農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/02/21
会議録
○委員長(初村滝一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十日、吉田忠三郎君及び沢田実君が委員を辞任され、その補欠として、中村波男君及び宮崎正義君が選任されました。
○委員長(初村滝一郎君) 昭和四十九年度農林省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○塚田大願君 いま、わが国の農政というものがたいへんきびしい批判に直面していることは大臣も御存じだと思うわけです。いままでもずいぶんいろんなことが言われてまいりました。たとえば無策農政であるとか、あるいは場当たり農政であるとか、もっとひどいところでは、ネコの目農政だなんて、こういう批判があったわけでありますけれども、最近になりまして、いわゆる総合農政の軌道修正というふうなことが言われ始めた。これは当然のことだと思うわけでありますけれども、この総合農政の推進を打ち出されましたのが倉石農林大臣であったわけでございますから——これは昭和四十五年でございましたが、倉石さんがこの総合農政を打ち出され、特にこの減反政策を中心にしてこの農政を推進されましたので、それからちょうど五年ばかりたちましたから、ここでこの辺で、この総合農政に対する評価あるいは総括、これをいたしまするには、適当な時期にきているのではないかと思うわけであります。この当時、米が過剰だというので、日本の有史以来初めての、米をつくるなという政策が出されたわけでありますけれども、この米をつくるなという政策に対しまして、米づくりに励んできた日本の農民にとっては、もう当時の減反政策というものは、どれほどのショックであったか、これはもう大方のよく知っているところだと思うわけであります。 そこで私ここで一つの例を申し上げたいと思うわけでありますけれども、これは秋田県の十文字町仁井田地区のことでございますが、この部落のまん中に、一基のいしぶみが——石碑ですね、いしぶみがあるわけですが、これはこの部落の約千年間の歴史を刻んだ非常に貴重ないしぶみであります。 たとえばその中には、「一八三六年」天保七年でありますが、「凶作対策トシテ備米制ガシカレ、郷倉設置ス」というふうなことが書いてあるわけですね。あるいは「一九四八年」昭和二十三年でありますが、「農地解放ニヨリ小作地五十町歩解放サル」こういうことも書いてあります。 ところがこのあとに、「一九七〇年」つまり昭和四十五年であります。総合農政が打ち出されました、この減反政策が打ち出された年でありますが、「米の生産調整ガ行ナワレ、翌年、減反十三ヘクタール」、こういうふうに、のみのあとも真新しく刻まれておるというそういう石碑であります。私はこれを当時ここをたずねましてこのいしぶみも見たのでありますけれども、ここには明らかに農民の恨みと申しますか、そういうものが刻まれているという感じを受けました。つまりそれほどここの部落の農民にとっては、減反政策というものが非常に大きな歴史的な問題であったわけであります。 そこで私は、大臣にお伺いしたいのでありますけれども、日本の農政の一つの転機ともいうべき、この減反政策を、大臣は、当時打ち出されたその責任者でございますけれども、この減反政策を今日の時点においてどのように位置づけられておるのかどうか、御所見を伺いたいと思うわけであります。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話しのように四十六年度以降の米の生産調整の状況を見ますというと、米につきましては大体単年度の需給の均衡がはかられるようになりました一方、転作につきましては、その面積、生産調整の面積に占めます割合は、転作率ともに年々向上してまいってきております。四十八年度の転作は二十八万八千ヘクタールでございまして、前年度に比べて面積では一万三千ヘクタール、転作率では三%の増加となっておりますが、四十七年度の転作の伸びに対して新規増加面積が若干鈍化の傾向を示しております。しかしながら、転作の内容を見ますというと、今後とも農業との結びつきが強いと考えられます地域、それから農家におきまして転作が進んでまいっておること、また、飼養経営部門や既成産地の拡大等、従来の核を中心に転作が進んでおりまして、集団転作、永年性作物への転作が増加するなど、定着性が次第に高まっておりまして、転作を契機に農業の再編成が進んでいることがうかがわれる次第であります。 なお、この休耕奨励補助金打ち切り後における水田の利用動向につきましては、アンケート調査の結果によりますれば、休耕田のうち稲作に復帰する者が五割強となっております一方、転作を希望する農家もございます。本年の稲作転換対策につきましては、最近の国際穀物需給等の経済事情を考慮いたしまして、米の需給に十分な余裕を持たせながら稲作転換の目標を定めまして、麦、大豆、飼料作物の生産の増加と転作の定着化を軸にいたしまして、各般の施策を講じてまいるつもりでございますが、御存じのように、わが国におきましては、米の生産は需給に比べまして潜在的ななお生産力を持っておりましたので、ちょうど国民の食生活が逐次他の方面に向かって、たとえば肉、くだもの等に回っておりますので、そういうものに転作をいたして需給の調整をはかることと、同時にまた、不足しております飼料作物等の増産に力を入れてまいると、こういう方向でやってまいっておるわけであります。
○塚田大願君 いまのお話によりますと、いわゆるこの米の減反政策というのが、単にこの米の減産ということでなくて、適地適産の立場からの転作を中心に農業生産の再編成をはかっていこうということだと、そしてまた、転作も定着をしてきておると、こういうふうな非常に楽観的な御意見のようでありますけれども、私は、やはり必ずしもそうではないのではないかと思うわけであります。もし単なる米減らしでないということになれば、いまも出ましたように、この減反政策の成否というのは、転作の定着性がどうかということにかかってくるのではないかと思うわけであります。 いままあ大臣は定着が進んでおるとおっしゃっておるんですけれども、それではひとつ御質問申し上げますが、選択的拡大の一つとしての畜産の状況を見ますと、まずその基盤であります飼料作物、これがどういうふうになっているのか。農林省は当時五十年度までに二十万ヘクタール転用するという計画であったはずであります。四十六年の実施方針によりますと、五十年度までに二十万ヘクタール。じゃ実績は現在どのようになっているか、それをちょっとまずお聞きしたいと思います。
○説明員(下浦静平君) お答え申し上げます。 水田への飼料作物の導入でございますが、四十六年度におきましては五万七千ヘクタール、四十七年度におきましては六万七千ヘクタールというような実績をあげております。四十八年度におきましてもまた増加をいたしまして、七万ヘクタールということに作付がなるというぐあいに見込まれております。若干伸びが鈍化をしてまいってきてはおりますけれども、全転作面積の二五%ということになっておりまして、四十七年度に引き続きまして転作作目の中では最も多いということでございます。
○塚田大願君 まあ少しずつふえていると、こういうことで、四十八年度が七万ヘクタール、こういうことなんですが、しかし、この五十年までに二十万ヘクタールという点から見ますと、この目標から見ますと、三年たってたった七万ヘクタールでありますから、これはとてもその二十万ヘクタール達成は無理だ、これは常識でわかることだと思うんです。しかも、昨年は目標としては十二万ヘクタール掲げられたわけですね——のに、ことしは計画の段階ですでに七万七千ヘクタールというんですから、これはもう四万三千ヘクタール減っているということになります。ところが、ことしは昨年からのえさの暴騰、不足問題は深刻になりまして、特別の奨励金までつけて増産すると、こういうふうに予算では計画されておるようでありますが、しからばこの飼料作物の奨励金といっても、一体予算上どのぐらい見積もって、何ヘクタール分を計上されたのか、この点をお聞きしたいと思います。
○説明員(下浦静平君) 飼料作物の導入につきましての奨励金でございますが、これは面積では四十九年度二万三千ヘクタールを見込んでおります。金額で申し上げますと、これは全部推進のための指導費等も含めまして十七億強でございます。なお、この奨励金につきましては、麦及び大豆と異なりまして、地域的には酪農近代化計画のできております市町村、あるいは肉用牛生産振興地域というようなところにおきまして、作付増加面積に対しまして交付をいたすという考え方に立っております。 十アールに当たりの奨励金でございますが、これは永年牧草の場合に七千五百円、それから夏作だけの場合には六千五百円、冬作だけの場合には五千五百円、こういう内容でございます。
○塚田大願君 そうしますと、この面積で、飼料作物奨励金のつく面積が二万三千ヘクタール、金額にして十五億六千万円ぐらいになる。まあ非常にわずかなものなんですね。目標、つまり二十万ヘクタールの飼料作物増産計画というこの四十六年の計画から見ますと、非常に微々たるもので、その一割強ということでありますから、結局私はこの飼料作物増産計画というものが破綻したというふうに見るべきだと思うわけであります。しかも、この転作の飼料作物の実績では北海道が約半分ぐらい占めておるということになっておりますが、北海道の場合は飼料作物といっても牧草が八割以上、こういうことでありますから、——そもそも牧草というのは道内で自給飼料でありまして、流通飼料ではありません。酪農家が自給飼料としてこの牧草をつくっておる。こういうことでありますから、いわゆる流通飼料としての出回る基盤というものはほとんどないわけです。さらに北海道の方々に聞いてみますと、本気に米のかわりに牧草づくりをやろうというのは少ない。一体政府は、今日の転作飼料の何割が実際に販売されておるのか。また、奨励金がなくなる五十年でありますか、五十年以降一体こういう転作が定着すると思っているのかどうか。この辺の見通しについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど来お話の件につきまして、私どもたとえば先ほど冒頭に秋田のお話ございましたが、農林省はかつて農産物の地域指標、これは私ども役所だけでつくったわけではございませんで、地方のそれぞれの作物を現につくっていらっしゃる方々の御意向、農業団体等いろいろ資料を集めましてああいうものをつくりましたが、あれをもってみましても、東北地方のような単作地帯はやはり地域指標の中でも、そういう意味で水田に特に重点を置かれるというふうなことを尊重すべきではないかと思っておるわけでありますが、それにもかかわらず、全体として生産調整には初年度からたいへんな御協力を願って、先ほど申し上げましたような結果になっておるわけであります。そこで、わが国がやっぱり米の需要というのは御存じのように横ばいまたは若干の低減傾向でございますのに、それに反比例いたしまして肉、くだもの等がふえてきておるわけですから、したがって、そういう国際的にも大家畜が減少しておる傾向でありますので、わが国はできるだけ国内においてもこういう畜産を増強していかなきゃならぬ。そういう客観的情勢の中に立って飼料作物にも力を入れてまいりたいと、こういうわけでございますので、予定どおりにはなかなか進みません。それはやはり農作物の中で歴史的に見まして米作というものが一番安定をしておりますし、価格的にも安定をいたしておりますので、ことにまた、一ころの状況にかんがみまして、われわれは米に重点を置いて施策を進めてまいりましたことは御承知のとおりでありますから、そういうことの結果なかなか転作を奨励いたしましても思うようにいっておりませんことは御指摘のとおりでありますが、しかし、いまの輸入飼料作物等の価格傾向から見ましても、われわれは一生懸命でこれを国内の生産に助成をいたしまして、なおその増強をはかってまいりたいと、こういうことで力を入れておるわけでございます。
