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72回国会参議院1974/02/27

公害対策及び環境保全特別委員会 第4号

発言数
263
登壇者
20
会派数
4
開催日
1974/02/27

会議録

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。  三木環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。三木長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 本日、大阪地方裁判所において、夜間飛行禁止等請求事件の訴訟に対する判決が行われました。  その詳細な内容についてはいまだ承知していない面もありますが、伝えられるところによれば、  一、航空機の午後九時から翌朝七時までの差し止め請求については、午後十時から翌朝七時までの差し止めを認める。  二、過去の被害に対する賠償請求については、四万円から五十万円を認める。  三、将来の被害についての賠償請求は棄却されたとのことであります。  したがって、今後の取り扱いについては、早急に関係省庁と検討いたしたいと思っております。  大阪国際空港は、他の飛行場に比較して深刻な環境条件のもとにあることは明らかであります。今回の判決を、航空機騒音対策を拡充する一つの契機として受けとめたいと思っております。したがって、当面次のような措置を推進する必要があると考えておりますので、関係省庁と十分検討を進めたいと思っております。  一、関西地方は、関東地方とともに日本の交通の中心であり、国際空港の必要性を簡単には否定できませんが、他方、騒音問題の解決は重要な課題でありますから、将来新空港が供用された時点においても、なお環境基準が達成されない場合は、空港の廃止も含めて空港問題を根本的に再検討することが必要であると考えております。  二、現空港の発着便数を極力減少するとともに、特に、東京−大阪間のジェット機の大幅減少をはかる等、地域住民の騒音に対しての苦痛を軽減する必要があると考えております。  三、空港周辺における防音工事、移転補償等の措置につき十分な効果をあげ得るよう、現行の制度及びその運用について改善を加えることが必要であると考えております。  四、現在の交通体系は環境保全の面からの検討が十分とは申せません。さらに、資源問題の情勢変化もありますから、その点も考慮し、総合交通体系を抜本的に再検討することも必要であると考えます。  五、空港建設にあたっては、立地についても、立地後も、騒音問題を十分に考慮して、空港周辺の土地利用及び建築制限等の規制措置をとるよう、新しい制度を検討することも必要であると考えております。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) ただいまの三木環境庁長官の発言に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 長官がいま申したように、私も詳細はわかりません。ただ、昨年の公害健康被害補償法が参議院で最終的決定をみる段階で附帯決議を全部で十九提起して、自民党を含めて満場一致で決定をみたのでありますが、その附帯決議の十五で「騒音、振動等による健康被害の実態を把握し、被害補償制度の樹立を検討するとともに、農・漁業及び」云々と書いてあるわけですが、ここではいま一番裁判で問題になっている航空機騒音の問題が提起をされておるわけですが、この問題等について、その時点からやわやわと仕事を始めたというようなことではないでしょうが、この健康被害の実態把握という面で、特に当件に関係のある大阪空港周辺の状況等について環境庁がどういう掌握をしているのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 健康調査については、今日までも被害調査というものはいたしております。四十九年度の予算の中にも、引き続いて健康被害調査をいたすべき予算が計上されております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ということは、これからだという理解のしかたでよろしいのですか。今日まで特に大阪にしぼって環境庁独自の判断、いわゆる調査、そういうものがあるべきだと思います。それはどうあるか。騒音はいつごろがピークで、何ホンであるかぐらいはわかっているはずですから、その辺のところをひとつ時間帯に応じてデータを示してほしいと思います。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 時間帯ごとの健康被害調査ということは、現在も行なっておりません。しかしながら、時間帯ごとに何ホンとか、あるいはWECPNLは一日単位ではどのくらいか、こういったデータはもちろんございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 だから、そんな冷たいことを言わないで、いま午後九時か十時かということが論点になっているわけでしょう、少なくともその時点の、九時からどうで、十時からはどうでというくらいはわかっていていますぐ言えるでしょうから、何ホンかはっきり言ってください、平均化して。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) そのお答えになかなかならないのでございます。なぜかと申しますと、たとえば九時−十時の時間帯に何機離発着をするかということは言えますけれども、その騒音レベルが一体どのくらいであるかということを平均でいいから言えとおっしゃいましても、地域によってすべて異なります、あるいは風向きよっても異なりますということで、なかなか一口には言えないと、かように申しておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ぼくの質問をはぐらかしてはいけませんよ。大阪に限っていますからね。ほかのところはどうだなどと、そんなことはぼくはいま聞いていない。羽田はどうだの、そういうことを言っておるのじゃなくて、大阪では九時と十時の間は、一月度はこう、二月度はこう、三月度はこうだということぐらいは、いまここではっきり言えるでしょうが。そこで判決が問題になってくるわけだ。九時が是か、十時が是かという問題になってくるわけです。はっきりしてください。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) おっしゃることはよくわかるのでございますが、一体何ホンか、大阪に限って、そういう御質問でございますと、むしろ豊中のどことかの地点、あるいは伊丹のどことかの地点ではどうだというお尋ねだろうと思うわけでございます。そうでございませんと、地域を固定いたしておきませんと、ホンがどのぐらいであるかということは言えないわけでございます。しかし概して申せば、九時から十時の時間帯というものはかなりの離発着が現在でも集中いたしておりまして、騒音という見地から見れば、かなり地域によっては問題のところが多いと存じております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 局長、数字を持っているんでしょう。持たないということはぼくは怠慢だと思う。少なくともこれほど問題化して、住民運動が高く強く上がっているときに、担当の局長が数字を持たないことがおかしいんですよ。発表できないこともないでしょう。言ってみなさいよ、はっきり。さもなければ、一応言いにくかったら、最高は幾らで最低は幾らであるぐらいは言ってください。人間が生活するにどの点が妥当かということは、あなた方閣議了解事項できめているんだから、はっきりしているでしょう、このことぐらいは。局長、はっきり言ってくださいよ、そんないいかげんなこと言わないで。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 私ども航空機騒音の問題につきましては、その判定をいたしますときに、WECPNLと申します一日全体の騒音量でものを言っておるわけでございまして、たとえばWECPNL九〇以上のところは、大阪でございますと三万八千人、それからWECPNL八五以上になりますと十一万一千人、それから七五以上でございますと六十万一千人、あるいは七〇以上でございますと百七十八万人と、こういったところが一日全体として騒音をかぶる、こういうふうに表現させていただきたいのでございます。ある地域におきますある騒音量ということではなかなか問題がむずかしいと申しますか、表現がむずかしいわけでございます。これは決して私隠しているとかなんとかという意味ではなくて、航空機騒音というものがそういうものであるということでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 しかし、飛行機の進入路もきまっているし、出るところも大体きまっているのですから、どこに集中的な騒音が出るかくらいはほぼ見当がつきますし、被害者をかりに吸い上げてくる場合は、おのずからその線がなくては出てこないわけですからね。あなたに聞くより沓脱委員に聞いたほうがわかるかもしれないくらいですよ。そんなことわからぬというのはおかしいですよ。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) それはわからぬことはないのです。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 わかっておったら言いなさいよ。そうしないと九時と十時の論争ができないでしょう、裁判官の判断に対して。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 九時−十時の時間帯と申しますと、国内便が平均いたしまして十二便、それから国際便が平均いたしまして二便だということでございます。したがいまして、これは地域によって違います。滑走路の周辺でございますとか、それから着陸する場合と離陸する場合と、一番うるさい音のする場所も違ってまいります。それはいわゆるコンターというもので表現できるわけでございます。ですから、先ほど申しましたように一日合わせてWECPNL云々ということを申しましたけれども、それから十四便の場合はどうかということは地域によって推定はもちろんつきます。ただ、先生がおっしゃいますように平均してどうだと、こういうふうに言われましても、ちょっとお答えのしようがないということでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 局長、それは測定技術の問題なのですか。その辺のところがはっきりしないわけですが、問題はその点がきちっとおさまってこないと、裁判官の判断の中にもそこらあたりがかなり、失礼だがあいまいではないかと、ばくはしろうと考えでは納得できない。その辺のところ、局長もそう言われると私も返すことばがなくなってしまうのですが、技術的にだめなのですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) いえ、だめとかなんとかということではなくて、先生のおっしゃっておりますのは九時−十時の間に十四便ある、その場合、平均の騒音はどうかというお尋ねに対しては、ちょっと答えかねるわけですね。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 最高と最低でよろしい。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 最高でございますと、おそらく九五ホンから一〇〇ホンぐらいなところは、これは一機ごとにあると思います。しかし、これは九時−十時の時間帯の問題ではございませんで、一機一機の問題でございます。それから離れたところでももちろん七〇ホンのところもあるでございましょうし、これは御質問どおり正確に答えろというほうが私ちょっと無理ではないかと思います、申しわけございませんが。運輸省のほうからその点答えていただきたいと思います。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) ただいまのお話でございますが、われわれ運輸省といたしましては、川西市の久代小学校というところがございます。これは離陸時に六甲のほうへ向かって飛ぶところにございます。そこに騒音測定塔がございまして、行き先、それから飛行機の種類、それからそのときの飛行機の重量によって全部記録をとってございます。そこで、いま先生のおっしゃいました九時から十時と申しますと、大体全日空ではB727の200、それから日航ではDC8の61を使っておると思われますので、離陸時の数量を申し上げますと、東京行きの場合大体九四ないし九一ホンが測定されます。それからDC8の61でございますと、九七ないし九三ホンの測定の記録がございます。これは東京行きでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 だいぶはっきりしました。そういう状況に置かれたわれわれ住民はどういうことになりますか。局長、お医者さんですからわかるでしょう。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 九〇ホンの音が、たとえば一時間に十四便でございますから、かなりの狭い間隔で繰り返されるということは、決して好ましい身体的あるいは精神的な影響があるとは考えておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それからぼくは専門外でわからぬが、好ましくないということは、からだの抵抗力の弱い者あたりはどういう状態になりますかね。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 一つは、まっ先にまいりますのが、不快感あるいはいらいらという心理的、精神的な影響がまず第一にくるであろうと思います。それから、その精神的な障害というものが引き金になりまして、これは学問的にも簡単には確認されておりませんけれども、身体的な影響というものにもなるのではなかろうか。これは私医者としての推定でございますが、そういったこともあり得ると思います。しかし問題は、その一時的な難聴が、九〇ホンあるいは九五ホンというものが一時間に十四回繰り返された場合にどの程度起こるか、あるいはそれが毎日重なることによって永久的な難聴になるか、こういった問題につきましては、いまのところあまりないのではなかろうかと考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 長官の談話の中で「大阪国際空港は他の飛行場に比較して深刻な環境条件の下にある。」ということは、これは最高で一番劣悪な条件下だという判断なのか。抽象的でよくわかりませんが、長官、これはどういうふうなお気持ちでおっしゃっているのですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 日本の空港の中で一番条件が悪いということです。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それは先ほど騒音、ホンの問題でいろいろ話を聞いているわけですが、それだけではないと思いますから、どういうことがこの飛行場の深刻な環境条件であるか、このことについて簡単に総括的にちょっと答えていただきたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 大体にこの飛行場の周辺にこれだけの人家が集中的にあるというわけですから、私も地図をつくって見てみますと、飛行場の周辺というものは非常な人家が多い。ほかの空港の場合も、日本の空港を建設するときの立地条件というものに問題があると思いますよ。初めから騒音問題というものを頭に入れてこれからの飛行場というものは建設せざるを得ない。どうもそういう点については配慮が足りなかった。しかし、やはりもっと空港の敷地が広いわけです。この伊丹の飛行場は三百ヘクタールぐらいのものである。それは国際空港といわれておる中で一番狭いわけです。諸外国では千ヘクタール以下の飛行場というものは、運輸省のほうが詳しいだろうけれども、私はあまりないように思うのです。千ヘクタール以上ある。どうしても飛行場が狭い上に、この周辺に市が幾つありますか、たいへんな市に取り囲まれて、しかも日本の場合は諸外国と違って木造建築ですから、木造に対しての騒音の影響というものは鉄筋よりもずっと私は多いと思う。そういうことからいって、伊丹の空港というものは日本の中では一番条件の悪い空港であるということを申し上げました。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そうしますと、検討事項が一、二、三とあるわけですが、一の場合の最後に「なお環境基準が達成されない場合は、廃止も含めて、空港問題を根本的に再検討すること。」こうあるのです。そうしますと、いま長官が、「深刻な環境条件の下にある」ということ等からあわせ考え、国際的なレベルから見ても、三百ヘクタールで、一千ヘクタールぐらいはぎりぎりだ、にもかかわらず長官は言っているわけですから、これはもうすでに結論が出るのじゃないですか。運輸大臣がここにおりますが、ここではだめだということじゃないか。早とちりですがね。その辺は長官、現状の認識の上に立って、この第一項のこのところへ最後にぶつかるのじゃないか。運輸大臣はこだわると思いますが、こだわればどういうわけでこだわるのか。その辺のところをはっきりしてください。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) いま世界的に騒音問題というのはやかましくなっている。日本だけではないわけです。生活環境の静けさを求めるというのは人類共通の願望ですから、それで盛んにいまアメリカの航空宇宙局でありますとか、それから連邦航空局、それからダグラスとか旅客機をつくっておるメーカーが一緒になって、たいへんな力を入れて騒音というものを低減さすための研究開発が行なわれている。そういう関係する人たちが私のところに見えて、この研究の成果はだんだんと上がりつつあると。エアバスなどもその研究の結果として生まれた飛行機の一つであります。  だから、日本は残念ながら飛行機をつくっていませんから、結局飛行機をつくっておる国の研究開発に依存するよりほかないわけです。そういうことで航空機の騒音というものは相当低減できる研究開発が行なわれる。また、垂直の離着陸飛行というものも研究は進んでいるわけです。滑走路を使わぬ。こういうことで音源対策という面からも、航空機というものの技術開発の未来というものは、相当この騒音問題に対して抜本的に解決する日がくるかもしれぬという、これは断言はできませんが、そういう希望も持たせる。  しかし、そういうような航空機の技術開発なども頭に入れても、なおかつ新空港にしたところでいままだ場所の選定というものに問題があるわけです。しかし、どうしてもやはり関西地方に国際空港というものは必要であるとするならば、その困難は克服して新空港をつくらなければならぬわけでありますが、それがいよいよ使えるような段階になっても、環境庁のいう一つの環境基準、これを達成できぬというときには、それはもう当然にその飛行場は廃止せなければならぬ。しかし廃止と私が歯切れよく言わないのは、いろいろ騒音の被害というものが低減されるかもしれぬという、環境基準を守れるようなそういう条件が実現するかもしれぬという可能性もありますから、そういう可能性も頭に入れながらこういう表現をいたしたわけでございます。それも実現しないというなら、これは不適格な空港であると断定せざるを得ないわけですから、これは当然に廃止すべきものだと思います。いろいろないま言ったような諸条件もありますから、新空港がいよいよ使える段階においてその判断はすべきであると考えております。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) いま環境庁からいろいろお話がございましたが、私どももそのように考えております。ただ、新しい空港をいま審議会にいろいろおはかりしまして、なるたけ早く結論を出していただきたいと御希望申し上げているわけでございますが、大体七月前後には答申が出るのじゃないかと思います。それが出ますと、内容を検討しまして、いよいよ地域の公共団体とも御相談いたしまして、了解を得てそこに新しい空港をつくることを進めなければならぬと思いますが、それができ上がりました時点で、たとえばいま三木長官がおっしゃったようなことであれば、私どもも廃止ということをも含めて検討しなければならぬと思っておりますし、まあプロペラ機ぐらいはこちらに置いてくれという地域住民の皆さん方の御希望でもあれば、またそういう時点で考えてもいいのじゃないか、かように考えているわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 運輸大臣、そこでかなり三木長官もきびしい姿勢をとってるようですから、それまでには若干時間的なあれがあるわけですから、暫定的にでも住民のそうした声並びに判断等々を考えて、時間帯によって便をひとつ減らすとか、そうした努力をやるということは、いまの時点ではっきり言明できるかどうか。  もう一つは、運輸大臣にお願いするのは、これは先ほどぼくはラジオで聞いたのですが、この判決を見て勝ったとは思っていない、運輸大臣は確かにそうおっしゃったのじゃないですか。その勝ったとは思っていないということはどういうのか。よしもう一ぺん控訴する、こういう意味なのか、謙虚に住民に対する呼びかけなのか。ことばですからどっちにもとれますよ。勝ったとは思わない、だから控訴するというのか。勝ったとは思わないというのは住民の声をすなおに耳を傾けると善意に理解できるのか。その辺のところをあわせて大臣のほうから明らかにしてほしいわけです。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 私があそこのテレビに出たのは、ぽこっとそこだけ、勝ったとは思っておりませんというのが出てまいったわけですが、これには問いがございまして、おまえこの判決はどう思うかという問いがあったものですから、私は判決と行政は別でございます、この判決は勝ったとか負けたとか、そういうような次元でものを考えているわけではございません、判決は判決としてこれは誠意を持って受けとめなければならぬけれども、そういう意味で私は勝ったとか負けたとかいうようなことを言っているのじゃありませんと、こういったところのあれが出たと思います。私そのテレビを見ておりませんから、どういうふうな状況になっているかわかりませんが、そういう意味でございまして、決してあの判決というものの実体に触れてどうこうという考えではなく、判決は判決だと、しかし行政は行政として、地域住民の生活をどういうふうに守るかというのが運輸行政の私は根幹でなければならぬと思っております。そういう意味から今後は運輸行政を進めていかなければならぬ。  それがためには、地域の皆さん方の御要望というのは、騒音を少しでも減らしてくれということに願いがあるわけでございますから、また、九時からとめてくれという御趣旨も提訴の中にあるわけでございますから、そういうようなもろもろの意味を含めまして、私どもは今後、減便というのが一番音を減らすには手っとり早い話でございますが、それがためには地域ではいろいろ御議論もあるようでございますけれども、騒音の少ない、少なくとも騒音の少ないエアバスというものも導入させていただいて、そうして減便というものも考えていかなければならぬというふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 控訴は。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 控訴問題につきましては、関係各省庁とよく御相談いたしまして、いま私はここで言明するのを御遠慮させていただきたいと思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは三木長官に最後に。  先般の国鉄運賃法審議の連合審査の過程で、あなたは代理に坂本さんを出しておったわけで、新谷さんが運輸大臣、その席上でぼくは新幹線の騒音の問題でいろいろ質問をし、意見を述べたわけですが、どうもいまなお引っかかってくるのは、昭和四十六年五月二十五日閣議決定「騒音に係る環境基準について」というのがあるわけです。第一は「環境基準」、第二は「測定方法」などなどと書きながら、一番最後の第八に、「環境基準の適用除外について」「本環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。」と。この第八がある。ぼくは一貫してこれに引っかかるわけです。これが今度の裁判官の思想の根底にこびりついていたのじゃないかというふうな憂いさえ実は持っている。だから、ここでこのところをはずすという決断は、今日的な状況の中でだめなのかどうか。私の時間がもうありませんから、長官も簡単にお答えいただきたい。イエスかノーか、お答えをいただきたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) まだその当時は、新幹線とかあるいは航空機の環境基準というものができておりませんから、基準がないわけですから、そういうことで除外ということばを使ったのだと思いますが……。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それは違う。そんなばかなことはありはしない。明確に環境基準を出しているんだから、あらゆる生活環境その他。そのときに鉄道なり航空機騒音の基準がないなんというのは……。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) いや、航空機に対しての環境基準は昨年の十二月二十七日に出たわけですね。新幹線はまだ環境基準は出てない。これは至急につくりたいと思っておるのですから、そういうこととの関連においての発言じゃないでしょうか、私がいま考えるのは。よくそのときの事情は知りませんけれども。それは除外するということは、環境問題は何も考えなくてもいいんだということでは前段のほうと矛盾いたしますから、環境基準というものができた後においてはもう除外はされないわけで、その環境基準を守れるような新幹線であり、また空港でなくてはならぬということになるわけだと考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 もう時間がありませんから、長官、環境基準のところにはあらゆる例示をしながら、六五とか五〇とか、きちんと数字をあらわしているわけですね。そうしますと、先ほどの答弁の中で、ときによっては九四から九一、九七から九三、こういう数字が出てきている。これはいなめない事実だと思う。そういうこと等から考えて、この第八のところが、そういうものを規定する段階じゃなかったからこれははずしたのだというとらえ方は、ぼくは何か違っているように思います。思いますというのは、これだけはひとつかんにんしておこうじゃないか、そうせぬと列島改造ができないじゃないかという伏線があると思うんですよ。ぼくは根性悪いですよ。そこまでやらぬと悪徳商法を追及できないんだよ。悪徳官僚を押えるわけにいかぬ。ちゃんと逃げ道をつくっていると、私こうにらんでいる。そういうとらえ方が間違っておったら、ぼくは精神病院に入ります。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 騒音対策には工場騒音対策、それから建設騒音対策、それから道路騒音対策、これにつきまして環境基準を定めておったわけでございますけれども、ことに当初は騒音規制法に道路騒音も除外しておったわけでございますが、改正して入れたということでございます。ただ、新幹線騒音とかあるいは航空機騒音は、こういった従来の工場とか建設あるいは道路騒音とは違った対応のしかたがございませんと、実際にその規制、監督ということはできませんので、一応除外したわけでございますが、航空機騒音については、先ほど長官申しましたように昨年の十二月二十七日につくりましたし、新幹線騒音に関する環境基準もただいま審議中でございますので、近く告示することになろうと考えております。したがいまして、騒音に関する環境基準というものは、新幹線、航空機、除外するわけではございません。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 三木長官、いいですか。いまの件、お答えありませんか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私は、それは環境問題というものをおろそかにしていいというのではなしに、いろいろ航空機とか新幹線というのは騒音の性質も違いますから、工場とか自動車だったらずっと連続ですけれども、間欠的な騒音ですから、性質も違うしするから別にこれを定めるということであって、これは全然そういう環境問題は考えなくてもいいんだというエクスキューズのためにそれを置いたものではない、こういうふうに解釈をするものでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 運輸大臣に伺いますが、先ほどの御答弁では、住民と争う、被害者と争う姿勢ではないということをおっしゃっておられましたが、ということは、現実にきのうもきょうも騒音で悩まされている方たちと要求をいれていきますということでしょう。  そこで、この環境庁長官の談話の第一は先ほど触れられたので繰り返しませんが、「新空港が使用され」しかも「環境基準が達成されない場合は」云々となっておりますから、これは環境基準自体にもうすでに不満があるし、まして新空港というものはまだ場所さえきまってないという先ほどのお話でありますから、非常に先のことであり、しかも「廃止も含めて」ということは非常に強く感じますけれども、しかし新空港供用ということが時間的にはずっと先のことであり、環境基準にも不満があるということ。  したがって、先ほどもちょっと大臣がお触れになったように、第二の「発着便数を極力減少する」ということ、「東京−大阪間のジェット機の大幅減少を行なうこと。」という、これは運輸省としてはもっと具体的に検討し、答弁できますか。どういうように減らしていくかということ。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 先ほども申し上げましたように、地域の方々の御理解もいただきまして、騒音の少ないエアバスというものも就航させて、そういたしますと便数も、東京−大阪間の便数でございますが、これは半分にも減らせることが可能だと思います。その他、いろんな時間帯もございましょう、時間帯もございましょうから、なるたけ騒音の少ないような便数の軽減をはかっていきたい。具体的にどの便をどうするとか、何日からどうするというようなことはまだ検討中でございまして考えておりませんけれども、なるたけ早い時期にそういう要望に誠実にこたえていきたいと、こういうことでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いま具体的に東京−大阪間のジェット機は半数にも減らすことが可能だというふうにおっしゃったですが、それは検討の結果、半数というふうにおっしゃったのじゃないのですか。それとも、大体この辺までがまんしていただけば半数に減りますというふうにおっしゃっているのですか。

