公害対策並びに環境保全特別委員会 第4号
- 発言数
- 331 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/10/23
会議録
○角屋委員長 これより会議を開きます。 この際、去る九月十七日より五日間、公害対策並びに環境保全状況の実情調査のため委員を派遣いたしましたので、派遣委員の報告を聴取いたします。島本虎三君。
○島本委員 公害対策並びに環境保全状況の実情を調査するため、議長の承認を得て、去る九月十七日から二十一日まで五日間、三重県、奈良県、大阪府、岡山県及び香川県に派遣されました派遣委員を代表して、その概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、委員長角屋堅次郎君、土井たか子君、木下元二君、橋本龍太郎君、小林信一君、坂口力君及び私島本虎三の七名でありまして、ほかに現地参加として、委員田中覚君及び委員前田正男君並びに地元選出議員多数の参加を得たのであります。 調査団は、九月十七日、まず三重県に入り、四日市市役所において、三重県当局及び四日市市当局から四日市地域を中心とした大気汚染及び水質汚濁の概況並びに大気汚染の影響による健康被害の救済問題などについて説明を聴取した後、公害病患者の代表から公害病患者の生活補償について、意見を聴取し、次いで四日市臨海工業地帯におもむき、中部電力及び三菱油化の公害防除施設を調査いたしました。 翌十八日は、奈良県立文化会館において、奈良県当局から自然環境の保全等に関する問題などについて説明を聴取した後、大和青垣国定公園及び明日香村におもむき、その実情を調査いたしました。 次いで、大阪府におもむき、堺・泉北臨海工業地帯における環境汚染の現状を視察した後、大阪府臨海センターにおいて、大阪府当局から大阪府環境管理計画など公害対策の概要について説明を聴取するとともに、関西石油ほか六社の代表者と各企業における公害防止対策について意見の交換をいたしました。 次いで十九日は、岸和田市の泉州ビルにおいて、関西国際空港の建設問題について、岸和田市長をはじめ関係八市四町の代表から地元住民の生活環境を守る立場に立った忌憚のない意見を聴取し、また、新空港の建設に反対する住民団体から陳情を受けた後、引き続いて、海上から泉州沖の新空港建設予定地点を視察いたしてまいりました。 二十日は、岡山県衛生会館において、岡山県当局から公害対策の概要について説明を聴取した後、鷲羽山におもむき、山頂より瀬戸内海地域における自然環境保全の現状を視察し、次いで水島臨海工業地帯において、旭化成工業及び川崎製鉄の公害防除施設を調査した後、海上から瀬戸内海国立公園を横断する児島−坂出間の本州四国連絡橋予定ルートを視察いたしました。 二十一日は、香川県庁において、県当局より公害対策に関する諸問題について説明を聴取した後、漁業関係者から赤潮による漁業被害対策等について陳情を受けました。次に、調査団は、五色台国民休暇村におもむき、自然環境の利用状況を調査した後、坂出市の番の州工業地帯において、アジア共石の公害防除施設を調査いたしました。 以上、調査の概要を簡単に御報告いたしましたが、調査結果の詳細につきましては、委員長のお手元に報告書を提出しておきましたので、本日の会議録に掲載されるようお取り計らいをお願いいたします。 以上をもって報告を終わります。
○角屋委員長 以上で派遣委員からの報告聴取は終わりました。 —————————————
○角屋委員長 おはかりいたします。 ただいまの島本虎三君の御提案のとおり、調査報告書は本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————◇—————
○角屋委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次、これを許します。土井たか子君。
○土井委員 運輸省の方は御出席いただいていますか。それから厚生省……。
○角屋委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○角屋委員長 速記を始めて。 それでは質疑を続行いたします。運輸省、厚生省からそれぞれ政府委員が見えましたので、土井さんのほうから質疑を続行していただきたいと思います。 関係政府委員のほうには、時間に間に合うように御出席するよう注意を申し上げておきます。
○土井委員 関西新空港の問題について、さる八月十三日に航空審議会から泉州沖という答申が出まして、以後当委員会におきましては八月二十一日にこの問題を私は取り上げて質問をさせていただいたわけであります。その後、先日当委員会から現地に視察もいたしまして、事情について少し、その後の進展とさらに今後の見通しについてお伺いをぜひしておかなければならない基本的な問題がございますので、きょうはそのことについて二、三お尋ねをしたいと思います。 八月十三日のあの答申のときに、この前の委員会でも私はお尋ねをしたわけでありますが、環境庁としては保留にいたしておりますね。泉州中について保留ということ。ただこれは理由ははっきりいたしております。なぜ保留か、環境アセスメントがないということ。その後、運輸省とされてはその問題に対してどのような対応を具体的に現在までされてきているか、ひとつそのことをまず御説明願いたいと思います。
○梶原説明員 お答えをいたします。 去る八月十三日航空審議会から関西国際空港の規模と位置につきましての答申をいただきました。従来主として複数のものの中から最適地を選ぶためのいわば比較調査をいたしてまいったわけでございますが、今後は、泉州沖という具体的な候補地があがっておりますので、その現地に即しまして、今後関係省庁の御協力もいただき、関係の地方公共団体等の御協力をいただいて詳細な環境アセスメント調査をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○土井委員 環境アセスメント調査と簡単におっしゃいますけれども、中身は一つ一つ、これはたいへんなことだと思うのです。ただ、本来環境アセスメントをやる場合には、これは常識の問題でございまして、やっぱり位置と規模とが確定した問題についてどうなのかということが測定できるということだと思うのですが、現在答申を見ました場合に、規模もこれでよいかというと、どうもその点の確定はないようでありますし、それから位置の問題についても、泉州沖といいながら、一体沖合い五キロになるのか三キロになるのか四キロになるのか、その辺についてもまことに流動的であるという向きも私たち伺っているわけであります。したがいまして、そうはっきりしない問題に対してはたして環境アセスメントというのはできるわけでございますか。
○梶原説明員 お答えをいたします。 従来からも調査をいたしてまいりましたし、今後も所要の調査費を導入いたしまして十分な調査を関係の皆さま方と御相談しながらやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○土井委員 従来やっていらしたということらしいですが、私たちが現地調査をいたしましたときには、岸和田の泉州ビルで八市四町の市長、町長さんから事情を聴取いたしました。表現の上ではニュアンスの相違はございますけれども、結論としては、すべてこの出席の八市四町の市長、町長こぞって泉州沖に対しては反対なんです。 反対の理由の中に、特にどなたもこなたもみんな口をそろえておっしゃったことは、運輸省の問題に対してただの一ぺんの説明もない。現地に対して事情聴取をただの一ぺんもおやりになったという過去の経過がない。私たちとしてはそういう点からすると全くどういうふうに考えていいかもわからないわけであって、こういうふうに全然事情は知らされないままできめられていくということに対しては疑問を感ずるという御意見がどの方からも出たわけであります。 いままでもやってきたとおっしゃいますが、いままでのやり方が、事実はそうであるということであるなら、これはもう自治体の協力を得ずして環境アセスメントも何もできたことじゃないはずでありますから、これからはいままでとは違うはずだと思うのですが、その点はどういうことなんですか。
○梶原説明員 従来御指摘の節がないわけではございませんので、今後関係の市町村等の方々と十分接触もし、足を運びまして御理解を得るように、また御協力をいただくように調査の点で万全を期してまいりたい、かように考えるわけでございます。
○土井委員 御理解を得るように御努力はなさるようでありますけれども、しかし、それにはやはり泉州という場所の環境をまるで無視なさった上でのいろいろな説明をなさいましても、理解はおそらくむずかしかろうと私は思うのです。そういう点からしますと、手続の上からいうと、まず埋め立て認可についての埋め立て協議から始まって、関係法令の整備、さらには工事計画の閣議決定というのが順序として先立つ問題としてあるわけですね。いまはその埋め立て協議に至るさらにそれ以前の問題だと思うのです。答申の中身について、これでよいか、あれでよいかということをいろいろ検討なさっている時期でありますから、だからそういう点からすると、埋め立て協議に至る以前の以前の段階だと思うのですね。 その段階で一つお尋ねしたいのは、その新空港建設というのは、当初計画からしますと昭和六十年というのが大体当初一つの目途として考えられていた時期でございました。その点は、公式には以後昭和六十年というのは変更されていないはずであります。それはまず確認させていただいていいですか。
○梶原説明員 先般いただきました答申の中には、六十年ということは、はっきりうたっておりませんけれども、現在内陸空港としてございます伊丹の国際空港等の現状等からしまして、この関西新空港の建設は急がなければいけない、かように考えておるわけでございます。 ただ、その際、飛行場をつくります場合に、騒音問題、それから大気汚染問題、自動車交通に伴う公害の問題、特に海上空港になります場合には潮流の変化、あるいは水質汚濁等々の公害問題を伴うわけでございますので、必要である空港の建設と、それと環境の調和ということを十二分に考えまして対処してまいりたいと、かように考えております。
○土井委員 新空港は絶対必要だという前提条件に立ってお考えになるのならば、この昭和六十年ということを目途にお考えになっている時期は公式にはまだ変更されていない、したがって、それに向けての努力をいま払いつつあるのである、こうおっしゃるだろうと思うのです。 そうしますと、逆算していって、いまのようないろんな計画の進め方、あるいは作業の進め方で、昭和六十年を目途にだいじょうぶできるという御自信がおありになるのですか。
○梶原説明員 一にかかって地元の皆さん方の御理解と御協力をちょうだいしなければできない問題でございます。私どもそのために最善の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○土井委員 最善の努力をいま言われましたけれども、それについては、先ほどから私が申し上げているとおり、環境庁が態度保留。これは環境アセスメントが、この答申を出されるにあたって問題になっている泉州沖に対して何ら具体的になされていないというところが問題だったわけですね。 それではお伺いしますが、公式に環境庁との間でこの問題についての具体的な公式の話し合いというのがございますか。
○梶原説明員 関係省庁との間におきまして事務レベルで御連絡をいたしてまいっておりますが、今後さらに御協力をいただきますように御連絡をいたしたい、かように考えております。
○土井委員 問題は、環境庁のほうが態度保留というのは、これは公式なんです。そしてその理由も公式なんです。事務レベルでの話し合いというのは、これは公式とは言いかねるのです。問題がどういうことになっていっているかというのは、ガラス張りでやはり公式にお互いの折衝というのを重ねられるということが実は順当なやり方じゃないかと思うのです。その公式的ないろいろなやりとりというのはどういうことになるのですか。
○梶原説明員 現在のところ、先生も触れられましたように、航空審議会の答申というものが出た段階でございまして、今後運輸省としましても関係の地元の方々との御協力、連絡をいたしながら、関係省庁との十分な連絡をいたしまして、協力もいただきまして、政府案の決定までにはそうした十分な体制ができ上がるというふうに考えております。
○土井委員 そういうことの詰めの上で基本的に忘れられてならない問題が泉州沖にはございます。御承知だと思いますが、瀬戸内海については、特に海洋汚濁ということに目を向けまして、議員立法で問題にされました瀬戸内海環境保全臨時措置法という法律があるのです。この臨時措置法の第十三条の二項に従いまして瀬戸内海環境保全審議会というのが現にございます。その審議会がことし四十九年五月九日に出したところの「瀬戸内海環境保全臨時措置法第十三条第一項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針について」というのがございまして、この中身では、「瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきであると考えており、やむを得ず認める場合においてもこの観点にたって別紙の基本方針が運用されるべきであると考えていることをこの際特に強調しておく」と書いてあるのですよ。それで始まっているのです。埋め立ては厳に慎しむべきだ、ただ、やむを得ずやる場合にも、こういうことに対しては無視しては絶対いけないという別紙の事項がちゃんときめられてある。 その別紙の中にある「海域」というのを見ますと、「大阪湾奥部」というのがありまして、その大阪湾奥部の中にはいままさに問題になっている泉州沖が入るのですよ。その地域に入るのですね。「留意事項」としては「公害防止・環境保全に資するもの、水質汚濁防止法による特定施設を設置しないもの、又は汚濁負荷量の小さいもの。」こういうことになっているのです。 問題は、こういう点から考えていきますと——大規模のプロジェクトでしょう。いままでにない大規模プロジェクトですよ。海のどまん中を埋め立ててやるというのです。先ほどおっしゃったモ場の問題とか海流の問題ももちろん大問題でありましょうけれども、いま埋め立てをやることによるいろいろな影響というのはそれだけじゃないと思うんです。そういうことに対して逐一細目に分けてこの審議会のほうでは項目をちゃんと出していらっしゃるのです。 実は、泉州沖という答申をお出しになる以前には、こういう問題を事前にいろいろと予測をし、調査をし、それを重ねて、その結果だいじょうぶだという見通しがあって初めて私は泉州沖ときめられるのが順序だと思うのですよ。全くその点が抜けちゃっていて、何ら実情について具体的な事実を示さず、調査結果についても報告なさらないなぜかというと調査がないからであります。地元の市長さんや町長さんが何ら事情について聞かされていない。そういう点に対しては何ら調査がないのでありますから、あたりまえだと思うのです。したがいまして、これからいろいろ連絡をとっておやりになるらしいのですけれども、この問題に対しては、この審議会の出していることしの基本方針というものを無視してかかってもらっては、これはもう全然お話にならないと思います。この点に対しての御用意はどういうことになっておりますか。
○梶原説明員 お答えをいたします。 ごもっともなことでございまして、先般の航空審議会の答申を作成されるにあたりましても、先生御指摘の点につきまして配意をしてまいりました。今後とも十二分に配意してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、答申の付属資料、関係資料でございますが、近日中に作成をいたしまして関係の皆さま方にお示しをするということを、この委員会で私ども政府側から申し上げておるわけでございますが、目下鋭意作成中でございまして、ちょっと手間どっておりますけれども、近日中にその運びになるわけでございます。ひとつお許しをいただきたいと思います。
○土井委員 それは十月一ぱいということでございましたから、十月一ぱいということになると、あとわずかでありますけれどもまだ時間があるようであります。ひとつ十月一ぱいという約束の期限をお守りいただいて、これは提出をぜひいただきたいと思うと同時に、その中身についてはやはりそれぞれの要件がございますから、きちんとその要件の中身に即応するようなデータを出していただくように、ひとつここに私は重ねて要求しておきたいと思います。 要は、先ほど来申し上げているのは、その中身になっている埋め立てについての環境アセスメントの問題なんです。だから実は先ほど手続を申し上げたので、答申としては泉州中というのが出てはおりますけれども、手続の順序からすると、埋め立て認可についての協議がまずなければならない。埋め立て認可の協議に先立っていま申し上げている環境アセスメントがあるわけですね。この環境アセスメントの点からして、好ましくないという結論が出た。環境アセスメントの点からして、どうもこの点は不明朗であってもうひとつはっきりしないというふうな結果が出た。さらに、先日私たちが視察に行った段階では、関係市、関係町の態度というものは非常に強いですよ。これは絶対ここにつくっていただきたくないという態度は非常に強いですよ。だからそういうことに対しての説得が、これは運輸省のほうがお考えになっているとおりにはいかない。 そういう場合には、この答申にある泉州沖というこの地点、さらにいまお考えになっていらっしゃる規模、これもばく然といたしておりますけれども、そういうものに対しては、埋め立て協議をなさる以前の段階で、これを御破算にして撤回をして、もう一度一から出直して考え直してみるというふうなことになりますか、いかがですか。
○梶原説明員 いままでのところ、地元の方々との接触が十分でなかったわけでございます。この点は御指摘のとおりでございまして、私ども非常に残念に思っておるわけでございます。今後答申を受けて政府案を決定しますまでに十分な調査をし、関係の省庁あるいは関係の地方公共団体等と十分に連絡をさしていただきました上で、いろいろと事を進めてまいりたい、かように考えるわけでございます。
○土井委員 いまのはお答えにどうもなっていない。じゃ質問をもう一度言い直しましょう。答申の中身にある泉州沖、すなわち閣議決定になる地点ということを前提条件として、いま作業をお進めになっていらっしゃるかどうかという問題なんです。つまり、環境アセスメントの結果、どうも泉州沖というのは好ましくない、また関係市、町もこれに対してはこぞって反対であって、どうにも運輸省がお考えになるように事が進まないということになってくれば、これは埋め立て協議をなさるその段階で、埋め立ての認可に至る以前に、いまの答申の中身にある泉州沖というものを全面的に撤回をして、もう一度新たにそれではこの地点をいずれに置くことが好ましいかということをお考えになる御用意が、どうしても六十年ということを目途に新空港が必要だという前提に立ったとき、おありになるかどうかということを伺っているのです。
○梶原説明員 先生、答弁を繰り返しまして恐縮でございますが、航空審議会に対しまして私どもの大臣から諮問をいたしまして、長い歳月をかけて答申をいただいた。その答申を受けまして、これから私ども政府部内あるいは関係官庁、関係地方公共団体とよく連絡をさしていただいた上で政府案が決定をするわけでございます。そしてまた埋め立て協議とかの手続に入るわけでございます。いまの段階におきまして十分なそういう手順を踏まない前に、こういう用意があるかどうかということにつきましてお答えをするのは、ちょっとまだ早うございますので、ひとつこういう答弁でお許しをいただきたい、かように存ずるわけでございます。
○土井委員 手順を踏まない前にとおっしゃいました。技術的なことからいうといろいろあるかもしれません。しかし私は、すでにいままでの段階で手順を踏んでいらっしゃらないと考えている一人なんであります。環境アセスメントなくして何のこれはここにつくりますよという位置の決定でありましょうか。ここにつくりますよというふうなことでいろいろと作業をお進めになるには、まず環境アセスメントなくして私はその位置の決定なんというものはあり得ないと考ておりますから、そういう点からしますと、いままでの手順からしたって、私は手順、順序は狂っていると思っているのです。間違っていると思っているのです。したがいまして手順を踏みましてとおっしゃるのも、いままでどおりの手順の踏み方ではこれは手順を踏んでいらっしゃることにはならない。だから、私はその点が非常に気にかかるのです。 泉州沖というものを絶対必須条件として、これを答申すなわちもう閣議決定だというふうな態度で臨まれた場合には、環境アセスメントも何もかもいいかげんなことで工事を先行させて、まず新空港をこの地点につくりさえすればそれでよいという態度がありありと出てきやしないか。そういう態度でいままで運輸省としてはどうも臨んでいらっしゃるように私たちには見えてならないわけでありますから、したがいまして、そうあってはならないという立場で私はいまこの席で聞いているわけであります。 だから、そういうことからすると、泉州沖という答申が出た。その答申は言うまでもなく運輸大臣の諮問にこたえての答申である。したがって運輸大臣の諮問にこたえては泉州沖が好ましいと思うという答申があくまでも出た。これは事実なんです。けれどもその泉州沖と出ているその答申の中身をさらに具体的に詰めてみれば、環境アセスメントの上から環境保全上好ましくない、特に最も大事なその地域の住民の方々が、これに対しては歓迎なさらない、市も町もこぞってこれに対しては反対なんだということになってくれば、どうしてゴリ押しをしてそこに新空港をつくれましょう。それでもなおかつつくりますという態度で臨んでいらっしゃるのか。いやそうじゃない、私たちはそういうことがまず第一に大切だと思うから、環境アセスメントの結果好ましくなければ撤回しましょうよ、住民の方々がこれは来てもらいたくない、ここにつくることは絶対反対だというような御意思を強く持っていらっしゃるのなら、無理に押して運輸省としてはつくる気がまえはさらさらございませんということなら、これは埋め立て協議の段階でどうも好ましくない、せっかくの答申であるけれども、このことに対しては御破算にして出直そうじゃないかぐらいのことはあってしかるべきだと思うのであります。 六十年ということを目途に新空港というものが絶対必須条件だ、と前提条件として考えていらっしゃるようでありますから、その点に対して特に私はお伺いしたい。六十年をくずすわけにはいかない、新空港は絶対大事だという、これをくずすわけにはいかない。そのためには、何でもかんでも地点をきめて工事をやっていさえすればそれでよいという態度であっては、これは困るのであります。そこで、いま申し上げたことについて再度繰り返しの御答弁はもう要りません。ひとつほんとうにその問題について真剣に取り組むという姿勢を持った御答弁をいま一たび聞かせていただきたいと思います。
○梶原説明員 先生御指摘の点につきましては、肝に銘じまして環境アセスメントあるいは地元の御理解、御協力をいただくようにこん身の努力をいたしたい、かように考えております。
○土井委員 どうもそれはもう既成の事実として答申があって、答申を受けての閣議決定をやるというふうなことで臨んでいらっしゃるというふうな態度が見えます。答申すなわち閣議決定じゃございませんね。答申と閣議決定というのはまるで違うという場合もたくさんございましょう。この場合においても、答申どおりにいかないということもお覚悟の上で当たっていらっしゃるのじゃございませんか。いかがなんです。
○梶原説明員 今後当省でも十分調査を進めますし、関係の機関あるいは地元の皆さんとの接触を十分にいたしまして、その上で政府案を決定する運びになるわけでございます。
○土井委員 それでは端的にお伺いをしますが、昭和六十年から逆算をして、諸般の事情、いまお述べになったことが万端整って、何とか工事に着工できるというときは一体いつぐらいというふうな計算で事をお考えになっていらっしゃいますか、昭和六十年がくずれていないのなら。
○梶原説明員 現在のところ、いつということははっきりわかっておりません。一にかかりましていま申し上げました、いままで地元の皆さんとの接触も十分しておりませんので、今後皆さま方の御意見を十分聞かしてもらう、あるいは関係省庁とのお打ち合わせを十分するという手順を進めてまいりたい。誠心誠意熱意を持ちまして、そういう点の抜かりのないようにいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○土井委員 それでは、誠心誠意おやりになるということをお伺いすれば、昭和六十年から向こうにずれて、時間的には当初の目途どおりにはいかないというふうなことも、ここではっきり言えますね。それは時間は何ぼかかってもそのほうが大事だというお考えで臨まれるわけでありますね。いかがですか。
○梶原説明員 答申の面におきましても、私どもまだ六十年目途ということをはっきり打ち出したことはないようでございます。私、まだ赴任早々でよくわかりませんので非常に恐縮でございますが、いままでのところ六十年ということを明確に打ち出したことはないようでございます。
○土井委員 その六十年というのを明確に打ち出したことはないとおっしゃいましたが、ひとつその点はもう一度御勉強し直していただいて、再度ここに御出席を賜わりたいと思います。私そのときにはっきり申し上げましょう。もう一度その辺は御勉強してください。それでは十月一ぱいに資料をお出しになるようでありますから、それならばそれに従ってひとつ具体的に質問を詰めていきたいと思いますから、その節また御出席を願います。 時間のかげんがありますから、もうあと一つだけはっきりさせておきたい問題がここにあるのです。それは先日、凝固剤について、これが有害有毒であるということで使用を以後中止するという厚生省の決定がございました。これは厚生省のほうから御出席をいただいております水道整備課長さん、御存じでいらっしゃいますね。
○国川説明員 お答えいたします。 地盤凝固剤の使用に関しての工法として使用の禁止あるいは中止、それらの措置は建設省が行なっておるものでございます。
○土井委員 建設省のほうがそういうふうな措置をおとりになったということについて御存じですねということを聞いているのです。御存じですね。——それに従って、その中で特にホルムアルデヒドというのが問題になるということで、これは厚生省の環境衛生局の水道環境部整備課長さん名で文書をお出しになったという過去の事実がございますが、これも確認させていただきます。ございますね。
○国川説明員 地盤凝固剤につきまして、福岡県でアクリルアミドによる事故がございました。またいまおっしゃった件につきまして、環境衛生局の水道環境部長名でこの旨の通達を出しております。
○土井委員 これは二度出していらっしゃるようです。一度目は七月十日の日付、二度目は九月二日の日付になっておりますが、その七月十日のほうの文書を拝見しますと、そこに問題のホルムアルデヒドについては、判断基準は「検出されないこと」と書いてあります。ところが、続きまして検査方法の中身を見ますと、ホルムアルデヒドについては「検出限界は〇・五PPMである」というふうに書いてあるのです。これ矛盾いたしませんか。つまり判定基準というのは「検出されないこと」ですから、全く出てはならないのですね。ところが検査方法については「検出限界は〇・五PPMである」ということを書いてある。正確に表現すると、判定基準に対しても、このホルムアルデヒドのところは、この検出限界〇・五PPMとすべきじゃないかというのが、これは私たちの率直なこの文書を拝見しての感想でありますけれども、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○国川説明員 この表現につきましては、一般的に水道水の水質基準をあらわします場合に、検査方法とセットの形で基準としてあらわしておりますのが通例でございます。したがいまして、ホルムアルデヒドにつきましてしも、検査方法を一定の分析方法で行ないましたときに、その検査方法によって「検出されないこと」というようにいたしておるわけでございます。
