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72回国会参議院1974/04/25

社会労働委員会 第8号

発言数
334
登壇者
21
会派数
4
開催日
1974/04/25

会議録

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  労働問題に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 きょうは民間林業労働者の振動障害の問題で、まずお伺いしたいと思います。  そこで最初にお伺いしたいのは、チェーンソーなどの振動機械の作業従事者の振動障害認定者の数を国有林とそれから民間林業労働者別にお教えいただきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 林業労働者のうち、民間林業労働者につきまして、いわゆる業務上の疾病としての白ろう病として認定をいたしております者は、ことしの四十九年一月末日現在、療養中の者二百八十二名と相なっております。国有林は林野庁から。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 国有林におきましては、昭和四十八年十一月一日現在でチェーンソー等の振動機械を使用している職員は一万四千六百五十二名でございます。そのうち、振動障害により公務災害として認定されている職員の累計は千四百五十一名、うち退職者百四十四名でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いつと言われましたか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 四十八年の十一月一日現在です。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 このいわゆる白ろう病の問題については、再三国会審議で問題になっておるわけですが、いまの数字を見ましても、私の記憶するところでは、国有林においても白ろう病の認定者というのは増加傾向にあるように患いますけれども、そうなるというと、白ろう病の対策で国有林ではこれまでいろいろとやってこられたんですが、なかなか効果があがってないというふうに感ぜざるを得ないわけです。そこで、これは一体どこに最大の原因があるのかということを林野庁のほうからお伺いしておきたいと思います。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 振動障害に対しましては、その消滅を期するという基本姿勢に立ちまして対処しておるところでございますが、具体的には機械の改良、開発を進めるということと同時に、機械操作時間の規制、防寒保温のための措置等を実施しているところでございます。  また、振動機械従事者の健康管理につきましては、国有林野事業衛生管理規程に基づきまして、毎年定期的に特殊健康診断を実施しておるのでございます。また、治療につきましては、公務上認定者に対しまして医師が必要と認める治療を行なっておりますが、特に四十八年度からは温泉療法を計画的に実施しておるのでございます。しかしながら、いま先生から御指摘がございましたように、四十五年以降二時間規制ということでいま申し上げましたような措置を実施しておるのでございますが、最近特に早期認定、早期治療という方針のもとに訴え者に対してできるだけ早く振動機械から隔離するというような方法をとっておりまして、その数字は漸増の傾向にあることは御指摘のとおりでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは認定者がやっぱり国有林でも相当対策を進めておられるのにふえるというのは、いろいろ原因があるだろうと思いますが、一つは、二時間規制をやりながらも、なおかつ、白ろう病の疾患者がふえるというのは、やっぱり二時間規制では足らぬのじゃないかということも問題になるんではないか。聞くところによると、組合のほうとの話で、二時間規制ではだめなんで一時間規制というような話もあると聞いておりますが、林野庁のほうのこれに対する御見解はいかがですか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 御指摘のとおり、労働組合からはこの三月、この時間規制に関しまして一時間規制にすべきであるという要請がなされております。で、私どもといたしましては、この医学的な解明がまだ十分でございませんので、はたして一時間規制で十分対応できるのかどうか、非常に問題がございます。むしろ振動の少ない無振動機械を早く開発するということが重要でございまして、実は四十九年度、現在使っておりますチェンソーを対象に、主として特殊防振装置つきのチェンソーでございますが、それと新しいチェンソーをこの五月中に組合と一緒に実験をいたしまして、その振動あるいは操作上のいろいろな問題点についてお互いに検討しよう、もしそれが使いよいということであればチェンソーの全台数を今年度中に全部その防振装置つきにかえようということで検討を進めております。  なお将来の機械の問題でございますが、ほとんど振動がないといわれるロータリー・チェンソーの現在開発を進めておりまして、昭和五十年度からは実用段階に使えるという研究をあわせて進めておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 五十年度から実用化……。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) はい。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 きょうは中心を民間林業労働者のほうの振動障害に置きますので、またあとで林野庁のほうにはこれに関連してお伺いしますが、いま話を聞いてみますと、国有林のチェンソーの所有者数が大体六千台ぐらいと承知しております。これに対して白ろう病の認定者が千四百五十一名ですから、それに比較すると民間林業労働者のほうは大体国有林の二十三倍ぐらい——十四万台ぐらいチェンソーを持っておるわけです。そのチェンソーの保有からいうと民間で白ろう病認定を受けて療養中が二百八十二名ですか、えらいこれは数が少ないわけで、私どもとしてはちょっと理解できない。これから想像されることは、民間林業労働者のいわゆる白ろう病の実態というものが、十分掌握できてないんじゃないかという感じがするわけですが、どうでしょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 民間の小さな業者の断続的な林業と、国有林と若干違いがあると思いますけれども、しかし、おっしゃるとおり私ども率直に言いまして、民間の林業労働者における白ろう病をすべて把握されているとはいえない状況ではないかと、私どももかように考えておるところでございます。  労働省におきましては、四十年から白ろう病を基準法施行規則三十五条の十一号に該当する職業病として、これは業務上の疾病として取り扱ってまいっておるところでございまして、これらについては、出てまいったものについては、積極的に認定する姿勢をとっておるわけでございますが、こういう認定患者が少ないことについては、一つは、林業でもちろん健診の義務は事業主に課されておるわけでございますが、業種の実態などから、必ずしもそれが徹底していないのではないかと思われる点。  それからまた、労働者側のほうでも、そういう山の中でああいう作業をしておる労働者の実態からいたしまして、必ずしも労災保険等につきまして、十分な周知がなされていない等の事情があったためではないかと、かように考えられましたので、昨年三月には、認定促進と労災保険の周知徹底をはかるような通達を出しまして、そして健診等で見つけられた者については、積極的に労災保険を利用して治療を受けさせると、こういう指導をするように指示をいたしております。特に健康診断を徹底させますために、もちろん事業主の義務ではございますが、四十八年度におきましては、約六千名の林業労働者を対象として、巡回健康診断を初めて大規模にやってみようということで、林業労働災害防止協会に委託をいたしておりまして、ほぼこの三月までにその巡回健診を終わったところでございます。まあ二百八十何名というのもまだ非常に少ないんですが、その結果、昨年三月末現在では百四十六名と把握されておりましたのが、ことしの一月末までに二百八十二名、現在ではもう少しこれがふえてきていると思いますが、この一年間でかなり把握がふえましたのは、一応そういうことで、できるだけ健診等によって把握を促進しようと、こういうことを努力いたしました結果、ふえてまいっておりますわけでございまして、この六千名の巡回健康診断の結果が出ますれば、さらに把握が進む。そして、そういうように健診の結果等によって把握され、療養が必要であると認められた者については、医師の指示に従って早期に療養を受けるように、極力指導を行なっておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 四十八年の六月二十一日のこの当委員会の参考人として出席された山田さんが、民有林のすぐに治療を必要とする振動障害罹患者数は、少なく見積もっても三〇%ぐらいいるのではないかと、こう言っておられました。林業災害防止協会の振動障害検診委員会の四十七年度健診結果報告、これは五百七名を健診したものでありますが、それによりますと、要治療者数が約四〇%、症状のあらわれ始めた者を含めると五〇%をこえておる。まさに憂慮すべき実態にあるという報告が出ておるわけであります。かりにチェーンソーの台数を基礎に患者を推定するとすると、要治療者は五万数千名、症状のあらわれ始める人を含めると、約七万人という推定も成り立つと思うんです。そうすると、これまさにたいへんな問題ではないかと思うわけですが、しかし、いずれにしても、まず第一に重要なことは、このような白ろう病の民間林業労働者の中における実情がどうなのかという実態を把握することが必要だと思う。実態を把握しないでは、それに対する対策の立てようがないわけであります。したがって、その実態を把握しようと思えば、当然考えられるのは、まず第一に健康診断というものを徹底してやるということが必要になってまいるわけです。  そこで健康診断の問題については、あとで詳しくいろいろと聞きたいと思いますが、いずれにしても、これをどう徹底さしてやろうとするのか、先ほどお話がありましたように、四十八年度で六千人の健診を始めたと言われますけれども、この六千人そこらの健診で実態が把握できるわけじゃありません。その健診の徹底ということについて、具体的なお考え方があれば承っておきまして、あとで健診のところで詳しくお伺いしたいと思いますが、どうでしょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私ども六千人でこれは決して十分だとは思っておりませんが、初めてそれだけの大量の者を巡回健診で実際に統一的につかんでみようということで四十八年にやりましたわけでございます。しかし、全部の林業労働者に健診を徹底させるためにはやはり事業主側における健診体制というものを確立することが必要であると考えまして、昨年十一月に通牒を出しまして林業を主たる事業としているような地域におきましては、事業主団体等が中心になりまして、地域の地方公共団体、医療機関等々と連携をとって、恒久的な健診体制というものを確立し、そして事業主団体側で医療機関とよく連絡をとって人数、時日、場所等も連絡をとって、健診を実際に行なえる体制を確立するように、それからそういう近くに医療機関がないようなところでは、労災病院あるいは国公立病院等と連絡をとって、巡回健康診断というような形で、同じく地域の事業主団体等が中心となって、そういう巡回健康診断の体制をとるようにといったようなことで、それぞれの地域における健診体制の確立をはかるべく指示をいたしまして、現在そういう体制の整備確立につとめておるところでございまして、それらによりまして、全部の事業主が確実に健診を実施し、そうして林業に従事する全労働者に健診が徹底される、そういうことによりまして、実態を十分に把握するようにいたしたいと、かようにつとめておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで健診の問題はあとでもう少し詳しく聞かしていただきますが、ここで私は白ろう病の問題については一つは予防の問題がきわめて重要だと思います。  そこで、まず予防の問題に関連して、時間規制の問題から質疑を申し上げたいんですが、四十五年の二月の二十八日付で「チェーンソー使用に伴う振動障害の予防について」という通達を出されて、チェーンソーなど、振動機械の使用について指導してこられたわけであります。今日でも民有林では一日二時間以内の使用というのは、調査したところによりますと、わずかに五・七%、四時間から六時間の使用が四二%、六時間以上の使用が一三%となっております。これで見ると、通達の効果はほとんど出ておらぬということになるわけであります。一体その通達を出すのはいいんですけれども、出しっぱなしでは困るんでして、通達を守らすということが、私は必要ではないか。一体この通達を守らすためにどういうふうにしようとするのか、お考えを聞きたいんです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) もちろん通達を出しました以上は、これを徹底させるということが必要でございまして、私ども従来から監督署等を通じてそれにつとめておるところでございますが、御指摘のように、十分これが守られていないことは事実でございます。まことに遺憾に存じております。私どもこれを徹底させるために、もちろんそういう行政機関を通じた徹底を一そう努力いたしますと同時に、林業災害防止協会というのが全国にわたってできておりまして、組織もだんだん整備し、安全衛生対策の推進に非常に熱心にやっておりますので、この林業災害防止協会等を通じまして、各県の支部、さらにその末端の事業主にこの時間規制その他の予防措置の徹底をはかるように強力にいま働きかけをしてもらうように指示をいたしております。それと同時に、やはり労働者自身の方があまりこの白ろう病に対するこわさ等を御承知なくて、収入をたくさん得たいといったようなことから規制を越えて働かれるという場合もあると存じますので、先ほどから申しております林業の健診等を通じまして白ろう病の非常におそろしさというものを徹底させることによって、そちらの側からも私どもが通達で示しております時間規制等が順守されるように徹底をはかっていきたい、かように努力しているわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ところが、この指導の徹底については、これは昨年の六月十四日、二十一日等の当委員会でわが党の須原委員なり大橋委員等からも指摘されたところなんですが、たとえばその出先の監督署を通じて指導徹底するというこの一つの例をとってみても、その当時もうすでに指摘されておるのは、そういう林業地帯のような監督署には監督官が多くて三名だと、大体二名ほどしかおらぬじゃないか、そういうような監督署が持っておる事業場というのは二千も三千もあるんだと、一体そんなところでどうして指導を徹底させれるんですかということが提起されておったわけです。これは私は、まさにこの数字を考えてみただけでも、とてもこれは指導の徹底といったってできそうな話じゃない、こう思うんです。そこで、指導を徹底されるというのには、やはりこうした面の徹底をすることのできるような機構の問題も考えていかなきゃいかぬのじゃないか。それから、林災防の支部を通じてと言われましても、この林災防の支部の実態を調べてみましても、これもなかなかその指導を徹底させるような機構、陣容を持っておらぬわけです。そういう点をやはり充実させながら指導の徹底ということを考えぬと、指導の徹底、徹底といって委員会のたびに言っても、これはいつまでたっても効果はあがらないということになってしまうんです。この辺をもう少しお考え方はないですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 確かにおっしゃる点はあると思います。監督官の数も十分でございませんし、しかも民官林業と申しますと、山の奥に非常に小人数に作業場が分かれて分散をしているというような点がございまして、その現場の末端まで来るのは非常に回数も少なくなると思うのでございまして、事実そういう点があると思います。で、私ども、しかし、昨年来努力をいたしまして、すべての現場までいかないにしろ、できるだけその現場の、やっぱり事業主団体の事務所等がございますから、そういうところへ局所から職員を派遣いたしまして、事業主の集まり等の場でそういうことの徹底をはかるというようなやり方につとめさしておりまして、地域によりましてはそういう対策協議会みたいのようなものができたところもございます。それから、林災防の組織も非常に脆弱ではないかという御指摘、私ども決して十分だとは思っておりませんが、昨年実はこの六千名の健診を始めましたときも、林災防の組織ではなかなかやり切らぬといって非常に向こうはしり込みをしたわけでございますけれども、私どもは、こういうことを末端の労働者六千人についても健診をやるというようなことを徹底することが林災防の組織も山元まで浸透した組織体制になるきっかけだからということで、俗なことばで言いますと、しりをひっぱたくようにして六千名の健診ということをやらせ、そういう体制をつくったわけでございまして、やってみたらようやく何とかこなしましたということでございます。こういうことを通じまして林災防のそういう災害防止活動なども山の末端まで徹底し得るような体制を今後ともつくるようにつとめていきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、なかなか御指摘のように一挙にはまいっておりませんけれども、ここ一、二年来、だんだんにそういう体制ができつつある、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それからもう一つ指摘しておきたいと思いますのは、ことばじりを決してとるわけではありませんが、チェーンソーを使っておる労働者がチェーンソーのこわさを知らないんだと、確かにその一面もあるかもしれませんが、しかし、大体もうこの白ろう病の問題が騒がれ出して、もう十年からになるわけですから、だからもう大体チェーンソーを使っておる人たちというのは白ろう病というものについての認識が深まってきておると思うんです。おそろしさを知っておっても、いまの出来高払い制の中ではやっぱり収入をふやして生活していくために、おそろしいものだけれども使わざるを得ないのだという実態があるということ、これがやっぱり将来の民間林業のあり方をどう改めていくかということとも関連をして、これは指導、監督するのは林野庁でありますが、それらとも関連して考えていかなければならない問題だと、これは御指摘を申し上げたいと思います。  それから、私はどうも時間規制のこの状態を見ていると、ただ一片の通達だけを出しておいたのではどうにもならないじゃないか。そうすると、これはやはり法的拘束力を持った規制にまで高めていく必要があるんではないか。そういう意味で、この時間規制の問題というものを立法の中で徹底化さしていくというような点はお考えになれませんかね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) その点は確かに一つの問題であると考えるわけでございますが、精密に科学的に言いますと、二時間、これもなるべく連続しないようにというようなことも含めて指示をいたしておりますが、機械がどうか、非常に振動の少ない機械か、振動の多い機械かということによっても精密に言いますと違ってまいる等の問題もございますので、御指摘の点については今後とも十分に研究してみたいと、かように考えるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 もう一つ申し上げたいのは、民間林業労働者のチェーンソーの使用時間が非常に長いということとの関連で考えられるのは、民間林業労働者の労働時間が非常に長いということと関連を持ってくるのではないか。この労働時間の関係を調べてみますと、一日の労働時間、これは休憩を除いた実労働時間が八時間以上というのが大体七四%くらいある。十時間をこえているものがそのうちで一一%くらいもあるという、これは林災協の検診委員会の調査の報告として出されているわけです。そうすると、これは私は労働基準法の四十一条との関連がここら辺に出てくるのではないか。そこで、こういうチェーンソーなどのような有害作業の従事者というのは一般の労働者よりも労働時間はきびしく規制すべきであると思いますので、この労働基準法の四十一条の問題というのは再検討する必要があるのではないか。つまり、この四十一条による例外措置としての扱いはやめるべきではないかというふうに思うんですがどうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のとおり、基準法の四十一条では特例を設けまして農林水産業には労働時間規制を適用いたしておらないのでございます。これは業種の実態からいたしまして、天候あるいは季節等に非常に左右されます。働くときには先生おっしゃるように非常に長時間、しかし、私どもがいままで把握しておりますところによりますと、月の就労日数等は一般の産業に比べて非常に少ない、働くときには長時間働くが、天候等によって働かない日も非常に多いといったような問題等々がありまして、業種の実態から時間規制が農林業全体がはずれておるわけでございます。したがいまして、農林業全部を四十一条の特例からどうするかという問題が一方にございますが、この白ろう病等の問題については、やはり白ろう病になるチェーンソー等の作業をやる時間が少なければ、他に労働時間に運材をしたり、あるいはその人たちが別の造林等の仕事をしたりということをする場合、その労働時間が適正であるかどうかは別として、白ろう病との関係はないわけでございますので、私どもはもちろん基準法全体の労働時間の検討という中で農林業の適用除外がいいかどうかという問題は別途の問題として検討いたしますけれども、この白ろう病対策としては何とかチェーンソーの操作時間、チェーンソー作業への従事時間、これを指導通達を厳守させる、こういう線に持っていきたいということを中心に考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、基準法四十一条の特例措置の問題についてはちょっと再検討の気持ちがないようですから、そうするとそれだけにやっぱり規制時間を守らせるということは責任が出てまいりますよ。何べん質疑をやっても努力しております努力しておりますというんで、そのたんびに病状が広がっておるんではこれは意味なさぬわけですから、その点では責任を持った指導をやっていただくということで、この問題、これ以上触れないでおきますけれども、それは責任をもってやっていただきたい。  御案内のように、先ほども申しましたが、国有林では二時間規制を完全に実施してもなおかつ振動障害の患者が続出するというので、労使間でいま使用時間を一時間にしろという要求をめぐって交渉が行なわれておる状態ですね。ところが民有林の場合には、先ほども言いましたように大多数四時間から六時間働いておるわけです。そこで、労働安全衛生法第二十二条の二項に、騒音、振動から健康障害防止措置を使用者に講じさせることになっておりますね、二十二条の二項から見ると。二十二条に「事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」二項に「放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害」こういう規定があるのですがね。現在の状態というのは、この規定から見ると明らかに違反しておるといえると思うんです。そこで、使用者に対してどんな具体的な指導をやっていこうとするのか、さらに重ねてお伺いしておきたいと思うんです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) いろいろ先ほどから申し上げておりますような四十五年の通達によりまして、時間規制以外につきましても、振動の少ない機械の使用であるとか、あるいは健康診断であるとかいうような指導につとめておるところでございまして、時間規制以外の点につきましても、たとえばもし今後明確になりますならば、機械についての一つの何といいますか振動の基準等をもし設定することができれば、私どもはこの病気の発生を原因からして除去することに非常に有効であろうと考えまして、振動の少ない機械の開発、あるいはそれの基準等の設定ができるかどうか、そういう点を検討をいたしておるところでございまして、そういうものができればそういう面からの規制等も進めてまいりたい。  それから健康診断につきましては、四十五年に健康診断についての六カ月ごとに一回という指導と同時に、健康診断項目等につきましても通達をいたしたところでございますが、先生も御承知のごとく林業災害防止協会に振動障害検診委員会をつくって専門家の方に検討を願っておりましたところ、昨年その報告を得ましたので、秋にはこの健診項目につきましては四十五年の通達を改正いたしまして一そう有効な健診を実施してもらうということで、秋に詳細な健診についての改正通達を出しております。こういうことによりまして、今後一そう予防、規制、こういうものを進めてまいりたいと考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ところが、その二十二条に、先ほど言いました次の健康障害を防止するために必要な措置を講じよということで振動の問題について何を考えるかということなんですがね、これは先ほど聞きましたように、一つは時間規制が重大な問題ですわな。ところが時間規制の問題は、先ほども触れましたが、通達を出しても、その守られておる状況というのはまさに、何というのか、守られておるということがむしろ言えないような状態になっております。ところが、そのほか先ほども話が出ましたが、国有林のほうについては防寒保温の問題であるとか、あるいは機械の改良について積極的に推進していくとか、こういう手もその他打たれているわけですね。ところが民間林業の場合は、これはそういった労働者の環境改善が全体的に見ていった場合でも非常におくれているという気がするのですがね。防寒保温の措置にしたところでほとんど私はやられていないと思うのです。それから機械の改良が民間林業労働者にそのままストレートに持ち込まれて改良機械がどんどん使えるような状態になっておるかというと、これもほとんど私はそういう状態になっていない。そういうような点からやはり健康障害を防止するために必要な措置というものを時間規制を含めて積極的に推進していく姿勢が具体的に出てこぬと、そのことばのやりとりだけではしょうがないと思うのです。それらの点どう具体的に進めるのですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 振動の少ない機械の開発につきましては、昨年労働省から通産省にお願いをいたしまして、通産省の機械の無公害化安全対策委員会というのがございまして、無公害の機械の開発をどういうものからやるかということを通産省でやっておられますが、ここの研究テーマに無公害のチェーンソーの開発、こういうものを取り上げていただく、それに労働省の衛生研究所からも技術者が参加いたしまして、いまそういう機械の開発の研究等に努力をいたしております。それからそういう無公害のチェーンソー等の基準を設定するに基礎となります振動の測定方法等につきましては、労働省の労働衛生研究所で前から研究をいたしておりまして、これはその方面の学界でも高く評価されておると聞いておりますが、そういう研究を進めますとともに、国際的にも国際標準化機構というのがありまして、そういうところで振動測定基準といったようなものの研究が数年前からなされております。これにつきましてはいままで数回の国際会議に労働省からも係官を派遣いたしまして、国際的な協力の場面でもそういう研究に参加させております。ことしも五月にダブリンで委員会が開かれる、これにも労働省から専門家を派遣したいと考えておりますが、そういう面におきましてまだまだ無公害のいい機械が開発されたというところにはいっておりませんけれども、労働省といたしましては努力をいたしておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ところが、民間林業労働者の実態というのは、これも御案内だと思いますが、チェーンソーに限ってみましてもほとんどこれは労働者持ちになっておりますね。しかもその労働者はあまりいい機械を持っていないんですね、実態は。防振装置すらないような機械が相当ある。というのは、たとえば林野庁あたりで、これはもうだめだというので使わないようになったというか、あまり売れなくなったような機械を民間の林業労働者に、これはいい機械だと言って売って回るわけですね。その機械の性能を測定して公表されておるわけでもないし、わからないから、民間林業労働者はそれを買うわけですよ。だから、その実態は民間林業の労働者というのは、せっかく機械の改良が徐々にいって、いいのがあるのに悪い機械をつかまされて、そしてそれを使っておるというのが実態なんですよね。そうすると、幾ら機械の改良を進められ、あるいは研究されてその成果が出てきましても、これは恩恵ないわけですよ。したがって、そこで一体民間林業の労働者により一そういい機械を入手させるようにしてやる手段、方法というのは経済的にも考えにやならぬし、またそれを、そういう機械はこういうものだということを知らしてやるという面からも、両方から考えなきゃならぬ、この点はどうするんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まず第一点に、なるべく害の少ない機械、そういうものについての基準ができましたならば、それを基準に従ってそういうものを表示すること、これは私ども必要だと思いまして、先ほどから申し上げておりますいろいろな研究につきましても、そういう振動等についての基準の表示、そういうものができるようにしたい、そういう基準というものをつくるようにしたいということで、研究をいたしておりますので、そういうものができましたならば、そういう機械にはそういう点を表示させるというようなことによってこれは非常に害が少ない、こういうものは振動の害が大きいんだというようなことを使う労働者に知らせるような方向に持っていきたいと考えております。  で、もう一つ先生の御指摘になりました労働者がそういう機械を実際に手に入れるようにさせるという面につきましては、一定の適正な機械の基準ができましたならば、それを実際に労働者が経済的な面に束縛されることなくいい機械を使えるようにする点につきましては、これは使用者のほうにいろいろな融資その他のことをして、使用者に持たせるのか、労働者直接にそういう道を講ずるのか等々の問題とあわせて、これは今後真剣にひとつ検討してみたいと、かように考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまの労働者にそういういい機械をできるだけ使わせるような方法ということについては、これもこの委員会ですでに論議になっておることでありますが、一つは先ほどおっしゃったような使用者持ちにしていくという方法が一つあると思いますね。ところが、なかなか使用者持ちということがいかなければ、労働者に持たせる場合に、これに対して補助をしてやったらどうかという問題もすでに提起されているわけです、これらの問題は。だから提起されている問題でありますから、いつの委員会でも検討だ、検討だと言うんでなしに、もう提起をされて一年になるわけですから、だから、その後実際に使用者持ちにして、何か融資措置を講じようというのか、あるいは労働者が買おうという場合に補助をしてやろうというのか、まだ出ぬのですか、線が。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 現在のところは振動といっても何か私も専門家でないのでよく存じませんけれども、強い振動でも回数が少ない場合、それから弱い振動でも非常に振動回数が多い場合、それの総合的な有害度からの測定基準というようなものが確立されておらないそうでございまして、こういうのならだいじょうぶだといったような基準がまだ工学的にはっきりされてない。そこでこういうものならというような明確な一つの奨励の対象になるような機械がまだないので、なかなかそこがむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては、使用者側がいい機械、安全な有害性の少ない機械をそろえるために必要な場合については安全衛生融資制度、事業主につきましては、こういう制度が二年前からできております。使用者側が買って労働者に作業用具として整備してやるような場合にはそういう対象にし得ると、かように考えておるわけでございますが、補助までのところは現在までのところまだ実現までには至っておりませんので、今後そういうことが予算的その他からどうかということを十分検討してみたいと、かように考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 次、林野庁にちょっと聞きたいんですがね、林野庁、振動機械の振動強度等について機種ごとにいろいろ調査をして、その資料をお持ちじゃないんですかね、そういうふうなことちょっと聞いてるんですが。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 後ほど資料ございますれば提出いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃ後ほど、そういうことを調査されておるとするなら、いま労働省と私とやりとりをしておるように労働省はまだそういったものについてのものを、資料持ってないわけですよ。だから労働省にそういう振動の問題について、機械の振動状況について調査した資料があって、こういう機械がいいんだというものがあるなら、これは私は林野庁のほうは労働省に積極的に知らしてやって、そして労働省がそれに基づいて民間林業労働者に対してもチェーンソー使用の対策が前進するようにしてやっていただきたいと思うのです、これは同じ政府部内の問題ですからね。まあ、これはあとからあなたのほうの御答弁を聞いてからもう一ぺんお尋ねします。  それから基準局長ね、もう一つお尋ねしたいのは、これね、女子の機械造林手十一名が白ろう症状を呈しておるというのが北海道で認められたというので、北大の渡部先生の報告があるわけです。これはね、私は非常な問題だと思うので、一体女子のそういう機械造林手などというような振動機械を使っておる人が、一体どのくらいあるのか、つかんでおられたらお知らせ願いたいし、それからまた女子に振動機械を使用させるということは、私はこれは禁止すべきじゃないかと思うんですがね、どうでしょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私ども、どうも女子のそういう作業をしている人がいるということは従来存じてはおりません。したがって、どのくらいいるかということについても実態を把握いたしておりませんので、今後ひとつ十分そういう実態を把握をしてみたいと、かように存じます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは「北海道の民間林業における振動障害」ということで、北大の渡部先生を中心に北大の医学部の公衆衛生学科でしょうね、公衆衛生教室でしょうね、そこで調査の結果として発表されておるわけです。したがって、私はこれはまんざらそういう事実はないとして否定するわけにはいかぬだろうと思う。したがって、さっそくこれは実情を調べていただいて、そしてこの女子に振動障害の機械を使用さすというようなことは、これは私は規制していただきたいと思うのです。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) いまの矢山さんのお話、まさに労働省としては初耳でございますので、さっそくその北大の先生のところに御照会申し上げるとともに、もしそういう地域がわかっておりましたら、私のほうの役所を通じてすぐそのフォローさしたいと思いますので、資料がありましたらお貸しいただきたい、こう思います。さっそくこれは調べます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働大臣のほうからさっそく調べて措置するということでありますから、そのようにお願いしておきます。  次に、質問を移しますが、労働安全衛生規則の第四十三条の「(雇入れ時の健康診断)」ということは、これは林業のように日雇いの雇用形式をとっているところでは大体何日以上引き続いて雇用を見込んでおる者に対して実施させるという考えなのか、ひとつ伺いたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 日雇いの形式をとっております者でも、実際上継続して同一事業場に就労するような場合には、私どもは大体三、四カ月ぐらい継続するような場合には雇い入れ時の健康診断をやるようにということで指導をいたしております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 三、四カ月ですか。私のちょっと聞いておるのはね、一週間以上引き続いて雇用するような場合というような話が出ておるというふうに聞いておるんですがね、これは間違いですね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まあ、数日から一週間程度ですぐやめてしまうような短期のものでございますと、なかなか雇い入れ時と申しましても、健診を受けさせる前にすぐにその期間が切れてしまうというような問題もございまして、それまで、もちろん雇い入れ時健康診断をやることは望ましいことでございますけれども、強くこれをやれということはなかなか困難だと思っておるわけでございますが、まあ三カ月ないし三、四カ月以上同じ職場にいるような場合には、形は日雇いの形をとっておりましても私ども事実上継続的な就労であるということで、当然これは雇い入れ時健康診断をすべきだとこういうことで指導をいたしておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、三、四カ月以上ぐらい引き続いて雇用を見込んでおる場合に、採用時の健康診断をやらせるというのが労働省の考え方であるということで理解してよろしいね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) はい。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そういうふうにじゃ理解していいということでありますから、次に質問を移してまいります。  林災協の検診委員会の報告書を読んでみますと、定期健康診断を受けたことが全くないというのが四三・二%ありますね。そしてこれは非常に地域差が大きいんです。で、近畿地方では実に九〇・四%がこの健康診断を受けたことがない。こういうふうな実情でありますが、これはまさに私は労安法からいうなら法律違反だと思うんですね。で、労働省としてこれだけ民有林労働者の健康問題が表面に出ておるときに、一体こういう状態というのをどうして改善しようとするのか、先ほどもちょっとお話を聞きましたが、私はこういうふうに健康診断が法律に定めておってすら行なわれない。全然受けたことのない者がこれほど多数おるわけです。一体どうしてこれ改善しますかね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) そういう法律がまだ守られていない状態が多数存在するということは、私ども非常に残念に思っておるところでございます。で、もちろん法律を周知徹底して、その義務を履行させるということは当然でございますけれども、そういう面と同時に、やはり実際に行なわれるような体制をつくることが必要だと考えまして、先ほども申し上げましたが、巡回健診といったようなことを大規模に昨年は実施し、さらに事業主みずからがそういうことをやれるように昨年の秋以来、健診体制ということの確立ということをはかっておるのでございまして、まあ林業の事業主の中には非常に小規模なものもございまして、個々の事業主に健康診断の義務を履行せいといってもなかなか実際問題としてやれません。そこで、地域の林業事業主の団体等が地域の医療機関と連携をとり、あるいはその地域の市町村等の地方公共団体とも連携をとって、そうしてそういう体制をつくって、そうして医療機関と連絡をとって、何月何日から何月何日まで労働者を何人ずつどこでどういうふうにやれば健診を受けられる、こういったやっぱり体制を実際につくることが実際に実行させるためには必要だと、こういうことでそういう体制の整備をいま鋭意樹立するようにやらせておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこでね、もうちょっと具体的な話にしませんか。鋭意健診を受ける体制をつくるというのだが、地方公共団体にも協力を仰ぐというのだが、一体具体的にはどういうふうな形で仰ぐのか。たとえばぼくのほうからひとつまあしろうとながら考え方を言わせてもらえばね、各県には保健所を各地域に持っていますわね。だから保健所あたりと緊密な連絡をして、その保健所を拠点にして健診体制を整備していくと、つまり保健所に要員を確保する、あるいは施設を配置する、こういうようなことも考えられないのかどうか。これらはもっと私はいまの抽象的な話より一歩進んだ話になると思うのですが。そういう点で厚生省あたりともその健診体制の整備ということで、労働省でああだここだ、こうしたいああしたいといって頭悩ませて考えるだけでなしに、具体的に実現する方向として厚生省あたりとあるいは具体的な話をしたとか、あるいは地方公共団体にそういった具体的な話を持ちかけてみたとか、あるいは持ちかけてみてないとするなら今後持ちかけるのか。そういった点どうですかね。考えられませんか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まあ、林業労働者が就労しております場所は、非常に山の奥、へんぴなところでございまして、なかなか保健所などからも相当距離が遠い場合があるわけでございます。従来健診などに行きましても、山元の公民館とか学校等などでやりましてもなかなかそこまでおりてくるにも相当距離が遠いというようなことで、なかなかそこまで来られないという点がございまして、やはりもっと作業場所に密接したような形で体制をつくることが必要じゃないかということで、私どもいま考えておりますのはもちろん県等の御協力も得ておりますが、主としてやっぱり地元市町村に御協力をいただくということで、奈良県その他特に林業が集中しておるような地方におきましては市町村にお話しを申し上げて、そうして、そこの医療機関と連絡をとる、そして、それにその地域の林業の事業主団体、こういうものがその実施の主体になりまして、それらと連携をとってそういう健診体制をつくると、こういうことで話をしております。主として市町村のほうにお話を持ちかけておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうするとね、たとえば市町村に対して、まあ村役場までおりてこいといってもこれもまたたいへんだろうと思うのです。そうすると、市町村にたとえば巡回車を配置をし、そうして市町村に要員を確保して、そこを拠点にして現地に出向いて健診をやると、こういう考えなのか。もしそうだとするならね、それに対する要員なり施設というものを整備してやらなきやならない。それに対して国として金を出すのか出さないのか。これは金出さずにそういういなかの市町村に健診車こしらえてその要員を確保してやりなさいと言ったってこれはちょっと私はむずかしいと思いますよ。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) そういう市町村に医療機関等があります場合には、私どもはできるだけその医療機関と相談をして何月の何日から何月何日まで、その期間毎日かあるいは曜日を指定して林業の労働者の健診をしてもらいたい。そうしてそれに対しまして林業の事業主団体のほうでは一ぺんに集中したりしないように人数の割り当てを行ないまして、労働者に、何月何日どこそこに行けば健診を受けられのだから受けるようにせいといったようなことで医療機関と事業主団体との連携によってそこへ来て健診を受けてもらう。で、そういう地元に適当な医療機関がない、あるいは医療機関までおりてくるのがたいへんなような場合には、巡回診療班をつくりまして、それをもっとその作業現場に近い、たとえば学校の分教場であるとか、そういうところまで出向いて、そうして、そういう場所の提供等については、公民館なり学校等については市町村の御協力を仰ぐといったようなこと、そうしてそこに事業主団体のほうで日時を指定し、労働者に何日間かに分けて割り当てをして健診に来させるようにするとか、こういったような体制を考えておるわけでございます。で、今年の六千名の巡回健診につきましては、林災防のほうに労働省から予算を流しまして、林災防を通じてそういう経費の補助等も行なったわけでございますが、まあ本来は健診はこれは使用者の義務でございますので、使用者が経費を持つのが本来。したがいまして、いま言いましたような健診体制をとる場合にもその地域の事業主団体、これが事業主等から一定の経費の負担をさせて経費を持つ、こういう体制にするのが本来だと思っておりますが、そういう体制ができ上がるまでにつきましては、状況の推移等を見つつ昨年六千人の健診についてやりましたような一部の経費を国が補助するといったようなやり方も考えてみたいと、かように存じております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 なるほど、その地域の医療機関を盛んに強調されるわけでありますが、もっともこの四十八年の三月十四日に「林業労働者に係る振動障害の補償等の取扱いについて」ということで、健診等をやるために、あるいは治療をやらすために医療機関の把握をしろ、こういう通達も出ておるのですが、これに基づいて実際医療機関を把握して見られましたか。私はそういう林業自体というのはなかなか医療機関すらろくにないんじゃないかという気がしておるのですが、医療機関の把握が不確実であり、そしてまた調べて医療機関すら存在しないという場合にどうなるかという問題も出てくるわけですね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) その点につきましては、健診体制の確立の通知を出しましたのは昨年の十一月でございまして、地域あるいは地域の自治体あるいは地域の事業主団体と連絡をとって、そういう確立をはかれというふうに言ってございます。したがいまして、一定の期間経過しましたらば、その経果の報告を取ってみたいと思っておりますが、たとえば村の診療所等があってそれに御協力願える場合にはそういうもの。それから、その通達でも近くに医療機関がないような場合には、なるべくその地域に近い労災病院あるいは国公立の病院、そういうところとよく話し合いをして、そして巡回健診班等を出してもらうような体制、こういうものをつくるようにせい、こういう通達を出しておりますので、いま先生御指摘のように、地元に村の診療所等がない場合もかなりあると思います。そういうものにつきましては、できるだけそこの地域に近いそれら国公立、官公立病院等々の協力こよる巡回健診体制、そういうものをつくるようにしたいということで進めておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 話はこまかくなりますが、医療機関の把握の通達が出ているのは四十八年の三月十四日ですから、これは一年以上になるんです。把握はされてないわけですか、実態は。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 昨年三月の通達によりまして、できるだけ地元のそういうこれは治療面でございますが、診療機関との連携をつくるように通達をいたしておりますが、ただいま申しました健診体制を体制としてつくるように指示をいたしましたのが十一月でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 だからね、治療に適した病院を、医療機関を把握せいというのだから、そういう医療機関というのは同時に健診にも使えるわけでしょう。だから三月に出ているのだから、もうそういうものが把握されてなきゃならぬという立場で言っているわけです。おそらくいまの答弁から見ると把握してないんだろうと思う。これはやっぱり早く把握してもらって具体的な構想を立ててもらわぬと、これはやっぱり論議だけに終わると思うんですよ。この点はぜひ早急に把握をするようにしていただきたい。  それから、これは厚生省にお尋ねしたいのですがね、いま聞いておりますと労働省のほうでは盛んに国公立病院等の協力を得て健診体制を強化するんだと、こういうお話なんです。いまの状態で、それら厚生省所管の国立病院で、そういうふうなことでやれる状態にありますかどうか。もし、あなたのほうで公立病院の状況までつかんでおられるようなら、その公立病院についてもそういうことがやれるような体制にあるのかないのか。もし体制にないとするならどういうふうな措置が望ましいのか。これらについて積極的に労働省と相談をなさって解決をしていく意図がおありになるかどうか、それらの点どうでしょうか。

