことが行なわれております。私は、ここに、主要な日本の喫茶店、レストラン、デパート、それから官庁関係その他についてデータを持ってまいっておりますから、必要があれば後ほどお見せしてもけっこうでありますが、事実、調べた実際のデータをここにたくさん持っております。それらを見ましても、ジュースでなくてエードが出てくるが、そういうように、一〇%をまぜたところの、俗に言ういわゆるオレンジジュースといったことであっては相ならぬ、ジュースといえば当然一〇〇%のジュースが売られてしかるべきである、と、かように私は指摘したいわけでありますが、公取委員会の果汁飲料等に関する表示について、公取は実際にどういうふうにしておられるか、その実態をまず御説明いただいて、逐次問題点を指摘したいと思います。その実態についてお伺いしたい。
○後藤説明員 お答えいたします。 果汁飲料につきましては、日本では昔から、必ずしも一〇〇%果汁を使ったものでなくても、わずかな果汁を使ったものでも、あるいはまたはなはだしい場合には、果汁の色をし、その風味のあるようなものでも、これも広く一般にジュースというように言われて長い間通用してまいっておりまして、そのために、公取の問題といたしましては不当表示ということの問題が出てまいりまして、このことにつきましては、公取のほうで、不当表示として、果汁を一〇〇%使ったものでなければジュースというふうに使ってはいけない、それ以外のものにつきましては、いろいろと一〇%刻みでもって果汁分を表示して、消費者が自分の好みに応じたものを選択できるような表示広告をするようにということを、業界を通じまして規約をつくらせまして指導してまいっております。これは四十六年のことでございます。それ以後は、ジュースという表示につきましては、少なくともメーカーが自分の商品について表示あるいはまた広告宣伝をする場合については、いま言ったような基準のものがきびしく守られ、また、業界の内部的な規制といたしましてもそのような基準で自主規制されておるということで、消費者がほんとうに果汁分の多いものをとりたいという場合には、その表示広告を見れば間違いなくとれるというようなことに最近はなってまいっておりまして、そういうような規制によりまして、最近は消費者も栄養に富んだジュース、果汁ということで、果汁分一〇〇%の商品というものが広く出回るようになってまいっておる、と、そう思います。 ただ、先生の御指摘になりましたような、たとえば一般のレストランだとか食堂等で売られているものにつきましては、おっしゃるとおり、メーカー段階におけるようなきびしい表示の習慣はまだ必ずしもできていない、確かにそのように思います。この点につきましても、ジュースとして売っておるものが、実際には果汁分がいまおっしゃったように一〇%、あるいはまたはなはだしい場合には五%以下といったような場合には、法律では不当景品類及び不当表示防止法の四条の違反の問題として取り上げらるべきものでございます。そのような点につきましては、公取のほうでもっと目を光らし、あるいはまた業界の団体等を通じましてきびしく規制をして、少なくともジュースという表示を使う場合には、メーカー段階で使われておるような基準によって使われなければいかぬというふうに今後指導をしてまいらなければならないというふうに思っております。しかし、レストランそのほか百貨店の食堂等におきましては、一般的に見本と実際に出されるものというものは必ずしも——ほかの一般の商品につきましてもこれは非常に問題がある問題でございまして、こういうものとあわせて厳重な規制をしなくちゃならないというふうに考えております。
○瀬野委員 公取委員会にさらに確認をしておきたいのですが、ただいま答弁されたのは公正競争規約のことだと思うのですが、公正競争規約では、これはメーカーに対する規制であって、実際にはレストラン、喫茶店あるいは食堂等に対してはその法的規制が及ばないというふうに言われておりますけれども、その点をもう少し明確にしてもらいたいと同時に、この一般のレストラン、喫茶店、食堂等についてもその思想、精神は当然適用されて反映されるべきである、公取としては当然フォローすべきである、かように私は実は思っております。そういったことで、いま必ずしも指導が十分ではないというようなこともございましたが、現にほとんどこれが反映されていないということを私は指摘したいわけであります。 四十四年以来表示の件が問題になってきたことは御承知のとおりでありまして、世論の盛り上がりもあって、ずいぶん正常化されつつはあるとはいうものの、そして、びん詰めまたはかん詰めというものが確かに整理されてきたことは一応は承知しておりますが、レストランや喫茶店などは表示がめちゃめちゃで、これが反映が全くされていないし、指導が徹底しておりません。その点を公取としては十分認識しておられるか、さらにもう少し見解をお述べいただきたい、かように思います。
○後藤説明員 メーカー段階につきましては、先ほども申しましたように、業界として自主規制するためのルールといたしまして公正競争規約がございまして、その中で、メーカーが表示、広告する場合には果汁一〇〇%のものでなければジュースとしては表示をしてはならない、しないということになっております。 レストラン等におきましてジュースとして売る場合につきましては、これは公正競争規約は現在ございませんで、実際に売るものと、たとえばジュース、オレンジジュース等という名称で見本を出しているものが違っておる場合においては、これはもう公取のほうで直接直ちに不当景品類及び不当表示防止法の第四条一号の違反ということで取り締まれるという体制に実はなっております。したがいまして、レストランその他が、いま先生が御指摘のように果汁分が入っていないようなものをジュースとして売っておるということでありますれば、これは不当景品類及び不当表示防止法でもって違反として実は取り締まれるものでございます。 したがいまして、これらの点につきましては、そういう問題が今後ございました場合には、指導を通じまして厳重に十分に規制してまいらなくちゃならない、と、そう思っております。
○瀬野委員 農林大臣もいまの件はお聞きだと思いますが、一農林省当局にそれではお尋ねしますけれども、昭和四十八年のたしか八月から十月にかけてだったと思いますが、国家予算を使って、テレビで、ジュースというのは一〇〇%果汁を言うのだといって報道されました。その後市場関係の調査等を行なったデータによりますと、主婦の間でも六〇%が、ジュースというのは一〇〇%果汁を言うのだと言っているということがアンケートの結果出ている。こういったことで、国民にもかなりこれが浸透していると私は思っておるわけですが、農林省当局はそのように認識しておられるか、その点を確かめておきたいわけです。
○松元説明員 ジュースという表示の問題についてはただいま公取からも答弁がございましたし、先生の御質問の趣旨については、私もそうだと思うわけでございます。 問題は、メーカーのつくる段階におきましては、いまのように表示がきちっとしていると消費者もそれを認識するということで、かん、びんのようにいわばパックされたものにつきましては表示がきちっとしておって、消費者もそれに基づいて購入するという習慣が漸次形成されつつはございます。ただ、現状では、今度は、末端の、パックから取り出しましたものについて実際に食堂、レストランでものを注文する場合に、消費者の方がジュースと言って注文した場合に、はたして一〇〇%ジュースだと思って注文しているのかどうか、また、注文を受けた店のほうがそう思っているのかどうか、この辺につきましては、包装された商品ほど十分認識がまだ行き届いていないのじゃないかという節もございます。 そこで、問題は、御指摘のとおり、ジュースというふうに消費者が注文する場合は、たとえ店で注文する場合でも、これは天然果汁、一〇〇%果汁を意味して注文するのだというふうにはっきり消費者のほうにも啓蒙しなければいけませんし、受けとめる店側のほうもそうしなければならぬ。したがいまして、法的には、ただいま公取の答弁もございましたが、まず、前提といたしまして、単にぴんとかかんだけじゃなくて、実際末端で店に頼む場合でも、ジュースというものはこういうものだということをお互いに理解し、そういう前提で注文し、買うということをまずPRをさらに徹底させ、それが的確に行なわれるように指導しなければならぬというふうに考えております。
○瀬野委員 時間が短いのではしょって質問しておりますけれども、いま私が申し上げていることは、要するに、ミカンが四百万トン台、五十二年には五百万トン台、だんだんに幼齢木が成木になってくる、相当な過剰生産ということが予測される、農林省の指導によって選択的拡大をはかってきた、この果樹であります。そういったことから、全国の喫茶店、レストラン、食堂等でこの一〇〇%果汁をジュースとして売れば、五百万トンにしても一つもおそろしくないと私は思うし、こういったものにうんと農林省は力を入れるべきである。また、公取もそれに対して大いに指導監督をし、違反は摘発して、国民の健康上からも、なまのジュースを、一〇〇%ジュースを十分飲ませるということが国民的要請でもあり、大事なことである、と、こういったことで私は指摘をしておるわけです。 局長はいまいろいろおっしゃったが、先ほど申しましたように、全国の主要喫茶店、レストラン、デパートまたは官庁のいろいろな地下食堂等を調べてきた表があるわけですけれども、先ほど言いましたように、農林省、通産省、科学技術庁、公取委員会、経済企画庁の食堂でも、現にオレンジジュースと言って注文すればエードを持ってくる。いわゆるエードというのは一〇%の果汁で、薄めたものであります。そして現にそういったものがほかの喫茶店でも売られて、都内でも一、二軒ぐらいが一〇〇%果汁を正式に売っているというところを私はチェックしておりますけれども、実際はほとんどがいわゆるオレンジエードであります。一〇%の、いわゆる混合したものであります。あなたの所管している農林省の食堂でさえそういうことをやっている。私は何もあなたが食堂を経営して云々と言うのじゃありませんけれども、果樹対策を担当している局長のあなたの足元でそうなっている。あなたも食堂にも行かれたことがあるかと思うが、どうですか、それを知っておられますか。それをまず率直にお伺いしたい。
○松元説明員 私は、先生の御質問の論点はまさにそうだと申し上げて、それを現実に今度実行するのはどうかということで申し上げて、現段階では、メーカー段階、それを買う段階ではお互いに十分理解された、ところが、食堂では、お客さんも店なんかも遺憾ながら必ずしもそうなっていないという実態を申し上げて、それは望ましくないことであるということで、公取のほうの法的措置と、それからまずPR、必要な啓蒙指導をしなければならぬということを申し上げたわけでございます。 私は食堂でジュースを飲んだことがないものですから実態はよく知りませんが、そういう事例はたぶんあると存じます。したがいまして、その前提に立ちまして、そういう方向に立って啓蒙し、さらに必要な指導をしなければならぬと考えております。
○瀬野委員 局長だから食堂なんかへおいでになるかどうかわからぬが、自分のところの霞が関の農林省の食堂にぜひ行って一回注文してもらいたい。そうするとあり方もわかってくる。あなた方も国民的立場でいろいろと果樹対策をしておられるときに、おひざ元がそういうことなんです。これを私は遺憾に思う。私は長年これを調べてまいりましたが、きょう機会を得てこのことを指摘するわけですけれども、こういったことに対しては公取とよく連絡をとって、果汁の過剰対策に備えるという姿勢でなくちゃいかぬと思う。食堂に行ったことがなければ、ぜひひとつ近いうちに行って、実際に注文して認識を新たにしていただきたい、と、かように思うわけです。 そこで、公取委員会にお伺いしますけれども、御承知のように、いまいろいろ指摘されたような実情でございまして、こういった問題は違反である、そこで指導監督も十分するということでありますけれども、一罰百戒という意味からもこういった問題を取り上げて、公取も積極的に指導監督をしてもらいたい。そして、国民のアンケート調査によっても、六〇%は一〇〇%ジュースがいわゆるジュースであるということを認識しているわけですから、そういったことをしなければ、国民の嗜好も国民の考えもいつまでたっても変わってきませんし、また、業界としても改まらないし、さらには消費拡大にもつながらぬと思うので、その点について公取の見解を承りたい。
○後藤説明員 喫茶店とかそういうところで、ジュースという名前で、昔のような果汁分が非常に少ないもの等がいまだに売られているという実情で、これは売るほうの立場の認識もまだ薄いし、それからまた消費者のほうも、はたしてはっきりとそういうところを選んで区別をして注文しているかどうか。その場合は価格等の問題もございます。ただ、そういう場合におきましても、ジュースという名称について、業界、メーカー段階におきましても、したがって実際に消費者が家庭で買うかん詰め等につきましてもそういうようなルールが確立されておるということでございますので、何らかの名称、たとえばいま先生がおっしゃったようなエードとかいうような名称でレストラン等においても表示されるというふうな必要はあろうかと思います。したがいまして、これは法律の規制と同時に、指導という面がまだ重要な行政として残っておりますので、百貨店協会だとか、そのほかいろいろな同業団体等につきましても、これはメーカー段階と同じような形での規約をつくらせるというようなことは、なかなか多種多様な業態でございますのでむずかしいとは思いますけれども、おもなところに対しましてはそのような趣旨でもって指導をしてまいりたい、そう思っております。
○瀬野委員 公取からも、エードとして表示することが適当ではないか、また、その必要がある、法律の規制と同時にその指導もやっていくというふうなことがありましたが、もう少し明確な答弁を受けるために、委員長にきょうは質疑をさせてもらいたいと思ったのですが、委員長がいろいろ都合があったというのでこの程度しか答弁をいただけませんけれども、農林省もこのことをよく踏まえて、全国のレストランあるいは食堂、喫茶店といったところでレストランメニューをはっきりすることによって相当な消費拡大につながっていく、こういったことをいままでやっていないということは怠慢である、かように思うわけでございます。 そこで、このようにレストランメニューにはっきり明示をするということであれば、適切なるこの表示によって、四百万トン台、五百万トン台を迎えても相当量のジュースの消化がはかられる、それは国民の健康にもよろしい、そしてさらに、ミカンのジュースをつくるために果汁工場等の増設等を例年五工場ぐらいつくっておりますけれども、もっと増設できる、これはもちろん地元との負担金の問題等いろいろありますけれども、そういったことも考慮しながら果汁工場をつくっていけば農家の皆さんにこたえることができる、と、かように私は思うわけです。その点について、いまの質問を聞いておられて、これに対してどういうふうにお考えか、農林大臣の決意を承りたい。
○倉石国務大臣 需要を伸ばすことはいろいろな意味においてたいへん大切なことだと思います。わが国の人口と嗜好の状況等を見て、生産のほうでも十分それと見合って調整していくことがすべての農産物にとっては必要だと思いますが、私どもといたしましては、これは国民健康にも大切なものでありますので、できるだけ需要を伸ばすことの協力はいたすほうがいいと思っております。
○瀬野委員 局長、いまの私の質問に対して大臣はちょっと席をはずしておられたのでピントが合わぬけれども、君からひとつ答弁いただきたい。 〔安田委員長代理退席、委員長着席〕
○松元説明員 いまの論点の中心は、要するに目的はジュースの需要を伸ばすということで、そのための手段といたしまして当面適正表示ということをまずさせる、お互いに一〇〇%ジュースがいいのだということで適正表示をさせる、そういう手段方法を使いまして伸ばしていく、ということでございます。大臣の答弁も、ミカン対策は単に需要面のみならず、生産面、出荷面、需要面、加工面等幅広くやらなければいかぬものですからそう申し上げたわけでございますが、焦点をしぼりまして、消費拡大の問題、その中のジュースの問題、しかも、それも適正表示をして消費者に一〇〇%ジュースというものを理解してもらい、その上で伸ばしていくということが大事だということは基本的に一致していると思うわけでございます。 ちょっと申し上げたいのは、適正表示の問題と、もう一つ好みという問題がございます。ですから、一〇〇%ジュースが生産面あるいは需要拡大上一番よろしいことは事実でございますが、しからば一〇〇%だけに限定したら需要が伸びるかというと、これまた好みの問題がございますから、その辺はあわせて考えていかなければいかぬ。しかし、理解する場合に、私は一〇〇%がほしいと言えばそれがちゃんと提供される、私は五〇%のものでいいと言えばそれが提供されるというふうにきちっとしなければならぬということはまさに御指摘のとおりで、いまの実態を踏まえまして、私どももその方向に啓蒙し指導していかなければならぬというように考えております。
○瀬野委員 局長が言うとおり、それは当然であります。何も、私は、レストランメニューを一〇〇%ジュースだけにして、あとは全部メニューからはずせと、そんなむちゃなことを言うわけではありません。現在のメニューの中にそれらを加え、また、好みによってやらなければいかぬことは当然です。と同時に、先ほど公取からも値段の問題が言われましたけれども、これも幼稚な話だけれども、現在のジュースというものは、びん代、加工賃、運賃といったものをいろいろ考えると、かりに一つのびんだけでも、水を入れても五十円、六十円は実際にかかるのです。それを一〇%のジュースをいわゆるオレンジジュースとして売る。それを一〇〇%あるいは五〇%のジュースを入れて売っても、その中身はそんなに変わらないのです。かりに百円が百十円になろうと百二十円になろうと、中身がりっぱであれば、国民の健康上からも、いわゆる嗜好も変わってくるし、国民は喜んで飲むと思うのです。みんなそういったことがわからずに、ジュースというからただ与えられたものを飲むということになっておりまして、そういったことに応じて明確なる表示をすることによって嗜好も当然変わってくる。こういったことは承知であろうけれども、あえてこの席をかりて申し上げておく次第です。 時間の関係もあるので次の問題に移りますが、消費の拡大の方策として、ミカンのソ連への輸出の問題が現在あるわけでありますが、御承知のように、四十三年には一千六百トン、四十四年には五百トンの輸出をしてまいりました。これもぜひやってもらいたいことでありますので、消費拡大上からも今後続けてもらいたいと思うわけですが、四十五年、四十六年、四十七年はそれらの輸出がない。理由もいろいろあろうかと思うが、このソ連に対する輸出の問題はなぜ最近行なわれていないのか。その原因はどういうことになっているのか。と同時に、農林省では四十八年度予算で温州ミカンのソ連に対する輸出実験を行なっているというふうに私は承知しておりますが、その結果はどうなっているのか。輸出の実験はダンボール詰めで行なうというふうにも言われておりますが、その点を簡潔にお答えをいただきたい。
○松元説明員 御指摘のとおり、ミカンの需要拡大の一つの方策としまして輸出というものは重要問題でございますから、これはソ連だけでございませんで、ほかを含めまして、輸出の増大に対しましていろいろな施策を講じたわけでございます。 御質問のソ連向け輸出の問題でございますが、ミカンの輸出は全体とすれば約二万トンちょっとございますが、そのうちソ連向けは四十七年が六百トン、四十八年は若干伸びて約千トンということで、現在ではあまり大きな数量ではないわけでございますが、その場合、私どもは、いま御指摘の包装資材の改善事業というものを実施いたしました。これは、ソ連にミカンを出します場合に大きな問題は厳冬寒季の品質維持だ、そこに問題があるだろうというように思いまして、それに資する包装資材の開発をはかるという目的で、四十八年度に御指摘の事業を実施いたしたわけでございます。その結果によりますと、経済的な面はさらに研究を要します点がございますが、技術的な問題につきましてはほぼ究明されたのではないかと思っておりまして、これをさらに経済ベースについてまで含めて考えなければならぬというように考えているわけでございます。 ただ、ソ連へのミカン輸出を伸ばす場合には、いまの包装資材も一つの大きな問題でございますから、いま言ったような技術的な実験をしたわけでございますが、それ以外にいろいろと経済面があるわけでございます。そこで、従来は極東地域の沿岸貿易として輸出していたわけでございますが、これは御案内のように輸出、輸入の決済がバーター取引でございますから、目ぼしい見返り品がなかなか見当たらないという問題もございます。それから、また、非常に広大な国でございますから、内陸輸送等に問題がございます。そういうようなことで、いろいろむずかしい問題がございます。しかし、ソ連という国は非常に大きな国でございますが、かんきつ類の生産は一部地域しかございませんから、そういう面からすれば潜在需要は大きい。そこで、いま申しました技術的な問題を克服し、さらにまたほかに競争相手もあるわけでございまして、たとえばスペイン等からの輸出もございます。そういうところと経済的にも競争できるようにしなければならぬということと、今後技術的な問題、経済まであわせまして、より一そうの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 農林大臣、いまお聞きのとおり、消費拡大の面からいまいろいろ指摘をしておるところでありますが、モスクワでも三十万トンぐらいの消費能力、があるというように言われております。特に、静岡県等でも、ソ連に対する輸出については積極的に熱心に進めております。農林省でも四十八年度までいろいろ試験段階を経ておられますが、これはぜひとも強力に進めていただきたいし、今後農林省としての積極的な姿勢を示してもらいたいと思うのですが、農林大臣はこの点についてどういうふうに考えて進めておられるか、お考えを承りたいのであります。
○倉石国務大臣 輸出ができることはたいへんけっこうなことでありますので、よく研究させたいと思います。
○瀬野委員 次に、チルドジュース工場、すなわち協同果汁工場問題について質問いたします。 この問題は数年前からの、足立農相、伊藤局長時代からの問題でございまして、いろいろ政治的な問題があることはここでは申し上げませんけれども、過去十数回にわたって私はこの問題を指摘してまいりました。結果は私が指摘したとおりに現在なりつつありまして、たいへんな問題である。ちなみに、現在の状況を私が伺っておる範囲で申し上げますと、チルドジュース工場の一元化によっていわゆるオレンジジュースの割り当てを三百五十万トン行なっておるわけですが、窓口をしぼれば三百五十万トンの割り当てをするということで、当委員会でも数回にわたって論議してきたところでございますが、いろいろ伺うところによると、補助金が四十八年度一億三千万円で、これがついに眠ったままになって四十九年に繰り越された。また、ことし四十九年度も一億三千万円の補助金が計上されて、合計二億六千万円がいわゆる眠ったままになっている。もちろん、四十八年度は総需要抑制で一年繰り延べということでもあったろうからやむを得ないと思う。それは一応は言えるけれども、この四十八年度一億三千万の予算についても大蔵省と折衝した結果、ようやく四十九年度に回した。そこで、予算上は四十八年度が一工場、四十九年度が新規に一工場、二工場が認められておる。これは私も承知しております。 ところが、もともとこれは京浜地区に一工場、京阪神に一工場、将来は名古屋に一工場、関西ではチルドジュースがなかなかなじまないということで名古屋に一工場、こういうような計画でいろいろと当委員会でも答弁がございました。結局、こういったことから京阪神の一工場と京浜地区の一工場の二つを合わせて、現在のところ、茨城県水海道市に土地約一万六千平方メートルぐらいを手配してつくるというようなことまでは聞いておりますけれども、実際にこの土地があるのか。二工場を合わせて一工場にしてつくるということで、ことしの春だと思いますけれども、いろいろ話が進んでおったわけでございますが、その点についてもどういうふうになっているのか。すなわち、京浜に二工場分の金を使って、二工場分を一工場として効率的につくるというふうに話が変わってきたと私は伺っておりますが、すると、総工費はおそらく十億円以上かかるということで、これはたいへんな問題である。当初の計画とずいぶんこれが変わってきたと思うのですが、その点は私が指摘したとおりであるか、また、どういうふうになっているか、かいつまんで経過を御説明いただきたい。
○松元説明員 御指摘のとおり、当初構想では、四十八年度に京浜地区に一工場を、それから次の年度で京阪地区に一工場を、それぞれ二千トン工場でございますが、つくる予定でございましたが、昨今のチルドの需要状況を見ますと、それからまた能率ということを考えますと、むしろ、まず京浜地区で能力のいいものをつくったほうがベターではないかということで、京阪地区に予定いたした分を京浜地区に回しまして、四千トン能力にいたしまして能率アップをする。金の面は両者合わせて同じでございますが、そういう方向で目下検討を進めているわけでございまして、工場建設は、御指摘のとおり土地の入手はできましたが、工場の件につきまして、今後事業をどう運営するかにつきまして、この会社を構成します株主間におきましていろいろ意見の相違がございます。これは特に昨今のチルド需要の状況等も踏まえましていろいろ意見が分かれまして、事業運営の基本方針が中でまだ固まっていないというものでございますから工場建設がおくれている、と、こういう実態にございます。
