P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
72回国会参議院1974/04/04

予算委員会第二分科会 第1号

発言数
171
登壇者
18
会派数
4
開催日
1974/04/04

会議録

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。  これより主査及び副主査の選任を行ないますが、選任は、投票によらず、主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 御異議ないと認めます。  それでは、主査に嶋崎均君を、副主査に今泉正二君を指名いたします。     —————————————  〔嶋崎均君主査席に着く〕

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) ただいま皆さまの御推挙により主査をつとめることになりました。何ぶんにもふなれでございますので、皆さまの御協力を得まして重責を果たしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)  審査に入ります前に、議事の進め方についておはかりいたします。  本分科会は、昭和四十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通産省所管を審査することになっております。八日の委員会において主査の報告を行なうことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日は経済企画庁、五日は午前を防衛庁、午後を外務省、六日は大蔵省、八日は通商産業省という順序で審査を進めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 昭和四十九年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  政府からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 老子が、知る者は言わず、言う者は知らずということばを吐いていることは皆さま御承知のとおり。私は何にも知りませんから、きょうお教えを伺う、こういう意味で質問を申し上げるわけであります。  四十七年だったと思いますが、ニクソンショック以来国際通貨の不安定、さらに昨年十月の石油ショック、こういう過程を経まして今日に至っておることは申し上げるまでもないのでありますが、この間におきまする日本の経済、産業等々考えてみますと、非常な変革を来たしておるし、また来たしつつあるやに看取されるのであります。いわゆる昭和元禄の夢はまさに終えんを迎えたと言わざるを得ません。また、終戦後池田内閣所得倍増政策の時代に消費の美徳がうたわれた時代も、すでに過去の夢となったのであります。こういう今日のゆれ動いておる日本の経済、また社会の諸現象を、経済企画庁におかれましてはどういうふうにとらえておられるか、まず第一にそれを伺いたいと思うのであります。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 小笠さんの言われますように、この両三年の間に日本の経済の内外の与件というものがすっかり変わってきていることを私どもも痛切に感ずるわけであります。したがって、終戦後引き続いてきた経済主導政策の中にも、もちろん波はございましたでしょうが、しかし、ことに一昨年ぐらいまでに至る十年間の経済主導政策というものと、昨年を境にする今後の経済主導政策というものには相当思い切った変わり方があってしかるべきだということを私どもは感じつつございます。これは、日本の経済の構造、体質によるものが基礎であります上に、日本の経済の運営の条件となっております国際的な通貨の事情あるいは物資の流れ、あるいは人口の増加等々が、これは昨年あたりを境にして大きく変っていることによるものも、今後の経済主導政策の上で私どもが考えなければならない与件の変更であろうと思います。その間には、しばしば言われますように、省資源、省エネルギー産業への編成がえでありますとか、あるいは経済成長政策の転換でありますとか、あるいはまた、同じことを別の面から見た場合に、生産輸出第一主義の経済政策から福祉優先型の経済、あるいはまた国際協調の経済への転換、こういうようなことを織り込みまして主導政策を変える時期に来ている、かように概括的には考えます。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 日本経済の与件が変わってきた、国内的にも国際的にも変わってまいる、ここに新しい日本の経済あるいは日本の社会秩序と申しますか、これを生み出さなければならぬのでありますが、私は、この与件の変更の中で一番国民に直接的な影響を持っておる資源の問題、資源的に弱いという日本の性格等を考えてみまするときに、まず国民の生活意識の革命というものがこの際こそ奨励されるというか、指導されなければならないと思うのであります。産業においてもまた従来の考え方を改めて、新しい世界の流れの中に立った産業意識というものが確立されなければならぬ、こう思うのでありますが、それにあたりまして、私は、国民の生活意識を考え直す、こういう意味におきまして、ぜひとも国民のこれからの日本の置かれた諸条件のもとに、標準的な国民生活の基準というようなものが、モデルというようなものがここに確立され、それに従ってそれを営むに必要な物資その他のものが安定して豊かに供給される体制というものをつくり出すべきである。私は、そういう意味から、生活意識の変更と、こういう意味から見て、ここに鳩山内閣が昭和三十年でしたか、あのころ、できた直後に行なったのは、いわゆる国民の新生活運動であります。役所の公邸を廃止するとか、マージャンとかあるいはゴルフを慎むというような生活運動を展開したことが思い出されるのであります。私は、あの時代と今日のこの変わらんとする日本の置かれた状態から考えますと、ここに新しいこういうふうな運動があってしかるべきであると、こう考えるのであります。政府は、昨年の石油危機以来、いわゆる狂乱物価、あるいは何tいいますか、物追いかけごっこというふうな中にあって、国民の生活の基準的なものを指導していく努力を私は忘れておったんではないか、実はこう言わざるを得ないのであります。いまでもおそくはない。私は、そういう意味においての国民生活の基準的なもの、標準的なものの設計をつくる、そして国民に訴えていくというふうな意思があるかどうか、お伺いいたしたいのであります。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 小笠さんのいま述べられましたことは私どもも全く同感でございます。ことに私は、御承知のとおり、昨年の石油危機発生後におきまして補欠のような形でいまの内閣に入りましたので、それまでの内閣の政策指導には直接関与をいたしておりませんでしたので、小笠さんのいま言われましたことに非常に賛成しやすいような立場にあるのかもしれませんが、全くおっしゃるとおりでございます。したがって、私ばかりではございませんが、総理も同じことを今国会冒頭の施政方針演説で述べられておりますが、私なども、おっしゃることと同趣旨の中身に触れた経済政策演説というようなものもさせていただいたわけでございます。ただ、日本の国民が、これまでの長い間の経済成長、あるいは生活水準の上昇と、あるいはまたさらには使い捨て経済というようなものになれてきましたので、それでなかなか百八十度の意識転換ということが、政府が太鼓をたたけばたたくほど、それだけむずかしい面もあるわけでございますので、そこに行政指導のむずかしさもないわけではございません。したがって、政府は、いまおっしゃるとおりの考え方に立つ新しい経済指導方針、あるいは国民生活の指導の考え方を打ち出しておるところでございますけれども、国民の皆さま方のこういうことに対する自主的な自覚、協調というものも非常に大切であると思います。しかし、それは正直に申して、政府がなすところをなさずして国民の協力、協調を求めましても、なかなかついてくるわけのものではございませんので、政府みずからが与件の変革に伴う新しい経済指導政策というものを打ち出し、率先してそれを実施する中において、いま小笠さんが示唆されましたようなことをやるべきであると、かように私は思うものでございますが、御趣旨全く私は同意でございます。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 御同意を得られてまことに幸いでございますが、しからば一例として、われわれの生活用品、必需品の中には、あまりにも規格がたくさんあり過ぎる。ぜいたくに流れ過ぎている。学校の子供が入学すると、机が四万円や五万円もする。そこに電灯も何でもついておるものが売られておる。あるいは小麦粉を一つとりましても何十種類とある。こういう規格とか銘柄とかいうもの、国民生活の必需品について、これを整理し、規格を単純化する意思があるかどうか。そういうところから健全な生活設計の土台を一つずつつくっていったらどうかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これも私は全く同感でございまして、私は入閣する以前、自民党におきましても、実はそういう方面の仕事の一端を担当する分野のことをやっておりました。まあ大きくは、それは自動車とか家庭電機のモデルチェンジ等の行き過ぎ等のこともございましょうが、そういう耐久消費財でなくても、一般の国民消費の対象になるような諸般の物資につきましても、おっしゃるような面がたくさんあろうと思います。これはJISとかJASとかいうような、御承知の制度もあるわけでございましょうが、そういうものの活用なり、あるいはまた国民生活のための基本法のようなものも、先年これはお互い議員立法でつくったこともございますので、私どもや、また国会の皆さま方の御鞭撻が得られますならば、そういう諸制度を運用することによって、おっしゃるような方向に国民の同調を得られることも多々あると思いますので、私はぜひやらなきやならないことであると思いますので、経済企画庁の仕事といたしましても、これはたとえば、ここに国民生活局長さんがおられますが、そういう方面のことを当然担当すべきことでありますが、通産省あるいは農林省等々とも協力しながら、そういう方向の仕事を一そう進めさせていただきたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁国民生活局長

○政府委員(喜多村治雄君) ただいま大臣からお話しございましたようなことに沿いまして、実は昨年の十二月でございますが、国民生活審議会から総合部会の中間報告というのが出ております。その中にはいろんなことが書かれておりますが、かいつまんで申しますと、まあ現在高騰を続けております物価の状況に加えて、いろいろな事態は変わってきたわけでありますけれども、これを契機にして、わが国の経済及び国民生活の全分野にわたって基本的に考え直す必要があるのじゃないかという御提案がございまして、その中で、いま小笠先生がおっしゃいましたような資源浪費型あるいは環境を汚染するような、そういったものを排除するような商品規格の設定をしたらどうかという御提案がございまして、この中には、いま机のお話もございましたけれども、家電製品でありますとか自動車につきましても、耐久度でありますとか、エネルギー効率とか、あるいは付随的な機能に関しまして適正な規格をつくってはどうかという御提案がございまして、この点につきましては、中間報告ではございましたけれども、各省寄り寄り、こういう観点につきまして検討を加えております。  また、第二点といたしましては、現在国民の生活は、おっしゃられましたように、非常に量的に拡大いたしましたのみならず、非常に多様化してまいりました。その中には、いわば消費挑発的な販売方法によって、国民が消費をしなければならないという環境もございますので、こういった消費挑発的な販売方法も制限したらどうかというようなこともございました。したがって、そういったものに対する、まあ抑制ということについても力を入れろという御提案もございました。これにつきましても、広告その他につきましての具体的な方法について検討もいたしております。  それから、国民が一体何がいいのかということにつきましては、何がいいものであり悪いものであるかということの判断はおそらく国民がしていくものでありますけれども、しかし、適正な商品情報がなければその判断も誤るということでありますので、適正な商品情報の提供も行なうべきであるという御提案もございました。  したがいまして、こういった三点につきまして、私どもも現在まだ内部の検討材料でございますけれども、こういう作業を行なっておるということでございます。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 私は、鉄は熱いうちに打ったほうがいいとよく言われておるように、いまそういう問題をくっきりと鮮明に打ち出す必要があるのじゃないか、こう考えるものであります。したがいまして、作文より、まず一つでも実行を、要すれば所要の立法でも行なって、政治の行動に一つのきまりをつけたような行動をとっていただきたいと思うのであります。ぜひともそういう方向での御勉強をお願い申し上げたいんであります。  さて、よく言われておりますように、今日の政治課題の最大の問題は物価政策であります。物価政策につきましては、経済企画庁長官をはじめ、公正取引委員会、各省非常な御精進で、どうやら鎮静のきざしを見せてきたことは喜ばしいことでありまするが、率直に私が第三者として見ておりますところから見ますると、これまでは火事場どろぼう的に火の手を押えることばかりに重点がやはり指向されてきている。したがって、そこに経済性なり市場のメカニズムを無視していっておるようなきらいなしとしないのであります。これまた、直接火を消すのにショック療法的な意味において必要だったとは考えますが、もうそろそろ、そういう手というものを考え直してみる時期が来ているんじゃないか。御承知のとおりに、予算委員会の公聴会で学校の先生方においでを願って意見を拝聴したのでありますが、その所説はいろいろ立場の相違がありまするが、共通するところは、日本の経済というものはなお当分の間コストインフレという方向に進まざるを得ないであろう。国際諸条件が変わりますれば、また別でありまするが、日本の経済は、物価の要因の半分以上が輸入物価の動向にかかっておるというようなこともございまするから、なかなかむずかしいのでございまするが、そういう展望に立ちますときに、ここに新しい価格水準、物価水準と申しますか、それと価格体系というものをどう組んでいくか、そしてものとものとの調和、つり合いというものをどうとっていくのか。おそらく電力料金が片づき、あるいは春闘相場が決定し、交通料金等の改変が出まするときに、大体のおもな価格形成要因というものが片づいてまいります。そういう際におきまして、経済企画庁は新しい価格体系というものに対してどう考えていくのか。また、この価格体系に対してそれをどういうふうに維持していくのか。ここらの点についての御所見、時期的にはまだちょっと早いんでありますが、御所見を伺っておきたいと思うのであります。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 小笠さんの御意見まことに、ただ単に示唆に富んでいるというようなところではなしに、私は正しい御意見だと思います。おおむねの学者の方々、あるいは経済企画庁が接触をいたしております範囲の有識者の方々の御意見も、おおむね小笠さんとは同じような御意見の方が非常に多いわけでございます。しかし、私どもが政治家として政府を構成し、国民大衆に接触しておる立場からということも実はございますが、それはそれといたしましても、国民のいままでの家計の消費構造なり、あるいは産業のかみ合い、構造というようなものがございまして、そういう見地から物価問題に対処しますときには、いま小笠さんが最後にいみじくも言われましたように、自分の意見はやや少し早過ぎるかもしれないがというあのことばのとおりの面もございますので、これまで私どもは、右手でいわゆる狂乱物価といわれる物価水準全体の投機的な上昇というものを極力押えながら、左手をもちまして新しい物価水準あるいは家計の消費構造というものの新しいあり方というものをつくり出していくべきだといりことに実は気がついておるわけでございます。ある意味で物価というものは経済全体の動きの影である面も私はあると思いますので、その影である物価を幾ら昔のとおりの構造や水準に押えようといたしましても、冒頭の御意見にございましたように、日本の経済そのものの与件が非常に大きな変動を生じたり、また私ども政府自身が経済の指導方針を変えようといたしております限り、物価だけをもとの形に戻すということはそれは矛盾であると思いますので、ほんとうを申しますと、その実態と、また、それとともにあるべき物価の構造というものは、新構造といいますか、新水準といいますか、当然そういうものに直っていくべきだと思います。しかし、うかつにそれを申しますと、これは何もかにもおわかりの小笠先生でありますから、私が逆手をとられることはありますまいと思いますけれども、政府はこれまでの低物価政策、物価鎮静政策を放棄したのかと、こういうことでおしかりを受けたり、また、国民の生活指導を、急に気圧や環境を変えるということの困難性も考えますので、両手を使い分けてまいって、だんだん右手の力を左手の力に移すようなことをしなければ、日本経済の将来のあり方、それはさらにひいては国民生活の新しい意味の安定、幸福というものにつながらないと、こういうふうに私は考えるべきであって、小笠さんのお考えは、政府の責任を持っております私と、その表現や手の出し方の違いはございますけれども、基本的には私はよく理解をされるところでございますので、よろしくその辺の物価政策につきましても御指導をいただきたいと思います。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 物価政策は政府の側において、いわゆる国あるいは地方公共団体でいろいろ御努力せられるということは必要でございますが、また一方、消費者の理解、消費者の生活意識、生活態度、これにかかってくるところがすこぶる大きいのであります。ことに、アメリカにしてもあるいはフランスにしても、物価の問題、特に小売り物価を安定さしていくというには、消費者の理解と努力というものが大きくささえておると思うのであります。私は、こういう意味において、昭和何年でありましたか、消費者基本法をつくったことがございます。あの消費者基本法をベースにして、消費者行政というものをもう少し強力に進めていく必要がある。先ほど生活局長からお話がございましたが、たとえば商品情報を流すとか、あるいは消費者の教育をするとか、いろいろな手当てがあろうと思うのでありますが、そういう点について経済企画庁としては消費者行政に対していまどういうふうな手を打っておるか、特に昭和四十九年度において何を目玉として施策せんとしておるのか、お伺いいたしたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁国民生活局長

○政府委員(喜多村治雄君) 昭和四十三年に、先生におっしゃるように消費者保護基本法をつくっていただきました。それ以後七、八年たっておるわけでありますけれども、この間、消費者行政の体制の整備につとめてまいりました。したがって、現在の段階では、各府県には消費者行政を担当する所管の課ができましたし、相当の部分は専管課ということに大部分がなってまいりました。ただし、政令都市以外の市町村では、ほとんどがまだ消費者行政ということについて専管の課を持っておるところはございません。したがって、私どもは現段階ではこの市町村といいますか、むしろ市の中規模都市ぐらいの、あるいは小規模都市ぐらいの段階での消費者保護行政体制というものの整備に非常に力を入れておるのが第一点でございます。  それから、昨年の例の物資パニックを経験といたしまして、先ほども御指摘ございました商品情報というものを早く消費者に流すような道筋をつけるということで、一つはテレフォンダイヤルというものを国民生活センターがいま毎日毎日カセットのテープを回しておりますが、これを消費者向けに流しておることが一点と、それから第二点は、物資別の速報を出しておる。これは一カ月に一回ぐらいでございますけれども、出しておるということが一つと、それから地方におきます需給の状況の速報を各地域から吸い上げて取る。そして問題があれば関係各省のほうに申し上げて適切な手を打ってもらうということのために、ファクシミリを各県の中に据えつけました。そして現在何か事が起こりますれば、地方公共団体から私どものほうに電送で送られてくるというしかけをつくっております。そういうこともやっております以外に、消費者センターというものも小笠先生のいろいろな御努力によりまして、現在百六か七の消費者センターもできました。そういう体制の整備をいま行なってきたことが一つでございます。  で、四十九年度の予算の中で特に私ども力を入れておりますものは、この前、四十九年度の消費者行政関係経費ということでお出しいたしておりますんですけれども、特に力を入れておりますのは、あの消費者保護基本法の中に書かれております危害の防止問題、ここに力を入れております。それと、それから特に予算で伸びの大きなものは苦情処理体制の整備というようなこと。それから消費者組織の育成をしていくということ、その三点が予算の伸び的には大きなものでございます。私どもは、四十九年度の予算におきましては、昨年の十月に消費者保護会議できめていただきました幾つかの重点項目がございますんですが、この重点項目に沿いまして、関係各省それぞれに御努力を願っておるということでございます。  以上のとおりでございます。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 消費者行政、あるいはまた物価政策、特に最近のような日本の国内経済諸情勢から見まして、一つの問題は広告費というものをどう見ていくか、広告の内容をどう考えていくかという問題があると思うのであります。よく広告税の話が言い出されて、もう数年になっておりますが、技術的になかなかむずかしい点のあることもよくわかりますが、広告に対して過大広告、虚偽広告につきましては法律で取り締まっておることは御承知のとおりであります。それに至らないもの、これらについて非常にむずかしい問題でありますが、いかに広告の自粛というか、こういう問題について長官はどうお考えになりますか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 今日の社会経済の運営上、広告の意義というものはいろいろの面にあることは否定できないと私は思います。しかしながら、いま小笠さんが示唆されましたように、広告がその新しい需要を開拓をしていく。消費者はみずからの選択によらないで、広告によって需要を詰め込まれる、新しくつくらされるというような、そういう機能がかなりあることを私は感ずるところが多くございます。で、経済成長一本やりできました時代には、それはそれでよかったと思いますが、先ほど御意見もありましたような国民の市民生活運動を展開するというような段階のもとにおいては、少なくとも広告の内容、あり方というものは、趣を私は一変をすべきであって、モデルチェンジでありますとか、新商品とかいうものを、消費者のその選択なくして押しつけるというような中身を持つ広告ではなしに、生活合理化のための広告というものに重点を置くというところに、広告の意味がなければならないと思います。  冒頭に戻りますが、今日の社会経済構造上、広告そのものを否定することは私はいかがとも思いますし、また、これは今日のマスコミュニケーション、ことに民放等の機構を考えました場合に、これは不可能なことでもある面も考えなければならないと思います。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 物価の問題に関連して、この国会におきまする一つの論争点になり、落ちついたがごとく、いまだ落ちつかない問題に、行政権の経済活動のいわゆる介入の限界の問題等、法律の問題があります。特に行政指導価格、価格に関する行政指導の問題と独禁法との関係の問題であります。この点は公取委員長は行政指導による価格は適当でない。逆に言って違法だと言わんばかりのことばを使った。価格を官庁が定めるならば、既存の法律によってのみ可能だ。こういう法理論を展開されておることは御承知のとおりであります。私は、たとえば、今日のいわゆる国民生活安定措置法案、あるいは石油需給適正化法案、あるいは暴利取締令等々がございまするが、これらの法律の弾力的運用というものと、物価の行政上の指導の問題と、この関係を明確にしなければ、おそらくは今日やっておる、先般三月十八日きめた石油価格も違法であります。しかも、これを緊急避難の理論によって説明をしておる。私は、こういう問題を、法律上、緊急避難的にのみ認めるんだという議論は、少し無理ではないかと、こう考えるのであります。私は、各省設置法、たとえば通産省設置法の第一条、第三条、こういうものを考えてみまするときに、通産省所管の物資について行政上の価格指導が、しかも押えていくという方向においての指導がいつまで続けられるか、すこぶる不安定な状態であります。私の経験から申しますと、歴代公取委員長の独禁法解釈につきましては、委員長において変遷があります。行政庁の指導勧告によるカルテル的行為は合法であるという説をとっていった委員長もおられます。そういう点から考えまするときに、行政の責任を持っておる官庁として、この独禁法と価格の行政指導との関係、いわゆる価格の政策の機動的遂行、こういうものとの関連においてどう考えていくか。私は、各省設置法においてやることが不可能ならば、各省設置法を修正すればいいではないか。少なくとも行政権介入の限界というものは、客観的に提示されなければならぬと思うのであります。そこらの点について、長官はどうお考えになっておるのか、お教えを願いたい。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これも小笠さん御承知のとおり、参議院におきましても衆議院におきましても、予算委員会その他の場を通じまして、今国会の会期の初めごろから論争をされてまいりましたところでございますので、私がここで私なりに考え方を述べますと、せっかく鎮静してまいった——物価水準ではございませんけれども、法律解釈水準にまた混迷を与えることになりかねないので、一つの有権的な経済企画庁解釈というものは申し上げないほうがよろしいと思います。  ただ、言うまでもなく、いまの自由主義経済体制下のもとにおいては、物価というものは需給の関係で市場原理を通じてきめられるべきものでありまするし、あるいはまた、国が価格をきめる場合には、これはもう法律によってきめられますことは、先般の国民生活安定緊急措置法等による例を見ましても、そういう特別の場合だけであるべきだと思います。しかし、独禁法が規制をいたしておりますのは、そういう国が法律できめる場合を除いて、価格が市場原理を阻害するような、阻却するような不公正な取引制限を伴うような共同行為、いわゆるカルテル行為できめられることを、独禁法は現に排除いたしておるわけでありますから、独禁法が介入し得るところはそこまでであって、価格というものはメーカーなり販売者が不当な取引制限を結果するような、そういう共同行為をもってきめるべからずというところまでであろうと思います。それを今度はこえまして、物価の異常なる狂乱状態のもとにおいて政府がその業者の共同行為を誘導するようなことを避けながら、個々の企業に対して望ましき価格形成のあり方というようなものを希望することは、これはまた行政の当然の作用であって、ただその結果が、同種の業者の共同行為を促すようなことにならないように注意をして行なう限りにおきましては、私は、ある限度においては行政指導というものが認められてしかるべきだと思います。もちろん、それがさらに必要な場合には、生活安定法による標準価格の設定というほうが、取り締まりの便宜とか、あるいは関係消費者に対する納得力とかいうような点から言うとよろしいわけでございますが、先般来、行政管理庁がやってまいりましたのは、新しい価格水準というものがまだ流動的である際の緊急措置として、法律による標準価格等を、生産費あるいは利潤というようなものの計算を、数十数百あるいは数千の百貨店、スーパー等が扱う商品についてまで一挙にやることは、事実問題としてできない、こういう事態のもとにおいてああいう行政指導があったということそれ自体は、私は、当面容認されるべきであろう。そこで、政府といたしましては、経済企画庁も入りまして、先般の措置は、状況の落ちつくのに応じて、法律による標準価格の設定等に可能なるものは逐次移行すべきものとすと、こういうような考え方をとりまして、現実の問題に対処をいたしてまいる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 現実の背景が流動的であるから便宜措置としてああいう措置をとったと。諸条件が固定的になるまではいけるということになりますと、法律的にはおかしいんではありませんか。少なくとも、石油に例をとれば、OAPECは四月から六月までは値上げはしませんと、こう言っておる。御承知のとおり。三カ月間はやや安定したと、こう言わざるを得ません。DDの石油なんかの問題若干ございますが、大ざっぱに言ってそういうこと。それが法律にも、たとえば、標準価格というようなものを設定することを不適当とするとは考えられないのであります。そういう意味から考えまするときに、私は、自分自身の考え方としましては、行政指導の限界を明確にして、ある意味においての価格指導はやるべきだという積極論のほうでございますが、法律論としておかしいと、こういうふうに考えます。長官も、予算委員会で、この石油問題の標準価格への乗り移りは、やるがごとく、やらざるがごとく、当意即妙の答弁をしておられたようでありますが、そこは、法律論なり行政運営上の関係の点から見て、何らかそこに新しい道を発見しなければいかぬのではないか。個人の恣意的な考え方にまかしてはいかぬのだ、こういうふうに思うのでありますが、ぜひ御検討をお願い申し上げたいと思うのであります。  なお、物価に関連して、一つの問題は、金融政策が大きな支柱であることは申し上げるまでもありません。この金融政策の引き締め政策というような問題について、昨日、佐々木日銀総裁は、衆議院の物特委で若干やわらかな発言をしておるようであります。しっぽをつかむところはございませんが、従来の表現に比べまして、やわらかい発言をしておる。金融引き締めの浸透という問題について、長官はどう見ておられるのか。また、引き締めによって起こる摩擦というもの、たとえば中小企業の倒産、企業間信用の増大、いろいろな摩擦が出てくるわけでありまするが、この摩擦に対する対処と金融引き締めとは二律背反であります。この間の調整を、調和をどういうふうにとつていくか。どういう事象が出てくれば金融というものは選別融資に切りかえるか。どうお考えになっておるか。また、いま申し上げましたような摩擦面について、摩擦対策というか、そういうものについてどういうようにお考えになっておるのか。よくオーバーキールということが言われます。引き締めには必ず伴ってはね返ってくることばの一つであります。このオーバーキルという問題を私は、よっぽど慎重に考えていただかないと、政策がすべて中途はんぱになる、その心配を申すのであります。長官は、この金融引き締め浸透をどうとらえられておるか、御所見をお伺いしたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これはお答えはむずかしいわけでありますが、金融引き締めの必要がなくなった情勢のもとにおいて、引き締めを停止し、あるいはまた、緩和の方向に向かう、こういうことに尽きると思います。昨年の四月以来、御承知のとおり日銀の公定歩合を五回年末までに引き上げました。御承知と思うが、今日では九分というようなところまできておりますし、それに伴ってまた、預金準備率のごときものも引き上げてまいりました上に、さらに、日本銀行からの追加信用というものも実質的に窓口規制というようなことを通じまして締めてまいりましたので、金融にあらわれてくるいろいろな指標を見ますると、たとえば日本銀行の銀行券の毎月の平均残高というものはいまでも減っているわけではなしに、増加しておりますけれども、その増加している割合というものは、前年同月に比べますと、毎月減ってきております。この三月、私どもは実は日銀券の平均残高が前年同期に比べまして二〇%を割ることを想定をいたしておりましたが、二〇%を割らなかったようであります。二〇・一%というようなところでとまっておりまして、ふえておることはふえておりますが、とにかく増加率は締められておる、そういう状況がありまするし、また、大企業、中小企業を通じまして企業の手元流動性というようなものも、その倍率は目に見えて引き締まっておることも御承知のとおりでございます。でありますから、引き締めの手段としては、かなり手段そのものは功を奏しておりますけれども、しかし、一昨年までに出された過剰流動性の根が主部きれいになったかというと、それが跛行的に一部は残っておるとも言われております。金は出ていないけれども、預金と貸し出しが両建てになっておる。その預金を引き出そうと思うと、引き出し得る企業も一部にある。また、中小企業などにも、私どもは現実に接しまして、これだけの引き締めをしておるにもかかわらず、必ずしも中小企業全部がかぶっているような様子もなしに、わりあいにいままでの中小企業の逼迫状況に比べて逼迫しない面もある。しかし、一部においては倒産件数が千件をこえるというような状況もあるわけでありまして、その辺の状況と物価の鎮静、あるいは公共料金問題などもこれから申すまでもなくあるわけでありますが、そういうものの是正をかみ合わせて、どれだけの経済の落ちつく見通しが立ち得るかというところに私は金融引き締め緩和の限界がかかってくると思います。ことに税金なんかの関係、あるいはまた、外為の収支などを通しましては、政府資金と民間資金の収支を見ますると、これからやはり会社の納税等の関係も決算期の関係で六十日後には非常にふえてまいりまするし、また、石油等、値段が上がりましたものの、手形決済期間の一斉な到来というようなものもございますので、かなり金融の窮屈な面があらわれてまいりますので、その辺とのかね合いの問題も出てまいりますと思いますので、ここで観念論として、金融もうゆるめていいんだということも言えませんし、そのままオーバーキルになって相当の企業の倒産を見るぐらいでないと物価は安定しないから、そういうことには目をつぶるということも私は言うべきことではないので、総合判断できめていくべきことではないかと、きのうの日本銀行総裁の発言あたりも、ことばは簡単でありますが、そういうことを含めての発言だと思いますので、同じような私は気持ちを持っております。

