大蔵委員会財政制度に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/10/17
会議録
○浜田小委員長 これより財政制度に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 先般、各位の御推挙により、私が当財政制度に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。 内外経済環境の急速な変化に対応し、国民福祉の充実を達成するため、財政制度のあり方及びその適正な運営が一そう期待されるときであります。かかるときにあたり、当小委員会の使命もまことに重大と考えます。各位の御協力を得てその職責を全うしたい所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。 財政制度に関する件について調査を進めます。 まず、昭和四十九年度予算の実施状況について政府より説明を求めます。辻主計局次長。
○辻説明員 昭和四十九年度の予算の実施につきましては、すでに御承知のように、第一・四半期以来四半期単位で公共事業等の契約抑制措置を講じますとともに、先般、前年度と同様の考え方に立ちまして財政の執行の繰り延べを行なうことにいたしたのでございます。特にこの点につきましては経緯等を御説明申し上げます。 四十九年度予算は四月十日に成立をいたしたわけでございますが、御承知のように、四十九年度予算はその規模を極力圧縮いたしますとともに、特に公共事業関係費は前年度と同額にするなど、総需要抑制を堅持するたてまえのもとに編成されたわけでございます。 予算成立当時の経済情勢は、昨年来の総需要抑制の効果の浸透から需給の緩和と物価動向の落ちつきが見られるようになっていたのでございますが、その後、石油価格上昇の波及や賃金引き上げの影響などがございますし、また、四十八年度から四十九年度への繰り越しが例年になく多額になったということもございまして、四十九年度予算の執行にあたりましては、引き続き財政面からの総需要抑制策を堅持する必要がある、かように判断したわけでございます。このような観点から、本年度につきましても公共事業等の契約の抑制をはかることにしたわけでございます。 本年度の執行の抑制にあたりましては、できるだけ年度を通じて安定した執行が確保されるべきであると考えられますので、当初から四半期単位で契約の目標率を設定することにいたしたのでございます。第一・四半期につきましては四月十二日に、第二・四半期につきましては七月九日にそれぞれ閣議の決定を行なったわけでございます。 第一・四半期の契約の目標率は、前年度の第一・四半期の契約実績率を二・三ポイント下回る三五・六%といたしておりますが、その後の契約実績を見てまいりますと、目標率をさらに二・二ポイント下回る三三・四%となっております。公共事業等の契約につきましては、このようにかなりの程度抑制されているというふうに考えておるところでございます。 次に、第二・四半期の契約抑制につきましては、第一、第二・四半期を通じて上半期末の契約目標率の設定を行なうことにしたのでございますが、この目標率は前年度上半期末の実績率五四・七%を〇・八ポイント下回る五三・九%といたしておるのでございます。 なお、災害復旧、積雪寒冷地の事業につきましては、全体としての契約抑制のワク内で極力その円滑な施行に配意することにいたしております。契約目標率の範囲内で、前年度同期のそれぞれの事業の契約率とおおむね同程度の進捗をはかることにいたしているのでございます。 また、公共投資関係事業のほかに、財政投融資の融資機関分につきましても抑制の対象といたしておりますが、中小企業金融三機関等につきましては対象から除外することにいたしております。 さらに、地方財政につきましても、国と同一の歩調のもとに極力その執行の抑制をはかるように要請することといたしております。 なお、このような措置を講じます際には、中小建設業者に対して受注の機会の確保につとめるなど特段の配慮を払うことにした次第でございます。 その後、本年秋以降の財政の執行をどのようにいたしますか検討したのでございますけれども、今後の需給動向いかんによりましては、物価の先行きにはなお警戒を要するものがあると考えられますし、このような情勢のもとにおきましてできるだけ早期に物価の鎮静化を定着させるためには、現段階におきましても引き続き総需要抑制策を堅持し、コスト上昇要因の安易な価格への転嫁を防いでまいる必要があると思われたのでございます。そこで、前年度と同様に財政の執行の繰り延べを行なうことにいたしますとともに、第三・四半期につきましても引き続き契約の抑制を行なうことにいたしまして、八月三十日に閣議の決定をいたしたところでございます。 まず、繰り延べにつきましては、おおむね前年度と同様の考え方で実施することにいたしております。対象の範囲といたしましては、公共事業等のほかに財政投融資対象事業等を含めることにいたしておりますが、災害復旧事業でございますとか文教施設、社会福祉施設等、繰り延べ対象とすることが不適当なものは対象から除外をいたしております。また、住宅金融公庫、中小企業金融三機関等にかかわる事業につきましても対象除外の扱いをする等配慮をいたしておるところでございます。 繰り延べの率につきましては、昨年度の場合と同様に原則八%といたしておりますし、積雪寒冷地の事業、生活環境施設等につきましては、四%の低率を適用することにいたしております。 なお、繰り延べ措置は現在の経済情勢に即応した施行時期の調整措置でございますので、今後経済情勢が変化をいたしまして、解除することが適当と認められるような事態になりましたときにはこれを解除することにいたしているのでございます。 また、地方財政につきましても、国と同一基調のもとに繰り延べを行なうよう要請することにいたしました。 このような方針のもとに各省庁との間で調整をいたしました結果、四十九年度の繰り延べ額は、一般会計、特別会計、政府関係機関及び財政投融資を通じまして合計六千七百十五億円でございます。これに地方公共団体分を加えますと、総額約一兆四百億円でございます。おおむね前年度と同水準の繰り延べが予定されることになった次第でございます。 次に、第三・四半期の契約の抑制措置につきまして御説明申し上げます。 実は、昨年の場合に契約の抑制を上半期までといたしましたところ、第三・四半期以降に持ち越されました未契約分が十月ごろに一時に集中して契約に持ち込まれまして、物価の動向に影響するところがあったというような御批判を受けたこともあったわけでございます。そこで今年度につきましては、繰り延べとあわせまして、さらに第三・四半期末の契約の抑制措置を講ずることとした次第でございます。今後とも契約が特定の月に集中することのないように配慮してまいりたいと考えております。第三・四半期の契約抑制の内容は、第一、第二・四半期のそれとおおむね同様でございますが、各省庁と調整いたしました結果、第三・四半期末の契約目標率は前年度同期末の契約実績率七八・四%を一・五ポイント下回る七六・九%となっておるわけでございます。 本年度におきます財政執行面における抑制措置の経緯は以上のとおりでございます。 以上をもちまして御報告を終わらせていただきます。
○浜田小委員長 以上をもちまして政府の説明は終わりました。 —————————————
○浜田小委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。阿部助哉君。
○阿部(助)小委員 いま執行状況の御説明がありましたけれども、いま国民の大きな関心は、来年度予算は大体どんなお考えで編成されるだろうかということだと思うのであります。五十年度予算の本格的な編成作業もいま開始されておるわけでありますが、言うまでもなく、来年度予算はこれまでになく国民生活に重大な影響を与えるだけでなく、わが国の将来にも大きく関係してくると思いますので、私は五十年度予算の編成をめぐる諸問題について質問をしたいと思うのであります。 まず第一に、予算編成をめぐる経済情勢の判断について私はお伺いをしたいと思います。 その一つは、国際収支の見通しであります。今年の八月、わが国は西ドイツに次いで先進諸国のうちで二番目に経常収支で黒字を記録しました。五十年度の貿易収支、経常収支の見通しをどのように推測しておられるのか、まずこれをお伺いしたいと思うのであります。
○大倉説明員 ただいまのお尋ねでございますが、四十九年度につきましては、最近の情勢は阿部委員御指摘のとおり、輸出がかなりの好調を維持しておりますのと輸入が非常に落ちついておりますのと両面の要素で、貿易収支が六月に実は初めて黒になりましたのですが、以後七、八、九と若干ずつでございますが黒字幅を拡大してまいっております。その結果といたしまして、経常収支で見ましても八月、九月と若干の黒ということに相なっております。先行指標などで見ますと、本年一ぱいはこういう傾向がある程度続くというように考えてもいいかと思っております。 ただ、御質問の来年度ということになりますと、これは実はまだ先行指標的なものもない状況でございますことが一つと、もう一つは、ただいま申し上げました輸出の好調というものが来年どの程度続いてくれるか、特に最近の輸出は、阿部委員よく御承知のとおり、鉄鋼でございますとか自動車でございますとか化学製品でございますとか、ある程度集中的な面がございまして、それが国内の景気との関連もございますし、外国の景気との関連もございまして、来年度以降はたしていまのような好調が続いてくれるかどうか。また、輸入のほうもいまのような鎮静ぶりのままでいけるかどうかという点で、これは大蔵大臣自身も最近の機会にいろいろ御答弁申し上げております際に、来年度は依然として非常にまだ不透明でございますというお答えを申し上げております。私どもとしましても、実はまだ五十年度の見通しを確定するまでに至っておりません。しかし、御質問のように、予算編成いたしますまでには来年度の政府としての見通しをきめなくてはならない。もう少し時間をいただきたい。(阿部(助)小委員「いつごろですか」と呼ぶ)。 やはり十二月に入らないと出てこないのではないかと思っております。
○阿部(助)小委員 なかなかこれはむずかしいようでありますけれども、しかし、ある程度の見当をつけて予算編成をやらなければ、予算編成はどっちを向いたらいいかわからぬ。日本の景気、不景気、締めるか締めないかというような問題は、いままで私がここへ籍を置いて以来いつも国際収支というのが大きな要素になっておったということからも、やはりこれのある程度の見通しをつけなければほんとうの予算編成にならぬと思うのですが、いまむずかしいということですので、次に移ります。 今度は金問題、やはりなかなか問題になってきておるんじゃないですか。西ドイツからイタリアが借款を受ける場合、これを担保にした。だんだん市場価格で評価されておる。自由市場への金の売却も現実の課題となっておるようであります。言うまでもなく、わが国の外貨準備のうち金の保有高は十億ドルにも足らない。金の地位によっては、外貨準備にたいへん重大な影響が出てくると思う。国際通貨における金の果たす役割りと、わが国の外貨準備は今後どのようなことになるのか、この見通しをお伺いしたいのです。