○瀬野委員 そこで、農林大臣、いまかいつまんで指摘をし、また答弁もございましたが、この問題は足立農相時代からの問題でございまして、もうしばしば当委員会で論議をしてきましたが、けしからぬ問題だと私は思うのですね。こういったことで延び延びになって、結局二工場を一工場にするという。私は、このチルドジュース工場は中止すべきであると思う。とてもこれではできないと思うのです。なぜかなれば、現に、このチルドジュース工場をつくるべく計画中の首脳部においても、また関係農協においても、建設に問題ありとしていろいろ取りざたされている。農林省はこれは地域のエゴと言われるかもしれぬが、一例を申し上げると、愛媛県で言えばポンジュース、熊本県で申しますとハイジューシー、大分県ではぶんごジュースというものがありますし、その他各地の果汁工場でジュースが生産されています。そういったことで、自分のところの消費拡大、販路拡張で精一ぱいで、統一的なジュース工場、すなわち協同果汁をやるということはどうしても片手間ではできないということが実際の実情であって、事実、この問題は幽霊みたいになっております。 先年中尾政務次官がアメリカへ行っていろいろ交渉してきたいきさつ等もありますが、実際にこういった協同果汁工場は現段階では無理である。これは先に延ばすか、あるいは当面中止をして、もっとすっきりして出直すべきであると私は思う。政治的な配慮その他もあったことも十分われわれは承知しておりますが、そういったことで、このままにしておくということは、農林省の当局としてもむしろこれが大きな一つのガンになっている、いろいろな問題に派生をしてくる、と、かように私は思っておるわけでございます。農協自体も、実行不可能な計画をしたことに問題があるといって、事実困っておる実情でございます。 私は、消費拡大に懸命になっている末端農協のことを考えたときに、この協同果汁、チルドジュース工場の建設ということは、土地は見つかったようなことをおっしゃるけれども、今後役員会の決定で工場建設の段階になりましても、わが身かわいさから、こういった共同的なものにはなかなか手が出せないというのが実情であると思うが、こういったことを農林大臣はよく承知であるか。これに対して大臣はどう考えておるか。私は、この工場は先に延ばすか、当面中止をするか、こういうことが大事だと思うが、大臣の御見解を承りたい。
○松元説明員 若干技術的問題がございますから、まず私からお答え申し上げます。 まず、第一は、おくれていますことはまことに遺憾でございますが、しかし、これは、チルドジュース工場を共同化でつくるということは、当時チルドによってミカン、ジュース全体の需要を伸ばすんだという——現在ございますジュース製品は、いわゆるホットものでございます。各経済連、園芸連で多種多様なものをつくっておりますが、これはいわゆるホットものでございますが、それだけではない、チルドというものによって需要を伸ばすんだという大きな目的がございまして、そして、チルドにつきましては、現在つくっている工場はそうはございません。したがいまして、直接に競合するわけではございません。したがって、一方では、各県単位の団体におきまして多種多様のホットものをつくっていって需要を伸ばす、それから同時に農協系統が打って一丸となって、チルドというかっこうでジュースをつくって需要を伸ばしていくという大目的があるわけでございますから、御指摘のとおり、昨今確かに総需要抑制等がございまして、若干伸び悩みの面はございますけれども、この大目的では依然といまも変わらない。したがって、関係の農協団体打って一丸になってこれを推進するという必要性はいまでもあると私は思っております。 ただ、御指摘のとおり、昨今のジュースの需要の動向を見まして、運営のしかたにつきまして意見が分かれているというので若干おくれておりますが、これは必要な調整をいたしまして、農林省といたしましても、所要のあっせんの労をとりながら、せっかくの大目的に向かって、チルドによってジュースを伸ばしていく。チルドは現在ほとんど工場はございませんから、関係団体一緒になってこれを伸ばすという方向で進めてまいりたいというふうに私は考えておるわけでございます。
○瀬野委員 言うはやすく行なうは難しということばがあるように、あなたも本心、本音とたてまえは違うんではないかと思うのだけれども、こういった公開の席ではそういった答弁しかできないかもしれぬが、皆さん方ももう困っているじゃないかと思う。また、これは言うことはやすいが、実際に実行ができない。これは無理じゃないか。もう何年になりますか。しかも、去年の一億三千万も、ことしの一億三千万もそのまま眠っておる。それならば、いつをめどに、いつまでにやる考えですか。
○松元説明員 御指摘のとおり、この協同果汁は関係農業団体が一本化してつくるわけでございますから、そういうところで構成メンバーがそれぞれ、特に、ホットものにつきましてはいろいろやっておりますから、その間に競合等の問題があるということは、これはおっしゃるとおり事実でございます。そこで、この構成員たる関係の農業団体がほんとうに協同果汁をもり立てようという機運が一致しなかったら運営がむずかしいということは、これは私も御指摘のとおりに思っておりますが、しかし、チルドを一本化して伸ばしていくという大目的におきましては、これは一致するはずでございます。したがいまして、さらに関係団体の調整を進めまして、極力早急に工場建設に着手したい、そういう方向で努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 そんなことじゃどうにもならぬのだよ。 そこで、これはオレンジジュースの緊急輸入ワクのこともからんでくるわけですが、御承知のように、これは五分の一濃縮です。四十五年が三百トン、四十六年はゼロ、四十七年が五百トン——この四十七年の場合は、八月十四日ごろアナウンスされました。四十八年が一千トンで、協同果汁に三百五十トンもこの中から割り当てておるので、実際は六百五十トンが消化をしているということになるわけです。四十九年は現在のところまだきまっていない。 大臣、御承知のごとく、オレンジジュースは自由化が禁止されておるけれども、当時、零細業者に対するいろいろな問題等があって、これを保護するためにこの緊急輸入ワクという名のもとに行なわれた。この問題もしばしば論議してきたところでありますが、実際問題として、従来毎年七月とか九月ごろまでにはこのワクがきまっておった。一千トンということについては多過ぎる。それだけ輸入することで、五分の一ですから、これを五倍すると五千トンになる。日本の国内の果汁、温州ミカン等の果汁の販売、消費拡大にそれだけやはり影響してくるわけですから重要な問題であるが、嗜好の問題やら、いろいろな従来からのいきさつもあり、または米軍の関係もあったりして、こういったものも若干は必要であろうということで、私たちも認めざるを得ないということで、若干のことは例年検討してまいったわけですけれども、四十七年の五百トンが四十八年には一挙に一千トンと、倍になっておる。この率で、四十九年度はまた二千トンなんて言われたらたいへんなことである。この点は十分検討してもらわなければいかぬが、昨年の一千トンの中でも三百五十トンというものが、いわゆるチルドジュース工場、すなわち協同果汁工場に、まだできてもおらぬまぼろしの工場に現在すでに割り当ててある。しかも、その中ですでに二百五十トンくらいが輸入されて、あと百トンくらいがまだ輸入が済まずにある。そうなれば、このジュースは品質も低下するし、または倉敷料、金利もかかってくる。そして、長くなればなるほどこのジュースは、国民に与える場合も、古いもので栄養価の少ないものが渡っていくということで、国民的に考えてもこれは損害であり、損失である、と、かように私は思うわけです。ことしもまたその割り当てがきまっていない。いつきめるのか。また、農林省はどう考えているのか。そして、いまのできてもいないところのチルドジュース工場に対して三百五十トンも割り当てて倉庫に眠っておるが、これは一体どこの倉庫に眠っているのか。それらについて明快にお答えをいただきたい。
○松元説明員 協同果汁に割り当てました三百五十トンにつきましては、二百トンはすでに通関済みでございまして、百五十トンにつきましては、荷揚げが済んでおりますが、現在通関手続中でございます。これらは現在保税倉庫に保管をいたしております。 そこで、御指摘の問題は、これがまだ使われぬではないかということでございますが、これは先ほど申し上げました工場建設と関連する問題でございまして、したがいまして、私どもはなるべく早く工場建設に着手をいたしたい。それにいたしましても時間の問題がございますし、あるいは過渡的に他の農協関係の工場に委託して使うという方法もあろうかと思いますが、そういうことを見合わせながら今後早急にこの使い方を考えてまいりたいと考えておるわけでございます。 品質の問題につきましては、それによって品質低下という懸念はないと私は思っておりますが、確かに、いつまでも置きますと金利等の問題もございますから、先ほどの工場建設と関連させまして、極力すみやかにこの処理を考えてまいりたい、当初の目的どおり有効に使わなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○瀬野委員 農林大臣、いまお聞きになったとおりでございまして、二百トンはすでに保税倉庫に眠っている。倉敷料、金利も相当かかる。百五十トンは荷揚げ中であるが、これもいずれ来る。長く置けば品質が落ちることは当然で、そして相当な金がかかってくる、また負担がかかってくると思うのです。これはいつ発足するのか。考えてごらんなさい。いま敷地がきまったとかきまらないとかまだ言っておるが、いまから建設してやっても、一年や二年のことではございません。三年も四年も置くのですか。そして、十億以上かかる工場です。そういったことで、農林省当局も下もほんとうに困っておるし、おそらく、関係職員も困ったものだと思っておるだろうと思う。農林大臣、こういったことはいわゆる足立構想時代からの問題であっても、現在の農林大臣がよくこれにメスを入れて明快にして、一時中止して先に延ばすなりして、そして、この三百五十トンの、できてもいない、いまからつくるであろうチルドジュース工場に対しての割り当てワクを各県別に割り当てをするなり、いろいろ処分をしなければならぬと思う。と同時に、毎年入れておるオレンジジュースの輸入ワクについても、三百五十トンが残っておるわけですから、ことしの割り当てについては量を減らすということをしなければ、また一千トン、一千五百トンということになりますと、その分が加味されて相当だぶつく、その分が温州ミカン、国内のミカン生産家に大きなウエートとなって、ジュースの消費拡大に影響を及ぼす、これはゆゆしき問題である、こういったことから私は指摘をいたしておるわけでございます。 いろいろと申し上げたいことはあるけれども、時間の関係でこまかく申されませんけれども、こういったことから、各県に対してこの三百五十トンは早期に分けるべきである、そして、今後の割り当てについてもこれらを含めて検討をすべきである、そして、協同果汁工場についても今後早急にメスを入れて再検討をすべきじゃないか、私はこういうふうに思うわけですが、この点、農林大臣からこの問題の締めくくりとしてお答えをいただきたい。
○倉石国務大臣 よく検討いたします。
○瀬野委員 大臣はよく検討するということでございますので、その検討の範囲がどこかわかりませんが、大臣もなかなか立場はつらいところであろうと思うけれども、ほんとうに真剣に検討してやらなければ、これは解決するまで私は明らかにしてまいりますので、次回にまたこの問題を指摘することを留保して、次の問題に入ります。 これは、私は、老婆心ながら、当局に警鐘乱打という意味で申し上げるわけですが、愛媛県においては、サンキストとバーターで果汁あるいはミカンの問題等について今後やるような動きがあるということをちらちらと聞くわけですが、これが事実であればこれはたいへんな問題であり、また、そういうようなことがあれば農林省としても十分指導してもらいたいと思うわけですが、そうなってまいりますと、これはまさに邪道であって、自滅行為じゃないか、と、かように思うわけです。この陰には全農等の問題等もいろいろうわさされておりますが、一説にはこれは外務省が間違いなくからんでいるとも言われますし、また、アメリカの安川大使等もいろいろとこのお話しに乗ったとか乗らぬとかというようなことも聞いております。最近アメリカへ行ったわけではありませんので詳しい事情等もわかりませんが、かりにこういったことがなされるとなれば、これは事実上の自由化であり、今後、ミカン以外のものについても各商社等からも相当な自由化がなされていくということで、示しがつかないということになりはせぬかと私は思う。これがうそであればけっこうですけれども、そういう事実が農林省に入っておれば十分指導してもらいたいし、入っていなければ、また、農林省も何をしているかということになるのですが、そういう点はどういうように農林省は聞いておられるか、また、対策を考えておられるか、全然知らぬとおっしゃるのか、この機会にお伺いしておきたいと思います。
○松元説明員 ただいの御質問でございますが、これは、あるいはこのことをおっしゃっているのだろうと思います。一部の農業団体等におきまして、外国産の果汁と国内産の果汁をブレンドするわけでございますから、その場合に、お互いに相互交換をする、いわば日本のミカンジュースを向こうに出し、それとひとしい量のオレンジジュースを入れるという、そういうバーターを考えているという構想を私は聞いております。あるいはその問題かと存じますが、これは考え方といたしますと、言っているほうの向きの考え方は、等量がお互いに交換されるわけでございますから国内の全体の果汁の供給量はふえないわけでございまして、しかも、ブレンドによって品質がよくなるから品質が上がって需要がふえる、と、こういう考え方のようでございます。 ただ、私どもは、これにつきましてはやはりいろいろな問題もあろうというように考えたわけでございまして、部分部分の、一部の、たとえば地域単位の農協が単純に交換するという、その事実だけを見ますれば等量交換の影響はないように見えますが、これはやはり国全体で考えなければいかぬ、地域地域の事情で考えちゃいかぬと私どもは思っているわけでございます。したがいまして、そういたしますと、一つには、わが国の果汁の価格は国際的に高いものでございますから、はたしてこういった等量交換というバーターが可能かどうか、これは相当疑わしい点がございます。それから、また、従来のオレンジジュースの輸入ワクとの関係をどうするかという問題もございます。それから、また、どういうやり方でバーターによる輸入を認めるかという問題がございます。そうして一番大事なことは、そういうかっこうでやったことが全体としてのミカンジュースの消費量にどう影響するかということ、等量交換されるから総量は同じなんだ、しかも、品質がよくなるから需要が伸びるのだというふうに、提案者が考えているようにこれが単純にいくのかということで、大事なことは、国産のミカンジュース全体の需要を伸ばすことでございますから、それにプラスにならなければいかぬ。悪影響があったら困るわけでございます。いろいろとそういった問題がございますから、そういったことにつきましては慎重に検討しなければならぬというように考えている次第でございます。
○瀬野委員 そういったことについていま局長の答弁がありましたが、ひとつ十分対処していただきたいと思います。 時間の関係であと一、二点簡潔にお伺いしたいと思いますから御協力いただきたいと思うのですが、果汁輸入の問題で、ホテルワクの問題を指摘したいのであります。 これは通産省にお伺いしますけれども、御承知のように、現行では雑ワクが四十七年三百トン、四十八年三百トン、四十九年も三百トンで、これは上期、下期合わせてでございます。通関統計によると、グレープフルーツ果汁はその他の扱いになっておりますが、そのほかにホテルワクというものが、オレンジジュース、パイン等が四十七年に百トン、四十八年百トン、四十九年百トン、と、例年コンスタントに百トンになっております。これはホテルにおいてのみ使用するのが原則となっております。そのほかに、いま指摘しました緊急輸入ワクが、例年四十五年から輸入されているということで、五分の一濃縮ジュースとなってきているわけです。 私は、この中でホテルワクについて指摘をするわけですが、時間の関係で省略しますけれども、ホテルワクが現在設けられた理由というものは、御承知のように、戦後米軍が日本に駐留し、そしてホテルへ泊まるということで、やはりアメリカのオレンジジュースのようなブレンドしたものが嗜好されたということからホテルにワクを設けてきたということで、例年百トンぐらいずつ、来ておるわけですが、現在このホテルワクというものが一〇〇あるとすれば、実際には三〇%ぐらいは確かにホテル用として使われておるけれども、残りの七〇%は一般市場にやみとして流れておる。そして、実態は、輸入業者に代行委託されておるのが事実であります。私は、こういったことから、このホテルワクというものは当然必要ないのじゃないかと思う。当時は必要であったかもしれぬが、現在は、ホテルも、ほとんど別館、新館、第二別館というふうにたくさんできて、従来よりもホテルも五倍、六倍にふえてきている。ほんとうに必要であれば、四十五年度あたりからホテルワクが百、二百、三百とふえればまだしも、実際にコンスタントに百トンでありながら、量はほとんど三〇%しか使われていない。しかも、残りの七〇%はやみに流れている。こういったことではけしからぬ。そして、現に、外人にしても、ホテルばかりに泊まらずに別に泊まったり、あるいはまた、ホテルでなく一般のレストランでも食べるし、むしろホテルは日本人のお客が多い。こういう実情から見ると、これは当時は必要だったけれども、現在は必要ない。このワクはいわゆる一般の中に入れて、一般の中からホテルはもらうべきである。こういうふうにやるべきだ。これは戦後の遺物みたいなものであると私は指摘したいのです。 かいつまんで申しましたが、それに対する当局の見解を承りたい。
○山本(康)説明員 お答えいたします。 ホテルワクの特別の輸入割り当ての必要性につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、外国人観光客の誘致促進のために本国の食料品を飲食できるようにする必要ということで設けておるわけでございます。したがいまして、一般には割り当てられないような物資を、ごく少量に限りましてホテルだけに特別に割り当てております。このワクをもし一般用に振りかえまして、その中からホテルが買ってもよろしいということになりますと、ますますその特定の目的へ流れる保証がございませんので、私どもといたしましては、外人向けのためにごく限られた数量を用途を指定して割り当てるためには、ホテルワクが依然として必要ではないかと考えております。 それから、御指摘の、横へ流れているという点につきましては、われわれも非常に強くホテル業界を指導しておりまして、最近は若干制度を改めまして、それぞれの物資につきまして、特定の商社がまとめて輸入をし、ホテルに渡す。これはホテル業者は自分でインポート業務がむずかしいものですから、当然商社に輸入を頼まざるを得ないわけでございますが、それもばらばらに頼んでおりますと、はたして正確にホテルに納入されたかどうか把握が困難でございますので、特定の品目については商社の中からチャンピオンを選びまして、確実に受け渡しが行なわれるように制度を改めてございます。それで、ホテルからどれだけ発注しどれだけ受け取ったかというような報告もとっておる次第でございます。
○瀬野委員 通産省はいまそういったことをおっしゃるけれども、これは農林省側からも、「四八食流第二六七五号」として、昭和四十八年五月二十六日付によって、「対象品のうち別紙2については果実飲料類の現行輸入割当制度の運用に照らし一般流通が考えられない筈のものであると思われるので、念のため併せお知らせする。」ということで、農林省の食品流通局長名で農蚕園芸局長へ内部通達が出された公文がございます。こういったことでもいろいろお尋ねしたいのですけれども、時間がございませんが、こういった経緯から見ましても、ホテルワクとして別に設けてありますけれども、実際の実態は私が言ったとおりであります。通産省はしどろもどろの答弁のようでございますが、これは行政の怠慢であると私は指摘したいわけです。ホテルワク自体は昔はそれなりに価値があったものでありますけれども、現在では、御承知のように外人も他のレストランにも行くし、ホテルは日本人客が相当泊まっている。これは前世紀の、また、占領下の遺物である、優遇する理由は全くないというふうに業界でも一般でも指摘され、団体からもそういったことがきびしく言われております。農林大臣もこれはよく知っていただきたいわけです。 そこで、農林省にお伺いしたいのですが、さきの割り当てとからんで、即時これは廃止して緊急輸入ワクに一元化すべきであると実は私は考えておるわけですけれども、農林省はこれに対しては全然関知せずにおられるのか。また、通産省よりもいま答弁がございましたが、時間がないので私はるるお聞きすることができませんけれども、どういうように農林省は考えておられるか、農林省の見解もお伺いしたいと思います。
○松元説明員 ホテルワクは、当初認めた本来の理由があるわけでございますので、そこで、疑惑を招くことのないように、当初の本来の趣旨に照らして適正に運営されるようにしなければならぬということがまず基本でございますが、同時に、最近は良質の国内産果汁もふえているわけでございます。したがいまして、私どもとしては極力これをお使いいただきたいわけでございますし、それからまた、最近は一般ワクの輸入量もふえているわけでございまして、したがいまして、昨今ではホテルワクも増加はさせておりません。 こういったように、ホテル数はふえておりますが、ホテルワクの総量はふえていないという実態がございまして、今後は、いま申しましたとおり、ホテルワクは本来の趣旨に照らしたように適正に運営するということを基本としながらも、極力国産果汁をよけいに使っていただきたい、それらと見合わせながら、このような特別割り当て制度が今後ともはたして必要かどうかということも含めまして、関係省とも協議して検討してまいりたい、と、こういうように考えております。
○瀬野委員 以上で質問を終わりますが、時間の制約の関係で十分こまかいところまで詰めることができませず、はしょって質問いたしましたが、次回にこれらの問題についてさらに詰めたいと思うと同時に、消費拡大の上から、関税分類表による香料の問題等重要な問題がありますので、通産当局に次回にこれは質問をいたしたい。 また、グレープフルーツの輸入問題、全農の巨額な赤字の問題、こういったものを踏まえて、いわゆる生産農家に対する全農のあり方等について農林省の指導を十分していただきたいし、現に、飼料その他の四十億の収入によって、グレープフルーツ等の輸入に対する赤字の補てんに二十億ぐらい回されているというようなことがいろいろと言われておりますので、こういった問題について次回に指摘したい。 さらに、飼料問題等が一カ月延びておりましたが、十一月にはいよいよトン当たり八千円ないし八千五百円台がまた上がるのじゃないかということでいろいろ心配されております。これは畜産の壊滅に通ずるということでいろいろ指摘したいところでございましたが、時間がございませんので、次の機会を見ましてこれらの保留した問題についてはまた質問を申し上げるということで、きょうは関係当局をお呼びしておりましたが、できなかった分については次回に譲りまして、以上で私の質問を終わりたいと思います。 御協力ありがとうございました。
○仮谷委員長 午後二時十分再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。 午後一時三十五分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。諫山博君。
○諫山委員 九月二十七日に、日本共産党国会議員団として、飼料値上げ反対の申し入れを農林大臣あてに行ないました。そのときに渡辺政務次官といろいろ懇談したのですが、全農、商社系メーカーから飼料を一万一千円程度上げてもらいたいという要請が来ている、しかし、政府としては七千五百円ぐらいの値上げではどうかといま折衝中だ、と、こういう話があったのですが、そのとおり間違いないかどうか、確認していただきたいと思います。
○高須説明員 お答え申し上げます。 全農、また商社系のメーカーからはいろいろな数字が出て考えておるようでございます。農林省のほうにおきましても、そういったような数字を参考にいたしましていろいろな考え方も——全体の金額ということではなくて、個々の要素を一つ一つ取り上げまして、こういうものは必要はないではないかといったような観点から具体的に折衝いたしておりまして、先ほど先生のおっしゃいました金額はそういったものもございますでしょうが、それは一つの例でございまして、全般的にそのような数字になっておるというものではございません。
○諫山委員 商社系の飼料メーカーでは、すでに十月一日からトン当たり八千五百円程度値上げをしていると聞いたのですが、そのとおり間違いないでしょうか。もっとも、私の聞いたところでは、これは建て値の値上げであって、全農との関係で、まだ消費者段階まで値上げされたわけではないというふうにも聞いているのですが、いかがでしょうか。
○高須説明員 ただいまの件は、先生があとからおっしゃいました各建て値の値上げを一応宣言いたしたわけでございますが、実際にその価格が実行されるのはまだ多少期間がかかるのではなかろうかと存じております。
