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72回国会参議院1974/04/06

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
293
登壇者
26
会派数
5
開催日
1974/04/06

会議録

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十九年度総予算中、労働省所管を議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 最初にお伺いしたいんですが、労働省のほうからお答えいただきます。  労働省、ここ二、三年社会福祉施設の労働条件等を調査になっておるはずですが、その調査の際、労基法の違反の実態がどうなっておるか、お知らせいただきたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 社会福祉におきます労働条件につきましては、従来から法定の基準確保のために重点的に監督、指導を実施してまいっております。この結果によりますと、若干改善の傾向は見られますけれども、御指摘のように、いろいろ問題があるわけでございます。  そこで数字を申し上げてみますると、四十七年、これは年間の監督結果でございますが、六百二十八事業場を監督実施いたしまして、違反率が七九・八%、労働時間につきましては、男子が二五・三%、女子が三五・五%、それから休憩につきましては、これは男女込みでございますが、二五・六%、割り増し賃金につきましては一五・六%、こういった違反率を見ております。四十八年の監督結果につきましては、最近ようやく年度全体の数字がまとまりましたのでございますが、年間に千八百四十四事業場を監督実施いたしまして、前年よりも相当、約三倍の監督を実施したわけでございますが、違反率が全体では七七・八%ということで若干前年よりは下がっております。しかし、個別に見ますると、労働時間につきましては、男子が三〇・九%、女子が四四・七%、休憩につきましては男女込みで一八・三%、割り増し賃金については一八・三%といったような、なお問題の点については非常に高い違反率が見られるわけでございまして、これらの点につきましてはさらに監督、指導を強化いたしまして、基準法の条件の確保を期してまいりたいと考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは厚生省にお伺いしたいんですが、社会福祉施設の職員の充足状況ですね、基準数に対して。これはどうなっていますか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 充足部分につきましては、一部の施設を除きましてはおおむね充足されているわけでございます。一部の施設と申しますのは、重症心身障害児施設における医師、看護婦、これが主要なものでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 厚生省は、私はよく資料要求をするんだけれども、持ってくる資料がきわめて不親切な資料でして、たとえば社会福祉施設職員の充足状況どうかと言ったら、こんなもの一枚、ぺらぺらを持ってきた。そんなものだから、しかたない、こっちはあなたのところで出しておる四十七年のあれがありますね、福祉施設の労働条件の実態調査をした、ああいうもので拾わなければならぬ。だから、要求した資料だけはひとつ出すようにしていただきたいんです。  そこで、次にお伺いしたいのは、労働省がおっしゃったように、労働基準法違反事件が非常に社会福祉施設で多いんですが、それほど労働基準法違反事件の多い主たる原因は何であるとお考えになっておりますか。これは労働省のほう……。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 根本的にはやはりこれら施設の経営上の問題がいろいろ根底にあると存じます。さらにその中におきましても、これら施設の管理者が、職員の労務管理、労働条件について十分な御知識と配慮が足りないために、できることでもなお違反が生じているという面もあると、かように考えるわけでございまして、両々相まってこういったような実態が出ておると、かように考えるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 経営上の問題ということになると、抽象的に言われたわけですが、私どもが施設の実態を見た結果、やはり施設の人手不足というのが最大の原因だというふうに思っておりますが、経営上の問題というのはそういうふうに理解してよろしいか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) そういう面もございますし、やはり経営が苦しいというためにいろいろ十分のこともできない、そういう点もあると存じます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 経営が苦しいということは、措置費との問題の関連も出てくるわけですが、いずれにしても、労働基準法違反事件が多発する経営上の問題は、これはやはり人手不足という労働省の指摘が私も正しいと思うんです。  そこで厚生省のほうは、いま聞きますというと、私のところにはこんなものを出されておるんですが、これを見ても、医師など、あるいは看護婦の一部を除いては大体充足をされておるような状況が出てきておるわけです。そうすると、問題は、厚生省は基準数を満たしておるんだと言う、ところが労働省のほうは、厚生省が基準数を満たしておると言う中で、労働条件の実態を調査してみると、違反事件が多いと言う。そういうことになると、私は、これは一体どういう関連があるのかというふうに考えざるを得ないわけです。そうすれば、当然これは厚生省が見ておる基準数そのものが低いんではないか、こういうことになるわけですが、どうなんですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のように、社会福祉施設につきましては、最低基準を設けて、それを充足するようにしているわけでございますけれども、ちょっとまともなこととはかけ離れて恐縮でございますけれども、ただいま労働省が御指摘になりましたように、労働基準法に違反している点の中には、いわば施設が労働基準法についての知識が不十分であるために、形式的にそういった点で違反している点もあるように見受けられます。と同時に、国がもっとこの運用と申しますのは厚生省のほうで責任をもって考えなければならない点もあろうかと思います。施設がこういった点について十分承知をしていない点についてはこれは私どものほうで労働省ともよく協議をいたしまして直していかなければならない。同時に最低基準につきましてただいま御指摘がございましたように、一部の施設についてはこの運用についてなお改善をはかっていく必要があろうかと思いますけれども、厚生省といたしましては従来からこの最低基準の改善について努力を重ねてまいってきておりまして、たとえますと、保育所につきましては最低基準を過去七回改訂いたしまして、保母の充足をはかる、あるいは休憩時間等を考慮いたしまして非常勤の保母がさらに雇えるような、いわゆる措置費上の配慮もするという努力は重ねておりますけれども、御指摘になりましたような点もあろうかと思います。同時に労働基準法に違反しないための配置基準ということをさらに検討していかなければならない、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 おことばですが、なるほど労働基準法に対する知識を持っておったならば、違反と言われないで済む事案というのは確かにおっしゃるとおりにあると思うんです。たとえば労働時間にしても三十六条の無届けであるとか、三十三条の無届けだとか、こういうことはあると思いますが、しかしそういう無届けであるという手続の裏で、そういうような三六協定すらをやらなければならなかったり、労働時間の定められたあれは三十二条でしたかね、あれ以上のものをやらなければならない、そういうような実態があるということを裏表で考えてもらわなきゃ困ると思います。ただ表向き手続をしていなかったから、それが違反で指摘されておるんだでは済まないわけです。手続をしていないという裏には、正規の労働時間をこえて労働しておるという実態があるわけです。そこのところに目を注いでもらわぬと、基準法違反が数は多いけれども、いや基準法違反じゃないんですと、管理者が労働基準法の知識を持っておったら、そういう違反だと指摘されないで済むんですということで逃げられるわけです、逃げられる。そういう逃げ方は私はいかぬと言うんです。その手続をしていなかった裏には労働時間が非常に過重になっておるという事実があるということを、これを御認識にならなきゃいけない。それを認識されぬからですね、この職員の基準数についても真剣な検討が行なわれないんじゃないかと、皆さんの中で。どうなんですか、その点。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) まさしく御指摘の点はこれは反省をしなければならない点と存じます。  そこで、ことしはこの一月に全国の民生部長会議、引き続きますところの主管課長会議におきまして、労働省が四十七年調査をいたしました数字を示しまして、こういった事実がある、われわれとしてはやはり労働基準法違反というのは根絶しなければならない、そのための事実を確認した上で今後改善すべき点は都道府県市等が十分指導していただきたい、なお国のほうで考慮すべき点があるとするならば、それは率直に指摘してもらいたいということをあわせて指示をいたしたのでございます。過去におきましては、四十六年、四十七年予算編成にあたりまして、できる限り労働基準法に即した配置基準を措置費要求の根拠にもいたしました。そういう努力はいたしておりますけれども、ただいま御指摘になりましたような点があることも率直にこれは事実として認め、この改善に努力をしていかなければならない、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで、私はひとつ厚生省に伺いたいのは、労働省から違反事実を指摘されるのを待つまでもなしに、私は厚生省自体が、社会福祉施設の従事者の労働条件というのは非常に問題になっているわけですから、賃金、労働時間その他全体の労働条件について一ぺんその実態調査をされる必要があるんではないかと思う。あるいはされておるかもしれませんが、その点いかがですか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 矢山先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも労働省から指摘された上で事を始めるというのではなくてこの問題に当たらなければならないと、かように考えておりまして、昨年の秋に労働省に申し入れまして、ひとつこれからこの問題について厚生、労働両省の隔意なき意見の交換をしたいということで、それ以降月に一回の定期協議を行なうということにして今日まで至っているわけでございます。ことしに入りましてからは、役所だけの相談ということではなくて、社会福祉施設の代表の方々にも入っていただいてこの問題をやっていきたいと、かように考えております。  それからなお実態につきましては、私どももまことに申しわけないのでございますけれども、まだ把握十分にしきれていないところもあるというふうに考えておりまして、四十九年度の予算案には社会福祉施設の運営調査費を計上しておるわけでございますが、その社会福祉施設の運営調査費の中では、労働基準法がらみの問題、この点にしぼりまして調査をいたしたいということで現在検討を進めているところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働省と月一回の定期協議を持たれ、それに福祉施設のほうからも参加をしてもらうということはいいんですが、私がおそれるのは、そのことが逆に、早急に福祉施設の内容を充実することができないという背景の中で、労働省に対してはまあ、あんまり基準法違反事件を摘発してもらっちゃ困るとか、あるいは施設のほうに対してはなるべく法的に摘発されないようにうまくやれとかいうような、妙な話し合いをする場所になっては困るんで、これは厳に注意をしておきたいと思うんです。むしろ私は、そういう話し合いも大事だろうけれども、その前に実態をつかまなければ、厚生省が。責任ある官庁である厚生省が実態をつかまないのでは手の打ちようがないわけですから、したがってその実態をつかむために全力をあげるということが私は筋だと思う。その点いかがですか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 矢山先生が御心配になることもごもっともだと思いますけれども、私どもはそういった会合を通じまして、労働基準法は必ず守るという姿勢でいきたいということでございます。この問題につきましては、逃げるということではなくて、私ども、たとえつらくてもまっ正面から当たると、こういう考えを持っております。都道府県部長会議、それから主管課長会議の際にも私ども指示をいたしたわけでございますけれども、労働省もこの問題についてはき然とした態度で臨むと、厚生省はこれに対してこれを妨げるようなことはしないと。したがって、都道府県当局でも十分に指導をして、こういった違反状況が一日も早く絶滅するように努力をしてほしいと、こういう指示もしておるところでございます。  それから調査の件につきましては、私どももできるだけ早い時期に結果が判明するように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは労働大臣に申し上げたいのですが、いまお聞きのような状態なんです。ですから私は、労働省としては、その実態からそうきびし過ぎるというふうな考え方があるにいたしましても、社会福祉施設関係の職員の労働条件、労働の実態というのは徹底的にお調べを願いたいんです。そして、そういう中で基準法を守りさえすればいいんだということでなしに、それほど違反の起こる実態は何に由来しておるかということで、もう明らかなのは私は人手不足だと思いますので、そういった面からそれの充足を考える。そのためにはまず何といっても、いまその職員数を規制をしておる最低基準等の見直しをさせるんだという方向で労働省としては努力してほしいと思うのですが、労働大臣の御所見を伺います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私などもこういう施設を、自分の地方なりあるいは東京などを見て歩くことがあります。そうしますと、こういう保母さんはじめ関係の方々がほんとうに御心配し御苦労されている模様、そしてまた看護されているそういう姿を見て感激するものですが、いままで私のほうの立場からしますというと、いろいろ監督指導し、厳重にはやっているものの、いまから先もそれを、法定基準というものを守ることはもちろんでございますけれども、こういう人たちの労働条件の確保のほかにやっぱり人員の確保ということ、あるいはまた国の財政援助という問題なども非常に影響すると思いますので、これはいまから先、厚生省も非常に御熱心でありますし、また大事なことでございますから、相連携しながら改善にひとつ当たっていきたい、こういう姿勢でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで、労働の実態というものは厚生省は御承知ないようですから、時間の関係上、私のほうから労働省が調査なさった四十七年の社会福祉施設に対する監督指導結果の概要ということの中から、一応労働の実態がどういうふうになっておるかという関係部分だけを抜き出して申し上げて、それからお聞かせを願いたいことがあります。  まず、その監督指導結果の概要を見ますと、こういうことがいわれていますね。このときには調査対象の施設の数は三百三十四施設です、四十七年。そのうちで時間外労働の行なわれておる施設は五二・一%、時間外労働のあった労働者の一カ月の時間外労働日数、これは一日から六日が六七・二%、七日から十二日が一七・七%、十三日から十八日が四・四%、十九日以上が一〇・七%。  それから、中でも収容施設は高率で、養護施設のごときは十九日以上が三三・二%になっておるし、特に私立においては四一・七%と高い。一日の平均時間外労働について見ますと、一時間以下が四二%、一時間から二時間以下が三六%、二時間から四時間以下が一四%、四時間以上が八%。四時間をこえるものについては、乳児院が二二・八%、救護施設が一五・五%、養護施設が一〇・二%など、きわめて高率である。  それから、休憩について見ますと、おおむねとれるというのが六五・五%、とれたりとれなかったりが一二・九%、ほとんどとれないというのが一一・四%、とれない場合が多いというのが九・六%。特に養護施設、精神施設、保育所はとれない場合が多い。  収容施設の場合ほとんど夜間業務を伴うが、その状況については、宿直制が四〇・一%、住み込み制が二八・九%、交代制が一四・五%、時差出勤が四・一%、以上の混合されておるものが二八・九%、その他一・二%であります。宿直制と住み込み制を採用している福祉施設は全体の半数をこえており、混合型も宿直制を中心として他の制度を併用しておるものと見られる。保母等の労働条件改善のためには交代制または時差勤務制等の採用が望ましいが、これら二つを合わせても二〇%に達しておらない。乳児院を除いて、宿直制または住み込み制によって夜間業務を処理する施設が多い。しかも、宿直勤務について労働基準監督署の許可を受けていたものは百五十四施設中二十五施設、一六・二%にすぎず、宿直勤務の翌日の勤務を免除している施設は百五十四施設中四五%、八十五施設であり、産前産後の女子に対し宿直勤務について特別な配慮をしているものは三十三施設、二一・四%にすぎない。  こういう実態が報告されておるわけでありますが、このとおりで労働省は相違はないとおっしゃるはずですし、厚生省のほうもこれは御存じですか。両方からお答えください。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ただいま御指摘の状況は私どもが四十七年にやりました施設の中身でございまして、御指摘のとおりでございます。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 私ども労働省から伺っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これを見ると、いろいろいわれておるけれども、社会福祉施設に勤務しておる職員の労働実態というのがいかにきびしいかということがこれでわかると思うんですね。だから、こういう実態を厚生省は十分把握した上で労働条件の改善なり、あるいは賃金の改善なり、あるいはまたそれら全般を含んだ全体の措置費の問題を考えると、それを考えるのには最低基準に対してもメスを入れていくということでなければ私はならぬと思うんです。  そこで、こういうふうに社会福祉施設の従事者の基準法違反事件が多いというのは、私は一つには労働基準法に問題があるのではないかと思うんです。御案内のように、労働基準法第八条の第十三号の適用を受けまして、施行規則の二十七条で、法三十二条一項の適用を受けないということになっておりますね。こういうことの規定があることが、社会福祉施設だからまあ少々のことはいいじゃないかと。基準法違反だ何だといってやかましいことを言うなという形で、かえって基準法違反を多発させ、労働条件を過酷にしておる誘い水のような役割りを果たしておるんではないか、こういう気がするんですが。私の考え方からすればこのような第二十七条のごとき規定は、もう週休二日が一般化しようとしておる時期にはこれは不適当なんじゃないか。したやって、むしろこれは廃止すべきものではないかという考え方を持っておるわけです。そのことが労働条件をよくしていくのに一つのきっかけになるのではないかという気がしますので、この点どうでしょう、労働省。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のように、社会福祉施設も基準法四十条で特例の労働時間の規定ができる対象になっております。しかしこれは社会福祉施設だけということではございませんで、たとえば床屋さん、その他のサービス業等、「公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるもの」ということで、そういう関係の幾つかの業種につきまして、これは基準法の四十条の特例ということで、一日九時間、週五十四時間までという労働時間制を認めておるわけでございます。これにつきましては、確かに今日の実情から見て再検討すべきであるという御意見もあることは私ども十分承知いたしておりますが、これらの事業の運営や労働の実態などに非常に関連の深い問題でございまして、にわかにこれをすぐ変えるということにはなかなか実際上は問題がございますし、また基準法全般の問題とも関連います問題でございますので、これらの点につきましては、基準法研究会でいま基準法の施行上の実情と問題点について調査、研究をお願いいたしておりますので、その結果や各方面の御意向も聞いて慎重に検討してまいりたいと考えております。なお法律上はそういうように一日九時間、週五十四時間まで認められておりますが、私どもも先生のおっしゃるように、これはできるだけやはり特例的な労働時間でない方向に持っていくことが妥当であると考えておりまして、昨年来全国に通知をいたしまして、基準法に違反してないからというので、それをもって足れりとすることなく、そういう特例労働時間を認められている業種につきましても、できる限り週所定労働時間が四十八時間以内になるようにやはり行政指導をせいということで、地方にその指導をさせておるところでございまして、今後ともそういうことで推進をしてまいりたいと考えております。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) ただいま局長から御答弁いたしましたように、私たちも施設を見ているものですし、さらにまた四十八時間以内に行政指導でやってもらうように、これは強力におすすめしているところでございまして、何さまああいうところで働いて、だれよりも他人の方々を親切にやってもらう方々に対しては何かそういうふうないろんな問題で推進してみたいと、こう思っております。役所内部でも指導していることを御理解いただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働基準法の問題は、きょうはこれ以上申し上げませんが、私はやはりこういう規定が今日の労働情勢の中で存置されておるというのが問題だと思うんです。それでも、もちろんおっしゃるように、この事業の中で、そういう特例をはずすことがあるいは問題のあるものも中にはあるかもしれませんが、これはひとつ再検討し、整理をしていただいて、はずせるものはやっぱりはずしていくという努力を基準法の改正作業の中でやっていただきたいということをお願いをしておきます。  そこで、それに関連して、ついでに申し上げるんですが、週休二日制が民間企業にかなり普及しておると。大企業では十人に八人、中企業では二人に一人、小企業では四人に一人の労働者が何らかの週休二日制の適用を受けているといわれる。これが最近の状況のようです。  そこでまあ、こういう背景の中で、公務員についても早急に週休二日制を採用しろというような議論が行なわれておるんですが、そういう中で、私はいまほど社会福祉施設の職員の確保がしがたいということとあわせて考えるなら、むしろまつ先にこういう職員の確保難の施設にこそ週休二日制の問題を考えて、そして職員の確保の一翼にしたほうがいいんではないかと、こういうふうに思うのですよ。これはこの前も基準局長にはお尋ねした記憶があるんですが、この点、もう少し社会福祉施設の職員確保という点から、前向きに考えられませんかね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私ども、労働者の福祉のために週休二日制を推進していることは御承知おきいただいているとおりでございますが、私ども、これは実情に応じて労使の話し合いで進める方法をとっておりますが、これは決して社会福祉施設はその対象にしてないということではございませんで、こういうものも含めて、できればそういうふうに持っていきたい。特に、先生御指摘のように、職員の確保という点からいたしますと、そういう労働条件というものが今日の状況においては職員確保にも非常に効果的であると考えておるわけでございます。  で、最近一、二でございますが、社会福祉施設で週休二日制を採用した事例も出てまいっておりますので、私どもは、そういう事例なども地方に参考事例として流すといったような方法で、実情に応じてそういうものを推進していくように援助、協力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 社会福祉施設の職員の、これは厚生省に聞くんですが、給与はどういうふうな計算できめているんですか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 職員の給与につきましては、四十六年の実態調査に基づきまして、社会福祉規模の実態に応じて国家公務員並みの格づけを行ない、それに基づきまして積算をしております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 国家公務員並みの給与を適用しておるということは、それまでに至る過程というのはいろいろな論議の末そこにやっとたどり着いたわけなんですが、そういうことに持っていった一つの理由というのは、当時からやかましかった公私間格差を是正するというようなことの背景もあったわけですね。ところが、国家公務員並みで考えておるとおっしゃるのにかかわらず、実態はやはり公私間の格差はまだまだ存在しておりますし、それから施設間の格差も大きいんですよ。これは一体どういう理由なんですかね。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のように、国家公務員と同じ、まあ、基本的には国家公務員の給与を基礎とし、さらに、民間施設につきましては御承知のように民間調整費というものをプラスしております。しかし、これも御承知のように、措置費は一応ワクとして施設に流しまして、施設の中でそれを事務費と事業費に分けて使っておりますために、こういった使い方の中で変わってくる点、それから、施設によりましては、たとえば長年職員が定着している施設とそれから短期的に若い職員が交代していく施設というようなこともございます。さらに施設によりましては、これも御承知のように、非常に歴史と伝統等が古く、また基本的な財産もあるというような施設につきましては、相当職員の処遇に意が用いられるというようなこともあろうかと思います。要は、根本的には、そういった措置費の仕組みの上である程度施設が自主的に運用できるという点の利点が、逆に人件費等で場合によっては格差が生ずるということにもなるのではなかろうかと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、措置費の中身に立ち入ってはきょうはとても時間がありませんので、また社会福祉労働委員会等で中身に立ち入っていろいろお聞かせをいただきたいと思います。  ここで、もう一つ私は厚生省に対して非常に不満を持っておりますのは、四十八年の十二月十八日の参議院の社労の委員会で、民間重症児施設の職員給与の実態を調査の上で知らしてくれと、こういうことを言っておいたんですが、さっぱりそのままね、もう三カ月以上たつ、四カ月目の声を聞こうとしておるのに全然回答がないわけです。これは、これに限らず、そのほか私が要求しておる資料で厚生省はさっぱり出してきてないんですが、出す時期が、出してきたとしても三カ月ぐらいおくれて出てくる。これはどういう理由ですか。なるべく国会議員の要求資料は出さないという主義なんですか、厚生省は。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘の点についてはおわびする以外のことばはございません。私、そういう資料につきましては、もう極力御意思に沿うように考えておりますし、よもやそういうことはなかろうというように思っておりましたので、たびたびの御指摘でたいへん恐縮し、かつおわびをいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これはどこの責任なんですか。その委員会にはあなたが出てこられて答弁されておったんですよ。だから、一体どこが責任持つのかと思うんですがね。  それで、まあ裏の声を聞くとね、いやあのときは、会議録になるほど資料要求はあったけれども、会議録の中で明確に局長が、提出しますと言っておらぬから、ほっときゃいいんだろうという裏の声も入っておる。——厚生省はそういう扱いをするのかな。これは十分反省してもらわなきゃならぬから申し上げるんですがね。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 万々そういうことは考えておりませんので、私はそういうことをしては絶対いかぬというように言っておりますし、ただいまの御指摘につきましては、実は寝耳に水ぐらいにびっくりし、またおわびをするわけでございます。  今後そういうことのないように、くれぐれも主管課長なりあるいはそういう統括しておる部局がございますから、十分私から注意いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ局長の威厳においてね、局長が出席しておられるところで資料要求があって、あなたのほうで出せぬと言われね資料は私どものほうでは出せるんだと理解しておりますし、それからまた、出すということを局長なり大臣がはっきりと会議録の上で残すぐらいに言っておかなきゃ出さぬのだというようなことであるなら、今後はそういう点をわれわれも注意しますがね、しかし、あなたのほうも、これは責任をもってやってもらわぬとね。——まあきょうはこのくらいの話で済ましておきますがね。たび重なるとわれわれのほうも本気でおこらなきゃなりませんからね。これは申し上げておきます。  それでね、あなたのほうからはなかなか入らぬ。そこで私は別の方面から手に入れたんですがね、「昭和四十八年度の重症児施設紹介護職員配置状況及び年間平均給与額実態調査」というのが入っております。これで見ると、私が先ほど申し上げたように、公私間格差もまだ存在をしておるし、また、地域によって、同じような種類の施設であっても給与の格差が非常にあるということを申し上げたわけです。したがって、これらの点については、やはり私は、措置費の中でやりくりするからだろうということだけでは済ませぬ問題もあると思いますので、あらためて論議はいたしますが、やはり実態を十分把握した上でひとつ措置をしていただきたいんです。  たとえば、人件費を低く押えておるところにおいては、それによってむしろ人手を確保する方向に向けておるんじゃないかとおっしゃる意見もあるんですが、そういうふうなお考えもありますか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御承知のような、社会福祉施設、非常に多様でございます。特に老人あるいは精神薄弱、重症、肢体不自由と各種の施設がございますので、そういった施設の従来のやり方というものもあろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、最低基準にのっとりまして、かつ国家公務員並みに措置費を組み、それを流します段階におきまして、そういうことの、いわゆる格差を生じないように十分各ブロック別に指導もし注意もしておりまして、いま御指摘がありましたように、単価を低くすることによって人を確保するというようなことは、あるいは一部の施設にそういう事実があるかは詳細承知しておりませんけれども、私どもとしてはそういう方向で指導しているわけではございませんので、措置費を的確に使い得るように指導していると、こういうふうに申し上げておきます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それでは、一つだけ申し上げておきますが、たとえば給与の状況を見ますと、倍半分の相違があるんですね。同じ施設ですよ、重症児施設ですから。民間の重症児施設。倍半分の給与の差がある。それで、そういうふうに一方給与を低く押えておいて人手をたくさん確保しておるんかというと、そうではない。ここへ児童と職員との対比も全部出ておりますがね、給与を低く押えておるから、同時にそこでは低く押えた給与を人手確保のほうに回してたくさんの職員を入れておるのかというと、そういうことにもなっていないわけです。これは一体どういうふうなことなのかということで、私はいろいろ問題があろうかと思います。したがって、その職員の給与に同じ種類の施設の中で、地域の間で大きな開きがある。しかし、それは給与を低く押えて人手を確保しておるんだろうというような簡単な割り切り方をしないでおいてもらいたい、事務当局には特に。これはやはり実態を調べた上で、どうなっておるのか、その状況というのは。これは私は把握してほしいと思います。  それから次に移しますが、私は、国家公務員並みの賃金を出しておるからそれでいいという考え方に一つ問題があると思うのです。社会福祉施設の職員の労働の実態がいかに労働の質において、それから量においてきびしいものであるかということは、先ほど御披露申し上げたとおりなんです。こういう労働実態に対して国家公務員並みの給与を出しておるからそれでやれるはずだというのが、私は一つは問題だと思う。あなた方も社会福祉施設というのを見て回っておられると思いますが、私はここ二カ月ほどかなり精力的に見て回ったのです。その中で、やはりああいう施設で働く労働者の労働の実態からいったら、これはとても国家公務員並みの給与を出したからよろしいというわけにはいきません、これ。やはりかなり大幅な賃金を引き上げて処遇を考えるということではないと一つはいけぬのじゃないか。むしろ私に言わしむれば、大企業並みの大幅な賃金を出す。それでしかも、私は社会福祉施設の職員に対しての賃金体系というのを確立する必要があると思うのです。これをやらぬから妙なことになっちまって、国家公務員並みで出しておる、出しておるのにそれが回っていない。それから昇給部分も調整費で見ているんだ。ところが、調整費で見ておるという昇給部分を調整費で見ておるのに、現実には昇給財源として使われているのか、使われていないのかわからない。したがって、見ていると、すぐ昇給が思うようにいかぬものだから、こんなところにおったっていつまでたったって給料が上がらぬし、もうやめたほうがいいというので早くやめちまう。だから、平均の勤務年数が大体二、三年ぐらいのものじゃないですか。そういうことになると思うんですよ。この点、賃金体系をつくるということと。それからもう一つは、国家公務員並みで満足するのでなしに、やはり民間の大企業並みの大幅な賃金を考えるということはどうなんですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のように、いま社会福祉施設は従来のような、いわば奉仕というものでなくて、ほんとうに近代的、合理的なものでなければならないということは、私ども痛感しているわけでございます。これまた御承知のように、過去におきます措置費の改善、これは歴年やっておりますことは、やはり少しでもそういった合理的なものに近づけたいということで、今日まできているわけでございまして、国家公務員の給与にいたしましたのも、それ以前の不合理というものをその水準において、まず合理化した。それから、さらに施設によりましては、いわば四%、八%、一六%というようなプラスをつける。それから、これもまた先ほど申し上げましたように民間調整費を上積みするというようなことを一歩一歩進めてまいってきているわけでございます。しかし、御指摘のように、私どもも社会福祉施設の職員が国家公務員並みの給与体系でいいというようにきめているわけではございません。やはり社会福祉施設職員にはそういった施設の職員にふさわしい体系があってしかるべきではないか。これは私どもも十分考え、またそういう方向に努力をしていくべきであろうというように現在もいろいろプロジェクトチーム等をつくりながら研究を重ねております。ただ、ただいま御指摘がございましたように、大企業並みに直ちにする、どうかということにつきましては、いますぐお答えすることは差し控えますけれども、やはり企業体系として福祉職はいかにあるべきかということは今後の重大な課題ではないか。またそのことによって施設の職員の確保、それから定着をはかっていくという方向にわれわれは努力していかなければならない。労働基準法の問題ももちろんでございますけれども、その根底にあるものとして、いまただいま御指摘になりました点はわれわれの最大の課題であると、かように考えておる次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働基準法違反の事件がきわめて多い中で、一方福祉労働者の健康状態というのは非常に大きくそこなわれておるわけでありますが、そこの実態については厚生省なり、労働省なり把握しておられますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 御指摘のように、社会福祉施設におきまして、近ごろたとえば保母さんたちに腰痛症であるとか、あるいは頸肩腕症候群といったような方がかなり出ておられて、それが非常に問題と私ども考えておるところでございますが、全国的な調査まではまだいたしておりません。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 私どもは主として重症障害児施設における腰痛症問題ということで昨年来こういった実態につきましてはある程度承知もいたしております。また保育所等におきまして、ただいま基準局長から御答弁がございましたように、いわばいわゆる頸肩腕症候群的な症状が出て、またそういう認定も受けた保育所の保母さんがおられるということも、詳細ではございませんけれども承知いたしております。  なお、社会福祉施設におきますいわゆる健康診断と申しますか、健康診断をもっと励行する必要があるということも、これは民生部長会議においても指示をいたしたところでございまして、今後こういった点には十分意を使わなければならないというように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは労働省にも不満を言わなきゃならぬのですが、同じく昨年の十二月二十日の参議院の社労委員会で民間の重症児施設の労働者の腰痛発生の状態の資料要求していたんですよ。これ、ナシのつぶてで返事がない。できぬならできぬ、できるならできるとやっぱり言っていただかぬとちょっと都合が悪いと思うので、今後ひとつ注意していただきたいと思う。  そこで健康状態がどういう状態かということで、日本社会事業職員組合東京支部の健康調査委員会というのが七一年の二月に調査して、その結果を発表しておりますので、これも時間の都合上私のほうから申し上げてみたいと思うのです。これは腰痛症にかかっておるのです。これを見ると、業種別というのですか、むしろ施設別といったほうがいいんでしょうね。施設別で見ると、身障児者の施設で腰痛症にかかっておるというのが五八・三%、乳児院で四八・四%、救護施設で三八・六%、精薄児施設で三五・六%、老人ホームで三一・一%、養護施設で二二・四%となっているわけです。  それから職種別で見ますと看護婦でかかっておるのが六六・七%、掃除、雑役の方が五五・五%、洗たく関係の方で五〇%、療母というので四一・四%、栄養上、調理師で三六%、それから保母で三五・八%、指導員で二〇・六%、こういう状態なんですね。だから社会福祉施設には腰痛症にかかっておるのが非常に率が高いということが言えると思いますが、これは全般的な状況をちょっと申し上げたのですが、特にひどいのはこれまでたびたび議論してまいりました民間の重症児施設の問題ですね。これは御案内のように、島田療育園で最近の調査をしましたところが、八〇%ぐらいが腰痛を訴えておる。第二びわこで九一%ぐらい、こういうことで、これらの園ではもう看護体制が組めない、崩壊寸前だといわれておるわけですが、こういう実態を御承知になって、これは職員の健康管理に意を用いられぬというと、もう施設自体がもたなくなります。そうなると、そこへ入っておる人たちを家庭に無理やり帰さなきゃならぬようなことになるので、そうなると、またこれはたいへんな問題が起こってくると思うのです。したがって、ここらについて一体どういう手を打とうとしておるのか、その対策が聞きたいのです。  なお、つけ加えておきますが、国立の重症児施設で全医労の調査によりますと、最近七二%ぐらいが腰痛を訴えておるといわれております。したがって、国立関係の施設にはあまりないのだということにもならぬのではないかと思いますけれども、いずれにしてもこういうふうに腰痛を訴える人が非常に多いということはこれは施設の存立にかかわってくる問題、そのことは入っておる人たちに対してたいへんな問題だし、家族に対しても先ほど言いましたようにたいへんな問題ですから、この対策をお伺いしたい。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 重症施設におきます、特に重症施設におきます腰痛問題というのは、私ども昨年来実は胸を痛めているところでございます。で、根本的にはこの発生の原因、あるいは治療、そういったものを含めて労働省ともお話し合いをいたしまして、この二月から腰痛症問題の研究会を両省協議で発足をいたしました。さらに重症児施設につきましては、すでに御承知のように、来年人員配置を主として予算の大幅な伸びを考えて実現をいたしました。これは予算が通ればこの四月からそういうことになるわけでございます。しかし、なお基本的にはこういった施設における腰痛の主たる原因になります重い子供さん、あるいは年をとってなお動けない人たちの処遇を、できるだけ人手をわずらわさずに省力——力を省く、そういった機器の導入、これは入浴につきましても、あるいは日常の介護につきましても言えることでございますけれども、こういった省力機器というものをことし、さらに来年各施設に大幅に整備をしていくということをあわせ行ないながらこういった問題を解決していかなければならない。で、ただいま御指摘のように、これを放置しますと、いわゆる重症児施設における介護というものが危機に瀕するということは十分承知しておりまして、そういった点におきましてもただいま申し上げたようなことを具体的な方法として進めていくというように考えている次第でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、重症児施設に重心を置いてのお答えだったわけですが、私は、四十九年度重症児施設には一対一で何とか成り立つように予算をつけていただいた。これはなるほど厚生省たいへん努力していただいたと思うんです。これはその点では感謝いたしますが、しかしながら、私は形式的に一対一を確保したからといって、これだけたくさん腰痛症にかかっておる職員が多いという状態の中では、私はしのげぬと思うのですね。それからもう一つ、あの予算措置で一対一がほんとうに確保できるのかということになると、最近のこの激しい物価の上昇の中では、私は必ずしも一対一を確保できると自信をもってあなた方のほうもよく考えてみたら言い切れない面があるのではないか。まあ、いずれにしても何とかなりそうだということぐらいで一対一はやられたと思うのです。そうすると、この状況の中ではさらにむずかしい問題が起きてくると思います。そこで最低限度私は腰痛代替の職員だけは、これは四十九年度確保してもらわなければどうにもならぬと思いますよ。これはかつて斎藤厚生大臣も腰痛代替を含めるということについて、すぐの返答はいただけなかったけれども、一対一ということだけではだめだろう。腰痛代替の問題について考えてみなきゃならぬような御答弁があったと思います。これは昨年の十二月の十八日か二十日です。この点、代替職員は考えられませんか、腰痛代替職員の確保は。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 重症児施設におきます予算措置といたしまして、先ほど申し上げ、またただいま御指摘があったとおりでございますけれども、施設によりましては、御承知のように障害児の態様によりましていろんな配置の形があるわけでございます。で、いま一番——一つの例として申し上げました児童、重症児に対して介護職員一人が可能である予算措置ということで四十九年度の予算を組んだのでございます。代替職員につきましては、これも御承知のように、非常に施設によりまして重症児施設の中で腰痛職員が多発しているというところにおきましては、ただいま予算で組んでおります医療費並びに重症児童費、そういったものの運用によってあるいは可能である点もあるかと思います。しかし、それを前提にして組んだ予算ではございませんので、代替職員がプラスして予算的な措置として備わっておるというところまでは現在のところ申し上げられないわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで、私は島田、第二びわこその他に行って実態を承知しておりますから申し上げるんですが、そんなゆうちょうな実態ではないようです。もうこれ以上自分たちの健康を破壊をして、再び立ち上がることのできないような状態に置かれつつ、さらにこのままの状態で勤務を続けるということは、これはまさに、自分自身にとってもよくないけれども、そのサービスを受けるほうの側にとってもこれは好ましいことではないというので、おそらく私はこのままでは事態は済まないと、職員の間には、この解決ができなければ仕事ができないではないかということで非常にきびしい状態が生まれると思いますが、そのときに対応できるんですか、厚生省は。そのときに施設を閉鎖して子供を返すのをそのまま放置しますか。そういうわけにいかぬでしょう。そういう状態になったときに、そんな形式論理ばかり振り回しておったってしようがないんですから、腰痛代替の職員を何とかして予算措置していかなきゃいかぬのじゃないですか、見ていかなければ。この点どうなんですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 施設の運営が危機におちいることを避けることが私どもの最大の目標でございます。したがいまして、そういうことの起きない事前の配慮というものが必要であることもまさに御指摘のとおりであります。したがいまして、いろんな角度からただいま御指摘のありました島田あるいは第二びわこの職員の処遇ということについて改善をはかり、そしてまた、これは御承知のように民間施設でございまして、いろいろこの民間の御好意による配慮もいままでございました。それにたよっていてはいけないことはもとよりでございますけれども、そういったこともあわせ考えながら、こういう施設の荒廃あるいは危機を招かないための努力を今後とも続けてまいりたいと思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それでは厚生省では、そういうふうな異常事態に対しては対処するというお考えですね。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 全力をあげて努力してまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで、これは労働省にもお聞きしたいんですが、この腰痛症の問題の対策については、いままでも論議してきたところですけれども、やはり私はこれの治療をどうさせるかということを積極的に考えないと、労災の認定の申請をやってもなかなか認定してもらえない。やっと認定されたという段階で、なかなかこれは治療に手間ひまかかるというような状態になるわけですよ。だから、できるだけ軽症のうちに手当てをして、治療ができるような状態を何とかして考えてやるということを労働省としても配慮してほしいし、それに対して厚生省も私は何らかの方策を検討してもらわぬと、重くなって、認定を受けてもう休んでしまうという状態になっては手おくれなんですからね。その点のお考えを聞きたいんです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘の、社会福祉施設の腰痛の問題につきましては、先ほど厚生省の局長からお答えがございましたように、厚生省と労働省で共催で、本年二月、腰痛等の予防に関する研究会というもので専門家の方を御委嘱いたしましていま研究をしていただいておるわけでございますが、労働省におきましても、これは労働省のほうは社会福祉施設だけではございません、腰痛問題全般でございますが、認定基準をさらに適正にするために再検討の委員会をつくっております。こういうところで認定を的確にすると同時に、さらに先生御指摘の治療面等もこれらの専門家に御研究いただくようにしたいと思っております。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のように、重くなってそれを治療することの御本人の苦痛、あるいはまた迷惑ということを避けるためにも事前の配慮というのは何よりも必要でございまして、それは先ほど申し上げました、二月に発足しました腰痛症問題の研究会はまさにそれを一つの目標にしたものでございます。そういった意味におきまして、軽い段階で、あるいは重くならない以前の、未然の措置というものについてはただいま基準局長から御答弁がございましたように、厚生省もそういった方向については十分今後とも配慮してまいりたいと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 もうこれ以上この問題に立ち入ると時間がなくなりますから、またあらためて論議をいたします。要するに、労基法違反の事件、労基法違反が社会福祉施設で多発するというのは、その施設に対する最低基準の低さが原因なんですね。で、この最低基準の維持を目的とする措置費そのものの貧困だということになるわけです、さらに言うなら。そうすると、これを放置しておいて労基法を順守しろということで追及をしていくと、これは、施設は崩壊ですね。施設を崩壊させないとすれば、これは、やはり最低基準を洗い直して、措置費がこれでいいのかどうか、これは全面的に考え直さなければならぬわけですね。重症児施設の場合には指導してやっていますが。いずれにしても、最低基準の全面的な洗い直しというものが私はどうしても必要になってくるのではないか。こういうふうに思っておるんですが、どうでしょうか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 先にも御答弁申し上げましたように、従来とも最低基準につきましては、逐年改善をはかって今日にきておりますことは御承知のとおりでございます。  なお、労基法との関係で直していく点を、正すべき点を正すということにつきましては、われわれも依然としてこれを努力をしてまいる。で、そのために各施設において、これも先ほど申し上げましたように、施設は区々多様でございますので、施設につきましての特殊性というものも十分考慮して、必要があれば最低基準の改訂ということに進めてまいりたいと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ところで、私は、最低基準というのは、これは調べてみると、準拠法が六つぐらいあるんですね。それに基づいて通知が出ているわけですね、いろいろな。それを含めるとおそらく二十ぐらいになるのじゃないかと思う。まさに多種多様というか、不統一というか、いろいろになっているわけです。そこで、その中でも一番古くて、まあ、詳しくてある程度整備されて体系的になっておるのは児童福祉施設最低基準というやつなんです。これは二十三年の十二月に制定されたんですよ。で、その後部分的な手直しは行なわれておるようです、職員の数等において。ところが、根本的な手直しというものは全然ないわけですね、これは。しかもこの問題については、一九六〇年の八月に、中央児童福祉審議会の答申があるでしょう。これでこの答申の趣旨というのは、私は全体的に最低基準というものを検討するようにいっておるんじゃないかと思うんですがね。この作業というのは全然やっていないのですか。私は最低基準というものは憲法二十五条との関連において考えられるのは当然だろうと思うんです、児童福祉法その他福祉関係法律の制定の趣旨からしても。そうすれば当然、国民生活の向上の実態なりあるいは現在の経済発展の状況というものを踏まえて全面的な洗い直しを考えるべきだと思うんです。それは職員数の問題だけでなしに、施設の設備、その内容全般にわたって考えるべきだと思うんです。そして少なくとも、その施設の種類によっての相違は多少出てきましょうが、統一的な基準というものをつくるべきだと思うんですがね。  私の聞くところによると、いま言いました中央児童福祉審議会の答申が出たころに、そういう全面的な洗い直しをしてみようかという考え方も起こったようですけれども、その後しり切れトンボになっちゃってね、職員数の手直しぐらいできているようですが。どうなんですか、これはもういまの状態から、二十三年に制定されたものを、そのままで置いておくというのはちょっと時代錯誤じゃないですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 確かに、御指摘のとおり、最低基準が最初にできましたのは二十三年でございました。その後、主として職員を中心として何回かの改善が行なわれてまいったのでございますが、これの根本的な見直しと申しますか、先ほども申し上げましたように、いまや社会福祉施設全般を、もっと、合理的、近代的なものとして位置づけるという意味においての改訂作業というものは、現在、全部の施設ではございませんけれども、問題のある施設について中央児童福祉審議会にお願いいたしまして検討を進めているところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 世の中だれも彼も福祉を口にしない者はないほど福祉福祉と言っているのに、どうも厚生省の対応というものは鈍いですね。私は、これほど福祉が言われ出したんですから、厚生省には追風に帆をかけて、いまこそまさに福祉充実のためにがんばろうということで——福祉問題というのは日本では過去のストックは少ないのですから、この際それを一挙に挽回するつもりで古い基準は全部洗い直してみる、そういう作業を積極的にやって、もっと現実を踏まえたものにしてもらいたいと思うのですよ。これは局長さんだけでできることじゃないでしょう。政府全体の問題になるけれども、厚生大臣はきょう出てきてもらいたかったんだけれども、出てきておられぬから、そのことを十分踏まえて善処してもらいたいと思います。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 非常にきわめて有力な御激励をいただきまして、私どもも全くその決意で進めてまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 激励が、から激励に終わらぬようにね。少し実を盛らしてもらわなければ困りますので全力をあげてほしいと思います。  それから、きょうは大蔵省は、おそらく主計官見えていますかな。——いろいろ論議を聞いておっていただいたと思うのです。で、問題は、先ほど言いましたように、二十三年ごろに制定された、一番、福祉施設の最低基準の大元になるその児童福祉施設最低基準というのがあるわけですから、それがほとんど部分的な手直しで根本的な見直しがされてない。したがって、それが全般の福祉施設の最低基準になって運用されておる面があるわけですよ。そういうことでは、これは幾ら福祉の充実を叫んでみたところで、どうにもならぬので、あなたもどうせ大なたをふるう第一線の人だから、——あまり大なたをふるわぬでね、少し福祉福祉と言っているのだから、むしろ大蔵省のほうで積極的に財源について、福祉が、まさに言われるごとく充実していきよるという方向で努力してもらわなければならぬと思うのです。ひとつしっかりお願いしたいと思いますが、よくおわかりいただけましたかな。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○説明員(梅澤節男君) 先ほど来先生のいろいろな御指摘の点、貴重な示唆に富んだ点がございまして、私ども今後厚生省といろいろ相談してまいりたいと思うのですが、ただ御了解願いたいのは、四十九年度の措置費の予算編成にあたりましては、先ほどの労働省の社会福祉施設の関係の調査でございますね、それを受けまして、各種の新規の施策が予算化されておるわけでございます。これは繰り返しになりますから申し上げませんが、私どもも、財政当局としていたずらに措置費をぶった切っている姿勢は毛頭持っておりませんので、その点は御了解を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これで終わります。   〔主査退席、副主査着席〕

