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72回国会参議院1973/12/14

予算委員会 第5号

発言数
281
登壇者
26
会派数
6
開催日
1973/12/14

会議録

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十八年度一般会計補正予算  昭和四十八年度特別会計補正予算  昭和四十八年度政府関係機関補正予算  以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑を行ないます。渡辺君。(拍手)

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総理大臣に伺います。  OAPECが、去る九日、日本及びEC諸国に対する石油供給削減をさらに一月から毎月五%上のせすることを決定いたしました。このことによって、わが国の石油需給関係、あるいは石油、電力供給、あるいは経済成長率、国民生活などに非常にきびしい影響があらわれてくると思いますが、その見通しについて、まず伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) まあ、二〇%削減が一月から二五%削減になるということになれば、五%分の影響は避けがたいわけでございます。政府は、いまそういうことを前提にして、各般の調査を行ない、国民生活に与える影響を最小限に食いとめるべく慎重な配慮をしておるわけでございますが、まあ五%削減があるということは声明をされておりますし、そういう前提でいろんな準備をしなければならぬと思いますが、しかし、三木特使も派遣しておるわけでございますし、日本とアラブ諸国の間には友好親善の関係を深めるべくいま努力をしておるわけでございますので、最悪の状態で国内態勢はとります。しかし、石油供給の確保というものに対しては、外交上その他各般の状態から、必要なものはそれ以上に確保すべく努力をしておるわけでございます。まあ二〇%でも影響があるわけでございますから、五%プラスをすれば、それ以上に影響があるということは事実でございますが、備蓄との関係もございますし、最上な状態でなだらかな経済を、総需要を抑制していくという観点において万全の処置をとってまいりたい、こう考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産当局のほうから、もう少し具体的に伺いたいと思うんです。たとえば今度の五%削減の上のせによって、一月の石油供給は九月の実績に比べてどのくらいな削減率になるのか。それからまた、今後の石油の需給関係ですね、及び石油、石炭の供給削減率、従来一〇%というふうにいわれておりましたけれども、これがどのくらいなものになるのか。また、経済成長率、これをどの程度に今後見ておられるのか、その辺について伺いたいと思います。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 渡辺さんすでに御承知のように、本年の下期に至りまして石油の供給が削減されるというような予測せざる事態も生じ、また、それに関連して物価の高騰も予想以上にございましたので、私どもは、すでに本年度の経済成長について、見込みの改定の試算を実はいたしました。その結果、これも御承知のように、実質的にも四十八年度の経済成長というものは、昨年に比べて六・四、五%ぐらいの高さに終わってしまうだろう、こういう見通しなんですが、私はものごとの事態を正直に見詰めたほうがいいと考えるものでございますから、明年度におきましては、ことしの改定試算のとおり六・数%ほどの経済成長率を見ることも適当ではないだろうと、もう少し低いところで実質的には見、ざるを得ないだろうと、こういう見通しを現在のところで立てております。はたして何%かということは、いまこの瞬間に申し上げられませんけれども、昨日まで私が申しておりました六%以上ではないということよりも一歩を進めまして、六%の成長率を実質的にはかなり下回るところで諸般の計画を立てるべきだと考えるものでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 先ほど総理のおっしゃった、いま三木特使が中東諸国を訪問しておりますけれども、この三木特使はどのような方針を持っていっておられるのか、これを伺いたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国の中東政策につきましてアラブ関係国の理解を求めることが第一でございます。第二は、訪問国からの御意見を直接聴取いたすことが第二でございます。それを通じまして、わが国として中東紛争解決のためになすべき道を探求するということとあわせて、先ほど総理も仰せられましたとおり、アラブ諸国と日本との間の友好親善の上から申しまして、経済技術協力等のことにつきましても、先方からお話がございますならば、それに対しまして十分の意思疎通を通じて、わが国の誠意を先方に披瀝してまいる。これを通じまして先方とわが国との間の友好親善関係を深めてまいるということが三木特使の御使命でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 三木特使を中東に派遣する方針として、十二月六日の閣僚懇談会で次のようなことをきめたということがいわれております。  一つは、エジプトに対するスエズ運河改修のための円借款、もう一つは、イラクに対しては液化ガス製造工場建設のための円借款、その他製油所、パイプライン建設など経済援助をきめたということであります。また、サウジアラビアに対しては、延長二千キロ、総工費三十億ドルにのぼる新幹線建設計画を示して、そのための経済技術協力を提案していると伝えられておりますけれども、これは事実でしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) きのうも本委員会を通じて御説明申し上げましたとおり、わが国とアラブ関係国との間で、政府レベルにおいて、あるいは民間レベルにおきまして、いろいろのプロジェクトについて話がありましたものを整理いたしまして、その中で政府として検討に値するものというようなものについて検討いたしたことは事実でございます。しかしながら、経済協力は当方から受益国に押しつけるべき性質のものでもございません。先方の話もよく聞かなければならぬわけでございまするし、これが双方の意思が一致し、フィージビリティースタディが十分行なわれた上で実行が可能になってまいるわけでございまするので、どの国についてどのプロジェクトをどうきめたというようなことはいたしていないわけでございまして、いままでお話し合いがありました問題について一応のレビューは行なっているという事実はございますけれども、国々につきまして特定のプロジェクトを設定したということではございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いままで話し合いのあったものというものについて、どういう具体的な内容なのか、おっしゃっていただきたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 十幾つかのプロジェクトについて検討はいたしましたけれども、それは先ほど申しましたように、双方の意思が合致いたしまして、具体的な検討に入って、発表していい段階で発表しようということでございますので、いまの段階におきまして、この国についてこういうプロジェクトをポケットに入れて持っていったというような性質のものではないわけでございますので、この段階で具体的なプロジェクトを申し上げるということは差し控えさしていただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうも日本政府が、具体的でないかもわかりませんけれども、ある程度心づもりをしたものは経済問題が中心だったような感じがいまの御答弁の中からもうかがわれるのですね。  ところで、十一月二十二日の官房長官談話として発表されました日本政府のいわゆる新中東政策、これよりも多少とも前進した方針は持っていかれたのでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 十一月二十二日に官房長官談話の形で発表されました中近東政策を踏まえて御出発いただいておるわけでございまして、それから前進も後退もいたしておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 今日における石油問題の解決が、中東の平和の確立と現実的には不可分のものだということについては、これは外務大臣も総理大臣も御存じのところだと思います。ところが、いまお話を伺っておりますと、十一月二十二日の官房長官談話として発表された中東政策、これについては前進も後退もないのだと、しかし、経済的な問題についてはまあ若干は討議をしていかれたというような状況ですね。私は、これでは何か札びら外交でもやっておられるような感じがするのですよ。こういうことでいまのアラブ諸国が十分満足できるというふうに思っていらっしゃいますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま起こっておる石油問題は、中東紛争と全面的にうらはらになっておるとは私は考えておりません。石油問題というのはもっと深い根を持っておるものと思っておりまするし、中東紛争はそれを大きくエスカレートさせるものであると考えておるわけでございますが、それは別といたしまして、あなたが後段で述べられました御質問でございますが、わが国といたしまして、石油問題があろうとなかろうと中東政策というものはなければならぬわけでございますし、とりわけ、いま世界の平和にとって大きな課題になつておりまする中東紛争についてのわが国の立場は鮮明でなければならぬと考えるわけでございまして、そういう意味におきまして十一月二十二日の政府の談話が発表されたわけでございます。これにつきましてアラブ諸国はじめ全世界がどういう評価をされますか、これを評価していただいておる向きもありまするし、また、私どもが期待どおり十分な評価をいただいておると思えない向きもないではありません。しかし、日本といたしましては、これが精一ぱいの中東政策であるという判断に立ちまして申し上げておるわけでございますることを御了解いただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 今日の石油問題と、そうして中東の平和の問題、これが現実的には不可分のものだということは、このたびの石油の削減がアラブ諸国のいわば中東問題解決のための戦略として打ち出されているということ一つとってみても十分おわかりだと思うのですね。ですから、われわれは、別に石油問題にだけ限ってきょう私は質問しているわけではないのですけれども、しかし、同時に、石油問題を考える上においても、やはり中東の平和の問題、これに、はたして徹底的な政策を持つかどうかということが非常に大きな関係が私はあると思う。ところが、従来の官房長官談話、これについては、一定の評価は受けながらも、同時にまたきわめて不評判だ。ですから、官房長官談話の線を一歩も出ていないというような方針を持って行かれた三木特使に対しては、アラブ諸国の反応はきわめてきびしいものがあるんじゃないかというふうに思います。たとえば、アブダビのザイド大統領は次のように言っております。われわれは経済協力を望んでいるが、まず中東紛争の解決が先決であるとして、日本が中東問題の真の解決のために積極的に努力するよう要請しております。中東の平和確立のための根本問題についてまず政府は努力すべきじゃないかというふうに思いますけれども、どうでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりでございまして、政府の立場においてできることは何でもしなければならないと存ずるのでございます。したがいまして、中東紛争に対しまして、その解決の原則はかくあるべきであるという政府の談話を出したわけでございまして、そのラインに沿いまして私どもはあらゆることをしなければならぬ決意でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、この前の官房長官談話として発表されたあの中東政策、これでもう十分だと考えていらっしゃいますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国として、考えて考え抜いたあげく、これがわが国としてとり得るベストな中東政策であるという判断でございます。で、それをきめました以上、そのラインに沿いまして今後の中東政策を展開してまいるのは私は当然の道行きであると考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大体官房長官談話の中に盛り込まれている政府の方針ですね、これはどうでしょうか、一九六七年の国連安保理事会の二四二号決議の内容を日本政府が六年たったいまごろにあらためて再確認したという程度のものにすぎないと思いますけれども、どうですか。こんな状態では、日本政府はこれはベストだと思っているかもわかりませんけれども、アラブ諸国はとうていこれは満足できないというふうに私には考えられますけれども、その点、どうお考えでしょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま御指摘の国連決議二四二号というものは、全世界がアラブ紛争解決のベースとして踏まえておる決議であると承知いたしておるわけでございます。問題は、その決議の解釈をめぐりまして、両当事者はもとより、世界でいろいろ議論がありましたことは渡辺さん御承知のとおりでございます。で、わが国といたしまして、この決議をわが国はどう解釈するかということを、より鮮明な姿におきまして打ち出したことでございまして、二四二号のワクからはずれるなんということは、とうていなし得ないことでございますし、また、それはアラブ諸国の望むところでも決してないわけでございます。二四二号の解釈を明徴にしてまいるということはアラブ諸国も期待していることでございますし、また、全世界が期待しておることでございまして、わが国としてはこういう解釈をするといたしたわけでございます。その解釈は、従来わが国の表明した意見よりは明快な姿で出ておるわけでございまして、世間では、それはアラブ寄りの解釈でないかというような評価を受けておるわけでございますが、私どもといたしましては、二四二号はまさしくこう解釈すべきでないかという筋道で考えたつもりでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 六年前の国連の決議を六年後に解釈を鮮明にすると、そういうことで、はたしてアラブ諸国が満足するでしょうか。先ごろ来日しましたシリアのハダーム副首相とアブダビのパチャーチ国務相が、記者会見の席上で、日本政府の立場は必ずしも親アラブではなく親日本だ、というふうに言われて、そうして、いまは声明だけでは十分でない、原則を実行に移すことが大切だ、というふうに述べております。そのことを外務大臣御存じでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申しましたように、十一月二十二日に発表いたしました日本政府の中東政策というものは、日本政府としてわれわれベストな政策であると判断いたしまして内外に発表いたしたものでございます。それに対する評価はいろいろあると思うのでありますが、先ほど申しましたように、これを踏まえた上で私どもは今後の中東外交の指針としてやってまいるということでございまして、これ以外に分別はないわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 シリア、アブダビと言えばアラブ諸国の中でも有力な国です。その国の政府首脳が、いま言ったように、声明だけでは十分じゃないんだと、原則を実行に移すことが大切だ、というふうに強調しておられる。こういうアラブ諸国の主張に対して、日本政府としてどういうふうにお考えでしょうか、重ねて伺います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 今日までも、二四二号の決議が行なわれました以後も、御案内のように、パレスチナ人の正当な権利の尊重につきましては、わが国は、終始、国連の場におきまして賛成の投票をとってまいりました。最近の例をもちましても、十二月六日には占領地の資源に対する主権の問題につきましても正しい投票態度を示したわけでございまして、私どもといたしましては、日本政府がなし得ることはあらゆる手段を尽くしてやっておるわけでございます。ただ、日本は平和主義を国是といたしておる国でございますので、武器を送ったり、あるいは兵員を訓練したりするようなことはできないことは、あなたが御承知のとおりでございます。日本ができることは労を惜しまずやってきておるわけでございますし、今後もその態度で終始いたしたいと思います。そういう日本の態度は、漸次、私はアラブ諸国からも御理解を得つつあると判断いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 先ほど私が申し上げたアラブ首脳のことばというのは、これは国連決議の原則をどういうふうに実行するかということが大事なんだということを言っておられるんです。その点をひとつ、お間違いないようにしていただきたいと思います。私は、アラブ諸国のこういう要求、これは一見激しいように見えるかもわかりませんけれども、しかし、きわめて当然な立場だというふうに考えざるを得ません。なぜかと言えば、日本政府がいまごろ再確認した二四二号決議というのは、いまから六年前に出されたものでしょう。その後六年たった。依然としてイスラエルはアラブ諸国の地域を占領して、いまだに撤退してない。先ごろの紛争では、さらにその占領地域を拡大しているという状況でしょう。つまり、別のことばで言えば、国連決議は出されたけれども、その国連決議の諸原則が実行されていない。そうでしょう。アラブ諸国としてみれば、いまごろ国連決議再確認して何だと。いまはこの国連決議をどう実行するかということが大事なんだというふうに主張するのは私は当然のことだと思う。官房長官談話も、一番最後に「今後の諸情勢の推移いかんによってはイスラエルに対する政策を再検討せざるをえないであろう。」というふうに述べておりますが、この対イスラエル政策の再検討とは一体何か。原則の実行のために具体的な行動をとる意図がおありかどうか、これを伺いたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) あなたがおっしゃるように、イスラエルが占領地からすみやかに撤退をすることが紛争解決の一番大事な要素であることは当然でございまするし、いまなお占領を継続しておるということはたいへん遺憾なことでございます。で、二十二日の官房長官談話におきましては、そういう意味におきまして、イスラエルに対しまして日本としては遺憾の意を表したのでございます。それで、その談話の後段におきまして、今後の事態の推移をわれわれは注視したいということは述べておるわけでございまして、今後の事態の推移いかんによりましてはイスラエルに対する政策を再検討せざるを得ない立場に日本がなるかもしれないという警告を出しておるんでございまして、これがまず日本としてなし得る私はぎりぎりのところだと思うのでございます。  そして、それじゃその再検討というのは一体どういうことかということ、あなたがいま、具体的な行動、具体性をもって迫らなければならぬという御質問の御趣旨でございまするが、具体的な手段が、具体的でできる仕事がございますならば、われわれは、談話ではっきりするはずでございます。いまの段階におきまして、そこに書いてありますように、今後の事態の推移に応じて私どもはそういう懸念を持っておるということを表明いたしておることが今回の紛争解決に何がしかの役割りを果たすことになるのではないかという期待を込めて書いてあるつもりでございますので、そのようにお読み取りをいただければしあわせと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうも伺っていますとね、ほんとうに国連決議の実行ということを考えていらっしゃるのかどうかと、まことに心もとない感じですよ。大体この二四二号決議がなされたときの議長国は日本でしょう。議長国というのは、自分が議長をやっているときに出された決議については、それがほんとうに実施に移される責任を持っていると思う。ところが、その決議が出されてから六年間も実施に移されていない。イスラエルは依然として占領を継続している。そういう状況でしょう。いわば、二四二号決議というのはたな上げになったような状態に置かれている。議長国の責任としてもこれを実施に移すための具体的な行動をとること、当然のことじゃないですか。どうでしょう、その点は。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) そのことが、不幸にいたしまして実行に移されていないわけでございまして、それはたいへん遺憾なことであると。それで、イスラエルを名ざしで遺憾の意を表明せざるを得なかったことは、たいへん私は残念なことでございますが、今度の官房長官談話でそういう意向を日本政府として表明いたした次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何か、こう、ハムレットのせりふを聞いているような感じがしますね。私は、やろうと思えばできると思うんだ。  私から、じゃ提案しましょう。わが党は、すでに六年にわたってアラブの近隣地域を占領し、中東の平和に重大な脅威を与えているイスラエルに、国連安全保障会議の二四二号決議を実施させるために、国連憲章四十一条の非軍事的措置を行使するよう直ちに行動することを政府に提案いたします。これは、現在の石油問題の解決という点でも正しい解決の方向だというふうに思いますけれども、同時に、不法にいままで占領を続けてきたイスラエルに対する国際正義の立場から、中東問題の原則的な、徹底的な解決をはかる道だというふうに私どもは確信しております。この点について、私はまず総理大臣の御見解を伺いたいと思うんです。しかし、御答弁をいただく前に、この国連憲章の四十一条というものがどういう内容のものなのか、これについて当局のほうから御説明を、まずいただきたいと思うのです。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) 国連憲章四十一条は、安全保障理事会が平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為の存在を決定した場合に、安全保障理事会が国際の平和及び安全を維持しまたは回復するための措置として、この四十一条で特定しております非軍事的措置を決定することができるというのが、この四十一条の趣旨でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その内容、全文、ちょっと読んでみてください。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) 条文、読んでよろしゅうございますか。——「安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。」。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総理、お聞きのとおりです。先ほど外務大臣は、日本は平和主義の国だとかなんとかおっしゃった。だから、武器の供与などはできないんだというような趣旨のことをおっしゃいましたけれども、これは非軍事的な措置についてきめていることなんです。国連の安保理事会の決議が出た。しかし、それが実施に移されていない。これを実施するための非軍事的な措置として、はっきりと明文となってうたわれているわけです。これは日本政府がやろうと思えば十分できることでしょう。国連の安保理事会なり、あるいは総会なりに、日本が大国だ大国だとみずからおっしゃっているわけですから、大国としての影響力を行使して、なぜこの決議が出るような活動をしないのか、非常にふしぎです。どうですか、総理大臣。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 渡辺さんがそのように主張される御意図はよくわかりますけれども、問題は、もうすでにその域を越えまして、両当事者の間では本月の十八日から同じテーブルに着きまして、紛争解決のための和平会談が持たれることにきまっておるわけでございまして、事態の解決は、単なる勧告をこえて、すでに和平交渉に入っての段階になっておるわけでございまして、私どもは、この和平会談が成功いたしまして、早期の間に平和的な解決がもたらされることを希求してやまないわけでございまして、いま仰せのような、安保理の決議を引用してのことでございますが、事態はすでに和平会談を始める段階に、もう来ておるということを御銘記いただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう時期はずれだというような趣旨のことをおっしゃいましたけれども、この六年の間、日本政府は、やろうと思えばこれくらいのことはできたんですよ。それが、いままで何にもやらなかった。そうして、中立だ、中立だと言って、実際上安保理事会の決議が踏みにじられて、イスラエルがアラブ諸国の地域を占領するのを黙認してきたというのがいままでの事実上の態度でしょう。いま、確かに和平会談が開かれようとしている。これはそのとおりだ。しかし一方で、イスラエルは、部分的な撤退はあるけれども全面的な撤退はやらないんだというようなことまで言っているじゃないですか。まさにこの時期こそ、国連に対して、日本が積極的に四十一条を適用すべきだということを提案して活動すべき時期ですよ。一番いい時期だ。やりますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま御答弁申し上げましたように、もう現実の日程にのぼっておりまする和平交渉が、早急に結論を出して、紛争解決に至りますように念願をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それじゃ、ただ事態の推移を手をこまねいて見ているというだけですか。そういうことでアラブ諸国が満足するでしょうか。石油問題が正しく解決していくでしょうか。先ほどのお話ですと、五%削減がまた上積みされる、成長率もいままでような状態にはいかぬと経済企画庁長官も言っておられる。国民生活に与える打撃は非常に深刻ですよ、これは。もうすでに非常に深刻になっている。政府に対してこの問題の正しい解決を求めている、国民は。ズボンのポケットに手を突っ込んで、ひよりを見ているというような状態じゃ困る。どうですか、直ちに私はやるべきだと思う。もう一度重ねて伺います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、もうそういう段階を越えて、勧告の段階を越えまして、すでにアラブ諸国、アラブ、エジプト、シリア等、紛争当時者側も同意いたしまして、和平交渉が開始されるスケジュールがきまってきたわけでございまするから、この和平交渉の成功をわれわれは期待いたしておるわけでございまして、いま国連の場を通じまして、あなたが提起されるような勧告を、いま私は行なうというような必要はないのではないかと考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この四十一条ですね、これの適用については先例があるんです。もうこれは専門家の外務大臣のほうが御存じでしょうけれども、南ローデシアの白人政権による人種差別問題に対して、安保理事会が制裁措置を発動した。その他の例もありますけれども、とにかく、こういう国際的な不法行為に対しては、当然にこれは国際的正義の立場から制裁措置を講じていくということこそ、事態の根本的解決の道だと思うんです。武力で、紛争が起こって、そうして一方は、占領地域からちょっとは引くけれども全面的には引かないと言っている。他方は、これは自分の正当な主張を擁護するために石油戦略をとっておるという条件のもとでのいわゆる和平会談でしょう。この帰趨がどうなるのか、これはズボンのポケットへ手を突っ込んでながめていればいいというような状況じゃないと私は思う。一日も早く国連に対して行動を起こして初めて、いま進もうとしているこの和平会談、これについても侵略者が撤退せざるを得ないような方向で事態を解決させる道じゃないですか、どうでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) この和平会談には、国連の事務総長も参加されると聞いておるわけでございまして、事態はすでにもう国際世論から申しましても、現実の切迫した状況から申しましても、和平交渉を持つという日程が厳粛に組まれるまでの事態に来ておるわけでございます。したがって、この交渉が早急な結論を出すことを期待しておるというのが、いまの私どもの立場でございまして、いまあなたの言われるような段階では私はないのではないかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 自分が議長国となっているときに出された決議、これが実施に移されるということについて、全く不熱心な立場をとっておられるということはよくわかりました。  この問題にちょっと関連しますので伺いたいんですが、けさの朝日新聞に、外務省の情報文化局長が、国連の十月二十二日停戦決議の線までイスラエルは即時撤退をすべきだというような談話を発したということが書かれておりますけれども、これは事実でしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 事実でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これも国連決議の実施をせよという要求ですわね。私が言っているのも同じことですけれども。しかし、同時に、もう六年間もたなざらしになった国連決議を、これを実施に移させるための道はあるんです、いま申しましたように。平和国家だと口では言ってらっしゃるあなた方にとっても、非軍事的な措置をもって実施に移させるという道はあるんです。これが私は一番正しい道だと思うんです。こんな、この間の紛争でもって、撤退しろというのを撤退しないでがんばっている。そのがんばっているところだけちょっと引けと、こんな程度のことを言って、一体、中東問題の正しい解決になりますか。中東問題の根本的な解決は、二四二号決議、これを即時全面的に実施させるという道でしょう。だからこそ、官房長官談話も、それと同じ趣旨のことを、いわば六年後のいまに至ってやっと再確認したという状況だと思うんです。  まあ幾ら言ってもやる気がないなら、もう一つ伺いますけれども、かりに国連に提起する気がないとして、しかし、国連の決議が出ない前に、自分の国の自主的な立場で、この四十一条といわば同じような内容を持った措置を、日本政府の自発的な意思によってやる道も私はあると思う。そういうことをおやりになるお気持ちはありますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) それはイスラエルに対してですか。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) それは、官房長官の談話にも申し上げておりまするように、今後の事態の推移を見まして、イスラエルに対する政策を再検討せざるを得ない場合が生ずるかもしれないという警告を出しておる立場をいま堅持いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 次に、アラブ諸国その他が、非常に以前から要求しておりました天然資源に対する恒久主権の問題、この問題について伺いたいと思うんです。私は、アラブ諸国の態度が日本に対してきびしい、これについては幾つかの理由があると思うんです。先ほど申しましたように、自分が議長国になって二四二号決議を出しておきながら、しかもその実施について何の責任もとらない、拱手傍観、事実上イスラエルの侵略、これを黙認してきたという点、これも不信の理由の一つだと思うんです。同時に、この天然資源に対する恒久主権の問題、これについての態度、日本政府がとってきた態度、これもアラブ諸国から不信を招いている一つの大きな原因になっていると思います。この問題についての、いままで日本政府のとってきた態度、これについておっしゃっていただきたいと思う。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日本は二四二号の決議のときの議長国であったというのは、たびたびおっしゃいましたけれども、そうではなく、そのときはマリという国でございまして、責任を回避するつもりはありませんけれども、日本はそのときの議長国ではなかったということだけを申し上げておきます。  それから、いまの天然資源の主権問題でございますが、内容につきましてと経過につきまして事務当局から説明させます。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) 国連におきまして、開発途上国の天然資源に対する恒久主権の問題は、一九六二年十七総会のころから毎総会に議題として取り上げられるようになりました。で、天然資源の恒久主権、実は、ことばは使っておりまするけれども、その内容は必ずしも十分にはっきりしたかっこうで定義されておりませんでして、ただ、毎年国連総会でこの問題が議論されるたびに、次第に、後進国側の要望なり、希望という形でこの内容がだんだんと固まってきたわけでございますが、日本政府の立場は、天然資源に対して開発途上国が主権を持つと、これはもう当然なことである。ただ、この開発の過程において、先進国との間のいろいろな協力がございます。その観点からわれわれ日本及び先進国がこれに注目してきたわけでございますが、端的に申しますと、この後進国の主張の中に、日本を含む主要国、西欧諸国で若干問題になる点が出てまいりました。  それは大体二つあるかと思いますが、一つは、国有化をする権利を持つのである。したがって、その国有化する場合にその補償額の決定、あるいはその態様を一方的にきめることができるという点を中心とした考え方を打ち出してきたわけです。それからもう一つは、海洋資源に対する主権があるのであると。特に相当な広範囲の水域における、中に住む海洋資源に対して後進国が一方的な権利を持つ、この二点が、従来日本がとってまいりました、国際的にとってまいりました立場との関係で、若干問題があるということから、日本は大体これに対して棄権の立場をとってきております。簡単に申し上げますと、日本の態度はそういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 第二十一国連総会では、どういう態度をとりましたか。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) 二十一国連総会では、特にそのとき出されました決議案の内容のうちで日本にとって問題のありました項目、具体的に申しますと、すべての開発途上国は、外国の資本により運営される企業の経営に対するシェアを確保し、ないし増大する当然の権利があるんだという点につきまして、わがほうが、日本側としてはのみ得ないということで、この項目の分割投票のときに実は反対投票を行ないましたが、決議案全体につきましては棄権いたしました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それじゃね、第二十五回総会。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) 二十五回総会に出ました決議案に対して日本は反対いたしました。これは、その決議案の中にあります一、二の項目について、日本側に問題があったからでございます。特にその中で申し上げますと、民間投資が開発途上国に行なわれます場合に、資源保有国たる開発途上国と、これらの資源を輸入する国との双方にとって利益をもたらす資源の開発に悪影響を及ぼすような規定があったからでございます。つまり、資源保有国と、その資源開発に協力する外国との間の協力関係の基本に対して害するような規定がありましたために、日本といたしましては反対をいたしました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この天然資源の恒久主権についての決議案、何回も国連で出された。日本政府は、先ほども申しましたように、ある場合には全体については棄権をし、そうして部分項目については反対をする、あるいはまた、先ほどの第二十五回総会のように、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、南アフリカと一緒に——ですからね、わずか五つか六つの国なんです、反対しているのは。その少数の国の一国として反対している。その理由は何かといえば、先ほども御答弁がありましたように、この外国企業に対する当該国の経営参加の比率をもう少し高めようというようなことを理由にして反対している。あるいはまた、今後発展途上国に対して投資をしたい、しかしそれがうまくいきそうもないというようなことを理由にして反対している。  一体、この恒久主権についての決議、これはどういうものか。いまさら私が申し上げるまでもない。政治的に独立した発展途上国が、政治的な独立をさらに達成するためには経済的にも独立する必要があるということで、自国の天然資源について、いわば民族自決権にもひとしいような主権の確立を求めて国連に決議案を提起しているというのがこの恒久主権の問題でしょう。それに対して日本が、われわれのことばで言えば帝国主義国だ、しかも、アメリカの手先になったと言っても差しつかえないような、そういう立場で、アメリカとともに一貫してこの決議に対してあるいは反対、あるいは棄権、こういう態度をとってきている。あなた方は、他国の主権を尊重する、尊重するといつも言うけれども、この恒久主権についての決議案に対する日本政府の態度こそ、アラブ諸国、その他の発展途上国の主権に対して日本政府が全く反動的な態度しかとっていないということをはっきり物語っているじゃないですか。こういうことをいままでやってきている。ところが、フランスにせよ、イタリアにせよ、西ドイツにせよ、ほとんどこれに賛成してきているでしょう。そうして、アラブ諸国とも経済関係を開いて、今度の石油問題についても比較的よく解決する方向を目ざしているわけです。一体アラブ諸国との友好親善をはかるというように政府が強調するならば、この恒久主権についての決議案、今後反対する態度、棄権する態度をやめて、賛成する態度をとるべきだと思うけれども、どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 資源保有国の、その資源に対する主権というものは尊重されなければならぬという基本の立場は、日本政府としても十分理解しておるつもりでございます。ただ、それが、その決議案に示された中におきまして、若干の条件につきまして、たとえば国有化について、あるいはその補償について、全面的に後進開発国側の一方的主張のみが優先するというような考え方についていかがかということに、日本としては、がえんじないものを感じたから棄権をしたということでございまして、この態度は、その国の恒久主権の原則というものに対して私どもがこれを認めないとかというような趣旨のものでは決してないのでございまして、資源の開発というものが、その国のためにも、また世界のためにも有効に利用され得るには、そういうことでなくて実際的な道があるのではないかという配慮から出たものでございまして、帝国主義的なアイデオロジーあるいは利益というものを念頭に置いてやっておるわけでは決してないことは、御理解をいただきたいと思うのでございます。  それから、その他の先進国とそれでは日本との差異の間の比較でございますが、私の記憶しておる限りにおきましては、他の先進国に比べまして日本はおくれをとっておるとは思いませんで、むしろ西欧各国よりは日本がより理解ある態度を終始続けてきたと私は記憶をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 現に、アメリカその他ほんの少数の国とだけ一緒になって反対してきて、そんなことをおっしゃったってだめですよ。しかも外国へ投資する企業といえば日本の大企業が大体中心ですよ。その大企業の持ち株比率、これが被投資国、発展途上国の持ち株比率が高くなる、これはいやだというんで反対するというようなことは、これはやっぱり相手国の民族主権を認めているという立場にはならぬと思うんです。いまの石油問題を正しく解決する上にも、アラブ諸国がまさにその点について不満を持っているわけですから、そういう態度は捨てて、恒久主権についての決議、今後やっぱり賛成するという方向にいくのかいかないのか、この点を伺いたいんです、端的に。

