科学技術振興対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/11/12
会議録
○安井委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石野久男君。
○石野委員 本日は、大臣が就任早々で、まだ委員会に出られないそうでございます。局長さんに出ていただいたわけですが、大臣に聞かなければならないことや、あるいは「むつ」問題その他部会報告などで出てきている問題は、この次の機会にさせていただきます。 生田局長に、これは大臣がかわるかわらないにかかわらず、原子力局の問題ですから、一つだけお聞きしておきたいのですが、「むつ」があのような状態になった事情にかんがみて、「むつ」の安全審査並びに「むつ」の建設許可というようなことをやりました一連の許可の事実は、あのまま生きているのか、それともこの際取り消しをすべきでないかというような、こういう問題について、私は、むしろこれはこの際取り消しをしなければならないじゃないか、こう思いますが、局長はどういうふうにお考えになっているか、その点をまず先に聞かしていただきたい。
○生田説明員 ただいまの先生の御質問の点でございますが、設置許可の取り消しをしたほうがいいとは、ただいまのところ私どもは考えておりません。 ただ、安全審査を含めまして、従来の許認可手続にさかのぼりまして、この「むつ」の放射線漏れの問題を再検討することが、とにかく急務であるというふうに考えておりますので、ただいま準備中でございますけれども、総理府に調査委員会を設置することになっております。これは近々に発足できると思いますので、この調査委員会におきまして原因の究明を、技術面だけでございませんで、ただいま先生御指摘の点も含めまして検討して、なるべく早急に結論を出してまいりたいと考えております。
○石野委員 いま、調査するということですが、許可事実がいろいろな意味において内容が非常にそぐわないものが出てきた、こういう状態になりますと、その許可をそのまま存続させていいかどうか、非常に疑問に思います。いま検討中ということですが、私は、この問題ははっきりさせなくちゃいけないと思いますので、この次の委員会までに、その問題について政府の方針をしっかり固めておいてもらいたい。局長はそういう問題を含めて検討されるということですから、その時期までに、ひとつ私は御答弁をいただくことをお待ちしております。 それからなお、今度の「むつ」の問題に関連して、事業団が、いろいろ反対する諸君に対して、安全性は一〇〇%だいじょうぶなんだということでいろいろと宣伝をしたり、事業を進めるためのPRをやってきました。これはPRをすること自体われわれはとめるわけにいきませんけれども、あのような事実にかんがみて、当局なり事業団が、いろいろ反対の意見のあることをおおいかぶせるような形で一〇〇%安全だということのPRというのは、原子力に関して非常に問題があるというふうに私は思うのです。 そういう点で、たとえば東海村の再処理工場の問題等について、私たちもいろいろ疑義を持っておる側面がございます。ところが、事業団関係では、むしろ最近何か積極的に地元の各部落を御招待して、いろいろ宣伝これつとめておるという事情があります。宣伝の行為をわれわれはとめることはできないけれども、「むつ」の事態にかんがみて、これらの問題についてもっと良識のある行動をしてもらうことが大事だと私は思っておりますので、この点については、原子力局のほうでも特に注意を喚起してもらいたいということを私は希望いたしますが、そういう点については御配慮いただけるかどうか。
○生田説明員 ただいま先生の御指摘の点は、私も同感でございます。特に「むつ」の問題につきまして、ただいま御指摘がございましたように、事業団それから私どももその責めの一端は当然になわなければいけないと思っておりますが、十分な詰めをいたしませんで安全だということを非常に不用意に言い過ぎたということが、今回の放射線漏れという現象が、その現象そのもの以上に非常に大きな影響を与えてしまったということの最大の原因だろうと私どもは考えております。 再処理の問題につきましても、この「むつ」の教訓がございますので、これを十分生かして、再びそのようなことのないように、特に、先生に申し上げるまでもございませんけれども、再処理は核燃料サイクルのいわば中核的な存在でございまして、この再処理につきましてもしも「むつ」のような問題が起きますと、これは日本の原子力発電あるいは原子力開発全般に非常に大きな影響を与えるものでございますので、再処理につきましては私どもはできるだけ慎重に、いろいろ出てまいります問題点を全部綿密に調べまして、十分話を詰めていくということで進みたいと思っておりますし、最近、動燃事業団の幹部にも、われわれとしてはそういう方向で進みたいと思うので、事業団としても十分に注意していただきたいということを話した次第でございます。 そういうことでございますので、先生の御趣旨十分体しまして進めてまいりたいと考えております。
○石野委員 安全性を確保するための行政上の問題点というのは数多くあると思いますが、これはまたあらためての機会にしたいと思います。 同じようなことで、安全審査をするについては、いわゆる使用済み燃料だとかあるいは廃棄物の処理ということの終末処理のことと、また今度逆に、事業を始める場合の立地条件の問題、あるいはその立地上の地殻の問題とか、あるいは対地震の問題だとか、こういうような問題も非常に重要な審査内容になると思うのです。 私は、先般十月の十四日に、党が調査団を組織しまして、新潟県の柏崎の東電の原発基地を視察いたしました。この視察をしたのは、現地において、この地域の地盤が非常に劣悪で、風化が著しく進んでおって、褶曲断層による構造応力の結果、信じがたいほど弱くなっているということです。それは弾性波試験や土地試験の結果の数値はきわめて劣悪であるということからそういうことが立証されている、こういうふうに私たちの仲間といいますか、地元の人たちが見ておりまして、柏崎・刈羽の原発反対を守る会連合やあるいは柏崎原発反対同盟の人たちは、原発などつくれない地盤だと言っているほどです。 そういう事情がありますので、私ども実はその調査に参りました。私たちはその調査の結果、非常に問題があると見ておりますけれども、科学技術庁やあるいは原子力委員会は、このことについて何か関心を払っておられますかどうか、その点をまず先に聞いておきたいと思います。
○生田説明員 柏崎の地盤あるいは地質の問題につきましては、非公式に話は伺っております。それから、先般も参議院の科学技術特別委員会でいろいろ御質問がございまして、これは私どもお答えしたわけではございませんけれども、いろいろ伺っておりました。 ただ、先生御承知のように、柏崎の原子力発電所につきましては、まだ設置許可の申請書が提出されておりませんので、公式の話は聞いておりません。現在、東京電力で地質の調査を進めているということは承知しておりますが、いずれ申請書が提出されまして安全審査を行ないます段階で、この地質の問題も十分慎重に審査してまいりたい、かように考えております。
○石野委員 私はその当日地下へもぐりまして、いろいろとその調査に当たりました。地下へもぐってもまた地表でも、地元の人たちが主張していることが具体的に立証されていることを、調査の結果見てまいりました。結論的には、原発不適地であるという私たちの党の結論に実は達しました。同行した和光大学の生越教授、この方は御承知のように地質学の権威者ですが、若狭湾や福島など他の地点と比べ形成年代からいっても新しい、また水分も多く含んで風化が激しく、ぼろぼろがたがたの地盤といわざるを得ない、まさにとうふの上に原発をつくるようなもので危険が一ぱいだ、地表も、敷地一帯は活褶曲構造で、現在も動いている、大断層が近くにあることも考えられるので、大規模な調査をする必要がある、こういうふうに言っておりましたが、私どももその必要性を感じておるのです。 この問題について、大調査団を組織するということになりますと、私たちだけというよりも、むしろこれは、原子力局としては、先ほど局長は、まだ申請がないからということでございますけれども、すでにもう関与している面もあるし、いろいろ関連性の問題もあると思いますが、こういう調査団を国がやってもいいし、あるいは国とそういう意見を持っている方々や、あるいはまた東電も含めてもよろしゅうございますけれども、そういうような調査団を組織することが、この際非常に必要でないだろうかというふうに実は私たちは思うのです。そういう点について、局長はどういうふうにお考えになっておりますか。
○生田説明員 この柏崎の地盤の問題につきまして、地元の住民の方からいろいろ御疑念が出されているということは伺っておりますので、私どもは東京電力に対しましては、必要な調査あるいはその調査の結果の資料その他、地元の住民の方から要求があればなるべくそれにおこたえして、十分その疑念を晴らすようにという指導はしております。 ただ、大規模な調査団をつくりまして直ちに調査に着手したらどうかという御提案でございますけれども、ただいまの段階でそれをやるのは適当かどうか、これはちょっと私ども考えをまとめておりませんので、通産省と相談いたしまして、検討させていただきたいと考えております。
