大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/03/12
会議録
○委員長(土屋義彦君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る八日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君が選任されました。 また、本日、高田浩運君及び中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として古賀雷四郎君及び寺下岩蔵君が選任されました。 —————————————
○委員長(土屋義彦君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 租税及び金融等に関する調査のため、本日、日本銀行理事湯川和君及び東京銀行参与竹内一郎君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(土屋義彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(土屋義彦君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用にもかかわらず、本委員会に御出席をいただき、厚く御礼を申し上げます。この際、忌憚のない御意見をお聞かせ願えれば幸いと存じます。 また、参考人の方に申し上げますが、本日は、まず最初に、当面の国際金融に関しその御意見を賜わった後質疑をすることにしたほうがよいか、また、すぐに質疑に入ったほうがよいかお伺いさせていただきたいと思います。いかがでございますか。
○参考人(竹内一郎君) どちらでも御都合のいいように。
○参考人(湯川和君) 御都合のいいように。
○委員長(土屋義彦君) それでは、その点は参考人の御意見におまかせ願いたいと思います。よろしゅうございますか。——ではさようお願いいたします。 松川国際金融局長から発言を求められておりますので、これを許します。松川国際金融局長。
○政府委員(松川道哉君) 当面の国際金融問題につきまして御審議いただきますに際しまして、初めに問題の諸点について簡単な御説明をさせていただきたいと存じます。 最近の国際金融問題を討議いたしますにつきましては、どうしても石油問題につきまして、簡単な概要を御説明させていただくのがよいのではないか、このように考えますので、まず、石油のことを御説明させていただきたいと存じます。 御案内のとおり、昨年の十一月の四日、五日の、アラブ石油大臣会議におきまして、石油の生産を二五%削減するということが決定されました。これが非常に世界的に大きな波紋を呼び起こしました。わが国といたしましては、この石油削減につきましてぜひ友好国の扱いをしてほしいという申し入れをして、十一月の下旬にそのようになりましたことは御案内のとおりでございます。しかしながら、さらにこれに追い打ちをかけますように、十二月の二十二日にOPECの閣僚会議が開かれまして、そこで、原油価格を約二倍に引き上げるということが決定されました。この原油価格の引き上げは、各国に影響するところが非常に大きゅうございます。直接的には国際収支に大きな影響を与えますし、また、ひいては各国の経済政策全体に影響を与えるわけでございます。 そこで、簡単に、どの程度の影響があるかということを、各種の資料をもとにいたしまして推測をいたしてみますと、かりに、石油問題がない場合には、おそらく百億ドルをちょっとこす程度の経常収支の黒字が産油国にあったのではないかと思われますものが、五、六百億ふえまして、約六百五十億ドルという推測がなされておりますが、これだけの経常収支の黒字が産油国に集まるのではないか、そして、その経常収支の黒字のふえました分のうち、約四分の三はいわゆる先進工業国、そして四分の一弱と申しますか、二割程度と申しますか、その程度が非産出国である開発途上国に赤字となっておおいかぶさるのではないかと思います。そこで、そういうことになりますと、この影響は先進国、後進国を問わず避けられないわけでございます。 そこで、一九七三年の各国の貿易収支を見てみますと、これは先進国の場合でございますが、日本及びイギリス、イタリア、この三ヵ国を除きまして、ほかの国は概して黒字でございます。そしてまた外貨準備高を見ますと、日本の場合には、御案内のとおり年内に約六十一億ドルの減少をいたしましたが、欧米各国は金額の大小はございますが、総じて外貨準備がふえております。しかしながら、各国とも一九七三年中におきまして、あるいは消費者物価あるいは卸売り物価、このいずれにおきましても相当の騰勢を見ておることは御案内のとおりでございます。そこにこの石油の問題が起こってまいりましたものでございますから、先進国におきましてもいろいろと対策を講じております。特に、この石油の問題の起こる前から、国際収支の面で問題をかかえておりましたイタリア、イギリスの二ヵ国、そして最近ではフランス、こういった国は、外貨準備を補強するために、いろいろな形で政府関係機関の債券、これは国債に当たる債券でございますが、債券を発行してその補強をはかっておるのが実情でございます。 他方、開発途上国につきましては、これがどのような影響を及ぼしますかを推測いたしますと、一つの数字といたしまして、一九七三年中に先進国から開発途上国に支出されました、いわゆるODA——公的開発援助、この総額がほぼ百億ドル前後ではなかろうかと思います。今回の石油の値上がりが、非産油国である開発途上国だけにつきましても、百億ドル前後の赤字を、経常収支の赤字を与えるということになりますから、したがいまして、先進諸国が昨年中に与えました公的開発援助総額にほぼひとしいものが、石油の赤字としてなくなってしまうのではないか、このような規模になるのであろうと推測される次第でございます。 そこで、第二点といたしまして、最近の欧州の為替市場の動向について簡単に御説明さしていただきたいと思います。このうしろの黒板におわかりやすいように図表を用意いたしましたが、この左端の出発点は、昨年三月に各国通貨がフロートした時点でございます。これは水平軸にドルをとってございまして、ごらんのとおり黒線がマルクでございまして、水色の線がフランでございますが、三月からある時点に至るまでは、欧州通貨が非常に強くなってきております。日本円は、その間米ドルとほぼ平行して動いてきておったという姿でございます。ところが、そこから右下がりにずっと欧州の通貨が下がってまいりましたが、その下がった起点は十月の末でございまして、この石油の問題の発生の時点でございます。それは御案内のとおり、石油のショックを受けることがアメリカが一番少ない、そういうことで、アメリカのドルが強くなる、それに対応して、これらのショックを受ける通貨が下がってきたという姿を示しております。そしてまた右端のほうへまいりますと、いろいろ線が右上がりに上がっておりますが、これは一月の末にアメリカが資本の流出規制をはずしまして、アメリカからの資本の海外流出ができるようになりました。その結果、米ドルが欧州通貨に対して弱くなった、このような姿を示しております。 それから、またこの実態を御理解いただきますために、もう一つ別なグラフをつくっております。ただいまのは、平行軸にドルをとりましたが、ヨーロッパの連中から見れば、それがどういう姿であったかを示したものがこの表でございます。横線にマルクを置きまして、そのマルクの立場から見ればどうなったかということでございます。水色のフランスフランはあまり大きい違いがなくて、ある段階まで推移いたしておりまして、一月の半ば過ぎにジョイントフロートから離脱をするというところから、その下がり方が少し大きくなってきております。また、昨年の三月から六、七月にかけまして、わが国の円はドルとは二百六十五円で固定的な関係にあったわけでございますが、ヨーロッパの連中からは、ドルが弱くなるのにつれて、円も安くしてきたということで非難を受けた、その姿がこの図表から御理解いただけるかと思います。そしてほぼドルと平行した形で動いてまいりましたが、昨年の十月末、また十一月に入りましてから、御案内のとおり円のドルに対するレートが二百七十円になり、八十円になる、そしてまた三百円になるということで、ドルとの幅は乖離いたしましたが、現時点ではフランスフランと似たような動きをしております。また、傾向といたしましては、昨年の最後の二ヵ月以来大体ヨーロッパ通貨と平行して動いておる、このような関係に相なっておる次第でございます。 三番目に、わが国の国際収支について簡単に御説明さしていただきたいと思います。 四十八年の国際収支の数字がまとまりまして、百億ドルをこす赤字が出ましたことは御案内のとおりでございます。ただ、この百億ドルの数字は、いささか吟味をいたしませんと、国民に与える心理的ショックが大きいという種類のものでございます。それは、この大部分を占めます九十七億ドル余というものが、長期資本の流出によって生じた赤字でございます。したがいまして、経常収支では——長期資本のほかにさらに短期資本関係で約三億ドル赤字が出ておりまして、経常収支ではほぼとんとんであったというのが昨年の姿でございます。で、経常収支でとんとんと申しますことは、貿易収支で約三十七億ドルの黒字が出ておりましたが、これに対応する分だけ貿易外収支あるいは移転収支において赤字があったということでございます。したがいまして、私ども政策当局の政策の力点は、この長期資本の赤字をどうするかということが、まず最初に取り上げるべき問題であった次第でございます。この九十七億ドルの長期資本の赤字のうち、約二十七億ドルと申しますのは、われわれが外−外取引と呼んでいるものでございます。これは、原資を、あるいはユーロダラーマーケットその他海外の市場に求めまして、この原資を海外で運用するという取引でございます。統計上の手続によりまして、この海外へ出ていく分だけが、長期資本の流出になっておりますが、取り入れるほうは、総合収支よりももっと下のほうにございます金融勘定の為替銀行部門の債務の増ということになりますために、本来外貨準備高には影響がないはずのものでございますが、統計的には長期資本の流出になる、こういうものが含まれております。 さらに、この九十七億ドルの赤字を吟味いたしますと、十三億ドル近くが、外国人のもっております負債、これが減少したために起こった資本の流出でございます。これは平たく申しますならば、外国の借金を返すだけ返して新たに取り入れない。その返すほうが資本の流出になったわけでございます。この政策は、国際収支の黒字時代、外国へ金が出ていくほうは奨励し、入ってくるほうは抑制しておりましたために、このように海外から長期資本が入ってこなく、出る一方であるということで、十三億ドル近い赤字が出ておる次第でございます。このような点につきましては、昨年十一月以来、累次為替管理の見直しをやってまいりまして本日に及んでおります。そのほか、本邦資本、わが国からの資本の出ていく分にもいろいろ問題はございますが、これらは、私ども為替管理の手直しを通じて対策を講じつつあるところでございます。 その結果、長期資本の流出を月別の数字で見ますと、最近の月である昨年十一月には、十一億ドル弱の流出があり、十二月には十二億をこす流出がございましたが、この資本規制の効果が徐々に効を奏しまして、一月には八億ドルの流出、そして二月の数字は、まだ最終的なもは取りまとめ中でございますが、おそらく四、五億ドルの流出という形で、流出幅が急激に減少するであろうと見込まれております。 そして最後に、この石油の問題が、国際通貨制度の討議に与えました影響について簡単に触れさせていただきます。 御案内のとおり、本年の一月、ローマにおいてIMF二十ヵ国蔵相会議が開かれました。この会議におきましては、あらかじめと申しますか、数ヵ月前には予定されておりませんでした石油の問題、これが緊急の問題として討議の項目に入ったわけでございます。そしてその結果、各国が、石油問題に対処するには、協調的な行動をとることが非常に大事であるということが合意されますとともに、また、将来の国際通貨制度改革につきましては、現在のような状況のもとで、将来の制度の全体像を明確な形で取りまとめていくということには無理があるのではないか。しかりとすれば、早期に実施に移せるものについて、できるだけ重点的に解決していこうではないかと、このような方向が確認された次第でございます。 そこで、できるだけ重点的に討議をしていく項目といたしましては、新制度発足までの短期におけるSDRの評価方法をどうするかという問題が一つでございます。これにつきましては、SDRの取引先を、主要国通貨の平均値にひとしくなるような方式によって定めようではないかということに相なっております。 また、第二の緊急の問題といたしましては、IMFの機構についてでございます。IMFの重要事項の決定について機動的な運用をはかっていかなければならない。そのために新しい制度をつくりまして、そのもとで二十名の総務からなる執行委員会を設けるという考え方が出ております。御案内のとおり、世界各国の大蔵大臣がそれぞれ総務になっておりますから、総務の総数は百二十名をこすわけでございますが、機動的に運用するには、二十ヵ国蔵相委員会の経験をも頭の中に置きまして、二十名の総務からなる執行委員会をつくろうではないかということが考えられておりますが、それまでの経過的な機関として、総務レベルではございますけれども、決定権のない諮問的な性格を持つ委員会を設けて、この委員会に当面の通貨情勢の討議を行なわせ、また通貨制度改革の全体像の残された問題についての詰めを行なわせたらどうだろうかということで考え方がまとまりつつございます。 さらにももう一つ付言いたしますならば、現在石油の問題をかかえまして、各国とも一般的なフロートという状態に置かれておりますが、これが一つ操作を誤りますと、過去において経験しましたような競争的切り下げという事態も起こりかねないということで、為替相場の秩序を維持するために、各国が順守すべき何らかの行動基準が必要ではなかろうかという議論が出てまいりました。そしてこの議論につきましては、今後IMFの二十カ国委員会あるいはIMFの理事会で検討が続けられることとなっております。 以上、当面の諸問題につきまして、討論の端緒を引き出すという意味で簡単に触れさしていただきました。
○委員長(土屋義彦君) 続きまして湯川参考人にお願いいたします。湯川参考人。
