公害対策並びに環境保全特別委員会 第3号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/09/11
会議録
○角屋委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件、特に昭和五十一年度自動車排出ガス規制問題について調査を進めます。 本日は、参考人として、いす父自動車株式会社社長荒牧寅雄君、鈴木自動車工業株式会社専務取締役鈴木修君、ダイハツ自動車工業株式会社社長伊瀬芳吉君、東洋工業株式会社社長松田耕平君、トヨタ自動車工業株式会社社長豊田英二君、日産自動車株式会社社長岩越忠恕君、富士重工業株式会社社長大原榮一君、本田技研工業株式会社社長河島喜好君及び三菱自動車工業株式会社社長久保富夫君、以上の方々が御出席になっております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ、また遠路にもかかわらず、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 本委員会といたしましては、従来より大気汚染対策の問題につきましては、総量規制の制定を見るなど鋭意努力をしておるところであります。しかしながら光化学スモッグによる汚染につきましては、年々その被害が激増し、大都市のみならず、全国各地に広がりつつある深刻な現状について、国民の一人一人が抜本的対策を望んでいることは御承知のとおりであります。 近年、わが国におけるモータリゼーションの進展はとみに著しく、自動車の保有台数が二千六百万台をこえていることは、あらためて申し上げるまでもありませんが、この狭い国土に人と車がひしめき、その密度たるや、アメリカなどとは比較にもなりません。天候がよければ、すぐ光化学スモッグが発生し、被害が生ずる事実と、一方、連休で自動車走行の少ない日には澄んだ空気が得られるなど、大気汚染の一因が自動車の排出ガスであることは、だれでも認めるところであります。 もちろん自動車の効用につきましては、十分理解するものでありますが、国民の健康は何よりも優先して守る必要があり、自動車メーカーに対して排気ガス規制問題については、その社会的責任を強く求められているのは当然と考えます。 その対策として、五十年度規制の技術開発の努力には敬意を表するものでありますが、さらに国民が望み、そして注視しているNOx対策を中心とした五十一年度規制については、その実現が危ぶまれているとの報道がなされており、本問題については、当委員会といたしましても大きな関心をもって臨んでいるところであります。 本日は、わが国の自動車メーカーのほとんどから御出席をいただいておりますので、参考人におかれましては、どうか忌憚のない御意見を承りたいと存じます。 なお、議事の整理上、御意見の開陳は、おのおの十五分程度に要約してお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただくようにお願いいたします。 それでは、荒牧参考人からお願いいたします。荒牧参考人。
○荒牧参考人 いすゞ動車の社長荒牧でございます。 弊社は、ディーゼルトラック及びバスと、小型ガソリン車の製造、販売をいたしておりますが、会社概要につきましては、お手元に提出してございます「いすゞ案内」をごらんいただきたく存じております。 では、昭和五十一年度排出ガス規制対策の推進状況につきまして、お手元に提出してあります説明資料を参照しながら御説明申し上げます。 まず、技術開発体制でございますが、説明資料の二ページ及び三ページに組織と担当項目を、四ページの別表−1に昭和四十年以降の排出ガス対策研究施設と研究者数の推移を説明し、五ページの別表−2に排出ガス対策研究開発費の推移をそれぞれ示しております。 表でごらんいただけますように、開発にはあらゆる部門の技術者がそれぞれの専門分野で研究を行ない、それらを総合して推進しております。 研究施設につきましては、規制値が強化されますたびに高精度のものを必要としますので、逐年陳腐化いたしますことと、研究規模を拡大することによりまして、毎年追加設置をいたしております。 研究者数並びに研究開発費も逐年ごらんのように増加いたしております。 弊社といたしましては、ガソリン車の排気対策のほかに、ディーゼル車の排気対策、騒音対策、車両の安全対策など重要な法規制対策の研究を推進せねばなりませんので、ガソリン車の排気対策に、現在研究者を百二十八名(別表−1)投入していることと、研究開発費を現在までに約七十億円(別表−2)投入しておりますことは、弊社の規模といたしましては、きわめて大きな数字でございます。 しかしながら、これだけではとうてい足りませんので、昭和四十六年七月に、米国のGM社と安全、公害に関する技術提携契約を結び、技術導入をはかりますとともだ、国内はもとより欧米の大学、研究所、触媒メーカー、公害防止機器メーカー等と委託研究または共同研究をしております。英、米、独等二十社ぐらいに及んでおるのでございます。 さらに、昨年九月には、本田技研工業株式会社と契約を結び、CVCC方式の技術導入をはかるなど、可能な限りの努力を傾注いたしておるのでございます。 次に、排気対策技術の研究経過を申し上げます。 すでに皆さま御承知のとおりと存じますが、ガソリン機関の排気は、燃焼がよければCO、HCは少なくなりますが、NOxは大となります。また逆に、燃焼が悪ければNOxは少ないが、COとかHCは大となります。このように逆な現象を同時に克服いたさなければ、この基準には合格しないのでございます。NOxを少なくするためには、まず燃焼を悪くする、そうして後にまた還元触媒を使ってOを取り去る。またCO、HCを少なくするためには、御承知のように酸化触媒を使ってCO2またはH2Oとするのでございます。 かような原理を中心にいたしまして、このやり方を大別いたしますと、第一番に燃焼あと処理方式の研究、第二番に燃焼改善そのものによるアプローチの努力、第三番目に、通常のガソリンエンジン以外の原動機の検討であります。 まず、一の燃焼あと処理方式でありますが、説明資料の六ページに記載してありますように、昭和四十一年よりAIR、すなわち二次空気噴射装置、それからサーマルリアクター、排気熱反応方式、とにかくCO、HCをよくすることでございます。EGR、排気ガス再循環装置、これは一ぺん燃えたガスでございますから、それをもう一ぺん回すのですから、燃焼が悪くなる方法の一つでございます。それから酸化触媒コンバーター、いま申しましたCO、HCをCO2またはH2Oにする、そして無害のものにしていくというコンバーターです。それから還元触媒コンバーター、これはNOxからOxというものを取り除いて、Nだけにして無害にもっていこう。こういうものの研究を進めてまいりました。 二の燃焼改善によるアプローチでありますが、資料の六ないし七ページに記載してありますように、昭和四十六年より逐次、電子制御ガソリン噴射システム、ECGI、層状給気燃焼方式、これはなかなかむずかしゅうございますけれども、濃い燃料を送ってやって、最初にNOxを出さないようにして、そして順次自然に回りながら燃やしてやる、こういう方法でございます。それから次にCVCC、御承知の本田技研さんの開発エンジンでございますが、原理、考え方は大体同じようなことでございます。などの研究を進めてまいりました。 三の通常のガソリンエンジン以外の原動機ということの検討につきましては、資料の七ページに記載してありますように、昭和四十五年より電気自動車の研究をしております。 なお弊社は、小型高速ディーゼルエンジンについて長年の経験と市場実績を持っておりますが、ディーゼルエンジンは、もともと排気の有害成分が少なく、また燃料消費量も少のうございますので、エネルギークライシスに対処するエンジンとして将来のために、振動、騒音対策等ということを中心にいたしまして、さらにまたNOxを少なくするための排気対策の研究も進めております。 次に、五十一年規制に対応する技術開発状況について申し上げます。 弊社は、NOx低減対策として、資料の一〇ページに記載されております五種類のシステムを重点的に検討してまいりました。 一番は、気化器と、それから排気ガスの再循環装置、EGR、さっき申しました燃えた排気ガスをもう一ぺん回すということによって燃焼を悪くするというふうなEGRと、それから酸化触媒を使った組み合わせ。二番目は、電子制御燃料噴射、ECGI、それからさっき申したEGRを組み合わせ、さらにまた、これに酸化触媒を加えて組み合わせていく。三番目には、デュアル・コンバーター・システム、すなわち気化器プラスEGRプラス還元触媒プラス酸化触媒のこの四つの組み合わせ。四は、クローズドループECGIシステム、すなわち電子制御燃料噴射プラスEGRプラスO2センサー、つまりオキシゼンセンサーを使う、プラス三元触媒、CO、HC、NOxともに触媒するという組み合わせでございます。五番目は、サーマルリアクターであります。 次に、これらのシステムと問題点について申し上げますならば、一番に対する試験結果を資料の一二ページ、別表−3に示しますと、五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格しません。試験データで見られますように、このシステムでNOxを低減するにはEGRの量を増加し、空燃比を小さくせねばなりません。空気と燃料の比率を小さくせねばなりません。EGR量をあまりに増加すれば燃焼が不安定となり、運転がしにくくなりますし、空燃比を小さくすれば濃い混合気となり、HC、COが増大いたします。このような制約がございますので、このシステムでは五十一年規制に合格することができません。 二に対する試験結果を資料の一三ページ、別表−4に示しております。五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格いたしません。このシステムもEGR量を増加すればNO2は低減しますが、一と同様の理由で制約を受けますので、五十一年規制に合格することができません。したがいまして、五十年規制に合格したからといって、その技術を延長させて、それで五十一年規制の対策ということにはなりません。五十一年規制に対しては、別の手段でNOxの低減方策を講じなければならないのでございます。 三のデュアル・コンバーター・システムは、前述の一のシステムに還元触媒を追加して、NOxの低減をはかろうとするシステムでありまして、試験結果を資料の一四ページ、別表−5−1に示しております。ごらんのように装置類の組み合わせによっては初期値、最初の値としましては五十一年規制に近いものを得られております。しかしながら直ちに還元触媒の劣化が著しく、耐久試験で五十一年規制に合格することができません。資料の一五ページ、別表−5−2に還元触媒の耐久試験の結果が示してございます。この表に見られますとおり、わずか六千四百キロメートル程度の走行でNOxは二・五から三・九倍に劣化しております。最大の問題点は、還元触媒の耐久性の問題でございまして、弊社といたしましては、国の内外の触媒メーカーにコンタクトをいたしておりますが、いまだに合格するものが得られないでおります。 四は、電子制御燃料噴射装置と三元触媒を用いてNOxを低減しようとするシステムで、排出ガス中の残留酸素をオキシゼンセンサーによって検出して電子制御装置にフィードバックし、燃料噴射を微妙に制御して排出ガスの成分を改善し、さらに三元触媒によって排気中のCO、HC、NOxを同時に処理しようとするシステムであります。試験結果を資料の一六ページ、別表16に示しますが、表に見られるとおり、実験初期値は五十一年規制値に近いも一のを得られましたが、三元触媒の耐久性がなく、三万キロメートル走行後には、COは二・九倍、HCは五倍に、NOxは四・八倍に、それぞれ悪化しており、五十一年規制値を大幅に上回り合格いたしません。最大の問題点は、三元触媒とO2センサーの耐久性であります。 五のサーマル・リアクター・システムは、触媒を用いないで、どの程度NOxが低減できるかを追求するために研究しているシステムでございまして、空燃比を相当に濃くして、まず燃焼室の中ではNOxの発生を押え、燃え残って排出された燃料の成分を排気集合管の中で燃焼させる方式であります。試験結果を資料の一七ページ、別表—7に示しておりますが、現在のところ、五十一年規制値にははるかに及んでおりません。 さらに別な手段としてCVCC方式の研究を開始しましたことは先ほど申し上げました。日なお浅く、データを報告できる段階には至っておりませんが、今後も一研究を推進いたします。 弊社は、−設立以来、高品質をもって顧客に奉仕するという理念で経営いたしてまいりました。したがいまして、このたびの排出ガス規制に対しましても、あらゆる努力を傾注いたしまして研究を推進しておりますが、現時点におきましては、残念ながら規制値を満足させる試験結果を得るに至っておりません。このことは、五十一年排出ガス規制値が、現在の技術水準に対してきわめてきびしく、困難なものであることを意味しておると私は考えております。 私は、今後も排出ガスの改善に向かって米国ゼネラルモーターズ社の技術導入なども一含めまして、全社をあげて推進いたす所存でございますが、現状に対する皆さまの御理解をお願いいたす次第でございます。 以上、弊社の状況説明と意見を申し述べさせていただきました。 御清聴まことにありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、鈴木参考人にお願いいたします。鈴木参考人。
○鈴木参考人 私、鈴木自動車工業の鈴木でございます。 私どもの排ガスの規制対策問題につきまして御説明を申し上げたいと思います。 まず、私どもの会社でございますが、自動車のほかにオートバイ、雪上車、船外機等を生産いたしておりますが、これらのエンジンはすべてツー・サイクル・エンジンでございます。この点が他のメーカーさんと異なっている点かと思います。また、自動車の生産、販売も一、軽自動車すなわち三百六十ccの排気量の車だけでございまして、これまた他のメーカーさんと違っている点かというふうに思っております。次に、この軽自動車、三百六十ccという車も日本独特のものでございまして、ツー・サイクル・エンジンの自動車を量産しているのも日本のみでございまして、アメリカはじめ、ほかにはないというふうに思っております。 このように、ガソリンを燃料とする自動車といいますと、一般にフォアサイクルというふうにお考えでございますが、ツーサイクルのエンジンで自動車をつくっているというのが実情でございます。もちろんロータリーというようなこともございます。 そこで、自動車の排気浄化対策そのものは、そのエンジンの排気特性と申しますか、メカニズムによってきまってまいります。その点でツー・サイクル・エンジンの機構や特性を御説明申し上げたいと思います。 いささか技術的になりますが、お手元へ資料として提出をさせていただきました図1をごらんいただきたいと思います。この図はツー・サイクル・エンジンのシリンダーの内部を示しているのでございますが、ガソリンと空気の混合したものが入りまして、ピストンで圧縮をされ、プラグが点火をして爆発を起こし、動く力になっているわけでございます。この繰り返しでございますが、右のほうの「排気」とありますのは、その爆発すなわち燃焼した排気といいますか、燃えかすが出ていき、左のほうから同時に次の新しいガスと空気のまざったものが入ってまいります。一方、フォアサイクルの場合は、図を見ていただきますとおわかりかと存じますが、ツーサイクルと本質的に異なっておりまして、爆発して燃焼した排ガスといいますか燃えかすを、一たん全部出してしまってから新しいガスと空気のまざったものをシリンダーの中に入れるという、排気と吸気、それぞれ独立をしているわけでございます。 先ほど申し上げたように、ツーサイクルは排気と吸気を同時に行なうために、完全に燃えかすが出てしまわない、一部がシリンダーの中に残って、その中へ新しいガスが入ってまいります。このために燃焼温度が低く、NOxの発生が少ないという結果になっております。一般に燃焼温度が高い場合にNOxが多く、低いとNOxが少ないといわれている点でございます。また、ツーサイクルの場合、先ほど排気、燃えかすの出るのと、掃気すなわち新しいガスが入っているのと同時であるために、一部燃えかすが残ることも一申し上げましたが、逆に新しいガスの一部がそのまま出てしまいます。これを普通吹き抜けといっておりますが、このように一部吹き抜けてしまうので、HCが多く排出されるということにもなるわけでございます。 以上整理してみますと、エンジン特性によってツーサイクルはHCが多く、フォアサイクルはNOxが多いという結果になっております。このことから昭和四十八年規制は、エンジンの特性を認めたきわめて合理的な設定かというふうに考えております。 資料の表1に、昭和四十八年のそれぞれの規制値がございますけれども、ツーサイクルのNOxは〇・三グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルのNOxは二・一八グラム・パー・キロメートル、約七分の一ということになっております。半面HCはツーサイクルが一六・六グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルは二・九四グラム・パー・キロメートルと約六倍になっております。ツーサイクルはエンジン特性としてNOxは少なく、一部エンジンの改良を加えることによって、昭和五十一年規制値の〇・二五グラム・パー・キロメートルは、昭和五十年でも一達成が可能な見通しでございますから、あとはCOと吹き抜けた未燃焼ガス、すなわちHCをエンジンから出たあとで、もう一度どこかで燃やすことによって排気は浄化できるということでございます。 私どもは、この考え方で、再燃焼方式を主体にして実は開発を進めてまいりました。しかしながら、運転条件、いわゆるアクセルの踏み方により、排出ガスの流れる量は変化しますので、常に安定してすべてを燃やすということが、なかなか困難でございます。一部が燃えたり燃えなかったりするので、浄化のばらつきがございます。これが解決困難な問題点の一つになっております。また、このように排出ガスを燃やすと多量の熱が発生をいたしまして、ガス温度が大体千度から千百度ということでございます。この温度は、たとえばアルミで六百六十度、銅で千八十三度ぐらいで溶けることと比べていただければ想像がつく値でございます。このように、もう一度燃やせばと申し上げましたが、研究を進める中で、進めば進むほど予想しなかった困難な問題が次々と発生をいたしております。 すなわち、浄化装置の二次燃焼室は高温度に耐えられるように特殊耐熱鋼を使用しておりますが、加熱、冷却の繰り返しと、排気圧及び振動に耐え得る構造と強度が要求をされます。この装置の完成には、さらに長い実験とテストが必要であると考えております。浄化装置の温度上昇防止対策として二次燃焼室を二重構造にいたしましたり、あるいはファンを設けて新しい空気を送って冷却するという、いわゆるフィルムクーリング方式を採用いたしましたが、エンジンルーム内の温度の上昇により、一部、部品の中には保証温度の限界に近くなるものがあり、さらに改善のための研究を進めておりますが、軽自動車という限られたスペースの中でHCを燃やす対策と燃えたあとの熱の対策の解決に迫られているのが実情でございます。 さらに、ユーザーの千差万別な運転のしかたに対しても一、ばらつきがないよう高い信頼性を確保するには、もっと時間をかけて積み重ねる必要があろうかと思います。 ただいまホット・テン・モード対策車についてのみ申し上げましたが、本年一月告示によりコード・イレブン・モードの測定法が新しく追加をされまして、測定法は実は二つになりました。ツーサイクルの場合は、エンジンの始動直後に浄化装置の温度を急激に上げてHCを燃焼させるためにコールド・イレブン・モード専用の装置が必要となって、この二つの測定法にそれぞれ独立した専用の装置をつけなければなりません。したがいまして、現在ホット・テン・モードに全力をあげている段階で、さらにコールド・イレブンモードが追加され、排気浄化対策の成否が企業の存亡にかかわるだけに、設計、研究者の六〇%を投入し、研究試作費の八〇%をかけて、ここ数年努力いたしておりますが、五十一年四月の生産化は非常に困難な状況となっております。私どもの技術開発の現状からたいへん御迷惑をおかけいたしておるわけでございます。その点、深くおわびを申し上げたいと思います。 なお、資料、表1として昭和四十八年、五十年、五十一年のツーサイクル、フォアサイクル別の規制値の表を添付させていただきました。これは昭和四十八年が、エンジン特性によりましてツーサイクル、フォアサイクルのHC、NOxがそれぞれ異なった値となっております。昭和五十年、五十一年はエンジン特性を一切考慮せず、同一数値とするとのお考えのように伺っておりましたけれども、ごらんのように、ホット・テンモードでツーサイクルで対策容易なNOxは〇・三グラム・パーキロメートル、フォアサイクルが一・二グラム・パー・キロメートル、ツーサイクルで対策困難なHCはフォアサイクルと同一の〇・二五グラム・パー・キロメートルと、ややバランスが欠けていると考えられましたので、添付をさせていただきました。 なお、残された期間、全力をあげて努力をする所存でございます。よろしくお願いをいたします。 これで説明を終わります。長時間ありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、伊瀬参考人にお願いいたします。伊瀬参考人。
○伊瀬参考人 ただいま御指名をいただきましたダイハツ工業株式会社社長の伊瀬でございます。 本日は、懸案の自動車排出ガス規制につきまして、このような席で私たちの実情を御説明申し上げる機会を得ましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。 当社におきましては、自動車の排出ガス、交通騒音など、いわゆる自動車による公害問題を一日も早く解決しなければならないという社会的責任を常々痛感いたしておりまして、現生産車に対する技術的な対策はもちろんのことでありますが、一般的に無公害車といわれる電気自動車の研究開発にも、先日お届け申し上げました説明書の資料−1にございますように、早くから技術陣をあげて取り組んでまいりました。 本日は、当社の自動車排出ガス対策の現状につきまして御報告申し上げ、同時に企業としての皆さん方へのお願いを率直に申し述べさせていただきたいと存ずる次第でございます。 当社では、乗用車といたしまして大衆乗用車並びに軽乗用車を、トラックといたしましては小型トラック並びに軽トラックを製作いたしておりますが、エンジンの型式から大別いたしまして、軽自動車以外の小型車には一部のディーゼルエンジンを含みまして、主としてフォアサイクル・ガソリンエンジンを搭載いたしております。また、軽自動車にはツーサイクル・ガソリンエンジンを使用いたしております。したがいまして、これらのエンジンにつきまして、排出ガス対策の技術開発を行なってまいりましたので、それぞれについて申し述べさせていただきます。 まず、フォアサイクル・ガソリンエンジンの排出ガス対策から申し上げますと、特に窒素酸化物対策につきましては、各メーカーともその技術開発を重点に行なっておられますが、当社の場合も同様でございまして、排気を再吸入させて燃焼温度を低下させ、NOxの発生を少なくするEGR方式、すなわち排気還流方式や還元触媒によりましてNOxを無害の窒素と酸素に分解させる方式あるいは炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を同時に無害化させる三元触媒方式、さらには排気リアクター方式など、現生産エンジンの排気処理法につきまして、〇・二五グラム・パー・キロメートルというNOx低減目標の可能性、燃料消費量への影響、運転性能への影響等、あらゆる角度から比較研究してまいりました。 また、そのほかに希薄空燃比、すなわち薄い燃料混合比における燃焼によってNOxを低下させるために、希薄燃焼方式や副室成層燃焼方式など、エンジンのモディフィケーション方式によりまして数機種試作いたしまして、研究開発には、技術陣をあげて努力してまいりました。資料12に、過去三カ年にわたり排出ガス対策として投入いたしました投資額並びに人員を御参考までにまとめさしていただいておりますが、投資額では最近三カ年の累計約三十億円、人員では毎年四百名近い技術員を投入しておることになっております。 その結果、昭和五十年規制に対しましては、触媒方式が燃料消費や出力、運転性能の面で最もすぐれていると判断いたしまして、一応実用化のめどを立てておりますが、このような浄化装置の採用は、各国の自動車の業界では未知の分野でもありますので、一般使用による耐久性、信頼性等につきましては、まだ研究の余地が残されていることを申し上げさしていただきます。 同時に、昭和五十一年NOx対策にも全力をあげて各種の研究開発を行なっておりますが、その実施につきましては、遺憾ながら、まだめどが立っておりません。昭和五十一年NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルという低減目標に対しましては、触媒方式が最良であるという判断で開発を進め、初期の走行におきましては、所定の浄化性能が得られますものの、耐久性に乏しく、短い走行距離で劣化し、まだ目標を達成することができない状況にあります。 昭和五十年規制に用いる酸化触媒につきましても、初めのうちは耐久性の問題で実用化が危ぶまれておりましたが、数年間の開発によりまして実用化のめどがついてまいりましたような状態で、NOx用触媒の開発につきましても、触媒メーカーと協力して進めておりますが、この種の開発は総合的な見地から大きなバックアップが必要であり、現在のところ、まだ実用化のめどが立っていないと申し上げられます。 当社では、一部の機種、すなわち千ccクラスのエンジンにつきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、すでにデータを提出いたしておりますとおり、現状では十台の平均値として〇・九五グラム・パー・キロメートルが得られております。しかしながら、千cc以外のエンジン機種を塔載した乗用車の生産もいたしておりますので、他の機種につきましても、さらに研究開発中でございます。 このようなわけで、昭和五十一年NOx低減目標につきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、実施時期の延期をお願い申し上げた次第でございます。 次に、軽自動車に塔載のツーサイクル・ガソリンエンジンについてでありますが、ツーサイクル・エンジンは、先ほども一お話がありましたように、その構造上、フォアサイクル・エンジンに比べて、炭化水素は五倍ないし六倍と多いが、逆にNOxは七分の一ないし八分の一と低いという特徴がございます。したがって、大気汚染防止上最も重要な昭和五十一年NOx低減目標を達成するためには、小さい車には現状の軽乗用車用エンジンのツーサイクルが最適であると判断いたしまして、その浄化対策を進めてまいりました。その結果、昭和五十一年NOx低減目標の達成の見通しは十分あると考えております。 しかしながら、一方におきまして炭化水素の排出が多いために、その無害化にはフォアサイクル・エンジンの数倍の熱量が発生いたしますので、酸化触媒やその容器、あるいはアフターバーナーなどが著しく高温となり、実用上の耐久性に現状では欠けております。 さらに本年一月に設定されましたコールド試験に対しましては、フォアサイクル・エンジンと違いまして、ツーサイクル・エンジンでは特別の始動装置を不可欠といたします。これはコールド・スタートのときに炭化水素を浄化装置とは別の装置によって燃焼させ、浄化装置の温度を急上昇させまして、早く反応温度に到達させる必要があるからでございます。この特殊な始動装置の開発にも総力を傾けてまいりましたが、何ぶんリードタイムが短いのと、前に申し上げましたように発熱、高温の問題がございまして、触媒や耐熱材料の改良、改善は行なわれつつありますが、現時点では、まだ商品化の見通しが立たず、期限内に実用化できる自信がただいまのところございません。 現状では、昭和五十年規制によるツーサイクルの炭化水素規制は、昭和五十一年規制によるフォアサイクルのNOx低減目標と同じようにきわめて困難であると考えております。本年一月、昭和五十年規制が制定され、社会的背景の中で、社運をかけて開発に努力を重ねてまいりましたが、ツーサイクル・エンジンの炭化水素低減につきましては、前に申し上げましたように、新しい困難性が加わってくるような現状で、残念ながら所期の技術的成果をおさめることはできませんでした。 この間、十分の成果が得られなかったことに対しまして、深く反省いたしておりますが、前述のように触媒、耐熱、材料の改善もおいおい進んでまいると思いますので、ツーサイクル・エンジン塔載の軽乗用車につきましては、諸般の事情を勘案されまして、昭和五十年規制の実施時期について、特に御配慮をいただきたいと存じます。 以上、当社の自動車排出ガスの対策の実情を申し上げ、あわせて実施時間について格別の御配慮を賜わりたいとお願いを申し上げさせていただいた次第であります。 御清聴ありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、松田参考人にお願いいたします。松田参考人。
