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73回国会衆議院1974/09/10

農林水産委員会 第2号

発言数
280
登壇者
27
会派数
5
開催日
1974/09/10

会議録

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため出席がおくれますので、暫時私が委員長の職務を行ないますので、御了承願います。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 畜産問題でお尋ね申し上げたいと思います。  まず、農林省は、米と果樹と畜産という三本の柱を日本の農政の基本として強力に進めてこられた。御承知のとおりだと思うのですが、今日ほど畜産危機と言われる時代を迎えたということはない。なぜこういう事態になったのか、これに対してどういう認識をしておるのか、原因は何か、まず、その点を聞かせてもらいたいと思う。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 昨年後半、特に、今年に入りましてから畜産危機ということばが一般に言われまして、畜産経営が非常に困難な事態に立ち至っておるわけでございますが、その原因は何かというお尋ねでございますが、長期的には、土地問題だとか、あるいは労力問題だとか、あるいは公害問題とかがございますけれども、今回の、ことしの初め以降の畜産の非常に困難な事態は、直接的な要因といたしましては、畜産物の消費が、昨年末以降、特に石油危機を契機といたしまして非常に伸び悩んでおるということが一点、もう一点は、畜産生産の基本的生産資材でございます飼料の価格が急激に高騰してまいったということによりまして畜産経営を圧迫した、この二つの要因が直接的な原因であるというふうに認識をいたしております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 いろいろと原因の問題点を言われたのですが、その中で、この消費の伸びの見通しが誤ったということがあるようですが、なぜ消費の伸びがないのか、その点の分析はどうでしたか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 消費が伸び悩んだということも、これはいろいろの要因がもちろんあると思いますけれども、一番大きな直接的な要因は、昨年の十一月ごろ以降、例の石油輸入問題が起こりましてから、諸物価が高騰し、消費者が家計支出、消費支出を非常に抑制してまいってきておるということによりまして、これが特に食品の中でも高級な食品に属する畜産物の需要に強くあらわれておるという点が一番大きな現象ではないかというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 この消費の伸びがないと気づいたのはいつごろか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 私どもが明確に傾向として感じましたのは、ことしに入ってから、昨年の十一月か十二月の統計が出てまいりましたころから認識をいたしております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 相当前から認識をしておりながら、なぜ輸入をどんどんやるのか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 消費の減退が先ほど申し上げましたような原因に基づくものでございますので、これは日本の経済全体あるいは物価問題全体にかかわるところが多いわけでございますが、われわれといたしましては、畜産物の消費の促進をはかるために、小売り価格のできるだけの引き下げとか、あるいは安売りの奨励とか、あるいは消費の宣伝というようなことにつきましてできるだけの努力をいたしておるつもりでございますが、さらに、消費の減退に見合って供給を計画化すると申しますか、供給の調整もやっていくというようなことも必要でございますので、牛肉等の調整保管とか、あるいは輸入の停止措置とか、あるいは鶏卵の調整保管とか、あるいは鶏卵の生産調整とかいうようなことにつきましても努力をいたしておるところでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 日本という国はどうもふしぎな国で、石油でも、足らなければ上がる、余っても上がる。牛肉でもそうでしょう。足らなければ上がる、余っても上がるという消費者価格。これはどういうわけでしょう。いま肉は余っているのに消費者価格は上がっている。それはどういうわけですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 牛肉についてのお尋ねでございますが、昨年の秋牛肉価格が非常に高騰いたしまして、その後牛肉が、昨年の末以降、生産者価格といいますか、卸価格はかなり急速に低下をしてまいったわけでございます。中でも、乳牛の雄の肥育牛肉が三十数%、昨年の秋のピーク時よりつい最近まで下がっておったわけでございます。それに伴い、小売り価格の低下傾向と必ずしもスライドせずに、依然として高値が続いておるということで種々問題が出ておるわけでございますが、その原因は何かという点につきましては、小売り段階におきます人件費の高騰とか、あるいは包装資料の高騰とかいうようなこともございますし、小売り価格は、従来、牛肉につきましては、卸価格が上がりましても引き上げがそのわりには行なわれておらなかったというような面もございまして、小売り業者の立場からしますれば、卸価格が下がったときはそれに見合って急速に小売り価格を下げることがなかなかむずかしいというような事情もございます。それらの事情も理由は全くなくはないと思いますが、それでありましても、最近の牛肉の卸価格の急落に対して小売り価格が依然として下がらないということは説明がつかない面が残っておりますので、基本的には、牛肉が品質差が非常に多いということ、あるいは消費が非常に少量であるということ——特に、御承知のように、日本ではスライスした肉が販売をされるということがございまして、その間に価格によって品質が変わるというようなところもございまして、それらの流通が、小売り段階における販売が非常に複雑である。さらに、卸から小売りまでに至ります流通段階に種々中間業者が介在をしておる。これは東京と大阪の場合というように都市によりまして若干の差異はございますけれども、それらが卸から小売りに直結する過程において途中のマージンが取得されるというような点が基本的に原因ではないかということで、われわれといたしましては、小売り価格の引き下げにつきまして、行政指導といたしましては、通達なり一あるいは全国団体の代表者を通じまして口頭でも指導しておりますけれども、率直に申し上げましてなかなか実績が上がらないという点で苦慮をいたしておるところでございます。  したがいまして、われわれといたしましては、この小売り対策、小売り価格の卸価格にスライドした安定的な変動ということにつきまして、今後根本的に洗い直して行政指導を加えていくということを行ないますために、近く小売り価格研究会といったようなものを発足させまして、関係業界あるいは学識経験者、消費者のお集まりをいただきまして、その方策につきまして研究をしてまいりたい、研究の結果を待って実現できるところから実施してまいりたいというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長、わかったようなわからぬような、何が何やらわからぬような説明をあなたはしたのですが、農林省は率直に、国民に、消費者にわかりやすいように言わなければ、いまのような説明では、正直に言ってわかりやしないです。ただ、生産農民は場合によっては消費者にもなっておるわけですね。自分が肉牛を屠殺場へ出す。そして、これの代金をもらって計算をして、勘定してみる。今度は小売り店で、消費者という立場で牛肉を買った場合の価格は、これはたいへんな開きがある。要するに、生産者が犠牲を払い、消費者が犠牲を払っておるということになる。これはどこに問題点があるのかということをもっと明確に国民に知らさない限り、畜産局は何をしておるのだ、何をするところなのだという意見が出てくると私は思う。いまのような説明ではわけがわからぬ。それで審議会をつくって、消費者や生産者や流通その他の関係者が集まって御意見を聞く。もう、御意見を聞かなくてもわかっておるのですよ。それを意見を聞かなければなおかつ取り組みができないというのは、畜産局は何を考えておるのだ、と。こういう疑問をわれわれは持つ。特に、乳牛の肥育牛は別として、和牛の肉牛がいまどれだけの価格で屠殺場から枝肉として出されておるのか、あなたは価格を知っておるのかね。農民がいまどれだけ屠殺場までの負担をしておるのか、あなたはわかっておるのか。わかっておったら説明してもらいたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 詳細なデータはいま手元にございませんけれども、中央市場におきます卸価格について見まして、最近の価格は、キログラム当たり約千五百円前後いたしておるわけでございます。したかいまして——失礼いたしました。これは規格によりましてかなり価格差がございますが、標準的なものと言われます和牛の「去勢の上」について見まして、卸価格で約千五百円前後で推移をしております。しばらく前は千三百円台あるいは千四百円台というところまで落ちたことがございますが、最近は若干回復の気配を見せておるわけでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 生産農民から言うと、目減り量まで農民が全部かぶっておるのですよ。流通における消費者に供給する間の目減りというものはちゃんと農民が負担しておるのですよ。目減りも、運賃も、屠殺料も、保管料も、全部農民が負担しておるのですよ。それなのに、消費者価格が上がって、下がりはしない。これはどういうわけなのだ。生産者のほうは全部負担しておるのですよ。それで、あらゆる段階の販売手数料まで生産農民が負担しておる。局長、そういう点について、農民が全体で何%負担しておると思いますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 農民が何%負担しておるかというお尋ねでございますが、現在ちょっと手元に数字を持っておりませんけれども、いま先生のおっしゃいました運賃とか、屠殺料とか、農協を通じまして販売する場合の委託料とか、あるいは市場におきます販売手数料とか、これらはいずれも生産者が負担をするというのがたてまえになっておりまして、牛肉の末端消費者価格の中で、生産者の手取りというのは、いま正確な数字を手元に持っておりませんけれども、おおむね五〇%前後であるというのが、ごく最近といいますか、従来の傾向であると思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長の、目減りをもちゃんと農民が負担してあるのだから、もう少し流通の面で思い切って改革をするという姿勢がない限り、これはあなたが日本語でどう言おうとも改善されないし、生産者価格と消費者価格の幅の縮みというものは出てこない。それはもうわかっておることだと思うのですよ。それをどう改善するかということがあなたらの仕事じゃないのですか。畜産局の任務はどういう任務ですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 先ほどお答えしましたような、種々の流通機構上あるいは小売り価格の形成上の問題がございますので、先ほどお答えしましたような研究会も開くということを考えておるわけでございますが、研究会を開くまでもなく、現在やりたいというように考えておりますことは、一つは、全国で約六万店ございます小売り店の中で適正マージンは——牛肉の場合は、小売り段階で二五%程度が適正マージンではないかというふうにわれわれこれまでの経験上考えておりますが、途中の流通段階をできるだけ省略いたしまして、仲買いから直結をして、ただいま申し上げましたような適正マージンで販売できるような、そういう流通の流れを育成していく。そのために標準小売り店といったようなものを政府が指定いたしまして、小売り業者が合理化するために必要な各種の共同施設を設置するのに対して助成をしていくというようなことも考えておるわけでございます。共同施設と申しますと、共同仕入れとか、共同の保管、共同輸送、共同配送あるいは共同計算とかいうようなことを零細な小売り業者が共同でやるということによりまして流通経費の節約をはかり、しかも、共同で買うことによりまして、従来のような途中の幾つかの流通段階を省略して、市場におきます仲買人から直接仕入れをするというようなことを考えていきたいというふうに思っておりますし、すでに行なっておりますものは、包装食肉の流通を促進するために御承知のように、現在小売り店の店頭でスライスして裸のままで売っているものを、プリパッケージをした包装肉を価格なり規格を適正に表示さして販売をするということを奨励するために、包装施設に対しまして助成をするというようなこともやっております。  なお、今後の問題といたしましてまず検討しておりますのは、小売り段階での品質の規格を統一できないものかということで、これもすぐにはまだ結論が出ないと思いますけれども、研究を進めまして、早急に結論を出して、小売りの店舗においてある程度規格が定められるようにすること。現在、価格の変動によりまして、食肉の中身が、品質が変わっておるわけでございます。これを、品質は一定にいたしまして、価格が卸価格に応じて変更するというようなことによりまして、消費者が信用できるような商品を売らせるというようなこと、これらのことを現在一部実施をし、今後実施してまいりたいというようなことを考えておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長、畜産物だけは依然として古い体制の中にあるというか、そういう惰性の中でいま動いているということが言えると思うのです。それをどう新しいものに変えていくかということを努力しなければならぬ。それを畜産局は何にもしない。農林省は何にもしない。屠殺場でも、もっと近代的に設備改善をするということも、多少は改善されてきたけれども、まだ依然として十分とは言えない。それから、農民のほうから言うと、肉が売れないでさっぱりだめじゃないかと言われますけれども、買うときにはべらぼうな価格で肉を買わなければならぬ。とにかく、日本の七ふしぎの一つだと言われている。なぜこんなことになるのか、この疑問点をどう解明するかということが農林省の任務なのだから、もっとすなおに、率直に国民にわかるようにあなたが責任をもってやるべきだと私は思う。畜産農家が、特に肉牛の農家がいま困っている。これをどうするかがいま当面問題になっておる。あなたの論法でいくとまだまだ時間かかかりそうだ。研究し、調査もし、審議会で皆さんの意見を聞いて、と、こういうことになると、いまのあなたの意見でいくと三年ぐらいかかる。石の上にも三年じゃ、もう農民はもたない。早急に解決しなきゃどうにもならぬということです。  今度またえさが上がるでしょう。十月一日からまたトン八千円か一万円上げるという動きがある。当然上がるでしょう。また、トラック運賃が今月じゅうには四五%近く上がるんだ。いまの政府はいろいろともののみごとに上げる政策を続けておるわけです。感心するほど上げておる。そういう中で農民はどういう希望を持つのか。もう畜産もだめだ、投げてしまえという意見が出てくる。畜産局長、いま政府が当面やれるというのは、えさの価格をどう押えるかということだけでもやらないとたいへんなことになると思う。えさが今度十月一日から上がると予想されているんですが、あなたはこれを押える考えはありますか。流通改革はあと回しでも、せめてえさだけでも価格を押えて上げないということができますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 最近、えさの配合飼料価格の十月からの引き上げ問題が出てまいっておるわけでございますが、全農をはじめ飼料メーカーの言い分は、最近におきますアメリカの飼料穀物の予想外の不作、二十数年来と言われるような不作によりまして、飼料穀物の価格が急速に高騰してまいっておるということ、さらに、円レートが、四−六あるいは七−九での配合飼料価格をきめるときに二百八十五円ぐらいという想定でございましたが、現実には三百二円なり三百三円という実勢であるということに伴います輸入価格の高騰、それからただいま御指摘もございましたような港湾料金なり自動車運賃なり、あるいは近くまた国鉄運賃も上がる気配があるというようなことに伴います配合飼料価格のコストの上昇ということのために、十月からの価格をある程度引き上げざるを得ないというような意向を持っております。  御承知のように、二月の段階で、トン当たり工場建て値で平均一万一千円前後値上がりしたわけでございますが、その後四−六は約八百円ばかり値下げをしたわけでございます。さらに七−九につきましては三千二百円、したがって、七−九につきましては、二月水準よりはトン当たり約四千円値下げになったわけでございます。このままの傾向で順次配合飼料価格が低下していくということを期待しておったわけでございますが、先ほど言いましたような事情で、十月からはさらに引き上げ要因が出てまいっておるということでございます。  われわれといたしましては、畜産経営に及ぼす影響が大きいということを考えまして、極力圧縮するように検討いたしております。資料も提出を受けまして、現在種々ヒヤリングをやっておる段階でございますが、実は、アメリカの飼料穀物の作柄いかんが国際市況に影響するところが非常に大きいわけであります。アメリカの農務省は毎月作柄の予想を出しております。先ほど言いましたように、大幅に予想を下回ったというのは八月一日でございますが、近く、九月一日現在におきます今年度の飼料穀物の収穫予想が、これは大体ファイナルなものに近くなると思いますが、これが数日の間に出ることになっておりますので、その辺の結果も見て、今後の市況を推定する材料にし、さらに、その他の飼料原料あるいは製造販売経費等につきましても極力圧縮するようにいたしまして、値上がり幅を小幅にとどめたいという考えで、現在慎重にデータ等について検討を進めておるところでございます。しかしながら、全く値上げをしないというようなことはやはり無理ではないかというように現在のところ考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 その熱意はたいへんよくわかるのですが、要するに、自信のない言い方なんですね。やむを得ないというような言い方だ。極力押えるように努力はするけれども、上がるのはしかたがないというような言い方なんですね。これではもう何にもしないことですね。くふうがない。たとえば、食管会計で予算措置を五百九十億円余りやっているが、これが足らぬ場合は補正で組んで、政府の操作で手持ちの麦でも放出するとか、いろいろな操作ができると私は思う。あなたは常に外国のことを引き合いに出すのですが、これはもう前からわかっておることなんだ。それがわかっておるから、畜産の基本である飼料対策については自給飼料ということを考えなければいけませんとわれわれは言うてきた。それを依然として外国への依存度を高めて、常に、配合飼料を含めて、えさの価格の変動については、国内ではどうにもできないのだ、外国の国際市場の影響が大きいのですというだけの答弁です。まあ商社まかせの輸入でありますから、商社が現地で買いまくって、日本に上陸させずに、持って帰らずに、じっと向こうでためておいて相場を引き上げる策動をまたやるだろう。また、外国が不作であったとかなんだとかいういいかげんな理屈をつけて価格操作をやるでしょう。また、輸入の操作もやるだろう。そういうことはもうわかり切ったことだ。中間でどんなにそういう操作をされても畜産農家には不安を与えないという、そういう基本的な政策がなければどうにもならぬのじゃないですか。だから、いろいろなくふうをしてでも十月一日からのえさを押えますという明確な答弁をわれわれは求めておるわけです。どんなことがあろうとも押えますということは言えないのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 先ほどお答えしましたように、全農を含めましてメーカー等が提出しております種々の値上がり要因につきまして、現在個別に審査をいたしておる段階でございます。われわれといたしましては、先ほど申しましたように、極力値上げ幅は圧縮したいというように思いますけれども、最近におきます国際的な飼料穀物の価格が大幅に上昇しておるということ、さらに、円為替レートが四月−九月の間の想定いたしたものよりはかなり弱くなっておるというような点を考えますと、二月以降一時四千円下げましたけれども、今回はコストアップ要因を適正に最小限織り込むということにいたしましても、若干の値上がりはやはり避けられないのではないかということでございますが、なお現在精査中でございますので、断定的なことはまだ申し上げる段階ではないと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長、あなたの見通しでは何%ぐらい上がる見通しですか。努力しなかった場合には何%上がるとか、努力したらどの程度で何%ぐらいで押えたいとか、何か考えがあるでしょう。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 メーカーなりあるいは全農を含めましてですけれども、原料の買い付け状況によりまして巧拙がございますし、決済条件も違いますので、詳しく言えば各メーカーごとに全部コストが違うはずでございますが、われわれとしましては、平均的なものを想定いたしましてできるだけ値上げ幅を押えていくということを基本的な態度として現在審査をいたしております。一部新聞に載りましたけれども、トン当たり八千円ないし一万円というような新聞のニュースがございましたけれども、われわれといたしましては、できるだけ下のほうにきめたいということで現在考えておりますけれども、具体的な内容の審査を終わらないと何%というようなことは申し上げられない段階でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 あなたの答弁を聞くと、どうもまことにたよりないというか、自信のない答弁なので、農民の立場から言うと、畜産局というものは力のないところだなという感じを持つわけです。あなたに力がありさえすれば操作できるわけなんですよ。そのくらいのことはできる力をあなたは持っておるのだ。局長という人は、地位から言っても相当の権限を持っておるのだ。それができないということなら、畜産局というものはほんとうに力のない、何をするところだろうかというような意見が出てくるのじゃないですか。その点は、歴代の局長に負けぬように、それ以上にあなたは力を持ってくれないと、農民は信頼しないじゃないですか。  それから、いま、自給飼料対策なり、備蓄対策なり、その他いろいろあるわけですが、飼料の備蓄というものをあなたはもっと真剣に考えたらどうですか。あなたの考えを、あればちょっと聞かしてもらいたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 飼料の安定的供給を確保するために輸入飼料原料につきまして備蓄を行なうということは、四十九年度から実施をするということで、すでに予算措置も終わっておるわけでございますが、考え方といたしましては、サイロ等の収容能力等のことも考えまして、五カ年間で約一カ月分の在庫増をはかるということを目標にしてやっております。たとえば民間のトウモロコシ、コーリャンの工場在庫は現在平均約一カ月——若干の増減はそのときどきによってございますけれども、約一カ月あるのを、さらに一カ月ぐらいを五カ年間でふやしていく。五カ年間というのは非常にのんびりしているじゃないかというような御意見もあるいはあろうかと思いますけれども、これはサイロ等を建設しながら、収容能力を拡大しながらやってまいらなければいけないということがございますので、そのような計画を持って今年度からスタートをしておるわけでございます。  ただ、今年度は、先ほど来お答えしておりますように、国際原料価格が非常に上がっております。サイロ等の建設費も総需要抑制ということで建設単価も上がるし、金融もなかなかむずかしいというような非常な悪条件が重なっておりますので、当初予定したとおりの予算の執行はあるいはむずかしい面が出てこようかと思いますが、たとえて申し上げれば、備蓄をやる場合には国際価格がやや弱くなってきて、世界的にも供給が潤沢であるときにやるのが最も望ましいという点が一つの観点としてあるわけでございますが、現在わが国の通常必要な飼料原料をいかにして確保するかということが当面の緊急事になっておりますので、それ以上に備蓄用のものをどの程度買い付けできるかというような問題も残っておりますので、あるいは今年度の計画は実行上縮小せざるを得ない面が出てこようかとも思いますけれども、五カ年計画で一カ月の水準を二カ月の水準まで備蓄量を引き上げる、在庫量を引き上げるということにつきましては、来年度予算におきましても計画に従って実行してまいりたいということで検討いたしておるところでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長、農林省が長期の見通しというか、計画を立てている畜産振興について、和牛乳牛で、いまのような状態で、昭和五十五年までの計画はどうですか。計画どおりいきますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 一昨年の秋に「需給の展望と生産目標の試案」というものを出しまして、この場合には食肉を一本で考えておりまして、特に、その内訳といたしまして、牛肉の需要がどの程度、国内生産がどの程度ということは明示はいたしておりませんが、われわれといたしましては、できるだけ国内生産をふやしていくということを検討した結果でございます。ただ、その後日本の経済全体も大きく変わっておりますし、いわゆる高度成長から低成長、低安定成長への日本経済全体の運営のかじとりが変わるということになりますと、所得の増等も従来ほど大幅には見込むのは困難だというような点もございますので、現在、農政審議会におきまして、法律に基づく長期見通しを検討していただいておりますので、この結果によりまして、先ほど申し上げました試案の場合の目標は若干の変更を来たすものというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、われわれが従来考えておりましたような肉牛生産の拡大ということは、努力目標として高く掲げておりますけれども、従来の施策をもってしてはなかなか困難であるということは率直に言わざるを得ないだろうと思います。  そこで、生産対策等も一そう拡充する必要があるというふうに考えておりますが、特に、牛肉につきましては、従来価格安定制度が国の制度として確立しておらなかったという事情がございます。価格が安定するということは、生産者が安心して長期的な展望を持ちながら生産に励むことができるという安心感を与えることになりますので、昨年以来の牛肉価格の極端な変動等も勘案いたしますと、この際牛肉の価格安定制度を確立することが牛肉の長期的な生産振興をはかるための一つの要件であるというように考えまして、来年度からそのような制度を確立したいということで現在検討を進めているところでございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 あなたの答弁を聞いておると自信かない。目標だとか言うが、目標ならどうにでも逃げられるわけですが、目標を立てたら、やはり、それに向かって最善の努力をしていかなければならぬ。その努力のいろいろな具体的な施策というものが農林省から一つも出てこない。ただ需給の見通しや生産目標だけは立てる。平行して努力をしなければならぬが、努力が全然あらわれてこない。あなたらは本気でやっておると言うけれども、われわれの受けとめ方からすれば、どうも本気でやっておるように思えない。とにかく日にちさえたてばいいのだというような考え方があるのじゃないか。まあ平穏に、無事に、大過なくという——役人はすぐに大過なくということばを使うのですが、大過なく過ごしておるのではなかろうか。けがをしないように、あやまちをしないようにというような、「ほうそうの神」という昔のことばがあるのですが、日にちさえたてばいいのだという考え方がある。それでは日本の畜産というものは抜本的な対策も政策も生まれてこないし、思い切った流通の機構改革もできない。たとえば一つの流通の面でも、コカコーラの会社をごらんなさい。あのくらい流通をはっきり改善しておる販売方法はないですよ。コカコーラはああいうように完全に流通の改善をした販売方法をしているわけだから、あれができて牛肉ができないというのはおかしい。できるはずなんですよ。ただ品物の中身が違うだけで、保管の方法についてはいまいろいろあるわけですからね。一方では消費者行政ということで、消費者もいろいろ知恵がついておる。ほかの品物は改善されているのに畜産物だけが依然として流通の改善ができないというのは、できないんじゃなくて、しないんじゃないですか。これはあなたにやる意思がないんじゃないですか。そういう気がするわけですよ。この問題については、あなたももっと本気でやってもらいたい。そうしないと、農民はもう死んでしまう。畜産は一たんやめたら二度と復活はできない。きのうまでとうふを売っておったものがあしたからコンニャクを売るわけにはいかない。畜産農家は、つぶしたらもう二度とできないのですよ。もうやろうとしない。よほど条件がよくならない限りやらない。いまのようなやり方なら、将来の見通しでいい条件というものは出てこない。そういう点をあなたはもっと真剣に考えるべきだと私は思う。  もう一つお尋ねしたいのですが、大手乳業メーカーが脱粉の手持ちをたくさんかかえ込んでおるということを聞くわけですね。これは事実かどうか。これが第一点です。  また、手持ちをどのくらい数量を持っているのか。これを将来大手乳業メーカーはどういう利用方法を考えておるのか。還元乳としてまた市場へ売り出すのか。そういう酪農家に脅威を与えるようなことを農林省が見のがしておるということはないだろうと私は思うのですが、そういう動きがあるのかないのかお尋ねしたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 まず、大手乳業メーカーの脱粉の在庫量についてのお尋ねでございますが、私どもの把握しておりますのは四社でございますが、六月現在で一万八千五百九十二トン。これは前年に比べて約六〇%を若干上回る増加になっております。  さらに、お尋ねがございました大手乳業メーカーが脱粉を還元して加工乳ということで販売することについて、農林省ではどのように考え、どのように指導しておるかという御趣旨のお尋ねであったわけでございますが、大手乳業三社は、一昨年以来生乳の生産が全国的に低滞しておるということ、牛乳消費が伸びておるということを理由といたしまして、飲用牛乳の需要の最盛期であります九月と十月に、近畿、東海及び関東の各地域において、牛乳の一部を牛乳と同じ成分組成に調製いたしまして——同じ成分組成といいますのは、乳脂肪三%以上一無脂固形分八%以上の一般の普通牛乳と同じように調製いたしまして、普通牛乳と同じ価格、あるいはそれより若干下回った価格で販売をしておるわけでございます。いわゆる均質牛乳というように言っておりますが、本年も同じような理由で、普通牛乳の五ないし一五%を均質牛乳で供給したいというようなことを言っておるわけでございます。  農林省といたしましては、各関係のメーカーから均質牛乳を販売しなければならない背景等について種々事情を聴取しておるわけでございますが、九月は、御承知のように、普通牛乳の消費が季節的に見ますと非常に多い時期でございますし、七月末から八月にかけて休んでおりました学校給食、これは普通牛乳で供給することを原則としておりますが、それが九月からまた始まるということで、例年のことでございますが、今年も原乳需要が増加いたしますし、他方、また、消費地近傍の主要原乳地帯——消費地というのは、たとえば近畿とか、東海とか、関東とか、そういう地域の生乳の生産がやはり減退傾向を続けておるということで、遠隔地から生乳を輸送するということもやっておりますけれども、これにも限度があるということで、均質牛乳を製造販売することによって供給を確保するということが必要になってきておるという事情があるわけでございます。  いま言いましたような事情で、均質牛乳というのがここ二年、また今年も製造販売されるわけでございますが、われわれといたしましては、飲用乳はできるだけ普通牛乳で供給していくことが望ましいというふうには考えておりますけれども、いま言いましたような、地域的あるいは時期的に普通牛乳のみによっては需要にこたえる供給の確保ができないという地域なり時期が出るわけでございますので、その点はやむを得ないものというように考えております。製造業者が在庫が非常に多いために均質牛乳をつくって販売しておるというようなことが目的ではないというふうに考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 局長の答弁を聞いておると、農林省はそういう処置を認めておるような感じを受けるのですが、そういうことは行政指導でやらせるというか、大手乳業メーカーには事前にそういうやり方を認めておるのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 行政指導で認めておるのかというお尋ねでございますが、われわれとしても、これは理想として非常に望ましいことではないというふうに考えておりますけれども、現在の需給の実態からいたしますと、飲用牛乳の供給を確保するためには、地域的、時期的に限定をしてやむを得ない面があるということで、そのような均質牛乳を製造販売することを禁止するのは適当ではない、やむを得ないものだというふうに農林省としては考えておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 そういう処置を認める場合、事前にいろいろと関係機関と十分話し合いをする必要があると私は思う。たとえば酪農団体と話し合いをあなたはせられたかな。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 生産団体とは、中央酪農会議等とはこの問題について話し合いをしておりますが、中央酪農会議としてはまだ結論を出しておらない段階でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 委員長、これに関する資料を要求したいのです。そういう需要と供給のことの上に立ってそういう処置を認めるという理由を、数量的に時期的に資料をつくって出してもらいたい。われわれは生産農民に説明をしなければならぬ。質問が出たときにどうして答弁したらいいのかわからない。いまのような答弁では理解できない。もっと具体的に数字的にあらわしてもらいたい。そういう資料を早急に出してもらいたい。これを要求して、私の質問の時間が終わりましたので、終わります。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 柴田君にお答えします。  いまの資料要求は、理事会で相談してきめたいと思います。善処いたします。  次は、美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 質問に入る前に要求をしておきますが、私のきょうの質問は、甘味、砂糖類の質問をしたいと思うのですが、きのうから要請をしてあるわけですが、ただいま開かれております甘味資源審議会に提出した資料を配付してもらって先に説明を求めたいと思います。これは従来、審議会が開かれて諮問が行なわれれば、この委員会に説明しておるのは、他の畜産関係でも、あるいは米価でもみな同じであります。同様の措置をとってもらいたい。これを要求いたします。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

坂村吉正自由民主党

○坂村委員長代理 速記を始めて。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 資料がまだお手元にお配りしてございませんで、たいへん申しわけございません。いますぐ参りますが、ただいま十一時から甘味資源審議会を開きまして、砂糖の価格安定の法律に基づきます五十三年度の国内産糖の目標生産費を諮問いたしております。  その内容は、てん菜を原料といたします産糖につきましてはトン当たり十二万七百円、それから、サトウキビを原料とします産糖につきましては十万四千六百円ということでおはかりいたしておるわけでございます。  これにつきましての考え方を先に申し上げさせていただきたいと思いますが、御案内のとおり、目標生産費につきましては五年ごとに定めることになっておりまして、かつて四十年に四十三砂糖年度の目標の生産費を定めております。   〔坂村委員長代理退席、湊委員長代理着席〕 四十四年に四十八年、すなわち現在でございますが 現在の四十八砂糖年度産のものにつきましての目標生産費を定めておりまして、十月以降になりますが、五十三砂糖年度産のものについて目標生産費を今回諮問いたしたわけでございます。  この考え方で、従来と変わっております点につきまして申し上げたいと思いますが、従来は、五十三年度の物価その他の経済事情がいろいろ変動いたしますので、それを織り込みまして目標生産費を定めておりました。しかし、これにつきましては、かつて国会でも審議会でもいろいろ御論議をいただいたようでございまして、今回、こういうように物価変動の非常に激しい中で先を見通すということは非常に困難でございます。したがいまして、今回は、算定時、すなわち四十八年度の価格で目標生産費を算定した。したがいまして、今後四十九年、五十年、五十一年の合理化目標価格を算定いたします際に用います目標生産費の額につきましては、そのときどきの物価その他の経済事情を参酌して、名目的な価格というものを改定して考えていく、こういうことにいたしたいということでございます。簡単に申しますと、先を見通すことは困難でございますから、四十八年価格で表示したいということでございます。この点が非常に大きく違う点でございますが、あとの点につきましては、従来どおり、まず、生産量がどのくらいになるかということにつきましては、四十七年十月に公表されました「農産物需給の展望と生産目標の試案」に基づきまして五十三年の甘味資源の生産目標を定めるということが一つでございます。  それから、それでは目標生産費に使用いたします原料価格をどう見るかということでございますが、これにつきましては、てん菜につきましては、四十九年産の価格が四月にきまっております。一万一千百十円でございますが、その価格を置きました。それからサトウキビにつきましては、四十八年産の八千七百円という数字を置いております。  それから、国内産の製造事業の合理化目標でございますが、これは従来どおり工場の操業率を上げていく、能率を向上していく、それから欠減の低減だとか歩どまりの上昇をはかるというようなことで、てん菜糖、甘しゃ糖についてそれぞれの経費の合理化を考えるという考え方をとっておるわけでございます。   それから、粗糖の国際価格の動向でございますけれども、これにつきましては、御案内のとおり、最近の国際糖価というものは異常な高騰を示しております。したがいまして、かつては二十年間の国際糖価水準を織り込みましていろいろ考えてま  いったわけでございますが、今回は、最近の値上がり時を考えまして、大体四十六砂糖年度以降の三年程度のものを考えながら、ただ、その変動幅というものは長期のものをとっていくというような考え方で、一応国際糖価の最近の上昇傾向を考えるということにいたしておるわけでございます。  そういう考え方のもとに、いまお手元に資料をお届けいたしたと思いますが、てん菜につきましては十二万七百円、甘しゃ糖につきましては十万四千六百円ということで目標生産費を定めたわけでございます。  御承知のように、これに基づきまして明日公聴会にはかかりまして、安定帯の上限下限価格、それから合理化目標価格というものを定めまして、それから、それぞれのてん菜糖なり粗糖の買い上げ価格というものを十月、十一月に向かって決定してまいりたい、こういう考え方でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 まず、最初にお尋ねいたしたいと思いますが、経済企画庁に伺いますけれども、砂糖に対する国際的な需給量はどうなっておるか。どういう見通しに立っておるか。  それからまた、糖価について私どもの聞き及ぶところでは、石油と同じような砂糖産出国の強気条件であるというふうに聞くのですが、これらの見通しは経済企画庁としてはどういうふうに立てておるか。