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私もきょうはその施設の問題を取り上げようと思ったらほとんど矢山先生がおっしゃっていただきましたから——またそれにつけ加えて、私のほうも質問をさしていただくつもりでございますけれども、まず、その初めに、この間の予算委員会の質問の中で、私が、在職者年金の問題を取り上げました。そうしますと、いろいろな各地から電報で激励が来たり、あるいはお年寄りからずいぶんたくさんの手紙をいただいたわけでございます。そして、何とかして在職者年金の掛け金をやめてほしいと、こういうふうな手紙がありました中に、つけ加えて、あるおじいさんから、こういう手紙がまいりました。私は「本年、数え年七十七歳、十数年前、引揚者運動から身を引き、現在都内の或会社の事務局長として毎日通勤しています。就きましては、八十歳以上までも続く限り勤続の覚悟で居りますが「毎月、月給から失業保険料を差し引かれております。然し退職後、再就職は無理で、これが最後となり、失業保険を受け取る意思はありません。右の処置は、老年、何歳以上の者からは失業保険を取らぬよう法制化することは出来ないものでしょうか、それ共、何十歳以上の老人は再就職の意思の有無に拘らず保険金を支給されることになっておるのでしょうか。」」こういう手紙をいただいたのです。ですから、この人はもう七十七歳ですね。この点について失業保険の問題、いま申し上げましたようにこの問題についてひとつお答えをいただきたいと思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○政府委員(遠藤政夫君) 七十七歳の方が若い人と同じように働いていらっしゃる、私はたいへんけっこうなことでございまして、中高年の就職促進につきましても私どもいろいろな措置をとってまいっておりますが、こういうふうに高年齢者の職場が確保されるということは、私どもも今後とも一そう努力したいと思っております。それにつきましても、いろんな援護措置をとってまいりましてもなかなか定年退職後の、高年齢者の就職はむずかしいわけでございます。しかもそういう人たちが一たん就職いたしましても——特に六十歳をこえますと、それから引退をされて、なおかつ就職戦線に出てこられるということは実際問題としてきわめてまれなケースであろうと思います。そういうことも考えまして、こういう方々のいわゆる失業保険の場合におきましては、いわゆるかけ捨てというような声が非常に強いわけでございます。と同時に、私どもは、このこういった面から高年齢者の就職を促進するための一つの何と申しますか、ささえと申しますか、促進策といたしまして、実はこの保険料の問題につきましても、いろいろ従来検討いたしてまいっておりましたわけでございますが、今回、ただいま今国会で御審議いただいております雇用保険法案の中におきまして、ただいま御指摘の高年齢者の保険料の問題につきましては一定年齢以上——私ども一応六十歳を予定いたしておりますが、六十歳以上の方につきましては、現行の失業保険料、新しい雇用保険のもとにおきます雇用保険料は、労使の負担全部含めまして免除いたすことにいたしておるわけでございます。そうすることによりまして、こういった高年齢者の負担を軽減いたしますと同時に、こういった中高年、特に定年退職後の高年齢者の雇用を促進する一つのきっかけにしていただけるのではないか、こういうことでこの法案が成立いたしました暁には、この高年齢者の保険料を全面的に免除されることになるわけでございますので、たいへん先生の御指摘をありがたくちょうだいしておきます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 実はこれくらいで、この問題はあとにしようと思ったんですけれども、そういうお答えをいただきますと——実は、ゆうべのNHKのテレビをごらんになられたかどうか知りませんが、何か「ばっちゃ」という名前がついていましたけれども、青森県のほらから出かせぎに来ているおばあさんたち——ちょうどあそこの新宿のところに、住友の三角ビルができましたね。あそこの状態を全部映画に写していたわけですけれども、そこでは、おばあさんたち、最高年齢者は七十八歳だったと思います。そのおばあさんたちが、青森県から出かせぎに来ているわけですね。そうすると、もうほこりだらけですから、ここら辺までタオルで顔を隠して掃除をしているわけです。仕事がいろいろ建築の仕事が終わったあと、材木の端きれがあったり、くぎが落ちていたり、いろんなそういう中で、それはもう一生懸命で掃除をやっている。その人たちが一カ月どれぐらいになるのかと思って私最後まで見ておりましたら、大体六万円前後、多い人で六万八千円で、その人たちがやっぱり失業保険をかけているわけです。失業保険をそれからみんなとられて、残った手取りが六万円前後です。少ない人が五万幾らといっておりましたけれども。その人たちが約何カ月か働いて、給料をもらって大きな袋をふろしき包みを背中にかけて、上野から「はつかり」かなんかに乗って向こうへ帰る。そこまで写っていたわけですが、そうしますと、こういう人たちは、もう大体六十歳以上どころか、最高七十八歳までそうやって喜んで働いておられるわけです。たいへんきたない環境の中で、掃除婦として働いているわけですけれども、この人たちがそれじゃ失業保険をかけないとすれば、その、将来この半年ほど休むわけでしょう。地元へ帰って今度はたんぼをやるわけですね。あるいは稲刈りをやったり、植えつけをやったり、いろんなことをなさる、その間の失業保険というのはそれじゃどうなるのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○政府委員(遠藤政夫君) いわゆる出かせぎ、季節出かせぎの人たち、これに類する短期受給者と申しておりますが、こういう人たちは一年間のうち六カ月ないし九カ月くらい、毎年繰り返して出かせぎその他で仕事を働いておる。そしてその働かない期間、いわゆる不就業の期間について失業保険金をもらう、こういうのが通例になっているわけでございます。典型的な季節受給者でございます。この場合はいま申し上げました、先ほどお答えいたしました例とは違いまして、六カ月以上働かれますと、当然失業保険の資格がつくわけでございます。で、故郷へ帰られまして、そこで定められた期間失業保険金の支給を受けられる。これは七十歳になられても、八十歳の方であっても、失業保険金をもらっておられるわけでございます。これは今度の雇用保険法案におきましては、安定所へ出まして失業の認定を受けて、その失業をしておる期間について保険金をもらうということでなくて、出かせぎの方々は、一たん出かせぎを終わって郷里へ帰られますと、安定所へ出頭して求職の申し込みをしますと、その時点で三十日分の一時金が支給されます。その一時金をもらった上でたんぼの仕事をやるなり、あるいは近所の手伝いに働きに行かれるなり、それは御本人の自由だと、こういうことになるわけでございますので、この季節出かせぎで毎年繰り返して保険金の支給を受けられる方については、年齢のいかんを問わず保険料の免除ということは考えていないわけでございます。当然保険金ももらえる、こういうことでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私どもが、ずいぶん前に青森県のほうに施設の見学に行ったんです、調査に。そのときに、青森県のほうでは今度の雇用保険法に非常に反対なんです。知事からして、どうしてもこれはかんべんしてほしいと、もう一ぺん考え直してほしいと、こういうようなお話がありました。  それから、いま、私のところへも、これくらいの箱に大体三ばい、今度の雇用保険に対して反対をしてほしいというはがきが来ているわけですよ。まだ、いま予算の審議中ですから、それを一々見ているひまがないわけですけれども、それくらい皆さんがこの問題を、もう一ぺん考慮してほしい、こういうふうな陳情が来ているわけですね。いまの局長のお話では、短期にこう出てきて働いている方は、地元へ帰ったときに、安定所へ求職の申し込みをした人に限ってまた失業保険がもらえるわけですね。ところが、こういう人たちは、おそらく私は向こうに帰って求職の申し込みをするんじゃなくて、自分のところの子供のお守りをしたり、あるいは田の草を取ったり、あるいは留守番をしたり、こういうふうな人が多いんじゃないですか。こういう人はどうなるんですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○政府委員(遠藤政夫君) 保険金をもらうためには安定所へ出まして、求職の申し込みをしていただくわけでございます。ただ、季節受給者の求職申し込みは失業給付でございますので、一時金と申しましても。その支給を受けるための手続上の申し込みでございまして、従来のように、求職申し込みをして就職あっせんをしてください、なおかつ就職できません、その就職できなくて失業をしている期間については、保険金をもらうんでなくて、今回の新しい措置は、求職申し込みという手続をして、その時点で働いてないことが確認できれば、前払いで一時金三十日分もらう。あとはうちで子守りをしようと、たんぼに出て働こうと、あるいはよそへ行って賃仕事に出かけられても、それは一向差しつかえない。こういう制度に変わるわけでございます。したがいまして、七十、八十のおばあさんであっても、働かなくても、働いても、一時金をもらえると、こういうことになるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 まあ、これはいろいろまだ追及をしていけばいろいろな問題か出てくると思いますので、きょうはこの問題だけではございませんから、これはこのくらいにいたしておきますけれども、さっき私のほうもうちへちょっと電話をかけて聞いてみましたら、やっぱり私のほうでももういま六十五歳で、もう後進に道を譲りたいから、いつまでも年寄りが働いていると、みんなからいやらしいと言われるものだから、もう会社をやめたくてしようがないんですけれども、まだおかげさまで元気でもありますし、働かしていただいているわけですね。それで電話で聞いてみましたら、自分ももうこれ二へん目の御奉公なんですけれども、失業保険も、厚生年金も払っておりますと、こういう返事をいまもらったわけですけれども。全然もうやめさしていただきますと、もう、年金ももらうことになりますから、おそらくことしの四月か、五月ごろから厚生年金をもらうことになると——ことしの二月ごろに、何かえらい調査があって、いろいろな資料を出しておりましたからね。そうしますと、厚生年金をもらえば、わざわざ自分はもう働く意思がないから失業保険なんかもらわないと。こういうことで、ぜひとも——この失業保険の問題は高年齢者にはかけない、こういうことを、この法律が通ろうと、通るまいと、一ぺんそれはぜひとも考えていただかなきゃならぬ問題だと思いますから、ひとつそのように要望しておきたいと思います。  それで、先ほど矢山先生が、いろいろ施設で働く人たちの問題を取り上げておられましたが、実はきのう島田療育園だの、私のおります兵庫県の西宮にございます砂子療育園あるいは滋賀県のびわこで働いている人たち、こういう人がぜひともシンポジュームするから来てくれと、こういうお話がありまして、私は、実は行きたかったんですが、きのうはそれこそ一分のすきもありませんで、とうとう秘書をちょっとあいさつにやって、あとは、もう、よう行かなかったんですが、その人たちの「署名のお願い」という書いたものがありますんで、これちょっと読んでみます。   「何年来となく人手不足の悪循環が続いてきた島田療育園ですが、今年は〃島田で子どもを守っていけるか〃というギリギリのところに追いこまれています。全般的な人手不足の中でも特に看護婦の不足は、いろいろな形で子どもたちに、職員に大きくしわよせされています。   日夜の苛酷な労働の中で、腰痛者が続発し、現在、腰痛等の職業病で長期の療養を続けている人は十五名、勤務しながら通院している人、半日勤務の人などを加えると三十名を越えます。長い人は、一年以上たつのにまだ職場復帰の見通しがたっていません。また、いったん職場復帰したのに、再度倒れた仲間もおり、一度腰痛症等におかされて島田で完全に健康を回復した人は、ひとりもいないのです。   開設後十三年、子どもというより大人になった重症児たち。今後もこの子どもたちが、しっかりと島田で守られていくように——。」  こういうような願望を込めた手紙を私どものところに持ってこられたわけですね。もうこれで内容すっかりおわかりだと思いますが、それに付随をして、女子職員などが、自己の限界を越える体重の重症児を抱くことなどによって起こる職業病であり、そのあらわれ方は、頸肩腕症候群や自律神経失調などを伴う場合も多く、いろいろまあその後書いてありますが、その大部分は休業を余儀なくされ、中には、その一生を、それゆえに不幸のうちに終わる危険を伴う者さえ含まれているのです。  それから、「重症児施設で一年働いたら感心だ、二年働いたら表彰者だ、三年働いたらばかだ。」こういうふうに言われているんだそうです。先ほども矢山先生が、何か大体平均二、三年だろうといわれておりましたけれども、おそらく私の調査では、二、三年などとは働かずに、大体一年で去っていくと。それも、非常に施設で働こうという夢を持ってこられた方々が、そこで一年働いているうちにすっかり夢も希望もなくなってしまって、もう少し希望の持てる職場をさがしたい、こういうようなことで、去っていかれるようでございます。  で、先ほどいろいろ御質問がありましたんで、私重複するところは省きますけれども、この労働条件の、労働基本法の違反ですね、先ほどもいろいろ議論があったわけですけれども、この職業病になった人たち、この職業病の認定のしかたがどうなっているのか。少し認定には時間がかかり過ぎるんではないかと、こう思いますが、どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 業務に基づきます腰痛症、あるいは頸肩腕症候群等につきましては、基準法の施行規則三十五条の業務上の疾病といたしまして、これは認めておるわけでございますが、これにつきましては、腰痛や頸肩腕症候群のような場合ですと、一般に業務に基づくものもございますし、業務に基づかないものもございますので、その認定につきましては、斯界の専門家におつくりいただきました認定基準というものをつくりまして、それによって認定をすることにいたしております。したがいまして、一般の場合には、そう長期間を要してないんではないか、まあ特殊にむずかしい事例がございますと、時間がかかることがあるかと存じますが、私どもは、そういうことで迅速的確な認定をはかっております。しかし、いろいろそういう御意見もございますし、また腰痛症等の発症の態様、それから変化、あるいは医学の進歩等もございますので、最近現在の認定基準をさらに再検討するための専門家会議をもちまして、再検討していただいておりますので、一そう的確な認定基準をつくることによりまして、迅速な認定をするようにいたしたいと思います。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 これは神戸新聞に出ていた問題ですが、やっぱり神戸新聞でも、こんなに大きく取り上げているわけですね。こういうのを見ますと、今度親も心配になってくるわけですね。働く立場とそれからそういう施設に子供を預けている立場と、両方から考えなくちゃいけないと思うんですが、この中でも「神戸市内の公立保育所は五十一カ所。保母定数は四百三十二人。保母の現在数は四百人で、三十二人不足。四十八、四十九両年度で各保育所に一人ずつの予備保母を置く事が交渉でまとまっている。しかし「戦後の二十三年にできた厚生省の最低基準が大幅な改定もなく生きており、保育需要の質と量の変化に見合っていない」」、こういうふうにここにも書かれているんですが、先ほど矢山先生もこの昭和二十三年にできたこの問題を取り上げておりましたから、私はこの問題にはもう触れませんけれども、交渉によって保育所の予備保母がたった一人、こういうことですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 神戸の具体的な事例についての御指摘、私はまだ詳細具体的な問題としては承知しておりませんけれども、御承知のように、二十三年の児童福祉施設の最低基準、それから今日まで定数につきましては、七回の改善を行なっておるわけでございます。それはしかし最低基準でございますので、それぞれの民間施設あるいは公立の施設におきまして、給付の態様等を考えられて、さらにそれを上積みされるということはあろうかと思います。その一つではなかろうかと考えます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 なかなか予算が伴わないという点があろうかと思いますね。そこで私どもが社会労働委員会からいろんなところに調査にまいりましたときに、そこで働いている保母さんたちに、いろいろ伺ってみます。そうすると一番の要望は何ですかというと、賃金を上げてもらうよりも増員をしてほしい、これが第一条件なんです。それから第二番目の条件が、労働時間を短縮してくださいと、労働時間を短縮するためにはどうしても増員をしなくちゃいけない。この二つがからみ合って、それが第一要望なんです。それでやっと第三番目に、大幅の賃上げをしてください、こういうことになってまいりますね。  それから最近の物価高の中では、どうしても措置費をアップしてもらわなければもうやり切れませんと、いろいろなところに野菜なんかをもらいにいかなくちゃいけない。そういうのも結局は保母さんがやるわけですがね、だから何とかして一番大事なものは働く人を増員をしてください、こういうことになっているんですが、厚生省は先ほどのいろんなやりとり聞いてましても、一体どういうふうにしてこの保母さんを獲得できるとお考えですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 御指摘のように、看護婦さんに次いで保母さんの不足というものが非常に大きな問題になっております。これも御承知のように、毎年約一千カ所近い保育所が全国的にできていく。そういたしますと、それに必要な保母さんを増員するだけでもたいへんでございます。現在全国の短大あるいは保母の養成の専門学校、こういったものがございまして、大体毎年二万数千人の方が卒業されるわけでございますけれども、これが資格としては保母あるいは幼稚園の教諭というような資格を持っておられる。厚生省といたしましては、看護婦と並んでこの保母の養成確保ということは非常に大きな課題でございますので、今年度からは保母さんだけを養成している学校につきまして、いままでは公立の保専に対する補助金だけでございましたけれども、私立に対しましてもこれを出す。さらに保母さんの修業資金と申しますか修学貸与金、これもアップいたしております。しかし、いずれにいたしましても特に人口急増地域における都市部の保育所における保母さん、これが非常に他の職業との関連で不足がちになってきている。そういった意味におきまして予算的な措置ももとよりでございますけれども——何よりも保母の需要が保育園の増と、それから他のいろいろな職業との関連ということで、足りなくなっている実情に対しまして、予算的には国としてできるだけの配慮もいたし、またただいま御指摘がございましたように、保育所における保母の充足のために、たとえば来年におきまして非常勤保母さんの雇い上げ費、あるいは年間における保母さんの休み、代替職員の確保というようなことも、措置も講じておりますけれども、大きな時代の流れの中で、予算が不足をしているということについては、私ども、非常に心を痛めているわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 施設で働かれる職員と同時に、保育所の保母さん、あるいは病院で働く看護婦さんですね、こういう方が非常に人手が足りなくて、先ほどもあったような職業病にいろいろかかっていらっしゃるわけですね。  その中で、日本看護協会が調べられたおもしろいデータがあるんです。それでは、女子の高校生——東京でございますけれども、ことしの一月に、公立の女子高校生——これは二年生だそうですけれども、五百名を対象に調査をしたものがある。その中で、一体、看護婦さんにどれくらいなりたいかと、こういう調査をしたんですが、その中で「人気職種ベスト・テン」というのをこう書いておられるわけです。その第一位が教師です。学校の先生です。これが四八%。なぜ教師になりたいかというと、やっぱりお休みが多いと、春の休み、夏休み、それから正月休みですね、こういうお休みが多い。だから、結婚後も続けられそうだということで、やっぱり教師になりたいというのが第一位です。これくらい、やっぱりこのごろの人たちは、施設へ行くんでも、あるいは保育所へ行くんでも、病院の看護婦さんになるんでも、やっぱり休むということが非常に大きなウエートを占めているわけですね。それから二番目が、ジャーナリスト、これが一三・八%、それからやっと、三位で保母さんなんですよ。ところが、そのパーセンテージは、わずかに八・九%にダウンするわけですね。それから四位以下が、あるいはタレントとか、デザイナーとか、スチュワーデスとか、OLとか、薬剤師とか、その次にやっと看護婦がくるんです。ですから、看護婦とか保母になりたいというのは、ずいぶん希望が少ないんです。だから、幾ら厚生省が、先ほどの御答弁にあったようなことを考えても、ほんとうは、なかなか、この人たちはそういう仕事につきたくないと。だけど、看護婦を志願する者は二・四%。その中でこういう答えが——これあんまりすっぱ抜くと悪いかもしれませんけれども、「すてきな患者が来るかも知れないので」と、こういうただし書きがあるわけです。ですから、これは若い、高等学校二年生ぐらいのお嬢さんですから、やっぱりもう——でも高等学校になると結婚のことまで考えられるんでしょうけれども、そういうことで自分の職場を考えていらっしゃると、こういうことになってくるわけですね。  だから、なかなか施設の職員あるいは看護婦さんを雇うということは、私はずいぶんたいへんなことになってくるんではなかろうかと。そうなりますと、その施設で働いている人たちが、あるいは腰痛を起こしたり、頸肩腕症候群になったり、そういう職業病になるし、なかなかかわりがない、こうなってまいりますと、一体、私は、施設をこれからもどんどんつくるべきなのか、あるいはそのお子さんたちは入れてほしい、親も入れてほしい、こういうことで、入れるものをつくれ、つくれと、こういうふうに要望して、今日までまいりましたね。そういう中で、ここで働いてくださる方が、もしも、いま申し上げたように、なかなか得られないとすれば、大幅に賃金を上げてみても、なかなか得られないとすれば、今後は、一体この厚生行政をどう考えていくのか、こういうふうなことにも、私どもも考えざるを得ない立場になってくるわけですね。  そこで、厚生省にばっかり質問をするわけですが、社会福祉施設の入所者の一人当たりの措置費というのを、この間、これとってみたんです。そうしたら、何と、養護老人ホームに入っている人たちは、去年より約七千円ふえて——一人一カ月の措置費ですが、これが四万一千百五十円、それから特別養護老人ホームが七万四千百九十六円。それから重度の障害者ですね、更生施設、ここに入っている人が七万二千六百五十四円、こうなってまいりまして——全部は言いませんけれども、今度は児童の収容施設ですね、ここに入っている人たち、養護施設に入っている子供が五万四百八十二円、それから重症心身障害児の施設に入っている方が何と十七万九千二百九十五円なんですね。精薄の施設に入っているのが六万四千七百三十八円でしょう、保育所というのが一万一千九百九十六円、約一万二千円ですね。  私どもがいままでいろいろ要望してまいりました、長い間。こういう問題は、施設の問題や、保育所の問題は、まあいままで社会労働委員会では全部の委員が、ほとんど、党派を問わずに、こういう問題を一生懸命で今日までやってまいりました。そこで重症心身障害児の施設に入っている子供さんが、一人一カ月十七万九千二百九十二円、これだけの予算を取っていただいたということは、私どもほんとうにたいへん喜ぶべきことだろうと思います。しかし、私は、これだけお金をかけるとするならば、いま読み上げた、ほかの者たちとのバランスがあんまり違いやしないか、ここに非常な私は疑問を一つ実は持つわけです。重症心身障害児の子供に、約十八万円もかけるんなら、なぜ、ほかの老人ホームだとか、おとなの重度の障害者なんかにはもう少し予算がつけられなかったのか。なぜ、ここだけにこれだけばく大なお金がつけられたかと、これ一つ疑問なんですけれども、そこはどうですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 先ほど矢山先生の御質問にもお答え申し上げたわけでございますけれども、社会福祉施設のそれぞれの種類、内容は、非常に区々でございます。特に収容施設の場合には、御老人にしましても、あるいは子供さんにしましても、大体自分で始末ができる施設が多いわけでございます。そういった施設は、主として食費なり、あるいは毎日の日用品費というものが主たるものになるわけでございます。ところが、重症心身障害児施設は、これも御承知のとおり、いわば一種の病院の上に福祉施設のプラスがかかっているわけでございます。で、先ほど来いろいろ御質問がございましたように、非常にその介護に手間がかかる。この計数の基礎になりますのは、この二月の医療費の改定によりまして、いわゆる医療費の増分が、四十八年に比べまして約四十%以上上がっております。そしてそのほかに重症指導費というものがプラスになりまして、それで一人当たりの児童のこの額が、こういう額になっているということでございまして、基本的には、施設のそれぞれの特性に応じた費用であると、このように考えておるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そうしますと、先ほどからいろいろ申し上げましたように、施設で働いてくださる職員が非常に少ない。この職員不足から、せっかくつくった施設があいているところもたくさんあるんですね。現に、私がこの間見てまいりました、私の近くの砂子療育園でももう人手が足りないので、施設があいているわけですね。そうなりますと、親としては、先ほど申し上げましたように、はたして、そんな職員の少ないところで、うちの子供が、ほんとうに行き届いた手当てをしてもらっているだろうか、どうだろうかと、こういうふうな疑問を持たれるわけです。それならば、もしかして、という気持ちがあると、もう連れて帰ろうかなという気分にもなるわけですね。  それからもう一つは、砂子で、これはテレビにも出ましたから御承知だと思いますけれども、もういよいよ人手が少ないし、みんな腰痛やなんかで倒れているから、施設に子供を預けている家庭のおかあさん、そういう子供のおかあさんに、たとえば一週間なら一週間、手伝いに来てください。そうしてその職員の人手不足をおかあさんに補充をしてくださいと。こうなると、おかあさんは、せっかく施設へ入れたんだから、やっとうちの仕事ができるとこう思っていたのに、それなら、親が交代で施設の手伝いにも行かなくちゃいけないのなら、もう子供を連れて帰らしてもらおうかと、こう考えている方もいらしたわけです。  そうすると、施設に入れてもらえば、一人十八万円も予算をとってもらっている重症の子を、うちへ連れて帰ってくると、その特別児童扶養手当とか、あるいは介護手当というのは非常に少ないわけでしょう。で、これをもう少し、いっそのことふやして、うちへ連れて帰ろうという方は、もう少し何か手当をふやして、うちへ連れて帰っていただくと、こういうようなことはお考えになられますか、どうですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 非常にむずかしい問題でございまして、これも先ほど御指摘ございましたように、一万七千おられる重症障害児、基本的にはこういった御不幸な子供さんが生まれないようにすることが最大の眼目でございます。しかし、これができない場合に、そういった子供さん方を、やはり国なり県なり、あるいは民間の施設がこれを厚く介護する、こういうことがやはり福祉の一つのあり方であろうと思います。しかし、親御さんがそういった子供さん方を家庭で介護したいという方もいらっしゃいます。したがって、現在約七割から八割の障害児が施設に入っておりますけれども、残された施設に入っておられない方の中には、施設に入りたいけれども入れない方もおられますけれども、同時に、家庭で介護しているケースもあるわけでございます。それに対しましては、いま法案審議をお願いしております特別児童扶養手当、これが現在六千五百円でございますけれども、約倍額の一万一千三百円、さらに、ただいま御指摘の重症障害児につきましては福祉手当というものが別につきまして三千円、したがいまして、その親御さんには約一万五千円近くが毎月支給できるようなことも、法律が成立いたしますと実現できるわけでございます。  そのほかに、私どもといたしましては、ホームヘルパーの派遣であるとか、あるいは補装具その他、そういった家庭におられる重症障害児に対する福祉の措置というものもあわせて、もちろん額については今後さらに進めてまいりたいと思いますけれども、配慮していくということでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そこは、いま施設重点主義のような感じがするわけですよ。ですから、それならば在宅児にもっと力を入れて、一万五千円やそこらでなくて、もう少しこれはバランスをとるべきだと思いますが、その点は考えていただきたいと思います。  それから、いまホームヘルパーとか、身体障害者の相談員、ケースワーカーですね。こういう人たちの給料もほんとに微々たるものでしょう。私が聞いたところでは、ホームヘルパーとか、身体障害者の相談員とか、こういう人は月五百円ぐらいじゃないのですか。