○土井委員 そうすると、判定基準のほうは「検出されないこと」となっているのはどういうわけでありますか。やはり判定基準というところにも、カッコ書きにしろ検出限界というのは〇・五PPMというふうに書くのが正確ではないかというふうに思われてならない。 それが一つと、さらに端折ってお伺いしますが、この検出限界というものを〇・五PPMと定められた根拠についてひとつお伺いしておきたいのです。
○国川説明員 一般的に水質の基準をあらわします場合に、試験方法といたしまして先生も御承知のように定量試験、定性試験の両方あるのでございますが、今回ホルムアルデヒドの分析方法として最も適切だと考えられました試験方法が日本薬学会協定衛生試験法の中の保存料試験法に基づくアセチルアセトン法であるということ、これは生活環境審議会の水質専門委員会の先生方の御意見等も伺いましてこの試験方法を採用することにいたしたわけでありますが、この試験方法に基づきまして行なった場合の定量試験の分析の信頼し得る限界値は、まず〇・五PPMとすることが最も適切であろうという判断でございます。
○土井委員 そういうふうな御説明はそのとおりでありましょうけれども、いまお伺いしている限りにおいてもどうもはっきりしない。慢性毒性の問題、日常常飲してもだいじょうぶだ、安全だということについては、急性毒性のことはございますけれども、慢性毒性についての公の資料というものはほんとうに乏しいわけであります。そういうことについて、いまこの問題についてはどういうふうに試験をなさり、その結果だいじょうぶだというふうな採用の方法をなすっているかということ。これはだいじょうぶですか。
○国川説明員 お答えいたします。 ただいま先生がおっしゃったように、ホルムアルデヒドに関する毒性の試験のデータと申しますのは、急性毒性につきましてはかなりのデータがございます。今回この判断基準を定めるにあたりましては、もちろん急性毒性も参考にいたしますし、さらには幾つかの発表されております論文等も十分考慮に入れて御検討いただいたわけですが、実は国立衛生試験所におきまして長期の動物実験を現在行なっておるわけでございまして、中間的な段階ではございますけれども、その段階でおおむね慢性毒性の試験の中間結果から考えまして、現在「検出されないこと」という表現ではございますけれども、その中で定めております〇・五PPMという濃度は、これは十分な安全を見込んであるというように私ども考えておる次第でございます。
○角屋委員長 土井君に申し上げますが、持ち時間の範囲が参っておりますのでよろしくお願いいたします。
○土井委員 わかりました。 それでは最後にお伺いしますが、この七月十日に出された文書を後に、九月二日にもう一度、再度出されている。あとの通達というのは何のためにお出しになったのか、なぜ出さねばならなかったかという事情説明をひとつお伺いします。
○国川説明員 九月十日に出しました分析方法の内容は、その通達にもあがっておりますが、サンプリングした試料の前処理の手順につきまして、さらにつけ加えて試験方法を念のために通知したものでございます。
○土井委員 技術的にいまおっしゃったことに対してはなおこまかい点がずいぶん疑義としてあるわけでありますが、時間のかげんできょうはひとつ譲りまして、次回具体的なことについて、これに対してなお質問を続行させていただきたいと思いますから、ひとつ御用意のほどをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○角屋委員長 田口一男君。
○田口委員 予定の時間があまりないようでございますので、端的に一点だけ環境庁にお尋ねしたいと思います。 先般、先ほど報告がありましたように、国政調査の一環として、公害関係の四日市にもおいでを願ったのですが、その際にいろいろ地元の関係者から陳情といいますか、具体的な意見が出されて承知を願っておると思うのですが、あらためてここで公害健康被害補償法の中身についてお尋ねをしたいと思います。 いまさら私がここで長々と申し上げる必要はないと思うのですが、昨年本委員会で前後十六回にわたる慎重な審査の結果、本年九月一日からいよいよ本法が施行になりました。ここで、施行になってからもうかれこれ二カ月たとうとしておるのですけれども、公害の原点四日市を限って見た場合、矛盾が実は集中をしてきております。 端的に言いますと、たとえばこの国会議事堂の構内にほぼひとしいような四日市の磯津という地区に、公害病の認定患者が三種類できたということになるわけですね。一つは、四十七年七月二十四日に判決のあった裁判関係の公害病患者、現在七名おります。もう一つの種類は、その公害判決に引き続いて、俗に自主交渉と言っておるのですが、自主交渉によってそれぞれの各社から判決相当分の金額を引き出し、これを受けた患者、これが百数十名おります。それから三つ目の公害病患者というのは、今日ではこの補償法の補償給付を受けておるということになるのですが、それまでは四日市独自の財団の救済による公害病患者というのがある。 この三つの種類の患者がみえるわけですけれども、本法が施行になって今日、この狭い磯津の地域に起きてきた問題といたしましては、これらの公害裁判の判決の患者、自主交渉の患者は、実は療養費を除いては、たとえば障害給付なんというものは全く対象外になっておる。なぜ対象外になったかということについては、昨年の本委員会の審議を通じてもいろいろと触れられておるのですけれども、地元のそういった関係患者の意向をそのまま聞けば、それはいまさら私が言う必要もないと思うのですが、当時の情勢からいって、海のものか山のものかわからなかったこの公害患者の救済の方法について、裁判に踏み切った。長年の年月をかけてようやく判決で救済の方法がわかり、被害者、加害者というのが明白になった。そういった、言うならば道を開いた患者、その開いた道のあとを自主交渉の諸君が通る。そういった経験を踏まえて政府のほうでもようやくこの健康被害補償法というものの立案に踏み切った。そして金額は別といたしまして、相当の患者が障害補償なり何なりの救済を受ける。となると、苦労をして道を開いた者が今日救済の対象になっていない、こういう心情的にたいへん同情のできる立場にいま置かれておるわけであります。 私は、ここでぜひともはっきりしたお答えをいただきたいと思うのは、これらの患者の諸君が、本法審議の際に、数度にわたって陳情に参りました。私も立ち会ったことがあるのですけれども、ときには前の大臣にもお会いしたことがあったそうですけれども、そのつどそのつど言われることは、私は決してその場しのぎのお答えでないと思うのですが、決して君らを見殺しにしない、何とかしてやるよ、こういう関係大臣なり関係者からのお答えを聞いて、いずれこの法律が施行になった場合には何らかの措置があるだろうと心待ちにしておった、この気持ちはおわかりいただけると思うのです。ところが今日、どうも救済の対象外になってしまいそうだ、何の音さたもない、こういう、たいへん不安を持っておるわけであります。 したがいまして、あと詳しい数字も私は持っておるのですけれども、まずそういった従来のいきさつにかんがみて、これらの裁判、自主交渉、こういった諸君について、今後この本法によって救済の余地といいますか救済をする手だてというものが考えられておるのかどうか、このことをまず端的にお伺いをしたいと思います。
○城戸説明員 ただいま先生お話しになりました点、一々よく了解できるわけでございます。 法律の立て方から申し上げたいと思いますが、裁判、協定等によりまして損害賠償を受けました昔であっても、この補償法上は被認定者となることになるわけでございますが、本制度は民事責任を踏まえた損害をてん補するための制度である、こういうことでございますので、その中心をなします補償給付を受ける者が同一の事由につきまして裁判、協定等によって損害がてん補されてしまっておるという場合には、その価額の限度におきまして補償給付を支給する義務を免れる、こういう仕組みになっております。これは十三条一項でございまして、すでに先生御承知のところと思うわけでございます。 本制度は、補償給付の中でも障害補償給付が一番中心でございますから、これについて申し上げますと、障害補償給付は逸失利益のてん補を中心としまして、それに慰謝料的な要素を加味したものとして給付の水準がきめられておるわけでございます。その給付の水準は、当委員会等でもいろいろ御指摘もございましたが、因果関係につきましての制度的な割り切り等もございまして、賃金水準の八割ということになっているわけでございます。したがって、通常の状態におきましては、裁判あるいは協定等によりまして全損害がてん補されているという場合におきましては、実質的に見まして本制度の適用は考えられない、これが立法の場合の基本的な背景にあります考え方であるわけでございます。 他方、この制度でございますが、御承知のように、障害補償費は賃金水準とリンクさせて政令できめていく、こういうことになっておるわけでございますので、障害補償費の額がだんだん引き上げられますということになりますと、水俣裁判等他の公害裁判の例と異なりまして、判決、協定等によりますいわゆる定期的な給付が上積みされておりませんいま先生御指摘の四日市の判決を受けた方、あるいはこれに準じて解決されました自主交渉による協定のグループの方、こういう方につきましては、将来の問題としましては、裁判、協定等によります額と、障害補償費の額と、全体として比較した場合に、そこに御指摘のような問題がいろいろ出てくるのじゃないかということも考えられますので、この点、むしろすでに法律はできたわけでございますから、第十三条の一項の解釈の問題としまして、あるいはその運用の問題としまして、現在法制局とも協議し、また、二、三の方からいろいろ御意見も聞きながら検討を進めているわけでございます。 先ほどお話しのように、私どもとしましてもできるだけ前向きで解決したいということで努力しておりますので、法律的な問題でもございますし、また、具体的な判決内容、協定内容等との関連づけた分析も必要でございますから、いましばらくその点お待ちいただきまして、私どもとしましてはできるだけ前向きに結論を出していきたい、こう思っておるわけでございます。
○田口委員 だめを押すという意味じゃありませんが、重ねてその点ではっきりさせたいのですけれども、そうしますと、十三条の解釈云々ということもあって、はっきりいえば、裁判の患者、それから自主交渉の患者についてはすでにてん補をされておるけれども、この本法によってもう対象外だ、おかまいなしだということではない、こういうふうに理解をしていいんですね。
○城戸説明員 この点は、ただいま申し上げましたように、私どもの考え方としては、そういう全損害をてん補された場合、この法律には乗ってこないという考え方で立法の段階では考えてまいっておりますが、具体的には現在ございます十三条一項の解釈問題でございますので、先生いまおっしゃるように全く余地がないということではないと思って、私どもいまその解釈論について詰めておる段階でございます。
○田口委員 では、今後検討していただくために、私はいろんな具体的な数字を持っておるのですが、ひとつ代表的な例だけを申し上げたいと思います。 確かに公害裁判で、四日市以外にも水俣病であるとか、イタイイタイ病であるとか、その他ございます。ところが、いまおっしゃったように全損害をてん補をするという意味合いからいった場合に、四日市の公害判決は多少、多少というよりも相当趣を異にしておるのじゃないか。そういったところから私は一人の、具体的な名前はあげませんけれども、裁判の関係で七人いま存命中なんですが、そのうちの一人で、四十九年に八十歳になる方がみえるわけですね。御存じのように、あの四日市判決は、就労可能年数を六十三歳として押えておりますから、この八十歳の方については、もう就労可能年数というのは、以降全くない、ゼロということになるわけであります。そこで、本法の障害補償の金額、それからこれも御存じだと思うのですが、四日市で協力財団をつくりまして従来支給をしておりましたけれども、そういった金額を勘案いたしますと、同じ四日市の磯津という狭い地区に住んでおる同年輩の方がみえるのですが、裁判の患者のこの八十歳の方は昭和五十年度になればもうゼロになってしまう、三割という、ランクが一番下になっておりますから。ところが、同じ年齢の方が、今度発足いたしましたから月額三万九千六百五十円相当額を障害補償費としてもらう、こういう矛盾があるわけですね、同じ狭い地域内で。 こういった考えから、私はもう時関の関係でこまかい数字はやめますけれども、大ざっぱに言いますと、裁判の患者の場合にはあの判決の趣旨からいって、当時の賃金計算ですか、その金額によって年代ごとに数字をはじき出しておりますから、当然に今度の施行令にうたっておる障害給付の金額、それとの差というものが出てくる。たとえば七千円程度の差が出てくる人も四、五人おるのですけれども、そういった差というものも、九月一日から当然にその差額だけ埋めていく、こういった考え方も一つできるだろうと思います。ところが自主交渉の場合には、計算の方式はつかみ金的な性格も一部あるものですから、さらに財団で救済をされた多くの方については、九月一日以前の分ももらっております。 そうすると、この法律を厳格に施行した場合、てん補されたんだから、裁判のほうは、十三条の解釈は前向きに検討するとおっしゃってはおるのですけれども、もし厳格にやっていこうとするならば、財団からもらった人、自主交渉の問題については——よく私は公務員給与の関係で、定期昇給延伸方式ですね、前に百万なり二百万なりもらっておったのですから、その金額を今度の障害給付が毎月毎月支給されるものとして、百万を費消してしまった時点で新たに——スライドは別ですよ。スライドは一応別として、その時点から障害給付をする、こういうことも考えられるでしょうけれども、この七名の判決の患者については、賃金政策で毎年毎年の金額をはじき出して逸失利益を出しておる関係上、今日の障害補償の金額とその差を埋めていくといった二段がまえということにもなってくる、こういう計算が成り立つわけでありますので、どうかいま局長がおっしゃったように、前向きで検討する、それをひとつ早い時期に結論を出してもらいたい、こういうことを最後に申し上げたいと思います。 この機会に、もう時間が参りましたから二点だけ要望しておきたいのですが、これも昨年の本委員会の審査の際に公述人が二度にわたって参りまして、四日市に隣接をする楠町というところがあるのですが、そこはもらい公害というような表現をしておりますけれども、これは今度の施行令で指定区域から漏れております。地元のほうでは一体どうなったんだという懸念をしておりますが、時間的な関係もあったのだろうとは推察をいたしますけれども、こういった隣接区域の指定区域への組み入れば一体どのようなことになっておるのか、これが一つ。 それからもう一つは、先般国政調査でおいでになった際に、もう時間がないからあれしますが、四日市単独で救済しておった者が二十二名いたわけであります。この内訳は、特別措置法、旧法に準じて市がやっておった患者ですね。その二十二名のうちで先般八名だけ本法のほうに移したということを聞いたのですが、残った十四名については、幸いといいますか、なお協力財団が存続をしておりますので、そのほうで救済をしていくやに聞いておるのですが、財団のことでありますので、法律ができたらもうわしのところは関係がないのだと言いかねません。そういう意味合いから、本法に乗らない市単独救済患者についても、この財団のほうで引き続きやっていくような指導というものを環境庁のほうからやってもらいたいということを要望いたしますが、その点についてのお考えを承って質問を終わりたいと思います。
○城戸説明員 ただいまの二点につきましては橋本部長からお答え申し上げますが、その前に、前の御質問に関連いたしまして、先生二つの考え方をお話しになったわけでございます。ただこの中で、毎月毎月裁判の中におきます逸失利益部分と障害補償費とを比べてやるということにつきましては、いろいろむずかしい問題がございまして、無理ではなかろうかと私どもは考えております。と申しますのは、障害補償費は逸失利益のほかに慰謝料部分を加えて定めておるわけでございますので、しかも特に就労予定年数を過ぎてから支給されます障害補償費というのは、むしろ慰謝料的要素と考えられるものでございますので、そういう性格を抜きにしまして逸失利益だけと比べるということはむずかしいのではなかろうか、こう考えております。ただ、いま御指摘がございましたように、非常に重要な問題でございますので、いろいろな考え方を頭に置きながら十分検討してまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○橋本説明員 後段のほうで先生から御質問のございました地域指定の問題でございますが、四十八年度の予算で全国七地域の基礎調査をいたしまして、そのうちの一つの地域に三重県の楠町は入っております。私どもは当初何とか九月一日に間に合わせたいと思いましたが、制度の発足で精一ぱいになりまして、新しい地域指定の追加ができませんでした。それにつきまして中央公害対策審議会の中に専門委員会を設けまして、地域指定の場合の条件ということこつきまして御審議を願い、もうほぼ最終的なまとまりがつきかかったところになっております。そういうことで、これがまとまりましたならば、その条件を基礎として三重県当局、楠町当局とも話をいたしまして、十一月中には新しい地域指定の問題に踏み切れるのではないかというぐあいに考えておるわけでござい・ます。 第二点の市単独の患者の二十二名中八名は新法によってその認定患者とされて、新法の対象になったわけでございますが、あとの人々はまだこの新法の認定患者とはなっておりません。この中にいろいろな要件がございまして、その点につきましては最終的にまだ決着がつかないところもあるわけでございますが、当委員会が現地を御視察のおり質問がございまして、私もお答えいたしましたように、どうしても補償法の対象にはならないという場合には、この財団のほうによろしくお願いをするということで、私自身も参って話をするということでございまして、県市の当局にはそれも話しておりますし、財団の常務理事もそのことを存じておりますので、また必要な場合は動きたい、そういうふうに思っております。
○田口委員 終わります。
○角屋委員長 林義郎君。
○林(義)委員 私は、自動車の排出ガス規制の問題なかんずく言われております五十一年度規制の問題につきまして若干の質疑をいたしたいと思います。 当委員会におきましては閉会中にもかかわらず、この前には自動車会社の代表の方々に来ていただきまして質疑をしたわけであります。その質疑を通じて得られたところの大体の結論というのは、技術的な問題で非常にむずかしいという答弁が各社からあった。その技術的な問題につきましてどうかということにつきましては、私の感じで申し上げるならば、政府のほうに検討してもらう、こういうことだと思うのであります。 ところで、新聞を拝見しておりますと、七大革新首長会というのがありまして、そういう団体があるのかどうか私も知りませんけれども、七大都市の首長が環境庁長官のところにお伺いをして陳情されたということでございます。 その陳情書の内容を拝見しておりますと、技術的な問題についてメーカーの言うことは信頼できないし、国のほうもその意思を受けてやっているのは非常にけしからぬ、こういうふうな文章であります。そういったような陳情であります。私が承知しておりますのは、現在は中央公害対策審議会に自動車専門委員会を設けられまして鋭意その点の御検討をしておられるというふうに聞いておりますが、この陳情書の趣旨というのはどうも基本的にはそういったことは必要じゃない、こういうふうな陳情のように見受けられるわけであります。 はっきり申し上げますと、最初に「わが国の自動車メーカーは、先頃来、技術的困難を理由として強くその延期または緩和を求め、国も、その意を受けて中央公害対策審議会にこれを再諮問するなど、施策の変更を考慮しつつあるかに見受けられる。」こういうふうに書いてあります。おそらくこれの背景になりましたところの七大都市自動車排出ガス規制問題調査団報告書、この前文では「国がこのような主張に基き、中央公害対策審議会に再諮問したことも首肯できない。」というふうな表現になっております。 環境庁長官は、中央公害対策審議会とこの七大都市の陳情とどちらを重視してお取り上げになるつもりなのか、まずお答えいただきたいと思います。
○毛利国務大臣 お答えいたします。 一昨日、東京都知事、横浜市長など七大都市を代表いたしまして、調査団の検討結果に基づき、いわゆる五十一年度規制の完全実施についての要請がありました。大都市の大気汚染が深刻な状況にあり、今回の要望の趣旨については十分理解するものであります。しかし、五十一年度規制の問題については、目下中央公害対策審議会で鋭意審議中であります。環境庁としては、その検討結果に基づいて最終的な決断をする考えであります。
○林(義)委員 私が大臣にお尋ねしておりますのは、一方では、そんなものは技術的に可能であるから必要でない、こういう陳情が出ているけれども、大臣はいままでやっておられるのですから、この陳情に対してどういうふうなお取り扱いをされるのかということでございます。この陳情は、中央公害対策審議会へのあれをやめろというふうに書いてある。調査団の報告書を見れば、「首肯できない」、そういった政府の態度はおかしいというふうに書いてあるのです。だから、この陳情に対して政府はノーとはっきりおっしゃるのですかどうですかということを私はお伺いしているのです。この陳情も検討するということでしたら、私は相矛盾した態度だと思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
○毛利国務大臣 お答えします。 陳情の趣旨並びにその調査団の書類の趣旨は一応参考にいたしますが、重点はあくまでも中央公害対策審議会並びに自動車専門委員会の検討の結論に重点を置いておるということであります。
○林(義)委員 参考にするというお話でありますが、あくまでも本旨は中央公害対策審議会の専門委員会の調査結論を待って対処しよう、こういうことだというふうに私は了解してよろしゅうございますか。くどいようですけれども、もう一ぺん御答弁いただきたい。
○毛利国務大臣 そのとおりであります。
○林(義)委員 参考にするということでございますが、役所のほうにも当然にこの要請と調査報告書というのがいっていて、その上での参考だと思います。これだけではない、こちらのほうも参考にするということだと思いますが、そのとおりでございましょうか。
○春日説明員 そのとおりでございます。
○林(義)委員 私もしろうとで自動車の技術の専門家ではありませんから、そう詳しいことはわからないことは百も承知の上であえてお尋ねをするのですが、この七大首長の名前での五十一年度規制の要請の中には「五十一年度規制に適合する数値を達成することは、技術的に決して不可能でないと判断する。」こういうことがあります。調査団の報告で、私、その辺を読んでみたわけであります。「昭和五十一年度規制をめぐる技術開発の現状と見通し」こういう点が書いてあって、各社の問題にわたっていろいろと勉強しておるわけです。 そこで、技術的な問題に若干入りますけれども、言うまでもなくNOxを排除するためには排気再循環装置というものと触媒によるものと、いままでの技術の方法として二つの方法があるということは明らかであります。それで、この中に書いてあるのすが、その排気再循環装置の効果で一律に三〇%ぐらいやれる、どうもこういうふうな論理になっておるようであります。ロータリーエンジンにつきましてはそのぐらいの結果が出たといいましても、ロータリーエンジンというのはまだ日本の国内におきましては非常に少ない分野である。やはり何といいましたところで、日本の自動車の大宗を占めておりますのはレシプロエンジンであります。そうした場合に、ロータリーエンジンでできたから、それが直ちにレシプロのエンジンにすぐ向けられて、同じように三〇%の排気ガスの排気効果というものをもたらすかどうかということについては、私は疑問があると思うのですけれども、いかがでしょう。私は、やはり効果があるかどうか、この辺は調べてみなければならない問題だろうと思いますけれども、どうでしょう。
○春日説明員 先生の御指摘のとおり、ロータリーエンジンで開発されましたデータを普通のレシプロエンジンのデータにそのまま流用するということはむずかしい問題でございます。
○林(義)委員 それから、これは私もしろうとですし、そんなに時間もなかったものですから、さあっと読んでみて気がついたところだけ申し上げますが、「車体重量一トン前後の小型車ならばNOx〇・四グラム・パ−・キロメートルを達成することは不可能ではないと考えられる。」こう書いてある。あるいはそうかもしれません。車体重量一トン前後のものについては技術開発の可能性がある、不可能ではない、こういうのです。それは、その本のページでいいますと、二二ページですけれども、ところが二二ページの下のほうでは、「四サイクルで少くともNOx〇・四グラム・パー・キロメートルの規制は昭和五十一年度から実施し、これを達成できない大型車は製造中止または高額の賦課金を課すべきであろう。」こういうふうな表現になっております。一トン前後の小型車ならばできると上には書いておって、あとのほうの段になりますと、これはすべての車に及ぼすべきであって、できないものは賦課金を課すべきであるという論理構成になっている。 私は、この論理がちょっとよくわからないのです。一つのことにおいては不可能でないかもしれない、しかしそれは全部でやれるならばやるべきだ、こういうことであります。私はこの文章、よくわからないのですけれども、これは逆に言いますと、一トン前後の車についてはできるかもしれないが、ほかの車についてはできない、できないけれども、無理にやれ、こういうふうな議論ではないか。あるいは大きな車はやめてしまえという議論に通ずる議論だろうと私は思いますけれども、この辺につきまして環境庁当局はどうお考えになりますか。
○春日説明員 当報告書を読む限りにおいては先生のお考えが正しいと思います。
○林(義)委員 もう一つ二三ページにありますけれども、リードタイムは一年、二年で十分である、こういうふうな形をいっておる。ここで書いておりますのは、本田技研が能力を持っておる、さらに三菱自動車が耐久性の問題に云々、こういうことをいっておられる。両方の技術を合わせてやってみればやれる、こういうことが書いてある。 私は、車の問題というのはそんなに、一つの技術があって、今度はこちらの技術があるから、それを二つ合わせましたら何かができるというようなものではないだろうと思うのです。やはりそれはそれなりのいろいろな特性がある。工程の問題もある。こちらのほうもこちらのほうがありますから、そこを一緒にしたから全部できるなどというのは、私は科学的な判断としてはきわめておかしな判断になるだろうと思います。私の常識で申し上げても、工学の原則からして、こんな原則なんというのはあり得ない、私はそう思うのですけれども、その辺につきまして環境庁はどういうふうにお考えになりますか。
○春日説明員 仰せのとおりだろうと思います。まあ科学的な推論ではないと思います。
