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72回国会参議院1974/03/14

予算委員会 第8号

発言数
273
登壇者
26
会派数
2
開催日
1974/03/14

会議録

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十九年度一般会計予算  昭和四十九年度特別会計予算  昭和四十九年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  まず、質疑の順位につきましておはかりいたします。  民社党、日本共産党及び第二院クラブから発言の順位について強い御意見が出され、数回にわたり理事会におきまして協議をいたしましたが、意見の一致を見るに至りませんでした。したがいまして、委員長は第四順位以下につきまして、先例に従い、従来の順位といたしたいと存じます。  委員長提案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 多数と認めます。よって、委員長提案のとおり決定いたしました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) この際、参考人の出席要求につきましておはかりいたします。  三案審査のため、本日、日本銀行総裁佐々木直君を参考人として出席を求め、意見を徴することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) それでは、前回に引き続き質疑を行ないます。鈴木強君。(拍手)

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は物価問題を中心にして、若干の外交問題を含めて質問をいたします。  で、最初に、総理がきのうお出になったかどうかわかりませんですが、たいへんおからだの悪いのに御苦労いただきまして——それで、きのう政府と自民党の首脳会議が開かれたということですが、そこでは今国会の運営の問題とかを中心にして、運営の問題、会期延長の問題あるいは参議院選挙の日取り、そういったものも含めて、何か相談がなされたような報道がなされておりますけれども、官房長官おりましたら伺いたかったのですが、これはどなたですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 自民党と政府の間では、随時連絡会を開いておるわけでございますが、いま御指摘になったようなすべての問題に対して、結論が出たというような問題はありません。いままで定期的にやっておりますものを、きのうもでありますが、それはいまの国会における提出案件の審議状況とか、それから、これからまだ未提出のものが少しございますので、そういう問題をいつごろ一体出せるのか、どういう状況になっているのか、それからいま提出済みでありますが、しかしこれが本会議の説明をやるかどうかという問題で相当長い時間議運で審議をしておりまして、まだ常任委員会に付託がされない問題、そういうものを一体どうするかと、どうなるかというような状況判断等を行なっているだけでございまして、国会は順調に御審議をいただいておるのでございまして、国会の問題に対していまどうこうという問題もございませんし、参議院選挙の施行日をどうするかというような問題は議題になっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 では総理に、次に物価問題でお伺いしますが、御承知のように、二月の卸売り物価は前年同月比三七%ですね。それから消費者物価は東京区部で二四%。これはまあ全国のはまだ出ておりませんが、それぞれ超暴騰しております。それでわが国の物価は依然として先進十カ国のトップに立っておりまして、これは非常に世界に対しても恥ずかしい次第だと思います。このようにわが国の物価は、まあ大蔵大臣のおっしゃるように、狂乱も狂乱、これは大狂乱という状態であって、どうも手のつけようがないような気が私はするんであります。したがって、このことは国民生活に非常に深刻な影響を与えていると思います。しかも、この国会を通じて、論議の中から、この異常な高物価は、昨年の大手商社の買い占め、売り惜しみ、また石油危機に便乗して暴利をむさぼった石油企業の手によってつくられたものであったということが、国民の頭の中によくわかったわけであります。国民としては、もうけるためには手段、方法を選ばないと、国民生活がどうなろうともうければよいというような、こういう卑劣きわまる悪徳業者の反社会的犯罪的商行為に対してほんとうに総理ね、頭から湯げを立てておこっておりますよ。それでまたもう一面、国民が自民党田中政府に対して、どうしてこれらの悪徳企業に対する政治上あるいは経済上の姿勢が国民の目から見て弱いのか、もっと積極的にやってもらえないのかと、いわゆる無為無策ではないかというような、そういう不満と不信というものがございます。投機防止法やあるいは石油二法が制定されても、この法律が十分に私は活用されておらないように思います。そしてその効果というものが発揮できないのは一体どこに問題があるのか、そういった疑問も持っておるのでございます。  物価問題が最大の課題と何回とも総理大臣はおっしゃっております。そのためにいろいろと御苦労をいただいていることもよくわかるのでありますが、依然としてその成果があがっておらない。総理大臣は内閣の最高責任者でございます。今日の悪性インフレと物価狂乱を招いたことに対する責任をどのように感じておられるのか。きのうも羽生委員からそういう点が指摘されましたが、まあある人は、外国だったらこれはもう内閣総辞職ぐらいのところまでいくんではないだろうか、要するに責任の所在というものをはっきりすべきではないだろうか、こういうような意見も私たちは聞くわけであります。どうかそれに対する総理の率直な御見解と、それからいますべての国民が望んでいるのは、インフレを退治してもらいたい、そして物価を安定してもらいたい、これだと思います。それに対して、きのうも羽生委員へのお答えの中で、私は夏ごろまでに何とかしたいという、その総理のお考えはわかりますけれども、国民が納得できるような、それではこういう状況だから具体的になるんだという、その具体策というものが示されておらないように思うんです。むしろ、総理はおっしゃるけれども、これから油は上がってくるし、公共料金もそれに従って上がるだろうと、消費者米価やあるいは国鉄運賃も上がってくるだろう、そうなると、とてもとても物価安定が八月ごろまでに、夏ごろまでに行なわれるというようなことについては問題があるという、そういう率直な気持ちを持っておりますので、そこのところをひとつ重点的にお答えいただきたい。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 夏ごろまでには物価の正常化をはかってまいりたいと、こういうことを述べておるわけでございまして鋭意やっておるわけです。まああなたが御心配いただくのはけっこうですが、あんまり物価は下がらぬじゃないか、下がらぬじゃないかということを強調されることも下がらない一つの原因になります。ですから、これは(発言する者あり)いや、それはそのとおりです。それはともかく、新聞で、あらゆるものがなくなるということでもってトイレットペーパーの買い占めが行なわれたりするわけですから、これは政府が夏ごろまで全力をあげてやりますということだったら、それは見守ろう、われわれも協力しようと、こういう——だから、これは国民的課題でありますからね。そういう意味で私は、いまの物価問題に対しまして、これは非常に層が厚くなり、広範になってきたものであり、しかもこれだけの大部隊、日本の高密度社会において、右から左へ、ぶったところがはれたように、そんなに開発途上国のように単純な経済情勢じゃありませんから、私は、それはある程度の時間をかしていただかなければならないと思うのです。法律的な制約もあります。政府が何でもやれるのかということになれば、いま御承知のとおり、物価は引き下げよと、引き下げるものに対しては、政府がいろんな手を打たないから、打つのがおそいから、タイミングを失したから物価は高騰したんだと。では、物価をうんと押し上げるような石油を一万一千円も一万二千円も上げられない、これをどこまで押えれば最も物価に寄与できるかということをやっていると、それは政府でやっちゃいかぬのじゃないかと、それは法律で指定しなきゃいかぬ、それは独禁法の問題だというような、まあそれは法制上の問題やいろんな問題あります。ですから、政府が努力をしてまいりましたが、それは政府の施策が完璧でなかったということは認め、反省すべきは反省をしております。今度は石油二法も国民生活安定法も与えられたわけでございますので、これが適確なる運営をはかると同時に、諸般の施策を進めることによって、夏までには安定的な状態をつくりたい、こう真摯な立場で述べているわけです。  それで、まあその中で、それは所得政策なり何もやり、かにもやり、すべて押えるのだということになれば、それは物価問題、なるでしょう。所得政策やったって必ずしも物価が押えられない西欧諸国の例もありますし、国民的コンセンサスも得られないような状態だから、所得政策はいまやるべきではないと思いますと。そしていまの状態の中であらゆる手段を駆使しながら物価の抑制をはかります、政府がやることは、とにかく総需要の抑制のために相当な緊縮予算を組んでますと、これは予算の執行に対しても弾力的にきびしくやってまいりますと。それだけではなく、金融が、だんだんやってまいりますと金融というものが相当な問題がありますので、金融に対してはメスを入れておりますと、銀行局はとにかく各行別に全部定期検査を行なうということにしているわけで、企業別なものを行ないますと、株や土地や、本来のもの以外に金を貸し出したものありとせばこれらは回収いたしますと言っているのです。これで物価が、ある程度仮需要によって押し上げられた物価が安定的方向に向かうはずであります。流通経路にあって品物を抱いておるような俗に言う在庫投資も行なわれたわけであります。在庫投資じゃなかったんですが、金を、借金は返さぬでよろしい、どうぞお借りくださいと言って貸し増しをしたんですから、その金が十兆円だといい、十五兆円だといっているわけですから、そういうものの企業の金の流動性は徐々に吸収をしてきたわけであります。それだけのものがあるとわかったなら一ぺんに回収すればいいじゃないか、一ぺんに回収すれば半分将棋倒しになってしまう。そのときに一番将棋倒しになるのは何かといったら、これは中小企業が一番将棋倒しになるわけでありますから、中小企業の将棋倒しを起こさないように、そしてその中でだんだんと吸収をしていく。ですから、正規な企業の手形金融はちゃんとやりながら、そして余剰資金の吸い上げを行なうことによれば、流通経路でもって品物が滞貨することはなくなる。そういうことになれば、物価は自然に需要と供給とのバランスの上に成り立つような状態を求めてまいりますと、こう言っておるんですから、そこらは少し鈴木さんも、私、それは御声援をいただくことはいいですよ、御声援をいただくこともいいし、われわれもそれは皆さんからの物価抑制に対する熱烈なる激励をいただくことは、私たちもその責任の重大さを感じておりますが、それがすぐ、途中からほうり出せば責任をとったことになるのだとか、それからとにかくそれは夏までと言ったってできないよということではなく、私たちも真摯な態度で、一党一派の問題ではありません。せっかくここまで、戦後わずか三十年間近くでここまで築いてきたんですから、そういう中で、異常な状態ができましたら、これはなくすることができないわけありません。石油だって、石油を全部来年の四月、三月三十一日まで現状で据え置くためには幾ら要るか、三兆円の金があれば押えられる。三兆円の金はどこから出せるのか。無税国債を出して徴収したほうがいいのか、二兆円減税をやめたほうがいいのか。いろいろな方法を考えてみまして、そういう中で、しかし、石油が上がっているものに対しては、それは何十%かは消費者に負担してもらうべきだろう。しかし、そのことによって物価がまた押し上げられるようなことがあってはいかぬので、目張りが完全に行なわれて、石油価格が是正されたとしても、物価はこの程度までで押えられるという自信がつかない以上は、それは待ってもらわなければいかぬということで、税制上、財政上、また資金上、金融でどの程度まかなえるのかというところまでこまかく計算をしておるわけでございまして、無為に時を過ごしておるのではないわけでありますので、そこらはひとつ、政府も一生懸命でやっているんだということをひとつ理解をしていただいて、見守り、でき得べくんば協力のほどを切にお願いいたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、もう申し上げているように、総理がたいへん御苦労していることは率直に認めているわけです。われわれもまた党派を乗り越えて、物価安定のためにいい施策があるならば、これは出し合って、それはもう全く異議はございません。ただ、総理が御就任以来、昨年の春ごろには物価は下がるとか、安定するとか、また秋ごろとか、こうおっしゃってきたわけですよ。ことしまた夏ごろとおっしゃるんだけれど、実際に具体的に総需要の抑制もやっておられる。それからいろいろな金融財政上の引き締めもやっておられる、やっておられます。やっておられますけれど、なかなかそれをやってもなおかつインフレはとまらない。それで石油問題もございますけれど、今度また、石油をきょう明日じゅうには上げる方針をおきめになるようでございますね。そうなりますと、石油精製品全体に対してやっぱり値上がりがくるだろうという心配がございます。ですから、そういう点に対して、じゃこれはこういうふうにするからこの点はだいじょうぶだというような、やはり具体的なものを国民に示して、国民もまたそれに協力できるようなことでないと、とかく抽象論に走りますと、国民も理解しにくいのです。ですから、ほんとうに八月にわれわれは安定したいと思うんですよ、させたいと思うんですよ。だけれども、なかなかきのうからのお話を聞いてみて、そうはいかないような気がするものですから。具体的に、それじゃ石油だってあなたに一任するようなかっこうに、きのう三省庁の次官会議ではきめたようですね、幅を少し持たして。そういうことがあるでしょう。そうすると、もうそれによって一体石油関係の製品というのは上がってくるじゃないですか。それを考えてみると、一つもプラスの要素がないんですよ、これは。そこいらをもう少し具体的にわかりやすく国民に示してもらいたいということを私は言っているんです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 具体的に示しておるんです。予算はこれだけ切り詰めた予算をやっていますと、御審議いただいておりますと。これが通っても、これがまだ物価を押し上げるような状態なら、これは第一四半期の執行を停止することもできるんです、これは。ですから、予算は弾力的に、効率的に執行いたします。国会にもそのときは申し上げます。こういう状態でございましたから、せっかく予算を通していただきましたが、こういう部分は、第一四半期はとにかく物価が鎮静するまでは押えます、契約はしません。やります、これは。これは当然のことです、これ。金融は現実的にそれはいろいろな案がありますよ。四兆五千億だと言う人もあるし、五兆円だと言う人もあるし、また六兆円以上あると言う人もあります。それはいま企業別に全部大蔵省の銀行局が監査しているわけです。これはとにかく昭和四十六年の四月一日から貸したものを企業別にいま検査しているわけですから、そうすると、とにかく中には一億円の会社に百億の貸し出しが行なわれておる、百倍以上の貸し出しが行なわれておることは現実にあるのですから。それは何になっておる。それは全部土地になり、株になり、それは当時は設備投資に回らなかったわけですから——設備投資に回らなかったんです。ですから、そうなっておって海外の土地まで買っておると。ですから、大蔵省はとにかく海外投資に対しては規制を行なっているわけです。同時に、いますぐこれはやればやれるのですよ。だから、そこまでやらなければいかぬと言う人もありますが、非常に大蔵大臣も日銀も注意をしておりますのは、いま君の本来の会社の業務はこういうものなんだから——現実的にあるのです、それは。本来のものよりも、放送会社でもあらゆる仕事をやっておるという例があるのですよ、現実的に。そういうことを一々全部やって、本来のものまで締めれば、土地は投げ出しになるにきまっておりますし、品物は下がりますよ。けさの新聞見られたとおり、伊藤忠がとにかく安売りをすれば半分になっておるじゃありませんか。そうでしょう。これ、全部半分なんです。大阪でもっていま綿製品、毛製品は半額でもって投げ売りがされておるわけです。ただ、こんなことをして金を引き上げますと、倒産しますよ。同時に、今度月給は上げることはここ春闘できまるでしょう、きまっても、あんたには金が何倍も貸してありますから、土地でも株でも売ってからお払いくださいと、こうなれば、現実的に六カ月分割払いになるんです。そういうことできないんです。やはり上げたものは払ってあげなければいかぬし、そういうことをしながらも——ですから三カ月か六カ月、九カ月かかりますよ。ですから、少なくとも四兆五千億くらいの金は、ノーマルな状態にするには吸い上げなければいかぬ。一カ月で吸い上げられるものではない。それはそうでしょう。私はここでもって率直に申し上げますが、これは日銀券の発行というものは、いろいろな意味が入っておりますからそう簡単には言えませんが、一つの物価の上昇を考える場合の指標にはなります。ですから、いつでも御指摘あるわけです。昭和二十九年から三十九年まで一〇・四%平均の成長をやったときの日銀券の増発は一四%台であります。三十五年から四十五年まで一一・一%出たときには、日銀券は一五%台であります。それが驚くなかれ、去年は二八・二%まで上がったでしょう。それが二五%になり、二四%になり、二三%になり、三月は二〇%を割る状況なんです。しかし、これ、対前年度でありまして、前年度にうんと貸しておるものとの対前年度の比較ですから、必ずしも引き締まりじゃありません。ですから、四十六年四月一日から一五%で伸ばすと幾ら上がるかというと、五兆円近いまだ水ぶくれがあると、こう見ざるを得ないのです。これを正常な金融に戻していかなければならぬとは思っておりまして、いまやってますよ。やってますが、倒産が起こらないように、黒字倒産が起こらないように。で、その中に知恵のある人は、どうせ締められるならとにかく計画倒産——まあそんなことはないでしょう、そういう不道徳な人はないと思いますよ。計画倒産して第二会社つくって、三年も寝てられたら、物価下がらぬでえらいことになりますよ。そういう実態をつかみながら、行政は行政なりに、社会的混乱を起こさないようにして物価を引き下げなければならぬということをやっておるわけです。ですから、それは社会主義国のように、それはもうどっちにしても国の中の話だからびしっと切りかえてしまうということが必ずしも可能ではないと。ですから、それは皆さんが物価引き下げのために激励をされることは十分理解いたします。感謝もいたしております。しかし、行政というものが、非常に国民生活や経済状態というものが幅が広く厚みが厚くなって高密度社会であるということを考えると、マイナスを起こさないようにしながら、物価は引き下げることはできますよ、私はほんとうにやれと言ったら。中小企業はそれはそのかわりに将棋倒しになると。そういうことをやらないで、何とかして——その水ぶくれになるように金を貸したのもこの内閣がやったわけですから、それは。そういうところはマイナス面ですよ、それは。それはもうドルの切り下げとか、中小企業のためを思ってやったことですが、それは薬をよけいに与え過ぎたということがありますので、そういう意味では、糖尿病みたいになっている者をだんだん減食させながら正常な人間に育てようと。その正常な人間に育てようということは、そのまま物価が安定することなんです。それは必ずできると、できるということです。これだけ具体的な話を答弁しておって、なお答弁がないと言われれば何をか言わんやでございます。私は明確に言っているでしょう。所得政策はやらぬ、中小企業の倒産も防ぎます、物価を下げるにはこうして、多少は時間がかかるけれども、やります、これだけ具体的なことを述べておりまして、何も述べておらぬ、何もしてないと言われれば、もうこれはいかんともなしがたい。そこらははっきり御理解いただきたい。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 具体的なことを全然言ってないとも私も言ってないので、総理もちょっとよく聞いておいてもらいたいのですけれどもね。  それで、いまのようなことは私も何回かお伺いしましたし、またやっておられます。  そこで、具体的に、それでは国民の側から見ますと、これから物価がじゃ一体——たとえば石油の問題でもそうですよ。石油の問題については、きょうの新聞報道ですと、大蔵、通産、経企の官房長会議を開いて協議した結果、元売り出荷価格で一キロリッター当たり平均八千九百円から九千百円の間で三つの案をつくって、これを田中首相に出して決断を仰ぐ、それでガソリン、軽油については、出荷価格だけでなく、末端価格にも行政指導価格というものをつくる、こういうことをきめた、というのですね。これは少なくとも八千九百円から九千百円、油、上がるわけでしょう。そうなると、物価下げるのだと言っているんですけれども、実際にはこれは上がっていくんじゃないか、何とかできないかということを具体的な問題として国民は指摘するわけですよ。それから、たとえばきのう羽生委員の質問で、電力とか私鉄の問題が出ましたね。また、これタクシー料金にしてみたって、一月二十九日に暫定的に二九%の値上げをしておる。しかし、業界の要求は七三・四%だったですよね。これに対して、さらにまた上げるだろうという、上げなければならぬだろうという、こういうことも考えられる。総理がそんな言うのだったら、国鉄運賃とか消費者米価なんかも、去年二百八十日間も会期を延長して審議したわけですよね。そして三月三十一日、ことしやるということだったんですが、半年間延ばしましたよ。延ばしたことはけっこうでしょう。一面では、これは何か参議院選挙対策だということも言われておりますけれども、それはとにかく、延びることはけっこうです、国民は一日五億円助かるわけですから。だったら、これを来年三月ぐらいまで凍結するというようなことも考えて、なるほど、これは田中さんやってくれたわいというような、目に見える具体的なものをやっぱり出してもらわないと、もう考えてみると、いま申し上げたのは、どんどんと物価を引き上げる要因になるんじゃないかということを直感としてはだで感じているのですよ、これは。そこのところに対する政府の対応策というものがはっきり出ていないじゃないか。それは、基本的な経済原理に立った物価鎮圧、安定の施策というのは、これはもう歴代内閣が言ってきたことであるし、田中さんがまた特に力を入れてきたことですから、それは私たちよくわかっているのですが、そういうことを私は具体的と申し上げた。だから、これらのいま申し上げたことについて一体どうするか、ですね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 具体的にはやっておるのです。その具体的なこと、あなたがいま述べられたとおり、国会で二百八十日も御審議をいただきながらようやくにして通った鉄道運賃さえも、また法律を御審議をしていただいて、六カ月延ばそうというのでしょう。米審の決定も六カ月延ばそうというのでしょう。具体的な政策なんですよ。これは物価抑制の政策です。ですから、それをまたもう半年延ばせということですが、これは延ばすこともできないわけじゃございませんよ。これは延ばすこともできないわけじゃありませんが、それまで延ばして国民の税金をまた使わなければいかぬということになると、そこらまでくると、延ばさなければならぬようになると、所得政策もやらなければいかぬのかなという問題も出てくるのですよ。それはそういう問題、ただ金が天から降ってくるわけじゃありませんから、これは国民の税金でして、それは社会保障やいろんなものにやらなければならないんです。ですから、その意味で、応益負担というものと税金でまかなうものとのおのずから限界があるわけです。ですから、そういう意味で、六カ月間、法律を出して皆さんに御審議をいただいても延ばそうというのは、政府が物価抑制に非常な決意を持っている。二百八十日もかかってやっと——これは総合交通政策の中で二年分でしょう。もう上げた分よりもはるかに仲裁裁定の分でもって倍も払うことになるのじゃないですか。そうでしょう。民営にすれば全部料金になるのですよ。ですから、そういうところまで政府は国民の理解と協力を得ながらやっておる。それから、理解にも限界があると思うんですな。そういうところはやっぱり政策的に取捨選択しなければならない、こう思っておるわけです。  ですから、石油は、まあ一万円でも一万二千円でも二万円でも、上がったら上がった分だけ全部上げるというなら、これはたいへんです。そうではなく、石油は上がっておる、上がっておるものを現に使っておるのだと。古い石油は全部使いました、一日八十億円ずつ損をしている。三十日といえば三、八、二千四百億損すると。そうすれば一年間では十二カ月、約三兆円になりますよ。そういう状態を全部税金でまかなうのかという計算もしてみたのです。三分の二まかなった場合、半分まかなった場合、三分の一まかなった場合ということもみな計算しておりますが、しかしそれは税金でまかなうということの限界はあるだろう。そうすれば、どうしても幾ばくかの石油というものはやっぱり計算せざるを得ない。しかし、それがせっかく夏までと言っておる物価を押し上げたり、その政策をこわしたりしちゃ、いけませんから、いままですでにその値上げしている分があるじゃないかと、公取から告発を受けておるじゃないかと、検察庁はとにかくいま捜査しているじゃないですかと、その分はいずれにしても明確になりますよ。この分はいずれにしてもこれからは泣いてもらわなきゃいかんということを考えておるわけですよ、先取りしたのだから。先取りしたというのは——案外金が入ってくると残ってはいないものです。何かに使っちゃうのですな。特別に大入り袋を出して払ってしまったという会社もあるのですから。払ってしまったものは返せないから困ってると思いますよ。思ってもそれはしようがない。それは国民のために物価を押えるためには、どういうものに使われたかは別にして、それは給与に払われたかどうかは別にして、少なくともその分は押える対象になることは事実であります。もう一つは、無配にならないか、それから重役給与は、これは一時とにかく半分にするか三分の一にするか、とにかく一年ぐらいお断わりをする、というふうにするかですな。それからまだ、いままで買ったもので、含み資産として土地もゴルフ場もあるだろう、こういうものだって何も持ってなくちゃならぬことはないでしょうと、そこまでこまかくやってるのですよ。そして、これ以上はしようがないというものは、これはやっぱり応益負担として原価に加算をして石油価格とせざるを得ないのです。  ですから、高い価格はきめません。どうしても低くなるわけです。そうすると、石油会社は何年間も無配になるかもしれません。しかし、それは石油を上げりゃすぐ電力が上がる、電力が上がりゃすぐ物に響くといいますから、物は電力によってどれだけ響くか。とにかく電力が上がった場合にはどれだけ物に響くか。しかし、いままででもってもうけたものよりも、いままで先取りで値上げをした分はとにかく引いて、その価格でもって押える。それが昨年十一月、十二月以前の価格、需給のバランスの中で形成された価格、ノーマルな価格として、そこらをめどにして押えていこうと、こういうことをまじめに考えて日夜奮闘しておるわけですから、そういう意味では、何も公共料金延ばせとか、こういう問題、電力も一年間据え置けというのが具体的ではなく、いま私たちが言ったように、具体的に、これだけ先取りしたものは少なくとも一年間は——先取りしたのは二カ月であったと、今度押えられれば一年も二年も押えられる、そんなことができますかと。こんなことでもって政府が押えるなら押えてごらんなさい、じゃわれわれはもう会社がつぶれるかどうかだから、石油は自発的に値上げをします、という通告をしておるものもあるようですが、それは憲法による自由なことでございますから、それはやるというものをとめる権能はございませんと。ございませんが、それじゃ社会的に容認されないと思いますよ、政府の立場もお考えください。法律でどうするのじゃないが、これだけ汗をかいてる政府は、政府のためにやってるのじゃありません、国民のためにやってるのだから、ここらは待てないことはないでしょう、十日や二十日待ちなさい。ここまで言って縛っておるのですから、これは具体的政策ですよ。ここらはひとつよくお考えいただきたい。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そういうことはわかりますが、具体的に、いま私の指摘した上げ幅とか、その実施の時期について、総理、あなたに大体決断を仰ぐ、裁断を仰ぐというようなことらしいのですが、報道によると、明日にもやるだろうというような見通しがあるのですけれども、その点いかがですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 新聞で私も見ました。見ましたが、まだ四省会議の結果は報告受けておりません。ですから、大蔵、経企、通産、それから、そのほかに内閣官房が入ってるはずです。それからまた、これが農林物資にはどう影響をするかという場合には農林、それから医薬品にどう影響するかということに対しては厚生大臣、そういう関係大臣が随時入っておるわけです。まあ主要閣僚としては、本件に対しては通産、大蔵、経企と官房が中心になってやっているわけです。まだその報告を受けておりません。受けておりませんが、まあ新聞が報道をしておりますから、これは会議のメンバーからその間の事情を御説明してもけっこうですが、まあいずれにしても、そう延ばして混乱をするということでは困るし、石油がどうなる、電力は一体いつになったらやるのか、いつまではやらぬのかということがきまらないと、四月一日から全日本の企業が年度の計画ができないんです。次年度計画ができないわけです。上がるわけって、上がるのか上がらないのかわからないのですから。税金をまけてくれるのか、とにかく商法の特例法を出してくれて五カ年間でもって決算できるのか、繰り延べ決算認めないのか、認めなければ無配になり赤字になるという状態が続いているわけですから。ですから、そういう値上げでもって、便乗値上げでもうけたものもあるし、そうじゃない基幹産業などは、もうけた何倍も何十倍もこれから累積赤字が出るという事態に直面しておりますので、この中途はんぱなヘビのなま殺しのようにしておけない状態にあるわけです。事実、どっちかにしなきゃならないときを迎えていることは事実です。来年度の年度計画ができないというのが実態でございますから、そういう意味で、まあ関係閣僚の会議の正式な結論を、報告を受けて、また党との連絡もございますので、党機関との連絡が終わって、大体こういう結論にということになれば判断をしなければならないと。私は判断という問題に対しては国会でも御議論がございますから、私が判断するのは、この金額の問題というのは専門的にずうっとこまかく詰めている問題ですから、私は金額をそこでもってちょっとポーズをとって、まあ百円を切るとか、二百円を切るとか、ラウンドにするとかという性質のものじゃないと思うのです。これはやはり積み重ねてきて、やっぱり技術的に数字的に積み重ねてきたものは、ここらがやむを得ない線でしょうということが出れば、私はそれでいいと思うのですよ、私自身は。そういう判断をせざるを得ないと思います。ただ、私は国会の審議を通じまして、行政的にきめるか、これは国民生活法によってきめるか、いろいろ公取との問題がございますから、そういう問題に対しては、最終的に行政の主管者として、同じ行政権の中にある者といえども、独禁法の番人であるといわれておる公取との法制上の意見調整、意見の交換というものはこれは政府主管者としてなすべきだと思います。行政の主管者としてなすべきだ。ただ、あなたがいま重点的に指摘をしておられる石油の価格そのものは、これは具体的に積み重ねられてきて、これは高いもの——必ず何割か低いものであって、これはもうその石油業界に利益を与え得るものじゃないということです。どんなに低くても、幾らかでも上がればそれだけ物価に影響するので、一体何年間もつのか、何カ月もつのか、その間どういう措置をするのかというものは全部ただして、条件がそろえば、私はそこで最終的な行政府としての最終態度をきめなきゃいかぬと思います。それがきょうになるのか、あすになるのか、あさってになるのか、これは四省会議の会談を聞いておりませんから、もしあれでしたら、経済企画庁長官からでもその間の事情を説明させます。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 総理大臣からたいへん詳しく御説明がございましたので、私から簡単に申し述べますが、私はあなたと同郷人として、あなたがたいへん日本の物価の現状並びに将来を御心配してくださる気持ちには深く敬意を表するわけであります。しかし、おかげさまで、これは日本銀行の総裁がおいでになるとまたお話になるかもしれませんが、二月の卸売り物価は非常に落ちつきまして、中旬の上昇はなしと、下旬は〇・三%の上昇と。しかし、これは大部分輸入物資にかかわるものでございまして、国内物資だけをとってみますると、むしろ二月の下旬は下がっております。二月一ぱいをとりまして前月に比べましても、いわゆる前月のずれ込み、げたというようなものがございますが、そういうものを引いて考えたり、いま申しまする外国からの輸入物資の高騰を考えますと、二月中の卸売り物価は実質的には下がっておると考えてよろしいと思います。しかし、あなたが御心配のように、こういう情勢をいつまで続け得るかということを私どもも心配をいたしておるわけでありまして、これは大蔵大臣はもちろんのこと、私どもすべてが、総需要の抑制政策というものをここでくずさないように守っていくということが第一だと思いますが、その次は、いまも御論議がございました石油の問題でございます。これはもう現在、輸入原油の価格と、それから通産省が押えておりまする石油製品の価格とが全くの逆ざやになっておりますので、毎月石油会社全体として何十億ドルの赤字かどうかというようなことは別といたしましても、このまま放置はできない、いつまでも放置はできない問題であります。毎日のように新聞、ラジオが報道いたしておりますので、私はおそらく総理大臣のお考えも同じだと思いますが、このまま長く放置すべきではないと思います。かえってこれは混乱を招致いたしますし、また、高い石油製品を受け入れる企業の四月からの企業計画というもの、経理計画というものもできないということになりますので、やるならば、私はもうこうなったらば、遠からず、それは通産大臣を中心として石油製品の値上げ幅をきめてまいる。これもまた、平均としてきめるばかりでなしに、政策的に——いまもお話が出たと思いますけれども、たとえば軽油とか重油とか、また従来の灯油というようなものはできる限り低く押えるというような方向をとりながら値幅をきめていく。がしかし、それはそういう高くなった製品を受け入れる各種の企業は、まあこれは悪いことばでありまして、全部がそうではないでございましょうけれども、先取り利益というようなものもあったことは私もわからぬではありませんので、そういう中へ石油製品の値上げ分はできるだけ押し込んでしまう。また、それでもまだ余りがあるようなところは、さらに値下げ指導もするというようなことを、それぞれの物資の所管大臣にやっていただくということで、石油製品の値上げがせっかく安定した物価を再び狂乱状態に持ち上げないような、そういう施策を積み上げてまいることはもちろんでございます。ただ、農林大臣私の隣にすわっておられますが、これはわが山梨県でも、生糸が安過ぎて農家が増産ができないとか、製糸会社がつぶれるとか、あるいはまた、畜産農業というものは壊滅するから加工原料乳の値段を上げろとか、あるいは牛肉、豚肉、鶏卵等のむしろ値上げをはかるべしと、こういうようなこともございまして、すべての国民が何でも安くなってしまえば農家も含めていいということでもない要素もございますので、これはあなた十分おわかりでございますが、それらのことも含めながら、なお全体としては、総理大臣のお約束の、物価が再び狂乱しないような、沈静の足取りをたどるような方向で、私も微力でございますが努力をさせていただいておる。また、親愛なる鈴木さんからもいろいろお教えをいただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総理大臣から私がお伺いしようといたしました、きのうの夜、三省の官房長が集まって相談された内容ですね、これはひとつ、通産大臣、報告を受けておりますか。受けておったらその内容を知らしてもらいたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは事務レベルで、石油価格をかりに上昇させるとすればどの程度まで考えられ得るか、その場合における物資に対する波及効果はどういうふうになるかというようなことごとを、事務レベルでいろいろ検討しあって、詰め合いをやっておると。それで各省の意見を持ち寄ってやらしている。私はやらしている一人でありますけれども、結果についてはまだ報告を受けておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはどうなんですかね、総理大臣。せっかく官房長が会議を開いてね、それで一つの当局としての協議をした結果きめたものがある。そういうのに、おかしいじゃないですか、報告を受けてないというのは、主務大臣が。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) これは鈴木さんのお気持ち、わかるんです。新聞に出ておるものを、試算した数字まで言わぬのはおかしいじゃないかと、こういうことだと思いますから、この間の問題を申し上げます。  これは党と、いま試算をして、最も低く押えた場合でもこれ以下では押えられませんよと、これを押えてもいわゆる経理はこうしなければいけませんし、それから商法上の特例法も出してもらわなければいかぬし、それから無配にはもちろんなります。それから全部吐き出してこれだけまだ赤字が出ておりますというような前提で、しかも物価に対してはこういう状態で押えられると思いますと、そういう限界値はどこかと、こういって出している数字はあります。ありますが、これに対しては議論百出でございまして、これは実際においてたいへんなんです。そんなことをやって、じゃ、一年後まで、ほんとうに一年間押えられるのか、二年間押えられるか、上がった場合どうする。下がったときはかまわないんです。下がったときは自動的にその価格を下げていきますから、これはいいんですが、下がる場合でなく、上がる場合は困るんですよね。いま二倍半の石油が三倍になった場合、一体どうするかという場合、そこらは外交でもうんとやるし、それは政府でもいろいろなこともやるし、場合によれば石油公団をして買わせるということもあるでしょうし、いろんな問題を加味しながら、とにかくここが限界ですよと出ている数字があります。ありますが、この数字は最終的にきまっておりませんし、これはぎりぎり一ぱいに各省で、私の省はこういうもの——それでまた、その上げる場合に、灯油などはとにかく幾ら上げても押えよう、そうすれば三分の一で押えるわけですな、実際において。そうすると、ほかのほうにそれは今度しわ寄せするわけです。そうすると、自動車用の軽油は一体どれだけ上がるのか、その場合、農林省の軽油はだめだぞと、こういうことで各省で詰めておりますので、最終的にとてもきのう一晩官房長官がやってきまるようなものじゃありません。ですから、その試算数字として出ているものは九千百六十四円であります。九千百六十四円。このお話を政府側がしないで、あなたが納得しないということで、私があえて申し上げたわけですが、この数字として検討しておりますが、なかなか結論が出ないというのが現状です。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。総理、非常に親切に教えてもらいましてね。だから、もうここまで来たら、あまり腹の中へ置くことではないですよ。あなたもおっしゃるように、四月以降の各業者の計画も立たぬという時期なんですから、しかも総理も衆議院の予算委員会で、大体時期を今月の中旬ということを私議事録で見ましたですが、ですから、そう何かはれものにさわるようなことでなくて、少なくとも所管大臣が、前日開かれた会議について、国会へ来るのは十時ですから、少し勉強していただいて、少なくともわれわれが質問することに対して、まだ報告を受けてないなどという、そういうところに日本の行政のひずみがあるんですよ。これは私は不満ですよ、率直に言って。もう少し勉強してもらいたい。  それで、これについて通産大臣ね、あなたは、きのうあたりからいろいろと意見を聞いておると、もう石油の値上がりというのはやむを得ないんだと。現状においてはそうだと思いますね。しかし、私はもう少し、あなたが日本のエネルギー資源の確保に対してどういう考え方を持っているか聞きたいんですよ。というのは、三木さんもたいへん御苦労でしたけれども、中東を訪れられましたね、あなたも行かれましたね、そしていろいろと積極的に石油危機に対して外交政策を展開されたわけですよ。ですから私は、むしろ原油価格が上がっている、これは事実ですよ。しかし、これをもっと下げるような積極的な外交政策というものを日本はやるべきですよ。ただ、やっているけれども、まだ成果があがらないんですけれども、もっとやるべきだ。そして、そういうこととあわせて、現状、やむを得ず上がっていく原油に対しての価格でどうするかということを考えるのを第二義的に考えないと、第一義的にはやはりエネルギー資源の確保について、もっと、私は日本外交というものがあるわけですから、総動員してもやるべきだと思うんです。そういう点ちっとも表に出てこない。これをやる場合でも、そういう一体基本的なエネルギー確保の大原則というものはどう踏まえてやっているか、ちょっと聞きたいんですよ。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) エネルギー政策につきましては、当面の現場処理の問題と、それから長期的な日本のあり得べき方向と二つございます。  で、当面の現場処理の問題といたしましては、これはいわゆるDDオイルといわれる各国の政府直売の石油を手に入れるということと、それから日本の石油の約六〇%が入っておるメジャーズからの輸入を確保することと二つございます。ところが、この当面の現場の処理につきましても、メジャーズから入っているものはわりあい安いわけです。これは長期協定をやって、産油国とメジャーが契約しておるものですから。ところが、DDという産油国が直接売り出しているものは、これは入札でやるもんですから、どうしても高くなる。しかし、十一月、十二月、一月にかけて、あの逼迫した緊急事態におきましては、これはやむを得ないから多少高くても買いなさい、そうして量を確保することが大事だというので、主として民族系の会社に買いに出ることを奨励いたしまして、それで十二月ずいぶん油が入ってきたのは、あのスポット買いによるDDオイルを買ったことが非常に実は効果があったわけでございます。しかし、値はかなり高いわけでございまして、あとで試算してみますと、一キロリットルについて大体四千円ぐらい高くつく計算になりそうです。十二月の元売り仕切り価格は一万四千円でございます。元売り仕切り価格が、平均して。その中で四千円というのはかなりの高率になります。そういうような石油を民族系がわりあい買っておりますから、どうしても今度採算という面になりますと、外資系のものと民族系のものに非常に落差がここに出てきておる。  そこで、石油の値段をいつ、どの程度にきめるかということによって、日本の民族系石油会社と外資系石油会社の落差というものが非常に顕著に出てきまして、きめ方によっては民族系がばたばたと倒れて、それが外資系に買われてしまう、シェアも買われてしまう、そういう危険性があるわけであります。じゃ、どの程度の限界で間に線を引くかということで、平均法でやるかバルクライン方式でやるかというようなことでも、いま検討を加えて、これは結局各社の経理の状況をしさいに調べてみないとわかりません。でありますから、各社別に、月別、また仕向け地、輸出先の、産油国別に、油を全部計算しておりまして、そうして各社別の経理内容もいま検討もし終わったというような状態でございます。で、そういう情勢で、どの程度で線を引いて、どの程度に上げたらいいかという試算をして、それが通産省の一応の試算として、九千百六十四円というのが通産側の試算として出てきた線で、これは大体四分の三バルクラインをとってやった線でございます。四分の一はそれじゃだめになる、そういう一つの一応のラインでございます。それで、しかし、ここで大事な点は、国際的に一つの問題が登場してきまして、アメリカのワシントン会議でも、二国間取引と、それからいままでの既成秩序をどうするかという問題が出てきました。フランスが中心になって、産油国が希望している二国間取引という面をヨーロッパ勢がかなり積極的にやっておる。日本もそういう傾向に対して、やはり産油量、原油量を確保するために、ある程度やらざるを得ない。だといって、国際的な調和を乱すということも、これは将来に非常に非難も出てくる。そういうところで、国際的調和を乱さない範囲内において二国間取引も日本はやる。それから油の値段の入札につきましても、あんまり高い値段を入れて、そのために国際的な非難を受けることもこれは考えなきゃいかぬ。そういう意味で、ヨーロッパやその他の国がこの程度と思われるようなことを横目でにらみながら日本でも入札している。そういう調和を考えながら、いま政策を進めておるというのが目下の短期的な政策でございます。  しかし、長期的な政策になりますと、石油を偏食してこういうふうに肥大化した日本の経済の体質改善という問題が出てまいりまして、それには石油に片寄ったこのエネルギー源というものを水力とか、石炭とか、原子力とか、太陽エネルギーとかに分散化しなきゃならない。その分散化と、それから日本のメジャーズや民族系の企業形態というものを、将来どういうのが望ましいものであるか。