内閣委員会 第4号
- 発言数
- 396 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/12/06
会議録
○小宮山委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長が所用のため出席できませんので、指名により私が委員長の職務を行ないます。 先般、行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査のため委員を派遣いたしました。 この際、派遣委員からの報告を求めます。竹中修一君。
○竹中委員 第一班の国政調査の結果を御報告申し上げます。 派遣班は、小宮山重四郎、大出俊、中路雅弘、三塚博、鈴切康雄、私、竹中修一の六委員で構成し、十月一日から四日までの四日間の日程で行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査を目的として人事院東北事務局、仙台通商産業局、岩手行政監察局、岩手統計情報事務所、航空自衛隊北部航空方面隊、三沢防衛施設事務所、青森営林局及び陸上自衛隊第九師団をそれぞれ調査したほか、米軍三沢基地、米軍所沢補給廠及び松川地熱発電所をそれぞれ視察してまいりました。 これら調査内容の詳細につきましては、時間の関係上、口頭による報告を省略し、委員長の手元に提出いたしました報告書を会議録に掲載されるようお取り計らい願い、それによって御承知をいただきたいと存じます。 また、各機関より受けました資料等は、当委員会の調査室に保管してありますので、適宜ごらん願いたいと存じます。 以上、御報告申し上げます。
○小宮山委員長代理 次に、奥田敬和君。
○奥田委員 第二班の国政調査の結果を御報告申し上げます。 派遣班は、奥田敬和、旗野進一、大石千八、木原実、和田貞夫、受田新吉の六委員で構成し、現地態本県において吉永治市委員の参加を得て、十月一日から四日までの四日間の日程で行政機構並びにその運営、自衛隊及び公務員制度の実情調査を目的として航空自衛隊第五航空群、宮崎営林署、宮崎県陸運事務所、海上自衛隊鹿屋航空基地、鹿児島行政監察局、陸上自衛隊西部方面総監部及び第八師団をそれぞれ調査したほか、日本石油基地株式会社喜入基地を視察してまいりました。 これらの調査の内容につきましては、時間の関係上、口頭による報告を省略し、委員長の手元に提出いたしました報告書を会議録に掲載されるよう委員長においてお取り計らい願い、それによって御承知をいただきたいと存じます。また、各機関から受けました資料等は、当委員会の調査室に保管してありますので、適宜ごらん願いたいと存じます。 以上、御報告申し上げます。 —————————————
○小宮山委員長代理 おはかりいたします。 派遣調査の調査報告書は、これを会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮山委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————◇—————
○小宮山委員長代理 この際、宇野防衛庁長官、棚辺防衛政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。宇野防衛庁長官。
○宇野国務大臣 先般防衛庁長官を拝命いたしました宇野宗佑でございます。内閣委員会の皆さん方には格段の御指導を仰がなければなりませんので、何とぞ今後ともよろしく御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 はなはだ簡単でございますが、一言ごあいさつといたします。(拍手)
○小宮山委員長代理 棚辺防衛政務次官。
○棚辺説明員 防衛政務次官に出合されました参議院議員の棚辺四郎でございます。 委員会の諸先生には特段の御指導、御協力をお願いいたしまして、簡単でございますが、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手) ————◇—————
○小宮山委員長代理 国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 短い時間でございますから、できるだけ端的に承りたいのでありますが、それにしても実はたいへん問題がたくさんあるわけでありまして、また具体的な問題もございます。 そこで、まず木村外務大臣に承っておきたいのでありますけれども、ラロック氏の核証言が上下両院原子力合同委員会等で行なわれまして、フォード大統領が日本に来る、韓国に行く、またウラジオストック会議に行く、一連の目まぐるしい動きが続いたわけであります。 まず、このラロック証言というのは、大臣は一体どういう背景があってこの種の証言が出てきたとお考えなのか、たいへん一般論でありますけれども、事の初めにひとつ承っておきたいのであります。
○木村国務大臣 御承知のとおり、これは米議会の原子力合同委員会の軍事利用小委員会における発言でございます。ラロック発言の意図するところは、最近における核兵器の発達が非常に著しいものがございまして、特に戦術核兵器と申しますか、そういう核兵器が非常に拡散の傾向が強まっておる、これを管理しないと非常に危険である、またある時期にはこれが略奪されるような危険もないではないというようなことから、しかもそういう戦術核の拡散というものが米軍事力にはたして必要かどうか、また軍事経費の節減上、そういう戦術核の拡散傾向はこれを防止すべきではないか、こういうような小委員会における意見の背景のもとに行なわれた、こう解しております。
○大出委員 これは単独でぽかっといまの合同委員会のやりとりが行なわれたわけじゃない。八月の二十九日に下院の歳出委員会の国防支出権限法をめぐりまして報告書が出ておりますね。時間がありませんから多く申し上げませんが、この報告書の中身というのを読んでみると、ポイントが四つ五つある。 一つは、端的にいえば日本の軍事支出、防衛に関する支出、この中には経済援助も含めていますが、この日本の負担が非常に少ないじゃないか、だから、それぞれのしかるべき機関で日本の側とこの点を十分に話して効果をあげることができるはずだという、要するにまさに韓国に対する経済援助あるいは軍事援助を肩がわりせよという趣旨の、しかも中には日本の防衛がここ数年間にもっと大きくなっていくだろう、それに対する危険を考慮しなければならぬ面もあるけれども、というところまで触れて、一つの見識といいますか、そういうものが一つ表に出ている。これが一つ。あわせて韓国軍の自立化という問題がもう一つ。これもまた非常に大きな問題であります、日本から韓国に行こうということでフォード大統領が来たわけですから。あわせてこの米軍の、四万一千くらいいるはずでありますけれども、これが意図せざる争いに巻き込まれては困るということを前提にして、米軍は漸次撤退をすべきではないかということ。さらに問題のもう一つ大きな点は、韓国にある戦術核の移動という問題にこれは触れているんですね。そこにいまお話しの核ジャックなんという問題も出てくるわけです。サイミントン氏とのやりとりの中では、韓国だって一つ間違えばアメリカの核をとりこにすることも、最終場面ではあり得るなんということを言っているわけですから。つまり核の移動という問題がここに一つ出てくる。 これが八月の二十九日です。そしていまの上下両院原子力合同委員会の軍事利用小委員会でのサイミントン氏とラロック氏とのやりとりは九月の十日です。発表されているのは、一カ月足らずたって十月の六日のはず。一連の関係があり、かつそのあとラロック氏はソビエトに飛んでいる。SALTIIというのは、大きな関連がそこにある、横たわっている。そういう一連のものの流れの中で、かつこれは九月の十九日に、八月二十九日の下院の歳出委員会の国防権限法に基づく報告というのを、アメリカ政府側はオーソライズしているわけですね。正式にこれが発言をしている。この中で日本が肩がわりする云々というところは否定していますけれども、核の移動までのところはほぼその趣旨を認めている。そういう一連の動きの中にあるラロック問題。 だから、この点を一体どうとらえるかというのは、今後の問題に関連して重要だから、いささかこれは抽象的になるけれども、外務省の、特に外務大臣のこの一連の流れについての御見解というのを、サイミントン氏とのやりとりの中身だけぽんと言われても意味がないので、政治的にどうとらえるかという非常に大きな問題ですから、そのポイントだけひとつ聞かしていただきたい。
○木村国務大臣 総じて米議会でその時期に討議されましたその目的というものは、基本的には米軍事費の削減の問題だろうと思います。したがって、歳出委員会でそういう問題が、また意見が出ることは、当然米議会の任務であろうと思います。しかしながら、そういう軍事力の削減と申しますか軍事経費の削減と、先ほど御指摘になりましたラロック発言との間には必ずしも脈絡があるものではない、私はこういうふうに解釈しております。
○大出委員 時間がありませんから、この問題はあとにいたしますが、結論は、早い話がアメリカ側が日本に対してもっと何らかの形で金を出せ、欧州各国、NATOその他をながめてみても、防衛費負担というものは、相当強くものを言って各国が出している。その形が韓国との関係で出てくる、そういう懸念が非常に強い。昨年の五月にもこの委員会で問題がありまして、安保運用委員会等が開かれたときに、やれ通信器材であるとか、トラックであるとかいうふうなものとの関係でそっちに金を出す、それに必要な金を韓国は軍事費に回す。これは皆さんの側からの提案でもあった、当時の防衛庁の筋からすれば。ただ、事前にこれがいろいろ問題になったから、あとどうなったかわかりません。 だから、そういった韓国に対する援助というものが、つまり一九六九年の日米共同声明の韓国の安全というものと日本の安全というのは一つであるといわんばかりの趣旨、その原点に戻ってアメリカが、いまおっしゃったように予算の削減、これらともからみましょうが、日本にそれが大きくかぶってくる、そういう感じが非常に強い。そこのところをあなたは一体どう考えておるかということを聞きたいのです。
○木村国務大臣 米側には米側としての期待もあるかと思います。しかしながら、この日、韓、米を通ずる防衛分担という問題につきましては、わが国はわが国としての基本的な考え方がございます。したがいまして、米側から韓国の防衛について、あるいはそれに関連する協力方についてわがほうに要求らしいものはございません。またアジア全体に関する安定と平和の確立のために、わが国がわが国の自発的考え方に基づきまして、これに対する経済協力を進めていくということ、こればわが国の基本方針であります。米側からこれらはついて負担の分担を要望し、あるいは要求した事実は全然ございません。
○大出委員 そうすると、いまあなたのお話の中に、アメリカにはアメリカの日本に対する要求なり要望なりがある。日本には日本の基本的な考え方がある。そこでアメリカは、一体日本に対してどういう要求を持ち、どういう希望を持っているのですか。それからわが国の基本姿勢というのは、一体どういうことなんですか。あわせてこの問題は、この前後に長官がおかわりになったから恐縮だけれども、丸山防衛局長等も一緒においでになったのだから、防衛庁はアメリカに山中長官以下おいでになっているのだから、これはたいへん目まぐるしい動きだったわけですが、その関連は、アメリカは日本に一体何を要求しようとするのか、日本は一体何を基本姿勢として持っているのか、いまの日、韓、米の関係において。ここのところをはっきりしていただきたい。
○木村国務大臣 私は、米側は米側としての期待があろうということを申し上げたので、要望ないし要求ということは申しておりません。したがって、そういう米側の期待は別といたしまして、わが国はわが国としてのアジアの平和と安定に対する基本的な考え方を持っております。それは申すまでもなく、わが国の憲法上の立場から申しまして、何ら軍事的な意味合いは持つわけはございません。アジアにおける適正な経済協力を進めることによって、これらの地域における平和と安定を期する、こういうことがわが国としての基本方針でございます。
○大出委員 防衛庁のほうは、何かいまの点については、長官がかわったからあれだと思いますけれども、一言お答え願えますか。
○宇野国務大臣 山中訪米はあくまでも、日米安保体制下にある日米の防衛の第一線の責任者の話し合いが必要だということで行かれました。私が正式に事務引き継ぎのときに承ったのは、いわゆる沖繩の在日米軍の基地、これを整理統合する、そういう問題に関して山中メモというものを出しておいたから、君もひとつ検討してほしいよということでございました。したがいまして、そのほかの問題に関しましては、どういう内容であったかということは、私は存知いたしておりません。
○大出委員 いまの問題から日韓関係を具体的に立証するとなりますと時間がかかりますから、別な機会にいたしますが、外務大臣のいまの考え方だけはわかりました。承っておきます。 そこでこの際、もう一点だけ、いささか抽象的なものを聞きたいのでありますが、あなたは、フォード氏がおいでになる、キッシンジャー氏もおいでになる、会っていろいろな話をなすっておられたようであります。新聞に断片的に幾つかの記事があります。 この中で一つだけ承っておきたいのは、世論としては、最高権限を持つ大統領が来るのだから、また国務長官が来るのだから、いずれかの方の口から、ラロック証言にあらわれた核装備可能な艦船はあるいは航空機は、核を持って常に入っているという趣旨の発言に対して疑惑をたくさん国民が持ったわけでありますから、この問題について何らかの解明がなされるであろう、こう期待をしたが、共同声明には何ら触れていない。 ところが、この記事を見ますと、これは十一月二十二日の毎日新聞ですけれども、随行の米政府高官、だれかわかりませんが、これは場所は迎賓館の中のネッセン報道官の部屋で、米記者団のプールリポーター、代表取材記者という意味だそうでありますが、ここでやりとりをしたその席上での話である。そしてこの中で「日米両国は(核の存在を)否定も肯定もしないあいまいな態度を持ち続けるべきである。」この高官はこう述べた。「「それは米国にとっては安全上の理由のため、日本にとっては感情的になりやすい問題のためだ」と語った。」これは非常に大きな問題であります。 これは、さらにここにこまかく書いてありますけれども、日本の国民が核兵器の持ち込みについて神経質でなければ、さらに米国の安全保障上の理由をかりに除いて考えれば、米国は日本に核兵器を持ち込んでいると認めてもよいという意味にとれる。つまり日本国民が核に対してたいへん神経質である、それがもしそうでないとすれば、つまり核アレルギーというものが鎮静すれば、むしろ核を持ち込んでいるということを言ったほうがこれははっきりする、ところが今日そうでないから、したがって否定も肯定もしない、あいまいな態度を持ち続けるべきである、こういう結果になる。 つまり共同声明もそうですが、一連の会談は、安保条約のワク内の会談であることをキッシンジャー氏は何べんも強調している。だから、核の問題もワク内での話し合い。核安保にぶつかるのは間違いない、日本は、国是として非核三原則を片一方では持ちながらも、安保条約に基づいて日本は核のかさというものをたいへん大きくアメリカ側からいただいている、そこにぶつかる、だから、安全保障上の見地からアメリカ側は明らかにしたくない、日本国民の核アレルギーという核に対するたいへんな感情というものがもしないとすれば、当然はっきりすべきものであるが、そのことは今日得策ではないからあいまいにしておく、こういう中身。実際そうじゃなかったのですか、話の中身は。何にも共同声明には触れていない。なるほどと説得力のある答えは一つもあなた方から出てこない。どういうわけなんですか。
○木村国務大臣 いま御指摘のありました報道の中で、米高官なる者がどういう人物か私はわかりません。したがって、私どもはそれについてコメントする立場におりませんが、いまお話しの中で、日本国民の核というものに対する神経質さあるいはアレルギーという御指摘がございましたが、日本の非核三原則というものは、そういうものに基づいたものではない、むしろ日本国の国民的な願望である核兵器の絶滅につながる確固たる方針に基づいて非核三原則というものはでき上がっておりますし、また、すでにこれは国会で決議をされておることでありますから、私どもは、非核三原則というものは、日本の国是として今後も守っていかなければならぬ基本的な考え方であると思います。 そういう意味において、私どもは、フォード大統領と田中総理の会談、また私とキッシンジャー国務長官との会談におきましても、核の問題についてお互いに意見を交換したことは事実でございます。しかしながら、その中で、田中総理また私から申しましたことば、ラロック発言以後のその問題がわが国内で非常に大きな波紋をもたらしておること、また、それがひいては国民にいろいろ疑惑を生じておることをつまびらかに私どもは話をいたしました。その結果、フォード大統領あるいはキッシンジャー国務長官から重ねて、日本国民の核に対する特殊の感情を深く理解し、これにそむくようなことはしないように最大限の努力を日米安保体制のもとにやっておるという言明がございました。共同声明にこれをあらわさなかったのは、もうすでに御承知のとおり、累次にわたる共同声明でこれが明らかにされておるのみならず、先ほど御指摘のありました十月十一日の米政府公式見解にあらためてこれが出ておりますから、さらに共同声明でこれを取り上げる必要はない、こういう観点に基づくものでございます。
○大出委員 あなたと水かけ論をする気はないのですが、ネッセン報道官の部屋で話し合っている中でも、アメリカ側は六週間前にこの核問題は消え去った、こう言っています。消え去ったというのは、アメリカ側の回答ですよ。この回答も全く回答になっていない。見方によれば、半ば否定、半ば肯定、暗黙の肯定とも見える。そこで、具体的なことを聞きたいんですけれども、だから具体的なことが必要になるのだと思うのでありますけれども、核の通過あるいは持ち込みあるいは一時貯蔵、こういう問題がこの国会で議論をされてきました。そこで、例の私の足元の横須賀の吾妻島、浦郷というところであります。箱崎町、こういうのですが、私は、この十一年の間に前後五回ばかりあそこを見ている。なぜかというと、コンテナに入ったものを、米軍がたいへんな警戒をしている中でこの吾妻島の弾薬庫に運び込む。これが何回もある。直接的に日本人従業員にタッチはさせない。させないが、浦郷にもたくさん日本人の従業員が働いているのであります。何回も何回もある。厚木の爆音防止期成同盟から私は質問をされて、照会をしてもらいたいというので調べたことがある。ところが皆さんの話によると、たいへんな警戒の中をコンテナに入れられたものが運ばれていった。核については安全規則その他がございますから、これは、いまほとんどの人が持っている、私も持っているが、そうした方式がとられて運び込まれている。これは何回もあるのです。 だから、おそらく吾妻島には核の貯蔵倉庫があるはずである、こういう見方を私どもはしておったわけでありますが、たまたまサイミントン委員会の例の議事録、これを外務省の訳をもらって読んだ限りでは載っていない。ところが原文を見ると、これは載っている。どうも外務省というのは、そこらが心配で、ぼくらは英語に強くないものだから、字引きを引っぱったり何かしなければわからないものですから、いつもそこらがウイークポイントになりますけれども、ここにサイミントン委員会の原文の議事録がございます。これは外務省にもあるはずであります。この一番最後のほうに付録というところがございまして、一四五二ページであります。これは横須賀の機能に基づく軍事資料になっている。ここに核の一時貯蔵庫、そしてその機能があるということが記録されている。わずかな字句がここで削除されている。この点皆さんお読みになっておりますか。大臣いかがでございますか。
○山崎説明員 先生いま御指摘の文は、われわれもちろん読んでおります。一部削除はございます。
○大出委員 読んでおられる。もちろんそうでしょう、アメリカ局ですから。ここにデリート、つまり削除部分というのがございまして、順を追っていきますと、この部分は「トランシップ」御存じのとおりに他の船に積みかえるという意味でしょうね。、「トランシップ アンド プロバイド」プロバイドというのは、あらかじめ何々に備えるというわけでありますから、他の船に積みかえる、こっちに積みかえるということについてあらかじめそれに備える施設。その次に「プロバイド イン トランシット」ここでいっているトランシットというのは、一時貯蔵、皆さんがよくおっしゃるように通過あるいは一時貯蔵でしょう。そしてその次に「ストリッジ」言うまでもなく、これは貯蔵所、倉庫でございます。したがいまして、積みかえるためのあらかじめ用意されている貯蔵庫、こういうことになる。 そうすると、この脈絡を追っていきますと、これは新聞にも一部出ておりますが、これは七〇年のサイミントン委員会におけるアメリカの国防資料として出されているが、ここで「省略」と書いてあるこの部分というのは一体何か。順番をいいますと、まず「海軍兵たん施設の機能」というところに「あらゆる種類の弾薬の受け取り、貯蔵、修復、監視及び発給。機雷の検査、調整、組み立て及び保守。音響機雷の修理、オーバーホール、保管及び発給準備。指令に基づく基本的資材の維持。」ここで削除されている部分があって「艦船からの移しかえ、一時貯蔵。」そのあとに「使用不能ないし危険な弾薬の処理」こういうふうに続いているわけです。そのあとに、さらに「艦船修理施設に回された艦船に対する爆発性兵器の一時貯蔵」非常に危ない兵器。この脈絡からいいますと、明らかに、ここで隠されている部分というのは推測ができる。つまり、ここで省略した部分があって、そしてその次が「艦船からの移しかえ、一時貯蔵」こうなっている。 お読みになったというなら、一体ここで削除されている部分というのはどういうことになるか。これだけ非常に国民の関心の強い場所であります、横須賀の。そうすると、削除されているからということだけで、これは捨てておけない。何を一体ここに移しかえて一時貯蔵をしようというのか、これをお考えにならぬはずはない。必要ならばアメリカにこれを聞かなければならぬ筋合いだ。ここのところをどうお考えになりますか。何ですか、この削除部分というのは。
○山崎説明員 この資料を公表するにあたって、アメリカのほうでは削除しておるわけでございまして、その削除した部分について、わが国といたしまして知り得る立場にはございません。
○大出委員 知り得る立場にないといって済ましていられますか。この吾妻島というのは、私は前にも質問したことがございますけれども、だから、私は四、五回見に行っているわけでありますが、これは、いままで常に問題になっているところ。そこで働く皆さんも、安全規則その他がある、核ハンドブックがある、そういったシステムで、あそこにコンテナが運び込まれている、たいへんな警戒である。過去に何べんもある。その問題に触れて出てきた資料としては、これが初めてです。しかも、このたいへんな部分が削除されている 新聞に出てきている中身からすると、アメリカの相当な筋からこの問題が提起されている。そして専門家、米軍事問題権威筋と、こうなっておりますけれども、専門家がながめれば、だれがながめてみても、ここは「フォア・ニュークリアウエポンズ」、これが削除されている。「核兵器のための艦船からの移しかえ、一時貯蔵。使用不能ないし危険な弾薬の処理」つまり「核兵器のための」というのが削除されている。これは、だれが考えたってそうです。順番からいったって、爆発性の非常に強いものがその次に続いている。核、その次に爆発性の強いもの。これは池子の弾薬庫に行ったってそうだ、標示が全部そうなっている。核、爆発性の強いもの、みんなそうなっている、どこへ行ったって。それを削除したのだから知り得る方法がない、これはそれだけで済ませる筋合いですか。外務大臣、いかがですか。
○木村国務大臣 基本的にはアメリカ局長が申したとおりでございまして、われわれがその削除部分を知り得る立場にはございません。しかしながら、御承知のとおり日米安保条約に基づくこの核問題については、先ほどから申し上げておりますとおり、わが国領土内に核兵器を置かないということが日米信頼に基づく米政府の確約でございますから、私は、そういうものが、いまおっしゃった場所にあるとは考えておりません。
○大出委員 これはラロック証言でも、核搭載機能を持っている艦船というのは、おろして入ることはないのだと言っている。それに対してあなた方は、安川さんが帰ってきて言っているのは、会談の中で安保というものもあるから含めて話し合うべきだと言っている、進言しているじゃないですか。あなたもさっき、キッシンジャーその他と話し合ったと言っているじゃないですか。話し合った結果、それをどう公表するか、これは別だ、政策はおのおのの国にあるのだから。安保条約を基点にして日米間で相互協力をし合っているとするならば、国民がたいへんな疑惑を持っている、そのままで捨ておけないから、一私人と言ったラロック氏の発言に対して一あなた方はアメリカ政府からとにかく文書を取ったのでしょう。そうでしょう。それならば具体的に、ミッドウェーの母港になっている、その他たくさんの艦船がある、これは、もうすでに母港です、潜水艦の母港にもなっている、そういう地域で長年問題になっていて、各方面から注目されているところにこの資料が出てきている、しかも今度は、ラロック問題を契機にして、なお一そう大きな問題になっている、それについて話し合えないというばかなことはないですよ。 話し合った結果として、向こうがこう言ったという発言が出てくるなら、話はわかる。話し合いをしたけれども、こういうわけで明らかにできない、それならそれでわかる。削除されているんだから、知り得るすべがないで済ましていられる筋合いですか、ここまではっきり書いてあるのに。 皆さんは、しからば横須賀の機能というものは、どういうものだと認識しているのですか。横須賀の米軍基地の機能というものは、機能として触れている、それならばあなた方は自主的に、機能というものはどういうものだとお考えなんですか。あの吾妻島にある弾薬庫というものは、どういう弾薬庫とあなた方はお考えになっているのですか。一体、削除されたのだからわからぬで、済みますか。国民の疑惑じゃないですか。岩国の例だってそうでしょう。防衛庁はついに、岩国の例の問題の倉庫に人を派遣して中を見たじゃないですか。伊藤という人が行ったじゃないですか。なぜあなた方は、削除されているんだ、しかたがないで事を済まそうとなさるのですか。そんな無責任なことはできませんよ、これは。いかがですか。もう一ぺんお答え願いたい。
○山崎説明員 横須賀が米第七艦隊のために重要な機能をしていることは、われわれも承知しております。その関連におきまして、弾薬の貯蔵その他が行なわれていることも当然でございます。しかしながら、そういう核兵器の問題に関しましては、大臣からもお答えございましたように、先方から事前協議がない以上、そういうものが貯蔵されていることはあり得ないとわれわれは考えている次第でございます。
○大出委員 それでは、もう一ぺん木村さんに聞きます。木村さんは旧来から、私も長いこと、ずいぶん木村さんと討論もしたし、質問もしてきておりますが、原子力潜水艦なんかでもずいぶんいろいろやりとりしましたが、そう歯切れの悪いことをおっしゃるのは珍しい。この付録資料を見てみても、ほかに削除部分というのはないんですよ。弾薬の倉庫なり保管なり、機能という問題について削除部分はない。しからばなぜ一体ここだけ削除しなければならないのか。いま第七艦隊の弾薬貯蔵庫であるとお認めになっている。第七艦隊というのは核搭載能力を持っていることは、だれの目にも明らかだ。 だとすると、もしここに核の貯蔵庫があったら、一時保管であっても、一時貯蔵であっても、そういう施設があったらたいへんなこと。このあとにはたいへん危険な弾薬の保管まで書いてある。「危険な弾薬」「爆発性の」と書いてある。爆発性の弾薬まで貯蔵できるということになっている。そこが明らかになっていて、その上に削除の部分が一つついている。たいへん爆発性があって危険な弾薬、それ以上危険なものはないんだから。核でなければ、これは削除する理由はないんだ。ほかのものならば、何で削除するのですか。ほかは全部削除していない。大臣は、そういう疑問をお持ちになりませんか。いかがですか。
○木村国務大臣 削除の理由は私わかりませんが、しかし、その削除部分が、どういう文脈でそこにあるかということについて、私どもも政府なりにまた知る必要もあろうかと思います。そういう意味で、私の責任において照会することにいたしましょう。
○大出委員 これは核ででなければ削除する必要のない部分。小山内宏さんだとか村上薫さんだとか陸井さんだとか、たくさん専門家がおいでになりますが、だれでも一様に言っていることは、核だから削除したんだ、それだけですよ。アメリカの専門家にしたって、これは核なんだ、ここへフォア・ニュークリアウエポンズと入れてみろ、全部つながる、そのとおりなんです。これは、ほかに入れようがないのです、よくクイズがありましてね、四角い。何でも通用するというわけじゃないですよ、この文脈からいったら。私も、まる十一年余にわたって一生懸命防衛をやっているんですから、少しは知っていますよ。これは、いま大臣がはっきり、私の責任において照会するとおっしゃいましたから、照会した結果として発表し得るものであるかないか、それは別な問題だが、しかし外務省、外務大臣としては、少なくともこれだけ問題になっている、海の向こうのアメリカがものを言っているわけですから、日本の専門家はみんなものを言っているわけですから、だから、疑惑を持つのですから、その限りにおいて、しかと腹に据えるところは持っていただかなければ困るわけですから、ぜひこれはお願いをいたします。 次に、いま事前協議がないからということばが山崎さんから出てまいりましたが、あわせてもう一点疑問な点を聞いておきたいのであります。 いまの点は、御調査をいただけるわけですからいいのですが、照会をなさっていただくわけですからいいのですが、事前協議という問題で、時間がありませんから簡単に申し上げますが、安保条約第六条に基づく交換公文、これは皆さん御存じのとおりであります。昭和三十五年一月十九日ワシントンで、三十五年六月二十三日公布、昭和三十五年六月二十三日効力発生、内閣総理大臣から合衆国国務長官にあてた書簡、この中によく使われる事前協議があるわけであります。「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに日本国から行なわれる戦闘作戦行動(前記の条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。)のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は、日本国政府との事前の協議の主題とする。」「事前の協議の主題とする。」事前協議というのは、ここで生まれているわけですね。そうでしょう。よろしゅうございますね、ここまでは。 そこで、この事前協議というのは、原文で一体何ということになっているのですか。英語では一体どういうことになっているのですか。
○山崎説明員 英語ではプライアーコンサルテーション。
○大出委員 このプライアーコンサルテーションなるものについて承りたい。よく使われる、たとえば平和条約なんかに使われる条約の表現の中に、コンサルテーションを使っていない、ネゴシエーションを使っているのがたくさんあるんですね。なぜ一体、ここのところをコンサルテーションということばを使わねばいかぬのですか。なぜこういう経過になったのですか。 私は、コンサルテーションということば、ネゴシエーションということば、これを国会図書館にある限りの英語の文献によって調べてみた。コンサルテーションということばの発生は、最近一番新しい、小学館が出しましたこんな大きな英語の辞書がありますが、あれを見ますと、君それはまずいよとかなんとかまず注意をするという、そして意見を求めるという、そこから始まっている。それが相談という実は通常のことばになった。相談する。さらにそれが諮問という意味を含むようになった。それから相談、諮問そして協議と、こうなっている。そういう流れなんです、調べてみると。コンサルテーションということばは、きわめて軽い意味です。 だから、確かに陸井三郎さんがある文献に書いていますが、この文献を見ると、コンサルテーションというのは一体どういうことなんだ、事前にただ相談をしておく、つまりこういうことですよと言っておく、いうならば軽く申し入れる、照会をする、つまりこの程度のことにすぎないことばだ、それを意図的な誤訳と見るのは意図的な偏見か、そうではないはずだが、と書いておる。意図的な誤訳、誤まった訳と見るのは、意図的にこういうコンサルテーションを使ったのだ、こういうふうに私が見ることが私の偏見か、そうじゃないはずだ、こういう言い方をしておられる。 そこで、私はいろいろ調べてみたが、ネゴシエーションを使うとすれば、これは明らかに正面から交渉なんですね。つまり外交用語で使われる場合に、条約なら条約を結ぶという前提に立っての交渉なんですね。その意味の協議なんですね。だから、これは合意を求めるということになるのです、合意しなければ条約ができないのだから。ところがコンサルテーションということばはそうじゃない。相談をかけるという。だから、陸井さんはこう言っている。これは見方、解釈のしかたによると、英語でコンサルテーションを使っていて、日本語のほうで事前協議の主題とする、こう訳しているが、これは陸井さんのおっしゃるとおり、確かにこのことばを使った、誤訳をあえて意図的に行なった、私の偏見かと彼は言っているけれども、そう言いたくなる。この辺のところは、大臣、一体あなたどうお考えになりますか。
○木村国務大臣 どうもそれはやはり一つの憶測じゃないかと思います。私も英語には強くございませんけれども、コンサルテーションという場合には、その答えはえてしてイエスかノーで、中間的なものはない。ネゴシエーションでしたら、そこにコンプロマイズというものが生まれてきて、中間的な回答もあり得るというふうに、率直にとったほうが、この際は適正じゃないか、こう思います。
○大出委員 だがそれは、あなたがただそう言うだけであって、コンサルテーションということばは、注釈がついてない限りは、このことばどおり解釈すべきだ。通常使われているところの、きちっとした条約なんかの場合にはコンサルテーションじゃない。あなたがかってにそう言ったって、それは木村流解釈でございましてね。 これは、コンサルテーションということばの意味も、あなた、それじゃお調べになったですか、そこまで。イエスかノーかしかない、そんなことコンサルテーションには書いてないですよ。こんな字引きを幾つも私は調べたのですから。そんなこと、どこにもない。あなた、字引きをつくっちゃいけません。それは生き字引きでおいでになるかもしらぬけれども、博覧強記ということばもあるんですが、こまかにやはり調べていかなくてはいけませんよ。時間をかけて調べたんですから。コンサルテーションということばをこういうときに使うのは、どういうことなんだといって専門家にも聞いてみたんですから。 ここに、実はこの通過協定なりあるいは一時持ち込みなりについて事前協議の主題とするといったって、安保六条のこの文言からは出てこない。口頭了解があるというが、リチャード・ハロラン氏の言うことだって、マッカーサー大使と当時の藤山外務大臣——これはなかなか記録になかった。私は、ある人に聞いて、ここで質問したら、これははっきりお答えになった、かつて、何年も前だけれども。一体だれとやったのだといって詰めた。そうしたら、皆さんのほうで、いや、それは当時の藤山外務大臣とマッカーサー大使なんだとおっしゃった。ずいぶん前です。どこで調べてもわからぬから、私は聞いてみた。皆さんがそれは表に出てないというから聞いてみた。そういうことがある。 そこで、なぜ一体コンサルテーションというこのことばをここで使ったのか。これに対して表立って議論されたことはほとんどないけれども、いろんな書いてあるのを見ると、ここで触れている人はたくさんいる。何人もいる。みんな、いま陸井さんの例をあげましたが、同じようなものの言い方をしている。意図的な表現だという。 だから、事前協議というのは、いままで、原子力潜水艦は日本に入りますよ、こう言ってくる。たとえばOTHの問題だってそうですけれども、外務省に、つくりますよ、こう言った。という調子の、向こうからはそう言っておけばそれでいいという、そういう解釈が成り立つ。そこで口頭了解というものは、文書になっているのかと言ったら、なってないという。アメリカだけは、アメリカ流に考えてメモしたなんてリチャード・ハロラン氏が言っている。それがキッシンジャーの秘密主義で、表に出たら困る、こういう。重大な問題を、いまの議論の中だとはらんでいる。 もう一ぺん承りますが、木村流解釈でなくて、根拠のあることを言っていただきたい。当時のマッカーサー大使と藤山さんとの間では、どういうことになってここにコンサルテーションが使われたのか。プライアーコンサルテーション。なぜプライアーネゴシエーションではないのか。それならプライアーコンサルテーションというのは、どういう解釈を当時マッカーサー大使と藤山外務大臣の間でなさったのか。リチャード・ハロラン氏が片方で指摘している。そういうことは知らないとか、ないはずだとか、そういう答弁ではものごとは過ぎない。ここのところはいかがです。どういうことになっているのですか、歴史的経過は。
○木村国務大臣 これは条約上のいわば法律的解釈でございますから、条約局長からお答えいたします。
○松永説明員 事前協議の問題につきましては、前々から御説明申し上げておりますように、本来アメリカ合衆国の軍隊がわが国の意向に反して行動しないように制約を設けるという趣旨から設けられた制度でございます。したがいまして、事前協議が行なわれます場合に、日本側として諾否を表明するということは当然あることでございます。そしてその場合に、日本側が否定的な態度をとりました場合に、アメリカ側にこれに反する行動がないということは、いろいろな機会に際しましてアメリカ側が確約いたしているところでございます。
○大出委員 それは、どこできまっているんですか、私は何べんもこの問題は質問しているんですが、どこでそうなっているんですか。だから、このプライアルコンサルテーションというのは、何でそういうふうにはっきりきまっているんですか。
○松永説明員 これが公の文書においてなされましたのは、一九六〇年一月十九日でございますが、発表されました岸総理大臣とアイゼンハワー大統領との共同コミュニケの中におきまして「大統領は、総理大臣に対し、同条約の下における事前協議にかかる事項については米国政府は日本国政府の意思に反して行動する意図のないことを保一証した。」ということを明白にしております。