○松田参考人 東洋工業の松田でございます。当社の低公害車開発の経緯について申し述べさせていただきます。 昭和五十一年排出ガス規制の目標値は、窒素酸化物の平均排出レベルを五十年規制値の約五分の一の〇・二五グラム・パー・キロメートルにまで低減しようとするものですが、東洋工業はこの目標達成のためあらゆる努力をいたしましたが、現時点においては残念ながら、この目標値を昭和五十一年度に量産において達成する技術を開発できておりません。わが社が、政府がお示しになった五十一年規制目標値を達成する見通しが立っておりませんことに対し、まず深くおわび申し上げる次第であります。 顧みますに、わが社の低公害車の研究開発は、排出ガスを浄化することが、われわれ自動車産業に携わるものの最大の社会的責任の一つであるとの自覚のもとに、昭和四十年に排出ガス研究対策会議を社内に設置したときから本格化したといえます。以来、この低公害車の研究開発に対して、概算延べ百七十五億円の研究開発費、並びに、延べ約一千万人時の研究員を投入して研究開発を推進してまいりましたが、わが社のごとき後発メーカーでありながら、ロータリーエンジン、フォアサイクル、ツーサイクル、ディーゼルエンジン等、多くのエンジン機種について精一ぱいの努力をしたものと考えております。 この間、排気ガス研究センターを建設し、フォード、モービルオイルを中心とした、国際的な企業間排気制御共同研究グループに参加するなど、研究開発体制を整えてきました。 わが社の低公害車の開発方針は、現状の排出ガス規制にパスすることを第一目標とするのではなく、蓄積された技術を社会の要請に反映するため、現在可能な最高のものを、社会に提供することであると考えております。 その研究開発の成果として、四十七年十月には、国内向け低公害車ルーチェロータリーAPを発売し、その当時としては、世界で最も清浄な排出ガスレベルを、量産車で初めて達成いたしました。また、四十八年二月には、米国でもわが社のロータリーエンジン車は、米国の一九七五年マスキー規制値に適合することを、米国環境保護庁のテストで確認いたしました。 さらに、四十八年五月には、五十年排出ガス規制値を達成するロータリーエンジン塔載低公害車マツダREAPSを発表することができ、その後、四十八年十月には、レシプロエンジン車についても、業界に先がけて低公害車・マツダCEAPSを発表し、これらの低公害車には、物品税、自動車取得税の一部を免税するという、国の低公害車優遇税制の最初の指定を受けました。そして、現在では、五十年四月より実施されます五十年排出ガス規制値に合格するマツダ低公害車は、六車種五十九タイプに達しております。 次に、昭和五十一年排出ガス規制に対する東洋工業の考え方及び現状について申し述べます。 現在、わが社はツーサイクル三百六十ccエンジンを除いた自動車につきましては、五十一年目標値を達成するために、二つの方針のもとに窒素酸化物の低減を追求しています。その一つの方針は、五十年規制に採用している浄化システムをべースにその改善をはかることであり、他の一つは、革新的なアイデアに基づく技術開発を目ざすという方針であります。 一般的に、〇・二五グラム・パー・キロメートルの窒素酸化物平均排出量の意味するものは、採用される窒素酸化物対策のシステムにもよりますが、量産時における排出レベルは、実験車のそれより悪化すること、使用中の劣化の問題、さらには低い窒素酸化物の測定精度の問題等によりまして、少くとも、実験車での開発目標は、初期値〇・一七ないし〇・一八グラム・パー・キロメートルの平均値を達成しなければなりません。 まず、五十年規制に採用している浄化システムの改善をはかるプロジェクトでは、サーマルリアクター方式または酸化触媒方式をベースとして、エンジンの改良、さらには排出ガス再循環装置を装着して窒素酸化物の低減を目ざしております。排出ガス再循環装置を採用しますと、この影響で、エンジンから排出される一酸化炭素、炭化水素の排出量が増加し、一酸化炭素、炭化水素の浄化装置であるサーマルリアクター、または酸化触媒の負担が多くなって、使用中の劣化の問題や走行性能を悪化させる問題等で窒素酸化物の低減には限界があり、〇・六グラム・パー・キロメートルを割る平均値を量産において達成することには大きな壁があります。 この壁を破るためのプロジェクトとして、五十一年対策とは異なる革新的なアイデアに基づいて、窒素酸化物の低減の極限を追求しております。たとえばロータリーエンジンでの成層燃焼という方式を採用した実験車では、その窒素酸化物の排出レベルは、現在、五十一年規制目標値に近い〇・三グラム・パー・キロメートルの平均値を得ているものもあり、これらの方法による窒素酸化物低減のポテンシャルについては非常に希望を持っています。しかし、このシステムを商品化するには、まだ解決すべき多くの問題をかかえており、現在、量産化の見通しは立っておりません。 次に、軽自動車用ツーサイクルミ百六十ccエンジンですが、元来、ツーサイクルエンジンは窒素酸化物の排出レベルは低いが、炭化水素のレベルが高いという特性を持っておるため、五十年規制を達成することにも大きな問題があります。わが社では、エンジン改造により、エンジンから排出する炭化水素の低減をはかり、加えて、酸化触媒方式により五十年規制達成を目ざしております。特に冷間始動時の炭化水素の排出レベルが問題ですが、これに対し、エンジンを始動したとき、急速に触媒の温度を上げて浄化させる装置を開発し、耐久試験を実施しております。現在、ほぼ一車検の間、保証できるデータが得られており、二車検保証を目ざして開発を進めております。しかしながらコスト高などに問題がありますので、現在、これらを含めて、解決に努力いたしております。 ツーサイクルエンジンの窒素酸化物については、すでに昭和五十年窒素酸化物平均排出規制値〇・三グラム・パー・キロメートルを量産時に達成する見通しを得ており、目下、エンジン改造を中心として、五十一年規制目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルの開発に努力しております。 以上、わが社の研究開発の現状を申し述べましたとおり、われわれの真剣な努力にも一かかわらず、現時点においては、まだ窒素酸化物の平均排出目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルのレベルを昭和五十一年度において達成する技術を持ち合わせていないことは、最初に申し上げましたとおりでございます。この昭和五十一年目標値を達成する可能性及び実施可能時期の見通しが得られるのは、昭和五十一年後半になると考えております。 しからば、昭和五十一年目標値に既定方針どおり対応できないということであれば、昭和五十一年度から実施可能な窒素酸化物の低減可能レベルはわが社の場合いかほどかということについて申し述べます。 われわれの窒素酸化物低減のアプローチといたしましては、リードタイムとの関係から見まして、先に申し上げました二つの方針のうち、五十年規制に採用している浄化システムをベースにその改善をはかり、低減の限界を追求する方法で対処することになります。このアプローチにより、五十一年度より、われわれが達成できる窒素酸化物の低減限界値は、ロータリーエンジンでは〇・六グラム・パー・キロメートル、従来のレシプロエンジンでは〇・七グラム・パー・キロメートルが量産可能な平均値であります。 いずれにいたしましても、東洋工業といたしましては、これからも、より完全な排出ガス対策を施した車の開発を目ざして努力を重ねていく決意でございますので、今後とも一そうの御指導、御支援をいただきますよう心よりお願い申し上げます。 終わります。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、豊田参考人にお願いいたします。豊田参考人。
○豊田参考人 ただいま委員長より御指名をいただきましたトヨタ自動車工業株式会社の社長豊田でございます。 本日は、国会の場におきまして私どもの実情につきまして御説明する機会を与えていただきましたことを深く感謝を申し上げる次第であります。 私どもトヨタは、創業以来、よい品、よい考えを基本理念として努力してまいりました。今回の大気の清浄化につながる自動車の排出ガス対策につきましては、メーカーとしての社会的責任を深く自覚するとともに、わが社の総力を結集し、あらゆる可能性を追求しつつ、その技術開発に最大限の努力を傾注してまいりました。 すなわち、昭和三十九年より排出ガス対策に関する研究に着手し、昭和四十年にはプロジェクトチームを組みました。さらに、より深い研究を進めるために、同年東富士研究所を着工いたしました。昭和四十三年には、第一次排気ガス実験棟が完成いたしましたので、排気プロジェクトチームのうち、先駆的研究部門を東富士研究所に移しました。そして開発を展開する部門として本社技術部門の体制を整えてまいりました。 研究開発費として、昭和四十五年から昭和四十八年までに約二百九十五億円を投入し、昭和五十年末までに、さらに約四百二十四億円を投入する予定であります。研究者は、昭和四十五年に五百十九名でございましたが、その後、逐年増加し、昭和四十九年には千八百七十名の規模になっております。 このように、私どもは五十一年規制を達成することをトヨタの基本方針として、最大の努力を傾注いたしております。 五十一年規制の技術面について申し上げますと、委員の先生方すでに御高承のとおり、一酸化炭素及び炭化水素を低減する方法と窒素酸化物を低減する方法とは、燃焼温度の点から考えて相反する関係にあり、この三成分を同時に低減するのは、なかなか容易ではございません。特に乗用車の五十年規制は、規制が実施されていなかった時期に比べ、一酸化炭素は五%以下に、炭化水素は四%以下に、窒素酸化物は三九%以下にするという大幅な低減が要求されております。さらに五十一年規制は、窒素酸化物を八%以下に低減しなければならないというきびしいものでございますが、これは技術的に非常に困難な水準でございます。 ここで、トヨタがこれまで研究開発を行なってまいりました五十一年規制に対する排出ガス対策技術につき御説明申し上げたいと存じます。 窒素酸化物に対するきわめてきびしい数値を達成する道は、第一にガソリンと空気の割合、すなわちどのような混合比を使うか、第二に還元触媒を用いるか、第三にガソリンの性質、組成等を変えるかの三つの手法に分類されます。トヨタはこれらのすべてに対しまして、技術力を動員し、目標を〇・二五グラム・パー・キロメーター達成の一点にしぼり、研究、開発を実施いたしてまいりました。 その第一の、混合比からの研究といたしましては、濃混合比方式としては、リアクターシステムまたはこれに酸化触媒を組み合わせたシステム等を、また理論混合比方式としては、三成分の同時処理システム等を、あるいはまた希薄混合比方式としては、トヨタ燃焼制御方式等を対象といたしました。なお、この分類の一つとして、本田CVCCがあり、これも導入、研究をいたしました。 第二の、触媒を用いる方式としては、還元触媒を加えたデュアル触媒コンバーターシステムその他の研究、開発を重ねてまいりました。 機能部品としては、サーマルリアクターは自社開発のほか豊田中央研究所、日本自動車部品総合研究所、米国のデュポン社にも開発を委託しました。 また、酸化触媒は約五千種に及ぶ研究のほか、海外十八社を含む三十五社の約二百種を研究し、還元触媒は約四百種の自社開発に加えるに、十四社で約四十種に及ぶ検討をいたしました。さらに、三成分触媒は自社のほか海外を含む七社を対象にそれぞれ研究、開発を実施いたしました。このほかにガソリン噴射等も日本一社、海外六社に対し、共同研究をいたしました。 次に、第三の供給燃料の性質、組成等を変更させる方式といたしましては、後述いたしますJPLの水素添加方式をも含んだトヨタ独自の燃料処理方式等を研究いたしてまいりました。 このように、考えられるすべてに対しまして幅広く研究、開発を展開、推進いたしました。これらの研究の結果、このきわめてきびしい〇・二五グラム・パー・キロメーターの数値は、現在の燃焼制御方式では到達不可能に近い見通しを持ちましたので、還元触媒方式による解決策を見出すべく、ここ数年間、広範囲の努力と探索を進めまして、初期値は達成することはできましたが、触媒の耐久性等が、なお不足のため五十一年規制値を完全に満足することはできませんでした。また、燃料の性質、組成等の変更につきましては、鋭意研究中でありますが、十分な見通しを得るには若干の年月を必要とします。 なお、燃焼制御方式につきまして、ふえんいたしますと、ある程度の窒素酸化物の値に押えることはできますが、実用的に規制値を満たすことはできず、また、現在の希薄燃焼制御方式から出る窒素酸化物を、還元触媒をもってさらに浄化することは技術的に不可能であります。 さらに別種の研究につきましても、世界的規模で評価、検討をいたしました。たとえば未公表の研究として、西独ジーメンス社の改良燃料によるもの、米連邦航空宇宙局の委託によるジェット・プロパルション・ラボラトリーによる水素添加による燃焼制御または米国ドレッサー社の燃料微粒化による燃焼制御等を含めまして、研究につとめてまいりました。 このように社内の研究、開発のみならず、国際的にも評価を加え、考えられるすべてについて研究、開発を実施いたしましたが、現時点では〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することはできませんでした。 続きまして、暫定値について申し上げますと、私どもはいままで申し上げましたとおり、昭和四十七年十月五日の環境庁方針告示に従い、〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することのみに目標を定め、そのためのシステムを組み、研究、開発を実施してまいりました。ところが、本年六月聴聞会において、環境庁より暫定規制値を提案してほしい旨の御要望がありましたので、即日検討に入りました。しかし暫定規制値の設定には、いままでの開発結果を再検討し、さらに〇・二五グラム・パー・キロメーター対策用のシステムとは別のシステムに組み直し、耐久性等を含め、どこまで可能かを広範囲な製品について研究する必要があります。それには検討期間が不足の点もありまして、先般、環境庁には、とりあえず次のとおりお答えをいたしました。 すなわち、五十年対策システムの延長上でたえ得る数値として、一部の車種について一・〇ないし一・一グラム・パー・キロメーター、その後の目標値としては、全車種に対し、五十二年ないし五十三年に〇・九グラム・パー・キロメーターのレベルになるかと思いますが、今後暫定規制値対策のシステムについて研究を進め、おおむね一年後にその結果を御報告申し上げることにいたした次第であります。 特に窒素酸化物の暫定規制値に関連いたしまして、試験法がきまっておりますので、窒素酸化物はほぼ車両の重さに比例して排出されます。すなわち軽い車より重い車のほうが排出量が多くなりますので、車両重量と窒素酸化物排出量は相関性があることに御留意をいただきたいと存じます。 このような技術的問題のほかに、生産と品質保証という面からのばらつきの問題と、開発目標値と規制値の関係や耐久性の確認、さらには開発より生産に至るまでのリードタイム等を十分御配慮いただきますようお願い申し上げます。 さて、いままで御説明申し上げましたとおり、あらゆる有効と思われます方法につきまして、幅広く検討を加え、研究につとめてまいりました。また今後も努力を続けますので、近い将来独自の方法によって、さらによい結果を得ることを確信いたしております。 つきましては、私どものこのような実情から、五十一年規制値等につきまして若干の要望をさせていただきたいと存じます。 五十一年規制は、五十年規制のまま、さらに二年間継続されるようお願いいたします。 その後につきましては、五十年規制による大気汚染減少効果等の実績や、技術開発の進歩及び社会経済情勢の変化等を勘案して、総合的判断に立って妥当な規制値を再検討していただきたいと存じます。 次に、規制の達成に関連して、組成性状を明確化した無鉛ガソリンの健全なる供給、測定機器の開発、特に精度向上及び標準ガスの開発等について、具体的、実質的な推進をお願いいたします。 以上、私どもがここ十年来、本問題に関しまして、たどりました経過を申し上げ、かつ若干の実情を申し述べさせていただいた次第でございます。 なお、本問題は、資源、コスト、その他国民経済、国民生活、ひいては国民の福祉等広範な影響を及ぼすものと考えますので、大所高所の見地から格別の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。 どうもありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、岩越参考人にお願いいたします。岩越参考人。
○岩越参考人 日産自動車の岩越でございます。 参考人といたしまして、昭和五十一年度自動車排出ガス規制に取り組んでおります日産自動車の現状について御報告申し上げます。 現在、わが国の公害問題、特に大気汚染問題につきましては、自動車からの排出ガスがその一因であり、大気清浄化のために定められました規制値を一日も早く達成することが、私どもの大きな社会的責任であると思っております。 このために全社をあげて日夜努力を重ねてまいっておりますけれども、まことに遺憾ながら実験段階における初期値といたしましては、規制値を満足する値も一部得られておりますが、後ほど詳しく御報告申し上げますとおり、走行を重ねるにつれまして満足しなくなり、あるいは耐久上問題を生ずるという状態を来たし、または、運転性能が著しく落ちることによって、いまだ実用化できるめどをつかむに至っておらない状況にございます。全力を振りしぼって努力いたしておりますとは申しながら、大気清浄化計画の中で自動車に課せられております課題を満たし得ない点につきましては、まことに遺憾に存ずるものでございます。しかし、今後とも窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルの目標値を一日も早く達成すべく、全力をあげて開発に努力を引き続き傾注いたす所存でございますことを御報申し上げます。 いささか言いわけめいてたいへん恐縮でございますが、日産自動車の現状について、その内容を御報告させていただきます。 当社が排出ガス低減対策に取り組んでおります概要の一端につきまして申し上げますと、排出ガスを低減させるための技術開発には広範囲かつ多岐にわたる技術と、それに伴う各種の実験を必要といたしますので、中央研究所、設計実験等の各部門がそれぞれ業務を分担いたしまして研究開発を進めますとともに、これら部門の総合的な連携を深めて、より効果的な開発を促進させるために、排気対策委員会を設けて、総合的見地から万遺漏なきを期しております。 一方、自動車産業は総合産業でございますから、たとえば電子制御、触媒、各種制御機器等の排気対策に関連するメーカーさんとの協力体制も大切でございますので、安全公害対策会議並びに安全公害特別委員会を設けて、研究開発の促進をはかっている次第でございます。私は、このために必要とする研究開発費につきましては、技術陣の必要とするものは、すべて認めるという方針のもとに、排気対策関係に限りましても、昭和四十六年から四十九年、本年末でございますけれども、四百七億円余を投入してまいりました。 四十九年度について申し上げますと、全研究開発費の五三%となっておりまして、また研究開発人員といたしましては、現在約千六百名でございますが、日夜、一丸となって努力を重ねておる状況にございます。 ところで、昭和四十一年以降、わが国の自動車排出ガス規制は漸次強化されてまいりましたが、私どもは規制値を上回る諸対策を実施するとともに、実施時期の面でも、規制に先がけて、極力技術開発の段階に応じて実施できるものは先行採用いたしてまいりました。 これらの諸対策によってどの程度排出ガスが低減しているかについて数字で御報告いたしますと、昭和四十年に比較いたしまして、現在の私どもの自動車は、炭化水素約六〇%減、一酸化炭素約七〇%減、窒素酸化物では約四〇%減になっております。五十年排出ガス対策車ではさらに低減され、炭化水素、一酸化炭素では九〇%以上の減、窒素酸化物では約六〇%の減少となる見込みでございます。 それでは、続きまして、五十年排出ガス対策の概要について御報告申し上げます。 私どもといたしましては、五十年型車の排出ガス対策として、三つの方式を基本として進めております。 第一は、エンジン改良方式に酸化触媒を付加する方式、第二は、トーチ点火層状燃焼方式、NVCCで、第三はロータリーエンジンによる方式でございます。 これらの方式の詳細につきましては、すでに御提出申し上げました補足資料をごらんいただくことといたしまして、ここでは時間の関係もございますので、省略させていただきたく存じます。 これらの三方式のうち、現状では省資源の見地から、燃料消費量が最も少なく、また、これまでの開発成果が確立しておりますエンジン改良方式に酸化触媒を付加するシステムを主体として、トーチ点火層状燃焼方式とロータリーエンジンは、開発状況及びこれらの特徴を勘案いたしながら、一部の車種に採用いたしたく存じております。 いずれにいたしましても、五十年排気対策につきましては、規制値達成は可能でございます。 しかしながら、排出ガスを低減させますには、エンジン各部の改良と各種低減装置を採用いたしておりますが、このほかにも車両全般にわたる改造が必要となってまいります。主要な個所といたしましては、エンジンルームの形状、冷却システムの仕様、排気系統、触媒システム装着のための床部の形状、防熱板の採用等、数え上げたら限りがないほどでございまして、自動車全体に及ぶといっても一過言ではございません。現状では、五十年排出ガス対策車を実際の生産に移すために、工場の準備体制、部品供給体制の確立に全力を傾注いたしております。 この五十年排出ガス規制に対処するためには、先ほども御報告いたしましたが、革新的な技術の採用並びに大幅な車両としての改造が必要でございますが、このような大幅な変更は、私どもといたしましては初めての経験でございます。したがいまして、万全の配慮を払ってはおりますものの、革新的技術でありますので、たとえば予期し得なかったようなトラブルが多少なりとも懸念されるのであります。このような事態の発生を未然に防止するために種々の対策を施すなど、従来のいかなる新技術採用のときよりも、はるかに多くの努力を払わせております。 さらに、お客さまのあらゆる使用条件に対応するサービス体制を確立することが必要でございます。端的に申し上げますれば、品質の安定した生産体制、万全のサービス体制が伴わなければ、いかに優秀な排出ガス対策車を開発いたしましても、その効果を十分発揮することは保証できないと考えておるものでございます。 当社では昭和四十五年ごろから排気中の窒素酸化物を大幅に低減するにはどうしたらよいかという研究開発に着手いたしております。現在実験段階における初期値といたしましては規制値を満足する数値も一部得られてはおりますけれども、耐久性の問題とか、運転性が著しく劣るとか等対策技術の諸困難性から、本日までのところ、いまだ実用に供し得るめどをつかむには至らない状況にございます。五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成すべきことを緊急の責務と考え、最大の努力を重ねましたものの、かかる実情を御報告せざるを得ませんことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。 五十一年排出ガス規制対策に現在、鋭意開発実験中のシステムといたしましては、先ほど御報告いたしました五十年窒素酸化物の規制基準一・二グラム・パー・キロメートルを目標としたシステムの改良によって、〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成することは、きわめて困難でございますので、これら技術を改良し、積み重ねるだけではなくて、新たに非常に精密な管理限界をいかに確保するかが必要になってまいりますし、また、還元触媒などの新技術を採用することが必要と考えております。 これらの考えのもとに、私どもとしましては、次の四つのシステムを主として、その他幾つかの研究開発を鋭意進めておる次第でございます。 四つのシステムは、第一は、デュアルベッド触媒システム、第二は、三元触媒システム、第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加したシステム、第四は、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加するシステムでございます。 これらの個々の詳細につきましても、時間の関係上、省略させていただきますが、お手元の資料でごらんいただきたく存じます。 ここでは、四つのシステムの概要と技術上の課題等について、要点のみ御報告申し上げます。 まず、デュアルベッド触媒と申しますのは、基本的に一酸化炭素、炭化水素を低減するための触媒に窒素酸化物を低減するための還元触媒を追加したシステムでございますが、実験室における初期値では、窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルに達しているものも一部にはございますが、熱対策、性能劣化防止策、耐久性の保持が不十分であって、システムとしての総合適合性についても、さらに研究を要するところでありますし、システムのコントロール技術がきわめてきびしく要求されます関係上、これら制御技術も十分研究を進める必要がございます。 第二に、三元触媒システムでございますが、このシステムは炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物の三成分を同時に転換する特性を持った三元触媒を使用して、電子制御燃料噴射装置、酸素センサーを組み合わせ空燃比のフィードバック制御をきびしく行なう方式でございますが、三元触媒自体の耐久性が乏しいこと、空燃比コントロール技術がきわめてむずかしいので、さらに鋭意研究を進めてまいる所存でございます。 第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加する方式でございます。 第四の方式としては、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加する方式でございますが、この第三、第四の両方式とも、排気還流量をふやすことによって、運転性、燃費が大幅に悪化いたしまして、五十一年規制に対していまだ見通しが得られない状況でございます。 以上が、五十一年排気対策に関する私どもの現状でございますが、さきに環境庁長官殿より、現在開発中の五十年低公害車システムを基本として、当面窒素酸化物をどの程度低減できるかについて、新たに御下問をいただきました。この点につきましては、あらためてその線に沿った実験を追加して、鋭意努力を重ねております段階でございますので、技術的根拠をもってお答えすることはむずかしいわけでございますが、達成可能なめどといたしまして、五十年度規制値の二五%減程度、〇・九グラム・パー・キロメートルを考えております。 しかしながら、かりにこれを実施いたすことにきまったといたしましても、五十年規制車のフォローアップ体制、新しいEGRシステムの開発及びシステム全体の開発から生産に至る諸般の準備を考えますと、相当の準備期間を要しますので、最大の努力をいたしましても、実施時期は五十二年度からになるものと思われます。 当日産自動車の自動車排出ガス低減に関し、特に五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートル達成への企業姿勢及び開発状況につきましては、以上御報告申し上げたとおりでございますが、国民の健康保護及び生活環境保全をはかるため、企業の大切な社会的責任として、さらに一段と研究開発を促進して、もって御期待に沿うよう努力いたす所存でございます。 しかしながら、自動車は、その使用されている実情から考えますと、あらゆる職業の方々、そして性別、年令を問わず、幅広い方々によってみずから運転されているのが実態でございます。しかも、使用される外的条件は、地理的条件、気象条件、道路条件等、千差万別と申し上げても過言ではないと存じます。 あえて言わせていただくならば、専門家が運転される諸機器とは大いに異なり、特に安全性、信頼性、耐久性の点で技術を要請されているものと考えております。万一不十分な研究開発、耐久試験等によって安全性を欠くことがあるような場合、人身事故にもつながる可能性があることを考えますと、自動車メーカーとしての責任を遂行するためにも、慎重な上にも慎重なフォローアップを重ねなければならないと信ずるものでございます。 したがいまして、五十一年度窒素酸化物の規制につきましては、万全を期して努力いたしますので、いましばらくの御猶予を賜わりたく、ここにお願い申し上げまして、御報告を終わりといたします。 なお、お手元の資料でございますけれども、いまお話を申し上げました内容につきまして、それを図表にまとめたものでございまして、いろいろ研究段階と、現在の規制とわれわれのやっております実情等について、まとめて資料といたして御提出いたした次第でございまして、よろしくお願いいたします。 以上でございます。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、大原参考人にお願いいたします。大原参考人。