○林(義)委員 私は、まだほかにもたくさんあるのだろうと思うのです。私も十分読むひまがありませんから、私はあえて申しませんけれども、いまあげました三つの点に基づいても、非常に独断と偏見に満ちた報告書ではないか、私はこう思うのです。あえて申し上げたい。独断と偏見に基づいているのではないか、こう思うのです。こういったものをなぜ環境庁が、先ほどのお話ですけれども、大臣は参考にされるとおっしゃいました。私は、その点はやはり考えていただきたい。私は、参考にするに値しないような資料ではないか、こう思うのですけれども、大臣はこういったところに対しても非常に御理解があるようでありますから、参考にすると、こうおっしゃったのでしょう。私は、参考にするのも、うのみにしてもらっては困ると思うのであります。つまり、いま私が申し上げたような点はひとつしさいに御検討をしていただかなければならない、こう思うのであります。 それから、技術的な問題がありますけれども、この中でもう一つ問題がありますのは、大気汚染の問題でありますが、いま法制的にどうなっているかということを私は申し上げたい。 大気汚染防止法ができまして、昭和四十六年の改正ではなかったかと思いますけれども、大気汚染防止法第二十一条と、いうのを改正いたしまして、大気が汚染する場合には、都道府県知事は都道府県公安委員会に対して交通規制等を要請することができるという規定がありまして、と同時に、道路交通法を改正いたしまして、道路交通法では、交通公害があるときには道路の規制ができるという形になっております。法律的にはそうなっていると思います。私は、この大気汚染でいまのところ都道府県がやれるのは、こういった交通規制というのがまずまっ先にやれる問題だろう、こう思うのです。 ところが、この報告書を見ますと、七大都市は与えられたところの権限を非常によくやってきておる、精一ぱいやってきているけれども、国がいろいろなことを独占しているから何もできないのだというような表現で書いている。その排出ガス規制問題の調査団報告書の中にもそんなことを書いている。それから一方のほうも、ちょっと表現は違いますけれども、そんなことをいっている。私は、東京都がやるべきことは、あるいは七大都市がやるべきことは、現在の法律に基づいてそういったことをやったらいいんではないだろうか、こう思うのです。それもやらないで言うのは、少しおかしいのじゃないか。私はその辺の問題について、いままで環境庁当局なりあるいはほかのほうがどういうふうな御指導をされたか知りませんけれども、少なくともそういったものが十分に果たされてないということは事実だろう、こう思うのです。 警察庁は呼んでおりませんから、この問題について、大気汚染防止法を担当しておられますほうの担当からすれば、どういうふうな考え方をしておられるのか。私は、どうもサボっているのは都道府県ではないか、あるいはそういった政令市に指定されるところの大都市ではないか、そこがサボっているのではないか、こういうふうな感じがしてならないのですけれども、いかがでしょうか。
○春日説明員 交通あるいは道路、あるいはもっと端的にいえば、自動車によるさまざまな公害がございます。これは騒音を含めて、あるいは振動を含めてでございますが、そういった場合に、先生が御指摘になったような地方自治体としてやるべきことはございます。また、道路管理者がみずから都道府県知事である場合には、そういった要請をみずから受けて、道路の構造あるいは交通規制、そういったことに対しましてもおのずから行ない得る点が多々あることは御指摘のとおりだと思います。
○林(義)委員 もう一つ技術問題について私は聞いておきたいのですけれども、最初に申し上げましたとおり、エンジンの改良による場合と、触媒によって大気汚染を減少さしていく、NOxを削減していくということでありますけれども、触媒というものは、 これは熱してやるのがルールであります。熱くなるわけであります。触媒によって大気汚染を防止するということも一つの方法でありますが、白金その他を使う。白金の値段というものが相当に高くなるだろうと私は思うのであります。一万キロ便えるとか二万キロ使えるとか、と同時に、白金が非常に過熱されるとか、いろんな説があるようでありますが、聞くところによれば九百度にも熱が達する、こういうことであります。この技術をさらに進めていけということがこの中にもいろいろ書いてある。 私は、この技術は公害対策、大気汚染対策というような観点からすれば一つの方向かもしれないが、もう一つ考えなければならないのは、町の中で九百度もするような物体が走るということであります。たくさんの車が東京都内でもじゅずつなぎに並んでいる。九百度の熱を持っているものが走っておりまして、もしもそれが何らかの事故によって外に出る、要するに熱が出るわけでありますから燃えるわけでありますけれども、燃えたときにはたいへんな事故になるだろうと私は思うのであります。そういった観点からすれば、大気汚染と同時に考えなければならないのは交通安全の問題だろうと私は思うのであります。やはり交通安全の観点からその辺は十分に考えてもらわなければならない問題ではないかと思うのです。 その辺につきまして環境庁はどういうふうに考えておられるのか。エンジンでやる場合、それから触媒でやる場合、特に触媒のほうにそういった問題がある。聞くところによると、これはほんとうかどうか知りませんけれども、試験車を芝生の上を走らしたところが、走っているうちに芝生が全部燃えてしまったというような話も、うそかほんとうか知りませんけれども、あるようでありまして、そんな車をもしも東京都内なんかで走らされたら迷惑するのはわれわれ住民であります。その辺につきましてどういうふうな考え方をこれからしていかれるのか、特に交通安全の問題と排気ガス規制の問題が車の問題では十分に考えていかなければならない問題だと思うのですけれども、大臣からか、あるいは局長から御答弁をいただきたいと思います。
○春日説明員 御指摘のとおりでございまして、触媒にしろあるいはエンジンの改良によって五十一年度規制を達しようという方法にしろ、いずれにいたしましても自動車として量産し販売する以上は、安全性、ことに交通に関する安全性というものは確保されていなければ車と言えないわけでございます。その点は私どもも十分指導してまいりたいと思っております。 それから窒素酸化物がいかに減っても、そういうような危険な車ではわれわれは車としては認めないということでございます。なお、各自動車メーカーとも、私ども見ておりますと、それぞれ枯れ草対策というセクションを設けてやっておるぐらいでございまして、先生の御指摘のような問題につきましても十分われわれはメーカーに対して検討するように指導いたしておるつもりでございます。
○林(義)委員 この問題ですね、自動車というものは基本的にいいますと精密な機械であります。機械がしろうとの手によってあちらこちら動くわけであります。精密な機械をくろうとが運転する場合だったならば私はいいと思う。それから単純な機械をしろうとが運転する場合でしたら これも問題はない。単純な機械をくろうとが運転したら能率があがらない。精密な機械をしろうとが運転するとすぐに運転がとまるのだろう、こう私は思うのであります。今度のこういったいろいろな技術革新をやっていかなければならないということは、車がますます精密機械のほうに近づいてくるのだと私は思うのであります。したがいまして、精密機械になればなるほど、しろうとが運転するわけでありますから、非常に危険性が高まるということは当然に考えていかなければならない問題だろうと思うのであります。 この問題につきましても、単に技術的にできるということではなくて、ほんとうに車が路上においてしろうとの手によって運転されるということまで十分に考えて判断をしてもらわなければならない問題だろうと思うのであります。単に車が経済的にどうだこうだという問題を抜きにして、車の安全ということを考えるならば、これはぜひ考えてもらわなければならない問題だろうと私は思うのであります。あまり精密なものであれするということは非常に危険性を伴う。その辺どういうふうに環境庁のほうはお考えなのか、御答弁をいただきたい。
○春日説明員 仰せのとおり自動車と申しますものは不特定多数のユーザーが、しかもこれは全くプロのドライバーとは限りません。きのうライセンスをとったお嬢さんでもやるわけでございます。しかもそれが零下何十度から三十度、四十度という酷熱のところに至るまで、あらゆる不特定の走行条件に暴露されるわけでございますので非常に過酷な性能が車には要求されるわけでございます。したがって、システム全体とすれば、信頼性の問題あるいは耐久性の問題、さらに安全性の問題等から考えれば、先生がおっしゃるとおり、できるだけ簡素に、しろうとに近い、運転免許とりたての者でも運転可能なようなシステムにつくり上げることは好ましいわけでございますので、そういう方向に私どもは持ってまいりたい。そうでないと、万全の策を施してあるといえども、しろうとが警報ランプが鳴っておるにもかかわらずそれを無視して走って火だるまになるというようなととがあっては困るわけでございます。その辺私どもは十分注意しながら指導してまいりたいと考えております。
○林(義)委員 局長の御答弁の中で一つ訂正を求めたい点があります。お嬢さんでもという御発言がありましたけれども、委員の中にもお嬢さんの議員がおられますから、ちょっとその点は御訂正をいただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○春日説明員 その点は訂正いたします。
○林(義)委員 もう一つ、あまり資料を持っておりませんが、私の調べたところでは、年間のNo2の排出量がキロトンにいたしまして東京湾岸地区においては四十六、七年ぐらいが一番ピークになりまして、四十八年規制、五十年規制というものがありますから、だんだんと減ってくる。規制が全然行なわれない場合には推定といたしまして二百二十キロトンあります。それから五十年規制でやると大体百二十キロトンというような一応の計算をしたのですけれども、これは環境庁のほうでいろいろと御計算をしておられると思うのです。大ざっぱにいいまして、全然規制がない場合とそれから五十年規制をやった場合にはNO2の排出量がざっと半分になる、こういうふうな推定をしていいのかどうか。それから五十年規制と〇・九に下げたときには、これが約十キロトンぐらい減るでしょう、それから〇・二五規制にしたときには、これが二十キロトンぐらい減るでしょうという数字が、私ざっと計算してみたところが出てきたんですけれども、感じで申して、おたくのほうで計算しておられるかどうかですけれども、計算しておられれば、東京湾岸についてどのくらいの低減効果があるかという数字を出してもらいたいし、なければ、私のほうで、大体いま申しましたその数字、ぴしゃりだということは私申しませんけれども、大本そんな感じですということかどうか、お答えいただきたい。
○春日説明員 いま資料を持ち合わせておりませんので、明確なお答えはできかねるわけでございますが、一つは、そういった推定をいたしますときに一番大きな問題は、東京湾岸あるいは東京都内でどのように今後自動車がふえるのか減るのか、これがまず第一に一番大きく響いてくるわけでございます。それから自動車以外の固定発生源の消長というものがどういうふうに響くのか、それから固定発生源の、いま窒素酸化物低減のためにいろいろの策をやっておりますが、それがどういうふうにきいてくるか、そういったことをすべて一応仮定しながら計算してまいりますので、必ずしも私は、そのものずばりで申し上げるわけにいかないと思いますが、東京都内で考えてみますると、おそらく東京都が発表しておられるように、毎年七%の割合で交通量がふえ、あるいは自動車の量がふえるというふうには私どもは推定できないので、まあゼロ、多くても一%、二%、そういうオーダーだろうと思います。 そういたしますると、四十八年度規制から五十年度規制に行くわけでございますから、窒素酸化物はどんどん減ってくることは事実であります。またディーゼル車の新車規制もいたしておりますし、あるいは中古車の点火時期の調整のこともいたしておりますので、これは減るということは十分推定できるわけでございます。
○林(義)委員 実は私、計算しましたのは、五十六年度末における大体の保有台数というのは、いまのとおりあまりふえないだろう、四十八年の十二月で五百二十五万台、五十六年十二月で六百万台という感じで計算してやってみたところが、未規制の場合にはざっと二百二十キロトン、それから五十年規制の場合は百二十キロトン、〇・九に規制値を落としたときには百十キロトン、それから〇・二五のときには九十キロトンぐらいになりまして、その間を大体勘定いたしますと、五十年規制とそれから〇・九にした場合の規制では、量を計算にしますと、三十万台ぐらいの排出量になるわけです。それから〇・二五にするということになれば、さらにプラス六十万台ぐらいのものをざっと減らしていかなければ、大気の汚染の状況は維持できない、こういうふうなことでございます。 言うならば、五十年規制をやって五十一年規制をやる場合におきましては、九十万台のものを減らさなければできないというものにひとしいことになるわけであります。六百万台の中で九十万台を減らすということは、ざっと申しまして一五%でございます。一五%をやはり車をカットしろ、私は、大ざっぱに言ったらこういうふうな話になると思います。 そういったようなことを考えてやらなければならない、こう思いますけれども、この辺のことを考えたときに、たとえば九十万台も減らすということになりますと、具体的に、なかなか警察庁なんかではいまのような交通規制ではできないと思います。東京都内を走っている車にはタクシーのような営業車もある、それかららトラックもあります。いろいろな食物を運び商品を運ぶための営業用車もあります。都内を走っている車の、東京湾岸を走っている車も入れまして大体三〇%というものが私は自家用車だと思うのであります。いろいろな自家用車の中でも救急用とかなんとかというものがありますから、やるということになれば、もしも総量規制的な考え方をするならば、自家用車を全部やめて、若干いろいろと必要なものについては認めていき、あとの営業用車をやらなければならないぐらいの規制になるだろうと私は思うのです。一体そういったことというのは東京の市民生活として耐えられるものであるかどうか、私はこう思うのです。 その辺ぐらいのことを考えるような問題でありますから、私はさらに先ほど来申し上げておるような問題がある。大体私がいま申し上げたようなぐらいのことというものは、環境庁当局はもちろん考えてやっておられるのでしょうけれども、むしろ自動車の問題とするならば、そちらのほうがいいのではないかという議論が私もあるのだろうと思うのでありますが、この辺についてはどういうふうに環境庁はお考えになるか。 大気の汚染を防止するためにはいろいろな方策があります。発生源であるところの自動車からの発生を押えていくという直接的な方法があります。と同時に、総量規制的な考え方でやはりいろいろな規制をやっていくということを考えなければならないということもあります。これはこの前の国会におきまして大気汚染防止法を改正したときに、そういった考え方が出てきておるわけであります。それですから、私はやり方として二つあると思う。この二つの比較考量をどういうふうな考え方でやるというふうにお考えになっておりますか、環境庁、御見解があればお答えいただきたいと思います。
○春日説明員 私どもは都市型の大気汚染というものをいかに押えるかという検討を、かなりの人間と費用を投じて昨年から行なってきております。その結果、都市型の汚染というものは自動車問題を除外して通り抜けることはできない、これは一つの当然の結論でございますが、しからばどうするかと申せば、これは一つは、自動車の排気ガス規制を強めることによって、確かに排気ガスそのものを発生源として取り締まっていこうという考え方がございます。それから都市計画あるいは総合交通体系の変更によりまして車をそれほど使わなくて済むような都市にしていくという考え方もございましょう。しかし、これはすぐには間に合うわけではございません。即効性のないことでございます。したがいまして、現在私どもがとれるところは、できる限り排気ガス規制を強めていくということは前提にございますが、それと同時に、やはり交通量というものを日常生活、社会生活を阻害しない範囲において押えていく、こういったことは当然必要なことだと思います。 それから、やはり都市内にございますところの種々雑多な固定発生源、そういったものを整理していく。たとえば地域暖房、地域冷房というようなものを大幅に取り入れることによって窒素酸化物を減らすということも自動車以外にはあることであろうと思います。 そのほか、低公害車に中古車を代替していくというその代替率を促進するようないろいろな税制上のことも考えていく必要があるであろう、まあ総合的に私どもはこれは各省庁と相談しながら考えてまいりたい、かように考えております。
○林(義)委員 低公害車の税制上の措置につきましては、四十七年の税制改正で私も強力に主張して実はこれは実現したものであります。しかしながら、その効果たるや実はあまりあがってないというのが残念ながら実情であります。いま私は考えなければならないのは、計算すればその一五%のカットをする、六百万台の中で九十万台もカットしなければならないという事態にあたって、なまじっかな税制問題ではできないと私は思うのであります。先ほどマイカーを全部規制したらいいということを私は申し上げた。もしもこれをプライスメカニズムだけでやるということになるならば、経済原則によりますと、需要供給曲線がこうありますから、この一番簡単な経済原則でやれば、おそらく自動車の値段は三倍くらいにしなければ九十万台の削減というのはできないだろうと私は思うのであります。そういうことになれば、これはまたプライスメカニズムでやってもできない。それから直接規制でやればますます市民生活に不愉快な感じを与えるのは必至であろう、私はこう思うのであります。 そういったようなものでありますし、同時にもう一ぺんそこで考えなければならないのは、行き当たったらやはり原点に返ってものを考えることだろうと思うのであります。やはりいろいろなものを考えるときに、いろいろ突き当たったら原点にもう一ぺん戻って考えるということが一番必要だろうと思うのです。あれだこれだといろいろ知恵をめぐらして、まあ途中までやったからかんべん願いたいということではなくて、問題はやはり原点にさかのぼって考えていただかなければならない問題であろう、こう思うのであります。 原点というのは何かということになりますと、やはり〇・二五の規制の問題ということになります。この問題は、現在のところ私はいじれとかなんとか言いませんけれども、一体これがどのくらいのものをもたらすか、こういうことであります。正直に申し上げまして、私が持っておるところの環境問題研究会という資料によりますと、五十年の規制でもって昭和四十一年程度の環境汚染の状態になる、こういうふうな数字で出ておりますが、この辺は間違いないでしょうか。
○春日説明員 先ほどお答え申し上げましたように、そういった計算をいたします前提条件というものはいろいろございますので、その前提は必ずしも私は一〇〇%正しいとは考えていないわけでございます。
○林(義)委員 いろいろなものをきめるときに、そういった前提がわからない、固定発生源の問題がわからない、こうおっしゃいますが、やはりその辺はある程度までの推定を置いて、かくかくの前提であるならばこうなるでしょう、こういうことを言わなければならないと思うのですよ。少なくとも私がもらっておるところの資料では、五十年規制でやれば、大体自動車の量だけをとってみれば、自動車の伸び率を大体普通に考えるならば、四十一年か四十二年くらいの状態になるだろう、こういうことがいわれておるのです。やはりこの辺はしろうとにわかりやすく説明していただかないともうどうにもならないだろう、こう思うのです。大体の感じとして、その辺は当たっているのですか、当たっていないのですか。
○春日説明員 勘といたしましては、ほぼそのとおりだと思います。
○林(義)委員 そういたしますと、これからまた四十一年当時をさらにさかのぼるということであります、自動車は毎年毎年ふえてきますから。四十一年当時ということを考えますと、まだ東京にも光化学スモッグという問題も出てきてなかった。私はそれだけでももちろんやらなければならないということは言えると思いますけれども、とりあえずの目標としては、四十一年当時の光化学スモッグの状態がない場合を一応まず達成をして、それからあとの問題を考えていかなければならないと思うのです。そういったような考え方をしてもらいたいと私は思うのです。 というのは、これは単に車だけをこういじってどうだこうだという形でなかなかうまくいかなかったというのが、実は環境庁でも中央公害対策審議会でもいろいろ議論されておるわけであります。だから、そのときにさかのぼって考えるのは、一体まずどの程度のものにしていくということが必要なのか。そうすると、四十一年の場合でやるならば、少なくとも光化学スモッグというのはその当時はなかったわけであります。東京の空はまだまだ青空も見えたし、ときには星も見えるというぐらいのころであります。いまは星も見えない。まず星が見えるようにするということが第一歩だろうと思います。そうしてその次にまた考えていかなければならない問題ではないかと思うのであります。 それから〇・二五につきましては、マスキー法の日本版の焼き直しである、こういうふうな形でいわれておる。それはマスキー法なるものもアメリカのほうでいろいろ研究された結果をもとにしたのですけれども、やはり日本でもいろいろな研究成果をやってもらわなければならない。 と同時に、もう一つ〇・二五の前提になるところの〇・〇二という問題があるのです。私は大気汚染防止法の改正のときにもこの委員会で申し上げて、これの再検討をしてもらうということになっている。一例をそのときにも申し上げたのですけれども、石油ストーブを六畳、八畳くらいの部屋でたきましたときにどのくらいの濃度になるか。濃度はNO2やいろいろ足しますと、室内においては〇・三四くらいになるというデータもあるわけです。そうしますと、大気のほうはいいけれども、部屋の中で石油ストーブをたいたらNO2の中毒が出てくる、数字をそのままいえばこういうふうなことになるわけです。私はその辺の問題も一つ考えてもらわなければならない、こう思うのです。そうしたならば、石油ストーブもやはり禁止しなければならないという論理的な必然であります。 もう一つ占うならば、たばこの中でエコーというたばこがある。非常に大衆たばこであります。これなんかも非常に高いPPMが出るということもいわれております。エコーを吸ったら、それで窒素酸化物がたくさん出て非常に大気汚染になって困る。そうすると、大体これは安いたばこでありますから、一般大衆が非常にのむたばこである。そういったたばこをやめるということになったならば一体どうするのかという問題もあると私は思います。そういった点も考慮してきめるべきような問題ではないか、こう私は思うのであります。 そういった点がありますから、私はこの機会に七大都市のようにいまの作業をやめるというふうなことは申しません。いまは当面は〇・二五を目標値にしていろいろ作業をしていただかなければならないだろうと思うのです。やる方法としては、いま私がるる申し上げたようなことをひとつ十分に考えて、これこそまさに尊重してもらわなければならない意見だと私は思いますけれども、私は七大都市の意見よりもはるかに尊重していただきたいのですけれども、大臣、いかがでしょう。
○毛利国務大臣 比較の問題よりも林委員の質問のそういう数字の詰め方を非常に参考にしたいと思います。 〔「何だかおかしいね」と呼ぶ者あり〕
○林(義)委員 何だかおかしいなというやじがありますけれども、私は、いまのような問題をどうしてもやっていかなければ、環境行政というものはいま非常に大きな曲がり角に来ておるということを申し上げざるを得ないのであります。私も長い間公害対策並びに環境保全特別委員会でいろいろ議論をしてまいりました。議論してまいりましたけれども、これだけ大きな問題になりました。 特に私がもう一つ心配をしていることを申し上げるならば、自動車というものはガソリンを使って走る機械であります。ガソリンというのは石油であります。これをやはり変えていかなければならないような問題が石油問題から出てきているだろう、私はこう思うのであります。 言うまでもなく、自動車というのはアメリカで出てきたものであります。アメリカのように自分のところで石油をたくさん産出をして、いまや石油の輸入国になろうというほどの国になってきている。高度文明社会を一番謳歌したのはまっ先にアメリカでありました。この高度文明社会に対してアメリカというものがいままで果たしてきた先導的な役割りというものは否定できないと私は思います。それの一つには、車文明に支えられたところの問題だったろうと思います。ところが、この車文明というものがいまから石油の問題について大きく変わっていかなければならない。これは世界的な問題だろう、こう思うのであります。石油というものはどう使うかということを国民全体が、ないしは世界が考えていかなければならない問題になっているだろうと私は思うのであります。 たとえて申しますと、中国は石油というものは燃料には使わない方針である。石油は有用な資源であるから必ず物にして使う。なるべく車を走らせない。したがってわれわれは自転車で走るのだということを中国に行ったとき聞いたわけであります。これも私は一つのりっぱな哲学的な考え方だろうと思うのであります。私は、そういった考え方もありますから、単に車、車と、何とか車を走らせて何とかするという考え方ももう一歩考えてみなければならない時期だろうと私は思います。 一歩譲りまして、日本の国内において走る場合におきましては、アメリカのように広い国土でない、広い高速道路もない、そうしたときに大型の車を走らせるのがいいか、あるいは小型の車を走らせるのがいいかという問題についても、やはり国土の状況から考えて議論しなければならない問題だろうと思うのであります。しかく単純に〇・九がいいか、〇・二五がいいかという問題では私はないと思うのであります。 確かに車というものはわれわれの文明に対して非常に有益な効果を与えてくれたものであります。しかしそれがいまや曲がりかどに来ている。この車文明が曲がりかどに来ていることを私は大臣もひとつ認識されまして、大臣は非常に名大臣だという御評判でありますし、毛利さんの御卓見をここでお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思いますが、大臣、御所見を伺いたいと思います。
○毛利国務大臣 排気ガス規制については、先ほど堅頭に申し上げた以上のことは、今日申し上げることはありません。
○角屋委員長 この際、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時十六分開議
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大原亨君
○大原委員 自動車排気ガスの五十一年規制の問題を中心に最初に質問いたします。 この質問に入る前に、私は大臣に見解を聞いておきたいと思うのですが、光化学スモッグの問題以来、その一番の大きな原因は自動車の排気ガスで、しかもその中でNOxである、こういうことが議論としては学者の間においても統一的な意見になりつつあるので、今回の自動車排気ガスの五十一年規制という問題は、これは問題の処理の経過と結論において国民が納得できるようなものでなければならぬ、それから科学的にも技術的にもデータの根拠のある結論でなければならない、こういうふうに基本的に私は思います。 これは非常に政治に対する信頼の問題だ。あなたの非常に親しい三木前長官あるいは大石長官等にいたしましても、環境行政というのは事人命にかかわる、こういうことでかなりウエートの高い政治課題であったわけでありますが、あなたが大臣になられたからというわけじゃないけれども、最近少しかすんでいるのじゃないか。そこで、そういう環境行政に対する基本姿勢の問題は企業優先か人間第一かということで議論になったわけですけれども、長官としてこれに対する所信をまず簡単に明らかにしてもらいたい。
○毛利国務大臣 環境行政の伝統、本質、人間優先、こういう点については基本的に堅持していきたい、こう考えています。
○大原委員 逐次質問に入りますが、光化学スモッグによる被害者の状況を最初にお答えいただきたいのですが、これは全国でどのくらい被害者の人員があるのか、お答えいただきたい。
○春日説明員 昭和四十九年度、本年度の八月三十一日までの被害状況を見てみますと、被害の届け出の人数、これは事の性質上あくまで届け出でございますが、それで見ますると一万三千四百十九名にのぼっております。四十八年は三万一千九百六十六名であります。
○大原委員 質問に入る前にもう一つ確かめておきたいのですが、十月の十九日に、ついこの間ですが、環境庁は、これは長官は御承知だと思うのですが、新聞が一斉に報道いたしましたが、排気ガスの五十一年規制を二年間延期する、こういう報道がございましたね。これは事実なのですかどうですか。これを私はまず最初に確かめておきます。
○毛利国務大臣 そういう事実はありません。
