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73回国会衆議院1974/08/20

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
130
登壇者
11
会派数
5
開催日
1974/08/20

会議録

福永健司自由民主党

○福永委員長 これより会議を開きます。  参議院議員通常選挙結果の概要等について、まず、政府当局からの説明を求めます。自治省土屋選挙部長。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 この機会に、去る七月七日に行なわれました第十回参議院議員通常選挙の結果につきまして、大臣が決算委員会に出席をいたしておりますので、かわりまして、その概要を御報告申し上げます。  まず、今回の改選議員の数は、全国区五十四人、地方区七十六人の合計百三十人であります。  選挙当日の有権者数は、七千五百三十五万人で、前回の通常選挙より四百十八万人増加しております。  また沖繩県におきましては、今回初めて参議院議員通常選挙が行なわれ、六十一万人の有権者が、この選挙に参加をいたしております。  投票の状況について申し上げますと、投票日は、全国的に曇りまたは雨で、特に西日本におきましては、台風第八号のために風雨が強い天候でございましたが、午前中から有権者の出足はよく、投票率は七三・二%でございまして、前回より一四%高く、参議院議員通常選挙におきましては、史上最高の投票率を記録いたしました。  今回の選挙におきまして、このように投票率が向上いたしましたのは、この選挙の争点になりました物価、教育などの諸問題を通じて政治に対する有権者の関心が高まったことによるものと考えられるのでありますが、政府といたしましても、選挙管理機関、選挙啓発関係団体はもとより、報道機関の協力を求めまして、「投票総参加運動」を全国民的に展開してまいりましたことも、これに寄与したものと考えております。  なお、今回の通常選挙におきましては、三重県の一部の区域におきまして、台風第八号に基因する豪雨による出水のため、投票の続行が不能となり、七月十四日に再投票が行なわれました。  立候補の状況について申し上げますと、今回の立候補者数は、全国区百十二人、地方区二百三十七人でありまして、その競争率は、全国区で二・一倍、地方区で平均三・一倍でございます。全国区の候補者数につきましては、前回に比較いたしまして六人の増加になっており、地方区におきましては、前回に比較しまして三十八人の増加になっております。  次に、当選人の状況について申し上げます。  党派別に申し上げますと、自由民主党は全国区で十九人、地方区で四十三人、合計六十二人、日本社会党は全国区で十人、地方区で十八人、合計二十八人、公明党は全国区で九人、地方区で五人、合計十四人、日本共産党は全国区で八人、地方区で五人、合計十三人、民社党は全国区で四人、地方区で一人、合計五人がそれぞれ当選いたしております。無所属は全国区で四人、地方区で三人、合計七人、諸派は地方区で一人だけでございました。また、このうち婦人の当選人は八人で、前回と増減はございませんでした。  次に、党派別の得票率を見ますと、全国区では、自由民主党は四四・三%、日本社会党は一五・二%、公明党は十二・一%、日本共産党は九・四%、民社党は五・九%、諸派、無所属一三・一%となっております。これを前回と比較いたしますと、自由民主党は〇・一%、日本社会党は六・一%、公明党は二%、民社党は〇・二%、それぞれ減少いたしております。一方、日本共産党は一・三%、諸派、無所属は七・一%増加いたしております。  また、地方区では、自由民主党は三九・五%、日本社会党は二六%、公明党は十二・六%、日本共産党は一二%、民社党は四・四%、諸派、無所属は五・五%となっております。これを前回と比較いたしますと、自由民主党は四・四%、日本社会党は五・二%、日本共産党は〇・一%、民社党は〇・四%、それぞれ減少いたしております。一方、公明党は九・一%、諸派、無所属は一%、それぞれ増加いたしております。  以上をもちまして、今回の参議院議員通常選挙の結果の御報告といたします。  詳細な資料はお手元にお配りしておりますが、一々の御説明は省略いたしますので、御了承をお願い申し上げます。

福永健司自由民主党

○福永委員長 次に、警察庁田村刑事局長。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 投票期日後三十日現在の取り締まり状況について御説明を申し上げます。  お手元に違反検挙状況の表がございますが、今回の通常選挙におきまして違反として検挙いたしましたものは、総数で五千百四十八件、九千五百六十三人でございます。一番下の右側でございます。これは、前回同期が三千七百五十八件の五千六百二人でございますので、前回同期に比べますと、件数で三七%、人員では七一%の増加ということになっております。また、全国区、地方区別に見ますと、全国区が件数で三千九百五十件、人員で六千五百十二人でございますが、これを全体の構成比で見ますと、件数では全国区、地方区合わせたものの七六・六%、人員では六八%ということになっております。  それから罪種別でございますが、多い順序は買収、文書違反、戸別訪問、自由妨害、その他という順序でございまして、買収が二千六百十九件、六千六十五人ということで、これは件数にいたしますと全体の五〇・九%、人員にいたしますと六三・四%ということになりまして、買収だけで件数、人員とも五〇%以上ということになっております。  それから警告の状況でございますが、これは今回は四万七千九百五十八件、五万四千四百五十人でございまして、前回に比べますと件数では二・五倍、人員では二・一倍というふうに、いずれも二倍以上の増加を見ております。この内容の大部分は文書違反に対するものでございますが、これが四万六千一件、五万二千四百四十四人ということでございまして、件数、人員ともに警告全体の九六%を占めておるという状況でございます。  違反の検挙状況について、以上のとおり御報告を申し上げます。

福永健司自由民主党

○福永委員長 以上で説明は終わりました。  町村自治大臣はただいま参議院決算委員会に出席中でありますが、間もなく当委員会に出席の見込みであります。それまで暫時休憩をいたします。    午前十一時六分休憩      ————◇—————    午前十一時十九分開議

福永健司自由民主党

○福永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。小泉純一郎君。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 本日の委員会は、参議院選挙が終わってから初めての委員会でありますが、去る七月七日に行なわれた参議院選挙は、多くの国民にあらためて選挙に対するいろいろな問題を提起したと思います。特に前回の選挙に比べて十数%投票率も高かった。それだけ国民は政治に非常な関心を持ってきている。特に参議院選挙の場合は、全国区という制度に対して、政党はもちろん国民に対しても多くの疑問を提起していると思うのです。  そこで、まず、大臣に、今回の参議院選挙を振り返りまして、選挙制度全般、そして特に参議院選挙の全国区制に対して、これからの改善すべき点につきまして、いかなるお考えを持っておるか、その点を率直にお伺いしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 このたびの参議院の通常選挙については、ただいま小泉委員からも御指摘がございましたが、いろいろな問題が提起されたというふうに私どもも考えておるのでございます。ことにただいまお話のございました全国区という制度でございますが、以前にも全国区というものについては、いろいろなこれに対する批判というものがすでにあったことも御承知のとおりでございますけれども、今回は特に御承知のような物価が非常に高いという状況のもとに行なわれました選挙でありまするだけに、全国区というものの選挙に対しては、実はばく大な選挙資金がかかるということからいたしまして、あるいは金権選挙であるとか、あるいは企業ぐるみ選挙であるとかいうような従来あまり指摘せられなかったような問題が大きく指摘をされるようになったというようなことも起こり得たのでございます。  私ども考えてみまして、一体全国区という制度を現状のままにしておいてよろしいのであろうかどうであろうか。まあいままでも選挙制度全体について、いろいろ改革の御意見というものが各方面から提起されておることは申し上げるまでもございませんけれども、特に今回の通常選挙を通じまして、参議院の全国区制度のあり方というものについては、各方面から重大ないろいろな意見がこれにまつわって提起せられてまいったというふうに考えておるのであります。  御承知のように、選挙制度全体を一体どういうふうに改革をしていくか、ほんとうの議会制民主主義というものを守っていく上においてどうあるべきかということについては、しばしば御論議がかわされておるところでございますけれども、いよいよ改革ということになりますると、これにはまたいろいろな問題がございまして、必ずしもこういったことが順調に改革されていないということでございますけれども、私は少なくとも参議院の全国区のあり方というものについては何とかしなければならないのではないかということを深く感じたような次第でございます。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 全国区の問題については、与野党を問わず何とかしなければならないということで、非常に前向きの姿勢で改善しようという空気は、すでにあると思います。特に物理的にいっても全国区というのは、二十三日というきわめて短期間に全国を回るというのは、一日一県回ったとしても全国を回り切れない。そういう無理もあるし、そして法定費用がわずか千八百万円で、一体ポスターを十万枚——ベニヤ板をつけたり、あるいはくいを打ったり、それを十万枚張るということの困難、あるいははがき、考えてみても非常に費用のかかる面がある。国民に対しても、もう参議院に出るためには金がないと出られない、あるいは今回の選挙におきましても五当三落あるいは十当三落といわれているように、選挙には金がかかるものだというような悪い印象を与えてしまった。いままで政府は選挙制度の改善と政治資金の規制をワンパッケージ方式でやるというようなことをいわれております。特に第七次選挙制度審議会では、これから金のかからない選挙につきまして、答申というか中間報告のようなものも出ております。  いま私たち大事なのは、まず、できることから手をつけなければならないと思います。参議院選挙が終わった瞬間、これは全国区制に対して非常に問題がある、全国区制に対して改善しなければならないという声もありますが、同時に、さきの衆議院議員選挙のあとにも定数の問題について、たいへんな不均衡があらわれておる、これに対しても何とかしなければならないといっているにもかかわらず、いまだに何の改善の手も打たれない。のど元過ぎれば暑さを忘れるということで、いまも、今回は参議院選挙が終わったから参議院選挙制度についてだけ、あるいは全国区制についてだけという意見もありますが、やはり選挙制度全般というと、衆議院の定数是正もからめて衆参一体の選挙制度についても、これからできることから与野党意見を合わしてやっていくという態度が必要だと思います。まあ、やらなければならないということについては政府も同じことかと思いますが、いつまでいっても努力する努力するということでは、何ら解決の糸口がつかめない。  その点におきまして、私はもう二つの選択の道しか残されていないと思うのであります。一つは、政府が選挙制度審議会を設けて答申を求め、この報告に沿って新しい選挙制度あるいはよりよい選挙制度改善を目ざして、その断行をはかるか、もう一つは、いろいろ各党の立場の違いがあります。ですから、まず各党の話し合いのうちに、できることから手をつけていくという面に関しては、もう定数問題というものを抜きにして、この今回の選挙のあり方に対しても避けることはできない。ですから大臣は、この選挙制度全般についての第七次選挙制度審議会の報告と、その中間報告の中で論議されました土屋私案というものに対して——土屋私案は衆参両院の私案を出しています。その全般の第七次選挙制度審議会の中間報告と定数是正問題について、どのように考えておられましょうか、率直に御意見をお聞きしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 いまも御指摘がございましたように、選挙制度全般について何とか改革をしなければならないということは、国会の中におきましても与野党ともに考えておられることなのであります。さて、いよいよ具体的の問題になりますると、必ずしも意見の合致を見ることができないというようなことで、御指摘のように改革が一向に進まないまま今日に至っておるところでございまして、そういった点を考えてまいりますると、いま御指摘がございましたように、今回の選挙において特にその改革の必要を痛感された、たとえば全国区なら全国区の問題をまず取り上げてやっていくというようなことも確かに私は重要なお考えであろう、適切なお考えでもあろうというふうに思うわけでございます。  そこで、この選挙制度全体の改革を進めてまいる、あるいはそういった一部のものを取り上げてまいるにいたしましても、一体今後の方法をどうするかということになりますると、いま御指摘もございましたように、すでに第七次選挙制度審議会におきましては、かなり広範に問題を取り上げて中間報告が出されておるわけでございまするので、これを私どもは尊重し、そうしてそれをどういうふうに進めていくかということについては、やはり国会における与野党の御意見というものをできるだけひとつ集約をするということによって進めていくことにしなければならないのではないか、こう私どもも考えておるわけでございます。  ただ、私が申し上げるまでもなく、いろいろ各党それぞれのお立場によるお考えの相違というものが相当に存在をいたしておりまするので、なかなか実は皆さんの一致した御賛同の得られる改革案をつくり上げるということには非常な困難があることは申し上げるまでもございませんけれども、しかし皆さんともどもに、改革をしなければならぬという点において一致をしておいでになるわけでありまするので、私はやはりお互いにひとつ精力的に、しかもみずからの主張のみを固執するという立場でなく、お互いにひとつ互譲、妥協の精神をもってよりよき選挙制度をつくり上げるという考えで御尽力をいただくということになりますれば、相当前進した成果をおさめることができるのではないか、かように考えておるところでございます。  政府といたしましても、この問題はきわめて重大な問題であるということで、いろいろ検討はいたしておるところでございますけれども、いまだ今日の段階におきまして、直ちに皆さま方にいろいろ御相談申し上げるというところまでは、実際には進んでいないというふうに申し上げておきたいのでございます。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 従来大臣は、選挙制度、そして定数是正、政治資金の規制、これはワンパッケージでやりたいというようなことをおっしゃっておりましたけれども、いまの御発言から察して、今回できることから手をつけようということならば、それはそれぞれ切り離してもやっていいというお考えでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 私どもも、実は選挙制度それ自体、御承知のようにたとえば衆議院の選挙区制の問題、あるいは参議院につきましては地方区、全国区ともに問題がある、また政治資金規正法にもそれぞれ問題があるわけでございます。  したがって、そういったものを、本来から申しまするならば、いま小泉委員が言われまするように、ワンパッケージで解決ができることが私はやはり一番望ましいことだ、こう考えておりますけれども、いままでそういうようなことで、あれこれといろいろな問題を取り上げながら相当の努力が積み重ねられましたけれども、結果的には一つも実は成果があがっていない。そうだといたしまするならば、いま御指摘になりましたように、特に痛感される問題を一つずつ取り上げていくというやり方も私はあり得るのではないか。しかしこれは、政府全体として実はそういったような方法をとるということをまだ内部的に相談をし、きめておるわけではございません。いま私は、お話を伺いながらそういった点について若干私見的なものを交えてお答えを申し上げたというふうに御承知おきをいただきたいのでございます。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 この選挙制度にかかわる問題は、もう二十数年来討議されていると思うのです。そして事が起こるたびに、政府は選挙制度審議会を設けていろいろな問題点について論議してまいりました。そして政治資金については第五次選挙制度審議会、そしてまた選挙制度全般につきましては第七次選挙制度審議会を設けて、それぞれのあるべき姿というものが出されたはずであります。そしてそのつど、その答申というのは、たいへんおろそかにされている。無視とはいわないまでも、非常にないがしろにされている。このことば、私は選挙制度審議会の委員に対しても、たいへん申しわけないと思っているわけであります。選挙が済むたびに、これは何とかしなければならない、何とかしなければならないといっているうちに、また次の選挙が始まるから、つい何にも手がつけられない、そうなってしまう。  特に私の選挙区では、たいへん人口の増加が激しいところであります。私自身も、前々回は十万票以上の票を獲得させていただきましたが、落選いたしました。その際にも十万票以上とって落選した候補が全国に五名おりましたけれども、一方では三万台で当選してくる。一方では十万票とっても落選してしまう。もう次の選挙には、何とかして変えなければならないといわれながらも全然手がつけられずにこの前の選挙を迎えた。そしてこの前の、一昨年暮れの総選挙におきましては、十万どころではない、十四万票以上とっても落選している候補が出ている。そして三万台で当選している候補もいる。  それで今度こそは、また定数是正を何とかしなければならないという声が一昨年の衆議院の選挙のあと出ました。ところが、しばらくしているうちに消えて、今度参議院選挙があった。いままた参議院選挙が終わりまして、これまた何とかしなければならない、こういう経過を見てみますと、そのつど、論議が出ているたびにやらなければいけない、やらなければいけない。しかし、やらないできた。こういうことに対しても国民というのは、言っているだけでやらないという政治に対して、たいへんな不信感を持っている一つの原因があると思います。私は、いまの時点では、もう論議の段階は過ぎて、理想どおりにはいきませんけれども、理想に近いような形でできることから手をつけるというこの姿勢がなかったならば、どんな問題も先に進まないと思うのであります。  そういう意味において、この公職選挙法の委員会におきましては、各党か寄り集まりまして、お互いの合意のできる問題から先に手をつけて、すべてを一緒にするというのではなくて、お互いができる点から手をつけていこうという、これからの進め方もたいへん大事だと私は思います。そういう意味におきまして、大臣は、いまあらためてワンパッケージに考える必要はない。できる問題から政府も積極的に、たとえば政治資金問題、あるいは衆参の定数是正問題、そして参議院の全国区制問題について、切り離しても各党の合意ができるなら一緒になってやっていこう、そういう気持ちであるということを私が判断してよろしいでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 私は、自治大臣としては、さように考えております。  ただ、先ほどもお答えを申し上げましたように、このことにつきましては、政府といたしまして、まだそういった点についての見解を統一するという段階には至っておりませんものですから、その点をひとつお含みおきを願いたいのでございまするが、やはり選挙制度の問題につきましては、現状では多くの改革をしなければならないものがあるという点については、各界それぞれみな一致した御見解なのでございますから、いまもう全体をワンパッケージでやろうとして、いつもできないままに推移しておるということが政治に対する国民の不信を招く一因であることもまた事実でございますので、私どもも、できることからと言ったのでは、ややことばが不正確でございますけれども、重要なことで、しかも各党各界の皆さま方の御意見の一致を見得られるようなものについては、これを実行に移す努力をするということは、私の立場としてはぜひそうしたい、かように私は考えておるところでございます。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 私は、いま町村大臣のお話を聞きまして、政府はたいへん情けないと思っております。選挙が終わって、もう一月以上もたっておる。そうしてこれだけ批判を浴びた選挙制度全般あるいは参議院選挙のあり方、金のかかる選挙とかいろいろな問題がありました。それに対して、まだ統一見解も出してない、いろいろ話し合ったこともないというようなことをお話ししております。そういうこと自体、この選挙制度改革に対しての政府の熱意というものを私は疑う。これじゃまた何もできないのじゃないかというような一種の危惧を持つわけであります。  しかしながら、もうこれからは実行の段階だと思います。田中総理も総理に就任した際、何しろ決断と実行の政治を表看板にしてやってきたわけであります。もう、もはや一日のちゅうちょも許されない。この選挙制度こそは民主主義の根幹にかかわる問題ですから、政府も真剣に、いかによりよい選挙制度改正に持っていくかということをより熱意をもって、情熱をもって、できるだけ早く積極的に取り組んでいただきたいと私は思います。そしてまずできることから手をつける、そうして選挙制度審議会を設けるのだったならば、その意見を尊重して、断固としてこれを国会にかけて、できるだけすみやかに成立させるというそういう気持ちがなかったならば、幾ら選挙制度審議会の委員に頼んだって選挙制度委員だって、いやになってしまいます。何回も選挙制度審議会を設けてその報告、答申なりが全く無視されていたのでは、その委員に対しても悔辱するものだし、これからやる気をなくさしてしまう、そういうことのないように、これからほんとうにできるものから手をつけるという考えならば、新たに第八次選挙制度審議会を設けて、ほんとうにできる問題から手をつける気があるかどうか、あらためてお聞きしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 御承知のように、選挙制度審議会、今日まですでに第七次にわたって設けられ、しかもそのつど、非常な御努力を願って答申が出、第七次の場合は御承知のような事情で中間報告ということにとどまったようでございますけれども、たいへん熱心に御審議をいただいてきておるわけでございます。しかもその結果は、なかなか現実には制度化されないというようなところに、確かに選挙制度審議会の委員の方々にも不信の声が相当に出ているのではないか、私はかように考えるわけでございます。したがって、今後さらに第八次の審議会を開催するという場合には、政府といたしましては重大な決意をもってこれに臨むことは当然でございます。しかも、いまだんだんとお話しのございましたように、第七次の中間報告は、かなり広範にわたっての御報告があるわけでございまして、その中から実はどれを取り上げて実行に移すかというやり方も、これはないわけではないと私は思いますが、また一面、いま御指摘にもございましたように、この際、少なくともこの問題をひとつ限局して取り上げるというような考えで、第八次の審議会を設けることによって御審議をいただき御答申をいただく、それは確実にひとつ実施をするのだという考えをもって臨むやり方等もあろうかと存じます。  いずれにいたしましても、それらの問題は、今後政府としては、まず選挙制度改革に真剣に当たるという基本的な態度をきめた上で、第八次審議会を開くかどうかということは、その上でひとつ決定をいたしてまいりたい、こう考えております。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員 いろいろお話を伺っていると、これではもう政府を当てにしては何もできないというような気を持ってまいりました。ですから、これはもうわれわれ立法府の問題である。やはり与党である自民党も野党も一緒になって、政府にまかせるということ、あるいは政府を単に追及するということじゃなくて、われわれ自身の問題、国民全体の問題である、そういう気持ちから、少しでも、まずできることから、あるべき選挙制度に向かって改善の道を施していかなければならないと私は痛感いたしております。  そういう意味において、今回行なわれました参議院選挙の結果を踏まえまして、また運動のあり方を踏まえて、一日も早く何らかの改善の道をやっていきたい。そして政府におかれましても、いままでのようなワンパッケージという方式以上に、まずそれぞれ、あるいは政治資金の規制、定数是正、全国区制のあり方につきましても、さらに積極的な熱意をもって何とか改善の道を指し示すように一そうの努力をお願いいたしまして、時間がありませんので、質問を終わらしていただきたいと思います。