○参考人(湯川和君) 全般の問題につきましては、ただいま松川局長からお話しのとおりでございます。私からは、ただ最近の国際会議でいろいろ各国が申し述べておりますところについての印象だけを一、二申し上げて御参考に供したいと存じます。 一つの点は、ただいまお話がございましたように、石油の価格値上げを中心にしまして、各国の国際収支が変わってまいりましたときに、これをどういうふうに考えていくのがよろしいかということが、各国の関心の的になっているわけでございます。 従来、たとえば、OECDその他の国際会議の場では、世界の各国をおおむね二つぐらいのグループに分けまして、OECDに加盟いたしておりますいわゆる先進工業国、それらの国では、いままでのところは経常収支において年々ある程度の黒字を出してまいったわけでございます。最近はその額が百億ないし百億前後の経常収支の黒字を出しておりまして、その黒字のうちから、その他のいわゆる発展途上国に対しまして、それらの発展途上国の赤字をファイナンスするために金を回す、あるいは一部を援助に振り向ける、こういうことを頭に置いてやってまいったわけでございます。その間に、もし先進工業国の間の個々の国の中でいろいろ国際収支の大きな黒字とか、あるいは大幅な赤字とか、そういう不均衡が出てまいりました場合には、大体において先進工業国の中で、一部IMF等も入りますけれども、おおむね先進工業国のグループの中でその問題を解決する、そういう考え方で行なわれてきたのでございます。ところが、先ほどお話がございましたように、この石油問題が起きてまいりましてから、新しく石油を産出する国のグループというのが出てまいったわけでございます。したがいまして、私ども国際会議に出ておりまして各国の話を伺いますと、これからはやはり三つぐらいのグループに分けて考えていかなければならないのではなかろうか。つまり、いままで経常の黒字を出してまいりまして、そしてまた工業力を持っております先進工業国グループで、これから赤字になろうとする先進工業国グループ、これが一つでございます。それからいま一つは、新しく資金を蓄積するであろうと予想されておりますが、しかし、まだ工業力は十分に発展しておりませんところの石油産出国のグループ、これが第二のグループでございます。それから第三には、発展途上国であって石油を産出しないそれ以外の発展途上国、これが三番目のグループと、こういうふうに三つに分けてこれからの国際収支の問題なり、あるいは通貨の問題を考えていく必要があるのではなかろうか。これが最近の会議で皆さんが頭に置いておる一つの点でございます。 それからいま一つの点は、従来、先ほども申し上げましたように、先進工業国の中の国際収支の問題、通貨の問題というものは、いずれかというと、経常収支に重点を置いて、それをどういうふうに調整するかという政策を考えてまいったわけでございますが、ただいまもお話ございましたように、各国のそういう収支調整策とは少し違った外からの石油の値上がりということで赤字が出てまいりますと、これに対しまして、従来と全く同じ考え方でいろいろな調整策を講じますと、先進工業国の中で、いろいろ貿易競争とか為替競争の問題が起こってまいりますので、やはりそこのところはよく考えながら、新しく資金を手に入れますところの、その別なグループの石油産出国の側からの資金を還流させることをよく考えるべきではないか。したがって、そういう意味で申しますと、経常の問題だけではなくて、資本についてもこれから国際的に協力して、念頭に置いて問題を考えていかなければならない。これが第二の点でございます。 以上、私の印象二つだけ申し上げまして、御参考になれば幸いと存ずる次第でございます。
○委員長(土屋義彦君) 質疑に入る前に、議事の進め方について申し上げます。 本日の議事につきましては、先ほどの理事会におきまして、別に質疑時間を各委員に割り当てることなく、全くのフリートーキングの形で行なうことになりましたので、各委員におかれましても御自由に御質疑くださいますようお願いいたしまます。
○多田省吾君 ただいま松川局長及び湯川参考人より、おもに石油問題、すなわちOPECで、昨年十一月の十二日に原油価格を二倍に引き上げたことから起こるいろいろな問題についてお話がございましたので、私も最初にその問題についてお尋ねしたいと思います。 やはり、日本のことをいいますと、もし原油の価格が据え置かれた場合は、ことし一年で原油を購入する額が七十億ドルというように予想されていたのでございますが、この引き上げによって百五十億ドルほど出さなければ石油を、原油を買えないという状況で、まあ八十億ドルばかり赤字になる。その結果はいろいろ輸出品の高騰等もありますので、全部が全部赤字になるとは限らないと思いますが、若干の赤字は免れないだろうと思います。また、ただいまお話ありましたよべに、先進工業国のイタリア、イギリス、フランス等も相当な赤字になる。また、非石油産出国の発展途上国はこれはもっともっとたいへんであろうと思います。こういった問題のときに、オイルダラーの還元策についても考えなければならないと思います。ですから、この石油問題で、わが国のことしの、いわゆる貿易収支等がどうなるのか。あるいはオイルダラーにつきましても、一年間で六百五十億ドルも石油産出国が黒字になるとすれば、あと七年、昭和五十年のときには四千億ドルも黒字になり、あと五、六年たちますと八千億ドルも黒字になるというような予測もされているわけでございますが、そのままそっくりそうならないとしても、これはかなりたいへんでございますから、オイルダラーの還元策について対先進工業国あるいは対非石油産出国の発展途上国に対してどういう影響を与えるのか。いろいろIMFとか、あるいは世銀あるいは石油国自身による基金の設立などのオイルダラーの還元構想も出ているようでありますけれども、石油消費国と産出国の協力の可能性、あるいは信用供与の際、どの機関あるいは国が保証するかとか、あるいは貸し付けられたオイルダラーの価値保証問題とか、融資を受ける発展途上国に利子の支払い能力があるだろうかとか、いろいろな問題があると思うんです。また、百億ドルほどいままで協力を仰いできたいわゆる非石油産出国の発展途上国が、じゃ、ことしから二百億ドルとか三百億ドルとか、その協力の度を増していかなければならないのかというような問題もあると思うんですが、そういうこの石油価格二倍引き上げに伴うところの、これからの世界経済問題について、今後の見通しについて松川局長及び湯川参考人、また竹内参考人にお伺いしたい。
○政府委員(松川道哉君) 問題を幾つかに分解して御説明さしていただきたいと思います。 まず第一のオイルダラーと呼ばれておりますものの額がどのぐらいになるかという点でございます。これは、先ほど経常収支の黒字が六百億ドルをこえる程度産油国にたまるのではないかということを申し上げました。この額につきましては、それぞれの石油産出国の中で、たとえば、一番いい例が、あるいはイラン、あるいはインドネシアであろうかと存じますが、こういう国は、まだ乏しいまずしい国民を多数かかえておる国でございます。こういう国々におきましては、この黒字の相当部分あるいは自分の国の黒字の全部を、自分の国の国内開発に向けているのではなかろうかという感じがいたします。それから、逆のほうの極端で、人口が極端に少なくて、もうオイルダラーと申しますか、油の代金を国内の開発に向ける余地がほとんどない、こういった国の受け取る金額は、そのままいわゆるオイルダラーとして出てくる可能性が強うございます。そしてまた、その中間に、ある程度は自分の国の工業化ができるけれども、全額は要らないという国もあろうかと思います。したがいまして、ただいま御指摘の六百五十億ドルという数字、これは現在のままで動いていけばそのくらいになるであろうという数字でございまして、私どもがその対策に頭を痛めておりますいわゆるオイルダラーの金額につきましては、その国際収支黒字の中から、あるいは自国の中における消費分などを差し引きましたその残額になろうかと思います。しかし、いずれにしましても、これが、正確な数字はわかりませんけれども、四、五百億ドルというような大台になるのではないかと思います。 そこで第二の点でございますが、このようなことがあと数年も続くのだろうか、何年かたてば幾らになるという計算でございます。この点につきまして、私ども何もしないで放置しておけば、計算上そのようになるかと思います。しかしながら、そのような数字を頭に置いて世界経済がどうなるかということを考えますと、現在とは全く異質の、もしくは非常に異なった運営のむずかしい世界になるのではなかろうか。と申しますことは、逆な面から申しますと、その間に、たとえば、代替エネルギーの開発であるとか、そういったことが進みまして、オイルダラーというものの規模はだんだん縮小のほうへ向かっていくように私どもは努力しなければいけないのではなかろうか、このように考えております。 次に、と申しましても、出てくるオイルダラーをどうするかという問題でございます。先進工業国につきましては、それぞれ自分の国の経常収支の赤字を、何らかの形でファイナンスする必要がございます。ある国におきましては、これが通常の商業活動を通じて行なわれるでございましょうし、ある国につきましては、国の信用をバックにして金を借りてこなければ埋まらないというような形になろうかと思います。しかしながら、いずれにしましても、このオイルダラーのうちの相当部分は、先進国に対する投資であるとか、融資であるとか、そういう形で先進工業国へ還流するのではなかろうかと思います。そして、この先進工業国の関係につきましては、あらためて特段のメカニズムをつくらなくても、金は還流することを期待できるのではないかと思っております。 唯一私どもが考えなければならないことは、先進工業国相互の間で、ユーロダラーマーケットに殺到をいたしまして、いわゆる借金競争と申しますか、金の奪い合いをするというようなことになりますと、これが異常に高い金利を生むことになろうかと思います。そのようなことにならないよう、先進工業国間でお互いに情報を交換しながら、ユーロダラー市場から順次しかるべく金を引いてくる、こういう慣行がつくられればよいがと、そのように考えております。 そして、最後が一番むずかしい問題でございます。すなわち、非産油開発途上国の問題でございます。 金額の規模は、先ほど申し上げましたような規模でございますが、この点につきまして、非産油開発途上国の国家信用では、通常のユーロダラーマーケットから商業ベースで金を借りてくることはむずかしいのではないか。まあ可能としても、その場合の金利は非常に高くついて、このような開発途上国の開発の妨げになるのではないか、こういう判断がございます。したがいまして、ただいま多田先生も御指摘のように、IMFのウイッテフェーン専務理事は、さっそく何らかのメカニズムが必要だということで、自分の案を示して検討を開始いたしております。ただ、遺憾ながら、このウイッテフェーン構想の中で、比較的はっきりしておるのは、非産油国に、通常の場合よりもゆるやかな条件で金を貸そうではないかということでございまして、その財源をどうやって調達するのか、特にオイルダラーとの結びつきをどうやって解決するのかという点がまだはっきりいたしておりません。もしその原資をオイルダラーのほうに求めるというようなことになりますと、産油国の中で、開発途上国に回るもののであれば、自分たちは安い金利でもいいから金を貸しましょうという国がたくさん出てくれば問題はないのでございますが、世上言われておりますこと、そしてわれわれが耳にいたしますことは、産油国は比較的自分の国の投資に対する利回りに非常に敏感である。金利の高いものでなければ、または投資収益率の高いものでなければ、なかなか金を出したがらない。このようなことが伝えられております。もしこれが真実であるとするならば、そしてそのようなオイルダラーをウイッテフェーン構想に用いるとするなら、この間、原資と融資との間で逆ざやが起こることは目に見えているところでございます。この問題をどうやって解決するのか、これが、関係しております金額が、膨大であればあるだけ、非常に困難な問題であろうと思います。その点につきまして、まだウイッテフェーン構想の中では明らかにされておりません。これから討議されることになろうと思います。 また、そのほか世銀でございますとか、あるいは過日ワシントンに招集されました会議であるとか、こういったところでこのオイルダラーの還流、特に非産油開発途上国に対する遷流をどうするかということを検討しようというムードは盛り上がってきておりますが、しかしながら、まだ具体的な提案はどの段階でもなされておりません。これから真剣に詰めなけばならない問題であろうと考えております。
○参考人(湯川和君) ただいまの松川局長からのお話に尽きるかと存じます。 私からは一つだけ、ヨーロッパ市場等でのものの見方を申し上げてみたいと思います。 ただいまお話がございましたように、発展途上国並びに先進国に対して資金の遷流をどうするかという問題でございますが、いろいろなチャネルがございまして、その中の一つに、ユーロダラー市場にも相当金が遷流されるのではなかろうかと、そういう見方が一般的でございます。そのときに、市場といたしましては、借り手の側の問題と、貸し手の側の問題がございますので、そういう点について、ぼつぼつ話し合いを進めているのが現状でございます。 借り手のほうの側の問題といたしましては、御承知のように、ユーロ市場には、そのユーロ資金を取り次ぎをいたしておりますところの国際的な銀行がたくさんあるわけでございます。したがいまして、石油を産出する国が資金を手に入れまして、その資金を投資しようとする場合に、ユーロ市場に投資しようとしますと、それらの銀行に預金の形で資金を預けることになるわけでございます。で、国際収支の赤字をまかなうために政府あるいは民間その他でもってその資金を借り入れようとする場合には、その銀行から資金を借り入れる、こういう形をとるわけでございますが、その間に立ちますのは、いわゆるユーロバンクといわれますところの銀行でございますので、貸し手の側の態度いかんにもよりますが、通常、比較的短い期間の預金を受け入れまして、借りるほうの国に対しましては、やや中期ないし長期の資金を貸し付ける、かようなことになりますので、やはり借り手の側では、そういう点をこれからどういうふうに調節していくかということを問題点としてあげることが一つでございます。 それからいま一つは、貸し手のほうの側でございますが、ただいま局長からお話がございましたように、いろんな形の投資を石油産出国の側は考えておるようでございますが、具体的にどういうふうになりますかはまだこれからの問題でございます。ただ、一般に市場でもっていわれておりますことは、やはりそれらの国というものは、それぞれの国の国益を考えまして、いろいろと有利、安全かつ危険を分散するような形で資金の投資なり、融資を考えるのではなかろうかというのが一般の観測でございます。そういうことをあわせて考えますと、一つの印象といたしましては、やはりそういう資金を供与する国の側の国益なり、利害関係というものをよく理解して、公正に判断していくことが、これからの石油資金の還流については一つの大事な点ではなかろうかと存ずる次第でございます。
○参考人(竹内一郎君) 先ほど多田委員から、石油価格の大幅引き上げが世界経済全体にどういう影響を及ぼすかと、たいへん広範な御質問がございましたので、お二方の御説明につけ加えて私の考え方を申し上げたいと思います。 さしあたっての問題は、先ほどから御議論されておりますように、世界的な規模で五百億、六百億ドルという大きな不均衡が発生いたしますが、これを調整するために、オイルダラーを赤字の国に還流させる、これが当面最も必要なことであることは言うまでもございません。しかし、オイルダラーの還流ということは、赤字国が産油国からお金を借りるということでございまして、毎年毎年数百億ドルの金を借り続けるということ自体、これははなはだ不自然でございます。したがって、オイルダラーの還流ということは過渡的な処置、一時のつなぎと考えるべきだと思います。 で、経常収支に生じた赤字、黒字の不均衡は、結局は価格でもって調整するより方法はない、まあ経済の理屈からいえばそうなると思います。したがって、石油の値段が上がったのに応じまして、石油以外の原料物資の値段も上がる。また、工業国が生産する工業製品の値も上がる。そうしてある均衡点に達したときに、経常収支のバランスがとれる、そういう形にならざるを得ないというのが理屈だと思います。しかし、それには、石油価格の引き上げの幅があまりにも大幅でございます。石油を基準にして他の商品の価格を引き上げて調整するというのでは、世界経済に大きな混乱が起こることはこれは目に見えていると思います。したがって、石油の値段も、値上げの幅を適正なところまで引き下げるということがさしあたって必要なことであり、そうでないと調整はつかないのじゃないかと思います。 で、石油は、工業国はもちろんのこと、世界じゅう人類の必要とする重要なエネルギーでございますけれども、あまりにも値が高くなると、やはり買えなくなる。どうしても消費国側でこれを節約するという動きが起こって、石油の値段の上昇も、自然にあるところで押さえられるはずでございますが、そういうことを待っているよりも、今回のあまりにも大幅な引き上げを、適正なところまで下げるという努力をするべきではないか。そうすれば、他の商品の価格も上昇して、経常収支の不均衡が解消するということも、さほど世界経済全体に大きなインパクトを与えることなく進行するのではないか。そのような価格調整を円滑に進めるために、過渡期の手段としてオイルダラーを還流させて当面赤字を埋めると、こういう形になるのではないかと思っております。 以上。
