社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 371 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/09/10
会議録
○野原委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 このごろ国鉄の事故が非常に多い、目立ってきたわけであります。そこで、一年前にちょうどこの場所でありましたが、労働組合のほうで危険白書というんですか、こういうところはあぶないですよという内部告発があった。安全闘争ということで順法闘争をされた。その中に国民の足も巻き込まれた。これは一体労働組合のほうがでっち上げて、あぶないところがこんなにあるということを世に発表したのか、それともそのとおりなんだが、当局のほうで予算その他でなかなか思うように安全対策ができないということなのかということで、約二時間ばかり運輸省、国鉄当局とこの場でやりました。 ところが、ことしになって、これは国鉄の労使で解決させるというか、まかしていられないと言っちゃ悪いんだが、乗客のほうから見るとあぶなっかしくて、たいへんな列車事故の連続があります。 それでちょっと新聞の切り抜きの見出しだけを読んでみますと、「高崎線で急行ヒヤリ 線路60センチパックリ」こういうこと。それから「列車事故は増加傾向 踏切事故も大型化」それから今度は九州の鹿児島本線で「満員電車、あわや二重衝突 脱線 34人がケガ」それから「常磐線 連結器折れ 帰宅の6万人大混乱」それから東京の山手線、「ガソリン満載のタンク車脱線」ここほんの二、三カ月の新聞でございます。それから「暑さに弱い?函館本線 レールぐにゃり」これは曲がっておる写真が出ておりますが、それから「首都の国電、突然マヒ 給電所故障」それから「総武線で土砂崩れ」それからまた、「特急あわや脱線高崎線でレールにズレ」それから常磐線「ロープかけず走る」、いま国鉄では鋼材輸送しておるんだそうだが、これが振動で落ちて大惨事、北千住で「前の車両に爆薬」それが脱線。信号機故障、これは「疲れた?新幹線、三重事故」、「新幹線57本運休」この間のやつですね。「事故続き終日混乱」、「当てにならぬ新幹線 故障続出で59本も混乱」それから新幹線の事故がかなり多くなってきた。そこで「新幹線架線事故の原因わかる 独特の振動、疲労進む ワイヤの寿命半分に」そういう年月になったのかどうか。それから「車両破損など故障ふえる 新幹線“老化”」それから「「こだま」今度は煙吐く」八月へ入って。それから新幹線の保安体制は万全に行なわれておるんだろうかというあれで非常に世に訴えておる。それから「“故障ぐせ”ついた?・新幹線煙噴く」それから八月に入って高崎線「レール折れて大混乱」ところが「検査したばかり」「特急増発で線路損傷 新幹線も頼れぬATC 一触即発の国鉄」こういうようにいろいろとあって、この間の羽越線の本荘でトンネルに突っ込んで殉職者が出た。 こうなってみると、これは単に労使の順法闘争ですか安全闘争ですか、そういうものにだけまかせられないで、やっぱり国政調査の入る段階ではないだろうかと私は思うので、現地調査に入る前に、まず一応当局のほうから、一体この事故というのはなぜだろうか。急に出てきたのか、それとも日本の鉄道が敷かれて、ほとんど寿命時期に来たのか、あるいは新幹線が十何年、もう寿命なのか、こういった面をまず少しお聞かせ願いたいと思いますが、専門的な分野を御披露していただきたいのです。
○今野説明員 国鉄の運転局長の今野でございます。 ただいまの先生の御質問に対して概略お答えしたいと思います。 最近の国鉄におきます事故の傾向でございますが、長期的に見ますと、先生が御心配になっていらっしゃいます結果的に人命に影響を及ぼすような事故、これをわれわれ列車事故と呼んでおります。中身を申し上げますと、列車衝突、列車脱線、列車火災それから踏切事故などが入っております。これらの件数は、昭和四十三、四年ごろから比べますと若干増加の傾向にございまして、おっしゃるとおり、確かに最近そういう意味では少し横ばいよりもふえている傾向にございます。それからいま申し上げましたのは限られた範囲の事故でございまして、件数も少なうございますが、いわゆるお客さまに迷惑をかけます新幹線も含めました、われわれの専門語で申し上げますと列車阻害と申しておりますが、この列車阻害の中には、いわゆる車両故障とかそれから線路故障とかそれから災害によりますものとか、それから部外からの列車妨害みたいなものもございます。そういうものを含めますとこれが非常に大きな件数にのぼりまして、大体一万五千件ぐらいを数えております。四十七、八年に至りましてこの中でふえておりますのが、いわゆる国鉄部内の問題と申しますか、線路故障、車両故障、その他も若干ふえておりますけれども、最近に至りまして、特にことしは主として災害が非常にふえております。これは新幹線も共通でございます。ただ、新幹線におきましては、四十六年ぐらいまで落ちついておりました車両、電気それから施設の故障が四十七年度からふえぎみでございまして、特に四十八年度は、開業当初ほどではございませんけれども、相当の数にのぼっております。それらを拝見いたしまして、在来線は在来線、新幹線は新幹線とそれぞれ対策を立てて事故防止につとめている次第でございますが、先ほど御質問のございました中で、羽越本線の羽後本荘−西目間におきます列車脱線について、若干その関連も含めて申し上げたいと思います。 災害によります列車事故、いわゆる列車脱線が主でございますが、昭和四十七年には十一件発生しております。四十八年には十六件発生しております。幸いなことに四十九年度に入りまして、先ほど御指摘のございました羽越線の羽後本荘−西目間における列車事故一件だけで済んでおりまして、件数としては非常にいい傾向をたどっております。これは、実は雨量計とか風速計その他を整備いたしますのと、早期に列車の運転規制それから運休等を行ないまして、なおかつ施設物の強化整備それから点検、その点を重点的に行ないまして防止に全力をあげていることもあずかって力があると私たちは自負しておりますけれども、そういうことで、今年度に入りまして非常に残念ながらこの羽後本荘−西目間における列車脱線が発生しているわけでございます。不幸にも機関士が一人なくなっております。 この概要を若干御説明させていただきますと、発生時日はことしの七月十日の夜中二時四十分でございます。これは特急貨と申します貨物列車でございまして、十四両を牽引しております。原因は土砂崩壊に乗り上げたということでございますが、当時の時速は七十八キロで力行運転中でございまして、先生御承知かと思いますけれども、船岡トンネルというトンネルがございまして、その入り口の上部から土砂が崩壊いたしまして、それに乗り上げまして、機関車二両がトンネルの中の壁にぶつかるような形でぶつかりまして、機関車二両脱線それから貨物列車四両が全軸脱線いたしました。先頭に乗っておりました機関士がこのために殉職したという事故でございます。なお、付近は千分の十の上り勾配でございまして若干カーブがございますけれども、カーブから直線に入るところでございまして、土砂崩壊は船岡トンネルの入り口手前の進行右側ののり面、高さ二十メートル、深さ三メートルぐらい、約二百五十立方メートルが崩壊しまして上り線に流入したものでございます。ただ、このときの降雨量は八日の降り始めから事故発生までの累計で七十七ミリでございまして、また九日の八時から事故発生までの累計は三十五ミリでございまして、いわゆる雨量としてはそう多くなかった雨量でございます。なお、この当時大雨警報はすでに発令されておりましたが、雨量がまだこの程度でございましたので警戒前でございます。 というような情勢でこの事故が発生して、非常にお気の毒な結果になったわけでございますが、これが羽後本荘−西目間におきます列車脱線事故の概況でございます。 なお、先ほどもちょっと触れましたが、新幹線の最近の事故の傾向をざっと見ますと、先ほど申し上げましたように四十七年度から若干増加の傾向を示しておりますが、列車百万キロで申し上げますと、ちょうど昭和四十年新幹線が発足されました直後は、列車百万キロ当たりが十件以上数えておりました。一時昭和四十五年ぐらいを底辺にいたしまして一件から二件ぐらいの件数でございましたが、四十七年度に至りまして二・八件、四十八年度に三件をこえております。特にことしの七月から八月にかけましてこの件数が非常に多くなりまして、その辺の件数をちょっと数字を申し上げますと、七月にいわゆる車両故障、線路故障、送電故障、信号装置故障その他で十八件の故障を発生しております。ただ八月には落ちつきまして九件でおさまっておりますが、これが七月から引き続きまして八月の上旬にいろいろな故障が起きたものですから、運輸大臣からも総裁以下警告を受けまして、それに基づきまして、いままでやっておりました事故防止の対策をさらにこまかに検討し直しまして、応急措置につきましてはすでに運輸大臣に御報告し、恒久対策については目下鋭意検討中でございます。 非常に概括的でございますが、最近の事故の概況を申し上げまして御報告とします。
○川俣委員 さっき私、新聞の見出しを読み上げたのは、列車妨害だとか線路に自転車を置きっぱなし、それから下請の会社がストライキをやって砕石をころがしていったというそういったものは除いて言っているつもりなんです。というのは、対策というか、見回りというか、昔のように線路を歩きながら見回っておったというような姿がこのごろ見えないので、そういったものもあわせてこれから伺いたいのですが、いま局長が事故件数が減ったというように、北陸トンネルはあれは一件と見て言っていると思うんだが、あれはまだ事故が解決してないと思う、ああいう問題。事故件数が減っていると言うんだが、私ら国民から見ると、何となく列車事故が身近になってきたんです。したがって、いま二百万キロも走るようになったから、比率的に下がっているということではこれはちょっと問題は解決しないんですから、したがって、やはり見回り、あれはコンピューターにも入らないし、その他機械に入らないものがあるんじゃないか。やはり見回って歩かないと、環境は非常に変化しておるでしょう。予定してなかったところに工場が建ったり、それから住宅が建ったり、それから車両も非常に重量の多いものが道路を通ったり、そういったものに対処するにはやはり見回りが一番いいんじゃないか。そこで、それじゃ一体そういった見回りをする職員数が、事故件数が非常に多くなってきた今日、ということは、ひんぱんに汽車が走るようになった今日、二百万キロ走るようになったんだから、それに対して職員数が減っている方向だろうかふえている方向だろうか、その辺聞きたい。
○今野説明員 先生、ただいま私の申し上げ方が悪かったので誤解されたと思いますけれども、減ったと申し上げますのは、災害によります列車事故が去年、おととしに比べてことしは一件だけであったと申し上げたのでございまして、誤解のないようにお願いしたいと思います。 なお対策につきましては内田常務から……。
○内田説明員 お答え申し上げます。 線路の見回りでございますが、これは保線の近代化ということで、昔はいわゆる線路分区というものがございまして、ここでいわゆる工手長が見回りをしておったわけでございます。しかし、最近保線の近代化ということをやりまして、昔は、いわゆるこわれた線路をこわしたつど直していくというやり方をやっておったわけでございますが、非常に列車間合いも少のうございますし、作業が危除だというようなこともございまして、機械を導入していわゆる定期修繕方式というものに変えたわけでございます。したがって、補修する人が見回るのではなくて、いわゆる検査掛というものを特定いたしまして、その人たちが見回りをし、小修繕はやりますけれども、大きな修繕は別のギャングがやるという方式に改めたわけでございます。したがって、その検査掛は二日に一ぺん回りなさいということが規定されておりますので、この要員は減らしておりませんし、今後も減らすつもりはございません。
○川俣委員 だから、職員数が減っているのかふえているのかというのだよ。事務局でいいよ。
○内田説明員 職員の需給につきましては、御承知のように保線、いわゆる線路を補修する軌道掛、これはなかなかこういう社会情勢になりますと希望者が非常にございません。将来の見通しを考えますと、だんだん減っていく傾向である。したがって、保線の職場というものを魅力あるものにする、また、労働需給の情勢から申しまして、なるべく少ない人間で所期の効果をあげるというようにしてまいりませんと、将来の国鉄の保線というものがなかなか完全にできない。現在はその変わり目でございまして、いわゆる大きなマルチプルタイタンパーとかバラストを機械で再生するバラストクリーナーとか、そういうようなものをどんどん導入している時代でございます。したがって、それらが完成すれば相当の人間を社会情勢からいって減らさざるを得ないし、また、合理的な作業をしなければいけないというようなことで減る傾向にはございます。現在は、そういう意味ではその中途段階でございますので、機械がフル活動するまでの間、現場の情勢を見ながら徐々に減らしていくということでございます。
○川俣委員 変わり目だとか中途段階だとか言ったって、汽車は走っているのだから、いま。それじゃ、端的に言いますよ。昔のように雨の中を回る人が、希望者がいないから——じゃ、希望者がいればとるかな。どうです。
○内田説明員 御承知のように、国鉄の輸送量というのは非常にふえております。したがって、そういう意味では、大きな機械を入れて線路の補修をやるという間合いが現在では非常に少ない。したがって、機械を導入してもなかなかそれが有効活用できないということがございます。で、この線路の間合いというのは、ダイヤ改正ごとにどこでも一時間必ず列車が通らない時間をつくるというようなことでいろいろと苦心をしてつくっております。その間はやはり従来のいわゆる随修方式によらざるを得ないというそういう場所が線区によってはございます。したがって、そういう意味で中間段階と申し上げたわけでございまして、いま申し上げました線路の点検ということにつきましては、これは修繕の基礎をなすものでございまして、それは先ほども申し上げましたように、なおざりにすることはないのでありまして、まずこの検査掛と申します、線路の点検をして安全であるかどうかを確かめる人間、これを最優先に確保しているということでございます。
○川俣委員 なおざりにしている——意識的になおざりにはしていないと思うんだよ。さっきせっかくそっちのほうから、羽越線の本荘のトンネル事故、客車なら大惨事になる、こういうことで出ているわけだよ。これは夜中の二時半ごろだろう。昔は見回りしたんだよ。雨の降る日だから、線路そのものじゃないけれども、特にがけくずれするようなところはね。やはり経験からくるんだろう。しろうとが回ったってわからないんだよ。だから、そういう人方が少なくなったということなんだよ。常務は希望者がいないと言う。希望者がいるんならやるかというんだよ。 そこで、せっかく羽越線の本荘駅を例にとったから、じゃ、このトンネルは上がたんぼだったんだ。そのたんぼは減反政策でいままで休耕しておった。農林省来ておりますか。——休耕すると、御承知のようにたんぼの底にひびがある、穴があくわけだ。いまやはりいみじくも、雨量がそんなに多くなかった、どこからそんなに水が出たんだろうか。上から、たんぼの亀裂ができて来ているわけだ。それは認めている。それであわてて国鉄がその上のたんぼを全部買い取った。そうだろう。上のほうを買い取った。だから、いまはそういう環境が非常に変わっている時代なんだ。そこに工場が建つと思わなかったけれども、あるいは住宅が建つと思わなかったけれども、上のたんぼがいつの間にか休耕をやめて水を吐くようになった。水を張った、水を張ったとたんに、いままで休耕しておったものだからひびがずっといくからね、そこからずっと水が入ってきたんです。だから雨量が少なかったのにどうしたんだろうということなんだ、当局は。それは機械で、雨量はこのぐらいだからここはだいじょうぶだなということなんだ。ところが見回りすればこういうことはない。そうだろう。一ぺんに来たんじゃないんだよ。あそこは非常に列車の回数も少ないし、夜中だし、二時半ごろたまたまその土砂くずれしたところへ突っ込んだわけだから。したがって前のほうに乗った乗務員は殉職したわけだ。 そこで、それはまず農林省認めますか、いま言ったこと、そうして国鉄にたんぼを売ったということ。
○松山説明員 詳細はただいま現地のほうにも実は問い合わせ中でございますけれども、私どもいままで聞いております限りでは、休耕という先生の御指摘がございましたが、現地の話では、実はそのたんぼのところは転作をいたしておりまして、牧草を植えておるというふうに一応聞いております。ただ、国鉄からお聞きしました話でも休耕ということでお聞きしておりますので、おそらく水稲を植えてなかったという意味で休耕というふうにいわれておったのではないだろうか、こういうふうに考えております。 なお、その事故の原因につきましては、特にそういう意味で生産調整が直接関係しておるというふうな報告を受けておりませんし、そういう意味で、ここでなぜそれが起こったのかという点についての発言を差し控えさせていただきたいと思います。
○川俣委員 国鉄はどうですか。
○内田説明員 先生御承知だと思いますけれども、羽越線の複線化のためにトンネルを一本新しく山側に掘ったわけですね。そのトンネルを掘るために四十三年から上のたんぼを休耕していただきまして、そして四十六年に完成したということでございます。完成いたしまして——現在線のトンネルもやはりそういう地質、非常に砂れき層の下にシルト層がございまして水が抜けやすく、いわゆる漏水が非常に激しかった。旧線隧道も漏水防止をいたしまして、大体水の問題はだいじょうぶであろうということで、トンネルも完成したのでまたたんぼに水を張ってもいいということで張っていただいた。ところが御指摘のように、まだ雨は連続降雨量が七十七ミリしか降ってない。それで大雨の警報が出ておったけれども、沿線の連続降雨量の規制までには達しなかった。のり面も今冬のいわゆる大豪雪で、木が植わっていたその木が雪のために、いわゆる立ち木が相当倒れたというようなこともありまして、のり面も相当こわれていたというような悪条件が重なりまして崩壊をしたわけでございまして、保線区としては、確かにあそこは要注意個所であるというふうに注意はしておったわけですけれども、まだだいじょうぶだろうというときにやられた。これはまことに申しわけないことでございまして、たんぼに水を張ったということも、のりがくずれた原因の一つになっているかと思います。
○川俣委員 そういうことが、やはり見回りが大事なんだ、一つの例を取り上げると。 そこで、上のほうを今度は国鉄が買い取ったんだね。水田を買い取ったんだね。どうですか。
○内田説明員 このたんぼは何か共同の所有地になっておりまして、買うのは非常にむずかしいというふうに聞いております。で、私のほうとしては地主と交渉いたしまして、休耕補償をしてたんぼにしないようにという交渉を現在しておるところでございます。
○川俣委員 これは国鉄が買い取るというのは、側も自分で田植えをするから買い取るんじゃなくて、鉱業権の場合は四方五十メートル侵されないんだな。そうですがな。国鉄のレール何メートル四方を鉱業権なら侵害されないんですか。
○内田説明員 トンネルの周囲五十メートルでございます。
○川俣委員 水田の場合はどうですか。営業法はどうなっています。
○内田説明員 水田の場合はそういうような規定はございません。ただ、トンネルを掘ることによりまして私のほうに被害が起こるとか、あるいは将来その水田をやめて宅地にする場合に建物が建たないとかいうようなことがございますと地上権の一部の補償をする、これは地主との御相談になります。
○川俣委員 やはり見回りが大事だと思いますよ。昔のようにテクで見回りする場合と、あるいは一人か二人乗りの小さなレールを走る、何というのですか車みたいなのがありましたね。ひとつ雨が降ったりあるいはあぶなかしいようなところがあったら、そこを見回りしなければ汽車を通さないということを考えたらどうだろうか。人手不足だろうか。どうですかこれは、提案ですけれども。
○内田説明員 先生が御指摘のように、これは日本全国そうでございますが、鉄道沿線の開発というのは非常に進んでまいりまして、御指摘のように環境が変わりますと自然が破壊されて思わぬ災害が起こる。この問題につきましてはわれわれのほうとしても、こういうような地域開発が起こったときにどの程度の水が出るかというようなことにつきまして、ある程度基準等を設けて各保線区に指示をしております。昔から沿線五キロは線路保線区で見回れということはわれわれのならわしになっておりまして、そういう意味では軌道の検査掛が線路を見回るだけでなくて、沿線の環境の変化には十分注意してやっておるところでございます。ただ災害というのは、先生も御承知のようにこんなところでというようなところで実際には起こっておるのでございまして、われわれがこれは注意しろ、ここはあぶないというところで起こる場合もございますが、そうではなくて、小さな、たとえば一メートルぐらいの土管で、平生は何でもない小川だ、ところがそこに何か詰まる、そうすると詰まった場合には一気にそこに湛水をしまして築堤を流すというようなことでございまして、そういうような思わぬ事故というのは、これはどうしても避け得られないと思います。われわれはそういうようなことを考えて、たとえば十年に一ぺんはこのくらいの水が出るぞ、したがってここの水抜き孔は、その十年に一ぺんぐらいの水が出てもだいじょうぶなように大きくしろというようなことを考えて平生設計なり保守をしておるわけでございますが、そういう点ではなかなか万全を期するということは、まことに残念でございますができてないというのが実情でございますが、今後とも国民の皆さまに御迷惑のかからないようにやってまいりたいというふうに考えております。
○川俣委員 やっぱりデスクでは起きるべきでないというところに起きているわけだよ。どこだってそうだろう。五能線だってそうなんだ、あの先の。ところがその後の対策、たとえば五能線なんかはどうですか、その後。あれは海に突っ込んだわけだから。海岸線だから。あれは海岸の防波堤の関係もあって、建設省にお願いしなければならぬという地元からの決議だと思うのですが、決議は来ていますか。あれは進めておりますかな。
○豊島説明員 お答えいたします。 海岸法によりますと、鉄道軌道並びに飛行場用地につきましては海岸保全区域の指定をしないことになっております。したがいまして、この五能線の事故のあった地区も、鉄道用地に関しましてはこの指定を行なっておりません。したがいまして、現在のままでまいりますと海岸事業を施行することにはなりませんので、目下のところでは予算措置は考えておりません。
○川俣委員 ちょっと運輸省いないからあれだけれども、きょうは大臣もいないのだけれども、どうなんですあれは。あのままほうっておくんですか、常務。あのままほうっておいたらまたやるよ、あれは。
○内田説明員 五能線でああいう事故を起こしましたことはまことに申しわけないと思っております。いままでの対策といたしましては、地元の皆さんにはおこられておるのでございますが、あぶないと思いましたら列車をとめるということ以外にさしずめは対策がないわけでございますが、しかし、われわれといたしましては、五能線に関しまして、あの事故以来約十億を投じまして、線路その他線路工作物の補強をやってまいりました。ただ、基本的には海岸の護岸を改善しなければならないということでございまして、この問題につきましては、青森県と改善につきましてただいま協議を進めております。青森県も何か対策を打たなければならないという前向きな姿勢もお持ちのようなので、今後早急に話を進めて、万全の対策をしてまいりたいというふうに考えております。
○川俣委員 あぶないと思ったら汽車をとめれじゃ、ちょっとこれは——じゃ、とめなかったのは機関士が悪くなるのかな。ちょっと建設省、あまり冷たい返事をするなよ、そうだろう。あれは護岸工事だよ。いま検討しているというなら話は別だよ。一切知らぬ存ぜぬ、権限外だというのだったら、おれは一言あるよ。建設省、どういうわけなんだ。
○豊島説明員 私のお答えしましたのは、現在の護岸敷はもちろん国鉄の所有の土地でございまして、護岸も鉄道の護岸でございます。これを建設省がとやかく扱うことは海岸法上もおかしいことじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、現在のところ、予算措置は海岸事業としては考えておらないと申しましたのはそういう意味でございます。護岸そのものは鉄道のものでございます。
○川俣委員 じゃ、ここで国土論をやるか。登録あるの、あの護岸は。登録ありますか。土地というのは登録がなければ建設省なんだよ。じゃ、あれは海岸全部建設省か、どうなんです。そんなことないよ、あれは。登録のないところは建設省なの、国のものなの。
○豊島説明員 お答えします。 国有海浜地はもちろん建設省の所管でございます。したがいまして、海岸保全区域には指定してないと申しましたのは、その護岸の前から沖側についてはまだ指定をしてございません。したがいまして、護岸そのものの復旧はもちろん建設省、海洋は建設省では法律的にはやれないことになっております。ただ、その前のその沖側につきまして国鉄といろいろ相談しまして、そこで何か問題があれば、そういう面につきましては検討するにやぶさかではございません。
○川俣委員 それじゃ、建設省はこの工事のことで全然まだ相談を受けてないわけね。
○豊島説明員 相談は一応受けております。
○川俣委員 受けておるのだけれども、おれのほうの管轄外だから知らないと返事しているの、それとも検討の方向なの。
○豊島説明員 これは管轄外と申しましたのは、護岸そのものをいじくるのは私どもの管轄外でございますが、前の、付近の全体の問題を海岸として考えるべきかどうかをわれわれは検討しております。ただ、ただいままだ海岸保全区域に指定はしてございませんので、ただいま現在直ちに来年度どうこうといわれるところまでは進んでいないという意味でございます。
○川俣委員 それじゃ、検討しているというのは、工事をしなければならないということで国鉄と一緒になって検討しているというのではなくて、これは建設省が手を入れていいかどうかという、法律的に検討しているのかね。あなたの言い方はそういうように聞こえるよ。
○豊島説明員 どちらの意味も考えておりますが、海岸事業費もあまりございませんので、緊急度の問題もいろいろございますし、それからいまの保全区域の指定もまだできておりませんので、両面から地元からいろいろお話は聞いております。
○川俣委員 それじゃ、だいぶ聞いているのだろう。あなたは、予算がないからなかなかできないというような言い方をしてみたり、ここに建設省の金を使えば違反だ——これは建設省の管轄外なら金を使ったら違反だよ。そうじゃないのだよ、あれは。これは建設省が金を使ってやるべきか、運輸省が金を使ってやるべきかだな、海岸線というのは。レールは全部そうですよ。そういうのを一緒になって検討しているというなら話はわかるのだよ。あれは国鉄のものであって、建設省がとやかく言うものじゃない、いわゆる無登録の日本国土じゃない、したがって建設省がとやかく言うべきじゃない。だからおれは知らないのだというように最初は言った。ところが、だんだんだったら、いや予算の関係もあるし、あるいは建設省も一緒になって検討していると言う。あなたはどっちなんだ。
○豊島説明員 説明がまずうございましたが、護岸そのものは鉄道の護岸でございまして、私のほうで検討しておると申しましたのは、鉄道のほうで護岸そのものをしっかりやってもらえば、それで技術的にもつものであればけっこうだと私ども思っておるわけでございます。ただ、鉄道のほうで護岸だけやってもなかなかその維持がむずかしいということであれば、その沖側のほうについて技術的にも検討する、こういう意味で。私どものほうは地元のほうから相談を受けておりましたので、検討を進めておるところでございます。
○川俣委員 それではひとつ、汽車は走っているのだからな。常務のおっしゃるように、あぶないと思ったら汽車をとめれなんということではいかぬのだよ。五能線だもの、ちょっと満水になると海に突っ込むようなかっこうだから。そうでしょう。だからひとつ検討をぜひ急いでやってくださいよ。 それから国鉄は、さっき人の問題、職員数が減ったのかふえたのかという問題から話が出て、いま無人化というのを進めておるようですね。あれはやはりATCの関係で、企業効果もねらって無人化にするのかな。どうなんです。いまやっているところは山形ですか。
○伊江説明員 お答えいたします。 直接のお答えの前に、大体一般的に無人化の方向について御説明申し上げたいと思いますが、現在国鉄には五千二百ほどの駅がございまして、その配置状況は開設当時とほとんど変わらないような配置の状況でございます。したがいまして、営業キロが二万キロございますので、駅間キロがほぼ四キロに満たない間隔をもって駅配置されておる、こんな状況でございます。したがいまして乗降の非常に多い駅、少ない駅、あるいは貨物の非常に多い駅、少ない駅と非常にばらばらでございまして、最近の道路整備状況その他の事情にマッチしないような駅の配置、こういうふうになっておりますので、私どもは消極的に人を生み出すという意味の合理化ではございませんで、先ほど申し上げましたように、国鉄のいまの台所をまかなう上にはやはり生産点に重点的に人を配置する、こういう方向で実は無人化の駅をつくっていく、ただしこれは御利用の少ない駅についてでございまして、今後とも進めてまいりますが、すでに四十四年から実は全国的にこの計画を進めつつある、これが私どものいまの国鉄の状況でございます。
○川俣委員 二万キロに五千二百駅、四キロメートル間隔、近過ぎる——ところが無人化でも汽車がとまるのだよ。停留所にはするわけだ。ところが無人化にして安全が確保されるだろうか、どうだろうか。汽車がとまらないなら別だよ。小さな駅には急行はとまらないわけだから。ところが、汽車はとまって人がいない。きょうはこれは安全の面だけから言うが、これが保てるかな。
○伊江説明員 私どももやはり最大の使命は旅客の安全でございますから、たとえ停留所化いたしました駅につきましても、もちろんその停留所化いたします駅の選定にあたりましては、乗降が非常に少ないということが前提になるわけでございます。ただし、停留所化いたします場合には、やはり線路の横断その他ございますので跨線橋をつくるとか、あるいは照明設備をつくるとか、あるいは警報ベルが隣の駅からあるとか、あるいは隣の駅から列車の運行状況を連絡するとか、そういう意味で保安のほうについては十分配慮した上での停留所化の措置を講じ、またその駅を選定しておる、こういう状況でございます。
○川俣委員 災害委員会でこの間雪害でちょうどあの線を見たのよ。山形からずっと秋田を見たのよ。もうあのとおりの雪だろう。そうすると、隣の駅から無人化の駅にいま汽車行くぞと放送するんだな。汽車はいま行くぞ、こういう放送をしますわ。ところがあの雪だろう、途中でどのようにおくれるかわからないわけだ、立ち往生状態が連続するわけだから。この間調査に行ったわれわれの調査団の汽車もちょうど二時間おくれて、なるほど雪とレールというのはたいへんなものだということで、皆さん方、国鉄職員一同の御労苦を再認識してきたわけだ。ところが、あのとおり特に小さい駅にとまらないわけだから、小さい駅なんというのはもう雪で埋まっちゃうのですよ。そこへ突っ込むわけだろう。そこへ汽車がとまる。とまって今度は発車する。そうすると、これは全部安全は機関士と助士がやるわけですね。車掌がやるわけですか、どうなんですか、これは。
○伊江説明員 ちょっと私説明を十分に申し上げなかったきらいがございますので申し上げますが、いまの御指摘の点でございますが、大豪雪の場合にはもちろん列車は実は運行ができない状態になるかと思います。しかし普通の状態の場合には、たとえば駅に入りますときのポイントの転換でございますが、これは無人化いたしました停留所でございますので人がおりませんので、CTCという自動的なコントロールセンターからのコントロールでポイントの操作をいたします。そのポイントの操作は、通常の降雪にたえる程度の電気ヒーターをつくりますとか、そういったような装置をいたしますので、駅におけるところの運転の要員は必要はない。 それからもう一つ申し忘れましたのは、やはり駅の上屋がないところが多うございますので、今回私どもが計画いたしておりますのは、奥羽線をCTCをし、かつまた五十年の十月までに電化をいたします、この際にそういった計画を進めたい、こういうことでございまして、その際に無人の駅につきましてはホームの上屋をつくるということで、先生方が昨年、ことしでございますか、ごらんいただきましたような、ああいう豪雪の状況の場合には、これはもう列車自体が動きませんので、通常の状態にたえるような設備は十分にいたしたい、こういうように考えております。
○川俣委員 そんな無人化にして屋根つくるぐらいならと言いたいよ。無人化にするというのは何を期待するの。その通常の豪雪というのはどういう意味ですかね。それから無人化にしてどういう得策があるの。その職員方はどうするの。
○伊江説明員 通常の豪雪とは申しませんで、先生がこの間御視察いただきましたああいう豪雪というのはそれこそ六十年に一回ぐらいかと思いますが、普通の東北地方に降ります雪の状態では確保できるような保安の措置は十分に講じます、こういうことでございます。 それから無人化いたしまして、その職員をどう使うかという問題でございますが、先ほども内田常務が申しましたように、なかなか国鉄には人が集まってまいりません。と同時に、また私どもは国鉄の財政の再建のためにできるだけ効率的に要員を配置したい、こういう悲願がございますので、そういう扱い量の少ない駅からの職員を扱い量の多い生産点に回して有効活用をはかりたい、これが目的でございます。
○川俣委員 国鉄に人が集まってまいりませんて、それはほんとうかね。そうかな。国鉄に人が集まらぬかな。採用なら引き受けるよ、おれは。
○伊江説明員 先ほども申しましたように、国鉄は機械によって肩がわりできるいわゆる装置化できる職場というのが限られております。したがって、たとえば構内で貨車を一々連結作業をいたしますとか、あるいはどろにまみれて車を検査するとか、あるいはまた線路の保守、こういった肉体労働、そういったものをだんだんきらう傾向にございますと同時に、高校の大学進学率が非常に高うなってまいりまして、国鉄の新規採用に対する応募者が非常に少のうございます。したがいまして、先ほども話が出ましたように、できるだけ機械化、装置化をいたしまして、そうしてそこに人手が少なく、また世にいうかっこうのいい職場にする、明るい職場にする、近代的な職場にする、その上で来ていただこう、こういうことで、目下のところは、残念ながら非常に応募者が少ない、こういう状況があることは事実でございます。
○川俣委員 無人駅のあの辺で国鉄に入る応募者が少ないということを私ももう少し大きく宣伝してやるわ。そうかな、それでいいかな。採用しないのじゃないの、応募者が足りないのじゃなくて。
