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72回国会参議院1974/02/22

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
186
登壇者
13
会派数
5
開催日
1974/02/22

会議録

矢追秀彦公明党

○理事(矢追秀彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず森山科学技術庁長官から科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取することといたします。森山科学技術庁長官。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 第七十二回国会にあたり、科学技術庁長官としての所信を述べさせていただきます。  昨年十月の中東戦争に端を発した石油危機は、世界各国に深刻な影響を与えました。わが国の経済及び国民生活もきわめて大きな影響を受け、いまや、その安定は、最大の国民的課題となっております。わが国にとりまして戦後最大ともいうべきこの難局を乗り切ることは、当面の最大の政治目標であり、政府をあげて、日夜、この問題の解決に努力を傾注しているところであります。このような困難な時期に際会して科学技術の持つ重要性があらためて再認識されつつあるのであります。エネルギー源の多様化と資源の有効利用は、短期的観点からも、また長期的視点に立って見ても、何をおいても推進しなければならない重要課題と考えられますが、この課題の解決のために、科学技術の果たすべき役割りが、いかに大きいかということは、いまさら申し上げる必要はないかと存じます。  このたび、ワシントンにおいて開催されました石油消費国による閣僚会議の重要課題の一つが、エネルギー技術開発の問題であったことも、このような認識に立ったものでありますが、私はこの会議に出席して、各国がひとしくエネルギーの研究開発に非常な熱意を傾けていることに深く感銘を受けたのであります。なかんずく、米国のごとく資源の豊富な国においてさえ、国家的大事業として、エネルギーの完全自給を目ざすプロジェクトに真剣に取り組んでいるということは、注目に値すると思います。資源に恵まれないわが国においては、これら各国にも増して、エネルギーの研究開発を国の重点施策として強力に推進することの緊要性を痛感する次第であります。  また、戦後の経済成長は、消費面で物的豊かさをもたらしましたが、その反面、環境問題、都市問題など先進諸国における現代的問題ともいうべき諸問題は、わが国において深刻の度を加えつつあります。いまや、わが国は量的成長から質的成長への転換をはかりつつ、国民福祉の質的充実に精力的に取り組まなければならない時期に立ち至りました。わが国の置かれている客観的諸条件を踏まえて、わが国の将来を考えるとき、この問題は、今後その重要性を加速度的に高めていくものと考えます。そして、これらの問題の解決には科学技術の力こそ不可欠のものであり、それなくしてはとうてい十全を期し得ないものと考えるものであります。  このようなときに、日本分析化学研究所における核種分析について、御承知のような問題が発生しましたことは、私にとって大きな衝撃であり、心から遺憾とするところであります。当面は、事態の応急的な処理に全力を傾けるとともに、将来とも、このようなことが二度と発生しないよう恒久的対策に万全を期する覚悟であります。この問題に対する深刻な反省の上に立って、科学技術行政を強力に進めてまいる所存であります。  科学技術振興の原動力は、何といっても、効果的、効率的な研究開発の推進にあります。研究者が使命感に燃え、安心してその能力を発揮し得るような環境、条件の確保は、きわめて重要であります。それと同時に、研究者もまた官庁も、いたずらにからに閉じ込もることなく、協力し、衆知を集めることは、現代のような科学技術の高度に発達した社会においては、特に重要であると信じます。今後の施策におきましては、これらの点についても十分配慮してまいりたいと考えております。  私は、このような基本的な考え方のもとに、科学技術の一そうの振興をはかるべく、昭和四十九年度において、次のような施策を強力に推進してまいる所存でございます。  まず第一は、原子力の開発利用の推進であります。  当面のわが国のエネルギー問題の解決の最も現実的かつ効率的な方策は、すでに、世界的に実用化の段階に入りつつある原子力の開発利用をその最大のにない手とすることであるとの観点に立って、次の施策を重点的に推進する所存であります。  まず、原子力発電につきましては、安全審査体制を強化し、原子力施設の工学的安全研究等、安全研究の拡充をはかり、安全の確保と環境の保全に万全を期するとともに、原子力施設の建設が地元の発展と住民福祉の向上をもたらすものとなるよう関係地方公共団体の公共施設の整備の助成を格段に強化するなどの施策を講ずる考えであります。  次に、核燃料対策については、核燃料の安定的確保を基本方針として、ウラン濃縮技術の研究開発の推進、国際共同濃縮事業への参加の検討、海外ウラン資源の調査等の促進、使用済み燃料の再処理施設の建設等の諸施策を推進する所存であります。また新しい動力炉の開発については、高速増殖炉の実験炉及び新型転換炉の原型炉の建設を進めますとともに、これに必要な研究開発を推進する考えであります。  さらに、将来のエネルギー源として最大の可能性を秘めた核融合技術の研究開発を進めるほか、原子力エネルギーの効率的利用をはかる多目的高温ガス実験施設の研究開発を進めるとともに、原子力第一船「むつ」の実験航海を実施する所存であります。  第二は、国民生活に密接に関連する科学技術の推進であります。すなわち、ライフサイエンス、防災科学技術等国民福祉の向上のための科学技術に関する研究開発を強力に推進する考えであります。特に、ライフサイエンスは、保健、医療の向上、環境の保全等広く新たな応用分野への展開が期待されるとともに、次代の技術革新の芽となるものでありますので、その研究推進体制を整備拡充し、総合的、計画的な研究開発を推進する等その強力な振興をはかる所存であります。  また、国民生活に密接に関連する科学技術等及び年度途中において緊急に対処しなければならない研究開発の推進のために、特別研究促進調整費を増額し、その十分な活用をはかる所存であります。  第三は、原子力の開発利用と並ぶ国のプロジェクトである宇宙開発及び海洋開発の推進であります。  宇宙開発については、宇宙開発計画に基づき、前年度に引き続き、技術試験衛星等の各種実験衛星の開発、衛星打ち上げのためのNロケットの開発、追跡・管制等のための地上施設の整備等いわゆるN計画の推進をはかり、あわせて、静止気象衛星、実験用中容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の開発、Nロケット改良のための開発研究、地球資源隔測システムに関する調査等を推進する考えであります。   〔理事矢追秀彦君退席、委員長着席〕  また、海洋開発につきましては、海洋での人間の活動領域を広げ、海洋資源の利用を拡大することを目ざして、その技術開発に一そう努力する考えであります。このため、関係各省の施策の総合推進をばかりつつ、海洋科学技術の中核的推進機関である海洋科学技術センターの拡充強化、シートピア計画の続行、深海潜水調査船の開発研究、海洋観測調査等を強力に推進する所存であります。  第四は、研究開発に関連する一般施策の推進であります。  これまで述べてまいりました諸施策と並んで基礎的、共通的な研究開発及び新技術の企業化等のための新技術開発事業の推進につとめるほか、開発途上国との技術協力の強化をはじめ科学技術に関する国際協力を積極的に推進するとともに、研究者の処遇の改善と研修の充実、テクノロジー・アセスメント導入のための調査の充実、科学技術情報の全国的流通システム整備計画の推進等科学技術振興基盤の整備につとめてまいる考えであります。  また、筑波研究学園都市の建設につきましては、研究交流センターの建設を進めるとともに理想的な研究環境が整備されるよう尽力する考えであります。  さらに、これらの施策をもって科学技術の振興をはかるためには、科学技術に対する国民の正しい理解と協力を得ることが不可欠でありますので、原子力の開発利用をはじめ、科学技術全般にわたる普及啓発活動を一そう強力に推進する所存であります。  以上、昭和四十九年度における科学技術振興施策の概要について述べてまいりましたが、これらの施策を実施するために、昭和四十九年度政府予算におきましては、科学技術庁分として、原子力開発利用のため約六百七十億円、国民生活に密接に関連する科学技術の振興のため約三十億円、宇宙開発のため約四百八十六億円、海洋開発のため約十一億円等総額千三百三十三億円を計上いたしております。  私は、科学技術振興の衝に当たる者として、その使命の重大性を十分認識し、いま申し述べました諸施策の実現を期して微力ではございますが全力を尽くす所存でございます。  ここに、委員各位の一そうの御支援と御協力を賜わりますようお願い申し上げる次第であります。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 次に、昭和四十九年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。片山科学技術庁長官官房長。