鈴木文彦外務省国際連合局長

○政府委員(鈴木文彦君) いまの御質問に関連しまして、これは先ほど外務大臣の答弁の中にもちょっと触れられた点ですが、去る六日の日に、国連総会の第二委員会におきまして、エジプト、サウジアラビア、クウェート等のアラブ諸国及びケニア、パキスタン等の共同提案によりますアラブ諸国の天然資源の恒久主権に関する決議案が採択されております。この決議案の趣旨は、イスラエルの占領下にある地域の天然資源がアラブの主権のもとにあることを確認し、イスラエルによるこれら天然資源の不当な開発利用を非難するという趣旨の決議でございます。で、わが国はこの決議に対しまして賛成いたしました。決議自身は、賛成九十一、反対五、棄権二十七で採択されたわけですが、アメリカはこれに反対しております。それからヨーロッパのEC諸国はこれに棄権でございます。先進国中、賛成投票を行ないましたのは、わが国とスペインの二国でございました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは次に移りますが、私はアラブ諸国が日本にきびしい態度をとっているいろいろの理由の中でも特に大事な問題は、日本にアメリカの軍事基地がある、そうしてそのアメリカの軍事基地を使ってアメリカがイスラエルに対して軍事的な支援を行ない、アラブ諸国に対するどうかつ政策をいまだに続けているという点じゃないかと思います。ですから、いまの石油問題、これを正しく解決する上からも、同時にまた中東問題を根本的に解決していく正しい立場をとる上からも、いまイスラエルに対して軍事的支援を行ない、あるいはアラブ諸国に対して軍事的どうかつをやっているその米軍に対する抗議を日本政府として当然やるべきじゃないかと思いますが、その点どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私はそう考えないのであります。今度の石油供給制限問題に関連いたしまして、アメリカとの関係は、御案内のように日本は安保条約を持っておりますし、西欧諸国はNATO条約機構を持っておるわけでございます。アメリカの基地は西欧にもあるわけでございまして、そのことのゆえをもちまして今度の石油を、戦術としての政策の態様を考えられておるとは私は判断していないわけでございます。  それから第二に、わが国の在日米軍は、イスラエルのアラブ紛争、中東紛争等に対しまして、わが国の在日米軍基地を使用いたしましていかなる形においても関与していないと承知いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは外務大臣おかしいです。そのNATO構成国である西ドイツ政府が、アメリカ軍が西ドイツから武器を持ち出してイスラエルに送ろうとしたときに、これに対して断固として抗議してやめさしている。これはキッシンジャーがあとでこぼしている、一体同盟国の同盟というのはどうなったんだと。そういう事実があるんですよ。ところがどうです、日本政府は。いま横須賀に基地を置いているアメリカの第七艦隊、これが中東戦争が始まるとともに空母二隻を含む機動部隊をインド洋に派遣した。最近の新聞によると、第七艦隊はスエズ運河のある紅海にまで進出してアラブ諸国に軍事的圧力を加えている。この間の、あの紛争が起こったばかりのときに、十月二十五日ですか、アメリカが中東への軍事介入を企図して、そうして全世界の米軍基地に緊急出動体制をとったときに、沖繩を含む在日米軍も一斉にアラート体制に入った。広島県の広弾薬庫からは大量の弾薬が運び出されてイスラエルに送られた疑いがある。こういう事実があるのにもかかわらず、日本政府はただの一回もアメリカに対して抗議すらしていないでしょう。アラブ諸国が不信の念を持つのは当然のことだと思う。官房長官談話あたりでは満足しない。当然のことだと思う。どうですか、その点。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、在日米軍基地を使いましてアメリカ軍が中東紛争に武器、弾薬を送るというような事実はないと承知いたしておるわけでございます。  それから、いま後段で言われましたような事実は、衆議院においても指摘され、われわれもアメリカ側についてそれを調べたのでございますが、そういう事実はございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 その調べたというのは、どういう調べ方です。アメリカ軍に問い合わせてその返事をもらったというだけのことじゃないんですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) アメリカに照会いたしましたところ、そういう事実はないということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いつもあなた方の答弁はそれですよ。大体横須賀を基地とした第七艦隊がインド洋から紅海にまで出かけていくというようなことは、安保条約上の問題があるんです。まあこの点はきょうは問いませんけれども。そういう重大な事態についてアメリカに問い合わしたら、そういうことがないという返事があったから、ありませんと、いつもそんな答弁で終わっているんです。そういう態度をとっている政府であればこそアラブ諸国から不信の念を持たれるんです。日本国民からも不信の念を抱かれる。石油問題の正しい解決なんというのは困難です。そうじゃないですか。しかも日本にそういうアメリカ軍の基地を置いているということ自体がこういう問題を引き起こす根本条件になっていると思う。アメリカのイスラエルに対する軍事的支援、これについて抗議するか、またそういうアメリカ軍に対する基地使用、これを拒否するか、この点どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日米間の安保条約上の約束というものは、日米双方が厳粛な誓いとして順守しなければならぬものでございまして、この双方の信頼に基づいて、この条約並びにその関連取りきめは誠実に履行されなければならぬと思うわけでございます。それで私ども、アメリカ軍の一々の行動につきまして、それをトレースいたしまして、安保条約に違反があるかどうかということを調べるつもりはありません。そういうことをすることは、われわれの手に余ることでございますばかりでなく、日米間の信頼をそこなうおそれがあるわけでございます。アメリカは世界の大国といたしまして、わが国に対する誓いばかりでなく、諸外国に対する誓いも忠実に履行する国として国際信用を享受している国と承知いたしておるわけでございまして、その信頼の上に立って初めてわれわれのこの条約上の条約の運営が可能になると思うのでございます。しかしながら、現実にいろいろな問題の提起がございまするから、そのつどわれわれはそれについて米側に照会をいたしておるわけでございまして、その事実の有無につきましてアメリカ側からの回答を求めて、それをそのまま御報告を申し上げておるわけでございます。一々の行動につきまして点検をしていくというようなつもりはありません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういうことでは、アメリカの好きかってに、いろんなことをやられるということになるんじゃないですか。そうしてそういう日本政府の姿勢が、日本国民からも世界各国からも不信の念を持って見られて、そうしてこのたびのこの深刻な石油危機の問題についても有効な解決の道をみずから閉ざすということに私はなると思う。特にアラブ諸国の人たちにとって、おそらくがまんができないことだろうと思いますのは、こういうイスラエルに対する軍事的な支援を行なっている在日アメリカ軍に対して日本政府が石油の供給をやっていることだ。アラブ諸国から輸入した石油をアメリカ軍に提供して、アメリカ軍がその石油をもってイスラエルを軍事的に支援する、こんなばかなことがありますか。少なくとも在日米軍に対する石油の供給は直ちにやめるべきだと思いますが、どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 地位協定に基づきまして、アメリカ軍は需品を日本国内で自由に調達ができることになっておりまするし、また政府を通じて調達することもできるとなっておるわけでございます。したがって、地位協定上からわが国が供給をしなければならない義務は別にさだかではございません。しかしながら、安保条約全体の精神から申しますならば、在日米軍が需要するものにつきまして、わが国で供給ができるような状態にあることは望ましいことと思うのであります。石油について申しますと、従来買い手市場であったわけでございますので、在日米軍もわが国で何不自由なく、必要とする部分をわが国から調達しようと思った部分につきましては調達ができたものと思うのであります。しかし、石油危機で一転いたしまして売り手市場の状況になり、政府が緊急対策をとりまして、生産部面におきましても、生活部面におきましても、これを規制しなければならないような状況になってきたわけでございますから、私どものほうでは、本委員会を通じて申し上げましたとおり、アメリカに問題を提起いたしまして配慮を求めたわけでございます。先方も事態をよく理解されまして、いち早く自制される措置を講じておると承知いたしておるわけでございますが、その後なお事態はますます深刻化いたしておることにかんがみまして、日米間でこの問題につきましては調整を進めておるわけでございまして、われわれの期待に沿って、この問題について解決がもたらされることと私は考えておるわけでございます。あなたが言われるように、こちらから停止するというような手段を講ずることが賢明かどうかということにつきましては、そういうことを講じなくても、これは話し合いの上で所要の成果がおさめられるのではないかと私は考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 とにかく、この深刻な石油危機の状況で、この寒い冬に灯油もガスもなくてふるえているという福祉施設の子供たちもいるわけですよね。ですから、そういうあいまいなことでなくて、私、衆議院の商工委員会に提出された資料を見ましたところが、一九七三年七月から七四年六月までの七四会計年度、ここでは一四%削減をするという数字が出ているにすぎません。ですから、日本の石油危機の問題、その点からしましても、そうしてまたアラブ諸国が抱いている日本に対する不信を解くためにも、これは一日も早くアメリカ軍に対する石油の供給はやめるべきだと思う。しかもいままでは国内では一〇%の石油供給削減と言っておきながら、米軍はこの一〇%削減のワクの外だったでしょう。しかも税金はまけてやっている、安い価格で優先的に供給するという状態だったじゃないですか。一日も早く私はやめることを強く求めるわけであります。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) この事態はアメリカ側に十分説明し、アメリカ側も事態に対して十分の理解を持っておられるわけでございまして、わが国の直面しておる事態の真の理解の上に立ちまして、在日米軍の需要する油の供給につきましてはすでに自制措置を講じておりますけれども、なお進めてこれをどのように節減してまいるかということにつきまして、せっかく調整中でございまして、ここで申し上げられますことは、私どもが所期いたしておりまする成果は、われわれの調整を通じまして私は可能であると考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産大臣見えましたので——。先ほどいらっしゃらないときに、今度の一月の五%の削減ですね、石油の。これで十月段階に比べてどのくらいの削減率になるのか。それからまた今後の石油の需給の見通しですね。それからまた従来の一〇%の石油、電力の削減で足りるのか足りないのかというような問題について伺いたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 従来は、九月の実績に対して二五%削減というのがEC及び日本に対する態度でありました。一月さらに五%となりますと、二七・七五でございましたか、それぐらいの削減率になります。それでいままでは、十二月については一〇%削減ということでいろいろ行政指導してまいりましたけれども、以上のようなことがもし明確にかつ現実化すれば、それ相応の手を打たなければならぬと思っておりまして、一月以降は電気並びに石油の問題についても新たなる措置を必要とすると、目下検討中であります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 次に、物価の問題について総理大臣に伺いたいと思うのです。  物価の問題は非常に重大になってきている。悪性インフレが国民の暮らしに襲いかかってきているということについては、いまさら私が例証をあげるまでもなく御存じだと思うのです。この原因を正しくつかむかどうかということが、対策が正しく出るかどうかということを私はきめていくと思いますが、いまの悪性インフレの原因はどこにあると思っていらっしゃるか、伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 毎々申し上げておりますとおり、物価上昇の原因の約半分に近いものは国際要因であるということでございます。国際物価が上がっておるということでございます。それからもう一つの要因は、きのうも申し述べましたとおり、ドルの切り下げを契機にしまして国内景気の浮揚、それから日本とアメリカとの間の貿易アンバランス問題を解決するために輸出から内需へと転換をしなければならなかったというような過程におきまして、税制、金融財政、諸般の施策を行なったわけでございます。その結果、中小企業や零細企業がこの国際的波動に対応できるような状態であったと同時に、その反面、企業に過剰流動性が生じたりいたしまして購買力が非常に強くなり、物価を押し上げる要因になっておる。それに加えて、石油問題が起こりましたので、国民大衆は先行き不安ということで、少し急いで物を買わなければならないというような現象が随所に起こっておる。こういう問題が複合して物価の上昇要因をかもしておるというのが原因でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 少しはいままでの論議を聞かれて、こと変わった御答弁があるかと思いましたけれども、どうもあまり従来と変わらない御答弁で、非常に残念です。  総理のいまの御答弁の一番大きな特徴は、いまの物価値上がりの最大の元凶である大企業の横暴、そして政府自身の責任、これについて触れていないということだと思うのです。特にいまの品不足の原因を消費者の買い急ぎに求める。まるでこれでは物がなくなって困って買いに行った国民に責任があるかのような言い方じゃないですか。私は重ねて伺いますよ。いまの悪性インフレの最大の責任者、これは大企業と、そうしてまた田中内閣そのものだと思うけれども、その点どうですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私が答弁申し上げることをすなおに聞いていただけば、ちゃんとあなたがそんな聞き間違いすることはないのですよ。企業の手元に過剰流動性が生じ、それがもとになっていろいろな物価問題が起こってまいりましたと、この中には大企業その他も入っていることは当然でございます。大企業ということを声を大にして言わないと、あなたはどうも気が済まないようですが、そんなことはないのですよ。そして国民が先行き不安ということで買い急ぎをしておるということもまた事実なんです。これはもうそういうことをしないでもけっこうですよ、こういうふうに政府が確実に物は確保いたしますからと、政府が配慮をすればいいということは事実ですが、とにかく、ちり紙があるにもかかわらず買い急ぎをされたために、だれが火をつけたのかわかりませんけれども、いずれにしても三日間でもって全国で買い占められたということは事実じゃありませんか。洗剤もそのとおりでしょう。事実を事実だと言うのに、私はそんなに——すなおに述べているのですよ。ですから、あなたもすなおに、まだ落ちがございませんかと、こう言えば、私は思い出してまた追加して申し上げますから。あなた方、じき、結論は自民党内閣だ、列島改造だと、どうもこういうことで言われると、おかしいですよ。そんなことを言っていない。私もすなおに述べておるのです。ですから、そういう諸般の情勢によって物価高というものは起こっておりますから、ですから売り惜しみ買いだめ法もつくっていただきました。緊急二法もいま成立を早急にお願いをしております。ですから、石油は、また外交その他いろいろな問題で石油の確保もはかります。石油だけじゃなく、他のエネルギーというものの多様化もはかってまいります。そういうことで、政府はもうあらゆる角度から国民生活を守ろうと、こういう考えに立っておるのですから、けんか腰でひとつ質問をしないようにしてください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、このひどい物価の値上がりで、国民みんな頭にきているのですよ。私が多少はけんか腰になるのも無理はないと考えていただかなければなりませんよ。いま、品不足の原因として、国民の買い急ぎなどを言いましたけれども、それじゃ私も品不足でパニック状態になった砂糖、これについて伺いたいと思うのです。  砂糖は、ことしは過剰生産で値段は安かった。このために砂糖会社の九月期決算はみんな赤字が出ている。ところが、十一月の中旬には突如として全国の小売り店から品物が姿が消えた、そうしてあのパニック状態が起こった、値段は暴騰する、こういうことになった。この原因は一体どこにあると考えていらっしゃるのか、農林大臣に伺いたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話しのございました今回の砂糖の異常な事態は、御存じのように国際価格が高騰いたしました。それから長年やっておりました国際砂糖協定の金額の部分が、取りきめができませんでした。そういったようないろいろなことがございまして、もう一つは、原糖の輸入が一時的にいまのような状態でありましたので、まず一般に先高と見込んだものがたくさんあるのじゃないかと、こういうふうに考えられますが、そこで、政府といたしましては、こういう事態に緊急に対処いたします必要がございますので、糖価安定法の六十四条に基づきまして、メーカーや販売業者等、そういうところの事務所への立ち入り検査、それから百貨店、スーパー等におけるメーカーからの直販をさせまして、テレホンサービスなどによる通報もいたしたほか、流通段階に対して価格の鎮静化について強力に指導を行ないましたこと、御存じのとおりであります。  そこで、現状はどうなっておるかと申せば、御存じのように、きわめて落ちついておるというのが今日の実情でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間がありませんから詳しくは伺えませんけれども、私が調べたところによりますと、精糖メーカーからの工場出し値、これは九月の半ばごろまでは非常に低かった。その当時過剰生産だった。ところが、九月の二十日にそれまで百二十五円のものが百二十五円五十銭というふうにぼっと上がっております。その後工場出し値が上がって、それに追随して、卸売りのこの価格も追随して上がってきているという傾向になっていると思いますけれども、そうなっておりましょう。どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) いま冒頭に申し上げましたような客観的情勢にあるものでありますから、したがって、買いあさり等の一般の傾向も出たでありましょうし、したがって、いま御指摘のように価格について変動がございました。いまお話しの九月までキロ当たり百二十円から百二十五円程度の——これは卸でございますが、水準でございましたのが、十月初めから上昇して、十一月末には百八十五円以上の水準に達しました。そこで、十二月初めからやや軟化の兆を見せておりますが、現在は百六十八円ないし百七十八円、もとに復しておる状態であります。小売り価格も、したがって、ややおくれて上昇し、そしてまたややおくれて下に下がった。十月までは百五十円前後で推移してまいりましたが、十一月初めごろから今度はまたあらためて急騰いたして、御存じのとおり、十一月二十日前後には二百八十円をこす価格を出した地域もあった模様であります。その後緊急対策によりまして、先ほど申し上げましたような緊急の対策を講じまして、超高値は解消いたしております。現在は百八十五円前後というところを左右しておる。こういうこと、御存じのとおりでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私の伺ったことについてお答えいただきたいんです。  まあ、時間もないので先へ進みますけれども、いま申しましたように、過剰生産で物がたくさんあって、そうして価格が非常に低かったときに、九月二十日に底値の百二十五円から百二十五円五十銭に工場出し値が上がっている。これがきっかけでその後ずうっと値段が高くなってきているという状況で、いま農林大臣も申しましたように、十一月中旬の段階には、品不足、価格の暴騰というような状態に発展してきているわけですが、私が一番問題にしますのは、ほかの価格、つまり卸値、元卸の卸値あるいは小売り値段——まだ品物があり余って低いときに何で工場出し値だけがまっ先に上がっていったのか。そしてこれがずうっとリードをして、ついには小売り価格の暴騰にまで至っている。これは私、問題だと思う。  その点について伺いたいんですけれども、九月十二日に農林大臣は糖価安定法に基づいて、この四十八年の十月から四十九年九月の新年度の糖価の安定帯価格をきめたと思いますけれども、国内精糖の安定帯の上限は一体幾らになさったのか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 流通局長から。