翁久次郎厚生省児童家庭局長

○政府委員(翁久次郎君) 重度の心身障害児の家庭奉仕員の手当は、月額にいたしましてただいま四万五千円が、四十九年度は五万五千円に一万円アップいたします。なお、その数は千百九十名、約千二百名近くおります。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そういうふうに、私のほうがこれ五百円というのは、ずいぶん前の数字だったかもしれませんが、そういうことで、在宅児童にも——在宅児のほうにも十分力を入れていただきたいと思います。  それから、もしも今後施設をつくるとすれば、小さいものをあっちこっちつくるのではなくて、完備した大きいものを少しつくって、ほんとうにそこで十分な看護ができるようにしてもらいたいと思います。  そこで、今度労働省にお尋ねをするわけですけれども、先ほど矢山先生もいろいろ御質問しておられましたけれども、週休二日制ですね。この週休二日制というものを労働省はずっと看板にしてまいりましたけれども、施設で働く人たちは週休二日制どころか、二十四時間勤務みたいなかっこうになっておりますね。ですから、人手をたくさんふやさなくてはいけないということで、何だか回り回って堂々めぐりをしているわけですけれども。たとえば、正月休みをとろうとすれば、ある施設では順番に休んでいけば、一月一日から休んでいって、最後の人は二月の末にお正月休みをとる。こういうような施設もあるわけですから、若い人たちがみんな施設で働きたくないというその気持ちは、私どももよくわかるわけです。そこで、何とかして週休二日制または、もう率先して三日制ぐらいにして、こういう人を余暇活動ができるようにさしてやらなければならない。こういうことを急に言ったってできるわけじゃないのですが、それぐらいの目標を立てて労務管理といいますか、そういうことを十分にやってもらわなければ、私はこれは施設をつくったって施設はだめになってしまうと思いますよ、このままでは。  そうしたら、さっき矢山先生がおっしゃったように、これは重大な問題になってまいるわけですけれども、そこで、施設で働く人たちのために特別法をつくって、労働条件の改善と身分保障を法的に裏づけをしたような具体策を考えられないかどうか、その点はどうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 週休二日につきましては、政府といたしまして昨年閣議決定をいたしました経済社会基本計画におきましても、計画期間の最後の五十二年までにこれが一般化するようにということで推進をいたしておりまして、一般の産業におきましては、かなりこの目標の線に沿うようなスピードで進んでおるわけでございます。社会福祉施設につきましては、先ほどから御議論が出ておりますように、人手不足というようなこともございまして、労働時間などの、基準法の条件すらなかなか守られていない、休日違反もかなりあるといったような状況でございます。いまそういうことで、すぐにというわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、やはりそういうところに働かれる労働者の福祉という観点、さらには別な面から見ますと、人手の確保ということも、労働条件がいいということがまた人手の確保にプラスになると思います。そういう意味で、私どもは、社会福祉施設の職員の方々についても、逐次実情に合って週休二日のようなものを進めてまいりたい。五十二年までに一般の世上で週休二日が普及するようになれば、当然に社会福祉施設の方もそういうことでないと、もうそこにつとめられる方がなくなってくる。こういうふうに考えて、社会全般の進展の中でこういうところにも進めてまいりたい。先ほども若干お答えを申し上げたのでありますが、東京近辺で一、二社会福祉施設で週休二日制を導入された例なども出てまいっております。そういう例なども参考例として地方に配りまして、逐次実情に応じつつそういうものを導入されるような指導もしてまいるようにいたしてまいっておるわけでございます。  それから、なお社会福祉施設についての特別法ということでございますが、その内容を、どういうことをお考えなのか、いまのお話だけでは私ども十分わかりませんけれども、労働条件などにつきましては、基準法でいろいろの条件がございます。特に女子等につきましては、基準法の特別の保護規定もあるわけでございますので、むしろ私は、現状におきましては、それが完全に守られるようにしていく。それからいまお話の休日とか、あるいは年次有給休暇等の取得なども、現状からいいますと、基準法の基準は確実にこれが守られるようにすることが当面最も必要なこと、現実的なことではないかと考えまして、先ほどから申し上げておりますように、基準局といたしましては、最低労働条件の確保ということで、特に力を入れて監督、指導につとめておるわけでございます。   〔副主査退席、主査着席〕