山中和厚生省医務局国立病院課長

○説明員(山中和君) お答えいたしますが、いまの白ろう病につきまして、現在具体的に協力いたしておりまするのは、これの治療という面で例の温室治療、温泉病院の開放を行なっております。これは地元営林署との協定のもとに、現在行なっておるのが長野病院と三朝病院で行なっております。ここで若干の患者の治療をしております。現在の健診体制でございますが、国立病院として申し上げますと全国九十三カ所ほどございまして、決して全体に平均的にばらまかれておるわけではございませんから、なかなかそこへぴったり当たるということは全国的にはなかなか困難だと思いますが、しかしこれは健診体制と——いま地域保険課長も来ておりますが、先生いま御提案の保健所というのは地域医療をする場でございますから、保健所を含めましてレイノー病ではなくて白ろう病と申しますと、これは一つの職域病になりますから、これを企画をひとつ労働省でしていただきまして、それに労働省とよく協力いたしまして、そのまあ健診と申しましてもこれはレイノー病の診断をいたさなければなりませんから、そういう面のまあ外科系の医師と申しますか、そういうものに対しては具体的に協力して人を出すというようなことは大いに協力いたしたいと、こう考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 だから、労働省のほうに申し上げたいのは、やっぱり具体的に計画を立てて、現在ある国公立の病院を活用することは最大限活用する。民間医療施設を活用するのは活用する。保健所なら保健所を活用する。それぞれの地域の実情によって違うと思うのですね。だから、それをやっぱり早急に把握されて、それぞれの関係機関と具体的な折衝をやられぬと、議論だけでは私は進まぬと思いますね。まず具体的な方法を確立する。そして、それに対して、それは予算措置が要るなら予算措置をやっていくと、こういうことでないとだめだと思うのです。それ早急におやりください。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、そういう趣旨で昨年十一月に個々の地域ごとにやるようにということで基準局にやらせております。地域によってはすでにそういう協議会みたいなものができて、市町村も入ってそういう体制をいまできつつあるという報告を受けておるものもございますので、先生の御指摘のようにできるだけすみやかに、林業地域は各地域ごとにそれぞれの条件に応じた体制を具体的につくるようにしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは私もいささかの時間をおいて、またそういうことでそれぞれの基準局で具体的にどういう措置をとられたかということをお聞きしたいと思いますから、今度の場合はある程度具体的に議論ができるようにひとつ準備をしておいていただきたいと思います。  それから、先ほども申し上げましたように、健康診断を受ける民間林業労働者というのは非常に少ないわけですね。それから、例の特殊健康診断ということでこれを受ける人もきわめて少ない。その原因というのは私はいろいろあると思うのですよ。ところが一つの大きな原因というのは、これは使用者側にもあると思うのですね、使用者側にも。つまり、健康診断を積極的に受けさして、そして労働者の健康管理をしてやらなければならぬのだという責任観念が全然ない。これが一つ。  それからもう一つは、やはり賃金問題がからんでくると思うのですね。健康診断を受けに出るということになると、現地まで巡回診療車がいてすぐ受けられればともかくとして、まあ一日でもひまをかけて行かにゃならぬようなことになると、これは林業労働者の場合は賃金保障がないということで、なかなかむつかしいという面がある。そこらでやはり健康診断が積極的に受けられる体制をつくるのには、そうした巡回診療車を回すとか、あるいはその体制をつくることと同時に、使用者側に積極的にその労働者の健康を管理しなければならぬ責任があるのだという意識を持たせること。そして、一つは労働者が積極的に受けられるように賃金の保障という問題をどう考えるか。これらの問題が出てくると思うのです。どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生の御指摘のとおりだと思いまして、確かに出来高によっておりまする林業労働者については、そういうような点があると思いますので、この点については私ども使用者にそういう点についても十分に賃金の保障等についても配慮をして、そうして使用者が自分たちが労働者の健康管理をするのは事業主としての当然の義務だという立場に立ってこれを推進するように指導いたしたいと考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それで基準監督署あたりを最大限に活用して健診状況をつかんで、そして使用者で、どうしても健診を真剣にやらそうとしておらないような者に対しては、例の労安法の六十六条の四項あたりで健康診断をやらせるという指示ができるわけですからね、労働省は、それを発動するぐらいの強い姿勢があっていいんじゃないですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) おっしゃるとおりでございまして、これはもう安全衛生法から当然使用者の義務であることは守らせなければならないわけでございますので、そういう姿勢で臨みたいと思います。ただ、非常に小さい事業主ですと、労働者も少ない、山の中の非常に奥のところまでなかなか医者が、ごく少数の人数のために行ってくれないといったような問題もあると思いますので、そこで私どもは業者の団体に共同で健康診断をやらせる、そこへ、まとまった人数のところへ医者に行ってもらう、たとえて申しますと、従来私ども聞きますと、健診をやるといって従来の巡回健診みたいなことをやっていたところもありますが、かなりふもとのほうの町までしか健診班が行かないと、なかなかもうめんどうくさがって山から出てこないということを聞いておりますので、今回やりました六千名につきましてもできるだけ作業現場に近い山の奥まで巡回健診班をやりまして、労働者が受けやすいようにするというようなことも考えておりますので、個々の使用者にそういう指導をすると同時に、やはり実際的なのは使用者が、地域の林業事業主がまとまってそういうことをやることが実際にはやりやすい方法でないかということで、先ほど申しておるような体制のもとに今後は健康診断を確実に実施させる、こういうふうに持っていきたいと思っておるところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこでいま六千人の健診をやっておいでになるわけですが、この健診に関連して一つ二つお伺いしたいんですが、四十八年の十月十八日付の通達で、林災協の検診委員会の健診についての答申とは別な健診方式を出しておられますね。検診委員会における労働省の考え方は、これはまずいという意見がこの振動障害検診委員会第十三回会況の中で見受けられるわけです。また、名古屋で開かれた産業衛生学会の中でも労働省がいまやっておる健診のやり方について批判意見がありますね。今後これらの批判意見にどういうふうにこたえようとされるのか、私は四十八年十月十八日付の通達で一次健診、二次健診に分けたあの方式ですね——中身は申しませんが、あの方式というのは私は問題があると、やっぱりそうでなくても健診が徹底しない民間林業労働者の実態を踏まえるなら、健診は第一次健診ですべて終わるような体制というものを考えるべきじゃないかと思うんですが、どうですか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 委員会の報告とこの通達で定めました健康診断の大きな相違点は、二次健診のほうに末梢循環機能検査の負荷テストを回したということでございます。これ先生御承知のように負荷テストといいますのは、五度C、摂氏五度の非常に冷たい水の中に十分間両手を入れまして、その後つめの圧迫テストあるいは皮膚温の検査等をいたす健診項目でございますけれども、実はこれは委員会で実態調査の際に、健診をこれによってやりましたときに、労働者の中にはこの非常に冷たい水の中に十分間も手を突っ込んでいることはとても耐えられないということで途中で健診を中止したというような事例が相当ございます。そういうことで、すべての受診者に対してこの負荷テストを行なうということは非常に問題があるということを考えまして、特にそういう負荷テストを必要とする者、すなわち一応異常所見が見られて、二次健診で管理区分を十分にしさいに検討する必要があるという場合に限ることが適当ではないかという判断のもとにこれを二次健診に回したわけでございます。しかしながら、私どもとしましては現在行なっております一次健診で必要な管理区分が十分把握できるというふうに判断しているわけでございます。  ただ、いろいろ御批判もありますので、今後健診をいたしました実績の中で検討いたしまして、またこの健診項目、現在の昨年の通達で定めております健康診断項目を私どもは絶対のものとは考えていないわけでございまして、今後健診の実施状況を見ましてさらに改善することについては検討してまいりたいと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私が申し上げぬでも、これはあなた方のほうがよく御存じだと思うのですが、振動障害検診委員会の十三回の会況を見てみますと、こういうことを言っているでしょう、冷水負荷テストを第一次健診項目からはずして第二次健診に回すことについて次のような意見が出されたということで、主要な意見として、  常温のテストでは重症患者だけしか発見できない。  自覚症状がなくとも神経障害が出ている者もあり、潜在的症状をみるために冷水負荷テストが必要である。  振動障害は早期に発見することが大事であり、そのためには冷水負荷テストが必要である。  常温テストでの異常者にたいしては、むしろ、冷水負荷テストは必要がない。  健診要領は労災の認定資料となる程度のものをとること。林業の場合、山間僻地で実施しなければならないことの二条件を前提として検討したものであるが、あえて冷水負荷テストを入れたものであり第一次からはずすべきでない。こういうような意見が述べられたと。  それからまたこういうことも言われておりますね。「民有林における振動障害の健康診断のあり方に関する検討」として出されておる報告書を見ますと。 こういうようにいっています。  振動障害を把握する上で冷却負荷テストを必須の検査項目とみなして受診者全員に行ってきた。その理由は、まず、1現地で行うばあい、何度も検診をくりかえすことは受診率を低下させるので、できるだけ一回の検診で判定する必要がある。2振動障害のような長期を要する障害の場合、経過を本人の訴えと共に客観的にデータとして把握する必要がある。3また、現場の医師としても学問的にうらづけの行える検査項目でなければ興味をひかないであろうし、持続的にとりくむことができない。それから四番目、これはあなたがいまおっしゃったことに関連するわけですが、  4医者——患者関係においてもこれまでトラブルがおこることはなかった。事実、いやがって検査を中断した者、苦痛がつよく中断したものはなかった。他の疾病等で除くべきものは事前にチェックした。かえって、精度の高い検査を行うことによって労働者との信頼関係が深められ、予防対策、治療にも良い効果をもたらした。 こういうふうに言われているわけですね。  私は、実際にこの健診に携わった人たちから聞いたところによりましても、冷いからいやだとか苦痛だとか言った人は私はないと聞いているのです。むしろ一次健診で明確に診断をしてもらって労災認定まで持っていってもらったほうがいいと、一次健診だけはやってもらったが、そこで、一次健診で出てこないような——出てくるのはこれは重症者だけだというような話ですから、そうして出てこなかったからというので二次に回されたのじゃたまらないと、こういう意見が非常に強いということを聞いておるわけです。しかしこの六千人の健診の場合には、第一次健診については半額補助していますね。大体三千円、一人当たり三千円と見て千五百円補助している。ところが第二次健診については補助何にもないわけでしょう。だからこうなると、一次健診を受けて、はたして第二次健診がやってもらえるのかやってもらえないのかわからない。そうすると一次健診で出てくるのは重症者だけです。軽症者というのは二次健診に回されちゃう。そうすると、早期発見、早期治療がこれほどやかましくいわれておる白ろう病について見落としがたいへんできてくる、こういうことになるんです。だから私は、少なくとも振動障害検診委員会からわざわざ御案内のようなその健康診断要領も長い間の調査と討議を経て出たものですから、だからその意見というのはやはり尊重されて、そして冷水負荷テストを一次健診に加えていくというのが私は筋じゃないかと思うんですがね、さよう御意見を承りたいと思います。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 健康診断に対する基本的な私どもの考え方は先生御指摘のとおりでございまして、早期にやはり異常者を発見して、早く手当てをして治癒させるということがぜひ必要でございます。そういう観点から考えまして、御指摘のように、もしこの一次健診で負荷テストをやらないがために軽症者が発見できないというようなことがあればこれはたいへんだと思いますので、十分今後の検討事項としまして、特に三十八年度に多数の健診をやっておりますので、その結果等を考慮いたしまして前向きに検討いたしたいと考えております。  なお、第二次健診につきましての国の補助、まあ委託健診経費でございますが、これは実は四十八年度まではこの予算がございませんので、二次健診については補助がなされておりませんけれども、四十九年度、新しい今年度からはそのための補助経費も予算に計上されておりますので、そういう経費を使いましてさらに精密な健診をいたしたいと考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、いまは六千人の健診はいずれにしても通達どおりに第一次健診と第二次健診とに分けてやっておられるんだから、そこでこの問題について言うなら、これは私は、振動障害検診委員会のメンバーがいずれも指摘しておるように、冷水負荷テスト抜きにしては軽症者は発見できないと、だから第一健検診では重症者だけしか発見できないということを非常に気にしているわけですから、したがって、これは第一次健診でかからなかった者、これは全部第二次健診で健診を受けさせるように努力してもらわにゃいかぬと思うんです。この第二次健診が受けられる者が非常に少なくなっちゃって、これがいいかげんなことになったら、まさにその委員会の指摘しているように重症者だけ発見されて、軽症者が見のがされてしまう。早期発見、早期治療にならないということになっちまうわけですから、だからいまその第二次健診の補助も考えておられるということですから、これは補助を出したって必ずしも第二次健診全部受けに来るとは限らぬ、なかなかいまの健康診断の状況から見よると。だからこの第二次健診は全部に受けさせると、そのための方策をどうするのかということまで考えておいていただかぬと私は問題が残ると、こういうふうに思います。どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先ほど安全衛生部長が申しましたとおり、私どもも検診委員会の御意見をできるだけ尊重するという立場で健診に当たっておるわけでございますが、実際の実行上いろいろ問題があるのではないか。まず、いままでよりも精密なこの健診をスムーズにやるには実際的なやり方としてはこう分けたほうがいいんではないかということで分けたわけでございますが、先生御指摘のような二次が必要な者でも来ないといったような場合等もおそれがございますので、通牒でもそういう者については日をあらためてということでなくて、引き続いて実施することが望ましいということで、なるべく引き続いて必要な人はその場ですぐ二次健診のほうに回すといったようなことでも考えておりますし、一次健診でいいと言われた人でも本人が希望する場合には二次健診を受けさせるというようなことで、現在の六千人の健診もやっておるわけでございますが、御指摘の点もございましたので、この六千人の健診の実績等を踏まえましてさらに検討してみたいと考えます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 押してお伺いするようですが、現在まで六千人の中で全員はまだ済んでおらぬわけですね。すると済んだ者についてはおっしゃるように第一次健診、第二次健診、当時やりましたか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) まだ健診の結果は一部しか報告が来ておりませんけれども、主として一次健診の結果として出てきておりまして、その一次健診の結果を実は本省で整理をいたしまして、そして管理区分等を決定して、その後二次健診を実施するという段取りにしているわけでございます。  なお、先ほど局長が申しましたように、今回の健診につきましても、一次健診において二次健診の項目もできるだけやるようにと、また希望する者については二次健診の項目も実施するようにということを指示しておりますので、そういう面では相当程度実質的な二次健診が行なわれているというふうに考えているわけでございます。ただ、その実態はまだ報告が参っておりませんので、わかっておりません。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これ、大体いつごろまでに終わる予定なんですか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 健康診断につきましてはすでに四十八年度三月末で終わっております。その結果をいま各地方で整理をしておりまして、それが順次本省に報告が来ているという段階でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、やがて終わっておるんなら報告もくるでしょうから、できるだけ早く報告を集計されて、そしてやっぱり一番問題になっておる第一次健診では重症者しか発見できませんぞというこの問題を解決するために、やっぱり第二次健診の手を早急に打ってもらわなければならぬと思うんです。これはやっていただけますね、あらためて。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 実施する方向で検討いたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それでこの問題が議論になったときに、労働省から山本さんが委員に出ておられましたね。この人こういうこと言っておられるんですよ。「現実をふまえて、かつ、出来るだけ冷水負荷テストを加えるよう努めることも併せ考えて労働省として進めることにしたい。これは今年度だけの問題で来年度は改めて検討する。」こういうふうに言っているわけです。私はこれから正直にこれを、山本さんの言われた意見というのは労働省の代表意見でしょうから、これをこのまま正直に受けとめるなら、四十八年度はこの通達で第一次健診、第二次健診に分けてやったけれども、次からはこれは再検討して改めましょうと、こういう意味だろうと思うんです。それから基準局長も当委員会でこの問題議論になったときにやっぱり言っておられますね。検診委員会の結論が出ればそれを尊重して一そう有効な健診をするようにしたいと、こう言うのですから、尊重して一そう有効な検診をしたいということになりゃ、これはやっぱり振動障害専門委員会として長い間やってきたまさに専門家の集大成としての意見ですから、それは丸ごと尊重してもらわぬと、おそらく局長これ、あまり専門家じゃないでしょうからね。その専門家でないところで専門家の集大成した意見を尊重すると言いながら水増してもらっちゃ困る。これは今年度限りの問題として、次は改めるというような積極的な御意見が承れれば私はまあ一歩前進だと思うんです。これは労働大臣のほうがいいかもしれませんね、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私も実は宮城県の林業団体連絡協議会の会長をしておりまして、よく団体の関係者が集まったときに白ろう病のこわさというものを申し上げているわけであります。先ほどから矢山先生のお話承りながら、やはり自分の健康を守ることは労働者の一番大事なことでありますから、制度があっても、先ほどお話のあった関西地方で九〇何%も健康診断を受けないというふうなお話もありまして、一方では事業主に対してPRし、そしてまた自分の健康を守るという立場からこれを受けてもらうというそういう姿勢、その中にこの委員会において何さま非常に大きな山を再開発していくという大事な労働者の諸君でございますから、この方々の生活と健康を永久に守るための施策がこの委員会で御議論されておるわけでありまして、何といいましても、将来の問題としますと、チェーンソーそのものの無振動といいますか、人体に害のないものを開発するということが、まず一番。そして、そういう人が防止されるということが私は最大のことだと思っております。健康診断と申しましても、先生御承知のとおり、普通われわれがいなかで健康診断を巡回車が来たとき簡単に受ける、そういうものじゃありませんので、見れば見るほど、温度を何度に保っておいて、冷たい水を何度にして、それに何分間手をつけろ、あるいはからだをどうしろということで、一人一人が三、四十分以上かかる非常にむずかしい健康診断なんですね。でありますから、結局報酬の関係あるいは時間が惜しいという関係、そんなことで、なかなか大事なことであると思いながらも、そこへ出てくるということも少ないんじゃなかろうか。にもかかわらず、それでもなおかつ第一次健診をやり、さらには何といたしましても第二次健診もやりつつ、一方においては無振動のそういうチェーンソーを発明していく。幸いに私のほうの役所も御協力申し上げたりしまして、これは通産省あるいは林野庁、そういうところと連絡をとりながら、そちらのほうの開発もやっているということでございまして、万万のひとつ対策というものをやってまいりたいと思っております。あらためて労働基準局長から、各役所に、各県に出しました通達をさらに一そうこれは徹底いたしまして、知事さんなり、あるいはその地方の林務官なりあるいは町村長なり、これは山を持っておる町村というのは、どの県においてもそう数がないわけでありますから、そういうところに趣旨を徹底させて、自分たちで防げる災害は、自分たちでひとつこういう制度でなくしていこうじゃないかと、こういう前向きの姿勢をあらためてとりたいということを、先ほどの御論議を通じて、私自身の胸の中にも実は決意をした次第でありまして、御期待に沿うようにやってまいりたいと、こう思っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 基準局長、今年度限りというのは……。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) それは前向きでやります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それじゃ、これは労働大臣から、−せっかく振動障害検診委員会の答申を尊重して、第一次、第二次健診の問題については、冷水負荷テストを第一次健診に入れて、一ぺんの健診で軽症者までも見のがさないように発見できるような措置をとっていこうというお考えのようですから、ぜひそういうふうにやっていただきたいと思います。  それから、もう一つ。このいまの労働省がやっておられる第一次健診、第二次健診のやり方をしますと、もう一つ問題が出てくるのは、林業労働者というのは非常に流動的でしょう。したがって、第一次健診を受けて、その職場をやめちまったと。そういう人を今度は第二次健診に持っていくのは非常に困難ですね。そういうことも起こってくるわけです。ですから、私は、その第一次健診で見分けができる、そういう健診項目というものを入れていかなきゃいかぬと、こう思っておりますから、これらの問題も含めて御考慮をお願いしたいと思います。  それから、四十九年度の労働省としての健診計画はどうなっておるのか、お聞きしたいと思います。六千人の健診というのは四十八年度としてやられた分だとぼくは理解しておりますので、四十九年度はどういう計画があるのか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) いま検討中でございまして、まだ具体的に本年度の計画は確定をいたしておりませんが、先ほど申しましたような昨年十一月に出しました各地域ごとの健診体制、これの報告等をとりまして、それとにらみ合わせて、四十九年度の健診につきましての実行計画を立てたいと考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこでね、これはなかなか労働省としてはお答えができない問題ではないかと先に申し上げちゃ失礼なんですが、民間林業労働者の要治療者の数がどれぐらいあるのかということを、大体概数ででもつかんでおられますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 率直に申しまして、いまのところそういう推定もはっきりしたものを持っておりませんが、今度の健診の結果によって、ある程度推定ができるのではないかと期待をいたしております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 全国の山林労働組合がこれは調査したものなんですが、全国で三百四十八名の要治療者の追跡調査をしたのです。そうしたら、その要治療者三百四十八名のうちで労災の認定を受けた者が八十八名、だから二五・二%ですね。認定申請中が十七名、あと大半の二百四十三名は、認定も受けようとしていない。しかも未認定者で通院治療中の者が六十三名いる。ところがこの六十三名のうちの大半の四十六名は、通院治療しておるのに、なおかつ労災の認定を受けようとしていない。また、何もしていない者が百八十九名ある。何にもしていない。この事実を一体労働省はどうお考えになりますかね。私は、健診をして、要治療の診断を受けた後のこの対策というものが、この数字を見てきわめて重要だという感じがするわけです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私もいまの数字を伺いまして、全く何にもしていないという人は、案外、白ろう病のこわさというものを御承知なくて何もされていないのではないかとも思いますが、四十六名でございましたか、先生おっしゃった通院治療を受けておるのに労災の認定をお受けにならないというのは、ちょっと非常に理解に苦しんでおるわけでございまして、労災の認定をお受けになりますれば、これは労災が全額負担してやるわけでございますから、全く御本人、労災の認定を受けることによって、費用がかかるとか、こういう問題はないのに、なぜお受けにならないのか、私ども非常に理解に苦しむところでございます。で、私どもは、林業労働者等の方は、山の奥におられるために、労災保険等の知識等もあまりお持ちでないのではないかということも懸念いたしまして、昨年三月の通達で、そういう方にも、たとえば監督に行ったときのような場合には、パンフレットをそういう作業場の事務所にでも置いてくるといったこと等を通じて、ひとつ安心して労災をお受けになるように周知徹底をはかるように指示をしたところでございますが、今後ともそういう労災をお受けになるのは全然費用の負担等も要らないので、御心配ないのであるということを十分徹底いたしまして、積極的に労災を利用していただくようにしたいと思います。  なお、今回の六千人の健診等を実施するにつきましても、健診の結果、もちろん治療を要するというふうに判断された方には、必ず治療を受けられるように御指導するということで、今回の健診も行なっておりますので、今回の健診等で発見された方には、ぜひ労災保険を利用していただいて、十分な治療を早日に受けていただくようにしたいと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それは局長ね、労災保険の存在を知らないからでもなければ、あるいはまた白ろう病のおそろしさを知らないからでもないのです。これが、こういう現象が起こる理由というのを同じく調査しておるのです。それを御紹介しますとね、こういうことです。この要治療者の追跡調査の中で、認定申請も治療もしない人々に、つまり何にもしない人ですね、しない人々に、その理由を聞いたところが、——何にもしない人というのは、先ほど言いました百八十九名ですからね、そのうち四十四名が、治療施設がない、または通院困難を理由にしているわけです。それから所得低下で生活が困難であるという理由で何にもしてないというのが百二十一名あるわけです。それから認定されたら使用者から働かせてもらえないというのが三十三名もあるわけです。これは私は、こういう問題について具体的な措置を講じなければ、これは早期発見、早期治療と言ったって何にもならぬという気がするわけです。この現実を見て私は対策を立てていかなきゃならないと思うんです。御所見をお聞きしたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まあ、いまの御指摘の点、二点あると思います。  一つは診療施設が近くにないという点、これは地域のいわゆる無医村等の問題もあると思います。まあ、そういう診療体制をどう地域とも連携をとってやっていくかという問題、それから、まあ、どうしても通院可能なところでそういう診療施設がないような場合には、労災の場合ですと入院して離れたところで治療を受けていただくということも、これは症状が軽い方でも私ども考えてまいりたいと、かように考えるわけでございまして、そういうことによって利用し得る診療施設がないために治療を受けないというような方については十分御相談に応じ、治療を受けていただくという方向でお世話をするようにしたいと、かように考えます。  それから、収入の点でございますが、治療のために賃金が得られないという方につきましては、労災から休業補償が出るわけでございます。従来これが六割であるために、六割の休業補償では生活面の顧慮があってなかなか受けにくいということもあり得ると考えます。で、これにつきましては、御承知のとおり、今国会に労災保険法の改正を御提案申し上げておるわけでございますが、その一環といたしまして、休業補償は従来どおりこれは今後も六割でございますが、八日以上にわたるような長期の療養を要される方には今後は労災の保険施設として特別支給金という形で二割さらに保険施設からの支給を行なう制度も今回とるようになっておりますので、まあ、これで一〇〇%十分であるということも私ども存じません、そこまでは申しませんけれども、今後は労働者の生活面というようなものを休業された場合にもいままでよりははるかに改善されることになり得ると、かように考えるわけでございまして、そういうことを踏まえてできるだけ早く治療していただいて、早く元気になっていただければまた働いて収入をあげていただくこともできるわけでございますので、そういうことで積極的に治療を受けていただくように今後も御指導したいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それでね、まあ、それぞれ対策をお聞きしましたが、もう一つ問題は、その認定されたら職場を失うという問題があるんですよね。これはまさにこれくらい深刻な問題はないと思うんですよ。   〔委員長退席、須原昭二君着席〕 これはね、必ずしも民間林業労働者の場合だけじゃないんですよ。いま国有林でそんなむちゃはないと思いますが、かっては国有林労働者の場合でも白ろう病だといって認定されると、何か働きづらいとかなんとかいろんな問題が提起されたことがあるんです。だから、私は民間林業労働の場合にね、これ労災認定を受けたら働かしてもらえぬというふうに訴えているのはこれは事実だと思うんです。これは労働基準局としては積極的な指導をしてもらわなけりゃいかぬと思うのです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まあ、先生御承知のように、基準法では業務上の負傷、疾病にかかった場合には、その必要な療養期間中及びその後一カ月は解雇してはならないという規定もあるわけでございますので、認定を受けたものを解雇するということは許されないわけでございますが、なおったあとなかなか職場を得ることがむずかしいといったような懸念につきましては、まあ私ども完全に治られればそういうことがないように、まあ現在人手不足の問題でもございますので、もし事業主の中にそういうような考えがある者があるとすれば、十分に啓蒙をいたしまして、治った方についてまでそういう差別的な雇用上の取り扱いをしないように指導してまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、これはまさに深刻な問題ですから、これは徹底した指導をやっていただきたいと思います。   〔理事須原昭二君退席、委員長着席〕  それからもう一つ問題は、この調査を見ておりますと、要治療者で労災認定を受けている人が八十八名おりますね。ところが、その中で治療してないというのが二十四名おるわけです。それから就労しながら通院しておるというのが三十六名、計六十名になりますね。で、その白ろう病というのはやっぱり早期治療が重要なのに、認定を受けて治療しながら、通院しながら就労しておるというのでは、これは私は早期治療の効果はあがらぬと思うんです。  それから、認定を受けたのに治療していない、これなどもやはりそれはまあ経済的な問題あるいは治療施設がない問題、まあ、これはいろいろあると思うんです。ところが、たまたま認定を受けて治療中の人たち六十四名が何を望んでおるかということで調べたら、休業補償だけでは生活できない、一〇〇%補償してくれなければとてもやれぬというのが三十六名おったというんです。そうすると、就労しながら通院しておるというのが三十六名なんですね。ちょうどこう数が合ってくるわけです。つまり、こういう状態が起こるというのは、一つはやっぱり先ほどお触れになった休業の補償の問題が一つはある。それから一つは、やっぱり治療機関がないという問題があると思うんです。で、治療施設の整備の問題については、まあ先ほど来いろいろお話を聞きました。その治療のための医療機関を把握しろという通達も出しておられるということですが、しかしまだそれらの実態は把握していないとおっしゃるんですからね、したがって、まだおそらく一体そういうものに対して治療の体制をどう整備するのかというのも、おそらく具体策がないと思うんです。まだ立ってないと思うんですね、具体策が。立ってないと申し上げて失礼じゃないでしょうね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まあ、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、近くにどうしてもいい診療機関がないと、入院するほどでないが通えるようなところにないというような場合には、入院を要しないほどの方でも、通えるところがなければ離れたところで入院でもしていただいて、やっぱり必要な治療を受けていただくと、こういうような取り扱いにしてまいりたいと、まあ、かように考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 この白ろう病の治療には、これはなかなか専門的な知識も要ると思うんです。そうすると、その治療の機関を確保することと同時に、そういった専門医を確保するということもこれ重要な問題になってくるので、それらについて何か厚生省と積極的に相談をされて、まあ、そういった専門医を確保するということでお考えがありますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 確かに白ろう病というのは非常な特殊な疾病でございますために、必ずしも一般の医師の方がすべてそれに精通をしておられるとは限らない場合が多いわけでございます。そこで、私ども現在そういう一般の医師の方の中にもできるだけ白ろう病についての専門的な知識を持たれた方が数多くなるようにしたいと考えておりまして、まあ巡回健診の場合などには、これは労災病院その他国公立病院などから巡回班を編成して回っていただきますが、それに地元の医療機関の方も入っていただいて、そうして一緒にその健診などをやる中で白ろう病の問題についての知識、こういうものを知識、経験を得られる、こういうようなやり方を一つしております。  それから、医師会等で産業医の養成の研修などを一般にやっていただいておりますが、そういう中でこの白ろう病等についてもすでに医師となっておられる方にさらに必要な専門的な研修等もやっていただくようにしたいと、かように考えております。できれば、さらにそういう医師会等とも連携をとりまして、健診とかあるいは白ろう病の治療問題等についてのお医者さんのいわゆる参考になるようなガイドブック、そういったようなものもつくるというようなことも考えてみたいと現在考えているわけでございます。これらの点につきましては十分厚生省とも連絡をとって、そういう一般の医師の方の中における白ろう病の専門的な方をふやしていく、こういう点について厚生省と連絡をとりながら進めてまいりたいと考えております。