田中誠一郎経済企画庁調整局調整課長

○田中説明員 砂糖の国内消費量につきましては、先生よく御存じのように、所得水準の向上に伴いまして手々増加しておるわけでございますが、四十八砂糖年度におきましては、国内消費量は約三百万トンになっております。内訳を見ますと、輸入量が二百四十万トンでございまして、国内生産量が約六十万トン、自給率が二〇%ということでございます。  今後の動向でございますけれども、四十六年度のわが国の砂糖の消費量は一人当たり二十七キログラムでございまして、これはイタリアとほぼ同じ水準でございますが、今後所得水準の向上に伴いまして一人当たりの消費量が増大するのではないかというふうに考えております。私どもでは特に砂糖につきましての見通しを立てておりませんが、農林省の試算によりますと、昭和五十七年度におきます砂糖の総需要量は三百八十二万トンから四百十一万七千トンという見通しになっております。この水準でいきますと、一人当たりの消費量がほぼ四十六年のフランス並みということになろうかと思います。このような需要の増大に対処いたしまして、砂糖の安定的供給をはかるために国内生産の確保と輸入の安定的確保が必要である、かように考えている次第でございます。

赤羽隆夫経済企画庁物価局物価調整課長

○赤羽説明員 私どもといたしましては、国際的な糖価の見通しにつきまして非常に詳細に検討しておるわけではございませんけれども、私どもが現在考えておりますことは、ただいま先生が御指摘になりましたような石油の価格と同じような動きになるのではないかといったような点につきましては、若干違った条件がある、そういうふうに考えております。と申しますのは、石油のような場合でございますと、資源が埋蔵資源ということで、これは掘っていけば掘っていくほどなくなっていくものでございますけれども、砂糖の場合には、これは生産が拡大再生産ということが可能な性質のものではないだろうかと考えておる次第でございます。  たとえば砂糖の価格にいたしますと、ちょうど二年前ごろでございますけれども、ロンドン相場で見ましてトン当たり七、八十ポンドということで、現在非常に異常な高さにございます三百四、  五十ポンドというものの五分の一くらいの水準であったわけです。したがいまして、その五倍にもなっているということから考えまして、現在の水準というものは決して生産費の高騰そのものを直接に反映するものではない。したがいまして、異常な条件のもとでの高水準というふうに考えております。もちろん、二年前の七、八十ポンドというものが低過ぎるのではないかという点はあろうかと思いますけれども、しかし、現在のようなこの高水準というものが続くものではない、これだけの高水準があれば当然生産が刺激されて供給はふえるはずである、そういったような非常に教科書的な考え方かもしれませんけれども、そういうふうに考えておる次第でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 現在の世界全体の需要量、それから供給量はどういうふうに把握しておるか。

田中誠一郎経済企画庁調整局調整課長

○田中説明員 世界全体の生産は、七三、七四年度で八千百二万トン、前年度比で四・九九%増でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 生産量はわからぬですか。それに対する需要はどういう動向にあるか。

田中誠一郎経済企画庁調整局調整課長

○田中説明員 消費量は、同じ年度に八千百六万八千トンでございます。前年度比三・八%増ということでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 もう一つお尋ねいたします。  三百五十ポンドの砂糖を輸入して——これは粗糖価格ですね。これを精製糖にすると精製糖原価は何ぼになるか。蔵出し原価ですね。消費税をかけない前の原価は何ぼと計算されておるか。

赤羽隆夫経済企画庁物価局物価調整課長

○赤羽説明員 三百五十ポンド、計算いたしますと、大体二十五、六万ということになろうかと思います。そういたしますと、キログラム当たりで言いますと二百五、六十円ということになります。先ほど申しましたように、三百五十ポンドというようなのは異常な相場水準であるということを考えておりますので、それがもろに生産費の中へ織り込まれるということはないというふうに考えておりますけれども、単純に三百五十ということを前提にして、機械的に算術計算をすればそういうことになるだろうと考えます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 次に、農林省にお尋ねいたします。  今回、五十三年までの国内産糖の目標生産費がただいま審議会に諮問されておりますが、まず、第一点にお伺いしたいことは、ことしの一万一千百十円のてん菜価格で、てん菜を耕作する農民のいわゆる家族労働費は一時間当たり何ぼに該当するか。これはパリティ方式をとっておりますから、何ぼ保証しているかという表現は抜きにして、何ぼになると計算されておるか。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 ただいまのところの計算によりますと、概数でございますが、一日当たり約四千七百円程度になるのではなかろうか、こういうふうに考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 一日は八時間ですか。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 そのとおりでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 それは、私どもがちょっと計算すると、そういうことにはなりません。四千七百円で八時間ということになると、幾らになりますか。−六百円労賃、そういうことにはならぬわけですがね。そういうことにはならないと思います。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 計算でございますので、ちょっと申し上げますが、いまのてん菜糖の価格一万一千百十円に、反収を四・九三八トンと見まして、それから所要経費三万六千円を差し引きまして、それを労働時間——おそらくこの辺か違ってくるのではないかと思いますが、生産費調査で見ました三〇・九時間で割りまして一時間当たりが出ます。それを八倍いたしますと四千七百七円という数字が出るわけでございます。私はその数字を申し上げたわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そういう計算にならぬのじゃないですか。なりますか。大体、統計情報部で発表しております家族労賃を除いた生産経費二万八千四百三十八円、これに政府の計算、ことしの一二九・八ですか、一三〇%パリティをかけますと、三万六千八百六十九円四十銭が家族労働費を除いたものですね。それから一万一千十円に、私は四・三トンと思っておりますから、一応四・三トンをかけますと四万七千七百三十円です。それから経費を引きますと、残るものが、十アール当たり一万八百六十一円が家族労働費に該当する。これを私どもは統計でもよく言っておりますが、きょうは統計の問題は時間の関係でやりませんけれども、付帯労働費がほとんど入っていないわけですそこの見方は若干違います。私どもは付帯労働費を入れて三十五時間と計算します。片方、統計情報部は三〇・九時間ですから、ちょっと繰り上げて三十一時間ですね。どちらで割っても六百円なんかになりっこないわけです。一万八百六十一円を三十時間で割っても三百円ちょっとですからね。ですから、私どもの計算では三百十円となるわけです。一時間当たり三百十円、八倍すれば三千円にはならなくて、二千四百円ちょっとですね。六百円などというものになっていないということですね。したがって、いま、どうですか。春闘が終わりまして、人事院の勧告も出ました。現在時点における、人事院勧告は別として、これは労働省が発表しておりますから、あなた方はこういうものは全部価格計算上とっておると思う。五人規模労賃、五人から五百人規模労賃、五人規模以上の製造労賃、この三つを私どもは調べておりますけれども、あなた方はどういうふうにこれを押えておるか、御説明願いたいと思います。沖繩が要求してきておるのは、サトウキビは五人規模労賃で六百四十七円十五銭を要求してきております。これは今時点の正しい計算だと思います。沖繩が今回サトウキビ価格を要求しておる計算の基礎は、一時間当たり六百四十七円十五銭で要求してきております。こういう低賃金保証の価格では、てん菜を耕作して生計費が得られないわけです。それは、三百円ありますからゼロとは言いませんけれどもね。ですから、てん菜の耕作は減るわけです。あのてん菜耕作という重労働をして、一時間三百円や三百十円労賃では生計費が得られないから耕作をやめる。ですから、ただいまこの五カ年間の目標を定めるにあたっての変動はもちろん見きわめられないから、一応現時点の価格で目標生産費を出して、変動は弾力的に変えるという説明を受けたわけですけれども、こういう安いものを基礎にきめて、いままでやってきました従来の計算方式で、これにパリティや何かで上積みしていったのでは何ぼにもならぬわけです。七万ヘクタールどころか、来年は五万ヘクタール以下になるのでないですか。これをきめて、これに従来方式の計算で、こういう物価狂乱の中で、従来砂糖類でやっておる計算方式で、てん菜やカンショのいわゆるパリティアップを従来方式の計算でしたとするならば、これは対応できないから、甘味作物をつくって生活ができないです。結局は、明年は大幅に減少すると思います。いつか申し上げましたけれども、農林水産委員会で沖繩視察をしたときに、あの八重山群島に行ってびっくりしたわけですね。復帰の直前は二十万トンのサトウキビをつくっておった。ことし行ってみたら九万トンです。サトウキビ畑の半分以上は荒廃してしまっている。出かせぎに出ちゃっているわけです。サトウキビの耕作を投げて出かせぎに出てしまっている。こうなってしまうんじゃないですか。これをもう少し現況に合う価格に直ちに修正しなければ、たとえばてん菜であれば、ことしの売り渡し前に——少なくとも、いわゆる五人規模労賃で計算しても六百四十七円です。五人規模から五百人規模で計算すれば七百円です。そういう生活でき得る賃金にもう一ぺんこれは告示修正をして、そして、先の推定はいまインフレの動向や何か見通しがつかないから、推定は困難であるから、一応現況をもって五十三年まで目標生産費をきめて、変化はそれに応じて修正していくんだというのであれば、耕作は減退しないと私は思います。先ほどの経済企画庁の話でも、国内自給は六十万トンを目標とする。その政策だけで六十万トンを目標にする。ここに書いてありますように、サトウキビ、てん菜の生産は七百万トン、一工場当たり三十六万四千トン、それぞれの目標を立てて諮問しておりますけれども、現実が伴わないですね。そこをどう考えておりますか。こんなことではだめだ。サトウキビもてん菜も、全然耕作をなくしてしまう。これはもう話にならぬ諮問だと思うのです。どうですか。まず第一番に、直ちに、これからきめるサトウキビに価格、これは前年度の八千六百円で計算されておりますが、これからきめるわけです。てん菜についてはもう一ぺんやり直す。三百十円や三百二十円の一時間労賃でてん菜をつくりなさい、六十万トンの砂糖の国内自給を目標にする、七万ヘクタールのてん菜耕作を明年してくれという、そのものが無理でないですか。生活できない条件でつくれと言ったって、働く以上は何といっても生活が優先ですから、生活ができない条件で耕作することは不可能ですから、そこをどうお考えになっておりますか。今回の諮問は諮問として、現況把握で諮問したんだ、しかし、これは直ちに修正をしなければならぬ、こうなるわけですが、そこはどうお考えになっておりますか。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 今回の諮問との関連におきましての問題について第一点にお答えいたしますが、今回の諮問は、一応現在きめられております生産者価格をもとにして目標生産費を出したということでございまして、そのこと自身がどうということにはならないわけでございます。  それで、先生の御指摘の第二の問題といいますか、主眼点であろうかと思いますが、サトウキビなりてん菜の生産者価格をどう考えるのかという御質問でございますが、これにつきましては、従来の算定方式につきまして、いま先生の御指摘のようないろいろな問題もあろうかと思います。また、パリティのとり方等についてもいろいろ問題はあろうかと思います。まあ、しかし、この問題につきましては、てん菜につきましては、北海道の輪作体系の中になくてはならない、一つの大きな、重要な作物であるという認識も私ども持っております。それから、沖繩につきまして、サトウキビというのはあるいは米にかわる重要な作物であるという認識も持っております。また、自給率を今後なお高めなければならないという点についても認識しておるつもりでございます。そういう事情がございますが、たとえて言いますと、今年産のてん菜が作付が著しく減少をしております原因もなおいろいろ詰める必要があろうかと思います。そういう問題も含めまして、適正な価格というものを今後毎年決定をしてまいるという考え方で私ども対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 角度を変えて一つお尋ねしたいと思いますが、砂糖の価格安定等に関する法律の二十一条の三項の、「最低生産者価格は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、」告示の再改定をしなければならないという、この「著しい」という解釈はどういう解釈をしておりますか。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 御質問の糖安法の二十一条の三項の規定の問題でございますが、これにつきましては、一応公定解釈といたしましては、収穫の完了までの間における物価の急激な上昇等の経済事情の激変の事態かあって、それによっててん菜の生産地域全般を通じて見た場合に、てん菜の再生産の確保に著しい支障を来たすものと認められるような経済事情の変動が生じたりするという、そういうことの要件があれば価格を改定しなければなるまいというふうに考えているわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、この計算された一時間当たり労賃は、どう計算してみても、一時間当たり三百十円、いわゆる男女込み製造業労賃の半分、五〇%以下ですね。こういう条件というものは「著しい」と私どもは判断せざるを得ないわけですが、どうですか。

森整治農林省食品流通局長

○森説明員 先ほど先生から御指摘のありました数字と私どもが計算をいたしました数字を一応突き合わせながら考えてまいりますと、一つは、大きな問題としましては、労働時間の問題に一つの大きな違いがあるようでございまして、先ほど私どもが申しました計算で若干経費等の違いがございますが、私ども、たとえば経費につきましての、生産費の二万八千四百三十八円という経費をパリティといたしまして経営パリティとりまして二八・九八%上がっている、こういうふうな見方をしております。その点も違いますし、労働時間の見方も違います。ことに、付帯労働になりますと、御承知のようにいろいろな議論があろうかと思います。先生の御指摘のような御意見もございます、いろいろありましょうが、いずれを計算いたしましても、六百円といいますと、五百幾らの、厳密に申しますと五百円台の数字でございますけれども、先ほど御質問もございまして、あわせてお答えいたしますけれども、家族労働の評価等も、私どもが計算したところによりますと、これは北海道製造業でございますが、五人以上全規模をとりますと、一時間当たり四百七十六円というような数字になるようでございます。そういうような点から見てまいりまして、いまの価格そのものが必ずしも先生御指摘のような「著しい変動」かどうかという点については、この面からはちょっと申し上げられないのじゃないかと思います。  それから、もう一つ、そういう御意見がかねがね北海道の農民の間から出ております。そこで、その後のいろいろのパリティの変動を二月以降見てまいりますと、大体二月で二九・四四上がっております。三月で、対前年同月比でございますが、二七・三四、四月で二七・八九、五月で二八・〇六、六月で二八・三八というような程度でございまして、その後著しいパリティの上昇の変動があるかといいますと、必ずしもそうも言えないのじゃないか、その面からも、三項の発動の要件に該当するかどうかにつきましては若干疑問を持っておるというのがただいまの見解でございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いまパリティの話が出ましたが、そういうパリティではないと私は思うのです。それはどこでどういうふうにとっておるかわかりませんが、これは問題だと思います。たとえば、最近きまったたばこは四四%でしょう。米も、生産経費のほうはパリティです。労働費のほうは五人以上五百人規模労賃で諮問案ができたわけですね。四〇%余りパリティ。ビートのパリティだけそんなに下がるというのは理解できません。したがって、そこにも問題があるわけです。ことしの春きめたいわゆる家族労賃を除いた生産経費のパリティが現実に合っておるかどうか。私どもは合っていないと思うわけです。二八ぐらいのものじゃありません。これは、たとえば使う機械類であれば五割も上がっておりますし、肥料でも三〇%でしょう。一番多くかかる肥料が三〇%の値上げ、油類は二倍何ぼですね。機械に使う燃料類、どこを押えても二八なんかというものはないですね。それ以上のものばかりなんですよ。そういう計算は、いま、答弁として、私はそうですかと言うわけにはちょっといきません。ですから、それは五百円なんかになりっこないわけです。付帯労働だって四時間ですからね。たとえば、三十一時間で割っても五百円にはならぬわけです。パリティは、一応前年度の統計情報部の発表された家族労賃を除いた経費で三〇ですから、それ以下ということはありません。たとえば、私の申し上げておる付帯労働時間を四時間見て、それを三十・九時間ですから、三十一時間で割ったって四時間ですから、そんな五百円なんかになりっこないのですよ。私が指摘しておる三百十円が二十円かそこら上昇するだけです。これは四百円にもならないということです。五百円をこえるなどというのは、どこを押えたってそういうことになりません。どう計算をとってみても、論争点は四百十円か四百五十円ぐらい、そこらの幅なんですよ。ことしのてん菜が五百円に見合う労賃になるということはないのです。  それからまた、ことしの収量は、ことしはてん菜の発育が非常に遅延しておりますから、温度が高くて発育が大かた満度になっておった最近のてん菜とことしは違います。ことしはまだはっきりわかりませんけれども、ことしの収量は四十トンをあるいは割るかもしれません。ヘクタール四十トンを割るのではないかと私は見ておるのです。届いても四十トンになれば上々ではないでしょうか。ですから、過去五年間平均して四十三トンという収量で基準収量が計算されるのはその辺であろうと思いますけれども、今年に限っての収量は、それはもう四十三トンにはなりません。ことしだけのことを言っておるわけじゃないのですが、そういうふうに計算すると、五百円なんかになりっこないのですよ。だから、著しく下回って、てん菜の再生産が、この価格を基準にしてこういう生産目標を出して、そしてまたこれにパリティをかけたのではどうにもならぬのです。  たとえば、ことしの賃金が三〇%上がったと仮定して、基礎が五百円に上がって、三〇%かければ百五十円になるわけですが、三百円の基礎に三〇%かけたら九十円しか上がらないのです。ですから、パリティそのものの指数の矛盾よりも、年々、このてん菜を、目標生産費の関係から不当に上がらないように計算をして押えつけて、今日まじめに計算してみたら、三百円少々の一時間当たり労賃にしかならないということははっきりしているわけです。それをまた基礎にして生産目標価格というものをつくって、物価の変動率を上げますよと言って、たとえばことしのパリティはどうなるかいまわかりませんけれども、これから消費者米価も上げる、あるいは国鉄運賃も上がるということになると、ことしもやや物価狂乱に近い物価上昇をするのではないですか。たとえば来年の三月にいって二〇%上がった、世間の並みの賃金も全部二〇%アップされた、あるいは三〇%アップされたとして、どこをとってもいいわけですが、たとえば仮定して三〇%と計算して、この時点で六百円に上げておけば百八十円、三〇%のパリティをかけて上がるのです。この時点で三百円の労賃に据え置いて——三百十円か無理であれば三百五十円と言ってもいいですが、論争の点は三十円か四十円でありますから、五百円なんかになりっこないのです。三百円労賃に三〇%をかけたら九十円しか上がらない。ですから、基礎の低いものにその率をかけたら、いわゆる他産業との格差はますます拡大していくわけですね。だから、てん菜はつくれないと私は言っている。そういう政策をとったとしたら、来年は北海道のてん菜は二万ヘクタールぐらい減ります。沖繩のカンシャも、ますます出かせぎに出てしまって荒廃していきます。サトウキビなんかつくりっこないですよ。だから、いま直さなければだめだと私は言っているのです。たまたまサトウキビは価格の決定時期である。てん菜についても、ことしはどうしてももう一回やり直す必要がある。それをやらないで、どうして六十万トンの自給ができるか。  たとえば、てん菜を一万五千円に引き上げて計算しても、砂糖トン当たり十四万六千円ぐらいでしょう。砂糖というのは食糧のエキスですから、玄米と比較しても安いですよ。玄米よりも精製された砂糖が玄米よりも商品価値が下だなどということはあり得ません。米との比較においても、その他の食品との比較においても、これは高いというものではない。  もう一つは国際糖価ですね。国際糖価の現実の推移は私もそう考えております。三百五十ポンドというものが固定した価格だとは考えておりませんけれども、とにもかくにも三百五十ポンドしておる。日本の砂糖の需要もそういうふうに増加する。国際的な砂糖の需要も、発展途上国のいわゆる消費というものは増大すると思います。文化のバロメーターですから、多少生産は伸びても、砂糖は当分売り手市場だろうと思います。三百五十ポンドの現在の価格で計算したら、先ほどもお話しがありましたように二百五十円だというのですよ。これは二百五十ポンドで計算しても百六、七十円になるでしょう。三百ポンドで計算すれば二百円になるわけですからね。こんな三百十円に据え置いて、百二十円という糖価に押えつけて、そして糖価安定事業団がこの間きめたのは、安定指標が二百三十一円でしょう。あれでもいまの糖価では精製糖のほうがもっていけないと私は考えておりますが、それは異常に高いというのだから、その論議は据え置いても、何のために三百十円に据え置いて、糖価安定事業団がいわゆる市況の実勢価格との間をさや取りして、そしててん菜や耕作しておる者の労賃を三百円台に押えつけて、経済上つくれないような条件に追い込んでいかなければならぬのか、わかりません。大蔵省はそういうところも見ておるのですが、ちょっと主計官の意見を承りたい。そんなことをあくまで大蔵省は財政担当で指揮してやるというのか。てん菜糖や何かから、農民の労賃は三百円台に計算する。相違は二十円か三十円ですからね。世間は全部六百円、七百円になっておる。その半分の労賃で押えつけておる。あくまでこの国内産糖からしぼり取らなければならぬのか、どうなのか、そこまでやらなければ国の財政はもてないのか、その見解を承りたい。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  先ほど来先生の御意見を承っておりますと、労賃の問題で比較をなさっていらっしゃるようでございますが、これは私もちょっと詳細な資料はございませんけれども農林省の答弁によりますと、五百円あるいは六百円近いというような見解の相違があるようでございます。これは反収の見方とか、あるいは経費の見方その他で違ってくると思いますので、この点ははっきりいたさなければ議論のスタートがちょっと食い違っているのではないかというふうに感じております。  それから、国内産糖につきましては、先生御承知のように、今回の目標生産費とは直接は関係ございませんで、これはパリティによる価格を算定いたしまして、それは農民の最低生産者価格でございますが、それに、所要の粗糖でございますれば製造経費、あるいはてん菜糖でございますれば、その精製糖までの経費を加算いたしまして、そしてそれを糖価安定事業団が瞬時タッチで売買するわけでございますが、何せ、国際糖価が、先ほど来御指摘のございますように、いまかなり高うございまして、国内産糖と比べた場合に下回っているという結果になっておりますけれども、これは秋の生産者価格をまたきめ、ないしは、ビート糖につきましては工場からの買い入れの価格をきめるわけでございますが、そのときにそういった事情は十分勘案いたしまして決定してまいらなければならない、かように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最後に申し上げておこうと思いますが、てん菜の家族労賃が五百円以下ですね。私の提示しておるのは、三百十円と言い切っておりますが、それは計算のとり方で三十円や五十円は違いますと言っておる。五百円、六百円だとあなた方は言っておるが、これは見解の相違では済まされぬと私は思いますが、きょうは時間の関係でこの委員会で決着をつけませんけれども、もし、そこが違っておった場合にどうしますか。そんなことを言って、責任をとってくれますか。いやしくもここは国会ですからね。私も厳密に計算しておるわけです。今度局長も北海道視察に行くということだが、計算のとり方が違うとか、見解の相違だとか、と、そういう事実に相違する変なことを言って、このまま推移して、てん菜の生産あるいはサトウキビの生産を崩壊に追い込むという行政だけは許せぬと私は思うのです。言うならば、これは憎むべき罪悪だ、日本の経済のために、国益のために、これは罪過を犯そうとしておるのではないかとさえ私は言いたいわけです。  きょうはこの程度にとどめますけれども、この問題はもう一ぺんあなた方もよく計算してください。てん菜については、サトウキビの決定と同時にすみやかに価格改定をするべき著しきものだと私は思います。同じ農林省の中でも、経済上の「著しい」というのは、たとえばあの加工原料乳の、いわゆる指定乳製品の価格支持にあたって上下五%でしょう。五%指標価格より市況が悪化したら、自動的に事業団が買い上げる。いいですね。ことし新たに畜産局から提案しておりますところの、いわゆるえさの安定に対する、家畜の飼料に対する安定基金制度、親基金を政府が出す、これも私どもは五%と言いたいけれども、いま大蔵に要求しておるその原理は八%ですよ。五%か八%で「著しい」という見解を他のほうはとっておる。いいですか。砂糖類価のほうは一〇%、あるいは労賃部分について申し上げますならば五〇%近い。あるいは、あなた方の見解を多少いれても四〇%近い相違が出ておるものを「著しい」とは解釈できませんなんというそらっとぼけた態度は許されぬと思います。これは砂糖の自給を破壊する根源だと思う。六十万トンの国内自給なんかということは、そういうことではできっこないということであります。十分に検討してください。次の機会にこれはまたやりますからね。そういうことで、きょうは見解の相違だとか何だとかいう答弁では私は了解しませんから、これから先も事あるごとに、小委員会に入ってもこれは追及していきますから、覚悟しておってもらわなければならぬ。それが違った場合には、場合によっては責任をとってもらわなければならぬと思います。軽率なことを言ってもらっては日本の国益に反するですよ。とんでもないことが起きると思うのですよ。いまは答弁は要りません。強く要求しておきます。  以上で終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊委員長代理 それでは、諫山博君。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、九月一日から一週間、鹿児島県の農業問題を中心に現地視察をしてきました。そして、自民党政府の農業政策が南九州の農民の生活をどのくらい破壊したかということをまのあたりに見てきたわけであります。  そこで、きょうは数点について質問いたしますが、第一、鹿児島県では現在もカンショが畑作の中心になっています。ところが、カンショの破壊状況というものは惨たんたるものであります。私が調査した鹿児島県出水市で調べてみますと、カンショの作付面積が昭和三十九年は千十ヘクタールで、昭和四十九年は百六ヘクタールで、十年の間に十分の一になっているわけであります。さらに、鹿児島県でカンショの一日当たり家族労働報酬が幾らになっているのか調べてみたところが、昭和四十七年が九百八十四円で、米作の三五%であります。これでは、南九州の畑作物の中心であるカンショを政府が大事にする政策をとっているとは思われません。農林省は南九州のカンショをどうするつもりなのか、ご説明下さい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 カンショの生産の動向についてでございますが、ただいまは出水の例でございましたが、鹿児島県全体の動向で申し上げますが、確かに、鹿児島県におきまして、カンショの作付農家数、それから販売農家数、さらに作付面積、これは減少をいたしていることは事実でございます。しかし、他方、これに対しましてふえた作物もあるわけでございまして、カンショが減少いたしましたのは、もちろんカンショと他作物とのいろいろの比較性がございますが、他方、飼料作物、野菜、茶、桑、陸稲というものに転換しているわけでございまして、したがいまして、畑作全体といたしますと、いわば作物間の転換でどれを選ぶか、これは営農の問題でございますということがございましたものですから、カンショの減少ということは事実でございますが、同時に、他作物のふえている状況、両者彼此勘案いたしまして考えなければならぬ問題だというように考えているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私は、昨年、イモでん粉価格の小委員会で同じような問題を論議しました。そして、南九州でカンショが栽培されるには、それなりの地理的な条件があっての上のことだということを強調したつもりでありますが、この問題でカンショの用途を拡大するということを農林省としては真剣に考えなければならないと思います。  そこで、私が調査に入った出水市にアルコール専売工場があるのですが、ここでは現在でも原料としてカンショを使用しています。使用量を見ますと、昭和三十八年が約七千キロリットル、昭和四十八年が約一千キロリットル、十年の間に使用量が七分の一に減少しているわけであります。なぜカンショの使用量が減少したかという点について、通産省のアルコール事業部の書いた「アルコール専売事業概況」の中には、カンショのほうが他の原料に比べて価格が割り高だからということが強調されております。確かに、政府の統計によりますと、アルコール原料としては、カンショは糖みつなどよりも高くなっているようです。それに。しましても、カンショと糖みつの価格の差というものは年々狭まっています。たとえば昭和四十年は、アルコール一キロつくるのに、カンショの場合は六十円、糖みつの場合は四十一円という数字が出ていますが、昭和四十七年には、これが八十二円対七十円というふうに差が狭まっております。最近では糖みつの価格が非常に上昇しているというふうに言われておりますが、現在、カンショによってアルコールを生産する場合と、糖みつによってアルコールを生産する場合、どのくらいの価格の差があるのか、通産省のほうから御説明ください。

森川武通商産業省基礎産業局アルコール事業部業務課長

○森川説明員 いま、私どものほうのアルコールは、御指摘のように糖みつとなまカンショを使って生産しているわけでございますけれども、現在のコスト比較をいたしますと、なまカンショのほうは、農林省の御指導されている価格で購入いたしますと、アルコール一キロリットルつくりますのに、カンショの場合は約九万円かかります。それから、糖みつの場合は約八万二千円から八万三千円ぐらいでございます。現在、糖みつを使ったほうが原料費は若干安いわけでございますけれども、なまカンショのほうの場合は国産原料でございますし、糖みつのほうは輸入原料でございます。私どものほうの原料を全面的に輸入原料に依存いたしますと、原料の安定的確保という将来のことを考えますと、現在は糖みつのほうが有利でございますけれども、将来まで考えますと、必ずしも糖みつばかりを使ったほうが有利とばかりは申せないと思います。  そういったことで、私どものほうも、地域社会とのつながりを深めるとかいった意味で、できるだけカンショを使うという方向で進めているわけでございますけれども、なまカンショを使いますと公害問題が非常にきびしくて、いま御指摘がありました出水市の場合、この七月から公害規制が約四倍に強化されまして、なまカンショを使いましたのでは、その排出排水の規制値にとても合格するわけにはまいりません。そういうことで、私のほうもなまカンショを使った場合の技術開発をいま進めておりまして、一つの方法は、現在では、なまカンショを使った場合の公害処理といたしましてはメタン発酵法という方法をとっているわけでございますけれども、この方法によりますと、廃液の中に入っています有機物の九〇%はとれますけれども、まだ一〇%ぐらい残っているわけです。この一〇%が残っていますと、現在の排水規制値には合格いたしませんものですから、別の処理方法を考案しなくてはいけないということで、私どものほうが現在いろいろと研究しています方法は、廃液を濃縮いたしまして燃焼しようという方法がまず第一でございますが、この場合問題になりますのは、濃縮しますと非常に粘度が高くなりましてノズルが詰まってしまうということと、それから廃液の中に繊維質が入っておりますので、これを除かないととても燃やせないということで、その繊維質をいかにして除くかという方法を考慮してございます。  それからもう一つの方法は、セメントの減水剤といいまして、コンクリートの……(諫山委員「簡単に説明してください」と呼ぶ)はい。そういったセメント減水剤、それからあと鋳物砂を固める方法に使うとか、そういった方法によりまして廃液を処理する方法をいろいろと研究しているところでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私たちは、アルコール専売工場から公害が出ることには絶対に反対です。そして、この問題については、農民団体、漁民団体が、公害のないようなアルコール製造方法を研究してもらいたいという要望をかねて以前からしているはずです。現在の科学の発達した時点で、本気でこの問題に取り組もうとすれば解決できないはずはないと私たちは思います。現に政府としても研究は進めているそうですが、何しろ、出水市を例にとりますと、十年の間にアルコール専売工場でのカンショ使用量は七分の一に減った。そして、カンショの作付面積は十年の間に十分の一に減った。こういう状態を考えますと、地元の特産物を原料として優先的に使用する、同時にまた、公害が絶対に起こらないような工法を科学の粋を集めて研究するということが南九州の農業振興のためにいまきわめて必要だと思うのですが、そういう立場で進めていただけるのかどうか、結論だけお聞きします。

