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72回国会参議院1974/02/14

公害対策及び環境保全特別委員会 第3号

発言数
30
登壇者
10
会派数
2
開催日
1974/02/14

会議録

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る一月十九日、藤田進君及び小野明君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君及び矢山有作君が選任されました。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 理事の辞任につきましておはかりいたします。  杉原一雄君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に矢山有作君を指名いたします。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事長江口俊男君の出席を求め、同事業団の事業及び予算について説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。  公害対策及び環境保全の基本施策について三木環境庁長官から所信を聴取いたします。三木長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理・外務大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 第七十二回国会における参議院公害対策及び環境保全特別委員会の審議に先立ち、私の所信を申し述べたいと思います。中東戦争を契機とする石油危機により、はしなくもわが国の経済成長の基盤は、限りある資源の上にあまりにも立ち過ぎていることが明らかになりました。  わが国は、これまで資源の有限性に対し今日のごとく深刻に考えず、資源を消費し、生産の拡大と物的生活の向上を追い求めてまいりました。しかしながら、このことは公害の発生と自然環境の破壊をもたらし、国民の健康を害し、生活環境悪化という深刻な事態を引き起こすに至ったのであります。  今日、国民はだれ一人として環境問題の重要性を認識せざる者はなく、いまや最大の政治課題の一つとなってまいっております。  限りある資源は石油のみではありません。きれいな空気も、澄んだ水も、豊かな大地もかけがえのない貴重な天与の資源であります。  全人類が共有するこの有限な資源をいかに有効に利用し、子孫のためにいかにして確保すべきかを真剣に考え始めているとき、わが国のみがこの資源を大量に消費しつつひとり高い経済成長を遂げることはもはや許されなくなってまいりました。  いまや、わが国にとって「一つの時代」は終りを告げ、資源多消費型の産業構造生活様式の転換をはかるべき新たな時代へ、大きく一歩を踏み出すべきときにきたことを痛感するものであります。これがまた公害防止、環境保全並びに資源の保全の道にも通ずるものと考えます。  私は、環境庁長官就任以来、環境問題の解決に最大限の努力を傾注してまいりましたが、残念ながら緊急に解決すべき課題はまだまだ山積しております。私は、われわれに課せられた至上の命題であるこの環境行政の前進のため、引き続き全力を傾注する覚悟でありますが、当面次の事項に重点を置き、所管行政の積極的な推進をはかってまいりたいと考えております。  まず、第一は、公害規制の強化をはかるため、新たに総量規制方式を採用することであります。  すなわち、各種公害に係る環境基準や排出基準の設定、見直し強化に引き続きつとめるとともに、規制をより有効ならしめるため、特定の地域における汚染物質の排出総量の許容限度を定め、その範囲内に排出量を押えるいわゆる総量規制方式を採用してまいりたいと考えております。  このため、現在、大気汚染防止法の一部改正を検討中であり、成案を得次第今国会に提出する予定であります。  次に、公害の発生及び自然環境の破壊を未然に防止するため、各種の公共事業の実施及び地域開発について、その計画の各段階において環境に及ぼす影響の内容及び程度、環境破壊の未然防止策等について事前に十分評価を行なういわゆる環境アセスメントをさらに積極的に推進することとし、そのための手法の開発、審査体制の強化等をはかってまいりたいと考えております。  また、瀬戸内海の環境の保全に資するため、さきの国会において瀬戸内海環境保全臨時措置法が成立いたしました。  目下この法律に基づく各種の措置を講じつつあるところであり、先般汚濁負荷量を二分の一に減少させるための府県別限度量を決定いたしましたが、引き続き諸般の施策を早急に確立するとともに、東京湾、伊勢湾についても水質汚濁のシミュレーション調査を実施する等、広域水質汚濁対策の一層の推進をはかってまいります。  また、水銀・PCB等の有害物質やカドミウム等の重金属類によるいわゆる蓄積性汚染の問題は、緊急に解決すべき重要な課題であります。すでに、水銀等汚染対策推進会議の決定に基づき、全国の環境調査を実施するとともに、水銀使用工場におけるクローズドシステム化の促進、底質の除去等の対策を講じ、日本の海域を浄化するため今後引き続き対策を推進するほか、新たに、休廃止鉱山によるカドミウム等の環境汚染について広域的な調査を実施する等諸般の施策を強力に実施する所存であります。  不幸にして公害により健康被害を受けられた方々の救済に万全を期することは、最も緊急を要する課題であります。  昨年、公害健康被害補償法が成立いたしましたが、さらにその整備をはかるための所要の法改正を行なうとともに、その実施に当たる組織の整備をはかるなど、諸般の準備を進めているところであり、今秋にはこの制度の完全な実施をはかっていきたいと考えております。  公害対策を推進するためには、公害発生メカニズムの解明、公害防止技術の開発等が不可欠であります。そのため国立試験研究機関等の総力を結集して試験研究を強力に推進していくとともに、本年三月には筑波研究学園都市に公害に関する中核的かつ総合的な試験研究機関としての国立公害研究所を設置し、公害行政の一そうの前進をはかっていきたいと考えております。  公害の防止と並んでいま一つの重要な環境行政の柱は、自然保護の推進であります。  美しい国土、豊かな自然を保護し、これを次の世代に伝えることは、われわれに課せられた責務であります。これがため、昨秋明らかにした自然環境保全基本方針にのっとり、また現在実施中の全国にわたる動植物の分布、地形、地質等に関する自然環境調査を基礎として、積極的な自然環境保全政策を進めてまいる所存であります。  以上、私の所信の一端を申し述べましたが、今後とも本委員会及び委員各位の一そうの御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。  何とぞ、よろしくお願いいたします。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 次に、昭和四十九年度環境庁関係予算及び昭和四十九年度各省庁の環境保全関係予算について順次説明を聴取いたします。信澤官房長。