○大出委員 そんなことはもうだれも知っていることで、知らない者はない。日本政府の意思に反して行動することはないと保一証した、アメリカは安保のワク内で——木村さん、さっきの話じゃないけれども、安保条約のワク内でと、キッシンジャーが再三それを強調している。その中で核の話をしている。安保のワクをかぶっている。三原則と安保のワクというのは、核安保という関係は、だれが考えたって明らかに矛盾する。国会だって、だから四つあるのだと佐藤さんが答弁しているじゃないですか。そうでしょう。矛盾する。だから核を持ち込んだからといって、安保条約の趣旨に反しているわけじゃない。核のかさは日本が頼んでいるんだから、日本政府の意思に反していない。だから、コンサルテーションということばを、先ほど私が申し上げたように解釈する限りは、基本的に安保のワク内なんだから、日本側にこうですよと言っておけばいい。日本側もその点は、今度のまさに田中さんとあなたとキッシンジャーあるいはフォード会談と一緒です。安保のワク内なんですよということを再三再四言うキッシンジャーです。あなた方は、アメリカの核のかさの中にいるんですよということを再三再四言っているわけでしょう。 だから、さっきの迎賓館の中の話じゃないけれども、日本人は核アレルギーなんか持っていませんよ。広島の平和公園の原爆記念碑の石ぶみに何て書いてありますか。めったに知っている人がいない。忘れちゃっている。あれをつくったときは、新聞に出た大きな問題なんです。「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」と書いてある。これに対して日本人というのは、あやまちは繰り返さぬといっている。だから安らかに眠ってくれといっている。決してアレルギーじゃない。アレルギーじゃないが、相手の言い分が、さっきから私が申し上げているように、安保のワク内だという。これは核安保なんですよ、だから日本人よ、そういうやかましいことをいっていれば、核安保というあなた方にかぶしているかさというものは意味をなさなくなるんですよといっている。そういう中で話う合うから、共同声明にも何にもならない。だから、あいまいにしておくほうがいいんだという発言が出てくる。はっきり言ってしまえば騒ぎが起こって日本政府は困る。欧州なんか核の管理権もよこせと、こうなるのです。そうでしょう。 幸いに三木さんは、これからはうそを言わない政治をやるというんだから、木村さんがいまおいでになるこの間はまだ、もう二、三日はうそを言う政治のようですけれども、二、三日するとうそを言わない政治になるんだから、これはもう一ぺん聞かなければならぬですけれども。つまりいまおっしゃったのは答弁にならない。日本政府の意思に反するようなことばしないということを保証したという、それだけのことだ。コンサルテーションということばを使っているんだが、しかしこれは、この語源に由来するんじゃないんだ、一方的にものを言っておけばいいんだというんじゃないんだという、そういう保証じゃないんです、これは。相手方が考えている日本政府の意思に反する——国民が考えている政府の意思と違うから、今度のようにせめて責任者が来たのだから、核問題については明らかにしてくれるだろうと、民社党の春日さんまで言っているわけだ。ところが、それに答えようとしない。日本政府も表に出そうとしない。了解してしまっている。日本政府の意思は国民の意思と違うかもしれない、またアメリカの意思と違うかもしれない。そこに、こういうあいまいな表現を使っているところに問題がある。だから、問題を提起したと、こういうわけであります。 結論が出ませんから、先に進みます。 ときに、私は木村さんに原子力潜水艦などの問題を何べんか質問したことがございます。あなたが紙に書いたものを持ってこられて、そこの廊下で私に説明されたこともございます。ただこれは、まあ私はしろうとですからということを前置きされましたから、いまあまり追及しないですけれども、そこで承りたいのは、原子力潜水艦の任務、つまりSSBNでなくてSSN、攻撃型原子力潜水艦の任務というのは一体何ですか。
○丸山説明員 主たる任務は、相手方の水上艦艇の攻撃ということになると思います。
○大出委員 ちょっと待ってくださいよ。アタックサブマリンというのはサブロックを積んでいるのが常識でしょう。サブロックで水上艦艇を攻撃する、そういうことになりますか。お答えください。
○丸山説明員 もちろん、サブロックは潜水艦を対象にした兵器でございますから、潜水艦も対象にいたしますが、水上艦艇を主たる任務にするという解釈をしております。
○大出委員 だって、あなた水上艦艇を攻撃するのが任務だとおっしゃったですね。つまりそれは、あなたは潜水艦だから魚雷か何かで水上艦艇をと、こういうわけですね。そこで、それだけですか。任務は幾つあるのですか。
○丸山説明員 総合的に考えますと、いわゆるハンターキラーという形で船団に対する相手方の潜水艦と水上艦艇を攻撃するという任務を兼ね備えておるというふうに考えてよろしいかと思います。
○大出委員 相手の水上艦を攻撃する任務とさっきおっしゃったでしょう。それが主任務なんですね。どうですか。サブロック以外に、アタックサブマリンというのは、武器としては何と何と何を積んでいるのですか。正確に答えてくださいよ、防衛庁なんだから。−時間がないんですがね。 じゃ、おたくのこれ、どう変わったかをこの際整理しておきましょう。防衛庁の筑土さんという一佐の方、この方を中心にアタックサブマリンについてものを書いておられる。任務を整理してあげておられる。これを見ますと、攻撃型原子力潜水艦の戦術任務、そのうちの対潜任務というのは、つまり対潜水艦なんですが、五つからなっている。これは相手の潜水艦が主任務なんですよ。相手の潜水艦に対するというのが主任務です。防衛庁の方が書いている。この中には、いきなり水上艦なんか出てきやしない。第一は、相手の潜水艦基地に対する攻撃が重要な対潜措置である。つまり相手の潜水艦基地を攻撃する、これが第一の任務。だからサブロックが当然要る。第二点は海峡封鎖。第三点は海上における相手の潜水艦の水中撃滅。いまは前の二つが消えて、相手の潜水艦の水中撃滅が主任務になっている。四番目は自国の船団の護送。それから五番目に自分の潜水艦の停泊地に対する敵の潜水艦の攻撃に対して対潜作戦行動をする。これは防衛庁の方がお書きになっているんでしょう。国会でもこれは議論されている。これは国会議事録です。これには「そうです」と、こうなっている。水上艦艇は出てこないのです。あなたは水上艦艇だとおっしゃるんですが、何を撃って水上艦艇を沈めるのですか。サブロックというのは通常あるんだけれども、最近はルルだとかスヌークだとかいうのを積んでいますけれども、一体ほかに何を積んでいますか。
○丸山説明員 ただいま御指摘になりました通常攻撃型の原子力推進の潜水艦、これはサブロックを主体にしておりますものと通常魚雷を主体にしておりますものと両方ございます。それで、サブロックを主体にしておりますものに、たとえばパ一ミット級、スタージョン、こういったものがあるわけでございます。それから通常型の二十一インチの魚雷の発射管を持っておりますもの、これがノーチラス、シーウルフ、こういったクラスのものでございます。この、いまあとから申しましたものは水上艦艇を主体にしておる、こういうことでございます。
○大出委員 その最初の任務のほうはどうなったんですか。私が言ったことでいいのですか、どうなんですか。あなたのほうの制服の方が書いているんですよ。
○丸山説明員 そういう点から申しまして、相手方の潜水艦を主たる攻撃任務とする攻撃型の原子力潜水艦と、それから水上艦艇を攻撃することを主たる任務とする水上艦艇、大きく分けると大体その二種類ある、こういうことでございます。したがいまして、最初、水上艦艇を主たる任務と申し上げましたのは誤りでございます。訂正いたします。
○大出委員 困るな、防衛局長がそんなことを言っていたんでは。 実は、このノーチラス型というのは本来サブロックなんです。やっぱりノーチラスも主武器はサブロックを積んでいるんですよ。ただこの場合は、通常弾頭をつけていたわけです。ところが、それが実験の過程で役に立たないということになって、サブロックは核でやるということにしたわけですよ、アメリカ側は。そうすると核が積めるSSNにしなければならぬということで改装が行なわれて、スレッシャー型がやっとできた。スレッシャーからパーミットができた、パーミットからスタージョン型ができた。その間にナーワルとかいろいろありますけれども。だから、本来ノーテラス型も敵潜水艦が攻撃の対象だった。水上艦艇じゃないんです。それで変えたわけですよ。 こういうことで時間をとりたくはないんですが、それでは、水上艦じゃなくて、相手の潜水艦で、サブロックが主体でいいですな。
○丸山説明員 もっぱらサブロックばかりを専用にするということではなくて、サブロックとそれからただいま申しました通常型の二十一インチの魚雷、これを両方使用できるのが、先ほど申し上げましたパーミットクラスの原子力潜水艦でありまして、ノーチラスその他の原子力潜水艦につきましては、二十一インチの魚雷発射管だけを積んでおる、こういうことでございます。
○大出委員 そうすると、もう一ぺん承りたいのですけれども、ここにおたくのほうの制服の方々がお書きになって定説になっているものがある。五つからなっている。第一は相手の潜水艦基地に対する攻撃、これは主要な対潜水艦措置になるからだというわけですね。それから第二点が海峡封鎖、第三点が海上における相手の潜水艦の水中撃滅、これが実は一つ大きなポイントですね。四番目が自国の船団護送、これはあたりまえです。それから自分の潜水艦の泊地、潜水艦がいるところ、泊地に対する敵潜水艦の攻撃に対して対潜作戦行動をする、この五つあげているのです。基地はどこだ。グアムもあるけれども、日本とフィリピンが中心基地だ、こう書いてある。そうすると、いずれにしても、これはサブロックというものを主体に考えなければならぬ。 そこで、承りたいのですが、アメリカのアタックサブマリンというのは今日何隻あって、あなたはいまノーテラスだ云々だとおっしゃったけれども、それでは通常型の二十一インチ魚雷とおっしゃるのだから、それしか積んでいないとおっしゃるが、その潜水艦の数とスレッシャー以後のスタージョンに至るまでの数は、いまどういう色分けになっていますか。——ちょっとこれだけ明らかにしてもらわぬとあとの質問に困るから聞いているんですが、では私のほうから申し上げましょう。 皆さんに一番通りのいいのがここにある「防衛年鑑」です。これは、あなた方防衛庁の監修になっている、いろいろこれで文句が出るものですから、監修をやめたようですけれども、そこで、これは昭和四十五年、比較的古いわけでありますが、四十五年、四年前、潜水艦は百二隻(ポラリス潜水艦を除く)このうち四十隻は原子力推進攻撃型潜水艦、いま主題になっているのは、原子力推進の潜水艦ですから。四十五年は四十隻しかない。このうち二十七隻はサブロックを積載している。つまりノーテラス型じゃないスレッシャー以後の型、これが四十隻のうち二十七隻、これがサブロックを積載していると書いてあるんですよ。これをお読みいただけばわかります。サブロックを積載する能力があるんじゃない、積載している。あと読んでいきますが、「防衛年鑑」というのは、みんなアメリカの発表を追って書いているのです。向こうが発表している。 それから四十六年は潜水艦百三隻(ポラリス潜水艦を除く)このうち四隻ふえて四十四隻は原子力推進攻撃型潜水艦、うち三十四隻はサブロックを積んでいる。たいへんにふえた。残りは十隻しかない。これも念のために申し上げますが、「うち三十四隻はサブロックを積載している」となっているのです。積載能力があるのではない。積載している、これはアメリカの発表です。 それから四十七年は、原子力推進攻撃用潜水艦は五十三にふえている。五十三のうち四十隻はサブロック、対潜攻撃ミサイルを装備している。これも積んでいる、装備している。装備能力があるのではない。何と五十三のうちサブロックを積んでいるのは四十隻にふえている。 四十八年も四十隻です。四十八年には、そのほかのところにいろいろ説明がついている。ここも、うち四十隻はサブロック、対潜攻撃、ミサイルを装備している、こうなっている。これ以上のものは、あなた方のほうにもないですよ。どうですか「防衛年鑑」を信用なさいますか、なさいませんか、丸山さん。
○丸山説明員 ただいまおっしゃったとおりでございます。
○大出委員 私は、長い間「防衛年鑑」を使ったりしますけれども、たいした間違いではありませんが、かって間違ったことが一ぺんだけある。あとは一度もない。信用していいと私は思っている。 そこで、さっきから申し上げておりますように、サブロックを積載している、装備している、全部こうなっている。四十隻になっている。だから、いま横須賀に入ってくる、あるいは沖繩も返ってまいりましたから、沖繩のホワイトビーチに入ってくるこれらの原子力潜水艦、もちろんSSNです、BNではありません。これの現状はどういうことになっておりますか、皆さんが御判断をされて。 私は、ここに昭和四十七年、四十八年、四十九年、つまり沖繩復帰後でありますが、この三年間に入ってきている原子力潜水艦のトータル、中身、内訳、ネームー——艦船番号はついておりませんが、艦船番号は私は別に持っております。全部持っております。そこで、最近は一体どういうことになっておりますか、横須賀なり佐世保なり那覇のホワイトビーチは。 これは外務大臣、聞いておいていただきたいのだが、私は、これは科学技術庁に要求したのだが、科学技術庁は外務省とチェックし合う、時間をかせという。二日ばかりたちましたら、外務省とお互いに間違ってないかどうかを全部チェックして、差し上げることになりましたといって持ってきた。外務省と共同で出している。チェックしている。外務省はわかっている。四十七年、四十八年、四十九年に分けて、何なら一緒でもいいけれども、現状はそういうことになっておりますか。
○山崎説明員 ちょっと各年別のものは、いますぐ手元にございませんので合計で申し上げますと、アメリカの原子力潜水艦がわが国に寄港するようになりましてから、入りました回数は合計で百十回ございます。入りましたところは、佐世保と横須賀とホワイトビーチでございます。そのうちサブロック搭載可能な潜水艦の数は七十六回でございます。
○大出委員 それは、どこで調べた数字かわかりませんが、四十六年一ぱいで通算六十二回入ってきています。六十二回の内訳は全部ここにございます。そして沖繩復帰以後四十七年、四十八年、四十九年、これは沖繩が入っておりまして、沖繩のホワイトビーチが四十七年、四十八年、四十九年の三年間で隻数にして十隻入っております。これを入れて計算をいたしまして合計四十九回です。四十七年から四十九年まで三年間で四十九回であります。さきの四十六年までの六十二回と合わせますと合計百十四回。 そこで、きわ立った特徴が四十七年、四十八年、四十九年の三年にある。どういう特徴かといいますと、四十七年以後三年間で、先ほどお話があったノーテラス型、通常の二十一インチの魚雷を、それだけ積んでいるとおっしゃったのは、わずか三回しか入っていない。横須賀、佐世保、沖繩を含めて三回しか入っていない。パーミット型、サブロックを搭載していると書いてあるもの、これが十五回。スタージョン型、これもサブロックを搭載しているもの、これが三十四回、合計四十九回。四十九回実はサブロック搭載のパーミット、スタージョン型が入っている。四十六年以前とは全く違う。それがさっき「防衛年鑑」で読み上げた五十三隻のうち四十隻になっているという理由なんです。 ですから、念のために申しあげますと、四十七年はシードラゴン、これがおっしゃるノーチラス型ですが、五月の九日に入っている。あと四十七年はずっとそのノーチラス型は入っていない。そしてあとノーチラス型が入ってきているのは、四十八年の四月二十三日にスキャンプが入ってきている。それから四十八年の六月十八日、同じくスキャンプ。この三回しか入っていない。ノーチラス型はわずかに三隻しか入っていない、四十七年、四十八年に。四十九年になってからは一隻も入ってきていない。全部パーミット型、スタージョン型であります。したがって、横須賀も佐世保も沖縄のホワイトビーチも、すべてサブロックを搭載している原子力潜水艦攻撃型が入ってきている。この三年間でわずか三隻しかノーチラス型は入ってきていない現実です。 もう一ぺん申しますが、先ほど来取り上げました「防衛年鑑」これはアメリカの発表を中心に書いている、アメリカは一々発表しているんですから、予算を組んでいるんですから、何隻つくったと。その先を追って書いている。ソビエト側のほうも、苦心していろいろこれは書いている。ソビエトのほうも同じようにどんどんふえている。だから、ソビエト潜水艦の脅威という題名でアメリカとの関係をずっと述べている。実際には戦術任務を持って日本の周辺、沖繩の周辺、グアム島、フィリピンを全部これは歩いている。 そこで、ひとつ明らかにしていただきたいのですが、このサブロックを積載している、装備していると「防衛年鑑」には書いてある。あなた方防衛庁がもと関係したはずの「防衛年鑑」にはそれしか書いてない。積載能力があるのができたとか、あるのがどうだとか、そんなことは書いてない。先ほど御答弁をいただきましたが、敵潜水艦を水中で撃滅するのが主任務である限りはサブロックがなければ撃滅できない。ソビエトの潜水艦がすべて同じタイプになっているからであります。サブロックがなければ役に立たない。主武器はサブロックなんです。あと二十一インチの魚雷だが、水上の艦船を撃つことが主任務じゃない。 そうすると、ここで「防衛年鑑」でいっているサブロックを積載しているというのは間違いのない事実です。一般論として承りますが、いかがでございますか。外務大臣いかがでございますか。
○山崎説明員 最近、わが国にあります米軍の基地に寄港しております原子力潜水艦が、大部分スタージョン型またはパーミット型であるということは御指摘のとおりでございます。ただ先生は、サブロックを積載しているとおっしゃいますが、われわれはサブロックを積載する能力を有するこういう艦艇が入ってきているのであるというふうに了解をしております。
○大出委員 それじゃ承りたいのですが、この「防衛年鑑」を年を追って——多少書き方は違います、発表のしかたが違うから。だが積載している、装備しているという、この逐年順を追ってここで申し上げましたもの、これは全部間違いですか。これは、どういうことになりますか。
○丸山説明員 「防衛年鑑」の記述は、一般論として記述をしておりますので、正確に申し上げれば、そういう核装備をする能力があるというふうに解するのが至当であろうかと思います。
○大出委員 一般論として記述しているというと、一般論としては積載している、こういうわけですな。いかがですか。
○丸山説明員 もちろん、それもはっきり事実を認識した上で記述したものでないと思いますので、通常、常識的に積載をしておるという一般の外国の文献等を基礎にして記述をしておるものであるというふうに解釈をいたしております。
○大出委員 そうすると、常識としては積んでいる、こういうわけですね。それはいいですな。
○丸山説明員 常識としては積んでおるということに外国の文献では書いてある、こういうことでございます。
○大出委員 そうすると、外国の文献では積載しておると書いてある、日本だけは常識が通らないというわけですね。 もう一つ、念のために申し上げておきますが、昭和四十六年五月七日、当委員会で久保政府委員、当時の防衛局長さんで、いまおいでにならぬと思いますけれども(笑声)その久保さんが「ちょっと訂正します。資料が手元にありましたので訂正いたしますと、SSN原子力潜水艦、」攻撃型原子力潜水艦でありますが「BNを除きまして」つまりポラリスを除きましては「四十七隻でありますが、そのうちでサブロックを装備しているのが三十四隻であります。」こうお答えになっているが、それでは、これは常識で答えたんですな。前任者でしょう、いまおいでになりませんけれども。いかがですか、丸山さん。
○丸山説明員 先ほどから申し上げておりますように、要するに、そういう能力があるということを装備をしておるという表現で一般的に使われている、こういうことを……。
○大出委員 ちょっと待ってくださいよ。能力があるなんて言ってはいないですよ。国会の議事録でそういういいかげんなことを言われては困るんですよ。これを見てください、ちゃんと書いてある。これは久保さんの答弁です。どうですか、これは。「訂正いたしますと、BNを除きまして四十七隻でありますが、そのうちでサブロックを装備しているのが三十四隻であります。」これは前任者がいないからいいようなものだけれども(笑声)議事録にちゃんと残っている。だが丸山さん、後任者は責任継承の原則があるんですよ、あなた。けしからぬじゃないですか。こんなばかな話がありますか。この議事録はお認めになるでしょう、大臣、いまあなたにお見せしたのだから。いかがでございますか。
○木村国務大臣 議事録に関する限り納得いたします。
○大出委員 これが違うというと、防衛庁の前任者がうそを言ったことになる。大臣は、議事録に関する限りそのとおりでございますと言っている。関する限りと、よけいなことをおっしゃる。大臣、これは、そのとおりでございますでいいんですよ。こんなときばかり、議事録に関する限りなんて言わぬでもいいのです。あなた、正直な政治がまだ二、三日先だから困るんですけれども、うそを言う政治がいつまでも続いては困るのです。 そこで、承りたいのですが、攻撃型原子力潜水艦、私は、これだけいままで資料を集めてものを申し上げてきた。そこで、いま丸山防衛局長は、世界の文献、各国の文献によるとサブロックを積載していることになっている、したがって常識としては積載しているということなんだ、こういうわけなんですが、日本はその常識が通らない。だとすると、日本に入ってくるについては、どこかでおろすなり積みかえるなり——これは、ここでひとつ御披露しておかなければいかぬけれども、木村さんがかつて官房副長官でおいでになるときに、私にこの回答をお持ちになった。これは木村さんが最後に、どうも答弁がぐあいが悪くなりまして、ちょっとこれはどうもぐあい悪いということで、外務省その他と相談させてくれ、こうおっしゃった。それで御相談なさって、私のところにこの文書をお持ちになった。このお持ちになった文書、これを実は私そこでいただいて御説明を聞いた。ここに、この委員会のやりとりとは違って、表題を「サブロックを搭載し得るもの」こうお書きになって、これが二十一回入っている。私がこの質問をいたしましたのは四十六年でございます。そしてパーミット型が十五回、スタージョン型が六回、合計二十一回、サブロックを搭載し得る原子力潜水艦が入ってきたという文書をお持ちになった。そして外務省、防衛庁等と相談をいたしましたが、取りはずして移すこともできるそうでございます、またサブロックを発射しても、水を入れて船は平衡を保つので、航行に差しつかえないそうでございます、だから、そのいずれかの方法でサブロックは積んでない、こういうことでございますというのが私に対する回答なんです。これは、おたくの外務省の用紙にお書きになって持ってきた。 ところで、ここで問題になるのは、世界の常識ではない、日本にだけは非常識な入り方をする、積んでないと強弁されるなら。ただ議事録では、これは積んでいることになっている。そうすると、これは一体移しかえて入ってくるか、さもなければ、当時木村さんが私におっしゃったように、撃っちゃって、水を入れて入ってくるか、どっちかなんです。そんなにやたらサブロックを十発積んであるのを撃っちゃっちゃ、そこらじゅうの魚がたいへんなものになっちゃうですよ。そうお考えでございますか、世界の常識に反するわけだが。丸山さん、いかがでございますか。
○丸山説明員 これも常識であるかどうかでございますが、要するに、こちらへ、日本に入港いたします前において、それぞれの基地に置いてくるか、あるいは洋上で積みかえをやるのかということが考えられるわけでございますが、基地に寄港いたしました場合においては、そういうことが行なわれたであろうという推測ができます。それから洋上の場合につきましては、洋上の積みかえができるのかどうかということでございますが、技術的には可能である、ただ現実に、それが可能であると思います、これも思います。したがいまして、現実に積みかえたかどうかについて、もちろん私どももわかりませんが、技術的には可能ではなかろうかと推測をいたしますが、いずれにいたしましても、はっきり申しますと、私どもは核を扱っているわけではございませんので、われわれの知識に基づいてこうであるという断定は、申し上げかねる次第でございます。
○大出委員 基地で積みおろしてくるか、洋上で積みかえるかというお話なんですね。この間私、このラロック問題が起こって初めての外務委員会を傍聴しておりまして、そこでやじって恐縮だったんですけれどもね。アメリカ局長に大きな声を出してやじったものだから、あと、だいぶにらまれましたがね、だけれども、あまりばかげたお話をなさるから。あのとき、防衛庁の何とかという参事官ですかな、積みかえて参りますというようなことをおっしゃった、そんなばかなことができるかと私は言ったんです。もし洋上で積みかえるとすると、どういう積みかえ方をするんですか。これは文献にございますよ。あなた、制服を着ておられるわけじゃないんだが、直接やらなくたって、積みかえはどういうことになっているのかというのは、三十九年以来のことですから、わかっている。三十九年に石橋書記長と私とで、時の外務大臣がいみじくも椎名悦三郎さん、天下の大わざを今回おやりになった椎名さん、あのときは小わざだらけでしたがね。そして科学技術庁長官が愛知さん。石橋さんと私で長い質問をした。そのときに積みかえはかくかく、しかじかの方法でやるのだと皆さんが御説明になった。これまた、あなた方の政府の前任者が言っているんですよ。それをいまあなた、ずいぶんたよりないことをおっしゃるんだけれども、当時、積みかえをやったら二日かかるというのです。それでも、やればできるという。そこのところをあなた、御記憶ないですか。
○丸山説明員 申しわけございませんが、その詳しいことについては承知しておりません。
○大出委員 じゃ、私が言います、議事録があるんだから。当時は、サブロックというのはどのくらい目方があるのだと言ったら、まあ皆さんにわかりやすく申し上げれば、横綱大鵬ぐらいあるというんですよ。横綱大鵬というのは、当時百五十キロといわれていた。そうすると、そのぐらいだという。ここに書いてある。それで、横綱大鵬ぐらいのやつが十発積んであるというわけです。これをおろすのだという。ところが、サブロックというのは縦に積んである。これはサブロックの模型がありますけれども、模型を見ると、確かにサブロックは縦。その縦に積んであるやつを機械装置で上に上げるのだそうです。そして上げると、上にコンテナがあって、サブロック用のコンテナに入っていっちゃう。そうしてコンテナに入れてから艦外に運び出す。それから倉庫に入れる。これをやるのにはおおむね二日かかる。つまり、ほかのフリゲート艦等を持ってきて入れるにしても、その艦内の倉庫に入れてちゃんとするのには、そのくらいかかると書いてある。核の取り扱いについては、アメリカ側で規則がちゃんときまっているという。そんなに簡単には取りはずせない。ないけれども、やれば、こういうわけでできるという。目方は横綱大鵬ぐらいだ。これは、あなた方の政府の前任者が言った。 そうすると、積みかえるとおっしゃるが、洋上で積みかえるのなら、これは二日ぐらいかかる。だが、これは洋上でないことを言っているんです。洋上ならもっとかかる、波があるんですから、取り扱い規則が厳重なんですから、荒れていれば積みかえられないんですから。だから、基地で積みかえるとしても二日かかる。そうすると、横須賀に入ってくる前に、佐世保に入ってくる前に、どこかで二日がかりで積みかえてこなければならない。 そこで、承りたいのですが、アメリカの攻撃型原子力潜水艦の基地といわれるところはどことどことどこですか、基地とあなたはおっしゃったが。——これ見ると、フィリピンのスビック、グアム、ハワイ。ハワイでは真珠湾でサーゴ号の事故が起こって、アメリカ側が発表しています。核兵器の安全に支障がなかったから心配するなと発表している。事故が起こって火事になったときに積んであった。ここに文献が全部ございます。したがって、もし基地にというならフィリピンのスビックなりグアムなりハワイ、こういうことになる。あなた方のほうでお調べになっていれば肯定を願いたいのですが、いかがでございますか。
○丸山説明員 グアムでございますと、約千三百ノーチカルマイルでございます。
○大出委員 いま何かとぼけたことをおっしゃいましたが、グアムだと約千三百ノーチカルマイル、私、何もそれを聞いたんじゃないのです。それは確かにスビックなら千五百キロありますよ。一千キロこえますよ、グアムでも。そこで、たとえばグアムだとかハワイだとかあるいはフィリピンのスビックだとか、よしんばそこで積みかえるとしても、そこまでの距離、いま千三百ノーチカルマイルと言ったが、一マイルは千八百五十二メートルですから、御計算いただけばわかりますが、みんな千キロをこえてしまう、フィリピンのスビックで千五百キロ。そうなると、行くのにかれこれ二日近くかかる。そうすると、沖繩のホワイトビーチから横須賀へ来ますが、ホワイトビーチから引き返して置いてくるのには、そこで二日近くかかってしまう。往復だからこれは三日、四日かかる。積みかえに二日かかったら五日かかってしまう。五日かかって来ることになる。いまおっしゃるように、千三百ノーチカルマイルだというのだから、千三百を千八百五十二倍していただけばわかる。千五、六百キロかかる。 そこで承りたいのは、これは結論ですが、沖繩から日本までの距離はどのくらいございますか、ホワイトビーチから横須賀ということにしましょう。
○丸山説明員 正確に横浜ととなりますとあれでございますが、嘉手納と東京が約千五百四十キロでございます。
○大出委員 そうしますと、攻撃型の原子力潜水艦、これは実は横須賀からホワイトビーチまで、航路帯でいきますと千八百キロになるんですよ。私はこまかく調べた。千八百キロ。いまの千五百キロでもいいです、結果的にはたいした違いはありませんから。そうしますと、攻撃型潜水艦の水中速力というのは三十ノット、スピードを出して三十五ですね。間違いないでしょう。いかがですか。
○丸山説明員 大体そのように承知しております。
○大出委員 そうすると、沖繩から横須賀なり佐世保なりに出てくるのには、どうしても中二日、これだけは要る。物理的に要る。そうでしょう。ところが、これを見ると、積みかえる方法がないんですよ。これは沖繩復帰以前の資料です。これは琉球政府総務局渉外課がお出しになった資料です。この琉球政府渉外課がお出しになった資料に基づいてみると、実は復帰以前、七〇年に、中二日で横須賀へ来ている潜水艦がほとんどです。三日目に着いている。中二日です。 幾つか例をあげて申し上げておきますと、一九七〇年の五月十八日のパーミット——パミーットというのは、さっきお話がございましたように、サブロック搭載艦です。パーミットが五月十八日にホワイトビーチを出ました。夕方です。時間もわかっております。そしてこれが十九、二十日と中二日置いて二十一日の朝横須賀へ着いております。トートッグ、アスプロ、スカルピン、みんなそういう日程で入ってきている。中二日しかない。そうすると、いまの話の千六百であろうと千八百であろうと、たいした変わりはありません。どっちにしても中二日ということになる、出た時間が上下あっても。沖繩のホワイトビーチから中二日かかって横須賀に着くのが精一ぱい。どこにも寄るひまはない。そうすると、沖繩に何べんも入っています。スカルピン、スカルピン、スカルピンと、ずっと沖繩におって、沖繩を出たり入ったりです。一日、二日おきに沖繩に入っている。そして日本に来た。この長い期間、どこの基地にも寄っていない。そうすると、沖繩におろすか、洋上で積みかえるか、横須賀へ来て、さっき私が質問していた浦郷へ持ってきて吾妻島へおろすか、ほかに方法はない。方法があるとお思いになりますか。洋上で移すといったら、一日や二日ではおろせやしない。日程が合わないでしょう。物理的に。フィリピンのスビックに帰るといったって、沖繩から千五百キロあるんですよ。さっきあなたがおっしゃった、グアムだったら千三百ノーチカルマイルだという。一マイルは千八百五十二メートルだ。これも不可能。あとどこにも行くところはない。そうなると、世界の常識は日本においても常識じゃないのですか。いかかですか。——お答えにならぬから、ついでにもう一つだけ言っておきます。あとの方の時間の関係もありましょうが、復帰後です。 復帰後どうなっているかというと、同じパターン。ボギーという船、新しい艦です。これが同じように沖繩——横須賀を中二日で、昭和四十七年の八月一日から中二日置いて四日の朝ボギーは横須賀に着いている。それからまたボギーが四十七年の九月二十九日。それからピンタード、これも新しい艦です。最新の艦。これも四十八年一月の四日から中二日置いて七日に横須賀に入っている。すべて同じパターンです。そうすると、これは復帰以前も復帰後も同じパターンが繰り返されている。どこにも置いてくる余地はないでしょう。復帰以前は施政権は向こうにあった。世界の常識は、かくてますます日本でも常識じゃないですか。丸山さん、いかがでございますか。
○丸山説明員 先ほど申し上げましたように、基地でございますから、フィリピンのスビックとかグアムとか、こういうところでおろして入ってくるのと、あとは洋上ということでございますけれども、私も、先ほど申し上げましたように、核兵器の洋上の積みかえということについては、はっきり申しまして知識がございません。ですから、技術的に可能であるというふうに聞いておりますけれども、現実にどれだけの時間を要し、どういう方法でやるかということについては、はっきりした知識を持ち合わせておりませんので、その点については何とも私どもとしては申し上げかねるということでございます。
○大出委員 中二日で沖繩から日本に復帰以前も復帰後も同じように来ている。洋上で積みかえる時間もなければ、基地に帰って置いてくる時間もない。当時私は、佐藤総理にその点は質問している。事、施政権下の沖繩でございますから、吉野元アメリカ局長も、はっきり申し上げにくいのだけれども、アメリカの施政権下ですから、積んでないときもありましょうし、積んでいるときもあるだろう、そう答弁している。そうすると、積んでいるときもあるのだ、それは施政権下の沖繩だったんだから。だから、核抜き本土並みになったわけですから核があったのだ。そうでしょう。そこから中二日で来る。どこかに行く余地はない。直行ですよ。洋上でおろしているひまもない。そのパターンが同じように繰り返されている。 そうしてラロック氏の証言はいみじくも、積みかえなんてなことは、核に対する安全性の見地からやったこともないし、できないと言っている。やったことない、プロビデンスの艦長は。そうでしょう、専門家は。それに反論するものは何もないですよ。それなら、この「防衛年鑑」はうそじゃない。サブロックを積載しているんです、みんな。久保さんの答弁も、これはうそじゃない。さっき大臣は、議事録に関する限りそのとおりと言ったが、議事録に関する限りはよけいだ。この答弁は間違いない。積載している。積載しているのが日本に来ている。ラロック証言というのはまず間違いない。あなた方反論ない。大臣、これいかがですか。そのくらい答えてください。
○木村国務大臣 いろいろ承っておりまして、まあ軍事の専門的知識は私、持ち合わせておりませんが、そういう世界的な常識というものもあると思います。しかしながら、またわが国には、ある意味におきまして、世界とまたたいへん異なった非核三原則というものも持っております。そういう意味において、世界的な、世界で通用するような常識から申せば、非核三原則というものも、たいへん画期的な方針でございますから、その両者を調整して私どもはこれを事前協議という制度にかからしておるわけであります。 私は、日米安保条約のお互いの信頼関係からいいまして、もしサブロックが非核あるいは核両用でないとすれば、またそれが現在の常識であるとすれば、核魚雷をつけた、サブロックをつけた、搭載する原潜がわが国に入港しておるということは、この日米安保条約に基づく信頼関係から申しましてあり得ないということを確信いたしております。
○大出委員 あなたが幾ら抽象的にあり得ないと言ったって、あなた方に反論ができないじゃないですか。どなたも反論のしようがないじゃないですか。しかもラロック証言も、搭載能力があるのはみな積んでいるとはっきりものを言っている。それだけじゃありません。たくさんの人が言っている。戦術任務についている原子力潜水艦、それが一番先に出てきているのがギルパトリック証言。ここにあります。ギルパトリック氏の言っているのは、いままであなた方いろいろ逃げるけれども、一九六二年の五月二日、吉野元アメリカ局長は、先生の御指摘いただいたその文献はあるようでございました、あると言えばいいのに、あるようでございました。一九六二年五月二日「今日、戦略空軍及び戦術任務に服する各種の潜水艦」潜水艦が一番最初に出てくる。「各種の潜水艦その他航空母艦等は、すべて一発以上の核兵器を装備していて、いかなる事態にも即応し得る態勢にある。」こう言っている。アメリカの議事録もここにあります。これは、あなた方が何とおっしゃろうと、アメリカ議会議事録というものは動かしがたい。ちゃんとこれは手元にあります。いいかげんなことを言っているのではない。ここにはその関係の書類は全部入れてある。議会の議事録です。ちゃんとここにある。これが一つ。 それからフェルト海軍大将の証言もございます。これは当時の太平洋海軍のキャップ、責任者。ここにそれもございますが、これを訳しておられるのは小山内宏さん。フェルト太平洋海軍司令官、六〇年の四月、太平洋軍に属する部隊、すなわち第五空軍、第一三空軍、第七艦隊、この中に原子力潜水艦が入ります。全軍が核武装している。それからオドンネル太平洋空軍司令官、アメリカは日本、沖繩、フィリピンの各基地に核武装した軍用機を保有する。「日本」とちゃんと入っている。ここでもギルパトリックさんのものを引用しておりますが、米海軍の原潜、空母、巡洋艦。「原潜」がちゃんと正面に出ている。駆逐艦などの艦艇は一個以上の核兵器を装備している。だから、私が読んだのが正確であります。ギルパトリック国防次官、六二年、第七艦隊は常時核戦争から対反乱戦争に至るあらゆる戦争に対応できるよう準備されている。マクナマラ国防長官、六七年の二月。証言はこれだけ並んでいる。ほとんど調べてみました。全部議事録が手に入っております。 そこで、もう一ぺん承りたいのですが、外務大臣、あなたが幾ら言ったって立証できなければだめでしょう。この中が二日しかないじゃないか。しかも「防衛年鑑」に全部書いてある。これだけ証言もあるじゃないか。今度のラロック証言もあるじゃないか。その上で幾らあなたが言ってみても、それは通用しない。 そこで外務大臣、これは四十七年四月二十一日の議事録ですけれども、ここであなたの前任者の福田外務大臣が、これは以前の問題に触れてやったわけですけれども、「大出さん御指摘の問題につきましては、すでに米軍当局とも話しておるわけです。米政府とも話しておるわけです。しかし、核はとにかく日本政府で三原則という政策をとっておる、これに背馳はしません、こういうことを繰り返し言うわけなんです。」つまりアメリカ側はですね。「しかし、いま御指摘の話、私といたしますと、初めて具体的な問題としてお聞きするわけですが、そういう問題も踏んまえまして、私は、国会終了後適当な機会に安保協議会を持ちたい、こういうふうに思っておりますので、その際あたりが適当かと思いますが、十分アメリカ側と協議をいたしてみたい、かように考えます。」これが福田さんの答弁です。協議をしたのかしないのか、どうなったのか、全く承っていない。時の外務大臣、沖繩復帰のときの外務大臣。そしてこの一番最後に佐藤総理大臣が「大出君の御意見、私どもそれを踏んまえて十分アメリカと交渉する、その用意のあることを申し上げておきます。先ほど外務大臣が答えたのもそういう意味でございますから、御了承いただきます。」「御了承いただきます。というから、私はこれは打ち切ったんですよ。ところが以来、了承しようにも——ちょっと委員長、済みません。これは当時の議事録の写しです。これは佐藤総理大臣の答弁、これは福田さんの答弁、ちょっと見てください。 委員長、これでおしまいにしますが、前の資料に基づいて私は前に質問をした。いま新しい資料に基づいてものを申し上げた。当時はほとんど全部が核搭載ではない。だが、とどのつまりはそこにぶつかって御答弁いただけない。たいへんなことだと思う。その前のほうに書いてありますが、目を開かしていただいて、こういう問題があることを知った、だから片方、外務大臣は安保協議委員会で、総理大臣も最後にだから御了承くださいという。ところが、何にも私に連絡をしてくれてない。福田さんは木村さんの前任者なんですから、あなたにも責任がある。かくて、これどうしていただけますか。いま満足な御回答は一つもない。 これは委員長、ひとっここのところははっきりしていただかぬと、皆さん方から御答弁がないと、予算委員会だったらすわり込んで動かぬけれども、そうじゃないんだから決着のつくようにしてください。