○委員長(土屋義彦君) この問題につきまして、御質疑のある方はどうぞ御遠慮なく御自由に御発言願います。
○青木一男君 四十九年の国際収支の見通しということですが、一月ですか、閣議である程度の見通しを立てておられるわけですが、それについて政府、日銀あるいは東銀でお差しつかえなかったらお示しを願いたいと思います。 四十八年の国際収支が、先ほど局長の言われたとおり貿易及び貿外収支ではとんとん、長期資本の流出で百億の赤字だと、こういうふうに御説明があったのですが、この四十八年度の石油の価格は、大体二倍に上がる前の値段ではじいたものが多いと思うんです。したがって、四十九年度の貿易というものは、石油関係だけで大体四十八年度よりは七、八十億ドル原油及び製品の輸入によってふえるはずなんです。ほかの輸出及び輸入の関係がどう変わるか、ほかの大きな変動はないとすれば、それだけで日本の貿易収支は、七、八十億ドル輸入がふえるということになるわけであります。関税局の通関実績によるというと、四十八年度にも相当の赤字になっているわけですが、何か石油関係の輸入でそれだけふえても、他の輸出、輸入においてそれと反対な数字が出てくるというようなことがあるのかどうかですね、やはり大体そのまま日本の輸入がふえて、貿易関係で相当の赤字は出るということは避けがたいと見るのか、その点について差しつかえない範囲内において見通しを伺っておきたい。
○政府委員(松川道哉君) ただいまの青木委員の御指摘の点で、一つ初めに明確にいたしておきたいと思う点がございます。 それは、四十九年一月十九日に、政府といたしまして経済見通しを決定いたしておりますが、このときに使いました原油の単価は、キロリットル当たり五十六・六ドル、バーレル当たりに直しまして九ドルというのを使っております。しかもこれは、FOBで九ドルというのを使っておりますので、現在の石油輸入の動向、これは将来のことはむずかしゅうございますが、現在港に入っておりますものの単価から見ましても、若干これより高くなることはあるかもしれませんが、極端に大きくなることはないと考えております。ちなみに四十八年、昨年の十二月二十一日に大蔵省の予算原案をお示しいたします直前に作成いたしました経済見通しでは、石油の輸入単価を、バーレル当たり六ドル程度と、このように考えておりまして、これが、正月に石油が上がりましたために、急ぎ見直しをして、九ドルとした次第でございます。なお、バーレル当たり六ドルのときに、四十九年度の輸入の総額は三百八十九億ドル、このように見込まれておったのでございますが、石油が上がりましたために、これを四百三十七億ドルと訂正して最後の政府の経済見通しを決定した次第でございます。 なお、これから先のことでございますが、石油関係以外のものにつきまして、しからばどうであるかということになりますと、御案内のとおり、政府といたしまして、ただいま総需要の引き締め策を強硬にとっておるところでございます。また、その手段といたしましては、財政、金融両面からいろいろと施策を講じまして、特に物価が上がらないようにという配慮をいたして運営いたしておりますが、この政策が、ほかの原料物資の輸入面におきまして、必ずやあるいは輸入の騰勢が弱まるとか、ものによりましては減少するであろう、こういうことも考えられる。また他方、輸出につきましては、国内の需要が停滞いたしてまいりますと、輸出のほうに回るものもよけいになりますでしょうし、また、かりに数量を同じといたしましても、原料の単価が高くなったことにより、輸出物資の単価が上がってまいりますので、その点からも、輸出によって取得する外貨はふえていくであろうと、こういった状況を全体総合的に勘案して計算いたしましたのが、一月の政府の見通しでございます。 現段階におきましては、私ども政府見通しに立って政策を進めておりますが、もちろん、私、直接国際金融の責任を持っております者といたしましては、その後の国際収支の動向についても絶えず注意を払っておるつもりでございます。また、その後、二月の二十六日でございましたか、経団連が独自の立場から国際収支の見通しを発表されておりますが、この発表におきましても、私ども政府の見通しよりも、輸出、輸入ともに少し大きい数字を見通されております。で、今後運営の過程でどうなりますか、いまの段階で確たることは申し上げられませんが、政府の見通しは、あるいは現実の数字よりはまだ少し控え目であったということが結果的に出てくることもあり得るのではなかろうかと、このように考えております。
○青木一男君 わが国国際収支の構成上、資本の流出入に関する問題は、私は、国際収支のむしろ決済調節の作用に重点を置くべきものであって、資本の流入によって国際収支のバランスをはかっていくという行き方は、先進国である日本としては、これはとるべき方向じゃないと思う。ただ、この石油関係の資金については、特殊な事情であるからと、こういうことで、産油国の資金の流入によって、国際収支のある程度の赤字を消すということも暫定的には考えられるかもしれませんが、先ほど湯川参考人の言われた点に触れるのでありますが、やはり日本の立場としては、あくまでも経常的貿易及び貿易外収支のバランスを保つということで、この国際収支の計画を立てなくちゃいけない日本の地位にあると思います。 それで、経常的な貿易外収支は、まあ、従来二十億ドル弱であったが、昨年は三十数億ドル、むしろ四十億に近いような数字が出ておるのでありますが、これはどうしても貿易の黒字で消さなければいけない数字だと思うんです。そのほか日本としては、資本の流出についても、資源のない日本の国でございますから、海外における主要なる資源の獲得のためにも、やはり優先的に資本を投下する必要もありますし、それから先進国として、発展途上国に対する経済援助協力の負担もあるわけでございますから、どうしてもある程度は貿易の黒字というものを出すことは絶対に日本としては必要である。私はかりに計算してみたんですが、少なくも五十億ドル程度は貿易で黒字を出さなければ、日本の国際経済の世帯は続けていくことができないんだと、そういう見通しを私個人として持っておりますが、四十八年の貿易外収支の赤字の問題、それから、いま局長から言われた四十九年度の貿易の見通し、そういう点から見て、四十九年の国際収支はどうなるのか。やはり暫定的でも産油国の資金の流入とか、その他の資本関係で補わなければバランスはとれないという状況になるのかどうか。これはひとつ湯川参考人から伺っておきたいと思います。
○参考人(湯川和君) ただいまの御質問のことでございますが、日本はもちろん各国ともに経常収支を健全にしなければならないということはおっしゃるとおりで、私もきように考えております。また、日本の場合には、日本の経常収支を健全にいたしますためには、貿易外が大体赤字を続ける状態でございますので、少なくともそれを補うに足るだけの貿易の黒字は当然日本として持たなきゃならない。私も全くさように存ずる次第でございます。ただ、いまの日本の国際収支全体の中では、資本勘定の赤字がかなり大きいような状態にございます。これにつきましては、すでに大蔵省の当局におかれまして為替管理その他の面につきまして、従来の資本の流出促進策を抑制する。それからまた、資本の流入を認めるような方向に政策をとってまいっておりますので、この資本勘定の赤字というものも漸次大きなものでなくなるようになってくるものと存ずる次第でございます。 したがいまして、石油問題の見通しは、いろいろまだ不確定でございますので、いつからどの程度にという数字を申し上げることはなかなかむずかしいとは存じますが、ある時期に、私どもの目標といたしましては、貿易収支の黒字を中心に、日本の経常収支を健全な姿にしながら、そして資本については流出と流入の間に適当なバランスをとると、さような姿にもっていくことが正しい方向であろうと考えます点についてはおっしゃるとおりと存ずる次第でございます。
○桧垣徳太郎君 いまの青木委員の御質問に関連をしてお聞きをしたいんですが、たしか一月の国際収支の見通しで、輸入は四百三十億台だったですね、四百三十七億ドルですか、はたしてそんな数字でおさまるのかという気がするんですが、先ほどからお話がありますように、石油だけで百五十億ドル、そのほかに地下資源——マイニングの関係が約百億ドルというふうに私は聞いておる。それから、農林水産物が去年四十八年が百億ドルで、ことしはいまの価格趨勢から見ると百五十億ドル近いのではないか。そうすると、その三つだけで約四百億ドルの外貨が要る。四百三十七億ドルというのは過小ではないかという気がすることが一点です。 それから、外貨収支について、経常収支はそれほど大きな赤字にはならない、わずかに赤字と。そうしますと、日本が国際貿易の中で非常に、非常にといいますか、大きなウエートを持っているにもかかわらず、経常収支で四億ドルばかりしか赤字が出ない。そうしますと、さっきお話がありましたように、産油国で年間六百億ドルの外貨の準備高の黒字になる、増になるということになりますと、日本のような国際貿易で大きなウエートを占めている国が四億ドル前後の赤字で、どこから一体六百億ドルのドルが流れ込んでくるのか。そういう世界全体の外貨のしわ寄せという問題の外に日本が立っているような見通しのように思えてならぬのですが、その辺のひとつ御説明をいたたきたい。
○政府委員(松川道哉君) 御質問の第一の点でございますが、石油の輸入に要します金額が、四十九年度におきまして約百五十億ドル、これは前年度に比較して八十億ドル程度の増加でございますから、この点につきましては、一月に作成いたしました政府の経済見通しに織り込み済みでございます。 問題は、そのあとに御指摘になりました、あるいは他の地下資源、農水産物、こういったものであろうかと思います。これらの点につきましては、ただいま先生のほうから地下資源の数字が御指摘ございましたが、私どもこの点つまびらかにいたしておりません。私どもの考え方といたしましては、どちらかと申せば、先ほど御説明いたしましたように、国内の鉱工業生産活動が減少するに伴って、こういったものは、どちらかといえば、輸入が減少するのではないか、あるいは横ばいになるのではないか、そのような感触を持っております。ただ、この経済見通しをつくりました後におきまして、他の鉱物資源のうちの一部につきまして、値上げの動きがございましたり、あるいは世界的な商品相場がいまだ鎮静化しないで、上昇の圧力が強く残っておるというようなこともございます。したがいまして、それらの点がどのように発展し、地下資源の輸入のために要する経費がどのようになるかというのは、非常に大事な問題ではございますが、現在の段階でどうなるかという確たる見通しは持ち得ないのでございます。 また、農水産物につきましては、四十八年度におきまして、四十七年度と比べてすでに相当大きい値上がりがございました。これは桧垣先生のほうが御専門でいらっしゃいますが、あるいは不作であったとか、あるいは米穀の価格政策が若干まずかったのではないかというような声も聞かれておりますが、いずれにせよ、この農水産物あるいはもう一つ広く羊毛のような繊維の原料も含めまして値上がりが極端に激しうございました。四十九年度は、この値上がりの激しかった四十八年度を踏み台にして計算いたしますものですから、そこからさらに大きく上がることはないであろうというのが、私ども計画を策定いたしましたときの全体的な印象でございます。 そしてもう一つ、第二番目の点でございますが、六百五十億ドルという経常収支の黒字は、先ほども御説明いたしましたけれども、産油国において、これを国内開発その他に使わないという前提と申しますか、四十八年度と同じような状況で、この手取りだけふえた場合の推定額でございます。したがいまして、まず、この総額が若干減るのではないかということが一つ考えられます。 第二には、世界全体の動きといたしまして、先ほど竹内参考人からの御説明もございましたように、石油の値が下がるということがあるかもしれませんし、また、他の代替エネルギーの開発が進むかもしれません。そういったようなことで、その六百五十億ドルの中で、産油国が使わなかったものを、相当大きい金額のまま残るのか、それとも、基本的に六百五十億ドル自体が減るのか、その辺もこれから先、現在から見ますと十三ヵ月の間のできごとでございますから、まだ、はっきりしためどはつかないというのが実情でございます。 そこで、しからば、わが国のようなところが、経常収支の赤字四億五千万ドルということで、全体、金の回り方はうまくいくのかという御疑問でございますが、これは結局、各先進工業国とも、なるべく自分の国の経常収支は減らしたいという気持ちは持ちながら、ある程度はどうしてもカバーできないで、どこかの国にかかっていくというのが実情でございます。そして先ほど申し上げましたように、先進工業国の中には、現在段階の見通しで、日本よりももっと先行きの暗い国が若干ございます。こういったところが、結果として見れば、このオイルダラーの相当分を借り入れて、自分の国の国際収支のファイナンスに充てなければいけないという事態も起こりましょうし、そのほか、どういうことになりますか、これからの進展、世界各国の話し合い並びに石油価格、両方の進展を見なければ何とも申せませんが、いずれにいたしましても、このことがあるから、わが国の国際収支の経常収支をもっと赤字を見込むべきだという御趣旨であるならば、私どもはいささかこれに対しては疑問を持つものでございます。