○大倉説明員 わが国の保有しております金がドル表示で十億に満たない、この点御指摘のとおりでございます。また、従来のいろいろな経緯、歴史的な背景から見まして、ヨーロッパ諸国の一部、特にフランス、イタリアなどはかなり大量の金を保有しておるということもまた事実でございます。 今後の金の役割りをどう考えるかということにつきましては、阿部委員よく御承知の二十カ国蔵相会議が取りまとめました通貨制度改革概要という報告がございまして、これが先般のIMFの総務会で採択になったわけでございますが、その中では、将来の方向としてはやはり金の持つ通貨準備における地位は相対的に低下すべきであるということがいわれております。この方向につきましては、各国ともコンセンサスができておると申し上げてよろしいかと思います。 問題は、しからばいかなる方策で相対的な役割りが下がっていくのかということでございまして、これにつきまして現在出ておりますいろいろな議論といたしましては、まずやはり各国が保有している金の総量がふえないということで現実的にやっていくほかないという考え方が一つございます。ふえないというのみならず、減るというときには、まさしくおっしゃいましたように、何らかの意味でいま持っておる金を放出するということになろうかと思います。現在の仕組みでも、各国の政府ないし中央銀行の持っております金を市場に対して売ることは認められてはいるわけでございます。認められてはおりますが、各国ともねらったほどにはまだやっておりません。 と申しますのは、やはり金の市場が御承知のように非常に小さいものでございますから、それに向かってある程度まとまった数量を売りますと、市場価格が急に下がってしまうという危険があるというようないろいろな事情もあるようでございまして、いままでのところは、金のいわゆる流動化というものは目立った動きはいたしておりません。しかし、いよいよある国が、名前は名ざししないほうがよろしいと思いますが、国際収支でどうにもせっぱ詰まったということになれば、現実問題としてそういう動きが出てくるかもしれない。御質問の中にございました、金を担保にする借款ができた、もしあの借款が期限内に返済できなければ何らかの意味での金の処分が行なわれるであろう。 以上申し上げたようなことがいまの状況でございます。しかし、基本ラインといたしましては、各国とも将来の通貨制度の基本は逐次SDRの役割りがふえ、金の役割りは減るんだというところで共通の認識を持っておると申し上げて差しつかえないと思います。
○阿部(助)小委員 観念的にはあなたのおっしゃることは私わからぬではないのですけれども、現実の問題として、この前のIMF総会でもほとんど何もきまらなかったというような形で、これから為替戦争というような形のものも危惧される段階で、実際いうて、いまあなたうんと言わないような顔をしたけれども、ほんとうのフロートがやられておるかといえば、私はそうじゃないと思う。ある意味でみんな何がしかの介入をしておるとすれば、為替戦争という形のものに発展しないとは限らない。また、いまの国際通貨の情勢の中でSDRに移行したいという皆さんの主観的願望はわかるけれども、私のお伺いしておるのは、むしろ客観的にこの金というのが再び大きなウエートを占めてきておるのではないか、それを認識を誤っては困るんじゃないか。国の経済のかじ取りの中で、願望はわかるけれども、願望と現実の動きというものは必ずしも上致していない。 たとえば、あとでお伺いしますけれども、物価一つとってみても、皆さんの願望と現実の物価の趨勢というものは食い違っておるじゃないか。それがまた国民の生活を圧迫をしておるのであって、願望はいいけれども、いまここで論議をせなければいかぬのは直接に生活をしておる勤労大衆の生活がどうなるかということで、これは客観的に論議をせなければいかぬということで私はお伺いをしておるのであって、どうもSDRへ移行したいという願望は私もわからぬではないけれども、現実はそうなっていないのじゃないか。きょうは正式な委員会じゃないから私はそうこれをここであまり深入りしないけれども、今度の国会での答弁ではもう少し客観的な現実の動き、皆さんもまたそれによって予算を編成せざるを得ないんだと思いますので、そういう点をもう少し私は実のある論議にしていただきたいことを申し上げて、次へ移りたいと思います。 いま国際通貨の問題で国際会議をいろいろやる場合に、オイルダラーの還流問題についてはいろいろ論議をするけれども、この前の五カ国の蔵相会議か何かも、イギリス案が出たりアメリカの案が出たりいたしまして、なかなかまとまらない。大平さんなんかは、それぞれの国が独自に努力すべきだというようなことをおっしゃったように新聞報道で承知をしておるわけであります。そうすると、わが国はどのようにしてオイルダラーの取り入れについて努力し、どのように実現しているのか、これは公式にはさっぱりわからない、教えられていない。これはどういうことになっておるのか、今日までどこから幾らどんな条件で取り入れてきたのか、また、今後の見通しについて私は具体的に説明をしていただきたいのです。
○大倉説明員 非常に広範な御質問でございまして、ちょっと時間が長くなるかもしれませんが、まずワシントンでのいろいろな会合で、やはり今度は石油の問題、またこれの国際収支、国際金融に与える影響というものが非常に大きな話題を占めました。五カ国の集まり、十カ国の集まりあるいは総務会、なおそれに並行してございましたOECDの作業部会、いずれにおきましても、いわゆるリサイクリングの問題につきまして非常に活発な意見交換が行なわれておりました。 イギリスは、おっしゃいましたように、国際機関を通ずるリサイクリングをもう少し拡大すべきであろうという立場をとっておりました。それがヒーリー案といわれたものでございます。フランスも基本的にはほぼこれに同調するニュアンスでございました。アメリカはそういうリサイクリングについての新しい仕組みを必要とするかどうかということにつきましては、むしろ若干消極的な感じでございました。アメリカがそういう気持を持っております理由は、私どもいろいろな人の話を聞きましてそんたくいたしますに、二つ大きな理由があるような気がいたします。 一つは、米国の金融市場、資本市場というものはオイルマネーがかなり大量に流れ込んでくる可能性を見ておる。したがって、通常の金融市場、資本市場のメカニズムを通ずるリサイクリング以上に特に何か特別の仕組みが必要かどうかということについてなお若干消極的である。 もう一つは、そういう実際の動きと申しますよりもやや、何と申しますか、むしろある意味で哲学的なものの考え方があるようでございまして、再々いろいろな演説とかその他で報ぜられておりますように、いまのままの石油価格をやむを得ないこととして受け取ってしまうのではいかぬのだ、機会をとらえてこれを下げるという努力をしなくてはいかぬ。したがって、リサイクリングの仕組みを考えれば万事が解決するというようなアプローチはとらない。むしろリサイクリングのいろいろな仕組みをつくること自身がいまの価格を認め、その価格による余剰資金の安全、有利な運用を保障するような話になりかねない。それはやはり基本的なものの考え方としては、もう少し産油国を含めて国際的な討議が行なわれてからきめてしかるべき問題であるという、いわば適当かどうかわかりませんが、そういう基本的と申しますか哲学的と申しますか、そういうものの考え方が基本にあるようでございます。 日本の立場は、大平大蔵大臣がいろいろな機会に申され、総務としての演説にも織り込んでおられましたように、少なくとも当面は各主要消費国は一部を除いて軒並み赤字になり、産油国には相当の余剰資金が生ずるということは疑うべきもない事実であるから、国際金融秩序を維持するためには、オイルマネーがうまく必要なところに還流するということはどうしても必要である。ただ、その方式が特定のものに片寄るということはわれわれとしてはとらない。どれか一つに集中してしまうということになると、かりにそのパイプにひびが入った、あるいは詰まつたというときに非常な問題を起しかねない。日本としてはやはり多様化を極力推進いたしたいということを言っておられるわけでございます。 具体的に日本にいままでどの程度の金額が入っておるのかということは、これは実は私ども自身にもよくわからない点がございます。と申しますのは、通常の金融ルートで資金繰りをいたします場合に、大きなマーケットは御承知のユーロマーケットとアメリカマーケットでございますが、ユーロマネーの中にオイルマネーが幾らあるのかということは実はよくわからないわけでございます。したがいまして、ある程度の部分はオイルマネーがユーロ、アメリカ市場を通じて日本にも入ってきておる、これはもう事実だと思いますけれども、量的に幾らかということは非常に把握しにくい。これは各国ともよくわからないというのが現実でございます。 なお、多様化の一環といたしましていろいろな方式を研究し、機会があればあらゆるパイプをつけておきたいということを大臣が申し上げておると申しましたが、私どももその御指示に従っていろいろ勉強いたしております。 二国間の取引といたしまして、ある程度の中期資金が九月から十月にかけまして日本に導入されました。ただ、これは相手国の立場から申しますと、その国の外貨準備の運用の内容と条件を明らかにすることでございますので、当該相手国からは、そういう取引の内容は一切公表してもらいたくない、公表されることがあるならば、将来の取引も考え直さざるを得ないということを言われておりまするので、新聞その他でいろいろなうわさが流れておることは私も重々承知いたしておりますが、政府といたしましてこういう公式の場所で相手の国の名前、金額、条件を申し上げるのは、申しわけございませんが、御容赦いただきたいと思います。
○阿部(助)小委員 ユーロかオイルかわからないとか言っておられますし、片方では相手国からの要請で発表ができない、こうおっしゃっておるのですけれども、たとえば韓国はたしかアブダビから融資を受けたといわれておる。これは私の承知しておるのは新聞報道ですよ。それの返済は現地通貨で支払う、こうなっておるようであります。皆さんがいま外貨を取り入れた。これはやはり収府保証をするんじゃないですか。そうすると、政府保証をするということは、結局国民の問題であって、向こうのほうはそういう要請をするかもわからぬけれども、民主主義という中で国民にそり秘密にせなければいかぬということになると、このしりぬぐいをする場合に、国民には縁がないのですかな。私はそういう取りきめ自体がどうかと思うのですよ。どうも皆さんは秘密が好きなよりだけれども、これは支配者や権力者はたいがい秘密が好きなものなんです。ところが、民主主義というものはいろいろな不便がある、いろいろな回りくどい道がある。だけれども、国民が主人公だという観点に立てば、そう何でも秘密だ秘密だといって、いまのように国民の目をふさぎ、耳をふさいでいくやり方をやるくらいなら、三ばいのめしを二はいでがまんをしてもいいから民主主義というものを守らなければいかぬと私は思うのです。 どうもいまの政府は、日韓問題をとってみても、アメリカの核の問題をとってみても、国民はとにかく納得できないのですよ。そういう政治を続けていきますと、日本はまた昔のような軍国主義の時代、いまの韓国と同じようになってしまう。国民の目をふさぎ耳をふさいで、その上に口までふさいだら、もう日本の政治は民主主義なんということは言えないのですよ。私は基本的にそのお考えに納得ができない。なぜ一体主人公である国民に国会の場を通じてでもこれが発表できないのか。それくらいならば、むしろがまんしても、さっき言ったように、三ばいのめしを二はいでがまんしてもいい、私はそういうあれはとるべきではないと思うのですが、なぜ一体発表できないのか。 それは向こうさんの要望があるでしょう。向こうの国はどういう国か知りません。王さまの独裁なのか民主国家なのか、私はその辺はわかりません。しかし、わが国は民主主義をたてまえにしておるということになれば、あなたが発表できないなんと言うのは、その点になると政治の基本に関する問題だから私はどうしても声が大きくならざるを得ないのでして、私は納得できないのですがね。国民に縁もゆかりもない。皆さんだけがやって、皆さんのふところで勝負がつくものならいいですよ。そうじゃないでしょう。これは基本的な問題としてもう一ぺんお伺いしておきたい。
○大倉説明員 ただいまの阿部先生のお話は、私にも非常によくわかると申し上げますとよくわかるお話でございますし、私どもといたしましても、事情が許すならばこの種の取引については公表をしたほうがいいという考え方はもちろんわかります。わかりますけれども、繰り返しになりまして恐縮でございますが、産油国の中には積極的にそういうことを表に向かって発表するということを好む国と、一切そういうことを言いたくないという国とがございまして、今回の取引の相手方は実は後者に属する国でございます。先方がどうしてもこういう内容を政府が公式に発表することをされては困るということを強く申し上げておりますので、やはり私どもも取引の当事者といたしまして、まことに恐縮でございますが、公の場所で公式に政府が言及することは避けさせていただきたい。これはお願いでございます。
