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72回国会参議院1974/03/26

逓信委員会 第6号

発言数
233
登壇者
21
会派数
2
開催日
1974/03/26

会議録

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  この際、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。  今泉正二君の委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に今泉正二君を指名いたします。     —————————————

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  まず政府から趣旨説明を聴取いたします。原田郵政大臣。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和四十九年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算について、概略を申し上げます。  事業収支におきましては、経常事業収入は前年度に比べ七十二億二千万円増の一千二百六十億七千万円、経常事業支出は前年度に比べ百七億九千万円増の一千三百六億二千万円となっております。その結果、経常事業収支におきまして四十五億五千万円の赤字となっておりますが、前年度予算において保留した事業安定のための資金三十四億九千万円を使用する等して事業収支全体の均衡をはかっております。  資本収支におきましては、中継局の建設、放送設備の整備等のための建設費は百四十億円を計上しております。  次に、事業計画につきましては、そのおもなものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及をはかるため、放送網の建設を行なうこと、テレビジョン放送及びラジオ放送の番組内容の充実刷新を行なうとともに、教育、教養番組の利用促進につとめること、積極的な営業活動を行ない、受信契約者の維持増加をはかること等となっております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等について慎重に検討いたしました結果、これをおおむね適当であると認め、お手元にお配りいたしましたとおりの意見を付することといたした次第であります。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。小野日本放送協会会長。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和四十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げる機会をお与えくださいましたことに対し、厚くお礼申し上げます。  協会の昭和四十九年度の事業運営につきましては、社会、経済情勢に即応して、極力業務の効率化を推進し、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及につとめますとともに、すぐれた放送を実施して、国民の要望にこたえ、国民生活の充実向上に資するよう努力する所存でございます。  次に、そのおもな計画について御説明申し上げます。  まず、建設計画でございますが、テレビジョンにつきましては、受信者の要請にこたえて難視聴地域の解消をはかるため、二百地区にテレビジョン中継放送局の建設を完成し、百二十地区の建設に着手するほか、辺地において共同受信施設を九百施設設置することといたしております。  一方、ラジオにつきましては、超短波放送局二十局の建設を完成するとともに、十局の建設に着手することといたしております。  次に、事業運営計画について申し上げます。  まず、国内放送は、テレビジョン、ラジオ放送ともに、番組内容を充実刷新することとして、テレビジョンにおいて、総合放送では、内外の情勢に対応した新しいニュース番組及び幼児、青少年向け番組の開発を行なうほか、参議院議員通常選挙の放送等を実施することとし、教育放送では、カラー放送時間を一日一時間増加して、中学校向け理科番組等のカラー化の推進を行なうことといたしております。  ラジオにおいては、第一放送は、ニュース・インフォメーション番組の拡充と機動的編成につとめ、第二放送は、学校放送番組の刷新等をはかることとし、また超短波放送は、その特性を生かした音楽番組の刷新をはかることといたしております。  また、国際放送においては、ニュース・インフォメーション番組の充実をはかるとともに、各地域の特殊性に即した番組を編成し、放送を通じての国際間の理解と親善に寄与することといたしております。  次に、営業関係につきましては、社会情勢の変化に即応した活動を積極的に推進することとし、聴視者の理解と協力を得るよう、協会事業の周知及び電波障害対策等受信の改善を積極的に行なうことといたしております。  これらにより、極力、受信契約者の維持開発につとめ、受信料の確実な収納をはかることといたしております。  調査研究につきましては、番組面において、国  民世論調査、番組聴視状況調査等、技術面において、放送技術新分野の開発研究、カラーテレビジョンの改善研究、放送衛星に関する開発研究等を積極的に実施することといたしております。  経営管理関係につきましては、業務全般にわたり、効率化を積極的に推進して、経費の節減につとめるとともに、企業能率の向上をはかることといたしております。  また、業務の効率化により、要員数を前年度どおりとし、給与については、適正な水準を維持するよう改善をはかる所存であります。  最後に、これらの事業計画に対応する収支予算について申し上げます。  事業収支につきましては、収入において総額一千三百九億四千五百万円を予定いたしております。昭和四十九年度における受信契約者の増減につきましては、カラー契約において二百四十三万件の増加を見込み、普通契約においては、カラー契約への変更等により百七十六万件の減少、契約総数において六十七万件の増加をはかることとし、年度末における契約数を、カラー契約二千九十四万二千件、普通契約四百四十二万件、契約総数二千五百三十六万二千件と予定し、これによる受信料収入を一千二百二十九億四千百万円と予定いたしております。  また、国際放送関係等の交付金収入二億八千八百万円、預金利息等の雑収入二十八億三千八百万円を計上するほか、特別収入には四十八億七千八百万円を予定いたしておりますが、このうち、前年度予算において使用を繰り延べた事業安定のための資金の受け入れ三十四億九千三百万円を計上いたしております。  これに対する事業支出は、総額一千三百九億四千五百万円を計上し、国内放送費をはじめとする事業運営経費、固定資産の減価償却費、支払い利息等の財務費、固定資産売却損等の特別支出及び予備費に充てることといたしております。  次に、資本収支は、支出総額百九十五億八千六百万円で、建設計画の実施に百四十億円、放送債券等債務の返還に四十七億円、放送債券償還積み立て資産の繰り入れに八億八千六百万円を計上し、これらの財源として、減価償却引き当て金、資産受け入れ等百五十三億八千六百万円のほか、外部資金の借り入れ四十二億円を予定しております。  以上、昭和四十九年度日本放送協会の収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上に放送の果たすべき使命がますます重要となっていることに思いをいたし、この重大な責務の遂行に一そう努力する所存でありますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御承認を賜わりますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。     —————————————

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、財団法人日本消費者協会専務理事渡邊伊平君、新日本電気株式会社専務取締役三熊文雄君、富士電機家電株式会社取締役安部孝一郎君の三名を参考人として本日の委員会に出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  皆さまには御多忙中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。  本日の議事の進め方についてでございますが、時間の都合上、委員からの御質疑に対しお答えを願うようにいたしたいと存じますので、その点をあらかじめお含みおきをお願いいたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 NHKのほうに最初にお伺いしますが、四十九年度予算で予定をいたしておりますカラーテレビジョンの契約数というのは幾らになりますか。  それから通産省にお尋ねしますが、電子機械工業会のほうで取りまとめてあるかどうかわかりませんが、四十九年度の全体のカラーテレビジョンの製造個数というものはどのくらいに予定されておるか、最初にそれを教えてもらいたいんです。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) NHKで四十九年度に契約いたしますカラーテレビジョン、有料で千八百五十一万というふうに予定しております。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 四十九年度のカラー契約上どうなるかというお問い合わせでございますが、年度初頭に千八百五十一万二千件ございます。四十九年度内に増加をいたします数が二百四十三万件でございまして、四十九年度末におきましては二千九十四万二千件に相なります。これを契約全体の中の比率で申し上げますと、年度当初におきましては契約全体の約七五%がカラー契約であり、年度末におきましては八二・五%のカラー契約の比率に相なるわけでございます。

藤本和男通商産業省機械情報産業局電子機器電機課長

○説明員(藤本和男君) 四十八年度のカラーテレビの生産台数は八百七十五万七千台でございまして、そのうち輸出が二百万台ちょっとございますので、国内向けには六百六十六万台程度のものと思います。  それで先生御質問の四十九年度の電子機械工業会の数字、私いま正確には記憶しておりませんが、国内の普及率が非常に高まったこともございまして、若干の減少という見通しになるのではないかというふうに聞いております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 会長から適切なお答えがあったのですが、四十九年度中に新規に契約されるものが二百四十三万件ということですね。それで四十八年度の場合は推定としてどのくらいになりますか、今年度ですね。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 四十八年度のカラー契約の場加数は三百二十万件でございます。これに比しますと、四十九年度はかなり下回った数字に相なるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま通産省のほうから四十八年度の製造全体の台数がわかりました。国内向けに約六百六十六万舎と、こうおっしゃいましたね。ところがNHKのほうの数字を聞くと約半分なんですね。ですからここいらに非常に問題があるんだと思います。これは後ほどまたお尋ねしますが、このように非常にカラーテレビの普及によりまして受像機もいろいろのタイプが出てまいっておりますが、そのことについてお尋ねをしたいんでございます。  きょうは、日本消費者協会、それから新日本電気、さらに富士電機の皆さんにはたいへんお忙しいところをおいでいただきまして、ありがとう存じました。  最初に、日本消費者協会の渡邊専務理事にお尋ねしますが、たいへん国民のために消費者の立場に立っていろいろと御苦労をいただいておりまして感謝にたえませんが、せんだって協会のほうで商品テストをいたしましたところ、新日本電気の製造にかかるカラーテレビジョンの二十型コンソールタイプと、もう一つは富士電機の製造にかかるCS5600STというカラーテレビ受像機、これがいずれもテストの結果、電気用品取締法の技術基準に違反をしている、こういうことになりまして、消費者のほうとしてもたいへん困ったことだと、こう思っておるのでございますが、それで後ほど関係の皆さんにもお尋ねいたしますが、まず渡邊専務理事から、この商品テストの結果について概略の御説明を最初にお願いしたいと思います。

渡邊伊平財団法人日本消費者協会専務理事

○参考人(渡邊伊平君) まず最初に、本委員会に意見を申し述べることのチャンスを与えていただきましたことについて厚くお礼を申し上げます。  いま鈴木先生から御質問のありました件について概略を簡単に御説明申し上げます。  私のほうで昭和四十八年度の商品テストの一つの品目といたしまして、カラーテレビ二十型のコンソールタイプのやつを十二銘柄テストいたしたわけでございます。テストの内容を簡単に御説明しますと、まず科学テストとそれから使用テストと両方のほうでやっておりまして、それぞれについて結果を出し、それから総合判定をして結果を出すわけでございます。  科学テストの中におきましていわゆる電気用品取締法に基づくいろいろな基準がございますが、それにはたして適合しているかどうかということにつきまして約九項目につきましてテストをしたわけでございます。で、たまたま構造のところでございますが、その中におきまして、いまお話のございました新日本電気の分と富士家電の分のやつが電気用品取締法における技術基準に適合してない、不合格というようなかっこうで、私のほうとしましてDというような評定をしたわけでございます。  それぞれの製品につきまして、なぜDになったかということを簡単に申し上げますと、NECのCV−20C862A型でございますが、これはアンテナ端子についておりますコンデンサーの二本のリード線の線間空間距離が一ミリしかなかった。これは実は電気用品取締法の技術基準におきましては、このアンテナ端子板を感電から防ぐために二ミリ以上というふうに定めているわけでございます。それで二ミリ以上と定めているのをテストしましたところ、一ミリしかなかったということで、これはDというふうにしたわけでございます。  それから富士家電の関係でございますが、これはCS5500STでございますが、これは故障を起こしました場合を想定した試験でございますが、抵抗器が炎を出して燃え、その上にある電線にかぶせた不燃性絶縁チューブの含浸材が小さな炎を出して二分近く燃えたわけでございます。ただ抵抗器が焼断するとともにこの火は消えましたんですが、実はこれは電気用品取締法の技術基準では、極性が異なる充電部を短絡した場合、短絡回路に接続された部品が焼却することにより他部品が燃焼しないことになっております。これが燃え移ったということで、私のほうとしますと技術基準に合格してないというかっこうでDに評価したわけでございます。  以上でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いまのお話の中で、機種の点ですけれども、NECのほうはCV−20C862A型というんですか。

渡邊伊平財団法人日本消費者協会専務理事

○参考人(渡邊伊平君) はい。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからもう一つの富士電機のほうのCS5500STというのは、5600ではなくて5500でございますか、ちょっとその点のお答えを。5600STではないんですね。

渡邊伊平財団法人日本消費者協会専務理事

○参考人(渡邊伊平君) 5500でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで協会のほうでテストをやられる場合には、抜き取り——もちろんこれは業界の了解を得てやることでしょうけれども、たくさんある中でどこからか抜き取ってきて、そうして何台ぐらいのものをおやりになるんですか。

渡邊伊平財団法人日本消費者協会専務理事

○参考人(渡邊伊平君) 私のほうの消費者協会のテストは、いわゆる消費者の立場に立ったテストということを主眼にしておりますので、われわれがテスト商品をまずどういうものをやるかということにつきましてきめまして、それから商品別の委員会というのをそれぞれ構成してございますが、大体七名ぐらいが通常でございますが、カラーテレビの場合には重要だということで九名を委員に選定してお願いしてございます。大体、学識経験者の方が六名、それから消費者代表が三名、こういうふうなかっこうで委員会を構成してございます。そうしてまずどういう型のやつで物を買うかということをそれぞれ委員会におはかりしまして、機種の選定をいたすわけです。  それから購入に入るわけでございますが、消費者の立場という意味におきまして、私のほうがデパートとかあるいは家電の販売店とか、いわゆる通常消費者が物を買う場合における購入先でございます。そこにいわゆる消費者協会という名前を出さないで、個人というようなかっこうで買いにいくわけでございます。で購入いたしましたものをそれぞれ私のほうで一回、二回、三回ぐらいの委員会を開きましてテストするわけでございます。  第一回というものは、どんなテストをしようかというテスト項目をきめまして、それぞれ先ほど申し上げました先生方の御審議をいただいて項目をきめます。  それから、その第二回目の委員会に入る前に、テスト項目ときめたことにつきまして、先ほど申し上げました科学テストにつきましてはいわゆる公正中立というような観点から国立の試験研究機関あるいは法令に基づく指定研究機関あるいは大学、こういうところにいわゆる科学テストの委託をするわけです。それからあと使用テントのほうは、私のほうで一般の主婦とかそういう方にお願いいたしまして、テスターにお願いしてそれでいろいろ結果を出していただく。その出ました結果を第二回の委員会におはかりしまして、それぞれ私どものほらできめております評価要領に基づきまして評価をするというかっこうになっているわけです。  それから第三回目は、これを対外的に発表する場合に、一般消費者によりわかりやすく正確に情報が伝えられるというような観点から、発表の文章につきまして御審議願う、それで皆さんにお知らせする。大体、こういうようなことでやっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この二十型カラーテレビジョンのコンソールタイプの受像機というのは、新日本電気さんとそれから富士電機さんでは何台くらいをつくっておられるんでしょうか、それから一番先に製造したのはいつでございましょうか、両社のほらからひとつお答えいただきます。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) ただいまの御質問にお答えします。  新日本電気のただいまお話しのありましたCV−20C862A、これは生産は昭和四十八年にかかりまして、昭和四十八年八月までつくったわけです。その台数は三千九百九十一台、それだけつくりまして、そしてその後は二十二インチに変わったものですから生産は中止しました。

安部孝一郎富士電機家電株式会社取締役

○参考人(安部孝一郎君) お答え申し上げます。  富士電機家電で該当いたしますCS5500STのテレビでございますが、四十八年四月に生産をいたしましてロットといたしましては千五台でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そのあとは、新日本電気さんと同じように二十二型にやっぱり変わっているわけですか。

安部孝一郎富士電機家電株式会社取締役

○参考人(安部孝一郎君) 別の型の二十型を新発売いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通産省のほうにお伺いしますけれども、こういう日本消費者協会が商品テストの結果、欠陥のある受像機であるということが明確になったわけですが、監督官庁といいますか、そういう立場にある通産省としてこの問題についてはさっそく何らかの手を打たれていると思いますけれども、その打たれた手がございましたらひとつここで発表してもらいたい。

下邨昭三資源エネルギー庁公益事業部技術課長

○説明員(下邨昭三君) 今回、新聞発表されました二十型カラーテレビは、先ほど御説明のありましたように日本消費者協会で買い取ったものでございますが、その違反の内容を報告を受けまして、当省におきましては直ちに両社を呼びまして事情を聴取いたしました。その翌日、職員を工場に派遣いたしまして立ち入り検査を実施いたしました。それぞれ両社とも当該製品はすでに製造を中止しておりますけれども、在庫品がございましたので在庫品を調査いたしました。  その結果は、先ほど指摘されたような違反の内容は見当たりませんでしたけれども、当省といたしましては、さらに万全を期するためにすでに販売された製品について早急に総点検を実施させるとともに、未販売の製品、在庫製品についても現品を再検査するよう指示をいたしました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 富士電機が千五台、それから新日本電気が三千九百九十一台つくっておられるわけですが、いま在庫品に対して立ち入り検査をして調べてはみた、ところが格別の問題はなかった、そういうお話でございますね。  そこで、両社は、いまそれぞれ製造いたしました台数の中で倉庫に入っているいわゆる在庫品というのはどのくらいございますか。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) われわれの新日本電気におきましては、販売数が三千六百七十人台、したがって在庫のものが三百十三台、こうなっております。

安部孝一郎富士電機家電株式会社取締役

○参考人(安部孝一郎君) 生産台数は先ほど申し上げましたように一千五台でございまして、販売台数が九百二十三台でございます。したがいまして在庫が八十二台でありまして、当社のもより販売会社に在庫している総数でございますが八十二台でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通産省がこれから在庫品の調査もやっていただけるそうですし、それからすでに販売をしたこれらの機種のすべてに対して総点検をする、こういうことですから、それはひとつぜひ早急にやっていただくことにして、この際、富士電機さんと新日本電気さんのほうに見解を承りたいのです。  カラーテレビジョンの受像機というのは、よく何かちょっとした瞬間に燃え上がったりしてときどき問題になるわけでございますね。したがって私どもも絶えずこの委員会ではその点について十分な安全性を確保してもらうようにお願いをしておるわけですけれど、たまたま日本消費者協会の商品テストの結果こういうものが明らかになったわけですね。おそらくこの三千九百九十一台ないし千五台の中のたまたまテストをしたのが一台であっても、そういう法律に違反する不良品があったということは間違いないと思いますね。そういうものがどうして出てくるんですか。同一の設計規格でやられるわけでしょう。そういうことに対して私たちは非常に疑義を持つわけですよ。  一つであるか十あるかこれから調べてみないとわかりませんですが、たまたま間隔一ミリで事故が起きないからいいんですけれども、二ミリ以上というのが一ミリになっているのがあるわけですから、それがたとえ何万個に一つであっても、あってはならないものがあるということはちょっとおかしいじゃないですか。一体、どういう製造工程をたどっていくのかわかりませんが、そういうものがどうして出てきたのか、その辺を含めてひとつ両代表の方から御所見を承りたいのです。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) ただいまお話のありましたとおり、われわれ設計する場合は、いわゆる電気用品取締法の技術基準以上の設計をするわけです。したがって二ミリというものは少なくとも七ミリ以上離すというような設計をしまして、実際におきましても配線がたるみその他で二ミリ以下になるという危険があるので、それがないように線の長さをはっきりきめます。そして常にそれが接触しない方向で配線するわけなんでございます。  したがって、いまお話のありましたとおり、たまたま一台あったということはわれわれも非常に困ることでありまして、何とかしてそういうことのないように検査その他は厳重にやっております。しかしながら、そういう現実がありますので、技術的にいかなることによってそういうことになったかいま調査中であります。二度とそういうことのないように厳重に調査しまして、そういうことを二度と起こさないようにいたしたい、こう思っております。