○石野委員 この問題については、地元の米田同僚議員からいろいろこまかく御質問する予定でございますが、私ども参りましたときに、東電は十一月の上旬にまで私たちの要求した資料を出しますというかたい約束をしてきたのでありますが、本日はもう上旬を過ぎてしまいまして、まだ資料の提出も何もないのでありますが、これは別に法的にどうこうということでなく、話し合いの中からなのですが、先ほど局長からも、なるべく地元の要求している資料は出すべきだというお話はしているということでしたが、その具体的な成果はまだ出ておりませんので、これはひとつ、たいへん御迷惑なお願いかもしれませんけれども、非常に大事なことだと思いますので、あらためて局のほうからも東電に対して資料を出すようにということを、これはひとつ話をしてもらいたいというふうにぼくは要望したいのですが、局長はそれを受けてくれますか。
○生田説明員 先生の御要望は確かに承りました。 ただ、先生御承知と思いますが、電調審での決定にあたりまして、地元の住民の方から異議の申し立てが出されております。その異議の申し立てに対します対応につきましては、私どもではございませんで、現在通産省が中心になりまして検討を進めておりますし、その異議の申し立ての根拠の一つに、ただいま御指摘の地質の問題もございますので、現在の段階では、ここにも来ておりますが、通産省から御説明したほうがよろしいかと思いますので、そうさせていただきたいと思います。
○井上説明員 ただいまの石野先生の御要望にございます東電の資料の提出の点でございますけれども、これは私どものほうからもすでにそういう指導をしておりますし、十一月上旬というお約束が果たされておらないというふうにいまお伺いをいたしましたので、そういう方向で、私どものほうからも東電を指導したい、かように考えております。
○石野委員 それでは私はこれで終わりまして、あと米田さんから……。
○安井委員長 米田東吾君。
○米田委員 石野先生のあとを受けまして、私からさらに、いまの問題につきまして御質問をしていきたいと思います。 まず私は、原子力局長それから通産省の井上審議官、きょうそれぞれの政府を代表しておいででございますから、お聞きしておきたいのでありますけれども、この柏崎の予定地というのは、前々から地元では地盤について問題のあったところです。というのは、一つは、あえて申し上げますれば、あの一帯はかつての油田地帯であって、西山油田、あの一帯がその地帯であった。油田地帯というのは、地質学の面からいきまして、原油が出るという地質を持っておるわけでありますから、したがって、これはやはり学問的にも、このような巨大な構造物をつくるようなそういう条件を備えていないということはしろうとでもわかることであります。これが一つ。 それからいま一つは、日本は地震国でございます。日本列島は地震の活火山の上にあるといわれておる。前々から地震学会等でも地震の地帯、そういうところについては、原子力発電所は置くなということもいわれておるわけであります。さらに炭鉱とか石油とかそういう地下産業の掘り起こしたところについては、原子力発電等については不適当だということも一般的にいわれておる。そういうことが、二つ目の問題としてあそこには条件があると思うのです。 もう一つは、最も重要なのは、あの地帯は真殿坂断層というものがあって、現にこの断層は活断層だといわれている。しかもあの地帯は、皆さん御理解なさっておられますように、第三紀層の西山層または安田層も走っておるわけであります。それぞれこれは活褶曲だというふうにもいわれておる。そういう地質学の面でいろいろ疑問の多いところが、今度予定地にされておるわけなんです。 したがって、そういう面ではこのデータを待つまでもなく、地元の人としては、これはもう危険地帯なんだというふうに思っておるわけです。 それが今度、いろいろこれから申し上げますけれども、地質面の調査をやって出てきた資料に基づいてそのことが証明されたというふうに地元では理解をしておるわけです。こういう関係があるのでありますけれども、これらのことは、原子力発電等を扱っておる科学技術庁、通産省あるいは経済企画庁、こういう関係の役所は知らないでいるはずはないし、知らないとは言えないと私は思うのです。そういう点ではどのような理解をされておるのか、これをはっきりひとつ最初に聞かしてもらいたい。
○井上説明員 ただいま先生のほうから、柏崎地点については地元から地質の問題に関して、いろいろな点から非常に不安があるという御指摘があったわけでございます。 われわれのほう、通産省といたしましては、具体的にこの地点の地質構造あるいは地質特性が、原子力発電所のような重量構造物を置くのに適しているかどうかというこまかい検討は、実はまだやっておらないわけでございまして、私どものほうの法律でまいりますと、具体的には、電気事業法の許認可等にあたりまして詳しい資料をとりまして検討する、こういうことになるわけでございます。同時に、先ほど来科学技術庁から御答弁がございましたように、安全審査という段階におきまして、原子炉そのものの安全の問題でございますが、これは設備とそれから地質の特性との関連におきまして、安全が保たれるものかどうかという検討がなされるわけでございます。 したがいまして、われわれのほうといたしましては、技術的にこまかい検討というのはまだ実はやっておらないわけでございまして、最初に先生からお話がございましたいろいろな地元のこまかい御疑念の点につきましては、先生方の御要望もございましたので、東京電力のほうで出しました資料につきまして、こういった根拠で出しておりますということは申し上げたわけでございますけれども、全般的に言いまして、技術的に本地点が原子力発電所の安全性を確保するのに適切かどうか、妥当かどうかという点につきましては、私どものほうもこれからの申請を待って検討をする、こういうふうに考えているわけでございまして、法律の仕組みもそうなっているわけでございます。 ただ、私どものほうではなるべく早目に、たとえばあの辺の温排水の問題とかあるいはその他植生の問題等と並びまして地質そのものにつきましても、一応どんな地層だろうかという大体の特性を知っておきたいということで、東電が御承知のように穴を掘りまして、そこで地耐力のテストをやった試験があるわけでございまして、私どものほうではその数値は事前にといいますか、いままで東電からバックデータとともに説明を受けまして、これぐらいの地耐力があるということは承知しておりますが、その他の点につきましては、いろいろなデータあるいはただいま先生が御指摘になりましたようないろいろな御意見も参考にして、今後の申請を待って検討する、こういうふうに考えているわけでございますので、そのように御理解いただきたいと思います。
○米田委員 審議官、やはりその態度が私は問題じゃないかと思うのです。要するにいまのあなたの御答弁によれば、端的に言えば企業優先だ。申請があれば、企業の側から、申請者の側からいろいろデータが来るだろうから、それによって調査をしてそういう問題については十分検討する、こういうことであります。現にあなたのほうでは、さっき話がありました七月四日でありますか、柏崎については電調審の答申が出ておるわけであります。しかもこれには東電は、この地域はその岩質は、原子炉及び永久建造物の基盤としてきわめて適切である、こういう結論で、適地だということであなたのほうに申請が出て、そしてそれがそのまま電調審に回されて、電調審はどのような審査をやったかわかりませんけれども、答申されたということになっているわけであります。 だから私は、ここまですでに手続が進んでいる以上、この地盤はこれから検討すればいいんだということにはならないと思うのです。私はきょう時間があれば、この電調審の七月四日の答申をめぐっての疑義がたくさんありますので、それをお聞きしようと思っておりましたけれども、きょうはそれは時間がないのであとに回しますけれども、この点は一体、いま私が疑問として出した点はどうなんでしょう。あなたのほうは責任がないとは言えないと私は思うのです。
○井上説明員 先生御指摘の電源開発調整審議会と申しますのは、私どものほうも含めまして、私どものほうもメンバーでございますが、関係八省庁それから八人の学識経験者の方から構成されております審議会でございまして、この審議会におきまして国の電源開発の目標をきめるということになっております。したがいまして、電源開発調整審議会の運営その他内容の点につきましては、経済企画庁から御答弁いただくのが妥当かと思いますが、私どものほうの立場は、そこに付議されます案件につきまして、八省庁の中の一つとしてわれわれのほうでいろいろ御意見申し上げる、かようなことになっているわけでございます。 本地点の問題につきましても、われわれのほうといたしましては、従来は、あまり詳しくこういった問題につきまして検討もしておらなかったわけでありますけれども、環境問題その他の重要性にかんがみまして、昨年あたりから、なるべく実際の許認可に先立って現地の事情を知っておきたいというようなことで、部内的には若干の検討をいたしまして、通産省としての意見を審議会において申し上げる、かようなことになるわけでありますが、審議会そのものの仕組みその他につきましては企画庁のほうからお願いいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○米田委員 きょうはそのことでやっている時間がございませんが、しかし、これは経済企画庁が総合的に主管すると思いますけれども、この電調審の主要な電源開発あるいは電源調整、こういう関係というものはあなたのほうなんです。だから、主管としてはむしろあなたのほうのウエートが強いわけでありますから、もっとこういう点については積極的な取り組みが必要じゃないか、まあ役所のなわ張りの関係は私よくわかりませんけれども、そういうふうに思うのであります。 それではこれから若干のことを聞きますけれども、これもそうすると、質問しましても、あなたのほうでは答弁できないということで逃げられる危険性があるのでありますが、あなたのほうは一応現地の関係等も見ておられるということでありますから聞いておきたいと思いますし、ことに安全審査の段階になりますと、これまたあなたのほうがいろいろ扱われるわけでありますから、聞いておきたいと思うのであります。 第一の、あの用地の下を通っている、これは東電も認めておりますけれども、真殿坂断層、これはあの用地の下を、しかもいま東電が考えておる一号炉の設置個所の下を通っているというふうに私どもは見ておるわけなのでありまして、これは地元のほうの刈羽・柏崎総合開発促進協議会、そこが出しましたデータによってそのことは立証されている、こういうふうに思うのでありますけれども、これは皆さんのほうでは一体どういうふうに見ておられますか。確認しておられますか。