山中和厚生省医務局国立病院課長

○説明員(山中和君) 厚生省側の労働省等と林野庁のあれですが、医療機関の受け取りといたしまして、レイノー病——白ろう病の治療には、一つは、まあ本体がレイノー病でございまして、この治療というのは一般の総合病院ではできるわけですが、特にこの中で現在、対症療法の一つではございますが、温泉療法、特に局所浴ということが非常に効果があるということでございまして、国立病院のほうで実は温泉病院というのが全国に十五カ所ございます。それで、まあ、いわばそこにレイノーに対してこの治療を依頼されれば促進するようにということで、現在長野病院と三朝温泉病院につきまして患者の受け入れをいたしております。それから、なお近く塩原と白浜のそれぞれの温泉病院におきまして、もよりの営林署から依頼がある予定になっておりますが、そのほかの温泉病院につきましても、先ほど労働省からのお話のように、ある程度の専門的治療が要るということになりますと、決して地元だけの医療機関では済みませんので、こういうところに受け入れ体制を積極的に進めるよう、これからも労働省とよく協議をいたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 積極的にこれは専門医の養成ということも研修等を通じて考えながらひとつ治療対策の万全を期していただきたいと思います。  そこで、次にお伺いしたいのは、最近振動障害対策に熱心な自治体、たとえば北海道や高知の例ですが、リハビリを含めた治療施設を設けて治療、健診を含めて強化したいという積極的な動きが出ておるのです。これは私も高知に調査に行ったときに話を聞いたのでありますが、これに対して国としても私は積極的な援助をしてやってほしいと思うんです。むしろこれは国が自治体よりも率先してやるべきことですから、国が積極的な援助ができるかどうか、どうでしょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まだそれらの自治体から直接私どものほうにお話は参っておりませんけれども、自治体からそういうお話がございますれば、十分御相談に乗って検討してみたいと存じます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働大臣にお願いなんですが、ぜひこれは自治体のほうから上がってきた場合に、いずれやはり金の面の問題になると思うのです。そのときはぜひ協力してやっていただきたいのですがね。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) まさに大事なことでございますし、いま私も地方でリハビリテーションのそういう温泉療養をやっているところなども知ってもおり、お手伝いなどもしておりますので、自治体からそんな話が上がってきた場合には役所の中で検討して善処したいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、先ほど局長からお答えいただいた休業補償の問題ですね、労災で今度特別支給金、そういう形で二〇%の上積みがなされるわけですが、これはまあ今度の改正をやっていただくわけなんです。しかし、国有林のほう見てみますと、国有林は現在実収の一〇〇%が補償されてるわけですね。それから労災認定を受けた者が職種がえをやらにゃならぬ場合が起こるわけですよ。この場合の賃金低下についてそれを一〇〇%補償すると、こういうふうに林野庁なってますね。——それで見ると、やっぱり今度特別支給金出していただいて八〇%になると、しかしこれはやっぱり民間林業労働者の実態から見て、できるだけやはり事業主のほうにも上積みをさせて休業補償というものをできるだけ金額をふやして経済的な心配なしに治療に専念できるというような指導もしていただきたいと思うんですが、どうでしょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 今回、先ほど申しましたように、労災の面で改善をいたしますけれども、民間、——これは林業に限らず、まあ特に大きな企業などでございますと上積みというものをやっております。したがいまして、林業面につきましてもいま先生御指摘のごとく事業主に、労災が改善されましてもさらにその上に事業主としての努力をできるだけするよう指導してまいりたいと存じます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、林災防の振動障害検診委員会のことで聞きたいんですが、この林災防に設けられておる振動障害検診委員会というものは労働省の委託によって設置された委員会だと承知しておりますが、その性格はどういうふうに考えたらいいのか、現在この委員会はどうなっておるのか、委員の任期等を含めてお答えいただきたいんです。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) この林業労働振動障害検診委員会と申しますのは、労働省が四十六年に林業災害防止協会に健診項目、健康管理区分等の検討を行なってほしいという検討委託をいたしまして、この委員会は林業災害防止協会の機関として林業災害防止協会が国からの委託を受けた事項を検討するために設けました委員会でございます。で、関係の学識経験者、専門家等によって御検討を進めていただきまして、昨年、健康診断実施要領等について御報告があり、さらに健康管理区分等についても一応の結論を出されましたので、私どもといたしましてはこれで、同委員会は三月末をもって一応の任務を終了されたということで御終了になられたものというふうに現在いたしております。なお若干の残務等につきましては、同委員会の中で引き続き残務整理的なことはやっておられますけれども、一応四十九年三月末で任務を終了されたものというふうに取り扱っているところでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 私の承知しておるところによりますと、現在この検診委員会で予防対策と治療指針について小委員会を設けて、そこで検討が続いておるといわれておるんですけれども、この二点についての報告書が出てきた場合に労働省としてどう扱われますか。聞いておるところによると、四十九年三月三十一日を目途にして小委員会で案を取りまとめて、検診委員会としては四月末を目途に林災協会長にその報告書を出すと、つまり予防対策と治療指針というもの、こういうふうなことで作業が進んでいるようです。どうされますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 同検診委員会の中には、すでに出されました健康診断実施要領あるいは健康管理区分等についての報告に加えて、予防や治療指針まで自分たちでやりたいという御希望も一部にはあったということも承知をいたしております。しかし、昨年この社労の委員会でも、こういう治療、予防問題は林野庁などでもやっているではないか、そして、政府として一元化して強力な治療、予防、こういう面の検討を進めるべきではないかという御指摘もいただいておりますし、それから私どもが聞いておる限りでは、従来の検診委員会は先ほど申しましたような使命からいたしまして、いわゆる労働衛生の専門家の方が大部分であって、治療ということになるとやはり臨床の専門家をもっと参加していただく必要もあるんじゃないかと。まあ予防になりますと今度は工学的な面の専門家という方ももっと入っていただかなければならぬのじゃないか、こういうこともございますので、私どもとしては先ほど申し上げた健診項目、健診要領、それから健康管理区分といったもの等の御報告で一応同委員会は本来の基本的な任務を終わられたということで予防や治療についてはいま言ったような面の専門家も加え、林野庁でも従来そういう面のいろいろ研究をされておりますんで、そういう方にも入っていただいて、政府関係機関、十分連絡をとった別個の検討機関を設けたいと、かように考えております。  しかし、いままで健診項目や健康管理区分を御検討いただく中で治療や予防面についてもあわせて勉強された委員等がそれらを一応せっかくやったんだからまとめておきたいということで、残務整理的に小委員会をやっておられるということは承知いたしておりますので、それはそれとしてせっかくおやりいただいたんだから、それをお取りまとめいただければ今後の全体的な予防治療の検討の重要な参考にさせていただきたいと、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 林野庁のほうで予防対策なり治療指針で検討されておるという話ですが、このいまの現状どうなんですか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 国有林におきましては、先ほど申し上げましたような患者の数でございまして、それに対しまして温泉治療を計画的に実施するということで、この治療面におきましては今後さらに積極的に進めていきたい。また、機械につきましては先ほど申し上げましたようにできるだけ振動数の少ない機械を導入していこうということで対応していきたいというふうに考えております。  それから、先ほど御指摘ございました試験の結果はどうなっておるかということでございますが、実は国有林におきましてはチェーンソー、——マッカラー、スチール、ホームライト、このようなメーカーのチェーンソーを主体に現在使用しておりますが、このほかにも林業試験場の機械化研究室でそれぞれ振動数その他操作、そういう試験を実施いたしております。  概括的に申し上げますと、従来の普通型ですと、これは防振装置のついてない普通型でございますが、普通型では振動数が二十ないし三十G、それから防振型というのが改良されておりますが、これが三ないし六Gでございます。現在国有林で使われておりますのはこの防振型を全部使っておるわけでございます。それから先ほど特殊防振装置付きのものを今後つけていくと、こういうことを申し上げましたが、これによりますと一ないし〇.三Gというふうに軽減されております。なお、現在開発中のロータリーチェーンソーになりますと、これも一ないし〇・三Gということでございます。  先生の御指摘もございましたので、今後さらに労働省あるいは厚生省、関係各省と連絡を十分密にいたしまして、これらの機械の改良につとめてまいりたい、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 林野庁ね、予防対策なり治療指針はどういうところで検討されて、そしていまどういう段階にあるのか、もう具体的に予防対策についてあるいは治療指針について成案が得られたのかどうか、まだ研究中なのかどうか、その辺はどうなんですか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 治療対策といたしましては、診断及び治療方法の確立をはかるために次の委託調査研究を実施いたしております。四十八年度は骨関節系につきましては関東労災病院の整形外科、それから事後措置関係につきましては東京労災病院の脳外科、それから神経系につきましては東大医学部の神経内科、それから温泉療法につきましては国立長野病院、労働衛生サービスセンター、それから操作時間の対策につきましては労働科学研究所、総合調査につきまして東大医学部第一外科それぞれ委託をしてやっておるのでございます。そのほか各専門医を委嘱いたしまして、林業労働障害対策研究会を開催いたしまして、医学的に専門的立場から対策についての助言を得ておるのでございます。しかしながら、残念ながらまだ診断及び治療方法の確立が十分になされていない、現在なお研究中であるという段階でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは労働大臣ね、林野庁のほうはいま御答弁でお聞きのとおりなんです。私はいま局長のお話でしたけれども、予防対策だとか治療指針というのはやはり健診の問題、あるいは管理区分の問題等と一つのセットになって初めて意味があるものだろうと思うんですよ。そうすれば、せっかくの検診委員会で実態調査をやり、しかも長い間をかけて論議の末健康管理区分をまとめ、それから診断要領をまとめ、健診要領をまとめてきたわけですね。そうすれば、やはりそこで予防対策なり治療指針をまとめてもらうというのが私は一つぜひお考え願いたいことだし、先ほど局長が言われたように臨床問題も加わるから臨床の専門家もほしいんだというようなお話なら、それはそういう者は加えてもいいけれども、せっかくいままでのメンバーでいろいろな最初は意見の相違がありながら実態の調査を繰り返し、論議を繰り返して、そしてやっと一つの方向が出てきたわけです。だから、それを全然排除して新しいものをつくってやるというんでは、これは私はちょっとおかしいと思うんですよ。やっぱりいままでの調査と、それから、それに基づいていろいろ研究をなされたのを生かして発展させるために方策を考えるべきだと思うんですがね。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) もちろん先生御指摘のように二年以上にわたりまして約三年間非常に熱心にやっていただきましたので、これらの方の御研究は大いに今後も私ども御研究の成果を生かしたいと、かように思っておりますので、新しくつくるといたしましてもこれらの先生方の多くの方にこのメンバーに入っていただきたいと、かように考えております。  それから林野庁あるいは厚生省等々とも相談いたしまして先ほど申しましたような方も新しく加えてやるといたしますと、いままでのように林災防の機関のままでいいのか、もっと別なたとえば労働省直属の検討委員会にしたらいいのか、その辺もあわせて考えたいと思っていま検討いたしておるところでございますが、先生御指摘のようにせっかく長年やっていただいたこれらの専門家の委員の方は私ども積極的にその中に入っていただくことを考えておるわけでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それで局長ね、林災防のほうからも四十九年度振動障害対策事業計画というのが二月ごろに労働省のほうに出ておると思うんですよ、こういうことをやりたいんだと。それは労働省と相談の上できまることだからこれは林災防のほうの考え方だけでしょうが、一応出ている。それを見ると、やっぱり白ろう病の「予防対策の策定」をやりたい、白ろう病の「治療の指針の策定」をやりたいと、こう出ているわけですよね。私は林災防のほうはやっぱりせっかくいままでやってきた成果というものを踏まえて、まあ一応のその全体の仕事を完成させたいと思っておると思うんですよ。ですから、そういうような意向をも尊重していただいて、いままでのメンバーはこれは私は労働省のほうで取捨選択して都合のいい、まあ、そんなことはないと思いますがね。都合のいいのだけ入れて、都合の悪いのは入れないというようなことはやらないで、まあ、せっかく長年研究してきた人たちですから、これを全部入れて、そしてそれにあなたがおっしゃったような補充すべきものがあれば補充をして、そしてより何というのか充実したものとして考えていただけるのか。それとも労働省のほうでいまのメンバーを取捨選択なさってやられるのかどうなんですかね。その辺ちょっと肝心なところだから聞いておきたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私、さっき申しましたとおり、いままでの方、長年の御努力私ども多といたしておりますので、できるだけこれらの方は入っていただくということで、なお各省とも十分今度は一元的に横の連絡もとって、関係省一致協力してこれを進めたいと思っておりますので、十分相談して、先生の御趣旨十分踏まえまして、これからつくりますこの検討機構について考えてまいりたいとかように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 できるだけ尊重するということは、尊重しない場合もあるということで、必ずしもいまの委員のメンバーを全員入れるという明確な答えも出ないということだけれども、私がいま言った点を尊重してもらって、いまの検診委員会のメンバーはこれは全員参加をさせると、そして検診委員会が苦労してまとめたものは、これはやっぱり一つの重要な参考資料として考えてもらうということでひとつお考えを願いたい。これは強く要望しておきます。  それから林野庁のほうにお伺いしたいんですが、民間林業労働者の振動障害対策というのはいままで論議をやる中、聞いていただいたとおりです。私は民有林に対しては、林野庁も指導監督の責任があるわけでありますからね、だからこの振動障害対策の問題については積極的な私は姿勢をおとりいただきたいと思うんですが、これまで労働省との間で、そういった問題で具体的な協議をしながら施策を進めてこられたもので、こういうものはやって大きな成果がありましたというようなものがありますか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 先ほど来労働省からお答えをいただいておりますが、農林省といたしましても、四十一年にはすでに長官名で、各都道府県知事あてに防振装置つきのチェーンソーを普及するようにということで指導をしておりました。また四十五年の労働省の通達に基づきまして、時間規制の問題につきましても、これと歩調を合わせまして各都道府県及び林業労働災害防止協会、それから林業の関係団体等を通じまして、その徹底につとめているところでございます。さらに四十八年度までは、チェーンソー防振装置等の機材の取得に対する助成でありますとか、あるいは林業事業主及び林業労働者に対する基礎動作、あるいは目立て、そのような講習会等を通じまして啓蒙指導してきたところでございます。また四十九年度からは、先ほど来お話がございます林業労働災害防止協会の振動障害検診委員会の意見を求めまして、それに基づく対策といたしまして予算要求を行ないまして、振動障害の防止に関する濃密指導、たとえば作業の基本動作、正確な目立て等の指導に必要な模擬訓練施設の整備をすることにいたしております。また振動障害の防止その他、労働安全衛生を確保するに必要な防振チェーンソー、人員輸送車など、機械器具を一段と拡充整備するということを内容といたします林業労働安全衛生確保特別対策事業というものを、本年度から実施することにいたしておるのでございます。以上申しましたように、労働省とこの林業労働災害防止協会を通じまして、それなりの効果をあげてきたというふうに考えておるのでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから林野庁に先ほどチェーンソーの試験の結果、これをお聞かせいただいたわけですが、これは公表してありますか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 公表してないというふうに聞いております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、労働省のほうにはこれは知らしてありますか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) たいへん恐縮でございますが、いま不明でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働省聞いていますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○政府委員(中西正雄君) 不明でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは林野庁に申し上げるんですがね、これはいま聞いてみると試験結果で、いまかなりよさそうな機械も出ているわけですね。これはやっぱり私は公表すべきだと思うのです。なるほど性能の悪い機械を売っておる業者には打撃になるかもしれませんよ。しかし、こういうような有害機械を使う労働者には非常に利益になるんですからね。私は業者のもうけのことを考えるんじゃなしに、悪い機械は悪いとして、こんなものはやっぱり排除しなきゃいかぬんですよ。そのためにはこの機械の試験結果というものは公表すべきだと思うのです。そして、いわんや民間林業労働者の白ろう病が非常に問題になっておるんですから、これは労働省のほうに全部知らしてやって、そして労働省としてもこういう少しでもいい機械を使う、民間林業労働者に使わせる方策を積極的に考えなけりゃいけない、その点どうなんです。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 私、たいへんうかつでございまして、その辺よく調べずにまいっておりますが、御指摘のとおり、労働者にその趣旨を十分徹底する必要がございますので、公表その他の手段をとりまして、いわゆるチェーンソー購入の際の指導指針に加えたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働省のほうはね、それに基づいて積極的にいい機械を、先ほどあなたがおっしゃったようないろいろな手段を講じて、民間林業労働者に使用できるようにしてやってください。  それで林野庁にお願いしておきます。その試験結果について、私どもも承知をしたいわけです。どうもいままで聞くところによると、何か公表をいやがっておる向きがあるというようにちょっと漏れ承っておりますので、これは私が言うのが間違っておったらかんべんしてください。資料として御提出願えますか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 試験場のほうを調べまして、提出いたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 はい。それから林野庁へのお伺いですが、林野庁では国有林の立木処分の材価の算定にあたって、振動障害予防のための時間規制による能率低下やあるいは労働環境改善に必要な経費を見込んで算出しておられるかどうか。それからまた請負の生産事業や造林事業では、経費の中にそれを見てやっておいでになるかどうか、この点いかがですか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 請負作業及び立木処分、立木販売にかかります単価積算の際の一日当たりの作業功程の採用につきまして、労働省の指導通達に基づきますチェーンソーの操作時間の規制を加味しております。  それから経費について、防振装置つきのチェーンソーの損料を見込むなどいたしまして、チェーンソーの機種選定、操作時間の規制に見合った適正な労働作業単価となるように措置いたしております。これは昭和二十五年以降やっておりますが、事業主及び従事者に対する予防対策の指導徹底と相まちまして、さらに振動障害対策の一そうの推進につとめていく考えでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうするとこれは間違いかな。北海道の北見営林局長と組合との交渉で、四十九年の一月二十一日に四十九年度からそういった時間規制分を考えて実施しますと、こういう労使間の交渉で言っているんですよ。いまのあなたのお答えを聞くと、もうすでに二十五年からやっていたということなんですね。この辺の食い違いはどうなんでしょうね。それぞれの営林局で違うんでしょうか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) ただいま申し上げましたのは、林野庁として昭和四十五年からこの時間規制が始まって以来……

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 四十九年じゃない、四十五年……。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) やっているわけでございますが、北見の局で局長がそういう発言をしたということでございますれば、十分調査してみたいと思います。おそらく間違いじゃないかと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そうすると、これは調査していただいてお知らせ願えればいいんですが、北見の営林局長が間違いであるとするなら、こんな肝心なことをうっかり落としてもらったんじゃこれは困りますので、御注意願いたいと思うんです。  そこで、そうなると私は四十五年の時間規制が始まって以来、それを見込んで立木処分の価格を割り出したり、あるいは請負事業の価格を割り出しておるのに、それにもかかわらず民間林業の経営者、事業者でその分を全然考えないでチェーンソーを使わしておったと、チェーンソーの時間規制を、先ほど来論議しましても、ほとんどやっていないわけですね。これはそれだけかすり取っていることになるわけですよ。これは私けしからぬと思うんですね、こんなことは。やはり二時間の時間規制を見込んで立木処分を受け、請負事業を受けておるんであるならば、二時間の時間規制をやるように使用者というものはやらなきゃならぬ。それを無視して四時間も五時間もチェーンソーを使わして仕事をやらしておるというんじゃ、これは何のために立木処分の中に見込んでやったのか、請負事業の中に見込んでやったのかわからなくなってしまう、いわば使用者がかすめ取っておると、この点どうなんですか。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 実態はおっしゃるとおり、時間規制が正確に守られてないという実態だろうと思います。この辺は私どもの指導の不徹底でございまして、まことに申しわけないと、これを契機にさらに時間規制を守らせるように努力していきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 守らせるとすると、これはやっぱりなかなかそれはなまやおろかじゃ守らぬと思うんですよ、あなたのほうでそこまでやって指導しておられるのになおかつ守ってないんですから。したがって、私は立木処分のとき、請負契約のとき等にその契約条項の中に入れて、時間規制を守らないんなら次回から立木処分の契約はしませんぞと、請負契約はしませんぞというふうにしたらどうなんですか。そのくらいやらぬととてもこれはいまの現状だったら守りませんよ。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 契約条項の中にそういうものを入れるかどうか、確かに重要な問題ですから、道義的には入れてしかるべきかと思いますけれども、契約条項に入れたから必ずしも守れるということでもございませんし、その辺は今後十分契約条項に入れるかどうかにつきましては検討さしていただきたい、かように考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 契約条項に入れて、その規制を、時間規制を守っていないようなことがばれたら今度は立木の売り払いが受けられぬとか請負事業をさせてもらえぬということになれば、これはやはり本気で守るようになりますよ、姿勢としては。それをやらないでかすりを取らしておるということになれば、かすりを取ることに林野庁は共犯者になるですね。時間規制を守らせないことの共犯者になりますよ、これは。検討するというような問題じゃないので、これは当然契約の中に入れるべきですよ。林野庁が共犯者になってもらったのじゃ困る。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) 御趣旨十分わかりますので、さらに検討させていただきたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 検討した結果の結論が林野庁は使用者の共犯者になりますという結論の出ないように時間規制を政府は、林野庁も労働省も、いまの答弁を聞くと一生懸命になって指導しておられるときですから、その指導の効果があがるように処置していただくことを私は期待いたしますし、もし、それができないということであるなら、その理由というもうはあらためてはっきりお聞かせ願いたいと思います。いいですね。