片山石郎科学技術庁長官官房長

○政府委員(片山石郎君) 昭和四十九年度科学技術庁予算案につきまして御説明申し上げます。  昭和四十九年度一般会計政府予算案におきまして科学技術庁の予算案は、整出予算額一千三百三十三億四千万円、国庫債務負担行為額六百三十一億一千百万円を計上いたしております。これを前年度当初予算額に比較しますと、歳出予算額で二百五十億六千七百万円、国庫債務負担行為額で二百八十四億九千八百万円、のそれぞれ増額となっており、歳出予算額はその比率において二三・二%の増となっております。  次に、予算要求額のうちおもな事項につきまして、その大略を御説明いたします。  第一に、原子力開発利用の推進といたしまして六百六十九億五千百万円と、国庫債務負担行為額百三十九億二千万円を計上いたしました。  まず、日本原子力研究所におきまして、大型放射線取り扱い施設、反応度事故実験装置の整備等により、原子炉施設の安全性の研究を強力に推進するとともに、核融合の研究開発、多目的高温ガス実験施設の研字開発及び各種原子炉の運転整備などを進めることとし、このため必要な経費として同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ百八十四億四千三百万円と、国庫債務負担行為額五十一億四百万円を計上いたしました。  次に、動力炉・核燃料開発事業団におきまして高速増殖炉実験炉及び新型転換炉原型炉の建設を進めるとともに、高速増殖炉原型炉に必要な研究開発など、動力炉の開発に必要な経費として二百五十四億四千八百万円と、国庫債務負担行為額六十億一千九百万円を計上いたしました。また、同事業団の核燃料開発関係の業務といたしまして、遠心分離法によるウラン濃縮技術の研究開発に九十五億九千百万円を計上し、その研究開発を強力に推進するとともに、海外ウラン資源の調査、使用済み核燃料再処理施設の建設及び同施設からの放射性廃棄物の放出低減化のための研究開発をはかるなど動力炉の開発及び核燃料開発等に必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ四百二十二億八千七百万円と、国庫債務負担行為額八十八億一千六百万円を計上いたしました。  また、原子力船「むつ」の開発につきましては実験航海を行ない、その性能の確認を行なうとともに、定係港の施設の整備などに必要な経費として、日本原子力船開発事業団に対する政府出資金と、補助金を合わせ十四億九千五百万円を計上いたしました。  さらに、放射線医学総合研究所におきまして、前年度に引き続き低レベル放射線の影響研究を進めるとともに、医療用サイクロトロンによる放射線医学の研究等を行うため二十一億三千五百万円を計上いたしましたほか、理化学研究所及び国立試験研究機関等における原子力試験研究、放射能測定調査研究並びに民間に対する原子力平和利用研究の委託に必要な経費として十九億四千七百万円を、また、原子力委員会の調査運営、原子力関連の各種行政費等として六億四千四百万円を計上いたしました。  第二に、国民生活に密接に関連する科学技術の振興といたしまして、二十九億七千百万円を計上いたしました。  まず、ライフサイエンスの振興といたしまして、理化学研究所に新たにライフサイエンスの研究を推進する部門を設置し、研究推進体制の整備などをはかることとし、このため必要な経費として一億円を計上するとともに、同研究所が前年度に引き続き行なうサイフサイエンスの特定研究に一億四千万円を計上し、一そうの充実強化をはかりますほか、特別研究促進調整費十四億円のうちからライフサイエンスの研究費として二億八千万円の配分を予定いたしております。  次に、防災科学技術の推進といたしまして、国立防災科学技術センターに八億六千二百万円を計上し、地震、雪害及び降雨水害等に関する各種試験研究を実施することといたしております。  また、特別研究促進調整費の活用により前述のライフサイエンスのほか、都市科学技術、防災科学技術等の総合研究を重点的に推進いたしますとともに、不測の事態に対処し緊急に行なうべき研究の円滑な実施をはかるため必要な経費として十四億円を計上いたしました。  さらに、資源の総合的利用方策の調査につきましては、資源環境から見たエネルギーの合理的利用に関する調査等資源調査会を中心とする調査を実施するとともに、資源調査所における基礎的調査の充実をはかるため一億八千九百万円を計上いたしました。  第三に、宇宙開発の推進につきましては、前年度に引き続き宇宙開発計画に基づくロケット及び人工衛星の開発を中心とし、これらに必要な経費として四百八十六億一千三百万円と、国庫債務負担行為額四百八十七億八千百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発事業団におきまして、技術試験衛星I型、同II型、電離層観測衛星及び実験用静止通信衛星の開発、これらの衛星を打ち上げるためのNロケットの開発及び打ち上げ関連施設の整備等いわゆるN計画の推進をはかるとともに静止気象衛星、実験用中容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の開発などを進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ四百七十五億六千万円と、国庫債務負担行為額四百八十四億五千五百万円を計上いたしました。  次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、人工衛星の三軸制御に関する研究等宇宙開発の基礎的、先行的研究を行なう経費として六億八千六百万円と、国庫債務負担行為額三億二千六百万円を計上いたしました。  第四に、海洋開発の推進といたしまして十億五千九百万円を計上いたしました。  まず、海洋科学技術センターにおきましては、前年度に引き続き高圧実験水槽等の施設の整備を行なうとともに、管理運営基盤の強化をはかるため補助金の国庫負担率を引き上げるなど同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ五億八千五百万円を計上いたしました。  また、海中作業システムを確立するための海中作業基地による実験の準備、潜水調査船「しんかい」の運用、水深六千メートルまでの深海における調査能力を有する深海潜水調査船の開発に関する研究など、これらに必要な経費として四億七千四百万円を計上いたしました。  第五に、研究開発一般の推進といたしまして、新技術開発の推進、試験研究機関の充実整備及び国際協力の推進に必要な経費として九十九億六百万円と国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  まず、新技術開発の推進につきましては、新技術開発事業団の開発委託契約限度額を二十五億円に引き上げ、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ十一億三千四百万円を計上することによりその業務の拡充をはかることといたしました。  次に、試験研究機関の充実整備につきましては、八十五億八千二百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしております。これは、当庁附属試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所の航空技術部門、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における研究施設の整備及び各種研究の実施等に必要な経費のほか、理化学研究所の研究運営等に必要な政府出資金及び補助金であります。  また、国際協力の推進につきましては、日ソ科学技術交流など二国間における科学技術者の交流、経済協力開発機構に所属する原子力機関の共同研究への参加等に必要な経費として一億五千六百万円を計上いたしました。  第六に、科学技術振興基盤の整備といたしまして三十三億五千八百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  まず、科学技術基本計画の策定等研究基盤の強化につきましては、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的、かつ、総合的に推進するため基本的な計画策定の一環として行なう各種調査及び優秀な人材の養成確保をはかるため国内及び海外への留学等に必要な経費として三億九千九百万円を計上いたしました。  次に、研究学園都市建設の推進として当庁附属試験研究機関のうち無機材質研究所、国立防災科学技術センター及び金属材料技術研究所の施設等の整備を行なうとともに、研究者の共同利用施設としての研究交流センターの整備を行なうため十億八千九百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  次に、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理、提供業務の充実をはかるための同センターに対する政府出資金、補助金など科学技術情報流通の促進に必要な経費として十五億九千九百万円を計上いたしましたほか、科学技術に対する国民の理解を深め、科学技術の知識の普及をはかるための経費として二億七千百万円を計上いたしました。  以上、簡単でございますが、昭和四十九年度科学技術庁予算案のうち、重要項目につきまして、その大略を御説明いたしましたが、このほか一般会計予算総則におきまして原子力損害賠償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を三百五十五億円にいたしますとともに、また、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を二十二億円及びその利息に相当する金額とし、これを使用済核燃料再処理工場の建設資金の一部に充てることといたしております。また、原子力発電所等の周辺地域住民の福祉の向上をはかること等を通じて発電所の立地対策を積極的に進めるための総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計を創設し、電源開発促進税を財源とする百一億円の歳出規模をもって関係地方公共団体の公共施設の整備等を行なうことといたしております。  以上でございます。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 本調査について御質疑のおありの方は順次御発言願います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私、ただいまの長官の所信表明とそれに関連しながら二、三の質問を行ないたいと思います。  第一に、この所信表明の中にもありますが、分析化学研究所におきまして核種分析の問題が触れられておりますが、これはすでにいろいろな機会に取り上げられております。特に原子力潜水艦の問題ではずいぶんと論議されておりますので、きょうは若干原子力発電所の問題について伺ってみたいと思います。  原子力発電の安全性の確保ということは非常に大事なことですが、これは非常の場合における、事故時における安全の確保と平常の運転時における安全の確保の二つがあります。その中で、平常時における安全性を裏づけるものはいわゆる周辺における放射性物質の測定値ということが非常に大事であります。ところが、これが今度の事件を通して非常にこの数値があぶない、疑惑に包まれている。こういうことは安全性の面からも非常にまあ多くの住民に私は不安を与えていると思います。その点で、一日も早くこの疑惑と不安を除くということが非常に重要じゃないか、こう思います。  そういうことを前提にして一つお伺いいたしたいのは、各電力会社並びに日本原子力発電所がこの分析化学研究所に委託しておった原子力発電関係の試料は大体何点になるのか、これを各発電所ごとに御報告いただきたい。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) このたびの日本分析化学研究所の問題につきまして御指摘がございました。まことに遺憾しごくでございます。一日も早く仰せのとおり国民の疑念を解消するように最大限の努力を尽くしてまいりたいと思っております。  ただいま御質疑ありました問題につきましては、専門事項でございまするので、局長より答弁いたさせます。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま御質問のございました各電力会社の分析研究委託の関係につきましては、立ち入り調査のほか電力会社が別途分析研に立ち入って詳細な調査をいたしております。その総点検をいたしておりますその結果を待ちまして取りまとめたいと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 じゃあ通産のほうから見えております、資料が出ておりますから、各電力会社並びに日本原電から何点の委託があったか、このことを報告いただきたい。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) 原子力発電所を運転または建設中の六電力会社と日本原子力発電株式会社は、敷地の周辺の環境試料の採取を行ないまして、その一部について放射能を分析することを財団法人日本分析化学研究所に委託してきておるわけでございますが、その委託金額につきましては合計で昭和四十七年度に約し千百万円、四十八年度につきましては上期で約八百万円でございます。件数につきましては四十七年度が三百八十一件、四十八年度上期が二百六十二件でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 この通産からもらった資料によると、東北電力、四十四年から四十八年百三十四件、東京電力二百五十件、関西電力三百五十件、中国電力五十九件、四国電力六十七件、九州電力七十四件、日本原電百八十六件、総計すれば幾らになるか、八百余りになりますが、これは間違いありませんか。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) いま先生のお読み上げにまりました資料は、四十四年度以降の各電力会社の合計の数字でございますが、間違いございません。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 原票が分析研に残っているのは、何年度から残っておりますか。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) 現在電力会社が調査中でございまして、まだ報告を受けておりません。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 点検はこれは一体どこがやっておるのか、原子力局と通産、両方からお答えいただきたいと思います。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) 科学技術庁と相談いたしまして、実際の点検は電力会社にやらしております。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 通産省と共同して電力会社にいろいろ適切な指示を与えて指導しております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあこれだけ非常に問題になっているこういう問題を、特に原子力発電所関係では周辺の住民にとってはいままで、平常時における安全の裏づけはこの数値をもって心配がないと、こういうように説明されておった。それが疑惑に包まれているとすれば、問題あるとすれば、これは早急に解明すべきだが、そういうことを民間の電力企業だけにまかしておいていいのかどうか、こういう点について、この安全性という点から原子力局何も検討していないのか、その点いかがです。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御指摘の、原子力発電施設の平常運転時における安全性の問題につきまして、今回の事件はまことに遺憾でございます。したがいまして、この信頼性の回復、データの確保ということは、今後とも万全の措置をとってまいるわけでございますが、ただ御説明申し上げたいことは、今回の分析研が分担しておりました分は環境放射能測定の全部ではございませんで、原則といたしまして、県と電力会社が環境放射能の監視を分担して行ない、その結果を県で取りまとめて公表する。そのうちの一部が分析化研に委託されておった、こういうことでございます。これはいろいろな形がありますが、県と電力会社のみによって行なわれている場合、それから電力会社は委託するが県は委託しない場合、電力会社はみずから測定を行ない、自社データのチェック用にだけ分析研を用いる場合、それから全面的に分析研に委託する場合、いろいろございます。そこで、今後私どもといたしましては通産省とも十分御連絡いたしまして、電力会社と県の測定能力を十分拡充すると、必要に応じて他の第三者機関にも委託する、こういうことで完全を期したいと思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 ここに福島県の「福島原子力発電所周辺環境放射能測定結果」というのが四十七年一月に出されている。これは科学技術庁、通産にも出ていると思う、県の報告書ですね。これを見ますと、この測定の対象は「空気中の放射線、放射能および環境試料中の放射能に分けられる。」として、「前者については主として、設置者側」、まあ言うならば電力会社のほうでモニターをやって、いろいろ調べている。しかし、「後者については、試料の採取から放射能の測定まで、外部機関である財団法人日本分析化学研究所に委託して測定結果を得ている。」と、こういうふうに報告されておりますね。この中にこまかい数字はずっとあるし、各年度にわたって報告されている。それから、同様に福井県に福井県環境放射能測定技術会議というのがありますが、これは県の衛生研究所とそれから日本原子力発電株式会社、関電とこの三者が合同でやっております。しかし、おそらくこの日本原電にしても、関西電力にしても、環境いわゆる大気中に出る、モニター等ではかるのは別として、この環境放射能の大きな部分は分析研に送って分析をしていると、そういう実態じゃないかと思うんですね。また、その数字はさっきあげられたように、この東京電力は二百五十件、それから関西電力三百五十件、日本原電百八十六件というように、これ四十四年から四十八年にかけてですが、四十八年の上半期分まで一応数字で出ていろと、こうすれば各電力会社ばかなりの重要な部外をやはり分析研に委託をしていると思わざるを得ない。そういう中で、民間の企業にそれはひとつ自分で点検をしてもらう、そして、その結果を報告してもらえばいいという、こういうことでは私は、これだけ問題になっているときにこのすみやかに住民のいろんな不安等を、理解を深めていくには非常に足りないと思いますが、この点原子力委員長いかがですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 先ほどの質問に関連しますので私からお答えさしていただきますが、現在私どもではこの電力会社が分析化研に委託しましたデータにつきまして立ち入り検査によって総括的な検討はいたしておりますが、まず電力会社がみずからこの委託によるものであるということで詳細な立ち入り検査をする、いまいたしております。総点検をする。これは分析化研のデータだけでなくて、県のデータ、電力会社のデータそれとの関連も含めて電力会社がみずから総点検をするということになっておりますので、通産省とも連絡の上その総点検の結果を待って必要な厳正な措置をとりたい、こう思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 立ち入り調査と言われるけれど、電力会社は、企業はどういう法的根拠をもって日本分析研に立ち入り調査ができるのですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 分析の業務の委託者という立場でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 委託者が立ち入り調査できますか、法的の権限をもって。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 法的に強制権限を持った立ち入りということではございませんで、委託関係の立ち入りでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあことばのあやは別として、それはひとつ頼んだんだから見せてくれと、こういうことでしょう。それで全部ですね、一切を公開するというか、全部の提供すると、そういうことは行なわれておりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 今回はきわめて特殊な事件でございますので、すべてあらゆる資料について調査いたさせております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあこれだけ世論にも問題になっておるのですから、なかなかこうはうまく私はいかないと思いますが、しかし行政府として、これは科学技術庁あるいは通産省、分析化研なら科学技術庁でしょうが、所管の官庁が、しかもこれは法的な点からいっても十分権限をもって立ち入り調査することができる、そういう科学技術庁が、企業だけにまかして、あとはひとつ報告を待ってと、こういうことでは私は非常になまぬるいと思います。原子力局がもっとこの問題を、事の重要性を考えて、また住民に与える不安等を一日も早く解消するために積極的に検討して、数は四十七年と四十八年合わせて六百四十件なんですね。だからやろうと思えば私はできると思うのですよ。全国の科学者やあるいは技術者の協力を得れば、今日の科学技術庁の原子力局の力をもってすれば十分早い時間に行なえると思うのですが、これについて積極的な手を打たれる考えはないのかどうか、この点は長官いかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 地方公共団体や電力会社だけにまかせずに、国ももちろん必要な場合には必要な措置をとるようにいたしてまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 必要な場合って、これだけ問題になっているときには必要とお考えになりませんか。いかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 関連して、事務当局からお答えいたします。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) 調査の事務的なことに関連しまして私からお答え申し上げます。  事の性質上本来地方公共団体と電力会社の契約ということでございますことは先ほど申し上げたとおりでございますので、第一段階としては地方公共団体と電力会社が、自分が委託をしたものについてまず調査をする、こういうようなかっこうで、それをもとにいたしましてこちらも必要な段階においては必要な措置をとると、こう申し上げておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連して。いろいろ御方針があげられておりますが、国務大臣でもある長官にお伺いをいたしますが、いま何といっても国民の信頼、ことに科学技術庁が科学的にものを実施していくべきにかかわらず、今回のような事態が出た。その前はまた科学技術庁の汚職。科学技術庁の、伏魔殿というかね、これが問題なんです。私いま調査中ですからいま申し上げるのは適当であるとは思いませんが、今度のこの日本分析化学研究所についてもこれは「御承知のような問題が発生しました」というけれども、われわれは公式的には詳しいことは聞いておりません。これはもう政府筋からそういうごまかしをやってくれという依頼があった、どうも新しい事実が出かけております。議会でだれかにこれを指摘されるまでもなく、もっと徹底的にこの筋を追うべきです。そういうことで許されるべきではありません。重大な私は問題を含んでいるように思うんです。そこで「御承知のような問題」、私はあまり承知しておりませんから、正式に大臣からこの問題の所在、実態というものを御報告願いたいし、それから、「事態の応急的な処理に全力を傾ける」というのが、いまのやりとりを聞いてみると、さっぱりどうも大臣の方針がまだ事務当局の作業段階のようにも思われるし、また、続いて「恒久的対策に万全を期する」、日本分析化学研究所のようなものを今後引き続き利用するのかどうかを含めてもっとすっきりしたものにしてもらいたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 日本分析化学研究所の事態については、まことに遺憾しごくでございます。重ねてその点は遺憾の意を表さなければなりません。今回の事態は、一月二十九日衆議院の予算委員会におきまして、不破共産党書記局長でございますかが、不破委員から質疑があったことでございます。そして、日本分析化学研究所の分析の結果について、かなり詳細なデータをもって疑念を表明をされたわけでございます。私どもは、その御指摘によりまして直ちに調査をいたしました。実はこれに先立ちまして、昨年の九月の二十日、衆議院の科学技術特別委員会におきまして、このことがやはり取り上げられたわけでございます。それは、試料についての日付が違っておるという御指摘があったわけでございます。それで、その当時のことを調べてみますと、その日に三、四名の人が、一応それはどういうことかということで日本分析化学研究所に行ったようでございますが、実際はこの種の調べというのは、それから二週間たった十月の四日の日に四名ほどが分析化学研究所に行って調べた、その結果は日付が違っても心配ないというような報告の程度にとどまったようであります。そのことが非常に私は安易であったと思っておるわけでございますが、いわば問題はすでに昨年の九月の二十日の日に指摘をされておった、国会で取り上げられたのは、ことばは悪いのでございますが、二番せんじであった。しかもなお、当初指摘されたというときにそれに対して真面目な取り組みをいたしませんために、きわめて重大なる内容を含んでおるということが今回わかりました。今回は、事の重大性で、当日七名、委員会の終了、質疑直後から分析研に人を派遣して調査いたし、翌日は三十名、この分析化研の仕事について調査をした。常識から申しますれば、こういうことはあり得ないということなのでございまするけれども、科学者の倫理という点から見ればこういうことはあり得ないということであったのでございますが、あり得ないことが事実あるということを発見するために、その日、夜までかかりまして、ようやくそういう事実があるということを分析化学研究所側が承認をするに至ったのでございます。まことに驚くべきことであるというふうに考えておるわけでございます。いま調査におもむいたのは、二十九日に五名、三十日二十八名という数字が確かなようでございますが、二十九日は質疑の当日、その翌日三十日二十八名調べた結果、分析研の分析の仕事がデータによってああいうものではおかしいということを確認をし、またそのことについて分析研究所も認めるという結果になったわけでございますから、わが国でもかつて経験をこの種の分野ではしなかったような事態、世界的にもこんなことはほとんどない事態であると思いますけれども、こういう事態に直面をいたしまして、これに対する善後措置に真剣にいま取り組んでおるというのが現状でございます。はなはだ遺憾しごくなことでありますので、根本的にもうやり直さなきゃならないということでございますので、全力を傾倒はいたしてはおりますが、なかなか所期の目標に直ちに到着しかねておるというのが今日の偽らざる現状でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まだ応急措置なり恒久対策が答弁漏れですがね。ただ大臣驚いただけでは、これはちょっとまだまだ驚くべき事実が伏在しているように思う。これは長官はどう処理しますか。この一種のものは全く現行法に照らして何ら法の制裁を受けることがないかといえば、私はそうではない、当然告訴するなり——まあ現場の技術者の言はいま表面に出ているものでもかなり抵抗したと言っているんです。それを部長がそうさせなかった。その部長の上には何があったというようなことが途中でみんなごまかされてきているようなんです。そうして多くの委託分析研究費を取ってですね、これがこのままですよ。これはもちろん親告罪ではないけれども、責任の長である科学技術庁長官がまずこの事件の実態を明らかにする、国民の前に明らかにする、しろうとであればくろうとにまかしたらよろしい、そういうこともしないで恒久的な対策だ、二度と発生しないのだということができるはずがないです。あなたの日ごろの政治姿勢というものはかなりきびしかったように思うんです。私はあまり交際はないし、近くで見るのはきょう初めてですが、それがこういうていたらくでどうしますか。あなたが野党の古参議員だったら許さないでしょう、これ。許しますか。どうします、この事件に対する処理、責任、事態を明確にしてその上に立って応急さらに恒久対策を、二度と発生しないように、こうこなきゃならぬでしょう。私はずっと科学技術庁、正力さんの時代からこう見ていると、科学技術会議をかなり大もので構成している、いまどれだけの実効をあげておりますか、これ。これは総理が議長になって——この間総理議長をやりましたがね、いろいろ考えてみるとだんだんだんだん科学技術庁というのは、予算はもう一千億こえてきたですね、これ。ある種のものは防衛庁にまかしたらいいようなものまでこれ出ている、いまね。何か国民の世論を防衛関係からそらすようなものを肩がわりしてやり始めてみたり。この科学技術庁なり一連の組織、制度、予算というものが、事の起こりはそうじゃなかったはずです。純粋なやはり科学技術の振興、これがまあ曲げられてきてあげくの果てに汚職になり、そうして、こういった日本化学分析研究所のもうあるまじき事態になってきたわけです。  そこで要約しますが、第一にこの事態を、もっと明確になっておればいま報告してください。人の名前をあげてきちっと、どういうところからどうなってきた、なぜ上司が下の者を押えてまで、相当抵抗したのにそうさせなかったというようなことを調べなきゃなりません。それから当然これは告訴してでも事態を明らかにすべきです。これをまず第一に、その上でいまの応急なり恒久なりを聞かしていただきたい。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) たいへんおしかりをいただいて恐縮に存じております。この問題につきまして、私どもの立場におきまして調査し得る限りのことは調査いたしました。そのことはよく政府委員のほうから報告をいたさせます。  それから、これについての当面の措置といたしましては原子力局長等の更迭をいたしたわけでございます。現在の官庁システムでは異例のきびしい措置だと言われておりますけれども、あえてこれを断行いたした次第でございます。  なお、刑事的な問題につきましては、すでに警察、検察方面において調査が始められています。これの推移に私はまかしたいというふうに考えております。  それから、これに対する対策でございますが、こういう不始末を起こしました分析化学研究所に仕事をまかしておくことはできませんから、従来委託しておりました委託金の返還等の手続をとって、ここに仕事をお願いしない体制に切りかえる。また、財団自体の存置に関しまする措置も構じてまいりたいというふうに考えております。問題は今後これに対してどういう態勢で臨むべきかということでございまして、これにかわるべき、従来これに対して複数のシステムで、これに大体大筋は頼りっ切りのようなやり方でやっておったようでございますが、同種の分析をやっております機関はございますから、政府関係の若干の機関にこれを応急的にお願いをし、かつ将来これにかわるべき機関を、組織をつくりたいということで今日鋭意努力しておる次第でございます。しかし、これは御案内のとおり、既存の政府関係の機関にお願いするにいたしましても、それぞれお仕事を持っておるところでございますから、こういう仕事をお願いするにつきまして、それぞれの準備が私どものほうも要りますし、またそれぞれの機関も要るわけでございます。いまこれらについて鋭意進めておるところでございます。近い将来にこれについての措置についてお話しをすることができればというふうに考えております。また、こういう仕事を本来的な業務としてやっていくべき組織につきましても、やはりその方面の専門の学者の方々等と御相談をいたしまして、体制を準備をしつつあるというような状況であるわけでございます。そういうような状況でございまして、逐次輪郭が明らかになり次第またこちらの委員会のほうにも御報告を申し上げるつもりでございます。  はなはだ気持ちはまさに先生のおっしゃるとおり、このままで相済まぬということで、気はむしろあせるのでございますが、なかなか今後こういうことが二度と起きないようなしっかりした体制を確立するということで、いろいろな問題を検討しながら一歩一歩前進はいたしているわけでございますが、しかし、先生のお立場からながめられますと歯がゆい思いをされると思います。いま少し時間をおかし願いたい。これが私のお願いでございます。あとは事務当局のほうから。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) 先ほど御説明申し上げましたように、二回の立ち入り検査をいたしましたときば、関係者からの事情聴取等によりましてなお調査を続けております段階でございまするが、いままでのところでわかりましたおもなものの一つは、原子力軍艦寄港地で採取されました試料の機器分析につきましては、実際の試料を測定いたしませんで、すでにある波形図をコピーしていたものが約三六%あるという事実が明らかになりました。化学分析につきましても測定を行なわないで最終報告書をつくり上げたものが少なくとも四割はあるということが明らかになっております。  そのほかの点については目下調査を続けておりまして、調査結果は整理中でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは大切なことだが、これに関係した者の責任の所在なり人脈なりそういう者を名前をあげてここでお答えいただきたいということをさっき言った。聞こえなかったですか。これだけ言ってもその答弁が全くよそのほうへいくようなことで、ここに科学技術庁の問題があるんです。ちゃんと委託したにかかわらずとんでもないことをやる。議会の答弁だってそうじゃないの、いま。もっとしっかりしてもらいたいな。警察、検察庁、そんなややこしいことになっているはずがない。それでは検察庁でこれを捜査しているのか、警察か、その進行状況なりわからなければ呼んでもらいたい、そういう方面を。どういう人がどうなっているか言うぐらいのことが警察や検察庁でなくたって、監督官庁として委託している科学技術庁でわからないはずがない。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま御指摘の点につきまして現在まで判明しておるところを申し上げますと、放射能分析の関係は第一部というところで実施しておりまして、その部長が大里でございます。それからその下に機器分析を実施しております者が河合以下三名でございます。それで当初機器分析につきまして河合が捏造をいたしましたことは判明したわけでございますが、その後さらに追及いたしまして、大里が化学分析についても測定をしないで報告をするということを指示し、また波形のコピーも認めたと、こういうことでございますので、大里が当面の一番の責任者でございます。その上に当時千葉盛人という理事がおりまして、さらにその上に専務理事の浅利民弥がいるわけでございますが、その辺がいつの時点でどこまで関与しておったかにつきまして鋭意調査中でございます。ただいまの時点で判明いたしておりますのは以上でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連ですから……。大里部長は、私どもこれは別途調べております、われわれは。だんだん上にいって、これはもう政府筋がやはりこれを頼んでいるという形跡がある。もっと調査が進めば指摘いたしますが、指摘されるまでもなく当初言ったように、これは部内で徹底的に、これは司直の手にかけてでも、えてしてこういうものはうやむやにされてしまうんです、かつて海運汚職でさえも国民の前に、これは解散に至るような事件で、指揮権発動までやったでしょう。いまの自民党内閣はね。二度と起こさない二度と起こさないと言ってきたのが、炭鉱爆発だ、飛行機が落ちた、ずいぶんこれは総理以下から聞いてきた。もう何十回起きても、二度と起こさないと言ったんです。このような事件こそ二度と起こさないことができることなんですよね、これは。私はこの際大臣に徹底的にやはり事態を明らかになるまで調査させ、そうして議会あるいは直接でもけっこうですが、明らかにした上で納得のいく新しいレールに乗せてもらいたい。応急対策も考えてもらいたい。そう時間がかかるはずはありません。いかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 政府筋云々のおことばがございましたが、どういうことか了解に苦しみます、私もいま政府ですから。しかし、事態を明らかにするために科学技術庁は現時点において最善を尽くしました。しかし、ある程度以上は困難でございます。ただいま報告申しました大筋以上はなかなか困難でございまして、先ほどお話しいたしましたように、警察等でも事情を聞きたいというすでにお話もまいっておりますので、担当者、関係者等及び事実関係の詳細につきましては司直の手によらざるを得ない、ゆだねざるを得ないとこの段階は考えておりますし、そのためにわれわれは全面的な協力をするつもりでございます。どうぞそのように御了解願いたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 じゃ、さっき長官並びに局長の御答弁伺いましたが、立ち入り調査はこの原潜の測定試料についてはされている、これは私もわかります。しかし、原子力発電のほうは委託者が企業であるから、そちらがひとつ調べてもらってその結果を聞こうと、こういうお話ですね。しかし、なぜ第三者機関である分析研に企業が試料の分析を委託しているか。この意味を考えると、これは住民の側から見ると、企業が自分ではかってその数字を発表したのではやはり信頼されないといけないから、第三者機関である日本分析研にそれを委託をして、第三者でチェックをする、こういう仕組みにこれはなっておるんですね。その第三者機関である分析研がはっきりしないと内容が不明である、そこでまた委託者が持って帰って、これを調べていくということでは、私はやっぱり筋が違う。これは直接政府機関が、科学技術庁が立ち入り調査をやってはっきりさす、そういうことによって住民が持っている不安や疑惑をぬぐうことができると思いますが、この企業に持ち帰って点検をして、それを待つというようなことは、私はこういう不安をぬぐうことにならないとこう思いますが、この点科学技術庁は積極的に立ち入り調査をやって、すみやかにこの問題をはっきりさすべきである、こう思いますが、重ねて長官にお伺いいたします。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 私の前に事務局から。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生から御指摘の点でございますが、事柄が県あるいは電力会社と分析化学研究所の私の契約ということでございますので、その点でまず第一段階としてその立ち入りが現在行なわれておる、科学技術庁といたしましても当然この点は十分に監督官庁の立場として十分な措置はとりたいと思っておりますが、さらに電気事業者の場合には同じく所管官庁の通産省もございますので、通産省とも十分相談をいたしまして、適切厳正な措置をとりたい、こう思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ私の契約だから第一義的にはその契約主体がチェックするんである、こういう御答弁ですが、これは科学技術庁はいまも御発言ありましたが、やはり分析研に対する監督官庁としてこれだけ問題になっておるときにはやっぱり直接立ち入り調査をやって明確にする、これは監督官庁の当然の私は義務であるといいますか、権限であると思いますが、この点どうお考えになっておりますか。たいへん回りくどくもとへまた持って帰って調べてそしてその結果を待つと、このようなことではたいへん私はなまぬるいと思う。いかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 自治体、電力会社の調査にまあ著しい障害、疑問があるということになれば、これは科学技術庁として調査を行なうことはもちろんでございます。これは今後の問題といたしましてですね。しかし、いずれにいたしましても従来のやり方もございますから電気事業者の所管官庁である通産省あるいは地方自治体の方面とも連絡して今後具体的なやり方をよく相談したいと思っております。そういうことで御了解願いたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 通産に伺いますが、いま長官から通産省と相談してこの問題についてはすみやかな調査のことを検討したいと、こういうことですが、通産省は立ち入り調査に行かれて、この問題について、一応この原子力発電の試料を点検しておるんでしょう。いかがですか。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) 通産省は立ち入り調査行っておりません。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 行っていないんですね。それじゃ、いま長官の発言のとおりこれはひとつ相談していただいて、早く私は住民の間に、何かあれだけ心配ないとこう言っておったけれども、実際はどうも問題があるんじゃないかと、こういう空気がやはり時間がたてばたつほど広がっていく。これをぬぐうためにも一日も早く積極的な取り組みをしてもらうべきであると思いますが、その点ちょっと確認したい。いかがですか。