安部孝一郎富士電機家電株式会社取締役

○参考人(安部孝一郎君) いま鈴木先生の御指摘のとおり、家庭電気製品、特にテレビは家庭で使うものでございますので、今回のような事態が起きたことに対してはたいへんメーカーとして責任を痛感しておる次第でございます。  先ほど消費者協会の事務理事さんからお話がございました短絡試験におけるいわゆる試験不合格という事態でございますが、てまえどもの製造の体制から申し上げますと、型を起こすとき、あるいはその中間におきまして抜き取りで短絡試験をやっておるわけでございまして、その場合には自己責任において十分合格する製品をつくっておったわけでございますけれども、たまたま二十二日に御発表の内容に接しまして、さっそく一台、再現試験といいますか、いわゆる短絡試験をやりまして、ほんとうにどうなのかということを確認したわけでございますが、それもやはり取締法のルールどおりの製品であったわけなんでございますが、やはり一台が故障を起こしたことは事実でございますので、てまえどもに品質管理の手落ちがないかどうかということを徹底的に社内で洗っております。  端的に言いますと、やはり手作業の分野をできるだけ少なくして、設計基準あるいは製造基準それから検査基準、こういうものをさらにシビアに持っていきまして、たとえ一台でもそういうものが出ないようにやりたい、こんなことを決意いたしまして努力をしている次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 安部取締役さんは非常に謙虚に反省をし、申しわけないという陳謝の気持ちを表明されておりまして、それはそれなりに私たちもわかります。  それで問題は、三熊さんね、あなたが七ミリ以上に安全性を見てやっているのだという、そうなればなおおかしいですよ。七ミリ以上離しておるものが一ミリになっておったというふうなことは、これは日本消費者協会がたまたま個人の名義でどっかのお店へ行って買ってきて調べたところが、こういう欠陥カラーテレビだったということだと思いますけれども、しかし私はただ一台であったということは信じられませんよ。多くのやはりこういう不良品があると見なければならないですね。  一体、製造したあと、いよいよ販売店におろすのだと思いますけれども、その段階で一つ一つの受像機に対して完全な基準に合っているかどうかというテストはしていないのですか。設計上七ミリになっておって、できたものはその七ミリで間違いないということをあなた方は完全に使用して、そうしてテストというものをみずから——消費者協会でやられるなんという前に、あなたのほうでメーカーとして全責任を持つ立場から、当然、基準に合っているかどうかを一々点検して、そうして間違いないということの確信に立って商品は出すべきですよ。それを怠っているのではないですか、それはどうなっていますか。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) いろいろ問題があるかと思いますが、われわれとしましては、いまお話しのとおり、万全を期してやっております。しかも全数検査をいたします。  特に、こういう耐電圧問題につましては、たとえば電圧耐力試験、絶縁耐力試験としまして千三百ボルトというような電圧をかけ、そういうことがないかというような試験もやりますし、それから同時に品質管理部という別なセクションがありまして、そこで十分検討するというようなたてまえをとっています。  そういうたてまえをとっていながら、いまお話ししたとおり問題が起きたというのは、非常にわれわれのやり方その他につきましてももう一度反省し直さなければならぬという点もありまして、まず原因がたとえば配線のたるみによるものかどうかというような、原因をもう一度はっきり確かめて、そうしてその対策をしたいと思いますので、現在、その原因につきまして厳重に調査しつつあるというところでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはやっていただかなければならぬことですが、ただ私の申し上げたいのは、全製品について合格かどうか、設計に従って製造され基準に基づいておるかどうかというそのテストをおたくのほうで全部やるというのでしょう、それなら、やったのになぜこんなのが出てきたのですか。これは重大なミスですよ、もうだれにも申し開きのできないところだと思いますよ。  それをあなたはたるんだかどうかなんという、七ミリもあるものが一ミリにたるむわけがないですよ、そんなたるむような電線を使っていたとすれば、それは不良品を使ったことだ。どこへ行ったってもう一つもあなた方が正当にこうでございますとして申し開きをすることができないのじゃないですか。もし全製品についてテストをしているとすれば、私はそうなると思いますが、どうですか、それは。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) われわれの可能な限りの検査はやった結果のものですから、その点につきましては、いまお話ししたとおり非常に反省しています。したがって二度と繰り返さないようにはっきり原因を確かめたい、こう思っておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、この種のものは今後幾つか出てくるかもしれませんわね。ですから、いま在庫にあるのは全部、何といいますか、こわしてしまって市場へ出さぬというようなことはできないのですか。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) 在庫のものは十分調査しまして、そういうおそれのあるものはもちろん出庫しないというようにいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、これはどうも取締法そのものにも若干問題があるように思うのですが、よく一つの基準がありまして、その基準に基づいて製造されて、それでよろしいというふうなことで市場に出てくるわけですけれども、たまたま基準に適合しているかどうかということの検査が十分にできないために、一つの欠陥があって国民が迷惑するような例が幾つかほかにもございます。ですから、私は、いまのおたくのほうで一々検査をしたのだが、その中に、たとえ三千九百九十一台の中に一台あったとしてもその責任はどうとるか、そういうことをやっぱり明確にしておく必要があると思うのです。  会社として、いまここでへたな抗弁をしてみたところでしようがないわけですから、ほんとうに一台でもあったことは申しわけないと全国民に向かって頭を下げて、再びこういうことのないようにベストを尽くすほかはないと思います。せっかく基準がありましても、その基準に違反するようなものが消費者の目をかすめて出回るということになりますと、ひいては会社の信用にもかかわるし、そういうものは買わないということになるでしょうから、あなたのほうでももう少し周到な配意をしていただくことが非常に重要ではないかと思いますがね。ほんとうに申しわけなかったというふうな気になるのですかね。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) ただいま鈴木先生もおっしゃるとおり、十分反省いたしておりますので、そういうことを今後起こさないように努力もしますし、消費者の皆さんに御迷惑をかけないように、われわれとしては今後の問題を十分に検討していき、そうしてわれわれとして十分な手を尽くしたい、こういうように考えています。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 通産省から担当の課長さんですか、おいでいただいたのですけれど、大臣はきょう来ておりません。  郵政大臣、あなたは国務大臣でもございますし、いまお聞き取りのような商品テストの結果の不合格品が出ておりまして、これはたいへんな問題です。これからNHKが二百四十三万の新規契約をやろうというような段階でもありますし、安全性についてはもう念には念を入れてやっていただかないことには困ります。さっきの通産のほうの在庫品に対する総点検さらに既売のものについても総点検をするというこのことについて、これはもう時間をおかないで間髪を入れずにやってくださいよ。どのくらい手数がかかるかしれませんけれども、たいへん御苦労ですけれどもひとつやって、やっぱり通産省としての監督の責任というものを果たしてもらいたい。これは郵政大臣もひとつ通産大臣のほうによく連絡をとっていただいて、再びこういうことのないように厳重なひとつ業者に対してもさらに注意を喚起し、消費者の立場に立ってりっぱな商品を出していただくようにお願いしたいと思います。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 国民の側に立ちますと、テレビで問題が起きますと、それが通産省の責任であるか郵政省の責任であるか、そんなことはわかりません。テレビであると、たいがいこれは郵政省だろう、こう思っておると思います。  私は、こういう欠陥のあるものが国民の前に提供されるということについては、役所で、あれは通産省の責任だ、あれは郵政省の責任だというようななすくり合いをしておることが間違いであると思っております。したがいまして、このような問題に関しましては、私どもと通産省のほうとよく連絡をして、お互いに再びこういうことのないように——前に私が運輸大臣をいたしましたときに、欠陥車問題というのを取り上げまして、これは輸出は通産省、国内のほうは運輸省というふうに分かれておったんですけれども、すぐに通産大臣と連絡をとって、世界じゅうに恥ずかしくない日本の車をつくらなきゃならぬという措置をとったのでございます。  いま聞きますと、テレビも相当外国にも行っておるということでありまして、日本のテレビの機器というものが今日まで国民に果たした功績というものは私は認めますけれども、欠陥をしておるものを市販しておるということは絶対に許されないことでございまして、鈴木委員の御所見も伺いまして、くよ連絡をして、再びそのようなことが起こらないようにつとめていきたいと存じます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでいい機会ですから、三熊さんと安部さんにちょっとお伺いをしたいんですが、最近、カラーテレビジョンの受像機でメーンスイッチをいつも入れておきますね。そうすると赤いランプがついて真空管があったまっていますね。ですからバイスイッチを入れますと、すぐ映像が飛び出てくるわけですよ。これは非常に一面からいえばメリットがあると思いますけれども、しかし私はこのメーンスイッチを入れておくことによって年間に五億七千万キロワットのむだな電力が使われているということを知っているんです。いま電力が足りないといって放送時間までNHKや民放が短縮しているときに、確かにスイッチを引っぱって画像が出てくればいいというのはよくわかりますけれども、しかし、いまはトランジスターでスイッチを入れたらボイスだけは入ってくるわけですから、映像が二十秒や三十秒おくれても、私は電力の節約ということからいえば、ああいう機械をつくることについてもちょっと疑問を持っているんですよ、そこまでやらなくてもいいじゃないかと。  何でもこれは便利で、そうすれば買いやすいだろうというんで、商売上営業上からすれば一つのやり方かもしれません。しかし特にこういうエネルギー不足になったときには、あの受像機を見ただけでも私はいやな気がするんです。五億七千万キロワットもむだな電気があのメーンスイッチを入れているだけによって消費されているというようなことは、これは黙過できないと思うんです。私は、郵政大臣にしてもNHK側にしても、そういう点について一体どれだけ考えていてくれたかということをあとでも聞きたいわけですけれども、どうもあれは少し行き過ぎじゃないですかね、まだあんなのをつくるつもりですかね。

三熊文雄新日本電気株式会社専務取締役

○参考人(三熊文雄君) ただいま御指摘のとおり、一台当たり大体七ワットぐらいの電力を消費しています。そのために、相当の数がありますから、いまおっしゃるとおりの数字になるわけなんですが、われわれとしましては、いわゆる電力危機その他の問題もありますので、いままでやっていたことをやめまして、ああいう予熱タイプというものはやめる方向で、全部いまとめています。昨年の先の機種、八月のものまでは一応前どおりになっていますが、それ以後のものはスイッチを変えて、そういうことのないようにつくっています。

安部孝一郎富士電機家電株式会社取締役

○参考人(安部孝一郎君) 鈴木先生のおっしゃるとおりだと思うのですが、商売上のこともありましていろいろむずかしいのですけれども、一般情勢として当然省資源型とか節電型、こういうことが現在必須条件でございますので、そういうことを頭に置いてやっておるわけでございます。  てまえどものテレビは、メーンスイッチを切るスイッチが別についておるわけです。で需要家さんが御選択になって節電型にも切りかえられる、あるいは短気というと変ですけれども、すぐに映したいという場合には、それは使わなければいい、こういうようなことで、とりあえず全製品両面でやっております。先々はお説のように省資源型、節電型にテレビ以外の製品もさらに改良していくということを会社の方針としてとっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 売らんかなという商魂たくましいやり方からすれば、すぐ画像が飛び出してくれば、見るほうから見れば、ああいいじゃないかと言う人もいますからね。しかし資源の足りない日本ですから、そういうことをいつもメーカーサイドでも考えていただいて、そして少ない資源をどう使うかということに配慮をすれば、私はあれは少し行き過ぎじゃないかという気が前からしておって一度お伺いをしてみたいと思っていたんですが、ちょうどいい機会でしたから。幸い、たまたま石油危機に直面し、エネルギー不足の問題から、これからの機種についてはそういうものはやめるという——八月からやめておるのでございますね、ですから、それはけっこうです。私もそれは大いに賛成です。  それで郵政大臣ね、郵政省として今度NHKなり民放に対して放送時間の短縮を行政指導しましたね。あれをやった場合に、何キロワットの節約になるんですか。NHKが約一時間何ぼか二時間近く放送時間を短縮して、一体、電力が幾ら節約になるわけですか。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 電力そのものは私はそうたいした節約ということにならないんじゃないかと思っておりますが、正確な数字はひとつ政府委員から答弁させます。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 十七万五千キロワットアワーということを一応推定しております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 十七万五千キロワットアワーですね、一方いまの話だと五億七千万キロワットだな、それだけのものがむだになっている。  だから、そういうところへもう少し考え方を向けてやるべきであって、何か放送時間を機械的にと言うと語弊がありますが、大臣ちょっと気にしないでくださいよ。何か政府の方針が一〇%節約、一五%節約となりますと、右へならえでやっていくような傾向がなきにしもあらず。しかし、ものによってそういうことをしていいか悪いかということはおのずからあるわけですから、一挙に放送局に対して、わずかの節減のために放送番組を何時間短縮しなさいというようなことを言うのも少し私は軽率のそしりがあるのじゃないかと思う。今日番組を縮小したことに対して熾烈な批判が出ております。しかしまた一面では、放送時間が長過ぎるから少し短くしてもいいじゃないかという意見もありますけれども、しかし大かたの人たちは、日本人の生活の態様が変わっておるものですから、やっぱり短縮されたことに対してはかなり抵抗していますよ、私たちが直接視聴者に会って聞いてみますとね。  ですから、これはあとからさらに突っ込んだお話を伺いたいと思っておるんですけれども、何か思いつきと言うと少し表現が適切でありませんけれども、放送のほうにも少し協力させようというようなかっこうが感じられるわけです。電力がいま申されたように十七万五千キロワット、一方五億七千万キロワットもむだな電力が流れておる、そっちには何も手をつけないでおいて、そして十七万キロワットぐらいの節約にしかならぬ放送を何時間か協力しなさいとか、十二時以後やめてほしいというようなそういうことも、われわれのサイドから見ると、もう少し配慮があっていいんじゃないかというような気がしたもんですから伺ったわけですけど、どうですかな、今度まただいぶこれ続いていくんでしょう、放送時間の短縮は。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 問題が二つに分かれておると思うんですが、一つのほうのあれは、鈴木さん言っておられるのは、何ですか、すでに出てくるやつですな。あれを「ポンパ」っていうような名前をつけたり、ぽんとつけたらぱっと出てくるから「ポンパ」とか、そんなこといってテレビの機械でサービスをして売り込む、そのために消費されておる電力、これのほうが大きいと、それは私も同感であります。だから、そういうことはいまやめていくという話ですから、けっこうなことだと思っています。  それは電力を消費しないでポンパになりゃいいですけれども、いつも流しておかなきゃぽっと出てこないということで、むだづかいをしているというようなことは——これは技術の問題でありますから、電力を使わないでそういうことになれば、それは言うことはないと思いますが。  一方のほうは、あくまで私どもの態度としては干渉がましいことは言わない、自粛を望んでおるというのが昨年からの政府の態度でございまして、これは電力問題としては、特にもう御案内のように一〇%の電力の節減ということで、この態度を政府が続けておる、こういうことであります。したがいまして、私は、テレビの事業者に対して政府がああしろこうしろということを言う地位におらないということを認識しながら、やっておるつもりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは正しいですね、大臣のお立場としましてはね。ですから、行政指導をする場合にも非常に配慮したと思いますよ、いろんな神経をね、特に放送関係に対して。それはよく私もわかるんです。ですから、一応、政府の方針が放送に対しても協力してもらおうじゃないかということが閣議できまり、それに基づいて郵政大臣がそれぞれの放送局に要請したと思うんですよ。これをまあ行政指導といえば行政指導かもしれません、名前はですね。  ところが関西とそれから中京と東京、この民放さんも、必ずしも鼻づらをそろえて、あなたの言うように、十二時以降やめてほしいということに対してはまあわかりましたといって帰っても、やはり十二時以降やっいるところもありますよ、NHKのようにすなおにある程度やっているところもありますが、強制権がないわけですからね。十二時以降、十二時半までやられておったって一時までやられておったって、あなたはそれ以上どうのこうの言えないわけですから。やはり理解を得る努力は絶えずしていただいていると思いますがね。  だから、問題は、放送の番組、放送時間というものが一体基本的にどうかという、そういう問題との関連もぼくはある程度考えながらやりませんと、じゃいつこれをもとに戻すんだと、要するに。小野会長の新聞に出た記事なんかを拝見しますと、あくまでもこれは石油危機に直面した当面の暫定措置であって、事情が許せば早くもとに戻したいんだということが述べられていますが、ぼくはそれが正しいと思うです。  NHKはどうなんですか、この政府の要請に基づいて放送時間を短縮しておりますけど、どれだけの電気の節約になり、その番組を流さなくていいわけですから幾らかのやっぱりメリットが経費の面であるかわかりませんけれども、どれくらいいままでの間に得をしたんですか、これによって経費が浮いたんですか。