寺井久美運輸省航空局長

○政府委員(寺井久美君) お答え申し上げます。  ただいま大臣が申されました東京−大阪間の便数の半数という点は、おおよそのめどでございまして、正確に半分にいつからできるというところまでまだ検討の詰めがいっておりません。しかし、おおむねそういう方向で実現すべくいま検討中でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 住民と争うべきでないという、被害者の立場に立って事を解決しようということであれば、おおよそそのめどでなんていつまでも言っていないで、早くそれを実行していただきたいのですね。  それから時間の関係もありますので、第四「現在の環境保全の面からの検討が十分ではない。」これは運輸大臣、どう考えますか。特に空港の場合は、たとえばもめにもめている成田空港の場合なんかも、はたしてああいう内陸地に環境保全の面を考えて進めているのかどうか。いかがですか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 環境庁からきびしい騒音基準が昨年の暮れに示されまして、そういうところから環境保全の面から検討が十分でないという環境庁長官の御指摘があったろうと思いますが、私どもも環境庁の基準に照らしますと、いま日本に約六十ぐらいの飛行場があるわけでございますが、百点の合格点がとれるのは三つくらいしかございませんで、あとは全部この環境基準というものに何がしかのかかわり合いが、欠陥が出てきているわけでございます。そういうものを、環境庁では五年間でこれを整備しろとか、あるいは十年間で整備しろとか、いろいろな期間的な余裕の御指摘もございますから、その線に沿って十分この整備を進めると同時に、新しい空港につきましてはまた別の面から適応した検討を加えていかなければならぬ、こういうことでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 いや、環境庁長官の談話の「環境保全の面からの検討が十分ではない」ということは、立地条件とか、ああした内陸地にある空港というものが結局防音工事、移転補償というようなことに追い込まれるだけであって、そういう点を「総合交通体系を抜本的に再検討すること」という、そういう環境庁長官の談話に対してどう考えますか。簡単でけっこうですから。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) 環境庁長官のこの御趣旨に対しましては、私どももさように考えて今後善処していきたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そうすると、現在ある空港ですね、要するに大阪の場合は「廃止も含めて」ということになっておりますが、廃止も含めて検討するということでよろしいですか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○国務大臣(徳永正利君) そういうことでございます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 運輸大臣どうぞ……。なお、運輸省は飛行場部長が残っておりますので、そのおつもりで。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは環境庁に伺いますが、要するに騒音が健康に被害を及ぼすということははっきりしているということを、先ほど杉原委員が指摘された公害健康被害補償法の審議のときに、局長がはっきりそういうようにおっしゃっているわけです。騒音が健康に被害を及ぼすことははっきりしている。難聴等ですね。それから職業病にも指定されているということ。ただ、局長がむずかしい面があるということは、一つの個人差がある、なれがあるということで、これはむずかしい問題だということを局長は述べておられるのです。ということは、個人差があるということは、なれということは、耐えられる人もいるということでしょうが、きわめて敏感に騒音による健康被害を受けやすい人もいるということでしょう。以上の点はいかがですか。そのとおりでよろしいですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) そのとおりだと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そうしますと、今回の判決は、私はニュースで見ただけですからはっきりしませんが、騒音と病気との関係は不明だというふうに出ているのですが、これはわかりますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 明確な疾病としての問題は、これはなかなかむずかしい問題で、健康に何がしかの被害があるであろうということは推定できますけれども、独立した疾病としてなかなか認識はむずかしいであろう、こういうふうに私は考えます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それも、いつまでもむずかしい、むずかしいで通られると困るんですがね。騒音が健康に及ぼす影響、これは健康被害補償法案の審議のときにはもっと詳しく答弁しておられますが、いろいろなこれこれしかじかの健康に対する影響があるということが報告されているということを答弁しておられるわけです。ですから、ただ不明だとして押し切っていくということは許されないじゃないですか。これは三木長官、いかがですか。ただ不明だからといって、具体的な疾病としてどういう疾病としてあらわれるかは不明だということだけであって、しかし、じゃ騒音は健康に被害を与えるかどうか、これは補償法案の審議のときに三木長官も、健康に被害を及ぼすことはもうはっきりしているというふうに答弁しておられるわけです。ですから、こうした被害者の方がこれこれしかじかの疾病の補償というものを要求した場合に、いつまでもただ不明で押し切っていくということは許されないでしょう。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) のいま小平先生から御質問ございまして、大気保全局長がお答えしたこともあわせながら、若干補足して申し上げたいと思います。  健康被害があるかという問題につきましては、確かにその生理的な反応は起こります。生理的な反応は起こりますが、年齢とか健康条件とかあるいはそのようなほかの条件によって、それが被害としてどう評価をされるかというところに私どもは非常なむずかしさを感じておりまして、これは個人差が非常にあるという問題がございます。またもう一方、非常にはなはだしい生活妨害があるということも、私どもも確かに生活妨害の問題として、会話障害あるいは眠るのを妨げられるというようないろいろな問題があるというように感じておりますが、先生の御指摘の疾病という問題になりますと、従来健康被害補償法で扱っておりましたものは、実験的にかなりの証明がありまして、疫学的にそれに対してのかなりの証明がついておりました。労働衛生でもそれについて経験がございまして、臨床的にもそれをかなりの程度に分けることができる。大体これだけの条件が合っております。また医学的に考えまして、国際的に考えてみても比較的合意のあるようなものというようなものにしぼってやっております。  そういう点からまいりますと、伊丹飛行場周辺の問題で、鼻血が出るとか、あるいはいろいろほかの病的な症状、あるいは病気といわれるかもしれませんが、そのようないろいろな問題があることは私ども承知をいたしておりますが、いま申し上げました実験と疫学と臨床と労働衛生から見て、この辺でもう踏み切るべきではないかというところには残念ながら到達をしておらないということでございますので、現在までの答弁となっておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 長官、そういう説明は、再三申しますように去年九月の委員会で審議官からも局長からも、もうきわめて詳しく述べておられるわけです。ですから、そういうことを私は聞いているのではなくて、個人差があるということは敏感に感ずる人があるということなんです。なれるから耐える力が出てくるという人もそれは考えられますが、しかし、きわめて敏感に健康被害を起こす人もあるということが個人差があるということだと思うのですね。したがって、いつまでも不明で押し切っていくべきではないでしょうと、こういうふうに言っているのですが、いかがですか、長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 独立の疾病とするためには、いま局長などの説明したようにいろいろ問題はあると思います。ただ、私は問題は、繰り返してそういう騒音の被害を受けるということは、それはあるいは耳などに対しても難聴になってくるような影響もあるでしょう。だから、そういうことを繰り返して、それに対して何か損害を補償するというような考え方よりも、根本的にはやはり防音対策とか、あるいは移転もありましょうし、あるいはまた音源の対策もあるでしょうし、あるいはその他空港の立地そのものの検討もあるでしょう。ただ、そういう疾病として救済するというような面も、それは否定はしませんけれども、それよりも問題をもうひとつ前向きに検討することこそ行政の責任だというふうに考えておるわけで、私がきょう言ったことなども、そういう点でいままでのやり方というのは少し不徹底な面もあったので、ひとつこれを契機として徹底して、いま言ったようなもっと前向きな、被害を減少するような方法というものに力を入れていきたいと考えておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私、運輸大臣がおいででないですから、あとの時間でまとめてやらせていただきます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 速記をつけて。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 公害及び環境保全対策樹立に関する件を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大まかに分けて四点ほど質問したいわけですが、一つは七十一国会の終末段階で国会を通過させた公害健康被害補償法制定後の作業について、いま一つは瀬戸内海環境保全臨時措置法施行後の準備作業等々について、第三点は鉱工業排水の特に色の汚染の問題について、現況並びに対策、それから最後に土壌汚染防止法適用、これは昭和四十五年法百三十九号でありますが、もうすでに四年近くの月日をけみしているわけですが、これに対して、作業ぶりがぼくとしては非常に遅々として進まないという感じが強く感じられ、あせりを感じるわけですが、この問題の進行状況等々についてお伺いしたいと思います。  第一点の問題でありますが、参議院段階、特にこの委員会では九月の二十日に審議をして、先ほどちょっと申しましたように十九の附帯決議をつけて実は上げたわけです。いまさらのごとく附帯決議を再検討しておるわけでありますが、そういうものを踏まえながら、この法の作業ですね、特に当時問題になりました政令をたくさんつくらなければならぬのでたいへんですということを、繰り返し政府委員のほうから話があったわけですが、そうしたこと等を含めて、口頭で困難なら文章で、なかんずく政令などのごときはどういう形で、もうすでに終わったのか終わらないのか、もちろん政令に私たちが参画する権利も義務もないと思いますが、報告だけはいただきたいと思いますので、いま申し上げた概括的なことについて、まず報告をいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 健康被害補償法は、御指摘のように重要な問題を政令にゆだねておる場合が多いわけであります。それで地域指定の基準あるいは給付水準であるとか、あるいは賦課徴収の賦課基準であるとか、徴収手続であるとか、こういう問題が重要な項目として政令にゆだねておるわけでありますから、いま環境庁においても必要な調査研究というものを進めておるわけでございます。その成果を得次第、中央公害対策審議会にこれをはかって検討を願うことになっております。そしてその検討を待って実施したい。大体九月から実施したいという目標でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 その政令の作業ぶりは、パーセントでいえば何パーセントまで仕上がっていますか。どれもこれも九月まで一服せよというのでは、これは質問してもちょっとやぼかもしれませんが、どこら辺まで作業は進んでおりますか。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) いま大臣からお答え申し上げましたように、むしろ政令を制定します前段としての各種調査を実施しているところでございます。あるいは中には取りまとめの段階に入ったものもございます。  たとえば大きく申し上げますと、地域指定のための公害健康被害補償法の地域指定と基礎調査というのがございますが、これの関係の調査を進めております。それから汚染物質の排出量の総合調査、これもたとえば地域区分だとか、すそ切り、賦課料率、こういうものをきめます場合の調査でございます。これも進めております。それから障害補償費につきましての障害等級というのに一番関連の深い、症状区分と労働能力喪失度等の評価に関する研究、これも非常に困難な大きな調査でございまして、現在進めておるところでございます。そのほか、たとえば公害病の特殊医療の研究、公害病のために従来の健康保険等でみておりますもの以外にどういう必要なものがあるか、こういうための調査もやっておりますし、これに関連ございますたとえば社会医療調査、こういうものもやっております。  それぞれの調査が年度内に完了しまして「それを報告を受けて取りまとめを」ました上で中央公害対策審議会にはかってきめていく、こういう手順になっておりまして、現在、そういうことでございますから、いずれも現在進行中と、こう申し上げるほかないような状況でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 政令の作業段階ですから、ここで注文がましいことは申し上げかねるわけでございますけれども、特に法の第何条であったか、範囲の問題ですね、「相当範囲」とかあるいは「著しい」とか、いろいろ指定基準の問題がありまして、この辺のところをいま三月三十一日まで努力中ということだと理解していいわけですが、何か川崎とかどこかを指定されながら調査をしているということは、データを取りまとめて政令でランクをつけるという一つの技術的な必要から行なわれているのか、できればそのことが直ちに適用地域として将来定着する可能性があるところを調べておいでになるのか。その辺のところはやはり行政作業を進める場合に住民の期待感が違いますからね、どういう意図でおやりになっているのか。新聞等では個所づけが出ております。きょうは持ってきておりませんから、そちらのほうでもしあれば、それは川崎でございます、大阪でございます、あるいは四日市でございますというようなことで、一応現在調査対象になっている個所をこの委員会を通して明らかにしていただきたい。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) ただいまの御質問は、あるいは二点あるのじゃないかと思います。第一点は地域指定のための調査だと思うわけでございまして、これは四十八年度では東京都の臨海地域、大阪市の臨海地域、川崎市の現行の指定地域の周辺地域、尼崎のこれもまた現行の指定地域の周辺地域、それから吹田市の南部地域、千葉市の臨海地域、三重県の楠町と、これだけの七つの地域につきまして環境大気調査、有症率調査等所要の調査を進めているところでございます。なお四十九年度におきましても、要望のあります地域だとか、現在の指定地域の周辺で、大気汚染の状況等から見まして既存の資料を使った上で当然調査を必要とすると判断される地域につきましては、できるだけ早く調査を進めてまいりたいと思っているわけでございます。  なお、こういう調査と並行しまして、私どもとしましては調査地域の選定基準というものもきめまして、今後の調査をどういうぐあいに進めていくかということを決定してまいりたいと思っているわけでございます。  それからもう一つ調査としましては、さっきお話しました症状区分と労働能力の喪失度の評価に関する研究、この一環としましてなされているものがあると思いますので、この点、橋本審議官からお答え申し上げたいと思います。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) 症状区分と労働能力の喪失度の調査という点につきましては、現在実施しておりますのは、川崎市と横浜市と名古屋市と大阪市と、この四つの個所で実施をいたしております。これはいままでの医学的な調査研究、あるいは四日市のケースは非常に重い者ばかりでございましたので、この制度におきまして対象といたします方々はある程度軽い方々もおられるということで、非常な例を見ない調査でございますが、このような四つの地域で行なわれることと並行いたしまして、慶応大学医学部に置かれております国際医学情報センターというのがございまして、そこであらゆる国際的な文献を全部、この症状区分と労働能力の評価という点にしぼりまして、呼吸器系の疾患につきましての最大限の文献調査をまとめてもらっております。  その文献調査と現地の四地域におきます調査によってやりますが、患者さんのお気持ちを先生は御指摘になりましたが、調査の方法といたしまして、患者会の方とも本省にお見えになったときに相当突っ込んで二時間くらいにわたって私どももお話しもし、御理解もお願いもし、協力もお願いをいたしました。現地におきましてやりますときに、医師会の方々の協力というものが非常に大きな問題になりますので、医師会にも参りまして私どもお願いもいたし、医師会の方々とも数度にわたりまして会合を開きまして実施をいたしました。  内容といたしまして、全部主治医を通すということになっておりますので、主治医の臨床的な医学的な所見、評価、これは純医学的なものでございます。もう一つは検査所見といたしまして、これは純客観的な所見ということで、検査の施設を持っておられる主治医の方はそこでおやりになる、そうでないところにおきましては、主治医の選ばれるところであるか、あるいは主治医としてはどこという特定の個所はないというときには、専門の機関に回しましてその検査をするという客観的なデータと、もう一つは、保健婦が一人ずつの患者あるいは家族に直接面接いたしまして、患者自身がどの程度生活の不便があるか、労働能力の喪失があるかということを、質問表によりまして患者の目の前で表に全部書き込んで、患者の同意を得た形でのものを持って帰ってくるということにいたしておりまして、医師の客観的な臨床診断と、もう一方客観的な機能検査と、患者自身の訴え、この三つをいかに総合するかということで現在鋭意進めておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの審議官の説明は非常に私斬新なものを感ずるわけですが、わかりやすく言ったら、どういう人が救われるのか。もっと地域的にいえば、広範な地域というのと、もう一つは工場内で働く労働者ということと分けて考えた場合に、地域住民に回る空気とか水質とかが汚濁してこうなってくるという関連の人たちの状態を救うのか、工場に働いている労働者が被害者としての救済対象になるのか、どっちにウエートがかかっているのですか。それとも両方なのか。ちょっとことばが専門用語ですからわかりにくいですから、一般の人にわかるように言えばどういうことになるのですか。その辺のところを。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) 患者さんの置かれる場が地域であるか、あるいは工場として問題のある患者さんであるかということをいかに考えておるかという御指摘でございますが、まずその調査におきましては、その個人につきましての生活歴、職業歴を詳細にとるようにいたしております。そういうことで、職業的な曝露をこうむった人であるかということは詳細に調べることにいたしております。  この制度といたしまして、当然に労働衛生のほうの基準法の関係で処理ができるという人は、その制度のほうによるわけでございますが、それが非常に明らかな場合には当然そちらのほうに患者さんが回ります。しかしながら、まわりの環境汚染の影響というものを主体としてこの制度を進めておりますので、こちらから積極的にそれを排除するような形で進んでおりますわけではございませんで、非常に明らかな職業歴で、これは当然労基法の問題になるといった場合に向こうに回して、あるいは将来制度ができた場合に、こちらでもしも先に金を出したとしたら労基法の側のほうからそれを戻してもらうというような形になろうかと思います。あるいは向こうが扱っておって、どうもいろいろ調べると公害のほうがウエートが大きいという問題になりますと、労基法の側がこちら側のほうに請求を要求するというようなことも将来はあり得るように思っております。   〔委員長退席、小平芳平君着席〕

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、その問題を一応締めくくる段階で、参議院のこの委員会で附帯決議を出した、その附帯決議の第二項ですけれども、「地域の指定にあたっては、すべての公害病患者が救済されるよう適正な指定を行ない、疾病の指定については、続発症をも含めて、広く対象に加えるよう検討するとともに、窒素酸化物等疾病原因となる有害物質についての検討をすすめること。」こういうようなことを決定をいたしたわけですけれども、先ほど城戸局長の答弁のいわゆる地域指定の問題にからんでの弾力性ある発言の中にこのことを含めたものであると理解してよいのか。そのことは結果的に、先ほどあげられた七つの地域があるわけですが、四月以後の四十九年度においては七つの地域以外の地域、その地域についても今後いまの調査を進める、具体的に個所づけまでお願いするのも無理かと思いますが、そういう点で理解してよいのか。つまり附帯決議の第二項の線を大切にしながら作業を進めるのかどうか。この点を局長のほうから明確にしてほしいと思います。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) 私ども、もちろん附帯決議でございますから、これは十分尊重してまいりたいと思っております。したがって調査等もできるだけ広く拾ってまいりたいと思っておりますし、また公平な調査の取り上げ方をしたい。したがって、さっき申し上げましたような調査の基準というようなものも、どういうような環境汚染の既存のデータ等に基づいてやるか、こういうこともできるだけ客観的なものを持ってまいりたい、こう思っております。  ただ、これは前の御審議のとき御承知いただいていると思いますが、私どもの対象とします第一種地域にかかる疾病につきましては、これが非特異的な疾患であるということによりまして、おのずから地域指定ということが出てきたわけでございます。そういう地域指定が持っております一つの意味合いと申しますか、これから生じてくる限界というのは当然あるわけでございまして、その一つの限界の中におきまして、なおこういう附帯決議の趣旨を体しまして、できるだけの作業を進めてみたい、こう思っているわけでございます。   〔委員長代理小平芳平君退席、委員長着席〕