○井上説明員 御指摘の断層の点につきましては、私どものほうはまだ詳しく承知しておりません。敷地内に断層がいろいろあるという話は聞いておりますけれども、どこにどういうふうにあるかというような点につきましては聞いておりませ ん。
○米田委員 全然話にならぬのです。少なくとも私は、監督の役所としてどうもあまりにも責任がないように思うのですけれども、東電のほうでは、このことについてこういうふうに説明をしておるのです。確かに真殿坂断層は通っているようだ、しかし、これはいうところの断層ではない、あの用地の部分についてはすでに褶曲の状態になっている、したがって危険はないんだということを、私どもの疑問については東電は答えておる。まだそのデータは出ておりませんけれども、説明に来た係はそう言っておるわけです。 それでは、その褶曲というものは、いま東電がたくさんあそこをボーリングして地質調査をやっているわけでありますから、そういう調査の上に、はっきりとデータに出てきておるのかどうかということになりますと、そうではない。そうだろうという見解なんです。科学的ではないのです。そうだとすれば、この促進協の持っておる資料のほうがより科学的で、危険だぞというほうがより説得力があるわけです。ことに、この付近は第三紀層の活褶曲、現にあそこは地盤が動いているといわれておるわけですね。背斜、向斜のこの隆起あるいは沈下というものは今日なお続いておるといわれておるわけです。 そういう地質の状態の中で、一体その巨大なもの、とりあえず一号炉は百十万キロワットでありますか、この巨大な原子炉を設置しようというのです。しかも東電の計画では、八百万キロワットも集中して炉を幾つかあそこにつくるという計画があるようであります。地盤はそういうものに耐え得る状態にないと私どもは思うのであります。 そのことで、地元住民の方々は、そういう弱い地盤、心配な地盤ということで、イデオロギーを越えていまこの計画について疑問を投げ、また反対をし、皆さんのほうにしばしば陳情に来ておるわけなんですね。このことについてはどういうふうに見ておられますか。もう少し親切な答弁ができませんか。
○井上説明員 ただいまの先生の御質問の点でございますが、最初に申し上げましたように、原子力発電所のような重量構造物を、あの地質構造の上に設置して安全性が確保できるかどうかというような点については、私どものほうあるいは科学技術庁のほうにおきましても、会社のこまかいデータの申請を待ちまして審査をするわけで、その際には、原子炉安全専門審査会の意見も十分聞くわけでございますし、私どものほうといたしましては、原子力発電の技術顧問会というのを専門の先生方にお願いしておりますので、そういう先生方の御意見も聞いて審査をして結論を出す、かようなことになっておりますので、いまの段階で私の立場から、安全だとかあるいは不安全だとかいう結論が出せないわけでございますが、その辺の事情は御賢察いただきたいと思います。 先生の申しておる点につきまして、私どもの担当のほうから東電の意見を聞いたというものを御披露申し上げますと、柏崎地点におきます地質構造については、詳細なボーリング調査の結果並びに試掘坑調査の結果、向斜構造がゆるやかになっておりまして、過褶曲の状態ではないということでございます。東京電力としては工学的に十分対処し得る、こういうことを申しておるわけでございますが、私どものほうとしては、先ほど申し上げましたように、まだ結論が出せない状態でございますので、今後厳重な審査を慎重にやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○米田委員 そこで、私はやはり問題があると思いますのは、電調審の場合もそうだし、かつての安全専門審査会ですか、その段階でもそうだと思いますけれども、大体会社、企業、申請の側から出てきたデータによる書類審査ですね。現地へ出ていって、安全専門審査会のメンバーが実際に歩いて調査をしてみるとか、あるいは試掘坑に入ってみるとかしない。また政府の皆さんの側も私はそうだと思うのです。書類を見て、それでよろしいということになる。その書類は、いま東電はまだ公開しておりません。これは石野先生が言っておりますように、基本データは公開しておりませんけれども、多分にあの地盤でもよろしいということで建設を進めようとしておるわけでありますから、審査をパスするようなデータにして出すということは、これは決して私の邪推ではないと思うのです。そういうふうになってしまう。 そうすると、審査というものはきわめて形式的に、単なる儀式のようなものになってしまう。これではほんとうの意味の審査ではない。ことに用地なんという問題は、炉の関係以前の問題であります。原子力船「むつ」にすれば、船体それ自体にかかわる問題でありまして、これはもうほんとうに一番基礎になる問題でありますから、そういう関係については、私はこれらの調査というものは、単なる書類あるいは会社が出してきたデータによるだけの調査ではなくて、私どもがいろいろ言っておるようなそういう疑問、あるいは現地の皆さんがあなたのほうに二回も三回も来て出しておる資料等に基づきまして、そして十分納得のいくような審査をされた上で答えが出る、こういうことにならなければならぬと思うのでありますけれども、これはどうですか。
○井上説明員 われわれが審査に臨む態度は、先生の御指摘のとおりでございまして、会社の出してまいりましたデータの信憑性のチェック、あるいは必要な場合には現地の調査というようなことも含めまして、これは科学技術庁と一緒になって十分厳重な審査に当たりたい、かように考えております。
○米田委員 真殿坂断層の関係は、これはいずれ東電でも証人に来てもらったときになお私、お聞きすることにしまして、次に問題を移しますが、ただお願いしておきたいのは、東電側では、たとえば七百五十本ですかボーリングしたといっている。一体どれだけの深さでどこをやったのかということは何もわからないわけですね、三十メートルのボーリングなのか百メートルのボーリングなのか。真殿坂断層がどうかということを調査するには、少なくとも三百メートルぐらいのボーリングをしなければわからぬだろうと専門家が言っているわけですね。ところが、どの程度のボーリングだか深さもわからない、どの地点をどういうふうにやったかもわかっておらないわけであります。ただ、電調審に出した資料によれば、七百五十本ぐらいのボーリングをやっていろいろ検査をした、こうなっている。きわめて非科学的なんです。ですから、この真殿坂断層の関係についてはしっかりと、心配がないならないような、これは科学の問題でありますから、抽象論や政治論じゃないんでありますから、科学の問題としてデータを添えて、少なくとも不安を持っている現地住民には説明できるように、説得できるようにすべきだということを、あなたのほうから指導しておいていただきたい、これを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、地盤の関係で非常に心配なのは、あそこは第三紀層の泥岩層だといわれておる。敦賀の場合は花こう岩、福島の場合は岩盤、こういうふうにいわれておるわけであります。泥岩というものが地質学的にどの程度の強弱があるかということは、私は専門的にはわかりませんけれども、いま石野先生も言われましたように、専門家筋では、この泥岩は非常に問題があるというふうに指摘をしているわけですね。風化が非常に激しいとか、あるいは水分が多いとか、あるいは亀裂状のそういう状態があるとか、非常に泥岩としても質が悪い軟弱な状態というものを、これまた一データを添えてあなたのほうにも出しておるし、東電にも出しておるんですけれども、これらに対しても、データの面で資料の面で答えがない。 ただ、地質調査をやりましたときは、ボーリングコアを使っていろいろな、一軸圧縮だとかあるいは地盤の強弱をはかるいろいろな方法があるそうでありますけれども、そういうようなものがずっと資料の中には出ておりますが、これもあえて言えば、何本のボーリングからどれだけのコアをとって、そしてどういうふうに調査をして値が出たのかという関係は、これまた非常にあいまいである。 現に私が、東電が一応説明に来ましたので、それで見たのでありますけれども、たとえば一軸圧縮、この関係では、大湊側に百四十二本のボーリングをしておる。このうち試験に用いたのが二十八本、百四十二本に対して二十八本のボーリングしか試験にとらなかった。それからコアの数は三十五、このうちまた、数値が下がっているとかあるいは上がっているとかいうようなことによってはねまして、四つはねておる。そして実際にとったのは、コアは五個というふうになっておる。百四十二もボーリングをしておる。そのうち二十八本のボーリングしか採用しない。そしてそのうちのコアも、三十五もコアをとっておきながら採用したのは五つであります。九つ採用したんだけれども、四つは値が低いということで切り捨てておるわけであります。それから——いや、いまの私の説明の中でちょっと間違えました。