小笠公韶自由民主党

○小笠公韶君 時間が参りましたから、最後に一つ二つお伺いしたいと思うのですが、今度の経済変動というか、石油を中心として日本の産業構造の変革を見たわけです、見んとしつつあるわけですが、よくこういう事態に対処して日本の産業構造を改善すべく、改造すべきである、いわゆる資源型産業から知識集約型産業への転換ということがよく言われておるのでありますが、産業構造の改造というものについて、また、知識集約型産業を、どういう業種について、どういう方法をもってそちらのほうに転換を指導するか、こういうのについての御成案があるのか。ただ、抽象的に産業構造の改善とか、知識集約型産業へというだけでは一向前進せぬので、企業は生き物であります。事業を転換すればそれによって自立していかなければならぬのであります。販路の問題あるいはまた諸資材の入手の問題、いろいろ十分な配意をしなければ転換はできないのであります。そういう点についての通産当局のお考え、特に産業構造審議会等においてどういうふうにお扱いになっておるかということを、この際お教えを願いたいのであります。  それからもう一つ、これは経済企画庁にお伺いしたいのでありますが、現在のような経済状態が続くと地域格差というものが相当強く出てくるのではないかと思うのであります。所得格差はもちろんでありまするが、地域格差というものが出てくる。この地域格差が従来よりもひどくなるというようなことになりますと、全体的な立場から見て不公平であります。この与えられた条件下において地域格差の縮小というか、解消というか、そういうものについてどういう考え方で対処していくか、いわゆる日本の総合開発計画の総点検と見合いながら具体的に早く手を出して、方針を出してやらなければいかぬのではないかと思うのであります。  もう一つ最後に、これはひとつ経済企画庁長官に伺いたいのでありますが、電力会社、九電力会社の電力料金の値上げがだんだんと出つつある。新聞の伝えるところによると、この値上げの認可は十分精査することは当然でありまするが、緊急度に応じてこれをやっていこう、許可の順序をきめていこうというようなことが書いてある。これはおかしいのではないでしょうか。今度の電力料金の値上げというものは、油を中心としていて、各会社とも同じ影響を受けているものであります。したがって、こういうものは同時的な解決が望ましい。そこに経済のメカニズムが働く機会が早くなる、こういう点について長官はどうお考えになるか。  さらにもう一つの問題は、まとめて申し上げて恐縮でありますが、だんだんと今日の経済の動きを見ておりますると、不景気の中の物価高というか、高水準の物価になって、景気は必ずしもさえない、こういう点に立ってものを考えますと、物価と賃金の悪循環という問題が繰り返されるおそれがある。この物価と賃金の悪循環を断ち切る方法をどう考えていくか、いわゆる所得政策的な考え方も一つであります。何らかそこに悪循環断ち切りの手をお考え願わなければならぬと思うのでありますが、何かお考えがあればお示しを願いたい。  以上をもって私の質問を終わることにいたします。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それじゃ、私がお答え申し上げるべき分からまずお答え申し上げます。  電力料金、九電力の料金改定は、これは結局はやらざるを得ないことであると思います。その際、料金改定の時期を一斉にするか、あるいはまた、ある期間にばらつかせるかということについての御意見がございましたが、私は、基本的には小笠さんのおっしゃることが正しい、それは石油の影響が各会社によって、水力とかあるいは石炭火力とかのシェアの多いところ、少ないところもございますので、違いますが、それは値上げする料率で差別すればいいのであって、時期については、本来的にはあなたがおっしゃるとおりであると思いますが、一方また、国民に与える影響ということから考えると、一斉に値上げするというようなことのショックといいますか、反応といいますか、それがまた、電気料金だけの反応、ショックでなしに、他の公共料金等への及ぼす影響というようなこと、あるいはまた、これももちろん消費者物価指数等には、ある程度の上昇要因となることはもちろんでございますので、それを一ぺんに出すか、あるいは地域的に小さいものにして出すかというところに、これは純経済的な手法というよりも、国民に対する政治対応的な考え方も私はあってしかるべきだと思います。ことにまた、これは先般の石油製品の値上げなどと違って、一括して幾らということじゃなしに、一社ごとにいろんな値上げ要因を積み上げ計算もしていかなければならないので、そこに、九社一ぺんに事務的に計算ができるかという事務能力の問題もあるようでございまして、結論として申しますところは、いずれの方式をとるか、まだ最終到着をいたしておりません。何しろ、きのう初めて東京電力と中部電力が申請を出されたばかりでありますので、以上申し上げたような三点をよく並べておいて、検討をいたしまして、関係大臣とともに結論を出してまいりたいと思います。  もう一つは、賃金と物価の悪循環の問題でありますが、これはもう、お話をいたしますと議論になりますので、ごく簡単に私の見解を述べますと、これに対応する道は大きく分けて二つあると思います。一つは、いわゆる総需要抑制政策と申しますか、需要と供給とをマッチさせるいまやっておる方式、もう一つは、供給と配分の問題といいましょうか、これは広義の所得政策ということに相はるわけでございまして、これは何も、賃金を抑制するメルクマールをつくるとか、あるいは賃金抑制の統制手段を採用するとかということでは全くありませんけれども、与件が違ってまいりましたので、経済が大きくなるパイの大きさというもりを伸ばす条件が制約されてきている、付加価値の大きさ、生産力の大きさというものが狭まってさた場合には、それは賃金とその他の生産諸要素この間にそうした生産力の伸びあるいは付加価値の伸びをどのように配分するかということを高いところからながめ回してみる必要があるだろうと思います。しかし、そのことは、所得政策に踏み込むというような誤解を持たれたり、また所得政策というものは各界のコンセンサスなしに踏み込む考え方は政府においてもないと、こういうことになっておりますことは申し上げるまでもありません。ありませんが、私自身が、いま申し上げましたようなことになるんだという一般的な研究は私自身がしているわけでありますが、私がするということは、私が外国の本を読むわけでもありませんから、経済企画庁のエコノミストの諸君に大きな広い意味での検討というものは、これはタブーでなしにやっていただくことが私は必要であろう、こう思うわけです。しかし、これは直ちにそれによって所得政策なり、ことに、賃金抑制政策に政府が踏み出すということでは、現在では全くありませんので、そのように御理解をいただきたいと思います。

小松勇五郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(小松勇五郎君) 産業構造の問題につきましては、御案内のように、昭和四十六年の五月に、産業構造審議会から、「七〇年代の通商産業政策の基本方向はいかにあるべきか」という課題につきまして答申がありました際、基本的な方向につきまして述べられておるわけでございます。その目標といたしましては、六〇年代までの産業政策の功罪を反省しまして、その上に立ちまして、今後の課題を個人生活の充実、国民の活力の高揚及び国際社会への貢献度という三点に置きまして、その実現のために、従来のような成長追求型の政策から、成長活用型の政策へと脱皮する必要を説きまして、その政策目標といたしましては、知識集約的産業化、資源エネルギーの確保及び省資源、省エネルギー型産業構造化、環境問題の解決及びサービス経済化への対応という四点に置いたわけでございます。そういう目標のもとにおきまして、平均いたしまして年率一〇%の成長が一九八〇年ぐらいまで続くであろうという前提に立ちまして、それまでの資源配分はいかにあるべきかということにつきまして、量的な試算もいたしました。今日になって考えますと、その目標そのものはそのまま通用すると思いますが、前提が幾つかくずれております。産業構造政策とは申すまでもなく、国民経済を取り巻きます諸条件、特に資源、環境、国際経済への状況などに即応した上で国民のニーズに産業的にいかにこたえていくか、いかにして望ましい経済社会をつくり上げていくかということを頭に置きまして、そのためにわが国の産業構造がいかに変化していくべきかということを誘導していく政策でございます。  そういう意味におきまして、その後の経過を考えますと、まず第一に、今後の石油を中心といたしますエネルギーがどの程度確保していくことができるだろうかという問題がございます。消費国会議などの内容を聞きますと、各国とも年率数%以上のエネルギーの入手は困難であろうという前提を立てておるようであります。そういたしますと、この四十六年五月の答申にありますような、年率一〇%程度の平均の成長を活用するという前提が、あらためてわが国の場合におきましても見直されなければならないという大きな変化がございます。  第二に、当時は一ドル三百六十円という為替レートは不変のものというふうに考えられておりましたが、その後為替レートが変動相場制になり、なおかつ新しい国際通貨体制がいかにあるべきかということのめどもつかないという状態でございまして、これが日本の今後の貿易構造、国際収支構造に与える影響も、従来とは本質的に異なったものとなることが考えられます。  第三に、当時は、日本に対する資本の導入につきましていろいろなきびしい規制がまだ残っておりまして、海外からは資本を自由化せよという要求が強かったのでございますが、昨年の五月以降ほとんどの資本分野につきまして資本自由化が完成しました後におきましては、逆に米国、英国その他先進工業国からも、日本からの資本進出を求める声が大きくなっております。低開発国におきましても、引き続きそのような要求が高まっておる次第でございます。このような本質的変化にかんがみまして、今後の産業構造はそれらを十分織り込み、新しい作業に入らなければならないと思います。  で、私どもといたしましては、昨年以来鋭意新しい条件変化によります作業をやっておるわけでございますが、できれば一、二カ月のうちに新しい産業構造のビジョンのたたき台をつくってみたい、それを産業構造審議会におはかりしまして、皆さまにそれを批判していただきまして、よりよいものに仕上げていきたい。なお、このように客観情勢の変化の激しいときでございますから、必要に応じましては、一年ないし二年ごとにさらにそれをリファインしていく必要があるのではないかというふうに考えております。  なお、先生お尋ねの知識集約産業でございますが、私ども頭に置いておりますのは、航空機、電子計算機を中心とする情報産業、海洋開発産業、医療情報システムの開発、自動車の総合管制システムの開発、映像情報システムの開発、公害の監視システムの開発等、新しい産業を考えますと同時に、既存の産業の知識集約化及び省資源、省エネルギー化、たとえば鉄鋼業、化学工業などの基礎産業におきますクローズドプロセスのための技術開発、すなわち廃棄物、畜産物などの有効利用を徹底するという技術開発、あるいは原単位の向上、新しい生産方式の開発、たとえば原子力製鉄の開発、あるいは繊維工業におきます知識集約化の育成、医療情報センターの設立等、さらに生活、産業廃棄物の処理対策、たとえば故紙回収対策の促進、廃プラスチックの有効利用の促進、産業廃棄物の処理促進及び中小企業の知識集約化などにつきまして、具体的な施策を強化してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 地域格差の増大という観点からの国土総合開発の問題について申し上げます。  いまの国土の利用の状況を見ますと、三大都市圏を中心にして人口、産業が集中いたしまして、人口では三大都市圏で四割四分ぐらい。これがほっておかれますと、さらに半分を越えるのではないかというような見込みでございます。こういうようなことによりまして、過密、過疎の現象が起き、それが地域格差の拡大を招くということになっているわけでございます。国土開発の観点からいたしますと、やなはりそういう片寄った国土の利用形態を改めていくということが中心になるわけでございまして、現在でも工業再配置とか地方都市の整備というようなことについてのいろいろな政策を実施しておりますし、またいろいろなことを考えておるわけでございますが、現在の全国総合開発計画につきましては、そういうようなことを内容といたしておりますけれども、最近の公害問題や環境問題等の激化の問題もございます。それから、特に最近におきましては石油危機の問題等もございますので、そういう点を織り込みまして、現在計画の総点検をいたしております。その成果を踏まえまして、五十年中には新しい五カ年計画というものをつくりたいと考えておりますが、その過程では、いまのようにもともと国土開発が地域格差の是正を目的としているものでございますから、その点について十分留意いたすのは当然でございますけれども、最近の状況を十分考えまして、その点を織り込んだ計画にいたしたいというふうに考えております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 私は最初に国際収支の問題について、次には物価問題について、時間があれば、いま提出の国総法について考えてまいりましたが、どうも国総法までいける時間が怪しいので、二問の予定でお尋ねをいたしたいと思います。  最初の、四十九年度の国際収支の問題は、去年と比べてたいへんなことしは変化を見て、去年は外貨を減らすほうに一生懸命に努力をして、ことしはどうもその逆になってきておる。今度の予算委員会の審議を通じても、大蔵大臣は、ことしの国際収支の見通しはきわめて重大な問題だと、自分も非常に心配をしておる、こういう御意見もございました。で、この見通しについては、経済企画庁は、四十九年度の経済見通しと経済運営の基本的態度という中で見通しを述べられておりますが、これについて民間の経済評論家、経済学者等のいろいろな意見もあるのですが、千差万別いろいろな意見があるようでありますが、そういう意見を総合してみると、ちょうど経済企画庁のこの案を中心にして意見が両方に分かれて、中心にして上下に分かれておるといいましょうか、そういう形になっておるようで、これがむしろ指標になって、そうしていろいろな意見が生まれているんじゃないかと勘ぐるようなあれもありますが、まあいろいろな意見があり、その幅も非常に多いというところに、私はことしの見通しが非常にむずかしい、流動的であると、こう思います。具体的に申しまして、まず輸入をこれでは四百三十七億ドルと見ております、貿易収支の中で。これは石油をかりに二億七千万キロリッターとして計算しましても、ざっと見ても四十八年度に比べると八十億ドルぐらいはふえる、石油だけで。この計算では去年との差をそのぐらいしか見ていないのですよ。大体八十億ドル台増加ぐらいにしか見ていないわけです、去年に比べると。そうすると、いまの石油の値上がり分だけでそのぐらいふえるという、それだけではないでしょうが、そういう数字になっておる。ほかの食糧その他農産物関係もかなり物価が上がって、輸入物価が上がってくるということになると、私はかなりな金額増になる。それはいままで輸入をしておった数量を大体一定としても、去年と同じに見てもそういう状態になるのですが、こういう輸入物価があらゆるものについて急上昇しておる、それについての輸入見込みでいいであろうかということをまずお伺いいたしたいと思います。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 先生ただいま御指摘のように、来年度の輸入の見通しは四百三十七億ドルと見ておるわけでございます。これを計算いたしました一応の考え方を御説明いたしますと、原油につきましては、御指摘のとおり二億七千万キロリットルが入るであろうと想定いたしまして、そのFOBの価格をバーレル当たり九ドルぐらいと見ておるわけでございます。したがいまして、原油の輸入額は約百五十億ドルでございまして、四十八年度の実績見込みに比べまして約八十億ドル増しておるということでございます。この石油の価格につきましてもいろいろ見方がございまして、上がるという見方もございますし、若干下がってくるんじゃないかという見方もございます。それから産油国の中でも意見が分かれているというふうに報道されているわけでございます。したがいまして、やや低目かもしれませんけれども、石油の見通しは二億七千万キロリットルを前提といたしますと大体この程度でございまして、若干価格が上がりましてもそう大きな変化はないんではないかと思います。むしろその他のものについてどう見ておったかと申しますと、大体輸入価格はそれほど上がらないだろうというふうに、四十八年度に比べまして上がらないだろうというふうに見ております。それから数量も若干ふえるにいたしましてもそういうたくさんんふえないだろうと、こういうふうに見たわけでございます。その他の物資につきまして輸入価格が上がらないだろうと見ました根拠は、四十八年度に非常に一次産品、日本のたくさん輸入しております食糧とか鉱工業の原材料というものが値上がりいたしまして若干落ちつくんではないかというふうに見たわけでございます。で、最近の動きを見ますと、一部食糧等に価格上昇の落ちつきが見られておりまして、小麦等は若干下がっているというような事情も一方でございます。他方、輸入原材料につきましては最近の様子を見ますと、原料炭その他若干強くなる、上がるんではないかというような予測も見えておりまして、非常に情勢判断のむずかしいところでございます。来年度は私どもは実質の成長二・五%と考えておりますので、この実質の成長を前提といたしますと、数量的には若干の原材料の積み増しもございますが、それほどふえない、むしろ問題は今後のそういうものの価格の見方だというふうに考えます。現在までのところいろいろ変動の要因がございますので、どっちに動くかということを判断するのは非常にむずかしいと思いますけれども、まあ今後そういうものの価格の動きを見守りながら十分検討してまいりたいというふうに考えております。  それから一方輸出のほうは、やはり私どもの予想しましたよりもやや強目に動いております。と申しますのは、輸出物価の値上がりが相当強くて、海外需要も非常に強いというのが実態でございますので、輸出入とも私どもが考えましたより若干上回っていくというふうに総体的には見ております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 私はいま石油の輸入額を一例にとってみて、そういう心配があるものですからそう言ったんですが、ほかの輸入物資の価格もそう上がらないできてくれればけっこうだが、それがどうも今度の石油の場合の例を見ましても、輸入業者がとんでもない油を買ってみたりするような例があって、私はこういう機会に、そういうことのないようにできるだけやはり安い価格で入れるという指導をしていくべきであるということを主にいまお話をしておるわけですが、そういうような方法は、これはまあ経済企画庁よりもむしろ通産省かもしれませんが、しかし物価という意味からは経済企画庁がそういう心がまえについて輸入業者にも十分私は趣旨を徹底させるべきだと思うんです。ただ量を確保するということに非常に重点を置き過ぎて、価格の面、価格はもう、少し高しくても買えというような気持ちが動いておったのはいなめないと思う。そういうことのない輸入態度でなければならぬということを私は主張しておるわけです。そういう面でひとつ十分な戒心を願いたい。  輸入もそうですが、輸出については、これも今度の国内物価が、特に卸売り物価が上がってくれば、いまもじりじり上がっておるわけですが、去年に比べればかなり上がっている。そういう意味からいいまして、これを輸出にどうしても転嫁していく。それは当然そうならざるを得ない。そこでこれは国際競争力の問題になってくるわけですが、その見通しをどう立てておるかですが、いまお話ではまあ簡単にお話があったようですが、私そう簡単にこれはなかなかことしはいかないんじゃないかという心配をしておるんです。ですから、これもやはりできるだけ安い価格で出さなきゃいかぬのですから、競争力の上からいえば。ですから、そういうできるだけ安くし競争力に勝っていく原則を貫いていくべきだと思うし、そういう意味からいいますと、かなりことしの——あとで物価の問題をお尋ねするときに出るんですが、まあいろいろやってみてもかなり物価が上がっている、卸売り物価も一月、二月というのは非常に上がってきているものですから私は心配しておるんですが、そういうのがずっと横ばいにかりにいってもかなり輸出物価は上がる、その上がり方をどう見ておるかというのをひとつついでにここで聞いておきたい。