池田正範農林省食品流通局長

○政府委員(池田正範君) 御指摘の砂糖の安定上下限価格につきましては、輸入糖の、輸入粗糖の国内に入ってまいります価格、それを事業団が売り戻す際の価格だけきめておりまして、それより国内に入ってまいりますあとの価格の形成については一切触れておらないわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 原糖の安定帯価格をきめて、それを基礎にして国内精糖の安定帯の上限下限をきめているんじゃないですか。

池田正範農林省食品流通局長

○政府委員(池田正範君) 原糖の価格がきまりますと、その時点における砂糖にかかってまいります関税なり、あるいは消費税なり、中間の経費なり、そういうものの平均的な考え方からいたしますと、その時点において、おおむねこの程度の価格で売られることが標準であろうといった常識的な判断は下せますけれども、制度上の問題といたしましては、全然いまの国内価格については触れていないのがたてまえでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何か奇妙なことを言いましたな、常識的判断と。だって、数字がちゃんと出ているのですよ。四十七年度から四十八年度まで、これは安定帯の上限ですが、一キログラム当たり百三十円九十銭であったものが、そのとき百三十六円九十銭に上がっているじゃないですか、どうですか。

池田正範農林省食品流通局長

○政府委員(池田正範君) 御指摘の百三十円九十銭及び百三十六円九十銭というのは、まあいわば私どもが俗称で見合い市価というふうに呼んで実務の参考にはいたしております。しかし、これはいま申し上げましたように、上限価格がキロ当たりで四十九円八十銭という旧原糖の売り戻し価格の上限というものに見合って当時のコストをかりにはじき出しますというと、大体平均的に百三十一円前後ぐらいのものであろう。したがって、当然大企業もあれば小企業もある。そこでコストの格差も相当開いてくるわけでございます。したがいまして、一本の価格で全部がおさまるという種類のものでもございません。  百三十六円九十銭につきましても同じことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 標準が百三十円九十銭から百三十六円九十銭に引き上げられた。それから一週間後に工場出し値が上げられたという状況です。これは農林省が、これから先国内精糖の値段が上がるぞ、あるいはまた上げてもいいんだぞということを事実上示して、そうして大メーカーのほうがそれをいわば口実として工場出し値を上げたというふうにしか考えられないけれども、どうですか。

池田正範農林省食品流通局長

○政府委員(池田正範君) 糖価安定法に基づきます上下限価格の決定は、実はなるべく恐意的な要素を入れないという仕組みになっておりまして、過去二十年間におきますところの砂糖の平均的な輸入価格というものを標準偏差で上下に開いていって出すということでございますから、したがって、国際糖価というものが上がってまいりますと、当然この原糖価格というものの中に織り込まれる要素は少しずつ上がることになりますけれども、しかし、長い二十年間の平均価格でございますから、したがって、国際糖価が変動がありましても、それが上下限価格に反映をする度合いというものはきわめてわずかなものに押えるというのがいまの仕組みでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 これから先一年間の新砂糖年度で、外国から輸入する原糖価格がこれこれ上がるだろう、だから国内の精製糖の価格も大体これこれ上がるだろうという常識的な線を出したとおっしゃる。そうしたところが、メーカーのほうはそれから一週間後に、過剰生産で品物が売れ残っているのにもかかわらず、工場出し値を五十銭上げた。しかも、その九月二十日当日に砂糖関係の業界の代表が集まって需給協議会というものを開いたというふうに聞いておりますけれども、この需給協議会というのは何なのか、またそこできまったことはどういうことなのか、伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 砂糖の需給は、御存じのように、弾力性のきわめて幅の少ないものでございますから、そういう変動に応じて常時、何といいますか、取り扱う人たちが連絡をしようということで集まっておるようでございまして、メンバーは糖価安定事業団の者もおりますし、それから精糖工業会の者もおりますし、甘庶糖工業会、そういうような人たちが集まって、そして需給の動向を常に正確に把握しているということの関係者の集まりのように聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何をきめたんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ここでは法制的に何も権限を持っておらないものでありますから、特にここでどういうことをきめましても、私どもにとりましては関係のないことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 関係あるなしを聞いているのじゃなくて、何をきめたのですかと伺っている。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) これは、いつの協議会で何をきめたというお尋ねであるんですか。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 九月二十日の。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 具体的に九月二十日の協議会の内容は私つまびらかにいたしませんので、事務当局から……。

池田正範農林省食品流通局長

○政府委員(池田正範君) ただいま大臣から申し上げましたように、需給協議会と申しますのは、業界関係者が集まりまして、いわば需給の見通しについての総括的な意見の交換をするということでございますから、そこで何かをきめて、それをみんなが実行するというものではございませんで、砂糖というのは御承知のように、非常にわずかな景気の格差でも非常に落ち込みが大きいものですから、したがって、砂糖業界全体としての需要の見通しというものを一応常識的にこんなものかというふうな、常識の場を常につくるというふうな意味でやっておるわけでございまして、したがって、いま御指摘になりましたのは、おそらく本年度の十月から始まる下期の需給の見通しについての意見の交換が行なわれたということに理解しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうして答弁を逃げるですかね。この当日の需給協議会には、農林省の食品流通局の局長の池田さんという方が出席しておられるでしょう。何がきまったかということは、農林省、十分わかっているはずですよ。しかも、ここではガイドポストというものがきまった。ガイドポストというのは、いわば生産の誘導指標だ。四十八年の十月から四十九年の三月にかけては百四十五万トンの需要があるだろうと。この百四十五万トンというのは、昨年の十月からことしの三月までのガイドポストとほとんど同じ量です。つまりここで、砂糖というのは年々消費はふえていっている、メーカーの生産設備も大きくなっている、それにもかかわらず、昨年並みの需要しかないだろうということをここできめている。  もう時間がないから私の調べたことを申し上げますけれども、このガイドポストに基づいて精糖メーカー、これが生産の制限をやって、ずっと品がすれ状態をつくる素地をつくってきている。九月にきめて、十月、生産制限。だんだんだんだん品物の価格が上がってくる。十一月の段階へきて、そうして値段が上がってくる傾向があるということがわかったものですから、大きなお菓子をつくる明治製菓とか森永製菓とか、こういうのが先高を見越してどんどん買い始めておる。こうして十一月中旬の段階には、小売り屋さんの店先からも砂糖が消えるという状態が生まれてきている。これは大メーカー、そうしてそれを系列下に支配している三井物産その他の大きな商社、これがいわば意識的、計画的に起こした品がすれだといって私は差しつかえない。そこのところをはっきり見ていただかなければ、品がすれ、これの原因は消費者の買い急ぎだという田中総理大臣の間違った見解は直らないと私は思う。同時に、現在の高物価の克服もあなたの手では私はできないと思う。大企業、大商社、そうして、それに農林省までが一枚加わってこういうことをやっているというところに、あの砂糖品がすれの根本原因があるということをはっきりと認識して、その点を正す方向で政治をやるつもりがあるかどうか。この点を伺って終わります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 需給の状況を関係者が集まって情報の交換をし合うということについて、いま申しました者ども、それから役所の者が呼ばれて参加いたすようなことについては、一向差しつかえないと思います。しかし、ただいまお話の中に、来年の需給関係を見越して、そして蔵出しを少なくしておるので品がすれになった、こういうお話でありますが、はなはだ残念ながら、時間がございますれば私はその内容について御説明をいたしたいと思いますが、出庫は減っておりません。それから最近にまた出てまいりました砂糖の状況は、先ほど御報告いたしましたように、平準化して鎮静しておることはお認めいただけると思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 高値安定になる、高値安定に。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 物価抑制は当面最大の問題であるということで、政府はこれと正面から取り組んでおるわけでございます。大企業、中企業の別なく、国民の必要な物資を供給できるように、またルートをスムーズに商品が流れるように、二法案成立後は全力を傾けてやってまいりたいと思います。  特に、みんな上がるのだからというような風潮で、少し高く出庫しても売れるだろうというような考え方がもし一部にありとせば、これはもうたいへんなことでありますから、こういうものはいままで、砂糖をいま例にとられましたが、砂糖は十五年間も無配を続けておるという状態だったわけですから、それが一体どうして急激に砂糖が少しずつでも上がってくるのか。砂糖は流通経路にもあるはずですし、お中元に砂糖をもらってもどうにもならないとさえいわれた時代があったわけですから、みんなどこかに砂糖はあるわけです。そんな砂糖を一ぱいなめるわけはないのです。みそとか砂糖とか塩とか、なめるわけはないのですよ。ですから、そういう経路もちゃんと政府は調べますよ。全力をあげて調べまして、便乗値上げなんということを起こさないように、それは徹底した行政を行なってまいりたい、こう思います。  そして、さっきから申し上げたいろいろな、こういう情勢によって物価が上がっております、その中に先高不安感というものがあるので消費者も幾ぶん買い急ぎもあります、そうすると、私の言ってることが全部買い急ぎだけだと言っている、と。それは無理じゃないですか。そんなことを言っていませんよ。そうじゃないですよ。いろいろなものを述べて、その中で、先高不安ということでちり紙や洗剤のように買い急ぎをされた人もあります、そういう意味で物価が上がっているという面もありますから、そういうものに対して政府は、品物はございますということを周知徹底させますし、徹底させるだけではなく、国民の生活必需物資はこれを確保し、ちゃんと供給いたしますと、こういうことを言うべきであるし、これからも申しますと、こう言っているのですから、すなおにやってくださいよ。あんまり私の言ったことをどうも気に食わないところばかり声を大きくしてアクセントつけて、いかにも私がそういうふうにやっているように——そんなことないですよ。政府はまじめにやっているのです。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。  午後十二時三十分まで休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      —————・—————    午後零時三十五分開会