信澤清環境庁長官官房長

○政府委員(信澤清君) 昭和四十九年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十九年度総理府所管一般会計歳出予算のうち、環境庁予算の額は、百五十四億七千六百九十六万円であり、これを前年度の予算額百九億三千七百四十六万四千円と比較すると、増加額は四十五億三千九百四十九万六千円であり、その増加率は四一・五%であります。  このほか、建設省所管予算として国立公害研究所及び公害研修所の施設整備に必要な経費が計上されており、これらを加えた昭和四十九年度の環境庁関係予算の総額は百八十億一千七百万四千円であり、前年度に比し五十億一千三百六十八万八千円の増額となっております。  次に、予算の主要な項目について御説明いたします。  第一に、公害対策について申し上げます。  まず、大気汚染等防止対策及び水質汚濁防止対策については、環境基準の設定及び各種規制基準の強化を引き続き計画的に推進するほか、新たに大気汚染物資に関していわゆる総量規制を昭和五十年度以降逐次実施していくため必要な調査等を行なうこととしており、また、蓄積性汚染、自動車公害、振動、悪臭並びに航空機及び新幹線の騒音についての対策を確立するための調査を行なう等六億九千二百十一万円を計上しております。  このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費として六千五百二十一万円、土壌汚染防止及び農楽対策費として一億四千八百三十八万円をそれぞれ計上するなど、公害規制を強化する等のための経費として総額九億五百七十一万円を計上しているところであります。  次に、公害監視設備整備費については、新たに都道府県が整備する水質調査船について助成を行なうこととする等地方公共団体の監視測定体制を充実整備することを重点として十三億四千百五十九万円を計上しており、前年度に比し二億五千七百四十六万円の増額となっております。  環境保全企画調整等の経費については、いわゆる環境アセスメントの実施を促進するとともに、環境保全長期計画策定のため必要な基礎調査を行なう経費として四千百七十七万円、また、公害防止計画については、新たに八地域において必要な基礎調査を実施するため三千百四十万円をそれぞれ計上しているところであります。  次に、公害健康被害補償対策のため必要な経費として十八億八千五百七十九万円を計上し、第七十一特別国会において成立した公害健康被害補償法の施行に万全を期することとしております。  公害防止事業団については、その事業規模を八百二十億円に拡大することとし、これに伴う事務費等の助成費として十五億九千七十四万円を計上しております。  公害の防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一そう促進するため、総額三十六億六千三万円を計上しております。  このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として二十五億四千百二十七万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進をはかることとしております。  また、光化学スモッグに関する調査研究費一億八千二百万円、化学物質の審査判定のための基礎調査研究費六十万円、水質汚濁に係る総量規制導入のための調査研究費九千六百万円など公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁及び自然環境保全等に関する調査研究費として七億三千八百七十六万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として三億八千万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的な調整をはかることとしております。  さらに、昭和四十八年度中に発足させることとしている国立公害研究所に必要な経費として五億六千二百八十五万円、公害研修所に必要な経費として一億九千二百八十九万円を計上し、それぞれ前年度に比し大幅な予算の増額をはかっているところであります。  以上、公害対策費の総額は百二億一千二百八十二万円であり、前年度に比し三十七億八千五十六万円の増額となっております。  第二に、自然環境の保護整備対策について申し上げます。  まず、自然公園等維持管理費については、国立公園内の環境保全に要する経費に対する補助を大幅に拡充することとしているほか、九州自然歩道を整備するための調査を行なう等、施策を一そう強化することとし、三億四千七百七十四万円を計上しております。  また、交付公債による民有地の買い上げ制度については、その事業費総額を六十億円と予定し、このために必要な経費として四億八千百十五万円を計上しております。  鳥獣保護については、渡り鳥の保護対策を確立するため新たに湖沼の調査を行なうこととしている等、一億四千五百六十一万円を計上しているところであります。  さらに、国立公園等の整備をはかるため必要な施設整備費として二十二億九千八百五十七万円を計上しております。  以上のほか、自然環境保全対策費として六千九百十六万円を計上しておりますので、自然環境の保護整備対策費の総額は三十三億四千二百二十四万円であります。  なお、このほか、建設省所管予算として国立公害研究所の施設整備のため二十四億五千六百二十三万円、公害研修所の施設整備費として八千三百八十一万円がそれぞれ計上されております。  また、国立公害研究所の施設整備に係る官庁営繕の国庫債務負担行為として、新たに二十一億三千万円が予定されております。  以上をもちまして、昭和四十九年度の環境庁関係予算案の御説明を終わります。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 次に城戸企画調整局長。