青木慎三経済企画庁調整局長

○政府委員(青木慎三君) 輸出物価でございますが、石油のショックを受けましたのは日本だけではございませんので、日本の鉱工業生産の競争国である先進工業国はいずれも程度の差はあれ影響を受けておりまして、こういうところの石油の価格というものはやはり製品に転嫁されざるを得ないというふうに見ておりまして、そういう意味からいいますと、世界じゅうの鉱工業製品の価格は今後やはりその影響で相当上がるだろうというふうに見ております。それで輸出のほうも数量と価格とに分けて考えますと、大半を価格の上昇というふうに見ておりまして、数量自体は実質成長が低いせいもございましてそれほど飛躍的な増加というのはあり得ないというふうに考えております。そういう意味で申しますと、輸出につきましても私どものいままで見ておりました予想では価格が非常に上がる、しかもこの傾向は全世界的な傾向であるというふうに見ておりますので、国際競争力についてそれほど大きな心配はしてないということでございます。ただいままで——今後の問題は非常にむずかしいことでございますけれども、いままでの一月、一月、三月ぐらいの動きを見ておりますと、ほぼそういう意味で価格は非常に上昇したまま輸出の数量は落ちないというような状況で推移しております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 国際収支としては四十九年度は四億五千万ドルの赤字というのが見通しのようですから、これに落ちつけていく努力をしなきゃならぬわけで、私はこれはなまやさしいことではなかなかいかぬぞという気がしておるものですから、特にこの問題を、お考えを承った次第でございます。で、まず私はこの貿易については価格よりもむしろ質量という面を強調すべき時期に来ているという観点から申し上げておりますので、そういう点を特にひとつ強調をしながらことしの貿易に対処していただきたい。私はあとで物価問題のときに申し上げようかと思ったんですが、最初に申し上げますが、この世界的な物価の狂乱時代、わが国だけが狂乱というわけでもない、外国もかなり上がっておりますから、そういう時代をつくったのは、もとはどうも石油にその端を発しておるわけです。中東戦争にOAPECが石油を戦略物資に使ったというとこうに私は非常にいろんな問題を含んでおると思うんです。この戦略物資に使うということは、これは昔流に言えば経済封鎖をしたようなものですから、私はたいへんな国際圧力をかけてきておると思うんです。これは私、どうしてこの問題もう少し国際的にOAPECに対しての値上げ抑止力が働かなかったであろうか、おそらくかなりな動きはあったかと思うんですが、もっと強い態度でこの値上がり抑止をすべきである、こういう感じをいつも持っておる。どうも、わが国でも通産大臣が行ったり、あるいは三木副総理が行ったり、あるいは小坂特使が行ったりして、むしろお願い外交に回っておることであって、私はそれはどうもあまり適切な方法でなかったんじゃないか、もう少し強い態度で、やはりなぜそうむやみに上げるのかと、そういうことでは世界が困るじゃないかという、むしろ強い抑制のお願いに回るべきであって、これを石油をもらいたいというお願いに行くのはたいへんおかしいと、私個人はそう思っております。そういう意味ではやはり国連を中心とする外交もどうも力が弱い、そのほかのいろんな国際関係の会議でも弱い、非常に弱いという感じを受けるんですが、これは企画庁長官はどうお考えになっているか。企画庁の所管でない、外務大臣の所管かもしれませんが、しかし国務大臣として、物価をあずかる長官として、ひとつどういうようにこの国際的な扱いがあるべきであるか、また日本としてはどうあるべきであろうかということについて御所見があれば承りたい。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 米田さんのおっしゃるとおり、私の考え方だけが政府を代表するものではもちろんございませんが、心情的には米田さんのお述べになったと同じような気持ちを私も持つわけであります。しかし、地球の上には百数十カ国の独立国家がありまして、それらの大部分は発展途上国であり、従来は一次産品を発展国に極力供給をして、そして自分の国の経済をささえておったわけでございましょうが、これは東西間の関係が緩和していくと同じように、いわゆる南北間のその国際関係というものにも近来いろいろな変化がございまして、その一面のあらわれ方が資源ナショナリズムというようなことがいわれるようなあらわれ方でもございましょうし、また地球の上の共存平和関係というものを考えますときに、一次産品の生産国の総合的な発展を粗略にして既発展国の経済の成長だけを考えていき得ないというような、そういう国際的な状況になってきておると思います。そうした場合に、まあたまたま石油について言えば、第四次中東戦争の勃発というようなことが引き金になりまして、いまの資源ナショナリズムなり、あるいは発展途上国の発展国への欲求、あるいは複合工業国家への経済計画というようなものが表面化をいたしてまいっているのが最近の現状であるかと考えますときに、消費国だけの都合によって一次産品の生産国のこうした欲求を力をもって押え込むというわけにいかないのが今日の国際的の理念のようにも私には思われます。これらは、もちろん、昔でありましたら、もっと違う物理的な問題にも私は当然発展した問題だと思いますが、今日はそういう事態にないということを考えますときには、これはやはり地球上の既発展国あるいは発展途上国、双方を含めた話し合いで、コンセンサスでこの問題は片づけるよりしかたがないと、こういうことだろうと私は思います。  先般、わが国からも三木さん、あるいは小坂前企画庁長官、あるいは中曽根通産大臣等が石油生産地域にも参りましたが、これは何も石油供給の増額だけをお願いするというお使いではなかったようでございまして、いま私が申しましたような意味での国際的な意思の疎通という立場において三人とも出かけられたようでございます。これは、事実、三木さんにお尋ねになりましても、三木さん自身が、これは変なことばになりますけれども、自分はこじき旅行はしないよと、こういうようなおっしゃり方を政府の私どもの会合でもなさっておりましたことからもうかがえるところでございます。その後、御承知のように、アメリカの提唱がございまして、ワシントンで今後の生産国をも含めた国際的な石油需給の会合を開くという段取りで、去る二月にとりあえず消費国だけの会合が行なわれたわけでございますけれども、その際にも、そういう会合についての石油生産国の立場というものをさらに尊重をして、一日も早く双方を含む国際会議を開くべきであるというような意見がわが国からも述べられましたし、ことに、ヨーロッパにおきましては、フランスを中心としてその考え方が強く述べられておりましたことも皆さん御承知のとおりでございます。近く、そのための調整会議等の結論を得て、生産国を含む国際会議が行なわれる予定のこともこれまた御承知のとおりでありますので、米田さんやまた私どもの原始的な、というと表現が悪いかもしれませんが、心情は心情として、それだけではどうも事は片づかない、こういうふうに考えまして、その前提でこの石油の確保ということについても方向を進めざるを得ないというか、進めるのが、私は現実に即した実情であると考えております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 それでは、時間もございませんから物価の問題に移らしていただきます。  物価は、最近の経済企画庁の資料をいただきましたが、これを見ましても、三月までの上昇率が大体わかったようですが、一月には消費者物価が二三・一%、二月には二六・三、三月には二一・六、卸売り物価は一月が三四〇、二月が三七・〇、三月はこれは東京だけしか出ておらぬようですが、こういうことで、三月がやや二月より下回ったという情勢になってきたことは、私は、たいへんこれは希望、期待にだいぶ近づいてきたな、近づいてくるんではなかろうかということで非常に喜んでおるところですが、いずれにしても、しかし、まだ非常な物価上昇を続けておるということに間違いはない。この四十九年度では、経済企画庁は、消費者物価は九・六、それから卸売り物価は一四・六、そういう見通しを立てられている。去年、四十八年度の例で言うと、見通しが消費者物価は一四・〇に対して一六・一、実際には一六・一だ。それから卸売り物価は二〇・二の見通しだったのに対して二二・六という実績になったわけですね。四十九年度の見通し、これを実績もこれに近づけるというか、こうならせるにはなかなか私はことしはたいへんな問題であろう。去年は二%前後の相違で済んだが、ことしはなかなかそう——悪くいくとたいへんなことになるという心配をしている、で申し上げているのですが。それはいま、少し値上がり率が下がったと言いましたが、まあ下がった実績ですけれども、きょうの新聞でもありますように、電気料金の値上げがもりすぐ迫ってきている。東電が六八・二八、中部電力が七七・七四というような値上げ申請が出ておると言われております。これらはいずれ詳細な調査の上処置をされることだと思いますが、いずれにしても、六〇%、七〇%台の値上げ申請が出ておるということはかつてないことであり、たいへんな私は値上げ率だと思います。また、春闘による賃上げが予想される。これもさっきもちょっとお話出ておったんですが、春闘の賃上げが何%上がった場合には消費者物価には幾ら影響するというような試算が出ておったというのは、まあ経済企画庁長官は予算委員会の席上でも、これは経済企画庁としての見解ではなくて、研究者が一つの研究としてやったものだというお話がございましたから、その点は了解しておるんですが、私はこういうものは一つの試験的な研究でもいいんで、むしろ、こういうものを私はどんどんやるべきではないか。あらゆるデータを使って、できるだけ実際に近い数値を出すような研究をどんどん進めていくことは必要だと思う者の一人です。ですから、私はそういうのはむしろ積極的にやってもらいたい。それをけしからぬと攻撃する者があるからといってしり込みをする必要はない。一つの見解ですから、私は出していくべきではないかという趣旨では、ぜひ今後も大いに研究を進めてもらいたい。  で、そういうこともあるものですから、今後の物価見通しが非常に私としては心配なんだというので、まず今後の見通し、そういう事情を勘案した上での四十九年度見通しを、さっき申し上げた経済企画庁の見通しについてのお考えをお伺いいたしたい。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) まず、最近の物価の趨勢でございましたが、米田さんからも御認識をいただきましたように、この二月、三月は卸売り物価、消費者物価とも非常に落ちつきを示してきております。卸売り物価はまだ三月の中旬までしか出ておりませんけれども、すでに二月の中旬ごろかち、対前月の上昇率ゼロというようなことが二月も出ておりますし、三月の中旬も続いておりまして、三月の下旬が、これから出ましたところをまとめ上げてみましても、非常な落ちつき、横ばいに近い落ちつきを示してきていることは御同慶にたえないと私は考えます。消費者物価におきましても実績が発表されました全国の数値は、お話がございましたように、前年同月に比べましてなお上がりを示しておりますけれども、三月については、東京都だけの速報は、二月よりもむしろ、これもお話がございましたように、対前年同月ということになりますと下がっておると、前月に比べましても、その上昇率はネグリジブルだというようなことでございまして、何とかこの情勢で物価の上昇というものを、四十九年度に入りましても落ち着く方向で私どもは努力をしてまいらなければならない、こういうつもりでございます。  また、米田さんのお話の中に、四十八年度これ数日前に四十八年度が終わりまして、四十九年度に入っておるわけでありますが、四十八年度の卸売り物価、消費者物価のこの上昇の実績は実はまだ出ておりません。米田さんがいまお示しになりました、たとえば消費者物価で四十八年度の前年に対する年度間の平均上昇率は一六・一というふうなおことばがございましたが、それは消費者物価の二月の数字までを基礎にしての計算をいたすとそんなようでありますけれども、東京都についての速報、三月の数字を基礎にいたしますと、これはたしか一五%上昇台に下がっておるわけでございます。そんなわけでございまして、四十八年度の物価の上昇見込みというものは、四十八年度の経済見通しをつくりました昨年の一月ごろの見込みでは、これはほとんど四十八年度の上昇率も四十七年度以前と変わりがないような見通しを立てておったわけであります。卸については二%台、消費者物価についても五・五%というような、従前どおりのような見通しを立てておりましたが、実際は、いまお話がございましたように、そういうシングルの数字ではございませんで、みな二けた台に上がっておった。非常な狂いがございまして、そういう状況が見込まれましたので、昨年の暮れからことしの正月にかけまして、私どももその見通しの改定というものをやりましたわけでございますけれども、その改定いたしました、卸について二〇・二%の上昇、消費者物価について一四%の上昇というものは、先ほど申しましたようにまだ全体の計算はできておりませんけれども、三月の物価上昇などを想定しながらやってみると、そうたいした狂いもなくてまあまあというところであった。これはまあこちらの自分びいきの言い方かもしれませんが、そういうところへ来ているようであります。  それから、来年度ということになりますが、来年度は卸については一四・六%、消費者物価については九・六%の上昇ということでありますけれども、そんな数字におさまるかと、こういう御意味やら、またそういう数字におさめるように努力せよという御激励を含めての御発言であると思いますが、大体物価の上昇というものは、昨年の十一月、十二月からことしの一月ぐらいにかけまして、ことばは悪いけれども先取り値上げ、便乗値上げというものが相当行なわれたと私どもも思わざる得ないわけでありまして、すでにいろいろな要素を織り込み済みのような上がり方をいたしておりますので、四十九年度の卸、小売りの四十八年度に対する上昇率というものは、これはまあ少しもうれしいことではありませんけれども、四十九年度は、そういうやり方でうんと上がってしまいましたから、それに対する場合には、先ほど申しましたような、私どもが想定をしているような見通しの範囲でおさまる可能性は相当あると、こういうふうに思います。上がるものはもうすでに上がってしまった。そのことに関連して、おことばがございましたような公共料金のこれからの改定計画というようなものも、そういう中に吸収し得るものが相当あると私どもはかなり断定を実はいたしておるわけであります。たとえば電気料金値上げをいたしますと、紙の上の消費者物価に対する影響というようなものは、たとえば東京電力なり中部電力なりの値上げ申請のようなことが他の七電力についても行なわれたといたしました場合に、消費者物価に与える紙の上のはね返りの数字というものは〇・六%ないし〇・七%ぐらい消費者物価を押し上げると、こういう数字が出てまいりますが、しかし、それらは先ほど来申しますように、先取り値上げなどに入っておるとすれば、その数字よりも小さいものしか消費者物価にもはね返らない。いわんや卸売り物価の段階では、ほとんど全部が——これはまあたとえばアルミとかなんとかいう、電気のかたまりみたいな製品は別といたしますと、他の一般の商品につきましては、すでに織り込み済みであると断定をいたされる面がかなりあるようでございます。その一方、物価の落ちつきの合い間合い間に公共料金の改定分というものを織り込んではさんでいくということにいたしまして、さっきも小笠さんからお尋ねがございましたが、同時期に全部やるのか、ある何カ月かの間にそれをばらしてやるかというようなことはまだきめられてはおりませんけれども、いろいろの点を考慮しながら、物価の趨勢の中にはさんでいくというようなことをいたしながら、他方においては総需要の抑制というものをいまなおゆるめることなしに今後一そうこれを堅持する、こういう閣議の了解をとっておりますので、私どもは何とかこの物価の問題につきましても、物価の新しい水準というものを想定しながら、全体として見れば昨年のようなことがないようなことにいたしたいと、こういうことでいろいろやっているわけでございます。

米田正文自由民主党

○米田正文君 最後にもう一つ伺います。  三月十六日に石油値上げを決定をされて、製品値上げをされて、それに伴って基礎物資、生活関連物資、いわゆる目張り政策としての価格を行政指導による凍結要請をしたいということについてですが、もう時間もありませんから詳しく申し上げませんが、そのきめられた中で、LPGとか灯油とか、そういうものはほとんど据え置き、いままでの価格に据え置いて、それでそのほかのガソリン、ナフサ等に全部その分を転嫁してきめたと、こう見ていいと思うんですが、そこで一体それはどういうことなのか。なるほど、家庭向けのそういうものを安く据え置いたということは、一面、今度は産業、企業面に対しては高いものを売っておるわけですから、できてくる製品はその分だけは高くなるわけですから、結局、家庭のものは、今度消費者の立場になったときには、消費者物価としては上がってくるわけですね。その分だけは。といいますと、間接的には上がってくる。ただ、石油会社からいえば、家庭から取る分を企業や産業から取る、こういう形になるだけで、そこのところは、そうすると、消費者の側からいえば、なるほど灯油やLPGは安くなったけれども、買う製品は、日用雑貨をはじめとして必需品はみな高いものを買う、こういうことになるわけですが、そういう政策をとるのは——まあ今度とったわけですが、また一つはごく普通の考えでいえば、そういう石油製品が上がるならば全部一律に同じに上げたらどうか。結局は同じく消費者からいえば、どういう経路であろうと、結局はぐるぐる回りで同じことになってくると思うが、その二つの方法があるわけですね。平均して、全部同じ平均率で値上げをして、そのかわりに灯油もLPGも同じく上げる、同じ率で上げるという方法と二通りあるわけですね。それを今度の場合は前者の場合をとったわけですが、そのとったのに私も意義は一、二感じていることはあります。ありますが、一体それをそうとった理由は、どういうことを根拠にそうおきめになったのかという点をお伺いをしたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 米田さん御指摘の点は、いろいろ実は通産省あるいは大蔵省、関係方面とずいぶん論議をいたした結果ああいうことにいたしましたが、その趣旨は、直接消費者が使う石油製品についてはそのまま消費者がかぶります。しかし、たとえばナフサをとってみますると、ナフサそのものが国民生活に必要ではなしに、ナフサは石油化学の中間的な、たとえば塩化ビニール樹脂というようなものに一ぺんなり、それが塩化ビニールのパイプになったり、塩化ビニールのフィルムになったり、また第二次製品の過程を通るというようなことで、工業原材料のほうに向くものは、その幾つかの生産過程を通っていく間に、便乗値上げを年末にやった中で吸収されるとばかりは言いませんけれども、その中で便乗値上げがされた中で吸収されるものもあるはずでございますし、また、そういう企業の製造過程の中における企業努力で吸収されるものも出てくるわけでございますから、原材料に回る石油製品については、それが消費物資になるまでの間に値上げ分がかなり吸収されて、そうして結局商品は人が使うものでありますから、そこまでくる間、全体平均の六二%の値上げ率というものははるかに低いものになってきて、それだけ消費者物価を押し上げることがないと、こういう考え方がまず第一にございまして、事実そうであろうと思いまして、石油製品が上がったにもかかわらず、石油製品に近い基礎産業製品、生活必需物資、生活関連物資等につきましては、当分の間価格は押え込むというような、これは大きくは五十三品目、それに連なって百貨店、スーパー等では中間段階で百四十八品目、あるいは末端の品種にいたしますと何千品目というようなものを、いままでの価格で押え込むということが私はあり得たと思うわけでございます。もう一つは、原油を精製いたしますと、よく御承知のとおり、大体八種類ないし九種類ぐらいの石油製品になるわけでありますが、平均すると八千九百四十六円に上げたわけでありますが、それを石油製品を節約するという趣旨から、ある品種の石油製品にだけ全部持っていって、他は全部値上げしないという考え方も、理屈からいえばあり得たかもしれません。たとえば——これはいいか悪いか、そういうこともできないということでそのとおりやらなかったことになるわけでありますが、マイカーのアブユースというようなものを抑制するために、値上げ分は全部ガソリンに持っていくと、そのかわり、ガソリンは八十五円ではなしに百何十円になるかもしれないが、その他のものは、ナフサとか、軽油も、灯油ももちろんのこと、重油も全部もとのとおりと、こういうやり方も理論上からはあり得るわけでありますけれども、ガソリンを使う者はみな悪い自家用車族だと、こういうわけのものでもない。世の中にはいろいろな均衡でこれまできているものもございますので、ガソリンには比較的多く振りかけたが、しかし、先ほどお話がございましたような品目の石油製品については、据え置きかあるいはまた値上げ率を少なくしたと、こういうこと等も検討いたしまして今回の値上げ配分ということになったわけでございます。  なお、標準価格をとっております灯油等につきましては、不需要期に入りましたから、いままでどおりの値段で据え置いただけでは不満だと、使わないものは当然値くずれして安くなるんだから、そういうような議論もあるし、また、実情もあるかとも思いますので、場合によっては、灯油などにつきましては、不需要期には標準価格をはずしてしまう、そのかわりに、先般若干の値上げをして末端までも監視することになったガソリンとか、あるいは軽油等については、新しく標準価格をきっちり設けることも通産省に研究してもらっておる、こういう状況がございますことを付言をいたします。

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時十二分休憩      —————・—————    午後一時十分開会