○山崎説明員 一つ申し上げておきたいと思いますが、ボギーがホワイトビーチに入り、そして横須賀に入った、中二日しかなかったということをおっしゃいますが、ホワイトビーチにその当時入ったのは、たったの一時間でございまして、したがいまして、サブロックを積んできていないとすれば、それ以前において取りはずしておったということば十分考えられるわけでございます。これは丸山防衛局長からも申し上げておるとおりでございます。
○大出委員 大臣、これは、ひとつ答えてくださいよ。前の議事録にもちゃんとこうなっているのを、いつまでもほっておかれては困るので、あなたお調べいただいて、やっていただいたのかやらないのか、時の総理が答えておられますが、決着つかぬのです。ましてラロック証言がその後出ていますから。私は、ここでごねて時間を延ばそうと思っているんじゃない、おおむね時間だから終わろうと思っているんだが、あなたがお答えにならぬから。ちゃんと議事録もお見せした、これまた議事録に関する限りは間違っていないでしょう、あなたは関する限りはとさっきおっしゃったから。
○木村国務大臣 いまその日にちを調べておりますが、この問題について昨年の十月九日にこの同七内閣委員会で、米側に照会すると政府が答えております。それに基づきまして、先般あらためて米側に照会いたしましたところ、米側よりは兵器システムの能力問題については、従来から一切の説明を行なわないことにしておる、こういう回答がございました。
○大出委員 それはいつ、だれが、どこで、どういうふうにしゃべったのですか。いま、うしろのほうからメモが来たようだけれども、それは一体だれが、どこで、どういう中身の話をしたのですか。それはだれの質問なんですか。
○山崎説明員 ちょっと私、正確な日を記憶しておりませんが、内閣委員会におきまして、大出先生からサブロックに関連して御質問がございまして、その後わがほうといたしまして、アメリカ側にあらためてサブロックの問題について間い合わせた次第でございます。その結果、先ほど大臣がおっしゃいましたような回答があった次第でございます。
○大出委員 正確に覚えていないなんという前提でものを言われたって、締めくくりにもヘチマにもなりゃせぬじゃないですか。大臣、それはあなたお調べいただいて、どういういきさつでどうなっておるのか。あなた方は言いっぱなしで、あなたは、そんなことがあったと一言も言わぬじゃないですか。しかも、それは正確に覚えていない。だから、あなたあすどこかへ行くんだそうだから、あなたの責任で調べていただいて、どういうことになっているのか、大臣はっきりしてください。
○木村国務大臣 いつごろ、かつどういうルートでそれが行なわれたか調べてみます。お答えします。
○大出委員 終わります。 ————◇—————
○小宮山委員長代理 引き続き公務員の給与に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 時間がたいへん短いわけでございますから、ごく簡単に申し上げたいのでありますが、七月二十六日に人事院勧告が出されまして、以来今日までたいへんな時間の経過でございます。閣議で先般おきめになったようでありますが、この二九・六四%という勧告でありますから、公務員の皆さんがたいへん期待を持っておったわけであります。しかも、これは国会の開会中に間に合わせようというので、小阪さんもずいぶん御努力をいただいた。たいへん感謝しておるわけであるます。私どももずいぶん苦労した。また、なき人事院総裁佐藤さんはじめ、これはもう当時おからだが悪くて、ちょいちょいお休みになっていた総裁でありましたが、たいへんな努力をされた。だから、この席に出てきて御答弁をいただいても、たいへん悲痛なお答えが出てきたりいたしまして、実は私のほうも質問に困ったようなこともございましたが、それがいままで、どうもそれっきりにされているということは、何としてもこれはがまんがならぬところであります。これは一体どうすべきか。私も実は何ともふんまんやるかたないところなんでありますが、長官に経過を踏まえてひとつ御心境をまず承りたい。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま大出委員の仰せられましたとおり、七月の時点においての人事院勧告を受けまして、われわれといたしましては、これがきわめて巨額であるということは十分踏まえて、閣議においてもいろいろと論議をいたしましたが、当時やはり人件費の問題が今後の予算編成等にも大きな影響を持つというような主張もございました。また同時に、こうした大幅の勧告をきっかけにして、公務員の勤務状態全体をもっと能率化したらどうか等々のいろいろの議論が出まして、関係閣僚会議を開きましたが、そうしたような宿題の提案にとどまって、ようやく十月二十二日の閣議で方針が決定されるまで、見方によりますれば、たいへんなアイドルタイムであったと思いますし、私、給与担当大臣といたしましては、国家公務員の諸君に非常に気の毒だという気持ちは、もちろん十分に感じておったわけでありますが、その後ようやく十二月の三日に法案といたしまして国会に提出するという閣議決定までなったわけでございますが、やはり国家公務員給与につきましては、基本的に人事院の勧告、そしてまた給与そのものは、法定主義というたてまえをとっておりますので、国会の開会の時期等につきましても、これが影響を受けることは、またやむを得ないというふうに思いますが、いささかおくれ過ぎたということは、率直にわれわれも考えております。 そうした面におきまして、公務員の諸君にはたいへん気の毒であったというふうにも思いますが、大出委員も御承知のような政局でもあったわけでございますので、このおくれは、できるならばこの臨時国会において新たに提案した問題の早期の解決をはかって、一刻も早く公務員の手に俸給が渡るように善処をしたいというふうに考えております。
○大出委員 大蔵政務次官の大野さんがお見えになっておりますので、ちょっと承りたいんですけれども、国家公務員というのは何名で、今回の二九・六四%の人事院勧告の結果、どのくらい予算を必要とするのか、それが一つと、それから予算は、そちらで握っておられるから、全部わかると思うのですが、公労協関係は何名で、つまり三公社五現業、これは委員会の仲裁裁定が出ましたが、この実施の時期と予算、どのくらいかかっているのかというのと、それから地方公務員の方々がどのくらいおられて、この引き上げでどのくらい金が必要かというのと、それから公団、公社等を含めまして政府関係機関、ここらが一体どのくらい金を必要とするのか、どのくらいの人員なのか、そのトータル、どのくらい今年の公務員の——三公社五現業も身分法は公務員法、まあ公社法のところもありますが、そういうわけでありますから、そこらの予算事情を簡単に御説明いただきたいのであります。
○吉居説明員 お答え申し上げます。 今回の人事院勧告に基づきます給与改定を実施するための所要額は、一般会計では九千百六十一億円、それから特別会計では二千十八億円でございます。両方の純計で見ますと九千五百九十三億円、そうなっております。この財源といたしましては、当初予算に計上いたしました既措置額等がございますので、まずそれを充てまして、そのほかは補正予算におきまして、一般会計でございますが、七千二百十一億円を計上することにしております。それによりまして、先般閣議了解を得たところでございます。 なお、人員でございますが、一般会計及び特別会計の一般職、これはどういうふうに見るかいろいろ問題がありますけれども、非現業公務員ではざっと約八十二万人の一般職員がおられます。そのほか三公社五現業というものがございまして……(大出委員「それはどのくらいですか」と呼ぶ)五現業が約三十五、六万人、それから三公社が、ちょっとはっきり覚えていませんが、約七、八十万かと思います。それから地方公務員がざっと二百七、八十万というふうに、若干計数は正確でないかもしれませんけれども、締めまして全体で約四百七、八十万人という感じかと思います。 なお、一兆二千三百六十五億円、これが地方公務員にかかる所要額でございます。
○大出委員 理屈を言うことは百も知っているんですが、これは私、大蔵省に非常に不満がありまして、九月の末に二階堂官房長官といろいろ話しまして、二日ないし三日、政経分離で給与だけの国会を開いたらどうかという話を実は進めたことがある。官房長官も何とかその気になって、やりたいというので、大蔵省を再三呼んで話をされた。これは大野さんは関係ない、当時大野さんは政務次官じゃないんだから。それで、九月二十二日という段階で二階堂さん私にいわく、どうしても大蔵省がしちめんどうくさがってうんと言わぬというんですね。公務員の給料表だけ通そうじゃないか、総理とも話して了解を得たんだから、野党にも話をしたんだからといって詰めた。詰めたら、どうしても災害も一緒にやらせろといって聞かないという。そうなれば、補正を出さざるを得なくなるじゃないか、そんなことを言えば。いまだから言うんだが、だから延びているんだけれども、施政方針演説をやれとなるじゃないか、補正を出すんなら。そうなれば、院の構成だけしかやらぬと言っている参議院選挙後の臨時国会にぶつけて出ている勧告を——法案を出さないんだから施政方針をやりません、こう総理は答えた。法案が出せないということだった。だから間に合わなかった。それがまたここまできて、何日かでちょうどIPUの総会が開かれる、総理が九月二十六日にお帰りになる、その間でやろうというこの時期に、けしからぬことを言うなといってだいぶやったんだけれども、実は何としてもだめだという。それで私も全く非公式に各党の皆さんと相談をしたことが実はその時点である。だが、政府のほうがどうしてもだめだという。その前後には、小坂さんも御存じのとおりに、できることならば、私も給与担当の責任者なんだから方々でいろいろなことがある、やれるものなら早くやりたいということで、官房長官に小坂さんが自分でお話しになったこともある。二階堂さんから私は直接逆に聞いた。小坂さんからもこうこういう話があると。 だから、このおくらした原因というのは、一にかかって予算当局にある。私は、これは大蔵省に重大な責任があると実は思っている。いま御承知のような政治情勢であったからとおっしゃった小坂さんの件は、これは田中総理以下の責任。わざわざ臨時国会が開かれているところへぶつけて出ている。そのためにみんなが苦労して出した勧告である。しかも五月段階で、公労協を含めて全部片がついてしまっている、閣議できめて、公労協もよろしいと仲裁裁定をお認めになったんだから。それから二カ月余たって七月二十六日に出ている勧告なんですから、あの臨時国会で措置するのはあたりまえ。ところが、施政方針演説はいやだ、質問も困る、物価の集中審議はなお困るということで、法案を出せば——法案がないんだからやりませんと言ったんだから、出せばうまくないというので延ばした。延ばしたのなら、せめて九月なら九月の末の時期に、機会があったのだからやるのはあたりまえで、政経分離ということばが当時出てきた。政治は政治、ただ、これは生活にかかわる法案だから、給与法だけでもと、こういうふうに迫っていったわけだ。 私は、そういう意味で大蔵省の責任はきわめて大きいと思っているんですが、いかがですか、そのときのいきさつは。これは、おられなかった大野さんに聞くのは恐縮だけれども……。
○大野説明員 ただいま大出先生から今日までの経緯、また大出先生等がお動きになった話は多少私も承っております。しかしながら、本年のような高率、高額の公務員給与の改定というようなことで、財政当局といたしましては、やはりこの財源の裏づけ、それからまた、こういう膨大な、先ほど数字をお示ししたのですが、こういうようなことで、やはり国の経済にもかかわるし、また、それのみならず国及び地方公共団体のいろいろな負担、そういうような影響を考えまして、非常に慎重に検討を進めておったということが最大の理由であり、別にこれを引き延ばそうとか、そういう気持ちはなかったと私は信じております。 まあ、その点については、先ほど小坂長官からすでにお話もございましたし、同時に小坂長官は、この公務員関係の担当の大臣ですから、その間の事情についてもお話があったと思いますけれども、いずれにしても政治情勢その他に、いろいろ左右されたということも、御理解賜われれば幸いだと思います。
○大出委員 これは高額だとおっしゃるのだが、民間が三二・九%、労働省調べ。これはあとで訂正されて三二%。公労協のほうは二六・七一%。昨年は公労協は一四・七四ですかね。その意味では、公労協だって八一・二%ふえているわけですよ、一四・七四%が二六・七一%になったんだから。それを踏まえて官民比較をやるのだから、それが高額になるのはあたりまえで、ふしぎなことではない。民間が三二%の高額を実施されている。五月の賃金台帳にはほとんど載っている。公労協も順次妥結していって、五月、六月、七月の段階で全部出されている。そのあとで出た人事院勧告だから、当然二九・六四が出ておかしくはない。ちっとも高額ではない。ほかが高額なんです。しいていえば、やはり政策的に物価がこんなに上がったということが背景になっているわけだから、かつまた、かけ込み便乗値上げなどということの——企業というのは弱くて、よけい金を出しているからそういうことにならざるを得ない。だから、先憂後楽ということを佐藤前総裁が口にしましたが、一番あとで出ている。膨大な金額であればこそ、おくらせればそれだけ金の価値は減る。 ここで、人事院に承っておきたいのですが、島田さん、まだ後任総裁がおきまりになっておりませんけれども、島田さんもこの過程で御苦労なさった御一人でございますが、お出しになった人事院の側からすれば、いま一体どうお考えになりますか。あまりといえばおくれ過ぎているんですが、また前総裁がおくらせないでもらいたいということを、病院からここへ来られて、こんなに上がっているのだからということを、そこできわめて悲痛な声でおっしゃったが、そこらを踏まえていまどうお考えでございますか。
○島田説明員 七月勧告というのは、異例の早さの勧告でございましたが、私どもその間考えましたことは、このような激動の経済情勢のもとにおいて、一刻も早く公務員の生活を安定させたいという気持ちでやりましたことば、先生御承知のとおりでございますが、そういう点から申しまして、ついに昨年の九月に国会で御承認をいただいたという段階よりもさらにおくれて、いわばその前年の例年並みになってしまったということに対して、非常に残念に思っております。 それからまた、非常におそくなりましたために、何か人事院勧告自体が非常に悪者扱いされて、インフレの元凶になっているというふうな、まあそう思う人が必ずしも全部ではないと思いますけれども、何かそういうふうな面にクローズアップされていることは、ちょっと心外な、残念な気持ちでおります。
○大出委員 さっき申しましたように、民間の上げ幅、公労協の上げ幅、みなわかっているわけですからね。公労協だって仲裁裁定が出て、それを政府が御決定になったのだから、それと何も変わっちゃいない。学歴、勤続年数、年齢構成が違うから変わるのであって、基本的にはたいして変わっちゃいない。それを、公務員の給与だけあたかも何かのごとくものを言っておる。大野さんは先ほど、政治的他意があって引き延ばしたんじゃないと信ずるとおっしゃったんですが、これは大野さんはおられなかったからあれだけれども、私どもから見れば、他意があって引き延ばしたとしか見えない。これは、たいへんな政治責任であり、かつ行政責任だと私は思っている。実は公務員諸君に四の五のいえた義理じゃないと私は思っている。 一〇%の内払い勧告というのは、人事院もずいぶん首を振ってきらったんですよ。総裁もずいぶんきらった。また政府関係の方もきらったが、あれを私は強引に、この委員会で各党の皆さんの御協力がいただけて、みんなその気になったから通っている。四の五のおっしゃった政府が、今度逆にあるところ、ほかのほうへ行くと、そういったって一〇%払ってありますからと言う。あんなに反対しておいて都合のいいことを言うんじゃないですよ、ほんとうに。 〔小宮山委員長代理退席、奥田委員長代理着 席〕 そこで私は、ここでお聞きしたいんですが、自治省がお見えになっておりますから、地方公務員の方々は現状、一体どんなふうなぐあいになっておりますか、基準案か何かお流しになったりいろいろやっておられると思うんですが、それは準則ですか。
○植弘説明員 もう申すまでもなく、地方公務員の給与改定は、国家公務員に準じて行なわれているのがずっと例になっておりまして、実は地方団体の側も、人事院の勧告もあったことであるし、途中に九月県議会等もございましたので、早い議会に改定させろという話がございましたが、やはり国家公務員との均衡を保持するという立場からみんなに待ってもらいました。で、ようやく予算もきまり、一般職給与法等もきまりましたので、いま開会しているところもございますが、大体開会される十二月県議会等で措置するように条例の準備等をしているところでございます。
○大出委員 ところで、私はいま予算の中身を、どのくらいかかるというお話をいただきましたが、これを見ますというと、七千二百十一億円補正に計上すると、こういう。まあ既定経費でいけば、十二月五日のつまり一〇%上乗せした年末手当を払えば、それで既定経費はほとんどなくなる。だから十二月の十六、十七、十八日あたりに払う十二月分の給料というのは、新ベースにすれば遅欠配が起こる。現在こういう状態だと思うんですよ。 そこで、これだけの金が七月二十六日から八月、九月、十月、十一月、十二月——これは十二月の二十日過ぎにならなければ通らぬと私は思う、補正予算がからんでいますから。そうすると八月、九月、十月、十一月、十二月、まるまる五カ月実は延びてしまうことになる。この賃金の目減り、つまり金の目減りというのは、一体どういうことになりますか。 大蔵省に承りたいのですが、大蔵省のほうが金利計算のほうは専門でございますから伺いますが、これは借りたほうの金利じゃなくて貸したほうの金利なんですよ公務員は皆さんに貸しているんだから。貸し付け金利です。そうすると、これは年間大体一割ぐらいあるはずですが、これで公務員が損したのはどのくらいになりますかね。中には、その差額を引き当てに金を借りて利息を払っている人がある。逆に、この七月の臨時国会で給与法が通っていれば、貯金していれば日々利息がつく。貯金どころじゃない。逆に金借りて利息を払っているんです。サラリーマン金融借りているという。高いんですよ、利息は。これは一割ピンはねだ。そうすると、一割という計算をしますと、これは、ほんとうなら四月にさかのぼって実施するんですから、四月から計算しなきゃおかしい。そうすると、一人の差額は四月から十二月まで二十六万円ある。四月から十二月まで平均差額一人二十六万円ということになりますと、これを月で割っていっても二万円こしてしまう。二万四、五千円あるいは二万五、六千円だ。それを低目に見ても、大体一万三千円ぐらいずつ損をしたことになる。これを何とかしてもらわなければ、公務員諸君はたまったもんじゃない。ここに公務員の方々いないからいいようなものだけれども、いればおこりますよ。(笑声)そうでしょう。 だから大蔵省、公務員の諸君は七月に実施しなかったことによって一体どのくらい損をしたとお考えでございますか。
○大野説明員 いま大出先生おっしゃった目減り分という問題については、私もいま承って、そんなに大きいものかと考えたところですが、いずれにしても、どれくらいと言われても計算の方法もありまするし、また同時に、どれくらいになるかということをつぶさに計算したこともございませんので、何とも申し上げられませんけれども、この問題は、御承知のとおり人事院勧告主義に基づき、また給与法定主義ということを考えて近年完全実施ということが行なわれ、以前は十月であるとか九月であるとかいう勧告の時期、そういうことから、まあ、その時代は経済的にもあるいは安定した時代かもしれませんが、いずれにしてもそういういろんな観点からいって、ある程度実施の時期がおくれるということは御理解賜われると思うのです。それがいつごろまでおくれていいのかどうか、そうなると人事院の根本的な問題、公務員の給与の根本的な問題に触れなければなりませんが、いずれにしても、そういう計算をまだしておりませんけれども、一度計算いたさせて先生のお手元へ差し上げるということにさせてもらいたいと思います。
○大出委員 日本経済新聞が書いておるのによりますというと、一人一万二千円という数字が出ている。いろんな計算のしかたをしております。これは、いま大野さんからいみじくも計算させてみたいというお話でございますから、それはぜひそうしていただきたい。 そこで、公務員の方々にすると自分の給料ですからね、年の瀬を控えていますからね、どのくらい差額があってということはみんな計算している。いつごろもらえるだろうかといって、ひっきりなしに私のところに聞きにここへおいでになる。だから、これは七月にもらっていれば、このくらいの価値があったのが幾ら幾ら減っている、自分の差額がどんどん延ばされていることに基づく目減りを心配しながらみんな自分で計算している。先生、これ一万円からの損ですよとか、二万円くらいになりますよとか、高い方も低い方もあるから、自分の給料を計算して一ぱい皆さん言っているわけです。物価がどんどん上がるから、いまそういう状況なんですよ。 私はだから、やがて始まる国会でこれは利息をいただきたいものだと考えておる。これは借り出したほうの、つまり預金金利じゃなくて、貸し出し金利のほうをいただこう、これが実は公務員諸君のみんなのいまの気持ちですよ。私は、うそを言わない政治が三木さんになって始まるそうですから、そこらでやはり損をしたものは損したようにしてもらわぬと困る、公平の原則を欠く、こう思っているんですよ。民間は五月にみんなもらっちゃっている。公労協は大体五、六、七でもらっちゃっている。七月に出た人事院勧告、一番おそく出たものが十二月の二十日を過ぎるなどということになったのでは——もし通らなければというようなことで、人事院が私のところに何か特別な措置を考えなければいけませんでしょうなという話も実はあった。そのくらい人事院だって心配している。 だとすると、これは私、次の国会に実は修正案を出そうと思っているんですけれども、やはり六十億なら六十億損したのなら返してもらわなければならぬ、こう思っている。だから半分くらいに見て、三十三億くらい要る修正案を出そうと実は思っている、半分返せといって。いま用意をしていただいておりますけれどもね。だから、皆さんもそこらに乗っていただいて、こんなことは異例なことなんだから、わざわざ七月に人事院総裁ともみんな相談をして、総務長官もずいぶん御苦労願った、何とか去年は早く、地方公務員、国家公務員一緒に出して片づいた、せっかくそこまで来たのだ、ことしは物価がどんどん上がるのだからというので、人事院総裁、なくなった佐藤さんが、これをことしは七月という時点に何とか早める、臨時国会もセットされそうである、そこで勝負をしてもらわないとえらいことになりますよ、だから何があっても、そこに間に合わせたいということで努力をされてお出しになった、だから、すぐしてくださいと言っている。これは国会の責任、政府の責任両方あります、勧告が出ているんだから。それが故人佐藤総裁の遺志に沿わずに十二月まで延びた。どう考えても容認できない。 そこで、その間物価はどのくらい上がっているかという点、これも調べてみましたら、この間に一六・八%上がっている。こまかい数字、私は物価調査課で調べてありますから、全部ここに書いてありますが、一六・八%消費者物価は上がっている。そうなると、この二八・八%の目減りを加えると、あだやおろそかの数字にはならない。二万円からの数字になってしまう。 だから私は、これは皆さんにお答えいただきたいんですが、何らかの形でこのたいへんな損失を——こういう時期でなければ別です、貨幣価値がうんと変わるのでなければ。たいへんな貨幣価値の変動している時期でありますから、やはり何らかの措置を皆さんがお考えいただく、この責任があるように思うんですけれども、小坂さん、長らく御苦労なさっておられますから、次の機会に小坂さんにまた御答弁をというわけにいくのかいかないのかわかりませんけれども、やはりやってこられた責任上、何とか少しずつ御発言をいただきたいのですが、いかがでございますか。何とかしょうということにしてください。
○小坂国務大臣 いまの御指摘の点は、非常に大きな問題であるし、また生活をしている公務員の諸君にとっても、その点一番何らか善処を要望したいという気持ちはよくわかりますが、しかし、こうしたような問題について、現時点で私の希望的意見を申し述べても意味もございません。要すれば、政府としては一刻も早く物価の安定をはかることに全力をあげて、全般の勤労者を含めての、勤労者全体の生活の安定を早く達成するという努力をしておこたえする以外にはないのではなかろうかというように考えておるわけでございます。
○大出委員 やはり先のことを言いましても、なかなか生活そのものの助けにはならぬわけでありまして、せっかく御出席いただいておりますが、大野さん、もう一ぺんそこのところどうですか。少し何とかしないとね。いろんな方法はあります。そこの御検討願えませんか。
○大野説明員 もう九日から臨時国会が始まるわけでありまするが、大出先生等の御協力を得て、一日も早く補正予算の成立を見させていただくことにおいて今回の公務員の給与等はまず安泰、しかし、そこに目減りがあるじゃないか、これは、またこの補正とは別の問題でありまするけれども、この点につきましては、いま小坂長官からもお話ございましたように、あるいは小坂長官もかわるかもしれぬし、私も当然かわるかもしれぬし、これは何ともいえませんが、まあ、いろいろ議論はあると思うのですが、先ほど私、申し上げましたように、これだけの巨額でございますので、いろいろ財政的な影響がある、同時に、これは全勤労者諸君の問題にもかかわるということになるし、これは、また全国民の問題にもかかわるかもしれないし、いろいろそこには議論の余地があると思いますので、一度先生と目減りについてゆっくりお話しさせていただいて、そこで考えるということのほうが正確のような気がするのです。どうぞその点は御理解を賜わりたいと思います。
○大出委員 時間がありませんからやめますが、修正案を出しますので……。かつまた一方、公労協も仲裁移行という形でインフレ手当というふうなことも表に出しているわけでありまして、幾つかこれも要素がございますが、民間の動向なども、多少やはりいろんな見方がありますけれども、まだあと幾つか業種別に見ましても、鉄鋼も交渉継続中でありますし、金融関係はまだ結論が出ておりませんし、繊維、電機がありますから、あるいは相殺現象はある程度起こるかもしれませんが、電機に聞いてみましてもだいぶ粘ってやっております。したがいまして、このあたりで労働省がながめておる全体の年末の金の出方がどういうふうに決着するかという大きな問題がございます。鉄鋼、金融などは延びるに違いない。そこで、電機は一体どうなるかという問題もございます。二百五、六十社を対象に毎勤等もとっておるわけでありますから、実質賃金の目減りも最近明らかに数字が出てきております。そこらも踏まえなければなりません。それから公労協の仲裁なんかもそう簡単に出ないだろう、ここらの問題もいろいろございます。したがって、表街道から修正案を出す、さて片方インフレ手当要求も出ている、こういう時期であります。 したがいまして、そこら全体をひっくるめておくらせられたというのは、あるいはそれが言い方が悪ければおくれたというのは、公務員の特殊現象であります。ほかにはない。そこへ持ってまいりまして、行政二表を中心にする官民較差を算出する方式にことしから初めて人事院は変えた。七職種比較をすれば、もっと官民較差は広がったはずなんだが、行政(一)、(二)にしたのだから、ここらに問題がある。教員が抜けた、看護婦も抜けた、逆ざやの計算もはたして二・一四がいいのか、あるいは四%ぐらいのことになるのか、ここらも議論のあるところ、そういう問題等も内包いたします。それから初任給の引き上げ問題をめぐっても、旧来から問題がございます。三公社五現業の初任給はたいへんに上がっている。だがしかし、今度の勧告では低過ぎる、一万四千四百円ですから。八等級三号の新制高校卒初任給でも五万九千二百円ですから、そこらのこともある。そこらのことを、全体を考えてみなければならぬ要素は、さっき大野さんがおっしゃったように、いろいろ相談してみなければならぬ点は確かにある。それは私のほうもやぶさかではありません。 だから、国会も始まりますから、いま政務次官の大野さんおっしゃられていることあたりを、何しろ財政当局でございますから、皆さんがいろいろおっしゃったって、財政当局のさいふのひものほうにかかわるわけでありますから、そこらひとつ含めて相談をさせていただく。ただ、現実にこれだけ目減りもし、こういう時期だけに、苦労しておられる生活の実態、ここを皆さんに同じ認識にお立ちをいただけば幸い、こういうわけであります。ひとつ、いまおっしゃられた答弁に乗って、ぜひこれは相談をさせていただきたい。このことをつけ加えまして、時間の関係がございますから終わります。
○奥田委員長代理 関連質問の申し出がありますので、これを許します。吉田法晴君。
○吉田委員 私は、地方公務員の給与改定にしぼってお尋ねをいたしますが、まず地方公務員の給与改定の財源の裏づけはどうしておられるのか承りたい。聞くところによりますと、五千億の概算払いをされるということでありますが、報ぜられております交付税率の改定との関係等もあわせて承りたい。
○左藤説明員 本年度の人事院勧告に基づきます地方公務員の給与改定に要します一般財源所要額は、一兆二千三百六十五億円でありまして、すでに当初の地方財政計画及び地方交付税の算定を通じまして、二千九百二十五億円が措置済みでありますので、不足額は九千四百四十億円ということになります。うち不交付団体の分が二千百七十億円でありますので、交付団体の分は七千二百七十億円ということになるのであります。この不足額につきまして財源措置をどうするかということでございますが、行政経費の節約で百六十億円、それから法人税関係等の増収見込みを千五百二十億円と推定いたしまして、地方交付税で五千五百九十億円を措置いたしたい、このように考えておるところでございます。
○吉田委員 伝えられております交付税率の改定は、通常国会、来年の税法の改正でなされるのですか。この年末措置との関連はないわけですか。
○左藤説明員 今回の地方交付税の算定に必要な改定につきましては、臨時国会でお願いいたしたい、かように考えております。
○吉田委員 時間がございませんから一括してお尋ねをいたしますが、これは、いま大出君からもお尋ねをいたしましたけれども、たいへんおくれて、国家公務員、地方公務員ともに生活の苦しい中、みんな借金をしながらやっている。ところが、その苦しい生活を続けておる公務員に対して、総需要抑制政策なのかどうか知りませんけれども、引っぱるだけでなしに、私は、自治体の公務員についていいますと、憲法で保障されておる自治権を侵害して自治省が指導をしておるのではなかろうか、あるいは締めつけておるのではなかろうか、あるいは自治労からの脱退さえ強制しているような感じがいたします。 これはある雑誌、申し上げてもかまいませんが、「社会問題月報」という、学者、先生たちが中心になってやっておりますから、相当権威のある雑誌だと私は思いますが、この「社会問題月報」の報ぜられるところによると、自治省のある次官、これは政務次官ではなくて事務次官だろうと想像されますが、次官が、新聞記者か国会での追求の中で——これから以下がその次官のことばです。福岡の南部地方で見られましたような「そういう紛争は残念である、しかし自治体の職員に対して地域の労働者が発言権を持つということは非常に好ましいことであるから、そういう点は今後援助してゆきたい」と発言をしておると書いてあります。こう見ますと、福岡南部、その他にもございますけれども、全国的な自治体の指導あるいは統一的な指導かと考えられます。 そう思いますと、八月二十八日の行政局長通達、それからその線に基づいて——これは名前は省略いたしますけれども、私の知っております自治体の長が、町村長が松浦財政局長のところに行ったら、勧告以上の給与を支払うことになったら、交付税について、あるいは補助金について懲罰的な措置がとられるであろうということをにおわせるものですから、びっくりぎょうてんして、交渉をしてきめました給与でさえも、それを議会に上程することを控えたという事例を私は知っております。 それから十一月一日の官報に、地方公務員の給与の実態調査の結果が発表されております。これは調査の方法等について問題があり、独立に取り上げて問題にすべき問題でございますが、いかにも地方公務員の給与は国家公務員よりも全体として八・七%も高いという印象を与えて、給与の改定についてブレーキをかける。ここにも出席をしておりますが、自治省の公務員部長それから給与課長——職員課長か給与課長か正確でございませんが、この月報によりますと、給与課長と書いてございます。公務員部長は六月二十五日ごろ福岡県下の町村長会、またはか及びかわかりませんが、町村議長会にも出席をして、亀井知事、県の地方課長立ち会いのもとに、組合との団交に歯どめをかけろ、人事院勧告以上の給与改定を行なってはいかぬ、国の基準を上回る措置を講じないように強力に指導したといわれている。そしてその直後、その結果かどうか知りませんけれども、その直後の七月七日には福岡県の町村議長会の評議員会の決議だとして、「福岡県町村議会議長会の給与問題に関する決議と町村長会への申し入れ」で、人勧給与改定前に給与条例を議会に上程するな、こういう要請文を出しております。 これは、あるいは政府全体とすれば、労働省の所得政策を自治省も貫こうとしておるのか。わざわざ公務員部長やあるいは給与課長等が現地に行って指導をし、その結果、直接指導をすると問題が起こりますから、地方議会の議長の名前で町村長に申し入れる。その後、星野村とか北野町とか、あるいは私は山口に参りまして、山口の防府にも起こりましたけれども、労働者の基本的な人権をじゅうりんするようなやり方で、地域の商工団体やあるいは農業団体、零細企業の経営者団体を通じて陳情をさせるという形で、その中には人権侵害あるいは暴挙にもひとしいものもまじえまして、自治体労働者の賃金押え込みについての高度な、緻密な方針がとられている。そしてあたかも、それに符節を合わせるように、自治体給与問題研究会の答申は、自治体の職員の賃金は地域ごとにきめていけという、いわば地域ごとの所得政策、そしてこれは、月報によりますと、私どもそう思いますけれども、政治的な反動勢力、やり方はファッション的なやり方でやろうとしている。 そこで、お尋ねしたいのでありますが、自治省は、次官も発言をされたことでございますから、自治省としてこういう指導をなさるつもりなのか、あるいは地域ごとの所得政策を貫かせようとなさるのか。自治体の中には、職域の商工団体あるいは中小企業団体が、自分の使っておる労働者に影響があるということで、陳情をなされたりしております。これは地方公務員法二十四条を引き合いに出してこのことを裏づけておられますが、二十四条三項には「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」と書いてありますが、これは生計費をまかなう、労働再生産し得る生計費あるいは給与でなければならぬということ、あるいは国と地方公務員の職員にいたしましても、これは、さっき人事院からも答弁があっておりましたけれども、民間との較差、そしてその穴を埋めながら生活のできるようにということが二十四条の三項の組み方だと私は思いますけれども、いまの指導のしかたは、あるいは具体的にあらわれておる以上述べましたところに基づきますと、間接ではございますが、自治省は公務員部を通じて具体的に指示をする、あるいは緻密な人権じゅうりん的な指導もされるのか、あるいは地域ごとの所得政策を貫こうとされるのか、この点を承りたいと思います。