森川武通商産業省基礎産業局アルコール事業部業務課長

○森川説明員 できるだけ御趣旨に沿いまして、この公害処理の研究も今後とも一生懸命にやっていきたいと存じております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いま、通産省から、できるだけ地元のカンショをアルコールの原料として使用していくように努力したいという意味の答弁がありましたが、農林省としては、カンショの用途拡大という面から見て、この点はどういうふうにお考えでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 カンショの用途には、いわば生活、生食用がまずございますし、それからさらにでん粉用があり、量として圧倒的なのはでん粉用でございます。したがいまして、このでん粉をさらに多用途——これは用途によりまして、糖みつとかあるいはコーンスターチのでん粉とも競合するわけでございますものですから、もちろんこれには価格関係がございますが、そういう条件の中で許容する限りカンショでん粉の需要をふやし、それによりましてカンショの需要を拡大するという方向で各般の努力をしてまいりたいというふうに考えます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 鹿児島県では、くだものの中で王さまの地位を占めているのはミカンです。ところが、全国的にミカンの過剰生産が大問題になっています。一昨年が全国で三百五十六万トン、昨年が三百三十八万トンという統計が発表されているようですが、この数量は農林省としては適正な生産高だと理解しているのか、過剰の生産高だと理解していたのか、どちらでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 これは、四十七年は非常に天候条件に恵まれまして、生産が非常に増加いたしました。その意味におきまして、四十七年の生産量は、結果としてこれは過剰になったというふうに理解いたしております。同時に、これは表年でもございました。それから四十八年は裏年でございますが、裏年にしては生産量は多い。これはもちろん引き続き天候に恵まれたこともございますし、過去において植栽面積がふえたということの反映もございますわけでございますが、いずれにしろ、天候に恵まれて生産は多かった、裏年にしては多かったわけでございまして、価格条件としては多少小康を保ちましたけれども、望ましい価格水準という面から見ますればこの生産量は多かったというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 今年度のミカンの生産高は、八月一日現在の収量見込みとしては三百八十七万トンという数字が公表されました。さらに今後摘果の奨励などでこれを三百六十万トンぐらいに減らそうということが考えられているようですが、私たちから見ますと、過剰生産だからミカンを減らさなければならないというのは、まさに農業政策の退廃を示していると思います。摘果というのは過剰対策だけではない、品質対策もあるのだということが言われているようですが、それでも摘果の中心的な課題がやはり過剰生産対策に置かれていることは否定できないと思います。そこで、ミカンが満々と実っても農家が苦労しなくて済むような農業政策を私たちは政府に期待するわけですが、この点でどうしても私たちが問題にせざるを得ないのは、ちまたにアメリカのミカン類がはんらんしているということです。  最近の一年間、グレープフルーツ及びオレンジがアメリカから日本にどのくらい輸入されたのか、数量だけをお知らせください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 グレープフルーツの輸入量でございますが、四十六年が約一万一千トン、四十七年が約九万一千トン、四十八年が約十万九千トンという状況でございます。これは御案内のように自由化をいたしております。  それからオレンジでございますが、これは割り当てでございまして、割り当てのワクがございますが、結果としまして輸入された量は、四十六年が約七千トン、四十七年が約一万三千トン、四十八年が約一万六千トンという数字になっております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私がミカンをつくっている農民と話すときに必ず出てくるのがこの問題です。国内ではミカンがとれ過ぎて困った困った、生産調整だということが騒がれているのに、アメリカからのグレープフルーツの輸入というものは年々増加している。そして、このアメリカからのグレープフルーツの輸入が、アメリカ政府のさまざまな圧迫と関係があるということはもう新聞などでも報道されているとおりですが、この点について、農林省としては、何らかこれを制限して日本のミカン農民の生活を守るというような措置をとっているのかどうか、お聞きしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 ただいまグレープフルーツ及びオレンジの輸入量の動向を申し上げました。これに対しまして、国内産の温州ミカンの生産量は先ほどのような数字でございまして、数量的には圧倒的に国内産が多いわけでございます。同時に、また、輸入のかんきつ類と競合いたしますものは、温州ミカンよりもむしろ晩かん類が直接の影響を受けやすいものでございます。したがいまして、グレープフルーツは四十六年に自由化いたしましたが、その際、国内のかんきつ類の出回り最盛期は十二月から翌年五月でございますが、その間につきましては関税率を二〇%から四〇%に引き上げるという措置を講じたわけでございます。あわせまして、最も影響を受けると考えられまする普通ナツミカンの改植及び晩かん類の生産、流通対策の拡充という措置を講じてその施策を進めてまいったわけでございます。したがいまして、こういった対策の効果もございまして、かたがた需要の動向もございまして、グレープフルーツの輸入量はいまのように増加はいたしておりますが、それは国内の晩かん類を圧迫したというわけではございませんで、国内の晩かん類は、これは面積はむしろ微増の傾向にございまして強うございますから、これは需要も微増の傾向にございますし、それから販売価格も比較的有利な動向で販売されておる、いわば影響はほとんど見られない、むしろ需要が伸びておるという動向がございますものですから、ここでグレープフルーツの輸入を規制するという考えはございません。もちろん、他方におきまして温州ミカンは、これは直接競合するわけではございませんが、温州ミカンの需給調整につきまして、生産の調整、あるいはまた需要の拡大につきまして各般の施策を総合的に講じてまいりたいというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 アメリカのグレープフルーツの輸入を規制するつもりはありませんという答弁を農民の人が聞いたら、いまの政府の農業政策をとても信用する気にはならないと私は思います。とにかく膨大な量が輸入され、これが日本で消費されているわけですから、ミカン類を圧迫しないというような発想が出てくるほうがふしぎなくらいです。この点については強く農林省の反省を求めます。  さらに、これと対照的なものが、ミカン類の外国に対する輸出がほとんど伸びていないという問題であります。この数年間、ミカン類の外国に対する輸出は伸びていましょうか。統計的に御説明ください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 まず、前段でございますが、特にここで規制する考えはないと申し上げたことにつきまして御意見がございましたが、私が申し上げましたのは、全体の生産量の動向、需要の動向、その中におきまする輸入かんきつ類の動向を述べて、それが直接的に国産の晩かん類に対して悪い影響を及ぼしていないということを申し上げまして、したがいまして、ここで輸入を規制する考えはないということですが、もちろん、基本的に考えまして、国内産のかんきつ類が不当に圧迫されるということにならぬように各般の対策を講じておるわけでございます。  それから、第二の問題で、輸出でございますが、かんきつ類の輸出については各般の努力はいたしておりますが、価格条件、嗜好条件等もございまして、おおむね年々約二万トン程度で推移いたしておりまして、特に年々ふえているという動向にはございません。これはなお価格問題、嗜好問題がございますが、各種の普及宣伝も通じまして少しでもふやしたいと努力はしておりますが、当面、年々ふえておるという現象ではございません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 アメリカ政府の日本に対するさまざまな圧力、農林省が日本のミカン類の輸出について、せめてあの程度の強さを持っておったらもっと事態は解決できるのではないかというふうに私は考えております。さらに、ミカンの問題で私たち共産党が一貫して主張しているのは、価格保障制度を確立しなければならないという問題です。この問題について、新聞などでも、いまのままではもう放置できないから政府もいろいろ手直しを始めた、価格保障の面についても、流通あるいは生産の面についても、もっとミカン類に予算をつぎ込まなければならないという方向をとろうとしているかのように報道されていますが、実情はいかがでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 御指摘のように、ミカンの価格の安定をはかるということは、これはきわめて重要なことでございます。そのためにまず基本的に重要なことは、ミカンは御案内のように永年性作物でございますから、需要に見合った植栽をするということ、あるいはまた隔年結果を防止して豊凶変動をならすということ、こうやって生産を安定させる、いわば需要に見合って生産を安定させるということが基本的に重要でございますので、そのために従来から各般の施策を講じていたわけでございますが、さらに、最近の需給動向にかんがみまして、需要の動向、さらに生産の増大の傾向をもう一度十分検討いたしまして、計画的な生産を一そう強力に進める。それからまた、その場合に、たとえば需要の増大にもつながるわけでございますが、優良品種への転換あるいは晩かん類等への転換ということも進める、それからまた、短期的には摘果の推進をいたす、こういうように考えておりますし、さらにまた、いまの生産面でございますが、流通面におきましては出荷の調整をする。これは出荷体制の整備もございますし、それからまた、貯蔵庫等による出荷の調整もございます。こういったことで計画出荷を進めるということと、さらにはまた、需要の拡大にも資しますと同時に、生果の価格の安定にも資することになりまする加工ジュース、かん詰め等の加工対策、これを強力に進めてまいりたい。そういうことで、従来以上に生産、出荷、加工面の対策を拡充いたしたいということで、来年度におきましては予算措置等も大幅にふやしたいということで施策を進めているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いまのような措置に私たちは賛成ですが、むしろ不十分ですから、もっとこれを強めてもらいたいという希望を述べたいぐらいですが、さらに、この問題で一番農民が求めているのは、なま食用のミカンになぜ価格保障制度をつくらないのかという問題です。私たちは何回となくこの点を政府に要求してきたわけですが、いまこれだけミカンの価格暴落が社会問題になっているとき、農林省はどう考えておられますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 ミカンの価格安定をはかるということが重要であることは、これは御指摘のとおりでございますが、問題は、そのための手段、方法であろうかと存ずるわけでございまして、御案内のように、ミカンの価格は四十六年までは相対的に優位でございました。もちろん、一時過剰で、一年、価格が下がったということがございますが、おしなべて見ますと、四十六年までは相対的に収益差が高かったという傾向があるわけでございます。それが四十七年に至りまして、天候等による原因もございましたが、非常な生産増になって、価格は低落をいたしました。四十八年は、これは裏年でもございまして、多少小康を得ましたが、四十六年までの収益性に比べますと、これは比較的に優位性は失われたということは事実でございます。したがいまして、今後、こういった需給動向を踏まえまして価格安定をはかってまいることはそのとおりでございますが、その手段、方法といたしますと、先ほど若干触れたわけでございますが、ミカンの特性といたしまして、永年性作物でございますから、一番基本になりますことは需給の安定をはかるということ、それには需要に見合った丘生産をするということ、したがいまして、需要をしかとつかまえまして、それに見合った計画的な植栽を進めるということ——おそらくは、従来よりも植栽のテンポは押えなければならぬと考えておりますが、そうやって植栽を計画的にふやすということ、同時にまた、好まれる品種、あるいは好まれる種類への転換も進めるということ、こういう生産面の対策も講ずるということで、いわば需要に見合った生産を進めるということ、さらに、年々の変動、いわゆる表裏に当たりまする隔年結果の変動防止ということ、これとあわせて、需要に見合った生産を長期的にも短期的にも行なうということ、それで需給バランスをとるということ、これが一番基本であろうと考えております。  したがいまして、これを基本といたしまして、さらに年々変動を防止するために出荷調整をいたしまして、それからまた、需要の拡大あるいはミカン全体の価格安定に役立ちまする加工の価格安定対策を講じ、これらを全体として総合的に講ずるということ、これを通じましてミカンの価格の安定をはかってまいりたい。直接的に生果自体をとらえまして価格の安定をはかるということは、これは技術的にむずかしゅうございますし、へたをいたしますと需給関係と乖離するおそれもあるわけでございまして、したがって、私どもは需給に即応した価格の安定をはかるための各般の施策を講ずる、こういう考え方でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 政府の消極的な姿勢に非常に不満ですが、次に、鹿児島県で非常に大きな問題になっている南薩摩の畑かん事業について質問します。  これは最初の計画では、国営事業が昭和四十四年から五十一年まで、県営事業が四十七年から五十二年までとなっておるようですが、現地の実情を見ておりますと、とてもこの期間に完成しそうには見えません。農民の人と話しますと、八年かかるのか、十年かかるのか、十五年かかるのか見当もつかぬ、いつごろまでに完成するのか見通しを立ててもらわないと営農計画もできないと言っておられます。いつごろ完成する予定でしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 国営事業につきましては、現在進捗率三三%ということでございます。したがいまして、今後の残事業量という問題を考えますと、五十四年には完了する予定であるというふうに現在のところ考えておるわけでございます。  それから県営事業、畑総でございますけれども、これは先生の御説明の中にもありましたように、国営より三年おくれて出発しておる。こういうようなことで、現在のところ一割弱という進度でございますけれども、これは総需要抑制という問題との関連でことしの予算の伸びが少なかったということにも基因するわけでございます。  そこで、現在われわれで考えておりますのは、県営事業等におきましても、区画の整備でありますとか農道整備事業であるというような効力の発生の早いものを先にやってまいる、そして、かんがい排水的な、畑かん的なことは国営事業の進度に合わせて進めてまいる、こういうふうなことで進めてまいりたいというふうに考えております。国営を、現在のところ、今後の予算の伸びという問題との関連も一応ございますけれども、五十四年度に完了したいというふうに考え、県営事業につきましてもそれと著しい跛行を生じないようにしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 現地では、畑かん事務所で聞いても県庁で聞いても、いつごろ終わるか見当もつかないという答えのようですが、そうすると、昭和五十四年度には完成するものとして農民の人たちは営農計画を立ててもだまされたことにはならないというふうに聞いていいですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 あそこの地帯というものが、現在、生産性の低いサツマイモが中心になっておるということでございまして、今度の地元の意向も聞いて立てました営農計画によりますと、飼料作物を大幅に伸ばす、あるいは施設園芸、それからカボチャとかいうような野菜を大幅に伸ばしていく、こういうふうな方向で出ておるわけでございまして、畑地総合におきましてもそういうこともありますので、区画整備事業なりあるいは農道整備事業というような畑総の中の部分を先行してやっているということからいきますならば、そういうことへの対応の方向であるというように考えているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私の聞いたことには答えずに、聞かないことばかり説明されているのですが、農民は五十四年度には完成するということを政府の約束として聞いていいのかと確認しているのです。その点はどうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 現在のところ、五十四年度に完了する予定と考えているわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたたちは予定でいいかもしらぬですが、農民のほうは段取りがあるわけですよね。この点は五十四年ということを確言されましたから、そのつもりで事業を進めていただきたいと思います。私は、農民の人から聞かれたら、政府はこう約束しているというふうに言います。  さらに、すでに完成している県営工事の部分でいろいろ不完全な点が指摘されています。たとえば、この間少し雨が降ったら表土が流出した。これが九月一日の朝日新聞でも取り上げられているわけですが、そのほかに、たとえば完成したつもりののりの部面が崩落するとか、あるいは石がごろごろあってなかなか畑作もできないというような状態が農民から指摘されているし、私もその現場を見てきたのですが、こういう点は当然県のほうで責任を持って補修すべきだと思いますが、どうでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 工事施行中に起こりました災害復旧につきましては、事業主体における手直し工事としてやってまいる、こういうことでございます。  それからなお、先ほど私が五十四年ということを申し上げましたが、これは国営事業についてでございますので、念のため申し上げますと、現在のところ、県営畑総については五十六年というふうに御理解願いたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 朝日新聞で表土の流出が取り上げられ、それに対する畑かん事務所の説明として、工事の初期にはこういうものはよくありがちだというような、何か人ごとのような表現がされているのを御存じですか。ほんとうにああいうことは避けがたい問題なのか、それとも、もっと万全な工事をすれば避けられるのか、どうなんでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 畑かん事務所で具体的に私のほうで聞いておりませんので、新聞に出ていた記事どおり言ったかどうかということは私もつまびらかにしておりません。  ただ、この種の事業のときに、整地等を行ないまして、それが自然に固まるのにはやはり一定の期間がかかる。そういうことから言うと、施工直後にはややもするとそういうこともあり得るということでございます。しかし、現実に四十八年度工事の結果、いわばのり面が崩壊したというようなところについては若干あるというふうには聞いております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 その補修はもちろん農民の負担にはならないのでしょうが、それによって、たとえばすでに植えている野菜とかイモとかが被害を受けた場合は、政府なり県は責任をとるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 作物補償はいたしません。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 不完全な工事で農民が損害を受けて、その補償はいたしませんと事もなげに言うのはちょっと冷酷過ぎると思うのですが、何か対策は立てられませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 工事の施行にはいろいろ順序があるわけでございます。たとえば整地工事をやる場合に、まず排水路を完備して、それから面工事に及んでいく、こういう方法もあるわけでございます。しかし、あそこの場合において、地元の非常に強い要望もございまして、面工事を優先してやるということをやったわけでございまして、その結果、何といいますか、排水路の断面が小さかったとか、そういうようなことから出てきているような点もあるわけでございます。施行中の工事についてのこの種の災害につきましては、手直し工事として行なうわけでございますけれども、その手直し工事との因果関係といいますか、そのために、たとえば特にあのようなシラス地帯というようなことで、のり面につきましても芝がなかなか生育しないというようなこと、こういう点もありますので、施工上には十分な注意を払いますけれども、その結果そこにある作物に被害が出たというようなことでございましても、それが工事に直接からむというようなことであるならば、これはやはり手直し工事ということになるわけでございます。  しかし、そうでない部分について、いわば不可抗力的な災害が起こったということでありますれば、これはそれなりの補償ということは当然考えなければならぬ問題であろうというふうに考えるわけでございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 次に、別な問題に移ります。  鹿児島県の出水市で、特殊な農業、漁業に対する被害があります。出水市というのは有名なツルの名所です。これはすでに文部省で天然記念物として指定されているわけです。ところが、広大な農地にツルが飛来する、そのために農産物がばく大な損害を受ける、こういうことが問題になっています。出水市の農協の調査によりますと、昭和四十八年一年間で六百四十万円の損害が出た。それは麦、なたね、ソラマメ、その他の野菜、苗木などの被害だ。麦の場合には被害率が一五%、なたねの場合には五%、苗木類の場合には一〇%から一五%という数字が出ております。さらに、ツルが保護されるという関連でカモが飛んでくる。このカモが、漁民がつくっているノリにたいへんな被害を与えております。昭和三十八年から四十八年まで十一年間に被害の累計が一億七千八百万円。これは出水漁協の計算です。しかも、このカモを駆除するために漁協がさまざまな負担を負わされています。昭和四十九年度の予算を見ますと、アバラームというカモを駆除するための機械の維持費が十基で三十万円、カモ追いの舟の費用が九万円、爆音用のガスが百万円、そのほか鉄砲とか花火などの経費がかかる。合計すると、一年間にカモを駆除するために要する恒常経費が二百八十九万円。そのほか、昨年、アバラームというカモを駆除する機械を買った。これは十基買って千四十三万円。県が四分の二補助する、市が四分の一補助する、残りの四分の一は地元の出水漁協の負担、こういうことになっております。  私たちはツルを保護することには賛成です。天然記念物に指定することもけっこうです。しかし、そのために農民や漁民がこれほど犠牲になることは許されないと思います。まさにこれは指定のしっぱなしで、あとは国民がどうなろうと知らぬというようなことがいまの政府の文化財対策ではないかと考えるわけです。私は、この問題で出水の市長さんからも話を聞きました。出水の漁協の組合長からも話を聞きました。みんなツルに非常な愛惜の念を持っておるようです。しかし、こういう状態は国の責任においてなくしてもらいたいという強い要望がある。現在まで何回となく県知事も政府に交渉したそうですが、文化庁に行くと、いや、カモは環境庁の問題だと言い、環境庁に行くと、いや、あれは文化庁が指定したのだというようなことで、何一つ対策を講じてくれないということを私に訴えております。いろいろややこしい法律的な仕組みがあると思うのですが、文化財に指定されるために農民、漁民が犠牲にされるという、このような状態を文化庁としては当然のことだと考えているのか、それとも何らかの対策を講じなければならないと思っているのか、いかがでしょうか。

澤田道也文化庁文化財保護部記念物課長

○澤田説明員 現在、指定による現状変更の歴止について、直接補償の法体系になっておりませんので、現在、管理団体と協議を進めながら、農作物の被害を少なくする給餌方法とか給餌地の拡大について管理団体とさらに協議をしていきたいと考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 私の質問は、いまのような状態が正しいと思っているのか、間違っているから是正しなければならないと思っているのかということです。どちらですか。

澤田道也文化庁文化財保護部記念物課長

○澤田説明員 現在の法制においては、本来野生のものを保護しておるわけでございますので、私権との調整が非常にむずかしいかと考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 大体、それは答えていないじゃないですか。いまの状態が正しいのか正しくないのか、文化庁としては結論を持たないのですか。文化財保護法の第四条には、「政府及び地方公共団体は、この法律の執行に当って関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。」と書いてあります。天然記念物の指定については、指定を行なうにあたっては関係者の財産権を尊重しなければならないということが書いてあります。この法律が文字どおり実行されるなら、周辺の住民が犠牲になるはずはないのです。  そうすると、いまのような状態について、文化庁の立場からは文化財保護法で何らかの金を出すことはできるのかどきないのか。できないとすれば法律の不備としか考えられないから、この法律を改めなければならないと思うのですが、いかがですか。

澤田道也文化庁文化財保護部記念物課長

○澤田説明員 法改正につきましては、現在衆議院の文教委員会で文化財保護に関する小委員会というものを設けられまして、その中において全般的な検討が行なわれております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 文化財保護法が全般的な検討を要することは当然ですが、いま私が言った問題については、政府としては改正する意向を持っているのですか。私は委員会のことを聞いているのじゃありません。文部省は改正する意図を持っているかと聞いているのです。全般的な改正じゃなくて、いま私が指摘した問題です。こういう状態に対して政府が金を出せないとすれば、これは法律の不備じゃないか。そういう立場から改正する意向を文部省として持っているかです。

澤田道也文化庁文化財保護部記念物課長

○澤田説明員 なお、この問題につきましては、管理団体である出水市と、その農作物の被害について折衝する余地がまだあると考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 いまの答弁は私の質問に対して答弁したつもりですか。この問題について、少なくともあなたはまじめに解決しようとする意思を持たない、まともな答弁を回避しているというふうにしか私には思えません。  そこで、環境庁に聞きます。環境庁はカモの問題について責任を負うのだそうですが、いまの状態を当然だと思っていますか。

相馬昭男環境庁自然保護局鳥獣保護課長

○相馬説明員 ツルの保護に関連しまして、カモが飛来して、そのカモが被害を与えておるということでございますが、環境庁といたしましては、有害鳥獣の駆除という制度をもってこのカモの被害を防除したい、そういうような方向で県等について指導してまいりたいというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 あなたはそう言いますが、いま、カモ駆除に要する経費は全部漁民が負担しているのですよ。これは漁民が負担すべきものだと思いますか。それとも政府が負担すべきものだと思いますか。

相馬昭男環境庁自然保護局鳥獣保護課長

○相馬説明員 現在の法体系のもとにおきましてはそのような措置はできない、しかしながら、その不備を補うために害鳥の駆除というようなことでそれをカバーしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 この問題では、県知事さんも、市長さんも、漁協の組合長さんも、政府から愚弄されたような感じを持っているのですよ。何とかかんとかややこしいことを言いながら、当然常識上政府が責任をとらなければならない問題について責任を回避する。  そこで、環境庁に聞きます。あなたがそういう現行法上という説明をされるのは、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に補償の規定がないからでしょうか。そうだとすれば、当然これは補償の規定をつけなければならない、法律を改正しなければならないと思うのですが、いかがですか。

相馬昭男環境庁自然保護局鳥獣保護課長

○相馬説明員 現在の法律には補償規定はないわけでございます。現在、実は、やはりこの鳥獣保護法の改正につきまして検討しておるわけでございますが、これは審議会において検討願っておるわけでございますけれども、その中で若干この補償問題について審議されておるやに聞いております。全般的なそれらの問題を含めた上での答申をいただきまして、次の法律改正にはこの問題について十分検討してまいりたいというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 これは、漁協から依頼を受けた私としまして、文部省とか環境庁ともう少し個別に交渉します。しかし、いまの経過を見ましても、いろいろ現行法の説明はできるでしょうが、農民と漁民が犠牲になる状態が許されないということはもう常識ですよ。ですから、現行法で何とか処理をできるものは処理するし、現行法で処理できないものは当然常識に従って法律を改正する、そして、文化財の保護の指定のしっぱなしで国民を犠牲にするようなやり方を改めるということを要望して、次の問題に移ります。  私は、ことしの三月七日、乳製品の価格の問題に関して、森永とか、雪印とか、乳業メーカーが政府が適正と計算した利潤よりはるかに大きな利潤をあげている、これは農民に還元すべきではないかという問題を提起しました。それに対して渡辺政務次官は、やはり適正な利潤をこえた利益が乳業メーカーにあることを認めて、正確な計算をして生産農民に還元する措置を講じたいという発言をしておられます。それから半年たったわけですが、どういう措置が講ぜられたのか、御説明ください。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 去る三月、畜産局におきまして、生乳取引の実情を把握するために、加工原料乳の取引の多い主要なメーカー、大手四社、それから四社と取引をしております指定生産者団体に対しまして四十七年度と四十八年度——四十八年度は、当時でございますので四月から十二月までということで、その間の生乳買い入れ数量、買い入れ価格、その他生乳取引に関する事項について文書による報告を求めたのでございます。調査の結果、いろいろ両者からの報告で食い違い等もございまして、それの点検、チェックに時間がかかりましたが、現在のところでは、その調査結果といたしましてわかっておりますのが、加工原料乳についての買い入れ数量は、四十七年度は四社で百二十一万トンで、四十八年度は四月−十二月までで九十一万トンで、それぞれ全国の総加工原料乳の八七%、それから九〇・五%を占めております。買い入れ価格は四百九十億六千二百万円、四十八年度は三百九十六億一千九百万円。さらに、いわゆる奨励金として種々のものが出ておりますが、乳価以外に乳量に応じて支払われた額が、四十七年度は二十八億二千三百万円、四十八年度は十二月までで二十九億二千八百万円ということになっております。その他、さらに、乳量比例ではなしに、団体単位に一括して支払われた奨励金が、これは飲用乳向けも含んでおりますが、四十七年度には十九億八千万円、四十八年の十二月までは十七億六千七百万円。以上のような数字に四社でなっておるわけでございます。  他方、いわゆる差益の問題でございますが、これは安定指標価格というものを主要な乳製品について定めておりますが、実勢価格がその指標価格から乖離して上回って推移するということによって、いわゆる差益が発生する余地が出るわけでございます。その中で、反面、売り上げ高がしたがって当初の想定したものより、四十七年度、四十八年度において相当増加をした。しかし、安定指標価格あるいは基準取引価格をきめましたとき以降、製造販売経費等の上昇もしておりますし、また、生産量のうちには、社外に全部販売するわけではございませんで、社内需要に使いまして、アイスクリームだとか乳飲料だとか、その他の乳製品に振り向ける原料として加工するものがあるわけでございます。それらを差し引きまして販売差益を試算いたしますと、四十七年度は三十七億円、それから四十八年度は十二月までで二十二億円というふうに推定されるわけであります。三十七億なり二十二億といいますのは、これは四大メーカーだけではなしに、全工場の推定差益でございます。  したがいまして、先ほどもちょっと御説明したように、奨励金等を調査いたしましたメーカーは四大手でございます。これのシェアが九〇%前後でございますので、その辺を考慮いたしますと、ただいま申しました全国数字の三十七億、二十二億を約一割程度下回るというものが推定されるわけであります。このような数字になっておりますので、いわゆる不当な利益といいますか、そういうものは四十七年度、四十八年度の十二月までの調査結果からは特にないというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 渡辺政務次官が生産農民に還元すると言われた、その還元した金額は結局幾らですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 政務次官からお答えしたのは、もし不当利得があれば、調査の結果還元するようにしたいということを申し上げたと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、還元はしたんですか、しなかったんですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 ただいまの数字から見ますと、いわゆる売買差益が全部入ったわけではない。それを上回るものが、推定でございますけれども、調査結果によれば奨励金として払われているという、その両金額を比較いたしますれば還元されておる。特に、農林省がその後指導したから還元したということではなくして、還元されておると……(諫山委員「還元したかしないかを聞いているのです。還元したとすれば幾ら還元したんですか。」と呼ぶ)還元したということは、一方において売買差益が出ておりますけれども、反面、奨励金ということで指定生産者団体を通じて農家に出されておりますので、それ以上のさらに保留されておる差益はないというふうに見ておるわけであります。したがいまして、特に四十七年度、四十八年度十二月までについては、新たにその上にさらに還元をするというようなことを行政指導する必要はないというふうに考えております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 単純明快に聞きますから、単純明快に答えてください。  渡辺政務次官は、生産農民に還元すると言った。あなたは還元すると確約したわけではないと言っているけれども、とにかく還元ということばを使った。そうすると、その還元はしたんですか。していないんですか。したんだとすれば、幾らですか。何円という金額で説明してください。それ以上の説明は要りません。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 先ほどもお答えしましたように、政務次官からお答えしたのは、調査の結果、いわゆる超過利潤といいますか……(諫山委員「還元したんですか。していないんですか。私はそれを聞いているのですよ。」と呼ぶ)それは、計算上は還元されておるということになります。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 それなら、その金額は幾らかと聞いているのです。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 奨励金が還元額だというふうな前提に立ちますと、先ほど申し上げましたように、四十七年度は二十八億二千三百万、四十八年度は十二月までで二十九億二千八百万、それに、飲用乳向けと一緒になっておりますけれども、それぞれ十九億八千万、十七億六千七百万、このうちの加工原料乳分を加えたものが還元をされておるというように理解できると思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 その金額は、おそらく乳業メーカーからの報告に基づく金額だと思いますが、そうですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 先ほど御説明しましたように、乳業メーカー、四大メーカーからの報告と、さらにそれと取引をいたしております指定生産者団体、両方からとりまして、若干不突合のところがございましたので、それをチェックした上で調整をして、最終的にこの程度であろうというふうにわれわれが判断した額でございます。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 メーカーの報告と売り手側の報告は、どっちが金額が大きかったですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 若干メーカーのほうが多かったということで、生産者団体のほうが下回った場合か——四社の総計でございますが……。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 そうすると、これは生産農民の手に渡っていますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 指定生産者団体は県単位につくっておりますので、それが出荷を委託いたしました単協なり、あるいはさらに農家までどのように渡っておるかということは、特に調査亀今回はいたしておりませんけれども、大部分が適正に交付されておるというふうに判断をいたしております。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 趣旨としては、生産農民に渡るべき性質の金というふうに聞いていいですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 指定生産者団体の中で、各構成の農協等が取引委員会というものをつくって、乳価、乳代の支払い等についていろいろ協議をしてきめておると思いますので、それぞれの組合、指定生産者団体内部のやり方があると思います。さらに、農協の中でもやり方があると思いますけれども、原則としては末端の農家に交付されるのが通常だと思います。

諫山博日本共産党・革新共同

○諫山委員 終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊委員長代理 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時二十二分休憩      ————◇—————    午後二時九分開議