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、補正予算三案に対し質疑を行ないます。小柳君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 午前、渡辺君から石油外交の話が相当ありましたから、私は具体的に聞きたいんですが、けさの新聞で見ましたあの外務省の情文局長の発表ですね。少なくとも、三木副総理が外国に特使として行っている。しかもこれだけ重大な問題ですから、少なくとも外務大臣が声明するぐらいのことはやるべきである。外交的にも非礼ではないか。あるいは三木副総理に対しても非礼ではないかと思うが、いかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) あの国連決議の、停戦に関する決議の実行が、和平会談を前にいたしましてまだ実行されていないことを遺憾と存じまして、かねがね私どもといたしましては、何らかの機会にわが国の意向を表明いたしたいと考えておったわけでございますが、和平会談も本ぎまりになったようでございますので、この機会にああいう形において声明さしていただいたわけでございます。情文局長発表という形で従来この種の問題はやっておりまするので、その点、そのゆえをもちまして、問題が決して軽いという意味ではないことを御了承いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま一番大事なことは、日本の外交姿勢が明確化することによって石油供給の正常化の道が開かれるのではないかと思いますが、この点について外務大臣の見解を聞きます。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国といたしまして、中東紛争が平和裏に、また公正な解決が早期にもたらされるということをかねがね願っておるわけでございまして、そのためには、わが国の姿勢が仰せのとおり明確でなければならぬし、き然たるものがなければならぬことは仰せのとおりでございまして、私ども、この立場に立ちまして鋭意努力を続けてまいるつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 重複を避けたいので結論を聞きますけれども、いまのような情勢で、外相も御存じのように、経済戦争よりも、むしろ宗教戦争の様相があるわけですから、あのシオニズムのイスラエルが簡単に撤退すると考えておられるかどうか。あと、予算の問題も関連いたしまして聞くんですが、外相の見解を聞きたいんです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 中東紛争は、いま中東地域の平和と安全にとってばかりでなく、世界の平和と繁栄、大きく言えば、もう文明自体の危機につながる問題であると思うわけでございまして、さればこそ、中東紛争はいま世界の視聴を集めておるわけでございます。これに対しまして、中東紛争解決のベースは、すでに国連決議で敷かれておるわけでございますが、その解釈をめぐりまして各種の見解の相違があったわけでございますが、そういうことは許されないわけでございまして、この決議の趣旨を明確にいたしまして、中東和平のよるべき原則を確立するということにわが国も一曹の努力を、貢献をしなければならないと感じて、そのようにいたしておるわけでございます。  で、こういう中におきまして、イスラエルがどういう態度をとりますか、いまから逆賭できないわけでございますが、まず、先ほど渡辺さんの御質問にもお答え申し上げましたとおり、本月十八日からジュネーブで和平会談を持つことに両当事者が合意を見ておるということは、われわれが期待しておりました方向に事態の収拾の第一歩がとられていることだと思うのでありまして、このテーブルにおきまして、この原則を踏まえた上で、両当事国が公正な解決に御同意いただくことを期待いたしておるわけでございます。現実にイスラエルがどういう態度をとりますか、それは私の承知しているところではございませんが、心からイスラエルの自重を期待いたしたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 内閣の外交姿勢の転換などについては総理から聞きます。  大蔵大臣に質問いたしますが、いまテレビでも放送いたしましたが、来年度の予算の原案が大体できたようでありますが、石油の輸入見通しをどのくらいにして計画されたか、御答弁願います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ予算の原案はできないんです。石油の輸入見通しにつきましても、もう最後の詰めの段階に入っておりますが、まだ政府としてこれを確定すると、こういう段階まで来ておりませんでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、きのうの鈴木君の質問で、関連質問で羽生委員の質問に対しては、非常な幅が広いような不確定な予算のつくり方のようでしたけれども、一応固まったというようにテレビも放送していますし、新聞もそうありますが、大蔵原案としては、つくりました原案は、石油輸入をどのくらいに見ておるかお聞きいたします。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) けさ関係閣僚が集まりまして経済見通しのほうを、まあ相談をしたわけです。これは、大体昭和四十八年度に比べまして、四十九年度が二・五%アップ、二・五見当ですね、大体その程度のアップとして見るべきかと、こういうことでございます。で、その際、石油の輸入を一体どう見るか、まだ、国会で御説明するには正確にはじかなきゃならぬわけでございますが、まあ荒見当といたしましては、四十八年度の輸入量をやや下回るような状態じゃないか、そういう見方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第一次原案のようでありますから、くわしく追及はできないと思いますけれども、経済の伸長と、それからエネルギーのカロリー換算の伸長率というのは、大体大まかに比例するものと考えておりますので、この二・五%アップというものから逆算して、石油の見通しを私が推算していいですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはもう御自由でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さっきの外務大臣の答弁によりましても、中東戦争の、この石油輸入については非常なまだ不確定要素がたくさんあるわけです。にもかかわらず、第一次原案なるものが出ますと、そういうものから逆算する——私もできるんですから、専門家が見ますと逆算できるでしょう。そういうものが輸出原油などに影響するか、あるいはイスラエル、アラブ間の紛争などにも影響しませんか、ということを聞いておるわけです。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国の予算の見通しと、その前提となる石油の輸入量が、これが中東の和平交渉に影響すると、そういうようなことは私はないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理、治療後のようでありまして、一番初めの質問をもう一回繰り返しますが、イスラエルに対する政府の姿勢が変わったと考えてよろしいかと、こういうことを聞いたわけですが、いかがですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国連の二四二号決議を守って、この二四二号決議に対する日本側の正しい考え方、解釈を明確にしたわけでございます。で、イスラエルが占領地区に滞留をしておるということは望ましいことではないと、これはもう早急に撤退してほしいということを率直に述べたわけでございますから、イスラエルというよりも、国連決議を尊重し、国連決議の実行のために日本のき然とした態度を明らかにしたと、こう理解をいただきたい。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、エネルギー庁、見えましたかね。  石油が足らないことはもう万人認めておるところです。今日まで再々言われてまいりました。したがって、輸入原油についてはふえるように努力しなきゃなりませんが、石油開発公団などもありますし、国内自主開発についてはどういう取り組みをしておるか、お聞きいたします。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 日本の国内石油というものは百万トンちょっとぐらいでございまして、まあ九九%を輸入しておるということばをよくいたしますが、まあ問題にならない状態でございます。しかし、石油資源開発株式会社法を議員立法として制定をしました以後、国内探鉱は行なっております。国内探鉱って、新潟とか秋田とかいうような明治、大正時代に採油をしたところは比較的に浅いところでございますから、深度掘さくを行なえばということで、三千メートル、四千メートルという、いま探鉱をやっておるわけでありまして、これが新潟沖等に対してはすでにもう採油可能なというような面もございます。石油だけではなく、大陸だなの開発という過程において、いま常磐沖で天然ガスの埋蔵量が大体明確になりましたので、これから採掘作業を行なおうとしております。それからもう一つ、一番大きいのは、東シナ海でエカフェが長いことかかって調査をしましたものは、中東原油に匹敵する埋蔵量があるということをいわれておりますが、御承知のとおり、あそこはなかなかめんどうなところでございます。台湾がすでにアメリカの会社に採掘権を許可をしたり、それから中国との問題もございますし、韓国との問題もあるし、日本との問題もございます。特に海洋の何海里という問題もございまして、なかなかめんどうな問題がございますが、日本の近海に石油があるということは、将来の問題としては有望な問題でございます。しかし、現在の石油の消費量、輸入量に比べて、もうすでに工業化しておるものは非常に小さいということは事実でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昭和四十二年に石油開発公団をつくりますときに、六十年ごろには約四割自給するということをちゃんと提案されました。私もそれで楽しんでおったんですが、今日ちっともそれができない。そこで、日中貿易協定も仮調印されたんでありますが、中国との油の話などはどうお考えになっておるか、総理からお聞きいたします。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 中国が現在採油しているものは、それほど大きいものだとは考えませんが、しかし、中国は日本に対して石油を供給しようということで、民間との間に話し合いが行なわれ、実行可能であるという状態もございます。また、大慶油田に対しては、新しい油層が発見をされたということも報道をされておりますし、渤海湾に相当大きな石油資源が発見をされていると、このような問題に対して、どういう形態でもって採油が始まるのかという問題もございますが、日中間には友好の関係がございますので、日中間でも話し合いができれば日本も参加をしたいという気持ちは、これは当然ございます。ございますが、外交ルートでしかるべく話をしてもらおうということになると思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先日、日中貿易協定が仮調印されまして、この貿易協定に品目の付表はついておりませんが、これは、日中貿易は相当多彩な品目をカバーいたしておるし、また、今後ますます多くなる可能性を持っておりますので、一々の品目はあげておりませんけれども、いま御指摘の石油その他の資源につきまして、将来日中間に、中国からの供給に期待されるところは大きいと思います。現に、百万トン内外の原油はすでに入っておると承知いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 外務大臣、期待するんじゃなくて、外務大臣として、とにかくいまアラブ石油はこういうふうな障害があるんだから、何とかして石油資源を入れなければ日本国民はもうやっていけぬでしょう。そういう段階に、いま総理は、外務大臣に話して、少し話を進めたいという意向のようだったから、そんな、ただありますじゃない、外務省としてどうしますかとお聞きしているわけです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これはすでに、いままでの日本の資源確保は、小柳さん御承知のように、大部分商業的手段によっての売り買いによって確保いたしてきたわけでございます。けれども、それと並行いたしまして、開発輸入の方式によりまして、若干のところにわが国が資本ないし技術を投入いたしまして、開発輸入方式による輸入に期待いたしている面もございます。で、今後それを、その領域を相当拡大、充実していかなければならぬことは当然なことでございまして、そういう方面にわれわれも努力をしてまいらなければならぬと思います。  それから、さらに消費国ばかりでなく、産油国も含めましての国際協力による資源確保という道が一番大事な課題だと思うのであります。しかしながら、いまいわゆる石油危機が始まっておる今日、こういう国際協力の道がいま閉ざされておるといいますか、動かない状態におるということは、たいへん、これこそ危機の一つの要素だと思うわけでございます。こういう点につきまして、われわれの外交努力の焦点は、これからこういういま停滞の状況にある国際協力をどのように動き得る状態に持ってくるかということが、第二の大きな課題になってくると考えるのでございまして、そういう方面におきましては格段の外交努力が要請されておると考え、十分対応してまいらなきゃならぬと覚悟いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 非常に答弁が明確でないんですけれども、中国は社会主義の国ですから、日本の政府ががちっと腹をきめませんと、民間にまかしましてもできないと思うんですよ。そういう意味でいま聞いているわけですから、まだ、はっきりした内閣の方針もないようでありますが、アラブだけにたよっておっては、やはり国民的にも不安ですね。したがって、そういういま注文を出しているわけです。  それから、もう一つ総理に、じゃ、ソ連の石油関係はいかがですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) ソ連はいま年間三億五千万キロリットル程度の採油を行なっておるわけでございます。これでソ連及び東欧諸国をまかなっておるわけでございますが、チュメニを含めて、シベリアにはガス及び石油の資源が豊富に埋蔵されておるということは事実でございまして、首脳会議のときには、秘密文書であるというぐらいな全地図をわれわれの前に提示をされまして、技術的に確認をされた問題に対して、すべてを明らかにせられました。で、私は通産大臣時代にチュメニ油田の開発の申し出を受けまして、その後ずっと折衝を続けておるわけでございますが、二千五百万キロリットルないし四千万キロリットルという石油を日本に供給しようということでございましたが、その後、二千五百万キロリットルというのがピーク時であるというような発言があったわけです。そういうことで、動くので、日ソの石油もなかなか進まないのだから——これはどういうわけかというと、相手の石油関係の窓口が十一もある。多い人は二十一もあるというわけです。ですから、これに対して責任者をきめてもらいたいと、副首相もしくはコスイギン首相のような窓口をきめて、首脳部と首脳部で話をするようにしなければ、なかなかうまくいきませんよということで、それは了解に達しております。そうして日本側の窓口は経団連ということにしてございますが、しかし、経団連とは何ぞやというと、このエネルギー部会は、まあ政府の代表だと考えていただいてけっこうですと。これはなぜかといいますと、このプロジェクトに対しての資金は、輸銀ベースが八割、民間ベースが二割でありますから、八対二でというのだから、政府だと考えてもらってけっこうですと。それで、お互いが協定ができれば政府間取りきめを付与いたしますと、こういうことになっているのです。それで、シベリアの石油及びガスに関しましては日本を窓口にするということが確認されております。そうして第三国の参加を排除しないという首脳会議の合議がございますので、スピーディーに結論が出るということになっておるわけでございます。  それから、ヤクートのガス、炭田開発、それからサハリンのガスの問題、沿海州のガスの問題、またKS木材の問題だとか、いろいろな問題がございますが、こういう問題に対しては一つずつ詰めようと。民間ベースで詰まらないものは政府間でも折衝しようということになっておるわけでございまして、雪がとけるころまでには、継続事業はもちろんのこと、新規の問題に対してもスピードが上がっていくという考えでございます。  もう一つは、日本で原子力発電所の設置ができないならば、濃縮ウランをよけい持っておるソ連としては、樺太に大規模の発電所をつくって、北海道に供給することも可能であるという提案も受けておりますから、まじめに検討いたしましょうということになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ソ連も中国も、あるいはアラブも社会主義勢力圏ですね。そういうことで、いまの日米安全保障条約の問題などで、日米関係の外交関係で支障あるものはございませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 別段ございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国民的な生活必需物資ですから、アメリカ一辺倒の外交でなくて、それはそれ、これはこれとして、ちゃんと早急に解決すると、そういう決心であることはいいですね、総理。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) これは、私も率直に話したんですが、まあ神がつくりたもうた資源というものは全人類の平和のためにこそ使わるべきものであると、そういうことで、やっぱり体制を越えてお互いがもう——東西の緊張も緩和の状態にありますし、こういうものに対してはお互いが協力してやらなければならぬと、世界的にそういう状態になることは不可避であるということを各国で述べてきまして、まあいまインドネシアにおけるロンボクに大貯油所をつくって調整機能を果たそうという場合には、まあアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、日本、インドネシア、それから場合によれば豪州も入りますし、産油国も入ろうということでございまして、そこまで持ってくる油送船会社は産油国でもってやってもらってけっこうだと、こういうことまで言っておりますし、いま申し上げたように、シベリアの石油開発は日本を窓口にいたしますが、第三国——西ドイツやアメリカが参加することはかまいませんと、こういうふうに、もう非常にそういう問題に対しては合意に達しておると。で、中国の問題はまだ未確定の問題でございますが、中国の問題に対しても、日本やアメリカが参加するということになれば、イギリスも、フランスも参加するでありましょうし、そういう問題に対しては、もう国の体制の問題ではなく、やはり早く開発がせられて、人類のために裨益し、貢献できるようにという考え方に対しては、ほとんどのコンセンサスはできておる、こう考えて差しつかえないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これ、まあ新聞の報道ですから、少し外交的には深いと思うのですけれども、キッシンジャーが呼びかけております、日米欧の石油を買う国の同盟をつくろうではないか、そして他のエネルギーの開発を努力しようというようなことを呼びかけておるようであるけれども、外交的な意味と、それに対する外務大臣の見解、いかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 昨朝、キッシンジャー長官がロンドンで、いま御指摘の問題について演説をいたしております。この中でキッシンジャー氏は、石油エネルギー資源の保存の問題、それから新エネルギーの開発の必要性を説いておりますと同時に、日米欧並びに資源保有国も加わって一つのアクショングループをつくって、三カ月以内に国際協力の実行計画なるものをつくり上げようということを提案いたしておるわけでございます。で、この提起されておる問題は、確かにわが国を含めまして世界が当面しておる非常に大事な問題に対する提言でございまして、評価もし、検討に値する提言であると思うのであります。私どもといたしましては、この演説に示された内容のうち、まだ十分解明を待たなければ明らかでないような事項も若干ございまするので、そういうものを含めまして、いま検討いたしておるわけでございまして、いまの段階で申し上げられることは、こういう危機に際しまして、こういう問題を提起して、そして国際協力を訴えたということにつきましては、たいへん意味のある御提言であると評価いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 日中貿易協定の関係にちょっと返りまして、ココムの撤廃をしなきゃならぬでしょう。これ、そのままですが、近日中に期待できるわけですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 日中貿易協定とココムとは一応関係のないことでございまするし、貿易協定の交渉におきまして、先方からもココム協定につきましての問題提起はございませんでした。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 貿易協定のついでと言うと失礼ですけれども、日中航空協定を急ぐべきであると、これは前の運輸委員会でも再三わが党の委員からも話が出てるんですけれども、この問題についてはいかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) この問題も、もうたびたびお尋ねを受けておるわけでございます。もう私も、何ぴとに劣らず、枯れ芝の燃ゆる思いで、できるだけ早くこれを締結したいと思って、鋭意検討を重ねておるわけでございます。できるだけ早く、一日も早くやりたいという気持ちで精一ぱいの努力を重ねておるわけでございます。ただ、いつまでにということになりますと、確定した日取りを御発表できる段階にまで至っていないことは非常に残念でございますが、一日も早くやりたいという熱意には変わらず、不断に努力を重ねておるということを御了解いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣がお帰りになったから、通産大臣、アラブ石油の早急に輸入回復があることは望ましいことですけれども、国内石油資源の開発に、昭和四十二年から石油開発公団が発足してやってるんですが、なかなか自主開発のめどがつかないですね。しかも、いままで一千億以上投資しておるんですけれども、全然効果がないわけですよ。どういう経営になっておるか、これをどうするか、通産大臣の見解を聞いておきたいんです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国内資源の探査並びに採掘につきましては、御指摘のとおり、思うように必ずしも成果があがっておりません。しかし、最近福島県の沖合いにおきまして非常に有望なガス田に突き当たりまして、これらを総合いたしますと、日本近海の海上、いわゆる大陸だなと申しますか、そこの探査はかなり有望ではないかという感じがいたしておりまして、来年以降、日本列島近海について重点的に力を入れて開発を促進していこうと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国内だけでなくて、石油開発公団の能力をもっと拡大をして、外国の会社などと提携してでも、日本が主導権を持った石油の開発をやるべきであると、これは野党四党ともそういう方針で、石油開発公団のもっと強力な探鉱なりあるいは精製なり開発なり、そういうものを求めておるんですけれど、これに対する見解はいかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点につきましては全く同感でございまして、石油開発公団の機能はいかにも弱い。それで、イタリアの機構、あるいはフランスの機構、やや国家が力を入れて、公社、公団以上の力で、国有的な形で開発その他をやらしておりますが、ああいう線も石油開発公団に一部取り入れまして、単に探鉱資金とか、あるいは保証という関係だけでなくして、情勢によってはみずから開発もし、あるいは原油の受け入れもできると、そういう形で来年以降公団法の改正もやろうと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この問題の最後に、総理から決意を聞いておきたいんですけれども、何とかせいというのが、たいへんな国民の声ですね、このようなことでどうなるかと。石油というのはもう私ども国民生活に必需品ではないかと、このままでは一体どうなるかという不安、そういうものが年末から年始にかけても相当渦を巻くと思うんですけれども、アラブ輸入の増加についても努力してもらわなきゃなりませんが、全般的に、中国なりソ連なり、いまの石油開発公団の拡充なり、全般的なものについての内閣としての決意をお聞きしておきたいんです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 石油に対しましては、三十億キロリットルぐらいのものでございますが、この全世界の産油量の一〇%以上を使うということは異常であるということは事実でございます。人間の数からいうと三十七分の一しかおらないで、石油は一〇%以上ということですから、石油の消費が多いということは事実であります。それで、年率二〇%近くずつ伸ばしてきているということも問題であります。いまの需要、必要とするものは約三億キロリットルでございます。それが二億七千五百万ないし二億八千万キロリットル、二億八千五百万キロリットルぐらいになると思います、ことしの入荷量は。そういうことで、国内の石油というものをそう無制限には伸ばせないということで、石油にたよるべきものをまずひとつきめなきゃいかぬ。それから、新エネルギーで代替できるものをきめなきゃいかぬわけです。石炭でもって一体幾らやれるのか、原子力でどうするか、原子力をどのぐらい繰り上げるか、水力発電所でまかなえるものはどうかということがございますから、そういう新エネルギーの代替ということも十分検討し、年次計画を立てなきゃいかぬと思います。  それで、それだけではいけないので、日本の潜在成長率というものもございますし、そういう意味で、やっぱり輸入の多様化ということも考えなきゃいかぬし、開発様体を、いま御指摘があったように、相手の国によっては、どうしても日本の民間ではトラブルが多くてどうにもならないんです。やっぱり石油開発公団のほうが望ましいというところもたくさんございます。そういう意味で、様体を整備していくと同時に、相手先も大きくやらなきゃいかぬということで、中国、ソ連、それからアラスカ、カナダ、それからペルー、エクアドル、それから西豪州、それからインドネシア、いままたバングラデシュを石油開発公団でもって調査をさしております。それだけではなく、アフリカにおいてはガボンの石油がございます。これはガボンと日本とフランス、旧宗主国であるフランスともジョイントベンチャーでやろうということになっておりますし、あとまた、英領であったところはイギリスと日本と現地とのジョイントベンチャーでやろうと、特に西ドイツとイギリスでもってやっております北海開発にも日本が参加するという基本的合意ができておりまして、いま外交ルートでもって詰めております。  そういうような意味で、相当広範な立場で検討していくということになると思います。それで、もう一つは、国際的ジョイントで備蓄をやったり、それから産油国との間にジョイントベンチャーを行なったり、それから石油のスワップをやろうということなんです。結局、北海のものはイギリスや西ドイツということになりますし、同時に、今度東南アジアでもってお互いが開発をしたものは日本がもらうというような問題に対しては基本的に合意をしでおります。日英仏独、まあ豪州もインドネシアもおおむねそのラインで合意ができるという大勢でございますし、カナダとも話ができるという考えでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理のことばじりを取るんじゃありませんが、総理の頭の中では、たとえば、中東戦争が解決したにしても、アラブ輸入量がそのままではなかなかいくまいと、したがって、いまのエネルギーの分布などをひとつ再検討するというようなことに受け取るんですが、そうしますと、いまの経済社会基本計画も洗い直して再検討しなけりゃならぬようにとるんですが、そうですね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 経済社会基本計画は五十二年度までのものでございますから、これはこれで日本の英知を集めてきめたものでございますから、これはこれにしておいていいと思うんです。この中でもっていまやれるもの、経済社会基本計画の中の少なくとも社会保障計画だけは実行しなけりゃならぬと、こういう面もあるわけですから、そういうものでもってそれをいま改定しようとしても、前提条件がさだかでないときに改定できるわけはございませんから、これはこれでいいと思うんです。ただ、この五ヵ年間の年次計画どおりやりますと、来年の公共投資も相当大きくなるわけでございますから、それはそのとおりやれませんから、来年は当面する経済情勢、社会情勢、また物価情勢ということを前提にしての予算編成を行ない、国民経済の態様をそのように調整しなければならぬということでございますので、四十九年に関しては経済社会基本計画の数字とは相当違う経済運営になるということは事実でございます。  しかし、この五十二年までのものを変えていくということは、もっと石油とか、いろんなエネルギーとかの年次計画やいろんなものができてから、この計画ができるとか、もっとこれに、内容をきめるときにはこうしなければならぬとか、いままで道路でもってあったものが鉄道のほうがいい、鉄道よりも海運のほうにもっと移さなければいかぬというような問題も検討さるべき問題だと思いますが、計画そのものはいま手をつける必要はない、こういう考えであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣に質問いたします。  備蓄量五十二日とか五十三日とかということですね。いま非常に関心があるんですけれども、これは一体、国としてはどういう意味を持つんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは、使用可能な油の国内における保有量でございまして、原油、それから半製品、それから製品でございます。で、五十二日というのは十二月末の推定数量でございます。しかし、実際は、日本の企業が現在のスケールで企業を運営していくためには、三十九日分のストックを持っておらなければ、どこかでそれが欠けると、ちょうど高速道路の渋滞みたいな現象がどこかで起きて、それが全部じゅずつなぎになるという危険性があるわけであります。したがって、その分を確保しておきますとなると、取りくずし可能な分というのは十三日分しかないわけです。その取りくずし可能な分を、今後何カ月か続くこの石油危機の状況と見合わしながらそれを食い込んでいくという形で、大体十二月におきましては二日ないし三日分、原油及び製品について食い込みました。一、二月、おそらくそういうふうに、もっと以上に食い込んでいくであろうと思いまして、そういう意味から、今後の需給の情勢を見ながら備蓄の量を調節していくということで政策をしていきたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの日本につくってあるタンクの総容量に対して、備蓄量五十二日というのは何%ぐらになるんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 三カ年計画で六十日分の可能なタンクを整備する計画でございました。それで、本年末において五十日分の容量までできる予定だそうであります。私の記憶では、現在可能なものは九百万キロリッターであると思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 以前——いま五十二日分ですけれども、この石油危機が伝えられたとき、六十九日分の備蓄量を発表されたんですよ。したがって、そのタンク容量を満ぱいしているんじゃないと思ったんだけれども、六十九日分なども発表されて、しかもなお国民のところには二割三割の削減でしょう。だから、よけい騒いでいるわけです。いま放出可能なものは十三日とおっしゃったが、それでは、紙や砂糖みたいに、五日分すぐ緊急放出ができますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 六十九日分と申し上げたのではなくて、七十九日分と申し上げたんです。その中には約二十日分はアラビヤ湾を出港して日本に来ている、もうすでに手当て済みの輸送中の分が約二十日分あるわけであります。でありますから、国内に持っている量というものは五十九日分でありまして、それがだんだん食われてきたということであります。  それで、放出可能であるかという御質問でございますが、放出可能にするように、いまいろいろ手配をしておるところでございます。特に中小企業とか、農漁業とか、病院とか、大衆交通手段とか、そういうものにつきましては、目下一生懸命、各都道府県とも連絡をとりまして手配をしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで、今度のガソリンの規制で、まあ一番初めに備蓄量をもっとふやしてもらいたいというのが、これが一つですね。何でそんなに、遠慮する必要がないんだと、もちろん、それにはそれだけ寝せますから会社が損するでしょう。もう一つは、備蓄量五十二日分に対して、政府として、あるいは地方自治体はどれくらいの介入する権限がありますかと、それをまずお聞きいたしましょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いま御審議願っておりまする石油需給適正化法案が通過すれば、全量に対して通産省が権限を持って介入する力を持ちます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、十三日放出可能な中で、たとえばその半分をこの暮れに緊急に放出可能ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 法律が通れば、法的には可能でありますけれども、行政的な見地から見て、それが適当であるかどうかは、今後の見通しを見て考えなきゃならぬと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 板橋区の高島平というところに団地がありまして、約三千所帯ぐらい住んでおられるようですが、その一キロのところに石油基地がございます。その石油基地を見て、あれだけ一ぱいあるではないかと、なぜわれわれは灯油を半分しかもらえぬかと言っておる。それは、生活協同組合がありまして、いままで安い、リッターで十三円のものを買っておる。したがって、それでも今度三百八十円、これはうんと高いと言っている、政府の指定価格は。それよりもっとあれにあるんだから、砂糖や塩あるいは紙を放出されたように、放出できないかと、そう言っているが、できませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 貯油してあるものは全国民のためにあるわけでありますから、局部的に不足しても、それをそのまますぐ放出するというわけにまいりませんが、全国的スケールで調整を加えながらやっていきたいと思っております。  灯油につきましては、在庫は前から申し上げましたように十分あるのでございまして、たしか、この十二月末になりましても五百数十万キロぐらいはあるんです。去年より約二五%ぐらい貯油がよけいできていると記憶しております。でありますから、価格につきましても三百八十円で凍結いたしまして、最近は業者にそれが非常に徹底いたしまして、各地において店頭においては三百八十円が守られているという状況が浸透してまいりました。ですから、消費者の皆さま方にも、灯油につきましてはどうぞ御心配なきように政府を御信頼くださいと、われわれは責任をもってお守りいたしますと、そのように申し上げたいのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの大臣の答弁は、この年末を迎える国民は、すべて必要な量だけ灯油が三百八十円で買えると、こう確認していいですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 店頭におきましてはそういうことでやるというふうに業界ともしっかりとした協定ができまして、もし、それに違反する小売りがありましたら、元売りのほうから供給をストップすると、そういう制裁まで加えるという条項つきでやっておるのでございますから、できるものと確信をしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一つ、市民感情として、あるいは今日までの体験として、役所のほうで取り締まりを強化するとおっしゃるけれども、役人の数が少ないから、なかなか監視できぬと、したがって、住民の監視ができるようにしてくれないかと。たとえば地区労というのがありますね、各都市には。組合の協議体がございますが、その中などで大会を開いて、十人なり二十人なりの者が選ばれて店を調べる、倉庫を調べる。ガソリンスタンドなどにはあるというわけですよ。それはしかし、ちゃんと、これはもう二〇%しか売れません、といってきめる。したがって、そういうものはちゃんと調べてきた者が大会で発表して、その店に対して放出してもらうようにするとか、あるいは将来うんと品物が入った場合にその店から買わぬぞというようなことをしたいと。したがって、言うならば、内閣が自治体に与える権限、その権限の一部を市民代表に与えて、調査したり、あるいは監視したり、あるいは放出を願ったりすることはできるかできないか。いまこの法律が向こうのほうで論議中ですから、ひとつ見解を聞いておきたいんです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 法律的には無理でありますし、そういうことはやらぬほうがいいと思います。われわれは人民管理という形には反対でありまして、もし、そういうことになるというと、全く無秩序な状態が全国的に現出するからであります。でありまするから、おのおの代表者——国会であるとか、あるいは市町村議会であるとか、あるいは首長であるとか、そういうような代表者を通じてそのような規制を行なうことが、秩序整然として行なわれるのでありまして、今度の法律もそういう趣旨になっておりますから、法律が通れば、通産省なり、通産局なり、都道府県知事なり、市町村長なり、そういう機関を使いまして責任をもって実行いたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自治大臣にいまの質問をいたしますが、いま政治不信、まあもちろん、これは田中内閣不信とは言いません。政治に対する不信がある。役所に対しても不信があるんですよ、役所の言ったこと、みんな反対ではないかという……。したがって、住民管理をしたい、住民調査をしたい、そして倉庫に行って、許せるならばこの目で見たい、そういうものがありますが、そのときに、警察法を発動して機動隊で阻止したり、逮捕したりすると、また問題が発生いたしますが、いま、実際はいなかのほうでもそのぐらいに不満があるわけですよ、ガソリンとか、物価に対して。それに対して、自治大臣としてはどういう見解ですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(町村金五君) 最近、石油の配給が必ずしも意のごとくならない、そのために、地方の方々に不満の気持ちがあるということは、私どももよく察知をいたしておるところでございます。そこで、いま、たとえば労組代表のような方に、どうも売り惜しみをしておるのではないかと考えられるような店に対して、労組の方が調査に入ったらどうかという御意見でございますけれども、これはいま通産大臣も言われましたように、そのために、また非常な私は不安、混乱を引き起こすというおそれもございますので、やはり権限の委任を受けまする自治体の長が、これに対しては十分適正な情報を把握いたしておりませんと、今後、生活法あるいは石油法についての運営も十分できないことになりますので、そういった点を、やはり私は、自治体の長がこういったことの把握を十分するということに努力をしてまいり、これによりまして地方の方々の不満がおのずから解消できるように努力をするという方向で進むべきではないかと、こう存じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その問題は深刻ですから、私ども、トラブルを起こすことは賛成でありませんが、出先の市長、町長とも相談をして適時適切にやりまして、隠匿物資などがありませんようにやるつもりであります。  それから通産大臣、さっきちょっと申し上げました三百八十円をずっと洗ってみまして、生協などを調査いたしますと、リッター十三円でいままでやって、元売りから買っておったと、それで、あるマージンを、三段階ぐらいマージンがありましても三百六十円ぐらいで売れる、それでももうかるんだと、こう言っているわけです。三百八十円を出しました基礎は何ですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 三百八十円をきめましたのは、大体十月の初めにおける価格を基準にいたしまして、そして大体その後の値上がりの情勢をにらみながら、これ以上もう上げてはならぬと、そういう緊急措置として、まあいわば、なたでぶった切るようなところも多少ありまして、ともかく上げさせないという、上昇の機運をとめようというところで、業者がいやがるのを三百八十円ということに凍結したというのが偽らないところであります。それで、原価計算を正確にやったのかというと、正確に、何が何ぼということを、全部資料を出させてやったということは申し上げかねる要素があります。結論から言えば私の責任でやった、そういうことであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま一部では、非常に感謝しておるところがありますが、一部では、かえって値がつり上がったという不満がありますから、通産省としても今後の指導の上で十分ひとつ注意をしてもらいたいと思います。  それからプロパンガスの問題もやはり同じですね。きのういろいろ意見を聞いて歩きましたけれども、かえって高くなったという意見もあります。で、業者は業者で不満があります。この問題はどうお考えですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) プロパンの問題も同様でございまして、最近、千三百円といっておったのが千五百円、千八百円というところも出てまいりました。そこで、これもぐずぐずしているというと千五百円平均ぐらいになる危険性がある。で、業者のほうは、メジャーズから通告されている値段が非常に最近上がってきまして、一月以降には確か二・八倍ぐらいに上げられてきている、メジャーズからの値段が。そういうことを言って、非常にわれわれのところへ値を高くしろということを陳情に来ておったわけであります。そういう傾向を見まして、これから三月まで持たせなけりゃならぬ、そういうことを考えてみますと、最高高値を千三百円にきめる。そしてそれ以下の九百円とか千円というところで売っておったところも、三割——千円のところは千三百円で、それを頭打ちにする、九百円のところは三割増しぐらいまでは認めよう、そういうことで来年三月まで持たせようということで——これも関係業者は非常に実は反対して泣いたのであります。しかし、これでもういけと、そういうことで、気合いでそういうことをやらしたといっても差しつかえないようなものであります。われわれの感覚からしますと、石油戦争をやっているような状態ですから、物価上昇をいかにして阻止するかという観点から、この措置はやむを得ないんだと、これはもう通産省と中曽根の責任で断行する以外にない、そういう考えでやったのであります。  で、実はプロパンは輸入しているものもかなりあるわけです。そこで輸入品を大量に入れようと思って先般来いろいろ手当てをさせました。たとえば、太平洋でいま動いている、アメリカに向かって運んでいる船がある。それが一万キロないし二万キロ売ってもいいと。幾らであるかというと十倍の値段を実は言ってきました。いままで百円であったものが千円、千円であったものは一万円と。そういうように十倍の値段を——これは足元を見たのだろうと思いますけれども、イランやそのほかにおける油の高騰は、二ドル八十セントのものがいまや十七ドル四十セントになった。そういう風潮のもとに、プロパンにつきましても足元を見られて非常に高い値段を外国から言ってこられているわけです。それで、こういう情勢を見ますと、もう上がることは必至である。これを何とか阻止せなくちゃいかぬ。そういう意味で、来年三月までそのかわりやらせるという意味で、千三百円を最高限としてやってもらったのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 全体の量についてはいかがですか、どのぐらい……、心配がないんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) ことし下期の輸入量は計画で五百六十万キロリッター、消費量は五百六十万キロリッターの予定であります。それで、現在の保持量はたぶん七十日分、七十万キロリッターぐらいでございます。先月末が七十七万キロリッターでございました。それで、一カ月の消費量は約七、八十万キロリッターで、それでいま流通過程にあるものを入れますと百万キロリッターぐらいはあるんです。でありますから、このサーキュレーションが順調にいけば御心配かけずに済むという数字にはなっております。ところが、府県によって非常にアンバランスのところがありましたし、地域によってアンバランスのところがございます。  そこで、先ほども——きょう申し上げましたように、通産局を中心に、都道府県知事と連絡をとって、県下の各需給情勢を的確に至急把握して、そしてどこが切れたらどこのものを持っていくかという作戦計画を立てろと、法律が通ったならばそれがやれますから、そういう準備をいま至急やらしたところであります。しかし、一部にはそういう意味で多少不足する向きが出ないとも限りません、それはごく短期間だろうと思いますが。もし万一そういうところが出た場合にも、われわれは万全の手配をして、すぐ補給をしますし、国全体としては需給調整可能な数字になっておりますから、そう御心配をかけることはありません。しかし、全般的に見ますと、何としても国民に御節約願うことが大事だと思うんです。でき得べくんば、まあふろも三日に一ぺんにしていただくとか、ガスの温熱器を、二つ使っているところは一つにしていただくとか、ともかくできるだけ節約願って、でき得べくんば家庭の消費の二割ぐらいを目標にして御節約願いたい。そうすればもう十分安心してこの冬が過ごせる。そういうことでいきたいと思っているのであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、具体的な問題ですけれども、十一月十六日の閣議決定の「石油緊急対策要綱」の中で、公共輸送機関の燃料確保について、特に確保せいということになっております。ところが、トラックにいたしましても、タクシーにいたしましても、たいへん不安がっています。青ナンバーの輸送会社なども、とにかく不安がって、あるではないかと。ガソリンスタンドにあるのになぜ売らぬかというようなことで、けんかが起こっているのでありまするが、この確保の基本的な方針について運輸大臣から答弁を求めます。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 各別の基本的な構想を出せということでございますが、お説のように、いろんなそれぞれの油について非常な削減なり、あるいは値上がり等において混乱を一時来たしてきたわけでございますが、船につきましては、外航船が大体年間二千六百万キロリッターを使う予定をしております。そのうち、一万三千キロリッターは外地で補給をいままでやっておったわけでございます。また、外国船が日本に参りまして、外国船に補給をいたしておりました量が大体七百三十万キロリッターでございます。内航船は、大体貨物が五百五十万キロリッター、旅客が二百二十万キロリッター、こういうことでございますが、外航船につきましては一時混乱はいたしましたけれども、船主協会あるいは石油連盟等のいろんな話し合いが進みまして、いまのところ混乱はございません。十二月におきましては大体要望をかなえられて運航をいたしております。ただ、若干外地において給油ができないということで問題がございますけれども、これも近く外交筋を通したり、いろんな面から交渉いたしまして、まあ大体大きなトラブルはないだろうという見通しでございます。それから内航船につきましては、なかなかこれは問題がございますけれども、いま鋭意石油連盟と、また船主協会側で話し合いを進めておるわけでございますが、つとめて私どもといたしましては、船は経済速力で走ったり、あるいはいろんなことで、まず節約をしてもらいますと同時に、観光等に使ういろんな船の運航はつとめて制限をし、また自粛をしてもらうということで指導をいたしております。  タクシーは、これはもうLPガスの問題でございますが、昨日実は妥結いたしました。妥結と言っちゃおかしいですが、話し合いがつきました。まあ営業車、あるいはいろんな、この中にも、たとえば清掃車に割り当てなきゃならぬようなものもございますが、この暮れの迫りました年度末につきましては一応配給計画が立ったわけでございます。それから帰省バスが問題でございますが、このバスにつきましては、大体いまのところ大きな御不便をかけなくて済むのじゃないかということでございます。それから貨物自動車が、これが年末年始の必需物資の運搬がございます。これも農林省から物資の指定輸送、どこからどこまで、どういう重要物資を、どういう期間に運んでくれというような、いろんな対策もございましょうから、これといま打ち合わせておりますが、運輸省といたしましては、一万三千台をとにかく確保する、この上に乗って通産省と油の交渉も始めております。まあ、油につきましては、これは昼夜走らせてまいらなければなりませんし、スタンド等においても、休日だから、あるいは夜間だからといって休まれますと、この年末年始の問題に差しつかえますから、そういうようなこともあわせていま話を進めて、大体この問題も解決してまいりたいと思います。  あとは空の問題がございますが、空は、御存じのように、航空は灯油で、先ほど通産大臣のお話にもございましたように、いまのところ大きな支障はございません。将来にわたりましてはどういうふうなことになりますか、まだ確たる見通しを持っておりませんけれども、現在においては、まあ観光の抑制とか、不急不要の旅行のチャーター便はやめてもらうとか、いろいろな自粛をお願いしておる次第でございます。  鉄道の油につきましては、これは相当値上げを要求しているようでございますけれども、いまのところ確保いたしております。通運においてもそのとおりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣、このトラックの一万三千台確保したという根拠を一つ。  それからタクシーの場合に、運賃値上げを、自主運賃とかなんとか、いろいろ運賃値上げを要求していますが、油が解決したとなると、運賃値上げについては一応ストップということに確認してよろしいか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 私、いまたいへん大きな間違いを申し上げまして、訂正させていただきます。一万三千台というのは千三百台の誤りでございます。千三百台の誤りでございますから。トラックの千三百台。一万三千台と申し上げましたが、これは千三百台を一応トラック協会との間で話をつけて、その緊急物資、生活必需物資の輸送に対するトラックの確保をしたと、こういうことでございまして、一万三千台というのは誤りでございます。  なお、千三百台の根拠は何かということになりますと、どのくらい荷物が出てくるかわかりませんけれども、例年から見まして大体このぐらいあればいいんじゃないだろうかと。また、トラック協会としてもいろいろ自動車を約束する等もございまして、こういうところの数字に落ちついたわけでございます。  それから、LPガスの大体の割り当てがきまりまして、料金の問題はどうかということでございますが、昨日もお答え申し上げましたように、自主料金をやるぞというようなかけ声もあったようでございますが、これはもう十一万トン確保でこの問題は撤回されましたし、なお運賃の値上げの問題につきましては、これは正式な手続きを踏んでいま出てきているわけでございます。出てきておりますけれども、これは今後の油の推移等、あるいはまたその他の経営状況等もにらみ合わせてこの点は慎重に配慮してまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自動車局長いますか。——いま営業用トラックは三十七万台いるわけだ。それで、自家用トラックがいま五百四十万台で、いまの千三百台というのは意味がないのだけれども、とにかく営業用トラックの三十七万台は確保しなければ、年末年始輸送は確保できないということですよ。あとの五百四十万台の自家用トラックについては、あとでまた意見を言いますけれども、それについてどう考えていますか。