吉田行範日本放送協会専務理事

○参考人(吉田行範君) 月間十四万キロワットでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 さっきの斎藤さんの十七万というのは、あとは民放かね、NHKが十四万キロで。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 一日当たりの送信側と受信側の節約の電力量の推定でございます。したがって受信側も入っておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、いままでに幾ら得をしたんですか、幾ら節電になって、経費の点では幾ら、これはNHKのほうで。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 電力節減の関係につきましては、NHKは自主的に放送時間の短縮をはかっております。政府筋からのかれこれの御指示によったわけではございません。そういうことでございますけれども、現在経費がどのくらい節約になっておるかというそれは、電気料金だけではございませんけれども、電電公社の回線使用料等の関係もございます。これも一時間の単位に満ちませんと減額にはならないわけでございますけれども、現在のところ、総合・教育両系統を合わせまして約二時間の放送時間の短縮をいたしておりますが、月額にいたしまして、大体、千百万円ぐらいの経費の節約になっておるような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この問題は時間がありませんからこのくらいにいたしますが、私がこれを取り上げ、両社の代表の皆さんにも御意見を承り、それから消費者協会のほうからも御意見を承り、さらに通産省、それから大臣からも御意見を承りました。私のきょうのこの問題が今後の放送行政の中に何がしか裨益するならばと、こう私は思います。こういうふうなことが再び国会の中で問題に供されることのないように、業界の皆さんをはじめ通産省におきましても、もう一度決意を新たにしていただいて、安くていい品を国民にサービスしていただくようにお願いしたいと思います。  また消費者協会のほうにおかれましても、予算も少ないし人数も少ないでしょうけれども、この協会の活動というのは消費者の立場から見ると非常に重要なものでございます。私はかつてドイツで一度こういう消費者協会に似たような国営の商品テストをやる研究所を視察したことがございますが、本来であれば、もっともっと予算的にもあるいは陣容的にもこれを大きくしまして、ほんとうにあらゆる商品に対して細大のテストができて、それがいち早くテレビやラジオや新聞を通じて、この商品はこういうところでいい、これはこういうところが悪くてだめだということを流してやる、そうしますと消費者は非常に助かるわけです。その消費者サイドに立ってやることが即また業者サイドにおいても絶えず注意をして、こんなような欠陥のものが出るなんということはもうないようにするわけですけれども、どうもそういう商品テストのようなものが十分に行なわれませんと、やはり一方のサイドから見ると都合がいいわけですから、悪意があるかどうかそれはわかりませんけれども、ついそういうふうなことが出てくるのは、もうこれは通例ですよ、日本の場合でも。ですから、どうかひとつ消費者協会におかれましても、たいへんなことでしょうけれど、この上とも消費者の立場に立っての御活躍をお願いしたいと思います。  きょうはこれでおきたいと思います。ありがとうございました。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記を起こして。  参考人の皆さんには、長時間にわたり御出席をいただき、ありがとうございました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、その次に、放送大学の問題でちょっとお尋ねしたいんですが、文部省、きょうは何か委員会がたくさんありまして、大臣に来てもらいたかったんですが、大臣がお見えになりませんので、五十嵐視学官ですか。——  最初に、二十二日に、放送大学の調査研究会議が最終的なこの問題に対するまとめをしていただいたようすでが、昨年の中間報告で残された部分だと思います。そこで要点だけ簡単に最初に説明してくれませんか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) 先生ただいまお話のございましたように、今月の二十二日に、放送大学(仮称)設置に関する調査研究会議におきまして「放送大学(仮称)の基本構想」の最終まとめを出したわけでございます。  この最終まとめは、昨年の三月に出しました「中間まとめ」におきましてまだ十分議論をしなかった設置形態、それから放送大学を設置いたします主体の管理組織あるいは大学の教学組織、既存大学との連携、この三点につきまして特に詳しくやったわけでございます。さきの「中間まとめ」におきましては、教育研究につきましてのシステムをすでに発表しているところでございます。その点につきましては、この最終まとめにおきましては、それをそのまま踏まえてやっております。したがいまして今回新たに加わりましたのは、設置形態、大学を設置します主体の法人の管理組織と大学の教学組織、既存大学との連携という三点でございます。  それの要点につきまして説明さしていただきますと、設置形態につきましては、これもさきの「中間まとめ」に一応書いてあったわけでございますが、それを多少詳しく書いてございます。設置形態につきましては、放送大学(仮称)の設置を主たる事業とする特殊法人とする。この特殊法人自体は放送局の免許を受けまして、みずから放送番組を制作し、放送するに必要な施設及び人的組織を持つ。それから、この特殊法人の事業の性格にかんがみまして、設立当初における必要な施設、設備及び設立後の運営費に対する国の十分な財政措置が必要であるという点でございます。  次に、法人の管理組織と大学の教学組織でございますが、基本的な考え方といたしましては、この法人自体が多数の学生の直接指導を担当いたします地域センターあるいは放送施設を持つなどによりまして、法人の業務執行が非常に多岐にわたるであろう、そういう意味におきまして、それにふさわしい管理組織を持つ。ただ大学というものを設置しますものでございますから、私どもよく教学面と言っておるわけでございますが、そういう教学面の自主的な活動が保障されるように十分配意をするということでございます。  法人の管理組織といたしましては、まず最高の意思決定機関としての理事会を持ち、理事会は合議制でございます。それから業務執行の最高責任者といたしまして理事長を置く。理事長の諮問機関といたしまして評議員会を置く。評議員会の構成といたしましては、この大学をやっていくためには既存大学との連携が非常に重要でございますので、既存大学をはじめとします関係各界の意見を法人の業務執行に反映できますように、そういう大学の関係者あるいは放送事業関係者、学識経験者等が入るようにしようということでございます。それから法人の業務執行を監査するための監事を置く。また先ほどの基本方針で申し上げましたように、教学面と法人の管理面との十分な連携を保っていく必要がある。そういう意味におきまして理事会の中に学長、副学長は当然入るということ、さらに適任者が得られれば、学長は理事長を兼ねることができてもよろしいということでございます。それから法人の役員の任免につきましては文部大臣が行なうということでございます。  その次は、大学の教学組織でございますが、これにつきましては学長は当然置くわけでございますが、それを補佐いたします副学長を置く。さらに大学の全体の意思をきめてまいります審議機関としての評議会を置く。  教員の組織自体につきましては、普通の大学と違いまして、かなり幅の広い弾力的な教育研究をしてまいらなければなりませんので、普通の大学のように学部単位というようなことよりももう少し弾力的なものを考えてみたらどうかということでございます。そういうために特にコースチームというものを設けたらどうか。このコースチームと申しますのは、開設いたします授業科目のまとまりを単位として設けます。コースチームの構成といたしましては、この大学の専任の教員のほかに非常勤の教員、あるいはこの大学自体が教育工学というものがこれを実施していくために非常に大事でございますから、教育工学研究所を置くことになっておりますが、そういう教育工学研究所の教員、プロデューサー等をもちまして構成をする。コースチームのやる仕事といたしましては、担当授業科目につきまして授業内容の検討決定、教材の作成、放送番組の編集、地域センターにおきます直接指導の方針の設定、単位の認定等に当たります。  それから、この大学自体は、教育手段といたしましては単に放送だけではございませんで、印刷教材も当然使うわけでございます。それとともに各都道府県単位に地域センターといいますものを設けましてそこで学生の直接指導を担当するわけでございますが、そういう地域センターを各都道府県に最低一カ所置きまして、学生に対する指導、実験、演習、通信添削指導、試験等を行ないます。このために地域センターに相当数の非常勤教員を置くとともに、これを総括いたしますような所長、専任の教員を置きます。  それから放送組織でございますが、放送番組の制作といいますのはまさに教育の内容そのものでございますので、放送番組を制作する組織自体は学長の統括のもとに置くということでございます。それから放送番組の送出及び放送施設の管理を担当する組織につきましては、これは放送番組制作と違いまして、かなり技術的要素が強いということで、たとえば理事会の直轄とする等別個の組織を考えております。それから放送番組審議機関を置くということでございます。  その次に、放送大学の教育内容自体は、普通の大学と違いまして、普通の大学でございますと教室という限られた範囲だけで済むわけでございますが、この大学の流します電波は直接一般国民に視聴されるものでもございますから、政治的に公平なことが要請されます。これを学内の組織において十分確認できるようなくふうが必要である。この場合、当然、そういう教育を担当する組織の自主性を考えていかなくてはいけないということでございます。  それから既存大学との連携につきましては、既存の大学によります放送大学の利用、たとえば放送大学が出します電波自体を各大学がテレビで受けまして、そういうのを教材として有効に活用していくということも考えられる。そういう点におきまして、既存大学との連携等の点におきましてそういうことができますような制度的くふうをするということでございます。それから地域センター自体をたとえば既存大学に隣接して置くなどしまして、非常勤の指導教員の確保等におきまして既存大学の協力が得られるようにしていくということでございます。  もう一つ問題となりますのは、この大学ができますことによりまして通信教育というものが非常に影響を受けるであろうということがこういう通信教育関係者から出ておりまして、その点につきましては、たとえば通信教育の学生に地域センターの施設の利用を認めるなどいたしまして、そういう調整もやっていきたいということでございます。  以上が今回の最終まとめで新たにつけ加わった点でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最初に、これの取り運びの手順についてちょっとお伺いしたいんですが、これは調査会議の答申案でなく最終的な答申と、こういうふうに文部省は受けとめて、これに基づいてこれからいろいろと作業を進めていく、こういうふうになるんでございますか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) そうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 四十九年度の文部省予算の中に、それに対する諸経費が含まれておるのでございますか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) 来年度の予算といたしましては、私どもといたしましてはその「基本構想」は放送大学自体の骨子をきめたものというふうに考えてございます。そういう意味におきまして骨子の検討はこの段階をもちまして終わる。  ただ、この大学の規模自体を一体どのように定めていくか、あるいはこれは前の「中間まとめ」にもございますように、いきなり全国的に広げていくのではなくて、特定の一ないし二ブロックから試行的に進めていかなくてはいけないということでございます。そういう試行的なブロックをどういうふうに始めていったらいいか、あるいはそれに伴います放送施設あるいは地域センターあるいは本部の施設というものをどういうふうに考えていったらいいか、あるいはこの大学自体のやっていきます具体的な教育のプロセスをどのくらいの人数でやっていったらいいかという具体的な検討課題がまだずいぶん残されておるわけでございまして、そういう意味におきまして四十九年度予算におきましては、そういうことを検討いたします会議を設ける経費を一点要求しておるわけでございます。  それからもう一点といたしましては、いま申しましたようなこういう機能に対応して、どういう施設を考えていったらいいかというための、私どもはこの大学の施設のモデル設計ということで予算をお願いしているわけでございますが、その経費がございます。  それからもう一点といたしましては、実験放送を引き続き進めていきたいという経費がございます。これが四十九年度の計画でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 幾らですか、額は。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) 金額といたしましては一億七千三百万ちょっとでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 内容について若干伺いたいんですけれど、その前に、いまの大体の概略の手順の問題ですが、この案を受けて、これからいろいろ重要なまた問題を検討しなきゃならぬわけですね。そうすると、いまの最後に言われた実験放送も行なう、そういうことも言われているのですが、いままでNHKのほうにお願いをしてUHFで試験的なテスト的な放送をしてきたわけでしょう。そういう成果をどういうふうに踏まえていくのかわかりませんが、全国的に単独の放送局をつくって、そして一ぺんにできないからある地域から逐次やっていくんだという構想だと思いますけれど、まだ海のものか山のものか、そこら辺があまり検討されてなかったわけですか、調査研究会議では。  そうすると、さっき申し述べられた三つの点について、一応具体的にプロセスをどうしていくということについては、これから会議を開いて決定をしていくということですか。何か五十二年くらいにはもう電波が出るというようなことも報道によると述べられているわけですけれども その辺もう少し明確にしてくれませんか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) 私どもといたしましては、このたびの会議自体の一番の検討の眼目といたしましては、こういう放送その他の手段を総合的に使いましたもの自体が従来の大学教育と同水準にできるかどうかという点が一番大きな点であったわけでございます。その点につきましては、この会議自体がこういうやり方でいけば、普通の大学と同水準のものは確保できるであろうという点につきましては御確認をいただいて、そういう意味におきまして、この大学の大学としての骨組みはすでにできたのではないかというふうに考えております。  ただ具体的な取り進め方につきましては、今後、さらに検討しなくてはならないというふうに考えております。それにつきましては昭和四十九年度の先ほど御説明を申し上げました予算におきまして固めてまいるというふうに考えております。  それで放送施設その他につきましては、私どもこれは十分専門家ではございませんが、大体、二年間ぐらいやはり要るであろうということも聞いております。そういう点からまいりまして五十、五十一の二年間かかり、一番早くてそのくらいでいけるのではなかろうかということで、新聞紙上でも五十二年ということが出ているのだろうというふうに思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 少なくとも調査会議が、この方式でやるならば普通の大学と同等な学力を取得でき、学士号を与えて大学卒業生と認めることができるという判断をしたわけですから、そうなりますと、それにはもう少し長期展望といいますか、具体的なプロセスというものもある程度この調査会議で論及されて問題点も出ていると私は思うんですね。関東なら関東エリアを最初にやるとしても、それだけじゃ済まないわけでしょう。やっぱり国民全体を対象にしておやりになるわけですから、逐次何年計画で全国的にはどの程度のカバレージにしていくかというようなことも、その討議の中で出ておらなかったんでしょうか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) いまの点でございますが、これはこの前の「中間まとめ」におきましても御議論があったわけでございますが、こういう何せ新しい試みでございます。それからこの大学自体は普通の大学と違いまして、かなり既存の大学の非常勤の教員の協力というものがたとえば地域センターにおきましても必要でございますし、あるいはこの大学の本部自体におきましても専任の教員だけでやりますと、かえって教育内容が固定的なものになってしまう、あるいはすぐれた内容というものが十分確保できないおそれもある。そういう意味におきまして非常勤の教員の確保が非常に大事である。それはとりもなおさず既存大学との連携であろうという点でございます。そういうふうにこれはいままでの大学とかなり異なったものでありますので、いきなり全国的なもの等に持っていくのは非常に問題があろう、むしろ特定のブロックでかなり試行的な面も含めながら一つのシステムをつくり上げていく、このつくり上げていく過程を数年経まして、それから徐々に固めていくという点があるけでございます。  そういう点におきまして、私ども主として教育的な観点から見ますと、たとえばこの大学自体がいきなり全国的なものになるということになりますと、既存の大学は何か自分たちとは全然別個なものができてしまうというように言われるおそれもあるんじゃないか。そういう意味におきまして、むしろ特定なブロックから、そこで自分たちの仲間として大学人から迎え入れてもらいまして、それでやることが必要である。当然、いま先生の御指摘の全国的な配置というものを考えていかなくてはなりませんが、ただそれをやっていくにあたりましても、そういうことを十分考えていく必要があるということが御議論として出ております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぼくは重大な問題がそこにあると思うんですね。  少なくも経営形態の問題についても、これは中を見ますと、ほとんど国費によってまかなわれていくという、われわれの税金でやるわけでしょう。その税金を、いまあなたは、何かもう少しテストをやるために、要するに試験放送みたいなかっこうでもうしばらく地域を限ってやっていって自信ができたら次に伸ばしていくんだというふうにとれるんですが、それはおかしいんじゃないですかね。そんな自信のないものなら、まだやらないほうがいいですよ。  いまNHKのほうにあなた方のほうでは依頼してUHFを使ってやっているわけでしょう、それも一つの参考になっていると思うんですよ。ですから、そういう基本的な構想というものがもう自信を持って進めるんだという不動の体制をやっぱりつくってスタートしないと、いま一方でも試験的にやっておって、まだ構想だといって、最終案がまとまったんだけれども、そのこと自体がこれからもう少し勉強して研究してみて、全体の既存の大学の教授先生方にも協力してもらってというような、そんなまだ非常に不確定な要素がたくさんある中でスタートしていくというのは私は非常に問題があるように思いますよ。  これは大臣がいらっしゃらないから、あなたは視学官の立場である程度事務的なお話しかできないわけでございまして私も残念に思うんだけれど、もう少し自信と確信のある話が私はきょうは聞けると、そうしていよいよ歴史的な放送大学というものがスタートできるのかなと思っていたんですけれど、非常にまだ不確定要素が多くて、これじゃ私はちょっと論議をするのにも若干ちゅうちょするような気がするわけですよ。  一体、いままで番組の編成その他についてもいろいろ関係者が集まって御苦心をされて、それによってやってきたわけでしょう、試験放送的に。それらの成果についてはどう分析しているんですか、大体いけるという確信を持ったのかどうなのか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) ただいまの特定の一ないし二ブロックで試行的にやっていくといいますのは、この場合には、あくまで大学としては正規に発足させるという意味でございます。そういう意味では、従来の試験電波を出すというものとは全然質的に違うものだというふうに思っております。  それからもう一つは、実験放送につきましては、いままでにすでに昭和四十六年以来、今四十八年度で三回すでにやっていただいているわけでございます。それで昭和四十六、四十七年度におきましては、実は、この大学自体のカリキュラム自体も十分固まっていなかった、あるいは方法論も十分固まっていなかったということで、主としてそういう——私どものこれは責任でございますが、そういう面でやっていただいたわけでございますが、昭和四十八年度におきましては、先ほど申し上げましたように昭和四十八年三月に、この大学の基本構想の「中間まとめ」ということで教育研究のシステム自体はすでにまとまったわけでございますから、それを踏まえまして、やっていただきます科目につきましても総合的基礎的なものをやる。あるいはこの大学自体は、先ほどの基本構想でも御説明申し上げましたように、単なる放送だけではない、中には印刷教材それから直接指導というものが非常に大事であるという点がございまして、そういう点のことも含みまして、あるいは基礎的総合的な科目につきまして、先ほどコースチームというものを御説明申し上げましたが、そういうものもおつくりいただいてやっていただいておるわけでございます。そういう意味におきまして、そういうコースチームとか先ほど申しましたような「中間まとめ」のねらい自体は十分にやっていけるものだというふうに、この実験番組にもだんだん出てくるんじゃないかというふうに考えております。  ただ、先ほどから申しておりますように、この大学自体の教育が完全な形で成り立つためには、まさに地域センターというものがなくてはいけないわけでございます。そういう意味におきまして実験放送といいますものは、地域センターといいますか、そういうものが完全にできてから、ほんとうのかっこうになるわけでございますが、それ自体はやはり実験放送では限度があるんではないかというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、普通の大学と同じような資格を与えるという、そのことでスタートするならば、それでけっこうですよ、それはそれでいいです。  そうであるならば、なお、地域センターのこともありますけれども、たとえば関東エリアなら関東エリアだけの人たちしか放送大学の恩恵に浴せないということになると、これはやっぱりそのほかの人たちからは苦情がくるでしょう、これはわれわれの税金を使ってやるんですからね。それについては、あなたのほうは、一ぺんにいまスタートできないから、関西はいつやります、その他のところは大体ここでやりますから、一ぺんにできませんので、ぜひひとつ御了解いただきたいという、国民に対するやっぱり理解と納得をしてもらわないと、それは一部のところだけやられたんじゃ、その他の人たちは文部省に対して差別待遇するのかという、それはあんた問題になりますよ。  だから、そういう意味において、それだけ自信と確信のあるスタートをするなら、関東をやって、その次はどこをやると。まあ地域センターで既存大学の先生方の協力を得るための体制づくりということもありますけれども、二年間これから準備期間があるわけですから、やる気になったら私はできないことはないと思うんです。だから関東だけなのかあるいは関西だけなのか、そのあとは一体どういうふうにやりまして、それで最終的にこの放送大学というのは全国的にどれだけのカバレージができてくるのかということを、さっき、私はあなたに聞いているわけです。そういうことなども調査会議でお話しにならなかったのでしょうかということです。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) ただいまの点、私、説明が十分でございませんで、申しわけございませんでした。  この最終報告におきましても、一応、こういうふうに書いてございます。「開設当初においては、一ないし二ブロック程度の広がりをもつものとして発足し、年次的な計画のもとに、試行的過程をふんだ上で、全国的に及ぼしていく」ということでございますので、先生のただいまの御趣旨もいただきまして、十分に検討してまいりたいというふうに思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、この調査研究会議には、NHKのほうから、会長、どなたか出ていらしたですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 会議には、別段にNHKからは出ておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、内容に入る前に、手続上の問題で、ある程度実験放送的な協力をNHKはしてきたわけですね。それでこの放送大学についてはNHKはNHKとしての一つの基本方針というものを持たれておりましたね。私はここでも伺っております。そういう立場からいたしまして、今度出てまいりましたこの調査会議の最終答申案についてNHK側として何か御意見がございますか、あったらひとつこの際聞かしていただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 当初、放送大学につきましては、どういう形態の大学ができますか、NHK自体がその大学をつくろうというような意図は毛頭なかったわけでございます。何しろ画期的な放送大学でありますので、事柄の社会的必要は非常に大きいと思います。そういう意味で何がしかの形態の大学ができ、それに対してNHKが協力し得るような性質のものであれば、放送面については長年の経験を生かして、放送関係について担当してもいいという気持ちはあったわけでございますけれども、これまた放送の免許をもらって、その大学の成果を生かすための放送面の分担、協力をいたしますためには、やはり現在の放送法のたてまえから申しまして、そこでつくられる教育課程等については十分準拠いたしますけれども、番組編成の自主性はNHKが持たなきゃならぬと思います。  そういうような面に非常な問題がございまして、いろいろ論議せられた結果、現在、文部御当局から御説明のありましたように、やっぱり大学は大学として、教育担当主管庁の認可のもとに、何がしかの大学をつくる、そうしてその大学が自由に番組の編成ができるようなことにしたいということで、その大学が同時に放送主体になろう、こういうようなことになっておろうかと思います。私ともこれがよくいけば非常に——それに対してこれがいかぬとかどうとかということを申し上げる立場ではございません、それも非常にけっこうだと思います。  NHKとしては、在来、大学関係の講座を持った放送をいたしておりますので、この面の拡充はいたしますけれども、これまた限られた現在の波の範囲内でやるわけでございますので、そう完全なものはできないと思います。ただある程度現状よりも拡充はできようかと思うのでございますけれども、それはいまの文部御当局で考えておられるような放送大学とは別に、そういうような大学講座もあり、それがあわせて一つの大学課程における単位修得の手段になれば、これは非常に好ましいことですし、またならなきゃならないんで、今日非常に終身教育、生涯教育等の必要が痛感される情勢にありますので、そういった面において、資格のとれるとれないにかかわらず、大学放送関係の講座は拡充していくべきじゃないか、このように考えておるわけでございまして、現在、文部御当局でお考えになっておられるような放送大学構想について、別段に、これが放送について長年の経験を持ったNHKの立場から、NHKがやらなきゃ困るというような気持ちは持っておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、大体、野村専務からもNHKの方針として早い機会にここで私たち伺ったわけですが、もちろん放送の経験を持つNHKが今後できます放送大学の放送技術の問題あるいは番組内容、もちろん技術的なことは別としましても、協力できる点はひとつ大いに協力していくということになると思います。  この大学というのは、働く青年とかあるいは一般の婦人とか、こういう方が自由にテレビ、ラジオを聞いて勉強し、そのことによって大学卒業と同じ資格を取れるというのですから、私はそういう一つのメリットはあると思います。  しかし、たとえば経営形態が特殊法人というんですね。これは特別に法律をつくって特殊法人的なものになるのか、あるいは民法上の特殊法人になるのか、その辺よくわかりませんけれども、いまここで述べられている内容からすると、全額国庫において金を出すというようなアイデアですね、そうなるんでしょう。この特殊法人というのはどうなんですかね、放送大学何とか法というのをつくってやるのか、それとも民法上の特殊法人としていくのか、その辺どうなんですか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) いまの点につきましては、まず学校教育法といたしましては、学校の設置できますものは国、地方公共団体あるいは学校法人というその三つしかできないというふうになっておるわけであります。でありますから、かりにこれがいわゆる特殊法人というかっこうでまいりますならば、そういうものができるという規定を設けなくてはいけないということに相なろうかと思います。  それで、先ほど先生の御質問にございましたどういう財政面のものを考えているのかということでございますが、これにつきましては先ほど御説明申し上げましたように、こういう大学でございますから収入面というものは期待できないであろう、そういうことであれば、当然、こういう勤労青年あるいは社会人に対して、現在いろいろ機会に恵まれない者に対しまして与えるのはやはり税金でめんどうを見ていただかなくてはいけないんだということで、これの主たる経費を出していただくのは国というふうに相なろうかというふうに考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 主たる支出はというんですけれども、ほとんど全部がやっぱり税金からやられるというふうに理解していいんですか、授業料取るわけじゃないでしょう、これは。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) これは授業料その他につきまして、こまかい点は詰めてございません。  ただ、たとえばイギリスのオープン・ユニバーシティがございますですが、それの授業料その他をちょっと見てまいりますと、たとえば向こうの大学の場合には、卒業いたします場合に大きな単位でございますが、六単位取らなくてはいけない。それが普通学士。それから栄誉学士の場合でございますと八単位を取らなくてはいけない。そういう場合におきまして必要とします授業料でございますが、これにつきましては一単位当たり二十五ポンドほど取ってございます。それからそのほかに、たとえば指定参考図書を買うとかそういうものもあると思います。  そういう意味におきまして、私どもこの大学自体は単に放送を聞くだけでそれで卒業できるというものとは考えてございません。当然、テキストを買いまして学生が読む、それから学習センターに行きまして実験、実習あるいは演習の指導を受ける、あるいは通信添削的なものをやらなくてはいけないということでございます。現在国立大学におきましても授業料を取っているわけでございます。そういう意味では、これはまだ最終的に詰めた段階ではございませんが、学生の学修の意欲自体とか継続意欲を確認するためとか、あるいは費用の一部は分担していただくとかということはやはり考えていくこともあるのではないかというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで学校教育法に定められた国立、公立それから学校法人とこの三つでなきゃできないと、したがってこの特殊法人という経営形態というものはその三つの中のどれかに該当することになるわけですね。特殊法人というのはその三つの中のどこかに当てはまる、こう理解していいんですか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) いまの点でございますが、特殊法人ということになれば、いずれにも当てはまらないというふうになります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、学校教育法の一部改正が出てくるね。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) そういう意味におきましては学校教育法の特例ということに相なろうかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで一つ心配になるのは、確かに入学試験もないし学費もいま少しもらうかどうかわからぬが、大体、たいして払わなくてすべての人が大学卒業の資格を与えてもらうということですから、大学教育の機会を与えてもらうということですから、これは非常にその点ではメリットだと思います。  ただ一面、要するに国家管理的な色彩というものが非常に画一的にかかってくる心配が一つ出てきますよ。ですから、この報告の中にもあるような筑波大学的な管理方式を構想に描いておるわけですけれども、その辺が一つは私は問題として残る。  学校における教育というのは教師との間に絶えず交流を深める、そういうことも含めて大学教育というものの本来の目的が果たされるようになっているわけですから、そういうようなことから見ると、このでき上がろうとする放送大学というものは、最終的なものを見ると、政治的に公平であらねばならぬと、こういっているけれども、その辺がはたしてそうなるかならないかの大きな問題がここに残っていると私は思うんですけれどもね。それらは放送番組審議機関というものができて、いろんな人が入っていくでしょうけれども、そういう点はどうなんですか、われわれの心配がほんとうに心配でなくやれるんだという、そういうところの自信はあるんでしょうか。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) いまの御指摘の点でございますが、この特殊法人自体の考え方は、先ほど先生の御指摘にありました筑波大学方式と申しますよりも、むしろ先ほど御説明申し上げました学校法人でございますが、私立大学の学校法人のかっこうにむしろ近いのではないかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、これ自体は国からの財政的な支出あるいは放送施設を持つという点におきまして違うわけでございますが、たとえば理事会、評議員会を置く、監事を置くというような形につきましては、むしろ学校法人のモデルに近いんではないか。  それで私どもこれにつきましては、たとえば国立大学が考えられるんではないかというような御議論もあったわけでございますが、これにつきましては御承知のように国立大学自体はその大学自体が一つのまとまったものとしてつくるのには非常にいいわけでございますが、先ほど申しておりますように、既存大学との連携あるいは各方面からの御援助というものをいただくためには、かなり弾力的な組織、管理運営形態を持たなくてはいけないだろう、そういう意味では国立大学のワクにはなかなかはまらないんではないかという点がございます。それから他方、経費面におきましては国の援助を受けなくてはいけない、あるいは放送局を持つという特殊なものがある、そういうことから特殊法人と称されるものになるんではないかという点でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、当然、放送法とか電波法というものは適用を受けることになるんでしょう、なりますね。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) これは当然受けるものだというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはそれなりに放送法なり電波法というものの不偏不党の精神に基づいてやられるだろうと思います。  ただ私はもう一つ心配する裏づけとして考えられるのは、たとえば理事長と理事は文部大臣が任命する、こういうことになっておるわけですね。それで理事会というものが最高の意思決定機関になってくる。で理事長とか理事というのは文部大臣が任命するという、そこのところにたいへん問題を感ずるんですよ。理事などというものは、たとえば国会できめて、その中から理事長なりを選出するとかいうような民主的な方法をとったほうがいいように思うんですがね。何かこう文部大臣が理事長と理事を全部きめてしまうというようなことになりますと、非常に国家統制の点が心配になってくるわけです。これはまあ一つの調査会議の案ですから、われわれが今後また国会のレベルでいろいろと研究しなきゃならぬと思うんですけど、そういうふうな点で、このまとまった調査会議の中の御結論に対して私もちょっと心配な点があるもんですから、伺ったわけです。  その辺はあなた答えられなければ答えなくてもいいんだけれども——。