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 消費者米価、ミカン対策、てん菜、阿蘇山噴火による農作物の被害対策及びカントリーエレベーター問題について、農林省をはじめ関係当局に質問いたします。  本日は時間が制約がありますので、休会中多くの問題があるわけでありますが、細部にわたっては後日の委員会であらためて追及することにいたしまして、五点についていろいろとお伺いをしてまいります。  消費者米価は、九月六日に、物価狂乱と言われる異常インフレの中で、十月一日から三二%と大幅に引き上げられることになったが、この結果は、政府案の三六%より四%の政治減算になったものの、上げ幅は終戦直後の混乱期を除けば最高であり、早くも米関係で消費者物価指数を一・一%押し上げ、今後国鉄運賃などの公共料金値上げと相まって、十月の消費者物価指数は二%をこえると言われ、本年二月以降の狂乱物価の水準に追いつき、第二の狂乱物価を再び引き起こすおそれが十分にあると心配いたしております。  たまたま休会中で、消費者米価の米審以前に委員会を開くことができなかったわけでありまするが、私があえてこの問題を取り上げるゆえんのものは、今後に大きな影響を及ぼすからこの問題をあえて指摘するわけでございますけれども、食管法に規定されたところの二重米価制の本旨を今回の米価決定は無視したばかりでなく、田中首相がかねがね物価最優先の公約をなさっておることにも大きな問題を提起しているものでありまして、この田中首相の言われる物価最優先が公約の破棄ということになると、かように私は指摘したいところでございます。また、国民の必死の反対にもかかわらず大幅値上げを強行した行為は、参議院選のさなかに田中総理が、十月からの消費者米価の値上げは昨年より据え置かれている、一〇・三%にとどめ、それ以上の上のせはやらないと言っておられたわけでありますが、総理みずから公約を破るものであり、国民生活に重大な影響を及ぼすこの無謀な値上げに対しては、私は断じて容認できないものであります。  そこで、政府は、この消費者米価の三二%引き上げを直ちに撤回し、再検討すべきである、と、かように申し上げたいのでありますが、この点について、農林省当局はどういうふうに今後の物価ともにらんで考えておられるのか、あらためて当局の見解を承りたいのであります。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 今回、米の政府売り渡し価格を十月一日から三二%引き上げるということにいたしておりますが、ただいま先生が申されましたように、農林省としましては、単に食管制度の運営上の問題ばかりではなく、物価に及ぼす影響、家計費に及ぼす影響といったものを十分考慮したつもりでございます。と申しますのは、御承知のとおり、家計費の中で、一月一世帯当たりの家計費の支出の総額の中で、米の代金の支出の割合は、勤労者世帯ではわずかに二・七%になっております。全世帯で申しましても三%で、このパーセンテージは、これも先生十分御承知のように、昭和三十年代は一〇%以上をこしておりましたが、四十年代になりましてから七%と、だんだん下がってまいりまして、現在、ただいま申し上げましたように、わずか二・七%というような支出の割合になっているわけでございます。  それから、物価指数に及ぼす影響と申しますか、これはいま先生から御指摘がありましたように、米の売り渡し価格を三二%上げますことによって物価指数は約一・一%、これは直接的影響と間接的影響と両方含めた及ぼす影響でございます。そういうことで、食糧管理制度の運営上、御承知のように、これだけの逆ざや関係になっておりますと、しかも末端逆ざやが六一・七%という非常に大幅な逆ざやになっておりますし、また、食管の特別会計における財政負担というものも一兆円をこすという巨額になっている。そういう問題と同時に、いま申し上げましたような家計費に及ぼす影響とかあるいは物価に及ぼす影響といった面をいろいろと十分検討しました結果、三二%を上げるということにいたしたわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 政府は、テレビ等を通じても、いま食糧庁長官がおっしゃったようなことを国民の前にいろいろと披瀝しておられますし、また、せんだっては渡辺政務次官もテレビ放送等を通じて消費者に対していろいろと説明をしておられましたが、何といっても今回の米価は精神的な影響が大きいということで、国民はなかなか承服できないわけです。一応数字的な説明はいろいろおっしゃるけれども、政府がおっしゃっているように、値上げの最大の理由というものが食管赤字の解消というようなことを言っておられる。また、この食管赤字の増大というものが、政府・自民党の高度経済成長政策によるところの政治インフレと、石油危機に便乗したところの狂乱物価がその原因であるということは、これはもう明らかに国民の皆さんが知っているとおりでありまして、だれもこれを妨げる者はないと思うのです。その政府の失政を、今回の消費者米価のように、三二%と大幅値上げをして、国民の犠牲によってあがなおうとすることは許しがたいことであり、また、これは物価狂乱再燃への引き金ともなり、消費者あるいは生産農民をますます苦しめることになるわけでございます。  電力、ガス、国鉄など公共料金をはじめ、一連の物価引き上げが相次ぐ中での今回のアップは国民の食生活に直接つながるものだけに、家計への影響が大きいことは、いま食糧庁長官もおっしゃったとおりで、言うまでもないことですけれども、そこで、この相次ぐ値上げの波の中で消費者は窮乏の生活を余儀なくされ、いわば米価だけが一応食生活の一つの守りであったわけでありますが、それが一挙に三二%もの値上げになると、価格の面もさることながら、消費者へ与える心理的な影響が大きいということで私は指摘をしておりますが、その点、政府当局は、そういった消費者の心理的影響というものをどういうふうに考えて今回の決定をされたのか。  また、今回の米価大幅引き上げによりまして、十月一日値上がりということを見越して、すでに現在、消費者は、ささやかな抵抗として米を買い置こうということを考えているが、しかし、現在はちょうど端境期でもあるし、米をたくさん買い置くには、虫がついたり保管にも困るということで、それにも限度がある。それに対する需給の問題もからんでくる。また、一部にはうわさされておりますが、いわゆる卸、小売りにおいても、米の事前買い付けや、場合によっては値上げを予測したところの売り惜しみが行なわれて、今後米価の需給に対していろいろな問題が起きてくるのじゃないかと思う。当局は、その心配はない、お米は十分政府倉庫にあるというようなことも言っておられるようであるけれども、それらを見ましても、十月一日の値上げによって、消費者あるいは卸、小売りの問題等もいろいろ起きてくると思うが、これについて当局はどういうふうに考え、対策をとっておられるか、その点明快にお答えをいただきたいと思います。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 第一点は、心理的な影響が非常に大きいんではないかということでございますが、私ども、消費者の方々から、米が安いということはよくわかる、しかし、米を上げることによっての他へ及ぼす心理的影響というものが非常に大きいんだということをよく質問される場合が多うございます。この心理的影響はどういうことをもって判断するかということは非常にむずかしいわけでございますが、私どもとしましては、過去に米価を上げました場合に、たとえば四十一、年、四十三年、四十七年——四十四、五、六年は据え置いておりますが、過去に米価を上げました場合に、ほかの物資に対して、たとえば外食がどういうふうに上がっているか、あるいは消費者物価指数にどのように影響しているかということを調べてみましたところ、米価を据え置いたときも同じように外食は上がっております。レストランのライスカレーが米価を上げると便乗してすぐ高くなるんだということをよく言われますけれども、それは米価を据え置いたときでも上がっておりますし、米価を上げましたときに、四十二年のごときは一六・三%上げておりますが、そういうときにも同じように上がっております。したがいまして、米価を上げたからといってすぐほかへ影響するということは必ずしも当たらないというふうに、数字的に過去の状態を、実績を調べて申し上げているわけでございますが、据え置いているときも、消費者物価指数は米価を上げたとき以上に上がっている場合もございますし、そういうことで、あまりその辺の関係は見当たらないと思っております。  そこで、そういう心理的影響をできるだけ防いでいかなければいけないということで、たとえば都道府県や食糧事務所を通じまして、そういう便乗的な外食等の値上がりに対しては十分指導し、チェックしていくようにということを私どもはやっているわけでございます。  それから、米価を上げることによって、卸、小売りあるいは消費者の間で、仮需要の問題とか、あるいは買い占め、売り惜しみの問題とか、そういうものがいろいろと出てくるんではないかという御質問でございますが、これは過去に米価を上げてきましたときにも、ある程度の仮需要的なものはございました。価格が上がりますから、上がる前に多少は買い置きしたいということは、消費者の方々の一つの心理として当然あろうかと私は思います。それにつきましては、それにできるだけ対応するように、政府の在庫等は消費地には相当手持ちをしておりますし、また、卸、小売りを通じて消費者の方々のそういう要望にはできるだけ対応するように私どもはいたしておりますが、ただ、たとえばレストランとか、そういった大口の需要者に無制限にこれを売るというようなことは、控え目に、抑制していったらどうかというようなことも考えております。  それから、卸や小売りの方々が、この機会に、ざっくばらんに言いますと、その差額でもうけたいということを考えられておらないとも限らないということも考えますので、そういう点については常々十分指導を徹底いたしております。また、最悪の場合には、私ども、小売りが通常どの程度ストックを持っているか、卸がどの程度ストックを持っているかということは大体わかっておりますので、そういうことを踏まえまして、業界の買いだめ、売り惜しみ等につきましては、たとえば差額を徴収するとか、差益を徴収するとかということも現在考えて、都道府県あるいは食糧事務所にそういうことを指令をいたしておるわけでございます。  いずれにしましても、便乗値上げ的なことが将来起こらないように、そういう点は、米価を上げました場合に末端の指導は従来もやっておりますが、十分徹底をしてまいりたいと考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 米審のあり方について、私はしばしば国会でも政府の見解をただしてきたところでありますけれども、この機会にあらためて再度見解をお伺いします。  本日は農林大臣が所用のために出席がないので、長官にやむなくお伺いしますが、米審のあり方そのものが問題だと私は思う。米価審議会は、御承知のように、発足して満二十五年になると思いますが、昭和三十四年八月二日に、当時の物価庁と農林省の付属機関として設置することが閣議決定されてから、米麦の生産者価格と消費者価格を毎年審議して、その答申内容は、米麦の価格ばかりでなく、農政の一つの指針としても国民の関心を集めてきたところであります。しかし、この二十五年の歩みを振り返ってみますと、米価審議会は、答申内容一つをとっても発足当初の意気込みに欠けておりまして、その権威が次第に薄らいで、形骸化されつつあります。先日も小倉米審会長自身が、今回の消費者米価の決定後どうせ政治減算されるんだというふうに言われているために米価審議会にも明確な主張を打ち出す張り合いがなかったのは事実だと述べております。これでは完全な米審の形骸化であると言わざるを得ません。インフレや政治圧力の高まりで、米価を中心とした農政の進路が一そう見定めにくくなっている中で、政府に対する助言者としての米価審議会のあり方、またその権威については、これではいけないと私は思うのです。農林省も大いに反省すべきであると思うが、こういった点について当局はどういうふうに思っておられるか、見解を承りたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 米価審議会のあり方についての御質問でございますが、小倉会長がどういうことを言われましたか、私はよく承知いたしておりませんが、たまたま先生御承知のように、八月二十二日に米価審議会を一日やりまして、そのときに各委員の方々からいろいろな意見を実はいただいたわけでございます。どうしたらいいかというような御意見もいろいろございますけれども、それじゃどうしよう、どうしたほうがいいというような意見もなかなかないというのが現状でございまして、米価審議会が非常に形骸化してきたとか、あるいは権威を失墜してきたというようなことは決して考えられないのじゃなかろうかと実は私は思っているわけでございます。と申しますのは、今回の答申におきましても、米価審議会としては、先生も御承知のように、各委員の方々の意見をそれぞれ尊重しながら、結論として一本にまとめていただいたわけでございまして、政府としましては、米価審議会のこの意向を尊重しながら今回の三二%の決定もいたしたわけでございます。そういう意味で、委員の方々、その他の外部の方々も個人的にはいろいろ御意見はお持ちかと思いますけれども、現在の米価審議会の運営というものは、一つの適正なと申しますか、妥当な運営をやはりやっていただいているというふうに私自身は考えておりますので、これを今後何かほかのやり方に変えていくとか、そういうようなことは現段階では考えておりません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 三善食糧庁長官はそうおっしゃるけれども、こういった大きな問題については私も大臣の見解等を承りたいのでありますが、きょうは農林大臣の出席がないわけですが、いずれにしても、米審が必要なものであるならば、権威ある答申でなければならないと私は思いますし、政府も、周囲の人も、答申を尊重するとか、答申に制約されるという心がまえが大切ではないかと思うわけです。そういう意味では、最近はあまりにも諮問自体も抽象的で、それに対する答申も、二論併記または三論併記とかいったように、責任のない形式的な姿におちいっております。いわゆる米審の意見はこういうことだというように抽象的であって、あとは政府のほうで決定してくださいというようなやり方で、これは米審そのものの答申が問題じゃないかと私は思うわけです。米審は大臣の私的な諮問機関ではないわけでありまして、あくまでも公的な機関である。そこから出てくる答申は当然最大限に尊重すべきであると私は思うのです。米審が必要であるならば、そういったことを十分尊重して、そして、その前に政府が何を期待しているかということでずいぶん答えも違ってくるのではないかと、かように私は思うわけです。  今回の値上げについての諮問にしても、諮問自体はあくまでも抽象的で、三六%という数字は付随的な参考資料としてしか出していないわけでありますが、政府自身がもっと責任ある諮問をすべきである、そして米審自体がその機能を十分に果たすべきであると思うわけです。すなわち、御承知のように、主文には抽象的なものが書いてありまして、あの中にはっきりした三六%とか三二%という数字は出ていないわけです。だから、米審が形骸化していないというならば、少なくともこの数字を試算としてでなく、諮問の中に、何%が妥当と言えるか、政府はそれに対しての答申をどう受けるかという、その点をあくまでも主文の中に明確にして諮問をすることになれば、米審のほうでも、それに対して、適当であるか、または適当でないか、明快な意見が出てくるんじゃないかと思うわけです。そういったことも問題であると思うのですが、その点については当局はどういうふうにお考えを持っておられるのか、あらためてお伺いしたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 一つは政府の諮問のやり方、これが抽象的過ぎるのではないかという御質問でございますが、御承知のように、諮問をいたします場合に、政府は「試算」あるいは「参考」と書いてある場合もございますし、書いてない場合もありますが、これは別に「参考」と書いてあるからどうというような意味ではございませんで、いずれにしても三六%米価を今回の場合は引き上げたいという、その三六%を引き上げるにつきましての算定の基礎資料を出しておるわけでございまして、単に抽象的に引き上げについて米価審議会の意見を問うというようなことだけではなく、そういう算定を詳しくつけておるということでございます。  米審の委員の方には、この諮問のしかたについても従来からいろいろ御議論がございまして、たとえば設置法の中で「米価審議会は、米価その他主要食糧の価格の決定に関する基本事項を調査審議することを目的とする」と書いてございますので、基本的な考え方だけを諮問したらどうかという意見も従来からございましたが、私どもとしましては、基本的な単なる抽象的な考え方だけではなくて、そういう試算、算定の内容をつけて諮問しているというのが現状でございます。  今度は答申の問題につきまして、三論、三論併記とか、そういうことではなく、ずばり何%上げたらいいとか下げたらいいとかというような、そういう答申をすることが米審の本来的な役割りではないかという御意見かとも思いますけれども、実は、今回の消費者米価審議会におきましても、委員の意見としては、大きく分けて三つございましたが、それをまとめて一本で言えば次のようなことになるということで、答申の形としてはやはり一本にまとまっているということが言えると思います。生産者米価のときもそういうことで、答申の内容としては、抽象的ではございますが、一応一本にまとめられているわけでございます。と申しますのは、この答申のまとめ方について、これも委員の方々から従来いろいろ御意見があるわけでございまして、たとえば多数決でまとめたらどうかとか、多数決で並列したほうがわかりやすくていいのではないかとか、多数意見とか少数意見とか、そういうことでやったほうがいいのじゃないかとか、そういう御意見もございますが、やはり、かなりの幅を持たしても一本に米審としてはまとめることが適当であるというようなことで、最近は一本にできるだけまとめるような答申をつくっていただいているわけでございます。  従来は、先生の御指摘のように、無答申の場合もございましたし、あるいは三論併記とかいうことで、まとまりがなかったというようなこともございますけれども、最近は、できるだけ一本にまとめたい、ただ、まとめるについては、内容的にかなりの幅を持たせながら、言わんとするところは十分察知できるようなまとめ方をしたいというのが最近の米価審議会の会長はじめ皆さん方の御意向かと承っているわけです。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 小倉米審会長自身が、米価審議会の体質改善ということについて、これは急がなくてはならないということを強調しておることは御承知だと思うのですが、われわれもしばしばこういつたことはお伺いしているのですけれども、政府当局は、今日の米審のあり方というものについては、食糧庁長官はいろいろおっしゃいますが、本来の使命を果たすためにも米審の体質改革ということが必要なことは周知の事実であります。公開の席でいろいろ理由を言っておられますけれども、これではわれわれも納得できませんし、国民も納得できません。国会で米価をきめろというような意見もありますが、米審が形骸化していないというならば、体質改善ということも十分考えなければならぬと私は思う。  その改善策としては、米審の委員の中の中立委員の数を減らしたり、あるいは納税者代表、たとえば財界とか、サラリーマン同盟とか、あるいは労組とかいった立場の、よりはっきりした委員を参加させるということもやるべきであり、答申文をよりわかりやすくさせるということとか、さらには法律を改正して法的に米審により権威を持たせるとかいろいろやらないと、このままでいったのでは国民からたいへんな批判を受けるということは言うまでもないことであります。われわれもこういうやり方ではなかなか納得できませんので、こういった体質改善策としてはどんなことを考えておられるか、全然このままでいいとおっしゃるのか、その点を簡潔にお答えいただきたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 現時の米価審議会の構成のことについてのお尋ねだと思いますが、従来からこの問題につきましてはいろいろの御意見がございまして、現在のようなことになっているわけでございます。米価審議会の委員の構成は、何々代表とかいうようなことではなく、生産、流通、消費という面で学識経験のある方を任命しているというのが現在でございまして、中立委員が多過ぎるとか、あるいは生産者の代表が少な過ぎるとかいうような、何々界の代表ということではなく、学識経験者で、多方面の方々の御意見を十分お聞きして、それを米価の決定に反映をしていこうという趣旨からでございます。そういうことでございますから、実は、先生もいま申されましたような、たとえば労働界の代表を入れたらどうかとかいう意見も従来からございましたけれども、労組界の代表とか、何々界の代表とか、そういうようなことで基本的に構成されているというわけでもございませんし、現在の構成のやり方で、私どもとしては、各界の意見をそれなりに十分反映しているというようなことが言えるかと思います。  何か考えているかというお話でございましたが、現在、それじゃ構成をどういうふうに変えようというようなことを、農林省としては、また食糧庁としても別に考えているわけではございません。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点食糧庁長官にお伺いしますが、インフレ物価抑制を至上優先の政策としている現在、政府は、食管法の本来の精神でありますところの二重米価制というものは、これはあくまでも当然堅持していくという姿勢には変わりないと思うが、この点と、もう一つは、食管会計の人件関係費等は、これを一般会計で計上すべきではないかと考えるわけです。いわゆる九千億円とも、一兆円とも、口を開けば食管は赤字だとおっしゃいますが、こういった人件費関係は少くなくとも一般会計で見るというふうにしたらどうかというようにも思っているわけですが、根本的にはいろいろわれわれも対策をかねがね申し上げておるのですけれども、こういったことについて、きょうは大臣は不在でありますが、食糧庁長官から簡潔にお答えいただきたいと思う。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 最初のお尋ねの、食管法に基づき、二重米価、二重価格を堅持すべきではないかというお尋ねでございますが、この点につきましての私どもの食管法上の解釈としましては、先生御承知のように、なるほど買い入れ価格は再生産を旨とする、消費者価格のほうは家計の安定を旨とするということは書いてございますが、その前段には、いずれの場合にもその経済事情というものを参酌して米価をきめるということになっておりますし、経済事情は、生産者米価の場合には、あるいは需給状況も入りますし、あるいは食管制度の運営の問題も入りますし、あるいは消費者米価の場合には経済事情と申しても非常に広い範囲で、両米価の関係あるいは逆ざやの問題といった財政負担の問題等すべてを参酌するということになっておりますので、法律的な解釈としては、それは家計の安定を旨とする、あるいは再生産の確保を旨とするということは第一義的に当然考えるべきことでございますが、それだからといって、両米価は完全に遮断された二つの別個のものであるというふうには解釈するわけにはまいらないかと思っております。  と申しますのは、基本的には、米価と申しましても一つの物の値段でございますし、物の値段といえば、当然そのコストということは考えざるを得ないわけでございまして、そういった基本的な問題というものを両米価を決定する場合に、あるいは両米価の関連として考えていくということは、これはまた原則的に当然必要なことではなかろうかというふうに考えているわけでございます。特に、最近のように食管の赤字、逆ざや、膨大な財政負担をしておりますし、そういうことを続けておればおるほど、食管制度を守るとか食管制度を維持していくというようなことに対して、それ自身が非常にゆがんだ形に運営がなっていくわけでございますから、そういう意味におきましても、両米価の関係というものはやはり基本的には考えていくべき性質のものではなかろうかと思っております。  それから、食管特別会計で負担しております人件費は別ワクにしたらいいではないか、一般会計で計上しろというお話しでございますが、御承知のように、事務、人件費は、現在四十九年度予算では六百五十二億計上をいたしております。これは食糧を管理いたします上において当然直接関連して必要な人的経費でございますし、本来的に言えばコストの一部をなすものでございますので、やはり、食糧管理をし、運営をいたしております以上は、これはどうしても食糧管理特別会計で見るということが、会計法上、また実態上も当然必要なことかと思いますので、一般会計でこれだけつまみ出して、その分は食管会計の赤字が少なくなるからかえって好都合ではなかろうかという御意見もあろうかと思いますけれども、そういうわけにはなかなかまいらない、食糧管理の直接的な経費として食管の特別会計で見ざるを得ないというふうに考えております。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ミカン対策について次にお尋ねをいたしたいと思います。  まず、最初に、四十九年産のミカンの生産見込みでありますが、ことしはミカンが表年でありまして、四百万トン台はかなりオーバーするのではないかというふうに私は見ておるわけです。農林省が調査した八月一日の予想等によりますと、三百八十七万トン台というようなことを言っておられるようでありますが、ことしのミカンの生産見込みはどのくらいに立てておられるか、まず、お答えをいただきたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 本年の温州ミカンの生産量は、結果樹面積が増加しましたし、それから若木が生長するということと、それに加えまして、表年にあたりまして着果数が多いということ、さらに、比較的天候に恵まれまして果実の肥大も良好ということで、作柄はやや良ということになっておりまして、ただいまお話しのように、八月一日現在の予想収穫量、統計情報部の二十六日発表の数字でございますが、これは三百八十六万七千トンということになっておるわけでございます。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  そこで、この数字でございますと、需要に見合いますればまだ多いというように思っておりますが、私どもは前々から温州ミカンの生産安定事業ということで摘果の推進を行なっておりまして、いま仕上げ摘果のまっ最中でございますが、摘果によりまして、いわば需要に見合った生産量に調整してまいりたいと思っておりますが、現段階の統計情報部の数字では以上のようでございまして、また、摘果も現在やっている最中でございますから、その結果最終的に幾らになるかということは、これはまた今後若干天候の問題もございますし、現段階で確定的な数字はまだきまっておりませんが、以上のように、八月一日現在の三百八十六万トンというものをベースといたしまして、その後摘果を織り込みまして生産の調整をはかってまいる、こういう考えでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いま答弁をいただきましたが、摘果をいま推進をしているということでありますが、この摘果の実際量の見込みはどのくらい農林省はお考えになっていますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 果実につきましては、一般に摘果ということがあるわけでございます。そこで、温州ミカンにつきましても、いわば従来ベースの摘果ということがあるわけでございますが、特に、本年の生産状況にかんがみまして、先ほど申し上げました四十九年産温州ミカン摘果推進特別事業というものを実施いたしまして、徹底した摘果を推進しているわけでございます。  しからば、その場合摘果量が幾らになるかという問題でございますが、これは、一つには、現在作業中でございますということが第一点でございます。それからもう一つは、摘果と申しますのは、いわば面積当たりの木を切るとか、あるいは面積当たり休むというふうに的確にとらえにくい性質がございまして、一つは、樹勢に応じまして極大、極小を除くというかっこうで摘果をいたすわけでございますから一律にきめがたいわけでございます。そこで、いまやっておりますことは、通常の摘果のほかになお残りますところの、たとえば3L以上とか2S以下というような極大極小果を除くということで摘果を行なっておりますものでございますし、さらに、現在やっておりますまつ最中でございますから、摘果見込み量を計数的に申し上げるという段階ではないわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 本年産の消費見通しを農林省当局はどういうふうに見ておられるかという問題ですけれども、生食用、次に加工用、これにはかん詰め、ジュースとかがあるわけですが、さらには輸出その他、一部では学校給食等を県では行なっておりますけれども、そういったものを含めて、当局は消費見通しをどう立てておられるか、これをお答えいただきたいのです。  御承知のように、グレープフルーツについては自由化をされておるわけでありますけれども、これも年々輸入が増大しておりますし、また、オレンジについては自由化されていないにもかかわらず、割り当てとはいいながら、四十六年が七千トン、四十七年が一万三千トン、四十八年が一万六千トンと、四十八年を見ましても四十六年の倍以上になっている。このように累増しておるということになれば、今後オレンジについても相当割り当てが拡大していくということで、これらについても問題である。そういったことから、国内の温州ミカン等の生産過剰に対する問題等を含めて、農民感情として許しがたいものがある、と、かように思うわけです。そこで、こういった消費見通しはことしはどのように立てておられるか、その点を簡潔にお答え願いたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 まず、生果用の需要でございますが、これは御案内のように、一つには品質と価格いかんによって違ってくるわけでございます。いわば、ある意味では価格の相関と申し上げられるわけでございますから、これは、現段階で確定的に幾らというふうに見込むわけには事柄の性質上いきにくいわけでございます。それから、地方、加工用でございますが、ジュースにつきましては、本年新しく十三のジュース工場が操業を開始するということがございまして、前年よりも大幅に増加するというふうに見込んでおります。それから加工用のうち、かん詰めでございますが、これは輸出がやや停滞ぎみでございますので、あまり増加は期待できません。それから、生果の輸出用も前年をわずかに上回る程度という状況でございます。  したがいまして、いま申しましたように、生果用につきましては価格状況いかんで違うわけでございますが、かりに生食用を四十八年産程度見込むということにいたしまして、その他かん詰め用とか輸出用はほぼ前年同でございますから、ふえるジュースの増加を見込みますれば、本年産ミカンの需要は三百六十万トンということになるわけであります。ただし、くどいようでございますが、いま申しましたとおり、この数字は生果用が価格いかんで若干違うわけでございますから、一方では、価格条件を見込みますと、たとえば生産者団体のほうでは、三百二十万程度に生産調整をしたいという運動のスローガンを掲げまして摘果をやっておるわけでございまして、それとの相関で違ってまいるわけでございますが、それらを見合わせますとそういった数字と見込まれるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 そこで、農林省は昭和三十五年から選択的拡大、果樹振興策を打ち立てられまして、政府の果樹振興対策が始まったわけでありますが、これは現在から見ますと明らかに失政であるというふうに私は指摘をするわけです。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、本年度の農林予算を現在見てみますと、ミカンを目玉に考えて編成をなさっておるようでありますが、さらに、こういった過剰対策の一環として生産調整に踏み切るという考えも明らかにされておられますけれども、三十五年から行なってきたこういった施策に対しては、生産調整という、農民については全くやり場のない思いの施策でありますけれども、これをどういうふうに農林省は反省をしておられるか、また、施策の具体的な対策というものはどういうふうに考えておられるのか、その点を明らかにしていただきたいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 御指摘のように、ミカンは三十一年以降旺盛な需要にささえられまして、非常に伸びたわけでございます。そこで、三十年度の後半、さらに四十年の前半に非常に伸びたということで、このままでまいりますと需給のバランスを失するおそれがあるということで、四十二年に果樹農業振興特別措置法に基づきまする果樹振興基本方針というものを定めまして、植栽の目標を定めて、それに従って指導いたしたわけでございますが、当時非常に価格も好調でございましたものですから、残念ながら、結果的には植栽目標を上回る植栽が行なわれたということが実態でございます。その結果、現在にいろいろ影響を及ぼしたわけでございますが、そこで、それらを踏まえまして、さらに四十七年には基本方針を改定いたしまして、さらに植栽のテンポを減らすということで現在やっておりまして、最近年次ではほぼ目標に合うような植栽が行なわれているという実態にございます。  他方、その間に収量も非常にふえまして、面積の増加のほかに、たとえば密植というようなこともございまして収量がふえる。さらに、たまたま四十七年、八年のような好天候に恵まれたというような事情がございましたものですから、生産量がふえた。そこで、このままの傾向で推移いたしますとどうも需給のバランスを失するおそれがあるということで、この際基本的に需要の動向を見定める、他方生産の見込みももう一ぺん見直すということをいたして、要すれば、基本方針の植栽の目標を再検討しようというふうに考えているわけでございます。そこで、その場合に、需給に見合いまして、たとえば品質の不良なものは優良品種に転換をしていかなければならぬ、あるいはまた、かんきつの中でも温州から晩かん類へ、これは需要が強うございますから、その転換もしなければならぬというようなことで、そこで、いまのような需給動向をしかと見定めまして、必要に応じまして、あるいは一年繰り上げまして基本方針の改定ということも検討いたそうとしておるわけでございまして、それに従って植栽を抑制する、他方、それに従いまして、優良品種あるいは他の晩かん類へと転換も進める、さらに、立地条件としてどうにもならない不適当なところもございますので、そういうところは他作物への転換も進める、こういうかっこうで長期的に生産の調整を進めてまいりたいというのが第一点でございます。  それから、さらに、年々の隔年結果を防止するということで、摘果もさらに徹底して進めてまいりたいと思っているわけでございまして、生産面でこういう対策を講ずる、それから同時にあわせまして、流通面におきましても出荷の調整をもっと計画的にいたしてまいりたい、現在でも出荷体制を整備いたしまして、市場市場に計画的に出荷をいたしておりますが、そういった出荷体制を整備する、あるいはまた貯蔵施設を整備いたしまして、もっと長期にミカンが消費されるようにするということもいたしたい、と、こういうふうに考えているわけでございます。さらに、需要の拡大にも資する、それからさらに、それを通じまして生果の価格安定にも資するということで、加工用のミカンの価格安定対策をいたしておりますが、その充実もはかってまいりたいということで、生産、出荷、加工、全般にわたりまして総合的な対策を講じてまいりたい。これにつきまして、直接政府の補助による分もございますし、それからさらに生産者の方々、生産者団体の方々の拠出と国、公共団体の助成を合わせまして基金のようなものをつくってそういったものを円滑に推進してまいりたいというようなことで、ただいま、来年度予算要求におきましてもそのような施策の具体化をいろいろと検討しているという事態にございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 もう一点お伺いしますが、この果樹対策問題で、時間の制約があるのではしょって質問いたしますけれども、グレープフルーツの害虫でいま騒がれておりますところのカリブミバエ問題でございます。  このほど輸出国の米国農務省から農林省に回答が届いたということでありますけれども、農林省や農業団体が求めていた対策、措置の内容とはかなりかけ離れておりまして、農林省では、措置の内容としては不十分だとして、強い不満を示しております。農林省でもこれまで、米国の回答次第では輸出規制を求めると表明し、農林省の出方が注目されておるところでございますけれども、これに対してはどういうふうに農林省は対策を考えておられるか、今後の見通しについてお答えをいただきたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 お話しのように、初めてカリブミバエが発見されましたものでございますから、今後ミバエが付着しないような具体的な検疫の方法を確立しなければならぬ、そこで、それにつきまして、フロリダ産のグレープフルーツにミバエが付着しない具体的な方法をアメリカ側で検討して日本側に説明をしてほしいということと、それがまた両国間の検疫当事者で十分の合意が得られるまでは輸出の自粛をしてほしいということを予告をいたしたわけでございます。そこで、それに応じまして、その後アメリカ側からは検疫方法につきまして資料を送ってまいったわけでございますが、現段階におきましては、カリブミバエが付着しないということが確実と見込まれるような、完全に納得し得るデータがまだ到着していないわけでございますので、さらに督促をいたしているわけでございますが、同時に、そろそろ次期のシーズンが近づいてまいるわけでございます。そこで、もしも納得し得る検疫方法が確立されなかったならば自粛を要請せざるを得ないということで、その旨をあらためて通告いたした次第でございまして、残る期間が約一月あるものでございますから、その間に納得し得る検疫法を確立する、これにつきましては、先方から今月の下旬に専門家がデータをそろえて日本に来る、と、こういう通知がございましたものですから、そのデータを十分吟味いたしまして、さらに、必要に応じましてこちらから専門家を向こうに派遣いたしまして、間違いなくそれでカリブミバエが付着しないようにできるかどうかを確認するという手配にいたしておりますが、その結果によりましてさらに次の対策を講じたいと思っておりまして、いずれにいたしましても、それが納得し得るまでは自粛を要請するということを通告いたした、こういう段階にございます。      ————◇—————

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 この際、質疑を一時中断いたしまして、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  いも、でん粉及び甘味資源等に関する調査のため、小委員十三名よりなる、いも、でん粉及び甘味資料等に関する小委員会、及び畜産問題に関する調査のため、小委員十三名よりなる、畜産問題に関する小委員会をそれぞれ設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、追って公報をもってお知らせいたします。  次に、小委員及び小委員長の辞任の許可並びに小委員及び小委員長の補欠選任、並びに小委員会におきまして参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 次に、てん菜の問題でありますが、本日、甘味資源審議会に、農林大臣は、昭和五十三砂糖年度の国内産糖の目標生産費を、砂糖の価格安定等に関する法律に基づき諮問をいたしております。  そこで、これに対して私はいろいろ詳しく申し上げる予定でしたけれども、時間も迫ってまいりましたので簡単にやりますが、午前中からいろいろ論議されてきたところでありますが、私は、てん菜価格の改定が最大の問題であると思うわけです。  四十一年糖安法制定時に比べまして国際糖価は十三倍、国内糖価が二倍、農業パリティから見ても二倍ということになっておりまして、てん菜価格は一・六倍、こういうことでは生産農家もなかなか意欲が起きないというのは当然であります。これを救う道は、現在の一トン一万一千円を一万五千円に改定する、このために政府も最大の努力をしていただきたい、これ以外にないと私は思うのです。そういったことで、これはいま諮問をしておられるわけでありますので、政府もぜひ十分お考えいただきたい。強くこれを要望いたしておきます。四十八年の六万一千六百ヘクタールから、現在四万五千ヘクタールになったと言われまして、十年前に逆戻り、しかも二五%の減というふうになっております。今回の諮問を見ましても、五十三年の、いわゆる五年先の価格というようなことを検討するような諮問になっておりますけれども、私は、それよりも手前の、まず当面の価格を一万五千円に上げるということが最大の問題であると思うし、これ一点にしぼられると思いますので、この点については詳しく申しませんが、てん菜生産農家のために十分な政府の御検討をぜひいただきたい、かように思います。それだけ要求いたしまして、次に、阿蘇山の噴火による火山灰、フェーン現象による農作物の被害対策についてお伺いします。  火山活動の活発化で阿蘇中岳火口周辺が立ち入り規制になって一カ月以上になったわけでありますが、昨年夏に続く長期規制となりまして、今回は、特に大量の火山灰と台風十四号、十六号によるフェーン現象によって、阿蘇地方をはじめ、菊池、上益城郡の二十市町村の田野を襲い、県農政部が五日にまとめたところによりますと、被害面積三千九百三ヘクタール、被害総額は三億九千三百万円に達していることが判明いたしております。被害の最も大きいのは阿蘇郡長陽村で、水稲三百五十ヘクタール、被害額一億三千六百万円、陸稲八十ヘクタール、被害額一千九百万円など、合わせまして九百四十三ヘクタール、一億六千八百万円となっております。長陽村の中でも、長野、袴野、乙ヶ瀬といったところは特に被害か大きく、近接したこのあたりの水田は見渡す限りちょうど秋が来たようにまっかになりまして、このために出穂直前の水田が完全に立ち枯れておる状態になっております。長野区というところでも、一番ひどい農家では、一戸で九十万円の被害を受けております。また、八月末の調査では、被害が少なかった一の宮という町と阿蘇町でも、二、三日の噴煙活動で水稲、陸稲、畜産に被害が発生しておることが逐次判明し、被害はますます拡大しつつありまして、一の宮町でも三百九十ヘクタール、二千六十万円、阿蘇町でも七百八十九ヘクタール、一千七百五十万円の被害が出ております。被害は水稲だけでなく、陸稲、トウモロコシ、それに牧草も火山灰をかぶってしまって、トウモロコシは実を包む表皮がしわがれてしまい、牧草は晩秋の刈り干し期のように枯れてしまっております。こういった被害を受けた牧草なりトウモロコシというものは牛の飼料にはなりませんし、また、これを食べることによって十数頭の流産も起きておりますし、さらには、阿蘇の牧畜農家は他県あるいは他町村から高い飼料を購入してやっていかねばならないということで、火山灰による牧草を食べた牛は肥育がおくれて、しかも肉の値段が低下するということで、踏んだりけったりの被害を受けております。  これについては、私は、去る八月二十三日に現地を調査し、中野事務次官、熊本農政局、県当局に対策を申し入れ、その後九月五日には、本省から安養寺課長補佐が係官として派遣され、地元の野崎九州農政局長とともに現地を調査していただいたわけでありますが、その調査結果と対策について当局の見解を承りたいのであります。