○茜ケ久保重光君 少し国民の立場から素朴な質問をしたいと思うんですが、第一点は、石油危機は中東戦争によって引き起こされたと理解しております。先ほど竹内参考人から、石油の値下げについていろいろと対処しなきゃならぬという意見がありましたし、もちろん、そうだと思いますが、いきなり二倍という常識的に考えられない値上げを聞くし、これ、やっぱり中東戦争、まあ端的に言えばアメリカのイスラエル援助によるアラブ側に対する攻撃、この点については大蔵大臣なり、あるいは外務大臣に聞くことがいいんですが、きょういませんからやむを得ませんが、そうしますと、いま、私ども日本を中心として、先進国は産油国にぶん回されておるのが実態ですね。しかも、手も足も出ない。先行き見通しがつかぬというような状態、これやっぱり私は、世界におけるアメリカの一つの横暴な存在だと思うんです。あとから日本についても質問しますが、これはいま言ったように、この点については外務大臣なり、大蔵大臣に聞く事柄だと思うんですが、それはそれとして、一体日本は、そういうものをしながら、ただ単に、右往左往するのではなくて、本質的な面をとらえて対処しなければどうにもならぬと思うんですよ。そこで、まあ国際金融局長、外交官じゃありませんけれども、そういうところを見詰めながら、何か日本の政府としては、そういうことに対処する、まあ、それは端的には三木さんがいらっしゃったり、あるいはその他の方を特使としておやりになりました。これは私は、直接のやはり解決にならぬと思うんですよ。日本が幾らかお情けをちょうだいしたいというのが実態だと思う。根本的には、やはりアラブ諸国に対する先進諸国の態度が一番大きいと思うんですよ。それが変わってくれば、私は、石油の値段も、竹内参考人の指摘されたように、ある程度話し合いによって、これは下げ得る可能性もあるんじゃないかと、産油国もそう何千億ドルという資金を持っておっても、これはどうにもならぬことなんです、実際言って。したがって、その点はわかっておると思うんですよ。もちろん、非常に国民生活のおくれた国は、これはやはり国民生活の向上に大きなやっぱりウエートを置いていかれることは当然ですが、でなければ、そう金をためてみてもしょうがないんですから。そうなりますと、やはり私は、中東問題の解決が一番大きいと思うんですが、それなしには、やはり根本的には解決できないと思う。 そこで、やっぱり質問となりますと、国際金融局長、いま言ったように、まあちょっと見当違いのような気もするんだが、しかし、あなたも、国際金融の日本の責任者ですから、そういうことを踏まえなければ、これはやっぱり資格にならぬと思う。それなりに、あなたとしての見解を、この際承りたいし、続いて両参考人に、こういうことに対して、あなた方の立場からどうあるべきかということがありましたらば御指摘をいただきたいと、こう思います。
○政府委員(松川道哉君) 茜ケ久保先生御指摘のとおり、私は直接の責任ではございませんので、政府の公的な見解ということにはならない回答にしかならないんではないかと存じます。私が、事柄を見ておりますと、このことの発生のいきさつから申しまして、ただいま先生御指摘のとおり、中東の問題がこの石油の問題の下にあり、これが解決しなければ、石油の問題はなかなか解決しにくいということは御指摘のとおりであろうと思います。現に、この石油問題が起こりましてから、いろいろの動きを各国がいたしておりまして、その動きによって、あるいは石油の問題も、解決の方向へ一歩近づくかというようなニュースが流れたり、あるいは悲観的なニュースが流れたりしておりますことも、この中東問題が石油の問題に密接に関係しておる証拠であろうと思います。 そこで私ども、日本の国民として、すなわち、わが国の国内資源消費の大部分を石油に求め、しかも、その相当大きな部分を、現在問題となっております中東地域に依存しておる国の国民といたしまして、この事柄の成り行きには、当然のことながら政府の各部門を問わず、できるだけのことをそれぞれの部門の中でしなければいけないことであろうと思っております。 世界的な問題の解決につきましては、もちろん、政治的な問題が先行いたしましょうし、政治的な問題が先行する場合には、あるいは軍事力であるとか、そういったほうが影響力を行使するのにやさしいのかもしれません。その点では日本は軍事力は持っておりません。しかしながら、世界の輸入の、総貿易量の中で、相当大きい量を日本が輸入しておることも、これまた事実でございます。いうなれば、ある商品の相当大きな消費者である。まあそういうことであれば、この消費者の意向というのも、事柄の議論にあたっては、ある程度の影響力は持ち得るのではないかと、また、われわれのその立場を最大限に発揮いたしまして、石油全体の事柄の成り行きに影響力を与えるように行使すべきであろう、こういう感じを持っております。 しからば、具体的に何かということになりますと、やはり最も大事なのは、油の産出国と、消費国との間に、いわゆる対話を復活させまして、そして消費国の中には、開発途上国のように非常に困る国もあるわけでございますから、その点の実情を産出国によく説明し、そして産出国のほうにも譲るべきところは譲り、がまんできるところはがまんをしてもらい、また、消費国のほうとしても、できるだけのことはやっていくと、こういう姿勢で、その対話をなるべく成功に導くように努力するのが私どもの仕事ではなかろうかと思います。その対話のプロセスにおきましては、先ほども触れましたが、あるいは過日開かれましたワシントンの会議も、その第一段階でございましたし、それから、先ほど多田委員の御質問にもございました、このオイルダラーの還流にあたって、非産油開発途上国の利益のためにどれだけのことができるか。私どもといたしましても、国際収支が非常にむずかしい年ではございますし、石油問題が現在、多少緩和したとしても、国際収支上大きい負担が残るとは思います。しかしながら、その範囲で、石油消費国ではありますが、先進工業国の一員として、非産油開発途上国の利益のために、できるだけのことをしてやる。これが私の個人の考えではございますが、現在の石油問題を、世界的なレベルで解決するために一番大事なことではなかろうか。そういう対話を通じまして、産油国の納得を得ることができれば、これがその経済的な論理の帰結である石油の単価の切り下げであるとか、そのほかの面にも必ずいい影響を及ぼすのではないかと、このように考えます。
○参考人(湯川和君) 茜ケ久保先生の御質問でございますが、私は、直接この石油の問題にお答えを申し上げる立場にはございませんので、全く個人的な感じでお許しをいただきたいと思います。 私も、石油問題につきましては、やはりいままでいろんな石油産出国についての動きの勉強が不十分であったと、私ども自身反省するところが少なくないわけでございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、これらの国の一つの考え方なりにつきまして、もっと理解をする努力をしていかなければならない、かように感ずる次第でございます。 先刻申し上げましたように、私どもの国際会議の場では、従来の先進国と発展途上国との間ではいろいろ対話が行なわれてきておったわけでございますが、新しく出てまいりました石油産出国のグループとの間では、ある程度例の二十ヵ国会議等の場で若干の話し合いはございますが、従来のようないろんな国際収支の調整とか、通貨問題について非常に突っ込んだ話し合いの場というものは比較的少のうございました。したがいまして、日本とそれらの国との間は申すまでもございませんが、全体の各国間の話し合いでも、そういう対話というものをこれから深めていかなければならないということを痛感する次第でございます。そのためには、やはりお互いに相手の立場を理解するということが肝要であろうと存ずる次第でございます。 いま一つは、先ほど竹内参考人もおっしゃっておられましたように、この石油問題というものが非常に短期間に、非常に大きな価格の引き上げということで出てまいりましたので、これをどのように消化して、どういうふうに吸収していくかということにつきましては、いろいろむずかしい問題があるように存じます。したがいまして、一つの対策でどうということはなかなか言い切れないように存じますが、その中の全く一つの側面ではございますが、ヨーロッパの国々に参りますと、やはりこの石油問題が自分の国の経済なり、あるいは国民生活にどう及ぶかということについて非常に早い反応が見られるような感じがいたしてならないのでございます。そういうことを通じまして、これからの自分たちの生活なり、経済なりというものが、海外の状況、世界の石油の需給状況から見てどういうふうに直していくのがいいかということを、みんなそれぞれ苦心して考えているというのが現状でございます。したがいまして、私どもも自分の生活も含めまして、石油の使い方というものが従来どおりでいいのかどうか。やはりここでひとつ考え直してみる必要があるのではなかろうかと、かような感じを抱く次第でございます。御参考までに。
○参考人(竹内一郎君) 石油問題に対してわが国としてどう対処すべきか。たいへんむずかしい御質問でございますけれども、私の個人的な考え方を申し上げます。 基本的には、わが国だけで解決のつく性質の問題ではございませんので、わが国としても、これを世界的規模で解決するのに協力する。できれば、ある程度の主導性を発揮するという態度をとるべきじゃないかと思います。 具体的には、政治的な影響から中立的な場所で、産油国それから先進工業国、発展途上国それぞれが集まりまして、そして安定した値段で、安定した量の供給を確保し、こちらのほうでもその需要を保証する、そういった趣旨を基本にした商品協定のようなものをつくる。そういう方向で解決策を求めるのが、わが国として最も適当な態度ではないかと思います。世界もそういう方向に動いておると思いますけれども、しかし、いまのところでは、まだ歩調が一致しておるとは言えません。ヨーロッパ諸国はそれぞれ独自で産油国との折衝を進めておりますし、そういう現状のもとにおいては、わが国としてもある程度アラブ寄りで、独自の交渉の余地も残しておかなければならないと思います。しかし、そのためには、アラブ諸国がわが国を相手にしてくれなければ話にならないわけでございまして、そういう意味から申しますと、わが国の工業力、特に、国際競争力が強いということ、それから、十分な外貨準備を持っているということ、この二つが、アラブ諸国に対してわが国の主張を受け入れさせる実際上の力になるのではないかと思います。そういう意味から申しまして、外貨準備というのは、いっときは減らすほうがいいのだという考え方でございましたけれども、石油問題で情勢が変わった今日、貴重な外貨ということで、できるだけこれを温存し、補強するということがわが国の交渉力、石油確保力をつとめる大きな要因になるのではないかと思っております。 以上でございます。
○田中寿美子君 いままでのお話伺っておりますと、オイルダラーの行くえいかんによって、国際収支だとか、国際通貨、各国の経済状態が支配されるということですし、それについて、それでは見通しはというと、とてもいまのところわからないというようなお話がおもだと思うのです。たいへん、専門家の方がそういうふうにおっしゃいまして、私どもよけいわからないのですけれども、それでお教えいただきたいんですが、確かに中東紛争が石油危機を招く直接の原因になったと思いますけれども、さっき各国が協調しなければいけない。二国間で勝手に協定を結ぶというようなことが、どんどん起こる場合には、国際通貨の関係がむちゃくちゃになってしまうから、協調しなければいけないということも、ローマ会議でも皆さんがそういう話し合いをなさったという報告でございましたですね。 ところで、いま国際的にインフレでございますので、産油国にしてみますと、いままでのような安い値段で売って幾らドルをためましても、そのドルの価値がどんどん下がっていくわけですから、だから、各国の、国際的な、国内的にインフレを克服するような政策がないと、産油国のほうでもどこまで下げてくれるか、非常にむずかしいことになりはしないかということなんです。ですから、各国の、あるいは国際的なインフレ克服の方向などというものも討論されているかということがひとつ伺いたい。 それからもう一つは、その石油産出国のオイルダラーをIMFが管理をするというようなことをしようとしても、はたして聞くだろうかということ、それは、いまのことと関連してなんですけれどもね。 それで、一体今度この間のローマ会議でですか、七月ごろには為替のフロートを固定化するというようなことを確認されたように、私は新聞紙上で読んだんですけれども、そういうふうに国際通貨を固定する方向にはたしていくのだろうか、できるのだろうかということをお伺いしたいのです。 それから、先ほどもおっしゃいましたが、SDR評価基準、評価の方法をこれから討議していくのだというふうにおっしゃいましたけれども、どういうふうに持っていこうとしているかということなんです。去年ドルが非常に弱まってきました当時、SDR、SDRとたいへんもう神の声のようにSDRにたよろうとしていたわけです。今回、主要国の通貨に近い価値に持っていくのだというふうに先ほどお話あったと思うのですけれども、主要国という場合、ドルなのか、それから、金の価値とはどういうふうにそれを関連づけようとしているのかということなんですね。SDRというものは、これは準備資金としての価値しかない、決済の価値はないわけですね。今後SDRというものの評価の方法として、一体どういうことを考えているのか。大蔵省の稲村私案というのが出されたということは聞いておりますが、それは一体どういうものなのか。そういうことで国際通貨のこの非常に不安定な状況を克服できる見通しがあるのだろうか、どうだろうか、こういうことは非常にわからない問題なものですから、御説明いただきたいと思うのです。
○政府委員(松川道哉君) まず第一に、国際的インフレの問題でございます。この点につきまして、各種の国際機関での討議あるいは各国間の相互の話し合い、そういった各種の場を通じていろいろ議論はされております。 まず初めに、一つ、若干奇異に聞こえるかもしれませんが、こういった議論のときに、必ずしもみんながインフレの問題として深刻にとっているかというと、例外的に少数の人は、いまはデフレを心配すべきだということを言う人がおります。それはどういうことかと申しますと、この国際的インフレ、これを何とかして解決しなければいけない、これがもちろん多数の意見でございますし、私どももその意見でございます。しかしながら、このインフレを克服してきますために、いろいろの政策をとってまいりますと、世上しばしばいわれておりますように、オーバーキルという問題が起こるのではないか、これがかえって世界的な不安につながりはしないかという心配があるのでございます。したがいまして、現在世界でのインフレをどうやって克服するかというのは、非常にデリケートな問題となっております。何とかしてインフレは克服しなければいけない、しかしながら、オーバーキルにまで持っていってはいけない、非常にむずかしい問題でございます。 特に、かつてのような時代、すなわち世界全体として見まして、ある国には赤字があり、ある国には黒字がある、でこぼこがございまして、これが全体として見れば、若干の国際収支のでこぼこがあるだけだという状況と、現在のようにあるグループの国が、世界のお金のほぼ三分の一に近いものを一年間に経常収支の黒字としてあげるのだという状況に置かれている現在の議論とは、そこにまたおのずから異なったニュアンスがございます。それは国際収支の赤字になります国が、このインフレの抑制をいたしまして、何とかして国内の経済の秩序を回復したい、こういうことになってまいりますと、先ほど桧垣委員からもございましたが、一体、この国際収支の赤字を、だれがどこでどういうふうに負担するのだ、こちらの面が一つ出てまいります。もちろんその輸入超過というのは、経済学的にはデフレ要因ではございますが、この問題は、現在のインフレ克服のために、世界各国がインフレでもない、デフレでもない、調整のむずかしい段階に落ちつけようと、こういうことになってまいりますと、一体この赤字はだれがどう持つのだという問題が出てまいります。そうなりますと、今度はいろいろ経済政策のしわを、自分の国の通貨の実質価値を下げることによって均衡させる、すなわち国内の通貨建ての値段はそのままにしておきまして、自分の国の国際的なレートだけを切り下げるということにしわが寄りかねないという心配がございます。たとえて申し上げますならば、現在かりに一ドルを三百円と簡単に置きまして、三百円が二百六十円に上がるのを防ぐために、三百円のレートをかりに四百円に持っていったということになれば、国際的には一ドルのものが七十五セントになったのだ、そういう形になってまいります。