○諫山委員 そうすると、十月一日から商社糸メーカーとしては建て値は八千五百円値上げした、そして政府としてもこれに了解を与えているということになりましょうか。
○高須説明員 十月一日という期日ではございませんが、それぞれの商社、商系メーカーの事情によりまして、実際に踏み切るのはそれぞれ異なったときであろうかと思いますが、一応全般的にその程度はやむを得ない、回避できないであろうというふうに考えております。
○諫山委員 そうすると、農林省のほうで上げ幅が大き過ぎるというのに八千五百円上げたというのではなくて、一応農林省もこの金額はやむを得ないと認めているわけですか。
○高須説明員 商系メーカーにつきましては、要望しておりましたものはもっと大きな金額でございまして、先ほど先生のおっしゃっておりました金額に近いものが大多数でございました。したがいまして、実際に踏み切りました八千五、六百円というものは、当方もやむを得ないというふうなことでございます。
○諫山委員 全農との折衝経過はどうなっていましょうか。
○高須説明員 全農のほうからも九月くらいにいろいろな考え方が出されておりますが、私どものほうは、できるだけ下げてほしいというような形で、個々の条件についていろいろ注文をつけておる段階でございます。これは全農内部の下部からのいろいろな御要望もございまして、どのような金額に相なっておるか、私どもまだ承知いたしておりません。
○諫山委員 私たち共産党は、九月二十七日付の申し入れ書にも書いていますように、今回の飼料値上げには反対です。特に、八千五百円というのは非常に大幅な値上げのように思われるのですが、従来の経過から見ると、全農の場合にも結局は同じ金額の値上げになっていくのではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○高須説明員 各社それぞれの事情がございまして、一律にはなかなかわからないわけでございまして、全農さんの場合には特に特殊な事情がいろいろございますので、どの程度に相なるか、単純なる計算をいたしましても商系とは飼料の種類等も若干違っておりますので、それよりは下回るということが推定はできるわけでございますが、これは単なる計算の問題ではございませんので、それぞれの企業内、経営体内でのいろいろな判断が加わるのではなかろうかと考えております。
○諫山委員 繰り返しますように、私たちは値上げに反対です。しかし、事実はそれと違った方向で動いているように見受けられますが、農林省としてはいつごろから値上げを認めるつもりですか。
○高須説明員 いつごろからといま先生がおっしゃいましたが、全農の場合と理解させていただきまして、これは全農内部のいろいろな事情がございます。私どもはできるだけ延ばしてほしいということを要請いたしておるわけでございまして、こちらからいつという時期を指定する考え方はございません。
○諫山委員 昨年飼料が値上げされたときに、私たちは事前にも値上げに反対したし、値上げが決定された後も値下げすべきだと要求し、この委員会でも何回となくその論議を繰り返しました。結果的には本年四月と七月の二回飼料の値下げが行なわれたわけですが、問題は、農林省が事前に価格決定に関与していながら、どうして二回値下げするような事態が起こったのか。私たちは値下げすることにもちろん賛成です。しかし、もし農林省がもっと厳格に原価を調査するとか見通しを正確にすることをしていたら、少なくとも値下げした分は値上げしなくても済んだのではなかろうかと思われます。この点で、農林省としては何らかの反省をしているのかどうか、また、こういうことを将来繰り返さないためにどのような配慮をしているのか、お聞きします。
○高須説明員 今日の配合飼料価格の改定の一番大きな要因をなしておりますものは、円の為替相場の変動と、もう一つは、実量にいたしまして五〇%以上に及びますトウモロコシ、コウリャンの価格の変動でございます。原材料のトウモロコシあるいは大豆かすもございますが、そういったものはほとんどアメリカ市場に依存しておるというのが残念ながら事実でございまして、これらのトウモロコシ、コウリャンあるいは大豆かすといったものの相場は、私どもの手の届かない国際市場の種々の要因によって変動いたすわけでございます。それが若干下がったということが一点と、それから円為替レート、これも国際市場の中で種々の要因によって変動いたします要素でございまして、私どもも、この前値下げをいたしましたときは円が非常に強くなった時期でございまして、その分だけ当然返すべきであるということで値下げを要求したわけでございます。当初の見積もりが誤ったとか、そういうことでは決してございません。 それから、今後におきましても、この二つの要因につきましては、大宗をなしますトウモロコシ、コウリャン等の海外相場と、それから円為替の変動、これは私どもの手になかなか及ばないことでございますので、こういう要因はやはり考慮いたしまして、そのつど必要な措置をとってまいる必要があろうか、と、かように存じております。
○諫山委員 私が本年のことを取り上げたのは、その責任を追及するというような観点ではなくて、原価計算とかあるいは正確な見通しをもっと厳格に立てていたらあれほど値上げしなくても済んだのではなかろうかという観点から問題にしているわけです。しかし、情勢は値上げやむなしという方向で政府側のほうでも動いているようですが、この問題に対して値上げが避けられないのであれば、配合飼料価格安定基金に対して緊急に特別な助成措置を講じてもらいたい、と、これがいろいろな農民団体から提起されております。昨年も同様のことが行なわれたし、私たちもこれはきわめて正当な要求だと思っております。畜産農民の経営を安定させると同時に、飼料の価格上昇がなるべく畜産物の価格上昇にはね返らないようにするという効果を得るためには政府が思い切った助成措置を講ずべきだという、この農民団体の要求を私たちは支持するわけですが、この点はどのように考えていましょうか。
○高須説明員 海外の要因による国内の配合飼料価格の変動、これは今後もあることでございますが、この急激な価格変動の結果を国内畜産農家に及ぼさないというために配合飼料価格安定基金があることは先生のおっしゃったとおりでございまして、この基金によって急激な変動を避ける、できるだけ平準化してまいるということは先生のおっしゃるとおりでございます。 そこへ国の資金をどの程度つぎ込むかという問題はまた別の問題でございまして、昨年の場合には、四十七年の暮れに三万二千円であったえさがわずか一年間の間に倍増した、六万以上の値段になったという非常に急激な変動でございまして、価格安定基金独力ではとうてい対処しがたいような大きな変動でございました。ところが、今回は、先ほどおっしゃいましたように八千五百円、小売り段階にいたしまして一万円見当のものであろうかと思いますが、八千五百円の値上げの基礎となるところの今日の配合飼料の価格は五万八千円、九千円、大体六万円のものでございます。六万円に対して八千円そこそこの値上がりになったといたしまして、大体二%程度でございます。 昨年の倍増した場合と今回の二%程度の値上げの場合との意味合いはかなり違ってまいるのではなかろうか、特に、また、畜産物価格の動向あるいは国内の他の諸物価の動向といったものとの比較検討の上に今回も十分慎重に見守ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○諫山委員 確かに、昨年は異常な飼料価格の暴騰でした。ことしは昨年ほど大きな上げ幅でないことは事実のようです。しかし、問題は、現在の価格上昇というものは昨年の暴騰がもとに戻ってからの上昇ではなくて、昨年の価格暴騰に上積みする値上げだというところにもつと深刻な実態があるわけです。これは多くの農民の要求でもありますから、政府のほうで、価格安定基金に大幅な助成をするという方向をぜひ検討していただきたいことを要望します。 さらに、もう一つ私たちが農林大臣あてに申し入れたのは、飼料需給安定法を厳正に運用してもらいたい、麦類だけではなくて、トウモロコシ、コウリャンなども政府が買い入れて、これを安く売り渡すべきだ、これが飼料需給安定法の立法趣旨ではないかということでした。昭和四十九年度の予算では、トウモロコシを六万トン程度買い入れるということが予定されているようですが、現在までどのように処理されたか、また、本年度残された期間はどのように処理するつもりか、御説明ください。
○高須説明員 問題が二つございますので、初めのほうのトウモロコシとかコウリャンを飼料需給安定法の趣旨に基づいて一元的にと申しますか、すべて買い入れるというような形をとるということにつきましては、現在、すでに、トウモロコシ、コウリャン等は民間企業のもとで順調に輸入をされておるシステムができ上がっておりまして、これに対しては何ら問題がないわけでございます。ここにいたずらに国からの干渉をすると申しますか、そういったものを一元的に国家が統制するといったようなことは民間の自由な流通という点にとっても非常に問題があろうかと存じます。また、こうしたことが国家貿易というような形で国際間に対していろいろな困難な問題を派生するという点もございます。 また、技術的に考えましても、現在、コウリャン、トウモロコシ等を通じまして約一千万トンのものを年間輸入いたしておるわけでございますが、これを国家機関で取り扱うということは技術的にもほとんど不可能な話でございまして、今後食管制度のような制度をもう一つまた考えないことには実行上とても不可能なことであるわけでございます。 また、安売りの件につきましても、現在民間自由の流通のできません麦類を食糧管理特別会計で取り扱っておるわけでございますが、これが二百五十万トンほどでございますけれども、これから派生いたしますところの国の負担というものが現在すでに五、六百億円で、実効上はもっとはるかに上回るのではなかろうかと思われておりますので、この上になお一千万トン以上のコウリャン、トウモロコシといったようなものを取り扱いますにはとても財政上たえがたいという、かような種種の難点があるわけでございます。 それから、第二の問題点として、トウモロコシ六万トンの輸入の問題でございますが、これは一応備蓄というような観点から考えておるのは事実でございますが、御承知のような現在の国際情勢でございまして、その供給余力を持ちますのはアメリカが主でございますが、アメリカの今日のトウモロコシの生産状況というものは先生も御承知のとおりでございまして、とても余分の輸入を可能とするような事態ではないわけでございます。しかも、価格もかなり高い水準に推移いたしておりますので、この問題については予定のとおり実行し得るとは期待できないというような感じがいたすわけでございます。
○諫山委員 農林大臣に質問します。 現在の飼料問題というものはまさに危機的な状態であります。これが畜産農民の経営を圧迫するだけではなくて、日本の食糧そのものに深刻な影響を与えているということは言うまでもありません。この飼料需給安定法を厳正に運用するということは法律改正などをしなくてもやれることです。私は、いま答弁されましたように、トウモロコシとかコウリャンをすべて残らず政府が一元的に買い入れろと言っているわけではありませんで、できる限りこれを運用していくべきではないかというのが私の質問の趣旨です。そして、いまの答弁では、トウモロコシ六万トンの買い入れというものが予算の面で予定されているのに、実際はどうも行なわれないのではなかろうかというふうに受け取れるわけですが、これでは、政府操作飼料が飼料の危機的な状況に本格的に対処できるように運用されているとは私には思われません。トウモロコシとかコウリャンについてももっとこの法律を適用して、政府が買い入れるという方向はとらないのかどうか、大臣よりお答え願います。
○倉石国務大臣 飼料を含めた畜産、酪農につきまして、一番の問題はいまここでお話し合いをいたしておる飼料のことであります。あとは、その生産物の売れ行きの問題と、それからまた生産者価格がなかなか上がらないというような問題があると思うのでありますが、わが国の畜産及び酪農に関する飼料につきましては、これはもうくどく申し上げる必要もありません。先ほど事務当局がお答えいたしましたように七割ないし八割は輸入であります。これを国内で全量まかなうということは事実上不可能であります。そこで、一番の大手のアメリカ合衆国との話し合いで輸入をいたしておる、その輸入の価格が上がってくるということに対してわれわれが困難を感じる、と、こういうことであります。したがって、なるべく安定した価格で安定した量を入れる必要があるわけでありますが、いまのような国際情勢のもとにおいて価格は若干の高騰の傾向でありますが、量については、アメリカ政府もしばしば申しているように、安定した量をこちらに輸出をするということの保証をいたしておりますので、私どもはその点については心配をいたしておりません。価格につきましては、御承知のように、いま対ドル円相場が三百円以下になっております。したがって、私どもといたしましては、従来の方法で安定した量を随時輸入できるようなことにつきまして最大の努力をいたしておるいうことでありますので、この方法で日本の畜産についてはだいじょうぶだ、と、このように考えておるわけであります。
○諫山委員 畜産農民にしましても、私たちにしましても、現在の状態は危機的なものだと認識しているわけですが、農林省にそれだけの認識があるのかどうか、私はどうもいささか不安です。いま私が指摘したのは、飼料需給安定法を文字どおり厳正に運用して、もっと適用範囲を広ぐべきではないかという点だったのですが、同時に、飼料需給安定法を改正して、麦類以外の飼料穀物を政府が買い入れるようにしてもらいたい。この点も私たちはこの間の申し入れの中で指摘しておりました。いわゆる飼料作物の食管扱いでありますが、この点は答弁はけっこうですから、御検討願います。 さらに、渡辺政務次官と話し合ったときに、飼料の原価をぜひ公表してもらいたいという要求を私たちはしたわけですが、そのときの説明では、配合飼料というのは原料を配合しただけで、原価公開をやろうと思えば簡単だ、と、こういうことを言われていたのです。しかし、それでもやるということは言われませんでした。この原価公開ということが不当な値上がりを押えるための一つの重要な要件として農民団体からも要求されているし、私たちもこの要求は当然だと思っていますが、農林大臣、やろうと思えばすぐできるんだそうですが、やるつもりはないでしょうか。
○倉石国務大臣 答弁は要らないとおっしゃいましたが、食管の会計で飼料を取り扱うという意思はありません。 それから、いわゆる原価の公表ということですが、先ほども話もございましたけれども、いまの経済機構のもとで、企業に対する私どもの考え方につきましては、私どもは行政介入をいたしておりますので、大体どの原料はどういうふうになっている、あるいは船の運賃はどういうふうになっている、その間のロスはどういうふうになっておるというふうなことはよく承知いたしておりますから、飼料等についての値上げの場合につきましても、いろいろ私どもはそれに介入をいたして、これはこういうふうにすべきではないかというように——他の介入いたしておるところの、行政指導をいたしておる農林省所管の物資でも同じようなことでありますが、それについては省けるものはできるだけ省くように指導をいたしておる。こういうことでありますので、企業は企業なりのそれぞれの事情もあるでありましょうから、そこまで介入することはいかがかと私は思っております。
○諫山委員 政府は、公式には、国内で生産できる食糧はなるべく国内で生産するようにしたいと言っておられます。しかし、いま私が指摘したような問題で前向きな措置をとろうとしない限り、飼料の自給率の向上というような問題もなかなか解決しないと思います。 また、飼料の国際価格が暴騰した、政府の手の届かない原因で上がっているんだということがよく言われますが、しかし、こういう状態をつくり出してきたのが歴代の自民党政府の農業政策であったことは事実です。ですから、外国の価格が上がったんだからわれわれは知らないというような態度は許されないと思います。 なお、政府の介入の問題で、最近全農内部における不正というものが大きな社会問題になっております。新聞を見てみましても、不正輸入、裏帳簿、背任、業務上横領ということばが連日出てきているわけです。そして、日本農業新聞を見ますと、前茨城県農協中央会の副会長は「現在の農協は農民出資の総合商社になっている。」と語ったと書かれております。また、「この際、全農のウミを出し、一日も早く、疑惑を晴らして、組織の信頼を回復すべきだ」ということも農民の声として農業新聞に書かれています。 私は事務当局とこの問題でいろいろ話し合ったわけですが、まだ確たる証拠がそろっていないからとか、あるいは警察が捜査中だとかいうようなことで、対策らしい対策は何ら講じていないというのがいまの農林省の立場ではなかろうかと思います。しかし、これだけ大きな社会問題になっている現在、さらに飼料値上がりなどで農民が非常に苦況におちいっている中でこういうことが発覚するということですから、農林省としてはすみやかにしかるべき手を打つべきではないかと思いますが、農林大臣、いかがでしょうか。
○倉石国務大臣 いまあなたのお話しを聞いていますと、飼料は上がったんだが、これは外国から買っているんだからおれは知らぬと言っていると言うのですが、おれは知らぬなんということを農林省は言っておるわけではないのであります。つまり、国際価格の高騰は、この前の国会からここでも議論がずいぶんありましたけれども、まず、第一に、ソビエトロシア及び中国大陸のような大きな国が、ああいう凶作のために、突如として、一番の大手であるアメリカ合衆国から二千万トン余りの大量の買い付けをした、そういうことのために国際価格が三倍にも高騰をしてきたり、一時的に輸出をアメリカが断わったというふうな事態が起きて、たまたま石油関係の問題も起きましたのでフレートが非常に上がってしまったというように、さまざまの原因からして価格が高騰したということであります。したがって、私どもは、食管で預かっております古々米のうち、二回にわたって、大体七十万トン余り、帳簿価格十五万円以上に該当するものを一万二千円そこそこで大量に農協に払い下げをいたしたり、それからまた、先ほど来ここでお話しのありましたような基金に繰り入れをしたり、三分という低利の融資をいたしたりして、極力値上げを抑制いたした。それでもなおかつやり切れないというので、豚は三三%余り、牛乳は四四・三%も引き上げて、価格の面においてもできるだけのことをいたした。畜産及び酪農家はその間の事情を十分御存じのことであります。したがって、いまアメリカから特使も来ておりますが、けさの新聞にも大きく報道されておりますように、わが国に対する輸出の約束は断じて守るから安心してもらいたいということをわが国に向かっては言っているような次第でありまして、われわれは、ことに畜産局長もただいまアメリカに派遣をいたしまして、そういうことについて種々の協議をいたしておるということでありますので、農林省は何にも知らないと言っているんだというようなことは誤解に基づくものではないかと思います。 それから全農のことは、これは私のほうでも監督官庁でありますので、担当官をして十分に調査せしめておりますが、いま御指摘のありました問題につきましては、もうすでにこれは取り調べ当局の手に移っておりますし、これは飼料の問題と申しますより、ワクチンの問題であると報道されておることは御存じのとおりであります。そのワクチンに関する裏帳簿云々のことが問題になっておるようでありますが、いずれにいたしましても、監督者の立場としては、十分に監督をして、農業団体に参加しておられる農家の御不安を防ぐように、なくするように最大の努力をいたすことは当然なことでございます。
○諫山委員 最後に要望いたします。 農林省に責任がないと言っているわけじゃないという問題ですが、私が言いたかったのは、ほんとうに農民が希望しているように飼料作物の自給率を向上しておれば、こういう場合にもっと被害を最小限に食いとめることができたのではないかという問題です。飼料作物の自給率の向上というのは、自民党の議員でももう公然と口にするような共通の要求になっております。ただ、いま答弁されたさまざまな施策がそれに見合う立場で進められているかどうかに私は非常に大きな疑問を持っているわけです。 きょう農林大臣はアメリカのエバリーに会われるそうですから、日本の畜産農民を守るということと、さらにひいては消費者の生活も擁護するという立場で堂々と交渉されることを期待しまして、私の質問を終わります。
○仮谷委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 最初に、今月四日に認可された日本施網漁業生産調整組合の生産調整規程の一部変更について若干お聞きします。 今回のこの規程の認可にあたって、農林大臣はさしあたり六カ月間の期限を付しておられますけれども、この六カ月間の期限というのはどういうような根拠に基づいてつけられたのか、その点だけを大臣から御答弁を願いたい。
○倉石国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、これは十月から三月に最盛期が集中いたしておりますので、そういう意味で六カ月というふうにいたした次第であります。
○小宮委員 ほかの問題は長官でけっこうですから……。 それでは、六カ月間の期限を付して認可をされたわけですが、六カ月経過したら、この生産調整規程については再度検討するということですか。その点はいかがですか。
○内村説明員 お答え申し上げます。 六カ月を経過した以降の措置につきましては、これはあくまで組合から申請がございまして大臣が認可するという形になっておりますので、組合から調整規程の延長の申請がございますれば、公正取引委員会と協議の上慎重に対処したいというふうに考えているわけでございます。
○小宮委員 それでは、生産調整組合からまた延期の申請が出た場合に再検討するということであって、再延長の申請がなければこの問題は六カ月間で終わるというふうに理解していいですね。
○内村説明員 そのとおりでございます。
○小宮委員 私の推測するところによれば、これは半年経過した時点でまた生産調整組合からは認可の再申請がおそらくなされるものというふうに予定するわけでございますが、その場合に、いま盛漁期だから、十月から来年の三月三十一日までということで認可をしたという答弁でございますが、それでは、その時点で申請が出された場合の水産庁の態度というものをお聞きしておきたいと思います。
○内村説明員 生産調整組合の活動は、先生御案内のように、わが国の中小漁業の経営の安定のためにやるわけでございます。したがいまして、六カ月経過した後において、まき網を取り巻く経営状態がどうなっているかということを十分考えながら処置しなきゃならぬ問題だというふうに私は考えております。
○小宮委員 では、今回の認可にあたって、盛漁期だから十月から来年の三月三十一日まで認可をしたんだという農林大臣の答弁がありましたので、来年の三月三十一日になって、その場合には、水産庁が自発的にその時点で検討をするということではなくて、生産調整組合から申請があった場合に検討をするということに理解するわけです。したがって、その場合にどういうふうな申請が出るかどうかは、これはわれわれも予測はしても、それについて確たる自信はないわけですけれども、それにしても、再検討をするというこの問題が、今回半年間実施してみた、しかし、半年以後も生産調整をさらに続けなければならないというような事態が発生した場合、そういうふうな事態であったならばこれは再検討に値しないというふうにも私は理解するわけですが、その点は、長官は、申請が出るかどうかはわからぬので、出た時点でひとつ検討したいということになろうかと思いますけれども、やはり、私は、こういった六カ月間の既成事実というものができた場合に、それはいまの既成事実の上に立って申請が出れば、申請がそのままさらに長期に継続されていくということは必至だと思うのです。そういった場合に、ただ再検討するという事態がどういうふうな事態に再検討するということになるのか。長官にいま考えがありますならば、ここで明らかにしてもらいたい。
○内村説明員 ただいまも御答弁申し上げましたように、生産調整組合の活動というものはあくまで中小漁業の経営の安定をねらいとするわけでございますから、六カ月たった後において、単に漁獲高だけではなしに、その他のいろいろな要件があるわけでございます。そういったものがどう変わっているかということによって検討のぐあいも変わってくるわけでございまして、私どもといたしましては、あくまでも法の定めるところに従って法の運用を行なわなければならないということはもう当然のことでございまして、その時点においてそういった点をいろいろ考えて検討しなきゃならぬ問題だというふうに思っております。