須藤徹男林野庁業務部長

○説明員(須藤徹男君) そのようにいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、次に質問を移してまいりたいと思います。  実は、次は光文社の労働争議の問題についてお伺いしたいわけであります。  そこでまず、光文社の労働争議はその経過はどういうものかということについて一応申し上げてみたいと思います。この光文社の労働争議の経過の概略というのを申し上げるのに、主観をまじえないでできるだけ客観的にその経過を書いておるものがありますから、これを読ましていただいて一応御承知を願いたいと思います。おそらく承知しておられると思いますが、質疑を続ける便宜上私のほうで読ましていただきます。これは「朝日ジャーナル」の二月十五日のにこの争議の経過概要というものが出ております。私もこれを読み、さらに実態について調査をいたしました。ところがきわめてこの表現は客観的な、主観をまじえない表現になっておりますから、一つの御判断を願うのにいい参考じゃないかと思います。   光文社争議は、〃ベストセラーづくりの神  様〃であり、『現場に不満の火を燃やせ』の著者  でもある神吉晴夫社長(当時)に対する組合員  の不満が爆発したのが、発端である。   七〇年四月、光文社労働組合は、神吉社長が  会社財産を大量に私物化している事実をつか  み、「神吉体制打破、賃上げ二万円、賃金格差是  正金四万円」を春闘要求に掲げ、無期限ストに  突入した。同時に光文社労働組合は、光文社記  社労働組合、光文社臨時労働者協議会(現在は  光文社臨時労働者労働組合となっております  が)と共闘を組んだ。四回にわたる三労組との  大衆団交で、労使間は神吉社長らの「背任横領  的事柄」や不当労働行為を列記した十六通の確  認書を取り交わした。いったん収束に向かった  春闘が長期ストに発展したのは、この直後、全  役員が雲隠れしたからだった、といわれる。   その後、臨時株主総会における神吉体制下の  全役員解任、五十嵐現社長体制の発足、全役員  の再度の雲隠れとつづき、会社側は六月十一  日、〃争議対策〃用の労務担当役員を迎え、同  時に組織暴力団を導入してロックアウトを行っ  た。そして同月末、全光文社労働組合(いわゆ  る第二組合)ができ、以来、光文社社前で、数  次にわたって流血の事態が繰り返されてきた。   この間、七〇年九月に臨時労働者労働組合全  員解雇、同十月光文社労働組合、光文社記者労  働組合の執行部・活動家ら九人の懲戒解雇が行  われ、七二年三月の光文社記者労働組合全員解  雇で、解雇総数は五十七人に達した。   七二年七月、会社側は暴力団を〃解雇〃して  ロックアウトを解き、その直後から、刑事事件  による第一組合員の逮捕者が急増、九、十月で  支援労働員を含み十八人——全体を含めますと  四十九名の逮捕者を出しております。(うち十  一人が起訴——全体は十三人でありますが、現  在十一人が係争中のようであります。)が逮捕さ  れた。   現在、三労組は就労を求めて連日のように社  前で抗議行動を行っている。   そして二十数日前に講談社の前副社長小保方  宇三郎氏が光文社社長として就任した。そこで  光文社三労組は、これに対し争議の全般的解決  をはかるため社長出席のもとに団交を開くこと  を要求していたのであるが、その要求に対し拒  否の態度を続けておった。そのとき光文社側は、  去る四月二十一日午前四時三十分ごろ、突如と  して警備会社の警備員と称する者五十数名を導  入し、ロックアウトを通告してきた。警備員たち  は社前の組合旗や社内外に展示してあった闘争  記録写真を引きちぎるなどの乱暴を繰り返した  が、ついに昨日二十四日には暴力行為に及びそ  のため意識不明のまま救急車で病院に運ばれる  者一名を含め十二名の負傷者を出すに至った。  これが今日までの労働者争議の概要であります。そして、その間において訴訟の問題にいろいろ発展した事態もありますが、たとえば四十五年九月の二十七日に臨時労働者労働組合全員が解雇されました。これに対して地位保全の仮処分申請を東京地裁にやっておりましたが、これは四十七年の四月四日勝訴の判決を得ております。それから四十七年三月三十一日に光文社記者労働組合全員解雇が行なわれ、これに対して地位保全仮処分の申請を同じく東京地裁に対してやっておりましたが、これに対しては四十九年一月三十一日に勝訴の判決が出ております。さらに四十七年の十二月の十八日には会社側のやったロックアウトは不当なものであるということで、裁判でもこれも勝利をしております。さらに四十六年の十一月十六日、組合側から会社の四階会議室の組合の使用の問題について東京都労働委員会から、会社側は会社の四階会議室の組合使用を認めるべきだと、拒否してはならぬという命令を得ております。  こういう経過でありますが、そこでお尋ねしたいと思いますのは、警察庁は二十四日に起こった事態というのを承知しておいでになりますか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 承知しております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働省のほうは争議のいま言いました概略の状態というのは御承知ですね。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 概略は承知いたしております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで警察庁にお伺いいたしますが、この警備会社の名称は何というのでしょうか。また、警備業法による届け出をしておるだろうと思いますが、しておるかどうか。そして、この警備会社の所在、責任者、それから、その他内容についておわかりになっておれば御紹介願いたいと思います。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 警備会社の名称は帝国警備保障株式会社。新宿区の諏訪町にございまして、社長は高花豊。  創立は昭和四十五年でございますが、御承知のように警備業法が実施になりましたのは四十七年の十一月一日でございます。  届け出は四十七年の十一月二十八日に東京都の公安委員会のほうへ届け出てございます。  警備員数は、現在少しは変わっておりますが、約五百八十一名ということになっております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで同じく警察庁に伺いたいのですが、この光文社に出向いておる警備会社の警備員の中の責任者を御存じですか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) ちょっと責任者は把握しておりませんが、調べればすぐわかります。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これはもしすぐ調べられるようなら調べて、私の申し上げるのと間違っておるかどうか照らし合わせていただきたいと思いますが、私が聞いておりますのは、現場の直接の責任者というのは平田何がしという人だということであります。  そこでね、この出向いておる警備員は私は五十数名と申し上げましたが、きのう事件が起こっておるわけでありますから、警察は正確に御承知だと思いますけれども、正確に何人入っておるのか。そしてまたいま言いました責任者を含めて、全体のそこにおる人名がわかっておるかどうか、その点いかがですか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) これは一日五十名の警備員を派遣するということで、四月の二十一日から十日間というふうな契約になっておるようでございます。  ちょっと警備員の派遣になっておる人名も、調査すればわかりますが、現在のところまだ把握しておりません。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 きのうの起こった事件に対して警察のほうではどういう処置をとっておられますか。

山田英雄警察庁警備局警備課長

○説明員(山田英雄君) 昨日一一〇番通報を午前十時までの間に受けましたので、大塚署の警察官十名が現場に参りまして、そのときには紛争は終了しておりましたので、どういう事態が起きたか、関係者から事情を伺ったところでございます。  警察といたしましては、組合側、会社側に一人ずつの負傷者が出ておることを確認いたしまして、それぞれの被害者につきまして事情も聴取いたしました。まあ暴力事案でございますので、厳正公平に捜査をしてまいるという方針でございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこで、この光文社に動員されておる警備員と称しておる人たちのうちで、この帝国警備保障会社ですか、そこの正式の警備員は数人だけなんです。あとはね、一日六千円の日当で集められてきた学生のアルバイトだというのですがね。これはお調べになっていますか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 五十名の中で、正社員が十五名、臨時警備員が三十五名というふうな報告を受けております。もっともこの臨時警備員と申しましても、警備業法に所定する教養を受けたものであるということであるし、経験を調べますと、大体まあ三カ月以上の経験者であるということになっております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 この臨時警備員も、じゃあ名簿に載っておりますね。届け出してあるのですね。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) もちろんこれは載っております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、警察のほうのお調べだから私は間違いがないだろうと思いますけれども、まあ、ああいう中でいろいろ出ておる情報は、これはまあ学校の名前は控えておきますけれどね、名誉にもかかわる問題ですから控えておきますが、その私は臨時警備員と称している人たちのどのくらいの——あるいは全員かあるいはその中の何人かかはわかりませんけれども、これは先ほど申し上げた日当六千円で雇われた某々大学の学生等がこれは入っております。特に「アルバイトニュース」という雑誌があるそうですが、それや、あるいは某大学前の呼び込みで集められてきた、こういうことまでわかっておりますが、そうなると、これは私は非常に問題だと思うのです。なるほど臨時警備員として名簿に載せられておっても、それはそれなりの警備員としての基礎的な訓練、教育を受けた者でなければならぬわけです。ところが、実態がもしいま申し上げましたようなことだとすれば、これは私は非常に問題だと思うのですが、その辺は早急に御調査を願えますか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 調査をいたしたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 調査をなさったら、その結果についてはぜひ御報告をいただきたいと思いますが。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 御報告をいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それから、この帝国警備保障会社というものが、私の調べたところでは、いままでにもたびたび労働争議に介入をしていたという経歴があるのです。これを御存じですか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 正確に、私、そこのところは承知いたしておりません。警察庁の方針としては、警備業法に規定する精神からいいまして、労働争議についてはなるべく仕事を請け負わないようにという要請をいたしておるのです。ただこれは、警察庁で絶対禁止というところまではいけませんので、ほとんど、警備業者の内容を調べましても、あまりといいますか、件数からいきますと非常に少ないですし、われわれとしても、そういう問題はやはり今後ともそういう方針で強く指導をしたいというふうに思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは部長、その辺が私はあいまいになってはたいへんだと思うのですよ。これは警備業法の制定されるときに一番論争点になったところでしょう、労働争議に介入するのではないかということで。労働争議には介入させないということで国会でも答弁をなさって、その上でこの法律は成立しておるのです。それがいまの御答弁だと、なるべく労働争議に介入しないということになると、これは国会でおっしゃっておった趣旨というのはたいへん後退してくるわけですよ。そういうような法の運用を、つくってしまってからなさるということでは、これは私は非常に問題が残ると思いますがね。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) ちょっと答弁が意を尽くさない点がございますけれども、労働争議には法文にありますように「正当な活動に干渉してはならない。」ということでございますが、私が申し上げたのは、労働争議を行なっておる会社について、たとえば夜あるいは昼間人がいないから、そういう財産の管理とか、守衛に似た仕事をやるということについては、そこまでは絶対にだめだということは言えないということを申し上げたので、労働争議にはなるべくということでは決してございませんから。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 そこは明確にしていただきたいと思います。  ところが、この帝国警備保障の警備員の方たちは、きのうの状態で、もうこれは警察庁御存じだと思いますが、これは明らかに労働争議の介入ですよね。こういう事態を、私は放置しておくことはできないと思うのです。しかもこれは、これまでの経歴というのか、経過をもし御存じないのでしたら、私のほうで調べたところで申し上げたいのですが、労働争議に介入をしたのは、私はこういうふうに聞いておるのです。全金本山製作所の支部ですね、これは昨年でしたね、仙台にある全金傘下の本山製作所というところの労働組合、この争議に関係している。それから、川崎にあるユニカの争議に関係している。ダイヤモンド・ビックの争議、これは東京虎の門にあります、これにも関係している。それから、理科大学の自治会へのなぐり込みをやって、学生数人に重軽傷を負わしている。日教組大会へのなぐり込みもやっている。それから三里塚における映画会社小川プロダクションの車を竹やりや火炎ビンで襲撃した、こういうこともいわれております。こうなると、私はこんな警備会社の存在がはたして許されるのかどうか、これは私は監督官庁としてお考え願わなければならぬと思います。こういうのは全然御存じないですか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) ただいまお話がございました本山製作所は、これは特別防衛保障会社といって、会社が違うというふうに私は存じております。  それから、そのほか五、六件お話がございましたけれども、これは警備業法が制定になってから行ったのか、あるいはそれ以前に行ったのかということもちょっとわかりませんので、この点については私どもとしても調査をいたしたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは、ぜひ御調査を願いたいと思います。  それで、大体こういう警備会社は労働争議に介入してはならぬというのは警備業法の趣旨ですからね。こういうふうに明らかに介入して、しかも第一組合員との間で問題を起こしているということになると、これはこのままでは済まぬわけでしょう。どう処置されますか。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 今回の件につきましては、警視庁について調べましたところ、私どものそういう行政指導の方針からして、警備保障の代表取締役が大塚の警察署長に対して誓約書を出していっております。警備業法の精神を生かして、そうして一切トラブルがないようにということ、たとえば平和的な何といいますか作業をする、ちょっと表現がよくないですけれども。それから先方との応答は一切沈黙を守る、それから挑発されても手出しはしない、それから隊員の選抜は特に慎重を期する、護身具は一切携帯させないというふうな誓約書を出しておりますので、私どもそういうことはないかと思っておったわけですが、きのう第一報の報告を受けたばかりでございますので、なお厳重に調査をいたしまして、そうして、その結果いかんによりましては警備業法に定める規定上の処置をとりたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 いまの御答弁で、いささかはっきりしたことがあります。というのは、私が承知しておるのに、ちょうど二十一日でしたね、二十一日の午前四時半ですか、ごろに、警備員と称する者が導入されたその時刻に、ちょうど大塚署の関根さんとおっしゃる刑事さんのようですが、この方が護国寺の交番の横にとめた車の中でじっと様子を見ておられたということを聞いております。それからまた、現場の責任者平田某というのですが、平田某が大塚署を通じて入ったのだと組合員に発言しているようでありますが、このことがおかしいなと、警察と了解——なれ合いの上で入ったのか、まあ、なれ合いということばを使っては失礼ですが、そういうふうに思っておりましたが、先ほどのあなたの答弁ではっきりしたわけです。しかしながら、問題は、こういう問題を起こして、しかも負傷者を出しておるという実態ですから、私はこのままで済ますわけにはいかぬだろう。それから先ほど言いましたように、アルバイトの学生を寄せ集めてやっておるということになれば、これはまたゆゆしい問題でございます。したがって、これは厳重な調査をされた上でそれぞれの処置をとっていただかぬと、私は他の警備会社の方が迷惑されると思うのですよ。警備会社といえば、こんな労働争議にいつもいつも介入をして暴力行為をやって、登録もしてないような学生を寄せ集めてきて暴れ回るものかと、こういう印象を国民に持たれるということは、私は他の警備会社の方がたいへん迷惑される。だから、警備業法というものが存在をして、警備業法というものがあって、そうして警備業というものが許されておるなら、その警備業が私は公益を乱さない、社会の秩序を乱さない、人の権利を侵さない、こういうような形の中で運営されていかなければいけないと思うのです。この点は、私は厳重な調査の上でそれぞれの処置を強く要求しておきます。再度御答弁をいただきたいと思います。

綾田文義警察庁刑事局保安部長

○政府委員(綾田文義君) 先生のおっしゃるとおり、厳重に調査をして、その結果を待って適正な措置をとりたいというふうに考えております。  それから先ほど御質問ございました責任者は、警備課長の安見正彦という現場の責任者でございます。  それから先ほどちょっと御説明が不十分だったんで申し上げますが、先ほど申し上げたように、私どもは平生そういうふうな行政指導をしておりますので、今回の事件につきましても、この帝国警備から大塚署のほうへ、光文社のロックアウト中の警備を請け負ったんだけれども、指導をしてほしいということで参りまして、それで大塚署の署長も、十分そういう紛争の発生のおそれがあるということで、数点を厳重に強く要望いたしまして、その結果、そういう誓約書が入ったというふうないきさつでございます。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 まあ、警察の御調査だから間違いないと思いますが、表には現場で出ておられないようですが、一応私どものほうに、こういう人もおいでになるんじゃないかということで、そしてまた、陰で指揮なさっているんじゃないかというようなことで出ておりますのは、帝国警備保障会社の常務取締役で特殊警備担当の長尾さんという方、この方は、また城西警備株式会社の代表取締役も兼ねておられると、こういう人もおいでになるようです。そこらの辺が、私どもが権限を持って調べるわけにはまいりませんので、はっきりいたしませんけれども、いずれにしても十分の御調査を願いたい。   〔写真を手渡す〕  そこに写真でごらんいただけますような状態で、私はきわめて問題がある行動をとられておる事実がその写真をごらんいただけばわかると思うんです。一々御説明申し上げぬと、どちらが組合員でどちらが警備保障の者かということはおわかりにならぬかもしれませんが、ずっとよく見ていただくと、お顔でも大体見当がつくはずです。これは警備保障のほうだな、これは組合のほうだなという、服装その他からつくはずでありますが、ごらんになっていただいて、ひとつそういう事件が起こらないように処置をしていただきたいと思うわけです。  それからこれは法務省のほうにも申し上げておきたいんですが、こういう会社の扱いというのは商法上でも関係の規定もあると思うんです。ですからそれについておそらく警察自体がよく御存じない状態だから、法務省も担当が民事局だから、商法関係でいくと、だから直接よく実態をつかんでおらぬのだと思いますが、これはあなたのほうで警察と協力してお調べになるなり何なりされて、そして商法五十八条に従って処置すべきものは処置するということで私はやっていただかぬと、これは問題があると思います。このことは本山製作所の事件についてもかつて論議されたところですから、その点十分お含みおきいただきたいと思いますが、お考えをお聞かせを願いたいと思います。

加藤一昶法務省民事局参事官

○説明員(加藤一昶君) 商法の規定におきましては、代表取締役が法務大臣の警告を受けたにかかわらず、刑罰法令に違反する行為を反覆継続するという場合に解散の請求をすることができるようになっております。なおこの規定に関しまして、非訟事件手続法におきまして、法務大臣がそういう警告をしたり、あるいは請求をするような事由がある場合には、関係官庁は法務大臣にその通知をするということになっておりますので、その通知を待って適当な処置をしたいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 これは専門家ですから、適用条項がおわかりでしょうから、五十八条の、私はこの場合に問題になるのは、五十八条の一項の三号ですかね、「会社ノ業務ヲ執行スル社員又ハ取締役ガ法務大臣ヨリ書面ニ依ル警告ヲ受ケタルニ拘ラズ法令若ハ定款ニ定ムル会社ノ権限ヲ踰越シ若ハ濫用スル行為又ハ刑罰法令ニ違反スル行為ヲ継続又ハ反覆シタルトキ」は解散命令が出せる、こういうことであります。したがって、実態を知ってこれを全面的に生かしていくためには一応警告という手続が要るわけですからね。したがって、現在の事態をお調べになって、これは警告すべき問題であるということになれば、第一次的に警告なされなければならぬ、それから解散命令、こういう段取りでしょうから、よくおわかりだと思いますが、これはやはり厳重な処置をおとりいただきたい、こういうふうに思うわけです。  それから労働省のほうへお聞きしたいのですがね。こういう実態なんです。先ほど争議の経過については申し上げましたし、それから現状はいま申し上げたので御存じのとおりなんです。  そこで、私はいままでの経過を見ると、解雇をしたが、臨時労働者の諸君にしても、記者労働者の諸君にしても、全面的に地位保全の訴訟には勝っておる。それから懲戒解雇を受けた人たちの地位保全の判決はまだ出ておりません。しかし、ずっとこの経過、流れを見ておると、ロックアウトについても組合側の主張が通っておる、全体の流れがそうなっておるようです。会社側が私はかなり無理があるのじゃないか。しかもこれまでの経過をずっと見てみますと、かなり問題点があったわけです。これは私は委員会に持ち出してやるのはきょうが初めてでありますけれども、これまでにそれぞれの筋へはこういう問題があるということで御注意を願うようにはお話をしてきたつもりなんです。ところが幾らお話をしておっても問題は解決しないでこういう状態になったから、まあ、これはやはり正式の場できちんとして整理をしていただく腹もきめていただかなければならぬと思って持ち出したわけです。労働省のほうの御見解を承りたいといいますのは、新しい社長が講談社からお見えになって、そして組合のほうも積極的に団交をやろう、そして具体的な案も提示をすでにしておるというのです。したがってこれは私は団交を拒否して、まあ暴力団まがいの警備員を入れて、そして騒動を起こす方向でなしに、積極的に団交に応じて問題を平静なうちに解決するというのが、出版文化の名を口にしながら事業をやっている人が当然考えられるべき筋じゃないかと思うのです。そういう点で労働省のお考えを承り、さらに労働省としてこれに対して何か指導なり助言なりする余地があるのかどうか、労働争議で労働省は介入できないから知らぬというのか、その辺はどうなんですか。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) 現在、光文社には、光文社労組、それから同記者労組、それから同じく臨時労働者労組、さらに全光文社労組の四つの組合がございます。しばらくとだえておりました会社側と最初に申し上げました三労組との団交が昨年の十月に再開されまして、会社側からは他社に就職中の者あるいは会社側から見て、争議の経過を通して適当でないというふうに認められる者を除きまして、本人の希望があれば復職に応ずるというような考えを示したことがございますが、これは組合側が拒否をしたわけでございます。その後、本年の二月の団交で、三労組の六十一名の組合員につきまして、その中の二十六名について就労を認めると、残りの三十五名については就労を認めない理由を付して回答したと聞いております。こういう会社側の態度に対しまして三労組側は、全員解雇を撤回しろということで十四日から組合員等によりまして会社の社屋の一部占拠が行なわれまして、これに対して会社側がロックアウトを実施するというようなことで今回の紛争を見たわけでございます。私どもといたしましては、団交も久々に再開されまして、円満に解決する方向に向かったかなと思った矢先に、こういう事件の発生を見ましたことはまことに遺憾でございます。今後の推移を十分注視いたしまして、問題の早期解決に努力をしてまいりたいと思います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 労働省も御存じのように、まる四年間にわたる争議で、しかもその間には、かって警察庁のブラックリストにも載っておる組織暴力団が導入されてロックアウトし、そうして、その中でたくさんの負傷者が出るような事件もあったりしてきておる争議ですから、一ぺんや二へんの団交でそんなに片がつくものじゃないと思うんです。私は少なくとも経営者のほうで、そういう問題の所在というのは、暴力団まで入れて組合弾圧をやろうとしたその経営者側に問題の所在はあるわけですから、だから、その経営者が事態を解決しようと真剣に考えるんなら、この時点で何も警備保障会社の、しかも学生バイトを寄せ集めたようなものまで入れてこんな騒動を起こさなくても、これはやっぱりねばり強い交渉をすべきだと思うんですよ。それをやらずにおいてこういうことをやるというのは、問題をますますこんがらかすだろうと思うんです。しかも訴訟という訴訟は裁判所で一つも会社側が勝ったものはないわけでしょう、全然。ただもう一つ出ておらぬのはあれが出てないんですよ、懲戒解雇を受けた人たちの九人ですか、この人たちの判決がまだ出てない。おそらくことし一ぱいぐらいに出るだろうといわれておりますがね。だから、こういう実態を見ると、私はいくらひいき目に見ても会社に歩があるとは思えぬと思うんです、会社に歩があるようなら裁判に勝っているんですから。だから、そういう点もありますので、この問題の解決にはひとつ積極的に指導なり助言なり、労働省がとり得る適当だと思われる手段をとって解決をしていただきたい。  それから警察庁のほうに申し上げたいのは、警察庁はいまの事態の真相を究明して、こういう問題がさらに警備保障会社も交えてまた暴力まがいの事件に発展をしないように会社側に十分注意を促してもらいたい、こういうふうに思うんです。  実は、私はこの問題でこの間十二日の日にちょっと、長年の問題であるし、一年ほど前に話を聞いたことがありますので、現地を見ておこうと思って行ったんですよ。私が行ったのに玄関のシャッターが半分ぐらいおりておりまして、三分の一くらいかな、中にたくさんの人が玄関の中にたむろしている、十何人。これ一体何ですかと言うたら、これはいわゆる第二組合によって組織しておる自警団と称するものだと。それがもうずっと入り口におるわけですね。それでぼくが入りかけたら、あわてて飛び出してきてぼくのところで文句を言った人がだれかと聞いたら、これは馬場という重役だというんです。もう頭にかっかとしてのぼってしまってわけがわからない。そこで私は、いや何もぼくは問題を持ち込んだのじゃないので、組合の事務所というのは、これは会社で使わせないという法はないんだし、だから、組合事務所の様子も見たいし、組合事務所のところが廊下との仕切りを密閉されて通行ができなくなっておるということで、消防署からも注意を受けたという事実がある、それらの現場も見ておきたいので来たんですと言ったんだけれども、その馬場さんという人は話にならぬ、頭にのぼっちゃって。そこで、そうしよったらたまたま小林という総務部長さんが出てきた。この人は案外冷静な人でした。そうして私のほうから、こういうことで参りましたのでひとつお見せいただけませんかと言ったら見せてくれた。ところが、十何人の自警団と称する者がぞろぞろぞろぞろついてきて私の写真をとるのです。私の写真とったってどうにもならぬと思うのですがね、まさに私は異様な雰囲気を感じたわけです。そういう経営陣の状態を見ても、私はやはりこの争議は経営者側が深く反省すべき問題があるのではないかということを第一印象として感じたわけです。これらの点も含んでおいてひとつ善処していただきたい。  それで問題の通路というのはこれなんですがね。(写真提示)先ほどごらんいただいたと思います。この廊下、ここがいまこういうふうな形で閉鎖されておる。で、こちらに組合事務所があるわけですがね。それで組合事務所のほうから裏の階段を通っておりることができるようになっておるのですが、その裏階段は各部屋から全部かぎをおろして密閉してあります。そこで小石川の消防署がごらんになって、これは消防法に基づいて撤去命令を出すような事態とは消防署としては判断をしないけれども、これはやはり安全防火上好ましくないというので、文書による不適であるということは会社のほうに言ってあります、こういう話でした。こういう事態から見ても、私はやはり問題が非常に経営側にあると思います。この問題では、先ほども申しましたように、全力をあげて解決ができるようにそれぞれの場で御協力をしていただき、そうしてまた、警備業法等の関連で不当な違法なことがあるなら厳正な処理をやっていただきたい、このことを重ねてお願いをして、きょうは光文社の最近起こった問題だけにとどめておきます。光文社問題取り上げるときわめて広範な問題にわたらなければなりませんが、きょうのところは最近起こった問題だけにとどめておきますので、ひとつ御善処願いたいと思います。  以上で終わります。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五十分から再開することとし、休憩いたします。    午後一時十五分休憩      —————・—————    午後二時開会