そういうふうに、世界的なしわをそっちのほうへ寄せまして、そして国内物価のほうを何とかやりくりしていきたい。こういうことになりますと、これがまたかつてのように為替の切り下げ競争になりますし、また、世界からの物資の輸入を制限しようではないかという動きになりますと、これがその物資を輸出しておる国にとって、輸出ができないということになりますから、ここでも国際的なひずみが起こってくるということでございます。現在国際的なインフレはみんなの課題でございますし、いろいろ討議が行なわれておりますが、インフレも促進しないまた、デフレのほうにもならない、そのようなところはどこかということを、各国が苦心して模索しておる段階でございます。 しかも、この油の値上げの口実となりましたつのことは、自分たちは油を固定的な値段で輸出しておるけれども、その見返りとして、自分たちが先進工業国から輸入するものの値段は上がっておるではないか、したがって、自分たちの原油も上げてもいいではないかということが原因のうちの一つになっておりまして、もちろん、だから、二倍に上げたり三倍に上げたりすることが、正当化されるわけではございません。しかし、私どもおそれるのは、同じような理由を、あるいは他の非鉄金属の産出国が用いますと、これは他の非鉄金属の単価そのものをも引き上げることになります。こういった面から申しましても、先進工業国が、それぞれの国から出しておりますものの単価を安定的なものに持っていくことはどうしても必要である。逆に別の面から申しますと、田中先生御指摘のように、インフレを早く克服することがどうしても必要だと、こういうことになろうかと思います。 次に、IMFの各種の議論でございますが、昨年ケニアでIMFの年次総会がございましたときに、ことしの七月までに、恒久的な通貨改革制度について結論を出そうではないかという合意がございました。そしてその際に、平価制度はどうなるのかという点につきましては、しばしば言われておりますように、ステーブル・バット・アジャスタブルなパリティ・システム、平たく申しますと、安定的ではあるが調整可能な平価制度、こういうものに持っていこうではないかという合意がございました。この点につきまして、昨年の九月以来二十ヵ国の大蔵大臣、そしてその代理の方々か努力を重ねておられたのですが、冒頭に申し上げましたように、昨年末に石油の問題が起こりまして、このような恒久的な制度がすぐにはどうもできそうにないということで、さしあたり必要なものに論点をしぼろうではないかということがきまったのは、先刻御説明したとおりでございます。 その際、しからば平価制度はどういうことであるのかということでございますが、最近の間にこのような固定制度に戻れるかどうかという点につきましては、ほとんどすべての人が懐疑的になっております。別な表現をいたしますれば、いわゆるフロート制度、変動相場制度がしばらく続くのではないかという認識をみんなが共通して持つようになりました。 そこで、それならば、この現在置かれておるような異常な、そしてまた暫定的な期間に、フロートを各国が、純粋の意味のフロートの形で運営していいだろうかという問題が次に起こりまして、これが純粋にフロートすれば、先ほどのインフレの議論ともからみますけれども、各国のレートが次々と競争的に切り下がっていくおそれがある。そこで、ある場合には、若干の介入も認めようということになり、そしてそのときに、しからば、フロート下における介入はどうあるべきかという議論がなされておるのでございます。これが冒頭国際機関において最近フロート下における介入のあり方について議論をしようということになり、その後引き続きIMFで検討されておる事柄でございます。 第三に、SDRの問題でございます。現在いろいろ議論をいたしましてどうもまとまりそうな方向は、世界の主要国の通貨の平均価値に結びつけようではないかという考え方でございます。これは、あるいは現在のように金の価値に結びつけておいたほうがいいのだという議論もございますが、現在金の公定価格というのが、いろいろ議論の対象にもなるようになってまいっておりますし、そしてまた、実務的にはフロートで各国の通貨がいろいろ動く可能性を持っておる時代には、世界経済に影響を与え得るような、おも立った国国の通貨の平均価値にしておくことが一番適切ではないかというのが、だんだん各国の合意として煮詰まりつつある方向でございます。 御質問の中にございました稲村案と申しますのは、その主要国の平均通貨に結びつけますときに、ある国が切り下げました場合には、SDRの価値を下げなくてもいいではないか。御理解をやすくするために一つの設例で申し上げますと、たとえば、ある国の外貨準備が百億SDRあったといたします。そのときに、主要国の一つが切り下げをしたために、そのSDRが、九十億SDRに値が下がったのではかなわないということで——ある国が切り上げをした場合にはこれにならって値を上げますが、しかし、切り下げをした場合には、影響を受けないような形にしておいたらどうだという考え方でございます。 しかし、フロート下になりますと、一体何を基準として切り上げを見、何を基準として切り下げを見るのか、その他技術的にいろいろな問題がございまして、その後いろいろの検討の結果を経まして、現在段階では、方向としては、主要国の通貨の平均価値ということにしようではないかという方向に傾いております。 ただし、問題はこれで全部片づいたわけではございませんで、しからば、具体的に主要国とはどことどこの国をいうのかと、こういう問題が残っております。そしてまたその数も五、六ヵ国にするのか、十ヵ国にするのか、あるいは二十ヵ国程度に広げるのか、こういった点もこのSDRの問題が最終的に詰まります間において検討されなければいけない問題であろうと思います。 なお一点、御質問ではございませんでしたが、つけ加えますならば、SDRは準備通貨としての役割りは果たしておりますが、決済通貨としても現在役割りを果たしておりますので、その点誤解のないようにしていただきたいと思います。
○嶋崎均君 ただいまの国際金融局長の話で、私の意見の一部が入っておりますので、あまり突っ込んだ話はしたくないんですが、私は実は、世界全体の経済というものを考えてみると、アラブに六百五十億なり、あるいは五百億なりの金が寄るということ、すなわち油の値段が非常に上がるということが、結局、世界全体の購買力をどう操作するかは別にして、もしその通常のベースで考えておるならば、その通常のベースから見れば、その分だけ購買力が減少すると、よそのものの購買力が減少するという形になる。そのことが、結局、その世界経済全体にデフレ的な影響を強く持つ問題点であるということが、一番懸念をされる問題ではなかろうかというふうに思うんです。 現在、御承知のように、世界各国はその油の値段が上がることによって、非常にインフレを心配をしておるわけでございますけれども、ほんとうに経済全体を考えてみると、心配なのはデフレじゃないか。インフレの問題が心配されるのは、個個の国々にとっては、これまた非常に深刻な問題ですから、そういう意味で、そちらの問題から取り上げられるのは、まあ、通例のことだと思うんですが、そういう意味で、世界全体がほんとうに、こういう油の値段が急に上がることに伴って出てくる購買力の不足というもの、それが経済全体の沈滞化に結びつく、それをどう考えていったほうがいいか。経済の目的というのは、いろいろあると思うんですが、今後雇用の問題とか、あるいは福祉の問題とか、いろいろ問題にされるわけですが、ともかく、資源の問題については、油が上がるということによって、消費の抑制という面に動くかもしれませんが、どちらをほんとうに大事にするのかということは、ほんとうに全人類の英知を集めて考えなけりゃならない問題ではなかろうか。 そういう意味で、この各国の状況を見ますと、各国は、自分の国のインフレを考えるのあまり、また、国民自体も、自分の国のインフレというものに非常に神経質になっておるから、どこの国も非常に弱い政府になっておる。そういうことから、世論の多様な要望に対して、非常に強力な政策というものがとれないままに、どちらかというと、国内向けにあらゆる政策ということを考えがちだ。 日本の場合も考えてみますと、非常に極端な物価の上昇になっておる。その中には、石油の危機を先取りしているという問題点もあるわけですけれども、御承知のように、金融の引き締めが非常に強度な形で行なわれておる。そのことが、まあ先取りの部分がはげていく部分については、われわれ何も心配しないんですけれども、こういうような形が進んでいくと、日本が世界の経済の中における相当の大きなウエートを占めるだけに、まあ、非常にやっかいなことになっていくのじゃないか。先ほど青木先生が言われたのと、私は少し考え方が違うんですが、早期に、たとえば貿易の黒字ということになることは望ましいけれども、そう極端にそういう政策をねらって、金融に傾斜をした運営をもし国内経済でやることが、グローバルな世界全体の経済にどういう影響を及ぼしていくんだろうかということを考えなきゃならぬ。 それからもう一つは、そういう事態になってくると、やはり消費国と生産国との間の問題をどうして真剣に考えていくかという問題があります。世間では、どちらかというと、フランスなり日本なりが、アラブと抜けがけな取引をやっておると、現にDD原油等につきましては非常に高値を呼んでおる。また、いろいろな援助の問題もあります。しかも、アラブに寄ったドルが、相当の量フランスなり、あるいはソ連等へ武器の対価として流れていく、どちらかというと、生産的な問題に返ってこないウエートというものが、もしアラブのナショナリズムの姿から、そういうことになっていくということになると、これは私は非常に深刻な問題だと、そういう意味で、どうも政府が弱くなり、しかも、政府が自分の国の立場というものを非常に強く出していく、そういう傾向というのが世界に一般化されておる。 しかも、そういうことに対して拍手かっさいをしたい人たちも相当おるし、またそういう世論もあるように思うんです。その辺が私は非常に危険で、まあ、消費国会議がアメリカの提唱で行なわれたということが、非常に、何というか、世界をリードする国だから、アメリカがやるというのはあたりまえのことなんだろうと思うし、また、アメリカが非常に言いやすい立場にあったということが事実であろうと思いますが、そのこと自体に非常に反発を招いておるという現実は、私は否定できぬと思いますが、しかし、どうしてもやっぱりこの非常に急激な資源保有国の経済的な行動ということが、非常に世界に与えるショックというのは大きいんです。 で、これは油だけじゃなしに、最近では、今度はアメリカが逆に木材についてやろうかというようなことが出たり、あるいは肥料についての禁輸問題を取り上げたりというようなことになっていくと、どうも世界の経済——地球は有限だと、小さい、したがって、その関連をよく考えていかなきゃならぬと、片方できれいなことが言われておるけれども、世の中の実態は逆のほうに動いておる。そういう意味で、この日本の、世界の政治、経済に対処する道というのは非常にむずかしいというのですか、こういう武力を持たない国でございますし、そうかといって、非常に世界の経済の中に占める位置というものは大きいし、そういうことをどういうぐあいに今後やっていくか、私はやはり国がしっかりしてなきゃ、いまのきびしい国際情勢、そういう連邦政府ができるような、そういう状態じゃないわけですから、そういう中でどういう主体的な立場をとっていくのか、あんまり、何というか、相手国の立場にのめり込んだ議論というのが、最近非常に多いわけですけれども、やっぱりきびしい国際経済の状態あるいは国際政治の状態というものを踏まえながら、しかも、そういう中で、国と国との間の問題として、少しでも世界の豊かさ、進歩、発展ということを望むビヘービアをとらなきゃいかぬ、そういう道をどこに求めようとするのか、あるいはこれは政治家である大臣に聞くことであるとは思いますけれども、私自身はそういう点を非常に逆に心配をしておるわけでございます。 質問になったか、意見になったかよくわかりませんけれども、一番目の、デフレが心配だということと、日本の経済の姿をそれに結びつけてどう考えるべきであるのかということをひとつ聞きたいと思う。 それからもう一つは、最近の姿を見ますと、去年の各国の外貨準備と、ことしの外貨準備を先進国においてちょっと調べてみますと、ほとんどがプラスになっていて、日本だけがマイナスになっておるというような感じになっておるんです。しかし、経済の実態は、たとえば、イタリアとか、あるいはイギリスとかフランスとかというのはもっときびしいはずだと思うんです。現にフランスなんかについては、つい先ごろ十五億ドルの借款というような問題が、IMFからの借り入れというような問題が出ておるわけです。日本の場合に、これは非常に技術的な問題ですけれども、ことしの予算総則の十一条を見ますと、三百億円、三百億円というと一億ドルにしかすぎないわけですけれども、三百億円、それだけの政府の債務保証の限度額というようなことになっておるんですが、そういう国際的にずっと各国並べてみた場合の外貨準備が、日本だけがマイナスで、どうもあとがプラスになっておるということが、経済の実態とちょっと私は判断しにくい面があるが、それはどういう理由であるか、そのことを推測するのは、各国が相当IMFからの借款その他ユーロダラー市場からの金を引いていくというような結果、そういうことになっておるんじゃなかろうかと思うんですが、もし、そういうことなら、日本の場合に、そういう予算総則の三百億円の限度額というのは、非常に制約条件になるんじゃないかというようなことを心配しております。その点について、御意見を伺いたい。