今度の石油危機からもわれわれはいろいろ教訓を得ておりますから、そういう問題についてもこれは検討する必要がある。そういう関係からいま総合エネルギー調査会に諮問しておりまして、二月十九日から審議を開始しておるところでございます。その結果を見ながら、その長期的政策について、エネルギーバランスや企業の問題等についてもわれわれは検討を加えていきたいと、こう考えておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、これからの原油の輸入の見通しというものですね、それから公示価格、こう、いったものは、おおよそどういうふうな推移をたどるのか、そういう見通しは持っておられるわけでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは私の個人的な見通しで、まだ役所としての権威のある見通しではございませんが、大体いままでの公示価格、たとえば十一ドル六十五セント、そしてDDオイルはそれの九三%とか、そういうような水準で移行するのであろう。かりに将来下がることがあっても、それは一ドル下がるかどうかは疑問な要素が私はあると思います。  なぜかと申しますと、なるほど、サウジアラビアやエジプトは下げてもいいという希望を持っておりますけれども、これに反対の国もございます。それで結局はOAPECで共同歩調をとるという形にならざるを得ない。かりに共同歩調とらない場合でも、その場合には下がる率は非常に微少にとどまる、まあ、おしるし程度になる危険性があります。結局、石油が下がるということは、供給量が増大するか、あるいは消費量が減少するか、そういうことによる以外にはないと私は思うんです。供給量の増大という面はそれほど、政治情勢から見ましても、イスラエル戦争が片づくまではなかなかOAPECの国もやらぬじゃないかと思います。また、自分たちの建国のためにもやらぬじゃないかと思います。で、消費量の激減ということが行なわれるかというと、現在の文明の趨勢からして、また代替エネルギーの開発がそれに見合うかという速度からいたしましても、早急に変化があると思わない。そういう面からいたしますと、やっぱり石油の値上げというものは、足は強いと、腰は強いと、そう見ざるを得ない。また、そういう見方で計算しないと国民経済の基礎としては脆弱な基盤になると、そういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 四十九年、ことしの一月一日から十一ドル六五一ですね。それで、これが二月、三月、まあきょうは十四日になっているわけですね。ですから、これから一体、さらに原油の公示価格がどうなるかというそういう見通しは、はっきりこれは推測はできないんでしょうけれど、しかし、全体の日本経済が原油によってかなり大きな支配をされるわけです。ですから、そういうものをはっきりやはりつかむと同時に、その努力を、原油をできるだけ下げるという努力をしていただく。いま民族系資本の石油業界のために、これはきのうも問題になりましたように、財政投融資からもかなりいってますよ、これは六百何十億という金がそこへいっているわけです。ですから、そういうふうにして、何とか輸入量というものを、需要増も含めまして、いわゆる供給するというそういう努力は、もちろんしなければならぬのですけれど、現在、三木さん、ちょっとおられますが、この前特使として行かれまして、だいぶ御苦労いただいたわけですけれど、何か友好国扱いになったようですね。あなたの見通しとしては、通産大臣がちょっと述べられましたけれど、大体、従来の量よりも以上のものが確保できるか、それから値段については一体どういうふうな形になっていくのか。そこら辺の、行かれたお感じがありましたら、ちょっと披露してもらいたいんです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 日本は中東諸国から八一%輸入しておるわけですが、中東諸国とすれば、友好国扱いにして、昨年の九月の実績、これは確保するというんですが、石油の消費量が急激に増加しない限り供給に対する不安というものは一応解消したわけで、今日は値段の問題になってきておるわけです。それで値段についても、産油国自身においても、あまりにも石油の値段が高くなることは、また工業製品というものの輸入国でもあるわけで、工業開発ができていないわけですから。そうなってくれば、石油の価格が上がれば、工業製品も上がってくるわけですから、また自分にもはね返ってくるわけですね。それからまた先進工業国でない発展途上国、これはやはり第一次産品の輸出に依存しておるんですから、石油の値段が上がって工業製品にその値段を転嫁することはできないわけです。まるまるそういう発展途上国は石油の値段が上がることをかぶるわけですから、そういう発展途上国に対しても相当の打撃を与えるわけです。  それで、産油国自身の間にも、やはり石油の価格というものを、もう少し下げなければいけぬのではないかという声か起こっておることは事実です。サウジアラビアなども、そういう意見をヤマニ石油相、私が会ったときにも言っておりましたから、産油国自身の間にも、やはり石油の適正な価格というものは一体どういう水準できめるべきかということを、経済委員会などをつくって、ウイーン会議の中でも石油の価格についてこれを検討する委員会もできておるわけですから、したがって、また消費国自身としても、これはもういまのような高い水準でいけば石油の大量輸入国は国際収支の上でみんな赤字になるわけですから、そういう点で、産油国自身も、消費国自身も、これは一方的に打撃を受けるのでなしに、双方打撃を受けるわけですから、やはり適正な石油の価格というものは世界的な問題である。単に消費国ばかりでなしに、産油国の問題でもありますから、これはむやみに石油の値段が上がっていくとは私は思わない。むしろいまの水準というものをもう少し適正な水準にこれを安定さそうという動きが双方にあるわけでありますから、いまの水準がそのまま将来にわたって石油の価格の水準になるとは私は思っていないわけです。しかし、昔のような、昨年度などはまあ二ドル台から三ドル、四ドルとなったわけですが、そういう時代に私は返るとは思わない。しかし、いまの水準が、これからまたさらに石油の価格が上がっていくとは私は思わない。やはりもう少し安定したというか、もう少し低い水準になる可能性を持っていると、これはわれわれきめるわけでもないわけですが、そういうふうに考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 関連。  総理から非常に重要な御発言がありましたので、簡単にちょっと確かめておきたいのですが、石油製品の新しい価格の決定はもう不可避であり、きわめて近々であると。そこで、総理のおっしゃったのは、大別すると、一つは、事務的にずっと積算されてきたんだから、そこについて、上げるとなれば、とやかく言うべきものではない、その積算の結果を尊重するんだ、これが一つと、それからもう一つは、それがどう波及するのかということをしっかり見るんだと、この二つだったですね。そうですね。  それは私は、今回の石油製品の新価格決定が、非常に政治的に行なわれるのではないかという懸念が非常に強くあるわけです。そういう心配がいま渦巻いている、不安が一ぱいある、これはお気づきだと思います。総理が言われる、事務的に積算されているのに従うんだと言われる趣旨は、そういう政治的な決定ではないんだということを強調される意味も持っていると思うんですよ。  そのことで、ずばり伺いたいわけですけれども、そうすると、いま九千円前後ということでいろいろ言われているわけですけれども、四省会議なり何なり、そういう総理の言われる意味で、事務的にきちんと積み上げてきた、データ的に積み上げてきた最終値ですね、それに対して総理が別な数値をお出しになることはない、どれかを選ぶだけだと、こういうふうに理解していいかどうか、これが一つです。  それから特に総理が九千百六十四円という数字をお出しになった。となれば、九千百六十四円という数値だというふうに考えていいかどうか、これはずばりお伺いできれば、そこできまってしまうわけですけれども、そこのところ。  それからもう一点、最後に言われた公取との意見調整もはからなきゃならぬと、これは公取の委員長が言われる、政府がこういう値段をきめていくことに対する独禁法上の問題、むずかしい問題がいまペンディングになっていると思いますけれども、そこのところは政府の側から法的にも処置をしていくというふうに受け取るわけですが、となれば、どういうふうに公取との間の意見調整をされようとするのか、そのところですね。  この三点、ひとつお願いします。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 政治的な配慮をしないというのは、政治的にまあまるくしようとか、数字をまるくしたほうがいいとか、それからもっととにかくもう千円切り下げろとかいう根拠をあまり——根拠というのは、政治的判断という場合には大きな意味で物価抑制ということや、値上げがあったんじゃないかと、先取り値上げをしたじゃないかと、こういうことが政治的な判断の根拠になるわけですが、そういう問題は、俗にいわれる政治的な判断ということはこのような問題に対してなすべきではないだろうという基本的な姿勢を持っていますということを言っているわけです。ただ、政治的に全然配慮をしないで事務的な積み上げであるかというと、そうじゃないんです、もう。事務的な積み上げをするときに、もう政治的配慮をしているわけです。九千百六十四円というのは政治的なものが入っているわけです。便乗値上げをしたとか、それから無配に転落しなさいとか、それから当分の間、これは土地に対する二〇%重課の場合の計算とか、そういう場合には金利を見て、何を見て、正規な年間の利益を一七%——一七%の中に経費を押し込んで見るというような計算をしているわけですが、そういうものは非常にきびしくやっているわけです。石油業界はこれは上がったらもうたいへんな赤字になると、そのときには政治的な何らかの手段を考えてやらなければいかぬと。それは財政的に援助をするか、それから金融的に体制金融をやってやるか、低利長期の金を貸してでもやるか、それから商法上の特例でもって、とにかく、赤字は当分の間物価抑制という見地から五年間で均等償却するか、繰り延べ決算ができるようにするか、いろんなことを考えてやると。どんなことをしても、あらゆる意味でこれで押えたいという意思は入っておって通産省にそう命じてあるわけですから、いいかげんにやっちゃだめだぞと、いままでのは全部吐き出させなさいと。それでとにかく、まだまだいま金融の緩和時において換物したものがあったら、各社別に全部見で、それを全部換金してでも、会社がつぶれないという限度で計算しなさいと、こう言っているんですから、俗にいわれる、総理大臣が出てきた数字を端数を全部切ったとか端数千何百円切ってまるくしたという、俗にいわれる政治裁量はしないということは事実でございますが、高度の政治的な配慮は九千百六十四円の中に織り込んでおるということは事実でございます。ですから、裁量の余地というものは非常に少なくなっておるということが最も正しいだろう、こういう認識を持っておることをすなおに申し述べたわけでございます。では、それは九千百六十何円かと、六十円そのままずばりかというと、それはまだ通産省が党に提示をした価格でございまして、四省の間でもって、これはもうなかなかたいへんな問題があるんです。経済企画庁はいずれにしてももっと安くたたくだろうと思うんです。たたけば財政資金やいろんなめんどうを見なければいかぬから、大蔵省はこっちの見ないで済む程度にしてくれよと、この間でもってまかなえる程度にしてくれよと言うから、これは四省の間、なかなかきまらぬと思うんです。そういう意味でしてね、そういう意味で九千百六十四円そのものずばりではありません。ずばりであるならここで申し上げます、私は。これできめざるを得ないと申し上げます。そうなら四省会議をやる必要もないんです。ですから、そうじゃなく、九千百六十四円が上がることはない。これから幾らかたたかれるだろうと思います。しかし、押えられれば押えられるほど、政府が何をしなきゃならぬかというものが具体的に出てこなければ、石油企業をとにかくつぶさないで、石油の供給をさせながら物価に寄与することはできないということでございまして、第一問、第二問はそれで理解をいただきたい。  第三問の公取の問題については国会で御議論がございましたから、議論は尊重せざるを得ません、尊重すべきであります。そういう意味で、これは行政権限——行政権の及ぶ範囲というものと国会で成案を得た法律の適用ということの中には、いずれにしても違いがあるわけです。また、めんどうな問題もあるはずなんです。そういう意味で、政府は、行政権の発動において石油価格をきめたいと。石油価格だけではなく、相当なものもきめたいと。国民生活必需品はどうしても押えると。いまの石油が上がろうが何でも押えるんだと。灯油は、これは指定しなけりゃきめられませんから、これは、とにかく灯油が三倍になったらまいっちゃうにきまっていますから、灯油は絶対押える。石油が上がっても押える。ですから、こういうものは確かに中に入れておりますが、石油価格は、少なくとも行政権の発動においてきめたい。しかし、これは強制力はないから。法律で指定すれば強制力はありますが、強制力はありませんから、これに対しては、わしは反対ですからもっと上げますと言う人が出る可能性もある。しかし、それはないと思っていいでしょう。それは、そんなに行政がなめられちゃたまらぬという、そういう決意を持って行政権でやろうとしておりますから、そういう意味で、公取の委員長との間に食い違いがないと思うんです。私は食い違いがないと両院で答弁しておりますが、しかし、公取委員長との間に、これだけ重大な問題をきめるときに意思の疎通がないということは、これは国会に対しても遺憾だと思いますから、行政権はこのような法的根拠において、行政権の発動においてきめたいという意思はやっぱり通告をしたり、それに対して反論があれば反論は聞くべきであります。そういう慎重な配慮をいたします、こういうことを申し上げます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、いま問題になりました石油製品価格のきめ方についての政府と公取の見解の対立があるように私思いますので、まず、政府の統一見解として、独禁法に違反しないという考え方を先に述べてもらいたいです。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 行政指導と価格カルテルについての政府の見解を申し上げます。  まず第一に、価格は、本来、市場における需給関係を基準といたしまして、事業者の自由かつ公正な競争によって定まるべきものでございますから、事業者がカルテルによって価格操作を行なうことは独占禁止法第二条第六項の「不当な取引制限」というものに該当いたしまして、これを認めるべきでないことは言うまでもございません。  第二に、他方、最近のように物価抑制が最大の国民的課題となっておることを考慮いたしまするならば、物資所管官庁が価格抑制の観点から価格に関する行政指導を行なうことは必要やむを得ないものと考えられまして、これができますことは、現在、各省の設置法に、たとえば通商産業省でございまするならば三条二号に通商産業省の任務として規定してございますが、そのような規定を見れば、各省設置法の上から行政指導ができることは当然なことであろうと思います。  第三に、ただ、価格に関する行政指導が認められると申しましても、指導を受けました事業者が、さらに共同して価格操作を行なうようなことがございまするならば、これは、先ほど第一に申し上げましたと同様に、認めるべきでないことは申すまでもございません。  このようなことがただいまの政府の見解でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 公取委員長、すみませんが……。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) ただいまの法制局長官がおっしゃいました点でございますが、私どもは、公正取引委員会の見解から申しますれば、最初の、一番目のことはごくあたりまえのことでございます。これはもう、当然言わずもがなのことでございます。  二番目の問題は、要するに、価格に関して行政指導ができるかどうかという問題。純粋に法律的に解釈すれば、それはできないということにはならないと思います、書いてありません、明文がございませんから。しかし、指導を行なうということについて、その中には、生産も含まれば、あるいは価格もあってもいいと、こういう考え方も成り立ち得ると思うんです。しかし、そのことが問題なんでございまして、価格指導を行なうということは、指導そのもの、たとえば値下げ指導を行なうと——現にやっておられます。そういうことは、私に言わせれば、これは常識的に言って、そうしゃくし定木にどうこう言うことはないだろうというのです。しかし、そうではなくて、独禁法の適用除外というものは、すべて法律で定めなければならぬということになっていると思うんです。それから、この指導は強制力ございません。強制力はないけれども、実際問題としては強制力があるわけですね。こういう、これだけ注目を浴びている問題のときに、行政庁が価格指導をした、それに反抗して違った価格をきめるということはちょっと考えられないんです。その辺が紙一重の非常に微妙な問題でございまして、これは三番目におっしゃられた問題に関係するんですが、行政指導が認められるとはいっても指導を受けた事業者がさらに共同して価格操作を行なうことがあればと、こう言っています。こういうことはあり得ない、私はそう思います。指導を受けておいて、あらためてまた共同して価格をきめる——違った価格ですね、これは。同じ価格をやるんなら、価格操作ということばは使わないはずでございます。おそらく、この点御説明をさらに願えば——共同して価格操作を行なうとは一体何であるかと。これは、そういうことは普通はないんで、行政指導によって、それによって勧告を受ける、その勧告を受け入れた価格が事業者自身によって決定される、ということです。価格の決定権はないんです。法律によればあるんです。行政指導価格というものは通常使われておりますが、行政指導によって価格は設定されない。その事実は間違いないところだと思います。だとすれば、その価格に、行政指導に従ってきめるのは事業者自身でございますから、事業者自身が、石油業界のようなところが、それぞれ個別に応じましたと、一ぺんでね、何の連絡もないと、横の連絡もないというのは、仮定としてはあり得たとしましても、実際問題として年間に五回もカルテル行為を行なって、われわれが告発いたしております。そういう業界が、全然横の連絡なしに受け入れるということはちょっと無理な考え方じゃないか。その辺に、私どもが、立場上、勧告操短は違法であるというたてまえをとっておるわけですから。勧告を受けて操短をしたんであると、だから違法性がないと言って抗弁しております。抗弁している例もございますが、それはいけないと、価格についても同様であると、こういうふうな見解でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 吉國さん、だいぶ違うね、公取の見解と。共同をして価格操作をするなんというのはあり得ないと言っている。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) ただいま鈴木委員から、食い違いがあるではないかというお話がございました。政府は、価格について行政指導があったというだけで独占禁止法違反ではないということを言っているわけではございませんで、先ほど申し上げましたように、指導を受けた事業者が、さらに共同して価格操作を行なうようなことがあれば独占禁止法違反になり得るということを認めているんでございまして、基本的には、政府の見解と公取委の見解とが違っているとは考えておりません。価格に関して行政指導を行なうことによって処理することと、法律に基づいて標準価格をきめるということと、いずれが適当かという問題はもちろんございますけれども、ただいまの段階で、通商産業省をはじめとする物資所管官庁は、価格に関する行政指導を行なうことが政策的には妥当であるという判断でやっておるわけでございます。それで、価格に関する行政指導が行なわれた場合に、実際問題としてカルテルが存在することになるかどうか、これはまさに実態認識の問題であると思いますが、政府側といたしましては、必ずしもカルテルが存在するようにならない、つまり、行政指導によりまして、一定の価格を形成することを慫慂をいたしまして、その個々の業者が、事業者がそれに従って価格を形成するということをやりましても、その間に相互の意思の合致と申しますか、一致がなくて、カルテルにはならないという推量をいたしておるわけでございまして、公取委は、これに対して、ほとんどすでに存在するという認識をとっておられるのであろうと思います。まさに実態認識の問題でございましょう、あるいは将来のあるべき姿を想定しての認識の問題であろうと思いますけれども、万一そのようなカルテルが存在するようなことがございましたならば、当然、独占禁止法の問題になって、先ほど申し上げましたように、独占禁止法第二条第六号の「不当な取引制限」になるわけでございますから、それに対しては当然独禁法は適用して、一定の排除措置がとられるべきであるということは、公取委の見解と全く違っておりません。現段階におきましても、現に、行政指導によって価格がこのように押えられておるわけでございます。それについて何ら問題はないんではないかとわれわれは考えております。  それから行政指導というものはどうやって行なわれるか。もともと行政指導と申しますのは、一定の勧告を行ない、あるいは慫慂をすることでございまして、国民の権利を制限したり義務を課したりという場合には、当然法律がなければならないことは、これは申すまでもございません。したがって、標準価格というものをきめて、その標準価格以上で売った場合、標準価格をこえて販売をした場合には一定の制裁をこうむる、あるいはさらに進んでは、物価統制令のように一定の統制価格をきめまして、その統制価格をこえて販売した場合には実刑まで科するというような場合においては、これは当然法律の根拠を要する、これは申すまでもございません。ところが、行政指導と申しますのは、価格に限らず、あらゆる問題について、行政の範囲において国民の福利を増進し、公益を増すために行なうことでございまして、まさに文字どおり指導でございます。  先般もいろいろ議論がございましたけれども、灯油の問題でございましたか、灯油について一定の価格を示しまして、それより高いもので出荷したものに対しては、末端の消費者に対してまで差額を払い戻すような措置を講じたらどうかというような御要望が国会でもございました。これを行なうために、法律上の根拠に基づいて、差額金何円を払い戻さなければならないという、法律上の義務として課して、その義務に違反した場合には、たとえば罰則をもって臨もうというような場合には、当然法律の根拠を要します。しかし、そういうことではなくて、現在灯油というものは非常に国民生活上重要なものであると、これについて幾ら幾らの価格が妥当であるということで政府としては考えておるにもかかわらず、それをこえてこういう価格で出荷をしたと、それは国民生活にそれだけ不便を与えたのだから、あなた方はやはり努力をして、その差額は国民に返還するほうがいいではないかという指導をいたしまして、その指導に基づいて事業者はそれぞれ自発的に差額を返還するわけでございまして、そういうことをすでに国会においても御了承を得たような記憶がございます。  そういうようなことは、すべて各省の設置法に基づくということではなしに、各省の任務として、当然、法律がなくとも、強制力をもって執行するんではなくて、指導として、そういう国民の福利を増進することは当然なすべきことでございます。しいて申すならば、通商産業省設置法の第三条の第二号に、「鉱産物及び工業品の生産、流通及び消費の増進、改善及び調整」をはかることという文言がございます。当然、この鉱産物なり工業品なりに相当するわけでございますから、それの「生産、流通及び消費の増進、改善及び調整」をはかるという任務を遂行するために、このような行政指導を行なうわけでございまして、行政指導を行なう根拠は何であるかと、これが国民の権利を制限し、義務を課することでございまするならば、何々法第何条という根拠規定が必要でございますけれども、行政指導、まさに国民に一定の事項を慫慂をいたしまして、相手方のいわば同意を得て、それに従ってもらうというようなことについて、何々法第何条第何号というような確定的な根拠が必要であるものではございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたは法制局長官なんでしょう、だから法律的に、法律的な見解を述べればいいんだよ。そんな実態論なんか入れて、都合のいいような有権解釈をしようとするところに問題がある。だから、私が申し上げているのは、その行政指導というものがすべて悪いと言っているんじゃないですよ。しかし、石油価格の引き上げ、あるいはその物資の凍結ですね、石油精製物資の凍結、いろいろ、そういうものについては、国民生活に重大な影響を与えることなんですよ、これは。だから、特にわれわれが国民生活安定法という法律までつくってあるわけでしょう。だから、どうして国民生活安定法に基づいて標準価格というものをきめないのかということです、私は。そうすれば公取のほうも問題ないと、こうおっしゃるわけだ。それで、この二、三日前に開かれた国民生活安定審議会でも標準価格制度についていろいろ協議したようですよ。その結果、現在やろうとする政府のこの行政指導価格については、国民の立場から見ると割り切れないものがあると、思い切ってやっぱり標準価格のほうにしたほうがいいという、大体、その委員の方の結論がここへ来ているわけだ。だから、政府が石油の再値上げの問題をはじめ、物資の凍結の問題まで含めて行政指導でやっている。それをやるならば、生活二法の標準価格にできないはずはないんだから、そうなさったほうが法律的には明確であるし、独禁法上もきわめて明確になるというのが私の言いたいところなんですよ。ですから、現在の段階では明らかに高橋公取委員長と吉國法制局長官の政府の統一見解という中には食い違いがありますよ、これは。ただ、せんだって——委員長にお伺いしたいんですけれども、こういうことをあなたは新聞記者会見で言われておったようですが、たとえば、行政指導価格というものが、将来、標準価格を設定するための一つの段階としてやられる、そういう場合、いずれ標準価格にいくんだと、おっつけ、そういう場合については、緊急避難的な問題として、独禁法上も多少これは弾力をもって解釈してよかろうと、こういうことを言われておりましたね。私は、せいぜいそこだと思うんですよ。それ以上は、何か、行政指導をすることが何が悪いんだと、設置法第三条二号まで持ち出してきて、そんな、法制局長官たるものがそういう解釈をしたということは、私も十数年間いるけれども、初めてですよ。そんな法制局長官の法律的な解釈を聞いたのは。それはだめですよ、そんなものは。それはどうですか、公取委員長。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) すぐに標準価格にいけないという理由、いろいろ事務当局からも聞かしております。しかし、なかなか私どもには納得できない点がある。ですから、いま結論として申しましたように、暫定的に——はっきりした標準価格をきめることがむずかしい、つまり、作業上間に合わないんだと、こういう事態は、それはないではないでしょうと。——いろいろな御注文はございます。確かにそれは、灯油の価格を据え置くとか、あるいはA重油や軽油について政策的な配慮を払えと、こういう御注文はいろいろとあると思いまして、私は、そういうことはそれでけっこうだと思うんです。当然それは、そういうことは、外国でやっていなくても日本でそういうことをおやりになることはけっこうです。しかし、マクロ的に見て、九千百何十円という、さっき数字が出ていましたが、そういうマクロの、全体としての上げ幅というものはきまるわけでございますね。それを一々企業ごとに差別した価格を行政指導なさるとは、私思っていないです。これは、ですから、四分の三バルクラインということは、四分の一をはみ出してしまう。ですから、経営上かなり困難にもなるでしょう。そういうものが価格なんでございます。指導価格であれ、それは標準価格であれ、その点においては変わりはない。それは、ほかにも申しますが、石油価格でも、ナフサが相当上がれば、いつかはこれは値上げしなければ立っていかない。ですけれども、いますぐ間に合わないわけです。そういうことで、時間的に余裕がないという理由でやられるのはしかたがない。私のほうはそれは認めましょうと、そこまではお譲りいたしますが、標準価格になるべくすみやかに切りかえるということを前提にしておやりになっていただきたい、これが私どもの要望でございます。しかし、私も、決定そのものについて、政府の権限を直ちにどうこうということにもなりませんから、たいへん微妙な立場に置かれるということを申し上げておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総理大臣、公取は公取として最近なかなかやっていただいていると思うんです。で、やはり、国民の利益を守るという立場に立って、物価Gメン的な第三者的な立場に立って公正に判断をされているわけですよ。ですから、独禁法の解釈というのは、やっぱり私は、公取のいままで長い歴史の中に立ってやられてきたことを信頼したいんですよ。ですから、おたくのほうでは、いろいろやる場合に、それに合わせるような解釈をするでしょう。これは法制局長官のほんとうの腹かどうか、それはわからないけれども、政治的なものが入ってくる場合が多いんです、これは。私たち見ておって。ですから、これは私は明確に食い違いがあると見ているんです。ですから、総理も心配されたように、この点がもし合致しないとまずいということもおっしゃっているわけですから、ぜひひとつ意見を十分調整されて、国民が、独禁法上何らの疑義がないということを明確にしていただいて、この値上げについては踏み切ってもらいたい、これを強くあなたにお願いしておきますけれども、いかがですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 高橋公取委員長の言うことは、公取委員長として、独禁法の番人としての発言はわかるんです。高橋公取委員長も行政府に長く籍を置いた人でして、政府の行政権ということに対しても十分理解しての上で発言しておると思うんです。ただ、すなおに申し上げると、行政権の問題と私的独占禁止法の問題をからませて議論しておるところに、ちょっと私は問題があると思いますよ。これは私的独占禁止法はどういう経緯を経てできてきたということを言うわけではありません。またアメリカ式な、メモケースでつくったものでありますが、日本も必ずしも三権分立とは、立法の当時の考え方は違うわけです。ですから、いまの立法、司法、行政の三権という議院内閣制における三権制度の中でこれを議論してくると、いろいろな法律論は起こり得るところはあると思うんです、起こり得るところはありますが、法律あっての国民ではなく、国民あっての法律なんですから、そういう疑義があるときには、どういうことから、判例を求めるまでもなく、これは国民生活のためにいいか悪いか、効率的かどうかということでもって判断すべきことであることは法律以前の問題である、私はそう考えます。そういう意味で、私的独占禁止法を読むまでもなく、第一条に明確に書いてある。国民生活の安定を確保しなければならないときに、いわゆる企業が——企業や私人の別はありませんが、不公正な取引において利益を得て国民に迷惑をかけた場合、私的独占禁止法が適用されると、こう明確になっておるんです。そうでしょう。ですから、不公正な取引を行なうためにカルテルを行なえば、これは独占禁止法の対象になることは当然であります。これは罰則もあるわけです。しかし、今度の問題は行政権の問題であるということを考えておるのは、これは行政権というのは、いままで国会でも行政権の発動がおそかったために上がったじゃないか、もっとなぜ早く押えなかったか、こういうんですから、これは価格を引き下げるということは国民のために確かにいいことでありますので、国民の生活を守るために……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 下げる場合もあるね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) いやいや、そのことは第三段階で申し上げますから。  第一段階、私的独占禁止法の問題、第二は行政権の範囲の問題一行政権の範囲といいますと、下げなさい、もっと政府が行政権を発動すれば、もっと押えればこんな狂乱物価は起きなかったじゃないか、こういう意味で、とにかく物価を押えることが行政権である——これも国会だけではなく、全マスコミの議論はそうです。政府が行政権の発動がおそい、適時適切に押えなかったからと、こういうことでありますから、だからこれは押えておるわけです。それで今度は、押えるやつは国民生活を守るのだからいいんだ。ただ、今度の石油は現状の価格よりも下げるんではなく、幾ばくかでも上がる、上がるんだからこの場合は法律によるべきである、こういう議論が法理論として出てくることも私はわかります。わかりますが、それは下げると同じ効果をねらって石油価格をきめようとしているんです。これは一万二千円が一万五千円に上げようというんではないんです。そういうふうに上げなければやっていけません。もっと高い石油が来ているおりじゃありませんか。一日八十億ずつマイナスになっておるんです。そうではあっても、それは便乗値上げのものもあるし、それから無配にもできるじゃないか、石油を上げれば、君たちが言うように上げれば国民生活はこんなにたいへんになるんだから、だからそれは憲法の条章によって私はやりますよ、認可を取り消すなら取り消してごらんなさい、それなら行政裁判やりますよ、判決が出るまでの間は高い値段で売りますよ——こういう状態におけるときに、それよりも低い値段で押えたい、物価対策において。そういうことですから、ある意味において数字的にはいまの価格よりも上がるんだけれども、実際は業者が言っておる価格よりもうんと低い価格で押えたい、そのかわりに、体制金融もしましょう、税法上の問題も、いろんなことをひとつ可能な限り最大の努力をしますから、これでひとつがまんしてください、というのでありますから、そういう価格を、いわゆる国民生活安定法による法律でもってやったり、それから物統令によって罰則を設けてまでやるとすれば、これは相当その間の事実を明らかにして、そうして税制上も財政上も全部こういたしますという法律をあわせて出すことでなければ、私はこれだけのものを全部きめることはできない。ですから、そういう意味で行政権の範囲でこれはできる。十分できる。  ただこれは、法律で指定した場合は強制力を持ちます。反したら罰則があります。ただしそうではなくて、この法律はこれはきめるけれども、石油は下がったら、下がった分は下げますよ、今度政府がきめるものの価格を下げますよ。上がっても、簡単に上げませんよと、こういう相当そういう意味では高度な政治判断による石油価格の決定でありますので、これは行政権の範囲として行なうべきものだと、こういうふうに考えておるのであって、政府が要請したものを、強制力がなくても石油業者は守ってくれるだろうと思いますよ。守ってくれるということなら、事実反対はできない、別な値段はきめられないとすれば、拘束力を持つと同じ効果を持つ政府の行政命令にひとしきものじゃないかと。  それは行政権というような明確な根拠規定がない限りそのようなことをやるのは望ましくなくて、それはやっぱり国民生活安定法や物統令によって指定品目として指定してやるべきだと、こういう公正取引委員長の話ですけれども、ここらは行政でやれることですよ。これはやれなくなると、いろんな議論が出てくるのです。すぐ次に出てくるものがあるのですよ。これははっきり申し上げますが、新聞紙がそうですよ、新聞。石油が上がるでしょう。とにかくそうすると今度紙が上がるでしょう。そうすると新聞紙が出てくるでしょう。その新聞は、これは八百円上げなければいかぬ、これは五百円上げなければいかぬ、これは三百円で済むというときもありますよね。そのときに、新聞紙を全部ばかっと国民生活安定法のものにするというわけにはいきませんよ、これは物資じゃないから。そうすると行政的に、そこまで上げないでくださいよ、そこまで上げてくださいよということがあるのです。少なくとも、二百五十円でがまんしてくださいよ、三百円でがまんしてくださいよということは、これから随時起こってくる問題なんです。それを全部法律でもってがんじがらめにするには、国民生活安定法さえも改正案を出して、これは物資というだけではなく、新聞や何でも入れられるような法律にでもしなければできないですよ、何にも。  ですから、行政権というものに対して、私は国民生活を守るために行なう行為でありますから、これは行政権の範疇に入れるべきものであって、それは判例を求めるとかということじゃないのですよ。ですからこれは、私的独占禁止法の改正で行政権を設置するわけにいかないのです。やるとすれば、何々の価格は法律によらなければ決定してはならない、こういう条文でもどこかに入れなければならないのであって、価格というものということになれば、上げるのも下げるのも、上げるといってもただ上げるのではなくて実質的には下げることである、こういうことは国民生活を守ることであって、これは行政権の範囲で十分である。  それはまた、しいて言えば、しかし今度また上げるようになって、それがだんだんだんだんとこまかくなってきて、業界との間に対立が起こって、政府の行政勧告によって石油価格が守れなくなったような場合にはどうするかというときには、そのときは、それは国民生活安定法の指定物資にするか、物統令の指定物資にするか、そこまで踏み切らなければいけませんが、当然国民生活安定法で指定をするのだが、事情がありますのでその間、暫定的に行政措置でやらしてもらいますという——高橋委員長のなかなか幅のある考え方はわかりますが、どうもそこは、私はこれは法制局長官の話であって、私的独占禁止法の解釈はこれは公取でおやりになってけっこうでありますが、政府の行政権というものに対しては、やっぱりこれは私か法制局長官の判断が正しいと思うのです。  それはそうですよ、国民生活のためにやるのですから。行政はそのためにあるのです。憲法を読むまでもありません。憲法の条章を引用するまでもない。ただ、国会でも議論になっておりますし、これは私的独占禁止法の法律の改正案もいま検討されておりますので、政府がやる場合にはこういうことでございまして私的独占禁止法の違反行為は政府は行ないませんから、政府が共同正犯だなどと言わないようにしてもらいたいということだけは、これはちゃんと公取委員長に通告をしまして、そうして着手してやろう、こう思っておるのです。ほんとうにそうです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 石油の値上げの問題は非常に重大なこれからの物価との関連がございますので、私はきょうあえてここでまた取り上げて政府の見解を伺ったわけです。  それで、これは総理大臣、へたをしますと第二のまた物価狂乱への道を開くことになる可能性が私はあると思うのですよ、へたをしますと。そうなると田中さんの命取りということにもなるわけで、田中内閣の命取りにもなる。また、それだけたいへんな問題だと思っております。ですから、その辺は十分御承知のことと思いますから、配意をしていただいて、国民の納得のできる姿でやってほしい。  それから日銀総裁にお見えいただいておりますが、ちょっと順序の関係で簡単ですからお尋ねしますが、一つは公共料金の点ですけれども、タクシー料金が、さっきちょっとお尋ねしましたように、一月二十九日に暫定的に二九%上がっておりますが、業界の要求は昨年七三・四%だった。おそらくその後もっとこれはふえてくるのじゃないかと思いますが、そういうわけで、これはやはりさらに値上げを認めるということかどうか。国民の側から見たらこれは困る。しかしその点はどうか。  それから東京瓦斯から十二日に、原料費の値上がりなどを理由にして通産局のほうに、家庭用都市ガス料金を一立方メートル当たり平均三四・五%上げるという申請が来ていますね。これに対して通産大臣、経済企画庁長官、いまのタクシー問題とこの問題と両方ひとつ経済企画庁長官からもお聞かせいただきたいのですがね。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) タクシーの暫定運賃は、御指摘のように一月の二十九日に、暫定的に石油のカットと値上げを見合いまして、主としてそれを見合って暫定的な料金をきめたわけでございます。この料金をすぐ、石油の値上げをという話があるが、それに見合ったような値上げをやるのかという話でございますが、ただいまのところやる考えはございません。と申しますのは、ガスの供給が相当潤沢に出てきておる事態でもございますし、まあ石油の値段がどの程度にきまるかにもよりますけれども、そういうこと等々も考え合わせて検討いたしたいと思いますけれども、いま直ちにこれがために値上げをやるということは考えておりません。  なお、値上げをやるためには、四十八年度の実績というものを十分にらみ合わせまして、それを検討した上で、石油の需給の安定度等とも考え合わせまして、次の段階の決定をいたしたいと思っております。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 東京瓦斯からは、値上げの申請はまだ出ておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通産局に出ているの。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いや、出ていません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 出てきたらどうするの。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 出ておらないのです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 仮定の話ですよ。出てきたら、仮定の話。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いまのような情勢で東京瓦斯が申請を出すことは、私は適当でないと思っています。ですから、できるだけそういうことは出さないようにしてもらいたいと思っています。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 公共料金につきましては、かねがね政府はでき得る限りその引き上げを抑制する、こういう立場をとってまいりましたので、変わりはございません。  ただ御心配のように、石油が上がりますと電気のほうに波及しましょうし、電気が上がりますと私鉄のほうにも波及するかもしれない。これはタクシーとかガスとかいうようなものもみな石油に関連するものでありますから、一切ほうっておくということではございません。それぞれ公共料金の対象になりますところの公益事業の性格に応じ、また財政的介入ができるかできないか、また、ほうっておけばそこに資源の配分が崩壊して、そしてそういう施設が、あるいは公益上の手段がなくなるかどうかというようなことを考えながら、総合的判断をもって対処をいたしていくことはもちろんでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、たいへんお忙しい中を日銀総裁においでいただきました。  実は少し時間をかけてお伺いしたかったのですけれども、何か都合で五十五分ぐらいまでにというお話がございますので、たいへん残念ですけれども、実は非常に石油危機の問題等もございまして、四十九年度の経済見通しというのはなかなか立てにくいと思うのでございます。伺ってみますと、大体原油の確保についてはある程度見通しも立ったようですし、それから価格についても十一ドルの現在の公示価格というのが大体限度で、多少なり下がっていくのじゃないか、あるいはこのレベルでいくだろうというようなお話も承りました。ですから、そうなりますとある程度、いままできめられた経済見通しというものに対してどの程度の修正をすればいいのか、どうなのかということも出てくると思いますけれども、それはちょっと時間がないから、残念ですけれどもまた次回に譲りまして、実は日銀総裁が二月十五日の日本記者クラブの主催の昼食会で演説をされておりまして、二月の卸売り物価の上昇率がもし三%以内におさまれば実質的に上昇はとまったと、こういうふうに言えるというふうに述べられたという記事を私は拝見しました。先般発表されました卸売り物価は三・九%というので、まあ〇・九だけ多かったわけですね。こういう結果になったわけですが、いまもずっと時間をかけて、この先物価の安定がいつできるのかといういろんなファクターについて総理からもいろんな御意見を承ったのですけれども、日銀総裁として、いまのように卸売り物価が少なくとも三七%、消費者物価がもう二四%、これは二月の東京区部のですね、おそるべき上昇だと思いますね、昨年同期に比べて。しかも卸売り物価が消費者物価よりもだいぶ上回っているというような、こういう現象が起きているわけでして、はたしてこの段階で卸売り物価が横ばいになり、あるいは消費者物価がそれに基づいて幾らかでも下がっていくのかどうなのか。われわれは、卸売り物価が上がった場合には必ず三カ月ないし六カ月たつと消費者物価がはね返って上がってくるというふうにいままで見ておったわけですけれども、そういう点から見て、行く先、物価の安定というもの、消費者物価あるいは卸売り物価はどうなるのか、そういう点をひとつ、当面のインフレ抑制の問題とあわせてお伺いしたい。  もう一つは、やはりいまのような状態が続いておりますと、ある程度金融面からの何かプッシュをする必要があるのじゃないだろうか。たとえば第六次の公定歩合引き上げ等も考えなきゃならぬじゃないだろうか。そういうようなことも一応想定されるのですけれども、何か現段階において、現在のインフレを抑制するための新しい特別な措置というものが必要なのかどうなのか。この二つの点だけをひとつお伺いしたいのです。