○大原参考人 本日、自動車の五十一年度排出ガス規制に関しまして、意見を述べさせていただく機会を得ましたことは、たいへん光栄に存じます。 当社、富士重工業株式会社は、自動車、バス車体、トレーラー、航空機、鉄道車両、汎用エンジン等を製造販売しておる会社でございますが、そのうち、自動車部門は約七〇%を占める主力製品でございまして、その生産車種は、小型の大衆車並びに軽自動車となっております。 あらためて申し上げるまでもないことでございますが、この自動車の排出ガス対策は、大気の汚染防止上まことに重要な問題でございまして、しかも万全を期さなければならない問題でございまして、私どもの責務はきわめて大きいと痛感しておる次第でございます。 したがいまして、当社といたしましても、最重要かつ緊急を要する課題として、技術陣の主力を結集いたしまして強力な推進をはかってきておる次第でございます。このため研究開発費、人員等に全力投球をしてまいりましたが、この五年間の平均で、技術部隊といたしましては、約二百名、現在では三百名を投入いたしております。これは技術部隊の約五〇%に当たる人員でございます。研究費につきましては、四十五年度から四十九年度までのこの五年間に約五十億でございます。その他設備費も十億弱を投入いたしておりまして、研究費は年度ワクの約六〇%を排出ガス対策に使用しておる次第でございます。 当社におきます排出ガス対策について、その基本的な方針並びに現況について御説明を申し上げます。 当社は排出ガス対策のために各種の原動機を種々検討いたしました結果、その基本方針といたしまして、内燃機関を採用いたしまして、その内燃機関の改良、開発で進むことにいたしました。そして具備すべき基本的な要件といたしましては、種々の気象、運転条件下でも自動車として安全性を確保し得ること、そうして性能、燃費の劣化、あるいは価格の上昇を極力小さからしめるように基本的に考えて進めておる次第でございます。 次に、五十年度規制対策でございますが、以上の方針並びに要件に基づいて開発いたしましたのがシークシステムでございまして、スバル・エキゾースト・エミッション・コントロール・システム、略してSEECと称しております。 私どもでは小型自動車に低輩出特性を持ちました独特の水平対向アルミ合金エンジンを搭載いたしております。また軽乗用車につきましては、従来ツーサイクル・エンジンを搭載しておりましたが、五十年度規制に対処するため、いろいろと検討を重ねました結果として、多額の投資は伴いましたが、新しい設計のフォアサイクル・エンジンに変更いたしまして、現在すでにこれを発売いたしております。 私どものこのシークシステムは、これらのエンジンの特徴を生かしまして、エンジン本体のエミッションレベルを極力低減することを重点に開発いたしました排出ガス対策システムでございます。このシステムによりまして、すでに決定されておりますところの五十年度排出ガス規制に対応して、現在鋭意生産準備を進めておる次第でございます。 次に、五十一年度排出ガス規制の対策につきましては、還元触媒方式を中心として開発を続けてまいりました。排出ガスレベルにつきましては、一応初期値といたしましては良好なレベルに達することができましたが、耐久試験を行ないましたところ、劣化の進行がきわめて大きく、短期間で規制値を超過することが明らかでございます。約五千キロ未満で規制値を突破するわけでございます。この結果、このシステムの成功の可否は、一にかかって還元触媒の耐久性の改善に負うところが大きいということができると存じます。 当社といたしましては、これまでに内外の触媒メーカーから数十種類に及ぶ触媒を選択いたしまして、いろいろと試験研究を重ねてまいりましたが、残念ながら耐久性、信頼性がきわめて不満足でございます。これならという還元触媒を見出すに至っていないのが現状でございます。 したがいまして、当社におきましては、NOxの低減のためには還元触媒を使わないで、エンジンの改良と排気ガス再循環方式による制御法につきましても、各種の試験研究を重ねてきたわけでございます。この結果、CO、HCを規制値内に保とうとするためには、現状においてNOxの排出レベルは一キロメートル当たり〇・九グラムから一グラムぐらいが限度かと思われます。ただし、この場合でも、お手元に別に差し上げてございます表にございますとおり、運転性、燃費の劣化は免れ得ません。商品としての万全を期するためには、さらに相当期間の詰めが必要でございます。なお、軽自動車につきましては、機関容積等の制限がございますので、性能、運転性、安全性等の低下が特に問題で、その対策は一そう困難でございます。 最後に、結論といたしまして、五十年度排出ガス規制の対策車につきましては、すでに現在生産準備を進めている段階であることは申し上げましたが、次期の規制対策車につきましては、この五十年度規制対策車を発売後、市場において発生する諸問題及びその改善対策を実施、確認いたしまして、その結果を織り込んでいく必要があると存じます。これは何ぶんにも新しい技術でございますために、発売後の不特定多数のユーザーの千差万別な使用法による不測の問題に対処して、自動車としての安全運転を確保するため車検期間を考慮いたしまして、二年近くのフォローアップ期間が必要と考えております。 また量産面におきましても、耐久性、信頼性、製品のばらつきを狭めるため、すべての関連部品の品質管理を徹底して行なう必要がございます。そのためには量産着手後、少なくとも約二年間を必要とすると存じております。よって、当社の製品につきましては、五十二年十二月の生産車から一キロメートル当たり〇・九グラムの実現を期したいと考えておる次第でございます。 なお、私どもは軽自動車も生産しているメーカーの立場として一言申し上げさせていただきたいと存じます。 御承知のように、軽自動車は中小企業及び一般大衆の方々に愛されている実用車でございます。特に省資源、省エネルギーといった観点から、「節約の倫理」と「小さいことの価値」が再評価されつつあるわけでございます。しかし、排出ガス対策面では、その機関容積、車体寸法が小さくて、制限がございますので、装備性とか安全性等、技術的にはむずかしい問題をかかえておるわけでございます。 当社の軽自動車につきましては、すでに決定されております五十年度の規制に対しまして、小型乗用車系と同様にその対策に万全を期しておりますが、それ以降のNOx規制強化の検討の際には、これらの点について十分に御勘案をいただきまして、排出ガス規制基準制定と同時に、少なくとも機関容積を四百五十cc程度——ただいまの三百六十ccに対しまして、性能劣化二〇%を上のせしていただき、四百五十cc程度にまで増大することについて法制上の御配慮をお願いしたいと存ずる次第でございます。 最後に、自動車の排出ガス対策は、環境の改善、健康の維持のための至上命題でございます。私どもといたしましては、この点を十分認識しております。五十一年度排出ガス規制に対応するため、今後とも一全社をあげまして最善、最高の努力をいたしますが、以上申し上げましたような諸問題もございますので、諸先生方の御高配をお願いする次第でございます。 これをもって終わります。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、河島参考人にお願いいたします。河島参考人。
○河島参考人 本田技研工業株式会社社長河島でございます。 当社は戦後、創業者でございます本田宗一郎の技術を母体といたしまして発足した会社でございます。近く創立二十六周年を迎えますまだ若い会社でございます。 企業規模でございますが、最近の年間売り上げでは約四千三百五十億円、そのうち二千四百億円が輸出でございます。約六割に相当するのでございます。 もともと当社は二輪車メーカーとして成長をしてまいった会社でございますが、十一年ほど前より小型四輪車の生産も開始をいたしたわけでございます。現在四輪車の売り上げに占めます割合は、約四割ということになっております。 自動車の排出ガス規制に関しまして、本年七月、環境庁長官よりの御要請に対しまして、私どもが御報告申し上げました昭和五十一年度規制対策に関する内容を要約して申し上げますと、次のようなものでございます。 すなわち当社では、CVCCシステムをもって五十一年規制値を実験室的には達成してはおりますが、いまの状態では、これが多量生産され、広く社会に受け入れられ、お客さまに喜んで使っていただける自動車とはいえないと現時点では判断しております。 私どもは社会的の責任の一つとして、公害対策の重要性を十分認識し、今後とも引き続き技術開発を積極的に進めてまいりますが、これの実現には、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要とするのでございます。 このような次第でございますので、今後とも適当な間隔で聴聞会のような機会をつくっていただき、その間の技術進歩の状況などを把握していただき、それに基づいて規制の適切なステップアップをはかっていただくようお願い申し上げたわけでございます。 また、私どもが現在生産しております小型車を中心にいたしまして、五十一年規制の暫定値について御説明申し上げました。 これは、当社はすでに五十年規制を満たす車としてシビックCVCC千五百を生産、販売いたしておりますが、そのNOx排出ガスに関する性能を踏まえまして、今後技術開発成果の投入、品質管理水準の向上によって車の性能を維持しつつ、到達し得るNOxのレベルとしては千五百cc、シビックCVCC車においては〇・六グラムパー・キロメートルを目標といたしております。 なお、この数値〇・六グラム・パー・キロメートルは、車両重量やエンジンの特性等から、必ずしもすべての車に共通して適用できるものとは考えておりません。したがいまして、かりに暫定規制値を御決定になるとすれば、前にお話しいたしましたような諸条件などをお考えいただきまして、妥当な水準をきめていただきたいものというふうに申し上げた次第でございます。 すでに御高承のとおり、私どもはこの排出ガス対策を進めるにあたって、幾つかの排出ガス防除技術を並行的に研究してまいりましたが、それらを総合的に評価した結果、最も望ましい方法として、やはりエンジン本体の燃焼過程を改善し、できるだけ排気をもとできれいにすることのできる方式が一番よいということを決定し、その実用化に研究開発の重点をもっぱらしぼってまいりました。これがCVCC方式でございます。そしてこれをホンダシビックの車体に搭載いたしまして実験を重ね、実用化の問題点を解明してきたものでございます。 排出ガス対策という新しいシステムの開発にあたって、それを構成する個々の部品や材料に、私どもの未知な分野をなるべく持たないことが、まず第一に大切なことだと考えました。未知な分野に属する技術を導入しないことによって将来意外な災いを起こさないで済ますことができると考えたからでございます。また、現在の生産ラインの大部分の設備が流用できて生産ができるということは、排気対策を時間的により早く実施できるという点をシステム選択の重要なファクターと考えた次第でございます。 当社の限られた研究開発力を集中し、力の分散防止をはかり、構造的には従来のレシプロエンジンの改造型によって排気対策とする方針をとってまいった次第でございます。 排出ガス特性の相反するCO、HC、NOxの三成分を同時に低く押えるために、薄い燃料と空気の混合比を使って、ゆっくりと燃やす、その場合の着火性能を確保するために、もう一つの小さな燃焼室を設けたもの、これがCVCCエンジンでございます。 CVCCシステムによる五十年対策車は、昨年末より生産を開始いたしまして、現在までに約一万五千台をお客様にお渡しいたしました。現在もこの生産、販売を継続しており、十月からは対米輸出車の生産を開始する予定でございます。 この低公害車の対米輸出車の生産開始の準備、それからシビックCVCC一五〇〇以外の車種の五十年規制への生産切りかえ及び五十一年対策技術の研究開発、これが現在の当社技術陣、研究陣の最大かつ最重点の業務となっておるわけでございます。 今日、国民的な関心事であり、かつ社会的な強い要請として承知しております五十一年規制の問題でございますが、当然私どもはこれに対して、企業として最大の努力をしなければならないことは十分に認識をいたしております。 五十一年規制対策として、私どもはこれを五十年規制対策の延長としてとらえ、すでに生産ラインに乗せたCVCC五十年規制対策エンジンを、さらに改良し、NOxのレベル低減の可能性を求めるという線に沿って努力してまいりました。 このアプローチが政府の規定する五十一年規制値〇・二五グラム・パー・キロメートルに対して、実験室で排出ガスNOxの数値だけはクリアするものが出ておりますけれども、自動車としての総合性能という見方からいたしますと、残念ながら不合格と判定せざるを得ません。言いかえますと、とてもこれでは社会が求めております自動車への期待を満たしきれず、このまま市場に出しても、とても使っていただけないであろうと判断せざるを得ないのが現状でございます。 この問題点と申しますのは、第一は、運転性能の低下でございます。第二が、燃料消費量の増大、第三が、エンジンの燃料供給装置の品質管理の困難さであり、第四は、付加装置の信頼性、耐久性の不安でございます。 これらはメーカーという立場から申し上げますと、とてもお客様に使っていただける状態の自動車ではないということでございますが、品質管理の困難さ、耐久性、信頼性等の問題は、これはメーカー自身が解決しなければならないことでございます。もし時間をいただけるならば、何らかの技術的方法を見出し、よりよい方向に近づけてまいりたいと存じておる次第でございます。 運転性能の低下や燃料消費量の増加等については、その完全な解決というものは、理論的には、はなはだむずかしいものがございます。今後いろいろの技術方策の組み合わせで改善の方向にあるはずとは考えておりますけれども、これは使用過程の未対策車との混合使用の状態における安全問題、交通の流れの不円滑、不経済性が問題となるところでございます。いずれも自動車に対します価値観の問題であり、公害対策の優先性から考えますれば、新しい価値観が社会に生まれてくるものと考え、またそう願っております。 CVCCシステムをもっての五十一年規制への挑戦は、社会、ユーザーに受け入れられる限界として、千五百ccクラスの軽量車においては〇・六グラム・パー・キロメートル付近に現在の困難件があると判断せざるを得ません。この困難を乗り越え、さらに〇・二五グラム・パー・キロメートルという排出レベルを実現するためには、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要といたしますが、環境の保護、交通安全、省資源の重要性は深く認識しており、したがって私どもは、私どもの責任を果たす意味合いからも、引き続き技術開発を積極的に進めて、〇・二五グラム・パー・キロメートルを目標として、一そうの努力を重ねてまいる所存でございます。 以上をもちまして、私どもの御報告とさせていただきたいと思います。
○角屋委員長 ありがとうございました。 次に、久保参考人にお願いいたします。久保参考人。
○久保参考人 私は、三菱自動車工業の久保でございます。三菱自動車工業といたしましても、自動車の排出ガス問題を私たちに課せられた最重要の課題と信じ、社の総力を結集して研究開発につとめております。 当社は、一方において三菱重工業、三菱電機等のいわゆる三菱グループを含む関係諸会社の協力を得て研究を進めておりますし、他方において、すでに昭和四十三年から世界の他企業との研究グループ、すなわち、インター・インダストリー・エミッション・コントロール・プログラム、略称IIECPというグループに加盟して、米国のフォード社、モービルオイル社、イタリアのワイアット社並びにわが国の日産自動車、東洋工業社等とともに、排気ガス対策技術の共同研究も行なっております。 これらの研究開発を行なうために当社が投入しております費用と人員について申し上げますと、昭和四十二年から四十八年までにガソリンエンジンの排出ガス対策のための研究開発費は百六十六億円に達しており、昭和四十九年度は約三十五億円の研究投資を行なうこととしております。また人員は、常時約二百三十人の技術者を投入し、最大限の努力をしております。 研究開発方針について申し上げますと、当社も広範囲にわたって数多くの研究プロジェクトを設けております。将来エンジンについては、たとえばガスタービンであるとか電気自動車等の研究を行なっており、またガソリン・レシプロエンジンについても、燃焼に関する各種の方法について研究を実施しております。しかしながら、当面の規制に対する最も具体性のある方式としては、レシプロエンジンの排出ガスを可能な限りきれいにすることに重点を置き、それで規制を満足できない分は、あと処理装置を取りつけて改善する方法を進めております。 現在、生産販売中のものは、すでに排出ガスに重点を置いた、従来どちらかというと、出力に重点を置いたものにかえて、排出ガスに重点を置いたエンジン設計に改めたものでありまして、これをMCAI、三菱クリーンエアー型と名づけております。このMCAIにエアポンプを取りつけて、さらに排出ガスをきれいにしたものをMCAIIと名づけて、国内には昭和四十七年から販売しており、これと同様のものをカリフォルニア州を除く米国の四十九州向けに一九七五年対策車、日本における五十年度対策車に該当するものでありますが、として輸出する予定であります。 わが国の五十年度規制に対しましては、排出ガス再燃焼装置、すでに説明がありましたサーマルリアクターを取りつけ、またNOx低減のために排出ガス再循環装置、EGRを使用する予定であり、これをMCAIIBと称しております。この方式による千六百ccの低公害車は、運輸省から五十年度規制適格車として、型式指定並びに税制優遇車としての認定を得ましたので、去る八月三十日国内に発表し、まさに発売を開始しようといたしております。なお、このMCAIIBをやや簡素化した方法で、米国としては最もきびしいカリフォルニア州の一九七五年、わが国の五十年に対応する規制に対応させていく予定でございます。 五十一年度規制に対しては、さらに範囲を広めて各種の方法につき研究中でありますが、本日は、次の二つの方法について御説明を申し上げます。 第一の方法は、サーマルリアクターとEGRによるもので、つまり五十年度対策車と同様の方法でありますが、これをより一そう改良していくものであり、第二の方法は、還元触媒と酸化触媒を使う方法であります。これらについては数多くの実験を行ないましたが、現在時点では次の状況にございます。 第一の方法では、NOxを五十一年度規制目標値、すなわち〇・二五グラム・パー・キロメートル以下にすることは実験室においても、まだ達成しておりません。今後一そうの研究を進める所存でありますが、現時点では〇・九グラム・パー・キロメートル程度ならば、軽自動車から二千cc級の範囲で五十一年度から実施可能の見込みでございます。 また第二の触媒方式についても、世界じゅうの触媒メーカーから多種類の試作品の供給を受けて研究しております。この方法では還元触媒が新しいうちは、NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルを満足するものができておりますが、長距離走行した際に浄化性能が低下し、〇・二五グラム・パー・キロメートルを超過し、まだ耐久性のいい安全な触媒が確保されていませんので、さらに研究を続けていく所存であります。 これらの研究には、理論的にも技術的にも未知の分野があり、発明と発見にまたねばならぬ点が多々ありますので、今後の研究見通しを立てることもなかなか容易でございません。これまで当社がMCAシステムで申請した特許と実用新案だけでも百五十件に及んでおります。また実験室でいい成績が出ても、これを実用化するまでに多くの車を用いて実用性と耐久性についてのテストが必要であります。当社でも、この五年間に延べ約一千台、走行距離一千万キロメートルの走行テストを昼夜兼行で行なってまいりました。 このように五十一年度規制に対応するための研究開発は複雑であり、また時日を要するものでありますが、社をあげて、あらゆる努力を傾けていることを御理解いただきたいと存じます。 最後に、五十一年度規制に対する希望を申し上げます。 NOxが〇・二五グラム・パー・キロメートルという目標値は実験室でも、私のほうではまだ到達していないのが現状であり、目標値の達成が可能か不可能かの見通しを得るまでに今後少なくも二カ年ぐらいの研究を必要とする見込みでございます。技術開発の進展により、すでに昭和四十八年度NOx二・一八グラム・パー・キロメートルから五十年度は一・二〇グラム・パー・キロメートルまで約四五%低減される見込みでありますが、今後の低減は、ますますむずかしくなるものと予想しております。したがって、今後のNOx規制は、開発状況に対応して段階的に策定されることを希望します。 当社といたしましては、五十一年度の暫定規制値としてNOx〇・九グラム・パー・キロメートルを希望しますが、引き続き研究を進め、さらに少しでもNOxを減少させるよう努力をする所存でございます。 以上で、私の説明を終わります。どうもありがとうございました。
○角屋委員長 ありがとうございました。 この際、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ————◇————— 午後一時二十二分開議
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 参考人に対する質疑を行ないます。なお、本日の質疑時間につきましては、理事会での申し合わせもございますので、その線を踏まえまして、質疑を行なわれるようお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。登坂重次郎君。
○登坂委員 本日は、当公害対策並びに環境保全特別委員会に参考人の各位には御出席いただきまして、種々有益なる意見の御開陳を承り、感謝にたえません。 さて、本日当国会においでいただいた趣旨は、御案内のとおり、目下自動車公害というものに対しまして、国民的宿望であるところのこの公害をぜひとも解決してもらいたい、また解決せねばならない、こういうふうな気持ちで、皆さんとともに、本日はお願いかたがたあるいは意見の交換を交えながら、公開の国民の前に皆さま方の決意のほどを御披瀝願いたい。同時に、私ども公害関係を担当する委員会といたしましても、与野党を問わず、国民の健康保全、環境の改善ということについてのそういう趣旨から今日の御出席をいただいたわけでありまするから、その点ひとつ御協力のほどをお願いいたしたいと思います。 さて、今日、わが国の自動車工業は、皆さんの御努力によって非常に著しい進歩を遂げまして、昨年度の統計を見ますると、二千六百二十八万台という、世界においても有数な自動車生産国となったのであります。 わが国の現状は、国土が狭隘であり、また都市政策においても欧米各国とは違いまして、自動車のこういう激増することを対象としていなかったという、そういう環境の差異もありますので、この際、皆さま方の自動車生産に伴いまする激増と同時に公害ということが国民の間に非常に大きく関心事となり、かつまた都市公害、人口過密のところにおきましては、工場地帯等においては、川崎市あるいは四日市市、そういうところにおいては非常な健康被害を続出するに至ったのであります。もちろん自動車のみの原因とは思いませんけれども、今日、世界にも類例のないところの健康被害補償法という法律を、われわれは制定しなければならなくなった、あるいは大気汚染の総量規制という、そういうきびしい規制をわれわれはこの国会において制定いたしたのであります。 こういう中にありまして、その公害の発生源たる種々の原因はあります。けれども、まず自動車公害についての国民の要望は、何とかしてNOx、CO、HCをもう少しきびしく規制してもらいたいというのが一般の世論となっておるわけであります。そこで、これは先進国アメリカにおいても、そういう背景のもとに、かつてマスキー法という法律が提唱され、それが世界の世論となって、わが国においても環境庁を中心にこの規制の基準をきめたのであります。 それに関しまして、きょう承りました各参考人の皆さま方は、非常に努力しておられるということはよくわかるのでありまするが、ただ内容を承ってみますると、いずれも環境基準に対しましては、きびしく批判的である。それは技術的において現段階では不可能であるというふうに私どもは受け取ったのであります。それは、今後国民の健康を保持する上においてその環境基準なるNOx〇・二五ははたして正しいのかどうか。これは今後また学者の論をまつところでありましょうけれども、しかし目標は高いところに掲げておかなければならない。また参考人各位も、その目標に向かって努力されておることは、よく承ったのでありまするが、ただ、皆さま方の今日の態度といたしまして、環境庁にそのタイムリミットに対する延期の要望とか、あるいは環境庁に対する不信感か、そういうものが何かあるやに世間には流布されておるのであります。いわゆる国民の間には正しくこれを理解されていないものもありましょうし、その真意が那辺にあるか、これを私はまず伺いたいのであります。 そこで、先ほど来の御陳述の中で、トヨタさんあるいは日産さん等の大量メーカーの方が、ややもすれば、〇・九ないし一・〇程度にしか目標値を置くことが、いまの場合では不可能である。あるいはロータリーエンジンは〇・六、CVCCも〇・六までは不可能である、こういう技術的な見解の表明があったことを承っております。 でありますから、こういう各社のいわゆる研究目標、あるいはその主眼とする研究目標が、はたしてそれで来年度あるいは二年後あるいは何年か後には同じ基準にまで達し得るという、そういう自信があるのかどうか、それから、まずひとつお伺い申し上げたいと思います。まずトヨタさんと日産さんにお願いいたします。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 ただいま御質問がありました、今後の見込みの問題でありますが、私どもは従来環境庁でお示しをいただきました〇・二五という数値を目標にしぼりまして努力をしてまいりましたので、先ほども御説明申し上げましたように、新たに暫定値についての意見を言えというようなお話が出まして、私どもはいろいろ検討をいたしました。しかしながら、現在五十年対策で到達しております程度ならば、もちろんできるわけでありまして、それは現在一部の車種については一・〇ないし一・であります。さらに私ども一は〇・九を目標にいたしまして至急検討を続けていきたいというふうに思っておりますが、そのためには一年ほどの余裕をいただきまして、その結果について御報告さしていただくようにしたいということを申し上げた次第であります。 はなはだ簡単でありますが、これで終わらしていただきます。
○岩越参考人 ただいま登坂先生からの御質問でございますけれども、当社といたしましては、環境基準に示されております内容につきまして、いささかの疑問も持っておりませんで、ぜひこれをクリアいたしたいというふうに考えて努力をいたしております。 しかし、先ほど申しましたように、当社といたしましての研究段階から、当社は車種を非常にたくさん持っておりますので、そのいずれにもクリアするということが会社としては求められることでございまして、そういう意味から従来は〇・二五をどうしてもやらなければいけないんだということで研究をいたしておりましたので、五十一年の暫定値ということの御質問がございまして、暫定的にそういう数値を求められますと、それに対しての実験、研究を重ねてから、お答えするのがほんとうでありますけれども、とりあえず現在の状況から判断して開発目標をきめて、それを進めたいということで、先般の数値をお答えした次第でございまして、研究の努力目標というものは初めにお示しになった〇・二五をやり遂げたいということで、いささかの妥協も許さないという態度で従来研究いたしました結果、先般お答えいたしたようなことになった次第でございます。 以上でございます。
○登坂委員 次に、エンジンシステムのツーサイクルとフォアサイクルによって、片やHCはよろしい、片やNOxは不可能である、むずかしいという御意見を承ったのであります。まず鈴木さんに、あるいはその他のツーサイクルエンジンのメーカーの各位にお願いしたいのでありますけれども、五十年度規制はもう来年に迫ったのでありますが、はたしてツーサイクルで、現在のままでHCが環境基準に達する自信があるのかないのか。それは可能であるのかないのか。その点をまず鈴木さんから伺いたいと思うのであります。
○鈴木参考人 お答えをさしていただきます。 当初にありましたツーサイクルエンジンの測定法としてホット・テン・モードの測定法がございますが、これはかなり長い前からのことでございまして、現在の段階ではHCをテンモードの対策として進めておるのが実情でございます。ただし、私どもでも、いままで延べ二百台ぐらいのものをつくって実験を繰り返しておるわけでございますが、現在のところ耐熱の問題とバランスがよくない、いわゆる流れる量が安定しないために燃えないときが出てくる。こういうようなことで、実は非常に困難に思っております。 なお、先ほども御説明申し上げましたように、コールド・イレブン・モードの測定法というものは、ことしの一月、実は告示をされまして、現在のところまだ半年ばかりしかたっておりませんのですが、ツーサイクルの場合は、午前中にも御説明申し上げましたように、始動直後の非常に冷えている段階をイレブンモードでやるために、テンモードと違いまして、またもう一つ新しい装置をつけなくてはならない。こういう状況でございますので、今日のところは、テンモードのテストを繰り返しているのが実態でございます。以上です。