○伊江説明員 無人駅に人を採用するということではございませんで、国鉄の生産点に人を採用しますのにも非常に難航いたしておりますという全国的、一般的な国鉄に対する応募状況を申し上げたわけでございます。
○川俣委員 そうすると、いま十八カ所のうち七カ所を無人化にするのだが、その職員はどうするの。
○伊江説明員 これは配置転換をいたしたいと思っております。まだ具体的にはどの職場にどういうふうに配置するかということはきまっておりませんが、たとえば駅で出札をいたしておりますとか改札をいたしております連中を、列車が増発されるために車掌に登用していくとか、あるいはまたほかの忙しい大きな駅の出札、改札へ転換するとか、こういったのはいずれ具体的になりましたならば、組合との協議の上で配置転換の諸条件をきめてまいる、こういうことでいろいろと現在までも全国的にやってまいった、こういう次第でございます。
○川俣委員 だんだんに国鉄というのはロートルになっちゃって、あなたの話を聞いていると。 そうすると、無人化の駅と委託の駅というのと分けた。最初から分けてかかるというのはどういう意味。これは国鉄の職員サイドでぼくは言っているのじゃないのですよ。住民のサイドで言っているのだから。
○伊江説明員 委託と申します方式には二つございまして、一つは、たとえば無人化、停留所化をいたす予定の駅の近くの商店に簡易近距離の切符の発売をお願いするという委託の方法と、それから全国的に新しい建設線、新線建設ができましたときに、あるいは先ほど来申し上げておりますような駅員の配置いたしております駅を停留所化いたします場合に請け負っていただく会社がございまして、大体国鉄のそういった駅務の関係の経験の深い連中が卒業いたしまして就職いたしておる会社でございますが、そういったところに委託をする。日本交観、日本交通観光株式会社という会社でございますが、そこには国鉄の卒業生が、ベテランと申しますか、経験の深い連中がたくさん行っておりますので、そういう会社に一括委託をする場合と両方ございます。
○川俣委員 国鉄卒業生のベテランの株式会社、日本交通観光株式会社、どうも名前から言うと、安全をねらうよりも人集め、観光だな。そうすると、そこへ委託するというと、無人化にしてそこへ委託するという、あれがわからないのだよ。観光会社なら収支が合うという意味なの。国鉄はなぜやらないのだろう。それとも定年になると規則で首を切らなくてはならぬから、そういう意味かな。
○伊江説明員 御質問の趣旨がちょっとわかりかねますが、委託をするくらいなら国鉄の職員がしたらどうか、こういう意味でございますか。
○川俣委員 そうです。
○伊江説明員 それは先ほど申し上げましたように、国鉄の職員がやりますのには非常に業務量が少ないというところから、委託の方式には二つございまして、簡易の乗車券を付近の商店に売らせる場合と、それからやや業務量が多いというものについては、そういうふうな会社に委託するということでございますが、もちろん、委託にあたりましては、従来国鉄がやっております業務をそのまま委託するわけじゃございませんで、それを若干簡易化いたしまして委託いたします。そういうことで委託のほうも経費は償える、こんな仕組みでございます。
○川俣委員 そうすると、あなたの話を聞いていると、国鉄にやらせるほどの仕事の量がないのを観光会社にやらせる。しかし、ああいう僻地のところの一つの駅にやはり最低一人は要るわけだろう。だから、その株式会社方式ならやれるのかというんだ。それともOBだったら給料が低くてもできるという意味なのかね。
○伊江説明員 委託を受けております会社の性格でございますが、これは国鉄の業務のそういった簡易な業務の委託だけではございませんで、実は一般旅行あっせん業、それから付帯事業、そういったものをやっております会社で、その大体四割程度に当たる業務量が国鉄のそういった業務の委託、こういうふうにお考えいただければいいんじゃないかと思います。
○川俣委員 話がちょっとそれるけれども、この日本交通観光株式会社というのはどうも切符買い占め会社だな。いま国会の窓口でも一週間前にコンピューター打っているんだよ。すぐになくなるんだ。そういう切符の手配をする会社でもあるんだな。
○伊江説明員 切符の手配をいたしますのは確かに旅行業者としての仕事の一部でございますが、先生御指摘のような買い占め会社ではございませんで、やはり駅からコンピューターをたたきまして、そうして指定券などを取るというのがあくまで原則でございますので、会社が独自に指定券を全部買い占めるというふうな性格のものではない。この会社も当然でございますけれども、ほかの観光業者、あっせん業者もそういう性格のものではございません。
○川俣委員 買い占め会社というのは、この会社がイの一番にコンピューターに入れるんだよ。奥羽線なんかまたたく間になくなるんだから。 農協なんかにも委託させているんでしょう。これは一体安全というものを考えているのかな、農協とか観光会社に委託して。あなた、何りも一番先に考えなければならないのは安全だと言ったでしょう。
○伊江説明員 お答えいたします。 私どもはむやみやたらに無人化いたしましたり貨物を集約したりするのじゃございませんで、やはりそれ相応の設備が相整うということを前提にしていたします。したがいまして、今回奥羽線につきまして私どもが計画いたしておりますのは、CTC、これは非常に保安度の上がる、中央からのリモートコントロールにおきまして列車の位置もわかるし、それから駅のポイントも自動的に転換できるという十分な運転保安上の措置を講じた上でございます。 第二には、駅へ乗降される方々の安全の問題でございますけれども、これも先ほど申しましたように、照明をつくりますとかあるいは隣の駅から放送いたしますとか、あるいはその無人化された駅におきましてはちゃんと鉄道電話を置きまして照会ができるとか、そういった安全上便利な問題は十分に講じた上でやる。しかもそういう小さい駅でございますし、線路横断が非常に多うございます。その線路横断もあぶのうございますので、奥羽本線などはわりに列車回数が多いどころで、そういう小さい駅は通過いたしますから、線路横断は非常にあぶないというところから、そういう駅につきましては御承知のとおりの跨線橋をつくります、それをつくった上で停留所化いたします、こういう措置を講ずるわけでございます。
○川俣委員 時間が来ましたから……。この無人化と委託だけは、どうしたって安全はなくなるよ。この考え方は安全という問題は度外視しておるよ。これはまた時期を改めますけれども……。 そこで、皆さん方、無人化したり委託するということは、とりもなおさず国鉄の合理化——人口理化もはっきり言うてやらねばならぬのだから、したがって企業効果が出ておると思う。ATC、これだけのものを買って据えつければこれだけのものが浮くという企業効果が出ておるわけでしょう。来年の十月から行なう奥羽線の八カ所の無人化と二カ所の委託、それから五カ所貨物だけやるという企業効果を、いまでなくていいですから、あとで見せてくれませんか。
○伊江説明員 ただいま申し上げます。私どもこれはやはり地方の皆さまに御協力、御納得いただくことがまず前提でございまして、そのために秋田の管理局が地元の方々とそれぞれに御相談申し上げ、接触を申し上げておるわけでございますが、その効果は、五十年時点において私どもの予定どおりのことをいたしますと、大体運転要員がほとんどCTC化によって要らなくなります。そのほかに停留所化によるところの職員の配置転換と、合わせまして約百人の要員効果が出てまいる、こういうことでございます。
○川俣委員 それは百人ばかりでなく、無人化にすれば電灯代も要らなくなるのだろうから、全部それを企業効果として出しておるのだろうから、いまでなくていいですからその資料を出していただけますかというのです。
○伊江説明員 それは奥羽線に限っての話でございますか。
○川俣委員 そうです。
○伊江説明員 承知いましました。
○川俣委員 割り当て時間がなくなりましたが、次に工事というか労働災害、大臣も出てまいりまして、あとで枝村委員から十分に詳しく質問するはずですけれども、一つだけ、いま東北新幹線にじん肺患者が急増しておる。それで、一年前にこういうことがあった。蒸気機関車のボイラーマンが一級ボイラー技士の試験を全然受けないでやっていたわけだ。それで労働安全衛生法違反じゃないか、こういうことで一年前にやったら、あれ以来大急ぎで全部試験を受けたようですが、今度は労働災害の問題です。これをどうしても一ぺん現地調査をしなければならぬと思うのだが、宮城県の労働衛生医学協会で、新幹線工事に当たっておる労働者の胸を専門的に調べたそうだ。そうしたらじん肺患者が続々あらわれたというんだ。それが労働省に提出してあるというが、どうかな。これ聞かしてもらったことがないな。
○中西説明員 お答えいたします。 東北新幹線工事に従事しております労働者のじん肺対策につきましては、かねてから監督指導を実施しておるところでございますが、特に昨年は労働省の委託でじん肺検診を実施いたしました。その委託先である宮城県労働衛生医学協会で行ないましたじん肺検診の結果を見ますと、七百七十一名についてじん肺検診を実施いたしましたところ、その結果、エックス線像が一型の者、これはおおむね管理一になりますが、これが八十八名、それから管理二の者が四十名、管理三の者が二十四名、それから療養を要するとされました管理四の者、これが二名でございます。これらにつきましては、それぞれの管理区分に応じまして適切な措置を講ずるように、現地で指導しているところでございます。
○川俣委員 これ一つ取り上げましても、もうじん肺患者が、一期、二期、三期、要療養がかなりな数字だよね。大臣、これはやはり、いま新幹線工事というのは、直接の負傷、死亡、こういうのもあるけれども、労働安全衛生法が当然入っていくべき問題を労働省がなおざりにしているきらいがあるから、ひとつ調査に乗り込む必要があると思うね。これは地元では普通の非難じゃないですよ。これに対して大臣、どう思われます。
○長谷川国務大臣 新幹線は非常に大型の予算を使いつつ、また最近、災害のあることなども聞いておりますから、私は先日、東北新幹線のトルネル現場を自分のほうから視察したわけであります。 いずれにいたしましても、こういう労働者の諸君の命を守るのが私たちの仕事であり、また、そういう幾らも災害が重なってなおかつ働くというふうなことはあり得ないことですから、いまお話しのようなことなども含みながら、大きな災害の防止並びにまた人命の尊重、こういうことにせっかく労働省として努力してまいりたい、こう思っております。
○川俣委員 どうもありがとうございました。
○野原委員長 枝村要作君。
○枝村委員 いまから労働災害問題について質問しますが、時間が限られておりますので、なるべく簡潔に答弁してください。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 近年建設業に働く労働者の災害が多発化の傾向を非常に示しつつあるのでありまして、労働者の生命と生活が破壊されるというこの悲惨な状態を調査するために、私どもは、特にひどいとされている山陽新幹線と上越新幹線のトンネル工事現場を視察いたしました。それは去る五月十二日と十三日、それと二十日と二十一日にそれぞれ行なったのであります。そうしてそれに基づいて、五月二十一日の当委員会で、関係当局の責任追及と質疑を取りかわしたところであります。 そのとき明らかにされましたことは、まず第一に、長時間の労働、それから低賃金、しかも未熟練で老齢化した農業労働者の出かせぎに依存していることが、いわゆる労災多発に結びついているということがいえます。 それから二番目には、同一の建設業者が同じような事故を起こしておる。山陽新幹線で起こしたことを上越新幹線でも起こしておる。こういうことを見てまいりますと、これは何らの反省もしていないことがわかります。ですから、再発防止のための努力というものが全然うかがわれない。また、これに対して発注者である者が何らの手を打っていないということがわかりました。 それから三番目には、行政監督官庁である労働省が適切な指導と監督をせずにそのまま放置しておる。こういうことをその当時の委員会でわれわれも指摘しましたし、当局もそれを暗に認めるという、こういういきさつがありました。 特にそのとき指摘いたしたのでありますが、私が上越新幹線を調査したときに、現地の労働省の幹部は、建設業のいわゆる労災は不可抗力であるというようなことをちょっと口をすべらせました。これは直ちに訂正はいたしましたけれども、どうもこれが本音のような気がしてならぬのであります。当局の労災に対する基本的な態度がこれであっては、最近新聞紙上でいろいろ非難されておりますけれども、当然ではなかろうか、このように思っておるところであります。 そしてまたもう一つは、そのとき現地で資料の提出あるいは事情の説明などを求めたのでありますが、それがほんとうに信用していいものか悪いものかということが、時がたつにつれて、どうも擬装的な資料提出になっておるということも明らかにされてまいりました。 そこで、総評、全日本建設産業労働組合が中心になりまして、六月末現在の死傷、休業実態を、これは独自ではありませんでして労働省の資料に基づいて行ないましたところが、山陽新幹線が死者百六十三名、八日以上の休業、これは負傷、重傷を含めて五千四十八名、上越新幹線が十六、三百、東北新幹線が二十六、五百六十九、以前にさかのぼって東海道新幹線が死者二百十一、後段の休業は不明でありましたが、大体山陽新幹線の死者対そういう休業者、負傷者の比率を逆算してまいりますと六千七百五十二、合計死者が四百十六、八日以上の休業、負傷が一万二千六百六十九、こういう数字が明らかにされてまいりました。 この数字に間違いがあるかどうか、労働省の御答弁をお願いいたします。
○中西説明員 新幹線の災害の発生状況につきましては、いまお話がありましたような状況でございます。
○枝村委員 では、この数字に間違いないということなんですね。と同時に、これはやはり一般に公表されておるのですか、どうでしょうか。
○中西説明員 一般に積極的に公表するということはいたしておりませんが、尋ねられれば答えるということはいたしております。
○枝村委員 議員がそういう要求をしたときには、お答えにならぬというわけにはいかぬでしょうけれども、たとえばそれぞれの関係者がそういう資料の提供を求めたときには、労働省はなかなかしぶるということを聞いておる。そのこと自体にも根本的にやはり姿勢がうかがえると思うのですけれども、大臣、それはいいことでしょうかどうでしょうか。むしろこういう死傷があるということを明らかにして、そうして関係業者その他に猛省を促して、事故再発防止のために努力すべきではなかろうか、こういうふうに思っているのですが、どうでしょう。
○長谷川国務大臣 こういう新幹線のような超大規模建設工事というものは、私のほうではそれを労働省として指定しまして、それから国鉄あるいは鉄建公団、こういうところに対して、工事の安全施行についての所要の指導を強力に行なっております。そして地方の局あるいは現地の工事局、そういうところに協議会を設けまして災害防止をずっとやっておるのですが、御承知のとおり非常に最近新幹線の事故が続発しているという話を聞いておりまして、数字はそれぞれぴしゃっと何カ月に何べんという発表の義務もありませんけれども、何も隠すことじゃない。私の手持ちにありますものでも、昭和四十二年三月着工以来——着工というのは山陽、上越、東北の三線でございますが、四十九年の六月三十日までの死亡者総数は二百五名、休業八日以上の死傷者総数六千百四十名、こういう数字が出ていることは非常に遺憾だと思っております。 いずれにいたしましても、こうしたことからしますと、自主的におやりいただく災害防止も必要ですが、私のほうからも、それぞれの具体的な事例をとらまえて、その際に監督指導したい。先日以来新聞にもいろいろのケースが出ておりましたから、労働省としては、そういう事故の起こった人の名前、それを一つ一つフォローアップして、どういうふうな原因であり、どういうふうな結果になり、どういう手当てをされているかというふうなことを実は全部調査をさせているようなかっこうでありまして、災害防止には人命尊重の意味から徹底を期していきたい、こう思っております。
○枝村委員 全日建はそういういろいろは事情がありまして、総評を中心に独自な追跡調査を行なってまいりました。わが党に対してもそれを示しまして、いろいろ協議いたしました。三百二十一件の事故についてそういう追跡調査を行なって、現在までにその中の三十七件が明らかにされてきておるわけでありますが、それによりますと、いずれも特徴的に言えることは、一つには法違反の事故が非常に多いということです。特に安全衛生法に違反しておる。 それから二番目には、被災者扱いについて法違反が目立っておる。これは基準法やじん肺法に違反ということです。これははっきり言えば、使い捨ての実態が明らかにされたということになるわけであります。 三番目には、ほとんどが被災することによって生活の道が閉ざされている。これにはいろいろ理由がありましょうが、中でも今日の休業療養補償が実態に即していない。 それから、治癒になっていないのに途中で退院をさせられたか、したか知りませんけれども、そういう状態がある。 それと、いなかのほうへ行きますと、医療設備なんかが整っておらないということもありましょうが、発見が非常におくれまして、なおるべき負傷も手おくれのために死に追いやるおそれのあるような状態もときどき出ておる、こういうことが明らかにされたわけです。 それから四番目には、とにかく業者が災害にかかったことを非常に隠したがる、いわゆる隠し災害が多いということがあります。このような特徴が追跡調査によって明らかにされておるのであります。 そこで私は、きょうはその中の一、二の事例をあげまして、労働省の猛省と、今後のこれに対する厳重な措置をひとつお願いいたしたいと思います。 まず初めに、山陽新幹線の安芸トンネルで、四十五年九月二十四日発生いたしました土砂くずれによって、右足ひざ下切断をされました一文字村雄さん、四十三歳、所属しておる会社は奥村組、この方に対するいわゆる法違反があります。それとこの人に対して、この重傷を負う前に起こりましたじん肺の罹患を会社が知っておりながら隠して、そして坑内に入れて作業さしたという事実が明らかになっております。そのためにその病気が非常に悪化していった。こういう二つの問題を含めた一文字さんの事件であります。 これなどは、危険防止措置を行なわなかったことということで、安全衛生法の二十一条、二十五条と、安全衛生規則の三百八十二条、三百八十四条、三百八十五条、これにいずれもが違反しておる。それと、二番目に申し上げました、病気の者を就労さしたということは、同様安全衛生法の二十二条、六十八条、同法の百十九条にも違反しております。そうして、業務上被災と疾病による減収を補償の基礎にしたなど、労働者保護目的を著しくそこねているということが明らかになった。これは労働基準法の十二条と七十六条に明らかに違反しておる。違反ということばを使いましたけれども、疑わしいということに私は言っておきます。そうして、死傷病報告を遅滞なく届け出ねばならぬというのに、これに違反して、疾病届けもしないということが明らかにされておりますので、これも安全衛生規則九十七条に違反しておりまして、これは死傷関係者の措置としてはきわめて悪質なものだといえると思います。 それで、先ほど申し上げましたように、危険防止を行なわないで事故を発生さしておるということと、じん肺患者でありながら坑内の作業につかせ、使用者の故意及び過失の法違反による減収に対し、法定補償の要件さえ欠いている、こういうことをまとめてみますと、これは明らかに会社も悪いのですけれども、監督官庁である労働省の基準局あるいは監督署が、これらをなぜ放置さしたか、何らかの時点でこれを調査してやるような手だてはなかったのか、そして、その後発見したあと、これを再申請するとか、そういう手続について適切な指導をして補償を完全にさせるような方法はなかったのか、こういうふうにいわれてもしかたがないと私は思います。 それともう一つは、先ほど言いましたように、これはじん肺法の十二条、六条、七条、九条にそれぞれ違反しておるのでありまして、これは一つの一文字さんの事件だけではなく、これと同様なケースがたくさんあることを思いますと、あなた方の今後のき然たる態度をこの際強く要請せざるを得ないということになるわけであります。 もう一つ、岩井昭和、この人の例を申し上げます。 岩井さん、四十四歳は、大成建設。これは上越新幹線の大清水トンネルで四十七年十二月二日右肩裂傷を負った事件であります。これは、ダイナマイト設置中に停電したので懐中電灯を使用してそのダイナマイトを回収中に、落石によってそういう事故にあった、そして会社側は労災死傷病届けを行なわずに放置しておる、本人が監督署におれの措置はどうなるかと問い合わせて初めて明るみに出た、こういう問題であります。これはさらに休業補償は法定補償を行なっていない。その他入院に伴ういろいろな諸雑費、諸費用を全然支給されていない。さらに驚くべきことは、新聞にも載っておりましたけれども、社会党のわれわれの調査団が災害調査資料を請求いたしましたので、それに対して提出してまいりましたものが全く虚偽のものであったということが明らかにされました。賃金台帳でそれは明らかにされました。本人は入院中にもかかわらず、半月を一日八時間、残業二時間までしてつとめておるというような虚偽を台帳に記載しておる、それをわれわれに示す、こういうことをしておるのであります。 法定補償を行なわなかったということ、そして休業補償を九十九日で打ち切って、死傷病報告を出さず労災を隠蔽した、隠し労災、こういうことをやったということは、これは明らかに法違反であるということがいえると思います。いまのわれわれに対する虚偽の報告も、これは刑法による私文書偽造に当たるのではないか、そして賃金台帳にそういうふうに虚偽の記載をしておるということは労組法の違反にもなる、そして事故の原因については先ほど言いましたとおりでありますが、これは安全衛生法の二十五条に違反しておる、それからはだ落ち防止について何らの措置もしていないということは労働安全衛生規則の三百八十二条あるいは三百八十五条に違反する、こういうふうに私どもは指摘するのであります。そのほか楠木忠一さん、これも大清水トンネル工事に携わっておる人でありますけれども、これが会社の命令で東京電力のほうに雪かき作業に強制的にやらされて、その作業中あやまって落ちてけがをするという事故もあります。それから池亀信一さんという人も危険防止措置を行なわなかったために落磐事故によって負傷する、こういう事例があります。また中川俊夫さん、それから大江満雄さんという方についてもそのような法違反によって負傷事故を起こしておるということなどが今回の追跡調査で明らかにされました。その他先ほど申し上げましたように三十七件もあります。 いま現在までわかってきました事件もいずれも大同小異の内容であります。私はこのようにあえて御本人の名前を明らかにして申し上げましたけれども、だれが見ても悲惨なこの労働災害の事実について労働大臣は一体どう思うか、お答え願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 私のほうは労働災害あるいは働く諸君の衛生、こういうものを守ってやる立場にございますので、各監督署、基準局、そういうところから事故のあった場合には——まず第一にないようにいろいろな現場への働きかけ、工事局そのものにさえもやかましく督励いたしまして防止につとめておりますが、いまの勤労者の働く場所がわりにある時代にそういう乱暴な事件がそちこちにあるということは、ほんとうに私はたいへんなことだと思っているのでありまして、いま御指摘のそういう問題一つ一つについても、はっきりしたものは戒告、いろいろな監督を厳重にいまから先もやってまいりたい。とにかく年々五百名以上の方々がなくなるような労働災害、新幹線だけにあらずしてそういうものの絶滅というものに前進的に努力していく、こういう感じでやっておりますことを御理解いただきたいと思います。
○枝村委員 とにかく労働省は、労働者の生活と権利、福祉、救済、事故防止などの一切に手だてをする責任があるわけなんですから。 それと、そのために現在の請負制度についても根本的に規制しなければならぬという問題もあります。ですから、私はあまり時間がありませんから多くのことは申し上げませんが、その中の主要な問題点について、労働大臣の基本的な考え方をひとつ聞いていきたいと思います。 まず第一に、さきにも述べましたように、労働災害は不可抗力である場合が多いというような根本的な観念はよもや労働大臣はお持ちではないと思います。現場のそういう一幹部が不用意に口をすべらせたのだというようにあなたはお答えになると思いますけれども、いままでの全体の態度、姿勢、そうした措置に対するスピードの問題など考えてみますと、どうもそれが心の底にあるのではないかというような気がしてならぬ。そこからは事故を防止するというきびしい対策、あるいは規制とか監督というものは出てこぬと思うのですね。ですからここで大臣が、これはひとつ声を大きくしてもいいですから、そのような事故は絶対に起こさないための根本的な態度と姿勢でもっていまから対処するということをはっきり言ってもらいたい。これが第一点。
○長谷川国務大臣 態度としては先生のおっしゃるとおりでありまして、私は労働大臣になる前でも竜飛崎、青函トンネル、そういうところの水底下百三十六メートルの中まで入って働く諸君の模様を見たり、そしてまた労働省に参りましてからは建設関係の安全関係の大会を開き、それぞれ監督権限というものを活用いたしましてお願いいたしているわけであります。一方またこういう熟練の方々、トンネルを掘るような方々は熟練の方々ですから、そちこちの現場もだいぶ歩いているようでございます。そういう中に不慮の災害が起こる、こういうことは非常に残念なことである、こういう気持ちから、先日も新幹線の現場、トンネル現場なども拝見いたしまして、そういう働いている諸君一人一人に、ひとつしっかりまず自分で自分を守るという気持ち——私のほうは監督もやるけれども、ぜひそういう気持ちで、自分の命と毎日の報酬を取るためにからだの安全を気づかっていただきたいという気持ちを申し伝えたわけでありまして、これはもうほんとうにだれでもが、みんなで一生懸命協力してやらなければならぬことだ、こういう気持ちでいまから先も対処してまいりたいと思っています。
○枝村委員 わかりました。そのために、私ははっきりと申し上げますが、大臣は先ほど、事故が起きたことに対して調査を始めておるということを言われたんですけれども、この際労働省としては徹底した調査を全面的に実施してもらいたいと思うのです。それはいろいろ何やかとお要りになるでしょうけれども、勇気をふるってやってもらいたい。その場合に、単に業者との接触だけではだめだと思うのです。下までいきますといろいろ腐れ縁もありまして、といううわさもありますので、本省直属のそういう強い姿勢において調査を全面的に開始する。そしていま言ったように、業者だけでなくして労働者個人とも接触すると同時に、いろいろ事故防止に協力する団体がありますから、そういう団体、あるいはお医者などともむしろ積極的に接触していって真実をつかむということをしてもらいたい、これが第一です。 それから二番目には、法違反を摘発したらきびしく措置するという厳罰主義で臨んでもらいたいと思うのです。特に公益に反する悪質業者には建設工事を停止するという強い姿勢で臨んでもらいたい。基準局もどれぐらいやったか知りませんが、ときどきやるようであります。しかし、それは部分的だそうです。全面的な工事停止などはやったことはないと私は聞いております。そういう悪徳業者に対しては全面的に措置をとってもらいたい。この二つだけに対してひとつ答えてもらいたい。
○長谷川国務大臣 こういう国会の場であらためて御注意が喚起されたのを機会に、それぞれの労働基準局あるいは監督署、そういうところにあらためて、災害防止について万全を期して監督を厳重にし、そしてまた働く諸君を守るように申し伝え、一方また働く諸君も自分を自分で守るというふうな気持ちを自主的に起こし、もちろんこれはやっていることでしょうけれども、あわせてそういうことを喚起いたし、一方はお医者さんの問題でございますが、これは御承知のとおり、日本では産業医という制度がなかなかございませんでした。そこで、皆さんからの御承認も得まして、本年から産業医科大学というものを日本で初めて設けまして、そういう産業医の制度というものを確立しながら安全、衛生、防止、そんなところにつとめてまいりたい、こう思っております。
○枝村委員 いま申し上げましたのは、労働省が本気で取り組むなら直ちにできる問題として提起をしたわけです。 この際、国鉄に質問いたします。国鉄当局もいま労働大臣に質問いたしたような、提起いたしましたようなことについて同様な考え方で臨んでもらいたいと思います。先ほどから言いましたように、新幹線工事に伴う災害事故が非常に多くなってきておる。しかもそれは隠そうとする傾向が非常に多い。話によれば三分の二は隠しておるということがいわれております。こういうことに対して、発注者はひとつき然たる態度でそれに対して臨んでいただきたいと思う。五月二十一日の当委員会でも、国鉄の新幹線工事局長かだれか知りませんでしたが、そういう追及をいたしましてあまりいい返事じゃなかったんですけれども、やはり今日世論が非常に沸騰してまいりました。このまま、いままでのようないわゆる発注契約のしかたをしておりますととんでもないところに火が飛んでいくおそれがありますだけに、この際、いろいろな何か規則があるようでありますけれども、それに縛られずに、大局的な立場に立って災害多発業者に対してはいわゆるきびしい態度、先ほど言いましたように発注しない、請負をさせないという、そういうところまで大いに検討してやってもらいたいものだと思っております。これはこの委員会でこういうことを言うだけで済むならまだいいんですけれども、これがどんどん進んでまいりますと、国鉄そのものも、発注者そのものもとんでもない罪を負われてくるような気がしてなりませんから言っているのです。どうですか、どなたが来ていらっしゃいますか。
○内田説明員 先生の御指摘のとおりだと思います。ただいま国鉄では山陽新幹線並びに東北新幹線の工事を鋭意進めておるわけでございますが、工事の発注あるいは施行にあたりましては、労働安全衛生の問題につきまして管轄の基準局と十分打ち合わせをしてやってまいっておるところでありますし、また工事の進め方につきましても、働いている職員の安全ということを十分考えて工事を発注し、また監督をしておるつもりでございます。 ただいま先生の御指摘になりました問題でございますが、もしそういう法律に違反したことがあるというようなことがございますれば、これは国鉄の管轄ではございませんので、基準局とよく相談の上善処をしてまいりたいというふうに考えておるわけです。
○枝村委員 手続上はそうでしょうけれども、やはり大きな政治的配慮に基づいて国鉄が大英断を下して、そういう業者に対してきびしい態度で臨むということがやはり一番よくきくと思うのです。それをいま私は要求しているんですし、必ずこういう時期が来ますよ。いまからあなた、東北新幹線だけではなくして、田中さんの時代が続けば幾らでもこういう大工事を行なうでしょう。だとすれば、いまの工事で終わりではないのですから、これらが多いのですから、き然たる国鉄の態度こそ私は一番必要な気がしてならぬのです。そういう意味で、もう一度あなたのはっきりした御答弁、決意をひとつ求めたいと思います。
○内田説明員 国鉄が工事を発注する場合、これは契約によりまして、安全確実に、それから国鉄が要求した建造物を要求どおりつくっていただくというのが契約の本旨でございまして、もちろんその中には、その工事に従事する方々の安全なり衛生につきまして基準法を守ってやれということも入っておるわけでございます。したがって、そういうような法律に違反するようなものがあれば、これは基準局と相談いたしまして、そういうことのないように今後決意をもってやってまいりたいというふうに考えております。
○枝村委員 時間がないからそれ以上言いませんが、さらに私はこう思うんです。 こういう事件は刑法上の罰則も適用されるのではないかというように思うのです、悪質でありますだけに。これはきょう法務省を呼んでおりませんから、私の言いっぱなしになるかもしれませんが、現在事故があれだけたくさん出てくるのですから、しかもその内容が、先ほどから言いますように法に違反した疑いのあるものばかりです。ですから、法に基づいてちゃんとした措置をしておれば起きないのです。ですからむしろ業者は起こることを予想する、起こるかもしれない——これは何回も言って恐縮ですけれども、不可抗力だというような考え方がもしあるとするならば、あれくらいの事故ならばあたりまえだと思っているとするならば、これは明らかに死傷を予測して仕事をさせておるというふうに見られてまいるのではないか、そうすればこれは明らかに刑法上の責任が追及されるのではなかろうか、こう思うのです。司法当局も最近の事故については、やはり単に労災で済まされる、救済するということでなく、そろそろ考えを改めて、そういう事件については、たとえ小さい問題であっても刑法上の問題として追及していくという方向になっていただかねばならぬ。なりつつあるとも聞いております。ただ、大きな炭鉱の大災害みたいなときにはそれなりの措置はされておるようですけれども、どうも建設業の労災は人殺し、人を傷つけるというような、いわゆるわれわれのことばで、とりてぶるしかないという風潮にされておるというところにも、基本的な問題があるような気がしてならぬのであります。 その次に、いわゆる労働基準法に違反してどうも救済がなおざりにされておるということがたくさん明らかにされてまいっておりますので、これは基準局や監督署が先ほど申し上げた徹底調査によって明らかにされると思いますから、わかったところからでもすぐ再審査されるとかいろいろな方法で、また会社側が法を下回るような補償申請やあるいは措置、手続をとっておるとするならば、それを回復させるような徹底した指導をやってもらいたいと思います。 それと、この際もう一つ言っておきたいのは、何といいましても現在の労災保険法のいわゆる六〇%の補償では、これは生活そのもの、療養そのものの維持もできないような実態があります。ですから、私も常に言っておりますように、一〇〇%の給付にすることを急いでもらうようにお願いいたしたいと思いますが、この二点について御答弁をお願いいたしたい。
○岸説明員 最初の御指摘の点でございますけれども、基準法上違反がございますと当然これは罰則が適用されるわけでございまして、新幹線の工事につきまして四十七年、四十八年の実情を見ますと、四千四百十八件適用事業場に対しまして私ども監督をいたしました。そのうちで使用停止処分が九百九十八件、それから司法処分に付しましたのが二十四件、こういうことでございます。これは主として災害関係につきまして司法処分に付しておるわけでございます。 なお補償問題につきましては、御指摘のとおり問題の点、私どもそれを調べました上で、問題があれば直ちに適正な補償措置ができるように処置をいたしたい、かように思います。 なお、ただいま申し上げました数字は、四十七年、四十八年の山陽新幹線、上越及び東北新幹線の措置内容でございます。