福永健司自由民主党

○福永委員長 次に、大柴滋夫君。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 大臣にお尋ねいたしますが、この選挙が終わりまして、要するに金権選挙だ、企業ぐるみ選挙だという影響を受けて、東京電力をはじめ各ガス会社あるいは私鉄会社などが政治献金に対する取り扱いを一切やめたようでありますが、こういうことに対しては、大臣はどういう見解をお持ちなのでありますか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 このたびの参議院選挙の行なわれております中から、御承知のように、いわゆる企業ぐるみ選挙であるとか、あるいはまた非常な金権選挙であるというような世上に批判が流れたことは、私ども重々承知をいたしておるところでございます。私はそういったことに確かに影響があったことと思います。いま御指摘になりましたような大きな公益事業をやっております事業体が、政治献金について、新聞の伝えるところによりますれば政治献金をすることを中止をするという考えをきめたものが相当数にのぼっておるということを私どもも承知をいたしておるのでございます。  結局、選挙にばく大な資金のかかるような現在の選挙制度というものに、こういった問題を解決してまいりますためには、当然そのことにひとつ深いメスを入れるということをいたしてまいりませんと、金のかかる選挙制度はそのままにしておいて、そして政治資金だけはとどめてしまうということになりましても、私はそこにいろいろな弊害が次にあらわれてくるということにもなるおそれが多分にあるというふうに考えておりまするので、これを契機に、できるだけひとつ金のかからない選挙というものをすみやかに確立をする契機にすべきだと、私はこう考えておるところでございます。   〔発言する者多し〕

福永健司自由民主党

○福永委員長 静粛に願います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 そこで、日本の世論の一致したところは、政治資金の規制をどうするか、金のかからない公営選挙をどうするか、あるいはまた法外な金のかかる全国区の選挙をどうするか、あるいは言われているところの定数是正をどうするかというような、たいへんな懸案の問題を持っておるわけであります。この選挙の結果を見て、田中内閣はこれを直すことができないということで三木副総理は閣外へ出られ、あなたの盟友であるところの福田さんも閣外へ出られ、あるいはまた石原慎太郎君のような人は堂々と与党でありながら、君国売り給うことなかれというようなことを言って批判をしているわけでありますが、どうも先ほどからの小泉君への答弁を聞きますと、自治大臣の態度がわからぬのであります。責任をもって率先しておやりになるのか、世の中がずるずるずるずるきまったら、その上に乗っていくのか、一体あなたどっちなんですか。前者ですか後者ですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 まあ私といたしましては、この選挙制度の各般にわたる改革というものは、きわめて必要だ、ことに今回の選挙の結果から考えてみましても、実はその点を私どもは痛感をいたしておるところでございます。したがって、この改革にはぜひ取り組んでいかなければならぬ、こう考えておるわけでございますけれども、私が申し上げるまでもなく、従来の経緯というものを考えてみますと、私がここで簡単にお答えを申し上げるようななまやさしい問題でないことは言うまでもございませんが、私といたしましては、まず責任者の立場においてこのことについてはひとつ今後全力をあげていきたい、かように考えておるところでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 あなたのおつもりと答弁だけはわかったのでありますが、一体閣議なら閣議で、いままでは一ぺんもやったことがない、こういうのが小泉君に対するあなたの御返事でありましたが、責任をもって、ひとついつまでに結論を出すかということをここではっきりしてくれませんか、どういうふうにやるんだと。素案であろうと原案であろうと、閣議じゃまだやってないでしょう、どうなんですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 この問題を閣議において正式に取り上げるということは、確かにこの選挙が済みました後においては、いまだいたしておりません。まあしかし、この問題については内閣といたしましても、真剣に考えなければならない問題だというふうには総理以下みな考えておりますので、そういった点について、まず事務的な成案を求めるというそのことに、私ども自治省といたしましては、いま力を入れておるところだというふうにお答えを申し上げておきます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 先ほど小泉君が言ったように、もう一カ月もたっているのに、なぜ閣議はこういうことをやらぬのでありますか。この問題が一番重要な問題でありましょう。近隣の諸国には葬式もあったりいろいろあるでありましょうが、この問題をおいて——今日物価問題と選挙法の問題、重要な問題はこの二つの問題であろうと思うのでありますが、なぜやらないのでありますか。重ねて質問をしておきます。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 それは確かに閣議でもってこの問題がいまだ取り上げられるように至っていないということは、責任大臣でございます私のあるいは怠慢ということに相なるかもしれません。しかし私が申し上げるまでもなく、単に閣議でこれを論議するということだけでは問題の解決にはなりません。やはりいかにしてよき成案を得て、これをいかに前進をし、推進をしてまいるかということが、きわめて重大な問題でございますので、私といたしましては、いまそのことに思いをひそめておるところだ、かようにお答えを申し上げておきます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 多少、売りことばに買いことばになるのでありますが、いま国会において各党が小委員を選んでこの問題を大いに議論しようというときに、政府は一体、われわれはこういう意見であるという意見をお出しになるのか、それはそれで見ていて、あとになって文句をつけるのか。あなたの立場は一体どっちなんでありますか、さっぱりわからぬのでありますが……。小委員会が開かれてこの問題をやるということも御存じだろうと思うが、一体どっちなんでありますか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、私ども自治省といたしましては、いま鋭意関係者に検討をさせておるところでございます。また小委員会は小委員会として御熱心にこの問題をお取り上げくださるというふうに承知をいたしておりまするので、そういった小委員会におけるだんだんお話し合いの進み方というようなものも私どもは今後十分念頭に入れまして、この問題を前進させるのによき結論を得るように努力をいたしてまいるべきだ、かように考えておるところでございます。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 どうも毎年毎たび同じ答弁を聞いてもしようがないのですよ。閣議で決定を得られないというのは、あなたの力でないでありましょうが、自治省としては、これらの問題について、いつまでに結論を出してくれますか、私が先ほど述べたような四つぐらいの問題について大まかな素案というものを……。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 いま明確に、いつの時期までにどういうことということを、この席で申し上げることはできませんけれども、私どもは少なくとも次の通常選挙までということを、ひとつめどにしていきたいというふうに一応考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 通常国会でしょう。(町村国務大臣「そうです」と呼ぶ)  まあ非常にわれわれは不満なんですよ。政府としても、大体この選挙の結果の受けとめ方が非常に違うのだろうと思うのです。つまり、あなたと福田さんでも違うわけなんですね。だから期待はいたしませんけれども、ひとつ早く結論を出してください。こっちはこっちでやりますから。  以上で終わります。