城戸謙次環境庁企画調整局長

○政府委員(城戸謙次君) 各省庁の昭和四十九年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。  まず、歳出予算について御説明いたします。  昭和四十九年度における環境保全経費の総額は三千四百二十一億円となり、前年度の当初予算に比べ六百七十七億円、二四・七%の増加となっております。  このうち、一般会計分は三千百四十五億円と前年度の当初予算に比べ六百二十億円の増加となっており、各特別会計分は二百七十六億円と前年度の当初予算に比べ五十七億円の増加となっております。  次に、事項別に予算の主要な項目について御説明申し上げます。  第一に、各種基準等の設定につきましては、総額五億六千六百万円を計上しております。この経費は、環境庁等におきまして、環境基準及び排出基準の設定等の推進をはかるためのものであります。  第二に、監視取り締まりの強化につきましては、総額三十四億九千二百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、大気汚染及び水質汚濁の状況を監視測定するため、大気汚染監視設備整備費等九億一千四百万円、水質環境基準監視費等四億一千三百万円を計上しております。  また、各種化学物質による環境汚染を防止するため、環境庁、厚生省及び通商産業省におきまして、化学物質審査規制対策費三億一千二百万円を、運輸省におきまして、自動車排出ガス検査体制の整備を図るための経費六億三千六百万円、海上公害の監視取り締り体制の整備をはかるための経費三億一千五百万円をそれぞれ計上しております。  第三に、公害防止事業助成につきましては、総額五十二億三千五百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、公害防止事業団助成等経費十五億九千百万円を計上しております。また、農林省におきましては、漁業に係る公害の防止、漁場環境維持保全等のための経費十億三千万円、赤潮被害をてん補するための養殖共済における特約の創設に要する経費一億四千八百万円を計上するとともに、悪臭等の畜産公害の防止をはかるため、畜産経営環境保全集落群育成費七億三千五百万円を計上しております。さらに、通商産業省におきましては、金属鉱山による鉱害を防止するため、金属鉱業事業団運営費三億八千百万円を計上しております。  第四に、公害防止関係公共事業等の推進につきましては、総額二千七百二十一億五千八百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、下水道の整備を促進するため、建設省等におきまして、下水道事業費一千八百八十三億八千七百万円を計上するとともに、特に来年度からは、国庫補助率を大幅に引き上げることといたしております。  また、廃棄物処理施設の整備を促進するため、厚生省、運輸省等におきまして、廃棄物処理施設整備費二百十五億九千二百万円を計上しております。  次に、特に最近におけるヘドロ汚染、農用地の土壌汚染等いわゆる蓄積性汚染の問題に対処するため、農林省におきましては、カドミウム等による汚染農用地の客土事業等に要する経費として二億五千三百万円を、運輸省におきましては、港湾内の汚泥しゅんせつ事業に要する経費として十五億六千三百万円をそれぞれ計上しております。さらに、通商産業省におきましては、休廃止鉱山における鉱害防止事業に要する経費として十二億五千百万円を、運輸省におきましては、一般海域の清掃事業費として七億五千万円を、また、建設省におきましては、海底浄化対策事業費として一千万円をそれぞれ計上しております。  また、防衛施設周辺及び公共用飛行場周辺における騒音問題に対処するため、学校等の防音工事助成、家屋の移転補償等を行なうこととし、防衛施設庁におきまして二百四十四億三千八百万円、運輸省におきまして百三十七億円をそれぞれ計上しております。  このほか、都市における産業公害を防止するための緩衝緑地整備事業費として、建設省におきまして二十七億五千五百万円を計上し、また、地盤沈下防止対策として、農林省におきまして新潟地域特殊排水事業費十九億二千八百万円、通商産業省におきまして工業用水道事業費二十六億七百万円、建設省におきまして高潮対策事業費二十八億一千九百万円等をそれぞれ計上しております。  第五に、公害防止調査研究の推進につきましては、総額百八十一億一千八百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、各省庁の試験研究機関等における公害関係の試験研究の総合的推進をはかるための経費として二十五億四千百万円、公害研究所に必要な経費として五億六千三百万円を計上しております。  次に、農林漁業における環境保全的技術に関する総合研究を推進するため、農林省におきまして四億四千二百万円の経費を計上しております。  さらに、通商産業省におきましては、産業公害防止技術の開発を促進するため、重要技術研究開発費補助金二十二億二千万円を計上し、窒素酸化物の除去技術等の開発を重点的に進めるとともに、太陽エネルギー等の無公害な新エネルギーの開発を推進するため、新エネルギー技術研究開発費二十二億七千万円を計上しております。また、金属鉱業における坑排水対策及び蓄積鉱害対策のための調査研究を推進するため、三千五百万円の経費を計上しております。  