○小宮委員 生産調整の規程というものはあくまで一時的な過渡的なもので、漁獲があったために大漁貧乏を防止するための一時的な緊急的な臨時措置が原則なんです。しかし、今回の調整規程とというのは、作業艇を廃止するとか運搬船を制限するということはそういった生産調整組合法の目的から逸脱した半恒久的な措置になっているわけです。そこに問題があるわけです。したがって、今回の生産調整によって、たとえば灯船の問題、あるいは網船が安全かどうかという問題、あるいはさらには生産調整組合法の十二条の一号、二号、三号にほんとうに適応しておるのかどうかという問題については、まだいまから私は長官といろいろやりとりをやらなければならぬと思うのですが、私の持ち時間が四十分ですから、それはこの次にあらためてやります。 次は、そういったことを前提にして水産庁の行政の姿勢を私はただしたいと思うのです。 第一に灯船の問題ですが、私が調査したところによれば、まき網漁業の灯船の問題についてはいろいろ制限が設けられているんです。たとえば一統につき二隻以内とか、集魚灯のために使用する発電機の総設備容量は灯船一隻につき十キロワット以下であるとか、あるいは集魚灯のために使用する発電機は補機関より駆動しなければならないとか、集魚灯のために使用する発電機を駆動する補機関のシリンダー数は二個以内、馬力数は灯船一隻につき三十二馬力以下とか、こういうような制限が設けられているんです。ところが、現実にはこういうような灯船に対する制限がほとんど守られていないのです。たとえば補機関発電機を大きくして規定以上に馬力を上げたり、発電機を大きくして主機に直結させて集魚灯に使用したり、あるいは補機発電機を増設して集魚灯に使用しておるものがあります。例をあげれば、第二十一源洋丸は九十馬力の補機と六十馬力の発電機を装備しております。私はこれは違反だと思いますが、こういうような違反行為が平然としてほとんどの船にやられているという事実を水産庁は御存じですか。
○内村説明員 灯船につきましては、灯船が大体一隻四十五トンでございまして、二隻の灯船が一統につき操業するわけでございます。そこで、エンジンがいわゆるメーンエンジンと、それからそれを補助するエンジンとついておりまして、補機の一つが集魚灯用になっております。これは二十七馬力でございまして、これの発電機は十キロワットということで、灯船一隻につきましての発電機の総設備容量は十キロワット以下でなければならないというふうに漁業法によります許可の制限または条件になっておるわけでございます。したがいまして、これに違反があれば、私どもといたしましてはそれを厳重に取り締まらなければならぬということでございますので、東海黄海の場合には福岡の調整事務所がそれに当たっておりますから、そのような事実があれば、私どもとしては厳重に取り締まるつもりでございます。
○小宮委員 それでは、私がいま申し上げたような事実があれば違反ですね。その違反についてはまだ水産庁としては承知していないということですか。どうですか。
○内村説明員 監督に当たっております福岡の調整事務所からそのような報告は受けておりません。
○小宮委員 この問題はいろいろ問題がありますし、少なくとも水産庁は承知しておると私は指摘をしたいのです。しかし、これはほかにもいろいろ問題がありますので、そういうように水産庁が承知していないということは私は言わせませんぞと言いたいんだけれども、一応この問題は伏せます。しかしながら、違反があれば処罰しますね。その処罰はどういうような罰則がありますか。
○内村説明員 ちょっと、いま法律を調べております。
○小宮委員 長官、この問題は水産庁の、名前もここで言っていいわけですけれども、金田課長は知っているのです。ぼくは、この話を課長は知っておりながらなぜ調査しなかったかと言うのです。 その罰則の問題はあとにして、それでは調査しておらないとすれば、いつまでに調査しますか。
○内村説明員 ただいまも御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、監督に当たっております福岡の調整事務所から報告を受けておりませんので、さっそく福岡の調整事務所のほうに照会いたしまして、違反の事実があるかどうかを調べてみたいと思います。
○小宮委員 いまの罰則の問題はまだ調査中ですか。長官、この問題は早急に調査をして、調査した結果、違反事実が明らかになった場合は処罰をしてください。 また、処罰をしたその報告書はぜひとも私のほうにも出してもらうように、これは委員長よりお取り計らいをお願いします。
○内村説明員 照会いたしまして、その照会の結果、処罰するに値するような違反であれば、もちろん処罰いたします。
○小宮委員 それでは、そこでもう少し調査してもらう間、次に質問を続けます。 昨年の五月五日付の長崎新聞の報道によりますと、長崎県北松浦郡生月町の東洋漁業所属の大中型まき網源福丸船団が宮崎県日向灘において密漁中、細島海上保安署に漁業法違反の疑いで検挙されておりますが、その取り調べの結果、漁業法違反の事実があったのかどうか。これは海上保安庁。
○國保説明員 お答え申し上げます。 この件につきましては、いま先生のお話しのとおり、五月三日に油津海上保安部のもとにあります細島海上保安署がこの事件を捜査いたしまして、そして取り調べの結果、漁業法第六十一条——これは操業区域を変更するときは許可が必要であるということでございますけれども、この規定に違反をいたしまして、操業区域の許可を受けた、その別のところでやっておったということで検挙をいたしまして、この件につきましては捜査を終了いたしまして、すでに検察庁のほうに書類送致済みでございます。
○小宮委員 それでは、これは検察庁のほうに書類を送付しているわけですか。それは何月何日に送付しましたか。
○國保説明員 この件を宮崎地検の延岡区検に書類送致いたしましたのは、ことしの九月二十日でございます。 なお、ちょっとこれに関連いたしまして申し加えますけれども、漁業法違反の事件につきましては、大体送致と同時に水産庁あて通報することになっておりまして、このことにつきましては、九月二十四日に水産庁あてもう連絡済みでございます。
○小宮委員 四十八年五月三日に密漁事件が発生したものを、ことしの九月二十日にその書類を検察庁に送付し、水産庁に九月二十四日にやったということだが、これは去年の五月三日のことですよ。ことしの九月ということになれば、一年四カ月経過しておるじゃないですか。これはどういうふうな理由ですか。
○國保説明員 お答えいたします。 この事件は、違反を検挙いたしましたのは細島の海上保安署で、それから関係者の所在地があちらこちらになっておりまして、このために内部でいろいろな書類のやりとりなどございまして、取り調べが、ある者は長崎で、ある者は東京でというようなことになりましたので、若干時間がかかりましたが、私どもといたしましては、こういう事件についてはできるだけ早く捜査をして、そして送致をするということに心がけております。この件につきましては、そういうようなことがありましたので一年四カ月という日時がかかりましたけれども、捜査の迅速化ということについてはできるだけ力を入れていきたいと思っております。
○小宮委員 それは詭弁ですよ。この源福丸船団と相前後してこの日向灘で操業しておった大浜漁業、三瓶漁業の船はさっそく検挙されたり、二十日間の営業停止も食らっておる。この源福丸船団のみがことしの九月二十日に書類送致というのは、おそらく、この問題はこの生産調整規程の認可と関連しておると思うわけです。あなたたちはそれまでこれをほおかむりしておりながら、あわてて九月二十日にその書類の送検をしたというように私は理解するのです。 それでは、検察庁にこの問題はすべてを一任したということになっておるわけですか。 水産庁としては、この密漁の問題についての処分権の問題についてはどうなりますか。
○内村説明員 その前に、先ほど御質問のございました漁業法三十四条違反でございますが、これの罰則は、「三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金」ということに漁業法第百三十八条でなっております。 それから、ただいまの問題でございますが、水産庁といたしましては、福岡の漁業調整事務所を通じまして、現地の海上保安庁に、風聞が立ってから照会いたしました。そこで、海上保安庁はまだ検察庁に送検しておられなかったわけでございますが、水産庁といたしましては、日時の経過も考慮いたしまして、四十九年の六月十四日に検査、質問をしております。これは漁業法第七十四条でございますけれども、それによりまして検査、質問を行ないまして、明らかになった違反事実に基づきまして、同じく今年の六月二十二日に聴聞会も開催したわけでございます。その結果の行政処分につきましては、従来からのルールに従いまして、保安庁からの通報を受けたあとで、司法処分があってから行政処分をするのが大体のルールでございますが、通報を受けたのが、ただいま御答弁がございましたように九月二十四日でございます。そこで、私どもといたしましては、すでに通報を受けたわけでございますから、近く行政処分をしたいと思って現在いろいろ事務を進めておるところでございます。
○小宮委員 これは海上保安庁は何と答弁しようと、こういうような事件が発生してから一年以内に処分をしなければならないようになっておる。しかも、同じこの日向灘において操業しておった他の二船団は直ちに検挙されて、処分を受けておる。それを、この源福丸船団のみをいままで一年四カ月も放置しておって、そしてあわてて水産庁に報告したとか、書類送検を宮崎検察庁にしたというのは、この問題が起きてから、いよいよ質問が出るということをあなたたちは非常に心配をしてこの問題を具体的に処理をしたというように私は理解するのです。特にこれは海上保安庁の姿勢について問題があるのだけれども、私が言っておるのは、源福丸のこの船団は、北松の生月の沖でもほかの船団と操業しておりながら——海上保安庁が密漁検挙に来て、源福丸船団をサーチライトで照らしたところが、源福丸だったので、これが逃げようとしたのを見のがしていこうとした。ところが、こちらにおったほかの船団は検挙された。そして検挙されたために、おかしいではないか、源福丸船団は見のがしておいてわれわれだけをどうして検挙するのかということで抗議を申し込まれたら、これも見のがしていったという事実も明らかなんだ。 私が言いたいのは、この源福丸船団の問題にしろ、密漁の問題にしろ、こういった権力を持っている人たちの所有する船団、船舶については、海上保安庁も水産庁もこれを非常に大目で見ておる。そうして零細なほんとうの中小企業に対してのみ、権力をかさに着て違反をどしどし検挙して処罰しておる。こういうようなことについて、私は、水産庁なり海上保安庁の姿勢を問題にしたいんだ。そういうような事実は明らかなんだ。いまからでも資料を出せと言われれば私はぼろぼろと出せる。 そこで、この問題も、去年の五月三日に発生した事実を一年四カ月もたったことしの九月二十日まで放置しておったという、その理由についてはいろいろいま言われておるけれども、それは私は詭弁だと思う。見のがして、そのまま不問に付しておくはずであったけれども、この生産調整問題と関連したものだから、いよいよこれはあぶないというところであなたたちはそういうような処分をしたというふうに私は理解をするのです。海上保安庁のそういった姿勢、強い者には巻かれて、こびへつらい、弱い者だけは権力をもってどんどん検挙するという、こういうような姿勢を私は問題にしておるのだが、しかし、この問題はこれぐらいで次に進みます。 そうすれば、海上保安庁のほうは、検察庁に書類送検をしたからあとは検察庁にまかせるということになりますね。水産庁のほうは、九月二十四日にその違反事実について書類を受け取ったので、これから調査をして早急に行政処分をするということですね。 もう一つ申し上げますが、この一年以内に処分をしなければならないというのは、法律の根拠はどこですか。それで、一年というのは、水産庁が海上保安部なり水産庁の出先なりから、その連絡を、正式書類を受け取ってから一年以内ということですか。私は、この問題は検挙されてから一年以内に処分をしなければならないというふうに理解をしておるのですが、私の考え方は誤りですか。
○内村説明員 内規でございまして、聴聞してから一年以内でございます。
○小宮委員 第三の質問は、まき網付属運搬船をイカ釣り船資格該当船として承認を受けて、許可を転売した疑いです。これはどういうことかと申しますと、昭和四十八年五月現在の日本まき網漁業協同組合の組合員漁船名簿を見てみますと、まき網付属運搬船として、第七十八源福丸、第七十六源福丸、第五十六源福丸が登録されております。ところが、同じ昨年、一カ月早い四月一日現在のイカ釣り漁業承認船名簿を見ますと、この三隻の船はイカ釣り船としても漁船登録をされておるわけです。同じ船がイカ釣り船として登録され、また、まき網漁業の運搬船として登録されておるということは、これはどういうふうに解釈したらいいですか、長官。
○内村説明員 まき網の運搬船としての運搬業務をやらないときにイカ釣りをするということでイカ釣りの登録をしているのではないかと思います。
○小宮委員 うまく逃げようとしておられますけれども、この三隻の船は、それまでずっとまき網の運搬船として、船団と行動をともにしておるんですよ。それがいつイカ釣り船に登録がされたのか、非常に疑問なんですけれども、少なくとも、このイカ釣り船として承認を与えたのは何月何日ですか。
○内村説明員 調べまして御答弁申し上げたいと思います。
○小宮委員 待っておるわけにいきませんから、次へ進みます。 イカ釣り船として利用する場合は、大体二カ月間の水揚げの実績がなければならないはずです。この船は運搬船として使用されながら、イカ釣り船としての二カ月間の水揚げの実績がいつあったのか、その点、わかったら教えてください。
○内村説明員 ちょっと調べてみなければわかりませんけれども、たぶん、市場の水揚げ証明があったのではないかと思います。ただいま事実については調べております。
○小宮委員 水揚げ証明書があったら、ひとつ見せてください。 これは、私が調査したところによりますと、釧路のある魚市から証明書が出ているはずです。それは、この船はイカ釣りの実績はないのです。ない船をイカ釣りの実績があるようにして、釧路のある魚市から出されておると思うのです。 それでは、その承認をいつ与えたかという問題と、いつどこの魚市からその証明が出ているかという問題、それをぜひとも調べて報告を願いたいと思います。
○内村説明員 私どもがただいま持っております資料によりますと、釧路の市場が発行した水揚げのあれは、ちょっとチェックしてみなければわかりませんけれども、この第五十六源福丸、七十六源福丸、七十八源福丸につきましては、それぞれ前年六十五日、六十一日、七十四日と、イカ釣りに従事したという事実がございます。
○小宮委員 それは、私の調査したところによれば偽造の疑いがある。私のほうも資料をちゃんとそろえますよ。だから、どこの魚市から出されたのか、その実績証明なり、それからまた水産庁が許可を与えた日時なりをはっきりとした資料として私のところまで提出を願いたい。委員長、それをお取り計らい願います。 それから、もう一つ、このまき網付属運搬船の建造にあたって、公庫の融資金を受けながら、これをワク外船に使用した疑いについて質問しますが、このまき網漁業付属運搬船の無線電波の型式及び空中線電力は幾らになっておりますか。
○内村説明員 ただいま、これにつきましても至急調べて御返事申し上げます。
○小宮委員 このまき網運搬船は網船に付属するので、トン数に制限なく、本船と同じくA一の五十ワットというように私は承知しております。しかし、ある船は、たとえば七十五源福丸は——最近源福丸、源福丸とよく言いますけれども、この七十五源福丸、漁船登録番号NSIの五八〇は、この漁船原簿によりますと、このまき網漁業付属運搬船として四十七年六月十日に登録されておるのです。その建造にあたっての無線電波の型式及び空中線電力はA一の二百五十ワットとなっておるのですが、これはどういうふうに理解したらいいでしょうかね。まき網の運搬船として建造する場合は、この無線電波や空中線電力は本船と同じくA一の五十ワットなんです。この船はA一の二百五十ワットになっておるのです。これはどういうふうに理解したらいいですか。
○内村説明員 この点につきましても、至急事実を確認いたしまして御答弁申し上げたいと思います。
○小宮委員 この七十五源福丸はまき網運搬船として登録されながら、三カ月後の四十七年九月二十日には他の運搬船に漁業種類が変更されております。すなわち、遠洋エビ運搬船として使用されておるのです。そういうように考えていけば、建造当時から、まき網運搬船としての公庫融資を受け、それを三カ月後には遠洋エビ運搬船に転用することを前提として計画的に建造されたのではないかという疑いがあるのです。遠洋エビ運搬船であれば、無線電波の型式及び空中線電力はA一の二百五十ということが、電波法第三十四条並びに施行規則第二十八条の二に定められておる基準なんです。この基準に従ってこの船は建造されておったと言われてもいたしかたがないと思うのですよ。だから、私に言わせれば、計画的にまき網運搬船としての公庫の融資を受けて、そして、その場合に、そういうような無線電波の問題などは、沖合いの遠洋エビ漁業に転売するためにもうすでに初めからちゃんと装備をしておるわけです。そして、三カ月後はすぐ遠洋エビ運搬船として使用されておるわけですよ。そういうふうに計画的にやったとすればつじつまが合うのじゃないですか。どうですか、長官、所見は。
○内村説明員 ちょっと事実を確かめてみないとわからないわけでございますが、ただいまの先生のお話しからいきますと、まず、私として、どうなっているのかなと思う点は、第一に七十五源福丸の公庫融資の性格でございますが、これが中小漁業振興特別措置法に基づきます振興計画に従って建造されたまき網の運搬船の場合には、金利が普通の漁船建造よりも安いわけでございます。すなわち六・五%の金利で借りられる。その場合にいろいろ融資条件がついているわけでございます。そういった一つの振興計画に基づいてやるわけでございますから、条件がついておりまして、その点、七十五源福丸がそういった振興計画に基づいてつくられるために融資を受けたのかどうかという点は私はちょっとわからないわけでございます。 そこで、かりにそうだといたしました場合に、それではそのまき網の運搬船を他に転用したということが融資条件違反であるかどうかということになるわけでございますが、確かに、全然まき網に使わないでこれを他に持っていってしまったという場合には明らかに融資条件の違反になりますから、それは公庫からその金を返すことを要求するなり何なりしなければならないと思いますけれども、通常はまき網の運搬船に従事しており、ただ季節的に一カ月か二カ月くらい他の漁業の運搬船として仕事をするということは、これは一がいに融資条件違反だとは言えないのじゃないか、その辺は事実問題を調べてみましてどうかという点がやはり問題になるのではないか、というふうに思うわけでございます。
○小宮委員 まき網の運搬船として建造する場合に、いま言う無線電波の型式だとか空中線電力が、まき網であれば結局五十ワットでいいわけです。それを二百五十ワットに装備をしたことは、これはどこでチェックする機能があるのですか。たとえば進水なら進水をする場合に、五十ワットであるべきものが二百五十ワット装備されておるということをチェックする機関はどこでやるのですか。まき網運搬船なら当然五十ワットでいいやつが、もしそれが二百五十ワット装備されておった場合、これは違反にならぬのかどうか。その点はどうですか。
○内村説明員 これは融資機関でございます公庫がそういった点をチェックするのではないかというふうに思います。
○小宮委員 水産庁としてはその点はノータッチということになるわけですか。そして、そういうようなことは水産庁としてはタッチしなくてもよろしいということになるのですか。
○内村説明員 漁船建造につきましては、一応、水産庁から公庫のほうにこういう条件でやってくれということは言うわけでございます。ただ、その場合、その条件を多少逸脱したようなものを公庫が融資したという場合に、それが違法な融資であるかどうかという点は、違法とまではちょっと言えないのではないかというふうに考えるわけでございます。
○小宮委員 それはやはり電波法違反になりはせぬですか。 それは別にして、もし、この第七十五源福丸が公庫の融資を受けていた、そしてそれが遠洋エビ運搬船に転売されておったという場合——これはちゃんと私は原簿を見てきたわけですから、ただ時期的に一カ月か二カ月かということではありません。ちゃんと漁業種類の変更が漁船名簿に載っております。だから、まき網運搬船から遠洋エビ運搬船に変更になっておるわけですよ。そういうような場合に公庫の融資を受けておれば、当然これは繰り上げ償還をしなければならぬと思うのですが、そういうような事実が、もし水産庁として調査した結果明らかになれば、それは公庫の融資は繰り上げ償還ということで返済することになると思うのですが、そうさせますか。
○内村説明員 まき網運搬船として建造されたものがまき網に使わないうちに他の漁業に転売されているというような場合には、ただいま先生から御指摘のあったような措置が必要になるかと思います。しかし、私どもがただいま調べましたところでは、七十五源福丸はまき網の運搬船として使用されているというふうに聞いております。
○小宮委員 それはそういうような場合には、まき網運搬船として使用もされておるが、一方では、漁船名簿を見れば漁業種類の変更もやられておるということで、両方使っていいのですか。 そこまで言いますと、これは資料を出さざるを得ないのですが、水産庁も、いつもなら詳しく質問をよく聞きに来るのだけれども、きょうは質問もあまり聞きにこないし、これは知らなかったということで逃げるつもりで聞きにこなかったかしれませんけれども、いずれにしても、いまの水産庁の行政姿勢というものにはやはり問題があると私は思うのです。一部のそういった権力者だとか力の強い者に対しては非常に弱く、そしてべったりと癒着をしておる。そうかと思うと、そういうような零細な漁業経営者に対しては非常にきびしくやっておる。法に違反した場合にきびしくどしどしやるのはかまわぬですけれども、ただ、一部の人たちに対しては非常に寛大でありながら、片一方ではきびし過ぎるという、こういうような水産行政に対して私は非常に問題を感じます。だから、水産行政のこの問題については、次回にもいまのような問題についての資料を提出していただいて、私のほうもここに資料を持っておりますけれども、その資料に基づいて、今後ともさらに、次回の委員会でもこの問題は質疑を行ないたいというふうに考えます。そういうような意味で、きょうは長くなりますのでこれくらいで終わりますけれども、水産庁もひとつ腹を据えてかかってきてください。 これで質問を終わります。
○仮谷委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 畜産局長がおいででありませんから、高須さんのほうにお尋ねします。 朝来から議論がありました飼料の問題なり肉用牛の問題についてお尋ねをいたしますが、まず、最初に、牛肉の資源は世界的に不足をしておるというふうに長期の展望に立って当時説明がございましたが、今日の段階で肉用牛は何頭いるのか、そして、今後の展望としてどの程度頭数をふやすとお考えになっておるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○高須説明員 今日の肉用牛の頭数は、大体百七十万から百八十万の間でございます。 今後につきましては、一応五十七年度の見通しというものが現在試案としてあるわけでございますが、ただいま、農林省全体の将来の見通しということで、六十年の見通しを作成すべく検討中でございます。したがいまして、もはや五十七年の数はここで申し上げるよりは、もうしばらくお待ちいただきまして、六十年の数字ができ上がりましてから御説明いたしたいと思いますが、いずれにいたしましても、やはり、かなりの伸びを見る予定でございます。
○野坂委員 百七十万頭から百八十万頭というお話しがございましたが、昭和四十五年百七十八万九千頭、現在では百七十五万二千頭というふうに把握しておりますが、そういうふうに考えてよろしいか。
○高須説明員 そのとおりでございます。
○野坂委員 そういうふうにいま確認をいただいたわけでありますが、現実に肉用牛というものが減っておる。この原因は一体何かということでありますが、この原因はどのようにお考えでございますか。
○高須説明員 肉用牛は、当初大体役牛がほとんど大部分でございまして、この役牛が必要なくなってまいったというようなことで、徐々に機械に置きかえられたということ、役肉用牛という一括したものでとらえておったのが徐々に減少してまいりまして、最近は大体先ほどの数字のように横ばい状況、最近は、特に昨年の価格の高騰ということが大きく影響しているのではないかと思いますが、四十七年、四十八年中にかなり屠殺が進んだということ、こういうようなことも影響いたしておると、かように考えております。
○野坂委員 機械化の進行につれて役肉牛が姿を消した、姿を消した理由は屠殺が進んだのだ、こういうお話しでありますが、昭和三十六年に農業基本法が制定されましてから、農林省畜産局は、選択的拡大として、果樹なり畜産に積極的に力こぶを入れた。その年月から見ますと、今日十三年を経ておりますが、役牛というような考え方で今日の肉用牛というものを律してはならないということは常識だろうと私は思っております。役牛がなくなったから牛の頭数がいま減少を見ておるのだというようなことは理屈にはならないと私は思います。問題は、生産農家、畜産家が肉用牛を飼っても、その値段が引き合わないというところに大きな原因があると思いますが、あなたのお考えはそういうふうにはお考えではございませんか。
○高須説明員 過去におきまして、特に、四十七年、四十八年等、価格事情といろいろ関連いたしておりますが、ことし、四十九年の数字では大体百八十万頭を上回っておりまして、若干増加に転じておるわけでございます。これは乳雄等の増加ということも考えられるわけでございますが、全体といたしまして、私どもといたしましては、食糧の重要な一環といたしましての牛肉を国民に提供してくれます肉用牛の増産ということは常に心がけているつもりでございます。