福永健司自由民主党

○福永委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 今度の選挙は金権選挙あるいは企業ぐるみ選挙、こういったものに象徴されるわけでありますけれども、その一つのあらわれが選挙違反にあらわれていると私は思うのです。先ほど刑事局長からお話がありましたように、検挙者数が前回に比べて一・六倍になった。確かに物価は上がっておりますけれども、選挙違反までインフレになる必要はないと思うのですね。やはり私はここに一つの大きな問題が含まれていると思うのです。  端的に選挙違反について二点だけお伺いをしたいのでありますけれども、いま全国の新聞報道、これに全部載せられているのは糸山英太郎議員派の選挙違反になっているわけであります。かなりの人がつかまっておりますし、まだ全国指名手配になっている。何かきのうの報道によりますと、議員本人が今週末には参考人として呼ばれるという話も出ているわけでありますけれども、どうも糸山英太郎議員派に選挙違反の摘発が集中をしてしまって、その陰にたいへん大きな選挙違反があったにもかかわらず埋没してしまっている感が、私は非常に強いわけであります。  そこで、まず第一点お伺いをしたいのでありますけれども、いわゆる現職の国会議員が選挙違反で参考人として呼ばれるというのは、たいへんな事態になっているのだと思うわけでありますが、刑事当局としてそこまで踏み切るには、いわゆる公選法の当選人の失格の問題あるいは連座制の適用の問題、そこまで行く見通しとして、今度の糸山英太郎議員派の選挙違反については確信を持っているのかどうなのか、捜査の途中でありましょうから、なかなかこれは言いにくいことかもしれませんけれども、その見通しについて、まずお伺いをしたいと思います。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 一部の新聞に、糸山議員に事情を聴取するというような趣旨の報道がなされておりますけれども、私どもといたしましては、警視庁からはそのような報告は受けておりません。それからまた、現在の捜査の段階で、どこまで捜査が及ぶかということは、いまの段階では、まだ見通すということは困難な状況でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 何ぶん捜査中のことでありますから、その辺までしか言えないだろうと私も思うわけであります。  それで問題なのは、いまほとんどの新聞報道が、この糸山英太郎議員派の選挙違反にばかり集中してしまっている点であります。あくまで法のもとで平等でありますし、摘発もどの選挙違反についても、やはり平等にやらなければいけないと私は思うのであります。  全国区でもまだまだたくさんの議員派の方がいらっしゃるわけですけれども、特にひどかったのは、いわゆる地方区のワーストファイブのトップになっております徳島の後藤田正晴派の選挙違反、これがどうも皆さん方の先輩ということで、検挙なり捜査のやり方が非常に甘いのではないかということが、特に地元の新聞に大きく出てきているわけであります。  確かに数字から見ますと、糸山英太郎派の検挙数七百四十七に比べて二百六十五という数字は、糸山英太郎派に比べれば少ないけれども、しかし二百六十五人、逮捕者二十四人という数字、しかもいまだに三名が全国指名手配中である。こういう事情というのは、選挙という民主主義の基本に携わる者として、私たちはたいへん遺憾なことだと思うわけです。  ところが捜査当局は、地元の方々に聞いてみると、どうも徳島県警の場合には出足がおそかったのではないか、あるいはその中心的人物といわれている武市という選挙事務局の次長の方はハワイへ逃亡した、あるいは海外へ逃亡した、あるいは大阪に潜伏している、こういうようなこともいわれているわけでありますけれども、糸山派の場合には、ハワイまで照会をしたりして追及をしているわけでありますが、後藤田派の場合には、どうもこういったことをハワイまで照会をしたという話も聞いていないわけであります。どうもこの辺が不公平を感ずる。特に後藤田正晴さんは、三年前には参議院選挙の取り締まりの総本部長として、取り締まりのハッパをかけた総元締めであります。それゆえに、皆さん方の先輩なるがゆえに、これが甘やかされるということで、私はこんなことがあってはならぬと思うわけであります。この辺の実態は一体どういうことになっているのか、国民の目の前にはっきりしていただきたいと思うわけであります。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 私ども選挙違反の取り締まりに当たりましては、あらためて申すまでもないことでございますけれども、厳正公平、不偏不党ということを基本的な方針といたしまして、絶対にこれをはずさないという立場に立って選挙違反の取り締まりに当たってまいっておるわけでございまして、その地位とか経歴とか、そういうふうなものによって取り締まりが左右されるというようなことば、あくまでもあってはならないということでやってまいっておるのでございます。  徳島の後藤田派の事件につきましては、いま私具体的な数字はちょっと記憶をいたしておりませんけれども、出足がおそかったという御指摘がございましたが、これは決して出足がおそいということではなくて、投票当日の、投票終了後にたしか捜索等もやったような、あるいは一日違っておるかもしれませんが、記憶もございます。投票翌日から相当数の検挙にかかっておるのでございまして、その点、出足がおそかったということは、他の違反に比べまして決してなかったというふうに考えております。  それから、確かに御指摘のように選挙運動の相当重要な地位におりました運動者が現在行くえがわからないということで、徳島県警におきましては、これの追及につきまして特捜班を設けまして、その行くえを追及をいたしておるという状況でございますが、これが他の候補の場合にハワイその他に照会をした、そういうふうなものに比べて、この追及のしかたはどうかということでございますが、先ほどのお話のようにハワイ云々の問題は、確かに糸山派の場合にはそういう情報が、相当確度のある情報がありまして照会をしたという事実はございます。しかし後藤田派の場合には、私実はハワイに逃走しておるというようなことは、この場で初めてお聞きしたようなことでございまして、警察の入手をいたしております限りの情報では、どういう方面に逃走しておるというようなことは、まだ入っておりません。その筋を考えていろいろと手配をし、捜査をいたしておりますけれども、どこにいるかということにつきましては、さだかでないという現状でございますが、とにかく徳島県警といたしましては、現在なお特捜班を置きまして捜査を続行いたしておる、こういう状況でございまして、決して特定の党派にきつく、特定の党派に甘いというようなことばないというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは最後に、大臣にお伺いをしておきたいのでありますけれども、いま刊事局長がお答えになったことは、そのとおりだろうし、また刑事局長として、そういうふうにお答えせざるを得ないと私は思うのですね。  ただやはり、いま糸山英太郎議員派ばかりに集中をして、やはりたいへんな選挙違反を出した人々に、特にその取り締まりにかつてはあった側の方がこういうことになるということは、選挙民としてたいへん不安を持ちますし、それから、どうもその捜査が、選挙本部の重要な三人がいまだに全国指名手配中で、——これは地元の言うことでありますから、そうではないのかもしれませんけれども、とにかくこの三人をつかまえなければ、捜査はそれ以上発展をしない、したがって、ずいぶんゆっくりしているのではないかということを、たいへん地元の新聞の方々は、うがった見方かもしれませんけれども、言っているわけです。しかし、こういう話が伝わること自体、やはり非常に遺憾なことだと思うわけであります。その捜査の最高責任を持っていらっしゃる大臣として、今後そういった声が出ないようにすべきだと思うわけでありますが、見解をお伺いしておきたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 後藤田君が先ごろまで警察の総元締めの警察庁長官であった、この方の選挙にかかわりまして、大きな選挙違反が起きたということは、私ども実はたいへん遺憾に考えておるところでございます。したがって、先ほども刑事局長がお答えを申し上げておりましたが、いやしくも今日警察としては、選挙違反の取り締まりにあたりましては、その方の地位が何である、あるいは経歴が何であるというようなことに一切かかわることなく厳正公平な態度をもって臨まなければならぬというように、警察としてはそういった方針を実は一貫して貫いて今日まで至っておるわけでございます。  したがって、いま佐藤議員御指摘になりますると、何か今度の選挙違反全体の取り締まりについて、糸山派を非常に大きく重視をして、その陰に他の選挙違反というものがやや埋没してしまっていくというようなことを警察はやっているんではないかという印象をお持ちになっておるようでございますけれども、それは御承知のように、私もあまり詳しい報告は聞いてはおりませんけれども、かなり広範にわたりまして、各方面にも選挙違反の取り締まりは現実に行なわれておるわけでございまして、糸山派だけをやって、あとは放置しておるというようなことは、私は絶対にさようなことはやっていない、こう考えておるのでございます。  ただ報道機関が、どうしても糸山派のことは大きく伝えるということになりまするので、何か糸山派のことだけをやって、ほかのことば案外放置しているんではないかというように皆さん御印象をお持ちになられるかもしれませんけれども、私は事実はさようなものではない、かように考えておるのでございまして、今後ともこの点については、いまも刑事局長が申しましたように、厳正公平な態度をもって一貫していくということは明確に申し上げておきたいと思うのでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 まあそう深く私も追及するつもりはございませんけれども、新聞社の方々に聞いてみますと、徳島のほうはもう——確かに特捜班、捜査二課が当たっているようでありますけれども、捜査本部自体は、選挙違反取り締まり本部自体は解散をしているわけですね。そういうことになってきますと、そちらからのニュースが流れてこない、あるいは糸山英太郎議員派だけだということで、新聞のほうも、やはり警察の発表がそちらが中心になってくるものだから、それを書かざるを得ないという、私もそう深く大臣をこのことで追及するつもりはありませんけれども、どうもそういうことを私には言ってくるわけであります。  ともあれ、大臣からお話ありましたように……(堀委員「厳正公平と言うけれども、警察庁の長官がそういうことをやった以上厳正公平以上にやってもらわないと、これはちょっと普通並みにやるということは常識を欠くよ。一番責任のある者がそういうことをやったら、よけいにきびしくやるのが警察の態度ではないか。それで公平になる。一言だけ」と呼ぶ)

福永健司自由民主党

○福永委員長 どうぞ佐藤君、御発言願います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 厳正公平ということばにもいろいろ意味がありましょうけれども、後藤田さんの場合には法を執行する側にあり、しかも世のならいにされるほうでありますから、特に本人自身も注意をしなければいかぬ立場にあると私は思うのです。そうこのことについて深追いをする時間もありませんので、それはその点にさしていただきます。  もう一つの特徴は、いわゆる企業ぐるみ選挙といわれた実態であります。これについて、一体大臣は企業ぐるみ選挙というものについて、おのおのの市民団体なり有権者の方々から、新日鉄なり、三菱電機なり、あるいは三菱グループなり、あるいは日立グループなり、こういったものに摘発もあった、こういった実態についてどういうふうにつかんでいらして——大臣はこのことについて、選挙以前からも入っていることでありますけれども、公式的な発言をされていないわけでありますが、今後のこともございますので、実態はどういうふうに大臣として見ていられ、そしてどういうふうにお感じになっていらっしゃるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 企業ぐるみ選挙というような事態が指摘をされるに至りましたのは、私もよく承知はいたしておりませんけれども、今回の参議院通常選挙からではないか、こう思うのでございます。そこで、この企業ぐるみ選挙ということが、たいへん各方面から大きく取り上げられておるわけでございますが、私も、実は必ずしも十分実態をいまだつまびらかにはいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、一言に企業ぐるみ選挙とは申しましても、私は今回の場合、それぞれの企業が関与しておりまする度合といったようなものにずいぶん違いがある、いわゆる企業ぐるみ選挙の中にも千差万様の状態だ、こういうふうに私も見ておるわけでございます。  そこで、しからば一体企業というものが選挙に関与していいのかどうかということになりますれば、これはもうあらためて申し上げまするまでもなく、今日のわが国におきましては、企業もまた個人と同様に、選挙に関しましては政治的な自由を私は持っておるものだ、行動の自由を持っているものだ、こう考えておりまするので、企業そのものが選挙に関与をするということは、私は決して今日の選挙制度、公職選挙法その他に違反をするものだ、かようには考えておりません。ただ、その行動をやっております行動自体が、あるいは現在の公職選挙法なり、あるいはその他の法律に違反の事実があるということでございますれば、当然これは法令によって処断されなければならぬということは申し上げるまでもございません。  したがって、いわゆる企業ぐるみということばに表現されておりまする内容というものは、どういうものであるかということになりますると、先ほど私がお答え申し上げましたように、非常にいろいろな態様があったのではないか、かように考えるのでございまして、いやしくもこれが現在の法令に違反をいたしておるという事実がございますれば、これは私は当然司法当局によって処断されなければならない事態であるということは申し上げるまでもないことだ、かように考えておるところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは私はたいへん重大な発言だと思うのですね。確かに個人が選挙運動をやる、企業に属する個人が選挙運動をやるのは、もちろん自由であります。しかし、その場合に、いわゆる会社内において、いわゆる上役あるいはそこに使われる課長なら課長、あるいはそこの課員、こういったその昇給権、給料を上げる権限あるいはそれを登用する権限、こういった権限を持った人が、いわゆる選挙運動をやるように命ずること、これはやはり、つまりその課員にとっては選挙の自由を妨害されることになるし、いわゆる強要罪と申しますか、そういった形になる、これが一つの問題点ですね。  それからもう一つ、会社が外に当たる場合に、いわゆるそれが企業の一これをすれば、あるいは何百票集めてくれば、それによってこれだけの仕事を出しましょう、これは明らかに利益誘導、こういったことになってくるわけですね。この実態をやはり大臣、しっかりつかまえてないと、いまのような発言になってくるかと私は思うのですね。  いわゆる実態が二つあって、内部のように上下関係、仕事の上の上下関係を利用すること。それからもう一つ、外部に対していわゆる仕事を与える与えない、下請に仕事を出す出さないという利益誘導、ひいては買収、こういった形態が企業ぐるみの持っている二つの大きな形態だと私は思うのです。これは大臣、どうですか、選挙違反じゃないですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 私先ほども、一言に企業ぐるみ選挙と申しましても、その内容はいろいろあるので、なかなか一がいにこうだと断定することは、たいへんむずかしいのではないかというふうにお答えを申し上げたつもりでございます。  そこで、いま御指摘になりましたように、たとえば下請等に対しまして利益誘導が行なわれるというようなことがあったといたしまするならば、これはまさしく公職選挙法に違反をする行為であるということになるわけでございます。ただ、たとえば下請に対して、自分のほうとしては、こういう人を推したいが、ひとつ後援してくれぬかという話をすることは、現行法において何ら違反として取り扱われている事柄ではない。しかし、そこにいま申し上げたような利益誘導というようなことがあったり、あるいはまた一種の地位を利用した威迫を部下の者に与えるというような形で行なわれたとするならば、それはまさに選挙法に違反をするものではないか。したがって、上役の者が下の者に対して、私はこういう人を推したいのだが、おまえも賛成ならば推してくれぬかという程度のことであれば、私は、これはどうも直ちに公職選挙法に違反する行為なりとして処断するということは、たいへんむずかしくなるのではないかというように考える次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 どうも担当の大臣としては、少し選挙法に対する認識がずれているというか、甘いというか、御存じで言わないのかよくわかりませんけれども、私は、そんな認識では今後の選挙法の改正の問題に取り組めないと思うのです。  大臣、そんな甘いことじゃないわけでしょう。三菱グループの場合は、三菱電機の会長が後援会の会長になって、全部社長クラスが幹事長なり、あるいは幹事になって、網の目のような後援会組織をつくっているわけですね。それはいま大臣が御指摘になりましたように、まさに上役が単に私はこういう人を推薦するというようなものではなくして、企業自体が——定款には私は、選挙をやっていいという、選挙を営業の一部だとする定款はないと思うのです。しかし、それが実態的には企業の組織そのものを選挙の後援会の組織あるいは選挙母体とする。どうも大臣の認識は、確かに大臣の言われる程度のことでしたら、あるいは中小企業でも、あるいは単に個人的な関係ならば、私は従来あったと思うのです。しかし、今度はもっと進んで組織的に、会社の組織そのものが後援会組織なり選挙母体に移っていったこと自体が問題であり、これは公職選挙法にいうところの買収なり、利益誘導なり、あるいは自由妨害、強要罪、こういったものに触れてくるんではないか。  そして、さらに私は大臣に御質問を続けるならば——どうも認識が違うので私も質問しにくいのでありますけれども、今後こういうことが望ましいかどうか。あなたの現状の認識がどうも違うので、こういうことといっても少し違うのでありますが、望ましいかどうなのか。望ましくないと私たち思うわけでありますけれども、これについて、さらに公職選挙法を改正する必要があるのではないか、こうも思うわけでありますけれども、この点について御見解をお伺いしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど来お答えを申し上げておりますが、今回の企業ぐるみ選挙と一般にいわれておりまする中にも、かなりいろいろ私が先ほど申し上げたように千態万様であったのでありまして、したがって、いま一がいに企業ぐるみ選挙だから、これは法に抵触をしておるのだということは、実は簡単には申し上げることはできないのではないかという意味で先ほどもお答えを申し上げたわけでございます。  そこで、先ほど来申し上げておりまするように、すでに最高裁の判決等から考えてみましても、企業なり会社といったようなものが個人と同様に政治的行為をなす自由を持っているものだということを、私どもは当然これらの問題を考えていく場合には前提として考えておかなければならない、こういうふうに私は思っておるわけでございます。ただ、先ほど来、だんだん御指摘がございまするように、あるいはそこに利益誘導のことがある、あるいはまた非常な脅迫的なことが行なわれるということになれば、これはもう選挙法等に違反をいたしておるということは当然のことでございます。当然そういうものは処断をされていかなければならないということは申し上げるまでもないと存じます。  そこで、特にいわゆる企業ぐるみ選挙といったようなものが、現在の公職選挙法の中では実は少なくとも予定されてといいましょうか、予見されていない事柄でありますので、こういった問題について一種の、将来は公職選挙法の改正等も行なうべきではないか、こういう意味の御指摘のように伺ったのでございます。  この点については、いまここで直ちに、この点について公職選挙法の改正を行なうことが至当だというふうにお答えを申し上げるだけの用意は私にはございません。いずれにいたしましても、私は現在の公職選挙法でも、違反の事実がございますれば、十分取り締まりは可能なのではないであろうかというように一応考えておりますが、しかし、これは将来の問題として検討はいたしていかなければならない問題であろう、こう存じておるところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 時間が来ましたので、もう一問だけ最後にお伺いをしておきたいと思いますが、いわゆる政治資金規正法の問題であります。  私もいろいろ考えてみましたのですが、いわゆる選挙の公営化というのは、まだ若干わが国の制度の中でできる点はありますけれども、もうこれはおのずと限度が来ているのではないか。しかも、これは今後こまかく論議をしなければいけませんが、たとえばポスター代とか、あるいはいわゆる街宣車を使う代金だとか、あるいは通常はがきの印刷代だとか、こういったものまで公営化するということが、はたして国民の皆さん方に納得をしていただけるだろうか、こういうようなことを考えますと、私は公営化というのは、ある程度はもう限度に来ているのではないかと思うのです。  その中でなお進めていかなければいけないのは選挙に金がかかる金がかかるというけれども、やはり公営化をしても相変わらず金が集まってくるのでは、国民の貴重な税金は選挙の公営に使うけれども、片方ではまた集めた金を膨大に選挙に使っていくということでは、国民の金は私は死に金になってしまうと思うのです。そこで問題は、やはり選挙には金が使えないようにする、選挙に金を使っていると、みっともなくて選挙できない、落ちてしまうというふうにまで、やはり制度というものをつくっていかなければいかぬじゃないかというふうに私は考えるわけであります。  そこで、政治資金規正法の問題になるわけでありますけれども、大臣、先ほど小泉質問に対しまして、必ずしも政治資金規正法の問題と定数是正、選挙制度の問題、これはワンパッケージではないんだとはおっしゃらなかったけれども、ないということも考えられるという御発言で逃げられたように思うわけでありますけれども、やはりここらで、せっかく今度の参議院選挙というものは非常に貴重な経験になっておるわけでありますから、政治資金規正法というものは、やり方はいろいろありましょうけれども、やはり企業あるいは団体、こういったところの政治献金については、きびしい規制をするという方向にしていかなければいかぬだろうと思うわけであります。まあ、これは昔からあった問題で、古くて新しい問題でありますけれども、一体自治省、自治大臣としては、この問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、最後にお伺いをしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど小泉議員にもお答えを申し上げたところでもございますが、何と申しましても、今回の選挙は特に物価高騰のみぎりに行なわれたということもございまするし、かたがたして、非常に選挙に金がかかったということは、これはどうも事実のように私どもも考えざるを得ないのでございます。したがって、こういうような状態をさらに将来エスカレートさせていくということは、私は諸悪をいよいよ助長していくということに相なるかと思うのでございまして、何と申しましても、金のかかる選挙をそのままに放置しておいて、いわば金の入るほうだけを押えようというようなやり方だけでは、なかなか解決しにくいところがある、これはやはり両々相まっていかなければならぬのではないかというように私は考えるところでございまして、たいへんにむずかしい多くの問題をかかえておるようでございますけれども、今回の選挙がわれわれに与えてくれた教訓の非常に大きいものは、何としても金のかからない選挙をいかにしてやるべきかというところにあることは申し上げるまでもございません。  この委員会、小委員会においても、特にその点御研究をいただくそうでございますが、われわれといたしましても、この点ひとつ十分研究をいたしまして、何とかよりよき成案を得たいものだ、かように考えておるところでございます。