今村宣夫農林大臣官房審議官

○今村説明員 先生の御指摘のとおり、阿蘇地域の被害につきましては、私どもといたしまして、九州農政局長及び本省の係官を現地に派遣して、被害状況の調査をいろいろ行なったところでありますが、被害は阿蘇地域のほとんど全域にわたりまして、また、被害を受けた農作物も、水稲、野菜、養蚕、飼料作物等非常に広い範囲にわたっております。水稲、トウモロコシ等には枯死したものも見受けられるような状況でございまして、九月四日現在の県調査によります被害額は、水陸稲で約二億五千万円、キャベツ、白菜等野菜全体で約五千万円、養蚕で約二千八百万円、畜産で約四千五百万円、合計で約三億九千万円にのぼっておるわけでございます。  被害の原因につきましては、ヨナによるものが大部分を占めておりますけれども、先生から先ほどお話しのございました長陽村の水稲を中心にした被害につきましては、直接の原因は台風十四号によりますフェーン現象によるものとも考えられますので、その点につきましては現在究明をいたしておるところであります。  なお、また、今後の対策いかんということでございますが、一つは、制度資金をすでに貸し付けておりますところの償還条件の緩和という問題がございます。これにつきましては、いろいろとその被害の実態に応じまして関係金融機関を十分指導することにいたしたいと思っております。  二番目に、共済金の早期支払いを行なえということでございますが、共済金の早期支払いにつきましては、九月十七日ごろまでに蚕繭につきましての被害状況をとりまとめまして、十月一ぱいには支払いが行なわれるように措置いたしたいというふうに私どもは考えております。  なお、また、自作農維持資金貸し付けワクの追加等の要望がございますが、これにつきましては、被害農家の被害状況及び資金需要の実態をよく把握いたしまして、必要な追加配分を考慮いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 いま答弁がございましたことについては、県農政部でも強い要請が出ておりますので、そういったことでぜひ推進をはかっていただきたい。  と同時に、もう一点この機会にお伺いしておきますが、今回の台風十四号、十六号によるフェーン現象または火山灰による被害によって地元農家はたいへん苦境に立たされて、いままで使った農薬、肥料あるいは手間賃等についても、一切これがむだになったことになりますし、今後稲わらも牛馬にはやれない、しかし刈り取って焼かねばならぬという問題があるし、さらには、一年間食糧にも困るし、また、牧草も他県あるいは他町村から買い求めて、高い飼料を食べさせるというようなことがいろいろございますので、十分調査をして認識しておられると思いますが、これらの問題を早急に検討し、対策を立ててもらうと同時に、台風十四号ないし十六号によるところのフェーン現象がおもな原因だと私は考えますので、天災融資法の発動による救済をぜひ考えていただきたいと思っておるわけですが、これらについても当局も十分検討していただくと思いますが、この機会にあわせて御見解を承りたいのであります。

今村宣夫農林大臣官房審議官

○今村説明員 被害の対策につきましては、私どもとしましては、熊本県と密接に連絡をとりまして、被害の実情に応じ、私たちとしてとり得る方法につきましては、県と十分相談をしてそれぞれ措置をいたしてまいりたいと考えております。  なお、また、天災融資法の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、一つのフェーン現象によるものであるということでございますれば、これは天災融資法の発動ということを十分検討するに値する問題であろうと思いますが、その辺のところは、私どもとして、先生の御趣旨もなお十分考えまして、今後検討をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 ありがたい御答弁をいただきましたが、フェーン現象によることであれば天災融資法の発動についても十分値するのじゃないかということでございますが、御検討いただいて、農家の救済をぜひやっていただくように重ねてお願いしておきます。  さらにもう一点お伺いしておきますが、去る七月十一日に当農林水産委員会で私が指摘しましたところの、同じく熊本県阿蘇郡阿蘇町赤水の阿蘇西部土地改良組合の十七工区及び十四工区その他の圃場整備の失敗から、酸性化した土壌によって水田が枯死するという問題で、過般農林省からも調査をしていただき、いろいろ手を打っていただいておりますが、地元でも今後のことをいろいろと心配しまして、今後、レンゲをまいたりしていろいろと草が育てば水田が可能じゃないかということも言われておりますが、こういったことを踏まえて、これらの問題に対する今後の対策についていろいろ検討しておる問題を御報告いただきたいと思うわけです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先般の委員会でも申し上げましたような次第でございますけれども、引き続きまして、県ともどもこれが対策、指導に万全を期しているようなわけでございます。  試験田の設置はいま続けております。試験田の結果につきましては、途中からつくった試験田であるということから、本来ならば田植えの時期から始めないと完全な調査結果というものは出ないと思いますけれども、いままで出ました結果によりましても、暗渠が非常に効果があるということははっきりしてきたわけでございまして、三条の暗渠排水を入れる、そのほかにモグラ暗渠も併用するというような方法をとりますと非常に効果が大きいということが判明したわけでございます。そういうことから、本年度の事業費につきましても追加割り当てをするというような措置を講じたような次第でございます。  それから、土壊改良につきましては、今後とも、炭カル等の効果という問題について、それが効果を見詰めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。  それから、用水対策につきましては、これは黒川に取水源を求めるということにすでに変更いたしたような次第でございます。  何と申しましても、この水田につきましての営農指導ということがきわめて大事でありますので、今後とも、営農指導には、あの地帯の特殊事情ということも十分考慮しながらやってまいるというようなことで体制を整えておるような次第でございます。あの地区については、来年が事業実施翌年であるというようなことを考えれば、いまの作付田の稲作状況というものについては、かなり良好な模様であるというふうに考えられるわけでございます。  それから、十七工区の作付不能田についてでございますが、これは通年施行補助金の対象といたしておるような次第でございます。何と申しましても、こういうふうな硫化物体を含みます区域というものが来年度の区域にもあるようなわけでございますので、そのための設計なり施工ということについてはいままでにも増して入念な実施をするべく、県ともども工法等についてもさらに入念に詰めていくというふうな措置を講じておるような次第でございます。  以上でございます。

瀬野栄次郎公明党

○瀬野委員 この件については、大山局長にも十分対策をとっていただくと思いますが、どうか、今後、いまの趣旨に従って対策を進めていただくように重ねてお願いしておきます。  最後になりましたけれども、質問の通告をしておりましたカントリーエレベーターの問題で、佐賀県の小城農協カントリーエレベーター並びに牛津農協カントリーエレベーターにかかわる荏原製作所及びその下請業であった熊本県下益城郡富合町田尻字平碇二九五の一の内藤製作所、これは代表取締役内藤明の会社ですが、これに関係するいろいろな不正な問題があるが、時間がございませんので、次回の農林水産委員会あるいは決算委員会であらためてこれを指摘することとします。きょうは農林省をはじめ関係者の出席をいただいておりましたけれども、時間の関係でこれを割愛していただくことをお許しいただくと同時に、次回に譲って、本日の質問を終わることにいたします。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 稲富稜人君。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私は、政府に質問をいたす前に委員長に質問申し上げたいと思うのであります。  実は、本委員会を開催されるということは一カ月前からきまっておったのでございます。それで、当然、本委員会に対しては政府側から大臣なり次官なりが出席すべきものだと思いますけれども、大臣も次官も本委員会に出席をされないということは最も遺憾でございます。委員長としては政府側にどういうような連絡をとられたのであるか。連絡をとられたにもかかわらず政府側から大臣も次官も出席しないということは、委員会軽視もはなはだしいと思うのだし、また、政府と委員長は連絡して、大臣あるいは次官も出席できないような委員会であるならば、あるいは日にちを変更するとか何らかの措置をやることが必要であるし、これがなかったということは、今度は委員長の委員会軽視だと思うのでございます。今後もこういう問題はあることでありますので、この機会に委員長の意のあるところをまず承りたいと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 稲富委員にお答えをいたします。  お説のとおりであります。すでに一カ月以前から本日の委員会は決定いたしておりましたので、当然、大臣もしくは政務次官は出席するものと心得ておったのでありますが、今朝になってどうしても二人とも出られないという。いろいろ事情がある。これはやむを得ない事情と認めておりますけれども、まことに残念であります。遺憾であります。ただ、閉会中のことでもあるし、事前に十分な確認のできなかったことは私の手続の足らなかったところであるが、さりとて、この日程を変更するわけにもまいりませんので、質問者の皆さん方に個別に御了解を得て開会をやむなくしたという次第でありまして、今後は、お説のように、委員会の権威にかけても絶対にこういうことのないようにいたしたいと思いますし、同時に、本日の御意見は委員会の意見として十分に厳重に農林省のほうへも申し入れをすることにいたします。  今後はそのようにして善処をいたしますので、本日は御了承をいただきたいと存じます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 実は、私、大臣も次官もおられないのであまり質問したくないのでございますけれども、事、予算編成を控えておりますし、非常に急を要しますので、あえてやむなく出席の政府委員に対して質問いたしたいと思うのであります。  私がお尋ねいたしたいと思いますことは、これは単なる地方の問題でございますけれども、いま申しましたように予算編成期を控えておりますし、その予算編成に対する問題もありますので、あえて地方の問題を取り上げて、この機会に政府にお尋ねして、政府の意のあるところを承りたいと思うのでございます。  そのお尋ねいたしたい問題は、御承知のとおり、福岡県の浮羽、久留米を中心といたしました耳納山麓地区農業水利事業というものが国営として計画されておりますが、これに対して若干お尋ねいたしたいと思うのでございますが、この計画は四十七年より七カ年間計画で完了するという予定で計画されたものであると承知をいたしておりますが、その点を念のために承りたいと思うのでございます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 耳納山麓の農用地開発事業の着工のための同意をとったときにおきまして、四十七年から五十三年の間に完了する、いわば予定工期として、工期の予定ということではそういうふうになっていたわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 その予定工期が七カ年間ということでありますならば、その計画に対する総予算は幾らとして計画されておったか。総事業費は、聞くところによると百十億であるということも聞いておるのでありますが、その総事業費の予算並びに年度別に対する予算の支出目途というものはどういうような計画になっておったか、この点を承りたいと思うのであります。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 総事業費は、耳納山麓の場合百十億八千八百万ということで、五十三年に完了する予定ということで着工したわけでございます。先生御存じのように、国営事業の施工にあたりまして、まず最初に問題になってまいりますのは用地の取得でございます。耳納山麓の場合でございますと、合所ダムという問題が出てまいります。したがいまして、当初は、用地費の取得というようなこと、あるいは上下流のそういうことに利害関係のある方々との交渉といったようなこと、あるいは面工事といったようなこと、あるいはその面工事のための道路をつくるとかいうようなこと、・こういったようなことから出発するわけでございまして、事業費ベースに毎年平等でやるということは考えておりません。総事業を行なうのに要する金が幾らであり、それを海年その時点における進捗状況に応じて最も能率的な投資をするとすれば幾らになるかということを毎年度予算においてきめて、それを実行してまいる、こういうふうなことで進めているわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 そういう実情に応じた予算の要求というものが地方農政局から当然行なわれるのだし、地元としてもそういう予定に応じていろいろな仕事を進捗していることは御承知のとおりでございます。ところが、往々にしてこの支出というものが農政局の要請よりもだんだん少なくなってくる。現在までの状態で七カ月間という計画どおりにはたして完成されるかということを地元の者は非常に不安に思っております。特に、最近におきまする物資高騰の問題もあるのでございます。もちろん、いま局長から御答弁のありましたように、年々幾らということはきめないといたしましても、最後の五十三年に結論としてこれが完成するならばいいのでございますけれども、私が憂慮することは、今日のような、この予算措置によってはたして計画どおり七年間でこれが完成するかどうかということに対して私は非常に疑惑を持つわけなんで、これに対しては政府としてはどういうような考えを持っていらっしゃるか、承りたいと思うのでございます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 基本的に、土地改良基盤整備ということにつきましては、土地改良長期計画に基づいて、土地改良長期計画の目標達成ということを広い角度からは実施してまいるというかっこうになるわけでございます。しかし、土地改良長期計画の中にもございますように、財政事情なりその他の事情によって弾力的に運営するということはあるわけでございます。  そこで、本地区についてでございますけれども、地元から見るならば、これだけの事業をやりたいという希望は当然出てまいります。この希望というものは、それぞれの所長の立場から言うならばあるいは地元の人から言うならば、最大限の期待ということで出てくることは当然のことだと思っております。ただ、それを全国的に集めまして、そして今度農林省というかっこうで大蔵省に要求するということになってまいりますと、そこにはそれなりの事情ということから、その希望の全部を必ずしも満たし得ないということがやはりあり得るわけでございます。そういう場合に、どの地区についてはより多くの事業を投下するかということについては、それぞれの地方におけるその土地の事業の進捗状況なり、あるいは事業をここまでことしやらねばならぬとか、諸般の事情の上においてこれだけは最小限度やりたい、と、こういうふうな角度の検討がなされるわけでございます。  そういうことの結果といたしまして、ある数字が、全国的な規模としてこれだけを要求したいというものが出てくるわけでございますが、そのときに、国といたしましては、全体の要求を前年対比一二五というワクの中に閉じ込めるということが、目下の物価問題という問題がやはり大きな事情にあり、総需要抑制ということが一応来年度においても続けられるであろうという前提の予算編成ということになりますれば、それなりに応じた中において、われわれといたしましては、最小限度これだけあれば今後の大蔵折衝についてあとであやまちを生ずることはないであろうというラインを出して要求する、こういうことに相なるわけでございます。したがいまして、そういうことの結果、今後大蔵省とも十分に詰めまして出た予算、これを今度は有効に活用していくのが来年度予算の実行ということに相なるわけでございまして、耳納山麓で申し上げますならば三つあると思います。一つは、いまだ完全な解決に至っておりませんダムの用地費の補償ということ、それから水路の建設ということと、それから面工事と、三つあると思いますけれども、来年度のわれわれとしましては、面工事に重点を置いて事業を進めてまいりたいというふうな姿勢のもとでいま予算要求をし、これから大蔵省と協議してまいるという段階になっておるわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 政府の総需要抑制というような問題が、あるいは支出に対して十分なことができなかったのだというようなことだろうと思うのでございますが、これは考えていただきますとあんまりひど過ぎるのですよ。御承知のとおり、七年間の計画でございます。もう三カ年間終わっておるのです。その三カ年間にどれほど支出をしておるかというと、四十七年度は七千万円、四十八年度は二億五千万円、四十九年度は五億円なんです。これだけのわずかな金額で、あともう四カ年しか残っていないのですよ。こういうようなことでほんとうに農民の期待に沿うような事業の進捗ができるかどうか、この点は十分考えなくちゃいけないと私は思うのです。この点に対してどういうようにお考えでございますか。あまりにもひど過ぎるのじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 問題は、今後どういうふうな投資が可能であるかということにすべては基因するだろうというふうに考えるわけでございます。昔の愛知用水事業は五年間で四百二十一億で事業を完成させたわけでございますが、そのうちの三年までに使った金はおそらく六十億くらいだったと思っております。あと二年間半で残りの三百何十億を投入して工期どおり完成したということもあるわけでございまして、大体、事業の最初の年に少ないということはどの地区についても常識的なことであり、すべての問題の醸成とともにだんだん事業費をふやしていくということが最も効率的な経費の使用の方法としていいのではないかというふうに考えているわけでございます。  金の使い方にもいろいろの使い方があると思います。先ほど申し上げましたような面工事というようなことに、耳納山麓の場合は来年度は重点を置いて施行してまいりたいというふうに考えるわけでございます。面工事で言いますならば、昨年までにたしか六十五ヘクタールが造成されていると思いますけれども、来年度はそれを上回る面積の造成をしたいというふうに考えるわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 試みに申し上げますならば、四十八年度は九州農政局が農林省に要求した金額は十億で、農林省は、大蔵省へこれを要求される場合に、わざわざ二億五千万円というように減少して要求されている。そして大蔵省は、これを二億五千万円の決定をされておる。四十九年は、九州農政局が要求したのは二十九億で、それを農林省はわざわざ十億に減額して大蔵省に要求されている。それを大蔵省はわざわざ今度は五億に減らしている。何か、バナナのたたき売りみたいに、農政局から来たものは、農林省は農林省として、これを少なくして予算要求する。何でそんなに遠慮をしなくちゃいけないか。また、農林省から大蔵省にいきますと、大蔵省は、ここに主計官もおいでになっていると思いますが、実情をもっと見なければいけない。ただ、農林省から来たからそいつを半額に減らしてやったらいいじゃないかというような、そういう机の上の予算の減額対策をやられるということはもってのほかだと思うのです。なぜこういうことをやらなければいけないのか。地方農政局は、地方の実情の進捗状態を見ながら、地方の希望をいれて、農政局としてこれを要求する場合には責任をもって要求していると思う。その地方農政局が要求したものを、農林省はわざわざ減額して大蔵省に予算の要求をされる。それを大蔵省はまた半額にする。あれは総需要の抑制であるというようなきれいな文句は言われるかもしれないけれども、なぜこういうことをしなければできないか。この仕事をやろうということに対する熱意がどれほどあるかということさえもわれわれは疑わなければいけない。計画されたこの事業というものは、実は数十年前からのこの地方の非願だったのですよ。数十年来の悲願で、約四十年くらい前からこの悲願があったものを、ようやく国営としてこれをやられるということで地元では非常な期待を持っている。その期待がいま申したような状態で一向進捗しないということは実に遺憾なんです。なぜこういうような実情というものを踏まえてやられないのか、この点が私はどうもふに落ちないので、この点に対しては、農林省並びに大蔵省の御意見もあわせて承りたいと思うのでございます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 予算にはやはり総ワクという問題があるわけでございます。ある地区だけをとれば、それは確かに不満も出ると思います。しかし、やはり、どの地区からも同じように早くやってほしいという希望が出ているわけでございます。特に、総需要抑制というようなことから、最近事業費の伸び悩んでおる各国営事業については、そういったような地元の声か一様に起こっていることをわれわれも了解しているわけでございます。そういう中におきまして、しかも、要求された予算というものが全部つくというようなことであるならば、これはたとえば政府として一二五%の範囲内で要求する。こういうこととの関係から言ってもそれは不可能なわけでございます。そして、また、そういうふうな事態の中において、特にそれぞれの地区の事情ということを考慮しながら、われわれとしてはこの地区についてはこれだけの予算を要求したい、と、こういうふうなものをつくって、それで予算要求をしているわけでございます。  耳納山麓の場合に、用地交渉といいますか、あそこの総合かん排事業でございますけれども、ダムについての交渉もまだ完全に終わっていないということは、その問題のめどということとの関連におきまして、やはり、一つ事業を進める際においても、とりあえず事業を進めるべき中身という問題の一つの参考材料ということになることは否定できないわけでございます。率直に申し上げまして、昨年五億の予算に対しまして来年度は倍以上の要求をしているつもりでございます。そして、その事業の中身も、用地交渉との関連という問題はありますけれども、極力面工事に入れる。要するに、公共事業の投資というものを緊急性のあるものにより有効に活用するということが、いまの総需要抑制ということの続く限りにおける公共事業の使い方であろうというふうに考えざるを得ないわけでございまして、そういう角度に応ずるようなかっこうで、個々の地区の事業費という問題について、今後最終的に、十二月になると思いますけれども、予算時期までに確定したいというふうに考えるわけでございます。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  予算要求の話でございますけれども、いま国営事業として全国で相当な数が行なわれているわけでございまして、各地区とも計画されたところに従いまして予算要求をなされて、農林省はこれをまとめて大蔵省に提出されるわけでございますが、私どものほうといたしましては、この土地改良を中心にした農業基盤整備費の総ワクをどうするかということが当面一番大きな問題になるわけでございます。そこで、昨年は御承知のように農業基盤整備費が前年度に対しまして約三十億程度ふえる。すなわち、ほとんど実質金額で横ばい。それから、物価の上昇等を考慮いたしますれば、事業量減というようなきびしい状況下で予算編成したわけでございます。  したがいまして、こういう全体ワクの中で、さらに今度は個別に国県営、団体営といろいろの各種の事業が行なわれておりますけれども、国営事業につきましては、個別に農林省と御相談いたしまして個々の内訳を見るわけでございますが、何せ総ワクがそう限られてまいりますと、それぞれの地区にどうしてもしわ寄せせざるを得ない。御指摘の耳納山麓につきましても、いままでの投資額が非常に乏しいではないかということを御指摘でございますが、まさにそのとおりだと思います。しかし、実質四十八年度にスタートしたものとしてはやむを得なかったというように考えております。  五十五年に完了するかどうかの点につきましては、一応農林省はその計画を改定いたしまして、百四十億でございますか、五十五年ということを申しておりますけれども、それがはたして完了できるかどうか、いまにわかに申し上げるわけにはまいりませんけれども、来年度予算編成のことにつきましては確固たることをまだ申し上げる段階でございませんけれども、依然として強い総需要抑制の基調のもとに予算を編成せざるを得ないという立場にもございますので、なかなか苦しい個別の割り当てにつきましても必ずしも御満足いただけるような額にならないのじゃないか、このように考えております。  それから、もう一つは、国営事業は非常に多うございますけれども、新規にちょっとたくさん取り過ぎているんじゃないかという感じがいたします。投資効率の点からいたしますと、なるべく継続工事を完了いたしまして、早期に経済効果が発揚できるようにしたほうがよろしいかと私は個人的には思いますが、実際問題として、新規の地区におきましても地元の要望が非常に強いというようなことがございまして、そこいらの両者のかみ合いできまってまいるものでございますから、各地区ごとに見ますと必ずしも十分でない、御満足いただけないというような状況にありますが、その地区のプライオリティーと申しますか、需要度をできるだけ勘案いたしまして、よく農林省と相談してきめてまいりたいと思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 私があえてこういう文句みたいなことを申し上げたいと思いますのは、実は、これを最初に計画しましたときの農林省の説明は、三カ年間で開墾するんだというような地元に対する説明をやっておるわけなんです。開墾に対するために、農民はもう山を伐採しているのですよ。伐採をして、ちゃんと受け入れ体制をつくっておるにもかかわらず、仕事は一向に進捗しない。ここに地元農民としての非常な不満があるわけなんですよ。この点を初めからあまりに期待を持たせ過ぎている。しかも、三カ年間にこれを開墾するんだと言っておるから、農民はもう伐採しておる。こういうような状態なんです。その点を十分地元ではわかっておるから、九州農政局等ではやはり予算要求というものがなされると思うのでございます。  私は、あえて大山局長にこういうことを申し上げることはいやでございますけれども、実は、あなたが九州農政局長の時分にも、これは事情はわかっていらっしゃるから予算の要請はやられておると思うのでございますが、予算の要請をやられたということは、農政局としてはこれだけはやれるという自信があったからやられたと思うのでございますが、やはり中央で削られてしまっておる。さらに大蔵省で削られておる。こういうようなことは、その当時のあなたが農政局長であるなら、やはり大いに不満があったと思うのです。いまでは本省の局長だからやむを得なかったとおっしゃるかもしらぬけれども、そういう点も考えられる事情というものは十分にわかっているつもりなんですが、単にこれは需要抑制があるがためにやむを得ないんだということで切り抜けられるものではないし、また、この地方においては、これは非常に緊急を要する希望を持った必要な問題でございますので、この点は特に考えて処していただきたい。  もちろん、全国的な国営事業がありますから、ここだけやれということは無理でございましょう。しかしながら、やる上においては、その必要度あるいはいま申しましたような受け入れ体制等の実情に即してこれから進捗状態をやるということが政治上非常に必要ではないかと私は考えるのでありますが、こういう意味から特にここで申し上げたいと思いますことは、四年目を迎えます来年度、五十年度に対しての予算は農政局のほうからは三十九億の要請がもうあっておると思いますが、それでは、これに対してはどういうような処置を農林省としてはやり、大蔵省に対して予算折衝をなされようとしておるのであるか。もしもこの機会に承ることができますならば承り、これに対する大蔵省の意見もあわせて承ることができるなら承りたいと思うのでございます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先生を中に入れまして、農林省、大蔵省両方が交互に立っていますと、今後農林省と大蔵省とやり合うときの材料を相互に出し合うことになってしまいまして、必ずしも有利ではないんだろうという気もするわけでございます。そういうこともございますので、とにもかくにも実質三年目であるということと、あそこの方の中で、未墾地取得資金を取得されて据え置き期間が切れる方もあるというようなことも頭に入れまして、面工事を、四十九年までで六十五ヘクタールですか、実行されているわけですが、それを上回る事業ができるというようなことで、とにかく予算としては——ここまで言ってしまうのがいいか悪いかもありますけれども、そういうことで来年度予算に対処したいというふうに考えるわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 農林省の腹ぎめもわかったのでございますが、これに対して大蔵省としてはどういうような気持ちで応ずるというような決意があるか、承りたいと思います。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答えいたします。  いま大山局長が申されたとおり、耳納山麓における事業の特質は面工事を重視していかなければならないということでございますので、そういう方向につきましては、これに実際責任を持って実施されておられる農林省の見解なり立場というものを尊重をいたすつもりでございますが、ただ、予算の額につきましては、これから総ワクがきまり、また、総ワクの中で個別の査定をやっていくわけでございますので、いま申し上げるわけにはまいりませんけれども、農林省の意向は十分尊重して、そのワク内で適切な処理をしてまいりたいと思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 明らかにされないのを私は承ろうとは思いませんが、ただ、参考までに申し上げたいと思う。  さっき私が申し上げましたのは昨年度です。四十九年度は、九州農政局から二十九億の要請が農林省にあっておる。農林省は、これを大蔵省に要求する場合に、わざわざ丁寧にその二十九億を十億に減らして大蔵省に言われている。大蔵省はそれをさらに半額にして、五億にされておる。こういうようなことではたして仕事ができるかということなんですよ。九州農政局が出してきた場合には、相当に実情に沿うてやられていると私は思う。その実情に沿うてやったものをわざわざ農林省が減額されたことに対しても私は不服があるのだが、その農林省の減額されたものを、また半額に大蔵省はやる。さっき言ったように、何かサバを読んできたもののように、自分たちのほうはこれを少なくさえすればいいんだというようなやり方というものは、事業に対して非常に誠意がないと言わなくちゃいけないと私は思うのですよ。これは実際地元では非常に真剣ですから、この地元農民の真剣なる希望という事情の上に立ってやってもらいたい。要求したものに対してただ半額にして、またこっちのほうを半額にするんだというようなことは、ふざけたというか何か知らぬけれども、われわれのほうから見るとふざけておるのじゃないかと言いたくなるのですよ。こういう点を十分考えて処してもらいたいということなんです。これに対するお心がまえを承りたいと思うのです。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 おことばでございますが、私どもは、総ワクがきまれば、その中でその事業の特質などを農林省と十分相談いたしまして決定してまいっておるわけでございまして、ただ単純に半分に切るとか、世上言われるような、そのような態度でわれわれはやっているものではないことは御理解いただきたいと思います。  予算要求でございますから、各地区ごとに自分の希望なりがたくさんあることは先生十分御承知のとおりで、それらを集計すれば、農林省としては国営事業をこれだけやりたいんだけれども総ワクの関係でこれくらいにせざるを得ないということで、農林省は地方農政局の要求をカットして、その中におさめて要求なさるのが普通だと思います。私どもも、その農林省の要求をそのまま認めるわけにはまいりません。これは農業基盤整備費全体をどうするかということにかかわってまいるわけでございまして、その農業基盤整備費は、また、公共投資全般の中でバランスをとってどの程度にするかということで総ワクがきまってまいります。その総ワクの中で、国営事業あるいは県営事業あるいは団体営の事業、また、種目によりましては土地改良あるいは農用地開発事業というようないろいろな分野に多岐にわたっておりますので、それらをバランスをとりながら配分して、その中で、国営事業の中でまた個別の地区ごとに査定をして、そのバランスをとってきめていくということでございまして、むちゃくちゃに切ってただ圧縮したというようなことは決していたしていないつもりでございますので、その点は御了解いただきたいと思います。

稲富稜人民社党

○稲富委員 総ワクで必要に応じてやられるということになるのでありますが、これはさっき大蔵省の意見の中にもあったのでございますが、本年度においてもまた国営新規事業というものが計画に応じて新規事業をやられることに対して悪いとは言いません。しかしながら、少なくとも、そういうことができて総ワクというものに影響したからということで、継続している事業というものがそれに対して支障を来たすというようなことがあってはいけないと私は思うのです。もしも新規事業をやるというならば、継続事業は継続事業の計画を進めながら新規事業をやるということは、これは国政上大いに考えなければいけない問題じゃないかと思うのでございますが、こういうことに対してはどういうような考え方を持っていらっしゃるか、この点も承りたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 土地改良事業というものは、個々の地区についても息の長い事業でございます。とともに、やはり、土地改良長期計画に基づいて計画的に進めてまいらなければならぬわけでございます。そういう意味から言いますと、新しい玉というものもある程度要請していかなければならぬということもまた否定できないわけでございます。昨年の場合はとにもかくにも前年とほとんど変わらぬ額ということを前提にしたこともありまして、むしろ、制度面への充実ということをはかったわけでございます。その代表的なものが農用地開発公団であったわけでございますが、今年度の場合におきましては、それとともに新規地区も相当程度とったことも事実でございます。来年度の予算にあたりましては、むしろ残事業量という問題との関係もございますので、あとへ残す玉ということから言えばある程度とらざるを得ないと思いますけれども、ただ、残事業量を結果的にただふやすだけのような新規の地区の採択ということはやりたくないということで、前年よりは下回るといいますか、適正な採択数ということを要求したいというふうに考えているわけでございまして、やはり、継続事業を重点的に施行するという姿勢で来年度の予算には対処したいというふうに考えるわけでございます。