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開します。  休憩前に引き続き、経済企画庁所管を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私はきょうは、これからの景気の見通しといいますかね、そういうものを中心にして、それからもう一つは、いろいろと御苦労いただいて、三つの法律に基づくいろんなこれからの諸物価の監視体制というものを強めていただくわけですが、そういう問題について若干質問をしたいと思います。  それで最初に、三月の卸売り物価あるいは消費者物価は前年の同月に比べてどのくらいのアップになるか、まだ全然わかっておりませんか。これは日本銀行のほうでまだ発表しておりませんでしょうか。もし把握されておったら説明していただきたい。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) まだ三月は卸売り物価につきましては中旬までしかわかっておりませんのですが、現在の水準が——ちょっと失礼いたします。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 私からまず概括を申し上げます。  卸売り物価は日本銀行が作成をいたすわけでありますが、いま政府委員から申し述べましたように、三月の中旬までの実績が出ておりまして、三月中旬は上旬に比べますと、卸売り物価の上昇はゼロでございました。なおまた、それを前年の同期に比べますと、三五・一%の上昇と、こういうことでございます。三月の上旬の前句に対する上昇率が〇・四であり、さらにまた二月の各旬の上昇率も、これも二月の中旬は対前旬比上昇率ゼロでございまして、この二月、三月というものは、卸売り物価につきましては横ばいに近い物価の鎮静状況を示しておるわけであります。三月下旬の分がもうしばらくすると発表されまして、三月分全体の前年同期に対する物価の上昇率が出るわけでございますが、これは御承知のとおり日本銀行で作成をいたしておりますけれど、日本銀行の予想によりましても、三月の上昇というものはおそらく一%ないだろう、〇・何%ということだろうということで、三月は要するに卸売り物価に関する限りはほとんど上昇が見られないと、こういう結果を私どもは想定をいたしております。  それから消費者物価につきましては、これは総理府の統計局で作成をいたしておりますが、全国につきましては、二月の消費者物価まで結果がまとめられております。二月の消費者物価の対前月の上昇率は三・四%、対前年上昇率は二六・三と、こういうことになっておりますが、ところが、これ鈴木さんも御承知のように、消費者物価につきましては、東京都だけにつきましては、その月の終わりぐらいに速報が同時に発表されておりまして、東京都の消費者物価の三月の上昇率速報は、対前月上昇率〇・七、それから対前年同期二一・六と、こういう数字でございます。ちなみに、東京都のこの二月の段階における東京都だけの消費者物価の上昇率は、対前年同月二四%でございました。それが今度は対前年同期ですと二一%に下がっておるような状況でございます。これは四月の終わりぐらいになりますと、全国の——東京都ばかりじゃなしに、全国の消費者物価が出ますけれども、大体東京都の消費者物価の状況を若干上回るというのが毎月の東京都と全国の比例でございますので、やはり同じような足取りで消費者物価も三月は非常に鎮静をしてきておる、こういう状況にございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ数字の面から見ますと、いま長官おっしゃったようなことだと思いますが、まあ実際に生活をしている国民の側から見ると、その数字そのものがぴたっと実感に合うかどうかということになると、なかなかそうはいきませんね。ですから、依然として物価は上がっているんだという、そういう強い印象を持っていると思うんですよ。それで、きのうも私ちょっと八百屋さんをのぞいてみたんですが、このくらいのトマトが——まあ現物持ってくればよかったんですけど、百七十円ですね。それからキャベツでも、このくらい小ちゃなのがやっぱり百四十円ぐらいしていますね。だから、それはまあ野菜の面ですけれどね、どうも数字のとり方そのものにもいろいろとあるでしょうけれど、まあわれわれがよく家庭の主婦の方などとお話をする場合でも、数字と実感というものがかなりかけ離れていることは間違いないと思うんですね。  それはそれといたしまして、数字的に鎮静化の方向に向かっているという、これはそれなりに政府の施策がこの面に反映してきたんだろうと私も思います。そこで、せっかくこういうふうなところまできたわけですけれど、問題は、これから鎮静化したこの物価をさらに押し上げていく大きな柱が出てきたわけですね。それはやはり電力料金だと思うんです。これもいろいろ内容的に見ると、従来の方式と違いまして、たくさん使えばたくさん使っただけ余分に取るというような逓増方式をとっておりますから、これが一般国民の消費生活の中にどのくらいの寄与をするかということは、これはいろいろとり方もあるでしょうけれど、いずれにしても、この電力料金そのものがまた一つの物価値上げへの引き金になるおそれはあると思うんですね。ですから、昨日東京電力が平均六八・一六%、中部電力が七七・七四%と、この料金の値上げを通産省のほうに申請をしてきておるわけです。聞くところによりますと、続いて残りの七社も来週中には申請を済ませて、いよいよ具体的に電気料金の値上げが日程にあがってくると思うんであります。もちろん値上げの理由は石油の大幅な値上げと、こういうことに大きな要因があると思うんですが、まあ私は全然上げなくてもいいということはこれは言えないと思いますね。しかし、いまが一番大事な段階で、もしこの電力料金というものが一般物価に大きな影響を与えるとするならば、あらゆるくふうをこらして、そしてこの値上げについては最小限度に食いとめていく必要があると思うんです。ですから、これはこれから申請が出てくるわけでございますから、いまここで具体的に各社の経営の内容について聞くことは無理だと思いますけれど、しかし、事前に通産省としては詰めた話も経営状態についてなさっているように聞いておりますからね。もし差しつかえがなければ、東京電力、中部電力、それからその他の七社の簡単な経営状況について説明をしていただけたらと思うんです。特に本委員会でも伺ったんですが、北海道のほうは火力、石炭にかなり依存しているわけですから、他の八社とは違った要素があると思います。それからもう一つは、関西、四国の両電力会社は昨年すでに値上げをしているわけですから、そういう会社が、さらにその後の輸入原油の値上がりによって、製品の値上がりによって、その分をカバーしてくれるということだと思うんですけれどね。そこら、時間があまりありませんから、簡潔に説明をしていただきたい。そして、できますれば、これが今後どういう日程でこの審議をされていくのか。これは電気事業法によってある程度査定もできるわけですし、それからそれぞれの手続を経て、最終的には経済企画庁長官の諮問機関である公聴会とかあるいは物価対策会議等を経て関係閣僚会議の了承を得る、こういう手続になると思うんですけれどもね、その時期その他についてもどうなるのか。これはまあ長官のほうにも、経理の内容は向こうの通産から伺って、これを経企庁長官として、いま私が申し上げましたようなこれからの日本経済、景気に対して、物価に対してどういうふうな影響を与えていくのか、どうしてもこれは申請されたものについては認めなければならぬのかどうなのか、その幅の問題等についてもぜひ聞かしてもらいたいんですよ。  私はあとからまた伺おうと思っているのですけれども、経済企画庁というのは、何か通産とか農林とか、他の各事業官庁の全体的な取りまとめをしていただいて、そこでリーダーシップをとっていくのが経済企画庁の使命であり、任務だと思うんですよ。ところが、どうも大事なところはほかの諸官庁がやってしまって、それで経企庁のほうでは、物価全体から見て困ることだ、こんなものあまり上げちゃ困る、こう言っているのですけれども、いつの間にか諸官庁のほうの意見に引きずられてしまうというような、そういう傾向なきにしもあらず。ですから、この際、き然として経済企画庁がやっぱりリーダーシップをとって、日本の経済全体、物価全体に対する影響を考慮しつつ、いい方法を考えていただかなければいけないと思うんですよ、たいへん失礼な言い分ですけれども。そういう意味で、そこのところについてはひとつ内田長官から伺いたい。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) いま御指摘ございましたように、電力会社の経理、各社とも非常に苦しい状態に置かれております。何と申しましても、その一番大きな要因は、御指摘の中にもございました燃料費の高騰でございまして、昨年上期と比較をいたしますと、原油、重油、総合いたしまして三倍から四倍に近い値上がりを示しておるということが経理悪化の最大の要因かと思っております。そのほかに、公害対策費等を中心としました資本費の高騰であるとか、あるいは諸物価の高騰、これらのことが重なり合いまして、いま申し上げましたような事情になっておるわけでございます。四十八年下期、三月末で終えます決算期の各社の経理の概況につきまして、私どもなりにいろいろの推算をいたしてみました。それによりますと、下期中の収入支出の私どもの予想を前提にいたしますと、やはり八百億余りの収支不足が起こる。これに加えまして、従来続けておりました一割配当というものを前提といたしますと、これに約五百億余りかかる。合計いたしますと約千三百億から千四百億ぐらいの収支不足になるのではないか、こう一応予測をいたしておるところでございます。こういうような状況でございますと、各社といたしましては、従来蓄積をいたしております社内留保をはき出す、場合によっては配当率も問題になるというのがただいまの状態ではないかと思っておるところでございます。さらに明年度になりますと、油の面ではミナスの油が先般上がりましたし、また、従来据え置かれて長い間抑制をしてまいりました重油価格のはね返りというものがもろに出てまいりますので、一そうの経営の悪化が懸念をされておるという状況かと存じます。昨日、東京電力及び中部電力からそれぞれ料金改定の申請が行なわれましたが、その背景には、いま申し上げましたような事情があるということを御理解をいただきたいと思います。  私どもは、この申請を受けました後は、各社ごとに監査をいたしまして、ほんとうに能率的な経営のために必要な経費であるかどうか、こういった点については十分慎重に実態を見きわめてまいりたいと思っておりますし、また、査定にあたりましては、現在の置かれております経済環境というものを十分頭に置きまして、極力厳密な査定を行なうという態度で処理をいたしたいと思っておるところでございます。なお、その間公聴会を開き、また物価安定政策会議の議を経るなど、なるべく多くの方々の意見も聞きながらそれを尊重してまいりたいと考えておるところでございます。  お話の中に、北海道電力、関西電力、四国電力、それぞれ値上げ申請を行なう相当の理由があるかどうかというような点の御疑念がございましたが、北海道電力の場合は、実は昭和二十九年、いまから二十年前に料金を設定して以来、今日まで据え置きが続いております。その間の各種の物価高騰要因というものをどう見るかという問題、加えまして、北海道電力は昨今火力発電所の建設が進みまして、私の記憶では、たしか二五%程度が火力に依存しておるという体制でございまして、それらの事情も頭に置きながら、これの取り扱いをきめていかなければなりません。また、関西電力、四国電力の場合には、確かに昨年料金の改定を行ないましたが、実はそのときに考えておりました石油の事情と今日とでは情勢が一変をしておるという状況でございまして、石油価格の高騰という要因については、ほかの各社と、程度の差こそあれ、同じような問題をかかえておるという事情も御理解いただきたいと思います。いずれにせよ、それらの各社はまだ申請が出されておりません段階でございますので、いわば仮定の議論でございますが、考慮の中には入れておく必要があろうかと思っておるわけでございます。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 物価政策あるいはまた経済政策についての経済企画庁の指導力につきまして、鈴木委員から御批判やら御激励をいただきましたが、これは公共料金の問題は、もちろん広い意味のあるいは実質的意味における物価を構成するものでありますので、それぞれ、それらの公益事業を担当される通産省なり、運輸省なり、あるいはまた政府企業でありまする郵政省なりという役所の立場からすれば、それぞれ企業収支とか、あるいは特別会計の収支という問題を考慮しなければならないでございましょうが、私ども経済企画庁といたしましては、その企業の経理収支あるいは特別会計の経理収支もさることながら、国民のほうの腹づもり、国民の経理収支というものをよく考えてこの問題は判断すべき立場にあると、こういう私は考え方を持つものでございまして、必ずしも所管官庁の言うとおり進めればいいという考え方では全くございません。これは私が昨年の十一月の終わりにこの内閣に入閣をいたしますときに、鈴木さんにもたいへんお骨折りをいただきましたが、あるいは国民生活安定緊急措置法あるいは買い占め売り惜しみ防止法というようなものの新しい制定、改正というようなことを御協力をいただいて成立をさしたわけでありますが、そのときに、非常に物価が狂乱状態で暴騰しているさなかにおいてああいう法律までつくらなければならないような状況のもとにおいては、それは政府もなすべきところがなければならないということで、これは私は鈴木さんとお親しくしていただいておりますから、もうそのままずばりと申しますと、実は私は持参金を持ってこの内閣に入ってまいりました。その持参金というのは、一つは、これはあとから御批判やらおしかりもいただいているのですが、すでにきまった国鉄料金の値上げというものも、一般の物価の暴騰状況がおさまるまではもとへ戻して、国鉄運賃の値上げは取りやめる、あるいはまた米も、農家から買い入れる買い入れ価格は引き上げましたけれども、消費者米価を値上げするという予算の組み方も、これも組み直すことにして、そしてこの秋までは消費者米価も上げないと、こういうことを一緒にやってくれるのでなければ、とてもそれはもう一般の物価だけを押えるというようなことでも政府の姿勢そのものが疑われると、こう考えまして、ちょうどたまたま新しく大蔵大臣に就任することになった福田さんとも相談をいたしまして、いわば福田大蔵大臣就任、また、私の経済企画庁就任ということのおみやげのつもりで、実はああいうことをやらかしたわけであります。いつまで今度はあれ続けるか、三年ぐらい続けてみろといっておしかりをいただいているのですが、これは鈴木さんも御承知のように、政府もこの夏ぐらいまでには物価を鎮静させると、こういうことになっておりますし、先ほども御説明申し上げましたように、鎮静のきざしも出ておりますので、国鉄及び消費者米価については、この九月一ぱいまではその値上げを押え込むと、こういうことで、それ以上はいまの段階では——ともかくそうしたいわば公共料金、公共価格の押え込みは続ける必要はないと、こういうことで政府はおるわけであります。  だとしますと、いままで押え込んできた電気料金、あるいは私鉄とか、あるいはバスとかトラックとか、若干の公共料金がございますし、また鈴木さんが特に御関係の深い郵便料金等の値上げの問題につきましても、それをさらに、政府が国鉄料金についての値上げを断行する以後まで続けているということは、これは非常に無理がかかるし、首尾一貫しないことになります。なぜならば、そういう国鉄とか政府の特別会計は政府の財政テコ入れがききますけれども、いまの私鉄にいたしましても、あるいは電気事業にいたしましても、政府の財政補てんという道は直接にはございませんので、それを無理に押し切って、公共料金の必要なる妥当なる値上げを押え込みますと、その公益事業には資源配分が妨げられて、その事業の崩壊を来たす、ひいては国民生活を破壊するということになりますので、そこのかね合いがあると考えまして、私どもは、経済企画庁といたしましても、いま申し述べましたような公共料金の改定問題につきましては、いま、主務官庁の一応の査定の進め方を見守っておる段階でございます。したがって、それはまあどんなにおそくても国鉄料金よりもおくれることはございませんが、それまでの間にいつ料金の改定を認めるか、あるいはまた、九電力なり私鉄十四社の分を一ぺんに値上げするのか、その辺の時期の置き方というものにつきましては、先ほど小笠委員ともいろいろここで質疑応答を重ねてまいりましたが、それは物価の鎮静の状況の中にはさんでいくほかは私はないと考えまずし、また各企業によって経理状況が違いますので、値上げ幅は当然あってしかるべきだと思いますけれども、時期をそれぞれの企業についてずらすのがいいかどうか、またその事務処理能力というものはどうかというようなこともございますので、そういうことをにらみ合わせて、これから、大局的立場に立って経済企画庁としては関係の各 省と打ち合わせてまいる、こういうことでございまして、経済企画庁の主体性を投げ出す、失うと、こういうことはやりたくない、こういうつもりでおりますので、よろしく御指導をお願いをいたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま長官のお話の中で、当面、通産のほうの作業を見守っていくというお話ですね。そこのところが私はやっぱり問題だと思うのですよ。ですから、もしこの電気料金の値上げが、どの程度、今後一般物価への影響があるのかということをはっきりつかんでいただいて、それで、そういう中でやっぱり通産省も経済企画庁も絶えず連絡を密にしていただいて、そして経済企画庁としては、電力料金の値上げについては、かりにやるとしてもこういうことだという一つの方針をやっぱり持たれて、それで通産とある程度コネクションしていくような、そういう方法はとれないものなんでしょうか。何か、もうでき上がって、公聴会開いて、最終的にあなたの諮問機関である物価対策協議会にかかってきて、そこで了承するかしないかということになるわけですが、私は相互協力するという、その辺がやっぱり経済企画庁長官として大事なことであって、従来経済企画庁かない場合は、それぞれの省が——ことばは悪いですけれども、それぞれかってにやっていたのですから、そこで、総合調整するという意味で私は経済企画庁ができたと思っているのですよ。ですから、その辺は、もう少し提携を十分に——事務レベルでできるはずですから、提携を十分にやっていただくということが大事だと思うのです。ですから、その辺はどうなんでしょうかね、実際運営の面でできると思いますがね。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それは各省の査定のできるのを座して待っているということは全くございません。ありていに申しますと、すでに閣療ベースでも打ち合わせを進めておりまして、これらの公共料金については、この四十九年度の上半期と申しますか、少なくとも四月から九月の中においてはおおむね片をつけるということで政治的にも方向づけをいたしております。四月から九月の間、それは五月であるか、六月であるか、七月であるか、その間に、それぞれ企業ごとにそいつをばらして進めるか、あるいは同じ原因に基づく料金引き上げなんだからそれは一緒にやるべきかということにつきましては、事務能力の問題もございますが、事務能力の問題もはさみながら、また、事の本質を見きわめてきめることにして、その時期の配分等については全くきまっておりません。ひとつ、それが物価に及ぼす影響については、もちろん私のほうはそれが仕事でございますから、それが物価に及ぼす影響も試算をいたしております。たまたま私はここに持っておるのですが、それをそのまま申し上げてもいいんですが、かりに東京電力の昨日の料金の申請どおり六八・一六%の値上げそのままで認めたとした場合、これはおそらくいままでの慣例からいえば、そういう申請どおりに認めることもないでしょうし、また、当然査定もございますから、私は必ずしもこのとおりにいくとは思いませんが、その場合、全国の消費者物価に及ぼす影響は〇・二二八%の物価の押し上げになります。しかし、東京電力の営業区域だけの物価に及ぼす影響は〇・六三七%の押し上げになります。同じような意味において、中部電力の値上げ申請七七・七%、これをそのまま認めたとした場合に、全国の消費者物価に与える影響は、東京電力よりも小さく、〇・〇七九%の押し上げ、しかし、これは中京地域、中部電力の配電区域だけについて見た場合には〇・七二四%の上昇ということで、東京電力の支配する地域の物価に与える影響よりも大きいわけであります。これは大体九電力——おそらくこの二社が、申請の率の上げ方では少ないほうではないと思いますので、北海道電力等に比べますと、水力発電というようなものの関係を考えますと、ほかの電力会社においてはこれよりも小さい申請があるのでございましょうから、これを全国平均して、九つの電力会社の申請どおりにかりに認めたとした場合にも、おおむねいま申し上げました数字のような消費者物価への作用があると思う。しかし、これは査定しますから、それよりも小さくなる。しかし、それは先ほど三月の東京都の消費者物価の対前月上昇が〇・七%といいました。七%に六%が乗っかりますと、それで一・何%と、こういうことになりますが、私どもはその物価の上昇率というものを極力弱めてまいるつもりであります。少なくとも上昇率、まあ弱めてまいるつもりでおりますので、そういう間に、この種の影響をはさんでいけるのではないかと、またいかなければならないと、こういう考え方でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 このところはわかりましたが、それで、通産のほうですね。さっき四十八年下期の、これは九電力全体の収支のバランスのことですね、合計千三百億ないし千四百億の赤であると。そこで、北海道の場合はどうなんでしょうか。それから、関西、四国の、昨年上げた両社の経営はどんなになりますか、具体的に。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 個別の会社にわたりますので、具体的なこまかい数字は省略さしていただきますが、この御指摘ございました三社とも、いずれも赤になるのではないかと予想いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いずれも赤だけど、あんたのほうじゃ調べたんでしょう、事前に。打ち合わせしてますよ。総額が言えてるんだから、中身も教えてください。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 先ほど申しました千三百七十七億は、御指摘のとおり九社合計でございますが、関西の場合は、やはり油の影響がかなり出ておりまして、全体の一つの中でまあ一割ぐらいがやっぱり関西で占められているんじゃないかと思っておりますが、四国、北海道の場合は、それに北べると額はかなり少のうございますが、いずれにせよ、最終的には若干の収支不足というような状況が予想されております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、北海道、それから関西、四国は、若干というんですから、ほとんど収支ペイに近いと、そう考えていいんですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 金額は少のうございますが、ただ、北海道、四国とも、会社の規模がほかの各社と比べますと小さい関係がございまして、やはり苦しいことはかなり苦しいであろうということが私の手元の数字からは推察をされます。特に、この四十八年下期は、期の途中から油が上昇に転じた、その中でも重油については、極力指導によって値上げを押えてきたというようなことの背景を持った数字でございまして、四十九年上になりますと、これらの要因がすべて経営圧迫の面にフルにあらわれてくるというような事情から、御指摘の三社、いずれも四十九年上においてはかなりの経営状況の悪化ということが予想されております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこはわかりました。それで、まあ具体的な数字はいいです。問題は、あれですか、通産のほうで、これから最大限努力をして作業を進めていって——これは政治的な問題は別ですよ、さっき長官がおっしゃったような一つのことは政治的な問題。事務的に考えたら、大体何日ぐらいかかるもんですか、物価対策会議に持ち込むまでぐらいの時期としてはどのくらいになりますか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 九社が値上げをするというような事態は、いわばもう二十年間なかったことでございまして、もしそういうような事態になりましたときに、どのくらいの作業量が生ずるかということは、ちょっといまのところでは予測しがたい面がございます。ただ、私どもは、やはりこういう社会情勢、経済情勢でございますので、審査については十分入念にやるというかまえだけはこの際堅持をいたしたいと思っております。で、その意味におきまして、先ほど申しましたように、特別監査の実施、あるいは査定内容の詰め、この点については遺漏なくやっていきたいと思っております。  その所要期間は、法律的には申請内容の告示から公聴会まで二十日間を要する、それから、認可から実施まで十日間を要する、これらのことが省令に定められておりますが、その間、査定作業を進める所要期間につきましては、各社の経理状況が非常に悪化しておるという事情を踏まえまして、極力ピッチを上げて処理をするというかまえでございまして、いまのところ、何日あればというようなことをちょっと申し上げにくい情勢でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大体、四月ないし九月に片づけたいという政府の方針のようですから、それに歩調を合わしておやりになると思うんですが、まあ平均六八・一六%ないし七七・七四%——東京、中部のですね。率としては相当大きなものですからね。ですから、これが一般物価への寄与率というのは、先ほど長官から御説明がありましたが、特にアルミニウムとか鉄鋼とかあるいは化学の面においては、製品コストの中に占める電気代というのは相当大きいですよ。ですから、必ずしも簡単にいくかどうか。これがまた波及しまして、他の物価を刺激するというようなことになるわけですから、私はもうほんとうにいま大事な段階を迎えて、多少その鎮静のきざしが見えてきたという——まあ数字の面では、さっきの長官のおっしゃるように、狂乱物価がやや数字的に、三月の数字——数字からですよ、これは。政府の発表の数字から見ると、若干のそういうきざしがあるというときだけに、これがまたさらに物価の押し上げになる、引き金になるということは、もうこれは間違いないことですからね。その点はひとつ慎重な配慮をしていただくように特に要望しておきます。  それからもう一つ、経済企画庁長官、きのう民営鉄道協会の森会長が田中首相に会っていますね。それで、私鉄の十四社の運賃値上げについては、御承知のように、昭和四十七年七月に申請が出て、普通運賃で二六・九%、それから通勤定期でもって四五・三%、この値上げ申請が出ているんです。それで、現在、運輸審議会のほうで検討中だということになっておるわけですけれど、電力料金が上がってくるということになると、当然おれらのほうも上げてくれと、こういう動きになって連鎖反応してくるわけですから、したがって、そうなると経営が苦しくなる、さあ上げてくれと、こういう段階へ来ていると思うんですね。ですから、さっき長官がはしなくも言われた中に、私鉄と電力との関係を公共料金の中で一緒にやるか離してやるかどうかというようなこと、ちょっと触れたと思うんですよ、私。もし間違いだったらあれですけど、そんなように聞きましたんですが、そんなことも関連があるんじゃないかというように、私はこれは推測なんですがね——するわけですよ。で、本委員会で私が質問をしたときには、これは運輸省が担当になるでしょう、実際には。徳永運輸大臣は、まあ大手についてはそういうことはしませんというように言ったと思うんですよ。ただし、小さいところはなかなかむずかしい点があるでしょうというようなことで答弁をいただいているんですがね。この場合、十四社です、私鉄十四社。これについて、経済企画庁としては、この際値上げは困ると、こういう方針でお進みになるべきだと思うんですが、どうでございますか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) さっきも述べましたように、国鉄の料金押え込みも九月三十一日までと、しかし、その国鉄の料金押え込み期間中は、鈴木さんもよく御承知のとおり、政府のほうから財政資金を回してやって、しかもその回してやったものの利子補給までして、それは予算にも、財政投融資計画にものせておると、こういうことができるわけでありますが、私鉄のほうはそういうわけにまいらぬことは、これ独立の私企業でございますから、国鉄と同じことはできません。そうした場合に、国鉄の料金押え込みを九月一ぱいでやめるとした場合には、いままでは、国鉄でさえも押え込んでおるんだから、私鉄のほうも国民全体のためにがまんしなさいということで、せっかく運輸審議会で審議中の案件ですが、それを実はたな上げをさせておると、こういう状況でありますので、これはもうどんなにおそくてもそれまでには片づけなければならない問題だと思います。しかし、いみじくも鈴木さんが言われるように、電気のほうを上げた場合には、私鉄のほうも黙っていないだろうということでございまして、どうもそのとおりの動きでございますので、これもいつ上げるとは、その九月より前のいつ上げるかということはきめておりませんけれども、電力料金改定の認可の問題とあわせまして、どういうふうに時期的配分をするかということをきめて、経済企画庁、運輸省、またそれは政府の経済閣僚なども入れましてこれからきめてまいりたいと思っております。参議院の選挙がまん中にはさまるというようなこともございますが、しかし、そういうことのために痛くない腹をさぐられることはよろしくないと——これはまあ経済企画庁は政治企画庁じゃありませんから、政治抜きで、経済ベースで判断をするようにして、いろいろ打ち合わしてまいりたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうも伺ってますと、電力料金も上がってくるし、それから私鉄運賃も上がってくると。それからさらに、いま凍結をしております生活関連物資とか基礎資材というふうなものも、どうもある時期がくるとそろそろ怪しくなってくるということを考えますと、なかなかこれからの先行き、物価の安定ということは非常にむずかしいように思います。それで、せっかく安定のきざしを見せた諸物価が、これらの要因によってさらに前に押されていくという情勢がもう強く出てきていると思うのであります。ですから、総理がおっしゃったような短期決戦、八月安定、こういうことがすでに、まあまぼろしとは言いませんけれども、真実性のないものになってきているということは、本委員会のほうでもわれわれが入れかわり立ちかわり指摘をしたわけです。しかし、総理は総理としての政治的な判断で、早く鎮静し、そして安定させるという一つの目標を国の最高責任者として一つのめどを示しておるんだ、みんな協力してくれと、こういうふうに私たちは受け取っておるわけです。ですから、まあ組閣以来、去年も春には安定させると言ってそれができない、夏だと言って、また秋だと言って、何回も安定、安定がこう変わってくるわけですから、今度もまあそういかぬだろうということは大体常識として国民は考えておるわけですが、長官としてもたいへんなときに御苦労されているのですから、それはよくわかりますけれど、まあ福田さんの短期決戦というのがもう大体八割は成功をおさめたんだということを、きのうあたりから、きょうあたり盛んに言われておるわけですよ。しかし、これから電力料金等の値上げによって問題はさらに出てくるということはおっしゃっているのですけれど、大体そういうふうないまの経済、景気の、日本の物価というものはそういうふうなところにあるんだということを言ってますけれども、われわれはどうもそんなふうにもとれないのです、まあ率直に言って。実感として、なかなかきのうあたり福田さんのおっしゃるようなことが国民の中にすなおにそうだというふうなわけにはいきませんよ、これは長官。ですから、もっともっと一段とくふうをし、努力をして、そうして英知を集めて物価安定のために大いに努力をしていただかなきゃいけないと思うのです。それで、おそらく、基礎品目とかあるいは生活関連物資で幾つか凍結をしたものもございますけれども、これらだってだんだん怪しくなるんじゃないですかね。そして、事前協議制というのがありますからね、そういうことでまた個々に値上げがやられていくんじゃないだろうかという、国民から見ると、少しうがった見方かもしらぬが、心配しているわけですよ。そこのところを経済企画庁としてぴしっとできないものでしょうかね。これはなかなかむずかしいとは思うんですがね。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 鈴木さんのだんだんの社会経済学説、よく承りました。それはたいへんありがたいと思います。御理解もあれば、激励もあれば、また御心配もございまして、そのとおりの心配を私どももいたしておるわけでございます。しかし私は、経済というものは物価の関連が非常に大きいものでございますが、物価は、あるいは公共料金は、それはいまのような日本経済の内部的あるいは外部的要因が大きく変わる際に、昔のままの姿でそのまま押え込んでおればいいんだということではないと思うわけでありまして、もしそういうことをいたしますと、経済が動かなくなる、社会が非常に動脈硬化症を呈してしまいますので、物価や公共料金政策を通じまして、経済の動きや発展や、それから社会福祉の上昇や、あるいはまた勤労者をも含めまして、所得配分を適正にするというようなことこそが本体だと考えますときには、物価の問題につきましても、ただ昔の型で押え込むという考え方を持つものではありません。それはもう鈴木さんもよく御了解だと思いますので、そういう前提に立ちますときには、ただ国民に急激な生活上の変動や、またその変動に対する政治的、財政的な国の配意や、次の段階への移り変わりの用意なくしてそういうショックを与えるべきではないとは思いますけれども、いまお話がありましたような点をも含んで、国の政策、企業のあり方、また国民の受けとめ方、そういうものを含めまして、いま新しい経済指導政策、それから物価・料金体系というようなものもつくっていくのがいいんだろうと私は考えるわけでございますので、鈴木さんの御心配、御激励も十分心得ましてやってまいるつもりでおります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 なかなかこれはむずかしいと思います、私も基礎物資の凍結の問題とか、それから生活関連物資の凍結の問題というのは。で、こういうふうに大体理解してよろしゅうございますか、長官。三月は過ぎましたね。いま四月に入ってるわけです。三月、四月というようなこともちょっと言われておったんですけど、四月中は少なくとも現在の凍結価格については手をつけない、五月になると多少事前協議制によってやらざるを得ないような事態が出てくるかもしれないということなのか、それとも、ここ当分の間は凍結したものはもう手をつけないでこのままやっていくというのか、基本的な考え方なんですね。ですから、四月−九月という一つの線を持っておられるようですから、その中でまあ考えれば、最高の場合は九月までということにも関連づけをすればできないこともないと思いますけどね、なかなかそうはいかぬと思うんですよ、私は。ですから、その辺が、たとえば百貨店とかスーパー、そういうところに対して小売り価格の抑制についていろいろと行政指導しておりますけどね。そういうものがはたしてうまく守られているのかどうなのかですね。ある段階でやっぱりくずれるという危険性も出てくるわけですから、その辺の行政指導というものが非常にむずかしいと思いますけどね。国民としてはやはりできるだけ物価安定を願ってるわけですから、そのきめた方針をちゃんと堅持してやってほしいということを強く望んでいるわけですから、その辺の基本的な考え方を、経済企画庁としては、少なくともきめたことについてはここのところ当分はいくんだ、こういう方針なのか。そこのところの基本方針だけ……。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これは私どもとしても、いつまで凍結するか、いつ解除するかということよりも、いつ解除しても、それによって経済的混乱やあるいはまた物価の狂奔というようなことが起こらないような情勢をつくることが肝心で、その情勢の中においてそれはいつ解除してももう心配はないと、こういう方向をとろうと思います。総需要の抑制政策を続けるということもその考え方の一端でありまして、公共料金の変更がございましても、あるいはまた凍結価格の事前了承というようなものが——これを一挙にやるわけじゃもちろんございませんが、行なわれるものがあるといたしましても、それを受けとめるような経済情勢というものが、購買力調整というようなものができているような状況を、総需要の抑制なりその他の包括的な政策によってつくっておくと、こういうことに御理解をいただければ私はしあわせだと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、時間がありませんからね、このくらいにしておきます。  それで、これからの日本経済がどういうふうにして動いていくか、あるいは物価がそれに伴ってどうなっていくかということはなかなかむずかしいと思いますけれども、きのうの衆議院の物価対策特別委員会で、日銀総裁とそれから伊部全銀協の副会長がそれぞれ参考人として御出席をいただいて、意見を述べられておりますがね、その中で伊部全銀協の副会長が、「実体経済は沈静化の兆しをみせているが、最近は倒産の大型化も目立ち、コストアップ要因も目白押しに続いている。このままでは不況下の物価高現象に入るのではないか」、いわゆるスタグフレーションの危機を指摘し、「引き締め政策にコストアップ要因の抑制まで期待するのは無理だ。金融政策には限界があることを認識してほしい」と、こういうふうに訴えているわけですね。これからも総需要の抑制、あるいは財政金融面からの引き締めですね、窓口規制の強化というようなことでずっと押していくと思うんですね。その場合に、いま言ったような中小零細企業の中にかなり倒産が、一千件こすような状態が出てきてますね。ですから、大きな企業は含み資産を持ってますし、相当昨年来もうけてますから、引き当て金やなんかにうまいぐあいに社内に積み立てしておりますから、たいしてびくともしないと思うんですけれども、どうも中小というか、零細企業なんかの場合に、ここに述べられておるようなことが一方には出てきておるわけですね。そういうものを一体金融引き締め政策なり総需要の抑制なりの中でどうかみ合わしていくかという、そこに非常に苦心をされていると思いますけれどもね。長官としては、こういう弱い層に対するてこ入れというのをどうなさろうとするのか、これを承りたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 私が先ほどのことばの中で、いつ公共料金の改定があっても、あるいは物価の事前了承制というようなものが解除されることがあっても、経済情勢に混乱が生じないように、総需要の抑制その他広い意味の広範な政策を用意しておくという、その広範な政策という意味は、そういう実はことも私の頭を離れないものでありますから、ただ総需要の抑制で金融引き締めをそのまま一本調子で続けておればいいということではないと、そういう意味をもちまして、そういう簡単なことばでございますが、あらわしております。  おっしゃるとおり、また世界的のこれまでの経験のように、スタグフレーションというような状況を十分頭に置きまして、総合的な経済政策というものを物価政策、料金政策とともにやることが今日の新しい経済指導原理であり、また、政治理念だと思います。物価は下がっちゃっても失業者がうんとできちゃったり、あるいはまた、谷間の人々がどうにも動きがつけなくなったり、つまり社会福祉の上昇というものが少しも見られないというようなこと、また倒産というようなことができたんでは、それはもう物価安定、物価引き下げということ全く背離をする困った現象になりますので、そういうことをも含めました総合的な政策として、これぜひ金融の問題についても、いろいろと考えてまいるべきだということを常に頭に置いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、これからの日本経済の動向の中で、やっぱり一つの問題は諸外国ですね、特にアメリカ、この経済がどういうふうに動いていくかですね、景気というものが。資源を持たない日本ですから、外国からものを買わなきゃなりません。で、これは日本銀行が発表した先進十カ国と日本との卸売り物価と消費者物価の比較というものが出ておりますね。こういうのを見ましても、アメリカあたりの卸売り物価が二月現在二〇・三%、消費者物価が一月現在九・四と。日本の場合には二月は三六%ですね、卸売りが。消費者物価が二四%そうしてみると、かなり日本は諸外国に比べてやっぱり高いし、トップをずっと続けていくわけですね。ですから外的要素としてこういう輸入原材料の今後のプライスはどういうふうに動いていくか。国内的にはいろいろそれは労働問題もあるでしょうし、需要供給の問題もあるでしょうし、それはそれなりに一つの要因があると思いますけれども、特に私は、外国の外的要因というものですね、すべて原材料をほとんど外国に依存する日本として、特にアメリカ経済の動きというものをどういうふうに分析しておかなきゃならぬのか、その辺はどうでございましょうね。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それは私には私なりの考え方、想定がありますが、私が何でもやってしまいますと、あれは政治経済学者で純粋の経済学者じゃないと、こういうあなたの御批判を受けるといけませんが、ここに幸い経済企画庁の調査局長でその方面のエコノミストの代表者がおりますから、簡単に説明させます。