佐々木直日本銀行総裁

○参考人(佐々木直君) 第一番目の物価の問題でございますが、二月の半ばに私が日本記者クラブで話をいたしましたときの内容につきましては、いま三%内というお話がございましたが、実はあのときに私が申しましたのは、三%台でおさまれば……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 台ですか。

佐々木直日本銀行総裁

○参考人(佐々木直君) 台です。そういうふうに申しました。それで、かろうじて三・九で三%台でおさまったわけでございます。  そう申しましたのは、実は一月から二月へのずれ込みが二%ございまして、それから油の関係で、高い原油の入着による物価指数の上昇が一・二%ございました。ですから、そういうことで三・二はもうどうしても上がることになっておったわけでございます。ですから、それに多少の物価の上昇の傾向がまだ余じんを持つということで、三%台でおさまればいいのではないかと思います。三月に対します二月の卸売り物価のずれ込みは、わずか〇・一でございます。したがいまして、ここでいまの製品市況の状況から申しますと、三月はほかの事情の変化さえなければ、月としては落ち着いた月になるのではないかと実は考えておる次第でございます。  ただ問題は、先ほどからいろいろお話がありますような石油製品価格の上昇などがございますので、それが新しく出てくれば、これはちょっとまた問題が別個の問題である。重ねて申しますが、国内の需給状況によります物価の上昇というものは、ようやくここにきておさまってきたということは申し上げられると思います。  ただ問題は、いまも申し上げましたように、石油製品価格その他、また電力料金等々、いまのような全体の物価の価格体系の変化からきます影響が卸売り物価水準にどうしても影響する。これはなかなか避けられないし、これはこれとして考えて、われわれとしては国内における物資の需給関係の落ち着きを総需要の抑制を通じてはかる必要があると、こう考えております。  それから第二番目の御質問でございます金融政策の問題でございますが、もちろん金融政策は、その性格上、たえずその情勢の変化に応じまして弾力的な運用をいたさなければならないわけでございます。ただ、現時点におきましては、相当金融引き締めの影響は具体的にもう出ておりまして、たとえばマネーサプライの伸び率の鈍化、あるいは日銀券の増発率の低下、こういうようなこと、それからまた、もうすでに部分的には相当金に苦しんでおります企業、産業が出ております。したがいまして、私どもとしては、いまの時点において金融をさらに引き締めなければならないとは考えておりません。先ほどお話がございました今後の物価の問題につきましても、いまのような原油価格の上昇からくる、そういう特殊な事情からくる上昇、すなわち総需要の増加からくる上昇は考えられない価格の上昇の場合には、それを追っかけて金融政策をさらに引き締めていくということも適当ではなかろうかと思います。したがって、当面私どもとしては、四月−六月の窓口指導をどういうふうにやっていくか、そういう具体的な量的な調整において実情に合ったやり方をやっていくということが必要であろう、こう考えておるのでございます。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後一時九分開会