井上力資源エネルギー庁長官官房審議官

○説明員(井上力君) そのようにしたいと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ森山長官のいまの御答弁ですから、これはひとつ通産審議官ほか見えておりませんが、ぜひ御相談いただいてお願いしたい。  そこで、その問題についてのいつ具体的にその取り組みがされるのかということが一つと、それからもう一つは、企業が行って、委託者が行って、その調査資料を全部公開する、調査に応ずるというならば、われわれがこれについて立ち入り調査をすることはできると思いますが、これに当然応ずると思いますが、いかがですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) よろしいと思いますけれども。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 と同時に四十七年、四十八年の上半期における件数は先ほど報告があったとおりですが、これらの原票についてそのコピーを提出できますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいまの御質問の趣旨は分析研の調査分析値の原票を役所側がとってその書類を当委員会に御提出するというものと理解いたしますが、この原票につきましては、私どもが立ち入り調査をいたしました段階で、かなりの部分が、特に昭和四十六年度以前のものは廃棄しておる事実がございまして、そのようなものはむしろ電力会社に報告書として出ておるわけでございますことも考えまして、電力会社を通じて提出させる、あるいは県、地方自治体を通じて提出させるのが適当であろうと思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それはどうもおかしいじゃないですか。なくなったのは、もうそれはないのはしかたないですね、これはもう燃やしちゃったからなくしたというのは。それは前の原潜の点についても、四十六年度以前はないということですから、それはわかります、なければ。しかし、あるものは、何も県や企業を通して、そこからでなくちゃ出せないということはないでしょう、分析研にある原票のコピーを直接もらえばいいわけですから。それをどうして回りくどくぐるぐる回らなくちゃいけないのか理解ができない。いかがですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 本件につきましては、県あるいは電力会社と分析研との委託契約がまず最初にございますので、その委託者の同意がまず必要でございますことも考えまして、委託者側から提出させるのが適当と考えます。もちろん、私どももその提出につきましては十分指導をいたしまして、遺漏のないことにいたしたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 重ねてですがね、国政調査権によって私は少なくも分析研にある原票のコピーを提出させるべきだと思います。何も、企業はそれはけっこうですよ、自分のほうヘコピーを持っていくから、行ってお調べになる。それはけっこうですが、分析研に原票があるんですからね、そのコピーを出してもらうということは電力会社あるいはその地方自治体を経由しなくてもできるはずである、こう思いますがいかがですか。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 速記を起こして。

生田豊朗科学技術庁原子力局次長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま御説明を申し上げましたように、民間ベースと申しますか、電力会社と地方自治体との契約でございます。委託契約に基づきまして行なわれた調査でございますので、契約者双方の同意が得られますれば資料を御提出することは可能だと思っております。この点につきましては通産省と十分相談いたしまして処置いたしたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いつまでにその相談をいただけるかひとつ。それから、先ほど長官、通産と調査の件についても具体的に相談すると言われました。この二点について期日を明確にしていただきたい。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 速記を起こして。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) 通産省との相談は直ちにいたします。資料につきましては、通産省と相談してつとめまして努力いたします。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それじゃ、いまの局長御答弁のとおり、直ちにひとつその二点について相談をして手配をお願いいたしたいと思います。  これは私何回も申し上げたけれども、住民の中には分析化学研というのは日本でも有数の権威のあるところ、これは私らも静岡とかいろいろなところで、あそこへ持っていけば心配ないということをずいぶん聞きました。それだけ一般的には権威があるといわれておった。その状況がいまくつがえれば広範な不安が出てくるのは当然である。それを一日も早く解消することが大事だと思う。そういう点で、いまの御答弁をすみやかにひとつ実行していただきたいと思います。  それから、ちょっと時間がたって、五、六点の問題があるんですが、全部に触れることができないと思いますが若干伺いたいと思います。  石油問題から出発をして、いま原子力発電を長期計画を見直すというような構想が政府部内にあるということを新聞等で見ておりますが、科学技術庁並びに通産両方にそれぞれの構想があるようですが、見直しについてどうお考えになっているのか。見直すというような考えがあるのか。この点を伺いたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 通産省のほうの総合エネルギー調査会のほうで、この問題についてエネルギー全体として見直していこうという方向にあるように聞いております。が、これにはかなり時間がかかるというふうに思いますので、科学技術庁といたしましては、原子力発電の将来というようなものを考える上におきましても、国民経済の今日の動向等を考えて腰だめ的に当面の情勢判断をいたしたいということで、稲葉原子力委員にお願いをいたしまして、来週一ぱいぐらいで当面のめどというようなものが、一つの何というんですか見方というようなものがまとまることを期待をいたしております。来週一ぱい——できるだけ早くということで、もう最初の予定では今週一ぱいぐらいの予定でしたが、いま聞きますと、もう少しかかるかもしれぬということですが、目下検討いたしております。それで検討いたしました結果はあらためましてまた本委員会に御報告を申し上げたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 方向として長官は今日のいろんな状況を勘案した上で、あの長期計画を拡大する方向ですか、圧縮する方向ですか、どちらをお考えになっていらっしゃいますか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先ほどもちょっと御報告を申し上げたかとも思いますが、あるいは申し上げなかったかもしれませんが、この間ワシントンのエネルギー会議に出席をしまして、前々から聞いておりましたが、フランスの代表などは、これからつくる発電所は全部原子力というようなことを言っておりますし、西ドイツ等におきましても、第四次原子力開発計画、今後四年間に六十一億マルク、日本の金で六千五百億円の研究費を支出してこの問題の解決をするというようなことでございますから、原子力発電について既定の長期計画があることは先生御案内のとおりでございますが、その既定の計画だけは何としてでも実行、実現いたしたいと思っております。それ以上の問題につきましては、これからの国民経済全体の動向の見通し等、もう少し見通して対処していきたい。しかしいずれにしましても、水力、火力原子力と、こう三つに分けまして、水力についてはもうそう大きな期待を持つことができないような現状にある。それから火力につきましても、石炭についてはすでに一〇%を割っておりますね。なかなか地域的に北海道中心というようなことでございまして、わが国においてはなかなか困難でございますが、油の場合も安い油がふんだんに入るという時代は去ったわけでございますから、まあ、かりに油のほうが、石油のほうがもう少し入手しやすくなるにいたしましても、値段はもう前のようなわけにはまいりませんしいたしますから、火力発電の大宗を占める石油の発電という問題もなかなか困難である。特に現状のように既存の発電所でさえも油が思うどおりに入らないという時代に新しい発電所をつくるかどうかという問題もございます。しかも、一方におきまして、とにかく電力の需要というものはふえこそすれ今日の経済見通しでも減るということはまずないだろう。産業用及び民生用の需要の動向等を考えますと、すでに昨年の夏以来関西では節電運動をしなければ停電するというような事態にもうすでに入っておるわけでございますし、それから現在のままの原子力発電計画とそれから着手した実情との比較をいたしますと、これは原子力発電所をつくるのに三年ないし五年以上かかる、計画に対して実施がうんと下回っておりますから、昭和五十年ごろから、来年、特に五十一年ごろからもう全国各地で電力が足りなくなって困るという事態が起きてくることはもう目に見えておりますから、そういうことになりますれば、それに対する対策はもうわかっておるんですから、やるだけのことばやらにゃいかぬ。そういう意味では原子力発電がわが国においてのエネルギー政策上占める地位というものはまことに私は大きいと思います。しかし、申すまでもないことでございますが、これは手放しではいけないのでございまして、原子力ということになりますれば、これは何といっても軍事利用から始まっていたわけでございますから、そしてわが国は広島、長崎の痛烈な体験を持っておりますだけに、安全性の問題は平和利用になりましてからわが国だけではなくて、世界じゅうでオペレーター及び一般公衆に被曝を与えておる事故は一件もございません。機械でございますから故障はございますが、そういう事故はいままではないのでございまするけれども、しかもなお、やはり歴史の新しい技術であり、産業でございますから、また、科学の発達段階といたしましてテクノロジー・アセスメントということで念を入れてやっていかなければならぬ。念には念を入れてやっていかなければならぬということと、直ちにもってあぶないということとは一致しないのでございます。で、その意味では、原子力発電というものにそういう安全性にうんと力こぶを入れてこれを進めていかなければならぬし、いかざるを得ない、私はそのように考えております。でございますから、いま申し上げましたように、現在あります長期計画だけはこれはどうしてもやらざるを得ませんし、これからのわが国の国民経済の動向等から割り出したエネルギー政策という観点において今後どうしていくかという問題については、当面の腰だめにいたしたいと先ほど申し上げましたように考えるんですが、長い将来のことは通産省の総合エネルギー調査会——通産省といいますか、政府といいますか、そこで研究をする考えでございます。そういうことの線に沿ってこれから進めてまいりたい、率直な心境はそういうところでございます。  しかし、その中で先ほどのような分析研の問題を、突如と申しましても、先ほど来申し上げるように、昨年とにかく九月に問題になっておったにかかわらずぼやぼやしておって、そうして真面目に調べてみたら全くだらしない状況であったということはまさに断腸の思いでございまして、そういうことにつきましても、今後先行きのことを考えまして、この際、最善の努力を尽くしてこういう問題に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。どうかひとつ今日のわが国の現状に、特にエネルギーの現状につきまして、あと二、三年たって終戦直後のように電力が足りなくなって停電を余儀なくされるというようなことがないように、そういうことのために最善の努力を尽くしておるということでひとつ御了解願い、また一緒にひとついろいろな御高説をお聞かせ願って当面の事態に対処いたしたい、どうかよろしくお願いいたします。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私のきめた時間がもう数少なくなったんですが、いまの長官のお考えについては、また別の機会に具体的にひとつ質疑によっていろいろ明らかにいたしたいと思います。  そこで、時間の点から二点だけお伺いしたいんですが、一つは、この発電所を動かす原料とあと、始末の問題。原料といえば濃縮ウラン並びにウラン鉱の問題ですが、濃縮ウランの合弁事業等をめぐっていま各国からいろいろな働きかけがわが国に行なわれておりますが、これはアメリカ、それからソ連、それからフランス、ドイツ等ありますが、これらの呼びかけに対してどう考えておられるのか。長い時間はございませんから簡潔でけっこうでありますが、お願いしたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 現状は御案内のとおり、日米原子力協定によりまして濃縮ウランを手に入れるということになっておりますが、長い将来を考えてみますと、やはり手に入れる方面をいろいろなところから多角的に入手するような方向で考えてまいりたいと思います。また、わが国自身も濃縮ウランの一部を自給できるような体制をつくってまいりたい、そういう考え方で対処いたしておるわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 動燃で、東海で私ちょっと見にいきましたが、遠心分離法等による濃縮ウラン技術開発がかなりなレベルに達している。各国とそれぞれ協力することも大事でしょうが、やはりどういう面でも自前の技術を積み上げて育てるということがどうしても大事だと思うので、何か問題があるとすぐアメリカへ飛んでいくという、こういうことはもう卒業しなくてはならないのじゃないか。そういう点でわが国で開発をいましている遠心分離法をどういうようにやられるお考えか、どうしたいと思われるか、その点いかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) ぜひとも国産技術として発達さしたいと考えまして、昭和四十九年度の予算におきましては九十八億円、相当多額の経費をこれに充てる所存でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 もう一つ再処理の問題ですが、燃料を燃やしたあとをどうしますかと。いまたとえば敦賀や日立の港からイギリスへ全部送っておりますが、計画によれば五十年度にこの再処理工場が営業運転をすると、こういう計画が、建設が進められていると。しかしかりにあれが予定どおり動くようになったといたしましても、これは廃棄物の点がかなり多いからまだまだ問題ありますが、かりに計画どおり動くとしても、その処理能力は二百十トン、一年に。もし計画どおりに大体五十五年というほうに進んでいった場合に、計画どおりというのは、現在すでに建設中の原子力発電、これが建設されたと、建設中のが建設が終わったとして稼動したとすると、概算、これは科学技術庁の資料によると、五百トンの使用済み燃料が出る。一体、二百十トンではこれは始末ができないわけですが、これを一体どうされるお考えか。海外に持っていくのか、あるいは国内でやるのか、国内でやる場合にはどこが主体になってこれを考えるのか、この点についての御見解があれば大まかにお伺いいたしたい。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) すでに一つ再処理工場に手をつけておることは御案内のとおり、いま先生の言われたとおりでございますが、それだけで足りませんから、今度は民間が中心になって第二工場をつくる。それについていろいろな御見解があると思います。私は基本的にはやはりこれからの原子力発電やっていくということになれば、再処理の問題にはっきりしためどをつけないでやるということははなはだ大問題でございますから、そういう問題について万遺憾なきを期して努力していきたい。いまその詳細につきましてちょっと事務局から御報告いたしたいと思います。