○塚田大願君 大臣のおっしゃることもわからないわけではないわけです。確かに今日の食糧事情からいいまして、大豆とか、麦とか、飼料とか、これは大いに奨励されなければならない。少なくとも農林省はそういう数字を、計画を持っておられる、つくられておる。しかし問題は、その計画は全く実行されておらない。いま言ったように、この飼料作物にしても、目標の約三分の一、その程度にとどまっておる。だとすれば、私は、転作目標についてまず今日の時点では再検討する必要があると思うんですが、その点大臣はどういうようにお考えでございますか。 〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
○国務大臣(倉石忠雄君) 目的に近づけるべく最大の努力をいたしておるわけでありまして、なおこれからも未利用地、あるいは新しくつくってまいる計画の農地に対して飼料作物に力を入れてまいるつもりでございます。
○塚田大願君 問題は飼料作物だけではないんです。たとえば大豆類、これもやはり同様であります。これも四十六年の計画では十八万ヘクタールという目標が立てられておる。御承知のとおり、大豆はその大豆類の中に含まれておりますけれども、いわば戦略作物ということになっておる。ところが、この大豆類がとにかく今日の実績では十八万ヘクタールに対しまして二六%ぐらい、つまり五万四千ヘクタールぐらいでありますか、その程度、これも農林省の統計やその他に出ておることで、これは今日の常識になっております。たった四分の一——飼料は三分の一、大豆類は四分の一、こういうことでございますから、やはりこの辺であの転作目標というものをやはり見直す必要があるのだと思うんです。そのことを私は大臣に申し上げたいわけでありますが、さらにもう少し申し上げておきますと、実際に転作がここまで進んだとおっしゃるのだけれども、その定着がどのくらいかというところにも一つやはり問題が残っておると思うわけであります。 最近農林省がおつくりになりました農家意識調査の結果を見ましても、現在、転作中の面積のうち約二割が転作から水稲にまた復帰するという数字が出ておるわけですね。二割という、二〇%強という大きなものがもう一回水稲に返ってくる、こういうことになっておるわけでありますが、この状態を見ましても私は、非常に深刻だと思うわけであります。もちろんこの調査された農家の皆さんは、四十九年度から休耕奨励金が打ち切られる、そのかわり転作奨励金が三万五千円から四万円つくということを十分に知っておられた上で、なおかつ水稲に返ってくる、こういうことを言っておられますね。これは農林省の統計であります。ですから、私は、非常に深刻だと思うわけであります。これではたして転作が定着し、そうしてさらに発展していくのかということなんです。この点では時間がありませんから、一々資料をあげませんけれども、全中ですね、全中が、昨年十二月に公表されました資料でも、やはりそのことが載っております。全中の発表されました休耕田管理状況調査結果という資料であります。これを見ますと、もうちょっとひどいですね。永年転作を除いてはおるのですけれども、定着しているというものが四五・二%です、半分切れているのです。さらに北海道ではもっとひどいですね、定着してないというのが七五・七%まである。まあたいへん、三分の二が定着してないと、こう言ってるわけであります。ですから、非常に問題が、やはりここで非常に大きな分岐点があるのじゃないかというふうに私は考えるわけです。この点さらに、大臣がどういうふうにこの問題を解決しようとなすっておるか、どのような方策をお持ちなのか。転作を推進する、けっこうです。しかし、現実はまさに大臣の言われたことは逆の形が出ておる。これをどういうふうに解決していくか、これがやはりいま農林省に求められている重大な問題だと思うので、この点ひとつ大臣の御所見をもう一回お聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げましたように、わが国の歴史的な経過から、やはり農作物について稲が、米が最も有利な作物で、また保護されてまいりました。これは主食でありますからそういうことになったわけでありますが、しかし、需要量から見ましてなお潜在的生産力を十分持っておりますので、やはり私どもは四十九年度予算においても稲作転換対策を実施いたしたわけでありますが、しかし、ただいま国際的に食糧の問題がいろいろ論議されております状況から判断をいたしまして、今年は従来と違いまして調整量を大幅に減らしまして、百三十万トンに減らしましたことは御存じのとおりでございます。 〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕 しかも、いま申しました東北地方のような単作地帯、しかも米が最も適当いたしておるというふうな地域においては、ややそういう点について、新しくさらにこの転作奨励金がなくなったときに稲作に転換しようとする希望もございますことはいまお話しのとおりでございますが、やはり私どもといたしましては、国内で必要であるにもかかわらず、海外にその供給を仰がなければならないようなものはできるだけ国内で生産をいたしたい。そういうことで畜産を奨励し、それに対する飼料作物をできるだけ自給度を高めてまいりたいと、こういうことでありますが、やはり農家でお仕事をなさるにいたしましても、それぞれこのそろばんをおとりになるわけでありますので、そういう点から飼料作物についての基盤整備であるとか、あるいはまた、助成金等、できるだけのことを考慮いたしまして、まあ麦を含めて飼料作物の生産力を高めていくということについては引き続いて最大の努力をしてまいる、こういうふうな考えでございます。
○塚田大願君 どうも大臣の答弁がたいへん抽象的なのでよくわからないのです。しかも、いつも同じことを言っていらっしゃるので、何年間も言っておられるようなことをおっしゃるので、具体的にいまの非常にネックになっておるこの問題を、どういうふうにしたら打開できるかという方策がどうもはっきりわからないわけであります。 そこで、率直に、私、大臣にお伺いします。この全中などの資料を見ましても、結局、米から転作しても、——つまり農民の方々が言うのは、米から転作しても、結局米と同じだけの所得が得られないのだ、だから定着しないのだと、こういうことを言っておられるのですね。問題はやっぱり所得の問題なんです。大臣もおっしゃっておられたけれども、計算をする、これはまあ当然のことですね、農民といえども生きていかなければなりませんから。ですから、問題はやはり所得の問題にかかってくると思うのです。転作が成功するかしないかは、いつにかかって私はその問題ではないか。だとすると、私は大臣にお聞きしたいのは、ほんとうに大臣もそういう転作の定着ということを考えていらっしゃるならば、やはりその転作の補償をもっと積極的に前向きにやる、いまのようにまあちょこちょことやるんでなく。転作奨励金にしても、先ほど飼料の数字であげましたけれども、二十万ヘクタールの目標に対して二万三千ヘクタールでありますか、その程度の計画しかない。しかも、その計算でも、必ずしも農民が納得するようなものではないまあ奨励金ですね。ですから、私どもやっぱり米も大切でありますが、同時に、この主要なこういう農作物に対する価格補償を、ほんとうに政府がおやりになる腹があるならば、おやりになっていただきたい。そうすればこの転作も成功するのではないか、こういうふうに考えるわけであります。この点、価格補償の問題をどういうふうにお考えなのか、あらためてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 価格の補償と申しますといろいろむずかしいことが出てくるわけでありますが、やはり私どもといたしましては、農協などに聞いてみてもそうでありますけれども、生産基盤の整備をしてもらって、そして合理的に農業が営まれるようにして生産性を上げたいと、こういうことが大きな希望でございますので、先ほど政府委員から申し上げましたように、やはり草地につきましても助成を出しますし、それからまた、麦、大豆等にも助成金を出しておりますのはさような意味でございます。現に、まあ麦について二千円ということにつきましていろいろ計算をいたしてみますというと、そういうことで事業の助成をしてもらうということによってかなりよくわかりましたということで、現に御協力を願う傾向にありますことは御承知のとおりでありますが、なおこの上とも私どもは、麦その他飼料作物をおつくりになる方たちの、そういう意味においての気持ちの上で、これならばやっても楽しみだというふうに思っていただくように、さらにいろいろなことを考えて助成をしてまいりたいと思っておるわけであります。
○塚田大願君 その点では、私、大臣の御答弁を積極的にとらえて、善意に解釈して、ほんとうに大臣がそういうお気持ちならば、私はやっぱり思い切っておやりになる必要がある。特に大臣は、総合農政を打ち出された責任者でありますし、この際この世界的な食糧事情の中で日本の農業の再建のために尽力されるというならば、私はこの問題についてはやはり相当腹をきめてかかっていただく必要があると。予算などの面だって、私は決して日本の国民の食糧を自給するという観点に立てば、一兆円、二兆円の予算が私は出そうと思えば出せない金ではないと思うのです、今日では。そのくらいの意気込みがないと、ただちょぼちょぼっとやっておる程度では私はなかなか解決しないと思いますから、その点ではひとつ大臣の積極的な姿勢を希望しておきたいと思います。 それから時間もなくなりましたので、もう一つお聞きしたいのは、休耕田の問題であります。この減反政策のおかげで確実に進んだものと言えば、これは水田の転用による農地の壊廃だと、農地の壊廃だけが確実に進んだというのが今日の実態ではないかと思うのです。というのは、四十六年から壊廃面積は約六万ヘクタールになりました。拡張が一万ヘクタールありますから差し引き約五万ヘクタール以上の水田が減ってきた計算であります。これは、四十七年度までの統計しかいただいておりませんので、その四十八年、四十九年はあとでまた資料も出していただきたいと思うわけでありますけれども、このテンポで壊廃が進みますとどういうことになるか、これはやっぱりたいへんなことではないかと思うのです。 ところが、大臣がかつてきめられました昭和五十二年までに、水稲作付面積を二百二十七万三千ヘクタールにするという方針、いわゆるこの地域指標でありますけれども、二百二十七万三千ヘクタールにするということになりますと、これまた、もっとすごいことになりまして、ここまで持ってくるのには、少なくとも休耕田を含めまして五十七万ヘクタールの壊廃が必要だという数字に、私の計算ではなってきます。五十七万ヘクタールを壊廃しなければ二百二十七万三千ヘクタールということにはならないわけであります。これはまあたいへんな、いまの十倍近いものを壊廃していく、つまり農地をつぶしていくということになるわけでありまして、これではやはり大臣いま転作の問題いろいろおっしゃったけれども、ここにもやはり一つ矛盾が出てくる。で、私はこれも農林省の調査を見て実は驚いたわけですけれども、奨励金が切れても耕作しないというこの数字がこの意識調査で三割あるのですね。ことしから奨励金がなくなる、しかし奨励金はなくなっても、もう耕作はしないんだというこの数字が約三割ございます、耕作面積の中で。これを一体どうしてその問題、これを解決するか。もちろん耕作しないというのにはいろいろございましょう、内容が。しかし、ここまで米づくりの農家の意欲を落としてしまったということは、これはこれとして一つの大きな政治問題だと思うのですが、とにかく農民がなまけ者であるはずがないのでありまして。にもかかわらず、この三割までの耕作しないという数字が——この休耕面積の中の三割ですよ。三割までが今後も耕作しないといっているというのは私、非常に重大だと思うわけです。 そこで大臣にお伺いするのですが、こういうその田畑の休耕でなくて、心の休耕ともいうべきこの事態を解決するためには、私は、まずこの政府の姿勢を、ここでもう一つはっきりさしていただく必要がある。そうしないと、農民の信頼、この心の休耕の状態を回復できないのではないか、こういうふうに考えまするので、質問するわけでありますけれども。やはりこの農地の復元ですね、復元という問題もあわせまして、この休耕田に対する復元費を政府としては何らか助成するおつもりはないのかどうか。これだけの面積をですね、荒廃さしておるこの状態は、何もそういうもちろん、お金だけで問題がすべて解決するとは思いませんけれども、少なくともこの休耕田の復元費に対する助成措置というものは、何らか具体的に考えてもいいのではないかというふうに考えますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 休耕田の大部分はそのままで耕作可能かあるいはまた多少手を加えることによりまして、耕作可能な状態で管理されているものと私どもは見ております。そこで、休耕田の復元助成につきましては、いろいろ御意見がございますけれども、これまで多くの農家は休耕奨励補助金を活用いたしまして、大体良好な管理をいたしてきておることでもございますし、また、米の需給事情は先ほど申し上げましたように、なお潜在的には過剰ぎみであるという事情にありますので、政府は復元助成ということはただいま考えておりません。