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、総予算三案に対する鈴木君の質疑を続行いたします。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 関連。  行政権の限界について、田中首相並びに高橋公取及び吉國法制のそれぞれの担当者の見解が非常に違っております。これは、いまのところ違うのはやむを得ないような面もありますけれども、この弊は、田中さんがるるとして述べた真意はわかりますが、一歩誤ると官僚統制の危険性があるというのが、田中さんも御承知と思いますが、戦時中の官僚統制によってどれだけ民心が荒廃したかわからないんです。そういうことになるとえらいことになると思うので、これは十分に統一的見解を政府は持ってもらいたいと思います。速記録を読んでからあらためて具体的な指摘をいたしますが、このことは心してやらないと、たとえば通産大臣の行政権の介入ではないというような形になっておりますけれども、業界の人はおおむね弱いです。弱いというのは、密田さんが言ったことは、世間全体はあれはほんとうだと受け取っています。しかし、通産省におこられるとたいへんだから、ああいうことはなかったというふうな返事をしなけりゃならないところへ追い込められたと一般は見ております。これはコペルニクス的な転回じゃありませんが、コペルニクスが地球は回るんだと言っても、ローマ法王の圧力の前にそうでないということを書けと言われており、そうでないと言いながらバット・ノーと論文を書いて、コペルニクスの学とは、いつでも、しかしそうではないということをしまいに取り消しを書いたということ、官僚政治というものが、軍部、官僚の政治がいかにこわいかということはこの一事をもってわかるので、モナリザの憂いの心がわかるあなただからコペルニクスの真理追求に対する態度を少しわかってもらいたいと思うので、心してこの問題は政府では対処してもらいたいと思う。そうでないと、大企業は別として、中小企業、みな逆に泣きます。そういうことを一応私は忠告し、そしてこの問題に対して政府の統一的な見解を出してもらうことを期待します。一言田中さんから。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 貴重な御意見だと傾聴いたします。これは行政権がみだりに拡大解釈せられるべきものではないということは当然でございますし、このような拡大解釈が無制限に行なわれるというようなことになれば、官僚統制の弊害も起こってまいりますし、新しい憲法で言う国民の権利の制約にいささかでもつながるものは法律によることが正しいという趣旨からいたしましても、おのずから局限されなきゃならぬことは申すまでもないことでございます。そういう意味で、私も先ほど述べましたとおり、行政権の発動で石油価格がきめられるという場合でも、公取委員長との間には意思の疎通をはかってまいるつもりでございますし、また、政府がかかるものを拡大的に発動する意思のないこと、また、その間の法的な統一見解等も明確にして、これだけの大きな仕事をするわけでございますから、疑義がないようにいたしたいと、こう考えております。まあ先ほど公取委員長が述べましたとおり、法律が定められておるわけでございますから、法律に移行する間の、どういうような状態ということなら法律的にどう解釈すべきかというような問題についても、国会において、まあ公取委員長といえども、三権の中から言うと立法府や司法府のものではなく、行政権に属するものでございますから、行政の内部が全部統一見解ができないということでは、国会に責めを負うゆえんでもないと思いますので、それらの問題に対しては、十分な配慮をいたしてまいりたいと、こう考えるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 午前中の質疑の締りくくりが実はできないで終わりましたが、総理大臣、結局あれでしょうか、物価安定については短期決戦というのが政府の御方針のように伺っておるわけですけどね、これはまあ福田大蔵大臣からもお尋ねしたいと思うんですが、しかし、それをいろいろとお伺いしてみますと、かなりむずかしい要素も入っておるということもわかりました。したがって、短期決戦ということは、これは賛成ですよ、われわれも。大いに短期決戦で早く物価を安定するということが国民すべての願いですから、そのことをぜひやっていただくんですけれど、多少われわれ石油の値上げその他のいろんな悪い材料ばっかり何かこう目前にあって、それがかなり困難視されるという点は事実だと思うんですよ。その辺の締めくくりだけをちょっとお伺いしておきます。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 困難な問題であることは御指摘のとおりでございます。困難ではございますが、国民生活を守らなければならない、そのために物価抑制は焦眉の問題であるという認識の上に立って、あえて困難に挑戦をし、正面から取り組んで解決をしようという決意であることを申し述べておきます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま総理からお話があったとおりでございますが、まあこういう時局に対しましては二つの行き方があると思うのです。時間をかけてなだらかにやっていくと、もう一つは、きびしく、しこうしてすみやかに収拾をはかると、こういうことかと思うんですが、今日の物価情勢を見ますと、これはもう一刻の猶予も許さないという状態です。そこで、ゆうちょうなことはしておられない。きびしい政策でありましょうともこれをとる。多少の摩擦も起こりましょうと、それに対してはそれぞれの対策をとらなきゃならぬが、しかし、このきびしい道というものは、これだけの混乱だと、これを乗り切るためにはこれは避けて通ることのできない道であると、こういう見解のもとに総需要抑制政策を進めておるんですが、御承知のように、この総需要抑制政策も着実にその浸透を見つつあると、こういうふうに見ております。私は二、三カ月のうちには様相が変わってくると思うんですよ。この混乱を起こした原因は何だといえば先高だと、こういうようなことから仮需要が起こる。つまり投機が行なわれるわけです。二、三カ月たちますればおそらく私は多少の事態はありましても、再び先高、仮需要というような事態はこれはもう起こりようがないと、こういうふうに思うんです。まあ今度石油の問題もあります。引き続いて数カ月のうちにはおそらく電力問題、私鉄問題、そういう問題は起こってくるだろうと思うわけであります。そういう問題の処理、これは円滑にしなければなりませんけれども、この処理をあやまたなければ、この総需要抑制政策、流れの変わると、こういう大きなコースをこれが乱ると、こういうようなふうには考えておりませんです。私どもは自信を持って短期決戦の道を進めてまいりたいと、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大蔵大臣、今年度公共事業、大体八%でございましたね、繰り延べしたのが。八%、公共事業費ですね。で、四十九年度予算にはその八%がぶっかかってきますよね。したがって、そうしますと、四十九年度の予算執行について、さっき総理からも御見解がございましたが、いまのところ総需要抑制の見地に立って、昨年の八%より多くのパーセンテージでいえば繰り延べをするというような一応心組みでおられるかどうか、その辺のめどはどうなんでしょうか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十九年度の予算は、これはもうすでに経済政策を、これを低目にもっていかなけりゃならぬと、物価は鎮圧しなけりゃならぬというので、すでにこの予算の中にそういう考え方を織り込んであるんです。ですからこれを、年度を通じての話になりますが、五十年度に繰り越そうというようなものは入っていないんです。しかしながら、この物価の情勢は上半期が非常に重大だと、そこで上半期から下半期へずれると、そういうようなことはあると思うんです。それから特に第一四半期ですね、四−六月、この時期が重大でありますので、この時期に公共事業費につきましてどのくらいの契約をするかと、もうほとんど私は新規契約なんというのをする余地もないくらいに考えているんです。というのは、いまお話のありましたように、前年度、つまり四十八年度からのずれと、こういうものもありますので、そんなことを考えておりますが、第一四半期の公共事業費を中心とする政府財政の物財需要、これには格段の配慮をしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは次に移りまして、便乗値上げと不当な物価のつり上げをしたと思われる事件が幾つかございますので、具体的に事例をあげてこれからお尋ねをすることにいたします。  その前に、公取の委員長に、三菱モンサントほか十五社が、ことしの一月三十一日に公取から、昭和四十八年十一月二十日に行なった塩化ビニール樹脂の販売価格の引き上げに関するヤミカルテルを破棄するようにという勧告を受けておるんですが、この事件に対する概要をちょっと説明をしていただきたい。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) いまの御指摘の塩ビ樹脂の事件について簡単に申し上げますと、これは御指摘のように、昨年十一月二十日の会合におきまして十六社が行なったものでございます。団体もこれに加担している面がございます。この価格協定の内容は、値上げの時期につきましては十一月中に各自自由にきめるが、おそくとも十二月一日までに引き上げをすることと、それから引き上げ幅、これはまあパーセンテージで申し上げるよりはむしろ数字をそのまま申し上げます。ストレートポリマーというものがございます。これは九十四円ないし百六円ぐらいが当時の価格であったものを四十円ないし四十五円上げると、大ざっぱに言いますと、大体四〇%程度は引き上げるということであります。コーポリマーという樹脂がございます。これは百一円から百七十円、これはいろいろ種類によって違うんですが、それは一律五十円アップということをきめております。ですから、大体五〇%ないしそれ以下ということになります。ペーストというのがございますが、これが百四十一円から百六十五円程度であったと、一律に六十円アップということをきめております。その実施につきまして問題が——なお、ちょっとこれはあまり性質よくないんですが、さかのぼっておるわけです。二十日に会合を行ないまして、日本ゼオン等十一社は協定にしたんだけれども、十一月二十日以前に遡及して価格引き上げを実施すると、これは現にそれは実施しております。それから他社は十一月二十一日から十二月一日までの間に引き上げを実施しております。これに対しまして、私どものほうは当然排除措置を命じまして、これは受諾がございましたので、本年の二月十二日に正式の勧告に基づく審決を行なっております。  なおつけたりに申しますと、四十九年の二月一日から、塩ビメーカーが一キロ十四円程度値下げをしたと聞いておりますけれども、この私どもの委員会の審査、勧告が一つの契機になったんではないかと、こう考えるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 二月何日ですか、引き下げたの。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 二月一日から十四円程度値下げをしたというふうに聞いておりますが、まあ確実な数字は把握しておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 十一月の二十日に談合してやみカルテルをやったんですけれど、こういう十一月一日に遡及してやるというのは、こういう例はあまりないと思うんですけれど、どうなんですか、その辺は。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 私、いまはっきりは記憶しませんが、他にもあったと思います。石油化学関係では、まあどっちかというと、私はこう思ったんですが、私の推量でございます。いずれ価格が凍結されるんじゃないかと、凍結されるときは、昔の例を見ますと、ほぼ一カ月前の日付をとりまして——何もルールがあるんじゃないんです。それをとって、その日現在で価格を動かしてはならないと、こういう凍結措置がとられて、つまり本格的な個別統制をするのに当たりまして、それをそういうふうに一たん押えておいて、あとからそれぞれの公定価格をきめたという事例がございます。それを振り返って、おそらくこれは日付をさかのぼって実績つくっておけばいいんじゃないかというふうに考えたんだろうと推量いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ビニール類は、昨年に比べまして値段が大体三倍にはね上がっています。メーカーや商社や販売店は、この値上げの理由が石油や原料の値上がりと製品高だというふうに言っておりますけれどもね、明らかにいま私が申し上げるような便乗値上げの疑いが十分にある。私は、ここでは特にハウス栽培ブドウ用のビニールについて具体的に問題を提起して、関係大臣の所見を伺い、対策を伺いたいと思うんです。  山梨県ではハウスブドウを栽培している農家が約千五百戸ございます。その面積は二百五十ヘクタール。すでに農家のほとんどがビニール類を新しく購入しまして、ハウスづくりは大体終わっておりますが、まあ加温の栽培というのは、ことしは石油不足のためにだいぶ面積も少なくなっておりますが、そういう状態です。  そこで問題は、最近各販売店から農家に代金の請求書がきておりますが、ポリエチレンは、十アール分で昨年四万四千九百円だったものがことしは十二万四千円と、それからビニールは十万円が三十五万円、約三倍以上にもはね上がっておりまして、たいへん問題になっているわけです。で、具体的に例を申し上げますと、実は昨年の六月一日に山梨県の一宮町というところに国際ボールがございます。そこのレストランで、東京からは三井物産株式会社の代理店をしております東ビ株式会社の代表取締役今井敏郎氏、それから三菱モンサントからも役員が出席をいたしておりますが、ここでは氏名については若干未確認のところがありますから発表を差し控えておきますが、それからそのほかに大洋興業、それから渡辺パイプ、こういう方々が出席をいたしております。それから山梨の地元からは、パイプハウス大成会というのがございまして、その会員と各地区の代表四十人が出席をして打ち合わせ会が行なわれました。この打ち合わせ会は、ビニール類についての情報の説明と予約促進をすることを目的として開かれたようであります。その席上、三井物産の代理店である東ビは、本年六月一ぱいに注文をしてもらえばビニール系統は一〇%、ポリは二五%値上げで、量的にも価格的にも確保する、こういう約束をしたわけです。また三菱モンサントのほうも、九月一ぱいに注文してもらえれば、大体二五%くらいのアップで品物を間に合わせるという約束をいたしました。その後、果実農家は各地区ごとに会合し、地元の販売店でございます大成ビニール販売商会というのがございますが、そこから書類をもらってすぐに発注をしたわけです。品物は八月ごろから農家の手に渡り始め、九月ごろには大体八割方が入荷いたしました。もっとも大成の倉庫には注文品がほとんど全部入っていたというような情報も入っておりますが、大体そういうことです。そこで、農家のほうでは、八月に入荷したものについては九月に金をお支払いしましょうと、こういうことを言いましたところが、いや清算はあとでけっこうですと、こういうふうな態度に出たわけです。そのうち、昨年十一月の十八日に文書でもって、いままで納入した品物も、これから納入するものも、時価相場で代金はいただきますと、こういう通知がきております。それで、そのあとことしに入りまして請求書がそれぞれ農家にまいりましたが、その請求書の内容を見ますと、まず普通ビニールは厚さが〇・一ミリ、幅が二メートル、長さが百メートル、このものの単金が昭和四十七年度はメーター当たり六十七円三十銭だったんです。ところが、ことしは百六十五円二十銭となりまして、約二・五倍の値上げになっております。それから酢酸ビニールというのがございますが、酢ビと言っております。これは厚さ〇・〇五ミリ、幅が六メートル、長さが百メーターのものは、昭和四十七年はメーター当たり六十九円だったんですが、本年は百八十円と約三倍に値上がりになっておりまして、たいへん農民はびっくりした。クリンエースなんかも、大体〇・一ミリのものが去年は三十九銭だったんですが、ことしは九十一銭と、二・二八倍になっておる。そこで農民の皆さんは、地元の大成ビニール販売商会に申し入れして、約束と違うじゃないかと、三井や三菱のほうからもだれか来ていただいて、この経過について説明をしてもらいたいと、こういう申し入れをしたようですが、大成のほうから電話をしますと、まあ行けばつるし上げられると、上からの命令でやったんだからどうにもならないというようなお話が非公式にあったように聞いておるわけです。私は、こういうやり方は非常にひどいやり方だと思います。農民を愚弄するもはなはだしいやり方だと思います。  そこで、関係の書類、私ここに全部持っておりますが、少なくとも昨年の石油事情等を勘案いたしましても、八月ないし九月ごろに入荷したビニールが、石油の値上がりによってそれが単価がはね上がり、こういう二倍、あるいは三倍近くの値段が出てきたということは、何としてもこれは納得できないわけです。この事実はひとつぜひ関係の大臣のほうでも調査していただいて善処をしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農業用ビニールやポリエチレンフィルムは、このいわゆる石油問題以来需給が逼迫する懸念がありましたので、農林省は通商産業省と緊密な話し合いをいたしまして、原料メーカー、フィルム加工メーカー、企業団体等と協議を進めまして、これら農業用フィルムの原料の優先確保、農業用フィルムの優先生産、特にポリエチレンフィルムは加工用の電力をたくさん使いますので、こういうものの確保等、需要に見合う供給量を確保できる、供給のできる体制を整備いたしておりますが、なおこのことにつきましては、通産省と緊密な連携をいたしまして、生産に憂いのないようにいたしておるはずでございます。そこで、具体的にお話がございましたので、私どものほうでも調べてみましたから、その御報告を事務当局からいたさせます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○政府委員(松元威雄君) 具体的事実の模様につきまして御説明申し上げますと、御指摘のとおり、ビニール、ポリ等、いわゆるプラスチック製品の価格はかなり高騰いたしております。これは主といたしまして、昨年の石油問題に端を発しました問題、これは農業用ビニールだけではございませんで、全般の雑ポリを含めましてプラスチック製品全般が約二倍値上がっておりますし、地域によってはさらに上がっておるところがございまして、御指摘のとおり三倍以上のところもございます。そこで、これにつきましては、確かに当初はそうなるとは思わなかったもんで、一年前には二割とか三割程度の値上げという見込みだったわけでございますが、こう事情が変わってまいりますと、なかなか物を加工する以上、全体のほかのポリエチレンフィルムのバランスもございまして、ある程度はしかたがない、ただし三倍というのは少し異常過ぎる、特に代金決済時につきまして、従来ならば秋に払うやつを繰り上げて払えと、これは取引上おかしいではないかということで、ただいま県庁とお互いに連絡をとりまして、まず代金のほうはとりあえず秋まで支払いを延ばすというふうにいたしまして、さらに価格につきましては、それがもとのメーカーの価格のアップによるものなりや、それとも流通段階のマージンがふくれ上がったのかということを究明いたしまして、まず大手のメーカーと話をしまして、まあいわば全般並み——全国平均約二倍でございますから、全般並みの価格では供給はできないかねと、特に流通マージンが不当に上がってないかということにつきまして、並行して目下究明中でございまして、両措置合わせまして、全体といたしまして全国ベース並みの上昇はやむを得ぬと思いますが、あまり地域的に異常な上昇はこれは押えるという方向で目下指導している最中でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはいずれ集中審議を予定されておられるようですから、関係の皆さんにおいでいただいて、その節にまた詰めた話をしたいと思いますから、一応はきょうは問題を提起しておきます。  それから、途中にちょっと入って恐縮ですけど、農林大臣、現在生糸は外国から毎年どのくらいずつ入っておりますでしょうか。国別にちょっと数量別に教えてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 生糸の輸入量は、国内需要が堅調に伸びてまいりましたのに対しまして、国内の繭、生糸の生産が停滞いたしておりますために、輸入は増加の傾向にございます。で、国内消費量の大体三割を占めるに至っておりますが、四十八年の輸入量は十四万三千俵であります。しかし、前年よりやや低下いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、今月末に蚕糸業振興審議会というのが開かれる予定ですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 生糸は三月中に安定価格等きめることになっておりますので、その審議会を開いてきめることになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしましたら、大臣ね、次の三つの点についてぜひ適切な措置をとっていただきたいと思います。  いま、石油危機の問題や、資材や肥料の急騰で生産費が非常に増大をしまして、養蚕農家をはじめ蚕糸業界が再生産ができないような状態まで追い込まれています。そこで、その審議会におそらく答申を求めると思いますが、一つは、この基準の糸の値段ですね、これを基準糸価一キロ当たり一万円以上にしてもらいたい。二つ目は、蚕糸事業団の中間買い入れワクを現在の三万俵から五万俵に拡大をしてもらいたい。三つ目は、短期生糸保有のワクを現在の二千俵から七千俵にしてもらいたい、こういう強い要望がございますが、これでひとつ何とか実現できるように努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまのこの相場の弱みは、やっぱり輸入圧力がかなりあるようであります。そこで、これを放置いたしておきますというと、やっぱり春蚕の蚕界の不安をかり立てることになるわけでありまして、そういう点で私どももただいまそういう心配いたしておるわけでありますが、現在きまっております基準価格というのがぐっと低いもんでありますから、これをやっぱり実勢価格にある程度さや寄せするような努力をいたさなければならないことも御存じのとおりでありまして、したがって、いま私がここで三万俵から五万俵に、あるいはまた保有額を、二千俵になっておるやつを五千俵ふやして七千俵、こういう御要望が各地から出ておりまして、先般も大会が開かれまして、私十分よく承っておりますが、いま申し上げましたように、この価格安定につきましては、輸入の調整をも含めて善処いたしたいと思っておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これ、総理大臣もひとつ最高責任者として御努力をいただきたいんですけれども。——ちょっと答えてください。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 農林大臣述べたように努力いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから次に、さん孔紙と受信用紙の便乗値上げについて、これは通産だと思いますが、お伺いをいたします。  昨年の八月一日から本年の十月十日までの間に巴川製紙と日本通信紙株式会社の取り扱いにかかるさん孔紙、受信紙の値上げの推移を見ますと、A三型、幅が二百五十七ミリメートル、一かん仕切り値段が昨年の四月一日付で四百円だったものが売り値が四百六十円に、それから八月一日で四百五十円のものが五百二十円に、十一月一日付で六百円のものが七百五十円に値上げをされました。そして十二月一日付で——あとから文書を見ていただきますが、この文書によって昭和四十九年一月二十六日から六百八十円の仕切り値、七百五十円の売り値と、こういうふうに値段を上げてほしいという通達が文書で来ているのですね。ところが、今度は十二月の一日になってもう一回文書が参りまして、さきの六百八十円のものを七百五十円に改正してもらいたいというその内容を変えまして、本年一月十日になってから仕切り値段を千二百六十五円——これはたいへんなものですね。それから売り値を千四百三十円と、約二倍に引き上げる文書が来ておるのですよ。一カ月の間に、そういう文書を出しておきながらまたそれを訂正する。そういうふうなことで、約二倍の便乗値上げをしている事件がある。これはひとつ通産大臣ね、これ、ここにあるから見てください。こういう文書がある。二つある。ちょっと見てください。(資料を示す)値段表がこちらのほうに出ています。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) この文書をいただきましたので、この内容をよく精査いたしまして、便乗値上げの疑いがあれば、直ちに呼びまして是正いたしたいと思います。ちょっとお借りしておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、実はここに私こういう箱を二つ持ってきたんですけどね。こっちは不祝儀の袋です。これが祝儀袋ね。ある店屋に私買いに行きましたら、これだけが店頭にあるのですよ。これは十枚百円と書いてありますね。ところが十枚百五十円だと言うのですよ。で、おかしいじゃないですか、十枚百円のものが百五十円というのは、と言ったところが、いや実はと、この箱を見せまして、ここに百五十円のラベルが張ってあるのですよ。前の百円のところには何にも書いてない、無地のね。だから百五十円ですと、こう言うんですよ。おかしいじゃないですかと言ったら、いや、私たちもおかしいと思うと、そんなばかなことはないと言うのですよ。だから、お客さんからおこられて、こういうやり方だったら困るからと言ってお断わりしようとすると、そうするとあんたのところにはもう全部のものをとめちゃうと、やらないと、こう言っておどかされるというのですよ。弱い立場にあるものですから、やむを得ずこういうことをやっているのだというお話を聞きまして、私はこれはいかぬと、やっぱり国会で取り上げて、そして小売りさんに対して、こういう不当というか、おかしなやり方を押しつけてくるようなことは非常に問題だと思うのですよ。一つのやみ値を押しつけてくるようなもんでね。これは公取の委員長からもちょっと聞きたいんですけどね。そういう、まあこれは不当な表示と言えば表示ですよね。インチキなんですよね、これ。こっちの黒いほうは実は何にも書いてないのです。定価は何にも書いてない。それでやっぱり百五十円だと言うから、せんだって来たとき百円なのがどうして百五十円になったかと言ったら、やっぱりこれを持ってきまして、ここに百五十円と書いてあります。で、これはラベルを張ってあるのですね。こういうことが最近非常に多いんですね。  それから、今度は歯みがきを買いに行きますと、ここに改定価格が二百五十円と書いてあって、こっちには二百円と書いてあるのです。表示が二つあるわけです。こんなばかなね、ちょっとおかしいと思う。一体だれがこれは取り締まるのかよくわかりませんけどね。これは総理、ちょっとおかしいですよ。これ、見てください。おかしいでしょう。だれが一体これは取り締まるのか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) これ、もうしょっちゅうそういう質問を受けてますから、私もだいぶ知っているのです。これは売れますと、あしたは御婦人方が一ぱい買いに来るということになりますと、夕方からデパートで、内容は全然変わらないものを正札をつけかえていると、つけかえているのも悪いけれども、買う人もあるわけですな。そういうところも何か——ちょうど寄ってくるというようなことをやっていながら、その前の晩、全部同じ品物の正札のつけかえと、こういうことだそうです。しかしそこらは需要と供給とのバランスで、その需要と供給の状態の中から値段が生まれるんだと、こういうことから言えば、買い手がございますからということになるんでしょうが、それはまあ便乗値上げということの一種だと思います。ただ、その赤いほうはいいですけど、黒いのは、人が死ななきゃそういうのは要らないんですからね、そういうものを買いだめすることはないと思うんです。しかし、これは要るときには必ず買わなきゃならぬものであるというものですな。葬式があれば必ず買わなきゃいかぬ。それを五十円、五割上げると、これは商道徳の問題でございます。だから商道徳の問題ですから、ここらはやはり行政指導というので、やっぱり価格ですが、これは少し上げ過ぎるじゃないかという指導をしなきゃだめなんです。まあしかし、これはいなかの山の中へ行きますと——いろんなことを私も勉強したんですが、山の中へ行くと、これは五年も売れないんですと。五年も売れない。ですから、こういうのは、まあいなかはろうそくでも何でもみんなそういう既製品で使わないんだと。ちょろちょろっと袋に書いて、お弔いがあれば持っていくんですね。こういうのはもう仕入れて何年も売れないので、やはり売れるときには高く売らなきゃいかぬと。いや、こういうことをこの間聞きましたから、それにしても、一枚や二枚、物をちょっと売ろうというのに、あんたのところはうんと暴利をむさぼっておると思われるのは信用のためにもよろしくありませんよと、こう——私も事実、指摘がありましたからそういうことを聞いてみましたら、やはりまあ去年の十一月ごろから去年の暮れまでは——国会でもって大問題がもう具体的に指摘をされるまでは、とにかく相当なところでも、同じ品物でありながら正札をつけかえたというのは相当あるようでございます。ですから、まあとにかくそれまで全部通産大臣に、とにかく不祝儀や祝儀袋まで全部見ろというと、これ、何十万種類あるわけです。ですから全部できないですけど、やっぱりそこらは商道徳の問題であってね、まああなたにいま参議院の予算審議の過程においてこれだけのものを指摘をされるということだけでも、こういうのは商道徳に反するなあということで、だんだんノーマルな状態をつくっていくように、これはやっぱり商人のモラルの問題なんです。これはまあ、いままでは毎日同じ品物——野菜が幾らであったものが、何か災害があるとだっと三倍になると。まあ一つの、災害も何もなくとも、石油が上がるという情報のもとに買い急ぎに来る、先高を見越して買い急ぎに来るなと、買い急ぎに来るなら商人はここで正札をつけかえるべきだと、こういうことでしょう、それは。しかし、これはまあ昔のでっち小僧というのを教えるときにはそういうことで教えたかしれませんよ。相手がどうしても買いたかったら三倍に吹っかけて、そしてとにかくこっちはまけさせられても値切られても倍には売れるよと。これはもう私は前世紀の話だと思うんです。そういう商売の術を使っちゃいけませんよ。これはやっぱり企業の持つ社会性——反社会的行動というものは許されない。ただしかし、それをあなたも指摘されて、ちゃんと定価が大きな字で書いてあると、それであとから来るときには別な、同じ品物であって、それを消しもしないで別のシールを張って五割上げてくるというと、その元売りか中間の卸かどっちかがやっているわけですから、そういうところはまあ税務調査をやると、こう言っているわけです、私のほうでは。それしかないんです、現実問題としては。すべての問題、全部の問題公定価格でやっているわけじゃないですから。だから、これは私もそういう指摘をいままでも受けましたが、これはまあそういう、いま御提示になったような品物を扱っているところは、税務調査はこれはちゃんとやらしていただく、そうしてあなた方がうんともうけてもあまり得はございませんよと言う以外になかなかないもので、これは行政指導の妙味をひとつほんとうに出さなければならぬところだと思います。これは協定しておれば公取にやってもらうということになります。まあむずかしい問題です。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連。  小売り商のモラルの問題だけではこれは解決できないと思うんです。いま総理も御指摘になりましたように、第一次問屋なり第二次問屋なりがすでにおろした商品の値段まで変えろという指示をするわけですね。それをのまなければあとで商品を送らないということになると、どんなにモラルがあったって、食わないわけにいきませんから、商品の価格を変えていかざるを得ない。こうなってまいりますと、モラルの問題よりも行政指導の問題なんで、これを税金だけで対策を立てようといったって、税金でとらえられないものはやはり悪徳を相変わらず続けていくということにならざるを得ない。そこで、行政指導を徹底なさるとおっしゃるならば、そういうことで値上がりが現実に出ておるわけですから、それを防御できる行政指導という対策をこれは立てていただかなければどうにもならないと思う。そういう点について、これは通産省なり経済企画庁なりで、現実に値上がりというのはそういう操作によって値上がりしているわけですから、それに対する対策。いま税務のことはわかりました。税務以前の対策があるわけですから、税金は来年でなきゃ取れない。現実に値上がりしているものをどう押えるか。これの具体的な方策をお聞かせください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは品物によっていろいろ千差万別でございますが、工場出荷のときにメーカー側が上げるという場合、それからわりあいに多い例は、特約店及び一次問屋がかなり上げるという場合、それからさらに二次、三次、小売りのほうへ、末端へ行って、需給状況やお客の顔色を見ながら上げるという場合、そういうケースによって非常に違うと思いますが、私は非常に多いケースは、やはり一次問屋から末端に行く流通過程において、需給に応じて顔色を見ながらというのが非常に多いのではないかと思います。そこで、やはりおのおのの品物の流れには、流れ流れの接点がございます。そういうのは、特約店だとかあるいは一次とか、そういう品物によりましてそういうところを押えて、そうして適正利潤以外には取ってはならないですよと、これはもうみんな各店によって値は違うわけであります。これはもう東京のどまん中といなかでは違いますし、ですから、全国一律の値段というわけにはいかない。しかしその場所、場所によって、これがまあ妥当だと思われるというものはあるはずであります。そういうのを市町村あるいは通産局その他でよく連携をとって、そしてその値段で売ってくださいと。売ってくれというところはもうモラルに訴えるよりしようがないのです、マル公で全国一律で警察で取り締まるということではないのでございますから。でありますから、その結節点を押える、そういうことで行政指導を督励してやっていきたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 行政指導を徹底させるためには、現在国家公務員としての監視員だけではどうにもならない。この前の国民生活安定法のときにも、私は地方自治体にもそれぞれ予算をつけて、現実にその地域で監視できる監視員を置き得るような措置を講じなければ不徹底になるんじゃないかという指摘をしたわけです。ところが、これはもうほとんど兼務です。ほんとうに物価問題というものを十二分な解決をしようというなら、地方自治体に監視員を設置をして、それぞれの地域で十分な、いま鈴木さんが御指摘するような事実の有無というものを検査する、そういう機構を御必要とはお考えになりませんか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 御承知のように、現在価格調査官というのが国に置かれるたてまえになっておるわけでありますが、それを昨年暮れの法律改正の際に、そういう権限を地方公共団体に委任できるように改正をしていただいたわけであります。自後、国におきましても——たとえばここに私はたまたま数字を持ち合わせておりますが、国におきましても、価格調査官は昨年十二月末の段階におきましては、通産省、農林省、厚生省、経済企画庁等を合わせまして三百六人、専任価格調査官はなしというような状態でございましたが、自後、逐次この数を三倍以上にふやしまして、現在国の官庁だけで価格調査官の総数七百三十九人、そのうち専任価格調査官百七名ということに実はなっておるわけであります。また、地方に権限を委任いたしました結果、現在までのところ、本年の三月一日現在で地方に八千六百二十五人の価格調査員というものが置かれておるわけでございます。そのうち専任が七百三人ということになっております。  それから経費でございますが、これはまあ年度のしまいになって、四十八年度のしまいになって始まりましたので、本年度中は、先般予備費をもちまして地方分八億何がしを、通産、農林、厚生関係で地方に経費を交付をいたし、また四十九年度分といたしましては、経済企画庁が五十億円の予備費的なそういう筋の経費を預かっております。これを実績によりまして通産省、農林省、厚生省等につけかえまして地方に交付すると、こういう段取りはいたしておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その調査官を県、市単位に直すと幾人になりますか、専門調査官が。そんな数でいま問題の物価の監視が、あるいは検査が完全にできるということにはならないでしょう。町村とまではいかない——市以上の単位の地方団体に何名配置されるということになりますか、専門調査官が。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) これは専任調査官の数字は地方ではいま申し述べましたとおりの数字でございますので、それを四十七プラスの指定市で割った数字ということになりますから、加瀬さんがおっしゃるとおり、決してたくさんの数字ではないということになります。しかし、これ、専任だけでやるということもいろいろやはり人間のやりくり上むずかしい点もございましょうし、またいろいろの行政と連絡を持ったほうがいい、兼任のほうがいい場合もございましょうので、全部専任ということでなくても、専任——いま地方の段階で八千数百人でございますから、これを状況に応じましてさらにふやしていただくと、ことしの予算配賦額が八億数百万円のところに対しまして、来年は五十億近くの予算も持っておりますので、ふやす余地もあると考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通産大臣、こういう要するに便乗値上げ的な、しかも小売り商をいじめるような、これはメーカーかおそらく卸売りですね、ここだろうと思うんですよ。販売店では、ここのうちでも、いやだと言っているんですよ、これは。こういうやり方については。だけれども、お断わりをすると全部の品物がストップされると、だからもう泣き泣きやっているんだということです。だからくやしくてしようないから、こういうのはひとつ国会の場所でやってくれというのがこれは真相なんですよ。だからそういう状況が、総理もおっしゃるように、衆議院の審議の段階でも出ておったわけですから、せめて全体にそういうふうな行政指導的なものをおやりになって、そういう間違ったやり方はいかぬというようなことをやられたんですか、これ。これは経済企画庁でやったのかどこでやったか知りませんけれども、各省はどことしても、やりましたでしょうかね、そういうものを。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それは私はやったほうがいいと思います。ただ、鈴木さんも御承知のように、物価が上がったり下がったりするというのは、コスト・プッシュとかデマンド・プルという理屈もありますが、それよりも、やはり何といいますか、一つの世の中の動きのような点が大いに作用をいたしまして、最近私どもの耳に入りますのは、これはいま鈴木さんがお持ちになった祝儀袋、不祝儀袋の箱に高い価格にして張りかえるという逆の作用、ことに、衣料品でも人間のからだに近いほうの部分——シャツとかパンツとかいうのはそこまでいかぬようですが、からだから離れておる部分については非常に下がる傾向で、お客の見ている前でその逆の張りかえを多くの小売り店でやっておると、こういうような状況がほんとうにあるんでございます。でありますから、私どもは、総理もおっしゃられたように、全部の物品についてそれを公定価格——物統令を発動して公定価格にすると、そして何万の取り締まり官を張りつけるというようなことは、いまの時代にとうていできないことでありますので、そういう物価値上がりムードのもとに、われもわれもと値段の張りかえが行なわれるというようなことが、全く逆に、いまの繊維製品の例、これはまあそれによってたいへん困っている業者も実はあるわけであります、値段が下がるものでありますから。ありますが、全体として見ればたいへんいい傾向でございますので、これから物資の需給というものは決してタイトで縛られてくるのではない、むしろゆるみがちであると。値段も全体としては下がる方向にいくんだ、需要がゆるんできたんだと、こういう状況をつくり出すことによりまして、いま加瀬さんから御注意を受けましたようなそんなに多くない価格調査官の働きによりましても、値段が安くつけかえられるような、そういう経済の環境をぜひつくってまいりたい、まずそれが肝心だと、こういうふうに考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 経済企画庁長官、私が聞いているのは、昨年来、春以来、ああいう状況で便乗値上げがだんだんだんだん、こう激しくなってきたわけでしょう。ですから、そういう時期に、行政指導として各メーカーに対して、そういうことをしちゃいけませんよと、たとえば、こういう極端な、シールを張りかえてやるようなそういうことはいけませんよという指導をされたことがありますかというのを私は伺ったんです。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それは、物資所管庁につきまして、それぞれの主務省から現在盛んに実はやっていただいております。ことに、公取等からカルテル破棄の勧告を受けたようなそういう企業、物資につきましては、必ずそれをやって、現在の独禁法には価格引き下げの規定がなくても、行政指導をもって引き下げさしているというようなことが現状でございまして、かなりの効果をあげているところでございますが、これは今後さらにそういうことをやっていただこうと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからもう一つ、学用品ですけれども、これも非常に、コクヨとか東海とかアピアとかマルマンという会社の製品ですけれども、たとえば、これは小学校一年生が持つ絵の具セットですけれども、昭和四十八年の八月に七百五十円だったものが、十月に千円になり、十二月に千八百円になっているんですよ、これがね。これはちょっとひどいじゃないですか、これ。それから、これは太巻きのクレパスですけれども、昭和四十八年八月が百八十円、十月が二百五十円、それから十二月一日が三百五十円。これは通産省から何か行政指導したらしくて、十二月の二十日に三百十円、四十円下がっているわけです、これがですね。それから、ぺんてるの絵の具なんかも、四十八年八月が二百五十円、十月が三百円、十二月一日が四百五十円と。それからクレヨンの太巻きが、四十八年八月で百三十円が十月二百円、十二月一日に三百五十円になって、通産省のあれで三百十円と、こうなっているんですけれども、それがぺんてるなんかでも、こういう改定表というのをちょっとこう送り込むんですよ。それで、これでやれと、こういうわけです。それから、中にはこういう改定表でなくて、たとえばノートなんかでも、六十円のものを九十円で売りなさいと、こう言うわけです。それは困ると、そんなことは。そうすると、じゃおまえのところにはやっぱりほかのものをやりませんよと、こうおどかすわけですね。それで、泣き泣き九十円で売るというんですね。  こういうやり方は、私は全くひどいものだと思います。これは、いまの祝儀袋、不祝儀袋と同じでね。公取委員長、こういうやり方はどうなんですか。これは不当表示の問題等も関係があるかもしらぬけれども、しかし、一つの値段で売れと、こう押しつけるわけですからね。この辺はどういうふうになりますかね。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 定価をつけまして、メーカー——あるいはメーカーでなくてもいいんですが、大体メーカーです。それが、つまりそういう学用品のメーカーが、その品物について小売り価格を、これで売れという指示をしておるとすれば、それは、わがほうで禁止しておりますやみ再販に該当します。やみ再販でございます。その価格で売らなければいけないと、もし売らなかった場合には品物を出さないぞというふうなことをやりますと、明らかにこれはやみ再販でございますから、そのほうで規制いたします。そういうことがはっきりいたしますれば、私のほうで——まあ多少情報も参っておりますが、小売り店の側が弱みがあります。大体上のほうにさからいますと、何となくあとで意地悪うされるものですから、つい言ってこないのです。しかし、もうこの店とは取引せぬというふうに決意をすると、私のほうに言ってくれるんです。そういう場合には、これはやみ再販として排除命令でも何でも出しますから、どうぞひとつ、そういうことがございましたら、わがほうになるべくなら秘密に申し出てください。そうでないとまたごまかしてしまいますから。そういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 じゃ、私があとでまた公取委員長のところへ持っていきますからね、ひとつよろしくお願いします。  それから、通産大臣ね、三百五十円を三百十円に指導で下げているんですね。そうすると四十円下がるわけでしょう。これを小売り屋さんのマージンの中から引くのか、あるいは卸でやるのか、メーカーでやるのかよくわかりませんけれどもね、こういう点はどうなるのですか。ぼくの聞いたところは、全部これを小売り店のマージンか何かからほとんど取り上げてしまうのが多いらしいんですよ。こういう指導はどうしているんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) クレヨンにつきましては、四十八年秋、十二色太巻きのものが百五十円ぐらいであったのが、一月には二百七十円ぐらいに上がりましたが、行政指導で二百四十円に二月にはおろしました。クレパスが、同じく秋に百八十円ぐらいであったのが、二百七十円に上がって、これを二百四十円に行政指導した。それから、十六色のものが、二百五十円ぐらい秋しておったのが、三百五十円に上がって、これは二月に三百十円に下げさせました。  これらは、メーカーのほうと、それから卸の系統と、両方に対して協力を要請して、そうして末端においてこの値段になるようにと、そういうことで指導したわけです。ですから、利潤分配をどういうふうにしているかということはわれわれのほうは干渉しないで、それで末端価格で子供に渡るときにこれでやるようにやってくれというわけで、おそらく各段階において分け合っているんではないかと私思います。それがまた望ましいと思います。もしその一番末端だけに重圧が加えられるというようなことになると、それは適正ではございませんから、行政指導をもう一回やってけっこうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 文部分臣はこういうことは知っておりますか、何か文部省としても。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省におきましても、都道府県教育委員会、国立大学から絶えず状況の報吾を求めておるわけでございます。で、問題によりまして物資所管の官庁にお願いをしているわけでございまして、通産省所管の問題につきましてたいへん御協力をいただいているわけでございます。通産省が御指導いただいたものにつきましては、大体その程度下がってまいってきているようでございます。必ずしもそのとおりいっていない面もないわけじゃございませんけれども、おおむね、各月々受けておる報告によりますと、成果をあげていただいているようでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、これは経済企画庁長官の領分でしょうか、私は、こういうふうな、表示をしなかったり、それから不当な表示をしたりするようないろいろのケースがあるんですけれどもね、少なくとも、われわれが消費者として物を買う場合に、行って見て、これは幾らだということが明らかなような一つの定価というものを全部つけたらどうかと思うんですよ。ところが、二百円でこっちが二百五十円じゃこれは困る。どっちがどうかわからぬが、そういうふうなことをひとつ考えてみたらどうかと思うんですが、あまり品物が多過ぎてできないとおっしゃるのか。やっぱり消費者の選択の自由もあるでしょうし、同じ品物でも高いのと安いのとあるかもしれません。ですから、見たらすぐわかるような、そういう全部に定価を張らせるというような、つけさせるというような、こういうことをひとつ考えてみたらどうかと思うのですが、どういうものでしょうか。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) お答え申し上げます。  いわゆる再販商品でございますと、これはメーカーがつくる段階から包装にそういう定価を入れるケースがあるわけでございますけれども、再販商品でないものについてそういう形をやりますと、これはやはり公取委員長がおっしゃるやみ再販的な扱いになりますので、やはり小売りの段階で、自分の店で定価を張りつけるというのが一番望ましいんではないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから既定の法律だけにこだわらないで、いずれにしても、いまあなたは小売店でもいいから張れと、こうおっしゃるわけだね。ところが、それは小売り店だけの判断でやっても、これは問題ですから、やっぱり適正な価格でこれは幾らだということがわかるような、そういうすべてのものに値段をつけるようなことを考えてみたらどうかというんですよ。法律が必要なら、法律をつくればいいんだから。

