P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
72回国会参議院1974/05/21

議院運営委員会 第19号

発言数
6
登壇者
3
会派数
1
開催日
1974/05/21

会議録

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 議院運営委員会を開会いたします。  議案の取り扱いに関する件を議題といたします。  去る十七日の本会議におきまして、その上程を後日に延期することとなりました国土利用計画法案の取り扱いにつきましては、理事会において種々御協議を願っているところでありますが、この際、本法案の建設委員会における審査の経過につき、建設委員長野々山一三君から説明を承りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認めます。建設委員長野々山一三君。

野々山一三建設委員長

○委員以外の議員(野々山一三君) 国土利用計画法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、最近における土地利用の混乱、地価の高騰、土地の投機的取引及び大量買い占め等の深刻な事態に対処するため、第七十一回国会における内閣提出の国土総合開発法案とは全く別個の目的及び効果を期するものとして、衆議院から提出されたものであります。  その内容は、国土の総合的かつ計画的な利用をはかるため国土利用計画を定めるとともに、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制、その他土地利用の調整のための措置等を講じようとするもので、おもな事項は次のとおりであります。  第一、国土利用計画等についてであります。  内閣総理大臣は、国土利用の基本となる全国計画を定め、都道府県及び市町村は、当該区域の国土利用に関する都道府県計画及び市町村計画を定めることができること。特に市町村計画については、公聴会の開催等住民の意向を反映させるための措置を講ずること。政府は、国会に国土利用の現況等に関する年次報告書を提出し、将来の施策に国民の意向が反映されるようにすること。  第二に、土地利用基本計画等についてであります。  都道府県知事は、国土利用計画を基本として、都市、農業、森林、自然公園及び自然保全の地域区分等に関する土地利用基本計画を定めること。国及び地方公共団体は、土地利用基本計画に即して、適正かつ合理的な土地利用がはかられるよう所要の規制措置を講ずること。  第三に、土地取引の規制に関する措置についてであります。  都道府県知事は、土地の投機的取引、地価の急激な上昇等の要件に該当する区域を、期間を定めて規制区域として指定すること。  内閣総理大臣は、特に必要があると認めるときは、規制区域の指定等を指示し、また、みずから当該措置を講ずるととができること。  規制区域内における土地取引は、都道府県知事の許可制とし、不許可処分を受けた者に対しては、買取り請求及び不服申立てを認めること。  規制区域外における一定規模以上の土地取引は、都道府県知事への届出制とし、取引の中止等の勧告に従わないときは、公表することができること。第四、遊休土地に関する措置についてであります。  都道府県知事は、許可または届出により取得した土地で、取得後三年を経過しても住宅または事業用等に供されていない一定規模以上の土地所有者等に遊休土地の通知をすること。  遊休土地の通知を受けた者に対しては利用計画の変更等を勧告し、これに従わないときは、地方公共団体等に買取り協議を行なわせること。  協議不成立の場合において必要があるときは都市計画決定等の措置を講ずること。  第五、立入検査等についてであります。  都道府県知事は、土地取引の規制等を有効ならしめるため、立入検査等の制度を設け、都道府県に土地調査員を置くこと。  その他、総理府に国土利用計画審議会、都道府県に国土利用計画地方審議会及び土地利用審査会を設置すること。  違反行為者に対する罰則を定め、関係法規の改正を行なうこと。等であります。  委員会におきましては、衆議院建設委員長ら提案者及び政府関係者の出席を求め、法案策定の経過をただすとともに、国土利用計画と国土総合開発計画との関係、規制区域の指定、内閣総理大臣の指示権及び代行権、基準価額の算定方法、遊休土地の買取りと財産権、本法施行に要する財政上の措置等について熱心な質疑が行なわれましたが、この際、特に質疑を通じて明らかにされた事項のおもなものを申し上げておきます。  第一に、本案は、内閣提出の国土総合開発法案とは全く性格を異にし、もっぱら土地の投機的取引及び地価高騰の抑制と、適正かつ合理的な土地利用の確保を主眼とするもので、開発に関する事項を除去し、国土利用計画等の策定、土地取引の規制、遊休土地に関する措置等をおもな内容としており、特に国土利用計画に対し、地方公共団体の長及び地域住民の意向を十分に反映させる措置、規制区域の指定要件の拡充、内閣総理大臣の指示、代行権の発動要件の明確化、立入検査制度及び土地調査員の設置、罰則の強化等を行なったこと。  第二に、国土利用計画については、開発事業の計画決定は他の法令によるものとし、直接に開発事業の実施をはかる性格のものではなく、総合的かつ計画的な国土の利用を確保するための長期計画であること。  第三に、土地取引の規制等の場合における「土地に関する権利の相当な価額」については、時価の七、八割程度を政策的目標として政令で適切な算定方式を定めることとすること。  第四に、内閣総理大臣の規制区域の指定等にかかる指示権及び代行権については、地方自治の本旨にのっとり、地方公共団体の長の権限を尊重して運用すること。  