○塚田大願君 休耕奨励金で田がうまく管理されてきたというふうにおっしゃいますけれども、これは政府が、政府自身が、たしか一昨年の八月ごろ休耕田の管理状態を調査しておるはずであります。その場合に出た数字が約二三%と私は記憶しているのでありますけれども、つまり管理がされてないと、荒廃しておると、こういう数字がすでに当時一昨年出ているはずで、そういう意味でやはり今日のこの意識調査の数字がそのとおりに反映しているのではないかと思うのです。ですから、これは大臣が何か勘違いをされているようでありまして、決してそんなにうまくいっていない。少なくとも二〇%から三〇%荒廃していると、もう使いものにならないということが一般の常識として今日言われている状態でございます。 そこで、実は最後にお伺いするのですけれども、櫻内前農林大臣が、やはりこの問題につきましては、かつてこういうことを言っておられましたですね、国が積極的に転作させる場合、青森県のような復元助成措置は考える必要があると。これは青森県は御承知のとおり、復元助成をやっております。最近は千葉県が何か始めたということを新聞で見ましたけれども、こういう地方公共団体、自治体がどんどんやっておられるときに、政府としては何も手を打とうとしない。ですから、櫻内前農林大臣がやはりこういうことをおっしゃったと思うんですけれども、私は当然これは農政の責任の地位にあられる農林大臣であったならば、そしてまた、今日の食糧事情のことをお考えになるならば、この休耕田の荒廃、休耕田の復元、これに対する何らかの手を打つべきではないか、こういうふうに考えるわけであります。 で、ちょうどもう時間もまいりました、お約束の時間でありますから私質問を、この最後にいたしますけれども、いまの私が申し上げましたこの注文——注文というよりもわれわれの主張でありますけれども、ぜひこれはひとつ考えていただく必要がある。同時に、結論的に申し上げるならば、やはり今日のこの状態の中で、ほんとうに最初に私が申し上げました主要農作物に対する価格補償の問題。それからこの農地の復元と同時に、農地の拡大、これがなければ、私はほんとうに日本の農業の発展というもの、日本の農業の百年の大計というものは立たないのではないか。田中総理がおっしゃるような列島改造に基づくこの三十万ヘクタールの転用なんというのは、これはもってのほかでありますけれども。むしろそうではなくて、農地をもっとふやしていくというこの積極政策を、私は、今日においてその政策を打ち出していただかないと、やはり日本の農業にとってはたいへんな不幸なことになるのではないかと、こういうふうに考えますので、この点を最後に大臣に御質問申し上げまして終わります。
○国務大臣(倉石忠雄君) 優良農地をだんだんふやしてまいる、それから、しかも麦その他の飼料作物等の増産のために新しく土地を必要とするというようなことにつきましては、私どもも最大の努力をいたしてまいるつもりでございます。 最後にお話のございました休耕田の復旧の補償というふうなことだけは、今日はそのことを考えておらない次第であります。
○堀本宜実君 今般の畜産経営の安定に対しまして若干のお伺いをいたしたいと思いますが、飼料費が高くて生産物が安いというのが現状ですね。これは経済というものの原則から考えると、こういう現象は普通の現象ではないと私は思います。これが飼料が高くなったから生産物も高いというのならいいけれども、飼料が高くなって、生産されたものは下りカーブを描いて安くなっている。私は少し農林省、政策の見通しが甘かったんじゃないか、甘いのではないかと思う。それから、まあ異常といえば異常だが、農林省も危機感というものをもう少し持たなければいかぬのじゃないかと思う。こうなったんだからしようがないじゃないかというような、それだから今度は生産者のほうが自暴自棄になっちゃって、最近どこかで大会が行なわれた足で陳情に見えましたが、その陳情者の意見等を聞いてみますと、まことに情けないというか、もうやめますという声がもうしきってある。ここで元も子も——畜産なんというものが急にできるものじゃないんですから、施設においても。そういうことになりますと、これたいへんなことなんですが、いろいろ計画は立てておられると思います。それをあなたからお聞きをしても、立てておりますということを聞くだけで、こういうふうなもの、それが実際実効ある計画ではないと思うんですよ。言いわけみたいな計画が立てられておると私は思う。これは、あなたのほうでこういう計画を立てた、したがっていまのような問題はなくなりますという保証がつきますか。もし、見通しがはっきりつくんなら、見通しは的確に御期待に沿うような安定をいたしますというのならばひとつ御答弁をいただきたいが、そうでない、やることはやらなければならぬからやるが、安定はしかしむずかしいということなら御答弁は要らぬのですが、どういうことでしょうか。
○説明員(下浦静平君) たいへんむずかしいお尋ねでございますけれども、私どもも決して危機感を持っていないというわけではございません。確かに昨年中三回、それから本年に入りましてまた一万一千円の値上げというような配合飼料の高騰の現実を直視をいたしまして、今後の畜産行政をやっていかなくちゃならぬと思っております。それで、ただ今回の値上がりにつきましては、非常に趣が違った面がございまして、どうも配合飼料そのものに対しまする価格対策というようなことはちょっととり得ないのではないかと考えておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘がございましたように、畜産物価格につきましてのいろいろな手だてを講じていかなくちゃならぬということを考えておりますが、これも生産の段階から、まさに価格それから流通、輸入というような各段階についての問題をあげまして、その価格に反映せしめるというようなところに集約をさせるということではないかと思っております。私ども十分今後努力をいたしまして、価格の安定維持ということにつきまして実現を期してまいるつもりでおります。
○堀本宜実君 これは、人為的には私はなかなかむずかしいと思うんですよ。農林省だけにああせい、こうせいと言って依存をしてみましても、なかなかむずかしいことで、本来は、行政指導ですからできないと思うんですが、もう少しやっぱり危機感を持って、しゃんとやってもらわないと、農民というか、農業の中でも畜産は、私は滅びると思います。たとえば、トン当たりですけれども、四十八年の一月に三千二百円値上げ、それから第二回が、二カ月おいて、四十八年の三月に値上げしているんですよね。このときには四千八百円値上げしている。それが六カ月、半年ほどして、四十八年の九月になって、今度は一万円の値上げになっている。そうして四十九年の二月に一万一千円、そうして現在は一万三千円以上値上がりしている、こういうことですよ。動物なんというものは、鶏も、豚も、牛も、乳牛はもとよりですけれども、これは、年がら年じゅう食べたいんだね。昼めしの次は夕食だから、それまで待ってみようなんという考えはないんですよ。あれらは何を考えているかというと、とにかくうまいものを腹一ぱいたくさん食べたいというのですよ。食べさせずにおいて、肉を要求したり、乳を要求したりすることは、これはとうてい私はできぬと思う。そういう立場に立っておる動物を養うのに、飼料の安定供給がないということがよくないと私は思う。 これは、きょう言おうと思ってたわけじゃないが、話のついでに言わざるを得ぬようになったから言うが、濃厚飼料だけで畜産をやるんだという考え方でなくて、濃厚飼料でなくて粗飼料に対して——私はオーストラリアにも、ニュージーランドにも行きましたが、あそこは濃厚飼料なんというものは一つも食べさせないんですね。全部放牧をしている。年がら年じゅう放牧をしている、夏も冬も。それで生活をしていて、それを間引いてきて外国へ出しているというのが現状ですよ。ところが、日本は濃厚飼料ばかり食べさしている。粗飼料をつくるという施策に、政策に欠けているのですよ。それは大国立・国営牧場というようなものも、最初はあれは一千ヘクタール以上ということであった。その次に一千ヘクタールなんという大きなものは得られないというので、今度は七百に減らした。七百もないということで五百に減らして、いま五百でしょう。五百ヘクタールでおおむね認定しようということになっておると思う。もう日本に五百ヘクタールの牧場を獲得する地域はありませんよ、いま、ね。そこらをもう少し考えてみたらいいと思う。少なくとも、私の考えでは二十頭ないし三十頭ぐらい一家の農家が飼える、専業でなくて三十頭単位ぐらいで飼えるような粗飼料をどのようにして獲得するか。これは遠方の国有林に行けとか、国有林を活用するとかいうことでは実用に供せられない。ほんとう言うと、里山の家の近所の山を利用しなければだめなんですよ。自動車で牛を見に行くなんというようなことはできないんだ、農家は。だから、自分らの家の近所の山を利用して牛を飼うというようなことを考えてみたらどうですか。そして粗飼料をそれでとって——濃厚飼料というものは全部外国からくるんだ。全部というのは少し言い過ぎですが、とにかく自分自身の供給というものはほとんどないんですね。残滓物だけがあるだけで、ほかのものはございません。そういうことから考えると、どうしても粗飼料で、その足りないところを濃厚飼料を持っていくということでなければならない。そういうような政策を立ててみてはどうですか。これはどうですか、どういうふうにお考えになりますか。
○説明員(下浦静平君) おっしゃいますとおり、大家畜につきましては濃厚飼料の依存というのがわが国では非常に高いということであろうと思います。それで、これに対しましては、やはり草をできるだけたくさん食べさせるということが必要であることも、これ御指摘のとおりでございます。これは家畜の生理上もそういうことが、濃厚飼料の依存が高まれば高まるほどよくないということでもございますので、できるだけ粗飼料の給与率を高めるということが必要になるということを考えております。 それで、草地造成その他、いろいろ従来からもやってまいりました。やってまいっておりますし、また、今後も従来に増してやっていかなくちゃならぬと思っておりますが、来年度から始めます畜産基地建設事業、この事業につきましては、一部先生御指摘のような考え方が取り入れられております。 なお、何といいますか、大家畜、これは全般的な問題でもございますので、私どもも十分御指摘の点検討さしていただきたいと思っております。