福永健司自由民主党

○福永委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十三分休憩      ————◇—————    午後一時五分開議

福永健司自由民主党

○福永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。津金佑近君。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 時間が制限をされておりますので、単刀直入に質問をいたしたいと思います。  今度の参議院選挙におきまして、非常にまれに見る金権選挙が行なわれ、国民のきびしい批判を浴びたことは、天下周知の事実であります。なぜこのような事態が起こったか、いろいろな原因が論ぜられておりますが、私は、今度の選挙の経過に照らしてみて、二つの根本的な問題があったというふうに考えます。一つは、これは従来から批判をされていたことでありますが、会社、とりわけ大企業から自民党に対して膨大な政治献金が贈られている、こういう問題であり、もう一つは、先ほども論議になりました、いわゆる企業ぐるみ選挙が大々的に展開された、この二つが、今度の選挙が金権選挙として国民の大きな批判を浴びる重大な要因になったというふうに考えるわけであります。  特に政治献金の問題につきましては、これはいままでも何回も論じられておりますが、たとえば昭和四十八年度だけで百九十七億、約二百億の政治献金が大企業から自民党に贈られ、そして今回の選挙にあたっては、四百億あるいはそれをこす政治献金が行なわれたということが、いわば公然の秘密のような形で論じられておることは御承知のとおりであります。そして、こういうものがいろいろな形で使われる。特にわれわれとして重視すべき点は、先ほど論議になりました糸山派の選挙違反あるいは徳島の事態に見られるように、これが買収資金として使われる、こういう事態が展開されたということだというふうに考えるわけであります。  こういうことを考えてみますると、政府及び自治大臣は、先ほどから金のかからぬ選挙というものをつくらなければいかぬと人ごとのようなことを言われるわけでありますが、私は率直に申し上げて、金のかかる選挙をした、また現に金をかけているその一番の大もとは、今日の自民党の選挙のあり方にある、こういうふうに言わざるを得ないというふうに考えるわけでありますが、こうした現実を自治大臣としては、どのようにお考えになるか、率直な御意見をお伺いしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 いまの選挙に非常に金がかかる、ことに自民党の選挙の体制というものがそういった点で特に顕著だ、こういう御指摘でございますが、しかし、私は、いまの選挙に金がかかるのは必ずしも自民党だけではない、同じ全国区の選挙をやるというような場合になりますれば、やはり相当に各党の候補者それぞれ非常に金がかかるような状況になっているのではないであろうか。これはもとより、私は自民党自体のこともあまり十分承知せず、他党のことはもちろん私は承知をいたしておるわけではございませんけれども、しかし、現実に参議院の全国区というようなものを考えてみまするときには、相当に金のかかるような選挙であるということは申し上げるまでもないのでございます。  したがって、選挙に金がかかるということが諸悪の根源をなしておるということは、あらためて申し上げるまでもございませんので、ひとつお互いに金のかからない選挙というものをどうしたならば実現することができるか、これはほんとうに真剣に考えなければならないきわめて重大な問題だ、こう私どもも心得ておるのでございます。先ほど来申し上げておりまするように、ひとつこのことには全力をあげて、その実をあげるようにしなければならぬ、かように考えておるわけであります。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 自治大臣は、いつでもいま言われたような答弁をされておりますが、そのような答弁は、いつの選挙にも当てはまる一般的な論議にすぎないわけでありまして、特に今度の参議院選挙で、これがいわゆる金権選挙として世論の批判を浴びた一つの問題点は、私が指摘したその点にあることは、国民がひとしく認めているところだというふうに思います。あなたはそういうふうにおっしゃいますが、現実に今日国民が物価高で苦しんでいる中で、あのような数百億といわれるような政治献金を受け取っておる党は自民党しかないわけですね。また、いわゆる企業ぐるみ選挙なるものを大々的に促進したのも、これは橋本幹事長の企業に対する、あの企業ぐるみ選挙依頼の書簡によっても明らかなように、自由民主党によって大々的に組織されている、そこに問題があるわけであって、それをいま自治大臣が言われたように、いわゆる一般論の中に解消したのでは、やはり問題は解決しない、こういうふうに私は考えるわけです。  特にその中で、金がかかるという場合に、われわれが特に重視しなければならないのは、こういう事態の中で、これが選挙の買収資金に多くの金が使われるということは、これは選挙の公正を守るという意味からも断じて許すことのできない問題だ、この点は大臣といえども御異論はないというふうに思います。  ところが、先ほど警察当局が発表した数字を見ましても、依然として買収事犯が非常に多い。たとえば全体の選挙違反状況を見ても、買収事犯は件数においても約五一%、半分以上になっておりますし、人員については約七〇%という比率になってきておるわけです。こういう買収事犯そのものの内容についても、私は率直に申し上げて、これは自民党及びその系列の候補者に事実として一番多い。この点については、私は前回の委員会でこの買収事犯の党派別数字を明らかにすることを要求したことがあります。これは私だけではなくて、ここにおられる社会党の堀委員も同じ質問を出されたときに結局明らかにされなかったわけでありますが、そういうことを言われるならば、そういう具体的な事実をやはり明らかにして、そうしてどこにこういう金のかかる選挙の実態、そしてそういうものが行なわれておるのかということを明らかにして、その根源を除去していく、こういう処置をとることが至当だというふうに思うわけでありますが、そういう意味で、それならばあえて重ねて申し上げますが、今度のこの買収違反事件についてのその具体的内容、その党派別の実態、そういうものも含めて明らかにされる用意があるか。またそうした中で、いま自治大臣が言われたような一般論ではなくて、こういう自民党の選挙のあり方が今回の金のかかる選挙の重大な要因の一つであるということを率直にお認めになるのが至当だと思いますが、その点について、もう一度重ねて御意見をお伺いしたい。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 選挙事犯、ことに買収に関する件数その他については政府委員からお答えをいたさせますが、私どもも実は選挙について、選挙の公正を最も害するものは何と言っても買収事犯である、かように考えておるのでございまして、おそらく今回の選挙に際しましても、警察当局としては買収事犯というものを最も重視をいたしまして、このことの捜査には最も力を入れたもの、私はかように承知をいたしておるのでございます。したがって、私どもも、今回の買収事犯というものが、いまどの程度の数字になっておりまするかは政府委員からお答えをいたさせますが、いずれにいたしましても、確かにそういう事態があったということだけは、これはまことに遺憾千万なことでございまして、したがって、そういう買収事犯に対しましては、自民党の関係者がこういった事犯を引き起こしておるという場合には、仮借なくこれに対して取り締まりを励行いたしておるということだけは申し上げておきたいのでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 私がいま申し上げたことは、あなたは私の質問に対して、いや、自民党だけが金のかかる原因ではないのだ、そして選挙制度そのものに根本的原因があるような答弁をされるから、それは違うのではないかということを具体的事実に基づいて指摘をしたわけです。その金のかかる選挙というものの実態の中で最も糾弾さるべき買収事犯、それが依然として先ほどの警察当局の報告の中でも一番多いということが報告されているので、それならば、この買収事犯の中の党派別件数を明らかにされ、そういうものの実態を事実に即して解明される必要があるのではないかということを聞いているわけですから、そういう用意があるならある、そしてそれに基づく御答弁をいただきたいわけです。事実に即して明らかにしましょう。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 警察といたしましては、選挙違反の件数、人員につきまして、これを党派別に統計をとるということは従来からやっておりませんので、今回の通常選挙につきましても、その点については明らかでございません。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 おやりになりませんか。私が言ったような観点から、これは自治大臣にお伺いしておきたいと思いますが、まあ従来やってない、この間もそういうことを言われたわけでありますが、私はそういうことは、すべてをやはり国民の前に明らかにし、謙虚にその批判を聞いて、こういったものを直していくための具体的な手だてを講ずべきだと思いますが、おやりになる必要は認めませんか。——私はあると思います。また、あなたが先ほど、自民党だけが金のかかる選挙をつくり上げておるのではないという御趣旨があったので、それならばこういう具体的事実に即して問題を明らかにしようということを言っているわけでありますから、明らかにされたらいかがでしょうか。自治大臣に聞いているわけです。警察庁は調べてないそうだから、あなたが命令されれば、すぐわかるでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 お答えをいたしますが、いま刑事局長がお答えを申し上げましたように、従来からこの点については、特に計数について発表をいたしていないわけでございます。いまここで直ちにすぐ御返事申し上げるということは、なお従来の経緯等をもう少し私も確かめてみる必要がございますので、きょうのこの段階におきましては、直ちにすぐ出すということだけはお答えすることは、ひとつ差し控えたいと思います。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 こればかりやっているわけにいきませんので……。いまの自治大臣の答弁はまことに遺憾であります。これはやろうと思えば、すぐできることで、直ちに——まあこの委員会は休会中もたいへん熱心に審査をするという方針でありますから、この問題については、私は次期委員会までにその点の問題についての検討を深め、明らかにされることを要求したいと思います。また、委員長にもこの点をぜひ検討し、しかるべき処置をとられんことを要望しておきたいと思います。  そこで、このことと関連をして、こうした実態の中から、今日の金権選挙の根を根絶するためには、どうしても政治資金規正法の抜本的な改正が必要である、これを直ちにやれ、というのが今日の国民の大きな世論になっているというふろに私は思うわけであります。そうした中で、ところがいままで自民党及び田中内閣及び歴代の政府は、先ほど来議論がありましたいわゆる一括方式、これを口実にいたしまして、これを今日まで実行してこなかったわけであります。しかし今日の段階において、これだけ問題が明らかになり、国民がこの政治資金規正法を抜本的に改正をして、そうしてこうした金権選挙の根を断つべきだ、こういう世論が高まっている中で、今日、先ほど自治大臣の答弁では、自治大臣としてはもう少し柔軟な方法を考えていいようなお話がありましたが、閣議としては正式に何ら討論もされていない。また自民党の関係者の御発言でも、一括方式はまだ変えていないんだという態度の表明もあったわけであります。ところが、現在の段階でこの一括方式なるものは、率直に申し上げてこういう定数是正あるいは政治資金に関する国民の批判をいわば逆用して、そうして金のかかる選挙の根源が選挙制度そのものにあるというところに論点をすりかえることによって、田中総理みずから異常な執念を燃やしているところの小選挙区制を導入する一つのきっかけにする、私どもに言わせれば、こういうかなり党略的な意図に基づいて出されておるか、さもなければ現在のこの国民の大きな世論となっている政治資金規正法の抜本的な改正及び定数是正をあくまでも引き延ばす、その口実にこうした議論を持ち出している、このいずれかであるとしか、われわれとしては断ぜざるを得ないわけであります。  ところが今日では、そうしたものから切り離して、直ちに定数是正及び政治資金の規制をやるべきだというのが国民の一致した世論になっております。これは野党はもちろん、先ほどの質問でも明らかなように、自民党、与党を代表してやられた小泉議員もこのことを強く強調されている。少なくとも本委員会においては与野党一致の要求になっております。さらにこれはまた国民の声になっている。これを受け入れないのは田中内閣のみである。これが今日の実態ではないかというふうに思います。その点については、先ほど来やりとりがありましたが、重大な問題でありますので、私は、こういう国民の声を率直に受け入れ、そしてこうした金権選挙の根を断ち切る、公正なしかも金のかからない、こういう選挙を実現するための一つの重大な問題として、こういう選挙制度と切り離して政治資金規正法の改正に取り組む決意があるかどうか、この点を自治大臣にお伺いしておきたいと思います。