○枝村委員 二番目の、六〇%を一〇〇%にすることを急いでもらいたいということ、これは大臣だね。
○長谷川国務大臣 お答えいたします。 労災の問題が出ましたが、これは数次にわたって改正いたしまして、先般の国会においても、ILO百二号条約批准を御承認いただいたわけであります。最近の経済社会の変化に伴いまして、労災保険法の一部改正法律案を先日提案いたしたわけでございますが、これでは非常に大幅なアップが出てくるということでございましたが、御承知のとおり衆議院においては御可決をいただきましたが、審議未了ということになりましたので、この制度改善をそういうところから進めてまいり、御期待に沿うようにやってまいりたい、こう思っております。
○枝村委員 いまの請負制度そのものを含めた現行の仕組みが、このままほうっておくと今日の災害発生の重要な要件になっておると思いますので、この問題について私は触れてみたいと思うのです。 普通でありましたら、東海道新幹線で二百十一名ばかりの死傷者を出す、こういうことをやっておるのですから、その経験からして上越、東北、こういうふうに進んでいけば、これは次第にその経験を反省して事故も激減して、皆無にしていかなければならぬ、これが業者や当局の責任でもあろうし、大体そうならねばうそだ。ところが、率からすれば減ったというようなことを言っておりますけれども、実はむしろどんどんふえておる。これは一体何かということです。そこにはやはり先ほどのようなこともありましょうけれども、基本的な仕組みがよくないのではないかというふうに私は考えるのです。ですから、その点もあるとするならば勇気を持って除去していかなければならぬと思う。 それといま一つここで考えられるのは、先ほどもちょっと言いましたように、人を殺して、傷つけてもその責任は負わなくてもよいというそういう風習ですか、仕組みというものがあるのではないか。私は時間がありませんから言いませんけれども、発注して元請があります、それから第一次、第二次、第三次、こういうふうに、さらに大世話役とか世話役、小世話役とかいって、七つも八つもそういう段階を設けて請負がやられておる。そういうことが今日公然と許されておる。こういうところに問題がある。いろいろな事件が起こりますけれども、一体どこに、棒心に責任があるのか、一番下の小世話に責任があるのか。いろいろ賃金未払いやそういう事故が起きたときに、交渉してみてもおれには責任はない——実際責任のないものが多いのです。上にいけば上は、おれはそれは知らぬ、請負わしたのだ、こう言う。全然そこに責任の所在がない。そこに人を傷つけて、殺しても責任の所在が明らかになりませんから泣き寝入りになる、労災でちょこちょことごまかされる、それを労災にしようという傾向にある、こういうところに大きな原因があると私は思う。こういうようなやり方。 その次には、機械化されるに従いましてそのテンポに人がついていけない、こういうふうになっておるのではなかろうか。 三番目には、労働者が職場に定着できない、そういう職場が非常に多いわけであります。常に移動して変化する。したがって、これに対応する労働者の安全技能を必要とするのに、ここに限ってきわだってそういうのが低いのであります。そういう状態に置かれておる。間に合わせに、高度に技術を必要とするところに使っておるというところにやはり災害の原因、結びつきがあるのではないか、こう思います。 そして、最もまた重要な問題は、先ほど言いましたように、これは繰り返しになりますけれども、七段階、五段階にある仕組まれた下請制度を廃止すべきだと思います。大手の業者は下請に大体千七百社から千八百社持っておるようであります。下請の業者が、いま言いましたように多いければ多いほど搾取するんですからね。ピンはねをする、これはあたりまえなことなんです、多いければ。そのしわ寄せが一切労働者個人に来るのはあたりまえです。ですから労働者は生活が苦しくなるから長時間の労働をする、低賃金でも働く、危険な場所にも行く、安全の手抜きをする、そうしてからだでかせいでいくというから労災が発生するのはあたりまえです。ですから、ここで請負業者との労働契約も何にも結べない、だれが雇用主かはっきりしない。こういうことであってはいけないし、また末端のそういう業者はその能力もないというこのままの制度に置いておくところにやはり問題がありますだけに、私はそういう請負について一定の規制を法で定めるべきだというふうに考えます。いろいろ方法はあるでしょうけれどもね。 きょうは建設省を呼んできていろいろ聞いてもいいんですけれども、あれを呼ぶよりは、むしろ労働大臣が労働者を守るという立場でいろいろ考えたほうが有効なことに発展していくと思いますから呼ばなかったのですけれども、それと同時に、この高度に発展した日本の資本主義の国の中で、こういうところにはまだ封建制度というものがきわめて残っておりますだけに、これをやるということは同時にそういう封建制度を打破するということにもつながるという、大きな意義をもって労働大臣は臨んでもらわにゃならぬ。そのために、先ほど言いましたように、労働基準法を守らないような業者は認めぬ、こういうふうにはっきりさせるとか、あるいは違反のあった業者は何らかの規制をする、こういう法律化も必要なような気がいたします。今日でも、労働基準法ですか、あれにもあるでしょうけれども、これではやはりなまぬるいような気がいたしますので、大きな意味での規制が必要であろうと思います。 それともう一つは、ここで考えられるのは、いま鉱山保安法というのがあります。これはきめこまかくちゃんと対処されておりますので、これがあるために労働者は一定の安心感を持って仕事ができる、そういう効果がある。しかし、これがあるからといって、会社がどんどん合理化すれば、それが要因で大爆発を起こして多量の死傷者を出す場合もありますから、これがあるからどうこうとは言いませんけれども、しかし、あれほどぴしっとこまかくきめて坑内の安全を守るというようにさしておれば、いま言ったような安心感がある。ところが、そういう鉱山保安法が適用される事業所よりもまだきびしい作業条件が、この建設業の中の今日行なわれておるところはあるわけなんですから、法律改正によって、これと全く同じとは言いませんけれども、それに似たようなちゃんとした保安措置その他の規制をすべきということも考えてみたらどうか、こういうふうに思っております。 それと、まだいろいろありますけれども、建設労働者に対する保護立法などをつくる、建設労働法というようなこともそろそろ検討してみてはどうか。わが党は考えて大体いいところまで来ておりますが、むしろ政府は積極的にこれにも取り組む段階に来たのではないか、こういうように思っております。そういうことが結局はいろいろ労働省の労働者を保護するという手だての一つの方向になっていくのではなかろうか、このように考えておるのでありますが、労働大臣の所見をお伺いいたします。
○長谷川国務大臣 日本の災害の中に一番多いのは、これは建設関係の災害であるということは御承知おきのとおりでございます。ですから、私たちは口を開けば、建設関係の業者諸君に絶対に災害を起こさないようないろんな手当てをお願いしているわけであります。それは法の規制にもよりますし、あるいは設備、器具あるいは扱い方、そういうことは労働省の法律に基づいて常に進めているわけであります。 一つは、建設業というものは御承知のとおり非常に複雑な業態でございますので、下請関係などはまさにそのとおりであります。それだけに、私たちのほうといたしますと、まず雇い入れ通知書の交付とかあるいは賃金支払い明細書の交付、労働関係、労働条件の明確化をはかるためにこういうものをちゃんと指導しているわけであります。特に下請労働者の労働災害の防止は、労働安全衛生法に基づいて元方事業者等に次のような義務をつけております。一つは、元方事業者に関係請負人及びその労働者に対する同法の順守に関する指導及び種々の義務を負わせていること、二つには、建設業等の特定元方事業者には、協議組織を設置させることなどによって、同一場所で請負人の労働者が混在して作業することによるところの労働災害の防止をはかること、三つには、建設業等の注文者には、注文者が請負人に使用させる機械器具等に関する管理義務を課していることであります。 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、いまの時代は人柱を立ててまで事業をするという時代じゃございませんし、また非常に人が不足な時代でございますから、私は、そういうふうに個人として災害を防ぐように、自分自身のからだをいといもして、あるいは先生のおっしゃるように、新しい機械が入ったことに自分がなれていくようなそういう姿勢などもとりつつ、一方、業者に対してはこういう義務規定などをやって、両々相まって、いまの時代に災害が多くなるということは日本の恥であるという形で、ありとあらゆる持っている役所の監督指導、そういうものを活用いたしまして絶滅に邁進していく、こういうかまえでありますことも申し上げまして、ときおりそういう実例などがありましたならばお知らせいただき、それをまたフォローアップすることによって新しい対策が出てくるんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○枝村委員 もう時間がありませんから先を急ぎますが、先ほど川俣委員から質問がありましたように、東北新幹線のじん肺の罹患者がきわめて多い。百四十名もかかっておって、六十一名が入院を必要とする重症だというようにいろいろ報ぜられておるのですけれども、さらに、率からいっても何からいっても、東北新幹線は二十六名の死者、五百六十九名の八日以上の休業負傷者が出ているのですから、この実態をひとつ早急に明らかにしてもらいたいと思うのです。 それともう一つは、現在工事を行なっておるのですが、そのピークですな、いわゆる工区でいま一生懸命一番やっておるというところはどこか、それから災害がよけい出ておりますが、そのトンネル工事はどこか、それからその内容、規模、業者、所管基準局別の災害発生状況、詳しく言えばそうなんですけれども、これをひとつ資料として提示してもらいたいと思いますが、いいですか。
○中西説明員 ただいま御指摘の資料等につきましては、提出するようにいたします。 なおこまかい点、またいろいろ御指示いただきたいと思います。
○枝村委員 最後に、これは委員長にお願いですけれども、先ほど川俣委員からも言われましたことなどを含めて、東北新幹線の工事現場などの労働災害の現に発生しておるところに、国政調査のために委員派遣を考慮していただきたいと思うのです。これは、あと理事会その他でいろいろ打ち合わせもしてみたいと思うのですけれども、いかがでしょうか委員長。
○山下(徳)委員長代理 後刻理事会で相談しましょう。
○枝村委員 以上で終わります。
○山下(徳)委員長代理 島本虎三君。
○島本委員 労働大臣も十分御承知だと思うのですが、基準法から安全衛生関係法が独立をしましたのは二年前、四十七年です。いままでの抽象的な文言から具体的措置にこれは変わったはずであります。そこに進歩のあとが見える、こういうふうに思ったわけでありまするけれども、それは常に職場環境は良好でなければならないという一つの前提があると思います。労働安全衛生上の配慮は、各職場に対して十分な指導をしておりますかどうか、これをまず大臣に、立法の精神を踏まえてひとつ説明を賜わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 私のほうの労働省の行政はいろいろありますけれども、この労働安全の問題については、最重点の労働行政として取り上げてやっておるつもりであります。
○島本委員 それでは郵政省、いまのような状態で、職場のほうは労働省が指導をおろしているようであります。いま郵政省のほうでは模写伝送機が職場に配備されておるようでありますが、昭和四十一年以降で全国に二千二百台配備されたと聞いておるのであります。そのほか今度は国鉄、気象台、さらに警察庁や各県警、そういうような方面や電電公社にも配備されている、こういうようなことを聞くわけであります。この方面の安全等については十分配慮してございますか。
○三ツ林説明員 お話のように安全、人身に関することでありますので、御指摘のとおり細心の注意を払っているところでございます。
○島本委員 細心の注意を払っておられるということでございます。 最近私の手元に入りました情報によりますと、模写伝送機の受電の際に、使用している用紙の塩化ビニールから塩化水素やホスゲン——ホスゲンは毒ガス等の一つの元素でありますが、これが発生して、これによって、部屋の中で作業するその人が気管支や肺などを侵されるというような事象が起こったということを聞いておりますが、これは安全衛生に十分配慮しているということと相反する行為でありますが、これはいかがなことでございましょう。
○辛島説明員 いまお話のございました塩化ビニールの問題でございますが、塩化ビニールはポリマーを微量であるけれども含んでおりますが、これは放電の際に摂氏九百度から一千度の高温が出ますので、そういう高温の条件下では塩化ビニールモノマーは発生をしない、ミシガン大学のE・A・ボイットナー氏の実験報告によって、ないということにされております。 一方、塩化ビニールが燃焼します際の塩化水素の発生量でございますが、塩化水素の発生量は、各種文献等を参考にしまして電電公社で試算したところによりますと、〇・〇一九二PPMでありまして、作業環境許容濃度以下であるということで、人体にはまず影響はないものと考えられております。これは、以上の趣旨は電電公社からもそのような内容の回答が参っております。
○島本委員 そういたしますと、これはもう平均濃度をいっているのでありますか。部屋の中の濃度をまんべんなく調べた上で、これは危険のないような状態であるというデータが出たのですか。ただ単に、これくらい発生してもだいじょうぶだというのではわからぬのであります。一体これはどこに機械が装置されているのでありますか。大気のいつも流れる外ですか、それとも小ぢんまりした流通が不便なような部屋の中ですか。この機械はどこに配置されてあるのですか。
○辛島説明員 室内に配置されております。
○島本委員 室内に配置されているなら、平均濃度だけ見てもだめじゃないですか。すぐその場で人が手を使って、それでもう作業をするのです。作業をするその場から一番濃度の高いやつが出るじゃありませんか。それをその場で呼吸をするのが人間じゃありませんか。それを平均すると何でもないといっても、一番濃度の高いこういうようなものをすぐそばで呼吸しているような状態で、絶対安全だということの根拠を示してもらいたい。
○辛島説明員 先ほど申し上げましたとおりでありますが、電電公社が、その燃焼の際の塩化水素がどれだけ量が出るかということを試算いたしまして出した結果でございます。
○島本委員 どうも答弁にならない。もう一回、今度は郵政政務次官、そういうようなことを言っていますけれども、現にもう被害が出ていませんか。鳥取ではすでにそういう被害が出て、ここに明らかに診断書まで出ているじゃありませんか。これはだれもやったのじゃありませんよ。診断書がはっきり出ている。そのほかに鳥取大学医学部の専門家によるところの疫学的な調査もはっきり出されているのですよ。これは間違いですか。もしそれがほんとうだとするならば、この診断書は間違いだということになる。間違いだと思われるようなこの診断を出しているのは、鳥取の赤十字病院です。委員長、念のために委員長を通してこの資料を見せてやってください。この資料の上に立って、安全だということを例証してもらいたい。いまの答弁が間違いなのか、この診断書が間違いなのか、御答弁願いたい。
○三ツ林説明員 いまの問題は、電電公社の関係から答弁いたさせます。
○碓田説明員 安全性の問題につきましてはただいまお答えいたしましたとおりでございますが、なお私どもといたしましては、この用紙は公社と同一の仕様のものを使用するということで細目協定上定めておりますので、さらに公社側に対しましても、第三者機関による分析等の結果によって、ただいま御指摘のような点で異議のないように措置をしてもらうように申し入れをしておるところでありますが、公社側からは、安全性については、ただいま御説明申し上げたように、内外文献等によっても安全性は誤りないところであるという回答をもらっておるところでございます。
○島本委員 もう一回もとへ戻るのですが、安全上絶対間違いがないといいながら、どうしてそういうような日本赤十字からの診断書が出されなければならないか。それは、その機械を使用したことによるという注釈までついているでしょう。その診断書を見ましたか。労働大臣、こういうようなことで一体安全なんですか。安全衛生法が独立した意味はどこにあるのですか。官庁内ではそういうようなことでまだ右往左往しているのですか。人間の命にかかわるじゃありませんか。そしてすぐ責任を他に転嫁する。じゃ、労働大臣に聞きますが、一体この真犯人はだれですか。
○中西説明員 労働省としましては、残念ながらこの模写伝送機に関する御指摘のような問題があるということを今回初めて知ったような次第でございまして、その実態についてはまだ把握いたしておりません。今後郵政省等と連携を保ちまして、至急その実態を明らかにいたしたいと考えておるところでございます。
○島本委員 そうすると、実際それが出たという事実、それは認めざるを得ません。そうすると、現行の模写伝送機はもう使用を中止すべきである。同時に、安全性が立証されるまで手書きに戻すか、そうでなければ被害のないものにかえるべきである、こう思いますが、これは郵政省、いかが御配慮するでしょうか。
○碓田説明員 安全性につきましてはただいま再三申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましては、労働科学研究所あるいはまた外国の文献等によりまして、なおかつ、また本用紙を使用いたしております公社の説明によりましても安全性を信じておるところでございますので、ただいま御指摘の手書きにするということにつきましては、手書きにこれをかえるということは考えておりません。 御案内のとおり、模写伝送機が……。
○島本委員 委員長に伺いますが、いま答弁された方は、何省のどこに属している人ですか。
○山下(徳)委員長代理 郵政省の電気通信業務課長の碓田君であります。
○島本委員 電気通信業務課長は電電公社のことを全部代行する機関ですか。電気通信監理官がいるじゃありませんか。電気通信監理官、何をしているのですか、あなたは。
○佐野説明員 お答えいたします。 先ほどの鳥取の根雨局の件でございますが、従事している方が気管支炎を起こして、その診断書が出ている。いま見せていただきましたが、その診断書が出ている、それから気管支炎を起こしたということは事実だと思います。ただ、従来の事実をいいますと、模写電信の受信の際に発生するガスによりまして気管支炎を起こしたという例は、いままでにまだ全部を調べていませんからわかりませんが、一応手元にあるデータでは、なかった。したがって、今回の根雨局の件につきましても、その因果関係につきまして、もちろん診断書は出ておりますが、慎重に対処するといいますか対策をとるように、十分公社を指導していきたいと思います。 それから二番目の先生の御質問ですが、模写電信用紙の改善、それから模写伝送機そのものの改善といいますか新しい模写伝送機の導入につきましては、紙のほうにつきましても、塩化ビニール系からいろんなケースで、いまいろんな議論がありましたが、無用の不安を与えないように、これを使用しないといいますか、酢酸ビニール系だとか新しい用紙の開発を進めると同時に、一方では、公社ですが、機械そのものの新しい、いわゆる放電破壊型ではない静電型の模写電信装置の開発を進めておりまして、これをことし四十九年度から順次従来のものと取りかえるというふうになっております。 それから換気の点でございますが、これもその場所場所、個々の実態に応じまして、換気扇の設置につきましても極力その設置をするように指導していきたいと考えております。
○島本委員 政務次官、やはりはっきりこの答弁に当たる人をやらないと、こそくな手段ではこういうようなものの解決にはならぬのです。よくそれを考えておいてください。 それだけじゃありません。電気通信監理官、もうすでに用紙も機械もできているそうじゃありませんか。よく林野庁でも振動病があるのです。いわゆる白ろう病なんです。いま日本で白ろう病として認定されるともうすでに重症患者なんですよ。振動病で初期のうちにこの対策をやらなければどうにもならない。日本では白ろう病は重症患者になって、認定する段階なんです。そして林野庁でもうだめだというのは民間に落とされて使われるのです。そして労働省関係の所管になるこの振動病はまたふえているのですが、実際、実情として上がってこないのです。そういうようになっているのです。先ほど新幹線のああいうような労働災害がありましたが、依然として根源は深いのです。上がってくるものは少ないのです。これも同じなんです。もうすでに開発し、できているそうじゃありませんか。紙もできているそうじゃありませんか。そうしたならば、すぐこれを取り入れて、そして現行の模写伝送機はやめさして被害のないものにかえる、そして安全性が実証されるまでは、できないまでは、それを手書きにできるものから始めて手書きにしていったらいいじゃありませんか。能率をあげることよりも何よりも、地球よりも重いこの人命にかえることはできないですよ。人間優先ですよ、人命優先ですよ。こういうような態度に立たなければなりません。幸いにして政務次官もこの点では十分先ほどからわかっておるはずであります。この点わかった上ではっきり対処してもらいたい。やはり仕事が大事ですか、人間が大事ですか。
○三ツ林説明員 島本委員から診断書もお見せいただきまして、非常に残念に存じておりますが、やはり安全性、人命に関することでありますから、郵政省といたしましては、PCBからアルキル式紙、またワンタイムカーボン紙というふうに、そのときどきにおきまして安全性というものを考慮しながら現在に至っておりますので、いまの御指摘のように、間違いのないようにひとつ努力いたしまして、また電電公社等にも分析結果を依頼をいたしまして努力いたしたい、かように存じております。
○島本委員 政務次官並びに電気通信監理官を通じて、私は現行の模写伝送機、これは被害のないものにかえる、そして安全性が実証されるまでは現行のものは使わないようにしていく、この二点を確認しておきたいと思いますが、いまの答弁でそう受け取りましたが、私のこの確認に異議ありますか。これは電気通信監理官に聞きましょう。
○佐野説明員 お答えします。 人命を尊重する点につきましてはどなたも全く同じと思いますし、先生のおっしゃるとおりだと思います。それから、いかほど大事な国の業務といっても人命にかえられない、これも全く同感であります。しかし、従来いろいろな調査あるいは研究をいたしまして、それぞれの分野においてその機器あるいは紙の安全性というものを確かめながら、一方では先生御指摘のような事例も出ております。その辺確かに人命と業務の流れというものの調和をどこでとるかということがありますが、一方ではそういう疑わしい紙あるいは危険性のおそれのある紙というものもなるべくやめていく、それから機械のほうもかえていくということにつきましても、私たちは全く同感であります。ただ切りかえの時期、過渡的な措置をどうするかという点に私たちの悩みがあるわけですが、趣旨は全く先生の御趣旨のとおりでございます。 先ほどの紙の点でございますが、用紙はできているではないかという御指摘でありますが、確かに試作は完了しております。まだ量産体制が整っていないということと、それから価格の点についてまだ詰めができてない、これも郵政省の立場では極力そういう点について早く詰めを終わるように指導したいと思います。 それから機械の点につきましては、先ほど先生の御指摘のように、郵政省関係では二千二百台だと思いますが、残り千五百台が電電公社関係にあると存じておりますけれども、ことし、四十九年度中には千数百台、緊急性のあるところから順次取りかえていきたい、こういうふうに考えております。
○島本委員 緊急性のあるところから順次ということですが、では緊急性のないと思われるところはそれはそのまま放置されるということになるのですか。
○佐野説明員 その点では、当然全部取りかえるのが立場でございますが、やはり生産台数その他の点がありまして、現在二千二百台と千五百台ですから三千七百台、これを四十九年度で一度に取りかえるということはちょっと物理的にできないというようなことで、緊急性のあるところといいますのは、たとえば部屋が狭いとか非常に環境が悪いところとか、あらゆる手を尽くしてもなおかつそういうところがあるとしますと、そういう点からそのケース、ケースに応じて重点的に計画的に取りかえていきたい、こういうことでございます。
○島本委員 やはり最後が少し官僚答弁なんだな。この中にはやはり塩化水素やホスゲン、ホスゲンというのは毒ガスに使う物質でしょう、こういうようなものまで発生するのですよ。そういうような被害がもう出ているのですよ。出ているそれに対する対策なんです。もう機械も用紙も新しいものができているのです。だからそれを早く取り入れればいいのです。それまでの間は、請負人の自宅にそういうような機械を配置しているのがあるでしょう、その自宅に配置する場所というのは、空気の流通が悪い、ほんとうに小さい部屋でしょう。そういうようなところでは、完全に二度、三度、こういうような障害が起きるおそれが感じられるでしょう。そういうようなものに対する指導もなしに順次これを取りかえていくということは現実的じゃないじゃありませんか。どうもその点、労働省の指導も甘いのか、何か手落ちがあるようだ。もう一回補正して答弁してください。
○佐野説明員 お答えします。 私がこの席で、個々のケースについてどういう場合にどうだということは答弁できないと思いますが、私が先ほど申し上げたことは、いま先生がおっしゃったような個々のケースについて、そういう場合から重点的に計画的に取りかえていきたい、こういう趣旨で御答弁申し上げたつもりでございます。
○島本委員 では、今後四十九年からというと本年度からですか。それをやるとするならば、どういうふうな計画で何年度に終わるようになるのか、その資料を要求します。それと同時に、それをやれない、それからはずれる請負人の自宅等の安全対策をどう指導するのか、これについてもその対策をはっきりとここに明示してもらいたい。そうしてこれらの重症患者があらわれた、これに対する対処をどうするのか、この三点についてはっきり資料を要求し、答弁をそれに求めたいと思いますが、この点、委員長から厳重に請求しておいていただきたいと思います。
○山下(徳)委員長代理 電気通信監理官に委員長からお尋ねしますが、ただいまの島本委員の資料の要求、よろしゅうございますか、答弁してください。
○佐野説明員 お答えします。 私が先ほど申し上げましたのは、四十九年度千数百台、自後の計画につきましては私ちょっと存じておりませんが、その点十分調査しまして御返事申し上げたいと思います。
○島本委員 最後に労働大臣、これは郵便局の末端機関だけで使っているのじゃないのです。いま言った電電公社、それに国鉄でも使っているのです。それから気象台でも使っているのです。警察庁でも使っているのです。各県警でもそれぞれ使っているのです。これは郵政省の範疇からはずれますが、これに対して労働省ではどうしますか。これも可及的すみやかに改めさせなければなりません。
○長谷川国務大臣 だんだんの御質問に、また政府当局が答えている話の中に、問題の所在をいささか私も理解できましたので、あらためて労働省としても研究してみたい、こう思っております。
○島本委員 これから研究するのじゃなくて、新しいものにかえなければならない、かえるまではとめなければならないということなんです。人命尊重という立場から、人に被害を与えないようにこれを指導しなければならないということなんです。だんだんに研究するでは、大臣それは少しおかしい答弁です。これから研究しなければわからないのじゃないでしょう。
○長谷川国務大臣 お答えします。 あなたのおっしゃるような意味での研究でございます。
○島本委員 ではこの問題は、ほんとうはまだあるんですが、時間の関係でちょっとおくだけです。 次に、PCBの問題と一緒に、職場の環境上労働者に与える影響が多い、この代行品として使われるアルキルナフタリン、この問題についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、これに対して、いままで年間何トンくらい製造されていますか。
○平河説明員 正確な数字をちょっとただいま持ってまいっておりませんが、千トン台のオーダーではないかと思います。
○島本委員 どうもそれでもこれまた第二のAF2になるおそれもあり、PCBのように、もう製造、販売、使用を禁止されても日本国じゅうそれが充満しているような、この原因を再びまた通産省が指導し、つくらせるような気がしてなりません。 これは年間十万トンじゃありませんか。あなたの数字、それはちょっと間違いじゃありませんか。
○平河説明員 正確な数字をいますぐ調べますけれども、十万トンというオーダーではございません。(島本委員「そうじゃないのですか」と呼ぶ)はい、千トンのオーダーでございます。
○島本委員 どうもそれは違うようでありますけれども、それはそれで——これはすく調べてください。これは私の手元では意外に数字が大きいのです。これは年間十万トンくらいずつ使っているので、いま驚いている次第なんであります。ここにその数字を持ってきてあるんです。ここにありますが、あなたもすぐ調べておいてください。 そしてこれは、化学物質の規制法によるところの審査会、ここにかけて、いろいろ有害物質を審査中であるということを聞いているのでありますけれども、このアルキルナフタリンはどうなっていますか。
○平河説明員 お答えいたします。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律につきましては、新規の物質につきましては、新しく製造または輸入する前にすべて政府の審査を受けることになっております。それから、既存化学物質につきましては、このような審査の対象にはなっておりませんけれども、政府のほうといたしまして総点検を行なう、こういう予定になっておりまして、御指摘のアルキルナフタリンにつきましても、目下その試験を行なっておるところでございます。
○島本委員 目下その試験を行なっておられるようであります。 この私の手元のでは、各年別生産状況、四十六年は五万五千三百六十四トン、四十七年は七万九千二十一トン、四十八年で十万二千九百七十七トンという数字がアルキルナフタリンで出ているのです。四十九年はもっと上がっているはずなんですが、一千トンということはどうも私は——私の手元の資料が間違いでしょうか、それともあなたの業者寄りの答弁が間違いでしょうか、どうも私はわかりませんが、これはあなた、ほんとうに間違いありませんか。
○平河説明員 ちょっと委員長、先生の資料をお見せいただいてよろしゅうございましょうか。
○島本委員 見てもいいが……。 〔島本委員、書類を示す〕
○平河説明員 それではすぐ調べてまいります。
○島本委員 これはPCBにかわって毒性がないんだということで製造させ使用させているのです。これはまさに職場で扱うのは労働者なんです。これは全然心配ないということで現在もうこれを各方面で使用しているのです。郵政省ではこれを使用しておりますか、おりませんか。
○三ツ林説明員 前にPCBを使っておりましたが、それをアルキルナフタリンにかえ、四十六年中二月から四十七年六月にわたり使っておりましたが、また切りかえまして、使っておりません。
○島本委員 それを使っておらないということは、やはりこれははっきりしたデータが出るまで使わないという、まあこれはいい考えです。使わないにこしたことはありません。 ただし、これは労働省、環境庁、通産省、厚生省がこの毒性の分析試験をやって、その結果はどうなっておりますか、この四省庁からこの試験の結果を出してください。
○中西説明員 アルキルナフタリンは、昭和四十六年二月以降にPCBの代替物として使用されるようになったのでありますが、労働省としましては、さっそくこの有害性を明らかにするために、四十七年十一月から翌四十八年一月にかけまして関係事業場——この関係事業としましては、アルキルナフタリンを製造しております事業場二、それから感圧紙製造五事業場の環境測定をいたしました。それと同時に、労働者百三十六名につきまして健康診断を実施したのでございます。それとあわせて動物実験も行なっております。その結果わかりましたのは、このアルキルナフタリンによると思われる皮膚障害者は認められなかった。それから第二としまして、作業者の血液中にはアルキルナフタリン等の検出は、作業終了後十五、十六時間で全く検出されなかったということは、蓄積性がないのではなかろうかと思われるわけです。それから第三の点は、作業者について血液検査及び尿検査を実施いたしましたが、その結果は、これらのものを扱っていない他の被検者と比較いたしまして、その間に差が認められなかったということが判明いたしております。 その結果、関係事業場に対してこの結果を通知いたしますとともに、そうかといって、有害性が絶対ないということではないと思いますので、これらの化学物質に対する取り扱いの厳正を期するために、取り扱い上の注意等を周知するように指導いたしているところでございます。
○橋本説明員 いま先生から御質問のございましたアルキルナフタリンにつきましては、PCBが問題になりまして以降、昭和四十七年度以来、環境庁といたしましては、PCBの代替品として用いられるものにつきまして検討を進めてきたところでございます。 なお、四十七年、四十八年には、先生の御指摘のございました特定化学物質の規制法自身がまだ制定をされておりませんでしたが、環境庁といたしましては、環境庁独自の立場から、このPCB代替品の検討ということをいたしてまいったわけでございますが、四十九年の四月十六日以降は、特定化学物質の規制法というものが動き出しまして、毒性実験そのものの責任は厚生省に属するものとされております。 四十七年、四十八年の間に環境庁としていたしましたテストといたしましては、一部毒性問題もいたしました。亜急性毒性につきましては、PCBの約九分の一程度のものであるということが東京歯科大学の上田教授の中間的な研究報告で出ておりますが、その後の慢性毒性等のレポートにつきましては、まだ全体を完結しておらないというように聞いております。 現在環境庁といたしましては、環境庁の分担分野でございますこのPCBの代替品の環境汚染能力あるいは環境汚染上の問題点というところを究明して、そして問題があれば、新法に基づきまして二十三条により必要な措置をとるよう主務大臣、つまり厚生大臣及び通商産業大臣に対して要請をするというアクションをとらなければならないというぐあいに考えておるわけでございますが、この点につきまして、今年度におきましては、まず環境中における物質の測定方法につきまして現在委員会を組んで検討いたしております段階でございまして、その結論を得ますれば、すぐさま環境汚染の状態を調べるというようなところにあるわけでございます。