○植弘説明員 自治省の地方公務員の給与改定に関する一般的な考え方を、まず事務的な立場から御説明申し上げたいと存じます。 いま先生引用されました地方公務員法二十四条三項、これは、あくまで均衡原則を示したものでございまして、すなわちその二十四条三項によってどうしなければならないという規定ではございません。この点は先生よく御存じのとおりでございますからくどく言いませんが、いずれにいたしましても、公務員の給与をどのようにきめていくかという点は、非常にむずかしい問題でございまして、いま御指摘のように、人事院では民間企業の実態調査を行ないまして官民較差を比較し、その較差を埋めるという形をとっております。そうなってまいりますと、地方公務員につきましても、やはりそういった国家公務員における方式を準用することが最も妥当性があるだろう、長年そのようにやってまいりましたのが、やはり住民のコンセンサスを得たものであろうと思うのであります。 したがって、先ほど御指摘の行政局長通達、そういう点につきましても、実は従来からいっておりますそういった国家公務員との均衡原則に基づきまして、国家公務員と均衡をとってほしいという立場でお願いしたものでございます。そしてすでに衆参両院の地方行政委員会でも、いろいろと御質疑等を受けましたが、これによって自治省が何らかの制裁措置を講ずるといったようなことは考えておりません。本来、地方自治の本旨に基づいて地方団体がきめるべきものでございます。首長さんのほうから議会に提案し、議会で議決されればそれでけっこうなのでありますが、その場合において節度といいますか歯どめというのは、国家公務員と均衡をとるということであろうという立場でございます。 それから先ほど、私が福岡に参りましたときのお話がございましたが、私、別の用件で参りまして、たまたま町村長の会がございまして、そこで、いま言われましたように、ちょうど人事院勧告前でございましたので、人事院の勧告の状況はどうかとかいったような質問がありました。私も立場上、そういった町村長さんの会議がありまして、要請を受けますと行って実情を説明する、こういうことでございます。その際、御指摘のように国家公務員との均衡をとってくださいということは申し上げました。これは従来からの基本的考えでございます。 それからもう一つ「社会問題月報」でございますか、これは、まだよく読んでおりませんので、よく読ましていただきたいと思いますが、いまの、次官がどう言ったとかいうようなことでありますが、これもどの次官がおっしゃったのかよくわかりませんが、少なくともこの給与の扱いにつきましては、行政局長通達のあと、閣議決定がありましてから次官通牒も出ておりますが、いま私が冒頭に申し上げましたような基本的考え方で貫いておりますので、個別的に何らかの手を用いてどうするといったようなことは、いままでやっているつもりはございません。これからもないつもりであります。
○吉田委員 大臣にお尋ねをするところですが、大臣はやめられるというのでおいでにもならないのでしょう。次官もわかりませんけれども……。しかし「自治省のある次官が」と書いてございます。政務次官が言われたとは思われませんし、おそらく事務次官でしょう。「自治体の職員に対して地域の労働者が発言権を持つということは非常に好ましいことであるから、そういう点は今後援助してゆきたい」と言っておられる。これは福岡県の南のほうでたくさん起こりまして、新聞にたくさん出ておりますから御存じだと思いますけれども、そういうことについて、好ましいことだから今後援助していきたいといったような発言を、まあどこでされたか、あるいはその信憑性がわからぬという話でありますが、少なくともそれに似た話は、私は、自治省の次官ともあろう人がなされるべきではないと思います。 それから公務員部長は、いま別の用で参りましたということです。別な機会に説明された、大分に行く途中寄られたということですが、町村長が寄りますのは、これは公式の席上です。公式の席上ですから、私は別の用事で行ったけれども、お尋ねがあったからついでにお話をしましたという問題じゃない。しかも、その席には亀井知事も出ております。あるいは県の地方課長も出ております。そうすると公式な場所です。公式な場所と私が言うのは、亀井さんは来年の四月に選挙をやる、七年間もやっているわけですから、いろいろ批判もございまして強くない、そこで、亀井さんとしては、町村長会の事務局長を通じて——事務局長はかつて民生部長をした人ですが、福陽会という亀井さんのほうの、職制でもってつくった団体がございまして、それの会長をした人です。いわば亀井さんの腹心です。その腹心を通じて町村長を指導する。そしてまた、星野村だとかいろいろなところで行なわれておりますが、それの指導は町村長会の事務局長がやっておるという評判がございます。これは現場を見たわけではありませんが、具体的な証拠を出せといわれれば、出せないこともございませんけれども、そういわれているところに自治省の公務員部長が行って、国家公務員以上の給与の改定は、財源的な裏づけがないですよと言う。通牒だけならまだいいです。この通牒も、多少きつい通牒といいますか、あるいは財政局長のことばと比較すれば、これは多少異例の通牒です。しかし通牒だけでなしに、実際に行って指導をする。その結果、その何日かの後には、議長会の名前で町村長に対して何か申し入れが行なわれる。これも異例じゃないですか。それぞれの町村で、その町村の実態に応じて議会が執行部の提案権に対してどういう批判をするか、意見を持つか、これは自由ですけれども、議長会を通じて、議長会の名前で県下の町村長に申し入れをするというようなことは、公務員部長なりあるいは職員課長かだれか知りませんけれども、自治省が行って現地指導をした結果だと私は思うのです。 それからまた、その事務次官の発言、公務員部の指導、そして各町村、星野村だとか北野町だとかいろいろなところで起こりましたことを、これは具体的な問題については発言はしておりませんと衆議院の委員会で発言をしている。それは具体的に星野村でどうせよ、北野町でどうせよということは言うはずはありません。言うはずはありませんけれども、その指導のしかたは、次官が言われるような、地域の人たちが発言をするのは好ましいことだから、今後援助をしていきたいというような方針がもし自治省にあるとするならば、私は、これは自治省としての権限以上だと思います。以上だと思いますが、その自治体の長と職員団体とが相談をして給与をきめていく、これは否定をするわけにいかぬと思う。それを人権じゅうりん——やり方が問題ですか、そういうことで自治権を逆用して給与について圧力をかける、そして地域の所得政策というか、その地域の賃金が安いとするならばその程度でなければならぬ、こういうように零細企業の経営者等が言うことを利用して押えようとする、地域ごとの所得政策、そして自治省のあるべからざる指導の結果、そういうことがもし行なわれるということになったらたいへんじゃないかという意味で、これは次官に尋ねておるわけですから、ひとつ答弁を願いたいと思います。
○左藤説明員 先生のいろいろな御指摘の点につきまして、誤解を招いておる点もあったかと思いますが、私は、自治省としては、やはり地方公務員法の二十四条の精神とかそういったものについての一般的な指導というものはなされるべきだと思いますが、いまお話しのような個別の問題について、そういった誤解のないようにやっていかなければならない、このように思います。いろいろそういう点で誤解があったということにつきましては、その点は私も事情がよくわかりませんが、そういうことのないように、一般的には態度をはっきりとさせて指導をしていくべきものである、このように考えるものでございます。
○吉田委員 もう一つ、その点についてのお話を申し上げておきますが、自治省がもしそういう誤った指導をしているとすると、たいへんな問題だということを申し上げたわけですが、実は星野村その他について、団交が行なわれぬから団交の再開を地方労働委員会に申請して、団交再開の勧告をいただいた。市町村長と職員団体との間の問題は、本質的には労働問題、だから地労委に再開のあっせんを申請してもふしぎではありませんけれども、自治省の指導が逆だからそういうことが起こる。 それからもう一つは、たとえば守る会と称する村民大会が、回答は高過ぎるとして、いわば自治権を逆用した自治労からの脱退、あるいは回答の白紙撤回、オルグを入れないようにという、大ぜいによる人権じゅうりん的なやり方がされるものですから、福岡地裁民事部に対して仮処分の申請を行なって、岡野裁判長は、その守る会の会長に対して、守る会は団結権を妨害をしてはならぬ、こういう仮処分の決定をいたしております。これは明らかに自治省の指導に対する裁判機関あるいは地労委からの決定なり勧告ですから、そういうことは自治省の指導というものが第三者的でない証拠だといえないことはないと私は思いますので、その点はぜひひとつ、あるべき姿に直していただきたいことを要望いたします。 時間がございませんから、詳しい質問は展開をいたしませんが、最後に一つお尋ねしたい。 これは北九州市で十一月に起こりました問題でありますが、別の問題で北九州市の教職員組合の諸君が教育長に陳情に参りました。そしたら北九州市の教育委員会の職員の机の上に、教職員の思想調査を示した書類がございました。それを市議会議員が見て、これを問題にするからとっておけと言った。そして問題にしたところが、委員会で取り上げたときに、それは焼きましたという答弁であったそうです。ところが、それだけなら、これは教職員の思想調査の問題ですから文部省に尋ねることですが、別の用事で徳山市に参りました。徳山市の問題は、地方行政委員会でやらしていただきますが、その中で好ましからざる職員の調査書がある。ここにも持ってまいっておりますけれども、その中にやはり思想と書いた欄がございます。教職員とそれから徳山市の職員、それも好ましからざる職員の調査表の中に、思想調査という欄がありました。そこで、市長に会ってお尋ねをいたしましたら、そういうのは使われておらぬ、こういう話であります。しかし、実際に欄があり、そして調査書類がつくられておりますから、原簿を見せていただくわけにはまいりませんでしたが、思想調査がやられておるということは間違いないと思う。 そこで、そういう点について自治省は御指導になっておるのか。まさかしておるとは言われぬと思いますが、どこがどういうぐあいにやっておりますのか。総理府総務長官がおられるけれども、総理府からそういう指導は出されぬと思いますが、自治政務次官にお尋ねをし、それから担当者の責任者が来ておられませんから、総理府総務長官の周辺でそういう点について御存じの向きがありましたらひとつ御答弁を願いたい。心配をいたしますのは、そういうのがコンピューターにかかってオンラインに乗るのではなかろうかという心配さえいたしますから、明確に御答弁を願いたいと思います。
○左藤説明員 そういったことは私はないと確信いたしますし、それからまたあってはならない、このように考えます。
○吉田委員 それじゃ、書類をごらんに入れましょう。指導記録という、これは徳山市に実際にあったある調査表の記録であります。あるはずがないと言われて現にございますから、そういう点についてはどういうように考えておられるか、あるいは指導しておられるか。
○左藤説明員 こういうことはあってはならない、私はこのように考えます。また、もしこういうことをあやまってやっておる団体があれば、そういう点については、やるべきでない、このように指導すべきものと考えております。
○吉田委員 それじゃ、時間がありませんからこれで終わります。
○奥田委員長代理 中路雅弘君。
○中路委員 給与の問題について二、三お尋ねしたいこともあるのですが、きょうはあとの大臣の都合で非常に時間が制約されまして、最初に聞いておきたいことが一つありますので、順序を変えましてそちらのほうから二、三御質問したいと思うのです。 これは公務員の昇給あるいは昇格の問題非常に重要な問題ですが、建設省の問題で、すでに国会においても建設省の組合員に対する差別の指示文書の問題これは、ことしになりましても衆議院の決算委員会あるいは社会労働委員会、参議院、衆議院の建設委員会等の委員会でも取り上げられた問題であります。私も調べてみましたら、全国紙の新聞報道だけでも、ここに取り上げられた建設局あるいは地方局のこういう類する問題九種類が全国紙にすでに取り上げられていますし、新聞の地方版を見ますと、それ以外にも幾つもやはりそういう事実が出ているわけです。 私は、きょうこの委員会で、時間もありませんし、新しくそれに関する問題を取り上げて皆さんにお尋ねするということではなくて、こういう中で起きてきている差別の問題で、建設省の組合の皆さんの話によりますと、約二千人にのぼるのではないだろうか、こういうことで昇給や特別昇給がおくらされて非常に差別を受けている、その大部分が建設省の組合員に集中している、そのために組合員が給与の面で受けた被害だけでも数十億にのぼるということも組合の皆さんが言っておられるわけです。いままで国会で取り上げられた問題五つほどありますが、その点について私、議事録も全部読んでみました。きょう官房長お見えになっていますし、官房長がほとんど答弁をされている。たとえば四十五年の二月に関東地建から出されている文書、これは本省(案)と記入されている文書ですが、労組の三役や活動家あるいは共産党員は昇任、昇格をさせないという昇任等の取り扱いについての文書、これもすでに国会で取り上げられた問題です。この問題については、官房長は、調査したが、こういう文書はなかった、ここ五、六年はこういう秘密文書はあり得ないという答弁をされています。 さらに四十四年の十二月二十三日の、これは社労委で取り上げられたと思いますが、中部地建の代表者会議で確認された昇格基準——差別基準といってもいいと思いますが、この文書についても、官房長は国会答弁で、四十四年の十二月二十四日に事務所長会議が開かれたのは確認できたけれども、二十三日の会議は確認できなかったから、この文書についてはよくわからないという答弁をされておりますね。しかし、この答弁は、こういうことがあったということを逆に裏づけておるのではないか。普通、皆さんのほうがよく御存じだと思いますが、事務所長会議の前日には、幹事的な事務所長による代表者会議あるいは連絡会議が開かれるのが通例でありますから、答弁は、二十四日の会議はあったのだという答弁をされておりますから、二十三日の代表者の事務所長会議の開催を逆に裏づけているということにもなっているのではないかと思うのです。 この文書には、詳しく出ていますけれども、やはり八等級から七等級への昇格、これは組合の機関の責任者や活動家は、原則として八等級八号俸で九カ月おくれ、一般組合員は原則として八等級八号俸で六カ月おくれ等の基準が出ていますし、組合活動家は原則として昇格基準に達してから四年から六年おくらせる、一般組合員は当局の昇格基準に達してから原則として二年おくらせるということが述べてありますし、さらに各地建の昇格、特別昇給のいわゆる差別の基準を一覧表にして添付されている。これも国会で取り上げられた問題であります。 また、これは建設委員会ですが、取り上げられた文書を見ますと、四十八年六月の神通川の工事事務所が出している業務分担表、北陸地建の文書ですが、これは、きめられた様式以外に労務管理へのいろいろな欄が設けられてありまして、仕事はやるが一番悪玉であるとか、ビラの作成者であるとか、職員一人一人の組合活動や性格などを書き加えている。これについて官房長は、新聞に取り上げられたような記載はされていなかったという答弁ですが、そういうものがあったということは事実なわけですし、もとの表を私たちが取り上げて、あと若干手直しをしたのを皆さんは見て、そういう記載はないという答弁です。しかし、書き方の表現は適切を欠くので改めるという答弁もされております。 四十七年度の近畿地建の事務所概況報告、労働組合の状況報告書ですが、これも国会で取り上げられました。これの答弁は、書式はあったけれども、四十七年度廃棄してしまったので確認できないということだけであります。そして、ここにあるが、これは政党加入状態まで書いてあるわけですが、これは様式を改めるということも答弁でされている。 また、もう一つ取り上げられました中部地建の四十八年四月の身元調査書、これは建設省が採用予定者を、その前から採用予定者の学校に身元調査をやっている。その中に思想欄があって友人三人まで記入する、その思想調査までやっているということです。これはすでに、答弁に立った当時の亀岡建設大臣が、事実だったのであ然とした、あってはならないことであり、即刻やめるように処置をとったという答弁もされているわけです。 いままで取り上げられましたこういう例から見ても、十分確認はできなかったとか、あるいはそのとおりの記載でなかったとかいう答弁はありますが、こういうものが各地建で行なわれていたということは、逆に皆さんの答弁の中でも裏づけられますし、いま五つあげましたけれども、組合がいま出している資料を見ますと、すでに三十一、こういう類似のものが出ています。 私は、これだけ問題が出ていて、これが本省の何の指示もなしに、これに類することを各地建がやっているのだということは考えられないわけですが、こういう問題が事実だとすれば、これは憲法やあるいは労働基準法、国家公務員法に違反する、それを踏みにじった行為であるということですね。こういう差別はあってはならないことだということについて、答弁でもされておられるところもありますけれども、全体としてこれだけ問題が出、あるいは一般新聞にも報道されて社会的な問題になっているという状態ですから、建設省としてこの問題についての明確な皆さんのお考えを、もう一度ここではっきりとお答えを願いたいと最初に思います。
○高橋説明員 御質問の件につきまして、いま、一つ一つ前にすでに国会で論議されました点につきまして指摘されたわけでございますが、私も答弁をその当時、そのつど申し上げておりますので、詳しくはその諸点について申し上げませんが、関東地建それから中部地建のああいう書類は、調査いたしましたが、現在のところまで、まだそういう文書の存在は確認できておりません。 それから神通川とかそれから近畿地建ですか、労働組合の報告書ですか、これにつきましては、神通川業務分担表というものは、事務所からの地建への報告の中にあったようでございます。その中におきまして、表現等につきまして誤解を招く点につきましてはやめさせるということも、私、申し上げておる次第でございます。 それから中部地建とおっしゃいましたが、中国地建だろうと思いますが、採用内定者、これは内定した者でございまして、あとで調査によってそれが左右されるものではございませんが、出身の高等学校に趣味だとかスポーツだとか、いろいろなそういうことと一緒にそういうような項目があったのは事実でございまして、やはりこれも誤解を招きますので、即刻やめさせた次第でございます。 そういうようなことでございまして、私ども、先生そういうふうに御指摘でございますけれども、特定の職員団体の役員等であるということのみで、そういうことだけで人事処遇上差別扱いをするというようなことばいたしていないつもりでございます。今後もそういうような方針をとることば全く考えてないと申し上げたいわけでございます。ただ、職員の中で処遇上不利な扱いを受けていると思っている者がかなりあるという事実は、私どもも認識いたしておるわけでございまして、そういう人たちからその事情を十分聴取いたしておるわけでございます。こういうようなことによりまして、職員間に不信感がふえまして、職場がかさかさになるというようなことが一番心配でございます。この際、職場の正常化というものをいかにしてはかっていくかということが重要な問題だと私ども考えておるわけでございます。そのため、そういうような不利な扱いを受けたと思う者からいろいろ事情を聞くとともに、そのために職員団体の意見も聞いて、話し合いを持つということも、私どもいたしておる次第でございまして、これを今後も進めてまいりたいと考えておるわけでございます。 いずれにしましても、今後ともこういう職場の人間関係というものを良好にすることが私は最も大事なことだと思います。したがいまして、先生の御指摘のような、不当労働行為に当たるようなそういう行為がないように、重ねて、私ども出先機関に十分ひとつ指導いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○中路委員 もう一度念を押しますが、さっき誤解を受けるとおっしゃいましたけれども、事実だとすればこれは明確な不当労働行為ですね。だから、こういう憲法や国家公務員法を踏みにじった行為は絶対にあってはならないし、今後もこういうことは絶対に起こさないという問題が一つ。 それからもう一つは、いまもおっしゃいましたけれども、正しい労使関係を確立していかなければならない、そのための改善に努力をいまされる必要があると思いますが、この問題。 それから理由はともあれ、職員の皆さんの中には、現実に差別を受けておるという認識をしておる人たちがこれだけ多くあるわけですから、実際にそういうものは存在している。それを差別と言おうと格差と言おうと現実にそういうものがある。これをこれからどうしていくかという問題もあるわけですが、こういう問題が今後事実として出され、また行なわれた場合に、その不当労働行為を行なった管理者に対しては、厳重な処置をするという態度で臨んでいただきたい。 こういう問題について、私は、いまも終わりにおっしゃいましたけれども、これだけ全国的に社会的な問題になっているわけですから、建設省のそのお考えを下部まで徹底させるという処置をここでとっていただきたいというふうに考えるのですが、いかがですか。
○高橋説明員 先ほども申し上げましたとおり、不当労働行為に当たるようなものはもうやめさせる。やめさせるといいますか、私どもはいたしてきていないつもりでございます。今後もそういうことはさせないように、厳正に重ねて指導いたします。 それから、さっき申し上げました正常な労使関係をつくり上げるための努力、私は、最善の努力を尽くすべきだと思います。その際に 職員団体の意見も十分聞く、そういうことをぜひいたしたいというわけでございますが、先ほど申し上げたような、理由はともあれ、そういう人事処遇上、不当な扱いを受けたという職員がかなりいるということも、事実認識で私どもわかっておるわけでございますので、そういう者から十分事情を聞いたり、また私どもも実態を調査いたしまして、そうして聞くべきものにつきましては十分聞きまして、今後の人事処遇上の参考にいたしたいということでございますので、地方出先機関に対しても、そういうことで十分徹底させたいと考えておる次第でございます。
○中路委員 もう一点だけお聞きしますが、現実に相当の部分格差があるわけですから、これを早急に改善しなければならないという問題があります。これもたくさん訴えが出ていますけれども、たとえば一例だけあげますと、これは十月十九日の毎日新聞に出ていた記事ですが、東北地建青森工事事務所の活動家の山内という全建労支部長の場合、三十六年採用の同期生十一人のうち、最低の七の八、九万二千二百円、ところが、職員組合の役員になっているAさんは、六号俸八等給で十万七千四百円、年額二十六万一千四百四十円の差別。また、北陸地建の組合員桑原さん、これは非組合員である同期生より年額三十六万四千六百四十円の差がついている。国土地理院の羽田野さんという方、これも同期生より三十六万九千八百円少ないというように「年三十六万円の違いも」という見出しで新聞報道されているのもあります。 私は、現実にこういう昇格や特別昇給で差別を受けた多くの組合員、先ほど言いましたように、組合の新聞で見ますと、千人から千五百人というのが出ていますし、組合の三役の皆さんに聞きますと、二千人ぐらいいるのではないかという話もありますけれども、この任用の基準について明確にして、現実にこういう非常に大きな格差があるという人たちについて、事情もよく聞いていただいて、この差別解消のために組合ともよく話し合って、この問題を早急に改善していくという努力をしていただきたいと思うのですが、この点についてもう一点お伺いいたします。
○高橋説明員 いろいろ東北地建の例等をとりましてお述べになりましたけれども、私どもは、そういうあげられたものにつきましては、いろいろ実態調査をいたしております。個々については申し上げませんが、いろいろな理由でそういう差がついていることと思います。同期に採用されたからといって、全く一律に同じになるというものではないと思います。やはり勤務成績等によって差が出てくるわけでございます。これは不当な取り扱いというものではないと私どもは考えます。 しかし、勤務成績のみに片寄りまして、同期の職員の間に処遇上ほんとうに著しく格差がある、大きい格差があるということにつきましては、大きな目から見まして、人事処遇上の問題から見ても問題なしとはしない点がありますので、能力、それから勤務成績のほかに経験年数というようなものも十分に考慮に入れまして、職場の勤労意欲というものが十分高まるように今後いたしたいと考えている次第でございます。 〔奥田委員長代理退席、小宮山委員長代理着 席〕 先生御要望のそういうものにつきましても、事情を十分その職員からも聞きますし、また職員団体の意見も聞きたい。そうしてまた聞くべきものがございましたら、それを人事管理上並びに処遇上、十分参考にいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○中路委員 時間がありませんので、あと給与に関して一、二点だけお聞きをいたします。 先ほど大出委員から質問があった問題ダブる点は割愛させてもらって、一、二点お聞きしますが、一つは、給与の銀行振り込みの問題ですが、これは給与法の第三条で、給与の支払いは「現金で支払わなければならない。」ということが明記をされています。給与法の第五条二項でいう「宿舎、食事、制服その他これらに類する有価物」の支給以外は現金で支払うということを原則にしているわけですから、今度、すでにもう人事院規則の改正をやっておられますが、これは給与法の二条にいう技術的解釈に関する人事院の権限というのを適用して、人事院規則を一部改正して行政的な処置でやられたというふうに聞いていますが、この給与法の趣旨からいって、銀行の口座振り込みを人事院規則の改正のみで実行するのは疑義がある、違法ではないかというふうに思うわけです。希望者のみということはいっても、これは原則を無視するわけですし、また労働基準法や、ILO条約の九十五号、賃金の保護に関する条約というのがありますが、こういう点を読んでみましても、現金以外の支払いというのは例外規定として書かれているというのが、大体ILO条約九十五号の趣旨です。 そこで、給与法の三条の改正なしに、人事院規則の改正のみで実行できるという判断をされたのは、どういう根拠に基づいてやられたのか、時間もありませんから、簡潔にお答え願いたい。
○茨木説明員 ただいまの点でございますが、約二年ほど前から、民間の事情、それから各学者等の意見、それからただいま御指摘になりましたILOの問題、こういうような点もそれぞれ検討いたしまして、現在の給与法にきめてございます現金で支払うというものの範囲内であるという判断をいたしまして、その解釈規定という点と、それからその場合のいろいろ条件等もございますので、これらのことを含めまして人事院規則で出したわけでございます。
○中路委員 この問題でもう一点だけ聞きますが、公務員給与の差し押えの禁止に関する法律上の問題ですが、民事訴訟法の六百十八条の項では、いわゆる官吏、それから公立、私立の教師の職務上の収入、これは差し押えを禁止されているわけです。この適用を私は失うことになるのではないかと思うのですが、銀行口座に振り込みますと、給与であっても一般の預金と区別がつかなくて、同じ性格を持つものになるわけですから、これを職務上の収入、いわゆる給与であるかどうかということを区別し、判断することはできないわけですね。事実上この法の適用を失うことにならないかどうかというふうに私は考えるわけです。 時間もないので、もう一つ続けて聞きますけれども、これは会計事務を非常に簡素化するのだということもおっしゃっていますが、いま実際現実に起きている問題は、従来の給与支払い事務は行なわれる、それに新たに振り込み事務が加わって、二重の事務が起きるわけですね。中身を見ますと、全額口座振り込みというのがありますし、一部現金支払いですね、大蔵省は三万円ですかが現金で、あとは振り込み、それから農林省は五万円ですか、一部現金支払いで残り口座振り込み、それから全額現金、こういう三通りになってくるのです。この点を考えても、事務が一そう複雑化する、決して簡素化しない、手数がかかるばかりですね。 私は、幾つかの省の給与担当者にお話を聞きましたら、これで複雑になるだけで、手数がかかって困るという意見がむしろ出てきているわけですが、決してこれは事務の簡素化にならない。チェックオフの問題もありますけれども、新聞でも報道されていますが、これは結局、大企業の融資に振り向けられる金融対策が先行しているのじゃないかという批判が一般新聞でも出ているわけです。 この点で私は、実際の事務の簡素化じゃなくて複雑化していくという点でも、この銀行振り込みについて、法的にも疑義がありますし、再検討される必要があるのじゃないかというふうに考えるのですが、もう時間もありませんので、非常に簡潔でいいですから、これについてお答えを願いたい。
○茨木説明員 第一点の民事訴訟法六百十八条の関係の問題でございますが、この点は、先生御指摘のとおり、振り込まれますというと預金債権になります関係上、その規定の保護の対象にならないと思います。そこで、この方法を実施いたしますにあたりましては、その点を各職員に十分周知をいたしまして、その上で職員が申し出られるようにということを各省庁に十分指導してございます。 それから第二点の、簡素化云々の問題でございますが、人事院が報告の中に触れ、その後規則を出しました過程におきます判断といたしましては、簡素化というよりも、むしろ病人でございますとか、あるいは隔遠地に勤務しております者とか、現実にそういう方法によって受領するほうが便宜であるという立場の方々がたくさんいらっしゃいますし、従来も人事課長会議その他で要望も出てまいっております。そこで、そういうような弊害のない方法としてこの方法を適用するのがよいのではないかという判断のもとに、それぞれ各省庁においてもそれらの点を十分周知をし、あるいは本人の意向等に基づくものであるかどうかということを審査さしていただいて、人事院の承認のもとにやっていく、こういう方法をとったわけでございます。 当初は、先生御案内のように、やはり相当いろいろななれない事務もございますので、当初から政府側でねらわれましたような意味の簡素化というようなものが急速に及んでいくというふうには私どもも見ておりません。しかし、これも大半の方々がそれになじんで、それを実施されるというようなことになりますれば、一面、特に小銭のようなものを封筒に入れるというようなこともなくなってまいりますので、そういう技術が上がってくるのではなかろうかとは思って見ておるところでございます。
○中路委員 この問題は、あらためてもう少し別の機会に論議したいと思います。 最後に一点だけお聞きしたいのですが、これは大出委員も質問されていた点ですが、去年の物価上昇を見ますと、去年の四月からことしの四月までで、総理府の統計で二四・九%上がっています。公務員賃金が、十職種で一五・三九%、これに定昇二・五%ぐらい加えても、ことしの四月までの一年間で、実質賃金が七%低下しているということもいえますし、また、ことしの四月を一〇〇としますと、四月から九月の物価上昇は一〇九・五%になっています。特に十月からは公共料金の値上げをはじめとして、これは数字もありますけれども、非常な物価上昇になってきているわけですね。だから実際には、十月、十一月、十二月と、生活の面では非常に苦しい状態になっている、これも事実だと思うのですが、これが民間の場合、あるいは公労協の場合もそうですが、四月の賃金が五月、六月には大体払われる。先ほど貸し出し金利の問題の話も出ましたけれども、この四月から十二月までの間の金利だけでも、私はたいへんな状態だと思うのです。そして実際には実質賃金が下がる状態。夏の一〇%というのも、これでもう四月に戻っちゃっているわけですからね、先ほどの、九月までですでに物価上昇しているわけですから。公務員の賃金の場合、当然国会審議が必要なわけですけれども、こういう状態の中で、少なくともこういう状態をいまのままでほっておいていいのか、やはり何らかの手を打たなければいけないのじゃないか。人事院にしても、すでに四月時点から今日の物価上昇を考えたら、インフレ手当でも再勧告しなければいけないのが情勢なわけですね。 この点で、これからの問題として、こういう状態の中でどう考えるのか。こういう状態をほっぽっておいていいのか。人事院が少なくともスト権の代償機能として設けられているという中でこういう現状が起きているわけですから、これについて最後に、これからあらためてこの問題は別の機会にも論議したいと思いますけれども、一応お考えだけお伺いして終わりたいと思います。
○島田説明員 先ほど申しましたように、われわれとしては、できるだけ早い機会に勧告の実施をすることによってこの事態に対処したいという考えで臨んできたわけでございまして、それが、こういうような情勢の結果、年末まで置かれたということでございますが、いま私どもやはり一番念頭にありますのは、何と申しましても、その本体である勧告自体が実施されて、この一〇%引き上げ以後の残りの一八・六二%というものを現実に公務員の手に渡していただきたいという、まず、そちらに願望の中心を置いているわけでございます。したがって、これからの事態に対処してまいりますのは、民間の状況をなお冷静にこまかく観察して検討してまいりたいという態度で臨んでいるわけでございます。
○中路委員 時間がちょっと過ぎましたのでこれで終わりますが、いまの問題あらためて給与法が出た時点で論議をさせていただくということで、一応終わります。
○小宮山委員長代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 いよいよこれから臨時国会が開かれるわけでありますけれども、その臨時国会に当然、補正予算に給与の改定の法案が出るでしょう。そうなりますと、その給与の改定の法案については、また内容についていろいろ審議をするにしても、私はたいへん問題になったのは、去る参議院選挙が終わってから開かれました臨時国会に、当然日にちを延ばして、そしてこの人事院勧告の問題について取り上げるべきであるということを主張もしてきたわけでありますけれども、それも見送られてしまったという形になっております。 そこで、人事院勧告が、御存じのとおり、例年よりも約二週間早く出されたわけでありますけれども、総務長官も、早く支給できるように努力するというような趣旨の答弁を本委員会においてされましたけれども、今日まで実現されずにいるということをどのようにお考えになっているか、まず、そのことについてお伺いいたします。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 従来ならば、人事院勧告があれば、それを完全実施して、早期に実施していくということは当然のことでございますが、今回は、やはりいろいろな情勢もございまして、われわれといたしましては、参議院選直後の臨時国会において審議いたしたいというふうに考えて皆さま方ともいろいろと御相談申し上げた記憶がございます。今日まで延びましたが、しかし、それに関連いたしまして、私は、率直に国家公務員の給与がおくれたということは非常にお気の毒なことだと思っております。ほかの民間あるいは三公五現等は、すでにもう解決したことでございまして、そういうような事態で非常に残念なことだったと思いますが、これは私、今年の非常に不幸な事態であったと考えて、今後はまたこうしたことが繰り返して起こるはずはないんじゃないかというふうにも考えておるわけでございます。
○鈴切委員 人事院にお伺いいたしますけれども、人事院は精力的に約二週間早く勧告されたわけであります。それはそれなりの御努力がやはりあったと思うわけでありますけれども、人事院としてその勧告を早めたということはどういうことが本意であったか、今日このようにおくれているという状態に対して、人事院はどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。
○島田説明員 私ども異例の七月勧告に踏み切りました一番の大きな理由は、御承知のとおり、昨年末からの非常に激しい物価変動に対応しまして、いろいろと国会の御承認を得て、それに対応する給与措置を講じてまいったわけでございますが、さらにそれの継続といたしまして、できるだけ早い機会の国会においてそれを実施していただくことによって、公務員の生活を安定させるということが一番のねらいでございました。それが御承知のような事情によっておくれましたことについては、私どもとして非常に残念な気持ちで、今日に至っても、近く開かれます臨時国会のできるだけ早い機会に勧告を実施していただいて、公務員の手に現実に、俗なことばでいえば差額の支給が行なわれるということをいま一番待ち望んでいるところでございます。
○鈴切委員 たしか、そのとき生存中であった佐藤人事院総裁が、病躯を押してこの場所においでになって御答弁をされたということも、私まだ記憶に新しいわけであります。それぐらいまでして、いわゆる人事院勧告について一日も早く公務員の皆さん方に完全実施ということをしてあげようという配慮と、また、それも当然であるというものの考え方からたいへんな御努力をされたわけでありますが、しかし政府のほうにしてみるならば、これに対して今日までたいへんおくれたという現実、これは私、許すべき筋合いのものではないのじゃないか、このように思うわけであります。ことにインフレ下におけるところの公務員の窮迫というものは、それは目に余るといっても過言ではないと私は思うのです。 そういうことから考えますと、スト権のない公務員の給与があと回しになってしまった、しかも政府の総需要抑制政策の犠牲になったのではないか、このようにまで私は酷評するわけであります。総務長官は、あのときに一刻も早く出したい、そういうふうなお気持ちはあったわけでありますが、それならば、なぜ臨時国会のときに日にちを延ばしてもいいから法案を出さないのか、こういうふうに言ったわけであります。それがうやむやになってしまったわけなんですが、その点についてどのようにお考えなんでしょうか。
○小坂国務大臣 この問題に関しましては、もちろん人事院勧告を完全実施するという方向は、私は十分踏まえて努力をいたしましたが、なお、この金額が総額二兆円をこすものになるし、同時にまた、これは多くの財源を必要とするということも当然のことであるし、あるいは行政事務の簡素化、合理化あるいは定員管理の実施等、要するに国家公務員の働きます能率化の問題あるいは既定経費の問題等含めて再検討をするという強い要望もなされまして、給与関係閣僚会議におきましては、それらの問題の具体的な方向が論ぜられるまでになかなか時間がかかったわけでございます。しかし十月の二十二日に一応方針がきまりまして、今回、十二月三日に法案として臨時国会に提案するというところまでまいりましたが、この期間、非常に時間がかかったことは、私としましては遺憾なことだと考えております。