小島英敏経済企画庁物価局長

○政府委員(小島英敏君) やはり自由経済でございますし、特別に法律的にきまっておりませんものにつきましては、その取引の場において定価を張りつけるということが本来のあり方であろうかと思います。なかなか、政府がこのものについては幾らぐらいがよろしかろうということで指導をしてやるというようなことは、まあ標準価格になりますものは当然でございますけれども、一般的になかなかそこまではむしろやらないほうがよろしいんではないかというふうに思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは事務当局ではだめですよ。だから責任ある政府から……。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) それはこういう趣旨でございます。御承知のように、再販というのは、メーカーが卸なり、小売りなりにこれ以下の価格で売るべからずという契約を結んで、その小売り業者を縛ると、こういう場合、その一番の端的な例が出版物などだろうと思います。でありますから、出版物等については定価がついておるのは普通のようでございますが、その他のものは、昨年の暮れからのように物価がどんどん上がる時期は鈴木さんのおっしゃるように定価をつけさせるなり、あるいはみずからつけて、そして購買者に安心感を与うべしと、こういう気持ちにも、私どもも正直のところなりました。なりましたが、今日のようにだんだん物価が安定して下がってくるような状況のもとにおいては、むしろ競争して下げてもらうということが趣旨でありますので、うかつに標準価格あるいはそれに類する価格のような場合を除いて、一般的に定価をつけさせると、それこそよく言われるように、高値定価になるおそれが、私のさっき例に引きました医療品ではございませんが、あろうということも考えられますので、鈴木さんのおっしゃること、よくわかります。また、そういうものもございましょう。ございましょうが、私の申し上げるようなつけないで、むしろ競争で下げさしたほうがいいというものもたくさんあると思います。現に標準価格のようなものをつけたものでも、むしろその店がそれを目玉商品といいますか、客引き商品にして標準価格以下の値段で売り出したりしているようなものがあることも御承知のとおりでございますので、まあ標準価格ということからいうと、いろいろ批判もございましょうが、購買者一般の国民からいうと、たいへんなけっこうなことでありますので、大いに値段引き下げ競争をさせるような、さっきも申しますような状況をぜひつくりたいと、このくらいに考えておるところもございます。御承知ください。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう私、時間がなくなりましてたいへん残念ですが、特に、きょうは日本外交のあり方、それから先般来の安川駐米大使の錯覚外交、あるいは日ソ共同声明の日本文の欠落、石油危機の遠因となった中東情勢の読み違い、首相の東南アジア訪問に対して現地情勢の把握のしかたのまずさ、一連の外交ミスというものが非常に国民の信頼をなくしているように私は思うんです。しかもその責任のとり方に対しても、国民はなかなか納得をしておらない。法眼次官に何か最終的に責任をとらしたような形で問題を決着しようとすることについても、私は問題があると思います。これはひとつ、外務大臣から若干の見解も聞きたいんですが、もう少し現地におる日本外交官がしっかりと勉強していただいて、そしてその国の実情を十分に把握され、わが国の外交行政の上に万遺憾ないような方法をとっていただきたい、これは私は強く期待します。  それからあと、日中の航空協定の問題ですが、大体、最近やろうじゃないかという申し入れをして、中国側もこれを受けて立つようでございます。問題は、日台との関係とのかね合いで、はたしてあなたが中国に参りまして基本的に了解をされた線でうまくいくのかどうなのか。この国会で批准をするとすれば、早く調印しなければいけませんでしょう、そういう点の見通しですね。  それからもう一つ、これは法務大臣に伺いたいんですが、私はきのうの新聞でちょっと拝見したんですが、「法制審議会は十二日の総会で「名誉に対する罪」の改正と「企業秘密の漏示罪」の新設を、刑事法特別部会がまとめた改正刑法草案どおり決定した。法制審は次回四月十九日の総会で改正草案の全部の審議を終え、五月中にも改正案をまとめて中村法相に答申する予定」と、そこでこのきまりました名誉侵害罪というものの内容は、昨年七月の総会で採用のきまった公務員の秘密漏洩と、憲法に保障された言論、出版の自由、国民の知る権利を制約し、また、企業秘密漏洩罪の新設は、運用次第で公害摘発運動や健全な消費者運動へのブレーキとして悪用されるおそれがあると、こういうふうにわれわれは思うわけですね。ですから、おそらく答申がなされると思いますけれども、法務大臣としては慎重にこれらの点を検討されて、その上でひとつ対処していただきたいと思いますので、その辺に対する御見解を承って、あと、私は商社と石油企業の実態についてメスを入れたいと思いまして、いろいろと勉強もしましたし、資料も持っておりますが、残念ですが、そこまできょうは時間の都合でまいりませんので、これでお答えを聞いて終わりにしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 最近、世界があらゆる面においてまとまりがむずかしくなってまいりまして、外交の局面もたいへん多難をきわめておるわけでございます。去年はしかしながら、対米、対欧、対ソ、総理みずからお出ましをいただき、私どもといたしましても精力的に展開さしていただき、わが国の国際的地位にふさわしい仕事はやらしていただいたつもりでおります。しかし、いま御指摘になりましたような若干の問題が出てまいりましたこと、まことに申しわけなく存じております。しかし、日ソ共同声明の欠落問題は、日ソ両文とも正文でございまするし、日ソ両国の間に内容について合意の相違は全然ございません。文字どおり、事務上のミスでございます。  それから天皇御訪米の時期についての問題は、日米間には何ら理解の軒軽はないわけでございます。問題は、日本政府におきましていつこれをお願いするかという問題につきまして、共同声明にうたわれました近い時期という表現を、私どもは今年中という時間帯を限っての表現にいたしたところにあやまちがございました。しかし、これは直ちに確認の上、取り消したわけでございます。したがいまして、私は、私みずからがとるべき責任を回避するつもりは釐毫もございません。ただ、国務大臣としてとるべき責任につきましての判断は私自身誤らないつもりでおるわけでございまして、この事案につきましての処理につきましては、鈴木さん御案内のように外務省において適切な措置を講じておるわけでございます。  それから日中航空協定につきましては、本交渉を中国側に申し入れたわけでございまして、先方もそれに応諾をしていただいておりますので、近く本交渉を開始いたしたいと思っております。で、この問題は、御案内のように、日中間の政府間の協定によって日中間の航空航路を管理してまいると、日台間におきましては民間間の協定によりまして日台間の航空需要を消化してまいると、この二つの要請を達成いたすべく最善の努力をいま傾注いたしておるところでございまして、私といたしましては、早く仕上げまして今国会の御審議をお願いいたすべく、いませっかく努力をいたしておるところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この国会で批准するんですか、批准するつもりですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 批准の問題は今国会に提案申し上げて御審議を願うつもりで用意をいたしております。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) ただいま刑法改正について法制審議会が総会をやって逐条審議しておりますことは御承知のとおりでございますが、われわれといたしましては、学識経験者の人たちが集まって慎重に審議しておる法制審議会の審議ですから、結論は十分尊重いたしたいと思いますが、その表現等につきましては、十分に御指摘のように慎重にやってまいりたいと、かように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうもありがとうございました。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 以上で鈴木君の質疑は終了いたしました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 次に、鬼丸勝之君の質疑を行ないます。鬼丸君。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 私は、昭和四十九年度の予算案に関連し政府政策の重要な事項について若干の御質問を申し上げます。  四十九年の予算案は、すでにたびたび申されておるように、総需要抑制の立場に立つ世直し短期決戦型の予算といわれておりますように、前年比一般会計において一九・七%増、財政投融資において一四%増、公債〇・九二といういままでにない緊縮型であります。しかし、その内容におきましては相当行き届いた配慮がなされておりまして、各種福祉年金の五割増額とか、恩給・遺族年金の二三・八%アップ等をはじめといたしまして福祉関係は大幅に増額され、また農林関係においても公共事業費、食管経費を別とすると三二・一%と増額されております。さらに公共事業の面では、一般公共全体では前年度とほとんど変わりませんが、その中で住宅、下水道、公園、環境衛生等は二一、二%と重点的に増額されております。まあこのようにきめのこまかい配慮に対して私は深く敬意を表するものでありますが、これら予算の成立の暁、その執行、運営にあたりまして、田中内閣の姿勢として基本的に御留意をいただきたい点があります。  すなわち、申すまでもなく、わが国の政治経済は今日物価、公害、石油問題等をはじめ、ほんとうに内外のきびしい情勢のもとに戦後最大の難局に直面いたしております。田中内閣はこの難局を天の与えた試練と受けとめて、国民大衆の心を心として、その声に耳を傾けながら、真に国民の負託にこたえる政治を、まあ総理お得意の決断と実行をもって行なわれたいのであります。そしてこの日本の平和と自由の社会を守り抜いていただきたいのであります。いままで総理をはじめ各閣僚が非常に当面緊急の問題について努力をされておる点はまことに多とするところでありますが、どうか決断は慎重にかつ時期を失せず、そして決断されました以上は、勇猛果敢に実行されたいと切望するものであります。  以上申し上げました点につきまして、私は、もうすでにたびたび総理が申されておりますから、この夏ごろには一陽来復を心から期待しながら、もう一度総理の所信をお伺いいたします。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私は、石油危機という問題によって日本がいつの日にか直面しなけりゃならないと危惧されておったようなもの、これがすべて吐き出されたという感じでございます。まあ識者の中には、戦後足かけ三十年ということでございますが、人類の歴史にないようなすばらしいと言われるような戦後の日本の復興がなし遂げられてまいりました。これはそれなりに理由があることだと思います。日本人の勤勉性、無資源、無資本の状態から今日の日本を築けると予想した人はないと思います。われわれ政治の中におってさえも、今日のいんしん繁栄を初めから予測できなかったわけでございます。しかし、このような世界の、まあ百四十六の国がございますが、この中で人が一世紀、場合によっては二世紀もかかって築くようなものをその十分の一というような短い時間で築き上げると、私はそういうスピードの中には必ずいろいろ正さなければならないものが当然出てくると思います。これはもう慣性の理屈から申しても、非常なスピードで走れば急激にとまることはできません。そういう意味で、この成長の中には日本として正さなけりゃならぬ問題たくさんあると思います。ありますが、なかなかその現状の中で将来を予測をし、新しい政策に方向転換をしていったり、新しい政策をとることは非常にむずかしいことも事実であります。そういう問題がここで石油問題を契機にして全部吹き出し、テーブルの上に上げられたと、そういう意味では必然的な時期を迎えたと。ですから、この問題にうろたえることなく、現実の把握に大いに努力をして、そうしてこれを第二のスタートにしたい。第二のスタートをした以上、今日のような問題が二度と再び起こらないような、制度の改正が必要であれば制度の改正に踏み切るべきです。そしてまた、いままでの政策に転換が必要であれば、転換をすべきであります。私は、その意味では、国民の理解を得るには一番絶好のチャンスを迎えておると思うのです。私は、そういう意味で、まず日本に対しては、現状がみんな悪いんだというような考えの中でいいものが生まれるはずはありません。いいものはいい、悪いものは悪いという取捨選択をちゃんとして、国民の前にこの実態を明らかにすべきであります。いいものは伸ばしてまいります、悪いものはここで転換をいたします、そのためには少しは摩擦があってもがまんしてください、私はそういう好機であると考えておるのであります。そういう意味では、困難ではございますが、あえて困難に挑戦することはそれなりの政治的なメリットもある、こう思っておるわけでございます。ですから、まあ山中鹿之助が、神よ艱難辛苦を与えたまえと、そんなことではございませんが、これは避くるに避けられないような事態に当面しておる政治をいまになっておるのでございますから、国民の声をよく聞きながら、誤りなきを期しながら、長い将来に向かっても正しい道を開くチャンスといたしたいと、こう考えております。私は、将来的展望に立っては、どこの国にも負けない豊かなすばらしい国が続いていくという絶大なる自信を持っております。そして、当面する問題は解決しなければならないし、解決できる。それで、解決をする過程においても、他のどんな国よりも日本ができないはずはないと思うのです。それは、資源がないと同時に、どんな主要工業国とも違う国民総生産に占める国防支出、国防生産というもののウエートを比べれば、このバランスはちゃんととれるはずであります。そういう意味で、困難な問題はアメリカでもイギリスでも西ドイツでもみんな同じ困難な状況なんです。ですから、そういう意味で、私は、外国のいいところはとり、そしてそのまんま外国のものを日本に入れて、外国が失敗しているものは入れる必要はないんです、入れることはできません。日本に適合するものを静かに考えながら勇敢にこれを実行していく一つのチャンス、こう考えております。ですから、夏までというのは、夏が一番物価が上がるんじゃないですかという先ほど御発言もございましたが、そういう気持ちでは物価なんか押えられません。最も困難な状態を目がけて、これをめどにして私は物価の抑制をはかる、こういう考え方でございまして、まあこれは避くるに避けられない状態でございますし、災いを転じて福となすということはお互いの人生にも間々あることでございます。私は、それには、十年前にこういう問題が起こるよりも、五年前に起こるよりも、輸出が出て困る、黒字があって困る、国際収支がよくて困るというような事態でこういう石油の問題が起こった。わずか三年前の外貨準備高四十五億ドルというときにこんな事態が起こったらどうなったかということを考えれば、まだやっぱり世の中には神もある、仏もある、ほんとうにそういうすなおな感じを前提にしながら、国民のために将来の後代の日本人のために誤りなき政策を実行すべきである、その責任を負うものである、こういう考えで、これはもう不退転の決意で臨んでおりまして、このような事態に対してちゅうちょ逡巡もいたしませんし、また、現象にとらわれて暴走することはありません。政治はすべて国民のものだという前提に立って着実な前進を続けてまいりたい、こう考えます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 ただいま総理からまことに力強い決意と御所信のほどを伺いまして、大いに頼もしく感じました。どうかひとつ、夏までをめどに一そうの御努力、御健闘をお祈り申し上げます。  そこで、公共事業の問題に移りますが、総理の施政方針演説の中では、公共事業は今年度以下に押える、四十八年度ですね、そういうふうに言われておりますが、そこで、私が仄聞するところでは、どうも四十七年度並みの事業量ということで新予算は組まれておると承知しております。ところが、すでに予算編成の時点から見ても、資材費あるいは労務費、さらに金利等も上がっております。今後もまだ若干上がるでしょう。そこで、発注の際に新年度単価は実勢に見合った積算をしてありますから、その面で事業量が減りますですね。また、これは自治省の関係ですが、起債のワクも充当率も今度は非常に締められておりまして、府県の補助事業は補助裏の財源調達に困って、せっかく中央から割り当てられても予定事業量の発注ができにくい、こういう事情にあるようであります。この面からも事業量が減ってくる。そういたしますと、四十七年度並みの事業量というのはとうてい消化できない、消化不良になります。この点で、いかがでございますか、私はそう考えますが、大蔵大臣からでもひとつ。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十九年度の予算は、いまお話しのように、公共事業費を特に抑制いたしたわけであります。これは四十八年度予算よりも少ないというわけでございますが、実質的にはおそらく四十七年度の事業規模、これよりもかなりめり込むであろうと、こういうふうに思います。もっとも、四十八年度から四十九年度に繰り越しを予定しておる、それを加えてみましても、当初の閣議決定で繰り越しはいわゆる八%削減ですね、あれでいきますと、公共事業費の五%ぐらいが繰り越されると、こういうことになるわけです。それからその後追加繰り延べをしておりますが、それを加えましても六、七%ぐらいのものだろう。六、七%と見まして、それを四十九年度の事業量に加えましても、これは四十七年度の事業量を下回ると、こういうものでございます。そこで、それが一体消化できるか、特に単価の関係でどうかと、こういう問題だろうと、こういうふうに思いますが、いま問題になります昭和四十九年度の予算、これは単価におきましてはよほどくふういたしまして、それで、道路でありますとか、治山治水でありますとか、あるいは農業基盤の整備でありますとか、そういう一般の公共事業につきましては、これはまあ四十九年度予算が成立いたしますとすぐ個所づけが始まるわけです、その個所づけの際にそのときの状況に応じまして単価をきめると、こういうふうにする。それから他の一般公共以外の住宅でありますとか、あるいは文教でありますとか、そういうものにつきましては、これは大体単価の見積もりができるわけなんです。そこで、これらにつきましては大体昭和四十八年度の予算に加えまして四五%の積み増しをいたしておると、こういうことでありまして、これで私はいわゆる超過負担の解消問題、これを含めまして適正に事業が執行できると、こういうふうに見ております。いま鬼丸さんがおっしゃる話は、おそらくその予算を編成した後にこの卸売り物価が上がってきたと、こういうお話でございますが、いま私が問題にしているのは四十八年度じゃないんです、これは。四十八年度のそういう物価の上昇に対しましては四十八年度予算の実行として対処します。これは対処する計画を立てております。ところが四十九年度は、これはいま私どもはまあ総需要抑制政策を進めておる、こういう状態でありまして、たとえば土地につきましては大体もう全国頭打ちの価格状態になってきた。この金融引き締め政策を中心とする総需要抑制政策が進められますと私はこれは下降傾向をたどるだろうと、こういうふうに見ております。四十九年度予算を編成したときのこの資材はどうだと、こういいますれば、その価格は、その当時はまあ丸棒あるいは形棒、そういうものがトン十一万円もしておる。それが今日七万円ぐらいにまで下がってきておるわけです。セメントも横ばいから下降傾向を示そうとしておる。木材は現にかなりの下降を示しておる。こういうことで、私は四十八年度予算に比べまして、四十九年度は実に四五%の単価見積もり増しをしておると、こういう事態でありますが、これらの傾向を見まするときに、私はこの単価で十分に対処できると、こういうふうにまあ考えております。それにいたしましても総需要抑制政策、これはまあ着実に効果を出してきておるんですが、この方向をさらに強化、推し進めたいと、かように考えております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 大体わかりましたが、この事業量そのものが、詳しく数字で伺うつもりはありませんけれども、四十七年度以下——四十八年度以下が実質は四十七年度程度かそれ以下だということになりますと、もともと予算編成のときの事業量そのものが少ないわけでございます、ほんとうは。それはまあ総需要抑制という立場からまあやむを得ないということで私どもも承知いたしておりますが、そこで起債の問題もからんできますけれども、四十九年度の事業量として、総理はたびたび言われておりますように、さっきも申されましたように、これからまあ夏ごろまでに物価が安定して経済状態が落ちついてくるということに考えられますから、その暁においては、まあ、いわばポスト経済安定というようなことで、その暁にはひとつ事業量を——実際は予定のやつはなかなかできないと思いますから、その部分を含めて事業量を施行するための補正予算等を考えられることはないでしょうか、お考えはございませんか。その点をひとつ前向きにお答えをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 鬼丸さんのお尋ねの趣旨はよくわかりまして理解できます。ただ、四十九年度の経済成長率は二・五%と見ております。この見方は、まあ上半期のうちは大体横ばいみたいな形にいくが、下半期にいきますとまあ四、五%というような上昇になりまして、平均するとまあ二・五%だと、こういうことなんです。  そこで公共事業の執行を考えますと、上半期にはかなりこれは抑制型でいかなきゃならぬ。これはどうしたって物価を鎮圧しなきゃならぬと、こういうことになるだろうと。そこで、まあ四十九年度の予算、特にそのうち第一四半期につきましてはきびしい抑制方針でいかざるを得ないと、こういうふうに考えておるわけなんです。しかし、まあ物価の状態が鎮静化する、そういう時期になりますと、まあ金融のほうでも多少の変化も出てくるでありましょうし、それとも見合いながら、繰り延べになりました公共事業等につきましても執行を、これを開始しなければならぬと、あるいはまあ増加させなければならぬと、そういう傾向になってくるんであろうと、こういうふうに思います。したがって、年度間を通じて見まするときに、昭和四十八年度で原則八%の公共事業の繰り延べをした、そういう必要は私は見ておりませんが、逆に今度は補正を組んで事業量の拡大をはかるかと、こういうと、そういう必要はない。まあ、上半期に薄く下半期に厚いと、こういう運用をいたしますので、その運用によりまして景気の情勢、それに十分対処し得ると、かように考えております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 そういたしますと、まあ上半期には押えて下半期にそれが延びた分がプラスされて厚くなるということはわかりますが、結局、昭和四十九年度の事業についての公共工事、事業についての繰り延べは考えないということに理解してよろしゅうございますね。  それからまた、実際問題として、たとえば県の補助工事等でもう返上してしまうというようなのがあり得るんですよ、今度の財政金融事情からですね。そういうものはやっぱり、あとで別の県とか別の個所とか、これはまあ当然、やりくりの問題ですから、考えられると思いますが、そこで問題は、いまの第一四半期を特に押えるというお話でございますが、これが公共工事のにない手である建設業に相当響くんじゃないかと。実はまあ建設業界には昨年の秋から非常に倒産がふえてきております。昨年一年で、これはまあ資本金千万円以上の企業ですが、二千五百十二件、戦後最大でございますよね、一年間にこれだけ出たのは。そうして全産業の大体三割を建設業の倒産が占めております。御承知のような石油危機等で、それに金融引き締め、まあ物価の上昇等で非常に経営が苦しくなっている。その倒産の原因はいろいろございましょうが、やはり特に公共事業に関係しておる建設企業はある程度コンスタントに仕事が出なければ困ると。そこで、やはり上半期においても相当早期発注として出してやらぬと困っちまうと、こういう状況でありますが、ああ、いろいろ言われておりますけれども、建設業界はこういうことで今年の六月ごろはほんとうにピンチに立って最大の危機を迎えることになるのではないかと言われております。まあ、いまの工事の発注、また発注のしかたも、中小企業を考えますと、相当こう小さく割って発注するというようなことも、工事の種類によって考えなきゃなりませんでしょう。あるいは、例の単価のスライド制を十分なお改善を完璧にしていくとか、それから運転資金の特別融資、これがやっぱり一番現実には必要になってまいります。こういう問題で、特に下請中小零細建設業の救済策を十分考えていただきたいのでございますが、この点はいかがでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) こういう引き締め政策がとられますと倒産件数というものがふえてくるわけです。その中でいつも最初に影響を受けるのが建設業界。無理もないんで、まあ財政方面から公共事業が抑圧される、また金融方面からは設備投資が抑圧される、それはみんなしわ寄せがまず建設業界にいくと、こういうことですから、そういう傾向になるのはこれは必然だと思いますが、今回もお話のように最近月九百件ぐらいの倒産が出ておるんです。そのうち三分の一は建設業界だと、こういう実情でございます。その状態に対しましては、政府は四十九年度予算の編成でもそういうことのあり得ることを予想いたしまして、あるいは地方道路でありますとか、奥地山村のいろんな事業でありますとか、そういう中小土建業者になじみやすい事業につきましては格別の配意をいたしておるわけなんです。でありまするが、予算の執行にあたりましても、いまお話のありましたようないろんなことが考えられると思いますが、建設大臣がこれはずいぶん苦慮されることかと思います。その中小土建業者に対する受注のチャンスがよりよけいにいくようにということにつきましては、政府といたしましても格別の配意をいたします。  なお、健全な土建業者が金融のゆえにこれは当惑をするというような事態に対しましては、金融政策の運行上できる限りの配意をしてまいりたいというふうに存じ、そのためのいろいろな手配をいたしております。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) お答えいたします。  大蔵大臣から申し上げたのに尽きるわけでございますけれども、特に年度末、新年度、この間におきまして四月、五月、六月というのが私ども業界に対して一番心配をいたしておるわけであります。仕事がとぎれて倒産に結びついていってしまったんではこれはもうたいへんなことになりますので、この点を十分事務当局にもおろしまして、実は予算が国会を通過いたしますれば、もうできるだけ早い時点において契約が結べる、その契約を結ぶ際におきましても、先ほど大蔵大臣から申し上げましたように、総需要抑制という至上命令の中でこれをさばいていかなければならないという、まことに機微を要する面も実はあるわけでございます。これを乗り越えてしかも倒産に結びつけないような仕事の発注のしかたというものを、もうすでに一カ月ほど前から事務当局を督励をして検討をさせておるわけでございますので、予算が通過いたしますればもう直ちに契約に応じられるという指導を、各地建を督励をいたしまして、そういう態勢をとっておりまして、鬼丸委員の御心配になるような中小業者の倒産という事態をぜひとも食いとめていきたいと考えておる次第でございます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 次に、騒音公害の問題をお尋ねいたします。  すでに御承知のように、新幹線あるいは高速道路、空港等の騒音公害があちこちで問題になっておりますし、御承知のように伊丹空港では先般大阪地裁で判決が出ておりますが、これらの問題の態様なりあるいは現象形態といいますか、まあ一様ではありませんけれども、これに対する対策の統一的な考え方、各省所管の——いろいろ問題が各省に分かれておりますが、また環境規制基準の統一的なものを、ごくあらましでよろしゅうございますから、お答えを願いたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 近時、航空機とか新幹線、高速道路——高速の多量の輸送機関というものが発達をしてまいりまして、そのためにやっぱり騒音問題というものが大きな社会問題になってきておる。だから国民からすれば、精神的にも肉体的にも健康な社会生活が営める静かなる生活環境を求めるという声が大きくなってきておる。それは当然のことだと思います。   〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕  まあ、環境庁としてもやはり適正な環境基準を設ける。空港に対しても新幹線あるいは高速道路に対しても環境基準を設けて、その環境基準に適応するだけのやはり防音の施設であるとか音源対策であるとか、根本的にいえば、建設の当初から環境への影響というものを考えて今後はそういう高速輸送機関というものを建設せなければならぬということで、御承知のように、高速道路については昭和四十六年の五月でしたか環境基準を設けている。それから航空機については昨年の十二月に環境基準というものを設けている。それから新幹線については、やはり一昨年運輸大臣に対して、これは環境基準ではないわけですが、暫定の基準というものを設けて勧告をしたわけであります。しかし、環境基準も設けなければならぬというので、目下、中公審で審議を願っておるわけであります。近く答申を得れば新幹線に対する環境基準というものを設けたい。これはだんだんときびしくしていく考えでありますから、それに適応した——空港の建設あるいはまた新幹線、高速道路の建設も、その環境基準を守るに足るようなやっぱり計画を立ててもらいたい。しかし、現にたとえば新幹線にしても、東海道とか、あるいは新大阪から岡山に至る山陽新幹線というような既設の新幹線については、そういう立地の条件から環境への影響というものに対して十分でなかったようなケースに対しては、あるいは防音の装置をするとか、あるいはまた、場合によったら移転までもしてもらわなければならぬ場合も起こりましょうし、そういうふうな、すでに既設のものに対しては、その、あるという現実の上に立って、そして騒音公害を防止するような処置を講じていきたい。各省も、騒音問題というものは大きな社会問題になっていますから、これはいま申したような防音施策については各省間においても積極的に取り組もうという方針で適切な処置を講じておる次第であります。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 三木環境庁長官から伺ったとおりに大体進んでおるようでありますが、実は新幹線の問題でちょっと具体的にお尋ねしようと思っておりましたが、けさのテレビ、ラジオですか、解決することになったというんですけれども、例の福岡市の米田団地のそばを通っている新幹線の工事、団地の人たちがすわり込んで、もう工事が進捗しないように妨げて、話し合っておったのでありますが、どういうふうに大体解決することになりましたでしょうか。大体のところでけっこうですが、これはちょっと伺いまして、それだけでよろしゅうございますが。  いまの長官のお話の環境基準で、たとえば新幹線は音は八〇ホン以下ということになっておりますけれども、やはり市街地とか都市内を通る場合は、これではやっぱり甘いんじゃないかと考えられます。ですから、こういう基準も改定をお考えになって、さらにさっきお話しのような防音壁とか、あるいは上にこう、吸音板でドームのようにつくるとか、あるいは緩衝緑地地帯、防音林の帯をつくる、さらに、極端な場合は移転ということも考えなきゃなりませんでしょう。で、そういうことがだんだん政府においても各省それぞれ進めておられますが、比較的最近、こういう基準を固めておられますが、四十九年度予算措置でどの程度カバーできるか。これはもうお話のように先手を打ってほんとうはやらにゃいかぬのですけれども、先手を打つにしても、相手があることですから、地元、個所ごとに話し合いをしなきゃならぬ。その話し合いを積極的に先手を打ってやるべきでありますが、いざという場合は、それに必要な、いま申し上げましたような防音、騒音公害対策の施設の予算はやりくりして出せるというふうに理解してよろしゅうございますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) いま御指摘のように、八〇ホンというのは環境基準として甘過ぎるわけであります。しかし、すでに新幹線の場合でも、市街地を通るような、そういう当初の計画がそういうものになっておるわけでありますから、不可能なことをしいるわけにはいかぬ、環境基準といえども。そういうことで、いまは、これから建設する新幹線についてはもっときびしくするつもりです。これは、おそくとも年内には環境基準を出すつもりです。そのきびしい環境基準に適合するような、やはりこれからの新幹線というものは計画を立てて、そして環境基準を守れるような、そういう設計にしてもらわなければ困るわけですが、いまあるところについては、たとえば国鉄などでも、両側に一つの緩衝地帯を設けるとか、あるいは移転というようなものを、どうしてももうこれは方法がないところには移転ということも促進する、あるいはいま御指摘のような施設だとか、ドームとか、こういうもので音をできるだけやっぱり遮断する方法をとる。鉄げたなどもいろいろコンクリートにかえていったりして、音源対策を講じつつあるようですが、国鉄も最近やっぱり方針を固めようという段階でありますから、それは本年度の方針、四十九年度の予算の中には、いろいろと国鉄全体の経費の中から捻出が可能であるということを聞いております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 ちょっとさっきお尋ねしました新幹線の福岡地区のあの問題ですね、ほんとうに解決することになりましたか、簡単でけっこうですから。というのは、十二月開通を目ざして盛んに工事を進めておるところですから、あれが解決しないとたいへんなことになるのです。解決しておればまことにけっこうですが、どうぞひとつ簡単にお願いします。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) お尋ねの米田地区の騒音等の問題につきまして、地域住民との次の協定によって解決を見たわけでございます。協定締結は三月十四日、国鉄福岡工事事務所長と米田地区新幹線対策協議会委員長中富明敏さんですか、との間で行なわれることになっております。立ち合い人としては、福岡市の助役並びに藤岡、富田両市会議員が立ち合い人ということで話し合いがついたわけでございます。なお、内容の詳細について必要ならば御説明申し上げますが、こういうことで解決はつきました。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 それから、こういう新幹線、空港等の騒音公害、あるいは振動等もありますが、こういうものは、大体都市計画区域内が問題でございますが、地方自治体が決定する都市計画の問題と、さらに、これは中央で策定しております総合交通体系、こういうものとほんとうに有機的に結びついて、そうしてシステマティックに運ばれなきゃいかぬという点があると思います。この辺ひとつ建設大臣、また、運輸大臣からお答えを願います。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) 確かに御指摘のとおりでございます。特に、最近この住民運動というものが、非常に積極的にやはり民意の反映として直接手段に出るという傾向が強くなってきておる次第でございます。そういう大勢の中にありまして、都市計画の中で、県の計画なりあるいは国の計画なりが一緒に都市計画をつくるときに決定されれば、これはまことに望ましいことではありますけれども、現実問題としては、なかなかそういうことにはいっておらぬわけでございまして、やはり国会全体の計画というものが先行するということが望ましいわけであります。そういう意味におきまして、当田中内閣といたしましても、国土総合開発という見地からの構想を大きく打ち出したゆえんもそこにあるわけでございます。いま行政の末端でいろいろ事態を起こしており、住民の生活環境を良好な状態に置いておくというような問題についてもいろいろ問題が起きておるゆえんも、やはり国全体の計画というものを積極的に進める施策というものがここに完全にできておらない、特に、土地の問題等についての法的規制というものを田中内閣として昨年の一月に、もうすでに規制の問題、乱開発をこれまたきびしく規制する問題、さらには、地価の問題等を包蔵しました法的根拠を国会にお願いしたわけでございますが、やはりこれが一番私は根拠になるのではないか。それによって県の計画ができ、それによって各都市の都市計画が完成されるということになりますと、ただいま起こっておりますようなちぐはぐな問題は払拭される、われわれはそこに向かって全力を集中していかなければならない、こういうふうにいま考えておるわけでございます。しかし、現時点におきましては、現行法のもとにおきましては、できるだけその間の都市計画とその上部の計画との事前調整ということは確かに必要なことであり、私どもといたしましても、その点については積極的に連絡調整をはかっておるということでございます。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) お答えいたします。  新幹線とか、あるいは飛行場というのは、全国的なネットワークで全国的な立場から計画していかなきゃならぬものでございますし、また、都市計画は市町村ごとに立案、計画を進めるわけで、非常にその間になじみにくい面がたくさんあることは、もう専門家でございます鬼丸先生とくと御承知のとおりでございます。しかしながら、いま御指摘のような点等も十分配慮しつつ、今後の計画に対しては地域市町村とも、あるいは地域団体とも十分協議をして進めてまいらなければならないと思います。さようなことで今後努力をしていきたいと思います。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 まあ、いまの問題は、やはりなるべく早い時期に関係省の間でよくひとつ話し合いを進めて、そして中央の交通体系のネットワークといってもそれだけで押し通すわけにいきませんから、やっぱり地元の市の都市計画というものを調和させるような、調和させながら、そうして包摂していくと、こういうことを中央政府当局におかれても積極的に、まあ介入じゃありませんけれども、めんどうを見てアドバイスするというか、そういうことが必要だと思います。どうぞひとつそういうことによって今後の住民パワーに対する一つの対応策にもなりますし、騒音その他の公害防止の施策をなるべく先手を打って進めていくということにしていただきたい。これは要望です。  次に土地対策に移りますが、まあ土地対策は、もう申すまでもなく、国民生活の基本にかかわる重要な課題でございまして、政府も熱心に取り組んでおられますが、まあ内容はなかなかむずかしい問題を含んでおりますことは御承知のとおりです。ただ、この問題と取り組む姿勢といたしまして、これはほんとうにじっくり慎重にやっていただきませんと、朝令暮改というわけではないけれども、ちょっと言い出してみてそれが引っ込むというようなことになってはいけないと思いますが、まあ、これは私ども自民党の議員ばかりでなく、議員側もそうですが、何かこう、場当たり的思いつきの意見を言って、それがまあマスコミを通じて報道されると、いたずらに混乱というか、そういうことになりかねないんであります。どうかひとつ今後もじっくりと腰を据えて取り組んでいただきたい。そういう点から考えますと、いままでに政府が立法措置等講じておやりになりました地価公示制度あるいは不動産評価鑑定制度、こういうものは、じみな制度ではありますが、予算措置の面でも十分固まってきておりますから、十分これは評価されてよいと思いますし、それから、まあ例の都市計画の線引きの問題、これも当初運用上若干の問題がございましたけれども、私は、都市政策、都市計画をほんとうに根をおろして進める上においては画期的な意味を持ったものとして評価いたしておるのでございます。  そこで、ちょっと具体的にお尋ねいたしたいのは、宅地の——宅地というのは住宅用地ばかりでなく、いろんな工業用地、業務用地等含みますが、これの長期展望に立った需要というものがどのくらいあるかということと、それに対して、主として住宅用地でけっこうですが、これがどのくらい供給されるだろうかと、これは政府関係、民間も通じましてそういう一つの需要供給の見通しがついておれば伺いたいと思います。まあ一地価抑制策は、いろいろこれは簡単に一言でというわけにもいきませんでしょうから、もし特に強調される点があれば、あわせて地価抑制策も伺いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) 宅地の総需要をどう考えておるかということでございますが、昭和四十六年度から六十年度までの住宅建設戸数——これは建設省で新国土建設長期構想というものをつくっておるわけでありますが、それによりますと、昭和四十六年度から六十年度までの住宅建設戸数約三千万戸、そのうち新築したり建てかえたりしなければならないと見込んでおりますのが一千百五十万戸でございまして、これはもう新たにまた宅地も必要とするということで、それに必要な宅地が約二十三万ヘクタールが必要である、こう推計をいたしているわけであります。また、工業用地、業務用地も含めたすべての宅地といたしましては、通常既成市街地または市街地と呼ばれております国勢調査の人口集中地区を参考にいたしまして計算いたしますと、昭和四十五年十月現在で、これが六十四万ヘクタールとなっております。また、六十年度には、推算いたしますと九十四万ヘクタール、すなわち約三十万ヘクタールがこれから新たに宅地としてふえる必要がある、こういう見込みを立てましてもろもろの宅地対策を立てておる次第でございます。  以上で大体いまの御質問にお答えになるかと思いますが。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 そこで、今度はちょっと具体的ですが、宅地化の例の市街化区域の線引きですね、これは、まあ来年あたりから見直しの調査にかかろうという、そういうふうに伺っておりますが、一体、都市計画根幹施設を当時十年以内に整備する、線引きの区域の中をですな。こういう御方針をはっきり示されておりますが、これは大体どの程度かということをごく簡単に伺いたいんです。あとまた資料で承知してよろしゅうございますから、どうぞひとつ。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) 市街化区域並びに市街化調整区域の線引きの見直しの件でございますが、申し上げるまでもなく、市街化区域と市街化調整区域の制度は、スプロールを防止し、公共施設の整備に即応して計画的な市街化をはかろうとするものであり、都市計画を行なうにあたっての土地利用計画の基本となっていることは御承知のとおりであります。その決定にあたりましては、市町村の意向に即しまして都道府県知事が建設大臣の認可を受けて定めるものでありまして、その間において農林漁業のための土地利用との調整がはかられているものでありますから、大半の都市において実施後二、三年しかまだ経過しておらないわけであります。したがいまして、一般的には、ここで変更をするということは考えていないわけであります。しかし、一方において、特に宅地の需給が大都市地区において非常に逼迫をしておるという地域もあるわけでございまして、宅地供給を促進するという観点から適当な立地条件を有する場所であれば、市街化調整区域についても何らかの配慮をしなければなるまいと、こう考えておるわけでございまして、これらの観点を総合的に勘案して、調和のとれた対策を見出してまいりますためには、その実態や影響について詳細に見きわめなければなりません。昭和四十五年末までに線引きを行なった都市計画区域を対象に各県に委託して目下線引き後の動向を調査しております。当面は市街化区域内の宅地化の促進方策に最重点を置くと同時に、特に公的機関による大規模かつ計画的な開発については市街化調整区域内であってもこれを認めて、切迫した需要に対処したいと考えておるわけであります。市街化区域内における都市計画、根幹施設の整備については特に重点を置いて配慮しておるところでございまして、全国約一万二千平方キロメートルの市街化区域において整備すべき目標に対して、現在街路、公園はほぼ二五%程度、下水道は二〇%弱の整備水準となっており、昭和六十年概成を目途に市街地の動向に即して先行的に整備を進めるようにつとめているところでございます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 いまのその線引き後の動向の調査を始めたということが誤り伝えられているんじゃないかと思いますが、いよいよ線引きをまた広げるんだというふうに思っている。これは民間の方ですが、そういうのもありまするし、私は、とにかくまだ三、四年しかたってないし、線引きを見直してまた広げるんだというような印象を民間の方に与えないように、ひとつ御留意を願いたいと思うのです。  それと、大体当初から八十万ヘクタールぐらいのものを百二十万ヘクタールに広げちゃったんですからね、現在の市街化区域のトータルの面積は。都市計画根幹施設を十年以内に整備するというのはほんとうにたいへんなことだと思いますよ。ですから、もう原則的には広げない。ただ、私は、最近大都市ではもう市街化区域内にまとまった住宅団地が取得できないんです。特に県の住宅公社、そういう方面じゃほんとうに困りまして、福岡県なんかもそうですけれども、調整区域に出ていかないと、もう六万坪、十万坪という土地はない。ですから私は、今後の見直しの問題として、そういうものを、飛び市街化区域というんですか、いまは道はあっても、そういうものは市街化調整区域だからといってみな押えてしまっておりますよね、開発を認めない。だから私は、飛び地の市街化区域というような特別扱いを、これは公的なそういう開発機関だけでもいいと思いますが、そういうものをお考えになることはいかがですか、私は考えていただきたいと思うのであります。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、大都市の六十キロ圏、八十キロ圏程度のところでありませんと、良質安価な土地を住宅用地として得がたいというお話でございまして、確かにそういう傾向はございます。したがいまして、公的機関による土地の取得というような条件もつけまして、ただいま御指摘のありましたような方向で考えなければならぬのではないかということで検討を命じておるところでございます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 そこで、新しい宅地開発公団の問題等を質問する予定でありましたが、時間の関係もありますので省略をいたします。  なお、国総法について、まあ新聞等で承知いたした範囲ですが、土地の規制をもっと強化して、それから特別開発地域の開発部分を多少弱めるというようなことの修正をやって、ひとつ提出して成立を期そうというようなことを新聞等で拝見いたしておるのでありますが、まあ私は、それは野党さんとの話し合いの問題でございますから、ここでどうこうと言いませんけれども、せっかく前国会から継続審議になっております、しかもこの法律の本旨は、私は、列島改造論がどうだこうだというような論議は別にいたしまして、本来自然を守りながら、しかも環境と調和させながら国土を開発する、町づくりを進めていく、そのために土地の規制もしっかりやっていこうというのですから、これはまたぜひ必要な法律だと私は確信しております。どうかこの法律の成立につきまして一そうの御努力を要望するものでございますが、何かございましたらひとつ御所見を伺います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 政府の提案をいたしました大切な法律でございますので、私といたしましては、これを放棄をする気持ちは毛頭ございません。ただ、御承知のように、現在衆議院の委員会で審査中でございまして、委員の諸賢の中にも、いろいろのりっぱな意見もおありでございますし、これこそ国民的コンセンサスを基盤とした法律であることが、土地利用にいたしましても、土地取引の規制にいたしましても、いわんや開発というようなことに及びます場合には動かないことになりますので、私の考えでは、現在の衆議院の各党の御意向をもでき得る限り尊重をいたしながらこの法律の制定をお願いをぜひしたいと、かようなことで進んでおるわけでございます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 それでは次に、石油対策に伴う国内の代替エネルギーの問題は通産大臣がお見えになってからにいたしまして、次の食糧政策と農政の問題について若干伺いたいと思います。  昨日、自給率の最近の低下の状況とか、今後の食糧農産物の生産目標等につきましては、同僚の林田委員に対してお答えがございましたと思いますから。ただ私は、農林省がまとめております「農産物の需給の展望と生産目標の試案」ですね、これは、四十七年度に試案がまとまっておるのを私は持っておりますが、大体昭和三十五年は自給率が九〇%あった。それが四十七年で七三%、五十七年の展望で七三から七七%という数字でございますね。どうも国内の自給生産を高めよう、自給率を高めようというにいたしましては、五十七年度でやっぱり七三と七七という非常に幅の広い数字が出ておりますが、少しさびしい。自給率を高めて大いにやっていこうというのには、率直に申しましてさびしい、情けない感じがするのであります。まあ生産目標ですから、なかなか、特に農畜産物の場合は、そうきちっと七四とか七六とか目標をきめられない。しかし、目標だから、逆にいえば、きめられないことはないと思うのであります。この目標をぜひ達成したいということならば、私は、ほんとうは計画というようなものまで持っていくべきではないかと思うのでありますが、これは非常にいろいろむずかしい事情もありましょうから、しいて申しませんけれども、この食糧危機がもうすでに叫ばれておりますおりから、主要食糧につきましてでも、これはぜひ国内の生産の自給率をほんとうに高めていくような政策を力強くやっていただきたい。しかも、そういう目標なり計画の設定を政府の責任で、政府として責任を持ってやっていただきたいのであります。いままではどうも農林省が単に見通しをつくったり、目標をつくっておる。政府が農業団体等と十分協議をされまして、政府の責任において策定をしていただきたいと考えますが、この点いかがでございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 自給率の長期見通しのお話がございました。その資料をごらんいただいておるわけでありますが、ここで申しておりますように、国民食糧の主要品目については、米は一〇〇%、野菜、果実、鶏卵、肉類、牛乳、乳製品、これらのものはなかんずく主要なものでありますが、これらはいずれも八〇%以上の自給率を持っております。ところが、御指摘のように、だんだん減ってまいりまして、全体の自給率が下降いたしました大きなものは、やはり麦類——これは四麦を含めてでありますが、そういうものは、日本の経済発展に伴って労働力が流出したり、それからまた、国民の生活が安定するにしたがって食糧に対する選好の趣味がだんだん変わってまいりまして、肉類であるとか、そういうものに多くの要求が出てまいりましたので、この点の自給率が減ってきておるわけでありますが、しかし、これは、政府といたしましては、四十九年度予算で御審議を願っております中にも、麦その他の飼料作物等についての生産体制について大体百三億余りの予算を計上いたしまして、そういうものの増産対策を計画いたしておりますことは御存じのとおりであります。  そこで、御指摘のように、こういう必要であるにもかかわらず、わが国で生産のおくれておるものに重点的に力を入れてまいると、こういうことの目標で、五十七年度に大体七七%程度の維持をしようと、こういうことでございますが、いまお話しのこういう長期見通し、これは、一昨年十月設定したものでありますけれども、この当時もやはりおっしゃいましたように、農業団体、それから地方公共団体等の御意見も十分しんしゃくいたしまして農林省は決定いたしたものでありますが、これはやはりいま国際的に食糧問題がいろいろ危倶されておりますようなときでありますので、お話のございましたような御趣旨も尊重いたしまして、内閣総理大臣の諮問機関である農政審議会の需給部会におきまして、われわれの出しました資料をもとにして鋭意検討をしておっていただく最中であります。そういうものが出ましたならば、いまお話しのように、農業団体その他公共団体等とも十分の意見の調整をいたしまして、やはり政府としての方針をきめてまいりたいと、このように計画しているわけであります。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 わかりましたが、ぜひ政府として最終的に責任をもって決定していただくように重ねて要望しておきます、これは大事な点でございますから。  それから、あと新年度、自給率を高めるための小麦だとか、大豆、飼料作物等の生産奨励金、新規に組まれていることはこれはたいへんけっこうでございますが、特に畜産ですね、もう特にことしになってから、ほんとうに畜産経営はピンチに立って、まさに、ことばは悪いけれども、とん死寸前というところでございますよ。この畜産、これも原因は、やはり飼料、輸入飼料の価格の高騰が大きな要因になっておることは御承知のとおりでございます。これに対して、ほんとうに緊急対策として去年も飼料対策はずいぶん緊急処理をお願いしたわけでございますけれども、これは緊急対策でやらぬと、生きものですから、これがどんどんもういなくなるとか、倒れてしまうとかいうことになればたいへんでございます。この点について、特にどうお考えになっているか、お答えを願います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 畜産の問題につきましては、本日も全国の畜産家が武道館において大会を開いております。これからその代表に会うわけでありますが、私ども、その前に各県の農協、それから国会議員各位もずいぶん大ぜいの方からもお話がございました。われわれ自身もその真相を把握しておるつもりでありますが、昨年は、御承知のとおり、えさの基金に対して二百十億余りの繰り入れをいたしたり、それからまた、四分という低利融資をいたしました。それからまた、食管にかかえております古米の放出等をいたし、飼料価格の上昇を防いだわけでありますが、同じようなことを本年また繰り返すということは、財政的にもなかなか困難でありますが、しかし、やはり融資等、あるいはまた、いますでに受けておりまする融資の返還条件の緩和とか、いろいろなことが考えられるわけであります。で、現に、ただいまもう進行中でありますが、農林省にありまする畜産振興審議会に四つの部会がございまして、そこで鋭意検討中でございます。その検討されました答申を得て、法律に基づいて今月中に価格を決定する、乳価、豚価の価格を決定することになっております。で、私どもといたしましては、やはり生産者の生産意欲を阻害することのないように、同時にまた、畜産、酪農が、いまお話しのように、窮地におちいるようなことがありましたならば、もう来年度の生産に非常に支障を来たすわけでありますので、そういう点を考慮いたさなければなりません。一方においては、物価が強く叫ばれておる最中であります。そういうようなことをやっぱり調整をいたして政府としては考えなければなりませんけれども、私どもの立場といたしましては、何といたしましても、やはり一番の大手の飼料価格が、外圧が一番大きいのでありますけれども、向上しておりますので、そういうようなことがやはり価格政策の中に取り入れられるということは当然なことではないだろうか、そういう考えで対処しておるわけでありますが、一応審議会の答申を待って対処いたしたい。その対処する方針は、冒頭に申し上げましたように、畜産、酪農家が生産意欲を阻害するようなことのないようにという方向で努力をしておる最中であります。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 農業基本法制定以来もう十二年たちますが、この趣旨のいわゆる選択的拡大による自立農家あるいは専業農家育成、これはずっと近年の事情を見てみますと、どうもあまりうまくいってないじゃないかと、まあ今後も特に自立専業農家の育成は、私はむずかしいと思う。それは一部的にはありましょうが、そうぼんぼこそういう農家ができてくるようには思えませんが。そこで、食糧政策を中心とした農政の切りかえといいますか、発想の転換を考える場合に、こういう基本法も見直して、基本法の改正というものをお考えになっておられるかどうか、この点も、構想段階でもよろしゅうございますが、あれば伺います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農業基本法が制定されましたのはいまから大体十三年ぐらい前のことです。当時のわが国の経済情勢の中で、農業について基本的な考え方をきめるべきであるというので、私ども国会において基本法を制定いたしたことは御存じのとおりであります。わが国の農業は、この食糧需要の高度化と多様化に対応いたしまして、農業生産の選択的拡大を行なうべきである。欧米に比較して遜色のない生産性の向上を遂げながら、農業従事者の所得と生活水準の向上を果たすと、これは基本法の一つの目標でありますが、そういう点は私はかなえられてきたと思うのであります。しかしながら、経済の成長がきわめて著しかったために、これに必ずしも対応し得なかったということも御指摘のとおりであります。農業と他産業の生産性の格差の拡大することと、兼業化が進展いたしましたこの現象が、制定以来今日あらわれておる現象でありますが、自立経営農家の育成が必ずしも順調に進んでいないということについては御指摘のとおりであります。私どもは、しかし、やはりこの農業それ自体が産業として成り立つようにということが一つの大きな目標でございます。同時に、それにいそしんでこられた農業者をどうするか、こういう問題でございますが、これはそういう立場から考えますというと、自立経営農家を含め基幹男子専従者のいる農家がわが国の農業に占める地位を見ますというと、戸数全体から申しますというと、農家は三二%でございますが、青果物や畜産物を中心に、農業粗生産額は六五%を占めておるわけでございまして、私は、そういう意味から考えまして、若干その期待いたしておるよりもズレはございますけれども、そういう意味において農業基本法の精神は生きて貫かれているのではないかと思っております。しかし、御存じのようなわが国の農業をめぐる内外の諸情勢はなかなかきびしい状態となっておりますが、基本法に定めております農政の基本的目標、それから、その目標を達成いたしますための根幹的施策の方向自体は、現在の情勢においても変わっていないとわれわれは考えております。特に農業基本法におきまして、農業生産の選択的拡大と並んで、第二条では農業総生産の拡大をはかることを目的としておるのでありまして、今後とも、わが国の農政の基本はこの精神をもって貫くべきであると、このように考えておる次第でございます。しばしば農業基本法が論議の的になるようでありますが、私は、現状において農政を考えますのに、基本法をこの段階において改正するという必要は、とりわけないではないか、その運営をしっかりやっていくべきではないか、このように存じておる次第でございます。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 基本法そのものの条文を改正する必要はないというお話ですが、きょうは時間もありませんからまた別の機会に譲りますけれども、運営その他、他の法律において考えなきゃならぬ点があると思います。というのは、どうもほんとうに農業を安定させていくという、同時に農民の生活を守ってやるということ、これはまあいま実際は兼業収入でカバーされておる状況ですから、それを一体どう持っていくか。だんだん人が減っていきます。総合農政等でも、どうも私ども末端の農業者にいろいろせっつかれるんですが、やっぱりもっと根本的な発想をひとつ考えてもらいたい。そうせぬと、どうも自民党の農政はほんと肝心な点が欠けているのじゃないか、あるいはまあ総合農政は葬式農政だなんというようなこともよく言うのがおりますが、やっぱりこの農業問題についてはもう少し農民の生活を守るという立場で、あたたかく考えていかなきゃならぬのじゃないか。特にこの食糧問題にからんで、やっぱり安心して生産意欲を燃やして食糧の国内自給をふやしていく。だから、国際分業とか、そういう理屈で考えないでいかなきゃならぬと私は思うのであります。この点については、もし何かございましたら、一言でけっこうでございますが、これだけひとつ申し上げておきます。  それじゃ石油の代替エネルギーの開発の問題をお尋ねいたします。  今回の石油危機から得られました重要な教訓と申すべきでしょうが、エネルギー資源の確保というものが、国民経済、国民生活の安定に直接こんなにひどい影響というか、つながりがあったということであります。政府はこの石油問題の直接の解決に非常に努力されておりますが、同時に、これからこの教訓を生かす意味でも、代替エネルギーの開発——代替ばかりじゃありませんが、国内のエネルギー資源の開発というものに全力を傾注すべきであると思いますが、総理の御所見を伺います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) まあ石油が一番安いからということで石油に依存をしておったわけです。これは前々からそうじゃなかったんです。これは戦後の約二十年間近いものは石炭に依存しておったわけでございます。それが昭和二十七年だと思いますが、電源開発促進法をつくりまして日本の地形、地勢、気候上からの特性を生かして、いわゆる水力発電所の一大増強策に踏み切ったわけでございます。その後、原子力の平和利用ということで、原子力発電所ということを考えたわけでございます。しかし、原子力発電所という問題を考えたときには、ちょうど石炭問題がございまして、石炭が石油に合わない、石油と比べて非常に石炭が高いということで、まあ相次ぐ石炭鉱山の災害問題等もありまして、終閉山がどんどんと進むような状態になりました。で、石油に関して、とにかくいつまでもというわけにいかぬので、原子力発電というものをやらなきゃならぬと、こういうことで、その必要性の前提条件は満たされたわけでございますが、今度は、環境問題その他、急激に起こった社会的な問題において、四十八年度は一件も行なえなかったというような問題であります。すでにもう外国では相当なものをやっておるわけです。ところが、日本においては、どうも小さな原子力発電に際してもなかなか反対が多かった。これは、政府ももっと積極的にPRもし、また公害に対する政府の責任も明らかにすべきだったと思うんですが、何ぶんにも石油が安いという考え方、あなたがさっき御指摘になったように、米は外米の半分じゃないかと、こういったのと同じことなんであります。そういう感じと同じ、いわゆる経済理論一本やりという思想が根底にあったこと、これはいなめないんです。これは米の値段でも上げようものなら、与党と政府は何をしているんだということで、それはもう見るもたえないような記事が一ぱいだったじゃありませんか。——そうでしょう。ですから、それじゃどうも米の値段をちょっと上げるのも自民党が悪いんだと——悪くなんかなかったわけですよ、いまになってみりゃ。ですから、同じことなんです、それは。ですから、こんな時期や、その時期にでもぶつかると、今度はほんとうに転換する一つの好機だと、私、先ほど述べたのはそうなんです。それは石油なんて幾ら言ったって、石油はどこにでも銭さえ出せばありますよという思想が、全部もうびまんしておったじゃありませんか。それが、私が通産大臣になったのがわずか二年半前であります、そのときに、あれだけの膨大もないドル資金があったわけですから、これをとにかく第二輸銀、外為特会をつくったりして、とにかく石油の開発投資を行なおうと言ったけど、それはなかなか賛成が得られなかったというのが実情でございます。だから、それは、民主政治というのは、どんなにやりたくとも、どんなにいいことであっても、これはひとつどうしても国民の支持と理解ということが前提でなければならないということで、やっぱり、反対が多くあれば時を待たなきゃいかぬ。そういうところにどかーんとこの石油問題が来たわけですから、今度は相当、そういう経済論一本やりでやってきた人たちにはショックを与えたと思うんですよ。私、そう思いますよ。そういう機会は国民的コンセンサスをつくりやすいし、得やすいということで、国内資源というものの開発ということは十分考えなきゃならないと思うんです。やっぱり、一番大きな問題としてやらなきゃならぬのは、原子力発電であります。六十年展望でもって六千万キロといっておりますが、私はやっぱり、もっとこれは洗い直して考えなきゃいかぬのだろうという感じがします。  それから、この原子力発電所ということを考えますと、どうしても国土の総合開発という全国的な産業の再配置や何かを考えないと、この問題は解決できません。しかし、これは一つの、私は解決の糸口をつかんだと、こう考えております。  もう一つは、やっぱり、まだ三千数百万キロか四千万キロに及ぶ水力発電の地点があるわけです。で、ダムはいま建設省の計画で約六百五十カ所。しかし、私が水資源特別委員会をつくりながら水資源の開発促進法をつくりまして、いまの水資源公団などが発足した当時からずっと約十七、八年間の調査結果に基づくと、約千カ所ないし千百カ所、約四千万キロ以上のダムサイトがあるわけです。これは治水というんじゃなく、利水の問題もありますし、それから治水という問題でも、災害の費用を引いてみると、これは非常にまだ有効な発電地帯がございますから、まずこの二つが大宗をなして考えなきゃいかぬだろうと考えます。  で、第三は、石炭を使う石炭専焼の火力発電所、これも北海道などでは当然できるわけですし、外炭等を入れての問題が、まず三つ考えられます。  あとは、新しいエネルギーということで、太陽熱、地熱、水素エネルギー、潮力発電という、ずっと何十年も前から少年雑誌にも出ておったようなことが、どん詰まりまでいかなければ実用化されない、こういうところに、これは行政の欠陥もあるし、政治も、どんな反対があってもやっぱりもっと強くやるべきだったという問題も多々あります。そういう面で、国内で開発できるものはあります。それは十分あります。ですから、そういうものもあわせて考えていく。それがただエネルギーを開発するというだけではなく、産業の構造やいろんなものを、公害等の問題もあわせながら、国内エネルギーの研究開発ということは強力に進むべきだと、こう考えております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 総理がほとんど代替エネルギー問題全般的におっしゃって、そのとおりだと思いますが、特に水力と原子力発電、石炭はあまり期待できないんじゃないかという声が多いんですけれども、私も石炭対策をだいぶやっておりまして、三年、四年前もナショナルセキュリティの問題として石炭の増産をもう少し考えるべきではないかという意見がありました。しかし、総理からさっきお話しのような国民のコンセンサスの問題もあるし、いま二千万トンか二千二百五十万トンを検討しておるところのようです。しかし、いずれにいたしましても水力ダム、原子力発電を中心に国内で代替エネルギーを大いに開発することに、これはナショナルセキュリティの問題として今後やっぱり十分力を入れていくべきであると考えます。ただ、原子力発電の問題は、いままでの住民パワーの反対はやっぱり安全性の点で十分納得されていない、疑問だ。そこで、そういう安全性から出た事故がはたしていままでどのくらいあったのか。また、今後そういうことは心配ないとはっきり明言していただけるものならばぼくは非常にいいことだと思うんです。  それから、それに関連いたしまして科学技術庁長官に伺いたいんですが、先般ワシントンで石油消費国会議に出席されまして、いろいろ新エネルギー開発について各国の代表と協議されたようでありますが、わが国の原子力開発、特に原子力発電の推進について、原子力委員長として、その会議の結果もお考えになってどういうふうにお考えになっておるか、伺いたいと思います。  さっきの安全性の問題と一緒にお願いします。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 二月十一日から十三日までワシントンで行なわれましたエネルギー会議、大平外務大臣にお供をしてまいりました。  会議の主題につきましては、キッシンジャー国務長官とジョベール外務大臣の激しいやりとりで象徴をされますように、必ずしも全会一致ということではございませんでしたけれども、研究開発部面につきましては十三カ国すべて足並みがそろって非公式の会合を持ち、共同の声明も出したようなわけでございます。そうして、この会議の席上特に私に印象的なことは、この会議を主催したアメリカが、昨年十二月一日にプロジェクト・インディペンデンスという計画を立てて今回の会議に臨んだことであります。インディペンデンスは、依存しないということであり、エネルギーを自給するということであり、この自給計画は、アメリカ政府が今後五年間に百億ドルの資金を投じ、民間資金を百二十五億ドル使用いたしまして、アメリカのエネルギーの自給自足をはかろうとするものでございます。部門的に分けますと、一つはエネルギーの節約であり、いま一つは油及び天然ガスであり、いま一つは石炭であり、それから原子力その他と五部門に分かれております。そして政府がこの五年間に支出する予定の百億ドルの実に四割、四十億九千万ドルというのは原子力に投ぜられることになっておるわけでございます。アメリカがマンハッタン計画で原子爆弾をつくる、あるいはアポロ計画で月に宇宙船を飛ばすと、大計画をある一定の期間内に、その資金、技術力を投じて実現していくといういままでの実績を持っておりますから、このアメリカのエネルギー自給計画はまさに注目すべきものであるというふうに考えておるわけであります。  それで、この研究開発を主宰いたしました原子力委員長のレイ女史は、このプロジェクト・インディペンデンスの立案者でございました。で、レイ女史と別の席でお話しいたしたのでございますが、現在、アメリカがすでに動かしておる原子炉は四十二基、二千五百万キロワットでございまして、わが国の現在の現有発電総設備能力のおよそ三分の一にもなっておるわけでございますし、四十二基動いておって、五十二基が建設中であります。一九八〇年、このプロジェクト・インディペンデンスによりますれば、一億二千万キロワットの原子力発電をやるということでございまして、アメリカの、あれだけ石炭をふんだんに持っており、油も一九六〇年代まで自給し、天然ガスもわんさと持っている、あの国にしてこれだけの原子力発電に力こぶを入れているということはまさに注目すべきことであると私は痛感をいたした次第でございます。  また、先ほどジョベール外務大臣の話をいたしましたが、フランスはあの会議にはなはだ消極的でございましたが、この研究開発部面については非常に協力的でございました。そして、その席上、今後の発電は、フランス国内における発電は全部原子力によるんであるということを鮮明にいたしました。  ところで、つい数日前でございますが、三月の六日、フランス政府は、国内エネルギーの消費節約、フランスの石油資源の海外の依存からの脱却及びエネルギー源の多様化等を目ざして新エネルギープランを発表し、メスメル首相は、テレビ、ラジオを通じて本計画を国民に説明しました。その中で注目すべきことは、これからの分を全部原子力発電でやるというだけではなくて、火力発電所の建設は中止し、七四年及び七五年に十三のそれぞれ出力千メガワットの原子力発電所及び八〇年度までに総計約五十の原子力発電所の建設に着手すると、こういうことを発表いたしておるわけでございまして、まさにフランスも大計画を持っております。ドイツは、四カ年計画で六十一億マルク、日本金にして六千五百億円の四年計画を持っておるということで、もういずれの国々も原子力にたいへんな力こぶを入れておるというのが、これは世界の趨勢であるわけでございます。  そこで、安全性の問題にちょっと触れたいと思うのでございますが、まあ、アメリカにいたしましても、フランスにいたしましても、ドイツにいたしましても、これだけの大計画をやるのにあぶなっかしくて見ておれないようなものを、これだけわんさとつくるわけはないのであります。もう今日、原子力の平和利用の形態としての原子力発電というものは、私は心配のない段階に達しておると言って過言ではないと思っております。もちろん、わが国が広島とか長崎とか、そういう痛切な経験を持っておりますように、軍事利用からこの原子力の平和利用は出発をいたしておりますし、それから平和利用に踏み込みましてから二十年足らず、原子力発電が実用段階に達してから十七年ぐらいであろうかと思いますから、歴史は日がなお短いわけでございますし、それから、まあ近来の技術といたしまして、少しきざな言い方でございますが、テクノロジーアセスメントと申しますか、とにかく、物さえつくればいいというんじゃなくて、つくることによって問題が起きるのは初めから気にしてやっていくという、そういう一つの産業技術の行き方の最も典型的なものが原子力発電に相なるわけでございますから、これはもう念には念を入れるということでやっていかなきゃならないのであります。念には念を入れてやっていくんだということと、だからあぶないというのは、これは間違いでございまして、その辺のところを取り違えているところに私は大きな問題があるというふうに考えております。  原子力発電が実用段階に入りましてから今日まで、わが国だけでございません、世界じゅうを通じまして一般——機械でございますから、それは事故は起きますよ。だけど一般大衆に対して放射能が許容量以上かかったとか、あるいはオペレーターがそのために許容量以上の放射能を浴びたということは、わが国ばかりでなくて世界に一件もないんです。(「ある」と呼ぶ者あり)その事実というものはこれはありません。また、いずれ機会がありますから、そのことは御議論を申し上げたいと思います。実用段階に入ってから一件もない。にもかかわらず、あぶないあぶないと、こう言われることにつきましては、テクノロジーアセスメントという立場から見て、そのことは私はたいへんけっこうなことだと思います。思いまするけれども、しかしながら、やはりもう少し今日わが国が置かれておりますエネルギー事情から考えて、このままでまいりますと昭和五十年、来年ですね、来年あたりから以降、八月のピーク時には地域的に電力不足の事態がもう出てくることは間違いございません。特に、どう計算いたしましても、昭和五十三年以降はとにかく電力の供給に対して需要のほうがよけいになる、供給が追いつかないということのために、これはへたに放置いたしますと、終戦後のような停電というような事態が起きてくることは必至でございますから、いまはもう死にもの狂いになってこれに対する対策を立てていかなきゃならぬ。先ほど総理がお話しになりましたように、エネルギーの多角的ないろいろな手を打っていくということと同時に、特に原子力発電につきましては大いに力こぶを注いでいかなきゃならぬと考えておりますので、どうか格別の御支援をお願いいたします。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 原子力発電の安全性の問題はよくわかりましたが、これはやはり国民各層によくひとつ理解されるように、まあ、科学技術庁ばかりに責任があるかどうかわかりませんが、今後そういうPRをよく徹底していただくようにお願いします。  それから通産大臣に伺いますが、国内のエネルギーの開発資源の問題として、大陸だなの石油なり、あるいは天然ガスでございますか、その見通しについて伺いたいのと、その他総理から大体代替エネルギーの開発の問題を伺いましたから、特に通産省として、そういう代替エネルギーの開発に今後力を入れて、こういう計画を考えていくというようなお考えがございましたら、あわせて伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 大体水力発電の能力、キャパシティは二千九百万キロワットぐらいであります。それから、いわゆる地熱発電は大体二千万キロワットぐらいの潜在能力がございます。これらを開発しようということで、これから大いに馬力を入れなければならぬと思っております。  それから、日本近海における大陸だなにおける石油資源及びガスの探索であります。これにつきましては、昭和四十五年から四十八年度に主として水深二百メーターまでの範囲の大陸だなについて基礎物理探鉱を行なっておりますが、四十九年から五十一年度には大陸斜面、深海部、大体水深二千メーターぐらいまでの範囲にわたる同様の概査を実施する計画であります。一方、民間企業の行なう探鉱につきましては、石油開発公団の投融資を、また開発に対しては特に特ワクの開銀融資を行なっておりまして、秋田県、新潟県、それから常磐及び山陰、対馬の各海域において、四十六年度以来現在までに約二十九坑の試掘を実施しております。現在までに成功しているものは、新潟県阿賀沖及び福島県常磐沖の二つであります。今後もこれらの開発には思い切って力を入れてやっていきたいと思っております。  そのほか、いわゆるサンシャイン計画としまして、ガス化、石炭のガス化の問題、これは三井の大牟田でかなり成功しておりまして、これらを一つの根拠にして工業技術院におきましてもかなり力を入れて前進させようと思っておりますし、それから、水素の直接還元、これも、工業技術院、特に東工試、電子技術総合研究所等におきまして力を入れていどんでいくというつもりでおります。  それから最後に、エネルギーの中で石炭の問題を忘れてはならぬのであります。そこで、この石油事情の大きな変化に応じて石炭政策の見直しをやろう、そういう意味で、この六月までに総合エネルギー調査会で新しいエネルギー政策に対して諮問をしておりますが、その諮問の中で石炭をどうするかということは答申の中へ中間報告として出してもらう予定になっております。それが出てまいりましたら、石炭鉱業審議会にかけまして、石炭政策の見直しということを考えてやりたいと思います。現在、いわゆる第五次答申というものを進行してやっておりますが、いずれこの新しい総合エネルギー調査会の中間報告あるいは答申が出ましたら、第五次答申の基礎の上に立って、第五次答申以上の前進した政策へ行くのが適当であろう、こう私考えます。その中では、特に石炭混焼火力あるいは専焼火力、とりあえず北海道と九州に石炭火力を増設しよう、こういう考えに立って政策を進めていきたいと思っております。  それから、石炭専焼火力のためには、情勢によっては一般炭の輸入ということも考えていい。しかし、それは漫然とやるべきではなくして、国内の高いサルファのものと混焼して高いサルファを埋めていく、希釈していく、そういう意味にこれを使って、そして国内の一般炭の使用率も高める、そういうインセンティブにこれを使ったらどうか、そういう政策も推進していきたいと思っております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 時間の関係がありますから、都市市街地の緑化について一言伺っておきます。  どうも生産から実際の需要まで、ややバラバラの傾向がありまして、たとえば灌木のような、まあ、ツツジとかサツキとか、クスノキの苗なんというのはずいぶん過剰生産をやっております。これは建設省が消費サイドの代表になりますか、要するに公園緑地用のものだけでなく、工業用地も、あるいは団地用地のものも総合的に需要を調査、把握して、そうして農林省が中心でありましょうが、生産を計画的になるべくやってもらう、こういう一つの総合的な生産から配給までの、配給というか、消費までの計画、これを考えていただきたいということを、どういうふうに、まあ建設省、農林省、両方でしょうが、考えておられますか、伺います。