○大原委員 そういう事実はないとはっきり否定されたわけですが、じゃ環境庁は、中公審や自動車の専門委員会で審議をいたしておりますが、現在のこれらに対する基本方針はどういうことか、これはいままでも議論されたことですから簡潔に御答弁いただきたい。
○春日説明員 これはたびたび長官がお答え申しておりますが、四十七年度に設定されました目標をあくまで守っていきたい、達成していきたい、こういうことが基本でございます。しかしながら現状の技術を勘案して慎重に検討する、こういうことでございます。
○大原委員 技術的に不可能なことをやれと言う者はだれもいないわけです。いまの後段の抽象的なことばの中に幾多の問題が出ておるわけですね。 そこで私は、時間の関係もありますから具体的な問題からひとつ入っていくのですが、先般衆参両院の公害特別委員会で参考人を招致されてそれぞれ質疑応答があったわけですが、私は出席はいたしておりませんが議事録を調べてみたわけであります。それに即しながらまず最初に具体的な問題を質問いたします。自動車メーカー側には昭和五十一年のNOx規制値の〇・二五の問題に対しては、見解表明について見通しについての差があるわけですが、たとえば東洋工業やあるいは本田技研等の、言うなれば比較的中堅企業は数字をあげて、〇・六ないし〇・七グラムが可能であるとの見解を明らかにしております。これはここにあります。しかし、トヨタや日産の大手は一グラムないし一・一グラムという見解をここに示しておるわけですね。国民から見ましても大きな企業がこういう基準を示しておって、中堅企業がむしろまじめにやっておる、こういう印象をいままでの経過からずっと持ってきておるわけです。これは田中総理大臣の発言とも関係いたしますが、参考人側の意見についてけさほどからも議論がありましたが、この事実についてはどういうお考えなり評価でしょうか。
○春日説明員 先生御指摘のように、東洋工業、すなわちロータリーエンジンをもっていたしますると〇・六グラム・パー・キロメートル、あるいは本田のCVCCエンジンでは〇・六グラム・パー・キロメートル達成可能である、こういうことを述べております。ただ、日産、トヨタが先生の御指摘のように一・〇ないし一・一ということを申しておりますが、これは普通のレシプロエンジンとCVCCないしはロータリーエンジンとのエンジン特性に基づく差が一つということ。しかしながら、日産にしてもトヨタにいたしましてもロータリーなりCVCCのパテントは買う、あるいは独自に開発しておるわけですから、じゃそのくらいは一部の機種についてはできるはずではないかということでございますが、これは気化器の問題その他いろいろございましょうから、そっくりそのまま本田ないしはマツダのデータと同一のものができるとは限りませんけれども、私はおそらくそれに近い数字はあげ得るものと考えております。 しかしながら問題は、本田の場合は千五百ccという小型車、それからロータリーエンジンの場合はルーチェと申しますから気筒容積で換算いたしますればやはり千六百程度のものでざざいます。要するにレシプロエンジンの中心でございます千八百、二千とか二千四百、あるいは三千数百というような車については、ロータリーなりCVCCのデータをそのまま適用して類推することはできないものと考えております。そういった点がメジャーのトヨタ、日産グループとマイナーのグループとの差になってあらわれているもの、かように考えております。
○大原委員 あなたは参考人の意見を直接聞いたのですか。私は議事録を見たのですけれども、そういうことではないですよ。議事録を見てみますと、レシプロでもやはり〇・六ないし〇・七の達成が可能である、こういうふうに言っておる。それで衆参両院での質疑応答なんですが、参議院でもいわゆる大型車についてはむずかしいという議論に対しまして、やはりそうではない。これは御指摘のように本田は小型車ですが、東洋工業の場合にはセンチュリー、プレジデントに匹敵する車でも前記の数値は可能である、こういうことを言っているわけです。 つまり私が言いたいのは、中堅企業はそういう排気ガス、有害物質の少ないエンジンの開発に努力をする、非常にまじめにやっている、大企業は政治的に動いてサボっているのではないかという印象を与えている。そして大企業ぺースでものごとが進んでおるのではないか、環境庁の行政が進んでおるのではないか。私も閉会中いろいろ議事録を読みましたけれども、三木環境庁長官はかなりがんばっておられましたけれども、最近の情勢は、メーカーぺースではないか、しかも大メーカーペースではないかということです。あなたはその議事録をよく読んで言っているのですか。
○春日説明員 もちろん私も参考人の意見を聴取いたしましたし、それから議事録を読みましたが、確かに私は一言申し上げるのを落としております。それは東洋工業ではレシプロエンジンの場合は〇・七、こう陳述したことも事実でございます。
○大原委員 トヨタ、日産は、これも議事録で議論になっております。本委員会におきましても質疑応答になっているのですが、昭和四十七年に五十年規制と五十一年規制の二段階規制をやったときに、五十年規制はむずかしい、これもかなりのものであるからむずかしい、こういうことを言っておったのですが、しかし政府、環境庁が態度を決定いたしましたら、そのことをやったわけです。ところが、五十一年についてもまじめに努力をして投資をしておるところは、かなりコストが上がっておるはずなんですが、そういうことが可能である、こういうことを言っているのです。 光化学スモッグによる被害者が続出しておるという今日において、その一番大きなもとであるところの排気ガスの規制について、これが納得できない形で処理されるということは私はいけないと思う。こういうことでそういう点をきちっとした姿勢をするということが、いま環境庁の排気ガスの規制において一番大切なことではないか、こう思うのだけれども、環境庁長官、いかがですか。
○毛利国務大臣 姿勢を正さなければならぬという御意見は同感です。
○大原委員 十月の三日に八田メモというのが出ていますね。〇・六ないし一・〇グラムに暫定規制をする、こういうメモが出ておるわけですが、それは事実ですか、あるいはそれはどういうふうに取り扱われていますか。
○春日説明員 八田メモと巷間伝えられるものがございます。これは中公審の大気部会の自動車公害専門委員会がいままで九回討議を重ねてきておりますけれども、いよいよ煮詰まってまいりますとその討議を促進するために、八田委員長が個人的にメモをお書きになったということでございます。これは公式のものでも何でもないわけでございます。いわんやその中で規制値は〇・六から一・〇の間にきめるのだ、八田先生がこういう試案を出されたわけでも何でもないわけでございます。
○大原委員 世上では、〇・六ないし一・〇の暫定規制措置というのは、八田メモは大体環境庁が出させたのだろう、こういうふうにいわれておりますね。それからこの五十一年規制を二年間延ばすというのも、いま審議中であるのに環境庁がそういう意向を示したのではないか、こういうふうに言われておるわけですね。質疑応答をいたしてみますと、そうではない、こういうことなのです。 大体この問題で一番大きな疑惑を持たれたのは、ことしの六月の参議院選挙中に、田中総理大臣が旅先で五十一年規制は不可能であるということを記者発表されたわけです。それからあなたの親しい三木さんとの間においてやりとりが少しあった。それはもう周知の事実なのです。「文藝春秋」の十一月号の二つの論文にはそのことまでは触れておりませんでした。触れておらぬけれども、そういう大企業との結びつきについていま疑惑が持たれているのですよ。そういうことは私が最初に申し上げたように、国民から納得できるもの、科学的にしっかりしたデータのあるものでなければいけない。こういうことをきちっとしなかったら、環境行政という生活行政、生命と健康にかかわる行政についての信頼はない。いろいろなうわさが次から次へと出てくることはおかしいではないか、こういうふうに申し上げるわけですね。これは最初に環境庁長官の見解の表明を聞きましたから、これは最後に時間があればあらためてお聞きをいたします。 そこで、五十一年規制対策は大きな車ほどむずかしいとトヨタや日産は言っている。その大企業ベースに環境庁もなびいたのではないかといわれておる。一部車種への規制がむずかしいという理由ですべての車種の規制をおくらせる、こういうことは国民から見るとおかしいのではないか。また、そういう技術的な制約があるのならば、エネルギー節約の観点から考えても、この機会に有害排気ガスを多量に排出する大型車を制限をして、公害対策技術上適応するような小型車に切りかえるような行政的な配慮もする必要がある。それはいろいろな段階に応じて政策はあるはずだ。これについて、ぽんと二年間延長するのだというようなことはいけない。 たとえばよくいわれるのですが、アメリカのマスキー法が二年間延期されたというのです。貿易の関係が事実あるでしょう。しかし日本は、光化学スモッグの被害で申し上げたように、日本の都市面積に対する車の数というのは、アメリカの八倍だといわれている。この事実は、私はさらに追跡して確かめたわけではないが、確かに平地面積、都市面積に対する自動車の数は日本は多いわけです。だから、日本は日本における排気ガスの規制を四十七年にこれができるだろう、こういう観点で努力するならばできるという根拠と観点で基本方針を示し告示をしたものですから、これについては疑惑がないような措置をきちっととらなければ、政治に対する信頼を失墜することになると私は思う。 ひとつもう一回あらためて私が指摘をした点について、いろんなきめこまかな納得できる方法を考えてこの規制値を達成するのだという目標を明確にしないで、ぽんと二カ年間延長するなんということは、私は国民の立場で納得できないと思いますが、いかがでしょう。
○春日説明員 ただいま新聞報道におきます、たとえば某紙における二年間延長とかあるいは〇・六グラムと決定したとか、いろいろあるのは国民の疑惑を招くゆえんであるとおっしゃいますけれども、私から釈明すれば、事ほどさようにマスコミにおかれましても一定した論調になっていないわけでございます。いかに私どもが真剣にいま討議中であって、まだ結論を出していないかという証左ではないかと実は思うわけでございます。私は、マスコミのほうでいろいろ推測をなさる、そして記事をお書きになる、これはまことにそのとおりだろうと思います。しかし、現実には私どもが申しておりますように、まだ基本的な数字というものは固まっていない、中公審の討議中であるということを申し上げておきたいと思います。
○大原委員 中公審の答申は、これは五十一年規制に対する再諮問に対する態度を決定するというだけであって、これは暫定措置の問題やあるいは暫定措置に至る経過的な問題やあるいは代替的な政策、そういう問題等を総合的に結論を出すのですか、いかがです。
○春日説明員 技術的な問題に重点を置きまして、五十一年度規制をいかに達成するか、あるいはもし達成できないような場合はいかにするか。もちろんそれの代替的な問題につきましても討議はされると思いますが、しかし中心的な問題はあくまで技術的な問題が中心でございます。
○大原委員 代替的な問題あるいは総合的な言うなれば歯どめの問題、そういう問題は答申にならないのですね。いかがです。
○春日説明員 自動車の公害専門委員会におきましてそういった提案がなされ、あるいは具体的に書かれることもあろうと思います。しかし、中心はやはり技術的な問題が主になろうかと存じます。
○大原委員 前にも、いままでの委員会での島本委員とか岩垂委員等の質問に対しても、私は議事録を見たわけですが、−三木長官はぎりぎりのところ煮詰まって議論をいたしますと、五十一年規制の目標を放棄しない、ぎりぎりまで努力するのだ、可能性のぎりぎりを追求するんだ、端的に言うならばこういうような答弁をしておられます。最近はあちこちから、政府はメーカーペースでくずれたのだという議論があるわけですね。 しかしその際に、二年延長するのだったら二年延長するという根拠をはっきりしなければいけない。田中総理大臣が遊説先でぽんとやるような問題でないでしょう。あるいは環境庁から二年間ほど延期するという方針で中公審に臨んだというふうな情報が出るような問題じゃないでしょう。そういう点で私はやはり環境行政の基本姿勢が問われておる、こういうふうに思うわけです。 そこで暫定措置が具体的に問題になっていると私は思うのです。暫定規制措置というのは、率直なところが〇・二五を上回っておると私は思います。というのは、〇・六とかいうふうなことが公然と議論になっているわけですから。しかし、私が申し上げたように、達成したところからぎりぎりで実施をしていくことと一緒に、たとえば代替措置としてよく議論されているのですが、午前中の林委員で一つ私が感心したのは、交通規制その他の問題で総量規制全体、台数その他全体を考えたらいいじゃないか、こういう議論がある。これをひとつやったらどうだ。各官庁の政策がこのことに関してバラバラであるという問題が一つある。 それからもう一つは、税金上の措置として、努力をしてそれだけコストを投入したところに対しては税金の減免措置をとる、あるいはサボっているところや政府が一たん告示した基準に遠いところに対しましては課徴金を課する、プラス、マイナスの税金ですが、そういう税金上の措置をしてはどうか、あるいは生産規制をしてはどうか、こういう議論があるわけですね。たとえば一つ私は申し上げますが、税金の問題について環境庁長官は、言うなれば、将来の保障、歯どめの議論といたしましても、どういうふうにお考えになっておるかという点をお聞かせいただきたいと思います。
○毛利国務大臣 お答えします。 基本がまだきまっていないので、その前提に立って申し上げますが、十分歯どめの点に立って考えるべき問題だと思います。
○大原委員 長官、考えるべき問題であると言って、中身はお話しにならなかったわけです。考慮の対象としては十分に価値あるものである——これはちょっと言い過ぎだけれども、価値あるとは言わなかったが、対象として認めた。こういう問題をも含めて、そういう点については、たとえば低い排気ガスの自動車を国民が買いやすくするということは、排気ガスの規制を実質的に一歩進めるということになるわけです。それで、これを経済性とかいろいろなものにかこつけて、しかも技術上の問題をかこつけて議論をして、言うなればサボっている、目標値を達成するのに距離がある、そういうところには課徴金を課する、こういうふうなことは当然の議論ではないか、こういうふうに私は思うのです。こういう問題を含めて、これは前向きに、国民が納得できるように総合的なこのあと始末をする、こういうふうに考えてよろしいか。
○春日説明員 大臣からお答え申し上げましたように、現在はなお方針がきまっていない段階でございます。したがいまして、そういったことを前提に、課徴金で代替するとか、あるいは交通規制で足らざるものを補うという議論を、大きな声でやる段階ではないと思いますが、もちろん先生の御指摘のように、われわれとしてはそういったことは検討いたしておる次第でございます。
○大原委員 被害者の立場に立つ自治体、特に七大都市の首長が、これは自治省に聞きますが、もし政府がやらぬということになれば、地方自治体で独自に低公害自動車を誘導でき、勧奨できるような、そういう立場で独自の税金を課する、こういうことがあり得る、こういうことを提言をいたしておりますが、これについて、きょうは大蔵省来ておりませんが、自治省はどういうお考えであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○福島説明員 低公害車に対します地方税の扱いといたしましては、従来から自動車取得税につきましては措置をいたしておるわけでございますが、ただいま御指摘のありましたように、いわゆる低公害車でないものに対して特別の税を追加してかけるというような問題につきましてはいろいろ問題があろうかと思います。 東京都あたりで検討しておるといわれておりますものは、いわゆる自動車税の超過課税というような形でこの問題に対処したいということのようでありますけれども、超過課税をするということにつきましては、一定の法定要件というものがございまして、特別の財政上の必要がある場合に初めてできるということにもなっておるわけでございます。単に、公害対策が不十分であるからといっていわゆる超過課税をするということは、これは直ちには結びつかぬ問題でありますから、そこら辺の検討を、私ども直接話を聞いておりませんが、現在東京都においても検討しているのではないかというふうに考えるわけでございます。 また、これを超過課税というような形で実施をいたします場合には、その税率をどの程度にするのか、また一体だれがその負担をするのか、負担が可能であるかどうか、そういうようなことが検討されるのではないかと考えておりますけれども、紙上にいわれておりますように、もし、たとえば五十一年規制ができない場合に自動車税の税率を三倍にしようというようなことであるといたしますと、これはいろいろ検討すべき問題があるのではないか、このように考えておるわけでございます。
○大原委員 あなたのほうは、かつて事務所や工場等の事業所税の問題のときも議論になったわけですから、同じような議論を一応あいさつのようにしたわけです。しかし、規制値が後退するというふうなことについては、いままでの経緯にかんがみて、納得できる内容でなければいけない。しかし百歩譲って、規制値を後退せざるを得ないというふうな場合には、交通規制の問題等を含めて、総合的な代替措置をとろうということは、当然のことではないか。局長と大臣の答弁、少し変わっておりますね。 この点は、暫定規制値が公然と議論になっておるわけですから、それを知らぬ知らぬというふうなことを言ったって、これは通らないわけですよ。これは参議院選挙のときから総理大臣が言っているのだから、総理大臣は一々そういうことについて指図する権限はないと思うけれども、それが政治不信なんですね。ですから、その点を環境庁長官が、三木さんもがんばっておられましたが、きちっとしなければならぬ。 そこで、あなたの答弁は、環境庁の態度はこうであるけれども、もしそういうことの問題があれば代替案についても国民が納得できるようにする、そういう問題であるというふうな御答弁でありますが、これはあくまでも、国民が納得できるような総合的な対策をやる。環境庁は関係各省と、企業ベースの通産省——きょう見えておりますが、運輸省その他と密接な連絡をしながら、総合的なことについて環境庁長官の責任を果たしてもらいたい。もう一回その点についての積極的なあなたの答弁、消極的な、対象というのでなしに、積極的な答弁を求めておきたいと思います。
○毛利国務大臣 先ほど来申し上げるように、基本的にはまだ決定していません。けだし、大原委員がおっしゃるように、そういう場合が起きた場合の総合性、代替に対する総合性とか、あるいはまた科学技術を基礎としての慎重な配慮、これについては十二分な、御質問の趣旨に沿ったものの考え方をしたいと考えております。
○角屋委員 長島本虎三君。
○島本委員 私は、公害対策、それから環境保全、この重大な焦点になっておる問題のうちで、自然環境保護に対する決意と、また自然環境保護に対する環境庁の最近の姿勢、これに対してこの際はっきりさしておきたい、こう思います。 長官は十月二日に南アルプスのスーパー林道の視察をしました。私は九月二十四日に大雪補償林道の状態を視察いたしました。両方視察した結果、やはり私自身も重大な決意を持たなければならないと思うに至ったわけです。長官は、十月二日に南アルプススーパー林道を視察した。その後いろいろな見解も表明があるようであります。初めて公式の場です。この視察した結果についてどういうふうにお考えですか。
○毛利国務大臣 お答えします。 自然環境を守るという基本的な問題を国の骨格として推し進めなければならぬという決意をかたくいたしております。
○島本委員 少しなめられている、こういうふうにお思いになりませんでしたか。そうでなければ、その後の記者会見や何かで過疎対策の一環と考えることもあり得るのだから云々という、まことに歯切れの悪い発言もあったかに聞いておりますが、これは報道の誤りであって、長官の決意とはほど遠いものである、こういうふうなことを考えてよろしゅうございますか。
○毛利国務大臣 自然保護が第一義であり、国の骨格であることについては議論の余地はないのでありますが、さりとてその地域の特殊性をにらんで開発がゼロではないという趣旨のことを先般申し上げました。それは、私は元来過疎地帯の生まれで、道路に対してあるいはその他の問題について身にしみついた一つの体臭を持っております。その過疎地帯に行って、この道路というものの過疎地帯の人々の執念、これをよく身に感じて、いわゆる自然保護というものをおろそかにしてはならないという前提に立って、ゼロ回答ではない、可能なものは考えてやりたいという意味のことがそこで取り上げられたということです。
○島本委員 まあ、それはそれで、はっきり歯切れが悪いということは皆さんおわかりのとおりなんです。その辺がつかれるおそれがあるというふうに考えませんか。 まあ、山梨県当局が環境庁長官の許可なしに秩父多摩国立公園の特別地域に林道をつくった。いま長官の命令によって現地調査中でしょう。鶏冠山林道は、二年前に山梨の行監から無許可工事と自然破壊を指摘されて、改善勧告を受けておったでしょう。県当局はそれを無視して全然顧みなかったわけです。そうすると、行政監察官の二年前の勧告を県当局は無視した。じゃその間、環境庁はどうしていたのですか。
○柳瀬説明員 鶏冠山の林道につきまして、環境庁に行政管理庁から直接勧告が鶏冠山林道の問題としてあったことはないわけでございますが、事情調査いたしましたところ、昭和四十七年五月に山梨の行政監察局長から山梨県に対しまして、普通地域の林道工事の施行に関しまして、施工方法につきまして自然環境の保全に配慮するよう所見の表示を行なったわけでございまして、それについて山梨県が十分配慮いたしたいという回答をいたしておるわけでございます。なお、行政管理庁から環境庁に一般的に林道の工事について自然環境保全の立場からもっとしっかり配慮すべきであるという御意見はいただいておりますが、直接鶏冠山林道問題について御指摘のあったことはないわけでございます。
○島本委員 じゃ、行監のほうから勧告をして、県が二年間もこれを無視して、逆にこの秩父多摩国立公園の特別地域内に林道をつくった、これはうそなんですか。
○柳瀬説明員 鶏冠山林道につきまして、山梨県が正当な手続を経ずして林道を通すという行為を行なったということは事実でございます。
○島本委員 二年前に勧告しておるのに、それを無視していた。その二年間環境庁は何を指導して・いたかというのです。
○柳瀬説明員 私どもがこの鶏冠山林道につきまして承知いたしましたのは、昨年の八月でございましたが、初めて知りまして、そこで山梨県に対して厳重な注意をいたしまして、山梨県の林務部長からこれに対する、今後そういうことをやらぬというような書面などをとりまして、その後の指導を行ないまして、修景緑化というようなことに極力努力をさせるというようなことで現在まで努力をさせておるわけでございます。
○島本委員 長官、じゃなぜ二十二日に調査にやったのですか。何もやっていないから調査に行ったんでしょう。
○柳瀬説明員 鶏冠山林道以外にいろいろ、黒金山林道その他まだ幾つかそういう問題のある林道があるように聞きましたので、そういう点を総ざらいいたしまして、十分によく調査の上、そういう違反した、手続を経ずしてやるとかいうようなことがほかにあるかないか、いろいろなことを調査いたした上でそれに相応した措置をとりたいということで、現在係官四名を山梨県の林道調査のために派遣しているところでございます。
○島本委員 一回一回林道調査に出さなければわからないような状態なんですかね、二年間何もやっていないということは、ほかにこういうようなことはもうないですか。
○柳瀬説明員 私の承知いたしておるところでは、山梨県以外ではそういう話を聞いたことはございません。
○島本委員 私は九月二十四日に、問題になっております大雪の補償林道を調査したわけです。大雪山の原始林をむざんに切り倒して山はだをむき出しにして、四十五度から五十度というような急傾斜の林道です。それから四十メートルから八十メートルの上下削られたのり面がありますよ。そして外来種の牧草で原生植生を破壊していますよ。さらに高山植物で保護されなければならないシャクナゲ、こういうようなものがむざんに谷に突き落とされて、そして土に埋もれていますよ。そして営林局当局者は、たくさんあるのだからこんなことはかまわないんだ、こういうように放言していますよ。これは大雪の自然環境を破壊し、またはその計画を立てているのは国または北海道庁ではないかとさえ思われるのですが、これに対しどうなんですか。
○柳瀬説明員 大雪の林道の建設問題につきましていろいろと問題があるわけでございまして、ただいま先生のおっしゃった、御視察なさったところはおそらく狸台の第二林道ではないかと思いますが、これにつきましては私どもも、現地駐在職員の報告によりましても、あるいはいろいろな写真等を見ましても、その施工方法に非常に問題があるというふうに理解しておるわけでございまして、その修景緑化その他必要な措置につきましていま関係機関に十分申し入れを行なおうというふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 破壊されてから申し入れをしてもとに戻りますかね。自然環境保護をちゃんと担当する最高の責任者がそういうことでいいのですかね。これはやはり長官のほうへ聞かないとだめですね。大雪林道建設の区域にある水源涵養林、これは指定を受けているのですか、いないのですか。これは林野庁に……。
○藍原説明員 保安林の指定を受けております。
○島本委員 保安林の指定を受けているとすれば、道幅四・五メートルのこの補償林道の工事の場合に、当然水源涵養林の指定解除の手続を経なければならないということも考えられますが、この手続は経ていますか。
○藍原説明員 四十八年度までは森林法の作業許可という対応でやってまいりましたけれども、四十九年度は保安林の解除の申請をいたしております。
○島本委員 四十八年度までにやったのが正しいのですか、四十九年度からそうしたのが正しいのですか、いずれですか。
○藍原説明員 森林法によりまして、軽易な行為、あるいは森林に復旧する見込みのあるという行為につきましては作業許可という対応をいたしておりますが、この林道につきましても、当初そういう判断で作業許可という対応で対処してまいりましたけれども、その道路の将来の利用の問題その他を勘案いたしまして、本年度から正式に保安林の解除という対応でまいろうという姿勢にいたしまして、四十九年度は保安林の解除……
○島本委員 どっちが正しいのですか、いままでのは間違いですか。
○藍原説明員 必ずしも適当とは思われない面もございますけれども、私どもといたしましては、当初その林道の利用の態様というもの、それからその付近の態様というものを勘案いたしまして作業許可で対応を、いたしておりました。