○野坂委員 心がけていただいておるのはけっこうですが、考えるだけであって、現実に牛が減るなり横ばいということでは、あなた方が目標を出されて六十年度検討中でありますが、われわれに与えられましたこの生産目標を見ても、三百三十四万六千頭で、倍以上なんですからね。この政策にマッチをした具体的な動きというものが全然見られない。これが現状であります。 なぜそうなっておるかということを私は具体的にお尋ねをいたしますが、今日、最近における市場の価格といいますか、これは一キロ当たりどの程度で売られておるというふうに御理解ですか。
○高須説明員 ごく最近の牛肉価格の動きを申し上げます。 これは全国でございますが、東京の価格で簡単に代表させていただきたいと思いますが、和牛のほうの「去勢の上」の価格でございますが、これは非常に順調に推移いたしておりまして、四十八年はきわめて高騰いたしたわけでございますが、最高は昨年の十月のキログラム当たり千六百二十六円で、この数字から見ますとその後若干低落いたしておりまして、四十九年の十月上旬現在で千四百五十五円程度でございます。これは指数でちょっと簡単に申し上げますと、四十五年を一〇〇といたしますと、現在の十月上旬の価格水準は一七二%、一般の消費者物価のトータルを申しますと一五五%程度でございますから、一般の消費者物価よりはかなり上目になっておるわけでございます。小売り価格は、これは乳雄も入っておりますので、先に乳雄の中の卸売り価格を申し上げますと、これもやはり四十八年の十月に千百四十五円という高値をつけたわけでございますが、その後下落いたしまして、ことしの五月、六月、七月の三カ月間七百七十円台程度を推移いたしまして、八月が八百二十八円、九月が九百二円、十月の上旬に大体九百円前後を上下いたしております。これも物価指数と合わせて申し上げますと、十月上旬が大体一四六というふうに計算されると思います。 他方、小売り価格のほうでございますが、小売り価格のほうは比較的高い水準に横ばいいたしておりまして、これも消費者物価指数と合わせますと、四十五年を一〇〇といたしまして、九月現在で大体一七七ということになっております。
○野坂委員 私は鳥取県の出身でございますが、大阪で乳牛の雄が、十月一日のこれは市場価格を調べてきたんですが、八百七十円、それから和牛の場合は千百三十六円、こういうふうに承知しておりますが、いまお話しのあったように千四百円でありまして、先ほど開拓の皆さんが御陳情になりましたが、今日の段階では非常に引き合わないというふうにおっしゃっております。一頭当たりで十月ごろ市場で売って——一頭飼えば大体十一万円から十三万円程度の赤字になる。私ども鳥取県におきましても、同じように大体十一万二千円ぐらい和牛で赤字になる。こういうことが現況であります。乳牛の場合が七万七千七百円赤字になります。赤字になっておるから、引き合わないから、牛を飼っても意味がないと言っております。ほんとうに赤字なのかといって農協を一つ一つ調べてみますと、肉用牛をお飼いになっておる方、あるいは乳用牛も肉用種としてお飼いになっておる農家の方々の赤字累積額というものはざっと五百万から六百万、平均五百十九万円という数字が出ております。これらの赤字の対策をやらなければ意欲的に生産者は牛を飼わない、農林省の政策にマッチできないと私は思うのでありますが、この赤字の対策をどのようにお考えでしょうか。
○高須説明員 ただいま先生のおっしゃいましたように、今日の牛肉の卸売り価格にいたしましても、小売り価格にいたしましても、一般諸物価に比較いたしまして、全体的に見ればそれほど低い水準ではございません。しかしながら、いま先生がおっしゃいましたように、現在は実に特殊な事情がございまして、特に、乳用肥育雄牛の肥育農家はたいへんな赤字に苦しんでおることは御承知のとおりでございます。それはちょうど昨年の十月、先ほど申しましたように卸売り価格がピークになりましたと同じように素牛価格が急激な上昇を示したわけでございます。通常一万円か二万円するような素牛価格が八万円も九万円も出るに至った。それをお買いになった。そして今日、一年たって、その肥育されました乳雄の子牛を市場に持っていきますと、先ほど申しましたようにとても合わない。そういう高い素牛を経費の中に入れて私どもも計算いたしますと、ただいま出荷してこられます牛は、労働費まで計算いたしますと、先生のおっしゃいますように十万円以上の赤字になることは事実でございます。したがいまして、これは原因が何であれ、現在赤字が出ておることは事実でございまして、この積もり重なってまいります負債というものをこのままほうっておくわけにはまいらないということで、現在負債整理のための低利融資ということを考えております。それで、各都道府県を通じまして、農協関係とかいろいろな関係者から事情を調査いたしまして、大体九月中から十月にかかりましても、各県から上がってまいりました報告等に一部若干思い違いがございましたり、いろいろとこちらのほうの考えておるものとは若干違ったような計数の出てまいったようなものもございまして、現在調整中でございます。今月一ぱいまでに、この負債整理のための資金が一体どの程度必要なのであろうかという資金の需要額と、この負債整理をいたします場合に、どの程度の償還期限でどういう条件でお貸ししたらこれが円滑にいくであろうかといったような諸点を詰めまして、早急に財政当局等とも相談をいたしまして、大体ことしの終わりまで、本年末までには何とか具体案を早急に取りまとめまして下部の都道府県のほうにお流ししたい、そして一刻も早くこの負債の借りかえ措置というものができるようにしたいということで、現在懸命に努力中でございます。
○野坂委員 年内に具体案ということでありますが、いま私が申し上げました例を一つの基礎として考えるならば、これからもまた飼料の値上がり等が予測をされるわけでありますが、長期低利資金というと、それだけであとは焦げついておるという状況でありますから、利息なし、たな上げというような抜本的な対策がなければなかなかむずかしいし、長期といえば相当年数がなければ、先ほど議論がありました飼料価格その他の問題等で十五カ月程度ではとてもやれない。大体あなたの構想で検討を続けられてはおると思いますが、長期で低利というと、大体利息は何%で、長期というのはどの程度をお考えか、伺っておきたいと思うのです。
○高須説明員 現在、利子につきましては、末端金利四分ということは一応話し合いがついておるわけでございます。期間につきましてはどの程度にすべきかということは、これはあくまでも緊急対策の一環でございますので、新しい制度をつくるという問題ではございません。新しい金融制度なり、そういったものを考えるということでございますと、明年度の予算折衝の段階において、金融制度全般の中からいろいろ考えていく問題でございまして、当面いたしておりますのは、それが待てないからいまの場合に緊急対策として何をなすべきかということでございますので、長期の新しい金融制度という意味ではございません。
○野坂委員 四%、十五カ月論というのはいまの問題ですね。緊急の問題だ。しかし、ずっと焦げついてきた今日の段階で、十五カ月か十八カ月かわかりませんが、何年ということでこの五百万も六百万も返せるか。生産性の上がらない農家の実情を十分に踏まえてお考えをいただかなければならないわけでありますが、四%というと、一般金利と見ますと非常に安いように思いますけれども、農家の返済能力と再建ということを考えますと、相当な負担になろうと思います。末端金利四分というのをもっと下げることはできないのか。そして、貸し付けの長期化というものは大胆に思い切ってやる。もしそれを当面の緊急対策としてやるならば、新しい年度には、金融制度の中に組み入れた焦げつき債務の対策としての抜本的な金融制度というものをお考えになる意思ありやなしや、伺いたい。
○高須説明員 一つ申し上げておきますが、先ほど十五カ月の期間とおっしゃっておりましたところの十五カ月の期間というのは別の資金の期間でございまして、後継素牛導入資金のほうの期間でございます。負債整理の期間についてはまだ具体的にきまっておりません。したがいまして、この段階で申し上げることはできないわけでございます。 明年度の金融制度につきましては、いろいろな諸条件の緩和であるとか——これは金利、期間等いろいろな問題がございますけれども、こういった制度を整備拡充していくという方向で現在それぞれ検討をいたしておる段階でございます。しかし、恒久的な制度の中に負債整理的なものというようなものは、なかなかそうした制度とはなりにくい性格のものでございます。ともかく、今後におきましても、畜産関係の経営のために必要な資金の拡充ということには極力努力してまいる方針でございます。
○野坂委員 努力していただきたいと思います。 今日でも価格が合わないという状況でございますが、最近、十一月ごろから配合飼料をトン当たり八千五百円程度また上げるやに伝え聞いております。きょうも農林大臣はいまエバリー特使とお会いのようでありますが、ことしはアメリカの飼料が不作であるというような状況でございまして、輸出規制の話もちらほら出ておりますが、アメリカ側は日本への飼料の輸出は実需に合わせて輸出したい方針である、日本は伝統的な輸入国であるから何ら問題はない、と、このように新聞には載っております。けさのニュースによると当面の規制はないということでありますが、飼料の事情からして、輸出制限をするようなことはないのか、そして、不足ぎみでありますが、価格はどのような推移をするというふうに見通していらっしゃるか、お伺いをしたい。
○高須説明員 アメリカの穀物、特に飼料穀物、コウリャンとトウモロコシ、この二つの作柄が非常に悪いということは先生のいまおっしゃったとおりでございます。そのためにシカゴ相場が異常な高値を呼んでおるということも事実でございます。需給は今後もかなりタイトであるということは、この十月から始まります新穀物年度についてはどうも回避いたしがたいという見通しでございます。しかし、日本がアメリカから供給を受け得る量につきましては、この新穀物年度に必要な量というものは、私どもも大体需給見通しをつくっておりまして、この需給見通しのほぼ大部分と申してもいいわけでございますが、ほとんど大部分はすでに契約済みでございます。契約済みで、大体何月ごろにはどのくらい入ってくるという予定も立っておるわけでございます。したがいまして、この量の確保ということは、今後よほどの非常事態が起こらない限り全く心配がないというふうに思われます。アメリカは、最近、輸出調整と申しますか、自主的な輸出の報告制度を採用いたしまして、事前にアメリカ農務省の許可をとる。そうして事前承認制というようなことばで新聞には載っかっておりますが、これは強制ではない、自主的な制度なんだということを繰り返しアメリカ側は言っております。こういうような自主的な承認制度でもって、今後、投機的なから売りとかから買い等の目的地不明の、実需に関係しないような取引を規制していこうということでございまして、アメリカがこの自主的な事前承認制をとりましてから如実に相場にも影響がございまして、いままでかなりなところまでのぼっておりました価格がやや下がり始めて、安定化のきざしを見せております。したがいまして、これ以上相場が狂騰するようなことがない限り、アメリカ政府は強制的な手段には出ないということを繰り返し繰り返し言っておりますから、私どももこれを信ずる以外にないわけでございまして、現行制度のもとにおきますと、わが国の量の確保ということはまず心配はないということでございます。 ただし、先ほど申しましたように、需給はきわめてタイトであるという事実は間違いございませんので、現在の三ドル七、八十、多少下がりましても三ドル五十見当の水準は今後も、少し何かございますと高くなるし、霜が降らなかったといっては安くなるしといったような状況で乱高下を続けながらも、大体現在くらいの水準で推移するのではなかろうかというふうに考えております。
○野坂委員 量の確保はだいじょうぶだ、価格は非常に安定をしておるというふうに見る、むしろ下がるかもしらぬ、と、こういうことですが、わが国の場合、この十一月に値上げがあるといろいろとうわさをされておりますが、将来の見通しとして、時期的に非常に短期なものであれば値上げをしないで済むというふうにもとりようによっては考えられますが、どうでしょうか。
○高須説明員 十−十二月の配合飼料の原料になっておりますトウモロコシ、マイロは、これは数カ月先に輸入されたものでございます。したがいまして、大体値段が上がりかけた当時の値段で輸入したもので、そういったものが現在の配合飼料の原料になっております。この傾向から見ますと、その後もマイロ、トウモロコシは値段が上昇いたしておりますので、したがいまして、十−十二月だけの問題ではなしに、その後も非常に心配な状態であるわけでございます。 これはマイロ、トウモロコシの価格だけの影響でございますが、もう一つ私どもにはわからないのは日本の円為替相場がどのように変動するかということで、これが非常に大きな影響を持ちます。現在は、一時三百円をこえておりました円相場も若干三百円を切っております。切っておりますが、これがどのように動いてまいりますか、そこらあたりとのかね合いで今後の配合飼料価格がどのようになるか。ただ、原料だけ申しますと、先行き使用いたします原料が下がるという見通しは、よほど先にいかないとないのではなかろうかと、かように考えております。
○野委委員 下がる見通しというのは、見通しとしてはいつですか。
○高須説明員 まず、現在でも四ドル近くの相場を示しておるわけでございますから、現在輸入いたしますのは、大体この四ドルくらいな相場で値段をきめなければならないわけでございます。この材料はいまから数カ月後に使われる材料でございます。したがいまして、今日現在の状況で言えることは、現在購入いたしますトウモロコシ、マイロが現実の配合飼料に使用される時期までは下がらないということは確実でございます。
○野坂委員 配合飼料の安定基金の特別積み立て金というものは、いまどの程度ありますか。
○高須説明員 一−二月までの積み立てを全部含めますと、三十七億程度になる予定でございます。
○野坂委員 いまの円とドルとの関係、それからアメリカの価格の推移状況、こういうことから見て、畜産局としてはトン当たりどの程度上がるであろうとお考えですか。また、どのように指導をしていらっしゃるか。農系、商系を通じてお話しをいただきたいと思います。
○高須説明員 この十月−十二月期間の飼料につきまして、全農、商系等の御要望は新聞等にもいろいろ出ておりました。全農さんの当初の発表は八千円から一万円程度ということが新聞で報道されております。また、商系の方々もその程度のことを要望しておられたのは事実でございます。しかし、私どもといたしましては、非常に深刻な影響を畜産農家に与えるということは好ましくないということで、個々のそうした積算の内容を一つずつ取り上げまして、これはおかしいではないかと、この分はこれは資料が若干おかしいというようなことを申しまして、それよりさらに大幅に下回る金額というような形で行政指導をしてまいりました。その結果、先般、御承知のように商系関係が大体八千五、六百円の値上げにとどめた。これは現在建て値の値上げでございますから、実際にその価格が末端の小売り価格に響いてまいりますのは、まだ若干時間がかかるかと存じます。 他方、全農のほうにおかれましては、なお現在内部からのいろいろな御事情もございまして、九月二十五日の農協大会、それから二十七日の理事会等で、一応当分の間いままでの水準をそのまま維持するのだということで、今日現在までまだ値上げを見合わせておられるのが現状でございます。計算でいきましても、おそらく商系の方々とは飼料の性格が若干違いますので、単純に申しましてもややそれを下回るのではないかと思いますが、なお、全農のほうでは内部のいろいろな事情もございますので、どの程度までなさるか、私どもまだその内容を存じておりません。
○野坂委員 行政当局ですから、全農に対しても商系に対してもそれぞれ指導をしてもらわなきゃなりません。 今日の畜産農家の現状というのは、先ほども議論をいたしましたように赤字で苦しんでおるというのが現状でありまして、八千円も上がれば、私どもの計算では、牛の肉で、現実に最低千五百十九円で売れなければ引き合わないというのが現況なんであります。 そこで、前に飼料が上がりましたときに、麦の放出とか、思い切った安い値段で出したということもございますが、配合飼料の安定基金に対して政府が助成をやるとか、特別積み立て金は取りくずすとか、こういう思い切ったことをやって農家の生産意欲を向上すると同時に、全農なり商系に対して指導して、その値上げを押えていくということが行政当局として当然な措置だというふうに私は思っておりますが、あなたのお話しでは原価その他積算の根拠も一つ一つわかっておるようでありますから、それらについてわかっておるならばお話しをいただきたいと思うのです。
○高須説明員 積算の根拠につきましては先ほど来問題になっておりますが、各個々の企業がそれぞれ企業内部で種々研究の結果重ねました配合率等につきましては、これは企業秘密に類するものでございますので、他の公共料金の場合と同様にこれを公表いたすことはなかなか困難なことでございます。また、そういう個々の会社は個々の事情がいろいろございまして、いろいろと配合率等——大体においてそれは大きな差はございませんけれども、各会社の独特な手法もございますし、また、企業の成績に関することもいろいろ含まれておりますので、こうした個々の企業の内容というものを私どもは発表するわけにはまいらないわけでございます。 私どもがこれを指導いたします場合には、こうしたたくさんの数の実績の中から主要な傾向というものを取り出しまして、私どもの考えをそれに入れまして査定するというような形で行政指導の基準をきめるわけでございます。 では、私どもがどのような基準でこの基準をつくっているかということを公表しろということになりますと、実は、これはまた問題でございまして、私どもがどのような方法で基準をつくっているかという手のうちをあかしますことは今後の行政指導上まことに困難なことに相なりますので、それもひとつお許しいただきたい、かように考える次第でございます。
○野坂委員 先ほど私がお話しをしました安定基金の取りくずしの問題、それらについてはどういうふうにお考えですか。
○高須説明員 安定基金の問題ですが、こういうようなえさ価格の変動の場合には、対策として当然まず考えられますのは、価格安定基金からの取りくずしの問題でございます。これがどの程度のものになりますか、まだ全農さんのほうの幅がきまっておりませんし、また、全農さんでおきめになる幅というものが、全農さんのシェアが四二%という非常に大きなシェアを占めておりますので、事実上リードする形になるというようなこともございまして、ほんとうに農家に与える影響がどの程度のものであるかということが今日まだ明確でございません。 それと、もう一つ考慮いたさなければなりませんことは、昨年トン当たり三万二千円ぐらいな配合飼料が一年間で三万円上がりまして、その後四千円ばかり下がっておる。この下がっておる部分をどのように見ていくか。本来ならば、三万二千円から三万円上がったわけでございますから、六万二千円を前提として種々のことがいままで行なわれてきておるわけで、その後四千円下がったというのは、いわばそれだけの貯金ができておるわけでございます。この貯金がどの程度あるのかという判断が一つと、それからもう一つは、今後の畜産物価格がどのようであるかということと、また、そのほかの小売り価格等、いろいろなものとの横の関連がございます。ごく簡単に申し上げますと、配合飼料の場合非常に大きなウエートを占めますのは鶏卵でございまして、鶏卵が一番大きなウエートを占めますし、また、鶏卵の配合飼料使用率というものも非常に高いわけでございます。 たとえば現在の六万円の配合飼料ですが、六万円を一キロにいたしますと大体六十円ぐらいでございます。この六十円の配合飼料を、大体卵一キログラムには三キログラム使いますから、そうすると百八十円ぐらいなえさ代がかかるわけでございます。そうしますと、現在の価格であれば、大体二百六十円くらいな卸売り価格、三百円ちょっと上回る程度の小売り価格であれば、大体卵一個二十円見当であれば十分成り立つということが簡単に考えられるわけでございます。それで、もし一万円上がったら——現在八千六百円とか、非常にこまかい数字でございますが、もし一万円上がった場合でも、小売り価格が二十五円になれば大体ペイするわけでございます。そういうような、卵が幾らになるかというようなことともいろいろ考え合わせまして、大体安定基金の範囲内で整理できるものならばそれで整理していただく、こういうことでございます。
○野坂委員 時間がないのでごく簡単に答えていただきたいと思うのですが、飼料需給安定法等を読んでみましても、政府が売り渡す場合は売り渡し価格の公表もされますし、あとはいわゆる配合率の問題だけなんですね。それから、飼料の需給計画というものをちゃんと機関できめてやれるわけですから、大体その内容というものはよくわかるわけです。私たちがあの肥料の価格を審議をいたしましたときにも、確かに企業の機密があるだろう、しかし、全農が肥料会社と交渉するときには一つのものがなければ交渉はできぬじゃないかということでやった結果、基準価格といいますか、標準価格というものがありまして、そういうものをもって示さなければ向こう側の一方的なペースに乗るということになったと思うのです。農民のために大臣は発表しないのだというようなことを言いますけれども、私はその辺がよくわからないのです。なぜ農民のために発表ができないのか。企業のために発表ができないというのならばわかるのですが、農民のために発表できないということの真意が私はよくわかりません。 農林省は、多くの農民の立場に立って、国民の食糧を確保するために懸命に努力をされておるということであるならば、多くの農民、国民がそれを要求をするならば、やはり、一応は明らかにして論争の焦点に置いたらどうかと私は思うのですが、その点についてはどうお考えでしょうか。これは政治的な問題ですから、政務次官にお答え願えればいいと思います。
○山本(茂)説明員 いまの問題についてお答えをいたします。 この問題は、ただいま政府委員からお答えいたしましたような形においてただいま考えておるわけでございまして、こういう金利でございますとかいろいろな問題を、この時期にわれわれはいろいろな資料によって判断をいたすという考えでございますし、また、今後の変化に応じて処置をしなければならない分野もあると思います。中間案にいたしましても、一たび、政府としての、あるきまったような意見を言いますことは、これが結果においてはたして有利であるかどうかということも考えなければならぬと考えます。また、私どもとして考えておることは、いろいろな資料を集めて最後の結論に持っていく途中にあると思いますし、情勢もまた常に一定の方向に向かわないものがあるかもしれません。そういう意味におきまして、この問題は発表をすることはしばらく差し控えるのがむしろ有利ではないかと、このように考えておる次第でございます。
○野坂委員 しばらく発表しないということはわかりましたが、しばらくというのはどの程度の期間でしょうか。
○山本(茂)説明員 時期の問題でございますが、これもごもっともな御意見とは存じますけれども、いまこの問題の全部の関連をするところは、日本国内のみならず、外国の、たとえばアメリカの飼料の問題とかいろいろな関連に出てくるわけでございますので、これをただいまからどれだけかということは申し上げかねると思いますが、事情の許す限りなるべく早く処置するのが本然のものの考え方だと存じておる次第でございます。
○野坂委員 いずれ発表するということでありますが、特に、アメリカの飼料価格その他は、その時期、時期によって推移をするわけでありますから、それはその時期、その時期をつかまえて発表されたらよかろう、と、こういうふうに思うわけであります。 時間がもう全然なくなったというのが現況でありますが、大蔵省の皆さんにも来ていただいておりますし、一言だけ申し上げておきたいと思いますけれども、相続税の問題についてちょっと触れます。 いまの相続税の問題につきましては、財産の価額は取得のときにおける時価によるということが相続税法の二十二条に書いてあります。この時価の定義でありますが、「不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に通常成立すると認められる価額をいう」ということを、国税庁は相続税財産評価に関する基本通達として出しておられます。そういたしますと、私たちが問題にしておりますのは、農民は農地を売るために持っているのではなく、農業を行なうために持っているのだが、それにもかかわりませず、売買されたとした場合の価額を評価額として課税するのは非常に問題だということなんです。もっと普遍的に申し上げますと、私が親から農地の二町歩なら二町歩を受け継いだ場合に、相続税で時価評価をされますと、土地が値上がりになれば、生産をする手段として農地を持っておるにもかかわらず、いわゆる時の時価でやられまして、その財産の相続税を払うためにこの農地をまた売ってやらなければならない。そうすると、自立経営農家どころか、いよいよ零細農に転落をするという結果になるわけであります。したがって、この時価評価というのは非常に問題だと思いますが、この点については、現在のいわゆる農業の農地としての税を、評価というものを考えていっていただかなければ——これは四区分ございまして、純農地とかその他の基準等いろいろございますけれども、純農地として農業をやっておる者、あるいはやる意思がある者についてはそのような評価をしてもらわなければならない。 今度の国会で相続税の問題が非常に議論をされるように聞いておりますけれども、大蔵省当局としては、今日の農業を見直すという立場から、また、今日の農業を守っていくという立場から、これについてはどのようにお考えか、大蔵省の見解を伺いたいのと、農林省も、農業の問題については重大な関連がありますので、政務次官でもけっこうですし、大山構造改善局長もおいでになりましたから、どなたからでもけっこうですが、それらについての御見解を承っておきたいと思います。