五十嵐耕一文部省大学学術局視学官

○説明員(五十嵐耕一君) いまの点につきましては、私どものこの会議で御審議いただきましたのは、これはあくまでも大学であろう、大学教育につきまして責任を持つのは文部大臣であるということで、こういうあれをいただいたんだというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、これはせんだって発表されましたので若干の問題点を指摘しておきましたが、非常に大事な問題でありますから、さらに文部当局におきましても、既存の放送業界全体の貴重な体験等も十分伺って、画期的な放送大学としてスタートできるような、しかもその内容を国民が理解し、われわれの税金をぶち込んで満足して協力できるような、そういう放送大学にしていただくようにお願いをして、この件については終わりたいと思います。  それでは、時間がこの二つの問題でだいぶ過ぎてしまいましたので、私は、同僚の委員の皆さんからもこまかい点については御質疑があると思いますから、NHKの経営の基本的な問題についてだけきょう伺っておきたいと思います。  提案されました四十九年度のNHKの予算を拝見しまして私が感じたのは、昨年も若干の実質赤字の予算でございましたが、本年は特に経常収支におきまして四十五億五千万円の実質赤字予算になっております。これは幸いにしてというか、例の問題になりました東京放送会館の売却収入金がございまして、これによって去年もカバーし、ことしもカバーしている、要するに特別収入という点で救われているんじゃないかと思うんです。  そこで若干この予算の全体を見ましても、たとえばいまの事業安定化資金から三十五億の全額を充当する。それから減価償却などを見ましても、前年度比一五・三%くらい減っておりますね、これはおそらく定額法にしたんでございますか、かなり無理をしておるわけですから、この減価償却の減というものは将来にわたって問題が起きてくるんではないかという心配をするわけです。それから、たとえば建設投資の面を見ましても百七十億を百四十億に抑制している。まあ金利負担というのもかなりかかるわけですから、そういう点も考慮して全体として圧縮しているんだと思うんです。  いままでNHKがいろいろ苦心されて今日まで発展をし成長してまいったんだと思いますけれど、私はこの予算を見まして一つの曲がりかどに来ているような気がいたします。  一面、視聴者の聴視料にたよるNHKとしましては、ある程度の限度までまいりますと収入というものも頭打ち的な傾向になると思います。ですから、その辺の開拓は今後大いにやっていただくといたしましても、ただ一面、私は、長期計画の中で財政的にもかなりゆとりのある中でいままではきたわけでして、その間に放送センターの設置をはじめ全国の放送局の局舎の新建設、こういうものもやられました。それでかなり内容的にも充実をしてきていると思うんです。ですから、その面の設備投資というのはこれからはやらなくて済んでいくというのですから、そういう点を総合勘案して何とか収支ペイして現行の放送料金等も上げないで、なおよりいい放送をNHKにしてもらいたい、こういう強い念願を持つのは国民すべてだと思います。  しかし経営の衝に当たる者から見れば、いろいろなくふうをしてみてなおかつ赤字になるということになりますと、これは別途経営の基本について考えなきゃならぬかもしれません。しかし前田前会長も言われましたように、少なくとも三年ぐらいの間は受信料は上げません、こういう約束もしていただいているわけですから、そのあとを引き受けられました小野会長におきましても同様な私は考え方でおやりになると思うんです。  確かにさっき提案の理由を聞いておりまして、要員の点についても一人もふやしていない、昨年と同定数である。おそらく事業量はふえていると思います、にもかかわらず定員の面においては現状でいくという、そういう点をある程度の合理化や機械化、省力化のほうでカバーしていると思いますけれども、そういう努力をいたしまして、ことしは私はこれで何とかいけると思うんですが、あとはどうも特別収入的なものも考えられないわけでございますから、よっぽどここでひとつ会長以下協会がもう一回初心に返ってやっていただかないと、来年はたいへんなことになるんじゃないかという心配をするわけです。  いままでいろいろと協会が例の放送学園なんかもおつくりになっておられますし、いろいろな団体に対しても補助金を出しておりますけれども、そういったものもある程度限界にきているんじゃないだろうか。難視聴解消なんかはいまからのは金がかかるですよ。しかも非常に人数の少ない地域になってきますからね、たいへんな費用がかかる。それにもってきて都市難視というものも出てきているわけですから、そういう人為的なものまである程度カバーしていかなければならぬということになると、たいへんなことだと思うのです。  私の山梨県なんかも、いまでも南のほうへ行きますと、富沢町というところですと、もう山梨県の放送は入ってこないのですよ、NHKは。選挙になっても静岡県の議員さんの顔や知事の顔しか出てこないのですね、演説が。山梨県の議員の顔や知事の顔は出てこない、こういうところもあるんですよ。ここらの人はあすにも山梨県の放送、甲府の放送を聞きたいということを言っているんですけれども、なかなかこれ一向にしてくれないです。だから、そういうふうにやっぱり難視解消そのことについてもNHKの力だけでいいのかどうなのか。それから受信料の免除の問題についてもそうだと思うのですよ。そういうところまでもう一回考えてみなけりゃならぬ時代に来ているんじゃないでしょうかね。  全体の予算の節約、合理化、そういうことを含めまして、たいへんな時期に私は来ているような気がするんですけれど、そういう時期に前田さんのあとを継がれて小野さんが会長になられたわけで、御苦労も多いと思うんですけれども、ひとつ基本的なこれからのNHKの、現状のこの一つのピンチに立ってどうこれを乗り切っていくか、しかもそれには不動の態勢、陣をしいて、現行の聴視料というものを維持しながらどうしてやっていくか、そういう基本的な経営に対する構想を伺いたいんです。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり、この予算の性格を一言で申しますと、きわめて緊縮予算でございます。しかも、この予算の先行き等を考えますと、これが示唆いたしますものは大きな経営の曲がりかどへ来たということでございます。  これは必然の傾向でございまして、前々からわかっていなかったわけではございません。前田前会長もこういう状況の中には予測できなかったものもございます。そういう時点に立って昭和五十年度までは料金の改定はいたしません、こういう公約をいたしております。その当時から見まして非常に事情の重大な変更がございます。これは客観経済情勢でございます。この予算に影響いたしますものを見ましても人件費を除いた物件費等で四十七億というものは前田会長時代には予測できなかった経営圧迫の要素として出てまいっております。  経営の流れから見ますと、契約の関係につきましてはもうおおよそ限界に近づきつつございます。現在すでにテレビ所有推定世帯の中で八九%は現実に契約で把握をいたしております。あといろいろ努力をいたしまして契約は獲得するのでありますけれども、これは世帯の移動の環境の中におきまして脱落するものもありますし、これはいずれば復活するでありましょうけれども、そういったいわゆる潜在契約者というものもございます。そういう顕在、潜在の契約を合わせてみますと九七%ぐらいは実際は把握できておるというような現状ではないかと思います。しかも一世帯で何台持たれても一台しか料金を徴さないというようなたてまえであれば、これはこういった曲がりかどに来るのはいつの日か予想できたことでございます。  特にラジオ時代からテレビ時代を迎え、テレビの普及のそれは財源に一つの希望を持てる状況でございました。そういった状況も非常にもう限界にまいっており、しかもその中において白黒からカラー時代を迎えまして、カラーテレビ関係の普及、これが財源を生む一つの要素でありましたけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり現在でももうすでに七五%はカラー化しております。四十九年度末におきましては八二・五%のカラー化でございまして、カラー化にもおおよそもう大きな幅はございません。  そういう状況から見、あわせて過去の経過を見ますと、テレビが始まりました当時二百円料金で始まりましたが、一年後には三百円にいたしております。これは一種の値上げでございましょう。しかしテレビの非常に設備投資の多くかかる事業では二百円を三百円に上げても実際は赤字経営でございました。が、表づらは赤字経営であるといなにかかわらず料金としては値上げでございましょう。それと昭和三十四年度にラジオ料金六十七円を八十五円に上げました。これも値上げでございます。その他のそれを見ますとほとんど値上げらしいものをやっておりません。昭和三十七年度に受信料改定をいたしましたけれども、これはテレビ料金三百円にラジオ料金八十五円を加えた三百八十五円を実は料金を一本化しまして、テレビの料金、ラジオ料金、こういう二本立ての徴収でなしに、一本にして三百三十円、約一八%の値下げるようなかっこうになっております。ラジオ料金につきましては八十五円から五十円に四〇%の値下げをいたしております。続いて昭和四十三年にはカラー料金を設定いたしましたけれども、これは白黒よりも非常に経費のかかるカラー化を迎えてのカラー設備の増強をはかってまいらなきゃなりませんので、いわばこれは新料金と考えてもいいんではないか、それまでのテレビ料金三百三十円を四百六十五円に値上げと見るのは当たらないのではないかと思います。  幸いにそのような長期にわたりまして値上げをしない——日銀の調査等によりましても、はっきりいま基準年度を覚えませんけれども、その年度をとってあらゆる公共料金あらゆる物価状況、こういうものを勘案しての指数の上ではNHKはむしろ値下げになっているような資料もございます。それを可能にしたささえは、一つはテレビの普及であり、あるいはテレビの中で白黒からカラー化への転換の時代であり、そういう時代であったわけでございますけれども、今日もうテレビ関係もほとんどカラー化され、しかも全体のテレビ所有世帯の中で契約が占める割合も非常に限界に近く高くなっておれば、同一料金では、諸物価、賃金等が全く安定して上がらなければやっていけますけれども、やはり外界の状況は浮動してやみません。そういう中においていつの日か曲がりかどに来ることは当然であったと思います。  前田会長時代には五十年度までは値上げをしないでやっていきますと、この中には先生御指摘の幸いにして田村町の土地建物の売却の益金もあったでございましょう。今日のようなこういう物価上昇のそれも予想できなかった時代におきまして、五十年度まではどうやらやっていけるような見通しのもとで公約をしたわけでございますけれども、その公約後、半年も待たずして非常な激変が続いてまいりました。先ほど申し上げましたように、人件費を除いた物件費関係でも予想しない四十七億の経営圧迫を生じております。そういう状況で四十九年度予算の編成にあたりましては、これはやはり緊縮予算のたてまえをとらざるを得ない、こういうような状況に相なり、その緊縮の一つの手段といたしましては建設投資を押える以外にございません。  幸いにいわゆる渋谷の放送センターも完成をいたしましたし、地方の各放送関係の会館もラジオ時代からテレビ時代に備えるように会館整備も一段落をいたしております。まだ多少の残りはございますけれども、現状でまだがまんできない、こういうような状況ではないところまでまいっておりますことはしあわせでございます。しかしそういうような状況ではありましても、会館の建設等ではなく、機械、設備その他万般を通じての設備投資の関係も圧縮せざるを得ない、こういうことで四十八年度には百七十億の建設費でありましたけれども、三十億節減をいたしまして百四十億にとどめております。このことがNHKの最も大きな義務として私ども観念をしております難視聴解消等の関係につきましても置局で二十局減り、共聴施設では約百施設減るような結果になりました。しかしそれは現在地元からいろいろ要望をいただいておりますそれを満たすに十分だと、こういう成算に立っての上の節減でございまして、緊縮予算なるがゆえに、やらなきゃならない難視聴の解消のそれを圧縮したものではございません。  また第二点としましては、減価償却関係につきましても、鈴木先生いろいろ御心配をいただきましたけれども、世の中には定率法をとったところもあり定額法をとったところもあり、むしろ経営の長期の目安、安定をはかりますためには、定率で毎年償却高が違うようなそれよりは、一定の額で固定した、安定した定額法のほうがすぐれておる、こういう会計学上の見地もございますし、そういうような見地を取り入れまして、四十九年度少しでもやはり経営に役立つように定率を定額に変えました。そのために二十六億円の償却積み立て不用の額が生じたわけであります。  第三点には、経営全般を通じまして、いまの非常に激しい強風の吹くさなかにおいて経営を微動だもさせないためには内部もやっぱり自粛をしなけりゃなりません。そういう意味合いにおいて年々節約、合理化を進めてまいったわけでございますけれども、この客観情勢の中で節約、合理化をはかることは非常にむずかしいのでありますけれども、この関係でもいろんな無理をいたしまして二十一億円の節約を既定経費においてはかっております。  そういうことによって、結局、四十九年度は安定資金の三十五億円を全額つぎ込むことによって形式均衡はとれた、こういう予算になっております。  しからば先生の最も御心配いただきます次年度以降、五十年度以降の将来見通しはどうかということでございますけれども、五十年度につきましては均衡予算が完全にとれますと、こういうお約束は毛頭できる筋合いのものではございませんけれども、いろいろ努力をいたしまして、料金については公約を破らないで、値上げをしないで五十年度もやっていこう、こういうつもりでおります。そのことは裏を返せば赤字予算を出してくるんじゃないかということになろうかと思いますが、形の上ではそういうことが出ざるを得ないと思います。  この面についても経営全般を通じて考えますと、NHKは非常に自己資本率の高い企業でございます。ほかと比べまして非常に自己資本率は高うございまして、現在でも八〇%は自己資金でやっておるような状況でございます。いわんやそこに田村町の土地建物売却の益金の中からさらに自己資本率を高めるために負債を減少せしめるための八十七億円の原資を返還原資として持っております。そういうようなことでかりにやるといたしますと、もう大かた九〇%近い自己資本率というようなことにも相なるわけでございまして、そういうような面から見ますと、形式上は赤字が出ましても、経営全般を通じて見ればさして不健全だといわれるような予算にはならないのではないか。もとよりそこに積極的な努力をいたさなきゃなりませんので、郵政大臣の御意見書にもありますとおり、よい契約の確保、収納の万全を期しまして、その関係についても非常に現在の客観情勢のもとにおきましてむつかしいとはいえ、まっ先に努力をしなければならない面ではないかと考えております。  と同時に、いろいろ節約、合理にもいろんな手がございますけれども、受信者の方々に御迷惑をサービスの上でかけるべきではないとかたく考えておりますので、そういうことにならない限度におきまして節約、合理も一そう進めていき、そういうことによって何とか経営を危殆におとしいれないように運営をしてまいりたい、かように考えますし、あわせて難視解消等の関係につきましてもいろいろまだ十分でないところも多うございます。そういった面につきましては今後も一そう努力をしてまいらなければなりませんし、私どもいままっ先に考えなきゃならないことは、ローカルの番組、自県のものが自県で見られないという現象も多うございますけれども、これも並行して解消しつつありますが、何をおいても、自県他県を問わずとにかくテレビが見えない、こういうような地域もございますので、これはまっ先に解消する努力をしていかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 過去のいきさつについて弁明がましいことを言わぬほうがいいと思うのですよ。非常にカラーへの転換の激しかった時代にはそれなりに収入もかなりふえておったと思いますよ。ですから、そういう時代にはたとえば定率法でできるだけ償却をしていく、いまになって何だかんだ言ってみても赤字実質予算になったから定額法にいったんじゃないかと思うのです。もし定率か定額かで長期展望に立っておやりになるなら、十年前に定額にしておけば、これはわれわれもそのとおりだと思いますけれどもね。  お互いに努力をされて非常に経営基盤が上昇の時期とある段階また困難な時期とこれは来るですよ、経営をやっておれば。特にわれわれが一番同情しなけりゃならぬのは消費者物価二四%、卸売り三六%というようなこの狂乱的な一部の商社や大企業がつくり出した物価高というものはNHKの経営についてだってたいへんな打撃を与えていると私は思うのです。それで今度の予算でも、たとえば国内放送費なんかを見ますと前年度比三%増になっていますけれども、これは実際にこの物価高の中では実質的に私は放送番組費までも削減されているんだという認識を持ちますよ、正直に言って。それから特に広報費とか、あるいは受信でいろいろとわからないところを相談するような受信相談なんかの額も切られているんですね、昨年から見ると。ですから何といったってサービス面においては視聴者に対するサービスダウンということが予算の中に出てきているわけです。  過去、責任の衝に当たってきた者が、いろいろの客観情勢の変化もあったでしょうが、ここにこういう非常に苦しい抑制的な予算をつくらなければならぬということに対しては、それなりに会長としても責任を全視聴者に感じていただいていると思うんです。安定的な経営の拡充発展、これがやっぱりわれわれの願いでしょうね。ですから、ある段階で余裕があっても、ある程度長期展望の上に立って金の使い方なり執行についてもいろいろとくふうをしていくというのが長期展望に立つ長期計画でしょうから、そういうものを何回も皆さんのほうではつくって国会に出して、われわれもよかろうということで承認を与えてやってこられたわけですから、その立場に立てば、私は、それなりにわれわれとしても、やっぱりその見通しについて、こういう高物価の時代に来るということを予想すれば、もう少しどうだ金ためておけやと、こう言えたんでしょうけれども、まあ局舎もきたないし、早くつくるならつくるというので、計画をわれわれも認めてきた立場ですから、国会がこれを承認しているわけですから、NHKだけにわれわれが何だと、こう言うつもりは決してありません。私たちも共同の、一面における国会のわれわれの立場も考えながら私は発言をしているつもりでございますがね。  過去はそういういきさつで、前田さんも前田さんなりに苦労をしてくれて、五十年までは上げない、こういう方針できたわけですから、上げないというのは、まさかサービスの内容は落としますよ、そうして上げませんよなんということを私たちは考えていなかったですよ。しかしまあそういうかっこうになっていることは間違いないわけですから、その点については、これはやっぱり経営に立つ人たちとしてたいへんな御腐心があるだろう、さあこれは来年どうなるんだろうかというそういう心配があるわけでして、ある程度長期な借り入れも予算総則上できるわけですから、その方法をおとりになって、長期経営の中で聴視料の値上げをしないで約束をちゃんと果たしてもらわなければいけないし、なおできればいろいろなくふうをしてやっていただくということになると思うんです。  いずれにしても、受信料のもう値上げをしてもらわなければどうにもならないところにきているんだというようなニュアンスが会長の発言の中にとれるわけだ、私には。五十年まではもう約束しましたから、多少サービスダウンするかもしらぬけれどもがまんしてください、五十一年にはひとつ頼みますよ、NHKのほうは一番何年ももう上げないでいます、というような伏線を張っていられるわけなんですがね。ほんとうならそうでしょう。そうしないと、もうこれはとてもわし会長として責任持てぬと、こういうような考え方ですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) そういう意味合いで申し上げておるのではございません。  われわれは経営に万全を尽くさなければなりませんけれども、契約が頭打ちになり、幾ら努力しても収入のそれが適正な支出の伸び率に追っつかないというようなことであれば、やはり抜本的な検討も必要であろう。とは考えながら、現在、明確に公約できることは五十年度までは上げません、こういうことを言っておるわけでございまして、しからば五十一年度には上げるんかと、そういうようなことをいま申しておるわけではございません。少なくともNHK全員の総力によりまして、非常にコンパクトな能率の高い経営によってこの難局を切り抜けていかなければならぬことは当然でございまして、そのような趣旨のことを申し上げておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がありませんから、私もこまかいことは申し上げたくないんですけれども、NHKが今日まで歩んできた歴史の中で、国民がNHKに対して批判をしている点もたくさんあるですよ、率直に言って。  その一番の具体的な意思表示というのが、それは数は少ないですけれども、払わなければならぬ受信料を払わない人たちが出てきているじゃないですか。しかも、これは積極的に受信料を払わない運動というのを進めているじゃないですか。これに対してNHKが、おまえらけしからぬのだと、こういう考え方でもしいくとすれば、これはたいへんな間違いだと思うんです、私は。  番組についてもそうですよ。NHKはNHKなりに、報道は報道、演芸は演芸、いろんな民放にもできないようなくふうもしていただいてきておるわけですから、それはそれなりに私たちは評価をするんですけれども、しかし見方によっては、いっか「暮しの手帖」に出ましたように、NHKのニュースというのはどうもかた過ぎるとか何とかという批判も出てきているわけですよね。  そういう国民のNHKに対する声というのはあなたのほうではいろんな世論調査をしておとりになっているわけでしょう。ときどき視聴者と話し合いもしておられますね。ですから、私は、そういういままで歩んできた歴史の中で反省すべき点を反省して、そしてNHKがほんとうに国民のNHKなんだと、NHKのためのNHKでなくて国民のためのNHKだという、そういう身近にNHKというものを考えるようなところにNHKの経営姿勢というものが出てこないと、なかなか私はむずかしいような気がしますよ。  だから、赤字で、さあどうしたら視聴料をとるか、そのためにはひとつ対策を立てようじゃないかと、これも私は否定しません、やらなければなりませんことですけれども、より以上に今日のNHKに対する国民の批判というものに率直に耳を傾け、それをお聞きいただいて、そしてもっと身近に——まあいまも身近にあると思いますけれども、より身近に、おれたちのNHKなんだという姿勢の中にやっぱりNHKを置くように会長以下が全力を尽くしてやることが私はそういう人たちにも理解をしていただく道に通ずると思うんです。私はそういう基本的な考え方だけを会長にお願いしたいんです、率直に言って。その点はどうでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおりでございまして、NHKは国民のためのNHKということを標榜しております。NHKのためにNHKがあるわけではございません。受信者のためにあるNHKでございますので、いろいろ受信者に御満足のいくような努力を最大限にやっておりますけれども、そこには意向が非常に分かれておりまして、一部にはまだ十分に取り上げられておらぬ、こういう不平もございます、承知をいたしております。これは謙虚に受けとめておりまして、そういう面についてもできるだけそういう不満を解消していただくように努力をしなければなりません。受信料の関係につきましても、あるいは不払い等のいろんな気持ちが起きますのもそういうところから出るんだろうと思うのでございまして、やはりNHKの放送は楽しんでためになるというようなことを念願していくべきじゃないかと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう時間の予定もきていますから、そろそろ締めくくりたいですけれども、いま会長のおっしゃるような姿勢でぜひ進んでいただくならば、また国民の気持ちもだいぶ変わってくると思います。ですから、いつか広報室長さんがだれかに対して御発言があってたいへん問題になったことがございますけれども、やはりそういうふうなNHKの官僚化だとか、少し高飛車に何かものを考えているんじゃないかというような、そういう一般の層の中にある考え方というものは軽視しちゃいけないですよ。私はそういう考え方こそ慎重に取り上げて、自分の姿勢を正すための他山の石とすべきじゃないかということを絶えず考えておる者の一人です。  そういうことで、前田会長から小野会長に移られて、小野会長は副会長として、会長の前田さんとともにここずっとやってこられたわけですよ。それであなたが会長になられてまあ数カ月、一年ですか、たったと思うんですけれども、たとえばNHKが不偏不党、公正な立場に立って道を進めなければならない、これは放送法にきめられたことでございますね。一般の皆さんの声として、たとえばこういうふうな点があるんですね。  「総理と語る」というふうな番組が従来より以上に回数が多くなっているじゃないか。私も具体的に幾ら多くなったかはつまびらかにしておりませんけれども、それはそれなりに総理と語ることもけっこうだと思いますよ。しかし、であれば、やはり逆に政府に対して、私たちはこうしてもらいたいとかああしてもらいたいという、そういう視聴者の声をぶっつけていくような番組が同じような比率でふえていきませんと公平じゃないじゃないか、こういう批判が出てくるわけですね。そうして痛くもない腹をさぐられるようなことを世間でいわれても困るわけでしょう。やっぱり視聴者というのはそういう点を見ておるですよ。  宮田さんが今度全国区に出られるというような話も、これは素朴な意見としてわれわれ聞くんですが、あの人が「ふるさとの歌まつり」「のど自慢」から始まって、全国何千万人と握手して歩いて、何か先般出るような話もあったのだけれども、まあ時期が来ても名前が出ないから、アナウンサーとして芸術家としてちゃんとやっていくんだろうと思っていたら、まぎわにぱっと立候補して、私の山梨県なんかも三つも四つもビラを張っておられますよ。これはマスコミを通じて全国の視聴者と会う中におった人ですから、当選はおそらく間違いないだろうというのだけれども、これはやはり少しひどいじゃないかと。これは何も出る出ないの権利はあるですよ、万人ひとしく。だから法律的に立候補しちゃいかぬとか何とかということはないけれども、素朴な国民の気持ちからすると、実はそういうようなこともわれわれに言うわけですよ。きょう私が逓信委員会に行くんだったら、ひとつ会長に聞いてみてくれというふうな意見もあったわけです。これは会長に聞いたところで、本人が出ると言うし、自民党公認で出るというのを、それは出ちゃいかぬということを会長が言う立場でもないのだけれども、そこに何かしら若干納得できないような気持ちを持っておるように思うんです。  もっと一年も前にやめられて、出るんだと言って出られたほうがむしろりっぱで、できるだけ視聴者と会う機会をつくっておいて、それでひょっと出ていったような、そういうのは少しひどいじゃないか。高級公務員の立候補の問題もいろいろ問題になっておりますよ、制度がしかし別にそれをボイコットしていないわけですから、出ることは自由ですからいいんですけれども、その高級公務員の立候補よりもひどいじゃないか、そういうようなことも言っておりますよ、正直言って。これはまあちょっと余談ですけれども。  ですから、やはりいろんな意味において、特に小野会長は田中さんとの因縁も深い方ですよ、私たち考えてみても。それだけに、やることなすことがいろんな面において注目をされておるわけですから、なかなかやりにくい点もあると思いますけれども、しかし会長として副会長としての長い経験の上に立って、NHKをよりりっぱな国民の私たちのNHKだという気持ちに持っていくんだという、その基本的な考え方が常に最優先に経営の中に出てくれば、私はいろんな批判があってもそれはそれなりにまた解消していくだろうと思うんです。  たいへん失敬なことも言いましたし、気にさわることも言ったですけれども、なかなか国民がこの予算審議に際して直接言えないわけですから、われわれがかわって言うしかないわけですから、たまたま回ってみてそんな声がありましたもんですから、ここで申し上げておくわけです。  どうかひとつ、この上とも未納になっております受信料の徴収、それから払わない人たちに対する受信料を払ってもらう仕事、こういう点ももっともっと積極的にやっていただくと同時に、NHKがそれより以上にウエートをかけて、国民のNHKだというような気持ちの上に立っての今後の経営の中の一貫した思想というものを持ってやっていただきたい、こうお願いしておきます。  で、さっきの静岡県と山梨県のところのやつが、選挙がくるんですけれども、見えないですよ。いつやってくれますか。選挙は六月の何日かわからぬけれども、それまでにやってくれますか、見えるように。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) 先ほど御指摘のございましたローカル難視の件でございますけれども、御指摘の地域は富沢、南部地区というところだと存じますけれども、この辺には私どものサテライト局が三局ございます。それから辺地共聴の施設が私どものが五施設ございます。  ところで、いま御指摘のところは、このほかに、前にできました一般共聴設備というもので、福士地区というところで二百五十世帯、それから町屋で八十世帯、万沢というところで二百四十五世帯、合わせまして五百七十五世帯というものがございますけれども、これはできた年次が古いものですから、地元の中継局のほうヘアンテナが向いておりませんで、静岡県の富士宮局を受信している共聴が三施設ございます。これはただいま私どものほうで技術指導いたしまして、現地のローカル放送局のサテライトのほうへ切りかえる指導をこれからいたそうと存じておるところでございます。  それからこのほかにもう一つ、やはり一般共聴で、以前にできました徳間地区というものが七十世帯ございます。これも非常に古い共聴でございますので、近く適当な時期を見計らって新しく改善をするときに、地元のサテライトが受かるようなほうに直したいと存じております。  それから共聴に全く入っていない、富沢地区と静岡の県境に散在している約八十世帯がございまして、これは二世帯、三世帯とばらばらに散在いたしておりますので、いま直ちに手をつけることはたいへん困難かと思いますけれども、いま申し上げました一応共聴とまとまっている地区をまずさしあたり手当てをいたしまして、続いてこの散在地区につきましても、できるだけ御希望に沿うようにしていきたいと存じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 静岡県の富士宮のほうを向いているような共聴施設があるということを聞きましてね、そうじゃないですか、そのところをちょっと。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) いやおっしゃるとおり、先ほど最初に申し上げました福士、町屋、万沢というところを合わせまして五百七十五世帯、これが富士宮のほうを向いている共聴でございます。これは設備を直しまして地元のサテライトを見るように、私どもで機材その他を応援いたしまして、現地指導いたしたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはNHKがやっていただいたんだと思いますけれども、そうじゃないんですか、どうして富士宮のほうを向いたような共聴をつくったんですかね。