○政府委員(松川道哉君) ただいまの嶋崎先生の御指摘は、広く各般に及んでおりますので、あるいは私のお答えがお答えになるかどうか疑問でございますが、できるだけの項目について、私どもの考えを述べさしていただきたいと思います。 まず初めに、現在の石油を契機にして起こってまいりました問題、特に、各国が国際収支に赤字が大きくなる問題、こういった問題は、マクロに見ればデフレ的ではないかという御指摘についてでございます。この点につきましては、いろいろ世界的な会議の場でも、そのデフレの面を忘れて、インフレの面だけを討議しておるのではないことは、先ほど田中委員の御質問に対して御説明したところでございます。 これを具体的に見ますと、たとえば、国際収支の経常収支に赤字がふえたという国がございます、としますと、この国は、その輸入品を国内に売り渡しますときに、その国の通貨を吸い上げますから、それだけ確かに通貨の縮小を招いて、デフレ的な効果が発生することはいなめないところでございます。しかしながら、国際面からこれを見ますと、どのような国でも、そのように、経常収支の赤字をそのままにして経済運営ができるわけではございませんで、必ずそこから生じてくる赤字を、あるいは資本取引の面、あるいは金融機関の債務の増加、その他いろいろテクニックはあると存じますが、そういった形で外国から金を引いてこなければいけない。そうすれば、その金がまた自国通貨にかわりましたときに、先ほど吸い上げられたその国の通貨というのは、またその国のマーケットに出ていくわけでございます。したがいまして、これが一方的にデフレ的になるかどうかというのは、やや即断いたしかねる面がございます。どちらかといいますと、輸入物資の単価が上がってきたことが、それぞれの国の国内のコストを引き上げる、そういった意味で、インフレ要因として働く面がさしあたりは大きいのではないかと思います。少し長期的に見ますと、このコストアップが、あるいは雇用の減少とか、その他の形でデフレ要因として働いてくる場面がまた出てくるかもしれません。それにはまたいろいろの段階を経て、この石油値上げの効果が、それぞれの国の経済政策によって吸収されていかなければならないものだと思います。 繰り返しますが、その場合の経済政策というのは、インフレ退治一本で固まったものではいけなくて、将来デフレにならないような配慮をも加えながら、デリケートな政策を運営していかなければいけないのではなかろうかと思います。 次に、しからば、相当の国際収支の赤字が予想される国が、これを一転して国際収支の黒字をねらうような政策をとるべきかどうかという点でございます。この点につきましては、今回の状態が、ある一部の国に巨大な黒字が出て、ほかの多数の国々は巨大な赤字を持つということでございますから、特定の国が、黒字ねらいのために、非常に無理な政策までをするということになりますと、これは俗なたとえで、ばば抜きのようになってしまいまして、国際収支の赤字をどこの国が持つのかということになってまいります。そしてこの黒字のための対策というのが、各国間で競争的にエスカレートいたしまして、あるいはかつての、昭和の初期にございましたような関税障壁が次第にせり上がってくるとか、いろいろ好ましくない政策がとられる危険性をはらんでおるのではないかと思います。その意味で各国が、自分の国の赤字を少なくし、そしてまたできれば黒字にするということは、国際的に見て、無理のかからない限度で、やれるだけのことはやるべきであろうというのが私どもの考えでございます。 その場合、具体的に、それではどこまで各国に迷惑を及ぼさないでやれるのかということになりますと、これは個々具体の問題として、各国と情報を交換しながらやっていかなければいけない部分がだいぶ大きいのではないかと思います。 次に、御指摘のございましたいろいろな政策をとるにいたしましても、政府が一体それだけの力があるのだろうかという点でございます。これは、日本の国の場合には、私、その責めにあるかどうか疑問でございますのでさておきまして、外国の事情を御説明さしていただきますと、一番最近の例では、イギリスの選挙がございました。これは経済問題が端緒になって総選挙になったのでございますが、二大政党のいずれも絶対過半数をとれない。したがって、新しく労働党の内閣ができましたけれども、非常に思い切った政策がとれないような情勢にあると承知いたしております。また、イタリアの場合を見ましても、内閣が非常に弱うございまして、内閣の命は始終短命に終わる。そしてまた、場合によっては、次の内閣ができるまでに若干期間的な空白ができるというようなことさえも言われております。またフランスにおきましても最近内閣改造があった。またデンマークにおいても選挙があったというように、各国とも、この経済問題が相当の理由になっておると思いますが、政治的に、かつてのように安定した政府を持っておる国というのがだんだん少なくなってきております。特に、先進諸国の問では、どちらかといえば、思い切った政策をとれるような強い政府を持った国はだんだん少なくなってきておるというのが、現在の世界情勢ではなかろうかと思います。 私どもとしましては、そのような各国の政治情勢も踏まえながら、われわれとして、できるだけ長期に日本の国益に沿うようなことを主張していかなければならないと、このように考えております。 具体的に、それでは日本の場合どういった政治的態度で進むのかどうか。その辺につきましては、ただいまの嶋崎先生の御指摘は、私どもに対する御訓戒ないしは御意見と承知して承っておきまして、私のほうからの答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 最後に、各国の国際収支対策と関連いたしまして、わが国の四十九年度予算総則における政府の債務保証限度につきまして御質問がございました。この点につきまして、私どもといたしましても、すなわち、日本の場合におきましても、オイルダラーの還流ということを検討しないわけにはいかない状態でございます。したがいまして、私ども去る十一月以来、いろいろ外国資本の流入に対する規制措置をはずしてまいりまして、そして外国からの資本が入りやすいようにする。また月別の長期資本の赤字が、したがってかくのごとく減ったというのは、冒頭申し上げたとおりでございます。そして嶋崎先生御指摘のように、確かに一九七三年だけをとってみますと、イタリア、イギリスであっても若干外貨準備がふえておるような状況で、外貨準備が顕著に減りましたのは日本だけでございます。しかしながら、日本の経済力、そしてまた外貨準備の水準、こういったものに対する信認は依然として強いものであろうと自負いたしております。 すなわち、日本の場合には、フランスがやりましたように、あるいは政府が直接外国からの借款を受け入れる、あるいはイタリア、イギリスがやっておりますように、政府関係機関を通じまして、それぞれの国家の信用を背景といたしまして、国債を発行して、オイルダラーのリサイクルをはかるという、そういったような必要性は、日本の場合にはないのではなかろうかと考えております。すなわち、私ども日本の場合には、民間の企業ないしは民間の金融機関が、日本が必要とする程度のオイルダラーをリサイクルするだけの信用は持っておるのではないか。したがって、この予算総則におきます債務保証限度は、国内的な観点から、また長期的に見て、外国市場とのつながりをつなげておくという配慮から、ある程度のものは必要であろうということで、私ども理財局とも相談いたしまして決定いたしたものでございまして、これがこれから石油価格上昇に伴う日本の外貨準備のバックアップのために、どうしても必要な手段であり、またどうしてもこの金額をふやさなければいけないような時代がくるというような判断は、いまのところ私どもいたしておりません。
○茜ケ久保重光君 続いて二、三点お聞きしたいんですが、最近、私どもが選挙区を回りますと、方々でこういう質問を受けるんです。というのは、この間まで日本は外貨準備がたくさんあって、黒字で、アメリカからずいぶんいろいろ言われてこの黒字を減すのに苦労したのではないか。ところが、ここへきて今度は赤字だと、これはどういうのだと、一体どういうことなんだとよく質問されます。私も実はあまり知りませんものですからあまり的確な答弁ができないのですがね。と同時に、この前までは、いわゆる対ドル円の強さ、二百五十何円ですか、出ていた。それが、ここのところすっと弱まって、三百円をこしてしまった。これもどういうことだ。しかも、そういう結果を受けて、損をするのは国民じゃないかと、何をしているのだ、こういうおしかりや質問を受けるのですね。これはもっともだと思うんですよ。ところが、私どももいま言ったように、これに対して的確なお答えができぬわけですな、非常に残念ながら、専門家でないものですから。しかし、ところがいま申しますように、国民とすれば、これは最も聞きたいことであるし、直接自分の生活にも響いてくる。 アメリカは日本の国際収支が黒字の場合にはいろいろ文句を言って、その赤字を減すのにだいぶ努力しろと言ったのだが、ところが減ってきたら、アメリカは知らぬ顔だ、何もしてくれない。日本の経済は、アメリカのために存在しているのか。日本の国民は、アメリカ経済をささえるために苦労しているのかと、こういう疑問まで持たれている。これも福田君に聞いたほうが適切かもしれぬけれども、あなた方は実務をやっていらしゃる。だから、これは大臣でなくても、そのいきさつは御説明できると思う。この点についてひとつ国民生活と関連した中で的確な御説明を願いたい。 それから、先ほど言われましたワシントン会議、これは私は、当時のいろんな報道によりますと、必ずしも産油国に対してはいい影響を与えていないのじゃないかと思うんですが、いわゆる先ほど言ったように、それはいろいろな原因もありましょうけれども、一番大きな原因はやはり中東戦争ということになりますと、これはアメリカは加害者である。しかもアメリカは、しかし、いま私どもの知るところでは、産油国から出る油が非常に少ない、日本と比較すると。問題にならない。影響ないとは言いませんけれども、日本ほどひどくない。そのアメリカが、消費国会議を開いたわけですが、その結果がどう実は具体的に反映しているのか。端的に言えば、あの会議は、対産油国等に対して消費国として効果があったのか、あるいはマイナスであったのか。この点についてもあなた方の立場から、またこれは両参考人にも、もし御意見があるならばお聞かせ願いたい。 まあいろいろありますけれども、きょうはこの二点について最後にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(松川道哉君) 初めに、円とドルとのレートの問題でございます。これは茜ケ久保先生御案内のとお力、古くさかのぼりますと、三百六十円が一ドルであるという期間が非常に長く続きました。実はその間、欧州の通貨は、米ドルに対して、あるいはことばをかえれば金に対してのレートが何回か変動いたしております。日本が終戦後間もないころ、復興の初期においてきめましたレートが、だんだん日本の経済政策が進展してまいりまして、特に重化学工業が興り、この新しい設備をもってする産品が、国際的な競争力がついてまいりましたときに、はたして三百六十円がいいのかどうかということが議論になってまいりまして、当時わが国の国際収支の黒字がいろいろ批判を受け、そして最後は御案内のとおり、昭和四十六年のニクソンショックになり、十二月のスミソニアンの協定になったことは御案内のとおりでございます。そしてまた、翌昭和四十七年の夏だと存じますが、エバリーという特使が参りまして、日本の貿易黒字をもっと減らせという圧力をかけまして、これが箱根会談ということで大々的に新聞に報道されたことも御案内のとおりでございます。 これらの経緯を通じまして、私どもはともかくとして、国民全体の前には、アメリカが非常に圧力をかけてきたということが目に映じたのはこれは当然のことだったろうと思います。しかし、私とも各種の国際会議に出ておりますと、私どもに比力をかけましたのは米国だけではございませんで、先進各国のうち、日本と近いような状況に置かれておったドイツ、これは例外でございますが、その他の国々は、日本が黒字をたくさんため込むということは、国際経済全体の発展から見て好ましいことではない。これはたとえとしてははなはだ不適切かもしれませんが、その当時の諸外国の考え方をそんたくいたしますと、ちょうど現在産油国だけが黒字を集めると非常に国際的に問題になるといって問題視いたしておりますが、その舞台は少し小そうございます。そしてまた計数的にも少のうございますが、日本とドイツとが黒字を集めることは、世界経済全体のスムーズな流れから見て好ましいことではないから、黒字対策を強力にとるようにと、こういうことは米国のみにとどまらず、各国の共通した意向として私どもいろいろと注文を受けたのでございます。その間あるいは八項目であるとか、七項目であるとか、いろいろな対策を私どもいたしましたが、その結果でもなおかつ円が強いということで、昨年の二月にフロートするということになりました。 ここで一つ指摘しておきたいと思いますのは、先ほども触れました箱根会談において、アメリカのエバリー特使自身も認めておったことではございますが、レートの調整をいたしますと、すぐその効果があらわれるかというと、必ずしもそうではございません。赤字であるからといって為替レートを切り下げますと、それから続くある期間の聞は、かえって手取りが減るために赤字が大きくなるという現象がございます。したがって、その期間を経過して切り下げの効果が出てきて赤字が減って黒字になる、そういう傾向に変化するまでにどのぐらいの時間がかかるかということにつきましては、学者によっていろいろ意見がございますが、かつてのイギリスの例を見れば二年以上かかったという人もおりますし、当時、箱根の会談のときには、一年九ヵ月ぐらいはかかるだろうというようなことを、日本側も米国側も問わず語らずのうちに認識しながらいろんな議論を進めておったわけでございます。現に、スミソニアンから一年九ヵ月たった、そしてまた、ことしの二月の切り下げ、アメリカの場合でございますが、米ドルが一〇%切り下げた、その効果が出てまいりまして、ことしの夏からドルが強くなってきたことは、先ほどチャートでごらんいただいたとおりでございます。したがいまして、現在の動きというもの、これは過去にとられました、そういったレートの調整が片一方では効果をあらわしながら、しかもまた、現在の世界経済を取り巻く環境というのは、昔のように静的ではございませんで、はなはだダイナミックに変化をいたしております。この二つの要素がからみ合っているものでございますから、私どもとしても、当然固定的なレートが、日本の経済発展のために有益である、日本の経済発展のためには一ドル何円ということはさまっていてほしいという願望は非常によくわかるのでございますが、しかしながら、なかなか現在の私どもが置かれております国際経済情勢の中では、日本だけがそれをするということはむずかしい、どちらかというと、かえって一回きめてしまえば、そのあとの外側の情勢変化に対応できなくなる危険もはらんでいるということで、現在のようなフロート制度をとり、しかも、極端なことには走らないように、多少の介入はいたしながらレートの安定をはかっておる次第でございます。 次に、第二の、ワシントン会議の点でございますが、これも問題が非常に大きゅうございます。具体的にどんな結果があったのかという御質問でございますが、この実質的な内容で、結果として御説明できるようなものはまだでき上がっておりません。ただ、私がその結果こういうことになったということが御指摘できるのは、御案内のとおり、その後二月の下旬、たしか二十五、六であったかと思いますが、この下部機構としてつくられました協議グループがワシントンで集まりまして、さらに問題点を洗いざらい出してくるという作業をいたし、さらに、明日と次の三月十四日の両日ブラッセルで、この協議グループの第二回の会合をやっていくということで、この石油の問題は、しばしば御説明いたしておりますように、オイルダラーのリサイクルの問題もございますが、さらには代替エネルギーをどうするかとか、非常に数多い問題を含んでおりましたので、現在のところ、すぐにこういう結果が出たということは、まだ御説明できない段階でございます。 そこで、これは一体他の消費国ないし産油国にどういう影響があったのかという点につきましては、初めにこのワシントン会議のアイデアが発表されましたときには、先ほど先生からも御指摘がございましたように、これはあまりにもアメリカ主導型で、アメリカが自分の国益を守るために、自分の主張をカムフラージュするための会議をつくったんではないかという疑念が新聞にも報道されておりました。しかしながら、その後の産油国と、消費国との関係をごらんいただきますと御理解いただけるかと存じますが、この会議がやったことは、決してそういう面ではマイナスではない。わが国がその一つでございますが、相当の国々が、こういったものを将来産油国と消費国との対話の場の第一段階として、そっちのほうへ持っていくべきであるということで、これから討議の内容が具体的なものになってまいりましても、協調の精神をもってこの会議を動かしていくことができると思います。そうなれば、将来において産油国、消費国、両方の不満といいますか、そういったものを減少する上に役立つように、そういう場を提供する契機になるのではないか、このように思っております。