亀岡高夫自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、緑豊かな都市環境は人間形成の基礎的条件であると認識いたしております。したがいまして、建設省といたしまして、団地建設に伴う開発等にあたりましては、その開発許可の基準として新たに樹木の保存、表土の保全その他の植物生育条件が維持されるような措置を講ずべきことを定めるものとして、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案をさきの国会に提案をいたしておるところでありまして、目下御審議もいただいておるところでございますし、一日も早く御審議を終えて、通過成立をさしていただきたいと願っておる次第でございます。  それから、大きな木、大樹につきましては、都市の美観、風致を維持するための樹木の保存に関する法律というのが議員立法で制定を見ておるところでございますが、この法律による保存樹の指定を積極的にやってまいりたいと考えております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 いまお話しの古木、大きな木あるいは小さな林といいますか、これは外国でもずいぶんきめて助成をしているところもあります。わが国でも公共団体で若干やっておりますね。あれは、建設省なり農林省筋で予算を計上して、それを補助するというふうなことをおやりになっていますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 日本緑化センターでございますが、緑化に関する総合的な調査研究、技術の開発をはじめ、緑化に関する情報の収集、提供等を目的として昨年九月に設立されました。現在までの活動状況は、モデル緑化事業として多摩ニュータウンの環境保全林及び習志野市海岸埋め立て住宅環境保全林の造成、緑化木の生産調査、緑化技術の研修会の開催等を実施いたしております。また、住宅地域や公園緑地等における緑化の推進にあたりましては、建設省及び関係地方公共団体と十分連絡協調の上、緑化思想の普及、緑化技術の研究開発、緑化木の円滑な生産、供給等の面に積極的に協力してまいりたいと思いますが、日本緑化センターの予算でございますが、事業費は四十九年度に四千七百万円、基金を二億円、合計いたしまして二億四千七百万円を計上いたして、いま申し上げましたような事業を進めております。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 それでは問題を変えまして、国旗、国歌、愛国心等、また教育の根本に触れる問題をお尋ねしたいと思います。私は、自民党のタカ派でもハト派でもございません。平均的な日本人の一人としてこれからお尋ねをいたします。  去る一日の夜でありましたが、西岡自民党文教部会長と日教組の槙枝委員長の対談が放映されておりました。その最後のくだりで西岡さんが、日の丸を揚げることは軍国主義だなどと言わないで、——槙枝さんにですな。自分の国を愛する気持ちを子供に植えつけてほしいと槙枝氏に申しましたが、これに対して槙枝さんは、日の丸の掲揚は強要すべきものではない——だれもこれは強要しておりません。愛国心というものは、自分の家がいい家なら親しみ愛するようになる、自分の国が民主的で平和な明るい国になっておれば日本の国を愛するようになる、と言っておりました。これは槙枝氏個人の意見ではないでしょう。私はどうも語るに落ちたと感じたのであります。   〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕 つまり、自分たちの目ざす社会主義社会にならなければ日本の国を愛する気持ちにならない、現体制の国は愛する気がないと、こういうふうに、まあ受け取られたのであります。日本国民みんなでしあわせになろうと、そのためにこの国を愛して、みんなで努力しようというならわかりますけれども、いい家に住むようにならなければというようなことでは、私どもはほんとうに納得できない。まあ、日本人としての正しい自覚から言えば、納得できない点であります。ところで、国旗や国歌は、もう申すまでもなく国家のシンボルでありまして、国民がひとしくこれを尊重し、敬愛すべきものであります。これは愛国心、郷土愛につながるものと考えます。過去の世論調査によりますと、国旗、国歌はかなり国民の間に定着しておるし、まあ好ましいと好感を持たれておる者が大体七〇%程度ございます。こういう、特にオリンピックの開催、また田中総理が日中国交正常化で中国を訪問されたああいうときから、非常に認識が広く深まってきたと思います。それまでは、国歌は相撲の歌だとか、あるいは日の丸の旗はNHKの旗だとか、いろいろこれは学生、小学生あたりが、かなりそう思っておったと、こういうことでしたが、最近はだいぶん定着して浸透してきております。しかし、この好ましい定着の傾向に水をさして、このままぶちこわしにかかっておるのが、私は率直に言って、教育者である日教組の幹部ではないか。これは先ほどの放映による対談によってもはっきりしております。この点を私は非常に憂うるものでございまして、また、日教組の運動方針にも、「強要」というフィクションを使って国旗掲揚、国歌斉唱のあれをそれとなく反対をしておる。これははっきりしております。ということは、結局、現在のこの国、日本を愛する気持ちをむしろ否定しようと言っても言い過ぎではないでしょう。これでは正しい教育ができるわけがない。偏向教育の姿をこの間の放映でも、はしなくも露呈されたと私は言わざるを得ないのであります。  若い人たちの一部にせよ、今日自分の権利ばかり主張したり、社会連帯、あるいは社会秩序を守る気持ちがない者が一部でもある。そうして新聞等で毎日どこかにあるように、反社会的なむちゃな暴力行為、あるいは破廉恥行為等が行なわれておるのは、私は、その原因の一つは、日教組の、国を思う、こういう気持ちを忘れた、言いかえれば、革命路線を突っ走ろうという意図のある日教組幹部の教育に対する考え方、方針が一つの原因になっておる、そのつけが最近のいろんな不祥事件にも回ってきておると、こういうふうに感じるものであります。  そこで、総理にお尋ねしたいことは、きのう林田議員にも申されたと思いますが、政治活動、日教組の政治活動の規制ですね、まあ刑罰も加える、こういうものをひとつぜひ思い切ってやっていただきたい。これはもう一ぺん確認する意味でお尋ねします。  私の福岡県などでは、亀井知事が非常に苦労しておる。違法ストをやれば、どんどん処分しております。処分しても、何といいますか、どんどんどんどん、またあとからあとから浜の真砂のようにやるんです。反撃をしてくる。それから選挙なんかも、まるで選挙事務所ばかりに堂々とおやりになるし、政治目的闘争が多過ぎますよ。こういうものはひとつしっかり規制をしていただきたい。  もう一つは、大学管理臨時措置法、あれはたしかことしの八月で終わります。これは相当抑止力としての効果がございました。これは今後やっぱりもっと延期していただいて、そうして、あるいは内容を改正して、もっと半ば恒久的なものにお考えいただけないものかどうか。この二点を特に申し上げ、もうちょっと……。  それで、学習指導要領等に国旗と国歌と扱いが同等になってない。「君が代」は「君が代」、日の丸の旗は「国旗」と書いてある。これはやっぱり同等に扱っていただいて、もっとひとつ指導要領にも徹底される必要があると思います。  非常に時間が一ぱい一ぱいになりましたから、以上、どうぞひとつ総理からお願いいたします。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 非常に重要な問題でございますから明確にお答えをいたします。  世界に百四十六の国がございますが、国旗と国歌を持たない国がないということは、これは事実でございまして、日本には国旗も国歌もございます。ございますが、この国旗と国歌の問題を、まあ古い伝統の中で国民が、国旗であり、国歌であると認識をしておるから、それでいいじゃないかという議論も一部にあることは事実でございます。しかし、太政官布告とか、また自然のうちにそうなったというようなものについては、新しい憲法が法定主義——まあ、できるだけ法律によれるものは法律によったほうがいいという精神になっておるわけですからということで、国歌や国旗に対しては、公式制度調査会というところでずっと長いこと検討を続けております。おりますし、もう結論は出ておるわけです。国旗を変えようという、日の丸の国旗を別な国旗にしようという国民は、現実的にはいないと思うのです。また「君が代」という問題に対しては、これはいろいろな議論は一部ございましたが、これはもう国民投票にすれば、圧倒的にこれは国歌である、こういうことで、もうそれは議論の余地がない問題であるということでございますが、まあ国歌や国旗の問題で国会がほんとうに混乱をするというようなことは醜を天下にさらすことになりますので、公式制度調査会の結論が出ておっても、非常に慎重な上にも慎重にして今日まで来たわけでございます。  しかし、あなたがいま御指摘になったように、義務教育の小学校や中学校においても正規に、国旗や国歌を公の祝祭日とかにこれを当然掲ぐべし、歌うべしということをするには、これは法律が必要。でないと、一校でも歌わない、また国旗を掲げないという学校があっては、これは醜態であります。そういう意味で慎重に来たわけでありますが、私はやはりある時期に、もうこの時期にでもいいと思いますが、国歌や国旗というものを明確にやっぱり国権の最高機関としての院の議決を得て法律として制定をすべきときが来ておると思います。そして制定をしたら、これは少なくとも、小中学校とか、国公立の学校においてこれを歌うということは当然でございます。これは社会主義国で国歌や国旗論をとにかくやったらたいへんなことになるということ一事をもってしても、たいへんです。いまの日台問題で一番の問題は何か、それは旗の問題であるということを考えてみれば、これは申すまでもないことであります。  私は、日本国民としては、イデオロギーとか、立場とか、自分の思想とかを離れて、やはり日本に生まれ、日本に育ち、日本で死ななければならないのですから——それは国籍を移動する人は別です。そうでなければ、国歌や国旗を制定するときは——もう戦後足かけ三十年である。これだけの繁栄を築きながら、国歌も国旗も宙ぶらりんのままにしておくという政治の責めをお互い——私は政府だけの問題ではないと思う、これは。国民的な問題として、これは後代の日本人にその責めを免れるわけにはいかぬ。もうそのときが来ておると、私はこう信じております。  それから最後に一言だけ申し上げますと、これは引用されたことでありますが、これはあなたが公式の席上で申されたから申しますが、家がよくなれば家を愛する、家を愛すために、家憲や規律をきめないでよくなりません。これはそのために、国を愛するためには、国を愛するにはどうすべし、そうならなきゃ国がよくなるはずはありません。