○堀本宜実君 もっと詳しく私の構想を申し上げてもいいんだけれども、貴重な時間でもあるし、まだほかにいろいろありますから、あまりこまかいことを申し上げてもいかぬが、あなた私らも研究してみますなんて言わないで、あなたら専門家だから、ひとつ率先して政策に移せにゃいかんな。ぎょうさんなこと、何ページもこれ印刷物出してなにするけれども、過去の統計や何かがどういうふうであったからどうだなんという、いままでだけの統計を集めても政策になりませんよ。やるという腹がまえがなければ、私はうまくないと思うんですね。 そこで、自暴自棄になって、いまの子とり牛でも、子とり牛——牛は年に一回しか子ども産まないだね、知っていますか。豚は二十頭から産むんだよ。だからそこらを考えて、実に貴重な資源ですよ。その子とり——子をとることがたいへん手間がかかって、そして親は、大きな子供が乳を吸うんですから、やせてしまうんだな。だから子をとることは引き合いにかからない。その子を買うて今度自分が肥育する人はどうにかペイするという姿でしょう。その子とり牛というものについて、何か、奨励金というか、出産——まあ、価格の安定をするようにということですか、子牛価格の安定をはかるために、と書いてある。子牛の価格安定基金協会へ金を出そうと、こういうわけでしょう。これね。少しぐらい基金協会に金積んでやったから牛の子が生まれるなんというのじゃない。あれだって、妊娠という一つの、まあ、いわゆるげさくなことになるから、言っちゃ悪いかしらぬが、ともあれ、人工受精ではらまなきゃ子は産まぬのですよ。だから、そういう手続をとって——これは手続ですよね。人間なら自分の意思でやるんでしょうけれども、動物はそういうわけにはまいりますまいから、そういう手続をとって子供を産まして、そして、乳を離してももうこれなら死なないという、育つであろうというときに乳を離すわけです。ですから、それが引き合いにかからないんだから、元の元牛というものは生産されないんですよ。少し基金協会に補助金を出しておりゃいいというものではないと私は思う。そういうものではない。これにもくふうが足りぬと思う。牛が産まれてこないのに、あなた、肉牛やろうと言ったってどうにもならぬでしょう。そして、犢牛を外国から入れるのは無税で入れようということでやってみたけれども、買い手がないでしょう。少しあったけれどもたいしたことはない。伸びない。私は、こういうところにももう一つくふうをしてもらいたい、こう思います。それについてはもう時間がよけいないから伺いません。 次に、審議会を開いて、乳に対しては保証価格、あるいは豚の肉に対しては安定価格というものがあるが、牛肉にはそういう制度がないでしょう。あるいは卵に対しては液卵にするというようなことで確保する、あるいは保存をするということになっておるわけであります。で、このときにあたって、いまの価格というものは長期的な要因を持った価格形成ですから、なかなか——少し政策を立てて、おまじないみたいな政策を立ててやったって、これが私は下がってくるとは思いません。それですから、三月に乳価の改定をするという審議会が開かれるのでありますから、それまで待とうというつもりかどうか知りませんが、少なくとも、いまの時代に、これだけえさも、四回上がっているんですから、今度上げれば五回でしょう。えさが五回こう上がってきているんだから、それまでにも価格の変更はあったが、これは急いで、直ちに審議会を開くべきであると私は思うのです。これは、大臣がおられぬから、あなたが直ちに開きますやと言うても、それは私のほうも信用しません。あなたもそういうことは言いにくいと思う。言うに言えぬことはないが、実効が伴わないということになりましょうから、私は、決議か何かをして、要請して、少なくとも、審議会というものは直ちにやるべきである、そして価格の改定をすべきである、こういうふうに思う。 これは御承知でもございましょうが、私が言うまでもない、あなたのほうが法律のほうは専門だけれども、畜安法の四条に書いてあるんですよね。農林大臣は、物価その他の経済事情が著しく変動が生じた場合には、あるいは生ずるおそれがあった場合には、特に安定価格を改定をすることができる、と書いてあるんだから、いつでもこれはやれるんだ、これは。こんなに何回も飼料を上げてきて、そして、いま、まだ見合わして懇談会をいたしますなんというのはおかしいよ。これはほんとに生産者をばかにしているよ。これは、あなたのほうもやりにくいだろうし、大臣がおればお答えをいただくところだけれども、大臣はおらぬので、決議か何かで、これは私は皆さんに申し上げて表明をすべきであるというふうに思います。それは、あなたがお答えにならぬでも、しますから、それはそれでいいわけですが、(「それは動議か、動議なら賛成するぞ。」と呼ぶ者あり)動議だけれども、みなさんあとから賛成するなり、意見なりあると思うが、ここでどうということはないが、いま私の意見としてそう申し上げておきます。 それから経営特別資金が五十億ほど余っているからそれを活用してというお話があるようですが、いま金を少し貸してやるからやりなさいと言ったってやれませんよ。払わずに済むのならいいんだよ。金借りてやって、元金も払え、利子も払うていくので引き合いにかかりますか。自分の自己資金でやっていてすら赤字が出ているのに、金を借りて進めて、それを奨励しますなんということを農林省言うんだけれども、そんな甘いものじゃないですよ。そういうことを言うことに危機感があるんだよ。やれりゃせぬのだ、まかしといたって、できぬのだと、こういうような危機感があります。私は金を貸すのを悪いとは言いませんが、もう少し深刻にものをとらえてもらいたい、こう思います。並びに、この機会に申し上げておきたいと思いますが、償還期限が来ておりまする制度資金等は延期を、条件緩和を決定するように指導するなんということになっておりますが、こういうものを指導するというのはどういう意味なんですか。指導でなくて政府がきめりゃきまるんでしょう。それは、指導いたしますと言うけれども、指導でない、決定して通知をいたしますというところまでさっそくやらなければ、私は牛を売って、そして払わなきゃならぬという苦悩にさいなまれておるというのがいまの生産者ですよ。どうです、この制度資金等の支払い期限の延期、償還期限の延期の条件緩和というようなことは、決定して通知をするというのか。そういうことについては一切やる意思はないのか。お答えをいただきたいと思います。
○説明員(下浦静平君) その指導という点でございますけれども、融資につきましては、これはもう御承知のとおりのことでございますけれども、金融機関が金を貸すわけでございます。それで、その間借り受け者との間で契約を行ないまして、貸し付け条件を定めまして、必要な資金を出す、こういうことに相なっておるわけでございます。したがいまして、この金融機関に対しまして、最近の畜産をめぐります事情等につきまして非常にきびしいものがあるわけでございますから、償還期限の来ておるようなものにつきましては配慮をしてもらうような、そのような指導を行なっておる、こういうことでございます。ですから、政府で直に決定をするというような筋のものではございません。やはり金融機関と借り受け者との間の貸借関係というものがあるわけでございますので、したがいまして、そういう表現にいたしたわけでございます。 それから、前の特別資金の、これは四分の資金でございますけれども、貸し付けワクの残の活用の問題でございますが、これは農業団体あるいは知事会等からも若干の御要望がございますわけで、したがいまして、現在余しておるのももったいないわけでございますので、できるだけ活用をはかるようにしたらいかがかと、こういうことでございます。
○堀本宜実君 いやそれは五十億の活用をするのはけっこうです。活用けっこうですが、五十億が直ちになくならなかった。いわゆる消化して残っておるということは、金を借りてやっても引き合いにかからないという心配があって、私はその必要な金が残っておる。また、貸してやろうという追い打ちをかけて探せば、ないことはないと思います、消費はすると思いますけれども。そういうものを三十億、五十億貸したから、この畜産というものの危機が救われるものではないと私はいまでも思っております。 それから、貸し方と借り方との間で契約した貸借関係だから指導するというふうに表現をすることが適当である、こういうふうなお話でございましたが、それは役人的考え方であって、私はそれでいいと思うんですよ。いいと思うんだが、政府が政府資金というものを制度資金として融資をしておる限り、政府がこの程度なら金融機関もこらえられるんだという一つの目安を立てて、そうして決定して通知をすればいいので、これからそろそろ金融機関と相談を始めてということでは私はいけないと思うんだ。もう少しやっぱり迅速に誠意をもってやらぬから、農林省の考え方ややり方については緊迫感というものがないと、こう言うのですよ、ね。政府みずから狂乱物価と言うているじゃないか。物価は狂乱状態であるというふうに考えている。異常だと言っている。そういう、まあ私は与党でないような発言をして恐縮ですが、実際はそうなんですよ。ですから、もうそんなに逡巡する必要はない。もっとこういうときにこそ政府が弱い農民を指導してやるということが大事なことなんです。特にこの問題については指導をいたします、というようなことを言わないで、もうすみやかにやったらいいのだ。これこういう文書が出ているけれども、文書を出しておいて了承を得るのに時間をかせぐ。そんなようなことをしないで、いいと思うことで、いいことなら、じゃんじゃん政策に移してやっていただきたいと私は思うんだ。 それからもう一つ申し上げておきたいと思いまするのは、流通問題ですがね。最後に——もっと話したいが、もう時間がないようで、人の時間に食い込むのは悪いから、この問題だけで済ましたいと思いますが、新聞に出ておることで、こういうことが出ておったのを見たんです。私の思い違いかもしれませんが、いわゆる卸売り業者が、作為というのは悪いんですけれども、業者が出荷を調整して、いわゆるカルテルみたいなことで、消費者面に出荷を調整して、そのことによって、品不足状態をつくり上げた。そうして、自然まあ価格が高うなりますわね、そういうことをしたのではなかろうかという記事が出ているのを見たことがある。あなた方もごらんになったと思いますが、その値上げを強行したというその反動を受けて、農業者が持っているいわゆる肉牛が反落をしたわけであります。そういう因果関係がこの問題とあるわけです。 ですからね、カット肉なんかのような、あるいは輸入肉のような、枝つきでないものでカットされて輸入されたものは、もう卸売り、仲買いというようなところを通らないで、消費者団体であるとか、あるいはスーパーだとか、あるいは生活協同組合だとかいうところへ、直接に輸入したものを売ってもらう、あるいは配給してもらうということが必要だと思うんですが、いま聞いてみますと、スーパーだとか、生活協同組合だとかいう団体については、そういうことをしておられるそうです。ところが、その他の一般小売り店については、そういうことがないようでありますが、私は、価格指導をすると同時に——これは指導でなきゃいけませんが、指導をすると同時に、もう中間マージンを取って、大きな倉庫を持って、相場を、いわゆる価格を左右しようとするような手合いのところまで、カットされた肉を配給して取り扱ってもらわなければならないということはないと思うんです。これは、最近の新聞や、雑誌や、その他の人たちが特に強調しておるのはこの点です。そういうことはできませんか。