中村大造運輸省自動車局長

○政府委員(中村大造君) 先生御指摘のように、現在ございます営業用トラックの輸送のための燃料は、これをできる限り確保するように努力をいたしておるわけでございまして、当然、年末にかけまして荷主の強い要請に応じて重点的に輸送することは当然でございます。  ただ、先ほど大臣が申し上げました千三百両といいますのは、その中で特に生鮮食料品等で緊急に運ばなければならないということで、荷主官庁から要請がございましたときに、これは輸送機関、運送業者の意思にかかわらず、それを緊急に運ばせる必要があるという場合に、それをしむけるために、特に千三百両程度を各地区ごとにリザーブさせまして、その必要に応じるというふうにしたわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ちょっと待って。そんなことは反対です、それは。ちょっと局長、そこへいてごらん。  千四百台なんていうと、ほんとうにこれはどうしようもないことですよ、そんなことでは。普通の一般の営業車はそれで商売しているわけだ。しかも、いまなかなかトラック業だって楽でない。だから、ガソリンを完全に満ぱいをして青トラックだけは確保しなければ、日本の経済は麻痺しますよ。その青トラックの燃料は確保しましたかというのが一つ。あとの緊急の千四百台なんて要らぬですよ、そんなものは。全部、三十七万台だけは完全に燃料を確保しますと、あと五百四十万台の自家用トラックについては、いろいろこれは不要不急のものもありますから、これまた考えるのはこれは別だ、話は。もう少しそれは検討せぬと。千四百台なんていうのは反対です、それは。