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 とにもかくにも、施設というのはわりあいへんぴな所にあるのですよ。だから、やっととった一日の休日、これももう出入りで時間がかかってしまって、なかなか余暇活動どころでも何でもないわけですね。だから、ぜひとも続けて休ませる。たとえば二日間なら二日間の休みを続けて休ませてやらない限り、往復二時間をとってしまって、一日の休みぐらい、たいした休みにならないわけですね。  それから職業病等のいろいろなことがあるものですから、まあ、特別法ということはたいへん飛躍した考え方かもしれませんけれども、労働基準法に違反をしている問題がまだ何十%もあるわけですから、早急にこの違反をなくするように、これは労働省だけが考えてもだめな問題です。もちろん、労働省、厚生省あるいは住宅の問題もありますから、施設の中で、たとえば二階が宿舎になっていて、下が施設だというところでは、もう夜昼休めないわけですね、保母さんたち。ですから、そういったような住宅の問題も関係してまいりますから、建設省等も一緒になって、ぜひともこの問題を、いまにして解決をする方向にいかないでは、実態調査もまだなかなかやれない、こういうことでは、私はせっかくのこの施設がもうこれはてんで用をなさなくなってくる。私はいまそこの曲り角に来ていると思いますよ。十分に、ほんとうに真剣にこの問題を解決してもらわなければならないと思いますから、その点は今後も十分努力していただきたいと、このように要望をしてこの問題は一応これで終わらしていただいておきます。  それから、私ども女性議員懇談会というのがずっとございまして、市川房枝先生がいらっしゃったときは、よく市川先生が中心になってまとめてくだすったわけですけれども、昭和四十五年の十二月でございましたか、当時佐藤総理大臣でございましたね、佐藤総理大臣のところに婦人参政権を得て二十五周年になるから一度何か記念に総合的な調査をしてもらいたい、婦人の参政権を得た二十五周年の記念に何か事業もしてほしい、そのために予算も取ってほしいと、こういうふうに要望しておったのですが、ようやくこれが二十九日に婦人に関する諸問題の総合調査報告書というのができましたね。私これまだきのうやっと請求をしていただいて全部がまだ読めないんですがね。こんな膨大な報告書ができて、しかしこれはたいへんいい資料になると思いますね。そこで、きょうは労働の問題だからというところで、労働の問題のところだけを多少読んでみたわけですけれども、初め高橋さんね、局長これをお読みになって、いろいろなことを感じていらっしゃると思いますので、その感想をひとつ聞かしていただけたらと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) この調査報告書は、これはただいま先生が御指摘になられましたように、婦人議員の先生方の御要望が非常に強くございまして、婦人参政権二十五周年記念事業の一つとして始められたものでございます。この大調査をするということのために総理府に調査会議が設けられまして、総理大臣が委嘱されました委員二十名、さらにまた専門委員二十名をもって構成した調査会議という機関が設置されたわけでございます。この調査会議がこの御調査をなさいましたわけで、二年間にわたり対象が二万人をこえるというような大調査でございますが、実は私ども労働者がその事務を総理府に御協力して担当させていただいたということで、この調査の経過あるいは先生方の御意見等についても、つぶさにお手伝いをさせていただきながらフォローしてまいった、こういう立場でございます。  で、御感想をと言われますと、非常にこの調査会議には先生方がたいへんな熱意をお持ちくださいまして、終始活発に研究活動をなさっていただいたということ、それから四つの部会に分かれておりますが、それぞれ結婚の問題、家族の問題、あるいは職場の問題、あるいは市民活動の問題等につきまして、実態の調査とそれから御研究をなされ、そしてさらにその調査結果から幾つかの提言をされているわけでございます。それらの提言は従来から問題になっていたところに鋭いメスを当てられたそのような分析による提言、さらにまた今回の調査で新しく発見された問題に対する提言等いろいろございますが、非常に広範なものでございます。で、私どもといたしましては、この調査会議の報告書に盛られました提言というものにつきまして、今後これを尊重して十分に検討させていただいて政策の面に反映させてまいりたいと、そのように考えておるところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 まだ十分読めませんけれども、特に労働の問題ですけれども、職場の中ではやっぱり差別がある、男女の差別がですね。その中で、若い人はそれほど差別を感じていない、だけれども中年は今度賃金の差別を感じる、これはやっぱりずっと続いておりましてね、なかなかこれが改善をされない。それからそれじゃ高年になるとどうかというと、今度地位や処遇にたいへん不満を持っている、こういうことがこの中に書かれているわけですね。こういうことがずっと改革をされない一体その隘路は何だろうか、こういうふうに私ども疑問を持つわけですが、労働大臣どうお感じになりますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私も実はこの報告書が労働省がお手伝いしたものですから、閣議に報告する前に御報告いただきながら、あまりに部厚だからこれはひとつわかりやすく短くやらぬと、中身がよくとも、みんな見ないということでは、たいへんなことになりますよと、こういう御注意などを申し上げ、そして閣議でこれが総理府総務長官から報告されたときに、要約したやつがまた四、五十記述あるという、またこれも厚いものだ、こういうことでして、拾い読みしているところであります。  いずれにいたしましても、いままでの婦人の方方が、戦争に負けたあとほんとうに地位が向上し、それが皆さん長い間、婦人運動をされた方々のパイオニアの精神と社会とがちょうどマッチしながらここまで伸びてきて、なおかつ古い時代からのしきたりなりのような形で差別であれ、あるいはまたいろいろな問題が残っているということはそのまま認めます。そうしてまた、それをいかにして調和していくかということが、これはもう御婦人側からの御要求でありますが、いまの時代は男性側がしっかりと御協力しなければ、御婦人のほうが多いですから、この婦人問題、そういう形でこういう会合に参りましても、いつでも、委員会でも御婦人方のほうが非常に御熱心なところで拝聴しながら、この中にあるものは一つの私は大きな理想である。その理想に男性、女性ともどもにがんばっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 女性のほうにも少し——一緒に働いて男女平等、地位を同じにするということであれば、女性ももう少し責任をもって積極的に参加していくというその意識も必要ではあろうかと思いますけれども、もう女性が働き出して相当の年月をたっているのに相も変わらず男女の格差がある。憲法では男女平等だということがうたわれておりながら、こういうまだ差別があることは今後の問題として、——ちょうどこういうものが出ましたから、これを機会に、さらに男女の平等を勝ち取っていきたいと、こういうふうに私どもも考えているわけですが、時間がありませんから、その中で一つ二つだけ御質問をして終わりたいと思いますが、その提言の中に「育児休業中の所得保障」についてという個所がございます。これは少し読んでみますと、「出産・育児等一定のやむをえない事情により離職し、求職活動ができない場合には、失業給付の受給期間を延長する措置を講ずるよう提案している。」、それで、「一方育児休業中の女子労働者については、その休業中の所得を保障する制度がないので早急に検討する必要がある。」こういうふうに提言をしているわけですね。これも婦人議員懇談会の中で、育児休業の問題を、ずいぶん私どもは議論をしてまいりましたけれども、まだこれがやっぱり完成していないわけですね。この点ではこの提言についてどうお考えになりますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) 育児休業制度につきましては、これは御案内のように、一昨年制定されました勤労婦人福祉法の中で、特にこの育児休業制度というものを導入することを、事業主の努力義務として期待している条文があるわけでございます。で、労働省といたしましては、この法律に基づきまして育児休業の普及促進につとめているところでございますが、同時に、御指摘の休業中の所得保障の問題、これが育児休業普及の大きな隘路となるところでもございますので、かねてから専門家による研究機関を設けまして育児休業制度のあり方、なかんずく休業期間中の生活安定の方策について御検討を専門家の方々に願っているという、そういう段階でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 女性はやっぱり子供を生むという一つのハンディがありますね、男性と違って。しかし、そうかといって、女性が全部子供を生まなくなっちゃったら、これは民族は滅亡しちゃうわけですから、そういう女性独特の問題を、これによって女性の地位が低められたり、それから給料が下がっちゃったり、こういうことは私はやっぱりとんでもないことだと思うのですね。だから、そこら辺をもう少し労働省としても深く掘り下げてこの問題を考えていかない限り、女性の地位は高まらないと思いますよ。だけれども、子供を生むというその母体の保護をするという意味でも、私はやっぱり母性保障法といいますか、こういうものの制定をこれから考えていかなくちゃならないし、現に私どもはもうこれの素案をつくったんです。何べんも全繊同盟の幹部の人たちと研究会を持ちまして、母性保障法の新しいスタイルのものをいま実は用意をしておるわけです。こういうものをいずれは提出したい。それには各党の女性議員の御協力も得てやりたいと、こう思っているわけですけれども。女性のそういったようなハンディ、そういったものが女性の地位を低めるとしたらこれはたいへんなことで、この前、勤労婦人福祉法というものができましたけれども、いまおっしゃったように、これはあくまでも努力規定で、これがほんとうの、やりなさいということにはなっていないわけですね。ですから、その点で、今度はせっかく二年間かけてやったこういうものができたのですから、これは労働省では、この提言に沿うように、私はもうほんとうに義務規定にまでするくらいに、努力をしてもらいたいと思うんですが、その御意思はおありになるんでしょうか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 中沢先生さっき雇用保険の話も出ていましたが、いまのこの中にも、「育児休業中の所得保障」の中に——四十八年十二月、社会保険制度研究会から私あてに出された報告に、「雇用保険制度の中で、出産・育児等一定のやむをえない事情により離職し、求職活動ができない場合には、失業給付の受給期間を延長する措置を講ずるよう提案している。」と、こうありますが、これはちゃんと私のほうでは延長するように今度の制度の中に、国会に提案していま衆議院で審議中でございますが、そういうふうに一つ入れているわけです。  それから、まあ、理想論とすれば、そういう大ぜいの御婦人の方、そしてまた、ことにお子さんを産むという大事な義務というか、責任をもっておられる方々、そういう方々の将来の地位の向上、まあ先生方はこうして御婦人議員として御活躍ですけれども、役所の中に局長さんは私は高橋さん一人だと。ほんとうにほかの役所にも——地位の向上はその辺からだと、私は、労働省が範を示している。こういうふうな気持ちでございまして、大ぜいそういう方が出るところに地位の向上の具体的なるものがある。婦人議員の皆さん方の御活躍によって地位の向上をされるという、こういうふうな一つ一つやっぱり具体的なものを示しながら引っぱっていくという形も一つの方法じゃなかろうかと、こう感じております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それは一人だけでは困りましてね、もう少し何人かつくっていただくのと同時に、当然私は、もう厚生省はいなくなりましたけれども、厚生省とか、文部省とか、あるいは大蔵省とか、そういうところにも女性の局長などなんかもっとたくさん出るべきだと思います。これはときどき私どもも要望しているんです、文部省にも、厚生省にも。ところが、なかなかそういうふうな女性を格上げをしてくださらない。そこが非常に残念なところですけれども、それは労働省から——特に、私どもが要望するだけではなくて、こうこうしかじか、労働省は率先してやっているんだからということで、労働省のほうからもぜひともつっついていただきたいと思います。  それからもう一つ、もう時間がありませんから、農家の主婦の問題をもう一つ御質問をしてみたいと思います。  この前、いつでしたが、一月の末に、東京の日本青年館で全国農協婦人の大会がございました。私ここにも行ってみましたけれども、農家の主婦というのは、特に出かせぎをやってらっしゃる、東北なんかの農家の主婦というのは、もう半分ぐらい離婚したのと同じようなかっこうになっていらっしゃるのですね。そうすると、その出かせぎに出ていられるだんなさんのあとは、だんなさんの分まで働かなくちゃいけないし、近所つき合いもあるし、子供の育児の責任もかかっているし、あるいはまた、老人のお守りの問題がありますね。農家の人たち、よくおしゅうとめさんたちがいる家庭がわりあい多いんですけれども、そういう中で農家の主婦というのは非常に疲れているんです。そういうことを実態調査したことはおありになりますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) 婦人少年局といたしましては、いまから五、六年前になるかと思いますが、農家の主婦の過重労働という問題意識から、その労働の実態を調査いたしたことがございます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) ちょっと——私も農村出ですがね。いまそのほかにもう一つ問題がある。ぜひお考えいただきたい。これは、おばあさん方がほんとうにいま神経衰弱です、孫を預けられて。農村で、御主人が出かせぎに行く。そうすると、このごろは奥さん方も近くに人手不足なもんだから行くんですよ。そうすると、孫を預けられているおばあさんは、もう子供の教育から、弁当をつくることから、おかあさんはまたポットへ熱いお湯を入れてちょっと行くだけで……。もうほんとうに新しい問題か出てきている。こういうこともぜひ私はお考えいただきたいと思います。農村じゃたいへんなことなんです。あんまりまだ気がついておりませんがね。歩いてみますと、こういう問題があるんです。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それはちょっと私どもも初めて聞かしていただきましてね、大臣から、むしろそういう問題が投げかけられてたいへんよかったと思いますね。私どもはそういう農家のおばあさんたちの問題を、よく知らないで、若い奥さん方のことばっかりに焦点を当てておりましたが、もう一ぺん考えてみなければならない問題だと思います。  その農家の主婦が、最近は、やっぱり現金がほしい、こういうことで、道路工夫なんかにも出ていかれますね。あるいは少し農閑期には、何か男の人のやるような旋盤みたいな、ああいうところにまでも働きに行っていらっしゃるわけですね。そうすると、農家の主婦の産前産後の問題も、これはまた問題になろうかと思います。この辺はどうなんでしょう。農家の、自分のところでたんぼをしているころに出産をしたとか、こういう人たちがほんとうに十分産前産後を休んでいるのかどうか。あるいはまた、今度農閑期にどっか働きに行っていますね、アルバイトに。そういうときには、そういう人たちが無理して産前産後の休暇を十分とらずに働いているのじゃないか、こういうことも考えられるわけですが、その点はどうでしょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) 農家の主婦の方が産前産後に十分に休養をとっているかどうかという点でございますが、これは一般農家の主婦、つまり農業に従事している主婦の方の場合には、もちろんこれは基準法等の適用はございませんので、みずから律しておられるわけでございますが、先ほど申し上げました私どもの調査の結果なぞでは、やはり十分な休養をとっているとはいえないような状態と見受けられたように記憶いたしております。なお、最近の傾向として、農家の主婦の方が工場等に働きに出るというような場合でございますが、これは雇用労働者として働くわけでございますから、それは当然労働基準法の適用を受けて、法による産前産後の休養をとる権利というものがあるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 時間がありませんから、もう最後ですけれども、しかし、農村のあるようなところで、アルバイトに行っていらっしゃるような会社、工場ですね、そういうところは労働基準法があっても、なかなかそのとおりとるということは、かえって何か周囲からつまはじきになるような、非常にこう何といいますか、もうからだ元気そうだのに休みやがって、というふうなことにならないかどうか、その辺を私どもはたいへん気にしているわけですね。  それからもう時間がありませんから申し上げませんけれども、特に最近、私ども喜ばしかったことは、農家の、農協を組織していらっしゃるわけですけれども、そういう中での話し合いの中で、最近若妻会というのができているのですね。後継者を育成するという、この若妻会というのができたということで、これは私どもたいへん喜ばしいと思います。一ころ農家にお嫁さんが来ないということで、ずいぶん私どもも、お嫁さんを依頼されたのですけれども、農家の人自身がなかなかお嫁さんになろうとしないで、都会へ出たいというときに、都会に住んでいるわれわれに農家のお嫁さんを依頼されても、なかなかお世話も何もできなかったものですけれども、その農家の人たちが、また若妻が働かれるとなると、農業に従事されるとなると、そこでは当然保育所とか、児童館の増設の問題とか付随して出てくると思いますね。  それから農家の人たちは、最近私どもが農畜産物、こういったものの中で公害を——農薬だの何かでよごれたものを食べさせられていないかどうか、こういうところまで実はたいへん気を配って、そういった農薬のかからないものを消費者に食べさせたい。あるいはまた農畜産物ですね、こういう流通の問題にも頭を突っ込んで、何とかしてこのインフレ、物価高の中で都会の奥さん方が高いものを食べないようにと、こういったような流通問題にまでいろいろ配慮をしてもらっているわけですから、この農家の奥さん方の問題は、これからもさらに力を入れていただいて、とかく、労働問題といえば都会で働く事業所の人や、いろんな人に焦点が当たるわけですけれども、農家の奥さん方、あるいは若妻の人たちの問題にも十分配慮をしていただきたいと、こういうふうに私、要望するわけです。  それで、せっかくこういうりっぱなものができましたから、これからは、この提言に沿うように、十分労働省も考えていただくように要望すると同時に、大臣の御決意を伺って、この質問を終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 都会地にお詳しい先生から農村の婦人のことが出まして恐縮です。私も農村出身でございます。最近、非常にいいことは、農村を歩いて私の子供のときは腰の曲がったおばあさんが多かった、最近はない。これはやっぱり婦人の方々がレクリエーションとか、家庭バレーボールとか、あるいは研修とかやってやはり適当にからだをじょうずに使うからです。そういう意味で腰の曲がった人がいない、それから非常にやっぱり経済的にいままでは何といいますか、科学的じゃなかったことが、研修によって科学的になってきているということが、対社会的に非常に眼を注いでいる。それが先生のおっしゃるような、流通の部面までも研究されるという姿になり、同時に、非常に御婦人方がきれいになりました。昔と違ってやはりクリームでも塗るような時代になりましたし、レクリエーションにそちこち歩くというふうなことからしますと、やっぱりきれいな人がたくさんいることは楽しいことです、世の中は。そういうことで、今度の婦人問題で提言は、私はよく読ましていただきながら、当てはめる一つの理論的根拠にしてみたいと、こう思っております。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、本題に入る前にまずお聞きをしたいんですが、これは科学技術庁に伺いたい。  四月の五日の夕刊、昨日ですね、昨日の夕刊には、「強い放射性物質セシウム一三七の紛失」、紛失した新潟県は、一週間後に初めて紛失届けを警察に出しているという件が報道されております。科学技術庁、このセシウム一三七、発見されましたか。結果がどうなっておるか、それからどんな対策をとっておられるか、簡単にお伺いしたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) まず御説明申し上げますが、この新聞で報道されておりますセシウム一三七は、これは法律上は放射性同位元素ではございませんで、放射性同位元素と呼ばれるに足りない微量のものであるということでございます。先日、久米参考人が、たしかこの部屋でお示しになりましたセシウム一三七とほぼ同程度のものでございまして、法律上の許可なしに持ち運びできるというものでございます。人体に対しての影響が全然ないということで法律の適用の除外になっておる。これは何のために用いるかと申しますと、測定器の更正に使うための標準線源でございます。なお、御参考までに申し上げますと、夜光時計に使います放射性物質の使用量といたしまして、わが国は百マイクロキュリーというものを限度にいたしておりますが、外国の場合は、もう少し高いものを使用いたしております。で、外国の夜光時計に塗られておるものに比べまして、はるかに人体に対する影響の少ないものでございます。なお、この管理は新潟県が行なっておりまして、科学技術庁とは直接関係はございません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まあ、これを追及しようとは思っていないんですがね。しかし、原発の建設調査で大ミスが起こっているというふうに報道されておるし、報道では、これはポケットに入れて保存しておったら白血病にでもなるかもわからぬというふうに報道もされておる、これは国民に対してたいへん不安を与えていると思うんですよ。で、そういう問題、まあしかし、この問題は本題じゃありませんので、科学技術庁は、管理は新潟県だから直接関係ありませんということだから、まあ、それはさておきます。  で、けさの朝刊を見ますと、敦賀の原発の下請労働者の岩佐さんが、被曝賠償で四千万円の請求をするという訴訟を起こしたという報道が出ております。こういうふうに、原子力発電所や下請労働者の安全問題、これが最近たいへん、今国会でも大きな課題になっております。そこで私は、三月二十六日の予算委員会の一般質問で、原子力発電所等における労働者の安全問題、特に下請労働者の安全管理体制について質問を申し上げたのですけれども、きょうは、引き続いてその問題について質問をしていきたいと思っております。私が質問を二十六日にいたしました後、新しい訴えが寄せられてまいりました。この訴えによりますと、こういうふうに言われておる。敦賀の原電側の説明によると、百五十人の労働者のうち、一人ないし二人の被曝者がいるんだと説明をされているが、実際にはもっとたくさんの被曝者がいると思われる。原電側は、年間三レム以内の被曝なら人体に影響はないといっている。しかし、原電に入っている二社の——二つの会社ですが、二社の下請会社の従業員の中には四・五レム以上の被曝者が少なくとも二十人はいる。その中で、五レムの被曝者は五人はいるものと思われる。これは、下請会社の責任者が保管しているいわゆる被曝管理者手帳、これを見ますとわかるはずでございます。五レムの被曝者の氏名は次のとおりですということで、氏名を付して、実は私のほうに訴えがありました。きょうは、氏名は差し控えておきますが、こういう事実がございます。そこで、お伺いをしたいのですけれども、敦賀の原発に下請作業に入っている会社はどことどこか、これは御承知だろうと思いますので、お伺いをしたいと思います。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 敦賀にございます日本原子力発電株式会社の発電炉、この作業に下請業者として入っております会社は、ビル代行という会社が一つございます。それからいま一つは、関電興業という会社でございます。この二つが主力であるというふうに聞いております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 関電興業とビル代行、これが常時入っておる下請会社、それ以外には、前回も申し上げましたけれども日立や東芝、これは定期検診に入っておられますね。それから関電興業とビル代行というのは、どういう作業を行なっているのか、これは御承知でしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) この下請会社が行なっております作業は、先ほど先生御指摘のように、そのメーカーは別といたしまして、この二社が行なっておりますものは、たとえば、平常運転時の作業といたしまして、各建屋の清掃保守作業、それからその次に洗濯作業、それから軽微な除染作業、これは御承知のように、放射線作業従事者の衣服が放射線によって多少よごれるような場合もございます。そのときの除染をすることになります。それから三番目に、固体廃棄物のドラムかん詰及びその運搬、それから機械工作工事の補助、こういうふうなことを平常運転時にやっております。  それから、定期点検あるいは計画停止をいたしまして機械の修理などを行ないます。そういう場合の作業といたしましては、まず一の分解、点検、補修、それから二番目といたしまして、燃料の取り扱い作業の補助でございます。——失礼いたしました。この機械の分解、点検、補修などは、むしろメーカーサイドの仕事かと思われます。それから三番目に、使用済み燃料のキャスクなどの重量物及び機械の運搬、こういったものがございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 で、いま先ほどから言われておりますビル代行、それからもう一つの関電興業、この二つの下請会社の従業員のうちで、その被曝線量が年間四・五レムをこえているのは何人か、五レムをこえているのは何人か、これおわかりになりましたら、ひとつ御報告をいただきたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 私どもで調査いたしました範囲では、年間五レムをこえて被曝をした作業者は、私どもの分類ではないようでございます。ちなみに私どもといたしましては、年度ごとにこの集計をいたしておりますが、たとえば、昭和四十六年度におきます下請業者の中で一番被曝をたくさん受けた方、これは四十六年度で三・六レムとなっております。それから四十七年度では四・六レム、こういう方がおられます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 何人ですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) これは最高の人間でございます。したがいまして、それといま一つ、この法律上の分類で申し上げますと、三カ月三レムという規定がございまして、その分類が別途あるわけでございます。多少混乱して申しわけございませんが、別の整理の表から申し上げますと、四十七年度の下請従事者の被曝線量といたしまして、二・五レム以上五レム未満の分類に入ります者が、四十七年度三十三名ございます。で、五レムをこえる者はゼロと、こういうふうになっております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私の調査では、昭和四十八年度です。つまり四十八年四月一日から四十九年三月三十一日までの四十八年度、これはビル代行だけをとってみますと、四・五レム以上の被曝者が三人いることが明らかになっています。これはビル代行の担当者が私のほうに報告をしてくれたものです。で、関電興業を加えますと——先ほど申し上げた訴えというのは間違いがないと思われるんですが、こういうふうな状況が起こってきているのは、なぜだというふうにお考えになりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 御承知のように、原子力発電所その他原子力施設におきましては、これは放射線がある程度出ると、そういう環境のもとで作業をいたすわけでございます。したがいまして、作業者にある程度の放射線被曝があるということは、当然前提となるわけでございます。そこで、しかしながら、不必要な放射線の被曝を与えないというのがこの放射線作業の前提になるわけでございます。そういう前提のもとに、現在、原子炉等規制法におきまして、あるいは放射性同位元素の取り扱いの場合には障害防止法、その規定によりまして、放射線作業従事者の被曝管理というものが行なわれておるわけでございます。  で、この被曝管理の基準となります線量がどういうことになっておるかと申しますと、現在の法律におきましては、三カ月の間に三レム以内に被曝を押えるという一つの規定がございます。したがいまして、まず第一義的には三カ月三レム、その範囲をこえないということで被曝管理をいたしておるわけでございます。  それからさらに、許容集積線量という考え方がございまして、これは、御承知のように、放射線の被曝と申しますものは、比較的長期にわたっての被曝、それの影響というものを考える必要がございますので、許容集積線量という概念が別途とられております。これはどういう考え方かと申しますと、多少正確ではございませんが、簡単に申し上げますと、成人、十八歳をこえた人間は一年間に五レムの割合で被曝を受けることが許容されるという考え方。しかし、それは最初の一年間で受けなければ、それは貯金として繰り越される。二年たてば十レムというふうな、いわゆる俗なことばで申しますと、貯金という思想がございます。法律上は、これは式でもって書きあらわされておりますが、十八歳以上の人間については、平均して一年間に五レム、したがいまして、最初の年に全然受けておりませんければ二年目には十レムというふうな、そういう許容集積線量という考え方がございます。この二つの考え方でもって被曝線量を作業者に影響のないように管理をいたしておるということでございます。  なお、事故の場合等については、また別の考え方がございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 どうも私が聞いた質問とだいぶお答えがはずれているんですが、それじゃ念のために原電の本社員、これは先ほどお答えで四十七年度の下請の労働者では四・六レムが最高だとおっしゃったですね。本社員の最高は幾らで、それから先ほどお述べになった二・五レム以上が何%か、まず、それを伺いましょう。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 本社員と申しますか、敦賀におります原電の職員の場合で申しますと、たとえば先ほど四十六年度の数字も申し上げたかと思いますが、四十六年度の下請業者三・六レム最高に対しまして、原電の所員の最高は二・七レムの者が一人おります。それから、四十七年度におきましては下請業者の最高四・六レム、先ほど申し上げましたが、それに対しまして原電の所員の最高の被曝を受けた者は二・七レム、こういうふうに報告されております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 先ほど私が前段でお伺いしましたのは、いま数値を明らかにしていただいたから明らかなように、原電の職員のほうが四十七年度の最高が二・七レムだと、いまお述べになったように、四十七年度の、同じ年度で下請の労働者の最高が四・六レムだと、明らかに一・九レムオーバーするという数字が出ているわけですよ。下請労働者が、こういうふうに被曝線量が大きい理由は何だと思いますかという意味を聞いた。だいぶ長々と御説明をいただきましたけれども、汚線量の管理の状態、あるいは放射線管理の問題等について詳しくお述べになられたんだけれども、私が聞いたのはそこじゃなくて、こういうふうに数値の違いが出てくるという、つまり、下請労働者のほうが汚線量が非常に高く出てきておるというのはなぜだと思いますかということを聞いているわけです。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) これはそのとき、そのときの作業の内容によりまして被曝量というものが変わってくるわけでございます。それで下請作業者のほうが数も多いということもございまして、そのときの作業内容によりましてでございますけれども、一般的な傾向といたしましては、確かに先生御指摘のように、最高の被曝を受けた者は、下請従業者というケースが多いようでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 多い理由を聞いておるのだけれども、もう時間がとられますからね。私は多い理由は、作業の内容だと思うのです。  そこで、ビル代行が行なっておる下請労働者が、いわゆるどういう作業内容をやっておるか、どんな仕事に従事しているかということを、そこで働く労働者の証言に基づいて、ちょっと紹介してみたい。  まず、定期検査の場合、どういう仕事をするかといいますと、炉心部のふたの部分をまず作業者が、いわゆる作業に来た日立やあるいは東芝の点検作業員ですね、その作業員が仕事に入れるように、まず下請のビル代行の労働者が除染をする。  二番目には、その作業員が、いわゆる汚染された内部に入って作業ができるような状態にまで、中へ入って除染作業をやる。今度は、一定の作業の終了後、もう一ぺん下請の労働者がそこへ入って、完全な除染作業を行なっていく、つまり定検等で入って、核燃料等を移動させるわけですから、そういう作業工程の中での汚染、これの完全な除染作業をビル代行の労働者が中へ入ってやる。そのほか日常的には技術課あるいは発電課等の手足になって、そういった除染作業については日常的に使われておる。  それからもう一つは、放射線防護のために入れていた、汚染された水抜きです。汚染された水抜きの仕事、これをこの下請の労働者が行なう。定期検査の作業は大体二カ月間かかるのであるけれども、この間に年間被曝線量の約三分の一、先ほど伊原さんが言われた五レム、この三分の一、つまり計算をすると、一・六レムぐらいになりますか、これは受けると、三分の一は受ける。この作業は汚染がひどいので、十分単位あるいは三十分単位に作業をしても、このくらいの汚染は受けると、こういうふうに労働者は言っている。  その次には、一般の除染作業です。これはリアクタービル、タービンビル、ウエストビル、それぞれのビルの区切りの部屋から汚染が起こってくると、会社の安全課から作業の必要性を認めて、補修課がつくった作業表を持ってくる。そうして平均して月に二、三回は除染作業を行なう。汚染がひどいときには、一ぺんの除染作業ではきれいにならない。だから同じところを三回も五回も一洗って、まだ落ちないときには、ひどいときには七回から十回洗うこともある。除染作業というのは何をやるかというと、洗剤をまいて、ウエスでふく、こういう作業である。大体この作業班の責任者は年間五レムぐらいはもう十分に被曝すると、こう言っているわけです。特にことしなどは二月と三月とは、除染作業の必要な部屋が四カ所ほどあった。ところが労働者の集積線量が多いために、その時期にやらずに三月三十一日の年度交代まで作業をやめて延期したと言うのです。こういうことを労働者が言っている。私はこれを聞いてびっくりいたしました。ビル代行の人たちの除染作業とは最も汚染度が高く、作業員も入れないところですね、技術作業員が入れないところを入れるように除染するというのです。まさに、この人たちが日立あるいは東芝の点検員の作業員の安全を守るために先に除染に入っていく、つまり東芝や日立の作業員の守り手なんです。そしてまた、原電の社員の守り手でもあるという事実が、作業の実態の中で明確になってる。しかも、この人たちの平均年齢は一体幾らだと思いますか。平均四十七ないし四十八歳ぐらい。この敦賀の原電でいわゆるビル代行に、この除染作業に従事しておる従業員というのは十六人おるんですが、その中の十人は、五十歳以上だというんです。だからこそ、この人たちの被曝線量が年間四・五レムあるいは五レムになっているということになるわけです。で、原電の所長さんに聞いたら、こう言っている。原電社員は三レムで押えるようにしていますと。最も被曝線量の多いのはビル代行、関電興業の人たちでしょうとはっきり言っているんです。で、この単純計算でいきましても、下請労働者の被曝線量というのは、原電職員の最高被曝者の一・五ないし二倍近くなっている。これもうはっきりしているわけです。初めから制限率が違うんだから。原電の職員は年間三レム、下請労働者は五レムというんですからね。これはもう明らかに一・五倍ないし二倍近くなるというのはあたりまえなんです。そこで、この下請労働者の健康管理、被曝管理はどういうふうにやられているか、具体的にお聞かせを願いたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 下請業者の被曝管理と原子炉設置者、すなわち、この場合原子力発電会社の職員の被曝管理との間に基本的に区別、差別があるとは聞いておりません。いずれも、法律に基づく許容限度の範囲内で厳重な管理が行なわれておるということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 下請労働者の健康管理、被曝管理がどんなふうに行なわれておるかということを聞いている。三レム、五レムの制限をつけていることを知っているかいうて言うてないんです。それは、もうはつきりあとで教えてあげますから。そんなら角度を変えますが、科学術庁、それから労働基準監督署ですね。この関係各省はどういう報告を受けているか。これをちょっと伺っておきたい。これは法に基づいて報告されているんでしょう。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 労働基準局、労働基準監督署関係では、定期健康診断の結果の報告をそのつど受けております。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 科学技術庁は、原子炉等規制法に基づきまして、従事者の被曝線量分布三カ月ごとの報告を受けております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは労働省にお伺いしますがね、いま年二回の定期健診以外は報告をされていませんか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 具体的に報告の実態は聞いておりませんけれども、たぶんきめられたとおりに報告されていると思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これはまあ私のほうの調査でも年二回しかやっていませんね。そこで、ちょっとこれは聞いておきたいんですけれどもね、電離放射線障害防止規則の第五十一条。この五十一条の二項によりますと、「使用者は、放射線業務従事者については、次条第一項第三号及び第四号の検査を、前項の健康診断において行なうものを含め、三月以内ごとに一回、定期的に、行なわなければならない。」と、三月以内ごとに一回といったら、定期健診を含めてですからね。年四回になるんと違うんかなと思うんですけどね。その辺は、この規則というのはどない理解したらいいんですかな。これ読んでると、四回ないといかぬのやな。監督署で調べても二回しかやってない。会社で調べても二回しかやってない。どっちがほんとうですか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) この健康診断の項目とされております第四号、五号につきましては、三カ月以内ごとに健診をやらなければならないと、そのつど報告を出さなければならないということになっております。したがいまして、皮膚の検査につきましては、三カ月ごとに報告を出さなければならないということになるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 出さなけりゃならないと書いてますね、この規則には。ところが、敦賀の基準監督署に行っても出てないですよ。会社もやってないです、年二回しか。これはどないなってるんです。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) その点は、確認いたしておりませんけれども、きめられたとおり報告が出されていないとすれば違反でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 報告がやられてないどころじゃない、やってない。二回しか、これはもうちゃんと点検してきた。年二回の定期健診しか調査資料はあらへん。ないものは報告できへんです。だからやっぱり規定に基づいてきちんとやらせるという立場を堅持なさるということが大事です。やらせるかどうかはっきりしておきましょう。やらせますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 規則に規定されておりますとおり実行させるように監督指導いたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あんまり時間がないから次にいきます。  科学技術庁にちょっとお聞きしておきたいんですけれども。角度を変えますが、アメリカでは、連邦規制の指標に、平常時放出の目安として八十キロ半径の国民線量四百人レムパー・イヤーできめているのですね。参考のために、私の手元には実は原電の資料の四十七年度下期の報告というのがあるのです。この被曝放射線分布から平均値をとってトータルをしてみますと、六百八十八人レムパー・イヤー。で、これで見ますと、アメリカの目安の数値の、単純に比較をしても一・七倍という高い線量になっている。で、これはアメリカでは半径八十キロなんですよ。ところが、敦賀ではまあ実に狭いですね。その狭い敦賀のほんの一部の原電一社で一・七倍の数値になっておる。こういう高濃度の被曝が、作業者遺伝の国民負荷に与える影響、これはまあきわめて重大だと思うんですけれども、科学技術庁のこの問題に関する御見解を、簡単でけっこうですから端的にお伺いをしたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御指摘の数字につきまして、これは日本と米国とにおきまして、そういう評価をいたすかどうかというやり方は多少違うかと思いますが、いずれにいたしましても、日本の原子力発電所は米国の原子力発電所同様の軽水炉発電所として比較いたしました場合に、外部に放出いたします気体の放射性廃棄物の管理と申しますか、その評価については同じ考え方が実際上とられておるというふうに理解しております。たまたま先生御指摘の数字の試算というのはちょっと私ども持っておりませんけれども、基本的に変わることはないと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 時間がないですからこまかくちょっと申し上げませんから、こういう資料で計算をしてこうだという数字、先ほど申し上げた数字は基礎資料がありますから、あとでお見せしてもいいんですが。数字はややこしいとおっしゃるから、それじゃ、日本の国民線量の基準というのは、幾らに置いているのかということ、これ一ぺん明らかにしていただきたい。そういう中で作業従事者の被曝線量は幾らか。これアメリカの基準というのは、連邦基準というのはさまっておるわけです。連邦規則の指標というのできまっておるわけですから、だから日本の国民線量の基準は幾らかということをまずちょっと聞きたい、聞いたことない。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) これは法律などによって明確に定められているものではございませんが、参考といたしましてある推定がございます。放射線による国民線量、これの推定といたしまして、まず最初に、遺伝有意線量ということで、最初に、バックグラウンド、いわゆる自然放射能でございます、それが一年間に一人当たり百ミリレムでございます。一年間に国民一人当たり自然放射能を受けますのが百ミリレムでございます。それに対しまして、医療診断、すなわちエックス線その他の診断、これが二十六・五ミリレム、一人当たり年間。それから放射線治療、これが一・〇、それから放射性降下物によるもの——かつての原水爆実験によるものでございます。これが一・五ミリレムでございます。それから、原子力発電所が周辺の公衆に及ぼすであろうものは、現在のところは以上の数字に比べると非常に少ないので、ほとんどゼロでございますが、たとえば紀元二〇〇〇年すなわち昭和七十五年で考えまして、したがいまして、一億数千万キロワット原子力発電所があると、あるいはもっと多いかもしれませんが、その程度で考えまして〇・二ミリレム、一人当たり年平均でございます。それから放射線作業者、これが〇・一五ミリレム、この程度の推定がなされております。したがいまして、原子力発電所によるもの、あるいは放射線作業者に与える被曝と申しますものは、バックグラウンドなり、診断、治療そのための数字に比べると二けたか三けた下である、こういうことでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ちょっと時間があまりありませんからできるだけ簡潔にお答えをいただきたいんです。  この問題は一人当たりということではなくて、アメリカの連邦規則の指標にも示されてますように、八十キロ半径という面積単位でその中で一年間に四百人レムというふうに計算をされておる。だから、国民の総集積線量のことが問題にされているわけです。そういう立場での日本の国民線量の基準というものを明確にしてくれと言うているわけです。なぜ、そのことを言うかというと、日本の場合は、アメリカやその他諸外国と違いまして広島や長崎ですでに原爆を食らっておるわけです。だからもうバックグラウンドから言うたら世界じゅうで最高の集積線量を持っているわけですよ。そういう中で、新たに集積線量が起こっていくということが、この前にも申し上げたように民族の将来にとってきわめて重大だと——放射線の被曝が少ないから危険がないというふうに言った学者は一人もない。少なくても多くても、どんなに少なくても被害がないとは言い切れないというふうに、これはもう共通の認識で言われているわけです。国際放射線防護委員会でも、勧告でも明確にされているわけです。しかも、国民全体の中の集積線量によってガンの発生率が、集積線量が倍になればガンの発生率も二倍になる、遺伝の悪影響のあらわれ方も集積線量が二倍になれば二倍になってあらわれるというふうにさえいわれておって、きわめて重大な問題なのでそのことをお聞きしているんですが、アメリカの基準でいわれていると同じような日本の国民線量の基準というのはいま数値としてお出しいただけるのかどうか。いただけなかったら時間ありませんから、次へいきたいんですよ。あとで伺うことにしてもいいんです。いま数値を簡単に言っていただけるかどうか。いただけるなら、その数値だけでけっこうです。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 答弁は簡潔に願います。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御指摘のと全く同じ考え方の数値はあるいはないかもしれませんが、それは調査いたしたいと思っております。  ただ、基本的に申しまして、先生の御指摘のように、どんな被曝でもある程度の危険を伴う可能性があるということで、ICRPといたしましても、「不必要な被曝を避けるべきである。経済的及び社会的な考慮を計算に入れた上ですべての線量を、容易に達成できる限り低く保つべきである。」、こういう勧告がなされておりまして、日本政府といたしましても、このICRPの勧告を十分守りまして現在の制度ができておるわけでございますので、十分国民の健康と安全は保たれておると考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ、問題次へ移します。  次に、内部被曝の問題についてお聞きをしたい。  下請労働者の被曝線量には内部被曝の数値が全く加えられていないというのが私どもの調査で明らかになっております。たとえば、ビル代行の場合——これはビル代行をとらえてばっかりは申しわけないんですけれども、たまたま確認をしたから具体的な問題として——おそらくよそでも同じじゃないかと思うんです。ビル代行の場合見ますと内部被曝は算定されてない、記録もされてない、これは私ども現認しているんです。これでは、当初新たな訴えがあったということで私が申し上げた訴えの中にある四・五レム以上の人が二十人、あるいは五レム以上の人が五名、先ほどこういう人がおるというふうに申し上げましたけれどもね。伊原さんが言われたように、最高が四・六レムだというふうにお述べになっているんだから、いわゆる内部被曝線量を加えたら、これはもう労働者からの申し立てのあっているような状況というのは当然想定できると思うんです。内部被曝の線量の計算もしてないし、記載もしてない、記録もされてない、科学技術庁、どうですか。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 簡単に願います。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 内部被曝につきましては、現在までほとんどの場合、そういうケースがございませんので、先生御指摘の記録がないと申しますのは、そういう事実がないということかと私は理解いたしております。ただし、これは内部被曝の、どの程度以上の内部被曝の場合に、これを記録し、管理すべきであるか、こういう問題が一つあるかと思いますが、一般的に申しまして、内部被曝というものは、非常に起こる場合が少ないわけでございます。もし起こりました場合には、十分管理をいたしまして、たとえばホール・ボディ・カウンタ——人間のからだの中にどれだけ放射能を持っておるか、そういう測定器も発電所に備えつけておりますので、それでもって精密な測定をいたすことになっております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これはあなた、実情を知らんでそんな妙な言い方をしたらだめですよ。原電の職員には内部被曝の線量をちゃんと計算して記載しているんです。下請労働者にだけはそれがやられていないということを私は申し上げている。書いてないのは被曝のおそれがなかったんだろうなんて、そんないいかげんな答弁だめですよ。具体的に申し上げておきたい。敦賀の労働基準監督署でも調査に行った。そこでは監督官は敦賀の監督官と、これは労働省の話ですよ。つい最近まで三名しかいなかった。最近一人増員になって四名になったそうです。対象事業所数というのは三千六百カ所ある。単純計算していままでは一人千二百カ所を担当しておる。ですから、このために原電には指導や指示のために立ち入ったのは、中へ入ったのは、過去六年間でただの一回だけだと。四十八年四月電離放射線取り扱い要項ができたときに、それを持っていって初めて行った。所長が行ってる。こういう状況で福井県にはまた新たに原発を増設しようとしておりますが、これはまあ賛否の話は別ですよ、具体的な事実として。こういうふうな状況で、監督署の体制がこのままだったら、労働者の安全が保障されると考えられるかどうか。これは労働省の問題。少なくとも、結論的に言いましたら、専任の監督官を含めて増員とそれから専門的な研修ですね、これを早急にやらなきゃならないと思うんですけれども、労働省の御見解どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 監督官の増員につきましては、私ども毎年全国の監督署、事業所のわりあいに監督官が決して十分とは思っておりませんので、その増員につとめておるところでございますが、なかなか現在のところ思うにまかせるところまでいっておりませんが、今後とも努力してまいりたいと思います。  それから、原発のあるようなところにつきまして、おっしゃるように、監督官に専門的な研修をできるだけいたしたいと、かように考えておりまして、安全専門官、衛生専門官等につきましては、そういう専門研修につとめておるところでございます。まだ決してこれは十分にいっておりませんけれども、敦賀の場合には所長はアイソトープの特別研修を受けさせた人を配置いたしておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ時間がありませんので次にいきますけれども、いま申し上げた限りでも、下請労働者が被曝線量も多いと、それからこの前に私が指摘いたしましたように、安全教育上も問題が多い。その問題に関してちょっとお伺いをしたいんですけれども、三月二十六日の予算委員会の一般質疑のときに、私の質問に対して、安全衛生部長の答弁は、これはきわめて不十分だと私は思うんです。あのときに私が言ったのは、こう言うてる。放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律第二十二条あるいは労働安全衛生法第五十九条には、安全教育の必要性というのはちゃんとうたった規定があるわけです。ところが、具体的な施行規定というのがないんです。これは具体的な規定をきめるべきではないかということを前回も申し上げた。労働安全規則の第三十六条特別教育を必要とする業務と詳しく書いてありますよね。その中には、放射線に関係する業務というものはないんです。入ってない。だから、少なくとも、この労働安全衛生規則三十六条に放射線に関する業務、これは入れる必要がある。それに基づいて安全衛生特別教育規定に、ほかの業種と同じように、フォークリフトやいろいろあるように、それと同じように教育内容や教育時間、それらを作成して追加するべきではないかということを前回も申し上げた。詳しく申し上げなかったから、何かすれ違ったことをおっしゃったけれども、そういう点について改善のための検討をする用意があるかどうか、これをお伺いしたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のように、安全衛生規則三十六条の特別教育の対象には、電離放射線障害の関係の業務は入っておらないわけでございます。これは規則三十六条で書いてありますのは、いまおっしゃいましたアーク溶接といったような危険有害な業務であって、しかも、業務の内容が特定しているものを掲げてあるわけでございますが、放射線関係業務につきましては、業務の内容が多岐に分かれておりまして作業内容も非常に広範であるために、必要とする教育の内容などもそれぞれ異なって具体的に教育の内容をきめることがいろいろむずかしい点もあって入れてないわけでございますが、そういう点は検討すべき問題もございます。そこで、十分今後御質問の趣旨に沿いまして検討してみたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ次にお聞きしますけれども、ここに私は、日本原子力発電株式会社の放射線管理仕様書というのをいただいているわけです。当然科学技術庁、労働省にもこれは届いていると思いますけれども、内容を見ますと、請負工事にあたってその業者に関係法令の順守、それから放射線予定線量の超過防止、それから三つ目には、十分な教育の実施などを義務づけております、これを見ますと。この内容を契約書に明記して、すべて責任を下請業者に転嫁させているということになっている。この義務の遂行のためには相当な専門的な知識あるいはスタッフ、これは当然必要になります。かなりむずかしいですね。ところが下請業者まかせでは必ずしもその能力や人材というのは十分でないというふうに考えられます、実情から見ましてね。たとえば、さきに述べましたように、内部被曝についての、これは本社の職員の分についてはちゃんと内部被曝の記入あるいはチェックこれはやられている。ところが、下請労働者のところにはやられていない。むずかしい計算をせないかぬわけです。そういうことは原電側がやらない限り、なかなか下請業者がこんなことを義務づけられたって簡単にできない。その上に、先ほど伊原さん知らぬと言ったからはっきり教えてあげますけれども、原電の職員に対しては、会社と組合との間で放射線対策委員会というものをつくって、年間被曝線量を三レム以下ときめて協定を結んでいる。しかし一方、下請の労働者に対しては五レムまでは被曝をさせろと、これは法律の限界だと、それでその責任は請負業者に転嫁している。こういう原電側のやり方、これは放射線管理の基本的な態度に下請労働者軽視の姿というのが如実に示されていると思う。こういう状態なんですよ、客観情勢というのは。こんな状態で、しかも、先ほど申し上げたように、監督署は三人か四人やという状態では、労働省で一々細目にわたって日常的に監督ができるという状態でないということはこれはだれが見ても明らか。さらに心配なのは、その上に長期計画というのが示されているように、原発はどんどん増設されるんだという計画が進められている。最近では稲葉試案ということで、昭和六十五年には一億五千キロワットの計画が発表されておりますが、こういう状態でどんどんふえると。しかもこのままでいきますと、現在最も汚染の激しい仕事に従事している下請労働者、これについての安全教育あるいは放射線管理、これは下請労働者まかせではとてもじゃないが守れないのではないか。当然、元請の責任でやらせるのが最もいまの実情に即した施策だと思うのですけれども、これらの点について、改善していくための検討の用意があるかどうか。これは労働省の立場でも、科学技術庁の立場でも御見解をお伺いしたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 国民の健康と安全を守ることは大事なことでございます。いわんや日常においても放射線というのはお互いの使っているものでもございます。しかも、こういうふうに、非常に問題になるということは国民の疑惑といいますか、誤解といいますか、これを解くためには一番大事なことでございますから、手数は、人間は足りなくとも、私のほうでは、先ほどお話のあったように、敦賀のほうにレントゲンの特別研修を受けたものまで出すように手配をしているわけでありまして、いまから先も、そういうふうな問題については、従来は、元請事業者が下請の労働者の当該教育について積極的に指導してもらっているはずでございますけれども、さらに、これを労働災害防止上重要なことでございますから、懸命な努力を払って国民の誤解を招かないようにやっていきたいと、こう思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 科学技術庁どうですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま労働大臣の御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、今後とも、国民の誤解を招かないように改善の努力をいたしてまいる所存でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、時間がもうありませんので、最後に私、これは大臣もちょっとおってほしいんですけれど。本気で改善のための対策を検討していただきませんと、労働者がどんな立場で、どんな気持ちで仕事をしているかというのを端的に申し上げます。こういう状態で働いている労働者というのは、どんな要求を持っているかということです。これはちょっと労働者に聞いたのをそのまま言いますと、一は、放射線被曝のモルモットに結果的にはされているという感じが強い。将来どうなるかという点できわめて不安だ。何の保障もない。二番目には、何よりも被曝線量をもっと落としてほしい。本社員は三レムに押えられているのに、私たちは五レムまで被曝にさらされている。せめて本社員並みにしてほしい。三番目は、本人の努力で被曝をしないようにというシステムになっておるけれども、もっと十分な教育をしてほしい。こわいというだけで、どないしたらどうなんかわからぬということです。  四番目には、こんな仕事で手取りがたった六万円では安過ぎる、せめてもう二万円上げてほしい。これ率直に言うているんです。こういう率直な意見、この労働者の訴え、要求には、全くこの本問題の本質に触れる問題点が含まれていると思います。先ほど伊原さんもおっしゃいましたけれども、この電離放射線障害防止規則の第一条には、放射線障害防止の基本原則には「事業者は、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。」と、基本原則が明記されておる、これがやはり基本的な命題であろうと思うんです。ところが、私が調査をいたしました敦賀の状況あるいは前回に申し上げた一、二の状況から総括的な結論として得られる感懐といたしましては、基準値以内の数値であったら被曝しても法に触れないからよろしいんだ式のこういう管理の状態でしかない。これでは、これは訴訟ざたになったりするような心配なことが起こらないという保証はないんです。特に、下請労働者に対しては、そういうことを承知の上で会社側も被曝線量のレムを三レム、五レムというふうに差をつけているように、そういう形で、承知の上で下請労働者には仕事を請け負わせている。ここに非常に大きな問題があると思うので、この点について、これは科学技術庁と労働大臣の所信をお伺いをしたいと思うんです。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私たちは、やっぱり毎日発展する科学に対応しながら、お互いの生活を拡大していかなきゃならぬと思います。そういうことからしますというと、それの進歩に沿うために、いろいろな勉強も、自分のからだの対応も、それに対する組織というものもつくっていかなければならぬと思います。そして、そういうものに欠けるものがあるならば、まさにみんなで、私たちのほうの役所の責任としてやるものはしっかりやると、そういうふうなかまえでいまからも進んでいきたいと、こう思います。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 放射線作業従事者の被曝管理と申します問題は、先生御指摘のように、非常に重要な問題でございます。私ども、原子力の研究、開発利用を進めるという立場にありますものにとりまして、この被曝管理が十分行なわれておるということが大前提でございます。そういう前提のもとに、従来とも万全の措置をとり、遺漏ないことを期してきたつもりでございますが、今後さらに、この点努力をいたしまして遺漏のないように仕事を進めてまいりたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 以上をもちまして、労働省所管に対する質疑は終了いたしました。  一時三十分再開することとし、休憩いたします。    午後一時十六分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。横川正市君が委員を辞任され、その補欠として神沢浄君が選任されました。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 昭和四十九年度総予算中、自治省所管を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言願います。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 私は、水俣病の問題に関連をして、水俣病の問題というのは、御承知のように、患者の補償あるいは救済の面についてはすでに相当な前進があったわけでありますけれども、残された一番大きな問題であるヘドロの処理の問題に関連をして自治省を中心に関係の各省にお尋ねをしたいと思います。  世界に例のない環境回復の試みとして注目を集めているこの水俣湾のヘドロ処理の問題については、すでについ最近環境庁あるいは運輸省と地元の熊本県との間である程度基本的な合意の方向に達したことによって、近くこの環境回復の試みとしては世界でも非常に注目を集める画期的な事業に手がつけられることになるだろうと思います。国と県が非常に押しつけ合っておったその事業主体の問題、あるいはまた一番肝心なポイントである費用負担の問題、そういった問題についてやっとめどがついてきたということがその背景にあるわけですけれども、今度のこのヘドロ処理事業の経過というものを振り返ってみて、これは基本的な問題として二つほどやはり今後考えていかなければならぬ問題があると思うんです。一つは、やはりPPPの原則というものが、その理想と現実のギャップというものがいかに大きいかということが一つありますし、それからもう一つは、やはり事業主体である地方自治体の限界というものが非常に強くクローズアップされたという感じがいたします。そういう話はまた別の機会に私やりたいと思いますけれども、まず初めに三月四日にこの国側——環境庁、運輸省とそれから地元の県との間で基本的な確認ができたその申し合わせについて、初めに話を進めていく上で環境庁から伺っておきたい。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○説明員(青木英世君) いま先生からお話しございましたように、約一月前になりますが、三月四日の日でございますか、環境庁長官とそれから運輸大臣が熊本県の知事とお会いになられまして、そのときに水俣港のしゅんせつの工事を今後どうするかということにつきまして、打ち合わせを行なったわけでございますが、その際に四つばかりの基本点について大きな方向がきめられたわけでございます。  第一点は、工事の実施主体の問題でございますが、いま先生からお話しのございましたような、県がやるかあるいは運輸省がやるかというようなお話があったわけですが、最終的には県が工事の主体となる、ただし、この工事が非常に技術的な困難性を伴う、あるいは規模がかなり大きくなるというようなことを勘案いたしまして、熊本県が工事の一部につきまして国に委託した場合には、運輸省はこれを受諾しましょうという点が第一点でございます。  第二点は、工事の工法に関連する問題でございまして、ヘドロのしゅんせつをやります場合に、二次汚染が起きるというようなことがあってはたいへんでございますので、そういう工法について慎重な検討を進めるために、関係省庁、熊本県を含めまして委員会を設けまして、そこで十分工法を練りましょうというのが第二点でございます。  第三点は、漁業補償の問題でございまして、これについては態本県が主体になって漁業補償の交渉に入りましょうということでございます。  最後の第四点は、一番問題な費用負担の問題でございますが、その席上、熊本県知事から、この工事の実施に伴いまして、熊本県がまあ比較的富裕県とも言えませんので、県に過重な負担がならないよう努力してほしいという強い知事から要請がございまして、これに対しまして三木環境庁長官は、御自分としても十分努力したいと、可能な限り努力したい、こう答えられたのが、その会談と申しますか、打ち合わせの概要でございます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 この四項目の申し合わせというのは、まあ法的な拘束力というか、何といったらいいのか、まあ非常にある意味でオープンなものではなかっただけに、私は、何というのか、この事業についての国の基本的な考え方について、これからこの四項目を具体化していくについて国と県との間で調整をやっぱりしていかなければならない点が幾つかあるだろうと思うんです。そういう意味で、この事業についての国の基本的な考え方はどうなのかという点について、まあ、これは一地域の問題として考えるのかあるいは国自体の問題として考えるのかという、これはちょっと理念的な問題かもしれませんが、その点についてもう一ぺん重ねてお尋ねをしておきたい。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○説明員(青木英世君) 工事の実施主体はどうするかというようなことは先ほど申し述べたとおりでございますが、まあ、地域住民の福祉につながるという意味では熊本県の事業と密接に関連しておるわけでございますが、国といたしましても、過去のよごされた環境を回復していくということは、これはまあ環境庁を中心といたしまして重要な関心を持っておりますので、私どもは、県が実施主体になりましてもこれが円滑に実施できるよう万全の努力を続けていきたい、このように考えておる次第でございます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 次に運輸省にお尋ねをしたいと思いますが、熊本県が運輸省に委託をした主たる工事の事業の範囲あるいは内容について少し具体的に伺っておきたいと思うんですが、この主たる工事の受託にあたって運輸省としては、その範囲を極力狭めようということはないでしょうけれども、経費あるいは組織あるいは現地事務所の問題、そういった問題の受託体制の範囲についてどういうふうに考えておられるかお尋ねしておきたい。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○説明員(大久保喜市君) 水俣港の水銀を含む汚泥の処理につきましては、先ほど環境庁からお答えがございましたように、二次汚染を生じないようにやらなければならないということで工法の検討をやっているわけでございますが、大体基本的には水銀の濃度の高い区域を埋め立てるということで、その濃度の低い汚泥はしゅんせつして埋め立て地に入れてしまうというようなことを考えておるわけでございます。それで、さらにしゅんせつ作業をする範囲が、やはりそこから二次汚染の原因になるようなことがあってはまずいので、その範囲を締め切り堤で囲うというような慎重な配慮も考えております。大体そういうことを基本にしまして、現在熊本県と第四港湾建設局、これは運輸省の出先でございますが、その間で協同いたしまして具体的な案を作成中でございます。それで、その案が固まりましてから、まあ、そのうちのどの部分は技術的にむずかしいから国でというようなことになるわけでございまして、もちろん、この案の作成作業の過程でも、まあ、この辺は運輸省がやらなければならないというような事務的な検討作業は並行してやっているわけでございますが、現在の段階では、まだどの部分をというところまで固まっておりません。それで、ともかくいずれにいたしましても、全体の工事計画というものを早くつくらなければならないということで事務的な検討を急いでいる次第でございます。  それから、受託する体制でございますが、これは港湾の特別会計の中で受託工事のワクがございます。それで、まあそういうワクの制約はございますが、これは私どもといたしましては、極力必要な範囲のところは受託すると、県の御要請にこたえるという姿勢で考えております。  それから、工事の施行体制としまして、まあ工事事務所をつくるとかあるいは人員を配置するとかという問題が出てくるわけでございますが、事実問題といたしまして、そこに新しく工事事務所をつくるという、組織をつくるということについては、これはいろいろまた制約がございます。しかし、幸いなことに八代港工事事務所というのがございますので、そこの人員を強化いたしまして水俣の現地にしかるべき事務所をつくりまして、事務所というのは組織上の事務所ということでなくて、担当官の駐在するところをつくりまして、それでこの処理に当たるというようなことを考えております。それで、その人員をやはり各建設局から協力を求めるというようなことも考えなければならないということで、これは計画を片一方できめる過程においてそういう作業を並行して準備を進める所存でございます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 まあ、二次公害を起こさないようにしてもらうということももちろんのことですけれども、もう一点、三月八日の衆議院の公害環境特別委員会で、県が委託の工事費をそろえることができない場合にはまあ中止になる場合もあり得るというような趣旨の発言をされましたけれども、この点、ちょっともう一ぺん確認しておきたい。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○説明員(大久保喜市君) 先ほどもちょっと触れましたように、運輸省が受託工事をやります場合に特別会計でやるもんでございますので、その委託者からその所要の資金が入りませんというと、工事が執行できないという制約がございます。それで、そういう意味合いで、たしか三月八日のときに、工事費の入った範囲内でというお答えをした点がただいまの御指摘の点だろうと思いますが、いわゆる予算の経理事務といたしましては、いま申しましたようなことでございます。しかし、それにつきまして、熊本県が国に委託する費用を納めるということにつきましては、御承知の事業者費用負担法に基づく事業者の負担する費用、それから残る部分につきましては、港湾公害防止対策事業ということで残りの二分の一は国が補助するという形がとられることになろうと思います。それで、まあ極力そういうような資金調達の面も急いでいただきまして、それでその資金が入らないことのために事業がおくれるというようなことになっては地域の方々に非常に不安を残すことになりますので、これは県ともよく御相談しまして、それから関係各省ともよく御相談しまして、そういうことのないようにしていただくようにしたいと思っております。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 そういう意味でも費用の問題が一番肝心なポイントになるわけですけれども、もう一点、工法については、これは技術検討委員会を設けて検討の上で早急に具体的な工事計画を立てるということになっているわけですけれども、この工法の決定については国と県の共同責任であるというふうに考えていいわけですね。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○説明員(大久保喜市君) 御指摘のとおり、これはこの事業そのものは熊本県が事業主体になるわけでございますが、やはり技術的に非常にむずかしい問題がございますので、技術検討委員会を——まあ名称はちょっと変わるかもしれませんが、そういう委員会の学識経験者の方々のお知恵も拝借しながら万全を期してまいりたい。それで、そのようなことで計画がきまりまして、工事はまた主要な部分を国が受託いたします。その受託した部分につきましての施工の責任というのは受託者のほうの側にあるわけでございます。その前提になります工法そのものは協同して作業しておりますから、御指摘のように、まあ国と県の責任になろうと思っております。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 委員会はまだ発足してないわけですね。これはいつするのですか。それから、そのメンバーはきまったのですか、委員会のメンバーは。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○説明員(大久保喜市君) 現在、私承知しております範囲におきましては、今月のこの四月の中旬に委員会を開くべく熊本県が準備を進めているというふうに聞いております。  それで、メンバーにつきましても人選作業を熊本県当局がいまやっておりまして、近々にそのメンバーとそれから開催日時が公表されるというふうに承知しております。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 そこで、通産省にひとつお尋ねをしておきたいんですが、PPPの原則にのっとってチッソがそれなりの責任を果たしていくということになると、これは相当にたいへんな、患者の負担だけじゃなくて、患者の補償だけでなくて、このヘドロ処理事業についても応分の負担をするということであると、たいへんな相当な額になるわけですね。監督官庁である通産省としては、チッソに対してこれまでどういうふうな指導をしてきたのか、あるいはまたこれからしていこうとしておるのか、その辺いかがですか。