○島本委員 開発庁長官来ておりますか。二時にこっちに出るという約束していますが、来ていなければ……。 しかし、いま言ったことが間違いないとすると、それもまた重大な欺瞞ですね。間違いであるならいいのです。間違いでないとすればおかしいですよ。手続を経ていませんね。その通達は昭和四十三年二月十三日に治山課長から出ていますね。そうしてそれには、北海道及び道内の五つの営林局保安林担当者会議で下記のように統一したのでお知らせする。これの第三項に「幹線林道以外の事業林道については作業行為で取扱うことになった。事業林道が幹線林道に格上げする場合その時点で解除する。」というのでしょう。 初めからこれは四・五メートルの林道をつくっているのですよ。四・五メートルの林道をつくって、これが作業行為である。すなわち、これは作業林道である。したがって、二年か三年で復元し、林地に回復できる。したがって、指定解除の必要がないのだということで知事に同意さしているでしょう。同意さしているのが営林局ですよ。知事はそういうようなことで、見もしないでそれを承認している。同意している。それがいまの大雪のこの自然破壊の現状じゃないですか。その教唆、扇動をしているのは営林局じゃありませんか。それにずるずると引きずり込まれたのが北海道じゃありませんか。そのときの北海道知事が町村金五開発庁長官じゃないですか。一体どうなんですか、これは。 こういうようなことをして、国と北海道とで大雪を破壊しているじゃありませんか。それを指摘されたら今後は保安林解除の手続をするのが正しいと言う。ではいままで四・五メートルの道路をつけたのはこれは保安林の解除をしないのは正しくない、こうなるじゃありませんか。それも正しい、あれも正しい。やることはみな正しい。正しい行為を行なったら全部大雪が無残に破壊されてしまう。自然破壊の元凶は林野庁じゃありませんか。これも「行為の内容は臨時的であり、かつ短期間に林地に復旧することが確実であるもの」こうまで注釈しているでしょう。四・五メートルの道路をつけて短期間に、二、三年で林地に回復できますか。できなければこれは基幹林道として保安林を解除してやる、こういう通達を出しているじゃありませんか。 だからきょう、林野庁の長官に来いと言ってあるのです。いろいろな理由を使って来ないし、町村開発庁長官も二時に来ると約束して、どうしたのですか。毛利長官、こういうようなことで一体いいのですか。あなたなめられているんだ。長官の決意、これでいいのですか悪いのですか。長官どう思いますか。あなたなめられているんだ。だめですよ。ここにちゃんとそのときの通達があるじゃありませんか。どうなんですか。これに対して環境庁から調査に出ているはずです。調査の結果を聞いているのじゃありませんか。これはあまりにもひどい。——答弁できないですか。だからできる人を呼んである。来るといって来ない。議会軽視だ。開発庁長官はなぜ来ないのですか。
○角屋委員長 島本委員に申し上げますが、長官はいまこちらに向かいつつあるそうです。
○島本委員 肝心なところが終わってから来ても……。こんなことでは時間ばかりたってぐあいが悪いんだ。 では作業行為、これは指定解除なしに行なわれたということはわかりましたが、これは何件申請して何件許可したのですか。
○藍原説明員 いま先生御指摘の件数は、ただいま資料の持ち合わせがございませんので、申しわけございませんが、四十七年度、八年度に着工いたしたものは作業許可ということによりまして対応いたしております。
○島本委員 作業許可でやった、その幅員は四・五メートルの補償林道である。それでもこれは作業行為なんですか。これは二、三年で林地に回復できるのですか。そう思って許可したのですか。承認を求めたのですか。この辺はあなたたちの欺瞞性があるのだ。もう回復できないとしたら基幹林道として保安林を解除するのだ、初めからわかっている行為じゃないですか。だから自然破壊の元凶だといわれる。これは国立公園の中ですよ。またあなたはなめられている。全くだめだ。国立公園内で、環境庁はどうやったのですか。
○柳瀬説明員 自然公園法に基づく林道の承認につきましては、作業道あるいは林道という名称、これはほかの制度ではそういう区別をしておるのがあるようでございますが、自然公園法に基づく場合には、これはすべて国立公園の特別地区あるいは特別の地域につきましては、その承認を求める申請をいただきまして、これを審査した上で対応する措置をとるという形になっておりまして、作業道、林道という区別はないわけでございます。
○島本委員 調査しないからわからぬ。四・五メートルの道路ですよ。これまた怠慢。林道の種類は民有林の場合は広域基幹林道と普通林道があるでしょう。国有林の場合は幹線林道と事業林道あるでしょう。そしてこれは百町歩以上の利用区域のものに対してとそれ以下のものに分けて幹線林道と事業林道にしているでしょう。いかなる林道であっても水源涵養保安林の場合には解除手続が必要だということになって、それは知事と農林大臣と協議してきめることになるでしょう。ところが環境庁の了解を得てないでしょう。それでかってにもうこれは事業林道として、二、三年で林地に回復できるということで保安林の解除なしにもうやってしまっているでしょう。そして格上げする時期というとこれはもうとうてい復元できませんから、そうすると基幹林道というので保安林を解除して認める、こういう仕組みじゃありませんか。全くもうこれはなっていないのですよ。こういう林道のやり方というのはいいのですかね。 そしてまた第二狸台レクリエーションの森、こういうようなものも計画しているそうじゃありませんか。大雪山のあの幽谷の地帯に、二度と見られないようなああいう場所に、そういうはっきりしたレクリエーションの森、約一千ヘクタールに限ってこれをやっているそうじゃありませんか。こういう事実はあるのですか。
○藍原説明員 ただいまの国有林では、森林の中に将来環境保全的な性格並びに保健的な性格を持った森林については林業経営を主とするよりも環境保全なりあるいは保健休養なりというものに対応することを主とした森林として経営すべきが妥当であろうというところにつきまして一応レクリエーション地域という形で森林の位置づけをいたしておりますけれども、まだこれについては具体的にどうこうするという段階に至ってはおりません。
○島本委員 開発庁長官、少し時期がおくれてタイミングが合わないのですが、一応お聞きいたしますが、北海道知事をおやめになったのはいつでございましたか。
○町村国務大臣 四十六年の四月でございます。
○島本委員 四十三年二月十三日に北海道と北海道内の五つの営林局の保安林担当者会議で、今後北海道に幹線林道以外の道路、これは事業林道にして作業行為として取り上げて、保安林解除する場合でも承認だけでよろしいということにあなたたち署名、捺印してやってありますが、町村長官はそのころ北海道知事だったのですが、それによっていま大雪の破壊が重大な段階にきているのですが、これに対してあなたどうお思いでしょうか。
○町村国務大臣 だいぶ古い時代のことで、私はもうその点についてどういう経緯でどういう実情のものであったか、実はいま正確に記憶をいたしておりませんので十分なお答えがいたしかねるわけであります。
○島本委員 昭和四十三年といったらまだ知事をやめる三年前です。ですから、そのころにもうすでにこれをやっていたのですから、あなたの時代なんです。しかしそれにしても、これは承認したのじゃありませんよ、ちょっと時間の関係でこれだけにしぼっていられませんからこの先へ行くのですが、自然環境保全、こういうようなものがいま大事なのは北海道、この北海道を使って森林法違反、これをやらせた元凶は林野庁である、こういうようなことになりますが、この点に対して林野庁どうお考えですか。きょう長官が出てこれない、長官にかわって答弁する人を派遣するといっていましたから、あなたがそれなんですから。
○藍原説明員 先ほどお答えいたしましたように、森林法の保安林内の行為につきましては軽易なものについては作業許可で行なえるという経緯になっておりますので、私どもといたしましてはそういう形で、従来取り扱っておりましたものについてもその時点時点で恒久的な利用をされるような林道については保安林の解除をするという形で対処いたしておりまして……(島本委員「四・五メートルは軽易ですか」と呼ぶ)林道の態様その他によりまして、林道の幅員あるいは延長ということを中心にして考えてはおりませんで、その利用の態様ということを中心にしてその取り扱いの考え方に対処しておるのでございます。
○島本委員 そうしたらこれは行為の内容というのは臨時的であって、短期間に林地に修復することが確実なものと初めから注釈しているでしょう。だから四・五メートル、これが軽易なものですかというのです。そういうふうにしてあなたたちが認めたのですかというのです。初めからこれはもう基幹林道に準ずるもの、こういうようなことであなたたちはこれをやらしているじゃありませんか。問題はそこなんですよ。長期林道、幹線林道、こういうようなものでも作業行為として保安林の解除なしに二、三年で林地に修復できるのだということでやらしてしまっている。できないことがわかってから幹線林道に格上げして保安林の解除をそのとき申請する、認めてやる、こういうようなことなんです、長官。 だから、あなたが視察したスーパー林道でも、この北海道の開発庁が行なったこの補償林道でも、これは重大な環境破壊なんです。これをやっているのは国であり、都道府県なんです。北海道ではどうなんです。これは許しがたいというのです。これはやはり責任者をはっきりさせるべきだと私は思うのです。これまたずらりべったり、いままでのも正しい、これから解除させる、これからも正しい、いずれも正しい、いずれも正しいならば、そんな理屈ありますかね。四・五メートルの林道をつくるのに軽易な行為だとして前に無許可でやったのも正しい、これから許可をとらせる、これも正しい、どっちなんですか。どっちが間違いなんですか、間違いでないのですか。両方とも正しいのですか。
○藍原説明員 先ほどお答えいたしましたように、必ずしも適切とは判断しないということで、四十九年度から保安林解除で取り扱うということにいたしております。(島本委員「それいつわかったのですか、適切でないということ」と呼ぶ)四十九年度からその判断によりまして対応いたしております。(島本委員「いつわかったのですか」と呼ぶ)四十九年度の事業を実行する前でございます。(島本委員「それまでのものは正しかったのですか」と呼ぶ)必ずしも適切ではないという判断をいたしております。(島本委員「適切でないということは正しくないことでしょう」と呼ぶ)
○角屋委員長 ちょっと、質疑については正規にやっていただきます。
○島本委員 それでやはりこういうような責任ある者、こういうような者に対してその責任をはっきりさせるべきだ、それが一つのピリオドである、こういうように思います。私はそれを要求いたします。そしてそれに対する措置、これを報告してもらいたい。これをずらりべったりやることはとんでもないことになるからです。これに対してよろしゅうございますか。——じゃ次に、北海道大規模林業圏内の大規模林道、これに対してはどういう見解をお持ちですか。どうしてもこれをおやりになるのですか。やるためには十分な手続並びに調査がお済みですか。これを考案したのは開発庁、実行するのは林野庁になっておりますが、この点はどうでしょう、開発庁長官でも……。
○秋吉説明員 これは先生御案内のように、第三期北海道総合開発計画の一つといたしまして、大規模林業圏開発の問題が取り上げられておるわけでございます。何せ北海道の森林面積は、全国に対しまして二割強でございます。かつまた天然林の潜在的生産力、こういったものは相当あるわけでございまして、そういった天然林の潜在的生産力の培養というようなものを考えまして、また道東、道央につきましての林道網は手薄になっている、そういうようなことからいたしまして、大規模林道を中心といたしました林道網を整備いたしまして、造林、治山等の施業を総合的に、計画的に投入いたしまして、関連産業の振興、林業の振興をはかりまして、地域開発、国土の保全をはかってまいりたい、こういう趣旨でございます。これにつきましては、開発庁、営林局、道と協議をいたしまして、四十八年の三月でございましたか、一応の構想といたしまして大規模林業圏開発構想なるものの一つのバックデータといいますか、そういうものを用意いたしまして、これに基づきまして、ただいま林野庁を中心に特に大規模林道につきましての区域の指定、基本計画の策定等が行なわれておる段階でございます。
○島本委員 しかし、これに対しては、伐採中心の計画であるということ、林道開発が優先し、自然破壊が先行しているということ、林業労務者を犠牲にして地域産業を崩壊させるものであるということ、観光開発をねらった計画であるということ、こういうようなことが地域団体から盛んに言われ、それに対しての具体的な回答が示されないようであります。 ことにこの計画の中では、総費用五千四百億の四四・四%に当たる二千四百億、これが伐採費に充てられている。それから千四百四十八億円が林道に充てられている。それから治山関係に八百三十八億を充てている。それから保育費関係は百七十八億、ほんの微々たるものである、こういうようなことでありますが、これは伐採中心の計画である、こう言われても何らことばは返せないじゃありませんか。それだけじゃない。それから漏れている日高山系の東側の地域はこの圏域からはずされているじゃありませんか。貧弱な森林相、蓄積量の少ないところ、こここそまさに造林費をうんと充てて、そこを指定して開発すべきがほんとうの林政のたてまえではございませんか。それを全部はずしてしまっている。 おそらくこういうような計画からして、大規模林道四百五キロ、中核林道五百九十四キロ、その他の林道六千八百キロ、七千八百キロメートル。これはもう稚内から鹿児島へ行って、もう一回東京を越えるところまで、一往復半に当たる。こういうようなところで、林道の中には七メートル、二車線で完全舗装のハイウエー並みのものが四百キロにわたってつけられる。これでは完全に道路というより観光道路じゃありませんか。こういうようなことをしながら、いけずうずうしくも、これはもう開発であるとか自然環境保全であるとかとどうして言えるのですか。少なくとも大規模林道という名がつけば、これはもう林道でしょう。林道というのは林業経営に使う車道でしょう。一般公道ではないという原則があるでしょう。一般の自動車の乗り入れば禁止して、林道に従事する車に限って許可マークをつけて入れる。これが普通のやり方です。いわば林道というのは工場内の通路みたいなものですよ。延長は最小限度にしなければならないのです。工場の中に普通の道路並みにどんどん道路をつけていったらどうなりますか。作業にも何にもなりはせぬ。工場破壊ですよ。林道というのはそういう性格がある。 これは林道と公道の区別をはっきりさせないじゃありませんか。したがって、世論の混迷と自然破壊が起きてくる。これは林業経営の正しいあり方ではない。生態系を尊重する林業経営が正しいあり方で、林業経営と環境保全、こういうふうなものは互いに両立する、これがほんとうの林道のあり方じゃありませんか。林業経営のあり方じゃありませんか。いまこれをやったならば、もうすでにこれらの状態が一変してしまうのです。 こういうふうな大規模林道に対して環境庁はどういうふうにお考えになるのですか。これはまたまたして環境庁長官に聞かなければならないことに相なるのでありまするけれども、環境庁長官、環境庁では緑の国勢調査をやって、それに合わして今後指導しようとしておるというふうに聞いておる。緑の国勢調査はやっているのですか、やっていないのですか。そうしてこういうふうなものをそれに当てはめて、はっきりした環境基準、これを保持するような計画だけ認めてやるのでないとだめなんです。緑の国勢調査、これはどうなっておりますか。
○柳瀬説明員 いわゆる緑の国勢調査という名前の調査は昨年行ないまして、現在、それの集計をやっておりまして、大体集計が済んだところでございまして、近いうちに、その取りまとめた結果を今年内に発表する段取りになっておるわけでございます。
○島本委員 そうしてこれまた大規模林道計画、これに対して当時これの環境調査をしておる小関という北海道大学の教授の、「既設林道改良部分は問題ない。新規開設部分は、工法の選定、工事の実施の際、きわめて慎重な配慮が必要だ。」というふうなのがついているでしょう。そうした緑の国勢調査をやっている、これと合わして、そうして何でもない、自然環境は保全される、こういうふうなときに、これはゴーのサインを出して差しつかえないのですよ。環境庁のほうでいま集計中であるというのに、なぜ急いで十一月にこの大規模林道を発足させなければならないのですか。ちょうどこれと合わして、そうして自然破壊にならないというときにこれをやってもいいんです。幸いにしてまだやっていないようですから、それを十分取り入れて考慮すべきだと思いますが、この点、長官、どうでしょう。
○毛利国務大臣 お説のように、十分取り入れて協議の上、慎重に配慮すべきかと思います。
○島本委員 そのほかに、いわゆる国立公園の中に施設や道路をつくる場合には、自然公園法によって環境庁長官の許可が必要だ、こういうふうなことになっていますね。長官は自然環境保全審議会の意見を求めて判断することになっていますが、北海道十勝支庁新得の、これも開発庁長官はよく知っている大雪国立公園内の十勝川水系に、いま北海道電力が計画した富村水力発電所、四万キロワットのものがあるわけです。これは大雪に残されたすぐれた原生林で、エゾシカなんかの野生動物の豊庫である。これを北海道発電所の建設で破壊することは許されないという意見、また審議会の一委員からは、原生林の破壊を認めるべきでないという意見、それに対して日本の電力、石油事情を考慮して厳重な自然保護の条件をつけて認むべきであるという意見、それからして長官のほうへ答申があったと思うのです。 私は、この中でも一つ重大な問題があると思うのです。反対意見の中で、四万キロの発電のため貴重な自然破壊をされていいのかどうか。そしてその付近は、一昨年環境庁の大雪縦貫道路建設許可、これを取り消した付近でしょう。大石長官で取り消して、毛利長官でまたこれを認めたということになると、何かこれに対しても混迷が見られる、こういうふうなことになるじゃありませんか。そういうような点を十分考慮して、やはり緑の国勢調査、こういうようなものがあるのですから、これと合わして、いますぐやるといったってもうすでに今年中に緑の国勢調査ができ上がるでしょう。そうしてこの地域にはどれだけの緑をやったならばいいかというこの地図ができ上がるでしょう。でき上がるのを目前にして何でもかんでも認めてやるなんということは、これはもう自然破壊につながるものであって、私は賢明な策でないと思う。長官もおそらくそう思うと思いますけれども、長官いかがですか。
○毛利国務大臣 そのとおりです。
○島本委員 これで私はもう時間が来てしまったので、まことに残念なのであります。しかしながらこの際に、やはり富村の発電所もこれができてからゴーのサインを出すという、それからこの大雪大型基幹林道についてもそうだというから、環境庁長官に一つだけ、環境保全のために自信をもってやってもらいたい、最後にこれを心からあなたに要望して私やめるのですが、環境庁ができたときに一番問題になった個所、これは設置法の第六条、これなんです。環境庁長官は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して資料の提出及び説明を求めることができるのです。重要事項について勧告することもできるのです。それから勧告に基づいてとった措置について報告を求めることもできるのです。内閣総理大臣に意見具申することもできるのです。これが設置法六条にきちっとなっているのです。 ですから、あなたは環境保全のために、公害防除のために、自信をもってこれらの資料の提出や説明を求めたり、勧告したり、報告を求めたり、または意見の具申を総理に対してやることもできるのです。こういうふうにはっきりなっているのですから、あなたはもうほんとうに自信をもってこういうような自然保護の対策に当たってください。公害対策、先ほどの五十一年規制なんかもきちっと当たってください。そうしないと、あなたはなめられているのです。半分なめられているのです。 それに、最後ですけれども、四十九年の六月五日、NHKホールに三木環境庁長官が副総理という資格で出てまいりまして、自然保護憲章、これを認めて、そうしてそれに対する政府としての、内閣としての意見を出した。すべてこれを行政の中に入れますという。第三項の「開発は総合的な配慮のもとで慎重に進められなければならない。それはいかなる理由による場合でも、自然環境の保全に優先するものではない。」これです。十分肝に銘じて今後ひとつやっていってください。これに対する権威ある決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○毛利国務大臣 御趣旨に徹してがんばりますので、御指導願います。
○島本委員 では、終わります。
○角屋委員長 米原昶君。
○米原委員 私は最初に、五十一年排ガス規制について簡単に質問します。 五十一年規制も、先ほどから論議がありましたように、間もなく最終的な結論を出すべきところにきております。その中で新聞がいろいろなことを書いております。暫定値だとか、二年延期だとか、これを前提にした賦課金の構想だとか、連日のように報道しております。 そこで、あらためてお聞きしたいのは、メーカーに対する政府の基本的な態度、これが国民に疑いを持たれないというためにも一番重要なことだと思います。この点で八月二十一日の本委員会でわが党の中島議員に対する答弁で、春日局長が次のように述べております。「私は自動車メーカーが、できるものを怠惰によって、あるいは利益の面からのみこれをやらないということは、このきびしい世界的な環境保全の空気の中で私はないものと信じたいのでございます。」こんなふうに春日さんが発言されておりますが、つまり環境庁は自動車メーカーを深く信じたいし信頼している、こういうような発言だったわけであります。この点はいまでも変わりはないのか。つまりメーカーは五十一年規制に最大の努力をしてきたと思っておられるのかどうか、基本的な点なので環境庁長官の答弁をいただきたいのであります。
○毛利国務大臣 自動車メーカーが最善の努力をしてきたかどうか、私はようわからないのでありますが、事業家の立場で可能な努力はしておるであろうと想像はいたしております。
○米原委員 それでは具体的な事例をあげて聞きたいのであります。「自動車ジャーナル」という雑誌のことしの七月号の中で、自動車工業会の専務理事の中村俊夫という人がインタビューに答えて次のように述べております。「国際的には五十年、五十一年の排気ガス規制、あるいは全面無鉛化と か、およそ外国人が聞いたらナンセンスの一言で片づけられることが日本では強引にやられている。これでは五十一年の四月以降、外国車は一台も日本に入ってこれなくなるかも知れない。それによって、もし外国が報復的に輸入を禁止したら、日本の自動車会社はやっていけませんよ。もっと、国際協調の立場から問題を処理してほしいと思うんですが、どうも日本は最悪の事態が起きないとわからなんですね。」こういうことをしゃべっておられるのであります。これは自動車メーカーは利益の面からサボるというようなことはやらないと信じたいと言われた春日局長の信頼とはうらはらに、自動車会社がやっていけなくなるような五十一年規制は困るということを率直、露骨に述べたものだと思うのであります。これについてどう思われるでしょうか。
○春日説明員 まことにけしからぬことだと思っております。
○米原委員 参議院の公害委員会でわが党の沓脱議員がこの点を指摘しまして、自工会の会長の豊田氏に問いただしました。そうしたら豊田さんびっくりして、「基本的な、何といいますか態度が誤解されるような形になっておることをおわびを申し上げたいと思います。」こんなふうに言っておられるのですが、この答弁自身がわけのわからない答弁であります。誤解なんというものじゃありません。 しかもこの中村自工会専務理事の発言はことしの六月七日、すなわち環境庁の五十一年規制のメーカーからの聴聞会が開かれている最中の発言であります。これは全く国民を愚弄するものである。同時に環境庁をもばかにしておるものだ。一方で殊勝な顔で聴聞会に応じながら、裏でこんなことを言っているわけでありますから。これでも環境庁はメーカーに甘い態度をとるとしたら、メーカーとぐるだといわれてもやむを得ないはずであります。こうした態度のメーカーは何ら弁護する余地はない、こう思いますが、環境庁長官の見解はどうでしょうか。
○毛利国務大臣 全然ぐるではないが、けしからぬと思います。
○米原委員 そこで聞きますが、メーカー側の規制緩和の主張の一つの理由に大型車の対策がむずかしいというのがあります。いままで述べてきたようなメーカー側の態度からすれば二千cc以上のいわゆる大型車などは、これの生産をやめてでも規制を実施すべきだと私は思うのでありますが、どうでしょうか。二cc以上の車の生産は、四十八年度でいえば全乗用車の生産台数約四百三十万台に比べると、そのうちのわずか十一万台、三%にも満たない数であります。こんなものがなくなっても国民は何ら困らない、こう思うのであります。こんなものを理由に規制緩和などというのはとんでもないことであります。必要ならこんな大型車の生産をやめさす、こういう決意を持つべきではないか、こう思いますが、いかがですか。
○春日説明員 大型車とおっしゃいますが、二千ccとおっしゃいますのは千九百八十cc程度のいわゆる中型車のことだろうと思いますが、それを全部抹殺してはいかがかという御提案に対しては、それは環境庁の立場だけでは何とも申し上げられないことでございますが、一般論としていえば、やはりそういうものではなかろう、それなりの役割りがあるものだと私は考えております。決して二千cc以下の車だけにわが国はとどめるべきであるというコンセンサスは、いろいろな意味で得られないのではなかろうかと私は思います。
○米原委員 それではその問題はあとにしまして、次に聞きますが、東洋工業や本田は暫定値として〇・六があるといっておりますが、一体これは信頼できる数字なのか。そこで、昨年から行なわれている五十年規制合格車の優遇税制で、この適用を受けるため、メーカーから運輸省に実車四台が持ち込まれ、またメーカー自身のデータも提出されているはずであります。そのうち東洋工業の車で、マツダLA二二SB、同じくS一二四AB、同じくS一二四W、同じくCB一二S、この四車種について会社側データのN0xの平均値及び運輸省に持ち込まれた四台のデーターのN0xの平均値は幾らか教えてほしいのであります。
○北川説明員 お答え申し上げます。 マツダLA二二SB、ルーチェロータリーといわれている車でございますが 社内データ十台の平均値が、キロメートル当たり排出グラム量で申しまして〇・五二でございます。審査時四台、これは新車三台と三万キロ耐久のデータでございますが、これの平均値が〇・四三でございます。以下マツダS一二四AB、会社の十台分が〇・五一、四台分が〇・三四、マツダS一二四W十台分が〇・五一、四台分が〇・、三二、マツダCB一二S十台分が〇・四八、四台分が〇・三三、以上でございます。
○米原委員 いまのお話を聞きますと、運輸省で測定したほうで見ますと、すでにもう町の中を〇・三とか〇・五の車が走っているわけであります。東京都の測定でもこれは裏づけられております。これを見れば、〇・六などというのは全く根拠のない数字であります。この点をどう思われるか。 また、政府はこういうデータを持ちながら、こうしたことを何ら発表しておらない。東京都の発表で国民は初めてこうした事実を知る始末であります。この点についても見解を聞きたいと思います。
○春日説明員 ただいまのデータでございますが、これはいわば優等生の車を持ってまいりましての検査でございましょうから、かなりいい数字を示すことは予想されるわけでございます。しかもこれは平均値でございまして、ロータリーと申しますのはそのエンジン特性からいたしまして、かなりばらつきが多いわけでございます。たとえば東京都のデータなんかを見ましても〇・三から〇・六まで分布しておって、その平均値が〇・四二というふうになっておるわけでございまして、必ずしも〇・六というのが根拠なき数字ではない。要するに大量生産の生産のばらつきというものを考慮に入れた場合には〇・六というところで押さえるべきである、こういうことだと思います。
○米原委員 ではさらにもう一点聞きますが、昨年設定されたNOxの環境基準に関連してであります。これは東京、大阪をはじめとする自治体が明らかにしているとおり、もしこの五十一年規制の緩和とか延期がなされるなら、政府自身が八年以内に達成しなさいといった環境基準の達成計画が根底からくずれることになります。この点について、その場合にどういう責任を負われるか。 自治体の側では、五十一年規制を完全実施したとしてもなお環境基準は達成されず、あわせて交通規制が必要だといっております。五十一年規制を緩和、延期して交通規制をやっても土台がくずれるのですから全く片手落ちになります。この環境基準の達成に責任を負う道は五十一年規制の完全実施以外にあり得ないのではないか。交通総量規制についてはやるということで検討中という答弁がされておりますが、この点については何といっても自治体の意見が重要であります。関係各省間での検討などといっておりますが、すぐにでもこの自治体側とこそ協議を開始すべきではないか。最後に、この交通総量規制もいまの汚染状況からすればできるだけ早く実施する必要がある、これはいつごろをめどに行なわれるのか聞きたいのであります。