○説明員(下浦静平君) ただいまの御質問の最初のくだりでございますけれども、私はまだその新聞を見ておりませんので、ちょっと内容につきましては申しかねますけれども、価格操作を出荷の段階で業者が指導をしてやるということは、ちょっとあり得ないのではないかというぐあいに考えます。その場合、業者とおっしゃいますのは、おそらく食肉市場の卸売り業者のお話であるというぐあいに思いますけれども。 それから後段のお話でございますが、スーパーなり百貨店なり、ああいうところにつきましては、御承知のとおり、畜産振興事業団の指定店と申しまして、これは現在ではかなりの数になっておりますけれども、そこに事業団から直接売りをやっております。 それから一般の小売りでございますが、これも昨年の夏以来、展示販売店を再編成をいたしまして、現在ではたしか七千六百ぐらいの店になっておると思いますが、これも全肉連を通じまして、事業団から直接に売っておるというような状況でございます。 その他生協でございますとか、必要な向きにつきましては、逐次事業団から直接に販売をするというようなことで拡充をしてまいっておりますけれども、それにいたしましても、やはりレストランでございますとか、ああいった肉を使います業種がなおかなりあるわけでございます。レストランまで農林省で一々めんどうをみるというわけにもまいりませんので、こういう業種につきましては、やはり卸売り市場で買ってもらうということではないかと考えておりますが、まあ、そういうことで、卸売り市場にはやはり全面的にこれをやめてしまうというわけにはなかなかまいらないのではないかと存じております。 なお、必要な向きにつきましては、先ほど申し上げましたように、逐次拡充して、直接販売をふやしていっておるということでございます。
○堀本宜実君 卸売り、仲買いというようなものを全然廃止をしていけという意味ではないんですがね。ないんですが、少なくともカット肉になったもので、それぞれ簡易包装のできておるものについては、卸売り、仲買いというのはないんでしょうが、そういうところにわずらわさぬでもいいのではないかというふうに私は思いますが、これは大事なことでありますから。もう指導が小売りだけの指導、店先だけの指導ということになって、あるいは卸売りが安くなっておるのに小売りは依然としてそのままであるというようなのもあるかとも思います。 ともあれ、こういう品不足で物価が安定をしないときには、流通という問題に、ひとしお大きな力を入れるべきであるというふうに私は思う。それが需給関係を円滑にすることであって、生産する農家も喜び、消費者も喜ぶことではないか。役所にそういうことをせいというのは無理かもしれませんが、少なくとも私は、もう役所はそういうことをしなければならぬときがきているのじゃないでしょうか。 たとえば卵のいわゆる生産出荷対策というものの中で需要動向に応じた計画生産を進めて、生産者団体に対しては生産調整を指導する。ちょっと統制経済みたいな形に見える生産調整あるいは生産計画というようなものが、この自由流通市場で行なわれ、農林省は卵についてもそういうようなことをしようとお考えになっている。そこまでお考えになっているのならば、私は、カット肉のようなすでに骨を離してカットされておるような肉は、もう少し流通機構を変えてみてはどうか。直接マージンを取られないようにしてはどうかというくふうが一段と必要ではないかというふうに考えるのであります。 この点につきましては、もうどうしてくれ、こうしてくれということは申し上げません。研究をしてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○説明員(下浦静平君) カット肉の問題でございますけれども、これは国内産の肉につきましても、昨今ではコンシューマーズ・パックというような形態のものが非常に普及をしてまいりまして、それで農林省といたしましても助成をいたしまして、プリパッケージセンターというようなものをつくらせまして、その普及につとめておるというような段階でございます。これらにつきましては、市場の卸売り業者も積極的に協力をしておるというようなことでございます。 そういうようなぐあいに、昨今では取引形態も変わりつつあるということでございますので、なお私どもも、この流通の改善につきましては、先生の卸意見もございますので、大いに前向きで検討をしてまいりたいと思います。
○中村波男君 私も畜産の問題を中心に若干質問をいたしたいと思います。 いまさら指摘をするまでもなく、狂乱物価の中で特に飼料は昨年の一月から今年の二月まで四回、約倍という飼料の大幅値上げが行なわれたのでありますが、したがって、いわゆる生産費の高騰と商品安がしいられております畜産農家は、怒りその極に達しまして、三月末に例年開かれますところの畜産審議会で畜産物の価格がきめられるのでありますが、それを待ち切れず、早く畜産振興審議会を開いて価格を生産費に合うようにきめてくれ、こういう強い運動が展開されておるのであります。したがいまして、政府自民党は、畜産農家のこの価格引き上げ要求こそ、国民のたん白質源確保という、より基本問題への問題提起と受けとめて、畜産物の再生産が確保できる諸施策を緊急に私は打ち出すべきであると思うのであります。 そこで、大臣にお尋ねをいたしたいのは、畜産危機、これは朝日、毎日等々の四大新聞をはじめ各新聞が社説で、戦後最悪の畜産危機という位置づけをいたしまして、いろいろと社説で取り上げておることを見ましても、たいへんな事態を迎えておると思うのでありますが、これらに対する認識をどのようにお持ちなのか、また、よって来たった今日の最悪の事態はどこから起きてきたのかというような問題について、まずお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のように、畜産物につきまして、これを育てていく飼料はだんだん高くなってまいりまして、そういうことで畜産家にとりましてはたいへん困難な時代である、こういうことについて私どもも、関係者といたしましていろいろ心配いたしておるわけでありますが、御承知のように、わが国の畜産に要する飼料、しかも濃厚飼料原料の大半が輸入に待っておるわけであります。そういう輸出先がたいへん価格が高騰してまいっております。それからまた、石油問題等によってフレートが非常に高くなりましたことも御存じのとおりであります。それからいまちょっとしっかりしておりますが、対ドル円安というような為替関係もございまして、輸入価格が著しく高騰してまいっておることは御存じのとおりであります。そういうことに対応いたしまして、私どもは、この畜産家に対して安心してやっていただくためにどうすべきであるかということについて検討いたしておるわけでありますが——これはやはりそういう事態を受けて私どもといたしましてはただいま十分検討いたしまして善処いたしたい、このように考えておるわけでございます。
○中村波男君 非常な事態であるという認識をしておるというお話でありますが、それにしては対応のしかたがあまりにも緩慢過ぎるのではないかと私は思います。もともと昨年の秋、畜産団体は酪農の危機を叫びまして、政府に対して畜安法の発動を求めた。年度内で改定はできるわけでありますから、昨年の十月畜産審議会を開いて価格の改定を強く要求したのでありますが、その当時は御承知のように、つかみ金でお茶を濁して、いわゆる強い要求というのを政府は押えた。また、その強い要求に押されまして、一応畜産振興審議会の酪農部懇談会というのが開かれたのでありますが、そのおりに、農林省は、いわゆる牛肉の異常な高値で、小牛の価格が高騰しておるので、飼料が値上げされても、酪農家というのは採算が合う、こういう説明をいたしたというのであります。もってのほかでありまして、そういう対応のしかたが今日このような事態を迎えた。再起不能に陥った。このままでは酪農はじめ豚、養鶏等壊滅状態に追い込まれるのじゃないか、こういうことが考えられるのであります。 したがいまして、私は具体的に質問を申し上げたいと思っておりますが、とにかく今日の事態を迎えたいろいろな原因はありましょうけれども、第一には、日本の畜産物の生産が外国の穀類に大きく依存して組み立てられている加工畜産である、ここに根本的な脆弱性と申しますか、外国に大きく支配を受ける日本の畜産のもろさというものを見せつけられたと思うのであります。したがって、畜産物の生産価格で大きなウェートを占めておりますところの配合飼料の価格が再三再四引き上げられたのでありますから、したがって、農家の負担の限界はこえております。だれの目にもこれは明らかであります。したがって、これに対する対策というのは全く目も向けられておらない、お手上げだというのでありますか。しかし、私はこの際、やはり畜産配合飼料価格安定基金が底をついてしまったわけでありますが、これへやはり大幅な補給金を政府が早急に予算を出しまして、そうしてやはり価格補給をまずすることが大切ではないかというふうに思うのでありますが、これらの問題についてどうお考えになっておりますか、具体的に大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 畜産の問題の中で大きいのは飼料価格でございますが、中村さん御存じのように、昨年は飼料の値上げをできるだけ阻止いたすために、いまお話の基金に二百十億の金を出しまして、同時にまた、四分の低利融資をいたしたり、それから食管の古々米の七十万トンにのぼる大量の放出をいたして、しかもこれはたぶん一万五千円ぐらいではなかったかと思いますが、昨年そういうことをいたしましたことについては、団体もそれから畜産家も十分喜んでいただいておったわけであります。が、それがさらにまた、いま先ほど申し上げましたような価格騰貴が行なわれようとしている。そういうことに基づいて、今回やはり、ただいまお話しのように、財政負担で何らかの措置を講ずべきではないかというお話でございますが、これはなかなかただいまのところでは、私ども困難であると思っております。しかしながら、依然として輸入飼料原料が高価になっておるんでありますから、これは何らかの形で、やっぱり生産費に見合うようなものを勘案しなければならないという点につきましては、私どもも鋭意検討をいたしておるところであります。
○中村波男君 具体的にお聞きしたいと思うんでありますが、いわゆる二月、一万一千円配合飼料の値上げが行なわれたのでありますが、この値上げによりまして、これは牛乳でお示しをいただきたいと思いますが、どれだけ生産費に上積みされるとお聞きをいたします。
○説明員(下浦静平君) 配合飼料の値上げが生産費にどう影響をするかということでございますが、これは配合飼料の依存度によりまして、かなり形態が変わってまいります。酪農の場合には、ほかの畜種と比べまして、その依存度が比較的低いということもございまして、私どもの試算では、配合飼料トン当たり千円の場合で、ただいま全国平均でやってみますと、二十七銭程度になろうかと、こういうぐあいに考えております。