宇都宮綱之通商産業省基礎産業局基礎化学品課長

○説明員(宇都宮綱之君) 通産省としましては、チッソがまず第一に患者の補償等を確実に行なう必要があるという観点から、チッソに対してその旨指導してまいったわけでございます。チッソのほうにおきましても経理内容は苦しいわけでございますけれども、患者の補償等を第一に考えまして、必ず補償していくということで約束しておるわけでございます。私どもはその推移を慎重に現在見守っておる段階でございますけれども、チッソの経理内容から申しまして、その上に埋め立て、しゅんせつ等の負担をPPPの原則で負担しなきゃいかぬというようなことになりますと、かなり苦しいことになることは事実だと思います。したがいまして、この点につきましては近く環境庁を中心といたします水銀等汚染対策推進会議等の拡張会議の場で検討がなされるというふうに聞いておりますので、その場におきまして検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 通産省は大体企業誘致でも何でもやられるだけやられて、あるいは鉱業権の問題にしても認めることは認めるけれども、あとのほうのどうも処理が非常に、何というのか、その辺の指導が私は足りない面が非常にあるという気がするんです。そういう指摘はまた私別の機会にやりたいと思いますけれども、そういうふうな指摘がこの今度の件だけでなくて地方自治体の中に非常にあるということだけは、これは私申し上げておきたい。  そこで私本論に入りたいんですが、三月四日のこの申し合わせで三木長官は、熊本県に過重な負担をかけないように努力をするということを言われたわけですが、その後どういう努力がなされておるのか。ここに「地方行政」という何か雑誌がありますけれども、その中でもこの申し合わせの「中身については、政府は特別融資の道を開くなど、チッソになんらかの手段でテコ入れし、その一方で県に対しても現行法上、できるだけの財政援助をすることを約束しているのではないか——と推測されている。」というふうな記事が出ておりますけれども、その後どういう努力がなされておるか。本来なら長官からじかに伺いたいところだけれども、環境庁いかがですか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○説明員(青木英世君) いま、先生おっしゃいましたちょっと「地方行政」のその論文かあれは私見ておりませんので詳細はわかりませんが、先ほどお答え申し上げましたような三月四日の三木長官、運輸大臣と熊本県知事との会談におきまして、三木環境庁長官も、熊本県知事の、熊本県に対して過重な財政負担をかけないようにという要請に対しまして、十分配慮してまいりたい、努力してまいりたい、こういうような趣旨のことをお述べになられたわけでございます。  その後、私どもはもちろんのこと、長官御自身といたしましても関係の省庁あるいは民間等含めまして、いろいろ御自身でも格段の努力をされておるというように私ども拝見いたしておりまして、先ほど運輸省のほうから話がございましたように、工法の確定と、それに伴います事業費総額の決定、あるいはその事業費総額をどう分担するか。これは熊本県が工事の実施主体になりますと、県の公害対策審議会の意見を聞きまして、県が事業者負担分幾らかということをきめて、その残りは国と県が負担する、こういうことになろうと思いますが、そういう作業と並行いたしまして、環境庁といたしましてもできるだけ早い機会に本問題についての決着をつけるべく最大限の努力を払いたい、このように考えます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 自治大臣、お待たせいたしましたけれども、この一番肝心な問題についていままで大体お尋ねをしてきたような経過があるわけです。いま、いろいろお話を聞かれたように、これは熊本県側としてもたいへんなこれは大きな負担をしなければならないというようなことになるわけですけれども、さっき話が出ました環境庁長官との申し合わせにありますように、県に過重な負担をかけないという約束のその裏づけについては、いままでこれがオープンなものでなかっただけに、いま一つどうも明確になっていないんです。その合意確認事項というものをやっぱりこういう国会の場でより明確な形で確かな手ごたえとして私たちも承っておかないと、これはどうも非常に不安な気がするんで、その意味で私は自治大臣からひとつ国が保証しますというはっきりした明確な御答弁をいただきたい。いかがですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) このたびの水俣湾のヘドロ処理事業ということは、まだ日本においても初めてのことで、まだ最終的な工法もきまっていないというふうに承りましたが、いずれにしても、相当多額の事業費を必要とするということは想像にかたくないわけであります。すでに御承知のとおり、この経費負担につきましては、申すまでもなく、これに関連をいたしておりまする法令の定めによりまして、主たる部分はチッソ株式会社が負担をする。その残額につきましては国と県とが折半をして負担をするということに法令の定めはなっておるわけであります。そこで、県の負担分につきましては、自治省といたしましては現在の熊本県の県財政の現状から考えまして、それだけの十分な負担力があるとも考えられませんので、その負担分につきましては地方債なりあるいは地方交付税によりましてできるだけ所要の財源措置を講ずるということにいたしてまいりたい。まあ、さように考えておりまするので、相当な金額にはなるかもしれませんけれども、熊本県に特別に負担のしきれないような状態にはならないように自治省としても十分配慮していこうと、かように考えておるところでございます。