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。     —————————————

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 休憩前に引き続き労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 きょうは職業病、とりわけ頸肩腕症候群についてお尋ねをいたしたいんですが、労働基準法の第七十五条「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。」、こう実は明記されておるわけです。そこで、いまこの問題点では労働省も非常に真剣にやっておっていただいてると思うんですが、頸肩腕症候群の業務上、業務外の認定基準の検討が続けられておると思います。労働省は昨年三月二十九日その専門家会議を設置して、すみやかに結論を出すように努力されていると私は聞いておりますが、その後どうなっているのかひとつ御説明を願いたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 業務に起因いたします頸肩腕症候群につきましては、私ども労働基準法施行規則三十五条の三十八号に基づく業務上の疾病として取り扱っておりますけれども、御承知のように、この病気は業務に起因してなる場合もございますし、それ以外の原因によってなる場合もございまして、認定が問題になるわけでございます。私どもは、これにつきましては従前からも専門家の御意見を聞きまして認定基準というものをつくり、また必要によってはその改定をはかってきておるわけでございますが、現在の認定基準につきましては四十四年十月に出しました認定基準によって認定をいたしておるわけでございます。しかし、だんだん近時いろいろ作業態様の変化等もございまして、この業務に基づく頸肩腕症候群の発症の様態が変わってきております。昔は主としてキーパンチャー、タイピスト等でございましたが、そのほかにもスーパーのレジをやる方だとか、あるいは電話交換手であるとか、こういう方面にも頸肩腕症候群が数多く見られるようになってきました。さらに最近では手指作業以外の方につきましても頸肩腕症候群といわれる方が出てこられるというような問題がございます。これらについては、従来認定基準以外のものにつきましてはケース・バイ・ケースで認定をいたしておりましたけれども、やはりこういう新しい発症状況に対応いたしまして四十四年の認定基準を改正する必要があると、かように考えて昨年三月にその専門家会議を設定いたしまして、これを再検討、現在の認定基準を再検討すべく御検討をお願いしておるわけでございます。しかしながら、この疾病につきましては医学的にまだまだ分明でない分野が多うございまして、昨年来熱心に専門家の方に御検討願っておりますが、まだ結論を得るには至っておらないところでございまして、私どももなるべく早く御結論をいただくように専門家の方にもお願いをして努力していただいている次第でございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 専門家会議の中に小委員会を設けて討議をされている。この問題点については、先日衆議院の答弁の中でその結論は大体四月中に出すと、こう実は経過の報告があったわけでありますが、すでに四月もあとわずかになってきたわけでありますが、したがってそういう四月中にできるかどうか。そのめどをどこら辺に置かれているのか。そのつどそのめどが変わっていくようでは私たちも対応できかねると思うわけです。その点ひとつ明確にこの際は結論を出す時期をきちんと明記をしていただきたいと思うんですが、どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のように、その専門家会議では内部に小委員会を設けまして、いろいろ検討項目の問題点を詰めておりまして、初めの予定では四月中ぐらいには小委員会としての検討結果の取りまとめをしたいということで、それを目途に進んでおりましたが、小委員会の検討が若干予定よりおくれておりまして、まだ四月中に取りまとめが終わることはちょっと、あと四月もわずかでございますので困難ではないかと、かように考えております。しかし私どもは、先ほども申し上げましたように、できるだけ早く検討を進めていただきたいということでお願いいたしておりまして、小委員会の取りまとめ自身はそうもうおくれることはないと存じます。ただ、小委員会でやりましたものが全体の専門家会議にかかりまして、そこでまたどういう御意見が出るか、これはちょっといまの段階では何とも申し上げるわけにいかない問題でございますので、専門家全体としてそれをどう検討されて全体としての結論が出るのはいつかということはこの先生方の御検討の進展によるわけでございますので、まだちょっと結論の時期ということを明確に申し上げる段階までは至っていないわけでござます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 そこで明確になってまいったんですがね、実は四月中に小委員会の結論は非常に困難である。したがってその先になると予想せざるを得ない。そういたしますと、いま局長が御答弁になったように、小委員会と専門家全体会議があるわけですね。何か小委員会はたくさんあるかと思ったら、実は専門家会議の中にただ一つ小委員会、でき上がったのはこれだけなんですね。そういたしますと、小委員会で結論を出してもまた全体会議でどうなるかわからない。全体委員会でさらに検討すればまた時間がたつ。たとえばそれが答申が出てきてもそのとおりすぐたとえば労働省がすぐやるかといえばそれまた検討するであろう。そういう段取りを、ずっと将来を見越しますとこの四月中という結論が出ると思っておったところですね、これはいつになったらこれはそういう最終結論が出るのか、非常に私たちは疑義を持ってくるわけです。したがって、最終的な結論はいつごろ出てくるのか。あるいはまたその前段でございますが、全体会議にかけることが御明示になりましたから、全体会議で出た結論に対して労働省がそれを受けてさらに検討するのかどうか、直ちにそれを施行するのかどうか、こういう問題も私たちは事前に聞いておかなければならないと思うのですが、その今後の取り扱いについてどのようにお考えになっておられますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 四月中といま予定しておりましたのは小委員会の取りまとめのめどでございましたので、初めから全体の結論が四月中に出るということを予定しておったわけではないのでございます。小委員会自身は先ほども申しましたように四月中はちょっと無理になりましたけれども、そうそれが著しくおくれることはないのではないか、かように考えておりますが、やはり専門家全体で議論をされまして、ただ人数が多いとなかなか取りまとめがむずかしくなるので一種のドラフトみたいなものをたたき台をつくる意味で小委員会ができておりますので、それに対して全体会議でどういう議論がされますか、これは専門家の方々でございますのでいま予測ができないわけでございます。そういう意味で専門家の会議全体としての結論はちょっとまだ時期を御明示申し上げかねると申し上げたのですが、専門家会議全体としての御結論が出れば私どもは専門家にお願いをして認定基準を再検討していただいておるわけですから、結論が出ればそれはできるだけそれを尊重いたしまして行政のベースに乗せるようにいたすわけでございますから、それに長時間を要するということはないようにできるだけ急いでやるようにしたいと思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 最終的にはいつごろ。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) これは、最終的な時期はしたがいまして、専門家の会議の全体としての結論が出れば、それからそう離れない時期に認定基準の改定をすみやかに行ないたいと、かように思っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 一つお願いしておきますが、やはり結論を小委員会ですら四月中にと衆議院で答弁されているわけです。その該当者はその時期を待っているわけです。またこれが延びていくとだんだんその先が延びていくわけですね。ですから、その点は約束どおり専門家の皆さんにも御了承をいただいて、これは鋭意努力をして早急に結論を出していただくように、最終的な結論をですね、ひとつぜひお願いしておきたいと思うんです。  そこで小委員会の実は結論がもう近くになっていると、こういうことですから、もう仕事はどんどん進んでおると思うんです。そこでその作業の内容でありますが、たとえば電話交換手の業務の内容だとか作業の実態、態様といいますか実態、これらについて調査、分析現実にやっておられるかどうか、具体的に行なわれているかどうかということについてどうでしょう。簡明にひとつお願いします。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) それらの小委員会におきましては、この頸肩腕症候群の定義、どこまでが入るかという、診断基準、認定上の留意点、こういうような問題点を中心にいま検討結果の取りまとめがされておるわけでございまして、関連する作業全部についての作業調査といったようなことまではここではやっておられないわけでございます。必要な資料は私どものほうから差し上げております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 ただ、私はこの際要望しておきますが、やはり具体的に行なってないとするならば、当然その机上の討論だけに終わって現実の実態というのはそぐわない、いわゆる検討するにいたしましても矛盾が後ほど出てくるんじゃないか、こういう点でぜひとも時間が限られておりまするけれども、この業務の内容、作業の様態というものを現実に見て判断をしてもらわなければ私はならぬと思うんです。この点は時間の関係がございますが、さらに詳しく尋ねたいけれども、実はそういう調査、分析がなくしてただその机上でお互いに討論し合うだけでは実態がつかみ反映されない、この点は特に強く指摘をしておきたいと思うんです。  そこで、電話交換手と基準局の通達七二三号との関連でございますが、基発七二三号第一項(1)から(3)では「指先でキーをたたく業務、その他手指を過度に使用する業務、」などと書いてありますが、従来労働省はこの認定基準の中に電話交換手も含まれるという見解を持っておられるというふうに私たちは聞いておりますが、そう理解していいんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) この通達でいっております「指先でキーをたたく業務、その他手指を過度に使用する業務、」に含まれるものとして取り扱っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 もちろんキーパンチャーの場合には「指先でキーをたたく業務、その他手指を過度に使用する業務、」として考えられますが、電話交換手というのは、私も実はこの二十二日に地元の電話局へ参りまして実態を見てまいりました。それを見てまいりますと、電話交換手というのはただ手先でキーをたたくだけの問題だけではなくして、業務の特殊性といいますか、いろいろの問題点がそれにそぐわっていると私は思うんですが、その点はどうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) そういう作業内容も含まれているものと理解しております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 そうするとキーパンチャーと電話交換手の業務内容、仕事の態様というものは同じと考えておらないということですね。その点ばどうでしょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) もちろんキーパンチャーと電話交換手が全く同じというふうには考えておらないわけでございますが、四十四年の七二三号通牒では「キーパンチャー等」ということで、もちろんキーパンチャーだけに限定したことでなくて、ややそれよりは幅の広いことで当時想定をいたしましてこの通牒を出しましたわけでございます。なお先ほど申し上げました専門家会議では今回は手指作業にとらわれないで、頸肩腕症候群全体を御検討いただくようにお願いをしております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 大体わかりました。電話交換手はキーパンチャーと同じものではない、そういう認定の上に立っておられる。したがって、電電公社はこの電話交換手はキーパンチャーと同じと思っておられますかどうですか。どうですか、電電公社。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 電電公社におきましては電話交換手の頸肩腕症候群に関する認定につきましては、基本的には先ほど労働基準局長からお話のありました基発七二三号の1の(3)というものが現時点におきましては基本的な指導通達というふうに理解して処理をいたしております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 仕事の様態が、あるいは業務の内容というのは同じかどうか、異質かどうか、この点をお尋ねしておるのです。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 電電公社にも別にキーパンチャーもおりますが、仕事の内容は、かなり作業内容は相違しておるというふうに理解しております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 同じように電電公社も違うという御見解であるというふうに理解をいたします。特に私も現地、現場を見てまいりまして、たとえば電話を通じてではございますが、顧客との対応あるいは交換台のランプの点滅、ダイヤルやボタンダイヤル、キーの操作あるいはコードの操作など接続に対する視聴覚神経に及ぼす疲労あるいは精神的な緊張感からくる疲労については、キーパンチャーというような単なる手指の作業のみではなく、疲労は手指のみならず、首あるいは肩、腕に発展をしてさまざまな私は障害にあらわれてくるのではないかと実は現場を見て痛感をしてきたのです。したがって、小委員会の検討の中におきましてもそうした実態を調査されておらない、分析の上に立っておらないというところにおいては今後私は矛盾が出てくるのではないかという危惧感から御質問を申し上げているわけでありまして、したがって、どのような考え方に立ってこの調査分析を検討されないのか、この点について御説明を願いたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) もちろん業務上の疾病でございますから、業務との関連ということは前提としてあるわけでございますが、この委員会はただその医学的な側面からそういう検討をしていただいておりますので、医学的所見の原因である業務の態様等につきましては、まあ、われわれ事務当局で必要なつど御説明を申し上げる、こういうことでもっぱら医学面の検討を先生方にお願いしているわけでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 じゃ、その実態についてその調査、分析は事務当局から補佐をしていく、こういうことで理解をいたしますが、十二分に労働省は現場を認識をされて、それが反映をするように努力をしていただきたいと思います。  そこで、労働基準法施行規則三十五条の問題でありますが、この労働基準法施行規則の七十五条第二項の規定による業務上の疾病を一から三十八にわたって列記をされておるわけです。したがって、頸肩腕症候群というような業務上による職業病というのはどの項に入るんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 手指作業によりまして手指のけいれんや書痙に至るようなものでございますと、三十五条の十三号に当たりますが、それ以外の頸肩腕に関する症状につきましては、三十八号の「その他業務に起因することの明らかな疾病」ということで、現在業務上の疾病として取り扱っているわけでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 従来議事録を私も読ましていただいておりますと、大体うかがい知るところ、労働省はこの十三号の中において電信手あるいはタイピスト、筆耕手等の手指のけいれん及び書痙、この問題の中に電話交換手も含まれるというような見解が実は前の議事録にも出ておるわけです。しかし、電話交換手の作業は単なる、先ほども申し上げましたように、手指に限定されたけいれんあるいは書痙の症状のみに業務上の疾病として扱うところに私は問題があるのではないか。いまうなづいておられますから、あえて御質問いたしませんが、そこに問題がある、単に手指の作業による疲労というもので受けとめるのではなくして、先ほど申しましたように電話を通じて顧客に対する会話だとか交換台にランプが点滅をしている、それを凝視しておらなければならないとか、ダイヤル、ボタンダイヤル、さらにはキーの操作だとかコードの操作による接続に対する視聴覚神経の疲労、あるいは精神的緊張感からくる疲労が私は原因ではないかと、そういうところに障害が発展をしてきておるのではないか、こういうようにわれわれは受けとめなければならないと思うわけでありまして、その十三号の中における業種について電話交換手を明確に区分して別に私は一号新たに挿入すべきだ、こういう私は実は私見を持っておるわけですが、その点はどうなんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生おっしゃいましたように、十三号だけで考えますと、いろいろ問題がございます。たとえて申しますと、十三号にはそういう職種の例示のほかに「手指の痙繁及び書痙」と書いておりますので、けいれんは起きていない、あるいは書けいの症状は起きてないというような場合ですと十三号には当たらないわけでございます。頸肩腕症候群にはそれ以外の症状がたくさんございますので、そこで先ほども申し上げましたように、それ以外の者は三十八号のほうでの該当の疾病として頸肩腕症候群を、大部分はいまではこれで取り扱われておるわけでございます。  で、十三号その他にも電話交換手という職種名を出すかどうかにつきましては、これは頸肩腕症候群、まあ御承知のとおり、キーパンチャーだとかレジスターのチェッカーだとか、電話交換手も一例でございますが、その他いろいろな職種にございまして、職種をそういうふうに列挙することができるかどうかという問題が一つございます。それから頸肩腕症候群という病名を入れることにつきましても、頸肩腕症候群の中には業務によるものもございますし、いわゆる四十肩とかそういうような年齢的な問題あるいは私ども聞いておりますのでも、ボーリングのような重いものを持ったことをやり過ぎるとやっぱり頸肩腕症候群になる人があるそうでございますので、頸肩腕症候群が全部業務上だということは言えない、それ以外の原因による人も最近ではかなり多いそうでございますので、そういう法令に表現するのに業務に起因するものを分離して表現し得るかどうかという問題もあるわけでございます。したがいまして、それらの点については、いま、先ほど申しました専門家会議で認定基準をいろいろ御検討願っておりますので、その認定基準の改定の問題が済みましたならば、いま申したような点についても御意見を伺って検討してみたいと考えておる次第でございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 検討してみてみると、こういうお話でございますが、実は三十八号というのはまた新たに予想されることを予期して、「その他業務に起因することの明かな疾病」ということで、行政的にはおたくたちが前もって予期して書いておいた項目だと思うんですよ。ですから現実に出てきた以上は、これは補てんをしていくのが私は正しいあり方ではないかと実は思います。したがって、電話交換手だとか電信オペレーターというような職種については手指だけにとどまらない疾病なんですね。すなわち首だとか肩だとか腕の障害というのが出てきているわけですから、これは新たな一つの病気として。しかもお話のように頸肩腕症はいろんなところに出てくると、こういうことですから、したがってたとえば電話交換手の職種において頸肩腕症が出た場合には、とか、そういうような必然性についてここに明記をさしていくと、こういう形でぼくはやるべきじゃないかと実は思うんです。そのために検討するということでございますが、これはひとつ実態調査を労働省もやっていただいて、これは早くこの施行規則を改正をする、とりわけ、私は指摘をしておきますが、もはや十三号の問題でも「電信手、」というのはすでにないんですよ。この三十八号そのものの各項目の中に大きな問題点が出てきているわけですから、これは早急に全面的に改正をするなり、そして、電話交換手、電信オペレーターの職種について起きてくるところの頸肩腕症に対する認定というようにここに明記をすべきじゃないか、こう思うんですが、その点は、再度検討するということですが、検討というのは私たちはあまり信頼しないんですよ。その場限りの答弁に終わる可能性が多いわけです。したがって、その点は、検討じゃなくて、もっと積極的な表現があると思うわけですが、どうですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘のような問題があることは、先ほど私も申しましたとおり十分に考えております。で、事実、こういう疾病の方が数多く出ておられるわけでございますので、そういうことを真剣に考えてみる必要があると考えております。ただ、先ほど申しましたのは、医学的にそういう業務上のものを特定して書き得るかどうか、そういう点につきましてはなお専門家の検討を要する問題でございますので、十分−決して、いわゆる真剣にやるつもりはない検討ではなしに、(笑声)真剣に検討いたしてみたいと考えております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 また形容詞が一つついたわけですがね。労働大臣、この施行規則を見ますると、実は古いんですよ。たとえば、電信手という名前がついておりますが、いま電信手というのはありゃせんので、全くこの世の中から消えていっているというような古い時代の職種なんですよ。したがって、こういうものを古いまま残していくんじゃなくて、やはり時代に即した項目に切りかえていくことが私は当然ではないか。したがって、ただ「検討」というような抽象的な文句では引き下がれないのであります。この際直しますとかいうような明確な答弁を私は大臣から期待いたしたいんですが、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私も、これをずっと拝見して、そういう感じなきにしもあらずでございます。ことばの問題などもありますが、やはり、ぴちっとやる場合には、それを裏づけする医学的なもの、こういうものがあとあとまでこれは権威づけると思いますので、そういうことも含みながら前向きの姿勢で検討してみたい、こう思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 どうも、労働大臣からも予期をしたような答弁が出てこないわけです。これは心の中を察しよということで了承いたしますけれども、これは、ただ答弁だけにとどまらず、やはり態度で示していただきたい。この点はひとつ要望しておきましょう。  そこで問題は、いま、多くの頸肩腕症候群によるところの罹患者が多くなってきているわけですね。そこで予防対策の一環としてもやはり考えなければならないわけですが、すでに、基準局の通達一八八号ですか、ここに持ってきておりますが、「金銭登録作業の作業管理について」という実は通達が出ておりますね。もうすでに、「スー。八一店等における金銭登録作業に従事する労働者について、頸肩腕症候群等の健康障害問題が発生しており、その対策の充実が要請されるところである。  金銭登録作業の実態は極めて複雑多岐であり、」電話交換手と同じように複雑多岐だといっているんです、これも一。「複雑多岐であり、かつ、健康障害に関する医学その他の学問的研究が進められている段階にあり、今後とも調査研究を進めることとしているが、このたび、金銭登録作業に主として従事する者の健康障害を防止するため当面の「金銭登録作業指導要領」を別添のとおり定めた」と実はいっているんです。このスーパーにおけるところの金銭登録作業についても複雑多岐なんです。電話交換手の問題についても複雑多岐なんです。医学的にも解明がまだ十分になされていない段階は同じなんです。ですから、私は、この際、金銭登録作業の作業管理について通達が出し得るならば、当然、電話交換手の問題についてもそうした作業管理についての通達が私は道理としてできるのではないかと実は思うわけですが、この点はいかがですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 頸肩腕症候群につきまして特に多数発生いたしましたキーパンチャーにつきましては、三十九年九月にキーパンチャーの作業管理につきましての通達を出しておりますし、金銭登録機も二、三年前から非常に問題になりましたので、昨年作業管理の要領の通達を出しましたわけでございます。電話交換手につきましても、私ども、電電公社、郵便局等においてそういう問題が出ておることを承知いたしておりますが、電電公社につきましては、一昨年来でございますか、専門家のプロジェクトチームをお設けになりまして、いろいろ専門的、医学的な研究をされ、それの報告が最近出ております。それに従って電電公社では作業管理等についても御配慮をいただいておるように承知をいたしております。郵政省におきましても、同様に調査、研究を近く行なうこととされておりますので、この電電公社、郵政省の関係につきましては、両者とも密接な連絡をとりつつ、それぞれにおける対策の御推進をわれわれもバックアップしてまいりたいと考えておりますが、したがいまして、電話交換手でそれ以外の、電電公社及び郵政省以外の関係が問題であろうと思います。で、これにつきましては、率直に申しまして私ども必ずしもいままでその実態を把握しておりません。頸肩腕症候群の発生状況等も特別に調査いたしたことがございませんので、これにつきましては、実態を調査してみたいと、かように考えております。で、その上で何らかの作業管理基準といったようなものを考えるべきかどうかということを研究いたしたいと、かように考えておるわけでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 いまお話だと郵政省あるいは電電公社の中でもお考えになっておると、こういうお話でございますが、私はいま一般論として申し上げたわけですが、いま労働省のほうからあえて郵政省あるいは電電公社の中で自主的に考えられて  いると、こういうお考えでございますが、じゃあ、お尋ねをいたしますが、電電公社としてどのように対応されておりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) お答え申し上げます。  電電公社の場合には、この頸肩腕症候群につきましては、二年以上前から全電通労働組合のほうからも非常に強い要望がありまして、その予防策あるいは治療策について具体的な提案もございました。で、私どもはこれをいろいろと検討し、また公社自身もいろいろと職場の実態等把握いたしまして、こまかくは申し上げませんが、予防対策につきましてもいろいろと具体的な施策を講じております。それから治療策につきましても、医学的な対策あるいは罹病者に対する経済的な対策等含めまして実施をいたしております。それから先ほど基準局長からお話のありましたように、昨年の春以来二十八名の専門医からなりますプロジェクトチームを編成いたしまして、関東逓信病院の沢崎博士が委員長で、これはこまかく職場の実態をいろいろなスタイルの局につきまして調査いたしまして、本年の二月二十二日に第一次答申をちょうだいいたしました。で、この中に第三章に対策という項がございまして、ここにいろいろな対職員関係の対策あるいは職場環境に対する対策あるいは技術的な諸問題に対する対策等が要請されておりますので、これを受けまして、この中ですでに具体的に実施済みあるいは実施中のものもございますが、さらに抜本的な対策を講ずるように、総裁以下この問題につきましては非常に力を入れて実施方を取り運んでおり、また並行的に労働組合とも個々の問題につきましては話し合いをして、それで了解というものも多々ございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 そのプロジェクトチームの答申を私ここに持っておりますが、その対策について一一お尋ねをしておりますと時間の制約がございますから残念でありますが、このように行なっておられますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 一、二の例を申し上げますと、たとえば予防対策におきましては採用時あるいは定期健康診断にこの頸肩腕症候群に対する健診項目というものはございませんでしたが、昨年以来これを項目につけ加えるというような措置をとるとか、あるいは治療策におきましても、はり・きゅうあるいはあんま、マッサージといったふうな療法が非常に効果があるということでございますので、これを治療項目に加えまして、その治療費につきましても共済組合あるいはその不足分は公社の社費で補てんすると、あるいは通院する場合の時間的勤務上の便宜をはからうと、あるいは万一休職になった場合の給与を結核並みに扱うとか、このような措置を逐次講じております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 その項目の内容については後ほど具体的にお尋ねをいたしますが、この際全般的にひとつ電電公社にお尋ねをいたしておきたいと思います。頸肩腕症候群の罹病者が電話交換業務を通じて非常に増加をしていることは大きな問題になっているわけですが、この頸肩腕症候群の罹病者の調査が全国的に行なわれておりますか、どうですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 各通信局ごとに罹病者の状況あるいはそれの健康管理状況等の数字は一カ月ごとに把握しております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 一カ月ごとですね。そういたしますと、一番近いときにこの病状を訴える人々は現在全国でどれだけになりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 頸肩腕症候群に罹患しております者の数が本年三月末現在で二千二百六十名でございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 二千二百六十名、これは業務上災害の申請をした者だけの数ですか。それとも罹病者全体を示しておりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 罹病者全体でございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 じゃあ、その罹病者全体が二千二百六十名、その中で業災申請をしているのは何人ですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 同じく本年三月末で四百八十三名でございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 二千二百六十名が病気で四百八十三名が業災申請をしている、大きな差があるわけですね。この差があるのはどういうふうにお考えになっておりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) その罹病者の二千二百六十名の中には、公社の健康管理区分でABCDというふうなのがございまして、たとえばDの場合には非常に病状が軽くて、いろいろと医者がときどき病状を呼んで聞くとか、そういうような軽い人もおりますし、それからAのように療養中という者もございまして、相当病状の程度の差がございますが、認定申請の出てきております者はこの中で病状の重いほうの方々ということが一つ数字の差があると思います。それからもう一つは、四百八十三名と申しますのは、現在の業務疾病認定の機関であります各通信局が受け付けた数でございますので、ここへ来るまでにあるいはたとえば電話局とか通信部等で手続中という者もこの四百八十三名の外側に若干あろうかと思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 何か私はうがった見方をするようでありますが、二千二百六十名、しかも重い者だけ四百八十三名が業災申請を出している、どうも出しにくいという環境があるんじゃないかというような予測に立つわけですが、その点はいかがですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) その点につきましては国会でほかの先生からも実はお尋ねをいただいたことがございますが、私どもこの業務に携わる責任者といたしましては、そういう、いやしくもこの疾病にかかった職員が定められた手続に従って申請をするとか、そういうものを何らかの牽制といいますか、そういうことで出しにくいというようなことはないように、十分通信局の保健課長とかあるいは各電話局の担当者等に指導しているつもりでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 ぜひともそういう意向で通信局をひとつ御指導願いたいと思います。いずれにしても何か少ないような感じがしております。何かそこに阻害をする要因があるような感じがしてならないわけであります。そういう疑念のないようにひとつ通信局を御指導願いたい。  そこで、四百八十三名の業災申請をしておる人の中で、すでに業務上あるいは業務外の認定をされた人があると私は聞いておりますが、その内訳はどうなっておりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 同じく本年三月末で業務上疾病として認定いたしました者の数が十八名ございます。その内訳は、東京通信局が五名、信越が二名、東海が一名、北陸が二名、九州が二名、東北が六名でございます。それからそのほかに業務上申請がありまして所定の審査を行なった結果業務上疾病とは認められないということで、いわゆる業務外となりました者が四名ございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 その業務上あるいは業務外の認定はまだいま労働省から御答弁があったように認定基準が確定してないのに、公に認定基準が確定してないのに一方では認定が進められている。どのような方法と手段で、だれがどこでその認定事務を進めておるのか、ここに一つ問題点が私はあると思う、素朴なものの見方として。その点はどういうふうに進めておりますか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 私最初に申し上げましたように、この頸肩腕症候群の業務上疾病としての認定の基本的な基準は労働省の通達基発第七二三号でございますが、この先ほどお話に出ました第一項の第三号の基準でまいりますと、たとえば「業務量が同種の他の労働者の業務量と比較して過重である」ということ、あるいは「業務量に大きな波がある」ということ等、いろんな抽象的な言い方で基準が示されておりますが、従来、一昨年まではこの基準を厳密に解釈いたしました結果、幾つかの業務上疾病申請が出てきておったわけでございますが、この基準からいうと、なかなか該当がさせにくいということで、いずれも業務外というふうに認定がされておりました。そこで、私ども昨年来労働省ともいろいろ御指導いただきまして、この基準をある程度弾力的に解釈する余地があるという御指導をいただきましたので、たとえば具体的に一年以上その業務に引き続き従事していること、あるいは多角的な所見が認められる場合、あるいは他に名称のついた具体的疾病がない状態において頸肩腕症候群が発生した場合とかというふうに部内でかなり弾力的な基準を、考え方をつくりまして、これで現在認定権者は各通信局長でございますので、これを積極的に指導いたしまして、むしろ認定をする側のほうへどちらかといいますと私ども指導をいたしまして、そしていま申し上げましたように現在十八名という認定を昨年の五月以来開始したということでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 まだその認定基準が未確定である。しかしわずかではあるが十八名すでに業務上の認定者を出しておる、その認定の基準はといえば、実は基発七二三号の一の(3)の項目によってこれを弾力的に、抽象的な文句であるから弾力的にひとつやってもよろしいと、こういう意向でやったと、こういうことですね。その点についてはまあ熱意があると、こう了解をしたいんですが、じゃさらにこれを弾力的に考えれば、弾力というのはどこまで弾力的かということが問題点になってくるわけです。その人の感じ方によってどのようにでも幅が広げられていくと思うのです。したがって、そういういま小委員会の結論がまだ出ておらない等々御答弁がございました。これからまだどれだけかかるかわからない、そういう過程の中において、この認定しようという熱意があれば、もっと数字が私は高くなってきてもしかるべきではないか、こんな感じがしてならないわけですが、どんどんしかるべきは認定をするという積極性が出てこなければいけない。そういうことを労働省はやってもいいのか、双方からひとつ御答弁をいただきたい、いかがですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先ほど申し上げましたように、現在頸肩腕症候群については認定基準を再検討するための専門家会議を鋭意進めておるところでございますが、それで新しい基準が再検討の結果できて、従来の認定基準を改正するということが起きるまでは私どもは四十四年十月の基発第七二三号で認定をいたしております、これも当時その関係の専門家の方に非常に研究をしていただきましてつくりました基準でございまして、もちろん文章の中にはやや抽象的な面も書いてございますけれども、これにはその専門家の解説などもついておりまして、かなり詳しくこの認定基準を運用するについての考え方等も示されておるわけでございます。これに従って私ども新しい基準の変更を実施いたしますまではやっていくのが適当であると、かように考えまして、電電公社等とも昨年電電公社の電話交換手の方の頸肩腕症候群が問題になりましたときに、双方で何回か御連絡をいたしまして労働省の取り扱いの考え方等をお話しいたしまして、電電公社も大体それに合わされて認定すべきものは認定をするということで進められておりますので、現行のこの運用によりましても当面そう妥当性を欠かない認定が行ない得るものと考えております。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 弾力的と申し上げましたのはばく然とした考え方ではございませんで、たとえばこの基発七二三号には「相当な期間継続して従事し」というふうなことが書いてございますが、これを一年というふうに労働省からも御指導いただいて理解してこれを適用したとか、あるいは「業務量が同種の他の労働者の業務量と比較して過重である場合、」というふうなことがございますが、この「同種の他の労働者」という見方は、たとえば電電公社の中の電話局のAとBの違う労働者と理解すべきか、あるいは民間の私設のPBX等の労働者というふうに理解すべきか、この辺もいろいろ問題がございますし、またこの作業の過重性というような場合の取り扱いの数量とか、そういう点の数量にもいろいろむずかしい調査あるいは数字もございますが、こういう点割り切って、そうして先ほど申し上げましたような考え方で現在、この辺はむしろどちらかというとそう深く研究を待つというような姿勢でなくてやっておったと、こういう意味でございます。それから、しからば認定の具体的な見通しというような点でございますが、先般春闘がございましたが、この春闘の労働組合からのかなり重要な要求項目に、頸肩腕症候群の対策というものが出ておりましたので、それにつきましては、私ども率先して十分全電通の幹部、関係者諸君とも話をいたしまして、この五月中程度をめどに、現在まで指定病院の精密健診の済んだ書類が認定権者の手元に届いている者については五月中に事務処理を完了するということを目途に実施いたしたいというふうなことを表明いたしまして、現在その線に沿って進んでおる状況でございますので、もう一、二カ月の間にさらにこの基準によっての事務処理が促進されるというふうに考えております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 要するに認定基準がはっきりしておらない段階で弾力的にならざるを得ない、当然のことです。しかし、弾力的にすればその認定をする人の思慮にかかってくると思わなければならない。人間のやることですから、これは右顧左べんするのは当然のことで、そこでやるかやらないかというその熱意に私はかかってきていると思うんです。したがって、これはできるだけすみやかに、できるだけ多くを救済をしていくという理念、すなわち、疑しい者であっても、疑しき者をやはり認定をしていくというような積極性がなくてはならぬと思うんですが、その点はどうかということ。  それからいま一つは、業務外の認定を受けた者です。公に認定基準が明らかになっておらないにもかかわらず、その弾力的な運用によって判定をしていく、判定していくのに実はおまえは業務外なんだと、こうして断定してしまうのは、これは軽率ではないか。少なくとも私は業務外と断定することは避けて保留をしていくべきではないかと実は思うわけでありますが、業務外と明らかに断定する前に認定基準が確定した場合に、もう一ぺんその点再検討する、そういう余地を残していくことが私は当然の処置ではないかと思うんですが、その点はいかがですか。二点について。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 認定基準が不分明のままで認定をやるということは不可能でございまして、電電公社といたしましては、認定基準については三つのよりどころによって各通信局で認定作業を実施してほしいということを指導しております。その三つと申しますのは、通常の状態で一年以上継続して交換作業に従事していること、それから二番目は、当該疾病の自覚的症状に加えて医学的に明らかな他覚的所見が認められること、三番目は業務以外の原因、たとえば発症原因と考えられる他の疾病、あるいは私的事由が認められないこと、これに該当する場合には業務上として認定してよろしい、こういう指導をいたしておりますので、現時点におきましては電電公社内における認定の基準というものはこの三つで実施していると、こういうことでございます。  それから業務外ということになりましたのは、たとえば第三号の発症原因と考えられる別の疾病があったとか、あるいは他覚的な所見が指定病院等で診断書に書かれていないとか、そういうこの基準に当てはまらないものを業務外というふうにいたしておるわけでございまして、この三つの基準は私ども当分の間これでいかざるを得ないというように思っております。したがって、労働省のほうからさらに新しい基準がお示しいただければもちろんそれにのっとってまいりますし、また最近プロジェクトチームの答申の中にも認定基準の考え方というものが出ておりますので、これも十分今後の参考にしてまいりたい、このように思っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 これは救っていく、いわゆる業務上で認定をする問題については積極的に進めてもらいたいんですが、業務外で新しい認定基準が労働省できめられる前は保留するとか、もう一ぺん再審査をするという余地を残しておくべきだと思うんですが、その点再度しつこいようですが、どうですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 仰せのとおりでございまして、一度業務外という認定が下りましても、各通信局ごとに労使同数の業務災害審査委員会という委員会がございますので、これに申し出ることも可能でありますし、またそれとは別に再審査を申請することも可能でございますので、私どもは、本人がどうしてもそういう認定には納得ができないという場合には、再審査の道を開いており、今後もこのような方法で救済の方策は講じてまいりたいと思っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 実は、これから具体的な事例をとらえて電電公社にお尋ねしたいんです。抽象的なお話をしておるとどうしても行き違いますから、具体的な事例を取り上げながらひとつお尋ねをいたしたいと思うんです。  というのは、私も四月二十二日、この月曜日に名古屋市の市外電話局を見てきました。頸肩腕症候群の誘因というのはどういうところからきているんだろうか、こういう点を私は私なりに勉強しようと思って行ってまいったわけですが、その名古屋市市外電話局の厚生課から実はまとめをもらってきております。そちらに資料がないといけませんから、どうぞひとつこれ……。   〔資料を手渡す〕  この名古屋市外電話局の厚生課がまとめた「頸肩腕症候群罹病者調書」によりますと、現在十名、さらに、すでにこの当局を転職あるいは退職した者が七名、実はここに明記をされているわけです。現在なお名古屋市の市外電話局の在籍者十名おるわけでありますが、そのうち八名が業務災害の申請を出しておるわけです。さらにその局をやめてよそへ変わった、あるいはまた退職をした、こういう方々が、実は転職した者六名、退職した者一名を見ても、すでに業務上災害を出している者が非常に長い間置き去りにされておるわけです。いま、東海関係で業務上と認定をした者は実は一名だと言うのでありますが、それは実はこの名古屋市の市外電話局の一人なんです。申請が出されたのを、具体的に言いたいんですけれども、御本人の疾病にも関係ございますから、名前は避けたいと思いますが、実は申請が出されたのは昭和四十六年一月付の者が八名、四十六年二月が一名、四十六年十月付の者が二名、十一名が在職者として申請を出しておるわけです。その中で一人だけ実は業務外の認定を受けております。さらに名古屋市の市外電話局にかつてつとめておって、実はいまはよそへ転勤をした、あるいはまた退職をした者を見ますると、四十七年三月申請をした者が一名、四十七年九月が二名、四十七年十一月が一名、以上四名。こういう申請の経過を見ますると、実は先ほど労働省に申し上げておるように、小委員会をつくって検討して全体委員会にかけて、そしてまた調査検討して、そうして労働省へ持っていって、労働省でまた検討して、そして正規の認定基準を出してくるというようなことでは時間がたち過ぎますよ。三年以上も放置をされておりゃ……。こういう実態というものをわれわれとしては、議員としてこれ看過できないわけです。全く遺憾と言わなければならないわけでありますが、この認定基準が未確定とはいえ、三年間も放置されている。放置しているほうはいいけれども、放置されている当該者にとってはまことに大きな心痛だと私は思うんです。これはどういうことなんですか。ですから私は、新しい基準ができない場合には、弾力的な運用によってもっと積極的にどんどん認定をしたらどうだ、あるいは疑わしき者は認定をしていくというような積極性を出していいんじゃないか、こういうような意見に行くのは当然ではないかと思うんですが、その点はどうでしょう。双方からこれだけ置き去りにされている実態についてどのようにお考えになっているのか、労働省と電電公社から御意見を承っておきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私どもは認定基準がいま不確定であるというふうには思っておりませんので、現在有効な認定基準はある、ただ、それを一そう改善するためにさらに検討をしておると、かように考えておるわけでございます。したがいまして、私どもは現在でもたくさん各監督署に出ております申請につきましては、現行の認定基準でどしどし必要な認定を進めておるわけでございまして、もちろんそれに御不服の方は不服審査なり何なりの道がございますし、最終的には保険審査会まで行けることに相なっておるわけでございますが、また、もし改正されましたならばそれによって適用するとして、それまでの間は現行の認定基準を積極的に活用して保護に遅延のないようにしていきたいと、かように考えておるわけでございます。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 先生から具体的な現地の資料に基づく御指摘がございましたが、三年以上と申しますのは、一度途中で認定が業務外というふうに下されまして、その後また再審査を申請しているという方ではないかと思いますが、これは通算しますとおっしゃいますように三年以上になりますが、途中で中断はしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、長期に結論が出ずにおるということは、非常に電電公社といたしましてまずいことだというふうに思っております。私どもの調査によりますと、現在、認定申請中の四百八十三名のうち一年半以上という者がちょうど一割弱の四十四名ございます。その他の者はほとんど半分近くの二百九名が六カ月までということでございますので、先ほどお答え申し上げましたように、この五月中ぐらいにこのような非常に保留期間の長い者につきましては、書類を早急に整えて結論を出すというふうにいたしておりますので、五月中には少なくとも相当長期の者は処理が実施できるというふうに、この点は確言できると存じております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 先ほども私はなぜそういうことをお尋ねしたかということです。というのは、「指先でキーをたたく業務、その他手指を過度に使用する業務」、こういうキーパンチャーと要するに電信電話の業務というのは本質的には違うんだと、よく似ているけれども、ほかに要因がたくさんあるんだ、同じですかと言ったら、同じではないと、両方とも御答弁になったじゃございませんか。したがって、今日のような基準ではだめなんだ、だから新しい基準をつくって対応しなければならないと私は指摘をしているわけです。そういう点を前に答弁されたことと、いま答弁されたこととちょっと違うんです。だから早く新しい認定基準、改正しなさい、それしなければ対応できないんじゃないかということを私は指摘をしているんです。その点はいかがですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先ほども申し上げましたように、四十四年の七二三号通牒は、「キーパンチャー等手指作業にもとづく」云々と書いてございまして、キーパンチャーだけを考えたわけではございません。キーパンチャーなどを中心にもう少し幅を広く考えまして認定基準をつくりましたので、手指作業に関しますものは大体この認定基準でカバーされておるというふうに考えておるわけでございます。ただ、現行の認定基準でも先ほどからも若干御議論が出ましたように、抽象的な点がございます。そういう問題もございますので、手指作業についてもそれらの点、その後の医学の進歩等に応じて再検討する必要があると存じます。  それから、もう一つは、現在考えておりますのは、手指作業以外の作業につきましても、近ごろ頸肩腕症候群が出ておりますので、そういうものを含めた認定基準をできたらつくりたいということで改定のいま検討をしておるわけでございます。なお、現在は認定基準が出ておりますのは、この手指作業に基づくものでございますが、現在でも手指作業によらないもので頸肩腕症候群であるという申請がありました場合には、これは施行規則三十五条三十八号のその他という中でケース・バイ・ケースでそれぞれの場合に専門家の御意見を聞いて判断をいたしておるわけでございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 これは第三者が聞いておっても等だとか、その他とか、そういう抽象的なところへ逃げ込まないで、正々堂々と答弁できるようなそういう体制を一刻も早くつくってください、だから認定基準を早くつくりなさい、この点についてはおわかりになったと思うんですが、そういう点でひとつ進めていただきたいと思うんです  時間がございませんから、さらに進めてまいりますが、そして名古屋市外電話局の在籍十名の罹患者を見ると、療養のだめに自宅で静養している者が六名、ごらんいただけば六名あります。半数以上が休んでいるわけです。病気休職となっているわけです。もちろん認定を促進することが重要でございますが、三年以上も放置していることは罹病者のやはり心痛もたいへんだと私は思うわけです。せめて認定までは、疑わしいと思われる間は身分、昇給あるいは賃金の保障、聞くところによりますと、身分は首を切らない、こういうことであるそうでありますが、これはともかくとして、医療費及び通院に対する費用ぐらいは保障してやってもいいのではないか、そんな私は感じがするわけですが、いかがですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 療養費につきましては、これは療養中は私傷病ということになりますが、これは本人である限り、すべての医療機関で治療した費用は共済組合負担で、本人の負担にはならないわけでございますが、さらにこの頸肩腕症候群に対する特別措置といたしまして、労働組合のほうとも話し合いまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、病院の通院費用とか、あるいは診断書を取る費用、あるいは、はり・きゅう、マッサージ、あんま等の費用等につきましても大体三段階ぐらいに進んでおりますが、逐次改善をはかりまして、先生のお話のような本人に対する医療費、あるいは治療上の経済的措置というものは年年進めてまいっております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 年々進めておるということですけれども、実態はそんなに前進をしておりません。だからさらにこれは鋭意検討していただきたいと要望しておきましょう。  で、病気というものは、実は重くなってからはなかなかなおりにくいのですよ。だから軽いうちに手当てをしなければならないのが、医療におけるところの必須の条件なんです。したがって、頸肩腕症候群の業務災害の申請が出された場合は、少しでも軽症のうちに回復させようとするのが当然のことだと思うのですね。たとえそれが業務外であろうと、たとえばですよ、たとえば業務外であろうと思われても、実質病気になっている職員をかかえている電電公社としては、こういうものの考え方に立たなければ私はならぬと思うのです。この名簿によりますと、業災申請八名のうちその五人が療養のために休職をしておるわけですね。もし転職、職場を変えて、そういう因果関係のあるような職場に置くのではなくて、庶務だとか、そういうほかの職務に勤務を転向させれば、休職せずにつとめ得ることができるわけです。たとえば転出等の七名を見てごらんなさい。一名は退職しておりますが、みんな勤務しているんです。実務についておる人たちはみな自家療養、——実は休職になっているのが六人、この対応のしかたですね。もっと人情味のある、人間として、病気の人たちに対して、これはどういう原因であろうが、病人に対する対応のしかたとして、ぼくは当然配置転換といいますか、職務を転換をさせる、そういう基本的なものの考え方がなくてはならぬと思うのですが、その点はどうですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 先生のお話のとおりだと思います。人間として、病気にいやしくもかかった者については最大限のあたたかい対策を講じてやるということは、単に事業者というよりも、それ以前の重要な責任だと思っております。名古屋市内、あるいは名古屋地区の罹病職員につきましては、ここ二年来は相当罹病者は早く発見して電話交換以外の職場、あるいは職務に職転ずるということを積極的に講じております。たとえば名古屋市外の場合には十名を、都市管理部へ五名、その他の報話局に五名といったふうな職転を講じた数字がございますが、このようなこともすべて先生がおっしゃいましたようなそういう、いわゆる人間としてのあたたかい配慮という観点から今後とも十分進めてまいりたいと思っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 名前を出して恐縮ですが、表現が困りますから言いますけれども、渡辺さんだとか、山内さんだとか、河原さん、清水さん、井上さん、近藤さん、大川さん、畑中さん、——何らかの形で療養——休職をしたり、あるいは時間を制限をして勤務をしているというような、そういう事態ですね。それが三年間も続いておるわけです。全く非人間的な取り扱いだと言わざるを得ない。直ちにこういう人たちは名古屋市の市外電話局だけではなくて、全国にわたってその職種を転換させるように、公社から通信局に対して行政指導されますか、どうですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 療養中の者につきましては、おそらくすべての人が業務認定申請の対象になっているという点が一つあると思いますので、これについては、先ほど来御答弁申し上げましたように、早急な結論を出すということが一つでございます。さらにこの病気が軽減して勤務できましたような場合には、私ども、これはもう総裁も常に申しておりますが、職転あるいは配転というものを積極的に講じて、そうした病人を同じ仕事に繰り返してつかせてまた再発させるというようなことがないようなことを講ずべきであるという指示を常に受けておりますので、その方向に沿って措置をしてまいりたいと思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 指示を受けておって現実にまだこのままの姿になっておる。指示をされているんですか。指示されておったらなくなっておるはずです。常に言われているというお話ですけれども、現実はそうなってない。直ちに職転をやられるように要求しておきましょう。さらにはもう一つ重大な問題があるわけですが、転出等というところの項目の中に阿部さんの名前が出ておる。業災申請をしたのが四十六年一月二十一日、すでに三年以上経過している。それで同じ頸肩腕症候群のような職業病になる、誘因になるような職場である電話交換手としてずっとつとめてきた、いつまでたっても認定をしてくれぬ、職場がえらい、だから、退職をせざるを得なかったという事例がここに出てきているわけです。全国にも私は非常に多いと思います。認定もしない、職転もさせない、とどのつまりはこういう阿部さんのような第二、第三者がどんどん出てくる、こういうところに追い込んでいくんじゃないかというようなうがった見方も成り立つわけです。こういう点は、どうでしょう。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 御指摘の阿部さんの場合には、四十六年の三月に業務上疾病の申請がございまして、四十七年の七月に当時は本社の厚生局長認定でございましたので、厚生局長が業務外というふうに認定いたしまして、それに対しまして本人から四十七年の八月に異議申し立てが東海の業災補償審査地方委員会に出されておりまして、その後四十八年の四月に病気のほうはおおむね治癒した、そのような時点で本人から円満退職という形で退職の申し出があったというふうに私ども報告を受けておりますけれども、いずれにいたしましても、先生の御指摘のように相当長期間療養しているというような者につきましては、なるべく早くこれが快方に向かうように医学的ないろんな援助等をいたしまして、職場に復帰した暁には職転、配転等、対象者にいたしてまいるというような対策を講じてまいりたいと思っております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 やめられたんですよ。それで円満退職とおっしゃいますけれども、職場の中でお話を聞きますと、非常にかわいそうであったという同情が寄っておるわけです。いま御報告、御発表になったんですが、実態とは違っておると、私は思います。事後のことですから、あえて多くは語りませんけれども、実態が違っています。こういうようなことへ第二、第三の人がどんどん追い込まれていく危険性が私はあると思うわけで、要するに認定を早めるということが必須条件、そして認定までは早く職転をさせる、そして軽症のうちに治癒ができるような措置を講じてやる、これが当然しかるべき人間に対応する私は公社のあり方ではないか。そういう点についてはどうも公社本局で考えていることと末端の通信局で考えられていることとだいぶ見解が違っているように私は思いますが、再度きびしくひとつこの問題は下部に指導していただきたいと思います。いかがですか。