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 あえてその問題を詰めているのは、私の周辺にほんとうに地域が狭い、患者もそんなにたくさんおられない所があるわけですが、そうした所もいま環境庁の対象にしている調査対象のネットの中に入るものと理解していいかどうかということなんですが、その点はどうでしょうかね。こんなことをここで聞くのはおかしいと思うが、明らかにしてもらいたい。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) いま先生の御質問のございました点は、前容の国会の法律の御審議におきまして、この附帯決議に盛られましたようなことを十分尊重してやるようにということを私ども申し受けておりますので、その努力をいたしておるところでございます。  非常に具体的な問題になりますと、先生の問題に具体例でお答えしたほうがはっきりするのではないかと思いますが、たとえば富山という場合になりますと、非常に地域の限られたところの問題があるということでございますので、前回国会が終わりまして以来、五回か六回にわたしまして、いろいろ私どものほうで現地の富山市の方、富山県の方に、こうこういう資料がないかということを何度もお話しをいたしました。また現地からも、被害者の方あるいはそれを支援される方々も陳情に見えましたおりにいただいた資料も、私どもの中にファイルもいたしております。そういうことにおきまして、現地からの方にも申し上げたのですが、現在の汚染の程度だけでは、これはどう考えてみても指定をするのは無理だということでございまして、過去の汚染にどの程度さかのぼって、過去の汚染のつめあとをどの程度はっきりつかまえるかというところにもっぱらかかっておるということを申し上げて、だんだん資料も充実してきております。  そういう点におきまして、四十九年度の問題としては、私どもはできるだけ積極的にそういう問題を取り上げていきたいということでございまして、他の指定地域の周辺あるいは地方自治体が独自にやっていく地域につきましても、同様の努力をいたしているところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは第二項に移ります。  瀬戸内海環境保全臨時措置法の施行その後の作業ですが、いま国の段階でどういう作業段階に入っているのか。新聞等で見ますと、各都道府県にはそれぞれの基準ですか、容量と申しますか、そういう工場排水の規制を示されたというふうに承っておりますが、きょうの委員会を通して直接そうした作業経過並びにその中で特に具体的に指摘をいたしました瀬戸内の工場排水規制の府県別の量、これなどもそれぞれつまびらかに聞くことはいまの際必要でありませんが、後ほど資料でいただければけっこうだと思いますが、その量を決定した考え方の根拠、それをひとつ明らかにしていただきたい、こう思うわけです。  だから、先ほど申し上げたことをもう一ぺんはしょれば、国段階の、環境庁段階のいまの作業の進行状況、具体的にあらわれた各都道府県の割り当ての問題等に対する基本的な見解、そういうものをお聞きしたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 瀬戸内海の法律は十月二日に公布されまして、十一月二日に施行になり、さっそく各府県の汚濁負荷量の限度量を瀬戸内海環境保全審議会に諮問をいたしまして、去る一月三十一日に御答申をいただきました。  その考え方は、主要業種、たとえばパルプでございますとか、化学工場でございますとか、繊維ですとか、食品ですとか、鉄鋼ですとか、そういう業種ごとに、関係十一府県ですでに定められております上乗せ基準のうち最もきびしい値を各府県共通に採用をいたしました。別途各工場からの排水量を算定いたしまして、それで積算をいたしまして、そういうことで各府県に割り当てを一応してみた、その結果、非常に汚濁が著しい海域に面していたり、あるいは工業集積度が非常に高い、また一人当たりの県民所得も高い、そういうところが半分以上になっている府県がございます。具体的に申し上げますと、大阪と兵庫県でございます。その二つの府県につきましては、そういう算出して出てきましたけれども、五〇%に削減をいたしました。それからその残りにつきましては、汚濁負荷量の四十七年の全体が一日千三百四十五トン、工場排水でございますが、それの半分ということになりますと六百七十三トンになります。で、ぴたり六百七十三トンといまの差額を一人当たりの県民所得か低いところ——これは低いところでございますが、約半分ぐらい平均よりも低い、そういう県につきまして、その低い割合に応じて配分を追加をいたしまして割り当て量を決定する、こういう基準で各府県の割り当てをきめたわけでございます。それに従いまして、さっそく環境庁といたしましては各府県にこれを通知するとともに、至急、上乗せ基準等によりまして、その三年後の確保をはかるという措置をとるように指示をいたしたわけでございます。  大体いままで各府県との連絡会議を持って、各府県の事情等とも考えながら指導しているわけでございますが、それに従いまして、県会等の都合によるものもございましょうが、条例の手続を要するということで、ことしの半ばまでにはそれぞれの県におきまして上乗せ基準が制定されるという見通しでございます。  もう一つの問題がございます。それは埋め立ての基準、埋め立ての基本的な免許、承認にあたりまして、瀬戸内海の特殊性を考慮しなければならない。その特殊性の配慮につきまして、審議会で基本的な方針を調査審議するということに十三条でなっております。その問題につきましても、割り当てと同時に審議会に諮問をいたしました。ただいま部会を設け、さらに専門委員会を設置するということで、大体の考え方を示しまして、その基準の作成の審議に入っておるという段階でございます。  以上、御質問の要点はそこだと思いますので、お答えいたしました。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 森さんね、いまのままだと、結局工場排水の一日一千何百トン、それの半分を目標にして努力をするということで各県割り当てをした、なお埋め立ての問題も含めて、これは議員提案ですから佐野委員長がこの委員会へ来て提案理由を説明していったわけですが、また法もそのように立法されておるわけで、そのとおりだと思いますが、ただ、どうも私審議に参画しながらわからなくなってきたのですが、都市下水と申しますか生活排水と申しますか、そういうものについての規制なり今後の取り組みの方針と申しますか、それがどうなっているのか。特に赤潮との関連等から考えると、そっちのほうが先のようにこれは危惧するのですがね。いまおっしゃったのは工場排水でしょう、紙・パルプその他。でありますから、その辺のところはどうなるんですかね。ぼくはその辺うっかりしておりました、立案に参画しながら。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 御指摘のとおり、この法律では産業排水の汚濁量を三年間に半分にするということで規定をされております。しかし、それだけでは瀬戸内海全体の水質汚濁の悪化を防止するということはできません、ということは御指摘のとおりでございます。下水道及び廃棄物の問題につきまして十分な考え方を持っていかなければならない、こういうことで十四条にその旨の規定があるとおりでございます。  この問題につきましては、建設省の下水道の当局者と連絡を持ちながら、できるだけ瀬戸内海の下水道の計画あるいは事業の促進をはかるように協議をいたしておるわけでございますが、何分来年度の予算では公共事業の扱いの問題がございまして、補助率は上がりましたけれども、事業が伸びるということにはなっておりません。遺憾ながらそういう問題がございますが、その中でもやはり瀬戸内海につきまして十分御配慮願うように建設省にお話をして、その対策をはかっていくということを考えておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 建設省にもの申すということは、下水道施設をつくるとか廃棄物の処理施設をつくるとか、そういう努力を要請する、結果的にそれは瀬戸内海に流れ込まないという因果関係を見通しながらのいまの意見だと思いますが、確かにそういうふうになっていると思うのです。でありますから、今度の場合は生活排水の規制量が明示されなかったというのはそういうことによる。しかし、それで済まされない問題ですね、ほんとは。実態からいえばそれもまた非常に大事なわけで、その辺の何といいますか、立法上のきめつけが若干弱かったのじゃないかと思って反省しておるのですが、それはいま建設省と話をして、もとを流さなければいいのですからね、その辺のところを、総需要抑制の段階ですからこれはちょっと困るというようなことでなしに、こうした問題はやっぱり優先すべきだと思うしね。  これは三木長官、どうでしょう。田中さんは総需要抑制一本やりでやっておられますからね。このような大事な問題はひとつ建設省のしりをたたいて、生活排水の問題を一日も早く、三年といわず解決するような予算なり事業進行等の努力を長官の立場からおやりになってしかるべきじゃないかと思うのだが、どうでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私も、環境庁が今年度の予算編成の場合に下水道の整備というものを非常に力を入れた。そして建設省の、まあしりをたたいて、これからこの下水道というものに対して公共事業はアクセントをつけなければ、生活排水というものが何ら浄化的な措置が講ぜられないで河川に流されれば、いつまでたっても河川がきれいにはならないわけですから、そういうことで言っておったのですが、なかなかやはり予算編成の総需要抑制という見地から、これだけは除外するということは、実際問題として現実の政治としてはやりにくかった。そういう点で補助率を、下水道というものは道路に比べて非常に補助率が低かったわけで、大体道路並みまでに近づけていったということで、そういうことで補助率のほうでこれを改善するからということで、結果的にはふえなかったわけであります。これは残念なことでありますが、しかし、こういう状態がいつまでも続かないわけでありますから、次の公共事業の中においては下水というものに非常に力を入れなければ、日本の環境保全という面からいってこれはいつまでたっても同じことであるという感がいたしますので、本年は遺憾でありますが、明年度以後は特に下水道の整備というものには力を入れていかなければならぬと考えておる次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 もう一つ心配されるのは、よく瀬戸内海はだんだん死の海になるという極端な表現もあるくらいですが、やはり今日まで累積されたヘドロの問題がございますから、この問題は環境保全という大きな目的からいえばヘドロの始末をしなければならぬわけですが、それについては環境庁で着目をしながら、あるいは年次的に、あるいはもっと後ほどと、いろいろな観点がありますが、何か作業計画をお持ちなのかどうか。それが一つ。  もう一つは、これが一月三十一日の答申に従って、対外発表は二月一日になるわけですから、二月一日の各社の新聞の中で、特にこれを受け入れる側の企業側が非常に渋い顔をしているわけですね。そんなことをやられたらたまったものじゃないというようなことを記者団にも語っている業者がおるようですが、それは環境庁へ何かそういう形できびしい反応が出てきているのかどうか。しかし決断をもって乗り切る、府県にそれぞれがんばらせるというような不退転の決意が長官にあると思うけれども、そういうこともやはり出てくるのじゃないか、現象的には。最近、特に国会周辺には悪徳商社の人たちがしょっちゅう出入りしておりますので国会もだんだん濁ってきたようですが、そういうような状況の中で、この人たちの発言がだんだん大きくなると、これまたやっかいですからね。これに対してきちんとした姿勢をお示しいただきたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) ヘドロの問題につきましては、たとえばもうはっきりしております水銀等の徳山湾等につきましては、さっそくしゅんせつなり埋め立てなり、封じ込めを行なうことでいろいろ準備を進めておるわけでございます。全体の問題につきましては、やはり調査ということが必要な問題でございまして、瀬戸内海の浄化を考える場合に、当然そういう問題もあわせて今後検討をしていくということは、確かに御指摘のとおりだというふうに考えております。  それからもう一つ、今度の割り当てにつきまして各企業側からの反応という点でございますけれども、私どもこのことはもうすでに国会の総意としてきめられた話でございますし、それから先ほど申しましたように、割り当ての基準そのものが、きびしいかもしれませんけれども、十一府県の中ですでに実行をしておるその規制、それをきびしいものをとったということでありまして、だれも不可能な話を強制をしておるわけではない。そういう意味で私どものところに、少なくとも私の耳には入っておりませんけれども、それにつきましては、御指摘のようにき然たる態度でともかく三年間にその目的を達成するということに万全の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは第三項の鉱工業排水と、特に、排水の中にいろいろ有害物質が入るとか入らぬとかいう問題はきょうは抜きにして、色の問題ですね。工場作業工程の中から水に色がついて出るということについては、人間の色問題も非常にむずかしいのですが、排水の色の問題が、従来のぼくたち公害問題を考える者にとっては、非常に色をなくするということはむずかしい。ここにおいでになる皆さんも男女の色恋はむずかしいんです。公害の問題もまさにそのとおり。こういうふうにぼくらは常識的に植えつけられておりました。  そこで第一点として、ここに寺本さんがおいでになりますが、寺本委員と私が秋田、岩手に公害問題で調査に入ったときに、松尾鉱山から流れる排水が酸性を含み、酸性を中和するために中和剤使ったところがあり、それがやがて北上川の支流を通って北上川に流れ込んで、北上川の水が白いという結果を生み、岩手、宮城の人たちが北上川を青くしたいという念願に燃えておったという事実を承知しているわけです。だから、ここでまず一点として、その北上川の水が青くなったかどうか。青くするための県、国の指導、どのような努力をされていたか。その点を一応御報告をいただきたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 北上川の問題につきましては、われわれ承知をしておりますのは、松尾鉱山の坑内排水に鉄分が含まれている。そこで、中和剤を使用する前は鉄分を溶解していて着色はしないけれども、中和剤を投入することによりまして酸化いたしまして発色をするというふうに聞いております。そういうことでございますので、色がつく問題としましては、同時にやはり酸性対策と同様な対策、具体的に申し上げますと、坑内排水を減量するなり、それを処理するということが考えられるわけでございます。  目下その対策といたしましては、県と国の出先の部局、学識経験者で構成されております北上川の水系水質汚濁対策連絡協議会というのがございます。そこでいろいろ調査、検討をしておるわけでございまして、すでにその対策の一部といたしまして、あそこの赤川のライニングといいますか、そういう覆没の防止工事、それから裸になって出ておる、そういうものの被覆の工事でございますとか、中和処理というようなことをすでに始めておりまして、来年度も引き続きその対策を進めてまいるという考え方で対処をいたしておるわけでございます

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 結論としては北上川はよごれている、こういうことですか、現状は。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 確かにわれわれの調査によりますと、いろいろ各時点でPHの測定をいたしておりますけれども、よごれておるということに間違いはございません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 だから、それに対しての対策といいますか、指導行政、行政上の指導のポイントをどこに置いておられるわけですか。ぼくは松尾鉱山の水をなめてきたんですよ。よく承知しているわけです。寺本委員もなめてこられたわけでよく知っているのだが、そのあとが、ぼくらは行政官じゃないから追っかけていないのですよ。期待をしておったわけです。もうそろそろ問題は解決していると思ったけれども、問題は解決しないということだから、これは非常に技術的にむずかしいということなのか、行政怠慢なのか、私は判断のしようがないわけですが、率直に実情を訴えてくれませんか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 対策としてとっておりますことをもう少し申し上げますと、坑内から直接出てまいるところをふさぐということ、それから赤川から出てまいります、その底のところをコンクリートで固めてやっておる。これは建設省。  それからもう一つ問題がございます。結局自然といいますか、あの山全体の中からしみ出してくる水、その水がやはり酸性で、それをどういうふうに押えるかということがポイントに、最後の問題になっておるわけでございます。建設省にお願いをいたしまして、山全体のいろいろボーリングをしながらその対策を練ってまいるということでございます。そこが一つ大きな問題ではなかろうかというふうにわれわれ見ているわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 この機会ですから、北上川を含めて全国的に、いろいろな有害物質が入っている入っておらないという問題もさることながら、きょうは論点を色にしぼっておりますから、色の問題で悩んでいる地域、汚染されている地域、全国的にどのような状況でしょうか。なかなか発表しにくいだろうと思いますが、問題が吹き上げているところだけでもいいですけれども、どうでしょう、ありませんか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 一番われわれ困っておる問題は染色の問題でございます。これは先生も御承知と思いますが、京都なり金沢なりで、結局、色がつく原因の物質という問題がございます。それの色の測定という方法の開発を急がなければいけないということが一つでございますけれども、やはりその色のもとの原因になる物質が非常にいろいろあるということが悩みの種なわけでございます。それをどういうふうにしてまいるかという、それを完全に脱色するということが、それぞれの項目ごとに対応していかなければいけないという問題があるわけでございまして、そういう観点でいろいろ調査も進めておりますけれども、いままだ排水の基準というのは現在まで設定されておらないというのが実情でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それで、ぼくはこの問題の最後として、なかなか色はむずかしい、脱色することは困難であるというふうに、ぼくたちもそういう形で理解しておったわけですが、これはある会社のコマーシャルになるおそれもありますけれども、事実は事実ですから申し述べますが、いま森さんがおっしゃった染色、京都、金沢、そういうところに直ちに適用できると思われるのは、色をなくすることに成功した工場があるわけです、御承知だと思いますが。  きょう夜行列車で来て、寝台車をあっちこっち歩いていると友人がおりまして、非常に公害問題に熱心な青年でございますから、実はきょうこの問題で質問しようと思うのだけれども、どうだねと言ったら、テレビで盛んにやっていますよというような話で、三菱電機のコマーシャルが最近民間放送に入っているようですが、私の言わんとするのは、富山にあるYKK・吉田工業生地工場では、染色用に使って濁った水がきれいに浄化——浄化ということはわかりませんが、全く透明体になって流れている。一部は会社の中に還流しながらまた再利用しているということが先般発表されましたので、私現地に行きまして調査をしてまいったわけです。三菱電機がつくった三菱オゾナイザーというので水を通しますと透明体になるということなんですが、透明体であることは間違いないんです。これはよごれた水、これは透明体になったものです。確かにこういうふうに色が解消したわけですね。これがまだ有害であるか、無害であるかということまでは私の調査能力はないわけですから、これは後ほど環境庁にお願いしたいわけですが、局長にお願いするよりも通産のほうが、この種の公害防止産業、これは当然育成すべきだと思うのです。そこまでくるとコマーシャルみたいな気がして申しわけないんですが、私は悪徳商人と手を握ろうとは思いませんが、このことについて、工業製品ですから、おたくのほうで相当点検をされながら、これの何といいますか、能力の適格性はどうか云々ということなどについての点検をしておられると思いますが、間違いないものでしょうかね。  現実に色を白くしたということは事実なんです。これはぼくは否定しません。現場で見てきましたから。この水が流れているのですからね。その辺のところを、これはもっと広い範囲で利用できる能力のあるものかどうか、私はしろうとですからわからなくなることと、もう一つは、これがもし有害物質を含むものとすれば、これに有害物質が残らないとも限らない。色が白くなったからだいじょうぶだと、こういうこともまた言えないし、ぼくらの常識でいえば色があるところに害があるという、空気でもそうですが、そういう一つの常識的な判断基準を持っているわけですが、その辺のところを明確に、通産の行政指導の面からこれをどう判断しておられるか、それをお聞きしたいと思います。

田口健次郎通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。  ただいま先生御指摘の三菱オゾナイザーでございますけれども、これは通産省工業技術院の北海道の試験所がございまして、そこでオゾン発生装置を研究開発いたしまして特許を取ったわけでございます。その特許を公開いたしまして、その特許を使いまして、三菱電機と、それからもう一つ黒川工業城陽工場という染色会社がございますけれども、三菱電機と黒川と共同研究でいわゆるオゾン発生装置を実用化、工業化してまいろうと、こういうプロジェクトがございました。当省といたしましても非常に好ましいことであるというふうに考えまして、四十六年から重要技術研究開発費の補助金公害ワクの一部を支出いたしまして、これの促進をはかったわけでございます。  こういったことで、それによりましていわゆるオゾン酸化をして、そうしていわゆる染色の材料でございますが、これは実はいろいろな色も出さなければなりませんし、それから天然繊維とか合成繊維とか、生地によりまして異なった種類の染料もつくらなければならない。むずかしい問題がございますが、オゾン酸化をいたしますと、いわゆる酸性染料の色は相当よく抜けるというふうに考えております。しかしながら、合成繊維等はかなり塩基性、アルカリ性の染料も使わなければならないといったような問題もございますけれども、オゾン酸化によりまして酸性染料の色がかなりよく抜ける。先生御指摘のとおりでございますけれども、非常にけっこうなことだと思います。私どもできるだけこういったものの採用というものも推進をしてまいりたいと同時に、塩基性染料からも色を抜くという、また別の方式についても推進したいと思っております。  それから根本的に申しますと、結局水を使わない、それから色のついた水を工場の外に出さないということが抜本的な対策であろうかと思うわけでございます。そこで密閉式で水を使わない、水以外の溶剤、たとえばトリクロルエチレンといったような溶剤を使いまして、一ぺん使ってからまた回収して、工場の外に出さないで染色するといったクローズドプロセスの研究開発を促進するということが、根本的な解決策になるのではなかろうかというように考えまして、四十八年度から重要技術開発補助金のクローズドプロセスわくというものを出していただきまして、この方面の開発を促進しておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 荒筋がわかりましたが、一番最後の答弁に期待をかけていいのかどうかわかりませんが、これでいけばまあ完ぺきだと、工場から外に出さないから。水銀のクローズドシステムと同じようにね。だが、それは可能性の問題、しかもそれは時期的に研究がどう煮詰まって、いつごろまでに期待を寄せられるのか、その辺のところをもしはっきりしておればお聞きしたいと思います。

田口健次郎通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(田口健次郎君) ただいま御説明いたしました最後のクローズドプロセスでございますけれども、これは先ほど御説明申しましたように四十八年度、今年度から実は研究開発しておりまして、予定で申しますと四、五年はかかるのではなかろうかというふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、これはコマーシャルみたいな話だけれども、これの適用範囲というものですね、効果、適用。たとえば金沢とか京都とか、ああいったようなところはこれによって直ちに問題解決できるのかできないのか。その辺のところはどうなんですか。仕様の効能書きみたいなことを聞くようですが、しかし私、いいことはいいのですから、普及するのは大いに普及すべきだと思ってお尋ねするわけですが、この辺のところはどうですかね。