稲富稜人民社党

○稲富委員 時間がありませんから、結論を申し上げます。  何はともあれ、一番最初にこれを七年間の計画として思い立ったことであるし、受け入れ側のほうはその計画で一切を進めております。それで、予算がいままで十分ではなかったとしても、少なくとも七年計画で五十三年には完成をしなくちゃいけないわけなんです。あと四カ年ありますから、約束どおりこの五十三年には完成してもらいたいということを強く私は要望すると同時に、政府もそういう心がまえで対処してもらわなければいけないと思うのであります。  さらに、最近におきまする物価高騰等におきまして、この事業の予算というものも相当にまた困難性を帯びてくるということも考慮に入れながら、それを実現するということに対しては、政府といたしましても非常に苦しいかもわかりませんが、しかしながら、これが計画に対しては、そういう農民の期待があるわけなんですから、この点を十分考えて今後処していただきたい。特に、来年度の予算は、もうすでに第四年度を迎えるわけでございまして、もう前半期は済んだわけでございますから、予算編成にあたっては、十分実情の上に立って、この点も特段の配慮をしていただきたい。そうすることが農民の期待に沿うゆえんでもある。もしも今度また予算が非常に減額するということになりましたら、地方の農民はおそらくもう期待を持たないようになるだろうと思う。現在では、伐採したのにそのままでは進まないからといって、役員諸君は伐採した農民から責められて、往生しているのです。こういう点を十分考えていただきたいということを私は特に最後に希望申し上げまして、これに対する農林省並びに大蔵省の心がまえを承って、私の質問を終わることにいたします。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 基盤整備事業全体についての来年度の予算の実行は、これは総額との関係がまず前提になりますけれども、考え方としては、建設利息の当然に農民負担にかかってくる特別会計事業、これをまずやらねばならぬというふうに考えます。それから、そうでない事業につきましても、それぞれの事情に応じて極力スピードアップがはかられるような方向で進めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。  耳納山麓の場合、先ほど私は同意をとった当時百十億ということを申し上げましたが、現在PW等で約百四十五億ということにもなっておりますので、今後の公共事業全体に対する国の姿勢との関係もございますけれども、極力早い時期に完成するような方向で、毎年度の予算、特に来年度の予算については、その中でも重点となる事項に極力投資を集中して、農民の期待にこたえるような方向で進めていきたい、こういうふうに考えるわけでございます。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  継続事業等につきまして、やはり御指摘のような点がございますので、重点はそちらに置きまして予算の配分その他をやっていきたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 きょうの私の質問は、先ごろきまりました消費者米価についてが第一点であります。そして、次に、当面緊急な対策が迫られております牛肉の問題について触れまして、さらに牛乳の問題に対して御質問を申し上げてまいる予定にいたしております。  最初に、きょうは大臣も政務次官もお見えでありませんが、食糧庁長官がお見えでありますから、主として長官にお尋ねをしてまいります。  消費者米価の審議会における決定は、私がここであらためて申し上げるまでもありません。いろいろな意見が出たわけでありますが、特に、米審の小倉会長が記者会見の席上、今度の消費者米価決定にあたって、会長としては物価等を考える場合に極力値上げ幅を押えるべきだという考えをお持ちのようだけれども、具体的にはどの範囲が適当と考えておるかという記者団の質問に答えて、数字をあげてその範囲を示されました。すなわち、二〇%から三〇%の範囲と私は考えております、と、こういう記者会見席上における小倉会長の発言があるわけであります。きまった米価は三〇%をこしました。私は、この米審に限らず、審議会における審議経過とその答申を無視するというしばしばの政府側の姿勢に不満を述べてまいった一人であります。今回もまた同じようなパターンでこれが出てきたということはきわめて遺憾であります。私は、米審無視の消費者価格の決定に対して、政府側としての公式の釈明なり見解がほしいと思っておったところであります。これは政府を代表して食糧庁長官から、この辺の経緯とその考え方について国民の前に明確にされる責任があると思いますが、いかがですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 島田先生も御承知と思いますけれども、答申の内容で、「多くの見解は、政府試算米価の範囲内で相当の引上げを行うことはこの際止むを得ないものとされた。」ということになっておりまして、私ども米審に出席いたしまして、各委員の方の意見の開陳を聞いておりまして、いま申し上げたような答申の結果になっているわけでございます。その多くの方の「相当の引き上げ」を行なうことはやむを得ないという、その「相当の引上げ」ということは、委員の方々の意見を総合しますと三〇%以上の引き上げ——もちろん、この中には、三六%の政府の試算に対して適当であるという方も含まれておりますし、三六%より上回ってもいいという意見も含まれております。また、米審の答申の中には、「消費者家計」ということと、それから「諸物価への波及を考慮することが適当である。」ということもうたわれております。したがいまして、そういった家計、物価に対する影響等も当然配慮すべきであるという米審の答申を受けまして、私ども政府としては、各方面との折衝を重ねまして三二%の引き上げということにきめたわけでございまして、私どもとしましては、これはむしろこの米価審議会の答申を尊重して検討した結果であるというふうに考えているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そうすると、小倉発言は、むしろ会長みずから米審を無視したということと同じ結果であるとあなたはお考えになるわけですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 たとえて申しますと、二〇%台に引き上げをとどめるべきであるという意見を開陳された方も四人ほどございます。小倉会長が新聞記者会見のときにどういうことを言われたか、ちょうど私はそこに立ち会っておりませんのではっきり私も聞いておりませんが、二〇%台、三〇%台と言われたのかどうか、あるいは二〇%と三〇%の間と言われたのかどうか、その辺はっきり私も承知しておりませんが、いずれにしましても、会長が言われましたのは、二〇%という意見も中にはあるし、三〇%台という方もあるんだというようなことを言われたのではないか、その真意はそうではなかったろうかと私どもは思います。と申しますのは、私、三二%引き上げが決定をいたしましたあと、小倉会長にも報告をいたしましたが、その際、小倉会長は、いい数字だなということも言われましたし、必ずしも、二〇%と三〇%の中できめるべきであるという、非常に強いはっきりしたことを言われたのではなかったのではなかろうかというふうに私は感じているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 この問題だけで時間をとるわけにまいりませんけれども、要は、米価の決定前後におけるいろいろな暴言に近い発言が幾つもあって、たいへん消費者大衆であります国民の怒りを買ったというのも今度の米審の特徴的なものではなかったかと私は思います。たとえば、たばこ一本論であるとか、あるいはコーヒー比較論とか、こんなものが出てまいりましたが、これは、たばこ一本にも相当しないような値上げに国民は文句言うな、と、こういう暴言とも受け取れる発言であります。しかも、コーヒー一ぱいと比較をするなんということは、私の意見としては、これこそまさに暴言に近いものであると思います。  ただし、私は、コーヒーとの比較をする場合、あるいはそのほかのものと比較する場合において、今日の日本の物価体系というものがたいへん狂っているという点については異論がないのであります。たとえば、いつかの委員会で私は言ったことがあると思いますが、新幹線に乗ると、新幹線の中で売られているお茶が一本六十円もする。私は、容器を持ってきて、びんに水を入れてそれをはかってみたら、二百ccの牛乳びんの肩ぐらいしかないお茶であります。ただ色のついたお茶で、六十円の価があるという味は一つもないお茶であります。ところが、同じ新幹線の中で売られている二百ccの牛乳は五十円以下であります。こうなってまいりますと、これを比較すれば、日本の今日の物の価というものの基準がどこにあるかと私は疑いたくなる。そういう部面がたくさんあります。ですから、コーヒーと米とを比較するという比較論は、正常な物価というものの比較においてなされる議論ではないと私は思っているから、コーヒーを引き合いに出して米云々ということは、これは当てはまらない。ましてや、米というものは、われわれの命にかかわる日常の大事な主食なんだ。コーヒーは飲まなくたって命に関係がない。そういうものと比較してものを考えるということは、すなわち、政府みずからが今日の物価に対する基本的なものの考え方を誤っているということを暴露していると思うのです。だから、私は、これは暴言ではないかとあえてきめつけたいわけであります。  こういう発言をされた当の政務次官がここにおられれば、私はきょうかなりの議論をしたいのであります。長官はこんな発言は一つもしていないから、あなたにこんな話をしてもしようがないけれども、しかし、そういうものの考え方が、今日政府の一つの考え方の中心にかりにあるとしたら、これはゆゆしいことだ、そういうものではない、この点を反省をしてもらわなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 私どもよく消費者の方々から陳情を受けますが、その際に、米の値段というものは、先生も御承知のようにたびたびこれまで据え置かれておりますし、非常に安いということを申し上げております。ただ、申し上げましても、どの程度安いかということは、たとえば玄米六十キロ、一俵当たり七千七百七十円が売り渡し価格でございますとか、あるいは標準価格米が十キロ精米当たり千六百円でございますとか言っても、私どもはすぐびんとまいりますけれども、一般の消費者の方々はそういう感触が実感的に非常におわかりにくい点もおありだろうということで——実は、役所というところはもともとPRが非常にへたなところでございまして、むずかしいことは言いますけれども、一般の消費者の方々にわかりやすいような表現が非常にへたであるというようなことで考えましたのが一食当たりどのぐらいに当たっているのだろうかということですが、米一食当たり大体百グラムですと、標準価格米を召し上がっていただければ原価十六円、自主流通米を召し上がっていただいても約二十五円ぐらいにつきます。総理府の家計費の調査で出ておりますのは、大体平均して一食当たり二十円ぐらいの米を食べていますというようなところから、一食当たり大体十六円から二十円、二十五円、その辺でございます。  そう申しましても、ほかの物価が一体どういう値段であるか。たとえば牛乳一本にそれを比較してみますと、一本四十七円とか、セブンスター一箱で百円とか、新聞は朝刊だけで五十円とか、そういう一つの例をとって申し上げたことがございます。御指摘のように、コーヒー一ぱい二百円とか、百五十円とか、コーヒーと主食の米を比較するのはけしからぬと言われますお気持ちもわかります。ただ、一つのわかりやすい比較としていろいろな品目をあげて、PRといいますか、申し上げたことは事実でございますが、そういう他意があって申し上げたわけではございませんので、そういうことは御了承を願いたいと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 嗜好品と主食という、この決定的に違うものを同列に並べて政府がものを言うというのは不見識じゃないですか。わかりやすく説明した、親切でものを言っているのだといま長官は言うけれども、こういうものの考え方は実にけしからぬ比較論だと私は思うのです。そういう考え方がもしあるとするならば、これは正していただきたい。  それから、消費者米価が決定されて以降、いろいろな人と私は接触をいたしました。私は、たまたま先ごろ札幌であるホテルに泊りました。旅館に泊ったら、旅館の経営者の奥さんが私の部屋に参りました。そして、今度の消費者米価の決定というのは、私ども、いままでかつてないほどこの成り行きをほんとうに注目しておりました、というのは、このような物価狂乱状態の中における公共料金と目される米価というものがどうなるかということは、私どもにとってこれは死活の問題だと言うのです。こういう話があって、私はもっぱら聞き役に回ったのでありますが、この奥さんは、いま子供が男ばかりですけれども、三人おる。全部東京に行っていま勉強中ですが、私はたいしたお金を送ってやることができないから、三人のむすこはそれぞれアルバイトをしながら大学に通っておる、一年生と三年生二人で、これはみんな下宿しているのだけれども、まあラーメンとライスでほとんど食っているが、今度は下宿代も上げなければいかぬという下宿屋さんのおかみさんの話があって、いままでと違ってもう少しうちからの仕送りをふやしてもらわぬとやれぬと三人の子供からさっそく言ってきたと言うのですが、このように、消費者米価の決定というものが幾日もしないで直ちに波及していくのですね。物価に影響していくのです。こういうことは米審の会場でも委員からこもごも話が出されておりますし、また、三番町におけるあの消費者代表の皆さんからも、長官、あなたに対してもこういうことが強く訴えられていた。まさに、そういう状態がこれからさらに顕著になってくるでしょう。  ですから、消費者米価の決定というものは、あの食管法に基づく精神を貫いていくということを政府みずからが守ってもらわぬことには、国民生活を守ることはできない。それを、今回、まあ三二%は適当なところでしょうというお話しでありますけれども、これは物価への容易ならざる大きな影響を持っているということを考えますときに、もうきまってしまったことに私がいまごろいちゃもんつけたってもとに戻りませんし、覆水盆には返りませんけれども、しかし、物価に取り組む姿勢として農林省もそこに協力をし、また、積極的にこの物価問題に対して取り組む姿勢を示していくということも農林省に与えられた一つの大きな役割だと考えるときに、唯一の公共性を持ったところの、あなたのところできめられるこの米の問題に一番慎重を期していく、そして物価に対する積極的な姿勢を示すということがあってほしかったと私は思うのです。ですから、きまったあとといえども、この問題については、国民の皆さんの前に米審の経過やそのほかの問題等幾つかの問題を明らかにしながら、大かたの国民世論に対する釈明をしていくのも政府の責任だと思うから、私はこれをきょうはあえてこの農水で取り上げをいたしたのであります。  そこで、こういう事実と、もう一つ次に私が心配をしていることがあるのです。来月から実施されるまでの間、米の値上げが三二%決定したに伴って、当然ここで常識的に一つの心配が出てまいるのは、売り惜しみと、いまのうちに買っておけということによる米不足問題です。いわゆる流通の上における問題が、この売り惜しみ、買いだめという問題の相乗的な現象として出てくる危険性があるが、この予防措置をいかようにとろうかとお考えになっているか、その点をお尋ねいたします。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 消費者米価の値上げにつきまして、米審でいろいろ御議論がございましたが、私ども、食管制度の円滑な運営に支障を来たしては困るということと、あるいは膨大な一兆円以上の財政負担を逆ざやの関係でいたしております。現状を改善していく必要があるということはもちろんのことでございますが、物価の問題と、それから家計に及ぼす影響の問題という点も米価審議会では非常に多くの議論が出たわけでございます。  御承知と思いますけれども、たとえば家計費に及ぼす影響でございますが、一番新しい時点の調査によりますと、現在、一世帯大体三・九一人で、一カ月に消費支出額が十二万二百六十八円ということになっておりますが、この中で米代金として支払っている額は三千五百四十九円。全世帯で一カ月当たり、その米の支出の割合というのは家計費の中で約三%にすぎないということでございます。それを都市近郊等の勤労世帯の家計費について見ますと、約二・七%になります。このウェートは、三十年代は一〇%以上こしておりました。四十年になってから七%、六%と下がってまいりましたが、現在においては、やはり、所得の伸びというものが一方非常に大きくなってきております。したがいまして、いま申し上げましたような三%あるいは二・七%ということになっているわけでございます。今回三二%の平均値上げをいたしますことによって、この家計費に対する影響は約〇・八%でございまして、非常に微々たる影響ではなかろうかというような議論もいたしたわけでございます。  それから、片や物価問題ですが、物価につきましては、消費者物価指数も最近だんだん鎮静してまいっておりますし、それを十月は極度に押し上げるのではなかろうかという議論もございました。私どもも経済企画庁とこの点十分議論をいたし、経済企画庁と意見を交換した結果、物価指数に及ぼす影響としましては直接的には〇・九三%、それから間接的な外食などの影響も含めまして〇・一七%、全体で約一・一%消費者物価指数を押し上げるのではないかというようなことも、企画庁その他米審でも議論がありました。まあ、この程度ではそう心配は要らぬだろうというような議論もかわされたわけでございます。  それから、もう一点は、米の値段というものは非常に安いということはよくわかっているけれども、米を上げることによってほかの物価に対して心理的な影響がある、たとえば外食等に対しては便乗値上げ等も行なわれるんだ、そういうことを十分注意しなければいけないという議論もございましたが、こういう問題に対しましては、私ども、都道府県を通じ、あるいは食糧事務所等を通じていろいろと十分指導して、便乗値上げ等がないように努力はしていきたいと思っておりますし、関係方面の業界の御協力というものも、もちろんこれは十分していただきたいというふうに思っているわけでございます。  第二点の、米価を上げますと売り惜しみや買いだめをする心配があるということでございますが、御承知のように、そういう心配も多少はございます。現に、過去においても、米価を上げましたときに、やはり、仮需要と申しますか、一〇%あるいは一五%、二〇%といった程度の買いだめというようなことも実はあったのであります。したがいまして、今回もある程度はそういう点は確保しておく必要があるということで、食糧庁としましては、従前、前々から、できるだけほしいという消費者の方には売っていこうということで、政府の手持ち量というものを二・五カ月以上消費地等には持っておりますし、卸、小売りを通じてそういった状態が出てくれば臨機応変に対処し得るような体制を整えております。そういうことで、消費者の方のそういうお気持ちに対しては十分対処できるつもりでおるわけでございます。  ただ、業界、卸、小売り等の買いだめ、売り惜しみといいますか、そういうことがあってはいけないということで、卸、小売りも、いわばこれは食糧庁と一体となって配給機構の一部をなすようなものでございますから、私ども従前からきびしく指導いたしておるわけでございます。万一そういうようなことがあれば、これは在庫調査等を現にやっておりますし、十月一日から米の値段が上がれば、そのときの在庫調査も当然やりますし、そういうことで不当な売り惜しみ等があって在庫を不当に持っているというようなところについては差益を徴収するとか、そういったことも現在検討をいたしておりますし、売り惜しみ、買いだめといった問題については、私どもも先生の御心配のように十分対処して万全を期していきたい、こういうふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 具体的な対策をお聞きすることができませんでしたが、しかし、もう目の前に値上げを控えて三〇%もうけるのに、みすみすいまのうちに売っちゃって損することはないというように、売る側の避けることのできない心理的なものは作用するだろうと思う。この辺に具体的にどう対処するかは急いで方向を明示されたいが、きょうは時間がありませんのでそこまで詰めることできませんが、ただ、一点だけ、自主流通米の値段をどのぐらいで押えるお考えですか、具体的にお答えいただきたい。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 自主流通米につきましては、御承知のように、生産者米価を上げましたときに、実は、宮崎とかあるいは千葉とか、全国での早場米地帯の自主流通米につきまして、これは八月、九月の自主流通米を、生産者米価が上がりましたので、当然それに対処して政府としても自主流通米の奨励金等を出して措置をしたわけでございます。  ただ、自主流通米につきましては、御承知のように、食糧庁で上米、中米等の価格指導を県を中心にずっとやってきておりますし、その価格というものはことしの二月以降あまりそう動いておりません。ただ、春闘その他の結果、人件費輸送費その他が非常に上がってきておりますので、そういう自主流通米の発地経費とかいうものは多少見てやる必要があろうということで、実は、八月、九月分につきましては、大体八月、九月分の新米につきまして、現在の自主流通米の価格を約三百円程度は上げざるを得ないだろうということで指導しております。現在、三百円アップ程度で東京その他の地域もおさまっているのが現状でございます。十月以降、今度は政府の売り渡し価格を上げますので、その上がりました以降については、さらに自主流通米の助成金等についてまた計算をし直さなければいけませんので、それは現在やっているところでございます。いずれにしましても、従来から自主流通米といえども上米、中米ということで都道府県を通じて指導をしておりますし、末端価格のその不当な格上げとか不当な便乗値上げとかいうことがないように、私どもも従来どおり十分指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 明確にどれくらいの指導をするということが、これまた出されておらぬのでありますけれども、これが非常に皆さんの関心の深いところです。私は、この原価計算を厳密に行なって、これは上げるべきではないというふうに実は考えておりますが、この点については徹底的な行政上の対策を仕組まれることを期待いたします。それでは、長官に対する質問はここで終わります。  畜産局長にお尋ねいたしますけれども、牛肉対策であります。恒久対策の部分については時間がなくなりましたから、この部分については後ほどの議論に譲りたいと思いますが、当面する緊急対策でお尋ねをいたします。  昨日も、局長から農林省の五十年度の予算編成にあたっての要求の大綱をわれわれが承知をさせていただいた中でも説明がなされておりますが、この緊急対策については何ら具体的なものが出されておりません。むしろ、恒久対策というよりも、緊急の置かれているこの非常事態をどう乗り切るかに当面の全精力を傾注してもらいたいという希望を生産者農民ともども私は強く持っている一人であります。これなくして恒久対策はまたあり得ない。その大前提に立って当面する問題点を明らかにしながら、非常な決意のもとにこれに取り組んでもらわないことには、日本の畜産、牛肉をはじめとする酪農に至るまでがたいへんな崩壊の危機にさらされるという危機感を私は強めているからであります。したがって、私は、二つの要求を出しますから、その中で局長の考え方を明確にしていただきたいと思うのであります。  その一つは、昨年の秋以来、特にことしの春以降の牛肉の生産者価格の大暴落は、まさに歴史に例のないことでございます。昨年は七万、八万、ホルスタインの雄子牛、ぬれ子でそれぐらいしました。生まれ落ちて七、八万という高値でございました。これは生産農民が期待した価格ではございません。むしろ安定した価格を期待したのですが、市場の影響等、そのほかのもろもろの条件があって異常な高値と言われたのであります。しかし、それが一転して、いま、同じホルスタインの生まれたばかりのぬれ子といわれる雄子牛は、千円札三枚か、どうかすると二枚くらい、中には五百円というものがありました。三十キロ、四十キロの小さいものなのかもしれないけれども、ともかく十カ月間も母牛の腹の中におった子牛が出てきて五百円なんというばかな話がいまどき一体通用する話なんだろうかと思うくらい、これはまさに異常な事態にいまなっているのであります。しかし、生産者はこれをいつまでも手元に置くわけにまいりません。したがって、やはり流通経路に乗せていかなければなりません。たたかれても、どんなひどい値段であっても手放さざるを得ない。そういうことで、いま申し上げているのはぬれ子ばかりではありません。ホルスタイン乳雄子牛をはじめとして肉牛に至るまで、価格の差はありますけれども、ほぼ同じ現象になっている。こういう状態の中でも売らざるを得ないとして、原価を割っても手放してきた農家がたくさんいます。すなわち、政府の適切な施策があればこういう事態は避けられたはずなのに、その施策がないばかりに、みすみす農民がそのリスクをかぶったのであります。この損金はまさに農民の責任ではないのですから、政策上措置すべき筋合いだと私は思うのです。すなわち端的に言えば、損害金の補償を行なうべきだと思うのですが、この第一点はいかがですか。  そしてまた、いま申し上げた中で適切な施策が行なわれていなかったとするおもなる理由は、昨年のいわゆる輸入牛肉に大きな原因があると私は見ております。すなわち、四十七年度における実際の外貨割り当て六万七千トンに対して、実質輸入されたものは五万七千トンですが、昨年は外貨割り当てで十六万トンのワクをきめた。われわれはとんでもないということで四万トンのたな上げを実質的に要求し、政府側もこれをおとりになったとはいうものの、実質十二万トンないし十二万七千トンの大量な牛肉が輸入された。これは前年度に比較いたしますと、実質においてさえも二・三倍に達するたいへんな輸入量であります。まさにこれは無策だと言わざるを得ない。この辺、施策上大きな手落ちを、いわゆるミスを政府みずからがおかしたのではないかという考え方を私は強く持っているものですから、この点をきびしく指摘をするものであります。  それから、第二点は素牛の生産農家についてですが、構造改善局長が先ほどまでおられたので、おれば、ほんとうは構改局長にきょうこれは聞きたかったのでありますが、構造改善事業の一環として素牛飼育事業というものを進められている。もちろんこれは畜産局の所管でおやりになっている。先ごろ、私は、素牛生産をするために組合をつくってみんなで共同で取り組んでいる、ある生産組合の実態を見てまいりました。そのときに資料をいただいた。二部持ってきて、一部は食肉鶏卵課経由で局長の手元に、ぜひこれは検討してもらいたいということで差し上げましたので、それをごらんいただくとわかるように、これはたいへん大きな経営規模を持っている農家ばかり、二十四戸で実は組合をつくっているのです。多い人は頭数において四百二十頭というたいへんたくさんの素牛を持っている農家から、小さい人もおりますが、大体平均すると百五、六十頭の保有をしている農家ばかりであります。これは素牛をつくる生産農家であります。この人たちが、いまのままの状態でいったら、一番多い人でも差し引き損金が約三千万に達すると訴えているのであります。三千万です。この人は私に直接こう言っている。この秋われわれが牛舎に入れるときまでに牛肉の価格回復がないとしたら、私は一家心中をしなければなりません、政府が素牛の生産をやれやれと言って基地までつくってすすめられたから、私はそれを信じて一生懸命やった、ところが、わずか一年の間に三千万もの負債をしようということになったら、私は生きていくことができません、と、こう訴えておるのであります。これはえらいことなんです。ですから、この素牛生産農家に対して具体的に緊急措置をされるということがないとたいへんなことになりますが、私は、緊急措置をすべきだと考えます。  それから、三つ目は、いま、同じ百頭の牛も、三カ月、六カ月で出す牛を十カ月、一年と持つことになりますと、同じ百頭の牛も、肉の量においては三倍、五倍になってしまいます。たいへんな量であります。これがやがて牛舎に帰ってくる時期に、どうしても牛舎に収容し切れなくて、価格の面はどんなことがあっても、回復しなくても手放さざるを得ないとして、市場にあふれてくる危険性がある。この秋以降冬場を迎えて、北海道ではそういう現象になってまいります。そうすると、そのことによって今度は国内の価格調整が不可能になるという危険性を持ちます。したがって、この際出荷調整の措置が必要です。そうなると、出荷調整で順番があと回しになったところは、牛舎にこれをつながざるを得ません。飼養管理費は余分にかかるという事態になります。飼育費に対する助成措置を講じないことにはたいへんなことになる。この点を措置すべきだ。  以上三つの点を私は提案するのですが、局長の具体的な率直なる意見を求めるものであります。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 ただいまお尋ねのございました牛肉価格の低落に伴います肥育なり、あるいは育成農家の経営困難な事態に対する対策についてのお尋ねでございますが、牛肉の価格は、昨年秋にピークに達しましてから急速に下降いたしまして、畜産経営を圧迫いたしておるわけでございます。その中でも、和牛の場合も、前年に比べて現在ほほ同一水準の価格ということで、生産費の値上げ等が、それ以上に乳牛の牡犢を肥育しておる農家につきましては、この牛肉が特に下落が大幅であるということのために、経営上最大の問題になっておるわけでございます。最近の価格の足取りを見てみますと、特に問題のあります乳雄の牛肉につきましては、八月の半ば以降若干回復のきざしが見えまして、それ以前は、キログラム当たり卸売り価格について見ますと、七百二、三十円あるいは七百四、五十円というような水準で一、二カ月きたわけでございますが、八月の半ば以降、いわゆるお盆明け以降価格がかなり回復いたしまして、一時は九百七十円まで東京市場におきましては上がりました。その後九百円台をかなり続けておりまして、現在反動でやや下がっておりますが、おおむね八百七、八十円の水準で、一カ月前に比べますと百二、三十円あるいは百四、五十円の値上げということで、やや回復をしてまいっておるわけでございます。われわれといたしましては、この回復のきざしが見えました基調をさらに促進するといいますか、そのような対策を講ずるために、現在、前からやっております生産者団体によります調整保管の拡充実施の問題あるいは特に最近指摘されております卸売り価格、言いかえれば生産者価格が低迷しているにかかわらず小売り価格が一向に下がらないという、小売り価格と卸売り価格のギャップの問題、これは流通機構の複雑さに根ざすものでございますが、そのような問題にも対処するために、何らかの方法で小売り段階での牛肉の安売りを促進するということを行ないまして、消費が牛肉に帰ってくるというようなことによりまして消費がふえてまいりますれば、それにつれて生産者価格も回復基調が出てくるというようなことを考えまして、そのような対策につきましても一部実施をしておりますけれども、さらに拡充実施をすることを考えておるわけでございます。  お尋ねの点にお答えする前に、今後の牛肉の需給がどうなるかという点でございますが、二月の緊急対策の一環といたしまして、輸入肉の輸入の一部をストップしたわけでございます。そのために、最近になりまして、実際の到着ベースで見ます輸入が急激に減ってまいりまして、このままいきますれば十月ごろでほとんど輸入がなくなるということになる見込みでございます。最近、食肉の業界におきましても、輸入肉が、特にチルドビーフが品不足になってきたという声が聞かれます。最近乳雄の牛肉価格がやや回復のきざしが出たといいますのは、そのような事情に基づくものだというふうに見ておりますが、いずれにいたしましても、輸入が十月一ぱいでほとんどなくなります。八月、九月、十月と急減をしておりますので、海外からの供給がほとんどなくなるということになりますと——昨年で見まして、輸入肉のわが国におきます牛肉供給量の中でのシェアは約四〇%でございますから、したがいまして、それがほとんどなくなるということは、価格を回復するという意味では、また、需給のバランスを回復するという意味では一つのいい条件が出てくるというふうに見ております。  反面、牛肉の国内供給でございますが、昨年は一昨年に比べてかなり急減をいたしまして、二十二万七千トンばかりの枝肉生産量であったわけでございます。ことしは、昨年価格が非常によかったために肥育が非常に伸びた。乳雄をはじめ和牛につきましても、肥育農家が新たに肥育を始めるとか、あるいは継続をしている農家が肥育頭数をふやすということをやりましたために、それが順次ことしになってから枝肉として出荷をされております。そういうことがございまして、ことしは正確にはまだ予測できませんけれども、二割前後昨年より国内生産がふえるのではないかというように見ております。それら輸入の今後の急減と、反面、それを打ち消す要因にもなりますけれども、国内肉の出回り増加という点を総合勘案いたしますと、今後の国内牛の価格は、ようやくきざしが出てきました価格の回復が今後かなり進むのではないか。その時期がいつから来るのかという点はなかなか断定をしがたいと思いますが、私どもは、価格低落の底はようやく脱した、今後は順次回復基調に乗ってくるというように見ておるわけでございます。  そのような前提を置きまして、先ほどお尋ねの三点についてお答えをしたいと思うわけでありますが、まず、生産者農家の、特に酪農家の場合、ぬれ子の価格が極端に低落をしておるということは御指摘のとおりでありまして、昨年秋等に比べましてお話しにならない低落の状況になっておりまして、北海道等を中心にいたします酪農農家が非常にお困りだということは私どもも理解をいたしておるわけでございます。そこで、それに対する施策といたしましては、先般来やっておりますのは、生産者によります調整保管をさらに拡充いたしまして、市場出回り量を減らすということによりまして市況の回復をはかるということをいたしますれば、それがひいてはぬれ子の価格の回復にもつながるわけでございますので、そのような対策をやっておりますほか、先ほども申し上げましたように、需要の拡大をはかりますための安売りあるいは消費拡大運動等を指導し、あるいはこれに対して助成をしてまいるという考えでおります。  反面、肥育経営継続維持資金というものを設けまして、低利資金によりまして販売後新たに素牛を導入する場合の援助をするというような対策を講じております。  さらに、肥育経営の債務が非常にこげついて支払いができないというものに対しましては、債務の実態調査を現在しておりますので、その結果をまちまして低利の借りかえ資金の融通を行なうという対策を現在進めておるわけでございます。それらの対策を通じまして、ぬれ子の価格も順次回復してまいるということを期待いたしておるわけであります。  次に、これはあるいは構造改善局関係のお尋ねかと思いますが、構造改善事業あるいは畜産局の事業等で、肥育素牛の生産、ことばをかえて言いますれば、ぬれ子から六カ月前後保育育成をするというような農家に対しましても、先ほど申し上げました一般的な調整保管とか需要の拡大によります効果を期待しておりますほか、低利融資、負債整理という事業の対象にすることによって、できるだけ救済をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、最後に第三点でお尋ねになりましたのは、おそらく、現在草地に放牧されております育成牛が秋になりまして山をおりるという場合の、販売できない場合の牛についての肥育施設が足らないという点のお尋ねかと思いますが、この点につきましては、現在関係の道あるいは県等の具体的な調査をまって、畜産局といたしましては、肥育するための施設に対して援助をしたいということで検討を進めておるところでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 三点目の肥育施設への援助ということは、末端の肥育農家の期待としては、そのことを期待をしておりません。肉牛ですから、場合によってはわら囲いの小屋にでも入れるとか、そういう施設上の手当てはできると私は思うのです。問題は、ここにかかわる肥育費の増大分を、このままでいったらどうにもならなくなるから何とかしてくれという要求のほうが強いのです。ですから、問題をすりかえないように、まともに現地の実情をよく御調査願いたいことが一つと、それから、それに対しての適切なる措置が今日非常に必要だという認識を持っていただきたい。農業団体からは肥育施設への助成というようなことが項目としてあげられていると私は承知しておりますが、しかし、現地はそういうことではない。搾乳業者と違います。ですから、掘っ立て小屋を建てても肉牛を飼っていくということについてはがまんができる。たいした施設費をかけないでやれます。しかし、私の言うのはもちろん一般的な話ですから、特定な牛舎においては新たな増設が必要だという部分はあるでしょうから全面否定をするものではありませんが、そのことに対してよりも、むしろそういう期待のほうが大きいという農家の要求があるということを十分局長は受けとめていただきたいと思うのです。  それから、調整保管という問題が出ましたけれども、これは調整保管をする上で、五月ごろ私がお聞きしたら、たいへん冷蔵庫が不足だという問題がありました。魚の冷蔵庫を借りてなんというような話もあったのですが、魚冷蔵庫に肉を入れたりすると肉の質が落ちることは明らかです。こういうやり方はうまくないということを私は言いましたが、冷蔵庫に対する手当てというものが不足しているということによって、現地における調整保管の対応というものが必ずしもスムーズにいかないという一つの側面があります。牛肉が余ってきた、現地調整保管だ、それ冷蔵庫をさがせとか、冷蔵庫がないからいまからつくれとか、これじゃまるでどろぼうをつかまえてなわをなうよりももっとひどいと私は思うのです。どろぼうをつかまえて留置所へ入れておいてから、留置所が足らなくなったから、つくってまた別なところへ移すというのと同じようなことを考えているようなことでは、とても現地はうまくいきません。しかし、これはやらないよりはいいから私は反対をするのではありませんけれども、長期的な見通しに立った場合、冷蔵庫がどれくらい要るのかという点は十分御調査願いたいものだと私は思うのです。二月に私はその話を聞いて、現地に帰りまして、ホクレンのある冷蔵庫に行って話を聞いたら、現地調整保管をする能力はとてもこの冷蔵庫の中ではありませんという返事が返ってきました。あけて見せてくれましたが、なるほど満ぱいであります。ですから、それを一万頭にふやすだの、二万頭にふやすだのと言っても、それは言うべくして、現地では対応し切れないという側面があるということを十分御認識願いたいと思います。  それから、消費対策についてでありますけれども、私は、帰りまして国政報告などでいろいろと皆さんとお話しをしまして、消費促進という立場から、生産者みずからもこのことに力を入れるべきではないかという提案をいたしました。少し俗っぽい話ですけれども、目の前にビフテキが遊んでいるのに、われわれはしょうちゅうを飲みながらオーストラリアのマトンを食うというのはおかしいではないか、われわれも一緒になってやはり牛肉の消費をやろうじゃないかと呼びかけたら、どっこい、ちょっと島田代議士待て、そんなことを言ったって、簡単に庭先の牛を殺して食うというようなわけにはまいらぬ、第一、店に行ったってそんなに牛肉を手軽に売っているところがたくさんあるのかということでしたので、私は帰りまして家内に、おい、イソップ物語じゃないけれども、ゾウの足みたいにでっかくてぞうきんみたいに厚いビフテキを、たまにはおれが帰ったとき一回ぐらい食わしたらどうだと言ったら、とうさん、そんなことを言っても、この部落には牛肉なんかどこへ行ったって売っていませんと言う。なるほどそうだ。全国どこにでも牛肉があるという状態には今日なっていない。そういう中で消費拡大、消費拡大と言ったって、なかなかこれは進みません。したがって、指定店を七千店ほど政府が指定をされたということでありますけれども、東京都内にどれくらいあるかわかりませんが、おそらく七、八千店の牛肉の小売りあるいはスーパーがあると思うが、全国にばらまいたらたいしたことにならぬのであります。ですから、消費拡大というのは、単にテレビのコマーシャルで安い牛肉を食いましょうだけの運動をやったって、その気になって買いに行ったらどこにも売っていないというような現状を改革しない限り、消費対策が万全なものとは言えないという指摘をこの際私はしておきたいのです。  消費対策についても積極的にやっておるということでありましょうけれども、まだまだ現地において普遍的になっていない牛肉の部面があるということも踏まえて、所管の畜産局としては真剣にお取り組み願いたいと思うのでありますが、いままで申し上げました点についての局長の見解を伺っておきます。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 牛肉の流通問題等は非常に複雑になっておりまして、先ほどいいましたように、生産者価格、卸価格の動きに小売り価格がなかなかスライドして動かない。その間にかなりの利益を得ている者もあるのではないかというふうにも見られまして、われわれといたしましては非常にむずかしい問題で、率直に申し上げまして、なかなか即効性は期待しがたい面もございますけれども、小売り価格の適正な形成につきまして、あるいは流通の合理化につきまして、できるところから努力をしてまいりたいと思います。   〔委員長退席、安田委員長代理着席〕  ただいまお尋ねがございましたところの、どこでも牛肉が買えないという点、あまり売ってないという点は、島田先生のお尋ねになりましたのは、あるいは御出身の北海道に即してのお尋ねかと思いますけれども、実は、牛肉の消費量を全国的に主要都市で調べてみますと、東京は大阪の約四分の一程度の少量でございます。四分の一程度しか食べておりません。札幌は北海道の中では食べているほうかと思いますけれども、日本の都市の中で一番多量に食べております京都に比べますと約十九分の一ということで、きわめて少量でございます。これはわれわれも調べましてびっくりしたくらいでございます。関西は肉といえば牛肉であり、関東以北は豚肉であるということはかねて言われておりましたけれども、都市によりまして消費量にかなり格差があるということでございます。北海道の場合には、おそらく魚を摂取する量が非常に多いということも一つの原因ではないかと思っておるわけでございます。  そこで、北海道の牛肉生産の問題につきましては、乳牛の雄の肥育というものは非常に進んでまいりました。いまやや停滞で、とんざしておりますけれども、またこれはぜひ復活させなければいけないと思っております。それから和牛につきましても、あるいは外国種につきましても、北海道は新しい牛肉の産地として育成し得る余地があると思います。また、申し落としましたけれども、乳牛の雌あるいは乳廃牛等も肉資源として重要でございますので、そういう意味から、酪農地帯である北海道を、肉牛生産、牛肉生産の基地といたしましてわれわれとしては大きく期待をしておるわけでございます。これを素牛にして内地へ出すという慣行がきわめて多いわけでございますけれども、これは、やはり、北海道の中で枝肉まで生産をして消費をふやしていくというようなことを今後長い目で見て進めていく必要があるのではないかと思いますし、それがまた北海道におきます牛肉生産の安定と振興に寄与する面もあるというふうに考えるわけでございます。そのような観点から、流通問題、小売り問題消費問題につきましては、何と申しましても従来手薄でございましたが、今後、生産対策にも関連する重要な問題といたしまして、できるだけの行政的な努力を積み重ねていきたいというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 時間が来たのですが、もう一点大事な点だけお尋ねをしておきますのと、その前に、輸入という問題について大かた触れることができないまま終わってしまいますので、私の考え方を一つ申し上げておきますから、積極的に対応願いたいと思います。  仄聞するところによると、田中総理が今度海外に出るにあたって、牛肉の問題について、輸入促進という問題をひっさげて行くのではないかという憶測がかなりあります。これは単なる憶測であるとすればけっこうだと私は思うのですが、それが具体化されるというようなことになりますとえらいことになる。したがって、輸入については、国内のこういう問題を十分踏まえてやってもらいたい。局長は、過般、オーストラリアやアメリカからの代表に対してかなりきびしく日本の実情を訴えられたそうでありますから、そのことについては私は敬意を表しますが、どうか、その姿勢をくずさず、角さんは何でもわかった、わかったでやってきますから、畜産局は十分これに目を見張って、輸入などさせないようにしてもらいたい。特に、あすから国会の派遣としてわが党の芳賀代議士もオーストラリアに行くようでありますから、私は、先般、芳賀さん、オーストラリアには理解解を求めて、当分の間輸入に対しての積極的な攻勢など絶対にかけないように歯どめをかけてきてもらいたいということを頼んだのでありますが、こういう状態を一刻も早く脱するためにも、当面また混乱の原因になるような輸入に対しては、からだを張ってもぜひ阻止してもらいたい、と、こういう希望を申し上げておきます。  それから昨今——昨今というよりも、きょうあたりたいへんな問題になって出ておりますのが、関西を中心にした三・八牛乳という問題であります。この三・八牛乳がなぜこういう状態になって、また今度名前を変えて出てきたのかという、その由来については私はわかりません。しかし、国会における一つの約束ごとでもあり、それから、しばしば局長の考え方の中にも出ておりますように、牛肉はできるだけ多く本ものを飲んでもらうという原則に立っていままで議論もしてまいりましたし、また、衆議院の社会労働委員会で、かなり以前、たぶん昭和四十七年であったと思いますが、三年くらいをめどにして本もの牛乳への移行をはかるべきだという委員会決議もあって、それは尊重いたしますという立場に立って今日まで進められてきておると思うのです。ところが、三・八牛乳というような問題が最近にぎやかに出てまいりました。この三・八牛乳の中身について私はきょういろいろと議論する時間がございませんが、ただ言えることは、関西近辺において、特に近畿地帯において、統計数字を見ますと、加工向け原料乳という部分に属する量が現実にふえておるという事実がある。それを本ものの飲用乳として活用するということができる最も手近な地帯にある。それから、もう一つは、北海道から、昨年、省令の改正で濃縮乳という問題が出てまいりました。現に北海道では、いま、三工場で、農民の手によって牛乳が濃縮されて、内地、関西方面に送られている。こういうやさきに、脱脂粉乳とバターで還元されたような加工乳がまたぞろ普及してくるということは、私は、政府の行政の姿勢を疑うものであります。国民の大かたの期待は、本もの牛乳をぜひ飲ませてくれという期待があるのです。その期待に行政みずからそむくというようなことは許せないと私は思うのでありますが、この辺の真意はなかなか伺う時間がありませんから、この考え方は後ほどまた詳しく承ることにいたしますが、当面の対策として、それを許可していく方針ですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊説明員 三・八牛乳といいますか、私どもは均質牛乳というふうにも言っておりますが、この問題につきましては、確かに、本物の牛乳を飲用乳として飲むのが一番望ましいことであり、わが国の酪農振興上ももちろんこれが一番好ましいことであるということは当然のことでございますが、一昨年から、関西なり、東海、近畿地域におきまして、九月、十月の消費量が非常にふえるとき、さらに、夏休みで休んでおった学校給食が再開をするというときに一番原乳が不足をいたしますために、他の地域からの転送等をやってはおりますけれども、輸送能力に限界がありますために、時期的あるいは季節的に、どうしても一部加工乳によって供給をまかなわなければならないというような情勢が出てきておったわけでございますが、本年におきましても同様の事情があるということで、主要なメーカーが九−十月期におきまして均質牛乳を製造販売するということを考えておるという現状でございますが、これにつきましては、われわれといたしましては、先ほど言いましたが、基本線はそのとおりでございますけれども、現状においては、飲用乳を確保するためには、普通牛乳だけでは供給に応じられない、いろいろと他地域からの輸送等もやった上でなお応じられないという実情が現状においてございますので、やむを得ざるものとして考えざるを得ないのではないかというように思っております。われわれといたしましては、御指摘がありましたような北海道等からの濃縮乳の輸送あるいは生乳の輸送等を促進することによりまして一部援助をしておりますけれども、それによりまして全国的な、あるいは時期的な、地域的な需給調整をやることによりまして関西地域等におきましても、均質牛乳をつくらなくても普通牛乳で飲用乳を確保できるということになるように進めてまいりたいというふうには考えておりますけれども、現状においてはやむを得ないのではないかというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 私は、さっき近畿の地区において加工向け原料乳というものが非常にふえているということを指摘いたしました。四十八年度の実績で、七万八千トンも加工乳になっているのですよ。時期的にとかなんとか言いますけれども、時期的に見たって、いま八月で、十月、十一月と、ほぼ五千四百トンというたいへんな量が加工乳に回されているのですよ。バターやチーズ、粉乳に使われているのです。つくられているのです。これをそのまま飲用乳に回したってその確保はできるじゃありませんか。いま局長はやむを得ないということを言うけれども、これはやむを得ないような実態ではない。北海道からだって、ことしの計画で、年間濃縮乳で一万三千トン、生乳で四万トンが関西向けに送られるという計画があるんですね。ところが、実績を見ると、その七〇%に達していないという現状にある。いまおっしゃっていることはまさに詭弁ではありませんか。もっとよくお調べいただきたいと思うのであります。これは御返事は要りません。後ほどまた伺います。  きょうは時間がなくて、だいぶ中川委員のほうに食い込みまして、たいへん申しわけなく思いますので、私の意見だけ申し上げて質問を終わります。