中村大造運輸省自動車局長

○政府委員(中村大造君) 御指摘のように、営業用トラックの必要な燃料は、これを全量確保すべく、これは通産省にも強く要請いたしておりますし、また、業界から、石油連盟にも、必要量を提示して、現在その必要な量について詰めを行ない、また末端への配分方法についても詰めを行なっておる段階でございまして、これは必要な量はぜひとも確保したいということで努力いたしております。で、非常に説明が不十分でございましたけれども、その千三百両といいますのは、そういう全部について油を確保した場合におきまして、どうしても農林省等から要請がございまして、滞貨のあるところで生鮮食料品を運ばなければならないという要請がありましたときに、そのために全国的にいつでもそれに応じられるように約千両ぐらいは、それはあけておくということではございませんけれども、そういう要請にこたえられると、こういう量を考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣に質問しますが、自家用トラックの問題はあとで論議するけれども、青トラックの十五倍ばかり白ナンバーのトラックが走っているわけだ。これがいま日本の経済を混乱しています。これはあとで質問しますけれども、燃料の確保は青ナンバーの営業車だけは確保します。しますと、あとの千四百台の緊急確保なんて要らぬわけですよ。そのものが、その三十七万台の青ナンバーで、とにかく日本の経済を守るという決心をしなければ、私はこの年末年始の輸送はできぬと思うのですよ。その点について、通産省、運輸省との話し合いはいかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 通産省としましては、運輸省系統の諸業種、特に営業関係、それから農林省系統の諸業種については特別の配慮をする、それから厚生省関係の医療そのほかもちろんありますが、そこでとりあえず通産政務次官と、運輸政務次官の間に話し合いをさせまして、そうして各項目についてどの程度の油を確保しなければならぬかという話し合いをさせまして、大体の見当で話し合いは成立いたしております。そこで、あと具体的な問題については、その数量について石油連盟その他と詰めを行なうと、そういうことになっておりまして、目下進行中であります。特にわれわれ重要視しているのは営業関係でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 関連。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 日程が詰まっておるから、なるべく簡潔に、一問にお願いします。辻君。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 通産大臣と、運輸大臣と、自治大臣に二点だけ聞きたいと思います。  一つは、いまお話がありましたが、各県で長距離のトラック業界等が盛んに危機突破の大会を開いております。これは、油が足りなくて、途中で給油を受けられないというために長距離輸送がなかなかできない、こういうことで大会を開いている。その中で一つ出ているのは、どうしても途中で給油が受けられないし、荷主からの要請があって、やむを得ず、そういう場合に、裸のドラムかんに油を入れて、これを積んで行っているという動きがありますが、これは危険だという点が一つありますし、やはり途中給油ということがなされなければ背に腹はかえられないと、こういうことがあると思うんですが、こういうことに対しての途中給油の対策はどう立てられておるか。  もう一つは、京都、大阪等は、これは北陸のほうから青果物あるいは魚等を持っていく場合に燃料が足りなくて帰りの燃料をもらわなければ荷が運べないという事態がいま起きて新聞等にも取り上げられておりますが、片道だけの燃料を持っていって帰りに燃料をもらえなければ帰れない、これでは困るんであって、こういうことについての対策が十分打たれているかということ。  第二点として、これは先ほど通産大臣から、厚生、自治等いろいろお話がありましたが、ごみ処理、し尿処理、火葬場等で非常にいま問題が出ております。で、一昨日も全国の清掃関係の大会が開かれて危機突破大会が開かれておりますが、年末にあたってごみの処理、し尿の処理、非常に量もかさむし、そのために燃料も必要である。こういうものが確保できないというので非常に困っておる。こういう例が全国に出ておりますが、これについての対策は自治省としてはどうしておるか。  もう一つは、これと関連して火葬場で燃料がないために、死亡者が重なった場合に、油を買いに走り回っているということを聞いておりますが、まあ、笑えない話ですが、まじめに、死ぬなら来年の春先にしてくれ、こういう話が出ているというんですが、私は、これは重大な人道上の問題であると思いますが、これらに対する、し尿処理場、ごみ処理場、火葬場等に対する必要な油の対策を自治省としてまた通産省として十分されておるか。最初のところは運輸大臣にもその点を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 最後のお話の火葬場とか、清掃場とか、ごみ処理とか、これはわれわれのほうでも重点中の最重点に入っております。したがって、火葬場で重油を切らして火葬ができないというようなことは絶対起こさせないようにわれわれは手配しているはずです。ですから、そういうことはないと私は思います。もしありましたら、お知らせ願えれば直ちに配当いたします。それ以外の一、二の問題は各省の問題でございますので、各省大臣からお願いいたします。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) トラックにドラムかんを積んで走るということは、これはたしか消防法か何かで禁止されていることでもございます。危険でもございます。私ども、いま通産省と交渉いたしまして、夜間でもあるいは日曜日でも長距離の営業車に対しましては、この油の補給に応じてもらうようにいませっかく話を進めて交渉中でございます。  それから、ごみ処理車の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、いま十一万五千トンのうちの五千トンをそのほうに割り振るように計画をして通産省にお願いしております。  それから霊柩車の問題でございますが、いまも厚生大臣から、さっきからお話がございますが、霊柩車の問題についても、十分配慮をいたして配給の手続を間違いのないように給油するように善処いたしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 総理に質問するのは気の毒ですけれども、ちょっと質問いたします。  運輸省と経済企画庁にはもう何回も質問いたしましたから、これは内閣の問題として処理してもらいたいのですが、さっき言いましたように、いまトラックは大体六百万台ぐらい走っておりますが、営業ナンバーのトラック三十七万台に対しまして、白トラックが五百四十万台ぐらい走っているわけです。これは届け出たものですから、届け出るだけですから、非常に簡単に動かせる、これは輸送効率が六分の一ぐらいです。そして本来の目的でないものにも使われている。したがって、いま物価問題を論議しなければなりませんときに、いままで問題にされなかったところに問題があるのではないか、輸送コストの問題を先にしなければ本質的な物価の低減はないと私は思うわけです。昨年の暮れからずうっと予算委員会でも運輸委員会でも論議してきましたが、なかなか政府としての方針は聞きませんでした。そこで、諸外国に比べましてもこれは異常です、比率が。必要なものは青ナンバーにすればいいわけですが、白ナンバーで乗用車がわりに使う、あるいは農家で野菜を市場にだけ持っていくというようなことで浪費していますから、この際に、この白ナンバーのトラックを半減ぐらいすることがガソリン浪費を防ぐ、あるいは輸送効率をよくする、あるいは物価を下げる、こういう問題で非常に大事でないかと思うわけです。再三私も発言しているわけですけれども、これには予算もかかるし人も要ります。陸運局やあるいは経済企画庁でも考えなければなりません。輸送コストを概算しますと、国鉄の貨物運賃で約三千億円、それから青ナンバーのトラックの収入が二兆八千億、ところがこの白ナンバーの輸送コストで約八兆円——少なく見積もって七兆円です。これだけの輸送コストがあるわけですから、こいつを徹底的に洗わなければ根本的な物価対策にならぬと思うのです。この問題を少し責任を持って経済企画庁なり運輸省なり、あるいはその他のところでひとつ早急に計算をして、この際ですから、白ナンバーのトラックをなるべく減らして、そうして輸送効率を上げて、道路を楽にして、効率のよい輸送ができますようにすべきであると思うが、総理大臣が一番詳しいと思うから見解を聞きたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私はあまり詳しいわけではございませんが、いずれにしても、営業用というのは、これは非常に重要なものでございますから、燃料を確保しなければならないということは当然でございます。白ナンバーというのは非常に多い、あなたがいま御指摘になられたように八兆円にも及ぶ水揚げをやっておるということでありまして一水揚げというよりもまあ影響があるということでありますが、これは日本の中小企業とか零細企業という特殊な状態からきているものでありまして、実際営業用の車に比べて少ししか物を積んでない場合もあります。そのかわりに夜間でも何でも配達しなければならないということもあるわけですし、営業用では全然できないような配達というものがあるので、なかなかこれはむずかしいんです。ですが、燃料を配給するということになりますと、やっぱりちゃんと実績のある営業用にはこれはすぐ計算出ますから、これは確保できると思いますし、間違いのない配給ができると思いますが、白ナンバーというのは、場合によれば日曜日は家族を乗せてそのままトラックではなく人を乗せて旅行に行くということもありますし、なかなかむずかしい問題です。しかし、これらの内容を十分調べて勉強するというのはいいときだと思いますし、少なくともその配給制をやるというふうになりますと、実績を調べてないと非常にもんちゃくが起きますから、だから当然やはり省庁も中心になってどのぐらい稼働実績があるのかということをやっぱり調べておかなければならないと、こう思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣にお尋ねいたします。そこで、石油の問題から石炭エネルギーの見直しはどうかと、これは十日ばかり前に貝島炭鉱が閉山いたしまして、深刻なこの石油不足のときに何とか方法はないかと私も真剣に考えるのですが、石炭エネルギーの見直し、そういうものについて通産省としてどういうお考えですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は同感でございます。そこで石炭審議会にいろいろお尋ねいたしまして、石炭審議会から中間答申が出る予定になっております。それはこの石油の事態にかんがみて石炭政策及び石炭というものをもう一回見直すようにと、そうして特に石炭専焼火力を北海道や九州に増設することを考えろと、そういうような答申が近く出てくるだろうと思っております。その線に沿いまして、われわれも努力してみたいと思っておりますし、さらに石炭のガス化及び液化の研究について工業技術院においてはやっておりますけれども、これにもっと馬力を入れてやらせるようにいたしたいと思いますし、アメリカやオーストラリア等とも共同研究につきましてさらにこれを熱意をもって進めるようにいたしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、関連して、逆に産炭地振興なんですけれども、四十六年の二月に産炭地域振興臨時措置法で実施計画ができました。この計画によりまして北部九州、福岡、佐賀、長崎がいろいろ具体的に計画を書いてあるのですけれども、この一体書いたのは政府としてどのくらい責任を持つものかということ、政府が責任を持てば、各省庁も協力してもらわなきゃならぬ。にもかかわらず、筑豊炭田地帯における国鉄の合理化がもう全くうんと進みまして、福岡、佐賀、長崎の産炭地から国鉄職員が二百七十二名減って、これが新幹線の要員に配置されるという状態です。地元もたいへん騒いでおりまして、やっと工業団地をつくってこれから産炭地振興をするというときに各駅が無人化になる、貨物を扱わぬではもう企業の誘致のしようがない、何とかしてもらいたいという陳情団が続々来るわけでございますから、まず、通産大臣から、産炭地振興実施計画は国としてどういう責任を持ってくれるか、そのことをお聞きしたいんです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 産炭地振興基本計画及び実施計画は、これは法律に基づきまして通産大臣が定めることになっておりますが、この策定にあたりましては、公共団体の要望及び地元の振興審議会の意見を聞いて各省庁と連絡してやっておるところでございます。そして、これは工業出荷額を主要目標としておりますが、これによりますと、計画の遂行状況は第一次計画、三十八年策定、四十二年度目標、〇・八二の達成率、第二次計画、四十二年策定、四十七年度目標が四十六年度末の時点で〇・九九となっております。特に筑豊地区におきましては、四十六年度末の時点で計画をすでに上回わる一・一四となっております。現在五十七年度を目標とする第三次計画を実施中でございます。なおこのほか、産業基盤、生活基盤の整備等についても各省庁の協力によってかなりの進捗を見ており、うち鉄道については新線建設、複線化、電化等、着実に事業が推進されておるところであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 で一運輸大臣に質問いたしますが、いま通産大臣の説明のように、たとえば筑豊炭田地帯をとってみますと、昭和五十七年度は現在の生産の約三倍、金額にいたしまして三兆四千六百億工業生産が上がるということになっているわけです。それでこの実施計画によりますと、鉄道も筑豊本線を近代化せよ、もっと輸送を近代化して、たとえば複線電化など油須原線を建設せよと書いてありますが、今度の国鉄合理化につきましては、たいへんきびしい合理化政策が進められておりますが、運輸大臣の見解をお聞きしたい。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) お説のように合理化の線はできる限りこの近代化のために不可欠と思いますけれども、それにいたしましても、これはまた同時に利用者の利便に影響することでございますから、地元と十分意思の疎通をはかりつつ進めていくように指示しております。なおまた、産炭地の振興との関連でございますが、これはもう新しい振興計画との調整を十分にはかりながら進めてまいるように指導をいたしております。なお、かねてから先生御指摘の油須原線につきましては、産炭地振興のために工事を再開することに決定をいたしました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、いまのような話で、北部九州、福岡、佐賀、長崎から二百七十二名の要員減、大体概算しまして五億円ですね、人件費が。この間も市長さんが言うのは、二兆円投資して工業団地をつくったのだと、二年ぐらい見てくれるといいというわけですね。したがって、筑豊線の電化、複線化及び桂川−碓井間の短絡、あるいは宮田−室木間の短絡などしてくれると、軽い列車をぐるぐる回してもらうともっと工業が誘致しやすいと。特に日産、トヨタが来まして、あと下請産業もたくさん来るから、いまのこの合理化はあまりきびしいではないかとおっしゃっているわけです。で、ひとつ国鉄総裁、この出先は非常にまじめで一生懸命よそに負けぬように競争しているわけだ、合理化の。それでは気の毒だから、それで国会でこうなったというと、現地のほうでももっと話がスムーズにいくと思うが、国鉄総裁の御見解を聞きたいんです。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○説明員(藤井松太郎君) お答え申し上げます。  御承知のように国鉄の合理化と近代化というようなことは、国鉄再建の柱となるものでございまして、私ども極力進めておるところでございますが、いま御指摘の産炭地の振興というものを阻害するのじゃないかというようなことでございますが、私どもがやっていることは、貨物駅の集約ということが第一点、第二点が旅客の非常に乗降される方の少ない駅を停留所化する、無人化するという二つのことでございますが、これはひとり九州地区に限ったことじゃございませんで、全国的に財政再建のためにさような施策を施さざるを得ないという立場に立っておるわけでございます。しかし、産炭地の振興にじゃまになるような施策をやっておるかというと、決してそうじゃないので、私どものやっていることは輸送力を弱めるということじゃなくして、輸送力は現在のまま保持して、しかもその運輸設備の整備近代化、こういうことをやろうということで、貨物基地に関しましては、輸送力をそのままにしてサービスは低下するかというと、基地化して集約することによって貨物の到達時間が短縮されるというような面もありますので、必ずしもサービスの低下じゃない、ただし、その駅の停留所化、無人化につきましては、これは確かにサービスの低下なんで、これに関しましては地元の方々のにわかに御理解が得られるかどうかむずかしいと思いますけれども、お願いしてひとつ御協力を願っておるという状態でございまして、産炭地振興の方策が漸次実を結んでいくことと思うのでありますが、結びまして輸送量は旅客もふえ、貨物もふえるということに相なりますれば、現在輸送力をこわしているわけじゃございませんので、一度停留所化されたものも駅員の配置もいたしましょうし、まあ、筑豊本線の電化のお話もございましたけれども、この電化は現在ディーゼル化しておりますけれども、これは運転費が電化するほうが——ある一定以上輸送量がのぼってくると、これは申し上げるまでもないことでございますが、安いから電化するので、さように輸送量がのぼることは私ども希望することでございまして、電化の標準に達しますれば、いち早く電化をいたす所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁の言われることはそのとおりですけれども、産炭地振興としてこれは特別に見てもらいたいということを言っているわけです。これは小さい字ですからわかりませんが、もう色を塗りましたらまっかでしょう。これだけ全部駅員を無人化するわけです。全線でしょう。この間、高等学校の先生が特に陳情に来られまして、非行化する、たとえば五時に帰れるのに八時ごろまで待っている。これは列車の問題もありますけれども、そうすると、駅が、待合室が遊び場になっちゃうわけです、無人化しますとね。せっかくの駅が遊び場になって、晩はそこへ行ってやっぱりたばこを吸ったり何かしている、そういうこともありますし、したがって、これは町の玄関ですね、駅は。だから、もう少しひとつ地元の意向をよく聞いてもらいたいと思います。  そこで文部大臣に、産炭地教育の問題について聞いておきたいのですが、過疎化いたしまして、かつて四十人の学級だったのが二十人ぐらいになりますね。それを一緒にしまして学校の先生がどんどん減るわけです。産炭地ではやっぱり生活環境もよくないわけですね。したがって、学級を小さくするとか、指導主事をふやすとか、特に産炭地については教育の面で考慮してもらいたいという陳情が再々あるのでありまするが、文部大臣の見解を聞いておきたいのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奧野誠亮君) 産炭地におきましては経済状況が悪化する、その関係で要保護児童、準要保護児童がふえてまいってきているわけでございます。そういうようなところから教育がかなり困難になる、そういう教育困難校に対しましては先生を加配する制度、これをとらしていただいたわけでございまして、福岡県につきましては、全体として五十三人加配になっているわけでございます。同時にまた、そういう子供さんたちに対する手当てが行き届きますように、進学、学用品費、給食費、修学旅行費、こういう就学援助費につきましても市町村の財政力指数に応じまして、国の補助率を六割から八割までかさ上げするというような仕組みをとらしていただいております。そして就学援助の徹底を期するというような努力をさせていただいておるわけでございます。同時に、高等学校に進む児童につきましても、育英奨学資金を貸与する生徒の数をふやすというような配慮もいたしておるわけでございまして、こういうようなことで努力をしていきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もういまさら言うまでもないことでありますが、生活保護の家庭も多いし、失対事業に働く労働者の家庭も多いわけです。もう筑豊地帯が一番多うございまして、特別の配慮をしていただきたいと思います。ここもうしばらくだと思います。いま産炭地振興で市長も議会も一生懸命になってますから、ここ数年しますとまた経済的にも浮揚すると思いますから、しばらくの間ひとつ特別な考慮をしてもらいたいと思います。  次は厚生大臣に質問ですけれども、今度のこの物価上昇は、いま始まったことじゃないわけです。ことしの当初から卸売り物価が急激にずっと上がってまいりました。四十七年度は非常によかったわけですけれども、したがって、この四十八年の四月ごろから、今日までのこのインフレによる犠牲者、それはやはり低所得層です。老人あるいは病人とか、そういうところにあるわけです。そこで、十一月十九日に社会保障制度審議会から総理あてに建議が出ました。この建議は「インフレ下の社会保障」、この建議に対する厚生大臣の基本的な考えをまずお聞きいたします。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) 私が申し上げるまでもなく、最近の異常な物価高が続いておるということは、国民生活を非常に不安ならしめるものでございまして、生活の安定をはかりますためには、物価の抑制、これがまあ基本であることは、総理はじめたびたび申し上げておるとおりでございます。そこで、物価の抑制が最も大事な問題でございますが、さればといって、現実上がっておるその姿に対処して、特に、経済的に弱い階層の生活を守る、これが何といっても社会保障の基本でなければならぬと考えております。先般の社会保障制度審議会からの建議もまさしくそのとおりでございます。したがって、私どもは、経済的に弱い階層の生活を守る、これを基本といたしておるわけでございまして、時々刻々物価の動向というものを監視しておるわけでございます。そういうふうなことから、御承知のように、ことしの十月から、最低の生活であるところの方々、すなわち生活扶助基準を一四%に前年よりも上げておるわけでございますが、さらに一九%ということにして、五%上げるという措置を講ずることといたしました。それと同時にまた、老人ホームあるいは身体障害者、子供、こういう方々の入っておるいわゆる社会福祉施設における措置費も、さらに今回五%上げるということにいたしました。さらにまた歳末でもございますので、まあ昔のことばで言えばもち代とでも申しますか、そういうものも生活扶助の世帯、さらに施設に収容しておられる方々に差し上げる、こういうまあ措置を講じておるわけでございます。さらにまた、老人や身障の問題につきましては、その生活を守るためには、年金という制度があるわけでございまして、すなわち福祉年金がございまして、この十月から三千三百円を五千円、身体障害者の障害福祉年金はこれの一・五倍の五千円から七千五百円、こういうふうに年金の額の増額もはかっておるわけでございます。したがって、私どもは、今後ともこういうふうな状況のもとにあって、経済的に弱い、力の弱い方々の生活を守るために今後とも努力をいたしてまいるつもりでございます。したがって、来年度以降におきましても、物価の動向、あるいは消費水準の動向、そういうものも十分頭に描きながら、扶助基準の改善、さらにまた、福祉年金の増額、老齢福祉年金は総理がたびたび申し上げておりますように、来年度は五千円から七千五百円に上げましょうと、こういうことを政治的にお約束を申し上げておるわけでございまして、この老齢福祉年金がそれだけ上がりますれば障害年金、母子年金もそれに準じて上がると、こういうことになるわけでございまして、今後とも私は、こういう経済社会状況の中にあって、弱い方々の生活をどうやって守るかということについて、きめのこまかい、そのときどきに応じた対応策を力強く講じてまいりたいと思っております。社会保障制度審議会の建議はまさしくそのとおりに私も理解し、努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的な問題も若干言われましたが、いま言われたのになおきょう問題にしておりますのは、いまおっしゃったものは、普通の物価上昇ならば、それで説明つくわけです。私、いま申し上げているのは、このいまの、四十八年の四月からいままでの、年末までの物価上昇のしわ寄せというものは、いまの説明では解決できません。来年度予算の説明です、それは。それはそれでまた問題にいたしますが、いまこの補正予算を論議しているこの予算委員会では、もうちょっと何か別の答弁が私はあるのではないかと思ったわけです。  あなたはこれを、陳情をお受けになったと思います。社会福祉施設の危機突破緊急全国大会、この中では特に「物価高騰に対応した入所者生活費の増額と暖房燃料など生活必需物資の安定確保」「入所者処遇の低下を防ぐため労働基準法を順守するに足る職員定数の改善、厚生省要求を全額確保し、当面、緊急課題として次事項の改善を実現すること」、これには職員の待遇改善の問題があります。特に「施設職員に年度末手当〇・三ヵ月の繰り上げ支給できるよう財源措置」をお願いしたい。こういう具体的な措置がありますが、これについて御検討なさいましたか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) 私が先ほど申し上げました中には、すでに現在の物価高騰の状況に対処した措置についても申し上げたつもりでございます。すなわち扶助基準の五%アップ、それから施設に入所しておられる方々のいわゆる措置費、生活費でございますね、そういうものも五%上げる。これは現在の事態に即応して上げるということを申し上げておるわけでございます。さらに暖房費等につきましては、これは施設によって多少違いますし、また級地によって違いますが、暖房費についてはそれぞれ適正なる加算をいたすことにいたしてございます。暖房費の加算を措置費に加算をするということをいたしておるわけでございます。  さらに、社会福祉施設の職員の給与の問題でございますが、これはすでに御承知のように、国家公務員並みにするという前提に立っておりますので、国家公務員並みの給与改定をいたしておるわけでございます。で、そういうふうなことでございますから、その中で〇・三がどういうふうに配られるか。これは施設の職員は、県の地方公務員になっている場合がありますから、それは当然そちらでいきましょう。それから民間施設は、国家公務員並みの給与を私のほうは渡すわけでございますから、地方公務員並みに準じて渡されるということになろうと考えておるわけでございます。給与をまさしく国家公務員並みにするという財政措置を講じておりますから、地方公務員でありますれば、よその方々と同じように〇・三が年度末に繰り上がると、こういうことになるわけでございまして、この趣旨を十分、私ども対処してやっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国家公務員の問題はわざわざ私が言う必要ないわけですよ。社会福祉施設は、民間のもありましょうに、私立もありましょうに。たとえば地方自治体のものだってあなたは簡単に言うけれども、そうはいかぬかもわかりませんですよ、地方自治体によっては。この社会福祉施設は、民間のも含めて措置費を出すでしょう。その措置費で考えてくださいという意味じゃないでしょうか。  それから一つの例を言いますと、いま、たとえば特別養護老人ホームをつくろうといたしましても、現在の査定基準ではなかなかできませんですよ。五十人のベッドにいたしまして、まあいろいろ、特に競輪なり、あるいはボートなり、金は、交付は、施設からのあれはあります。それからあるいは借ります。七千四、五百万、五十人ベッドで、それはめどはつきますけれども、それじゃだれも建築屋が請け負いません。大体千五百万ぐらいプラスしなければなりません。そんなのは民間じゃなかなかできない。私もそれでひとつもくろみましたけれども、もうどうしてもできないから、物価上昇でできない。建築屋も逃げますよ。それからもう実際千五百万の金をカンパして歩くのはたいへんでしょうに。したがって、非常に社会福祉国家といって社会保障制度に相当力を入れておられるようには思いますけれども、具体的にはこういうところに非常なしわ寄せがあるのではありませんかと、だから、あとで労働大臣にも質問しますけれども、この際にこそ厚生大臣は、もっとやっぱり総理に突っかかっていって、そうしてこの年末をどうするかと、あるいは大蔵大臣にもこの年末こうしなさい、こうしてくださいと、そうやらなければ、こういうふうな危機突破大会が全国で起こるでしょう。そういうものに対する決意をもう一回聞いておきたいんです。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) 施設職員の給与は、国家公務員と同じように措置費で配ってあるわけでございます。したがって、その措置費、その施設が県立のものであり、市町村立のものでありますと、市町村職員、地方公務員と同じになりますから、当然それは〇・三繰り上げになりますということを申し上げたんです。それからさらに民間の施設についても、国家公務員並みの給与の額を措置費として差し上げておるわけでございますから、国と同じように〇・三繰り上げていただくようにこれは通牒で申し上げようという考えでございます。その点はひとつどうか御理解をいただきたいと思います。  それから施設の単価、これはもうおっしゃるとおりでございまして、なかなか諸物価の高騰の際でございますから、なかなかたいへんだとは思います。そういうことも頭に描きまして、実は今度の補正予算の中で、一〇・八単価増をいたしたわけ、一〇・八上げたわけでございます。単価は、そうしますと、大体今年度の予算は、前年度に比べて一五%上げておりますから、大体二六%以上上がるということになりますので、あるいは相当苦しい例もあるかと思いますが、まあこの辺でひとつやっていただきたいと考えております。  なお、非常に激励いただきましたが、田中総理も大蔵大臣も社会福祉には非常に熱心でございますから、その点はどうか御安心をいただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは厚生大臣確認しておきますよ。この社会保障制度審議会の会長から出されました「インフレ下の社会保障」についてはそのとおりですと、それからこの危機突破全国大会から出されました要望決議、これもこの趣旨に沿うように厚生省としては善処すると、そう確認していいですね。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) 制度審議会の答申の趣旨、さらにまたいまお述べになりましたような社会福祉施設危機突破の決議、こういう精神、趣旨は十分尊重して努力をいたしたいと考えております。しかし、まあ何もかもこの数字の入っており・ますことをそのままというわけにもまいらぬものもあると思いますが、大いに趣旨は尊重して努力いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、労働大臣に質問いたします。  まず、いま心配しておりますのは、これから来年の春ごろまでにこの景気が落ち込みまして、けさの新聞でも公共事業費がずっとこう削減されますと、あるいはそれに関連いたしまして中小企業も倒産するだろうと、そうしますと失業者が発生いたしますが、労働省としては、この暮れから来年の三月期、あるいは春までにこの中小企業倒産などによって発生する失業者及び企業操短あるいは休暇の増加などによって生まれる余剰労働力、そういうものをどのように把握していますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) お答えいたします。  このたびの石油危機に対処してなおかつ雇用と生活の安定をはかることは政府の重要な課題でございます。御承知のとおり、ただいまのところ需給は非常に逼迫しておりますので、そう直ちに暗い面はないだろうと、こう予想しながらも、いろいろな情報をとりながらやっております。なかんずく御心配だろうと思いますことは、そういう場合に一番先に出てくるのは、高年齢者のそういう離職すなわち生産縮小によるそういうものがあった場合に困るのじゃなかろうかと思って、いろいろと準備などをしておりますが、そうしたものが起こらないように願いながら、一方、中高年齢者の雇用促進に関する特別措置法というのがございまして、これなど活用しようと考えながら、さらにはまた、最近新聞に出ておりますいまの失業保険制度、あの改正案が実は研究会から答申されまして、非常に社会的な反響を呼んで、好意をもって迎えられております。この中にはほんとうにいい案がありまして、たとえば高年齢者の場合には、給付日数を五十五歳以上は三百日にするとか、あるいはまた六十歳以上の高齢者の場合には、労使の保険料を労使ともどもに免除する、こういうふうなことなどもありますので、万全の対策を考えて御協力したい、こう思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的な数字などもほしいんですけれども、いまの中高年齢の雇用対策、特に雇用保険法の改正などについては聞きました。これにも問題がありますから、そのときに意見は申し上げたいと思いますけれども、そういうことで努力してもらいたいと思います。  いま一つは、財産形成法というもので、去年から発足いたしました。毎月給料から引かれます。それで貯蓄していくわけです。それで何年か先に家をつくる、あるいは財産形成するというのでありまするが、いまのような年々歳々のインフレでは、何年貯蓄しましても家はできぬのではないかという心配があるわけです。現在掛け金が合計一千百四十九億ばかりあるようです。それだけ労働者が財産つくろうと思って貯金します。その金はどっかに役立っています。その中で現在は百億ばかりは労働者の住宅に回っておるようですけれども、それも一応説明してください、どんなに使っているかを。それから、これをそのままでやっていきましても、個人個人としては月に、たとえば給料四万円のものが五千円も引かれているようですが、これが十年しましても家は建ちませんですね、そういうものについて一体労働省としてはどう考えているか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 御案内のように、財形貯蓄というのは、労使の話し合いでやっておりまして、しかも、発足して一年半ぐらいでございますけれども、約二百三十万の諸君がこれに契約をしておりまして、御案内のとおり千二、三百億の金がたまっております。私はほんとうに勤労者が将来に望みをかけている姿、これは大事なものである、でありますから、連日の委員会におきましても、総理、大蔵大臣は、財形貯蓄に対して非常に御理解を示されておるところでありますから、いまから先、それを拡大するためには、税制上の優遇措置とか、あるいはまた審議会から出ておりますところの割り増し金等々の問題等もお願いしながら、その夢をこわさないで拡大して、そしていきたい、これは内閣全体の労働行政の一つであろう、こういうふうに御理解を願って、いまいろいろと内部においても話を詰めている段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 全体的には大手筋の商社の決算の利益は非常なものです。この不景気にかかわらず、大手の鉄鋼その他の決算を見てみますと、もうけていますね。それにくらべものになりませんけれども、それにしては、この働く労働者の財産形成の金というものは、貯蓄しましても値打ちがどんどんどんどん下がる。いまおっしゃいました税制上の措置あるいは優遇措置というものは、具体的にどういうものであるか。先般財形の審議会からの答申が出ております。この財形の答申によりますと、たとえば報奨制度の設立とかいろいろやっていますが、ただ、これを単に、労働者の金を貯蓄させるんだ、それであってはならぬわけですね。だれがために一体貯蓄するのか、したがって、根本的に発想を変えて、そうしてちゃんと家ができるとか、あるいは真の意味の福祉的な財産ができるというような、そういう意味に使っていかなければならぬのですが、もう少し具体的に御説明を願います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) ヨーロッパにおいては、西ドイツなどはすでに十二年前からやっておりますから、いろいろその制度が完備もし、また実行し、途中で改正したことなどもございます。そういうものなどを参考にしながら、日本に見合うような形において財産形成というものを将来ともに推進していきたい。ただいまのところは、具体的なものを、いまこれをごうごうというのは、今度の予算の問題もございますので、内部で詰めていることを御了承願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大蔵大臣、いかがでしょうか。十一月二十九日に貯蓄優遇策として貯金の非課税限度額の引き上げとかやっておりますが、いまの財産形成の法律を完全にするためには、相当優遇しませんと、たとえば、十年、二十年かけましても家はできぬのじゃないかと思うんですけれども、それでもう、じゃ、やめたというてしまっていいものでもないと思うんですが、せっかく発足しましたこの財産形成法というものをどう生かすかということは大蔵省でも考えなければならぬと思いますが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、財形制度につきましては非常に関心を持ち、また理解も持っているつもりなんです。これを推進したいと思います。そこで、いま労働大臣からお話がありますが、いま労働省のほうでどういう手段がいいだろうかということを検討している、私どもの大蔵省でもその検討に積極的に参加するようにというふうにしておるわけですが、いずれにしても、近く予算がきまる、その際には何らかの財形制度の補強策を講じてみたい、そういう考えです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、労働大臣、もう一問。これは身体障害者の雇用の問題ですが、身体障害者の方たちが最近こぞって陳情されます、われわれが方々回りますと。とにかく雇用率をふやしてくれということです。雇用の法律はあるんですけれども、これが完全に実施されていない。もう少しこれを広く適用しなければならないと思うんだけれども、労働省として何か対策を立てていますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) きのう身体障害者の協会のほうから、私のほうで出しました諮問に対して答申などがありました。従来、身体障害者の就職は一・三%ぐらいを目標にしておりましたが、案外率が悪い。しかも、五百人以上の大企業がなかなか協力してくれておりません。強制すべきだという話もございますけれども、今度の答申などを参考にしながら、こういうふうにみんなで苦しいところを切り抜けるという、いまからの時代でございますから、そうした意味において、その答申を待って、さらに国民的世論といいますか、そういう空気で従来のことを進めてまいりたいと、こう思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 役所のほうも、大臣がかわられたり局長がかわったりしますから、なかなか歯がゆいわけです。だから、もう少しスピードを上げて、やっぱり国民の期待にこたえてもらいたいですね。答弁だけはりっぱですけれども、なかなかこれが実施されないんですよ。したがって、いまおっしゃったことを早急に実施してもらう。  それから通産大臣、この、いまのこれから春までの不況によって、中小企業の倒産などをどう見ておるか、それから、この不況で中小企業などの年末金融についてどういう措置をしておるか、御答弁を願います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業の最近の倒産の動向は、本年四月までは件数、負債金額とも前年同期を下回る落ちついた水準でありました。五月以降やや増加傾向が見られますが、七月ごろまでは特殊な事情——中日スタジアム関連倒産の多発によるところが大きかったのでありますが、八月ごろから、八月七百十九件、九月七百四十四件、十月八百八十九件と、漸増してまいっております。十一月は八百五十七件、同三五・二%増で、前月よりは若干縮小いたしましたが、これから、資材倒産、あるいは金融関係、石油関係等で大いに警戒を要するところであると思っております。  そこで、とりあえず、金融措置といたしまして、年末に約三千四百二十億円の政府系三機関からの融資の特別の割り当てをもらい、さらに大蔵省とも連絡をとりまして、市中金融機関から三兆円の融資をともかく中小企業にやってくれということで、両省協力して、市中金融機関にも要請しておるところであります。今後とも、この石油関係によりまして中小企業に苦難が重なってこないように、全力を注ぐつもりでおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 以上で私の質問を終わりますが、ここで論議する以上に、国民の窮迫、緊迫感というものはひどいです。もう物価、インフレに対する脅威、それから石油不足に対する脅威、この年末をどうしようかというのが、もう方々にあります。特に、いわゆる底辺といわれるところですね、そういうものについて、ひとつ十分に配慮してもらって、そうして一日も早く国民が安心して正月が迎えられるように、内閣そろってひとつ善処してもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 以上をもちまして小柳君の質疑は終了いたしました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 野末君。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 総理大臣は何かきょうはかげんが悪いそうで、ほんとうは非常にコンディションのいいときにやりたいですけれども、まあ少しやわらかにやりますから。  あのね、総理、あなたはしきりと国民に理解と協力を訴え、求めておられますが、さてどうですか。御自分でお考えになって、自分は国民に協力と理解を求める資格があると思ってますか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 民主政治というものは、国民の支持と理解を求めることが民主政治なんです。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 資格、あるか、ないか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国会議員に対して失礼なことをあまり述べないでください。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 総理も御存じだと思いますが、論語という本に、こういうことばがあるんですよ。その身正しければ令せずして行なわれ、その身正しからざれば令すといえども従わず、と。総理のことじゃないんです。個人のことじゃありませんよ。政治全体のことを言っているんですから、誤解しないでいただきたいんですが、もちろん、言うまでもなく、政治の姿勢が正しければ、命令を下さないでも国民はいろいろ実行するが、政治の姿勢が正しくなければ、たとえ幾ら命令を下しても国民は言うことを聞かないと、まあこういう意味なんですが、どうでしょうか、最近の世相に対して、そうして政治のあり方に対して、総理、何かこのことばで反省はございませんか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 完ぺきなものだとは考えませんが、全精力を傾けてやっておることは事実でございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 確かに、いま国民の協力と理解がなければこの危機を乗り切れないと思いますよ。ですから、私は、別に総理をあれこれ批判するというよりも、どうしたら国民に協力と理解が得られるか、それを考えているわけです。  そこで、私は、どう考えても、いまの政府には資格がないんだと、そういうふうに思うんです。理由が三点ありまして、まず一点は、この国会においても政府の答え方は現実と遊離した単細胞の発言が多過ぎるということが一つですね。二番目は、非常に国民をばかにした発言が多いということです。そうして三番目、みずから手本を示していないんだということ。この三つからして、いまの政府が国民に理解と協力を求める資格はないんだと。だから、国民は政治不信がますますつのりまして、幾ら政府が、あるいは総理が訴えても、協力しようという気になれないのが現状じゃないかと、こう思うんです。そう思いませんかね、総理。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 政府は政府なりで懸命の努力をしておりますし、国民のしかるべき理解を得ておると思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 政府の努力はもちろんわかるんですが、国民が政府に協力する気になれないのが現状じゃないかと言っているわけです。具体的にだんだん言っていきますが、まず、現実と遊離した単細胞的な発言が多いということを、灯油を例にとって言います。通産大臣、灯油の小売り価格十八リットルの店頭渡し三百八十円という政府指導、だいぶ時間がたっていますが、いまこれはこのとおり行なわれていますか。一般の消費者が店頭に行って三百八十円で買うことができますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊の事情のあるものを除いては行なわれていると私は思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 思いますでなくて、その根拠は何ですか。通産省が調べたんですか。それとも、業者の報告で大臣はそうおっしゃるんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 両方です。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 その程度で安心しているから単細胞的な発言だと、こういうふうにぼくは考えるわけですよ。なぜならば、実態を一々お調べになると全然違うわけですよ。もし私の言うことがうそだと思うなら、いま電話して、電話帳でもって任意に灯油を売っているお店を調べて、一般消費者が行って三百八十円で店頭で売ってくれるかどうか、お調べになったらいいですよ。それが一番大事なことでしょう。特殊な事情を除いてなんということじゃ、ぼくはだめだと思うんです、買いに行って、ないんだから。総理大臣はじめ、買えるからだいじょうぶだと言っても、現実が違うんだから。それはどう考えますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) それは、ひとしきりそういうことがありましたが、最近はもう鎮静して、そうして大体三百八十円で正直に売っているというのが現状で、あなたの資料は少し古いんじゃないかと思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 冗談言っちゃいけない、けさの午前中です、けさの午前中、東京近郊の——笑っている場合じゃないですよ、通産大臣。けさの午前中にですね。毎週、今週全部調べてありますが、特にけさの午前中——けさですな、つまり。(笑声)いや、こっちだって興奮しますよ、そんな。あんまりいいかげんなことを言うから。午前中に調べまして、東京と、東京近郊十六軒調べたんですよ、ガソリンスタンドも含めて。そうしたら、通産大臣、三百八十円で店頭で売りますという店は五軒ですよ。はっきり五軒ですよ。三分の一ですよ。中には、朝から行列してもらえばだいじょうぶだというお店もありますし、とにかく五軒しか三百八十円店頭価格というのはないんですよ。あとはどうかといいますと、四百円から五百円なら売るという店が二軒ですよ。はっきりそう言ってますよ。それからお得意さまの配達以外には売らないというのが七軒ですよ。で、配達の値段を聞いたら四百五十円から五百五十円だと言ってますよ。はっきりけさ言っているんですよ、こういうふうに。中には在庫がないというのが一軒、それからほかの商品と込みならば売るというんですよ。ほかの商品と込みならば売る。電話番号から商店の名前全部書いてますから。これが現実なのに、何で通産大臣そんなに、あれですか、三百八十円で買えますとおっしゃるんですかね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 一時は混乱いたしまして御迷惑をおかけいたしましたが、最近は大体三百八十円で売っていると。われわれのほうでときどき摘出して調べてみたり、あるいは業者の報告を聞いたりしていますと、おおむね鎮静してきているのであります。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 じゃ、午前中調べたのはどういうわけですか、これ、この数字は。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その資料下さい。調べ直してみて、もし間違っていたら厳重に注意いたします。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 すぐそういうふうに、調べ直して間違ってたらと、そういう言い方を言うから、ぼくは国民にますますそっぽを向かれると思うんですよ。国民は買いに行くんですから。買いに行って値段がわかる、売ってくれない、これが一番深刻なわけでしょう。そこで、ぼくの思うには、この三百八十円というのはこれは意味のない価格なんで、もしそんなに断言なさるなら、灯油があると、三百八十円以下で買えると断言なさるなら、その買える実態、あるいは買える方法を国民にやっぱり知らさなければ、ただことばで言うだけじゃぼくはだめだと思うんです。もちろん、政府の指導が万能だとは思いませんよ。だけれども、しかし、政府の指導どおりにいかないならば、なぜだめなのかと、あるいはどこに原因があるかとか、そういうところまで率直にやはり国民に知らせなければ、これは幾ら何を言ったって国民が協力するなんて気になれないというのがぼくは実情だと思うのです。ですから、現実離れした甘い数字ばかりを並べるというのは非常に困る。これじゃ総理、国民は理解とか協力とか、そういうことは全然しないと、こういうふうに言いたいんですが、どうでしょうか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) あなたの御発言の気持ち、よくわかりますよ。そして、マスコミを通じて聞いておりましても、世間一般では政府が言うように徹底しておらぬじゃないかという批判のあることも承知しておりますが、石油危機という突発的な問題が起こりまして、いま統制経済がやれるような根拠法もございませんが、しかし、政府は可能な限り行政権を発動して業界の協力を求めたりしておるわけであります。ですから、いまの段階において、通産大臣が述べるように全力を傾けてはおりますが、それが全国一律に配給制度が実行されたようになっていないという事実があることは、これはもう当然なことだと私も認めます。しかしまあ、晩おそくまでやっていただきながら二法案の成立をこいねがっておるわけでございますし、そうなれば、必要なものに対してはできるだけ統制というようなことをやらないで済むようにいたしたいと思いますが、真に必要やむを得、ざる問題に対しては切符制度もやりますと、こういう法律的な権限も与えられるわけでございますので、政府は、国民の生活必需物資に対しては必ず確保するように全力を傾けますと、こう述べておるわけです。ですから、それまでの間の過程にあなたが指摘をされるような状態があるということは、これはもう一件もないことが望ましいんですけれども、しかし、そういう事態がなくなるように、なるべくいまの発言も十分しんしゃくしながら行政に万全を期すということだと思うのです。  ただ、三百八十円ではとてもできないんだということがおおよその考え方であったようですが、けさあなたがずっとこう回られれば、五軒でもそれで黙って三百八十円店頭価格で売っている人もあるんでしょう。ですから、そういうように、政府が法律ではなくとも、業界といろんなことをやり、困難な状態でも、その困難、もつれているものを解きほぐしながら、無条件で三百八十円で売る店が五軒あるという事実が証明しますように、政府がやっていることが漸次浸透しつつあるということは事実なんです。ですから、戦時中のようにがんじがらめにすることが望ましいことじゃないんです。なるべく強権を発動せざることが望ましい。しかし、国民に迷惑がかかってはならないということの調整というものが政治や行政のむずかしさだと思うんです。ですから、まじめに真剣に取り組んでおるんだと、だから、あなたがいろいろ激励をされる、事態を指摘されるということも、全国民にも流れることでありますし、政府にも刺激にもなりますし、政府はもっとうまくいっていると思うのに実際は五軒しかないじゃないか、あとは条件づきじゃないかということになれば、そういう事態をまた業界に指示をしたり、現状を、現場を調査をしたりして、より合理的なものに直そうと努力をしておるんだということは理解してほしいと、こう思っております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 総理はそういうふうにすなおに言えばまだわかるんですよ。だけれども、総理、三分の一ぐらいだからというんじゃなくて、実態は——確かに政府は全力を傾けているのはわかっていますよ。だが、それでもまだ行き渡らないんだということをはっきり言えばいいのに、通産大臣みたいに、だいじょうぶだ、必ず売っていると、そう言ったらうそになるんですよ、たった三分の一なんだから。ぼくはその点を、あまりいいかげんなことを言って国民の不信を買うようなことをするなと、そう言っているんです。  今度は、二番目は、とにかく、国民をばかにしている発言が多いんですね、ほんとうに。俗なことばで言えば、なめているといいますかね。あのね、総理、消費者ダイヤルってあるでしょう、経企庁の消費者ダイヤル。始まったんですよ、おとといから電話サービスというのが。これをお聞きになりましたか。聞かないでしょう。これね、テープもあるから、ほんとうはお聞かせしたいんですよ。どんなことを言っているかというんですよ。どなたか、もし経企庁の方でおわかりならば読んでいただきたいんですよ、きのうの消費者ダイヤル、おとといの消費者ダイヤル。電話かける、何と答えているか。——まあ、その担当の方がいなければテープを回したいんですが、そんなことで時間をつぶしたくもありません。要点を言いますと、灯油についての消費者ダイヤルは、たくさんあるから協力してください、節約してくださいというんですよ。そういうふうに言っています、消費者ダイヤル。これ、全部抜き書きです。それから、洗剤に関して、きのうの電話ですがね、これは高い店があったら交渉してせいぜい値切って買いましょうと書いてあるんですよ。うそじゃないですよ。この電話、この情報を知るのに一生懸命かけて、やっと通じてこれをテープに入れましたがね。こんなとぼけた、ばかなことを政府が国民にサービスだと称してやっている。どう思います、総理。腹立つのがあたりまえでしょう。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私は、そういう機構がどうなっているのか、まだ全然知っておりませんが、まあ、ものは言いようで、もっとうまいものの言い方もあるし、もっと具体的に指示して、灯油はあるはずですと、ですから、どうしても売らなかったら売らない店を教えてくださいというように、もっと親切な言い方があると思うんですよ。それを何か、あなたがいま言っているようなことを電話が自動的に答えるようにでもなっておるとすれば、それは行政もっていかんとなす、全くどうしようもない行政だと言われてもしようがありませんよ、実際。とにかく、これからは何千通、何万通ときっと電話もかかってくるでしょうから、まあ何百人、何千人がこれに応対するということができないにしても、いまあなたが述べられたようなことをだれが答弁したのか、どうもそれが——まあ自動的に、電話をかけますと、この電話はもう変わっておりますからおかけ直しくださいというような、その程度のことをやるのに、あなたがいま読んだような、そんなことを言っているとすれば、これはセンスの問題でございまして、それは調査をさせます。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(内田常雄君) 経済企画庁の長官でございますが、お聞きくださった消費者情報というのは、経済企画庁の外局に国民消費センターという法人がございまして、そのセンターが、でき得る限り、生活関連物資などの実情を国民の皆さま方に知っていただいて、不安がないように考えていただいたり、また、いま御引用がございましたような御協力も願っているようでございまして、私は実は聞きました。しかし、これはまあ立場の違いがあるから水かけ論になりますが、私が聞きました範囲では、なかなかいいことを言っている。しかも、女性のやさしい声で、灯油の話でも、いまの——どうぞそれはおかけいただいてもいいんですが、中曽根通産大臣が男の声で言われるよりも、まことにやさしいいい声で、よしわかったという気になるようなあれでございまして、私は、国民消費センターの努力を評価を実はいたした一人でございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 まあ一度聞いてごらんなさい。総理はおこりました。ばかばかしくて笑っちゃうけれども、やっと通じて、そのことばを女がテープで言うと腹立ちますよ。総理、値切って安く買える店があったら教えろと言いたくなるぐらいに無責任なことですよ。ですから、これが国民と政治を結んでいる幾つかの少数のパイプラインの一つでしょう。それがこれをやるから、ぼくは、いいかげんだと、ふざけているというふうに考えるわけですよ。  で、これは総理にも文句言いたいのは、この間の買いだめでもありますね。そうすると、何か個人消費が値上げを押し上げているとか、あるいは買いだめに走るからどうも困るというようなことをちらっとおっしゃるけれども、ぼくは、この間の買いだめだって、いろんな点、知っていますがね。買いだめに走る主婦よりも、つくられた情報を口コミやマスコミで流して——故意にですよ、故意に流してもうけたと、物不足と値上げをつくり上げたと、こういうやつがいるわけですよ。これをむしろ総理がおこらない、これはおかしいんですね。  具体的に、じゃ一つ言いますよ。具体的に、突如としてある品物があっちこっちのスーパーでなくなっちゃったわけよ、主婦が行列つくって買って。ところが、その品物というのは不人気の売れない品物ですよ、ある事情があって。その売れない品物がなぜ売れたかわからないんです、ストアやマーケットのほうは。で、主婦に聞いたら、ラジオで聞いたと。物がなくなる、この品物がなくなるから、いまが買いどきだとラジオで言った。御存じでしょう。そして、そのラジオで言ったのは何かというと、あるタレントを買収して、広告代理店とメーカーサイドでもって故意にその情報を流さしているんですよ。そういう事実があるんですよ。御存じですね。じゃ、あえて言いませんよ、これ以上。そういうように、悪質な、便乗値上げなんというものじゃない。実にふざけた卑劣なやり方で、口コミ、マスコミ、こういうものを利用して物不足をあおり、値上げを実現させる。こういう連中が流通段階に一ぱい現にいるわけです。いまでもいるじゃないですか。そういう連中をほうっておいて、あるいはそういう連中を野放しにして、彼らがそんなことをやれる環境をつくっておいて、総理、国民が買いだめするから困るんだとか、そんなことを言ったって、国民がうんと言うわけないですよ、どうでしょうかね。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) いまの御発言は傾聴に値する発言でございます。これは私も、すぐそれ気がついたんです。そうしていま——気がつきましてね。とにかく、ちり紙の問題のときは、これは静岡の小さなトイレットペーパー業者が十四日間の営業停止になったんです。そのときに、二、三人の友人から品物を集めまして営業を続けたんですよ。それが三日間で全国にばーっと流れたんです。それであの問題が起こったんです。団地が狂奔したんですよ。一番初めに大阪に飛んだんです。それからもう飛んだところはわかります。それはいま全部調べています。あなたがいま言ったような、そういう不徳義な業者、それから、ある、もう全然売れなかった倉庫の品物まで売れたとか、専売品である塩がなくなるからとか、こういったものに対して、ほんとうにそういう団地があるんです。ですから、これはいま調べています。国の力をもって、行政権をもって調べています。だから、これが明らかになったら国民の前に明らかにいたします。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 それは当然やるべきことだと思いますね。いまでもおそいくらいですよ。ですけど、そういう事実があっても、国民はそれを知らずに、総理はすぐ国民に責任転嫁してくる。おまえたちが買うから悪いんだという……。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) そんなこと言っていませんよ。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 でも、そういうふうに国民はとるでしょう。それをやっぱりぼくは心配するわけで、幾ら総理が熱心に国民に訴えても、とうてい効果ないだろうというふうに考える。  ついでですが、テレビで私書箱のことをおっしゃっていましたね。あれは最近ぼくも通産省で資料をもらってきましたが、たくさん声が殺到しているんですが、あれ、まあ総理は成功だと思われていると思いますが、総理、あれ、目を通されていますか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) 何しろ朝からずっと一日七、八時間ずつここにすわっているわけでございますし、予算の内訳も聞かなければいけませんし、なかなか仕事があるんです。外交官に会うには朝九時から会っているわけですから、ですから、とてもそういう時間はありませんが、そのためには通産大臣がおりまして、通産大臣はそれをよく読むように、農林省に関係したものは農林大臣がよく読むようにと言っておりますしね。あれは電話よりも効果があるんです。これはいずれにしても追跡調査をやっておりますから、匿名な人には連絡はできませんが、ちゃんと住所氏名がさだかなものに対しては、その処理の状態をちゃんと報告していますし、そして、まだそれでも改めなければもう一ぺんやってくださいということをやっていますから、これは政府としては相当積極的なものである、こういうものは私書箱一号だけじゃなく、各省にもみんなこれは置くべきですし、今度の二法案が通れば、地方庁にもそういうものを置くと。これは目安箱を置かなければならぬということは異常な状態ですが、現に異常な状態なんですから、そういう意味で。その中で、私のうちなどもそうですが、電話をかけましょうという人もあるし、そういう運動をしておる人もありますし、かけてくる人は同じことを、全く同じ、よくもまあ同じ原稿読んでかけてくるなというような人もあるんですよ。そういうものの区別はおのずから国民がつくと思いますから、私は、そういうことに対しては、行政的にできることはもう最大の努力をいたします。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 総理はお忙しいですから、一々目を通す必要ももちろんないと思いますよ。でも、やはり幾つか目を通すということも必要じゃないか。だって、あれだけテレビで言うと、国民は何かこれが田中総理に直接見てもらえるんじゃないか——解決できるできないは別ですよ。せめて声が通じるんじゃないかという期待を持ちますよ。それくらいテレビの発言というのは効果があるわけですから、ぜひひまなときは一、二読んでほしいんですよ。取り締まるほうばっかりじゃなくて、取り締まるのは、確かに通産省に聞きましたら、あっちこっち関係省庁を回っていま実情調査中だと、しかし、そうじゃなくて、どうしてくれるんだと、こういうようにおれは困っているんだよとか、うちはほんとうにこういう点で一番困っているからとかいう、そういう、なまの訴えというものを、やはり行政措置とは別にお読みになったほうがいいんじゃないかと、こう思うわけです。通産大臣はお読みになっていますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私は読んでおります。ここでも二、三回御報告申し上げましたが、あれを始めましたときには一日百五十通以上参りまして、先週末は、最後は五十六通来た日を覚えております。大体苦情は、初めのうちは灯油とかトイレットペーパー、砂糖、塩というものが多うございましたが、最近はプロパンガスが多くなってきております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 せめて、こういうところで国民と政治が結びついているわけですから、この辺をおろそかにしたら絶対だめだと思うんです。なぜこれをお聞きしたかといいますと、要するに、郵便事情もあるでしょうけれども、非常に返事がおくれているというよりも、返事の書きようがないらしいんですね、むずかしくて。そんなこともあって、出したはいいけれども、返事が全然来ない、結局は、ただ書いただけで、むだじゃないかという声が、投書を出した人の中に多いわけです。それで、あえてこれをお聞きしたわけなんですけれども、さて、そういうふうに国民の側から見ると、政府が一生懸命やっているにもかかわらず、非常にばかにしているというような感じを持つようなことが多いんです。  もう一つ、三番目に私が言いたいことは、どうも政府の姿勢がもうひとつきちっとしないと思うんですよ、国民に節約を訴えるにはね、総理。まだまだこの石油危機を乗り切るために、政府みずからが手本を示すといいますか、姿勢を正すといいますか、そういう面が多いんじゃないか、むだを省けるような面が多いのではないか。政府が率先して手本を示していけば、がちゃがちゃ国民に言わなくても国民もついてくるだろうという気がしますので、一つだけ例をあげてお聞きしたいんですが、自衛隊——この際自衛隊を例にとるのも極端かもしれませんが、防衛庁長官、自衛隊の戦車がいま六百六十車両あるそうですね。これが訓練しているわけですね。この六百六十車両の月間の燃料消費量はどのくらいですか。