小沢春雄日本電信電話公社厚生局長

○説明員(小沢春雄君) 五月の七日に全国の保健課長会議を予定しておりますので、その席におきまして先生ただいま御指摘の点を強く指導いたしたいと思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 時間が来てしまっております、もう少ししかありませんから。現実に電電公社二千名をこえる罹患者が発生をしている、予防対策を私はこの際徹底的に進めなければならぬと実は思います。その誘因がどこからきているのか、この点をやっぱり調べていかなければならない、そういうところに、誘因を調べないところに予防対策が進まない原因があるのではないか。労働省におきましても実態というものはあまり小委員会においても検討されておらないようでありますから、これはさらに詰めていただくこととして、ここに実は表を持ってきておりますが、大体五年のところで一番ピークになってずうっとこうおりていくわけですが、いずれにしても長く勤務している人たちは主任になってそういう業務から離れていくから少なくなっているわけです。この五年から十年にかけて非常に多くなってきておる、こういう数字が出ておるわけですが、この誘因というものはどういうところから来ているのかというのは真剣に私は考えていただきたい。ですから、やはりそういう電話交換手のような職種からもし軽症であっても離していく、転職をさしていくというのは非常に重要な問題点だと思います。やはり人間的に取り扱っていくということでありますが、電電公社は、よく私は職場を見てまいりますと、ほんとうに人間性が私は尊重されておるとは思いません。たとえば座席に縛りつけですよ。横を見てもいかぬという、背伸びしてもいかぬという、もちろん私語をしてはならない、ただひたすらに前に点滅をする交換台のランプとにらみ合いなんです。いま流れ作業の廃止が大きな声になっておりますけれども、これはジョブエンラージメントだとかジョブエンリッチメントですか、すなわち職務拡大だとか職務充実とかいうような、職務そのものの単調さからくるこの問題について解放されることが非常に大きな問題になっております。  いま電電公社の職場を見まするともう一つの側面があります。自由に働き回ることができない状態になってきている。しかも機械を冷房して長もちをさせよう、人間のために冷暖房するのではなくして機械の保存のために冷暖房をする、冷暖房の能率、効率を高めるためにあまり窓はつくらない、こういう状態に実はなっているわけです。そこで労働者の意見を尊重した労働科学、こうしたものが云々されている今日でございますが、この点は労働省も電電公社もよく御案内だと思うんですが、このような視点から見ますと、交換台に立ち向かっている交換手の姿は全く私は——これは表現がどうかと思いますけれども、達磨大師のようなものだと実は思います。もう少し自由を私は与えるべきだ、背伸び、横見、連続着席時間の短縮、こういうようなものは真剣に私は考えるべきだと実は思うわけです。まず、その連続着席時間の件でありますが、現在九十分連着ですね。九十分席にすわっている。そして十五分休憩。食事は四十分の休憩。例のキーパンチャーでも四十分連着で四十分休憩なんですね。またPBXのお話がありましたけれども、庁内交換六十分連着、六十分すわっておってそして六十分休憩なんです。この一般的な連着時間の——連続着席時間の趨勢から見ると、電電公社のあり方というのは非常に過酷だと言わなければならない。少なくとも電話交換手は六十分連着にまず私は短縮すべきだと、こういうふうに思うんですけれども、電電公社はどうお考えになっておりますか。

小畑新造日本電信電話公社業務管理局長

○説明員(小畑新造君) いろいろ御指摘いただきましたのですが、一番最後の連続作業時間のことにつきましてお答えいたします。  連続作業時間は、昔は大体二時間ぐらいやっておったわけでございますけれども、組合とのいろいろ交渉で労働条件の改善というようなことで、現在は最高九十分ということになっております。全国に電話交換局というのは御承知のように非常に数が多くございまして、地域の実態、あるいは一日における時間帯の差、昼夜間だとか、そういうようないろいろなことでございまして、一応原則として全国的に最大の一連続作業時間九十分ということにしておるわけでございまして、これをいまのところ変えるという考え方は持っておりません。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 最高九十分とおっしゃいますが、そうすると名古屋市外電話局、最高やっているのですか。最高、最高とおっしゃいますが、それじゃ低いところがあるんですか。これは具体的に御答弁願います。

小畑新造日本電信電話公社業務管理局長

○説明員(小畑新造君) お答えします。  一連続作業時間、いまこれは具体的にということでございますけれども、全国の電話局の昼夜間とかあるいは時期的な問題について、どこの局が昼間帯とか夜間帯、どうなっているということについて資料ちょっと持ち合わしておりませんけれども、九十分あるいは局によりまして六十分、八十分というような服務体系はございます。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 考える意向がないようですがね、やはり私は九十分連着というのは最高だとおっしゃるけれども、それが普通になっているわけです、下部では。したがって、一般的にキーパンチャーだとかPBXだとかいうように、四十分から四十分休憩、六十分で六十分休憩、こういうふうに下げていく、こういうふうに思うんですが、それは善処する気持ちはありませんか。

小畑新造日本電信電話公社業務管理局長

○説明員(小畑新造君) お答えします。  この交換手の作業の態様というのが非常に多岐多様でございますし、局によりましてもあるいは時期によりましても、あるいは一日の時間帯によりましても非常に違うわけでございます。ですから、そういう時間帯とか時期的とか、あるいは地域的な局所の特殊事情によりまして、この時間帯というものはそれぞれ現場の局できめておるわけでございまして、全国的に一応の標準——失礼いたしました、これは標準でございます。それを労働協約で九十分ときめておるわけでございますから、現実の運用にあたりましては局によりましても時期によりましてもかなり違っておると思います。そういうきめ方をやはりせざるを得ないのじゃないかと思います。ただ、こういう問題が……。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 短縮する気持ちはないかと聞いているのです。

小畑新造日本電信電話公社業務管理局長

○説明員(小畑新造君) ありますので、現在も組合からもかなりこの一連続作業時間についての要求が強く出されておりますし、検討はしております。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 それは団体協約で話し合っていることは私たちには関係ないのです。われわれは議員として要求しておるのであって、したがって、われわれが言ったことについて検討ができるのかどうかと聞いているのです。どうですか。

小畑新造日本電信電話公社業務管理局長

○説明員(小畑新造君) 十分検討したいと思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 初めからそう言えばいいんです。  そこで、時間が来てしまったようでありますから、私は総括して問題点だけ出して、そして見解を聞きたいと思います。  それから、連着時間の問題と主任パトロール管理ですね。交換手がすわっている。そのうしろを主任が七人に一人の割り当てでずうっといつも俳回をしているわけです。俳回をしている。だれでもそうでしょう。前を向いてうしろで何かごそごそすれば不安に思うんですよ。何も悪いことをしてないでも、うしろから不意に来られたときにひやっとするでしょう。この目標管理、私は背面管理と言いたいんですが、こういう横を向いてもいけない。交換台のランプの点滅だけ凝視している交換手にとって、うしろ側をうろうろ監視して歩くというようなそういうことはですね、精神的な緊張感をますます高める結果になると思うのです。指導するというなら、あるいは間違ったことでわからないことがあった場合には、一定のところにおって指導すればいいんじゃないですか。この点についてどういうお考え方ですか。まさに監視する、監視されるというようなことは暗いイメージですよ。もっと精神的に明るい感じの職場に私は転換すべきである。いかがですか。  さらに、一号応答観測装置というやつがある。公社はサービスを点検する機械だと言っている。これは十一秒以内で応答しないとランプがぱっぱっぱっとつくんですな。交換手にとっては数値管理として大きな心理的な圧力をこれはかけられるわけです。こういう機械そのものがこのいわゆる精神的緊張感、疲労というものをかもし出していく大きな誘因だと私は思う。その点はいかがですか。  さらにですね、人間疎外の職場ですよ。先ほど申しましたように、電話交換手の職場は機械の保存のために、機械のために冷暖房がしてある。人間のためにやっているわけじゃないんです。職場が人間を基本に置いておらないわけです。しかも、この交換台は縦型で見通しは全然ききません。窓も小さいわけです。窓もないところです。そして九十分の連着で横も向いてもいかぬ。ひたすらランプの点滅を見ておれと、私語をしたり横を向いたりすると、うしろを俳回をして主任パトロールをやって注意をする。この心理的な圧力というものがそもそも私はこの頸肩腕症候群の誘因の一つであると断定しても私ははばからないと思う。もっと人間らしく、見通しのきく、そして縦から平面に交換台を切りかえていくというような、積極的な人間尊重の職場に私は切りかえるべきだ。そういう対応のしかたはどうか。一言で言うならば、管理体制にすべてがかけられているような職場関係を私は改善すべきと思うのですが、その点はひとつ労働省の見解、電電公社の見解をお尋ねをしておきたいと思います。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 電電公社の政策ですから、ひとつ理事からお答えください。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○説明員(山本正司君) ただいま御指摘のいろいろな問題につきましては、先ほど厚生局長からお答えいたしましたプロジェクトチームの実態調査及びその後の答申等を基礎といたしまして、人間尊重の精神に沿って職場環境の改善あるいは交換設備の改善だとかいろいろな予防策、予防対策に全力を尽くしていきたいというふうに考えておるわけでございます。  また、作業管理の面につきましても御指摘がございましたが、現在交換作業をやっております交換室におきまして、主任その他の管理者が室内をいろいろ巡回いたしておりますが、これは交換作業を円滑に行なうために、あるいはお客様からいろいろな問い合わせ等、交換作業上のトラブル等があった際に迅速にこれに対応いたしまして、交換手を助けて適切な回答ができるようなことを考えて長年やってまいりました作業管理の一つの仕組みでございますが、そういったものも含めて交換作業の管理のしかた等につきましても、先ほど申しましたような考え方に基づいていろいろ検討もいたしております。  また、局舎の設備につきまして、電電公社の電話局の冷暖房はもっぱら機械のためにやっているじゃないかとか、あるいは窓もないというような御指摘でございますが、決してそういうことではないのでありまして、機械を収容いたしております機械室等についてはできるだけ窓面積を小さくいたしまして、じんあい等の侵入を極力防止するという設計をいたしておりますが、事務室、交換室等人間が居住をするあるいは仕事をするようなスペースにおきましては必要な最高面積といったようなものも十分とっておりますし、また冷暖房につきましても、人間の生活に最適な温度あるいは湿度がとれるような配慮も加えておるつもりでございますが、さらにこういった頸肩腕症候群といったような問題も出てきておりますので、一段と人間工学的あるいは医学的な観点から慎重な配慮を加え、また検討を進めてこういった病気が今後出ないように一そう改善を加えてまいりたいというふうに考えております。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) どんどん作業の形態が変わってくることですから、私はそれに対応する施設、さらにはまたそこに働く者の人間の心がまえ、こういうものが非常に大事なことだと思っております。労働省といたしますと、労働安全衛生法の第一条において「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な作業環境の形成を促進することを目的とする。」こういう形において働く諸君の環境を守っていこう、こう思っております。電電公社、私はいまいろんな話を聞きましたけれども、非常に管理が大体うまくいっているところ、組合の話もよくできているところ、こういうふうに理解……

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 管理体制がよくいっている……。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 組合との関係やらでいろんな意見などがときに交流して非常にうまくいっていると、こういうふうに理解しておったものでありまして、その上にまた人間尊重の精神というのは、ことにどんどん機械が変って、こう差し込むと頸肩腕症状が、——また、点滅する、それをずっと見ている、そういう単調なところにいろんな問題などがあるから、さらに環境の問題等でお考えをいただく、皆さん方の御忠告を、御理解をいただく面もあるのじゃなかろうかと思います。なお、先ほどからお話の出ましたところの認定基準の問題等々についても前向きにしながらああいうところで働く諸君に対しての一そうの保護、法から守る方向に向かって進みたいと、こう思います。

須原昭二日本社会党

○須原昭二君 最後ですが、せっかく労働大臣よく聞いておっていただいたと思うんです。したがって、認定基準を改定とおっしゃいましたけれども、ほんとうに抜本的に新しい認定基準を早くつくってもらう、そして施行規則についても非常に古いんですから、新しい時代に対応する施行規則に変えていく、そういう姿勢がなくては私はならぬと思います。やはり労働者の福祉向上を願うのは労働省なんです。労働省がばしっと早くやらぬところに電電公社が即応しないところもあるわけですから、そういう点についての所見を最後にひとつ大臣から承っておきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 労働省、何さま電電公社は労使関係でやっておることでございますが、いまのような法律あるいは考え方、そしてまた近代国家に即応するお互いの体制というもの、それをひとつしっかりと推進してまいりたいと、こう思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ、お伺いをいたしますが、きょうは外国銀行におけるボーナスの不払い等についての問題に限って短時間お伺いをしたいと思います。  実は、私は昨年の十一月の十五日に当委員会でチャータード、オランダ、インド、マーカンタイル各外国銀行の団体交渉の拒否あるいは不当労働行為等について、労働基準法違反の問題について実はお尋ねをいたしたわけでございます。渡邊労働基準局長はそのときに、外国銀行も当然国内の労働法規は守らなければならないとお答えになられておりますし、加藤前労働大臣は十分指導が徹底するように出先機関にも指示、督励をすると、国内法を守らせるように指導を強化します、必要なら本省からも通達も出す、こういう問題は忘れがちになってはいけないので、今後も機会あるごとに指摘をしていただきたいという御答弁を実はいただいております。  ところがその後事態は全然解決をいたしておりません。そこでお伺いをしていきたいと思っておるわけです。実は私もその質問をいたしましてから以後も労政局へもお伺いをして要請も行ってきた。その後の経過について実はまず最初にお聞きをいたしたいのは、昨年の十一月十五日に本委員会で御指摘を申し上げ、御質疑を申し上げ、その後労政局へもお伺いをして要請を申し上げたんですが、その後どういうふうに指導をなさったか、まず最初にそのことからお伺いをしていきたいと思います。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) ただいま御指摘がございましたように、当委員会で御質問があったことも踏まえ、また先生方にお運びいただいたことも踏まえまして、労使を担当の課長が招致いたしまして直接話を聞きました。いろいろその間かなり激しいやりとりも使用者側、労働者側にもしたようでございます。報告を聞きましたけれども、基本的にいいまして労使間の不信感が非常に根強いということで、そこのところが解決しないことにはにっちもさっちもいかないんじゃないか。たとえば交渉ルールでいま行き詰まっているわけでございますけれども、会社側は八名と言い組合側は十名と言う。八と十でそんなにどうして対立するのかまあ私ども理解しかねるわけでございますが、そういうことが問題になるほどこじれております。そこのところが解決いたしませんとなかなかむずかしいと思いますけれども、労政局といたしましては労使の自主的な交渉を尊重するという原則は守りつつも、今後ともできる限りのあっせんにつとめたいというふうに思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いままでそれではどういう御指導をなさったのか、状況についての御報告はよくいまお伺いいたしましたけれども、具体的にはどうなさったのかちょっと具体的にお聞かせをいただきたいと思います。