生田豊朗科学技術庁原子力局次長

○政府委員(生田豊朗君) 再処理の問題につきましては先生御指摘のとおりでございます。それでいわゆる第二再処理工場でございますが、これを民間が主体になりましてできるだけ早い時期に建設するということでございまして、現在通産省と共同で調査を進めておりまして、まだ具体案の作成までに至っておりませんけれども、なるべく早い時期に第二再処理工場を建設するということで鋭意努力しておるところでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いつごろをめどにしておられるのですか。大量の、このままでいくと使用済み燃料を国内で処理ができなければ海外へ持ち出す以外にないわけですが、そこらのところをどうめどをつけておられますか。

生田豊朗科学技術庁原子力局次長

○政府委員(生田豊朗君) 現在のところはっきり何年度からというめどがついておりません。ただ先生御指摘のように、現在建設中の原子力発電所がすべて完成いたしますと、国内の再処理工場、動燃事業団の再処理工場では再処理能力が不足でございますので、その点時期を十分勘案いたしまして、もしもその間でギャップができました場合には臨時に海外に依存するということで、その点の手配も進めているところでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いま、四十九年度からテスト運転に入る東海の再処理工場がありますが、これはいろんな努力によってかなり放射性廃棄物というものが外へ出るのが少なくなる、そういう計画を進められておりますが、前前田長官は、クローズドシステムによって再処理工場はゼロを目ざすと、こう御答弁があって、あと若干後退の発言もございましたが、そういう中でこのゼロを目ざす努力はどういうようにされるのか。また、ゼロに近づくまでかなり大量の、いままでの発電所に比べれば多くの放射性廃棄物が出るわけですから、ゼロに近づくまで私はみだりに営業運転をするべきでないと思いますが、この点についての御見解はいかがですか。

生田豊朗科学技術庁原子力局次長

○政府委員(生田豊朗君) ただいまの先生御指摘のいわゆるゼロリリースの問題でございますが、この点につきましては、四十九年度の予算、政府原案におきまして安全研究の一部としまして取り上げまして、早急にそれを進めたいということで考えております。ということでございますので、本年春から試験運転、それから明年から本格的な運転開始ということでございますので、とりあえずはそのゼロリリースの形では運転できないわけでございますが、先生十分御承知のように、海中に放出管を出しましてかなり海岸から離れたところに放出するということでやっていけるということで安全審査も通過しておりますので、当面それでやってまいりまして、御指摘のゼロリリースにつきましては早急に研究を進めまして、なるべくそれを実用化してまいりたいというように考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いまテストで動かしても営業運転は五十年ですね。それまでに少なくもゼロは実現できなくても、それに近いところまでこぎつけてやらない限りはみだりに営業運転に入るべきでないと思いますが、それは見通しを立てられますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生御指摘の点につきましては、当初の計画の放射性廃液の放出レベルを一けた下げるということで実施することにいたしております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それじゃ時間の点もありますからこれについてはまた別の機会に少し詳しく質疑をいたしたいと思います。  通産見えてますね。石炭の液化の見通しは、いろんなエネルギーの対策がありますが、石炭液化の見通しが立てばそれはまた隣の中国等との協力によってエネルギーの新しい分野を開く見通しもあると思うんですが、新聞ではいろいろ液化が成功したという例が出ていますが、まだまだ小規模のようですが、これについての見通し等を一言伺って終わりたいと思います。

根橋正人工業技術院総務部技術審議官

○説明員(根橋正人君) 石炭の液化の目的につきましては、これは固体燃料としてございます石炭を液体に転換をするものでございます。そうして使用の簡便性をはかりますとともに、その過程におきましてクリーンなエネルギーに転換するということでございまして、石炭の液化の技術につきましてはまだまだ技術開発を要する問題点が多く存在しているわけでございます。  そこでわれわれとしましては、昨年の十二月の十八日に産業技術審議会の答申が出たわけでございますが、その線に沿いまして、四十九年度からサンシャイン計画の一環といたしまして石炭の液化技術の研究開発を取り上げてこれを推進していくというふうに考えているわけでございます。  民間で石炭の液化につきましての報道がございますが、いま申し上げましたように技術的にはまだまだ非常に問題点といいますか、解決すべき問題がございまして、いま先生おっしゃられましたように非常に小規模のものでございます。したがいまして、これを実用規模までにスケールアップするにつきましてはまだまだ技術開発を要する基本的な問題が数多くなると思います。  それから、海外におきましてもこの点につきましてはやはり研究が進んでいるわけでございますけれども、やはり海外におきましても同じく必要な技術研究が進んでいるというような段階でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 先ほど長官のほうから、今後電力等の需要の増大並びにこれが開発で遺憾なきを期していきたいという、非常にまあ広範な問題を含む発言がございました。  それで第一の点ですね、水力はもう水源、エネルギーは枯渇しているようにいわれますが、いま、電力会社の首脳部は確かにそういうことを言います。いまの電力の私企業、そして九分割、そして広域運営をしながらもきわめて不徹底ですし、日本列島、山脈を隔てて北と南、非常に河川の流域ないしその長さも短いし、急流でもあるしといったようなことをよく引き合いに出すわけであります。なるほど、ミシシッピーやテネシーのような状態とは違うけれども、しかし、いまや北においては雪で、これは唯一の、発電サイドからいえば貯水池となっているけれども、やがて三、四月、五月と、これは解けて全く無為に海に流れてしまう。当面、ミクロで見た発電コストからのみいえば、手っ取り早い重油火力なり、あるいは原子力へと移行するというのはわからぬではございませんが、しかし、原子力、すなわちその燃料といえども、いまの状態がさらに将来、永遠に続くよう、あるいは安定的供給というものが確保されるということを断定しがたい状態にあると私は思います。わずかにわが国、人形峠等、私も行ってみましたが、とてもわが国の原子力、核燃料の供給の最大な源にはならない。  ですから、私は問題が二つあって、一つは、やはりいま私企業的ベースで考えれば、これは水力技術者の中でもうつとに問題になっているんですよ。これはダムや水路が減価償却の二十年や五十年で消えてなくなるものじゃないですよ。もっと長期的にこれはやっぱり考えていくことと、かわるべきエネルギー源の実情、不安定性等から見て、国家的なやはり見地でこれは見るべきではないだろうか、この点が一つです。いきなりもう原子力、商売柄それは無理もないかもしれません、科学技術庁は。もっと国務大臣として、いろいろなことを、広範なエネルギー源の新しい展開ということを田中内閣打ち出しておりますが、どうもいま聞いてみると、所管大臣のほうでは原子力オンリーに食らいついているような私は印象を受けますが、これはやっぱりいまの私企業ベースの電力会社を考え過ぎているように思うし、九電力そのものに対してもメスを入れる時期がもうつとに来ていると私は思うのです。単なる電力融通だけで解決できない。北にうんと発電所を伴わない貯水池をつくったっていいでしょうし、下流にこれを受けて発電所、あるいはいま夜の電力を使って、そして上流ダムに揚水式のダムといったようなことさえやっているときですから、もっと広域的電力の組織なり、行政というものが徹底すれば、水力という面で自給する、これを考え直すという……、石炭、いま、また掘り始めるのもけっこうですが、なかなかこれは間に合わない。  それからもう一点は、いますでに電力制限になっているんですね、やがてじゃなくて、もうすでに、これは石油を主として原因としておりますが。ですから、この点と、もう一つは、言われるようなことが容易でないのは、新聞でも御承知のように、大口等はもう一〇〇%値上げしなきゃどうにもならぬといっているんでしょう。今年度末すでに関西、四国のように、この間値上げしたばかりだけれども、数百億の赤字だ、どうにもならぬと、そして四十九年度は、いま私企業各社は一千億を越すんじゃないでしょうか、赤字というでしょう。ですから、一般が三〇ないし四〇%、それから大口が一〇〇%値上げ、幾ら政府に融資をもらっても損益計算書のバランスが取れないといったようなことで、きのう来、新聞にも出ていましたね。この点をどうなんですか、原子力を促進されるとしても価格問題等の関係どうします。これは料金値上げはするんですか。しないんですか。その辺にやはりメスを入れないで、もっと科学的にメスを入れないで、ただ何とかやっていきますと言われても私はピンとこないですね。これは絵にかいたもちになるように思うし、そうでなければ大幅な電力料金のこれは値上げになるでしょう。どうなりますか、この二点。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先生と何か議論するみたいになっちゃうんでまことに恐縮でございますが、先生からのお話がございますから所感を申し上げたいと思います。  まず水力の問題でございますが、石炭もそうでございますが、資源調査会というのがございまして、昨年の十一月二十七日だったと思いますが、石炭の問題も水力の問題もひとつ見直していかなきゃいかぬのじゃないかということで、これは科学技術庁の関係の調査会でございますが、そういう意見も出たことは私もよく承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、現実論といたしまして、新たに水力を開発する余地は必ずしも実際問題としまして多くない。ただ揚水発電ということで、原子力発電と組み合わせてまいりますと発電の効率はうんと上がってくるわけでございますから、その方面に大きい先行きがあることはこれは先生のよく御案内のとおりだと思います。そこで、水力につきましては純国産エネルギーといたしまして、今度の電源開発促進税の対象とする、交付金の対象として、できるならば、これは水力はできるだけ開発したいという方向で考えておるわけでございますが、まあ腰だめに見まして、われわれは昔水力が盛んな時代に育った人間でございますから、ほんとうは水力、国内の大きな電源としてそういう方面に大きな期待を持ちたいのであるが、現実はなかなかそこまではいかないのではなかろうかという点を心配をしておるわけでございます。実際問題としまして。理屈の上ではいろいろありますが、なかなか容易ではないというふうに考えております。それからそのほか地熱とか、石炭の場合でございましてもいろいろと議論があることはございますが、いま先生お話のように、アメリカのように三百年も、しかも露天掘りでもっと掘れるところと、わが国のように鉱脈が細くてなかなか容易じゃないということは、先生も先ほどなかなかむずかしそうだというお話がございましたが、なかなか液化ということになりますと国内の石炭を対象とするよりは、大きく太平洋沿岸ぐらいの石炭を対象にして、そこから石炭のまま持ってくるよりは液化して持ってくるというような考え方で取り上げていかないと、石炭の発電というものと結びつけて考えると視野が狭くなると思います。そうなると相当時間がかかるということは、先ほど通産省のほうから話があったとおりでございます。それから、お触れにはなりませんでしたけれども、地熱発電なんかも大いにやったらいいと思う。私ども議員仲間でも二千万キロワットぐらいできるんだからやったらいいと、こうおっしゃるんですけれども、現実はなかなかそうはいきませんし、日本のような酸性土壌の土地でございますと大きな期待を持つことは実際問題としてはなかなかむずかしそうでございますので、先ほどのように原子力というものに期待を持たなくちゃいかぬのじゃないかということを申し上げたい。  それに関連しまして、当面の電力料金のお話がございましたが、ちょっと私の立場からコメントする立場にないだけではなくて、非常にこれはむずかしい問題でございますから、ちょっとここで私から申し上げることはひとつお許しを願いたい。ただ原子力発電になってどうだということでございますが、去年のいまごろは一バーレル石油の値段は三ドルにはならなかったと思っております。現状はもうバーレルハドル、九ドル、十ドルというような段階になっておるわけでございますが、それに比べて原子力は、従来はバーレル三ドルをこえるならば原子力発電のほうが安くつくというのが従来の通説でございましたし、御案内のとおり原子力発電というのは発電所をつくる費用がたくさんかかるわけでございます。ウランの値段も昔のようにとまっているというわけではございませんけれども、相当な値上がりがありましても、コストという面からいきますれば原子力発電のほうが、長期をとってみれば、今日のような石油の価格になってまいりますと、うんと安くつくというふうにいまの私どもは考えておるわけでございます。しかし、それが電力料金全体との関係がどうなるかということになってまいりますと、現在原子力発電が百八十万キロワットでございまして、総電力に占めている割合は、パーセンテージはまだ小さいわけでございますから、それと現状の電力料金問題等をくっつけて考えますと、これは目下のところはネグリジブルであろうと思います。この石油の価格と電力料金との関係をどうするんだということがもうほとんど中心、大部分でありますから、その段階においてはちょっと私から申し上げる立場にないということで御了解をお願いいたしたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 原子力、あなたのおっしゃるの、ここにちゃんと書いてある、三ページですか、三ページに「まず、原子力発電については、安全審査」云々以下ずっとこう。それから御答弁でも相当な原子力発電所を開発して、数年先の需給のバランスはとらして見せるということでしたね、そうしなければならぬと、これは間違いないでしょう。それに価格なりコストなりそれはもう別問題だと、おれはやるのだと、そんなこと成り立ちませんよ、現実の政治。それを私言っているんです。だけどそれは私は言えないというのではきわめて無責任なことがわかりましたのでやめますが、無責任と言われるのが悪ければ御答弁をいただきたい。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 決して論議をいたすつもりはございませんが、原子力発電のほうがはるかに安くつく、従来の場合ですとバーレル三ドル以上になりますれば、原子力発電のほうが発電コストは安くなるというのが通説であり、常識でございます。しかし現状は原子力発電の占める割合が、非常にパーセンテージが低うございますから、そして油の値段の上がり方がべらぼうでございますから、電力料金の問題につきましては——現在の電力料金の問題につきましては私からコメント申し上げる立場にないと、こういうように申し上げたわけでございまして、どうかひとつ御了解くださいますように。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      —————・—————    午後一時十二分開会