○登坂委員 ダイハツさんもツーサイクルをおつくりのようですが、御意見はいかがですか。
○伊瀬参考人 お答えさせていただきます。 われわれとしましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ一生懸命に、その目標に到達するということでやらしていただいているいま現状でございますが、ただいまの見通しとしますと、先ほど来繰り返しいろいろと話が出ましたように、ツーサイクルの特性としてのハイドロカーボンによる高熱問題、これに対する材料問題等々がありまして、非常にむずかしいという判断をいたしております。残るがんばりは続けますけれども、実情について、ぜひそういう点の御高配を賜わりたいというのが私のいまの気持ちでございます。
○登坂委員 自動車は、私ども非科学的な人間から考えますと、非常に高度な芸術的なものである、スピードがあり、あらゆる科学の粋を集めたものである。でありますから、そのむずかしさについては、一般の国民も了承してくれると思うのでありますが、今日、自動車はすでに私どもの生活の中に入った必需品となったのであります。でありますから、国民の願いとしては、いつも安全な耐久性を要求し、そして人にも健康被害を与えないような、そういう車であってほしい、これはひとしく使用者であるわれわれ国民の願望であろうと思います。 でありますから、環境基準はきつい、あるいはこういうものの考え方の基本となるべき環境庁の、皆さまのそういう研究の標準となるべきものがあってほしいと思うのでありますが、現在政府に、そういう自動車公害防除のための研究のセンターなり、あるいは自動車研究所なり、皆さま方が御相談になれるような政府機関がおありでありましょうかどうか、どなたかひとつ。松田さん、ひとつそういうものをどういうふうにお考えになるか。
○松田参考人 日本自動車工業会で設立いたしましたJARIという研究機関がございます。
○登坂委員 それは皆さま方の工業会でおつくりになった共同機関であろうかもしれませんけれども、政府においても、そういう一貫した指導のもとに、NOxなりHCなりCOなりの環境基準を、自信を持って皆さん方に守ってもらいたい、それについて皆さんも一緒に研究して、できるところまではやる、国民に迷惑はかけたくない、また自動車の産業界といたしましても、今日皆さんの自動車は世界に輸出されておるのでありますから、世界の信用も得なければならない、そういう重大な使命を持っております。 でありまするから、私どもとしましても、ただわれわれ国民が使用するだけではないんだ、外国の皆さんにも相当、いまは二百万台も輸出されておるわけでありまするから、世界の信用もかちとらなければならない、こういう自動車業界の責任たるや非常に大きいものがあります。アメリカのいわゆる環境庁あたりでは、しかとした基準を示して、みずからその基準にのっとって、皆さま方にこういう基準でやれというようなことを指導しているということであります。 あるいは、もう一つ私が皆さま方に御提案申し上げたいことは、自動車工業会、あなた方の業界として、ある共同目的をもって早くこれらの目標値が達成できるような、そういう共同研究は可能でないのかどうか。もちろん会社の機密性あるいはエンジンの内容等にもよりまして、また今日までの経過、あるいは歴史的な会社の風格等もありましょうから、それはいろいろ事情もありましょうが、今日差し迫って、目標値がきめられる、あるいは審議中であるとするならば、一刻も早くこれは共同の目標として皆さま方が一致団結して、そういう方向に進んでもらいたいと思うのでありまするが、それに対してどういうふうにお考えでありましょうか。豊田さんからお願いいたします。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 先ほど松田さんから話が出ました日本自動車研究所におきまして、私どもは共同の研究をいたしております。これは主として各社の問題の中から共通に取り扱うことができるもの、並びに将来の基本的な基礎的な問題について研究をいたしておる次第でございます。なお、この自動車の排出ガス規制の問題につきましては、車種なりエンジンの大きさなり、あるいはいろいろの仕様の差によりまして、打つべき手がいろいろ変わってくる性格のものでありますので、たまたま私、工業会長をいたしておりますが、各社それぞれ競って問題を解決するように、むしろ競争的に解決するようにするというほうが目的を達するのにいいのではないかということも考えまして、あわせて各社のお骨折りをお願いしておる次第でございます。
○登坂委員 時間もございませんから、結論的に皆さんに申し上げておきたいことは、今日、自動車の公害というものは国民の重大関心事でございます。皆さま方の御努力はさることながら、この間環境庁に再検討を申し入れたというふうに国民には誤解されております。あるいはそういうふうに受け取られております。と申しまするのは、皆さんの公害対策に関しましては、国民はまだ正しく理解していない。でありまするから、今度のこの再諮問について環境庁あるいは中央公害対策審議会も相当な権威をもって審議されるでありましょうけれども、一たんその結論が出た場合は、あくまでも守るのである、国民に対しまして義務を果たすのである、そういうお心がけをもって、今後各社とも共同の目標であるところの環境庁基準に対しまして、あるいは今後の公害防除、大気汚染並びに総量規制、あるいは地区の指定、規制、あるいは交通の規制等々に対しまして、皆さま方の格段の御協力をお願いしたいと思うのであります。 時間が来たので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○角屋委員長 田中覚君。
○田中(覚)委員 午前中メーカーの各社のお話を伺いまして、まず共通的に訴えられておることは、五十一年規制がどうしても無理だ、実施は困難というよりは、むしろできない、そういうことであったかと受けとめたわけであります。この点につきまして、各社がきわめてきびしい条件のもとに置かれておるにもかかわらず、特に石油危機の発生以来、幾多の苦境に対処しながら、新しい排気ガスの技術の開発に涙ぐましい挑戦をしておられる経緯を私はよく承知をいたしたのであります。 ことに巷間伝えられておりますように、業界が従来の自動車全盛といいますか、自動車万能の風潮の上にあぐらをかいて、まじめに排気ガスの対策に取り組んでおられないのではないか、あるいはもっと端的な言い方をいたしますと、サボっておられるのではないかといったようなことも間々仄聞をいたしますし、さらには逆に、できない、できないと言っておられるけれども、すでに各社とも、ある程度できる技術的開発の自信を持っておられるのじゃないか。しかし、それがそろばんに乗らない、いわゆる採算ベースに乗らないから、できないと言っておられるのではないか、こういったお話もいろいろ聞かないこともないことはなかったのでございますが、これは全くの風聞であり、根拠のないことであるということが一応わかりました。 そこで、お伺いをいたしたいことは、いまごろになってできないと言われるなら、それならば、なぜ五十一年規制値の〇・二五グラム・パー・キロメートルというこの数値のきまるときに、もっと的確な、できないという見通しや理由というものを業界として述べられなかったのかという気がするのでありまして、この点につきまして特に皆さま方からのお考えをお伺いいたしたいと思っております。 と申しますことは、NOxの環境基準が〇・〇二とすでにきまっておりますし、そしてさらに自動車の排気ガスのNOxの規制値は五十一年には〇・二五だ、こういうふうにきめられておりまして、各地方自治体におきましては、環境庁の指導のもとに、これを前提といたしまして、それぞれの地域の公害防止計画を立てております。ことにNOxにつきましては、いわゆる移動発生源と固定発生源両者の問題がございますので、五十一年に自動車が〇・二五の規制ができるかできないかということは、結局その地域の公害防止計画を達成する上に大きな影響があるわけであります。 したがいまして、端的に申しますと、もしどうしても自動車が五十一年に〇・二五の規制ができないということでございますと、環境基準の〇・〇二を動かさないならば、それだけは固定発生源のほうへ逆に規制を強化しなければならないということにもなりますし、それができなければ、さらにはね返って環境基準そのものを緩和するとか、あるいはその実施をさらに先へ延ばすとかというようなことにしなければならないことになるわけでありまして、これは相当の混乱を招くおそれがございます。 そういう意味で、私は、いまさらこの〇・二五というのは、なかなか白紙にできないのではないかというふうに思うわけでございますが、この点につきまして、どうお考えになりますか。特に大手のメーカーであられるトヨタ、日産の社長さんに、先ほどのこの〇・二五のきまるときに、なぜもっと的確な反対ができなかったかということと含めて、お答えをひとつお願いをしたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 〇・二五という数字を環境庁からお示しになりましたのは、先ほども申し上げましたように四十七年でございます。その時点におきまして、私どもは、これは非常にむずかしい数字であるということを十分感じたのでありましたが、何と申しましても、この問題は国民の健康に重大なる影響を持っておる問題でありまして、できるだけ少ないものにするということは、国民の一員として当然努力をしなければならない問題であると考えたわけであります。 この四十七年に、〇・二五という数字をお示しになられました時点におきましても、私どもとしては、これは非常に困難な問題でありますということを再三環境庁、中公審関係に申し入れをいたしたわけでありますが、いまも申し上げましたように、しかしながら、できるだけ低くすべきであるという私どもの考え方も持っておりましたので、とにかくこの数字を目標にして努力をしよう。また環境庁におかれましても、むずかしいかもしれぬけれども、とにかく国民の要望であるから、この数字を目標にして努力をしてほしいという御要望もございまして、私どもとしては、これに向かって、ここ何年間か懸命な努力を続けたような次第でございます。 いま御質問にもありましたように、いろいろ御都合もあるようでございますが、先ほど来、私どもから申し上げましたように、現在まで懸命な努力を続けてきたにかかわらず、はなはだ残念ながら、現在としては、先ほど申し上げましたように、この数字を達成することは見込みがないということを申し上げざるを得ない段階にある状況でございます。
○岩越参考人 いまの御質問にお答えいたします。 当社といたしましても、この環境基準が、五十年の問題五十一年の問題あわせてでございますけれども、非常にきびしい問題であるというふうにその当時から申し上げておりました。研究者といたしましても、五十年の数値をクリアするのにも、なかなかたいへんだという状態でございました。しかし、やはり国民の健康という問題を考えると、こういった基準に向かって研究を進めるというのは研究者としての義務である、こういうふうに考えております。また、自動車を製造するわれわれといたしましても、当然国民の期待に沿うものをつくらなければならないというふうに考えまして、むずかしいということを知りながら、あえてこの環境基準の研究に邁進させたというところでございます。 したがいまして、先ほど表に示しましたとおり、この研究に従っている者は、一日も早く自分でやりたいという気持ちを持って、この研究の数値に向かっております。しかし残念ながら、現在まで開発された技術では、初期値ではそういった数値を満たしても、耐久性の問題あるいは精度の問題、そういうことから現状ではできない、こういうことを申し上げなければならぬのは、はなはだ残念でございますけれども、先ほど御報告したような次第でございますので、御了承願いたいと存じます。どうもありがとうございました。
○田中(覚)委員 それでは、次にお伺いいたしたいのは、共通的には五十一年の実施ができない、はなはだ無理であるということでございますが、しかし各社のこの問題に対する見通しだとか、あるいは姿勢等につきましては、若干ニュアンスの差があるように感じたのであります。特にトヨタ、日産以外の各社におかれましては、〇・二五は無理だけれども、たとえば〇・九だとか、あるいは一・〇だとか、あるいは〇・六程度のことはいけるといったようなお話がございました。 その点につきましては、大手メーカーであられるトヨタ、日産におかれましては、特に品質の安定した生産体制とか、あるいは万全のサービス体制というものを伴わなければ、幾ら優秀な排出ガス対策車を開発しても、十分に効果を発揮することはできないといったような、そういう慎重なお気持ちもよくわかるわけでございますが、しからばトヨタ、日産におかれましては、中間的な見通しというのは、ほかの各社のように具体的に立ててやることは、どうしても困難というふうにお考えか、あるいはある程度中間的な目標値を立ててやることについては大体やれるというふうにお考えになるのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○豊田参考人 お答えをいたします。 先般環境庁にも申し上げましたように、私どもはこの中間的な値の問題につきましては〇・九を一応の目標といたしまして研究努力をさしていただきたい、その結果については一年後に申し上げたいというふうに申し上げたような次第であります。はなはだ残念でありますけれども、私どもの扱っております車種が非常に数が多いのでございまして、これらの多数の車種について、このことに十分対応できるということを確認するのには相当な時間を必要といたします。かようなわけで、はなはだ残念でありますけれども、いま申し上げたような次第になっておるわけでございます。
○岩越参考人 ただいま田中先生からの御質疑の問題でございますけれども、われわれといたしましては、やはり〇・二五というものを目標にしておりまして、中間的の数値を出しますと、やはり中間的の数値ができるかどうかということの可能性を探るために、あらゆる種類のテストをそれに向かってやらなければならないということで、従来は〇・二五で妥協を許さないという態度をとっておったものでございますから、中間で、これくらいならいいよという態度をとらなかったということのために、それでも現在としての状況から、どれくらいの可能性があるだろうかということで二五%だけは減らせということで、それに対しての研究をしろということで、先般環境庁にお答えいたした次第でございまして、研究者の態度、われわれの態度というものは、あくまでも初めの基準ということについての視点が多かったということでお答えを申し上げなければならない、こういうことでございます。よろしくお願いいたします。
○田中(覚)委員 その次にお伺いいたしたいのは、アメリカでマスキー法の実施が延期をされておりますが、これを日本の業界の皆さま方は、どのように受けとめておられるのか。と申しますことは、この日本のモデルになったアメリカのマスキー法が実施延期になったのだから、そのもとになったのが、そういう状況なら、日本の場合も当然延期してしかるべきではないか、こういう意見があるようでございます。しかしまた逆に、その反面、アメリカは大型車が中心、日本の場合は中小型車が中心である。したがって、その間に排気ガス対策の技術開発の難易性というものが相当違うのじゃないか、つまり日本の場合はアメリカに比べてやりやすいのではないかといったような考え方もあるというふうに仄聞いたしておりますが、そういう考え方は一体甘いのかどうか。あるいは両者に本質的な差はないというふうに考えるべきかどうか。この点もひとつお聞かせいただきたいと思います。
○豊田参考人 アメリカにおけるマスキー法の延期の問題について御質問があったわけでございますが、アメリカは、いわゆるエネルギー問題等を考慮して、いろいろ検討されて延期をされたものと考えております。わが国はわが国の事情に合わせてお考えをいただいておるものと私どもは考えておりますので、私どもは国内の規制については、当然国内の規制に合うように努力をすべきものであるという考え方で現在努力を続けておる次第でございます。 なお、大きな車と小さな車について多少の難易がないかという問題でございますが、若干の相違はあろうかと思いますけれども、やはり小さい車のほうが幾らか容易であるという場合もあり得るように考えております。
○角屋委員長 他に参考人で御意見のある方——よろしいですか……。
○田中(覚)委員 時間がございませんのであれですが、本田さんのほうにちょっと伺いたいのですけれども、CVCC方式という画期的な開発をなさったわけでありますが、この方式でやった場合に燃料の経済性というものが一体どうなるのか。いただきました資料では、燃費も十分かせげるというメリットがあるというふうに承知をいたしておるわけでございますが、その点について、簡単なコメントをいただければありがたいと思います。
○河島参考人 お答え申し上げます。 当社の開発しておりますCVCC方式の燃料消費量の低公害対策に伴う増加についての御質問でございますが、私どもが現在生産販売をいたしております五十年規制車におきましては、実用燃費的に申しますと、ほとんど変化がございません。厳密なテストをいたしますと、若干の悪化の方向はございますが、実用燃費的にはほとんど変わりがございません。ただし、この五十一年規制、〇・二五といNOx対策をしてまいりますと、著しく燃料消費量が増加いたしてまいります。およその数字は二〇%ほどのダウンでございます。
○田中(覚)委員 もう一問よろしゅうございますか。——車の大きさによって、たとえば規制値を変えるというようなことは実際考えられるかどうか。もちろんそういうことをやれば、当然これは税制面における特別措置が対応しなければならぬというふうには思いますけれども、そういうことが一体考えられるかどうか。 ということは、トヨタさんのほうからいただいたこの資料の三ぺージに「車両重量とエンジンの大きさ等の関係より、窒素酸化物の排出量は変わって来ますので、例えば車両重量等を考慮しない一律の数値を以って規制することは実質上極めて困難で車両重量と、それに対応する窒素酸化物排出量という相関性を考慮することが適正である点を十分ご認識戴きたい」こういうふうに実は書いてあるのですが、これは解釈のしかたによりましては、車種によりまして規制値を変えるべきだという御意見のようにも受け取れるわけでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 私どもといたしましては、車種の区分をすることは、なかなか複雑な問題もからんでおりますので、なるべくは一本で御規制をいただくことのほうがいいというふうに考えております。
○田中(覚)委員 もっとお尋ねしたいのですが、時間が来ましたので、これで終わります。
○角屋委員長 島本虎三君。
○島本委員 毛利環境庁長官が先般八月二十一日の当委員会で、公害、環境行政をき然と行なう必要がある、とかく業界と行政機関との癒着等の疑惑を今後避けるためには政治姿勢を正す、これをはっきり言い切ったのであります。そうして環境行政を行なう上に関係業界からの政治献金は受けてはならない、これをきっぱり断言したのであります。 かつての参議院議員の選挙の際に、特別会費四億八千万円、それぞれ自動車工業会会長豊田英二氏の名において割り当てて、国民協会へそれぞれ寄付されたようでございます。トヨタ、日産それぞれ一億円をこえていたようでございます。しかし、自動車メーカーといたしましても、社会的責任を自覚して環境保全、公害防止の取り組みの誠意を示すためには、ここに李下に冠を正すべきではない。同時に、ガス業界それから私鉄業界、これらもすでに行なっておりますが、疑惑を持たれるような、国民協会を通じて行なってきた政治献金、これは断固断わるべきじゃないか、こう思うのであります。 会長でございます豊田参考人並びに日産の岩越参考人、本田技研の河島参考人、三菱自動車の久保参考人、この四氏に御所見を承りたいと存じます。
○豊田参考人 お答えをいたします。 私どもが国民協会へ献金を会費として納めましたのは、国民協会の趣旨に賛同いたしまして納めたものであります。ただいま疑問を持たれておるというような意味で私どもは考えたわけでは全然ございません。これは明らかに、はっきりと申し上げておきたいと思います。 なお、今後の問題でございますが、経団連並びにそのほかで、いまいろいろ検討をされておりますので、そういった情勢も見ながら、今後の問題について私どもは判断をしてまいりたいと思いますが、この問題は、私どもが、ある意味で社会に対する一つの役割りという面も考えておりますので、現在ここでその問題について、はっきりした、何といいますか……(島本委員「するのですか、しないのですか、これを聞きたいのです」と呼ぶ)私どもといたしましては、いまいろいろ検討をいたしておりますので、ここではっきり申し上げることができないような状況に現在おります。
○岩越参考人 島本先生の御質問にお答えいたします。 私たちは、国民協会の趣旨に賛同して献金いたしたものでございまして、これがわれわれの利害関係に結びつくものではないというふうに考えております。 なお、現在議会政治近代化委員会でいろいろ論ぜられておりますし、私たちも国民の合意を得られる方法で、この問題に対して処していきたい、こういうふうに考えております。
○河島参考人 国民協会の趣旨に賛同して、お受けをしたいきさつでございます。先生のただいま述べられました御趣旨をよく理解いたしております。今後検討をしてまいりたいというふうに思っております。
○久保参考人 先ほどの献金が特に公害問題と関係するとは考えておりませんでした。自動車工業会には、毎月毎月いろいろな寄付の申し込みがありますが、これをやるべきかやらざるべきか理事会で検討してきめられておりますので、ただ三菱としてではなく、一会社の意見としては、それに従って出すか出さぬかということになるかと思います。
○島本委員 環境庁長官は、政治献金は受けてはならないときっぱり断言したのですが、その趣旨に沿わないようでありまして、遺憾であります。 次に、日産自動車の岩越参考人にお伺いいたします。 九月三日の「エコノミスト」に、茂木晃さんが、「日産自動車は、ことし二月ごろ、ある研究をタナ上げした。それは自動車の排気ガスを五一年規制をパスできるほどにきれいにしてしまうエンジンの開発である。学者のユニークな発想に基づいたもので、同じ発明に基づいて、他にM社も開発を進めていた。これまで一年ほどの実験ではマスキー法の窒素酸化物NOx〇・二五グラムという数値を下回る結果が出ており、実用化も十分に考えられた。だが日産自動車は、いかなる理由からか、この開発を突然タナ上げしたのである。 この実験のデータを出してくれ、と求められたとき、同社は排気もよく、燃料消費も少ないエンジンのデータについて公表を渋った。そして燃料を余計に食うデータのみ出そうとしたという。」 もし、この記事を読んだ場合には、業界論理に対して、いままでの参考意見を述べられましたが、まことに不信がわくのであります。そして結果として、ここにトヨタさんとウリ二つの結論を先ほどの大体の参考意見として出されているのであります。私は、こういうようなところにも業界に対するいろいろな不信もわくのじゃないかと思いますが、これについて伺います。
○岩越参考人 ただいまの島本先生の御質問についてお答え申します。 これは東大の熊谷教授の指導による燃焼方式のことであると思います。これはユニークな着想のものでございまして、濃度の濃いのと濃度の薄いのと燃して、安定したエンジンにするということに一つの問題点がございまして、当社では、これをたな上げをしておることはございませんで、この研究は続けております。 しかし、二つの方法がございまして、濃いエンジンと薄いエンジンとを一緒にぶつける方法と、濃いのと薄いのを交互に燃焼させる方法と二つの方法がございます。濃いのと薄いのを一緒にぶつけますと、六気筒でも三回しか爆発しないということになりまして、エンジンがスムーズさを欠くという問題がありまして、非常に運転しにくいという問題が出てまいります。また、薄いほうのエンジンを、大体ガソリン一に対して二〇ぐらいの薄さにするわけでありますけれども、こういったことにいたしますことに対して、非常に燃焼が困難をしているという問題がございまして、開発のための誤解を避けるために、確信あるデータということでなければ、われわれとしては公表することができませんし、また、特殊なサーマルリアクターの開発をしなければならないということで、こういったものができませんと、新しいものに対しての誤解というものを生むということは、われわれとしては、とるべきではないということで、このデータについて公表することはできないということを申し上げた次第でございます。
○島本委員 ただいまの参考意見だけでは若干理解に苦しみます。しかし、別な機会にこれはなお意見を伺わしてもらうことにして、次に移ります。 五十一年規制に対する自動車業界の協力、まさに現在の公害、環境保全に対しては、自動車業界全体としても、社会的責任はやはり負わなければならないものであろうと思います。ことに、いわゆる公害罪処罰法が四十五年度以降できておりますから、公害の排出そのものは社会的犯罪であるというふうに、もう位置づけられておるのであります。したがって、五十一年規制は、過密地域においては、大気汚染防止上不可欠であり、この規制がもし既定方針どおりに実施できない場合は、地方自治体における公害防止計画及び大気汚染防止対策に著しい影響を及ぼすことになります。企業そのものは、住民の健康を守るためにも、何らかの社会的費用の負担をしなければならないことになることは、当然であります。 したがいまして、このきめられた規制値に達しないということになりますれば、何としても住民の健康並びに命が優先するのでありますから、自動車一台当たり何らかの形での賦課金とか、あるいは公害税とか、何らかの形の税を課せられることを考えざるを得ないと思います。この場合、業界としてはこれをのむ意思がございますか、ございませんか。代表してトヨタさんと日産さんにお伺いいたします。
○豊田参考人 お答えをいたします。 私どもは〇・二五の規制値を何とでも達成したいということでやってまいりましたところが、ただいま前段で申し上げましたように、現在の段階では、はなはだ残念でございますけれども、これが達成できないというような段階になっておるのでございます。しかしながら、私どもは十分責任を痛感いたしておりますが、ただいまお話がありました公害税というような問題につきましては、私どもからとやかく申し上げることは、ひとつお許しをいただきたいというふうに思う次第であります。
○岩越参考人 島本先生の御質問にお答えいたします。 私たちといたしましては、あくまでも〇・二五をクリアしたいということで、現在もなおその目標を変えておるわけではございませんで、暫時の御猶予を願いたい、なお研究を進めていきたいということでございまして、いまおっしゃいました内容につきましては、いろいろ政治の問題と関係するものだと思いまして、私から御回答はいたさないようにするということを申し上げたいと思います。
○島本委員 回答は避けるけれども、のむ意思がある、こういうように私どもは理解せざるを得ませんが、そのとおりであるならば答弁は要りません。そうでなければないということをはっきりしていただきたいと思います。——けっこうです。 では次に入りますが、いまの規制は、トヨタ自動車工業の豊田社長さんは、五十年規制のまま二年間ほど継続してもらいたい、そして五十年規制以後は、社会経済上の変化で妥当な規制値をきめてもらいたいというような、先ほどの参考意見の開陳があったわけであります。しかし、もし五十一年規制ができないということになれば、過密地域における大気汚染の現状から、やはりこれは住民の健康、命ということ、これを当然考えなければなりません。当然都市の交通量を減らす対策、こういうようなものをとらざるを得ませんから、自動車の交通総量規制をせざるを得なくなるわけです。そして車の都市の出入が規制されるということになるじゃございませんか。そうなってしまったならば、逆に販売も落ちるし、まさに重大な段階に立ち至るのじゃないかということが考えられるのであります。 すべてを、ここでなげうってでも、この規制に協力するという立場が、とりもなおさず販売も伸びるということにつながると思うのでありますが、この辺の考え方がどうもしっくりいたしません。この点について、どういうようにお考えでございましょうか。これも豊田さんと、もう一人、日産自動車の岩越参考人にお願いしたいと思います。あわせて本田技研の河島参考人、簡単にお答え願います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 たびたび申し上げておりますように、私どもは全力をあげて取り組んでおりますし、ただいま先生からお話がありましたように私どもは死活の問題として懸命に取り組んでおる問題であります。しかし、はなはだ残念ながら、技術的な解決ができなかったということになっておる段階でございまして、はなはだ遺憾に存じておるのが現状でございます。 以上であります。