○中村波男君 ちょっと声が小さくて聞きにくかったんでありますが、千円上がると二十七銭ということでありますか。——そうしますと、一万二千円上がるということになれば、二円七十銭にさらに三円ぐらい、キロ当たり上がるという計算になると思うんでありますが、さらに、その他の生産資材の高騰等を考えますと、明らかにひどい赤字になることは、これはもう指摘するまでもないと思います。したがって、大臣は財政負担による補給等の措置は講ずる考えはないと。なぜそういうことができないかということについては、具体的にお示しをいただきませんから、理由がわかりませんが、そのこともあわせてお聞きをいたしたいと思いますが、そうなれば、これは価格を、いわゆる製品を、具体的に言うならば、牛乳価格を上げる以外には赤字をカバーすることはできないと思うんであります。したがって、畜産振興審議会を早急に開けという強い要求は、もう待つに待てないのだという、せっぱ詰まった事情の中から強い要求が出ておりますが、それはそれといたしまして、今度は算定方式等を相当改められて、実態に合うような、生産費所得補償方式に見合うような価格改定をするというお気持ちで、いまいろいろと資料等を集めていらっしゃるのか、いわゆる価格についての基本的な考え方をこの機会にお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお答えいたしましたように、今回の配合飼料価格の値上がりにつきましては、値上がりの要因から見まして、従来のような農家負担を直接に緩和する対策によっては対応いたしがたいと思っておりますので、今後は、この飼料価格などの変動要因を適正に反映いたしました畜産物価格の形成につとめることが必要であると思っております。そこで、飼料の安定確保、生産流通施策の強化などに努力いたしまして、畜産経営の安定をはかる考えでありますが、まず、いまお話しのございました本年三月に予定いたしております加工原料乳の保証価格それから豚価の安定価格の決定に際しましては、飼料価格等生産費の動向などを適正に織り込んで決定いたすことがよいと思っております。そこで、昭和四十九年に、卵価の安定をはかりますための全国液卵公社の機能の強化、それから肉用子牛等の価格安定のための保証基準価格の大幅な引き上げなど、価格政策の適切な運用をはかってまいりたいと思っています。また、豚肉、鶏などの中小家禽につきましては、農業団体による自主的な計画的な出荷につきまして指導いたします。特に生産が過剰傾向にあります鶏卵につきましては、需要の度合いと見合った計画的な生産の推進についての指導を強化いたします考えでございます。 さらにまた、食肉等の輸入制度の運用につきましては、国内における需給動向、畜産経営の動向に配慮いたしながら慎重に対処いたしてまいるつもりでありますが、基本的にはやっぱり飼料の安定確保をはかるため、政府操作飼料の適正な運用につとめますとともに、草地造成の計画的な実施、それから飼料作物、飼料用麦の生産振興、それから不測の事態に備えるための飼料穀物の備蓄を計画的に進めましたり、大家畜資源の維持確保、生産性の高い経営群を中核とした畜産基地の建設それから農業生産団地の育成による生産地の形成、需要動向に応じた計画的な生産の奨励、畜産物の流通輸送体系の改善、それからいまお話のございました価格政策、輸入政策の適正な運用等、生産から流通に至ります各般の施策を着実に進めまして、畜産振興につとめてまいりたいと考えておる次第でございます。 それから、ただいま畜産振興審議会をなるべく早くやれというお話でございますが、今日の状態を勘案いたしまして、本月二十五日にこの畜産振興審議会の懇談会をまず開きまして、現状の状況分析等資料にいたしまして御懇談を願い、専門家たちの御意見も徴してみたいと思っておる次第であります。
○中村波男君 いろいろ畜産全般に対する対策を御答弁いただいたわけでありますが、答弁メモに載っておったからだと思いますが、私が聞いたのは、まず牛乳のことを聞いているんですね。 そこで、牛乳には、申し上げますまでもなく、生乳と加工原料乳と両方に仕向けられるわけでありますが、不足払い制度が発足した四十一年では、大体生乳に対する加工原料乳の比率というのは、一〇〇対九二ぐらいだったと思うのであります。現在はどれぐらいに比率がなっておりますか、お伺いいたします。
○説明員(下浦静平君) 昨年十二月に飲用向けの乳価が改定をされまして、これが現在では八十二円十銭に相なっております。それから加工原料乳は、御承知のとおり、四十八円五十一銭と相なっております。
○中村波男君 その比率はわかりませんか。——わからなければよろしいですが、その格差は三十二円四十九銭あると思うんです。それで、地帯によって飲用向けにならないところもあるわけでありますが、生産者からいえば、飲用向けに回そうが、加工原料乳に回ろうが、牛乳であることには違いはないわけでありますし、生産費は違わないと思うわけであります。そういうことからいいますと、加工原料乳の価格というのを、やはり不足払い制度が発足した当時のように、少なくとも一〇〇対九〇までぐらい——当時は九二でありましたが、九〇までぐらいは上げる必要があるんじゃないか。そういうことを考えますと、従来の算定方式では、とてもとてもそういう数字というのは出てこないというふうに思うわけであります。 まだ決定されるまでには時間がある問題でありますから、きょうは限られた時間でありまするから、詳しい問題については機会を見て御質問を申し上げることにいたしまして、ただここで一言申し上げておきたいと思いますのは、昨年十月畜産懇談会で農林省が説明をされましたように、いわゆる子牛が高いから、あるいは廃用牛が高く売れるから酪農家は採算が合っておるんだと、こういう考え方ですね。これを理由にして値上げを押えてこられたわけでありますが、こういう基本的な考え方で算定をされますということは、副産物の肉価格の変動で保証価格が左右されるのは私は問題だと思うんです。このことは、資源の食いつぶしを奨励する結果になるわけです。今日どんどんと頭数が減ってきたと、生産量も昨年よりは減ったと、一日に八十五戸が牛飼いをやめていく。それは、こういう状態を価格的に、政策的につくり出してくるものでありますからで、したがって今回の価格計算の上におきましては、こういういわゆる畜産物のうちの肉価格の変動で保証価格が左右されるというような、そういう計算方式はやめるべきだと、こう思いますが、政府のお考えはいかがですか。
○説明員(下浦静平君) 従来の算定の方法でございますが、これはただいま御指摘がございましたように、償却費の点が一つございます。これは残存価格が非常に上がってまいります。牛肉の価格の高騰によりまして上がってまいります。それから取得価格が、更新されます分につきましては評価が之をいたしますけれども、その余の分はそのままというような関係で、償却費が非常に圧縮されるという点が第一。 それから副産物収入でございますけれども、これも子牛の価格が非常に上昇いたしまして、したがいましてマイナスの要因になるというような点が第二かと思います。 それらの点につきましては、十月に懇談会を開きましたときにも、いろいろ委員の皆さま方からも御意見が出まして、これは検討すべきであるという御意見が強かったわけでございます。したがいまして、これを受けまして、ただいま学識経験者等にもお願いをいたしまして、この算定の方式につきまして御検討をいただいておるという段階でございます。
○中村波男君 いろいろ価格問題についてはお尋ねをしたいのでありますが、次の機会に譲りまして、酪農に関係のある問題として、学校給食用の補助金等々についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 まず、文部省御出席いただいておりますね。——お尋ねをいたしたいのでありますが、昨年秋、市乳ですね、飲料乳の値上げが行なわれました結果として、学校給食用の牛乳に対する値上げ要求が生産者団体から続々出てきておると思うのであります。しかし、教育委員会等におきましては、物価狂乱の中で給食費の値上がりに直接通じますから極力押えていこう、したがって値上げ要求には応じられないということで、各県でいわゆる生産者団体と教育委員会との間に、妥結するところも最近出てきたようでありますが、未解決のまま対立が続いておるということを聞くのであります。したがって、全国的に今日の時点でどのような状況にあるか、まず御報告をお願いしたいと思います。
○政府委員(澁谷敬三君) 御承知のように、学校給食費は大体学年当初にきめることになっております。場合によりまして、二学期の初めに改定をするということもときどきございますが、昨年十二月に市販牛乳の値上げ問題が起きたわけでございますが、あと一学期でもあり、この三学期に給食費の値上げをするということは実際問題として非常に困難でもあり、年度内につきましては据え置いてほしいという希望を強く文部省としては持っておったところでございます。新学年からは給食費全般につきまして検討がされますので、新学年の問題にしていただきたいというのが教育委員会及び文部省としての考え方であるわけでございます。そういう考え方がございます。 それから市販牛乳が値上げされたに伴いまして、やはり学校給食用の牛乳につきましても値上げしてもらいたいという乳業界、生産者からの要望も聞いておるわけでございますが、現実には、これは都道府県知事が教育委員会と協議いたしましてきめる問題になっておるわけでございます。酪農関係の実態は各都道府県によりましていろいろと事情が違うようでございますので、そういうことになっておりますが、文部省及び教育委員会としてはそういう考え方を持っておりますので、一方、県ごとの事情もいろいろ違うという背景がございますが、いまお尋ねの状況でございますが、現在までのところ十府県が一応値上げをきめたようでございますが、ただ、実際には乳業界と府県の学校給食会それから学校あるいは乳業界と学校との間で契約をする必要があるわけでございますが、多くの値上げをきめた県でも、公正取引委員会の調査の結論が出るまで契約は凍結するとか、そういったような問題もございまして、まだ現実の契約が行なわれたところはないようでございます。
○中村波男君 わかりました。 聞くところによると、文部省としても、この問題については相当行政指導をなすっていると、特に公正取引委員会がいま調査をしておるから、その調査の結果が出るまでは契約を結ぶな、そういう指導が行なわれておる。聞くところによると、三月一日に都道府県の体育保健課長でありますか、会議を持たれて、そういう点もまた趣旨を徹底されるというようなことも聞いたんでありますが、そういう事実はいかがですか。
○政府委員(澁谷敬三君) 先ほど申し上げましたように、昨年十二月に市販牛乳の値上げが起きました段階におきまして、文部省といたしましては、そういう考えを持っておったわけでございます。その後、現実に各県でいろいろ交渉が始まってきたわけでありますが、一月の十七日だと思いましたが、各都道府県主管課長のブロック代表の集まる機会がございました。これは学校栄養士の法制化の問題その他のこともあったわけでございますが、その際、各ブロックの教育委員会の主管課長の代表といろいろこの牛乳問題につきまして意見を交換をする機会がございました。各県教育委員会といたしましても、現実に給食費を値上げをした場合に、徴収するのは教育委員会、学校のほうでございます。 やはり教育委員会、文部省ともに年度内の値上げは、これが八月とか、九月の問題ならともかく、もうあと一学期の問題でもありますし、年度内はぜひ据え置きを強く要望をしたいということでございました。そういう県教育委員会側の意向も受けまして文部省もそういう考えを持っておりますので、まして現在おかずのいろいろな食材料費が異常な値上がりをいたしております。正直のところ四苦八苦いたしておるわけであります。そういうことで、この値上げ問題は県によっていろいろ実情が違いますが、新しい学年の問題にしてもらいたいという強い希望を持っておりますので、そういう行政指導をいたしております。
○中村波男君 今度は農林省にお伺いしたいと思うのでありますが、学校給食用に回しております飲用牛乳のシェアといいますか、年生産量と飲用乳向けとの二つに分けまして統計があると思いますので、お示しをいただきたいと思います。
○説明員(下浦静平君) 四十七年度の数字で申し上げますと、学校給食用の牛乳の供給量は五十三万七千五トンと相なっております。年々ふえてきております。全体の生乳生産に占めますウエートは約一〇%、それから牛乳生産に占めますウエートは約二〇%、こういうことでございます。