第六に、公害被害者保護対策の充実につきましては、総額三十三億三千百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、環境庁におきまして、公害健康被害補償対策のために必要な経費として十八億八千六百万円を計上しております。  また、昭和四十八年度に水銀、PCB等被害漁業者等に対して行なった融資に対する利子補給に要する経費等について、助成を行なうための経費として、農林省におきまして十億二千五百万円を、通商産業省におきまして一億七千六百万円をそれぞれ計上しております。  このほか、新たに原因者不明の漁場の油濁による被害を救済するための経費として、農林省におきまして四千万円を計上しております。  第七に、自然保護対策の推進につきましては、総額三百五十九億二千四百万円を計上しております。  このうち、主要なものといたしましては、まず、自然公園等の維持管理及び鳥獣保護対策の充実をはかるため、環境庁におきまして四億九千三百万円を計上しております。  また、都市環境の緑化等を推進するため、建設省等におきまして公園事業費二百二十九億七千五百万円を計上しております。  次に、自然環境の中で良好なレクリエーション施設を整備するため、環境庁におきましては自然公園等施設整備費二十二億九千九百万円を、運輸省におきましては観光レクリエーション施設整備費二億一千七百万円を計上しております。  さらに、開発等に対して自然環境や史跡等を保護するため、民有地の買い上げを実施することとし、環境庁におきましては総額六十億円の交付公債を予定し、これに必要な経費として四億八千百万円を、また、文部省におきましては三十七億円の経費を計上しております。  このほか、港湾における緑地、遊歩道等を整備するため、運輸省におきましては二十三億七千百万円の経費を、また、海岸の環境整備をはかり、その利用の増進に資するため、運輸省、建設省等におきまして六億六百万円の経費を計上しております。  以上申し上げました事項のほか、主要なものといたしましては、大気汚染地域等における公立小中学校等の児童生徒の特別健康診断、移動教室及び学校環境の緑化促進事業等を推進するための経費として、文部省におきまして五億五千百万円を、廃棄物対策の一環として紙類の回収及び再生利用の促進のための経費として、通商産業省におきまして一億七千百万円をそれぞれ計上しております。  次に、公害防止関係財政投融について御説明いたします。  昭和四十九年度における公害防止関係財政投融資は、全体として事業規模または貸付規模において、総額五千三百二十二億円を予定し、前年度の当初計画に比べて四百四十六億円の増加となっております。  まず、公害防止事業団におきましては、事業規模において八百二十億円と前年度に比べて九十億円の増加をはかり、中小企業等の公害防止施設の整備等を促進することとしております。  また、日本開発銀行におきましては、貸し付け規模において千八十億円と前年度に比べ四百三十億円の増加をはかり、水銀汚染防止のための苛性ソーダ製法転換等を重点的に推進することとしております。苛性ソーダの製法転換につきましては、北海道東北開発公庫におきましても四十億円の貸し付け規模を予定しております。  次に、中小企業金融公庫におきましては貸し付け規模を二百億円に、国民金融公庫におきましては貸し付け規模を四十億円にそれぞれ拡充することとしております。また、農林漁業金融公庫におきましては、畜産経営環境保全施設に関し二十九億円の貸し付け規模を、金属鉱業事業団におきましては、金属等の鉱山の鉱害防止工事に関し二十二億円の貸し付け規模を、また、日本私学振興財団におきましては、私立学校の防音工事等に関し四億円の貸し付け規模をそれぞれ予定しております。さらに、東北開発株式会社におきましても、騒音防止工事に関し四億円を予定しております。  このほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため、地方債計画において三千八十三億円を予定しております。  最後に、公害防止関係の税制改正措置についてその主要なものについて御説明いたします。  まず、公害防止準備金制度並びに公害防止施設及び無公害化生産設備の特別償却制度については、対象となる業種または施設の拡大をはかるとともに、適用期限の到来するものにつきましては、これを二年延長することとしております。  また、廃棄物再生利用設備については、初年度三分の一の特別償却制度を創設するとともに、工場緑化費用について短期償却を認めることとしております。  さらに、金属鉱山等の事業者が金属鉱業事業団に積み立てる鉱害防止積立金について、課税の特例を認めることとしております。  最後に、公害防止事業団から事業協同組合等が譲渡を受けた土地をその組合等から再譲渡により組合員等が取得する場合の登録免許税の税率の軽減措置について、共同利用建物の敷地の用に供する土地をその対象に加えることといたしております。  以上をもちまして、各省庁の昭和四十九年度環境保全経費等の御説明を終わります。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 次に、公害等調整委員会の事務概況について説明を聴取いたします。小澤公害等調整委員会委員長。