福永健司自由民主党

○福永委員長 委員長に対する御要望につきましては、理事会等にもおはかりいたしました上で善処いたしたいと存じます。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 政治資金規正法の改正というきわめて重大な問題につきまして、私どもとしては、これをいわゆるワンパッケージ方式で特に全部を引き延ばしをしておるというような考えは実は全くないわけでございます。  ただ、御承知のように、だんだんお話も出ておりましたが、選挙制度全般にいろいろの問題があるわけでございます。したがって、先ほど来お話がございましたように、その中でどれをいま取り上げて解決をしていくか、あるいは全般でやるかということは、おのずから重大な問題でございまして、したがって、いまだ政府といたしましては、この際、特にこれだけを切り離してどうこうするというところまで、政府部内の考えがまとまっていないということを先ほども申し上げたところでございますが、しかし定数是正の問題にいたしましても、あるいはまた政治資金規正法の問題にいたしましても、いずれもきわめて重大な問題でございますので、この点はひとつぜひ、皆さん方のほうでもこれからいろいろ御討議が行なわれるそうでございますが、それらもまた私どもとしては重要な参考の資とさせていただき、政府は政府として、この問題にひとつ真剣に取り組むということは、たびたびお答えを申し上げておるところでございます。その方向で私どもも今後精力的な努力を傾けていきたい、こう存じております。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 いまの御答弁では、国民が期待しておる正しい処置、これはあまり期待できないような状況でありますが、これは大事な問題なのでもう一つだけ、この点に関しては少しお伺いしておきたいと思います。  私どもは政治資金規正法を抜本的に改正する一番の問題——たくさん問題があります。しかし、それを一々ここで全部やっているわけにはいきませんので、最も重要な問題についてだけ申し上げてみたいと思いますが、私は、先ほど申しましたように、今日金のかかるいわゆる金権選挙をつくり出している原因は、大企業から自民党に対するばく大な政治献金、こういうものにある。しかもこれは世論の批判がありましたように、東電などでは、その政治献金分まで国民に対する値上げの中に組み入れているという、こういう言語道断なことをやっておるわけです。こういう点を私はきちっとさせなければならないというふうに考えるわけであります。  そこで私どもは、今日のこの政治資金規正法を抜本的に改正をいたしまして、大企業はもちろん、すべての会社からの政治献金を断ち切る。さらにそれのみならず、労働組合その他の団体からの資金も献金も、すべて断ち切って、献金は個人に限る、こういう方向に政治資金規正法の抜本的な改正を行なうべきである、こういうふうにわれわれは考えるわけであります。そしてまた、現在の政治資金規正法の中では、大臣もよく御存じだと思いますけれども、いわゆる交際費だとかあるいは会費だとか、こういう名目で事実上の献金が行なわれ、これが事実上、表にあらわれてこない、こういう実態もきびしく批判をされているところだと思うわけであります。したがって、私どもは、こういう点をはっきりその届け出を義務づけ、さらに会費その他いかなる名目によるところの実質的な政治献金をも切り捨てる、こういう思い切った処置をとってこそ、今日の国民の期待にこたえ得る正しいあり方であるということを私どもは主張するものでありますが、そういう方向に向かって政府はこの問題を検討される用意があるかどうか、この点だけひとつお伺いしておきたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 政治資金規正法の改正のいわば具体的な御提案の一つというふうにいま伺ったわけでございますが、私どもは、実は先ほども企業ぐるみ選挙といったようなところで一言お答えを申し上げたわけでございますが、私どもは企業もまた今日の社会的な実在といたしまして、選挙に対してある程度の貢献といいましょうか、献金をするということは、私はこれは認められてしかるべき事柄であろう、ただ、その内容がもし一般にいわれておりまするように非常に過度のものであり、社会的、常識的に申しまして、きわめて不当なものであるというようなことでありまするならば、それに対して相当程度の制約を加えていくということは、これは私は考えられてしかるべき事柄であろう、こう考えておりますけれども、政党に対する献金というものを全く個人だけに限局をしてしまうという問題につきましては、私は会社もまた政治に参加する自由があるというような立場から考えてみまして、これをにわかに断行するということについては、なお相当に検討の余地のある問題ではなかろうか。ただ、その内容を、どういう程度のものにしていくべきかといったような問題については、私は相当に問題があることとは存じますけれども、全面的に個人だけに限局をしてしまうということについては相当に問題があるのじゃないか。  ただいま津金委員も、労働組合等のそういったものも一切やめさせてしまうという意味の御趣旨の御発言もございましたが、そういったことをあわせまして、私はなお十分ひとつ検討すべき事柄であろう、こう存じます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 いま自治大臣もいわれました企業ぐるみ選挙の問題でありますが、この点については先ほどの質疑の中で大臣は、企業ぐるみ選挙といっても千差万別である、したがって法律に違反した者があるならば、これは処断しなければならない、あたりまえなことであります。ただ、先ほども大臣は答弁の中で、そういう企業ぐるみ選挙の中でも地位を利用して、そうして誘導または威圧を与えるようなものがあるとするならば、これは違反だ、こういうことをいわれました。  われわれが企業ぐるみ選挙として批判をしているのは、そういう実態を批判をしているわけであります。あなたは、企業ぐるみ選挙については千差万別であるから、よく詳細はわからないということをいわれましたが、わが党はすでに五月の二十四日、参議院選挙が始まる約二十日以上前に、本院地方行政委員会で林議員がこの問題を取り上げて質問をいたしました。そうしていま大きな問題になり、先ほど佐藤議員もあげました、いわゆる三菱グループによるところの企業ぐるみ選挙の実態、さらには東急によって進められている企業ぐるみ選挙の実態、こういう幾つかの事例を具体的に指摘をして、こういうふうなことを放置するならば、これは選挙の公正を害し、わが国の議会制民主主義の健全な発達に重大な禍根を残すことになるということを、すでに選挙が始まる二十日前に具体的事例をあげて質疑をし、警告を発していることは、大臣も、また土屋さんも、御記憶に新たなところだと思うわけで、われわれの言ったとおりになったじゃないですか、その後、選挙のまっただ中で。それを今日の段階において千差万別でいろいろあるから、法律に違反した部分については取り締まりますなどというのでは、一体何をやってきたのか。二十日前に、われわれはこういった事態が起こり得ることを公の場において、しかも具体的事実をあげて指摘をしてきたのですよ。それを今日の段階で、このような一般的なことを言っておるのでは、一体政府はこの企業ぐるみ選挙というものの実態について何を考えているのかということを疑わざるを得ないというふうに考えるわけであります。  その点については、もう時間がありませんから、一々その当時の議事録は読み上げませんが、今日企業ぐるみ選挙というものが会社の名において業務命令という形で、従業員に対してそういうことが強制されるならば、これは問題だ。また警察庁長官も、こうした具体的事実が明らかになれば捜査をするということを答弁されておるわけです。あれから今日まですでに一カ月以上たっているのです。どういう調査をし、どういう問題点が企業ぐるみの中にあり、それに対して政府及び治安当局は、どのような手を打ったか具体的にお答えいただきたいと思うのです。質問じゃありません、何をやってきたかということを答えていただきたい。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 いわゆる企業ぐるみ選挙の問題でございますけれども、大臣からもお答えがございましたように、いろんな態様があろうかと思います。警察といたしましては、組織的、計画的な選挙違反というものにつきましては、これを取り締まりの重点としてやってまいっておるのでございまして、そういうような観点から、企業によります組織的、計画的な違反につきましても、厳正公平な取り締まりに当たってきたのでございます。  それで、現在通常選挙の取り締まりを大体終息したところで見てみますと、企業関係者の組織的、計画的な戸別訪問あるいは文書頒布あるいは買収事犯というふうなものにつきましては、相当の検挙を見ておるというふうに考えております。ただ、御承知のように公職選挙法には企業の選挙運動そのものを直接禁止、規制をするというような規定がございませんので、数字としては、そういうものは出てまいりませんで、それぞれの条文の違反としてあらわれてまいっておる、こういうふうなことでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 結局何もやってないということを言われておるわけです。  そこで、ひとつ私、はっきりさしておきたいことは、先ほど来われわれが企業ぐるみ選挙ということで問題にしている点は、三菱などを含め、いわゆる会社が、会社として自民党の候補の推薦を決定をして、そうして本来企業の構成員でない従業員——これはさっきあなた方は企業も選挙活動の自由があるんだというふうなことを言われておるわけですが、企業というのは、これはもうここで私が多く述べる必要もないように、商法によって明らかに商行為を目的として設立されているものであって、会社の構成員というのは株主と役員で構成されている。従業員というのは、これは会社の構成員じゃないですよ。これは雇用契約によって、そして労働協約によって関係が生じている、こういう関係だ。それを会社の名において特定候補を決定する。しかも総務部長の命だとか事務課長の命だとか、業務命令によって後援会員の増大をやらせる。そしてノルマまできめて、これをあおり立てる。大林組のような会社に至っては、本社の営業課全体の壁に各課別のノルマ表を張って、そうしてこうグラフをかいて、あの課はどのぐらい成績をあげたかということを点検、督促して、こういう選挙を行なった。こういう事例は今日の段階では、もう枚挙にいとまのないくらい出ておるわけであります。  私がここで問題にしているのは、そういうふうに企業が会社の決定によって自民党候補の推薦を決定し、そしてその後援会員の拡大あるいはそのための手紙書き、こういうものを業務命令として下部に押しつける、こういうことが正しいかどうかということを聞いているわけです。こういうことは明らかに公職選挙法の規定に違反する正しくない行為であるというふうに私たちは考えておるし、また世論がきびしく企業選挙を批判している最大のポイントは、そこにあるというふうに考えるのでありますが、その点についてどうお考えになるか、自治大臣のほうから答弁をお伺いしたい。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど来たびたびお答えを申し上げておりますが、企業が社会的実在といたしまして、一般国民と同様に特定の政策を支持し、あるいは反対をするという政治的行為をする自由があるということは、申し上げるまでもございません。したがって、私は企業が従業員に対しまして選挙運動を依頼するということは差しつかえのないものだ、かように考えておるのであります。したがって、そのことをもって直ちに公職選挙法に違反をするものというふうには考えられないのでございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、そういった従業員等に対しまして選挙運動等を依頼する場合において、もしもいま御指摘になりましたような業務命令であるから、それに従わない者には、いろいろな威迫が加えられるというようなことに相なりますれば、それはもとより問題でございますけれども、単にそういった形において依頼をするということは、現在の公職選挙法のたてまえにおいては許されておること、私はかように判断をいたしておるところでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 そういういまの自治大臣の答弁それ自体、たとえば企業にそういう選挙活動の自由があるかどうか、これは憲法にもかかわる重大問題であります。それ自体についても多くの問題がありますが、私がいま聞いているのは、そういうことではなくて、企業ぐるみ選挙といわれている実態は、それがすべて業務命令として従業員に対して行なわれてくる。しかも、そういう三菱にしても、どこにおいても社内の就業規則というのがありまして、上司の命令というものは拒否することができないことになっているのですよ。そういう状況が片一方にあって、そこに総務部長だとかそういう者の業務命令でいろいろなことをやることを強制する、こういう事態の中から多くの問題が起こり、内部からの告発も起こってきているわけです。こういうことが許されるのかどうかということを聞いているのであって、その点はどうですか。そういうことを業務命令でやっていいのですか。総務部長の名において票を集めろとかなんとかいうことを業務命令として、会社の構成員でもないところの従業員に押しつけることは許されるのですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 このたびの各いわゆる企業ぐるみ選挙といわれておるものの実態がどういうものであったか、これは先ほどもお答えを申し上げたように、かなり私は千差万様のことであったと思うので、したがって、先ほども申し上げたように、企業として従業員に対しまして、そういった特定の候補をぜひ支援するようにという依頼をするということは私は差しつかえないもの、こう考えておるので、これがいわゆる業務命令といったような形で出ておるかどうかということについては、それがもしも従業員に対する一種の威迫になってくるというところになりますれば、それは私は問題だと思いますけれども、従業員がそれに対して威迫と感じないような形において行なわれておるものであるとするならば、これは公選法に違反をするものというふうには考える必要はないのではないか、私はこう考えるわけであります。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 現にそういう部長なり地位を利用して行なわれた指示が、従業員の思想、信条を侵すものとして内部から数多い告発という事態まで起こっているじゃないですか。それは威迫と感じたから——威迫どころかさらにそれを越えるもっと重大な事態であるというふうに感じたからこそ、そういう下からの動きが出たのだと思います。  また、きょうはもう時間もありません。多くを申し上げることはできませんが、下請業に対して、所定されたところの後援会員を集めなかったら、今後仕事をやらないぞ、こういった類のことも随所に行なわれておるわけです。きょうは時間がありませんが、そういう具体例をあげろというならば、幾らでも具体的例をあげることができると思いますが、こういう実態が行なわれているのですよ、今度の選挙を通じて。  われわれはこのまま放置すれば、そういうことが起こるというので、選挙が始まる二十日前に、こういうことを国会の正規の場において具体的事実を指摘し、警告を発しているのですよ、こういうことになると。われわれの言ったとおりの事態が起こってきているわけじゃないですか。今度の段階で、中央選挙管理委員長が思い余って異例の談話まで出すような事態が起こったのですよ。そういうときに、自治大臣、あなたのおっしゃるようなそういう一般論ばかりを繰り返しておって、どうなんですか、結局あなた方は、こういう企業ぐるみ選挙によって実際上の利益を受けたのは自民党ですから、自民党とすれば、こういうことは今後も大いにやっていきたい、こういうことで、そういう問題に対してあいまいもこたるお答えしかしないのではないかと疑わざるを得なくなるのです、この問題については。この点についてもう時間がありませんから、これ以上やりませんが、いまおっしゃられたようなことでは、とうていこれは済みませんよ。  この点については、われわれとしても本委員会においてもまた小委員会においても、徹底的にこの問題については事実に即して明らかにしたいと思います。このような事態を放置することは、単に公選法に違反するだけではなくて、企業のあり方という、企業があなたのおっしゃるようなそういう公然と選挙活動に参加することがはたして正しいのかどうか、こういう憲法上の問題も含めて、わが国の議会制民主主義の将来にかかわる重大な問題として、われわれはこの問題を徹底的に解明する必要がある、こういうふうに考えるわけであります。その点を私は、これはもう質問をしてもお答えはきまっておりますから、お答えはけっこうでございますが、この点は将来そういう方向で徹底的にわれわれとしては明らかにしていきたい、この点だけ最後に一言申し述べておきたいと思います。