細川護煕自由民主党

○細川護熙君 現行法のワク内で最大限の優遇措置を講ずると。たいへんに前向きな御答弁をいただきまして私も安心をいたしました。しかし、おそらくこういう国の配慮があればですね、この水俣湾というものも、その工事のやり方さえうまくいけば、おそらく何年後かにはきれいな海になってよみがえることが可能だろうと思います。しかし、私初めにも申し上げたように、今度のこの問題の経過というものを振り返ってみて、さっきも申し上げたように、PPPの原則というものの現実と理想との間の大きなギャップというもの、それからまた、地方自治体の負担の限界という二つの大きな問題がクローズアップをされてきたという感じがいたします。そういう点について今後ともひとつ行政の面で特段の配慮をしていただきたいということを申し上げて、そろそろ時間が来たようでありますから、質問を終わります。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) この際、おはかりいたします。  分科担当委員外委員藤原房雄君から質疑を行ないたい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認めます。  藤原君。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) きょう分科会において自治省関係の問題について二、三お伺いしたいと思うんであります。  最初に地方自治の確立また住民の声を政治にというこういう観点、私は大事な問題だと思うんでありますが、私は去る三月二十三日の予算委員会におきまして、北海道の大規模な開発、これは石狩新港の開発のことにつきまして開発庁長官に対しまして十分な住民の意思を反映したものであっていただきたい。まあ、いまはマスタープランの段階でありますから、基本計画の段階でありますから、それは当然できることなんで、この点十分にお話し申し上げました。現在小樽市と石狩町から、それぞれ議会から意見書が出ておる、これについてどういうふうにお考えになっているのかという、こういうことを質問したわけでありますが、小樽市の意見につきましては大臣から直接答弁ございました。まあ、石狩町の問題につきましては建設省の道路局長さん、十分な御理解がなかったようでありますが、「石狩湾新港地域開発基本計画後背地基幹産業道路花畔、樽川市街化区域中、住居地域の迂回を求める意見書」という、こういう非常に長いんでありますが、この席であらためてひとつ前日の件についてどのように御検討なさっていらっしゃるか、これ、住民の声をしっかり聞かにゃいかぬという立場から私は申し上げておるわけでありますが、この間につきましての局長のあらためての御答弁をお伺いしたいと思います。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) ただいまの石狩湾の新港に関します開発計画、これについて先日私もお答え申し上げたんでありますけれども、この石狩湾の新港に伴いまして港湾計画はすでに港湾審議会できまっておるようでございます。それから、その個々の、たとえば用途地域の計画あるいは都市計画、これは後背地の道路の問題でございますけれども、そういうものについては引き続き計画決定をする段取りで進めております。土地利用計画につきましては先般きまっております。そこで残されているのが道路計画でございますが、ここは国道の二三一号線、これもその附近を通ります。それから同時に、港の後背地の道路のネットワークという形で幹線道路がいろいろ計画されておるようでございます。現在のところは道が地元の市町村とその計画について煮詰めておる最中でございますので、まだ私どもは、こういうふうな形できまったという形では聞いておりません。ただ、国道につきましてはこれはまた別の観点、その地域の計画と同時に国道のまたルート、ネットワークという観点がございますので、まあ国道につきましては、先般お答え申し上げましたように、現在の国道はこの花畔地区という地区の用途地域では住居地域に指定されている中を通っておりますけれども、現道はそこを通っておりますが、今度は国道のバイパスを、そこから一番端にはずしまして、茨戸川という川沿いに川のへりへ持っていこうということで、一番住居地域の端っこ、川に沿ったところを行こうというような形でいまの考え方は進んでおります。それからさらに幹線街路が、また網ができるわけでございますが、その幹線街路の網につきましては、ただいまのところは一つの何か考え方で道がその市町村と打ち合わせしておるようでございますので、これは今後また地元の意向というようなものを加味しながらそのルートの計画決定という形になっていこうかと思います。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) これは二三一号線が現在あるわけでありますから、現在この都市市街化区域内の状況、また現在ありますこの二三一号線、これをまあ勘案いたしましてなるべく花畔と茨戸川のほうに寄せるということでありますけれども、このことにつきましても地域住民のまあいろんな意見があるわけです。それも局長のところまでは十分に意見というものが来ているかどうかわかりませんけれども、私、予算委員会で申し上げたのは、とにかくこういうできてしまってから問題が起きるのじゃなくて、あそこにあれだけ大きな規模のものができるわけでありますから、やはり十分な住民の意思、声を聞いた上で後々禍根を残さないようにという、そのために建設省としても当然これは道路ネットワークができれば責任があるわけでありますから、その点についての基本的な考え方、これをお聞きしたわけであります。いまのこの問題につきましても、いろんなこの土地柄、問題点のあることもわれわれも十分承知しております。しかし、こういう大きな規模のものができ、そうして長年ここにおります市街地の方々のいらっしゃること、また地形的な問題、こういうことから十分な配慮があってしかるべきだ、このことを私は強く訴えているわけですけれども、その点、御了解いただけますか。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) ただいまの先生のお話のとおり、私どもも、一つの道路計画をしますからには、当然地元の方の意思というものも強く反映しなければならないと思っております。ただ、これはたとえば国道二三一号線につきましては、たとえば茨戸川沿いに行かずに、川を二度渡っていくという考え方も、そこからはずす別の考え方もございます。これはまた一方その地域のこれは自然の緑の保存されている地区でございまして、それを緑をつぶすべきでないというような意見もあるように聞いております。これは先日先生の御質問ありましたので、その後私どもも地元と、少しいろいろ調べておりますけれども、そういう問題、あるいはこれは都市計画決定いたしますので、当然その間に地元の方の御意向ということは十分くみ入れられるようになっておりますし、ただいま、先ほど申しましたように、道から石狩町のほうへ意見を照会しておりますので、また石狩町からどういう意見が来るか、またそこら辺の意見を踏まえまして、地元の方もみんなが喜ばれる道路をつくるというようなことで考えてまいりたいと思います。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 大臣、予算委員会等できょうで三回目になるんですけれども、ちょっとだけこれ問題あったものですから申し上げるんですが、この前ちょっと時間がなくて大臣お話しになってそれで終わってしまうような形になって、最後のお話の中には、何か私がこの三期計画を全部やめてしまえというような乱暴な、そういう言い方をしているみたいな答弁のように受け取られてちょっと気にかかっておるんですが、私はそういうことを申し上げてるんでは決してございません。こういういまの、立案当時から見まして経済的な大きな変動がある、そういう段階でいろんなひずみが出ておる。そういうことから三期計画というものを見直さなきゃならないときに来ているんじゃないかということを申し上げ、それからもう一つは、北海道開発法これ自体が、まあ文章は古いかもしれないけれども、精神は十分に現代に即した形でくみ取っておるんだという、住民の意思はもう十分過ぎるほどくみ取っておるんだというお話でありますけれども、いま建設省の局長のお話にありましたように、なかなか、これから道に問い合わせて、そしてまた町村のほうに、というふうなことでございまして、この第三条の「関係地方公共団体は、開発計画に関し、内閣に対して意見を申し出ることができる。」というこの条項があるわけでありますけれども、私は、これはいろんな問題があろうかと思います。開発法、こんなものはもう要らないんだなんということを頭から言っているわけじゃ決してございませんが、これは新しい時代に、時代感覚からいたしまして、考え、検討しなければならないところも出てきているんじゃないか。その一つがこの「内閣に意見を申し出ることができる」ということでありますけれども、やはり地元の声を強く反映させるということのために、まあ各市町村なりまた道議会と開発庁というものが何らか意見交換できるような場というものが必要ではないかということを痛感するわけです。で、この前、大臣のお話ですと、国庫補助率が高いから開発法が必要だなんというお話でお話を終わってしまったんですけれども、これは補助率の高いのはけっこうでありますけれども、最近だんだん補助率が本土並みになってきたこともよく御存じのとおりです。そして、道や地方自治体の村負担が多くなっていることもよく御存じのとおりであります。そういう北海道の開発が進むことは私もまあ賛成でありますけれども、非常に現在の北海道開発法を照らし合わせ、まあ運用面でそれは十分に補っているということのようでありますけれども、何さま二十何年前のことでございます。そしてまたいま、一つこの道路のことにいたしましても、何段階も経なければ上に——上といいますか、関係の責任者のところになかなか意が通らないという、こういうことを考えるにつけまして、各市町村全部に対してということはなかなかたいへんかもしれませんけれども、道の開発ということでありますから、道議会とこの開発庁なりまたおのおのの機関、政府機関との間の討議の場といいますか、そういうものが必要ではないかということを私考えるんですけれども、こういう点についていままでも御検討になったことがあるか、また御検討なさる御意思があるのか。審議会がありますけれども、それはまあごく限られた人の場でありますし、道を代表するといいますと、知事と議長ということになっております。やはりこれは与野党のいろんな意見も聞く場も当然これは考えるべきじゃないかというような気がするわけでありますけれども、この間のことについて御所見をお伺いしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) この北海道の総合開発計画というものを策定をいたしておりまする場合には、いまも藤原委員御指摘になりましたが、実は道民の意向をこれに反映をさせるという努力はずいぶん実はいたしておるのであります。いまも道議会のお話がございましたが、道といたしましては、この開発計画に対する案を政府に提案をするというあれはたてまえになっております。そこで、道といたしましては、道議会の中に特にこの総合開発特別委員会というものを設けまして、この道側の案を策定する場合、かなり長期にわたりましてこの特別委員会の意見を聴取をするということをいたして、最終的に実はいまの政府に提案をいたしまする案をつくり上げる。さらに道といたしましては、別に官民の方からなりまする別の委員会というものを道議会のほかにまた一つつくっておるので、その中には各方面の方々の御意見、いわゆる学識経験者といったような方でありまして、たとえば市町村長を代表する方々も、市長なりあるいは町村等の代表なりあるいは市議会議長なり、町村議会の議長というような方もかなりこの中には入っていただきまして、それぞれのお立場で分科会等もつくって、これはまた道議会の特別委員会とは別にかなり熱心に真剣に長期にわたって御意見を実は出していただいておるというようなことで、それを最終的に道議会の議決を経て政府に案を提示をする。で、大体私どものいままで承知しておるところによりますると、政府が決定をする場合におきましては、政府はまた政府の段階でいろいろ検討をしてはおりますけれども、大体北海道が政府に提示をいたしました案、まあ九十数%まではその意見が現実のこの三期計画なりあるいは総合開発計画になっておるというような事情もございまして、私としてはこの北海道の総合開発計画というものは、いま藤原議員も御指摘になりましたように、かなり道民の考えなり要望なり意思なりというものが反映されておる計画になっておる。もちろん、計画を立てました後に、いまのような社会経済情勢の大きな変化というものがございますから、したがって、必ずしもそのときのままを金科玉条として何ら見直しをする必要がないんだというようには私どもはもとより考えておりません。まあしかし、つくり上げるときにはそういうようなかなりきめのこまかい配慮のもとにでき上がったわけでございます。しかし、いまの第三期計画が発足をいたしたのは昭和四十六年でありますけれども、いまのような、その後にかなり日本といたしましては大きな社会的なあるいは経済的な変化というものが起きておるわけでございますから、おのずからこの計画の実施にあたりましては、当初考えておったこととはかなりいろいろの点で私は直していかなければならないというものはこれは当然出ておるわけでございまして、開発計画というものは、私が申し上げるまでもなく、一種の北海道の開発の目標を一つ定めておるというものでございまして、きわめてこまかいところまできちんと計画を定めるといったような内容のものではございません。したがって、いまの計画の中でもそういった社会経済情勢の変化に応じてこの計画を取り進めていくということができるというたてまえになっておるということを私は先般も申し上げるつもりであったのであります。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 計画の立案の時点においてはいろんな段階を踏むことは私もよく承知しておるんですが、特にこういう激しい経済変動がございますと、それに即応していろんな対策を講じにゃなんない。地元でもいろんな問題が起きる。そういうことと、地元のいろんな時代の流れに対応するためのいろんな意見と、それからまた、それを実施する立場の官署との間、これをもっとスムーズにしにゃなんない。これを、立案時点からもうそういう意見がくみ入れられないなんとなったらこれは大きな問題ですけれども、そういう点でこういう一つの大きな変動期でありますし、経済だけではございませんで、公害のことからいろんな問題が出ているわけでありますので、今後ひとつこういう点十分に留意をいただきたい。過日も、積極的な、住民の意思を尊重するという大臣の積極的なお話がございましたけれども、その点ひとつ強くまた要望して、時間がございませんので次に移ります。  公有地の拡大の推進に関する法律が制定されまして、各地方自治体におきまして土地の先行取得がやれるようになったわけですが、これは非常に必要なことだろうと思うんであります。現在推進しておる状況等いろいろお伺いしたいんでありますが、時間がございませんが、こういう観点からいたしまして、土地のことがいままで土地の価格からいいましてもあまり問題にならないようなところが、最近地価の騰貴に伴いましていろんなトラブルが起きておる。これはいろんなところにあるわけでありまして、これは単にある地方に起きた問題という、こんな考え方で見たくないんでありますが、これに類以するようなことがやっぱりいろんなところにあるんじゃないかと、こういう観点の上から過日申し上げております秋田県の大館市におきます問題につきまして、時間もございませんので、あんまり詳しく討議できないかもしれませんけれども、二、三点、お伺いしたいと思います。  事前にお話ししておりましたので、秋田県大館市におきます二井田財産区の問題、この調査についての結果をちょっと報告していただきたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 秋田県の大館市におきまして、大館市内の財産区の土地を地元の地域開発の観点から日本ビート工業という株式会社に寄付をいたしました。これを寄付をしたのみならず、関係団体も出資いたしましてそういう会社を設立して、地域開発の観点、住民の職業就業機会の増大というようなことを意図したもようでございますけれども、その後砂糖相場の変動、自由化などの経済的な波をかぶりまして、これが解散せざるを得なくなった。その場合に前に寄付した土地の処置について、県、市、その他にある意味では行き違い、誤解その他もあったようでございまして、二、三問題があったようでございます。で、現実にはその会社の解散に伴いまして、その土地は卯根倉鉱業という、これは私の会社でございますけれども、そこに一たん移りまして、それからそのあとさらにこれから県に譲渡をされる。県はそこで農耕団地の開発を行なっている。それに関して市の意向が十分反映されてないんではないかという問題があったようでございますけれども、まあ、これ、私のほうの得ました資料から判断いたしますと、その間に相当いろいろな折衝その他もございまして、一応合意はできたんでありますが、その合意の内容について、多少それぞれの当事者の間に行き違いがあったのが最近になって問題化したと、こういうふうに聞いておりますが、現在は大体関係当事者の間にほぼ、何と申しますか、了解といいますか、あるいはやむを得なかったということでおさまっているといいますか、大体了解がついたように今日の段階では聞いておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) おさまったと言う人の話を聞いているからおさまったように感ずるんでありまして、とにかく市議会でも決議いたしまして、解決の方途を見出そうという、それは私もよく知っているんですが、とにかく十何年問いろいろ問題が起きてなかなか解決し得なかった。現在でもすっきりしたわけじゃございませんで、これはもう素朴な一市民から考えますと、まあ途中の経過はいろいろあったろうと思うんですけれども、財産区の人たちから見ますと非常に意外な問題だと思います。国策に乗ってビート工場を誘致する。そこに住んでいる方々がそこで働くことができるということも合わせて無償でその土地を提供する。それが十数年の間に会社は倒産する。いろんないきさつがあったといたしましても、それが県の手に渡り、市がいまそれを求めようといたしますと、一億八千万ですか、卯根倉鉱業とこの県の開発公社との間で一億八千万ですから、無償で提供したものをまた自分のところの手に入れるためには二億近いお金がかかるという。素朴な一市民から見たらなかなかこれは納得し得ないことだろう。なぜこんなふうになったのか。これは時代の趨勢の中でいろんな問題のあったこともわかるわけですが、ここで一つこの財産区の問題でありますけれども、この無償で払い下げるということですけれども、契約が「大館市二井田財産区財産無償交付契約書」というものがあるわけでありますが、こういうこの契約書の中身、これは土地の転用または事業内容の変更とか経営権の譲渡等、これらに類似する行為のある場合は、乙はその処分について甲の承認を受けるものとする。甲というのは市長であり、乙はビート工業株式会社になっているわけでありますけれども、この財産区の財産処分について、また、こういう契約書というものがどれだけの拘束力を持つのか、こういう事件が起きたときには一体どうなのかというその間のことについてちょっとお伺いしたいと思うんですが。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 契約でありますれば、まさにその契約内容が法律事項に違反でもしてない限り当事者を全部拘束するということはそのとおりでございます。ここでそもそもこの会社を設立するについて、財産区としては土地を寄付し、そこで新しい事業を興して住民の就業機会をふやすという、ある意味の公益的な目的を踏まえておそらく無償寄付をしたんではないか。ところが、そのあとにこの会社がいろいろないきさつで経営がうまくいかない、結局解散をしなきゃならない、清算事務が残ったという形でございますので、その清算の一環として、本来は無償寄付を受けた土地でございますけれども、その土地には何重もの抵当権も設定されている。そういうものに対して清算事務をやるためにその土地を手放す。手放すについては、最初の寄付契約のときに、いま先生の御指摘のとおりの市長の了解を得るということが書いてございます。で、この承認を得た得ないについて多少当事者の間に議論があるようでございますけれども、私のほうが入手しました資料では、その処分のときに市の助役が立ち会い人になっておられるというところから見ますと、まあ市長がやむを得ないとして承認したんだろうということが推察がつくわけでございます。そのときにあるいは県のほうは、何か、市のほうで買い取ってしかるべくすべきではないか、その場合は県は金融上の措置、援助をしようということを申し出た。ところが、市のほうでなかなか具体的な案を立てないうちに時日が経過して、地元は何も関係のない人に競売で手に入りそうになったのでやむを得ず県が買うことにしたというような説明もございました。その辺、どこまでか、さらに精細な調査を待たなければ確信を持って申し上げられないと思いますが、いま先生の御指摘の契約についての内容は当事者を拘束しておりますし、当事者はどうもそのとおりの手続を経てやったようにいまでは判断されておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 問題はそこに一つあると思いますし、さらに四十七年の三月十六日に秋田県知事室で、知事、市長、それから清算人の代表者、それから債権者の委員会の委員長、それから秋田県の県の住宅供給公社の理事長、こういう方々がお集まりになって、債務額の整理方針についていろいろ打ち合わせしたようであります。このときは知事から八千五百万で県の住宅公社が買収して工場並びに住宅用地に使ったらどうかということで指示をし、会議を終わったということがこの事態の流れの中にもあるわけなんですけれども、こういうふうに、この四十七年の段階ですと開発公社はまだございませんでしたけれども、住宅供給公社はあったわけでありますから、住宅公社がそういう形でこの知事のおっしゃるとおりにやっておればこんな複雑な問題がまた起きなかったと思うんですけれども、そのお話があったけれども、このとおりになりませんで、四十七年の六月、まあそれから三カ月たって、知事と畠沢さんというこの卯根倉鉱業の社長さん、しかも、これはちょっとまずい、県会議員だということですけれども、話し合いで卯根倉鉱業に処分することが決定したという電話が市にあったというこういうことになっておりましてね、いま県のほうではいろんな話し合いをして市のほうにすすめたんだけれども、財政的なことやプランがどうとかというようなことですけれども、ちょっとここんところ話が合わない面があるんですね。ここで住宅公社が買いなさいという知事のお話がどうしてこのとき実現できなかったのかという一つ疑問が残るわけで、われわれもそこまでよく調査しておらないわけですけれども、そしてその話があり、一時預かったとかなんとか、地元にいろんな疑惑を招くようなお話があって、そして現実的にはこの卯根倉鉱業が売買契約を決定したという。そこから今度は開発公社が買うことになりまして、これはまあ卯根倉鉱業は九千万ですかで買ったものが開発公社には一億八千万円、一年間で倍になったという金額の差、こういうことは県や市でも十分な討議がなされて、疑惑を解明するためにいろんなことが言われているんだろうと思います。私、そんなことまでここで云々しようとは思いませんけれども、ほんとうに市民の立場に立ちますと不可解きわまりない話でありますし、こういう一つの話の流れの中からいきましても、どうも県が積極的にこのとき指示したことをしなかったのか、そのあと土地利用計画についても、市長から、まあ、これは土地利用計画、ないからおまえんとこでつくれと言われてあしたすぐつくるなんというわけにいきません。ある程度時間がかかることも当然だと思いますし、全然なかったわけじゃ決してないわけで、いろんな検討はされておったわけで、ただ、今日のように異常な地価の高騰とか時代の社会的な変動、こういうものもございまして、四十七年の前後ですからいろんないきさつがあったろうと思うんですが、どうもここ筋が通らぬ問題が多々ある。そのいきさつについてはある程度県のほうから事情を聞かれたと思うんですけれども、しかし、自治省としましても、これ十分に納得いかれる筋が、先ほど答弁の中にありましたように、理解し得ない何点かもあるようでございますけれども、どうもすっきりしない。議会で一応議決したとしましても、議会で議決したからといって県でそれをすなおに受け入れるか今後に問題があることだと思います。こういうことからいたしまして、どうも市と県との間にいろんな感情的なものもだんだん、十何年の間ですから、それから県会議員の方が社長さんであるということや、それから市として売っていただきたいと思ったときには卯根倉工業は市には売らぬと言う。こういうこともございまして、どうしてもこれは行政的に自治省として二度とこういう問題の起きないようにやっぱり究明ということを、これただ単に一地方に起きた問題ではなくて、あるいは他にも類似した問題も考えられるわけでありますし、自治省としてもこれは真剣に取り組む必要があるんじゃないか。こういうことから、担当官を派遣いたしましてこの実態というものを掌握し、そして解決の方途というものを見出すように私は提言するんですけれども、自治省、大臣どうでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) 御指摘になりました秋田県大館市の土地の問題、私も初めて伺うようなことで、あまり深い内容については承知をいたしていないのでありますが、何と申しましても、最近は地価が著しく高騰をするというようなことに関連をいたしまして、土地問題ということが私は大館市以外にもこういった問題がえてして起こりがちのことではないかと、かように考えるのでございまして、秋田県のいまの場合は、あるいは県と市との間にこの問題の処理をめぐりましてかなり意見の対立があるという御指摘のようでございますが、こういった問題は、私が申し上げるまでもなく、当然地元の県なりあるいは市なり、あるいはいまお話がございました県の土地開発公社なり市の財産区なり一体となりまして、みなでよく話し合いをして私は解決をはかるべき問題だというように考えるのでございます。いま藤原議員から特に県なり市なりの双方をひとつ呼んで、あるいは係官を派遣して云々と、こういう御指摘でございますが、自治省といたしましてはできるだけ地方にこういったことに関する紛擾というようなもののなくなることを強く期待をいたしておるわけでございますので、一度ひとつ県なり市の双方の意見を聞きまして検討を加えて、もし必要がございますれば適当な助言等を行なうということについて検討をいたしてみたい、こう考える次第でございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) まあ、大臣から積極的なお話がございましたが、大臣のお話しのように、ひとつ政治不信といいますか、こういう根を断つという上からおきまして、ひとつ徹底してやっていただきたいと思います。  私、先ほど申し上げました何点かの問題もはらんでおりますし、自治省自体もまた十分に実情を把握していないという面もあるようでございますし、これは当然のことだと思うんでありますが、その点ひとつ積極的に解決の方途を見出すように努力していただきたいと思うんです。決して、当初局長さんおっしゃっていたように、見つかったみたいな簡単なことじゃないと私は現地からそう聞いているわけです。これはこれで終わります。  そして次の問題に移りますが、最近の異常な諸物価の高騰、資材の高騰やまた労働賃金の上昇によりまして、業者の請負工事ですね、これが非常に行き詰まる、まあいま問題が起きておるわけであります。公共事業を請け負った業者に対して建設省といたしましてはどのような対策を講じていらっしゃるのか、まずそこからちょっとお伺いしたいと思います。

重見博一建設省大臣官房地方厚生課長

○説明員(重見博一君) 昨年の七月時点におきまして鋼材価格が飛び抜けて上昇したことがあるわけでございます。その後資材、労務につきまして価格が著しく上昇してまいった次第でございます。それに対処いたしまして、建設省といたしましては三度にわたりまして通達を出して対策を立てたわけでございます。まず最初に、先ほども申しました鋼材の上昇に対しまして、鋼材だけを取り上げまして、昨年の九月十九日付の官房長通達で、昨年の七月一日以降の鋼材価格の上昇分につきまして工期末に増額変更するという措置をとったわけでございます。それに続きまして第二回目の措置といたしまして、その後鋼材以外の資材がまた上昇してまいりまして、それに対処いたしまして昨年十二月の六日付の官房長通達で措置をしたわけでございますが、その措置の内容は直接工事費に占めるウエートが五%以上でかつ基準日単価が設計単価に比較しまして二〇%以上上昇している建設資材、なお直接工事費に占めるウエートが二〇%以上の建設資材については、単価が一五%以上上昇しているそのような資材を対象といたしまして措置したわけでございます。続きまして、その後さらに労務その他の資材にも上昇傾向があらわれてまいりましたので、それに対処いたしまして、ことしの一月十四付の官房長通達をもって措置したわけでございます。それで、その内容は、設計書による設計労務単価に比べまして基準日における設計労務単価が上昇している労務費をすべて対象とする。措置の第二点は、直接工事費に占めるウエートが二%以上でかつ基準日単価が設計単価に比べまして一〇%以上上昇している建設資材を対象とする措置をとったようなことで、以上が建設省といたしましてとりました措置の概要でございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 通例インフレ条項と、こう言っておりますが、このインフレ条項がどういうときに発動されるかというその基準ですか、それを、いまお話しありましたようなことを措置することによりましてどういう効果があらわれたと評価していらっしゃるか、この評価ですね、それから、しばしば公共事業であっても落札しないということが報じられておりましたけれども、これによりまして落札しなかったものがどのぐらい契約できるようになったのか、その間の事情をちょっとお聞きしたいと思います。

重見博一建設省大臣官房地方厚生課長

○説明員(重見博一君) 御承知のように、昨年の特に十二月時点におきましては、いわゆるその契約がととのわない不調件数というものが、直轄事業だけを取り上げましても数十件に及んでいたわけでございますが、今日におきましては、そのような不調件数はほとんど直轄について調査いたしました限りでは見られないような状況になっているわけでございます。  なお、これの措置が全国におきましてどのように実施されているか、適用されているかという点でございますが、建設省所管事業についてでございますが、国直轄事業につきましては、この基準に該当するものにつきましては全面的に適用をしているところでございます。なお、都道府県につきましても、現在まだ確定作業中でございますので、はっきりした数字は出ておりませんが、現在までの調査結果から推定いたしますと、都道府県段階では大半の都道府県で実施されているようでございます。ただ市町村段階、特に小さなところにおきましては、若干その適用率が下回っているように考えているわけでございます。  それから、前後いたしましたが、どのような場合にこの措置を適用するのかということでございますが、建設省の直轄事業につきましては、その適用の基準は、約款の二十条六項に定められているわけでございまして、その二十条六項は、賃金または物価に著しい変動を生じまして、請負代金が著しく不適当になったときに、発注者と受注者が協議をして請負代金額の変更措置をするということを取りきめるというようになっているわけでございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 建設大臣官房長から知事に出された通達、四十九年一月十四日ですね、この中に、「工事の適正な施工の確保を図るため」とありますけれども、これはどういうことを意味するのかということ、それから一番最後のほうに「貴管下市町村に対してもその旨周知徹底されるようお願い」しますとありますけれども、「周知徹底」というのは何をさすのか、こういうことについてちょっとお伺いしたいんですけれども、この「周知徹底」というのは、予算措置に至るまでも考え合わせようということなのかどうなのか、その辺ちょっと。