小澤文雄公害等調整委員会委員長

○政府委員(小澤文雄君) ただいまから公害等調整委員会が所掌しております公害紛争の処理に関する事務の概況につきまして、御説明申し上げます。  公害等調整委員会は、一昨年の第六十八国会において制定されました公害等調整委員会設置法により、従前の中央公害審査委員会と土地調整委員会とが統合されまして、総理府の外局たる行政委員会として一昨年七月一日から新しく発足いたしたものでございます。公害等調整委員会は、公害紛争処理法の定めるところにより公害に係る被害に関する民事上の紛争について調停、仲裁及び裁定を行なうとともに、地方公共団体が行なう公害に関する苦情の処理について指導等を行なうほか、なお、従前の土地調整委員会の任務権限であった鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整をはかるという職務も行なっております。  続きまして、これら公害関係の事務の概略について御説明申し上げます。  第一に、公害等調整委員会が行ないます公害紛争についての調停及び仲裁は、ともに、紛争解決の基礎を当事者の合意に求めるものでございますが、当委員会が管轄する公害紛争は、人の生命、健康に重大な被害を生ずる公害に関する紛争、農作物や魚介類など人の生活に密接な関係を有する動植物に一億円以上の被害を生ずる公害に関する紛争、新幹線鉄道及び航空機の運行により生ずる騒音に関する紛争及び被害地、加害地が二つ以上の都道府県の区域にまたがる公害に関する紛争でございまして、いずれも、社会的に重大な影響を有し、かつ、広域的な見地から処理することが適当と考えられるものでございます。なお、当委員会の管轄に属さない公害紛争につきましては、公害紛争処理法に基づいて全国の都道府県が設けております都道府県公害審査会等が行なう和解の仲介、調停及び仲裁の手続によって処理されております。  第二は、公害紛争についての裁定でございますが、これには、責任裁定と原因裁定の二種類がありまして、ともに訴訟手続を準じた手続によって紛争を処理することとなっております。このうち責任裁定は、公害による被害について損害賠償に関する紛争が生じた場合に、被害者からの申請に基づいて、その相手方の損害賠償責任の有無及びその範囲について判断するものであります。一方、原因裁定のほうは、公害紛争においてその解明が困難で、当事者間の争いの中心となることが多い被害と加害行為との間の因果関係について、当事者からの申請に基づいて、その有無を明らかにする裁定でありまして、公害紛争の特質を踏まえて設けられた制度であります。  第三の事務は、地方公共団体が行なう公害に関する苦情の処理について指導等を行なうことであります。住民から申し立てられる公害に関する苦情の数は、その地域の環境問題の指標的な意味を持つものでありますと同時に、また、公害苦情は公害紛争の前段階的な性格を有しているものでありますので、その適切な処理をはかることは、公害紛争の発生の事前防止という面におきまして、きわめて重要な機能を果たすものであります。このような公害苦情の適正な処理の重要性にかんがみ、公害紛争処理法においては、これに当たるべき地方公共団体の責務を明らかにし、公害苦情相談員の制度を定めておりますが、公害等調整委員会は、地方公共団体が行なう公害苦情の処理について指導、助言、協力等をすることになっております。  次に、最近までの当委員会の事務処理の概要を御説明申し上げます。  公害紛争の処理に関しましては、当委員会に係属しましたものは五十件でありまして、いずれも調停の申請でございます。そのうち十件は、従前の中央公害審査委員会から引き継いだもので、残る四十件が、公害等調整委員会の発足後申請されたものであります。  これら五十件の調停の申請を公害事件別に見ますと、不知火海沿岸における水質汚濁による水俣病事件三十六件、渡良瀬川沿岸における鉱毒による農業被害事件四件、大阪国際空港周辺地域における騒音による生活環境被害事件六件、徳山湾における水質汚濁による漁業被害事件一件、燧灘東部海域における水質汚濁による漁業被害事件一件及び鹿児島湾における水質汚濁による真珠養殖不能事件二件でありまして、これらを通じて申請人総数は約一万二千六百人の多数にのぼっております。これらのうち、紛争処理が終結しましたものは十一件で、うち九件は調停成立、一件は県公害審査会に移送、一件は申請の取り下げがあったものであります。調停が成立した九件の内訳は、不知火海沿岸における水質汚濁による水俣病事件が人件、これは患者数七十五名になっております。それから燧灘東部海域における水質汚濁による漁業被害事件一件でございますが、これらの事件は、調停の申請後約一年半で終結いたしました。一方、申請の取り下げのあった一件というのは、鹿児島湾における水質汚濁による真珠養殖不能事件でございますが、この事件は、調停委員会の提示した調停方針に基づいて当事者間に和解が成立した結果、申請が取り下げられたものであります。そのほかの事件は、目下鋭意調停手続を進めているところであります。  また、最近取りまとめを終わりました昭和四十七年度の全国の公害苦情の総件数は、約八万八千件となっておりまして、前年度に比べて約一五%増加しております。これらを公害の種類別に見ますと、騒音、振動に関する苦情が三二%で最も多く、次いで、悪臭二五%、大気汚染一七%、水質汚濁一六%の順であり、これらで全体の約九割を占めております。  引き続き、昭和四十九年度の公害等調整委員会の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十九年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち公害等調整委員会の予算の総額は、二億三百七十九万二千円でありまして、これを前年度の歳出予算額一億八千九百四十三万九千円と比較いたしますと、一千四百三十五万三千円の増額となっておりまして、そのうち主たるものは、公害の因果関係の解明に要する調査のうち、特に専門的、技術的要素の強いものを外部の研究機関に委託するための公害紛争調査経費、及び公害苦情の処理について地方公共団体の職員に対する研修指導等を実施するための公害苦情相談制度の経費であります。さらに昭和四十九年度においては定員を三名増員することにより、事務局機構の整備拡充をはかることにしております。  以上が、公害等調整委員会が行なってまいりました公害紛争の処理に関する事務の概況及び昭和四十九年度の予算案の大要でございます。  なお、現在、当委員会において紛争処理制度の強化充実をはかるため、あっせんの制度を導入するなどを内容とする公害紛争処理法の一部改正について検討を進めており、追って所要の手続を経て今国会に提出し、御審議をいただく予定でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 次に、公害防止事業団の事業及び予算について説明を聴取いたします。江口公害防止事業団理事長。