○藤田正明君 御意見を参考人から伺う前に、国際金融局長に一点確かめておきたいのですが、わが国の四十八年度の百億ドルの国際収支の赤字のうちの九十七億ドルが長期資本の流出である。そうしてその九十七億ドルのうちの二十七億ドルが外−外収支の赤字である、こういうようなことをさっき言われました。この外−外収支ということですが、これは日本からドルを持ち出さないで、外国で、外国の銀行なり、あるいはユーロダラーなりを借りて、それで外国で資源開発あるいは獲得をして日本に持ち込む、こういうことですね、これは、二十七億ドルというのは。
○政府委員(松川道哉君) 実質は、ただいま藤田先生御指摘のとおりでございます。少し形式的なことを申しますと、外で借りたものを一回その金融機関の本店に引いて、それから貸し付けをする。その貸し付けの対象は、ただいま御指摘のようなものもございますが、さらには先刻来触れておりますイギリスであるとか、イタリアであるとか、こういったところの出しております外債の応募にも一部充てられております。 なお、ふえんいたしますならば、この二十七億ドルに対応いたします四十七暦年の数字は約十五億ドルでございます。私どもといたしまして、四十九年度以降どうするかということでございますが、だんだん世界のこういう金融情勢になってまいりますと、ある種の投資というのはリスクがかつてよりも大きくなってきておる。債務者の信用の度合いがかつてよりも落ちてくる場合が相当あるのではないか。そうしてまた私ども、たとえば、外貨預託というような形で、外貨建ての債権を持っておりますが、これは現在のような情勢ですと、外貨準備の中へ繰り戻さなければならないのではないか、繰り戻す場合に、外貨預託を受けております銀行は、これをユーローダラーの形で外国で引いて、これを大蔵省へ返すということになります。その意味で、この外貨預託の繰り戻しというのは、ある意味では日本の場合のオイルダラーのリサイクリングの一つの技術でもあり、そしてまたこれをやることによって、外貨準備に対する国民の不安を減小させることができる。こういったようなことで、この繰り戻しを考えておりまして、現に実行いたしております。ただ申すまでもございませんが、この金額はそれぞれの満期かきましたときに、その一部を繰り戻すのがせいせいでございまして、大きい金額を急に繰り戻すということは、ユーロダラーマーケットに与えるインパクトが非常に大きいものでございますから、あまり急激なことはできないというのが実情でございます。
○藤田正明君 それはわかりましたが。 そこで、参考人に御意見を伺いたいのですが、去年の二月ぐらいが、外貨準備高の百九十何億ドルというものがピークだったわけです。そういう時点におきましては、海外に対する資本の流出については、まあ、いわはたれ流し——ゴルフ場を買おうが、土地を買おうが、中にはロスアンゼルスのビバリィヒルのプレスリーの屋敷を何百万ドルで買おうが、一切たれ流しであった。いまとなっては、そういう石油問題その他が起こりましたから事情は一変したということはよくわかりますけれども、長期資本の流出を極力食いとめることが、最大の国際収支を回復する道であるというふうなことになっておるわけです。 そこで、この資本の流出、海外投資あるいは政府の投資ということもありましょう、民間投資もございましょうが、私は、開発輸入というものが、今後とも奨励されなくてはならぬと思うのです。御承知のとおりに、日本は資源がないことでございますし、鉱物資源にしろ、あるいは食糧にしろ、海外において相当な長期的な投資をして、それらを日本に持ってくる。もちろんその地元の国に対する、地元の社会に対する協力、その国に対する協力というようなことはこれはもう前提といたして、日本にもそういうふうな投資の恩恵を及ぼしてくるということは当然考えなければならぬと、今後大いにやらなければならぬことだと思うのです。 福田大蔵大臣が、現在の物価に対して目の前にぼやがある、火事がある、まずこれを消して、それから安定成長に経済を持っていくべきだ、まあ、こういうふうに言っている。現在のぼやという国際収支の問題においては、石油のことであることはよくわかります。しかし、このような目先のことにいつまでもとらわれて、長期的な問題を、政策を、どうやっておるのかというふうに思うのです。もちろん、いま石油事情なり、あるいは国際通貨が非常に不安定な状況にあって、見通しがきかないことはよくわかります。ですから、長期的な国際通貨の対策なり、あるいは貿易その他の対策をどう立てるかということはむずかしい問題だと思います。思いますけれども、それなりに立て方はまたあるのではないか。 そこで、いまの開発輸入に関しましても、今後大いにやらなければならないけれども、長期資本の流出はこれを極力差しとめるということですが、私は、どんどんとオイルダラーなり、ユーロダラーを日本に入れて、出すものはどんどん出す、入れて出すという考えを持つべきだと思う。それで、開発輸入なんかも大いに促進するべきだと思う。それを長期投資、長期資本の流出は食いとめるということだけをまあおっしゃっておるわけですが、この点で私は参考人の御意見をひとつお伺いいたしたい。 それからもう一つは、先ほど来申し上げましたように、もう少し臨床的なものではなくて、考え得る長期的な対策はあるのではないか、政策はあるのではないか。それは先ほど来申し上げますように、石油事情にいたしましても、国際通貨の問題にいたしましても、まことに流動的で不安定でありますから、見通しはききません。しかし、この見通しのきかない中にも、長期的な政策、対策はあるのではないか、立てられるのではないかというふうに思うのです。この二つの点につきまして東京銀行の竹内参考人に御意見をお伺いいたしたい。
○参考人(竹内一郎君) 私の意見を申し上げます。 開発輸入が日本の立場にとってたいへん重要な問題であるということは、私も、全く同感でございます。特に、資源を確保するためには、従来のように簡単に資源を買うということでは、必要量はもう確保できない状況になっておりますので、どうしても資源産出国に投資をして、そうして開発に協力をする、ある場合には半製品あるいは製品化まで現地で行なって日本へ持ってくるという方向へいかざるを得ないと思います。そのためには相当巨額の投資資金が必要でございますが、そういうものまで押えてしまう、資本輸出を規制するというお考えは当局にもないと私は了解しております。 当局が考えられているのは、先ほど御指摘がありましたような、ゴルフ場を買ったり、ホテルを買ったり、そういう当面不急不要の投資は規制するということではないかと思っております。しかしそのためには、日本にかなりの国際収支の余裕がなければなりませんが、石油価格の引き上げによって、貿易収支も多かれ少なかれ圧迫を受けます。十分な投資資金の手当てができないかもしれません。しかし、その際には、先ほどおっしゃいましたように、外−外方式を活用する、海外投資をする場合に、投資資金を一切がっさい日本の国内から持ち出すというのではなくて、ユーロダラー市場等国際金融市場において必要な資金は調達して海外投資に充てるということを当然考えられるべきだし、すでに考えられていると思います。 従来はわが国の外貨を減らさなければならないという政策がとられておったために、そういう場合の投資も、日本で外貨を買って投資するという方針がとられておりましたが、それはむしろ例外であって、世界的な傾向としては、巨額の資金を必要とする天然資源の開発投資などは、むしろ国際金融市場を主体として資金を調達するというのが通常の慣行でございますし、わが国もその慣行を採用すべきであるというふうに思います。 第二点、より根本的な国際収支対策という御質問でございますが、日本の立場から申せば、先ほど青木先生でしたか御指摘がありましたように、投資資金をまかなうに必要な範囲、限度で経常収支の黒字を出すというのが、やはり基本的な態度として適当ではないかと思います。しかしながら、海外投資をどんどん進めてまいりますと、英米両国の例から見ましても、経常収支といいますか、貿易収支は次第に悪化する、長い目で見れば悪化するということは避けられないのじゃないかと思います。従来輸出しておった品物を、海外に企業進出をいたしまして、海外でつくって売るとなりますと、それだけ輸出は減りますし、あるいは従来国産品を使っておった品物について、賃金の安い国へ企業進出をして、そこで品物をつくって、輸入するとなりますと、輸入はふえますし、貿易収支は、海外投資が進行するにつれてだんだんと悪化することは、大勢としては避けられないと思う。しかし、海外進出をいたしますならば、海外で企業利潤が上がりますから、投資収益、つまり貿易外収支の一部でありますところの投資収益の黒字が次第にふえてきて、貿易収支の赤字をまかなうという形で両者を合わせた経常収支べースではバランスするというのが英米両国の例から申しましても、今後日本の国際収支のたどる先ではないか、今後の傾向ではないかと思いますが、投資収益が上がるにはやはり時間がかかります。 ですから、投資収益でもって経常収支のバランスを維持するということが、いずれはそういう状況になるでしょうが、ここ数年そういう状態にならないかもしれません。投資のほうが先行するという状態が続けば国際収支は全体として赤字になります。このままに放置いたしますと投資が続けられないという状態になるかもしれません。ですから、まあ、そういう状況を考慮いたしまして、基本的な対策としては、ただいま先生の御指摘になりましたように、入れるものは入れる、出すものは出すというふうに、長期資本の取引には流入も流出も双方あって自然でございますから、入れるほうも十分に入れるということが基本的に必要なのじゃないかと思います。ただ、金融引き締めとの関連から、そう大幅に外資を取り入れることはできないという事情は現在ございまするけれども、これは一時的な事情でございまして、基本的には、流出、流入とも自由にして、まあ、流出のほうの不急不要の規制は必要でございましょうけれども、そういう態度が必要なのではないかと思います。以上でございます。
○藤田正明君 まあ、これは大蔵大臣も今後経済成長は実質的に五、六%の安定成長でやるというふうなことを考えておられるようで、これは当然のことだと思いますが、まあ、いまの日本の商事会社をはじめとする企業のバイタリティーといいますか、そういうふうな前傾拡大姿勢で、ここ二十数年やってきた各企業が、そういうふうな安定的な成長に姿勢が矯正されるかどうかということにたいへん疑問がある。これには相当時間がかかる。しかし、そのバイタリティーを、海外に出て、全世界を相手にして、それだけの能力も、バイタリティーもあるわけですから、大いに世界の中で活躍をしてもらうというふうなことが、私は、一つの政策だろうと思うのです。これは、先ほどの質問もあわせまして、この点について国金局長から御意見を承りたいと思います。
○政府委員(松川道哉君) 先刻来、日本の国際収支の動向を御説明いたしつつ、長期資本の赤字は減らす方向で政策運営をしておるのだということを御説明いたしましたが、この長期資本収支の中身におきましても、いろいろな種類がございます。端的に申し上げまして、長期資本全体の赤字は減らすべきであるけれども、しかし、その中で、われわれが、これを減らしてはいけないのではないかということで、横ばいないし増加を考えておりますものが三種類ございます。その冒頭が、ただいま御指摘のございました資源開発に関連する直接投資でございます。それから二番目は、いわゆる延べ払い信用供与によって外国へ機材、機器を輸出する場合の信用供与でございます。第三が、開発途上国に対する各種の借款ないし経済援助でございます。 そういったことで、私どもも、わが国の長い将来を見るにつけ、そしてまた、西欧諸国がすでに持っております外国における資産の残高と、わが国の資産の残高を比べますと、わが国の場合あまりにも少なく、立ちおくれておるという実情を踏まえますと、この資源開発のための直接投資というのは、実際問題として各種先進国が出ておるところへ割り込むのでございますから、むずかしさこそあれ、なかなか急激にふえるというような種類のものではございません。どちらかと言えば、私ども機会があって、そういう直接投資ができ、海外に日本が必要とする資源を確保する基地ができるのならば、長い目で見て非常にいいのではないかということで、資源開発関係のものは抑制するつもりはございません。そして資源開発関連の一つの体系は、開発輸入でございましょうし、また、その場合、資金源としては、ただいま竹内参考人から話がございましたように、日本が持っておるなまのドルを持ち出すのではなくて、でき得ることであるならば、現在のような情勢下では、海外でその所要資金を調達してそちらへ回すというファイナンスをやってもいいではないか、このように考えております。 それから、商社のバイタリティーについての御質問でございます。私ども国際金融に携わり、そしてどちらかというと、目を外国のほうへ向けておりますと、この商社のバイタリティーというのは、非常に頼もしく感じます。昨今、商社に対して非常な批判があることは私どもよく存じております。そして断片的に私どもが見聞きするケースにおきましては、特に、国内において世間のひんしゅくを買う、あるいは社会性を疑われるような行動が間々あるということも承知いたしております。私どもの願望といたしましては、この商社の持っておりますバイタリティー、これは世界の各国に例のない非常に有能な、そしてまた活力のあるものでございますから、これをわが資源小国の将来のために十分活用することができるならば、それこそ商社の存在理由ではなかろうかと、このように考えております。