藤島克己日本放送協会専務理事

○説明員(藤島克己君) これはNHKのあれができる前の古い共聴でございまして、まだ現地のサテライトができる前——先ほど申し上げました、現地に三カ所サテライトがございますけれども、そういうものができる前に、非常に早くつくられた共聴でございまして、当時は富士宮しか受からなかったのだと思います。したがってこういう形がいまもって残っているんじゃないかと思いますけれども、なるべく早く是正いたしまして、地元のサテライトが受かるようにしていきたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぜひ、なるべく早くしてもらいたいんですけれど、いつごろまでにやってくれるんですか。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) この三地区につきましては、もう現地で指導いたしておると思いますけれども、この年度末から年度初めにかけまして、これはそうむずかしい工事でも何でもございませんので、できることだと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 はい、ありがとうございました。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      —————・—————    午後一時五十四分開会

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 だいぶお待たせいたしまして申しわけございません。  四十九年度のNHK予算に入る前に二、三ちょっと伺いたいと思います。  その一つは、伝えられるところによりますと、代々木のあの放送センターの近くに代々木公園がございますね、あそこに何か渋谷区のごみ処理場ができる、まあ予定ですが、おそらくでき上がるのでございましょうが、NHKはそれに対してどう思っているか。要するに電波障害みたいなものが起こるんではないかと、いろいろと考えられていると思いますが、その予想やら対策というのをちょっと聞かしていただけませんか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) まだ正式には何も承っておりません。いまサッカー練習場が予定されているやに聞いておりますけれども、これはNHKのいまの建物の北側に隣接したところでございます。どういうような構築物ができますか、それによってはあるいは電波障害ということも考えられるかもわかりません。これはかりに設けられるとすれば、そういった面を防止する適切な措置は講じてもらわなければならないと思います。  それと、あの屋上からヘリコプターが臨時緊急の場合には発着をいたしておりますけれども、こういった面についてもいろんな検討を要する問題はあろうかと思うのでございまして、ごみ処理場も公共施設として非常に必要なことではございましょう。どうしてもあの土地に建てなければならないということになれば、そういう障害を起こさないような配意を望まなければならぬ、かように考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ということは、向こう側にそれを要求するんであって、こちらのほうはまだそこまで考えておらぬということですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) まだ正式の話でございませんので、その辺のところはNHKとして詰めておりませんけれども、かりにあそこに建てるということが内定されて、そういう構想を正式に連絡があれば、もちろん施設側においてもそういう迷惑のかからないような方法をとられることは必然であろうと思いますので、そういう際には、電波障害あるいはヘリコプターの発着に支障のないような配意をお願いしたい、かように考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ごみ問題のほうは、要するに放送に対して早い話がしろうとですからね、やっぱりこちら側から考えていかなきゃならぬし、またこちら側の希望を向こうに要求しなければならぬことが、もしそれが予定どおりに行なわれることになりますと、当然必要になってくる。  私の質問は、そういう清掃工場ができたときに、やがて電波障害、いま言われるとおりヘリコプター、そこまで私は気がつきませんでしたが、そういったものが出てきたときに向こうのせいにしてもらっては困るんだと、ころばぬ先のつえということばがありますので、どうぞひとつこの際、いまからこういうことになったら、こういうことになりそうだとか、私はこの機会与えますから、注文なりNHK側の意見を申し述べてけっこうでございますからね、こういうことになるとこういうことになる、こういう心配をしておるんだというのがありましたら、どうぞ、それぞれのパートの方がいらっしゃるでしょうから、手短にひとつ申し上げておいたほうがよろしいと思いますが、どうですか。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) ただいま会長がお答え申し上げましたように、正式には渋谷区から何らの意思表示もございません。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 だから世の中のうわさということはあるよね。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) そういうことも新聞に出ておりましたので、そういう事実があることは承知いたしております。それについてはやはり高さの問題とか位置の問題とか、そこへ導入するトラックの道だとか、そういうものが一定の条件に入りませんと、あの地区の風致を害するだけじゃなく、私どもの業務に直接影響を及ぼしますので、いま会長が申し上げました一つはヘリコプターの発着に障害にならないような高さにしてももらいたいということ。それから同時に電波障害と非常に関連すると思いますけれども、あまり高い煙突を建てていきますと大いに電波障害になりますけれども、しかし、ごみ焼却場のほうからすれば高いにこしたことはないわけでございますから、できることならば設備は全部地下に入れてもらって、煙突はどうしてもやむを得ませんから、ある一定の基準を守って建てていただき、そのほかの設備はできることなら全部地下にしていただきたいとわれわれは希望しているわけです。  しかし、いずれにいたしましても、そういうことを正式にお話しする場がまだ何にもできておりませんものですから、いま申し上げていることも私の心づもりだけでございますので、御承知おきください。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 要するに、やっぱり予想していかなきゃならない事態ができ上がってからぐちを言っても始まりませんからね、あとになってごみ処理場が悪いんだと言われても困るために、私はいまこの時間を与えているわけですから、ひとついまのうちから個々の頭の中に煮詰めておいていただいて、そうして対策のときには全部そこへ衆知を集結するような方法をとって、いまから対策をしてほしい、こういうことでございます。最も心配なのは、ヘリコプターもさることながら、私は早い話が電波障害ということでございますので、どうぞひとつくれぐれもその対策というものを考えておいてほしい、この一点でございます。  次に、私は、一昨年のCAテレビ法案のとき、それからまた昨年のNHKの四十五年度の決算でございますか、その審議のときに、NHKの予算・決算ということをテレビを通じて全国の視聴者に知らせる義務がある、またはサービスと言いかえてもいいかもしれませんが、私は義務とあえて言いたいんですが、あるんだという質問をしたときに、小野会長は検討するとたしか約束をしてくださったはずなんですが、その後あまり検討している様子が見られないので、ただ行き当たりばったりの返答では困るし、まあまあ相手は談志君だから適当に言っておけば何とかなるだろうというんではたいへん困りますしね、これは。いいかげんな答えをされては困る。まさかうそをついたわけではないでしょう。その後の進展というものは一体どうなっておるのか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 確かに、先般松岡先生からの御指摘で、そういう点についての検討ということはお約束したわけでございますけれども、国会の委員会の中継とか放送という形だけが聴視者の皆さま方に国会での御審議の模様をお伝えするということでもございませんので、それは当然ニュースで取り上げるとか、あるいは「みなさんとNHK」というような番組の中で国会の審議の結果こうであるということをお知らせするという、方法はいろいろとございますので、そういう方法を通じてできるだけこの模様をお伝えする努力をいたしております。  国会の中継につきましては、どの委員会も非常に重要な国事を審議しておる場でございますので、どの委員会が重要でどの委員会が重要でないという、そういうけじめは当然つけかねますので、NHKといたしましては、中継という形をとらせていただくのは、施政方針演説に対する代表質問それから予算委員会における総括質問という形で、編成の許す最大限の努力をいたしまして中継という形をお許しいただいておるわけでございますけれども、その他の委員会でも特に問題があるという場合には、特にお許しいただいて中継の形あるいは録画の形をとらしていただいておりますけれども、一般的に申し上げます場合には、いまのような形で中継その他のお許しをいただいておりますので、この委員会の問題、特にNHKの予算の問題につきましては、NHKの予算の問題だけを中継するという形での取り上げ方をいたしておりませんで、いま申し上げましたような別途の方法でいろいろと聴視者に御報告するという努力を続けておる次第でございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 とにかく検討してなかったということですね、する必要はないということでいままでしなかったということですか、はっきり一言。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 検討いたしました結果、そういうことで御了解いただきたいというふうに思う次第でございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 違う。ほかのものと比べているんじゃないんだ、NHKはNHKのことを知らせる義務があると思うんです。サービスですよ。これはあとからだんだん質問の本質に入っていきますけれども、国鉄は国鉄のやっぱりサービスが必要です、専売公社は専売公社のサービスが必要と同様に、NHKとしてサービスが必要なんですよ、義務なんです。だからこれを一緒に考えるということは私は間違っておると思うんです。  いまの意見を聞いていると、やらないことを根底に置いているような気がするんです、ひがみかもしれませんが。ぜひやりたい、あなたのおっしゃるとおりやりたいんだけれども、こうこうこういう理由があってやれなくなったというんなら、まだ納得もしますよ。ほかの委員会もやるわけにはいかないから、これもやるわけにいかない、これじゃ全く進展がないのです。なぜやらなきゃならないかということは後ほど言いますけれども、私はやっぱりどうなっているかということが一般にわかっていないんですよ。  後ほど聞いてまいりますけれども、私はやらなきゃならないという——何も私ども別にテレビに出たいから、映りたいからってこんなこと言っているんでもなんでもない。自慢じゃないが、もうテレビなどはあきている状態で、何もいまさらテレビってなもんですよ。そうでない。やっぱり一番大事なところ——何も全編だらだら三時間も四時間も一日かけろとは言っていない。私はそのぐらいのサービスしているんだという姿勢、それが必要だと思うんです。みんなやっていないからできない、そんなものだれかの答弁じゃあるまいし、私はそんなばかげたことでは納得できませんがね。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) これは坂本専務理事の主として焦点を当てての答弁の趣旨は、なま中継ということだろうと思います。このなま中継という点については、やはりいろいろな権衡を考えなきゃならないと思います。  NHKはもちろん受信者のためにあるわけでございますし、受信者も重大な関心を持っておられるわけでございますから、せっかくそのためにそういう電波という公器を持っておるとすれば、これは乱用にならぬ限りにおいてそういう措置をとることも当然であろうと思いますけれども、なま中継の関係ではやっぱり一定の限度を守るべきだと思います。  ただニュース等の関係で受信者にぜひ知ってもらわなきゃならない、これはNHKの痛いところでありましても、そういうことこそ知ってもらわなきゃならないと思いますので、そういう面についてはニュース等において短編的に放送をすることは、これは検討すべきではないか、かように考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ほかの方法もいろいろ考えられると思います。考えられるけれども、最も痛烈にNHKの内部に食い込んで最もいやなことを言っているのが私はこの委員会だと思うんです、だからこそ必要なんです。それは場合によっては、ほかの学者または視聴者の代表に集まってもらってNHKの予算に対していろいろ聞く、それまたけっこう。しかし、こんな辛らつに、こんな痛烈に言うところは私はちょっとないと思うんです。もちろん衆議院もそうでしょう。  したがって、そういうところを、場合によって必要ならば、この質問の方式を変えて、一人五分でも十分でもいいと思います、みんなが片っ端から聞いてくるような方法だって、こっちがこっちサイドの問題で考えられないことはないんですからね、と私は思うんですよ。どうぞひとつ、やるという姿勢のもとにおいて、行く行くは、3チャンネルもあいていることでしょうし——あいてないかもしれませんが、まあまあ二つも持っていらっしゃるんですから、どうぞひとつやるという姿勢を出して——そうしないと、あなた方の考えが届かぬのです。NHKというのはもはや巨大な王国ですからね、それが知られないということは最も不満。その不満が視聴料を払わないとかいろいろなところにつながってくるということになってくるので、どうぞその辺を考えていただきたいと思いますので、一言でよろしゅうございますから——。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御要望の趣旨はよく承知をいたしております。かつてそういった面をニュースで取り上げたこともございますし、今後といえども、いろいろな方法がありましょう、ありましょうが、その一つとして、放送の関係においてこれは取り上げてはいけないということはないはずでございますから、検討してまいりたいと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 けっこうでございます。小野会長の英断を期待しておきます。  本題に入ります。  この予算がすでに明らかになっているんですけれども、実体的には四十五億五千万円の大幅赤字になっている。この赤字の原因を、きょうはテレビやっておりませんが、国民の皆さんに短くわかりやすく一言一言じゃ済まぬでしょうけれども、三言、四言——。だらだらしているというのは時間的にいろいろ都合がありますので。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 四十五億の赤字の原因は、端的に申しますと、テレビの普及もおおよそ限界にまいりまして、幾ら努力をいたしましても、これから得られる収入は五・六%ぐらいの伸びしかないということでございます。では五・六%の範囲内に支出をとどめ得るかということになりますと、客観情勢はそれを許しません。物価事情その他から見ましても、とても五・六%の範囲内に支出をとどめるということは不可能なことでございまして、いろいろ圧縮いたしましても、この予算の中に盛った支出の伸びは九%でございます。そのギャップがこういった形に出るわけでございまして、別段に経営上どこかに欠陥があるわけではないと私は考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 そんなことはもう前々から考えられることなんです。なぜならば、あとでこれまた質問しますけれども、大体、日本人の人口からテレビの台数を割り出していけば、そんなものは見当がつくものなんです。そこで、いまさら赤字になっちまったからなんて泣き言言われたって、これはどうにもばかげているんで、全く近ごろの子供でもこんなことは簡単に考えられることではないかと、私は、たいへん、その辺の反省を求めると同時に、責任を感じてくれないと困るんであります。これがやっぱりNHKの赤字の根底なんですね。  いま「説明資料」をもらっておりますが、これを見ていますと、おそらくNHKさんとしても別に何も赤字を好んでやっているわけでも何でもない。やはり収支バランスのとれた予算を組みたいと思っていらっしゃるでしょう。ところが、これ見てもわかりますように十一ページ、十二ページに出てますけどね、四十三年度の、何というんですか、消費支出というんですか、これを一〇〇とすると、四十八年の十一月では一七五・三とどんどん上がってますわね、受信料のウェートというのは下がってますわね。結局、これ見ていると、いろんなものの物価が上がっている、下がっているのは電気代とこの放送受信料だけである。  これ出しているのは、いかにも物価が上がっているから、こうやって値上げがあたりまえになるんだぞという——まあ今回はまだ前田会長の約束があるからそうもまいりませんが、目に見えているような感じがするんですなあ。何かたいへん甘ったれみたいな私は感じがするんですがね。それはいろいろ諸物価が上がったということは確かに問題だろうけれども、私はいま言うとおり、もっと前が見えなかったのか。どうテレビがかりにデザインを新しくしたってテレビ屋はもうかるけども、NHKの取る金というのは限界があるわけですから、その辺の予想というものがなかったとは言わせない。どうでしょう。その辺の反省があるとしたら。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) この指標は、何も工作をもって出したわけではございません。必然の趨勢を示しただけでございまして……