○阿部(助)小委員 これは私個人としては大倉さんの話はいかようにも言うことを聞くにやぶさかじゃないのですが、私は個人阿部助哉ではなしに、やはりここで論議されるのは、この場を通じて国民にものを申す、こういうことだと思うのです。そういう点から言って、だから少々苦しくたって私は、日本の政治の根幹に関する問題は、いま申し上げたように、三ばいのめしを二はいに減らしても民主主義を守る、自由を守るという立場を堅持したいと思う。 そういうようなことまですると、次から次へと秘密ということになってくる。そうしたら一体民主主義というものは成り立つのですか。民主主義を守っていけるのですか。私はこれは財政なんという問題を通り越して、日本の国民のあり方そのものに関してくると思うのでして、外交なんかもいまの状態を見ておって、私はどうもさっぱりわからない。国民みなわからないでしょう。しかし、大体想像はつきますね。潜水艦が核装備しておって、その辺ちょいちょい置いてくるような、あれは私がたばこを置いてくるようなしろものじゃないのだ。積んだまま来るぐらいなことは常識中の常識だと思うのだけれども、それをしらを切っておる。そういうことをやっていますと、日本の民主主義なんというものはなくなっちゃうのですよ。積んで入るかどうかなんという問題じゃなしに、私は政府がそういうふうに国民を信用しない、国民にうそをつく、こういう姿勢が結局民主政治を掘りくずしていく、お互いにそれであとでまた悲劇を生むということを歴史は示しておる。 これは日本の国の政治の基本的なあり方なんでして、私は日本の国にそう秘密なんというのはあっちゃいかぬし、あり得ないと思うので、この点だけは何とも私には納得、了承するというわけにはいかぬのですがね。なぜそんな取りきめをするのです。民主主義をもうぶん投げてもいいということで皆さんはそういう取りきめをなさるのですか。これは日本の政治の基本に関する問題なんです。もう一財政だとかへったくれなんというけちなものじゃないと私は思う。皆さんは民主主義をなくしてもいい、とりあえず日本の経済を発展させたいということでお取りきめになるのですか。私はこの問題はあまり深入りしようと思っていないけれども、これは日本の政治の基本に関する問題だから、これは私は国会議員を首になっても守り抜かなければいかぬ民主主義の基本ですから、こういう問題になると、私はここは一歩も譲るわけにいかないのですよ。これはいかがですか。私は少々の損得の問題じゃないと思うのですよ。日本の民主主義は崩壊してもいいというお立場でそういう秘密な取りきめをされるのですか。この点はどうなんです。
○大倉説明員 お立場は重々わかりまするし、私どももできることならば公表するほうが適当であるという考え方があると思います。本件の取引をいたしております過程で、そういう取引があったということすら言わないでくれという点がございましたけれども、それはやはりそこまではだめだ、幾ら何でもうそをつくというわけにはまいらないということで、先ほど申し上げたような御答弁をいたしておるわけでございます。具体的な内容、金額、条件というものについては、これは先方のお立場もあることでございまして、一国の外貨準備を具体的にどこに幾らどういう条件で預けておるかあるいは貸しておるかということは、各国とも公表はいたしておりません。受け入れ側が公表するということを避けたいという気持ちも、私どもなりにまた十分わかるわけでございます。したがって、秘密にすることをよしとしてやっておるわけではございません。しかし、相手の立場も十分に尊重せざるを得ない、苦しいところに追い込まれております。申しわけございませんが、私どもとしては先ほど来申し上げております程度の答弁でお許しをいただきたい、かように思います。
○阿部(助)小委員 いや、私はこれは了承するわけにはいかぬのですよ。これを了承したら、私が政治の場にこうやって出てくることの基本が崩壊してしまうのでして、自殺行為になるのです。それなら私は国会議員をやめるのです。これは私はもう自分自身で資格がないと思うのです。あなたのおっしゃることに私は了解を与えるわけにはいかぬのです。 相手のほうがそうおっしゃることは私はわからぬではないです。だけれども、日本は民主主義なんだという皆さんに基本的な認識なしに、外国がこうおっしゃるから、こうなんです、アメリカさんがこうおっしゃるからこうなんですということを言えば、日本の民主主義というものはそういう面からもまたくずされるということだけは大倉さんもわかるでしょう。私の言うことはわかるでしょう。だから、こういう秘密取りきめというものは民主国家日本の憲法のもとでやってはいかぬのですよ。幾ら金がほしいからといって、政治節操まで売りて金をつかんではいかぬのです。同じことなんです。外貨事情が少し悪くなった、やれドルがほしい、だからといって日本の民主主義を取りくずしてもいいというわけにはまいらないということだけ皆さんに認識してもらっておけば、私は次へ移ります。 だけれども、あなたの言い分を私に了承しろといったって、私は絶対了承できないです。それならば、私は政治生命をここで即座に投げ出します。私はこれ以上追及しませんけれども、私のことがわかるかどうかだけもう一ぺんあなたが答弁してくだされば、私は次へ移ります。
○大倉説明員 何度も同じことばを使いまして恐縮でございますが、阿部委員の御指摘になっておられますものの考え方というのは、失礼なことばでございますが、私としてはわかっておるつもりでございます。わかりながらも相手方のこともございまして、この答弁で私としてはとどめざるを得ないということで、非常におっしゃるようにむずかしい問題でございますので、本件のお取り扱いはあるいは小委員会として別途御審議願うような機会もあろうかと思っております。
○阿部(助)小委員 次に移りますけれども、相手の立場を考えてということは、話し合いの契約をするときに、皆さんが私の申し上げておるような立場を堅持してこれからはやっていただきたい、私はこういう要請をするわけです。それでありませんと、繰り返しますが、外国とのあれがこうだ、あそことのあれはこうだ、何はどうだという理屈をつけて秘密をふやしていきますと、日本の民主主義というものはなくなってしまうのだという点を私は皆さんに考えていただきたいということで、次へ移りたいと思います。 円の対ドル価格はいま大体一ドル三百円に張りついておる。これはどうもダーティーフロートといわれてもしかたがないのじゃないか。これはもう国際的な常識になっておるのじゃないか。五十年度を見通した場合どれくらいが適当な額と予想しておるのか、これをお伺いしたいと思います。
○大倉説明員 ただいまの仕組みのもとにおきましては、先ほどの御質問にも出ておりましたフロートになっておりますので、具体的にどこかの水準にレートをくぎづけにするということは私どもは考えておりません。ただ、これはまたおしかりを受けるかと思いますが、私どものほうからレートはこれぐらいがいいと思うということはちょっと申し上げるわけにまいりませんので、どういう考え方でやっておるかということを申し上げて答弁にかえさせていただきたいと思います。 御承知のとおり、一月には一時三百円というようなことがございました。それ以後かなり円高ドル安が続きまして、大体七月までは三百円をこえないという形でおりました。八月に入りましてかなり円安の傾向が強まりまして、たしか八月の二十二日ごろであったと思いますが、三百四円四十銭というのが最近での一番の円の最安値でございます。それ以後若干市場の情勢が好転いたしまして、ただいまのところは、先ほどおっしゃいましたように、大体二百九十九円前後で推移いたしております。けさは若干円高の気分でございまして、けさの一番新しい数字は二百九十八円八十銭ぐらいでできておるようでございます。 それで、先ほどの御質問の中にもございました完全に野放しではないのだという点は、そうでございます。これはC20の報告の第二部のほうでも、やはり完全に野放しのフロートというのは逆に為替切り下げ競争による国際収支の調整に走る危険があるので、各国とも何らかの意味で、乱高下をしない、切り下げ競争をしないという意味での管理されたフロート、マネージドフロートというものでやっていくべきだろうということがいわれております。それで、フロートのガイドラインということばでIMFの理事会などでも議論がされ、ある種の決定もなされております。ただ、このガイドラインと申しますのは、金額なり幅は入っておりません。つまり、たとえばセントラルレートに対して上下何%の範囲にとめようとか、そういうものは入っておりません。いわれておりますことは、週単位なり月単位なりでもって非常な投機的な乱高下なり、意図的な切り下げ競争なりというものはやらないようにしようということでございます。したがいまして、いま私どもが日々相場の動きを見ております場合も、非常な乱高下は避けるが、基本的には市場の自主性に従うというつもりでやっております。 八月の円安相場の理由は、実は貿易収支なり貿易外収支なりだけからきたものではございませんでした。御記憶のように、六月の末にヘルシュタットというドイツの銀行が問題を起こしまして、それ以後ユーロマーケットが非常に急激に一時縮減いたしまして、資金繰りがつかなくなれば結局市場でドルをまかなう以外にないという状況になりました。そういう要因もございまして、かなりの円安がございました。そういう要因もございまして、かなりの円安がございました。そのときにも基調をあまり無視するというつもりはございませんでしたが、日々の介入というのは実は一切申し上げないということにはなっておりますけれども、もう二カ月たっておりますから、あのときにはある程度の売り介入はいたしました。いたしまして、そうめちゃくちゃな円安にならないようにという配慮はいたしました。今後ともいま申し上げたようなやり方で、しかし、特定の水準に必らず維持しなくてはならぬという考え方ではなしにやっていきたいと考えております。
○阿部(助)小委員 それでは、もう少しお伺いしたいところだけれども、第二番目の問題に移ります。 物価見通しについてでありますが、予算編成をする場合、物価の見通しなしに皆さん予算編成をするわけはないんで、さきに大平大蔵大臣はワシントンでの記者会見で、物価上昇率を五十年度は一二%、こうおっしゃったように新聞は報道しております。高木大蔵事務次官は一五%とも言っておる。自民党・政府連絡会議はこれを一五%程度と発表しておるのでありますが、この数字は卸売り物価のことなんですか、消費者物価のことなんですか。
○岩瀬説明員 お答えいたします。 いま先生から御指摘の、いろいろ数字が出たのでございますが、全般的な数字としては、おそらく消費者物価のことに関連しての数字であろうかと思いますけれども、これはいずれも正式にこうだというふうに申し上げた数字ではないように私承っておりまして、来年の物価の見通しというような問題は、現状がまだ非常に流動的でございますので、その辺を特に私どもは十月から十二月、これが物価に対しての一種の正念場と考えております。この流動的な段階からいま見通しを立てるというのは非常に困難な状況にあるということが前提でございますので、いまおっしゃいました数字は、あるいは何かそんなふうに押えられたらなあというふうな、努力目標というか、あるいは希望的な数字というか、そういうものではないかと考えております。
○阿部(助)小委員 私は非常に不愉快なのは、この前の委員会で大蔵大臣に質問したが、とにかく何も答弁もしない。そうしておいて次の日に、月一%程度のどうだこうだということを、国会の外ではものを申す。 高木さんの次官になってからの、まあ新聞に出たんだから、新聞がうそを書いたと皆さんが言えばこれはまた別ですけれども、私は新聞に出たのは全部スクラップしてある。ずいぶんいろいろなことを言っておるんだな。とにかくこれは一ぺん今度、委員長、理事会でも相談して、高木さんにひとつ来てもらってぎっちり質問しなければいかぬと思うけれども、これは政府委員でなければ参考人でもいい。 高木さんがああやってやれば、やはり大蔵省を代表してものを申しておると国民は受け取りますよ。これは当然のことですよ。外ではいつでも、何か賃金は二〇%あるいは一五%みたいなことをほざいて回っておる。国会では何も言わない。いま岩瀬さんがおっしゃったように、国会では非常にあいまいもことしたあれで何もおっしゃらない。次の日になると、国会の外では相当はっきりしたものの言い方をしておるようであります。 一体、国会というものを何と考えておるのか、私はわからなくなってくる。国会は採決という儀式の場と皆さんはお考えになっておるんじゃないだろうか、私はそういう気がしてならぬ。国会はほんとうに形骸化して、これは採決の場であって論議の場でなくなってしまっているんじゃないだろうか。私は、ここでこそもう少し真剣にやりとりをする。それはお互い人間のやることに多少の間違いもあるでしょう。間違えたときはまた直していくということで、私は国民のためにお互いに真剣になって、こここそ討論の場だ、こう思うのだけれども、皆さんのほうは何か国会は形骸化して、採決して通しさえすればいいんだということで、国会ではなるたけはっきりものを申さない。それで、私が腹を立てるのは、前の日に聞いてさっぱりわからない、まだ見通しが立っていない、こういうようにおっしゃっておる。次の日に外ではわりとはっきりものを申すという姿勢は、一体どういうことなんだろうか。 私はさっき申し上げたように、日本の民主主義もだんだんこういう形の中から掘りくずされて、なくなっていくんじゃないだろうかという不安を持っておるからこう聞くのでして、わからぬならわからぬでいいのですよ。まだ見通しが立たないなら立たないでいいのですよ。なぜ一体それならば国会をばかにして、外でものを申すんだ。私はこの姿勢が気に食わないのですよ。一体、皆さんのほうは国会を何と思っているんだろうか。私はそこを聞きたいのですよ。 そういう点で、岩瀬さん、たいへん恐縮だけれども、もう一ぺんお答え願いたい。