○春日説明員 窒素酸化物の環境基準を達成するためには各種の発生源からの排出量を削減することが必要なわけでございまして、必ずしも自動車だけではないわけでございます。でございますから、工場などに対する排出規制、これも徐々に強めてまいっておるわけでございます。 自動車につきましては、こういった四十八年度規制から始まりまして五十年度規制、さらに五十一年度規制へと、これは世界にない一つのきびしい方策ですでにスタートしておるわけでございます。しかもこういったものは乗用車の新車についてのみ行なってまいりました。アメリカの大気清浄法、いわゆるマスキー法におきましても乗用車だけなんでありますが、私どもは乗用車につきましても中古車、使用過程車と申しますか、そういったものに対する今後の規制の強化も考えていかなければいかぬと思いますし、それからすでに九月からディーゼル新車の規制を始めてまいりましたけれども、こういうものもさらに強化する必要があるであろう。あるいは軽量トラックの問題、軽量バスの問題、これも同様でございまして、そういった問題を総合的に推進してまいる、これが必要なことであろうと思います。 それから総量とおっしゃいますが、車自身の総量か、あるいは交通量の総量か、おのずから違うわけでございますが、まあ似たようなものとして一括して考えれば、五十一年度規制ができようができまいが、これはやらざるを得ない段階になることは事実だと思います。そういう点で、先生の御指摘には賛成なんでございますけれども、しかしいつまでにどういうふうにしてやるかということは今後の検討にまたざるを得ないと考えております。
○米原委員 時間がありませんから、次の問題に移ります。 公害健康被害補償法の地域指定の問題であります。補償法の施行後初めての地域指定が近く行なわれると聞いておりますが、その対象はどこで、いつごろ指定されるのかということであります。 東京について聞きます。東京は、環境庁が委託して調査をしました。そうした九区のほかに、東京都が独自に調査をした四区があり、計十三区となっておりますが、この十三区すべてを指定地域とするのかどうか、大体対象とする予定である、こう考えてよいのかどうかということを最初に聞きます。
○橋本説明員 公害健康被害補償法による地域指定の問題でございますが、四十八年度の事業といたしまして、東京都のうちの九区を国が調査いたしましたが、東京都独自でみずから四区を同じ方式で調査をしたという事実があるわけでございます。 どの範囲内を地域指定するかということでございますが、まず私どもは基本的には、九区が調査の必要がある、こう判断をして調査をしたところでございますので、この九区の問題が中心になることは事実でございますが、東京都が独自で全く同じ方式で調査をした四区の資料というものは一応私どもは参考資料として、どういうぐあいに判断されるかということで扱うべきだろうと思っております。 地域指定の条件につきましては、現在、中央公害対策審議会の中の専門委員会で地域指定を行なう場合の要件ということにつきまして数次にわたる御審議をお願いして、ほぼまとまりかかったところまでまいっておりまして、それが出てまいりますと、その条件に当てはめて、いままでの調査成績の資料及び各調査地方公共団体より寄せられた過去の資料等を全部照合いたしまして線引きをやるということでございますので、十一月中にはこの新しい地域指定の結論を出して、新しい地域指定が始まるというぐあいに私どもは予定をいたしております。
○米原委員 東京都のほうではかねてから少なくとも二十三区については一括指定をと要望しておりました。そして今回の十三区の調査結果でも広域汚染が証明されたとしております。われわれも今回の調査で汚染が明白になった十三区についてはすべて指定してもらいたいと思っておるわけであります。 今回の調査で慢性気管支炎の有症率を見ますと、この十三区の平均は、男で九%、女で四%であります。これを他の地域と比較してみますと、青森市では男が一・八%、女が一・五%、松江市では男が二・四%、女が〇・八%となっておって、東京は圧倒的に有症率が高くなっていることがわかります。これはもちろん青森とか松江とか、公害のほとんどないといわれる地域との比較でありますから問題になりませんが、公害がひどいといわれている富士市で男が九・七%、女が三・八%、大阪市で男が九・五、女が三・五%であって、東京の状態はほぼこの一番ひどいといわれる富士市や大阪市に匹敵しているわけであります。このように他の地域に比較しても、これはもう十三区全体として指定する必要があるのではないか。この十三区の中に、指定するには疑義があるというところがあるのか、あるとすればどこか。教えていただきたいのであります。
○橋本説明員 いま先生の御指摘では この地域指定のための調査の数字についての御指摘がございましたが、先ほど申し上げた専門委員会でも、この汚染の程度と有症率の程度ということにつきまして、まだ最終確定はいたしておりませんが、ほぼまとまってきておりますので、それに当てはめてやるという考えでございますので、機械的に二十三区全部一緒にやるべきだという議論には、私どもはそういう考え方はとれない。やはりその調査の成績と条件を当てはめてやるということでございます。 そういうことで、この中でどこか当てはまらないところがあるかという御議論でございますが、私どもはそのおのおのの区分を引いて、これは当てはまる、これは当てはまらないということにつきましての作業は現在まだいたしておりません。これは東京都とまたすり合わせてやっていくということでございますので、現在の段階では何ともお答えをいたしかねます。
○米原委員 いまお答えになりましたが二十三区と私は言っていないのです。少なくとも十三区と言っているわけであります。これはちょっと訂正しておきます。 指定基準の答申がまだ出されていないということでありますが、東京都の調査結果は環境庁へは出されているし、過去にも同じ方式の調査で指定も行なわれたわけであります。だから、ある程度の判断もできるはずだから私は聞いたのであります。この健康調査の方式、いわゆるBMRC方式による慢性気管支炎症状の有症率、これが指定するかいなかの重要な基準となる。また過去においてもそうであったと思いますが、これについては七十一国会で当時の船後企画調整局長の「BMRCによる有症率にいたしましても七%をこえるというような地域を指定してまいったような現状でございます。」という答弁がありましたし、大体このやり方がいままでもやられてきた方式だと思うのであります。 この有症率の問題については、昨年SOxの環境基準が改定される際、中公審の専門委員会から報告が出されております。この報告でありますが、この中では、この有症率が三%をこえれば汚染があるというふうに判断できると報告されております。これと今回の東京の十三区の調査を見ると、この三%以下のところは中央区ただ一つ。ほかはすべてそれ以上、三%をはるかにオーバーしているのが大部分であります。もし検討の余地があるところをしいてあげればこの中央区だけではないかというふうに私たちは感じたわけであります。しかしこの中央区も、受診率を見れば高いほうにあり、環境汚染も低くなく、地理的にも除外するのは不合理である。どうしても十三区全部の指定が必要だと思うのでありますが、手続上いまここで発表できないということでしょうか。
○橋本説明員 いま先生の御指摘で中央区が低いという御指摘があり、片一方で受診率が高いというお話でございました。この点はやはり専門委員会でもいろいろな議論——中央区の例をとったわけではございませんが、どういうぐあいに有症率を扱うか、どういうぐあいに受診率を扱うかということでございまして、受診率のほうは有症率の場合よりもずっと補助的な役割りにしかならない。病院の多いところは受診率がわりあい高くなってしまうということがございますので、受診率そのものをもってこの確定的な材料にするというのは非常に難点があるということでございます。 そういうことで、先生の御指摘になりました、環境基準のときに三%前後という話があったということで、私どももやはりこの二・五ないし三というのがあっちこっちの被汚染地域を専門家群が調べた最も安定した数字でございますが、そういう数字を基調にいたしまして、従来はその場合を少し上回っておるところが指定をされておるということも、従来の救済法の実態でございますので、そういうものと均衡をとった形で地域指定をやるということにいたしたいわけです。そういうことで、いま具体的に結論を言えという御指摘でございますが、まだ東京都自身とこの点につきまして作業もいたしておりません。近々にいたすことにいたしておりますが、いまの段階では、どこでどういうぐあいに線を引くかということにつきましては、まだ申せないという状況でございます。
○米原委員 最後に指定基準について聞きます。 昨年の補償法成立の際の附帯決議の中にも、「すべての公害病患者が本制度の対象から除外されることのないよう合理的な指定基準を定め」こういうふうにあります。しかし、昨年の国会答弁では、今回の補償法は民事責任を踏まえたものだから従来よりはきびしくという答弁もあり、これがどうきまるかは重要な問題であります。附帯決議にもある「すべての公害病患者が本制度の対象から除外されることのないよう」という点、また、民事責任を踏まえたものとはいっても、汚染者である企業は、当然過去の汚染も含めて、すべての責任を負う義務のある点から見ても、この指定基準をきめるにあたっての基本姿勢は、汚染が証明される地域を指定するのではなくて、汚染のないことが証明されない地域を指定するということでいくべきではないかと思うのであります。これは水俣病のいわゆる疑わしきは認定せよという通達にも通ずる考え方だと私は思うのであります。汚染のないことが証明されない地域は指定する、こういうことでいくべきではないかと思いますが、この点いかがでしょう。
○橋本説明員 いま先生の御指摘のございましたように、私どもは中央公害対策審議会におきましても、当委員会におきます公害健康被害補償法案に対する附帯決議を配りまして説明をいたし、その中の第二の「指定地域の指定にあたっては、すべての公害病患者が本制度の対象から除外されることのないよう合理的な指定基準を定め、これに基づいて適正な指定を行なうこと。」ということも委員の先生方にもお話をいたしております。 個々の問題につきましては、疑わしきは含めるというようなばく然たる話ではございませんで、汚染の程度と有症率という問題と、どういう程度で公害病患者とするかということは、やはり裁判でも蓋然性が認められるという程度、これは公害の影響ありといっても半分以上は間違いあるまいといったような問題をからめて、公害病患者ということを私たちは把握すべきであるということを考えておりますので、そういう趣旨で、私どもはこの附帯決議の第二の条項をできるだけ体しながら、この地域指定をいたしたいというぐあいに考えておるわけであります。
○米原委員 最後にもう一つ、先ほども問題になりました開発による自然破壊の問題について、簡単に聞きます。 実は先日鳥取県に行きまして、大山の山ろく地帯を調査したのであります。ここでも観光開発による自然破壊、その中で実は水がれの問題が起こっております。近年全国で観光開発などによる自然破壊が問題となってきておりますが、この大山も例外でなく、何本もの高速道路が建設されまして、それを中心に土地の買い占めが進み、どんどん開発という名の自然破壊が進んでおります。それは単に自然破壊だけでなく、実は大山の場合、農業を破壊するところまでなってきております。 その典型としてお聞きしたいのが、鳥取県民の森というものを鳥取県のほうできめてやっている。この県民の森というのは、県が主体となって昭和四十三年から事業を進めて、この県民の森の事業が進むにつれて付近の農家で水がれが始まり、たいへんな問題となってきております。つまり水源地が枯渇してきておる。私、行ってみますと、ふもとのほうの名和町と大山町、中山町のうちの合わせて三百戸、水道の水が出なくなってきておるというところまできているわけであります。この点について環境庁及び農林省の見解を聞きたいと思います。 そもそもこの県民の森の土地は、昭和四十一年国から鳥取県に払い下げられたものと聞いておりますが、どのような払い下げの申請に基づき、またどのような条件がついて払い下げをやられたのか、農林省に聞きたいのであります。
○藍原説明員 四十一年の七月に農林省から鳥取県に払い下げられておりますけれども、そのときには水源涵養保安林に指定するということの条件がついております。
○米原委員 私もそのように聞きました。土地の人もそう言っていた。昭和四十二年までに水源涵養保安林として指定するという条件がある。 〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 それにもかかわらず、指定が実際には行なわれないままに、逆にそれとは別の県民の森という事業が四十三年から始まって、そして立ち木の伐採が進み、水源涵養林の指定はこの立ち木の伐採が始まったあとで、四十四年、四十五年に至ってから行なわれておるわけであります。なぜこのようなことになったのか、その間の事情を聞きたいのであります。
○藍原説明員 ただいま御説明いたしましたように、四十一年に農林省から移管になっておりますけれども、保安林の指定につきましては、保安林整備臨時措置法というのがございまして、それの第二期というのがちょうど三十九年から四十九年にわたって行なわれております。鳥取県としてはこの間に米子地域の全体の保安林の整備計画をつくったわけでございますが、県に移管されましたのが四十一年でございますので、その辺に計画の変更等があったと思いますが、そういう関係で四十三年に調書を出しております。そして四十四年三月に水源涵養保安林に指定されておりますけれども、一部中山町の分につきましては、指定地について利害関係者から異議の申し立てがあったために、一年おくれまして四十五年の三月に指定になっております。
○米原委員 そうしますと、実際には払い下げのときに水源涵養林とするという条件がついていたのに、これが行なわれないままに別の指定が行なわれている。県知事によって保健林という指定をやっております。重複指定をやっているわけであります。そして公衆の保健の名のもとにこういう県民の森という事業が法的に根拠づけられたと聞いております。すなわち、一方で水源涵養保安林として指定された、水源として保護されることになっておって、一方では保健林、すなわち県民の森、これはやはりさっき話のあったレクリエーションの地域にするというようなことでどんどん伐採したりしている。そしてそれを保健林と名づけている。この指定は全く一あらゆる場合に保健林と水源涵養林とが矛盾するとは思いませんが、この場合には明らかに矛盾しているわけです。そして水源涵養林というほうは実際その目的をつぶされる結果となっている。水がれが起きている。こうした重複指定をやったことがこうした矛盾を引き起こしたのだと私は思うのでありますが、どうでしょう。
○藍原説明員 水源涵養保安林に指定しましたのは先ほど御説明したとおりでございますが、保健保安林に指定いたしましたのは四十九年の一月でございます。 〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕
○米原委員 とにかくもともと水源涵養を目的として払い下げたものであり、水源涵養という目的のほうが当然優先さるべきものだと思うのであります。ところが、実際にはこの水源涵養林と保健林の重複指定を行なう。それはあらゆる場合にこの二重指定が矛盾を起こすとは私も思いませんが、この場合現実には矛盾した事態を引き起こしているのが事実であります。ですから、当然直ちに保健林の解除を行う。住民の運動で県民の森のほうの事業は現在一時中止になっております。もうこれ以上やったらふもとの村には水道の水が出なくなるのですから中止せざるを得ない。ただ、この指定がそのままになっておる。当然保健林のほうの事業は即刻現状で凍結させるべきだ、少なくともそう思うわけであります。地元の越水水源を守る会や名和町議会からの陳情書も私見ましたが、初めにこの地域に開拓農民として入った人たちの話では、水がないというきわめてきびしい条件の中で、言語に絶する苦労を続けて現在に至ってきておるわけであります。それが県民の森の事業で再び水がれが始まり、現在は作物も、スイカとか庭木のような水の要らない作物しかできず、また分家しようにも分家に回す上水もないために分家すらできない、こんなことも土地の農民は言っておりました。 農林省は直ちにこの点について調査をぜひやっていただきたい。そうして適切な指導を鳥取県に対してもやっていただきたい。このことを要望いたしまして私の質問を終わります。最後にひとつ御答弁をお願いします。
○藍原説明員 林野庁といたしましては、ただいま各県が県民の森というものを県民の保健、休養という目的で設定いたしておりますけれども、これはあくまでも保健、休養というのが目的でございまして、そのために保安林の本来の使命と申しますか、そういうものに対して悪影響を及ぼすというような問題があれば、これは本来の目的からも反するという点もございますので、当該県に十分連絡をとりまして、実情を調査し、善処してまいりたいというふうに考えております。
○角屋委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 私は最初に、五十一年度規制の問題について少し掘り下げておきたいと思います。 最初に環境庁にお聞きいたしますけれども、この五十年度、五十一年度規制につきましておきめになったとき、これは三木長官のときだったと思うのですが、このときにいまのようにメーカー側の抵抗、こういうことによって暫定的基準をつくったり、あるいはまた延期をしたり、こういうことをしなければならぬというような想定のもとにあったのか。すでにそのときに、私も当委員会で三木長官にも何べんか念を押しまして、五十年度規制、五十一年度規制は延期しないという答弁をいただいておるわけでありますけれども、制定した当時の環境庁の行政の何といいますか、これをつくるときの根拠、あるいはまた態度というものはどういうものであったか、ここからもう一度出発しなければ、延ばしたってまた同じことになってしまう、非常に権威がなくなってしまうのではないか。まずそこからひとつ出発をいたしたいと思いますが、これについてお聞きしたいと思います。
○春日説明員 四十七年の十月に告示が出されたわけですが、当時は三木長官ではなくて、小山長官だと記憶いたしております。 当時どういう気持ちで告示をしたかということでございますが、その根拠になりますのが中公審の中間答申、四十七年十月三日付の報告でございますが、そこにこういうふうに書いております。「一部には米国の一九七〇年大気清浄法改正法が予定している規制に準ずる規制目標の達成には実用面においてきわめて困難であるとの見解はあったが、実用化を含めてその開発は必らずしも不可能ではないとの見解に達した。」ということでございますから、当時かなり、この五十一年度規制というものが実際に達成できるかどうかということについては議論のあったところであろうと思います。しかし最終的には、まだ四十七年から五十一年までの時間的な余裕を思えばおそらくこれはできるのではなかろうか、こういう御見解であったように思います。 しかし、一まつの不安がなかったわけではないと思いますのは、「許容限度の設定にあたっては、防止技術の開発状況を勘案して行なうべきであり」こうなっておりますから、やはり多少の不安はあったのであろう、非常にむずかしいというかなり強硬な御意見もあったわけでございます。あわせて、この中間答申を眼光紙背に徹して読むならば、先生のおっしゃっているような絶対にできるのだというふうに、必ずしも確信を持っておったとはいえなかろうかと思います。
○岡本委員 いまあなたの説明によりますと、要するに、ぼくはその当時、いま説明のあったようにマスキー法の実施をアメリカでやれば、これはもう日本としてもやらざるを得ない、しかしそれがアメリカでおくれる場合は日本もできないであろうというような含みが、その文面にはありありとあらわれておるのではないかと思うのですよ。 ぼくも、これはちょっと日にちを忘れたのですが、三木長官に、もしもアメリカで延期があっても、日本は延期しないのだということを当委員会ではっきりしてもらったことがありますが、そのときには延期はしないというような確約をいただいているわけですが、そうしますと、いまの御説明のように、当時も非常に不安であった、だからこれから先も不安なのだというのではないのでありましょうけれども、ちょっとそこの食い違いといいますか、これについて環境庁長官からどういうようにお考えになっておるか、ひとつお聞きしたい。 なぜかならば、長官がかわるたびに、あるいはまた答弁するたびに変わるということでは、国民は非常に不安であると私は思うのであります。ひとつ、この問題は、車の交通が激しい道路上の付近におる人たちの健康を守る上においても大事なことであったと私は思うのです。それについてひとつはっきりした答弁をいただいておきたいと思います。
○毛利国務大臣 四十七年十月ごろのことは私は必ずしもつまびらかでないのでありますが、五十年度規制は予定どおり実行する、五十一年度規制については、今日といえども後退もしていない、ただし決定もまだしていない。可能性についてのいろいろな意見があるので、先般来中央公害審議会にかけ、自動車専門委員会にかけて慎重な検討を進めておる。その結論を待って結論を出したい。いろいろな憶測なりあるいは意見が出てはまいっておりますけれども、私どもが申し上げるのが現状であります。
○岡本委員 現状をお聞きしてもしかたないわけですが、これは環境庁の強い姿勢と申しますか、どんなことがあってもやらなければだめなんだという強い一つのあなたのほうの方向性というものがなければ、これは私はメーカーはなかなかやらないと思うのですよ。 先ほど林委員から七大都市の自動車排出ガス規制問題についての調査団の報告書、これに基づいて春日局長にいろいろなことを話しておりましたが、その中で、科学的根拠に乏しい、そういう調査報告であれば、これはあまり参考にならないのだというような御答弁があったと思うのです。先般の当委員会に各メーカーから来ていただいたときも答弁があったわけでありますけれども、その中でこの事情聴取にあたって、トヨタ、日産を主とした発言から見ても、大量生産を前提とする技術的困難を理由とした回答あるいはまた技術情報、これはやはり各社によって技術の問題については、お互いに研究はしておっても公開はしてないと思うのですよ。しかし事健康の問題、これからの自動車の排気ガスによるところの問題というものは非常に意識が高まってきておるわけでありますから、お互いにそういった技術情報の隠し合いとか商業主義に裏打ちされたような、こういうことばかりではこれはいけないのじゃないか。 したがって、私は、各メーカーがそういった技術的なことを明らかにしない、それをせずして今度は調査団がいろいろと報告すると、これは科学的な技術的な裏づけがされてないというのであれば、これは片手落ちであろうと思うのですが、その点についての局長の答弁をいただきたい。
○春日説明員 私もまだこの「七大都市自動車排出ガス規制問題」と申します調査団報告書をしさいに読んだわけではございません。したがいまして、また環境庁としての正式な見解というものはいま述べるわけにはいかないと思いますが、したがって私の私見ということでお許し願えるならば、二、三申し上げてみますると、本報告書で中心的な部分は何と申しましても「五十一年度規制をめぐる技術的可能性の評価」というところだろうと思うのです。そこでこういうふうに結論をなすっているようでございます。 すなわち「現在の技術水準をもってしても、五十一年度中には規制値あるいはそれにごく接近した値に達することが可能であると判断した。」こうあるわけでございますが、またそれゆえにこそこれを受けて七つの市長さんが「五十一年度規制の完全実施に関する要請」の中で、国は五十一年度規制を、すでに告示したとおりの内容で実施する方針を絶対にまげないこと、こういうふうにおっしゃっているのだろうと思います。 しかし、よく各論的に拝見してみますと、どうして五十一年度規制値というものが現在の技術水準で可能と言い切れるのかどうか、どうもいささか羊頭狗肉の感がなきにしもないわけでございます。たとえて申しますと、各社別の技術的問題点とその見通しというところを拝見いたしましても、あるいは五十一年度規制へのアプローチ別に達成の可能性をいろいろ検討しておられるのでその点を見ましても、どうもすっきりと五十一年度規制は必ず五十一年度中に達成できるのだという結論にはつながっていないように思われるわけでございます。 たとえば、現在の技術に若干の改良を加えるならばとか、あるいは品質管理、生産管理を徹底して将来研究するならばとか、あるいは原理的には解決できるはずであるとか、実験車から量産車への移行を単なるプロダクションスリッページという論議から推測したり、どうも確信を持った評価とは必ずしも言い切れない点があるようでございます。私どもは決して、五十一年度規制を達成するためにいろいろなアプローチがございますが、そのアプローチの可能性を否定しているわけではない。またそれをこいねがっておるわけなんでございますが、午前中の御質問にもございましたが、不特定のユーザーに対してきわめて過酷な運転走行というものをいたします車を量産してそれを売るような場合には、その可能性を評価するにあたっては、やはり安全性と申しますか、セーフティーマージンと申しますか、そういったものを十分とって評価してまいらないと、これは生命の問題にもかかわるだろうし、安全性の問題にもかかわってくるのじゃないか。要するに単なる推定、単なる可能性、場合によっては独断に近いようなものでこういった規制値を、きつければきついほどいいということできめるのはいささか問題もあるのではなかろうか。これは私の私見でございますけれども、そういうようなことを先ほどさっと目を通しながら感じた次第でございます。 しかしながら、何と申しましても七大都市と申しますのは日本の人口の四分の一近く集まっているようなところであり、自動車の恩恵を最も受けている反面、最もその被害を受けていることも事実でございまして、それらの市長さん方がお集まりになってこういった問題を検討されるということは非常に意義のあることであろうと私どもは評価いたすところでございます。
○岡本委員 その前に長官にちょっと……。七大都市の市長さんが二十一日に自動車排出ガス規制について長官に陳情があった。このときに長官はどういうように御返答なさったのか、ちょっとお聞きしたいのです。
○毛利国務大臣 七市長代表の陳情団に対して、陳情の趣旨は十分留意して今後の検討の参考にいたします。
○岡本委員 たしかこれを検討して参考にします、こうおっしゃったと思うのですね。これは局長さんの私見かもわかりませんが、聞いていると、これは参考に値しないというに近いような答弁が出たわけであります。私、ちょっとこれでは一方的過ぎるのじゃないか。私は長官が言うのが正しいと思うのです。 なぜかならば、ここにありますように、たとえば、「日産に典型的に見られるように、一切の技術情報の公表を拒否しながら、五十一年度規制のクリアが不可能である」という結論を押しつけてきている。したがって、メーカー側が技術的困難を主張するならば、それを立証する根拠ないしその実験データ、これを公表すべきである。こういうところは、ただこの調査団に対して科学的立証が少ないという意味じゃなくして、メーカー側もこういった一切の技術情報の公表を拒否している。片っ方がそういった科学的な立証がないというならば、メーカー側のほうもやはりそれを指摘すべきであると私は思うのです。 ですから、いま長官が言ったように、私は、この調査報告書というものは相当重要視をしながらやって、そして今度の排気ガス規制については、その実施に力を尽くすのが環境庁としての態度であろうと私は思います。この点、もう一ぺん長官からはっきり承っておきたい。これは局長さんのほうは私見ですからね。
○毛利国務大臣 先ほどお答えしたとおりです。