宮崎勇経済企画庁調査局長

○政府委員(宮崎勇君) いま御質問のアメリカ経済でございますが、昨年の前半期までは、アメリカの経済成長率は、通常アメリカの適正成長力といわれてます年率四・五%をはるかに上回る数字でございました。しかし、その後引き締め政策の影響で実質成長率はかなり下がっております。その上に石油の問題が登場いたしまして、鉱工業生産はこのところ落ちております。実質成長率もまだ確報は伝えられておりませんが、ことしの一−三月には前期に比べてマイナス六%というふうに伝えられております。ただし、物価のほうは、所得政策はだんだん緩和しているということもありまして、御指摘のようにたいへん上がっております。ことしにつきましては、成長率はいろいろの見方がございますが、大体ゼロから一%程度、アメリカの大統領経済諮問委員会では一%前後と言っておりますが、民間ではゼロという見通しもございます。ただし、ことしは内容的に見まして設備投資がふえにふえているということで、民間の調査機関によりますと、アメリカの設備投資ことし一八%ふえるという調査がございます。商務省では一三%という見通しを立てております。ただし、ほかの需要項目は全般的に弱うございまして、実質成長率が一%程度、その中で物価上昇だけは、下期には若干上昇率が落ちるというふうにいわれておりますけれども、全体的にはまだかなり高い物価上昇率であるというふうにいわれております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、諸外国からの輸入する原材料等については、まだ多少なりダウンするというような、そういう傾向にはないと判断していいんですか。

宮崎勇経済企画庁調査局長

○政府委員(宮崎勇君) 午前中の委員会でも議論になったところでありますけれども、調整局長から御報告申し上げましたように、全般的には物価の上昇が各国で続いておりまして、消費者物価だけをとりますと、むしろ景気が後退する中で上昇率は高くなっております。ただし、主要原材料につきましては工業国の需要が停滞するというようなこともありまして、引き続き上昇はしておりますけれども、ややその上昇率が鈍化するというふうに考えられております。食糧価格についてもやや同じような状況がございまして、ロイター指数もこのところ上昇はしておりますけれども、やや落ちついているという状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がありませんから、これはこれで終わりまして、もう一つ簡単にお尋ねしますが、長官が予算概要の御説明の中でも申されておりますように、物価問題は国民の最大の関心事であり、国民生活安定のために政府の配慮すべき最重点課題の一つである、こういうふうに述べられておりますが、まさにそのとおりであります。  そこで経済企画庁は、今年度予算の中に六十二億八千六百万円、物価安定のための所要経費を組んでおるわけですが、通産とかあるいは農林とか各省合わせて予算の中ではどのくらいの物価安定のための費用というのは組んでありますか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 昭和四十年ごろから実は物価関係の対策予算ということで、企画庁と大蔵省と御相談いたしまして関係予算をトータルいたしておりますが、昭和四十九年度の予算の中におきます物価対策関係経費というのが一兆五千八百十八億円という数字になっております。これはいままでの伸び率に比べますと伸び率がやや鈍化をいたしておりますけれども、これは主として今回の予算編成の上で大きな特徴でございます公共事業関係、これを総需要抑制の観点から著しく伸び率を鈍化させたわけでございまして、この関係で物価対策の中におきましても主として農業基盤の整備、この関係の伸びが非常に低くなっておりますために、全体といたしますと伸び率が約一七%ほどで、一般会計全体の伸びよりも多少むしろ低いわけでございますけれども、当面この流通関係あるいは生鮮食品の生産流通関係、その辺の当面非常に緊急的なものにつきましては十分高い伸び率を維持しておるわけでございまして、そんな状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いまあれですかね、経済企画庁には職員は何人おるのですか。

吉瀬維哉経済企画庁長官官房長

○政府委員(吉瀬維哉君) 五百七十二名でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで投機防止法案と国民生活安定法案、石油の需給適正化法案、この三つの法律をつくったんですが、特に投機防止法案のときにも、昨年の暮れ、私が予算委員会で長官にもお伺いしたんですけれど、法律をつくっても実際に立ち入り検査をして、ほんとうに売り惜しみ買い占めをしているのかどうなのか、そういうことについて徹底的な調査をしておらなかった事実が明らかになってますね。立ち入り検査は一ぺんしかやってなかった。去年の十二月の十四日現在で。ですから、今度いろいろと物価安定のための対策費を六十二億円経済企画庁組んでおるし、全体として一兆以上の、一兆五千億円以上の物価対策費を組んであるというのですが、問題はそういう法律をつくっても、法律を厳正に実行し施行し、そしてその面から悪徳業者、いわゆる反社会的な商行為をやるような、そういうものを徹底的に取り締まっていくという、そういうこと。同時に、どうも業者というのはなかなかずるい点がありまして、私が「ポッカレモン」のときにもやりましたように、厚生省に届け出するときにはビタミンC三倍強化のものを持ってきて、今度は許可になればびんの中にはクエン酸を入れて、それで何というか、まやかしのものを入れて、それでりっぱにレッテルにはビタミンC三倍強化、これを飲めばお嬢さんきれいになりますよなんという宣伝をしてぼろもうけをしたことがある。だから、絶えず事後の管理ですね、要するに。アフターケア的なそういうものをやってもらわなきやならぬのです、同時に。ところが、そういう面においても、私はいろいろこう見てみましたけど、確かにGメン的な価格調査官というものは、昨年の十二月十四日から見れば三百四十一人にふえておりまして、それから六百五名ですか、にふえてます、四十九年の二月四日現在で。昨年の暮れは三百六名だった。ですから、そういう六百八名にふやしましても、実際専任のGメンさんというのが七十五人しかいない。これではたして完全な法律実施のための仕事ができるのかどうなのか、私はたいへん疑問に思うんですよ、これは。これは経済企画庁なり、通産省なり、農林省なり、厚生省なり、いろいろとあるでしょうけれど、この点はどうですかね。大臣は経済企画庁長官しかおらぬのですけれど、私はどうももう少しこの法律の妙味を発揮して、そして悪いことができないように絶えず監視の目を光らしてもらって、立ち入り検査も必要ならばどんどんやっていくというような方法をとらなきゃいかぬと思いますがね。その点どうでしょうか。まあ三条、五条の問題もあるんですけどね。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 先生にお届けいたしました数字のあとで、多少新しい数字になっておりますので申し上げますと、ことしの三月二十六日現在でございますが、中央官庁として経済企画庁、厚生省、農林省、通産省あわせまして、中央では七百三十九名の価格調査官の総数でございます。その中で百七名が専任ということでございます。それから、地方公共団体の関係は三月一日現在でございますけれども、トータルで八千六百二十五名、その中で七百三名が専任ということでございます。  で、現在は実は経済情勢がやや変化してまいりまして、地方を通ずるこの国民生活調査会の調査によりましても、いわゆる物不足的な経済、そういう問題はどうやら焦点を過ぎて、いま物不足で非常に困るという時期から、いかにこの便乗値上げを防ぐかというところに重点が移りつつございます。そういう意味で、現在この価格調査官及び地方のこういう職員は、買い占め法に限りませんで、生活安定法に伴ういわゆる標準価格の順守の問題、それらも含めまして、広い意味の価格調査を実施しておるわけでございまして、最近の調査によりますと、二月ごろはかなりいわゆる狂乱状態でございました標準品目、いわゆる四品目の価格の動きにつきましても、その後まあ都道府県が非常に熱心に監視、指導してもらっておりまして、そのせいもございまして、最近では非常に標準価格が守られる体制になってきておるわけでございます。今後ともこういう関係は、さらに、先ほど大臣も申されましたように、今回の石油関連品目につきましてもなるべく早い時期に三品目につきましては標準価格に移行するということを考えておりますし、それから石油の価格の引き上げ及び電力の料金問題等、こういう問題が出てまいりますと、場合によっては、また、いまやや鎮静しております買い占め売り惜しみ的な動きが再燃しないものでもございませんので、この間の閣議了解の作文にも載っておりますように、必要があれば直ちに買い占め法に追加品目を指定してさらに調査をいたす。で、おっしゃるように、妙な動きが出ませんように、十分チェックしてまいりたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最近、何か米がなくなるぞというような、そういうような情報が若干流れたために、かなり米の買い占め的な傾向が若干出てきていますね。私は農林大臣にこれから他の委員会で伺うわけなんですがね、ですからいままでのこの三つの法律案がその運用の妙味を発揮していただいて、これが物価安定への大きな礎石になる。同時に、そのことによって悪いことをする商人がなくなってくるという、このねらいでしょう。ですから、反社会的な買い占め売り惜しみをして、昨年のようなあんなばかな話はないですよ。あのときにもつとどんどん立ち入りしてやればよかった。ところが、あなたのほうでは、まあわれわれもあとからわかったんですがね、あの二つの国民生活安定法や石油需給調整適正化法案というものの作業に取っかかって、まるっきりそっちのほうに力を取られちゃって、本来の投機法の法律の運営については手抜かりがあったと思いますが、あのトイレットペーパーや洗剤が足りないときに、明らかに立ち入り検査すべきですよ。そういうところができなかったんじゃないですか、ね。だから、私たちは回ってみて、国民の皆さんがふしぎに思うのは、法律をつくらなければ、法律がないから取り締まれませんと、これは実は経済企画庁長官にこの前ちょっと私は十二月十四日に申し上げたんだが、長官はまああの当時御就任になっていなかったのだから、あなたに言うのは酷かもしらぬが、まあ引き継ぎをされたでしょうと、こう言って申し上げたことがあるのですよ。そのときわれわれが国会で、なぜ取り締まりをしませんかと言ったら、いや法律がありませんからどうにもなりませんと言うから法律をつくったんですよ。つくっても、その法律が生きないじゃないですか。それじゃだめじゃないですか。三百六名の検査官がおられるというんだが、八割は兼務でございますという話だった。それじゃせっかく法律をつくっても何にもならぬじゃないですか。だから、これから相当人数をふやしてもらって取っかかってもらうわけですけれども、製造過程から流通段階、そしてそれが小売り段階でもってどういうふうになっているかということに対して、絶えずやっぱり目を光らせないと、途中で、行政指導の目ですからね、つい値段を上げたり下げたりする——下げることはない、上げていくというような便乗値上げ的なものがあるわけです。ですから、レッテルをちょっと一つ張りかえて百円のものを百五十円にしたり、そういうことを平気でやるわけです。だから、その面に対して必要な人があればどんどんふやして、徹底的に監視の目を光らせてもらいたい。  それから、地方自治体に相当の数をお願いしたというんですが、自治体でも、いま、それぞれ、条例をつくりまして、独自に生活物資の確保とか、買い占め売り惜しみがないように、それぞれ配慮しているんですけれども、しかしそれには権限が——非常に、移譲された権限の中ではできない面があるんですね。一都道府県内部における問題だけですから、他の府県においてつくった品物については手が入らないわけです。そこいらの点も少し考慮していただいて、私は今度こそ、あとからわれわれがまた再び、法律がもう動かぬじゃないか、何しておったんだというような、国民からの不満が出ないように、十分な配慮をしてこの法の運用をひとつしていただきたい。そして、せっかくつくった法律が生きるようにしてもらいたい。これを最後にお願いをし、大臣から御所見を承りまして終わりたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) おっしゃるとおりでございます。せっかく物価、物資の需給円滑化のためのいわゆる個別対策立法も出ておるわけでありますから、その法律を十分に、あるいはもうそれは十二分に活用するような体制を常に持っていなければならないと思うわけでありまして、鈴木さん、まあいろいろの方面、全国の事情を直接おつかみになっての御発言でございますので、おっしゃるとおりごもっともだと思います。  ただ、おっしゃる中で、いまの米がなくなるかもしれないと、こういう話、私の耳にも入っているんですが、それは少し意味が違うようでございまして、それは例の輸送スト、ゼネストをやるということになると、米でも、みそでも、しょうゆでも、みな輸送できなくなるので、あれをやられちゃたまらない、ああいうことをやってもいいように米の手配もみその手配もやっておかなければならぬと、こういう心配のようでございまして、米そのものにつきましては、これは大豆や小麦と違いまして、国内の自給率一〇〇%以上でございますし、政府はことしはさらに持ち越し米の数量もふやしてありますので、これはストのほうでも、そういう国民の生活に迷惑がかからぬようなことにしてくれという国民の声の一部かとも思いますので、その辺は両面をひとつよろしく御指導をいただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そういうふうに言われますと私のほうでもちょっと、もう終わるつもりだったんですけれども、一言言っておかなければならぬのです。  これは長官のおっしゃるような見方もあるでしょう、それはね。あるでしょうけれども、むしろそういうふうにし向けたのは政府関係じゃないですか。ストがあるから早いうちにひとつ輸送しておこうじゃないかというようなことになると、やっぱりそれにつられて国民というものが動いてくるわけですからね。ストライキがあるからとまってしまうんだという前提に立って、そして物を最初のうちに輸送してしまおうじゃないかと。むしろ私に言わせれば、ストライキというのはやらしちゃいかぬのですよ。労働組合だって、ストライキ権があるからストライキをやらなければならぬなんという考え方は、これは間違いで、やっぱりあくまでも誠意を持った交渉によって、春闘共闘委員会と内閣が総力をあげて、腹を出し合って、いまのインフレをストップし、高物価を押えていくという国民共通の場に立った、国民春闘と銘打っていることですから、これはお互い誠意を持ってやれば解決できるんですから、ストライキをやらないような誠意をお互いに披瀝し合ってストライキを回避すべきであって、万一に備えて、そういうときには困るから、政府としても少し物を、米を早目に各都市ヘローカルから持ってこよりじゃないかというような話になると、さあそれじゃ、ちょっとこれは米が早く出ていった、買い占めしておるんじゃないかと、そういう憶測が立つわけですから、その辺は若干、長官としても私の考え方もひとつ認めていただきたい、そうしませんと困りますから。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) いずれにいたしましても、お互いに、政府側も含めて、あるいは当該公共企業体等も含めまして、良識ある行動をもってこの一番むずかしい時期を乗り切るように、われわれも努力をいたしたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 ただいま鈴木委員から、電力料金値上げの問題がいろいろ御指摘されておりましたが、私も、電力料金の値上げに経企庁としては踏み切られたということで、この問題について、石油ショックを受けた国民としては、さらに電力料金の値上げによって大きな不安をまた持つんじゃないかと、このように思うんですけれども、大体、物価安定とか、物価鎮静とかいわれますけれども、国民の一人として、鎮静ということばと、現実に国民として一体何が鎮静なのかという疑問が非常に大きいわけですけれども、この点についてどのように経企庁長官はお考えか、まずお聞きしたい。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 昨年からことしの一月にかけましての物価の上昇は、過去十年間の物価の上昇の傾向をまるで飛び離れました異常の状況がございましたことは、私どもも非常にそのことを憂慮をいたしてまいりました。従来、十年間の卸売り物価にいたしましても、消費者物価にいたしましても、一けた台の上昇が、昨年は十二月を越します段階におきましては卸売り物価、消費者物価とも三〇%、二〇%をこえるような、そういう状況があらわれてまいりましたので、まず第一に私どものなすべきことは、この物価の安定、すなわち、その異常な上昇の鎮静ということにかからなければならないと考えておるところでございます。できれば、それは、前年度物価よりも、さらにその物価の絶対金額を下げていくということがよろしいのでございましょうけれども、日本の経済が近年置かれておりますところの内部的あるいは対外要因などから考えますときに、物価の水準そのものを前年あるいはその前々年の水準までに下げてしまうということは困難のところであると考えるところでございますが、今後におきましては、少なくとも、その上昇率をいままでの十年間のような、シングルの上昇におさめていくような、そういうことはやらなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 いまも鈴木委員から話がありましたが、電力料金が上がり、また私鉄運賃が値上がりする。そうしますと、当然、電力量を消費する企業、特にアルミ精錬の工場、あるいは苛性ソーダ電解工場とか、その他パルプ工場とか、いろいろ電力を消費する工場の生産品、これも値上がりすることは当然と思います。そういったものが上がれば、また、たとえば苛性ソーダが上がりますとそれに伴って紙が上がってくることは間違いないということになりますと、経企庁の言っておられるように、〇・六%程度で終わるのかどうか、非常に疑問に思うわけですが、そういったこと、それと十月ごろ予定されておる公共料金——鉄道運賃とか、あるいは消費者米価、そういったものの値上がりということを考えてきますと、どうしても、国民としてはほんとうに物価が鎮静というか、安定というが、そうなるのかどうか。また、物価が石油ショック当時とまではいかなくても、上がることは間違いないということで不安に思っておるわけですが、そういったことで経企庁長官として、ことし一年間の推移といいますか、展望といいますか、これについてちょっとお聞きしたいと思うんです。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 昭和四十八年度の物価の上昇動向は、もう内田さんよく御承知のとおり、卸売り物価については三〇%をこえ、消費者物価についても二〇%をこえましたが、しかし、幸いなことに、二月の段階におきましては、あるいはこの三月に入ります過程におきましても、卸売り物価、消費者物価とも上昇の足どりをとめまして、横ばいに近い上昇があらわれてきておるわけであります。これからまた春先になりまして、季節商品などの関係が順調にまいりますと、その面でも——これは季節商品の物価に与える影響というものは非常に大きいものがございますので、そういう面からも物価安定の要素を強くするものではないかと私どもは考えておるわけでありますが、しかし、一方におきましては、御指摘のように、いろいろの公共料金の改定の問題がきておりますので、それを織り込んだ場合に、はたして一体、物価の安定あるいは物価上昇の鎮静というものが得られるかということは、私どもも大きな関心を持つものでございます。しかしながら、一方また公共料金というものを凍結したままに放置いたしますと、国鉄とかあるいは消費者米価のように、国の財政に直接つながり得るものにおきましても、非常に財政計画上いつまでも価格凍結、料金凍結ができないということで、御承知のように、十月一日以降は計画された料金に戻すと、こういう方向にきておりますことを考えますと、国の財政につながりのない一般私企業における公共料金をいつまでも凍結をいたしますと、その公益事業そのものに対する資源配分がそこなわれまして、バスもトラック事業も、あるいは電気事業も、あるいは民営鉄道というようなものも、それらを利用する施設というものが荒廃に帰するというような状況を招かざるを得ません。さりとてまた、国が財政援助をもって続けるということも実際問題としては不可能ということを考えますときには、物価の鎮静する状況の中に料金の改定というものを適当に織り込んで進むことが現実的だとか、かように考えざるを得ないわけであります。幸い物価が先ほどから申しますように、鎮静の方向にきておりますので、いろいろな料金改定をその中に適当にはさみ込んでいくことにいたしましても、今年の物価の見通しというものは前年、昭和四十八年度のようなああいう狂乱的な事態にはならないと、こういう見通しに私どもは立つわけでございます。     —————————————  なお、公共料金の物価指数等の押し上げについての数字等も、経済企画庁といたしましてはいろいろ検討をいたしたり、また上昇の時期等につきまして、上昇の時期とか幅とかいうことについては、最も適切な方法を諸官庁とともに検討をしてまいることはもちろんでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 この申請どおりの電力料金の引き上げになると、その地域で物価を〇・六%、全国での物価を〇・二%押し上げると、こういうことですが、この根拠はどういうことですか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 物価指数は、何百というようないろいろな家計支出の支出項目にその支出の重さをつけて、そのウエートに即して、それらの個々の支出要因が引き上げられるものを、それを加重平均をいたしまして毎月の指数を出すものであることは、御承知のところでございます。そういうたてまえから、電気料金の消費者物価におけるウエートは、全国的な計算によりますと、家計支出のうちで一万分の百九十七と、こういうことになっておるそうでございます。百九十七の重みがあると。これが米とかなんとかいうものですと百九十七じゃなしに、四百八十ですとか、いろいろな支出要因によりまして重さがきまっております。そうしますと、電気料金の重さが百九十七、それが、たとえば東京電力ですと、今度六八%引き上げたいと、あるいは中部電力だと七七・七%引き上げたいと、こういうことがありますが、その中の数字が直接家計に影響を及ぼしますものは、言うまでもなく電灯料金ということになりますので、消費者物価につきましては、この電灯料金の値上げ申請分、これは、東京電力につきますと電灯料金は三六・三二%引き上げたい、中部電力については三四・七四%を引き上げたいと、こういう申請どおりそれをウェートにかけ合わせてみますると、いま内田さんから御指摘がございましたような消費者物価の上昇率が出る、こういうことでございます。     —————————————

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  ただいま、鈴木強君が分科担当委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。     —————————————