○岩瀬説明員 次官でも大臣でもございませんので、そのお気持ちを正確にお伝えできるかどうか、まず自信がございませんが、私の感じますところ、おそらく国会での御質疑の際の答弁というのは、先生の御指摘の点もあるかもしれませんけれども、私どもから見ますれば、非常に格の高いと申しますか、あるいは厳粛と申しますか、非常にはっきりとした見通しのないままに正式の場で、特に来年の物価は幾らになる、押えてみせるというようなことは、努力目標みたいなことは言えても、なかなか正確なことは御答弁をするわけにはいかない、そういう場面は見通しがはっきりするまではないのだろうと私は思います。 ただ、新聞あるいは翌日になっていろいろおっしゃったというようなことがもしかりにあるとすれば、それはそのときの状況がございまして、何となく非常にリラックスしたような気分の中で、個人的に言えばどんな調子ですかというようなことを言っているところに、ひょっと何か新聞の方から聞かれた数字、まあそんなところかなというような感じが記事になったり、報道されたりするんではなかろうか。 逆に、私どもは国会では何も言わないというんではなくて、国会に対しては私ども最も厳粛な気持ちで相対しておりますだけに、何かそういう雰囲気でものを言うということは避けておる、その結果がいま御指摘のような差になっておるんじゃないかと思います。
○阿部(助)小委員 まあそういう点もあるいはあろうかと思います。これは私は野党にも責任がないとは思いません。私たちにもえてしてそれは間違いもあります。またここで言うことに、つまらぬことであげ足とりみたいなことになることも、これもまた事実であります。だけれども、お互いにここでこそ、いまははっきりは言えないけれども、こういうデータ、こういうことで、こういうことを考えると、まあこの程度でこうやりたいというぐらいの、もう少しここでこそいろいろなものを出し合って論議をする。それで結論が出ないのは出ないでしょうがないでしょう。 だけれども、何か私たちから見れば、それはあなた、厳粛な場にあれしてうっかりしたことは言えないんだ、こうおっしゃれば、その点も私もわからないではない。その辺私たちも気をつけなければいかぬと同時に、皆さんのほうもそこをもう少し——それにしても、厳粛だからものが言えないなんといったら、国会はどうしようもないんでして、採決の場になってしまうわけです。そういう傾向をどう防ぐか、議会をほんとうに国民のための議会というものにお互い努力していかなければいかぬけれども、私、先ほどの問題でも御指摘したように、いまだんだん国会というものはつんぼさじきにされていく、それでは議会制民主主義なんというものが形骸化していくという危険性を私は感ずるからこういうことを申し上げるんです。 経団連だとかそういうところへ行ったときは、仲間同士だからリラックスしておるのかもわかりませんけれども、まだわからないにしても、たいへんにはっきりとものを申しておるようであります。しかし、その申すには、ただ単なる勘で言っているのではなしに、いろいろなデータの上での勘だと思うのです。そういうものをなぜここに出さないのかということに私は不満なんでして、私は、もう少しそういう点で政府の態度というものを改めてもらいたい。特に高木さんは、ずいぶんいろいろなところで物価一五%、賃金二〇%ということを繰り返しおっしゃっておる。しかしそれは、やはり国民の受け取る側は、大蔵省を代表してものを言っておる、こう受け取っておるわけです。 だけれども、国会となるやいま岩瀬さんのおっしゃったように、たいへんあいまいで、消費者物価のことだと思います程度の答弁しか返ってこないとすれば、もう私自体がこれ以上質問する勇気がなくなってしまうのですがね。もう少し国会というところを実のある場にする努力を皆さん自体もやりませんか。こんなことだったらほんとうにただ審議なんかしないで採決だけすればいいということになっちゃうんじゃないですか。私たちも乏しい知識で、しらがになるほど一生懸命やってきたって、これでは何も国民のためにならないということになるじゃないですか。国会という場をもう少し皆さんに考えていただきたい、こう思うのでありまして、きょうはこの問題はこれ以上やりませんけれども、ひとつ皆さんにもお考え願いたいと思います。 次に、財政運営と関係する公共料金の取り扱いでありますけれども、物価抑制のために公共料金を五十年度は凍結したらいいじゃないか、こう思うのですけれども、どうなんですかね。生産者米価と消費者米価のリンクを強化するのかどうか。国鉄運賃についてどの程度の値上げを見込んでおるのか。何かまた竹内さんかだれかが、六〇%ぐらい上げにゃいかぬみたいな話もしたようですが、そういうことを考えているとすると、いまでも苦しんでおる勤労者にとってはこれはたいへんな脅威であります。それから、その他の公共料金について独算制を強化するのかどうかという程度の幾つかの問題を大ざっぱに出しましたが、大ざっぱでけっこうですが、御答弁願いたいと思います。
○岩瀬説明員 公共料金につきましては、従来から物価に対する影響ということを慎重に配慮いたしましてきめてきておるわけでございますが、できるだけ節度ある抑制という形で政府としては取り扱ってきておるわけでございます。ただ、石油ショック以来のいろいろ外国からのエネルギー価格の上昇とか、そういういろいろな諸要素を公共料金はすべて受けないで済むかというと、やはりその影響をかなり強く受けておるわけでございまして、そういうものをほうっておきますと、それぞれの機関が大きな赤字になって、将来財政負担を逆の面において大きくする、あるいはまた、国民にある時期において非常に御迷惑をかけるというようなことになります。従来むしろならしておくべきであった公共料金が、積み重なって一挙にここで引き上げになるとかというような現象もございますので、公共料金というものを一つ一つ分析してみませんと、一般論としてのお答えをすることはなかなかできかねるのでございますが、やはりこれからも節度ある態度で臨みたいという気持ちはあるわけでございます。 ただ、いま先生から御指摘のございました、ある期間だけをめどに、いわば物価が安定するまでの間公共料金は一時ストップしたらどうかというような意見も、政府の中にももちろんございます。これにつきましては、私ども大蔵省といたしましては、ただ財政面からの問題だけでなしに、やはり物価が安定したときにという時点までそれをほうっておくということがはたして国民経済的に見ていいかどうかという観点、あるいは、先ほどもちょっと触れましたけれども、ある一時期にかたまって出てくるというような点、そういう点を全く公共料金については無視して、もう一切これを上げないんだというわけにはまいりません。人件費その他、特に人件費が相当大きなウェートを占めておる場合が公共料金には、全部とは申しませんけれどもございますので、そういう点を考慮しながら慎重に臨んでおるというわけでございます。 この十月に公共料金が重ねていろいろだまって出てまいりましたので、特にその物価への影響というのが大きく世間でもいわれておるわけでございますけれども、たまたま国鉄の運賃のお話が出ましたが、これも四月上げる予定のものを十月まで延ばしてきたものでございますし、米につきましても、物価等を考慮いたしまして、本来ならば、財政負担の点からはもっと上げてもらわなければいかぬものを考えながら、財政負担で半分はそれを見るというようなこともやっておるわけでございまして、上げるものは全部無節操に上げておるというようなことではございません。先生の御指摘のような面も十分考慮しながらこれからも対処していくつもりでございます。
○阿部(助)小委員 財政負担もやっておるということですが、それがなければ政府は要らぬのですよ。それをやるために、そして国民生活を安定するために政府が必要なんだろうと思うのでして、それをやらないなら初めから政府なんてよけいなものであって要らぬのですよ。それをどうするか。だから具体的には、生産者米価と消費者米価のリンクをもっと強化するのかどうかという具体的なことを、二あげて私は聞いておるのですけれども、それをこれだけの赤字を解消するだけでやるなら、そんな政府は要らないですよ。まあ皆さんにいまこれを言っても答弁しにくいようですから、先へ移ります。きょうはさらっといきますから。 三番目には、予算の性格と内容についてでありますが、まず、五十年度予算編成にあたって福祉重点の立場をとるのかどうか。具体的には、福祉関係予算は物価にスライドさせた上で今年度以上の伸び率を期待してよいのかどうかという点をお伺いしたいと思います。
○辻説明員 五十年度予算の編成につきましては、ただいま作業中の段階であるわけでございます。全体的な考え方、基本的な考え方といたしましては、引き続き総需要抑制策を堅持する方針のもとに、できるだけ予算規模を抑制するように努力してまいる、あるいはまた公債依存度につきましてもできる限り引き下げをはかるように努力してまいるというふうに考えておるわけでございますが、ただいま御質問のございました福祉の問題、これにつきましては、御承知のように、従来から予算編成の重要な柱の一つとして充実に努力をしてきたところでございます。社会保障の充実あるいは国民福祉の向上という問題につきましては、従来から予算編成の重点であったわけでございますので、ただいま申し上げましたような基本的な考え方のもとに立ちまして、そういう福祉充実という観点からさらに努力をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、具体的な問題をどういうふうにするかということにつきましては、ただいま編成作業に取りかかったばかりの段階でございますので、申し上げることがむずかしいわけでございますが、年金の充実でございますとか、施設の整備の促進でございますとか、生活保護、あるいはまた施設の入所者の処遇の改善でございますとか、そういう問題につきましては、今後とも重点的に検討いたしてまいりたい、かように考えております。
○阿部(助)小委員 重点的にお考えになるということでありますが、今年度以上の伸び率を期待してよいかどうか、私はこう聞いておるのでありまして、どうも一般では、福祉元年はあったけれども、福祉二年からはなくなるということで、福祉元年だけで終わってしまうのではないかという感じを皆さん持っておる、国民は不安を持っておるようであります。 そこで、私はお伺いしたいのだけれども、伸び率をもう少し期待してもいいんだ、あるいは期待できないんだというぐらいの点は大体基本的にははっきりして、その上で予算の取り組みをやるのではないのですか。大体そのめどぐらいはつけて予算の査定や何かをおやりになるんじゃないのですか。ただ出てきたのを片っ端から切ったり何かしていくだけで予算というものはできるのですか。私、そんなずさんなものではないと思うのでして、やはり国の方針でありますから、しかもこの予算というものは何といっても中心的な政策でありますから、ことしは全体は抑制と、こう方針を出しておる。その中で福祉もやはり抑制ということになるのか。福祉は、日本は特に低いので、もう少し伸ばそうという基本的な考え方があるのか。私は何%伸びるとか、伸びないとかというほど具体的にお伺いしておるのではないのでして、まあきょうの段階は、基本的な皆さんのお考えを聞いておる。その基本的なお考えもなしに予算編成に入っておるとは私には思えない。その辺ぐらいはもう少し具体的な御答弁をなさらぬと、もう小委員会を開くことにも反対をいたします。どうなんですか、辻さん。