○石居説明員 先ほど通産省が答弁いたしましたように、私ども厚生省でも化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というものでともに行なっておりまして、既存物質、先ほど先生御指摘のアルキルナフタリンにつきましては、通産省とともに毒性をこの法律に基づきまして現在検討しております。
○島本委員 それぞれ調べておられるようですが、AF2の場合でもそういうような結果に対してまことに大胆に許可して、結果的にはこういうような紛争や被害を醸成した。PCBの場合でも、これまた当然当時は知らなかったと言いながらも、製造や使用を禁止したその時点で、日本じゅうがもうすでにそれに埋まってしまったような状態だった。今度の場合も十万トンほど年間ずっと出されて、それ以上……。しかしまだ、発ガン性の試験なんかできていますか、催奇性の試験ができていますか、子供にどんな影響を与えるのか、こういうふうなことの試験なんかできていないままに、なぜこれを大量に生産させるのです。諸悪の根源は通産省。通産省はかってにこういうようなことをやらして、そしてあとで日本国じゅうを公害列島にしてしまう。PCBでもABSでも、相乗作用がどうなるのかという試験をしていますか。現在の洗剤なんかでも、これと合わせてどういう相乗作用を起こすのか、こういう試験をされていますか。何もやっていないじゃありませんか。これをやらないままに使用を許可している。郵政省は、いまそういうようなので、はっきりしたデータが出るまで中止した、それはいいと思う。 委員長、国会のほうのこの「委員会傍聴許可願」、これがまだそれを使っているのですよ。率先してこれを諸官庁に示さなければならない国会がまだこれを使っている。ボールペンまたは鉛筆で強く書いてください、そのまま写ります——たった二枚のやつを、それを使っている。どうもこの点の安全性の指導なんというのは、これは環境庁ですか、通産省ですか、労働省ですか、厚生省ですか、この問題に関しては少しとろい。業者本位だ。年間十万トン以上もこれは製造されているのですよ。それだのに国会がこういうのをまだ使っているのですよ。ただし、全部そうかと思ったら、私のところにある航空券、これなんかちゃんとそれぞれカーボン紙を入れて書くようにもう改めていますよ。郵政省もやっているようです。ところが、国会のほうでは、委員会の傍聴券、たった二枚のやつを、それをまだ使っている。一体内閣はどういう指導をしているのですか。発ガン性の試験したのですか、催奇性の試験したのですか、PCBやABSとの相乗作用の試験したのですか。しないままになぜ大量のこれを許しているのか、通産省の意見を伺う。
○平河説明員 既存化学物質の総点検に関しましては、先ほどお答えしましたように、今年度からその試験に取りかかっているところでございます。私どものほうで、自然界におきます分解性あるいは生物体内における濃縮性、この試験を行なうことになっておりまして、毒性の試験に関しましては厚生省のほうで中心にその試験を行なっていただく、こういうことで、いま試験に取りかかった段階でございます。
○島本委員 性こりもないとはこれのことですよ。PCBやAF2の問題はわからぬのですか、これは。ましてこれは分解性が高い。アルキルナフタリンが分解して何になるのですか。その辺まではっきりして分解性が高いといえるのですか。毒性がないと言う。毒性がないけれども、発ガン性の試験もやってない。子々孫々に及ぼすような催奇性の試験もしてない。これで、単なる目にあらわれたような毒性がない——厚生省、一体どうなんですか、これは。こうなった場合には、これは製造、使用の禁止を当然要求しなければならないと思う。 これはもう官僚に言ってもだめですから、せっかくここに労働大臣と郵政政務次官、二人だけいます。内閣を代表して、はっきりこれはもうわかるまで——簡単なんです。発ガン性試験がないのです。催奇性試験がないのです。分解性が高いというけれども、アルキルナフタリンが分解されて何になるかということに対して、研究してないのです。そして、その相乗作用に対しても全然やってないのです。もう年間十万トン以上も製造されているのです。第二のAF2にならないとだれが言えますか。第二のPCBにならないとだれが言えますか。だから、はっきりするまでの間、これは製造、使用をこの際待ってもらう、こういうように当然すべきであります。私はこれ以上がまんできない。内閣を代表して労働大臣、御高見を承ります。
○長谷川国務大臣 非常に化学的な知識のないことを暴露するようでありますけれども、だんだん各専門の役所の諸君が研究している模様がここで発表されたわけであります。また、先生からは、それの重要性であることを非常に力強く御指摘受けたわけでありまして、問題が私にはまだ十二分に、化学的な問題でございますから、理解できませんが、ここにおけるところの論議を通じて、またそのやりとりなり経過を通じまして、問題が非常に重要であることを知りましたので、これこそ関係の役所とあらためて私に相談させる機会をつくっていただきたい、こう思っております。
○島本委員 その答弁を私は理解いたします。その結果を資料として私のほうにお知らせ願いたい。これは重要なんですから。それをあらためて私は要請しておきたいと思いますが、委員長を通じて、よろしくお願いします。よろしゅうございますか。 では、次に移ります。労働省職安局ですが、これはもう米も上がった、公共料金も一斉に値上げがある。そうすると、失対料金の再改定というような点は考えているのですか。
○佐藤説明員 失対賃金につきましては、もう先生、私からお答えするまでもなくよく御案内のところでございますが、失業対策事業賃金審議会の意見を聞いて定めるわけでございまして、類似の労働者に支払われる賃金というものを考慮してきめるというたてまえから申しまして、生計費や物価と直接リンクするものではございません。ただ失対就労者の皆さんの生活実態等にかんがみまして、本年の六月には、すでに他の低所得者層に対して講ぜられました施策に準じまして再引上げの措置を行なった次第でございます。 いまお尋ねの最近の物価の問題でございますが、物価につきまして政府といたしましてもいろいろな努力をいたしておるところでございますが、特に御指摘がございました消費者米価の問題でございます。消費者米価が十月から引き上げられることになったわけでございますが、消費者米価の引き上げにつきましては、従来の例もございますので、失対事業賃金審議会の意見を聞きまして、十月から失対賃金を改定すべく現在鋭意検討を進めておる次第でございます。
○島本委員 その場合には、私の手元にあるこの資料によりますと、ほんとうに労働省の考え方はいわゆる弱者救済ということとは逆に走っているような気がしてならない。民間の主要企業の春闘では二万八千九百八十一円平均であった。公共企業体の仲裁裁定は定昇込みで二万七千五百九十四円であった。私鉄大手は中労委の調停によれば二万八千五百円であった。国家公務員は人事院勧告定昇込みで三万四千八百二十三円であった。そうすると、非常勤の特別職の地方公務員というのが失対労働者の身分でありますが、非常勤の特別職の地方公務員に対してはこれはもう何円の値上げになるわけでしょうか。
○佐藤説明員 先ほどお答えいたしましたように、民間の類似の作業に従事する労働者に対して支払われる賃金の状態を考慮して、具体的には屋外労働者の賃金調査の結果に基づきまして、失対就労者が現在従事いたしております職種に対応するものに改変をいたしまして賃金額を決定をいたしておるわけでございます。私どもは、毎年度の予算でそういった実態を勘案しながら賃金審議会の御意見を聞きまして賃金を予算折衝いたしまして決定をいたしておるわけでございまして、本年度当初は対前年度一九・二%、六月に六%の対前年度のアップを行ないましたので二五・二%でございます。今回の米価の改定に伴いますアップ額につきましては、現段階鋭意折衝をいたしておりますが、これはいわゆる勤労世帯、特に臨時日雇い労働者の皆さま方の家計におきますところの月間におきます米の使用量等も調査がございますので、それらの調査をもとにいたしましていろいろと作業を進めておるわけでございます。現段階では、どのくらい上がるということは鋭意折衝中の段階でございますので、差し控えさせていただきます。
○島本委員 月二十二日就労として六千六百二十円じゃありませんか。これはあまりに差がありますよ。しかしこの点は、米も上がり、そのほかまた冬になると石炭もたいへんなものでしょう。一番こういうような方面は見てやらないといけないじゃありませんか。失対部長、がんばるのはあなたですよ。大蔵省がだめだと言ったら、弱者を殺す気かと言ってあなたこそがんばらないとだめですよ。それが官僚の本領ですよ。大蔵省の言いなりになって、はいそうですかと言っちゃいけません。こんな一番低い額、だれが見てもおかしいじゃありませんか。去年だって九・六%政府の経済見通し、これは上がるということで九・四%で組んだのでしょう。それが本年はもうすでに一八・四%、二倍になっている。これが七月現在でやっている。しかし八、九、十、まあ十一月あたりには公共料金の値上げでどうにもできなくなる、こういうような状態ではありませんか。もっとこの点は強くなって、いわばこういうのは、恵まれない人たちをいかに何であっても見てやるべきじゃありませんか。これを私は強く要請するのです。 それと同時に大臣、北海道というところはおかしいところですね。青森と函館の間は普通の距離そのままになっていない。擬制距離ということになっているのです。普通の距離の三倍ぐらいの料金を取られることになっている。北海道に住む人は北海道価格ということがあって、物は何でも高いのです。どうしてこう差別されなければならないのですか大臣。困るのです。失対賃金、これだって同じなんです。冬になったら石油もたかないとだめなんです、また石炭もたかないとだめなんです。この点では十分あなたは配慮してやらないと、そうでなくても北海道価格があるのに、それもちゃんと見てやらないということは、日の当たらないところは一切暗やみにしてしまうということになってしまうと思います。まあ私は考えるべきじゃないかと思うのです。これは冬季加給ですよね。考えますか、考えませんか。
○佐藤説明員 先生御指摘のとおり、北海道の生活実態というものを私どももいろいろ調査して承知をいたしておりますので、毎年度賃金審議会で賃金をきめます際に、具体的な賃金の実態につきまして——現在一表地域から十三表地域までございます、一表地域と申しますのは東京、大阪というような大都市部でございますが、北海道は二表地域から五表地域で、都市によって変わりますが、それらの事情は十分勘案いたしておるつもりでございます。 なお冬季加算の問題でございますが、冬季加算の問題につきましては、寒冷地におきまして冬季間いろいろな諸経費が増高するという実態等も勘案いたしまして、本来でありますと臨時日雇い労働者にはそういう仕組みはございませんけれども、私ども若干ではございますがそれらの点を考慮いたしまして、現在冬季間における賃金、冬季加算を含めた賃金を決定いたしておる次第でございます。しかしいま申し上げましたように、民間日雇い労働者には冬季加算額類似のものを支給する仕組みはございませんので、この額そのものを増額するということはきわめてむずかしい問題であると思っておりますが、今後全般の賃金の改善を含めまして、先生の御指摘もございましたので私の立場で最善の努力をいたしたいと思います。
○川俣委員 関連質問。この問題は島本委員がずっと追跡的にこの委員会で長年やってこられたわけですが、どなたが聞いてももっともなことで、常にあと追いあと追いで、特にインフレ物価高で一番弱い弱者をどうするかという問題を労働省が本腰を入れてやっているのだろうかと——かねがね北海道地区が非常に多いということを聞いておったので、これを今回の国会の休会中に、委員長に申し上げますが、委員派遣中にぜひひとつこの実態を現地で調査したいと思いますから、その問題を提示して島本先生の質問を打ち切っていただくようにしたいと思いますから、その点をよろしくお願いしたいと思います。
○山下(徳)委員長代理 この際、午後二時十分まで休憩いたします。 午後一時三十九分休憩 ————◇————— 午後二時十九分開議
○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。村山富市君。
○村山(富)委員 まず労働省にお尋ねをしますが、本年当初の労働大臣の所信表明の中で、これからの労働省の重点施策として労使の正常化に力を入れる、こういう意味の表明がありましたが、その後民間、地方自治体等を問わず労使の正常化についてどのような指導をされているか、その点について説明を聞きたいと思うのです。
○道正説明員 お答えいたします。 先生の御指摘がございましたように、非常にむずかしい経済情勢の中にありまして労使関係の安定が非常に重要なことは大臣の所信表明でも申し上げたとおりでございます。春闘はじめいろいろ労使紛争はございますけれども、私どもといたしましては、一貫して民間並びに官公労等の労使関係が少しでも安定的に推移するように、私どもはもちろん地方の都道府県その他関係方面と連絡をとりまして、鋭意努力しているところでございます。
○村山(富)委員 市町村なんかの場合、これは民間と違って直接指導されるかどうか知りませんけれども、具体的にはどういう経過を通って市町村あたりの労使問題についての指導をされておりますか。
○道正説明員 市町村の労使関係の安定を願う気持ちにおきましては私ども人後に落ちないつもりでございます。ただ、所管が自治省になっておりますので、私どもの直接の所管ではございませんけれども、側面から労使関係の安定を願っておるわけでございます。
○村山(富)委員 福岡県の星野村という村で、役場の職員の賃金問題をめぐって、役場職員労働組合と、一部の村民がつくりました星野村を守る会と称する集団が対立をして、その守る会という団体及び会員が労働組合に対して数々の人権侵害行為をやっている。これは先般の地方行政委員会でも取り上げられて、法務局のほうとして調査をやります、こういう答弁があったそうですけれども、調査をされた経緯と結果がわかれば御答弁願いたいと思うのです。
○森説明員 お答えいたします。 ただいまお尋ねの件については、八月の二十一日付で福岡法務局八女支局に対しまして人権侵犯の申し立てがなされたものでございます。そこで、さっそく福岡法務局とそれから八女支局におきましては、人権の担当者が八月の二十七日から今月の五日までの間に四回にわたりまして調査を実施して、いまのところ関係者十三名から事情の聴取を行ないました。その結果についてでございますが、何ぶん関係者が非常に多数であるために、まだ事件の内容全貌についての確認ができかねる状態であるという報告になっております。以上です。
○村山(富)委員 人権侵犯の申し立て書が福岡法務局の八女支局に出されておりますね。これは八月の十九日に出しておりますね。そしてこの内容についてはもうくどくど申し上げるまでもないと思うのですけれども、具体的事実を例証して申し立てをしておるわけですよ。こういう具体的な事実に対する申し立てに対して、法務局は十三人に聞いたけれども、数が多いからまだ結果についてはわからぬ、こういう答弁ですけれども、具体的に調査をされている内容はどういうことなんですか。
○森説明員 具体的な調査の内容につきましては、侵犯の申し立て書の内容に基づきまして、そういう事実があるかどうかということについて、いわゆる加害者、それから被害者双方からの事情を聴取いたしまして、事実関係の確認を急いでおる、こういうわけでございます。
○村山(富)委員 申し立て書が出されましてもうすでに一カ月近くたっておるわけですね。現に紛争が起こって、混乱が生じて日々こういう行為がなされておる。それを一カ月近くもなってまだ具体的な結果も出ないというようなことで人権が守れますか。聞くところによりますと十三人事情聴取をした。事情聴取に応じた人間に対してお礼参りと称して、逆にまた村八分的な圧力がかかってきておる、こういう事実があるのを知っておりますか。
○森説明員 申し上げますが、先生御指摘のように小さな村におきましてこういう事件が発生いたしましたので、関係者の間でいろいろと騒然とした様子がございます。法務局といたしましては、特に関係者の人権擁護、調査の過程における人権擁護ということにつきましても配慮をいたしまして、調査対象者の氏名の秘匿につとめながら一生懸命に調査をやっておるわけでございまして、いま先生の御指摘のような村八分にあっている者があるというような状況につきましては、いまのところございません。
○村山(富)委員 あとでまた労働大臣の見解も聞きたいと思いますからちょっと申し立て書の中身を申し上げますが、六月十日に村長と星野村の職員労働組合と賃金交渉をやって妥結しておるわけです。その妥結に基づいて村長は議会に条例提案したのです。八月五日、その議決をする日に、先ほど申し上げました村民約三百人が村民大会を開いて、そしてこういう決議をしておるわけです。一つは自治労を脱退すること、回答の白紙撤回、オルグを入れないこと等々の四項目、もう一つありますけれども、決議をして、そしてそれを村長と労働組合に突きつけて、組合員全部を役場の中にあります図書室に軟禁して、脅迫したということが一つです。 もう一つは、守る会の会員百五十人ばかりが何班かに分かれて、組分員二十五人の人の家庭オルグをやって、そして夜の九時から明け方の三時ごろまで自治労を脱退しろということを強要しておる。強要だけでなくて、もう言うことを聞かなければ村八分にするぞ、一切交際を断つというようなことが行なわれておる。同時に、消防団やら青年団やら婦人会やら、そういう既存の団体の中で再び村八分にする、組合員の子供にはもう一切つき合うなといって子供まで巻き込んでいる、こういうような事例がたくさん起こっておるわけですよ。こういう事例に対して、少なくとも人権が侵害されておるこの侵害に対して何とか救助措置をとってもらいたい、こういう要請に対して、一カ月近くもまだ結果がわかりませんというようなことでは、どうですか、人権が守れますか。
○森説明員 何ぶんにもいろいろな情報が乱れ飛んでいる中で調査が難航しているのが実情でございます。私どもといたしましては、福岡法務局本局と支局と両方協力をいたしまして、今後さらに早急にこの調査の完成を急ぐようにいたしたいと存じております。実はこの調査の中間におきまして村長選挙があったりいたしまして、そういう事情ともからんで調査の難航が一そう加えられたような情勢にございまして、私ども全力を尽くしましてこの調査を続行し、あわせまして関係者の人権の擁護のために及ぶ限りのお力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○村山(富)委員 労働組合のほうからは地方裁判所に仮処分命令の申請を出しているわけですね。これは八月の二十二日に出しているのですよ。八月二十二日に出しまして、決定が八月二十九日、一週間で決定が出ているわけですよ。この仮処分命令の申請の中身は、いま申し上げましたような人権侵害と憲法で保障されておる団結権に対する妨害、侵害という問題で出しているわけであります。それに対しては裁判所はもう一週間で決定を出しているわけですよ。これくらい重要なものを、一カ月近くもたっていまだに何らの結果的な結論も出ておらないというようなことでは、私は怠慢ではないかと思うのですよ。これはいま被害がなければいいですよ。現実に被害が起こっているのですよ。その現実に起こっている被害に対して、一カ月近くもたって、まだいま調査中です、まだわかりませんというようなことでは、労働組合が持っておる団結権もあるいは個人の人権も守れないじゃないですか。いつごろ結果はわかりますか。
○森説明員 私どもといたしましては、いま御指摘の点を体しましてさらに一生懸命に調査を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○村山(富)委員 いつごろかわからぬのかね。見通しがなくて、計画なしにやるわけではないでしょうからね。これは事態はもう解決してしまいますよ。済んでしまったあとから、こうですなんと言われたって、これは意味がないわけですよ。どうですか、いつごろの見通しですか。
○森説明員 見通しにつきましては、いまここで確実な点は申し上げることができませんけれども、従来のこのような事件につきましては関係者からそれぞれ慎重に事情を聴取してまいらなければなりませんので、そう今明日中にというわけにもまいりませんが、早急に私どもの担当者の数をふやしまして調査の完成を急ぎたい、こういうふうに思います。
○村山(富)委員 この裁判所の仮処分の決定を見ますと、こうなっておるわけです。この申請の中身は、 被申請人らは、自らもしくはその「星野村を守る会」会員をして申請人ら組合を中傷、誹謗したり、あるいは、星野村当局と申請人ら組合との団体交渉を妨害したり、申請人星野村職員労働組合員に対して、同組合が申請人自治労福岡県本部から脱退させたり、又は星野村職員労 働組合から脱退するよう働きかけるなどして申請人らの団結を妨害する一切の行為をしてはならない。 こういう申請に対して決定は明確なんです。これは主文です。 被申請人らは、自ら若しくは被申請人星野を守る会の会員をして、次の行為を為し、若しくは為さしめてはならない。 一、申請人らが星野村村長と交渉をするにあたり、村長に面談して出席しないよう要求するなどして交渉が行なわれることを妨害する行為。 二、申請人末崎時男及び選定人目録記載の者らに対して、同人らを申請人自治労星野村議員労働組合、同自治労星野村現業評議会、もしくは同自治労福岡県本部から脱退させることを目的としてその家庭を訪問するなどしてこれに面談を要求する行為。 こういうようにはっきりした裁判所の決定が出ておるのですよ。ですから、人権擁護委員会がどうこうするといっても全くこれは意味をなさないわけです。裁判に至る前に行政を通じて正しく指導していく、そして人権を守っていくというのが当然じゃないですか。私はこれ以上申しませんが、早急に何らかの措置をとってもらうということを強く要望しておきます。 それからこういう事態になっておることに対して先ほど労働省にお伺いしましたけれども、これは明らかに労使関係の自主的な交渉に対して第三者が介入をして、妨害をしておる。しかも団結権を侵害するような行為までなされておる。こういう事態に対して労働省は何か指導されておりますか。
○道正説明員 いわゆる不当労働行為は労使関係の問題でございますので、組合法上の問題にはならぬと思います。したがいまして、人権問題であるとか、あるいは広い意味での自治体の指導等の問題にはなろうかと思いますが、いずれにいたしましても紛争が一日も早く解決することを私どもとしても念願するものでございます。
○村山(富)委員 あとでまたお伺いしますが、自治省にお尋ねします。 自治省は十分報告も聞いて、事情はよく知っておると思うのですが、こういう紛争あるいは混乱がどういう原因から起こるだろうかということについてお考えがありますか。
○宮尾説明員 御質問のありましたそういう事態が起きておるということについては、私どもも早く正常な形に戻るようにしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。これは星野村に限りませんが、福岡県下におきます一連の今回の紛争事件でございますが、これは私どもが聞いておる範囲内では、福岡県の自治労県本が五月に賃金確定をし、六月条例化をしたい、こういう方針に基づきまして、人勧体制打破というような考え方から、県本部のオルグが相当各市町村におもむきまして賃金闘争を指導した、こういうことにも一つの原因があろうかと思います。 それからもう一つは、当局側におきましてもこういった問題に対する非常にふなれな点等がありまして、労使双方における問題がこういう事件となってあらわれておる、こういうふうに私どもは理解をいたしております。
○村山(富)委員 自治労が五月確定、六月条例化を目標にして指導した、その指導がどうして混乱の原因になるのですか。
○宮尾説明員 自治労県本からのオルグが相当多数各市町村におもむきまして、そして五月あるいは六月の段階におきまして、賃金の確定を迫った、こういうようなところから当局といろいろな紛争が起きたということに端を発しまして、それらの事件がいろいろ新聞あるいはテレビ等で報道された、こういうことから住民がそういった問題に非常に関心を持ってこういった事態に発展をしてきたというふうに理解をいたしております。
○村山(富)委員 これは毎年自治労が各町村の指導をしているわけですね。オルグに入っておりますね。いまあなたの答弁を聞きますと自治労が大量にオルグに入ったということが混乱を生じた原因だというように言われましたけれども、そこらのところちょっとわからぬのですよ。
○宮尾説明員 組合側にもいろいろな行き過ぎた面があったと思われますし、それから当局側にもそういった交渉に対するふなれといった点がありまして、そういった労使間の双方の原因がこういった事態にまで発展をした、こういうふうに考えております。
○村山(富)委員 あなた、聞き捨てならぬことを言うね。行き過ぎとは何ですか。行き過ぎというのはどういうことですか、具体的に。
○宮尾説明員 通常労使間の話し合いというのは予備交渉によってしっかり取りきめた人数あるいは時間、交渉事項、そういったようなものに基づきまして交渉をやる、こういうルールになっておるわけでございます。当局側におきましてもそういった詰めが足りなかったという点があるというように聞いております。それから組合側におきましても、大体こういう範囲でという予備交渉を十分詰めないで、とにかく交渉をやれ、こういうようなやり方があった、こういうふうに聞いておるわけでございます。
○村山(富)委員 私は現地に調査に行って、単に組合だけでなくて当局のほうからもいろいろ経緯を聞いているわけですよ。いままで例年やっているようなルールに従って窓口もきめて、予備折衝もやり、交渉の日時もきめ、あるいは人員もきめて交渉をやっておるわけですよ。行き過ぎというのはどういうことですか。あなた行き過ぎと言ったでしょう、組合のほうに行き過ぎがあったと、だから混乱が起こったんだと、それはどういう意味ですか。どういう内容ですか、具体的に。
○宮尾説明員 いま先生からお話のあったような形で行なわれているところもありますし、あるいは幾つかの経過の中でそういうやり方をしておったという事例もあろうかと思いますけれども、県下非常にたくさんの市町村でこういった事例が起きてきておるわけでございますが、そういう中で、必ずしも予備交渉でしっかり交渉のルールをきめてやるというやり方をしないで混乱を招いているというようなところも現にあるわけでございます。そういった組合側のほうの賃金確定というものを早くしたい、こういうことから、やはり予備交渉のルールというものもしっかりお互いに当局と詰めないで交渉というものを迫った、こういうような事例も現にあったわけでございまして、そういった点は組合側にも若干の行き過ぎがあった、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。
○村山(富)委員 私は一般論として聞いているわけじゃないのですよ。いま特別に紛争が起こって混乱をしているのは星野村と北野町ですか、その二つですね。これはおそらく県等を通じて十分事情を聴取していると思いますし、同時に、これは選挙期間中でありましたけれども、自治省からも現地に行って、どういう目的で行ったか知りませんけれども、私は事情を聞いていると思うのです。そういうものを踏まえた立場で、行き過ぎがあったと言うから、どういう具体的内容が行き過ぎなのか、一般論でなくて星野村と北野町の場合にどういう行き過ぎがあって混乱が生じたのか、その原因を聞いているわけですよ。
○宮尾説明員 私が先ほど申し上げておりますのは、福岡県下で二十数カ町村でこういった賃金交渉の妥結、あるいは妥結しない町村におきましても幾つかの町村でいろいろな紛争が起きておるわけでございます。そういう一連の内容を申し上げたわけでございます。
○村山(富)委員 私は一般論で聞いているのじゃないから。具体的に一部の村民がこういう形で労使関係に介入をして必要以上に混乱が起きているというのは、私の調査する範囲では星野村と北野町だけですよ。ですからこの星野村と北野町の場合にこういう混乱が生じた原因は一体どこにあるのか、こう聞きましたら、あなたは組合の行き過ぎと当局のふなれと二つあげたわけですよ。だから具体的に星野村の場合にはどういう行き過ぎがあり、北野町の場合にはどういう行き過ぎが組合にあったのか、こう聞いているわけですから、質問に答えてくださいよ。
○宮尾説明員 私どもが県から聞いておる話でございますが、こまかい資料はちょっといますぐ手元に持っておりませんので、やや抽象的な話になるのかもしれませんが、星野村におきましてはあらかじめこういう形で交渉を進めていきたい、そういう話し合いを進めている中でいきなりといいますか、双方の話し合いがしつかり詰まらない段階で、相当数のオルグが県本のほうから派遣をされまして、そういう人たちと組合員とが大ぜいで町当局と交渉をするというような形になり、それから夕方から翌朝二時ごろに至るまで交渉が続いた、こういうふうに聞いております。もちろんそういう中で、これは当局と組合との関係でございますから、お互いに交渉のしかたを詰めればよろしいのでしょうけれども、なかなかそういう雰囲気にならなかった、こういう状況にあったと聞いております。
○村山(富)委員 いま答弁があったようなことが組合の行き過ぎですか。どこの町村だってどこの民間の組合だって交渉を徹夜でやる場合もあるし、集団でやる場合もあるし、これは相手があってすることですからね。ですから行き過ぎというのは一体あなた何をさして言うのですか。
○宮尾説明員 私ども地方団体におきます労使関係の中でもう少しお互いに改善をしていかなければならないと思いますのは、いわゆる集団的な交渉あるいは非常に長時間の交渉をする、こういったようなやり方というものは、労使関係を正常化していく過程で非常に問題があろう、こういうふうに考えておるわけでございます。もちろんそういったことについてあらかじめ予備交渉というものをやりまして、そのきめられた時間あるいはきめられた範囲内での人数、こういったものでお互いにじっくり話し合いをする、こういう姿を今後つくっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○村山(富)委員 もうこれ以上追及しませんけれども、ぼくは行き過ぎなんてことばは取り消してもらいたいと思うのですよ。これは相手があって、相手との話でやっているわけでしょう。相手がきょうは徹夜でやろう、こういうふうに当局が言えば、組合も徹夜でやるわけですよ。相手が承知をしないのに交渉というのは成立せぬわけですからね。ですから夜中になる場合もあろうし、徹夜でやる場合もあろうし、十人が二十人になる場合もあろう、いろいろな形態があると思うのですよ。これは民間だってどこだって同じですよ。そういう交渉の持ち方を行き過ぎと言うのですか。これはよけいなお世話じゃないですか。当事者同士が了解し合ってやっている交渉が夜中になったりあるいは数が多くなったりすることは行き過ぎと言うのはよけいなお世話じゃないですか、これは。どうですか。
○宮尾説明員 もちろん労使の交渉というものを詰める段階でそういう過程というものは十分あり得るということは私ども承知をいたしております。ただ、一般的に常にそういう集団交渉、長時間交渉というようなものがとかく繰り返されるケースというものがございますので、そういった点について私どもは正常な形ではない、こういうふうに考えておるわけであります。
○村山(富)委員 この星野村の場合なんか、交渉は妥結しているのですよ。当局と組合との交渉は妥結をしているわけでしょう。ほんとうに当事者同士の理解を深めていくために、まあひとつきょうはじっくり話をしようじゃないかというようなこともあるでしょう。そういう交渉の持ち方に対して、時間が長くなれば行き過ぎだ、あるいは交渉員の数が多くなれば行き過ぎだなんていうのは、これはよけいなことじゃないですか。そういうものを行き過ぎというなら、これはやはり団体交渉の持ち方を法律でちゃんときめなさいよ。そんなことはきめてないでしょう。 ちょっと労働大臣に聞きますけれども、いま自治省の、宮尾課長さんですか、答弁があったような交渉のしかたを行き過ぎと判断しますか。
○道正説明員 お答えいたします。 行き過ぎかどうかというのは、常識的なことばでございまして、御指摘のように団交が夜を徹して行なわれるというようなこともございます。その一事をもって行き過ぎというふうには断定できないと思いますが、われわれといたしましては、労使が相互信頼の上に立ってあくまで円満に解決をするという態度で臨む、その結果深夜に及ぶ、そういうものは行き過ぎとは考えておりません。
○村山(富)委員 よく労働省は自治省を指導してくださいよ。私に言わせると、こういう紛争が起き混乱を生ずるのは、むしろ自治省にその大半の責任があるのではないかというふうに思われるわけですよ。 そこで具体的にお尋ねをいたしますが、自治省はいままで地方公務員の給与については例年一貫をして通達を出して指導していますね。ことしも出ていますけれども、この指導文書を見ますと、これは八月の二十八日に自治省行政局長から出ていますけれども、これは全部は読み上げませんが、要点だけ言いますと「給与改定関連議案の提出を国に先行して行うことは次の理由等により適当でないと考えるので、厳に差し控えられたい。」これは国がきめるまできめてはならぬという意味のことですね。きめないでもらいたいという意味のことです。 それからもう一つは「職員の給与につき国の基準を上回る措置を講じている団体にあっては、当該上回る部分については国による財源措置は一切行われないものであることに留意し、」こう書いてありますね。そうしますと町村長が交渉する場合にワクをはめるわけです。ワクがはめられた町村長は当事者能力を半分以上なくすわけですよ。こういう文書を、通達を出しておるところに交渉が円満に行なわれない、誠意をもって話し合いができない、そういう原因が生ずるのではないですか。どうですか、その点は。
○金子説明員 さきに行政局長通達で申し上げました趣旨は、給与改定の実施にあたりましても、国と地方公共団体との均衡を考慮して行なわれるべきである、もう一つは地方公務員の給与改定についての財源措置の見通しを待って行なわれるべきである。したがって、国よりも先行して地方公務員の給与改定を行なうことは適当でないということを申し上げたわけでございます。いま言われました「当該上回る部分については国による財源措置は一切行われないものであることに留意し、」と申しますのは、現在の財政上の措置といたしまして地方公共団体の給与費につきましては国家公務員の給与費を基準といたしまして財源上の措置をしております。その事実をさしているだけのことでございます。
○村山(富)委員 そうしますと、「国による財源措置は一切行われないものであることに留意し、」と書いてありますね。いままで財源措置を上回る分についてやっておったわけですか。いままでもやってないのでしょう。やってないものをことさらにまたこれで強調するというのは一体どういう意味ですか。