第五に、本法施行に必要な財政措置については、政府側においてその拡充につとめること等であります。  さらに、基本的な問題として、法の運用は人にあり、法律が所期の目的を達成するかどうかは、もっぱら執行者の姿勢いかんによるものであることが強調され、経済企画庁長官からも、立法の趣旨を十分に尊重し、慎重かつ適正な行政運用を行なう旨の発言がありました。  質疑終局後、春日委員より提出の修正案を議題とし、これに対して国会法第五十七条の三の規定による内閣の意見の聴取及び質疑が行なわれました。  続いて、原案並びに修正案についての討論に入り、日本共産党を代表して春日委員より、原案に反対する旨、また日本社会党を代表して前川委員より、修正案に反対し、原案に賛成する旨の発言がありました。  討論を終了し、採決に入り、まず、修正案は賛成少数をもって否決、次いで、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上が建設委員会における審査の経過並びに結果の概要でありますが、この際、さきの総理の発言に関連して一言申し添えます。  総理は、去る五月十六日午後九時半から放送されたNHK総合テレビの「総理にきく」という番組の中で、司会者の「この国土利用計画法案ですが、総理のかねてお考えの列島改造論あるいは国総法との関係はどうなんですか。」との問いに対し、「名前が変わっただけです。」と断言しておられますが、この発言は、現下の緊急課題である土地問題の解決のため、党派の利害を離れて国民的立場から国土利用計画法案の作成のため努力してきた衆議院建設委員会における経過や、立法の趣旨、さらに法案の内容に対する誤解に基づく不用意な発言と言わざるを得ません。この法案の作成に共同で当たった各政党に対する不信とも思われるような総理の発言は、また政党間の信義にもとるものであり、まことに遺憾であります。  国土利用計画法案が内閣提出の国土総合開発法案と性格を異にし、別個のものであることは、委員長報告の中で触れましたように、すでに建設委員会における質疑を通じても明確に確認されております。  しかるに、この法律案が成立後、その執行に当たる行政府の最高責任者である総理みずからが、公的な場所でかかる発言をされたことに対する責任はまことに重大であります。この法律案の審査に当たってきた建設委員会としては、このような発言を黙過することはできません。私は、あらためてかかる発言をされたことに対する総理の責任の明確化と、この法律案に対する総理の真意を明らかにされることを望む次第であります。  これに関して、この法律案の基本的な事項について、私の理解するところを明らかにしておきます。  第一に、国土利用計画法案の性格については、内閣提出の国土総合開発法案とは全く異なるものであって、国総法案の総合開発計画、特定総合開発地域等の開発関係の部分をすべて排除し、もっぱら、土地の投機的取引及び地価高騰の抑制と土地の適正かつ合理的な利用の確保をはかるための措置を内容とするものであり、単に国総法案の題名を変更したにとどまるものでは、決してないこと。  第二に、土地取引の規制区域の指定等に関する内閣総理大臣の指示権及び代行権については、国土利用計画法案第十三条に明記しているように「土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、かつ、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、国の立場から特に必要があると認める」場合に限って行使されるべきものであって、いやしくも開発促進のために行使されるようなことは許されないこと。  また、この指示、代行権の行使については、地方自治の本旨にのっとり、十分慎重を期すべきものであって、真にやむを得ない場合にのみ所定の手続を経て行使されるべきものであること。  第三に、国土総合開発計画の取り扱いについては、国土利用計画法案が成立後、現行国総法に基づく国土総合開発計画は、この法律の精神に添うようすみやかに調整をはかり、改定されるべきものであること。  第四に、国会は国権の最高機関、国の唯一の立法機関であり、内閣は国会の制定にかかる法律の誠実な執行に当たるべきことは憲法の明記するところである。したがって、内閣の最高責任者である総理は、この国土利用計画法案が成立した暁には、当然その立法の趣旨を十分尊重して慎重かつ適正な運用に当たるべきものであること。  以上でありますが、私のこの報告を御了承の上、今後の取り扱いを決定されるよう要望いたしまして、私の報告を終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 本院の建設委員会における国土利用計画法案の審査の経過は、ただいま建設委員長が説明されましたとおりでありますが、この際、内閣官房長官の御所見を承りたいと存じます。官房長官。

二階堂進自由民主党内閣官房長官・外務大臣臨時代理

○国務大臣(二階堂進君) 建設委員会の審議状況につきましては、ただいま野々山建設委員長御説明のとおりであると承知をいたしておりますので確認いたします。  以上でございます。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 内閣官房長官の御所見を承りましたので、委員会における協議はこの程度とし、国土利用計画法案の取り扱いにつきましては、なお理事会において協議いたしたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午後三時休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