山口衛一防衛庁装備局長

○政府委員(山口衛一君) 戦車の合計で、四十八年度予算としてわれわれが要求しましたのは、一年間に約四千百四十キロリットル消費という計算を立てております。まだ四十八年度は終了しておりませんので、四十八年度といたしましては、まだ結果は出ておりません。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 私のほうでは、大体防衛庁に全車両の月間燃料所要量というのを、最近のでざっと計算してもらいますと、三百四十五キロリットルだそうです。この数字が正確であるないは別として、大体三百五十キロぐらいをいま全戦車が訓練に使っているというんですが、どうですか、長官、この戦車の燃料は、軽油とかガソリンをひっくるめてですけれども、これを一ヵ月ぐらい休んで、民間にちょっとこう、回すなんという気はないですか。

山中貞則自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山中貞則君) 自衛隊から民間に回すというのには、あまりにも私たちの消費する燃料の総体に対する比率が低うございます。全体で大体全燃料の〇・二四五%ぐらいでありますから、したがって、私たちは私たちで、自衛隊がその任務を遂行するのに必要な部分については練度を落とさない努力をいたしますが、その他の燃料消費については、飛行機も、それから自衛艦も、また装甲車両等についても、あるいは演習のあり方等についても、すべてでき得る限りの自粛を命じておりまして、すでに十二月だけで大体一〇%に相当する六千キロリットルを節減する目標のもとに、その計画どおり進めております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 自衛隊の燃料消費量が全体のほんの少しだということではなくて、姿勢の問題として聞いているわけで、もちろん、いろいろ通産省とも何か削減については交渉なさっているようですけれども、いま私が出しましたこの戦車、総理、約三百五十キロだそうですからね、これを一般に回したらどうなるかをちょっと計算してみたのですよ。そうしたら、目前に迫った問題で、さっきも運輸大臣の答弁に出ましたけれども、若い人の正月の帰省バス、帰省バスが、あれが三分の一、約三〇%程度削減されるかもしれないというような話を聞きましたけれども、これ、もし帰省バスに、かりにですよ、戦車の燃料を回すとすると、全戦車が一カ月の練習量を三分の一だけダウンさせるだけで、三分の一ダウンさせれば、この帰省バスは全然削減しないで去年と同じに動くのですね。そうすると、たとえば新潟に帰りたい若者が、総理、帰省バスの三割削減によって帰れないことも考えられるわけです。もちろん、何とかしてそういうことのないようになさるでしょうが、かりにここで戦車が一カ月間三分の一練習をダウンさせたって、ぼくはそんなに緊急の何か大事が起こるわけじゃなし、それほど長官が心配するほどの問題じゃないのだと。ここで思い切って三分の一だけ一カ月の練習量を減らして、帰省バスはだいじょうぶというようなことを、総理、ここで決断、ずばっと言うような気はないでしょうかね。そういうふうにすると、国民も、なるほど、ほんとうによくやっていると思って、理解しよう、協力しようという気になると思うのですがね。これは極端な例ですよ。しかし、こういうようなものの考え方とか姿勢のあり方が、ぼくはいまの国民の政治不信を食いとめる方法の一つじゃないかと思うのですが、いかがですか。