○西野説明員 相続税の課税にあたりまして時価をとることについての御質問でございましたが、相続税と申しますのは、すでに御案内のとおりでございまして、相続の開始によって取得されました財産につきまして、その相続の時におきまして課税されるものであり、財産の再分配等に資する機能を持っているものでございます。このような性格に基づきまして、相続税の課税標準となる財産の価額につきましては、最も適正かつ客観的な尺度をもって測定される必要があるという観点から相続税が創設されまして、以来時価評価ということになっておるわけでございます。 この時価評価につきまして、収益還元価額のような方式をとるべきではないかというようなふうにお話しを伺ったわけでございますけれども、この評価方法につきましては、土地の利用の状況というものが、その土地の利用の方法によりましてその土地の収益というものが変わってまいりますし、また、事業の種類が変わりますとまた収益も変わってくるという状況にございます。さらに、収益を目的としておりません居住用の財産とか遊休資産もあるというような点を考えますと、土地の収益を評価することには困難な問題があるというふうに思います。そのような配慮から、土地の評価につきましては時価評価による、その場合には売買実例価額をもととして評価するのが適当であるということで評価が行なわれてきておるわけでございます。ただ、その売買実例価額をもととすると申しましても、相続税の課税ということでございますので、十分なしんしゃくを行なっているところでございます。 それで、相続税の課税の状況について触れさせていただきますと、確かに、最近の地価の上昇に伴いまして課税を受ける人の数がふえてきております。たとえて申しますと、四十一年に死亡した人の中で相続税の課税を受けたのは百人につき一・四人の割合でございましたけれども、四十七年になりますとこれが四・四人になるという状況になっております。 農家の相続税の課税状況はどうかという点でございますが、純農村における農家につきましては、農地以外に山林やその他の財産を相当持っておられるという場合でありませんと相続税の課税は生じない状況でございます。しかし、都心に近いところ、いわゆる宅地に近いような価格の高い農地を持っておられる農家につきましては、相続税が課税される事例が出てきておるわけでございます。このような実情を配慮いたしまして、昭和四十八年度の税制改正におきましては、課税最低限を五〇%引き上げまして、配偶者及び子四人の場合の課税最低限は従来千二百万円となっていたわけですが、これを千八百万円にするという改正が行なわれたところでございます。今後におきましても、負担の緩和につきましては、相続税の課税の実情というものを見守りながら、税制調査会の御意見等を参酌しながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○大山説明員 農地の相続税の問題でございますけれども、現在、確かに、都市近郊を中心にいたしましてこれが非常に問題になっておるという事実につきまして、われわれとしても、これは大事な問題であるというふうに考えているわけでございます。 農地というものの性格でございますけれども、確かに経営手段である、逆に言うならば、事業用資産の性格を持っているという点が十二分にあるということは確かでございますけれども、また、一方、売買取引の対象としての資産という価値も有しているということも、これもまた否定できないわけでございます。過去の大蔵省におきます財産税評価、相続税評価の際におきます基準等を見てまいりますと、この両面の性格をある程度純農地等については考慮したと思われる、いわば時価主義といいますか、それがとられているということもまた否定できないわけでございます。 ただ、現実の問題として、最近、他の各種財産に対する課税に比して農地に対する課税の額が相対的にふえておるという事実がこの数年間非常に大きく出ておりまして、その結果がいわば農業経営の継続を困難にするというような段階まで来るということでありますれば、これはわれわれとしてもやはりたいへんな問題であろうというふうに考えておりまして、したがいまして、相続税の負担というものが農業経営の継続をはかる上で許容し得る限度を越えないような軽減措置をとりたいということで、目下大蔵省といろいろと協議をしているという段階でございます。
○野坂委員 きめられた時間が参っておりますのでこれ以上質問をすることはできないと思いますが、いま大蔵省からもお話しがありましたが、千二百万が千八百万の控除になりましても、都市の周辺の農家の相続税というものは、現在の農地を切り売りしなければ相続ができないという状況であります。お話しがありましたように、純農地、中間農地、市街地農地、市街地周辺農地というふうに四つに区分をされて、時価主義でやられるということになっておりますけれども、問題は、資産家の子供が遺産をもらうのとは本質的に性格は違うのであります。やはり、農地としての収益に応じた使用価値で評価をしてもらわなければ日本の農業なり農地を守ることができない。私どもはそういうふうに思っておりますが、いずれあらためてこの問題については議論をしたいと思います。 それから、いま政務次官なり畜産局のほうから種々お話しがございましたが、今日の畜産というものは非常に農村を苦しめております。農家はきびしい情勢の中で生活をしておるというのが実情でございまして、飼料をできる限り押えてもらわなければなりませんし、国民なり農民が疑惑を持つような値上げの場合に、農林省はもっと厳然とした態度で——政務次官は、近い将来にその原価についても公開をするであろうとあえてお話しになりまして、非常に喜んでおりますが、指定食肉として牛肉も今度の国会で提案をしてもらうということになりましたし、問題は、食肉指定をいたしましても、その価格が問題でありますから、今日の現状を踏まえて十分な配慮をして、活力ある農家と農村を形成をしていただきますように強く要望して、私の質問を終わります。
○仮谷委員長 米内山義一郎君。
○米内山委員 まず、国土庁にお尋ねしたいと思います。 〔委員長退席、安田委員長代理着席〕 むつ小川原開発の問題なんですが、石油二百万バーレル、石油化学年四百万トンというような、実に、世界にも例のないようなことを内容とした開発計画がつくられまして、これに対して政府が関係省庁会議を開いて、そして、これが妥当だということで、これの閣議口頭了解をなされたのであります。それに基づいて五千五百ヘクタールという地域に線引きをして、農地買収が違法を含みながら強行に進行されつつある。これは元来虚構だったのです。こういうものはできるわけがないのです。端的に言うならば、下河辺局長が、あんなものができれば、公害どころか、あの村に人が住めなくなるとまで言ったことがありますから、これは虚構だということは間違いない。しかし、これはその当時閣議で口頭了解された。そういう虚構を前提に五千五百ヘクタールという線引きの上に農地買収が進行されてきた。私らは一貫して、これは虚構だ、単なる土地買い占めのための手段にすぎないということからこれを批判し、かつ、反対してきた。 ところが、今度県は、骨子案というものをまた同じ地域に出してきたのです。これがまた政府で関係省庁会議を開いて合議の結果、閣議口頭了解という、前回と同じことになっていると聞いておりますが、そういう事実がありますか。そして、こういう閣議口頭了解というものは、法律制度上何を根拠にしてあるのか。ナショナルプロジェクトというが、一体、これは、国の新全総計画に基づくのか、あるいは田中総理の私的著述だと言われる「日本列島改造論」に基づくものか。さらに、また、これを政府が責任をもって実現するだけのいろいろな財源措置なりいろいろな諸調査も、まだ手を染めたばかりでほとんどできていないと思いますが、ほんとうにこれを国家的開発だといって進めるつもりであったのか。それとも軽い気持ちで——これは青森県に言わせると、今度の骨子案も新住区の農地転用をとるための手段にすぎないということで、関係村である六ケ所村の説明会に行って、県の開発部長か何かがそういうことを言っておりますが、こういうふうないいかげんなことが了解されたということで、それを根拠にいろいろな行政が進められますと、そこから住民の非常な迷惑も起きるし、行政上にも重大な瑕疵の処分が行なわれる可能性があるので、まず、閣議口頭了解をされたと言われておるところのこれについて、国土庁の御答弁をお伺いしておきたいと思います。
○近藤説明員 お答えいたします。 青森県が説明いたしましたところの第二次計画の骨子なるものにつきまして関係省庁の間でいろいろ意見をまとめたことばございますけれども、先生の御指摘のような閣議了解という段階には至っておりませんし、また、このものについてわれわれとしては閣議了解をするつもりも現在の段階ではございません。
○米内山委員 きょうは国土庁に対する御答弁はその程度しか求めませんが、とにかく、むつ小川原開発というものは、日本にも例のないやり方なんです。ナショナルプロジェクトというと国家的開発だ。青森県知事は、これは青森県の命運を決するものだということで、これは祖先からの長らくの念願である、これを批判しこれに反対する者は祖先の念願にそむく者だ、いわば不忠の臣であり、不孝の子だと、そういうような姿勢で今日までやってきたことには間違いないのです。 ところが、今日、こういうものの考え方というものは、開発そのものを否定するようなことにならざるを得ない状態です。というのは、原子力船の開発だって、あれは一種のナショナルプロジェクトです。これに対して青森県でいまどういう事態が起きているかということは皆さんもニュースで十分御存じのとおりだと思うのですが、今後開発を進める場合には、去年まではそれでよかったかもしれないが、今後はこれはできない。十分反省していただきたいと私は思います。こういうふうなむちゃなことを国家的開発だなんということはいまの時代では通らない。いまの原子力船の問題だってそうだし、むつ小川原の巨大開発にしても、あるいは東通村に二千万キロの原子力基地をつくる問題にしても、こんなことは常識上も考えられないのです。こういうことが、すでに農林省によって農地転用の許可処分がなされている。こういうナショナルプロジェクトというものに対する不安感と不信感が、温度が上昇してきて、今度の原子力船の放射線漏れの事故でそれが臨界線に達したのは、いまの青森県においての国のゴリ押しに進める開発に対する一つの教訓だとわれわれは考えている。こういう点で、今後開発を進める場合に、特に、十三省庁の中心になる国土庁としてはこのことに十分細心な注意をしていただきたいと思います。 それで、これは農政局の関係ですが、ずいぶん長い間この地域の農地転用の問題で食い下がったわけでもないけれども、聞けば聞くほど、調査すればするほど問題があるのです。ほっておかれない。というのは、根本に法律解釈の問題がある。何ぼも重ねて、幾らも重ねて質問し、答弁を得ましたが、たとえて申し上げますならば、ここに法制局監修の「新農地関係法」という本もありますし、農林省関東農政局次長桜井秀美さんという方が書いた「農地転用許可基準の解説」という本がある。これは六版も出ておりますし、特に、農地転用のことについて非常に詳しく解説をなさっておるが、これを読んでみると、このとおりに農林省の行政事務がなされておれば、当、不当のことは別問題として、これは違法ではないかという私の質問は出ないのです。そして、この農林省の関東農政局次長の桜井という方の略歴を見ますと、この方は農林省内でもほとんど農地関係の仕事だけなさっておる方で、言うなればベテラン実務者なんですが、これと照合してみると、いままでの農林省のこの件に関する皆さんの御答弁はなかなか納得するわけにはいかない。 そこで、重ねて聞くわけですが、農地転用の許可基準というものは法律に準ずるものだとわれわれは理解しております。判例を見ましても、この基準に違反して扱われたものは無効とした裁判の判決もありますし、いいかげんなものじゃない。非常にきびしさを持っています。そこで、原子力発電はすでにもう許可になっているものですが、どういう内容で申請されたか。たとえば東京電力が百万キロの炉を十基、東北電力が百万キロを十基です。そして、一千ヘクタール足らずの場所に二十基も設置する。私の質問に対する政府の答弁では、百万キロに対して一秒間に七十トンの温排水が出るという答弁をいただいているが、そうすると、これは一日に直すと一億六百万トンになる。一年では三百六十五億トン以上になる。日本の全河川の流量というものは四千億トンで、その十分の一程度のものが七度ないし八度の高温で流れるならば、公害どころか、あの周辺の自然環境も変わるし、しかも、幸か不幸か、あのすぐ正面の漁場というものは、イカ、サバを中心とする日本最大の沿岸漁業の宝庫です。これは誇張でも何でもないんです。こういうものを許可するにあたって審査しなければならないのは農林省の任務だとちゃんと書いてある。どういう審査をなさったのか。怠慢です。怠慢でなければこれは癒着でしょう。 私がここまで非常な疑いをかげながらこの質問をあえてやめないのは重夫だからです。しかも、許可には一定の条件がなければならぬ。条件を付して許可されているだろうと思う。私どもが自分の持っている畑に内分で農地転用の許可を求めても、それにはそれなりの条件が付されるんです。農業委員会から農地主事というものが来て、資金計画やら、いろいろなものまで調査して許可が出るし、その許可が出なければ建築の資金も借りることができない。一般ではこういうふうに正確な取り扱いを受けています。それはちゃんとそうやるべきだということがこの解説書には書いてある。ところが、でかいものには非常に粗漏な審査をしている。そして、こういうように、単に農地上の問題じゃなく、漁業にまで重大な不安を与えるような処分が簡単になされる。しかも、東京電力が一千万キロというんです。電気事業法によって、東京電力というのは関東が区域です。所は福島県につくる場合もありますけれども、それにしても、北海道のすぐ隣まで東京へ持ってくる電力をつくるということもおかしい。すでに、原子力の長期計画というものは六千万キロワットと言われていますが、福島県における東京電力の計画を見た上にやれば、東京電力だけで三千万キロも原子力発電を持つことになることにもなる。これはどこから考えても理屈に合わぬ。さらに、百万キロの炉を一つつくるには一千億円かかる。これも常識です。あそこに東京電力が一兆円の投資をすることはいつ可能だか、東北電力もすぐその隣に一兆円の設備投資をする。これは日本の経済から見ても容易ならざるものがある。これは何も農林省の局長などが、偉い人が調べなくとも、子供だってこのことはおかしいなということがわかるはずなんです。こういうことがどういう条件で許可されているか。 たとえば、こういうものは年次計画があるはずです。何年には第一号炉ができて、何年には何号炉ができる、そうして計画どおり申請して、許可を受けた土地に全部炉ができるのは何年だ、そのためにはこういう資金計画があるということが申請書にはあるはずです。これのさだかでないものには許可しないという一般基準がまつ正面に書いてある。次に、該当しないものは許可せないと書いてある。これをどういうふうにしてどの場所で飛び越えたのか、そして、その条件は、どういう許可についての条件が付されているかをお尋ねしたいと思います。
○大山説明員 いろいろと御質問がございましたが、原子力発電所の農地転用についての御質問につきましては、さきに先生から質旧主意書が出されておりまして、それに対して政府としてお答えしているとおりでございますが、東京、それから東北電力に対します転用の許可につきましては、転用許可基準に従いまして厳正な判断を農政局において行ないまして、そして行なわれた次第でございます。 いま資金計画というお話しも出てまいりましたけれども、これは会社のほうからも出されております。そして、会社の過去のこの種の実績という問題もございまして、原子力発電所の建設計画につきまして会社として決定されているというような事実もあるわけでございます。 そして、出された条件という問題でございますけれども、条件につきましては、これの建設に伴います漁業関連の問題については県において十分る措置を講ずること、というようなことが条件として付されておりますほかに、ここの地区に原子力発電ということになりますと、高度の技術を要し、また、そのための調査等もきわめて厳正に緻密にやらねばならぬというようなこともございますので、そうした進めぐあい、進め方ということについても農政局のほうに逐次連絡をとるように指示しているような次第でございます。 東京電力が東北にまで割り込んできて電力をかせがぬでもいいではないかというお話しもございましたけれども、電力会社が発電所を建設します場所につきましては、供給義務を要する区域でなければならぬというような法的制限もないわけでございまして、立地条件等から見て最も好ましいところに将来の電力需要に応じてつくるというような趣旨からいって、あそこに東京としてもつくりたい、と、こういうふうなことから農地転用が出され、また、それに対しましては転用基準に基づきまして判断をいたしたような次第でございます。
○米内山委員 結局、この問題は審査の不十分ということになると私は考えていますので、審査の経過やその過程等について、後日詳しくお尋ねする機会を得たいと思っております。 そこで、次の問題ですが、むつ小川原開発の計画内容が約五分の一になったわけです。二百万バーレルというのが五十万バーレルですか、四百万トンという石油化学ですね。これはエチレンベースの話だが、これは五十万トンになっている。電力も一千万キロというのが百万キロか何ぼになったようですが、大きければ広い土地が要るはずです。これが半分や四分の一になったら、土地というものはそれに比例して縮小されなければならぬ。そこで、計画が変わったら、さきの膨大な構想によって、虚構の計画に基づいて、五千五百ヘクタールを妥当として農地転用の事前審査の内示が出された。これが四分の一になっても、中身が小さくなっても入れものが変わらない。要すれば、ふとんを包むほどのふろしきがお菓子箱になっても同じふろしきだということは、これは農地法上問題がある。農地転用というものがこういうふうにきびしいのは、優良農地を守るということ、要すれば農林省本来の任務を完遂するためにあるのです。当然これは事前審査の申請のやり直しをさせてしかるべきだと思うが、その点についての農林省の見解をお尋ねしておきたい。
○大山説明員 今度むつ小川原は、第二次基本計画の骨子というものが出てまいりまして、これにつきましては、先ほど国土庁のほうから御答弁いたしましたように、関係各省庁会議において了承された次第でございます。ただ、御存じのように、第二次基本計画という問題につきましては、環境保全でありますとか、あるいは、将来の設備拡張のための十分な余地を持った規模といたしまして約五千ヘクタールの用地を対象とする点におきましては、第一次基本計画当時と何ら異なっていないわけでございます。ただ、とりあえずの、差し当たっての問題といたしましては、先ほど先生がちょっと言われましたように、五十万バーレル、あるいは八十万トン年、あるいは火力発電が六十万キロ二基というふうなかっこうで第一期計画をつくる、こういうふうな自然的条件にかかります基本的な調査を踏まえて工業を段階的に立地させる、こういうことでございます。したがいまして、その第一期計画の具体化をはかるものとしていま出てまいりました県の計画は、いま申し上げました五十万バーレルなり、石油化学について八十万トン年というようなエチレン換算でございます。国が第一次基本計画につきまして閣議了解しております規模というものにつきましての背景となりました県の報告といいますか、県のレポートによりますれば、石油精製は二百万バーレル、あるいは石油化学四百万トン年、こういうことでございます。 しかしながら、第一次基本計画でも、この県の構想というものを踏まえながら、関係各省がよく協議しながら、県と協力しながら計画の具体化をはかっていくんだというのが四十七年の九月十四日の閣議口頭了解でありますので、第一期計画はその延長線にあるがゆえに、先ほど国土庁から御答弁いたしましたように、この際もまたあらためて閣議口頭了解を求めるということはしなかったわけで、ただ関係省庁会議において了承されたというかっこうになるわけでございます。 いま、先生は、その石油化学の第一次基本計画の背景にあった県の四百万トンデーと、それから第一期計画の当面出面の八十万トン年というものを比較されて約五分の一ということを言われましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、第二次基本計画というものは、いわば、段階的に立地する第一期計画の具体化ということでございます。農地転用の事前審査の対象面積ということにいたしましては、いま申し上げましたようなことで、最終的な工業立地の規模約五千ヘクタールというものに対しまして行なうものでございます。そして、最終的な工業立地規模につきましては、第二次基本計画が作成されるのを待ちまして、また今後この関係各省会議において検討を進めてくることになるわけでございます。 いずれにいたしましても、現段階の第二次基本計画が出ている段階におきまして、いわば開発規模がそれによって五分の一になったということではございません。したがいまして、さきに事前審査として承認いたしました約五千ヘクタールという規模、工業団地といいますか、工業立地上の五千ヘクタールという規模、これについてはわれわれは縮小する必要はないというふうに現在のところ判断しているわけでございます。
○米内山委員 そうしますと、その計画を出した青森県当局と農林省とは非常な相違がある。あなた方は非常にまじめで書類だけを信用しているかもしれないが、青森県では、今度の基本計画を出した場合に、この間の県議会で知事が何と言っているかというと、これがほんとうなら、さきの計画は、あれは何だという質問に答えて、この計画について数字を出したのはいまが初めだと言うのです。じゃ、さきの二百万バーレルは、あれは何だと言ったら、あれは単なるめどにすぎない、と、こう言うのです。これからのものがほんとうだと言明しているのです。この辺、許可権を持つ農林省とこれが開発を進めようとしている青森県当局との間に、何かたいへんな認識の違いがある。あなた方がこういう間違った認識の上に行政を進めるならば、これは重大な誤認になる。ですから、この点を私はあえて忠告しておきますが、青森県当局と十分な意思の疎通をしてもらいたい。特に、この際、県議会における速記録等を参照しながらやっていただきたい。これは重大なことです。あなた方はさきの計画の延長だと言うのです。さきの計画は生きておって、いまは当面の計画だというふうな御理解ですが、これは青森県当局の考え方と全く違います。そうすると重大な結果が起きる。この点を十分念入りに調査した上で、するならば法律上の間違いがない処分をしてもらいたい。そうしないとこれは法律上も無効になるおそれがあるのですよ。あまりにも明白なこういう認識の違いというものは重大だと思います。 それから、農地法違反の問題ですが、判例によると、農地を移転する法律行為を処罰するというのがこの農地法の罰則の行為だと書いてあるのです。そうすると、法律行為というのはどこからどこまでが法律行為かということになるのです。あの会社が農地買収のためにすでに支払い済みの金が二百億なんです。二百億が転用許可前に支払われておる。これは対価の八〇%なんです。ですから、農林省がここで私に答えたことと非常に違うのです。売ってくれるかどうかという交渉をしてもいいというのが事前審査の内示の段階だ。しかし、そのときは、売るという承諾を得たならば、手付金を取るくらいならば、金銭の収受があっても、これは常識上あり得ることだ。ところが、実際問題として、八〇%を払っていると、八〇%は手付金であるか内金であるかの違いがある。きょうはできれば法務省からも来てもらって聞きたかったのだが、一般的に、日本の法律に基づいての手付金というのは何%ぐらいまでいいのか、八〇%になっても手付金と言えるかどうかということですね。内金を払ったとすれば、これは明らかに法律行為でしょう。いかに許可を停止条件とする売買契約を結んだとしても、その効力のあるなしと無関係に、これは法律行為です。 さらに、本人は売る意思がある。売る意思があるという証拠は何かというと、税金を納めているのだ。登記は未完了です。したがって課税の客体にならないが、私は売りましたという申告に基づいて税務署が税金を取っているなら、これは売った意思のあることは明確なんです。 この解釈の相違はきわめて重大だと私は思うのです。これに判例も書いてありますが、この際ああいうところまでいったものを、いまの農林省は、あなた方は、あれは法律行為ではないという根拠があったらお答え願いたい。