○中村波男君 大臣お聞きのように、岐阜県の例を申し上げますと、岐阜県はほとんど飲用向けでありますが、それに占める割合は二二%ぐらいが学校給食に回っておるわけです。そこで学校給食に回ります二二%というのは現実に市乳よりは五円十八銭安く売っておるということですね。したがって、ほかのところと違いますから、がまんができればがまんはしたいのでありまするけれども、これだけ飼料が値上げをいたしております中で、これ以上幾ら学校給食だからといってがまんができないと、こういうことで値上げ要求をいたすわけであります。東京都も紛糾をしておるようであります。値上げを認めてくれなければもう供給をストップする。ストップされてもかまわぬから値上げは認められない。こういう対立が続いておるところもあるようであります。このことは、これはただ単に生産者と消費者の問題とは本質的に、内容的に違うのでありますから、学校給食でありますから。 そこで問題は、本年度の、四十九年度の予算を見ましても、学校給食に対する補助金というのは五円八十銭である。たしかこれは昭和三十四年の六月十五日付で、文部省と農林省の次官通達で、体位向上と牛乳の消費拡大という大きな目的に沿って学校給食に牛乳が供給され出したと私は記憶するのでありますが、補助金は最初は五円であった。その後たしか四年前であったと思いますが、五円八十銭に値上げをされた。物価が高騰しております中で、牛乳も他の商品に比べれば上昇率は低いかもしれませんけれども、上がってきた中で、国の補助金は依然として五円八十銭だというところに問題があると思うんです。したがって、文部省としては、少なくとも新しい学期までは、予算その他の関係もありますから上げたくないという行政指導をされることも理解できます。また、父兄から言えば、たいへんな負担がいろいろな面から重なっておりますから、せめて牛乳だけぐらいは値上げしなくて済ませられたらという強い願望があります。要求があります。だといたしますならば、やはり補助金をふやしてもらう以外にないと思うんであります。五円八十銭が大体少な過ぎると、私は思うんであります。この実態の中で大臣はどうお考えなのか。少なくとも補助金を大幅にふやしていただきたいと私は思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 市乳一般のことから考えまして、先ほど来お話のありますような畜産家の苦痛、そういうことについては、先ほど申し上げましたように、近く開かれます審議会に、最近のデータをもとにしていろいろ御相談を願うわけでありますが、来年度予算においても同様な補助をいたすことにしておりますし、所得の増大に伴う父兄負担の点から見ましても、牛乳の価格が上昇すればそれに応ずる補助単価を引き上げなければならないということは、私ども予算編成にあたりましては、そういう考え方をとらないわけであります。いまそういう立場で予算の御審議を願っておると、こういうことであります。
○中村波男君 これは農林省としても、各都道府県のいわゆる牛乳の生産者団体と教育委員会との自主交渉できめられればいい問題だというふうに、放置しておくべきことではないと私は思うんであります。その前に、文部省が、いま体育局長の御答弁によって明らかになったんでありますが、公正取引委員会が調査をしておるから、その調査が終わるまでは値上げに応じないというような方針が出ておるわけですね。もちろん公正取引委員会の調査の内容については、きょうこの席においでをいただいてお聞きをするとよかったんでありますが、呼んでありませんが、農林省はこの問題はどうお考えになっておるか。この内容をもちろん承知をしておられると思うんでありますが、どこが公正取引委員会として調査の対象になり、どこが問題があるのか。こういう点もこの機会にお聞きをいたしたいと思いますし、これはやはり農林省としても二〇%以上のシェアを占めております。学校給食、また、子供のことを考えますならば、ただ事務的にこれを処理するというような態度であっては私はならぬと思うわけであります。 そういう点でぜひひとつ、この問題がこじれて生産がストップした、学校給食から牛乳が姿を消したというような事態を避けるためにも、もっと私は農林省としても関心を持って、実態をよく見つめて、適切な行政指導をされることが当然でありますし、また、補助金をこれは当然上げるべきだと思うんであります。補助金の問題につきましても、これは本来農林省の予算として組むべきものなのか、文部省で組むべきものなのか、いろいろ議論はあると思いますし、何か変則的な補助金の出し方だという感じもしないことはありません。ありませんけれども、消費の拡大という大きな政策目的があったんでありますから、まだそれが終わっておらないという現実に立ちますならば、たいした全体で言いましても予算ではないわけでありますから、お考え直しを農林大臣に強く要望をいたしたいと思います。御答弁をお願いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話しのございましたように、この学校給食用の牛乳等につきましては、もちろん当該県、都道府県の教育委員会と自主的にお話し合いをなさって決定されるわけでありますが、牛乳につきましては、先ほど来お話のありましたように、非常な畜産家のむずかしい時期になっておりますので、これの値上げ、価格の是正等につきましてはいろいろな事情を勘案いたしまして決定しなければなりませんが、そういうことになりますというと、やはりさらに多く学校給食の問題が出てくると思うんであります。そういうことを勘案いたしますと、大事な子供たちの体位の増進の強化のためにも大事な問題でありますので、これは当然政府としても十分検討すべき問題であると思いますが、現在のところでは、先ほどお答え申し上げましたような態度でおるわけであります。
○説明員(下浦静平君) 冒頭のお尋ねの公取の関係でございますけれども、これは昨年の暮れ、十一月のたしか下旬でございましたか、生産者団体側とそれから乳業メーカー側、ここで生乳の供給価格と申しますか、その引き上げがきめられたわけでございまして、それに伴いましてその後卸の段階、小売りの段階というような価格の問題が起こったわけでございます。そこで、十二月の何日かでございますが、たしか半ばだったように記憶しておりますけれども、大阪におきまして、乳業メーカーとそれから小売りの販売店とが一堂に会して価格決定についての協議を行なったというのが公正取引委員会の疑いでございます。独禁法違反の疑いでございます。私どもは、その大阪で会合があったというところまでは承知をいたしておりますけれども、その内容がいかがなものだったか、独禁法に触れることであったのかそうでなかったのかという点につきましては、これは今後、公正取引委員会の御判断に待つほかはないと、こういうぐあいに考えております。 なお、学校給食のこの価格の問題につきましては、これは一応私どもといたしましては、そういう公取の事件がございましたけれども、一般のこの牛乳の価格問題というのが前からあったわけでございますので、これはこれ、それはそれというぐあいに区別をして考えるべきものと考えております。 なお、先ほど大臣から御答弁があったところでございますけれども、この補助単価の問題につきましては、全体の学校給食用の牛乳の供給でございますが、これは文部省御当局の御努力もございまして、ここまでまいったわけでございますが、相当——一〇〇%近いところまできておるということが一つございます。 それからもう一つは、この対象とされております児童でございますけれども、これはもう全部全く、何といいますか、均等に扱われておるということが一つございまして、たいへん補助金の補助単価の引き上げということにつきましては、むずかしい面があるということをお含み置きを願いたいと思います。
○中村波男君 次は、新加工乳の問題についてお尋ねをしたいと思いますが、農林省は脱脂三%、無脂固形分八%のいわゆる新加工乳、通称三八牛乳の発売を認めて、認めたばかりか奨励する態度をおとりになっておるというのでありますが、従来は消費の減る秋口などに一時期に限って加工乳による需給調整が必要であるという考え方をされておりました。しかし今回の措置は、需給調整機能とは関係なく、年間を通じて供給するというものでありますから、大きな政策転換であるというふうに思うわけであります。このような政策転換をされました背景ですね、目的、また、今後の見通し等について明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(下浦静平君) いわゆる三八加工乳といわれております加工乳でございますが、これは昨年の九月——十月でございますか、まあ先生おっしゃいましたシーズン性の問題でございますが、そのころ、脂肪分三%、無脂固形分八%という飲用牛乳と同じ規格のものがつくられまして、発売をされたという事実がございます。 それから、昨年の十二月の乳価改定にあたりまして、この三八加工乳につきまして、物価対策の観点からいたしまして、この同様の牛乳を、普通牛乳に比べまして二百cc当たり四円安、つまり三十六円で販売をされるということになったわけでございます。 なお、このような物価対策という観点もございましたので、この加工乳用の還元材料といたしましてのバターなり脱粉なりにつきましては、事業団からの売り渡しに際しまして、飲用乳メーカーが優先的に入手をできますように、飲用乳メーカーに限定をいたしまして一般競争入札を行なうという措置をとったわけでございます。なお、この三八加工乳はまだ現実には発売をされておりません。三月に入ってからということに相なろうかと存じておりますが、現段階ではそういう経過でございます。
○中村波男君 物価対策としてこれをとらえたということはわからないことはないわけでありますが、しかし、いわゆる牛乳生産の今日までの経過、流れを振り返って見ますと、たしか四十一年から四十四年ごろまでは加工乳のほうがいわゆる牛乳よりは生産量は上回っておった。したがって、かつては、この本院でも、牛乳が停滞をしたときは、お天気のせいに農林省はいたしたこともあるわけです。ことしの夏は酷暑でなかったから牛乳のいわゆる消費がふえなかったとか、こういうようなことをしゃあしゃあと言った時代もあったわけでありますが、したがって、国会におきましても、いわゆるまやかし牛乳、還元牛乳、加工牛乳等の抑制をはかるべきである。牛乳という名称は加工をしたものについては使わせるべきでない。厚生省におきましても、近くそういう規格をはっきりさせるというような事態の中で、いまさら農林省が新加工乳を認めて奨励をするというところに私は問題があるというふうに考えるわけであります。 そこで、いろいろ私は問題があると思うのでありますが、まず第一に聞きたいのは、畜産事業団から放出されるバター、脱脂粉乳などは飲用乳メーカーに限定してまず出すということでありますが、しかし、出したバターあるいは脱脂粉乳は特別価格で放出をするようでありますが、これがはたしていわゆる三八牛乳に使われたかどうか、そういうことを追跡する方法というのは私は不可能ではないか。そういうことになれば、こうした物価対策として出されたバターや脱脂粉乳がいわゆるほかのほうに使われると、そうして今日言われておるメーカーの悪徳商法を助けると、こういうことにもなりかねないということをおそれるのでありますが、これらについていかにしてチェックされるのか、まずお聞きしておきたいと思います。
○説明員(下浦静平君) 畜産振興事業団から売り渡しをいたしますバターと脱粉につきましては、その価格につきましては一般のものと変わりはないのでございます。したがいまして、ただいま御心配の横流れというようなことではございません。ただ、それがはたしてその三八加工乳に使われたかどうかということのチェックという点になりますと、これは非常に困難であると存じております。
○中村波男君 横流れは絶対にないという確言をされましたが、絶対にないとおっしゃる以上は絶対にない方法をおとりになると思うのでありまするけれども、それはお示しをいただかないので、私は全面的に信用ができないわけでありますが、まあ特別な価格では放出しないんだとおっしゃいまするけれども、しかし畜産事業団による乳製品の放出は一般競争入札制度でやるわけでしょう。これは一般競争入札制度ではないわけです。したがって、私は競争入札でやるよりは明らかに平均的に価格というのは低い価格で放出されるものだ。これはすでに放出が始まっておるようでありますから、半年ないし一年たってから統計を出してもらえば歴然とすると思うのでありますが、その点が問題だと思うんであります。したがって、こういう三八牛乳が年間を通じて製造される、そのことは今度はいわゆる普通牛乳、市乳が圧迫を受ける。このことが酪農をさらに苦境へ追い込む、こういう私は結果になりかねない。悪循環を引き起こすと、こういうふうに私は考えるのであります。したがって、いまの段階で日本の酪農の状況等々から考えまして、こういうのを物価対策とは言いながら認め、さらに積極的に奨励する政策を農林省がとろうとすることは、これは私は間違いではないかと考えるのでありますが、農林大臣いかがですか。