○辻説明員 基本的な考え方といたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、社会保障の充実なり国民福祉の向上ということは従来から重要な予算編成の柱として考えてまいったわけでございますので、そういう基本姿勢を堅持しながら来年度の予算編成に対処してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 しかし、何ぶんにも現在のところまだ作業中でございまして、歳入歳出とも全体の見通しをつけるのにはほど遠い状況にございますので、全体の規模がどうなるか、あるいはまた、その中で社会保障関係費のどれがどうなるかということを具体的にお答え申し上げる段階にないことは御了承いただきたい、かように考えております。
○阿部(助)小委員 だいぶ時間の催促もあるようですから、一、二飛ばします。 これもまたお答えがなかなかできないだろうと思いますが、農業の国際分業論は、私はもう崩壊したと思うんです。食糧の自給が焦眉の急になっておると思いますが、農業関係予算について、五十年度ではどのような考えで予算編成を行なおうとしておるのか、食糧の自給率を高めようとするのか、高めるためにはやはりこれに裏づけされる予算が必要だと思うのであります。いま食糧問題は、ある意味ではアメリカは戦略物資的な扱いをしてきておるんじゃないだろうかということも考え、世界の食糧事情というものも考えれば、日本は先進国といわれる中で自給率の最も低い国でありまして、これは国民が生きるための必要なものでありますので、そういう点で農業に対してどのようなお考えでこの予算編成に当たられるのか、その辺をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○田中説明員 先生の御指摘になりましたように、最近の農林漁業、特に農を取り巻く経済情勢、特に国際情勢というものが非常にきびしくなっているということは十分認識している点でございます。御指摘のような食糧の自給度の向上という点につきましては、農林省のほうで現在自給計画等の見直しをいたしておりますが、明らかに麦は自給度が五%でございますとか大豆は四%というような現状でございますので、昨年来特にこの点に注目いたしまして、食糧自給度の向上という観点から、麦の生産奨励、あるいは大豆の生産奨励、あるいは主要食物の生産振興、あるいはこれらの物の備蓄という対策を新しい柱として四十九年度から取り上げたわけでございます。 四十八年度はこれらの対策経費がほとんど皆無でございましたけれども、四十九年度予算におきましては、御承知のように麦につきましては百億、飼料作目については十七億、あるいは大豆につきましても相当額の金額を予算計上いたしました経緯もございますので、今後も特にその自給度の向上という点につきましては来年度の農林予算の柱といたしまして、特に農林省のほうも自給度の向上とそれから価格安定対策というものを大きな柱として要求してきておりますので、相手省とも十分相談をいたしました上で、重点的に配慮してまいりたいと存じております。
○阿部(助)小委員 次は地方財政、これは飛ばします。 第四番目には賃金問題についてでありますが、高木次官は、しばしば財界等との懇談会で賃上げ抑制を強調しております。賃上げを抑制すべきであるというのは、これは大蔵省の正式見解なんですか、どうなんです。
○岩瀬説明員 特に賃金を対象といたしまして、特別何か大蔵省が態度を表明したということは一度もございません。ただ御承知のように、いま物価、これは国民の関心事であり重大なる影響を受けておるわけでございますから、物価と密接な関係にありますところの賃金というものに対して無関心である、素通りしていくというわけにはまいらない。したがいまして、物価と賃金という問題は、ある意味では同じ場で話をし、勉強されるべき問題ではなかろうかと考えております。 大蔵省といたしましては、いま賃金問題を物価の中で議論いたします際に、いまの物価騰貴というものから名目賃金と実質賃金との間の乖離というのが非常に大きい、結局、物価政策をうまくやればその乖離が実際上なくなってくるということにねらいがあるわけでございますから、まず物価を鎮静させなければいかぬ。そのためにどういう手段がとらるべきであろうか。そこで総需要抑制策ということを依然としてとり続けておるわけでございまして、その総需要抑制策をとることによって物価が鎮静すれば、これは名目賃金というよりむしろ実質賃金が上がっていくということにもなるわけでございますから、そういう点で物価問題から入って総需要抑制策を論じ、そこにその賃金問題が当然に入ってくる、こういう形での勉強はいたしております。
○阿部(助)小委員 十月八日の経済同友会との会合で、賃金と物価の悪循環が当面の基本問題だ、これを断ち切るのに勇断が必要だと、こう非常に明快に高木さんはおっしゃっておるのですね。物価を押えるのは、これは政府の責任なんですよ。賃金はどうなんです。政府といえども賃金問題に介入するなんということは、一体どこの憲法の何条で、法律の何条でこの権限が皆さんに与えられておるのです。賃金問題は労使間の話し合いで、ある意味でいえば、力関係できまるということになっておるのじゃないですか。政府がこれに介入するということは、日本の法律のどこにあるのだろう。特に大蔵省として、一体どの法律によってそんなことが言えるのです。私はこれに対してはたいへんな不満を持っておる。 それだから、特に一ぺん高木さんに出てきてもらって、私は高木さんの見解を聞きたい。一体、どこの法律で大蔵省は、賃金はこうあるべきだ、あああるべきだという介入的な発言をされる権限があるのです。私はふしぎでしょうがない。御答弁願いたいのです。
○岩瀬説明員 先生のような方向から入ってこられますと、たいへん私ども何か賃金だけをねらい撃ちしているというような印象がいたすわけでございますが、実はそうではなくて、同友会で先ほど先生がおっしゃいましたそういうふうな言い方は、同友会の場合私も同席いたしておりましたが、そういうことは申しておりませんので、そこは訂正させていただきます。 賃金問題というのは大蔵省は何の権限があってどの法律でどうかということにつきましては、これは法律関係ということよりも、むしろ物価というものにいま政府が全力を傾注しておるわけでございますから、物価という中に登場してくるところの賃金というものはやはり非常に重大なもので、それを素通りはできません。むしろ心配するのは、物価と賃金というか、一種のスパイラル現象を起こさないように経済を適切に運営していくということが結局国民のためにもなるわけでございますので、そういう方向から考えて経済政策というものを検討されるべきではなかろうかと思います。そういう意味で賃金ということがしばしば出てまいるかもしれませんが、それは賃金が目的というよりも、安定した国民生活を確保する上において物価が重要であり、その物価の中においては、もちろん賃金だけの問題ではなくて企業の収益の問題とか、いろいろな問題が入ってくるわけでございます。 たまたまお話が出ましたから申し上げますが、同友会とか経団連等に参りまして懇談をいたしました際に大蔵省としてむしろ強調いたしました点は、事業家が何でも安易に価格に転嫁して、そしてそれが物価の押し上げ要因になっては困る。したがって、コストが上がったからすぐそれは価格への転嫁だということになると国民が困るので、要するに節度ある態度をとってもらいたい。したがって、それは経営方針の一番重要な根幹であるので、いまの総需要抑制策というのをよく理解してもらいたい、こういうことを申して、終始そういうことで話が進められたわけでございまして、先生御指摘のように、賃金をねらい撃ちしてということでは絶対にございません。
○阿部(助)小委員 これは何か速記録でもあったらそれを一ぺん見たい。経団連か同友会のそういうのを見せてくれませんか。
○岩瀬説明員 これは実は速記というか、メモを書く人がおりませんで、要するに私どもしゃべっておる者が項目的に、どんな話題が出たかということをあとで新聞記者に話題として説明をしたということでございまして、速記者がおったわけでもございませんし、正確な速記録というのはございません。
○阿部(助)小委員 この問題はどうも一再ならず、物価一五%、賃金二〇%というのが新聞でもうたびたび報道されておるのですね。しかも経済同友会の会合におけるあれを聞けば、非常にはっきりと悪循環、当面の基本的課題、これを断ち切るには勇断が必要だ、もう非常に強い調子での高木さんのお話であった、こう聞いておるのでありまして、私はこの賃金問題、これはもう皆さんは私よりも法律のこと詳しい、労使関係の問題、しかもそのために人事院なんというものまでつくってごまかしておる。本来は力関係で交渉の中できまるべき問題なのです。だから、私はある意味でいうと、大蔵省だけじゃなしに、政府ですらこの問題にそう安易に介入すべきものではない、私はこういう立場になっておるのじゃないかと思うのですよ。それをいま盛んにそういうことを高木さんが言って回ることは、ある意味でこれは資本家に対しても上げるなと、こういうふうな圧力をかけておるとしか思えない。勘ぐれば、いろいろ私はこのことを言いたいけれども、そういうことをずいぶん調子よくやっておられるので、委員長、どうしてもこれは一ぺん高木さんに委員会に出席をお願いして——私は高木さんの言行録を、新聞がうそをついておるといえば別でありますが、少なくとも彼のものを申した記事は全部スクラップしてあるので、一ぺん一つ一つこれは問いただしてみないといかぬと思っておるのですよ。 だから私は、ほんとうにどのあれで事務次官がそんなことを言わにゃいかぬのか。物価こそ皆さんの責任なのですよ。そっちのほうはさっぱりしない。それで大平さんは、物価は需給関係できまって政府は関与しないみたいなことをこの前私の質問でおっしゃった。一体、政府が関与しないで物価は上がっておるのですか。そんなことはないですよ。ほとんど大半はいま寡占価格、政府との関係においてきまっておる。電力だ、鉄鋼だ、みんなそうじゃないですか。そういう基幹産業をどんどん上げておいて、今度はこの賃金のほうを押えつけていこう。私はそういうことを見てくると、どうもいまの大蔵省のあり方というものに疑問を持たざるを得ない。だから、そういうことを言うなら、一体、法何条でそういう権限があるのか、あるならその法律を示してもらいたい。私の知る限りにはそんなものはないですよ。そんなものに政府があまり介入すべきじゃないですよ。私はその辺をもう少しちゃんとしておいてもらいたい。 最後に、高木さんは、これも私は新聞でしか情報が入りませんのですが、これは九月二十八日の読売新聞に出ておるのですが、五十年度は国債の増発が必要であるかのような、場合によったら出さなければいかぬような記事が出ておるのでありますけれども、そうすれば景気抑制、総需要抑制政策というものと逆行するのではないか、こう思うのであります。この財源不足の問題は、特別措置の整理と大企業、インフレ等の問題を考えるべきだと思うのですけれども、何か国債を増発するというお考えがあるのですか。
○岩瀬説明員 来年度の予算の問題は、まだこれからいろいろ組み立てが行なわれるわけでございますが、昭和五十年度予算というものをある程度前方に見た場合に、やはり物価の点からいってもかなり押えぎみの予算を組まざるを得ないということでございまして、また財源的にも非常にむずかしい問題がございます。さりとて国債を増発をして、増発というのは対前年度よりもふやすような傾向に持っていこうということですが、こういう議論は、大蔵省の中には現在ないと承知いたしております。
○阿部(助)小委員 これで終わりますけれども、いまインフレの中で、しかも東洋紡が首切りをやった、ヤシカが首切りをやった、また間接的には農民の出かせぎもだんだん職場がなくなってくる。労働者にとっては、いままでは住宅をつくったなんというのは残業で住宅ローンを払っておるというような関係が、残業は切られて実質的な収入は減る、パートの首切りは行なわれる。こういう中におけるこれからの財政というものには、国民の生活を守るという皆さんのお仕事があると思うのであります。そういう点でだんだん深刻であります。 先ほど私、福祉の問題を聞いたけれども、この福祉をやるためにこそ政府があるのであって、みんなで負担してみんなで福祉をやれなんというんじゃ政府は要らないですよ。そこで私はお伺いしたいのでありまするけれども、財政の基本的機能というのは何なのですか。