重見博一建設省大臣官房地方厚生課長

○説明員(重見博一君) 適正な工事の施工を確保するよう、という意味でございますが、これは、直轄の事業につきましては、たとえばほかの事業でいろんな関係で進んでいないところで財源が余っているようなものがあれば、それを回してそこの工事を計画どおりに実施するとか、あるいは場合によっては道路の延長を若干その年度内において減らしまして、減らした分をこの措置に要する費用に充てて、また次年度以降におきまして必要なところの工事をするとかいうようなことで、この措置のために現地におきまして困ることがないようにというような意味合いのものでございます。これは、ただいま申しましたのは、建設省の直轄の工事についてでございます。  なお、知事あての文書におきまして、管下市町村にもその趣旨を周知徹底されたい、ということにつきましては、地方公共団体に対しましては、直轄の国の機関と違いまして、建設省といたしましては、このような措置を国でも直轄工事でとりますので、地方公共団体の実施されます工事についても建設省所管の事業につきまして同様の措置をとられても差しつかえない、補助財源につきましては、それに応じた措置をいたしますというような意味合いがあるわけでございまして、その「周知徹底」と申しますのは、そういう、ただいま申しましたような財源措置等につきましても含めて考えているわけでございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) いまお話がありましたけれども、余った財源があったらなんて、こういうときですから、余るほどの財源があるわけがございませんし、結局、工事量にしわ寄せを受けるということになるだろうと思う。市町村におきましても、千差万別でありますけれども、やっぱり予算措置を十分にしないでこういうことをいたしますと、やはり財政力の弱いところに非常にこの圧迫が来るということは想像にかたくないところですし、そういう点で、補助事業や単独事業に対して物価スライドに相当する地方負担分に対する財源の措置というものはどうしてもこれは必要じゃないか、これは自治省のほうになるのかと思いますけれども。こういう現況の中にありまして、一千六百八十億ですか交付税を減額するということは一体どういうことなのか。少しぐらい補助基準を上げたといたしましても、とても今日のこの超過負担を穴埋めできるものじゃございませんし、工事量にしわ寄せが来るということになりますと、財政力の弱いところは、結局大事な事業に対してもいろんな問題が起きてくる。こういうことから、財政措置をある程度講じてあげることも、財政力の弱い市町村に対しては、こういう措置が必要になってくるんじゃないか。これはやっぱり交付税のワク外から見るというふうにしなけりゃならぬじゃないかという、こういうことを痛感するんですけれども、こういうことに対して自治省はどうお考えですか。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきましたインフレ条項の発動あるいは単価の引き上げ、こういった問題が、四十八年度においては経済情勢の激動に対応いたしまして両三度にわたって行なわれております。これらにつきましては、十分建設省のほうとも打ち合わせをいたしまして、国庫補助の裏に相当する部分、あるいは地方財政計画上に計上いたしております単独事業の部分、こういうものにつきましては、それぞれの機会をつかまえまして、都道府県、市町村に財政措置をしてまいってきたところでございます。すなわち、十二月までの補正の問題については、総体で三百二十二億地方費を必要とするという計算をいたしておりますが、これは生活保護等の単価アップの問題も入っております。その中で五十八億は地方債によって措置をし、残余につきましては補正予算で計上いたしました地方普通交付税をもって配分をすでに完了をいたしております。また、一月以降の分についての単価アップが行なわれたことは先生御承知のとおりでございますが、これにつきましては、あらかじめ特別交付税の中に、金額が必ずしもその時点で明確でございませんでしたので、包括算入という形で十分見込んでおりますので、その種の措置は一応四十八年度分としては終止符を打っておるというふうに私どもとしては考えておるところでございます。  なお、千六百八十億の問題の御指摘がございましたが、これは四十九年度の問題でございます。先生御承知のように、本年度は地方税の税収入も相当ございますし、地方交付税も法律の定めに従いますれば相当の額にのぼるわけでございます。かたがた、歳出面におきましては、やはり地方財政も国の緊縮方針にある程度沿うべきであるという基本的な考えのもとに策定をされましたが、特に国の公共事業費の伸びがほとんどなかった。それに伴いまして予定をしております地方負担が相当額浮いてまいるという形に相なります。それやこれやの事情を勘案をいたしました場合に、ある程度地方財政計画上には計数的なゆとりが出てまいりました。御承知のように、千六百八十億はいずれ返さなければならない金でございます。財政計画上余裕のあるときに返済をいたしたいということで返済をいたす。と同時に、千六百八十億、国との折衝で、お返しをするわけでございますので、全部借金がこれできれいになくなるわけでございます。その千六百八十億の使途については、地方財政の運営に資するような形で使ってほしいという御要望を申し上げ、幾つかの問題で大蔵省と折衝して、ある程度当省の希望を入れていただく見通しもつきまして、これならば地方団体のためにもお役に立ってもらえるという判断がつきましたので、大臣が最終的に大蔵大臣と取りきめをなさったと、こういうふうに私どもは承知をいたしております。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) その問題については地方行政委員会でまたいろいろ議論いたしたいと思うんですけれども、まあ特交で一月に十分に措置したということですけれども、現在の超過負担の問題につきましては、これは容易ならざる事態であることはよく御存じのとおりです。そこへ持ってきまして、現在このインフレ条項によりましてある程度の措置がとられたといたしましても、財政力の弱いところについてはそれに対応し得ないところも出てくる。こういうところに対して、まあ財政力の強いところは別といたしましても、十分な配慮をいたしませんと、インフレ条項の適用だけでは工事量にしわ寄せが来るだけであって、市町村のせっかくの計画というものが大きく、大幅に狂ってしまうということはもう明白だと思います。こういうことからいいまして、インフレ条項を適用する際に、工事の値上がりになった分について、これを結局工事量を減らすという先ほどのお話、そうすると、最優先に何を工事するかという優先順位というものも考えなきゃなんない。福祉関係とか生活関連施設、こういうものを優先するというような、こういうことも当然考えてしかるべきだと思いますけれども、こういう点についての何かお考えとか、またやっていることがございましたら……。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 四十八年度もこれから申し上げる方向でやってまいりましたが、四十九年度におきましても、地方財政計画を策定するにあたりまして、大臣の強い御指示もいただきまして、社会福祉あるいは学校、生活関連施設、こういった住民の生活に直結するものについては地方財政計画上は何ら圧縮という気持ちを持たずに編成をいたしております。国のほうである程度前年同額程度にとめ置かれた道路とか河川とかそういったものについてはある程度押えておりまするけれども、先生御心配をいただいておるような問題については圧縮をいたしておりません。したがって、これらの計画が四十九年度実施されるにあたりまして、かりに単価が上がったという場合については、それは上がった部分だけ金額をふやすという形をとるべきであって、事業量を縮小すべきであるという考え方は当省としては持っておりません。そういう形にならないように、関係各省あるいは国庫当局に十分措置をお願いしてまいりたい、こう考えております。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 昨日の報道ですか、中小企業が三月およそ一千件から倒産をしたということがございました。非常に深刻な事態に立ち至っているわけであります。いやしくも公共事業の仕事に携わって、それが大きな痛手をこうむるなんということがあってはならぬ、こういうところから、こういういろんな措置が考えられているだろうと思うんですが、実際的に工事をする、またその現場におきます実施段階ではいろんな対策が講じられておるんですが、市町村等における工事のスライド実施の要件といいますか、補助工事については全面的にこれを対象にするという、これは各県、市町村、いろんな取りきめあるようですから全国一律ではないだろうと思うんですけれども、あるところによりますと、これはいいといたしまして、次の補助工事でも、最終年度工事については対象としないという、ただし災害復旧工事については対象にするんだという、こういうことをきめているところがある。それから単独工事については、一千万以上の工事については対象とするが、それ以下の工事については対象にしないと、こういうことをきめているところもあるようであります。われわれからいたしますと、最終年度の工事、これはあっちこっちから、もう最終年度ですから、結局予算の流用ができないということでこういうふうにしたんじゃないか。また、一千万以上は対象にするけれども、一千万以下については対象にしないということは、実際は中小零細な企業の方々に対してより手厚くなけりゃならぬはずなのに、一千万以下の工事には対象にしないということですと、たいへんに業者の方々は苦しい思いをするんじゃないか。特に一番力を入れなけりゃならない方々が見捨てられるような形になる。こういうことを私は痛感するんですけれども、これはいろいろに各県、各市町村——地方自治体で御検討のようでありますが、自治省としましても、こういう問題については十分に掌握なさっていらっしゃると思うんですが、最終年度工事について対象にしないということや、一千万円以下は対象にしないんだという、こういうことについて自治省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、これをひとつお伺いしたいと思います。

松浦功自治省財政局長

○政府委員(松浦功君) 全国には非常にたくさんの町村がございますので、これまでのやり方につきましても、非常に安く上げるようにいろいろ知恵をしぼっておる団体もございます。それから単価の問題につきましても、非常に現在では地方にばらつきがあるようでございます。したがって、具体的にどういうことであるか私どもよく存じないわけでございますが、法律的に違反をしないで適正な契約ができる限りにおいては、各地方公共団体ごとが健全な常識に従って御判断をいただく。それによってできるだけ経費の効率的な執行に当たるということは当然のことであろうかと思いますが、あまり常識をはずれたことが行なわれるということになりますると、私どもとしては当然問題になろうかと思います。ただ、契約条項等の取り扱いにつきましては、先般の地方行政委員会でも御質問を受けて、私のほうではとてもできませんということを申し上げたわけでございますが、私のほうには技術屋もおりませんし、そういう意味では、建設省のほうで契約その他の問題は国の制度に準じて当然地方団体もやっていただけるという形でいままでおります。極端な事例がございますれば、私どものほうで調べまして、是正すべき必要のあるような点があればそういう措置もとらせていただきたいと考えております。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) 建設省、いまの二点どうお考えですか。

重見博一建設省大臣官房地方厚生課長

○説明員(重見博一君) 建設省といたしましては、官房長通達で各公共団体にお願いいたしておりますように、その趣旨が十分に実施されることを要望しているわけでございまして、特に、著しくそれから離れるような状態というのは望ましくないというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) いまのこの二点について具体的に。

重見博一建設省大臣官房地方厚生課長

○説明員(重見博一君) 第一の、最終補助事業につきましての最終年度工事について適用しないという件でございますが、建設省といたしましては、補助金につきましては、たとえば用地問題が難航して工事が実施できないような工事とかいうようなものが、例年年度末には出てまいるわけでございまして、その財源をもちまして、この価格変動条項を適用しない場合でございましても、いろいろと設計変更等の財源に充てているような状態でございます。何らかの方法によりまして、最終年度におきましても、その財源措置ができるようになることが望ましいというふうに考えております。  それから第二点の、単独事業の問題でございますが、これにつきましては、この官房長通達でも実は触れてないわけでございます。と申しますのは、これは地方自治体の全く独自の財源でございますので、建設省といたしまして、それについて通達の中に盛り込まなかったわけでございますが、やはり事柄は同じだと思っておりますので、建設省としましては、単独事業につきましても、同様の措置がされることを望んでいるわけでございます。

藤原房雄公明党

○分科担当委員外委員(藤原房雄君) もうこれで終わりますが、大臣、いまお聞きのように、好ましくないようなこともあえてしなきゃならないほど、地方自治体におきましては、まあこれインフレ条項ありまして、そういう措置をとろうとしましても、実際、非常に財政的にでき得ないという、こういうこともありまして、これはまあ何も一方的に地方自治体で押しつけたわけでございませんで、業者との間の協議でやっておるわけでありますから、こういう現実的な問題、もっとひとつしっかり見定めていただきまして、地方財政に対する公共事業の推進ということに対しまして、ひとつ積極的に取り組んでいただきたい。大臣の所信をちょっとお伺いして終わりたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) 最近の物価の著しい高騰によりまして、地方公共団体が計画をいたしておりました諸般の事業を進めていく上において、非常な障害にあったということは、私どもも重々承知をいたしておるところでございまして、したがって、昨年来、特に関係省庁におかれましても、このことを十分念頭に置いておられまするが、自治省といたしましても、地方の実情というものをよく見まして、特に地方公共団体としては、こういうような時節ではございましても、どうしても実施をいたさなければならぬというような事業は、できるだけこれが支障なく行なわれるようにしなければならぬという配慮のもとに、特に補助率等の引き上げを関係省庁にお願いをいたし、その裏負担になるべきものについては、自治省として交付税、地方債等においてできるだけこのめんどうを見るという基本的な態度で今日まで至った次第でございます。本年度は、一体これから物価がどういうような状況に相なるかということとも深い関連があるわけでございますが、いま政府が考えておりまするように、物価が一応安定をするということに相なってまいりまするならば、こういった事業の実施にもたいへん私は支障が少なくなる、まあこう考えておるのでございますが、不幸にして、さらに物価が上がるというような状況に相なりますれば、やはりどうしても必要な事業は、これはやめるというわけにまいらないものもたくさんございますので、そういうようなものの事業の実施には支障のないように、関係省ともよく御相談を申し上げながら、その推進に当たっていきたい、かように考えておるところでございます。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) この際、分科担当委員の異動について御報告をいたします。  鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君が選任されました。     —————————————

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、私は、限られた時間でございますので、同和対策事業関係に限ってお伺いをしたいと思います。  昨年の十一月以降、大阪の羽曳野市に対しましては、部落解放同盟大阪府連合会、いわゆる解同朝田一派と言われておりますが、これらによって窓口一本化を要求して、集団的な実力行使がひんぴんと繰り返されてまいっております。特に本年一月十四日以降はきわめて顕著であります。  そこで、まず最初にお伺いをいたしたいと思うのでございますが、国家公安委員長にお伺いをしたい。自治大臣、ひとつどうぞよろしくお願いしたいんですが。  去る二月二十三日の衆議院の予算委員会で、わが党の正森委員の質問に答えまして、国家公案委員長は、事件の報告は受けていると、で、捜査本部を設け捜査中とお答えになっておりますけれども、その後の捜査の進行状況、それから捜査の結果どうなっているかということについてお聞かせをいただきたいと思います。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) お答えいたします。  大阪府警察におきましては、羽曳野警察署に、羽曳野警察署長を本部長といたしまして、捜査本部を設置して、大阪府の警察本部から六名、羽曳野署から三名、隣接署から五名、計十四名で捜査体制を確立して、その後、捜査をずっと続けておりますが、お話のありましたように、昨年の十一月から現在まで八件、告訴事案が出ております。事件もかなり複雑でございますので、現在いろいろの方面から捜査を進めておりますが、事件によっては、告訴人のほうの御都合によってまだ告訴人の方から全部事情を聞き終わってないものもございます。また、被告訴人が特定していないという事件もございます。そういうことでございまして、捜査はかなり広範にわたり、むずかしい問題がございますが、現在そういう問題を一つ一つ解明して真相を明らかにするという努力を続けておる途中でございまして、いま直ちに事件がはっきりいたしまして、これを送付するという段階には至っておらない状況でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 この羽曳野市に対します部落解放同盟大阪府連、いわゆる解同朝田一派の組織的な動員というのは、これはいまもお答えにありましたように、すでに告訴をされておりますように、市長が監禁されておる。十四日には、市長が十五時間にわたって監禁をされておる、市の職員が暴力行為を受けておる、こういう状態が起こっております。で、一月十四日以降、連日こういった状態が続いておって、一月十四日には、総勢八百人ないし千人といわれ、その後連日二月末まで、平均二百人が役所の休日以外はほとんど毎日押しかけてきておるわけです。しかも、その内容は、一月十四日の不退去罪行為あるいは職員への暴力行為をはじめ、連日市民の待合室を占拠し、あるいは市役所の職場に入り込んで、公務の妨害を行なうあるいは脅迫など、全く目に余るものがあっておるわけでございます。で、これらの、いわゆる解同朝田一派といわれるこれらの人たちの動員部隊の中に、地方公務員が相当数参加しておったという事実がありますが、これは警察庁、自治省、両方ともですが、その実態を調査してつかんでおられるかどうか、これを明らかにしていただきたいと思うわけです。

山本鎮彦警察庁警備局長

○政府委員(山本鎮彦君) 私どもは、参加者個々についての調査はいたしておりません。ただ、捜査の過程で、もちろんはっきりすれば、そういう事実があれば出てくると思いますが、いまのところそういうような事実を把握いたしておりません。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 現在警察当局の調べもあまり進んでいないようでございますが、私のほうもその事実をはっきりはつかんでおりません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 御存じないようでございますので、具体的にそれでは申し上げたいと思いますけれども、わが党の大阪市会議員団が、去る二月二十六日大阪市当局に対してただしたのに対しまして、大阪市の稲田職員局長、その方がこう言っているわけです。「調査の結果、羽曳野市への組合からの動員は、確認できるだけでも、一月二十一日、二十三日、二十四日、二十五日と二十八日行なわれていることが確認をされているが、市従業員組合から約三十名、市職員組合から約三十名、合計約六十名が一日平均して、参加している。これらは「年休」で行っている」と。それからもう一つは、「環境事業局からは、「研修」という形で一月二十一日に十五名羽曳野市へ行っている。」このことを大阪市の稲田職員局長が明らかにしております。そこで、これだけ大ぜいの地方公務員が、暴力行為が起こっておるようないわゆる解同朝田一派の動員に参加をしたこと自体、全くゆゆしい問題だと思うのですけれども、自治大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) その動員をされた人がどこへ行ってどういうことをやったかということについてつまびらかな情報を得ておりませんのでございますけれども、いやしくも自治体の職員が、地方公務員法に違反するようなことがあってはこれはゆゆしい問題であると私も全く考える次第でございます。  そこで、そういう職員に対してどういう調査をし、どういう措置をとるかということは、これは大阪、先生大阪市とおっしゃいましたか、その当該自治体がそれぞれの内規、その他に照らして処置すべきものと考えられます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いま申し上げた中で、特に重大だと思われますのは、環境事業局の職員十五名が、業務命令で出張なんですね。業務命令による出張で、同和研修という名前で羽曳野に参加をしていることなんです。この事実につきましても、わが党大阪市会議員団が、市当局に対していろいろただしております。その中でこういうふうにお答えになっている。ちょっと具体的にどういうふうに答えたかを申し上げてみたいと思いますけれども、大阪市の環境事業局南野業務部長と山崎労務課長お二人にただしているわけですが、こういうお答えをしている。一月二十二日、各出張所、いわゆる環境事業局の「各出張所所長を集めて事情を聞いたところ、一月二十一日には東住吉出張所から七人、住吉出張所から二人、自動車事務所から六人、計十五人羽曳野市へ行っていることを確認した。この二十一日の出張は、局長の承認を得た「同和研修命令」に基づいて行なわれた。ただ、羽曳野市へ行けと指示したことはない。」こういうふうに、しかも、「この研修命令の指示は私が行なった。」と言ったんですが、私というのは山崎労務課長が私が行なったと。それでは研修の内容は何だというふうにいろいろとただしたところが、一般的な研修だということだけを繰り返された。で、労務課長が私が指示をしたということで、いろいろとただしている過程で、実は研修の命令権者というのは部局長でなけりゃならぬのだ、だから、研修命令は局として出したんだから、責任は局長なんだということを最終的に認めて、そして羽曳野市へ行けとは言わなかったけれども、羽曳野市へ行って、そういうふうな状況に参加をしたということであれば、しかも、市の業務を妨害するというふうなことになったのならこれは違法だと考えるというふうに答えておるわけです。  そこで自治省の御見解を伺いたいわけですけれども、羽曳野市の市庁舎の占拠あるいは実力行使、こういうふうなやり方、これをやってきたいわゆる解同朝田一派の動員参加、こういうものが、地方公務員法第三十九条に定められている研修に該当すると考えられるかどうか、まず最初に御見解を伺いたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 研修というものは、地方団体に勤務する公務員の能力の開発なり素質の向上のために行なわれるべきものでございます。当然その目的からは、その内容に常識的な限界があるはずだと存じております。そこでどういうものが研修の内容として適当かどうかというのは、まさにそれぞれの地方団体の任命権者が御判断されることでございますので、その任命権者がどういうおつもりでどういう研修の内容を命じたか、いま先生の御指摘になった事件については私のほうはつまびらかにしておりませんが、いずれにせよ研修の目的をはずれるということがあってはならないであろうと考える次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 市当局は、業務命令を行なった同和研修の目的、それから場所、研修内容については、これはわが党市会議員団のただしたところに対してはいずれも答えていない。ただ一般的な同和研修でございますと答えただけなんです。行き先である場所も、それから研修の目的も内容もわからずに、局長が出張命令出すというのは、こんな研修命令というのは、これは一般的には大体考えられないことだと思うんです。どうでしょう、その点。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 具体的な事情がわかりませんので、私のほうは、特にこの件についての判断は非常にむずかしゅうございますけれども、一般的には研修というものは、その職員の素質の向上、知識の吸収、そういうもののためにしかるべき目的を付し、しかるべき方法を指示してやられるのが通常であろうと考えられます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 局長は、具体的にわからぬからとおっしゃるけれども、研修についてはこれはもうちゃんと法に定めがあるわけですね。だから、その点については私もよく承知をしておりますけれども、少なくとも行政の局長が、出張命令を出すのに、行き先も、目的も、内容もわからぬと、そんな出張命令出すというような行政府がどこにありますか、実際。これは私はおわかりにならぬと思うから、わざわざ大阪市におけるわが党議員団と大阪市当局の責任者との話し合いの内容を具体的に申し上げて、事実を明らかにしているわけです。それが事実だったらどうですか。これは事実のありのまま申し上げておるのだけれども、どう思われますか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 一般的にはまさに先生の御指摘のとおりでございます。研修なり、出張命令というものは、具体的な目的を持ち、具体的な行き先その他を指示するのが通常の姿である、そういう姿でないものは、これは奇妙であるということは、御指摘のとおりだと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると、行き先も、目的も内容もわからぬで、局長名で出張命令が出されているというのは、地方公務員法の三十九条に基づく研修の項にはこれは抵触しませんか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 地方団体のそれぞれの任命権者においてこれが妥当なりと判断して出される研修なり出張命令というものに、そういうものがあるということは私どうも信じられない気がいたします。私自身が出張命令を出すにいたしましても、その辺は非常に明確にするのが通常の姿であると考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ここで申し上げたら信じられないようなことが起こっておるわけです。地方団体の自主性で何をやってもよろしいということでまかしているわけじゃないでしょう。ちゃんと基準を明確に示しているわけです。基準というのは、地方自治法、地方公務員法あるいは憲法、そういったこの法律の定めに従って自主性を尊重するという立場ですよね。この局長自身が考えられないようなことが横行しているということになればね、これは違法性が考えられないかということを申し上げておる。その点はっきりしてくださいよね。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 研修あるいは出張というような内容について、具体的な基準というものはまああまり示しておりませんので、むしろその辺は当然地方行政に携わる者の良識の範囲で地方団体が独自におやりになる。ですから、私いま信じられないと申し上げたのでございまして、地方自治体はそこまでわれわれのほうが干渉するものではない。そういうものについてはまさに御自分の判断でおやりになるからこそ、また地方自治の内容でもございます。   〔主査退席、副主査着席〕 ですから、いまの研修の内容あるいは公務出張命令を出すときに、これこれこうしろああしろというこまかい基準までを一々私のほうは示してございませんので、むしろもう常識の部類に属するものであると、こういう判断いたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 常識の部類に属するなんてね、それはあんた、地方団体がね、行政を行なうのにね、常識でやってだけでいいですか。やっぱり法に準拠して行政というのは行なわなければならない定めになっているんでしょう。局長が考えられないというようなことが現実に行なわれている。これはあれですよ、私、つくりごと言うているんじゃなくてね、大阪市の当局者、ちゃんと名前も申し上げた。ちゃんとしたお答えを申し上げておる。こんなことが横行しては困るから私は指摘しているのでね。直ちに調査をしてね、違法性があるという疑いがあるならね、正させる必要があります。その点はどうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 常識と申しましたが、私は良識という気持ちがいたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 良識ですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) はい。地方団体の行政の当局者が、それに必要な行政を推進するにつきましては、まあそれぞれ良識の範囲内でしていらっしゃるものと確信しておりますし、またそのためにこそ地方に議会があり、地方の住民の批判があり、そういう住民なり議会なりの批判に基づいて、地方行政が進められていくべきものでございまして、そういうまあ良識というか常識というか、その範囲にまで実は私のほうが一つ一つ手をとってということは、これはもうとても全国のたくさんの自治体で、できかねますが、また現実には、それぞれの地方団体で、そういう良識なり常識に基づいての正しいやり方が進められているもの、こういうふうに考えておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いや、あのね、どうもはっきりなさらないので、私もう少し申し上げますとね、これは大阪市の当局者は、わが党市会議員団の追及に対して、一月二十一日には環境事業局からこれは局長名で出張命令を出したと、で、もし行った先でね、羽曳野市で業務妨害をしたのだったら違法でありますと、今後はこういうことが起こらないように注意をいたしますと言うているんですよ。本人がね、これは改めなならぬ言うているのに、指導監督をせないかぬ自治省がね、そんなコンニャクみたいなことを言うておられたら、どうするのですか。もっとはっきりしなさいよ。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) もちろんよその自治体へ出かけて行って業務妨害をするというような研修なり出張なりあるはずがないと思いますし、したがいまして、その大阪市の当局者が、そうであれば違法だ、今後やらないという反省を加えるのは当然だと存じます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あるはずがないことがあっているから問題にしているのですよ。これはもうだれが考えても、ちゃんと適法的にやられているのだったら私こんなことを繰り返し申し上げませんよ。現実にあっている。しかも、行ったということは、市の当局者は認めている。そういう事態に対して、自治省はどうなさるかと申し上げているんですから、もっとはっきりなさいよ。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 繰り返し申し上げるようでございますが、そういう地方団体の行政運営の基本に関することにつきましては、その地方公共団体で良識ある取り扱いをなさる、こう信じておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これまたこう同じことしか繰り返されないんですけれども、私は、このこういった目的も行き場所も内容もわからぬような出張命令を出すというふうなやり方、しかも、研修命令だというふうなやり方については、これは明らかに法の定めに違反する疑いが十分ありますよ。その点は厳重に調査をして、そして事実であれば撤回をさせるべきだ。誤りは正せばいいんじゃないですか。それを何となく自主性にまかせるということでお逃げになるという態度は、これは厳に慎むべきだと思いますよ。  特に、その命令の問題だけでも問題ですけれども、さらに言いますならば、これは地方公務員法の三十条にも述べられていますように、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げて」云々と、また憲法の第十五条には、「すべて公務員は、全體の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」というふうにちゃんと規定されておるわけです。これはもう皆さんのほうがよく御承知なんです。ところがです、この場合には、特定の目的で組織をされておるですよ——これは独自の特定目的です——で、組織をされておる解同府連のいわゆる朝田一派の組織動員の一員としてですよ、特定の目的のために、公務として参加をするということ自体ですよ、これは憲法十五条、いま申し上げた地公法の三十条、これに違反する違反行為であると考えられないか。これは私が指摘せぬでも、あなた方のほうが本職じゃないですか。したがって、こんな行動というふうなことは、公務出張させたと、こういう中身も明確なんですから、お認めになっているんですからね、市当局も。こういうことは、明らかに違法行為だというふうに思いますけれども、再度お尋ねをしたいけれども、明確にしていただきたい。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 公務出張なり研修なりの内容が、いま先生の御指摘のような、たとえばよその団体へ行ってそこの業務を妨害するというようなものであれば、これはまさに公務とは考えられないことでございます。是正すべきものはその地方団体においてしっかりと責任を追及されて是正すると、これがまあ正しいやり方であろうと考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 で、まあいまのお答えで、ひとつ御調査を願えますね。御調査を願えますね。で、そういった違法性の疑いがあれば訂正をさせますね。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 地方団体の姿勢を正すべき行動は、その地方団体の自主性において行なわるべきもので、私のほうから一つ一つそこまで手とり足とりやるということは、まあ地方自治の問題にも触れてまいりますし、そのような基本的なことは、当然その地方団体で是正さるべきものと考える次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あのね、地方団体の自主性ということは、何をやってもよろしいということの自主性ではないでしょう。したがって、国会でこの問題を取り上げて、自治省としては事情を調べて、その法律に違反するような事項に属することになっておれば、これは自治体として独自にこれは撤回をして是正をしなさいというふうな指導や援助というのは、これは行政指導じゃないんですか。それもやらぬのですか、自治省というのは。何もせぬのですか。その辺ははっきりしておいてもらいたい。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 先ほどお話がございましたような公務員法の趣旨、その他一般的な考え方については、常に全体的な指導はやっております。ただ、個別の、個々の問題につきましては、それぞれの自主的な組織の範囲内で指導なり是正なりされる組織がございますので、それにもっぱらおまかせをするという考え方でふだんからきておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 しまいが何と言われたかわからぬかった。もうちょっとはっきり言ってください。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 当然いま問題になっておりますような、地方公務員の基本的姿勢につきましては、それぞれの自治体での是正なり指導なりが行なわれる、これがまあ地方自治の趣旨であろうと、こう考えておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると、自治体がかってにやるであろうからほうっておきますということですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 当然地方自治のその内容の問題その他につきましては、それぞれの団体の組織の中、あるいは議会あるいは世論というものが常にそういうものに関して批判をし、これを是正するという作用が行なわれている、ここにまた地方自治の本旨があるものと考えておりますので、私たちのほうは法の精神、その趣旨、その他の徹底について最善の努力を続けておりますけれども、個々の地方団体の個々の問題についてはあとう限りその地方団体の内部で処理をしていただく、こういう方針でおる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは常態のときは、その話でいいと思うんですよ。個々の問題、個々の事例では、どのように法の逸脱があっても一、自治省としては、あくまでその地方団体にまかしてほうっておくということですな、はっきりしておきますよ。そうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 当然地方団体の行政運営については、常識のある運営のしかたをそれぞれの地方団体でやっていただくものと思っておりますし、地方団体をそういう姿で指導してきております。それを繰り返して申し上げるしかございませんわけでございますが、個々の問題について直接私のほうからということは、都道府県というものもございますし、一般的には、そこまで手が回りかねるというのも実情でございますので、自治行政の運営については、一般的な心がまえなり、一般的な基準というものの御指導といいますか、あるいは助言といいますか、そういうものを尽くさしていただいておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あんた何という失礼なことを言う、一般的な問題では手が回りかねるなんて何を言うんですか。具体的な問題でこういう事例が起こっているじゃないかということで、具体問題で私は指摘している。これも調査をするのは手が回りかねるんですか。一般的な問題にすりかえるんですか。はっきりしましょうよ。何という態度ですか、自治省は。そういうことですか。ゆゆしい問題ですよ。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 出張命令とか、あるいは研修とか、そういうものは自治体の事務について常に起こってまいる問題でございます。そのこと自体が、自治体の事務の運営の、何と申しますか、基本的な手段ということでございましょう。したがって、その出張命令の個々の適否、あるいは研修の内容の個々の適否ということにつきましては、その地方団体で責任者が自主的に判断をなさり、したがって、命令をなさり、思考なさり、不都合があれば是正をなさる、これが地方自治の趣旨であろう、こういうふうに考える次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは一般論にすりかえて、私が指摘をして申し上げている点について調査をしてみるともおっしゃらぬのですね。手が回らぬのですね。そうなんですか。何という態度ですか、それは。はっきりしましょうよ。しないんですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 個々の一つ一つの問題について調査するということは、非常に困難な問題も伴うわけでございます。それよりも、こういった基本的問題についての一般的な地方団体の姿勢というもの、これについて御指導もし、御相談も申し上げたい、こう言っておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私は、一般的指導も強化をしていただかなきゃならぬと思います。しかし、こういう特殊な事例が出ているんだから、少なくとも自治省としては、調査をして、必要な助言なり、援助なりをやるべきだということを言っているんです。それはもうじゃまくそうてやれぬですか、手が回らぬからやれぬですか。大臣どうなんですか、これ。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) 先ほど来いろいろ大阪府下に起こった問題についての御指摘であり、お答えを局長から申し上げておったところでありますが、まあ私は、今度の事件、先ほど沓脱委員も言われておりましたが、当該問題については、大阪の市の局長が、その点についてはどうも出張命令等のやり方が間違っておったということを認めておられたという御指摘でございますので、おそらく先ほど来お話しの良識ある大阪市の当局といたしましては、そういった点の反省に基づいて、今後そういったことが繰り返されるということはおそらく私はやらないという考えで、そのお答えをされたもの、こう考えておりまするので、そういう事情が明らかでございまする以上、特に個々の問題について、いま自治省からさらにその点についての指導を申し上げるということは、私は、先ほどのお話を伺いながら必要がないのではないか、こう感じたところであります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それは、私が申し上げたことに若干誤解をしておられると思うんです。現実には、出張命令の取り消し、撤回はやられていないんです。ちゃんと出張旅費も支給されてそのままなんですよ。誤りは正せばいいわけですからね。そのままになっておるという状態なんだから、私は問題を提起しているんであって、完全に解決をしておるなら、これは私いま提起をする必要がないわけです。これは大臣からお伺いするまでもなく、そのことは理解できます。未解決だから、問題を投げておるわけですから、少なくとも、事情は調査をなさっていただいて、適切な措置をとるような助言や援助というのは、当然行政指導上必要だと思うので、特にお伺いをしているんでございますから、若干の誤解があるようですから再度お伺いをしておきたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) 先ほど私が沓脱委員からの御設問の中での問題についてお答えを申し上げたんでありますが、すでに私は、市の最高幹部の局長が、そういったことは誤りだったということを認めまして、そしてそれに対する今後のことを明らかにしておるということであれば、私はそれ以上、いま特に、大阪市という大きな自治体でございまして、御承知のように、こういうところに対して、個々の問題について指導をするというようなことは、よほど特別のことがない限りは、自治省としては大体において行なっていないというような例から考え、いわんやその措置をどういうふうに——すでに一たん出かけてしまったものを、取り消したからといって、それが戻るわけのものでもございませんし、おそらく将来にわたってそういう誤りは再び繰り返さないということを私は言われたものと、こう考えるのでございまするし、御承知のとおり、現在の地方自治法等におきましては、この市当局の行ないまする行政措置等について非違があるという場合には、もとより監査委員といったような制度等もございまして、みずから自主的にそういうものの適正な行政措置を講ずるというような、御承知のとおり組織にもなっておるわけでございまして、おそらく私は、そういったものは、そういう機関がこれらの問題に適切に対処されるものと、かように考えておるところでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは大臣ね、大臣がおっしゃったように、その出張命令は誤りであったから、今後そういうことはしないようにしますということであったなら、私はきょうこの問題を提起しないんです。これは局長が出した研修目的による出張命令ですと、それじゃ目的は、行き先は、内容は何だと言ったら、それはわからぬと、一般的な同和研修でございますと、これしか言っていないんですよ。だから、それでは困るではないかと言っているんで、大臣がおっしゃるようになっているんだったら、私何も声を大にして、たくさんの時間をとってものを言わなくて済むわけです。そうなっていないんです。そこが大臣の誤解をしておられる点だということを先ほど申し上げたんですが、これはここでかかずらっておってもしようがないので、どうも事情を調査して明らかにし、必要な助言や援助をしようという態度をおとりになろうとする態度が見えませんけれども、特に、なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、こういうふうな、先ほど局長が言われたように、常識で考えられない、局長だったら、こんなこと何で起こるのかと思えるようなことが起こっている事態、この背景があるわけですよ、実際には。  具体的に申し上げますと、これはすでに衆議院の予算委員会で、わが党の正森議員が指摘しておりますが、いわゆるこの解同府連の矢田支部ですね、これは一月二十一日に羽曳野市への動員のために、市の教職員になりかわって、学校長に対して出張届けを出して学校長にこれを認めさしているんです。これ、写しありますけどね、写しが。これ出張届け、届け人は、部落解放同盟大阪府連合会矢田支部、こういうものが出ているんです。こういう事態が起こっているわけですから、まず自治省にお聞かせをいただきたいのは、職員の出張届けを、外部団体が代行して提出をするというようなこと、これは認められますか。何ぼ自主性のある自治体やいうても、そんなこと好きかってに、どこでもやっているんですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 出張届けというのが私はよくわかりませんで、出張は出張命令を待って出張をしなきゃならないもので、職員のほうからかってに出張して、その出張届けをするということはとても考えられないことでございまして、ましてそれを外部がやると、おっしゃるようなことは、私はもうあり得ないことだと考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 考えられないことが起こっている、考えられないことが。で、奥野文部大臣は、わが党の正森議員が、これは教職員の出張届けなんですよね、だから、文部大臣がお答えになっていらっしゃるんですけれども、どう言うてるかといったら、これはまことに不穏当なことだと思うというふうにおっしゃっている。で、先生方が教育の現場へおもむくんだったら当然だけれど、これは文部大臣のおことばそのものですよ、お話のような暴力行為が行なわれている場所とすれば一そうそういうところへは出かけるべきではないというふうに御答弁なさっているんです。しかも、外部団体の出張届けでね。出張扱いとしてくださいというただし書きがつけてあるんです。こういうことに対して自治大臣、先ほどの問題とからんでどうお考えになりますか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 文部大臣が文部行政の所管の御責任者として、そこでお述べになった感懐、私もまさに全く同感でございます。非常におかしなことであると考えますし、またその届けを出す者も出す者、また承認した者も承認した者という気がいたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ですから、先ほど申し上げたような環境事業局の出張命令の問題、あるいは他団体から市の職員の出張届けが出されていて、それによって出張がさせられている問題、こういういわば異常な事態が起こっているわけですから、少なくともこれは事情を御調査を願って、誤まりがあれば正させるように指導や援助をなさっていただきたいと思いますけれども、重ねてお伺いをしたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 御承知のとおり自治省というものがございまして、自治体の行政について責任を持つ、まことにそのとおりでございますけれども、自治体の行政というものは、その中身が教育行政であり、厚生行政であり、建設行政である。それぞれの行政についての指揮監督をする職務権限が政府においては各所に分かれております。そこで、それらを調整するために、この同和行政に関しては、総理府で一応相互の間の連絡調整をする、その連絡調整をするということで、まあ窓口を総理府にしておるわけでございますけれども、ただいま御指摘の問題は、もう教育行政に関する問題でございますし、同じようなことが出張という形でもそれぞれ、厚生にあり、まあ私のほうの所管する消防にもあるかと思いますが、それぞれの所管省で、それぞれの行政のやり方について問題があり、あるいは相談があれば、それぞれの適宜な指導をいたす、私のほうでそれらを教育行政であろうと、厚生行政であろうと、まとめてというわけにはまいらないわけでございますので、それぞれの省にもよく連絡いたしまして全体として誤りがないように持っていきたい。このように考えておる次第でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 じゃ、まあこの問題はこれぐらいにしまして、次にちょっとお伺いをしたいんですけれども、これは本年の二月、大阪市の浪速区の公立保育所、これは同和保育所ですが、四つの保育所です。浪速第二、第三、第四保育所一それから浪速乳児保育所の保母さんに対しまして、大阪市民生局が、部落解放同盟の歌である解放歌を園児に指導するように強要するというふうな事態が起きた。この解放歌の歌詞というものはどんなものかといいますと、これは保育所の子供に教えようと言っているんですから、歌の内容というのは問題になるわけです。ちょっと一番だけ読んでみますと、「あゝ解放の旗たかく、水平線にひるがえり、光と使命をにないたつ、三〇〇万の兄弟は、いまや奴れいの鉄鎖たち、自由のためにたたかわん」という、一番の歌詞はそういうことなんです。こういうふうな内容で、メロディーはどんなメロディーかというと、一高の寮歌ですね、「鳴呼玉杯に花うけて」、あのメロディーを使っている歌なんです。  そこで厚生省に——厚生省来ておられますか。おられませんか。それは困りましたな。で、まあ厚生省に聞いたら一番はっきりすると思うんですけれども、保育所というたら零歳から就学前児童ですね。そういう子供たちにこういうむずかしい歌詞のかなり複雑なメロディーの歌を教えようというふうなことというのは、これはやはり子供が理解できないし、教えるのにはふさわしくないということで、保母さんが反対をしているわけです、実際。これは一ぺん厚生省の御見解を聞きたいと思ったんですけれども、私、言いますがね。こんなものふさわしくないのきまっているわけですが、そういうのはやっぱりちょっと無理だというふうに反対をされた。保母さんたちは子供の発育段階ではこの歌は無理だ、ふさわしくない。それから少なくとも公立の保育所で、特定団体の歌を歌わせるというのはおかしいということで反対をした。そうしますと、大阪市は浪速地区内の保母さんを全員同和研修だといって業務命令を出して解放会館に集めて研修をした、こういうことが起こっているわけです。  そこで、行政当局が保母さんの意思を無視して、そういうことを強要するというのは、行政指導というのは妥当なのかどうか。これはずいぶん自治省は、地方団体には深甚の配慮を払っておられますけれども、地方団体がそういうたとえば保母さんたちに、そういう保育内容にわたる問題まで強要するというふうなことは、これは行政上妥当な措置だと思われますか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) 全く妥当な措置と思いません。非常におかしな措置であろうと考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういう同種のことが、大阪市立の榮小学校というところでも起こっているんです。三月の十六日、この間ですが、卒業式が行なわれました。そこで生徒全員に解放歌を歌わせるという事態が起こっている。卒業式の席上ですね。それで父兄の皆さん方何人かから、これは子供さんがその歌を学校で卒業式に歌うからいうて練習をさせられて、それでわかったわけですよ。それで親のほうから、そういうふうな無理なやり方というのはやめてほしいということで、学校当局へも、校長にも申し入れた。ところがこれが強行されているんですね、実際。これは文部省当局じゃないでしょうけれども、文部省来てくれてるんですか。