○岩越参考人 自動車の総量規制の考え方には、いろいろあるようでございますけれども、いずれにいたしましても、物流あるいは個人生活に大きな影響を及ぼすものでございまして、雇用あるいは国際競争力といった点から国民経済にも影響が大でございまして、したがって総量規制については、代替交通機関、物流、国民経済等、総合的に検討することが必要ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○河島参考人 総量規制という問題についての御質問でございますけれども、私どもあくまでも、そのような事態になりませんように今後とも一生懸命努力してまいりたいというように思っております。
○島本委員 ありませんようにということは、われわれも望みますが、いまの五十一年規制ができない以上、これよりもっと深刻な事態になるということになるのです。と申しますのは、これは何としても人命の尊重と国民の健康を守る、くれぐれも皆さん申されました。しかし、安全性や公害対策というような点、これは当然四十五年以降は公害対策基本法が変わりまして、もうすでに産業優先から今度人命優先、人間優先に変わったのです。したがって、燃費、経済効率、商品性、こういうようなものは二の次でなければならないはずです。五十一年規制をやる必要はここにあるわけです。もしできなければ、もっと重大なことは、製造規制も当然あり得ると思うのですが、この点は、先ほど車に対する価値観も変える必要がある、これは本田技研さんですか、参考意見の開陳があったようであります。 この車に対する価値観を変える必要がある、変えなければ、製造規制も当然受けなければならないような状態になったならば、なおさら困るのじゃございませんか。どうしてこの問題に、まっこうから取り組まないのか私は疑問なんです。こういうようなことに対して、まず本田技研さんだけの御意見を承ります。
○河島参考人 お答えいたします。 私、午前中の参考意見の中で、これからの公害というものを優先的に考えた場合の、車に対する価値観の変換というものが社会においても、私どもメーカーにおいても必要であろう、またそのようなものが当然なくてはならないのだというふうに申し上げたわけでございます。そのような線に沿って今後とも大いに努力してまいりたい、まいるべきであるというふうに考えております。
○島本委員 最後に、これまたほんとうに申しわけございませんが、トヨタ自動車工業株式会社の豊田参考人並びに日産自動車の岩越参考人、お二方の御意見を伺いたいと思います。 と申しますのは、先ほどからいろいろな意見の開陳がございました、その中で研究費と研究人員の御発表がございました。トヨタさんの場合には、資金は四十五年から四十八年まで約二百九十五億ということ、さらに五十年までには約四百二十四億を投入するということ、人員は四十五年五百十九名、四十九年は千八百七十名であるということ、これは了解いたしました。また日産さんのほうでは、四十六年から四十九年までは四百七億円、人員は現在千六百名であるということも伺ってございます。 そうなりますと、このような研究費を投じてきた業界、これが低公害車の開発に対して、どれほど真剣に取り組んだのだろうかという素朴な疑問が現在国民の中にあります。業界では、これはことばが悪いかもしれません、悪いところは注意してもらいますけれども、わりあいに弱いといわれ いる、弱小メーカーとさえもいわれておりますところの本田技研と東洋工業がCVCCエンジンだとかロータリーエンジンこういうようなすぐれた低公害エンジンを出して、一面開発に成功しているようであります。しかし資本、人材ともにまさるところのトヨタさんや日産さんに、なぜこれができないのか、この辺に国民の素朴な疑問があるわけであります。そして政治献金は、これはもう行なうということであります。国民は素朴に業界のその論理に対して不信を持つのは当然ではございませんでしょうか。この件について、ひとつお二方の御高見を拝聴したいと思います。
○豊田参考人 皆さんから誤解をいただいておるととは、私どもの不徳のいたすところと存ずるわけでありますが、私どもとしては、できる限りの努力を続けておるつもりでございます。 なお、多少言いわけがましくなるかもしれませんけれども、何と申しましても、扱っております車の車種が多うございますので、これらを全部消化していくためには相当な人員と費用をかけても、なかなか目的が達成できないというようなこともございまして、懸命な努力を続けておることを申し上げ、誤解をなるべく避けていきたいというふうに考えておるのであります。
○岩越参考人 先ほど申しましたように、非常にますけれども、その成果が出てこないとおっしゃいますことに対しては、まことに私たちとしても残念に思っております。研究員も非常に残念に思っていると思います。 しかし、先ほど申しましたように、当社といたしましても、車のエンジンの幅が非常に広うございますことが一つございます。それからまた、日本の国で行なわれます以前に、すでにアメリカあるいはその他の国でも排気規制の問題が出ておりますので、それに対応していかなければならない。そういったことで、開発されたものに引き続いて国内のものも、その技術を応用してやっていくということで、安全性、耐久性という問題から取り組むという態度で進めたために、いま申しましたような御疑問の点があるかもしれませんけれども、開発に従事している者の気持ちというものは、一日でも早く〇・二五を完成したいということでやっておることを申し添えたいと思います。
○島本委員 ありがとうございました。
○角屋委員長 土井たか子君。
○土井委員 きょうは各社の皆さまから一斉に五十一年規制のNOxの目標値を達成することは、たいへんにむずかしいという趣旨の御発言ございましたが、御発言の中に、それならば五十年規制だいじょうぶ、責任をもって守りますという趣旨の御発言があまりなかったようでございます。 そこで、まずお伺いしたいのは、各社の方にひとつ、五十年規制はだいじょうぶなのかどうなのか、端的にそこのところをお答え願いたいと思います。
○角屋委員長 簡潔にお願いいたします。
○荒牧参考人 お答えいたします。 五十年規制はだいじょうぶでございます。これを持続すべく、あと処理、いわゆるサービスその他にも十分気をつけて、そして将来の発展のべースにいたしたいと思います。
○鈴木参考人 私ども、先ほど午前中に申し上げましたように、五十一年のNOxの〇・二五グラム・パー・キロメートルは可能と考えておりますが、五十年のHCについては、技術的に困難だというふうに思っております。
○伊瀬参考人 お答えさせていただきます。 先ほども申し上げましたように、私のほうはフォアサイクルとツーサイクルがございます。分けて申し上げます。 フォアサイクルのほうは、ただいまのところは達成し得るというふうに判断いたしております。ただ、ツーサイクルにつきましては、繰り返し申し上げますように、ああいう高温の問題がございますので、ただいまのところは非常にむずかしいという判断をいたしております。
○松田参考人 全車種五十年規制はいたします。
○豊田参考人 五十年規制を達成できるように努力をいたしております。また、できると思います。
○岩越参考人 五十年の規制の車でございますけれども、なお研究開発を進めておって万全を期しておりまして、万全を期してこの車を生産いたしたいと存じております。
○大原参考人 五十年の規制につきましては、おおむね可能であると存じております。それはいままで実験段階並びにテストフィールドの結果、達成し得ると思いますが、何ぶんにも不測のこともあるかと思いますので、種々の条件を入れながら、それは逐次解決できる範囲内にあろうかというふうに考えておる次第でございます。
○河島参考人 できます。
○久保参考人 軽四輪自動車はツーサイクルで私どもは実施しておりましたが、五十年規制困難だとわかりましたので、多大の投資をしてフォアサイクルに変更しましたので、現在では五十年規制は全車種にわたって実行できると思っております。
○土井委員 ただいまの御答弁をいただきましたことは、逐一ひとつ銘記をしておきたいと思うわけであります。できますとおっしゃったところは、ひとつそのつもりでこちらも見ておりますし、あいまいなところは、あいまいなお答えだったということをひとつ念頭に置いておきたいと思いますし、なおかつ、できないという趣旨のほどをここでおっしゃられた方は、ましてや五十一年について、これは引き延ばすことに対して、やっきになっておられる態度しか出てこないであろうということも一つは考えさせていただきたいと思うのであります。 さて、五十年にいたしましても五十一年にいたしましても、守る守らないということについては、企業としての社会的責任感がどれほどその中に盛られているかという企業姿勢、これが何といっても私は大事な問題だと思うわけでありますが、そういうことから考えて、いまのこの規制値についてどういう考えを持っていらっしゃるかというのは、私は一つの大きなきめ手になってくると思うわけであります。 右代表ということで、一つの参考資料を私はここに使わしていただきたいわけでありますが、私、ただいま手元に持ってまいりましたのは、日産自動車株式会社がお出しになっていらっしゃいます「五十年、五十一年排出ガス規制について」という資料であります。二部ございます。一部は四十九年七月、もうあと一部は四十九年九月、あとの四十九年九月のほうは、これは本日のこの委員会に対しての参考資料として御提出を願った資料の一部でありまして、この中身を見てみますと、まず「まとめ」というところは、「五十一年度窒素酸化物〇・二五g/kmの規制値につきましては、国民の健康保護および生活環境の保全を図るため、企業の大切な社会的責任として研究開発を促進しもってご期待に沿うよう努力する所存であります。」というふうな記載がございまして、最後の締めくくりは、「従いまして、五十一年窒素酸化物の規制につきましては万全を期して努力いたしますので、今暫くのご猶予を賜りたく、ここにお願いいたします。」と、こう結んであるわけであります。ところが同じ「五十年、五十一年排出ガス規制について」二カ月前つまり七月に出された資料を見ますと、「わが国のNO2環境基準設定の根拠には種々の問題点があり、科学的な調査に基づいた見直しが必要と思われます。」と堂々と書いてある。しかも書いてある上に御丁寧にもう一度書き直しの紙が張ってございまして、それを見ますと、「わが国のNO2環境基準設定の根拠には科学的にみて、若干の疑問点があるように思われます。」と書き直しになっているわけであります。 七月段階のこの御認識から、本日、この委員会に対して参考資料としてお出しになっておりますこの九月段階での資料との隔たりは、たいへんなものだと言わざるを得ません。そのときそのとき社会的事例によって何とかすり抜けていけば、どうにか時間かせぎができるのじゃないかというふうな、もし御態度がいささかでもありとするなら、私はほうっておくわけにはいかないと思うわけであります。この間、このように資料の中で変わってきた、この変わってきたいきさつは、どういうことになっているかをひとつ御事情を御説明願います。
○岩越参考人 土井先生の御質問にお答えいたします。 御質問の資料は、七月の十六日に行なわれました東京都公害監視委員会のヒヤリングの際にお配りした資料かと存じます。これは事前にいただきました三つの質問の項目の中に、二酸化窒素の環境基準についてどう考えるかとの質問がございましたので、資料に入れたわけでございます。この資料が誤解を招いたとすれば、たいへん遺憾に存じまして、環境基準に対して、われわれは毛頭これに対して挑戦をするというようなつもりではございません。 以上でございます。
○土井委員 それでは疑問の点はお持ちになっていながら、しかも、なおかつ、その疑問は疑問として伏せておいて、万全の努力を払う以外にないという御認識をお持ちになっていらっしゃるわけでありますか。
○岩越参考人 この点について土井先生の御質問にお答えいたします。 環境基準の問題につきましては、環境庁の毛利長官から、われわれの疑問の点について克明に環境庁としての考え方、目的というものについて私たちはよく御説明を伺っておりますので、その趣旨に従って了解をしているつもりでおります。
○土井委員 それでは、この七月段階にお書きになった、かの資料のかの記述、ただいまたいへん残念に思うというふうな御発言がございましたが、撤回をなさるわけでありますか。相変わらずこういうふうに、この七月段階にお書きになったところはお書きになったところとして、ただいまも確認をなすっているわけでありますか。その辺をはっきり、ひとつお願いをいたします。
○岩越参考人 その書類は、先ほど申しましたように、東京都の委員会からそういう御質問があったので、お書きしたのでありまして、この点につきましても環境庁から、こういうことをやるのは、ちょっとおかしいじゃないかということのお話がございまして、その点については、われわれは取り消したいと思います。
○土井委員 取り消しということになると、その点は撤回するとおっしゃる御趣旨ですね。その点は確認させていただきます。 同じような、やはり企業姿勢の問題にこれは関係があると思いますが、ひとつこれは、各社ここにわざわざ御出席を賜わっているわけでございますから、このことに対する御認識をひとつお聞かせいただきたいと思うわけであります。現に東京都、大阪等々の大都市のみならず、全国の中小都市も含めまして、光化学スモッグに夏の季節はたいへんわずらわされます。これの被害は増大する一方でございまして、現にこの光化学スモッグの被害によるところの被害補償などというものにも、ずいぶん自治体は頭を悩まされるという現状がございます。 この光化学スモッグの理由に対しまして、一体移動発生源といわれる自動車の寄与率、寄与度というものは、どの程度あるというふうに御認識なすっていらっしゃるかを、ひとつお聞かせいただきたいのです。
○荒牧参考人 お答え申し上げます。 大体移動発生源の四割は、自動車としては責任を持たなければならぬと思っております。
○鈴木参考人 お答えいたします。 移動発生源としての量としては、寄与率としては、大体四割前後というふうに考えております。
○伊瀬参考人 お答えさせていただきます。 ただいまもお話がありましたように、大体われわれのほうの調査におきましても、四割前後というように考えさせていただいております。
○松田参考人 四十七年の環境庁の資料によりますと、三九%と載っております。
○豊田参考人 四割程度と思っております。
○土井委員 そのことは、環境庁発行の資料に基づいて、昨夜あるいはきのうあたり御勉強なすった成果であろうかと私は思うわけでありますが、これは参考までに申し上げたいと思います。 四十六年に行なった調査の結果では、自動車は光化学スモッグの主要因である炭化水素については九八%、窒素酸化物については六九%の汚染寄与率を占めているというのが大体、大気汚染物質排出計数算出調査によるところの四十六年度調査であります。 ところで、これは釈迦に説法のたぐいになりますが、昭和四十五年はアメリカと日本と比較をいたしまして、アメリカの平地面積当たりの車の台数に比較して、日本の場合は約八倍といわれている。四十九年、ことしになりまして、一体それがどれくらいになっているかというと、十倍以上になっているわけでありまして、言うまでもなく、これは世界第一位であります。車の台数がこのようにむちゃくちゃにふえていく。そうすると、先ほどお答えになりました、大体四割程度、もっと事実は高いという資料、データもたくさんあるわけでありますが、この事実を無視して——やはり自動車メーカーとしての社会的責任というのをどう考えるかということに対して、はっきりした姿勢というものは私はうかがわれないと思うわけであります。 また私は、日産を引き合いに出しまして、たいへん恐縮でありますが、日産自動車のほうでお出しになっている資料に「わが国のいわゆる「光化学スモッグ」とは」という資料があります。印刷物になって出ているわけです。スモッグ現象の中には、原因は不明と書いてあるのです。そうして、いろいろな学者の意見というものが、ここに出されているわけでありますけれども、それを見てまいりますと、移動発生源というこの存在が光化学スモッグの原因になっているということに対して重視する学者の意見というのが少ないのです。それはうがち過ぎた考えじゃないかといわれるかもしれませんけれども、これはやはり資料からすると、妥当な資料というのには、ちょっとほど遠いじゃないか。スモッグに対して原因は不明というふうにまず書かれているわけでありますから。 したがいまして、そういう点からすると、やはりそのあとに、どういうふうな立場で原因不明と考えられているかという点に、われわれとしては興味があるところでありまして、先ほど来、日産のほうの社長からは御発言をいただきませんが、しかし大体光化学スモッグに対する寄与度は非常に高いということだけは、御答弁をいただきました各社の社長が一斉にお認めになっているところであります。したがいまして、こういう資料をお出しになった日産の社長は、どういうふうにお考えでいらっしゃるかを、ことさら伺いたいわけであります。
○岩越参考人 土井先生の御質問にお答えいたします。 光化学スモッグの発生状況につきましては、地域によって固定発生源と複雑に関連し合うものであって、寄与率についてもいろいろのパターンがあって、各種専門機関が精力的にその原因の解明に当たっておられますので、いろいろの説があって、まだ十分の結論が出ていないと伺っておりますけれども、自動車が全然寄与率がないというようなことを申しているのではございませんで、われわれといたしましても、こういった原因が早く解明されることを望んでおりまして、先般も播磨地区におきまして、光化学スモッグの問題に対して取り組むということでございますので、やはりこういった機関に対してわれわれが御協力するということで、これに対して御協力するような方法をとっておりますことを申し添えまして、これに対してのわれわれの関心があるということをお答えいたしたいと思います。
○土井委員 その関心の度合いは、この五十年、五十一年規制に対してどういうふうな態度で臨まれるかによって、少ししっかりと見させていただきたいと思うわけであります。 これは、ついでのことながら申し上げておきたいのは、固定発生源の場合、煙突の煙について申しますと、光化学スモッグの警報の発令段階に応じて、燃料の質と量とが、それによって制限されてまいります。もちろん、これとて完全とは言うわけにはまいりませんけれども、自動車に対する制限に比べると、これはきびしい制限といわざるを得ません。はたして自動車に対しての制限は、どういうふうにそれなら考えるべきか、現状においては、自動車そのものについて規制を加える以外に方法はないというのが出発点のそもそもであります。したがいまして、いま先ほど来申し上げるとおり、五十年、五十一年の規制について、どういう態度で臨まれるかをひとつ、しっかりと見させていただきたい、これを申し添えます。 さて、その次に、規制目標値の中身が充足し得ない場合、これは現に五十一年規制については、そういう気配が出過ぎるぐらいメーカーの皆さま方の中から出てきているわけでありますが、こういう現状からして、中にこういう考えを持つ人が多いと思うのです。規制目標値の五倍水準の自動車しかできないというふうに仮定をしましょう、そうしたら、それはそれでけっこうじゃありませんか、それなら生産台数を五分の一に減らしてください、そうすると、数値の上からだけいうと、全体として排ガス量というのは目標水準に達するということになりやしませんかと、こういう考えが出てくるわけですね。これは理屈の上からいうと、つじつまが合うだろうと思います。 さらに、私は大阪付近に住まいをいたしておりますけれども、大阪かいわいでは、このところ車の台数がふえるに従って、だんだん大きくなっている声は、交通量を大幅に減らすのに賛成という声であります。車の実情からすると、全面的に賛成とはいえないけれども、減らさざるを得ないという声であります。全部これを含めまして、減らすことが必要というふうに考えている人が九割以上もいるというのが現状なんです。また最近運輸省のほうは非常に手っとり早く、五十一年度規制というものが大幅に後退するということに対応した策をお考えになっているようでありますが、それからすると、マイカー規制で都市内の車については軽乗用車で臨もう、中大型車には賦課金を徴収しよう、交通規制を大いにやるべきだという案もお出しになっているわけであります。 ところが片や、通産省が中公審専門委に資料をお出しになっている中身を見ますと、この中身は産業構造審議会の自動車産業分科会の予測をそのまま持ってきて資料として提出なさっておるわけでありますけれども、五十一年度規制を強行するとすると、昭和五十五年の自動車内需見通しは四百五十五万台になる、五十一年度規制をしないと五百四十九万台となる。五十一年度規制で九十四万台の減産が出てくるということを憂えて、だから五十一年度規制というものは、やらないことが好ましいような趣旨の資料を出していらっしゃるようであります。 一体通産省がどういう姿勢でこの資料を出されているかというのは、何だかありありとわかるわけでありまして、通産行政の姿勢が企業べったりでなければよいと思っておる私としては、非常に残念に思われてならない資料でありますけれども、この節やはり車そのものに対しての構造をひとつ五十年、五十一年の規制値を目標を達成するように努力すると同時に、台数の制限というものも考えられなければならないという部面があるんじゃないか、こういうことをしきりに思うわけであります。 そこで私は、環境庁にまず一言お伺いしたいのですけれども、この車の台数の規制について、環境庁としてはどういうふうにお考えになり、どういうことが好ましいというふうに今後の見通しについてお考えになっていらっしゃるかをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○角屋委員長 答弁の前に先ほど理事会で御相談したことなんですけれども、せっかく参考人がおいででありますので、質問は参考人に集中的に行なうことを基本にしながら、別途関係省との質問の時間を設定することは、本日は時間の関係上困難でありますので、それぞれ質問者から、必要な場合には関係各省に質問を行ないますけれども、これは関連した問題にとどめるという趣旨でございますので、その点出席の委員の方の御了承を得たいと思います。
○春日説明員 交通規制と申しますか、あるいは総量規制と申しますか、車の台数を減らすということは、もちろんあらゆる意味で大気汚染を少なくすることには役立つわけでございます。しかしながら、考えてみますと、ちょっとさかのぼりますが、先生の御質問のように、五分の一製造を減らせば五分の一きれいになるのではなかろうかという御設問に対しましては、私、若干の疑問があろうかと思います。と申しますのは、五分の一より製造いたしませんでも、やはり自動車需要というものがあるとすれば、古い車が大切に使われるということになりますと、ますます排気ガスをうんと出すような車が走らざるを得ないということで、さっぱり大気汚染よくならないというようなこともあろうかと思います。 したがいまして、私は、単純に車の製造をとめるということが、大気汚染防止につながるとは考えられないわけでございまして、いろいろな意味で、私は、自動車の交通量というものをもう少し、ことに過密都市地域におきましては減らす必要があるのではなかろうか、かように考えますが、若干問題があるのではないか、そういうふうに考えます。
○土井委員 いまの御指摘は、後ほどさらに次回の公害特別委員会の席で質問を展開したい問題点をたくさん含んでいると存じますが、まず、委員長、いま環境庁からもああいう御趣旨の答弁がございましたこととも関連をいたしまして、ひとつ、きょう御出席の各社の社長はじめ代表者の皆さんにお願い申し上げたい資料がございます。それは、五十年規制、五十一年規制の対象になる車の生産台数を、ひとつ当委員会に対して資料としてお知らせいただきたい。いまわかっている範囲内でけっこうであります。あるいは五十一年については五十年間でけっこうでございます。したがいまして、生産台数に対しての資料を御提出願えないかどうか、これを委員長のほうに要求いたします。
○角屋委員長 参考人に申し上げます。 ただいまの土井委員の要求の資料については、出せる方々、お手をひとつ……。 質問の時間の関係もありますので、いま要求の点については、また別途相談をするということにいたします。
○土井委員 それでは時間の関係がありますから、あと一問。 これは先ほど春日大気保全局長のほうからの御答弁の中にも少し出たわけでありますが、新型車について幾ら規制をしても、すでに出回っている中古車についての規制がきかない限りは、これは大気汚染という点からして、やはりあとに問題を残すというふうな御発言がございました。 そこで一つは、このことに関係がございます。 五十年規制は五十年四月からということでありますけれども、しかし、ここに適用除外になるものが出てくる。それは従来から継続して生産されている車種については、五十年十二月一日から適用ということになっているわけでありまして、中古車に対しての対策がそれじゃどうなるかということは、たいへん大きな問題になってくると思うわけであります。 どうもいままでのいきさつからいたしますと、公害対策がユーザーの負担になるという気配が十分にあるわけでありまして、これは本来PPPの原則からして許されることでは毛頭ございません。したがいまして、各社とも、この中古車の問題に対してどういう対策をいま現に講じつつおありになるか、あるいは今後の見通しとして持っていらっしゃるかというあたりを少しお聞かせいただきたいのです。——各社全部ということになると時間がたいへんでしょうから、それではトヨタ自動車工業株式会社社長と日産自動車株式会社社長、このお二方からお伺いしましょう。
○豊田参考人 中古車の問題につきましては、去る四十八年の中古車対策によりまして四十八年の規制が実施をされたのでありますが、さらに高度な規制が行なわれようということになりますと、なかなか技術的な問題が多いのでございまして、簡単にお答えをすることはむずかしい状況にあります。私どもとしては慎重に検討をしたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岩越参考人 いまの土井先生の御質問にお答えいたします。 四十八年の規制のときには、ある部品をつけ加えることによって可能でございましたけれども、今回の五十年、五十一年の規制には、車の床の構造から全部をかえなければいけません。ただ単に取りつけるということだけでは安全性が確保できません。したがいまして、車全部の改造ということを要求されるようなことで、現在これが取りつけましたときに、安全性ということの確認は、われわれとしては責任が持てないという状況でございますので、五十年規制の装置をこれに取りつけるということは不可能であろうと思っております。ただ、四十八年の規制値のものまでは、現在までは進行している状況でございます。
○土井委員 時間ですから、これで終わります。ありがとうございました。
○角屋委員長 岩垂君。
○岩垂委員 各社の社長の皆さんが、お忙しいところを終日こうやっておつき合いをいただくことに感謝をしなければなりませんが、それだけ実は国民の生命と健康に関係のあることの問題である。同時に、それだけではなくて、国民各層が非常に関心を持っている課題でございますので、どうか今日までの企業の積極的な努力というものをさらに続けていただきたいと思うのでありますが、非常に残念なことに、伺う皆さんの御発言が、まさに異口同音でありまして、何かどこかで相談をしてきたのではないかというふうに思われるような感じがしてならないのであります。 時間的な余裕が今日までかなりあったと思うにもかかわらず、今日の段階で残念ながらできません。私はまだ時間はあると思うのであります。もしそういう形で結論を出すとすれば、それはもはや技術ではなくて営業ではないか。営業それ自体ではないかという疑惑にこたえることには相ならぬと思うのでありますが、その点で自工会の会長をやっている豊田社長に最初に伺いたいと思うのです。 五十一年規制問題について自工会でどんな形で御相談をなさってこられたか。あるいは率直に申し上げて、この問題について、企業秘密というような問題をいつまでも問題にすべき時期ではないんじゃないかと思うのですが、そういうものを乗り越えて、可能な限り国民のために国民の立場に立って努力をなさるというお考えがおありかどうか、まず第一に承っておきたいと思うのであります。
○豊田参考人 工業会といたしましては、この安全、公害の問題に関しましては、お互いに技術を公開するという申し合わせをいたしております。で、各社が開発いたしました技術でいいものがあれば、別の社はそれを利用することは可能でございます。 また、先ほども申し上げましたように、共通の問題あるいは基礎的な問題につきましては、私どもが共同でつくっております自動車研究所におきまして研究をさせております。
○岩垂委員 続いて御質問をいたしますが、さっき田中さんの御質問だと思いましたけれども、車種別の規制をやるということは問題があるので、できれば一本にしてほしいということを言っておられました。いま資料を拝見させていただきまして、当然のことだろうと思うのですが、大型のところは、かなりむずかしいと、こういって、高いレベルで言っているわけです。それまで待てということかということなんであります。むろん私は〇・二五のところできちんと押えろと主張します。しかし、業界が今日まで、技術的に不可能でありますが、ついてはひとつということで、現実に一本にすることを期待をするということは、全部がクリアするまで待っていろということなんであります。はたしてそういうお気持ちなのかどうか、ひとつ自工会の会長から承っておきたいのであります。