○大山説明員 最初に、知事が県会で言ったという内容ですが、これはわれわれとしても、県議会でどういう答弁をしておるか、今後いろいろと調べてみたいと思っておりますが、知事の言ったことばというものを、国のベースにおきますむつ小川原総合開発会議の決定という問題との関係で言いますならば、むつ小川原総合開発会議は、県の第一次基本計画というものを踏まえながら今後各省が相集まって検討してまいりましょう、ただ、その場合に、工業の開発を行なう用地としては約五千ヘクタールを見込むものとする、ということが開発会議の決定でございます。したがって、その決定を踏まえて県がさらに検討してきたのが第二次基本計画であるわけでございまして、その意味においては、県知事が県会に言ったこと、われわれのほうから言うならば県の第一次基本計画そのものが、すべてが国において認められていないという意味においては、知事の言ったことも間違っていないのだろうというふうに思うわけでございます。われわれが先ほど来申し上げておりますように、関係各省でつくっております総合開発会議における線の延長上の問題としての第二次基本計画の先ほど申し上げましたようなこと、したがって、このために第二次基本計画についてあらためてまた口頭了解という手続はとる必要がなかったのだということ、それを申し上げたわけでございます。 それから、法律関係でございますけれども、これも先生の質問主意書に対します答弁なり、その他いろいろと御答弁申し上げておりますように、事前審査というものは、事務の迅速化をはかる、あるいは混乱を防止するという意味から行なうものでございますけれども、その事前審査があったということは、それが許可の内示ではありません。ただ、事前審査があった後におきまして所有権移転等の売買契約をする等の手続を進めることは差しつかえないわけでございます。 しからば、いかなる場合が法律違反になるのだということにつきましても、農地法の第五条というものが、所有権その他、使用、収益を目的とします権利の設定なり移転というものを許可にかからしめているわけで、許可を受けないでした権利の設定なり移転は効力を生じない、その許可を受けないで売買契約を締結し、さらに、その農地をその買い主等に引き渡すなどの、事実上その効力を生じた場合におけるとひとしいような事実行為が行なわれる場合には、許可を要することにしている趣旨に実質上反することになるので、それはいけません、と、こういうことを申し上げているわけでございます。最高裁の判例との関連で先生は法律行為と言われましたけれども、われわれが従前から御答弁申し上げておりますような事実行為について、これが処罰の対象になることがあるんだということを申し上げているわけでございます。 税金の関係につきましても、これも先般御答弁申し上げたような次第でございますけれども、手付金と内金というものは全く性格が違うものであろうというふうに考えているわけでございまして、手付金というのは、民法の五百五十七条ですか、契約の担保ということでございます。したがいまして、これは代金の支払いとしてなされたものではないわけでございますが、内金ということになりますと、代金の一部の支払いということに相なるわけでございます。税法上の問題につきましては、先般申し上げましたように、両方の道が開かれている、もし不許可になったということになりますれば、これは申請に対しまして更正手続がとられるということに相なるわけでございまして、その税金の申請があったという事実をもって農地法違反であるということにはならぬということを申し上げておきたいと思います。
○米内山委員 実は、この農地法の四条ないし五条というものは、優良農地が荒廃あるいは遊休化しないように整備された法律だし、そういう法の趣旨に基づいて転用基準というものがこまかにきめられているわけです。 そこで、引き渡し行為と言いますが、実際に何十世帯というものが、子供の転校まで含んで、この村に、開拓地にいないのです。そうすると、この事態、この事実そのものが農地法の目的に反していることは明白なんです。ただ、渡した、受け取ったということはないけれども、事実何百ヘクタールというところはことしは耕作者がいないのですよ。そうすると、形はどうあろうと、これは法の精神に反しているのです。あなた方がこれを合法だと言うならば、そこであなた方は法律の解釈に誤りをおかしているんじゃないか。私はこういう疑いを実は晴らすわけにはいかない。こういうふうな事実もあるのです。しかも、これは根元が虚構だったということをよく考えていただきたい。二百万バーレルの閣議口頭了解を得たのはまだ生きているとおっしゃいますけれども、これは下河辺さんが当時総合開発局長であったときに、担当局長であったときに私に何と言ったか。これは私だけじゃないですよ。六カ所の村長も反対同盟の会長も来ていた前で、あんなものができたとすれば、公害どころか六カ所には人も住めないと言っている。また、そのとおりなんです。年一億トンですよ。日本の石油消費量の半分を一カ所で精製されたり、その隣に年四百万トンというエチレン工場ができたら、何ぼ六カ所が広いといったってこれはたいへんなことになる。常識上もあり得ないことが了解されて、その延長の中においてどんな細工でごまかそうったって、これはうそからはほんとうが出ないのです。カキの木にリンゴはならないと同じ理屈なんですよ。ですから、これはここで洗い直して再出発しなければ、最終的にあなた方のたいへんな落ち度になる。これを私は言っておきます。 それから、こういうふうなことがいつできるのですか。いつごろできる見通しで今度各省庁が了解したのですか。
○大山説明員 基本的には環境アセスメントを今後とも実施してまいるわけでございますけれども、工業開発地区内の土地造成という問題につきましては、五十年後半ないし五十一年ごろを着工の目途としまして、五十三年ごろには第一期計画における工場の建設が可能となるように整備してまいる、それとの関連におきまして、港湾なり道路あるいは水資源開発施設等の基盤施設についてもおおむね五十一年度を着工目標年次といたし、そして、港湾の一部供用開始の時期はおおむね五十六年を目途とするというようなことで進めてまいりたい、と、こういうふうな開発予定スケジュールが今度の第二次基本計画の骨子にあるわけでございまして、こういうふうな計画を踏まえまして関係各省においてさらに詰めてまいりたいということに相なっているわけでございますけれども、その中のいわば新市街地の建設につきましては、これはやはり早期に完成させるという必要があるであろうということで、その利用計画につきましては、さらにまた農転の手続と並行いたしまして、また、その一部といたしまして関係各省会議において検討をしていただくことにしておりますけれども、そういうことで、新市街地につきましては、四十九年から五十年までの間に移転を希望しているというような住民の対策には対応してまいりたいというふうになっている次第でございます。 いずれにいたしましても、こういうふうな大体の開発予定スケジュールというものが県から出されており、そういうふうな方向でさらに関係各省で詰めてまいるということでございます。
○米内山委員 それは県の計画なんだが、国が財政的な裏づけをするとか、港湾にはいつ着手して、いつまでにどれぐらいの投資をして完結してコンビナートができるかというところまで含んだ十一省庁会議の結論なんですか。ただ県の計画を認めたという意味ですか。
○近藤説明員 ただいま農林省のほうからお話しがございましたのは、県が第二次基本計画の骨子でこういうふうにしたいということで見込んでおるところのスケジュールでございます。県はこういつたものを骨子にいたしまして、これから明年の三月までかけまして計画を練り上げていくということでございまして、われわれといたしましては、その計画を作成するにあたりましていろいろな面で援助をしていくということでございます。ただ、新しい住宅地の建設というようなものは非常に急ぎますので、県の計画策定と並行して事業を推進することを了承するということでございます。したがって、開発計画において具体的にどういうようなスケジュールで行なわれるか、それを国のほうでどう認めるかというのは今後の問題でございます。
○米内山委員 いまの新住区の計画それ自体がうそだったらあなた方はどうしますか。二百五十三世帯がいま緊急にあすこに移らなければ困るというのが県の主張なんですが、あれは一般の建て売り住宅地じゃないのです。移りたいという人があるから、そのためにいまの農地転用をして新住区をつくる。したがって、そこには使命がはっきりしなければならぬ。これはわれわれの肉眼的な調査だけれども、そんなに人はいませんよ。そうすると、これもまたうそだ。うそをついて許可をとるということは詐欺行為でしょう。あなた方がそれを簡単な調査さえしないでやったら、これはあなた方にもその落ち度がかかるわけだ。 そこで、県議会でこの名前を明らかにしたらどうかという質問に対して県は明らかにせない。しないんじゃなく、せないのです。だれだれと言えばすぐわかることなんだ。 これだけは転用許可するまでに調査してください。ここは青森県議会じゃなくて国会なんですよ。あなた方は青森県の農林部長じゃないんだから、国会であなた方にこういう誠意のある勧告を失態なからしむるために言うていることには耳をかしてもいいはずだ。そして、どうしても必要な世帯があるならば、その分はすみやかに許可すべきです。これだけ申し上げておきます。これだけははっきり約束してください。その程度の精細な調査をして、その上に審査をすべきだと思うが、責任者としてどうお考えになりますか。
○大山説明員 新市街地、A住区でございますけれども、この農地転用に対しまして、わがほうといたしましては東北農政局で現在審査中ということでございますが、新住区の建設計画につきましては、学校その他の公共施設の整備の計画を含めまして、ある時期にむつ小川原開発会議において検討していただくということになっているわけでございまして、移転の確実性という点につきましては、会議での検討も含めて審査の過程で進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 転用基準との関連で申し上げますならば、いわば、その計画面積が適正であるかどうかということに関連する問題でございますので、入居申し込みの確実性ということは慎重に検討してまいりたいというふうに思うわけでございます。
○米内山委員 この名簿は六ケ所の村長の手元にあるそうです。申請者は一人ごとに六ケ所の村長に申請した。六ケ所の村長がそれを県知事に出した。その名前を明らかにしていったら六ケ所の村長の同意がなければできないという経過があるから、六ケ所の村長からこの名簿はとって、よく現地に当たって調査していただきたいと思います。 以上をもって、きょうの質問は終わっておきます。 〔安田委員長代理退席、委員長着席〕
○仮谷委員長 津川武一君。
○津川委員 最初に農林省に、大臣がいないようですから、次官に農林行政の姿勢についてお尋ねいたします。 それはリンゴの腐乱病ですが、私が回ってみましたところ、長野県でかなりリンゴに腐乱病がついておりまして、長野県ではこれに県の助成措置を講じて、農林省もそれに対応して助成措置を講じたそうでございます。この腐乱病は長野県だけでなく、北岩手、秋田、青森、北海道にもかなり濃密に出ておりますが、長野県にだけ国が補助金を出していることに対して、農林大臣が長野県出身だから出したのだろうという話が広まっております。 そこで、これは大臣が出ていればそこに特別にやるのか、同じ条件であれば条件が同じのところに出すのか、この農林行政の姿勢について、まず、次官にお尋ねします。
○松元説明員 ただいま基本的事項についての御質問でございますが、その間若干技術的事項について御説明を申し上げたいと思うわけでございますが……
○津川委員 これは農林省の姿勢なので、姿勢だけをまず先に次官に答えていただいてから局長にお願いします。
○松元説明員 立ちましたのでついでにお答えしますが、われわれのほうは一定の基準に従いまして必要な助成をしている、こういう考え方でございます。
○山本(茂)説明員 お答えいたします。 ただいま局長からお答えをしたとおりと考えております。
○津川委員 農林政務次官に重ねてお尋ねしますが、大臣が出ているところに特別差別するようなことがありますか、ありませんか。
○山本(茂)説明員 ございません。
○津川委員 そこで、農林省にも青森県で資料を出してありますので覚えていると思いますが、長野県のリンゴ耕作面積が一万一千百ヘクタール、この中で被害甚大樹と主枝被害樹七百三十八ヘクタール、パーセンテージにすると六・六%、青森県のリンゴ耕作面積が二万五千ヘクタールで、被害甚大樹と主枝被害樹千九百六十九ヘクタール、七・九%になっております。それだけではありません。長野県の補助を出した九市町村では五百六十ヘクタールの中で三〇%、青森県の県南地域では九町村で千二百六十一ヘクタール、四五%の被害であります。青森県の竹内知事も、防除薬剤費に対する補助の助成をしております。私も中野事務次官とお話しして、長野県と同じ状況にあるならば出させましょうということですが、こういう形で青森県から申請が出ておりますが、青森県にも国の補助を出すべきだと思いますが、いかがでございますか。
○松元説明員 先生も緊急防除の運営につきましては十分御承知でございますが、これは一定の基準があるわけでございます。本来でございますれば、病気の対策というものは、通常の営農として農家がなさるというのがまず原則であるわけでございます。 そこで、リンゴの腐乱病につきましても、これは古くから寒冷地のリンゴ栽培地帯で発生しているものでございます。ただ、それが最近、年次により、地域によりまして発生が増加傾向のあるところがございます。 そこで、昔からの病気でございますが、最近、年次により、地域によって発生が増加している原因は那辺にありやということでございますが、この発生の増大原因は、日焼けあるいは凍寒害等によりまして樹皮が損傷するとか、あるいは樹勢が低下するとか、こういった発病要因に対しまして、最近、労働事情等によりまして防除対策が十分に行なわれにくくなったということによるのが基本的原因であるわけでございます。 そこで、本病の防除方法については、これはよく御存じと存じますが、あるいは病患部を治療するとか、あるいは冬季におきまして石灰硫黄合剤を散布しますとか、あるいは春夏季にチオファネートメチル剤を散布しますとか、あるいは耕種的な方法といたしますと、リンゴ樹の傷口の保護でございますとか、被害樹の切除、焼却あるいは皮削り等の完全実施とか、こんないろいろな方法があるわけでございまして、これは防除方法といたしますと広く世の中に定着しているわけでございます。したがいまして、農家が適正な防除を行なうということによりまして一般的にはかなりの防除の効果が期待できる、こういう性質のものであるわけでございます。 それをしからばなぜ特に長野県には出したかということでございますが、問題は、本病の発生面積がどの程度のウエートになっているか、あるいはまた増加傾向はどうかということによるわけでございます。御指摘のとおり、もちろん青森県でもかなりの面積に発生いたしておりますが、これは原則的にはまず県全体をとらえまして、先ほども申しましたが、まず第一次的に農家が防除するのが基本でございまして、必要な場合に県が助成する、さらに国が全国的な立場でもって必要な場合には助成する、こういうわけでございまして、その基準は発生の態様によるわけでございます。そこで、青森県でもかなりの面積が発生いたしておりますが、長野の場合でございますと発生面積の増加度合いが非常に大きかったわけです。年々発生しておりますが、増加度合いが特に大きかったということがございまして長野県に助成いたしたわけでございますが、青森県の場合は、もちろん絶対面積は多うございますが、最近の発生態様は、あるいは減ったり多少ふえたりということで年によってフレはございますが、リストをながめてみますとまず基本的には県でやるのが筋であろうということで特段の助成は付さなかった、こういう次第でございます。
○津川委員 長野県に助成措置を講じたことは非常によかったと私は思っております。これは非常にいいことだと思うのです。 そこで、青森県の県議会がつい数日前に終了しましたが、十アール当たりの農薬費千八百円のうち県が三分の一、市町村が六分の一、合わせて半額を助成し、農家の負担は九百円になりますが、県助成分の八百九十三万円が成立したわけであります。これを出すわけです。いま、秋から冬にかけて薬剤を散布するために非常に懸命なのであります。青森県も一部の地域はそうであるけれども、最近急増している。この条件が同じで、さらにふえ方の条件がもっと多くなっている。特に出かせぎ地帯が多くなっておりますので、この点でどうしても必要だと思うのですが、いま、局長は、長野県は県が措置したからと言うが、青森県も措置いたしました。これは出されたらいかがでございますか。
○松元説明員 同じ答弁の繰り返しで恐縮に存じますが、緊急防除というのは、国が出します場合には、いやしくも防除というのは全部出す性質のものではございません。まず基本的には農家が営農として防除をする、さらに必要な場合には県がそれに助成をする、さらに全国ベースで見まして、たとえば異常発生をいたしますとか、発生度合いが従来に比べて非常に大きくなったとか、あるいは発生率が高いという場合に助成するというのが基本的仕組みであるわけでございます。 現にいままでもリンゴの病気はいろいろございました。今回の場合は腐乱病がいま議題にのぼっておりますが、それまでも、黒星病でございますとか、あるいはまた斑点落葉病でございますとか、いろいろございましたが、その発生の態様は、あるいは北海道、あるいは青森県、あるいは長野県、あるいは岩手県等、県によってかなり違っております。したがいまして、私どもは、その地域地域の発生の態様に応じまして、ある県にしたから全部するというわけじゃ必ずしもございませんで、発生の態様が非常にひどいとか、あるいはまた急に発生がひどくなったといったような場合に助成をしているという原則がございまして、そういう原則に照らしますと、長野県の場合は、今回は従来に比べまして発生の度合いがひどくなったという点に着目いたしまして助成いたしたわけでございますが、青森県の場合は、従来もちろん多かったわけでございますが、その度合いが比率的に考えますと長野県とは少し違うということで、そういう基準を勘案して目下のところ別に助成は考えていない、こういう次第でございます。
○津川委員 長野県が全体で六・六%、青森県が七・九%。補助助成した対象地域は長野県は三〇%、青森県の県南地域四五%。青森県が補助を出した、市町村が補助を出した、農民が一生懸命やっている、県も市も補助を出した。面積から言って、絶対面積は多くなっている。私も長野県をおととしも去年もことしも見ています。ふえ方において県南地域はものすごい。絶対額において非常に大きい。この状態を農林省は見殺しになさるつもりか。もう一度出す方向で検討してみる必要があると思うのですが、農林政務次官、この点についてはいかがでございますか。——いや、これは局長でいい。局長、こういう状態です。絶対額において四割五分というのは壊滅状態なんです。きょうあたり、きのうあたりまた落果しているのです。あなたが言っている条件がすべて満ちている。これを緊急状態と認めないのか。落果の状態を覚えておりますか。リンゴの樹勢が衰える。こういう状態です。これでもなお長野県だけに助成するということですか。だから、農林大臣が出ている県だから差別しているのかと言うのです。一番最初に話したように、農林行政に不明瞭なものがあるというわけなんです。 これはいかがでございますか。もう一回検討して出さないというふうにきめたのですか。これからさらに検討してみるつもりなのか。そう言うならば、局長に現地に出ていってもらって、増加率なんか調べてもらって、農民がどれほど苦しんでいるか、県と市町村がどうしているかということを見ていただいてもけっこうですが、いかがでございますか。
○松元説明員 私ども適正な防除が行なわれるということを期待しているわけでございまして、見殺しにするというような気持ちはごうもございません。 ただ、先ほどから申し上げていることでくどくなって恐縮でございますが、緊急防除費の金の出し方のいわばものさしと申しますか、これはもちろん程度問題でございまして、そこで、数字の論議をいたすつもりもございませんが、たとえば長野県の場合には、四十八年、前年に比べまして四十九年の発生度合いは倍にものぼっており、非常にふえたわけでございまして、県全体をながめてみますと約三八%という発生面積になっている。それに対しまして青森県の場合は、もちろん地域によっていろいろございますが、県全体で見ますと約二割という発生率でございまして、しかも、発生の増加状況も県全体をながめました場合にはそう急増したわけではないという事情もあるわけでございます。 したがいまして、限られた予算の執行という面もございますし、かたがた、先ほども申し上げましたが、ある病気の防除対策をある県にいたしたらすべての県にやるというわけには必ずしもまいりませんで、発生の面積の度合いとか伸び率ということを見て、しかも、それは県全体として私どもは把握するわけでございまして、そういうものさしに照らしまして長野県はいたしましたが、青森県はなかなかものさしにはまりにくい。 正直申しまして、いままでも各地域各地域で一定のものさしに従いまして助成をいたしたことがございます。もちろんそれも幅と申しますか、弾力性もございますけれども、すべてのものについて統べていけばやはり一番望ましいわけでございますが、そうも申しかねる点もございまして、そういった運用を考えますと、今回の場合青森県に助成するということは非常にむずかしいという事情を申し述べた次第でございます。
○津川委員 局長、正直に話していただいていいが、聞くところによると、使ってしまって予算がないんだそうじゃないの。予算がないからといって、農民の苦しみをそのままに見ているのかということですね。絶対額で四割五分ですよ。そうしていま落果が続いていますよ。これでも、もっと絶対額が少ないところに出して、農林大臣が出たところに出すというから問題が出てくるわけです。私がいま指摘した事項を検討してみて、出さないという方針であったものを考えてみるという余地はないのでございますか。いかがでございますか。
○松元説明員 ただいま四割五分という数字もおっしゃられたわけでございますが、もちろん、地域地域でかなり相違はございます。それはおっしゃるとおりです。ただ、私ども、県を相手に行政をします場合に、県全体はどうかということがまずものさしになるわけでございます。もちろん、その農家の防除に対しまして、こちらもできる防除をするということは、できれば一番望ましいということはそのとおりでございますが、何と申しましても全体のものさしがございますし、県全体をながめました場合には約二割ということでございまして、さらに県内をどうするか。もちろんこれは県の問題もございますし、そういうことで、私ども県ともいろいろ相談いたしまして、どのようにものさしにはまるかという材料もいろいろとりたいということで、県とも実はいろいろと相談いたしたわけでございますが、現状では特別緊急防除対策のものさしになかなか乗りにくいということでございまして、現段階ではなかなか出すことは困難だ、と、同じことを繰り返して恐縮でございますが、そういうように考えている次第でございます。
○津川委員 防除費の予算がなくなってしまったのですか。
○松元説明員 予算がないと申されますと、必要な予算はとれという御議論になってしまいますから、ざっくばらんに申しまして、予算がないと私は申し上げたわけではございません。ただ、やはり、一定のめどというものがございます。その中の配分等もございまして、形式的にもうないからだめだという形式論を言ったわけではございませんで、必要なものならもちろんふやすことも必要でございますけれども、ただ、さっき申しました緊急防除の性格というものがございます。これはいやしくも防除費というものは全部出すものではございませんで、ある程度のものさしというものがございまして、弾力性、幅はもちろんございますけれども、そういった過去の運営等をながめますれば、出すことはなかなかむずかしいという実情を申し上げた次第でございます。
○津川委員 ずっと長雨が続いて、最近少し天気がよくなったら腐乱病の木から落果が始まっている。この状態は緊急と見ませんか。
○松元説明員 ただ発生したから緊急と言えるかどうか、これは非常に疑問だと私は思います。問題は、本来の営農でどこまでやるか、それに対しまして、ひどい場合に県がどういう助成をするか、さらに国が特別に助成するかという、いわば境目の問題だと思うわけです。これはもちろん機械的なものではございませんで、ある程度幅はございますが、そこはいろいろ運用してまいった経緯もございますし、そこにはやはりものさしというものがあるわけでございまして、そういうことから照らしてものを申し上げたわけでございまして、発生したから、放任していいか云々ということではないのでございますが、それに対しましてどういう対策をとれるか、その場合に国として特別緊急防除ということをするかどうか、そのものさしにははまりにくいということを申し上げた次第でございます。
○津川委員 局長はよく検討しましたか。四十四年には六百八十八ヘクタール、四十七年にはなんと四千五百ヘクタール。何倍ですか。六倍ですよ。これでもなお考えないと言うから、農林大臣が出ている県には補助が出るのかと言っているのです。県が助成してから、見てからなんて、県が現に八百九十万出す。市町村もその半分出す。比率から言うと、四十四年に六百八十八ヘクタール、四十七年四千五百ヘクタール、四十九年、いま現在四千八百七十五ヘクタール、これでもなお局長は該当しない、長野ならかわいいと言うのでございますか。この事実はどうでございますか。
○松元説明員 あるいは数字のとり方のベースが違うのか存じませんが、私、先ほど、地域的にいろいろな態様はあろうと申し上げました。そこで、ただ県全体をまず把握すると申しまして、ただいまの先生の御質問の四千八百七十五ヘクタール、これは青森県全体の発生面積でございます。これは県全体のリンゴの面積に比べまして一九・五%、約二割でございます。それに対しまして、確かにふえておりますが、四十七年が四千五百七十一ヘクタール発生でございまして、比率が一八・七%になっております。それから四十八年は、これは若干減少いたしましてけっこうなことでございますが、約三千七百ヘクタール、これで一四・七%、このように多少は変動いたしておりますが、県全体のベースでながめました場合にはこの三年間それほど大きな変化はない。もちろん、発生することは望ましいことではございません。必要な防除はしなければならないわけでございますが、そういった発生の増加の態様というものは、県全体をながめますと以上のような数字になるわけでございます。