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

中村利次民社党

○中村利次君 やっぱりこれは大臣がいらしたほうがいいんですけれども。日本分析化学研究所の問題も、私は一応はいまこのものずばりについての質問というのは、午前中の質疑応答を聞いている限りでは、どうもやってもしようがないんじゃないかという気がいたしますけれども、午前中の辻理事の質問に対して、私は非常にどうも御答弁が歯切れが悪いような感じを強く受けます。私は累次にわたって本委員会で、あるいはその他各委員会で申し上げてまいりましたように、石油危機で日本はエネルギーたいへんなことになっておりますけれども、しかしながら、これは本質的にこのエネルギー、石油、電力危機なんというものはあったんです、あるんですよ。ですから、原子力の開発以外にはない、先進諸外国に劣らない開発をやらなきゃならないという立場をとってまいりました。しかしながら、国民の中には、これは開発をやるべきであるという立場の人たちと、原子力発電についてはいまだ反対であるという立場の人があるのですよ。ところが、分化研の問題はこういう国民世論に対してどういう、あるいは国民感情というか、国民にどういう受け取り方をされたかというと、私はこれはきわめて遺憾でありますで片のつかないたいへん重大な、取り返しのつかないことであったと思うんです。そういう意味では、これはもう反対的立場からいえば、それ見たことか、だからこそあぶないんだ、そういうごまかしをやっているとはけしからぬということになりますし、また開発すべきであるという立場の国民の皆さんでも、これは不安をお持ちになるのはもう当然であって、まして日本は原子爆弾の洗礼を受けた唯一の地球上の民族ですから、そういうことを考えますと、まことに私はこれは分化研がああいうインチキをやってけしからぬということよりも、むしろわが国の政府、特に当面の科技庁の責任というものは償っても償いきれないぐらいこれは決定的なものがあったと思う。ですから、私はそのことは御答弁をいただこうとは思いません。これはもう事実ですから、そのとおり御認識にならないと私いけないと思う。それから、もう一つ言っておかなきゃいかぬのは、これは私は政府からそういう、まことに釈明のできない不祥事件が政府みずからの手によって明らかにされたというならまだ救いがある。国会の委員会で野党の委員から指摘をされて、そうして明らかになったというところに全くこれは救いがたいあれがありますけれども、その上に立って質問をいたしますけれども、これがやはり原子力発電所の立地地点において電力会社及び地方公共団体と放射能監視についての協定を結んで、これは必ずしも全国統一ではありませんけれども、いろいろな監視、協定による測定監視、測定が行なわれておりますけれども、これと直結をして安全性の問題に重大な影響があるのかどうか、まずその点からお伺いをしたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいま先生の質問のございました点について御承知のように原子炉の安全性と申しますのは、安全審査でもって設計の安全性を確認いたしまして、それから運転につきまして十分な規制をしておるわけでございますが、分析化研が関係いたしました測定は、一般的ないわゆるパックグラウンドをはかる測定の一部に当たるわけでございます。したがいまして、非常に長期的に見ての放射能汚染の蓄積ということでは基礎データとなるわけでございますが、かりに万一そのデータがただいま現在一部の信頼性を失ったとしましても、それが直接周辺公衆の健康に影響があるということではございませんで、これは放射性物質の放出につきまして排気口、排出口で十分監視をし、さらにモニタリングポスト等で監視をいたしております。そういう点で直接の影響は周辺の住民が不安を感ずるような影響はないと考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはやっぱり科学的な根拠に基づいて私は行政の責任のある科技庁の長官、大臣以下、国民に対して行政の責任を問うという立場を明確にしてほしいと思うんですね。ですからこれは周辺地域の住民の皆さんの安全性と直結をしないということであっても、こういうまことに言いわけのつかない不祥事件なんというものは、だからいいとか悪いとかいう問題ではありません、もちろん。しかしながら、私も、やっぱり非常に純心な国民の皆さんは、ああいうインチキをやって、われわれが心配しておるやはり原子力、原子炉も、たいへんにやはりこれはああいうインチキな調査をやられたのでは不安全ではないか、危険があるのではないかということを直接感じられるはずなんですよ。だから責任は重大といっているのですけれども、そういう点は、私は安全性については国が責任を持つと総理もたびたびおっしゃっている、大臣も科学技術庁の責任者としてそういうことを国会答弁でおっしゃっている。だとするなら、やっぱりそういう点の国民の不安を解消する手だてをお考えにならないことには、ほかにもいろいろありますけれども、やはり不安を解消する手だてを積極的におとりにならないと国会で質問されてそれに答弁すると、必要以外のことを言わないというのじゃ、あるいは国民に対してもよう聞かないというのでは、これはどうも原子力行政の責任官庁としての責任を十分にお果たしになっているのかどうか疑わしいと思うのですが、いかがでしょう。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 今回の分析研の問題に関しまして、先生がおっしゃられた点については、私全く異議ございません。まさにそのとおりでございまして、それと原子力発電所の問題とが具体的にどう結んでいくということになりますと、先ほどお話がありましたように、環境調査の面でございまして、原子炉自身の安全性の問題はこれはまあ別の問題であり、またその安全性についてはこれは分析研の問題とは全く関係がない。私は、その安全性の問題については心配ないと思っておりますが、ただ環境調査、汚染の状況の調査ということにつきまして、その一部を分析研に委託しておりましたためにどうも不安心だという不安を与えましたことは、まことに遺憾千万でございます。つきましては、当悪の処理、いままでの始末に対するあと始末もさることながら、これから新しくつくる体制につきまして全く心配のないような体制を確立をいたしたいと思って鋭意努力をいたしておるところでございます。先ほども申し上げましたように、まだ具体的に報告をする段階に達していないような事項が多々ございますものですから、特に国会のこういう席でございますと、やはりある程度かたまった段階で申し上げませんとまたあとであれは違った、これは違ったと、こう  いうことはできるだけしたくないと思いますものですから、いささか事務当局の発言が歯切れの悪  い点がありましてお気に召さぬ点があろうと思いますが、どうかひとついま少し時間をかしていただきたい、できるだけの努力を尽くしまして当面の事態の処理に当たり、ひいては国民に与えた不安感というものを解消するための努力を今後尽くしてまいりたい所存でございますので、どうか格別の御了解を得られれば幸いに存ずる次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 ですから、この問題で私は直接は質問しようとは思いませんので……。しかしながらやはり辻委員からも指摘されましたように、まあ非常に遺憾なインチキがある、電気事業者あるいは地方公共団体は、委託をした立場から調査をする。しかし、私はずばり言って、国民の不安というものをどう解消するか、その業者あるいはこの地方自治体という委託者が立ち入り調査をやって、その結果に基づいて科学技術庁が動く、これではやっぱり国民に対する行政府としての責任ではないと思いますから、むしろ指摘されるまでもなく、それはやるでしょう、委託者の立場から、当然やるでしょうが、やっぱり国民に対して何をするかということからいきますと、むしろ積極的に政府が国民に対する責任を持ったやっぱり調査をやるという姿勢が必要だと思うのですよ。これは私は答弁要りません。ぜひそうしてやはりその国民に対する責任を果たしていただく、そうでありませんと、これから次どう対処をするかということへのつながりがやっぱり私は国民から支持されてつながっていかないと思うのですね。  それからこれは因果関係の問題ですけれども、分化研の技術レベルというのは、きわめてやはり高いものであるということはこれはもうあいつらはインチキだということと別次元の問題として技術的に評価されているそうですけれども、これはどういうぐあいにお考えですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 分析化学研究所の技術レベルにつきましては、今回の不祥事件で非常に信用を落としたことは別といたしまして、過去の実績といたしましては、理事長が日本の分析界の権威であり、かつ専務理事が分析につきまして国際的な分析コンクール的がところで非常にいい成績をおさめたという実績がございます。いまの時点でそういうことを申し上げることがどういうことかという問題はあるかと思いますが、先生御指摘のような過去の実績は認められるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはどういう影響があるかというよりも、政治的なこと、あるいは科学的なこと、技術的なこと、こういうものは、仕分けをして、やはり事実は事実として追及、探究をしませんと、ひっかかりがあるから何か煮え切らないというようなことではいかぬと思うのですよ。  そうなりますと、いまのお答えのとおりだということになりますと、やはり私は、なぜ、ああいうきわめてこの何とも言いようのない不祥事件が起きたかという原因を正しく把握をするということと、したがって、全然別次元の問題として、そのそういう不祥事件と、技術水準というものとの仕分けをして、やはり技術水準を、国民のためにどう使うかということにつながっていかなければいけないと思いますけれども、先ほども申し上げましたが、総理も、大臣も、安全については国民に対して政府は責任をとるとおっしゃっている。しかし、これは口だけではだめでありまして、やはり裏づけがなければいけない。裏づけはどういうことで裏づけをしようとお考えになっているか。——ちょっと答えにくいようですから、たとえばまあこれは原因を私は正確に正しく把握をすることが先決だと申し上げましたけれども、そうなりますとやはり分化研というまあ特殊法人であっても営利を考えなければならないところでまああまり好ましい表現ではないがインチキが起きたと、そうなりますと、国がどういう責任を持ってそういう分析化学陣を、国民に責任を持って動員できる体制をとるのか、こういう意味です。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) ただいま御指摘のとおり、こういう仕事をするものは、公益性を持ち、かつ技術レベルの高い機関でやらせなければいけないということであると考えます。それで、まず今回問題になりました分析研は、現在八十数名おるようでございまするが、そのうち五十数名が技術系の職員であるというぐあいに考えますけれども、それらのレベルというのは、いま御指摘のとおり本来相当高い人が大ぜいいるわけでございます。  なお、それから、この分析研が財団法人でありながら公益性を全うするのにきわめて遺憾であったということでございますので、今後は、それらを御指摘のとおりの問題点を勘案しつつ、今後の問題については善処をいたしたいと考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 やはり私は、科学者の良心に基づいて——そういうきわめて高い水準の技術を持っている人たちは、私はやはりこれは科学者の良心をお持ちだろうと思う。それがあえて国民に対しても、あるいは科学に対しても、これを冒涜するようなことをやらなければならない。やらないでも済むような体制をやはりおつくりにならなきゃいけないと思いますし、これが、何回も繰り返すようですが、総理や大臣が国が責任を持つということにつながっていくと思うのですよ。国が責任を持っていただきたい。そういう国民に対して責任の持てる体制をおつくりいただきたい。私は、きょうは具体的にはあまりこれから突っ込んでは申し上げませんけれども、しかし、そういう要望をしておきます。そして、今後のひとつ対処のしかたを拝見をして、また時に応じていろいろ問題提起をやらしていただこうと思います。  次に移りますけれども、これもまた午前中御指摘がありましたが、まあいろんなことがあって、原子力の長期開発計画というのは、エネルギー庁、原子力委員会、全くこれは一致しておりましてね、五十五年の三千二百万キロ、六十年の六千万キロ、六十五年の一億キロワットと、こういう中期、長期構想がございました。まあこういう日本分化研の問題は、これはまあ別次元の問題といたしまして、やはりいまや世界の趨勢に立ちおくれることなく、日本も原子力開発に、安全、環境の問題を徹底的に責任を持ちながら、これを進めていかなきゃいかぬと思うんですよ。これは大臣が午前中の御答弁で、水力資源、水力発電所というものはあまりもう資源的にはないんだとおっしゃいましたけれども、実は、これはエネルギー庁の調査発表によりますと、まだ一億キロワットぐらいの水力の開発は可能であるということをエネルギー庁では発表しておりますが、これは理論的にそういうことが言えると思うのですけれども、実際にはなかなか私もそういう開発がそうそうにわかに可能だとは思いません。いろいろ私もこれは追っかけてみたんですけれどもね、そうそうなかなか簡単にはまいらない。油の問題は、これは量がどうのこうのということ以前に、これはもう原油の価格問題で国際収支の面からいって、これも私はずいぶん去年から追っかけてまいりましたけれども、政府はたいへん楽観的な姿勢でございましたが、ここへきてもう明らかに国際収支等も関連をして、これは容易ではない。むしろ省石油に、これは電力を含めて省資源にどう取り組み、どう実をあげるかということになると思いますが、しかし、省資源、産業構造の改革といいましても、こんなのをやっぱり奇術を使うように二年や三年や五年で実があがるなんということは、これはとても考えられないことですから、やはり中期、長期に原子力の開発以外にないと思うのですが、大体五十五年三千二百万キロワットの開発ということ自体、私は逆に言ってこれは四千万キロも五千万キロも開発すべきだと思うんだが、三千二百万キロすら開発の可能性についてはきわめて悲観的にならざるを得ないんですが、こういう点はいかがでしょう。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 分析研の不祥事態があったにかかわらず原子力発電の重要性について御指摘がございました。責任の重大なことを痛感をいたしておる次第でございます。原子力の長期計画によりますれば、昭和五十五年三千二百万キロワット、六十年六千万キロワット、その先もございますが、五十五年で発電設備の一八%、六十年で二五%、四分の一は原子力に持っていこうと、これはわが国においても、従来の経済見通しにおいても必要であったばかりでなく、国際的に見ても世界の趨勢と一致しておる線だというふうに考えております。しかしながら、今日までのところ五十五年目標の三千二百万キロワットの半分、およそ千六百万キロワットのところで原子力発電がストップをいたしておる。昭和四十七年度に申請個所が一個所でございましたし、昭和四十八年度は、まだ三月三十一日まであるようでございますが、現在原子力発電の申請はゼロでございます。こういう状況でまいりますれば、長期計画である五十五年三千二百万キロワットは半分ちょっとのところでこのままにいけばとまってしまうわけでございますから、何とかして原子力発電の立ち直りをはかりたいということで、私、大臣就任後、昨年の十二月の通常国会参議院予算委員会でその哀情を訴えましたところ、それがきっかけになりまして、総需要抑制で非常に予算がむずかしい中でございましたが、安全性の関係で、従来債務負担行為を入れて七十億程度のものが債務負担行為を入れて百五十億程度、倍以上の伸長をはかることができましたし、地元はもう原子力発電所をやるについては国家的使命感からやらなきゃならぬということで協力していただいた方も、いろいろな問題がありますものですから、鋭意努力して、しかも、金を使ってもなおかつなかなか容易ではないという事態になっておるわけでございますので、せっかく原子力発電所をつくるにつきましては、地元にとってもやっぱりそれだけのことがあった、これをつくるためにたとえばモニタリングのシステムを樹立するとかその他の実際かかる費用があるわけでございますが、そういう費用を償うのみならず原子力発電所、できた電力は地元にありがたみがなくてみな工業地帯あるいは消費地帯のほうに送られていくというようなことだけではなくて、発電所ができたことによって地方の公共施設等の充実もはかることができるというような体制へ持っていきたいということで電源開発税を創設することになり、また特別会計の設置をいたしまして、平年度で三百億円程度の資金をもって地元の対策に当たりたいというふうに持ってまいったわけでございます。しかし、そういうことだけでこれできるものではございませんので、やっぱりいまの電力のたてまえは電力会社がそういう形で、これは一生懸命やってもらわなきゃなりませんから、国のほうも先ほど再々お語がございますように、安全性につきましては、石油の輸入をもって事に当たると同様に電力会社もこの際決意を新たにして取り組んでもらいたいというふうに考えて、いま鋭意努力をいたしておる次第でございます。そういうさなかに今回の事件がありましたものですから、率直に言って、直接の関係は、これは環境汚染の調査等でございまして、その一部ではございまするけれども、私ども精神的に受けましたる影響というのは甚大でございまして、国民に与えました不安に対してこれをいかにしてその信用を回復するかということにつきまして、目下朝から晩まで努力をいたしておる次第でございます。どうかひとつ計画に対して現在半分までのところで、はてどうするかという立て直しをぜひやりたいということで一歩踏み出したわけでございます。さらにそのテンポを今回の事態でゆるめることなく、できれば進んでまいりたいということでいま努力をいたしておる次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは、どうも政府の姿勢が、私は、こう言っては失礼ですけれども、きわめて非科学的です。そしてしめりがちだと思うのですよ。これはたとえばいま大臣が指摘されましたように、原子力はここ当分電調審にかかっていません。またその他の発電設備というのは、昭和四十八年度だけを例にとっておりましても、電調審で認可されたものはわずかに三五%ですよ。認可されたにもかかわらず地元の反対等にあって着工できないのがこれは六〇%以上あるわけですから、実際に着工しているのは一四%弱じゃないですか。これは去年のいまごろはそういう想定はしなかった。もっと何とかなるだろうと思っていたんです。そういう状態ですから、私はこの三千二百万キロワットというのは困難というよりも全くこれはどえらいことになるのではないか。毎々指摘してまいりましたように、私は本委員会でも言ってきたんだが、これは予備率がやっぱりマイナスになったときの事態なんというのは容易ではないんですよ。いまが一五%、来月からは幾らか石油事情が緩和されるんで一〇%カットということだようでありますけれども、電気事業法二十七条の発動によって、燃料が足りないからカットをしておるのと、発電所の設備がなくなって、そしてなお——そうなるとまた二十七条のこれは発動になるのです、カットしなければいけないんですから。カットする状態とは全く違うんですよ、これは。不測の事態が起きた場合には、燃料不足の場合には何とかやりくりをして発電所を運転すれば、これは正常に戻るんです。しかし、カットしてなおかつ足りない——フル運転をしているわけですから、これはアメリカの去年の夏の実態に照らしてもわかりますように、過負荷運転をやっているときには事故が起こりがちなんですよ、これはもうあたりまえでしょう、機械工学的に言ってもそうなんですよ。その場合、事故が起きた。これは、アメリカの例はあれは電線だそうですけれども、発電所に事故が起きた、電圧が低下した、サイクルが低下した。どうなるのか。戦後の一時期にもういやと言うほど、手術中の患者が死んだとか、それからいまはあなた、当時の戦後の電力不足時代といまの社会環境、どうですか。水も出なくなる、上下水道全部、これは。エレベータがとまるなんか、これはがまんできるかもわからめ。いまそういう状態で、いま申し上げたように、とにかく四十八年度の計画は十数%しか達成されそうにない。ましていわんや原子力発電は安全問題で甲論乙駁の状態にある。そういう中で何か分化研の問題は、これは言いわけできませんよ。何と言いわけされても国民に対して申しわけないんです、これは。しかし科学的に考えるとそれとこれとは別次元の問題ですから。私ば先月ソ連のモロホフ調査団が日本に来られましてね、それで、それはモロホフ団長、実にいいことをあっちこっちで言っていらっしゃる。体制と科学の問題は違うのだと。これは体制の違う国であってもりっぱなことはりっぱなことですよ、科学的に。私は日本の科学技術庁あるいは原子力委員会にそういう姿勢を望みたいと思いますね。何かあるとしめっちゃって、科学的な責任——大臣は科学者じゃありませんけれども、科学者としての責任や良心までしめってしまうというのじゃ私はやはり人類のために、この科学を振興して、そして人類の福祉につなげていこうという科学技術庁の役割りなんておかしくなっちゃう。これは御答弁要りません。これは考えてくださいよ。ひとつばちっとしてくださいよ。  いまモロホフ視察団のことを申し上げましたけれども、これは私はやはり、私どもは立法府に属する者としていろいろなことを言い、問題提起をします。しかし、立法府は立法府ですよ。大臣をはじめ皆さんはやはり行政府の責任者として国民に対してどういう選択をするのか、責任があるはずです。これも私は毎々申し上げてきた。ところが、たとえば、この間もモロホフ視察団がお見えになった。あちらこちらでいろいろなことをおっしゃっている。私は人類のために原子力の平和利用は正しく開発をされていかなきゃならないという立場から、このモロホフ団長のいろいろな発言を聞きますとまことに感銘することが一ぱいある。ところが、こういうことがどういうぐあいにあなた国民に知らされていますか、知らされてない、ちっとも。関係者だけだ。一億国民の中のほんとうにまさに一握りの人間の関係者だけがまことにりっぱな発言について仄聞をするだけであって、ところが、先般プランクトンさんがアメリカからいらした。この発言の内容なんというものは大々的に報道をされて。こういうのはどうなんですか。政府は原子力の安全については全責任を持つとおっしゃるんだけれども、こういう私は民主主義というのは賛否両論あってしかるべきですよ。科学者は科学者の良心に従っていろいろ発言をされることもあるでしょうが、こういうものを余すところなく国民に知らして、選択は国民にしていただくというのが私はやはり民主主義体制の本来の姿だと思うのだけれども、何だか一方通行で、あぶない、あぶない、大危険であって、だめだ、だめだというのは大々的に報道されるけれども、安全には問題ない、いろいろな具体的根拠に基づいたそういう発言についてはさっぱりこれはどうも耳にせんを国民はされているんですが、どうお考えですか、これは科学技術庁は。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来お話がございました電源開発基本計画と発電所の建設状況について私も自分の手帳にメモを書いていまおりまして非常に心配をいたしております。四十六年度は九割でございましたが、四十七年度は三二%、昨年七月現在で一二%、四十八年度が。おそらくそれからそうたいした変化はないと思っております。特に原子力は四十七年度百十万キロワット、一基。四十八年度ゼロということでございまして、この調子でいきますれば終戦直後のような状態が今日の時期において実現するようなことになったらたいへんだと私も思っております。その意味で原子力発電の問題については真剣に取り組んでまいらなければなりませんし、先生のおっしゃるとおり科学技術庁はこの間の事件で少ししめっておるではないかという御表現でございまして、しめってはいかぬと私どもも思っておりますが、率直に言うと、事態が事態でございますから、からっとした気持ちになれないという点だけはひとつ御了解を願いまして、しかし、その問題とはまた別にこの原子力発電所の建設のために微力ではございますが邁進をいたしたいと考えておる次第でございます。  次に、モロホフソ連国家原子力委員会第一副議長を団長とする視察団のお話がございました。私も実はお目にかかりました。そしてこれは原子力産業会議の招きで一月六日の日にこられ、十九日に日本を離れたわけでございまして、その間科学技術庁にもお見えになり、私もいろんなお話をし、近来のわが国の原子力発電所の状況なども、お話をいたしたわけでございますし、また科学技術関係の国会議員の方々ともお会になられたようであります。そしてまた原子力発電所等もごらんになった。ソ連側からは、資源の豊かなソ連においても今後原子力発電を積極的に推進していくつもりである。科学技術の発展の歴史を振り返ると、原子力発電ほど真重な安全対策をとった例はない。ソ連では加圧水型の発電用原子炉が主体となっていること、原子力発電は石炭、重油による火力発電に比べて環境汚染の度合いは百分の一ぐらいに低いというようなことを私に話をされたことも記憶をいたしておるわけでございます。  政府といたしましましては原子力発電に関する一般国民の理解と協力を得て、これからその推進をはかっていかなければならないわけでございますが、米国などすでにわが国と協力関係にある国との協力を進めることはもちろん、また可能な限り発電用原子炉開発の先進国であるソ連とも協力を深めて今後一そう原子力発電の安全を高めるべく努力をしてまいりたい。いま、先生お話しのように、原子力発電は安全なのにちっとも政府はそれた関連するようなことについて積極的発言をせぬではないかというお話でございました。まさにそういうような傾向が従来あったかとも思っておるわけでございますが、先ほどのモロホフ氏の見解等につきましても、今後原子力の開発利用、特に安全性につきまして国民の認識を深めるために有益と考えられますから、そういう問題について活用をはかってまいりたいと思います。  お話し申し上げましたように、私や原子力委員会とのやりとりのほかた、各国会議員等とのやりとりも若干の情報につきましては私どもも持っておりますが、私の関係した点につきましては以上のとおりでございまして、お話にありました点をよくこれから銘肝をいたしまして、努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 委員長、最後にちょっと。たいへん残念ですけれども時間が来てたようでありますし、これは理事会の決定を尊重したいと思いますので、いまの問題についても次回に私は相当これは突っ込んで質問をしたいと思います。  それからもう一つ、やっぱりこの予算に関してどうしてもお伺いしておきたかったのは、核防条約を批准するおつもりがあるのかどうかということ。それに関連をして核物質管理センター。これはやっぱり国際原子力機関との予備交渉の中で核物質管理センターをつくって、この自主視察の問題等予備交渉の中でいろいろ話し合われて、こういうものの構想も科学技術庁としては今度の予算の中でお出しになったと思う。ところが削られた。たった一億円だそうですけれどもね。ですから、これと核防条約との関連がどうなるのか、まあ、しかし近いうちにこれはまたこの委員会が開かれるでしょうから、したがって次回に回すことにします。  何か一分でも三十秒でもお答がいただければ、それでけっこうだと思いますが、これはいずれ尽くさないことですから、また次回に譲ります。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) いずれも重要な問題でございます。モロホフ氏の訪日に関して、資料がございましたら事務当局のほうで取りまとめをさせまして御報告を申し上げるようにいたしたいと思っております。  核防条約との問題はきわめて重要な問題でございまして、ちょっと三十秒じゃなかなか説明をできがたいと思いますので、次の機会にひとつお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