玉置和郎自由民主党

○玉置和郎君 関連質問。  いま鬼丸さんの話の中にありましたが、国旗を掲揚することを否定したり、君が代を歌わさないようにしようという日教組の現場の先生方の中に、リーダー的な役割りをするのは、ほとんどこれは共産党に籍を置く連中であるということであります。(「ばかを言え」と呼ぶ者あり)ばかを言えというのは、これはそういうことを言うのがばかなんだ。それで、(「委員長取り消させろ」と呼ぶ者あり)いや、そういうことはない。絶対取り消せない。それで、この予算委員会でもって発言をする自由、これをやっぱり否定をするということはいけない。それはあとの問題だ。委員長、そういう共産党のなにを取り上げてはいかぬよ。そういう自分たちが言われたからってね、そういう否定をする行為が自民党の意見広告に対する共産党のあり方につながるんだ。だから、去る十二月二日付のサンケイの、また日経の紙上で自民党が自由社会を守るキャンペーンをした。「前略 日本共産党殿 はっきりさせてください。」というタイトルでもって、日本共産党の綱領と民主連合政権綱領とを比較して、その矛盾を指摘したのであります。それに対して、日本共産党はヒステリックな反応を見せた。いまちょうど須藤君がやっておるのと同じようなことだ。(「何だ」と呼ぶ者あり)言論の自由とは一体何であるか。国民に考えさせる上において共産党のねらいは逆の効果を示しておる。(「それ、予算委員会でやることでない」と呼ぶ者あり)そんなことはない。  そこで、これは総理にお聞きするんですが、私は、こういうことはやっぱり予算委員会でもって一国の政治の頂点に立つる総理に見解を聞くというのは、国会議員のこれは私は当然の責務だと思う。そこで、このような意見に対して共産党が東京地裁の民事九部に仮処分の申請をしております。この仮処分の申請、これは私からするならば、かつて日本共産党は自民党の攻撃をした。自民党の攻撃をしたのは、これは四十四年の十二月の二十一日毎日新聞で自民党攻撃をした。また、十二月の二十四日、三日おいて読売新聞で一ページ大をさいて自民党の批判、攻撃をいたしております。そのときに対して自民党は共産党みたいなこういう狂ったようなことはしなかった。これが言論の自由を保障された民主社会における公党の姿勢です。しかし、一たび日本共産党は自分の痛いところを突かれると、もう、自由社会の一員であるという、このことを言っておりながら、自分の本性をむき出しにして、好ましからざる意見や批判に対しては、誹謗中傷だと、反社会主義的だと、人民の敵だというふうにきめつけて、力ずくで抹殺しようとしておる。私は、この独善的な精神構造、独善的なこの党の組織体質、こういうものに対しては許せないと私は思う。民主社会を守っていくためにこの予算委員会は開かれておるので、こういう発言に対して、聞くところはちゃんと聞くという姿勢がなければだめだ。われわれも聞くところはちゃんと聞いておる。それが現にこういうことに血相を変えることが大体間違っておるんだよ。  そこで、この問題に対して、一例をあげて総理の見解を聞きたい。それは、最近佐賀県において、共産圏には自由がないというこのビラを自民党の連中がこれを配った。それは、ソ連の作家ソルジェニツィン氏に対するソ連政府のやり方に対して、これ、批判をした。そうしてこのビラを配ったら、共産党から、自民党の配布ビラに対して、佐賀県地方裁判所武雄支部にビラ差し押えの仮処分の申請を出されました。裁判所はその申請を認めた。それに対して、共産党に対して自民党のほうは、これに対してまた抗議をいたしておりまするが、私は、こういうことに対して、一々青法協の弁護士を出して、そうしてこういう挙に出ていくという日本共産党のやり方、私はこれは決していい傾向ではないと思う。日本共産党がほんとうに自由と民主主義を守っていこうという公党であるならば、こういうことに対しては堂々と言論でもって戦っていく、そうしてさらに選挙でもって戦っていくという姿勢が当然である。そこで私は、こういうことが青法協の弁護士によってなされるということは、このことを心配するからなんです。実は、東京地裁の民事九部でいま裁判がやられております。審尋というのが行なわれておりまするが、この青法協の所属裁判官がその中にあるのかないのか。私たちは、国民の声として、いま青法協所属の裁判官というのは共産党の外郭団体に所属しておるのじゃないかという疑いを持っておるのであります。それだけに、違法性の疑いのある団体に所属するところのこういう裁判官というものに対しては、国民は、こういうふうなことで公正な裁判が行なわれるかどうか、また、違法性の疑いのある、いわゆる破防法適用容疑団体である日本共産党に籍を置く教職員というものは、ほんとうに子どもの真の中立性をとうとぶところの教育ができるのであろうかどうか、この辺の疑問を持っておるのが素朴な国民の私は姿勢であると思う。それだけに、こういう問題に対して、この際、総理がこういう違法性の疑いのある団体に所属するという裁判官、教員、これに対してそれを監視をしていくような立法をする用意はあるのかないのか、私は、もうそろそろこの辺でやるべきだという考えを持っておる。こういうことを言うと、あれは青嵐会だからという、青嵐会というのはあたりまえのことを主張するのが青嵐会だ。こういうことに対する総理の見解をこの際国民の前にはっきり示してもらいたい。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 裁判官の問題につきましては、法律にもとり、非違行為がある場合には、憲法の定めによってつくられております裁判官弾劾法もございますし、訴追委員会もあるわけでございます。それは国会に置かれておるわけでございますし、特に参議院から裁判長が出ておられるわけでございますから、そういうところで毎日でもこれ、とにかくそういう問題が現に存在するということであれば、これはもう国政調査権もございますし、特にそれよりも高い立場にある訴追弾劾という制度の中でこれはもう当然処置せらるべき問題であって、行政府の意見を述べる問題ではありません。  行政府として述べなければならない教育の問題、それから大学管理の問題についてあわせてお答えをいたしますが、義務教育の先生は、これは職にあり、聖職にあります。次代の国民を教え導かなければならない重大な地位にあります。そういう意味で、これはもう労働者であるということを御本人たちが言われること自体、これはみずからの聖職を放棄するものに近いものだとさえ私は考えておるのでございます。そういう意味で、法律が禁止をしておる政治活動の禁止が現に行なわれない状態であれば、必要やむを得ざる処置として立法措置が必要であると、こう考えます。  第二には、大学その他の問題でございますが、これは憲法の条章を引用するまでもなく、罰則のないものは政令をもって足るわけでございますが、政令に似たる法律ができたわけでございます。それはいまの大学臨時措置法でございます。これには罰則ございません。ございませんが、憲法で定める国権の最高機関である国会の意思決定というものは、これは訓示規定にしても、禁止規定にしても、罰則がなくてもこれは最大のものだと私は考えまして、そしてこの法律の運用に当たっておるわけでございます。とにかく表向きは非常によくなっておるということは、日本人はやはり法治国民だと思います。私はそれなりの両院の決議、法律というものの威力を十分信じます。しかし、一部においてではございますが、現実的に、とにかくほかの学校に入っておって——まあこれ、外人部隊といわれておるそうでございますが、寝泊まりをしておる、ほかの学校の入口にかぎをかける、殺人事件が白昼公然として行なわれる、というようなことを看過するわけにはまいりません。これは特に国費をもって支弁をしておる、国家有為の材を養わんとする国立大学において行なわれるというようなことを看過するわけにはいかぬわけです。これは政治の責任を果たすゆえんではありません。同時に、東大の地震研究所や脳神経研究所や、そういうものが何年にわたって全然その責めを果たしておらない。それだけではなくて、神経関係の建物は現に出入りがされております。患者も通っておるんです。一体それはどういう状態において国立の大学の医学部とか神経研究所で堂々と診療が行なわれておるのか、私は、これはもう一般人のほうは理解に苦しむということで済むと思いますし、納税者は許さないと思いますし、行政の立場にある政府の主管者としては国民に責めを負えないわけでございます。負っておらないわけであります。私は、そういう意味で——きのう奥野文部大臣は慎重な答弁をいたしましたが、私はやはり、少なくとも国立や公立の問題に対しては、これはもう法律でもってちゃんとしなきゃならない責めがあると、私学に対してはまたいろいろな意見も聞きながら、これはひとつもっと慎重に考えなきゃならぬかとも思いますが、いやしくも国民の税金をもって支弁されておる大学やその他の学校施設に対して違法行為が行なわれておる、まかり通っておる、四年のところが五年、六年たたなければほんとうにまじめな人たちが卒業証書が手に入らないというようなこと、これはもう東北大学の医学部においてもそのとおりです。勉強をしたいけれども六年間では医学部を卒業させない、七年かかると、こういうことを政府がそのまんま見過ごしておって、政府はしっかりやっております、こんなこと言えた義理じゃありません。こういう問題に対しては正すべきは正します。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 文部大臣。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 答弁漏れですか。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 答弁漏れ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国歌「君が代」の問題を通じて御意見がございました。現在、学習指導要領におきましては、特別活動につきまして、国民の祝日などにおいて儀式などを行なう場合には、祝日の意義を理解させるとともに、国旗を掲揚し、「君が代」を斉唱させることが望ましいと、こう規定しておるわけでございます。国旗を掲揚し、「君が代」を斉唱させることが望ましい、そこに若干問題があるように私は考えております。御指摘がございましたように、組合の中でも日教組は国旗の掲揚などには組織として反対のようでございます。同時にまた、組合の運動方針におきまして、職員会議の決議機関化ということをあげておられるわけでございます。現場の先生方が学校の行事などにつきまして、国旗を掲揚しない、「君が代」を斉唱させない、こういうことをきめられるわけでございます。きめられましても、校長が校務をつかさどると法律で示されておるわけでございますので、校長の責任と権限においてきめていかなきゃならないわけでございます。しかし、校長先生必ずしもみんな強い性格の方でございませんので、先生方と父母やあるいは教育委員会などとの間の板ばさみになってしまいまして、そこに学校現場の混乱がいろいろ起こっているようでございます。先日も、ある教頭さんから手紙をいただきました。その手紙には、卒業式にあたって、行事が進行する、「君が代」斉唱という段階になったら、壇上におられる方々と自分だけが歌を歌って、先生方、そしてまたその指導を受けている児童は歌わなかった、たいへん混乱した場面を見せつけて苦しかった、こう書いておりました。また昨年、沖繩の国立青年の家で、中学校や高等学校の先生方四十人ほど研修会を持たれました。二日目の朝の行事にあたりまして、国旗掲揚が行なわれましたときに、先生方は回れ右をしてしまいまして、国旗に背を向けてしまいました。三日の予定の行事をそこで打ち切ってしまいました。また、おとといの新聞に、日の丸紛争の悩みで校長先生自殺という見出しで記事が掲げられておりました。鹿児島県の玉利中学校でございましたでしょうか。昨年もやはり先生方は卒業式にあたって、国旗を掲揚すべきでない、「君が代」を斉唱すべきでないと、こう言われた。しかし、校長先生は強い方であったもんですから、押し切って自分の思うとおりに「君が代」も斉唱させたわけでございます。校長先生が今度かわった、やはり先生方は反対される、十一日に話し合いが先生方の間で持たれる、それをたいへん苦にしておられたようでございまして、とうとう前日の十日に自殺してしまわれたわけでございます。  こういうように、教育の現場はこんなに混乱してしまっておりますと、「望ましい」というような無責任な学習指導要領のあり方でいいんだろうかどうだろうか、疑問を持たれるわけでございます。同時に、自国の国旗などを尊重しない人間が他国の国旗などを尊重することができるだろうかと思うのでございます。他国の国旗などを尊重できない人間が、他国から信頼され、尊敬されるだろうかという心配を持たざるを得ないわけでございます。そう考えてまいりますと、この問題につきまして、私としては適当な機関にぜひ検討してもらって、そしてよい結論を生み出してもらいたい、そのようなことをいま考えているところでございます。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 以上で鬼丸君の質疑は終了いたしました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 次に、上田哲君の質疑を行ないます。上田君。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何よりもいま国民の間では、総理のたびたびの御発言で明らかなように、石油製品の値上げが、もうきょうあすにも迫っている。そこで引き起こされるであろう第二のインフレの大津波が来るのではないか、この不安がこの一点に集中をしていると思います。私は、その立場で、ひとつできるだけ掘り下げて御質問を申し上げたいと思うのでありますが、総理は、きのうも、また、けさも、たいへん突っ込んだ御発言がありまして、決して政治的な観点から石油製品の値上げをきめない、また、事務的に積み上がったものを最大に尊重をする、その幅は少ないであろう、また、それが波及する部分を最大に配慮するのだという趣旨を述べられました。それはたいへんけっこうだと思います。  ひとつ原則的に確認をしておきたいのでありますが、それは、この数日来問題になっております政府の行政権と公取の独禁法の解釈の領域の問題のみではなくて、中心は国民の理解だと、国民の理解、こういう立場で、一方的な解釈あるいは行政権の押しつけではない値上げの御判断をお持ちになろうとされているのかどうか、まずその点。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) いま御指摘のとおり、国民本位でございます。ですから、政府が決定をすれば、相当な程度業界は反対的な意見があると思います。あると思いますが、政府が要請をしたら、この価格を守ってもらわなければならないという強い決意で考えておるわけでございます。そしてその事情は国民の前に数字をもって明らかにいたしたい、こう考えます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 数字をもって国民の前に明らかにする、つまり国民が理解できないような値上げはしないのだということですね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) これはもう国民が十分理解できる資料を提供して、政府がいかに無理でも、国民生活を守り、物価安定のために最大の努力をしておるんだということだけは、これは理解していただかないと、また、この物価の問題や何かにおけるいろいろな混乱が起きると思いますので、こういうことにいたします、数字的にはこういう要求がございます、政府の試算はこうなりますけれども、いろんなこういう政策がございますのでこれで押えます、これで石油が下がったら直ちにもっと下げます、下がった分だけ下げますと、このぐらい明確な判断を国民の前に明らかにして決定をいたしたい、こう考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 最終的な数値は総理の御判断だそうでありますから、これはまだ御判断になっていないわけですね。とすると、いまのお話は、それに先立って国会にも十分にできるだけの説明はすると、こういう理解でよろしいですね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国会は毎日開かれておるわけでございますから、これはもう国民に申し上げる前に、国会でもって御質問、一問一答で述べてもけっこうでございますし、これはもう新聞広告するよりもよほど、国会の場において、最高の権能を持つ国会においての御説明でございますから、これはもう一番効果的であると、また、御批判もいただけるわけでございますし、御質問もいただけるわけでございますから、そういう問題は、当然、この石油問題に関しましては国会でもいたしますし、また、他の手段を通じましても、あらゆる角度から国民の理解を得るようにしなければ難局を切り抜けることはできないと、こう考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 こだわるようでありますが、国会が納得できなければ値上げはしないというお心組みでありますな。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国会には納得をしていただかなければならないんです。それはもう多数の方々に納得していただくわけですから、選出された国会が納得できないような数字なら、それはもう全国民が納得できるわけはございません。そういう意味で、それはもう与野党も、まあ、あなたが、私が田中の席にすわってもやむを得ぬなあと、こういうことをせめて腹の中に思っていただけるようなところまでは努力をいたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 腹を割った言い方でたいへんけっこうでありますが、しからば、四省会議でどういうふうな点が問題点であったのか、これをひとつ各大臣から御説明をいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) やはり運輸省は、運輸関係のことを心配されて、ジェット機の燃料あるいはバスの運賃へのはね返り、そういうようなことから、なるたけ下げようという希望を持ちます。また、農林省の方々は、水産業者に対する軽油あるいは農民に対する灯油、そういうような面から、軽油あるいは灯油、A重油に対して非常に関心をお持ちであります。また、厚生省関係は、医療品、医薬品の値上げに連ならないようにと、そういうように、さまざまに各省に関連しているものでございますから、各省側はできるだけ安くしたいと、通産側もできるだけ安くしたいが、やはりある程度の限度があると、そういう面でいろいろもみ合っているというのが数日来の現象であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 たいへん抽象的でよくわからないのですけれども、その積算の根拠ですね。伝えられるように、総理自身もおっしゃった九千百六十四円、この積算の根拠はどういうことになっておるのでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは通産省が試算をした数字でございまして、いまここで根拠を申し上げるのは、まだちょっと時間が早いような気がいたします。と申しますのは、何しろ石油の値段というものはかなり影響の大きいものでございまして、思わぬところにこれが影響を及ぼして、すぐ売り惜しみとか買い占めが出てくる危険性があるわけでございます。また、閣議でも、この問題についてはまだ正式にいろいろ議論もしておらない状態でございます。そこまでまだ機が熟していなかったからでございます。そういう状態でございますので、せめて閣議で終わってから国会に発表するのが筋であると思いまして、この点は遠慮さしていただきたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理が言われる国会が納得しなければというのは、私は、そこが伺いたいと思うのです。そこはどうしても発表していただきたいと思うのだけれども、それがなければ値上げしないとおっしゃるのだから、オープンにできなければ、その種の会合の持ち方はあります。理事会とか、その他の専門委員会とか、そういう立場で、当然に、もうここまで来ている、あしたきまるかもしれないところまで来ているのですから、これは発表なさるのが筋だと思うのですが、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 適当なときが来れば、もちろんお答え申し上げるのが筋であると思いますが、今日の夕方の時点におきましては、どうぞごかんべん願いたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 夕方というのは、どういう意味ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) ちょっといま聞こえなかったのですが。

上田哲日本社会党

○上田哲君 夕方というのは、どういう意味ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 今日ただいまの時点という意味であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 あしたならいいんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) あした閣議が終われば、ある程度申し上げるような時期にくるのではないかと想像いたします。閣議の議論の結果にもよります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ということは、あすの閣議で決定、発表という意味ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) そんなに猛スピードで走るものじゃないと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、スピードはどうですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) すなおにお考えいただきたい。まだ四省間の話がまとまらないということでございます。これは品目別に詰めなければならない問題でして、これは農業とか、いろいろな問題に全部影響がありますので、これはまだ全く仮定な議論として議論を戦わしておる段階であるということで、私にもまだ四省会議の結果は報告はないわけです。ですから、そういうその過程における議論を全部さらけ出してというわけにはまいらないということは、これはひとつ御理解いただきたいと思います。今晩でもこの会議が——国会が済めば、まだ時間がちょっとあるわけですから、ここのところはもっと四省会議も詰めてもらわなければなりません。しかし、まだその他の大臣からの議論もございます。でございますから、そういうことを詰めて、あすの閣議では、四省会議の結果はこうでございますと、その他の大臣の意見はこうでございますという中間報告はあってしかるべきだと思います。もうこういう問題は、公定歩合を引き上げる問題とかドルの問題と同じような問題でございますから、これはじんぜんに、がたがたしておるわけにもまいりませんし、同時に、所管報告というような問題でもないわけでございます。ですから、そういう意味で、これは事の性質上御理解いただけると思いますから。しかし、閣議で中間報告は行なわれ、同日行なわれておる国会の議論でも、それは三権のたてまえでございますから申し上げられませんということはできないと思います。これは前にそういうことがございました。閣議決定文書を院議によって出せと言いましたら、これは裁判の公表する記録と違って、判決主文が書かれるまでの過程のものは三権によって国会にも提出をしない、こういうことを決定しているわけですが、しかし、石油の問題は、これだけ問題になっているときに、その閣議において報告がされても、何にも国会では知らぬ存ぜぬ、申し上げられませんと言えるケースのものじゃなかろう。いま私は、何も四省との意見を交換もしておりませんが、すなおにお答えしているわけですから、まあそういうことで、きょうはひとつ御理解いただきたい。