福永健司自由民主党

○福永委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)委員 時間がありませんので、いまの企業ぐるみ選挙の問題について、先ほど不規則ではありましたが、野党の皆さんの中からも政府の統一的な見解を聞きたいという声もあります。われわれも、これは憲法上この「商行為ヲ為スヲ業トスル目的ヲ以テ設立シタ」営利法人が、公然と選挙活動ができるというこの自治大臣の答弁は、非常に重要な問題だと思うのです。ですから、これは憲法問題として政府の統一した見解を、この次の機会にお聞かせ願いたいと思うのです。時間がありませんので、私はいろいろの問題を用意しましたけれども、その点だけをちょっと読んでおきますから、参考までにお聞き願いたいと思うのです。  国民の世論は、いま自民党がこのたび行ないました企業ぐるみ選挙にきびしい糾弾をしていることは、これはもう自治大臣も御承知だと思うのです。  企業が主体となって選挙運動をするということ自体が、私たちはこれは憲法で許されておらないと思うのです。憲法の十五条によりますと、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、國民固有の權利である。」国民の権利だとあるわけです。「公務員の選擧については、成年者による普通選擧を保障する。」要するに、普通選挙権を成年者に保障する、こうあるわけですね。  選挙の権利は、このような憲法の規定から申しましても、一人一人の国民にこそあれ、商行為をなすことを業とする、それを目的とする営利法人にあることは考えられないと思うのです、現行憲法の上からいって。会社等の法人、本来、会社という団体の構成員は、株主と役員なんですね。株主と役員で会社という営利法人は構成されているわけです。従業員は、会社との間では労働契約、要するに雇用契約を結んでいる関係にすぎないわけですね。会社が業務命令をもって従業員を後援会に加入させるとか、あるいは政治活動、選挙活動を行なわさせるとか、あるいは雇用関係を利用して、従業員に対して実質的には強権的に、あるいは利益誘導的に干渉をいろいろする、これは自治大臣はそういうことはあり得ないのだと言っておりますが、実際に社長あるいは部長の業務命令からそういうことが出れば、今日の従業員の実情、下請の実情からいっては、利益誘導ともなり、精神的な強圧になることは言うまでもないと思うのです。  それは憲法で保障されている思想、信条の自由に対する一方では侵害にもなると思うのです。このように労働契約による労務提供の業務の範囲を越えた労働を求めることは、これはまた憲法の十八条、また労働基準法の五条による強制労働の禁止の精神にも反してくると思うのです。  また、大企業が下請企業に対して後援会への加入、資金、票集めの依頼をその意思に反して求めたり、あるいは取引上の便宜をにおわせながら、そういうことを示唆し、誘導するという事例が続出しておりますが、これも憲法の思想、信条の自由を侵し、選挙の自由を妨害するものだと思うわけです。  このように、企業ぐるみの選挙は、どのような角度から見ても、これは明らかに現行憲法の、公務員の選挙については成年者である国民にその権利を付与するということからはずれていると思うのです。そして、このことば憲法で規定されている「國政は、國民の嚴粛な信託によるものであって、その權威は國民に由來し、」というこの憲法の前文に定めた議会制民主主義の正常な発展、選挙の公正を、金権で踏みにじることにもなり、重大な社会的、集団的な犯罪行為と言ってもいいと思うのです、民主主義を守るという点からいっては。したがって、これをすみやかに規制することが必要だと思うのです。  企業ぐるみ選挙の特徴のパターンを整理してみますと、こうなっているわけです。抽象的な、企業は選挙の自由があるとかなんとかいっていますが、具体的に企業がどういう形で企業ぐるみ選挙を行なっているか、それを整理してパターンにしてみますと、まず、従業員との雇用関係を利用してどういうことが行なわれているか。  一つは、先ほど津金委員も言いましたように、特定候補の支持、推薦を会社の決定という形で打ち出して、これを社員に押しつけてくる。  第二は、明示的に業務命令として指示あるいは文書通達している。  第三は、そういう明白な指示がなくても、ノルマだとか成績表を公然と掲示して、精神的な威圧を加えてくる。  第四は、特定候補支持を社内報その他で社員に通知し、無差別に配布しておる。  第五は、電話代その他運動費用を会社が負担したり、選挙運動のために休んでも給与を支払うというような便宜を提供している。  第六は、以上のような干渉に対して、従業員の中では、将来のことを考えて、いやいやながらも会社と雇用関係を結んでいるということに対するおくれた考え方もあって、業務といわれれば、しかたがないという声があって、全体としては、内心では反発し不満を持っていても、周囲の状況から反対の行動に出にくい。一方、会社はそうした点を巧みに利用して、やんわりと締めつけてくる、こういう実情になっているわけです。  これが、本来、国民の思想、信条の自由、個々の国民に与えられた公務員の選挙の自由、こういうものを侵さないということは、とうてい言えないと思うのです。営利を目的とした法人自体が、こういう行動をとるということは許されないことだ。こんな典型は世界にもないと思うのです。  それから下請との関係は、取引先へ、取引関係上の経済的な優位性を利用して、いろいろの圧力や、あるいは利益誘導をしてくる。それが刊事犯罪の類型的な形をかりにとらないとしても、たとえば一として、一人十票をとらないと品物はおろしません、二千五百票集めてくれれば、仕事を継続的に回しましょう、一票は鉄一トン分の注文に当たる、目標に達しなければ親会社からの注文を減らすということもあることを考えていただきたいというようなことをいってくる。  第二は、下請、取引先などは、直接死活にかかわる問題として表面上熱心にやって、しかし内心では反発をしなければならないというような事態が起きているわけです。こういうパターンになっているわけです。  さっき自治大臣は、そういうことをお知りにならないというように言われましたけれども、そこで私たちは具体的には——これで終わりますが、やはり公選法の二百二十五条には、こういう当選を得、もしくは得しめ、または得しめない目的をもって、選挙人に対し、雇用、取引関係を利用して選挙人を誘導し、または威迫した者は五年以下の懲役または禁錮に処する。というような、こういう新しくパターン化してきた選挙違反の形態を取り締まることを、やはり考えなければならないのじゃないか。  同時に、憲法上、営利を目的とした営利法人が公然と選挙運動ができるかどうかという点については、これは政府としての統一見解を問いただしたい。  時間がありませんから、きょうは問題を提起しておきますが、この二つの問題について、自治大臣の見解を聞いて、私の関連質問は終わりたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど私は、企業も個人と同様に政治的行為をする自由を持っているということを申し上げましたが、それに対しまして憲法上重大な疑義がある、こういう御指摘でございます。したがいまして、政府といたしましても、このことにつきましては明確な統一見解をすみやかに出すということにいたしたいと思いますので、さようひとつ御承知を願いたいと存じます。  なお、第一点のことについて、いろいろ各般にわたりまするお尋ねがございましたが、大体いままで津金議員その他にお答えを申し上げたところに尽きるように思いますので、ひとつ御了承をいただきたいと思います。(林(百)委員「法改正は考えなくてもいいと、お考えですか」と呼ぶ)それらの問題も含めて、ひとつ今後検討をさせていただきます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)委員 それじゃこの次に……。けっこうです。

福永健司自由民主党

○福永委員長 林孝矩君。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 今回の参議院選挙の結果に対して、きょうは同僚委員より数々の指摘がありました。私も、今回の参議院選挙の結果が提示した重大問題は、いままで指摘がありましたごとく、やはり金権選挙、さらに企業ぐるみの選挙、こうした二つの重大な問題を提起したと、共通の認識に立っている一人でございます。自治大臣の答弁、また選挙部長の答弁、刑事局長の答弁等を伺っておりまして、今回の問題になっておりますところの金権選挙、まず、この点について私は質問をしていきたいと思うわけであります。  企業との癒着という問題が発端となって、原因となって起こっておりますところの政治献金の問題、これに関しては、前国会において国会に提出いたしました公明党の政治資金規正法案、この中にも明らかにいたしましたけれども、献金はあくまでも個人に限る、法人、団体の献金は受けないというこの原則、これが参議院選挙が終わって、いまや電力会社あるいはガス、私鉄等のいわゆる企業側から、献金は個人に限るという声が起こり、そして法人としての政治献金を拒否するという態度が続出しているわけであります。  そうした現時点に立って考えても、いままでの大臣の答弁の中から考えますと、そうした現在の時流といいますか、今回の参議院選挙の結果が重大な問題を提起した、その政治献金というものに対しての認識が、大臣の答弁からいいますと逆戻りしている。これからそういう問題を解決していくためには、献金は個人に限るということが好ましいという世論に逆行した考え方ではないかと私は受け取らざるを得ないわけであります。この点に関して、自治大臣はどのような認識に立たれておるか、私はこの際、承っておきたいと思うわけであります。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 御指摘もございましたように、今度の選挙の結果と申しましょうか、選挙後におきまして、企業の中で政党に対する政治献金を取りやめたい、こういう考えを明らかにされた企業が相当に出てまいってきておるということは、私どもも新聞等を通じてつとに承知をいたしておるところでございます。したがって、これらの問題につきましては、その企業自体の判断と申しましょうか、それに基づいてそういうような決断が行なわれたもの、かように考えるのでございます。 先ほどもお答えを申し上げておりまするように、私どもといたしましては、先ほど憲法上の統一見解の問題が出ましたが、今日の憲法のたてまえといたしましては、個人も企業も、ともに政治的行為をなす自由を持っている、こういう立場に立っておるわけでございます。そういう見解を私どもは持っておるわけでございますから、政党に対する政治資金の寄付というものも、私は企業が行なうことは一向差しつかえがないものだ、こういう基本的な考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、一部の企業がそういう決断を下すに至ったということは、それなりに私どもも評価をいたし、今後政治資金の問題を考え、金のかからない選挙をやっていくという場合には十分念頭に置いておかなければならないと考えておりますけれども、しかし、献金そのものを企業が行なうことは、今日の法制のもとにおいては許されておる事柄だ、こう私どもは考えておるところでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 ただいまの答弁の中で、現行法上は認められておるから、今日の状況というものは許されるべきである、こういう話でございますが、私が指摘しておりますのは、その現行法上で認められておるという行き方が、いまや間違っているという認識に立っておるわけであります。したがって、認められておるから、それはかまわないのだという考え方ではなしに、そういうところから出てくる問題があまりにも重大な問題を提起しているわけでありまして、私たちは、この法人によるところの献金というものが今後許されるべきではないという方向に改正されなければならないのではないか、その認識があるのかないのかという大臣に対する質問をしているわけなんです。その点を明確にしてもらいたい。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 繰り返しのお答えになるかもしれませんけれども、法人の献金というものは許されないものである、こういうお立場に立っての御所見でございましたが、この点は先ほど私も申し上げましたように、私どもとしては、個人も法人も、そういった点について政治資金の寄付と申しましょうか、提供をすることは同様に考えてしかるべきものである。したがって、私どもは法人の選挙資金そのものを否定するという立場には立っていないわけでもあり、またそれは現行法においても当然許されている事柄だ、こういう立場に立ってお答えを申し上げたわけであります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 もう少し具体的にわかりやすく話をしますと、たとえばいま公共料金の値上げ等いわゆるインフレ抑制というものが叫ばれております。物価の値上がりに対する物価安定ということも叫ばれております。そうした公共料金の値上げというものをやる公益事業が一つある。その公益事業が値上げする理由として、いわゆる赤字であるとか、経営が非常に困難になってきたとかという理由を絶えず持ち出すわけですね。ところが、片一方で膨大な政治献金をしておる。これは国民大衆にとって、それを見ておって、いたたまれない気持ちなんですね。非常にそこに欺瞞がある。  一例でありますけれども、そうしたことからしても現在の世論というのは、法人の政治献金というものは認めるべきではないという考え方にきているわけであります。  だから、いま許されているからいいんだというのではなしに、そうした時代の流れというもの、問題の意識の持ち方というもの、認識のしかたというものも、大臣がやはりそういう国民の声を受けとめて、そして今回の政治献金の問題に対する認識というものを改めるべきではないか、こういう私の指摘なんです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど全般的に法人の献金というふうにお答えを申し上げておったわけでございますが、いま林議員は特に公益事業というようなものについて、そういったものの献金は許されないのではないか、こういう趣旨の御指摘のように伺ったのでございます。  確かに今回の政治献金を取りやめるということを申し出ましたものの中には、電気事業あるいはガス事業あるいは私鉄事業といったような、いわゆる公益事業と称するようなものから特にそういった傾向が強く出てきておるように私も承知をいたしておるわけでございます。これは一般の単純な、いわゆる営利事業と確かに性格が違う一面があるということは、同じ企業とは申しましても、否定できないことであろう。したがって、いま御指摘になりましたような公益事業等については、やはり政治献金をしない決心を当該の関係企業がやったようであります。それはそれなりに、かなり首肯すべき理由があるというふうに私も考えておるのでございまして、今後企業献金の問題等をさらに掘り下げてまいりまする場合には、十分これは念頭に置いて検討すべきことではなかろうか、こう私はいま考えておるところでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 いま一例として公益事業の問題を指摘したわけでありますが、これは私は断わっておきますけれども、公益事業だけがそうした政治献金をすべきでないという意見ではないということでございます。いわゆる法人、団体等のそうした政治献金というものは行なわれるべきではないという方向で申し上げておくということであります。したがって、あくまでも個人に限るという原則を守らない限りにおいては、今回このような重大な問題になった金権選挙の抜本的な解決というものはなされない、そういう認識に立っておるということを申し上げておきたいと思います。  それからその次に、企業ぐるみの選挙ということで先ほど来も議論がございました。政府の統一見解が出るわけでありますが、これは捜査当局も当然この問題が起こって以来、今日まで捜査に当たってきて、検挙数も上がっておるということなんですが、私は、この実態を具体的に説明していただきたいと思います。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 いわゆる企業ぐるみ選挙につきましては、先ほどお答えをしたところでございますが、実態と申されますけれども、御承知のように、公職選挙法には企業の選挙運動を直接禁止するとか規制するという規定がございませんので、企業関係の違反というものにつきまして、統計上そういう性質の数字は出てまいらない、こういうことになるわけでございまして、現在の公職選挙法のそれぞれの条文の定める違反として出てまいる、こういうことでございまして、そういう意味で企業だけを特に抜き出して、統計その他に出てまいるということではないわけでございます。  しかし、こういうふうな企業による組織的、計画的な選挙違反につきましては、これを重点として視察をし、取り締まりをするということでやってまいりまして、いま若干私、記憶にございます点を一、二あげてみますと、某候補の場合には特定企業の支援を受けておったわけでございますが、これは元営業所長、現場主任ら四名が共謀をいたしまして、この候補者の当選を得しめるということで、選挙人であります下請関係業者三十数名に対しまして酒食の供応、接待をしたということで検挙になっておるというのがございます。  それからまた、ある候補は、やはり某企業の支援を受けておったわけでございますが、この会社の工場の総務課長ら五名が共謀をいたしまして、機関紙の号外約二百五十部ばかりを手分けして各戸に配付をしたということで検挙をいたしたものがございます。  それから、ある候補も、ある企業の支援を受けておったわけでございますが、この会社の社員四名は人事当局と交渉の上、毎日二十名を戸別訪問に従事させてもらうということで、出張扱いということにいたしまして、約五百戸の戸別訪問をしたというようなものが検挙されたものとして、私がいま記憶をいたしておるようなものがございます。  そのほかにも、それぞれ県警察において検挙をいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、特に企業の選挙違反というような形では報告、統計に出てまいりませんので、その詳細な数字は明らかでございませんけれども、そういうふうな形での検挙が行なわれておるというような状況でございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 組織的、計画的なものという取り締まりの判断でありますが、この組織的、計画的なものというのは、先ほどからずっと議論されておりました、いわゆる一つの企業の中における選挙活動の進め方、こうしたものが組織的、計画的であるということ。それから一つの企業と下請との関係において組織的、計画的に行なわれた、こうした事実関係にあるもの、こうしたことを意味するわけですか。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 先ほど申し上げました一例では、会社の現場の幹部らが共謀いたしまして、関係のある下請業者を集めて供応して、これに選挙の運動、投票を依頼をした。それからまた、企業ぐるみと申しますか、その場合に、先ほどあげました例では、会社内の関係者が人事当局と相談をいたしまして、毎日二十名を戸別訪問に出してやろうというような計画を立てまして、そういうふうな人事当局との相談の上で、いわば組織的なそういう戸別訪問をやらした、こういうような形でとらえた形の犯罪ということで申し上げたわけでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 先ほど自治大臣が政府の統一見解を出すと言われましたのは、こうした企業ぐるみの選挙の全体についての統一見解という意味なのか。それとも、憲法上の問題ということに関しての統一見解なのか、その辺の判断は、どのように考えられておるのですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど私、御質問があり、お答えを申し上げましたのは、いわゆる営利事業を営んでおります企業が、個人と同様のそういった意味における政治活動ができるかどうかということについて、できないという立場に立っての御指摘であり、それに対する統一見解をお求めいただきましたので、さような趣旨で私どもは統一見解を出そうと考えておりますので、いま御指摘になりました企業ぐるみといったようなことは、ひとつ別の問題にさせていただきたい、こう思います。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 そうしますと、企業ぐるみの選挙ということに関しては統一見解は出てこないということでございますね。そうしますと、今後そうした問題が当然起こってくることを防ぐために考えなければならないことは、これはわれわれにそうした役割りがあると思うのですが、選挙法の中にそうした企業ぐるみの選挙の悪弊を防止するための法改正というものが当然必要だということになってくるのではないか、そのようにも思うわけでありますけれども、その点はいかがですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 企業ぐるみ選挙ということが、御承知のように今度の参議院通常選挙を通じて初めて世の中に大写しにされて出てまいったわけでございます。したがって、企業ぐるみ選挙とは一体何なのかということになりますと、先ほど私もお答え申し上げましたように、いろいろな形態、ケースが実際には今回の場合においても起こり得ておったと私は思うのであります。したがいまして、いまこれを法的に規制をしようというようなことになりますれは、一体技術的にも実はたいへんむずかしい多くの問題をはらんでおるのではないかというように思うのでございまして、いまここで直ちに企業ぐるみ選挙を公職選挙法の中に入れるというようなことまでお答えをするだけの十分な用意が、私どもにはいまございませんので、今後これはひとつ検討をさせていただくべき課題ではないか、かように思います。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 統一見解の中に、そうしたものも含めた政府の考え方というものを入れるという、そういう考え方はありませんでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほどあるいは私の理解が不十分であったかもしれませんが、実はこの企業の政治活動ということにつきましては、それが憲法上の問題になるんじゃないかという立場に立っての御指摘でございましたので、それに対する統一的な見解をぜひ申し上げなければならぬ、こう考えておりまするが、さらにその中に企業ぐるみ選挙といったようなものを入れることについては多少問題が違うような感じが私はいたします。企業ぐるみ選挙ということになりますると、これは非常にいろいろな広範な問題をかかえておりまするので、そういった統一的な見解の中にお答えをいま直ちに入れ得るかどうか、そこらのことも、なおひとつ検討をさせていただかなければなりませんので、今日の段階でかたくお約束を申し上げるということだけはひとつ差し控えさせていただきたいのであります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 わかりました。  それから、最初の話に戻るようで恐縮でありますけれども、政治資金規正法の立法化ということです。これに関して、政府としての考え方——実際政府は今日まで非常に消極的であった。しかし、これからはどうするかという問題に対して先ほども議論されたわけでありますけれども、この点がまだ非常に不明確であったと私は認識しております。この点について政府の考え方を明確にしていただきたい、こう思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 私があらためて申し上げまするまでもなく、今日まで政治資金規正法の改正は行なうべきであるという御意見は、各方面に非常に強く提起されておるところであり、また、今日まで選挙制度審議会等におきましても御答申をいただいておるというのが実情でございます。ただ、御承知のような経緯のもとに、いまだこれが実現を見るに至っていないという状況にあるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今回の参議院選挙において特にばく大な選挙資金がかかったというようなことからいたしまして、一そう政治資金規正法に対しての改正を進めなければならぬという感じは非常に深くいたしておるわけでございます。ただし、一体これをどういうふうに改正をしていくかということになりますれば、いまここで私から具体的なことを申し上げるということはいたしかねるわけでございますけれども、基本的な考え方としては、やはり政治資金規正法も、ぜひなるべく早い機会に改正に着手すべきである、こう私は考えておるのでございます。  当委員会の小委員会では、どういうような問題をどういうふうに今後お取り上げになり、御検討に相なるのかは私もまだ十分承知をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、当委員会のお考えというものもひとつ十分私どもは念頭に置きまして、政府としても、この問題に取り組んでまいりたい、こう考えておる次第でございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 それから、もう一点確認しておきますが、最初に問題になりました選挙制度、定数是正、それから政治資金規正、この三つを同時にという考え方ですね。これはやはり非常に問題であるという指摘があったわけであります。少なくとも選挙制度というものの扱いについては今日まで、大臣もよく御存じのとおり、非常に重大な問題をかかえておるわけでありまして、いま一番問題になっている点、改善しなければならない点、そういうところに重点を置いて改正していかなければならない、あるいは立法化をしていかなければならないという、われわれの認識であるわけであります。  そこで、大臣に確認をしておきたいことは、いまみんなが心配していることは、そうした選挙制度というものを持ち出して、せっかくみんなが改革しようとしている選挙資金の規制の問題であるとか、あるいは定数是正の問題であるとかということと取引をするのではないか、あるいはそれをかき回してしまうのではないか、そして小委員会等が開かれておっても、絶えずそうしたことを心配しながら、やらなければならないのではないかというようないろいろな心配を、国民もしておりますし、またわれわれもそうした心配があるわけであります。したがって、今日の委員会での各委員の指摘も、そうしたワンパッケージ方式というものではなしに扱うべきであるという指摘があったんだと私は思います。この点も大臣として、どういう考え方を持っておられるか明確にしておいていただきたいと思うのです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 私があらためて申し上げまするまでもなく、今日選挙制度全般にわたりまして種々の問題があり、またいろいろ欠陥等もあらわれてきておるわけでございます。したがって、それぞれのお立場の方々はみな、その御指摘になりまする区制の問題あるいは政治資金規正法の問題、それぞれ非常に重大だという御指摘がございます。したがって政府としては、審議会の答申等の次第もございまして、できるならば、これはワンパッケージでやることが一番望ましいというふうに長い間考えてまいったことは事実でございますが、しかし現実の問題としては、それでは一つもらちがあかない、こういう現状をこのままに放置しておくことはいかがなものであろうか、あるいはけさ方来、だんだん御指摘がございましたように、その中でも特に重点的に一つずつ解決をしていくことのほうがよろしいのではないかという御意見等も確かに私は伺っておる次第でございまして、いま私がここで政府全体の見解を明らかに申し上げるということは差し控えさせていただかなければなりませんけれども、きょうの御審議の過程において、皆さん方からそれぞれ御指摘になりました事項等は、私どもも十分ひとつ念頭に置いて、今後政府部内におけるこういった問題の処理に際しましては検討をさせていただきたい、かように考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 最後に、これは具体的な問題になりますが、警察庁にお伺いします。  市長が、市の職員を集めて特定の候補を当選せしめる行為を行なった、酒席を持ってやった、こういうことが奈良県の五條市にあったということであります。警察当局も捜査をしたそうでありますが、その経緯、結果について非常に不明朗な点があるという意見が多数起こっております。その点の説明をお願いしたいと思います。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、これは市長を相手どった告発ということでございますので、これから申し上げる件に該当するものと思われますが、六月二十九日に、五條市長ほか五人を相手どりまして、公務員の地位利用と飲食物の提供という罪名で——五條市長ほか五人の者が、ある候補者を当選せしめる目的で、その地位を利用いたしまして、レストランに部下職員三十二名を集めで酒食のもてなしをして投票を依頼したというものでございます。  奈良県警は、この告発を受理いたしまして、主催者側と申しますか、五條市長外五人、それから市の部下職員といわれます三十二名のうち三十一名の者についてそれぞれ事情を調べ、またこの方々以外の関係者につきましても捜査をいたしまして、関係書類等についても捜査をいたしました。この内容は、捜査の結果、この会は五條市の収入役が三選をされまして、その祝賀会として催されたものであるということで、この会の発起人あるいはその参集を通知をした人、この会合の中におけるいろいろなあいさつの状況その他を総合いたしまして、警察の捜査といたしましては、どうも選挙運動にわたる事実は認めがたいということになりまして、一応この捜査を終結をいたしまして、七月の十三日に、奈良地方検察庁の五條支部に送付をいたしておるのでございます。その間いろいろ事情を聞いてみましたが、ただいま御質問にございました不明朗な事柄というようなことにつきましては、ちょっと思い当たるような点がございません。  以上のような状況でございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 これは企業ぐるみじゃなしに、行政ぐるみという選挙の実態であります。私は、なぜこういうことを指摘するかといいますと、この件に関して言うならば、なぜその会合に出席したかという職員の意識は、役員人事というのが強烈な動揺を与えて、行っているわけであります。ところが、実際は全然そうした話はなくて、話の中心は候補者の投票依頼であった。その件につきましては、実際その席に臨んでおったメンバーの中に記録をきちっととっておる人がありますから、当然警察当局はその記録を捜査の物件として見るべきだと私は指摘したいわけでありますけれども、そのような状態であった。しかるに結論として、いま刑事局長が報告されたような結果になったということに対する不満といいますか、そういうことがいま市民の中に起こっておる。なぜこういう結果になったのかということに対する不信があるということであります。  したがいまして、私はその経過を知りまして、やはり警察当局として、こうした企業ぐるみの選挙に対する扱いについても、先ほど来答弁のあったような形で、実際非常に残念でありますけれども、積極的な捜査というもの、こういうものがなされていない。また、こうした行政ぐるみの事実関係に対しても、もっともっと積極的な捜査というものがなされるべきではないかというような印象を受けた次第です。  この件については、その指摘だけに私はとどめておきますが、いずれにいたしましても、このような今回の参議院の結果を通して、金権選挙であるとか、あるいは企業ぐるみの選挙であるとか、あるいはこうした市長という役職をたてにした職員に対する選挙活動の問題、数々の問題が提起されたわけであります。これは当委員会において、今後さらにこうしたことが再び起こらないようにという努力をしなければならない。この認識はきょう質問に立ったすべての同僚委員の認識であると思いますし、また出席しておるすべての委員の認識であると思うのです。したがいまして、私が申し上げたいことは、国民世論もそうした認識に立っておるし、また委員みずからもそうした認識に立っておるわけでありまして、政府みずからの認識も、同じくこうしたことが再び起こらないようにという方向で努力をし、また積極的に具体的な行動としてそれをあらわしていただきたい、こういうことを私は要望したいと思うわけであります。  大臣の答弁を伺って質問を終わりたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 選挙というものが最も厳正に、公正に、しかも明朗に行なわれなければならぬということは、私があらためて申し上げるまでもないことでございます。数多い選挙の中におきまして、いま御指摘になりましたような事実が起きたことは、はなはだ遺憾なことでございまして、今後ともそういった事態の起こらないようにするためには、われわれとして一体どうあるべきかという問題でございますが、要は、私はやはり国民の深い自覚に待たなければ、こういう問題の解決は、なかなかむずかしい一面が多いということを感ずるわけでございまして、今後選挙の啓発運動といったような面におきましても、そういった点を特に私どもとしては重視してまいるようにいたしたいと存じておるところでございます。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 終わります。