安田貴六自由民主党

○安田委員長代理 中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 九月二日に、環境庁の水質保全局が昭和四十八年度のカドミウム及び銅による土壌の汚染調査結果というものを発表しております。この問題については、政府当局はこの数年来いろいろ対策を講じてきたようでありますけれども、この発表によりますと、北は青森から南は九州に至るまで、カドミウム、銅による土壌の汚染というものはまさに全国的な規模で蔓延してきておる。これはもうたいへんなことだと思うのですが、こういう今日の事態に対しまして、きょうは環境庁も農林省もいるわけでありますが、さしあたって環境庁から来ておるようでありますが、これをどうとらえておるのか、この点を簡単にお伺いしたいと思います。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場説明員 お説のとおり、かなり広範な地域にわたりましてカドミウムあるいは銅による汚染が進行しているということは事実でございます。これに対しましては、土壌汚染防止法に基づきまして対策地域の指定をいたしまして、それから計画を樹立し、事業に着手する、こういった手順で事業を進めておるわけでございます。  現在までの地域数を申し上げますと、四十八年度までの、これはカドミでございますが、調査の結果該当した地域は五十九地域でございます。それから、地域として指定済みのものが十六地域ございまして、そのほか、面積が非常に小さくて県単独で事業を実施したり、あるいは農地転用したりしたものが十六ございます。残が二十七地域、全国ベースでございます。それから、同様に銅でございますが、銅につきましてもかなり問題地域が残って、指定の残の区域が残っているわけでございます。  いずれにいたしましても、カドミウムないし銅に対しましては指定をできるだけ早く完了させて、費用負担計画等を早急にきめて事業に着手したい、かように考えておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いずれにいたしましても、こういう土壌の重金属汚染という問題は、日本列島全体をおおうという状況が新しい特徴として出てきておるのでありますが、これに反しまして、当局の対策がとうてい追いつかない。富山県のような、特定の原因者がはっきりしているという場合、しかも、住民全体が戦ったという場合は一応のめどが出ておるようでありますが、原因者が不特定の場合あるいは休廃止鉱山という場合は、いままた新しい大きい問題が出ておるようであります。  特に、私は、きょう質問することについて、三つの要点で質問させていただくわけでありますが、一つは汚染米の買い上げの問題、第二番目には土壌の復元の問題、第三番目には発生源である山元対策についてお聞きするのでありますが、この典型的な事例として、秋田県の例で申し上げたいと思うのです。なぜ秋田県の例で申し上げるかと申しますと、環境庁が発表いたしました土壌の中のカドミウムのワーストファイブ、あるいは玄米の中のカドミウムのワーストファイブ、あるいは銅の汚染のワーストファイブ、この三つのサンプルを出しておりますが、秋田県はこの三つの中にそれぞれ入っておる。そういう意味で、この土壌汚染の問題は全国的な問題でありながら、秋田県はその典型であろうと思うからでありますし、いま一つの問題は、不特定多数といいますか、休廃止鉱山といいますか、原因者が必ずしも明らかでないという全く新しいケースの中でこの問題が発生しておるということで申し上げたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思うのです。  最初の汚染米の問題でありますが、御承知のように、秋田県は日本でも有数の食糧基地であり、同時に、鉱山県としても歴史的な経過があるわけでありまして、近年この鉱山の荒れがどんどん土壌をよごし、米をよごしてきておる。こういうことで、せっかく農民の方々が手塩にかけて育てたお米が、おまえのところは一PPM以上のカドミウムがあるんだということを言われまして、一ぺんに頭の髪がまつ白になったという、こういうショッキングな事例さえ出ておるわけであります。しかし、昨年も私が質問したのでありますが、当局は、この問題については民事の問題だ、原因者と農民の関係だということで、これを政府買い上げ米の中に加えない、食品衛生法上からも米でないんだ、と、こういう状態の扱いを受けておるわけですね。そこで、国がめんどうを見ない、かまわないという状況の中では、実際は地元の県がこの一PPM以上の汚染米を買い上げざるを得ない。県は県で、そこは適当に工業会なんかに幾らか負担させておるのでありますけれども、もともと自治体がこういうものについて責任をもたなければならないということはおかしいわけであります。  そういう点で私が申し上げたいことは、こういう大きい問題で、しかもどんどんそういう汚染米なんかがふえている状況があるわけでありますので、国として何らかの対策を講ずべきではなかろうかということでありますが、これについて、所管の官庁は環境庁ですか、どこか私はわかりませんが、責任ある官庁からお答えいただきたいと思うのです。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場説明員 まず、カドミウム汚染米のことにつきましてお答え申し上げます。  一PPM以上の濃度でカドミウムによって汚染されている米につきましては、食品衛生法の関係でありまして、これは食管で買い上げていないということは御指摘のとおりでございます。土壌汚染地域に対しましては、土壌汚染防止法に基づきまして、土壌の復元ということで、具体的には客土とかあるいは排土とかいった事業がいろいろと行なわれるわけでございますが、そこで生産されましたカドミウム汚染米につきましては、現在的確な対農民の救済措置がない、欠如しておるということは御指摘のとおりだろうと思います。  この問題につきましては、原則といたしましては、カドミウムによって汚染されているその米を、汚染した原因者が負担すべきである、つまり、PPPの原則によって原因者が負担すべきであるという鉄則はあくまでもゆるがすべきものではないと考えております。ただ、これも御指摘のように、問題が非常に広範囲にわたっており、原因者が存在していないような場合がある。休廃止鉱山等のような場合には存在していない。あるいは無資力の場合には、何をもって資力があるか資力がないかとするかという判定は非常に微妙でありまして、その判定については私ども極度に警戒しなければならない立場を持つわけでありますけれども、不存在という場合については、救済する相手がなかなかないということも事実でございまして、現実には、秋田県等の場合におきましては、そういった不存在の場合には、食管が買わないために県庁が肩がわりして買っているといったことが現実にございます。これがだんだん量的にも問題になるような数量になってきますと、県費の負担、地方公共団体の負担もかなり大きくなりますので、そこで、国としても、この問題について、ただ傍観しないで積極的に何か措置を講ずべきじゃないかという御要望が強くなっていくことはよく承知してございます。  結局、関係官庁といたしましては、私ども環境庁と、農林省と、それから通産省ということになると思いますが、従来から事務的にいろいろ具体的な案を詰めて作業中でございます。第一次の予算要求のところには間に合いませんでしたけれども、具体的な案をできるだけ早く詰めて、できるだけ国の姿勢を示したい、そういうふうに努力いたしたい、かように考えておるわけでございまして、農林省、通産省とよく相談してお力添えを願いたいと思っておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ただいま、いまの問題については国としてどうしたらいいかということで、予算の要求までは至らないが、いま三省で詰めておるというようなお話しでありましたが、実は、昨年の十一月九日に、農林水産委員会で同じような問題を私は追及してお聞きしているわけでありまして、その当時の農蚕園芸局長の岡安さんが私にお答えしていただいているわけでありますが、そのときにも、「財産被害につきましては、現在、関係省庁相寄りまして、至急対策、制度を樹立いたすべく検討中というのが実情でございます。」と言っている。これは同じことを言っているんですね。あなたは概算要求までは至らなかったという、至るか至らないかの間のようなことを言っていますが、そこだけが違うので、あれから大体一年近くなるわけでありますし、当時において至急にそういう制度を検討したいと言っているのに、一年後の今日、もう少し前向きな、たとえば自治体が今日のようなかっこうでしりぬぐいすることを是正するという方向なのか、あるいは新しい考え方としてのやり方がいつごろまでにははっきりしためどがつくのか、予算要求を来年度の中で何らかの形で実現するのか、いろいろなことが進展していなければならないだろうと思うのです。  そういう点で、環境庁と相談にあずかっておる農林省の責任ある方からも御答弁いただきたいと思うわけです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 ただいまお話しのように、昨年、農林省といたしまして、そういう基本的な考え方を申し述べたわけでございます。ただ、この場合、ざっくばらんに申しまして、この問題は非常にむずかしい問題をはらんでいるわけでございます。と申しますのは、先ほど環境庁の局長の答弁がございましたとおり、基本的には汚染原因者が補償するというのが本筋でございます。いわば、農家が被害者の立場にあるわけでございます。そこで、原因者が何をすべきかということですが、その場合、さらに申しますと、財産以外に関しましては必ずしもルールがきまっていないわけでございます。そのルールをどうきめるか、さらに、その場合、汚染原因者がどういうかっこうで補償するか、その汚染原因者の態様がまたきわめて複雑であるわけでありまして、全くいない場合もございますし、明らかにいるけれども、複合であってその寄与度がはっきりいたさないというように、こういう形態がいろいろございます。そういたしますと、汚染原因者にどこまで追及し得るかということを詰めないで、単に被害を受けるからという立場だけで被害対策を要求するといっても、なかなかこれはむずかしい話になるわけでございます。  そういった経緯もございまして、農林省といたしましては、いわば被害者の立場としまして、農民の被害をそのまま放置はできないという立場から被害対策を要求した経緯もございましたが、いま言ったように財産以外のルールの問題もございますし、さらに、汚染原因者の把握のしかたとしては、極力汚染原因者を追及いたしまして、できるものは汚染原因者に負担していただく。どうしてもそれがならぬ場合に、いわば被害者の立場といたしまして、どういうかっこうでそれに対応するかということを詰めなければならぬ。  御指摘のとおり、時間がかかったことは非常に恐縮でございますが、いま言ったように各省共通にまたがりますむずかしい問題がございますものですからいままでおくれたわけでありますが、いまの基本的な考え方に従いまして、農林省といたしましては、農民の被害をそのまま放置すると困るわけでありますから、そういう立場に立ちまして、関係省と一緒になりまして救済対策を至急検討して具体化に取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。   〔安田委員長代理退席、委員長着席〕

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 前段に申し上げましたように、秋田県のこういう問題の特徴は、原困者が必ずしも明らかでない、明らかであっても休廃止鉱山だというような実情ですね。これが大多数なんですね。そういう状況を踏まえて昨年お聞きしているわけであります。  そこで、基本的には原因者の問題だということは確かでありますが、さればといって、この問題を国がそっぽを向いて、その間地方自治体におまえのほうがやれと言う、そういうようなこと自体が妥当なのかどうかということですね。鉱山行政というものは一貫して通産省の監督であるわけで、自治体はほとんど関係ないわけでありますけれども、この自治体に現実にしわ寄せさせて責任のしりぬぐいをさせている。これでいいのかどうかという問題についてどうお考えになるか、環境庁からお答えいただきたい。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場説明員 ただいま農林省からもお答えがありましたように、国として傍観していいというつもりは環境庁も毛頭持っておりません。ただ、原則というものは、あくまで汚染者がこれは負担すべきものだというルールはくずすべきではないという立場は堅持いたしたい。地方公共団体の御苦労、財政上の負担で悩んでいらっしゃるということはよく理解できるわけでありますが、だからといって、イージーゴーイングな形ですぐ国がというぐあいに持ってきますと、汚染者が負担すべきだという原則がややもすればくずれる危険性がある。そういったところで警戒をしているわけで、問題の処理のむずかしさも実はそういったところにあるわけでございます。  ただ、先生が御指摘になりましたように、一公共団体が処理するにしてはあまりにも負担が大きいという事情はよく理解できますので、通産省、農林省ともいろいろ協議しておりますが、農林省におきましても非常な熱意をもってこの問題に取り組んでおられますので、私どもも協力してやっていきたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 幾らか前向きなるような点は理解できないでもないのでありますけれども、非常にむずかしいということの中にずっとずるずると行きそうになって、また来年も同じことを繰り返すということであればたいへんだと思うのですね。そういう点で非常にむずかしいということは確かに私もわかりますが、一応の作業のめどとして、いつまでも自治体にまかしておれない、当然国として考えるべきだということは理解しましたので、その理解の限度の中においての作業のめどみたいなものをお示しをいただければ、この問題はケリをつけたいと思うのです。

大場敏彦環境庁水質保全局長

○大場説明員 関係省と御相談して、できるだけ具体的に——具体的に申し上げますれば、予算措置を確保するということになるわけでございますが、そのように努力いたしたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまの点をもう一回農林省からも確認をしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元説明員 基本的にはただいまの環境庁の答弁と同じでございますが、ただ、念のためにもう一ぺん申し上げたいことは、原因者の把握の問題でございます。明らかに休廃止ということばは出ましたけれども、しかしそれが原因であることは否定できないわけでございます。現にたまたま当該企業がないだけの話であって、原因を起こしたことは否定できないわけでございます。それから、また、原因者がいる、ただし寄与度が不明確であるというのは、トータルとしてはまさしく責任があるわけでございます。その責任をどこまでどう追及し得るか、そこをなおざりにいたしまして、すべて被害救済しなければならぬという立場はとれない、そこをどのように調整するか、そこが一番根本問題だ、と、このように存ずるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこで、実際年々そういう汚染米がふえる、一PPM以上は政府が買い上げない、買い上げないだけじゃなくて、秋の取り入れが終わりましても、汚染地区あるいは準汚染地区のお米の検査は一般の米の検査が終わってからで、あと回しにする、こういう問題が発生しているわけですね。私どもの農民の方々は、十一月初旬になりますとほとんど出かせぎに出ていくわけでありますが、あと回しの検査になりますと、米代金も入らないし、出かせぎにも行かれない。そうすると、こういう被害を受けた農民が、その被害だけじゃなく二重の苦しみを受けるという状態になるわけであります。食糧庁におきましては、そういうことがないように、そういう米も一般の米と同様に検査をおくらせることのないようにしていただきたいということが一つと、もう一つは、これは県の関係でありますけれども、そういう汚染米については検査が終わってはっきりするまで農家が庭先に保管せよということも県が指示しておるようであります。これは県としてもやむを得ない部分もあると思うのですけれども、そうしますと、農民はまた同じように出かせぎにも行かれないし、非常に困った事態になるわけでありまして、この農家の庭先保管については、そういうことのないように食糧庁から御指導をいただけないだろうか。この二つについて、食糧庁長官からお聞きしたいと思います。

三善信二食糧庁長官

○三善説明員 先生の御指摘の食糧庁の検査の関係でございますけれども、これは秋田県とよく相談をいたしまして、秋田県のほうで細密調査をできるだけ早くして、早く公表をしてもらうということが先決問題でございます。  実は、地元の方々からもそういう御要望がございますので、私どもは、県庁、食糧事務所、経済連等でさっそく協議をいたさせておりまして、たとえば秋田県の場合としては、御要望に沿うようにできるだけ細密調査の公表を早くやる、十月の上旬、中旬ごろまでに公表を終えるようにしたいということで努力をいたしますし、おそらく実現ができると思います。さっそく私ども協議をしております。そういうことでやりたいと思います。  それから、もう一点は、農家が庭先に俵を積んでおくというのは困るじゃないか、これでは何もできないじゃないかというようなお話しですが、その点につきましても、実は県とさっそく協議をいたしまして、県の細密調査のやり方の問題にも関係しますので、県がそれぞれの地区においてサンプルを採取する時期、たとえば完熟期の一週間前をめどに各地区ごとに計画をずっとつくりまして、それで、その公表を十月の中旬ごろまでにできるようにということでございますから、万が一そういう農家の庭先に積んでおくというようなことがあれば一おそらくこれはないと思っておりますが、ないように、県としてはできるだけ早く公表をして、それから検査にかかれるように、経済連と県と食糧事務所とタイアップしてそういう措置を講じたいということでございますから、地元の方の非常な御要望もございますし、ぜひそういうふうにやりたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま長官から答弁を承って非常に心強いわけでありますが、念のために申しておきますと、ことしの要注意地区の産米の量は、産米の面績は三千町歩といいますから大体三十万俵はそういう危険なお米が出るという状態ですので、いまのお話しのことをどうか早急に煮詰めていただきたいと思うのです。  それから、第二番目には、農用団地の土壌の汚染防止、復元の問題でありますが、先ほど来お話しがありましたように、確かに、PPPの原則を大前提にしなければならないということはわれわれは十分承知しておるわけであります。ただ、秋田県のような、原因者がまだいま特定されない。その中で事態が起こっておるということ、これもまた直視していただかなければならぬと思うのですが、この中で、そうした土染法によるいろいろな土地改良を行なおうとするならば、現行では、農用地については国が百分の五十五、県が百分の三十以上、残りが市町村の負担というかっこうになっておるのですけれども、どうしても国の援助率を引き上げていただかなければならない。たとえば農用施設であれば三分の二になっておりますが、せめて、農地の土壌改良について百分の五十五から三分の二の補助に上げるということ、このことがいま非常に重大な地元の課題にもなっているのでありますが、そういうかっこうでお願いできるのかどうか、また、そういうことをやってやるという強い決意の中で作業をしていらっしゃるのか、農林省の構造改善局の御見解をお聞きいたしたいと思うわけであります。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 土壌汚染防止対策事業についての、原因者側にアロケートした残についての、あるいは原因者のない場合は全額についての、その補助率、それから県の負担というものは、先ほど先生が言われたとおりでございます。  われわれの見解といたしましては、排土をして、あるいは客土をするというような場合、これは客土という名前になっておりますが、実際には区画整理というようなことか——農道かついでに整備されるようなこともあるわけでございまして、一般の団体営の客土といったようなものに比べますと相当の高率になっているというようなこともあるわけでございます。そういうことからいたしまして、そしてまた県の負担も三〇%以上になっているというようなことであり、しかも、県の負担分については交付税の裏づけがあるというようなことからまいりますと、現在の公害防止事業費事業者負担法に基づく負担ということは現在の段階においてはやむを得ないことではないだろうか、こういうふうに思うわけでございます。  先生の御指摘のように、原因者が不明であるということになれば、相対の事業費の中において市町村なりが負担する部分というものが絶対値において多くなるというようなこともあるわけでございますけれども、現在のところ、農業用施設については三分の二、そして農用地については五五%、これは現在の他のこの種の補助率というものとの関係から言うならば相当高い補助率であるというような事態の中においてこの問題に対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 他の補助率の関係から言えば百分の五十五も高いということでありますが、なぜこういうことを私が申し上げるかと申しますと、いずれ地元市町村の負担にかぶさってくるという状況があるわけですね。そうすると市町村も土地改良を実際実質的にやるからネグろうじゃないかとおっしゃいますけれども、たとえば秋田県の能代市なんという例を見ますと、これは米代川の河口にあるわけですね。本来、能代市は汚染や公害に何一つ関係のないところですが、米代川の上流の鉱山地帯は何十あるか、百ぐらいあるかどうか、知りませんけれども、これの被害をもろに一手にかぶっている。そうしておるところで、皆さん方がそのために何ぼか恩恵を受けたり発展しておったとかいうならば話はわかるけれども、おれたちがその被害も受けたほかにそういう負担をなぜ出さなければならないのかということも言っている。これはもっともな話であります。そういうことでありますから、せめて農業施設並みに三分の二にしてほしい。あるいは高いから、あるいは県に対しては交付税で見るからと言いましても、いま構造改善局長はそう言ったけれども、最後のところはきわめて微妙なニュアンスを私は感じ取っているわけでありますが、いま一回お答えいただければありがたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 五五%という問題は、これは確かに原因は他の地方にあるのだという点から言えば、地元民の気持として割り切れないものがある。これは確かにそういう点はあると思います。しかし、先ほどもちょっと申し上げましたように、農業用施設といいますか、排土、客土というかっこうか、ただ排土、客土というだけではなくて、その中に農道が整備されるというような要素もある点、というようなことも、これまた事実でございます。そういう点から施設との間に多少の補助率の差をつけているというふうな実態にあるわけでございます。きのう陳情に来られた方々もそういったような問題をいろいろと述べられているわけでございますが、いずれにいたしましても、地方地方によっていろいろの事態が今後出てくると思います。しかし、現在のところ、農業用施設というものと、それから農地といいますか、客土という問題との間に多少の補助率の差があるといういまの法律の体制というものも、これまた否定しがたい要素があるというふうに考えるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こんなことを言っていいかどうか別ですが、私が聞き伝えたところによりますと、おたくのほうでは、来年度の予算の概算要求の中に三分の二の補助率にしなさいという要求を出しておるということも聞いているのですね。それを出しておってあなたがいまのような御返答をするということは非常に慎重な——その経過かわからないからそういうところだろうと拝察するわけでありますが、その点はいかがか、お答えいただきたいと思いますね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 予算要求をしております現段階で、基盤整備事業全般についてそうでございますけれども、補助率の問題というものは、これは客観的ないろいろの情勢とのからみがなかなかある問題でございます。これは一般論でございますが、来年度総需要抑制というようなことが続く限りにおいては、事業量の確保ということ、あるいは事業量を犠牲にしても免担率に重点を置くかということは、われわれとしては非常にむずかしい問題があります。そういうような環境の中において、一般論としては、やはり総需要抑制ということが続くならばわれわれとしては事業量の確保にまず精力を注がなければならぬというふうなことに相なろうかと思っているわけでございまして、補助率の要求というものもいろいろと出しております。  しかし、ここで私が申し上げるということは、それがとれたということになれば、それは申し上げてもいいことと思いますけれども、これは現在役所内部の問題であり、これから大蔵省とも協議する問題でございますので、内部問題としてはそういう問題もあるということではございますけれども、まだそれについての結論が出ていないというのが現状であるということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまの問題は確かに内部問題だということは、私は十分わかっておりますからこそお断わりしたわけでありますが、いずれにいたしましても、農林当局としては、大蔵省がもちろん控えておりますし、その他の官庁の関係もあるわけでありますから、これははっきりと御返事するわけにはいかないということは私も承知いたしておりますが、いずれ概算要求としてそういう措置をとるようにいま要求しておるということを——その結果は別にいたしまして、そのことはそういうふうに了解したわけでありますが、おそらくその了解が誤まりでないと思うわけであります。  そこで、これをどうのこうの言っても、あなたがまた非常に苦しいことになるとぐあいが悪いので、これで終わりにしますが、次に、そのことに関連しまして、来年度の対策計画事業ですが、全国にそういう個所がいろいろと発生しているわけでありますが、来年度の対策計画の事業着手が何カ所あるのか。それで、いま、あそこからこちらからとたくさん出ているわけですが、おたくがいま考えていることで、全体の総量は大体全国的なそういうものに見合う状態になっているのか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 継続地区につきましては、当然のこととして、それに対する必要な予算量を確保したいというふうに思っているわけでございますが、新規地区につきましては、対策地域が指定になりまして、そして、それに基づきまして今度は汚染防止の対策計画ができるわけでございます。できましたときに、われわれとしては、それを受けてすぐに工事ができるというようなことのために、過去の経験値から言ってこれだけの金があれば何とかなるであろうというような額を要求しているわけでございます。  何地区ということがあって、それに見合うものが幾らというかっこうにはまだなっておりません。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、現在時点において指定が幾つ、そして対策計画が幾ら、それで一区あたりの個々の地区が幾らというのが出てきたときに、それに対応し得るような予算を、端的に言うならば、いわばつかみといいますか、それで計上したいということに相なろうかと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこで、その中身について若干お伺いしますが、秋田県からは、全国的に一番ひどいところでありますが、小坂町、鷹巣町、能代市の二つの地区から、湯沢市から羽後町に至る地域及び継続中の西仙北町、つまり杉沢、柳沢地区ですが、この六カ所が問題として出されていると思います。これについて、国が来年度の措置をお考えになっている中に当然入るのだというふうに私は理解しておるわけでございますが、その点はいかがですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 杉沢、柳沢地区につきましては、もう計画ができております。総事業費が三億四千三百万ですが、そういうかっこうになっておりますので、この地区についての予算は計上することになります。  それから、その他の地区につきましては、これから計画をつくるということに指定し、計画をつくるということに相なりますので、それは新規地区というかっこうで今後対処してまいるというかっこうになると思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 杉沢、柳沢地区以外は新規なわけで、これから環境庁の承認をもらったり、事業計画を立てたりするわけでありますが、そのおたくの来年の中の——つかみということばが先ほどありがしたが、当然それに入るだろうと思う。入るのですね。これはいままだ書類が正式に出てこないのでどうなるかわからぬけれども、一応そういうふうに私は理解しておるわけです。  もう一つは、たとえばこういう問題です。平鹿郡というところには新しくそういう要注意の汚染状況が二千ヘクタールばかり出ているわけですが、こういう場合は、年度の途中でも知事がそれを指定し、対策計画を立てた場合に、環境庁がそれを承認し、事業計画そのもので、年度の途中でもそういう事務的な手続ができるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思うのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 継続地区につきましては、もう金額がきまってまいりますので、そのとおりやってまいります。  それから、年度途中において計画が決定すれば、それに対応しての必要な地区に対する予算は、先ほどつかみと申し上げましたが、何地区がどういうかっこうになるかわからぬから、金額的には大体対応し得るぐらいの金額を組むことによって対応してまいる、こういうことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、先ほど小坂町あるいは鷹巣町、能代市の二地区、湯沢市そのほかどこそこというふうにいろいろ言いましたが、継続地区以外のものは大体その中に入るというように理解してよろしいですね。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先ほど来申し上げておりますように、対策計画ができれば、それは対象になるということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。  建設省がお見えになっておるようでありますが、米代川の流域がいま一番ひどい汚染地域であるわけであります。その中でも、とりわけ鷹巣町の今泉地区の堤防五・八キロ、あるいはそこの該当用地の大体五十ヘクタール、ここが洪水のたびに堤防を越えて田んぼへみんな流れてしまうという状況で、いまの町の中でもたいへんな問題になっておるわけでありますが、この河川改修について、米代川の総合的な調査を国が行なったわけでありますから、当然その必要性はでているだろうと思うのです。これについての地元の要求もあると思うのですけれども、どういう状況になっておるのか、これは早急に取りかかることができるのかどうか、そういう御意向があるのかどうか、お答えいただければありがたいと思います。