江口俊男公害防止事業団理事長

○参考人(江口俊男君) 公害防止事業団の理事長でございます。  公害防止事業団の事業の概況と昭和四十九年度の予算の概要を御説明いたします。  まず、公害防止事業のこれまでの実施状況につきまして申し上げますと、事業団が昭和四十年十月一日に設立をされまして以来、昨年の暮れまで、昭和四十八年十二月三十一日現在までの八年三カ月の間に、造成建設事業におきまして八十六件、約七百億円、貸付事業におきまして千三百四十六件、約千三百五十億円、合計いたしますと約二千五十億円に及びまする事業を手がけてまいりました。  当事業団が行なっておりまする造成建設事業には、お手元にお配りしてあります資料の二枚目にございますように、共同公害防止施設の設置・譲渡、共同利用建物の設置・譲渡、工場移転用地の造成・譲渡、共同福利施設の設置・譲渡の四種類がございます。  共同公害防止施設に関しましては、三重県四日市の共同排水処理施設など十五件について、建設業務の受託及び譲渡契約を結び、十七億円を投じ、すでに十件について完成譲渡をいたしております。  共同利用建物につきましては、神戸ゴム工場アパートなど十四件、約六十七億円につきまして契約をし、そのうち十件が完成を見ております。工場移転用地は、契約四十一件中三十四件がすでに完成しておりまして、事業費はおよそ二百九十億円に達しております。  また、公害が発生するおそれが特に著しい地域に、工業地域と住居地域とを遮断するためのいわゆる緩衝緑地地帯を設ける共同福利施設としましては、市原、四日市、徳山等八件がすでに完成を見まして、現在、鹿島、鶴崎など七地区で工事を行なっております。この事業費は総計約三百二十五億円に達する見込みでございます。  一方、貸付事業のほうでございまするが、昭和四十一年度は十三件、二十四億円と、ごくわずかでございましたのが、ここ数年公害が大きな社会問題となるにしたがいまして、企業からの借り入れ申し込みも殺到し、資料の二枚目にありまするように、年間三百数十億円の貸付実績をあげるようになりましたが、本年度はすでに十二月末までに二百七十件、約三百六十五億円の貸付決定を行なってまいりました。  これらの建設施設の内容や、貸し付けの対象につきましては、御参考までにお配りをいたしました当事業団の「業務案内」の十三ページ以降に掲げてございますので、後ほど御参照を願いたいと思います。  次に、当事業団の昭和四十九年度予算案につきまして御説明いたします。  まず、事業費は、お配りしました資料の一枚目にありまするように、契約ベースで八百二十億円、その内訳は造成建設事業二百二十億円、貸付事業六百億円でございます。これは、四十八年度の事業費総額七百三十億円、その内訳造成建設事業費百八十億円、貸付事業費五百五十億円と比較しますと、総額で一二・三%、造成建設事業で二二・二%、貸付事業で九・一%の伸び率となっております。  また、資金ベースでは七百七十三億円、財投資金借入額では六百三億円でございまして、これは前年度の六百九十二億円及び五百七十億円と比較しまして、資金ベースで一一・七%、財投資金額で五・七%の伸び率となっております。  さらに、事業団の実施する事業のうち、共同福利施設いわゆる緩衝緑地の建設につきましては、その高度の公共性にかんがみまして、毎年補助金が交付されてきましたが、昭和四十九年度も二十七億五千万円余の国庫補助が行なわれることに相なっております。  以上のような事業量の増大に応じ、それを遂行するための事務費等として、人員二名の増員等を含め十五億八千九百万円余の交付金予算となっております。  以上が、簡単でございまするが、公害防止事業団の事業の概要と昭和四十九年度の予算案についての概況の説明でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) この際、日本分析化学研究所の分析データーに関する件について環境庁及び科学技術庁当局から報告を聴取いたします。藤本環境政務次官。