道正邦彦労働省労政局長

○政府委員(道正邦彦君) いろいろ中間段階におきましては労使にそれぞれ申し上げた経緯はございますけれども、結局労使のいれるところにならず今日に至っておることはまことに遺憾に存じます。過程で、いろいろなやりとりがございましたけれども、うまくいったのであれば御披露してもいいわけでございますけれども、結果的には、私どもの意見を労使双方お取り上げいただけなかったわけでございますので、非常に残念であったという以外には申し上げかねるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それは、実はその問題に関しましても、若干問題があるんですが、実は一例をちょっと申し上げておきたい。私は、あのときにも、労働大臣は、必要なら通達も出して、外国銀行だからといって、国内法を守らぬというようなことはやらせぬと言って明確におっしゃったから、さっそく呼んで、事情を聴取されて、御指導になっているんかと思っていた。ところが、あんまりそれをやっておられないんじゃないかなあという——あなたのほうはやったんかしりませんよ、しかし、やられたほうがそういうふうに受け取っておらないという、ちょっと事実を申し上げたい。  これは大阪の地方労働委員会のオランダ銀行事件で、第八回の——これは提訴をされておるんですね、四月十六日に行なわれた第八回の組合側の反対尋問に対して、どういうことを銀行側が言っているかというと——これは読んだらおもしろいんですよ。その部分だけちょっと申し上げますと、「事情の聴取があったわけです。別にご意見はなかったです。」というふうに銀行側が答えた。労働省から、「団体交渉を開きなさい」というふうに銀行側に話がなかったかという質問に対して、「事情の聴取があったわけです。別にご意見はなかったです。」と。で、それは間違いないなと聞いたら、間違いありませんというふうに、これは議事録には出ている。ですから、労働省が御指導になったんだろうとは思うけれども、相手方は御指導を受けたというふうには理解していないという証拠が出ているんです。これはちょっと問題だと思います。  そこで、そういうふうな事情の上に立って、だから引き続き事が起こっているわけです。だから、きょうは私は具体問題で伺っていきたいと思いますけれども、先ほど申し上げた四つの外国銀行——チャータード、オランダ、インド、マーカンタイル、四つの外国銀行ですね、そのうちのマーカンタイルはその後解決をしたようですから、チャータードとオランダ、インド銀行、この三銀行が一方的に従来の態度の延長という形で、ボーナスの不払いが行なわれている。昨年末のボーナスが、きょう、四月二十五日ですね、まだ支払われていない。一般の、組合員以外の職員には、十二月十日ごろ、ボーナスを支払っています。ところが、外国銀行労働組合所属の組合員には、いまだに支払ってない。で、払わない理由は一体何だということなんです。これは問題が提起されていて未解決だとおっしゃっているんだから、事情を御承知だと思いますけれども、どうなっているんですか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 先生御指摘の三銀行につきまして、去年の暮れのボーナスが払われていないことは事実でございます。で、これにつきまして、これは組合のほうから、去年の十二月に、いずれも申告がございまして、私どもそれに対して、十二月中または一月中に監督を実施いたしておるのでございますが、事情は、従来は大体これらの銀行の賃金につきましては、ボーナスも含めまして、一年単位の労働協約ができておる、そうしてその協約は、翌年、またはその年の年の途中で改定されますと、さかのぼって、それが年初から適用されると、したがって、ボーナス支払い時期にまだ新協約ができてない場合には、旧来の規定によってボーナスを支払って、そうして後に改定ができると、さかのぼって差額を支給するということが慣行的に過去十年近く行なわれてきておるわけでございます。ところが、昨年の十二月のボーナスにつきましては、そういう従来の慣行によりませんで、協定ができないということで支払いをしておらない、こういう事実関係にあるわけでございます。  で、これにつきまして、組合のほうは、これは基準法二十四条違反ではないかと、こういう申告が来ております。で、私どもも監督をいたしまして、そのような状況を確認いたしまして、いま申しましたような従来の経緯からいたしますと、協約の改定によって新賃金がきまらなくても、前年の協約によるボーナスを支払うのが慣行的なものであるという考え方も可能でありますし、そういうふうな考え方に立つと、二十四条の違反になる疑いも濃厚であると、そういうことも考えられると、それらから考えて、やはり新しい賃金、新しいボーナスが、協約の改定できまらなくても、従来どおりのやり方で支払うことが妥当だと考えまして、その旨、大体去年の十二月中及びことしの一月に、それら三銀行については、それぞれ所轄の監督署から是正勧告をいたしておるところでございます。しかし、銀行側は、いまだに、それの勧告に従って払っておらないわけでございまして、監督署といたしましては、それを勧告に従わせるべく、強力に指導するようにつとめておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いま、基準局長おっしゃったように、労働協約が改定されていないと、だからということだけの理由ですね。が、団体交渉が、先ほどの御答弁のように非常にうまくいっていないということだから、当然、労働協約が改定できないわけですね。で、そのことだけを理由にして、年末にボーナスを出していない。で、基準監督署からは、いま局長がおっしゃったように、全部是正勧告出されているんですね。昨年の、これはオランダ銀行、チャータード銀行、インド銀行は、大阪では昨年の十二月十七日、それから神戸では昨年の十二月十九日、東京ではことしの一月二十一日に、それぞれ是正勧告が出されておる。  で、違反事項というのは、これはまあ、こんなの見たことないから、見せてもろうたから、ちょっと言いますけれども、こない書いているんですよ、是正勧告書、で、あて先を書いて、これは大阪の「中央労働基準監督署 労働基準監督官 岡田弘長マル印」ですわ。それから「法条項 法第二十四条一項」、「違反事項 十二月十日既に非組合員に対しては、Bonusが支払われているに拘らず渋谷彬外二十四名に対してはいまだにBonusが支払われていない」、「是正期日 即時」というふうに出しておられるのですね、去年の十二月十七日付、一番早いのは。きょうは四月二十五日。それ、いまだに出してないんです。これはどうなさいます、これ、こういう事実、どうなさいます……。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 私どもは勧告を守らせるべく、銀行側に対しまして、再三強力な指導をいたしておるわけでございまして、今後ともそれについては強力に、さらに一そう強力にしてまいりたいと思います。  なお、勧告を守らない場合に、普通の場合でございますと、送検をするという基準法に基づいて問題があるわけでございます。ただこの場合で言いますと、一応一年ごとの協約でございますので、旧協約が切れておるわけでございます。したがいまして、契約や協約で支払い義義が明確にある場合、あるいは民事訴訟あるいは仮処分などで債務名義が確定している場合で支払い義務が明確にあるということであれば、二十四条違反の送検ができるわけでございますが、私どもこれは慣行的なものであるとは考えておりますが、はたしていわゆる刑事訴追に当たる支払い義務違反、そういうものがあるかどうか、こういうことになりますと、これは慣行的なものということで、先ほど申しました契約や協約で明確になっているものと直ちに同一に論ずることができるかどうか、これは刑事訴追におきましての罪刑法定主義の問題もございますので、その点法律上の問題がございます。その点、いま慎重に検討をしておるところでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 大臣、あんなことを言っているのですよ。さっき労政局長は、指導したけれどもということのお話の中で、大体指導したのだと労働省側はそう思っておられると思う。が、先方は事情聴取されたのだ、されたにとどまったのだというふうな理解にとどまっているということは、今度のボーナス事件でも是正勧告を受けて四カ月以上たってもいまだに払おうとしないという事態の中に非常にはっきりしていると思うのです。こういう事態が起こっているのに、いま基準局長、いま法律的な問題もございまして慎重に云々と言っているけれども、労働者の生活は一体どうなると思います、大臣。いまのような狂乱物価の中でたいへんな状態なんです。しかも、これらの労働組合は、給与は七三年度、四十八年度のベースアップを受けていないのです、まだ。それも協約ができていない、あとで触れますが、四十七年度の給与水準のままで現状はきている。しかも年末の一時金は支払われていない。そうなりますと、これだけの狂乱物価の中で、単に団体交渉による協約で妥結しないからというふうな理由だけで、四月も末が来ようとするのにボーナスも出さないというのは、一体労働者はどうして年を越したと思います。具体的には、これは当然年を越すために借金をしてますよ。家へ帰ったら、家族だって火の車だからおもしろくない、当然。そういうことになるわけですよ。早いことやらなかったら、労働者の生活に大打撃を与えているということは事実なんです。こういう、日本の事業主でこんなひどいのありますか。私は、外国関係の事業主だからといって、日本の国内で営業している限りこういった労働省から指導されても指導されたと考えない、是正勧告をされても知らぬ顔——これはもっとあるのですよ。あと続けて言いたいのだけれども、あとでもう少し詰めていこうと思うのですが、そういう監督官庁の指導を、ほんとうにカエルのつらにしょんべんみたいなかっこうでしか受けとめないような態度、これを国内法を守らせるというふうに、ほんとうに厳正におやりになっておる姿だと理解できないです。どう考えます、大臣。実際労働者の置かれている状態から見たら、こんなものは黙って置いておけない。あとで大臣の御見解まとめて伺いたいですけれども、そこで先に、大蔵省銀行局の方おいでですか。——ちょっとお伺いしたいのですけれども、銀行局としてもどう思われますか。これ、衆議院でも、すでにわが党の荒木議員がお尋ね申し上げたと思うのですね。あなたのほうは、労使間の問題であるので円満解決を望むというふうなお答えをされている。銀行側はあなたのほうへは何と言ってきているか、こういう事態について。

清水汪大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(清水汪君) この四行あるいは一行解決したというお話でございましたけれども、いずれにしましても、この外国銀行の労使紛争につきましては、私どもといたしましても随時事情は把握するようにいたしております。先般も荒木先生の御質問もございまして、その後の事情も最近の様子もまた承知いたしておるわけでございますが、毎々お答え申し上げている銀行行政の立場からは、直接労使の交渉事項に関与するわけにはいかないというたてまえでございますので、直接、公式にこの問題に対して評価を下すということは差し控えざるを得ないと思います。ただ、私どもといたしましても適当な状況においては、やはり両者が何といいましても、先ほど労政局長のお話にもございましたような不信感という問題が一番根っこにわだかまって、そのことからほかの具体的な問題の解決の促進が妨げられているようには見受けられるわけでございますので、その点について、もう少し両者の信頼関係を回復することができないものかどうか、そういう点について、これは両当事者の努力の問題だとは思いますけれども、そういったことがまず一つのポイントではなかろうか。それに加えまして、外国の系統の企業ということが、とかく日本の慣習というような問題になりますと、なかなか日本の企業同士というようなぐあいにはまいらない場合がどうもあるようでございますが、そういった点につきましても、やはりもう少し何か今後は日本で、やはり日本の環境の中で営業をやっていくということにつきまして、もう少し何か十分な理解が進むといいますか、お互いの間に理解が持たれるようになっていくことが必要だろうと、そういうふうに現在感じておりますけれども、いずれにいたしましても、側面的に配慮できることがあればもちろんいたしたいと思っておりますけれども、ただいままでの状況を伺いました範囲では、私どもは直接いま表に出てどうこう申し上げるということは適当でないというふうに考えておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それはのんびりしたことをおっしゃっているが、あなたがおっしゃったように、外国資本の銀行が日本で営業していく場合に、往往にして日本の慣習等になじまぬという問題があるということは認めておられる。そういうところだからこそ、日本の国内法あるいはその運用等については、懇切丁寧にやはり指導して守らせるという立場でなければならないわけですよ、本来。これは、私、銀行局だけに申し上げているのじゃないですよ、しかし銀行局としても関係はあるから……。しかもそこの労使間で、いまだにもう四月の二十五日にもなってボーナスも払わぬというようなことでは、これは労使間が円滑に仕事ができるというふうな感情でなくなりますよ。そういう状態は、これは単なる労使問題じゃない。少なくともそこで働く労働者の基本的な生活問題だし、そういうことを依然として続けてきておるという銀行の基本姿勢にかかわる問題ですよ。そういう点では、知らなかったのか知ったのか知りませんけれども、少なくとも事情を聞いて、労使間が円滑に、感情も含めて円滑に仕事ができるように、せめてボーナスぐらいは早いこと払うような話はできないことはないはずですよ、銀行局だって。そういう円滑化の努力はやるような援助や指導というようなことはできないはずはない、やろうと思えば。そういうことをおやりになる気持ちはありませんか、まず銀行局に聞きたい。

清水汪大蔵省銀行局銀行課長

○説明員(清水汪君) まあ、直接のお答えにはならないかと思いますので、たいへん恐縮でございますが、やはり労使間の交渉の一環という問題のように思われます。そういたしますと、やはり両者の間であるいは不幸にして両者の間だけで解決が進まない場合には定められたその他の手続もあるわけでございますけれども、いずれにしましても全体としてそういう一定の手続の範囲で両者の間で解決がはかられることを私どもとしては期待するという立場に立たざるを得ないわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、日本の環境の中でできるだけいろいろのことをよく理解してそういう問題の解決の促進がはかられるというようなことになることは望ましいことだろうと思いますし、そうした側面的な面につきましては配慮できることがあればやっていきたい、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは私は銀行局には、基本的には労働省でやってもらわなければならぬと思うけれども、銀行局はただあれですよ、傍観者として、望ましいと言うているだけではいかぬということを申し上げている、そう言っているんですよ。ですから、時間もありませんから労働省に要望をしていきたいと思うんですけれども、実は昨年の十一月十五日に私が外国銀行の労務政策の基本問題についてお尋ねをした。それから以後、さらにボーナス問題というのが新たにあらわれた。さっきもちょっと触れましたけれども、賃金問題も七二年、四十七年ベースで実績で月々賃金がいまでも払われておる、こういう上で今度のボーナスの不払いが起こっているわけでしょう。私は先ほども局長おっしゃたようにすぐ送検しなさいとか、それは法的な手続だけですべてが片がつくというふうには私も考えていない。だからそういうふうなことを申し上げようとは思ってないんですけれども、外国銀行というふうな、まあ日本の国内の労使関係では特殊な関係の中で、団体交渉が拒否をされたり、あるいはもう初めから不当な制約をつけて、その事業主側の条件以外では団交はしないというふうに押しつけてみたり、賃金の協定書を一方的に組合に送りつけて、これにサインをすれば賃上げやボーナスは支払いますと、こういう労働組合を基本的に無視をする、あるいは労働法規をじゅうりんをするというふうなやり方、さらに重大なことは、監督署から是正勧告を受けてもこれは全く無視をするというやり方、きわめて問題だと思う。これを改めさせるということが非常に大事だというふうに思うんです。だから重ねてお伺いをしているわけですが、とりあえず現実の問題として労働者の生活の問題を考えれば、これは団交の問題も、賃金のベースアップの問題もボーナスもありますよ、しかしさしあたってはボーナスをとりあえず、少なくとも去年の夏の一時金は慣行に従って前年度並みに払っているわけだから、同じく年末の一時金もそういう慣行に従って支払わせると、その上で団体交渉をやって、その団体交渉はなかなかむずかしいとおっしゃるのだから、そういった点では努力をされて正式に協約を結んで妥結を進めていくというふうにするべきであるというふうに思うわけです。それで、私はさらにと先ほども申し上げたのは、この点についてはすでに大阪の地方労働委員会では命令書が出ている、御承知でしょう。その命令書にはこないに書いてあるんです、ちょっと読みますとね、命令書の主文「1 被申立人は、申立人分会の分会員に対して、昭和四十八年冬期一時金として、現行の基本給と家族手当との三カ月分を仮払いしなければならない。2 被申立人は、縦二メートル、横一メートルの白色木板に、下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人銀行の従業員の出入口付近の見やすい場所に一週間掲示しなければならない。」ということで、掲示文もきちんと書いてあるんですね。「当銀行は、従前の慣行を無視して、貴分会の分会員に昭和四十八年冬期一時金の仮払いを今日にいたるまで行なっておりません。この行為は、労働組合法第七条第一号および第三号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。以上、大阪府地方労働委員会の命令によって掲示します。」と、こういう命令が出されているわけです。お手元にありますね。こういう状態で基準監督署から是正勧告を出しても聞かぬ。これが出たのはいつかというと、ことしの四十九年三月二十七日にこの決定がなされておるのですよね。もうそれから約一カ月。出ているのは四月の十三日ですけれどもね。そういう状態なんです。次から次と決定をされてもそしらぬ顔という状態が続いているわけですが、こういう状態は少なくとも一日も早く改めさせる必要があると思うのですが、ぜひ改善指導をしてもらいたい。特に大臣に、これは大臣は初めてだと思いますので、この事情をひとつ認識をしていただいて、少なくともまずボーナスは直ちに支払わせるというふうに指導を強めさせるように御指示をくださいますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 前大臣同様に、日本は日本の法規で、そうしてまたやっていることでありまして、これは日本の国もよその国に行って企業進出している場合、向こうの労働者を使うこともあります。その場合には向こうの国の労働法規を守っているわけでありまして、お互いの姿勢といたしますと、外国企業が日本に進出しておってもわが国の労働法規というものを守ってもらう、そうしてまた、わが国の労働慣行を守ってもらうということは、これは当然のことであります。そういう意味からしまして、非常にこういうところがもめておるのは残念でございます。しかしまた、いま政府委員からもお話がありましたように、どうも団交の再開条件のいろいろな問題で折り合いがつかないのは非常に遺憾なことでして、組合側が団体交渉の条件として出しているものは、組合側交渉委員の数は十名内外、団体交渉の時間は二時間程度、組合側の傍聴者は二十名以内として傍聴者は発言しないことを提案しているのに対して、使用者側は、交渉委員は組合、銀行とも八名以内、傍聴人、オブザーバーは認めない、多数の威力をもって軟禁、脅迫、暴言を用い正常な団体交渉運営を妨害しないことなどを団交再開の条件として折り合いがつかない。だから、何か非常に不信感がずっとこう続いているところに問題があるのじゃなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、わが国の労働者を守ることは日本政府のお互いの責任でもございます。またそういう意味で先生も御発言いただいていると、私こう思います。企業が進出してくる場合には労働省はさっぱり関係なくして、労働問題が起こった場合に、労働省が何かやらぬかというところにも一つの難点がありますが、さて具体的になりますというと、やはり一日も早くそういう感情的なものを解きまして団交のあり方について労使の考え方がまとまって団体交渉が再開されることが一番私は望ましいと思います。お話のように基準監督署の行なった勧告については、これにまた従うように、きょうこういう国会で御発言、皆さんの前で御討議もありましたから、これをひとつ従来以上に強力にひとつ指導監督していきたいと思います。そのために、ときには銀行の日本におられるところの責任者を労働省のほうで呼び出してお話をするという方法もとることもあり得るんじゃなかろうか、そこまで私はいま考えついたところであります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで、団体交渉の問題が困難、困窮をきわめているということを、一つの解決をしていく上での重要な障害というふうに、お話の中でこれは局長も大臣も若干そういうふうなニュアンスと受け取れる御発言があるのですけれども、私は、るる御説明を申し上げると時間がかかりますので、大阪の地方労働委員会の結論を見ますと非常にはっきりしていると思うのです、このやり方については。これも短いから読みますと、こういうふうに結論をつけておられるのですね。「賃金協定未成立の場合、一時金を前年協定または前年実績で仮払いする慣行を変更するについて、分会と誠意をもって十分協議することもなく、一方的に共闘会議に対する通告等で冬期一時金に関する上記慣行を廃止し、分会員に対して四十八年冬期一時金を前年協定に基づいて仮払いしない銀行の真の意図についてみる。」という点ですね。「前記認定の統一交渉における交渉ルールをめぐる共闘会議と銀行側の一年以上の対立とこの対立が原因となって、四十七年八月五日以降統一交渉が全く開催されていないこと、四十八年十二月の支配人らの前記発言等を総合すると、銀行の真意は、分会員に経済的打撃を与え、もつて、統一交渉における対立で銀行側の立場を有利に展開し、また統一交渉を一度も開催しないまま共闘会議をして銀行側提案の賃金協定に調印させることを狙い、さらには分会組織を弱体化させるところにあると言わざるを得ない。従つて、従前の慣行を無視して、前年協定に基づき四十八年冬期一時金を分会員に仮払いしない銀行の本件措置は、分会組織とその活動を嫌悪する銀行が、分会員を不利益に取扱い、もつて分会組織の弱体化を意図して行なつた労働組合法第七条第一号および第三号に該当する不当労働行為である。  以上の事実認定および判断に基づき、当委員会は、労働組合法第二十七条および労働委員会規則第四十三条によつて主文のとおり命令する。」こういうふうに地労委でも結論がされているわけです。  次から次、重なっておるにもかかわらず、依然として支払われていないというふうな事態というのは、単なる労使間の問題を越えてますよ、実際。重大な社会問題になっています。そういう点で、労働大臣これはぜひ早急に解決をさせるように格段の御指導を強めていただきたいと思いますが、最後に結論をお伺いして、終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) いまの大阪府地方労働委員会が出された結論等々ももちろん参考にいたしまして、先ほど御答弁申し上げたように、労働省といたしましても、大阪労働基準監督署からもいままでいろいろ監督などをしている実例もありますから、それらを踏まえながらせっかく努力をして、労使の円満な自主解決に持っていくようにしっかり努力してあげたい、こう思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 労働大臣の所信表明の中に、きびしい経済情勢のもとで労働者の福祉の増進をはかることは決して容易なことではない。しかし、そういったきびしい条件の中で福祉優先の政策を定着させるということは労働行政に課せられた重要な責務であるという、たいへん熱のある大臣の所信のおことばがございました。そして特に五つの事項を取り上げられて重点政策として示されております。  それを見ますと、その中に、福祉施設に働く職員についての施策というのが全然触れられておりません。福祉優先の政策を定着させるということを特にうたわれている大臣の御決意の中に、この福祉施設に働く職員の待遇改善の問題を、この労働行政の重点政策の中にどういうふうに位置づけられていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私の所信表明の中にそれが入っていないという御指摘でございますけれども、私は最近の島田療育園の閉鎖ですか、所長さんがおやめになったような姿、あるいはこの委員会において社会福祉施設に働く諸君の労働条件の改善の問題等々について、ときに厚生省と連絡をとりながら、皆さん方の御期待に沿うように、微力でありますけれども、懸命にやっている次第でありまして、いまから先も、福祉国家という場合に、いろいろな年金などを差し上げることももちろん必要でございますけれども、何といたしましても、こういう施設を拡充しながら、そこに入られる方々が安心して、途中から出ていかないでも済むような、そういうところが最も目に見えていいところじゃなかろうかという気持ちでやっておりますことを御理解いただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 こういう福祉施設に働く職員というのは、大臣もよく御存じと思いますが、賃金問題あるいは労働時間の問題、またそれに加える職業病の不安、こういう非常にきびしい労働条件の中で働いているわけです。ですから思い切った施策を実行しなければ、大臣のおっしゃる今日の労働行政に課せられた重要な責務というものは果たせないのじゃないか。そういう点で、今後この福祉施設の職員の待遇問題、これについてはどういうふうに取り組んでいらっしゃるか、具体的にお示しいただきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 御指摘の、社会福祉施設に働く労働者の方々の労働条件につきましては、いろいろ問題があることを私ども承知いたしておりまして、従来からこれらの方々の労働条件についての監督指導ということが重点業種として努力をいたしておるところでございます。実際に監督をいたしましたところによりましても、基準法違反等々の事例が一般産業の場合よりも数多くあるわけでございまして、まことに遺憾なことでございます。したがいまして、これまでも、これら福祉施設については、ほかの業種よりも、特に率、頻度等力を入れまして監督指導をやってまいっておりますが、一つは、今後ともそういう監督指導を強めまして、少なくとも基準法等に違反するような事態がないように、監督指導をしていきたい。同時に、その労働条件の改善につきましては、やはりこういう福祉施設についての経営——まあ、この問題につきましては、国なり、地方公共団体のいろいろな財政的な処置等とも関連をいたす問題がございますので、そういう問題を所管しておられます厚生省、その他の所管官庁と、いままでもいろいろ連絡をとってまいっておりますけれども、今後ともひとつ、そういう方面と密接な連絡をとって、そういう面からの改善を側面より推進してまいりたい。二つのことによりまして、それらの労働者の方々の労働条件の改善に力を尽くしてまいりたい、かように考えます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、施設の職員の労働問題についてお聞きしたいと思いますが、労働省が昭和四十七年の五月に福祉施設の職員の実態調査をなさいました。その報告を見せていただきますと、労働基準法に違反している施設が八七・一%、これが私立になりますと、九二・九%にもなっているわけでございます。  そこでお尋ねしたいのですが、どうしてこんなに違反率が高くなっているのか、その根本の原因は何なのか、労働省はそれをどうお考えになっているか、お示しいただきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 四十七年五月の春の一斉監督の数字につきましては、先生御指摘のとおりでございます。私どもそういう事態は非常に遺憾だと思いまして、その後も監督を強めておりますが、一応四十八年間の監督結果を見ますると、四十八年中に社会福祉施設で監督を実施しました事業場は千八百四十四、それにつきまして、違反事業場は七七・八%ということで少しずつは改善をされてまいっておりますが、なお全産業の平均的な状況よりははるかに違反率も高いわけでございます。これにつきましては、一つはこの福祉施設の経営者の方々等が労働問題等につきまして、あまり、何といいますか、御関心と申しますか、知識等も十分でなくて、十分に御承知ならないために違反をしなくても済ませるところまで違反の事例が見られるといったような、そういう労働問題についての十分の御配慮がないことからくる違反がかなりあると思います。  それからもう一つは、やはりこれら福祉施設における経営上の困難、そういう問題のために十分な措置がとれない、そういう問題と二つの問題がございまして、両々相まってこのような一般よりも高い違反率が出ているのではないかと、かように考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 いまお答えいただいたように、確かに私も二つの面から考えられると思います。そこでこういう福祉施設の管理者、そういう方々の十分な知識と配慮というものがもっとあれば、驚くほどのこの違反というものが防げると、そういう点では啓蒙とか指導、講習こういうものがしっかりやられなければならないと思いますが、その点はどのようにやっていらっしゃるんでしょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) もちろん、これは第一には監督指導を強化いたしまして、そういう違反を発見いたしましたところにつきましては是正措置をするように勧告をし、直させておるわけでございます。そういうように個々の指導監督によって是正する面と、それからもう一つはそういう福祉施設等につきまして労働問題についての関心、配慮、こういうものを深め、そうして労働法規を順守させるように一般的な指導を行なうということでございまして、後者の点につきましてはそういう福祉施設等集めて指導する、あるいは経営についての指導をしておられる府県の民生部等々を通じましても、そういう点についての勉強、配慮を徹底してもらうように依頼する、こういうような両面から指導の徹底をはかっておるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 確かに管理者に労働条件について十分な知識があれば防げるという、そういう御意見、私もそうだと思います。まあ就業規則の問題とか健康診断の問題などの違反というものは確かに監督指導して是正できる、しかし、私はそういうことを是正して違反がなくなっても違反というものは依然として直らない、特に労働基準法をどうしても守れないという、そうした経営の苦しさというものがあると思います。それはたとえ労働省がどんなに強力な指導をしてもまた管理者がいろいろと苦労をしても守れないものは守れない。そういう点はこの調査を見ますと、先ほど労働省のほうで昭和四十八年の違反の率というものはよくなっていると、こういうふうにおっしゃって、その率をお示しになりましたけれども、この監督指導ではどうしても是正できない、守れない、基準法を守れない、そういう問題点、これは労働時間がその一つの問題点だと思うんですね。その問題にすべき問題点というのはむしろふえているわけです。違反が減っているどころじゃなくてふえていると、男子の場合も昭和四十七年は二五・三%が四十八年は三〇・九%にふえている。女子の場合も三五・五%が四十八年には四四・七%になっている。むしろそういうふうな強力な指導をしておりますと、また経営者もそれに対していろいろと配慮していると思いますけれども、それでもこういう労働時間の違反というものがむしろふえているというところに大きな問題が浮き彫りされていると思うんですね。  そこで、労働省はこの労働時間の違反というものは一体具体的にどういう違反がなされているのか、その点お聞かせいただきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 確かに監督指導だけで基準法違反が完全になくせるかと、そういう点については経営上の問題があるではないかと、こういう御指摘はまことにごもっともでございまして、私どもも監督指導しておりまして、そういう面からの制約があるということを痛感をいたしております。そこで、やはりそういう経営面、こういうことになりますと、やはり国なり何なりの財政的な処置であるとか、あるいは人員の確保しやすいような処置であるとか、こういうような問題が当然並行して処置されなければ完全に労働条件の改善、向上ということは期待できない点がございますので、私どもは監督指導を行ないますと同時に、それら監督指導の結果をこれまでも厚生省等関係官庁に御連絡をいたしまして、こういう状態をなくするためには、そういう配慮、財政上の処置等の御配慮をしていただきたいということをお願いを申し上げておるわけでございまして、これまでも私ども労働省の局長の名で関係局長に文書の御要望等もいたしたことはございます。で、これにつきましては、厚生省でもよく理解していただきまして、それの趣旨に沿って問題の改善をはかるべく御努力をいただいておると、私ども了承をいたしております。で、そういう上に立ちまして、最近では月に一回ぐらい労働省と厚生省の連絡会議等開きまして、いろいろ問題点を指摘しながら改善方について連絡を密にして努力をいたしておるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 労働省と厚生省がお互いに熱意をもってそうした問題の解決に当たっているということでございますので、非常にそれに期待をかけるわけです。  もう少し突っ込んでお聞きしたいと思うのは、それじゃ、その労働省のほうで指摘した問題を厚生省がどう受けとめて、どの点を改めたか、そういうようなことが具体的にいままでにありますならば、それをお聞かせいただきたいと思います。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 厚生省といたしましては、施設職員の労働基準法違反の実態につきましては非常に深い関心を持っているわけでございます。毎年の予算でもこの問題を解決するために職員増、毎年やってはきたものの、依然として問題が基本的に解決されていないという認識を実は持っておりまして、昨年来、労働省とも具体的な問題について個々の事例にあたって検討を重ねてきているところでございます。一番問題になりますのは、先生も御指摘になりましたように、労働時間の問題、特に夜間働く職場というものは、労働条件としては非常に異例だと考えているわけでございます。この問題につきましては単に施設長にしっかりやってもらうということだけでは済みません。やはり国の財政的な裏づけをやらなければいけないだろうということを考えております。それで、厚生省と労働省だけがこの問題をやるということではなくて、ことしに入りましてからは全国社会福祉協議会の社会福祉施設の代表の方々にもお集まりをいただきまして、三者で協議をするという形をとりまして、標準施設においてはどのような形で職員の労働のローテーションができるのかと、そのためには一体どれだけの人が要るのかということを具体的に、個別に数を現在洗っているところでございます。大体月余を経ずしてその結果というものは出てくるであろうという段階にまでいまなっておりまして、それが出てきましたときには根本的に社会福祉施設の最低基準というものも洗い直されると、従来、社会福祉施設の最低基準というものはどちらかといいますと、中に入っている人の処遇の点からこれだけの職員が必要だということを考えていたわけでございます。しかしその中には、やはり配慮としては職員の働く環境の問題ということがやや欠けていると、この問題についてひとつ真正面に取り組んでいこうと、こういうことでの検討が現在行なわれているところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 厚生省にお伺いいたしますが、この社会福祉施設の職員、この基準数というものは満たされておりますですか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 充足状況といたしましては、重症心身障害児施設における看護婦など、一部の職種を除きましてはおおむね充足されている状況でございます。ただ、私ども心配しておりますのは、やはり重症心身障害児施設の職員の充足の問題でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 基準数の職員が充足していても、労働時間の違反があるというのは厚生省で定めている職員の配置基準というものが低いのだというふうに考えますが、この点はいかがでしょう。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 正直申しまして、さらに充実をしなければならないと、かように考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、いろいろ御検討もなさっているし、いま考えているという前向きの姿勢をお示しいただいて、たいへん期待するものでございますが、改善について検討するといっても、その方向が一日九時間、一週五十四時間、これを守るというような最低線、これを目標にして考えたならば、やはり職員の労働条件というものはよくならない。こういった職員の労働条件がよくないということは、結局そこにいるお年寄りとか、身障児の方とか、入所者の処遇の向上というものがやはり悪いと、こういう点で現在の一般の労働問題の流れとしては週休二日とか、一週四十時間という労働時間の短縮ということが非常に叫ばれて、労働省もそうした方向に持っていくという大臣の御意見も承っておりました。そういう点から職員の人たちの労働条件、いま申しました一日九時間、一週間五十四時間を守るという線で改善するというのではなくして、もっと最優先という方向で検討すべきであると、こういうふうに考えますが、最低線でやるんじゃないんだという点はいかがでしょうか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 労働基準法を守っているかどうかという問題のほかに、私たちが現在直面しておる大きな問題としては、これから社会福祉施設に若い人が入ってくる。毎年五万人以上の人が入ってくるわけでございますが、その人たちがいかに定着をしてくれるのかと、確保対策に非常に危機感を持って見ているわけでございます。労働基準法、これは最低の条件でございます。これだけ守っているということだけでは決して社会福祉施設のイメージアップにはならないと、もっとそれが労働条件がよくなる方向で改善がなされていかなければならないだろうと、かように考えているわけでございます。  先生御指摘の週休二日制につきましても、もう世の中の波というのがそこまできていると、そのときに社会福祉施設においては年次休暇すらなかなかほかの職員に迷惑がかかってとれないという状況に現在ほんとうはなっているわけでございます。今年度予算でも年次休暇がとれるようにということで休日代替職員という制度を創設したわけでございますが、まだまだ実は私たち実際仕事をやってみて不十分だと思っているわけでございまして、社会福祉施設に働く職員の労働条件というものをもっともっと労働基準法の最低の条件以上にあげていきたいと、かように考えているわけでございます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私のほうの法定基準確保を一ぺんでやると、これはたいへんなことになって閉鎖もしなければならぬというような問題も出てまいりますし、それから時代の要請に応じて週休二日という話も出まして、それをまた一ぺんにやると、いまの前の問題にまた戻ってくると、こういうことでありますから、いま厚生省が考えておられるような姿勢の中に、やはり行政指導として四十八時間、こちらのほうに向かうようにまずつとめながら、私個人といたしますと、やはりこういう施設に働く皆さん方が大ぜい出て、その方々に期待を持たれるような姿にまず持っていくことが必要じゃないか、そういうことからしますと、先ほど政府委員からも答弁いたしましたけれども、厚生省と私のほうがしょっちゅう連絡をとる、あるいは局長の会議をしょっちゅうやる、さらには近く全国の民生部長会議が厚生省で開かれるときには、私のほうの者も出席をして、地方の実情はこうなっておりますから、ぜひひとつお考えを願いたいと、そういう両々相まった理解の中から、国の財政補助の問題等々も従来以上に推し進めていくというふうなかまえ方でやっておりますことを御理解いただきたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大いに改善して、施設に働く職員の職場をよくしていくというお話ですが、何となくどの程度に期待ができるのだろうか。また、たいへん厚生省、労働省の方たちのお話を聞くと、期待がかけられるような感じでございますけれども、現場に行って、その寮母さんや看護婦さんの状態を見ておりますと、ほんとうに労働省、厚生省の責任者の方たちは、この現状をわかっていらっしゃるのかしらと、私もそこへ行ってみて、たいへんだなあと思うけれども、もし一日か二日一緒に重症身障児を扱っているところへ泊まり込みで、その子供を抱いたりおろしたりしてみなければ、ほんとうの苦しみはわからないのじゃないかと思うほど劣悪と言おうか、まあ、よくこういうところで働いていられるなあという状態でございますね。そういう現実の問題、もっと具体的に申し上げますと、この数の問題ですけれども、特養の老人ホーム、その寮母さんに対して一対五という組み合わせになっておりますね。ところが、全員がそろった場合の一対五ならば確かにそれはやっていけるかもしれない。けれども、休日をお互いに取り合っていく。祭日も同じだと。また、お産で休んでいる方もある。また、宿直明けで次の日は休まなければからだがもたないというようなそういう現状。そう考えますと、実際は八対一の割合になっているわけです。その八対一でも、その施設の建物の様子とか、そこにいる入所者の状態でたいへんな負担がかかっている。今度観点を変えてたいへん優遇していくという姿勢で考えた場合には、それじゃ一日七時間、そして週休二日、もしこういうものの上に実現できたとして考えた場合には、これももちろん寮母さん一人に対して五人という割合で考えてみますと、現在の倍以上の寮母さんがいなきゃならない。一対五でも事実は一対五じゃない、一対八だと。今度非常にいい条件に置きかえられたとしても二倍の寮母さんが要るということでございますね。  こういうことを私が述べているのは、現在恵まれている労働条件のもとで働いている人と比べると二倍以上の劣悪な労働条件のもとで働いているんだ、レベル以下もえらいレベル以下の劣悪、そういう中で働いているんだということでございます。そういう中で、楽しい職場であるとか、生きがいのある職場であるとか、みんなが行きたくなるような職場にするということはたいへんなことじゃないか。この現実というものを踏まえて、重ねて御決意といおうか、私たちが期待をかけられるような御答弁をもう一度お願いしたいわけです。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 厚生省の役人は施設に実際泊まり込んで実情を把握すべきであるという御意見は実は方々からも出ているわけでございます。それで、私どもでは、ことし新しく厚生省に入った人たちを今週実は施設に研修に出しまして、一週間寝泊まりをさせて、つぶさに施設の実態を見てもらおうじゃないかということを始めたわけでございます。現在の職員の倍も職員が要るかどうかということにつきましては現在検討をしているところでございますが、仕事には繁閑というものがございまして、どの時間帯に一体何人いなければならないのかということをそれぞれの時間帯ごとに現在検討を進めているところでございまして、その検討が終われば、結果的に何人に一人ということが出るんじゃないかということでございます。いずれにせよ、私ども現在の施設に働く職員の労働条件が決して満足すべきものだと思っているわけではございません。より向上さしていくべく努力をいたしたい、かように考えております。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 現実は非常に働く皆さん方が苦しいこともわかりますし、またこういう時代でございますから、毎年毎年そういう施設がたくさん生まれていくことでもございます。対応する私たちは、ただ国会で答弁して、ただそれで終わるというものではございません。  先日、私は、こういう春闘の大きな騒ぎのときも、仙台にある重症心身障害児の子供たちが文集を三冊送ってまいりました。そこにつとめておる先生から、みんなで書いたやつが私のところへ来ました。思わず——私はそういうものを現場も知っております、こういうときにそんなものを送られるというと、ほんとうにこうした人たちのためにやってやって、そして働く諸君、またそれに介抱されている子供たち、何かやっぱりやっている姿勢、やるという姿勢、そういうものにやはりこたえていくというところに、予算上の問題なりむずかしい問題等々があってもがんばっていくという実は勇気が出てくるわけでありまして、こういう問題についてはすぐあす金を出したから片づく問題ではございませんから、ひとつお互い長い勇気と努力でこういうものを実現するようにともどもにやってみたいと、こう思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 まず、定員をふやすということが第たいへん大事な問題だと思うのです。それには職員を養成することだと、こう思います。  民間の重症心身障害児施設の調査を見せていただいたんですが、これを見ますと、直接介護職員数の中に占めている無資格者、これが看護婦さんがいないので看護助手さん、それから無資格の保母さん、指導員さん、こういう方々が三〇%をこえております。看護婦さんや保母さんやこうした方々の絶対数が不足しているというのは、これはどうしようもありませんので、これは経済社会基本計画の中にもマンパワーの養成確保ということを強くうたい上げております。この点の養成対策、確保対策については厚生省はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。  それから、男性の看護士ともいうべき人たちの養成についてはどんなお考えをお持ちでしょうか。