○金子説明員 この部分につきましての財源措置についての議論がいろいろございますので、従来の方針を再確認をいたしたという次第でございます。
○村山(富)委員 順序を追って聞きますが、自治省がいままで一貫をして地方自治体職員の給与に関する通達の中身を見ますと、国家公務員に準じてと書いてありますね。その国家公務員に準じてというのはどういう法的根拠とどういう意味のものですか。
○金子説明員 国家公務員に準じと申しますのは、地方公務員法の二十四条に地方公務員の給与につきましては生計費、それから国、それからその他の地方公共団体、それから民間の給与を考慮してきめなさいという趣旨のことが書いてあります。その内容を最も忠実に具現するのは、国家国務員に準じてその内容を決定するというのが最も適当であろうかということで、国に準じなさいという指導方針をもって臨んでおります。
○村山(富)委員 この通達を見る限りは国家公務員に準じてという趣旨は一貫しているわけですね。いまお話がありましたように地方公務員法の第二十四条の三項は四つあるわけですよ。一つは生計費、二つは国及び他の地方公共団体の職員の給与、三つは民間事業の従事者の給与、その他の事情、こういう四つのものを根拠にして給与をきめることを原則にしているわけですね。この原則を踏まえて町村長が判断をしてきめて議会に条例を出して最終的にきめるわけですね。こういう手続になっていることは明確なんですよ。それをあえて国家国務員に準じてということを強調して指導しなければならない理由はどこにあるのですか。
○金子説明員 国家公務員に準じてというのは、必ずしも国家公務員の給与制度をそのまま適用せよという趣旨ではございません。国家公務員に関する給与制度を基準といたしまして、その地方公共団体の置かれている地方公共団体の規模あるいはその地域の特殊な条件等を考慮してその地方公共団体においての職員の給与制度をきめ、さらに運用してもらいたいということでございます。 さらに国家公務員に準じてということを強調しておりますゆえんは、現在地方公共団体におきまして一部ではございますが、国に比べて非常に高い給与水準にある。それからその内容を調べましたときに、国家公務員に比べまして非常に異なった制度あるいは制度の運用を行なっているというところが間々見られますので、そのような点について是正を求めている次第でございます。
○村山(富)委員 いま答弁がありましたように国家公務員の給与制度をそのまま適用しなくてもいい。それはいろいろな要件の違いがあるわけですから。 それで、いま申し上げました地方公務員の給与をきめる原則は四つある。その四つの原則を踏まえて町村長がそれぞれ判断をしてきめるわけですよ。きめる権限は町村長にある。そうでしょう。
○金子説明員 給与を最終的にきめますのは、条例主義をとっておりますので、当該市町村の議会でございます。
○村山(富)委員 町長がきめて条例を議会に出して最終的にきまる、こういう経路をとるわけですね。それを直接雇用関係もない自治省がわざわざこういう通達を出して、しかも国家公務員を上回った分については財源措置は一切見ないよというおどかしまでつけてなぜ文書を出さなければならぬのか。いままで上回った分について財源措置をしているのなら、いままではしたけれどもこれからは見ないよというんならまだ話はわかるけれども、いままでだってしてないでしょう。これは明らかに先ほど来申し上げておりますように、自主的に誠意をもって交渉をしようとする労使に対して一定のワクをはめてこの範囲内でやりなさいよということで、当事者能力をも制圧しておる。こういうところに交渉が正常に行なわれない、紛争が起こる一つの原因があるというように私は思うのですよ。その証拠に、これは「官庁速報」ですが、こういうふうに書かれています。これはもう時間がありませんから内容は触れませんけれども、北野町の場合も同じようなことが起こっているわけです。これは暴力行為まであっておるわけです。その北野町の問題について、「地方公務員給与のこうした著しい混乱ぶりを重視した自治省は北野町住民のように結局は「納税者による地方公務員給与の監視」を強めでもしなければ、混乱はますますエスカレートするばかりだとしており、今回の北野町住民の給与問題に対する関心の高まりを評価している。」住民が一部から扇動されて集団で、さっきから申し上げておりますように労働組合に対して圧力をかける、団結権を侵害する、人権問題も起こる。そして交渉不能にするような住民運動が起こった、こういうものを自治省は評価をしているんですか。
○宮尾説明員 「官庁速報」の記事の中身につきましては、報道関係の問題がございますので、私どもとやかくここでお答えはいたしません。ただ現在のような地方財政の状況の中で、納税者としてこういった問題に対するいろいろな認識といいますか、そういうものが出ておるということは、これは事実であろうと思います。
○村山(富)委員 これは「官庁速報」だから自治省はあずかり知りませんといえばそれまでの話だけれども、しかしこの「官庁速報」の記事を見ますと、その住民が立ち上がってそして組合に圧力をかけて干渉をするというようなことに対する行為を高く評価しておる、同時に今後自治省は何らかの住民がチェックできるようなものを制度化していこう、こういう考え方もあるというところまで書いてありますからね。そういう考え方があるかないか、それだけ答弁してください。
○宮尾説明員 「官庁速報」の中身につきましては、先ほど申し上げましたようにここで御答弁は差し控えさせていただきます。ただ、一般的に地方公務員の給与水準というものが国家公務員との比較におきまして高くなっている。そしてことに今回のように大型の人事院勧告が出ますと当然地方公共団体におきましても相当なベースアップというものが行なわれることになろうと思います。そういった中で、地方財政が現下の経済情勢の中で相当逼迫をしておる、こういうような事情がございますので、私どもといたしますと、そういった労使関係の正常化ということはもとよりでございますが、給与問題等につきましても、現在の地方財政の状況の中でもう少し考えていかなければならないという気持ちは持っております。
○村山(富)委員 質問に答えなさい。これを見ますと、「同省自体としても今後地方公務員給与の実態を住民に公表し、チェックしていく制度を確立するため、省内に発足した給与問題研究チームでの検討を具体化していく方針である。」こう書いてあるのです。だからこういう事実はあるのかないのか、そういう方針はあるのかないのか、それだけ答えてくれればいいんです。
○金子説明員 地方公務員の給与がたてまえといたしまして、最終的には住民の代表者である議会によって定められるという考え方について変わりはございません。
○村山(富)委員 そうするといまいったような考え方はないというふうに受け取っていいですね。
○金子説明員 議会における給与決定の過程におきまして、さらに住民の声を聞く、あるいは給与問題につきましての資料をさらに現在よりも十分に検討してもらう機会をつくる、こういったようなことについては、研究会等においてもいろいろ研究しているところでございます。
○村山(富)委員 それはどういう中身になるか知りませんけれども、いま指摘したようなことはそうしますと全然根拠のない話じゃないですね。 そこで最後に、労働大臣に二つだけお尋ねします。一つはいま申し上げました星野村の場合ですけれども、村長がその後交渉に応じないもんですから、地方労働委員会にあっせんの申請をしたわけです。それに対して福岡県地方労働委員会から勧告が出ているわけです。この勧告を見ますと、「今次七四年度賃上げに関しては、八月六日付確認書の主旨にもとづいて、労使双方は早急に誠意をもって団体交渉を行うこと。」「「団体交渉開催に当っては、事前に労使双方で事務折衝を行い、交渉人員、時間等について協議し正常な団体交渉が出来るよう労使双方で努力すること。」こういう勧告があるわけです。この勧告を村長が受け取って交渉に応じるかと思ったら、村長の改選があって、村長がかわったわけです。そうしましたら、今度新しく生まれた村長は、この労働委員会の勧告は前村長にあてたものであって私はあずかり知らないといって交渉に応じない。どうですかこれ。
○道正説明員 御指摘の事案は、星野村の労働組合現業評議会のあっせん申請にかかる勧告のことだと思います。御指摘のように、このことにつきましては、八月に福岡の地方労働委員会から団体交渉の再開と交渉ルールの設定について勧告がございました。その当時組合側も理事者側もこれを受け入れたわけでございます。われわれといたしましては、理事者側の交代がございましても、同じ案件について内容が変わらない以上、一たん出されました労働委員会の勧告が労使双方に受け入れられ、話し合いが円滑に進むことを心から期待するものでございます。
○村山(富)委員 労働委員会にまた申し出ましたら、労働委員会はしばらく経過を見たいといって明確な指導をしないわけですね。そこで、私は労働省にお願いしたいのですけれども、勧告が出ているわけですから、この勧告は星野村村長という法人格に対して出された勧告ですから、当然有効であるし、守られなければならぬと思うのです。ですから、福岡県の労働委員会を通じてそういう指導をされるように要望しておきます。 最後に、お尋ねしますが、いままで自治省といろいろやりとりしましたが、これは法律によっても、さっき申し上げました給与をきめる原則はありますよ。その原則を踏まえ、財源等と見合いながら町村長が組合と交渉をして、そして妥結をすれば、その妥結した内容を条例化していくかに対して議決を得れば、最終的に決定する、こういう段取りになっているわけですね。それに、こういう住民がチェックするような機関をこしらえてやるようなことが正常な労使の交渉を阻害する要因にならないかなるか、そういう問題に対する見解について最後に大臣に聞きたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 先ほどからだんだんお伺いしておりますと、星野村ということでございます、そこへ、あなたのお話ですと、三百名くらい人が押しかけたという話などもお伺いしますが、やはり役場の給与ということになりますと、これはみんなが関心を持つのはあり得ると思うのです。しかし、そこを最後に暴力でどうのこうのというふうなことは、村であって人間が少なくてということになればなおさら、これは非常に残念なことだ。やはり、こういう交渉というものは、しかも、大都会だからどう、中小都市だからどうこうということはございませんけれども、そういう村の中においていろんなトラブルが、暴力ざたあるいは村八分等、おっしゃるようなことがずっと続くとするなら、これはもう正しい労使関係ではない。そういうものこそ私たちはみんなで排除をしていく努力をしているわけでございまして、労働省としますれば、いま労政局長が答弁されましたような、地方労働委員会等々の問題も出てまいっておりますから、そういう手続の中において、こういうことが二度と起こらないような雰囲気をつくりながら、ひとつ慣行のよきもの、村の平和というものを維持するように努力したい、こう思っております。
○村山(富)委員 時間がありませんから、いずれまたこの問題については日を変えてやりたいと思いますが、ひとつ自治省のほうに対して、もっと正常な労使交渉が持てるように十分指導するように要望しておきまして、終わります。
○野原委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 公務員の給与表のことについて質問いたします。 人事院からいただきましたこの表、行政職俸給表(一)適用者の男女別在職状況、これを見ますと、こういうふうになっております。この行政職で、全体としまして、男子の数に比較して女性が大体一四%なんですね。一四%なのに、八Gのところは二三%が女性です。それから七Gが二一%女性です。それから六Gが約二七%。この六Gのところに女性が非常にたくさん詰まっているわけですね。それから、人数から見てみますと、男性の場合は六Gが約四万人、五Gが七万、ということは六Gのところから五Gのほうにはわりあいにスムーズに上がっていっているというふうに思えるわけですけれども、女性のほうは六Gのところに一万五千人詰まっている。そして五Gのところはわずか四千五百人しかいないわけです。そうしますと、ここに非常に女性が詰まっている、数から見ても比率から見ても圧倒的に六Gのところに女性が詰まっているというふうに考えるわけです。この現象をどういうふうにお考えになりますでしょうか。この問題について十五分しか時間がございませんので、簡潔に結論をきちっと述べていただきたいと思います。
○茨木説明員 お手元に差し上げております資料は、行政職(一)の俸給表についてでございますが、これは全部各省庁を通じましての人員でございますので、御案内のように現在毎年三%ないし四%、五%と、二次にわたります定員の削減と申しますか、そういうものが行なわれてまいっております。そこで、組織によりましては、自然にやめました者の補充をするというような状況が続いております。そこで自然と、男子のほうについてはそういう要素がたいへん強くあらわれておると思います。女子のほうは、御案内のように結婚適齢期を過ぎまして逐次家庭に入られる方がおられるものですから、若い方にそこが置きかえられていくというような点が出てまいります。その辺のところがこれにやはりあらわれておるのじゃなかろうか、そんなふうに考えております。
○田中(美)委員 客観的に見ますと、やはり六から五に上がっていくときに女性の差別があるのではないかというふうに一般の人たちは見るわけなんですね。いまの答弁というのは、女性が家庭に入ってしまうからというのですが、入ってしまうなら、こういうところに相当な年配になった方がぎっしりと詰まるということはおかしいと思うのですね。それは非常に詭弁だというふうに思うのですけれども、そういうことから見まして、六から五に上がっていくときに一万人ぐらいのワクがあるというふうに伺っておりますけれども、ここのところが結局、六Gの第二ふたごのところですね、号俸でいいますと十四、十五というふうなところです。男性は、ほとんどが七ぐらいのところでみんな五等のほうに移っていくわけです。それが、女性の場合には十四、十五というようなふたごのところでぎっしり詰まっているわけです。これを全体で数を数えてみますと、一九六五年には、千四百四十五人、二・三%というのがこの六Gの十四、十五以上の人であったわけです。それが七〇年になりますと、一万五十人というので、一五%にふえているわけですね。これが七四年になりますと、一万二千三百二十四名、二一%以上というふうに、ここが非常にふえているわけです。いつまでも五等にいかないで、どんどん六等のところに人間がふえているわけです。これがほとんど女性である。男性も、全国的には多少はいるとしても、これがほとんど女性である。これはどう見ましても、客観的には女性差別ではないかというふうな疑いというのが持たれるわけですけれども、大臣はこういう現象をどう思いますか。人事院と同じようにお考えになるでしょうか。時間がありませんので、お早く本心を出していただきたいと思います。
○赤松説明員 ただいまのお尋ねは公務員のことだと思いますが、労働省といたしましては、民間におきましての男女の賃金差別について、基準法の四条に基づいて、賃金が女性であることによって生ずることがないようにということについて監督をいたしております。公務員については、人事院の御方針で、もちろん男女の差別がないものというふうに理解いたしております。
○田中(美)委員 労働省としては一般民間については男女差別がないように——これは労働省といいましても、国がやっているわけですね。しかし、一般企業に対しては国はそういう指導をしておきながら、人事院がそのような疑いを持たれるようなことをしているということは許されないことだと思いますけれども、もう一度その点について人事院からお答え願いたいと思います。
○茨木説明員 この五等級と六等級の間の問題は、通常の係員でございますと、まず八等級から七等級の中、それから六等級の上級係員ということになって、五等級のところはちょっと段階を異にいたしまして、ここは係長のポストになっております。したがいまして、通常の、年をとりましたから当然五等級に上がるというわけにはまいりませんで、係長なりそういう役付になったところで五等級に上がってまいる、こういうことになります。 そこで、そういう任用上の問題が先行いたしまして、そういうポストに任用されたところで五等級に格づけされる、こういうふうになってまいります。そこで最近、四十三年ごろからずっとでございますが、逐次、係長の下に主任という制度をつくってまいりまして、その主任になりました方からまた五等級の中に格づけしていくというような道を開いております。 そういうことで、全般で申し上げますというと、四十一年と四十九年と比較しますというと在職五等級の人数で約七、八割方ふえておるわけでございますけれども、女子の場合にはそれが前は約六百人程度しかなかったものがそこに四千人からの人数が出てまいるということになっておりまして、その辺たいへん改善をしつつあるというふうに考えております。一般的な原則といたしましては、私どもも男女差別によりますことはしてないものと考えておりますが、ただ御案内のように、そういう役付ポストでございますので、本人の力量とかいろいろなものが総合されて任命権者が発令していらっしゃる、こんなふうに考えている次第でございます。
○田中(美)委員 いまのおことばの中ですけれども、改善をしつつあるというふうにおっしゃっているということは、やはりそういうふうな傾向があるからそれを改善して、いままでもしてきているし、これからもしていくんだというふうに受けとめていいんじゃないかと私は思います。 それからまた本人の力量というふうなおことばを使われたわけですけれども、上司にそういう裁量権があるということは、これについて私は触れませんけれども、力量というものでもって見ていってみたらみんなそれは男であった、女というのは結局力量がなかったんだということを結論的に言われているというふうに私は非常に感ずるわけです。そういう不用意なことばというのは、力量というようなことでもありますけれども、そういう不用意なことば、結果的に数から見まして女は結局力量がないのかということになるんじゃないかと思うのです。 それで先を急ぎますが、今月の週刊現代の九月十二日号ですね、これの五〇ページに石垣純二という評論家がほかのことで書いているんですけれども、この中にこういうことが書いてあります。厚生省の統計調査部は世界的に優秀の評のある施設だから、そこにいろいろなことを頼めというようなことが書いてあるわけですね。これは私もいままでこういうことを聞いておりました。厚生省の統計調査部というのは非常に優秀な人が集まっているんだというようなことを聞いたわけです、これが世界的であるというふうに評価も一部では受けているんだと。そういうのでこの調査部、統計情報部ですか、これを見てみましたところが、いま人事院の給与局長さんがおっしゃられましたように、婦人は結局やめていくからというふうなことを言われておりますけれども、ここの数を見てみますと約百三十名の方たちが六Gの九以上の人ですね。これが百三十人もここへ詰まっているわけですね。これを見ますと、勤続年数というのが二十七年が四名とか、二十六年が七名とか、二十五年勤務した人が四十三名とか、こういうふうに二十年以上のベテラン女性がびっしりとここへ詰まっている。ここに男性は一人もいないわけですね。それで二十何年もここで働いていらっしゃるということは、職種の中身を見ましても高度の専門的技術が要るんだというようなことが書いてありますね。そちらからいただいたのを見ますとそういうようなことが書いてあります。この人たちがそこで高度の技術を駆使しながら二十何年もつとめた女性というのが、やはり本人の力量が不足しているからいつまでも六の九のところに停滞させられているんだろうか。主任というのもあるわけですから、何も係長とかそういうものを私はいま言っておりませんけれども、これをやはりどんどん五のほうに上げていくということをしない限りは、客観的にはだれが見ても、国でさえ男女差別をしているじゃないか、そういう国がどうして企業の男女差別というものをなくしていくことができるだろうか、そういう政府に対する不信感にもつながってくるんではないかというふうに思います。このベテラン女性、こうした資源というものを大切にする、国民の優秀な資源というものを大切にするという観点に立たないと、古い、長い間の男女差別の観点を、差別するという意識なしにそれをしているという状態というのは満ちあふれているわけですから、まして人事院のようなところというのはそれを率先して改善していくという方向にいかなければならないんじゃないかと思います。たとえば、ふたごのところにしても、号俸が一号俸おくれていくということを計算しますと、たとえば懲戒処分を受けた場合には、これは破廉恥罪だって入っているわけですね、三カ月おくれていく。そうすると、一年間に四回懲戒処分を受けた人と同じように女性が扱われているんだ、そういう結果になっているんだということを人事院でお気づきになっているでしょうか。されるほうの人間というのは非常に屈辱感を強く感ずるわけですけれども、何気なしにやってらっしゃる方にとってはそれは屈辱を与えていると思わないかもしれません。しかし、それが働く意欲を失わせたり大切な能力というものを伸ばすことを押えたりしているということにお気づき願いたいと思うわけです。婦人は長い間じっとがまんの子であるからこそ、こうした差別を受けながらも黙って一生懸命に世界に評価されるような優秀な能力でもって国の行政の基礎をささえているというふうに私は思うわけです。ここら辺のところをもう一度人事院は基本的にものの考え方を変えていただきたいというふうに思います。さっそくにいま改善しつつあると幾らか反省のおことばがあったわけですけれども、これを早急に改善するようにしていただきたい、これを強く要請したいと思います。 そして一つ、参考として申し上げたいのですけれども、これは女の執念、まさに女の執念で計算してみたわけですね。一体、一生女はどれだけ損をするのか。精神的な屈辱やそういうものは全部のけています。物理的にお金の面で幾ら損をするか。これは超過勤務やなにかも全部のけました本俸で計算してみたわけですね。そうしますと、高校卒十八歳で勤務しまして十六年間つとめた。ここまでは大体男子と同じに来たと計算して、そこからですからずいぶん大まかに計算しているわけですけれども、それからの計算というのを見ますと、大体本俸分で五十五歳の定年でやめますと五百四十六万円損をしているわけなんですね。これは本俸だけです。退職金を計算してみますと、これは二百三十二万八千四百八十円という計算が出てきております。退職金でこんなに損をしているわけですね。それから、こうしたものが全部基礎になって年金が計算されるわけですからね。七十五歳まで女が生きたとします。厚生省は七十六歳というふうに出ておりますけれども、七十五歳まで生きた、これで計算しますと、年金だけでもこれは六百九十九万千六百六十円、こういう大きな金額を損しているわけですね。こういうふうなものを全部足しますと、非常に小さく見積もった計算でも千四百七十八万円というものを婦人の公務員というものは、一千四百七十八万円ですよ、これだけの金額を損しているわけです。ですから、超過勤務だとか、やれ出張の問題だとか、いろいろな問題から計算してみますと、約二千万ぐらいの損を女がしている。ということは、高級マンションを優に一つ買えるだけの金額というものを女の一生で損をしているということが出ているわけです。ここら辺のところに、差別しておられない、無意識でやってらっしゃるのかどうだかわかりませんけれども、こうしたものを人事院は率先して直していただきたいし、そして国が姿勢を正さなければ、労働省が、労働大臣や赤松さんが一生懸命になって企業の男女差別をなくそうとしましても、国がこんな姿勢ではなかなか企業が言うことを聞かない。こういうことでは、いま世界の情勢を見ましても、イギリスでも男女の同一賃金というものが法律できめられていく。こうした情勢に動いている時代に、日本が文化国家といわれる中で、いまなお女性をこのような形に国の中で置いているということは、世界に対しても恥ずかしいことだというふうに思います。この点をぜひ早急に改善していただきたい。その決意を最後、簡単に人事院にお願いいたします。
○茨木説明員 まず男女差別の問題でございますが、この点でございますと、むしろほめていただかなければいかぬのだろうと私どもは思っております。と申し上げるのはいまも御指摘ございましたように、毎年官民比較で給与を決定いたしておりますけれども、この官民比較で見ますと、民間の男と女では約一割ないし二割差がございます。それらを平均してこちらに持ってまいりますから、むしろ男子の方が損をして、女子の方と同じ給料をちょうだいさしていただいておる、こういうかっこうになっておるわけでございます。 それからもう一つ、いま職場の問題をおあげになりましたけれども、この点で申し上げますと、厚生省の統計情報部のお話でございましたが、ここは五百五十九人総員でございます。その中で係数が七十三、ですから係長が七十三人おります。これに主任の数が七十六人、合計百四十九人おります。そういたしますと三人半に一人ぐらい役付的な方がいらっしゃるということでございますので、これ以上ここのところをさらにふやしていくということはたいへんむずかしいことでございます。職場ごとに見ていきますと、たとえば労働省とか農林省等にも、男子の職場でも、たいへん六等級のところ等に詰まっておるような職場がございます。ですから全般的に見ます場合と、それから組織ごとに見ていきます場合ではたいへん事情が、それぞれの組織によって、古くからの方がたくさんいらっしゃる場合とそうでない場合とございますものですから、事情がたいへんむずかしくなってまいります。特にここの場所は女子職員が大部分の職場でございますので、先生御指摘のようなことが出ようかと思いますが、いま言ったような事情でございますので、その点をお含みいただきたいと思っております。
○長谷川国務大臣 田中先生から労働省をおほめいただきましたけれども、私のほうは本省に局長さんが御婦人で一人、本省で課長さんが三名、こういうふうにして女の方々の働く諸君が非常にりっぱで一生懸命でございますから、そういう方々が非常によき待遇を得られるように、いまから先もしっかりやっていきたい、こう思っております。
○田中(美)委員 労働省は婦人少年局がありますので、そこだけが何となく女の部署みたいで、あとはどこにもいない。第一そこにも女性というものはほんのちょっとしかないわけです。どう考えたって、基本的に全体を見まして——部分的にそういうことはほんのちょっとあるかもしれません。 それからまた民間と比較してなんということは話にならぬわけですよ。率先して国がぴちっと法律を守らなければ、憲法を守っていかなければならないのだと思います。非常にいまの茨木給与局長の返答には私は不満がありますけれども、次の質問がありますので、またこれは今後とも私が議員でいる限り、このことは執念を持ってやっていきたいと思いますので、改善を急いでいただきたいと思います。 それからもう一つは中部経済新聞のこれも男女賃金差別の問題なんですけれども、これは四十七年、四十八年、四十九年と、この会社では調整基準というものをつくりまして、賃金のアンバランスを直していくという形で、毎年この基準が出ておるわけですね。これが、四十七年、四十八年というのはその基準が一本ありまして、この基準に足らない分というものを足していくという形をとっていたわけです。この一本基準の中に女性を一人も入れていなかったという事実があったわけですね。男性のほうはこの調整基準で直していくけれども、女性は全部これを除外するということがあったわけです。これは働く人たちもがんばって会社とやったわけですけれども、私もこの間、八月十六日に労働基準局に出向きまして、事実であるかどうか調査を依頼したわけです。そのお返事を九月六日にいただいたわけです。それによりますと、こんなことはもっと早く労基局がやっていただきたかったと思うのですけれども、その九月六日にいただいた回答では、この四十七年と四十八年は厳重に是正させる、今月の支払い日をめどに解決させるという回答をいただいたわけです。 〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕 ですから四十七年、四十八年はいいとしまして、四十九年なんですけれども、この四十九年の問題というものを大臣はどうお考えになるか、ちょっと簡単にだけ話しておきます。 まずこれはことしの四月二十二日、男女別の調整基準表というものを出してきたわけですね。これははっきりこの紙に男女別基準ということ、これを書いてあるわけです。こういうものを出してきたわけですね。金額は女性のほうは少なくなっているわけです。男性のほうがぐっと多いわけで、明らかに男子、女子と書いておるものですね。働く人たちは西労基署にこれを訴え出たわけです。労基署のほうでは、これは確かに男女差別であるということで、違法だからということで勧告書を会社に出しているわけですね。出てきたのが二十二日、訴えたのが二十五日、そうして五月八日に違法であるという勧告が出ているわけですね。そうしましたら五月九日、翌日ですよ、同じ表です。これを見ていただきたいと思うのですが、数字から何から全部同じ表ですね。同じ表の、上の男子というところを消してAにし、女子というところをBにしているのです。そうして今度は、これは男女別調整ではなくて職種別調整だというのですね。きのうまではそうだったのですよ、勧告を受けたら——同じ紙でですよ、あまりにも人をばかにしているとは思いませんか。A、Bにやったらこれは差別ではないのだという、これは大臣どういうふうにお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 労働基準法は、女子であることを理由にして賃金については差別的取り扱いを禁止していることは御承知のとおり。そこで御指摘の中部経済新聞の件につきましては、現地労働基準局で現在調査検討中でありまして、法違反ということがはっきりいたしました場合にはさっそく是正方を指導してまいりたい、こう思っております。
○田中(美)委員 赤松さんはこういう事例をたくさん御存じだというふうに思うのですけれども、こういうふうに男子をAにして女子をBにする、それもきのうまでは違って、勧告を受けたらすぐあれにして、いやこれは男女差別じゃない、これでもう勧告はないものだ、こういうことを言うことは妥当なんでしょうか。
○赤松説明員 労働基準法四条の規定は、形式のいかんにかかわらず、実質的に男女の差別を禁止しているのでございますので、御指摘のようなことで、単に書きかえというようなことでは、あるいは違法の疑いが濃いのではないかというふうに考えます。
○田中(美)委員 あるいはというところが非常にひっかかりますが、そのように考えていられるというならば私としてはたいへん安心なわけです。ですからこれを早急に調査していただきまして、全く同じものをこうしているということですので、これがうそかまことかきっちり調査をしまして、この四十九年度分のこういうことをすぐに是正していただきたいと思います。もはやこれによって支給をしているわけなんですね。こういうことを勧告しているにもかかわらず、前と同じもので支給しているというようなことをやっているわけですから、実質的には全く変わっていないということは、いまの赤松さんのおことばで、間違いなくこれは労働基準法四条違反だというふうに思います。 こういう中から、計算していただいたものがあるわけですけれども、たとえば二十三歳の工務の職場にいる婦人、この方の四十七、四十八、四十九とこの三年間の損失を計算しますと、最初の年が一万四千八百五十円、その次が二万百六十円、それからことし、これは四万三千二百円ということで、約七万八千円の損失をしているわけです。こういう差別によって、わずか二十三歳の年齢で七万八千円というお金を損しているわけですね。たとえば五十二歳の方になりますと、いまのような計算をしていきますと約五十万の損失というものを三年間の調整部分だけでしているわけです。こういうことは幾ら何でもひどいのではないかというふうに思いますので、この点至急これの御指示を願いたいというふうに思います。大臣、これは大至急にやっていただけますね、もう一度はっきりとお答えいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほど御答弁申し上げたように、検討した結果、誤りがあればさっそく是正させます。