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 そりゃもちろんそうでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 私は、その点は率直にそのように申し上げます。  しからば、このような趨勢を予見できなかったかということでございますけれども、予見はできておりました、予見できなかったとは申しておりません。にもかかわらず、いろいろ政策的に考えまして五十年度までは料金を上げない、こういう約束をいたしておるわけでございます。  ただ、しからばこういう予想があればどういう手が打てたかということでございますが、いろいろやはり発展し得る基盤を持った段階においては、必要な限りにおける機材の整備とか、そういうものは当然にやるべきことであろうと思います。それを怠ることはかえってサービスの低下を招くことになるわけでございまして、現在までのいろんな建設等を見まして、必要以上な膨張あるいは整備、そういうものをはかったとは私は思っておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、これは当然な一つの物理的必然でございます。そういう時期に際会したということであって、何か過去に予見ができた避け得る手段があって、それをやらなかったなら、これはわれわれの非常に重大な責任でございますけれども、私はそのようには考えておりません。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 やらなかったとは言わないと。ことばをかえて言えば、やり過ぎましたな、整備、拡張やら、要するに会館をこしらえることやら。  これは露骨な言い方しますけどもね、NHKの資金がどんどんふえていったということは予想よりおそらく早かったと思うんです、こう早くテレビが普及していくとは思わなかった、あっという間に普及した。したがってどんどん金が入ってきた。やがて今度は頭打ちになったところでカラーにかわってきた。だれしもカラーで見たいからまた入ってきた。要するに私は努力なしに何か、言っちゃ悪いが、新興成り金みたいにぼんぼんぼんぼん、もうかってきちまった。さあもうかったらどうしよう、やれ会館建てるの、やれ設備にどうのこうの、サービスよりも——たいへんに前田前会長の性格にもよるのかもしれませんですが、少し浪費したような、湯水のごとくに使ってきた。小野会長はサービスと言ったが、サービスならサービスし過ぎた。そのためににっちもさっちもいかなくなってくるというところに原因の部分、その部分はわりと大きな部分があるんではないか、こう思っておるんですがね。  私、この間の放送文化基金のときも、自民党のところで説明があったときに、人間というものは何か夢を持っている。たとえば私なら私が海外旅行したい、したいけれども金がなくて行けなかった、それがたまたまお金がどんと入ったからこの機会に海外旅行に行くという、これは非常に健康な考え方。またはお金をためて行く。そうでなくて、お金がどかんと入っちゃったから何に使おう、何かないかしら、とりあえず海外旅行、と同じように、とりあえずそういったものをつくったんでしょうねと言ったら、傲岸にもそうだと言い切ったよ、前田会長は。おれはこれ見てね、これはどうでもいいけどね、ちょいと態度でかいんじゃないかと私はそのとき思ったんですけどね。あの態度ですよ。そのとき私はぺいぺいでござんしたんでね、身分を知ってますんでね、すっと引っ込んじゃったんですが、だらしがなかったんですけどね。  いまになってみて、そういった態度を含めて、私は、使い過ぎた。そのときの副会長でござんしたでしょう、その辺のしりぬぐいということもいろいろあるでしょうけど——しりぬぐいなんということばは使いたくないでしょうけども、われわれにとってはそう感じられる。その辺の反省、使い過ぎたんじゃないか、いかがでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いろいろな見方があろうかと思います。先生のおっしゃるような見方も一つの見方だろうと思います。  内部におきましても、あの使途につきまして、ああいった放送文化基金の設立がいいのか、あるいはそれにかわるものとして、経営の将来を見通せば、それに対する安全保有がいいのか、これはいろいろな意見がありました。ありましたけれども、いまの日本の放送界全般に役立つような基金制度がない——外国にはいろいろあるようでございますけれども。そういう面から見て、あの金を保有しても高々一年か二年、放送文化基金は百年の大計を夢見たものでございます。そういった面から見れば、長い目から見れば、放送文化基金の設立も大いに意義ありと、こういうように考えて判断をいたしたような次第でございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ああ、いいですよ、それはけっこうだ。けっこうだけど、そのためにNHKという御本尊が大赤字をかかえたんじゃ何の言いわけも立たぬのです。それは百年の計もけっこうだけどね、私はこの赤字というのは、これから説明していきますが、だんだんふえるだけふえて、しまった、あの金をこっちへ回しておきゃよかったとほぞをかむようなことも出るんじゃないかと思うし、百年の計だとしたら、その考え方が違う。ぼくは御本尊がちゃんとしてないのに、ほかのところをどう飾ったって——これは建てたもんに対する言いわけですから、あれが間違ってたとはまあ言えないでしょう、それは言わなくてもけっこうですわ。また全部間違っていると思うわけもないし、私もそうは思ってはおりませんでね。  つまり話をもとへ戻しますと、テレビというものの普及指数というのはきまっている、それはもう当然行きつくところへ行きついた、そのあとの考えというものがなかったのか。そのあとの資金繰りといいますか、そのあとの経営というものをどう考えていたのか。これをうっちゃっておくと国鉄とおんなじになっちゃうのですよ。その頭打ちに対する予防線というか、その辺をどう受けとめておりましたか、会長一言。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) これは必然の趨勢に対しましては、それに応じたような措置をとらなければならぬと思います、これはやはり避け得ない一つの傾向でございますから。  ただ、そのためには、できるだけ合理的な緊縮した運営で、しかもサービスは落とさない、こういう運営を期しつつも、料金についてはできるだけ値上げの時期を早めない、こういう努力をすべきだろうと考えておりまして、将来にわたって合理化措置を一そう徹底しますとともに、他面、積極的には受信者の開発維持、この面に努力を傾注いたし、それによって経営の万全を期して受信者の御期待にこたえたい、かように考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 予想されても赤字が出ちゃうということは、もう予想してたと、こういうことですか、一口に言うと。頭打ちというのは予想されているんだけれども、赤字が出るのも予想どおりだと、こういうことですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 端的に申しますと、事の流れがそのような傾向にあります場合においては、これはやはり打ち出の小づちでも持たない限り回避する道はございません。どの企業でも同様だろうと思います。こういった激変する情勢の中で、料金を上げないで安定してやっていけるということはきわめてけっこうであり、これは常に願わなければならぬことでございますけれども、必要最小限度の措置はどの企業においても必要であろう、対策としてとらなければならぬということは必然だろうと思います。  で、われわれといたしましても、そういう予見のもとに立って在来、できるだけ最悪の事態を避けるために、あるいは機械を導入して人間の労力にかわる機械作業も整備をいたしましたし、また人員増の要望は非常に現場からはほうはいと起きておるわけでございますけれども、ここ三年ばかりは全然増員をいたしておりません。そういうような努力もいたし、かたがた既定費等につきましても、非常に削減のむずかしい客観情勢下におきまして、やはりできるだけ切り詰めた経営を期しておるというような努力はいたしておるつもりでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 たいへんいい答えだと思います、そうしてほしいと思います。最後の問題はその人件費に私はかかってくると思います、国鉄の例を見てもわかるがごとくです。  まあ、ある程度赤字が考えられたのなら、私は私の意見として、あんなに手を広げることはなかったんだという、前田前会長に対する、いま一視聴者としても恨みのことばを言いたくなる、この気持ちはわかってほしいと思うのです。  いろいろなことをいっていますが、すなおに見ると、何か値上げせざるを得ないと、率直にそういっているような説明書みたいな気がしますが、そうでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 意図的にそのようなことを出しておるわけではございません。あるいはこれをずっと先長い将来を見れば、いつの日か値上げをしなければやっていけぬだろうというような指標は出ております。これはやむを得ない指標でございまして、別段にそれは値上げ工作のために意図的に出したものでもございませんし、そういうことでございますから。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 この予算案によりますと、職員、いまの人件費ですね、この占める割合が三七・五%、前年に比べまして一八・三%増、これに対して国内放送費の構成比は二四・二%、こっちは前年に対しまして三・三%増、つまり微増といいますか、かすかにふえている。しかし物価がこう値上がっているところを見ると、ふえているというよりも切り下げと言ってもいいんではないか、また言えるんではないかと思うのです。  人件費が要っちゃって、実際、国内放送費というのが下がってくると、このうたってあります放送番組の充実ということをはたしてはかれるかという心配をするんですが、その辺の内容的なものを説明してください。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 担当の専務から答えもあろうかと思いますけれども、総括的に私から申し上げます。  番組費の伸びは三・三%になっております。内容を洗いますと、四十八年度の計画として持っておったもので臨時一時的なものであって四十九年度にはなくて済むというものもあります。そういうものを相殺いたしますと、おおよそ五%ぐらいの伸びにはなるわけでございます。四十八年度の四十七年度に対する伸びは二・七%でございますので、それから見れば、この緊縮した窮迫な予算の中で、番組制作の経費についてはかなり見たつもりでございます。  また、いまの三・三%の伸びとかいうそれは番組直接費のみについていっておることでございまして、番組にはやはり人間の頭脳を動員しなければなりません、いわゆる技術関係のそれもあり、あるいは制作要員の処遇等もございましょう、そういうところを総合して見ますと、こういう比率ではないのでございまして、ただ一見して、先生の申されますように、人件費の伸びに比べて番組費の伸びが少ない、しかも番組の刷新充実をうたっておる、はたしてできるのかと、ごもっともだろうと思います。その辺をどう打開するかが人間の英知が所産する一つの結果ではないかと思うのでありまして、総英知を結集して、うたい文句の質的向上、進歩に役立つような努力をいたしてまいりたいと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 最終的には、日本というのは貧乏ですから、そこにいっちゃうんです。われわれも番組一本ぽんともらいますと、予算が全くない、あれも使いたい、これも使いたい、しようがないからわれわれが出演料を泣こう、その分だけ頭で考えようといってパーセンテージを伸ばしてきた。過去、私も番組をつくるのに携わったことがありますので、第三者として、また出演者として。しかしそれは過去のNHKの言っていることとちょっと違うのではないか。まあそうなってしまったということなんでしょうけれども、過去はそうでなかった。やっぱり物量のNHKであり、さすがNHKであった。  たとえば招待されたこと一つとっても、地方へ行きますとNHKと言うと態度ががらっと変わる。それぐらいにやっぱり華麗に金を使ってこなければ——宿屋の女中の態度で一番よくわかりますからね、どれだけ金を使っているかというのは。キャバレーへ行ったって同じですよ、どれだけ銭使っているかというのはね。悪いとは言いませんですよ。過去こんなに華麗にやってきたNHKがここに追い込められたというこの事実、おそらくこれを小野会長はすなおに認めていました。  ですから、それを英知をもってやっていくというにしても、やっぱりこの伸びというものは人件費——つまり何といいますか、NHKの経営というのはもちろん人間も要る、機械も要る、番組もつくらなければならぬ、それを全部、放送費というものを英知という名のもとにおいてがまんをしてもらうことによって——人件費に対して英知は言えませんからね。ひとつあなたのうちの食事をきょうは二度にとか、カロリーがあるからどうのこうのと、そこまではいかぬ。ということは、結果において、その英知ということばはたいへんけっこう、というより英知しか手がないからそうなったのであって、私は何か放送費の犠牲によってNHKの経営をある程度赤字を乗り切ろう、また赤字を少なくとも多くしないための犠牲になっている気がするんです。これは出演している側の人間として特別に感じるのかもしれませんがね。その点の反省がおそらくあると思う、聞かしてください。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘の点ごもっともだと思います。私もその点を率直に認めながら、将来の運営の改善について深く反省するものでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 そのことばをひとつ私も覚えておきますし、どうぞ大事にしてほしいと思います。この赤字を何とかしたら、それこそ後世に残る名会長と銅像を建てるのに私も寄付するつもりでおりますので。  その辺はともかくとして、これは人件費の話の続きになるんですけれども、NHKに労働組合があります。いま参議院で威勢のいいのも一人いましたですけれどもね。これはその要求というものを、いま言うとおり英知でがまんせいというようなことにはいかぬでしょうし、ところが出演者には労働組合がない、これは事実でございますよね。だから私は、こういうところも考えてやってほしい、こう思います。  たとえば制作費のことを聞きたいんですが、「勝海舟」なんというのは、どのぐらい使っているんですか、制作費というのは。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) お手元に提出いたしました資料に……

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 出ていたな、読めと言わんばかりだな。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 提出資料の二八ページにございますように「勝海舟」につきましては、一本当たり四百六十四万六千円、これは平均単価でございますけれども、そういうことになっております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ところが、新聞に報じられているところによりますと、脚本料、出演料はその中の百六十五万円ということになっていますが、これどうですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 大体おっしゃるとおりでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 全部で四百六十四万ですか、そのうちの百六十五万というのは、私はあれだけ多数の人数が出ているのに、少ないような気がするんですが、よくあんなので私はみんながおとなしくやっているという気がするんですが、ちと少ないんじゃないかな。何かNHKの名のもとにおける、英知じゃなくて、出してやるからがまんせいと、そんな感じがするんですがね。そうでなければ幸いですが、少なくはござんせんか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) おっしゃるとおり、多いとは申しませんけれども、現状では大体百六十五万円というのはこの四百六十四万六千円のうちの三五・五%ということになろうかと思うのでございますけれども、そういうことで、人にかかわります費用、これに「勝海舟」のようなドラマ番組の場合には重点を置き、その余のところが美衝費その他になる、こういうことになろうかと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 少ないとおっしゃるということは、番組を充実するために、ふやせるものならふやしてやりたいという親心と受け取ってよろしゅうございますね。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 多々ますます弁ずるというわけにはまいりませんけれども、しかしやはりそういう意味合いで、充実できるところには充実していきたいというふうに考えておるわけでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 こだわるようですが、「勝海舟」においてはこんなところですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 私は、現状では、これで本年度実施したいというふうに考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 要するに問題なのは、いま言ったとおり、労働組合がある、人件費を安くせいということは、そんなものを削るということは無理。その分、機械化してみたり、いろいろと合理化をはかっていらっしゃる、その気持ちはたいへんけっこうだと思います。  しかし事実としては、やっぱりその支出内容、つまり人件費、これはどんどんどんどん多くなるにつれて、これに全部が予算食われていってしまう、ということは入ってくる金が人件費になってしまうんではないかという、ここに私は最終的にくる。さっき言ったように第二の国鉄みたいなことになってくるのではないかと、私ね、これが最もこれからのおそらくNHKの経営に対するポイントになってくるだろうと、おそらく会長そう思っていらっしゃると思います。その辺の対策をひとつ会長から聞かしてほしいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおり、いまの客観的社会情勢から申しまして、安易に運営をいたしますとそのようなことにもなりかねません。しかし客観情勢はともかくも、企業経営の立場から申しますと、一定のやはりワクと節度が必要だろうと思います。  ここで端的に経営の全体を見まして、いわゆる所得政策のようなものがとれればあれですけれども、こういうものはなかなかとれません、また成功するものではありません。と同時に、一面には、職員の処遇につきまして、NHKもいろいろ出演者の方々の処遇もございましょう、あるいは機械、設備等の関係における配意すべき面もあろうかと思いますけれども、何と申しましても人間の思想、信条、情操に深いかかわり合いを持つ事業でございますので、やはり最大限に能力を発揮できるような基盤をつちかうことが必要ではないかと思うのでございまして、その意味における処遇をネグレクトするわけにはまいらないと思います。しかし、それかといって限界なしに人件費ばっかりがどんどん上がって、もう壁へぶつかってにっちもさっちもいかぬというようなことば回避しなきゃならぬと思いますので、その点については、人間の数あるいはその能率等の総合面を配意いたしまして、将来何か善処すべき努力をすべきだろう、かように考えます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ざっくばらんに言いますと、テレビがふえた、カラーになった、金が入った、さあどんどん資材を投入した。こんなものはもうある程度ふえれば頭打ちになるのがわかっている。頭打ちがきちゃった、金を詰めなきゃならない、どうしよう、機械化しよう、または出演料の伸びを英知でカバーしよう。私はその状態において努力してきたのはわかるけれども、やっぱり経営者の立場というものはもっともっと先を見ていかなければ、さっき言われたように国家百年の計のために放送文化基金をやったというならば、やはりNHKの経営に対して言っていかないと、私ね番組制作費みたいなもの、放送費みたいなものを切り詰めていくと、切り詰めた結果、やっぱりどう英知でも及ばないところがあるんですわ。空間がうまく詰まらぬです。つまらぬと見ない、見なきゃ払いたくないという、これはもう人情に直結していくんです。したがってますます雪だるまみたいになっていきましてね、金も取れなくなってしまったわで、これはもう悪循環になってくるという、私はそういうことをたいへん心配しておりますんで、どうぞひとつ苦しい中でも立ち直るような要素をいろんな面で——とにかく私はのほほんとしていられないと思います。  番組の充実、そして経営面における赤字の解消、人件費、どうぞいろいろ考えて、来年度は少しでも減ずって、どうだと言わんばかりに胸を張って、ひとつこの委員会に来ていただくことを心からお願いいたします。  小さなようで大事なことなんでちょっと話題を変えますが、受信料の契約の問題なんですけども、まあいろいろ配慮しておりますけどね、どういう至上命令になっているのか私わかりませんけども、何かこの間、これは実際に私の聞いた一意見なんです、全く興信所みたいな感じがして隣近所を聞き回ったりなんかして、中には誘導質問ですわ——おたくはまだ白黒なんですねえなんと言うと、いいえカラー。おう、じゃあいただきますてなもんでね、そういう事実、これあったんですって。  それでね、まあ私として恥ずかしいやら、そんな取られちゃった——取られちゃったというのもおかしいんですがね、そういうようなことというのは私はあんまり好きじゃないんです。こういうような一部の評判があるんですが、この指導関係はどちらのほうでやっていらっしゃるのか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 私、営業総局長としてそういう方面の指導もいたしております。いま御指摘のようなことが率直に申して絶対にないというふうには申しませんけれども、もちろんこれは正しい受信者に対してのお願いの道ではないと思います。  そうではなくて、私どもとしては、もし聴視者の方の中に何か御疑問をお持ちの方あるいは契約がまだ済んでないという方がございましたら、まず根底はNHKのそもそも国民の支持がなければ成り立たないという性格を十分御説明して、その上でいろいろ御契約いただくなりお支払いいただくなり、そういうふうに指導しているつもりでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ざっくばらんにわかりやすく言いますとね、いいもんなら金払うんです、人間というものはね。それは中にはいいものをただ見て喜んでいるっていうのがいますけどね、それはごく人間として貧しいし、そんなに人間見捨てたものじゃないです。私ども芸能をやってますが、いいもんに対しては金は払ってくれるんです。ましてNHKは払うもんであるというのが頭にあるんですから、ただで見て喜んでいるという、もうそんな貧しさを正義感にして人生をうまく生き延びるといいますか、生きていくためのおれは知恵者だなんという、そんな卑屈な人間というものは相手にしなくともいいし、そんなにいるもんじゃないです。  ほんとうにいいもんなら払ってよかった、さすがNHKだという声がかかってくるんです。それがないからこそそういった手段もしなければならないという——おそらくさみしいと思いますよ、こんなことまで言ってお金をもらってこなければならない金集めの人間というものはね。あなたのところは集めなければならないから、いろいろ集めてこいと言う。集めるためには方法がないからこういうことをする。根本的にはNHKの貧しさ、ということは日本の放送のレベルの貧しさということにもなるんで、われわれも一端があるんですがね、どうぞひとつその辺を、いいものをやれば入ってくるというごく素朴な人間の感情を土台に置いて、ものごとを進展さしてほしいと思うんです。  それ、よろしいですね、一言「うん」でいいですよ。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 全く同感でございます。NHKの歩むべき道は、商品であります番組に非常な共感と称賛を得まして、それによって喜んで払っていただく、これが本則であろうと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 たいへん意見が合うんでね、私が副会長になりたくなってきたんだけど。  さて、そのいいものを見たから当然払いたくなるという気持ちもさることながら、実際にはなかなかそれは徹底していかない。もっと露骨に言っちゃえば、そういいものばかりないので、いま言った方法が出てくる。  私は、今度はそれをサイドから、一方だけではなくて、番組がよければいいんですが、そうもいかないから、たとえばパンフレットを配るとか——郵政なら郵政、いろんなところで出してます。NHK新聞というのが昔ありました。いまどうなっているかちょっとわかりませんが、私は昔買って読んだことがありました。そういったものにわりと力を入れてないんではないか。たとえばいまみたいなことをかりにやられた場合に、苦情の申し込み所もどこにあるかわからぬし、そんなものは事実ないんじゃないかと思うしね、そういったところもわからない。  ずいぶんいろんな各種団体へ助成金を出してますわね、学校に五億だとか、やれ交響楽団に三億、厚生文化事業団に二千二百万、放送番組センターに三億、いろいろ出してます。もちろん必要だから出しているんでしょうけれども、私はNHKのPR——だからさっきみたいに中継をやれば一番早いんだけれども、まあそうもいかぬでしょうから、その分だけ私はPRということを徹底すべきだと思います。そうしないと、ますます輪をかけてくる。  わからしてやれば払うということもあるんですよ、わからせないからなんです。わからずやろうと言ってちゃいけないんですよ。言ってやれば——親切だけが人を説得するということばがありますけどね、言ってやればわかるんです。親切がないからわからないんです。わからないやつをわからないで切り捨てることは簡単ですが、それはやっぱりものごとを育てていく者の態度ではないと思います。わからせる方法というものの具体的な案とか、または苦情申し込み所——たとえば一例をあげると、こういうところはどうなっていますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 苦情というものは正直に私ども謙虚に承らないといけないと思いまして、全国のほとんどの放送局に相談室というのを設けまして、これは全部で六十九カ所、ほとんどの放送局でございます。それから東京には相談センターという名前で、特に東京の場合には受信者の方も大ぜいいらっしゃいますので、二十四時間、泊まりの者も置きまして苦情承りをしております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ぼくが聞きゃわかるけれども、聞かなければわからぬわけですよね、そのためのPR。  私、相談センターということばもいいけど、もっと端的に苦情受付所でもいいと思うんです。それがあまりにも露骨だとしたらサブタイトルでもいいですよ。苦情を持っていらっしゃいというようなごく素朴な言い回しをしても、ぼくは恥でも何でもないと思います。その辺を頭にちょっと入れてね、なろうもんならそういったサブタイトルをつけるぐらいは簡単でしょう。相談所というと何か相談する内容を要求されるような気がするんです、言うほうはね。やっぱり苦情だと、それこそこのやろう文句あるぞ態度でかいぞというところまでくる。それを処理、セレクトするのはそちらの腕前であってね、そのぐらいのひとつわかりやすいPR方法を考えてください。  いろいろと質問してまいりましたですけども、それを総括した意見を言いますと、さっき言ったとおり、頭打ちになったものを、今回物価が上がったからやがて値上げをするようになるだろう、値上げになる値上げになるんだぞと、こういうようなことになりそうな感じがします。どうぞ、くどいようですけども、何とか赤字を減らすための具体的な方法、努力を会長から一言伺っておきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 計数的にいまはっきりは申し上げかねますけれども、方向としてはそのような努力をいたしてまいりたいと思います。その気持ちだけはここで明確に御答弁を申し上げておきたいと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 というのは、私どもはやっぱりNHKというものがないと困ります、ということを根底に置いて話をしてるんで、私はつぶせとか、あげ足をとるということでなくて、私の意見に共感するところが多々あると私は信じますので、どうぞその長所をひとつ入れて進展していってほしいと思います。  番組の内容について聞きます。これはもう一般的なことです。「勝海舟」の主役の渡哲也君というのが交代いたしましたですけれども、あれは健康上のことだということを伺ってますが、坂本さん、そうですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) おっしゃるとおりで、渡君が健康を害しまして主役を続けるという状態になくなりましたので、やむを得ず交代していただいたわけでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 理由はまあ健康問題と言われると一言もないでしょうけども、私はやっぱりNHKが目玉にしている大作、要するに連続ドラマで主役が交代するということはもちろんとまどうし、最悪の事態だと思います、番組において。したがって私その責任というものをどうとっているのか、その辺は。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 聴視者に対しても御当人に対してもまことに残念でございますし、特に申しわけないと思っておりますけれども、ただ渡君を主役にお願いいたしますことになりました昨年の九月ごろの状況では、御当人も健康に自信があると。なお渡君につきましては、御承知のように二、三年前BKでもって一年間の連続ドラマに御出演いただいた体験もございますので……