加藤進日本共産党

○加藤進君 最初に、先ほどから答弁を聞いておりますと、こういう御答弁があったんですね。これは原子力局次長の答弁だと思いますけれども、モニタリングポストがあるし動いているから、放射能の汚染については決して心配は要らぬ。まあ、こういう御答弁だったと思います。これはあるいは原発に関する御答弁かとも思いますが、この二月の初旬にわが党の不破書記局長をはじめとする現地調査団が横須賀、佐世保の港をつぶさに調査して参りました。  科学技術庁はわが党の調査に一日早く佐世保にも横須賀にも行かれたわけでございますが、この現地調査の結果もいま言われたようにモニタリングポスト等々の測定機器が動いているから、放射能汚染についてはその点決して心配は要りません。まあ、こういうふうなお答えになるでしょうか。その点お伺いしたいと思います。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 先生の御質問は電力——発電施設周辺のモニタリングのシステムの問題と、それから原子力潜水艦寄港地のモニタリングの問題と二つあったと理解いたしますが、その両者によって多少性格が違いますが、私が申し上げました意味は、一つにはこのモニタリングは一個所だけでございませんで、複数の施設で重複して測定をするという一つのシステムになっております。そういう関係でもちろん機器の故障は好ましいことではございませんが、常時、保守・点検・整備は必要でございますが、機器の一ヵ所が故障したということで、全体のシステムの信頼性が失なわれるということではない。こういう問題が一つございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 重ねて聞きますけれども一ヵ所程度の故障はあったけれども、しかし全体としてはとにかく安全性の十分保証のできるような測定が今日まで行なわれてたと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいまの御質問でございますが、潜水艦寄港地の問題として理解いたしますと、機器の故障が一部ございましたが、全体としては測定をしておる。さらに潜水艦が寄港していなかった時期でもございますし、一般的なバックグラウンド、いわゆるバックグラウンド測定として特に問題はなかったと理解しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 この問題はきわめて重大な問題でございますからだたいまは政府の答弁だけを確かめて、今後さらにこの問題については、おそらく各委員会において追及があると思いますから後刻に譲りたいと思います。  そこで、きょうの長官の所信表明でございますけれども、この所信表明におきましても日本分析化学研究所の問題について触れられております。これによりますと「核種分析について、御承知のような問題が発生しました」と、こう言われておりますが、私も若干御承知はしておるわけでございますけれども、私の承知しておるような認識の内容とここで言われる長官の考えておられるような御承知の内容とは、おそらく相当食い違うのじゃないかとこういう危惧を持つわけでございますので、ここで科学技術庁長官に御承知の問題というのは一体長官としてはどういうふうに理解しておられるのか、その点を簡潔にお答え願いたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 簡潔にお答えいたしますれば、信頼できないという分析試験の結果であったと、そういうことでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それは三五%あるいは四〇%以上というような程度の問題ではなく、分析化学研究所から出された報告書はすべて信頼はおけないと、まあこういう科学技術庁の御判断でしょうか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 原子力潜水艦寄港に伴う核種分析につきまして先ほどお話がありましたような結果でございますから、したがって、私どもはこれについて信頼できぬ。その他の問題につきましては先ほど来論議の対象になっておりましたように、目下調査中とこういうことでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、いままでは核種分析に基づく報告書に科学技術庁としても信頼を寄せられた、これをまた国民の前にも公表してこられたわけでございますけれども、これが今回の問題が起こるやとたんこのような結果は、報告は信頼おけないということになりますと一体何が基準になってこれが信頼されるものであるか、あるいは何が基準になってこれはもう全然信用できぬものであるか、こういう点を国民の前に私は明らかにする必要が当然あると思います。科学技術庁は調査されたことは私も知っております。また調査された日本分析化学研究所の原簿なるものの中には、決して捏造ではない、きわめてまじめな技術者の諸君の観測結果もあると私は確信しております。全部じゃないと思います。しかし、こういうほとんどが信用できないという事態になるとすれば、これを国民の側からいってなるほど信用できないのかという事態を明らかにしてもらわなくちゃならぬ。その意味で科学技術庁はどのような対処をされたのでしょうか。またされる用意があるのでしょうか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) 先ほど来御答弁申し上げましたとおりに、立ち入り検査を急遽二回やりましたあとは職員から事情聴取等で調査を続けておりまして、先生まさに御指摘のとおり、残っている原簿のうちにはちゃんとした分析が行なわれておるものもあると思います。それらの分類等を含めまして目下鋭意調査中でございまして、整理はまだいたしておりません。