○田中(美)委員 次に失対賃金の問題ですけれども、先ほどから、十月から準備をするというふうなお答えがあったわけですが、いまの異常物価というものですね、これをいままでの物価上昇というふうな形からものを考えていただくとたいへん不備が出てくるんだというふうに思いますので、その点を十分頭に入れてこの再改定を至急やって、大幅に引き上げていただきたいと思うわけです。 いま新聞でも何でも、一般の人たちが、異常物価だというふうなことを言うわけです。この異常というのは、どこにどうして異常と言うのかということですけれども、やはり何となく物価が上がったから異常なんだという感じ方もあるかもわかりませんが、この異常というのは、上げの歩幅とそれから非常に速度が早い、歩幅と速度が早いということが異常なんだというふうに私は思います。ちょうどいまのあれは、朝鮮戦争のあとのあの異常物価と非常に似ているというふうに思うわけですけれども、歩幅も速度も非常に異常な大きな幅と早さというふうなものがあるわけです。ですから、ただいままでの考え方から、米価が上がったんだからこうする、生活保護がこれだけ上がったんだから失対もそれでこう上がっていくんだ、そういうふうな簡単な考え方でなくて、先ほども実態に合わせて考えるというふうなことを言っていらっしゃったわけですから、そういう点から、この異常な実態というものの上に立脚して大幅に上げていただきたいというふうに思うわけです。 参考のために申し上げておきたいというふうに思うわけですけれども、これは読売の七月二十六日に出ていたので、ごらんになっていると思いますけれども、消費物価は一五から二〇%上がると労働省が悲しい試算ということを書いているわけですね。これは厚生省に資料はないというふうなお話でしたけれども、どこかで試算をして、これが一〇〇%正しいかどうかしれないけれども、試算の過程でこういう数字が出てきたんだというふうに私は受けとめたわけです。 これを見ますと、やはりいままでの物価高というのは、低生産性部門の中小企業製品とかサービスとかというところが上がっているわけなんですね。今度の場合には、大企業製品が軒並みに上がっているということと、それから公共料金が——これはもう国の責任なわけですから、国が物価を上げているといわれてもやむを得ないと思うのですけれども、公共料金が大幅に上がっているわけです。だから、家計の中に占める分というのは、もう公共料金が上がりますと、節約も家計のやりくりも何もないわけですね、固定してすぱっと取られてしまうわけですから。電車に乗らなきゃ学校にも行かれないしつとめもできない、電車代は節約できない、こういうふうになっていっているわけです。 こうして並べている記事を読んだだけでもびっくりするというふうなことで、ちょっとだけ読んでみますけれども、これを見ますと、一月のタクシー運賃の暫定料金が二九%上がっている。社会保険の診療報酬が一七・五%上がっている。東邦瓦斯が四〇・三%。おふろ賃がおとな三六・四%。それから九電力が五六・八二%。私鉄運賃が普通が二六・九%、通勤定期が四五・三%、通学定期が二六・二%。路線トラックが三〇・一八%。国鉄が平均二三・六%。そして今度は、お米が三二%、それから国内航空運賃が幹線が三二・二%上げられ、ローカル線が四四・五%。東京の民営バスがまた上がる。東京瓦斯の料金が六二・八二%。もうこれはほんとうにすごい、ことしになってからずっと上がっているわけですからね。 こんな異常なものは、私たちは上がるたびに新聞は見ているわけですけれども、あまりにひどいので忘れていっているわけです。あらためてこうやって並べてみますと、もうこの異常さというものにほんとうにびっくりするわけです。こういうところを大臣がお考えにならないと、結局、いまの失対労働者たちというのは飢餓状態に入っていくというふうに思わざるを得ないわけです。 これは家計調査ですけれども、社会保障研究会というところで、去年の九月の家計調査とことしの二月の家計調査——そのあとまた上がっているわけですけれども、九月と二月というものを比較した調査が、この社会保険旬報の四十九年四月一日号に中央大学の江口先生の論文が出ているわけです。これを見ますと、こういうふうになっているのですね。時間がないので簡単に言いますけれども、単身世帯の場合には食費がぐっとふくれ上がってきているわけです。ですから、エンゲル係数がぐっと上がっているわけですね。そうして何を削っているか。電気代や何か削るわけにいかないわけですから、結局保健衛生費というものを判る。だから病気になっても、ちょっとした薬も飲まない、何もしない。そして被服費を削っているわけですね。着るものを着ないで食費をうんと広げているわけです。私は、失対の夫婦家庭の方からお手紙をいただいたのをここに持ってきているのですけれども、そのお手紙の中身を見ますと、どういうふうに使っているかというと、夫婦二人でお米を二十キロ食べていらっしゃるのですね。私はびっくりしてしまったわけなんですね。これは一つの事例ですけれどもね。ということは結局、お金がつましくなれば、食費がふくれ上がるといっても、お米のところをぐっとふくれ上がらせて副食をうんと少なくしているわけです。ですから、ここにもこまかく出ていますけれども、肉だとか卵だとか野菜だとかそういうものが、標準の生計費と比べて食生活では三九%というように、非常に一般の人より少ないものを食べている、しかしお米だけは一般の人よりうんと多く食べているというふうな形が出ているわけです。それでもまだ単身世帯の人は、食費の中をそういう構成にして、そうして被服費だとか医療費だとかそういうものを全然使わないでやっているわけです。だけれども、夫婦世帯になりますと、今度はエンゲル係数が減っているのですね、数字を見ますと。エンゲル係数というのは、御存じだと思いますが、うんと貧しく、一定の度を越しますと、今度は食べるものを減らしているわけですね。ですから、結局、公共料金なんか、これは一定の金額があるわけでありますから、家賃も今月は半分節約というわけにはいかないわけで、これはさまっているというふうになると、エンゲル係数が下がってきたということは、これはたいへんな貧困になってきている。まさに飢餓状態に向かっているんだというふうに思うわけです。この点を十分に考えた上で大幅の賃金改定をしていただきたいというふうに思います。それで、大臣のそれに対する決意を簡単にお答え願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 私は、いま一番大事なことは、物価というものを抑制する、労働省直接の仕事じゃないと人の中にはお考えの方もあるでしょうけれども、これが一番大事なことと思って、あらゆる機会に発言もし、またいろいろなそういうことが可能なところに顔を出しているわけであります。そういう中にお互いが生活を守っていく。わずかにいいと思われることは、ここ三、四カ月物価が横ばい的になりつつある。そういうものに望みをかけ、いまから先もなるべく上がらないようにということを願いながら、一方先ほども御説明いたしましたが、失対賃金等々はすでに二五%上げてもおりますが、消費者米価が上がるということになりますと、これはそういうときにはすぐに直接響きますから、いまのようなお話もありますし、これなども審議会等々にかけて努力していきたい、こういうふうに考えております。
○田中(美)委員 いま二五%とおっしゃいましたけれども、二五%というのは去年のですからね、何かそういう数字というのも多目多目にくっつけて、実際には二〇%じゃないかというふうにも思うわけですね。そこら辺のことばのからくりや、それから、いまどういうふうに横ばいなのか知りませんけれども、どう考えたっていま横ばいとは思いませんね。やはりどんどん狂乱物価も荒れ狂っていっているというふうに思うので、大臣が物価を下げてくださるということで、どこどこに顔を出していらっしゃるというのは、どこに出していらっしゃるのかは知りませんけれども、何しろ公共料金、これは国が許可をしなければ上げられないのですから、顔を出さなくたって、許可をしなければ上がらないんです。労働大臣がそのお力があるならば、ぜひその物価を下げることにもうんと努力していただきたいと思うわけです。 さっき言いましたような二五%だ、二〇%だというふうなことも、やはり正直に実質で言っていただかないと、何だか多いように見えるけれどもそうじゃない。 それから、この間の再改定のときにでも十日間のおくれをとっているわけですね。これは非常に失対労働者を刺激というか、悲しい思いをさせているわけですね。わずか十日で、金額にすれば少ないと大臣はお思いになるかもしれませんけれども、やはり十日間おくらされたということは、いままでさんざん失対というのはいつもおくれておくれてきているわけです。ですから、いまのような異常物価になるということは速度と歩幅が大きいわけですから、ちょっとでもおくれるということは、もう大きくそこへひずみが来ているわけですね。それが普通でもおくれているというのに、それも十日間おくらされたということは、非常に国民の心に対して政府に対する不信感を持たせる。わずかのようですけれども、やはり信頼感の上に立たなければいい政治というものはできないのだと思うのです。こういうことは今後絶対ないようにしていただきたい。 それから、いまの社会情勢というのを——これは愛知県の場合ですけれども、熱田職安というところがありますけれども、ここでの求人、これは一月を見ますと三百四十六件あったものが、この六月には六十七件しかないという状態ですね。これに対して労働者はこれから失業者がふえるのではないかと非常に不安を感じているわけですね。それから、一宮というところは、大臣もう御存じだと思いますけれども、繊維でもっている町です。こういうところは、織機を一つ置いて夫婦で子供を床に寝かせてやっている小さな機屋さんというのが毎日のようにつぶれて、また毎日のように幾つか出てきているというような、町じゅう繊維の町なんですね。こういうところがいま非常に繊維不況でばたばたとやっていかれない状態になっているわけです。こういう中から失対を何とかやってくれないかというふうな声がいまあがっているわけですね。これはおそらく日本全国——私は調べておりませんけれども、いま共産党・革新共同の議員団でこの繊維関係の調査をしようというふうに調査をしかけているところなので、そのあれは出ておりませんが、こういうものがずっと出てきますと、繊維だけでなくて、あちこちに失業者というのが出てくるのじゃないかというふうな不安を国民は持っている。もちろん失対労働者は強い不安を持っているわけです。ですから、五十年再検討なんというようなことばにさえも非常に神経をとがらせるわけですので、決して失対労働者が今後少しでも不利にならないように、やはりこの間の十日間の差というものは不安をより助長しているというふうに思います。そういう意味で、不安なく安心して生活できるような、こういう姿勢で大幅な改定をしていただきたいというふうに思います。
○長谷川国務大臣 実は、私がいま一番心配しておりますのは離職者の出ることなんです。いまの統計で見ましても、現在一・二の失業率、これがもっともっとふえるようなことになったらたいへんだというところに、雇用問題を一番心配しておりまして、お話しになった繊維関係、これは組合の諸君からも何べんも聞いておりますし、また経営者の諸君も来ております。そういうことからしますと、実はさきの国会で雇用保険法案の中に雇用調整交付金というのがありまして、そういう繊維業には三分の二、二分の一の給与の補給というものがありましたが、これなどが期待されている向きもありまして、いろいろいま考えておりますが、とにかく失業者が出ないこと、それがまた私たちの役所の仕事でもある、こう考えておりますから、何ぶんにもその節は御協力のほどお願いします。
○田中(美)委員 全力をあげて再改定を大幅にやっていただきたいと思います。 質問を終わります。
○斉藤(滋)委員長代理 寺前巖君。
○寺前委員 七十二国会の終わりました直後に、高知県の山林の労働者、奈良県の山林の労働者、また私の京都の山林関係の労働者から各種の労働条件をめぐる陳情を受けましたので、この際に、民有林関係の労働者の労働条件の問題について、約三十分にわたってお聞きしたいと思います。 労働大臣にお聞きしたいのですが、チェーンソーという新しい機械が山林労働者の分野に導入されてから振動障害という新たな——ほかの分野には従来からありましたが、山林の労働者の中に異常な障害が広がっているということについて御存じでしょうか。まず最初にちょっと大臣の御存じの状況をお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 委員会でたびたびの御質問があり、またそれに基づいて役所のほうでも勉強しておりますので、いささか承知しておるつもりでございます。
○寺前委員 労働条件からいうならば、国有林の関係の労働条件は当然のことながら国が改善のために模範的にやらなければならない分野だと思います。そういう分野の国有林の労働者の中で、それじゃチェーンソーが入ってからの労働者の障害実態というのはどのようにあらわれたか、まず最初に国有林の分野についてお聞きをしたいと思います。 国有林の分野ではどれだけの台数のチェーンソーが使われておって、どれだけの公務災害の状況が起こったか、あるいは苦痛を訴えるというのか、異常を訴えるというのか、その分野の労働者数がどのぐらい出ているのか、これについてちょっとお聞きをしたいと思います。
○滑川説明員 お答えいたします。 国有林野事業の中で振動障害ということで公務災害の認定を受けております数は、四十年度以降、累計でございますが、四十八年度末で一千七百五十八名でございます。さらに、御指摘のこの訴え者は、四十八年の十一月現在でございますが、四千八十九名ございます。 それから台数は、四十八年の四月初めの台数でございますが、約一万三千台。これはチェーンソーと刈り払い機、つまりブッシュクリーナーと称しておりますが、合わせまして約一万三千台ございます。
○寺前委員 あなたのほうから出されている、林野庁福利厚生課の「国有林の振動障害対策」というのを読ましていただきました。この中にいまおっしゃった台数も出ておりますが、チェーンソーが五千百五十三台に刈り払い機が七千七百八十六台。公務上の認定者の数はいま千七百五十八人、それから異常を訴える人が四千八十九名という数字が出ておりますが、そうすると主としてこの異常を訴える状況というのはチェーンソーの分野に出てくると思うのですが、五千台からのチェーンソーを使っている分野で異常を訴える人々というのが、これがまあ五千人からおるという数字であらわれてきているのが、公務災害千七百五十八、異常を訴える人が四千八十九、そうするとかなり高い比率の障害が広がっている。これは国有林の分野です。そうすると、民有林の分野ではこれとの関連で見るとどういうことになっているだろうか。民有林の関係では一体何台のチェーンソーが使われていて、そしてそこでは労働災害という、あちらでは公務災害だけれども民間ですから労働災害の認定というのがどのくらい出ているのか。これはひとつ労働省の側になるんじゃないかと思いますので、労働省の側で聞かしていただけますか。
○中西説明員 民有林で使われておりますチェーンソーの台数ははっきりつかんでおりませんけれども、およそ十二万台程度ということがいわれております。このチェーンソーは比較的早く消耗いたします関係で、はたしてその十二万台といわれている数字が現在使用されているチェーンソーかどうかということにつきましてははっきりわかっておらないわけでございますが、その程度のチェーンーソーが使われているというのが実態ではなかろうかと考えております。 障害者につきましては、四十九年三月現在で三百九十三人でございますが、これは業務上の疾病として認定された数でございます。そのほかに、昨年四十八年中に北海道ほか九県におきまして、林業労働災害防止協会に委託し、費用の一部を国で負担しまして、巡回健診を五千四百三十一人について実施いたしております。この結果、現在取りまとめ中でございますけれども、中間集計によりますとそのうちの三千八百六十二人についての一応の結果が出ております。そのうち振動障害ありとされた者が四百五十六名でございます。これは約一二%に当たるわけでございます。
○寺前委員 チェーンソーを国有林の関係で五千百五十三台使っている中で千七百五十八名も出ている。民有林関係では十二万台存在しているといわれている。比較にならないところの台数が使われていて、現実に労務災害として認定されたのが三百九十三名ということは、あまりにもひどく放置されているんじゃないか、これは想像にかたくない事態だと思う。たとえ昨年林業の巡回健診を北海道をはじめとして九県で行なった、その結果がいまお話しになりました中間段階であるとしても、四百五十六名という数字を入れたところで、なおかつ想像することは、国有林の関係の労働者であのような状態だったら、この程度の健診ではまだまだ民有林の労働者は放置されておるということになるのではないか。民有林の労働者がこのような健診をされないままにこのように放置されているということ自身もこれまた重大な問題じゃないだろうか。ですから、先ほど大臣はこの林業の分野で異常な事態が生まれているということを御存じだとおっしゃったけれども、その結果として数字であらわれている分野を見ると、国有林の分野と比較したときに民有林があまりにもわからないままに放置されているということについて私は労働省として思い切った検討をしなければならないのじゃないだろうか。あるいは林野庁においても民有林の関係のこの業界全体に対する指導の面においてもあり方を全面的にかまえ直さなかったならば、この分野で働いている労働者はたいへんなことになっているのじゃないだろうかと私は心配するのですけれども、労働大臣、どうでしょうか。かまえ方を考え直す必要があるのじゃないでしょうか。まず基本的にお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 私も宮城県では林業団体連絡協議会の会長をしております。でありますから、そういう問題についてはいささか注意をしているわけでありますが、前々からここでお話のあったように、まず第一どなたでも健康診断をしていただきたい。しかし自分のからだということが大事にかかわらず、お忙しいせいか、そういうことが周知徹底しないせいか、地方においてはなかなか健康診断を受けられないでいる方、受けないでいる方、そういう方もあるということなども残念に思いながら、一方チェーンソーそのものを私は自分で扱ったことはありませんけれども、そういう振動の激しいチェーンソーを、国内においてこれだけ技術の発達している日本でありますから、振動の少ないものを開発するように労働省のほうでも研究させたりテストしたりしておる、こういう二つの面をとっていることを承知しております。
○寺前委員 そこで、いまも大臣がすべての人に受けてもらう必要がある、こうおっしゃった。私もそう思うのです。すべての人に健康診断を受ける条件をつくらなければいけないのじゃないだろうか、ぼくはまずそれを思うのです。ところが昨年行なわれた検査の労働省が組まれた予算の対象というのは六千人というワクなんです。六千人というワクではすべての労働者を対象にするという立場にはならないと思うのです。ですからすべての労働者を対象にするというやり方に変えるために何をしたらいいのか、私はそこのところを研究し直してもらう必要がある。どうですか。担当の人から、私は、ひとついま大臣のおっしゃったすべての人を対象にするという立場でするためには何を改善しなければならないかを説明してほしいと思うのです。
○中西説明員 チェーンソー取り扱い者の健康診断の実施につきましては、すでに昭和四十五年の通達で実施項目を示しまして、その実施方について指導を進めているわけでございますが、その実施は必ずしもはかばかしくないわけでございます。昨年十月と十一月にさらに新しい知見に基づきましてこの健康診断の項目を改め、さらに必要な具体的な手法について通達をいたしております。この健康診断を完全にやることの一つの条件としましては、何といいましてもこのチェーンソー取り扱い者の特殊健康診断というものは全く新しい健康診断手法を必要とするわけでございまして、これが、林業各地域にわたっての医療体制、健診体制が現在きわめて不十分だというのが実態でございます。そのために、この医療体制の充実が不可欠な要件でございまして、これについては、方針としましてはできる限り地域の医療機関で実施できるようにするという考え方に立ちまして、すでに昨年の十一月に通達をいたしまして、この通達に基づいて各地で体制づくりが進められているのでございます。この整備が進み次第、順次健康診断を定着させ、広げていきたい、また、国の補助の面でも今後さらに拡大充実していきたいというふうに考えているところでございます。
○寺前委員 いまのお話では、健診をするのには地域の医療体制を確立するということだけだというお話ですが、それではちょっとも広がらない。六千人を対象とするという予算の編成を来年も同じようにやるということだけだったら、すべての人に受けいというたって、労働省が積極的にやっているわけじゃない、また雇用主が自分の責務として健診をさせようということにもなっていない。これではほんとうに健診を受けることにならぬのじゃないだろうか。だから、健診を受ける体制にふさわしいようにかまえ方自身を労働省としてもまず直す必要がある。 そこで私はお聞きしたいのですが、林業の労働者がそういう災害にあっているということは、災害の前提というのは何といっても労働条件が確立されていなければだめだと思うのです。もとが悪ければ、結果を健診で何ぼ見ておったって悪いなというだけであと追いになっていく。そもそもの労働者の労働条件、ここをきちんと確立するということを明確にしなければいけない。そこをきちんと確立しようと思うならば、林業労働者の問題については二つ出てくる。 一つは、雇用の非常に明確になっている労働者、この林業の労働者に対して労働基準法の時間規制とか休日の規制などは適用除外になる。ぼくは、やはり林業の労働者といえども労働基準法で示されている最低の労働条件をきちんと守るということをひとつ確立しなければいかぬのじゃないだろうかと思う。そして、雇用の不明確な分野についてはやはりそれに準用するやり方を早く研究しなければいけない。いずれにしても労働者の労働条件をきちんと確立するというこの責務問題を確立するということが大事じゃないだろうか。私は、基本的にその問題を改善されるように、どう考えておられるのか、まず聞きたいと思うのです。
○岸説明員 ただいま御質問の件でございますが、確かに林業労働者の中には雇用関係の非常にあいまいというか不明確なものがあるわけでございまして、労働省といたしましては、そういう場合、まず労使関係の明確化ということを中心に置きまして、特に雇い入れの場合についての労働条件の明確化、また雇い入れられた後におきます安全衛生、そういうような健康保持の面について留意しつつ、監督指導をいたしておるわけであります。 現在までの数字でございますと、四十八年においては約二千の事業場について監督をいたしまして、それぞれ違反の事項については指摘をいたし、また労働条件の明確化についてはいろいろな形で指導を進めているところでございます。
○寺前委員 それは私の聞いていることには答弁にならぬのですな。時間規制とか休日規制というような分野について林業労働者はいまの基準法からはずされている。なぜいつまでもそういうふうにしておかなければならぬか。最低の基準をきめているのが基準法なんだから、基準法を全面的に適用しなさい。雇用の不明確な労働者に対しては明確にさせるように整備をしていくということを考えなければ、たとえば林野庁の人にきのう聞いたら、もう一人親方という分野は労働者の分野に入れていく、現実的には経営者として見ることはできないということを言っていますよ。それを制度的にもきちんとすることが私は労働省の仕事だと思う。二つあると思う。一つは、明確な雇用関係に対してはなぜ労働基準法の適用の全面実施をやらないのか。それから雇用の不明確な一人親方云々の分野については明確にするように制度的にも検討する。私はこの際にそれを基本に確立しなさいということを言っている。どうですか。
○岸説明員 お尋ねの件でございますが、第一の問題については先ほども申し上げたとおり、なるべく働く方々の保護の観点より労働基準法のワクに入れていくように努力をいたし、またそういう指導をいたしておるわけでございます。 また、農林関係の労働者の方々の労働条件については、これは基準法上いろいろ特異な扱いになっておりますけれども、この面につきましても、現在私どものほうで労働基準法研究会あるいは労働基準審議会の時間部会において、そういう問題についてどういう形に持っていくかということを鋭意検討をしている最中でございます。
○寺前委員 それじゃ、いま私が提起している問題は検討に値する問題として考えていいですな。
○岸説明員 後段の点でございますが、時間制度全般について御承知のとおり基準法研究会で現在検討を進めている最中でございます。その中では単に農林漁業のみならず商業、サービス業その他もろもろのいわゆる産業におきます労働時間についてどうするかということは全般の問題としていま検討している最中であるということを申し上げたわけでございます。
○寺前委員 これは大臣に聞きますが、全般の問題とかそんなことを聞いているんじゃないのです。この置かれている労働者のもとの基準の扱い方として、やはり林業の労働者を労働者としての時間規制とかそういうもののワクの中へきちっと入れていくなうに雇用というものはしていきなさい。そうでなかったら、もとをきちんとせぬといて結果だけを云々しておったって直らないじゃないか、だから私は検討する必要があるんじゃないかということを提起している。労働大臣もそう思いませんか。
○長谷川国務大臣 労働省は雇用労働者全般の問題というふうに通常お考えになっている方もありますが、やはり海に働く人、山に働く人あるいはたんぼに働く人、こういう方々全体の問題を考えていくべきだ。そういうあらわれがいま課長から御答弁されましたように全体のワクの中でそういう研究をいま進めているということで、前向きであるということを御理解いただきたいと思います。
○寺前委員 前向きで検討するというのですから、検討に値するということだと思いますので次にいきます。 そこで、次には、この林業労働者が労働者としての一般健診を労働安全衛生法でも受けなければならぬことになるわけだけれども、この分野の労働者にあまりにも異常な振動障害が起こっているということを考えるならば、そうすると、特別な六十六条によるところの特殊健康診断を適用する事業所という扱いをしないのか。あるいはいま臨時の特殊健康診断、そういう形ででもさしあたって出ていくということで、雇用主が責任を持つところの健康診断をやらすべきではないか。これは労働組合からも意見が出ています。どうでしょう。
○長谷川国務大臣 そういうことを含めて検討しておりまして、法制化のほうも勉強しております。
○寺前委員 それではその次に、法制化の検討の中でも、現状進められていく中でも、私は検討を要する問題があると思う。一つは、いま一次健診と二次健診という形で二回の健診をやっておられますが、あの一次健診の中で担当しているお医者さんにみんな聞いてみたら、冷温の状態におけるところのテストというのをやらないということは、ほんとうに振動障害で痛めつけられているという事実を健診するのには無理だ、だから、当然そのことは検討しなければならない問題だ、いま出しておられる通達のやり方では、これは変える必要があるということを異口同音に担当した人が言うわけです。そういうように考えてみたら、四十九年度もまたおやりになるということを聞いているわけだけれども、せっかくおやりになるならば、そのことをやられなければならないんじゃないだろうか。 同時に、先ほど私は四十八年度の中間の状況を聞かしていただいた。長野県で四百三人の受診者の中で要注意という結果が百三十人出ている。だけれども、振動障害ありというレッテルのところは一つも書いてない。あるいは静岡県で六百五人の健診をやったけれども、要注意、疑いありという分野の人々が百七十二名。それから、三十四名が要二次健診、こう出ておって、そうして振動障害ありというレッテルのところが何にも書いてない。ほかの県には出てくるのにここに出てこないので、何だろうと思って調べてみたら、要するに二次健診をやらないから出てこない、こういうことになる。二次健診をやらないというところはどこでこれが出てこないことになるんであろうと聞いてみたら、やはりいまの冷却テストの問題に直面する。ですから、今度は健診のあり方の中身にあの冷却テストというのは必ず組み入れなかったら、健診としては不適当なんではないだろうかということが一つと、もう一つは、それをやっていこうと思ったら、現在の五度C云々というやり方だけでいいのかということにはいろいろ意見があります。だから、そこは研究したらいいと思う。お医者さんに言わしたら、必ずしも五度Cでなければならぬということではないという。そして新しい機械設置、冷温の装置の機械があるそうです。だから、そういうような機械をもよりのお医者さんにやれといったってすぐになれませんから、たとえば関係する監督署にその器具を買うておいてやって、お医者さんの協力を求める。かなりお医者さんの協力がなければ、全面的に健診をやるといっても進まない要素がありますから、だから、その分野でそういう機械設備の面についても労働省が世話をする、積極的に自分のほうで準備をするということもあわせてやらなければ、この健診は有効にならないんじゃないか。その点についてのお考えいかがでしょう。
○中西説明員 特殊健康診断の実施のやり方につきましては、林業労働災害防止協会に委託をいたしまして、専門家で検討していただいたその結果を昨年いただきましたが、この報告によりますと、摂氏五度の冷水に十分間手を入れて、その結果についていろいろテストをすることになっているわけでございますが、問題は、すべての人に摂氏五度の水に十分間も手をつけさせることについては、これはたいへんな苦痛でございますから問題がある。それまでしなくても管理区分が十分できるのではないかというような考え方で、実は冷水テスト、付加テストを二次健診に回したわけでございます。しかし、一方、先生御指摘のように、そのために一次健診で全部について冷水テストをやっていればきわめて軽い程度の障害も発見できるものが発見できなくなってしまうという、そういう心配が確かにございますので、やはりこの健診のやり方についてはさらに検討を要すると私どもは考えております。御指摘のように、必ずしも五度Cという冷たい水でなくても、結果が有効に判明するということもいわれておりますので、その辺の技術的な検討を十分いたしまして、改善すべきものはできるだけ早く改善いたしたいというふうに考えております。また、新しい機械等も開発されたというようなこともありますので、それらについても検討いたしたいと考えております。
○寺前委員 ところで、改善をしてもらうならそれでいいわけですが、同時に、高知県の人からこういう訴えが出たのですね。お医者さんで、あなたはこれはたいへんです、振動障害です、労災申請をやりましょう、こうなる。ところが、どこでその機械を使っていたかということを手紙を出さなければならぬ。高知県の人は奈良へ出かせぎに来ておった、和歌山に出かせぎに来ておった、なかなか返事がもらえぬのだという苦痛があるというわけです。これは私は、労働省、監督署のほうで、いついつからいついつまでこうやっとったさかいにやりますということで申請を出したら、監督署のほうで調査をして処理することができるというふうにやれぬものなのかどうか、これが一つ。 もう一つ、言うならば、このような大幅な振動障害が起こる分野の労働者に対しては、前に国会でも論議になりましたベンジジンのときなんかのように、長期に潜状するという問題もあったけれども、あのような手帳を出して、そしてその労働者の労働条件を、ずっと健康管理手帳を見てそれを証明する体制をつくっておいたら、必ずしも出かせぎに行っている先の証明をもらわなくても、常時つとめておったところの定期健診の制度をやることによって、その健診証明を見せることによって通用する、何かそのようなことで処理するということを検討してみたらどうなんだ。どうでしょう。
○中西説明員 第一点は、申請書に基づいて監督署で全部調査できないかという点でございますが、これはできれば最もよろしいと思うわけでございますが、これまたたいへんな業務量になると存じます。現在証明書を原則としてはつけることにいたしておりますけれども、何らか職歴が明らかになればよろしいわけでありまして、そういう観点から手帳制度を採用するかどうかということも現在検討しております。ただ、手帳制度を採用することによって、また新たないろいろな問題もございます。これは、手帳に具体的に労働者の健診の結果等も記入するというようなこともやはり考えなければならぬと思うのでございますが、そのために雇用の機会を狭めるというようなこともおそれられますので、どのような手帳制度にしたらいいかというようなことも、検討課題として現在検討しているわけでございます。
○寺前委員 では、いずれにしたって労災の認定をしやすくするための条件整備をやるということに理解してよろしいですな、御回答がなければそういうふうに理解しますが。 それから次に、その特殊健康診断の一次分は国で半分めんどうを見るけれども、二次分は事業者だということに現在のやり方はなっていると思うのです。ですから、全面的にやるというさきの大臣のおことばなんで、全面的にやるというのなら、基本的に制度そのものをそうするということにしなければならない。制度そのものにするというときには、現在の法律のもとにおいては四割の国の負担で助成をやっていると思うのです。四割助成というのを特殊健康診断についてはやっている。そうしたら、二次健診がいまのやり方では不可欠の段階にあるんだから、やはりそういう意味では、全面的に国のほうが特殊健康診断と同じ扱いでもって四割の助成をやります、雇用主のほうも、まだ法的には整備されていないけれども、特殊健康診断を受ける事業所という立場に立って、あとの分は持ちなさい、日当についてもちゃんと補償してやってください、そうして、この労働者の労働条件を守るためにやろうではないかというようなかまえをして、六千人のワクじゃなくして全面的に広げるという体制を準備されたらどうなんだろうか。その上に立って、医療機関の協力体制というのは別個に協力するための予算を検討する、総合的に手の打ち方を全面的に広げるという立場に立って検討し直す必要があるんじゃないだろうか。いかがでしょう。
○中西説明員 特殊健康診断を全面的に国の予算で行なうということにつきましては、これは予算上たいへんなことでございまして、現在私どもが考えている特殊健康診断、国の巡回健診というのは、この巡回健診を通じまして実態を把握すると同時に、地域の医療機関を整備する、すなわち巡回健診に地域のお医者さんに参加していただいて、一緒に巡回健診をやることによって、地域の健診体制、医療体制を確立したい、こう考えているわけでございまして、いずれは事業者の責任として健康診断をやってもらいたいというふうに考えているわけでございます。
○寺前委員 いや、私の言うのは国が全部持てというのじゃない、四割負担という事業者負担で特殊健康診断というのをほかの分野ではやっているのだから、事実上特殊健康診断という扱いで出発を全面的に行なう、やはり四割負担を国がやって、事業主負担であとはやりなさい、そうしてちゃんと日当も補償しなさい、国のほうは四割負担しますよ、制度が確立したらそうするのですよということで、出発を明確にして、全面的にやるというかまえをしたらどうなんだという問題を提起しているのです。いずれはしたいとおっしゃるのだから、いずれはしたいのだったら、いまからそれの前段段階としておやりになったらどうなんだろうかということです。
○中西説明員 特殊健康診断を義務づけております有害業務というものの数は非常に多いわけでございまして、そういう業務に従事する労働者の数は何十、何百万といるわけでございます。それらの健診について、国がたとえば四割負担を全部するということになると、これはたいへんなことでございまして、現に他の特殊健康診断につきましても、国が巡回健診等を行なっておりますのは、先ほど申し上げたような観点から、この特殊健康診断を有効に進めたいという、そういう基本的な考え方で補助を行ない、巡回健診をやっているわけでございます。林業労働者についても、やはり同じような考え方で進めざるを得ないのでありまして、非常に数の多い労働者に対して国が四割負担するということは、きわめて困難だというふうに考えておるわけでございます。
○寺前委員 私は、ほんとうに、この分野の労働者が民間の労働者を見たときに、国有林と比べてあまりにも明確になっていないということを考えるならば、臨時の持殊健康診断という形ででも、これは私は国が四割負担でかまえる必要がある。まあこの論議は問題提起にしておきましょう。 同時に、もう一つは、国有林の労働者の労働時間の場合には一日二時間、週五日、連続三日、月四十時間、一連続操作時間チェーンソー十分、刈り払い機三十分というこまかい規制をやっていると思うのです。ところが、民有林の関係に対しての通達を見るとこれがきわめて荒っぽい。私は何で、これほど公務災害が明確にさせてきた国有林の労働者の場合にここまでこまかくやっていることに比べて、民有林の労働者の場合にはなぜ荒っぽい位置に置かれているのだろうか、私は、もっともっと労働条件が悪いというふうに一般的に見られる民間のこの民有林の労働者に対しても、やはり国有林と同じようにもっときびしい規制方向というものの、準備としての内容としても指導方向を打ち出すべきではないだろうか。その点はどうなんでしょう。