細川護煕自由民主党

○副主査(細川護熙君) 文部省来ておりますよ。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 文部省にお伺いしますけれども、こんなことというのはよろしいですかね。まあ少なくとも教育基本法の精神、私、教育にはあんまり詳しくありませんけれども教育基本法の精神に照らして、少なくとも小学校の卒業式で、まあ内容のいかんを問いませんよね、特定の団体の団体歌、そういう歌を卒業式という場で全員に歌わせるというふうなことが妥当なやり方なのかどうか。これについて御見解伺いたい。

島田治文部省初等中等教育局小学校教育課長

○説明員(島田治君) ただいまのお話でございますが、私、具体的な事情はつまびらかにしてないわけでございますけれども、一般に卒業式、入学式等学校の行事ということをどうやっておるかということを申し上げますと、これは小学校の場合は特別教育活動の中の学校行事と、こういうふうになっておりまして、そのやり方、行ない方といいますのは、学習指導要領で特別に書いておるわけでございます。具体的には、学校の地域の実態と、学校の生徒の実態と、こういうものに即して、先生方の意見を聞きながら校長さんが判断し、決定すると、こういうことでございます。いま具体的なお話があったわけでございますけれども、卒業式には卒業式おのずから多くの学校で行なわれている一つのふさわしい型があろうかと思うわけでございますけれども、解放歌というものがここで歌われたという事情を、逆にもう一つ具体的に私どもいまつかんでおりませんので、即断をいたしかねるところでございます。ただ申し上げられることは、教育はもちろん教育基本法にのっとって政治的に中立でなければならないということでございます。また、同和対策審議会の答申にも、そういう趣旨のことが書かれておるわけでございます。そういう基準にのっとって、具体的にどうかということについては、当該大阪市なら大阪市の教育委員会で良識をもって十分に御検討いただくことではないか、こう思うわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それも大阪市の教育委員会の良識で判断をさせるということですか。私は、少なくとも小学校や中学校、義務教育の基本というのは、これはわが党の政策でもありますけれども、少なくともこの義務教育というのは、基礎学力をつけ、豊かな情操を養い、市民道徳を身につけさせ、健康なからだを養うと、この健康なからだの育成をやっていくということが基本だと思うんです。少なくとも卒業式に、これは解放歌でなくてほかの歌であっても、一部の団体の歌を卒業式で歌わせるというふうなこと、こういうことがいまあなたがおっしゃった精神からして、妥当なのかどうかというのは少なくともお返事はできるはずでしょう。

島田治文部省初等中等教育局小学校教育課長

○説明員(島田治君) 一部の団体という御表現でございますが、団体といいましても、いろんな団体があるわけでございます。そういう意味では、国の機関以外の団体でもものすごくあるわけでございますから、財団法人もあれば、社団法人もあると、その中にはまたそういうところで歌をつくったりしてやっておる場合もあるわけでございます。したがって、抽象的に一がいに団体の歌だから悪いというようなことも言い切れない、こうは思いますけれども、卒業式のその場でどういう歌を歌うのが一番適切かということにつきましては、学校当局が児童の発達段階というものに沿って十分判断をしていただきたい問題と考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 時間がありませんので、これは深く追及するわけにはいきませんけれども、少なくともこれは解放歌というのが題字ですから、これは部落解放同盟の歌だということは明らかなんですね。で、父兄からも、そういうことは少なくとも卒業式ではやってもらいたくないという意見が出されているという状況のもとでは、これは当然教育の中立性の問題もあなたおっしゃったけれども、少なくともそういう立場からいいましても、こういうことを無理にやらせるということは妥当な姿ではなかろうかというふうに思うんですけれども、どうでしょう。結論だけ簡単におっしゃってください。

島田治文部省初等中等教育局小学校教育課長

○説明員(島田治君) したがって、卒業式等における具体的な行事のあり方、これは私ども常々一般的に学校にお願いしているわけでございますけれども、十分地域の実態と、児童の発達段階というのを、先生方がよく勘案して行なってほしい。こういうことで今後とも全体的な指導はしていきたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 どうも御答弁満足できませんけれども、時間がありませんから次にいきます。  次に、お伺いをいたしたいのは、昨年の五月の十七日、政府は関係九省の次官通達というのを都道府県知事、教育委員会、指定都市の市長、教育委員会に出されておりますが、   〔副主査退席、主査着席〕 この中で「同和対策事業の執行に当っては、同和対策行政のめざす受益が、対象地区住民に均しく及ぶことが必要であるので、行政の公平性と、対象地区住民の信頼の確保についても、今後とも充分留意されるようお願いする。おって、管下市町村に対しても、このことについての指導方について、よろしくお願いする」と、指導なさっていますね。通達出されておりますね。この各省次官通達というのは、現在も生きておりますか、どうですか。これは総理府の御見解を聞きたい。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) ただいま先生御指摘の、昨年五月十七日付の通達でございますが、それはあらためて申すまでもなく、元来同和対策行政というものが、地区住民の方と非常に緊密な連絡をとってその地域の実情に応じて行なわれなければならないという面がございます。と同時に、また関係地区住民をひとしく対象とするという意味で、行政の公平性を確保しなければならない、この二面を持っているわけでございます。これは当然のことでございますが、こういうことを五月十七日付の通達で出しておりますが、この通達の趣旨は現在でも生きているものと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それは当然生きていますわな。出したときだけでしまいというような通達はないでしょうね。  それでは、具体的に聞きたいんですが、こうして政府が懇切に御指導になっておるんだけれども、そのとおりいっていないその後の事態が起こっているので、ちょっとお聞かせいただきたいんですが、大阪市では現在、浪速区というところの浪速同和地区の同和対策事業として五つの施設の建設計画が進められております。で、すでに一部は着工しております。その五つの施設の建設計画というものは何かといいますと、栄小学校、これは衆議院でもだいぶ問題になりましたが、栄小学校の建設、これは五十億四千八百万円、それから老人福祉センター十四億四千五百万円、それから買物センター二十一億二千万円、解放会館二十五億四千九百万円、それから青少年会館、これはまだ予算が大阪市から明示されてない。この五つの計画が立てられておるわけです。で、いま申し上げた四つの事業計画の総計が百十一億六千三百二十一万円ということになっておるわけです。昨年の十二月二十日に開かれております大阪市会の財政総務常任委員会、ここでわが党の四方市会議員が、この新しい計画の中にある解放会館の使用について市当局にただした。その際に、山田同和対策部長は何と答えているかといいますと、窓口一本化を認めず、これを支持しないものには、浪速会館の使用は認めない、というふうにお答えになっています。また、昨年の八月三十日、これはもう通達を出された以後ですが、八月三十日の同じく財政総務常任委員会でわが党の若林議員が、これらの問題に関して質疑をしたのに、同じく大阪市の山田同和対策部長は、窓口一本化を認めないものには、大阪市の同和行政の基本的立場に合致しないので、それらの人々については、会館の使用は認められません、というふうに言っております。で、せっかく五月十七日に関係九省の次官通達を出して、先ほども御説明がありましたように、地区住民が公平に受益されるようにというふうにいわれておるんですけれども、それ以後になっても大阪市は、同じ地区の部落住民であっても、いわゆる窓口一本化の方針に従わないものには使わせませんと、こう言っておるわけです。こういう大阪市当局の——これははっきりした正式市会の公式答弁ですからね。こういう大阪市の方針というのは、政府のこの次官通達にある方針に明らかに反するものだと思いますけれども、どうでしょう。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 先ほど申し上げました同和対策事業に対する基本原則の一つは、地区住民との緊密な連絡をとる。もう一つは、地区住民をひとしく対象とする、いわば行政の公平といってもいいものだと思いますが、この二つは当然のことでございまして、政府は、この点につきまして、いわば基本方針を地方あてに流したわけでございます。そのあと、実際に通達の運用と申しますか、通達の趣旨に従ってやっていただくのは、これはあくまで地方公共団体がおやりになると、こういうふうになるわけでありまして、そこまで私どものほうからどうこうというお話はすべきではないと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ちょっとうまくおっしゃっていることがわかりにくかったんですけれども、この九省次官通達は、先ほどもあなたが御説明になっているように、少なくとも同和対策行政のめざす受益が対象地区住民にひとしく及ぶことが必要であるので、行政の公平性と対象地区住民の信頼の確保についても、今後、十分留意されたいというふうにいわれているのですよ。それでいま問題になっております解放会館というのは、いま私が申し上げたように、二十五億四千九百万をかけてつくる施設なんです。同じ地区住民であっても、いわゆる大阪府連朝田一派の方針に従わない人には使わせない、これでひとしく公平性になっていますか、受益が。受益をひとしく公平性を確保せよといって御指導になっている。ところが、大阪市は公開の席上で公然とそんな人には使わせませんといって、政府の方針に挑戦しているじゃありませんか、そう思いませんか。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) ただいまの先生のお話から、ちょっとわかりかねる点もございますが、その規模の点をおっしゃるんでございましたら、国としましては、おそらく解放センターは隣保館の範疇かと思いますけれども、いずれにしましても、国がやっております同和対策事業につきましては、補助の基準と申しますか、事業の規模についてのいわば一定の基準を設けているわけでございます。それ以上の規模が大き過ぎるという御趣旨でございますれば、これは府あるいは市独自の事業ではなかろうかと思います。私は実情を十分承知しておりませんので、そこら辺ははっきりお答えできませんけれども、そうであれば、府あるいは市の単独の事業ではないだろうかという感じがいたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私の質問と違うことをおっしゃっている。そんなことを言ってない。これは確かに小学校を一つつくるのに五十億もかけてつくるというふうなこと、これは衆議院で文部大臣があきれたと言っておられたそうですからね、超デラックスですわ。そういう建設計画の問題に、問題点はないとは言いません。幾つか問題点がありますが、きょうはそれに触れる時間がありませんので、その利用について、その施設建設計画をつくっていっておる施設の使用について、同じ地区住民でありながら、いわゆる解同府連の方針に従う者には使わせるけれども、それに賛同しない者には使わせませんと大阪市はいうている。これは九省次官通達の精神に挑戦をするものではありませんかと言っている。私の質問にどんぴしゃりと答えるようにしてください。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 通達の中に書いてあります、何度も繰り返しましたが、同和対策事業といいますのは、元来、地域の実情に即して行なわなければならないものであると、これは書いてあります。ところが、実際に具体的なケースについて地域の実情はどうだと、あるいはこの事業はどう行なわれなければならないかという点につきましては、これはやはり事業実施主体あるいは設置主体と、そこら辺が十分そこら辺の趣意をくみまして、適正に行なわれるべきものだと、このように考えます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 またどんぴしゃりの答えではなくて、すれ違いですわ。私が言っているのは、少なくとも同和対策事業としてつくる施策と、施設をつくったら、その施設は部落住民がひとしく利用できなければおかしいですがな。同じ部落住民でありながら、あの人はいわゆる部落解放同盟大阪府連のところへ入ってないから使わせませんと、これはそこの地域でそんなことを言うボスがおるというんだったら、これは話が別だ。大阪市の幹部がですよ、同和対策部長ですわ、それが公然とそういう人には使わせませんてなことを言うのはよろしいかと言っている。政府の方針に挑戦しているじゃないですか。こんなもの出してなかったら言いませんよ。あんたのところは、九省次官通達というて麗々しく五月十七日に出しているじゃないですか、出した以後に、大阪市の同和対策部長という公然とした責任者がこういうことを言っておる。そういうことは黙って見過ごされるんですかと言うている。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 繰り返しになると思いますけれども、あくまで具体的なケースについて、それが地域の実情に合うかどうかという判断でございましょうから、そこら辺は、地方自治体が、原則もあるわけでございますから、地方自治体が行なうものと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 頭悪いね、一つも言うてることがわからへんね、あんたは。窓口一本化という問題はどういうことかというのは、私は大阪市の出身だから、もういやというほど知っておる。ちょっと教えておげましょうか。どういうことかというと、実例はもう昭和四十四年、五年以後、数えきれないほどあります。たとえば住宅を建てた場合に、入居をさせるときに、地区住民を入れるために建てた住宅について、部落解放同盟大阪府連、いわゆる朝田一派に所属をしない人には入れないんです。同じ部落住民のために建てた家に入れないんです。保育所だってそうです。その団体に加盟をしていないというために、同じく部落住民でありながら入れてもらえない。また、学校でもそうです。奨学金の支給についても、これはその団体に入っていないということで、その人たちはもらえないんです。そういうことが、もう続出するほどあるんです。で、いままでにそういうことは数えきれないほどある上に、さらに私が問題にしておりますのは、わざわざ九省の次官通達をお出しになって、そういうことがあってはよろしくないということなんでしょう。違うんですか、この趣旨は。どういう趣旨なんです。そういうことがあってはよろしくないといって通達をお出しになった。にもかかわらず、依然として大阪市の責任ある役職者が、公然と、そういうことを続けてやるということを言っておる。こういう態度を是正させるべきではないかということを申し上げておる。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 国としましては、あくまで、この同和対策事業の執行についての基本的姿勢を示すのは義務だろうと思います。ただ、具体的な執行につきまして、個々のケースにつきましてどうこうという話は、これは地方の問題であると、で、現にこれは申し上げるまでもございませんけれども、かりに同和対策事業の実施、あるいはそれに関連する施設の運営といった面は、これは当然、市長なりがおやりになるわけでございまして、その場合に、地区の住民の意向と申しますか、あるいは地方の実情と申しますか、そういった面の配慮をしなければならないということでございます。ですから、市長さんは、当然、住民の選挙によって選ばれた市長さんでありますし、それから施設の設置等につきましては、議会の議も経ているでございましょうから、そういう意味で、国としてはあくまで基本姿勢を示すと、そのあとは地方のほうの判断でやっていただくということを申し上げる以外に私としてはございません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると、あなたのところの出している通達というのは一般論でとにかく出していると、具体的には何が起こっていても好きかってにやっておけと、こういう趣旨の通達ですか。はっきりしましょうや。通達に反した事態、事例が具体的に起こってきたら、その通達の精神でちゃんとやってもらわにゃ困りますよといって指導や援助はせぬのですか。それが行政指導というものと違うんですか。これは実に政府各省というのは無責任だな、自治省も含めて。はっきりしなさいよ、通達というのはそんなに権威のないものですか。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 通達の趣旨が地方公共団体に対しまして徹底しないということであれば、これは私どものあるいは努力の足りないということになるかもしれません。その点、もしそういうことがあれば、その点については今後努力いたしますけれども、通達の趣旨は、十分大阪府あるいは大阪市には徹底していると思っておりますので、個々のケースにつきましての、何といいますか、調査とか、そういうものについては、私どもは現在のところ考えておりません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あんた徹底していると思うてるかしらぬけれども、徹底しておらないという事例を、これはだれがどう言うてるちゅうことを言うてるのと違うんです。大阪市会の公式の席上で山田同対部長が公然と言うたことばを引用して、あなたのほうの御理解と違って徹底しておりませんよと言うてる。かってに徹底していると思っておりますからなんて言うたって、これは違いますがな、あなた。私の言うてることに対する答弁になっちゃいない。何を言うてるか。そういう徹底しておると思っておりましたけれども、そんなことになっておるんでございましたら、少なくとも調査をしてと言わないかぬですがな。何のためにすわっとんのです、そこで。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 日付は忘れましたけれども、一度大阪府のその担当者と会いましたときに、この通達の趣旨、通達の徹底方について一度話をしたことがございますが、大阪府はこれは十分承知していると、現に管下の市町村に対してもそういうことを話していると……。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 大阪府と言うてるのやない、大阪市や。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 大阪府の担当者が知っておりまして、それを大阪府下の市町村に対して国の通達の趣旨を徹底をさしておるということを聞いております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 あんた何を言うとんねん。さっきの九省次官通達というのは、都道府県知事それから教育委員会、指定都市の市長、その教育委員会で出しとるんや。そのことは冒頭にあなたのほうになさった処置を私は申し上げた。出したほうがそんな中途はんぱなことを言うたら困りますがな。大阪市にはあんたとこ直接出してるんでしょうがな。徹底していると思いますと言うて、ひとりよがり言うてたって、徹底していないという事例を出してるんや。あなたのほうが出されてから以後起こっている具体的事例を出して、あなたのほうに、少なくとも事態を調査して、正しく通達の精神で指導ができるように、行政指導をするべきだと言うてるんです。するかせぬかということの返事をください。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 各省連名事務次官通達の趣旨が徹底していないということであれば、徹底するような努力はいたします。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 努力はしますって、その一般論ではあかんねや。具体問題で言うてるんだから——あかんちゅうのは大阪弁ですけどね、まあ私、大阪人ですから、しゃないです。具体問題を出してるんだから、こういうことが公式の席上で言われておったんでは困るじゃないか、政府の次官通達の精神に反するじゃないか、正しく運用上適正を期しなさいと、少なくとも言わないかぬですよ、あんた通達を出したほうは。そない権威のない通達やないでしょう。はっきりしてください。一般論の指導じゃなくて、具体的に私は指摘してるんだから、少なくとも調査をして、指導を通してください。どうですか。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 何度も申し上げますように、通達の趣旨が徹底してないとすれば、その徹底については努力いたします。個々のケースにつきましては、これは地方自治体——公選の市長さんがいらっしゃる、知事さんがいらっしゃるわけですから、それについて、個々の事例について調査するということは適当じゃないと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まあ個々の事態をたいへんおきらいになるんだな、自治省でも。どないなってるんですか。具体的な問題が明らかにならぬと、その方針、通達の精神が通ってるか、通ってないかということの検証はどうするんですねや。通っていないという実例を出して言うてるのに、一般論でやります、それじゃ困るんですよ。少なくとも事態は調査をしていただいて、そうして通っていないということであれば、指導を強めていきたいということの態度というのは、当然政府とるべき態度じゃないんですか。かってにやらしておくんですか。もう一度はっきりしてください。

小林功典総理府内閣総理大臣官房参事官

○説明員(小林功典君) 先ほど申し上げたとおりでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 けしからぬ。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) いいですか。  以上をもちまして、自治省所管に対する質疑は終了いたしました。  次回は、八日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会      —————・—————

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