○辻説明員 いろいろな考え方があると思いますけれども、一つの重要な機能といたしましては、資源の配分を適確に行なう、資源の配分機能であろうかと思います。
○阿部(助)小委員 資源というのは、これはどういうことをおっしゃっておるのか、私は富の再配分機能、これがやっぱり大きな財政の基本的な機能であると思うのですが、間違いでしょうか。
○辻説明員 財政の役割りにつきましては、資源のそういう配分の機能のほかに、景気の調整機能でありますとか、いろいろな点があげられるわけでございますけれども、その一つの重要な機能といたしまして、資源と申しますか、富と申しますか、そういうものの配分の役割りというのが重要であることは当然なことであるわけです。
○阿部(助)小委員 インフレで一番不満を持たれるものは何かといえば、私はやはり富の偏在になるという点だと思うのであります。インフレになればどうしても富は偏在をいたしていきます。これはもう疑うことのできない事実であります。そういう物価の猛烈な値上がりの中で、これからの財政のかじのとり方というものはたいへんむずかしいと思うのであります。だからこそ私は、福祉の問題、農業の問題をお伺いしたわけでありますけれども、きょうは時間が制約されておりますので、私もあまり突っ込んでまで論議をしようと思っておりませんが、皆さんの希望的な観測や皆さんの努力にもかかわらず、私はどうも、物価は一五%程度でおさまるはずがないのではないか。そうしていくと、これはさらに財政の運営機能としての一番基本である富の再配分という機能をいかに有効に発揮していくか、そういうこれからの五十年度予算編成の基本に返らざるを得ない、こう私は思うのでありまして、皆さんのこれからのそういう観点での御努力をお願いしまして、きょうはたいへん大ざっぱで、深く突っ込む時間もありませんでしたけれども、これで私の質問を終わります。
○浜田小委員長 御苦労さまでした。 小林政子君。
○小林(政)小委員 私は個別問題についてお伺いをいたしたいと思います。 特に国の施策住宅と財政負担の問題につきましてお伺いをいたしますけれども、建設省住宅局が四十八年の十二月に、住宅の需要についての実態調査を全国的な規模で行なったわけです。東京、大阪、中京というような三大都市に重点を置いて調査を行なわれたその結果を私も見せてもらいましたけれども、その中での特徴は、住宅困窮世帯の実態というものは全国で一千三万世帯ある、こういう数字が発表をされているわけでございますし、また住宅困窮の理由ということでは、家族との生活のわりに住宅が狭いということが第一位を占めておりまして、次が住宅の老朽化、あるいはまた設備の不完全とか、日照権の問題とか、通風が悪いとか、衛生管理がよくないとか、いろいろな理由があげられているわけですけれども、私はこの調査結果を拝見いたしまして、やはり住宅問題の解決というのはますます重要性を持ってきているのではないか、このように痛感をいたしたわけでございます。 しかも、その調査の中身も、二、三特徴を調べてみますと、住宅困窮世帯といわれている中での四割以上の世帯が、住宅について何らかの形で改善をはかりたいと望んでいるという数字が出ておりますし、また、四十三年から四十八年十二月までの六カ年の期間に何らかの形で住宅を改善したいということで変化があったという調査も、この資料にはついております。しかもその変更理由は住宅事情の改善ということで、いわゆる住宅がもっと広くほしい、設備のもっと完備したものがほしい、こういうようなことがその変化の出てきている理由になっておりますけれども、具体的には、変化の内容についてどのような変化が行なわれたかという調査は、借家に入居しているというのがいわゆる変化世帯の中では非常に多い率を占めております。新築というのは一四・四%で、改築をそのためにしたというのは一二・七%、新築、改築合わせても二七%であって、いわゆる何らかの変化の中で非常に大きいウエートを占めておりますのは、結局はもう少し広い、ましなところへということでいわゆる借家に入居をしている。こういう数字が統計的に住宅局の調査によって発表されております。 いまのような物価狂乱といわれるようなこういう状況のもとで、マイホームというものがいまや高ねの花のような現状になってきている中で、依然としてやはり国民的な非常に強い要求としては、基本的に賃貸住宅を建設をしてほしい、こういうことがこの数字の中から読み取れるわけでございますけれども、この問題についてどのように住宅局はお考えになっていらっしゃるのか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。
○京須説明員 老朽住宅とか、あるいは狭小過密の住宅に住んでいるとか、あるいはまた人口の社会移動による住宅不足、さらには世帯の細分化による住宅不足、そういったものを充足するために政府では五カ年計画をつくりまして、第一期が四十一年度から四十五年度まで、現在は第二期でございまして、四十六年度から五十年度まで、規模が良好で家賃あるいは分譲価格が適正な住宅の建設につとめております。 しかしながら、最近は大都市を中心にいたしまして住宅の建設がいわゆる団地お断わりとか、そういった問題が出ましておくれぎみでございます。これにつきましては今後さらに対策を進めて、現在の目標では昭和五十年度には一人一室の住宅といったものをぜひ確保したい。さらに長期に申しますと、六十年のビジョンでは、一人一室のほかに一共同室まで含めたような、特に規模を中心にいたしました良好な住宅の供給を促進しようと思っております。 なお、その際、賃貸と分譲がございますが、いま先生から公的賃貸について特にお話がございましたが、もちろん私どもといたしましても、若年層あるいは所得の低い階層あるいは社会的な流動層、そういった方々には公的賃貸の大量の供給をしたいと思います。ただし、中堅階層あるいは若年層でも所得が今後相当の上昇が見込まれる階層、そういう方々には分譲住宅といったものを供給しよう、こう考えております。
○小林(政)小委員 第二次住宅五カ年計画は四十六年から始まって来年度が最終年度を迎えるわけですけれども、この中で目標建設戸数は公的資金による住宅は三百八十三万八千戸、しかし現在までの進捗率は六六・八%にしかすぎない。特にこの中でも公営住宅と公団住宅、この問題を特に重視して何点かにわたって私は質問をいたしたいというふうに考えますけれども、公営住宅の場合には、五カ年計画での建設目標計画は六十七万八千戸、そのうち四十九年度、今年度末で一応四十四万九千戸であって、その進捗率というのはわずか六六・二%あと残されている目標建設戸数は二十二万九千戸であります。また公団住宅の場合は、五カ年計画での建設目標が四十六万戸に対して、これも四十九年度末で二十六万一千戸しか建設されていない。したがって五六・七%のいわゆる執行状況でございまして、あと約二十万戸が計画から見れば残されているという実態であります。 私はこの問題について、建設目標に達しなかったこのような残された目標建設戸数については、来年度からの第三期計画の上にさらにこの戸数が上のせされるのかどうなのか、そしてまた、目標に達しなかった基本的な原因というものがどこにあったというふうにごらんになっているのか、この二点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○京須説明員 来年度、昭和五十年度でございますが、五十年度は公営住宅は十一万三千戸、また公団住宅は七万戸を予算要求しております。この数字は、残念ながら全額達成いたしましても、公営住宅の場合には八二・九%、公団住宅の場合には七二%の達成でございまして、一〇〇%達成はいたしかねます。 この理由でございますが、やはり何と申しましても大都市及びその周辺におきまする住宅団地お断わり、この傾向が非常に顕著になりまして、公共団体のほうにいたしますと、やはり関連公共施設の建設のために費用がかかる。特に学校その他の施設に非常に費用がかかるから団地は困るといったような声もございますし、また周辺の住民の方々にいたしますと、団地ができましても自分たちが必ずしも入れないではないか、どこの方かわからぬ方が入ってきていたずらに人口がふえる、電車も込めばバスも込む、学校も非常に狭くなってくる、そういったようないろいろな環境上の問題で団地ができた場合に迷惑をする、そういったような声から、住民あるいは公共団体ともに大都市周辺及び大都市の中心既成市街地におきまして団地お断わりの風潮が非常に強い、そういうことが原因かと考えております。
○小林(政)小委員 いまおっしゃったいわゆる関連公共施設の問題、これはもういまや地方自治体の財政を全く圧迫するというような事態にまで立ち至っておりますので、私は現状のままでは公営住宅お断わりということは、これは地方自治体の立場に立てば当然のことだと思いますし、またもう一つ、公営住宅の場合には、いわゆる地方自治体がたいへん迷惑だと言っていることのもう一つの理由は、政府のいわゆる財政の単価がきわめて低いのですね。住宅建設はほとんどと言っていいほど全部超過負担で、赤字を出しています。こういうことで、地方自治体にとっては住民からの切実な要求もあり、実施もしたいということを考えても、実際には住宅を建設することによって膨大な超過負担を背負わなければならない。しかも人口増に対して学校もつくらなければならない、保育所もつくらなければならない、あるいはその他の関連施設も当然必要になってくる。こういう問題についてもすべて地方自治体の負担になっている。こういうところから、やはり団地あるいはまた公営住宅お断わりというような動きが出てくるのは、私はこれは当然のことだと思います。 まず第一に、公営住宅の場合について、第一種の中耐でいわゆる実施単価が平米当たり七万六千二百十五円で補助基準の単価が五万五千四百八十一円、平米当たりですでに二万七百三十四円という赤字を出す。こういう問題について具体的に国がこの補助単価を改善をしていくべきだというふうに思いますけれども、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○田中説明員 住宅建設、特に公営住宅、公団住宅の建設が進んでおらない理由と申しますのはただいま建設省から答弁があったとおりでございますが、その中で、ただいま先生の御指摘の関連公共施設が進まないという問題、それとただいま御指摘の超過負担の問題で自治体は困っている、いずれも私どもはその実情は十分承知をいたしているつもりでございまして、特に超過負担の問題につきましては従来から絶えず問題とされておりました経緯もございますので、昭和四十二年、四十三年と実態調査をいたしましたし、四十七年度にも実態調査をいたして、年々その改善につとめてまいりましたが、最近の物価高騰によりまして、四十九年度予算におきまして、先生いま御指摘の公営住宅の一種中耐につきましても、四十八年度予算単価に比べまして四十九年度の予算単価は四割四分二厘、四四・二%アップの予算単価を組んだわけでございますが、四十九年度の予算の執行段階に入ってみますと、さらにこれでも超過負担があるという実情のようでございますので、大蔵省といたしましては、自治省と協議をいたしまして、今年夏以来鋭意その超過負担の実態の調査をいたしております。そしてこの調査結果はただいま集計中でございますけれども、超過負担の実態が明らかになりましたら従来どおり何らかの対策を講じてまいりたい、こういう所存であります。
○小林(政)小委員 実際には、調査とおっしゃいますけれども、現実にこれは何カ所かの自治体の具体的な事実関係を明らかにすれば、大体わかるはずなんですね。実際、平米当たり二万円から赤字を出す、いわゆる超過負担だというような状況で基準単価をきめているところに私は問題があるんじゃないかと思うのです。こういう問題については、これは私は補正予算ででも直ちにやはり改正すべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○田中説明員 超過負担の実態につきましては、確かに資材の高騰その他もございますが、私どもが実際に調べますと、たとえば一定の基準以上の仕様によるもの、面積が若干オーバーするとか、あるいは窓ワクサッシが基準以上のものを使っているというような、私どもから申せば、いわゆるぜいたく分というような、基準をオーバーする分もございますので、地方自治団体が施行されました単価そのものを私どもがのむというわけにはまいりませんので、その点はよく慎重に審査をした上でやってまいりたいと思っております。 それと、補正予算案で措置をすべきだというお話でございますけれども、公営住宅につきましては、先ほど来申しました実態調査の結果もほぼ煮詰まってまいりましたし、自治団体のほうの実際の施行単価の模様がわかりましたので、建設省と協議をいたしまして、至急に単価の改定措置をとるように、いま協議中でございます。