○中西説明員 民有林におきまして、一日チェーンソーを扱う時間を二時間にするということにつきましては、私どもも強力に監督しあるいは指導を行なっているわけでございますが、なかなか実情はそうはまいらないようでございまして、この時間を短縮することについていろいろ問題が民有林についてはあるようでございます。 国有林のように事業者が一定していて、雇用関係が永続というか継続している場合には比較的管理がしやすいかと思いますけれども、何といいましても、大部分の民有林におきましては事業がきわめて小零細でございまして、短期間行なわれるわけでございます。したがって、チェーンソー取り扱い労働者は次々各現場を回って歩くというような、いわば実態的には一人親方的な方が非常に多いということもありまして、その時間を管理することは非常にむずかしい。また、これは収入の面とも関係ございますので、時間を短縮するという点については困難な点が非常にあるわけでございます。 しかし、そういいましても、私どもとしましては、何としても時間をできるだけ短くして、この障害を予防しなければいけませんので、そういう観点から、たとえば雇用の安定化といいますか、通年雇用をできるだけ行なえるような体制も順次とらせていくというようなことも考え、また作業の組み合わせ、各種の作業がございますから、それぞれ交代してチェーンソーを扱うというようなそういう組み合わせを考える等、具体的に実施できる体制を順次つくり上げていく。それによって時間を短縮しても収入等にはあまり影響のないようにして、実際それが実施可能なように体制をつくってまいりたいということで努力をしているわけでございます。
○寺前委員 もう時間がありませんから詰めて言いませんけれども、民有林の労働者の労働条件が、収入の関係があるからといってそこをあいまいにしていったら、こういう機械を使うときに、それでは労災がふえるばかりで、ほったらかしになっておって、結局身の破滅にならざるを得ない。だから、こういう機械を使うときには機械そのものを改善するという問題が一つと、それから労働者の労働条件というのは、どんな客観的なものがあろうとも、賃金をよくして、そして労働条件の基本は守るというように指導しなければ、そこを破壊するようなことをやっておったらだめだ。そういう意味で、私は国有林の労働者が提起しているところの一つの基準を示しているのだから、その基準をよく考えて、労働省も、民有林の労働者に対して守らさなければならない最低問題だけは守らすのだという意味から見るならば、いまの通達では不十分ではないか。再検討してもらいたいという問題を提起しておるので、これはひとつあとから大臣にその点も含めてお聞きをしたいと思うのです。 あわせて、次にもう一つ問題を提起しておきたいのは、今度は労務災害になった人たちが治療に行かなければならない。ところが、治療に行こうと思うと日当をおかさなければならないという問題になるから、そこで日当ということになると、労務災害のときには労災補償法で六割のお金が出る。六割では四割分がないということになる。これでは仕事をしながら治療ということになって、しかも治療というのは農村のことだから遠いところへ行かなければならぬのだから、それではいつまでたってもなおらぬじゃないか。なおすときには全面的に補償してなおす。だからそういう意味では、労災補償法の、いまの六割という制度を早く直さなければいかぬ。近く臨時国会をやるんだったら、その臨時国会で労災補償法は——少なくともこの間衆議院では改善するということをきめたが、参議院ではいかぬかった。労働大臣、今度臨時国会には必ず出すのかどうかはっきりしてもらう必要がある。それだって何も一〇〇%補償じゃありません。国有林の労働者の場合には一〇〇%補償されている。あたりまえだと思う。そうすると、その一〇〇%に満たない分を、林野庁のほうは業界を指導して、たとえば積み立て金をやらして足らず分を出すという制度をつくり上げるとか、そのための援助措置はどうするかとか、そういうことを研究しなければいかぬ。いずれにしたってなおさなければならぬ労働者に対して、六割ではあかぬ。一〇〇%にしてあたりまえだ。一〇〇%でも足らぬかもわからない。だから、そこのところをどうするのかという問題は、私は緊急を要する問題だと思う。労働大臣と林野庁の関係者からお話を聞きたいと思います。
○長谷川国務大臣 民間林業従事者をだんだん向上させていくということについては先生と同じ考えです。ただ、予算の関係等々もあり、おっしゃるように一足飛びにできないという歯がゆさは感じておりますが、そういう姿勢でやってまいります。 後段の労務災害、せんだっての法案が廃案になったことについての激励をいただきましたが、私は先ほど来雇用保険法案も申し上げておりますように、先日私のほうの法案が五つ廃案になったことを残念に思っておりますので、あの労災一つにしましても、一〇〇%じゃありませんけれども、今日よりはよくて、二二%ぐらいアップするというふうに承知しておりますので、提案したときにはひとつぜひ御可決のほどを、御審議のほどをお願い申し上げたい、こう思っております。
○甕説明員 ただいまの労災の、足らざるところを事業主が負担をして一〇〇%補償になるようにというお話でございますが、確かに労災の関係での日当と申しますか、そういったことの補償が不十分であるというような実態も踏まえまして、さらには林業労働者に対します労災をはじめとする社会補償の問題について非常に不十分であるというような実態もございまして、実は私ども、本年度、林業労働者に対します社会保障の問題について検討会を開催いたしまして、鋭意その問題も含めて検討いたしておるところでございます。一挙にそれが解決をするということは現実問題としてむずかしい面もございますけれども、前向きで取り組んでまいりたい、このように考えております。
○寺前委員 一般論であれなんで、もう時間もあれですからやめます。いずれにしたって、休業補償の問題にしたって、一〇〇%補償することをどうしてやらしていくかという立場に立ってひとつ林野庁も御指導いただきたいし、それから労災補償法の場合でも、たとえば人事院が賃金の改定をやる場合には五%で賃金の改定の勧告をやるように、いまの労災では二〇%ということでは話にならぬので、やはり五%の段階になったらするとか、ほんとうに現実に合うように御指導をいただきたいと私は思うのです。私はもう質問を終わりたいと思いますが、最後に一言だけ聞いておきたいと思います。私は現地へ行ったときに、京都の場合も高知の場合も聞かれた問題なわけですけれども、一人親方の問題なんです。シイタケを栽培している人間か振動障害にあうあるいは炭の仕事をやっている八が振動障害にあう。ところが農業の分野で見ると、最近いろいろな機械が入ってきているけれども、農業の分野の人たちが障害にあった場合には特別にいわゆる擬適としての労災が適用になるのに、林業の分野の一人親方というのは労災の対象にならぬというのは何でなんでしょうかという質問を受けるわけです。ですから私は、そういう意味において、シイタケの分野とか林業の分野で一八親方で働いている人たちが擬適として労災の適用にしてもらうということをぜひとも検討してほしいと思います。これを最後の質問にしたいと思います。
○長谷川国務大臣 先ほどからお答え申し上げましたように、林業関係だけじゃなくて、農村関係の労務者の諸君、そういう方々も私のほうでは考えておりますが、一人親方、そうした者を将来ともに含んでいくような前向きの姿勢で、働く人はとにかく労働省がお世話申し上げるという原則に立って、海で六カ月と七ヶ月も遠洋漁業に行く人、山の中で働く人、それからもう一つはチェーンソーの話も出ましたけれども、私たち林業から考えておりますと、再造林する意欲というものをぜひ植えつけていくような姿勢がまず基本じゃなかろうか。それが日本の国土保全につながるものだ。そしていまのような災害をなくし、そして安心させていくという制度を充実させるところに私たちの任務がある、こういうふうに考えていることも御理解願いたいと思います。
○寺前委員 ということは、ちょっと最後がわからなかったけれども、検討していくということですね。そういうように解釈させていただきます。 それじゃ終わります。どうもありがとうございました。
○斉藤(滋)委員長代理 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 私は今月の初めに福岡県で脊髄損傷患者の団体の方々と、数十名の方だったのですけれども、二、三時間親しく懇談する機会に恵まれました。私はその懇談の中で非常に驚いたことは、脊損患者の日ごろの生活あるいは苦悩に満ちた日々の生活の実情というものが外見から見ていたその予想の何十倍ものひどい内容であったことに驚いたのであります。産業戦士としてのその第一線で働いていた偉大なる労働者の皆さんが、労働災害のために瞬時にして生涯病床に伏していかねばならない、あるいは車いすにたよらざるを得ない言うならば灰色の生活、お気の毒でなりませんでした。私はこの肉体的、精神的な苦痛というものは当事者でなければわからないと思いますが、おそらく筆舌に尽くしがたい苦しみであろうと思いました。私は皆さんの訴えを聞きながら、脊髄損傷病者になったばかりに家庭が破壊され結婚生活が破壊されそして苦しい状態にある皆さまの訴えを聞いたときに、是が非でも労働大臣にこの実情を訴えて労災保険の抜本的な改正をお願いしたい、こういう気持ちで実はここに立っております。 このような特にお気の毒な方々に対しては、労働大臣も特別の配慮をもって対処をなさる必要がある、そういう考えからこのたび労働省といたしまして身体障害者総合福祉施設の設置の構想があって具体化されようとしていると聞いております。来年度から予算化されようとしていることはある意味ではおくればせながら非常に喜ばしいことだ、私はそう考えております。はたして来年度予算化されるのかどうか。関係者の話といいますか各方面からのいろいろな風聞によりますと、来年度からは三カ年計画で六十億円投入して当面一カ所設置なさるやに聞いておりますが、将来全国で三ないし四カ所こういう身体障害者総合福祉施設を建てられるということであります。また、このセンターというものは、あらゆる労災患者を総括的に治療していくというのではなくて、いわゆる転落、交通事故などによる下半身不随の不遇な生活を送っていらっしゃるいわゆる脊損患者、全国にいま四千人もいらっしゃるということを聞いておりますが、そういう方を対象にしていかれるということも聞いているわけでございますが、こういう話は単なるうわさだけではなくて現実に具体的に早く知りたいという立場からいまお尋ねしているわけでございます。
○長谷川国務大臣 健康なからだはまさに私は勤労者にとって財産だと思います。そして先生のおっしゃるように働く間に事故にあわれてしかも一生働けない。こういうところから実は労働省が御承知のとおりいろいろな施設を持っておりまして、中には車いすで仕事をずっとやってもらうような施設なども従来つくってまいりましたが、おっしゃるとおりいま年間五百人くらいそういう脊損患者が出ているわけであります。そこで来年度の予算におっしゃるように六十億くらいの金で一カ所の総合脊損センター、これは、けがした人は病院に入ったら、いままでは寝たきりの一生でございますが、入ったとたんから社会復帰を考えて、手術もしていく。診療もしていく。いろんな手当てもしていく。これは外国で一、二成功しているところがありますから、ただなおしてやるというだけではまずいので、最初から社会復帰を考えて総合的に施設をして本人を激励しながら持っていくということでして、これはうわさ話でなくして私並びに労働省はあげてこの予算をことし獲得しようと思っておりますから、その際はひとつ御声援のほどをお願いします。
○大橋(敏)委員 身体障害者または福祉の推進を促進している関係者の皆さんにとってはまことに朗報でございます。この構想を私も高く評価するわけでございますが、これまでは労災患者の治療というものは機能回復訓練あるいは職能判定、職業指導などその社会復帰までの過程がばらばらであった、こういうのをいまお話しのとおり一本化していこうという構想からの出発であろうかと思いますが、そういう意味では一日も早く実現をしていただきたい。 ところでその設置の場所の問題でありますけれども、これはまだ内定の内定ということでおそらくきょうのこの席上では明確な御答弁はできないのではないかと私自身予測しているわけでございますが、それにいたしましても地元の最有力紙である西日本新聞にはもうすでに先月の十八日の日に、これは一面を切り抜いてきたのですけれども、こういう大きな見出しで出ております。「初の身障者総合福祉施設 飯塚市が最有力に 労働省、今週中に詰め」とこうあります。これはでたらめな取材で書かれたとは私も思いません。私は飯塚市にほぼ内定し決定していることを聞きましたときに、まことに適切な判断である、こういうふうに考えております。それは、福岡県には御承知のとおりに労災病院は四カ所ございます。医師、看護婦、ケースワーカー等の人材の確保が容易であろうと思います。また、中心になるその脊損患者の扱いについては専門家の協力が得られる。あるいは、今度福岡県の宗像町に来年度脊損患者の作業所がやっぱり完成いたしますが、その関連的な運用もできる。あるいはまた病院用地が容易にこの場所ならば確保できる。あるいは縦貫道も次々と整備されてでき上がるわけでございますが、そうなれば九州各県から短時間で患者をこの飯塚に運んでくることもできる。すなわち早期治療、早期機能回復等々の条件が整っておりまして、当然これはきまるであろうと私は考えているわけでございますが、その点、うなずかれるだけでけっこうなんですけれども、いかがなものでしょうか。
○長谷川国務大臣 明年度予算のいろんなものの説明会をやった際に大きく全国の新聞がそれぞれ一面で取り上げた。それを見ましても、こういう社会福祉施設、しかも働く諸君の植物人間といわれ鉱物人間といわれる者に対する善意というものがすばらしいトップ記事になった、こう私は思っているのであります。 それにいたしましても、さて設置する場所ということになりますと、いま大橋先生おっしゃったように、交通の関係、医者の関係、敷地の関係、そして将来なおったあとで社会復帰する場所、そういうものなども考えながらいま比較検討しておりまして、いまその西日本新聞も私たちの参考になる一つであるというふうに御理解いただいていいんじゃないか、こう思っております。
○大橋(敏)委員 いまの段階では明確に答えられないと思いますが、先ほど私が申し上げましたように、条件はきわめて整っておると私も考えております。そういうところを深く配慮の上、最終決定をお願いしたいと強く要望いたしておきます。 さて、先般、脊損患者との懇談の中で、大きな話題となったことが数点ございます。それは付添婦の問題であるわけでございますが、一人つき看護が二人つき看護に改められて、しかも看護料も引き下げられるのではないだろうかという深刻な不安が漂っておりました。 こういうこまかい問題になりますと、おそらく労働大臣はお知りでないかもしれませんし、また、きょうは局長さんが病気のため入院なさっているということも聞いておりますが、課長さんが答えられると思いますけれども、何も局長さんや労働大臣に遠慮することなく、思い切って答弁していただきたいと思うのです。 私はこの話を聞いたとき、労働省は皆さんの味方であるはずだ、こう言っておきました。ですから、そうした労災の中でも特にお気の毒な皆さん、脊損患者あるいはじん肺患者等の対策が、現状よりも後退するようなことはおそらくなさらないと思う、もしそういうことであれば私は許さない、断じて戦いますよ、こう言ってきたのでありますが、その点確認したいと思います。
○山口説明員 労災における付き添い看護の扱いについてお答え申し上げます。 付き添い看護の要件としましては、傷病労働者の病状が重篤であって絶対安静を必要とする、しかも医師または看護婦が常時監視を要するというような場合、それともう一つ、傷病労働者の病状はさほど重篤でありませんけれども、手術等によりまして、比較的長期間にわたって医師または看護婦が常時監視を要するというような場合について、付き添い看護を認めておったわけでございます。 そこで、従来の扱いとしては、むしろ医学的な処置を伴うものに限定されて付き添い看護が認められていたという経過があるわけでございますが、本年の四月からは、むしろ先生の御指摘と逆に、付き添い看護を認め得る要件をさらに広げまして、必ずしも医学的処置を伴うものでなくとも、傷病労働者の病状から判断して、からだの向きを変えることが困難だとか、あるいは食事、用便についても自用を弁ずることができず介助を要する、こういうものについても付き添い看護を認めるという、要件の緩和をいたしたわけでございます。 さらに、看護料云々の問題につきましては、やや誤解を生じた向きもございまして、私どものほうとしましては、緩和した要件については、さほど監視あるいは適切な処置ということを要する患者でございませんので、場合によっては二人づきもでき得る、その場合には二人づき分の看護料を支払うというふうに、要件といい看護料といい、かなり前進させたつもりでおります。若干一部の府県で誤解が生じた向きがありまして、直ちに趣旨徹底について、私どものほうから地方各局に通達をいたしております。
○大橋(敏)委員 せっかくの改善あるいは条件緩和という内容に進んでいるにもかかわらず、脊損患者自身がそれを逆に受け取るような内容になっているということは、非常に残念でございました。いまの説明では、もうすでにその誤解を解くための通達を出したということでございますが、結論から申し上げまして、現状の一人つき看護というものが後退するのではないという理解は間違いないですね。
○山口説明員 そのとおりでございます。
○大橋(敏)委員 私もそう思います。下半身完全麻痺の脊損患者に対しましては、病院の配慮等でいわゆる排尿、排便、これはかん腸のため、かつ患者の症状がそれぞれ異なっているために、ほとんどの病院が個室になっております。また脊損患者のほとんどが膀胱障害、尿路障害による尿道炎、膀胱炎等の各種の合併症があり、重篤の症状の中にあると私は思うのであります。また、リハビリの設備の完備した労災病院等では、それぞれの分野で先生がいて、車いすの訓練にしろ、ベッドサイド、すなわち足関節、ひじ関節、また関節の屈伸運動等々には理学療法士が指導訓練に当たって万全を期しているわけですが、個人病院ではそのベッドサイドは付添婦がこれを行なっているわけですね。したがいまして、これが二人つき看護ともなれば労働過重ともなるでしょうし、これらも不可能になるという心配をいたしておりましたので、確認をいたした次第でございます。 現状よりとにかく改善はされるとも改悪は断じて行なわれない、こういうふうに理解をいたします。 それでは次に移りますが、休業補償給付、この水準を一〇〇%まで引き上げてほしい、こういう熱烈なる要求がございました。と申しますのは、患者の皆さんの平均賃金の統計を見てみますと、最低が二百六十六円、最高が千百十七円で、平均いたしまして七百十円でございました。この低い賃金がいわゆる基礎となってスライド率を加えたものがすなわち給付基礎日額となって、その六〇%が支給されているわけでありますが、スライド率が算定確定されて、あるいは給付基礎日額が算定されるまでには、約二年もあるいは二・四年もの年月が経過しているのが事実でございまして、せっかくスライドされたといいましても、二年、三年の経過のうちに諸物価の値上がりが、スライド率よりずっと高い倍率の値上がりとなってまいりますので、実質は給付基礎日額の四〇%程度となっているというのが今度わかったわけですが、そういうことから、どうしても休業補償給付水準は一〇〇%まで引き上げてほしい、こういうことの要望でございましたが、これについてはどういう御見解をお持ちか、お尋ねいたします。
○田中説明員 御質問の前段の給付基礎日額の件についてお答え申し上げます。 先生御指摘のように、確かに給付基礎日額につきましてはいろいろばらつきがございます。原則として労災の給付は、労働基準法の災害補償との関係がございますので、平均賃金をそのまま持ってきているわけでございますけれども、あまりに低くて国の給付としてまとまった額にならないということでは、せっかくの給付も実効を欠くということで、平均賃金をそのまま使ったのでは著しく不適当であるという場合には、別に労働大臣が最低額を定めるという制度を設けているわけでございます。 現在、本年度は千三百八十円の最低額を設けて、すべての平均賃金は必ずそれ以上の額になるように底上げをしたわけでございます。
○大橋(敏)委員 そこで、皆さんの御要望は、千三百八十円の最低額の底上げは認めていたわけですが、いまの諸物価の急上昇の姿からいきまして、少なくとも千八百円程度に引き上げるべきであると。これはあらゆる計算をしていらっしゃったわけですけれども、私はそれを見ながら、なるほどと、これはやはりこの次の労災の改正の段階ではその辺まで是が非でも引き上げてもらいたい、こういう気持ちになりました。これは先ほども、次の国会には労災の改正案をまた提出するという話がありましたけれども、その際にこの点は再度検討された上で、結論的に上のせして提出していただきたい、こういうことであります。 もう一つは、いま言いますように、実質的には給付基礎日額の四〇%程度におさまっているというのは、スライドのしかたに問題があると思うのですね。いま二〇%以上の変動があったときに初めてその手直しがなされる。こういう大きな幅があり過ぎるので、事実上手直しがおくれて二年も三年もあとになるので、実質的にはそうしたスライドの恩典にあずかれないということになっているわけですから、この辺も小幅な、つまりスライドの基礎条件を変えるべきだと思うのですね、五%あるいは一〇%程度に。そういう点はいかがですか。
○田中説明員 先ほどの給付基礎日額の底上げの問題でございますが、これは年々の最低賃金等の推移、その他他の社会保険との関連を見ながら改定を続けておりますし、また今後もそのための努力をしたいと思うわけでございます。これは当面予定しております法律の改正案とまた別個の見地から、予算措置を含めて検討を進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。 それからいま御指摘のスライド制の問題でございますが、労災保険のスライドは先生御承知のように、賃金水準の変動を基礎にして、その二〇%の変動があった場合にはそれぞれの給付を変動率に応じて改定をしていく、こういうことでやってきておりまして、過去の十年ぐらいの傾向を見ますと、大体一年置きに年金のスライドが進んでいるという状況でございます。確かにそれが現状に合っているかどうかということは、私どもも十分問題意識を持っておるわけでございますが、他の社会保険の場合では物価スライドという形をとっておるし、労災はいま申しましたような賃金スライドという形をとっている。その辺の制度間のバランスの問題もございますし、現在労災保険審議会で鋭意検討を進めておるわけでございます。先国会に提出いたしました法律案の際にも、その辺の議論が審議会でございましたけれども、なかなかこれは簡単に結論が出ないということで、当面は給付水準のレベルアップということで意見がまとまった。引き続き今後とも検討を続けなさいというのが労災保険審議会の御意見でもございましたので、その線に沿って鋭意検討を進めてまいりたい、このように思っておるような次第でございます。
○大橋(敏)委員 要するに各種補償給付のスライドにつきましては、いまもいつも問題になっているとおっしゃっているわけですが、その基礎となるいわゆる賃金変動幅ですね、これが二〇%が適当でないということは、いまの社会情勢、経済情勢の上からしろうとでもわかるわけですから、先ほど申し上げましたように、一〇%にするか、五%にするかは専門の方に譲ってけっこうでございますが、いまのような二〇%というのは、いずれにしてもこれは幅が大き過ぎますので、小さくするなどいわゆるスライド制の改善が必要だ。これは大臣にお答えをいただきたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 そういう意味も含めまして審議会のほうにいろいろ御検討をお願いしております。
○大橋(敏)委員 じゃいずれは審議会の答申がなされるでしょうが、そのときに、答申は答申といたしまして、それはあくまでも参考意見という立場でしょうし、それを尊重し、そして最終的には労働大臣が決断を下されるわけですから、いまの私たちの要望というものは決して空論ではなく、現実に患者自身が真剣になってあらゆる方面から資料を集めそして積算をし、やっている内容でございますので、そういう点も十分配慮の上決定していただきたい。 また、給付基礎日額の最低保障額の問題でございますが、先ほどのお話にもありましたのですけれども、皆さんの要望では、最低三千円以上にすべきではないでしょうか、なぜならば実際にはその六〇%が支給される、つまり千八百円、月額にいたしまして五万四千円です。家族四人ならば一人当たり一万三千五百円、ということは非常に苦しい生活であることは十分これでわかるはずでございますので、これもあわせて検討いただいて、次の国会に提出される労災法の改正の内容をあらためて検討の上出していただきたい、強く要望いたしておきます。 次に、各種年金との調整についてでありますけれども、労災、職業病による傷病者に対する労災補償給付額は、その給付額から、つまり厚生年金受給額の百分の五十ですから半分ですね、半分が差し引かれて本人に支給されている。非常に不合理だと、皆さんにたいへんな御不満でありました。したがいまして、厚生年金との調整はやめて、即時併給していただきたい、強い要望でございました。この点について、どのようなお考えでいらっしゃるのか、またその審議会等ではどういう方向で動いているのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○田中説明員 ただいま御指摘の問題につきましては、労災保険法の改正のつど、他の社会保険との関係でどう調整するかということを再三議論を重ねてまいったような次第でございます。 労災保険の制度が昔、一時金だけで給付をしておりました時代には、労災保険の給付が出ますと厚生年金がそのままストップするというような形で調整が行なわれておったわけでございますが、昭和三十五年の改正で一部年金が導入され、さらに昭和四十年の改正で大幅に年金化が進んだ、その際には両方の年金がダブってきたわけでございます。もともと厚生年金のほうの年金の金額の計算のシステムも、それはそれなりに一つの完結したやり方であった、労災は労災なりに災害補償という見地から金額を計算した額を規定しているわけでございますので、たまたま同一の事由で両方から給付が出るということになりますと、やはり実質的には給付がダブるということに相なるわけでございます。確かに、引かれる受給者からすれば、うれしくないことかもしれませんけれども、制度の相互の調整という意味ではやむを得ないのではないかというふうに考えてきているわけでございます。 ただ、調整のやり方がはたしてほんとうに合理的かどうかということについては、かねがね各方面からも御指摘を受けております。昭和四十年の法律の改正の際にも、法律の附則で、他の社会保険との総合的な関連を考慮してさらに検討をせいと、こういう規定も設けられたような次第で、私どもとしても、その後も検討を重ねておるわけでございますが、なかなか割り切った答えが出にくいような問題でございますので、目下これも労災保険審議会の検討課題ということで、私どものほうから問題を提起して御審議を願っているような次第でございます。これも結論が出た段階でその結果に従って対処いたしたい、このように考えておるわけでございます。
○大橋(敏)委員 これはたいへんな問題だろうとは思いますけれども、やはり皆さまの御要望どおりに一日も早く実現することを希望いたします。一挙に即時併給というのも無理でしょうけれども、少なくとも百分の五十、いわゆる二分の一なんということではなくて、百分の二十程度にならないものだろうかと、これはいま審議会でも検討なさっているということでございますが、こういう気持ちも十分配慮されてほしい、こう思うわけです。 正直いって、ここに実際に、森さんという方で、もう六十七歳の方ですが、この人は、昭和三十年に脊髄損傷にあわれた方なんですね。この方は負傷をしたときは四十九歳でした。厚生年金の被保険者期間は九年二カ月であったわけですね。ところが、そのときの基礎日額は三百七十三円だった。現在、四十九年度のスライド倍率は四八四になっておりまして、打ち切り補償金が昭和三十三年で五十六万円の支給を受けている方です。この方の計算をしてみたところが、三百七十三円の基礎賃金にかけるところのスライド四八四かけるところの二百十九日マイナス四十日ということになるわけですから、三十万三千十七円ということになるわけですね。そこで今度は厚生年金の障害年金額は四十七万三千二百八十円、これの調整があるわけですから二分の一、二十三万六千六百四十円が差し引かれていくわけですね。したがいまして、先ほどの三十万三千十七円と二十三万六千六百四十円、合わせて五十三万九千六百五十七円、これが年間の総給付額ということで、ほんとうに皆さんが御不満を持たれるはずだと思うわけです。こういう点、一日も早く皆さんの御要望に沿えるように、これも要望で終わらざるを得ないと思いますが、強く訴えておきます。 それに合わせまして、長期傷病給付年金から四十日分を差し引いているわけでございますが、これは一日も早くやめてもらいたい。その理由としては、昭和三十五年四月一日以前打ち切り補償を受けた人々は、現在二百十九日分の給付を受けられることになっているわけでございますが、そのうちからいま言いました四十日分ずつ差し引かれまして、百七十九日分の受給となっているわけですね。これじゃ生活が非常に苦しくなるということです。法成立以来十三年を経過してきておりますし、金額面では常時の打ち切り補償金額を上回る返済になっているということで、もうこの辺でこの四十日差し引くことはやめたらどうでしょうかということなんですが、この点についてはどうお考えですか。
○田中説明員 昭和三十五年の法律改正の際に、いままで打ち切り補償で三年経過した長期傷病者は給付を打ち切ってきたわけでございますが、この打ち切り補償の制度をやめて、これを年金に引き伸ばして、その後の年金給付の基礎をつくったわけでございますが、制度の改正前に打ち切られた人も、その後引き続きけい肺法によって給付を受けておられる方については、いわば特例として新しい制度に乗っけたという経緯もございますので、その段階での考え方としては、新しく長期傷病補償給付を受ける人とのバランスからすると、すでに打ち切り補償を受けておったじゃないか。さらに長期の給付を受けるということで均衡問題があったかと思うわけでございます。そういうことから四十日分という削り方をして、今日に至っているわけでございますが、現在の労災保険の給付の体系を今後どう改善していくかという見地に立った場合に、過去の改正の経過で残された問題はいろいろございます。こういうものを、あらためて先ほど来申し上げましたような審議会の場で議論をして、何らかの合理的な結論を得たいというふうに私ども考えておるわけでございます。スライドの問題にいたしましてもこの問題にいたしましても、単なる給付のレベルアップと違いまして、いろいろ込み入った経緯もございますので、審議会の御審議を十分経た上で対処していきたい、このように思っておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 その審議会の審議は、次の国会に法律を提出なさる前には大体結論出るわけでしょう。それがはたしてわれわれが要求しているような内容で出てくるか、それははかり知れませんけれども、いずれにしましてもこの次の国会に提出されるはずの労災保険法の改正案に間に合うように審議は結論づけられてくると私は予想しているのですが、その点いかがですか。
○田中説明員 当面、私どもが、用意しております法律の改正案は、先ほども大臣が申し上げましたように、先国会で審議未了、廃案になりましたものを、できるだけ早くそのままの形で成立さしたいということが緊急の当面の課題であるというふうに考えておるわけでございます。 その改正後に残されました問題は、先ほど来るる御説明申し上げましたように、非常に込み入った経緯とむずかしい問題をはらんだ問題ばかりでございまして、審議会に審議をお願いはしてございますけれども、期限をつけてすぐ間に合うように出すというようなことで、当面の通常国会ということで期限を切った形での御審議はなかなかむずかしい面があるんではないかというふうに、私どもは事務的に推測しておりますが、審議会としても慎重かつ積極的な御検討をするという情勢でございますので、その検討結果を待ってあらためて対処できるようにしたい、このように思っておるわけでございます。
○大橋(敏)委員 大臣、いまの答弁では、この次の国会にはこの前の法律案そのままを提出するような大体考えのようなことだったのですけれども、やはりいま問題を提起しましたように、相当改善しなければならぬ問題があるわけですね。確かにむずかしい問題ばかりであろうと思いますが、審議会に、次の国会までかなりまだありますので、結論を急いでもらって、その結論に従って再度手直しした新しいいわゆる抜本的な労災保険法の改正案を提出していただきたいことを強く要望するのですが。
○長谷川国務大臣 前国会で皆さん方の御審議をいただきまして廃案になったことは非常に残念でございますが、時期が時期だけに、まず財政当局とも当時あれだけの詰めをしたものを、いまから新しくというとなかなかたいへんでございますから、これでひとつ一ぺん御可決いただいて、あとは先生方の御希望に応じたようなことが、私たちもやれる最大限のことはやっていこう、こう思って御協力のほどを御期待しております。よろしくどうぞ。
○大橋(敏)委員 いままでの労働大臣の積極的な姿勢から見ると、消極的な答弁であると思いますが、先ほどからも言っておりますように、昭和三十五年の改正の時点、いわゆる労災の打ち切り補償を一時もらっていた方、千二百日分だと思いますけれども、そういう方々に対して法改正でまた拾い上げてきたわけですね。ただし均衡の関係から四十日分を差し引いて支給されていた。しかしもう十三年もたっている今日、金額的にはそれはきちっと返済していますよ、そういう立場だから、とにかくこの四十日分の差し引きはもう中止してもらいたい。これも私は筋の通った言い分だと思っております。さらに旧法による脊損患者あるいはじん肺患者、これは現在の新法といいますかこれを適用させねばならない状態になっていると思うのですよ。三十五年四月以前に打ち切り補償を受け、法の適用になっている方々もつまり医療そして長期傷病補償給付というものはこうして受けられるようになったわけですけれども、死亡後における遺族補償あるいは給付年金と葬祭料、これはまだ支給にならない立場にあるはずです。こういうこまかい問題がまだたくさんあるわけですね。ですから、この次まで間に合わぬといわれれば、早い時期に再改定をしていただきたい、こう思うのであります。いかがですか。
○田中説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、数度の改正の過程の中で、制度を改正いたしますと、それをそのまま過去にさかのぼるということは困難ということで、結局その時点で適用のある者から給付改善が適用されていくという形になってきたわけでございます。私どもとしては、三十五年以前の旧法の適用者についても、制度的な意味での遡及適用はできなかったわけでございますけれども、保険施設の面でできる限りの援護措置が可能な範囲で行なえるように努力をしてきたわけでございますが、過去の問題をこの際またあらためて総合的に検討をして、できるだけよい結論が得られるように私どもとしても努力をしたい、このように考えているわけでございます。