山中貞則自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山中貞則君) おっしゃることは、気持ちの上ではよくわかりますが、しかし現実には、自衛隊の戦車の訓練を一カ月三分の一分をカットして、それを帰省バスに回すといったって、それはことばの上だけのことであって、置きかえるべき性格のものでないと思うのです。私たちが節約する分というものは、当然に国民全体の消費量の中のプラス分に入っていくわけでありますから、私たち自身が自分たちの消費すべき量を自制していく、その姿勢でどこまでできるかということについてわれわれの姿勢が問われているのであって、それを、たとえば飛行機とか、あるいは戦車とかというものの燃料を、直ちに帰省バスに回すとかなんとかという置きかえの議論では、私はこの問題は決着はつかない問題だと、そう思うのです。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そこらが感覚のズレじゃないかと思うのですよね。もちろん同列に比較するようなことじゃないです。しかし、生活が危機に瀕しているという、国民がいらいらしているという、そういうときに、やはりやるべき手というのは、いつもは考えられないような、ふだんでは考えられないようなことをやってもいいのじゃないかと、そう思うのですよ。  もう一つ、ついでに石油の大もとの通産省に聞きますけれども、いま、いわゆる通産省のおえら方、幹部が自宅の送り迎え——実につまらないことですよ、こんなこと言いたくないんですよ、ほんとうはね。しかし、自宅に送迎されているこの対象になっている車が、もちろん、昼間はほかの公用にも使いますが、とにかく、朝送迎で出ていく、夜帰ってくる、この車は何台ぐらいあるのですか、通産省。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 通産省が持っておる車は、本省が四十七台、資源エネルギー庁が七台、特許庁十二台、中小企業庁五台、工業技術院六台、これだけでありまして、それで大体、十一月十六日の閣議決定以来、この運行車の二割を節減して、また、これは自動車もそうですし、エレベーターもそうですし、すべて二割動かさぬと、そういうことでやっております。その結果、本省の十一月下旬の消費実績は千九百六十リッターで、対前月同比の二〇%の削減となっております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 私も資料をいただきましたから、削減がそのとおり、量的に行なわれているのはわかっていますよ。しかし、その量の問題じゃない。あるいは二割削減の問題じゃないんですよ。みっともないんですよ。幾らえらい人かもしれませんが、通産省だけで四十台ぐらいの車が送迎に行っているわけですが、これは日本の官庁を入れたら、かなりの台数ですよ。ガソリン消費量はどうでもいいんですが、ぼくの思うには、あの黒塗りのでかい車から、十時ごろになって、一人ゆうゆうと乗っかってきておりるなんというのはみっともないと、総理、ぼくは思うんですよ。それは、大臣や一部の人はともかく、この際、なお送迎が何か多過ぎるんじゃないか。国民感情から見て——ひがみかもしれないけれども、ちょっとこの辺で、数ヵ月ぐらいは自粛するような配慮があっていいんじゃないかと思うんです。なぜこの送迎があるか聞いたら、国会用だとか言うんですが、国会は電車だっていいし、まとめてバスで来たっていいし、ぼくは全然理由がわからない。だから、ぼくの提案は、総理——通産大臣にもお願いしたいんですが、公用車そのものの送り迎えは少なくもやめてしまう、大臣以下二、三人に限ると。ここまでやっているんだぞということぐらい示さないと……。いやですよ、一人がゆうゆうと乗っかって、いろんな役所の前でおりるんだ。たいていみんな来るのがおそいんだよ。おそくてもいいけれども、何かこれ、みんな国民がいらいらしているときに、ふんぞり返って、一人おりてくる。もったいないじゃないですか。こういう姿勢のたるみというか、もうそれになれている、この辺が、ぼくは一番国民感情をいら立たせるんで、これ即刻、総理決断で、とりあえず二割削減だといって、全体を削減するんじゃなくて、送迎はとにかく中止しようじゃないかと、こういうのを打ち出す気はないですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 通産省では、このエネルギー問題が起こりましてから、局長はもちろん、課長でも、ほとんど帰るのは十二時から一時ごろです。私、課長が一人、補佐が一人ぶっ倒れまして、病院に入院しているものですから、一体各局で、どのくらいおそくまでおるかと思って調べさせました。これは最後にかぎを持ってくるもので、守衛のところでわかるわけです。そうしますと、各局の官房、総務課系統は、ほとんど午前一時ごろです。別にマージャンしているんじゃないんですよ。ちゃんと一生懸命仕事をやって、それでも時間が足りない。局長は、おそらくその前後まではおるわけです。いまのような、こういうような戦争みたいな状態で仕事をしているについては、局長、課長が自分で判断を下さなければ動けない状態になっているからです。朝は、また国会が十時からありますから、そのだいぶ前に来て、いろいろ準備をしたり、下からの話を聞いたりしているわけです。ですから、通産省だけではないと思いますけれども、いまの状態では、おそらく課長さんや局長さんは五時間か六時間ぐらいしか毎日寝ていない状態です。この法案をつくるときは三日ぐらい徹夜しております。そういう状態で一生懸命やっておるのでありまして、ふんぞり返ってすわっているわけではありません。これは、内閣全体の局長や課長、要するに自動車を使っている人たちが必死になってやっているのでありまして、私は、そういうときこそ、自動車を使って、そして一生懸命国のために働くほうがお国のためになると、そう思うのであります。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そういう答えがずれているんですよね。だって、忙しいのはあたりまえでしょう。そんなこと、ここで言うこと自体おかしいと思いますよ、この危機にみんなが忙しくてたいへんだというのは。そのかわり、ふだんいい思いをしているかもしれないでしょう。国民から言わせりゃ、そういうふうになっちゃうんですよ。いま忙しいからって、あたりまえのことをえらそうに言うなと、ふだん君たちはと、こう言われりゃそれまでで、ぼくらは、その辺が、国民と官庁、あるいは政治のズレだというふうに考えているんです。時間もなくなりましたが、もうがっかりですよ。せめて、総理ね、じゃ公用車での送り迎えだけはやめてみようとか、あるいは、じゃ戦車の燃料をそのまま回すわけにいかないけれども、そういう考え方でひとつ検討してみるかとか、その程度の決断はぱっと出るんじゃないかと期待していたわけですよ。実にがっかりで、これじゃ、国民が協力したり理解しようなど、する気には全くなれないと、私はそう思います。まあ国民から言わせればというより、私個人の考えですけれども、ちょっと頭を冷やして、ちまたに声を聞きに出かけていったらいいんじゃないかと思いますね。それだけ最後に提案しておきます。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 野末君、時間が参りました。よろしゅうございますか。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 いまの答え。提案だから……。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(田中角榮君) いま非常に重大なときでございますから、国民の協力を得なけりゃならないと同時に、政府や公の立場にある者は、率先して、国民の理解が得られるように、節約、合理化等に努力をしなけりゃならぬと、そう考えております。

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 以上をもちまして、野末君の質疑は終了いたしました。  質疑通告者の発言は全部終了いたしました。これにて補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) これより補正予算三案の討論に入ります。  順次発言を許します。発言者は賛否を明らかにしてお述べを願います。横川君。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和四十八年度補正予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。  まず、反対の第一点は、田中内閣の内政、特に経済政策についてであります。本年の予算当初の政治目標は、福祉社会の建設を目ざすことにありました。しかし、今日の物価高を抑制することができない、こういう結果を、この補正予算の段階で論ずることになりましたことは、私どもとして、きわめて遺憾とするところであります。しかも、田中内閣発足以来、一年半、物価の安定を口にするものの、実際の経済運営は、国内需要を必要以上に喚起するなど、その失政の責任は、まことに大きなものがあります。  反対の第二点は、年度内減税の無視についてであります。  政府は、物価高騰に対する国民生活の困難を少しでも緩和するために、今回の補正予算提出において、年度内減税を行なうべきでありました。田中内閣は、今年当初の税収見込み段階で、好調な税収の伸びを低く見積もったため、巨額の自然増収を計上するに至ったのであります。このことは、税金の取り過ぎということであり、国民のささやかな願い、ささやかな救いである減税を行なうべき条件は備わっていたと思うのであります。政府は、このような願いをも無視し、税金の取り過ぎを続けようとしておるのでありますから、これは私どもとしては、きわめて遺憾に思うわけであります。  反対の第三点は、インフレ対策についての配慮が真剣に講ぜられていない点であります。わずかに、社会福祉面に対する配慮並びに公共事業に関する建築単価の改善措置が見受けられますが、これとても、全く部分的であり、福祉国家をつくり上げようとする意欲はどこにも見られないのであります。特に、社会福祉面については、今回の補正で、生活保護基準及び失対労働者賃金が五%引き上げられておりますが、生活保護基準五%引き上げによる増加分は、四人世帯で月二千余円、四人家族で一日八十円にも満たない額しかふえていないのであります。今日のきびしい物価上昇のもとにおいて、一体何を買って、どのように生計を立てよと考えられておられるのでありましょうか。このような、生活水準切り下げとしか言いようのないのが、田中内閣の福祉政策なのであります。八十万世帯といわれる、これら社会的弱者に対し、手厚い政策をとることをしないで、何が福祉型社会への転換と言えるのでありましょうか。これが、憲法で保障する、文化的で最低限度の生活を営む権利を有する国民へのやることと言えるでありましょうか。  わが党は、こうした社会福祉面に対する政策不在に対し、強い不満の意を表明するものであります。  また、公共事業における建築単価の改善についても、今回の補正では、単価が改善される費目が、公立文教施設、社会福祉施設並びに沖繩海洋博関連など、一部に限定されておりますが、これ以外の生活関連施設である公営住宅、下水道などの建築単価の改善が行なわれておりません。公共文教施設の単価改善をとってみますと、鉄筋コンクリート校舎は、平方メートル当たり、国庫補助を入れて十万四千円程度になりますが、はたして、これで学校が建てられると考えておられるのでありましょうか。すでに建築資材の異常な高騰は、建築中途における工事中断を至るところで発生させておるのでありますが、学校施設は、工事中途で中断するわけにはいきませんから、地方公共団体は、数次の追加補正措置をとりながら、これが完成につとめている実情にあるのであります。こうした実情を放置している政府には、超過負担を解消しようという考えは、全くないといってもよいのではないでしょうか。なぜなら、政府は、四十七年度に超過負担の実情を調査し、その実態を十分認識しているにもかかわらず、地方公共団体の要求にはほど遠い改善しかなされていないからであります。政府は、常に地方自治の尊重を口にしているにもかかわらず、実行はきわめて冷淡であり、無責任だと言わざるを得ません。社会福祉面の改善といい、建築単価の改善といい、田中内閣の予算編成態度に、強い反省を求めたいと存じます。  最後に、現下の経済危機を招いた原因は、すべて田中内閣の政治の失敗によるものであることを、ここに銘記し、この解決に、一そうの努力を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 片山君。

片山正英自由民主党

○片山正英君 私は、自由民主党を代表しまして、ただいま議題となりました昭和四十八年度補正予算三案につきまして、賛成の討論を行ないます。  今日、わが国は、これまで経験したことのない経済上の難局に遭遇しております。物価は、これまでにない勢いで上昇しております。このような経済動向に対処するため、政府は、金融の引き締め、公共事業の繰り延べ等、総需要の抑制をはかってまいりましたが、今回、石油供給の削減を受けて、わが国経済は、さらに困難な状況に立たされるに至りました。しかし、今日、物価の安定と生活必需物資の確保をはかることは、すべてに優先して取り上げるべき政策課題であり、その解決を急がなければなりません。  このような経済事情を背景として編成された今回の補正予算は、公務員の給与改善、生産者米価の引き上げに伴う食管会計への繰り入れの追加、生活保護基準等の引き上げ、所得税等の増収に伴う地方交付税交付金の追加等を内容といたしております。この補正のうち、生産者米価引き上げに伴う食管会計繰り入れの追加二千九百九十九億円は、長年据え置かれた生産者米価を物価、賃金の動向に合わせ一六・一%の引き上げを行ない、米作農民の農業所得の増大をはかったものであり、また、生活保護基準等の引き上げに伴う経費の増加は、年度当初一四%の引き上げが行なわれたのでありますが、最近の消費者物価が被保護世帯の生活に与える影響を考慮され、年度途中、さらに五%の引き上げを行なうもので、いずれも社会情勢に対処した適切な措置であります。  なお、租税及び印紙収入の増加のうち、財源に充当した残額五千三百億円のすべてを、公債発行の減額に充てたのは、きわめて適切な措置であると考えます。  以上、今回の補正予算は、当然必要となるべき経費を計上するとともに、当面の経済情勢に即応する、適切な措置を盛り込んだ予算であると考え、賛意を表するものであります。  最後に、今日、政府にとって最も大切なことは、物価抑制、インフレムード克服への真摯、き然たる政治姿勢こそが、国民の期待にこたえるものであり、また、このことが、政治への信頼を高めるものであると、いう謙虚な反省に立って、国民の理解の中で、この苦難を打開すべきものでありましょう。  以上申し述べ、昭和四十八年度補正予算三案に対する賛成討論を終わります。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 矢追君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、昭和四十八年度補正予算三案に対し、反対討論を行なうものであります。  反対理由の第一は、このたびの補正予算案は、その規模と内容において、従来のものとは質的に異なり、全体的に見て、過去のインフレ財政のあと始末を主眼とする、全くうしろ向きの性格を持つものであるという点であります。すなわち、財政法の規定による災害発生とか、その他予期せざる事態に対処するための緊急にしてやむを得ない事項にしぼった追加補正というよりも、政府が、初めから現状認識と見通しを誤って、積極的財政を強行したため、インフレ激化という結果を招き、そのしりぬぐいをせざるを得ないという、自縄自縛の姿を物語るものであります。この補正予算案は、いわば、政治姿勢と政策の失敗がもたらした落とし子であり、補正の必要は、すでに当初予算から予期されてきたものであって、いまさら、緊急性を持った追加支出というのは詭弁であり、政府の無責任さを一時的にごまかすための措置と言わなければなりません。  反対理由の第二は、補正予算を編成するにあたって、その基本姿勢が全く間違っているということであります。今日、予算を補正する必要の最大眼目は、経済高度成長路線の誤りを、いささかなりとも是正して、国民福祉優先の方向に導くと同時に、インフレによる所得分配の不公正を正すこと以外にないのでありますが、政府には、その姿勢が全く見られないことであります。補正規模は九千八百八十五億円という、わが国財政史上、空前の超大型となっておりますが、追加支出額の配分割合を見ますと、地方交付税交付金と食管会計への繰り入れ、国鉄助成金などに全体の七〇%強が振り当てられており、これに給与改善費の一八%を加えれば、残りはわずか一〇%そこそこであります。このわずかな追加配分額をもって、公立文教施設や社会福祉施設における建築単価の改定、生活保護基準の引き上げ、その他に向けられているのでありますから、最近における物価高騰の現状に照らし、いかに実質的改善にほど遠いものであるか、生活扶助基準の引き上げがたった五%であることからも、多言を要しないところであります。  反対理由の第三は、補正予算を大規模に膨張させたことによって、財政の持つ景気調整作用を阻害する結果を招くという点であります。このたびの追加補正により、四十八年度予算の規模は十五兆二千七百二十六億円に膨張し、四十七年度補正後に比べ、実に二六%という、三十年代に入って以来、最大の伸び率となったのであります。明年度予算をいかに控え目に編成するとしても、すでに上積みされて超大型となってしまった本年度予算のインフレ促進効果は、タイムラグをもって今後の経済運営に重くのしかかってくることは当然であります。わが国外交の見通しの甘さによって引き起こされた石油危機で、物不足が一そう激化する状況下にあって、財政面からの支出増加が、やがてインフレをさらにあおる結果になり、現在でも、物価高騰と物不足にあえぐ国民生活を、よりきびしい状況に追い込むことは、火を見るより明らかであります。  反対理由の第四は、税収見込みに対する疑問と財源配分についての不当な措置についてであります。補正予算の歳入は、税の自然増収、その他合わせて一兆五千億円を見込んでおりますが、これは例年のことながら、過小な見積もりを意識的に行なっている疑いがあります。また、国債依存度を下げるという口実のもとに、財源の三分の一を公債減額に振り向けていることは、インフレと重税で生活を極度に圧迫されている国民にとって、とうてい納得できないところであります。税の取り過ぎによる自然増収は、国民に還元することが、政府の当然の責務であります。年内あるいは年度内に減税を実施することは技術的に不可能なことではなく、これこそ補正予算の目玉とすべきであるにもかかわらず、あえてこれを無視する態度は、断じて承服することができないのであります。  以上、おもな問題点を指摘したことだけでも明らかなとおり、昭和四十八年度補正予算案は、政府の誤れるインフレ政策強行による結果のあと始末によって、さらにインフレを促進するものであり、今日のパニックともいうべき状況下において、生活防衛に日夜悩む国民の意思を踏みにじる無責任、無反省な内容を持つものであり、反対の意を表し、私の反対討論を終わります。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 木島君。

木島則夫民社党

○木島則夫君 私は、民社党を代表いたしまして、四十八年度補正予算三案に、私がこれから述べることが盛られておりません以上、どうしても反対せざるを得ませんので、民社党を代表して反対をいたします。  簡潔にその理由を申し上げます。  第一、当初予算編成の方針に沿ったものであり、特に公共事業費の大幅な圧縮が中心課題であるなら、政府みずからが総需要抑制に対する明確な姿勢をもっとはっきりと打ち出すべきであったと思います。少なくとも、この際は、補正予算の規模は三五%削減し、内容において福祉対策費の大幅な増加、地方公共団体の超過負担の解消、年内所得減税を断行すること、また歳入においては、かつて見ない利益を計上している資本金十億円以上の大企業に対しては臨時法人利得税を課するなど、国民生活、国民経済の現状に照らして補正予算案を編成すべきであったと思います。  第二の理由です。異常な物価高、悪性インフレの中で一方的に犠牲をしいられている生活保護世帯、老人、心身障害者、中小企業者などに対する救済対策がきわめて貧弱であるということであります。社会的に弱い立場に立たされているこれらの人々をインフレから救済することこそ政府が果たすべき重大使命であることを考えますと、生活保護基準の二〇%の引き上げ、これに準じた失対事業、老人、児童などの保護費の充実、また老齢福祉年金と老齢特別給付金を月額一万円に引き上げ、障害年金、母子年金などもこれに準じて引き上げるべきであると思います。  反対の第三点です。公共事業費の中で高速道路、鉄道、新幹線、港湾、空港整備など、大型な財政支出を削減すべきであるにもかかわらず、政府案では、それをわずか八百七十一億円にとどめている点です。この政府案の背景にあるものは、破綻した高度成長政策を財政主導に切りかえ、その継続を主眼としていると言わなければなりません。言うまでもなく資源を持たないわが国、この狭い国土で膨大な資源を使い高度成長を続けることはもともと無理であります。すでに公害、自然環境の破壊など、国民の生活と生命は随所で脅かされておりますが、今回の石油危機にしても、世界的にも、これは重要な基礎資源の配分が不均衡であることへの是正を求めている国民の声と受けとめるべきでありましょう。このことからしても、わが国の経済構造は資源を節約し、福祉を向上する方向に転換することこそ急務と言わなければならないと思います。  事態はたいへんに急迫をしております。こうした差し迫った事態に敏感に対応できるのが私は政治の本領であるということから望むならば、この補正予算案はまことに不十分であります。反対しないわけにはまいりません。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 渡辺君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十八年度補正予算三案に対して反対いたします。  反対の第一の理由は、この補正予算には、現在ますます深刻になっている悪性インフレを根絶する政治姿勢も施策も認められないからであります。いま何よりも必要なことは、昭和四十八年度の当初予算の中の高速自動車道路など、大企業本位の公共事業費、四次防計画に基づく防衛費など、不急不要で、かつインフレ刺激的な経費を大幅に修正減額し、それによって赤字公債をなくし、財政面でのインフレ要因を完全に除去することであります。ところが、政府は何一つこれを行なわず、逆に食糧管理特別会計では麦、飼料の値上げすら行なっており、政府にインフレ抑制、物価抑制の意思が何一つないことを明らかにしたと言わなければなりません。  第二の理由は、インフレの最大の犠牲者である低所得者に対して生活保護費、失対賃金の五%引き上げなどわずかの手だてをとったにすぎず、一四%をこえる物価の急騰が進行しているもとではむしろ生活水準を一そう悪化させるものであります。政府が福祉への転換を口にするなら、低所得層への経費を大幅にふやすべきであり、また国民に対して大幅な年内減税を断行すべきであります。その財源として、インフレと投機で膨大な利益をあげている大企業に法人税の臨時課税を行なうべきであると主張するものであります。  第三の理由は、危機におちいっている地方財政を一そう窮地に追い込む施策をとっているからであります。現在、地方財政は建設資材の高騰と不足で福祉施設、学校、住宅などの工事は停滞あるいは繰り延べを余儀なくされ、深刻な事態に立ち至っています。この事態を政府は援助するどころか、四十九年度以降の返済金を繰り上げ償還させていることでも明らかなように、総需要抑制という名目のもとに住民の福祉の要求を抑圧し、地方公共団体を国の施策の隷属機関にし、事実上、地方自治を踏みにじろうとしているのであり、断じて許すわけにはいきません。  第四の理由は、一方では国民に犠牲を転嫁しながら、他方ではアメリカの要求に応じた電算機の自由化対策として、一握りの大企業のために電子計算機産業振興対策費五十八億円を新規に計上し、また日米協力を強化するため、日本研究促進特別支出金三十九億円を計上するなど、依然として対米追随、大企業本位の施策を推し進めているからであります。  第五に、この補正予算には、内外の経済情勢の危機に対応し経済の自主的な発展と国民生活本位の施策は何一つ入っていないのであります。石油危機に直面している現在こそ、従来の従属的エネルギー政策を再検討し、国内炭の増産のための緊急措置と国内炭の自給率を引き上げる措置をこの補正予算で第一歩としてとるべきであります。また輸入農産物の価格が高騰している現在こそ、国内農産物の増産と自給率引き上げのための措置がいま講ぜられなければなりません。ところがこの補正予算には、このような前向きの措置は何一つとられておりません。  以上述べたように、この補正予算は、悪性インフレ、石油危機に直面して、これを解決する意図も施策も認められず、依然として大企業本位の高度成長政策を続け、インフレの犠牲を国民と地方自治体に転嫁させる内容のものであり、反対するものであります。(拍手)

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) これにて討論通告者の発言は全部終了いたしました。補正予算案三案の討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。  昭和四十八年度一般会計補正予算、昭和四十八年度特別会計補正予算、昭和四十八年度政府関係機関補正予算、以上三案を問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕  〇委員長(鹿島俊雄君) 多数と認めます。よって、三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 派遣委員の報告に関する件についておはかりいたします。  前国会閉会中、本委員会が行ないました予算の執行状況に関する調査のための委員派遣について、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿島俊雄自由民主党

○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後三時四十分散会      —————・—————

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