栂野康行建設省河川局河川計画課長

○栂野説明員 お答えいたします。  建設省といたしましては、米代川につきましては、昭和四十七年度に破堤しました関係もありまして、予算をふやして鋭意工事をやっている段階でございます。いま御質問のありました鷹巣町の今泉地区でありますが、この地区につきましては、本年度、秋田県の用地先行によりましてまず用地を買収していく、そして、この地区は無堤地区でございますので、来年度から新しく築堤に着手しそれから鋭意その促進につとめてまいりたい、こういうふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。そこで、ぜひともいまのようなかっこうのものを促進していただきたいと思います。  それから、私の三つ目の質問は発生源の山元対策でありますが、従来、この発生源の山元については、休廃止鉱山が何百もあるという関係で、国も特に手が回らなかったことはわかるわけでありますが、何か問題になった個所だけは手をつける、ところが、実際はやはり自治体がこのしりぬぐいをやらせられているというかっこうなわけであります。自治体にいたしましても、この発生源を押えないことには、幾ら土地改良をしても何をしてもだめですし、これは頭の痛いところでありますが、国がいままで全くやらないというわけじゃなくて、やってもおざなりであったという点も指摘できるであろうと思うのです。このようなケース、つまり発生原因者があまり明白じゃないというような状況の中で、しかも、そこの山元の発生源を一日も早く規制しなければならない、たくさん数はあるけれども、これをどうしてもやらなければならないということだが、先ほど申しましたように、自治体が一々それに走り回るということはできないと思うのです。  そういう点で、この発生源対策についてここのところを山元対策としてがっちり押えていただかなければならないし、そのためにも、いままでのようなやり方では、百年河清を待つということばもさることながら、国の主体的な役割りというものが全く抜けておるような感じが私はするわけであります。したがって、こういうケースに対しては国が復旧の主体となってがっちりやるべきだ、どうしてもいまがその時点じゃないか、こういうふうに私は考えているわけでありますが、そのような御意向があるのかどうかお聞きしたいと思うのです。これを通産省から伺いたい。

石川丘通商産業省立地公害局鉱山課長

○石川説明員 お答えいたします。  休廃止鉱山には二種類ございます。二種類と申しますのは、義務者が存在する休廃止鉱山と、義務者が存在しない休廃止鉱山でございます。義務者が存在いたしますものにつきましては、鉱業権者がおります稼行鉱山と同様に扱います。したがいまして、ただいま先生から御指摘がありました休廃止鉱山は義務者不存在の休廃止鉱山ではないかと存じますので、それについてお答えを申し上げますと、現在義務者不存在の休廃止鉱山につきましては、御指摘のとおり、国が鉱害防止工事費補助金を地方公共団体に交付いたしまして、地方公共団体が事業主体となりまして鉱害防止工事を実施しているわけでございます。しかし、これらの鉱害防止工事費の地方財政への圧迫、あるいは鉱害防止工事に伴いますいろいろな技術的な困難性、あるいは地域の住民の方々の不安を取り除く必要がある等々の理由がございまして、早急に計画的に実施する必要があるということでございますので、国が来年度からは事業主体となりまして工事を計画的に行なうようただいま事務的に詰めておる段階でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまお聞きした限りでは、画期的なというか、何か、全国的な大きい一つの新しい国の施策がこの問題に対して出たというふうに理解できると思うのです。だから、もう一回確認しますが、今度、国が直轄事業として休廃止の原因者の不明なものに対してやるということですね。しかも、そうなりますと国の費用負担の問題も当然出てくるわけでありますが、それが大体どの程度のものなのか。あるいは、先ほど申しましたように、この事例は一日もゆるがせにできない状況なわけでありますから、この点については、国がそういうふうに乗り出すのであれば、早急に全国的にこれをやるという課題にぶつかるわけでありますが、相当の予算的なものも要すると思うのですけれども、一応何年ごろまでにこれを完ぺきに全部措置するという目安なんかもおそらくおありだと思うのですが、あわせてお答えいただければ幸いであります。

石川丘通商産業省立地公害局鉱山課長

○石川説明員 お答えいたします。  国が主体となってという意味は、金属鉱業事業団というものがございますが、これが直轄事業を実施するということでございます。  それから、ただいま検討しております地方公共団体の負担につきましては、ただいまの補助率で申し上げますと、三分の二が国の補助金でございますが、それを格段に引き上げて石炭並みに八五%にするということを検討中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 よくわかりました。しっかりやっていただきたいと思います。  さらに、先ほど来の原因者が不明な場合云々ということもあるわけですけれども、不明であっても、実際は鉱業会なんというものはあるわけですね。不明だと言うけれど、昔を探ればあるいは出てくるということもあるわけですね。あるいは、鉱業会が全体として責任を持つということもあるわけですね。通産省はそういう鉱山とは非常に仲がいいという指摘や批判等がいままではあったわけでありますが、そういう点で、先ほど来PPPの原則ということが何回も出てきたように、そういう姿勢をきちっとしてやっていただきたいと思うわけですね。  それにつきましてお願いしたいのは、金属鉱山等保安規則の第二百九十九条というものがありますが、これによりますと、現に稼働中に鉱山の排水だとか坑内水による鉱害を防止するために、その施設に故障や事故があった場合はすぐ届けることになっている。監督官庁に対して報告の義務があるわけですね。そこで、お手数をかけるようで悪いですけれども、秋田県の場合でよろしいから、そういう報告がどのように届けられているか、資料として後ほどお知らせいただけるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います。

石川丘通商産業省立地公害局鉱山課長

○石川説明員 ただいまの資料につきましては、後ほど調べましてお届けしたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 せっかく通産省がおいでになるわけでありますからもう一つ申し上げたいのですが、通産省は、従来、そういう稼働中の原因者のはっきりしているものはほとんどいま規制を受けているから、たれ流しだとかいうような鉱害は出しておらないはずだ、いま問題になっているのはほとんど過去の歴史の蓄積の中に起こっているやつだ、と、こういう認識を持っていらっしゃるわけですね。しかし、実態は、秋田県の能代市の垂直分布の調査の例なんかを見ますと、その土壌の上のほうを「イ、ロ、ハ」と分けますと、「イ」の一番上の部分から新しい多くのカドミウムが出ている。それが試料的にも証明されるわけですね。したがって、皆さんが言うように、稼働中の鉱山はもうだいじょうぶなんだ、ちゃんと当局は規制しているんだ、監督しているんだということではなくて、稼働中のものも含めて蓄積鉱害のせいにして全部片づけるのじゃなくて、あわせて、両々相まって厳重に指導監督していただかなければ、秋田県のような場所では、私たちも県民も何かすっきりしないわけでありますので、この点の指導監督についてもいま一言お伺いしたいと思うのです。

石川丘通商産業省立地公害局鉱山課長

○石川説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘の稼行中の鉱山の鉱害防止でございますが、これにつきましては、鉱山保安法の二十五条等の改善命令等の発動によりまして厳正に監督をしてまいりたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大体以上でカドミウム問題については一応終わらせていただきます。  最後に、時間が参りましたが、消費者米価について一言申し上げたいと思うのですが、先ほど来の質問をお聞きしておりますと、食糧庁長官は、あの程度の、三二%という程度の米価の値上げは物価に影響がないのだということを口をすっぱくして答弁しておったのでありますが、たとえば経済企画庁の試算なんかでは、あなたの言うこととは全く違って、狂乱物価の二の舞いになるということを盛んに指摘して、そういう数字も発表しておるわけですね。また、あなたがおっしゃるようにほとんど影響がないならば、あの小麦の場合はどうなんだというと、三十何%値上げして、ラーメンなり、そばなり、うどんなりが実際どれだけ値が上がったかということは、過去のそういう事例の中でも明らかなわけですね。そういうものから一つも教訓をくまないで、そうして消費者米価のあのような押しつけをした。しかも、私が言いたいのは、私は生産県の代表でありますが、生産者米価では生産者農民の要求を満たさない。生産者農民の再生産を十分償わない。消費者米価に至っては、いまこの狂乱物価の中で何とかこれだけは安くしていただきたいという皆さんの願いを踏みにじる。生産者を苦しめ消費者を苦しめるということは、国民全体を苦しめるということですね。これは、政府がみずからふところから出すものが惜しいからだと言うとおかしいけれども、そういうかっこうの中での一つの教訓は、生産者を苦しめるものは消費者も苦しめるものだというふうな理解に到達するわけであります。  そこで、これはあなたはさっきから一日じゅうやっていますから、一問一答を繰り返しませんし、答弁は要らないのですが、最後に私は申し上げておきたいのですが、私が結論的に申し上げることは、この前の米価審議会の中でも、現在の異常な物価情勢のもとでは、現行売り渡し価格はそのまま据え置くべきであるという意向が示されたと思うのですね。また、せんだっての論議の中でもそういう意見が相当あったと思う。国民の願いはそういうことであるわけでありますから、あのような値上げはそういう国民の願いを無視したものであり、また、食管の規定からも、消費者物価に重大な影響を与えるという点からも、わが党としてはこれはやはり認められないと思うのですね。  私のほうの党は、御承知のとおり、消費者米価の値上げに反対して、物価安定と国民生活の防衛のために国の財政負担が当然であるし、そのような財源は十分にあるのだということをいろいろな機会に申し上げてきたわけであります。要すれば、国のそうした政治の姿勢が問題なんだから、いまはあのように米価を値上げするということではなくて、大商社の投機的な米の買い占めをどう防ぐのか、どう取り締まるのかということと、消費者米価への物統令を再検討すること、あるいは消費者米価は物価のサイドですから、これは国会できめること、こういうことを私はわが党を代表してあらためて要求したいと思うわけですね。それで、いま電報や、電話や、ガスや、その他あらゆるものが値上げされておるわけでありますから、私ども共産党は、全国民のそういう民主主義的勢力やあるいは消費者の皆さん方と一緒になって、これからもその点については強く戦っていきたいと思いますので、この点を長官に厳重に申し上げまして、ちょうど時間になりましたので、私は終わらせていただきます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 むつ小川原の農地転用の問題で、繰り返し質問します。  農林省でもおわかりのとおり、私は、代議士に今度当選してから、もうあきるほどこの質問をしておりますが、知らないから聞いているのじゃないのです。私がなぜこの質問をしておるか、あなた方は十分わかっていると思う。  そこで聞きたいのだが、これはむしろ再確認の意味でお尋ねしておきますが、農林省が、むつ小川原開発会社の事前審査の申請に対して内示という、行政処分であるか、行政行為であるかをしましたね。これに対する私の最初の質問は、これは人がかわりましたが、小沼君のときですが、内示というのはどういう意味かと聞いたら、買ってもいいという意味じゃないと言った。これは記録にはっきりしています。じゃ、どういう段階かと言うと、交渉を始めてもいいという意味だということですが、この点に間違いがありませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 むつ小川原開発会議の決定と、買う交渉をするというようなことがある場合に、その土地が農地法上許可にならないものであるならば、それはおやりにならぬほうがいいでしょうという意味におきまして事前承認申請というものがあるわけでございます。したがって、事前承認の申請かあって、契約といいますか、交渉を始めるということに相なるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこで、この内示の申請はどういう目的とどういう内容を持っていたのですか。何千何百ヘクタールの土地を許可があれば将来買収したいからということであったのですか。そのあらましを伺いたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 むつ小川原開発会議の決定と、それから閣議口頭了解を受けまして、そして約五千五百ヘクタールの土地について、そのうちで工業用地としては、環境保全なり設備拡充のための十分な余裕を持った規模ということでございますが、約五千ヘクタールということを見込み、そして新市街地について約五百ヘクタールということを見込んで、その土地について、むつ小川原開発のためにむつ小川原開発株式会社が用地取得の交渉をするということはおやりになっていいということでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 これは石油精製二百万バーレルですね。これは日本の石油精製能力の半分近いもので、世界最大です。そのためには何千ヘクタールという面積が申請の内容にあったはずです。それから石油化学においては、年四百万トンということだ。そのためには何千ヘクタールとかという中身があるわけです。電力は一千万キロワットというもので、これを中心とする大コンビナートをつくるから五千五百ヘクタールの地域の買収をしたいということで、これに内示を与えたんだ。そのことに間違いありませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 県のむつ小川原開発第一次基本計画は、これは県が提出されたわけでございますが、それを受けて、先ほど来申し上げましたように、四十七年の九月十三日及び十四日のむつ小川原総合開発会議及び閣議口頭了解というものを受けてやったわけでございますが、その限りにおいて、むつ小川原開発についての県の計画についてはさらに十分に検討をし、そして調査の結果によってさらに検討を加えていくということを含みながら、要するに約五千五百ヘクタールの土地について工業用地として開発してまいる、また、市街地を開発してまいるということをきめたわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 ところが、今度は、県がこの間骨子案というものを発表した。それによると、二百万バーレルというのは四十万バーレルか五十万バーレルに縮小しました。四百万トンというのは八十万トンになった。一千万キロは百六十万キロワットになった。およそ四分の一ないし五分の一の規模に縮小されたのです。そうするならば、農地法の運用上から言っても、農地法の精神から言っても、優良農地を工業化のために転用するときは必要の最小限度にとどめるという原則がある限りは、五千五百ヘクタールというヤマカンの前提はくずれたとは考えませんか。私はそう考えるが、どうですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 今度、「第二次基本計画の骨子」というかっこうで青森県がこの八月末に提出してまいりました「むつ小川原開発のすすめ方について」という中におきまして、先生がいま言われました五十万バーレルは、これは工業立地の第一期計画としてまずやるのは、石油について言うならば五十万バーレル程度で、それから石油化学エチレン換算年八十万トン、火力発電が六十万キロワット二基というふうなものをさしあたりの第一期計画というかっこうで、その具体化をはかります、と、こういうかっこうで出ているわけでございます。  先ほど来申し上げましたように、われわれの考え方といたしましては、農地転用事前審査申し出に対します内示というのは、九月十三日及び十四日の総合開発会議の申し合わせあるいは閣議了解に基づきまして、用地の選定がその申し合わせ等に沿うものであるということを確認の上で行なったわけでございまして、そうした申し合わせ事項に変化がない以上は、いま言われましたことによってその妥当性が失われたということではない。つまり、閣議了解なり申し合わせなりの内容ということとの関係において変更がない以上はこれは同等のものであるというふうに考えているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それはおかしい。とてもおかしい。たとえば二百万バーレルといったときのあの虚大な——「きょ大」の「きょ」は、からうその「虚」ですよ。あれはうそなんだ。技術的にも常識的にもあれはできないことなんですよ。第一番に、四百万トンという石油化学をやるにはどれだけの工業用水が必要かという一点から見ても、あそこにはそれだけの用水源は断じてない。その一点だけから見てもこれは虚構なんだ。土地を多く買い占めしようとするためのうそだったんだ。このうそは、資本が土地をできるだけ多く取りたいからだ。私は、だから、この問題には政府と資本との間の癒着があると最初から疑っている。第一番に、これに内示の許可を出したときの当時の農政局長か——構造改善局になる直前だから農地局長ですか、その人がこの申請者である企業の常務取締役になっていることを私は追及した。これは厳密に言えば、許可権を持った者が、その許可を申請する企業の常務取締役になるというのは国家公務員法の違反だと私は思うので、それを私は追及したことがある。癒着があると私は思っている。  それから、この間こういうことがあった。骨子案というものを知事が県議会で説明した。おかしいじゃないか、先にはでかいものを発表して、今度は五分の一近くに縮小した、これはおかしいじゃないかと言ったら、私はこの開発について数字を発表したのはいまが最初だと、こう言いましたよ。これは速記録がありますから、そのうちに間もなくできるだろうから、よくごらんいただきたい。じゃ先に出したのは何だと言ったら、あれは数字で書いたけれども、一応のめどにすぎないと言う。そうするならば、一次計画も二次計画もないのです。過去のものはめどで、今度のものが初めての計画だ、と、こういう意味なんです。こういうふうなこともあるので、あなた方は書類を見ただけで、癒着の気持ちがあるから簡単に判こを押すかもしれないが、農民はどうなるか、農業はどうなるか、農地法はどうなるかということを考えてもらいたい。  それから、いまはこれだけだが、これから大きくなるだろうと言うのだが、そうすると、農地法の転用の場合に、許可を受けた土地が延滞なくその目的の用に供せられるものでなければ許可しないという取り扱いの方針があって、これは全国でそうなっているのだが、むつ小川原に関する限り法律が変形されたり、資本の側に有利で、農地法は死滅の状態で運用されるということはそもそも間違いじゃないか。私はそう思う。  そこで次に入りますが、私は議論はしませんよ。だが、こういうことがあった。交渉を始めてもいいという段階だが、実質的に買収されているではないか、よって、これは農地法違反でもあるし、罰則の適用もあるべきはずだという質問に対してこう言った。これは実態を申し上げるならば、開発会社の発表でもうすでに三百億円の金が払われている、そのときに全額金を払っていないから違法ではない、と、こういう答弁があります。それから、その次には、農地の引き渡しをしていないから違法とは言えない、所有権の移転、つまり本登記をしていないから違反とは言えない、と、こういうことだが、ものには程度があるでしょう。話し合いを進めるという段階でよしんば金を払うにしても、それは手付金です。手付金は、私は弁護士からも聞きましたが、常識的には五%、多くても一〇%で、それ以上になると内金と解するのは法律上の常識だというのだが、八割払っている。残り二割は、あとは税金分なんだからね。こう言ってもあなた方は違法にはならないとおっしゃるが、その見解には変わりはありませんか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先ほど来四つの問題を言われたわけでございますが、このむつ小川原の問題の起こる前の時代の農地局長があの会社に行っている問題につきましては、人事院も含めてすでに答弁しているわけでございます。  それで、二百万バーレルの問題でございますが、われわれは、先ほど来申し上げておりますように、農地転用の事前審査に対する内示は、これは九月十三日の申し合わせの趣旨に沿うものである限りにおいてはよろしいということを申し上げているわけでございます。それの動機といいますか、契機となりました県の計画の中には確かに二百万バーレルということがございますけれども、申し合わせ事項というものは、その県の計画についてはさらに検討していくんだということに相なっているわけでございます。  今度五十万バーレルという数字が出てまいりましたけれども、これも県の出てまいりました文書によりますと、とりあえずの第一次計画ということになっております。出てまいりました計画といいますか、取り扱いにつきましては、現在各省、十一省がそれぞれ県からの説明を聴取して、そして各省それぞれ持ち帰って現在検討しているという段階でございます。  「遅滞なく」という問題があったわけでございますが、農地法で言います「遅滞なく」という問題は、たとえば掘っ立て小屋みたいなものをつくるということであれば、その「遅滞なく」というのは数カ月でありましょうし、あるいは高層ビルを建てるということになれば、それは数年を要することでもあり、あるいは非常に科学的に精緻なものであるならばそれ相当の期間がかかるということは、それは「遅滞なく」の範囲だろうというふうに考えるわけでございます。  そこで、前局長時代から先生との間にいろいろと言われておりますように、売買契約という問題につきましては、法定条件つきの契約を結ぶということは農地法違反にはならぬ、そして実質的に売買が完結し、実質的に所有権も移ってしまったというような事態が来れば、それは農地法違反である、と、こういうことに相なっているわけでございます。  会社のほうから八割程度の金が出ているということはわれわれ了承しております。しかし、その八割程度の金が出ているということをもって、イコール農地法違反であるということには相ならぬというふうに前から考えているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それは、停止条件を付した売買契約は農地法違反でないということは聞いたことはない。民法上有効だということは聞いたことがある。  そこで、問題は意思の問題です。買うつもりで八割払ったのか、売ったつもりで八割を受領したのかという問題だ。罪になるかならないか、違反するかしないかは当事者同士の意思の問題が重大だ。形はいかに一〇〇%でも、意思がなければ、これは違反にも処罰の対象にもならぬというのが法律の常識だが、そこに意思があった場合、客観的に見てその意思がはっきりした場合はどうなるのですか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 転用目的で売買契約を締結して、対価の相当部分が支払われているというわけでありますが、その売買契約におきまして、いわば五条一項の法定条件といいますか、として売買を行なうということになるわけでございますが、その対価の相当部分の支払いということのみでは、事実上その農地の所有権を取得したにひとしい行為とは言えないわけでございます。したがって、その行為については同法の規定に違反したものと言うことはできないというふうに考えているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこで、いま言ったのは意思の問題なんだ。買う意思があり、売る意思があって、そういう行為が内金だと言ったって、五%も代金の一部だし、八〇%も代金の一部なんだよ。それをあなた方がそういうようにただしゃくし定木の逃げ口上みたいな答弁をしたって、これはわれわれは承服できない。そこで、意思の問題はどうなりますか。売るつもり、買うつもりで……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 契約を結ぶというのは、それは意思がある。両者の意思があって契約があるわけでございますが、その意思があったかどうかということによってではなくて、先ほど来申し上げましたように、売買が完結して、その上に所有権が実質的に移ったという事態が出たときの問題を申し上げたわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこで、こういうことになっているのだよ。二〇%は払わないということになっているが、別な形で払わされているのですよ。これは税法上の問題になるが、売買が完了しない限りは課税の客体にならないのは、これは税法上の原則なんです。それくらいのことは役人をしているからわかっているだろう。ところが、どうしているかというと、税法上の運用で、本人の申告があった場合は課税の客体として課税になっている。そういう形で税金が納まっているのだよ。一部分が残っているかもしれないが、大部分は完了をしている。あなた方は脱法行為ということばを知っているでしょう。こういうものをこそ脱法行為と言うのだよ。あなた方はその脱法行為を指導しているのか、保護しているのか、全くおかしい。ここはこれを議論する場所じゃないからしませんけれども、とにかく、売った者が税務署に私から税金を取ってくださいと言って申告しているのだよ。その金を開発会社が無利子で貨していただいた。一体これは何だ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 所得税関係の通達があるわけでございますけれども、その考え方によりますと、たとえば農地法三条の関係で申しますならば、許可があった日と、それから農地の引き渡しのあった日と、いずれかおそいほうというのが原則でございます。しかしながら、どちらが早い日、つまり契約が締結された日によって、申告があったときはこれは認めましょう、と、こういうことに相なっていることがあるわけでございます。そこで、申告した方々は、一年おくれることによる税法上の不利というものを防ぐということから、おそらく、そのただし書きの場合を利用してこういう措置をとったんだろうというふうに思うわけでございます。  その場合の税金部分というものを会社が出していると先生が言われましたけれども、われわれの確認している範囲においてはそういうふうな事実はございません。ただ、市中銀行からそういう金を借りた人があるということは聞いております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 あなた方の調査というのは、現地で人に当たって調査したのか。私の身内がその中にいるんだ。現地を見ないで調査したというのは、だれの話を聞いたのか。いま、調査をして確認したと言うが、それはどういう調査だ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 むつ小川原会社のほうから支出がされていないということは、その会社から聞いているわけでございます。そうしてまた、一方、市中銀行等から、これは青森銀行でありますとか弘前相互銀行等でございますが、こういうところから二〇%相当額について融資を受けているという事実があることを県から聞いているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 事実はこうなんだ。税の問題だが、私はあなたから税法の話を聞くつもりはないが、所轄の税務署というのは十和田税務署です。そこの役人上がりの税理士を開発会社が嘱託して、売った地権者にそういう指導をした。それから、開発会社は金を出さないと言うが、開発会社が銀行に話して銀行に出させて、残余のものは会社が銀行に払うというのは、これは同じことなんです。ただぐるっと回って、合法というか、装っているだけのものです。こういうことだから、それだけはよく覚えておいてもらいたい。これが将来別な場所での重要な争いの根拠になる。  それから土地の引き渡しですが、われわれの調査では、特に入植者の場合、百三十戸以上はもう現地にいません。きのう六カ所村の調査のことが青森の新聞に出ましたが、六十五戸は他の市町村に転出したと書いてある。そうしてアパート業になったり、いろいろな職業についているんです。そうすると引き渡しというのは何か、よく考えてみると、農地を荒蕪化しないための予防措置だと思うのです。農地が荒れ地になることを防ぐために農地法はきびしいんです。五里も十里も先に行って牧草地、畑地をどうして管理しますか。管理している人も少数はいますが、あとは荒蕪地なんです。この点でも農地法というものはもうすでにないと同じなんです。適用されていないと同じなんです。形式の問題よりも、実質の問題が重要じゃないですか。あなたのお話しを聞いていると、実質はどうあろうと、形式が完了していないからという意味なんです。そこの点は、あなた方も法律や行政でめしを食って局長にまでなっているのに、われわれから見れば常識だと思うものを、その詭弁で事実をごまかし通せると思っていますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 先生がいま放棄ということを一言われたわけでございますけれども、引き渡しというのは、要するに占有を移転するということでございます。本人が売るというか、契約の相手方になった農民が自分の意思で放棄したということであっても——放棄といいますか、自分の意思で耕していないということがあっても、それだけで、占有といいますか、所有権が移ったということにはならぬわけでございます。したがって、かりに住所が移っていたということがあったとしても、それだけでもって引き渡しというものが、完全に所有権が移ってしまっている、そして相手方の意思によってすべての土地が支配されているということにはならぬというふうに考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 ようございますか、この速記録を私はパンフレットにして全国の土地業者に回しますよ。そうしたら、どこにも農地法違反ということは出てこないはずなんです。実質的には買収が行なわれて、村に人がいなくなっても、農地法違反というのはなくなる。結局、罰則があるということは、第一条ないしは五条という法律の目的を補強するために罰則があるのです。あなた方がそういうふうなことをやって、それが日本じゅうに適用するというならば問題は別だ。みんなこれ以下のことで処罰されている。事実ですよ。私もずいぶん調査しました。隠れて小さいものはあるかもしれないが、日本じゅうで話題になっているこういう大量の土地買い占めでは、私らから見れば、むつ小川原と苫小牧と二つくらいのものだ。あとのほうはもっと遠慮しいしいやっている。あなた方がこういうふうなことを指導するから、今後は農地法は死んでいくと思うんですよ。  そこで、念を押しておくが、いまのとおりで全国でやっていいと思いますか。これが農地政策上いいと積極的に思いますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 事前審査の申し出がありまして、そして、それに対して内示したというようなところでないようなところにおきまして、そういう事実ということはおおよそ考えられないわけでございます。  この場合におきましては、先ほど来申し上げております申し合わせ事項に沿うものということで、事前審査の内示をしたわけでございます。その申請はいたしました。そして、第二次基本計画というような問題が今度出てきているわけでございますし、これにつきまして、関係各省の間における会議の結果ということはまだいまのところ予測できませんが、その結果、次第によりましては、そしてその他の諸般の事情が解決するということになりますれば、将来いずれは農地転用の申請が出てくる、こういうことになるわけでございます。  先生が全国各地でと、いろいろ言われましたけれども、事前審査の申請もなしにただ買い占めているというような事態に対しまして、これは農地法に違反するものだということで厳正な態度で臨んでいくというわれわれの姿勢においては、何ら変わるところはないわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そうすると、善用するか悪用するかによって違うけれども、この事前審査という制度は非常に危険な制度だ、隠れみのになる可能性がある、と、私はそう思う。  そこで、時間もだんだんに切迫してくるから次の問題に入りますが、この土地を売った人たちが、二百五十三名か、早く新住区に移りたい、よって、この巨大開発と直接関係のある者が二百五十三名か、あるということだが、これはうそなんだよ。さっき言ったとおり人がいないんです。それから、この工事が昭和四十八年には着工になるというから土地を売ったのです。これは農林省にも県知事の公文書があるのです。発茶沢工区の第四工区を計画変更する、と、農林大臣にその申請書を書いています。それには、この発茶沢の地区が堀込港湾になる、四十七年には重要港湾の指定になって、八年には着工になるというような公文書が農林省に入っている。着工の期限がついているのです。農林大臣はその計画変更を許可しているのです。事実なんです。そうすると、これからいつか着工するという問題じゃないのです。これはうそだからこうなんです。この二百五十何名というのもうそです。私はかなり調査している。それで、この間初めて職業別二百五十三名という数字が出たので、その内容を県議会で質問しましたら、そうしたら答えられないのです。実は、一人一人の名は明らかなはずでありますけれども、これは六カ所村の村長さんから出された書類で、村長さんの許可がなければ氏名の発表はできませんということなんです。これはうそである証拠なんです。  そこで、あなた方は、中身はうそでも文書のていさいさえ整っていれば許可しますか。それとも、その実態について調査の上、農地法の運用基準に基づいて許可しますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 今度出てまいりました県の第二次基本計画と申しますか、これについての関係省庁の申し合わせということがまたあり得るわけでございます。今度の計画の作成後の進捗状況を見ながら、将来県から、市街化A住区といいますか、市街化地区についての農地転用という問題の申請が出てまいりますれば、それの規模なりあるいはその緊急性なりというものは、これはまた農地法の世界において、県の意見もありましょうし、それから地元の意見もありましょうから、それを聞くというかっこうで、われわれのほうで、農地法に基づいて別途対処してまいるということに相なるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこで、あなた方にこれ以上深いあやまちを犯させないために、いわゆる行政上のあやまちを犯させないために、重大で明白な誤認をやらないように私は忠告しておきたい。そこで、その予防方法を教えておくし、要求しておきます。というのは、県に氏名を求めてください。二百五十何名の氏名を求めてください。出たら、私にその図書をよこしてください。あなた方が忙しくて現地へ行けなければ、私は現地を正確に調査して、これとこれはもはやいない、これには行く意思がないというものを全部克明にチェックして、あなた方に善意を持ってお知らせしますよ。そうしませんと、これは訴訟の対象になったときに、重大かつ明白な誤認ということになって効力を失うんだし、その上にあなた方は恥をかくんだからね。どうですか。これは簡単なことですよ。秘密事項でも何でもないんだからね。これはできますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 農地法に基づきます転用申請に対して将来われわれが対処する場合におきましては、その適正な規模という問題のために、われわれとしていろいろと調査してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。先生の御親切なる助言ということもございますけれども、これは役所の責任において適正な規模というものを判断するということを将来の問題として——将来の問題でございますけれども、われわれの責任において判断したいというふうに考えるわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 もちろん、われわれ部外の者の力を借りる必要のないのは当然のことだが、それだけは十分気をつけてもらいたい。  その次に、この前の国会で書面による質問趣意書を出しまして、内閣総理大臣の名前で政府答弁として私は受け取っておるが、東通村の原子力発電基地の問題、これはすでに許可の行政処分がなされている。私はおかしいと思うんだ。大体、百万キロの炉をわずかの場所に、三百五十メートルごとに二つずつ対にして十カ所、二十並べるということは、これは中学生の常識で考えてもおかしいのですが、これにあなた方は許可を出した。そうして、この間に私に対する答弁をいただいたが、そういうことが技術的に可能性があるということは考えられないんですよ。あれは原子力局なり、環境庁なり、通産省なり、あるいは経済企画庁も——原子炉百万キロというのは一千億かかると言われているのだから、二兆円というこの設備投資がいつの時代になればあの地点に集中されるかということなのです。われわれは次の世代、世紀のことを考えていないし、農地法もそんなに長いものじゃないと思うんだ。そこで、あの問題はもう重大な誤認に基づくものだと私は確信しているんだ。あなた方は、あの技術的な可能性とか、環境上の問題とか、あるいは日本の経済の事実に基づいて可能性があるかどうかということを、私に答弁書を書くときに、関係省庁が協議したか。あれは農林省だけで書いた答弁だ。しかし、責任は内閣総理大臣ですよ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山説明員 質問趣意書に対します答弁書につきましては、政府においての答弁でございます。これをつくりますにあたりましては、法律の専門家で法律を所掌しております法制局の意見等、十分協議の上で提出したわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それを聞いてぼくはうれしくなったですよ。そんなことに、それはいいという原子力行政があれば、これは原子力船「むつ」みたいなものになるのです。これはあなた方がそう言うから、あとで聞けばわかる。各省庁で聞けばわかります。それはそれで聞き置くが、とにかく、青森県に関する限り、農地法は適用されていないという感じなんです。だから、きょうはこれだけ聞いておけば——まだやめませんけれども、この次あなた方が何をやるかということを私は興味を持ちながらいろいろ調査しておりますから、きょうはこれで終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後六時四十分散会

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