上田哲日本社会党

○上田哲君 むきになって、どうしてもそれを出さなければ話を進めぬというような言い方はしませんよ。しませんが、ちょっとはっきりしておいてもらいたいのは、中間報告ではなかろうと思うのです。すでにもうあしたの閣議でもきまろうかというのが世間一般の一つの常識になりつつある。おくれてもあさってじゃなかろうか、いずれにしても早いのだということは常識なのですよ。それで、たとえば国会で、きょう夕方と通産大臣は言われるけれども、夕方五時ちょっと過ぎたところで、この時間じゃ話ができないよと言って、あくる日一日もたたない午前中に閣議できまったじゃあ、これは国会軽視になるだろう。だから、私は急いでくれなんというつもりは全然ない。もともと反対なんですけれども、そういう三権分立尊重の立場から言うならば、出せってむきになって言いませんよ。むきになって言いませんが、そのポイントのところは、国会を尊重するかどうかということのもう一つ奥に、実態としては、私は、中間報告ではない、四省会議は、問題はあるけれども、一定の結論はもう総理のところに持っていって裁断を仰ぐべきところまでは来ているのだろう、こう思うのです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) そこまで来ておらないのです、事実。これは毎日朝からずっと国会におりまして、これは寝ないでやるべきだ、こう言えば別でありますが、事務当局はほとんど寝ないで、徹夜をしておるわけです、毎日毎日。徹夜をしておりますが、品目別にどこまで影響するかという問題が詰まらないのでありまして、閣議に上げる段階にまで至らないわけです。しかし、私は、少なくともあしたは定例閣議でありますから、定例閣議には四省会談の内容くらいはとにかく報告をして、閣僚全員が意見を述べる機会がなければ、こんな問題はそうきめられるものじゃありません、実際において。ですから、そういうあれでございます。先ほども公に申し上げましたとおり、公取委員長と私の間の、法制局長官を入れての意見調整もしなければなりませんし、少なくともこれだけの大事業をやるのに、少しでもその議論が詰められるようにということで懸命な努力を続けておるわけでございまして、これはあしたの閣議で正式にきまるとか、そんなことはございません。そういうことでないということを理解していただきたい。

上田哲日本社会党

○上田哲君 通産大臣、総理のところへ最終値がまだいっていないということのようですね。そして中間段階ならばいろんな問題が出てくるから、いま言えないのだということも私は理解します。ただ、急げなんというのじゃないのだけれども、決して。一つはっきりしておいてもらいたいのは、中間段階ではなくて、一つの結論がもう出つつある。持っていくところまで来ているという事態であるということは間違いないのではないですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私がきょう三時ごろいろいろ状況を聞きましたときにも、まだそこまでは固まっておらぬようです。総理のところへ持っていく段階までは来ておらないようです。そういう状態ですから、まだここで申し上げるという段階には立ち至っていない。しかし、早晩四省で大体どの辺の話が進んでいるかということは、総理のところへ報告する必要があり、それはなるたけ早い時期にやる必要があろう、だからといって、あしたの閣議でそうきまったり何かするという性質のものではないと私は理解しております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何べんも言いますけれども、急いでくれなんというつもりはないのですが、私どもは、内容を納得しなければならないために、さあっと走られちゃ困るので、そのためには、総理の御発言の中にも、きわめて近いだろう、あす、あさってだろうという御発言もあったわけですから、そこのところは、表現としてはずばり言いにくいところもあるが、それも了承しますから、非常に近くなっているのだ、あしたはないということはわかった、あしたの閣議ではないということはわかった。非常にそれにしても近いのだということは間違いないのですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国民に与える影響が非常に大きい問題でありますので、慎重の上にも慎重になさなければならないということは一つでございます。しかし、避けがたき現実にあるということであれば、これは先ほども申し上げましたとおり、四月一日からの次年度における計画もできないという状態でございますし、それから、場合によれば、三月決算というものは相当繰り延べてもらわなければならないという問題も起こり得ることでございますし、そういうものがじんぜん日を延ばしておれるわけの問題ではないということでありますので、とにかく一週目を待たずして結論を出さなければならぬということだけは事実でございます。これはもうほんとうに慎重ということで、まあよくもここまで慎重にやったなあと、こう思われるくらいな慎重なものができ、そうすれば早くということにウエートを置かれるわけでございますし、しかし、これだけの広範な問題を全部詰めるわけでございますので、目張りを行なわなければならない問題でございますので、いま、日時、時間等を申し上げられる段階ではない。今晩も徹夜するでしょうし、あしたも徹夜になると思います。そういう非常に努力を続けている結果生まれるものであることを御了知願いたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 数字のことはいま聞きませんがね、考え方を聞きます。この値上げの根拠となるべき考え方、これは何ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 端的に申し上げますと、十二月における原油の値段と一月以降における原油の値段が大体一万円から一万一千円以上の落差がある。したがって、日本経済というものを国際経済との関係において、均衡水準と申しますか、国際的に、ある意味においても、公正競争を行ない、均衡させていく必要性がここにございます。われわれとしては、インフレをおさめるという意味において凍結してきたわけでございますけれども、これをいつまでも人工的にやっておくということは国際的にダンピングの非難を受ける危険性がございますし、また、それがために安いほうへはこなくなって、高いもので買ってくれる方向に原油が動いていってしまう。六〇%はメジャーから供給を受けておりますから、したがって、これはバーレン島でもどこでも電報一本で日本へ仕向けている船をあるいはカリフォルニアに回し、あるいはほかへ回すことができるわけであります。そういうような国際的な調整という問題が一つございます。  それと同時に、国内的にいま石油業者自体が立ち行かなくなってきて、石油の適正供給に支障を来たすという危険性がもう十分ここへ出てきたわけでございます。石油業者は、この年末にかなり便乗値上げ、便乗利得を得まして国民的反感を買いました。これはわれわれとしては断じて是正しなければならぬところでございますが、それとはまた別に、石油の供給に関して国民経済的な機能を果たしてきたことも事実であります。現にそれは果たしているわけであります。そうして、それはまた必要な機能でもあります。この機能を継続的に安定的に維持するということは、国民の生活や、あるいは国民経済を維持していくために非常に大事なポイントであります。それがだめになるという危険性がここへ出てきつつあります。そういうことを起こさないようにするということが、われわれとしては必要でございまして、そういう意味において、石油の値段を必要最小限上げて経営が可能ならしむる、ただし、それについては国民的反感を買った事態を解消することを行ないつつやらなければいけない、そういう考えに立ってその措置をやる必要がある。こういうような国内的な、かつ国際的な条件からも考えざるを得ぬということであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 状況の論理じゃないんです。値上げ積算の要素の内容の論理です。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは原油の値段、つまり日本へ入ってくるときの値段、それが前とあとは幾らになっているか、そうして、それがその後の事態において、精製あるいは税金あるいは販売費用、そういうものでどれぐらいかかっているか、いわゆるそういう生産費の計算、そういうものが十二月の時点と十二月以降一月の時点においてどういう変動があるか、それが石油会社の経営についてどういう影響を持っているか、そしてどの程度まで凍結しておけば十二月までのいわゆる便乗利得を全部吐き出すか、あるいはさらに、どの程度まで凍結をしておけば石油会社のいわゆる無配とか減配とかという自粛措置、ここでいろいろ申し上げているような、そういうことに適合する措置となり得るか、そういうようなあらゆる考慮を払いながら水準の目盛りを上げ下げしてやる。それと同時に、一面において、中小企業や農業や水産業や、あるいは一般医療その他に対する配慮、政策的考慮も行ないながら、その目盛りをきめていく、そういうことが必要であると思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 これまでの政府答弁をまとめますと、この内容の論理は、元売り各社が輸入した石油を合わせて、日本全体を一社として計算して、値上がり分を平均したものの中から便乗値上げ分を差し引いて、さらに配当をゼロにするなどのことを各社に余儀なくさせる数値と、こういうふうにまとめてよろしいですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 荒っぽい表現で申し上げれば、そういうことであると思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ほんとうは配当ゼロを含むわけですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 無配ないし減配、われわれは配当についてこれを強制する権限はございません。したがって、これは石油会社がある程度自粛して、自発的にやってもらうべきものであると思っております。しかし、原油価格及び製品価格のきめ方によって必然的にそういう方向に行きますけれども、会社の経理政策の都合によっては、もっとひねり出して、配当をもっとふやすということが可能であるかもしれません。どの程度鼻血を出すかということにもかかっております。しかし、その場合といえども、この社会情勢にかんがみて会社自体として考慮あらんことをと、そういう立場であります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、ここは重要なところなんで、総理に確認をしておきます。配当をゼロにするなどを各社に余儀なくさせる数値と、こういうことでいいんですね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 高額配当などできるような値段はきめないわけでございます。これは、国民生活安定と物価抑制ということを前提にして、業者が言うような値段ではなく、相当査定をして、その中に政策的なものも加味をしながら、これは積み重ねてきておるものでございますから、これは大きな余裕などあるはずはありません。その結果、ある会社は無配になることもあるでしょうし、ある会社は、それはいま通産大臣が述べたとおり、どうしても、いま転換社債を出しておる、とにかくいろいろな国際的な事情もある、そういうためには、持っている土地を売ってもことしは有配にしなければいかぬ、二、三期は有配を約束しておるというものもあるわけです。国際的に資金を調達しておりますから、条件になっております。  しかし、それでもそう一割五分とか二割とか、そんな配当ができるような状態でない。言うなれば、うんと詰められる電力会社やガス会社が、それは非常にきびしい状態の中でも合理化をやりながら、何とかして賃金の引き上げに耐え、何とかして配当しておるということと同じことでございます。電力会社も一割配当が八分になるか七分になるかわかりませんが、これは一割配当をやろうと思えばできるでしょう、これは持っている品物を売ったりやるわけですから。しかし、それは無限大に続くわけではないわけです。いずれにしても一年間ぐらいは——一年でも、できれば二年でも、とにかく石油というものはさめたらもう上げない、その価格を。そして少しでも入荷価格が下がったら、その分はたちどころに下げたいと、こういうところが、政府としては相当きびしい姿勢で臨んでいるわけですが、業界としては相当反発があると思います。あると思いますし、特にメジャー系から六〇%も入れておりますから、ほんとうにそこへいくと、そんなことなら二〇%は削減ではなく、これは高く買ってくれるところがあるのでございますからということをやっぱり言わせない程度の——そこらが非常にむずかしいところなんです。そこらが各省でもって徹夜をしておっても、なかなか議論が詰まらないところはそこなんです。ですから、そういう問題は、無配を余儀なくするようにということを言ってしまえば——もうそれは、なる会社がありますよ。いずれにしても、これはあると思いますよ、民族系の会社はいまどうにもならないんですから。高いものは高いの、安いものは安いのといってきめるんじゃないでしょう。これは、とにかく入ってくるものの平均価格をまず基礎として、それから査定しようというんですから、相当きびしいことは事実であります。  まあ、しかし、これだけきびしいなら日本の石油が全部外資系に取られてしまうんだから、そんなことをしないで、国会でまた、それでは政府が財政上、税制上、とにかく金融上処置をしなさいという議論が出てくるかもしれません。しかし、少しはもうけたのだし、先取りもしたんだから、もう少したってからやりなさいという議論になるかもしれませんが、少なくとも国民的な世論を背景にしてでなければ新しい政策は行なえないぐらいなきびしい態度で臨んでおります。ですから、あなたのことば、さらさらさらっと、こうお述べになっていますけど、なかなか——はい、そうですと言うと、全部無配になるのだということにもなります。それじゃ石油が全然入ってこないということにもなりますから、そういうことではなく、それは非常にきびしいという状態である。ここだけはきびしい数字に査定をしつつある。これは四省のうちで、他の少なくとも農林とか運輸は絶対に上げないことを望んでいるわけです、上げれば自分のほうに響きますから。ですから、大蔵大臣は中立だと思います、これは。

上田哲日本社会党

○上田哲君 通産大臣よりも弱いです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 通産大臣のほうは、これは自分の所管でございまして、それは出ているものに対して、こまかい数字を突きつけられれば突きつけられるほど、あなた、じゃ、かわって経営できますかと、こういう状態にありますから、それは通産省は……。

上田哲日本社会党

○上田哲君 石連寄りになっちゃ困る。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) いいえ、石連寄りなんかなりません。石連寄りなんかになりません。国民寄りでございます。(笑声)

上田哲日本社会党

○上田哲君 これはくどいようですが、大事なところです。だから、私が言っているのは、配当ゼロを余儀なくさせる数値、これが指導価格だということでいいですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 結果的にはそういうことになると思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 わかりました。いいですな、総理、それで……。  もう一つ、四分の三バルクライン方式というのは、私はちょっと問題があると思うのですが。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これはいろいろ議論があるところで、上田委員にも確かに御議論あると思います。ただ、日本の石油業者、精製会社につきましては、能力の差が非常にあるわけです。これはどっちかと言えば、外資系は非常に強くて、そうして根が張っております。営々として育ってきた民族系はまだ足腰が弱い。経理上も薄い。そういう情勢ですから、しかも、この石油危機に関しては民族系が非常に不利な立場に立ったということは、やはり石油の供給が安定的でなかったためにスポットのものを買った。十二月にわりあい石油が入ってきたというのは、いまから想像しますと、アメリカに対する禁輸で行き場のない石油が出てきた。それを日本の民族系がかなり買ったんです。われわれが買え買えと言って原料を確保するために買わしたんです。そのアメリカに行くはずであったものが禁輸で行けなくなったのを日本が相当買ったということは、入札でやりますから高いわけです。メジャーが持ってくるのとは非常な差がある。それが歴然と今日出てきておるわけであります。そういうような面から、どの程度の価格でまず平均価格と認めるかという場合に、じゃ、半分の会社でやるとほとんど日本の民族系は倒れてしまう。そして強く残るのは外資系だということになる。そういういろんなことを考えて、まあ四分の三程度、四分の一はもうしようがないというようなところがぎりぎりの線ではないかという政策的配慮でこのバルクラインという思想が出てきているわけでございまして、まあスパルタ教育みたいなものじゃないかと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 この方式によりますと、問題は、九千百円だったら、元売り十四社のうち十社は九千百円よりは低い値上げでよいはずだというところがカバーされてしまう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 元売り仕切り価格をきめる場合に、大体バルクラインというものを考えておるわけでございます。その場合に、なるほどおっしゃるとおり、じゃ、四分の三はそれで生きると。しかし、生きるという場合でも、かなりこれは厳格な査定をしているわけです。それで、われわれの考えでは、やはり内部留保も吐き出す、そして重役賞与も自粛する、それを期待すると、そういうようなかなりきびしい、まあ退職引き当て金は従業員のものだから、これは保留しておかなければいかぬだろうという程度のきびしい考え方に立ってその石油の原価というものをきめようとしておるわけですから、四分の三のバルクラインをきめる基礎においても、かなりきびしい要素はあるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 十四社のうち十社は低くていいはずだという、その数字はお認めになりますね。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○政府委員(山形栄治君) お答え申し上げます。  いま先生のお話に出ておりましたバルクラインは、原油の各社の取得価格の段階におけるものを、各社別に私どもが精査いたしまして、それでバルクラインを引いておるわけでございます。したがいまして、原油段階で四分の三のところで引こうということで、いま検討いたしておるわけでございますが、全体の元売り仕切り価格というのは、先ほど大臣から答弁がありましたように、その原油価格に生産、販売、関税、税金等を加えたものでございまして、各社別に経理の内容、企業努力の内容等が非常に違うわけでございます。したがいまして、いま先生のお話になりますように、ある社、原油段階でバルクラインからはずれたところが、当然にその要素だけでだめになるということは、それは私は言えないんじゃないかと思います、それはほかの要素を全部込みにしておりますから。そういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 答えてくれなければ困るんですよ。何ですか、その答弁は。イエスかノーかと言っている。時間がないから、私は協力しているのだ。そんな答弁はないじゃないですか。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○政府委員(山形栄治君) 元売り十三社のうちの大体五社が、バルクラインの外にはずれるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それから指導価格は、業界の平均値でいきますか、各社ごとでいきますか。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○政府委員(山形栄治君) 結論から申し上げますと、各社ごとにやるんではございませんで、この石油というのは、非常に一物一価的な要素が強いものでございますので、全体を踏まえまして、全社一本ということでいきたいと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうなりますとね、総理も非常に決定を急がれるというそういう中で、いまいろいろお話を聞いてみると、具体的な数値は聞きません。具体的な数値はあえて聞きませんけれども、こういうふうな要素で詰めていくということになれば、まだ調査が要るんですか。大体の調査は済んだ、その上でもう結論に至ろうとしている段階なのか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 大体の調査は済んでおるのです。ただ、その最後の限界のところで、ちょうど選挙の最後にせり合うようにせり合っているという状態です。

上田哲日本社会党

○上田哲君 選挙の話はちょっと不見識だけれども、各社ごとではなくて平均値だということになってみると、一つだけ伺っておきたいのは、いろいろ調整しなければならないせり合いがあるかもしれないけれども、いやしくも、各社ごとに事情調査をしなければならないという部分はもう残っていないということでしょうね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) それはもう終了しております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっとメカニズムを伺っておきたい。一体どこからこういう試算が行なわれて、どこを通って総理のところまで行って、どうなっていくのか、通産省のところからでけっこうですから。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは通産省エネルギー庁におきまして諸般の資料を整えて、そしていろいろな構想に基づく構想の中から、通産省としてはこういう考えが妥当であろうと、たとえばいま申し上げたバルクラインその他、そういう考えを持ち出して、そして試算をつくり、それで大蔵省や関係各省に相談をする、それから自民党の生活対策本部及び政調、総務会等についてもあらかたの考えを述べて了承を求め、そして最終的にいよいよ総理のところへ持ち上げるという前段階として、官房を含めて四省においていまその最後の詰めをやっておる。それができましたら、閣議で大体中間報告をして閣僚の御意見を求める、総理も交えてそういうことが行なわれると考えます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 で、調査段階は終わったと、そしていま四省会議の段階にあると、こういうことですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) そのとおりであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それは三案でありましょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 何案であるか、まあA、B、Cぐらい考えるのが大体役人の常識じゃないかと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 公取委員長、ちょっと視点を変えますけれども、四十六年のカルテルでは、石連のどの機関がカルテルを行なったわけですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 石連そのものの行為ですが、その中の委員会を聞いておられるんですか。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうです。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) これは、価格については営業委員会であると私は承知いたしております。石油委員会は別にございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっとさっき私、落としました。すみません。通産大臣、通産省では資源エネルギー庁の石油部ですか、一番もとは。計画機関は。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 資源エネルギー庁の石油部と、それから産業政策局、これは物価をやっておりますから、両方でやっておるわけです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 話を戻しますが、公取委員長が言われたように、問題になっている四十六年のカルテルは、石連の価格については営業委員会で行なわれたということですね。営業委員会というのはどういう委員会でありますか、どういう構成のものですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 営業委員会の実態そのものは、むしろ通産省のほうがお詳しいんですけれども、私の承知している限りにおいては、それは各社の営業担当常務ないし取締、そういう方々で構成しておられる、一応元売りの全社が入っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこで、その石連の営業委員会が、いまこの段階で新しい価格の決定について合議をしていると、そして一つの価格についての意見をまとめるということになれば、これはどのように判断するでしょうか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) その点が私ども非常にやっかいな問題です。つまり行政指導価格でおやりになる、行政指導で価格決定をさせるということでございますね、いまの政府の考え方は。まあそれは暫定的であるかもしれませんが、そういたしますと、それを受ける受けないは業界の自由なんです。業者の自由です。その営業委員会が、いま下準備にせよ、それぞれ会合を開いて、幾らぐらいにするかというふうなことを協議しておる、あるいは政府の指導に基づいて、それを受け入れるかどうかというふうなことを協議する、これはカルテルなんです。そこに問題があるということを私は申し上げます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 まさに、そこが問題だと思います。そういうことになれば、国民の立場からいってもたいへん許しがたいことだと思うのです。そうですな、総理。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) それはそのとおりでありまして、独禁法の解釈のとおりであり、すなわち意思の連携をやって、共同で取引制限行為があると、いまのように営業担当重役がそろって、そして共同の意思の連携をやれば、これはカルテルだと、そう言わざるを得ません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それをやっておるのです。それをやっておるのであります。しかも本日であります。本日の石連の会議室で、十一時半から午後一時五十分まで、まさしくいま言われた営業担当常務などや部長、まさしく全部の石油精製業、石油元売り業を網羅する責任者が集まって、この時間にその合議をしておるわけであります。公取委員長、いかがでしょう。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 私はその事実は承知いたしませんが、もしそれが事実であり——そういうこと、なかなかこれは実は実態把握が困難です。そういうことをここでいまおっしゃいました——おそらくそういうことは何も話してないと抗弁するでしょうけれども、もしかりにそういう事実について証拠があがれば、これはカルテルとして処断しなければなりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 隠しマイクでも、ウォーターゲートでもやらなければ、こまかい「てにをは」はとれないにしても、この時期に、その石連の中の会議室で、秘密会で、そういう人たちが全部集まって会議をしているとなったら、これはゆゆしき問題であるというふうにお考えになりますね。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) そのとおりであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこにです、その会議だけでも非常に問題でありますが、その会議に通産省の責任者が出席をしております、本日。通産大臣は御存じありませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私はそういうことはあり得ないと思います。これだけカルテル問題というものが国会でも論議され、通産省の内部でもいろいろ論議しているときに、そのカルテルを誘発するような共同謀議の会議に、通産省の担当官がその目的のために入っているというようなことは、ちょっと私ら考えられません。何かの間違いではないかと、私は想像いたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 事実であればどうなさいます。事実であればと言っているのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私はそういうことはあり得ないと思っております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 水かけ論争です。私はもう出席者はわかっております。石連だけが集まっているのでも問題でありましょうが、通産省の役人がそこに出席しているという証拠を、私はいま確信をいたしております。  そこで、通産省の担当者がそこに出席しているということになれば、その報告を受けることによって、私はその全貌を明らかにし得るものと思います。少なくとも片務的には——ちょっとお待ちください。発言中です。  さっき通産大臣は、この価格決定のメカニズムの出発点は、まさしく通産省の資源エネルギー庁石油部計画課であるということをおっしゃった。そのまさに出発点である計画課長は、この時間どこにいましたか。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○政府委員(山形栄治君) ただいま調べておりますけれども、私もずっと国会におりまして、私は存じあげておりませんが、いま調査中でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 これはたいへん重要なことだと思います。まさに石連——経団連四階の会議室であります。この時期であります。石連が告発を受けて、しかも家宅捜索を受けて、しかも国会では総理大臣が、できるだけ早くきめなければならぬと発言をされておられる。しかも調査が終わった。先ほど来私はそのことを確認しております。各社ごとにきめるのではない。各社から事情を聴取する必要はもうないとはっきり断言をされておられる。この段階で、その必要がもうなくなっているこの段階で、そこに、しかも、こういうまさに中心の担当者が出席をされているということになれば、私は、会議の内容が何でしょうかなんということは、はなはだ不謹慎な発言だと思う。これ自体が問題であるということにならざるを得ないのではないか。これはもう明らかに、カルテルというものの基本的な社会性において、これ自身が形態として問題になるべきでありますけれども、まさに政治責任とはそこにある。李下に冠を正さずということ——政治姿勢の基本的な問題として、私はこういう形態があるとすれば問題だと思います。一歩譲って、あえて私は、その場に立っていたわけではありませんから、そちら側からの調査を求めることにいたします。そうでなければ話になりません。総理、このようなことがもしあるとするならば、どのようにお考えになるか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 通産省の役人がカルテルをつくるのに介入しているというようなことは、断じてないと自分は確信をしております。しかし、御要求でございますから、至急調べて御報告申し上げます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 事柄は非常に重大であります。とにかくこれは責任者です。毎晩徹夜しているんだとおっしゃっている。行くえ不明になる人ではない。一分でわかることですから、その時間、どこにいたのかということだけは直ちに報告してください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いま電話で聞いておりますから、返事がありましたら御報告いたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それまでお待ちします。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 速記を起こして。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○政府委員(山形栄治君) お答え申し上げます。  ただいま調べましたところ、先生のお話のとおり、うちの計画課長が出席をいたしております。  ただ、ちょっと弁明がましいんでございますけれども、いま大臣からお話のとおり、価格は全然まだきまっておらないわけでございますが、いずれ近くきまるにあたりましで、従来価格値上げが起こりましてからの流通段階、特約店等、非常なる混乱が起こる可能性がございますので、現在の大体の考え方——数字は全部抜きまして、単に仕切り価格だけでなく末端価格のほうにつきましても、何らかの国民生活安定のための措置をとるというような趣旨を話しまして、彼らの準備といいますか、その対応をスムーズに、円滑にいくようにということの趣旨でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 はっきりしたではありませんか。公取委員長が先ほど言われた、この時期にそういうところで政府の責任者が一緒になってやっておるということ自体が問題であるということをはっきり指摘されておられる。しかも私の先ほど来の質疑の中で、業界と話し合う必要はもうないということもはっきり言っておられるではありませんか。  しかも、この計画課長の役所の文書によります所管事項は、石油製品の販売価格の標準額の決定ということになっている。総理が一生懸命になって具体的に詰めようと、国民の理解を得ようと言っておられるが、実際には徹夜でやっているんだなんて言っているその決定の一番もとにいるはずの人が、国民の前で明らかにするよりも、それ以上に、石連に行っておるではありませんか。石連に行ってその話をしてないはずだ——そんな説明が国民に通りますか。話さなければわからないのは国民ではありませんか。話さなければならないのは、まさしく国会に対する説明ではありませんか。いまそういう数字の説明もできないと言いながら、この価格決定の責任者である通産省の課長が石連の四階の会議室へ行って、全部の代表を集めて秘密会をやっているということが、一体どういうこととして国民に理解されるでありましょうか。  私は、政治姿勢の問題として、この点については、具体的にこの内容を客観的に明らかにしていかなければならないと思いますが、これは総理、重要な問題だと思います。総理、ひとつこの点について御見解を承りたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 総理が御答弁する前に私から申し上げます。  石油価格をある段階において値上げするということになると、これは突然行なわなきゃならぬことです。そういう場合に、今度はその石油を元売りからずっと末端のガソリンスタンドまで流している過程においては、いろんな手続やら契約やら大きな仕事があるわけです。それをある日突然にやらなきゃならぬという状況のもとに、混乱を起こさないでやらせるためには、各段階においてそれ相応の準備もしなければ大きな混乱が起こるわけです。ただ、ある時間にある価格がきまって、それが実行されるある段階に来た場合には、それじゃその瞬間にガソリンスタンドではどうするか、値段はどうなるか、そういうような混乱に対して、やはりある程度価格や何かはもちろん示さなくとも、ある程度の準備はさしておかなければ、国民のほうが迷惑をするわけであります。ちょうどこれはLPG、灯油について、昨年暮れにかけて混乱が起こりました。あれは元売りのほうについていろいろわれわれは手を打っても、下のほうのガソリンスタンドとか、あるいは薪炭商の売るほうについてわれわれのほうの手当てが抜かっておったからあれだけの混乱が起きたわけであります。そういう意味において、独禁法や何かとは関係なく、業務を円滑に遂行する必要上そういう準備をさせるということは私は必要ではないかと思うんです。そのこととカルテルや何かということとは、まるっきり別のことであると思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 通産大臣に答弁求めてないのです、私は。これは時間の関係もあると総理が言われておるから——ちょっと待ってください。これはひとつ公取委員長からこの点についての御見解をいただきたい。  私は、これはいかぬことだと思いますよ。私はこれはやっぱり国民に疑惑を招く非常に大きな問題、一番問題になっているテーマそのものがここに出ているわけですから、これはひとつ国民全体の立場というところに戻していただいて、どういう経過になっているのかということを、国民の立場に戻っていただいて、総理、客観的にこれを明らかにしていただくということを最後にお願いをしたいと思うんです。まず公取委員長から御見解をいただき、総理からの御見解をいただいて、私は後日に持ち越したいと思うのです。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 私は、この問題について、何らまだ私自身あるいは私の部下が事実を掌握しておりません。いま仮定の問題として原則論を述べたわけです。したがいまして、今度も、再度の御質問に対してお答えいたしますが、かねがね私ども申しましたとおり、勧告操短という場合には、一方的に官庁がきめたというものをそのまま受け入れたと、受け入れることについて相互の連係プレーがあればこれは違法である、こういう解釈でございます。価格についても全く同様でございまして、決定寸前のものを受け入れるかどうかというふうなことを、それは暗黙の間の了解であってもカルテルであるとするのがわがほうの見解でございますので、そういう点をできるだけ避けていただくように、先般から私はお願いしておるわけでございまして、そういう政府と業界との間でカルテルが成立するというふうなことは、全くこれは慎んでいただきたいというふうにお願いをしておるわけでございますので、それがもし価格についての説明であり、それを受諾するかどうかというふうなことでありますと、これはカルテルとみなさざるを得ませんと、こういう仮定に基づいて御回答申し上げます。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 石油価格は慎重に決定をしなければならない問題でございまして、これは通産省の事務当局にはありません。これは四省がいま検討しておる段階でございますし、未定でございます。最終的に閣議の決定をするということで効力を発生するわけでございまして、その間、民間が容喙するというような余地は全然ありません。そういう意味で、不公正な談合等によって、いわゆるカルテル行為によって値段をきめるという問題には全くなりません。これは全くないということだけは明確にしておきます。これはまだ全くきまっておらぬわけでありますから、そういうことはないということだけは明確に申し上げでおきます。  それからもう一つは、公取委員長がいま言ったように、それは操短勧告もカルテルであるというふうに公取は考えておるんですと、そういう意味からいうと、政府が勧告をしましたその価格を引き受けるか引き受けないか、政府が提示をしてからですな、した段階において、それは引き受けるわけにまいりません、私たちは全部各社でもって意見を戦わした後受けるか受けないかを決定いたしますということになれば、そういう意味で会合すれば、政府の勧告を受諾するかいなかに対して協議の上これを受けた場合でも、カルテルと認めざるを得ませんということでございますから、そういう問題に対しては、まだ提示をしておらぬのであるし、政府は各社が合議の上にこれをのませるというような処置を全く考えておりませんから、今度の石油価格決定に対してはカルテル問題は起こさないし、起きない、こういう認識を持っておりますから、これはひとつすなおに理解いただきたい。  ただ、政府がこんなに一生懸命で、いま国民も血眼になってここを見ているときに、通産省の所管の課長が業者の会合に出ておるのはどういうことか、とにかくこれだけカルテル問題や私的独占禁止の問題が問題になっておるときに、理由のいかんを問わずどうかというお話に対しては、これはあなたの言うこともわかります。同時に、通産省は、行政の上で石油問題に対しては業者を通産省に集めてもやることもございますし、向こうへ出かけていってやることもございます。だから、そういう場合には、これから行政がすなおにスムーズに進むように、業界に対して事前の行政指導ということで通常の行政ベースでやっておるんだと、こういうことを理解していただければ、この問題に対してはお話がお互いに理解できると思うのです。  ただ、そこで石油の問題を討議した、それが閣議で決定する石油価格にまた反映するということであれば、これは問題がございますし、いろんなことが起こると思いますが、そういう事態は絶対に起こさない、いまも四省で取り上げておる問題であって、事務当局が容喙できるような立場にはないということだけはひとつ理解をしていただきたい。

上田哲日本社会党

○上田哲君 内容は報告してください、出席者と内容は。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) それは通産省のほうから、どうせあすの朝はそういう問題で御指摘があると思いますから、これはもう事実を申し上げます。

小野明日本社会党

○小野明君 関連。  いま、上田委員が最後に総理に念押しをされましたから、明日正確にこの事実を報告してもらいたいと、こういう念押しをされましたから必要がないかと思いますが、先ほどからの通産大臣の御答弁によりますと、計画課長がそういう会議に出るはずはない、こういう御答弁だった。山形長官は、自分の監督下にある課長、しかも重要な責任ある課長の所在が不明であるという最初の答弁である。まことに上田委員が指摘しておりますように、まさにカルテルをやるための謀議ではないか、これが私どもの疑いなんです。  ですから、このことに対しましては、通産大臣あるいは公取委員長、またエネルギー庁長官、それぞれ正確な事実を、偽ることなく、隠すことなく、明朝上田委員の質問が始まるわけでございますから、この場に正しくひとつ報告をしてもらいたい、その要請をしておきたいと思います。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) それではよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 事実を正確に報告いたします。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 上田君の残余の質疑は明日行なうことにいたします。  明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会

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