○岡本委員 じゃ、そういうように承っておきます。あまり時間がありませんから、これはこの辺にしておきます。 次は、けさからも自然保護の問題についていろいろと話がありましたが、これは四十八年の四月十七日、昨年の当委員会における私の質問でありますが、そのときにあまりはっきりしなかったのですが、実は、先月の十七日から予算委員会の皆さんと一緒に私は九州の奄美大島に行ってまいりました。そのときに、もうこの目で見てきたわけでありますけれども、奄美大島の枝手久島というところに東亜燃料が石油基地をつくろうという計画をしておりまして、すでに鹿児島県では調査員をつけまして調査に当たっておる。ところが、知事さんが行きましたら、現地の人たちがみな反対をして追い返したというような問題がありました。 この枝手久島というのは奄美本島の横にある小さな島でありますが、その間を埋め立ててしまう、そして五十万バーレルの石油精製基地をつくろう、こういうことでありますが、長官はお行きになったことはないと思うのですが、ちょうど長官は四国でありますからよくわかると思いますが、淡路島と明石の間を埋め立ててしまうというような状態でありますから、その枝手久島のところにある焼内湾の海水は潮流がなくなって全然動かなくなる、こういうようなところであります。 これは四十八年四月十七日、先ほど言いましたように、当委員会で私が発言をしておきましてやっと検討したことになっておりましたのですが、これについて現在環境庁としてはどういう考えを持っておるか、ひとつこれをお聞きしたいと思うのです。
○城戸説明員 ただいま御指摘のように、東亜燃料の立地に関連しま、していろいろ問題が生じておることは私ども承知いたしております。県からの報告によりますと、立地を前提としない環境調査を実施するということになっておるようでございます。基本的な考えとしましては、こういう重要な問題でございますから、立地を前提としない環境の基礎調査であるということにつきまして、十分地域住民の理解を得た上でやっていく必要があるのじゃないかと思っておるわけでございます。その上で次の、いわばそのあとの段階の環境影響評価等に入っていく。とりあえずはそういう立地を前提としない環境に関連した基礎調査を行なう、こういう了解になっておるようでございますから、私どもはそういうことでけっこうじゃないか、こう思っております。
○岡本委員 ここは御承知のように奄美大島本島のすぐ近くの小さな離島でありますが、ほんとうにもう自然環境そのものであります。そんなところをなぜ調査する必要があるのか、私、ふしぎでならない。全然自然そのままですからね。鹿児島県がそういった石油工場を建設しないという名目のもとになぜそういうところを環境調査をしなければならぬのか。これはもっとたくさんあるのですよ、奄美大島全島を見ましたら。そういうところは非常に欺瞞性があると私は思うのですが、これに対して環境庁としてはどういうように感じますか。国立公園あるいは国定公園に指定しようというようなことでそれをやろうとしておるのか、どうもはっきりしませんでしょう。
○柳瀬説明員 枝手久島は現在国立公園でも国定公園の地域でもないわけでございまして、したがいまして、まだその計画は具体化してないように承っておりますが、もしもそういうような計画が出てまいるということが将来あるといたしますれば、国立、国定公園の地域外といえども、総合的らアセスメントの段階でやはり自然環境の保全という面から十分検討を加えていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 通産省来ておりますか。——この奄美大島本島の枝手久島の中に東燃がこういうものを計画しているということを聞いておりますか、いかがですか。
○松村説明員 お答えいたします。 東亜燃料が奄美大島の一部である枝手久島に製油所を建設する計画があるという点については、公式ではございませんが、聞いているところでございます。
○岡本委員 その場合、もしこの計画を持参した場合に、あなたのほうが許可をするわけでありますけれども、この枝手久島は、それを持っておる島民、それは島のほとんど六割が個人所有でありますが、これがほとんどみな阪神間のほう、大阪のほうに住んでいるわけです。なぜそうしているかというと、向こうでは生活ができない。まあお年寄りはおりましたが……。そしてこっちで仕事が終わったら、年がいったら向こうへ帰ってきれいなところで住もうというわけで残しておるわけです。 ですから、この方々の所有でありますから、三十四世帯六十一名の皆さんの承認がなければこれはできないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○松村説明員 お答えいたします。 先ほど私、東亜燃料の計画を非公式ながら聞いていると申し上げたわけでございますが、詳細についての説明を受けておりませんので、いまのお話の土地の所有権関係については存じておりませんので、ちょっとその点はお答えいたしかねます。
○岡本委員 だから、あなたのほうが許可をするにあたって、土地の所有者、これが調印し、またこれが許可しなければこの土地はかってに使えない、これは常識であると思うのですが、その点をはっきりしてもらいたいと思います。
○松村説明員 工場の敷地の所有権関係についての見通しがはっきりしていないということでございますと、これは実際の許可という行政行為を行なうにあたっては、非常にむずかしい問題であろうかと思います。おっしゃるとおりでございます。
○岡本委員 むずかしいんじゃなくして、これはできない。人の土地にかってにだれか来て工場を建てるといったって建てられないのです。この点をひとつあなたのほうははっきりして、そして許可はしないというふうにしないといけないと私は思います。 そこで、水産庁来ておりますか。——私、今度予算委員会で向こうへ参りまして一番感じましたことは、まあ要求もだいぶいろいろありました。たとえばこれは水産関係じゃありませんけれども、農林関係のサトウキビの値段の問題とかあるいは畜産あるいは水稲、いろいろな問題がありましたけれども、一番おくれておるのは、私はここの水産の振興であると思うのです。北海道から北のほうは、北方領土の問題で相当みな、ちょっと出ていくとつかまったり、いろいろなことをやっております。あるいはまた瀬戸内海でも、もうどんどん汚染されて水産物の育成というのができない。なぜこの南のこういった広い漁場を利用するようにあなたのほうで指導しないのか。 奄美へ参りまして私感じましたことは、船もほとんど小さな船しかない。それからいろいろな漁獲したところの水産物を入れる冷蔵庫ですか、こういうものもほとんどない。したがって、たくさん水揚げすればもう全部それが安くなってしまってだめになるというようなことで、非常に疲弊をしている。それに目をつけて、先ほどのああいった石油基地を持ってきて、海をよごし、そして自然環境をよごしていくというような悪循環になっておるのではないかと私は思うのです。これについて水産庁の考え方、今後の指導方針、これをひとつお聞きしたいと思います。
○松下説明員 お答え申し上げます。 奄美群島におきます漁業の実情につきましては、ただいま先生から御指摘があったとおりでございます。ただ、先生ただいま北海道との比較を申されたわけでございますけれども、これはやはり何と申しましても、奄美大島は南のほうでございまして、なかなか漁業に適した自然条件ではないということが一つあるわけでございます。 しかし、水産庁といたしましても、従来水産業の振興対策といたしまして、奄美群島振興事業を昭和三十九年度から実施しております。これは主として共同利用施設の設置等でございます。昭和四十九年度からは公共事業でございます漁港の整備事業、それから海岸の保全事業、これが奄美群島の振興開発事業として、十カ年計画の一環として国の助成のもとに実施されることになっておるわけでございます。また、先生から先ほど御指摘ございました沿岸漁業の振興対策といたしましては、第二次沿岸漁業構造改善事業が、昭和五十一年度に地域指定になる予定になっております。魚礁、そういったものの漁場の整備事業の一部につきましては、昭和五十年度から実施するというような運びになっておる状況でございます。 今後ともこの奄美群島の沿岸における水産業の振興につきましては、さらに努力を重ねてまいりたいというふうに思うわけでございます。
○岡本委員 これは大いにやっていただかないと、日本のたん白資源はここから相当出てくるのじゃないかと私は思うのですよ。あまりにもいままで国のほうの指導方針というものが手薄であった。鹿児島県全体としてそう言えます。 たとえば錦江湾の中もそうです。錦江湾の中に、いま石油の基地が一つできておりまして、これもやはり海上保安庁で一生懸命に何とか汚染を防ごうというわけでやっている姿を私は見てまいりましたけれども、私はもう水産庁としてもっともっと——ここの知事さんあるいはまた奄美の支庁長さんの頭が少し漁業の振興のほうに向いていない。そういうわけでこういうことになっているのではないかと私はつくづく感じたわけです。これは指摘しておきましたけれども、もっと水産庁の力をこちらに入れますと、自然も保護される、 そして向こうの経済も上がってくるということで有数な日本の自然保護地区になるのではないか、こういうように感じて私は帰ったわけです。 きょうは時間がありませんからこのくらいにしておきますけれども、あと、いまのような答弁でなくして、もっと強力な漁業の振興、この方針をひとつ立てて、私のほうに報告していただきたいと思います。 最後に、環境庁長官に、この枝手久島を一ぺん実際に環境庁かち調査してもらって、こういうところにこういう石油基地をつくったらいかぬというのをはっきりできるような行政をひとつ要求したいと思うのですが、いかがですか。もう出てきてから、だめになってからのこのこ出かけていって、先ほどから聞いていたら、北海道のほうもどうもそうらしいですね。先々にアセスメントをして、そして環境庁のほうで歯どめをしていってこそ初めて環境庁の値うちといいますか環境庁をつくっただけの意義があろうと思うのですよ。どうもいまのままではあまり意義がないように感じられてしかたがない。その点ひとつ長官の強い決意をもう一ぺん承っておきたいと思います。思い切ってひとつ……。
○毛利国務大臣 現地の調査をまって結論を出すということしかきょうはお答えするわけにはいかないのです。
○岡本委員 お約束の時間がもう三分ありますから、尼崎の大気汚染問題で、この前長官が、これは尼崎においでになったときにも相当要求があったわけですが、いま南部半分しか健康被害救済地域に指定されておらない、北部のほうもぜひひとつやってもらいたいというようなことで要求があったのでありますが、そのときにいま検討中だというようなはっきりしたお答えがなかったわけですが、もうすでにここの地域は検討も終わっておると思うのですが、これはいつごろ指定していただけるのか、これをひとつ最後にお聞きしておきたい。
○橋本説明員 先生の御指摘のございました尼崎市につきましては、四十八年度の地域指定の調査成績に基づきまして地域指定の最終の結論を出すことにいたしておりますが、中央公害対策審議会の中に専門委員会を設けまして、地域指定の条件ということについてほぼまとまりを得られる段階になりましたので、その条件に当てはめて尼崎の従来の四十八年度の調査成績及び四十八年度以前の昔の調査成績が非常に尼崎の場合には問題になりますので、それらを照合いたしまして、また地元とも相談をいたし十一月中には地域指定をして新しく発足するという考えでおります。
○岡本委員 これで終わります。
○角屋委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 私は、徳島県の阿南の橘湾地区の工業開発計画を環境庁がどの程度把握しておられるか、その承知しておられる範囲でお教えをいただきたいと思います。
○城戸説明員 私どもまだ詳細聞いておりませんが、橘湾を中心としました埋め立てを行ないまして、三百二十二ヘクタールの土地造成を実施するということでございまして、造船所並びに関連の企業である、こう聞いております。
○岩垂委員 この地区における企業立地として問題になっているのは、いま局長が御答弁いただいた小勝島の住友重機械工業でありますが、そのほかに辰巳地区の大阪製鋼やあるいは住友商事のLPG基地などがあげられているわけです。これらについては、環境庁は把握をしておられるのかどうか承っておきたいと思います。
○城戸説明員 ただいま申し上げました地区のほかに大潟地区五十五ヘクタール、幸田地区十四ヘクタールその他周辺地区におきます関連の電力その他の計画がある、こう聞いております。
○岩垂委員 いまみたいにたくさんの工業地帯をこの地域に誘致したいという動きの中で、小勝島を削って三百二十二ヘクタールの海面を埋め立てて、そこに住友重機械工業の大型造船所、それは世界最大の百万トンドックになるといわれておりますけれども、立地計画があるわけであります。 そのようなプランなり、あるいはそういういわば計画だけでなしに環境庁にその他のこれを実現するための相談があったかどうか、この点を承っておきたいと思います。
○城戸説明員 ただいまの地域は国定公園の範囲の中にあります関係で、まず第一次には環境庁としましては公園の自然保護の問題として検討していく、こういうことになりますので、自然保護局長から御答弁申し上げたいと思います。
○柳瀬説明員 いま造船所の計画があるというふうに承知しております地区は、室戸阿南の国定公園の区域に一部入っておるようでございまして、これも正式にまだ私どものほうに計画は承っておりませんが、内々いろいろと御相談がございまして、これに対しましてはいろいろと県のほうとも御相談しておりますが、自然環境の保護の画からいろいろ検討する問題が少なくないというふうに私どもは理解しております。
○岩垂委員 ことしの八月に徳島県から国定公園の一部解除が相談の形で持ちかけられて、それに対して環境庁は、これは明らかに開発目的の解除申請なんだから、これじゃまずいじゃないかということで断わられて、そして持ち帰ったということを地元でも聞いておりますが、そのような事実があるかどうか承っておきたいと思います。
○柳瀬説明員 その地域を国定公園からはずすということについての見解を聞かれたことはございますが、これに対してはっきり断わるとか断わらないということはやっておりませんわけでございますが、徳島県のほうで徳島県全体の自然環境保全基本方針というものをお立てになっておりまして、これに基づいて行なっている公園計画の見直しということの作業をやっておるというふうに聞いておりますので、そういうような全体の状況との関連において検討していくべき問題じゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○岩垂委員 全体の状況との関連においてこの橘湾地区の、とりわけ小勝島の国定公園の一部解除について相談があったというふうに理解してよろしゅうございますね。それについて環境庁はどのようにお答をなさったか、教えていただきたい。
○柳瀬説明員 徳島県のいわゆる全体計画の見直しという問題につきましては、まだその計画自体を私どもは承知しておりませんので、まだ何とも言えない状況でございます。
○岩垂委員 何とも言えないという話でありますが、この問題というのはもう一年前から問題になってきているわけであります。そしていろいろな形で環境庁の姿勢というものが実は伺われてきているわけでありますから、この辺で、申請があったらどのようにお答えになるのか、その辺についてお教えをいただきたいと思います。
○柳瀬説明員 そういう見直し計画の出てまいりました段階におきまして十分な説明等行なった上、これは自然環境保全審議会にもかけまして審議をお願いした上、環境庁としての態度をきめたい、こういうふうに考えております。
○岩垂委員 では伺いますが、いま環境庁として国立公園並びに国定公園、特に国立公園が中心でありますが、その見直し作業をなさっておられるようであります。そしてそれはどのような立場で見直しをなさっておられるか、その点についての御所見を承っておきたいと思います。
○柳瀬説明員 国立公園の公園計画の見直しにつきましては、全国の国立公園につきまして、特に最近自然保護についての考え方が非常にシビアになってまいってきているというような状況も勘案いたしまして、自然保護を強化するという方向で全部の国立公園について見直し作業の実施を進めてきている段階でございます。
○岩垂委員 当然のことながら、国立公園の見直しをなさるわけですから、関連をして国定公園の見直しをもなさろうとしているというふうに理解してよろしゅうございますか。
○柳瀬説明員 国立公園は環境庁が直接管理をしておるわけでございますが、国定公園につきましては県知事にこの管理を委任しておるわけでございまして、方針といたしまして、環境庁の考え方に準じて保護の強化をはかるような方向で見直しをするように指導しておるわけでございます。
○岩垂委員 国立公園の見直しというものが、当然のことながら自然環境を守っていくという立場でなさっておられる、そしてその上に関連して国定公園も同じ意味で政治的な指導を強めていきたいというふうに承ったわけでございますが、自然保護に逆行するような見直しは、よもやいささかもお考えいただかないと思うのですが、念のためにその点をきょうは承っておきたいと思います。
○柳瀬説明員 国立公園につきましては、非常に古い時期に指定をしたような国立公園もありますし、たとえば昭和の一けたの時期に国立公園の指定がされたというようなものもありますし、あるいは北海道の利尻礼文サロベツ原野の国立公園のように、ごく最近指定の国立公園もあるわけでございます。したがいまして、全体としては自然保護を強化するという方向でもちろんやるわけでございますが、中には昔と違いまして非常に市街化してきている、国立公園としての、あるいは特別地域から普通地域にするほうが現状に合っているというような地域もないわけではございませんので、そういう点は、全体としてはもちろん強化をするという方向で見直しをするわけでございまして、プラスマイナスある場合もあるわけでございます。
○岩垂委員 市街化が進んで全く例外的にはそういうことはあったとしても、全体として自然環境を保全していく立場を強化していくものとして見直しをしているのだ、そして同時に、それは国定公園についても同様である、つまり、もう一ぺん伺いますが、逆行するケースというものは、特別に市街化が進んでいて、事実上ものさしに合わないというケース以外は、それはむしろ強めていく方向の指導であり、そういうお立場である、たいへんくどいようでありますが、承っておきたいと思いますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○柳瀬説明員 プラスマイナスあることはありますが、全体として大いにプラスになるような方向で見直しをしたい、こういうことでございます。
○岩垂委員 そのような御答弁に若干抵抗も感じますが、しかし、マイナスというか、後退をする地域、それからその性格が明らかになりましたから、全体的な意味で強めていくというふうに伺って進みますけれども、局長御存じのとおり、この地域は国定公園であります。そして小勝島のうちの西側寄り二十二万平方メートルが指定されているわけであります。これに関連をして昨年の七月に国会で自然公園法と自然環境保全法の一部改正が行なわれたときに、本院もそうでしたけれども、特に参議院で、「開発を理由とする公園指定の解除については、自然環境の保全の重要性にかんがみ、これを行なわないことを原則とする基本方針で臨む」という附帯決議が行なわれておりますけれども、この点について、本件についても環境庁は、当然のことでしょうけれども、この国会の意思を貫徹することを国民の前にはっきりと公約をいただきたいと思うのでありますが、これは環境庁長官に御答弁をわずらわしたいと思います。
○毛利国務大臣 原則尊重はもちろんであります。
○岩垂委員 原則というよりも、国会の附帯決議を尊重する、こういうことをすっきりお答えをいただきたいと思います。
○毛利国務大臣 尊重いたします。
○岩垂委員 埋め立てを予定しているこの地域は、いわば阿波の松島とも呼ばれる室戸阿南海岸国定公園でありまして、その中の弁天島にはアコウなどの熱帯植物が見られますし、それから湾の突端は日本でも数少ないウミガメの産卵地で、夏になると数百頭のウミガメが上陸をして産卵をするといわれるところであります。とにかくたいへんきれいな海でありまして、このような得がたい自然が失われることについて、私は率直に懸念を持たざるを得ないわけでありますけれども、その立場で、昨年の二月に三木環境庁長官が瀬戸内海環境保全知事・市長会議というものを主宰をなさいまして、その席上で瀬戸内海浄化五カ年計画を打ち出され、これ以上の瀬戸内海新規埋め立てを中止することを関係首長に強く要求をいたしましたけれども、この三木前環境庁長官の政治的な姿勢や方針は当然毛利長官もそのまま、もっと厳格に尊重をなさるものだと期待をいたしますが、その点で御見解を承っておきたいと思います。
○毛利国務大臣 尊重いたします。
○岩垂委員 次に、この計画が出されてきた際の議論でありますけれども、当然公有水面埋立法に関連するいわば規制といいましょうか、制約を受けることが予想されるわけでありますが、これも昨年の国会における改正についての議論の中で、これは審議全体を通して、野党、与党を含めてその意見が議事録を見ると強調されておるわけでありますが、特に埋立法の四十七条の二項、「環境保全上ノ観点ヨリスル環境庁長官ノ意見ヲ求ムベシ」という規定がこの中でも生かされなければならないと思いますが、この点でも環境庁長官はその「環境保全上ノ観点ヨリスル」この問題に対する対応というものをなさっていただけるかどうか。この点は当然のことでありますけれども、た いへんぶしつけでありますが、承っておきたいと思うのであります。
○毛利国務大臣 もちろんその点も尊重しており ます。
○岩垂委員 同法の施行令第三十二条の二で環境庁長官の意見を聞くことになっているのは「面積五十ヘクタールヲ超ユル埋立及環境保全上特別ノ配慮ヲ要スル埋立」というふうになっているわけであります。つまり五十ヘクタール以上、——この地域はもう五十ヘクタール以上なんですけれども、それと「及環境保全上特別ノ配慮ヲ要スル埋立」というものは「環境庁長官ノ意見ヲ求ムベシ」という中に入るということになっておりまして、この部分の解釈をめぐって環境庁と運輸省、建設省の三局長との間に覚書きがあるように承っておりますが、実は私どもこれはあまり知らされていないのでありまして、内部的な覚書きではないかと思うのですが、この三局長の覚書きをこの際御公表をいただきたいと思うのですが、どうぞお願いいたします。
○城戸説明員 ただいま先生御指摘になりました「環境保全上特別ノ配慮ヲ要スル埋立」、これにつきましては覚書きの内容で三つにしぼられております。 一つは「鳥類等の生息環境としての干潟等」、これには「河口部周辺を含む」ということでございまして、「及び景観がすぐれ、又は地形、地質、植生等が貴重である自然海浜であって、特に重要である地域に係る埋立てで十五ヘクタールを超えるもの」、それから「別記の業種のいずれかの工場が立地する埋立てであって、その面積の合計が十五ヘクタールを超えるもの」、それから「埋立て自体が周辺水域の潮流を停滞させる等により、当該水域において著しい水質の悪化をきたすおそれのある埋立て」、これは十五ヘクタールに関係ないわけでございますが、これだけは特に「環境保全上特別ノ配慮ヲ要スル埋立」となっております。別記の業種といたしましては、畜産農業、食料品製造業、繊維工業、パルプ・紙・紙製品製造業、以下相当数の業種が並べてございます。
○岩垂委員 その中に造船は入っていますか。
○城戸説明員 たとえばいまの造船業等は当然この中に含まれる、こう解釈しております。
○岩垂委員 いま企画調整局長からお答えをいただきましたように、私ども実は公有水面埋め立ての議論をしたときに、五十ヘクタールではあまりにも大き過ぎるではないか。もっと小さい——まあ五十と比べれば小さいのですけれども、そういうところのいわば開発や埋め立てというような問題についてきちんと歯どめをかけろという意見に基づいて、環境庁がイニシアチブをとってこの三局長の申し合わせというか覚書きになったというふうに理解していますが、そのように理解してようございますか。
○城戸説明員 私ども、ただいまのような国会等での御意見、また周辺のいろいろな御指摘もございまして、関係省庁と折衝して、こういうような基準をつくったわけでございます。
○岩垂委員 昨年の公有水面埋立法の改正にあたって、これは当時港湾法もたしか一緒だったと思うのですけれども、野党やそれから環境庁もかなり主張なさったように私は記憶しておるわけですが、環境庁との協議、あるいは環境庁長官の意見を聞かなくてはならないというふうにもっと強い条項を入れるべきではないか、つまり、環境庁長官の拒否権をもっと明確にすべさではないかということをみんな主張してきたわけであります。そしてその筋道が、不十分でありますけれどもこのような形になってまいっておるわけでありまして、その点を、これから環境庁が厳に埋め立てなどの措置について規制をしていくことを期待したいと思うのであります。 特にこれまで、各県の環境部局がどうも開発部局の下請的な役創りを押しつけられてきたという傾向があると思うのであります。したがって、県の公害担当局にそういうことを言うのはたいへん失礼ですけれども、ついどうも開発優先で公害を未然に防止できるというような答案を書いてきた経過があるわけでありますので、県のそうしたいわば申請といわれるものや意見というものについて、あらためて環境庁は環境庁の立場で具体的に検討を加えていく、そういう態度をこれからもおとりいただきたいと思うのですが、その点は、とるというふうに理解をしてようございますか。
○城戸説明員 一定規模以下のもの等につきましては県限りのものがございます。これは十分、県の中におきまして環境部局が主導権を持って環境問題に対処してもらうように指導してまいりたいと思っております。それからまた、こちらに上がってまいりますものにつきましては、当然その前提となります各種の環境影響に関連した調査及び評価を十分やって提出してもらう。これを私どもは厳正に審査をしていく、こういう立場を貫きたい、こう思っております。
○岩垂委員 次に、本件は瀬戸内海の環境の一そうの悪化を防止するために制定された瀬戸内海環境保全臨時措置法とも実は重要な関係があるわけでありまして、「瀬戸内海環境保全臨時措置法第十三条第一項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針」というのがあるわけでありまして、これによれば、この臨時措置法が「全会一致の議員立法として制定された経緯にもかんがみ、瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきである」と述べられているわけでありますが、その点はそのように述べられていると理解してようございますか。
○大場説明員 ただいま御指摘になりましたように、瀬戸内海環境保全臨時措置法に基づきまして埋め立ての基本方針が出されております。これはすでに各府県に連絡済みでございます。その中身は、これもいま御発言がありましたように、厳に埋め立てを抑制すべきだというようなことでございます。
○岩垂委員 さらにこの運用に関する基本方針というのを拝見いたしてみますと、特に埋め立てを極力避ける区域としてということで実は幾つかのことが述べられているわけですが、次の区域での埋め立ては極力避けることといわれることの中に、「自然公園法による特別保護地区(その周辺を含む)、特別地域(その周辺を含む)及び海中公園地区」というふうになっております。 〔委員長退席、島本委員長代理着席〕 この基本方針の中で、自然公園法に基づく立場から見て、そして同時にこの特別措置法から見て、この地域こそ、つまり橘湾の地域こそ埋め立てを厳格に抑制されている地域であると考えるわけでありますが、そう考えていいかどうか承っておきたいと思います。
○大場説明員 瀬戸内海の埋め立ての基本方針は、先ほど申し上げましたように、埋め立ては厳に抑制する、やむを得ず認める場合においても、いろいろ環境保全上悪影響を及ぼさないようにアセスメントした上で実施する、こういったことになっております。特に問題となる地域につきましては埋め立てば極力避けろ、こういったことが指摘されておりまして、その中身といたしましては、たとえば水産資源保護法による保護水面とかいろいろございます。いろいろございますが、その中に自然公園法による特別保護地区といったものが入ってございます。