内田善利公明党

○内田善利君 その〇・六%の押し上げはわかりましたが、よく内容はわかりませんけれども。たとえば、電気を使う——電解法によって苛性ソーダをつくりますね。その場合に、大体、一トン当たり一万円上がるように聞いておりますが、これは事実ですか。それからアルミニウムの場合も一トン当たり精練するのに大体価格が三万円ぐらいですか、上がると聞いておりますが、そうなりますか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 私どものところには、その辺の物資別の詳細なデータがございませんけれども、通産省で調べました「生産額の中に占める購入電力の使用額の割合」というパーセントの数字がございまして、これで見ますと、やはり、おっしゃるように、各産業の中で電力の値上げが一番大きく影響いたしますのはアルミニウムでございまして、これは、生産額中に占める電力費の割合が一三・七%と一番高いわけでございます。そのほかでは、やはり化学工業あたりが、これは化学工業平均でございますけれども、二・一%。それから鉄鋼が二・三%、あるいは窯業、土石、これは主としてセメントでございますけれども、これが二・二九%。この辺が比較的電力のウェートの高い産業でございまして、全体の産業を総平均いたしますと、一・一%ぐらいが電力費の割合ということになっております。したがいまして、おっしゃるように、今度の場合、特に平均の電力の値上げ率をブレークダウンいたしまして、家庭用電灯と産業用の電力に分けました場合には、この間の通産省の、新しい今後のやり方ということで、産業用のほうが特に上げる幅が大きくなると思います。そういうことを考えますと、アルミニウムあるいは化学工業の中の、いま先生おっしゃった苛性ソーダ、そういうようなところが、かなりやはり影響を受けることは事実だと思います。しかしながら、全体として見ますと、先ほど大臣が申されました消費者物価における〇・六%あるいは〇・七%というのは、これは直接CPIを計算する上に、そういうことで計算されるわけでございますから、比較的はっきりとある段階のCPIの上に出てくるわけでございますけれども、卸売り物価のほうはそういう計算でございませんで、こういう産業の中にかなり吸収されてしまう。つまり、昨年十一月ごろからことしの二月ぐらいにかけまして相当の産業で、公共料金以外のところは、先取りの値上げをすでに行なっております。そういう点を考えますと、コスト的にはいま申しましたように、一%ぐらいのウエートを電力が占めておりますから、かりに産業用電力が二倍になったと、非常に大きく見まして二倍になったとしましても、全体の生産額の中ではコストを一%しか上げない、そういう計算になるわけでございますけれども、すでに過去何カ月かの間に相当の先取り値上げが現実に行なわれてしまっておりますから、卸売り物価のほうに関しましては、私どもは、全体としてみると一%なんかとてもならない。非常にネグリジブルであると思います。具体的な例で申しますと、アルミニウムとか、いま先生おっしゃった苛性ソーダ、その辺は確かに電力のウエートが高うございますから、ある程度のコスト上昇、それが製品価格の上昇になる可能性が高いと思いますけれども、たとえば苛性ソーダを使った紙はどうかといいますと、紙はどうも私どもの分析では、確かに、パルプの値上げ、輸入価格の上昇等、コスト上昇要因が相当あることは事実でございますけれども、紙の製品価格の値上げ、最近の上昇というのは非常に大幅でございまして、苛性ソーダが上がることに伴うコスト上昇ぐらいは十分従来までの中で吸収されるはずである、そんなふうに考えているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 そうしますと、結局、苛性ソーダというと生産製品としての物資となりますが、われわれの生活必需物資となると、紙とかあるいは石けん類とか、あるいは板ガラス、ガラス、あるいは建築資材等になってくると思うんですが、そういった生活必需物資になると、いままで値上がりしているから消費者物価指数には影響がない、そういうふうになるわけですか。卸売り物価指数は横ばいとか、あるいはわずかしか上がらないけれども、消費者物価指数は、いままでの中に吸収されておるから消費者物価は上がらない、そういうことですか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 電灯が上がることに伴います直接の一時的影響はCPIの上に、先ほどの〇.六とか〇・七で出てまいると思いますけれども、産業を通じて回りめぐって消費財の価格上昇を通じてこのCPLに響いてくる分は非常にわずかである、そういうふうに思っているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 電力だけでなくて、私鉄運賃も上がりますし、輸送料としてそれに加えられてくるということになると、やはり私は、消費者物価も、この石油ショック程度にはならなくても、上がっていくんじゃないか。またさらに、ことしの十月一日の公共料金の値上がり等によって、やはり消費者にそのしわ寄せがやってくるんじゃないか、こう思うんですけど、全然関係ありませんか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) ただいま申しましたのは、電力料金の値上げのCPIに対する影響ということでございまして、CPI全体として見ますと、先生おっしゃいますように、私ども、卸売り物価のほうはどうやら三月で非常に鎮静化して、今後とも上昇率は非常に微弱であろう。海外からの輸入物価の上昇の分というのは、これは防ぎようがございませんけれども、国内の需給面からくる値上がり要因というのはほとんどなくなりつつある。したがって、卸売り物価のほうは、現段階以降、非常に鎮静化していくと思います。ところが消費者物価のほうは、先生おっしゃいますように、いままで先取りをしていないのは、まさに公共料金的なものは全く先取りが行なわれていなくて、今後、石油の値上がりとか、電力の値上がりとか、それに伴うまた私鉄の問題とか、あるいは米の問題とかございますから、消費者物価のほうはいま直ちに横ばいに近づくとかというようなことは、私どもも非常に不可能であると思います。どうしてもある程度の上昇、これは月によって非常に野菜が安くなったりということによって下がる、ある月が下がるということはあり得ると思いますけれども、趨勢的に、やはり消費者物価というのは、やや上昇趨勢がどうしても残る。特に今年度の上半期ぐらいはどうしてもそういう影響がある程度残ると思います。残ると思いますけれども、去年の十二月からことしの一月、二月、この三カ月間でCPIは実に一一%も上がっているわけでございまして、そういうような狂乱状態というのはもう起こるはずがない。ある程度上昇趨勢が残るにいたしましても、いままでの動きに比べますとかなり鎮静化した、鈍化した動きになるはずであると確信しておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 この苛性ソーダは、トン当たり一万一千五百六十円から二万一千九百六十四円にはね上がる計算になる、業界全体では百五十億円負担がふえるということですね。で、アルミ精錬のほうは、トン当たり一万七千キロワット時の電力を消費するわけで、トン当たり一万円程度のコストが上昇する。すでに二万五千円程度コストが上昇しておるので、これに加えて電力値上げが実施されると、トン当たり三万五千円以上の値上げをしなければやっていけない、このように業者は言っておるということですけれども、こうなりますと、結局、建築資材に使われるアルミ製品、あるいは苛性ソーダからつくるいろんな日用品、こういうものも当然私は上がってくると思うんです。そうなりますと、政府は消費者物資の安定ということで、生活関連物資の価格凍結を、二月末現在の価格で凍結されておるわけですけれども、その先をどのように関連物資の価格凍結と、また、秋になれば値上がりするであろう消費者物価との関係ですね、その関係はどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 今回の価格据え置き措置といいますのは、非常に通産省、農林省努力をされまして、各主要企業と話し合いをつけて、当分据え置きますということでああいう措置になったわけでございますが、同時に、いままで値上げされ過ぎたのではないかと思うようなものは、これは企画庁からもいろいろ各省にお願いをして値下げの指導もしてもらうということになっております。しかしながら、先生おっしゃいますように、これからあらゆるものがいまのああいう水準で長期にわたって横ばいに持っていけるかといいますと、決してそうではございませんで、やっぱり石油の値上げとか電力の値上げとかが、ああいうものが大きく響きます部門はどうしてもある程度のコスト上昇が不可欠でございます。しかも、それが過去の数カ月の間に先取り値上げをしておる部分によって吸収され尽くされれば、その後の値上がりは防げるわけでございますけれども、コスト上昇のほうが大きい場合、また賃金ベース等も上がるということもございますから、吸収し切れない部分というのは、ある程度の期間は企業の努力とかいうことで据え置いておくことができますけれども、長い間そういうことをやっておりますと、結局これは、物資の円滑な供給を阻害するということになりますので、どうしてもある段階になると、必要最小限度の値上げは認めていくということにならざるを得ないと思います。したがいまして、その際は事前了承制ということで、大企業につきましては、各所管省庁の了承を得て必要最小限度の値上げをするということになり、それはその限りにおいて、やはりそのものの小売り価格にも影響していくと思いますけれども、いずれにしても、そういう部分というのは、非常に大きくまた物価問題を狂乱に導くというふうには考えていないわけでございまして、比較的部分的、かつ、小幅の調整で済むはずであるというふうに私どもは思っておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 この価格凍結はどのくらい考えておられますか。いつごろまでをめどに価格凍結をされる考えですか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) 現在の段階で、何月までというふうにはきめているわけではございません。しかも、凍結ということばは役所のほうではあまり実は使っていないわけでございますけれども、さしあたりは、先ほど申しましたような理由で据え置きをしてもらえるはずであるということで行政指導をして、そういう協力を得ているわけでございます。据え置きし切れなくなり、先ほど先生おっしゃるような理由で合理的な部分がどうしても認めざるを得ない場合には、これは据え置きから事前了承によって多少の値上げを了承している、そういうことになると思います。したがいまして、何月ということは、はっきり据え置き期間何月までということは明確になっているわけではございませんけれども、大ざっぱに申しますと、やはり現在のような、新しい価格体系の移行とい.うものがいま進行中でございまして、まあ大部分はすでに済んでいるわけでございますけれども、今後、公共料金の値上げということで、いわば短期的な価格体系の、新価格体系の移行というものも、実は長期の問題と短期の問題と二つございまして、長期の問題はエネルギー源の転換等も含めて、ほんとうに産業構造が落ちついて、その段階でセットされる新しい価格水準でございますから、これはやはり、ほんとうは数年かかるだろうと思いますけれども、当面短期の問題としては、私は公共料金の引き上げが済んだ段階で、第一次的な新価格体系の移行が済むはずであると思いますけれども、これをやはり世間が何と申しますか、昨年の年末ごろのようなああいう野放し状態に置きますと、非常にやはり電力値上げというようなものがまた値上げの口実にされて、思惑的な値上げ、便乗的な値上げをまた誘発することを防ぐためにああいう措置をとっているわけでございますけれども、そういう公共料金の値上げによる新価格体系への移行というものが、いわゆるソフトランディングさせることが目的でございますので、そう長い間引き続いてやっていくという必要もない。あまり長くやりますと、むしろマイナス面が出てまいるというふうに考えているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 価格凍結自体がことしの二月の、狂乱直後の物価を基準にしたものでございますが、私はこの価格凍結の実効を期待したいわけですけれども、ことしの見通しとして、やはり電力料金あるいは私鉄運賃その他の公共料金が上がれば、この凍結も、せっかくつくっても実効が薄いんじゃないかと、一まつの不安を感ずるわけですけれども、期限は切ってないと、まあそれはそうでしょうけれども、やはりせっかくこういう価格、必需物資の価格凍結したわけですから、できるだけその辺の調整ということはされると思いますけれども、やはりできるだけ長期凍結をしていただきたい、と同時に、また解除のときが、解除したとたんに一斉値上がりというようなことになると、また混乱状態を起こすと思いますけれども、その点の見通し、調整、そういったことが大事じゃないかと思いますが、非常に国民にとってはこれも重大関心事の一つでもあるわけですが、この辺の見通しはどうなんでしょうか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) アメリカのシュルツさんという人が言ったことがありまして、統制経済、価格統制というのはベトナム戦争みたいなもので、始めるときはそうむずかしくないんだけれども、やめるときが非常にむずかしいと言われたそうでありまして、まことにそのとおりだと思います。今回の価格据え置き措置というのは、アメリカにおけるいわゆる価格統制ほどシビアといいますか、強力なものではない、いわゆる行政指導というふんわりした形のものでございますから、入るときもソフトであると同時に、抜けるときもソフトであると思います。したがって、シビアな統制経済を脱却するときのむずかしさに比べますと、今回のほうがやさしいと思いますけれども、それにしましても、やはりおっしゃるように、ある時期にいきなり全部はずしますと、何となく業者のほうはもう値を上げてもいいんだという気持ちになって、またこの一斉に動きが出るというような危険性もございますから、これはおっしゃるように十分気をつけて、一ぺんにやめるのでなくて、あるいはやはりなしくずし的に対象を定めていくというようなやり方のほうがいいのかとも思いますけれども、この辺は今後とも各省関係省庁と相談して、まずいことのありませんように、十分気をつけてまいりたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 いずれは政府としても解除されるときがくると思うのですけれども、そのときの、いまの答弁ではよくわかるんですけれども、具体的な施策対策がございましたら、御説明いただきたいと思います。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) やはり基本は総需要調整だと思います。また、この財政とか金融とかをゆるめて何となくインフレムードが高まっているような事態になりますと、これはなかなかこういうものの解除ができないということでございまして、そういう意味でも便乗値上げを防ぐ最大のやはりきめ手は、需要調整であると思います。そういう意味で、私どもは現在の需要調整というものを堅持してまいるということを政府の中においても合意しておるわけでございます。  そのほかに、やはり競争条件の整備というものが非常に重要でございまして、公正取引委員会が意欲的に活動しておりますけれども、やはりこういうことによって業界のいわゆるやみカルテル的なもので値上げをされるようなことがないように、競争条件を維持していくということが非常に重要な対策であると思います。  そのほかに、まあやはり長期の問題として、いろいろ予算等でも手を打ちつつございますけれども、長期的なこの低生産性部門、流通部門を含めての物価対策とか、いろいろそういう問題もございますが、やはりさしあたりは短期対策としての総需要調整及び競争条件の維持と、それからできればやはり貯蓄性向をさらに高くするような政策が、私は個人的にはさらに望ましいというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 この凍結期間中の打つべき対策というのはどういう——いま大体わかりましたけれども、凍結している間、打つべき対策、これはどうですか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) これは、いま申しました総需要調整なり競争条件の維持なりということは、これは現在とも非常に重要な政策であると思います。そのほかに、やはり特に据え置き期間中必要な政策としましては、やはり監視というとことばは悪うございますが、チェックをする機能、これは一番シビアな形は生活安定法に基づく標準価格でございますし、そのほかに、法律には基づかないけれども、行政指導価格というものが設定されておるものがございます。それから今度の措置によって事前了承制の品目が五十三品目でございましたが、その後、農林省が畜産関係で五品目追加になりまして五十八品目になっておると思いますけれども、それからもう一つが百貨店、スーパーを通ずる百数十品目ということがいろいろあるわけでございまして、そのあとになるほどやはりソフトな形でこまかい監視が非常にむずかしいグループだと思いますけれども、いずれにしても中央官庁、地方官庁を通じて十分その事態が守られているかどうかということをできるだけチェックをしてまいるということが必要であり、守られていない場合には、指導を厳正にやってまいるということが必要であろうかと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に長官にお聞きしますが、結局電力料金値上げは六月一日にやる、そして消費者物価に対する影響もほとんどないと、新聞にはゼロに近いと書いてありますが、消費者物価に対する影響も少ない、また関連物資の凍結についてもそう心配することはない、とこういうことでしょうか、最後に御意見をお伺いしておきますが。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 電力料金の改訂実施を六月一日にするということは、私ども全く聞いておりません。ことにこれ、九電力会社がございますので、それらの申請の受け付けもばらばらになることと想定されますし、したがいまして、料金改定の認可の日が同じ日になるのか、あるいは企業の経理その他前回値上げ等の関連によりまして、多少期間的にばらつきになるのか、その辺もさめておりません。また事務能力の関係がございまして、これは各社総平均で、というものではございませんで、各社ごとに料金の引き上げ査定をすることになるはずでございますので、その辺からのいろいろの制約も出てくると思いますし、さらに、これは一般の物価の鎮静の中において電気料金の改定等をスムーズに吸収していくということが望ましいことでもありますので、他の総合的な物価の動き等とも見比べながら結論を出すのがよかろうかと、かように考えます。  それから、生活関連物資あるいは基礎資材等、約六十品目の価格安定行政措置である事前了承制の解除といいますか、そういうものの時期についても、政府委員から先ほど来申し述べておりますように、時期を一定にきめておるものではございません。これらの個々の物資による事情やら、また、物価一般の状況の中に織り込んで措置してまいる。要は、料金の改定にいたしましても、あるいはいまの重要資材の値上げ事前了承というようなことにつきましても、それは、少なくとも私は物価の引き下げの要因だとは考えられないわけでありまして、それなりに物価の上昇要因であることは間違いないと思いますが、しかし、それがまた再び物価全体の狂乱的上昇を誘致することのないような経済的な諸政策の遂行の中におきまして、と申しますのは、これは、たとえば総需要の抑制策とか、あるいは金融政策とかいうようなものが、右に述べましたようなことに対応しますような施策をとりながらいくということになろうかと思われます。  結論といたしましては、私どもが期待をいたしておりますのは、冒頭に申し述べましたように、物価上昇の鎮静でございまして、日本の内外の経済与件が非常に変動をいたしてまいりました今日におきまして、それ以前と同じ物価の水準になり、あるいは物価の系列なりというものがそのまま今後において、もとに戻すことが目標のことではなしに、新しい事態に即する新しい経済構造あるいは物価構造というものが次第に定着をして、それによって、それに関連しながら、国内の経済の動向も、また民心も安定をしていくという、そういうところに持っていくということ以外にないのではないか、それが私どもの目標とすべきところと考えていいのではないかというふうに思うわけでございます。単純に昔の物価水準に戻すということではないと、こういうことではなかろうかというようなことを考えながら、諸般の施策を進めてまいる所存でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 建設省、見えていますか。  このインフレに伴って建設省のほうで公共工事請負契約約款第二十一条六項、これによって通達を出された結果、長崎県の五島町村会とそれから建設業協会五島支部とが協議書を結んでいるわけですが、これによりますと、第一番目の補助工事については全面的に対象とするということなんですが、ただし第二項ですね、補助工事でも最終年度工事については対象としないと、こういうことなんですが、ただし災害復旧工事については対象とするということですが、この最終年度工事については対象としないということなんですが、御存じですか。  それともう一つ、時間の関係で、単独工事について一千万以上の工事については対象とするが、それ以下の工事については対象としないと、こういう契約を結んでいるわけですが、御存じかどうか。また、御存じであればどういうことでこういうふうになっているのか、聞きたいと思います。

森田松仁建設大臣官房会計課長

○政府委員(森田松仁君) ただいま御指摘のようなケースにつきまして、私、詳しくは存じておりません。それで、昨年来の建設資材の値上がりに対しまして、建設省では三回にわたりまして物価変動条項の発動と申しますか、適用を指示いたしまして、直轄事業には指示、それから地方公共団体には適用していただくように依頼してございます。それで、この通達の趣旨から申し上げますとただいまのケースであれば、趣旨から申し上げますと、やはり個々の工事につきまして、地域の実態に応じて、発注者側と受注者側とよく協議して物価変動条項の適用をしてまいるということが趣旨でございますので、ただいま先生の御指摘のような点でございますと、はなはだ遺憾であるというふうに思います。

内田善利公明党

○内田善利君 建設省としては、こういうことがあると遺憾であるというわけですか。

森田松仁建設大臣官房会計課長

○政府委員(森田松仁君) さようでございます。したがいまして、なお物価変動条項の通達につきまして、都道府県を通じまして市町村に対しまして周知徹底をはかるようにいたしておりますが、さらにその趣旨を徹底してまいりたいと、かように考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 そうしますと、第二項の最終年度工事について対象としないというのは遺憾であるというわけですね。もう一つは、一千万円以下の工事については対象としないということも遺憾であると、こういうことですね。

森田松仁建設大臣官房会計課長

○政府委員(森田松仁君) 第二点目の単独事業でございますけれども、建設省といたしましては、省所管の補助事業につきまして通達を出しておりますので、単独事業につきましては、自治省関係においてやはり通達を出されておると聞いております。

内田善利公明党

○内田善利君 遺憾であるというわけですね……。

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 内田さんに申し上げますが、ちょっと質問の趣旨を理解していないようですから、少し丁寧に……。

内田善利公明党

○内田善利君 この協議書の中で補助事業については全面的に対象とすると、これはいいわけですね。  第二番目の、ただし補助事業でも最終年度工事については対象としない。最終年度工事こそ私は、個々の事情によるかと思います、いろいろ。ですが、やはりそうであっても、最終年度工事についてはやはり対象としていくべきじゃないかと思うんですね。  それから、三番目の単独工事については一千万円以下の工事については対象としないと、これも個々に事情があろうかと思います。一千万円以下となると非常に短期間で終わってしまう工事が多いのかもしれません。しかし、だからといってこれを対象外にするということについてはどのように理解されますか。遺憾であるというふうに受け取ったのですが、ただ遺憾であるだけでは……。この辺詳しくお聞きしたいと思います。

森田松仁建設大臣官房会計課長

○政府委員(森田松仁君) 先ほど申し上げましたように、通達の趣旨は、建設省所管の直轄工事あるいは補助工事につきまして、すべて適用いたす、つもりでございます。したがいまして、その中身が、一つの事業をやります場合に二年、三年にわたりますけれども、初年度の工事であろうと、二年目であろうと、最終年度の工事であろうとも、この通達が適用になります。したがいまして、適用にあたりまして市町村を指導してまいりますけれども、それにつきましては、地域の実態に応じて、個々の工事につきまして、発注者側と受注者側とよく協議してまいるように指導してまいりたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 それから次に離島振興の問題についてちょっとお伺いしたいと思うんです。本年度もこの物価インフレの影響を受けただろうと思いますけれども、離島予算ですね、これが全国公共事業費に占める割合が離島分のシェアが一・七%ですね。非常に少額であるわけですが、これについてちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、私はこの離島こそこういう事業をどんどんやっていただきたい。離島に行って一番感ずることは、離島が繁栄してこそほんとうの日本のあたたかい政治が行き届いたときじゃないかと、このようにいつも思うんですが、わずか一・七%ということなんですけれども、この点についてはいかがでしょう。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 離島振興の事業につきましては、まあ従来とも離島振興計画に基づきましてこれを進めておりますが、その内容といたしましては、やはり離島の置かれております自然的条件、そういう特殊な事情からまいります後進性を除去するということに重点を置いているわけでございます。予算的にも四十九年度には四百六十億円ということになっておりますが、たまたま四十九年度の予算は、全般的に総需要抑制という基本方針のもとに、公共事業も三%程度の伸びということになっておりますが、離島につきましては、やはりこの現在の離島の交通、それから生活環境、こういうようなものについて十分な配慮をすべきであるというところから、特に八・八%というように他の公共事業を上回る伸びのものを特に四十九年度予算におきましては計上いたしておるわけでございます。全体として従来の伸びに比べましては四十九年度は低いわけですけれども、全国の予算の配分上は相当ここに重点を置いているということで予算ができ上がっているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 離島に行って一番問題になるのは航路の関係ですけれども、運輸省は見えてないでしょう。見えてなければ、やはり航路の問題の整備状況ですね、この点について離島振興課からお伺いしたいと思います。

青木良文経済企画庁総合開発局離島振興課長

○説明員(青木良文君) 現在、全国の離島の航路数は五百六十三航路でございますが、このうちで生活航路が五百十八航路ございます。国はこれらの航路の維持改善をはかりまして、民生の安定とか福祉の向上に役立てるために、昭和二十七年度から離島航路整備法を制定しまして種々の助成措置を講じてまいってきております。しかし、いまだ離島航路の整備法の指定を受けておらないというような航路もございますので、できるだけひとつ就航船舶を、老朽船であるようなものを新しく改築するというようなことをしたり、あるいは離島航路の補助金の増額につとめたりしまして、指定航路の拡大をし、また船舶整備公団の融資等によるところの就航船舶の近代化なり、あるいは競合航路の集約化、あるいは企業の体質の改善強化、さらには航路体系の一そうの合理化ということにつとめましてまいりたい、それで関係各省と十分協議をしていきたいと思っております。この航路の問題につきましては、運輸省のほうで御負担をしていただいておりますので、四十八年度と四十九年度予算を比べますと、離島航路の補助金でございますが、四十八年度は約六億三千五百万ほどでございますが、四十九年度にいま運輸省に計上され国会で御審議をしていただいておりますものは八億九千七百万ほどになっております。

内田善利公明党

○内田善利君 水上用のエアクッションのホーバークラフトですね、これが就航しているのは幾らぐらいですか。

青木良文経済企画庁総合開発局離島振興課長

○説明員(青木良文君) まだ運輸省のほうで予算化をしてホーバークラフトを就航させているところではございません。

内田善利公明党

○内田善利君 まあ、私もあちこち離島に行きますけれども、とにかく私は船に強いほうですが、船酔い寸前までいくぐらいに非常に小さい船で、しかも乗っている人は定員オーバーするぐらいに離島に往復している定期航路がそういう状況なんですね。これも運輸省所管ということですけれども、あるいはあとからまた地方バス、あるいは航空輸送、あるいは児童の福祉問題、施設の問題等、それぞれ所管が違って、しかもこれを管轄しているのが経企庁の離島振興課、いつも私は離島振興の問題で、経企庁の離島振興課をもう少し強力なものにして離島振興をはからなければ、いつまでも予算も少ないし、真の離島振興はできないのじゃないか。確かに離島振興法延長によってだいぶ離島の人たちも恩恵をこうむっておりますけれども、まだまだ不十分だと私は思います。そういった関係で、まず一番最初には航路の問題を整備していただきたい。やはり医療関係で、さあお産をすると、こうなっても、船で急遽送り届けに行かなければならない、本土のほうに送り届けてお産を済ませなければならない。そういうことで、前もって入院しているというようなことで非常に不便なわけです。それからせっかく小学校を終わっても、もう中学校になると本土のほうの中学校に通わなければならない。しかも近いところは船で通学している。通学できない高等学校になると、もう全員下宿しなければならない。そういう非常に悪い環境にあるわけですけれども、もう少しこういった医療問題にしても、あるいは航路問題にしても、あらゆる面でもう少し経企庁の離島振興課が強力なものとなってやっていかないとなかなか進まない、そういうふうに思うんですけれども、長官、この点どのようにお考えでしょう。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 私も同感でございます。そもそも経済企画庁で予算を計上いたしております先ほどの四百数十億の、これは主として公共事業関係のようなことになります予算も、もしこういう制度をとっておらなかったとするならば、建設省、農林省あるいは厚生省等に離島のために所管される予算を合計いたしましても、これだけの伸び……と申しても、私はこれが十分だと申すわけじゃありませんが、これだけの四百数十億への伸び方もなかったでしょうし、また予算が各省にばらばらになっております状態のもとにおきましては、その予算をもって執行する事業がばらばらになりまして、離島の小なりといえども総合的な振興とか後進性の排除とかいうようなことが今日ほどにもできなかっただろうということを、思いますときに、こうした国土保全とか、あるいは交通とか、産業基盤の整備とか、生活環境施設とかいうことばかりでなしにおっしゃる航路行政の問題でありますとか、離島全体の島民の生活水準を総合的に上げていくための運営上の施策といりようなものも、これはやはり経済企画庁が、離島振興法もありますし、離島振興審議会などもあるわけでありますから、そういう法律や審議会のあり方とも結びつけまして、予算の確保、配分等につきましてももう一歩私は踏み出す余地が十分残っているだろうということを感ぜざる得ないところでございますので、これはもしかすると内田さんも離島振興審議会の委員をおやりになっておられるかもしれませんが、いろいろまた御意見をいただいたり、力をかしていただきたいと斯界の諸先生にもお願いするわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 個々の問題についてお伺いする予定でございましたが、もう時間もありませんので概括的に質問しますが、離島の医療問題ですね。離島の医療確保、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これは離島ばかりでございませんで、まだまだ日本にいわゆる無医村地区といわれるものが何千か残っていると、こういうような状況も聞くわけでございますが、それにいたしましても、本土の無医村地区というものは、最近における道路の整備とか、あるいは、あれは何と言うんでしょうか。医師団を派遣するところの中心的になる病院なども陸続きにあるわけでありますから、いざというときに離島ほどのことはないだろうと思います。しかし、離島のほうは、いまの航路の整備状況、港湾の整備状況、また、あれは母親病院と言うんでしょうか、そういうものが島の外、海を越えた本土にある場合が多いわ、けでありますので、本土内の無医村地区よりも一そうこれはその対策につきまして配慮しなければならないのではないかと思います。そもそも離島振興対策か何かの中に医療問題か何かが入れられたのは、当初からではなしに、わりあい最近あとから入れられたようにも私は記憶いたすわけでありますが、それだけに医療の問題は緊要でもあるし、また一面からいうと取り上げ方がおそかっだ、なすべきことがよけい残されているというふうにも私は思いますので、できたらヘリコプターぐらいは離島の医療対策については用意するぐらいのところでやらにゃいかぬのじゃないかというふうに私は思うものでありますので、今後一そうひとついろいろ配慮をいたしてまいりたいと思います。

青木良文経済企画庁総合開発局離島振興課長

○説明員(青木良文君) ただいま大臣からも御説明ございましたように、医療の問題につきましては、去る第六十八回通常国会において離島振興法か一部改正されました。で、九条の二に「医療の健保」ということで法律に明記されまして、国並びに県の責任をはっきりとうたっております。医療の問題については、特に先生御指摘のように、離島並びに僻地一般に重要な問題でございますから一生懸命やってまいりたい、かように考えております。  それから先ほど私がホーバーの問題でお答えいたしましたが、ホーバーは、私たちが所管いたしおります内地離島には就航しておりませんが、沖繩には就航しております。