加藤進日本共産党

○加藤進君 この問題はすでに長年にわたって良心的な専門の科学者の諸君の指摘があったわけですね。これはソードフィッシュ号の問題等々を含めて、もう科学技術庁は耳にたこの出るほどそのようないろいろな提案やあるいは意見は聞かれておったと思います。今日のような事態に至ってみると科学技術庁の今日までの判断やあるいはわれわれに対する説明は間違いであって、むしろ科学技術庁の見解に対して異論をはさんでおられたような専門的な学者の意見のほうが正しかった。こういうことが今日の偽らない私は事態になってきておると思います。もし、そういうことを考えられるなら、この際私は、今度いろいろ研究所に入られて立ち入り調査をされたわけでございますけれども、立ち入り調査をされて点検調査されたデータについて、これを科学者の皆さんの前に公開して共同の点検を受ける。科学技術庁も点検したけれども、しかし、学者の諸君に対してあるいは異論のある、反対の意見のある皆さんの側にとっても十分に納得のいくような点検を受ける。こういうことを通じて初めて私は国民的な規模での納得と理解が得られるのではないかと、こういうふうに考えますけれども、こういう考え方はこれ間違っているんでしょうか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) まあ分析化学研究所の不祥事態というものがあったので、政府のいままで原子力潜水艦の入港の際の安全性についての考え方は全部でたらめで、反対してた学者の意見が正しいとはいささかも私は考えておりません。また科学技術庁が分析化学研究所を信頼してやりました分析の試験については大いに責任を感じております。したがって、今後このような分析化学研究所によって分析を依頼するということはやめまして、体制を立て直してやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。その際、各方面の方々からの意見を聞いてやるつもりでございますけれども、先生がおっしゃるように反対の意見の学者と一緒にというようなそういう考え方ではなくて、広くいろいろな方々の御意見を伺って事態の衝に当たっていきたい、こういうことでございます。どうかひとつ御了承くださいますように。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私がこういう問題を出したのは、科学技術庁自身がああいう報告は決して信用ができぬという断定をくだされたからこそ、私はこういうことをあえて言ったわけでありますから、その点を私は科学技術庁がそのような判断を下されたということについては、それなりに評価するものがあります。しかし同時に今後の問題として、はたして科学技術庁のやったあのような調査がこれで十分だったかどうか。国民の立場から見てなるほどこれで安心したといえるような調査であったかどうかという問題があります。私はこまかいことは聞きませんけれども、最近この問題が起こって以来、一月二十九日の日に数名の専門家を含む調査、そしてその翌日に三十名近い方たちが入られたということでございますけれども、膨大な資料を分析して研究し調査していくのに、わずか一日や二日ではたして結論が出るものかどうかなどということも、常識的には非常に大きい疑惑を持つわけであります。私は、その点でお聞きしますけれども、調べられたデーターというのは一体どの部分のデータなのか、どの部分の問題なのか、お答え願いたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先ほどお話のように二十九、三十日両日にわたって真相調査のため多数の人を派遣をいたしました。それでどうしてもなかなかわからなかったわけでありますが、どうもデータの出方についてつじつまが合わないということからついに責任者からこの分析結果は作為をしたのであるということの告白がありました。そこでなせそうなったのかということをまあ今日までの状態で調べたところによりますと何か仕事の量が多くなったためにやっつけ仕事でやったんだと、こういうことでございます。そういうことは一体信頼——そういうことはどうしてもわれわれには何といいますか理解することができないわけでございますが、まあいまの私どもの段階ではともかく責任ある者が作為をし、でたらめをやったということを言い、承認し、また当方も調べてみると先ほど来の三割とか四割というふうな数字も出てまいりましたので、したがってこれはめちゃくちゃではないか、なぜやったんだということについては、手が足らぬからやったんだと、こういうふうなことで今日まで一貫をしておりまして、もうわれわれといたしましてはこれ以上調べようがない。まあ当庁の技術職員が寝食を忘れて再検討、計算を行なっておかしいということの中で三〇%以上の捏造が発見されて、それを追及した結果向こうも認めてきたと、こういうことでございますんで、はなはだ遺憾な結果でございました。そういう経過があるということをどうかひとつ了解を願いまして、その立て直しをいま鋭意やっているところである。そういうことでひとつ御理解を願いたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私がなぜあえてこういう点を特に追及するかと申しますと、科学技術庁の報告の数字的な内容を見るだけでははたしてどのようないわばでっち上げと捏造が行なわれたのか、またそういう中にきわめて重大な問題が今日まで隠されておったんじゃなかろうかという科学者の当然の疑惑が出ておるからであります。その一つは新しい報告を見てもなお五つのきわめて重大な疑問点が出たという専門家の見解があります。その一つは、一つの測定装置の中で当然放射能の汚染をきめるためには御承知のバックグラウンド値というものが前提になるわけでございまして、これは差し引かなくちゃならぬ、このバックグランド値というのは言うまでもなく時と所によって違う、これは常識ですね、科学者の。ところが今度の調査によってある測定装置のバックグラウンド値は全部同じバックグラウンド値が使われたということになると、たとえ測定がいいふうにやられたにしても、その差し引くべきバックグラウンド値が間違っているんだからこれは全部間違いだと、こういう結果になるということが指摘されておるということが一つ。  もう一つはコバルトと同時に非常に危険な亜鉛がいままでは何ら表面にあらわれていなかったけれども、実際上原簿を調べてみるとこれがはっきり浮かび上がってきておるというような点が指摘されておるわけでありまして、私はここまでくると科学技術庁の専門家専門家といわれる方たちにどれだけの科学的な能力があられるのかどうか、国民の立場に立って事態を明らかにするための積極的な能力があるかどうかということまで若干疑わざるを得ないわけでございまして、こういう状態ではわれわれは放置できないという立場から見てたとえば科学者会議あるいは学術会議の皆さんは何年来にわたってこの問題を真剣に追及されておるわけでございますから、一体どうしてここまできた時点においてこれらの良心的な科学者の諸先生の意見やあるいはこの諸君を交えての分析や調査を協力し、やっていくというような態度に出られないのかどうか、どうして出られないのだろうというのが私の率直な疑問でありますけれども、この点について単に疑問というよりも、いやその点は十分に積極的に考えておりますということならいうことでひとつ長官の御答弁を承りたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) その前に……。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) ただいまの点につきまして、少し技術的な点の御質問がございましたが、まず第一点のバックグラウンド一定がおかしいということは御指摘の点のとおりでございます。ただ、これは一回一回のバックグラウンドではなくて、あるロットごとにバックグラウンドの平均をとるという程度のことは測定の精度を著しくそこなうものではないと考えますが、今回の分析化研のやり方は必ずしも正直でないと私どもは考えております。  二番目の亜鉛の問題につきましては、これははなはだ残念でございますが、報告値は測定されてなかった、つまり測定検出限界以下であるという報告でございますが、実際に担当者に当たった結果、実際の測定をしないで報告をするということは非常にけしからぬことでございます。先生の二点の御指摘にもございますように、分析化研のデータは信頼性がないわけでございます。なお、これの発見につきましては非常に向こうが巧妙に原簿の整理その他つじつま合わせをやっておりましたためになかなか発見が困難でございまして、一応つじつまが合っておったわけでございますが、当庁の技術職員がそこのところを徹底的に究明いたしまして、ある糸口からその不正を発見するに至ったわけでございます。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 速記を起こして。

加藤進日本共産党

○加藤進君 長官お答え願いたい点が一つ残っています。これはいまあなたがお話になりましたように、いろいろなあやまちがあったという問題だけをとってみてもさまざまな評価があるわけであります。こういう問題を科学的に専門の立場から真剣に検討しなくちゃならぬ。私はその意味で現在ある科学技術庁原子力局の体制だけではこのような事態を真剣に正しく究明できるとは私は考えておりません。長官その点についてどうお考えになるのか。そのために私は学術会議等々の専門家の方たちの協力を得て皆さんの持っておられる調査されたデータも公開して、そして科学者の諸君の検討にゆだねて正確な結論をとにかく国民の前に明らかにするという責任は私はあると思います。その点長官の御答弁をお願いします。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 科学技術庁の、今回の分析研の問題は確かに科学技術庁所管の分野の団体の中に起きた不祥事態でございます。それに対して真面目な取り組みが足りなかったということにつきましては、私が累次申し述べておるとおりでございます。深く反省をしなきゃならないと考えております。が、科学技術庁の仕事が科学技術庁の役所の人だけでもってやっておるというわけではございません。やはり仕事をするにつきましては、たくさんの委員会、審議会、いろんな形の方々とそういうような組織その他を通じまして御相談の上に仕事をしておるのでございまして、決して独断専行をやっておるのではないと私は確信をいたしております。  いまお話の中で、日本科学者会議あるいは学術会議の学者に相談されたらいかがかということでございますが、それは御意見として承っておきます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ぜひその点十分に御検討いただきたいと思いますよ。これは今後の問題にもなります。私たちもこれだけで捨てておくわけにはまいりません。  そこで、もう一つ聞きますけれども、今度の調査されたデータというのは、私の聞いている範囲では、昭和四十七年度が中心になっておるというふうに聞きますけれども、それは事実でしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 事実でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 昭和四十六年度あるいはそれ以前のデータについては、どんなふうに科学技術庁は管理されておりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 四十六年度以前につきましても立ち入り調査の際検討いたしましたが、残念ながら四十六年度以前の原簿等はすべてが廃棄処分になっておりまして、そのため詳細がつかめない、こういう実情でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 廃棄処分になっているというふうにきわめて客観的にお話しになりましたけれども、これは廃棄処分にしていいんですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) この種の測定値というものは、本来長期保存すべきものであると思います。したがいまして、それを廃棄処分にしたということは、分析化学研究所の管理者に非常に問題があると、こう考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、これ廃棄処分あるいは焼却したというのはいつごろのことなんですか。そしてまた、科学技術庁がこれを発見されたのはいつなんですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 向こうの管理者の説明によりますと、各年度の業務が終了いたしまして終了認定が終わりまして、その関係の一切の業務が終了いたしますと、そこで廃棄をしたということを言っております。それを確認いたしましたのは立ち入り調査のあとでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、一月二十九日、三十日の立ち入り調査以前には、分析化学研究所に全部まかせて、そしてその報告を聞いていただけと  いうのが科学技術庁の状態なんでしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 昨年九月に山原先生の御指摘がありましたときに、二回立ち入り調査を  いたしております。その時点で四十七年度につきまして究明いたしたわけでございますが、残念ながらそのときには原簿その他の書類がきわめてつじつまが合っておるという認識しか持てなかった、それは私ども深く不明を恥じておるわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 九月の時点で汚染問題、あるいはその後の測定日等、報告の日時が違ったというような問題が出てきて、とたんに科学技術庁は立ち入り調査をされたわけでございますけれども、事柄が起こらないと立ち入り調査も何もされない。あとは、全部国民のお金で貴重な調査を委託されておりながら、これに対して何らこの調査がどのように進行しておるのか、正しくやられておるのか、管理されておるのか、全くあなたたちノーマークじゃないですか、これは。こういうことで、問題は日本分析化学研究所の問題であって、けしからぬことをやった、まことに科学者としての良心に恥ずべきだなどというようなことが、高みの見物のように言っておられるのでしょうか、これは。どうですか。これは。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) この分析化学研究所に委託いたします業務につきましての監査は、所定の手続に従いまして、毎年度行なっております。しかしながら、非常に巧妙にその書類のつくりかえが行なわれておりましたために、それが、毎年  の監査の時点において発見されなかったということははなはだ残念でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ちょっと参考までに聞きますけれども、放射能課というのがございますね。この放射能課は何人で構成されて、その中で技術者は何名という体制なんでしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 定員八名、そのうち技術関係が五名でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その五名の方たちの努力を買わざるを得ないわけでございますけれども、残念ながら、そのような体制では全くその目は節穴同然で、事が起こって、しかもその事柄は日本共産党の国会における追及等々に端を発したというような事態でございますから、私たちはこの機会に科学技術庁が今日までとってきた科学技術行政そのもののいわば態度について、そのものの考え方について真剣な反省をしていかなければ、この問題の今後の正常な立ち直りはできない、私はそう考えざるを得ないわけでございます。  時間がございませんので、私はそのあとはしょりまして、この日本分析化学研究所が頼むに足らず、そしてこのような事態を引き起こした責任は分析化学研究所の首脳部にあるというふうな御判断をされておると思いますけれども、分析化学研究所に対する政府のいまとられようとしておる措置を簡潔に申し述べていただきたいと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) 分析研に対しましては、委託費の返還あるいは設立許可の取り消し等の措置を含めた厳重な措置を講じたいと考えて、検討中でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 分析化学研究所が使えないということになれば、当然、核種分析を何らかの形で、ほかの研究所や機関に委託しなくてはならぬわけでございますけれども、そういう立場から見て、日本には核種分析が可能な能力を持っている研究所や機関というのは一体どれくらいあるんでしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 核種分析にいろいろ種類がございますが、大別いたしまして、化学分析と機器分析に分け、かつ、その中でもおのおの得意の分野が各機関によってございますが、たとえば水産庁、海上保安庁、それから科学技術庁の放射線医学総合研究所、それから特殊法人の理化学研究所、それから日本原子力研究所、さらに通産省関係の研究所、あるいは都道府県の衛生研究所、水産試験場等でも、それぞれ、能力を持っております。さらに、電気事業者もそういう能力を持っておるところがございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そういう非常に広範な能力を、広範な研究所で核種分析の能力をとにかく所有している、持っているということですが、その中で、今回のいわゆる研究あるいは測定の肩がわり、分析の肩がわりはどちらに委託される考えでございましょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 今回、応急的に委託がえと申しますか、仕事の分担をお願いいたします予定といたしましては、理化学研究所その他適当な機関につきまして能力、人員等の面から現在詰めを行なっております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 理化学研究所だけでございますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 放射線医学総合研究所についても実施方を検討を依頼しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私たち常識的に考えてみて、今度のような分析調査を依頼する相手として、いま言われたようなところもそうでありましょうけれども、原子力研究所というのは皆さんの側から見て委託するに足らないんでしょうか、どうですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 原子力研究所にもお願いをいたしたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、この三つを大体聞いたわけですけれども、これを選ばれた理由はどういうところにありますか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) ただいま当面の事態は、応援団としてやっていただける力を持っておりまたこちらのほうとしてもぜひお願いしなきゃならぬところという意味でございまして、なお従来の経過にかんがみますと、一ヵ所とかなんとかということより、もっと方々でこういうものは取り扱っていたほうがいいんじゃないかと思っておりますから、なお、やる余地があるところがありますればそういうところにもお願いするように考えておるわけでございます。ただ御案内のとおり、この分析という仕事は研究とはまた違うものでございますから、なかなか研究所にお願いいたしますと、分析という仕事は必ずしも従来の仕事から申しまして簡単にはなかなかお引き受け願いないので、まああるいは臨時的と、当面こういう非常事態でございますから御協力をお願いするということになるだろうかとも思っております。そういうことについての将来の問題は最終的にまだきまったわけではございません。その辺のところはひとつもう少し時間をかけていただきたいと思っております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私の耳に入っておるところだけを申し上げましても、たとえば理化学研究所にしろ放射線医学研究所にしる、それぞれ設立の趣旨があり、それぞれの任務をフルにかかえておるわけですね、これは御承知のとおり。したがって、理事者の側からいって皆さんのほうの分析を委託されるにしても、さあどうぞ引き受けましょうとは言いがたい事情が今日あるということは、私言えると思います。同時にこの研究所で研究しておられる諸君からいうなら、いま長官も言われましたけれども、研究のために来ているんだ、こういう分析の委託を受けるために来ているわけではない。となれば、こういう研究所の現状を十分に理解されて、これに応ずるような科学技術庁のそれなりの配慮が当然私は必要ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。その中でも、特に現場の技術者の皆さんから相当強い肩がわりに安易に乗ってはならぬという反対の意見が出てきておるわけでございますけれども、これは長官の耳にも達しておるとは思いますけれども、どんな点を長官やあるいは科学技術庁に要求されておるでしょうか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 具体的な問題は私の耳まで入っておりませんけれども、一様に必ずしも賛成しないというような動きがあるようでございますが、私はいずれの機関の長とも直接お目にかかって要請をいたしましてお願いをいたしました。そしていずれも研究を中心とする団体でございますから、機関でございますからいろいろ問題がございますが、応急的な措置といたしましては私の要請にこたえていただけるものと私は確信をいたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 確信だけをお聞きしてもしょうがございませんけれども、現場では相当強い反対意見がある。その反対意見も単なる反対ではない。受け入れる気持ちはもちろんある、しかし、受け入れて、そしてこのような委託にこたえるためにはそれなりのやっぱり決意を科学技術庁自身にしていただかなくてはならない。  その第一は何か。分析化学研究所がもうだめになったから、この分はおまえたちのところに肩がわりするぞなどというような安易な態度では、もしこのような状態が続くなら同じようなことが今後とも起こりかねないという危惧が科学者の中に、技術者の中に非常に強いということでありまして、これは私はきわめて良心的な好ましい受け取り方ではないか、こう考えております。  それからもう一つはどういうことかというと、新たに委託業務が加わるわけでございますから、当然のことながらこれを処理すべき施設が新たにつくられなくちゃならぬ、増設されなくちゃならぬという問題が私は必ずどこの研究所だってあると思います。また、その業務に当たるべき人材はどこに求めるのか。従来の諸君、まあ数は少ないけれどもひとつ大いにがんばって、八時間のところを十二時間働いてやれなどというようなことは、よもや私は科学技術庁長官考えておられないと思うんです。こういういわば分析技術者の確保ということが私はどうしても必要だと思います。そうして最後に、やはり予算をつけなくちゃならぬ。この諸君の業務が十分に達成ができて、そしてこれが科学技術庁の資産になるためにも、国民のものになるためにも、そのような御措置は私は当然必要だと思います。そういう点についての長官のお考えと決意をお伺いしたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 物心両面につきましてできるだけの配慮をいたすつもりでございます。つきましては、先生もだいぶ各方面の御事情にお詳しいようでございますし、今日の状態は先生御案内のとおりでございます。何としてでもこれを切り抜けなければならないわけでございますので、格別の御協力を私からもお願いをいたしたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もう一つ。その前提として科学技術庁自体のえりをしっかり正して、今後このような誤った行政指導は繰り返さない、こういう決意についてはいかがですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 当面の事態に対して、再びこのような事態を繰り返さないよう格別の配慮をいたすつもりでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 最後に一つだけ。  こういう応急措置をたとえとられたにしても、またそれが順調にいったにしてもこのままではほうっておけない。どうしてもやはり分析センター、分析研究所を新たにつくらなくてはならぬというのはこれは当然の仕事だと思うのです。その分析センターをつくるにあたっても、従来の日本分析化学研究所のような事態を引き起こさないというしっかりとした私は保証がどうしても必要だと思います。その意味では、先ほども私は一言申しましたけれども、すでに日本学術会議ではさまざまな建設的な提案が行なわれておるわけです。ある大学では、敷地は十分確保した、しかし予算がつけられないためにそのための研究ができない、あるいは技術者の義成ができない、こういうことが再三政府に対して陳情されています。これは事実ですよ。こういう状態にしておいて、技術者も養成できるような長期的な展望もなくして、ただ中立的なセンターをつくれつくれというようなかけ声だけでは問題は解決できない。そのためにぜひとも日本学術会議の方たちの英知を十分にくみ取って、そうして協力を得て、しっかりとした、安定した、国民の十分期待と信頼にこたえ得るような分析センターを建設してほしい。これは私の要望でございますけれども、最後に長官のその点についての所信をお伺いしたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) どうも日本学術会議というのが何回も出てまいりますもんですから、私も当惑をいたしておるわけでございます。私は広く学界の、特にこの種の問題についての専門家の御意見をお伺いをしてやるということには異存はございませんけれども、学術会議という形のものでなければならないとは私は考えておりません。したがって、先生のお話につきましては、御意見として承っておきます。ただし、私の考えている点も十分御了解願いまして、やりますから、とにかくどうぞ御支援願います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もういまの発言ではちょっと困りますので……。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 加藤君、まだ失追君の質問が残っておりますから。