○鈴切委員 この間、非常に時間がかかったことによるところの公務員の方々の損失というものははかり知れないものがあります。御存じのように民間、三公社五現業は、本年の四月から給与改定が実施されておりますけれども、国家公務員にはいまだに実施されておらないわけであります。たしか十一月の二十八日の日経新聞によりますと、四月以来の物価上昇は二五%であるのに対して、一〇%分の暫定支払いしかされておらない結果、現時点では実質一五%の減少となっている。また「給与改定の四月からの差額分の支給がこんなに遅れているのだからインフレによる目減り分と、利子分が十二万円にもなる。」このような記事が出ておりますが、政府は、このことについてどのような責任をお感じになっておられましょうか。
○小坂国務大臣 政府は、これについて責任をという御主張でございますが、責任ということとは別に、私は、国家公務員の皆さんにはたいへんお気の毒なことだったというふうに考えます。 同時にまた、公務員の給与改定という問題は、政府といたしましては、人事院の決定、勧告、それを尊重するということと、同時に、その提案されましたものが国民に納得される必要があるという意味から法定主義をとっておりますので、私としましては、非常にお気の毒であったけれども、国会の開会というものと非常に関連のある本件のような場合には、やむを得なかったというような気もしないではないわけでありますが、非常にお気の毒であったということは十分感じておりますし、また、これがどのように給与改定のときに論議されますか、そうしたことば人事院においても十分考慮されて今後の問題を処理されるのではないかと思います。
○鈴切委員 いまの総務長官の御答弁では、ちょっと納得がいかないわけでありますが、要するにお気の毒であったというおことばに尽きるというような話でありますけれども、政府としては何にも責任を感じていない。こういうようなものの考え方自体が、要するに早く臨時国会で処理をしなくちゃならない、あるいは参議院選挙のあとでその問題を一日でも二日でも日にちを延ばせば十分に処理できたものに対して、それを結局は今日まで延ばしてしまったという以外の何ものでもないような感じを実は受けるわけであります。 そういうことから考えまして、実はいま公労協が仲裁裁定に入って、インフレに対するところのインフレ手当というものを支給せよということで話し合いに入っているわけでありますけれども、私は、差額分の支給がおくれたために、何だかんだと平均して十二万円も目減りがあったということについては、少なくとも利子分ぐらいは何らかの形で補てんをすべきではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○小坂国務大臣 この補てんをするということを、いまここで私が申し上げるわけにいかぬと思います。その点は、鈴切委員も十分御承知いただけると思います。
○鈴切委員 十一月三十日付労働省発表の毎月勤労統計調査によりますと、十月の実質賃金は、民間、三公社五現業は四月賃金改定をしたにもかかわらず、前年同月比で二・九%減となっている。国家公務員はまだ給与改定が行なわれていない状態であり、生活困窮の状態にありますけれども、政府は国家公務員の実質賃金指数がどのくらい減少しているとお考えになっておりますか。
○小坂国務大臣 具体的に総理府においてその問題を検討した数字をまだ私は持っておりません。
○鈴切委員 総務長官、少しおからだのぐあいが悪いのか、あるいは間もなく大臣のいすを去らなくてはならないのではないかというような不安で、どうも元気がなさそうに私は思うのですが、いままで総務長官はもう少し積極的にものごとに対して取り組む姿勢があったわけでありますが、いま私がお聞きしても、そういうふうな実質賃金の言うならば目減りというものがどれくらいになっているかということについて、全く給与担当の総理府においてわからないということはないわけですが、大臣はわからないにしても、局長はそれくらいのことは当然調べているでしょうから、ひとつ答弁してください。
○秋富説明員 私のほうの手元にございます資料によりますと、昭和四十五年を一〇〇といたしました場合に、総合におきまして四月が一五〇・八でございます。これが十月におきまして一六二・九でございます。また東京の総合におきましては、四月が一四九・七でございますが、十一月におきまして一六一・九でございます。 ちなみに労働省の十月におきます毎月の勤労統計調査の速報でございますが、これが官民双方を合わせての十月の実質賃金は、前年の同月に比べましてマイナスの二・九でございます。
○鈴切委員 このようにして公務員の方々は、たいへんにたな上げをされておった給与改定、これに対して、結局は自分の預金の支出ということでこれに対処をし、あるいは場合によって生活ができないということで、実は借金をして、それによる生活をしているという状態なんですが、そういうふうな状態の中にあって、やはり一刻も早く給与改定をして、そして人事院勧告に基づく完全実施をしてあげるということが一番大切であったわけでありますが、それに対して総務長官は、まことにお気の毒だ、お気の毒であるけれども、政府としては責任を感じていないのだと、このようにおっしゃっているわけでありますけれども、そういうおことば、それでよろしゅうございましょうか。
○小坂国務大臣 やはり今回の政局とかいろんな問題、それの派生的なしわ寄せと、国会の開会、特に臨時国会の開会の内容、そうしたことが各党間において話し合われた結果、なかなか合意に至らなかったということが実態でございまして、われわれといたしましてはもちろん、政府サイドとしても、この今回の人事院の勧告の給与改定そのものの額については、閣議におきましても、関係閣僚会議におきましても、いろいろの議論が出たことは事実でございますが、政府としては、人事院の勧告を尊重して実施をしていくという基本的な方針は、少しも変えておらなかったわけでございます。その点は十分御了承いただきたいと思います。
○鈴切委員 給与の銀行振り込みの件でありますけれども、給与の銀行振り込みの制度の実施について人事院規則を改正しておられますけれども、法実施前に勧告事項から切り離して行なった理由と、そして公務員諸君のこれに対する反応はどのようにお考えになっていますか。人事院のほうにお聞きしたい。
○茨木説明員 御案内のように、勧告の報告の中に触れましたことでございますので、勧告に基づきます給与法が通りました段階で、それらの実施とともにこれが動き出すようにするというのがたてまえであるというふうに考えております。そこで、そのときにそれが動き出しますようにするためには、実は相当準備期間が要るわけでございます。で、先ほど御議論になりましたような問題もありまして、職員に対する周知、それから職員からの申し出の受理、それを整理しましての人事院に対する承認申請というものが各省から参りますので、そちらのほうの準備もございます。それから今度は各省のほうの段階にまた戻りまして、口座確認の手続でございますとか振り込み依頼書の作成、こういうような一連の作業がその間に伴ってまいります。そこで、これらのことをいろいろ計算いたしまして、政府のほうで完全実施をおきめになった段階を受けて、その後こちらのほうで規則を出してそれぞれの各省庁において御準備をいただく、こういうような考え方で出したわけでございます。
○鈴切委員 時間の制約がございますからこれで質問を終わりますが、また法案が出た際に、いろいろ御質問したいと思っておりますが、そういうことで、銀行振り込みの問題については、やはり公務員の意向によって、私は強制をしないように配慮すべきではないかというふうに思っているわけでありますけれども、その点どのような配慮がなされるかどうか。
○茨木説明員 規則の中にも書いてございますように、本人の申し出に基づいてということが前提になっております。で、承認をする段階におきましても、その辺について遺憾の点かなかったかというようなことも一つの着眼点として十分見るように、関係の課長のほうに指示してございます。
○鈴切委員 じゃ、以上をもって終わります。
○小宮山委員長代理 受田新吉君。
○受田委員 総務長官、最初二、三分だけ、二時半から御用があるそうですから。 はっきり申し上げて、人事院勧告の実施がおくれた理由はどこにあるか、ずばりお答え願います。
○小坂国務大臣 人事院勧告の実施を尊重してやっていくという政府の方針には変化はなかったのでありますが、その支払い金額、その他非常に巨額にのぼる財政措置、また同時に、公務員の行政運営の能率化等の議論が出されまして、そうしたことについての十分なる対策を用意して公務員給与の改定をなすべきであるという閣内の要請で時間をとったことと、もう一点は、やはり臨時国会開会についての提案をめぐって、与党、野党間のいろいろな話し合いがなかなか煮詰まらなかったというふうにわれわれは聞いておるわけでございます。
○受田委員 給与担当国務大臣として聞いておるというかっこうではいけない。やはり小坂先生が先頭へ立って、この問題の解決に対する国会対策その他財政対策等に御努力をされなければならなかったのですが、その御努力の経緯を御説明願います。
○小坂国務大臣 私の努力は、もっぱら閣内においての努力に終始いたしたわけでございます。
○受田委員 閣内における御努力の経緯を、簡単でよろしゅうございますから、どういうふうに努力され、それが報いられなかったにせよ、大臣としてどういうところへどのようにして当たったかということを……松、歴代の給与担当国務大臣の中で、あなたが非常に力をお持ちであることも期待しておったわけですが、国会対策も、野党はそのための臨時国会等はいつでも引き受けるというかっこうだったのです。だから、むしろ与党の内部の事情でこれがおくれたということが言える。「速やかに」という勧告の趣旨を実行することは、これは人事院勧告を尊重するという政府の従来のたてまえからも当然であって、国務大臣でもいらっしゃるわけですから、ひとつ与党対策等も実力者として当然なさってしかるべきであったと思うのです。御努力されたことは、私ある程度了承しますが、どういうふうにしてこれをすみやかに実施すべきであったか、顧みてかくすればよかったという反省を含めた御答弁を一口承れば、大臣お引き下がりを願います。
○小坂国務大臣 一口に申し上げれば、私の努力が足りなかったというふうに考えております。
○受田委員 大臣、たとえ内閣がかわり大臣が更迭されても、在任中におかれて発言をされ、また御自身の行動の上で示された熱意は、あとの閣僚に引き継がれるわけです。あなたが次の内閣にお残りいただくかいただかないかは未知数でありますけれども、久しぶりに非常に太っ腹の国務大臣を迎えたとわれわれいささか期待しておっただけに、あなたの過去においての当委員会における発言、それらは十分後継者に継承されなければならぬ、御退陣の場合は。そして引き続きなさる場合は、さらに一そうスケールを大きくしてやらなければならないということでありますので、いま努力が足りなかったとさびしいごあいさつがありましたが、このことについては、顧みて反省をしておられるようでございますので、長い間御苦労さまと申し上げまして、お引き取りをいただきます。どうも御苦労さまでした。 人事院総裁はいつおきまりになりますか。候補者を含めて御答弁願います。
○島田説明員 私、内閣に伺いまして官房長官に、今度の国会でできるだけ早い機会に総裁の人事案件が国会にかかりますように御努力願いたいということを申してまいりましたのですが、何しろ私、ふつつかな職務代行でございますので、人事行政確立のためにも、一日も早く新総裁がきまっていただいて、人事院を確固たる基盤の上に置いてさらに前進させていただきたいという意向を持っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○受田委員 総裁職務代行人事官として、後任の候補者、世間に伝えられておる藤井先生に御苦労願うようになっておるのか、あるいはほかにまだ候補者があるのか、国会が開かれたら、これは国会対策の問題もありますが、すみやかに承認を得るという案件ではありますが、総裁候補者は結局どういうことになっておるか、御答弁願います。
○島田説明員 総裁の後任人事、それより先に人事官の補充ということでございますが、これは内閣の人事でございまして、私どもがとやかく口を差しはさむべきものではございませんし、いまうわさにのぼっているようなことも、別に私から申し上げたというふうなことは全然ございません。
○受田委員 小坂総務長官に、ちょっとこの点を残ってもらいたかったところですが、残念でございますが、あなたの御答弁はやむを得ぬと思います。 世間でうわさにのぼっている藤井前事務総長というものは、ただ単なるうわさにすぎないと職務代行者としてお考えでございますかどうか。
○島田説明員 そういう意味で発言をしたのではございませんで、私どもから、だれにしてほしい、かれにしてほしいというふうな申し出は、少なくも私は、そういうことではなしに、内閣におかれまして、少なくとも人事官一人欠員になっておるわけでございますから、その人事官の欠員の補充をできるだけ早くしていただきたいということでございまして……。
○受田委員 これは、あとの内閣がまた新構想を打ち出せば別ですが、すでに世間には藤井前事務総長が定評化しているわけです。もう確定的な方向へ行っているうわさではないかと思うのです。そういうことで、あなたとしてはやむを得ませんが、国務大臣の答弁にまつべきものをお尋ねしたわけです。 もう一つ、人確法の実施に伴うて第二次給与改善一〇%の措置は、すでに昭和五十年一月から三月までは予算化されておる、来月支払いをするというのに、まだ勧告すらできていない理由を御説明願います。
○島田説明員 私どもとしましては、今度の七月勧告自体がやはり教員給与にも及ぶわけでございますので、まず七月勧告の実施を国会において確定していただく、それがまず先決だろうと思います。それから昨年も、年が明けましてたしか三月ごろだったと思いますが、そのころに勧告をいたしているような状況でございます。これは、やはり長期的な展望も含むものでございますから、新総裁がきまって、その陣容においてやったほうが適当ではないかというふうに私自身は考えておる次第でございます。
○受田委員 今年の三月の分は、これは人確法の制定がおくれたわけなんです。そこで勧告もおくれた。しかし、もうすでに法律は昭和四十八年度に通っておる。しかも来月から支払いをするというときに、職務代行者として、新しい総裁がきまらなければ勧告ができないというようなことではしようがない。三人がそろわなければ勧告ができないというようなことがどこかに書いてありますか、どうですか。
○島田説明員 勧告ができないというのではなくて、年を越して——もちろん検討は続けているわけでございます。続けているわけでございますけれども、おそらく勧告をお出しするのは来年になる、その間においてさらに新総裁が加わって、新総裁の意見も、将来人事院をになっていく人事官の一人でございますから、今度の勧告に参画してもらったほうが私はベターだというふうに考えて申し上げた次第でございます。
○受田委員 勧告案に基づいて法律案が出るという形ですか。
○島田説明員 さようでございます。
○受田委員 そうしますと、来月の再開国会二十何日かでしょうが、それからこの審査をして法案にするのには時間がかかるわけです。そうすると、来年一月から予算もとってあり、ちゃんとした準備がしてあるものが、こちらの手続上の遅延のために実施がおくれるというのは非常に問題ですね。
○島田説明員 現在の作業の経過につきまして、少し給与局長から説明させます。
○茨木説明員 ただいま人事官からお答えがございましたように、一応現在御審議いただくことになっております七月勧告の給与法が確定しましたその上で、あれが一月から——一応予算か組んであるのは一月−三月ということでございますようですから、その上に乗っかってくるものでございますので、まずその確定を待たないと、やはり私どもとして勧告の具体案をおつくりするという段階になりかねるという問題が一つございます。 それから、これは関係省庁がございますが、文部省等でいま関係者を中心とした給与研究調査会と申しますか、こういうところでもいろいろな問題点をあげて研究をしていらっしゃる。その上に立って、おそらく要望がこちらのほうに出てまいる。去年も、そういう要望の出てまいったものも見まして、こちらのほうとして案をつくっております。そういうような問題も第二点としてはございます。 それから第三点としましては、この問題は、第一次の際には相当技術的にも無難な程度のアップ率でございましたけれども、第二次がこの上に加わってまいりますというと、第一次ですら他の各職種を相当強く刺激いたしてございます。そういう段階のものでございますので、第二次をどうするかということについては、そういうような問題も、いまのこの情勢下においてどういうふうに考えていくかというようなことも、いろいろ検討してまいらなければいかぬ問題もあります。 それからもう一つ、財源は小中学校分はそういうふうに組まれておりますけれども、当然これからは返ってくるであろう高等学校その他については全くして、ございません。その点については、財政当局から、非公式でございますけれどもいろいろ意見がございます。地方財政のほうもいま混乱の最中でございます。そのようなことも、やはり検討の中に入ってくるんじゃなかろうか、そんなことでいろいろこれから考えてまいりたいと思います。
○受田委員 非常に不安な見通しのように、いま局長の御答弁でうかがうことができるのですが、第三次引き上げ政策も、すでに政府当局から宣言されているわけで、第二次の予算もとられている、来月から支払いの準備ができている、それが、そのお金の支払いもできないような段階で、いろいろと小中学校以外の職種の人にも問題があり、地方の公務員の関係もあり、世論もあるとかいうようなことになると、これは、もう非常な問題を提起しておられるわけです。 そこで、勧告がおくれておるが、この勧告は、すでにあの七月勧告のときに、同時勧告が技術的にできなかったものですか。
○茨木説明員 当時、院議でその点も御議論をいただいておりますけれども、やはりその当時の人事院の判断も、まず本体というか、七月の勧告自体がきまった上で、その上に積み重なるものであるから、その本体の実施を見た上で秋になりましてからよく検討をしてということと、もう一つは、できるだけ早くすみやかに勧告をするという要請も一つございましたのとからみ合いまして、その当時、一緒に扱うということは切り離すという方針になったわけでございます。
○受田委員 その当時一緒にやってはどうかという意見もあったが、上積みのほうがいいということでおくれた、そういう御意見であると、いま局長が御答弁されたような、他の小中学校以外の教員、地方公務員、こういうものを含めていろいろ問題が起こっておるというようなことになると、勧告がおくれたばかりに、その勧告案の提出も、いまのお説であると、ちょっと問題視される点があるような御答弁ですね。これは非常に後退してしまっておる。そういうような問題を議論する段階じゃない。勧告するということは、もう当然の帰結としてわれわれは期待しておったのが、おくれたために新しい問題を含んで、その勧告案そのものが実際は容易でないのだという御意見です。局長さんの御答弁によると、スムーズに年が明けたらすぐ勧告するような状態でないのです。人事官、どうでしょう。
○島田説明員 いろいろと困難な問題が周辺にはございますけれども、これは予算もすでに決定しておることでございますから、いろいろな周辺のやっかいな問題で勧告ができなくなる、そういう事態は起こさないというつもりで私どもやっております。
○受田委員 勧告がおくれたから逆にたいへんな世論が起こったのを考えてやめるなんというようなおかしなことが起こっては、これはたいへんです。十分部内をまとめていただきたい。職務代行者というものは、部内をまとめる力がおありだが、あなたは非常に高潔な円満な人格者である。すかっとしていて——局長さんの御心痛という点は、世論等をいろいろ考えたりして、どうも田中内閣の遺産をあとの内閣はどう考えるかというような問題にも波及する危険を感じ始めたのです。終始一貫人事院の権威を高めて、他のほうへ紆余曲折をする必要はないのです。
○島田説明員 先生の御期待に沿わないように十分努力いたします。
○受田委員 沿わないようにしてもらっては困る。もう一ぺんやり直してもらいたい。
○島田説明員 お聞き取りにくかったかもしれませんが、先生の御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○受田委員 わかりました。 それでもう一つ、給与の銀行振り込みの勧告でございますが、これは、いま委員の各位からも出た問題ですけれども、こういう制度を創設することの御議論は承っておりますので避けますが、扱い方において銀行だけに限られた理由はどうか。
○茨木説明員 扱い方としまして、私のほうのところでは、別に銀行だけの機関を対象にしなければならぬというふうにはきめてございません。ただ現在のところ、日本銀行または代理店と取引関係にありますものでないと、即日振り込みで金が相手のほうの希望するところにいかないという関係がありまして、都市銀行とか地方銀行、それから信用金庫の一部というようなことに限りますが、だんだんそういうものが整備しますれば、全部その対象になり得るという余地は残してございます。
○受田委員 それでは、これで質問を終わります。
○小宮山委員長代理 竹中修一君。
○竹中委員 短い時間でありますけれども、人事院関係と施設庁関係で御質問したいと思います。最初に人事院のほうの御都合がございますので、人事院関係の御質問をさせていただきたいと思います。 それは、今年度の人事院勧告が出されまして、九日から始まる臨時国会でその法案審議がされて、私たちも、もちろん努力をいたしますけれども、何とか年内支給ができるというようなところまでめどがついたことで、まあ非常に安心をしているわけですが、今度の勧告には、残念ながら寒冷地手当のことが抜けているわけです。御承知のとおり、昭和四十七年の十二月に勧告がございまして、四十八年の三月に寒冷地手当の法案が成立したわけです。それから約二年たっているわけですが、残念ながらまだその見直しの勧告がなされていないということです。 昨年の八月二十八日の当内閣委員会のやりとりの中で、なくなられました前総裁が、寒冷地手当のことについてこういう御答弁をなさっているわけです。「これはちょっとでも寒冷対策の費用が上回るようになれば、それはもうすかさず手当てをしなければならぬという気がまえでおります」と、こういうことなんです。「そのほか地域別の関係も一通り一応は安定したとは思っておりますけれども、しかしわれわれとしては、なお執拗に検討を続けておりますので、御趣旨は御趣旨として」と、こういうことでございます。 そこで、その後だいぶ情勢が変化していると思うのですが、寒冷地手当について執拗に目離ししないようにしておられるかどうか、お答えをいただきたいと思うのです。
○茨木説明員 寒冷地手当の問題については、昨年以来いろいろ問題になっております。特に問題になっておりますのは、灯油の値上がりからでございますので、この問題を中心に調査し、また動向を見、目下成案を得たいということでいろいろ内部で相談をしておるような段階でございます。 ただ全般的には、御案内のように基準額と加算額と二つございますが、基準額部分については、本俸等が相当上がってございますので、その辺については、民間のこれらと比べましても、いま直ちにそれに手をつけなければならないという状況ではないということに考えております。ただ加算額のほうの問題につきましては、全体を含めますといろいろ問題があるのではないかと思いますが、非常に激変いたしておりますので、そういう激変緩和的な意味において、やはり何らかの手をお願いしなければならぬのではなかろうかということで、成案を得次第、お願いをするという段階になるのではなかろうかと思っております。
○竹中委員 いま検討の段階であるというお話がございましたが、前の勧告が出てからすでに二年たつわけです。そしていまの御答弁でございますと、寒冷地手当の中の定率部分、定額部分は、まあまあいいだろうと思うが、北海道でいう石炭加算、内地でいう薪炭加算、ここに問題があるだろうというお話でございますが、私は、全くそのとおりだと思うのです。 私は、青森市に住んでおりますので、私の例を申し上げるのも失礼でございますが、ことしは十一月の一日から雪が降っているのです。そして昨年のオイルショック以来、非常に灯油の値段が上がっている。しかも各家庭では、ほとんど暖房を灯油にたよっているわけです。いまさらまきのストーブを持ち出そうと思っても、まきのストーブがない、石炭ストーブを使おうと思っても、石炭ストーブ自体がないという状況にあるわけです。そういうときに、いまの加算分は、大体北海道では石炭加算、内地では薪炭加算という名前がついているわけです。いま幾ら何でも青森県の山の中でも、まきをたいたり炭をたいたりしているところはないんですよ。北海道も大部分は石炭から灯油にかわっていると思うのです。そういう意味で名前をお変えになる意思があるかどうか、ちょっとお尋ねしたいのです。
○茨木説明員 ただいまのは、石炭とか薪炭という名前は取ってございます。
○竹中委員 わかりました。そういうことで、寒冷地に住んでいる人にしてみれば、目下検討中であるとかいう御答弁は、非常に残念だと思うのです。いま冬の最中なんです。早急に私は結論をつけていただきたいというふうに思います。 ところで、私ども国政調査の内閣委員会の第一班として、ことしの十月仙台に参りまして、人事院の東北事務所にお伺いしましたのですが、そのときの御説明の中でこういう点があったわけです。それば東北・北海道地区人事委員会協議会、東北、北海道の地方自治団体の人事委員会が集まって、いろいろこの寒冷地手当のことについて相談をした。そうして特に「寒冷地給加算額増額に関する要望書」というものを取りまとめて仙台に出している、こういう御報告がございました。そのとき私どもは、せっかく出たその要望書は、東北の事務所だけでとどめているのか、人事院の本部のほうに申達をし、あるいはまたそれに関する意見を述べているのかどうかということを尋ねましたら、そういうふうに取り計らいますという御返事があったわけです。もちろんこれは、きょう問題にしておりますのは、国家公務員のことでございます。この要望書は地方公共団体の職員のことでございますけれども、どういうふうにお取り上げになっているかお知らせをいただきたいと思います。
○茨木説明員 ただいまの資料でございますが、私どものほうも、直接関係の人事委員会の方々から受け取って、また説明もお聞きいたしております。向こうのほうも、地方公務員について同じような立場にございますので、そういう意味で、いろいろこの内容を尊重して吟味いたしております。地方事務局のほうからも、それぞれ地方事務局管内の公務員の要望等も添えまして、そのつど私のほうにそれぞれ連絡がございます。そういう状況でございます。
○竹中委員 その要望書の中に、こういう具体的例があるわけです。 また青森のことを出して恐縮ですが、「一例として青森県職員についての調査結果からみて、一冬期間に約一千六百リットルの灯油を消費する」こういうことです。そうしますと、いまの値段からいうと上下ありますけれども、「三万六千円から四万円を支出している」というのが実情であります。「現行の加算額一万一千円と比較した場合、その出費額の大きさが御理解いただけるものと考えます。」というふうに記載されているわけです。 こういう中で、いま人事院で検討しているということは、どうも寒いところに働いている職員として、非常に人事院頼むに足らぬというような気持ちが起こってぐると思うのです。その点をぜひ心にとめてくださいまして、寒冷地に働いている人とあたたかいところに働いている人との違い、差別、そういうことに着目をいただきまして、もう一度、いま検討中であるというようなお答えではなく、早急にやるとか、いつ幾日までにやりますというような御返事がいただきたいわけです。
○茨木説明員 ただいまの点でございますが、そういう内容のことも承知いたしてございます。ただ、前にも前総裁から答弁の中で触れられておると思いますけれども、その加算額部分だけで燃料をまかなうというふうには考えておりません。無給地地帯でも、やはり東京でも暖房はとるわけでございます。これは当然、普通の給料の中に入っておる。それから加算額のない三級地以下のような地域もございます。これは基準額の中にもあるものは入っておる。ですから、それをこえる量のものをどう見るかというふうに吟味しなければいかぬというふうに考えております。 それから、そういう寒さが現に来ておるところでございますので、できるだけ早くというつもりでやっておりますけれども、一応院内の大勢といたしましては、やはり通常国会にできるだけ早い機会にお願いしたいと思います。
○竹中委員 いま、できるだけ早い機会に成案を得たい、そして通常国会に提出したいという御答弁でございますけれども、そうすると、それは、いまの冬でございますか、この次の冬ですか。
○茨木説明員 私から断定的に申し上げるのは、たいへん僭越かもしれませんが、一応今年度の分から適用をしてまいるようなつもりであの案はいま検討されておるわけでございます。
○竹中委員 御答弁の御趣旨はよくわかりましたので、ぜひともそれがすみやかに実現されるようにお願い申し上げまして、人事院に関する御質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。 ————◇—————
○小宮山委員長代理 国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹中修一君。
○竹中委員 けさ国政調査報告がございましたけれども、十月の三日にわが内閣委員会が、三沢地区の視察並びに調査をしたわけです。そのときに、ちょうど機会がございまして、現地の三沢の市役所で、三沢市長、議会の議長、また市内の商工関係あるいは労働組合の関係の方々から、直接私ども約一時間半にわたって現地の状況をお伺いしたわけです。いろいろお話がございました。それを全部述べるわけにいきませんけれども、要約しますと、終戦直後から三沢というところは基地の町で、いわゆる基地とともに歩いてきたような町であるわけです。現在も市の行政区域の中の五分の一が基地に提供されているというような特殊な地域であります。その中で市長さん、あるいは議長さんたちがこもごも言われるのは、自分たちは基地を提供して日本の平和と安全と繁栄に力を尽くしているんだ、分担をしているんだという、非常な自信と誇りを持っているということを説明しておられました。 ところがその反面、自分たちはこういう誇りと自信を持ってやっているんだけれども、どうして三沢の市だけが、三沢の市民だけがこういうような基地公害に悩まされなければいけないのかという気持ちもまた非常に強いわけです。そういうことから、いろいろと政府に対して、基地は引き受けるけれども、基地によってこういうような被害が起こっている、こういうような公害が起こっている、こういうような迷惑が起こっていると具体的な例示もあったわけですけれども、それを一々個々に補償してくれというようなお話ではなく、ついては、民生安定のために、あるいは基地公害排除のために、こういうようなことをしてもらいたいというような要望事項があったわけです。 一方、また地域の労働組合の代表の方からもお話がございました。その方は、理念として基地の存在を認めない立場にある、しかしながら、現実に三沢には基地がある、したがって、現実問題として三沢市が生きていくためには、もっと政府のほうで力をかしてくれてもいいんじゃないか、別なことばで言うと、あたたかい手を差し伸べてくれてもいいんじゃないかというようなことも革新団体の方が言っておるわけです。 そういう中で、実はたとえば民生安定の事業として体育館の建設とかいろいろ要望事項があったわけです。そのことに関して防衛施設庁はどういうふうに交渉を進めておられるか、まず、事務的な段階でございましょうけれども、お答えをいただきたいと思うのです。
○久保説明員 三沢については、お話のような方向で地元から申し入れが出ております。これは自衛隊あるいは米軍の使用にかかわる問題に関連をしまして、いろいろ地元に御迷惑をかけている、その反面、地元に対してももろもろの対策を講じてほしいということで、実は御承知でもありましょうが、膨大な御要望、全体を通じれば約七百億にも及ぶような要望が出ております。しかし、その中で特に急ぐものであるというふうに地元のほうで言っておられ、かつまた、私どものほうで予算の裏づけをしながら具体的に問題を処理しつつありますのは、一つは体育館の問題でありますし、それから簡易水道の問題であります。 現在、体育館の問題については、当初地元側からの規模が非常に大きなものでありまして、なかなか御要望どおりにはまいらないということで、具体的に行政事務に乗り得る範囲内のものとして折衝を始めまして、今日大部分の問題は事務的に片づきつつあります。問題は若干残っておりますが、来週早々に市長が私どものほうにお見えになりまして最後の詰めを行ないます。したがって、その際にこの体育館の問題は片づくものと私どもは見ております。 それから同じように、簡易水道の問題につきましては、これは当初から地元のほうに、大体だいじょうぶですということをお話し申し上げて、四十九年度からの三カ年計画、なお体育館は四十九年度からの二カ年計画で処理をしてまいりたい。 それから同じように、幾らか急ぎの程度は違いまするけれども、遊休地利用という問題が出されております。この問題については、しかし具体的な裏打ちが若干欠けているように思います。たとえば米軍の基地の正門わきのところに約一万平米のあき地がありますが、これは御承知のように現在モータープールとして使用されております。ところで、これを払い下げるとなると、現実にお金がかかります、大蔵省の問題でありまするが。したがいまして、地元の市のほうとしましては、現状で、あのまま共同使用の形で自動車のパーキングエリアに使ってけっこうだというような御要望のようでもあります。それからもう一点の遊休地といわれますが、必ずしも米側から見ればあまり遊休地でもありませんけれども、現在の飛行場の南のほうになりますか、オートレース場その他若干のあき地、またゴルフ場を含めましてあき地があります。これについては地元のほうでは、市民の森として基地外の地域と一緒に合わせて設営をしたいというお話であります。グランドデザインもあるようであります。これは返還までは私どもの仕事でありますが、返還後だれに使用させるかは大蔵省の問題になります。したがいまして、地元のほうで具体的な財政的裏打ちをもって大蔵省のほうに折衝される用意があれば、私どもとしても米側と折衝してまいりたい。ただ、地元のほうではお金の問題もありますので、場合によっては防衛施設庁であそこの地域を緑地化して、市民も一緒に共同使用できるような方途はないだろうかという新しい御意見も出ておりますので、そういう問題も踏まえながら検討してまいりたい。 かたがたもう一つ、これは県及び市のほうからの御要望でありました民航の乗り入れの問題がございますが、この点も、前山中大臣がアメリカに行かれまして折衝されまして、明るい見通しを得ております。私どものほうでは、この六月に日米合同委員会の下部機関である施設特別委員会のほうに提案をいたしております。いずれ遠くないうちに最終的な合意ができるのではなかろうかというふうに思いますが、それを受けまして、現地の米軍あるいは自衛隊あるいは運輸省側と、具体的な使用方法など、運用あるいは条件などについて御相談をしていくことになる。こういうようなものが、ごく最近のおもな問題であります。
○竹中委員 いま、現地に行って現地の方々から要望のあった事項個々について、大体の折衝経緯あるいは見通しについての御答弁があったわけですけれども、こういうことで地元がある程度の納得が得られるという御感覚を持っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○久保説明員 さしあたってP3の移駐の問題そのほか若干の問題がありますが、私どものほうとして、地元に対する対策はこれでおしまいというわけではございません。先ほど申し上げた七百億に及ぶ事業計画を地元のほうではお持ちでありますが、この内容について、当然一度にできるものでもありませんし、また具体的内容を照査してみませんと、法律になじむ事案であるのかどうか、その辺もよくわかりません。したがいまして、今後長期的にこの問題を処理していく。少なくとも私は、現地に参りまして、市長さんそのほかの方に申しておりますけれども、誠意をもってこの問題の処理に当たりまするからと言っております。
○竹中委員 個々の具体的な問題について、いろいろとお答えをいただいたわけですが、根本的には、三沢市の考え方として、いわゆる米軍財産に対する地方税を非課税にするというような地方税法の臨時特例法の適用について、いろいろ法的にも疑義を持っているわけです。それぞれ議会の分野において、第三者である大学の教授にその法理論をいろいろ調査してもらっているというような現状であります。したがって、個々の問題が現状においてある程度解決されたといっても、結局こういう問題についてまだ深い根が残っているわけです。きょうは、そのことについて管轄も違いますので触れませんけれども、そういうような非常にむずかしい基地であるということをひとつ十分御認識の上、これからも現地折衝を十分やっていただきたいと思うのです。 御答弁の中に、民間航空のお話がございましたけれども、概略お答えがありましたが、もう少し具体的に、いつごろまでをめどにして、そしてまた、いつごろまでに大体航空会社のほうでよろしければ航空路が開けるというようなお見通しがあるか、お答えをいただきたいと思います。
○久保説明員 これを具体的にお約束申し上げるのは、ちょっと困難かと思いますが、たぶん年内に見通しを得ることは可能だと思います。そして現実に飛行機がいつごろから飛ぶかという問題は、民航機のパーキングエリアをどちらにするのか、場所によっては新しくそういうものを工事しなければいけないのかどうか、その辺の問題がよくわかっておりません。したがいまして、米軍と運輸省と自衛隊と入れまして、民航機のターミナル場所はたぶん基地外になると思いますけれども、具体的にどこそこにし、それから接近路をどうとって、パーキングする場所をどこにするか、その辺の具体的な計画ができたことに応じて見通しというものは可能になろうと思うのですが、その具体的な折衝といいますか、検討がまだできておらないということであります。いましばらくしますると、あるいは見通しが立つかもしれません。