○小林(政)小委員 現在補正予算に向けて検討中であるというお話でございますので、これは補助対象の拡大という点も含めて、十分ひとつ地方自治体の実態に即した単価改正をやっていただきたいというふうに強く要望をいたしておきます。 次に、私は公団住宅の問題についてお聞きをいたしたいと思いますけれども、先ほど関連公共施設の問題等があって、公団住宅ができるという場合にも自治体からの非常な抵抗があるということでございますけれども、公団住宅の場合にも、たとえば千戸、あるいはまた規模によってそれぞれ違いますけれども、二千戸というような集合住宅がそこにできるわけですね。したがって、その場合には当然一挙に千世帯なり二千世帯というものがそこにふえるわけですから、したがって、それに見合った総合行政というものが当然起こってくるのがあたりまえだと思うのです。 たとえば、直ちに小中学校がなければこれはどうにもならない。あるいはまた保育園なり、幼稚園なり、下水の整備なり、あるいはまた団地から公道に通ずる道路が必要であるとか、こういった最小限の公共的な施設がやはり伴うということは、これはもう常識の問題だと思うのです。すべてこれらの問題がいままではどちらかといえば隘路になっていて、地方自治体が抵抗するということの一つの理由になっていたわけですね。公団住宅という場合には国の施策住宅でもありますから、この問題については、一定の主要な部分は当然国の責任で解決をすべきではないか、私はこのように思いますけれども、いかがでしょうか。現状はどうなっているのかも含めてお伺いをしたいと思います。
○京須説明員 おっしゃるように、公団の大きな団地ができた場合、地元に対して非常にいろいろな影響を与えます。これにつきましては現在すでに、住宅公団に例をとりますと、五百戸以上の団地につきましては、道路、河川、公園、小中学校、保育所あるいはごみ処理施設、そういったものにつきましては、公団のほうで立てかえて全部つくりまして、その費用を学校は二十五年、その他は二十年間の割賦、そういう長期の償還にいたしまして、特に三年間は据え置きという制度をとっております。 なお、明年度以降さらにこの制度の拡充をはかりまして、償還期間の延長あるいは元金の据え置き期間をさらに延ばすとか、そのような施策を講じたいと思います。
○田中説明員 建設省から御説明のあったとおりでございますが、先生の御指摘のように、五百戸、二千戸というような団地が建つと、人口急増町村の公共負担の問題というのは非常な問題でございますので、これはいま立てかえ施行の問題を建設省のほうから御答弁がございましたけれども、単に立てかえ施行制度だけに限らず、一面からだけのアプローチでなくて、総合的なアプローチが必要だと思っております。従来からもやってまいりましたが、国庫補助金、起債あるいは地方交付税の交付のあり方、立てかえ施行、そういうものを総合的に見た上で十分検討してまいりたいと思いますし、その観点でこれまでも数次にわたって改善措置をとってまいった次第でございます。 来年度の施策につきましていま建設省のほうから御要求の趣旨が述べられましたが、これはまだいま検討中の問題でございますので、予算編成段階において十分協議をしてまいりたいと考えております。
○小林(政)小委員 これはやはり基本的な問題だろうと思います。公団住宅というのは民間住宅ではありませんね。国の一つの施策住宅だと思います。しかも一つの区画を区切って、一挙に集合住宅という形でつくられるわけですから、こういう問題については、確かに地元公共団体の負担の軽減ということで、あるいは無利子で償還期間を延期する、長期にわたって返還を割賦でやるというようなことも一つの施策であるかもしれないけれども、考え方としては、国の施策住宅であり、しかもそこに大量の人が生活をする、それに必要な公共施設という問題については、当然国が責任を負うべきが正しいのではないか。主要な部分については国の責任で解決すべきではないか、このように考えますけれども、建設局としての来年度予算に向けての要望は、私も見て知っておりますが、主計局の立場でこういう問題の考え方、こういう点についてはどのような見解をお持ちなのか、明確にしていただきたいと思うのです。
○田中説明員 お説のとおりに、確かに公団住宅というのは国の施策住宅ではございますけれども、入居いたします住民というのは地域住民でございまして、そういう意味で、たとえば県境を越えて東京都に通勤する者が千葉から通うとか埼玉から通うというような問題はございますけれども、住民のための施策であるという観点からすれば、当然そこに地方負担も生ずべき問題だと存じます。単に公団住宅の関連公共施設その他のみに限らず、国と地方との負担の割合という問題につきましては各種施策で問題が起きておりますけれども、私どもは国と地方との財源の配分の問題も含めまして、と申しますのは、交付税のあり方あるいは地方税のあり方等も含めまして、これらを総合的に検討してまいるべきだと存じまして、いまここで、そのために直ちに国が負担の増加をするという考え方を申し上げる段階に至っておりません。
○小林(政)小委員 この問題は、施策住宅であるならば、ある程度の部分については国が責任を持つのは当然のことだというふうに私は考えております。もう一つ、関連公共施設に関連いたしましてお伺ねいたしたいのは、公団住宅が建設をされて、そしてその場合に中学校をつくる、小学校をつくるという場合に、その負担をめぐって地方自治体と話し合いが行なわれますね。この場合に、学校の用地について大体五〇%は公団側で持とう、あとの五〇%については自治体で持ってほしいとか、あるいはまた八〇%について公団が持つから、二〇%を地方公共団体でもって負担してほしい、こういうような問題が最近の公団の建設には至るところで起こってきております。この場合に、たとえば純然たる公共施設といわれる小中学校というものの公団が持った負担分について、これが家賃の原価計算に算入をされるというような事実について、一体どのような見解をお持ちなのかお伺いをいたしたいと思います。
○田中説明員 公団の家賃に確かに算入されておりますけれども、これはやはりその公団に入居される子弟が入られる学校のための負担でございまして、そこに新しく大きな団地をつくり、そこに住居をかまえるための入居者が負担すべき費用という観念でこの家賃負担をかけているわけでございまして、それはそれなりに理由があろうかということでやむを得ないものと、かように私は考えております。
○小林(政)小委員 小中学校というようなものは純然たる公共施設ですね。しかも、いわゆる事務負担区分を見ても、どこがやるべきかという点も法律で明確にこれは定められている、こういう性格を持っているわけでしょう。それなのに学校にかかる経費まで、住宅入居の人たちの子弟もその学校にあがるのだからそのかかった経費を家賃に算入するなどというようなことは、筋が通らないのじゃないかと私は思うのですよ。少なくとも体育館なら体育館を建てるという場合に、いわゆる寄付行為を行なうことすら地方財政法違反だということで、いままで問題になってきているでしょう。まして本校の学校を建てるその敷地の経費が、公団側の負担した分が家賃の計算の算定の中に入る、しかも当然父兄が子供を学校にやるのだからというようなことは、法の精神からいってもどうなんですか、私は筋が通らないと思います。
○田中説明員 法の精神の問題は別といたしまして、御承知のように、国の施策住宅であります公団の住宅につきましては、建設コストに比べまして非常に安い家賃で入居していただいております。と申しますのは、御承知のように、公団住宅というものは財投資金によって建設されまして、この資金コストは最近では八分になっておりますけれども、公団の家賃の算定上はやはり国民に低廉な家賃の住宅を提供するという観点から、これが五分で計算され、差額は国費で負担をしているわけでございまして、そういう国の施策住宅家賃が特に一般の民間家賃に比べて低廉な家賃でございますので、そこに入居いたしまして地域住民となって、地域住民として地域の一つの公共施設である小中学校というものに対する負担をするのはやむを得ないのではないか。特に、地方公共団体の一般住民におきまして、もちろん入居者もそうでございますが、学校というようなものはみなそれぞれの住民が自分の税金で負担しているわけでございまして、それの一部の形態であろう、そういうふうに見てもいいのじゃないかと存じます。
○小林(政)小委員 公団の家賃とはこうやってきめるのだということが、はっきりと規定されているわけでしょう。ここには第九条で家賃の決定ということが明記されています。ちょっと読み上げてみますけれども、「公団が賃貸する住宅(以下「賃貸住宅」という。)の家賃は、賃貸住宅の建設(賃貸住宅の取得を含み、賃貸住宅に必要な土地の取得及び造成を除く。)に要する費用(当該費用のうち借入金に係る部分に対する建設期間中の支払利息等を含む。以下同じ。)を償却期間(耐火構造の住宅にあっては七十年、簡易耐火構造の住宅にあっては四十五年とする。)中利率年五分以下で毎年元利均等に償却するものとして算出した額に修繕費、管理事務費、地代相当額、損害保険料、貸倒れ及び空家による損失を補てんするための引当金並びに公租公課を加えたものの月割額を基準として、公団が定める。」こういうふうに、家賃というものははっきりと規定してあるのですね。 つまり、公団の入居者に、近くに学校ができた、その学校建設の一部の費用は、おたくの子供も行くのだから家賃計算の中に含まれるのだ、こういうようなことはここには何ら書いてないのですよ。
○田中説明員 先生の御指摘になりました償却費、修繕費その他の項目がございますが、その中に地代相当額というのがございます。それで、公共用地として学校に提供しました用地というものを、公団のその団地の地代として算入いたしております。これは、一つはいわゆる公共減歩と同じような考え方で、そこに住民が住むための団地ができる、その住民のための学校が必要であるということになりますと、公団がその用地費を負担いたしました場合に、学校に提供した用地もその団地の住居を建設するために必要とした用地代の一部、こういうことで全体の用地代を割り当てる関係上、学校に提供した公共用地も地代相当額ということで家賃に算入されることになっております。
○小林(政)小委員 私はちょっと納得できません。地代相当額というのは、たとえばそこが借地であって地代を当然支払わなければならないという場合に、公団側が地代を地主に支払う分については地代相当額として認められるということはありますけれども、学校建設の用地が地代相当額に含まれてしかも家賃に算入されるというようなことは、筋が通らないのじゃないか。むしろ拡大解釈してこのようなことがやられてきているのではないか。何年度からこのようなことがやられ始めたのか、明確にしていただきたいと思います。
○浜田小委員長 日時の明確でない場合は、後ほど資料で小林議員に御連絡してください。
○京須説明員 調査の上、資料でもって報告します。
○小林(政)小委員 この点については、私はいまの主計局の説明には納得できませんので、これは保留いたしまして、この問題についてはあらためて時間をかけて質問いたしたいと思います。 こういう中で公団の家賃が、先ほど何か建設費のわりには安い家賃で入居をされているんだという意味のお話がございましたけれども、私は現在の公団の家賃が安いというふうには思っておりません。これは御承知のとおり公営住宅法第一条で、住宅に困窮する勤労者に住宅を提供するということがはっきり明記されているのですね。いわゆる住宅に困窮する勤労者のための住宅なんですね。しかも、最近の家賃の状況というものをいろいろと調べてみますと、ごく最近建った二LDKのこれは小島町住宅ですけれども、ここの場合は家賃が三万九千八百円です。しかも傾斜家賃制というものがとられていて、具体的には傾斜額というのは五年間で一万円ということになっていますから、この三万九千八百円で現在入居した人は、五年間たてばいまの制度のままでも家賃は五万円をこす、こういう計算になるのですね。私は、この四万円だ五万円だという家賃が、実際には住宅に困窮する勤労者という対象から考えると、非常に家賃水準が高いものであって、このようなことでは勤労者のための住宅だなどということは言えないのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょう。