田口健次郎通商産業省生活産業局繊維製品課長

○説明員(田口健次郎君) 御説明申し上げます。  ただいまのオゾン酸化法でございますけれども、これは先ほど申しましたように、酸性の染料については非常に有効だと考えます。特に絹織物等の天然繊維につきましてはほとんど酸性の染料を使っております。そういったことから、このオゾン酸化装置を使えばかなり色が取れていく。私どもこれをできるだけ積極的に推進したいと思っております。  なお、つけ加えますと、ただいまもやはりいろんな染料を使って色が非常に出るということで悩んでおるわけでございますが、凝集沈でん、凝集して沈でんさせるといった方式でございますとか、活性炭に吸着させる方式でございますとか、それから活性汚泥方式というものを組み合わせまして、できるだけ薄くして出しておるわけでございますけれども、これにただいま御指摘のオゾン酸化方式をやらせる。さらに、こういった方式で処理を行なって残ったスラッジを焼却処理するということになりますと、全体として染色廃水の脱色に非常に効果があがるのじゃなかろうか。こういった全体の考え方の中で特に天然繊維に多く使われます酸性の染料の脱色のために、御指摘のオゾン酸化というのはきわめて有力な方式じゃなかろうかというふうに考えます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いまの説明を聞いて私もやはりうかつだったと思うのですが、せっかくこれが色をなくした、それで工場の中でまた利用する、回転させているというような説明をしながらも、一部川へ流されているわけですよ。その辺のところはどういうわけで流さざるを得ないのか。いま説明を聞いておりますと焼却する云々と、そういうところまで話が進んでおるわけですが、その辺のところ、ぼくはうかつであったなあと思っているのですよ。その辺のところをやはり通産の指導行政の立場からもう少し詰めていただいて、住民が絶対安心できるように、今後の機会に改造指導等に努力をしていただきたいと思うのですが、まあそれはわかったということになると思いますがね。そういうことをいま痛切に感じております。でありますから、具体的な事実をよく点検していただいて、住民がほんとうにごまかされないで安心できるんだということが通産当局から実証できるような体制まで、できるだけこぎつけていただきたい。住民は若干、今日まで長い歴史を持っておりますので、疑っておりますよ。なかなか最近の状況等いろいろかみ合わせて、かえっていろいろ住民は不安を——不安というよりも疑っておりますので、これはおたくのほうから何かはっきりした見解が出る日が必要じゃないかというふうに私実は思いながら、この質問の提起をしております。  それでは、水質保全局のほうではこの問題でどういうとらえ方をしておいでになるか。森さんのほうで、いまの通産の答弁でおわかりだと思いますが、どのように環境基準、環境保全の立場から受けとめておいでになるか、環境庁の見解を若干聞きたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) いま先生御指摘のような問題非常に重要であるということはもう当然でございます。先ほど私申しましたように、いまのところ、たとえば横乗せ基準というようなことで都道府県で色についての規制をやっているところもございますが、それは非常に抽象的な表現にとどまっておるというのが実情でございます。そういうことでございますので、それを計測する方法が一つと、それからいまのような、それぞれの有害といいますか原因の物質を究明をして、それの対策を講じていくということがポイントではなかろうかというふうに考え、その調査研究をさらに進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 第四点ですね、土壌汚染防止法、昭和四十五年法百三十九号ですが、適用されてから四年近く月日を経過しておりますが、私の周辺における富山だけ見ても、完全にまだ二カ所ありますが、指定に踏み切れないという状況。なおかつまた被害者からの非常なつき上げがあって、県の提示する線引きについても大きな紛争を起こしているという実態なんですが、これはどうですか、全国的にかなり広い範囲に土壌が汚染をしているわけですが、この実態、といっても一々あげられるとたまったものじゃない、たくさんありますからね。この総括的な見解、カドミ、銅の汚染地域は大体何カ所あって、総面積は幾らぐらいだろうかということぐらいは総括的に発表できるのじゃないかというふうに思いますが、これは環境庁のほうではいかがですか、掌握しておいでになりますか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 全国的に調査した例といたしましては四十五年の調査しかございません。これは農林省か——農林省からも見えておりますが、地力保全基本調査成績というのを出しておりまして、その中で汚染源別と原因別の面積を調査しております。その全体の数を申し上げますと、これは主要な重金属類、銅、亜鉛、カドミ、鉛、砒素による汚染のおそれのある農用地面積でございますが、三万七千四百二十ヘクタールという数字がございます。これが出発でございまして、これに対しまして各県でそれぞれ調査をしながら対策を立ててきているというのが現状でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 四十五年にやった農林省が主体になった調査が一番いまのところは基礎調査として参考になるということですね。それでいいんですか。その後やっぱり問題を起こした都道府県などがあるわけですし、増加しているのじゃないかと実は思いますがね。  そこで、土壌汚染防止法等からいきますと、いま銅、亜鉛、何々と、こうおっしゃったけれども、カドミと銅だけに限定しましてもこれは明確に——先ほどの三万何がしはもっと広い範囲ですから、少なくとも法適用の面から見ればカドミウムと銅ということになるわけですが、カドミは幾らで銅は幾らかというようなことなど、これはもうはっきりデータが出るべきだと思いますね。森さんが言う四十五年ということになりますと、私たち山形のカドミなんか調査したのは入っていないことになるわけですよ。そういう点で、環境庁の調査としてはちょっと手ぬるいような感じがしますがね。的確でなければしかたがないけれども、ある程度プラスアルファというものをもっとプラスしたものがたくさんあるのじゃないかというふうに思いますが、それはどうですか。いまの答弁ではぼくはちょっと、全くチンプンカンプンでわからないような気がしますがね。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) ただいまの申し上げました調査でも東北がほとんど——ほとんどといいますか、一万三千ヘクタールということでございまして、その後、先ほど私御説明を落としましたけれども、御承知のようにカドミと銅につきまして、すでに有害物質として指定されたものにつきましては細密調査を実施をしておるわけでございます。カドミにつきましてちなみに申し上げますと、四十六年で調査の対象が一万一千七百十七ヘクタール、四十七年で九千五百六十二ヘクタール、約二万ヘクタールの細密調査を行なっておるわけでございます。銅につきましても、逐次四十七年から調査を始めておるということでございます。  また、それぞれいろいろ問題が出ました中で、来年度徹底的な調査をする予定にしておりますたとえば秋田県の米代川流域、こういうような調査も今後流域別に問題のあるところから逐次手をつけてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 かなり具体的な問題に触れられたわけですが、四十九年度は秋田だけですか。秋田は、しかもそれはカドミでしょう。銅ですか。どっちなんですか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 一応カドミを中心に考えてまいりたいと思っております。  それから秋田以外で、山形の吉野川流域につきましても調査をしたい。その他、すでにいろいろ名前があがっておるところでさらに全面的な調査を要するところがあれば、そのつど、やりくりをしましても調査をしてまいりたいという考え方でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 法の適用によって改善事業をやるとすれば、あるいは吉野川の流域はどことどこまで、それから米代川はどことどこまで、つまり田んぼで言うたら何ヘクタール、何百ヘクタールと、こう認定といいますか、指定地域を決定しなければならぬわけですが、その点、いままでのところはっきりと指定地域として面積、個所等含めて明確になった個所は、ぼくの言うのは法の関係からいってカドミと銅ですが、それは何カ所あって、幾らほどの面積であるかということですが。データがなければ、農林省も来ていますから農林省から伺います。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○政府委員(遠藤寛二君) ただいままでに地域指定を行なわれましたところが十三地域ございます。それぞれ指定面積がございますが、指定面積はその地域で合計いたしますと、これは銅もカドミウムも——いまのところカドミウム鼻が入っておりますのは渡良瀬川だけなんでございますが、それを含めまして約七百四十八ヘクタールが指定面積になっております。そのうち六百二十ヘクタールぐらいが農用地面積ということになっております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 十三というのは、きちんと面積を含めてきまったのですか。十三が、こことここだという被疑者の段階で、はっきりとこの線引きができておるのはそのうち幾つですか。面積は幾らか。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○政府委員(遠藤寛二君) ただいま申し上げましたのは、現在までの調査の結果、先ほど環境庁がおっしゃいました細密調査の結果によりまして、面積も一応この面積を明らかにしまして指定をいたしております。そういうことでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 遠藤さんね、指定すると言うけれど、改善事業とかというのは具体的にプログラムが出てこなきゃならぬわけですから。ぼくの言ってるのは、法にいう指定をされて、A地域ならA地域がきまれば、それに対する改善作業の計画を出すという、いわゆる法に基づく作業段階に入っているのが十三全部ですか。すばらしい努力だと思いますがね。そうなんでしょう。すばらしい努力ですよ。ひとつ大いにやってもらいたいというところでぼくは質問をとめたいんです、ほんとうは。いまの答弁を是としながら。どうですか。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○政府委員(遠藤寛二君) 私の申し上げ方が悪かったのだろうと思いますが、地域の指定の手続まで終わりましたのが十三でございまして、そのうち群馬県の安中、高崎、それから兵庫県の生野、大河内、それから岐阜県の明方村、それから愛知県の刈谷、長野県の中野市と、その五つが対策事業計画が出ておりまして、その認定が済んでおりまして、したがいまして、直ちに事業に移る段階になっておりますのは、十三のうち五つでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それではっきりしました。  そこで二つ分けますよ。あと八つはまだもやもやしているわけですね。現に私の周辺では被害者と行政当局とけんかしているわけです、少ないとか多いとか言って。結局それはどういうところに紛争が起こるんですかね。科学的データというのは一つなんです。真理は一つなんです。けんかにならないはずなんです。それは高いところでごらんになったらわかりましょう、ぼくらは低いところにいてわからぬですけれどね、高いところから見たら、何というけんかをして、ばかどもと思っておられるかも知らぬから、それはなぜけんかしているのですか。私もわからなくなっちゃうんですよ。データというのは一つでしょう。米だと一・〇、〇・四何々と、こうきまっているんだからね、基準が。それで、どこで紛争が起こるわけですか。富山に現に起こっているわけですよ。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○政府委員(遠藤寛二君) 地域指定の問題でございますので、環境庁のほうからお答えするのが筋かと思いますが、私そちらのほうの専門なものですから答えさせていただきますが、問題の起こりますのは、一つは、一号地域と申しますか、一PPM以上の米、これにつきましては、PPMの基準を受けるという面につきましてはそれほど問題は現実にはない。あとでまた申し上げますが、富山県の場合ちょっと違うのでございますけれども。ただ、第二号地域のほうになりますと「おそれ」のあるという話になりますので、その「おそれ」の問題というのをどこで切るかというのが非常にむずかしい。先生も御承知のとおりに、年による振れがございますし、栽培法による振れもございまして、一がいにまいらないので、そこが一つもつれるもとであろうかということがございます。  それから、なかなか事業計画が立たないという一つの地域がある。たとえば富山県の神通川の場合なんかそうなんでございますが、これの場合は、大体地域の指定が済みますと、そこでいかなる対策を講ずれば改良ができるかという現地試験を農林省の予算で行なっております。ところが、その現地試験の結果が出ませんとなかなか計画が立たない。そのために多少、指定をしましてから二年ぐらいの間ひまがとれるということが一つございます。それから富山県の場合、神通川で非常に困りましたのは、現地試験の結果、県は一応の考え方を持っておるわけでございますけれども、私ども農林省の技術陣、専門家を寄せましてその内容を検討いたしますと、必ずしもいつもその計画で全地域がいくかどうか、ちょっとわからないという疑問がございまして、ただいままだ私なんかも参加いたしまして富山県と一緒に技術的検討を行なっておりますので、そういうむずかしさがございます点が全国で一、二ございます。そういう関係で、なかなか地域の指定を行ないましたあと事業が進まないというような、技術的なむずかしさの点がございます。  その他の問題につきましては私からはちょっと……。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それではもう一つ。一・〇〇が絶対的のような印象をわれわれも植えつけられてきたのですけれども、国連食糧農業機構、WHO等々では安全基準を基礎的には〇・一四PPMということを示しているというのが事実だと思うのですね。この辺のところについての見解と申しますか、一・〇でなければならない、〇・四以下は食べてもよろしい、こういうことを厚生省なり環境庁が断を下しているわけですが、国際的視野に立つと、それはなお危険だ、こういうことになっているわけですが、その辺はずっと前に議論済みのことですが、問題がだんだんともつれてきますと、そういうこともいま一度再検討する必要があるのじゃないかということを思わせられるのですけれども、その辺のところはどうわれわれ説明したらいいのでしょうか。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○政府委員(遠藤寛二君) その辺、WHOでそういう提案を出された国がある、こういうことでございます。ただ、私ども食品残留の基準がどの辺が安全であるかという問題につきましては、逃げるわけではございますんけれども、農林省でそれを云々して判断するわけにまいりませんので、その点につきましては御関係のところからお聞きをいただきたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) いま先生御指摘の問題は、そういうことがあるということは事実でございまして、検討中の問題でございます。まだ結論が出たというようなことではないというふうに承知をいたしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それで最後に、いま国会論争になっている日本分析化学研究所との関係ですが、いま線引きその他でカドミが幾らとか米に幾らとか、そういうことで分析し、かつまたそれは一・〇以下である、〇・四以下であると、いろいろなことを各県あるいは環境庁が中心になってある種の断定を下しながら、それを基礎にして汚染田あるいは線引きということが行なわれてきたわけですが、事土壌に関してですよ、もう広範な他なことは別にして、土壌について、日本分析化学研究所で土壌と米との分析をやった検体があるかどうか。どれくらいか。それは何県か。そしてその後の事後処置はどうしているのか。それだけひとつ、どなたかわかるはずだと思いますから、お答えいただきたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 原則として都道府県の農業試験場なり衛生研究所で分析をしているのが実情でございます。ただ、民間機関に委託しているのも若干ございます。その中で分析研に依頼をしておりましたところは、年度によって違いますが、毎年度、四十六年度以降三県ばかりございます。  そのうちの検体数でございますけれども、ただいま庁内に、環境庁から委託しました調査あるいは補助金で流しました調査につきまして、さらにそれを採択をしている、いま申し上げましたのがそういう例でございますが、そういうものにつきまして庁内に検討委員会というのを設けております。検討委員会を設けておりまして、そこの指示に従いまして、ただいま各県の調査班と環境庁の職員立ち会いのもとに逐次調査をいたしておる段階でございます。具体的な件数については、ただいまのところ概数しか把握しておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 やっぱり心配になってきました。三県——三つの県という意味ですね。三県がこの分析研でやってもらった。カドミは一・〇あるいは〇・四、それより下であるというようなデータが幾つか出た。それに信頼を置いて行政指導なり対策を立てられてきたわけですが、その三県というのは名前をここで言うのは都合悪いでしょう。都合悪くなければ言ってもらいたいと思うし、問題は、かりに都合が悪くても、それについてはその時点の米をいま取り寄せようがありませんからね、何かそれに対する再検査、再び調べる、分析するということは現物そのものはもうなくなっているわけですからむずかしいでしょうが、少なくともことしの取り組みについて、これこれの指導をその県に行なっているということでないと、ぼくら一番近いところにおるものですから、その米を食べておるわけですから心配になってきたんですよ。自信なくなったですよ、ぼくら。その辺のところをはっきりしてもらわぬと、手が痛うなった、足が痛うなった、ならこいつかと思って何でも思っているんですよ。だから、はっきりさせてもらわなければ困る。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 分析研の問題につきましては、いまの検討委員会でいろいろ御議論いただいて、その指示に従って調査をしているわけでございますが、もちろん検体それ自身が残っているという例はもうきわめて少ないのでございますが、あそこのやり方といたしましては、業務で受け付けをしまして通し番号をつけまして、それで分析者に渡ってくるというその段階での確認、それからチャートがございます。これは原子吸光を使うにしましてもチャートがございます。これは古いのは残っておりません。新しい四十七年から以降のものが、あるのとないのとございますけれども、本年度のものはもちろんございます。それらを精査するということ。  それからもう一つ、これは検討委員会で非常に有益な御指示をいただいたのですが、分析者に野帳がございます。野帳といいますか、分析計算書と言うともっともらしいのですけれども、ノートにいろいろその当時の一つ一つの検体につきましての記録が残っております。そういうものを全部、一つ一つただいま九水域分につきまして洗っております。九水域の中に富山県が入っております。あわせまして土壌の調査もただいまやっておる最中でございます。そういうことで信憑性、それから精度の問題も含めまして早急に明らかにしたい、こういうふうに考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 森さん最後に、ただいまやっておるというのは、どこがやっておるのですか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 富山県の調査班が中心でございます。それに環境庁の職員が参加をいたしまして立ち会いのもとに調査をいたしております。その調査結果は検討委員会にすべて報告をする。検討委員会でそれをまた精査をする。必要があれば検討委員会の委員自身が分析研に出向きまして、分析者自身と面接をしましていわゆる心証を得るといいますか、そこまでやるということで考えておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ちょっと私は安心しようと思ったが引っかかったのは最後のところですが、仕事の作業場は分析研でやっているのですか、いまでもつ。機関のほうは先ほど言ったようにほっとしたのですけれども、最後のところでおっしゃったように分析研ということがまた入ってきたわけです。作業を分析研でやっているのですか。機関は富山県の何とか、こうおっしゃったけれども、検討委員会だ、作業はこっちだとおっしゃったような感じがするわけです。それは私の耳の障害かもしれません。先ほど空港騒音のことをやっておったものだから。その辺のところ、どうなんですか。ちょっとことばが足らなかったのかわからない。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) どうも説明が足らなかったのかもしれませんが、県の方がこちらへ見えまして、分析研に行きまして、それに環境庁の職員も参加いたしまして一つ一つ洗っておるわけでございます。先ほど申しました始めから終りまでの過程を全部一つ一つ洗っておるわけです。  それからもう一つ、これも検討委員会できまりましたけれども、約一割はチャート等につきましては計算がございます。その計算も全部やり直してみるということまでやっておるわけでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 では森さん最後に、それができ上がるのはいつごろですか。そして過去のやつがきちんと出てくるわけね。過去のデータといまのデータと誤差が出てくるわけですよ。あるいは一致するかもしれない。その辺のところが明確に出るのは、検討委員会をパスしてあなたのほうから発表できるのはいつですか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 最初に九水域の分につきまして、いわゆる安全宣言をいたしておるわけでございますが、その分につきましてのデータを早く発表したいと思います。あと、それぞれの項目につきまして県側の御要請があれば、そのつど、できるだけ早い機会に明らかにしていきたい、こういうふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、長官の所信表明につきまして、三点ほどお尋ねをしたいと思っております。  一つは、この所信表明の中に「いまや、わが国にとって「一つの時代」は終りを告げ、資源多消費型の産業構造や生活様式の転換をはかるべき新たな時代へ、大きく一歩を踏み出すべきときにきたことを痛感する」「これがまた公害防止、環境保全並びに資源の保全の道にも通ずるもの」である、こういう所信表明がありまして、もっともだと思うわけです。そこで、「一つの時代」は終わりを告げて、産業構造の転換をはかるというふうにお考えなんですが、いわゆるこの石油の問題というのが転換のためになるのかどうかという点ですね。これをまずお伺いをしたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私は「一つの時代」は終わったと申しますのは、資源というものに対するわれわれの考え方というものが、やはりどうも足りなかった点があった。もう石油にしても、石油ばかりに限らぬと思います、その他の資源についても、それはいつでも買い手市場で、金さえ持って行ったならば、必要な資源はいつでもふんだんに手に入るんだという前提のものに、日本の高度経済成長というものは仕組まれてきたわけですね、資源がないのですから。ところが、それは全部売り手市場に変わってきた。また資源を保有しておる国も、資源というものは貴重なものである、これをただむやみに先進工業国がほしいからといって掘り尽くしたならば、あとには何も残らない、だから、国の新しい建設とリンクして資源を掘り出していこうという感じが、非常に各国ともそういう意識は強くなっています。そうなってきたら、日本の高度経済成長を支えた基盤はくずれてきたわけですから、これはやはり資源の問題からも、いままでのような世界から並みはずれた高度経済成長というものを進めていく前提条件は失なわれた。  一方においては、環境問題というものが非常にやかましくなってきて、人間というものが、環境権のあるなしは別として、生活環境の中にいろいろな、騒音の問題でも静けさというものを求めてきておるわけです。あるいはまた、直接に生命や健康に害のあるような有害な物資というものをたれ流しすることは許されるわけではない。チッソの例をとっても、どういう償いをしなければならぬということは身にしみてきておるわけであります。また被害を受ける住民も、それをがまんするというような時代は過ぎたわけです。  そういうことから、この資源と環境の面からもう日本の高度経済成長を推進していく基盤はくずれたんだ。そういう意味において、ここに「一つの時代」が終わったんだと。それは一面から言えば大きな教訓ですから、それはやはり教訓として受けとめて新しい第一歩を踏み出さなければならぬ、こういう趣旨で申したわけです。  だからいま鶴園さんの御質問の、石油はそれに一つの転機をもたらす原動力になるのかということです。しなければいかぬと思うのです。これだけの教訓を受けて、そしてこれから毎年毎年石油を二〇%も消費量をふやしていって、世界の石油の半分も日本に持って来なければならぬような経済計画が実現できる可能性はありませんよ。  そういう点で、いまは実際は石油の供給量というものは不安がなくなったんです。しかし、だからといってもとの状態に返ることは、将来の資源問題を展望したときに、それは賢明でありませんからね。こういう石油ショックということを一大教訓と考えて、できるだけ石油の消費を減らしていくということでなければ、石油の供給は確保されても、価格の点がいまもう九ドルから十ドルです。つい昨年の十月ごろまでは二ドル台であったのですから、四倍半ぐらい上がったということ。これがどこへ落ち着くかはわかりませんが、そんなに昔のように安く輸入する時代はこない。だから、これからは石油というものの外貨の支払いということも大問題になってくる。いまのままで従来のような石油を輸入するとしたら、少なくとも百億ドルをこえるでしょうね。外貨の支払いがふえてくる。これを一体どこでカバーしていくか。輸出のドライブをむやみにかければ世界の反発を買うことは明らかですからね。  どうしてもやはり一方においては新しいエネルギーを開発する。クリーンエネルギーの開発というものができれば、環境からいっても資源の問題からいっても両面から好ましいことで、これは思い切ってやらなければならない。今年も太陽エネルギーの開発に予算を計上していますが、まあ不徹底なものですね。もう少しプロジェクトチームのようなものをつくってやるぐらいの熱意を持たなければならぬ。これは一番好ましいことである。また原子力の時代というものは、ある時期私はやっぱりくると思いますね。これに対する安全性とか、その廃棄物の処理とかというものに対しても国民の不安をなからしめることが必要である。  しかし、やっぱり石油というものの重要な一つの燃料、原料としての時代は、相当長期にわたって続いていくわけですから、そうなってくると、できる限り日本の産業構造を、いまの石油を輸入してきて大手資本はいろいろな素材をつくっているんでしょう、だからもう少しそれを加工して付加価値の高いものを輸出すれば、そういう石油の輸入というものは減るわけですから、政府も経済社会基本計画の中に好ましい産業構造ということで、政府全体の将来の日本の産業構造を展望したようなことを経済企画庁が発表しておりますが、その中にも書いてあるとおり、もう少し日本があまり資源というものを消費しないで技術とか頭脳とか、こういうものに重点を置いた産業構造に転換していかなければならぬ。  一ぺんにはできませんからね。これはいままではそういうことは演説では言っているのですけれども、実感がないですから、国会でもしばしばそういう方針を言いながら、それが実際に着々として進んでおるとは言えないです。今度は実感をもって国民全体に理解をされる事柄ですから、これから具体化していかなければならぬ。国民生活の面においても、大量な使い捨てというものはどうですかね。われわれ少し年輩のものからすると、少し消費が行き過ぎではないかと。昔のように返れはしませんが、もっと簡素な生活というものが再評価されてもいいのではないかという感もいたすわけです。これは産業構造、国民生活、この両面から、石油ショックを一つの大きな天与の機会として、そして石油をできるだけ節約するという方向に向かわなければ、今度きたときにはいまよりももっと大きな衝撃を受けるでしょうね、日本は。いままでのような石油の消費量をふやしていって、何らかの事情で石油がストップしたといったら、いま受ける打撃よりももっと深刻だと思います。  そういうことで、できるかという御質問ですが、しなければならぬ。そういうことでこれからは政府も、あまり石油の供給が不安なくなったからといって、もとのように節約しようという国民の起こっておる一つの気持ちに水をぶっかけるようなことはよくないと、こう考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは四年前になりますか、昭和四十六年に七〇年代の通商産業政策の基本方向という答申が出ておりまして、その答申の中に、これからの基本方向というものは、これは原油とか鉄鉱石とかそういう資源浪費型の産業構造から知識集約型の産業に変えることだ、これが七〇年代の基本方向だということを答申しているわけですね。それからちょうど四年たっておるわけなんですけれども、昨年の三月でしたか、産業計画懇談会、あそこが意見書を出しましたですね。提言をいたしましたですね。それはもっと中身は具体的であって、知識集約型の産業構造へ変えていかなければならぬということを言っておるわけです。  あの提言が出たときに、明治時代に生まれたおじいちゃん連中が何を言うかと、こういう反応しか返ってこなかったというふうに当時報道されたわけですよ。ですから、日本の高度経済成長というのが、原油と鉄鉱石、地球の裏側から鉄鉱石を持ってきて、原油を持ってきて、その上に日本の重化学工業中心の異常な成長をやった。これに対する反省というのはもう四十六年からはっきり出ている。それが全然その方向に動かぬわけです。ますますでかいものになっへきたわけです。田中総理は列島改造で、またその上に輪をかけて進めようとされたわけですね。  ですから私は、いま長官がおっしゃったそういう話をいままでも何べんとなく聞いてきた。しかし、今度の石油問題というのが起こって、はっきりこれが重要な衝撃になって、そういう新しい現代的な産業構造に変えていくのかという点については、私は非常にまだ疑問を持っているわけなんです。どうもいままでの方向にやはり乗っかっていくのではないかという気がしてならぬわけです。今度の四十九年度の予算を見ましても、それらしい萌芽というものは見えないですね。いまおっしゃったように、新しいエネルギーの開発という点が出ました。従来はその金は非常に少なかったですから、倍率としては非常にふえました。しかし、アメリカの新しい資源開発と比べますと、アメリカはエネルギーについては御承知のとおりなんです、資源を持っている国です。それの千分の一以下というのじゃ、ちょっと腹がすわっていない。新しいエネルギーを開発するといいましても、腹が全然すわっていない。まだまだそんな腹はないという私は感じがしてしょうがないわけなんですよ。  私がこういうことを申し上げますのは、公害問題にたいへん関心がございまして、現実にまた公害問題にぶつかっておるものですから、この公害問題というのはやはり産業構造を変えるということが一番必要だ、あるいは環境を保全するにも産業構造を変えるということが一番必要だという感じを非常に強く持っておるものですから、昭和四十五年ごろからたいへん関心を持っておるわけなんです。ですから、いま長官のおっしゃるように、これを大きな衝撃にして、日本の産業構造というものが、長官のおっしゃるように、またわれわれが考えておるような方向に動くのかという点については、まだまだ私はたいへん疑問に思っている。長官、これに対して、いやそうじゃないというお考えがありますなら承りたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 高度経済成長のエネルギーの強いことは私も認めます。また、それなりにメリットもあったですね。終戦直後のような状態で、食べるものも着るものもない、仕事口もないという状態から、物質的な豊かさを求めて国民も高度経済成長は肯定したと思いますよ、あの当時の政策を。しかし、切りかえができていないわけですから、いつまでもああいう状態が続くと思うところに今度のようなショックを受けたわけですから。  これからは、続けていくといっても第一資源の問題で、いま言ったようにそういう資源というものが、よしや外国から供給を受けることが可能であっても、値上がりでしょう。そうすると、これで一体外貨の支払いというようなものが、私は赤字になると思います、日本の国際収支は、いままでのような状態では。それを一体どこでカバーするかといったら、輸出によらなければならぬ。輸出といえば、これは一応鎮静しておる世界の貿易秩序というものを破壊するような結果を招かないとも限らない。これは反発を受けますよ。だから、昔とは非常にそういう面からも事情が違ってきておる。環境問題だって、これが下火になる日はありませんよ。ますます環境保全、公害防止に対する国民の熱意は盛んになるばかりでしょうね。そういうことをやろうとしても、いろいろな点で障害というものが非常に顕在化してきておるですから、昔のようなわけにはいかない。そうなってきたら、そういう先を見通して、やはりこれからの日本の経済計画はそういう将来を展望した上において経済計画を立てなければ、行き詰まりがくることはわかっているんですからね。  そういうことで、今度の場合は、いろいろ鶴園さんの御批判というものは私もそういう御批判はあると思いますが、今度はもうみなが生活の実感をもってその必要を感じてきておるですから、国民の理解というものはそういうふうな政策をとっても受け入れやすいわけです。したがって私は、またもとのような日本に返るということは、返してはならぬし、また返れるような前提条件は失われつつあると考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、日本の高度経済成長というのは公害問題環境問題で立ち往生するような事態になってきておる。そこへもってきて石油問題というのが起こっておるというところから、これはどうしてもこの機会に産業構造を変えていくという方向へ積極的に努力しなければいけないと、こういうふうに考えております。長官もそういうお話でございますので、そういう方向へ御努力のほどを願いたいと思っております。  なお、この問題は、環境や公害の問題であると同時に通産省の政策になりますので、あらためてまた機会を得まして通産省からも御出席をいただいてお聞きをいたしたいと思います。  もう一つは、この裏側の問題なんですけれども、いま石油の問題が出てその衝撃があって、そのことが裏側として環境、公害等の点についてマイナスの点が心配される。つまり公害基準というようなものも緩和したらどうかとか、これは生産第一主義ですね、最優先主義。だから物不足があるとかあるいは不況がくるのではないかという中で、何とか緩和してくれないかとか、あるいは公害基準の達成年次を変えてくれないかとか、そういう声はないですか。私どもはときどき新聞でそういうものを見て、たいへん神経をとがらしておるわけなんですけれども、その点についてはどういうふうに環境庁としてお考えになっていらっしゃるのか、また把握していらっしゃるのか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 石油の危機というものが起こりまして、そしていままで重油の使用に対してもいろいろな規制が行なわれているわけですね、大気汚染防止の上から結果的にそういうことになるわけですが、いま鶴園さんの御指摘のように、環境基準というものはこの際緩和したらどうかという声もあったことは事実です。だから私は閣議で特に発言を求めて、こういう石油危機が起こったからといって、環境基準というものを変える考え方は全然ない、そういうことはやはり国民の環境保全に対する熱意からしても、石油の問題が起こったからといって環境基準というものは二の次でいいんだということは国民の意向にも沿わないから、その考えは全然ないから各省においてもその趣旨を体しておいてもらいたいということを閣議で発言したのです。そうして異存もありませんでした。したがって、その方針は変更しないということは、内閣の基本方針として了解をされたものと考えておる次第でございます。また、その後のいろんな環境基準を守っていくというような政策の上においても、これを後退させようという考えは全然持っておりません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 石油問題が起こりましてから、新聞に報道されたのですが、それ以外のものにも報道されていますけれども、中曾根通産大臣が公害についての防止協定を見直さなければならぬのじゃないかというような発言をされたことが報道されておるわけです。それでアメリカでもそういった話が出ているのだというようなことが新聞等に報道されております。業界のほうにもいろいろ意見はあるんだということも新聞に、小さいですけれども、ちょこちょこずっと散見されておるわけです。ですから、いま長官のおっしゃったように、閣議でそういう発言をされた、したがって政府としてそういう考え方であるんだということでありますれば、これは中曾根通産大臣の発言というのは消えておるんだというふうに私も了解をしたいと思います。しかし、それはこれからも相当根強く出てくる問題だと思いますので、今後とも御努力を願わなければなりませんし、これは基準を緩和するという、あるいはいまの基準から後退をするというのじゃなくて、やはりだんだん締めていかなければならない問題でありますから、逆にこれを持っていこうということはとんでもない話だと思います。そういうことでいまの問題については了解をいたしたいと思います。  それからもう一つは、この中に瀬戸内海の臨時措置法の問題が出ておるわけですね。この点について伺いたいのです。  先ほど政府委員のほうからも説明がありまして、汚濁負荷量を二分の一に減少させるために各県に限度量を割り振ったということになっておりますが、そこで、これから企業に割り振るのだろうと思うのですけれども、これはどういう問題を想定しておられますか。また実際、企業の反応というのはどういう状況なんでしょう。これは通産省のほうがいいのかもしれませんですけれども、水質汚濁ですから局長に答弁をいただきたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) これは県全体の発生といいますか、要するに工場から出す段階での負荷量の総量が割り当てられたわけでございますから、その県といたしましては、業種別に上乗せ基準といいますか、結局それを達成するための、一つは排水量を把握をしておく。そこへ濃度をどのくらいにするかということで、全体総量が自分のところに割り当てられた量になるように濃度規制をする、こういうことになるわけでございます。そのために条例で上乗せ基準をつくりまして、今後それを各企業ごとに指導をしていく、こういうことになるわけでございます。   〔委員長退席、小平芳平君着席〕  これに対します反応といいますか、これはすでに国会の総意でこの法律がきめられまして、自分の工場のところをどうするかという話はこれからということになってきたわけでございますけれども、全体の考え方としましては、これはもう国会の総意によってきめられた法律でございまして、大体みな半分、ともかく半分にするんだ、こういうことで受けとめておったと思うのです。  ただ、それが大企業なり中小の企業なり、それぞれによりまして受けとめ方は違うと思います。現に府県に割り当てる場合に、各府県としましてはこれではとてもやれないというようなことで、数度折衝を重ねた県がございます。それは数県にも及びました。われわれとしましては個別にその県との話し合いを進めまして、その最終の段階では県も納得をし、県も今度はそれを受けて各企業を指導していく、こういうことになったわけでございます。折衝の過程にはいろいろございましたけれども、まずこれで実際の企業の段階での対応というのはでき上がっていくのではないかというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは例で申し上げますと、大分県が四十七年の百四十五トン、これを五十六トンにする、こういう一つの例を申し上げておきます。また、山口県が三百八十五トンを百二十七トンとするということで、県との折衝でも再三問題があってもめたというような新聞報道いたしておりましたが、この数字から見まして、そういうことは当然考えられることであります。まあ、しなければならぬことですけれども、これはそういうことになるだろうと思います。  これからまたこれを企業に持っていくことになるのですけれども、これもなかなかまたたいへんだろうと思うのですが、そこで伺いたいのは、新しく誘致予定になっている企業といったようなものは、一体どういうことになっておるのか。あるいはこの地域における十一府県、瀬戸内海の十一府県のこれからの新しい大きな開発というものは、これはもうはなはだむずかしいということになるのではないが。その二つをお尋ねいたします。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 新規に立地をいたす場合にこの汚濁負荷量との関係はどうかということが第一点だと思いますが、これにつきましては、結局県全体として幾らと、こういうことになっておるわけでございます。その範囲内で対応をしていかざるを得ないわけです。具体的なやり方といたしましては、ある程度ワクといいますか、そういうものを残しておくか、どうするか、こういうことにつきましては、そういうことは一応県の判断におまかせするということで指導をしておるわけでございます。結果的に申しますと、もう一つの埋め立てに関します問題につきましての基本的な方針というものが、瀬戸内海の埋め立てをある意味では相当規制をしていくという考え方が入っておるわけです。埋め立ての点から、それからいまの汚濁負荷量の割り当て、それに伴います特定施設、排水につきましての施設につきまして許可制に今度の法律でなっておるわけでございます。そういうような点から種々考えますと、非常に御指摘のようにむずかしい情勢にあるというふうに思っております。  ただ、今回の割り当てで、先ほど御説明申し上げましたけれども、やはり県民所得が低いところには若干の配慮をいたしております。そういうことで、全然開発の余地がないとは申し上げませんけれども、最終的には三年たった後に、全体の経済計画等との勘案をしながら、今後どういうふうにしていくかということにつなげていきたい。それまでの間はともかくこの負荷量の範囲内で、あくまでも三年後にこの負荷量を半減するという瀬戸内海の基本的な考え方、これにのっとって県を指導していくということでございます。   〔委員長代理小平芳平君退席、委員長着席〕