加藤進日本共産党

○加藤進君 いえこのことだけです、いまの点については。  いや日本学術会議、学術会議といかにも私がこの点だけを強調するなどというふうに受け取られたら、これはちょっと無理解ですよ。なぜそういうことを言うかというと、いままで日本学術会議は全く排除されてきたんですから、今日まで。しかも、日本学術会議は民間団体じゃないです、これは。総理府がつくっているわけでしょう、政府機関の一部ですよ。これをなぜオナミットするんですか。オナミットしないよいに協力を得て、万全のかまえでひとつこの問題を前進させてほしいと、こういうことでございますから、この点は理解いただけるでしょう。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来申し上げますとおり、御意見としてお伺いをしておくということで御了承を願いたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間の関係で、簡単に大まかな点だけ所信表明について伺いたいと思います。  最初に、先ほど来問題になっております日本分析化学研究所の問題でございますが、この研究所にはかなり、科学技術庁だけではなくて、各省あるいは地方自治体からも依頼をされております。四十八年度の業務の中で、科学技術庁関係以外の政府関係の委託事業はどの程度ございますか。大まかでけっこうでございます。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 四十八年度でございますか。四十八年度はまだ年度終わっておりませんので、各省庁あるいは電力会社も、全部の業務が終了しておりませんために、ちょっと四十八年度の詳細の数字はございませんので、お許しをいただきたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 項目はわかりませんか、大まかでけっこうですから。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) はい。科学技術庁が放射能調査の委託、それから原子力平和利用研究の委託等を行なっております。それから建設省が各種の分析の委託、それから環境庁が公害関係の分析の委託あるいは研究、それから電力会社が、発電施設周辺のバッククグラウンド調査の一部と、その他公害関係の委託があるということでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これは長官にお伺いしたいんですが、科学技術庁関係については、いままでいろいろ議論されておりましたように、ほかの研究所に考え直すということですが、いままで委託をされてきましたその他の政府の関係は、長官の立場としては言えないかもわかりませんが、どういう方向ですか。政府全体として、この研究所に対する業務は、そのまま続けられるのか、その点はいかがですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 各省庁におきましてそれぞれ立ち入り検査等を行なっております。科学技術庁といたしましても、前回立ち入りのときに包括的な検査はいたしておりますが、専門にわたることでございますので、各省庁ごとにまた検査をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その検査が終わった時点で、結論が出されるわけですか。科学技術庁のほうはわかりますけれども、ほかのほうもです。各省庁でどんどんいって、いま実際現場においては非常に大混乱をしておるわけですけれども、実際各省から頼まれたものも含めて、科学技術庁も含めまして、そういうことがきちんといつごろまでにどういう結果が出て、それに対して今後どうなるのか。おそらくまだ年度末きておりませんので、仕事はまだ途中だと思うんですね、すべて。それをもう一回もとから全部一切やり直すような方向なのか、その点はいかがですか。これは政府全体として大きな問題だと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○政府委員(牟田口道夫君) お尋ねの点は当庁以外のものだと考えますが、それぞれの省庁関係者で目下自分のところで調べておりますので、その結果を待ちまして、一応のところの話を聞きませんと、各省庁関係者がどういうぐあいに処理するつもりかは、いまのところ承知いたしておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この公益法人の主たる監督といいますか、行政指導の担当省はどこなんですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 公益法人として内閣総理大臣の認可でございますので、内閣総理大臣の監督権限のもとにございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理大臣の監督権限ですけれども、実際はどこがやるんですか。総理大臣一々全部できませんからね、公益法人たってたくさんあるんですから、どこがその業務といいますかを担当しておるわけですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○政府委員(伊原義徳君) 科学技術庁でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めからそう言えばいいのに、そういうことを言われると、何か分析化学研究所については、もう科学技術庁逃げよう逃げようとしている。ちゃんとおたくのほうから出ている書物には、公益法人の中に四十四番目にあげられているんですから、もう科学技術庁が担当がきまっているわけです。だから他の省庁がいろいろ頼んでいるものについても、もちろんその省庁の自主性というのがあるでしょうが、こういう事故の起こったあとですから、やはり科学技術庁が責任をもって、この現在行なわれている業務一切についてどうするのかと、他の各省庁が立ち入り検査ばっかり各個にやっているだけで、それを見ているだけで科学技術庁はほかですから知りません、こうはいかないと思うんです。科学技術庁の関係、たとえほかの省庁でこの事故、事件が、かりに同じようなものが起こったとしても、やはり責任は私は科学技術庁がかなり負わなくちゃならないと思います。しかも、問題の焦点は放射能という科学技術庁そのもので起こったことでありますから、ほかの省庁の仕事あるいは地方自治体も含めて、これに対してどう処理をしていくのか、その点を、ただ各省庁が立ち入りやっている、じゃ各省庁の立ち入り調査の状況は、どのようにいつまでに全部終わって、それで今年度の事業についてどうするのか、やはりきちっとした対策なり方針というのがもう出てなければならないと思います。もう質問があった時点から、かなり時間もたっているんですから、当然ひとつ長官のほうからはっきりお答えいただきたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来お話になりましたように、原子力潜水艦の寄港の際の核種分析について、ああいう事態が起きたわけでございますから、信用がなくなりましたからね。これにいつまでも頼んでおくわけにいかぬという形でございまして切りかえる、切りかえると申しましても、これは非常にりっぱな研究所なんだと、いままでは言うわけであります。権威ある研究所で、いまでもりっぱな研究者がおるんだと、こういうことに聞いておるわけでございますが、科学技術庁としては、科学技術庁関係でお願いしてきた問題は全部切りかえよう、応急的に先ほど来いろいろ問題がございますが、そういうところにもお願いをし、また将来はこれは当面はそう幾つもということは考えられませんが、将来は複数のそういうようなものも考えて、新分析センターを考えていかなきゃならぬだろうというふうに思っております。そうなりますれば、そして先ほど来お話しのように、委託金を返してもらうという手続もとり、それが結果によって先ほど、どういう法律的な手続になるかわかりませんけれども、設立認可の取り消しというようなことなんでしょうか、そういう形のことになりますれば、もうほかの役所のほうにおきましても、やはり科学技術庁と同じようにこれは信用ならぬと、こういう気持ちを持っておる方が非常に多いと思いますし、また財団法人自身がなくなってしまうということになりますれば、当然そういうことも見越されておるわけでございます。これはおおよそそういう方向にあるわけでございますから、それぞれ他の官庁、地方団体、電力会社等においてはそれぞれの立場でそれに対する応急策を講じておるのであろうと思います。ただ、政府として各省で相談してこれに対する対策をどうしようというところまではいまいっておりませんけれども、結果はそういうようなことに相なるのではないかというふうに思っております。  先ほど来この種の仕事をやっているところが幾つかあるということの例示がございました。民間にもこういうことをやっているところがあるそうでございますので、おそらく今後そういう方面を拡充して、いままでやって、この分析研に依頼していたものを、それぞれの立場で多少過渡期に困った事態が起きておるのであろうと思いますけれども、処理されていくのではないかというふうに考えるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 今後のこの研究所に対する取り扱い、これは先ほどちょっと大臣が法人の認可取り消しもあり得るというふうなことを示唆されましたが、これはどういうふうになりますか、大体いつごろまでに結論が出されますか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) これは先ほど原子力局長からもお話しがございました。ただ、事務的にいつやるかというところまでは正確な日付といいますか、予定というところまでは至っておりませんが、おおよそそういうふうなことを見越して諸般の準備を進めておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 かりに取り消しになった場合ここの施設をどうするか、あるいは特に職員の今後の処遇、もちろん幹部あるいは担当者は大きな責任があると思いますが、実際一生懸命やっておった職員も、実際現場の最前線でやっておる人があるわけでして、非常にいま心配もしておりますし動揺も起こっております。今後そういった職員も含めて、施設ただ取り消しだけでなくて、どういうふうにしていくのか、その辺はどういうふうになっておりますか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) 技術を持っており、また気持ちもしっかりしておる人であれば、それらの人たちが仕事をする分野というものが開けてくるであろうと私は思っております。現在の段階においてまだそこまで具体的に考えてはおりません。しかし、職員の人たちの先行き、まじめにやっておる人につきましては、できるだけの配慮はいたさなければならぬというふうに考えております。これは政治論として申し上げておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その点はひとつ慎重に考えでいただきたいと思います。もうおそらくある程度の何かをしないと、全部、分析科学研究所の職員となればあまりとらないと思うのですよね、再就職といったって。あそこは間違ったのだからあんなのは困ると、またうちへ来て間違われては困るとレッテルを張られてしまいますから、その点はひとつ政府としては配慮をしていただきたいと思います。  それで、時間もあれですから簡単に聞きますが、長官ずっと就任以来非常に原子力発電については熱意をお持ちのようでございますが、これも先ほど来いろいろと質問が出たと思いますが、今後の原発をつくる場合の問題として、ここにも「安全の確保と環境の保全に万全を期する」と、こう言われておりますが、現実問題としてこれから原子力発電所がつくられるとしても、日本の国の中でそれに適した土地というのは大体限定されてくるのではないかと思います。そうした場合、昭和六十年の六千万キロワットですか、これを目標と考えた場合、はたして、長官は張り切っておられますけれども、可能なのか。特に環境保全ということになりますと非常に制約がされてくると思うのです。長官の言われている環境保全というのはどういう意味なのか。たとえば国定公園や国立公園の中に原発をつくることは環境保全のほうからいって好ましくないという考えなのか、要するにそこへつくっても大体原状復帰すればそれでいいのだ、こういうふうなお考えなのか、その点環境保全との関係についての基本的なお考えをお聞きしたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) すでにできております長期計画による原子力発電所の建設というものに、つきましては電力会社等においてそれぞれめどを持って予定をいたしておると思っております。ただ、いまお話しのようにそういう地域の中には国立公園とか国定公園とか、そういうようなところにぶつかるのではないかという点はございます。確かにその心配は私はあると思っております。それらの面につきましてはそれぞれ審議会がございまして、国立公園だからだめだと、こうはたして言っていいのかどうか。それは国立公園の審議会等にかけまして御相談をして進めていくということになろうと思います、それにかかる場合につきましてですね。しかし、そして審議会でこれどうもいかぬということになれば、これはまた変えていかなければならないわけでございます。が、いずれにいたしましても、現在程度の計画でございますれば可能なものであると私は考えております。しかし、それはどことどことどこだというので、場所と地図を見て私は首っ引きにして調べたわけではございませんが、まあそういうふうに考えるわけでございますが、事務当局のほうから、どうも私の答弁だけでは十分じゃないようでございますから、補足して説明をいたさせます。

生田豊朗科学技術庁原子力局次長

○政府委員(生田豊朗君) ただいま大臣の御答弁を補足して御説明申し上げますが、先生御指摘の点につきましては、自然公園法と電源開発促進法の二つの法律の組み合わせによりましてできる限り環境の保全をはかってまいるということでございます。自然公園法につきましては、先生御承知と思いますが、国立公園、国定公園につきましてはそれぞれ環境庁長官あるいは都道府県知事の許可が必要でございます。それからそれぞれの国立公園、国定公園内の、ただいま申し上げましたのは特別地域でございますが、それ以外の一般地域につきましても、普通地域につきましても事前届け出制がとられております。それで環境庁におきましては、先ほど大臣からお答えになりました審議会にはかりまして環境の保全をはかっていくということでございます。  それを電源開発との組み合わせでございますが、電源開発促進法に基づきまして、内閣総理大臣が電源開発計画を決定するに際しまして電源開発調整審議会の議を経なければならないわけでございますが、その電源開発調整審議会のメンバーとしまして環境庁長官が入っております。それから各都道府県知事も必要に応じまして電源開発調整審議会に出席をして意見を述べることができるということでございまして、環境庁あるいは都道府県知事が環境保全の見地から考えましたことを、この電源開発調整審議会を経まして、その御意見が反映され電源開発計画が決定される、そういう仕組みでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私大臣なお伺いしたいのは、いま審議会ということも言われましたけれども姿勢として環境保全のほうを非常に重要視するのか、あるいは電源開発のほうを重要視するのか、その点の答弁としては調和だと言われると思いますけれども、しかし、現実に、たとえば和歌山県の勝浦方面における、これはまだはっきりとした形では出てきておりませんが、住民が反対している理由は、公園の中に持ってきてもらっちゃ困ると、それが最大の理由ですね。もちろん放射能汚染等の問題もございます、温排水の問題もございますが、やはり環境保全ということをやかましく言って、特に漁民の場合はそういった漁場との問題もありますけれども、そういった点で、しかし、じゃ関西方面でほかにどこに求めるかというと、できる可能の地域としてはあの辺しかないわけですよ。そうなりますと、今後の問題として非常にいま言ったことは重要になってくる。したがって、大臣いま地図と首っ引きではやっていないとおっしゃっていますけれども、これは深刻な問題になってきますよ。だから要するに、強行突破してでも、少々公園の中をつぶしてでもやるという腹であるのか、いや、もっと環境保全を尊重するのか。その点で、原発というものが、今後、日本の国ではある程度この辺しかできないと、こうなると思うんですよ。それを、やはり、きちんとした上でなければ長期計画と言ったってこれは絵にかいたもちになってしまうし、現実に反対運動がどんどん強くなってなかなか促進されていない現状なんですから、その辺をどうお考えになっているのかという、基本的な姿勢を重ねてお伺いしたい。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(森山欽司君) いま、中央突破というような、少し物騒な御表現がございましたが、できるだけ地元の御了解を得てやらなきゃいかぬと思っておりますし、それからまた、自然公園等につきましては、法に基づいて十分調整をはかってやっていかなきゃならぬと思いますし、いずれにいたしましても、今日の段階では、四十七年申請一ヵ所、四十八年ゼロという状況でございますので、当面の問題につきましては、そういう問題も確かにあることはあるようでございますけれども、将来の問題といたしましては十分考慮いたしまして善処をいたしたい、努力をいたしたい。この段階ではこの程度の御答弁でお許し願いたいと思います。とにかく、地元の御了解を得るべく全力を尽くしてやるということであります。むちゃくちゃにごり押しをするというようなことは考えておりません。

渋谷邦彦公明党

○委員長(渋谷邦彦君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三分散会

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