一軸圧縮の関係ではとったのは四つですね。それから切り捨てたのがやはり五つ、これは間違いありません。 それから、単位体積重量の測定にあたりましては、これまた非常に採用が少ないですね。ボーリングでは、大湊側には百四十二、荒浜側に百九十九、合計三百四十一、このうち試験に採用したのが大湊側で二十八、荒浜側で五十七、コアの数は荒浜側で七十四、大湊側で三十五、このうち採用したのが大湊のほうでは四であって、荒浜のほうでは一軸圧縮は三十五、それから単位体積重量のほうは、大湊が五で荒浜の側は二十七と、ちょうど数値が会社としては好ましい数値が出たもののコアだけをとって、他は全部切り捨てておる。それからボーリングも、いい数値の出たところのボーリングのコアだけを採用しておる、こういうふうになっておるわけなんであります。 これは、会社側は一定の説明をしております。試験の段階で何かそそうがあったのじゃないかとか、あるいは輸送の段階で何かそそうがあったのじゃないかとか、要するに切り捨てたことについての理由をいろいろ説明しておりますけれども、この種のものというのは、切り捨てなんかなしに、全体の数値を出してその平均をとっていく、こういうふうにすべきじゃないか。現に促進協のほうの資料はそういうふうに数値を求めております。 なお、申し上げておきますが、この調査をやった会社は興和地下建設、これは東電の調査もやっておりますし、促進協のほうの調査もこの会社がやっておる。一つの会社が二つの——二つといったって、促進協は、促進でありますから賛成のほうでありますから同じようなものでありますけれども、そういうふうに検査をして答えを出しておるわけなんです。東電のほうは、それを、適当と言っては悪いですけれども、都合のいいように、いかにもこの地盤が適地であるというふうな答えを引き出すための手を加えた数値にしておるのじゃないか、こういう疑問もあるわけであります。こういう関係は、通産省のほうではどういうふうに見ておられますか。
○高橋説明員 先生の御質問でございますが、まず一軸圧縮強度につきまして、東京電力が興和地下建設に依頼いたしまして実施したところの事情を聴取いたしました。次のとおりでございます。 試料を採取いたしました場所は、御指摘のとおり大湊地区が中心でございまして、ボーリング孔は二十八でございまして、そのボーリングの中から三十五個のボーリングコアをつくりまして、これについての一軸圧縮強度試験をやっております。そのうち、最終的にデータとして採用いたしましたのは、先ほど御指摘がありましたとおり、四つの供試体につきましてのデータは異常値であるという判断をいたしまして、すなわち三十一のデータから最大最小平均値というものを出しておるようでございます。それに対しまして、促進協議会が同じ興和地下建設に委託しました調査のほうは、御指摘のとおり、発電所全域にわたっております三十二孔七十八個のデータが採用されておりまして、最大最小平均値、そういうことになっておる次第でございます。その後、荒浜地区につきましては東京電力も引き続いてボーリング調査を実施いたし、なお現在も続行中というぐあいに申しております。 それから、単位体積重量の試験でございますが、これも同じく東京電力が興和地下建設に委託いたしまして実施いたしておりますが、昭和四十五年十二月ないし昭和四十六年四月の間のデータがパンフレット等に載っておりますが、これもやはり御指摘のとおり、大湊地区で採取した試料に基づくデータでございます。ボーリングは二十八の穴を掘りまして、その中から三十五個のボーリングコア、これは先ほどと一緒でございますが、この三十五個につきまして単位体積重量試験を行ないまして、その最小最大値並びに平均値を出しております。これにつきましては、特にその統計的な処理等はやっておらないようでございまして、全部についてのデータを集約しまして最大最小平均値というものを出しておるようでございます。なお、その後荒浜地区の調査も実施いたしておりまして、現在もやっておるようでございます。 これに対しまして促進協議会のほうは、発電所敷地全域につきます三十二ボーリング孔から七十八個のコアをつくりまして、単位体積重量の試験を行なっております。
○米田委員 それはわかります。もう時間もそうないのですが、いまあなたの御説明した資料をいただいておりますのでよくわかっておりますが、私の言いたいのは、要するに、せっかくの調査をしたコアの数値の都合の悪いものは捨てるとか、それから低いものは抹殺するとかいうようなことは、どういうものかということを私は申し上げておるのです。そういうことによって出た答えが、一軸圧縮や単位体積重量等についても心配がないという答えになって出てくる、これが問題だと私は申し上げておるわけでございます。 したがって、私どもは、現在東電が持っている全資料というものを公開して見せてもらわないとそのことの真実がつかめない、こういうことでさっきからも資料の公開等については要求をしておるわけなんです。そういう点については、通産省から十分行政指導をしてもらいたい、こういうことを私は申し上げておくわけであります。 それから、これはもう時間がありませんから、答弁をもらわないで、私はお願いだけしておきますが、この土質の関係でもう一つ重要なポイントは、含水比であります。含水比のデータは、東電からは私のほうには来ておりません。これはあなたのほうに行っているかどうかわかりませんけれども、私どもが知っておるところでは、ここの含水比について促進協が出した資料によると、これは新潟県の地すべり地帯よりも含水比の比率が高い、こういうふうにいっておる。大体、促進協が出した含水比の指数は四〇%をこえておる。新潟県は天下一の地すべり地帯であります。県はこの地すべり地帯の地質調査等は非帯によくやっております。二〇%をこえると、もう地すべり地帯として特別な措置をしなければならぬというふうに考えておるわけでありますし、これは学界等でもそういうふうに通説になって発表されておるわけであります。これが出てきておらないのです。こういう点は一体どうなのかということも、やはり問題にしなければならぬだろう。地元の人たちが心配のあまり出したいろいろの疑問点、こういう点については答えておりませんので、私どもとしては、この地盤の関係というのは決して企業秘密でも何でもないし、十分適地であるならば一切のデータを出して、そして適地だという証拠を示して住民の方々を納得させるということが必要じゃないか。 したがって、柏崎の現地で地質についての公開の説明会、これは東電とあなたのほうがひとつ指導をしていただいて説明会を開いてもらいたい。これだけ資料の上で、データの上で疑問があるわけでありますから、これをこのままにして、ただ安全専門審査会で解明すればいいということにはならないわけであります。しかも、東電はもう近くこの一号炉の設置許可申請を出すと言っている。そのときでなければ一切のデータは公開しないと言っている。こういう状態のままでどんどん建設というものは進むわけであります。これはたいへんなことでありますので、少なくとも許可申請が出る前に、地盤の関係については地元住民が納得するという措置が私は絶対に必要だと思う。 それで、現地に公開された説明会、そこには一切の資料を出す、東電側も資料の公開はやぶさかでないと言っているのでありますから、出してもらって納得させたらどうかと思うのでありますが、その点についてどうでございますか。
○井上説明員 御指摘の点につきましては、先ほど申し上げましたように、従来からも東京電力に対しまして、地元の方々の納得を得るよう数値に基づく科学的な説明を十分にやるということで指導をいたしておりますので、御趣旨に沿って強力に指導してまいりたい、かように考えております。
○米田委員 これで終わりますが、なお、資料の公開につきましては、私ども社会党の国会議員八名による調査団と約束をして、十一月上旬に出しますと言っている。まだ出さない。それから新潟県出身の衆参国会議員が八名、あなたのほうと東電にもお会いしまして、これまた資料の公開をお願いして、これも出します、きわめて早い機会に出しますといって約束しておりながらまだ出さない。私は非常におかしいと思うのですね。あえて国会軽視だとか、議員を侮辱しているとかいうことばは使いたくありませんけれども、十一月の上旬に出しますと期限を切っておきながら、きょう十二日でありますけれどもまだ出さない。こういう状態は、私は、きわめて会社も不誠意だし、不謹慎だと思いますので、そういう点についても、あなたのほうから行政指導を通して徹底させていただきたい。 それをお願いして終わりたいと思います。
○安井委員長 関連質問を許します。簡潔にお願いいたします。近江巳記夫君。