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 いや、視聴者に対して、見ている人方に対する責任というものですよ。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) それについては、冒頭申し上げましたように、不測の事態で交代しなきゃならなかったことをまことに申しわけないというふうに思っております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 一年間過去やったから今回もだいじょうぶだろうとそう言いかけましたが、ぼくが話を取っちゃってごめんなさい。  健康診断なんてしなかったんですか、やっぱりすべきだったんじゃないんですか。肺浸潤がどうのこうのということを聞いたんで、徴候が見られないこともないような気がするんです。ぼくは医者じゃありませんですが、配慮が足りなかったのではないかと思います。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 御指摘のように健康診断等をするということも確かに今後の問題として一つ検討するテーマかと思いますけれども、しかし職員を採用するのと違いまして、外部の出演者に御出演をお願いするわけでございますから、一応、制作条件等を御提示して、それにたえられるかどうかということを御当人並びにその所属するところの責任者にただしまして、そしてだいじょうぶだということでございましたので、それによっていたしたわけでございますが、将来の問題として、健康診断をするというところまで進むことは、いろいろプライバシーの問題等もございますし、なかなか実現の点については問題があろうかと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 と思いますが、向こうにまかせるというとNHKの大役を断わるやつはまずないのだ、よほど直の前に病がいってない限り。したがって向こうサイドに要求しても無理です。やっぱりこういった面の充実をはかるべきでね、ただギャラの問題ばかりでなく、そういったものをしていかないとこういった事態が来ます。  それはうれしいですよ、やっぱり芸人として。一応権威のある番組の主役に選ばれたというんでは何でもかんでも飛びつきます。これは渡君個人がもしやるところまでやってみようという気持ちで彼がやったとした——そんなことは知ってませんよ、したとしても、その気持ちはぼくは芸人の気持ちとして、または役者としてわかりますわ。それだけにこっち側に配慮が必要なんです。わかりますか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 御指摘の点は十分わかります。これを一つの大きな経験として、将来こういうことが再び起こらないように事前のリサーチと申しますか、そういう点を十分配慮したいというふうに思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 けっこうでございます。  それから、いろんな番組をちょこちょこと聞きますが、高校選抜野球、あすからたしか始まりますですね。私あれわりと好きで見てるんですがね、解説が非常に技術面から言ってるのであって、勝敗だけで、あそこでスクイズすればいいの、ここはヒットエンドランをかけるべきだのと、何かプロ野球のミニチュア版みたいな——まだプロ野球のほうの青田なら青田、やれ別当やれだれそれ、そういった連中の——過去金田ロッテ監督もやってました、個性があるんでまだおもしろいですが、高校野球を経験していた方がただ言っている。私あれは勝敗のみではない、やっぱりスポーツを通じての人格形成というか、そのためのクラブ活動の一環ですからね。まあそれは毎日新聞の事業部の仕事だといえば、そういった皮肉な見方もできますが、私、ちょっとその辺、むしろ場合によっちゃ王、長島にやらしたってかまわないんじゃないか、しろうとの人がやったっていいんじゃないかというような気がするんです。いかにも何かプロ野球ナイズされてしまったのを——これちょっぴりスポーツ関係者は頭に入れといてほしいですな。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) そういう御指摘については全く同感でございます。われわれも高校野球の解説につきましては、いわゆる技術的な巧拙よりか精神的な面にウエートを置くように解説者にもお願いしてございますし、現在、お選びしてお願いしておる解説者の方々もかつては六大学の選手であるとか監督であるとか、そういう方々をお願いしておりまして、そういう意味の御協力はいただいておるつもりでございます。  ただ、一、二御指摘のようなことがあるとすれば将来の問題として検討しなきゃならぬと思いますが、たとえばNHKの高校野球の中継の場合には、プロ野球の場合ですといわゆるスロービデオというふうなことを多用いたしまして、やや技術的な解説に重点を置く中継をいたしておりますけれども、NHKの高校野球の場合にはスロービデオによる再生をしない。これは一部の聴視者の方からは、やはりスロービデオの再生をしてもう少しきめのこまかなサービスをしたらどうかという御意見もあるんでございますけれども、スロービデオの再生をいたしましていたずらに技術的な批判、批評になることを避けるべきではないかというようなことから、現在はそういうやり方をしていないというようなことで、そのことがいいかどうかの御批判はまた別にあろうかと思いますけれども、精神としては松岡先生の御指摘の精神で努力しておるつもりでございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 要するに、おもしろくないからぼくは苦情を言ってるわけです。おもしろければいいわけです。そのおもしろさも、やはりいま言うとおり、高校野球というものの根本はクラブ活動の一環である、人格形成、人間づくりということだと思いますので、そこから発想していったら決しておもしろくなくならないんですよ。それもやっぱりけっこうおもしろいものがやり方によって出てきます、むしろそのほうがおもしろいだろうと思います。  それから、さっきこちらの鈴木委員からも宮田さんのことが質問に出てましたですけど、私、そろそろこの際NHKを含めて民放全部で、タレント候補というものの放送に出る出ないの基準を定めるべきじゃないかと思うんです。  これは私ごとでおそれ入りますが、この間、私が——これはもう坂本さん、こんなことしゃべっちゃって申しわけないんですけど、私が落語番組を頼まれたんです。そしたらね、ある男が入って——これは間違いないです、参考人呼んでもいいですよ、名前言いませんがね。そうすると、どうしたのって言ったら、君は次の選挙の応援にからむからいかぬと言うのです。ぼくはこの次選挙に出ないですよ。三年後出るか出ないかわらかぬですよ、ぼくなんかはあまり評判もよくないしね。——笑うな、自己反省だ。——とのぼくのことはさることながら、これは過敏になっているということが一つ。  と同時に、宮田さんはやめたが、青島さんなんかはまだ出てるわけですね。これは出るでしょう、おそらく六月。こういうものをはっきり——民放は違うって言いますわね、NHKの問題じゃないかもしれませんが、放送連盟ってのあるでしょう。私自身もテレビに出てますけど、これはきめないとやがて問題が起きてくるんじゃないか。つまり一年前になったらやめよう、そして出てたのはやっぱりそれを利用してると——ほんとうはかまわないですよ、出てたって、商売ですから。だけど実際的には遠慮してもらっているという事実がありますね。また政党色があると出さないんです。政党色があると出さない、じゃ無所属なら出ていいのかという——そのタレントの性格にもよりますがね、わりとそういったものをやる場合。でも私みたいに古典落語をやろうとしたときにもそういった懸念が入ってカットになっている部分もあります。  これをどう受けとめていますか、きめなきゃならぬじゃないですかというこれに対して、意見、大臣どうですか、大臣たまには何か言わないと眠そうになりますから。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) これは私のほうで番組についてこうしろああしろと言うことはできない部類に入っていましてね、いまのところでは。だから、この間、横川さんから放送法の問題についてお尋ねがあって、いまの放送法のままでいいかどうかということですね。その中には番組編成であるとかいろんな問題があるわけでございます。資料を出せということで資料を出したと思いますが、そういう面でとらえていかなければならないところで、いま私どものほうでこの放送法の中でどうしろこうしろということはちょっと答弁しかねる。公職選挙法の中で別な観点から考えられるならこれは別でございますけれども、そういうことでございます。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御趣旨のあるところはよく理解できるのでございますけれども、なかなかそういう基準を設定するということがしかく簡単にできるかどうか非常に疑問だろうと思います。  ただ、政党に属しておってはいけない、無所属ならいいというようなことはちょっとおかしいのじゃないか、かようには考えます。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 関連さしていただきます。  いま私が申し上げようと思った点を小野会長からおっしゃっていただいたので、もう言わなくてもいいんですが、私がやはり選挙の事前運動になってはいけないというので、私自身NHKの番組に出ておりましたのを一年前にやめましたので、私がその点でどこの政党からもお小言をいただかないわけはそういうわけでございますけれども、いまいみじくも会長がおっしゃられたように、青島幸男君の場合は無所属であるからずっと毎日昼間出ているわけでございます。(「民放ですがね」と呼ぶ者あり)民放ですが、ですからこれは大臣おっしゃったように、権限の中にそういうものは入っておらないけれども、モラルの問題です。  政治の多様性と多極化というものは、われわれのようにほかの商売をやっている者まで必要になるほど政治というものにすき間ができてきた。それを世の中に問うて落選をしたんならこれは言わずもがなですが、当選をしたという理由は、組織も何にもない者ですら必要で、絵の具の中でも嫌いな絵の具でも何でも一応ワンセットで二十四色あるいは十二色、もともと言えば三原色という三色あればいいんですけれども、それだけ色が多様性になってきている。  放送のところに無所属はいいんだという現場の空気があって、それならば社会党から出ても、自民党から出ても、各大政党からお出になった方も公平に出して、そこでお客さまがきめるべきであると、私はそう思います。いまの会長の意見に賛成でございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 何らかの規制というものを、むずかしいでしょうけれども、しておかないと混乱を生じるんじゃないか。ましてNHKはそういった面で利用というよりもいろいろと誘惑——誘惑と言っちゃ悪いけれども、手がかかってきますので。われわれの過去はどうしたかというと、自分自身の気持ちとそれから回りの情勢を判断して個々に処理しておりました。ところが、やっぱりこれは率直な気持ちが、出ていられたら出ていたいです。なぜならばお金が入るんです。金が入るし、人に知れて当選率も上がると思います、知られてないよりはね。  そういう意味で、ぼくらの気持ちを率直に言いますと、それのある程度規制がぴたっときまれば納得します。実力で勝負をするなり、いろいろな面で勝負をしなければなりません。電波という最も大事なものですから、それをひとつあるときと言わずに、NHKだけの姿勢でもいいから、NHKというのは職員でしょうけれども、できればNHKから語りかけて民放と一緒にこの問題を一度やる会などをつくる、やる気持ちがあるかないか、ちょっと聞かせてくれませんか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) はたしてそのようなことが民放さんとの連携の上にできるかどうか疑問でございますけれども、参考にさせていただきたいと思います。  また、宮田君の話が出ましたから、一言お答え申し上げたいんですけれども、宮田君の場合に限らず、NHK職員が立候補いたします場合に、それが非常に名前の売れるような番組に司会その他で出ておる。しかも選挙に立候補する意図を持っておることが明確であれば、これはおりてもらわざるを得ないと思います。宮田君の場合は、あの直前まで出ない出ない、こう言っておったわけでございまして、立候補の意思を固めておることが察知されれば、これはやっぱり番組をおりるべきじゃないか、かように考えております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 そうしてみると、そんなに過敏にはなってないという答えにもなりますが、私は、過敏になっている部分もあるので、そのアンバランスがたいへんに激しいのでそれを申し上げているのです。その気持ちでいくならばそれでいいです。立候補の意思を固めたと同時に姿を消していだたくという、それはそれでいいです。ところが、そうでないようなものが問々出てきますので、それならば統一しないとお互いに不公平が出てくるのではないか。こんなことは言わずもがななんです、黙って出てたほうが得なんですが、やはり委員の立場として議員の立場として必要だと思うので、申し上げた次第です。  もう大体時間も来ましたんですけれども、私は注意したいんですが、これは聞いてくれればいいです。  「総理と語る」という番組、近ごろ閣僚と語る番組がふえてきたというのを決算で一度社会党の須原さんから質問されてましたんですけれども、私はそう言われて見ましたんですけれども、たいへんに内容としてレベルの低い番組になっております。山岡荘八という作家が質問していましたが、全くあれは田中総理に対するちょうちん持ち以外の何ものでもない。どうぞひとつ番組の内容——「総理と語る」のが多過ぎるというのは向こうの意見としてわかりますが、私は多くてもいいのではないかと思っております。ただし、その場合の人選ということをしっかりしていただかないと、全くだらしがない状態です。本業としてはりっぱな方だと思いますが、ああいったことのないように、堂々と論陣を張っていけるような方々をどうぞ出して、場合によっちゃ田中総理の欠点をさらけ出し、いいところを強調し、いろんな意味においてバラエティに富む番組をつくってほしいと、この「総理と語る」というのを見たことに対する感想を一言述べておきます。それはいろいろな意味に通用すると思いますので、よろしくお願いします。  それから、近ごろジャリ歌手、全盛時代になっているというのも考えものでね。ジャリ歌手というのはぼくらの符牒ですが、ひねると子供が出てくるというのも、少なくともこれは歌手がだらしがない。藤山一郎さんに会ったら、私は歌手協会は一体何しているんだと。全く乳くさい。しまいには今度は赤ん坊の番組になってしまうんではないかというぐらいで、幾ら時代の風潮とはいいながら、これはNHKに言うべき問題じゃないかもしれない。歌手協会に言うべきかもしれませんが、どうぞそういうところを、NHKというものの力を認めていますから、NHKのほうから語りかけて、おとなの歌手をどんどん採用するように——歌手ばかりではありませんが、特に歌手がそうです。落語界なんかはおとながどんどんぼくらを凌駕しておりますから心配ないんでございますけれども、どうぞひとつ番組制作で坂本さんあたり頭に入れておいてほしいと思うのでございます。  外国の番組を持ってくるということは近ごろどうなんですか。昔は「アンディ・ウィリアムズ・ショー」だとかエド・サリバンとか来ておりましたが、近ごろそういう案はありませんですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) やっていなくはございませんで、ワンマンショーというような形でかなり外国のいろいろなそういうミュージカルその他のスターを五日ないし一週間連続してやるというようなことを年何回か実施いたしております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 やれ「ナンシー・シナトラ・ショー」それからフランスのやれ何とかショー、いろいろ私見ております。向こうの番組というのは出演料もたいへんに高いしお金がかかっておりますので、私はこっちのタレントの問題もあるかもしれませんが、もっともっと私は定期にふやしていってもいいのではないか。事実セサミ・ストリートなんかは教育番組としてやってたいへんおもしろい番組でけっこうでございます。  と同じように、私やっぱりある意味において文化ですから、文化をやるように——ぼくはバラエティに富んだショー番組、それから私番組の名前を忘れたんですが、その番組に呼ばれて出てこないとうしろ暗いところがあるというぐらいの権威のある番組があるそうですね。私は向こうにおける対談番組、たとえばベトナム問題がある場合にそこにニクソンを呼んできてやっている、私は政治番組だけじゃなくてちゃんとした対談番組があるということも聞いておりました。そういういろんな方面から持ってきて、彼らがどう受けとめているか。つまり、われわれがそれを見てどうとっているかということですね。NHKが向こうへ行って意見を聞いてくるのも大事だろうけれども、向こうがこしらえた番組を持ってきてわれわれが見るという態度も私はすごく大事だと思うし、私個人の意見で言わせれば、絶対そういう番組は見たい。ひとつその辺も考慮に入れておいてほしいんですが、感想をどうぞ。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 先進国のいろいろなテレビ用の番組というのは十分われわれとしても勉強の対象になりますし、放送をいたしましても聴視者の御支持も得られるというふうに思っておりまして、いま松岡先生の御指摘に即合うかどうかわかりませんけれども、四月の毎週土曜日の夜「刑事コロンボ」というアメリカの番組を、これは一時間半ぐらいの長時間のテレビドラマ番組でございますが、それをレギュラーに編成するということにいたしましたのも、もしそれが日本のテレビドラマ界に一つの刺激が与えられればというようなことも思いながら編成しておる次第でございます。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 こっちから出しているのはあるんですか、向こうから買いにきているのは。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) NHKインターナショナルを通じて外国に提供している番組、これはおもにドキュメンタリーないしは科学番組みたいなもので、ドラマ番組等はイタリア賞で入賞したというようなものが欧米で放送されるというふうなことで、バランスをとりますと、わがほうから出すほうがいささか劣勢であるということはいなめませんけれども、そういう努力はいたしております。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 ショーの構成のしかたによりまして私はりっぱな日本のショーというのが堂々と組めて、そこに社会事象も織り込み、いろんな日本の状態を知らせながら——たいへん高度な芸能文化を持っております、御承知のとおり。やる方法がありますので、それはまたつくることによって向こうへ出すようなことを、日本のエド・サリバンが出て向こうへずっと出ていくようなことを、こっちのスターを外国で使えるぐらいな、外貨をかせげるぐらいなこともひとつ芸能番組として文化番組として考えてほしいと思うのです。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) それも全く同感でございまして、例のワンマンショーを夏などに編成いたします際に、そのワンマンショーに続いて日本のワンマンショーも制作して並べるべきではないかというようなことで、一昨年でしたか、越路吹雪を主演にいたしましてエド・サリバンその他のショーに並べて土曜日に越路ショーを編成したというような経験もございますので、そういう前向きの形で検討していきたいというふうに思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 最後に、ちょっと私ごとなんですけれども、私の世界のことなんですが、おかげさまでNHKの新人落語コンクールというのをやっていただいたんですが、そこで優勝したのがわりと出てこない、いろんな意味において。ということは、何か選考方法に欠陥があるのではないか。どういう欠陥かというと、要するに円生、文楽ジュニアをこしらえているような感じがする。  基本的にほんとうにしっかりしているんならいいけれども、基準が非常にいいかげんで、私はむしろ落語というものは個性の豊かな者、それがだめだったら個性豊かな派、まあ二つやってますが、もっと基準をはっきりしていかないといけないと同時に、その選んでいる人間に私はたいへん疑問がありますので、端的に言うと、私みたいな落語が最もわかった、落語に対してまた大衆演芸に対して最も前向きの姿勢でいる、あえて豪語するんですけれども、私ほどの評論家もいないし私ほどのファンもいないと思っています。どうぞこっちのほうにも相談にくるぐらいのひとつ気持ちでやっていかないと、せっかくつくっていただいたものがだめになって、この間決算で質問したんですが、文部省の主催の芸術祭というのは全くいまがた落ちしていますから、あの二の舞いにならないように、権威のあるNHKですから、いい意味においての権威をしっかりと与えてくれないと芸能はだめになります。百も承知だと思いますが、ひとつその辺よろしくお願いします。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 落語コンクールにつきましては、松岡先生所属の協会の会長それから芸術協会の会長にも審査員になっていただいて審査をしておるわけでございますけれども、審査の方法等につきましては、もし御指摘のように不十分な点があれば、今後の問題として検討させていただきたいというふうに思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 大体、これで終わります。  ざっと言いますと、NHKが赤字をかかえてきた原因というのは、私がわかりやすく質問をしてきたことがすべてだと思います。金が取れなくなってきた、テレビ見るのが頭打ちになってきた。その頭打ちになってきたものをあとはどうやってころがしていくかという問題に対して、いろいろ使い過ぎた赤字もあるだろう、それに対して人件費をある程度しぼっていく、その場合むずかしい問題です。それから、くれぐれも放送費というものにしわ寄せがこないように、しわ寄せがくるということは悪循環で、つまり聴視料が取れなくなるということにつながるということです。これが最も経営方針の一番大事な基本だと私は思っておりますので、どうぞそういったのを加味してNHKの放送の内容を充実し、また経営の方針を立て直していくようなことを一言確約願いまして、質問を終わりたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いろいろ有益な御意見をありがとうございました。われわれが今後の経営の指針として守ってまいらなければならぬ点が多々あったと思います。私はそのようなことを十分に体しまして経営の万全を期してまいりたいと思います。

松岡克由自由民主党

○松岡克由君 どうもありがとうございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 昭和四十八年の六月の七日、郵政省から出されております「テレビジョン放送難視聴対策調査会の設置」というのがあるわけですが、この設置をされた趣旨は大体私どもこのとおりだと思いますけれども、それから相当年月を経ておりますが、この難視という問題についての具体的な実施方法とかあるいは法定化というのが出ておらないわけですね。これはいつごろ結論をつけるつもりでこの調査会の運営をされているのか、まず、その点をお聞きいたしたいと思います。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 去年の六月に実はつくられたわけでございますけれども、その当時におきましては、できるだけ早く都市難視あるいは辺地難視ということの解消策をお聞きしたいということでございましたのですけれども、その後、いろいろ審議を進めましたところ、いろいろなむずかしい問題が出てまいりまして、いまの段階ではもう一年、昭和四十九年度で結論がいただけるというようなことで期待しておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 調査資料の一部をいただきまして、その一部を見ますと、大体、難視といわれる種類はほぼ明らかになってきたと思います。その難視に対する対策は、たとえばNHKの難視対策でいきますと九九・九%、あと何%か残っているものを予算的にどうするかという対策が残るわけですね。  それから国鉄あるいは防衛施設庁の問題等については、その影響するところが非常に複雑で、資金の調達がまず困難であり、それからどこまでが難視としてこれを見たらいいか、こういう一つの基準みたいなものが生まれておらない。予算の問題も問題であるということで問題としてあがっておると思うのです。  それから建築基準法に基づいて難視の問題を——これを資料で見ますと、建築基準法に基づいて建築されたものが、電波の性質上、それが遮蔽となって起こっている難視ということについて、その影響する度合いとか難視の状態についてほぼ具体的な結論が私は出ていると思うのです。  どうでしょうか、いまもう一年というのは何をやろうとする期間なのか。私には難視の状態はもうだんだん出てきて、大体結論をつけていい時期ではないかというふうに見えますけれども。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) この調査会は、まず第一番目に着手いたしましたのは都市難視の問題でございまして、いままでに都市難視がどういうような難視の状況であるかという実態、それから現実にどういう方法でいままで難視を解消してきたかということの具体例、それから技術的にこの難視をどういうぐあいに解消したら一番効率的であろうかというような技術的な問題、こういう点についていままで種々検討してまいりましたということでございますが、さらに難視を解消する技術的な方策がほぼきまりました場合においては、それをだれが費用負担するかという費用の問題、それから立法措置が要るか要らぬかというような問題、こういうような問題についてさらに引き続き検討を加えるということになると思います。  ただ、これは御承知のように、難視問題というのはわが国ばかりではございませんで、世界的に解決するに非常にむずかしい問題であるということになっておりまして、外国の例などもできるだけ参照して結論を出したいというような調査会の空気でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は実はいまの局長の答弁は、もっと実務的に仕事をしておれば大体そういうことは初めからわかった問題で、その解消策としては、具体的におそらく個人ならばみんな一つの解消策を持っているんじゃないでしょうか、個人ならば。何人かずっとそろってくるものですから、お互いの意見で遠慮しているのかどうか、結論は出さないで日時を過ごしているというような気がするんだけれども、まずひとつ建設省の佐藤建築指導課長さんに、いまの電波監理局長の言ったいわゆる建築基準法から見た電波解消についての問題点、それからそれをどうすれば解消するとお考えになっているか、その点お聞かせいただきたいと思います、基準法のたてまえからです。

佐藤温建設省住宅局建築指導課長

○説明員(佐藤温君) 建築基準法は建築物の構造それから敷地、用途等につきまして最低の基準を定めておるものでございます。仰せのように電波障害の問題につきましては電波法に必要な規定もございますので、建築行政の立場におきましてはこれに全面的に協力をするという形で、電波法による届け出を要するような建築物につきましては、確認の場合に事前に相互に連絡をとって電波の障害が起こらないように従来からも指導してまいっております。この方向で今後も進んでまいりたい、かように考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 国鉄の建部さん、あなたのところで起っている新幹線障害、すでにこれは和解案件も何件か出ておりますけれども、これからできる新幹線の場合には、既存の新幹線で起こっているような紛争を無視して建設計画を進められるのか、それともいま起っている既存の新幹線の問題点を今度はできるだけ解消する、こういうことで計画が立てられるのか、その計画の考え方はどうお考えになっていますか。

建部恒彦日本国有鉄道環境保全推進本部次長

○説明員(建部恒彦君) 電波障害につきましては、もうすでに既設の新幹線につきまして、東海道、山陽の岡山まで鋭意対策を進めてまいっております。さらには今後開通いたします博多まで、さらには東北、上越新幹線等々建設中のものがございますが、これにつきましては事前に対策を立てまして、住民の皆さまに御迷惑をかけないようにやってまいります所存でございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 防衛施設庁の藤井さん、これはもう狭山ですか、あの辺でだいぶん紛争が起こって、これも施設庁としては結論がついて、たしか各省予算をある程度分担しながら対策を立てた、いわゆる地域住民との間の一つの結論をつけたと私は承知をいたしておりますが、この種の問題は全国的に多様にあるわけですけれども、防衛施設庁としては電波障害について一つの方針みたいなものをお持ちになっておりますか、お聞かせいただきたいと思います。