○竹中委員 地元としては、民間航空の乗り入れということも非常に大きな期待でございますので、いろいろ対外的な折衝もございますでしょうけれども、早急に実施できるようにひとつお願いをしたいと思います。 次に、防衛施設周辺の生活環境整備法、これの第九条関係について若干お尋ねをしたいと思うのです。 この法案は、法案の審議過程でいろいろ議論がございました。しかし、いわゆる新法として成立をしたわけでありますけれども、その中の特色の一つとして第九条関係があると思うのです。それは「特に配慮する必要があると認められる防衛施設があるときは、」これを「特定防衛施設として」内閣総理大臣が指定をするというふうな条項になっているわけです。したがって、防衛施設を、基地をかかえている市町村にしてみれば、この第九条の実施を非常に心待ちにしているわけです。承りますと、残念ながらいまだにこの特定防衛施設の指定がなされてないというふうに伺っておりますけれども、防衛庁長官、いかがでございましょう。
○宇野国務大臣 御指摘の面に関しましては、関連施設並びに関連市町村の指定及び交付金の算定、これは、まあ一応防衛庁としての案がございますから、関係機関といま鋭意協議をいたしております。極力地元の御要望に沿う線で早急に実施をいたしたい、かように存じております。 なお、交付金に関しましては、明年度も大幅に増額をして、そうして関連市町村に不公平の起こらないように考えていることも、この機会に申し上げておきます。
○竹中委員 大臣から、いま大体の御方針を伺ったわけでありますけれども、昭和四十九年度の分はいつごろ指定になる見通しでございますか。
○久保説明員 ただいま大臣がお話しになりましたとおりでありますが、時期的には、現在大蔵省と主として折衝、交渉をしている段階であります。たぶん大蔵省の基本的な思想と私どもとは少し違っているだろうと思いますが、その辺もありますので、見通しがはっきりいたしませんが、しかし来年度の予算編成とも関連がありますから、私は十二月中には特定防衛施設を指定し、また施設関連市町村も指定しなければならないというふうに思っております。
○竹中委員 そうしますと、この昭和四十九年度の指定を間もなくされるわけですけれども、大体何カ所ぐらいになるのか。また、どういうところを——いま長官から地元の折衝との関連もあるのでというようなことでございますので、地元折衝その他を含めて、何カ所ぐらい指定になるのですか。
○久保説明員 特定防衛施設は、法律及び政令の中でどういうものが指定されるという大ワクは出ております。さらに、その大ワクの中で私どもが、たとえばターボジェット発動機を有する航空機の離発着する飛行場でありますとか、あるいは演習場などについては、使用人員をどれぐらいにしぼるとか、大きさあるいは使用頻度あるいは運用等総合いたしまして、特定防衛施設を指定するわけでありますが、これを、四十九年度については五億円しか予算がありませんので、比較的しぼって出すという考え方もありますが、ただいま大臣がお話しになりましたように、地元の御要望という線に沿って考えますると、本来あるべき姿としての特定防衛施設というものは当初からもう指定してしまう。したがいまして、また当然、本来迷惑を受けるべき関連市町村というものは、これも当初から指定してしまう。若干予算が少ないわけでありますから、一市町村あてにいく金は当然少なくなりますけれども、しかし姿勢として、当然そういうふうに臨むべきであろうということは、前山中大臣、現大臣からの御指示もありまして、そういう方向でやっております。 しかし、具体的な個々の場所につきましては、大蔵省と目下折衝している段階でありまするし、いま何カ所と言って若干減った場合に、あまり市町村に対していい影響も与えないと思いますので、比較的広く指定をしているということで、公開の席でなければ申し上げますが、そういうことで御了承を得たいと思います。
○竹中委員 いまのお答えではっきりしましたことは、指定は、四十九年度に一応候補地は全部指定する、四十九と五十と分けないということでございますね。——わかりました。 そこで、その作業を急いで進めてもらいたいわけでありますけれども、先ほども長官からお話がありましたように、調整交付金は五億円よりないわけであります。一体どういうふうにして分けるのか。分けるとはたいへん俗なことばでございますけれども、どういうふうにされるか、お答えいただきたい。
○久保説明員 この調整交付金の配付のしかたは、政令の第十五条に一応の基準が書かれております。これによりますと、人口とか面積とか、それから使用の態様、運用の態様といいますか、そういった点を加味するようになっております。 そこで、現在行なっておりまする作業は、どれぐらいの広さの場合にそれをどう評価するか、それから人口の増加率でありますとか、市町村の中に占めるこの演習場の割合がどの程度であるか、そういったようなものを数字に換算をいたしまして、その数字の合計点に応じて比例配分をしてまいるというような、おおよその方向はそういうことであります。
○竹中委員 大体、点数制でやられる、それで作業を進めておるということを伺いましたのですが、いまの第九条に関連して、第九条の第一項の第四号に「その他政令で定める施設」こうあるわけです。これを受けて政令の第十三条の第一項第二号に「その面積がその所在する市町村の面積に占める割合が著しく高いもの」と特記してあるわけです。そこで、どれぐらいの割合からこれにひっかかるか、お考えございますでしょうか。
○久保説明員 この数字を申し上げると、おのずから名前が出てまいりますのであまり適当でありませんが、まあ、たとえば一つの例であります、その数字をとるという意味ではありませんが、たとえばその市の中で一〇%とか二〇%とかいうものを占めておれば、非常に面積の割合が多いのではないかというふうな考え方でまいりたいというふうに思っております。
○竹中委員 わかりました。 ところで、先ほども大臣から、来年は相当大幅に予算を取るというお話でございましたが、どれぐらいの概算要求をなさっているわけですか。
○久保説明員 この数字も、前大臣からの御指導もありまして、現在、予算要求をしておりまするのは、三十二億ということであります。
○竹中委員 一番先にも申し上げましたように、この生活環境整備法の目玉というのはここだと思うのです。これの運用が、非常に基地をかかえている市町村に親密感を持ってもらえるか、疎外感を持つかということになると思うのです。ひとつ慎重な御検討と御配慮をお願いしたいと思います。 次に、話を変えまして、御承知のとおり三沢には、米海軍のP3Bが移駐するという問題が起こっているわけです。御承知のとおり、昨年の一月三十一日に防衛施設庁から三沢市当局に対して、米軍のP3Bを移駐するからということで協力を求めたわけですけれども、すでに二年を経過して、まだ合意点に達していないというふうに聞いております。これは結局、一番先に申し上げましたように、基地提供は必要である、やらなければいけないという根本的な気持ちを持っているにかかわらず、政府がちっともあたたかい手を差し伸べてくれないというような抵抗感、ここが非常に相矛盾して、また当局としてやりにくい面がたくさんあると思うのです。しかも臨時的かどうかわかりませんけれども、飛行機がそこにおるというようなこともときどきあるわけです。こういうことで、P3Bの三沢移駐に関して、経過について御報告をいただきたいと思います。
○久保説明員 私が答弁を申し上げるのが適当かどうかちょっとわかりませんが、承知をいたしておりまする範囲内で申し上げますると、第十四回の日米安保協議委員会で三沢に持っていくことがきめられ、政府としては、そういういわば義務といいますか、というものを負ったわけであります。しかしながら、実際の行政といたしましては、地元の御了解を得ながら、P3Bの実際の配置をきめるのが適当であろうということで、またその間、先ほどもお話が出ましたように、地元側から、P3Bを持ってくるならこういった対策をひとつ考えてくれということで、最近まで実は予算の折衝などの関係もありましたものですから、具体的な数字などが地元にお示しできなかった。そこで地元のほうでは、国は誠意がないじゃないかということで、まあずっと今日までに及んでおったわけですが、ごく最近、先ほど申し上げたようないろいろな問題が急に片づきつつあるというような私どもの誠意を背景といたしまして、地元の少なくとも市長さん及び市議会のほうでも、この点については、つまりP3Bの問題については、政治的に対処していただけるという見通しを私どもは持っております。 したがって、これはたぶん、来週市長さんが来られ、かつ市議会が十二月に開かれましょうが、その辺でもって、したがいまして十二月ごろにおおよそのめどがつくのではないかというふうに考えております。
○竹中委員 十二月ごろに地元との了解がとられて、P3Bの移駐ができるのではないかというお見通しでございますが、そういたしますと私、ここで具体的に市当局に提示した数字等をお聞きしませんけれども、具体的に数字を示して折衝できる段階に入っているわけですか。
○久保説明員 これは大蔵省の関係がありますので、あまり数字を外には出さないということにしておりますが、市長さんのほうには数字を申し上げております。そして体育館について、最終の詰めというのが数字にひっかかりがありまして、この点はいずれ市長さんがお越しになったときに、その数字を含めて最終的には片づくつもりであります。
○竹中委員 これをもって質問を終わりますけれども、せっかくできた生活環境整備法、これの運用というものは、これから防衛庁に課された非常に大きな使命だと思うのです。これをうまく適用していく、いかないによって、基地問題がまた悪い方向にいくというようなことを、大臣も前から御存じでございましょうけれども、御就任を機会にひとつ認識を改めて、基地問題の解決に御努力をいただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小宮山委員長代理 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 最初に、開発庁に質問したいのですが、この前、那覇の小禄の爆発事故に対して見舞金として一億六千万円出す、それは、もちろん要求額は三億九千万円ですが、これについては、いろいろな面で被災者側では不満を持っております。 きょうは内容面には触れないで、三つの点を、きょう大臣もお見えになりませんが、大臣にかわって責任のある返事をしてもらいたいと思いますのは、この問題は沖繩特別委員会や法務委員会で、当然のことながら国が責任を持って、国賠法に基づいて補償すべきであるということが非常に論議され、さらに日弁連の沖繩調査団も、当然国が責任を持って、国賠法に基づいて補償すべきだという意見がありました。ところが政府は、まだ統一見解が出ていないように聞いておりますが、これに対する統一見解、すなわち、国が責任を持って、国賠法なら国賠法に基づいて出すべきだという統一見解は、まだないならない、あるならあると、この点が一つであります。 さらに二番目は、あの一億六千万円余りの見舞い金の内容は、八〇%が国、それから二〇%が県と那覇市になっております。この内容をいろいろ参事官から聞きましたら、県と市町村が負担する金は、自治省から交付金として出されるといったような説明でありました。そうなりますと、大まかに、一〇〇%国が責任を持って出というふうに理解していいかどうか、これであります。 第三番目は、当然、見舞い金でありまするから何の拘束その他制限もなくて、見舞い金として領収いたしましたという領収書だけで交付されるものだと思いますが、それで交付するかどうか、この三点について説明してもらいたいと思います。
○山田説明員 ただいま御質問ございました小禄の爆発事故につきましては、その事後措置について、たいへん沖特委その他におきまして御心配をかけてまいりました。 たびたび小坂開発庁長官が申し上げておりますように、私どもといたしましては、やはりただいま御質問のございました第一点に関連いたしまして、法的解釈という点につきましていろいろ議論をいたしました。しかし、その議論でじんぜん時を過ごすよりは、早く実態に即した救済措置を講ずべきである、こういうことで、かねがね長官から見舞い金を支給したいということをたびたびお答え申し上げたとおりでございます。 その作業が、幸いにいたしまして、たいへん関係省庁の御協力を得て順調にまいりまして、ようやく年内に支給できるという運びになりましたが、お話がございましたように、総額といたしましては、地元の被災者の御要望がございまして、それをしさいに点検いたしました結果、人損の関係と物損の関係に分けまして、人損につきましては、過去にやはり国においていろいろな事例がございますので、その中の最も有利なものを参酌いたしまして、物損につきましては、やはりこれは客観的な専門の調査機関をわずらわしまして調査をしたほうがよろしいということで、その方針をもちまして額を固めました。その結果、お話がございましたように、一億六千万という額——一億六千万というのは、実は今回支給の額でございますが、前回にやはり七百数十万支給いたしておりますので、それを加えまして一億六千八百万円弱、そういう数字がおおむね妥当であるという結論を得ました。 さて、その支給をどういう方法にすべきかということにつきまして、いろいろこれも関係省庁間で議論がございました。その結果、やはりこれはお話がございましたように、いろいろな解釈のしかたがございましょう。しかしながら、過去に日本の海軍が敷設した機雷であるという点を十二分に参酌をいたしまして、八割は国において措置をするということが妥当である、そういう結論に至りました。残りの二割につきましては、これはやはり十分に県並びに市に連絡をとったわけでございます。 責任論から申しますと、県と市の責任ということは、若干そこに軽重の差があると存じます。直接的にはもちろん市の問題であるということになるかもしれません。しかしながら、やはりこれは県民であり市民である人の被災でございますので、国がそういう見舞い措置をするならば、それに対応してといいますか、並行してといいますか、あわせて市も県もこの際見舞い措置を講ずるのが適当ではないかということで、先ほど算定いたしました一億六千八百万ばかりの額につきまして、その一割ずつを県なり市に負担をしてもらう、こういう結論になったわけでございます。 それにつきましては、当然、沖繩の特殊性、特殊事情がございます。地方団体はきわめて財政も貧弱でございますし、また、いわゆる国のほうが相当程度めんどうを見てくれていいじゃないかというかねてからの思想もございますので、これはやはり特別交付税でぜひ措置をしていただこうということで、私どもとしては、関係省に再三再四連絡をし、その結果、おおむねそういう結論によりまして、特別交付税措置をするということの気持ちをもって県と市に連絡をいたしたわけでございます。 したがいまして、その方針には変わりないわけでございますが、お話の第一の点につきましては、法解釈論という問題もございますけれども、とにかく措置を急ごうという思想で開発庁としては仕事を進めたということでお答えにかえさせていただきます。 第二点につきましては、一〇〇%国が責任を持ったのかということでございますが、これはやはり、さっき申し上げましたように、国の直接の責任として——責任といいますか、負担額としてはやはり八割が妥当であろう、あと一割ずつは並行して県なり市の立場において措置をしてもらうのがいいんじゃないか、その財源につきましては国がめんどうを見る、こういうかっこうで措置をしたわけでございまして、たてまえとしては、国と県と市と並行して見舞い金を出す、こういうことにいたしたわけでございます。 それから手続の問題につきまして御質問がございましたが、実はこの十一月三十日に被災者に対して通知状を発送いたしました。それは、いままでのいきさつと、それから今回の決定の実情につきまして御説明申し上げ、一定期間後にぜひそれについての、何といいますか、被災者側の返答をいただくということでございまして、それにつきまして、でき得れば、やはり支払いの関係もございますので、国の経費あるいは県の経費、これは市が一括して代理受理をするようなかっこうで本人に渡すのが適当である、こういうことで措置をしたわけでございます。その中におきまして、お話しのように領収書というかっこうになるのかどうか、もちろん領収書のかっこうでございますけれども、私どもといたしましては、形は見舞い金でございますけれども、実質は、さっき申し上げましたように、住民の実情を十分検討いたしまして、その適当と思われる、被災額に即応した金額を算定したつもりでございますので、これをもって今後一切紛争はないようにいたしたい、こういう気持ちでこれについての御本人のお気持ちをお聞きする、こういうふうにいたしたいと存じておる次第でございます。 以上をもちましてお答えといたします。
○瀬長委員 私が三つ質問したのは、関連性があるからなんです。旧日本軍の機雷が爆発して、そこでああいったような被災者を出した、これに対して国が当然責任を持って、法律に基づいて賠償すべきであって、見舞い金などといったような形をとるべきじゃないというのがわれわれの主張ですが、いずれにしても見舞い金として出た、ところが、それを分析すると、実質的には国が責任を持っておるということになりますと、結局、統一見解そのものを出すために、非常に刺激的にもなるんじゃないか。全額実質的には国が責任を持つ、法律を適用するかどうかという問題が一つ残っておる。この場合・領収書ではなくて誓約書みたいな方向でいかれるのか、今後かかる紛争が起こらぬようにとか。これは紛争であるとか紛争でないとかいうふうな問題でないと思うのです。訴訟する、裁判を起こすかどうかということについては、これは憲法に規定されておる国民の権利であります。この国民の権利を、金をぶら下げて、しかも十二月、正月が迫った、どうだというような調子ではいかぬので、当然のことながら、軍用地主に支払った地代、あれと同じように領収書でとるべきだ、また、そういうふうな形でいくべきだというふうなことを申し上げたかったので、領収書だろうと言ったわけなんですが、この点だけは特にもう一ぺん言ってください。 縛りつける、誓約書みたいなものを書かせて、以後そんなことを要求しませんとかいうふうなことは書かないということが、国のほんとの見舞い金、お情けであるというふうなことと理解しても、当然のことながら、領収書を出して受け取るということが常識だと思うのです。その常識を離れて、何か誓約しなければできないようなことがあってはいかぬということを言っておるわけなんです。
○山田説明員 私どもといたしましては、やはりせっかくここまで努力をいたしまして、実態的にこれをもって被災者の救済措置に充てたい、こういうことで知恵をしぼったわけでございます。そして最大の努力を傾けたつもりでございます。したがいまして、受け取られる方のお気持ちというものを十分そんたくしなければならぬことはもちろんでございます。しかしながら、やはりこの際、でき得れば今後紛争をなくしたい、こういう気持ちでそのお気持ちをお聞きしたい、こういうことでございます。領収書であるという、そういう性質には変わりがないのであります。しかしながらさらによく、現地におきましても、これからその御本人の御意向も承りながら、十分納得ずくでお話をしながら、そういう方向でこの完全解決をはかりたい、かように存じておる次第です。
○瀬長委員 もう一ぺん聞きますが、紛争というのは、何か裁判の手続をとって訴訟するというようなことを紛争というのですか。あなたのいまおっしゃった紛争というのを説明してください。
○山田説明員 そういうことも含めまして、とにかくいざこざがないようにいたしたい、禍根を断ちたい、こういうことでございます。
○瀬長委員 いまおっしゃったことは憲法に触れるんですよ。いかに被災者であっても、いわゆる裁判を起こす権利は国民に保障されているのです。それを、何百万円かの金をぶら下げて、以後もう一切訴訟を起こしませんなどというふうなことを、国ともあろうものが、領収書だけではなくて誓約を、宣誓をさせるみたいなことはやっちゃいかぬと私は思うのです。これは方針として誓約させる方針ですか。
○山田説明員 右の金額を領収いたしました、ついては、自後本件については異議を申し立てません、こういうふうに書くことにいたしたいと思います。これにつきましては、もちろん御意見がございますけれども、それをもって強制的に措置をするという気持ちはございません。十分納得していただいた上でその措置を進めてまいりたい、こういうことでございます。
○瀬長委員 そのただし書きを書かない人には、やらないということですか。以後異議申し上げませんということを書かない人には、金はやらぬという意味ですか。
○山田説明員 そういうかっこうでいま印刷をいたしまして、それぞれの手元に届いております。それにつきまして御相談申し上げたい、こう思っております。
○瀬長委員 私、それを論争する時間がありませんので、希望だけ申し上げておきます。 いまお話があったように、当然見舞い金としてやることをきめたのでしょう。それをただし書きで、以後もう文句言いませんなどといったようなことを、国が被災者に対して強制して書かすということは、これは基本的人権にも関係しますし、いま申し上げましたように憲法で規定されている。紛争じゃないんですよ。異議を申し立てるとか請願をするとか、あるいは裁判を起こすとかいうふうなことは、基本的人権として日本の憲法は認めておる。それをただし書きなどということで縛るということはやってもらわぬように要望して、次に移ります。 あの米軍基地内に軍人、軍属、家族以外の三国人が入り込んでいるという問題について、先月の十四日、沖特委で質問しましたときに、この点について法務省は、十分調査した上でお答えしますと言い、さらに外務省のアメリカ局長は、一般的には軍人、軍属、家族以外は住めないが、ケース・バイ・ケースによるということ、さらに法務省とも連絡しながら調査して回答すると言っておりましたが、最初にその点、調査の結果から一応お答え願いたいと思います。
○竹村説明員 沖繩県から得ました資料に基づきまして、それにさらに私どものほうで入手した外国人登録資料を照合して現在調査を進めておりますが、現在までの一応の調査では、この登録上、基地内を居住地としている者は百十九名おります。これは一応の数字でございますので、さらに入国以来のいろいろな記録の経過を追ってみまして確認をしていきたいと思っております。 現段階では以上のとおりでございます。
○山崎説明員 外務省からもお答え申し上げます。 沖繩県から政府あてに送付のありました要望書を入手いたしましたので、私たちは、一応その沖繩県の資料に基づきまして実態把握につとめたいと思っておりますし、また沖繩県の指摘してまいりました第三国人は、いずれも米軍の施設、区域内に居住しているということでもありますので、実は昨日開催されました日米合同委員会を通じまして、アメリカ側に対して、この第三国人の実態を調査するよう申し入れておる次第でございます。さらに法務省のほうの調査が完成いたしましたら、その点もあわせて米側に伝えまして、実態把握につとめたいと思っております。
○瀬長委員 いま法務省がおっしゃいました基地内におる百十九名は、安保条約や地位協定に基づいて当然基地内に住んでもいいといったような種類のものであるのかどうか、そこら辺はどうですか。
○竹村説明員 登録の記録にあらわれております在留資格を見ますと、ほとんど十六の三といって「法務大臣が特に認める者」となっております。私どもが沖繩県におる外国人を管理する場合、復帰の際に在留資格を付与して在留を認めておる者、それから新しく入国した者とございますけれども、それらの中で、米軍関係者として十六の三という在留資格でおる者は、米軍に雇用されておる外国人及び米軍関係者の親族で、一時訪問者を含めまして沖繩におる者という範疇に入ると思います。
○瀬長委員 いま、一人二人法務省にも出しましたが、われわれの調査では、こういった調査ができておるのです。たとえば韓国人のリー・ジョン・ヒー、これは翻訳業で、FBISに住んでおって、登録番号も全部書かれております。それから中国籍のリュク・ディエンナ、これは職業なし、リュク・シリン・トーマスの妻。それからフィリピン人、ロンディナ・エンリコ・G、これは電気技師で、嘉手納空軍基地に住んでおるとか、それからピンハイロ・マリア・ビビエンネ、これはインド人で、瑞慶覧のAMEXにつとめている。しかも、勤務先はAMEXであるが、ピアースという人の妻の妹、職業は秘書とか、いろいろ調べたらあるんですね。こういったのは一体軍人であるのか、軍属であるのか、その家族であるのか。その範疇に入らない人が幾らでもおるのです。 これは一例を取り上げて申し上げたのですが、この点についてはケース・バイ・ケースと言ったのだが、いまのようなのがすでに出ておる。先月の十四日からもうすでに二十日余りたっております。沖繩の基地では基地内にそういった第三国人が住んで、あとで申し上げますが、脱税に近いような、税金も納めてない、滞納もしているといったような問題なども出ております。これを一体どのように調査をされ、定義するのか。なぜ、いままで二十日間余り、私たちか調査できるのに——政府機関は当然、市町村役場に保管されておる外人登録の原簿、これを公務員として見ることができるわけなんです。そうすれば外務省を通じて、これは、どういう仕事をしているということがわかります。われわれにはできないことでも、政府はできるようにちゃんと法律にも書かれておる。なぜ、いままでそういった具体的なことがわからぬのか、ここら辺は法務省どうですか。
○竹村説明員 いま言われましたような点を現在調査しております。具体的には、登録いたしますと、それを各市町村で記録いたしますけれども、その記録の変遷を追いますと、たとえば在留資格十六の三という者がどういう経過で沖繩県に入ったのか、そしてどういう家族関係でおるのか、どういう職業についておるのか、さらに職業なしと書いておるような者につきましては、私どものほうの資格を付与したときの記録あるいは期間更新を許可した場合の記録、そういったもので追跡していけば、その性格がわかってくると思います。それらの記録をいま集めまして逐一検討しております。十日ほどもあれば全部終わると思いますけれども、そういった実情でございます。
○瀬長委員 外務省としては、基地の内部ですから、アメリカの許可か、相談しないとこれは実際つかめぬと思うのですが、どういうふうな手順でこの調査をするのか、一応答えてください。
○山崎説明員 この問題に関しましては、何ぶんにも外務省は手足を持っておりませんので、その実態を把握しかねていたわけでございますが、今回、沖繩県庁から提供をいただきました資料もありましたので、さっそくそれに基づいてわれわれのほうでもチェックいたしまして、不審の点について現在アメリカ側に照会しておる次第でございます。さらに法務省のほうでも、その沖繩県庁の提供された資料について、さらに独自の調査を進めておられるということでございますから、その調査結果をも伺いまして、さらに必要ならば、アメリカ側にこの点は問い合わせるということにしております。
○瀬長委員 次は、関連いたしますが、アメリカのCIAの一つの機構の中に含まれておるFBIS、このFBISの居住地区に住んでおる一般外国人は六十九人、これは北谷村に住んでおるものとして、これはわれわれの調査ではありますが、FBISは一体何名でその局を構成しているか。さらに、いわゆる国籍別で何名であるのか。仕事は何をするか。すなわちFBISの任務、これを明らかにしてもらいたいと思います。
○山崎説明員 FBISは外国放送情報局、フォーリン・ブロードカースティング・インフォメーション・サービスというものの略でございまして、外国の通常放送の聴取を任務といたしております。これはアメリカの国家安全保障会議の統括下にあるものと承知しております。 沖繩のFBISは、ボロー・ポイントの射撃場に受信施設を持っておりまして、ここに勤務している第三国人は、いずれも嘉手納飛行場内に居住しておるというふうに承知しております。そしてこのFBISは、かつては独立の機関でございましたが、昭和四十六年五月一日以降は、沖繩にあります米軍の一部となっております。 それから、沖繩のFBISに居住しております第三国人につきまして、われわれが照会いたしましたところ、現在勤務しております第三国人は、合計三十七名でございまして、国籍別に申し上げますと、韓国人が四名、インドネシア人が一名、インド人が一名、オーストラリア人、豪州人が三名、タイ人が一名、台湾人が二十七名ということでございます。
○瀬長委員 いま局長の話では、FBIS、これは国家安全保障会議に属しているということなんですか。
○山崎説明員 米国政府の国家安全保障会議の統括下にあると承知しております。
○瀬長委員 それでは、FBISは当然のことながら、日米安保条約六条に基づく日本政府が提供した施設、区域に住めない政府機関の要員であるというふうになります。これは、この前AIDを調査し追及する中で、これは政府機関で、政府機関は基地内に入れてはいかないという結論で退去させられた事例があります。ですから、政府機関であれば当然のことながら、安保条約地位協定に基づいて、いわゆる基地内にあるべき機関ではないというふうに理解されますが、どうですか。
○山崎説明員 FBISは、アメリカの国家安全保障会議の統括下にあるわけでございますけれども、沖繩にありますFBISは、これは米軍の一部になっておるわけでございまして、そしてそのやっておる任務、外国の通常放送の聴取ということは、安保条約の目的に照らしても差しつかえないものと存じます。
○瀬長委員 差しつかえあるかないかわかりませんが、具体的な事実として陸軍の何に属しておるのか。軍人であるのか軍属であるのか、どっちなんですか。
○山崎説明員 沖繩にありますFBISは、米軍の統括下にあるわけでございますから、その責任は軍でございます。ただ、事柄の性質上、そういう第三国人の雇用も必要としているものと存じます。
○瀬長委員 FBISについては、これは四十七年五月二十四日の外務委員会で、外務大臣も、沖繩に施政権が返還されたらこのような任務を持っておるものは除外すべきであると……。 そこで、謀略部隊CIAの一つであるCSG、これはとうとう撤去しましたが、ところがFBISに限って軍に擬装してもぐり込ました事実があります。これは吉野政府委員が「このFBISにつきましても、すでに国会中に御答弁申し上げましたが、昨年の六月一日に在琉米陸軍の一部となるという最終決定が行なわれまして、十月四日にこの手続を完了いたしました。」という、米陸軍の一部になったということをここで発言をし、それに対して松本善明委員は、そういったことを聞いたのではなくて、FBISというのは、いまは安保条約に逸脱するということを外務大臣が言われた、これは社会主義諸国、解放勢力、そういったような民族解放運動や社会主義諸国のテレビ、ラジオその他を傍受し、そしてこれを謀略に使うものである、こういったようなものは当然任務からはずすべきであるというふうな質問をしたことに対するこの答弁であったので、そういうことは聞いていないんだと……。さらに吉野政府委員は「どうも先生の御質問を勘違いいたしまして、はなはだ申しわけございません。依然としてこの傍受の仕事は沖繩においてやっております。」傍受の仕事ですね。これは、いわゆるモニターをやっておるとはっきり言っておるのです。これは五月二十四日ですから、ちょうどその年の五月十五日に施政権が返還された。施政権返還十五日のこの時点で、沖繩は安保条約が同じように施行され、国内法も同じように特別立法のほかは全部施行された。 ですから、外務大臣が特に、これは四十六年の予算委員会でも時の福田国務大臣、外務大臣ですが、復帰しましたら、こういったような機関は置けない、安保条約のワク外であるということを明確に答弁され、それを受けて七一年の外務委員会でこのように答弁が行なわれております。 CIAに属しておるということは、これは当然だれでもわかる問題であります。こういったような謀略機関は、一体他府県の基地にもあるのか、FBIS、これが沖繩だけであるのか、まず、この点だけ答えてください。
○山崎説明員 FBISは、外国の通常の放送を聴取することを任務といたしておりまして、外国の通常の放送は民間人でももちろん聴取できるわけでございますが、ただ、それを系統的に聴取しておるというだけのものでございまして、われわれとしては、そういう謀略的なものであるというふうには考えておらないのであります。 それからEBISは、いまおもにございますのは、沖繩にありますボロー・ポイントの射撃場内のものでございますが、それ以外には北海道にありますキャンプ千歳にございます。それから在京米国大使館にもございます。
○瀬長委員 大臣にお願いいたしたいのですが、これは四十六年十月二十九日の予算委員会での福田外務大臣の答弁であります。質問は「そうすると、現在のこのFBISの活動は、安保条約のワク外になるというお考えでありますか。」なんですが、これに対して福田国務大臣は「沖繩にある米軍は安保条約並びにその関連法令の制約を受けておりませんものですから、そのワク外にある、かように考えてよろしゅうございます。」という答えであります。 木村外務大臣、いまでもそういった考えですか。それとも、いやFBISは入れてもいいんじゃないか、加えてもいいんじゃないかというお考えであるのか、まず、これを確かめた上で次に進めたいと思います。
○山崎説明員 FBISが過去においてどういうふうな系統に属しておったかということは、復帰前のことに関しましては、われわれも必ずしもつまびらかにいたしておりませんが、現在におきましては、沖繩復帰後におきましては、先ほども申し上げましたように、アメリカの国家安全保障会議の統括下にございますが、沖繩におきましては、米軍の一部をなしておりまして、しかもそのやっておることば、先ほどから申し上げておりますように、通常の放送、だれでも聞ける放送を聴取しておるということだけでございまして、われわれとしては、これについて安保条約との関連云々という問題は何ら問題ないと思っております。
○瀬長委員 私は、大臣に聞いたんですよ。福田外務大臣はこう言っておるが、大臣もそのようにお考えであるのかどうか。FBIS、これは当然のことにCIAの一環であります。こういったものは、安保条約のワク外にあるという理解なんです。
○木村国務大臣 福田外務大臣がお答えしたころは、まだ復帰前の状態であったと思います。その後このFBISなるものは、軍の機関に移管されたと、こう聞いております。軍の機関に移管された以上は、当然日米安保条約の地位協定に基づきまして、その施設、区域内にこれが存することは決して違法ではないと、こう考えております。
○瀬長委員 軍の機関に移管されたということは、アメリカの何か公文書でもあるのかどうか、はっきりそれを証明する文書がありますか。
○山崎説明員 これは、わがほうがアメリカ側に問い合わせた結果でございまして、この点は先ほども御指摘がございましたが、四十七年五月二十四日の衆議院の外務委員会におきまして吉野政府委員から、昨年の六月一日、昨年といいますのは四十六年でございますが、四十六年の六月一日に、在沖繩米陸軍の一部となるという最終決定が行なわれて、十月四日にこの手続を完了したということを答弁いたしておるわけでございます。
○瀬長委員 外務大臣に理解を深めるためにお見せしたいのは、これは最初にUSガバメント、アメリカ政府と書かれて堂々と基地内にあった。二番目は、沖繩国会で指摘されて看板をはずしました。この写真です。これは、いまさっき局長がお答えになったUSアーミーに看板をかえてからのもので、いまでもこれが同じようなところにかかっております。 それで、話を進めますが、アメリカがこれは米陸軍の機関でありますといってみたところで、信用することのできぬデータがたくさん出ておるのです。ここに住んでおる人は、いわゆる一般外国人、アメリカを除いて六十九人もFBIS居住地区、北谷村に住んでおる。これは、もう登録されておるのです。これは、はっきり出ております。これは軍人でも軍属でももちろんない。これは電話番号簿です。これは全部ミスターです。軍人でもない、軍属でもない、何でもない一般人。これはFBIS名簿、沖繩の軍専用の電話番号、これに全部、中身はそういった軍人ではないということが明らかにされておるのです。陸軍の一部であるからといって、どこに一体、そういったような文書でもない、ただアメリカと話し合った——陸軍に編入したのだと、もちろんそう答弁しています。だが、内容はそうではないということなんです。具体的には依然として、吉野政府委員がはからずも答弁したように、そういったモニターを中心とする情報活動をやっております。これは復帰が十五日ですから、二十四日の外務委員会での答弁なんだ。相変わらず一貫して同じことをやっておる。 これは皆さんすでに御承知でしょうが、このCIA機構がはっきり出ておるのです。いわゆるCIAファミリーなんでしょう、よく田中ファミリーとかありますが。これがこの中にはっきり書いてあるのです。これは、「宝石」という雑誌の一月号なんですが、これには「CIA帝国の内幕」ということで問題が提起されておりますが、この中にもありますように——外務省でありますから、われわれよりもよくアメリカのことは御存じであり、アメリカ局長はアメリカに長いことおられ、考え方もアメリカと同じようになっているかどうかそれは別として、外務大臣もアメリカを非常に理解されておると思います。 そこで、この本ですが、見られたと思うのですが、これは、もとCIAにつとめていた高官の内部告発の書として出されたものなんです。陸軍じゃないのです。また陸軍を全部調べましたが、陸軍の機構の中に、こんなFBISなどというものはないのです。この本の中には「FBIS(海外放送情報サービス)=世界的なラジオ・テレビ・モニター・システム」ということが書いてあって、この本の六八ページから六九ページにかけて、CIAの機構図が全部載っております。さらにFBISの主たる任務も明らかにされております。決してあなたの言う軍の一般的なものをやっているのではない。「CIA自身の「海外放送情報サービス」は毎日、香港、パナマ、ナイジェリア、キプロス、サンフランシスコをふくむ、さまざまの場所にある一ダース以上の傍受点から世界中の公開のラジオ放送をモニターしている。」「FBISの成果を役立てる三つ目の方法がある。」という例を書いて「CIAによって集められる情報の大部分とはちがって、FBISによってモニターされたプログラムは米政府内や報道陣、学界の中の特定の購読者たち」にも流されるが、これが全部色づけをされて「極東は黄、中東・アフリカは青、ラテンアメリカは桃色等々。」と書き「FBISは、中国本土のほんとうの反革命組織からの放送原稿にそって台湾のCIA秘密ステーションから実際に流されているプログラムのテキストを、しばしばモニターし、またそれを流したものだ。」このCIAは、御承知のようにチリ反革命を組織した、あるいはポルトガル、インドあたりにも潜行しておるということが新聞にも出ておりまして、このCIAの一族であるFBISを沖繩の基地に置くということが、いかに日本の安全、さらにアジアの平和のために逆行しておるかということは、この内部告発でもはっきりしておるのじゃないか。 私は、これに対して何ら具体的に米陸軍の一部であるという実証もないまま、ちょうど核持ち込みと同じように、はっきりさせないで疑問のまま残しておくと同じように、このFBISをそのまま残しておくこと自体が、安保条約のワク内にも沿わないというふうに考えるのですが、外務大臣、これに対してどうお考えであるか、はっきりさせてください。