○多田省吾君 先ほど国際通貨問題でもう一つ問題になっているのは、やはり金価格の引き上げ問題だと思います。この前、日銀の渡邊理事にはお聞きいたしましたので、金融局長とそれから竹内参考人にお伺いしたいのですが、まあ、ECの金価格引き上げ問題、それからアメリカの金価格の廃止問題、当然今月下旬のIMFの二十ヵ国蔵相代理会議でも論議されると思います。わが国の金保有量は、わずか九億ドルだと聞いております。ところが、西ドイツは四十九億ドル、フランスが四十二億ドル、イタリアが三十五億ドル、アメリカは百十七億ドルと、このような違いであります。 それから、大蔵当局では、いままで日本の金の準備高が少なかったものですから、いままでは、金ではなくて外貨の形で、日本の対外経済関係に役立ったとか、利子収入を生んだとか、こういうことをおっしゃっておりますけれども、まあ国際金融の専門家の間では、マイナス面についてのいわゆる逆の見方が非常に多いわけです。で、また三倍ぐらい金価格が引き上げになりますと、これはもう私はたいへんな問題になると思うのです。というのは、やはりインフレが非常に増進するんじゃないか。四百三十億ドルと推定されるいまの公的金準備額、これはIMF加盟国だけでございますけれども、そうすると、三倍になりますと一千三百億ドル。現在の千八百億ドルの世界の流動性が一挙に二千六百億ドル以上の水増しになりますから、これはもうインフレ促進ということで、これはたいへんな問題だと思います。これについて、この金価格引き上げとインフレの関連については、竹内参考人等は、独自のお考えを持っているやにもお聞きしておりますけれども、政府として、この金価格引き上げも反対でありましょうし、また金価格の廃止という問題も問題ありましょうし、これはSDRに向かおうという大勢に対しても非常に逆行するものでもあろうと思うし、わが国においても、非常に金が少ない関係で、これは大きなマイナスになる。ということになりますと、これはもういままでの政府の失政と、それから今後の態度に対する非常にむずかしい問題が残るという問題で、これはたいへんな問題だろうと思いますけれども、この問題についてひとつ金融局長と、それから竹内参考人にお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(松川道哉君) まず第一に、日本の金の保有額が少ない、これは失政ではないかという御叱正を受けたのでございますが、私ども長期的に見れば、ただいま多田委員が御指摘のようなことも言えるのではないかという気もしないではございません。しかしながら、現実に政策を運営してまいりますと、そのときそのときに置かれております条件のもとで、ベストを尽くして政策を運営してくるというのが、私どもの置かれた立場でございます。 このことを具体的な数字で若干ふえんさせていただきますと、昭和四十二年度末における外貨準備高は十九億六千三百万ドルでございます。そして、この昭和四十二年度における貿易は輸出が百五億、輸入は九十四億ということでございまして、この十九億ドルというのが日本の貿易規模から見て非常に少ないのではないかという御批判があったのでございます。もし私の記憶に間違いがなければ、四十三年の正月でしたか、二月でしたかには、イギリスのロンドンタイムズに円の切り下げが近いんではないか、こういう報道さえなされておったと私記憶いたしております。と申しますのは、それまでの段階におきましては、私どもが持っております外貨準備の中身を、いかに有効に使うかということに腐心をいたしておりました。有効に使うかという意味は、たとえば、その当時やっておりましたことの一例といたしましては、わが国の外貨準備の一部を、外国の銀行に預けておいて、そして外国の銀行から、それをべースにいたしまして、非常に大きい信用を受けるという形でのファイナンスも行なわれておりました。現に四十二年度中におきましては、国際収支が相当危機的な状態であったときにもかかわらず、計数はちょっとあとで申し上げますが、たしか私の記憶では、数億ドルの為替銀行の債務の増加、すなわち、外国銀行からの借り入れということで、その事態をしのいだようなことがございました。 私がいま四十二年度末のことをくどくど申し上げましたのは、実は金につきまして非常に重要な合意であるワシントン協定ができましたのは、四十三年の三月でございます。そのときから金の取引ということが実際問題としてできなくなってまいりました。私ども、俗なことばで言えばふところぐあいがよくなる、公的には外貨準備がだんだんふえてまいりました。全部をドルなどで持っていなくて、多少金のほうへ回しても、わが国の経済運営に支障を生ずることはないだろう、こういう判断を持つことができる段階では、すでにわが国の金を買うことができない状態でございました。私、たしか四十二年の十二月でございますか、当時の補正予算の編成と関連いたしまして、社会党をはじめとする野党の方々から、金をこの場合買うべきではないかという決議案が提出されまして、正式に採択はされませんでしたが、そのような御意見が当時あったことも十分承知いたしております。しかしながら政策当局者としては、当時としてはベストを尽くしてやって、わが国のその後の経済的な繁栄をもたらしてきたと、このように信じておる次第でございます。 次に、金価格とインフレの関係でございます。昨今国際的な過剰流動性ということが言われまして、これが国際的なインフレの原因ではないかということがしばしば言われております。しかしながら、これを長期的にさかのぼって見ますと、たとえば昭和三十年、昭和三十五年、このころの世界全体の金外貨準備高が、世界全体の総輸入に対する割合というのは、その後よりも高いパーセントでございます。ところが昭和四十四年、五年ごろから、国際流動性の問題が過剰ではないか、これがインフレの原因ではないかという議論がされましたときには、そのパーセントはかつてより低かったのでございます。しかし、何がゆえにそういう問題が出たのかということを考えてみますと、各国の持っております金外貨準備のうち、相当部分は、各国の保有にとどまっておりまして、決済として使われて各国の間を転々流通することがない、経済用語で申しますと、貨幣の量と回転の速度と、これを掛け合わせたものがいろいろの影響を持ってくるわけでございますが、当時、インフレではないかという議論が起こりましたのは、いわゆるユーロダラー・マーケットが非常に大きくなりまして、ユーロダラーが回転速度が早いために、インフレ効果を持つのではないかと、このように議論されたのではないかと考えております。 ただいま御指摘の金の単価が上がれば、世界じゅうの流動性が非常に上がるではないかという点でございますが、私、理論的には、ただいまのその貨幣の流通速度との関係で、金が上がっても、みんながすぐこれを決済に使い出す、金を受け取ったものも、すぐこれをその次の決済に使用するという状態が起こらなければ、この世界の金外貨準備の総量が若干ふえましても、急にインフレ的な効果を持つのかどうか、また持つにしてもその程度ははなはだ少ないのではないかと思います。私が理論的にと申し上げましたのは、実はこの金の値段の引き上げというのは、理論よりも、むしろ心理的に世界のインフレを非常に助長させるのではないかと、その意味で、これは世界のインフレに対して、決して中立的ではあり得ないと思います。 で、御案内のとおり、金自体でマーケットに流通しておりますものは、公定価格とは違いまして、一オンス当たり百五十ドルであるとか百七十ドルであるとか、そういった高い単価で流通しておりますから、金の公定価格を上げること自体は、現在の流通しております商品としての金価格にも影響は持たないはずでございますが、先ほど来御審議いただいておりますとおり、原油の値段も上がった、それに加えて各国が合意してきめておる金の公定価格をはずすのだ、その結果として金の値段が上がるのだというようなことになれば、これはほかの資源の価格に対しましても、心理的に決して無縁ではあり得ないのではないかと、このように私は考えております。
○参考人(竹内一郎君) 金の問題につきましては、石油価格の大幅な引き上げということが引き金になりまして、近く国際的に何らかの形で解決ができるのじゃないか——私見でございますがかように予測しております。で、その方法は、先ほど御指摘がありましたように、金の公定価格を廃止するという手段で合意が成立するのではないかと思っております。で、金の公定価格といいますと、それは貨幣として金を使う場合の価格でございますから、そういう値段がなくなるということは、もはや金は貨幣ではなくなるわけでございまして、そういう意味では金廃貨という現在の世界の大勢と必ずしも矛盾しているとは言えないと思います。金の公定価格が廃止された暁、各国が金準備として持っております金は、これは商品としての金でございますから、その値段はロンドン、その他金の自由市場において成立している値段でもろて評価して使うということにならざるを得ません。で、二重価格制に関する取りきめが廃止されました現在、金をロンドンの市場値段で売却することは目下自由でございますが、IMFの規約との関連もございまして、金のままで決済に使う場合には、公定価格で行なわれなければならないということに現在なっておりますが、その公定価格ももはやなくなるわけでございますから、各国間で、かりに金で決済したいという国がありました場合、ロンドンの市場の値段を基準にした値段でもって受け渡しすることができるようになります。 で、そういうことは現在公定価格と市場価格が大幅に開いておりますために、事実上金が決済に使えなくなって、しかしそれでは石油価格の大幅引き上げになった現状、特に、外貨準備を増強しなければならないという現状においては不都合でございますから、いまのような対策がとられるならば、その不都合もなくなって、必要とあれば、金そのもののまま決済に使うという形で金準備を動員することができるようになります。そういうふうに私解釈しておりますので、まず第一点として、公定価格廃止という形で、一切の取引価格が値上がりするという場合は、金廃貨の方向とは必ずしも矛盾しない。商品としての金を各国が保有し、それを使うというふうに考えればいいんじゃないかというふうに思っております。 それから、第二点、インフレーションとの関連でございますが、これは先ほどの松川局長の御意見と全く私も同意見でございまして、金庫に入れてある金の評価額が上がるというだけの話で、実際にアクティブな通貨供給量がそれだけふえるわけではございません。外貨保有がふんだんになったから、輸入をどんどんするというふうに、金準備が実際に使われるようになれば、確かにインフレの要因になると思いますが、過去の経緯を見ましても、どの国も金準備は最も大切と考えておりますし、ドル、SDR等の準備資産がある限り金にはなかなか手をつけない、最後のよりどころとして、極力これを温存しよう、そういう政策をとるでしょうし、金の取引価格が実際に上がったからといって、このことのためにインフレーションが激発するというおそれはまずないと考えております。 以上でございます。
○成瀬幡治君 私はちょっと観点を変えて、世界各国の対応のしかたと申しましょうか、このオイルダラーの問題とか、あるいは石油危機に対して、どうも日本はおそくて、世界各国は速かった、こういうこと等がいわれております。ということは、その事が起きてから対処したというよりも、すでに事前にある情報というものが入っておったのじゃないかということが想像されるわけです。で、過剰情報時代で、どうも日本は情報に立ちおくれておったんじゃないかというのが、一つ心配でございます。ということは、今後これが連鎖反能的にこういうようなことがほかの資源に起きてこやしないか、そのときにどうするんだ、あるいは、いやそういうことが起きない、それを封ずる動き、それは今度のオイルショックに対して対策等をいいぐあいにやることが封ずることなんだといわれればそれまでかもしれませんけれども、そういうことに対する情報と申しましょうか、対処と申しましょうか、というようなことについてどういうふうになっているのか、さっぱり——国際金融局がこの情報を集めるのか、外務省がやるのか、日銀がやるのか、あるいは為替関係を扱っておられるそういうところで、あるいは商社、そういうような情報収集というようなことが、私は一つの対策じゃないだろうかと思っております。こういうようなことについて御意見があれば承っておきたいと思います。
○政府委員(松川道哉君) 私ども政府の一部局といたしまして一番信頼いたしますのは、当然のことでございますが、外務省を通じて集まってくる情報でございます。ただ、この情報には、それが官のものであるだけに、私のものでは入り得ないような機密な情報も入りますけれども、その半面、それだけ責任があるということで、情報を東京へ送ってくる側が、若干憶病ぎみになっているようなケースもあるのではなかろうかと思います。そしてまた、これが全世界から集まってまいります情報の量は非常に多うございます。その初期の段階で、幾千かあるうちで、この情報とこの情報は将来尾を引いていく先がけになっているという点を見分けることは、これがまた非常にむずかしい問題でございます。そしてまた、場合によりましてはその辺の重要性があるいは見のがされたまま私どものところへは届かなかったということも間々ございますが、しかしこれは、私自身といたしまして外務省の担当者を責める気は毛頭ございません。が、情報量があまりにも多いときに、どれが正確な情報かというのを的確に見分けるその能力を外務省の方々にもう少し切磋琢磨してもらいたいというのが、外務省を通ずる情報についての私の率直な感じでございます。 そして、私どももちろん外務省を通ずる公的な情報だけにたよっておるわけではございません。日銀、それから為替銀行、そういったものが海外に店舗を持っておりますし、また、ある特殊な部分につきましては、商社関係のほうが非常に情報が早い。たとえて申しますならば、ある地域の天候が非常に悪くて農作物が来年は上がりそうだというようなことになりますと、これは外務省よりも、銀行よりも商社のほうが早い。そしてまた、その辺の影響は、私ども国際収支を担当しておりますと、終局的には私どもも受けるわけでございますから、この辺についても絶えず気を配りながら情報を集めております。 総じまして、情報はある程度入ってくる。しかし、ほんとうにデリケートなものを非常に早い段階で見分けることが非常にむずかしい。また場合によっては、そういうデリケートな情報が、日本のいかなる部門にも入ってこない場合もあるのかもしれないということで、先刻来由し上げました各種情報網のほかに、私どもといたしましては、極力外国の人に、あるいは直接電話をかけたり、あるいはこっちへ、日本へ見えましたときに、いろいろ世間話をしながらサウンドしてみたり、各種の努力をしながら、その情報においておくれをとったために、施策の誤りがあったということが言われないように、万全の努力をいたしておると ころでございます。
○成瀬幡治君 もう一つ、その波及はどうなんですか、連鎖反応。
○政府委員(松川道哉君) 私ども、心の底で一番おそれておることは、いま成瀬先生御指摘の点でございます。石油が上がり、それだけでもほかの各種の非鉄金属その他の値上がりを引き出す危険性はあると思います。そして四月、国連総会がアルジェリアの主導によって開かれますが、これが資源総会という名前が打たれております。こういったような場が重なってまいりますと、各種の資源を、しかも、独占的に持っておる場合、そしてまた、その資源の代替性が少ないようなものである場合、こういう場合に、ことばは適切かどうかわかりませんが、資源カルテル的な動きを、資源保有国がする動機は、いまたくさんあると思います。 そこで、私ども、これに対しましては、そのことが結局世界全体の、あるいはインフレにつながり、あるいは世界全体の価格構成にゆがみを生ずる、あるいは世界各国の間に不公平を生ずる。特に、開発途上国相互間におきましては、持てる開発途上国と、持たざる開発途上国との間に、非常なる格差を生ずることになります。そういった意味でも、欧米の先進国の中には、ともすれば、従来の長い歴史的な関係がプラスにではなく、マイナスに働く場合もあろうかと思いますので、その点は、私ども、その仲立ちになるつもりで、各国の間にある政策がとられた場合にどのような結末が——結末と申しますよりは、結果が生ずるかということを虚心たんかいに説明して、そして求めるべきは全人類のしあわせなんであるということを、あらゆる場合に唱道してまいりたいと思っております。 ただし、申すまでもございませんが、これは非常に間接的であり、また直接的に資源保有国を動かす力があるかどうか、これは疑問でございまして、その意味で、私どもはほかの先進諸国と手を取り合って、そのような動きを封ずるよう努力してまいりたいと思っております。
○委員長(土屋義彦君) 湯川、竹内、両参考人には、本日、御多忙中、本委員会に御出席いただき、貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 本件に対する本日の質疑は、この程度といたします。 —————————————
○委員長(土屋義彦君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 租税及び金融等に関する調査のため、来たる三月二十日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(土屋義彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十分散会