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この所信表明の中にもあるのですが、東京湾、伊勢湾についても調査その他を進めておるというふうに出ておりますが、これは東京湾、伊勢湾についてはどのくらいの、何年後にといいますか、目標にしていらっしゃるのですか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) おそらく御指摘の点は総量規制の導入の問題だというふうに思います。これにつきましては、大体ただいま伊勢湾、東京湾等につきまして調査を進めておりまして、閉鎖性水域についての調査、湖沼も含めまして調査を進めておりまして、ただいまのところ五十年度には、この考え方を試験的に導入していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 瀬戸内海の十一府県というものが、いまお話のような形で四十七年のものから半分程度、もっとひどいところもありますし、それぞれ府県が上乗せしますから、もっときつくなるところも出ておるわけですね。兵庫なんか、もっときびしくなっていますね。したがって、新しくあそこに開発をしていく、あるいは工業の集団ができていくということは、おっしゃるようにたいへんむずかしくなってきておる。続いて東京湾、伊勢湾についても五十年度に試験的にということですから、すでにもう続いてそういう政策がとられるだろうというふうに見通されるわけです。  その点からお尋ねをしたいわけなんですが、このことは実際は列島改造にいう工場の分散、このことを積極的に推し進めるような形になるのではないかというふうに思います。私の鹿児島を例にとって申し上げたいのですけれども、これからたびたびこの委員会でもひとつ論議をしたいと思いますから。  鹿児島は大企業のいまやラッシュ時代になってきたですね。志布志湾にコンビナートをつくるというのは依然として続いております。たいへんなコンビナートです。あの計画によりますと、瀬戸内海にある石油精製工場を全部あそこに持っていったようなでかいやつをつくる。それから枝手久島、これもまたでかいのをつくる予定で会社は調査をやっております。それから錦江湾、たいへんきれいな錦江湾ですけれども、あそこにいま喜入のたいへんでかい原油の基地があります。これを約二倍近くにするそうですが、これは世界一位なんだそうです。錦江湾の中にある。そしてあの地区に大手の鉄鋼業と造船工場がいま盛んに調査に入っている。そしてこっちの裏側になりますと、基地の裏側になりますが、やっぱり海岸に臨んでいるのですけれども、大浦と小湊の海岸、ここへまた大きな石油コンビナートが日石と中川海運によって計画されまして、調査をしております。川内川の下流にある川内市に、火力発電のでかいのと原子力発電所のでかいのをいまやろうとしています。火力発電はすでにできましたけれども。  要するに先を見通しますと、これは瀬戸内海もだめだ、東京湾も伊勢湾もこれは見通しなしというので、一つ例をとれば、鹿児島にまさにラッシュのようにのしかかっている、そういう状況であります。ですから、去年からことしになりまして鹿児島はたいへんなんです。県下の漁協の人たちが集まりまして、この三月にもたいへんな人が集まってやることになっておりますけれども、これはえらいです。ですから、いま瀬戸内から東京湾から伊勢湾からそうやっておいでになるが、そのことは列島改造に言う積極的に工場を散布していく、逆にいえば公害を散布していくということに結論はならぬのかどうかという点ですね。  ですから一つの工場を例にとりますと、瀬戸内にある工場と鹿児島なら鹿児島に出てくる工場との間に、公害規制に非常にアンバランスができるということになるわけです。企業の取り扱いについても非常に不平等ですね。これは一斉に企業を締めたらどうか。非常にアンバランスがあるから、どしどしこれは外側に出ますよ。そうしますと、鹿児島湾で申しますと、この狭いところの海ですよ、非常に入江の中に入った。これはたちまち死の海です。瀬戸内海よりもっと早い。見えているんです。こんなことは。それは瀬戸内よりうんと弱い規制しかできないし、先のことだと見ておるんでしょう、ずっと先のことだと思ておるんでしょうね。そこら辺の私は配慮が足らないように思う。せっかくおやりになるわけですから、続いて東京湾も伊勢湾もおやりになるのですから、全体の問題として処理されるお考えはないのかどうか。これについて長官のひとつ考え方をお聞きしたいわけです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 環境基準とか排出基準とかというものは、環境基準は一律に、排出基準も府県によって多少上乗せを認めてあるわけですから、だから、非常に瀬戸内海のようなところは各府県によって上乗せをしたりすることになりますから、排出基準が違ってくるということはあるわけです。一応の環境基準というものは全国的に一律に取り扱うものですから、公害防止に対する基準が根本から違うということにはならない。その地域の汚染状態等をにらみ合わせて府県で上乗せをする場合があるということで、また、しかも環境を保全したいという要望は非常に強いわけですから、新しい場所においても公害防止協定なんかはむしろきびしくなると思いますよ、これからは。いろんな各地における経験なども踏まえて非常にきびしいものになってくる。また、漁業権の放棄にしても漁業組合の同意が要りますから、地元民というものの納得が得られないで大きなコンビナートをつくるということは実際問題としてできない。  そういうふうなことから考えて、瀬戸内海とか大阪湾とか伊勢湾とかいうものが行き詰まったから、そういう公害のない地域にむちゃくちゃな工場進出があるんだということは、いろんな制約の条件がむしろ昔よりもずっときびしくなってきておると思います。われわれとしても環境のアセスメントというものにこれから力を入れて行こうというわけですから、そういうこともあわせて考えてみますと、環境問題というものは、新しい工業立地にはあまりきびしくないんだというふうに考えてない。これはよほどきびしくなっていくというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私先ほど瀬戸内のことをお伺いをしましたので、瀬戸内の問題についてはこういう特殊立法ができまして、そうして各十一の府県に対してほんとうにそれはきびしい基準を示して、各府県もたいへん困難だったようですが、きびしい基準をきめて、そしてさらにそれを企業に割り当てていくという政策をとられている。続いておそらくそう遠くない機会に東京湾、伊勢湾も行なわれるでしょう。それ以外のところはそうでないわけです。ですから企業といたしましては、私は鹿児島の例を取り上げたわけですが、これは企業は企業を呼ぶですから、おそらくいまのような産業構造でいく限りにおいては殺到するだろうと思います。鹿児島はその意味では、いまや殺到が出ておるわけですよ。まさに上陸ですな、がっと一ぺんに。これは宮崎もそうなってくると思います。鹿児島湾も、いま鹿児島しか知らぬから鹿児島のことを言っておるのですけれども、これはまさにたいへんな殺到ですよ。錦江湾なんというのはこれはもうすぐ死の海です。ですから、私は先ほど申し上げましたですけれども、瀬戸内で行なわれるような政策というのがすみやかにすべての企業に及ぶというふうに政策をとっていただけませんでしょうか。これから後進県というのですか、途上県というのですか、これはまた公害の巣になってしまうということなんですね。  いま長官は埋め立ての問題について漁業協同組合がとおっしゃいましたけれども、あれば海先まっすぐの漁業協同組合が賛成しますと簡単に埋められるのです。隣の漁業協同組合が反対しましても、そこの先だけが賛成をするとちゃんと埋められる。隣の漁業協同組合、こっちの漁業協同組合、向こう側の漁業協同組合が非常な被害を受けるのです。何にも権利はないのです。海先だけです。ですからこの問題について、列島改造でいう工業を分散をしていくという政策を強力に進めるということになるわけでありますから、結論的にはそうなっていくわけですから、環境庁といたしましては何らかの政策をとっていただきませんと、非常に困るわけです。  そこで、さっき長官もおっしゃいました、また、この所信表明の中にも出ております公共事業の実施や地域開発について、その計画の各段階で環境に及ぼす影響、内容及び程度、環境破壊の未然防止等について事前に十分その評価を行なう環境アセスメントを進めていると、こうおっしゃる。じゃ、この環境アセスメントというのは実際どういうところにいまあるのか。私が見る限りにおいては、これはまだよちよち歩かないところにある、歩き出す準備をなさっていらっしゃるような、この文章で見る限りは印象を受けるわけです。もしそうなら、これはもう完全に重化学工業に先を越されてしまって、あとでおたおたおたおた、まだ歩いてもいない。こういう状況ですよ。殺到しておるんですから。そこら辺のことについてそれぞれ局長から承って、大臣の考え方も承っておきたいと思います。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) いまお話にもございましたように、私ども環境に非常に大きな影響がございます開発にあたりましては、まず第一に、その中で貴重な自然環境がある、こういう場合にはこの保護を最優先していく。これがかりに地域の指定があります場合、そういうような地域指定をはずしてまで開発を行なうべきかどうかということは、これは非常に慎重な判断を要する問題だと考えております。ただ、そういうような自然保護上の地域指定等がないようなところにおきましてもいろんな開発が行なわれるわけでございまして、その場合には、公害の防止と自然環境の保全、両方含めまして計画の各段階で事前調査を行なって判断をしていく、環境に悪影響がない範囲での開発が行なわれる、こういうぐあいになりますように考えているわけでございます。  ただ、いまも御指摘ございましたように、現在のアセスメントについて、それじゃ完全な体制にあるかということになりますと、まだ必ずしもそこまでいっておりません。正直申し上げまして、いまその体制を整備しつつある段階でございます。まず、その一つは、どういうところが環境アセスメントを実施するかということでございますが、これは私どもとしましては、各種の公共事業に伴いまして多くのアセスメントを必要とする、もちろん個々の会社等がいろいろ拡張等を行ないます場合にもアセスメントが必要でございますが、そういうような事業実施に伴いましてアセスメントが必要になるわけでございますから、第一次的には事業所管官庁でアセスメントを積極的にやってもらう、こういうことを考えておりまして、この点は四十七年六月に閣議了解をされている点でございます。  ただ、そういうような事業所管官庁だけでありますと、どうしてもアセスメントの場合に客観性といいますか、そういうことが失われているという批判を受けやすいわけでございますから、環境庁としましても、たとえば港湾計画あるいは電源立地、大都市圏におきます工業用の団地造成、こういういろんな場合に、法令の規定によりまして意見を求められるのに対して、個別的にアセスメントのチェックをしていっているわけでございます。特に最近におきましてはこういう必要性が増大してきましたので、さきの国会でも、そういうような環境庁長官の意見を聴取しなければならぬという規定を公有水面埋立法等で追加していただいているわけでございます。また、アセスメントを実施しなければいかぬという規定も、先ほど来お話に出ております瀬戸内海の環境保全の臨時措置法等で具体的規定として入れてもらっております。あるいは個別に実際上の問題としまして、各開発の段階でのアセスメントを私どもの覚え書きという形で各官庁にやってもらっている例もあるわけでございます。  こういうようなことでアセスメント自身が義務づけられていく。そうすると、その方法がどうかという点がいま中心になっておりまして、この点、実は先月の末から具体的なルールの確立ということで審議会レベルで現在検討してもらっている段階でございます。特にどういう項目についてアセスメントをやるかという項目の選び方、それからその評価の場合の評価の基準、あるいは実施の体制、いろんな点に問題があるわけでございまして、この点につきましても今後の方角づけをしていきたいと思っております。  なお、その場合に、特に予測の手法等の開発が非常に大きな問題でございますので、これにつきましては環境庁予算におきましても、また各省予算におきましても、予算の計上をできるだけ十分いたしまして、手法の開発につとめているところでございます。  以上が大体現段階におきますアセスメントの実施の状況でございますが、もちろん個別の大規模な開発等につきましては、その個別案件につきまして、各関係省庁と協議しながらチェックをしていくというのが実情でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いまの答弁について伺いたいのですが、志布志湾の石油コンビナート、このときは、あそこはぽっくり国定公園が埋め立てられるものですから、当時の初代環境庁長官の大石さんが解除しないということがあって、そのままになっておるわけです。瀬戸内海にある石油工場を全部あそこへもっていくという、たいへん大きなものをつくるということでやったわけです。そのときの環境破壊あるいはそういう意味の公害関係のその評価、調査というものが、これはきわめて手探り的なはなはだ幼稚なものだったのです。  いま環境のアセスメントについて話を承りましたけれども、まだよちよち歩きもいいところ、よちよち歩きもしない。歩く準備をしている。これは私が先ほど申し上げているように、これから瀬戸内海そして東京湾、伊勢湾ということになりますと、これは殺到してきます。鹿児島湾のごときはたちまち死の海になってしまう。いまでもあそこは世界一という原油の基地で、一つ船が故障を起こしたら、あれはもう動かなくなっちゃうんですよ。そういう企業が殺到している。これは鹿児島だけじゃないと思うのです。これから至るところに起こってくると思うのです。これはまさしく列島改造の地方分散に完全に乗っかっている、あらゆる方面に押し進めることになると思うのです。  その際に、問題の環境アセスメントがまだ歩きもできないという状態ですと、これはもう完全にはなはだしく立ちおくれている。国民は頼りたいわけですよ。頼るものがない。現実にそれじゃ鹿児島湾のいまの状況について環境庁として調査なさっていらっしゃるのか。自然破壊をどうするか。あそこは国定公園の中に入っている。そうしますと、どうなんだというような調査をしていらっしゃるのかどうか。あるいは公害はどうなってくるのかというような問題について調査をなさっていらっしゃるのかという点も聞きたいわけなんです。ですから、どうも私はそういう意味でこれはたいへんしり抜けだという点を心配しているわけなんです。その点について。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) ただいま申し上げましたように、アセスメントの二つの段階としまして、第一義的に自然保護関係の指定地域等があります場合には、その関係をはたしてはずすということが可能かどうか、こういう点からやるわけでございまして、志布志の問題につきまして先般非常に論議がありまして、四十八年一月に知事が当初計画の見直し発言に至りますこの経過におきましては、主としてその自然環境保全という見地から議論を呼び、それについての問題点が中心でございましたので、この点自然保護局長からお答え申し上げたいと思います。