藤本孝雄自由民主党環境政務次官

○政府委員(藤本孝雄君) 日本分析化学研究所問題につきまして御説明を申し上げます。  国民に信用される公害行政を進めるためには、各種公害関係の分析測定が公正かつ科学的に実施されることが最も基礎的な要件であると考えております。  公害関係につきましても、その分析の一部を日本分析化学研究所に依頼をしており、今回の日本分析化学研究所問題により各種公害関係の分析値の信憑性につきまして国民に不安を抱かせたことは、まことに遺憾であります。  環境庁といたしましては、この問題を契機として、学識経験者の参加を求め、環境庁が直接または都道府県等を通じて間接的に日本分析化学研究所に委託した調査、分析の結果につきまして、検討委員会を庁内に設け、都道府県等とともに、その調査、点検を現在急いでおります。  その結果、かりに分析値等につき捏造等の事実が明らかとなった場合には、再調査を行なう等、国民の公害行政に対する不安を一掃するための所要の措置を講ずることといたしております。  なお、環境庁が直接または間接的に日本分析化学研究所に委託した分析件数は相当の数にのぼっておりますので、可及的すみやかにこの調査、点検を完了するよう命じているところでありますが、若干の期間を要しますので、この点につきましては御了承願います。  また、今回の問題を契機として、当面、民間の機関に分析を依頼する場合には、クロスチェックを徹底する等分析結果に対する信頼性の確保につとめるとともに、環境行政における今後の分析測定体制のあり方につきましては、現在の実態、将来の分析需要等を考慮に入れた上で、最も効果的かつ信頼を得られるものとするよう検討してまいりたいと考えております。  なお、日本分析化学研究所への委託の状況につきましては、政府委員から説明させたいと思います。

森整治環境庁水質保全局長

○政府委員(森整治君) お手元に「財団法人日本分析化学研究所に対する支出(見込を含む)額調・環境庁」というのがございますが、これについて若干御説明を申し上げたいと思います。  環境庁が分析研に委託しております事業は、四十六年の農薬残留対策調査費、四十七年、四十八年、いずれも農薬残留対策調査費を委託していますが、四十六年の調査は、農作物に農薬がどのくらい残留しているかということの分析の委託でございます。これが大体全体から申しますと約二四%程度に相当いたしますが、原則としては県の農薬試験場が中心になって分析をしておりますが、二四%程度四十六年度は調査を委託しておるわけでございます。  それから四十七年の農薬残留対策調査費、この年は農薬が土壌の中にどのくらい残留しておるかという調査をつけ加えました。したがいまして、この四十七年度では農作物の調査は分析研に委託しておりません。これは農業試験場が中心になって分析をしております。そこで、土壌につきまして、全体から見ますとこの年は約一八%程度日本分析化学研究所に委託をしております。それから飛びまして四十八年でございますが、これは委託契約を結びまして、同じく土壌につきまして、予算上は約一四%分析を委託する予定になっておりました。これは契約を解除いたしまして、別の検定機関に分析をさせるということにしております。  それから、戻りまして水質汚濁等調査研究委託費というのがございます。これは川の流れの中で化学物質が有害物質に変わっていく、そこで生物に害を与えるということがあるのではないかということにつきましての調査の研究を委託いたしました。これについては報告書が提出されております。  それから四十八年の公害調査費等というところでございますが、この大きなものは、御承知のカドミウムの細密調査を県で実施いたします。で、細密調査を実施いたしました際の試料を、同じ検体を分析研に送りまして、クロスチェックと申しておりますが、それで分析の精度を高めるというための分析を分析研に委託しております。いわゆるクロスチェック分の委託をしておるというのがおもでございます。  それからここに載っておりませんが、環境庁が都道府県に調査を委託いたしまして、都道府県が分析研究所に再委託をした分がございます。このおもなものを申し上げますと、昨年問題になりましたPCBの環境汚染調査が一つでございます。これは四十七年度に実施しております。それから四十八年に水銀、PCBの関係で環境の全国調査、汚染調査をしております。これにつきまして、日本分析化学研究所に再委託をした分がございます。これらの分につきましては、県で単独に、要するに県単事業と申しておりますが、県単事業として県が単独に分析研究所に委託をしたものもございますし、環境庁が委託して、それを再委託した分もございます。それと、この分析研の問題を契機にいたしまして県で契約を解除する例も間々見られておりまして、ただいま数字の確定を急いでおりますけれども、水銀の全国調査で申しますと、大体一割程度が再委託に出されておるというふうにただいまのところ把握をしておるわけでございます。  いずれも先ほど政務次官から御説明申し上げましたとおり、検討委員会でそれにつきまして点検をしていただくいうことで、実態の再点検を急いでおるわけでございます。  以上簡単でございますが、御説明申し上げます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 次に長屋科学技術政務次官。