○豊田参考人 おっしゃったような気持ちを持って私が申し上げたのではございませんで、その点は誤解をいただかないようにお願いをしたいと思います。 一本で規制をしたら、そういう形になるという問題ではなくて、ある規制を合格するように努力すれば、何と言いますか、五十年規制を通るように努力をすればコンマ八の数字が出たというある方法も存在しておるわけであります。私どもとしては、一本の規制にみんなが足並みをそろえるまで待ってくれという意味で申し上げておる次第ではございません。
○岩垂委員 東洋工業さんに伺います。 いま御説明をいただいた資料に基づいて拝見をいたしますと、ロータリーエンジンで〇・六グラム・パー・キロメートル、レシプロエンジンで〇・七グラム・パー・キロメートルというものが平均値で、これが低減限界値だというふうにいわれております。つまり、それが五十一年度からできる数字だというふうにいわれております。それからその前段で、「五十一年目標値を達成する可能性及び実施可能時期の見通しが得られるのは、昭和五十一年後半になると考えております。」というふうにいわれておるのであります。私は、五十年規制のときの問題でありますような一つまり先発メーカーというところにレベルを合わせていく、そして全体をそこに誘導していくという規制のしかたというものが、実は五十年のときにとられたのであります。 私は、そこで主観を申し上げるつもりはありませんが、こういう規制のしかたについて、まず社長はどんなふうにお考えになっているか、御見解を承りたいと思います。
○松田参考人 技術の世界というのは、いろいろむずかしい面がございまして、たとえて言うならば、山へ登るようなものでございます。それで、どの社がどの登山路をとったからよかったかということは、頂上へ到達してからでないとわかりません。それでございますので、たとえば私どもが、いま、あるいい数値のところまで来ておったからといって、私どもが頂上へ早く行けるかどうかも疑問でございます。そういうむずかしいものが、難点がございますので、御質問の意味については、このようなあいまいな御返答しかできないのが実情でございます。
○岩垂委員 御努力をなすって一つの結論が出た。それは不十分ながら技術の一つの成果である。だとすれば、その技術の成果というものを行政の面で生かしていく、国民のために生かしていく、そういう配慮はあってしかるべきだと思うのであります。社長として、そのくらいの誇りを持ってほしいと思うのであります。その意味から、あなたが、あなたの会社が達成をした一つの基準、つまりここに書いてあることばでいえば低減限界値とでもいいましょうか、このレベルというものを尊重してほしいという気持ちはあるのでしょう。その点についてお答えをいただきたいと思います。あまりよそを見なくてけっこうだと思います。
○松田参考人 五十一年度で、私どもの会社で正直な量産可能な数値だけを午前中に申し述べた次第でございます。他社とか、あるいはそれをとっていただこうとかいう考えは、国のほうの御判断でございますから、私がここでどうこう申す趣旨じゃないと思っております。
○岩垂委員 自分の仕事にもっと誇りを持っていただかなければならぬと思うのですが、やはり奥歯にもののはさまった言い方をしなければならぬ事情があると思いますから、それ以上——そうじゃないと思うのですね。たとえば五十一年後半には五十一年規制値をクリアできるというふうに断言しておられますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○松田参考人 クリアできるかどうかの判断を申し述べられますということを書いております。
○岩垂委員 そのことであまりやっていると時間がたってしまいますから……。 恐縮ですが、トヨタの社長に伺いたいと思うのですが、私、資料に基づいて申し上げるのですけれども、あなたがさっき御説明をされた暫定値のところに、「私どもはいままで申し上げましたとおり、四十七年十月五日の環境庁方針告示に従い、〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成することのみに目標を定め、そのためのシステムを組み、研究開発を実施してまいりました。ところが、本年六月聴聞会において環境庁より暫定規制値を提案してほしい旨の御要望がありましたので、即日検討に入りました。」そしてやむを得ず、「暫定規制値の設定には、いままでの開発結果を再検討し、」云々というふうに書いてありますが、環境庁から暫定基準を示してほしいというふうに頼まれたのですか。この文章のとおりに理解をしてよござんすか。
○豊田参考人 私どもは、その文章に書いてあるように了解をいたしております。
○岩垂委員 委員長あるいは理事各位のお許しをいただいて——九月の二日の中公審の大気部会の自動車公害専門委員会に通産省の代表が出席されておられるわけであります。そして、その資料も拝見をさせていただいているわけでありますが、これについて若干御質問を申し上げたいと思うのであります。社長の皆さんにはたいへん恐縮ですが、しばらくごしんぼうをいただきたいと思うのです。 環境庁に伺いますが、通産省から要請があって、五十一年規制の問題点について見解が述べられたということでありますが、どなたが御出席をして、御発言をしていただいたことについて、環境庁はどのようにお考えになっているか、承りたいと思います。
○春日説明員 去る九月二日の自動車公害専門委員会におきまして、通産省から自動車産業と排出ガス規制の問題につきまして御説明があったことは事実でございます。これは委員長の判断によりまして、委員会が参考としてお聞きしたわけでございます。しかしながら、この資料の御説明の冒頭に、五十一年度規制の実施には十分協力したい、こういうような御説明もございまして、私としては、通産省の資料と申しますのは、自動車産業の現状について、工業統計速報や通関統計あるいは産構審のいろいろな資料、こういったものからいろいろ自動車工業の地位について説明があり、また一定の前提あるいは条件のもとに各種の試算をなすったことの御披露があった、こういうふうに理解いたしておるわけでございます。 もちろん環境庁と通産省とは立場が違うわけでございますから、いろいろものの考え方、あるいはアプローチのしかたは確かに違うわけでございますけれども、大気汚染の現状から見て、自動車排気ガス規制の重要性というものにつきましては、これはお互いに十分認識し合っておるわけでございます。考え方については、それほど隔たりはないものと考えておるわけでございます。
○岩垂委員 資料が出されまして、通産省の代表は、この資料は影響が大きいので、委員の外には出さないでほしいということを要請をいたしております。私は、この前、公害対策特別委員会で御要望を申し上げ、そしてそのようにするという御答弁をいただいておりますが、この専門委員会もできるだけ公開をしてやっていく、密室での議論を避けていく、こういうたてまえをお約束いただいたわけでございますが、それは公開の原則にはそむきはしないかというふうに考えますが、保全局長、御見解を承りたいと思います。
○春日説明員 ただいま申し上げましたように、通産省の資料は、すでに発表されております工業統計速報や通関統計あるいは産構審の資料、そういったものからの抜き書き、それから、それと若干の通産省での一定の条件を置いた試算があるものでございました。これは試みの案でございますので、私どもは、そういった考え方もあることはあるであろう、こういう認識でございまして、決してこれによって私どもが云々されるというものではございません。したがいまして、私どもはそういった問題が委員会の公平な運営に妨げになるというようなことは考えていないわけでございます。
○岩垂委員 春日さん、そこにいてください、時間がたっちゃって、もったいなくてしょうがないから。 どなたが御出席になったか、お答えをいただきたいと思います。
○春日説明員 通産省の、ちょっと名前は忘れましたが、自動車担当課長でございます。
○岩垂委員 通産省の代表はお見えですか、要請をしてございますが……。
○角屋委員長 富永自動車課長が見えておるはずです。
○岩垂委員 御出席を願った方に御質問をしたいと思いますが、委員長、お許しをいただけませんでしょうか。
○角屋委員長 通産省からは機械情報産業局の野口次長、富永自動車課長、お二方が見えておる予定でございます。
○岩垂委員 富永さんにお伺いをいたしたいと思います。 この専門委員会に御出席をいただいたのは大臣の了解で、御発言をいただいたことは中曽根通産大臣の理解のもとで御発言になったのかどうか、その点について承っておきたいと思います。
○富永説明員 お答え申し上げます。 自動車公害専門委員会には、従来から私どもオブザーバーとして出席しておりまして、随時意見を述べる機会を与えられていたわけでございます。したがいまして、私ども自動車を所管する立場といたしまして専門委員会に出席いたしまして、自動車産業の現状と問題点という点につきまして、若干の数字を御提示申し上げまして、御説明いたしたわけでございます。私どもの説明のことばが足りませんで、資料だけお出しいたしましたので、あるいは若干の説明不足があったかとも思いますが、数字を中心に御説明いたしました。
○岩垂委員 大臣の許可を得ているかどうかということと、それから当然、原稿でお話しになっていらっしゃると思いますから——ぶっつけ本番でお話しになることもないと思いますが、原稿がございましたら、お見せいただくことができるかどうか、承りたいと思います。
○富永説明員 お答え申し上げます。 自動車公害専門委員会で専門的な事項を検討なさるということでございましたので、私どもの内部の問題といたしましては、数字につきまして大臣まで御説明している事実はございません。発表された数字をもって若干の仮定をいたしたのでございます。
○岩垂委員 大臣の了解は得ているの。
○富永説明員 大臣のところまでには数字は特に御説明はしてございません。いままでも、自動車専門委員会に出す資料につきまして、そういった事例はなかったと記憶しております。
○岩垂委員 担当者の責任で委員会に出て、それなりの御説明を申し上げたというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○富永説明員 お答え申し上げます。 私どもの自動車課が所属しております機械情報産業局の局長、次長には内容を、お出しいたします数字につきまして、あらかじめ了解をとりまして、御説明したわけでございます。
○岩垂委員 私は、この説明をこまかくここで申し上げようとは思いません。資料を一見いたしまして、これは五十一年規制が産業政策的に困難であるということを証明するための資料であります。一つずつ申し上げてもよろしいのですけれども、その時間がございません。 環境庁に伺いますが、この専門委員会というのは、技術問題を検討する委員会だというふうに承っておりました。ところが、技術問題ではなくて、このような産業政策的な課題について御説明を願っているというのは一体どういうことか。 私は、この前の委員会で、たとえば住民参加の保障をしてほしい、自治体の代表も加えていただきたいとお願いをしました。そうしたら、これは専門的な委員会だから、御意見は拝聴するけれども、そういうことには関係なしに議論を進めたいとおっしゃっておられました。ところが、技術的な問題以外の要素として、この専門委員会がこのような議論をなさっていることについて、どのようにお考えになるか。同時に、環境庁はこの通産省の見解に一定の見解を持っていらっしゃるはずであります。もうすでに非公式にそのことは明らかにされているはずであります。正しいとお考えになっているのかどうか。こういう説明が、数字の上でも実際の上でも、まともであるとお考えになっているのか。環境行政の立場から見て、どのようにお考えになっているか。その三点について承っておきたいと思います。
○春日説明員 まず第一の問題点でございますが、技術的な委員会ではないか、技術的な委員会であるにもかかわらず、それ以外の問題を検討するのはどうかということでございますが、これは先ほどもお答え申し上げましたように、委員長が特にこういった自動車産業の現状あるいは地位というものについても、さらりと知っておきたい、こういう御意見、お考えで発言をお許しになった、このように私どもは考えております。したがいまして、あくまでも自動車公害専門委員会は専門的な技術的な立場から自動車排気ガス規制をアプローチしておるわけでございますが、その周辺の問題については、若干触れることは一向差しつかえないのではなかろうかと考えておる次第でございます。 内容の問題につきましては、これはすでに公開済みのものが大部分、大部分と申しますか、ほとんどでございまして、私ども別に新しい印象を受けたわけではございません。ただ、言うなれば一定の仮説を置いての試算をなすっているというような問題がございますが、これは一つの試算にすぎないのではなかろうかと評価いたしております。
○岩垂委員 さっきトヨタの社長さんがおっしゃいましたように、環境庁より暫定規制値を提案してほしいと頼まれてメーカーが出しているのです、この事実。そして率直に申し上げて、業界で御要望いただくさまざまな手だてというものと、主張というものと、通産省が提起をした資料とは、あまりにも似通っておりまして、メーカーの主張をそのまま通産省が企業の代弁者として、五十一年規制というのは無理だということを説明をいただいているようにさえ、私には思われてならないのであります。 たとえば、五十一年規制でやれば失業者が八万九千人出るというのは、一体どういう根拠で出ているのか、あるいは規制強化に伴って資源やエネルギーの消費がふえるといっている。ところが、この計算を見ると、全部の乗用車が一ぺんに五十一年規制になったときの計算で出しているわけですね。数字にすでに基本的なごまかしがあるのであります。そればかりではありません。非関税障壁の問題でも一、実はそういうことはあまり言いたくないのでありますけれども、アメリカが、ニクソンがそれを延ばしたのは、ピッグスリーのいわば影響があって、そして圧力があって、EPAの幹部なども一飛ばされたという話も実は聞いている。そういう形でいろいろ影響がある。それと、言ってしまえば、トヨタ、日産がカルテルを組んで、そしてやったのではないかというふうに考えざるを得ないほど、実は延期に対するさまざまな手だてが保証されているように思われてならないのであります。つまり、日本の側が抜けがけができないように仕組まれているとさえ感ぜざるを得ないのであります。 そのときに、そういうようなデータを、非関税障壁の問題を含めて出していらっしゃる。あるいは、五十年をこえるいわゆる規制の強化というのは、価格の上昇や、さっき申し上げた燃費の問題や、消費者の買い控えというようなことも指摘をされておられる。価格の上昇というのは、企業利益を圧縮すればいいのであります。配当を見てごらんなさい。にもかかわらず、こういう形で企業を擁護しようとしていらっしゃる。あるいは、率直に申し上げて、車が日本では多過ぎるのであります。先ほどから議論になっているように、ある意味では販売台数を減らすことを考えてもいい時期が来ているのであります。この狭い国土にこれだけ密集した自動車があるのでありますから、そういうことを考えてみたときに、私は、通産省がこの五十一年規制に関して明らかにブレーキをかけるような、いやブレーキどころか、それ自身を差しとめていくような、そういう御説明を審議会でなさった、このいわば閣内不統一と、不謹慎と、そしてこの産業第一主義、輸出第一主義の姿勢というものについて、私は強い抗議をせざるを得ないのであります。 本委員会はむろんこの問題について議論をすべき委員会ではありません。きょうは、いわば社長の皆さんが来てヒヤリングをしているわけでありますが、いまこの瞬間に、そのようなことが積み重なっていけば、結論が出るのが明らかなのであります。だから国民が心配をしているのであります。このような角度から見て、私は、もう時間が来てしまいましたから質問をする時間がありませんけれども、メーカーの皆さんにも、ある意味で社会的な責任といわれるものを切実にひとつ感じていただく以外にないだろう。さっきから申し上げておるとおりに、どうも技術ではなくて、言ってしまえば、営業が五十一年規制を困難に追い込んでいるとさえいわれても、やむを得ない実績だというふうに考えます。したがって、各社が国民に対して社会的な責任を感じていただきたい。このことを要求をいたしまして、以上で終ります。
○角屋委員長 木下元二君。
○木下委員 まず、豊田参考人と岩越参考人に伺いたいのでありますが、結局のところ、五十一年規制はできないということでありますが、ではどの程度ならできるのかという点であります。この点については、環境庁への答えがすでに出ております。トヨタは一・〇ないし一・一グラム・パー・キロメートル、日産は一・〇八グラム・パー・キロメートルという線が出ております。 ところで、トヨタは車両重量によってNOx排出量が異なる点を強調していられるようであります。いただきました資料を見ましても、たとえば一九ページに出ておりますが、約七百五十キログラム程度の車で千五百ccとして実験値は〇・六とすると、約千百キログラムの重い車の場合は二千ccで実験値は〇・八から〇・九、こういうふうな例も示されております。そこで、車格別あるいは車種別に、この五十一年規制として達成できる限度はどの程度なのかということを確認したいのであります。 それからさらに、日産のほうについては、この五十一年規制は、この程度なら達成できるという資料は、いただいたもののうちには見当たりません。先ほど意見陳述の中では、〇・九グラム・パー・キロメートル程度はできるんだというふうに言われましたが、これはただし五十二年から実施できる、最大の努力を払っても五十二年からだというお話でありました。そういたしますと、前に環境庁に示されました五十一年四月からの一・〇八、これは一体どういうことになるのか、これが明確でございません。そこで、その点を明確にしていただきたいと思います。それと同時に、車種別あるいは車格別に、どの程度はできるかということを明らかにしていただきたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 先般環境庁へ御報告申し上げました一・〇ないし一・一というのは、私どものある車種については、五十年規制をクリアする車において、そういう数字が出ておりますという意味で申し上げたのでございまして、五十年規制全部の車種については、やはり一・二という規制を合格するような関係になっておるわけであります。 次に資料にお示しをいたしましたカーブは、一つの実験例を掲載いたしましたも一のでありまして、これは特に燃焼制御方式におけるNOxの排出量について、車の重量の関係と排出量とがお示ししたような関係になるという一つの実験例をお示ししたわけでありまして、現在まだ各車種ごとの数字を御報告する段階にはなっておりません。
○岩越参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。 すぐに五十一年にやれとおっしゃるならば、一・〇八という数字を申し上げましたけれども、われわれといたしましては、研究の目標といたしましては〇・二五というのをあくまでもクリアしたいということでやっておりますので、少なくとも二五%減らすということで研究目標を置いてやっていきたい。したがいまして、それにつきましての研究の結果は数カ月後に環境庁に御報告する、こういうことになっておりますことを御了承願いたいと思います。
○木下委員 ちょっと日産の、いまの車種別の点はどうですか。
○岩越参考人 車種別については、全車種一緒の率でやりたいと思っております。
○木下委員 いや、車種別に、現在この程度なら、できるというのは出ていないのですか。
○岩越参考人 車種別には出ておりませんで、全車種その基準でやりたい、こういうことでございます。
○木下委員 いえ、そのやりたいというのはわかりますが、やりたいということでなくて、現に車種別に検査をして、実験値でもけっこうですが、幾らまでなら可能だというそういう線、数字は出ていないのかどうか、伺っているのです。
○岩越参考人 まだ全部のデータが出ておりませんので、各車種について申し上げることはできませんでございます。
○木下委員 トヨタ、日産ともに、本田なり、あるいは東洋工業に比べまして、きわめて甘いのであります。トヨタ、日産の数値は、これは二千ccないし三千ccクラスを含めるから、こうした数値が出るのではないかというふうにもいわれております。したがって、大きい車、少なくとも三千cc以上の車が、国民的立場からはたして必要かどうかということについても議論があるわけであります。生産台数もはるかに少ないわけであります。生産を見合わせることもできるのではないかと思います。こういう点について、私は検討すべきではないかと思うのです。そうすれば、もっときびしい規制値の設定が可能ではなかろうか。これは、このいただいた資料からも、その点がうかがえるわけであります。 この点を伺いたいのと、さらにこれに関連いたしまして、これまで大メーカーの車のいわゆるモデルチェンジというものが盛んに競い合われました。もう車は、いたずらにデラックス化するばかりでありまして、「隣の車が小さく見えます」というふうな宣伝文句もまだ記憶に新しいところであります。こうした面への資金投入は大幅にカットされるべきだと思います。また不要不急のモデルチェンジも自粛すべきものだと思います。いわゆる省資源の立場から言いましても、このことは当然であります。そして、もっとこの公害対策、特に排ガス規制の面に総力をあげて取り組むべきだと思うのです。通産省のほうも、モデルチェンジ規制の手を打つということを聞いておりますが、あるいはまたトヨタも一部車種を減らしておることを聞いておりますが、その方向を一そう強めていくべきだと思うのですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。トヨタ、日産、両社にお伺いします。
○豊田参考人 お答えいたします。 ただいま御質問の中にありましたような趣旨でモデルチェンジにつきましては、私どもは対処をいたしております。省資源、省エネルギーあるいは車種の制限というようなことを逐次実行に移しておるのが現状でございます。
○岩越参考人 私たちも今回の五十年、五十一年の規制をクリアするため、エンジンの種類にいたしましてもエンジンを整理することを考えております。また車種につきましても、バリエーションを減らすということを実際に実行しようということで、いま計画を立てております。相当の整理をするつもりでおります。 モデルチェンジは、そもそもわれわれの技術の開発の段階を内容に織り込むために、モデルチェンジをいたしておりますので、不急不要なものをモデルチェンジをすることはございません。内容に安全を盛り込み、あるいは新しい技術の革新というのを盛り込むためにモデルチェンジをいたしておりますので、単にデザインということだけでやっておるのではないということを御了承願いたいと思います。
○木下委員 豊田参考人は一つ言われませんでしたが、大型車、重い車ですね。それは整理をする方向で検討する、規制値の悪い車ですから、そういうものは整理をしていくという方向、これはいかがでしょうか。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 現在まだそういった段階まで考えておりませんで、私どもがやはり国民の要望に沿った車をつくっていくという考え方からいいますと、現在つくっております大きい車も必要なわけでございまして、私どもとしては、この大きい車の排出ガスを低減することによって国民の要望にもこたえ、排出ガスの基準にも合わせていきたいというふうに努力をいたしておる状況でございます。
○木下委員 その努力が十分に成果をおさめないから言っているわけなんですが、その点はともかくとしまして、豊田さんの要望事項というのが、この四ページに出ておるのですが、これによりますと、五十一年規制は五十年規制のまま二年間継続をする。そのあと種々勘案して妥当な規制値を考えていくという方向が出ております。これは私はあまり虫がよい話ではないかと思うのです。まあ要望ですから、どのような要望でもかってだといわれればそれまででありますが、少なくとも公害防止の社会的責任を負った企業として、要望も社会的批判にたえ得る内容でなければならないと思うのです。 この五十一年四月から一・〇ないし一・一の暫定値をお示しになっております。これを示しておるということは、これができるということですね。これをお示しになりながら五十年規制をそのまま二年間継続したいというのは、これはどういうことでしょうか。どういう理由でしょうか。
○豊田参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、一・〇ないし一・一というのは一部の車種についてそういった数字が出ておることを申し上げたのでありまして、私どもの全部の車種については、やはり五十年規制の一・二に合格するようにできるようになると思います。かようなわけで申し上げた次第でございます。 なお、要望事項につきましては、先般環境庁のヒヤリングのおりに申し上げたものを、そのまま重ねて本日要望事項として申し上げたような次第でございます。
○木下委員 その具体的な数字がどうこうということではなくて、少なくとも五十一年四月からこういう暫定値でやるのだ、やれるのだということを示しておりながら、それとまた別に五十年規制でしばらくやってもらいたいという要望は、私は、これは国民は納得しないと思うのです、その暫定値でできるのだから。そうすれば、その要望というのは、私は公害の社会的責任をわきまえない企業エゴそのものではないかとさえ思うのです。 五十年規制を一年間やって、直ちに五十年対策のシステムと全く異なる五十一年の対策システムを整えるということは困難ではないか、こういうお考えもあるかもわかりません。しかし、これはもう初めからわかったことでありまして、四十七年十月に環境庁から示されましたそのときからわかり切ったことであります。いまになって困難だから五十年規制を継続せよとか、あるいは五十年システムの延長線上でたえ得る数値を考えてもらいたいというのは、これは私はあまりにも身がってではないかと思うのです。この点いかがですか。
○豊田参考人 四十七年にきめられた数字は〇・二五でございまして、私どもは、この〇・二五をどうしてもやり抜く目標としていちずにこれに取り組んでまいったのでありまして、本年のヒヤリングのときに暫定値といいますか、中間値といいますか、についてのお話が出ていない新しい問題として、私どもはこれに取り組まざるを得ないという考え方で取り組んでおるわけでございます。 先ほども申し上げて、重ねて申し上げるわけでありますが、一・〇ないし一・一というのは、暫定値としてというような意味で申し上げたのでもなく、私どもの一部の車種についてそういったデータが出ておることを申し上げた次第でございまして、全部の車種が合格するという意味で申し上げた次第ではございません。
○木下委員 次の問題に移ります。 本田技研に伺いたいのでありますが、先般の環境庁での聴聞会の説明に、今度のあなた方のほうから出ました報告によりますと、新しい問題がつけ加えられております。それは五十一年から暫定値として〇六というのは、これまでのとおりでありますが、重量の増加とともにNOxが増大する傾向があるということで、全体に適用すべき暫定規制値は、この点を考慮されたいという趣旨が述べられております。これは一体どういうことなのでしょうか。自分のところは小型車だから〇・六でいけるのだ。ところが、大きい車をつくっているところがあるので、もう少しゆるめてやってくれということだと思うのです。端的に申しますと。新たになぜこうしたことをつけ加えられたのでしょうか。
○河島参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘の重量車に対するNOxの値の問題でございますが今回新しくつけ加えたわけではございません。お手元に差し上げてございます環境庁長官あてのものにもございましたし、そのとおりのものを、本日も午前中意見を申し上げたつもりでございます。 それからもう一つ、私どもは現在のところ、小型車としては千二百ccと千五百ccを生産しておるわけでございますが、私ども自動車メーカーでございますので、できまするならば、もう少し大型車のものもやってみたいということは当然考えておりますし、またフォードあるいはクライスラー等外国のメーカーさんにCVCC技術を供与し、その技術開発内容といいますか、私どもも研究をいたしております。その点から、必ずしも増加するとはわかりませんけれども、そのような傾向がございますということを本日申し上げたわけでございます。
○木下委員 しかし、あなたのところは新しい大型車をつくるという具体的な計画は、まだ日程にのぼっていないと思うのですよ。小型車をつくっておられて、その小型車について〇・六という線で、これまでこられたのですよ。それを今度新たに、いま言われたのでは大型車もつくるかもわからぬと言われますが、まだその日程にものぼっていない大型車について、これをつくるからということでは、どうも不自然な感じを受けるわけです。 そこで伺ったのですが、これは結局のところ、ほかの同業者のために技術水準をゆるめてもらいたいということじゃないのですか。少なくとも現実にはそういう結果になりますね。いかがですか。