江間時彦環境庁自然保護局長

○政府委員(江間時彦君) 先生がおっしゃいました地域は現在国定公園になっておりまして、国定公園の地域の中にあのような施設をつくるということになりますと、自然公園として存立し得ないという状態になると思われます。したがいまして、おそらくもしそういうことをするとすれば解除しなければならないという問題になるかと思います。現在われわれのほうが明確な方針としてとっておりますことは、開発のための自然公園の解除をしないということをきわめて明確にきめておりますので、現在の段階ではまだ正式にそのような協議も申請もまいっておりません。そういう段階でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 さっきの質問に対する長官の答弁を聞きたいですね。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 環境庁のこれからの行政の中心はアセスメントということだと思います。あとから追っかけて行ったのでは徹底した環境保全というものはできませんからね。アセスメントというのはなかなかむずかしい問題を含んでいるわけでありますから、これをいま検討を加えておるわけであります。もう少しアセスメントの手法といいますか、これが確立する必要があるということでやっておるわけですが、大きな一つの開発をやろうという場合には、これはあとでいろいろ環境庁長官の協議権というものも拡大しましたから、どうしても事前にいろいろ連絡をすることになりますからね。いろいろなことがきまってということでは、これはあとで環境庁長官とも協議しなければならぬということになってきて、ノーと言えば開発を進めていくことには支障を来たしますから、実際問題としては開発の事前から参画することに実際はなると思いますが、われわれの態度としては、これだけの本土においては経験を積み重ねたわけですから、その苦い経験をまたいままで公害のない地域としてそれなりのいい環境を享受してきた地元の人たちが、瀬戸内海の状態と同じようなことを志布志湾に再現するということは、単に地域住民ばかりでなしに、国としても何も公害問題というのは教訓として生きていないということですから、われわれとしてもアセスメントというものをきびしく考えて、そして事前に十分な評価、調査を行なうことに、行政の一つの方向としてはそういう方向に持っていきたいと考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 四時までになっておりますから一言だけ。  私は、瀬戸内海の環境保全の措置をやられて、さらに伊勢湾に及ぼし、そして東京湾に及ぼす。これははっきりしている。そういう中で企業は、争ってこれからもなお途上県のほうへ殺到してくる。なぜそういうことが起こるのか。これは私はやはりすみやかに、どこにある企業といえども少なくとも瀬戸内でやるような公害防止の措置をとる必要があるというふうに思うのです。不平等な点がありますと、そっちへ逃げてしまうということになりますから。さらにまた、いまお話のアセスメントの問題につきましても、まだまだ歩いていないという段階ですし、国定公園については開発のために解除しないということははっきり伺いましたけれども、たいへんおくれているという点等からいいますと、これは非常に重要な問題ではないかと私は考えております。  これから住民も、鹿児島なら鹿児島の住民も非常に反対をするでしょう。しかし、これは長官、簡単にいかないんですよ。それによって利益を受けるところが非常にあるわけなんです。ごく一部の人が非常に大きな利益を受ける。金もばらまきますよ。たいへんな金をばらまきますよ。簡単じゃないです、これは。えらいですよ。現実にやってみますとたいへんなものですよ。環境とかいうような問題、簡単なものじゃないですね、もっとどろどろしたものですよ。  ですから、私は先ほど申し上げたように、何べんも申し上げますように、これはすべての国内でやっておる企業について、きちっとした平等な体制というものをとられるということが必要だというふうに思います。それだけ申し上げまして終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 言われるとおりだと思います。これはやはりなかなか開発のエネルギーは強いですからね。しかし、人間の健康と生命を守るということを政策の基本に置かないと、そのときの力関係で押えられますと、やがてはまたいま賛成派も反対派に回らぬとも限らぬですからね。環境庁としては人間の生命と健康を守るということを第一義的に考えて、今後のアセスメントというものをきびしくやるし、また、せっかく瀬戸内海がきれいになっても、志布志湾が瀬戸内海の二の舞いということでは、環境行政が何のためにあるのかわからぬわけでありますから、十分に今後はそういうこともにらみ合わせて環境行政を推進をしてまいることにいたしたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 先ほどの続きですが、騒音と健康被害について、最後に三木長官から少し次元の高い御答弁で時間の関係でそれで終わったわけですが、三木長官が先ほど申されたように、私も当然公害は発生源を減らしていく、なくしていくということ、それが公害対策であるということは全く同感であります。ただ、そこにすでに不幸にして健康被害が発生したということが明らかになった場合には、健康被害者の救済をすべき法律も成立しているし、また、こうした被害者の救済に万全を尽くすことが将来の公害をなくす大きな力ともなっていくというふうに考えます。  そこで、まず国鉄のほうから新幹線の問題につきまして、これは内閣からの須原議員に対する答弁書、二月二十二日の答弁書です。この中には「新幹線騒音等に対する医療委員会(仮称)によって判定すべく鋭意その準備を進めている」。その医療委員会は昭和四十九年三月中旬を目途に設置する予定である、こういうことを答弁しておりますね。そうしますと、こうした医療委員会は、新幹線の騒音に悩まされる方は新幹線全線にわたって、トンネルの中は別としましても、ほとんど全線にわたってこうした問題が起きるわけですから、そうした点についてもこの医療委員会を設置して、この答弁書にあるような調査をなさるのかどうか。  それから新幹線の周辺についてそういうことをなさるということならば、空港周辺についてもそういうふうな医療委員会をつくって検討すべきであると、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(住田正二君) 名古屋地区につきまして、三月中旬を目標に現在医療委員会の設立の準備を進めておりまして、委員の先生方の御承諾を大体得たという報告を受けております。  これまで問題になっておりましたのは主として名古屋地区でございまして、その他の地区についてはそういう話を聞いておりませんが、将来そういう問題が起きれば、単に名古屋地区のみならず、ほかの地区についても検討する必要があろうかと考えております。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 空港周辺におきます医療につきまして、現在のところ、ことに大阪空港周辺におきましては、排気ガスあるいは子供さんの鼻血というようなことで、個々の医療につきまして大阪大学の付属病院であるとか、そういう関係の先生のほうにお願いをいたしまして、健康診断あるいは治療というものをしていただいたことはございますけれども、現在のところ、医療委員会というものをつくる予定はまだございませんけれども、いまの計画といたしましては、関係航空会社が医療に対して何らか積極的なる施策をしていきたいというようなことも聞いております。運輸省といたしましては今後、本日の判決に従いまして医療の面についても十分検討を加えていくつもりでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 三木長官、そういうわけですから、ひとつこの騒音、振動についての環境庁の果たすべき役割りを果たしていただきたいと言っているわけです。ということは、新幹線にしろ空港にしろ、どちらかというと加害者が被害者を調査するということはおかしいと思うのです。ですから、運輸省というのは官庁ですからそう一方に偏するようなことはないとおっしゃるでしょうけれども、やはり環境問題を担当する長官として、この点についてもっと力を入れていただきたいということを先ほども申し上げたわけですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) それは、根本的にはいま言った音源対策というようなものが根本でありますけれども、いま現に被害を受けておる人たちに対してはできるだけのことをいたすことができますよう、われわれとしても今後関係各省と相談をしてまいりたいと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 先ほど、新幹は名古屋地区が問題になってきたから医療委員会をつくった、ほかの地区でも問題が起きてくればつくらなければならないだろうというような趣旨ですが、そういうように住民のほうからわいわい言わなければ、告発をしなければ知らぬ顔しているという、それがよくないのじゃないですか。いかがですか。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げました言い方が、あるいは十分でなかったかと思いますが、先ほど申し上げましたのは、そういう問題があるということを聞いてはいないということを申し上げたわけでございまして、いま御指摘がありましたように、住民側から話があって委員会をつくるということでは非常におかしいと思いますので、国鉄側が積極的に調査するように指導をいたしたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それから昨年のある時期の委員会で、振動の規制をすべきであるということを問題提起し、また三木長官から、この第七十二国会に提案するつもりで準備を進めているというふうな御答弁もありましたが、この点についてばどのように進められておりますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 振動規制法について、仮称でありますが、昨年十二月の中央公害対策審議会で答申を受けて、いま規制の方法とか測定の方法などに対して検討を要する点があるほかに、新幹線の鉄道にかかる振動対策について同審議会に諮問をしているところであります。現在鋭意その作業を進めておるわけでありますが、できるだけ早く振動規制を法制化したいということで、この作業をさらにスピードアップをして、法制化を急ぎたいと考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 できるだけ早く法制化を急いでいらっしゃるということでありますが、その見通しですね、大体いつごろ成案を得ることができるか。それから振動は道路交通、鉄道あるいは新幹線、あるいは航空機等のようなそういう振動も含めて出されますか。いかがですか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) ただいま長官の申されましたように、昨年の十一月の三十日に中公審から振動公害に関する規制の基本的な考え方について御答申をいただいたのでございますが、まだ測定方法、基準値のとり方、それから新幹線の振動の問題についての検討が続いております。これを早急にまとめてまいりたいと思いますが、三月を目途にいたしておるわけでございます。  ただし、仮称でございます振動規制法の内容は、ほぼ騒音規制法の組み立て方と同じ構造になるであろうと私ども考えております。したがいまして、新幹線の振動につきましては、やはり別個に新幹線の振動に関する環境基準等をつくりまして、そうして規制を行なってまいりたい、かように考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 局長、騒音の場合も、新幹線は一般の騒音規制よりおくれて昨年十二月きまったということですね。同じように振動も新幹線はおくれてということにならないように私は要望いたします。  国鉄当局としては、そうした新幹線を計画する段階で騒音振動について検討なさっていらっしゃるのかどうか。住民に与える影響についてどういう検討をなさったか。いかがですか。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(住田正二君) これまでできております東海道新幹線、あるいは現在つくっております山陽新幹線、さらに工事をいたしております東北新幹線あるいは上越新幹線につきましては、必ずしも騒音、振動について十分配慮してやってきたということではないかと思います。しかし、今後つくります新幹線につきましては、新幹線による公害がないように十分配慮したい。実際問題といたしまして、人口の多いところに新幹線を通すということは非常にむずかしくなってきているのではないか。具体的に申し上げますと、大きな都市で従来の在来線の駅と併設するというようなことになりますと、どうしても住宅密集地帯を通ることになりますので、今後はできるだけそういうところを避けて新幹線を通すということも考えなければいけないのではないかというように考えております。  それから、これまでできております新幹線につきましては、現在振動についての基準がございませんけれども、近く名古屋につきましては、振動を考慮いたしました何らかの対策をとりたい。具体的には新幹線の秒速何メーターにするか、いま検討中でございますけれども、希望があれば住宅地を国鉄で買い上げるというような措置を講じたいということでいま検討いたしております。これは名古屋は特に地盤が悪いということでございますので、名古屋以外の地盤の悪いところにつきましても、そういう措置をとる必要はあるのではないかということで、さらに検討を進めたいと考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 東海道新幹線建設にあたっては、そうした騒音、振動に対する検討が必ずしも十分でなかったというふうな表現を使われましたが、まずまず何も考えてなかったというほうが正しいじゃないですか。三木長官のきょうの談話は「現在の交通体系は環境保全の面からの検討が十分ではない」ということは、これは長官、「現在の交通体系」というふうに指摘しておられますから、これは鉄道も道路も含めてのことと理解してよろしいですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 鉄道も高速道路もすべて含んでおります。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ですから、そういう点もう少し具体的に、三木長官としてはいまの鉄道あるいは高速道路、新幹線等の環境保全の面が不十分だという具体的なお話を少ししていただきたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) いま運輸省からもお話があったような、第一、人口密集地というような市街地を通ることは、これはやはり立地の当初から避けなければいかぬことではないか。それからまた鉄道にしても高速道路にしても、これからは少し緩衝地帯のようなものが要るのじゃないですか。いまでも振動の被害を軽減するために両脇に何メートルか住宅地を国鉄が買い上げたいと、こう言っておるのも、そういうこともやはりその考え方のあらわれだと思うのです。いわゆる今後の交通体系を考えるときに、環境問題というものを頭に入れて考えたときには、そういうことなどもやはり問題点の一つである、こういうふうに考えます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 環境庁長官の意見を聞かなければならないという法律がふえたと先ほど説明しておられましたが、ひとつ大いにこういう点にも発言をしていただきたいということを要望いたします。  それから次に環境権ですね、住民の環境を守るのが優先か、あるいは鉄道、発電所等が建設されることが優先かというようなことで、いわゆる環境問題をテーマにした訴訟が起きております。特に、環境についての訴訟はたくさんあるわけですが、火力発電所あるいは原子力発電所の争いが多い。通産省はそういうような点はわかっておりますか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 火力発電所について三件の環境訴訟が提起されておることを承知いたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 原発は。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 原子力発電所につきましては、設置自体の適否を問う行政訴訟の形で提起されておりまして、その中に環境問題も触れられているという形になっております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そこで企画庁から、電調審というものを企画庁が招集し推進しておられますが、電調審が現在受け付けているそうした火力発電所、原子力発電所が何件あるか。それからすでに電調審を通過しておりながら未着工の発電所は何件ありますか。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○政府委員(宮崎仁君) 受け付けておるというその最初の御質問に対する正確なお答えになるかどうかわからないのでございますが、電源開発調整審議会は本年度に入って三回開きました。本日、第六十四回をやっておりますが、この三回の審議会におきまして、新規に着工すべく承認をもらいましたものが四十七地点でございます。これはまだ今年度の計画でございますから、着工になっているものはほとんどないと思います。  なお、いままで電調審において承認、基本計画に組み入れておりましたもので未着工のものは五地点ございます。火力が四地点、原子力が一地点でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 したがって、環境庁も電調審へ参加されていらっしゃるわけですが、電調審で通ったものが、未着工が五件、着工するにしても、北海道の伊達火力発電みたいな機動隊を動員して強行着工するというようなことでは、電調審の意味がないじゃないですか。そういう点、環境庁と企画庁と両方からお答えいただきたい。

宮崎仁経済企画庁総合計画局長

○政府委員(宮崎仁君) 確かに、現在の電源開発調整審議会におきまして、関係各大臣、したがって各省の御意見、地元については都道府県知事の意見を伺いまして、また地元における公害防止協定とかその他いろいろな準備の状況等を総合判断しまして基本計画として組み入れておるわけでございますが、その中にこういったいろいろの事情があるようでございますけれども、着工ができないでおるというものがあるのはたいへん遺憾なことだと思います。  そこで、こういう問題についての最近の地方における反対とか、あるいは環境問題等に関する要請というようなものが日増しに強まっておるような状況でございますので、こういう事態に対して電調審としてどのように対処していくべきかということは、確かに問題であろうかと思っております。私どもといたしましても、現在、電源立地問題に対する研究会というようなもので学識経験者の方々にお集まりをいただきまして、どういうふうなやり方でいくべきかというようなことを検討していただいておりますし、また本日、電源開発調整審議会の中に開発政策部会というものをつくっていただくようにお認めいただきましたが、この部会は、石油問題等出てまいりましたので、今後の長期的な電源開発のあり方がどうなるか、あるいはその供給構造がどうなるかというような問題とあわせて政策的な問題の議論をしていただくつもりでございますが、同時に、電調審におけるこういった基本計画のきめ方、そういったものについても最近の事態を踏まえて御審議をいただきまして、今後はもう少し円滑にいくようにするにはどうしたらいいかと、こういうこともあわせて御検討を願いたいと考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 環境庁は電調審で何を発言しているか。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) いまの電調審の問題でございますが、私直接所管はいたしておりませんが、先ほどのアセスメントの関連もございますし、今後、いま経済企画庁のほうから発言ございましたように、電調審におきまして実体的に固まったものがそこで承認されていく、承認されたあとでトラブルが起こるということでなしに、そういう形になりますようにやってまいりたいと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 承認されるということが、私たちは外部からですからよくわかりかねる点もあるのですが、どうも承認するかしないかということで二、三回、四、五回押し問答しているうちにすっと通ってしまうというふうな経過を感じます。せめて環境庁が環境問題として、あるいは農林省が農業や漁業を守るというような点から、なぜもっと強い主張ができないのかということを疑問に思っております。  それで、環境庁長官が先ほど鶴園委員にお答えになった点で所信表明の中に述べられている点、「資源の有限性に対し今日のごとく深刻に考えず、資源を消費し」というふうに述べられている。この点私も非常に同感なんでありますが、どうも現実は鶴園委員が言われたように、そういうふうに動いておらない。それで開発のエネルギーとか、先ほどお話がありましたから繰り返して御答弁も求めませんが、どうも環境庁長官、このいま私がお尋ねする点は、火力発電所、原子力発電所に限って長官の御意見を伺いたいのですが、環境訴訟が起き、あるいは住民が強硬に反対しているのに強行着工するというような点、一体どこが変わったのか。変わるべきときだと言っておりながら、一体どこが変わったのか、現実問題。非常に疑問に思うのですが、いかがでしょう。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 電力というものは、これは今日の国民生活からして不可欠な必要なエネルギーであるわけです。昔に返るということ、生活を昔の状態に返ることはできない。そうなってくると、水力発電というものも限界があるし、火力発電というもののウエートというものは相当置かざるを得ない。しかしそれは、いま言ったような環境保全の見地から公害防止のきびしい条件を加えなければならぬことは言うまでもないのです。それが地方でトラブルが起こる原因は、もう少し地方の住民に対して、これは地方公共団体がするべきだと思いますが、納得を求めるような手続が足りないと思うんです。そして何か形式的な説明会というのでなしに、地元の人たちに、こういう計画で、環境保全に対してはこういう政策をとるんだということで、そして地元民の納得を得ながら工事を進めていくという努力がもっとなさるべきだと思うのです。そういう点で従来のやり方というものに対しては反省を加える必要がある。こういうところに、いよいよ工事にかかろうとしたときにいろいろな紛糾が起こるような原因があるというふうに私は見ておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ぜひそういうことで指導をしていただきたいと思います。  それから次に地熱発電について。地熱発電について環境庁と通産省の覚え書きといいますか、メモといいますか、そういうものがある。しかし現段階で環境庁と通産省の意見が対立しているかのように新聞に報道されたことがありましたが、それはどういう点が対立しているか。また、どういうふうに解決をされようとしていらっしゃるか。これは環境庁、通産省両方からお答えいただきたい。

江間時彦環境庁自然保護局長

○政府委員(江間時彦君) 先生がおっしゃいました件は、おそらく昭和四十七年三月十四日に環境庁自然保護局長と通産省公益事業局長の間に取りかわされた了解事項のことだと思います。その了解事項の中では、当面地熱発電の開発をする場所としては六カ所だけに限定するという内容になっております。その後、いろいろな報道がなされておりますけれども、正式な形で通産省のほうからこの覚え書きを改定したいという申し出は、現在のところ参っておりません。またわれわれのほうはこれを改定するつもりは現在のところございません。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(岸田文武君) 御承知のとおり昨年の石油危機以来、いままでの電源の構成がはたして妥当であったかどうかということを、私どもも反省をしながら勉強いたしておる最中でございます。いままでの電源構成は、ほぼ八割近いものが石油に依存してまいりました。その石油が供給問題で非常なトラブルが起こってきた。この際にもっと国産資源を見直すべきではないかということから勉強いたしてみますと、一つは水力の問題がございます。他面では石炭火力の問題がございます。それと並びまして、新しい資源としての地熱の見直しの問題というのを私どもの課題として考えているところでございます。  地熱発電は御承知かと思いますが、いまは二カ所、発電電力量にして三万三千キロワットという非常に小規模な形で進められておりますが、別途専門の方々の研究されたところを見てみますと、これは将来的にはかなり可能性の多いものだというような報告もございます。もしこれが相当程度利用できることであれば、永久に使えるエネルギー、しかも大気汚染などの公害のないエネルギーであるということで、楽しみの多い資源ではないかということで勉強をいたしております。具体的には四十八年度から工業技術院を中心としまして、一体日本でどのような可能性があるのかということを、三十地点ほど選びまして逐次基礎調査を行ないました。さらに四十九年度ごろからは、その工業技術院の基礎調査を受けまして、私ども公益事業部が中心となりまして五カ所ぐらいずつ精密調査を実施しようという計画を持っております。  こういった計画の際に、先般、先ほど環境庁からお話がございました従来取りかわした覚え書きをどう考えるべきかということが、一部の新聞報道等で報ぜられたという経過でございます。私どもとしては、地熱は非常に大事なものであるというふうに考えながら、それが何でもまかり通るというものではない。自然環境の保護には十分留意しながら進めていくというような姿勢で今後考えてまいりたいと思っております。具体的な内容等について問題があるときには、今後とも環境庁と打ち合わせて進めてまいりたいと思っております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 環境庁は、その覚え書きでは地熱発電は六カ所に限定するということですか。その六カ所というのは、どことどこですか。