長屋茂自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(長屋茂君) 御報告の前におわび申し上げておきます。かぜでのどをこわしまして、たいへんお聞き苦しいと思いますので、どうぞお許し願います。  去る一月二十九日、衆議院予算委員会におきまして、不破委員から指摘のありました昭和四十七年度における原子力軍艦寄港時の放射能調査問題につきまして、今日まで明らかになったところと、その対策について御報告いたしたいと存じます。  同日、委員会終了後、直ちに日本分析化学研究所に対し、放射能分析の専門家二名を含む五名による予備的立ち入り検査を行ない、また翌三十日には、専門家七名を含む二十八名による立ち入り検査を行なったところ、原子力軍艦寄港地で採取された試料の機器分析に関しては、実際の試料を測定しないで、既存の波形図をコピーしていたものが約三六%もある事実が明らかとなりました。さらに、化学分析につきましても、測定を行なわないで最終報告値をつくり上げたものが、少なくとも四割はあったことが明らかになりました。  今後、さらに引き続いて必要事項につき調査を進め、事実を明らかにする考えであります。  これら不正事実は、研究者として当然有すべき倫理性が全く欠如していたことをあらわすものであり、この不正事実により原子力軍艦の放射能監視体制の信頼性をはじめ、公害関係の分析データの信頼性について、国民に多大の疑惑を抱かしめたことは、まことに遺憾なことであります。  従来日本分析化学研究所に委託していた核種分析について、理化学研究所等他の適当な機関に委託がえするとともに、日本分析化学研究所に対し、委託費の返還、設立許可の取り消し、または解散等の措置を含めた厳重な処置をとることとし、また、科学技術庁における人事を含めた執務体制全般にわたる刷新を進めているところであります。  もちろん、原子力軍艦の寄港時には、海上保安庁、県または市の協力により、空中及び水中の放射能測定が厳重に実施されており、昭和四十三年以降、異常放射能は全く検出されておらず、また、海上保安庁及び水産庁においても従来から並行して放射能測定を行なってきているので、国民の安全は十分確保されていると考えております。  なお、今回の事柄にかんがみ、この際、現地における監視システムの総点検を行なっているところであり、今後とも引き続き必要事項につき調査を進め、所要の対策を講じてまいりたいと思います。  以上でございます。何とぞよろしくお願いいたします。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 ここで資料要求しておきたいと思いますので、科学技術庁のほうから資料を整備して出していただきたいと思います。  一つは、日本分析化学研究所の組織、機構、さらに職員のうちの幹部職員について、その経歴を明らかにしていただきたいと思います。  それからもう一つは、今度のこういう事件が起こったというのは、おそらく分析化学研究所が持っておる能力を越えるような業務委託をされておったということが問題であろうと思いますので、分析化学研究所がどの程度の能力を持っておったのかということを明らかにするために、その設備施設の状況というものを明確にしていただきたい。これがその次の要求であります。  それからもう一つは、環境庁なりあるいは科学技術庁だけでなしに、政府関係各省庁でかなりの省庁がここに委託をしておるはずであります。また、先ほどお話のような都道府県からの委託もあったはずであります。さらにまた電力会社関係からの委託もあったはずであります。したがって、一体どういうような委託を受けておったのか、その実態をも同時に明らかにしていただきたい。おそらくこれは膨大な資料になるだろうと思いますが、やはりその実態を明確にせぬことには今後の是正措置というものは生まれてこないと思いますので、以上の資料提出を要求しておきます。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 政務次官、よろしいですか。

長屋茂自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(長屋茂君) 承りました。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) すみやかに御提出を願います。

矢山有作日本社会党

○矢山有作君 それからなお、思いついたまま申し上げておったので一つ落としておりますが、分析化学研究所の最近、四十五年度以降ぐらいでよろしゅうございますが、予算、決算の状態、これをひとつ明らかにしていただきたい。科学技術庁が許可をおろしておる団体でありますから、おそらくそういった報告は科学技術庁のほうには出ておると思いますから、予算、決算の実態を明らかにしてもらう。四十五年度以降。お願いいたします。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 追加要求、よろしゅうございますね。

長屋茂自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(長屋茂君) はい。

森中守義日本社会党

○委員長(森中守義君) 本調査に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十分散会      —————・—————

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