○岩垂委員 つまり極力開発をしない、埋め立てをしないという地域に含まれているというふうに理解していいですね。
○柳瀬説明員 特別地域につきましては、その自然景観とかそういうものを十分保護しなければならない地域でございますから、当然あの内容に入っておるわけでございます。海面につきましてはこれは現在普通地域になっております。
○岩垂委員 海面でない部分というのは極力抑制をするというふうになっている地域だというふうに理解してようございますね。
○柳瀬説明員 さように理解していただいてけっこうだと思います。
○岩垂委員 いま環境庁が国土庁と協力して日本の海岸線の現状を調査することを計画しておられるようでありますが、この海岸線の調査というものの目的とそれから計画の内容について、この機会にお教えをいただきたいと思うのであります。
○柳瀬説明員 昭和四十八年度、昨年実施いたしました自然環境保全調査というのがございまして、これはいわゆる緑の国勢調査といわれておるものでございますが、この調査の一環といたしまして、わが国の陸地だけでなく海岸線も含めまして現況調査を行なっておるわけでございまして、この調査は、海岸線の自然がどの程度残されているかというようなことを把握することが目的でございまして、この結果は、今後わが国の海岸線を保全する上で基礎的な資料として使っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、これはいま調査結果の集計を終わりまして、整理をして、年内に公表するというふうな段取りになっておるわけでございます。
○岩垂委員 以上、私は三つの観点からこの地域の埋め立てについてのワクがきびしく実ははまっているということを、ごく常識的に法律それ自体の運用を通してお伺いをしてまいったわけであります。 〔島本委員長代理退席、委員長着席〕 つまり、瀬戸内海環境保全臨時措置法が一つ、そしてさらに改正された公有水面埋立法及び自然公園法の精神とその規定があるわけでありまして、こういういわば法律の体系から見て本地域の、つまり本件の埋め立てというものはかなりきびしく規制されているというふうに理解をするわけであります。そして私は、この問題に対する環境庁の態度というものが、これらの法律が具体的にどのように生かされているかということを推しはかる一つのバロメーターにならざるを得ない客観的な条件のもとにあるというふうに申し上げたいと思うのであります。そして本件に対する環境庁の態度というものが、瀬戸内海一円の問題は言わずと知れたことでありますが、日本列島を包む海岸線の埋め立てによるところのいわゆる大規模開発というものに、一つの新しい基準を示すことになると言わなければなりません。それは言うまでもなく志布志湾をはじめとする臨海工業基地の海岸線の埋め立て計画との深い結びつきというものを考えざるを得ないと思うわけでありますが、そういう観点として見る見方というものを、環境庁としてどのようにお考えになっているか、その点について伺っておきたいと思います。
○城戸説明員 ただいま先生は三つの観点からとおっしゃいましたが、おそらく一つは自然環境保全法、自然公園法、こういう自然保護立法の観点からの問題と、それから公有水面の埋め立ての件それから瀬戸内海という特殊事情の件、この三つだと思います。私どもまず第一次的には、先ほど申し上げましたように、自然公園法ですでに指定がされているわけでありますから、そういう問題としてそれに関連したアセスメントをもとに自然保護局を中心に議論を進めていく、こういうことが第一次の段階だと思います。第二、第三の段階は、そのあとにおきましての問題でございますから、ここではちょっとお答えしないでおきたいと思います。
○岩垂委員 いまきわめて明快なおことばをいただいたわけですが、実は地元では知事さんも市長さんも、あるいは公職にある人たちが用地の説明会などの席上で、つまり公開の席上で、もうこの埋め立てについては環境庁をはじめ関係官庁から内々の許可を受けているのだというふうに発言しているのでありますが、そのようなことはないというふうに環境庁長官の明確な御答弁をいただきたいと思います。
○毛利国務大臣 アセスメントを得て、慎重な態度でそれを処理するということしか言っておらないのであります。
○岩垂委員 くどくお伺いしますが、今日までに内々の許可を与えたなどというようなことはよもやないと私は理解しておりますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○毛利国務大臣 許可ということやそういうことは全然触れたこともないし、アセスメントを得て慎重な処理をするということだけであります。
○岩垂委員 慎重ということばにもいろいろありまして、実はいま企画調整局長から言われましたけれども、三つの網があるわけです。この網からは、この網をはずす以外に事実上のがれられないのであります。まさかそういう法律的解釈を逸脱したり、網をはずすというような形でお考えになることはないと私は思うのでありますけれども、そのように理解してよろしゅうございますか。
○毛利国務大臣 そのように考えております。
○岩垂委員 そうしますと、実は徳島県の知事といいましょうか、県の立場の問題も指摘をせざるを得ないのであります。すでに四十九億円にのぼる漁業補償が、七つの漁業協同組合に支払われているのであります。小勝島の用地買収はすでに終わってしまっているわけであります。それだけではなくて、実は住友重機の浦賀造船所の従業員の移転計画がもうすでに発表されつつある。あるいは住友重機は現地に事務所を開いてもう活動している。あるいは基礎工事のボーリングというものはもう済んでしまっている。それだけではなくて、事実上レイアウトとでもいいましょうか、ドックの配置やあるいは関連産業の配置などを含めた設計計画が進んでいるわけであります。 私は、これらの一連の事柄というのはたいへん無責任な、つまり埋め立ての許可の見通しについて相当自信がなければできないし、もし自信がなくてやったとすれば、その政治責任は非常に重大だと思います。そういう問題を環境庁長官としてどのようにお考えになっていらっしゃるか。つまり、県財政にたいへん負担をかけて、その見通しのたいへん暗い条件のもとで、あるいは困難な条件のもとで、なおかつ既成事実を幾つか積み重ねていくというようなやり方は、私は許されるべきではないのではないかというふうに考えますけれども、この際環境庁長官のき然とした姿勢を期待をして御答弁をお待ちしたいと思います。
○毛利国務大臣 いまの質問のお話で事態の重大性を知りました。いままでに申し上げたとおり、本件についてはアセスメントの徹底調査の結果、御判断をいたしますということの返事しかしていない。しかし、重大性をいま知った次第であります。
○岩垂委員 重大性を知るということ以前に、事実が実は進行しているわけであります。そしてその事実というのは、ある意味で県民に新しい負担を次から次へと積み重ねているわけであります。こういうやり方がいいのか悪いのかという御判断を、環境行政を預かる最高の責任者としての環境庁長官のいいことか悪いことかということの見解を承りたいと思います。
○毛利国務大臣 いい悪いの前に当然とるべき手続の後になさるべきであると私は思います。
○岩垂委員 後になさるべきなのに、それを待たずしてやっているということは県民福祉から見て正しいことではない、いいことじゃないというふうに理解してよろしゅうございますね。
○毛利国務大臣 本来の行き方としては、先ほど来申し上げておるように、アセスメントを先にやって、その後にこの問題が決められるべき性質であるということを繰り返し申し上げておきます。いい悪いの問題についてはわがほうの言うべきことでなくして、県当局の責任で決断をすべきものだと思います。
○岩垂委員 この計画が進むか進まないか、実現するか実現しないかということと、国民の健康やあるいは環境保全や自然保護という立場から見て、環境庁が担当すべき課題が幾つかあるわけであります。いま局長さんから全部お述べをいただきました、御回答をいただきました。その立場から見て正しくないことを、現実に既成事実の形でお進めになっているわけであります。こういうことは自治体が独自にやるからそれはかってだと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、国の環境行政をあずかっている環境庁長官の立場としては、その御答弁では不十分ではないか、私はこういうふうに思うので、たいへんくどいようですが、この点については、そういうやり方、つまり既成事実をどんどん積み重ねていって、これですよと言って、その上に、かけ込みで何とかしてくださいというやり方はよくないというふうに、この際はき然とした姿勢をお示しになるべきだと思いますが、御答弁をもう一度わずらわしたいと思います。
○毛利国務大臣 御質問に対して私の説明が不十分であることは自覚しておりますが、いい悪いの批判については避けたいと思います。県当局の責任においてやっておることでございます。私のほうは、あくまでもアセスメントの結果、この結論を出したいと思います。
○岩垂委員 アセスメントを待たずして現実に事態が進んでいるのですよ、既成事実が。どこかでとめなかったらそれはどんどんどんどん積み重なっていくのです、新しい状態が。それだけ県の責任がまた重くなるわけです。そうでしょう。だから行政的にそういうことは好ましくない、いい悪いの判断ができなかったら好ましくないぐらいのことはあなたの立場で言ってちっともおかしくはないと思います。私は一歩譲って、そういう御判断に立っていらっしゃるかどうかという認識の問題について、たいへんくどいようで失礼ですが、もう一ぺん御答弁いただきたいと思います。
○毛利国務大臣 あなたの質問によって新しい事態を知った点もたくさんあります。私のほうも至急そうした点を問い合わせてみたいと思います。
○岩垂委員 好ましくないということはお考えにならないのですか。
○毛利国務大臣 事態を調べた上でその問題については触れたいと思います。
○岩垂委員 調べた上でというけれども、皆さんみんな答えているのですよ。法律から照らしてみてこれはできないということがわかっているのですよ。その上に事実が進んでいるのです。私はあまりしつこくそういうことを言うのも長官にたいへん失礼だと思うのですけれども、徳島県は三木前環境庁長官の選挙区なんです。いま田中総理の政治姿勢について、三木さんを含めていろいろな形で指摘をなさっておられます。基本的には自民党の体質まで含めて三木さんは提言をなさっておられます。その三木さんの政治的な姿勢が問われることになりかねない事態だと私はいわざるを得ないのであります。 私は率直にいえば、知事だって、三木さんが長官をやっておられるし、何とかなるだろう、地元のためにやってくれるだろうぐらいなことを考えて進めてきていると思うのであります。しかし、にもかかわらず、事柄はそういう問題をずっと重ねてきたから今日環境破壊というものがこれほど深刻になってきている。私たちはそのような姿勢というものをある意味で基本的に問い直さなければいけない。つまり環境破壊に対する問題意識の欠落や、あるいは洞察力の貧しさというものが今日の事態を招いて、みんなでひとつ全力をあげてそういうマイナスを取り返していこうという議論をしているときなんですよ。 それだけに、三木長官のあなたはいわば後継者なんだ、こんなことを言ってはことばは悪いのですけれども、三木派の代貸しみたいな立場でいらっしゃるわけですから、三木派の姿勢を含めて、環境庁長官の姿勢を含めて、こういうやり方というのはよくないということを言わなかったら、三木さんがどんなりっぱな御演説をなさっても私は信用しないのですよ。その立場に立って、三木派のメンツだけではなくて、日本の環境行政の最高責任者である毛利長官の、そういう姿勢は好ましいか好ましくないかという判断について最後に御答弁をわずらわしたいと思います。
○毛利国務大臣 私はその事実を実際きょう初めて聞いて、確かめていないので、県に対する批判は避けたいというのが気持ちでありますから、あくまでもアセスメントをやった上で本件に対して触れたい、こう思っておりますが、あなたのおっしゃることが現実であるとするならばかんばしい姿ではない、こう思います。
○岩垂委員 時間が来たようですからこの辺でやめます。以上です。
○角屋委員長 坂口力君。
○坂口委員 最後の質問者でありますので、できるだけ時間を詰めてやらしてもらいたいと思います。 きょうは、一つお伺いしたいのは、公害によっていままでに集団移転というのが二、三行なわれたことがあると思います。この集団移転の問題が最近また随所で話題になっているわけであります。そこで、現在まで、これは全部でなくてけっこうでございますが、この公害による集団移転が行なわれた二、三の例をひとつおあげをいただいて、その中で公害防止事業によって行なわれたものがあるかどうか、その点についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○城戸説明員 住宅移転につきましては、公害に直接関連するもの、あるいはその周辺の分野、たとえば爆発事故というような問題、いろいろ関連がございまして、計画等はあるわけでございますが、具体的に実現されておりますものとしましては、鹿島の地域、三浜地区の二百二十四世帯、それから現在実施中のもので、新南陽市におきまして四十四年から実施されておりまして、現在は予定六十四戸のうち四十四戸が移転を終えている、こういうぐあいに聞いております。そのほか各地にいろいろ計画があるのが現状でございます。 公害防止事業としてやるかやらないかということは、したがっていま申し上げましたような性質に応じてきまってくるわけでございまして、もっぱら公害を理由とするものということであれば、当然公害防止事業費事業者負担法によります公害防止事業として実施していくということも可能なわけでございます。ただ、現在ではそういう形のものはございません。
○坂口委員 いままでは公害防止事業によって行なわれたものはないという御答弁でございます。この公害防止事業の適用についてでございますけれども、これは申すまでもなく、昭和四十六年の六月に内閣官房から各県知事に通達が出されております。いわゆる公害防止事業費事業者負担法の実施要綱についてであります。これを見せていただきますと、法律で定めた基準以下の汚染の場合でも公害防止事業が適用ができることに一つはなっておりますし、公害防止計画に入っていない移転事業でも公害防止事業とすることができることになっているように私、読ませていただいたわけでありますが、この私の発言に誤まりがなかったらひとつその旨御答弁いただきたいと思います。
○城戸説明員 ただいま先生お述べになりました点はそのとおりでございます。ただ、どういうものにつきまして適用していくかというような、たとえば汚染のレベル等についての基準、あるいはその集合していくという場合どういうぐあいに考えていくか、あるいは全部または大部分をどう考えるか、こういうような細目につきましてまだ十分検討が進んでいないというのが現状でございます。
○坂口委員 時間がございませんので、具体的な例を一、二申し上げたいと思うわけであります。 一つは、現在大分市の家島という地区において三百十八戸ぐらいの移転が問題になっておるわけです。また、三重県におきましても楠町において三十数戸の移転問題が起きているわけであります。こういうふうな集団移転の問題が県段階でいろいろ討議をされます場合に、特に大分県などで現在問題になっておりますが、大分県の県段階では、これはあくまでもいわゆる公害防止事業の対象にはならないという立場をおとりになっているようであります。 これは大分市の家島地区の現在までの経過等による認識のしかたにもよるのであろうと思いますけれども、われわれの調査によりますと、この家島地区におきましても、いままでかなり公害問題が盛んにいわれてきたところであります。この周辺は小さな漁村でありますけれども、この漁村の近くに多くの埋め立て地ができまして、九州石油あるいは九州電力それから昭電コンビナート、新日鉄、そういったものが周辺を取り囲んでいるわけであります。こういう中で、昭和四十八年の五月に住友化学の有毒ガス噴出事件というのがありました。さらにまた四十八年の八月に農薬倉庫の爆発というような二度の事故がありまして、住民の恐怖感というものは極度に達しました。そしていままでいろいろと討議をされておりましたこの移転問題というのがさらにクローズアップされたというふうにわれわれ聞いているわけでありますけれども、この大分市の家島地区について皆さん方はどのような見解をお持ちになっているか、お聞きをしたいと思います。
○城戸説明員 家島地区につきましては、先生いまお述べになりましたように、昨年二回にわたります住友化学の事故を契機にしました住民の移転希望、これによりまして具体化してまいりつつあるわけでございます。県のほうでは、いまおっしゃったように、住環境の整備ということを合わせて目的としているのだ、こういうことになっているわけでございます。この点に関しまして、さっきお話し申し上げましたように、公害防止事業としてやる場合、どういうような条件のものを公害防止事業として考えていくかということが、実はまだ十分検討が進んでいないわけでございます。 と申しますのは、このような住居移転事業が、計画としては公害防止計画地域にもありますし、そのほかにもあったわけでございますが、いろいろと基本でございます住民の合意といいますか、そういうことがきまらなかったり、あるいはこの場合一番大きな要素になりますあと地をどういうぐあいに利用していくか、特に公害を出さないようにしていくということも一つの大きなあれでございますし、それからあと地をまたどこかに売ります場合、あるいはそれを公園等として整備します場合、その費用負担の関係等も非常に大きな問題でございまして、具体化がおくれたわけでございます。私どもとしましても、その具体化の状況を見ながら、その基準等を検討していこう、こういう考え方でおりましたので、まだその辺不十分な段階でございます。 したがって、環境庁としましては、建設省その他関係省庁と検討委員会を設けて検討していこうということで、いま進めているわけでございます。また、調査等は建設省も今年度でも若干行なっていく、こういう方針のように聞いておりますので、今後はそのような点につきましてもう少し十分詰めてまいりたいというように考えておるわけでございます。
○坂口委員 この集団移転については、まだ細目が十分にきめられていないという御答弁でございますので、これ以上申し上げてもどうかと思いますけれども、ここでひとつ念を押してお聞きをしておきたいことは、この公害防止事業の中で適用していこうという大きな方針の中で、その細目がきめられていないという御意見なのかどうかということをまず一つ。それから細目の検討は始められるとすれば大体いつごろから始められるのか、今後の計画等につきましてわかっております限りひとつお答えいただきたいと思います。
○城戸説明員 検討の方向でございますが、これは何としましても、私ども公害防止事業費事業者負担法という法律を所管しておるわけでございますし、その中に住居の移転というのが入っているわけでございますから、ぜひこのワクの中で具体化するのはどうしたらいいかということを一つの検討課題としてやってまいりたいと思っております。 ただ、同じ具体化します場合でも、非常に狭い公害に限りました場合と、そうでなく、先ほど申し上げましたような住環境の整備みたいな大きな課題を一つのワクの中に取り込みます場合とでは、おのずから、たとえば費用負担の場合のほかの場合にございます概定割合と申しますか、こういう負担割合についての考え方も違ってくるわけでございます。したがって、そういう基本的な考え方を関係省庁と十分検討してまいる、そのスタートは即時やる、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○坂口委員 これは環境庁長官にもお願いをしておきたいと思うわけでありますが、いま具体的な例といたしまして大分県の例を申し上げたわけでございますけれども、公害によりますところの集団移転の問題がかなり各地で起こっているわけでございます。いまいろいろ御説明がございましたとおり、公害防止事業で行なわれるかどうかについての細目が、まだ現在の段階で十分に煮詰まっていないという御答弁であったわけでありますけれども、非常にせっぱ詰まった問題等も各地で起こっておりますので、これは早急にこの細目をおきめをいただいて、そうしてできる限り公害防止事業の適用によってこれを各地域の者が受けられるようにひとつしていただきたい、積極的にこれを前進させていただきたいということをお願いします。ひとつその辺の御決意を承りたいと思います。
○毛利国務大臣 御趣旨に沿って積極的に進めたいと思います。
○坂口委員 それではこの問題はこの辺にしておきまして、もう一ついわゆるPPPの原則に従ってやっていただきたいと思うことがございます。それはいわゆる公害認定患者の人たちが年に一度健康診断を受けますけれども、この公害認定患者の方の健康診断の費用が各地域によりましてかなりの差がございますが、その地域の地方財政をかなり圧迫している例もあるわけであります。 たとえばもう少しこまかく申しますと、いわゆる主治医の診断報告書というものを出さなければならない場合がございますけれども、この主治医の診断報告書というものについて、環境庁では大体どれくらいその市町村なら市町村が出すというふうにお考えなんですか。出すというふうにと言うと変でありますけれども、一つの基準をどの辺にきめておるのでありますか。
○橋本説明員 いま先生御指摘の主治医の診断報告書でございますが、これは最終確定までのものではございませんが、大体一通につき、紙一枚のものでございますが、千五百円から千七百円程度ということで、まるをつけていただければできるタイプのものに簡略化いたしたものでございます。一応そういう形に考えております。
○坂口委員 これにつきましても、地域によってかなり差があるようでございまして、まず三千円ぐらいなところがかなりふえておりますし、これはおそらくその地域の医師会との話し合いによって決定されているのであろうと思いますが、これは私、自分で確かめたのじゃございませんので、はっきりとしたことを申せないのでございますが、中には一万円くらいになっているところもあるやに聞いております。地域によりましてこういうふうなかなりのばらつきがございますし、環境庁としてはいまおっしゃったように千五百円から千七百円というようなお考え、そうしますと、その差額なるものは地方自治体においておそらく負担をしていくのであろうというふうに思うわけであります。それからさらにいわゆる診断料と申しますか、重症の人でありますとその診断をいたしますのに検査項目等もふえるのであろうと思いますが、平均して八千円ぐらいはかかる。普通の認定患者で五千円ぐらいはかかるというふうなことを私聞いてるわけであります。 この場合、いわゆる事務費としていままで片づけられて、国が二分の一負担ということになっていると思うのですが、その点いかがですか。
○橋本説明員 いま先生の、地域によって非常に金額の差があるということにつきましては、まだ私どもはそういう差に固定したということは聞いておりません。医師会と地方自治体との間にいろいろの交渉がありまして苦慮をいたしておるというのが実態でございます。 昨年度の症状区分の調査のときに、非常に複雑な医師の診断レポートを求めまして、これは先ほど申し上げたようなシンプルなものではございませんで、そのときが四千円というものを調査研究協力で出したという経緯がございますが、今回のはそれを大幅に簡略化いたしまして、ほんとうに使える分だけをマークできるという形にしたような経緯がございまして、これは中央で医師会とも一応お話ししたその下相談として先ほどのような金額があったわけでございますが、ローカルごとに医師会の態度が違うということで私どもは非常に苦慮いたしておるところでございます。 そういうことで、まだ一万円というところは私は少なくとも伺っておりません。三千円までの話があるということを伺っておりまして、地方自治体当局も苦慮をいたしておるというところでございます。 そこの費用の問題でございますが、これは診療報酬の体系の形になってきますと当然補償の費用に関係してまいりますから、新しい公害医療の診療報酬の体系になるわけでございます。ただ、いま先生のお話は健康診断というお話でしたが、その診療報酬の体系の中でちゃんとお医者さんに診断をしてもらうということの費用は、これは診療報酬の中にきまっておりますし、また新しい公害医療の指導にもきまっております。 先生の御指摘のお話は、健康診断というものと形態的には同じでございますが、具体的には障害等級をきめるという行政の上での審査の問題、そういう形になっておりまして、確かに医療行為を伴うものでございますが、そのものは相手に補償給付を与えるという性質のものではなしに、行政事務としてこの人を障害区分のどこにはめるかというような審査の仕事で、その医学的な面ということで先生のおっしゃるような——もちろんその検査に要する経費等につきましては、これは検査料としてはもうはっきりきまっておりますが、審査のために用いる資料ということでございますので、行政事務費の中にこれを組み入れております。そういうことで、公害健康被害補償法の制定のときにも御議論がございましたが、行政事務費につきましては公費ということにいたしまして、半分が国、半分が地方という形にいたしております。これは行政事務費であって、その中の審査の金ということで、私どもはPPPの原則に背馳するものではないというぐあいに考えておるわけでございます。
○坂口委員 私が申し上げましたのも、いまお答えいただきましたグラードを決定するときの診断のことを申し上げたわけでございますけれども、いわゆる公害の患者であるかどうかを決定する健康診断であれば、これは意味は違うと思うのでありますが、一応公害の認定患者に決定をした人のその以後における経過というものを見ていくという意味での健康診断については、やはりPPPの原則に従ってその中で行なわれてしかるべきものではないかという意見を私は持っているわけであります。いま公害健康被害補償法の過程の中でそういう原則の立たないということが議論をされたというお話でございましたけれども、これは今後の問題として、たとえば補償協会等から出すというような方針は検討されないのでしょうか、ひとつお答えいただきたい。
○橋本説明員 いま先生のおっしゃいましたのは一つのお考え方でございまして、そういう御議論もあろうかと思いますが、法律のたてまえは先ほど申したような形になっておるわけでございます。 最後に御指摘ございました補償協会から出すようにしてはということでございますが、補償協会から出すといいますことは、汚染負荷量賦課金で徴収をしてきて出すという形になりますので、そうなりますと、やはり先ほどの法律の体系を変えなければそのような形にはならないということでございます。
○坂口委員 最後に、これも長官にお願いをしておきたいと思うわけでありますが、現在の段階におきましては、この公害認定患者になった人のそのあとの経過を見ます健康診断等につきます費用は、国費から事務費として二分の一負担という形で行なわれているわけであります。しかし考えてみまするに、すでに公害の認定患者になった人の健康診断等につきましては、これはいわゆる公害の認定患者かどうかの健康診断とはだいぶ事情を異にしますので、私どもは補償協会等からその費用等は出されてしかるべきものではないかというふうに考えるわけであります。この問題につきまして今後の法改正等についてひとつ十分な御検討をいただきたいというふうに思うわけであります。そのお考えについてお聞きをしまして、最後にさせていただきたいと思います。
○毛利国務大臣 御趣旨のほど、今後の法改正のときの意見として十分承っておきます。
○坂口委員 ありがとうございました。終わります。
○角屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時散会 ————◇—————