福永健司自由民主党

○福永委員長 小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 前の国会のあと、各党幹事長、書記長会談で、いかにもこの選挙はひどかったじゃなかろうか、こういうことから、きょう私の質問の直後、小委員会を設けていろいろ検討をしよう、こういうことになりました。それでけさの理事会でもやりましたが、自民党のほうがワンパッケージ論にこだわらずに、椎名調査会でも、だいぶ柔軟な態度で臨んで、ワンパッケージ論に固執しない、こういうようなことから、何を論議しようかという論議がけさありました。  小選挙区制を除くすべてのこと、こういうような意見も出てまいりましたが、大体出された問題としては、衆議院、参議院の地方区の定数是正の問題、それから政治資金の問題、それから金のかからぬ選挙はどうしたらいいだろうか、それから参議院全国区の問題、各党意見が出されたのは、おおむねその辺ではなかろうかと私は理解をするわけであります。この直後、テーマについては直ちに決定をして審議に入る、こういうことになろうかと思いますが、これらの三つ、四つの問題について、いま各党から質問のなかったような部分について、かけ足で、これからの審議の参考にしたいために、大臣並びに当局の考え方もお聞きしたい、こう思います。簡単なものから入っていきます。  まず、定数是正の問題であります。これはたいへんなアンバランスがあることは、もう私が申し上げるまでもありません。たとえば衆議院の群馬の第何区だったか、三万七千で当選したが、東京七区は十四万四千で落選した、こういうことがありますから、まず、この衆議院の定数是正、これは直ちにやらなければならない問題ではなかろうか、こう思いますし、参議院の地方区においては、鳥取が定員二名で五十何万の人口であります。神奈川県はおそらく、人口六百万で定員四名、こういうことになっていますから、その開きは六対一、こういうような大きなアンバランスがあるわけであります。そこで、私は私なりに衆参の定数是正については案を持っておりますが、きょうは大臣から原則的なことを二つばかり聞きたいわけであります。  一つは、衆議院もそうですし、参議院もそうだが、定数の是正ではなくして、現実的には増加以外には方法はないだろう。これが現実的に取り組める唯一の定数是正ではなかろうか、こう考えます。参議院地方区については、第七次選挙制度審議会のこれは答申でなくて報告のようですが、参議院の地方区においても東京、神奈川とか大阪とか宮城、岐阜等について、増加だけの答申をしておるようであります。衆議院においても、それ以外に方法はない、こう思いますから、定数問題については、参議院地方区においても、衆議院においても増加だけを考えることが現実的である、こう私は思います。大臣いかがでしょう。そういう方向性は自治省としてもいいでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 定数の不均衡を是正をしなければならぬということについては、私は、全く各方面とも異論のないところであろうと思います。ただ、これを具体的にどういうふうに是正をするかということになりますると、なかなか簡単な問題でないことは言うまでもないのであります。ことに、参議院の地方区のように小さな県も一名、相当の中くらいの人口を持っておりまするところでも一名、こういうことでございますので、参議院の場合におきましては、人口による是正という問題は、かなり一種の制約が存在をしておるということは、あらためて申し上げるまでもございませんが、そういった中においても、これをできるだけ是正をするのだということに相なりますれば、確かに御指摘になりましたように、定数をふやす以外に現実的な方法としては、私も道がないのではないかという感じがいたすわけでございますけれども、しかし、それだけが実は唯一の方法であるかどうか。やはり私は、あまり定数をふやしませんで、そして最も現実の人口に近いように改める。すなわち、ふやすところはふやすが、場合によっては減らすところも出てくるということも実は考えられないわけじゃございませんけれども、これは実際問題としては非常にむずかしいのではないか、こう考えておるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 まあ行きつ戻りつしたが、結局戻ってきたところは増加以外に方法はなかろう、こういうことで私も了解をいたします。  次に、衆議院の定数をきめた別表の第一の終わりによれば、「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」こうなっています。ところが実際には、昭和三十九年以来やってないわけであります。地方議会等で県会の定数等は、そのたびごとに、たいへん困難をおかして県会の定数を是正しているわけであります。だから、これをなぜやらないか。これを私は自動的にできるように、この法律の条文でいけないならば、条文を改正しても自動的にできるようにすべきである、こういうように考えるわけです。いかがでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 これは立法技術上の問題でございますから、あるいは御指摘になりましたように、最近の国勢調査をもとにいたしまして自動的にやるというふうに規定ができますれば、それは私は不可能なことではなかろう、こう思うのでございますが、ただ御承知のように、現在は中選挙区制というものをとっておるわけでございますから、もしそのために現在の選挙区の中で、これを六名以上にしなければならぬというような人口の異動が起こり得ましたときに、一体それはどうするのかといったようなことになってまいりますれば、当然選挙区制という問題にもからんでくるわけでございましょう。したがいまして、そういった問題は、ひとつやはりあわせて検討をいたさなければならないことに相なるかと存じます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 ちょうどいま大臣から、定員六名ということばが出てきたわけであります。私は、衆議院の定数を是正するには、この機会に中選挙区三ないし五名というのを、それにこだわらないで——理由は二つあります。  一つは、一年ごとに十万も人口がふえていく、こういうことをけさも理事会で言っておりました。急激な人口の流動化、こういうことが一つの理由であります。  もう一つの理由は、いろいろ分析をしてみると、神奈川県の二区、これは川崎市が人口百万で横須賀市外郡市町村が六十万でありますから、これをどうしても六名区になってしまうのを二つに分けろ、こういうことになると、人口割りでいくと四名区と二名区に分けなければいけない、こういうことになってしまうわけであります。それで、川崎市を二つに割ってやるという京都方式をやらなければならない。こういうふうな例が、東京第十区もそう、北海道一区もそうであります。札幌市が百万で、小樽市以下郡市の合計が五十五万ですから、どうしても人口割りで六名をやると、片方は四名で片方は二名。それがいけない、三、三に分けろということになると、札幌市を分割しなければいけない、こういう問題が出てきます。  そういう選挙区が神奈川第二区、東京十区、北海道一区、兵庫第二区、神奈川三区、こういうところで出てまいりますから、こういう市を分割するとか区を分割するということを避けるためには、この際、六名区というものをつくるがよかろう、こういうように私は常に、この前も主張いたしました。きょうは大臣からもそういう答弁がありましたから、衆議院の定数是正の場合に、以上二つの理由によって六名区を創設して、より定数是正を容易ならしめる、こういうことは大臣どうでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 これは非常に重大な問題でございまして、いま私の口からその点については、明確なお答えをすることは、ひとつ差し控えさせていただきたいのでございます。要は、現在のような中選挙区制を、はみ出すようなことをやるかやらないかということにかかってまいるということに考えられますので、その問題については、有力な御意見として、ひとつ伺っておきたいと存じます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 それ以上、大臣の答弁無理でしょうから、また小委員会で十分検討する、こういうことにいたしたいと思います。  次に、政治資金の問題について、最近新聞を非常ににぎわしている問題で、私は具体的に質問をいたしたいと思います。  公益事業、特に電気、ガスだけでよろしい、公益事業の寄付は一体幾らあったか。いままで自治省が発表したのは、昭和四十八年六月三十日現在のものまでしか発表になっておりません。ことしの一月一日といいますか、去年の十二月三十一日現在のものは、まだ九月ごろでなければ発表にならない、こういうように聞きますので、いま問題の私鉄も、どうも献金をやめよう、こういうように言っておりますから、私鉄は一体幾らあったか、それから電気、ガスひっくるめて幾らあったか、これをひとつわかっていたら御答弁いただきたい、こう思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 ただいまお尋ねの四十八年の上期の献金の額でございますが、電気事業連合会からは四億円政治資金が出されております。上期につきましては、ガスについては寄付はございません。私鉄については、実は電気事業連合会といったような形でまとまっておりませんので、非常に個別な会社の寄付になっておりますので、にわかには全部を申し上げるわけにはまいりません。たとえば、いまちょっと急に手元で拾ったわけでございますが、東急あたりが四百万、小田急が四百万、京浜急行が二百万、京成電鉄で四百万、にわかに拾った数でございますが、こういった状況になっております。まだいろいろと会社は多うございますので全体はちょっと申し上げかねます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 大口の昭和四十八年六月末現在のを見ると、こういうようにくくってあるわけであります。財団法人国民協会五十二億六千五百万、こういうふうになっておる。それは自民党へ、こうなっておる。その財団法人国民協会そのものの収支というものは、これとは別個に、どの企業から幾ら入っている、どういうように出ている、こういうことは明らかになっているわけですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 官報で一応公表しておりますので、個々にわかっております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 この政治資金規制の問題について、第五次選挙制度審議会が、例の昭和四十一年末の黒い霧事件前後だと思いました、それを踏まえて緊急答申を四十二年四月七日にやったわけであります。そのときに、一つは政治資金は、本来、個人の寄付が好ましい、がしかし、当面会社や労働組合等の団体は二千万円まで、個人は一千万円までかよろしい、こういうような——まあ制度審議会で公に出したものはこれが初めてでありますし、ずっとそれ以来、こういうことを基準にしていろいろ論議されてまいりました。われわれは、その政治資金規正法の問題をこれからいろいろ論議する場合には、やはりこういうことをもとにしてやっていくという現実的な問題になるであろう、こういうように私は思います。  そこで、昭和四十八年度六月末のこの報告のときに自治省が発表した中で、たとえば国民協会五十二億六千五百万、こういうものは各企業からどういうように出ているかという内訳は、すでにわかっているはずですから、ここで示されている二千万円以上、あるいは個人で一千万円以上、こういうものはどのくらいあるか、これはいまわかりませんか。わかるかわからないかの答弁だけでいいです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 事柄はわかるわけでございますが、いまにわかな御質問で……。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 委員長にお願いします。これから小委員会等でも論議しなければいけないと思いますから、昭和四十八年の六月末しかまだ公表になっておりません、その公表になっているときで、いま論議しようという基準は、会社、労組二千万円以上のもの、個人一千万円以上のもの、こういうものについて資料をひとつ出してもらうように、これは委員長から取り計らいを願いたい、こう思います。  第二項として、そのときの答申には、政党以外の派閥には五十万円を限度とする、これがやはり第五次選挙制度審議会の緊急答申であります。この政党以外の派閥五十万円以上のものは一体どのくらいあったか、これも資料として出していただきたい、こう思います。  それから、これはたいへんむずかしい資料になろうかと思いますが、第五次選挙制度審議会の緊急答申の際に、国との関係あるものについて一定のワクをはめたわけであります。そのワクは、国から補助金、利子補給金、資本金、出資金を受けている会社の政治献金は禁止し、とあります。したがって、四十八年六月の自治省の統計の中で、国から、補助金、利子補給、資本金、出資金を受けている会社の政治献金は、一体どの会社から幾らあっただろうか、資料としてこれも出していただきたい、こう思います。  それからその次に、国や公共企業体等と請負契約のある団体、これについても同じであります。  それから三番目は、政府関係金融機関から融資を受けている団体の寄付は、一般団体の寄付制限額の二分の一を限度とする。つまり二千万円まではいいというのだから、一千万円以下、こういう意味だと思います。だから、政府関係金融機関から融資を受けている団体の寄付、これは昭和四十八年六月のその報告のときには、いかほどであっただろうか。  これはたいへん膨大な資料になるであろうと思いますから、これは委員長から、ひとつ以上を資料として提出していただくようにお願いをしたい。何かこれについてわかっていたら、答弁をいただければ幸いです。