北郷勲夫厚生省児童家庭局障害福祉課長

○説明員(北郷勲夫君) 社会施設に働いていただいています保母さんなんかの養成につきましては、本年度民間の保母養成所などにも助成金を出しまして力を入れておるところでございますが、なおまだいろいろ不足している面が多うございますので、来年度はさらに、たとえばコロニーがございます、国立のコロニーが高崎にございますが、ああいうところでの養成部門を設ける、あるいはさらに、各地方での心身障害者の施設、総合的な援護施設としてやはり地方コロニーというものがございますが、そういうところでもできるだけ養成部門を設けるというような指導もいたしたいと考えております。  それから、重症児施設におきます看護人に、女性の看護婦さんのほか、あるいは保母さんのほかに男性の介護職員を導入したらどうかという問題でございますが、これは一部の施設で実施しておりまして、だんだん子供さんが大きくなる、あるいは体重がふえるということになりますと女の方ではちょっと扱い切れないような面もございますので、そういうこともだんだんに導入していくように指導していきたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 いまのお答えでは私はたいへん消極的じゃないかと、不満に思います。重要なこの問題に対して、もっと本腰を入れるべきじゃないか。厚生省だけではこれはできない。むしろ文部省あたりも協力すべきじゃないかと思います。  それで、確かに看護婦さん、保母さんを希望する人もいないわけじゃないんですね。いると思います。また啓蒙のしかたによっては相当出てくると私は希望を持っているわけなんです。ところが試験がたいへんきびしいのか、入れないのか、たいへんややこしいんですね。そういう点、医師会あたりが何か協力しているとかしていないとか、そういう点で困難な問題もあるようですけれども、私は、養成という問題を本気でやらなければたいへんなことになるんじゃないか。  医療の問題は、お医者さんだけいればできるというものじゃない。むしろ看護の立場のほうがさらに大きなウェートを占めると。それがどんどんどんどん減ってしまってなり手がないというんじゃ、もうえらいことになると私は思います。それで、確かにいまの体制では、なりたい人も試験で落とさなきゃならない。入りたいけれども入れられないような状態になっております。そこで、私はやっぱり養成できる教師というものが一番必要だと思うんですね。そのためには、どうしても保健大学というものをつくるべきじゃないかと。そして、こうした指導者をつくり、そこから希望をどんどん募集して、そういう人たちの手で養成していくというやり方をやっていかなければやはり行き詰まっていくんじゃないかと、こういう点で保健大学の設置というものはどういうふうにお考えになっているか、ぜひこれは取り組んでいただきたいということを切望しているわけでございます。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 看護婦さんの養成につきましては、実は医療行政の範疇でございまして、私ども福祉行政の立場からは、医療行政で生まれてくる看護婦さんをいただくと、こういう立場でございます。そういう立場におきましては、実は先生がおっしゃることは私たち非常にごもっともだと、私たちもほんとうに看護婦さんをほしいと、都道府県の中では、児童福祉の主管課長が、児童課長とはいわずに看護婦獲得課長といわれているところもあるぐらいでございまして、ほんとうにのどから手の出るほどほしいわけでございます。先生のおっしゃった御趣旨、ひとつ同じ厚生省内のことでございますので、十分に実現できるように私たちも努力をいたしたい、かように考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 ことばじりをつかまえるわけでもありませんけれども、厚生省は看護婦さんをいただくほうの立場だと……

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 福祉行政です。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 いただく立場だとか、獲得なんというんじゃなくて、看護婦さんの活躍する場所を責任持って充実さしていくのがやっぱり厚生省なんですから、もっと本気になってやっていただきたい。その点大臣いかがでしょうか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私も地方で見てまして、看護婦の試験がなかなかむずかしくて、青くなっている姿を見るんです。これはそれぞれの役所の仕事でございますからこっちで文句を言うわけにいかぬのですが、ほんとうにいまの時代に、女性のはなやかなる職業といえばスチュワーデスなんかはなやかです。しかも夜もつとめております。一方夜つとめるこの保母さんなり看護婦さんというものがそれから見ると非常に暗いイメージでありますから、まあ、ときには今度給与の関係で看護婦さんに先日人事院が勧告したようなことで待遇をよくしていくと、一方にはやはり全体の問題として看護婦養成、とにかくお医者さんは一日に一ぺん診察してくれるだろうけれども、朝から晩までついているのは看護婦さんですから、朝から晩まで、そういう方々に。そうしますというと、やはりこういう方々の待遇もよくしながら、一方においてはこういう人たちが大ぜい希望を持って、あるいは人類に奉仕するという、そういう道徳的観念といいますか、そんなことだけでもいきませんから、そういう気持ちを持ちながらひとつやってもらうような、大きな私は運動というものが社会福祉国家をつくるためには大事なことじゃなかろうか、こういう感じ方を持っておりますので、関係方面に私のほうからもいろいろいまから先も推進していきたいと、こう思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 特に具体的に申し上げた保健大学の問題は、もちろん労働省の問題でもありませんし、厚生省の問題でもございませんけれども、そういうものをつくると、文部省がつくるということに対して提案をするなり大いに力になっていくということは、大臣の、閣僚会議に御出席の大臣なんですから、どんなことでも言えると思います、私は。そういう点で、ぜひ、文部大臣だけ言っていたんじゃだめだと思いますので、労働大臣にもひとつ何とかお骨折りをいただいてやっていくようにしていただきたいと思うわけなんですけれども、その点いかがですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 先生も文教関係御熱心であることは私前から承知していますし、私もまた多少そういうことに関係して、いろいろともどもにやってきた関係もありますので、そうしたほんとうに人類愛に直接つながるような大学、そしてそれが若い者に大きな夢を持たせると、そういう意味での大学に賛成でございますから、先生のまた御構想なども承りながら、ときに文部省なりあるいは関係役所に、福祉国家をつくるときにはこれが大事じゃないかという意味で推進していきたいと、こう思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 それから職員養成の確保、これをうまくやっていくためには、働いている人たちの賃金ということがやはり問題であると思います。  そこで、厚生省にお尋ねいたしますが、民間の社会福祉施設に働く人たちの賃金水準、実態は一体どうなっているのか。これを知りたいわけなんです。特に重症心身障害児の施設あるいは特別養護老人ホーム、それから保育所、こういう点についてお聞かせいただきたいと思います。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 社会福祉施設に働く職員の給与については国が措置費というもので支出をしているわけでございまして、その水準と申しますのは、昭和四十七年度に国家公務員並みの給与水準というものを実現したわけでございます。以後、国家公務員のベースアップがありますときは、それに準じまして給与改善を行なってきているわけでございます。それから、こういった施設で働く職員の方々につきましては、特殊業務手当というものがつくことになっておりまして、現在、その職務のむずかしさというものに応じまして四%から一六%までの特殊業務手当がついているわけでございます。このほか、民間施設につきましては、特に公立の施設とは異なる経営面のいろいろな問題があるということで、職員給与の改善のために民間施設職員給与改善のための経費というものを六・五%つけているところでございます。今後、こういった問題については十分に配慮をしていきたい、かように存ずる次第でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そういうふうに厚生省としてはいろいろと手を打たれているわけなんですね。ところが、現場へ行きますと、非常に悪い。まあ悪いという水準をどこに置いて言うのかという点もございますけれども、悪い。いずれにしても、どこから検討してみても悪いわけなんです。それで、この実態を知りたいとこう思いますんですね。それで厚生省にそれをいまお伺いしたわけなんですけれども、具体的におわかりになっておりますんでしょう、その民間の社会福祉施設に働く人たちの賃金水準。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 私どもで調査いたしました平均本俸月額では、特別養護老人ホームの寮母さんの場合には七万三千七百円、月額になっているわけでございます。それから精神薄弱児施設の保母さんにつきましては六万五千九百九十三円、それから保育所の保母さんにつきましては五万一千八百十二円ということになっておりまして、この数字はいずれも昨年四月一日現在、山形県ほか六県一市分につきまして特に抽出をして調べたものでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 やはり私はこれだけをお聞きしたんではほんとうの実態はわからない。そこで。昭和四十六年度の調査した資料があると聞きましたので、それをいただきたいと言ってもうさんざんお願いしたんですけれども、お出しにならないわけですね。これをぜひ私、見せていただきたいんですね。そうしなければ適当なところを平均して出してお出しになるんで、何か実際とずいぶん違うんじゃないのというその疑問がどうしてもとれないわけなんですね。決して厚生省に何かあげ足とろうと思って言っているんじゃなくて、ほんとうに現場のお給料の少ないということの実態を知りたいわけなんです。特に民間です。この資料をひとついただきたいんですけど、いかがでしょうか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 提出いたします。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 で、いろいろと厚生省はこの給料の問題については、国家公務員並みの水準が保てるようにと、予算措置をしていると、こういうふうにおっしゃっていますけれども、実際私が調査してみますと、この市町村や都道府県が各自治体並みにするために負担をしているわけなんですね。それは当然私はそうしなければならないような措置費のきめ方をしていると思います。それはこの保母さんの場合ですけれども、一般の保母さん一人当たり、今度四十九年度では五万七千八百二十四円という単価で施設に支給しております。ですから勤続年数が長い保母さんが多いところは当然水準がぐっと低くなる。ですから各自治体がこれをどうしても負担しなきゃならない。事実負担しております。こういうようなやり方はもう改善しなきゃだめじゃないかと、そして福祉施設にふさわしい体系というものをつくるか、せめて昭和二十三年からそのままになっている最低基準の七等級二号俸というものを引き上げるべきじゃないかと、こう考えてお尋ねするわけですが、いかがでしょう。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 給与につきまして公私格差の是正ということがよくいわれているわけでございますが、その場合の公私格差と申しますのは、国が国家公務員並みの給与を出したとしても、地方公共団体の職員の給与のほうが国家公務員よりも高いという場合に格差となってあらわれてくるわけでございまして、したがいまして、国家公務員の給与以上にそれを上乗せしようとするならば、それは地方公共団体の問題ではないかと、私どもはかように考えているわけでございます。  それから七等級二号俸の問題が出たわけでございますが、七等級二号俸につきましては、私どもも実態調査をいたしまして、平均的にいうならばそこのところでおさまるというように実は考えて出しているものでございます。したがいまして、この平均以上にこの勤続年数がある場合には一体どうなるんだという問題につきましては、先ほど申し上げましたように、民間施設の経営調整費、これである程度調整ができるんじゃないかと考えております。実はそのある程度の調整はできるといって全部カバーできるのかという問題があるわけでございまして、この問題につきましては私どもも、もう一ぺんここら辺で考え直しをしてみるべき時期にきたんではないかと、かように考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 社会福祉施設のこの職員にふさわしい給与体系というものが私はどうしても必要である。けれども、それをつくるのにはたいへんな仕事であろうと思います。そこで、当面の問題として、勤続年数によってある程度昇給させられるあるいは宿直、夜勤手当、こういうものが十分に支給できるような給与改善対策というものがぜひほしいと思うわけです。また国家公務員並みといっても身分保障がございません。現実に勤続年数も非常に短い、長くつとめていても身分保障もないんだからという考えがあるわけです。そこで、この退職金制度というものがございます。で、これは全部加入できるようにしたいと思うんです。それには事業主の負担金というものを考えなければ全部というわけにはまいらないわけです。こういうものを措置費の中に含めていくということは必要じゃないかと思うんですが、その点いかがですか。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 社会福祉施設職員の退職手当共済事業の掛け金を措置費の中に含めるべきじゃないかというお話でございますが、御承知のようにこの制度、昭和三十六年に発足したわけでございますが、それ以来いままで措置費の中には算入しておりません。と申しますのも、この制度が任意加入制度でございまして、入っているところと入っていないところがあるということから、算入されてこなかったわけでございます。強制保険でございます厚生年金とか国民健康保険の場合には、これは算入されているわけでございます。ところが実はこの退職手当共済制度に非常にたくさん加入するようになってきますと、もうそろそろ算定してもいいんじゃないかという声があがることももっともだと思っております。私どももそろそろその勉強を始めなければならない、かように考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大蔵省の方、お見えいただいたでしょうか……。  いままで述べましたこの職員の待遇改善策、これは職員配置基準の検討、措置費の中の給与分の大幅な引き上げということを取り上げていただきたいと。そうした予算の要求をこの五十年度、来年度の厚生省の要求に行なってほしいということを強く要望いたします。その点いかがです。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 来年度の予算要求のお話でございまして、私どももぼつぼつその問題考えなければならないということで、うちうちでは話し合っているわけでございますが、私どもとしてはひとつこの際、人材確保ということ、労働基準法の問題も含めて、社会福祉施設に若い人たちをどうやって定着させるのかという問題にしぼって考えていきたいと、かように考えているわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最後に福祉施設に働く人たちの給与の問題、労働時間の問題、こういった労働条件の改善ということを強くお願いすると同時に、この福祉施設に働いているという喜び、こういう仕事をやっているんだという誇り、こういうようなものが持てるような、そういう方策を考えるということが非常に大事だと思います。そこで、そうした人たちに年金つきの表彰をするとか、一定期間非常に優秀に働いた人には海外研修をやらせるとか、また特別何かの行事のときに招待をして特別優先権を与えるとか、こういうことをしてほしいと、これはできないことはないと思います。  それからああいうところで働いている方々、特に重症心身障害児を扱っている看護婦さんあたりは、そういうお子さんが健康になるという望みはないと。伺ってみると、一日でも長く生き延びたことがその成績であると、こういうふうに言っておりました。そういう点で、病院で働くよりも何となく希望がない、そういう点でたいへん精神的な苦しみを持っていると思うのですね。初めは希望を持ってとうとい仕事だと思って来てみたけれども、現実は非常に深刻なものだと。しかし、地域の人たちが、国民がこういうところで働いている人たちをほんとうに尊敬するというか、大切にするとか、認めてあげるということは、非常にそこで働く人たちの私は生きがいであり、張り合いであると思うのです。そういう点で、もう少し国民、特に余裕のある人たちが、心のある人たちがボランティア活動をやってそして協力してあげる、理解してあげると、こういうことは非常に大切なことだと思うわけです。私も外国を回ってみて、こういう施設が明るくて、そして行き届いているところには必ずボランティア活動が活発に行なわれていると、日本はほんとうにそういう点はおくれているなと、厚生省を責めるわけでもございません。私たち自身がそういう点をもっと目ざめなければならないなあと、こう思って、ボランティア活動というものを、どういうふうに展開さしていったらいいかしらということも考えている一人でございますが、そういう点、厚生省として指導、助言、また何か施策が必要ではないかと、こう思うわけでございますが、まとめていろいろ自分の考えていること、そして御意見を承っておしまいにしたいと思います。

舘山不二夫厚生省社会局施設課長

○説明員(舘山不二夫君) 職員の確保のためには、いま先生がお話しになったようなことを含めて、広範囲に考えていかなければならないと、かように考えているわけでございます。本年度予算でも、きわめてわずかの人数ではございますが、海外研修のための経費というものも計上しているわけでございまして、まだまだほかに考えればいろいろな知恵が出てくるだろうと、かように思います。  それからボランティア活動につきましては、もうボランティアが育っていくような基盤を醸成する、そのための条件を熟成すると、こういうことが一番大切なことじゃないだろうかと考えております。私どもも至らぬところがありますと存じますけれども、これからも十分にこの点配慮していきたいと、かように考えております。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 直接厚生省でも関係しておりませんけども、いまの問題は、国民的な立場からみんなで考える非常にとうとい示唆が私は出ていると思うんです。まあ民主主義の世の中というものは、個人の尊厳を非常に強調もしますが、それに潤いを持たせるのは、私やっぱりボランティアであり、人のことを考えていく、こういう行動が一番大事じゃないかと思っている一人でございます。私も、そうした意味からしますというと、日本で社会施設が生まれたのは、官もさることながら民のほうが多かった。そういう方々がいま財政の問題とか、人手不足の問題等々で非常に困っておるというときに、やはり私はボランティアという気持ちをほんとうに出していくべきじゃなかろうか。諸外国においても、民主主義の国は中年の奥さんの方々、からだがちょっと余裕ができた皆さん方、こういう方々も、あるいは若い諸君もやってもおります。そういう風潮を日本がもう少し出してもらったほうがいいんじゃないかという感じ方を持ちますし、さらにそういう一番苦しいところで報いられずして努力されている方に対して、やはりみんなが尊敬するような姿というものを、どうしても出していくべきじゃなかろうか。海外研修の話もありました。あるいはまたときには叙勲の話もいいでしょう。私はそういうことも必要だと思うんです。郵便配達を何十年山村僻地を請け負いでやっている者も叙勲になったり、県の表彰になったりするところもありますから、私はそういうところに目を向けながら、みんなでそれを育てる。金だけでそれこそ済まない問題もある。尊敬することによって、心のつながりによって、そういうことを推進していく面もある。大ぜいの立場から、それぞれの面から、こうした施設の拡充と、そして社会福祉というこのときでありますから、——それにいたしましても、私はしみじみ感じますことは、やっぱり、健康な子供を持つこと、健康なからだを持った自分、こういうものがいかに親に対してありがたいかということと、健康な子供を持つ者の喜び、だからそういう前向きの問題を全体で私は考えるときじゃなかろうかと思っております。  ほんとうに貴重な御意見を拝聴いたしまして、ありがとうございました。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 大蔵省の方がお見えいただいたのでちょっと一言……。  いままでいろいろと労働省、厚生省にお伺いしていたわけでございますが、ほんとうは大蔵省の方にも聞いていていただきたかったわけでございます。  で、民間の福祉施設の職員が非常に劣悪な労働条件のもとで働かざるを得ないという、こういう現状、この根本は国の設置助成基準が非常に低い、予算が少ないということになるんです。この福祉充実ということで力を入れていただいているということはわかりますけれども、十分その点を御理解いただいて、この職員の待遇改善に財源面での積極的な努力を大蔵省に切望をしたいわけです。その点一言おっしゃっていただきたいと思います。

梅澤節男大蔵省主計局主計官

○説明員(梅澤節男君) 社会福祉施設の職員の処遇改善の問題でございますが、これはちょっと私あとから参りまして、いろいろ突っ込んだ議論が取りかわされたと思いますけれども、四十九年度の予算の編成にあたりましては、労働省のほうで社会福祉施設の職員の労基法違反の事例等々の調査が出まして、私ども厚生省とこの予算の編成にあたりましては、真剣に議論をいたしました。繰り返しになるかと思いますけれども、四十九年度の予算におきましては、施設に働いていらっしゃる職員の方々の勤務条件を少しでもよくするようにという立場から、たとえば重症施設等につきましては、マン・ツー・マン方式で対処できるという予算処置を講じております。これはそれぞれ施設長の御判断によりまして、職員の方を御採用になって、一人一人重症児を、あるいは重症のお方をお世話するというふうにお金を使っていただいてもけっこうでございますし、あるいは省力化機械を導入していただくとか、その他職員の処遇の改善に使うというたてまえで、大幅の重症施設につきましては、措置費の改善を行なっております。  それから施設の職員の方々が安んじて年次休暇がとれないという実態等も踏まえまして、さしあたり四十九年度予算におきましては、労基法の最低の年次休暇でございます六日、六日の年次休暇がとれるようにというふうな予算の措置も講じております。  それから保育所等につきましては、親御さんのつとめの関係で、どうしても定刻五時以降子供さんの保育をしなければならないというような実態もございますので、一時間の非常勤保母をつけまして、保母さんたちの勤務条件、満年、超過勤務にならないというふうな措置も講じております。  その他重症施設等につきましては、増員の措置も講じております。ということで、私ども措置費につきましては、特に四十九年度の場合、施設の収容者の生活費の改善もさることながら、働いていらっしゃる方々の処遇の改善ということで、できる限りの措置を講じたつもりでございます。  したがいまして、新規の措置が数々予算化されておりまして、今後これをどういうふうに発展さしていくか、実態をよく見きわめながら、五十年度以降の予算に反映させるということで、当面四十九年度につきましては、保育所の措置費につきまして、これは収容児童の問題のほかに働いていらっしゃる保母さんを中心にしたいろいろな勤務条件、これを大蔵省、自治省、厚生省で、合同で実態調査をする計画を目下立てております。  それから民間の福祉施設等につきましては、厚生省に特にその辺の問題について、さらに実態を究明するようにということで調査費を計上いたしております。  それから、やや財政当局におる者として、若干議論がはずれるかと思いますけれども、先ほど労働大臣がお話になりましたように、やはり社会福祉施設の職員の問題というのは、給与改善とかあるいは処遇改善の問題もさることながら、私どもこういう仕事を担当いたしておりますので、いろんな機会に施設の職員の方々のほんとうの苦しみといいますか、いろいろなお話を聞く機会がございます。そのときに先ほど先生が御指摘のありましたように、国の金だけの問題ではなくて、心の問題と申しますか、生きがいの問題というものが私非常にあるのではないかという気がいたしております。欧米諸国の例も、先ほどお話になりましたけれども、おそらくキリスト教のような分厚い宗教的な伝統がございまして、欧米諸国ではステータスシンボルとして、一定の社会的地位にある人が、社会奉仕するのはあたりまえであるというふうな長い伝統があるわけでございますね。それからまたある国では、これは日本にはそぐわない制度でございますけれども、徴兵制度をとっている国で、一定期間社会福祉施設に奉仕した場合に、徴兵の義務が免除されるとか、いろんな形でボランタリーの活動というものを助成するという、いろんなくふうがなされているわけでございまして、日本は日本なりに、やはりそういった措置を考えなければならないのではないかと、まあ一つの例といたしまして、私の個人的な意見でございますけれども、各種の民間の社会福祉施設が分立しております。特に、重度の、重症の施設にいらっしゃる人たちは、端的に言いますと、非常に重い方をお世話なさっておるわけですから、いろいろ御苦労になるわけですけれども、その相手の方が、日一日とよくなっていくということになれば、やはり生きがいになるわけでございますね。ところが、そういう重症の施設におる方は、結局、植物人間という、——ことばが適当であるかどうか知りませんけれども、そういう方々に四六時中接しているというような仕事は、人間として、それは幾ら給料をもらっても、生きがいの問題として非常につらいと、そういたしますると、たとえばその分立しております民間の各社会福祉施設、いろいろバラエティーがあるわけでございますから、その施設の間で、適当な期間で人事交流をはかると、——私ども役人でも、同じポストにおりますと、知識が沈滞いたしますので、人事異動がございますけれども、そういうふうな、いろんなくふうの余地があるんではないかというふうな考えを、率直に、持っておるわけでございます。ただ、御指摘の、財政面からの助成ということにつきましては、私ども今後とも意欲的にこの問題に取り組んでまいる所存でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 終わります。

山崎昇日本社会党

○委員長(山崎昇君) 本調査に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十二分散会

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