○木村国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、昭和四十六年六月一日からもうすでに米軍の一部とされております。しかもその任務が、通常放送の聴取を任務としております以上、私は、日米安保条約の各規約に照らして、これは決して問題にするに足りないと思っています。
○瀬長委員 そうしますと、当然このFBISは、普通の陸軍、海軍、空軍や海兵隊、軍属と同じように税金は全部免除されておるのですか。これをはっきりさせてください。
○大竹説明員 お答え申し上げます。 安保条約に基づきますいわゆる地位協定の中で、米国の軍人あるいは軍属及びその家族の免税につきましては、十三条の二項に規定がございます。具体的に申し上げますと、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、これらの者が合衆国軍隊に勤務し、または合衆国軍隊もしくはこの協定の第十五条に定めておりますような機関がございますが、その機関に雇用された結果受ける所得については、日本国の租税を納めなくてもよろしいという規定になっておるわけでございます。 したがいまして、このFBISに勤務する職員が、これらの軍隊の構成員であるか、軍属であるかということは、その事実関係によってきまるわけでございますが、この定義によりますと、合衆国軍隊の構成員といいますのは「合衆国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員で現に服役中のものをいう。」とされております。それから軍属といいますのは「合衆国の国籍を有する文民で日本国にある合衆国軍隊に雇用され、これに勤務し、又はこれに随伴するもの」という規定になっておるわけでございます。したがいまして、FBISの職員がこの要件に合致するものであるならば、この地位協定の適用上、税金は課されないということになるわけでありますし、もしこの要件に合致しないということであれば、税金は課税されるということでございます。
○瀬長委員 事実はどうなっていますか、FBISの国税それから市町村民税。
○篠原説明員 お答え申し上げます。 ただいまのところ、私ども調べましたところによりますと、FBISに従事しております第三国外国人であるか、アメリカ人であるかはつまびらかではございませんが、外国人の給与所得からの源泉が徴収されて沖繩税務署に納付されております。その数は、先ほど調べましたところ、約四十名と承知いたしております。
○瀬長委員 そうすると、これは軍人、軍属、その家族の取り扱いはしておらないということになりますか、どうです。軍人、軍属、家族であれば、税金を納めぬでもいいわけでしょう。
○篠原説明員 私どもの沖繩国税事務所の調査によりますと、約四十名から給与の支払い者が源泉徴収いたし、それを納付しております。したがって、先ほど国際租税課長が申し上げました説明にもありますとおり、一般の業務に従事する外国人と扱われているものと承知いたしております。
○瀬長委員 時間がございませんが、この問題は相当詰めなければ、まだ結論が出ておりませんが、しかし税金の話を持ち出したのは、読谷村長がFBIS局長あてに税金を納めろということを要求しております。これに対してことしの五月十日付で返事が来ている中で「日米政府間諸協定が各従業員の税金を互恵の立場から免除しているものと了解していた。従ってわれわれは、貫殿の請求をワシントンに回送し法的裁定をもとめていた。両国政府は協議の結果、在日米軍FBISの米国籍従事員にたいしては、日本の税金の免除が適用せられること、しかし、当事務所の第三国人は日本の税金の納税者たるべきことに合意した。」というようなことで、市町村民税は第三国人は払えということを言っております。これを払っていない事実は、村長に問い合わせたら、はっきり払っていないということを言っております。 問題にしたいのは、いっこういった日米合同委員会が開かれていたのか。だから当然のことながら、これがいま局長や外務大臣が言ったように、返還後すぐアメリカの機構の中に入ったとするならば、税金の問題は問題にならぬはずであるにかかわらず、これが問題となって、たまたま一九七四年、もう三年になります。これについては一言あとで、いろいろ問題が起こりますので、追及しますが、時間がありませんので、この日米の協議というものがいつなされたのか、これをお答えください、どうもこれは国税庁は関係がわからぬようですから。
○山崎説明員 お読みいただきました中身に書いてありますことは、私としては当然なことだと考えております。軍属でありますれば、これは地位協定の関係規定に基づいて免税になるわけでございますが、その軍属というものは、地位協定の第一条の定義によってアメリカ人に限られております。したがいまして、第三国人たるFBISの要員は、軍属とはなり得ないわけでございますから、そういう地位の人に対しては、地位協定上の特権免除はないわけでございます。したがいまして、当然これは日本法令の適用を受けて税を払うべきものだと思います。 この問題に関して、そういう特定の合意をある時期においてやったかということにつきましては、私は承知しておりませんが、私は事理の当然としてそういうふうに取り扱わるべきであると考えております。
○瀬長委員 これは返事になっていないのです。いっその協議をやったかということの答弁はないのです。実はここへ出る前に、国税庁の皆さんからも話を聞きましたが、そのようなことは聞いておらないのです。 ですから、基本的な問題は、FBISが事実陸軍の一部であるかどうか実に疑問であると同時に、これは、どうもやはりCIAのファミリーだといったような結論にしかならない。いま局長が言ったようなことでも、いつごろそういった日米協議委員会あるいは日米合同委員会が開かれてやったかということすらわからぬ。ただ推定だということになっては、このような謀略機関、外国の政府を転覆するというふうな謀略機関の一部が日本におるというこの事実、これは非常に重大でありますので、保留して次の委員会でさらに質問を続けることにいたしまして、質問を終わります。
○小宮山委員長 代理 鈴切康雄君。
○鈴切委員 ラロック証言以来、日本国民の中にたいへんに核の疑惑が高まっています。しかもラロック証言は、核の積載可能な米軍の艦船においては、日本及び世界の各国に寄港する場合、決して核をおろしていないのだということであるならば、日本の国にも核が持ち込まれたと、そのように疑惑を持つのは当然であります。 〔小宮山委員長代理退席、加藤(陽)委員長代理 着席〕 そういう中から国民の疑惑を解明するために、私ども公明党も核プロジェクトチームを編成いたしまして、そして精力的にこの問題を実は検討もし、取り組んでおります。そういうことから申し上げますと、私ども核の疑惑はますます濃厚になってきているということを、まずもってここで申し上げたいわけでありますが、本日は時間の関係もあり、具体的な問題は次回に延ばすということにいたしまして、きょうはオーソドックスな問題で、一応核の問題について御意見をお聞きしたい、このように思う次第であります。 そこで、ラロック証言が行なわれました米上下両院原子力合同委員会の軍事利用小委員会の委員長であるサイミントン議員は、その委員会で、一九七二年に韓国を訪問した際、核兵器の施設をたずねた、米国では秘密とされているかもしれないけれども、韓国では秘密でも何でもないと公然とそのように述べられております。状況判断からいたしまして、当然私は韓国に核兵器があるということについてはもう間違いない、そのように思っているわけでありますが、政府は、この韓国に核兵器があるかどうかという推測については、どのようにお考えになっておりましょうか。
○山崎説明員 わが国外にあります核兵器の所在に関しましては、残念ながらわれわれとしては情報を特ち合わせておりません。
○鈴切委員 ラロック証言においても、たとえば韓国、トルコ、ギリシア、西独というところには、もう核があるのだということについて、そのためにラロック証言の言うならば意義、存在があるというふうにラロックさんは言ったわけでありますが、そういうことにおいて、全然核兵器が韓国にないのだ、あるいは韓国はどうなんだかわからないというようなことだとすると、これは、たいへんなことなんですが、外務省でわからなければ防衛のほうの関係の防衛局長、その点について防衛局長は、あらゆる分析のもとに韓国に核があるということは、サイミントン委員長がその施設をたずねたということをアメリカで発言をしているわけでありますから、当然あなたは防衛局長として、世界のあらゆる国にいかなる核があるというぐらいまでやはり調査をしておらなければならない立場でありますから、そういう意味において、どのように御判断をされておりますか。
○丸山説明員 まず前提といたしまして、御案内のように、アメリカが最高のポリシーとして、核の存在については、その存在を確認も否定もしない、こういう方針を貫いておりますので、私どもとしては、よくその実態をつかむということは、なかなかむずかしいわけでございます。ましてや戦術核につきましては、御案内のラロック提督も、戦術核については全く知識がないということを証言の中で言われておりますので、はっきり申しまして、結論的に申しますと、在韓米軍にどういった核装備があるかという点は、私どもとして申し上げられない事情にございます。 ただ、核装備能力についてはどう考えるかということでございますが、これにつきましては、まず陸軍でございますが、陸軍には地対地のミサイルがございます。サージャント、オネストジョンというのがございますが、これは非核両用でございます。核能力がございます。それから第三八防空砲兵旅団というのがございますが、これはナイキハーキュリーズを持っております。このナイキハーキュリーズも、御案内のように非核両用でございます。それから空軍につきましては、第五空軍麾下の三四航空師団司令部がございます。その下に第八戦術戦闘航空団がございますが、これはF4が主装備でございます。また第五一混成航空団も同じくF4でございます。これも御案内のように、核装備可能な航空機であるということでございます。
○鈴切委員 私が聞いているのは、核があるかどうかという問題でありまして、要するにラロック証言の中にも、御存じのように、もし韓国で暴動等が起こった場合、核がとりこになるということ、これを非常におそれている、そういうような内容等もありますし、またサイミントン委員長は、私は韓国の言うならば核の施設を見てきた、アメリカでは秘密であるかもしれないけれども、そんなことはもう秘密でも何でもないのだ、こういうふうなことを言っているわけですから、私は、そういうことからいうならば、当然核は韓国にはあるであろう。日本の国だって沖繩に、かつて施政権返還前は核があったということは、もう常識的なことじゃないですか。それに対して言えないということないじゃないですか。外務大臣、その点どうでしょうか。
○木村国務大臣 先ほどからお答えしておりますとおり、どうも外国における核の所在について、政府からコメントする立場にはない、御了承願います。
○鈴切委員 しかし政府は、韓国条項を日米両国政府で合意をしておられますね。韓国の情勢に重大な関心を抱いておるし、その限りにおいて政府は、韓国における米韓の軍事情勢にも重大な関心が持たれてしかるべきではないか、私はこう思うわけであります。そういうふうないわゆる情勢分析に立たないで、防衛というものが成り立つはずがありましょうか。そういうことを考えるならば、当然——サイミントン委員長も、そういうふうに委員会でおっしゃっているんです。ラロックさんだって、そのことを心配しているというふうに言われているのです。となるならば、他国のことであるから核のことについては全く存ぜず、知らぬというわけにはいかないじゃないですか。その点について、少なくとも韓国には核はあるだろう、そういう常識的なことば、国民の前に明らかにしてしかるべき問題じゃないでしょうか。その点について、もう一度御返答願います。
○木村国務大臣 政府の立場で推測を申し上げるのは、どうも口はばかりがあるという意味で申し上げたわけです。
○鈴切委員 それじゃ、サイミントン委員長が委員会でそのように言われたことについて、確かめて御返吝いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山崎説明員 それは、何月何日の委員会で言ったのかお知らせ願いたいと思います。
○鈴切委員 それでは、それがはっきりすれば調べていただけますね。
○山崎説明員 その事実についてはお調べいたします。
○鈴切委員 韓国に核が置いてない、そういうことはもう常識的には考えられないのです。実際にラロックさんも、そういうふうな問題があるからこそ、こういうことを提言したのだということを言われている以上、当然韓国に、それは戦術核かあるいは戦略核かは別としまして、いずれにしても核はある、核はあるからこそその核について、もしも暴動が起きてアメリカ軍が非常に警備が手薄であるがゆえに、結局とりこになってしまうとたいへんなことになるのだということをラロックさんが言ったわけでありますから、まずもって、そういうことから言うならば、韓国において核があるということは、もうサイミントン委員長が委員会でそのように言ったこともあわせてある、そういう断定に立ってこの話を進めていかなければ、ただ、おたくのほうは核があるかないかはわかりません、あるいは他国のことであるから全然わからない、こういうことでは論議にならないわけでありますから、そういう、言うならばあなたのほうでは仮定でありましょうが、仮定であるにしてもいずれにしても、この問題はある程度重要な問題になってまいるでありましょうから、御質問を申し上げたいというふうに思います。 韓国に駐留する米国の軍隊は、いわゆる国連軍であると私は理解をいたしますけれども、政府はどのように理解をされておりますか。在韓国連軍と在韓米軍とを区別することができるか。区別するとするならば、どのように区別されるか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
○鈴木説明員 在韓国連軍は、御承知のように一九五〇年の三つの安保理決議に基づきまして、国連加盟国が提供した兵力を米軍のもとにある統一司令部のもとに結集したものでございます。したがいまして、安保理決議に基づく国連軍というものが一つございます。それから一九五三年、休戦協定ができました年の暮れに、アメリカと韓国との間に相互防衛援助条約ができまして、その条約に基づきまして、アメリカの韓国におります在韓米軍というものの地位がはっきりいたしたわけでございます。すなわち、国連軍のもとにある軍隊につきましても、二国間協定に基づきまして、必要に応じ、国連軍の資格を持たない在韓米軍というものがあり得るということになったわけでございます。
○鈴切委員 いわゆる在韓国連軍は、国連の安保理事会の許諾なしに、自由裁量によって核兵器を持つこと並びに使用するということは許されていないと私は思いますし、また、それは違法であると判断しますけれども、政府はどのようにお考えになっていますか。
○鈴木説明員 先ほど申し上げました三つの安保理の決議の中の一つに、国連軍統一司令部のもとにとられた行動の経過については、安保理に報告するということが求められておりますけれども、その他の点につきましては、ただいまお話にありましたような国連軍構成部隊の装備の問題、その他を含めて特に規定はございません。したがいまして、安保理の承認が要件になっているというふうには考えられません。ただ在韓国国連軍司令官の指揮下にある米軍が、仮定の問題としまして核を持ち込もうというようなことがあった場合には、これはわが国の非核三原則あるいは日米安保条約に基づく事前協議の原則によって対処されるべき問題ではないかと考えております。
○鈴切委員 いや、私はそのことを聞いているわけじゃないのです、いま韓国の質問をしているわけですから。合衆国のもとにある統一司令部及び統一司令官の一存によって核兵器の持ち込みができるようになっておりましょうか。
○鈴木説明員 安全保障理事会の関係決議のテキストを見る限り、いま先生御指摘の点については、何も触れてございません。
○鈴切委員 イギリスの海軍に所属している軍艦は、核を搭載しているかどうかということ、どうですか防衛局長さん、その点はどうでしょうか。イギリス……。
○鈴木説明員 国連軍司令部との関連における英軍という観点での……。
○鈴切委員 いや、違う、違う。話は別。
○丸山説明員 イギリスの海軍の所有しておりますポラリス潜水艦、これが核装備をしているというふうにいわれております。
○鈴切委員 イギリスの海軍に所属している軍艦の中で、ポラリス潜水艦は核を搭載している。これは文献によって明らかでありますから、私もそのとおりだと思います。 そこで、その核搭載の軍艦が、国連軍として、国連軍の地位協定に基づいて日本で使用を認められている基地、たとえて言うならば、横須賀に入る場合は、事前協議はどのようになりましょうか。
○山崎説明員 これは昭和三十五年一月十九日付で結ばれました岸総理とハ一ター国務長官との間の交換公文の規定に従いまして、当然事前協議の対象となります。——失礼いたしました。ただいま申し上げましたのは、国連軍としての米軍の場合でございます。
○鈴切委員 米軍のことを言っているのじゃない。
○木村国務大臣 英国の軍隊につきましては、吉田・アチソン交換公文、それによりまして、日米安保条約に従って行なわれるとりきめによって規律する、こういうことになっておりますから、国連軍に属する英国の関係といえども、やはり事前協議の対象になると思います。
○鈴切委員 それは、たいへんおかしな話であって、言うならば国連軍に所属している米軍であるならば、それは日米安保条約の準用を受けるわけであります。ところが、イギリスの軍艦が、いうならば国連軍の地位協定に基づいて日本で使用しているところの、たとえて言うならば横須賀等に入ってきた場合に、事前協議があるかどうかという問題はどうなんですか。
○松永説明員 御質問の、英国の軍艦が国連軍としまして、かりに日本に核装備を持ち込んでくる場合にどうなるか、その場合に事前協議の問題はどうなるかという御質問だろうと思います。実は御質問のような事態というものは、現実的には全く考えられないことだろうと思います。現在、英国の軍艦が在韓国連軍の構成部隊として派遣されておるという事実も全くございませんし、おそらくそういう事態というものは、将来にわたっても起こることはあり得ないだろうというふうに考えます。 ただ、純法律的な観点から申しますれば、英国の軍艦が核装備をして日本に入ってくる場合に、事前協議について入ってくる場合の取りきめというものはございません。それが現実の状態でございます。
○鈴切委員 あなたは仮定の問題について、そういうふうにないとおきめになっているわけですけれども、しかし実際に、事前協議制という問題から言うならば、イギリスの核の搭載可能な艦船もあるわけですから、それが入ってくる場合、全然事前協議というものはないわけですね。だから、日本の国に核を持ち込まれたって、どうにもならぬじゃないですか。事前協議も何もないんですよ。それに対して何か手を打つ方法はありますか。
○松永説明員 その点につきましては、いわゆる国連軍地位協定というのがございます。国連軍地位協定の第四条でございます。第四条の規定によりまして、御指摘のような場合、すなわち、かりに英国の軍艦が日本の港に入ってくるという場合の規定をそこに設けているわけでございます。その第四条の規定を受けて、英国の軍艦が日本に入ってきます場合には、同じ協定の第二十条に想定されております合同会議というのがございます。その合同会議で合意されるべき条件に従って入ってくるということになっております。 したがいまして、現実の問題としては全く考えられませんけれども、将来万一、そういうような状態が出てまいりました場合は、その合同会議において、その問題についての処理が取りきめられることになるであろう、こういうふうに申し上げることができると思います。
○鈴切委員 第四条から第二十条のその問題の関連を説明してください、第四条から第二十条云々というお話がありましたね。ですから、事前協議というものを、要するにやるのかやらないのかという問題なんです、こういう問題は。事前協議があるかないかという問題なんですよ。事前協議はないんでしょう。事前協議がないわけです。
○松永説明員 先ほど申し上げましたごとく、御指摘のような場合について、事前協議を適用するという取りきめは現在ございません。第四条の規定に従って入ってまいります場合に、合同会議において合意されるべき条件に従うということを申し上げましたのは、国連軍地位協定の第四条に関します合意議事録がございますが、この合意議事録で第四条の「2に関し、1に掲げる船舶及び航空機、国際連合の軍隊及び軍属用の公用車両、同軍隊の構成員、軍属及び家族並びにこれらの者の車両は、また、合同会議を通じて相互間の合意によって決定される条件に従うことを条件として、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基いてアメリカ合衆国に提供されている他のすべての施設及び区域に出入することができる。」云々という規定がございます。でございますから、私は全く想定の問題として申し上げるわけでございますけれども、そういう事態がかりに考えられるような事態が出てまいりました場合には、おそらくその場でそのときに応じまして合意がなされるであろうということを申し上げているわけでございます。
○鈴切委員 その準用するものについては、要するに、アメリカ合衆国の、いわゆる国連軍については、日米安保条約のワク組みの中に入るのだ、こういう意味でしょう。ですから、国連軍の中にもイギリスとかいろいろ十五カ国あるわけですよ。そういう場合に、そういう国連軍がもし入ってきた場合において、はたして事前協議、いま私が一つの例を申し上げましたけれども、イギリスのような場合において、はたして向こうのほうで事前協議にかけてくるかということになると、全くそんなことはないじゃないですか。あなたは、そういうことばいままでもなかったし、これからもないと、そのようにきめてかかるわけですけれども、条文的な上から言うならば、事前協議はないのだ、そういうふうに私は判断するわけなんですが、それで間違いありませんか。
○松永説明員 事前協議に関する取りきめが行なわれていないということは事実でございます。ただ、なぜそれじゃ行なわれていないかと申しますならば、それは現実にそういう場合が予想されないということからであろうと思います。したがいまして、将来万一、そういうような事態が予想されるような段階と申しますか状態、事態が出てまいりましたならば、そのときに応じてそういった種類の取りきめなり合意がなされるでありましょうということを申し上げているわけでございます。
○鈴切委員 万一、そういうことがなされることはないであろうという推測で、そしてすべてを処理されたらいけない。少なくともこういう問題については、核を日本の国へ入れないということであるならば、絶対にそういうふうなところまで細分にやはり外務省としては検討しなくちゃならない問題でしょう。それに対して外務大臣どう思いますか。もし万が一がないといったって、イギリスは国連軍のいわゆる地位協定に基づいて、日本の国の横須賀に入ることはできるのです。しかも核を搭載しておっても、事前協議にかけなくたって入れるのですから、そういう場合、こういうふうなことについて、やはり外務省として、もう少しすべて先のことまで検討しながら、日本の国の非核三原則を守るという、こういう考え方でなくちゃならぬと思うのですが、その点どうでしょうか。
○木村国務大臣 先ほど私が答弁いたしましたのは、国連軍に属する米軍艦艇の誤りです。先ほどのは、これを訂正いたします。 条約的に考えますと、そういう場合に明確な事前協議のあれはございません。結局、これは一つの無害航行というものにかかわってくるのではないかと思います。したがって、わが国は国会決議をいたしまして非核三原則を確立しております。また同時に、わが国の変わらざる政策として非核三原則を持っております以上、当然これは無害航行という点でこれをチェックすることができる、こういうような考え方があるかと思います。
○鈴切委員 無害航行だからといって、核を積んできて日本の国へ入れていいですか。
○松永説明員 たいへん恐縮でございますけれども、先生が御指摘になられましたごとく、英国の軍艦は、国連軍地位協定によりまして日本の施設、区域に入ってくることができるということが、国連軍地位協定に定められているわけでございます。ただし、その入ってきます場合に、私が先ほどから申し上げておりますのは、この第四条に関する合意議事録がございまして、合同会議で合意されるべき条件に従うということが書いてあるわけでございます。したがいまして、現実の問題としまして、もしかりにイギリスの軍艦が日本の港に入ってくるようになるという場合においては、どういう条件に従わせるかということは、合同会議において合意されることになるわけでございます。その場合、当然のことながら、日本政府といたしましては、非核三原則というものがございますから、かりにも核装備をして日本に入ってくるというようなことにつきましては、全くこれを拒否するという態度をとるでありましょう。そのことは私は、この席において申し上げることができると思います。ただ、現実にはそういう場合が想定されませんから、いまそれに関する取りきめはない、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○鈴切委員 先ほど大臣が言われたように、無害航行であるならば、イギリスの核搭載の艦船が横須賀に入ってもいいなんて、そういうことはありますか。
○松永説明員 大臣が申されましたのは、おそらく一般論としまして、国連軍協定や何もない場合でございますが、外国の軍艦が日本の港に入ってくるときに無害航行その他の関連から、どういう問題が出るかという観点から御説明なされたのだろうと思うのでございます。これは一般国際法上、外国の軍艦が日本の港に入ってきます場合には、当然、日本国の事前の同意を求めることが必要であることは申すまでもないことでございます。したがいまして、もしかりに核装備をした外国の軍艦が日本の港に入ってくるというような場合においては、その政府の同意を求める段階において処理されるべき問題であるということは申し上げられると思います。
○鈴切委員 では、もう一つお聞きしましょう。 ソ連とイギリス——まあソ連とイギリスと名前をあげましたけれども、ソ連でもよろしい、それからイギリスでもよろしい、核搭載軍艦が日本に表敬訪問をする場合、日本政府の態度はどのような態度をなされますか。
○松永説明員 一般論として外国の軍艦が日本に表敬訪問あるいは親善訪問というような形で入港してくるということについては、あらかじめ日本政府の同意を求めてくるわけでございます。したがいまして、これに同意をするしないということは、そのときの政府の政策的な見地から決定が下されるであろうと考えます。
○鈴切委員 いわゆる日本に表敬訪問する、そういうことに対して核搭載軍艦がもし入ってきた場合に、日本の政府としては、そのまま表敬を認めるか、あるいは核搭載軍艦に対して、それは困るとお断わりになるのか、あるいは核をおろして来てくれ、こういうふうにお申し込みになるのか、その点はどういう態度なんですかとお聞きしておるのです。
○木村国務大臣 その目的がたとえ表敬にいたしましても、これは拒否いたします。 先ほど申しました私の無害航行の件は、その場合には、先ほど条約局長から説明いたしましたとおり、無害航行と認めない、したがって、これを拒否するという意味でございます。
○鈴切委員 フォード大統領は来日に際して、核に対する日本国民の特殊な感情を理解すると述べられておりますけれども、日本政府はフォード大統領のこの理解という問題について、外務大臣並びに総理大臣はどういうふうに受け取っておられるのでしょうか。理解という問題は、どうもいろいろ幅が広いわけですから、少なくとも理解という問題について、外務大臣としては、もうこうなんだとはっきりその理解についての定義をひとつ申し述べていただきたい。
○木村国務大臣 フォード大統領並びにキッシンジャー国務長官に、わが国民の核兵器に対する特別の感情ということを、いろいろ例をあげて説明いたしました。もちろんその中には、ラロック発言から後のわが国の国内世論の高まり、またはそれについての波紋等を詳しく説明いたしまして、その理解を求めたわけでございます。
○鈴切委員 だから、その理解の受けとり方と、それからもう一つは、合意のしかたなんですが、外務大臣がおっしゃっているその理解の内容も、まだ非常にあいまいなんですが、日本国民の感情を理解するから核兵器を無断で持ち込まないというのであるか、あるいは日本国民の感情は理解するけれども、核戦略の上で無断で持ち込みもあり得るというのか、その点はどうなんでしょうか。
○木村国務大臣 申すまでもなく、その理解の上に立って、それに違背するような行動はやらない、これはたびたび米政府が確言しておることでございますが、特にそれについて最大限の配慮を払う、そういう意味でございます。
○鈴切委員 それではもう一度お聞きしますけれども、結局は核戦略の上で無断で持ち込みは絶対にないのだ、アメリカの核戦略の上においても、日本の国においては絶対に無断で核の持ち込みはしないのだ、もうそのようにはっきりとおっしゃったというふうに理解してよろしゅうございますか。
○木村国務大臣 そのとおりに御理解願いたいと思います。
○鈴切委員 先ほど領海の問題で問題になりましたから、その点を少しお聞きしておきたいと思うのですけれども、領海十二海里となった場合、宗谷、津軽、対馬等のわが国の領海となる海域の核兵器搭載艦船の通航と非核三原則の関係でむずかしい問題が提起をされております。政府は、再三にわたって、核兵器搭載艦船のわが国領海の通航は事前協議の対象であり、そういう申し出があった場合は、通航を拒否するといってこられました。 ところが最近、外務大臣の言動が突如として動揺し始めているような、そういうことばに変わってきております。それは去る十四日の外務委員会では、非核三原則は国是であって、この原則が不動であることを言明されました。ところが、翌日の十五日の国際問題研究所主催の講演会では、この原則の堅持が困難であることを述べられました。この十四日と十五日の二日間に、外相の態度は大きく変動しているように思われます。われわれ非常に理解しがたいわけでありますが、その理由をお聞きいたします。
○木村国務大臣 特に私の考え方に変化があったわけではございません。したがって、非核三原則、これはわが国の国是としてこれを堅持するということには変わりございません。 ただ問題は、将来、来年五月にもし海洋法会議の結果、領海の範囲がたとえば十二海里に拡大するという場合には、すでにわが国が堅持しております非核三原則が、それによって一体どういう影響があるであろうかということを考えた際に、また新しい一つのレジームができるわけですから、その際には、それに対応して非核三原則をどう適用するかということは、これは国会決議にもなっておりますし、また、その際には新しい海洋法ができるわけですから、これを国会の審議にもお願いすることになりますので、その際にいろいろ慎重に検討していきたい、こういうことを述べたわけでございます。
○鈴切委員 確かに来年の海洋法会議において領海十二海里が決定し、したがって、二十四海里の海峡が領海となって、この海峡の通航は自由通航ということになった場合、日本政府はその新海洋法条約に無留保で署名をされるか、あるいは日本政府としては条件をつけられるおつもりなのか、その点はどうでしょうか。
○松永説明員 これは、まだ現在一般論の段階でしか申し上げることはできませんけれども、国際的な条約ができます場合に、留保して参加するということは、政府としては望ましくないと考えております。
○鈴切委員 それじゃ、条件も全然おつけにならないで認めるということになりますか、結論は。
○松永説明員 一般論といたしましてはそのとおりでございます。
○鈴切委員 そうしますと、非核三原則との関連はどうなんですか。
○松永説明員 その点につきましては、先ほど外務大臣がお述べになられたように、新しい海洋法の制度のもとで、いわゆる国際海峡がどういう国際法上の地位を認められるか、まだいまの段階ではわからないわけでございます。その国際的な地位がどういう形になって制度化されるかということによって、問題を慎重に検討してまいりたいということを申し上げているわけでございます。
○鈴切委員 問題を慎重に検討してまいりたいといっても、いまあなたは、もし来年の海洋法会議において領海が十二海里になった場合、それは全く留保するということはむずかしいし、留保をしません、そうおっしゃっている以上は、非核三原則とのからみ合いが出てくるわけであります。それを全然たな上げにして、いわゆるこの条約に判をお押しになるのでしょうか。いわゆる非核三原則は国是だとおっしゃっているわけです。国是である非核三原則に対して、あなた方は要するにそれを無視して判こをお押しになるのですか。 〔加藤(陽)委員長代理退席、小宮山委員長代理 着席〕
○松永説明員 先ほど大臣が申されましたように、でき上がりました国際条約については、おそらく国会に提出しまして御承認を得た上で、日本としまして締結する手続を進めることになるだろうと思います。でございますから、その点につきましては、その段階で十分国会で御審議いただくことになるだろうと思います。 そこで、私は先ほど一般論としてということで申し上げたわけでございますけれども、国際的な条約が成立いたしますときに、留保をする国が多くなればなりますほど、その条約は成立の意義を失うわけでございます。なかんずく、その留保というものが、その条約の実体的な内容について触れてまいります場合には、特にしかりであるということが言えると思います。また、一般の問題につきまして、その条約で留保を求めるかどうかということ自体、国際的な会議において議論されるだろうと思いますので、いまこの段階で確定的にこうだああだということを申し上げるわけにまいらないことを、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○鈴切委員 日本の国は、ほかの国とちょっと違うでしょう。日本の国はほかの国と違う。非核三原則は外務大臣は国是だとおっしゃった。となるならば、ほかの国がいわゆる留保をするということならば、あなたがおっしゃるとおりでありますけれども、日本の国が、国是だと言われる非核三原則に対して、それに留保をつけることもできない、言うならば条件もつけることができないということは、みずから国是と言っていながら、三原則を政府みずからがくずしていくようなかっこうになるのじゃないですか。この点は外務大臣はどうですか、おかしいじゃないですか。
○木村国務大臣 海洋法会議がどういう結末になりますか、ソ連あるいはアメリカがあくまで自由航行を主張しますか、そういういろいろな未確定の要素がございます。しかも現在の三海里が十二海里になる、そうしますと、広がった九海里には、現在公海として核兵器を搭載した艦艇が自由に航海しておるわけですから、そういうこと等も考慮いたしまして、かつ非核三原則がわが国の変わらざる国是であるということを十分認識した上で、これからいろいろ検討しなければならぬと思いますが、しかし、現時点でそれについての政府の考え方を予断することは、これはひとつ控えたい、こう考えております。
○鈴切委員 条約局長は、あなた無留保でいきたいと言ったじゃないですか。ですから、いまそういうふうな論議がなされるわけですよ。そうじゃないですか。そういうふうなものが会議できまれば、私どもとしては、それについて条件をつけるとかいうことはいたしません、いまそうおっしゃったじゃないですか。だから、そういうふうな、国是と言っていながらもうすでに外務省のほうでは、その国是をなしくずしにしていこう、そういう態度がありありと見えるじゃないですか。外務大臣は、一生懸命国是、国是とおっしゃったって、片一方の局長のほうは、なに非核三原則、国是なんというのは、こういうものでどんどん切りくずしてしまえばいいんだという、そういう態度が見えるじゃないですか。そういうようなことでは、ほんとうに国会決議、しかも政府がとってきた政策、それに基づいて外務大臣は国是とおっしゃっているわけでありますから、そういう、言うならば軽々とした態度で臨むということは、これは許されない、そう思うのですが、もう一度外務大臣、その点をはっきりしてください。
○木村国務大臣 とにかく新しい国際法ができるわけですから、新しいレジームができるのですから、いまからそれに対応するわが国の態度を予断することは控えたい、しかしながら、一方に非核三原則というわが国の最高方針があることは十分認識しながら、今後に対応したい、こう考えております。
○鈴切委員 まあ、その問題はそれくらいにしておいで、またの機会にひとつやります。 第十雄洋丸処理にあたって、海上自衛隊の艦船及び航空機による海空の撃沈作戦に至った経緯について、一応説明をお願いしたいのです。
○丸山説明員 経緯を簡単に私から御説明申し上げます。 十一月の二十二日、海上保安庁長官から災害派遣の要請がございまして、第十雄洋丸の沈没処分につきまして直ちに同日、海上自衛隊に派遣を命じました。海上自衛隊は、護衛艦四隻、潜水艦一隻、対潜哨戒機十四機、実際に処分に従事をいたしましたのはこのうちの四機で、ほかは全部偵察を行なったのでございます。 二十七日、二十八日の両日にわたり、砲撃、射爆撃及び雷撃によりまして沈没処分を実施いたしまして、二十八日の十八時四十七分、犬吠埼灯台の東南東約二百八十海里、これは約五百二十キロメートルに相当いたしますが、そこの洋上におきまして同船を沈没処分いたしました。 沈没作業にあたりましては、海上保安庁と密接に連絡をとりまして十分な事前の検討を行なうとともに、作業の実施にあたりましては、その効果を確認しつつ、段階的に実施をいたしました。 水上射撃によりまして舷側からナフサ、LPG等のタンクの側面を破壊いたしまして、航空機によりまして上甲板及びLPGタンクの上面を破壊いたしまして、極力積み荷のナフサ、LPG等を燃焼いたさせまして海洋汚染を局限いたしますとともに、浸水の容易な状態をつくりまして、次いで魚雷により船底部を破壊、さらに要所を射撃により破壊をいたしまして残存浮力を奪い、沈没に至らしめたものでございます。 なお、使用いたしました弾数は、ロケット弾が十二発、爆雷が十六発、魚雷が四本、五インチ砲弾が二百三十発でございます。 以上でございます。