○近江委員 この柏崎の問題でありますが、私どもも一昨年末に調査団をつくりまして柏崎へ行ってまいりました。私自身も現地に行ったわけでございますが、ただいま御指摘がありましたように、私どもが一番心配するのは、やはりこの地質の問題です。 御承知のように、新潟の柏崎一帯は天然ガスをとっておるわけですね。そういう点においても、刻々とそういう地穀の変動というものがやはり来るのじゃないか。しかも、海岸線を見ても侵食されてきておる。やはり地盤沈下の問題が非常にある。こういうような非帯に不安な要素というものはたくさんあるわけであります。たとえば、同じマグニチュードの地震が起きたとしても、その地質によって影響というものは非常に大きな差があるわけですね。学者の人が言っておることにおきましても、あの一帯というのは、地質上としては非常に心配だということを言っておるわけです。 そういう点におきまして、しかも百十万キロワットというような、そういう大型のものを設置する。しかも集中して置いていく。その地盤が動かないというそういう仮定のもとでボーリングをして地耐力を調べる。なるほどそれは強度はあるかもしれない。しかし、そういう不測の災害が起きた場合に、それがどういう結果になって出てくるか。これは、その地点を単にボーリングだけをして地耐力を調べていくというようなことでは済まない非常に大きな問題です。 ですから、この安全審査という点において、原子炉自体の大型化あるいは集中化ということにつきましても、私どもは危惧は持っておりますが、それ以上に、そういう地質ということについて大きな疑問を持っております。ですから、こういうような不安定な地帯において、これだけ集中してこの地帯に置いていくということ自体、私は非常に問題だと思います。これは、政府においてもそういう特別な地質に対する調査は徹底したものをやらないと、ただ電力会社から出してくる資料だけの検討であれば、これはもう許せない問題だと思う。 当然、東電があの用地を買収するにあたって、通産省なり科学技術庁にいろいろな点でコンタクトがあったはずなんです。あなた方はそういうような時点において、どういうふうな判断を下したかという問題もあるわけです。いままで買収に当たる前にそういう相談があったのかどうか。さらに、今後そういうような不安定な、心配なそういう地帯について、電力会社のそういう資料だけの検討で放置するのか、政府として徹底したそういう調査を今後なさるのかどうか、その二点についてひとつ聞かしてください。
○生田説明員 先生御質問の第一点でございますが、東京電力が柏崎の用地を買収するにあたりまして、事前に科学技術庁あるいは原子力委員会に相談あるいは説明をしたということはございません。したがいまして、私どもといたしましては、今後原子炉の設置許可の申請が出てまいりまして安全審査をいたします段階で、十分慎重に安全審査をしてまいりたいと思っております。なお、安全審査につきましては、先生御承知のように、地質あるいは地震の専門家も参加しておりますし、その専門家の能力もおかりしまして、慎重な安全審査を進めていきたいと思っております。 また、第二点の御質問でございますが、原子炉の設置者、すなわち東京電力が提出した資料だけで書面審査をするのではないかという御指摘でございますが、書面審査もいたしますけれども、原子力委員会の安全審査におきましては、必要に応じまして現地の実地調査もやることになっております。いろいろただいま御指摘のような御疑問の点がございますので、その点も十分検討いたしまして、必要に応じまして、私どもは実地調査もあわせて行なっていきたいと考えております。
○近江委員 関連ですから終わりますが、十分この点については、政府としては慎重な、徹底した調査をひとつやっていただきたい、このことを要望して質問を終わります。
○安井委員長 栗田翠君。
○栗田委員 私は、浜岡原発の問題について質問いたします。 八月十三日から試運転を開始しておりました浜岡の原子力発電所で、十月の下旬に異常が発見されて、いま運転をとめて調査中になっているはずでございます。まず、ここで起こりました異常というのはどんな異常だったのか、またどのような検査によって発見されたのかということをお答えください。
○高橋説明員 今度の調査のきっかけになりましたのは、九月でございますが、アメリカのドレスデンの二号炉というところで、再循環ポンプ出口弁まわりのバイパス配管の溶接部にクラックが発見されました。引き続きまして、二つの炉で同種のクラックが発見されたというニュースをわれわれは知ったわけでございます。 そこで、日本の国におきましても、現在運転中並びに試運転中の同型式の原子炉、沸騰水型の原子炉でございますが、試運転中、運転中合わせて六基ございますので、それにつきまして当該部分の点検を指示いたしまして、当庁検査官立ち会いの上でいろいろな検査をしたわけでございます。その一つに浜岡の原子力発電所がございます。御存じのように、浜岡の原子力発電所はまだ試運転中の段階でございますが、安全サイドを踏みまして、浜岡の原子力発電所もこの調査の対象にいたしました。 検査の方法でございますが、このバイパス配管には溶接部がございます。その溶接部につきまして、液体浸透探傷法という方法と、それから超音波探傷法という方法がございます。この二つの方法をおもな手段といたしまして、その後必要に応じて追加テストを行なうという形でテストをしたわけでございます。 その結果、液体浸透探傷法では有害な欠陥は全然ございませんでした。次の超音波探傷法でテストいたしました結果、原因不明の影と申しますか、超音波探傷装置と申しますのは超音波を発信いたしまして、その反射波によりまして異常の有無を発見するわけでございますけれども、原因不明の反射波、インディケーションとわれわれは呼んでおりますが、そういうインディケーションがあったわけでございます。それでそのインディケーションは、この超音波探傷法でやります場合に、たとえば加工中のグラインダーの傷とかそういうものも拾うわけでございますし、それから形状効果と申しまして、パイプの曲がり角とか仕上げの角のようなところ、そういうところの反射波も拾うわけでございますので、この反射波につきまして、それがそういう形状効果あるいは加工上の問題なのか、それとも異常な反射波なのかという検討を進めたわけでございます。 その手段といたしましては、たとえばエックス線でフィルムをとってみるとか、あるいは同じような模型をつくってみまして、それに超音波探傷装置を当てまして、同じような反射波が出るかどうかというようなことをいたしまして、それが正常なものであるかどうかということを判断するわけでございます。私どもいろいろなことをやりまして、それがそういう形状効果並びに加工上の原因の反射波であるというような判断材料もずいぶん出てまいりましたが、言うなれば、百のうち最後の一つと申しますか、完全にそれがそういった形状効果並びに加工上の問題であるという証明ができなかったわけでございます。 〔委員長退席、近江委員長代理着席〕 そこで、私どもはもちろんその安全には万全を期するというたてまえから、一つでもそういう疑問点があるということであれば、これは原因不明ということでとりあえず処理をすべきであるという結論を出しまして、現在原因不明という結論を出しまして、次の詳細調査をさらに行なうという段階になっておる次第でございます。
○栗田委員 バイパス配管の溶接部だけを検査されたのは、どういうわけでしょうか。
○高橋説明員 なぜバイパス配管の溶接部だけを検査したかという御質問でございますが、ドレスデンの例、クォードシティーの例、あるいはミルストンの例等、すべて溶接部あるいは溶接の際に熱影響を受ける部分について生じたトラブルでございまして、そういう観点からバイパス配管の溶接部、これは実は二十四カ所ありますが、その部分を中心にその前後を調査いたした次第でございます。
○栗田委員 アメリカのドレスデンの事故などの原因になっているものは、応力腐食割れであるというふうに聞いておりますが、そうですね。
○高橋説明員 ドレスデン等のトラブルにつきましては、その部分を切り取りまして、AECの国立アルゴンヌ研究所、あるいはゼネラルエレクトリック社の研究所等で現在詳細な金属学的な調査等を進めておるというぐあいに聞いておりますが、最終結論はまだ時間がかかると思いますけれども、中間的なニュースとして、応力腐食ではなかろうかという話を聞いております。
○栗田委員 それでは伺いますが、この応力腐食割れによる事故は、これまで何例ぐらい報告されているでしょうか。アメリカでは調査もされて報告がされておると聞きますが、その辺についてお答えください。
○高橋説明員 御質問の趣旨は、応力腐食割れによる事故が従来どのくらいあったかということだと思いますが、今回のようなバイパス配管におきます溶接部の応力腐食割れというようなことは、私は、従来聞いておりません。
○栗田委員 私の調べましたもので、バイパス管の事故ということではありませんが、原子炉に起こっている応力腐食割れによる例ですが、百五十例くらい出されている。これは一九七三年ブッシュ・エンド・ディロンの調査で、米国を主体として集めた例だというふうに、私は調べましてそういう資料を手に入れております。これについては御存じですか。
○高橋説明員 存じておりません。
○栗田委員 それでは、その内容について私の調べたのを申し上げさせていただきますが、これはどんな部分に起きているかといいますと、百五十例のうちで、原子炉内構造が十六例、配管とフィッティングに起きているのが四十八例、ポンプと弁が十、それから熱交換器と蒸気発生器が三十三例、圧力容器またノズルなどに起きているのが九例というふうになっているわけです。これはかなりこまかく例も出されております。これを見ますと、たいへんさまざまな場所にこの応力腐食割れが起きているということですが、特に、一次系では配管に多いということ、それからいまも読んだとおり、二次系では熱交換器、蒸気発生器に非常に多いということです。 バイパス管だけしか調べなかったというのは、私、ここで非常に問題だと思うのですけれども、もし応力腐食割れによる事故であれば、ほかのところにも同じような問題が起きているのではないだろうか、バイパス管だけ調べたからここだけに異常が発見されたのではないだろうか、そういう疑問を持ちます。 それでは伺いますけれども、バイパス管の材質は何でしょうか。
○高橋説明員 ステンレス鋼でございます。十八クローム八ニッケル鋼でございます。
○栗田委員 それでは、再循環パイプの材質、それから続けまして、さっき非常に多く例が起きているという熱交換器と、それから蒸気を通す管の材質、これは何でしょうか。
○高橋説明員 再循環パイプの本管のほうでございますが、ステンレスかと思います。熱交換器は、このBWRにはございません。
○栗田委員 蒸気を通す管、蒸気発生器は何ですか。