藤井謙二防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(藤井謙二君) 飛行場の周辺におきますテレビの受信障害におきましては、従来、NHKさんにおきまして、放送法の規定によりNHKが定めた受信料免除基準に基づきまして一キロ−二キロの区域内におきまして受信料の減免措置を行なっております。当庁は、NHKが昭和四十五年度から免除区域を一キロ−五キロの範囲に拡大いたしましたのを機会にいたしまして、その拡大された区域につきましてNHKの免除額の二分の一、すなわち受信料の四分の一ということになりますが、この二分の一の額を補助いたしてきたわけでございます。次いで昭和四十七年度からは補助対象区域を一キロ−五キロメートルの区域内の全域に拡大いたしまして、またさらに昭和四十八年度からは一キロ−五キロメートルの全区域につきまして、NHKの免除額全額、従いまして受信料の二分の一相当額になりますが、これを当庁で補助してまいっておるところでございます。  なお対射爆撃場につきましては、主要旋回経路の直下から外側一キロメートルの区域内におきまして、昭和四十五年度からNHKが受信料の二分の一の免除を行なってまいってきておるわけですが、そのときから当庁にNHKに対しましてその免除額の二分の一、すなわち受信料の四分の一相当額を補助してまいっております。またさらに四十八年度からは免除額の全額、すなわち受信料の二分の一相当額を補助してまいってきております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 建設省の佐藤建築指導課長さんにお伺いいたしますが、放送設備は既存のもので、これは多い少ないとかいろいろ意見がありましても、すでに東京にはNHKのチャンネル、民放のチャンネル、ほとんどもう完成されておりまして、どの方向からどういう電波が流れているかということは、東京の電波の到達距離はほとんどきまっているわけなんですが、このいずれの方向から来る電波も障害なしに建てられるという建物は、高層建築である場合に、ないと思うのです。  そこで具体的には、これはNHKの技術部門のお世話をいただくとして、いま、あなたのほうが基準法に基づいて許認可をしようとする建物にどういう電波障害が起こるかということをあらかじめ一つの結論を出してもらって、その結論を出したものを、そのことによって起こる障害を受ける人たちに何らかの形で障害なしに電波を届けさすことができる方法として、どういう方法があるというふうにお考えでしょうか。  私は、たとえば立法措置をとって施設をつくり、それを当然障害を起こした、そういう建物を建てようとする人の負担でそれらの障害除去をする施設をつくる、そのことをあらかじめ許認可のときに与える、これは必要だと思いますが、それはいまあなたのほうが基準法に基づいて許可を与えるときに口頭で指示して可能か、それともそれは可能ではないから何らかの法改正を必要とするか、その点どうお考えでしょうか。

佐藤温建設省住宅局建築指導課長

○説明員(佐藤温君) 現在、都市におきまして電波が出されております場所は、おっしゃいますように、当然、テレビのアンテナから出ていけるわでございますから、現時点におきましてはわかっていることでございます。しかし建築物によります電波の障害につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、ビル陰の問題それから反射波の問題等につきましてはわかっておることでございますけれども、それにいかに対応するかという問題につきましては、私、電波のほうの専門家でございませんからよくわかりませんけれども、いろいろな対応策がございます。  現在までも実施をいたしておりますようなケーブルによる方法とか共同アンテナによる方法とか、いろんなことでそれぞれ対応がなされてまいっておりますけれども、将来の都市の形態を考えますと、必ずしも十分予測はつきませんが、土地の利用の高度化とか再開発の必要性とか、それから新しい町づくりとか、こういった関係から建物の高層化というのが必然的に行なわれてくると思います。そこで、これらのビルによります複合的な電波障害につきましては非常にむずかしい問題もあるようでございます。建築物の建築主がこの電波障害の問題をすべて負担して解決していくという問題についてもいろいろと難点があるというように考えております。したがって御存じのような対策の調査会におきましても検討がなされておるところでございますので、この辺の検討を待ちまして、私どもは郵政省と十分協議をいたしまして、将来の負担の問題、ビルの形態の問題等、いろいろと問題を煮詰めてまいりまして解決をしていきたい、かように考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 佐藤さんね、あなたのいまの意見からいくと電波障害というものの解決の結論が出ないですよ。  たとえば、いま同時に同じ幅を持って同じ高さを持ってビルが建設されるという例はまずないんです。ただ新宿の副都心にできているあのビル群、四十何階かのビル群が横浜の電波障害になっているというような場合がありますから、私はこれは対応策としては非常にむずかしいことで、相当いろいろな技術的な指導とか、あるいは予算の捻出について問題があると思うんだけれども、そうでない場合には、いま言ったように、建てられる建物に複合して——Aの建築物とBの建築物から同時に障害が起こって、そして、到達を阻害されるということはまず東京の場合には私はないと思うんですよ。あるいはAの建物ができてから何カ月後にBの建物ができて、Aのときには何でもなかったが、Bが建ったときに電波障害が起こったというときには、これはBの建物が加害者の立場に立つべきであって、Aはそれにおいて別に問題ないと思うのですね。  そういうふうに、一つのできた建物の中から起こってくる障害というものを複雑化してしまって、その複雑の中で何か解決策をといっても、それはおそらくAとBの場合には共同して金を出して、それじゃ全体に普及するような共同アンテナを建てましょうとか、あるいはそれが非常に広範になる場合にはCAテレビをそこへ敷設しましょうとか、そういう具体的な対策があるだけであって、どうしたらいいかということを迷っておったのでは、私は具体的な答えというのは出ないと思うのですよ。  ただ、そういうことが起こった場合に話し合いでできますか、それとも話し合いではなしにやっぱり立法措置を必要としますかということを私は聞いているのであって、あなたのほうのたてまえからすれば、そのどちらをいま必要とされておりますかという、その点をお聞きしているわけなんです。

佐藤温建設省住宅局建築指導課長

○説明員(佐藤温君) 立法措置か話し合いで解決すべき問題であるかということは、私としてまだどちらがベターであるかということについて結論的な考えを持っておりません。  いずれにしても当面の問題の解決といたしましては、従来からもやっておられますように、話し合いでもって障害の起こった地域に対して建築主そのほかの関係者によって障害をなくするような方向で当面はやっていくべきであろう、かように方えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 齋藤さん、難視というのは、電波法それから放送法の法的なたてまえからいくと、どういうたてまえになるのですか。  たとえば難視というのはもう不可抗力なものである場合にはこれはやむを得ない、これはもう一つの問題だと思うのですね。しかし何らかの処置で解決できるものなら解決しなければならない。そのたてまえからすると、私はいわゆる電波を公平に享受するそういうものは受ける側、いわゆる受像機を持つ側にあるのであって、放送する側は何らかの処置がとれるならば電波を到達してやらなければいけない、そういう立場に立っているのだと思うのですけれども、難視というのは、法のたてまえからすると、どういう地位を持っているわけですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 法の地位と申しますと、難視とは何ぞやということで法律的な定義はないと思いますけれども、常識的な線といたしましては、いままでたとえばある画像をある程度の鮮明度でもって見ておったのが何らかの原因でそれが見られなくなった、あるいは評価の方法で三とか二とか一とか五段階に分けて評価をしておりますけれども、いままでの評価以下の画像しか受けられない、あるいは常識的に目で見られないというようなときに、これは何らかの方法で救済すべきである、これを難視と一応言っておるわけですけれども、技術的に難視とは何ぞや、あるいは法律的に何ぞやといいますと、解決すべき問題ではあると思いますけれども、まだ明確に規定されたものはないと申し上げざるを得ないわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 いまのあなたの答弁が法的な一つの地位なんじゃないですか、難視の。  結局、許認可をもらって放送しようとする設備を持つ者はその受像機に映るように波を出してやる、これが正常な放送業者とそれから受信する者の立場なんでしょう。ただ、それよりかなおかつ優先してというのは、たとえばいま建築基準法でいうように建物を建てる、それは建物が人間の生活上絶対要件である、電波は絶対要件ではない、こういう比較論が出てきたら、私は建物が優先的であって、電波が阻害されてもそれは泣き寝入りということになると思うんですよ。そのどちらにウエートを置いて行政というものが運営されるかということで問題の解決というものが出てくるんだと思うんですがね。  私は、いまの佐藤さんの意見を聞きますと、これは立法措置する必要はないというので——立法措置というのは、どういう障害があっても、何とかくふうして波を届けてやろうという考え方で立法措置をするわけですよ。ところが立法措置する必要がない、話し合いでということになれば、いや私はテレビを見ませんからいいですよと言えば、そこへ波は行かなくてもいいということなんですよ。その明確なところが、実は、難視対策の中に欠けているんだと私は思うんです。それじゃNHKに九九%、一〇〇%波が到達するようにいたしなさい、これは一体法の精神からいってどういうことになるわけですか。  だから、私は、いまの状態の中で人為的に何とかなるならばやっぱり波は届けるべきだ、こういうことで行政というものが動かないといけないんじゃないかと思うんですけれども、それはどうですか、電波監理局長としては。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。  送信側はあらゆる技術的な手段を用いて、あるいは法律的な手段でもけっこうでございますけれども、電波を届ける、これが郵政省としては最も大事なことだということでございますけれども、ただ建築の関係では、建設省のほうはどうしても建物を建てなきゃならぬ、そこのところに両者の調整ということが生まれてくるわけでございまして、その調整を、どんな基準で、どの程度のところで調整をするかというのが今後の難視の解決策の非常に大きな重点だというぐあいに考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そこで、佐藤さんも言うように、何らかの話し合いで解決をしてきていますというんです。何らかの話し合いで解決をしたというのは、建築する絶対性と受信する絶対性との間に、お互いに譲り合える余地というものが現在しているから、何らかの話し合いで解決してきたわけですよ。そうすると、それはどちらが優先し、どちらが泣き寝入りしなきゃいけないかという問題じゃないわけですね。そうすれば、それを非常に広範に野放しにしておかないで、そしてお互いに話し合いできるものを法定化して、話し合いをしなくてもそういう問題が解消するという方法をとることは必要なんじゃないですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) ただいまは御承知のように立法措置がとられておりませんものですから、建築主とそれから被害を受ける方々とで話し合いをして何とかそこに妥協の余地を見出すということでございますけれども、将来、制度として難視解消をどういうぐあいにやっていくかというものが制度的に一応きまりました場合には、これはちょっとまだ早いと思いますけれども、何らかの形で法的な措置が必要ではなかろうか。これはしかし調査会の結論を待った上でないとわかりませんけれども、方向としてはおそらくそういう方向に向かうのではなかろうかというぐあいに考えています。

横川正市日本社会党

○横川正市君 大臣、いま私は簡単なやりとりをしましたが、実は、この調査会ができて、いろいろ論議された内容を私はちょうだいいたしました。それで、もうすでに原因はあらゆる面で多角的に検討されて、あとは決断だけが必要な問題になってきているわけです。  その決断は、いま建築基準法をたてまえとしてやられている建設省の方が考えていること、それから国鉄の皆さんが考えていること、あるいは防衛施設庁の方が考えていること、それはある意味で法定化なしにこのまま放置できない状態になっている、だから法定化をひとつ急ごうではないかというところが私は一つの問題点だと思うんですけれども、大臣としては、当然調査会の中間報告をいただいていると思うんですけれども、どうでしょうか、お考えは。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) いま局長が答えまして、やはりそういう方向に進むんじゃないかということを言っておりますが、私は非常にむずかしい問題だと思うのです。  現在、われわれの住んでおる環境の問題で、たとえばこの間から出ております飛行場の騒音に対するところの裁判の問題、私どもは郵政省として公共のために最優先するものは一日でも早く到達を確実にするという郵便事業を持っておる、そのために飛行機を使っておったが、夜間に飛ぶことは一方に騒音という問題を与える。先ほど決断ということをおっしゃいましたが、政府の中では環境庁が勧告をして、この夜間の飛行機については考慮すべきではないかということを言っておる。郵政省は、その際に、順次これを廃止していくべきであるという答弁をしておる。そこで私は就任をいたしまして、これは決断をすべきことである、こう解釈いたしまして、その深夜便というものを使っておる分だけは、十時以後の八便というものはやらないということにいたしましたが、これは代替がないために、これの享受を受けておった方々にはたいへん御迷惑をかけましたのですが、これはひとつごしんぼう願いたいということをお願いをしたわけでございます。これはお願いをして聞いていただけたと思いまして、私はいまではそのことは決して間違ってなかったと思っておりますが、しかしそれですべてが解決したかというと、まだ夜間便の問題については裁判が続けられていくということになっております。  いま、いみじくも言われた住居が優先するのか、テレビが優先するのかという問題につきましては、私ども電波関係を預かっておる郵政省としましては、いま国民のほとんどに情報を提供しておる、またこの情報を提供するということが生活としては必然の必要欠くべからざる時代になってきておるという見地に立ちますと、これは最優先をして、提供するものが間違いなく享受できるという方向に進んでいかなければならぬと思います。  ところが、この調査会を設けましたところが、いま言いましたように、今度は建設省側の立場に立ちますと住居というものが優先するのであるから、これをどうするかということを、いま責任者でありませんけれども、ここへ出てきて、いまのところ法律化すべきか、いまのままでいくべきかということについて確定的なお答えはできないということを建設省の代表は申しておるのでありますが、いまの問題につきまして、法制化すべきであるというところまで、いま郵政省として決断をするというところまでまだ立ち至っておりませんが、なお研究をして、先ほど言いましたが、ことし一ぱい、来年にかけてこの問題を詰めていくということにもう少し努力をしなければならぬのじゃないかというような気がいたしております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 結論が出ないじゃないですか、いまのような大臣の意見ですと。  十二階建ての百戸か百二、三十戸のかりにマンションを建てるとしますね、そしてそれは平家の中で一つだけぐっと出ているわけですね。その一軒のマンションの影響力というものは何軒ということなんですよ、電波の障害として起こってくるのは。だから全体の建築費の中では、アンテナを上に立てて共同でおろしてやる程度のものは何億かのうちの何百万か何十万でできるわけですよ、それが法定化できないかということを言っているのであって、建物を建てさせるか建てさせないかということでの論争じゃないんです。  しかし、いま日照権の問題では、建物を建てさせるか建てさせないかという問題で論議をしているわけでしょう。これは太陽の光線が当たるか当たらないかでもって、その建物が十階建てが八階になったり、八階建てが三階になったりしているわけです。いま私の居住地は三階しか建ちません。それほどに建築は制限されているわけですね。  だから、そういう一つの比較論からいきまして、私はやはり建築基準法のたてまえからいけば、もうすでに和解ができているわけなんだから、その和解を一つの金銭的なもので負担をさせるような法定化というものがあってしかるべきじゃないのか、こういうことを言っているんであって、何か論議が建物を建てさせるか建てさせないかの論議になってしまうということは少し考え過ぎじゃないかというふうに私は思います。  それからもう一つは、NHKに一〇〇%難視を解消しなさいと言うのは郵政大臣のいわば一つの方針じゃないんですか。たまたま近代的な都市づくりで今度は山とか遠隔地とか谷間とかいうことでなしに、都市の中にそういうものと同じ建造物ができたということであれば、それじゃNHKに全部難視対策をやらせるわけですか。そうではないということになれば、これは当然電波障害している者にわずかで済むものならば、そのことを建築主が予算的に負担をして解消する、それを負担しなさいと基準法に一項を加える、そのぐらいなことができるかできないかといって、がん首は私たちよりか全部学歴も経験も非常に優秀な人たちが何人も並んで、しかも調査会と専門部を設けて一年たってもまだできないからもう一年かかりますというようなものかどうかということを私は問うているわけなんですよ。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 私はおっしゃっていることはわかっておるつもりなんです。したがいまして郵政大臣としては、難視解消を郵政省の立場に立って進めていくということが私の立場であると考えております。  いま横川さん言われましたが、日照権という問題も実は話し合いなんですね。まだ法律として日照権というものは……

横川正市日本社会党

○横川正市君 いや、それは最高裁判所の判決が出ていますよ。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 出ていましても、日照権全部がすべてを解決するというところまでいってないですね。やはり話を詰めてやっておる。  これでほっとけということを私は言っておるんではないんで、したがいまして難視ということを解消するために、いまの話し合いすらたいへん難航する、こういう問題についてどうしたらよいかということについて順次お尋ねになりましたが、NHKに私どもは意見書の中でも難視を解消しなさいということを言っておるんですから、それを全部NHKの責任でやらしておったんではこれはまた問題があるということから、これらにつきましても別途方策を講じて、国民に対するところの難視というものを解消していかなければならぬと考えておりますけれども、私はもう極力このことを自分がNHKに対して意見書を出している限り、あんたのおっしゃるとおり、これについての私の主張を突き通すために努力をしなければならぬとは思いますものの、いま法定をここでできるかということについて、ちょっとまだ踏み切りにくい点があるのじゃないかという気がしますので、率直に正直に申し上げておるつもりでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 何といいますかね、五〇%か五二%の政治をやれば、四八%か幾らかぐらい恩恵がなくても政権維持できますからね。だから四八%は切り捨てても五二%守るだけの政治をやっていれば、それは一つの政治というものは成り立っていくと思うんですよ。  しかし、そうではなしに、やはり電波の文化を享受する、いわゆる情報社会において享受する権利というのは一〇〇%であるわけですね。しかもその一〇〇%を遂行するのに、事実上自然現象は何とか克服しなさいと言って、谷間の三軒か五軒に電波を送るために特別な装置をいまつくっているわけです、何十カ所、何百カ所といって。これは少なくとも郵政省がNHKに対して大臣として希望も述べられ、NHKはそれを受けて、一〇〇%遂行しようと努力するわけですよ。これは一つの原則じゃないですか。その原則を、今度は都市にたまたま高層建築が出てきて問題になった、だからCAテレビができた。しかし、それでは解消しないという問題になって、電波の恩恵を享受できない者は泣き寝入りしていっていいということではない。じゃ泣き寝入りしないということになるとパワーが起きるわけですね、住民パワーが。  パワーが起きると——いま私の近所で起こっておるのですが、すでにもう三年くらい前に建ったビルが障害になっているところはどこへも持っていきようがないんです。それかといって新しいビルが建ったところを調べてみたら、そのビルは電波障害に関係してない。そうすると、もうすでに売り渡してしまって、個人の二DKか三DKか一DKへ入っている人たちの百何戸の建物のだれが電波障害の責任を負うかということになりますと、だれも負い手がないのですよ。だから私は既存のものについてはある程度NHKでめんどうを見なければいかぬという問題が部分的には出てくるが、しかし、これからの問題については法的に建築主が支弁をするということをやるべきじゃないか。  パワーが出てきたら、そのパワーを受けて、一番弱いところが泣かなければいけないというようなことは、これは政治の平等性じゃないと思うのですパワーを押えればいいという問題じゃないわけでしょう。当然、近代社会にあるということを考えて、それを未然に、しかも合理的合法的にやれるということをやるのが政治であり、行政であり、人間の英知なんじゃないんですか。それをまだまだと言うのは、どうもちょっと私はいただけないと、こういうことを言っているわけなんです。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 私はまだまだとは思っていないのですよ、あなたと同じくらいこれは早く解決しなければならぬと。  事実、私は飛行場周辺に住んでおりましたから、第三セクターのことも推進してきた一人でございます。その前のNHKの受信料の免除問題も推進してきた者でありますから、あなたのおっしゃっておることは、私は気持ちにおいてはそのことは十分心得ておりますが、それじゃ、いまの段階で法定できるかと、こういうことになりますと、私がいま責任者として、もう少し検討をさしてもらわなきゃならぬのではないかという気持ちがありますので、正直に申し上げておりますが、この難視聴解消のために、御意見に沿うべく最大の努力をして、早く解決ができるように努力していきたいと考えます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これはどうも建設省の課長さんは責任ある答弁ができませんようですから、私は、実はここで結論を急いで、こう言いなさいなんていうことを言うつもりは全くありませんがね。しかし、いま私のほうから大体電波障害を起こしていると思われる建設省それから防衛施設庁、国鉄に意見を聞いたときに、その答弁を大臣は聞いておられたでしょう。  たとえば国鉄の場合に、大阪までの新幹線のときは非常にスピードアップの新幹線を全部が歓迎してつくり、それから岡山まで延ばしたときには、電波障害をある程度考えて、あの段階のこの委員会での論議というのは、NHKさんの技術指導、予算もNHKさん出してくださいということで実はここずっと進んでおったのですよ。そういうところから、今度は新しく博多までとかあるいは東北新幹線ができる場合には、電波障害についても技術的に解決をしておきたいというふうに変わってきたわけですね。この変わってきたという事実は、私は既存のごたごたの問題については話し合いであれ何であれ解決しなきゃならないという姿勢が基本になっていると思う。  それから、いま航空その他の問題も出ましたけれども、あれは夜間飛んでも、別に公共の関係で速く行けばいいということならば——お客さんを運んだり郵便が速く行けばいいということを中心にした公共の問題であれば、判決はたとえば九時にしてくれといったのが十時というふうには出ないはずですよ。なぜ十時と出たかというのは、これはやはり騒音公害というものと、それから公共的な交通機関というものとのかね合いを裁判所は判断したんだと私は思うんです。  それから建築基準法に基づいても同じですよ。すでに電波障害は公害の一つだということはもう一般的に結論づけられておりますから、遠からずこれは基準法の中に一つの目安をつけないと、パワーが起きて、せっかく九階まで建てられるものも建てられないで、かえって何カ月も延びてしまうという結果が出てくるということは、予測できるわけですね。  だから情勢判断を考えますと、対応すべき処置としては、話し合いで解決できるという問題なのか、それとも法定しなければいけないものなのか、この両側かという基準は出てくるはずなんです。その基準は大体私は出ているのじゃないかと、一年間に、あとは決断だけだというのはここなんですよ。もう一回ひとつ大臣から答弁いただきたいと思います。

原田憲自由民主党郵政大臣

○国務大臣(原田憲君) 重ねて申し上げますが、そういう方向に進んでいくと思いますという局長の答弁でひとつ御了承賜わりたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 どうも高邁な質問が先にあって、ちょっとこっちはダウンしておりますから、きょうはこの程度で私はやめておきます。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時五十二分散会      —————・—————

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