内田善利公明党

○内田善利君 それから離島の工事ですけど、港湾整備とか道路の整備等、予算がつけられても非常に工期がおくれておるわけですね。まだ三月現在で四十八年度の工期、完成していないところがあるわけですが、予算がついても着工が十一月とか非常におくれるわけですが、この点まあいろいろ障害があると思います。離島で業者がなかなかいないとか、いろいろあると思いますが、やはり早急に離島に対しては予算の施行ができるようにしていただきたいと思うんですけれども、この点はいかがでしょう。

藤井直樹経済企画庁長官官房参事官

○説明員(藤井直樹君) 四十八年度の離島振興事業費の施行の問題につきましては、一部かなりの繰り延べを行なっております関係でおくれている部面が多いかと思います。それから建設資材の高騰等によって事業がややおくれたという面はございますけれども、これにつきましては、先ほど建設省のほうから御説明がありましたように、物価変動条項の適用というようなことで契約の実勢に合ったような補助事業の配分を行なうということで、実際にその面から仕事のおくれるということのないようにいろいろ配慮してもらっておるわけでございます。まあそういうことで、今後とも事業の実施がおくれるということのないように努力いたしたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、結局離島が、先ほども申しましたように、もう少し文化水準といいますか、福祉施設といいますか、そういった面、まあ水の問題にしましても、まだ山水を飲んでいるところもありますし、簡易水道の整備とかあるいは屎尿処理の整備一これも一トン、二トン程度の小さい島はもう国はめんどうを見ないというようなことで、非常にそういったこまごまとした問題が山積みしておるわけですけれども、こういった点についてもう少し強力な手を打っていくべきである、離島がよくなったときに初めて福祉という政治が行き届いたと、このように言えると思うんですね。そういった点で、予算獲得といいますか、こういった予算面の措置、もう少し強力にすると同時に、各省庁にわたっておりますので、こういった点を、まあ一元的にはいかないかもしれませんが、もう少し強力な手を打って、施行期日がおくれるとか、そういうことのないようにしていただきたい。このように要望いたしまして、私の質問を終わります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 経済企画庁と、それから通産省からおいでいただいていると思います。最初に両方に伺いたいと思うんですが、けさの新聞発表にもありましたように、東京電力、中部電力が大幅な料金値上げの申請を出したというこの記事になっております。前から多少宣伝されておりましたので、料金の値上げの申請が出るだろうということは国民もある程度気がついていたと思いますけれども、あけてびっくり玉手箱で、東京電力が平均六八・一六%、中部電力が七七・七四%、あまりの大幅さにびっくりぎょうてんしているというのが私は実情だと思うんです。この二社にほかの各社も追随して値上げをするだろうというふうにいわれているわけですけれども、家庭用の電力料金ですね、電灯料金、これの上げ幅は若干社会福祉的な見地を入れたとかいわれて、東京電力が三六・三二%、中部電力が三四・七四%ということで、電力よりも若干はゆるいわけでありますけれども、それにしましても、私あとからこれは詳しく検討さしていただきたいと思いますが、いまの物価狂乱のおりの家庭に対する打撃というものは非常に深刻だと思います。特に産業用の電力は、東電、中電ともに二倍近くにまで値上げということになっているわけで、おそらく、電力をたくさん使っている産業はもとよりのことでありますが、そうでないところも今後一斉に便乗大幅値上げということが起こるおそれが十分にあると見て差しつかえないと思いますね。これはたいへんな状態だと思いますけれども、この値上げ申請に対してどういう措置をおとりになるか、これをまず伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 値上げの申請が渡辺さんいまおっしゃった二社から出たことは私も聞いております。電力九社といいますから、あと七社もそれぞれきっとおそらく出してくると、それも遠からず出してこられるということを聞いております。これをどう措置するかという問題でありますが、それはまずその料金改定認可の時期、それから各社ごとにそれぞれいろいろ事情も違いましょう。事情が違いますということは、各社の給与、経理内容が違うということばかりでなしに、発電構成が石炭火力や水力を比較的よけいに持っているところと、それからまた石油に依存するシェアが非常に大きいところなどがございますので、上げ幅を各社ごとにどうこれを算定していくかというような問題などがございまして、それらについてはまだ何もきまっておるわけではございません。ございませんが、二つのこれ矛盾した流れの考え方を私どもは持ちます。一つは、かねがね申しておりますように、公共料金は極力これを抑制する、そして国民生活の安定をはかると申しますか、あるいはまた消費者物価ばかりじゃなしに卸売り物価につきましてもその鎮静をはかるというような基本的な政策とどう調和さしていくかという一つの考え方と、もう一つは、これは国の直営事業でございませんので、国が財政的に支援をするということが、国鉄とかあるいは食糧管理特別会計でやっておる米価の売り渡し価格というようなこととも趣が違いますので、現実に発電源でありますところの石油の価格が上がったりいたします場合に、いつまでもこれを放置することができない。もし放置すると、結局こうした公益事業に対する資源配分が妨げられて、事業の不円滑といいますか、崩壊まではいかないにいたしましても非常に支障を来たすような状況にもなることを考えますと、これはやはり一般の物価政策との配慮と関連させながら必要最小限の措置はとらなければならない。こういう二つの一見矛盾したように見える考え方をどう調整していくかという決着をつけなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。これはまあ経済企画庁といたしまして……。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 私ども昨日申請を受け取ったわけでございますが、いまの置かれております経済情勢、社会情勢を踏まえまして、その内容については十分慎重に吟味をし、値上げをかりに認めます場合においても、その値上げ幅を極力引き下げていくという方向で対処いたしたいと思っております。なお、電気が各産業及び生活に不可欠の要素であるということは御指摘のとおり。でございまして、この電力料金の値上げが国民生活あるいは産業活動に及ぼす影響を極力少なくするよう関係当局とも打ち合わせて進めていきたいと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまのお答えに非常に端的に出ていると思いますけれども、もう新聞などでも盛んに予想記事が出ているわけでしてね、その予想によりますと、多少上げ幅を押えて、そして原則的には認めていくんだろうということに大体一致しているようです。しかも、私ども考えますのは、そり上げ幅を押えるということを一つの口実としし、電力産業に対して金融上、あるいはまた外資導入上、あるいはまた税制上のいろんな優遇措置をやっていこうというようなことになるだろうと、私どももまあ結局はそうなりゃせぬかと心配しているわけですけれども、いまのお答えはまさにその私どもの心配を裏書きするような御答弁だったという感じがするんです。  長官が先ほどおっしゃいましたように、いままで政府は物価問題を、これを最重点施策として取り組んでいくんだということを国会でもたびたび言明されてきた、そして特に公共料金は極力抑制につとめるということも言ってこられたわけです。いみじくも矛盾した立場とおっしゃいましたけれども、私はそういう矛盾した立場が生まれてさたときに政策当局がどういう姿勢でこの問題に臨むかということが非常に大事だと思うのです。つまり公共料金はもう原則としてここ一、二年は上げないんだと、あるいは二、三年は上げないんだと、確固とした立場に立って、上げないということを前提条件として、それならば電力各社に起こってきてる経営上その他の問題についてどう対処するかという立場で取り組むのか、それともまた、いや、ハムレットよろしく、矛盾した立場に立って、結局のところは電力各社の大幅値上げを、若干は押えながらも認めていくということにころんでいくのか、私はこの点が非常に大事だと思う。物価担当の大臣として、その点どういう立場をおとりになりますか。これは非常に大事ですよ、おっしゃっていただきたい。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 先ほど私が申しましたことを今度は違った面から申すことになるかと思いますけれども、これは私どもは公共料金対策というものは極力抑制するということに変わりはありませんが、これをおっしゃるように二年、三年その凍結のまま放置するということをいたしました際には、それはどういう一体国が用意があってその凍結を続けさせるかという問題に触れずに、単に公共料金の抑制だけを述べていくわけにはいくまいと思います。そうした際には、当然国は、これはまあ公益事業でありますから公共料金制度のもとに国が監督をしておるわけでありますから、つぶしてしまうわけにはまいらないほど大切な事業でありますので、国が財政的援助というようなものを用意をせざるを得ないわけでありますけれども、いまのそれは国鉄に対してさえも、あるいはまた主食のごとく  これは企業体ではございませんけれども、国の特別会計で多額の調整費を国民の税金からつぎ込んでいくということさえもいろいろな問題がある際に、公益事業のすべて——電力を含みますものに同じような措置をとることは、はたしてそれはその政策として適切なものであるかというと、必ずしもそういうことではないと。これを全部かりに公益事業を国営にしてみましても、やはりそれは国の特別会計にするかあるいは公共企業体にして、そのしりを見ていくということがなければならないわけでありますから、これは国の財政政策との考え方と、いまの財政政策とは大きな矛盾を生ずるわけでございますので、冒頭に申しましたように、私どもは公共料金改定の波及というものもいろいろの面から考えたり抑制をしながらこれを処置していくということにせざるを得ないことになる、そのやり方が問題があると、こういうふうに私どもは考えて、それ以外にいい方法はないんではないかと、こういうふうに思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 まあ、慎重に検討するということは、これは非常にけっこうなことです。大いに検討していただきたいんですけれど、しかし、私申し上げるまでもなく、公共料金というのは政府が直接介入することのできる物価なんですね。ですからね、このような物価狂乱のおりに一体公共料金を上げるのか押えるのか、ここに私は政策当局が本気で物価問題に取り組んでいるかどうかということをはかる一番重要なメルクマールがあるんじゃないかという感じもしてるんです。押えたいんだけれども、客観条件が変わって経営が苦しくなったからやむを得ず値上げを認めざるを得ないんだと、これじゃあまりに政治が貧困ですよ。貧困というより押える気持ちがもうない、真剣さがないというふうに言っても私は差しつかえないと思う。先ほども申しましたけれども、少なくとも公共料金は二、三年抑制する、その見地に立っていま電力業界に起こってきている事態をどういうふうに切り抜けていくか、ここにこそ政治がはっきりと政策を出すべき任務があると私は思うんですけれども、どうですか、そういう立場に立てませんか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 先ほど来申し述べているとおりでございまして、公共料金は極力抑制する立場に立つが、それは最終的には独立した企業体でありますから、またその企業体への資源の配分が妨げられることによって公益事業そのものが崩壊するような政策をとることは、かえって国民的不幸であり、また経済政策、財政政策としても適切なものではない。ことに財政政策にいたしましては、国民の税金を、公益事業であるがゆえに、大は国鉄から小はタクシーに至るまでその差額を公共料金価格抑制補給金ということで大部分を使ってしまうというようなことは、今日私どもがとっている経済財政政策に適合するものではない、こういうふうに考えるものでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は公共企業が崩壊してかまわないというようなことを言ってるんじゃないんです。料金の値上げを押えながら、なおかつ十分にやっていけるようなそういう政策を考えるべきだということを申し上げているんです。しかし、これはもう水かけ論になってきているようですからやめますけれども、念のために伺いたいと思うんです。関西電力、四国電力、これは去年の秋料金値上げをやったわけですが、今度もおそらくまた値上げの申請を出すだろうといわれております。もし申請が出た場合にどういたしますか。これはもうつけ加えて申し上げますけれども、何でしょう、従来、料金原価算定期間というのは大体三年ということになっておりましたですね。これは裏返して言えば、まあ電気料金の値上げは三年間は大体据え置きと、抑制というようなことに常識的にはなっているわけですけれども、しかし、昨年の秋上げた、今度もおそらく申請を出すだろうという予想が立てられるわけですから、その際はどういりようになさいますか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それは関西電力、四国電力に限らず、北海道電力等比較的今度の事態に対して適応力の強いといわれている電力企業につきましても申請が出されるようなことも伝え聞いておりますが、そういうものから出されました場合には、これは主管官庁である通産省にもまず十分厳重にして適正なる実態調査をしてもらいまして、その結論によりましてこれを論ずるということになろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産省、ちょっと……。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) かりに申請がございました場合には、それを受理いたしました後、いま企画庁長官のお話にございました基本的な考え方、私どもも同様をもちまして、経営のため必要なコストは何であるかという点を十分詰めた上で対処いたしたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この間、電気事業審議会の料金制度部会が中間報告を出しましたが、これに料金原価算定期間の問題について結論が出ております。こういうことが書いてあるんですね。「料金原価算定期間は、経済情勢の安定期にあっては、原価要素想定手法の発展等を考慮して、従来どおり三年間とすることが妥当であるが、原価要素の変動が激しい場合など三年間の原価算定期間によることが適当でない場合には、一年間とすることも可能とすべきである」。つまり、これは三年間というのは取っ払って、いまのような時期には毎年原価算定をやれと、それを別のことばで言えば、料金値上げの可能性を毎年開いておくという趣旨だと私は思うんですね。関西電力、四国電力が去年上げて、またことしも値上げの申請を出すということになりますと、今回の大幅値上げは、これは今回限りじゃなくて、おそらく来年もまたその次の年も、これの経済情勢の変動がかりに激しかった場合にはその可能性が開かれるということになると思いますけれども、その点どうですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) いま引用いただきました答申は、基本的な考え方としては、料金の安定性を確保するために三年間の原価計算期間で審査をするということが望ましいということを大前提といたしながら、今日のように原価要素の見通しについて非常に想定が立てにくい状況においては、場合によって一年というようなやり方も道を開いたと、こう理解をいたしております。今日の事態におきまして私ども原価の想定をいたします場合、燃料費がどうなるかというような点、あるいは人件費、物件費の予想がどうなるかという点につきまして、三年後まで的確な見通しを持つということはかなり困難な事情があることは御理解いただけるだろうと思いますので、それと同時に、三年後の原価までも織り込みますと、勢い料金の値上げ率が高くなってしまうというような事情もございます。これらの事情も頭に置きながら、当面、一年で申請があってもそれは今日の事態においてはやむを得ないことではないか、こう判断いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これは国民にとってはたいへんな状態になるということを痛感せざるを得ませんですね。  それでは次に移りますけれども、ゆうべNHKのテレビを見ておりましたら、電気事業連合会の会長さん、いまの中部電力の社長さんでもあるわけですが、加藤乙三郎さんが今度の値上げ申請の理由の八、九割は燃料費の値上がりだということを言っておられました。私、きのう通産省からいただいた値上げ申請の要点を通産省でピックアップされたものを拝見いたしますと、電力会社のほうでも値上げ申請の最大の理由として原料費の高騰を強調しているようですけれども、その点はそう理解してよろしゅうございますか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 申請理由の中には、いろいろの要因が重なっておるということを申し述べておりますが、しかし、一番大きな要因は、というお尋ねでございましたら、やはり燃料費の高騰という要因が作用しておるということは事実であろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 確かに石油の価格が急速に値上がりしたということについては、これは客観的な事実ですけれども、私は東京電力、中部電力のこの値上げ申請書の要旨ですね、これを拝見して、これは便乗値上げではないかという疑いを非常に強く持ったんです。  そこで、伺いたいのですけれども、東京電力が、この通産省の要約した中で二枚目ですね、二枚目にこういうことを言っております。「すなわち、昭和四十五年後半にはじまった産油国の石油値上げは、昭和四十八年に至って、驚異的な高騰ぶりを示し、事業収支は決定的に破綻するに至っているたとえば、主力油種であるミナス原油についてみると、昭和四十八年一月から、同四十九年四月までの一年余の間で、実に四倍の値上りをみている。このため、現行の電灯電力収入に対する燃料費の比率は、昭和四十七年度に二二%であったものが、四十八年度には三四%、昭和四十九年度には七二%もの比率に達することが見通される」。こういうふうに書いているわけですが、この点はどうですか、正しいと思われますか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) いま引用されましたのは、東京電力の値上げ申請の理由でございまして、いわば東電側のものの考え方でございます。私どもはこれから申請の内容を審査した上で、それが公正妥当なものであるかどうかを判断をする立場にあるわけでございますが、一般的に電力用の油の事情を少し補足的に御説明を申し上げますと、電力会社は燃料用といたしまして原油と重油と両方使用いたしております。  原油の中では大部分がミナス原油、一部中近東原油というようになっておりますが、ミナス原油について価格の推移を見ますと、昨年の春の水準が一バーレル当たり三ドル七十三セントFOBという水準でございました。それが十月一日に四ドル七十五、それから十一月一日に六ドル、それから四十九年一月一日に十ドル八十、さらに四月一日から九十セント上のせされました。最近の価格では十一ドル七十セントというふうに記憶をいたしております。  他方、中近東原油について見ますと、昨年の春ごろの原油の価格は大体二ドル三十セントでございました。それが六月、十月——十月は二回ございました。逐次引き上げられまして、一月から八ドル三十セントないし五十セント、それ以後またさらに上がりまして、最近では九ドル五十ないし九ドル八十というような水準に至っておるわけでございます。  以上申しましたのが原油の価格の値動きでございますが、他方、重油につきましても、電力会社の使用しております重油は公害規制に対応するために特に硫黄分の低い油が要求をされておるわけでございます。昨年の上期、四十八年上期ぐらいの水準でございますと、重油の平均単価が八千六百円か七百円ぐらいであったかと思います。昨年の暮れの状況を見てみますと、この硫黄分の低い油の値上がりが非常に強うございまして、これはまだ最終的に価格が決定をいたしておりませんが、各社の仮仕切り価格の動きを見てみますと、十二月ごろで一万六千円から七千円ぐらいに上がっておる状況でございます。さらにこれは当時行政指導を行ないまして、その後の水準を据え置くというベースになった価格でございますが、先般価格の改定によりまして、これはまたさらにそう上がりまして、二万七千円から九千円ぐらいに上がるのではないか。この辺はもう一度私どももよく詰めてみたいと思います。原油価格においても三倍以上、それから重油価格に至りますとそれ以上の値上がりが実績として認められるのではないか、こう判断をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ミナス原油の値上がりのことを言われましたけれども、確かに東京電力の使っている分を私も若干調査してみましたところが、それはミナス原油をかなり使っていますね。使っているけれども、使っている分量の中でやはり三割から四割程度のものじゃないでしょうか。たとえば昭和四十七年度の東電の使った石油は五百十九万キロリットル、そのうちで、ミナス原油は百九十七万キロリットルで、まあその比率でいえば三八%と、こういうことだと思うのですね。東電がここでミナス原油の値上がり四倍と言っているのは、そのうちでも、使っている石油の中でも特に値上がりの激しいものというものじゃないかというふうに考、えているわけです。それを使ってですよ、すぐにそのまま直結して料金の大幅引き上げという方向にいこうとしているところに私は非常に大きな疑問を感ずるわけです。  それで、たとえば私が調べたところによりますと、これは東京電力の有価証券報告書で調べたわけですけれども、東京電力が使っているC重油、これの昭和四十八年の三月末の一キロリットル当たりの値段は七千八百八十円でした。それが昭和四十八年の九月には八千七百七十円になる。こういうことで、九月期決算までしか出されておりませんからその後の状態はわかりませんけれども、かりに政府が先ごろきめた指導価格でC重油の価 格を見てみますと一万九千四百円台ですね。そうでしょう。大体聞いてみますと、十二月水準に対して、各社のいままで十二月水準で買っていた価格に対して六五%アップというのが指導の基準だというようなことでありまして、ほぼ一万九千四百円台というところだろうと見て差しつかえないと思うのですね。そうして計算してみますと、昭和四十八年の三月、東電の言っている昨年の一月という時期からは若干一、二カ月ずれておりますけれども、三月の水準に比べますと二・五倍というのがちょうどのところじゃないかというふうにしか考えられない。ちょっと東電のこの四倍というのは、あるいは部分的な事実は伝えているかもわかりませんけれども、全容は伝えていないんじゃないだろうか。全体として考えてみれば、大体二・五倍くらいがこれがほぼいいところではないかというふうに私には考えられる。特に昭和四十九年度には七二%の比率と。これは電力収入の中に占める燃料費の比率が七二%にも達するだろうと、こう言っているんですけれども、四月以降さらに大幅な燃料費の値上げが起こるというようなことも考えているんでしょうか、織り込んでいるんでしょうか、その点をどうお考えですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) いま電力会社の四十八年下期の油の引き取り値段はまだ最終的に決定しておりません段階でございますから確定的な数字は申し上げられませんが、ただ、いま引用いただきました一万九千四百円と申しますのは、硫黄分一・六%ということが前提になっておる価格でございます。先般指導価格を決定いたします際には、C重油については、油によって硫黄分がかなり差があるということで、これを具体的な指導価格に飜訳いたしますために、十二月水準の価格を基準にして、そのときに硫黄分によっていろいろ格差があった。それを前提にしながらそれぞれ六五%程度の値上げを限度とするというような形で注が付してあったかと思うわけでございます。いま、平均的な硫黄分が一・六%と申し上げましたが、ミナスの重油の場合には大体〇・三%程度かと想像いたしておりますので、その間約一・三%の硫黄分格差がございます。硫黄分格差〇・一%についてどのくらいの値幅が許容されるかというようなことも私どもいろいろ吟味をいたしておりますが、十二月水準で見まして、一般のC重油が一万一千八百円であったころ電力用が一万六千円であったということは、いま申し上げました硫黄分格差の標準的な考え方からすれば、あながち不当な値段であるとは考えられないと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうもその辺が非常におかしいと私は思うんですよ。たとえば、公正取引委員会が石油連盟などに立ち入り検査をやって調査した数字が出ておりますが、そのときの発表では、四十八年の二月一日の元売り卸価格C重油は一キロリットル当たり八千円という発表になっておった。ところが、それから一月後の四十八年三月の数字ですけれども、有価証券報告書には、七千八百八十円というのが東京電力のC重油の購入価格と、一ういうことになっている。ですからね、低硫黄重油だから値段が高いんだと一般論をおっしゃらないで、現実に東京電力がどういう重油を、どういう石油をどこから、どのくらい、幾らで買ったかと、こういうことを厳密に調べなければ正確な結論は私は出てこないと思うんです。その資料を私はぜひ提出していただきたいと思う。これはぜひお願いします。それも四十七年、四十八年、それから四十九年、各月別に、石油の油種別、それから購入先、それから価格ですね。これについての資料をぜひ出していただきたいと思う、これは東京電力について。  そこで、さっきも言いましたけれども、とにかくミナス原油のことを盛んに強調するけれども、ミナス原油については三八%しか使っていない、総燃料の中で。そういう状態のもとで、だから私が計算した、昨年に比べて約二・五倍だろうという程度がほぼ妥当じゃないか。そういう数字で計算してみますと、この東京電力の言っている電力収入に対する燃料費の比率というのが非常に奇々怪々です。  第一に、ここで電力収入に対する燃料費の比率、これが昭和四十七年度に二二%であったとしてありますけれども、通産省が出している統計資料で調べてみますというと、これは電力収入に対する燃料費の比率、東京電力の場合は二一%ですね、ちょっと高目に計算している。おそらくこれは費用の中のこの燃料費の比率ということの間違いじゃないかと思うわけですね。この辺も非常に疑問が持たれますよ、わざわざ高く見せるというのは。私が計算した数字によりますと、通産省の出した電気事業便覧で計算したんですが、四十七年度、この東京電力の支出合計は六千二百四十六億円、そのうちの燃料費は千三百七十九億九千三百万円、これで計算しますとちょうど二二%という数字が合ってくる。それでその燃料費が二倍半になったと、先ほど私はこの辺だろうと申しましたからその数字で計算してみますと、二二%が二倍半になったんだから五五%になります。そうでしょう。ほかの要因はこれは全部一定だとかりにきめて計算してみますと、一〇〇から二二を引いた七八、これを五五に加えれば一三三%という数字が出ます。つまり燃料費の値上がりがコスト全体のこのアップに作用するその影響はわずか三三%、こういうことになりますよ。ところが、四十九年度はさっきも申しましたけれども七二%もの比率に達する。どういう計算からこんなことが出てくるのか、まことにふしぎでたまらない。その点はどうお考えでしょうか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 私どもはこれから査定をする立場でございますから、個々の会社の内容についていまお答えをするという立場ではございませんが、一般論として少し申し上げてみたいと思いますが、油の値段が二・五倍程度の値上がりではないかという点につきましては、私どもはそれより高い水準ではないかと想定をいたしております。先ほど申しましたように、ミナスの原油自体をとってみましても約三倍の値上がりをいたしております。中近東の油の場合には、先ほど引用しました数字からごらんいただきますとおり四倍ぐらいの水準でございます。それから重油の場合には、まだ油種によって倍率が違うと思いますが、三倍を下回るということはあり得ないような感じがいたします。したがいまして、全般的な水準としては三倍を上回った伸び率になるのではないか、こう考えておるわけでございます。先ほど七五%も占めるというのはあまりにもおかしいという点は、なお書類を見てみたいと思いますが、おそらく想像では、従来の料金収入をそのまま据え置いた場合の予想される四十九年収入に対して、値上がりした後の油の値段が七十数%になるというようなことを申し述べているのではないかと想像されます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いや、そうじゃないんですよ。そうじゃなくて、燃料費のこの占める比率が七十数%になっている。だから、電力料金はさっきも言ったように六八%も上げなきゃだめなんだと、こういう議論なんですよ。何でそんな結論が出てくるのか、まことにふしぎでたまらない。その辺はもう少し詳しい資料をぜひ出していただきたい。東京電力のコスト計算についての詳しい資料です。これをぜひ提出していただきたいと思います。  なお、もしかりに、私の言うように燃料費の値上がりが二・五倍だというふうにして計算してみましょう。そうして今度の値上げ申請六八・一六%アップと、料金が、それで計算してみます。四十八年九月期の東京電力の電灯電力の収入、これは三千五百五十八億九千九百万円だった。