○高橋説明員 一次系の主要配管はステンレスかと思います。
○栗田委員 それぞれ溶接部分もたいへん多いと思いますが、どうでしょうか。
○高橋説明員 溶接個所はあると思います。
○栗田委員 この応力腐食割れといいますのは、材質による影響、それから水質による影響というのが非常に多いというふうに聞いております。いまの、材質も同じ、それから溶接部分も非常に多いとすれば、当然同じような場所に異常が起こるのではないかと私には思われますが、こういう場所について、バイパス管だけでなくて調査すべきではないでしょうか。いかがですか。
○高橋説明員 今回のひび割れの発生の原因につきましては、現在、日本の国におきましても進めておる最中でございますし、またアメリカにおいても、先ほどお話をいたしましたようなところでやっておるわけでございまして、現段階で、中間的に応力腐食ではなかろうかということが報告されている次第でございます。応力腐食割れというものは、ある応力レベルと腐食環境にあるものに発生いたしまして、急激に進展するものではないというぐあいにいま考えておるわけでございますが、なお、今後のいろいろ原因調査の進展に伴いまして判断をすべき問題かと考えております。 御存じのように、この配管部分は、非常に太い配管に細い配管がついておりまして、そういうバイパス弁でございますので、そういった事情もいろいろと検討の中身に入れていかなければいかぬというぐあいに考えております。
○栗田委員 さっき私が申しましたように、アメリカの調査の例でも、バイパス部分だけでないところに応力腐食割れがかなり起きているというわけです。原因をこれから究明するとはおっしゃいますけれども、アメリカでバイパス管に事故が起きたから日本でもそこだけしか調べない、こういう態度はたいへん問題だと思うのです。全部について調べてみて、日本の原発についてどういうところに異常が起きているのか、どういう安全対策を立てなければならないか、日本政府としても独自にこれは調査して考えていく必要があると思うのです。それで私が申し上げているわけです。しかもこれが、さっき言いましたような応力腐食割れだとすれば、材質上、また構造上の欠陥であるということも考えられるわけなんです。 そうなってきますと、こういう事故はまた次々に起こるという可能性が出てくるわけです。そのことについて、非常に危険だと思いますので、いま私は質問しているわけです。ですから、進展によってとおっしゃいますけれども、全部についてやはり総点検をすること、すべての部分について慎重に検査をすることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋説明員 先ほど御説明いたしましたように、現在原因を追究中でございますが、この事故が急激に進展するものではないというぐあいにまず考えられます。 さらに、今後の措置といたしましては、原子力発電所では毎年計画的なスケジュールに基づく定期検査をやっておりますが、そういう中で、十分この健全性を確認するという手段がございます。さらに運転中、格納容器の下部のピットがございまして、そこにたまる漏水を監視する設備がございますが、その漏水の監視によりまして異常が発見されれば、直ちに原子炉をとめるというシステムになっております。こういう段階でございますので、現段階におきましては、異常が認められていない部分についての総点検は、考えておらない次第でございます。
○栗田委員 急激には進展しないということをしきりにおっしゃっておりますが、日本原子力研究所の近藤達男先生が仙台で特別講演をしておられます。原子力工業におけるSCC事故と問題点、応力腐食割れ事故と問題点、特に沸騰水型炉の問題ということでやっていらっしゃるのですけれども、これにこういうことが言われているわけなんです。「環境支配をうけたSCCや腐食疲労において、万一、最終的な破断の条件が満たされてしまった場合にも、それがはげしい脆性的な瞬時破断の形をとるか、あるいはゆっくりと漏えいをはじめ、やがて開口する過程をたどるか、によって安全工学的には大きな違いがある。この点についても、構造力学的な研究と、環境脆化におけるクラック進展速度ならびにモードの研究の密接な連けいが必要となる。」こう言っておられます。 この場合に、応力腐食割れが起きたら、必ずしもゆっくりとは漏洩しないという場合のことを想定したことを言っておられるのですけれども、絶対にゆっくりしか進まないのだとしきりにおっしゃっていますが、その点は確かですか。一体、そういう研究をしていらっしゃるのでしょうか。
○高橋説明員 ドレスデンの場合には、漏れまして、一分間に大体五ガロンの量が漏れたと聞いておりますが、その漏れを格納容器内にございますピットの水位上昇で発見をして炉をとめて、外部には全く影響を与えなかった、そういうような形になっております。 したがいまして、先ほどお話をいたしましたように、わが国におきましてもピットの監視を厳重にする、そこのモニターの感度を上げるというような措置で十分対処し得るかと思っております。
○栗田委員 ドレスデンの場合はそうだったかもしれませんけれども、それならば、こういうふうに瞬時的に破断をするというようなことが全くないという研究をしていらっしゃるのでしょうか。そのことを伺っているわけです。日本では原子力発電所の事故についてはどんな調査体制でいままで研究を進めていらっしゃるか、そういうこともあわせてお答えください。
○高橋説明員 現在、原因をいろいろ調査いたしておりますが、その結果につきましては、私ども通産省にございます原子力発電技術顧問会の御意見を聞いて、原因分析並びに今後の措置等については万全を期していきたい、そういうぐあいに考えております。
○栗田委員 私の伺ったことのお答えになっていないのですが、瞬間的にパイプが切れたりするような場合が全くない、そういう研究がもう完成しているのですか。
○高橋説明員 その件につきましては、今後の原因調査の段階で十分検討してまいりたいと思っております。
○栗田委員 いまのお答えですと、まだあまり研究は進んでいないようなお答えです。安全だということを前提になさるのは、非常に危険だと私、思います。 こういう点で、実はきのうもNHKで報道されておりましたけれども、アメリカの原子力委員会がいまからちょうど十年前に、原発事故の規模についての調査をやっていた。それでこのAECのブルックヘブン国立原子力研究所が研究、作成して、ウォッシュ七四〇修正報告を出していたということが報道されております。これは、もし原発の事故が起こった場合にはかなりの、核兵器事故よりも大きな事故になるだろう、四万五千人ぐらいが死亡する、そういう事故にもなり得るということをいっていて、これが報告されましたけれども、アメリカの原子力委員会が原子力産業フォーラムに連絡したところ、これは非公開にしてほしいという圧力がかかって、十年間公開されていなかった、こういうたいへんな問題があるわけです。それが、つい先ごろニューヨーク・タイムズによって暴露されております。 こういうふうに、万一事故が起きた場合には四万五千人くらいが一挙に死亡するだろうという、こういう危険な事故が起こり得る原発なんですから、いいかげんな態度でだいじょうぶだ、だいじょうぶだとおっしゃっていて十分な体制が組まれなかったら、実にたいへんだと思います。 もう一度私は繰り返しますけれども、直ちに総点検をすべての個所についてやっていただきたいと思いますが、その辺についてのお考えはいかがですか。
○生田説明員 ただいま先生の御質問のウォッシュ七四〇でございますが、昨日新聞報道によりまして、ニューヨーク・タイムズがただいま御指摘のような報道をしたことを、私ども承知をいたしました。ただ、これはニューヨーク・タイムズがどういうことでああいう報道をしたのか存じませんが、昨年の六月にその内容は、概要でございますが公表されておりまして、私ども入手しております。その概要によりますと、確かに事故を想定いたしまして四万五千人の死者が出るという数字は出ております。 ただ、この点でございますけれども、本来このウォッシュ七四〇と申します調査それ自身が、プライス・アンダーソン法というこれはアメリカの原子力損害賠償法でございますが、それの制定に伴いまして、事故が発生した場合の損害賠償との関連におきまして、その事故の大きさを計算するための一つの試算として計算されたものでございます。そしてプライス・アンダーソン法の制定当時にその調査が行なわれまして、その後、時限立法でございますのでその延長が問題になりましたときに、さらにその改定が行なわれたということでございまして、昨日報道されましたものは、その一九六七年に改定されました調査のことであろうと了解しております。 ただ、この調査の内容につきましては、もしさらに詳細な御説明が必要でございましたら、担当の課長から御説明をいたしますけれども、いろいろの前提を置いておりまして、特にその原子炉のコンテナその他いわゆる防護設備でございますけれども、それにつきまして、かなり現実と違う前提を置いて計算したものでございます。したがいまして、私どもはこの調査の結果が、そのまま現在存在しており、かつ、稼働している原子炉の事故の損害の大きさを表現するものと考えるのは、かなり問題ではないかというように考えておりますし、アメリカの原子力委員会もそのようなコメントをつけて、そういう理由のために、むしろ誤解を避ける目的のために公表を差し控えたというような発表が、当時ございましたように私どもは理解しております。 したがいまして、ただいまの先生の御指摘でございますが、先ほど来御質問の原子炉の部分的な損傷の問題、そういう問題と、このウォッシュ七四〇の結果とを直ちに結びつけて原子炉の危険性というものを強調されますのは、私どもはいかがなものかと考えております。 総点検でございますけれども、必要がございますれば総点検をするのにやぶさかではございませんが、現在のところ、今回の問題、沸騰水型原子炉の問題につきまして、それだけで総点検を、いま直ちにやるという考え方は持っておりません。