○鈴切委員 八十三条に基づいて災害派遣の要請を受けられて、海上自衛隊が派遣をされた、災害派遣と言われておりますが、武器を使用して、言うならば沈没させるという法的根拠は、どこにありましょうか。
○丸山説明員 自衛隊の武器使用につきましては、御案内のように治安出動それから防衛出動あるいは海上におきます警備行動、こういった場合に、それぞれそれに該当いたします武器使用の規定があるわけでございます。この場合には、いわゆる武器の本来の目的であります、相手を強制したりあるいは場合によっては相手を殺傷するという、こういう武器の使用ということでございます。 ところで、この災害派遣の場合でございますけれども、この場合に武器を使用しておりますのは、いわゆる本来の意味での武器使用ではございませんで、演習、訓練のときに撃ちますのと同様でございまして、人命、財産に危害を与えない範囲でその任務を遂行するために必要な、合理的な範囲内でいわゆる道具として武器を使用するということでございまして、これは自衛隊法の趣旨から申しまして、禁止されているものでないというふうに解釈をいたすものでございます。
○鈴切委員 それは、自衛隊の災害派遣に関する訓令の中に法的根拠があるのですか。
○丸山説明員 この法的根拠は、ただいま申し上げましたように、武器本来の目的でなく、任務遂行のために合理的な範囲内でいわゆる道具として使うという解釈から成り立っておるわけでございますが、ただいまの訓令のほうでございますが、この訓令につきましては、災害派遣に際しまして、通常の場合にはただいま申し上げました武器を携帯をしないということになっておりますが、ただし、必要な場合においては武器を携行することもあり得るということになっておるわけでございます。これは災害派遣に関します訓令の第十四条に「派遣部隊等は、火器及び弾薬を携行しないものとする。」これは艦艇とか航空機、戦車にそれぞれついておるものは除きますけれども、これは急場を、急ぐという関係でこれを除いております。「ただし、救援活動のため特に必要がある場合は、最少限度必要とする火器及び弾薬を携行することができる。」ということになっております。したがいまして、自衛隊法の解釈から当然こういう形の武器使用は許されておるということで、ただいま申し上げました自衛隊の災害派遣に関する訓令第十四条に基づきまして携行してまいった、こういうことでございます。
○鈴切委員 自衛隊の災害派遣に関する訓令第十四条の読み方なんですが、要するに原則は「派遣部隊等は、火器及び弾薬を携行しないものとする。」なんです。ただし「艦艇及び航空機並びに戦車に装備されたものを除く。」というのは、それに積んだ砲弾をわざわざ置いていくということはしないのだ、こういうふうに解釈してよろしゅうございましょう。そして「最少限度必要とする火器及び弾薬を携行する」とあるのです。「最少限度」ですよ。そこのところを間違わないでいただきたいんですよ。必要としても「最少限度」なんですね。 この間の撃沈は何ですか、実戦訓練じゃないですか。もうあらゆる火器を使って、魚雷四発を発射して、おまけに二発は不発というか、当たらなかった。それに使った弾薬はどれくらいなんですか。
○丸山説明員 ただいま申し上げましたように、弾薬につきましてはロケット弾が十二発、それから爆雷が十六発、魚雷が四本、五インチ砲弾が二百三十発でございます。
○鈴切委員 金額にしてどれくらいですか。大体一億円以上じゃないですか。
○山口説明員 それぞれの弾薬につきまして、調達したときの年度で契約単価を調べてみますと、弾薬全体で約九千九百万円程度でございます。
○鈴切委員 九千九百万円というお話ですけれども、防衛庁の中にも九千九百万円ばかりじゃなくて、言うならば一億以上もかかったというふうにいわれているところもあるんですが、その点の見解はどういうふうにしておとりになっていましょうか。
○山口説明員 私のほうで調達の年度の契約単価を正確に調べまして、いまお答え申したわけでありますが、たとえば同じような弾薬をことし調達するということになりますと、インフレ等で非常に上がっておりますので、たとえばことしというような計算で一律に全部やってしまいますと、一億数千万ということになりますが、私どもは、実際の受け払いからいいまして、帳簿上正確に申し上げますと、いま先生に申し上げた九千九百万円というのが正確な使用金額でございます。
○鈴切委員 海上保安庁のほうに、ほんとうならば保安庁長官にお聞きしなくちゃならぬ問題ですけれども、海上保安庁長官が防衛庁長官あてに部隊等の災害派遣の要請について、自衛隊法八十三条第一項の規定に基づいて文書であなた方のほうは要請をされましたね。その点について……。
○寺井説明員 文書で要請をいたしました。
○鈴切委員 その中の三番目なんですが、少なくとも海上保安庁は「派遣を希望する人員、船舶、航空機等の概数」これを明確にした上において文書で要請をしなくてはならないわけです。ところが、貴庁に一任する、すなわち防衛庁にすべてを一任するということで、あなたまかせなんです。だから、これは撃沈するならば、実戦訓練でも何でもけっこうだ、どんどん撃ち込んでひとつやってくれということと同じことじゃないですか。
○寺井説明員 要請をいたしました時点におきまして船舶、雄洋丸は爆発を続けて標流に入っております。そういった状態の時点で、出動する艦艇、航空機あるいは使用する弾薬の数等について、当方がいろいろ申し述べる時間的な余裕もございませんですし、またそういう能力もございません。最も合理的に沈没処分をしていただきたいということをお願いしたわけでございます。したがいまして、具体的な内容についてきめておりません。
○鈴切委員 海上保安庁は当然、災害派遣について要請する資格があるのですから、要請するのはけっこうなんです。しかし世論にいわれているように、今度の雄洋丸の撃沈はまさしく実戦訓練である、こういう非難もあるわけです。たいへんな国民の税金を使った、一億数千万円の弾薬を使った、しかも魚雷四発撃って二発は当たらなかった、こういうふうなことがいわれているわけです。となると当然、海上保安庁も責任を持って防衛庁と協議をして、それでいいかどうかということについて、それなりのコミュニケーションを持った上において決定すべきじゃないですか。それをあなたまかせですからということですから、防衛庁のほうでは、ああそれならばというので、これはちょうどいい幸いだ、いままで士気もなかなか鼓舞できなかったけれども、こういうことをやることば非常に士気も鼓舞されるし、それから実際に実弾を使ってみることの効果、そういう問題についても、一応実戦によってどういうふうな状態であるかをまずためしてみよう、だから、言うならば自衛艦がこれで砲撃をする、P2Jは上から爆弾を落とす、そして潜水艦は魚雷を発射する、全く実戦訓練と同じじゃないですか。 こういうことをやるということは、私は、やはり慎重にやらなくちゃならないと思うのです。たとえ災害派遣であり、そういうことでやらなくちゃならないにしても、少なくとも海上保安庁が貴庁に一任をするということで、投げやりであなたまかせだということは問題がある、そのように私は思うのです。今後こういう点については、はっきりしたほうがいいと私は思うのですが、その点いかがですか。
○寺井説明員 私どもは、沈没作業というものに実際にどの程度の火薬あるいは艦艇が必要であるかという判断の根拠はございませんが、あの船の構造、積み荷等につきます詳細なデ−タを防衛庁に差し上げまして、最も効果的な沈没作業をお願いした次第でございまして、その点につきまして、事前にいろいろ私どもの乏しい知識で協議するよりは、それのほうが効果的であったというふうに考えます。
○鈴切委員 それは一つは、災害派遣ということであるけれども、やはり国民の皆さん方は、そういうことについて見ておられるわけですからね。たいへんな作戦でおやりになったわけでありますけれども、私、この意図するところを一方的に申し上げると、撃沈があざやかにいった場合は、自衛隊としてはまことに士気が鼓舞できるわけですね。よくやった、轟沈だというふうになるでしょう。それから撃沈が思うようにいかない、たとえていうならば、魚雷を発射した、四発やって二発しか命中しなかった、こういう場合においては、いまの自衛隊の戦力ではこれくらいのことしかできないんだ、もう少し軍事力を強化しなければならぬ、両面作戦です。明らかに防衛庁としては両面作戦におけるところの意図もあった、そういうふうに私は思うのです。これは一方的でもかまいませんから……。これで終わります。
○宇野国務大臣 実は、災害派遣のために第十雄洋丸を沈没処分せよという一般命令を出したのは私でございますから、その経緯を一言だけ御報告して、御了解を得ておきたいと思います。 いまおっしゃったとおり、閣議で運輸大臣から協力要請がありましたときに、いろんな武器は使わなければならないであろうが、あくまでもこれは武器にあらずして道具として使う、そして災害派遣である、その点を確認して御協力できるかどうか検討してみましょう、たとえば沈没処分のときには、魚雷を使うのがいまのところ、私の仄聞するところでは最も効果的であると聞いておるというふうな意見の交換をいたしました。それを記者会見で発表いたしましたところ、中には、魚雷まで使って戦争ごっこをするのじゃないか、こういうふうな御批判もございましたから、最高の責任者といたしましては、今日の専守防衛である海上自衛隊、そのことを考えましたときに、最小の負担で最大の効果をあげるべし、いやしくも第十雄洋丸の災害を奇貨として戦争ごっこといわれるようなことがあってはいけない、だから魚雷だけでやれないのだ、こういうふうに申しましたが、魚雷だけではプロパンが比重が軽うございますから、なかなか沈没しにくいので、やはり五インチ砲も打ち込まなければならないであろう、さらには甲板に穴をあけなければならないから、ロケット弾だとかあるいは爆撃をしなければならないであろう、いろいろそういう趣旨で検討してくれました。 その結果、私といたしましては、この任務遂行にあたりまして、最小の負担で一応沈没処分という使命だけは果たしたのではないか、かように存じておりますので、いろいろ御忠告はありがたく承るといたしまして、われわれといたしましても、十二分にその点は考えてやった処分でございますので、御了解を賜わりたいと思います。
○鈴切委員 閣議であなたが御報告申し上げたときに、戦争ごっこじゃないかというふうな御意見が閣僚の中からも出たということは、そういうことに問題が実はまるきりないというわけじゃないのですから、今後も災害派遣等に安易にそういうふうな火器とかそう心うものを使うことは、厳に戒めていただきたいと私は思うんですけれども、その点について……。
○宇野国務大臣 戦争ごっこということばは、閣議では決して出ておりません。一応記者会見をいたしましたその後、いろいろな感触を私がそういうことばで表現したにすぎない、こういうふうに思っていただければいいと思います。
○鈴切委員 以上で終わります。
○小宮山委員長代理 受田新吉君。
○受田委員 外務大臣、最初に外交のポイントに触れさしてもらいましょう。時間はできるだけ縮めて質疑を終わります。 先般フォード大統領が日本を訪問され、重ねて韓国、ソ連と歴訪をされたわけですが、その際、日本とアメリカの従来の安保条約その他の関係は堅持する、また韓国に対しても現状維持を確認して、軍隊の削減とか援助の削減はしないというかっこうのようでした。 これに関連するんですけれども、つい先般の国連総会第一政治委員会で、斉藤国連大使が朝鮮問題の討議で演説をして、南北朝鮮が現在の休戦機構改善の糸口を対話を通じて見つけようと要望した、また、それが可能になるまで現在の休戦機構の維持は必要であると強調、国連軍司令部の即時解体に反対の意向を明らかにしたということがあげてあります。 北と南の朝鮮の問題がひっかかってくるわけですが、このことに関して、この発言は外務大臣の了承するところであるのか、また国連総会において朝鮮問題のたな上げということに対して、日本政府はどういう意図を持っておるのかを御答弁願います。
○木村国務大臣 朝鮮地域における国連軍の存在というのは、朝鮮半島における平和と安定の維持ということを目的としております。依然重要であるという認識を持っております。したがいまして、この一九五三年の休戦協定の一方の当事者に国連軍がなっておりますから、そういう意味では国連軍の即時解体というものは、きわめて慎重を要する問題であろうと思います。また朝鮮における国連軍は、安保理の決議に基づいて設置されたものでございますから、その取り扱いはもとより安保理の責任に属する問題である、こういう考え方でございます。したがいまして、今回斉藤国連大使が、国連において国連軍司令部の無条件解体について消極的な態度をとったというのは、政府の方針でございます。
○受田委員 そのことに関連するのですが、韓国は単独で国連に加盟したいという意思を持っておる、そういう際に、韓国に国連軍があるということがじゃまになる、それなら国連軍はやめて米軍の駐留軍ということならどうかという問題等も発生するわけでございますが、それはさておいて、北と南との問題の解決に一役買おうとするならば、北朝鮮を、朝鮮民主主義人民共和国の政府を、日本は韓国を認めている段階において適当な時期に一応認めて、両方の主権を一応存在する形で日本の外交を進めていくという方式をとるべきではないかと思うのですが、外務大臣としての御意見を承ります。
○木村国務大臣 結論から申し上げると、現在の段階で北朝鮮を承認する考えはございません。ただ、朝鮮半島における平和と安定のために、一昨年の七月四日に南北朝鮮が共同声明を発しました。今後における対話の進め方についていろいろ話し合っておりますが、その対話の促進のために、わが国としては、それを支援するような立場でいきたいと思っております。
○受田委員 そうしますと、いま北鮮つまり朝鮮民主主義人民共和国を承認する意思なし、その意思はないということは、現在、状況が承認するようなかっこうになっていないので意思がないのであって、状況が承認する形になれば、承認の方向へ努力しようという意味か、もうもともと承認の意思なしという強い姿勢なのか、状況を、いまの状況ではという前提での承認ができないという意味ですか、どちらでございましょう。
○木村国務大臣 現段階においてはという考え方でございます。したがいまして今後、将来ある時期におきまして、南北朝鮮の間にたとえば国連に対する同時加盟も行なわれる、ある時期を経まして国際的にそういうことが、きわめて朝鮮半島の安定のために——また南北両朝鮮とも、それに対する理解あるいは合意が得られるような情勢になりますれば、北朝鮮の承認も可能なりと考えます。
○受田委員 非常に適切なそういう状況が生まれるならば、承認の可能性があるという御答弁であります。私、そういう方向で一番近いお国が、日本の協力によって平和で明るい国として発展することを期待をしております。 もう一つ、あなたは、この間中国の韓外務次官にお会いになられた、そして日中平和友好条約の成立について基本的に異議がないという御相談をされたのかどうか、実務協定ができなくても平和友好条約は締結するということが可能なのかどうか、御答弁いただきます。
○木村国務大臣 御承知のとおり、実務協定四つのうち、もうすでに三協定については、これを締結し、あるいは署名を了しております。残る実務協定は、日中間の漁業協定でございます。これは御承知のとおり、現実の利害関係がいろいろからまっておりますので、なかなか進行はしておりませんが、これも小異を捨てて大同につくという、一昨年の日中共同声明の精神に従って早晩これは解決を見ることと思います。 しかしながら、その間において漁業協定が締結されなければ、日中平和友好条約の締結交渉を始めないかというと、私どもは、必ずしもそう考えておりません。したがいまして、そういうタイミングをはかりながら、日中間で合意を見れば、日中平和友好条約の締結交渉も開始したい、こういう考え方でございます。
○受田委員 非常に進んだ積極的な意図を拝聴しました。具体的日程に入る努力をしておられることはよくわかりますので、漁業協定の実務協定は片づかなくても平和条約に進むということですね。——はい、わかりました。 大臣は、非常に明快にいま私のお尋ねした二つを御答弁になっておられるし、次の内閣に居残られるという説もありますので、あなたが居残られることを前提にしてひとつお尋ねをしますが、内閣はかわっても政府の外交上の約束は、日本を代表する政府として微動だもしない、この点は間違いありませんね。
○木村国務大臣 外交の継続性から申しまして、内閣がかわろうとも、これがたとえば野党政権になれば別ですけれども、自民党政権が続く限り、外交方針は不変でございます。
○受田委員 田中内閣より三木政権にかわっていく過程において、木村外交は不動の姿である、かよう了解して、微動だもしない、多少はぐらつくかどうかという懸念があるわけですけれども、全然微動もしないのかどうか。外務大臣に引き続き残られることを前提として、内閣はかわるが御本人ばかわらない、内閣のかわったことによって——この前、佐藤政権のときには、日中問題については冷酷であった。田中政権になって一挙に解決した。今度また三木政権になって変わるということはない。以前の政権移動の際には、それが急速に転回したんですが、特に台湾との日台航空業務というものはどういうふうになるのか。台湾との関係で、いま断絶しているこの関係を再開する見通しはどうなっているのか。以上の点御答弁をいただきます。
○木村国務大臣 おことばではございますが、木村外交なるものは存在いたしません。したがいまして、自民党政府の外交方針というものは一貫しておりまして、内閣がかわろうとも不変であることは御了解願いたいと思います。 日台間の航空路線、これは御承知のとおり、日台間に外交関係がございませんので、政府が主導的にこれを考えるという立場にはございませんが、まあ日台間が断絶しておりますことは、お互いのために決していいことではないと思います。民間における機運が醸成されまして、日台間の航空路が一日も早く回復することを、政府としては強く期待しております。
○受田委員 大臣、非常に明快な答弁をいただきましたからお帰りいただきましょう。いいです。十五分間、半分ほどで……。三つのポイントに明快な御答弁をいただきました。御苦労さま。 宇野先生、どうも御苦労さんです。御就任をお祝い申し上げます。私、宇野防衛庁長官に基本的な防衛政策をお尋ねいたします。 先般、イギリスはウィルソン内閣において、経済要因という基本的な立場はありますが、同時に、防衛計画そのものも含めて防衛費の大幅削減をやったわけです。これは日本とよく似た国として英断をふるったわけでございますが、日本の場合は、経済要因だけでいま長期防衛計画、第四次防の進み方もテンポがゆるんでおる。 いま弾丸のお話が出ました。いま買えば一億数千万円。ちょっと関連するので弾丸の値段を聞きますが、先般、魚雷発射されたあれは一発幾らの値段で、九千万円と計算されたのはいつ買ったものか。いまこれを新しく発注するとすれば幾らかかるか。そのことば値段の上でも計算ができておるはずですが、ちょっと関連しますので、事務当局の御答弁をいただきます。
○山口説明員 魚雷でございますが、魚雷につきましては、マーク37という古い魚雷でございまして、四十二年度調達でございまして、一発千六百万円程度でございます。 これ以外に、艦艇から発射しました弾薬といたしましては、五インチ五四口径の弾薬、それから五インチ三八口径の弾薬と二種類使っております。五四口径のほうは、アメリカから実弾をFMSで調達いたしておりまして、これは弾丸によりまして、昭和三十六年、四十一年、四十三年というかなり古い弾薬を古いものから費消しております。この辺になりますと、一発の単価にしまして二万円から四万円程度の弾薬でございます。 それから三八口径のほうは、御承知のとおり、これはMAP品でございまして、昭和三十六年以前の弾薬でございます。これはMAPでございますから、ただで調達したものでございます。 それ以外に、航空機から落としたものとしましては、対潜爆弾十六発落としておりますが、これは、調達しましたのは比較的新しくて、四十七、四十八年度のたまを使っております。 それからロケット弾は、やはり十二発出しておりますが、これは四十八年の弾薬でございます。 いずれにいたしましても、実弾につきましては、魚雷の場合には水雷調整、弾薬の場合にも当然事前調整が要りますものですから、政府としまして、所定の期日に最少の費用で効果を期したいということでこのような弾薬選定をいたしました。こういう受け払いの金額を想定いたしますと、九千九百万円になるわけでございます。 また、現在の単価ということでございますが、まだ四十九年度調達に入れない状況で、御承知のように、非常に難航いたしておるわけでございますが、コスト上は大体五割程度のアップになってくるのではないか。私どもは、それを商議でできるだけ低くして買おうというような努力を続けております。
○受田委員 ただでもらったものの計算をただにしておるのじゃないですね。どうですか。それを時価に計算した九千万円ですか。
○山口説明員 MAPのものは、コストとしましては簿価上ゼロでございまして、三八口径につきましては、その後調達をしておりませんし、このMAP品を使わざるを得ないものですから、国内でのコスト計算というものは、現在ちょっと想定ができないような状況でございます。
○受田委員 それでただになっておる……。
○山口説明員 はい。簿価上ゼロということでございまして、実際に政府からの支出には立っていない弾薬というふうに考えざるを得ないと思っております。
○受田委員 そういうただの分はただに計算してくれたのじゃ、総額があまり上に上がらないようにしよう、できるだけ安上がりしたように見せようということで、それを時価に計算したらどうかぐらいの計算は私はされなくちゃならぬと思うのです。そういうふうにどんどん物価が上がってくれば、装備の価格もどんどん上がってくる、そういう状況の中で防衛費の、つまり値上がりした部分についての節約という意味でなくて、防衛計画そのもの、四次防の四兆六千三百億円の金額でこの計画は立っておるのでございますから、経済要因ということももちろん前提にしながら、同時に、この経済実情に対応するためには、防衛計画の基本をひとつ謙虚に縮小していく、こういう考え方が、一方で当面する時勢に最も適切ではないか。どんどん増産する計画だけは持っておるが、物が上がったから、それをいま節約しておるのだというような装備の節約ではなくして、基本計画的にこれを考え直す時期に来ておるのじゃないかと思うのです。 私は、従来の外務大臣のだれからも、適当な時期が来たら北朝鮮を承認するということを聞いたことがない。ところがきょうは、はっきりと情勢が熟すれば北朝鮮を承認するという、従来の外務大臣が言わなかったことをすかっと言うほど、木村さん自身が非常にそうした平和への移行を考えながら発言をしておられる。北朝鮮を承認する意思なしという声ばかり私は聞いてきた。非常にきょうは前進した答弁をいただいておるのですが、そういう情勢の中で、日本の防衛計画というものの中で長期防衛計画、第四次防も進行中でありますが、適切な方法で内容的にこれを基本的な角度から検討していくという時期が来ておるのじゃないか。物価はどんどん上がっても基本計画は一向に変更しない、経済要因のみで動くという行き方でない方向をおとりになるべきだと思います。宇野防衛庁長官の答弁を仰ぎたいと思います。
○宇野国務大臣 最初に、英国の例を用いられましたので、確認の意味でわれわれの知っていることを申し上げまして、それから防衛に関する私の所見を申し述べたいと思います。 先生御指摘の英国の国防費削減は、今月三日、英国のメーソン国防相が下院で新国防政策を発表いたしましたが、そのとき国防費を、現在はGNPの五・五%であるが、これを四・五%に引き下げるために、今後十年間にわたって総額四十七億ポンド、邦貨にいたしますと三兆三千億円でございますが、この国防費の削減を行なう、これにからんで、わが国の防衛費もひとつ削減の方向をとったらどうだろうかという問題であろうと思います。 私、これから判断いたしますのに、御承知のとおり、わが国の防衛費が総予算に占める割合は、昭和四十九年度予算で六%でございまして、世界最低であるということは、つとに御承知賜わっておるところであろうと思います。しかも、前年対比の伸び率は、昭和四十九年度の平均が一九・七%でございましたが、防衛費は一六%、こういうふうになっておることも、つとに御承知賜わっておると存じます。このGNPから判断して、かりそめにわれわれが英国同様GNPの五%を今日使ったとするならば、どれくらいの防衛費を必要とするかと申しますと、GNPが本年度百三十一兆円でございますから、したがいまして、六兆五千億の防衛予算というのが、ちょうど英国に見合う防衛予算でございまして、これは十七兆円の四〇%を占める、いま私がここでちょっと計算したのでございますが、そうなるわけでございます。しかしわれわれは、GNPのわずか〇・八三%しか使っておりませんので、英国が五・五%を四・五%にしたから日本もどうだ、この比較におきましては、やや私は御趣旨はわかるのでございますが、予算の伸び率からいたしましても、本年度は一六%で、ぎりぎりの線で、最小限度のところでわが国の防衛の役を果たしておる予算だ、こういうふうにお考え賜わりまして、ここで一存で、では下げましょうというふうなお答えができないことをはなはだ残念に思う次第でございます。 二番目は、おそらくそうしたことで四次防がまことにむずかしい状態になっておるじゃないかというふうな御指摘でございまするが、確かに四次防は、物価問題を無視して推進できないような情勢が間々見受けられております。特に、海上自衛隊の使用いたしまする艦艇に関しましては、もろに物価の高騰の波を浴びておりますので、やはり非常に困難な状態にあるかと私は存じます。 しかし、現在は五十年度予算の概算要求中でもあり、さらには五十一年度も残っておるわけでございますので、やはり四次防自体は、許されたわが国における防衛に関する最低限度のものということで出発をいたしておりますので、いろいろの点はございましょうが、今日ただいま直ちに修正すべきであるとか、そういうふうな答えは私はまだ持ちたくはございません。事情許せば、この推進のため御協力を賜わりまして、その目標を達成いたしたいというのが今日の私の心境でございます。
○受田委員 英国の削減率をGNPに対応しての、日本との比較のお説ですが、GNPで比較する問題じゃないのです。英国の現状が二割削減をやったという現状、そういう意味でこの現状から削減する方向で私はお尋ねしておるわけですからね。GNP比率で議論しておるわけじゃないのです。英国も二割削減する、日本も二割やろうじゃないかということなんです。御答弁をいただきます。
○宇野国務大臣 それで、先にまずGNPの対比の問題を先生に御確認いたしましてからお答えしたわけでございますが、GNPそのものから申し上げれば、はなはだ問題の多い議論ではないか、こう思います。 したがいまして、わが国といたしましては、先ほど申し上げましたとおりに、現在ほんとうに少ないところのぎりぎりでございますから、英国が一割下げたから日本も一割、一割下げましたらもう数字がございません。それほどのぎりぎりの線でやっておるということを御了解賜わりたいと私は思うのでございます。英国にはまたそのほかにもいろいろ問題があろうかと思いますから、こうした挙に出たのであろうと思いまするが、世界全体が経済問題に発し、あるいは緊張緩和と、いろいろなムードもつくられておりまして、そうした方向はわれわれとしても非常にけっこうでございまするが、やはり防衛は一日もゆるがせにすべからず、ぎりぎりの線だけはひとつお許し賜わりたい、かように存じます。
○受田委員 私も英国をあえてたとえたのですが、もう第三次世界大戦はないものだという前提で、世界が平和への道のりを堂々歩む過程において、日本が経済要因で装備を節約するという意味ではなくて、基本的な計画を練り直すという——われわれは、別に自衛隊をなくせなどというような議論をする政党じゃないのです、最小限の自衛措置を認めた立場で議論しておるのですから。私は、まあこの議論はそこでおきましょう。 次に一つだけ、時間を、私は五十分約束したのを十分ほど減らします。節約をしますので、もう十分で終わります。 私は、いま鈴切さんが指摘された、この間の第十雄洋丸を爆沈することについて触れたいのです。災害派遣、これは、そういう形で協力を海上保安庁から求められた、それに対して、最小限の経費をもってこれを沈没せしめることがどうかということについて、防衛庁は努力しておられるのかどうか。自衛隊というものは、一体最小限の経費でこれを爆沈する能力があるのかないのか。魚雷を四発撃って、一発は底をくぐって向こうへ逃げておる、一発は不発である、そんな魚雷を持ったような自衛隊であるのかということ、それだけでももう装備の点で非常に脆弱な装備である。四発のうち二発しか有効でないようなものを、高い国費を使ってつちかっておるということに対して、国民自身も嘆かわしいことだと思うのです。一発は不発で、一発は底をくぐるほど技術もまずいし弾丸そのものもまずい、そういうことですか。四発使わなくて二発でこれを沈めればよかったじゃないですか。二発節約できたですよ。どうです。
○丸山説明員 多分に釈明めいたことになるかと存じますけれども、先ほど防衛庁長官からお話がございましたように、本件につきましては、繰り返し、必要最小限度内で処置をするようにという御指示が何回も下されました。これは私を通じまして海幕長に何度も伝えてございます。 で、この危険なタンカーの焼け残りのもの、しかも相当のナフサ、LPGをかかえておるものでございまして、御案内のように特殊な浮力、LBGは〇・五ぐらいの浮力がございまして、これを三重構造のタンクの中にかかえておるというたいへんにがんじょうなものでございます。大きさは四万三千トンといわれておりますが、排水量でお比べをいただきますと、衝突時は七万トンでございます。昔の武蔵、大和といわれた船に匹敵する大きな船でございます。 これに対しまして、海上自衛隊のほうにおきましては、この船を沈めるために最小限度の方法を講ずるということで、それぞれ五インチ砲を撃ってはそのあとを確認いたしまして、そのあとどういった方法でやるかということで逐次時間をとってございますが、これは相手が逃げるものではございませんので、じっくりと料理をするという前提でやったわけでございます。そういった意味で、必要最小限度でやってございますので、十分この点は第一線の指揮官には徹底しておりますし、私は私自身の感じからいたしまして、第一線の自衛艦隊司令官、護衛艦隊司令官、こういった人々を中心として全員がこの期間中寝ずに、真摯に、一日も早く、公害の対象にならないように、油を流さないようにできるだけ燃焼させて沈めるということに専念した実態を知っておりますので、これがいわゆる戦争ごっこなどというふうに思われますことば、まことに心外に存ずるわけでございまして、この点につきましては、十分第一線まで防衛庁長官の趣旨が徹底して行なわれたということを御認識をいただきたいと思うのでございます。 そこで、一魚雷の問題でございますが、これは、先生から御指摘のとおり、まことに申しわけない点でございまして、これは本来ホーミング魚雷で、音のするほうに曲がっていく魚雷でございますが、これをまっすぐ、とまって音のしないところへ当てる、垂直に当てる、直進して当てるというために、わざわざホーミングを殺してやったということで、しかも、これも大反省事項でございますが、実は実戦魚雷についての訓練がきわめて足りない、いままでの間にたった三回しかやっていないということでございまして、いつも訓練魚雷でばかり訓練をしておるという、この辺の問題も多分にいろいろございます。反省事項はたくさんございますが、そういう事情にございましたことは、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○受田委員 いまの御答弁を聞いておると、もしこれが実戦にでも遭遇する自衛隊だとしたら、訓練には有効な自衛隊だが、実戦には非常に不合格の自衛隊です。相手はいまお説のとおり動かないんですよ。静止しておる。それがもし相手が動いて、向こうからどんどん弾丸を発射して応戦してくるようなものを相手にした場合を考えたときに——静止したものを直線で沈めていくという、このくらい楽なことはないじゃないですか。それが動いたほうが魚雷を動かすのに都合がいいというような言いわけでなくして、黙って沈んでおるのを夜行って撃沈する。それも大戦艦を撃つ、魚雷一発で片づけるくらいの、そんな自衛隊でなければだめなんです。常に動くとは限らぬ。じいっととまっているやつをねらい撃ちにすることもあるわけです。そのほうが効果があるのです。 そういう意味からいくと四発で二発もだめ。しかも目の前に静止している目標の底をくぐっていくような、そんなばかな、一体何を自衛艦はしておるのか。自衛艦が、護衛艦が三隻も出て、その中で、いまお話を聞くと二百三十発という五インチ砲を撃ち込んでおる。ハチの巣のように攻撃を加えても沈まないというような、実戦をほうふつとさせるような脆弱なる自衛隊。空からもさらに対潜哨戒機P2Jがロケットを撃っておる。 これは私、日本の自衛隊というものが、いざほんとうに外国の攻撃を受けて、この防衛の任務に当たるにしては、訓練には十分たえているが、実戦の経験がないからだめだといういまの防衛局長のお話は、まことに残念です。こんなたよりない自衛隊が日本におるかと思うと、これは、いたずらに装備を盛んに——今度、魚雷四発すぐ製造することになるのですか、これはどうですか。ばく大な国費を使って製造する、そして、その製造して国費を使った分は、船の下をくぐって逃げる、これではもう国民が税金にたえ抜く意欲を失いますよ。あなたは、軍艦大和をもしのぐ非常にすばらしい船が第十雄洋丸とおっしゃった。こういうおそろしい、大戦艦にもまさるとも劣らない雄洋丸だが、向こうはもう死にかかっている船ですよ。それを最小限の経費で効率を発揮してやるその努力、国民の税金の負担を軽くするという配慮も考えてどうしてこれが沈没されないのか、たいへん残念です。いまのお説を承っておると、日本の自衛隊たよるに足らずという印象。訓練には有能だが実戦にはだめだということが、いまはしなくも防衛局長からの答弁。 大臣、これはあなたも、こんなたよりない、日本国民が血税を出して、その装備もできるだけ協力してあげて、そして最小限の自衛措置を裏づけする自衛隊を検討せよと願っておる、その期待を裏切るような自衛隊、防衛力のこの現実を、長官としてどうお考えになられるか、御答弁願いたい。
○宇野国務大臣 有事即応ということから考えました場合には、確かにこの間の第十雄洋丸の撃沈、それに対してあまりにも手間がかかったということに対して、多くの国民からも直接私の耳に先生と同様の意見が伝わってまいっております。しかし、われわれといたしましては、常にわが国を守るその最小限度の負担ということを頭に描いておりましたので、あるいは私みずからがそのことを強く言い過ぎたがために、海上自衛隊がいわば戦意を喪失した面がなきにしもあらずというふうな反省もいたしております。 だから、先ほどの鈴切委員のごとくに、戦争ごっこやっちゃいかぬというお方もおられますし、また、ひたすら轟沈を期待したという方もおられまして、その間をくぐりながら、ああいう処分ができたということに対しましては、私は私なりに評価をいたしておりまするが、確かに有事即応のときには、やはりわが国の自衛隊員は精鋭でなくてはなりません。その精鋭であるということを、私は常に自衛隊員に説いていっておりますので、今回のことをよい参考といたしまして、十二分に、国民の税金をむだづかいすることのなき自衛隊ではあるが、しかし有事即応のときには、りっぱに国民の期待にこたえ得て、われわれの生命、財産を守ってくれる人たちだ、今後はそういうふうな訓練もいたさなければならない、かように考えております。
○受田委員 あなたは、先般御就任以来、全国の主要なる自衛隊を初度巡視をしておられるわけだ。その際に、自衛隊の士気盛んなることにきっと満足しておられると思うんですけれども、士気にこれは影響します。もう自衛隊のこの能力、こんなにミスの多い能力、それに対して全国の自衛官にどれだけ失望を与えたか。われわれは、量よりも質、人員も減らし、装備も縮減して、しかも非常に有能なものをつくるほうがいい。いまのような烏合の衆のような自衛隊、いまのような能力のないようなものがたくさんあるということは、国民に負担もかける。いろいろな点で問題があるのです。量よりも質、経費を節約し、人員を減らし、有能な自衛力を養成するというところへ目標を置く意味からも、私は、さっきの長期防衛計画に基本的な検討を加えることを要求したわけです。 海上保安庁長官、長官は自衛隊にすべてを託して、沈没を見届けて二、三時間で引き掲げたということを聞いておるのです。あとの油がどうなっておるか、六千メートルの海底に沈んだ船が大量の油をかかえている、この油がにじみ出ることによって、魚族がどういうような影響を受けるか、どういう弊害か今後あるかをあわせて検討すべきだったと思うのです。 自衛隊が撃沈をして、そのあと二、三時間して、これは一応海面にちょっと油が浮いた程度だというので引き揚げられたということです。私は、海上保安庁の任務は海上の航行安全、公害の対策というものを十分含まれて御処置をされなければならぬと思うのです。六千メートルの海底に沈んだこの大量の油をかかえておる船から漸次にじみ出る油によって、魚が今後とれなくなるとか被害を受けるとかいろいろ問題が起こる。そういうものに対する対策は何があったか、これをお答え願って、私の質問を終わります。
○寺井説明員 先生御指摘のとおり、海上保安庁の任務は、航行の安全と、最近は海上における汚染防止ということをやっております。したがいまして、この雄洋丸の沈没処分に関連いたしましては、積んでおりました燃料油が約三千トンございましたが、これが流出することをできるだけ避けたいという希望を持っておりまして、先ほど来いろいろ爆沈の方式について御議論がございましたけれども、海上自衛隊のほうではLPG、ナフサ等を燃焼させることによりまして、積んでおりました燃料油の大部分を同時に燃焼させております。これは燃料油のタンクに穴があきまして燃えておることも確認いたしております。相当部分が一緒に燃えてしまったというふうに現在のところは判断いたしております。 どの程度の油がその後出ておるかという点につきましては、以来今日まで毎日、海上及び航空機によります観測を続けておりますが、現在までのところ約三十トンぐらいの油が出ておる。これも油処理剤等により処理をいたしましたので、この数日来はほとんど油が出ておりません。しかしながら私どもは、その油の流出度というものを相当長期にわたって監視する必要があるというふうに判断いたしておりまして、今後も当分この油の流出状況というものを監視する考えでございます。
○受田委員 質問を終わります。
○小宮山委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後六時十三分散会