○説明員(下浦静平君) 先生おっしゃいますように、確かにこの加工乳というものがないにこしたことはないのでございます。飲用牛乳一本で全部供給ができるということであればそれにこしたことはないのでございますが、まあ地域的あるいは季節的にどうしても加工乳でまかなうということが一部出てまいるわけでございます。現在は、飲用牛乳の約四〇%というようなことになっておりますが、従来売られております加工乳でございますけれども、今回の三八加工乳はこの四〇%の中での話でございまして、脂肪率三・六でございますとか、八でございますとか、ああいったようなものがやめられましてこの三八加工乳に置きかえられるということでございます。したがいまして、加工乳の促進を意図しておるというものではございませんで、まあその点では国内生乳の飲用の促進ということを阻害するものでもないのではないかと存じております。
○中村波男君 私の調べたところによりますと、すでに一月九日に畜産振興事業団はバターを千三百八十二トン、二月八日に千四十八トン、十三日に脱脂粉乳三百七十四トン三八用に放出をいたしておりますね。したがって、いまいわゆる普通牛乳と加工牛乳の比率は六対四だと、四の中で消化するから圧迫にならぬのだという御説明でありますが、実際問題として私はそうはならぬと思う。それから特別な価格で無競争で飲用乳メーカーに限定してバターや脱粉が放出される。放出されるバターや脱粉というのは、これはいわゆる日本でつくるものではないわけでありますから、外国からまた畜産事業団が輸入をしなければならぬ。そういう点から言いましても、これは国内の牛乳生産を圧迫する道に私はつながっていくと思うのであります。 そういう点で、物価対策として重要なことは論をまちませんけれども、まあ四円程度安く売るというのが農林省の指導価格のようでありますが、その金額、また、絶対的な数量等々から見て、日本の酪農をいわゆる痛めつけるような物価対策というのが恒久的に考える物価対策であるかどうか、これがわれわれと農林省との見解を異にするところであろうと思いますし、見解の違いがそこにあると思うんであります。したがって、大臣から、この問題について十分ひとつ実態を御認識いただきまして積極的な指導策というものをおとりになるというようなことはおやめいただきたいし、もう一ぺん元に戻して考え直していただきたいと、こう思うわけですが、いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) いろいろ検討をいたしてみます。
○中村波男君 次は、養豚の問題について二、三お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、養豚につきましても、結論から言いますと、飼料の値上げによりまして肉豚一頭出荷すると三、四千円赤字になるというのが実態だと思うわけであります。しかるに輸入の豚肉というのは四十八年十一月までに十二万三千トン輸入が行なわれておるわけです。そこで、聞くところによりますと、三月から十月が輸入関税減免期になっておりまして、従来は毎月一万三千トンほど輸入をしていたわけであります。いわゆる輸入関税減免の豚肉が輸入されておったんでありますが、本年は少なくとも私はこの輸入関税減免期の三月から十月までの輸入については押えるべきだと思うんであります。その点、どういうふうに、どういう方針で対処されようといたしておりますか、お伺いいたします。
○説明員(下浦静平君) 昨年は御指摘のように三月三日からだったと思いますが、関税減免制度を適用いたしまして十月末で打ち切っております。それで、四十八年中の豚肉の輸入量につきましても御指摘のとおりの数量でございます。と申しますのは、四十八年は、前半がこれは三月ごろからでございますけれども、非常に豚肉価格が強調に推移をいたしまして、特に六、七月ごろでございましたか、魚のPCB汚染問題、あるいは水銀の汚染問題等がありました関係で需要が豚肉のほうに転換をいたしたというようなことがございまして、八月、九、ともに五百円以上、五百五十円という月もございます、というような価格で推移をしたわけでございます。したがいまして、十月末まで減免制度を続けたということでございます。ところが、十月以降、十一月からだったと思いますが、これもやはり魚の影響でございますけれども、さんまでございますとか、いわしでございますとか、多獲性大衆魚が非常にとれたということもございましたし、それから一般的に需要が減退をした、消費が減退をしたというようなこともございまして、価格が弱含みになってまいったということでございます。今年は、先ほど来申し上げておりますとおり、やはり飼料価格の値上がり分というものは、これは価格に反映を、コスト値上げ分だけは反映をいたすという方針でおりますので、今後のこの減免制度の適用につきましては慎重に対処をしてまいりたいと考えております。
○中村波男君 慎重に対処するという答弁でありますが、五月まではやらないということが内々きまっておるというふうにも聞くのでありますが、その点はいかがですか。 時間がありませんから要望を申し上げておきたいと思うのでありますが、私は何といいましても、豚肉の安定生産のためには、コストに見合う手取り価格を実現することだと思うわけであります。それには何といいましても、不足払い的制度の確立が欠かせないのでありまして、政策価格である畜安法による安定基準価格は、少なくとも現状より百円をアップする必要があるんじゃないか。したがいまして、中心価格も五百二十円程度に上げるべきであるというふうに思っておるわけであります。したがって、三月開かれます畜産審議会におきましては、ぜひそういう価格措置を強く要望を申し上げたいと思います。 もう五分なしございませんので、はしょって質問を申し上げなければならないわけでありますが、次は養鶏についてであります。 新聞等によりますと、農林省としては生産調整に強く乗り出される——さっき堀本委員からも御指摘があったわけでありますが、増羽凍結を緊急課題にしていろいろいま強い行政指導が行なわれておるという話であります。根本的には私はこういう事態を迎えましたのは、海外飼料依存の中で、能率のみを追求した多頭羽飼育というものがこれは政策的に問題があったのだと、こういうふうに私はまず認識を農林省はすべきだと思うのであります。一万羽養鶏、十万羽養鶏、とにかく機械化的な養鶏というものに重点を置いて政策を進めてきた。それを受けて農民が多頭飼育に踏み切っていろいろな困難な中からたいへんな投資をして多頭飼育をやってきたわけでありますが、今度は生産調整だ、結局千羽、二千羽、三千羽というような人たちは淘汰されていく、こういう結果になることは、火を見るよりも明らかであります。そこで、いわゆる生産調整、増羽凍結ということを具体的におやりになるときには、やはり三千羽とか、二千羽とかという小さな養鶏農家が対象になって、商社等の大資本が行なっておる多頭羽飼育、こういうものは生き残っていくという結果になることは、過去の生産調整を見ても明らかであります。それで、今日商社のシェアは、私たち明確な統計を持っておらないわけでありますが、農林省は、どの程度のシェアを持っておるか調査されたことがありますか。
○説明員(下浦静平君) いわゆるインテグレーションにつきましてのシェアでございますけれども、これは商社を含めまして、これは飼料メーカーでございますとか、問屋でございますとか、そういったものもございますので一括して申し上げますけれども、採卵鶏の場合には六・四%がインテグレーションで行なわれております。比較的小さい数字ではございます。ただ、このほかに商社みずからが直営でやっておるというような形態もございます。ございますが、ちょっとこの商社直営の分につきましてはシェアの数字は把握をいたしておりません。
○中村波男君 もう一言言いたいことを言わしていただきますが、結局数が多過ぎるから数を少なくして、そして卵価を上げようという政策でありますが、その結果、いま私が指摘をいたしましたように、小さな農家が犠牲になって、商社はどうかといいますと、いわゆるチャンス到来だと、優良農場を中心にこれから積極的に増羽するんだ、むしろ羽数をふやしていくんだというかまえを見せておると言われおります。したがいまして、この問題については慎重に、弱肉強食にならないような行政指導をぜひお願いをしたいと思います。 もう一つは液卵加工会社の拡充強化、これが私は卵価安定の大きな引き金になっていくと思いますので、これらについて、もう少し金を出すべきだと思いますし、強力な体制をつくるべきだ。 以上、私の希望意見を申し述べて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(初村滝一郎君) 他に御発言もないようですから、本件に対する質疑はこれをもって終了いたしました。 —————————————
○委員長(初村滝一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮崎正義君及び塚田大願君が委員を辞任され、その補欠として沢田実君及び須藤五郎君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(初村滝一郎君) 次に、畜産危機対策確立に関する決議案についておはかりいたします。 最近における飼料の異常な値上がりは畜産業の経営を破綻の危機に頻せしめており、その早急かつ強力な対策が要望されておりますので、理事会において協議いたしましたところ、この際、当委員会として決議を行ない、政府に適切な施策を要求すべきであるとの結論に至りました。 案文がまとまっておりますので、私から提案いたします。 案文を朗読いたします。 畜産危機対策確立に関する決議(案) わが国の畜産業は、最近の異常な国際的飼料価格の高騰により、その対策を誤れば崩壊する危機に立っている。とくに、酪農生産は昭和四十八年の生産が前年を下回るというかつてない事態に直面している。 よって政府は、国民の基本的な食糧栄養源としての畜産物を安定的かつ効率的に供給するため、早急に畜産業振興の抜本的な恒久対策を確 立するとともに、畜産農家が安んじて経営を継続できるよう緊急対策を講ずるため、左記事項の実現を期すべきである。 記 一、直ちに畜産振興審議会を開いて、豚肉の安定価格及び加工原料乳の保証価格等の改定について諮問すること。 一、飼料価格の上昇を極力抑制するため、政府操作飼料の弾力的な活用を期するとともに、速かに特段の軽減措置を検討すること。 一、仔畜の価格安定措置を強化するよう措置すること。 一、適正な卸売価格の形成を期するとともに、その動向が小売価格に正当に反映し、消費者価格が安定するよう、流通機構の改善合理化に努めること。 一、生産性の高い畜産業を確立するため、飼料の自給度の向上、生産基盤の整備その他、抜本的な畜産振興対策を早急に確立すること。 右決議する。 以上でございます。 それでは、本決議案の採決を行ないます。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(初村滝一郎君) 総員挙手と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの決議につきましては、畜産の現状に対処し、畜産の振興をはかるための諸施策につき、御趣旨を体して早急に検討する所存であります。 特に畜産振興審議会の件につきましては、御決議の趣旨にもかんがみ、来週早々にも審議会委員懇談会を開催いたしまして、飼料問題及び畜産振興のための方策につき委員の御討議をお願いする所存でございます。
○委員長(初村滝一郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会