○大橋(敏)委員 時間も迫ってきましたので、次に移りますが、長期傷病補償給付受給者の介護料ですね。これが九月一日から一万円から一万八千円ということになったわけです。病院に入院していた方が家庭に帰ってきて家庭療養する、そのいわゆる介護料の金額になるわけですけれども、病院に入っているときは家庭の奥さまは生活していくために働きに出る。収入を得るために働きに出る。そうすると、数万円の収入があるわけでありますが、御主人が帰ってきた、そうなれば朝から晩まで介護をしなければならぬ。その手数料が一万円あるいは一万八千円等ではいまの経済状況の中では生活はとてもできない。むしろ五万円くらいに引き上げてほしいという要望だったのですけれども、私は一挙に五万円というのは無理だろうと思いますけれども、少なくとも三万円くらいには引き上げるべきではないか。これは現実問題から申し上げるのですけれども、いかがなものでしょうか。
○田中説明員 介護料につきましては、従来月一万円でありましたものを今月から一万八千円に上げたわけでございます。金額の問題につきましては、今後とも他の類似の制度との関連もございますので、その辺の動向を見ながら今後の改善につとめてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○大橋(敏)委員 脊損患者は確かに足はあるわけですけれども、現実問題皆さんもおっしゃっていましたが、これはアクセサリーみたいなものです、切断されたのと同じなんですからと言う。そして生活内容、日常の療養内容を聞いてみると、ほんとうにお気の毒なんですね。そういう立場から、やはり介護料というのは大幅に引き上げるべきであることを強く私は要望いたしておきます。 最後に、これは直接労働省ということでもないのですけれども、家政婦会のほうから紹介されて介護人が付き添うわけでございますけれども、その身分、生活保障等がきわめてあいまいだということなんです。その手当については基準局のほうできめられているし、その身分というものは、職安のほうあるいは家政婦会を通じておつとめに出る。ところが介護しているいわゆる勤務中に、おんぶしたりあるいは運んだりしているうちにけがをしたり、いわゆる事故を起こすわけですけれども、このときの補償がどこでだれがするのかということになるわけですね。私が言いたいことは、こういう場合のけがはやはり公傷と認めて、何とかしてあげなければならぬのじゃないだろうか。実際雇用関係がはっきりしないものですから、けがをして働けなくなったら、あくる日から失業状態で何の保障もないわけですね。これは労働省だけの問題ではないと思いますが、言いたいことは、そういう介護人についても各種保険の加入の資格を与えて、身分保障をしてあげるべきではないか、雇用関係等をはっきり制度的にきめてあげるべきではないか、こう考えるのでありますが、いかがなものでしょうか。
○田中説明員 先生御指摘のように、付き添い看護の方々は、その就労の形態が非常にあいまいであるという点もございますし、一般的には雇用労働者ということに該当しない場合が一般的な姿ではないかというふうに思うわけでございます。これは非常に理屈っぽくなりますが、雇用労働者でありませんと、やはり労災保険はそのまま適用するというのはむずかしいわけでございますが、ただそういう方々が腰痛になられたりいろいろなけがをされたりという場合に、全くどこの保護の手も及ばないということではやはり問題があるというふうに考えるわけでございます。労災が適用にならないといたしましても、他の社会保険の適用という問題もあろうかと思いますので、その辺のところは関係官庁ともよく連絡をいたしまして、今後の保護に欠けないように努力をしたいと思うわけでございます。
○大橋(敏)委員 この労災による脊損患者等は、介護人なしでは生活できない実情にあるわけですから、いまのようなお考えからいきますと、雇用関係がはっきりしないものについて云々ということですけれども、これはやはりはっきりさせて、きちっと身分保障をしてあげるのが私は筋だと思います。 最後に労働大臣に、これは私の要望ですけれども、脊損患者を外から見るのと、現実にその人たちの生活をまのあたりに見、そしてなまの声を聞くのと、また対策のあり方が変わってくると思いますので、たいへんお忙しい大臣でしょうけれども、近いうちに是が非でも時間をとっていただいて、こういう気の毒な方々の声を聞いてもらう機会をつくっていただきたい、こう思うのでございますが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 私は健康なからだを持っている者が、ああいう方々と比較した場合にいかにしあわせかということがわかるものですから、そういう施設は労働大臣にならない前からも歩いておりますし、またなってからも歩いております。特に付き添い、病院であれば看護婦、こういう方々はほんとうに私はたいへんなことだと思うのです。 そういうことからしますと、看護婦の地位の向上あるいは給与の向上あるいは給与の是正、さらにまたこういう付き添いの方々の問題等々は、ほかの方々のよくなるのに合わせてよくなるようにしていかなければならぬという感じであります。 御注意がありましたから、さらにまたそういう方々の意見もあらためて聞くことにいたしたい、こう思っております。
○大橋(敏)委員 終わります。
○斉藤(滋)委員長代理 小宮武喜君。
○小宮委員 初めに、最近の雇用情勢について質問します。 御承知のように、物価を安定させるための政府の総需要抑制、金融引き締めによって、産業界ではかなり不況色が強まっております。その不況を反映して、特に建設、不動産、繊維、家電、自動車産業においては、雇用情勢が非常にきびしくなっておるわけでございますが、その雇用情勢が現在どのようになっておるのか、ひとつ説明を願いたい。
○岩崎説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、最近景気の停滞に伴いまして新規の求人が大幅に減少してきております。その一方新規求職、失業保険受給者等が増加し始めております。したがいまして、私ども雇用、失業情勢を見る指標として使っております新規の求人倍率、これは昨年の十月から十二月ぐらいが一番ピークでございまして、これが二・一倍ぐらいでございましたが、今年に入りまして漸次低下いたしまして、最近の指標は、七月が一番新しゅうございますが、これが一・四倍となっております。それから所定外労働時間、これもやはり景気の停滞に伴いまして——景気のいいときには所定外労働時間が相当多く労働するわけですが、これを非常に減少させてきているという状態が見られます。 こういう状況を見てまいりまして、いま先生御指摘のありましたように、電気機器あるいは繊維、それから輸送用機械等の産業におきましては、特にこういった景気の落ち込みが大きゅうございますので、これらのところでは多少の操業短縮というようなことも見られるというような状況でございます。
○小宮委員 現在失業者はどれぐらいおりますか。
○岩崎説明員 六月の数字が一番新しゅうございますが、六十二万でございます。
○小宮委員 雇用状況の今後の見通しについて、労働省はどのように考えておられるのか、その点いかがですか。
○岩崎説明員 景気の停滞に伴いまして、先ほども申し上げたように、まず企業が対処しますしかたとしては残業時間の縮小あるいは休日の増加というようなことで操業時間の実質を縮小してくるというような状況があらわれてまいりますし、それから新規に求人をする、人を入れるということがだんだんに少なくなってまいります。それから見られますのは、たとえば先ほど申し上げたように若干の操業短縮に伴う一時帰休的な措置をとる、そうして最終段階ではあるいは人員整理というような状況も出てまいりますが、現在私どもがいろいろな経済の見通し等の中で考えておりますことは、今年の秋、これからしばらくの間はまだこの停滞が続くであろう。それでいろいろな見方がございまして、新年に入ると景気が上向く、あるいは春から上向くというような、見通しが多少分かれておりますけれども、これが雇用、失業情勢にどのように影響するかと申しますと、やや時間のズレ等もございますので、本年一ぱいあるいは来年春が来るまではいまの状況、たとえば新規求人倍率が現在一・四倍でございますが、これが一・三、一・二という程度にまで低下することはあり得る。それから来年になりまして春ごろから多少上向いてくるというような状況ではありますまいかというように考えております。
○小宮委員 労働省の見方としては新年か来年の春ごろからは景気が好転するというような見通しのようでございますが、それまではいまのように雇用状態はさらに悪化していくということが考えられるわけですね。そうした場合に、このように失業者もふえていく、特に中小企業では倒産していく、こういうようなことは、労働大臣が先ほど言われたように、われわれもこういった失業者がふえることが一番おそろしいのです。これがやはり大きな社会不安となってくるためにいろんな問題が出てまいります。そういった中で、このように失業者はふえていく、雇用条件、雇用状況は悪化していく中で、景気が好転すれば別として、それまでの労働省の対策としてはどういうようなことを考えておられるのか、お聞きします。
○岩崎説明員 お答え申し上げます。 ただいま申し上げましたようなことで、現在は失業者が六十二万というような数字になっておりますが、もう一つの指標で失業保険の受給者等を見ますと、現在問題になっておりますのは、女子が多少失業保険の受給者としてふえてきているようなことがありますけれども、私どもが心配しております中高年労働者の失業というようなことはまだ表立って出てきておりません。そこで私どもは、やはりずっと労働力不足が継続してまいりましたので、企業が現事態に対処するしかたとしては、できるだけ労働力を確保して景気上昇のときに備えようというようなことが一般だと考えますので、もうしばらくそういった情勢が続くのではないかというふうには考えますが、しかし景気の停滞に伴って、いろいろ産業政策上も産業担当省庁において各種の措置も講ぜられることでございますので、私どももそれらの省庁と密接な連携をとりながら、まずは失業者が出ないようにということを最重点に対処してまいる所存でございます。しかし万一企業ごとの状況として失業者が出てまいるというようなことでありますれば、現行法でも雇用対策法あるいは失業保険法等によりまして各種の援護措置を講じることができるようになっておりますので、それらの措置をフルに活用いたしまして円滑な再就職の促進につとめてまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 いまの雇用状態が悪化することを防止するということは私は非常にむずかしいのではないかというふうに考えます。そのために、消極的ではありますけれども、そういうような人たちをどうして救済するかということは、これはもう当然考えなければなりません。そうかといってこれに対してペニシリン的なものは何もないわけでありまして、やはり現行の救済措置の中でこの人たちを救う以外にないのです。 ところで、いま労働省の話では、新年か来年の三月ごろには景気が好転するのではないかという見通しを述べられましたけれども、私は、いま景気が停滞しておるというのは、つまり政府の総需要抑制あるいは金融規制によってこういった不況色が出てきておるわけですから、その意味では、何を根拠にして新年ごろあるいは来年の三月ごろ景気が好転するのではないかという見通しをされておるのか、その根拠についてお聞きします。
○岩崎説明員 先ほど申し上げましたように、私どももいろいろな経済見通しを総合いたしまして見通しを立てているわけでございまして、たとえば鉄鋼とか機械とかというところにおける設備投資は比較的落ち込まずに堅調な動きを続けております。そういったいろいろな指標等から考えましてそういうような推測をいたしておるわけでございます。
○小宮委員 経済成長は今年もゼロでしょう。たとえ鉄鋼であろうと、そういうような設備投資をいまどんどんやっておる時代じゃないし、これはぼくは横ばいだと思うのですよ。そういうような中で、私は、新年とか来年の三月に景気が好転するであろうという見通しは非常に甘いと思うのです。 それではたとえばいまの政府の方針が、物価安定のための総需要抑制を今後堅持するという方針を出しているわけですから、そういうような中で、現在、来年の半年先のことにしても、私はいまのような状態で景気が好転するという見通しはないんではないか。経済学者じゃございませんけれども、いまの状態でそういった景気が好転するという情勢分析はどうしても出てこない。これに対してはどうでしょうか、大臣は。政府の閣僚の一員として、これはいまの総需要抑制を堅持していくという方針を続けておるわけですから、その中で景気は好転するという見通しがあるのかということに対して、閣僚の一人としてひとつ大臣より御答弁願いたい。
○長谷川国務大臣 本日経済閣僚会議をやりまして、その節説明が企画庁からありましたが、ことしは御承知のとおり二・五%の成長率と見たわけであります。しかし今日はゼロ成長です。二・五%にはいまから先どういうふうにして上がっていくかという想定数字が出ているわけでありまして、なかなかこれはやはりいろいろな場合を想定して私たちはやらなければいかぬ。 そこで、一方雇用関係は、いま求人倍率は一・四までになっておりますけれども、いまの私たちの立場とすると、先日以来各方面で私などが動いておりますことは、大企業、大商社、こういうところが、やはり自分の本社はもちろんのこと、関連産業、下請を通じて、とにかく離職者を出さないようにしてもらいたい。一方、そういう要請をしながら、いろいろなところでも、いま人を放したら最後戻ってこないというふうなところに、非常に雇用保険法案なりいろいろなものが待望されているような形でありまして、ここのところは総需要を抑制しつつ一方においては個別的ないろいろなひずみの出たものに対して金融の緊急融資とかいうふうな救済策をやりつつ、総需要抑制はぴしゃっとやっていく。ここで一ぺん、ひとつしっかり物価抑制そしてインフレマインドをなくしていくのだ、これが長い目から見ればお互いの体質がよくなるのだという方向にやはり持っていかなければいかぬのじゃないか、こう思っているわけであります。
○小宮委員 この問題についてはまだ質問がありますけれども、時間が迫ってまいりましたので次に移ります。 次に中小企業の労働対策の推進について質問します。 労働省は昭和四十年五月四日付の労働省発労第十六号をもって、中小企業者が共同して行なう労働力の確保、労務管理の改善、労使関係の安定、労働福祉の向上等の労務改善事業に対し所要の助成措置を講ずる旨を内容とする「中小企業労働対策の推進について」という通達を各都道府県に出しております。御存じですね。この中小企業労働対策を推進するためその助成の対象となる中小企業集団を国は指定することになっておりますが、現在までに国が指定した中小企業集団は大体どれくらいありますか。
○水谷説明員 お答えいたします。 ただいままでに指定いたしました集団は全部で千三百三十六でございます。それで、この指定事業は一定の期間がたちますと打ち切ることになっておりますので、千三百三十六のうち現在も引き続き助成中のものが六百十四集団でございます。
○小宮委員 この国が集団指定に際しての指定基準はどうなっておるのか、その指定基準の根拠についてお聞きします。
○水谷説明員 これの指定につきましては通達と補助金等の交付要綱によって行なっておりますけれども、三つの要件がございまして、当該団体を構成する事業主の数または従業員の数が適正規模のものであること。その適正規模といいますのは、一般的には団体の構成員の数が五十ないし二百程度ですか、従業員の総数が千人ないし四千人程度であることというのを一つの基準にいたしております。ただ、これにつきましては多少弾力的な取り扱いはいたしております。 それから第二点は、当該団体を構成する事業主がこの事業について関心と、共同して事業を実施しようとする熱意を持っており、事業の効果的な運営が期待できるものであること。これはやや抽象的でございますが、そういう基準にいたしております。 三番目は、国の助成に対しまして県が相応の助成をし、その残りを当該団体に負担していただくわけでございますので、当該団体の組織と財政基盤から見てこの事業の遂行が可能であると認められるものであること。 それからさらに、助成期間の終了後、これはかつては五年でございましたが、昭和四十八年から三年になっておりますけれども、助成期間の終了後も自立して事業継続が可能と認められるものであることということにいたしております。
○小宮委員 いま基準についていろいろ説明を受けましたけれども、やはりこの指定する場合の集団の構成する事業所数だとかあるいは従業員数がいまの指定基準の適正規模に達していなくても、その事業の効果、運営が期待される場合は私は指定基準を緩和して助成の対象にすべきではないか、こう思うのです。いま言われるように五年間ですね、その五年間で所期の、実際これはこの通達がありますが——通達は私は非常に賛成なんですよ。こういった中小企業の労働力の確保、労務改善、労働福祉の問題、労使関係の安定、これはもっともなことばかりなんです。もっともなことばかりで、目的だけは非常に大きく掲げながら実際はそれに助成のほうはついていっていない。だからもっと、こういうような目的であれば、いま一番問題になっておるのはやはり中小企業の労務管理にしても、労使関係にしても、労働力の確保にしても、これは切実な問題ばかりなんです。そうであれば私は、いまのような基準に必ずしもワクにはめぬでも、この通達の精神を生かすならばもっとやはり弾力性を持ってこの助成に対処すべきじゃないかというように考えますけれども、どうですか。
○水谷説明員 お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、五十人ないし二百企業といいますのはかなり弾力的な運用をさしていただいておるわけでございます。現実には集団でございますからある程度の数はまとまっていただかないとなりませんけれども、たしか一番数の少ない企業は十幾つというのがあったかと思いますが、十七、八というのもあるかと思いますが、当該集団の財政能力なりあるいは事業遂行能力などを勘案いたしまして、その点につきましては実情に即した運用をしてまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 それでは先ほど説明があった基準にこだわらなくても、やはり適格の規模と認めた場合は弾力性を持って指定するということを労働省としては確認していいですね。 それからたとえば、いま指定の期間が五年になっていますね。だから、長崎県でも中小企業集団として十五集団ございます。そして、構成会員が一千百社、従業員数が約二万六千名、そのうち国が指定しておる集団は九つなんだ。県が六つ指定しているわけです。だから、国が指定したその指定期限の五年が切れた後、さらに県が指定をして助成をやっているわけです。だから、五年というその指定期限にしても、なぜ五年に区切ったのか。それは一生というわけにはまいりませんでしょうけれども、少なくともこれだけの大きな目的を掲げておるならば、そこで実効があがるまでは、やはりいまの指定期間の五年というのは、それは三十年も四十年もと言ったって、労働省も予算が要りますから、少なくともあと五年くらいは延長して、やはり十年くらいにすべきだ。現実、国が五年間で解除したあとも、県は三年間をやっておるのです。その意味では、せっかくの大きな目的を掲げながら、これを達成するについて、五年間でその目的が達成されるとでも労働省は考えて五年間にしたのか、その点いかがですか。
○水谷説明員 指定期間は、先ほど申し上げましたように当初五年でございまして、その後四十八年からは三年になっております。これはやはり助成的なものでございますので、この事業が定着するまでの間といいますか、軌道に乗るまでの間という趣旨で一定の期限を設けたものというふうに理解いたしております。それともう一つは、やはりより多くのものに対して助成をいたしたいという趣旨で一定の期間に限っておるわけでございます。 先生御指摘のとおり、現在十六都府県におきまして、この期間終了後県単独で助成しておるという事例も承知いたしておりますけれども、現在のところは、やはりより多くの集団を対象といたしたいということでございますので、指定期間の延長については、当面は非常に困難であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○小宮委員 それはいまは三年ですね。そうしますと、せっかくの通達の目的にある中小企業の労働力の確保、労使関係の安定、労働福祉の向上、労務管理の改善、こういうようなものが五年くらいで成果があったというように考えられますか。もういま説明があったように、多くの人々にやはり及ぼしたいということだけでこの五年間を三年間にするというようなことでは、羊頭狗肉の問題と同じように、掲げることは大きなことを掲げながら、実際は先細になってしまって、竜頭蛇尾に終わってしまうというようなことに私はどうしてもこの問題を考えるのですがね。だから、それは五年なら五年でも、ほんとうに成果があった、効果があったということで労働省が評価しておるのかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 ローテーションをとりまして、そして、中小企業というのはなかなか共同とかそういう労務管理というふうなものはなれないところですから、こういう潤滑油といいますか刺激剤、それで補助金も出して、いまのようなものを共同で、共通の問題でみんなで話してもらって、それが定着したらその次の、ある場合には県のほうがそいつに刺激されてまた助成していく、こういうところに役割りがあると私は思うのです。ですから、全体のワクを広げることも私たちはやりますが、一方、そのワクを広げたいということはなぜかといいますと、やはり申し込みが非常に多い。中小企業といえば労働省の仕事じゃないように役所的には思うところもあるでしょう。しかし、そうした中小企業の中に労働省がお手伝いできるものはこういうものだ、そいつをわかっていただいて、そこでひとつ癖をつけて、それを一つの実績にして、あとずっと自立してもらう、そして、それを今度はほかのところに予算を回して刺激していく、こういう考えでやるのも一つの方法じゃなかろうか、こう思っておりまして、その証拠には申し込みが非常に多いというところにメリットがあるのじゃなかろうか。まあ、御期待に沿うような考え方でやってまいりたい、こう思っております。
○小宮委員 かりに私がいまの考え方に一歩譲ったとしても、それではあまりにもいまの補助額が少な過ぎる。補助金交付要綱の第四条によれば、補助金の額は、予算の範囲内において、労務改善事業に要する経費に対する補助は三十五万円を限度とする定額として、最高三十五万円ということになっておりますが、現在一集団に対する補助額はどれだけになっておりますか。三十五万円が最高ですから、それでしかも予算の範囲内でということがちゃんとついておりますから、一集団当たりの補助額は幾らになっておりますか。
○水谷説明員 資料が散逸いたしまして、たいへん失礼いたしました。 現在の補助額は、昭和四十七年度以前に指定のものにつきましては二十八万三千円でございます。これは五年間の助成でございます。それから、昭和四十八年度以降のものにつきましては三十六万二千円でございます。
○小宮委員 それでは、また同じ四条によれば、労使関係の安定促進事業にかかわるものについては、当該事業に要する経費の二分の一以内の額とするとこうなっておりますが、この労使関係の安定促進事業の補助額は一集団当たり幾らぐらいになっておりますか。
○水谷説明員 中小企業の労使関係安定促進についての補助金は、これは労政局で所掌いたしておりまして、県に対する補助金でございますので、額はただいま承知いたしておりませんが、各県によってまちまちで、ただ、金額といたしましてはそう大きな額ではないというように承知をいたしております。
○小宮委員 それで、いま国の補助額より各県の補助額は高いのです。したがってもっと国の補助額をふやしてほしいというのが、こういうような関係団体の非常に強い要望なんです。まあ、いま話がありましたように、たとえば労使間の安定促進に関する費用だって、私が知っておる範囲内では、一年に一回やります運動会についての経費だけでも二十万、三十万ではできません。ですから、私が言わんとするのは、もっとこういった補助額を上げなさい。五年間が三年間になったとしても、それはやむを得ないとしても、縮めたかわりに補助額をやはり引き上げていくということぐらいやらなければ、この趣旨に基づいて補助するせっかくの補助額というものは何にもなっていない。いわゆる死に金になってしまうようではこの制度の趣旨そのものが意味がなくなるわけです。そういうような意味で、補助額は引き上げるべきだ、私はこういうふうに考えるのですが、大臣、引き上げる意思がありますか。
○長谷川国務大臣 労働省は、来年いろいろな施設などをつくります場合に、個所数は総需要抑制ですからあまりふやさないで、単価アップというところに方針を転換いたします。これだけ希望のあるところでございますから、助成額の増加については懸命に来年度の予算についても要求していきたい、こう考えて、鋭意事務的に進めているところです。
○小宮委員 先ほど説明がありましたように、これは四十七年度で改正されたやつですから、もうそれから、八年、九年とたっておるし、昨今の物価狂乱といわれるとき、この補助額ではあまりにも少な過ぎて、せっかく有効に使うべき金が実際死に金になってしまうということではせっかくの補助が意味をなくするわけですから、そういうような意味ではもっと引き上げるべきだ。しかし大臣、私いま予算書を持っておりますけれども、五十年度の労働省が大蔵省に要求した中小企業の労働改善事業に対する予算がありますよ。大臣、そういうような抽象的じゃ困りますよ。大蔵省に対するあの予算の要求はどういうように計算して、幾らに補助額を上げて要求されておりますか。持ってきてありますからわかりますが、どうですか。
○水谷説明員 この関係の予算は、昭和四十九年度におきましては一億八千三百五十四万円でございまして、昭和五十年度の要求額は二億九百四十万一千円を要求いたしております。端数がございますのは多少事務費等もあるわけでございますが、このうち、三百五十集団については四十五万円、それから従来から続いておるものがございますので、そういうことも考慮いたしまして、一般の集団につきましては三十五万円という要求をいたしております。
○小宮委員 安いですね。まあ、いま大臣の気持ちはわかりますけれども、それはやはり形としてあらわしてもらわなければ、口でだけ幾ら約束してもらっても、これは一つも皆さん方喜びませんから、この問題についても善処する余地があればぜひひとつ善処してもらいたい。四十五万とか三十五万では何もできません。そうしないと、せっかくの労働省通達が泣きますから、ひとつ考えてもらいたい。 それでは、もう大ざっぱな質問ばかりします。 最後に、先月三十日の午後零時五十分ごろ発生した東京丸の内三菱重工ビル爆発事件にかかわる被害者の補償について若干質問します。 この爆発事件による被害の状況についてひとつ説明願いたい。
○山口説明員 ただいままでに東京労働基準局を通じて把握した死傷者の数は、死亡八名を含んで、二百四十八名となっております。
○小宮委員 死亡者八名を含めて二百四十八名ですね。この二百四十八名の方々の中で労災法の適用を受けられる人がどれだけおりますか。
○山口説明員 ただいま申し上げた被災者について現状調査中でございますので、何名が労災保険の適用関係のある労働者であるかということはまだ判明しておりません。 また、先生の御質問の趣旨が労災保険法の適用を受けて業務上となるかどうかという点であれば、原則的には、先生御承知のように、労働者が労働契約に基づいて使用者の支配下にあるときに、業務との相当因果関係があって災害が生じたという場合が業務上死傷病としての補償給付が行なわれる典型的な例でございます。今回の例はいわば天災地変と申しますか、不可抗力というかそういう要素も同時にうかがわれる面もございまして、一率に労災適用云々ということが直ちに議論できないような状況にございます。 考え方をより正確に整理して申し上げますと、三菱重工自体にあのような爆発事故の危険が潜在的に存在したということがいえるとすれば、業務遂行性のあるものはすべて労災保険法上の適用を受けて、業務上の傷病としての扱いを受けるということがいえるわけでございますが、そのような潜在危険性があったかどうかということは、捜査状況を含めてさらに詳細な調査を必要とするというふうに考えられます。もう一つの考え方は、いわば天災地変につきまして、天災地変それ自体は業務との因果関係がないわけで通常は業務外として扱っておるわけですが、たとえて申し上げますと、高所作業、えらい高いところで作業している場合に、落雷にあってけがをされたという場合には、天災地変と高所作業という共同原因というふうにとらえまして、その場合には業務上の補償をする。また非常に老朽化した建物の中で仕事をしているときに、地震等がありまして、それによって建物が崩壊をして被災をした。これもまた天災地変プラス環境条件というものが原因して、いわば共同原因となって災害が出た、こういうふうなとらえ方をして補償対象にしている例があるわけでございます。 今回の事故について、いま申し上げた後段のような考え方で整理ができるかどうか。つまり新聞等の報道によりますと、強大な爆風によってビル街にたくさん使用されているガラスが非常にこまかく粉砕されあるいはそれが凶器となって災害を増加したというふうにも報道されております。そういうようなことを環境条件としてとらえ得るかどうかということで具体的に調査を進めておるわけでございまして、それが環境条件として加味される、共同原因として考えられるということになれば、業務遂行性のあるものは補償の対象になる、こういうふうに整理できようかと思っております。
○小宮委員 労災認定申請が被害者を出した関係各社から出ておりますか。
○山口説明員 関係会社は相当数にのぼるように聞いておりますが、すでに三菱重工そのほか数社から出たことは聞いております。少なくとも三菱重工からは百数十名の被災状況の報告とその当時の個々の労働者の現場あるいは作業の内容等が報告されております。
○小宮委員 それでは、あの爆発によって、たとえば、あの周辺のビルの窓ガラスがみんな破壊された。それで事務所の中でもあるいはあそこの道路でもかまいませんが、それによってけがをした人が、なくなられた人も含めて二百四十八人いるわけですね。そうした場合に、就業時間中であったとかあるいは公務のために行動しておったとかという人たちについては、あの爆発事故で負傷された人に対しても労災の適用ができるというふうに私は解釈をしておるのですが、いかがですか。
○山口説明員 ただいま申し上げたとおり、何者かがしかけた爆弾というのが直接原因なんですが、それと複合してやはり施設の状況が原因したというふうに考えられれば補償の対象になる、かように考えてけっこうだと思います。
○小宮委員 各関係会社から、労災適用申請は、労働省としてはいつごろまでに出しなさいという指導はやってないわけですか。労働省独自で調査をやっておるわけですか。その点いかがですか。
○山口説明員 被災した関係労働者を含む事業場は相当数にのぼりますので、具体的な指導は東京労働基準局を通じて中央労働基準監督署が行なっているわけですが、できるだけ各社で取りまとめて請求申請を出すように行政指導しております。できるだけ早い機会に取りまとめるということで、本省から東京局を通じて指導しております。
○小宮委員 二百四十八名の中でなくなられた方が八名含まれているわけですね。この八名の方々については、たとえば労働省の現在の見通しとして、労災が適用されると考えられるかどうか。たとえば八名のうち一人でも二人でも労災の適用も受けられないということになると非常に問題が大きいのです。したがって、少なくともなくなられた八名の方々については労災の適用が可能かどうかということについては、労働省としては、東京の労働基準局でやっておるから労働省としては知らないということにもなるかもしれませんが、一応考え方としては、あの状況から考えて労災が適用されるというふうにお考えですかどうか。
○山口説明員 全員が補償の対象になるかどうか、まだ明確に全員については把握しておりません。しかし八名のうち数名の者については明らかに業務遂行性があるというふうに報告を受けておりますので、業務基因性があるとなれば、その者については補償の対象になると考えられます。全員についてどうなるか、いましばらく時間が必要かと思っております。
○小宮委員 それでは、各関係各社から労災認定の申請が出た場合は、労災審議会にはかって認定するわけですか。
○山口説明員 労災、いわゆる業務上の災害に当たるかどうかの判定は監督署長の権限で行なわれるものでございますので、労災審議会とは直接関係はございません。
○小宮委員 この問題については、けがをされた人、なくなられた方も含めて、災難といえば災難、やられ損というようなことになったら非常に気の毒でございますから、そういうような意味では、これは法律に少し弾力性なんということばは使いたくありませんけれども、やはり十分に配慮していただきたいということと、もし犯人がつかまった場合はこの犯人に対してその補償額を求めることができるのですか。
○山口説明員 災害に基づく保険給付の原因が第三者の行為に基因するものであれば、当然第三者に対して政府は求償する権利を有します。
○小宮委員 犯人がいつつかまるか、だれかもわかりませんから、その問題については今後の問題として残るでしょうけれども、特にこういった非常に気の毒な方々に対しての労災の適用の問題については、ひとつ十二分に考えていただきたい。最後に、この問題について労働大臣の所見があればひとつお聞きしたいと思います。
○長谷川国務大臣 ああいう憎むべき事件が起こったとき、私は労働省の大臣室で幹部と打ち合わせをしておりまして、仕事が終わってから、将来これは労働省の災害補償に関係するものではなかろうかと思って現場を歩きました。そしてきのうは中央労働基準監督署、ここがいままで事務当局から説明あったように総まとめのところでございます。どういうふうな役所からどういう書類が出されつつあるか、一般的な話を聞いたわけであります。非常に若い女性が多かったということが、特にお気の毒という感じを持ちました。そうして、いまのところ事務的ないろいろな審査なりあるいは検討なども行なわれているかと思いますが、そうしたものを慎重にフォローアップしながら将来対処してまいりたい、こういう気持ちがいっぱいでございます。
○小宮委員 時間が来ましたので、これで質問を終わります。
○斉藤(滋)委員長代理 次回は明十一日水曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十六分散会