江間時彦環境庁自然保護局長

○政府委員(江間時彦君) 先生がおっしゃいました六カ所といいますのは、大沼、松川、鬼首、八丁原、大岳、滝ノ上の六カ所でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 環境庁は六カ所という覚え書きがあってそれ以上ふやす考えは毛頭ないと言っているし、通産省はさらに研究をし準備を進めていこうと言うし、これは三木長官、いずれかで調整をとらなくてはならなくなると思いますが、いかがですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) やはりエネルギーとしての地熱の利用というものも可能性は持っておるにしても、地熱の開発というものは環境破壊というものを非常に大きく伴いますから、これは環境の保全というものを踏まえて通産省との間に調整をいたします。

小平芳平公明党

○小平芳平君 そうすると、三木長官は六カ所をふやすおつもりか、あるいは局長が言ったように絶対ふやさないおつもりか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) ふやさないという方針のもとに通産省と話をいたす考えでございます。

江間時彦環境庁自然保護局長

○政府委員(江間時彦君) 若干補足して申し上げますと、われわれの了解事項というのは、国定公園及び国立公園の地域内において六カ所ということでございまして、必ずしも同じ地域ばかりの話じゃございませんので、その点御理解いただきたいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それでは次に今度は別の問題ですが、分析の研究体制について、日本分析化学があのような事件が起きた。まだこれが将来どう結論づけられていくかもいまのところ見当がついていないと思います。環境庁としては日本分析化学にこの程度のものを分析を委託したという資料は前回いただきましたが、今年度差しつかえないかどうか、見通しはいかがですか。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 先般の委員会で私申し上げましたかどうか、ちょっとあれですが、農薬残留対策の調査事業がございまして、これにつきましては二月二十日に分析研との間で解約をいたしました。そこで別に日本食品分析センター、残留農薬研究所、いずれも財団法人でございます。そこへ急遽検体を振りかえまして、今年度の調査事業をやるということで準備を終わったわけでございますが、これにつきましては、一応年度内に調査は完了できるという見通しを持っておるわけでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 ちょっといまの御答弁だけでは必ずしもはっきりしませんが、私がお尋ねした点は日本分析化学がなくても大気汚染、水質汚濁の分析研究体制は十分かどうかということを尋ねたわけです。  といいますことは、次に、たとえばイタイイタイ病の原因はカドミウムが原因物質であるということで、この問題は一応終わっているわけですが、岐阜県の高山市というところで、水道に関係しまして、一体現在わかっている水道の基準でいいのかどうか。現在水道法の厚生省令でいろいろな基準がたくさん掲げられておりますが、これだけでだいじょうぶなのかどうか。高山市の水道の場合はすでに市民が飲んでいるわけですが、その上流に大きな廃坑があるというところから、市民が非常に不安におちいっております。  私がいまこの特別委員会においてお尋ねしたい問題は、イタイイタイ病の原因はカドミウムであったと。で、はたしてそれが今度は複合した場合にどういう健康被害が発生するかということ、それは富山県の衛生研究所において、カドミウムの毒性に対する銅の添加効果ということで、カドミウムの毒性に対し銅を添加することによって動物実験の結果これだけ毒性が増大するという研究報告があることと、それから岐阜女子短期大学の中村教授が発表された中では、亜鉛、銅、カドミウムを魚にそれぞれ単独に与えた場合と、それから三種類を合わせて与えた場合と、亜鉛とカドミウムを与えた場合と、カドミウムと銅を与えた場合、毒性がどう違うかという実験をしていらっしゃる。こうした実験に対しまして環境庁はどう判断しておられますか。ということは、こうした実験の結果によれば、カドミウム単独よりも銅を添加した場合のほうがはるかに強い毒性が発生するということを発表しておられるのですが、どう判断しておられますか。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) いま先生から御指摘ございました岐阜女子短期大学の衛生の中村先生の研究は、昨年秋、日本公衆衛生学会の広島において発表されました「重金属の魚類生体内蓄積に関する研究(亜鉛とカドミウムと銅の複合作用と体内蓄積について)」というものの第二報でございます。  この研究におきましては、先生の御指摘のございますように、非常に私どもこれは大事な研究であるというぐあいに存じておりまして、これはマスとメダカを使っておりまして、カドミウムと銅と両方が一緒にありますと、これは七カ月の実験なんですが、大体五カ月で全部死んでしまうというレポートを出しておるわけでございます。そういうことで、このカドミウムと銅ということは、銅がありますとカドミウムの毒性を促進する傾向があるという知見は従来とも散見いたすわけでございますが、魚についてのこのデータは、すぐさま人間に引くことはいろいろの議論があろうかと思いますが、少なくとも魚としては毒性を少し強めておるということにおいては間違いがないというように考えておりますので、今後とも非常に重要な問題として検討いたしていきたい、そういうぐあいに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 中村先生御自身も、私がやったのは限られた委託を受け、限られた期間内に魚についてやっただけだというふうにおっしゃっておられますが、こうした研究は、銅によって毒性が激しくなるということになると、そのことと高山の水道の問題といま結びつけて説明することは困難ですけれども、とにかくそうした研究体制がきわめて急がれているということを指摘したいわけです。  いま審議官は、何ですか、非常に重要な問題だから、もう少し今後どうするかということを御説明していただきたい。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) 本問題につきましては、重金属の相乗作用ということが非常に重大な問題でございまして、特に鉱山等の場合にはいろいろな金属が集積いたすものでございますから、その影響につきましては十分究明していく必要があるということを考えておりまして、御承知のカドミウムの研究班におきましては、その中で四つのグループに分かれておりまして、そのうちの一つのグループの病理生態研究グループというものの中におきましてこの問題を検討しております。環境庁が労働衛生研究所の方にお願いしたものにおきましても、やはり銅とカドミウムという相乗作用の問題について検討してもらっておるという状況でございまして、私どもはまだいま基礎的な研究段階でございますが、その推移をよく見きわめて判断をいたしたい、そういうぐあいに考えております。  ついでに申し上げますが、高山におきましては、厚生省から私ども聞いているところによりますと、水質検査は毎日行なわれて、問題のCuは一切出ないということでございますが、それといま直接結びつけておるわけではございません。

小平芳平公明党

○小平芳平君 厚生省のそれはよけいな問題で、毎日それじゃ何と何を検査しておりますか。そんなに毎日やる体制がありませんよ。カドミウムだけ毎日やるといっておりますがね。それは別の問題ですからいいです。きょうは公害特別委員会の範囲において私は質問をいたしておりますから。  それから環境庁としては、未規制物質の調査研究体制はどうなっておりますか。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 有害物質、この中のカドミウム、鉛、それから塩素、塩化水素、それから弗素、弗素化合物、こういったものの排出基準は四十六年の六月に設定または改定の強化をいたしてまいったわけでございますが、さらにクロームや硫化水素、化学反応工程から排出されます硫黄酸化物等を有害物質として指定し、排出規制を行なうための調査を実施いたしておるところでございます。  またPCBについては、可能な限りPCBの分解消滅をはかるという見地から、四十七年の十二月に大気保全局長通知によって、焼却処分する場合における排ガス中の暫定排出許容限界を示したところでございまして、大気汚染の立場からの未規制の有害物質の対策調査をいたしておるわけでございます。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) 水質に関して申し上げますと、今年度ABSとアンチモンの調査を実施しました。来年度、ニッケル、窒素、燐につきまして調査を実施する予定にしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 三木長官、そうした重金属の複合という研究、あるいはまだ規制されていない、しかもどういう毒性があるか必ずしもはっきりしていないという、そういう問題に対しまして環境庁としての取り組みが非常に大事だと思います。これは先ほど来私が繰り返し申し上げたわけですが、よろしいですね。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 御指摘の複合汚染とか、あるいはまた有害性というものに対してよく調査をするとかいうことは、環境庁として大事な仕事だと思います。公害研究所もできますれば、これは非常に大きな仕事の一つだと考えておる次第でございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 それから建設省、下水道建設につきまして、先ほどの瀬戸内海の汚染防止対策にしましても、一つは産業排水であり、また重要な部分が家庭排水であることもはっきりしているわけです。そこで下水道建設が急がれているわけですが、建設省としましては、新しく下水道をふやしていくということが一つと、それから環境保全のためには窒素、燐を除去することがきわめて大切であるというような点で第三次処理ということが言われております。その辺の組み合わせをどう考えておられますか。

久保赳建設省都市局下水道部長

○説明員(久保赳君) ただいまの問題は二つあったかと思いますが、一つのほうは、現状の下水道の整備のスピードを早める、新しく下水道の整備を進めていく、こういう問題と、第二の問題は、その中における三次処理というものの取り扱いをどうするか、この二つであろうかと思います。  第一の問題につきましては、現在も第三次の五カ年計画が進行中でございまして、昭和四十九年度がちょうど四年目になります。この計画は総額二兆六千億円で、四十九年度でほぼその七七%ほどが進行する、こういう状態でございますので、その中で新しい下水道整備、新しく未整備地域の下水道整備を進めていくということを進めたいというふうに考えております。  それからなお、第三次処理の問題でございますが、第三次処理の問題につきましては、現状すでに環境基準がきめられておる中で、現在の処理の程度では不十分であって、さらに高度の浄化が必要であるということがはっきりしている地域もございます。さらにはまた、ただいま先生御指摘の窒素であるとかあるいは燐を除去しなければならないというような、特に閉鎖水域等の問題もございます。これにつきましては、第三次の五カ年計画の中で整備、設計、計画等に必要な具体的な調査並びに実験をすることによりまして、第四次の五カ年計画から、三次処理をも五カ年計画の中で実施し得るようにということで準備をしておるところでございます。

小平芳平公明党

○小平芳平君 一九七二年のアメリカとカナダの五大湖の汚染防止協定、これはどのような内容か、簡単に御説明いただけますか。

久保赳建設省都市局下水道部長

○説明員(久保赳君) カナダとアメリカとの協定で私ども承知いたしておりますのは、特に五大湖の問題が中心であったかと思います。それ以外の河川等についても、河川の流域単位に協定が結ばれているのが一部ございますが、主要点は五大湖の汚染防止の内容になっておるかと思います。その中で、たとえば五大湖における船舶からの排水問題であるとか、あるいはまた五大湖に流入する下水道からの燐の除去の問題それから両国による共同の調査の問題とか、そういうことが協定の主たる中身になっているというふうに承知いたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 結局アメリカ、カナダの場合は、五大湖の富栄養化を防ごうということが実際具体的に実行されようとしているわけですね。あるいは実行されつつあるわけですね。ですから、日本においても次の計画にのせようという御答弁でありますが、より一そう技術開発が急がれる、また、そうした富栄養化を防ぐことが急がれているというふうに理解してよろしいですか。

久保赳建設省都市局下水道部長

○説明員(久保赳君) ただいま特に富栄養化の問題に議論がいったわけでございますが、富栄養化の問題につきましては、現在環境庁におきましても富栄養化における原因なり、あるいは富栄養化現象そのものの究明の調査が進行いたしております。その中で燐が原因であるとか、あるいは窒素が原因であるとかいうことが明らかになってくるだろうと思いますが、燐の発生源はいろいろございまして、洗剤の問題もあるようでございますし、あるいはそれ以外の発生源等もございますので、それらの発生源の対策にあわせて下水処理、下水の中に含まれている燐の除去を考えるべきであるというふうに考えておりまして、総合的にやって効果をあげることがどういう方法が一番いいかということの検討を待って、事業化をはかるべきであるというふうに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 この点についてはもっと尋ねたいことがありますが、ちょっと時間の関係がありますので、最後に光化学スモッグ対策について伺います。時間の関係で問題を幾つか申し上げますので、お答えいただきたいのです。  第一に、昨年東京都が調査した結論はどういう結論になっているかということがおわかりでしたら、お答えいただきたい。  それから第二に、環境庁は本年度どのようにこの光化学スモッグ対策に取り組まれるかという点が第二点。  それから第三点は、この光化学スモッグによる被害者の救済対策というものが現在は何もないわけですが、こういう点についてのお考え。  以上三点についてお答えいただきたい。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) 光化学スモッグの対策の一環といたしまして東京都が行ないました調査につきまして、詳細なものをここに持参いたしておりませんのでございますが、私どもと共同して行なったものも多うございまして、その一、二を申し上げてみますと、光化学スモッグの発生機構、影響というものにつきまして、東京都はもちろん熱心におやりになりまして、特に昭和四十五年度から総合的に進めてきたようでございますが、私どもと東京都と一緒に行なってまいりましたのは、昭和四十六年度から、東京湾地域のいろいろな光化学反応を起こします要因物質の分布状態を調査いたしました。それから四十七年度及び四十八年度におきましては、大気汚染の実態調査を行なってまいったわけでございます。昨年におきますその調査の結果につきましては、ただいま東京都も取りまとめ中でございますので、詳細な結果が出次第御報告を申し上げたいと思います。  それから第二の問題は、環境庁が本年度行なわんといたしております問題といたしましては、まず第一に調査研究の推進、これが第一でございますが、これは大阪湾地域におきます光化学スモッグの要因物質と気象条件を中心に調査を行なってまいりたいと思っております。これは四十八年度からの引き続きでございます。  それからスモッグチャンバーによる調査も、もちろん引き続きでございますが、ことしは新たに健康被害と大気汚染物質及び気象ファクターというような、環境条件との相関の関連、特にわが国におきます、ロサンゼルス型の被害と違いまして、けいれんを起こすような重症被害はいかにして起こるのであろう、そういった究明をいたしてまいりたいと思っております。これは新規でございます。  それからまた、光化学スモッグの植物影響の調査を重点的に行なってまいりたいと思います。  それから次に炭化水素の問題がございますが、現在、炭化水素に関するいろいろな基準の問題を中公審の大気部会の専門委員会で検討をいただいております。これをなるべく早くまとめ上げてまいりたいと考えております。  それから窒素酸化物の排出規制でございますが、こういったものはできる限り強化する方向でまいりたいと思います。  それから自動車の排気ガスによる窒素酸化物の問題、これは非常に大きな問題でございますが、御承知のとおり、五十年度規制というものを四十八年度規制に続いて行なってまいりましたので、それの強化を行なうと同時に、軽油を燃料とする自動車の排出ガス規制等も強化してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) 先生から御指摘のございました光化学スモッグの被害者の問題でございますが、公害の健康被害補償法の問題といたしまして、特に大気保全局長が触れられました、手足がしびれたり、けいれんを伴って非常に重篤な臨床症状を呈するというものの問題が一番重大な関心を持っておることでございます。それで公害健康被害補償法では、窒素酸化物の排出等も、これも計算に入れようということで考えておりますので、このような問題をどのように扱うかということを私どもは考えているわけでありますが、この問題につきましては、現在、先ほど大気保全局長が御説明いたしましたように、いまのところ汚染とこの重篤な臨床症状の発現との間の関係というものが、もう少しまだ不明な問題があるということでございますので、その究明が進められておりますので、その結果を得て、公害健康被害補償法としてどう扱うかということを最終的にきめたいと、そういうぐあいに考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 三木長官、あとでお尋ねしますから、ちょっとお聞きください。  そうすると、審議官のいまの御答弁では、公害健康被害補償法の救済に入れるために、入れるためというか、要するに汚染と健康被害との関係がいま少し不明な点があるので、それさえはっきりすれば公害健康被害補償法に入れます、こういうことですか。

橋本道夫環境庁長官官房審議官

○政府委員(橋本道夫君) おおよそそういう方向のことを考えております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 最後に三木長官に。  長官も御承知かと思いますが、四十七年五月、石神井南中学で授業中にこの光化学の被害を受けられた先生が、公務災害補償の請求をしたが却下になったということが報道されておりました。公務災害補償の問題はこの委員会の問題とはちょっと違いますが、実際問題生徒は公務災害にもならないし、また地域住民も公務災害にはならないわけです。したがって、いま審議官は、大体公害健康被害補償法によって救済する方向でもう少し検討が必要だというふうな御答弁でしたが、長官、ひとつ推進をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 環境汚染と人体の影響についてはもう少し調査研究をしなければなりませんが、やはりそういうものも将来含めていきたいという方向で調査研究をいたすことにいたしております。

小平芳平公明党

○小平芳平君 時間ですので、これで終わります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは最初に、本日判決がありました大阪国際空港の判決に関連をいたしまして、大阪空港問題について最初にお伺いをしたいと思っております。  今度の訴訟につきましては、まず、たいへん耐えがたい被害を受けておる住民から見ますと、きわめて控え目な要求であったと思うわけですが、これが裁判では認められなかったということで、たいへん遺憾だというふうに考えておるわけでございます。  しかし、それに際しまして環境庁長官の談話が発表されております。詳細はよくわからないわけですけれども、特に今回の判決を一つの契機として受けとめるという立場で談話を発表しておられますので、最初にお伺いをしておきたいと思うのですが、これは長官の談話にも触れておられるように「他の飛行場に比較し深刻な環境条件の下にある」ということをお認めになっておるわけですが、こういう住民が耐えがたい被害の中で、国を相手にして訴訟をしなければならないというふうな事態に立ち至ったということは、相当長期にわたる耐えがたい被害をがまんしてきた、もうがまんし切れなくなった住民の、ほんとうに国の行政の怠慢、これに対する告発だと思うわけです。そういう立場で運輸省もまた環境庁も、少なくとも反省をし責任を感じておられるのかどうか。その点がまず第一点です。その点についての御見解をお伺いしたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私がこの判決を騒音対策を拡充していく一つの契機として受けとめたいというのは、そういう反省も加えての発言でございます。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 大阪国際空港は過密の都市化の中にございまして、空港周辺の住民の皆さま方にたいへん御迷惑をおかけしておるということは、飛行場行政を担当しております私といたしましても、また先ほど大臣、航空局長が話しましたように、そういう点については十分認識をいたしております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういう上に立ちまして、判決理由でも、これは詳細はわかりませんけれども報道の範囲でございますが、騒音の被害はきわめて甚大である。それから責任が会社にあるのはもちろんだけれども、国の管理責任からいって、被害を国が与えてる。したがって被告である国は不法行為責任は免れないというふうに言われているわけでございます。少なくとも、被告である国が不法行為責任を免れないと判決でさえ言われておるという立場に立って、住民の要求に対処していくということはきわめて重要だと思うわけです。  訴訟に提起されている住民の要求というのは、私先ほどささやかだというふうに申し上げましたけれども、受けている被害の甚大さから言いますと、きわめてささやかな要求だと思う。差し止め請求で、せめて夜の九時から十時までを何とかしてとめてほしいというふうな、これはがまんできる限度ぎりぎり一ぱいをほんとうに切望しているというふうに思うわけです。過去に受けた被害の補償等についても、非常に控え目な要求になっておる。今後直ちに解決できないということがわかっておるという事態の中でも、法外な要求を出していない。補償についてもきわめて控え目な要求であり、特に具体的な施策についてもきわめて控え目な要求であったわけですけれども、そういった特に具体的施策についての控え目な要求について、当然責めを負うべき行政の責任者である運輸省が、少なくともこれを住民の要求に基づいて解決するという姿勢を貫いておれば、あの住民が政府を相手に告訴というふうなことを起こさずに済んだのではないか。  その点について先ほど反省をしておるとおっしゃっておられますけれども、その点を深く認識をしていただきませんと、先ほど運輸大臣も若干御意見をお述べになっておられましたけれども、その点の解決については、住民の要求と大きく離れてくるというおそれがあるということを非常に心配をするわけです。  そこで、長官の談話の中の一に書かれておることについてちょっとお伺いをしたいのですが、少し理解をしにくいので、先に質問をその点についてしておきたいと思います。というのは、一の最後のほうで「将来新空港が供用された時点においても、なお環境基準が達成されない場合は、廃止も含めて、空港問題を根本的に再検討すること。」というふうにお述べになっておられるわけですけれども、「廃止も含めて」ということは、国際空港を関西から廃止するということをも含めてという意味ですか。現状の大阪国際空港を廃止ということなんですか。どちらでしょう。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 現状の国際空港、現状の伊丹の空港ということでございます。それは私はやはり国際空港が、関西にはそういうものが要らぬのだとは言えないという考えがあるからでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうすると、この文章を拝見しておりますと、新空港が供用された時点においても環境基準が達成されない場合は廃止も含めてというふうに受け取れますもので、新空港も含めて廃止も考えるぬいうふうな御見解のように見えるのですが、これはそうじゃないのですね。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) それは、そういうふうに読まれるとするならば、文章が意を尽くしてないので、関西には国際空港は要らぬということは言えない。そうなってくると、やっぱり一つ国際空港が必要である。それができますれば、そうすれば、それでもなおかつそれが使えるようになっても、環境庁の言っておる環境基準が依然として守れないというようなことになれば、もっと空港というものを根本的に考えたらいい。その中には廃止も含むんだと、そういう意味でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 その御見解はわかりました。  それで今度の判決で問題になろうと思いますことは、一定の国の責任、つまり不法行為責任というふうな表現でいわれておりましたけれども、そういう不法行為責任が免れないといわれておって、しかも公共性の立場からといって、住民の非常に甚大な被害というものも認めておりながら、公共性の問題を優先をして、差し止め請求が請求どおりにならなかったということになったと思うのです。そこで、そういった立場に立ってはおりますけれども、判決のぎりぎりのところはそうなっているのだけれども、内容から言いますと、やはり公共性ということだけで住民にがまんだけをしいることはできない、あるいは補償を免れることばできないというふうな文言もあったように思うわけです。  そういう立場でいたしますと、特に談話の第二の項ですね、「現空港の発着便数を極力減少するとともに、特に東京−大阪間のジェット機の大幅減少を行うこと。」これは一つの住民の要求ではありますけれども、先ほど運輸大臣がエアバスを入れて半分に減らすというふうに簡単におっしゃっておられたのですけれども、そのあたりについてもたいへん私は心配するわけです。  といいますのは、これは時間をかけてよくお伺いをする機会がありましたら、また別の機会に聞きたいと思っているのですけれども、現状でも大阪−東京間の乗客というのは激増しているわけじゃないのです。むしろ減りぎみになっているという状態が数値では示されている。そういう中で、エアバスを使ってとにかく発着回数を半分にするんだというふうに単純に御答弁になっておられるのですけれども、そう簡単にそれが実現できるのであれば、おそらくいままでにこれは決着はついていたのではないかというふうに思うわけです。その点についてはどうです。住民の意見はどうです、これについて。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 東京−大阪間につきましては新幹線もございます。しかし、現在の日本航空あるいは全日空の東京−大阪便のロードファクターと申しますか、これを見ますと、決して下がっておりません。時間帯によりましては相当満席で飛んでおることは事実でございます。そこで、この航空輸送の需要を一応満たし、かつ減便をするということになりますと、どうしても大型機、ことに低騒音の大型機を導入いたしまして、客席数はある程度ふやす、そうして便数を減らすということにならざるを得ないかと存じます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 飛行場部長はどんどんふえているとおっしゃるのですがね。大気保全局長、ふえていますか、計数。