○河島参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のようなことは全然考えておりません。私どもCVCC方式をもって五十一年規制を何とか達成しようというようなことでもって種々検討を研究所でやっております。その範囲内において、その中において大型車種の開発研究もやっておりますので、その点のデータを踏まえて申し上げたわけでございます。
○木下委員 次の問題に移りますが、いわゆる田中発言というのがありました。参議院選挙の最中に、そして五十一年規制の聴聞会が行なわれたそのあとの時期に、記者会見で、アメリカも延期したし、物理的にできないなら延期もやむを得ないという趣旨の発言をいたしました。延期の方向をいとも簡単に示唆したのであります。この発言で、新聞にも「環境庁ガックリ」という記事が出ておる。前向きで解決しようとする意欲に水をさすものであります。一体トヨタ、日産、あなた方は、この発言をどのように受けとめておられますか。率直な感想を一言でけっこうですから。
○豊田参考人 お答えをいたします。 私どもは新聞で拝見をいたしたのでありまして、どういうふうに感じたらいいか、なかなかわかりませんのでありますが、総理のお考えだと書いてありますことも、一つの考え方であるというふうに思います。
○岩越参考人 非常にむずかしい問題でございまして、確かに新聞では拝見いたしましたけれども、どういうふうにお考えになって、ああいう発言がされたかということについて、私はどういうふうだということの想像をすることはできませんでございました。
○木下委員 あまり率直な感想は聞かれませんでしたが、結局やれやれという気持ちでほっとされたのと違いますか。それが偽らざるお気持ちだと思うのですが、その点は深入りして聞きません。 問題は、こうした田中発言がなされますには、それなりの背景があると思うのです。業界の政治への働きかけであります。田中首相の周辺あるいは三木前長官の周辺その他の政治首脳に対しまして、五十一年規制の延期を働きかけたような事実があるのではありませんか、いかがですか。これは豊田さんに聞きます。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 総理に陳情を申し上げたことはございません。
○木下委員 総理に陳情は直接しない。しかし、そういういろいろな働きかけをされたことがあるのではないか。ないということは断言できないでしょう、いかがですか。
○豊田参考人 総理に直接陳情申し上げたことはございません。もちろん私どもの研究過程あるいは実際の状況について、各方面にいろいろお話しを申し上げたことはございます。
○木下委員 そういう政治的工作があったということは、お認めになるわけですが、では同業他社に対する働きかけはいかがでしょうか。特にこれは本田、東洋工に対して、五十一年規制を実施すると業界への影響が大きいから、ひとつ足並みをそろえてもらいたい、あまり先ばしらないでほしいという趣旨のお話はされたことはございませんか。いろいろな形はあるでしょうけれども、何らかの形において、そういった話し合いをされたことはございませんか。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 ただいまお話がありましたような趣旨で、本田さんなり、松田さんにお話しを申し上げたことはございません。しかし、情勢がなかなかデリケートでございますので、お互いに発言は誤解されないように十分注意をしたいということを話したことはございます。
○木下委員 「週刊現代」という雑誌に東洋工の松田社長の対談が出ておりますが、この業界はすごいところだという発言があります。これはこの業界の内側の生存競争が非常に激しい、そのためにはいろいろな暗躍があるということを、におわせる発言であります。 それから、本田技研は五十一年規制はできるという言明はしておりませんでしたけれども、できる見通しがあると受け取れるニュアンスの発言は再々あったのです。それがことしの五月ごろでありますか、五十一年規制はできないという言明に突如変わりました。急に態度が変わりましたので、私も奇異な感じがしたのを覚えております。これで株も下がりました。 それから、さっきも私聞きましたけれども、まだ生産をしていない大型重量車のことまで持ち出して、規制を考えてほしいというふうな態度をおとりになる、これも私は理解しがたい。こういった事情は、一定の働きかけを、トヨタさんなり大手メーカーが、あるいは自工会といった形でされたことを推測するに十分だと思う、その情況証拠だと思うのです。その点どうですか。
○河島参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のような事実はございません。私どもは私どもなりの技術的なデータに基づいての発言をしております。 なお、五十一年規制に対して当社ができるかのごときニュアンスの発言があったということでございますが、私どもはメーカーとして、こういうものはやりたいということで、また私どものやっておりますCVCC方式が、その線に近いはずであるというようなニュアンスでの発言はいたしておりますが、それ以外についてできるという発言は、過去においていたしてはおりません。
○木下委員 時間がありませんので一つだけ最後に聞きますが、「NOx低減の問題点」というパンフレットが日本自動車工業会から出ております。結局これは、メーカーが寄って、こうした技術対応上の問題点について見解を統一したものであります。これは私はきわめて問題だと思うのです。はっきり言いまして、これは一種のカルテルです。 この最後のページに問題点がずっと出ております。「五十一年規制の技術的対応策については、見通しがたたない。」ということで、ずっとお書きになっておられる。それから「規制強化には充分なリードタイムが必要である。」ということでお書きになっております。その中では、たとえば「安全、排出ガス、騒音規制対策は相互に影響し、単独では処理できない。」というようなことが書いてあるのです。つまり、メーカーが、それぞれかってにはやらない、お互いに影響し合うから、こういった騒音規制対策はひとつ一緒にやっていきましょうという趣旨ですね。それから「五十一年にNOxの暫定規制値を設定されても対処できない。」こういうことが書かれております。 少なくともこの文書の存在によって、業者間に技術もしくは製品に関するカルテル行為がなされた疑いが濃厚であります。これは独禁法違反の疑いがあります。しかも実質的に見ましても、これは環境庁の示しました五十一年規制を拒否する、あるいは暫定値さえ拒否をして、国民の健康をそこなうという、いわば一種の反社会的行為であります。これらの点について、一体メーカーの方々は、いささかの反省もないのかどうか、いかがでしょうか。これはトヨタ自工の、自工会の会長に伺います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 自動車工業会におきましては、安全、公害等の問題に対しまして安全、公害の専門委員会を設けております。この専門委員会におきましては、各社の技術屋が集まりまして、お互いの意見を交換し、今後の研究に対するいろいろな示唆を得るとともに、また先ほどお話がありましたような意見のまとめができ上がったのでありまして、かような状況で先ほどの資料はでき上がった次第でございます。 なお、「相互に影響し、」という文言に対しまして、メーカー間が相互に牽制するというふうにおとりのように承りましたけれども、それはそういった問題ではなくて、公害の問題を突き詰めていくと、安全の問題に往々にしてぶつかる、あるいは騒音の問題に往々にしてぶつかるというような意味の「相互に影響」するという文言でございますので、ひとつ誤解を解いていただきたいと存じます。
○木下委員 もう時間がありませんから終わりますが、誤解は解けませんね。それは、公害や安全に関するからというようなことを言われますけれども、公害や安全に関しても、これは独禁法を見られたらよくわかるように、技術に関して業者が一定の話し合いをするということ自体が、一種の連絡をとり合うということが、これはカルテルなんですから、少なくともそれに一歩踏み出しておるということは明らかだと思います。 これで質問を終わりますが、参考人の方々にお願いしたいのは、七月の環境庁長官に対する報告と、それから添付の資料、それから六月の聴聞会のときの提出の資料、これをひとつできましたら、委員会のほうにお出しいただきたいと思います。これは委員会のほうとして、あるいは理事会でまたということになるかもわかりませんが、要請をいたしておきます。
○角屋委員長 先ほどの土井委員の要求の資料、いまの木下委員の要求の資料は、たてまえとしては理事会でもおはかりしなければならぬ筋でございますので、後刻相談をいたします。 米原昶君。
○米原委員 午前中から参考人の報告をお伺いしまして、予想したように、技術開発のために非常に努力したけれども五十一年規制は無理だということなんですが、それに関連して、いまも木下委員が質問しましたように、排ガス規制をめぐって業界に暗黙の裏の取引があるのじゃないか、あるいは業界と政界の間に、政府との間に裏取引があるのじゃないか、こういうことを国民は深刻に疑っているのであります。 それに関連して、先ほども島本委員から政治献金の問題が出されました。私、繰り返しませんが、一点だけ聞いておきたいのです。 というのは、毛利長官が八月二十一日の当委員会でお話しになった中では、政治献金については、きっぱり断わって、関係の業界から受けてはならない、こういう発言をされているわけであります。「受けてはならないと思います。」こう言っておられるわけです。ですから、いままでそういう政治献金を受け取っておる政府・与党の側の長官が、もう受けてはならないんだ、はっきりこう言っていられる段階で、先ほどは、相手のほうが金を断わるんだと言っておるのに、それに対して業界のほうでは、今後もまだ政治献金を続けるような答弁がさっきありましたけれども、経団連がどうきめるかその他によってきめるのだというような話でありました。この点は、はっきりしておいてもらわぬと困る。こういう態度では、やはりこの問題について業界と政府との間に裏の取引があるのじゃないか、その結果として田中総理の先ほどの発言もあったのじゃないかと国民全部が疑っておるんですよ。こういう点について、自動車工業会会長の豊田参考人から、もう一度はっきり答えていただきたいのです。 つまり、政府のほうでは受け取ってはならないと思いますと、この委員会で公式におっしゃっておるのです。その段階でも、今後も政治献金を続ける考えでおられるのかどうか、この点、このあたりできっぱりした態度をきめられるほうがいいと思うのですが、この点についての豊田さんの意見を聞きたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 私どもとしては、先ほど申し上げたとおりでございまして、いまいろいろ検討を加えられつつある問題でございますので、諸般の状況を見て判断をしていきたいというふうに思っております。
○米原委員 いまの答弁では、残念ながら国民の疑いを晴らすことが全然できないと思う。 時間がありませんから、もう一問くらいしかできる時間がないのですが、聞きますが、けさほどの参考人の陳述を聞いておりますと、各会社とも研究のために非常に努力されたということは一様に強調されておるわけです。そしてこの出された資料の中にも、研究人員、これだけの人を研究に使っておるのだとか、あるいは研究費に非常に金を使っておる、研究費の非常に大きいことも強調されておるわけです。 そこで、それだけ研究に努力されても結局できないということを言っておられるようでありますが、この点で、もうちょっと具体的に聞きたいのです。各社の研究者、どれだけの人員があるか。この資料の中でも、たとえば日産やトヨタの数字は出ておりますが、全研究者の人員と、それからその中で排ガス関係の研究者が何人か。その中でさらに五十一年規制の問題だけについての研究者が一体何人くらいいるのか、これを全部聞かしていただきたいのです。発言の順序に一通り聞かしていただきたいと思います。
○荒牧参考人 お答えを申し上げます。 先ほども申し上げましたように、現在小型乗用車を含めて私どもは生産量も少のうございますけれども、一級技術者が百二十八名、これにかかっております。それからほかに大型もやっております。ディーゼルトラックその他、これを入れますと、大体この倍の者が排気とか公害とかということに対して研究を進めております。ところが、いまの百二十八名と申しますのは、当社のいわゆる小型の研究員全体から申しますと、大体二割でございます。 以上でございます。
○鈴木参考人 私どもは軽乗用車一車種でございます。したがいまして、設計研究者の約四百名の中で二百三十四名がやっております。 それから、年間の研究試作費用としては大体三十億ぐらいでございまして、そのうちの排ガス関係が二十三億でございます。 特に、いま五十一年のNOxについてというお話がございました。先ほど御説明申し上げましたように、ツーサイクルの場合HCでございまして、NOxのほうは〇・二五というものが五十一年にできますものですから、HCについて全力を尽くしているということでございます。エンジン特性は御理解をいただきたいと思います。
○伊瀬参考人 お答えさせていただきます。 先ほども、私の説明の中に入れさせていただきましたが、最近三年間のこの関係で約三十億、人員としましては年平均にしまして約四百名。四百名は、現在の私のほうの技術総人員の約半分以上になります。 以上、簡単でありますが、申し上げます。
○松田参考人 研究開発本部総人員千九百名のうち、千二百名が排ガス関係、そのうち百五十名が五十一年規制のほうに携わっております。
○豊田参考人 お答えいたします。 資料を持っておりませんので、記憶で申し上げます。技術部関係者五千五百名でございまして、そのうち千八百何名、そちらは資料にあるわけでありますが、千八百何がしが排気のほうにタッチいたしております。なお、五十年、五十一年の規制別にというお話がありましたが、仕事の関係上、そういう分け方をするのは困難でありますので、私どもとしては区別いたしかねる状況でございます。
○岩越参考人 午前中申し上げましたように、排気対策にかかっております研究員は千六百人でございまして、全研究開発陣は約五千五百人ぐらいおりますけれども、大体千六百人が排気対策に専任にかかっております。その内訳につきましては、ちょっとここでつまびらかでございませんが、大体それだけの人員がかかっているということでございます。 先ほど来御質問がございますけれども、研究員は〇・二五をクリアするために非常な努力をしておりまして、その努力の実態をここでことばで御説明することができないということを私は、はなはだ残念に思っております。非常に真摯に取り組んでおる姿をほんとうに皆さん方にわかっていただくことばの表現が足りないことを残念に思っておりますけれども、以上、御報告申し上げます。
○大原参考人 富士重工でございますが、研究部隊総員が六百八十名でございまして、排気ガス対策に取り組んでおりますものは三百名でございます。内訳を申し上げますと、実験研究関係が二百名、設計が百名でございます。お尋ねございました五十一年規制に何人かかっているかという点につきましては、ただいまちょっと私の手元にはっきりした数字がございませんので、御了承いただきたいと思います。 なお、実験費につきましては、一カ年トータル約二十五億でございまして、最近一カ年は十五億六千万ということでございます。
○河島参考人 本田技研でございます。 低公害の研究体制、現在は七百名が担当いたしております。これは全研究陣の約三割に相当いたしております。また、研究費でございますけれども、ここ三年間で約二百億でございます。四十九年度、今年度でございますが、これは約百五億を予定しております。 それから五十一年に対します研究要員あるいは研究費でございますが、私ども、五十年対策の延長上ということでございますので、特に分けてはございません。 以上でございます。
○久保参考人 四十八年度の実績について申し上げますと、試験研究費が約百八億円になっております。これは売り上げ高の約三%です。 それで研究開発関係が千九百四十三人で、排出ガス対策をもっぱらやっておる人間が約三百人でありますが、けさほど御説明しましたように、ガソリンエンジン関係二百三十人、特にこの中から五十一年対策のみを分離するということは非常に困難だと思いますが、しいていえば百名ぐらい、こういうことになります。
○米原委員 時間がもう来ておりますから、私これでやめなければならないわけですけれども、私これを聞きましたのは、研究のために、各社とも人員もかなりそれに充てておられるし、研究費もかなり使っておられるということは、もう明瞭です。ただ排ガスの研究といっても、いまおっしゃったように、必ずしも五十一年規制に何人ということは言えないのかもしれませんが、日本とかアメリカとか販売先別の規制内で、むしろすでに実施されている規制値の中で、いかに性能をアップして売ろうとするかということに大きな力を入れておられるのではないかという感じがしてしょう一がないのです。 これだけの研究人員あるいは研究費用が、はたして五十一年規制を達成するために全力をあげておられるのかどうか。そうでなくて、もちろんそれと無関係じゃないけれども、すでに実施されている規制値内で、いかに性能をアップして売ろうとするかという研究のほうにかなり力が入れられているのじゃないか。そのことをいろいろの技術者から私たちは実際は聞いているのです。真剣に五十一年規制を達成するというところに全力をあげられているかどうか。一般的な報告では、非常に金もかけている、人員も入れているということはよくわかりますけれども、はたしてほんとうに公害を押える、国民の要望にこたえるというところに全力がいっているかどうかという点に、まだはっきりした見解が持てないので聞いたわけでありますが、時間がありませんから、私は、これで終わります。
○角屋委員長 坂口力君。
○坂口委員 各参考人から排気ガス規制に関する現状、あるいはまた考え方についてお聞かせをいただいたわけでありますが、大別いたしまして、技術的には新しいエンジンシステムに重点を置くというお考えと、従来のエンジンの改良とあと処理装置の組み合わせに重点を置かれるものとがあるように承りました。また各社とも、五十一年規制には対処できないとの御見解を示されたわけでございます。特にトヨタ自動車さんからは、五十年規制を二年間延長してほしいというような具体的な提案もあったわけでございます。また各社からは排気ガス規制に対する研究費の額でありますとか技術人員数、特に先ほどの御質問のように、こまかな点が発表になりました。皆さん方のほうから言わしむれば、これほど多くの人と金とをつぎ込んでいるのだ、こう主張されたいのであろうと思います。 しかしながら、われわれは五十一年規制というのは譲ることのできない一つのタイムリミットであるというふうに考えております。最大の社会的責任であるというふうに、参考人の皆さん方は、みな御主張になっているわけでございますが、そのことばどおり受けとめさせていただくといたしましたならば、より積極的な研究が必要ではなかろうかと思います。 先ほど各参考人の皆さん方から、研究費とそれから人員等について示されたわけでございますが、たとえばトヨタさんのプリントを見せていただきますと、昭和四十五年から昭和四十八年までの間に約二百九十五億円、五十年末までには四百二十四億円に達するであろうと述べられております。また昭和四十九年におきます、この排気ガスに対する技術者は千八百七十名と記載をされているわけでございます。 このような人数が示されておりますが、豊田参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、これだけの金額と、それから人員を導入をなすって、なおかつ、五十一年規制というのは非常にむずかしい段階に来ている。これはさらに技術に対する人員あるいは額をもっと導入すべきものなのかどうか。その点が足らなかったかどうかという反省があるのかどうか。あるいはまた、人数や額が多ければ多いほどいいというわけのものでもありますまいし、現在までの研究方法というものを大きく方向転換をしなければならないものであるのか、その点について、どのようにお考えになっているか、まず承りたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 多数の人員と多額の資金を使いまして研究をいたしましたにかかわらず、残念ながら〇・二五の五十一年規制を達成することができませんでしたのは、はなはだ遺憾な次第であります。 しかし、研究というこの技術的問題の解決につきましては、私どもがやってまいりましたやり方について、特に間違っておったというふうに考えておるわけではございません。現在、五十年規制については、おおむね予定どおり規制に合うものが生産できるような体制になってまいりましたのも、これがそもそも、最初提案されたころには非常にむずかしい問題であるということで、私どもは取り組んだわけでありますけれども、しかし、それがおおむね予定の時期に間に合うという結果を見ておるところから考えますと、私どもが取り組んだ研究方法並びに研究に関する諸施策は間違っていなかったというふうに考えております。だから今後につきましても、なお一そうこの方向で進めてまいりたいというふうに思っておる次第であります。
○坂口委員 きょうは社長さん方ばかりでありますから、この五十一年規制が営業上いかにむずかしいかというお話を、私、もっとお伺いできるのではないかというふうに思っておりましたが、お話は技術的な問題が中心でございまして、あまりにも営業上の問題はお聞かせをいただけなかったわけでございます。 日産自動車の岩越参考人からお聞きいたしたいと思いますが、先ほども参考人から述べられましたように、日産自動車におかれましても、多額の研究費と研究陣を擁してお見えになるわけでございますが、この五十一年規制が無理だという御意見は技術的な問題もさることながら、営業上無理だという意味も、かなり含まれているというふうに理解をさせていただいてよろしゅうございますか。
○岩越参考人 お答えいたします。 私たちがお答えいたしましたのは、技術上の問題で、現在不可能ということを申して、完成しないということを申し上げておるのでございまして、営業上の問題で申し上げているわけではございません。 われわれは、研究に対して何の制限も加えることもなく、自由な広い範囲からの開発を従業員に希望しておりまして、研究の内容について、何らの制限を加えたこともございませんし、また外部でもって必要なものがあるならば、われわれは、それを購入するということで、そういう方針でやっておりまして、広くこの開発のための知識というものを求めるというつもりでやっておりますので、御了承願いたいと思います。
○坂口委員 東洋工業の松田参考人にお聞きをしたいわけでございますが、これは東洋工業さんの御意見をお伺いいたしますと、かなり進んだ研究の内容を御発表になっているようにお伺いしたわけでございますけれども、御承知かと思いますが、日本クリーンエンジン研究所長の大西さんという方が開発されましたナイス・エンジンというのは、いわゆる五十一年規制は可能であるというふうに述べてお見えになります。このことについて、あるいは御存じいただいているかどうかわかりませんけれども、こういうふうなものがあるということについて、どう認識しておみえになるか、もしも、このことについて御存じいただいておりましたら、御意見を賜わりたいと思います。
○松田参考人 私どもで、あのエンジンも研究させていただきました。でございますが、私どもの持っておりますツーサイクル、三百六十ccエンジンのほうが、より早く到達できる見込みでありましたし、またけさも申し述べましたごとく、〇・三をすでに達成いたしておりますし、〇・二五にも非常に近い値におそらく五十一年度には、はっきり申し上げられますのは、このツーサイクルだけはできるんじゃないかと思っております。
○坂口委員 続いて東洋工業の松田参考人にお伺いをしたいわけでございますが、このいただきましたパンフレットを見せていただきますと、「この昭和五十一年目標値を達成する可能性、および、実施可能時期の見通しが得られるのは、昭和五十一年後半になると考えております。」こう書かれているわけでありますけれども、この実施可能時期というのは、もうすでに、いまでもおわかりになっているのではないか、こう思うわけでありますけれども、その点いかがでございますか。
○松田参考人 いままでの五十年対策あるいはその他やってまいりました経験からして、そして現在五十一年対策の最も近いと思われる〇・三グラム・パー・キロメートルを平均値として出しました実験エンジンから派生いたしました問題の解決に、われわれは非常に苦慮いたしておる点がございます。 この席をかりて申し上げさせていただきますならば、技術の問題でございますが、実はNOxを低減する方法には二種類ございます。一番早くカーブを落としていくのには、リッチセットと申しまして、エア・フューエル・レシオを濃いほうに持っていきます。十五対一を十四対一、十三対一と持っていきます。そして十二対一ぐらいになると燃えなくなります。それで今度は、NOxの排出の最も薄いほうといいますと、エア・フューエル・レシオでいいますと、二十対一とか二十一対一、二十二対一という付近でございますが、けさほど申し述べました〇・三キログラムの平均値を得たエンジンは、実は二十対一のエア・フューエル・レシオで回しておるものでございます。 それで、その付近からのNOxの低減カーブというのは、私どもとしては、これは二十二対一というような驚異的なものをやらなければならぬということがわかったのでございます。それをまだやっておりませんので、それをやったら、〇・二五の平均値を得るであろうところの初期値、〇・一七ないし一八グラム・パー・キロメートルを得られるかどうかということがわかるかどうかという点でございます。 それの開発のためには、いろいろな機器が必要でございます。また新しい着火装置も、そこから上の着火装置というものについて私どもまだ未知の世界でございますが、いろいろ知恵をしぼっております。過去の経験から推してみても、いろいろやってみますが、五十一年後半になったならば、あるいはできないと申すかもしれません、あるいはその時点にできるということがいえるかもわかりません。それほどむずかしいということを、はっきりこの場で申し上げておきます。
○坂口委員 たいへん研究がむずかしいというお話はよくわかるわけでありますが、先ほども議論にありましたように、東洋工業さんやあるいは本田技研さんは、いままでからかなり進んだ数値を出しておみえになりました。いまこのパンフレットを見せていただきますと、東洋工業さんのほうも、それから本田技研さんのほうも一応五十一年秋ごろに何らかのめどがつくのではないかという、まあそろって五十一年秋ということばをいっておられるわけであります。その点、何かしろうと目に考えますと、ほかの皆さん方が追いついておみえになるのを足踏みをしてお待ちになっているのじゃないかというような感じがしないわけでもないわけであります。しかし、いま参考人から、たいへん技術的にむずかしいというお話も伺いましたので、私もそのお話は、おそらくそうであろうと承っておきたいと思います。 それから本田技研の河島参考人にお願いをしたいわけでありますが、本日御発表になりましたところだけから察しますと、排気ガスに関する研究では、最も進んだ会社の一つと受け取らさしていただいたわけであります。実験室においては、すでに可能な点までいっているというふうに御発言になったと思います。現状から見まして、これはいまから何年ぐらいたてばと申しますか、五十一年あるいは五十二年というどの時点において、これは実現可能になるというふうに現在お考えになっているか。 それから開発されましたCVCC、この、さらに改善によって、それは可能になるというふうにお考えになっているのか、それとも〇・六以下にするためには、全く新しいものを開発しなければならないというふうにお考えになっているのかどうか、その点をひとつお聞かせをいただきたいと思うわけであります。
○河島参考人 お答え申し上げます。 私どもCVCCで五十一年規制に対しまして、実験室的にはできておるものが数台ございます。これは実験室的にということの内容でございますけれども、開発過程におきまして相反する多くの要素のうち、特定の要素のみ、この場合で申しますとNOx、HC、COということになりますけれども、特にOということになりますが、特定の要素のみに焦点をしぼって、他のものはどうなるかということは、ほうっておいた状態で品物を実験室的につくってみて、それができ上がりましたということでございます。 私ども、こういったものを一つの足がかりとして、その問題点を今後解決をしてまいるわけでございますが、午前中私も申し上げましたように、何ぶんにもここまでまいりますと、私どもがまだ未知である新しい技術の誕生を期待せざるを得ない、新しい技術の組み合わせの誕生と申し上げたほうが、あるいはよろしいかとも思いますが、そういったものの誕生を期待せざるを得ない状態になっております。したがいまして、午前中も申し上げましたように、こういったものの誕生が、極端な表現をいたしますと、あした生まれるか、あるいは一年後に生まれるか、正直いって、私も技術屋出身の社長といたしまして、わかりかねます。そういった意味合いも含めまして、適当な間隔をもって聴聞会等のようなああいった機会で私どもから技術の進捗状況等をお聞き願いたい、それによっていろいろお願いしたいというふうに申し上げたわけでございます。 ですから、御質問の趣旨のいつごろになったら、これの見通しがつくかということにつきまして、私も技術屋社長として、はっきり申し上げたい気持ちはございますが、実際の内容から申し上げて、いま申し上げたようなことでございまして、今後私ども一生懸命努力をいたしますということで、ごかんべんを願いたいというふうに思っております。