○津川委員 局長、去年が三千ヘクタールだよ。ことしは四千八百ヘクタールだよ。この増加は、いまはしなくもあなたがしゃべったとおりです。そして、県南地域は四五%。地域によると言う。この地域をどうされるか。倉石農林大臣が長野県から出たから、こういう事実を無視しても、局長は大臣にひいきして長野にだけやったということでございますか。 繰り返します。去年三千ヘクタール、ことし四千八百ヘクタール、地域と言うから、三八地区の九カ町村四五%、いま落果が始まっておる、こう指摘されてもまだ考えないというの。考えてみるというの。いかがでございますか。
○松元説明員 私が申し上げましたのは、発生の面積は、もともとの作付が多いわけでございますから、絶対面積はもちろん多うございます。それが四十七年は四千五百七十一と申し上げまして、それが一八・七%、それに対して四十八年は若干減って三千六百六十九、これは一四・七に当たる、それからさらに本年が四千八百七十五、これは比率で一九・五に当たると申し上げたわけでございます。したがいまして、三年間通算してみますと、もちろん年によるフレはございますが、約二割弱という動向で推移をいたしたわけでございます。 それに対しまして発生率をながめてみますと、長野の場合——両者の比較をそういうかっこうでするのはいかがかとも存じますが、御質問がございましたが、四十九年は三七・五%、前年は一八・六%でございました。そういうことも勘案いたしまして、これはやはり急に増加をいたしたという点に着目いたしまして助成をいたしたという次第でございまして、もちろん、この基準なりものさしはそう固定的なものではございません。けれども、やはり差別したという意味じゃございませんで、この増加度合いをながめまして県全体をながめますと、青森の場合は、三カ年通算しまして二割弱程度で動いている。もちろん、損害があること自体は望ましいことではございませんけれども、それに対して長野の場合には、いわば本年は倍増したという事実に着目したわけでございます。
○津川委員 局長、くどいようだけれども、去年は三千ヘクタールで、ことしが四千八百ヘクタールの増加率、そして、県南地域の九カ町村では四五%がやられておる。いま落果が始まっておる。比較じゃないと言っておるが、これこそ助成する対象ではありませんか。私にこう指摘されても、依然として、きめたからこれで突っぱるというつもりなのか、もう一度調べて検討してみるというのか、私の指摘をどう考えておりますか。
○松元説明員 私、先ほど来申し上げておりますが、それは固定的に一定の基準がぴしゃりとあるというわけではもちろんございません。それはある程度幅はございます。それは、ただ、先生もおっしゃいましたけれども、三カ年の数字をながめますと二割程度で推移しておりまして、ある年は減った、ふえたという率はございます。ただ、その率は大ざっぱに申しまして二割弱くらいで推移をしておる、一四・七が一九・五にふえたとおっしゃればふえたわけでございますが、他方は、率から申しますと、一八・六が三七・五にふえた、と、こういう率でございまして、その数字に着目いたしますれば、発生の増加度合いは長野がひどい。ただし、絶対面積は、もとっこの面積はもちろん青森が多うございます。 したがいまして、私どものほうも、たとえば二割以下は絶対にしないとかいう固定的なものさしはあるわけではございませんが、その辺は総体バランスと申しますか、そういうこともあるわけでございます。かたがた、これは先生とくと御承知でございましょうが、いままでもほかの病気もいろいろあったわけでございますが、どこまで県で負担し、どこまで国が見るかという、その辺は両者のいろいろな状況もあるわけでございまして、リンゴに対するいろいろな病気の発生度合い、それに対する特別緊急防除の金の出し方の度合い、その辺もいろいろ勘案しなければならぬ。こういう事情もございまして、御指摘の、たいへんである、何とか防除しなければならぬという実態は私もわかります。それは県と相談をいかにやるかということが課題でございまして、現段階で、ここで、しからばわかりました、しからばそれをよく検討いたしましょうとは、正直言って、いまのものさしから私は言い切れない。なお、県からも事情はもちろん十分聴取いたします。
○津川委員 くどいようだけれども、地域によって違うと言っておる。まさに日本一の四五%という地域、その後あなたたちが考えている以上に落果が現実に始まっているという状態、この指摘を受けて、いままできめたからもう動きがとれないという態度なのか、調べてみて検討するというのか、どちらでございますか。
○松元説明員 私は、もうきめてしまったから一切これでおしまいだとは申し上げておらぬわけでございますが、ただいままでの私どもの運営の基準と申しますか、ものさしから言えばなかなか当てはまりにくい。実は、これは県からも御要望がございました。したがいまして、県に対しまして、この緊急防除対策のものさしにはまるようなデータはどうかという相談もいたしました。ただいまある地域が四五ということも強調されたわけでございますが、同時に、私どもは、やはり県全体もながめなければいかぬわけでございます。県内のこともございますから、そこで県とも十分相談はいたすわけでございまして、固定的にぴしゃりと言っておるわけではございませんが、ただ、基準をゆがめて、あるところにはやり、あるところには出さないということではないということを申し上げたわけでございまして、かたがた、こういった緊急防除に出す度合いと申しますか、かね合いもございますので、その辺を踏まえて、さらに県からも事情は十分聴取いたします。
○津川委員 三年間の推移を見ると言っておるけれども、局長、私は医者ですよ。熱が上がったけれども徐々に上がっていった熱と、去年は三千で落ちた熱がことしは四千八百に上がっておる熱なんです。この熱のために現在落果が始まっておる。こういう状況であっても再検討しないのか。これはいかがですか。政務次官、再検討する余地はございませんか。いかがですか。
○松元説明員 地域によって四五というのもございましょう。私が申しましたのは、県全体をながめてものを言っておるわけでございます。もちろん、いまの地域で被害もあれば、落果もございましょう。ただし、先ほどからるる申し上げておりますが、防除というものは、本来の営農、それに対する県の助成——国全体をながめた場合の助成のものさしにいろいろあるわけでございます。したがって、それらをにらみ合わせながら、なお県の事情も十分聞く必要がございますれば聞こうと私は申し上げておる次第でございます。
○仮谷委員長 津川君に申し上げますが、あなたの持ち時間の関係もありますから、少しお進めください。
○津川委員 進めるけれども、基準を何と言っているかと言っておるので……
○仮谷委員長 意見が両方が並行の場合に、一致しなければ質問が終わらないというなら、時間内で切ってもらいますよ。
○津川委員 そこで、あなたは地域、県全体と言っておるが、一番大きな地域がこの県南の九市町村だ。そこで特別に考える余地が大いにあると思うのですが、もう一回答えてください。
○松元説明員 同じことを繰り返して恐縮でございますが、県内のことはまず県が第一に考えるべきが筋だと思うわけでございます。この腐乱病の防除というのはいまに始まったことじゃございませんで、本来昔からあったわけでございまして、年によって発生の態様は違います。したがって、まず適正な防除対策を指導するのが県の本来の責務でございまして、単にある地域に異常発生したからといって直ちに国へ持ってくるというのも、県としても防除指導が不十分であったという点も免れぬと私は思うのでございます。したがって、その点もにらみ合わせまして県とも十分相談するということを申し上げたわけでございます。
○津川委員 県が措置しているんですよ。そのことをあなたは県の防除体制も見てと言う。現実のこの状態を踏まえて、局長がさらに現地を直接見てみて態度をきめることを、農林省がきめた方針を変えることを私は強く要求し、また、現地を見てあなたと交渉することをあとに残して質問を進めていきます。 そこで、腐乱病の新薬の駆除剤の体制、この試験研究をすみやかにやる必要があると思うのですが、これはいかがでございますか。 その次に、実際に木を切っている、長野も青森も改植しておる、新植しておる、これに対する国の方針はいかがでございますか。
○小山説明員 腐乱病の防除方法につきましては、いま農蚕園芸局長からお答え申し上げましたように、この病気は古くからある病気なものですから防除方法も確立をいたしております。それに使う薬剤も公定版ができておるわけでありますけれども、しかし、それ以上にさらに有効な農薬を検索をしていく必要もまた同時にあるということで、農林省の果樹試験場が中心になりまして音頭をとって、関係の各都道府県の試験研究機関に助成をいたしまして、現在、農薬の検索をはじめといたしまして、従来からとられております防除方法をさらに改善をしていくということも含めて研究を進めておる段階でございます。
○津川委員 技術部のほうで防除方法があるなんて、そんなことを言わないでよ。防除方法があったら、何で四五%も出るのか、防除方法があったらなぜこんなにふえるのか、この点が一つ。 それから、その次に、最近、あの地域におけるスイカも三割から四割被害を受けている。これはバイラス病ともう一つはぽっくり病で、現実にスイカがやられている。さあ、ぽっくり病なのかコンニャク病なのかわからない。そこで、どう手を打てばいいかわからない。わかればすぐいける。この研究体制はどうなっておりますか。県の試験場は電子顕微鏡を装置するとこの問題は一応解決すると言うんだが、こういう点の試験、研究の体制はいかがでございますか。
○小山説明員 初めのリンゴの腐乱病につきましては、従来から防除方法は一応確立をしておりますが、最近非常にふえておりますのはいろいろ原因があると思いますけれども、いわゆる品種更新が高つぎで行なわれる結果、それだけ病原菌の発生する機会が多くなっている、あるいはリンゴの肥培管理が農家のいろいろな事情で少し手が抜かれておるといったようなことが想像されるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう実情に応じて、十分に新しい、あるいは手間のかからない、さらに効果のある薬剤を開発、検索をしたいということで、現に青森、岩手、長野の関係の各試験場で国も協力をいたしましてやっておりまして、たとえば薬剤の点につきましては、従来から公定版として使っております薬剤のほかに、さらに新しい数種類の非常に有望な薬剤が見つかりかかっておりますが、いま少し時間をかしていただきたいと思います。と申しますのは、すぐに農家に入れるにはもう少し検討を要するという研究の進捗の状況でございます。 それから、その次のスイカのいわゆるコンニャク病につきましては、従来の試験研究の結果によりましておおよその原因がわかっておるわけでありますが、このウイルスについては電子顕微鏡を使うというふうなことで、電子顕微鏡が必要ではないかという御指摘があったわけでございますが、私ども、今日までの段階では、県のほうからそういう電子顕微鏡の助成という要望はまだ直接聞いておりませんけれども、これから十一月にかけまして、各県の試験研究の助成に対する要望を一括して聞くスケジュールになっております。そのときにもしそういう御要望があれば十分伺いたいと思っております。しかし、現在国の東北農業試験場にかなり優秀な電子顕微鏡がありまして、スイカのウイルスの検定については現在それを利用しているような状況でございます。 あまり経費をかけて電子顕微鏡をつくることがいいかどうかということは、県の試験場がそういう高性能の電子顕微鏡を使う機会、必要性がどの程度あるかということとあわせて検討する必要があると思いますが、十分県のほうの事情を聞きたいというふうに考えております。
○津川委員 委員長がぼくにほかの質問をせいと言うから協力してやりますけれども、防除体制ができているというのはうそですよ。できていればふえない。これが一つ。これは答えていただかなくてもいい。県のほうで、試験場で要請があれば電子顕微鏡を考える。これはいいが、その次には根瘤病に全国の野菜が非常にやられている。これに対する試験研究体制がどうなっているか。私は繰り返し少しやろうと思っておりますが、次のことがありますので、後刻このスイカのバイラス病とネコブの試験研究、防除対策について、おたくのほうからだれか専門家を私のところによこしてくださいませんか。そういう点で質問を続けます。 そこで、原子力船むつのことでございますが、本日二時、青森県漁連むつ対策会議は次のような条件を提示した。「1母港移転は入港前に期日を明確にする。2入港時の監視体制を、県、むつ市、事業団の三者協定を結び、それに基づいて行なうこと。3母港撤去は六−十ケ月以内とすること。4核燃料棒を凍結し、係留したまま絶対に抜き取らないこと。5今後の漁業振興のため、漁港、船着き場の施設の拡充を図ること。6 出港以前から現在までの経費を補償すること。具体的には、ア 成貝、稚貝の死滅及び風評による魚価低落を補償すること。イ 出港時の人夫賃及び会議費を補償すること。ウ 休漁の補償をすること。7今後疑問がある場合は漁民の示した科学者を選び調査すること。8今後、より以上に漁民としての生活の安定を要求する。」と、この八つの項目を要求しておりますが、これをどう考えるか。これが一つ。もう一つには、現地に自民党の総務会長の鈴木さんが出ておりますが、これは何の資格で行っているのか。運輸大臣か科学技術庁の長官が行くのがほんとうではありませんか。この二点をまず答えていただきます。
○山本(茂)説明員 ただいまお話しがございました青森におけるいろいろの条件というものは、私いま初めて承ったわけでございまして、これに対して所見を申し上げるべき立場に私どもはないと思っております。政府及び自民党の政府の代表といたしましていま現地に臨んでおられる方もあるわけでございまして、それらと現地の方とのいろいろの話の結果によって私どもは将来の方針をきめていくべきだ、こう考えておるわけであります。
○津川委員 その条項がわからないのもしかたないことでしょうが、こういう問題が出てくるときは、政務次官、だれかに聞かしておくものですよ。政務次官に説教してまことに恐縮ですが、そこで二、三の問題をお伺いします。 母港移転はやるつもりでございますか。これは現地の話を聞かなくても、政府の態度はいかがでございますか。
○仮谷委員長 そんなことが答えられますか。答えができぬでしょう。津川君、それはここでは質問の趣旨がちょっと違うんじゃないかな。農林水産委員会で母港の移転——答えますか。農林政務次官、答えるなら答えなさい。
○山本(茂)説明員 ただいまの問題につきましては、いま私どもが意見を申し上げるべき立場には全然ないと考えておるわけであります。
○津川委員 それじゃ政務次官、答えられるものを聞きますね。あの八月二十五日に強行出港してから今日まで、九月、十月と約二カ月、この期間がちょうどあの稚貝が育つときなんです。今度これで混乱させてしまって、稚貝の手入れもしなかった。そして今度はこいつを食う魚が出てきてたいへん減収になっている。その間の漁民の心痛というものはたいへんなものです。これに対して水産庁を主管している農林省として何か考えてあげなければなりませんが、この点はいかがでございますか。
○内村説明員 私どもは、この原子力船「むつ」の問題が起こりましてから陸奥湾のホタテの価格がどうなっているかということは、実は毎日チェックしております。その結果、今日まで価格が下がったということにはなっておりません。 それから、稚貝が魚に食われているということも、そのような情報を私どもは得ておりません。
○津川委員 水産庁長官、ほんとうですか。稚貝がヒトデに食われていますよ。わからないの、これは。
○内村説明員 特に異常に食われているという情報は、私どもは得ておりません。
○津川委員 異常か普通か、いつもは手入れをしてヒトデを駆除している、と、そんなことはどうでもいい。食われている現実をあなたたちは覚えているか、覚えていないか。覚えていないとすればたいへんな事態だが、覚えていてほったらかしておくのか。それは覚えているか、覚えていないか。
○内村説明員 私どもは、陸奥湾の漁業者が行なうべき管理はやはり行なっているのではないかと思います。もちろん、今度のいろいろな紛争の際に漁民がいろいろなことをやっておるということは私ども十分承知しておりますが、しかし、漁民がおのれの通常の管理まで怠ってやっているというふうには私どもは思っておりません。 それから、いろいろな稚貝の食害という問題は、これはまあ異常か通常かという問題はございますけれども、普通の場合におきましても、ある程度の食害というものは自然現象的なものとしてあるわけでございます。
○津川委員 ホタテ貝を守る。これは大事だ。だから放射能、放射線によごさせたくない。そのために懸命にがんばっておる。この努力は涙ぐましいものです。そこで、いま何が重点か。放射線、放射能を防ぐということが重点です。そして、ちょうど稚貝が育っているときの手入れがどうしてもそっちから手が抜かれていることは新聞に何度も報道しておりますが、この点は水産庁長官として報告もとらない、新聞も見ていないという、そんな状況ではないでしょうが、どうでございますか。事実があるならばこれに何かすべきだと思いますが……。
○内村説明員 私どもも陸奥湾の漁業者の生活には非常に深い関心を持っております。先生御案内のように、昭和四十二年に陸奥湾の定係港の契約を知事さんと市長さんがなさいましたときにはわずか百五十トンだったわけでございます。それが今日では養殖だけですでに二万トンもこえている。その結果、あの辺の漁民の人たちが出かせぎをしないで済むようになったということもよく承知しております。ホタテの重要性は私どもよくわかっているわけでございます。 そこで、今度の紛争が起こりました際も、水産庁は、その前後に、陸奥湾の海水の汚染、それからホタテの放射能による汚染その他も全部調べております。その結果、ほとんど汚染はないというデータを得ております。 それから、紛争の最中におきましても、実は私どものほうから課長を現地に派遣いたしまして、漁業者の人たちのいろいろな問題も承知しております。しかし、先生からただいま御指摘のあったような、特に管理を怠って、その結果非常に食害が起こっているというような事実については私どもは報告を受けておりません。やはり、漁師というものは、そういうような事態におきましても自分たちの生産を守るというのは当然でございまして、私どもは、陸奥湾の漁師の人たちが通常の管理は怠ってはいないというふうに信ずるわけでございます。
○津川委員 報告を聞いていない、見ていないというのは議論になりませんね。 そこで、水産庁はあの稚貝を世話しなければならぬ。ぼくらも行ってみて、世話している場面も見ている。しかし、あのかごを上げてみると手当てがおくれていることもわかっている。ヒトデに食われていることもわかっている。これを一度見てみて対策を講ずる必要があると思いますが、これはいかがでございますか。
○内村説明員 もちろん、必要があれば対策を講じなければならないわけでございますけれども、そのような事態が起こっているというような報告は受けておりません。
○津川委員 だから、これから見てみる気はありませんか。報告をとってみて、調べてみて、必要な処置をしなければならぬと思いますが、それじゃまず現状認識だ。現状認識をしてみる必要はありませんか。その気持ちはどうですか。
○内村説明員 ただいまも申し上げましたように、水産庁といたしましては、一週間ほど前に担当の課長も出しております。それから、県の水産関係者から日々いろいろな情報を得ております。そこで、私どもといたしましては今日までの事態の推移を十分に見てきているわけでございまして、そのような、特に食害がふえているというような判断は現在持っていないわけでございます。
○津川委員 この事実は、県漁連の会長に電話して聞いたのよ。あなた、あしたでもきょうでもいいから、一度電話して聞いてみませんか。県漁連の会長に聞いてもそれを信用しないということか。このことを強く要求して、それで、実態を聞いてみたかどうか、私に報告してみてください。そうでないと、あなたと私の意見が食い違ってだめだ。これはやりますか。
○内村説明員 私も県漁連の会長と電話で話をしております。そこで、こういうことはどうなのかということは照会いたします。
○津川委員 照会するというのはよろしい。 そこで、次の問題ですが、ことしの一月に県の漁業区画調整委員会でホタテ養殖漁業区域が更新された。その際、大湊湾で自衛艦に千二百メートルの航路をとった。いま問題の「むつ」は三千メートルを要求している。佐世保の自衛隊の航路は七百メートルで、青函連絡船の航路が八百メートルです。もともとあそこの陸奥湾は海軍の要港であって、戦前から軍がわがままに航路なんか無押して動いたところなんです。この形がいまこういう形で自衛艦が千二百メートルということになっているが、これをせめて佐世保並みの七百メートルという形にするならばさらにホタテの養殖の漁場がふえるわけですが、この事実を御存じですか。これが一つ。せめて佐世保並みに自衛艦の航路を七百メートルにする。自衛隊は漁民の要求を聞いて、漁民がいいという分だけしか航路をとらなくても動けると私は思うのですが、この点を答えていただきます。
○大塚説明員 お答えいたします。 いま自衛隊の関係のお話しがございましたが、その件につきましては当省の関係ではございませんのではっきりしたことはお答えできませんが、事実関係といたしまして、確かに、各漁業権が設定されていない、航路と目される区域の幅は大体二キロないし三キロというふうに私どもは聞いております。
○津川委員 こういう状況でホタテガイを育てるといっても非常に困難であります。 そこで、水産庁長官、ホタテガイを育てるために、この航路は、私が指摘したくらいには、あなたも調べてみて自衛隊に交渉したほうがよさそうでございますが、こういうお気持ちはおありですか。
○内村説明員 大湊港周辺のホタテガイの区画漁業権の免許の問題とも関連があるわけでございますが、この免許は免許権者が青森県知事でございます。そこで、本年四月の漁業権の切りかえにあたりまして、従来の免許区域の約二十倍の区域を免許区域として青森県知事は免許しているわけでございます。数字を申し上げて恐縮でございますけれども、従来大湊周辺では二百三十三ヘクタールであった漁業権を四千四百三十三ヘクタール与えております。したがいまして、今後二十倍の生産を拡大する余地があるわけでございます。 それから、問題の航路の問題でございますが、これについては知事さんが十分関係の人々と相談して航路を設定されたというふうに承知しております。私の承知している範囲においては、この二十倍の区域の免許によりまして、今後青森県の大湊周辺のホタテガイの生産も飛躍的に増加することが期待できるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○津川委員 長官、適当に言わないでよ。知事はこの航路をきめるとき、あそこを重要港湾にするときに、大室というむつの漁業協同組合長には一つも相談していない。地元に一つも相談しないできめている。それをあなたはひとりよがりして、きめたなどと言っている。自衛艦が七百メートルのところを航路にしておるのを、ここで千二百メ−トルにしている。これに答えないで、漁場がふえたなんて、私の質問に端的に答えていただきたい。これが一つ。 時間も来たので最後の質問とあわせて答えていただきたいが、御存じのとおり、陸奥湾は、ホタテガイの種子をあそこでつくって宮城などへ送っている。大事な種をつくるところです。そこで、もっと研究施設をふやさなければいかぬ。この点が今度の原子力船騒動の中で一致したわれわれに言っていることです。ここに試験研究施設をもっとふやしてもっとよくしなければならぬ。この二点を答えていただきます。答弁が不十分であればもう一回繰り返すかもわかりませんけれども、繰り返さないように答弁していただきます。
○内村説明員 第一点でございますが、私が承知しているところでは、知事さんが海区漁業調整委員会の意見を聞いてきめたというふうに聞いております。 それから、第二点でございますが、これは、実態は、現在までのところもホタテ養殖についてはかなり研究をやっております。特に、東北の水研でやっておりますので、そういった現在やっておりますことを十分検討して、先生の御説のようなことが必要であればそのようにしなければなりませんけれども、十分検討させていただきたいと思います。
○津川委員 これで終わりますが、政務次官、あなたは答えることができないと言った。だが、あなたも政務次官、国政を担当する人、したがって、青森県のむつの漁業協同組合連合会が原子力船「むつ」に対して出した最終的な態度について、きょうは答えられなくてもあしたは答えられると思うのです。検討されますね。それで、あなたは参議院から出られているのでそうしょっちゅう会うわけにもいかないから、検討された結果を文書で私に答えていただきます。その日にちはあしたと言いません。あさってかやなあさってでけっこうでございますが、いかがでございますか。
○山本(茂)説明員 御希望、承りました。
○津川委員 終わります。
○仮谷委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後六時十六分散会