かりにこれで料金が六八一六%平均上がったというふうにしますと、料金値上げで出てくる増収分はどのくらいか、二千四百二十五億八千万円になりまず。さて、一方燃料費特にこの油ですね、これは四十八年九月期には八百十四億三千六百万円でした。それが二・五倍になった、どのくらい経費が余分になるのか、そのプラス分だけ、これを申し上げますと、千二百二十一億五千四百万円というのが油の支出増ということになります。料金値上げによって、収入の増加はさっき申しましたように二千四百二十五億八千万円、油が二・五倍になった場合の支出増は千二百二十一億五千四百万円、差し引きわずか半期で千二百四億二千六百万円の増益になるんです。ほかの要因は全部一定として考えます。わずか半期で千二百億円くらいの増益になる。これはとんでもないことじゃないでしょうか。かりにそのほかの諸経費私一定だと申しましたが、それがもちろん上がっているわけでしょうから、値上がりしたという場合を考慮しても、半期千二百億円の増益というのはこれは私は異常だと思う。さっきの石油の価格の値上がりの予想からしましても、いま私が簡単に計算したこのものすごい増益ぶり、これから考えてみましても、私は今度の東京電力の値上げというのは、これは便乗値上げの疑いが非常に強い、そう思います。もちろん東京電力の資料が、正確なものが私の手にないから、だから、いままで東京電力が公式に発表した数字や、通産省が公式に発表した数字や、これをもとにしての計算にすぎません。しかし、少なくともこういう疑いは十分に持つことのできる根拠が私はあると思う。たいへんなことじゃないですか。念のために申しますけれども、東京電力は、燃料費が上がったから、だから電気料金値上げするのは当然だと言わんばかりのことを言っているわけで、さっきも申しましたけれども、料金値上げの八割から九割までは燃料費の値上がりだ、こういうことを言っていますけれども、この言い分そのものが私はおかしいと思う。  たとえば東京電力が四十八年九月期に売った販売電力量、これは五百十四億四千三百万キロワットアワーでした。これ、全部石油をたいてこれだけの発電をやったのか、そうじゃない。水力発電がある、これが六十億三百万キロワットアワーあります。原子力発電、これが四億二百万キロワットアワーある。それからこれは電源開発株式会社がおもだと思いますが、ほかの会社から買った、受けた電力量、これが七十九億三千四百万キロワットアワーあります。もちろん同業の会社から買えばそれぞれ値上げするわけでしょうけれども、しかし、電源開発株式会社から買電をした場合は、これはおそらく料金の値上げにならぬだろうと思う。そういうものが七十九億三千四百万キロワットアワーもあって、これらを全部ひっくるめますと百四十三億三千九百万キロワットアワーになる。東京電力が昨年九月期に売った電力量全体の二七・九%を占めることになります。三〇%近いですよ。油の値上がりは料金値上げに直結するというこのやり方、非常にこれは私はきなくさいやり方だと思う。便乗値上げの疑いが非常に濃厚だと思う。ですから、繰り返して申しますけれども、さっきの石油を中心とする燃料のこの資料と、それから東京電力の原価計算の詳細な資料、これをぜひ提出していただきたいと思います。その点、委員長、おはかりいただきたいと思う。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 繰り返し申し上げますが、これから私ども査定に入る立場でございます。御意見のような点も十分頭に置きながら審査をいたしたいと思いますが、ただ、油の値上がり率自体につきまして、やはり多少見方の違いがあるのではないかという感じを抱きながらお話を承っておったところでございます。ただ、料金の算定は、いわば能率的な経営のもとにおける適正な原価ということが基本になるわけでございまして、燃料費、人件費、資本費、その他の各種の生産要素につきまして、一体どれだけの活動をし、どれだけの費用を要するかという点を費目ごとに詰めました上で、そのかかりました総費用が即総収入になるという形で算定をするわけでございます。値上げをした場合には、そこに不当な利益が生まれるというようなことは制度的にはないようになっておりますし、私どももその辺は十分気をつけながら査定をしていかなければならないと思っておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 資料の提出についてはどうですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 申請書の中にいろいろな背景の事情が入っておると思います。それの中で御参考に供し得るものがあれば提出いたしたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、費用のかかった分が即料金収入になるように、不当なもうけがないようにとおっしゃいますけれども、あなたはその道の担当者でしょう。電力業界がどのくらいの荒かせぎやっているか、よく御存じじゃないんですか。この東京電力の申請書の中にも、欠損になるとか、無配転落だとか、最大の危機だとか、まるっきりものすごいことばを使っている。しかし、大体私がこの大蔵省の法人企業統計表で見てみますと、九電力が昭和四十七年度で売り上げ高営業利益率をどのくらいあげているか、一八%ですよ。そのときの全産業の売り上げ高営業利益率はわずかに四.四%。九電力に次いで売り上げ高営業利益率の特に高いのは不動産業ですね。あの全く荒かせぎをやっている典型のようにいわれている不動産業よりも電力会社のほうが営業利益率が高いんですよ。三菱経済研究所が発行しております主要企業経営分析というのを見てみましても、昭和四十七年の上期、電力会社の九電力があげている売り上げ高純利益率、これは八・〇一%、全産業平均はわずかに二・七一%、たいへんな違いなんです。しかも日本の高度成長の花形といわれる自動車産業、これでさえ六・三二%です。自動車産業よりもものすごい荒かせぎをやっているのがまさに電力九社です。たいへんなもうけを上げている。しかもその荒かせぎをどうしているのか。  東京電力——これは典型ですから例にとって申しますけれども、東京電力が昭和二十六年に発足したときの資本金は十四億六千万円だった。ところが昭和四十八年の九月期にはそれが三千億円にふえている。ものすごい増資をいままでやってきた。ところが、どうです、増資のたびごとに約二〇%くらいはこれは無償新株を株主に渡している。いま表面の配当率は一割だと言っている。ところが、無償新株を増資のたびごとに二〇%程度出している。ただで株をくれている。これ、売れば五百円で売れる。まあいまの株式市況からいえば七百円くらいで売れるでしょう。ただでくれたその株式にやはり一割配当がちゃんとついている。表面は一割配当だけれども、実際のところはおそらく三割から四割くらいの配当になっているんじゃないでしょうか。ものすごい金をもうけて、そうして大きな株主にはこうしてたっぷりと金をくれてやっている。こういうことをいままでやってきているんです。それがいま石油の値段が上がったからということを最大の理由にして、そうして、やれ欠損だとか、無配転落だとか大ぎょうに騒ぎ立てて、そうして七〇%に近い料金の値上げを申請する、言語道断と言わなければならぬじゃないですか。どうですか、その点は。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 他産業との利益率の比較は手元に資料ございませんので的確な答弁が本席ではできかねます。なお帰りましてよく勉強いたしたいと思います。  ただし、いまお話の中で、増資を繰り返しておると、これに関連をするいろいろなお話につきましては、電気事業の性質から申しまして、いわば設備投資のかたまりのような産業でございます。御承知のとおり、生活が向上をする、あるいは産業が発展する、いずれも電気の消費の拡大を伴うものでございまして、これらの増大する電力需要を満たすためには、それに必要な電源の開発というものを計画的に進めていかなければなりませんし、そのスピードも次第に上がっておるという今日の状況でございます。これらに応じて資本の増強をはかっていくということがまず基本的に必要なことではないかと思っております。  なお、加えまして、いま申し上げました設備投資のために必要な資金はいわば半数以上が社債の形で調達をされております。この社債発行の限度が資本金の額とリンクをしておるということでございます。このような事情から増資というものが必要でございます。ただ、先生御承知のとおり、電力会社の株といいますのは、いわば固定的な配当率を前提にしましたまあ資産株の代表のようなものでございまして、その間にありまして増資を円滑にするために、株主の優遇策として先ほどお話ございましたような無償交付が取りまぜられたのではないかと思っておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 増資が必要だということと、その増資をするにあたって五百円株を、これをそのうちの二〇%はただでくれてやるということとは全く違いますよ。もうけてもうけて腹がはち切れそうにもうけているからそういうことをやる。とんでもないですよ、これは。こんなに大幅な料金の値上げをやって国民生活に大打撃ですよ。今後ともこういうことを許すんです魂しかも、これはもう常識になっているくらい電力各社の内部留保というのはべらぼうなものです。東京電力の昭和四十八年九月期決算、これを見てますと、いろいろな引き当て金、これがどうでしょう、退職給与引き当て金を中心としているわけですけれども合計一千百九十九億四千万円、べらぼうな引き当て金を持っている。それに法定準備金を加えても資本準備金が五百七十四億六千万円、利益準備金が百八十八億六千万円、それに当期未処分利益三百三十三億五千万円を加え、総額でどのくらいになるか、二千二百九十六億一千万円。二千二百九十六億一千万円もの内部留保を持っている会社、たいへんなものですよ、この蓄積の状態は。さっきも言いましたように増資新株、そのうちの約二割くらいはいつもただで株主にくれている。その上にこんな内部留保を持っている。たいへんな会社だと言って差しつかえない。  しかも、たとえば諸引き当て金の一番その中でも大きい退職給与引き当て金、これはどのくらいかと申しますと七百三十三億円ある。四十八年九月期の決算ですね。しかもこういうことになっているんですよ。この退職給与引き当て金というのは私申し上げるまでもなく御存じだと思いますが、在籍従業員の二分の一が退職するに必要な額が法定限度額ということになっておる。ところが、東京電力の場合は、この法定限度額の一〇三・七%まで準備をしている。これはまあ合法的にやっていることでしょうから、法律上とやかく私は言うつもりはないんだけれども、一体、東京電力の従業員が半分一ぺんにやめるなんということ、想像できますか。とうていそんなことは想像できない。こんなたくさんの退職給与引き当て金を蓄積して持っているということ、これは退職に備えてということじゃなくて、明らかにこれは利益隠しのためだ。そう見て差しつかえないんじゃないでしょうか。どうでしょう、そういう点についてどういう御見解でしょう。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 電力会社の持っております内部留保を見てみますと、原子力工事償却準備金、海外投資損失準備金、公害防止準備金、渇水準備金、退職給与引き当て金、それから後期繰り越し金、こういった費目と、さらにお話のございました資本準備金、利益準備金、これらから構成をされておるわけでございます。たとえば公害防止準備金というのは、公害防止を計画的に遂行するために、いわば平準化のための準備金として設けられたものでございますし、原子力償却準備金は、原子力施設ができますと急速に償却費が増加するということ、事前に積ませることによって平準化していこう、経理を平準化していこうというような目的で設けられたものでございます。申し上げましたように、それぞれ一定の目的を持って社内に留保されておるものでございまして、これらの中で、まず取りくずし可能なのは後期繰り越し金であろうかと思います。ただし、いま東京電力の例がございましたので、東京電力を見てみますと、いま東京電力で持っております後期繰り越し金の程度であれば、この下期の極端な収支不足からいたしますと、これはもう全部取りくずしてもとうてい足りないというような金額でございます。その他の準備金を取りくずすということにつきましては、そもそも制度ができた目的からしていろいろ問題がございますが、先ほど申しましたような収支不足状況からいきますと、場合によってはこれは取りくずしもやむを得ないというような形も考えられるのが幾つかございます。  ただ、お示しの中で、退職給与引き当て金につきましては、先ほどお話しございました法定の限度額は税法上認められたものでございまして、逆の言い方をしますと、少なくとも税法限度の一〇〇%までは持っていないということになりますと、そこに働いております従業員としては、一体どうなるかということの不安を感ずるのではないかというために、一つの目安として設けられたものであろうということが考えられます。したがって、これが一〇〇%を上回っております場合にも、従業員の安心して働ける職場という考え方からいたしますと、にわかにこれを取りくずせるかどうかという点には多くの問題があるのではないかと考えております。さらにお話の中に、資本準備金、利益準備金があるではないかというお話がございましたが、これはほんとうに欠損になってどうにもならなくなったときのために、いわばふだんからこつこつためておくという性質の金でございまして、これを先ほど申しました、その他の準備金等と同一に判断をするというのは問題があるのではないかという感じがいたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間もないから、あなたのおっしゃったことに反駁はしませんけれども、国民はあなたのおっしゃったことではとうていこれは納得しないだろうということだけは申し上げておきましょう。それだけじゃないんですよ。しかも減価償却のやり方、これがべらぼうなものだというふうに私思います。四十八年の九月期決算の減価償却費総額五百四十五億五千万円ばかりですけれども、これは一〇〇%定率法でやられているものだと思いますけれども、その点どうでしょう。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 正確に存じませんが、東京電力の場合でございますと、九月期の場合には定率法で実施しておると思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 昔は定額法で東京電力もやっていたと思うんですけれども、いつから定率法に切りかわったのですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 昭和三十六年からでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この定額法から定率法に切りかわったために減価償却の速度が非常に猛烈な勢いになった。定率法のこの償却率は年に一四・二%でしょう。これでかりに計算してみますと、五年ぐらいで半分ぐらいの償却をやっちゃうんですよ。ですから、これは通産省から出した「電源開発の概要」という本ですけれども、この統計を見ましても、これは昭和四十六年度の数字が一番新しいんですが、これで見ますと、東京電力が定率法一〇〇%でやっているために、かりに定額法でやった場合に比べて三三・九%も償却が、実際の減価償却が多いという数字がはっきりとここに出ている。たいへんな高償却をやっている。私は、これは通産省の指導で定額法から定率法に切りかわったというふうに考えておりますけれども、もしこの定率法を昔の定額法に直して、そうして——定率法で一〇〇%いまやっているわけですが、これをかりに六五%ぐらいのやり方に直すということにすれば、減価償却の額は九月期の決算で三百五十四億六千万円くらいになる。だから、さっきの五百四十五億五千万円に比べてみれば、それだけで百九十一億円減価償却が減ってくる、半期でですよ。百九十一億円。いろいろな引き当て金をたっぷりとため込み、さらにまた株主に対して増資無償新株を渡して、そうして大株主を優遇する。その上にこうして定率法で減価償却を大急ぎでやつて、これでまた利益を隠す。こういうことまでやっている。こういう点を改めていけば、私は、今度のようなかりに石油価格があなたのおっしゃるように上がったとしたって、こんな大幅な料金値上げをしなくても済むんじゃないかと思うんです。どうでしょう。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 先ほど三十六年から定率法に移ったと申しましたが、訂正をさしていただきます。三十七年上期からでございます。  償却の方法につきましては、電気料金制度をつくります際にもずいぶんいろいろな議論がございました。この料金の算定の方法につきましては、当時の数次にわたる議論の末、基本としてはやはり定率法をとるほうが望ましいということが答申をされたと記憶をいたしております。ただし、それにはただし書きがついておりまして、料金の……、訂正いたします。たしか、定率法のが望ましいということが基本的な方針であったと記憶いたしております。ただし、ほんとうに苦しくなれば定額法に移るということもやむを得ないことではないかと思いますが、なぜ定率法が望ましいかということにつきましては、電気事業も次々に技術革新に対応して新しい設備を入れて能率を上げていかなければならない……。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それはわかっている。わかっている。伺っていることに対してだけ答えてください。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) それに従って必要な社内留保というものを手厚くしていくということがいわば基本的な方向として望ましいという考え方に基づくものであろうと思います。ただ、定額法であろうと定率法であろうと、いわばその試算の事業負担においては償却する額は同じでございまして、いわば短期の対応策としてどうとるかということが問題なのではないかと思います。したがいまして、電力各社といたしましても、ほんとうに経営が苦しくなってきたら理想ばっかり追っていられないというような事態も当然私どもとしては考えられると思います。現に、昨年関西電力、四国電力につきましては、一時定額法に移行しておりまして、また北海道電力も、たしか一部分定額法を採用しているというようなただいまの状況ではないかと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう時間も何ですから、お答えは、まことに恐縮だが、端的にやっていただきたいんですよ、大体もういまおっしゃったようなことは私はある程度知ってますから。それで、なおちょっと時間をいただいて伺いたいことがあるのです。その東京電力の値上げ申請を見てみますと、いままで合理化につとめたと、生産性の向上につとめたと、熱効率もうんと上がったと、電力損失率も非常に下がってまいりましたと、まるで自分の経営努力一本でえらい業績を上げたようなことを盛んに言っているわけです。しかし、そういうことも確かにあろうかと思うのです。しかし、それにさらにプラスして、やっぱり石油の値段がずっと従来は下がり勾配であった、いま燃料費の値上げなりでぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ言ってますけれども、しかし、燃料費そのものがずっと下がってきているときに、電力会社はただの一回も料金の値下げをしなかったじゃないですか。それをいま上がったからといって大幅値上げ、いままで下げるべきものを下げないで、そうしてさっきも言ったように、ばく大な売り上げ高、営業利益率をあげている。まるっきりもうほかほかしていた。そういう事態を考えてみれば、私は数字もありますけれども、もう時間がないから言いませんけれども、考えてみれば、今度の電力各社の言い分というのがいかに不当なものかということを、あなた、十分腹に据えて検討していただきたいと思うのです。  しかも、それだけじゃないと思うのです。いままでの電力料金の体系、これはいわゆる原価主義ということで、大きな工場の使う大口の電力、これについては格安ですよ。ところが、家庭が使う電灯料金についてはこれは非常に高い。たとえば標準電圧の電力料金は一キロワットアワーについて二円九十二銭、ところが家庭用の電灯料金、これは従量電灯で言いますけれども十円十七銭でしょう。まるっきり違うんですよ。こうして一般大衆に高い料金をかけて、しぼりにしぼってきている。その上に、公害が起きてもろくに公害対策もやらないで、たれ流しにやってきている。こういうことがいままでの荒かせぎの一つの大きな原因になっている。生産性の向上を私は否定するわけじゃない。それもありますけれども、同時に、こうしてやってきているということも、これも十分に腹に入れてやらなきゃならぬと思うのです。  ところが、今度の料金値上げ、どうですか、私は新聞記事でしか見ることができませんけれども、けさの新聞によりますと、百キロワットアワー以下は福祉料金ということになっている。それから、百二十キロワットアワーから二百キロワットアワーのところは平均的料金になっている。福祉料金と言えばえらい国民の福祉を考えてくれた料金だというふうに思いますけれども、見てみますと、どうですか、一七、八%の値上げでしょう。たいへんですよ。しかも大体電気を使っている人たちの五割くらいが含まれると考えられる百二十キロワットアワーから二百キロワットアワーくらいのところ、この値上げに至っては二三・五%から三三・九%、逓増料金ということで、ものすごい値上げだ。こんなことを承知できますか。いま言ったような電力各社のものすごい荒かせぎを考えてみれば、かりに燃料費が上がったからといって、再びこれを国民の肩にしわ寄せするというようなやり方は私は絶対に許すことはできない。  一番最初申しましたように、私まだ伺いたいことがたくさんありますけれども、時間が来たからやめざるを得ませんから、一番最初あなた方に申し上げたことをもう一回繰り返して伺ってやめますが、こういう状況ですから、電気料金の値上げは私はいまは阻止すべきだと思う。少なくともこの物価狂乱の時代には二年や三年は公共料金の値上げはやめるべきだと思う。そうしてばく大な内部蓄積、これは吐き出させる必要がある。同時に、輸入石油の価格が確かに上がっているわけですけれども、しかし、関税を除いた石油関係にかかっている税金は一年間一兆三千億円くらいある。これをやめただけでも、国際価格は上がっても、石油の国内価格はそれほど上げなくても済むようになる。その上に、いまのように一般国民には重くて産業用には軽いという料金体系を逆に改めて、そうして大企業からは正当に電気料金を出してもらって一般家庭の料金は据え置くという措置をとっていけば、今度の料金大幅引き上げというのは、これは可能な限り阻止することができるんじゃないかというふうに私は思います。  それからもう一点だけつけ加えたいと思いますけれども、いま言ったように便乗値上げをして、そうして半期で千数百億円もの増収が、簡単な計算ですけれども、まあそろばんからはじき出されるというような大幅な料金値上げをやっている。その一番大きな目的は何かと言えば、アメリカの提唱するアメリカ的なエネルギー対策、つまり原子力発電を最大限に発展させるという方向に沿って日本でも原子力発電を今後どんどんやっていこうというところに一つの大きな理由があるのじゃないかと思う。しかし、いまの輸入石油に依存した発電のやり方が現在の深刻なエネルギー危機を招いたと同じように、アメリカが主として握っている輸入ウラニウムに依存して今後原子力発電を開発してそれに依存していくということになれば、核燃料から来る公害はもとよりのことですが、それにさらに加えて、もう一回深刻なエネルギー危機に日本経済が落ち込まないと何人も保証することはできないと思う。  今度の重油の、この石油の大幅値上げで石炭が、これが電力に使うのにもかえって有利な立場に変わってまいりました。電源開発株式会社の試算がありますが、時間がないから言いませんけれども、石炭を使っても、石油を使うよりも採算がとれるという条件になってきている。私は、石炭専焼火力発電、これを大規模に発展さして、いまアメリカが石炭を使って約五〇%の発電をやっているわけですけれども、少なくともそのくらいにまでやっていくべきだと思う。当面は重油と石炭との混焼火力発電、これをやっていけば、あまり設備投資をやらなくても、石油の消費を節約しながら国内原料を活用して発電を起こすことができるわけですから、そういう点も当然私は考えるべきだと思う。それらの点について、これは経済企画庁長官からも御見解を承りたいと思いますが、通産省からも伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) いま渡辺さんと通産当局とのだんだんのお話を承ってまいりましたが、これは電力需要また料金査定の主管庁である通産省は、渡辺さんにおっしゃられるまでもなく、先ほど来私どもが申しております非常に厳密適正な査定をすることでございまして、きのう申請書が出た段階で、いま渡辺さんのように断定的に向こう側の立場のみに立っておっしゃられても、おそらく通産省としては、いまお答えされた程度だろうと思いますが、これは私どもも一緒になりまして電力料金の改定をいたします以上は、納得できる公正な値上げ幅、また値上げ時期でなければならない、こう考えておりまして、その点につきましては、表現はいろいろ両方やりとりがございましても全く同じ考えだと思います。  ただ、電力エネルギーの必要性というものは、今日の時点ではおそらくいろいろな電源を取りまぜまして八千万キロワット余りの設備容量があるだろうと思います。わが国が高度経済成長をはかることを転換いたしまして安定成長政策をとるにいたしましても、年々人口は百数十万人ずつ増加をいたしておりまするし、日本人の生活水準を下げたり社会福祉向上の理念を放棄するわけにまいりませんので、これらの電力エネルギーの需要というものは、それが何によるかは別といたしまして、当然多くの電気エネルギーの供給を必要とすると思うわけであります。いたお話を承ってまいりますと、原子力発電もいかぬ、いいのは石炭発電だけだと、こういうようなかっこうにもなりかねない、また石油火力発電というものもこれはアメリカ方式みたいな原子力誘導の伏線であるかのごとき御解釈をされているようでありますが、私どもは決してそう考えておりません。  いままでのような石油に非常に多くを依存するような電源開発のあり方というのはここでさらに再検討をして、国内資源でありますところの石炭火力発電あるいは水力発電の採算性というものも十分見直してまいる、また原子力発電というものもこれは放棄するわけにはまいらぬわけでありまして、十分その放射性物質等の安全性というものにも検討を加えながら、またウラン燃料、あるいはまた高速増殖炉等によるプルトニウムの開発というようなものも考えながらやらなければ日本の将来の立つ道はない。詰め将棋のように、あっちもこっちもみんなエネルギーを詰めてしまって、とどのつまりは日本沈没になるというようなことであってもならないと思います。おそらく渡辺さんも私と同じお考えだろうと思います。それらの点も考慮いたしまして、世間から十分納得できるようなエネルギー政策、価格政策、物価政策というものも進めてまいりたいと思います。これは経済企画庁の申すことでありまして、企業と癒着をしていない私どもの安心した立場から申すことでありますから、それなりの御評価をいただいたり、またいろいろ御激励もいただきたいと思います。  以上であります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産省のほうは癒着しているわけですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 私どもも決して癒着をしておるわけではございません。これは断言申しておきます。  これから審査へ入りますわけでございますが、いまの情勢を十分踏まえまして、厳正適確に行ないたいと思っておるところでございます。  なお、お話の中に、これからの電源構成をもっとくふうすべきではないかというような点、私どももいろいろの構想を中で検討いたしております。これらの勉強の成果についても、おいおい御批判を得たいと思っておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ちょっと長官の言われたことに……。いま長官は、他意なくとおっしゃったと思いますけれども、ちょっと私聞き捨てならないところがありますので一言だけ申し上げておきたいのですけれども、私の申し上げたことが断定的なことだということをおっしゃいましたけれども、断定的に言うということをおっしゃいましたけれども、私はいまお聞きいただきましたように、通産省の発表した数字、それから東電の発表した数字、これに基づいて詳細な分析をやりながら申し上げているのです。決して事実に反したことを、自分のかってな独断で断定的に申し上げているというようなことじゃありませんよ。その点は、はっきりお断わり申し上げておきたいと思う。  それからもう一つ、原子力発電は一切がっさいいけないとか、あるいは石油発電はアメリカ方式だとか、そんなことを私申しましたか。あまりものごとを極端極端に私どもが言うように大臣の口からおっしゃるなんということは、これは大臣としては私は公正を欠く態度だと思います。今後お気をつけいただきたいと思う。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 他意あって渡辺さんに反抗をいたすという趣旨は全くございません。私のことばの中にもございましたように、ものの考え方、経済企画庁におります私としては、あなたと共通している部分がだいぶあることも申し述べたとおりでございまして、ただ、私が申しましたのは、きのうの段階で二つの電力会社から出てきた向こう側の申請の理由というものをそのままお取り上げになって通産省をお責めになっても、通産省としては、きょうの段階では先ほど以上のお答えはできまいと、こういうつもりのことを申し上げたわけでございます。その辺は誤解がございましたらばどうぞ御理解をいただきたいと思います。

嶋崎均自由民主党

○主査(嶋崎均君) 以上をもちまして経済企画庁所管に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