○坂口委員 重ねて本田技研の河島参考人にお聞かせをいただきたいわけでございますが、いただきましたところのパンフレットの中に、また午前中のお話にもございましたが、「問題点と見通し」というところがございます。そこに「問題点」として、この〇・二五グラム・パーキロメートルを実現するのには、次のような点で問題があるというのが四項目書かれておりますが、その中には「燃料費の増加」あるいは「運転性能の低下」あるいは「付加システムの信頼性、未確認」それから「構成部品に要求される高度な品質管理システム未確立」こういうふうなものが書かれております。 そこで最後にお聞きをしたいのは、若干の燃料消費量の増加や、あるいはまたスピードダウンというようなことがあったといたしましても、それとこのNOxの限界を守るということを、どう優先させられるかということであります。車でありますから、それが非常に危険性が多くて欠陥車で燃え上がるとか、そういうことがあっては当然困るわけでありますが、たとえば外観でありますとか、あるいはスピードでありますとかいうようなものと、それからこのNOxを守るということを、いずれを優先させるかということに突き当たられるのではないかと思うわけです。これが完全に解決すれば別でございますが、そうでない限り、非常にむずかしい時点を迎えられるのではないかと思うわけであります。 そこで私は、現在のこの公害の日本にとりまして、皆さん方がおっしゃいますように、やはり会社にもそれなりの大きな社会的責任があるわけでありますし、運転性能、それから燃料費の問題あるいはスタイルの問題というものが、すべて完成されなければ、このNOxの低下と同じにセットにして考えられないのだというような形ではなしに、やはりNOxというものを優先して考えていくべきであるというふうに思うわけであります。その点、このNOxの〇・二五という値と、それから他のとのかね合いにおいてNOxを優先して考えられるかどうか、この点最後にお聞きをしたいと思います。
○河島参考人 お答え申し上げます。 基本的に、NOxを優先して考えております。また過去においてもそうでございました。今後ともそのような状態で技術屋を指導していきたいと思っております。 ただ、けさほども申し上げましたように、そのような状態で、では運転性能あるいは燃料消費量等は全然問題にならないのかということになりますと、使用過程車との混合使用の段階においての安全の問題、交通渋滞等の問題、不経済性の問題、比較論でございますが、そういったことで問題がございますので、正直申し上げて、技術屋としても、その辺のかね合いというもの、優先はさせますけれども、どの程度にということについては、いろいろ社会のコンセンサスをいただきながら、適当なところにきめていかざるを得ないのではないだろうかというふうに思っております。
○坂口委員 時間がまいりましたので、これと同じ質問を、簡単でけっこうでございますので、トヨタ自動車の豊田参考人と、それから日産自動車の岩越参考人から一言ずつお伺いしまして、終わりにさせていただきたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。 ただいま河島さんからお話がありましたとほとんど同じでございますが、私どもとしても、やはりこの公害問題を優先的に考えてまいるつもりでおります。 しかしながら、燃料消費その他の問題につきましても、やはり安全の問題あるいは経済性の問題、操縦性、運転性の問題等も、極端な状況にならないように、いろいろくふうをしてまとめていきたいというふうに考えております。
○岩越参考人 ただいまトヨタさんからお答えなさったと同じようなことでございますが、われわれといたしましては、NOxのクリアの問題について全力投球をしてやりますことは、従来の方針と同じでございます。 ただ、やはり国際的な水準というものから考えて、われわれは競争していかなければならないという立場にございまして、そういうことも一つ頭の中に外国に対してはございますけれども、国内に対しましては、NOxの問題を優先的に解決していく。もちろん、そのために安全を脅かすというような問題、そういうことが起こってはいけない、あるいは操縦性の問題について、事故が起こってはいけないということは考えてやらなければいけない問題であるというふうに考えております。
○坂口委員 ありがとうございました。
○角屋委員長 折小野良一君。
○折小野委員 けさほど来、いろいろと参考になる意見を拝聴をいたしました。私も大体NOxのこの五十一年規制を中心にいたしまして、関連した御質問をいたしたいというふうに考えておりますが、時間の関係もございますので、質問事項をあらかじめ申し上げます。そのあとで個々にお答えをいただきたいと思いますが、お一人に一問ずつ質問をいたします。ただ、その場合に、あるいはあとも業界全般にわたることかと思いますが、そういう点については、ひとつ適宜それぞれの立場で御答弁をいただきたいと考えております。 まず最初に、いす父自動車さんにお伺いをいたします。 情報によりますと、アメリカではこの春、クライスラー社が、窒素酸化物の浄化装置について欠陥があるということで回収修理を命ぜられた、こういうことが報道されております。また、最近、フォード社が、排ガス浄化装置の不良のために欠陥車の回収をする、こういうふうに発表をいたしております。この排ガス浄化装置というもの、これはこのように欠陥の起こりやすいものであるのかどうか、また、わが国の実態というものはどうなのか、こういう点をお伺いをいたします。 次は、鈴木自動車さんにお伺いをいたします。 きょうお見えの皆さんの中では、鈴木自動車さんだけは、五十一年規制はできる、こういうふうにおっしゃっておるわけでありまして、ただ、五十年規制のほうがむしろ困難である、こういうふうにおっしゃっておられます。と申しますことは、鈴木自動車さんのほうでは、いわゆるツーサイクルエンジンを使っておられるということでございまして、最近、いろいろな意見の中に、この際、ツーサイクルエンジンをもっと見直すべきである、こういうような意見を聞いております。したがって、ツーサイクルエンジンの専門のメーカーとしての鈴木さんに、ツーサイクルエンジンの将来についての御意見をひとつお伺いをいたしておきたいと考えております。 それから次は、ダイハツ自動車さんにお伺いをいたします。 無公害車といわれる電気自動車、これの開発にダイハツさんはいろいろと御苦心をなさっておるわけでございますが、私どもも、無公害車ができるだけ早く実用化されることを心から念願をいたしております。そういう点から、ダイハツさんの無公害車、電気自動車の開発の現状とその将来、その実用化の見通しと今後の問題点、こういう点について、ひとつお伺いをいたしたいと考えております。 次は、東洋工業さんにお伺いをいたします。 これはまあ一般的なことなんですが、日本の排ガス規制につきまして、非関税障壁である、こういう非難をしておる国があるというふうに私ども聞いておるわけでございますが、わが国の排ガス規制によりまして、今後どういうような影響があると考えられるのか、そしてまた、わが国の公害対策とのかね合い、こういう面からいたしまして、こういう非関税障壁というような問題について、どのように対応すべきであるというふうにお考えになるのか、御意見をお聞かせをいただきたいと思います。 それから次は、トヨタさんにお伺いをいたします。 NOxの規制の問題につきまして、アメリカがそうするんだから日本もそうしなければなるまい、そしてまた、アメリカがこうだから日本もこうなんだ、さらにまた今度は、アメリカがこうしたから日本もこうしてくれ、こういうようなことになってまいっておるように考えられます。その事態をずっと見てまいりますと、まあしろうとが考えました場合に、何とまあアメリカ追随の姿勢ではないか、こういうような感じがいたすわけでございます。 こういうようなことにつきましては、何か理由があるんじゃなかろうか、あるいはそうしなければならない特別な事情が何かあるのかしら、こういうふうに考えるわけでございます。日本には日本の立場というものもございましょうし、あるいは日本の公害についての特別な事情というものもあるはずでございますし、また、日本のメーカーの皆さま方の技術というのは、非常に進んでおるというふうに私どもは考えております。必ずしもアメリカに追随する必要はないんじゃないか、こういうような考え方も持つわけでございますが、この点に対して、トヨタさんの御意見をひとつお聞かせをいただきたいと思います。 それから次は、日産自動車さんにお伺いをいたします。 資料によりますと、日産自動車さんの五十年排ガス対策車で、CO、HC、これは九〇%以上低減できる、それからNOxが約六〇%の低減ができる、こういう御報告をいただいておるわけでございます。特にこのNOxでございますが、これは光化学スモッグの原因である、こういうことになっておるわけでございます。 自動車からの年間排出するNOxの総排出量が、このように大きく低減されるということになってまいりますと――もちろん光化学スモッグの発生につきましては、ただ単に自動車だけではなくて、いろいろ予測される諸条件というものもあるわけでございますが、そういう中でこれだけ低減されるならば、データ的には、光化学スモッグの発生の一つの値を下回る、こういうことがいわれておるわけでございますが、現実に五十年規制というものが完全に行なわれた場合において光化学スモッグはなくなる、こういう保障ができますかどうか、御見解を承りたいと思います。 次は、富士重工さんにお伺いをいたします。 富士重工さんの資料によりますと、軽自動車の排出規制に関しまして、機関容積の増大を法制化してもらいたい、こういうような御要望があるようでございます。排ガス規制につきましては、ただ単に車のほうをいじるだけでなくて、その他の条件をも整えて公害対策を講ずる、これは当然なことだと思います。 したがいまして、中公審の中間報告にありましても、五十年規制あるいは五十一年規制を達成するについて、関連する対策というのをいろいろ要請をいたしております。たとえばガソリンの改良とか、その他行政的な措置とかいろいろなものがあるわけでございますが、富士重工さんのお考えといたしまして、これらの関連する対策というものは十分に期待ができる、こういうふうにお考えになっておりますか。あるいは、われわれが自動車をこれだけ改善するについては、関連する対策をもっともっとやってもらわなければならないんだ、こういうふうにお考えになりますか。そういう点についての御意見をお伺いをいたします。 それから次は、本田技研さんにお伺いをいたしますが、これは先ほども御質問ありまして、たしかトヨタさんからの御答弁がございました。それは車の重量が増加すればNOxの量も増大をする。したがって、重量別あるいは車種別の規制をやったらどうかという質問に対しまして、トヨタさんのほうからは、やはり一本の規制値をきめたほうがいい、こういう御意見がございました。本田技研さんのほうといたしましては、これに対しましてどういうふうにお考えになりますか。 私どもの考え方からいたしますと、公害というのは、少しでも少なくしていくということでございますし、小さな車で早く、あるいは十分な規制ができるというのなら、それだけでも先にやるべきである、こういうふうに考えます。そういう面からいたしますと、小さな車の規制を先にやってでも、公害対策に一歩二歩前進さすべきだ、こういうふうに考えるわけですが、本田技研さんのこの面についての御意見をお伺いをいたしたいと思います。 それから最後に、三菱自動車さんでございますが、これも先ほど質問がございまして、その際に、日産自動車さんから御答弁があったことでございますが、東大の熊谷教授のフォアサイクル六気筒エンジンで独創的な改良を行なって、そして特許もとられた。三菱さんは、この熊谷方式を採用したエンジンで五十一年規制を乗り切ることは可能である、こういうふうに一般にいわれております。そういう意見を私ども聞いておるわけでございますが、きょう、この御報告では、NOx〇・二五の目標は実験室でも到達をしていない、こういうふうにおっしゃっておられます。その間いろいろな御事情があろうかと思うのでございますが、御見解をひとつ承っておきたいと考えます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○角屋委員長 時間の関係もございますので、各参考人からは、ただいまの質問の点、簡潔に要点をお答え願いたいと存じます。 まず、荒牧参考人。
○荒牧参考人 お答え申し上げます。 この排気技術というものは、世界をあげて初めて遭遇する新しい技術でございます。そういうふうな意味合いにおきまして、われわれはアメリカと同時に用意ドンでスタートして、今日負けないように、これを解決することに——自動車産業なるものは商売どころの問題じゃない、世界に大きく貢献するというふうに、大きな懸賞金がかかっているのです。私どもは何をあげても、これを解決したいということは、社をあげて一生懸命やっておる。いまのコンバーターの問題も、おそらくアメリカにいたしましても、フォードもそれからクライスラーも、長い間われわれよりも先にまだ一生懸命大きな投資と大きな人力をかけて検討して、これを採用に持っていったんだろうと私は思います。 しかしながら、お聞きのような話がいま起こっておることは事実でございましょう。私どもは、この事実をやはり謙虚に事実として迎えなければならぬ。あれだけやってもこういうことが起こるなあと、何も私は、自分たちの採用していることに、いま疑念を持っているわけじゃございませんけれども、事実は事実として認めなければならぬ。 日本のコンバーターにも、いろいろりっぱなものがあると私は思います。私どもも一、二のものは検討いたしました。しかしながら、何をいたしましても、この際は最もわれわれに適当で、しかも安全でなければならぬ、しかも信頼性がなければならぬということで、実は先ほども申しましたようにGMと技術提携をいたしまして、GMの製品を私どもは供与を受けておるのでございます。私どもが五十年規制に使いますのはGM製のコンバーターでございまして、先ほど先生のおっしゃった中に、幸いにGMという名が出なかったのですが、とにかくたいへんな研究をしておるということは事実でございます。想像に絶するのです。一年や二年のことは当然この問題だけでもやってみて、何十種類という車をそれにくっつけて、そして二カ年くらい——いわゆるいまの車検の時代が二年でございますが、その間くらいはどんどんやってみて、これなら文句ないなというところの安心さをわれわれは得たい、こういうふうにも思っております。 しかし、事実は事実として、期限は来ておりますし、とにかく私どもは最善を尽くすという意味合いで、この問題に対して安心のできるまでは国内製品、われわれの製品は、まずしばらく待っておって、GMが使っておるこの製品を輸入して、そして五十年規制に臨んでおる、こういうのが現状でございます。 お答え申し上げます。
○鈴木参考人 私どものほうが、一つだけツーサイクル専門ということで、先ほど先生から御指摘がありましたように、五十一年のNOxということにつきましては〇・二五にできるわけでございます。五十年、五十一年のHCのほうが問題になっているわけでございまして、午前中も御説明申し上げましたが、私どもは実はフォアサイクルをつくっておりませんので、NOxのむずかしさというのは実際経験をしておりませんが、やはり燃焼温度が高いということが、NOxの発生にフォアサイクルの場合はつながっているということで、五十年と五十一年というふうに年数によって分けてございますけれども、HCとNOx、こういうことではないかというふうに私実は思っております。 そういう点で、けさほども申し上げましたように、私どもオートバイから船外機、雪上車全部実はツーサイクルをやっております。うちだけが専門でツーサイクルをやるよりも、フォアサイクルに切りかえたらという考えも社内にあったことは事実でございますが、HCが解決できないという面の技術的な問題があると同時に、じゃ五十一年のNOxがフォアサイクルに切りかえた場合に可能性の見通しがあったのかどうかということになりますと、実はこれは持っておりません。そういう点で私ども全製品がツーサイクル・エンジンというものを搭載いたしておりますので、私どもの企業の技術陣そのものもツーサイクルに適したようなふうになっております。それとNOxの〇・二五というのが一応エンジンの特性あるいは一部のエンジン改良ということによって可能性のめどがついておりますので、HCに挑戦をしたほうがベターである、こういうような考え方で実は進んでおります。 なお、ツーサイクル・エンジンの将来性はという先生のお話もございましたのですが、いままでに申し上げたような考え方を私ども基本に持っておりまして、小さい車についてはツーサイクル・エンジンが適当であるという考え方のもとに、今日技術開発を進めているわけでございます。残念ながら、まだHCが技術開発ができておりません点をおわびを申し上げたいと思います。 以上でございます。
○伊瀬参考人 ダイハツ工業の伊瀬でありまして、ただいま御質問いただきました電気自動車関係について、私から現状並びに御質問の実用化と将来の見通し等について、簡単に申し上げさせていただきます。 私のほうは、けさほども申し上げましたように、幅広い排出ガス対策という一つのとらえ方で電気自動車にも取っ組んだわけでありまして、振り返ってみまして、昭和四十年の初めからずっと引き続いて取っ組んでおります。ちょうど万博の当時あるいは昭和四十六年の通産省の工業技術院の大型プロジェクトの開発にも参加させていただくというようなことで、昨年の十月に、通産省工技院の大型プロジェクトの第一次実験車を納入させていただきまして、現在、それのいろいろのデータを評価をしていただいているという現状でございます。その大型プロは、私のほうは軽量乗用電気自動車ということになっております。 電気自動車につきましては、いろいろと長い間かかっているにかかわらず、もう一つ成果があがっていないというような印象が多いのでありますが、やはりこれは根気よく年数をかけて粘って、少しでもいいものを日をかけて将来の楽しみに持っていくというような取り組み方を、ぜひさせていただきたいということで、実は四十一年から先ほど申し上げましたいろいろの研究試験等々を重ねておりますが、きょう現在で電気自動車関係だけで約五億円ぐらいの試験研究費、もちろんこれにはそれに参画した人件費も入っておりますが、きょう現在でも専任で約二十五名ぐらいの人がかかってやっております。そのぐらいの人をかけております。 しかしながら、一面電気自動車は、まだこれからの車でございまして、皆さん御承知のように、電気自動車は実用的に非常に問題が多い。たとえていいますと、非常に重いバッテリーをたくさん積んで、それとともに動くというようなことでありまして、走行距離が非常に短いとか、あるいはチャージの問題があるとか、あるいはコストがやはり高くつくというようなこともありまして、なかなか将来に対する問題としては簡単でないというふうに考えております。走行性能それ自体にしましても、加速とか、あるいはそういうドライバビリティーについてもまだ若干の問題が残っているというようなことでございます。 いずれにしましても、これは幸いに大型プロとしてお取り上げいただき、お役所の皆さん方の力強い御支援のもとに、われわれもほんとうに息の長い研究の続行であるという考え方で取り組んでおりますので、今後とも引き続いて、それについてはさらに馬力をかけてやっていきたいと思います。 御参考までに最近の実績で若干申し上げますと、いろいろの電気自動車で特定の用途、特定の地域というようなことになりますから、なかなか町を走るというような、そういう車にないものもずいぶんありますが、そういうものも含めまして昨年の実績が約三百台でございます。いままでの試作も入れました販売の総計が約千五百台ぐらいになっているというような程度でございますので、今後こういうことにつきまして、だんだんと成果をあげ、あるいは実際の車としてつながっていくような、電気自動車というものを夢見ているようなかっこうでございまして、すぐ右から左へどうこうということは、やはり言いかねる、将来の楽しみの車であるというふうに考えまして、根気よくやらしていただきたい。どうぞ御支援のほどお願いいたします。
○松田参考人 一国の政治決定に対して他国が干渉することはないのだということを、私は日本国民としての常識で持っております。で、また先ほど先生がおっしゃいましたような非関税障壁とかなんとかいうようなそういう問題が起きるのであるならば、そういうことを予見されると、政治家としての先生がお考えであるならば、そのために政治家があられるのだと思っております。外務大臣もおられることでございますから、そこらで勉強していただくほうがありがたいと思います。
○豊田参考人 お答えを申し上げます。時間がございませんので簡単に申し上げます。 何事もアメリカ追随であるというようなお話を承ったのでありますが、この公害排気規制の問題については、わが国の規制はアメリカとは相当違った独自の道を歩いておると私は考えております。ただ、たまたま現在の五十年規制をきめる時点で、アメリカのマスキー法が先行をしてありましたので、それを努力目標として御採用になったという結果であろうかと思います。しかし、そのマスキー法にしても、現在アメリカでは七五年から実施する分を二年延期をいたしております。日本は追随しないで五十年からやるという形になっておるわけでありまして、追随という問題は考えられないと思います。 なお、そういったことで日本におきまして五十年から排気規制が実施されますので、アメリカ側は、むしろ日本の動きあるいは結果について注目をしておるだろうと考えております。
○岩越参考人 折小野先生の御質問にお答えいたします。 ただいま御質問のございました五十年の規制値でございますけれども、この規制値を通ります車は、四十年のこの規制がなかったときに比べますと、先ほどおっしゃいましたとおりCOもHCも九〇%減ることになっております。NOxについても六〇%以上減ることになっておりますので、この五十年規制の車に全部なりましたらば、光化学スモッグの原因というのは、ハイドロカーボンとNOxということに関連しておるということでございますので、ほかの問題と関連があるものでございますが、少なくとも自動車から、これがそれだけ減るのでありますから、光化学スモッグが起こるということに対しては減少していく傾向の要素になるのではないかというふうに考えます。
○大原参考人 富士重工の大原でございます。 軽自動車の五十一年対策を実施いたしますために、でき得れば排気ガス容量を四百五十ccに広げていただきたいという御要望を申し上げましたことについての御説明を求められたわけでございますが、御承知のとおりに、軽自動車は日本の国民車としての構想から発足いたしまして、いわゆる庶民の車といたしまして税制その他の面でいろいろな特典をいただきまして、幅広く存在しておりまして、現在六百万台の保有台数があるわけでございまして、将来の排気ガス対策に対しても、軽もこれにぜひ合格しなければならぬという社会的な問題がございます。 ただし、そういう特典をいただきます反面におきまして、エンジンは三百六十cc以下であること、それから長さは三メートル、幅は一・三メートルというふうなきつい制限下にございまして、これは日本独特の車であるわけでございます。それに対しまして対策をやるわけでございますが、他の小型車のフォアサイクルの五十一年の規制突破ができますれば、当然軽においてもできるわけでございますが、そのときにいろんなデバイスをつけますのは、一通り同じものをつけるわけでございます。したがいまして、小さいワクの中に納まっている軽自動車のエンジンルームというものは非常に小さいわけでございまして、それにそれらのも一のを納めますときに、そういう付属の装置からは御承知のとおりに、リアクターにいたしましても、また触媒にいたしましても、千度近い高熱を発するわけでございまして、このエンジンルームにこもります熱がいろいろな熱害を他の付属機に及ぼす、そういう点の除去が一般の車におきましても一番大きな対策の付帯的な問題であると思いますが、その点が軽自動車においては特に大きい。こういう問題が一つございます。 それからエンジンが三百六十ccであるということから、大体私どもがいろいろ予想いたしますのに、五十一年規制のもとにおきましては、おおよそ二〇%ぐらいの燃費の増があるであろうということは、その程度の馬力ダウンということになるわけでございまして、馬力が下がってもいいということには一がいにまいりませんで、自動車でございますから、いろいろと走行いたしますときに、馬力ダウンからくる加速性が悪くなるとか、あるいはのろのろ運転のときの粘りの問題でございますとか、いろいろございまして、その点を確保いたしませんと安全走行ができない、そういう問題を含んでおりますので、軽におきましては、もともと非常に小さいエンジン容量でございますので、これはぜひとも四百五十cc程度にしませんと、現在に近い性能は維持できない、走行の安全性の問題からそういう問題があるわけでございます。 それで、けさは特には申し上げませんでしたが、先ほど前段で申し上げましたような狭いワク内にあって、エンジンルームが小さいということからいたしまして、軽の庶民性を維持しながら、若干の形、大きさのワクについても御配慮をいただければ、いろいろと対策がしやすいということになるんじゃないか、かように考える次第でございます。
○河島参考人 お答え申し上げます。 NOxの排出量の差の問題でございます。車種別の規制をしたらいいのかどうか、あるいは小型のができているなら、それを先にやったほうがきれいになるんじゃないだろうかというような御意見だったように思います。 この問題でございますが、一般的に申し上げて、常識的に申し上げて、車の重量が増せばNOxの排出量が多くなる、したがって、むずかしくなるということは一般的に申されておりますけれども、エンジンの特性あるいは今後のいろいろな技術開発の状況によっては、どの程度のものになるかということについては現在のところ、わかりかねると思っております。一般的には増す方向であろうというふうには思いますが、どの程度であるかということについては、現在の時点においてわかりかねる次第でございます。 そんな意味合いもございまして、それぞれが、要するに大きな車、小さな車でございますが、それぞれができるところの限界というものを見ていただいた上で、その質、量あるいはタイミング的なものまでを踏まえた上で、全体として空気がきれいになるのに一本でしたほうがいいのか、あるいは別に規制をしたほうがよろしいのか、この辺については国のほうでの御判断でよろしかろうというふうに考えております。 ただ、私の現時点の感じで申し上げますと、事公害対策、技術的、専門的でございます。現在も非常に複雑な要素がいろいろ組み合った状態で、技術屋も苦労をいたしております。その時点において、この段階において、また規制がなお細分化されるということは、非常に実際の開発業務に差しつかえが起きてくるおそれはあるのではないだろうか、このようなものについては、やはり単純明快、単一のものがよろしいのではないだろうかというようなのが私の現在の考えでございます。
○久保参考人 お答えいたします。 けさほど、私が各種の方法について研究していると申し上げたものの中に、先ほど御質問のありました熊谷教授の方式というものも含まれるものであります。 それからもう一つ、二年ぐらいたてば見当がつくだろうということを申し上げたのですが、これはやや非科学的な発言でありますが、この熊谷教授のエンジンというのも非常に基礎的な研究でありますので、これが実用的に使えるかどうかという見通しをつけるのに二年ぐらいかかるだろう、こういう意味を含んでおったわけです。 それで、NOxだけについて申し上げますと、確かに〇・二五グラム・パー・キロメートルを切っておるデータがございますが、たとえばそのエンジンについては燃費が二〇%も三〇%も大きくなるとか、あるいは運転特性にオールラウンドでないとか、振動があるとかというような、いろいろの実用品としての見通しがまだ立っておりません。それで、われわれとしましては、それをできたと言えば、ある意味においては悪い意味の企業宣伝になるし、確実性がないものを一般大衆に、いかにもできるかのごとく言うことは間違いであろう、もう少し見込みをつけなければいけないというふうに考えて申し上げなかった次第ですが、研究はその線に沿って進めておるということを申し上げたいと思います。
○折小野委員 どうもありがとうございました。
○角屋委員長 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、当面の国民の重大な関心事である自動車の五十一年度規制に関する今後の委員会審議の参考になった点、まことにありがとうございました。 本委員会委員各位を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十五分散会