○京須説明員 先生御指摘のように、小島町につきましてはいわゆる市街地面開発、最も地価の高いところでございまして、そこの中での三DKかと思われますが、市街地面開発三DKでは、確かに四十九年度管理開始で三万九千円が平均でございます。しかしながら、一方郊外等につくりました団地でございますと、その中層の場合には平均で約二万六千円といったような数字もございます。そのために、われわれのほうの計算で申しますと、四十九年度の都市勤労者の平均月収を推定しますと約十七万円かと存じますが、したがって、大ざっぱに申しまして家賃負担率は約一五%でございまして、極力低く押えるように努力しております。 なお、今後の方向といたしましても、極力用地の先行取得あるいは国公有地の活用あるいは住宅生産の工業化、いわゆるプレハブ等の活用によりまして、用地費あるいは建設費を低く押える、そういったような努力を傾注しまして、公団家賃の引き下げをはかりたいと考えております。
○小林(政)小委員 いまの制度でも、このままで五年たつと五万円をこえる家賃が実現する。公団住宅の建設戸数というものも少なくて、なかなか入居するのもたいへんなんですが、しかし実際には、いまや家賃の面からももはや勤労者の手の届かないところに現在の公団住宅がいってしまっている。五万円の家賃ということになると、幾らいま名目所得が上がっているといいましても、毎月のことですからこれはやはり相当高い家賃であって、これをもっと何らかの形で引き下げるということにならなければ、いわゆる勤労者のための住宅という範疇をすでに逸脱してしまっているのではないか、このように考えますけれども、これを引き下げを行なっていく意思というもの、財政補助とかあるいはまたいわゆる国の資金の導入といいますか、こういうようなことによって勤労者のための住宅にふさわしい家賃水準を保っていくという努力が現在どのような形でされているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○浜田小委員長 この際、京須君に申し上げておきますが、現在までの質問の中で、実は木賃アパートといいますか、そういうものとの比較が説明されておりませんから、そういう点についても詳しく御説明をいただくようにお願いをしておきます。
○京須説明員 公団等の公的賃貸住宅の家賃につきましては、現在のところ原価主義と申しまして、建設当時の原価、それに対しまして、たとえば公団でございますと五分で七十年の長期低利、そういった計算をやりまして家賃を算出しております。その上さらに傾斜家賃と申しまして、いろいろ当初負担があまり過重にならないように努力しております。 しかしながら、なおかついろいろな事情から今後とも家賃が上がる可能性があるかと思います。それにつきましては、ただいま建設大臣の諮問機関でございます住宅宅地審議会におきまして、今後の住宅政策の基本的体系はいかにあるべきかといった点につきまして、根本的な検討をお願いしております。 その中で、たとえば一例をあげますと、入居する方々の収入に応じまして適正な家賃をとったらどうか。これは西欧各国でもって現に実施されておりますが、そういった点も含めまして、いろいろ各方面から、あらゆる角度から家賃制度を検討いたしております。その成果をまちまして、さらに抜本的な対策を考えたいと思っております。
○小林(政)小委員 やはり公団家賃の場合に、これは中層団地の二DKの場合ですけれども、そのうちの四三・三%が元利負担分で、そのうちの主要な、圧倒的な部分が利息分なんですね。しかもその回収利子率については五%で計算されていますけれども、資金運用部資金の利子あるいはその他の資金の利子との差の利子補給を一般会計から現在行なっているというのが実情ですね。私はむしろこのいわゆる一般会計からの繰り入れをふやすか、あるいはまた現在の負担金利を引き下げるために五%というものをもっと下げたらどうなんだろう、このように思いますけれども、そういう考え方は毛頭ないのですか。下げるべきだと私は思いますけれども、いかがでしょう。
○京須説明員 かつて公的賃貸につきましては四分七厘といった時代もございまして、そういったことも含めて検討はいたしております。 しかしながら、さらに申し上げますと、公団につきましては再三申し上げますように原価主義家賃をとっております関係上、何年か前に入った方々は非常に安い家賃で入っておりまして、たとえば十年以前でございますと、おそらく負担率で申しましても所得の三%、家賃にいたしましても月々三千円から五千円といったような非常に低い家賃で入っておる方もおられるわけでございます。もちろん公団につきましては、公共の賃貸でございますから、家賃が安いにこしたことはございませんが、やはり真に低い家賃で援助をする必要がある方々にうまく援助がいくように、そういった点からも、われわれは公団の家賃制度はいろいろ検討する必要があると考えております。
○小林(政)小委員 そうしますと、実際には家賃負担の金利コスト五%というものは、いまのところこれを引き下げるというような考え方は持っていない、こういうことですね。そして逆に、現在の公団家賃を今後やはり引き上げていく、こういう方向をおとりになろうとしているのですか、明確にお答えいただきたいと思います。
○京須説明員 昭和五十年度の予算要求としまして、五%の金利を引き下げるように要求しております。
○小林(政)小委員 ぜひこれは実現をしていただきたい、このように思います。 次に、もう一点だけお伺いをいたしたいと思います。それは一つは公務員給与に関する人事院勧告についてですけれども、人事院勧告についての閣議の正式決定がたいへんおくれております。この理由は具体的に何なのか、まず明確にお伺いをいたしたいと思います。
○辻説明員 人事院勧告の取り扱いにつきましては、現在関係省庁におきまして財源問題、行政事務の簡素合理化、あるいはまた定員管理の適正化とか既定経費の節約等の問題につきまして、引き続き検討を行なっておるところでございます。 政府といたしましては、これらの検討のめどがつけば、できるだけ早い機会に方針の決定を行ないたい、かように考えております。
○小林(政)小委員 財源問題あるいは既定の経費等、その他の問題も含めて検討しているということですけれども、やはり物価狂乱といわれるような事態の中で実際に人事院も、例年に増してできるだけ早目にというようなことで勧告されたことは御承知のとおりだと思います。私どもこの人事院勧告について、その具体的な内容については意見を持っております。先ほど阿部委員からもお話がございましたとおり、賃金というものは労使が交渉して正式に決定するものだ、こういうことがたてまえでありますけれども、実際には労働基本権の制約というもとで、代償機関としての人事院がきめた、公務員にとってみればいろいろとまだまだ不満もあるかもしれません。こういうような問題等がある中で人事院がその代償機関としてきめているわけですから、しかも物価狂乱のもとで早目にこの勧告を行なったというのに、それすらいまだに閣議決定もされていない。あるいは給与法の改正はもちろん、財源措置も、参議院選直後のあの国会で間に合うようにということでやったことすらも、実際にはそれが実現できなかった、こういうことはきわめて遺憾だと私は思います。 ところで、勧告実施に必要な財源を一体総額でどのくらいというふうに見ていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○辻説明員 今回の勧告の取り扱いにつきましては、誠意をもって対処するという基本方針のもとに鋭意検討いたしておるところでございますが、御承知のように、従来に例を見ない高率高額のものでございまして、これを完全実施する場合には、所要財源は巨額にのぼるわけでございます。四十九年度の所要額といたしまして約七千八百億円程度になるわけでございます。そういう点もございますので、先ほど申し上げましたように、財源問題その他既定経費の節約等の問題を含めまして、鋭意検討しているところでございます。できる限り早い機会に方針の決定を行ないたい所存でございます。
○小林(政)小委員 四月に予算が成立いたしましてからのいわゆる自然増収の見通し、これの四—六あるいはもう七−九が出ていると思いますが、どのような見通しなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○伊豫田説明員 お答えいたします。 現在、私のほうの手元には、税収につきまして八月末の計数まで出ております。八月末の計数で概略御説明申し上げます。 予算額に対しまして進捗割合と申しますか、税収として収納しております割合は、昨年度の八月末において三六・七%でございます。本年度の収入につきましては八月末で四三・八%でございます。したがいまして、その差額七・一%は本年の進捗のほうがよろしいわけでございまして、そういう意味で、全体といたしましては現在までは収入状況はきわめて順調でございます。 しかしながら、この順調な収入状況の内訳を見てみますと、一つには、本年春以来の大幅な賃金上昇の問題、これに基づきます源泉所得税の収納の問題、それからもう一つにつきましては法人税の問題がございまして、昨年後半以降の急激な値上がりを反映いたしまして、法人税の収入、特に一年決算法人の収入が非常に好調でございます。 したがいまして、ただいま御説明いたしました進捗の度合いから見ますと、もし昨年と同じような毎月末の収納状況の形を示しますならば、本年についてもある程度の自然増収が見込まれるわけでございます。昨年は、物価の状況等もごらんいただけばわかりますように、税収におきましては後半非常にしり上がりに好調になっておりますが、それと同じような形を本年後半において示すものとは必ずしも期待できません。特に法人税につきましては、半年決算の法人につきましてはすでに、いわば半年決算の対前期でございますが、対前期につきまして税額で大体一〇七%程度、そういう状況を八月末で示しておりまして、その間に法人税の増税がございますので、所得額ではすでに減少しているような状況でございます。それに比べて、先ほど申しましたように一年決算の法人につきましてはなお好調を続けておりますが、これがいつ低下方向に変わっていくか、それを今後の約半年以上の期間につきましてどの程度に見込んでまいらなければならないかということが非常にむずかしい問題かと考えております。 なお、土地の問題等もございまして、土地の譲渡益の問題でございますが、譲渡所得の問題につきましていろいろ問題がございまして、そこら辺につきまして現在鋭意検討を進めている段階でございます
○小林(政)小委員 いろいろ述べられましたけれども、八月末の現状ということについては、昨年の同月比に比べて今年のほうが七・一%よいという数字も出ているように、本年のほうが伸び率がよいという報告ですけれども、私は、物価狂乱といわれる中で人事院が勧告をした最低の、これぐらいはほんとうに完全に早期実施をはかるべきだ。いままで、財源問題だとか、いろいろ理屈を言っていましたけれども、直ちに給与法の改正あるいは閣議決定を行なって、そして臨時国会を直ちに開いて補正を組むべきだ、このことを強く要求いたしますけれども、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○辻説明員 人事院勧告の取り扱いにつきましては、先ほど来お答え申し上げたとおりでございます。なお、補正予算につきましては、ただいま主税局からお答え申し上げましたように、歳入につきまして自然増収がどのくらい出るかということも現在の段階では不確定なところでございますし、また歳出面におきましても、給与以外に、食管繰り入れでございますとか災害でございますとか、その他の要因もあるわけでございます。現在のところ、その規模、提出時期等につきましては確たることを申し上げる段階にはないわけでございますが、いずれにいたしましても、人事院勧告を完全実施することといたしました場合におきましては、給与法改正法案と財源措置を行なうための補正予算とを合わせまして国会に御提出申し上げて御審議をいただきたいと考えておるところでございます。
○浜田小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十九分散会