福永健司自由民主党

○福永委員長 委員長に対する御要望につきましては、後刻理事会等にもはかりまして、その上善処いたしたいと思いますし、またいま小沢君御自身がおっしゃっておられますように、問題がいろいろ多岐にわたっておりますので、政府のほうとも相談しなければなりませんが、さようなことをいたしたいと存じます。こちらで一方的にというわけにも、すべてがすべて、そうはいかないかもしれません。いずれにしても善処したいと存じます。  政府のほうから、何か言うことありますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 御承知のように、政治資金規正法におきましては、それぞれの政党その他の政治団体が収支を届けて、それを公表するということになっておるわけでございまして、その額、あるいはどこから寄付があったかということはわかるわけでございますけれども、最後にお話しのございました、それぞれのたくさんある政治団体等の中で、国の政府金融機関から幾ら融資を受けておったかとか、あるいはそのとき請負をしておったかとか、あるいは国から補助をもらっておったかということは関係各省にわたっていろいろ補助もございましょうし、ちょっとそれを政治資金規正法に届けられたものから拾うというのは、なかなか容易ではないということを御了承願いたいと存じます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 そのことについて、まだ質問がありますが、いま大臣の時間がないようですから、大臣にこの一点だけ。  全国区のあり方について検討をしよう、こういうことになっていますが、全国区のあり方については、たいへん幾つもの意見があるわけであります。ブロック制にしろ、それが一つの意見だと思います。この際、全国区を廃止して増員をして地方区のみにしろという意見も一つの意見だと思います。それから比例代表制を採用せよという中に拘束名簿方式か非拘束名簿方式かという意見もあるわけであります。その比例代表制の投票のしかたに、またあるわけであります。政党を投票するのか、あるいは立候補した個人、タレントならタレント個人に投票したのを、その政党に投票したものとみなすという、私は、みなし比例代表制だという、インチキだと思います。たとえばタレント候補が二百万も三百万もとれば、タレントに投票したのであって、政党に投票したのではありませんから、これはインチキだと思いますが、そういうやり方。  私が、いま考えるところにおいては、その四つ、五つあろう。ブロック制、地方区だけにしてしまえ、拘束名簿方式の比例代表制、非拘束名簿方式の比例代表制、比例代表制の投票のしかたに個人か政党か。こういうぐらいに分かれる。これ以外にわれわれは論議する道はおそらくないのではなかろうか、こう思います。大臣、端的にどういうように考えていますか。このほうがいいと思うやつ、参考にひとつ端的に大臣の意見を聞きたいわけです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 全国区制については、いろいろな問題があることは、ただいま御指摘のとおりでございまして、またこれに対する改革の案というものも、いま御指摘になりましたような三つの案もかなり有力なものと私どもは承知しておるわけでございますが、御承知のとおり第七次の審議会におきましてはいろいろ検討された結果、結局全国区制に比例代表制を採用すべきであるということが小委員会の多数の意見であったというふうに報告されたと私どもは承知いたしておるわけでございます。  今後この問題につきましては、こういった意見をもひとつ参考といたしまして、さらにはまた今回の選挙の実態、各方面の御意見というようなものを十分勘案をいたしまして、一体二院制度のもとにおける参議院全国区制はどうあるべきかということについて、ひとつ検討を深めてまいりたい、かように考えておるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 いま大臣から第七次の報告の中のことについて論及されましたので、一点だけ聞いておきます。  私は、参議院というものは衆議院の第二院、つまり政党化、そういう方向を避けるべきものだ、こう思います。ところが、第七次選挙制度審議会の報告によれば、政党化はやむを得ないという前提のもとで組み立っておるようであります。だがしかし、国民が期待するものは、やはり昔の緑風会でしょうか、良識というものか参議院に——理の参議院とよく河野議長が言いますが、そういう参議院にしたいということになるならば、私は第七次の政党化の方向はとるべきではない、こう思うわけです。大臣、どうでしょう、その辺は。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 これも実は国民的にはいろいろ意見の分かれるところであろう。参議院がいわゆる政党化するということは、今日の場合避けることのできない、やむを得ない情勢であるのではないかという意見がございますし、また、かつて貴族院あるいは戦後の参議院における緑風会的な存在というものに対して非常な郷愁を覚えると申しましょうか、ああいうことがあってしかるべきだといったような御意見の存することも、私どもも重々承知をいたしておるところでございますが、しかし、現実に選挙でもって議員を選ぶということになりますれは、どうも私は、いまのような政党化というものは避けがたいのではなかろうかという感じがいたすわけでございます。  いま御指摘になりましたような、たとえば緑風会的なものが多数を占めるような状態にする、それが望ましいといたしましても、一体具体的にどういう方法があるであろうかということになりますると、たいへんこれはむずかしいことに相なるのではなかろうか、かように存ずるところでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 時間がなさそうだから、大臣にもう一点だけ。  たとえば、全国区は十万枚のポスターを張れるわけであります。われわれ、どうもそこらで聞いていると、一枚のポスターは五十円や百円ではできない。カラーでやって、ベニヤ板に張って、だれかにそれを取りつけてもらう、こういうことになれば、三百円か四百円もかかるのではないか、こういうことが常識のようであります。十万かける三百円とすれば、これは三千万円であります。計算間違い、私はないと思うが、三千万円です。全国区の法定選挙費用は千八百万円だと思います。これは法律みずからが法律を守れないような選挙制度をつくってある、こういうことを証明をしていると思います。  どうでしょう。大臣、これについては根本的に改正をしなければ——たとえば、ポスターというものは、みんな国でもってやる、それならそれでも公営化の方向であります。十万枚よろしい、公示の場所をきめて、全部国でもって張ってやる、それならそれでまたできるが、三千万円ポスターだけでかかるものを、千八百万円でやれ、これは不可能なことを要求しているわけであります。これは根本的な改正をしなければならない。公営化の方向でもよろしい、もっと法定選挙費用をふやすでもよろしい、どうでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 確かに、御指摘になりましたポスターの掲示というものは、近年急にたいへん高くなってしまうというようなことでございまして、したがって、いま御指摘になりましたように、十万枚を全国に張るということになりますれば、その印刷費用とあの立てる棒くい、ベニヤ板といったようなものだけでも、あるいは三百円、多少安くても少し安いだけ、場合によったらもっと高いかもしらぬというようなことさえ言われておるわけでございまして、千八百万円の全体の法定費用の倍もかかっているではないかというような御指摘でございまして、その点は確かに、私どものほうでこの選挙費用の算定をいたしました当時、そこらまで実は十分な計算の上に配慮されていなかったという御指摘を受けても、どうもこれはやむを得なかろう、こう思うのでございますが、ただ、それでは一体、かかる費用を全部現状のままに放置しておいて、かかるものを、そのままどんどん法定費用に計算をしていってしまうというようなやり方がよろしいのかどうか。やはりできるだけ金のかからないようにするということを一面十分ひとつ配慮をして、その具体策を進めてまいらなければならぬと思います。  いま小沢さんから御指摘になりましたように、実はこれを全部公営でやってしまうということになれば、確かにそういった費用は節減をされるわけでございますけれども、この全国十万枚、おそらくたいへんな数の立候補される方に対し、そういういわば全国的に掲示をするということも、これまた実は費用としても、なかなかかかることであり、そういうことまで一体やるべきであるかどうかといったような根本的な問題等も私はあり得るかと思いますが、いずれにいたしましても、御指摘になりましたことは、現実には、まさにそのとおりであろうと思うのでありまして、できるならば私どもは、やはりこういった点をも含めて、できるだけ公的な費用ももっと安くでき上がるような選挙にしなければいけないのじゃないか。  そうなってまいりますると、非常にむずかしい問題になってまいろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、一つの例をおとりになりました点については、われわれとしては、実はまことに頭隠してしり隠さずの感を深くせざるを得ないということでございまして、今後こういった問題も、なおひとつ十分検討をさせていただかなければならぬと思います。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 大臣、忙しいようですからどうぞ……。  その頭隠してだか、しりだけ出ているのか知らないが、この間の参議院全国区でこのポスター代、一番かかっている人の報告、一番少なかった人の報告、これはどういうような報告が来ていますかね。これは事務当局。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 届け出の中で、ポスター代とかどうとかといった、そういった分け方になっていないようでございます。印刷代とかどうとかというそういったとらえ方でしてございますので、はっきりとした、現実にどれだけかかったということで届け出のあるものは、ちょっと見当たりません。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 さっき政治資金規正法の問題の中で、これは私は信毎を見ていたらば、二、三の政党は四年間も五年間も県段階における政治資金の報告をしてない、こういうことが新聞に大きく出ているわけであります。こういうことが全国的にまかり通っているのでしょうか、それが一つと、それから、これには罰則その他がないのか、どういうことをやっているのか、こういう点についてお尋ねしたいわけであります。長野県の信濃毎日新聞に「政治資金規正法県下も大ずさん」こういう見出しで、報告のない政党、昭和四十六年から全々報告していない、こういうようなことまで出ておるわけです。これは一体どういうようになるのでしょう。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋説明員 政党の支部で、会計上本部と独立しておるというようなところは、これはもちろん政治団体として政党の規定が準用されておりますから、法の規定に従って収支報告を出さなければならないということになっておるわけでございます。御指摘のような事例があるということは、これは実際に収支があるかないかにかかわらず、届け出なければならないのにないということは、これはまことに遺憾なことだと思っております。私どもとしても、全国的なものについても、そういった点よく慫慂しておるわけでありますけれども、そういった点は十分今後とも地方団体に対して法の規定を守るように指導していきたいというふうに考えております。  もちろん、ただいま申し上げましたように、政党に関するものは、その支部に準用するということになっておりますので、それに違反するという場合は、政治資金規正法第二十三条の規定によりまして「五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金に処する」といったような規定はあるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)委員 いろいろ論議したいが、時間のこともありますから、それはやめて、刑事局長がけさほど報告した中に、警告件数中九六%が文書違反で、四万六千一件あった、たしかこういうように私、記憶しております。その文書違反の警告の内訳はどういうぐあいになっているのでしょうか。これはわからなければ後ほどでいいわけです。時間の関係もありますし、突然な質問ですから……。  一つは、第百四十八条関係、これは報道、評論の自由という項目に該当する警告、どのくらいだろうか。二つ目は、二百一条の五、法定ビラに関係する——これはおそらく何もないだろうと思うのだが、これに関係するものはどういうものだろうか。二百一条の十四、機関紙誌の関係のものはどうだろうか。その次は、ポスターの関係の違反。それから、例の名刺だか経歴書だか本人の何か文書を持って歩くというものもあるだろうと思いますが、一、二、三、四、五項目に分けて、大体の傾向をお聞かせいただいて、あとでわかりましたら、具体的に数字でパーセントを出していただいて、御報告いただきたい、こう思います。  以上で、質問を終わります。

田村宣明警察庁刑事局長

○田村説明員 文書違反の内容につきましては、そういうふうな分け方をしてとっておりませんので、にわかには出てまいらないと思います。  それから、いまおっしゃいました内容で、これは文書違反と別の罪種に人っているものもございまして、それぞれ電算でやっておりますので、なおこの数字が出ますかどうか、一度検討させていただきたいと思います。  大ざっぱな傾向でございますが、公示前では、今回はポスターの掲示についての警告が多いという状況でございましたし、期間中に入りましてからは、経歴書などの法定外文書の頒布が多かった、こういうような大ざっぱなことでございますが、そういうような傾向はございました。

福永健司自由民主党

○福永委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後三時十二分散会

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