○栗田委員 それでは、さっきから私ずっと質問してまいりましたけれども、応力腐食割れの可能性もあるということは認めていらっしゃるのですけれども、しかし、まだ総点検の必要はない、さほど大きな事故にはつながらないというお考えなんですね。
○生田説明員 先ほど来通産省からお答え申し上げましたように、現在その原因を調査中でございます。もしも先生が御指摘のように、それが溶接部分だけではなくて原子炉内の配管全般にわたり非常に問題が多いものであるということでございましたら、あるいは総点検の必要が出てまいるかもしれません。そのような事態になりましても、総点検は一切やらないというような考え方は私どもは持っておりませんけれども、現在、そのような結論に達しておりませんので、現在の段階で、総点検はまだ考えていないということでございます。
○栗田委員 浜岡のバイパス管の場合、溶接部分より少しはずれているんじゃありませんか。
○高橋説明員 浜岡の場合は、溶接の熱応力の及ぶ範囲と考えております。
○栗田委員 それでは次に伺いますが、浜岡原発はいつまでとめておきますか。どういう条件が満たされたとき動かすおつもりですか。
○高橋説明員 現在、当該部分の点検調査を進めておりますので、原子炉は停止させております。それでこの原因の調査を進めまして、そのめどがつくまでは、試運転は再開しないという方針で対処いたしております。
○栗田委員 めどとおっしゃいますが、それはどういうめどなのでしょうか。原因がはっきりするまでとめておくべきだと私は思いますが、いかがですか。
○高橋説明員 今後、内面の目視検査、内面の液体浸透探傷試験、金属組織試験等を行ないまして、原因がはっきりするまでは炉の運転を停止する、そういう趣旨でございます。
○栗田委員 資料の提出をお願いしたいのですが、一つは、バイパス管のエックス線写真の異常個所の部分、超音波探傷の記録図、今回の調査結果をいただきたいということ、もう一つは、パイプ系統の設計図と材質について、原子炉の設計図及び材質についての資料をいただきたいと思います。それから、きょう質問時間がなくなりましたのでいたしませんけれども、あの浜岡地区というのは地震の観測強化地点に指定されているところです。地震との関係で耐震設計についての資料、これをいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○高橋説明員 ちょっと全部正確にメモできませんでございましたのですが、たとえば超音波探傷試験の記録というようなことが入っておったかと思いますが、これはブラウン管上でそのサインを見るわけでございまして、そういう御提出不可能なものも若干入っておるかと思いますので、検討いたしまして、その線に沿うように努力いたします。
○栗田委員 次に、原子力発電所が運転されますと放射能が多少出るわけですけれども、環境安全専門部会によりますと、年間五ミリレム以下に押えるようにというふうにいっております。浜岡もそういう目標でやっていると思いますが、そうですね。
○中村説明員 お答えいたします。 浜岡につきましても、安全専門審査会の審査、許可段階の審査で、そういうことを目標にやるということで審査いたしておりまして、それを実際の発電——いま試運転中でございますが、試運転及びその後の運転開始後も五ミリを目標として、それを達成するように維持、運転をするということにいたしております。
○栗田委員 いま、この浜岡の地元では、放射能問題でたいへんみんな気をつかって関心を持っております。ところで、試運転が開始されましてからいままでに、この浜岡地域にはモニタリングポストが七カ所、それからモニタリングステーションが六カ所ありますけれども、地元の住民の中で絶えずこれを監視している人たちが出てきているわけなんですが、いままで、九月と十月の二回にわたって五ミリレムをこえる数値が出ております。このことについて報告を受けていらっしゃいますか。
○中村説明員 いま、先生のおっしゃいましたような報告は受けておりません。
○栗田委員 これは私、実際に現場にも行きまして、中電にもただしましたところ、事実出ていたということを言っております。九月十一日か十二日に一回、十月二日に一回出ております。中電側の言い分は、九月十一日か十二日の一回は、計器の格差チェックによるものであろう、十月二日はたぶん雨の影響だろうという言い方をしているのですけれども、それでは、この浅根山の上の原ステーション以外を調べたかと言ったら、調べておりません。資料を出してほしいと言ったら、それも出しておりません。ただ、だろうと言うだけです。こういう問題がありまして、非常に地元の不安をかき立てておりますので、十分な指導をなさって、また、このことをさっそく調査をしていただきたいと思います。 次に、最近報道されていることですが、この浜岡原発の周辺で、植物の異常が起きているということが報道されています。これについて、私も調査いたしましたけれども、浜岡の近くにある相良高校の永田教諭が、ムラサキツユクサによって観測をずっと続けました。これは京大の農学部の市川定男博士の指導を受けてやっているものですけれども、ムラサキツユクサのKU7株といわれる株、京大の七番目の改良種で、放射能に非常に敏感に反応する株だそうです。これを六月から十カ所に配置をしました。このうち一カ所だけは、浜岡原発から八キロ離れた相良町に置きまして、残りの九はちを原発の周辺に置いたわけです。 そうしたところが、七月七日から観測を開始して、九月の二十一日まで調査を続けましたけれども、七月七日から八月二十四日までは異常な変化はなかったわけです。これは十のはちについて、突然変異の平均値が〇・四%、これは一般に〇・三%ぐらいですから、たいした数値でなくて、大体このぐらいだったら、普通の環境放射能、普通の放射能で出てくる状態だということだったわけです。 ところが、これが八月の二十五日から急に変化を始めているわけです。ムラサキツユクサというのは、放射能などの影響を受けますと十二、三日で変色が最高になるといわれておりますが、ちょうど逆算をしますと八月の十三日、原子力発電所が運転を開始してから十二、三日目で変化が出てきているというわけなんです。 これについての数値を、私、調べたのを申し上げますが、九つあります浜岡原発の近くにある検体全部で二十六万五千百九十検体調べました。これはムラサキツユクサの雄しべについているひげの数なんですけれども、これだけたくさんのものを調べているわけなんです。カイ二乗検定という方法でやりました。 サンプルの第一、これは変化が起こってからの数値ですけれども、五万五千六百七十本に対して異常値三百五十本、平均値〇・〇〇六二九、約〇・六三%ですか、こういうふうに出ているわけです。サンプルの第二、一万四千百三十八本に対しまして、異常値が百九本、平均値が〇・〇〇七七一、〇・七%ぐらいです。サンプルの第三、五万五千四百六十九に対しまして異常値三百九十四本、平均値がO・OO六九二です。 これに対しまして、さっきも申し上げましたように、対照として八キロ離れたところに置きました、相良町に置いたサンプルですが、これは変化を起こしておりません。四万八千五百九十五本に対して、異常値が二百二十二本で、平均〇・〇〇四五七で、運転を開始する前には、全部の十のはちがこのぐらいの数字だったそうです。 ところが、遠くに置かれたものだけはもとのままの状態になっていて、近くに置かれているものがいま言ったような変化を起こし始めております。特に、いま言いました三つのサンプルというのは、一号炉から西北方向へ〇・八キロから一・五キロの三カ所に置いたものとなっております。これがこういうふうな変化を起こしているという事実がいま出てきているわけです。このムラサキツユクサは、五ミリレム以下ではこのような変化を起こさない。結局、それ以上の何か原因があったのだろうということです。 ほかに、こういう変化を起こすのは、放射能ばかりでなくて、排気ガスによる場合もあるし、また、農薬がたくさん散布された場合にも起こるといいますけれども、いま私が地元で調査をした結果では、八月半ば以後急に車の数がふえたという事実もないし、農薬を散布しているという事実もあまりないようであるという報告を受けております。 これが私の調査ですけれども、このことについてお調べになっていらっしゃいますでしょうか。それからまた、いまのこの事実をどうお考えになりますか。