春日斉環境庁大気保全局長

○政府委員(春日斉君) いまここに資料を持ち合わせておりませんが、ほぼ横ばいないしは東京−大阪間の旅客に関してのみいえば、むしろ減りぎみのように記憶いたしておりますが。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 速記を起こして。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 幹線で国内線の実績の推移を見ますと、東京−大阪は、四十五年度が二百八十七万人、四十六年度が二百五十三万人、四十七年度が二百四十五万人でございます。なお、座席利用率は、四十五年度が七四%、四十六年度が六五%、四十七年度が六六%というふうになっております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 いまお述べになりましたように、東京−大阪間については現実には減っているわけです。私はエアバスの問題について先ほどお聞きをしたのは、住民がどう言っているか、エアバスで半分に減らせるのだったら、判決を待たずにその部分については解決しているのではなかったかというふうに申し上げた。その点についてはどうですか。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) エアバスにつきましては、先生御存じの大阪空港の周辺をやっております十一市協の御意見は、十分われわれは伺っております。これに対しまして、エアバスの大きさに対する威圧感ということで、住民の皆さまが必ずしもエアバスの乗り入れに賛成をしているわけではないということは存じております。なお、われわれといたしましても、関係課のほうから十一市協の伏見会長に対しまして、住民の皆さまの御了解なしには大阪空港へのエアバスの乗り入れを強行しないというようなお手紙も差し上げてございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういう状況になっておりますし、いまおっしゃったように、あのエアバスに頭の上の三十メートルや三十五メートルのところを飛ばれたら、下に住んでいる住民がいかなる威圧感を受け、あるいは墜落の危険の恐怖にさらされるかというふうなことが大問題になっておるわけなんで、そういう点について、私は運輸大臣が軽々にああいうふうにおっしゃるというあたりが、やはり住民から告発を受けて十分に反省をしている態度というふうには理解しにくいわけです。  そこで特に申し上げておきたいと思いますのは、先ほどもちょっと触れましたように、今度の判決というのが、住民の甚大な被害というふうなものが認められ、あるいは管理責任者である政府の不法行為責任、これも免れないというふうに指摘をされておりながら、公共性の問題が優先されているというのが差し止め請求の結論的なあらわれだと思うのですけれども、そこで私は、やはり航空機についての、特に大阪空港についての公共性についてはもう少し明らかにする必要があるのではないか。特に、いま東京−大阪の問題が出ましたように、乗客は漸次減ってきておるという事態を見ましても、これはまさに必須条件として必要な交通機関ではないという証拠なんです。それが一つです。  それからもう一つは、政府がよく言われるように、大阪空港というのは不特定多数の共同利用施設だというふうに言われておりますけれども、実際にはこれは日本航空、全日空、東亜国内航空を中心とする占有的な、独占的な利用施設だというふうな状況、あるいはまた最近、全体としての航空の需要の激増あるいは増加というふうなものは、これは自然発生的な国民の要求というのではなくて、むしろ観光会社や航空会社による観光ブーム、そういったものによる利潤追求のためにつくられている需要という側面もかなり大幅にあるというふうな状況になっていると思うわけです。  こういうふうな意味合いから見ますと、公共性という名前のもとに、これは住民が常に言うように、公共性という名前のもとで私企業がこれを隠れみのにして利潤追求を行なっている。これを政府が庇護しておる、守っておるというふうに、これは住民は言っておりますよ。こういうふうな結果に受け取られてもやむを得ないというふうにしか思えないわけです。  したがって、そこで特に申し上げておきたいのは、裁判でも言われているように、不法行為責任が免れないとまで指摘を受けているわけだから、少なくとも住民から告発を受けた反省の上に立って、住民要求を実現していくという立場から言いますと、たとえば便数を減らすというふうな問題につきましても、住民の意見をよく聞くという立場を貫くかどうかという点が非常に重大な要件になるのではないかというふうに思うのですけれども、その点はこの大阪−東京間のジェット機の大幅減少にとどまらず、そういった点について今後住民の意見をくみ上げて、いまの指摘されている政府の責任、これを果たしていくかまえを持っているかどうか。その点についてお伺いをしておきたいと思います。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) 現在、大阪国際空港に発着いたします便数につきましては、毎月、発着規制委員会と申しますか、地元十一市協の皆さま方と十分御相談をいたしております。ことに年末年始のように増便を必要とするときでございましても、地元住民の皆さまから強い反対があれば、われわれは増便を認可することはいたしておりません。今後も大阪発着の便につきましては、東京−大阪便のみならず、全般的な見直しをいたしまして、この点運輸大臣も先ほど申しましたように、大阪空港の減便というものをどのようにして実現できるかということを全体的な立場に立って検討を続けていきたいと考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは当面、さしあたって住民の切なる要求というのは減便と時間の短縮ですね。そういった点について、これは指摘されている政府の責任を果たしていくという立場でさらに検討を続けていくかどうか。また環境庁長官としても、そういった立場を前進させるようにお取り扱いになるかどうか。その点についてお伺いしたいと思います。   〔委員長退席、小平芳平君着席〕

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) これは東京−大阪間は新幹線もあるわけですから、代替の輸送機関というものがあるわけですから、私は極力減らしたい。これをどういうふうにして減らしていくかということは運輸省にも研究してもらいたいと思いますが、やはり極力減便をしていくことが地元民の騒音に対するいろいろな被害を低減する一番近道だと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 運輸省の方。

隅健三運輸省航空局飛行場部長

○説明員(隅健三君) いま三木長官もおっしゃいましたように、大阪空港発着の便数につきましては、一便一便慎重に検討をいたしまして、減便の方向で検討を続けていきたいというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは次へいきますが、談話の第四で、先ほども各委員から若干触れられておりますが、「現在の交通体系は環境保全の面からの検討が十分ではない。さらに、資源問題の情勢変化もあるから、その点も考慮し、総合交通体系を抜本的に再検討すること。」というふうに、たいへん重要な内容と思える点が四番目に談話に発表されております。これについて、これはどういうことなのか、具体的に伺いたいと思うのです。   〔委員長代理小平芳平君退席、委員長着席〕  というのは、今度の判決の問題点の一つは、公共性を優先するのか、あるいは住民を優先するのかという点なんですね。住民の環境権というのですか、人権ですね。これを優先させるのかというのが基本的な争いの一つであったと思うわけですけれども、そういう点で少なくとも国が行なう公共事業というのは、当然国というのは憲法や、あるいは環境庁であれば公害対策基本法、そういった法律を守るということがたてまえになっておる政府機関がやる事業なのでありますから、当然これをかっちりと守るということが前提でなければならぬというふうに思うわけです。そういう立場で、国の不法行為責任は免れないというふうに指摘をされているのですから、少なくともこれは憲法やあるいは公害対策基本法、この立場を貫いて住民の要求に対処していくべきではなかろうかというふうに思うわけです。これは公共性を優先するために住民にはがまんをさせてよろしいという結論ではないわけですからね。その点についてはっきりとした姿勢を確立をしてもらいたいというふうに思うわけです。  そういう立場に立っていきますと、これは特に環境庁にお伺いをしたいのですけれども、長官も談話でお述べになっているように、環境保全の面からいって交通体系は検討が十分でない、さらに、総合交通体系を抜本的に再検討することが大事だというふうに述べられておるわけですが、まず、当然そういう立場に立つならば、従来のいわゆる長官もおっしゃった空港だけではなくて、新幹線あるいは高速道路あるいは原発あるいは幹線道路、そういうところについて少なくとも見直しをして、具体的な策を立てていかなければならないいということがいわれておるのかどうかという点です。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私は、一ぺんこの機会にやったらいいと思うのは、数年前に総合交通計画というものがあるわけですよ、そのときには環境問題とか資源の問題というものが、そのことも頭には入れてあるわけですけれども、そのことを踏まえての総合交通体系としては不十分だと思うのです。これからは環境とか資源を踏まえて、これは選択の問題もあるでしょう、飛行機か、新幹線か、高速道路かという、こういう選択の問題もやはり交通体系の中の一つの重要な問題ですね。それがまた個々の公害防止というのがありますからね、たとえば空港をこれからつくるにしても、もっと空港の立地というものを航空機騒音を起こさないような立地を考えなければ、いまの伊丹のような状態であればなかなか防音装置といっても徹底しませんから、それからまた新幹線の場合でも、もう市街地を通れば騒音問題というのは、これもまた防音装置だけでは不徹底でもありますから、そういうふうな個々の公害防止についても交通体系を考える場合に頭に入れて、もう一ぺん見直してみる必要があるということを私は言ったのです。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 これは見直していただくということはきわめて重要ですね。たとえば大阪でも一番最初につくりました高速道路などというのは、道路の端と民家との間というのは六十センチしかあいてないのですね。当初できた当時の交通量と現在ではたいへんな違いがあります。わずか六十センチしかあいてないというふうな建設計画で進めてきたというところに、やはりいま重大な問題が起こっているわけです。そういう点で現状の空港あるいは高速道路、新幹線等見直していくということについては、ぜひやっていただきたいというふうに思うわけです。  それからさらに、できてしまっているものについては見直して手を打っていかなければならぬという問題があるわけですけれども、先ほどから鹿児島の例などが持ち出されておりましたけれども、全く同じだと思うのです、今後の課題についても。そういった点で経済社会基本計画というふうなものができておりますし、四十八年度から五年間ぐらいで、ざっと計算しますと九十兆ぐらいの公共投資がなされようとしているわけですね。こういう点について、その中身というのはやはり新幹線あり、高速道路あり、空港あり、港湾あり、あるいは橋梁がありというふうな、大規模な公共事業の投資がいまの段階で計画がなされているということなんですが、少なくとも過去の状況を見直すということになるならば、今後の課題についてもこれは計画の見直しだとか、あるいは施設の設置基準の規制の強化だとか、そういった点について検討するべきではないかというふうに思うのですが、その点も含めてこれは総合交通体系を抜本的に再検討するという中身に入っておるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) そのとおりです。やはり将未の場合も、問題が起こってから処理するというのは不徹底ですからね。だから、将来に向かってもそういう眼でもう一ぺん計画を再検討してみることが必要であるということを申しておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 将来の点についても見直しをするということですが、少なくともこの公共事業の公共性ということがたてになって、住民に犠牲をしいたり、がまんをさせたりというふうなことが今後やられないという保証が非常に大切ではないかというふうに思うので、その点について特に厳重に、特に環境庁といたしましてはそういった立場を十分踏まえて対処していただきたいというふうに思うわけでございます。特に、新空港の問題はあまり論議には出てきませんでしたけれども、新空港の問題等が出てまいりますと直接的にその問題が関連をしてこようかと思います。したがって、公共事業の公共性と住民の生活権やあるいは環境権、あるいは人格権、そういったものとの対比というのは、これは公共性によって住民が犠牲にされるということは今後一切ないように進めていただきたいと思いますが、その点について再度お伺いをしたいと思います

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 空港自体は公共性を持っていると思います。今日やはり不特定多数の人に利便を与えておるわけですから、空港が一部の人の利益のために奉仕しておるという考え方は私はとらない。しかしその場合において、それなら公共性を持っているからといって地域住民の生活環境を破壊していいということでは成り立たない。なぜならば公共性の中に、良好な環境を維持していくということも今日においては大きな公共性でないでしょうか。だからそこを、生活環境を破壊するというようなそういうことのないように、飛行場は要るわけですから、空港をやはり将来は建設していくということで、そういうことを考えることがこれからの政治の知恵でないでしょうか。行政をしておる者もそういうことを考えなければ、まあ飛行場というのは多少は騒音が伴いますから、少しでも音がしたら違憲だということになれば飛行場は成り立たないわけですが、その点を、生活環境を維持しながら公共性を持っておる飛行場をどうして建設していくかということがこれからの課題だと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 私が申し上げているのは、住民も飛行場をすぐにやめてくれとは言ってないわけですね。がまんできるだけはしよう、しかし公共性だということで、がまんできないことを長年にわたって押しつけるというやり方についてはやめてもらいたいと言うているわけですから、少なくとも公共性という旗じるしでまわりの住民に犠牲だけをしいるというふうな結果にならないという点がきわめて大事な点ではないかということを申し上げておりますので、これは長官、異論ないでしょう。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) もちろんです。犠牲ということですが、実際、飛行場というものはうるさいですよ。飛行場というものが周辺にあればうるさいが、しかしそのうるさいということが非常な生活環境破壊というものを伴うようなことであったならば、飛行場は公共性を持っておるからといって地域住民を押えつけていくということはよくないと思っております。これは個々の問題として具体的に考えなければならぬが、公共性といっても、多数の地域住民の生活環境を破壊して公共性を貫いていくということは許されないと私は思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういう立場で、少なくとも住民に長い間ずいぶん耐えがたいがまんをしいてきているというふうな状況から、いろいろな問題が発生していると思うのですが、先ほども小平委員からも杉原委員からも指摘されましたように、現実に健康被害、生活被害等が起こっているわけですね。これに関連して先ほど若干前向きの御意見が長官からもお述べになられたようなんですけれども、少なくともあれだけ、疾病として現状は確認できないというふうな諸条件はまだ残されておると思いますが、現に精神的被害が出、肉体的被害が出、あるいは生活上の被害が出、教育上の被害が出ておる。教育上の問題は健康被害じゃありませんけれども、そういう状況の中で非常に顕著な変化が出ておるわけですね。長官もよく御承知のように、鼻血が出る、あるいは頭が痛い、耳鳴りがする、耳が遠くなる、あるいは子供を流産する、子供がたいへん寝つきが悪くなるとか、よく眠らないとか、不安定な状態になるとかというような非常に具体的な状況というのが出ているわけです。  あれだけの状況の中で、長官のおっしゃるように、音源を直ちにストップして原状回復ができるという状況でないのですから、少なくともこの健康被害でもせめて救済をしていくという必要があるのではないか。その辺は前向きにとおっしゃったのですけれども、私は最小限度、この健康被害補償法の対象にでもして救済措置を直ちに講じていくかまえが必要ではないかというふうに思うのです。どうでしょう。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) いま健康被害補償法の対象には考えておりませんけれども、しかし、実際にいろいろな障害が起こった人も、テレビなんかで見ておると、この間も私見ておったんですよ、子供の鼻血がでるというああいうこともありますから、これは関係各省てあさって相談しようと思っていますから、いろいろ相談をしてみたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 関係各省と御相談をいただくということなので、長官がおっしゃったので私は安心はちょっとするのですけれども、衆議院でわが党の議員が質問をした際に、現状の補償法になじまないからだめなんだというふうな御意見が出されていたと思うのです。その辺が一つ問題があると思う。  確かに現行の健康被害補償法というのは、急性症状は全然入ってないわけですね。全部慢性疾患あるいは慢性症状、そういうものが救済の範囲に入っておるわけなんですが、公害被害による人体影響というのは、次から次と新しい事態というものが起こってくるのが公害の特徴だと思うのです。従来の既成の疾病だけがその範疇に入るものではなかろうと思う、実際には。現実には身体被害が起こっているというのは客観的事実なので、そういった点についての、これは難病対策でもそうですよね、根治療法がいまできないからといってほうっておくということはできないと思う。同じだと思うのです。少なくとも現に健康被害が出ているというものについては、対症療法等も含めて健康被害の補償ができるような体制、これを直ちに進めるべきだと思うのです。  特に、疾病と公害との因果関係というふうなも辺か明確でないという点か、一つの問題点になっております。しかし、こういう問題を究明するというのは、一体だれが究明するのか。患者が究明するのじゃないのです。被害者が究明するのじゃないので、少なくとも判決でもいわれているように、いわゆる違法行為責任があるんだというふうにいわれておる。これた国が責任をもって少なくとも因果関係やあるいは疾病の状態、そういうものを直ちに究明をして、そうして一日も早く健康被害の救済という点で踏み切るべきだ。実にわずかな施策だと思いますけれども、そういうことさえいままでやられていないということについて、住民は非常に大きな怒りを感じているわけです。その点はどうですか。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) いま衆議院でのお話が出ましたが、私の申し上げておりますのは、健康被害補償法の体系としては、疾病をとらえてこれに対する補償をやるということでございますから、この中に取り入れるということは当初から考えていないということを申し上げているわけでございます。もちろん、航空機騒音によります健康影響がある、あるいはまた先生がおっしゃる被害が何らかの意味である、これは当然あり得るわけでございますから、そういうことにつきましての救済措置あるいは補償措置、そういうものが必要な場合には、これはむしろ発生源が特定しているということもございますので、そういう防止対策と救済対策というのはやはり一元的に処理すべきじゃないか、こういう考え方もこの健康被害補償法の中に入れなかった中にあるわけでございますから、大臣から御答弁申し上げましたように、関係各省で相談しました上で、その点は今後の扱いを検討すべき事項だ、こう考えておるわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それで、これは長官の談話の五に書かれております「空港周辺の土地利用及び建築制限等の規制措置をとるよう新しい制度を検討すること。」というふうにお述べになっておられるわけですが、これはどういうことでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 私は、近代のような空港のときには都市計画みたいなものが要るんだと思うのです、空港の。いまそういう適用は、やっぱり土地というわけでもないですからね、だから、土地の計画の中に入れば調整区域などで入っていろいろな点で制約を受ける。いまは制約がないのですから、みな建築も自由にできますし、土地利用に対してのいろいろな規制もない。これはやはり親切なやり方でないと思うのです。私権の尊重といっても、それはそういうことになれば将来いろんな被害を受けること明らかですから。現行法ではできないのですよ、建築なんかの規制もできないでしょう、いまのでは。そういう点で空港というものが近代的な生活において不可欠な施設であるとするならば、それを前提としてもう少し将来禍根を残さないような、いまの法制でそれができないならば、制度的にも考えてみたらどうかということを言ったわけでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そうしますと、これは別に新しい法律を制定していくということをお考えになっておられるんですね。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 現行法でできない場合には、やはり新しい法律をつくらざるを得ないです。これは各省と関係があることでしょうから、今度の関係閣僚会議にも私は持ち出してみたいと思っておる点でもございます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) ちょっと委員長から長官、一問だけお伺いしたい。  実は明日、運輸委員会にお越しいただきまして少しお尋ねするようにしておりますが、私も先ほど夕刊の見出し程度の認識しかございませんが、きょうの長官の談話というものは、おそらく判決の内容をかなり越えた非常に格調の高いものだ、こういうわけで私は大いに歓迎する。したがってこれからは、このことを空港、航空政策の政策ベースに実は採用してもらいたいというふうに思うのです。ただし、実際問題として考えてみますと、この中でも触れられておるように、総合交通体系という問題でもある、また経済基本計画という中にも将来の航空政策が入っている、あるいは運政審の答申の中にもそういうものはあるんですね。したがって、いま展開をされている航空政策というものと、少なくとも長官談話というものはかなりギャップがあるのです。  そこで、いよいよこれを政策ベースに置き直していく場合に、非常に大きな問題がその背景に存在することは想像にかたくない。そういう見解に立てば、いま申し上げるように政策ベースに置きかえるということになりますと、どうしてもこれは環境庁独自のものにとどまらないで、内閣一体としての統一見解的なものに発展をしなければなかなかこれは実現困難じゃないのか、こう思う。しかし、ここまでこの談話を評価いたしますので、ぜひそこまでひとつ広げてもらいたいと思うのです。  明後日の関係各省庁との協議というものが、そこを意図されたものかどうかまではよくわかりませんけれども、ぜひひとつ政府の一体的な政策ベースに置きかえられるように統一見解にまとめてもらいたいということと、ことに具体的なことになりますと、この中の五項でいわれている新制度を検討するということ、これは一体何を意味するのか。  私なりに一つの見解を持つ場合には、いままで空港の立地基準というものがない。そのために非常に混迷をしているわけですから、むろん一種、二種三種というそれぞれの空港の性格は違っておりますけれども、やはり立地基準というものをこの際は新制度として確立をして、既存の空港はそれに合わせていく。そのために厳重な点検が必要でしょうがね。これからつくろうとする関西空港などの場合には、そういう基準というものが一つの原則になりませんと、同じようなパターンを繰り返すことになると思うのです。よって、五項にいわれている制度とは、立地基準というようなものを意味するのかどうか。この辺どうです。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) これはまあ立地基準と、大きくいえばそう言えるでしょう。何にもないのですからね、空港は。都市計画的なものはないのですから。そういう意味で、もう少し空港というものに対して立地基準といいますか、そういうものがないと問題を毎回繰り返すだけだという反省も、その中に加わっておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 統一見解、どうですか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) これはちょうど明後日に関係閣僚も相談をしますから、そういうことで、それで相談をいたしてみます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 ちょっと時間があまりありませんから、水質保全、特に分析化学研の問題、所信表明に関連して二、三お聞きしたいと思ったのですけれども、今回はやめて次回に回すことにします。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 本件に対する本日の質議はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後五時五十六分散会

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