○中村説明員 お答えいたします。 いまのムラサキツユクサのお話の前に、先ほど五ミリレムをこえている例が、九月の十二日とかにあるというお話でございますが、五ミリレムというのは年間五ミリレムということでございまして、短い時間の間に五ミリレムをこえるというようなことは、いまの発電所の運転状況からは考えられないことでございますが、実際の数字は、九月の十二日に計器の較正のために、セシウム一三七を使って較正をするわけですが、その較正のために短時間、計器の読みが振れたということはございます。これは自然の、いわゆるバックグラウンドよりも大きくなったということでございまして、先生がおっしゃっております五ミリレムのこととは、若干意味が違うのではないかと思います。 それからムラサキツユクサの件でございますが、そのようなことがあるということにつきましては、地元の新聞に掲載されておりまして承知しておるわけでございますが、ムラサキツユクサにつきましては、現在まで、非常に放射能に敏感な植物である、そういうことで、これを放射能の検出の指標生物として使えるのではないだろうかということで、学界というか、学者の方々がいま研究されておるところでございまして、原子力委員会の環境安全専門部会におきまして、先般来検討しておりました中でも、このムラサキツユクサを一つの指標植物として、将来使えるような研究を進めていったらどうだろうかという提案もあったくらいでございますが、現在までのところ、この確立した技術はございませんで、いま先生からもお話がございましたように、放射線に敏感であると同時に、いろいろな化学薬品等にも敏感でございます。そのようなこともございますし、放射能といっても、自然の放射能自体も変化しておることでもございますし、フォールアウトと申しまして、海外で核爆発等の実験等が行なわれましたことに関連しましてのフォールアウト等の問題もございます。今回出てきましたデータだけをもって、直ちにどうのこうのという判断はできかねるものでございまして、こういうものにつきましては長期的に傾向を調べ、それに付随する研究も行ないながら、そういうものが指標として使えるような方向に持っていきたいということで、いま政府のほうにおきましても、そういう研究を進めております。 先ほど申されましたような現象だけで、直ちにそれが浜岡原子力発電所の影響である、そういうぐあいには、私どもとしては即断いたしかねるわけでございます。
○栗田委員 直ちに影響であるとは即断できないと思いますけれども、しかし、八月十三日に試運転を開始して、八月二十五日から、いままで平均値であった、普通の状態であったものが急に、近い部分だけ変わってきたという事実はあるわけです。ですから、そういう可能性もあるという一面もあると思います。 いま私が申し上げていますのは、結論をすぐ出していただくということにはもちろんならないと思いますけれども、それならばほかのいろいろな要素があるのかないのかという調査も、政府としてはまだしていらっしゃらない、こういうことだと思います。ですから、いま地元住民はたいそう不安になっておりますし、安全だと言われても「むつ」のような例もありまして、万一放射能漏れなどがほかのところから起きていた場合、今度の異常のところではもちろんないのでしょうけれども、そういう場合に、放射能というのは長くおけば蓄積されてきますから、試運転されて、運転していた期間がまだ二カ月足らず、それもまだ五〇%の運転だったが、こういうときに早く発見して、安全対策を講じなければならない問題だと思います。 そこで、一日も早く政府としても独自の調査をしていただくこと、また研究途上にあるとはいえ、専門の研究者などをお呼びになっていろいろ調べていただくこと、できれば参考人としてここに呼んで、私もまた質問させていただきたいと思いますけれども、政府としてそういう調査を進めていかれる姿勢はおありになりますか。
○中村説明員 お答えいたします。 ムラサキツユクサの件に関しましては、先ほどもお答えいたしましたけれども、政府におきましても、将来こういうものを放射能の検出の指標生物として使っていくということについて、技術的に確立するために研究を進めておるという段階でございます。 われわれも、ムラサキツユクサのことにつきましては、前々からお話も伺っておりまして、専門の方の御意見もお聞きいたしております。浜岡の件につきましては、今後引き続きこのようなデータがとられると思いますので、私どもとしてもそのあとを追跡いたしまして、今回限りでどうのこうのということだけでなく、追跡させていただきたいと思います。
○栗田委員 将来ゆっくりということでなくて、浜岡に具体的にこういう例が出ていますから、少なくとも、調査団の派遣その他を、この問題についてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○中村説明員 お答えいたします。 現在まで私どものほうで調査した限りでは、発電所からの放射性物質の放出量等については、年間五ミリレムを目標としました数値以下のものしか放出いたしておりません。そういうことで、われわれとしてもなお追跡いたしますけれども、現在直ちに調査団を派遣して検討するということでなく、もう少しいろいろな資料を、私どものほうの手元で検討してみたいと思っております。
○栗田委員 まだ浜岡は二カ月しか運転していないのです。年間五ミリレム以下しか放出していないとおっしゃいますけれども、年間五ミリレム以下になるような標準値をこえた数字が出ているわけですね。平均したらどうなるか、合計したらどうなるか、これはわかりませんけれども、そういう事実はあるということです。だから、出ておりませんと断定なさることはできないと思いますし、地元の人たちの不安をおさめるために、やはり十分な体制をおとりになること、これはどうしても必要だと思います。そうしていただきたいということを私が言っているわけなんです。
○中村説明員 お答えいたします。 まだ二カ月ぐらいの運転ということでございますが、私どもが年間五ミリレムということは、年間五ミリレムをこえるようなという意味ではございません。年間五ミリレムを保持するためには、たとえば三カ月平均で、浜岡の場合でございますと一・三ミリキュリー・メガエレクトロンボルト・パーセックという形での放出率を維持するならば、年間五ミリレムというものは維持されるだろうという数字でございますので、現在まで三カ月の平均放出率、これを七月から九月平均してとりますと、一・四掛ける十のマイナス四乗ミリキュリー・メガエレクトロンボルト・パーセックということで、瞬間的に、先ほど計器較正のために非常に短時間一カ所で、大体五分ぐらいバックグラウンドをこえるような指示があったということは、これはしかし、発電所から出た放射能で上がったものではございませんで、そのそばにわざわざ較正用のアイソトープを持っていってそれで出た放射能でございますので、発電所から出た放射能ではございませんので、その点、お間違えないようにお願いいたします。
○栗田委員 八月十三日以降のモニタリングポストとモニタリングステーションの観測データを公表していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○中村説明員 お答えいたします。 資料につきましては、中部電力に指導いたしまして、必要な資料を整えたいと思います。
○栗田委員 時間がありませんので、あと一言だけ質問させていただきます。 東京湾でLPGのタンカーが衝突して大きな事故になっております。核艦船が入っているのではないかという、ラロック証言をめぐってますますそういう疑いが強くなっておりまして、もしこの核艦船と衝突したのならばどんなことが起こるだろうかと、いま非常にぞっとする思いでおります。 そこで一つ伺いますが、原潜が沈没した場合、想定される事故ですが、原子炉が破壊しますと、東京湾に及ぼす被害はどんな被害があるでしょうか。
○生田説明員 どうも、私どもそのようなことを考えましていろいろの想定をしておりませんし、原子力潜水艦が衝突いたしまして沈没したりいたしました場合でも、おそらく、一般の原子力船舶の場合でございますと、普通の衝突事故では、原子炉が破壊されて原子炉の中の放射性物質が流出することがないような設計になっております。 原子力潜水艦につきましては軍事機密がございまして、私ども十分承知しておりませんが、その衝突の態様あるいは原子炉の破壊の程度によりまして、いろいろ異なってまいると思います。その点の詳細は承知しておりません。
○栗田委員 まだそういうふうな調査というか、研究というのはないということですね。 次に、核兵器が万一爆発した場合、二十キロトンの場合、百キロトンの場合、五百キロトンの場合、どんな被害になるかということを防衛庁に伺います。
○三好説明員 お答えいたします。 いままで核兵器の核弾頭が爆発した事故は、偶発による事故その他一切ございません。それから衝突いたしました場合にも、核弾頭には非常に厳重な安全装置がついておりまして、航空機から落下したような弾頭におきましても、偶然に落としたようなものの場合でも、核爆発は起きておりません。 したがいまして、核爆発は起きませんけれども、考えられますのは、核弾頭を爆発させるためには、核弾頭の中に核物質のほかに通常の爆薬がございます。その爆薬が、何らかの場合、衝突その他の衝撃によってかりに爆発いたしますと、それは通常火薬の爆発威力による被害、これが考えられるということでございます。
○近江委員長代理 栗田君に申し上げますが、約束の時間がだいぶ過ぎておりますので、結論を急いでください。
○栗田委員 絶対ないというようなお答えですけれども、とにかくこういうタンカーの衝突事故も起きているし、いままではなかったが、これはあったらたいへんなんですが、そういうことを十分に想定して、もうこういう東京湾に核艦船が入ることのないようにしていかなければならないし、また、こういう被害が起きる安全対策についても、十分考えていただきたいと思います。 最後に、厚生省はこういうことについて考えておられるか。安全対策などはどうしていらっしゃるかということを伺います。
○浅野説明員 お答え申します。 厚生省といたしましても、あまりそういうことを想定したことはございません。ただ、一般的ないろいろ災害対策といたしまして、救急医療体制を全国的に整備しておりますので、その体制でもって一応対応できるものと考えております。
○栗田委員 これで終わりますが、こういういろいろな問題について国民の不安がいま高まっていますときに、十分慎重な体制と対策をとっていただきたい、これを申し上げて、終わりにいたします。
○近江委員長代理 次回は、来たる十一月二十六日正午理事会、午後一時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十五分散会