運輸委員会 第7号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/02/28
会議録
○委員長(宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、竹内藤男君、古賀雷四郎君、金井元彦君、河本嘉久蔵君、村尾重雄君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君、岩本政一君、前田佳都男君、渡辺一太郎君、田渕哲也君がそれぞれ選任されました。 また、去る二十六日、黒住忠行君が委員を辞任され、その補欠として今春聴君が選任され、昨二十七日、今春聴君が委員を辞任され、その補欠として黒住忠行君が選任されました。 また本日、渡辺一太郎君、松平勇雄君、岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として桧垣徳太郎君、今泉正二君、橋本繁蔵君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(宮崎正雄君) 委員の異動に伴い、理事に欠員が生じておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎正雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に黒住忠行君、山崎竜男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(宮崎正雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森中守義君 昨日の谷野判決につきまして、非常に事柄が事柄でございますので、運輸大臣はもちろん、環境庁長官もお越しいただいて少しお尋ねしたいと思うんです。 判決が出ると間もなく、まさに間髪を入れないような状態で、運輸大臣並びに環境庁長官がそれぞれ固有の見解を表明されました。そこで私は、この内容の前になぜこういうような問題が発生をしたのか、こういう経過的なこと、具体的に申し上げると、国が相手どられて訴訟に発展した原因ですね、こういうようなことを運輸大臣並びに環境庁長官はどういうようにお考えになっているのか。私は率直に申し上げて、在来の高生産高成長、こういう経済の特殊な成長政策というものは、企業優先、企業の存立権、そういうことの前には国民の生活も環境もさして重要視されなかった過去の誤った政策がずいぶんいま問題になっている。環境庁がつくられたこと、そして国務大臣が特にそういう重任につかれているというこの事実が、そういうことを如実に物語っていると思うんです。言ってみれば公共優先、こういうことの一つの整理の段階である。言いかえるならば、公共優先の前に国民の生活権、人格権というものが端的に言えば黙殺されてきた。これに対する被害地域住民の怒りの爆発であろうし、そういうものが法の前に明らかにされた、こういう非常に重要な社会性を持ったものだと私は考えている。 そこで環境庁長官も運輸大臣も、それぞれ国有の見解をお述べになっているんですが、いわばそういう過去の政治、行政、その歩みについてはどういうようにお考えになっているのか、この機会に私は、そういうことがむしろこの判決を意義あらしめる、しかもこれからの施策の中に生かされていくべき重要な要素じゃないかと、こういうように思うんですけれども、運輸大臣並びに環境庁長官からお考えをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 騒音というものが非常に深刻な問題を投げかけておるわけですが、大体空港をつくる場合にそういう面からの配慮というものが従来足りなかった。これはまあプロペラ機であったということもあるでしょうね。それがジェット機になった。また空港の立地というものについても、そういう面を検討しながら空港をつくるという配慮にも欠けておった。空港の敷地といいますか、そういうものも大阪国際空港の場合は三百ヘクタールですからね、今日できかかっておる飛行機、最近はアメリカのダレス飛行場なんかも大阪新空港の面積にしたら二十倍ぐらいあるわけです。だからその飛行場内においては騒音問題をあまり引き起こさないような大きな敷地をとって空港をつくったりしておる。だから、それはおまえたちが——おまえたちというか、政府がそういう先の見通しがなかったじゃないかと言われれば、それはそのとおりでございますが、従来騒音の防止ということに対する配慮が、空港というものをつくる場合に足りなかったということが根本に私はあると思うのです。 したがって、この判決が行なわれたということを教訓にして、将来の空港の立地というものは考えなければならぬ。また空港ができたときの都市計画というものがないのですからね。みんな自由にその周辺に住むことができて、土地利用とか、あるいはまた建築制限というようなものも日本にないわけです。各国とも持っておるわけですからね。そういう点で、この判決というものを一つの教訓として受けとめて、そして今後の空港のあり方、また騒音防止の見地から十分この教訓を生かさなければならぬというふうに受けとめておる次第でございます。
○国務大臣(徳永正利君) 三木長官がおっしゃいましたように、この大阪空港は昭和十三年にできたものだそうでございます。その後滑走路等をいろいろつけかえたりしているわけでございますけれども、あそこの現地の方のお話を聞きますと、最初のころは大きな飛行機が飛んできたから皆さん見にこいというようなことで、みんな親戚までやってきて環境のいいところで飛行機をながめたというような時代から、いよいよジェット機が入ってきた。そのプロペラ機の飛行場の上にジェット機が乗ったというようなところに非常に大きな問題があると思うわけでございます。でございますから、そういう対策が足しなかった、配慮が足りなかったという御指摘は、まさにそのとおりだと思いますが、そういう経緯をたどって、今日訴訟という不幸な事態が出てきたわけでございますが、長官からいまお話がございましたように、いままででも対策は進めてまいったわけでございますが、必ずしも地域住民の御納得のいくような、目にもの見える対策が手ぬるかったことは私どもも反省もし検討もいたしまして、今後これを機会と申しますか、いま国会にも騒音の防止の法案の御審議をお願いしている最中でございますし、そういうものもあわせて、今後十分な真剣な対策を進めていくつもりでございます。
○森中守義君 伊丹といい、あるいは板付といい、千歳といい、主要な空港はおおむね米軍からそのまま引き継いだ、こういうものが多いですね。ですから政府のほうで、はたして航空政策というものが、長い目で見てあったのかどうなのか、これはあとの議論で、私また申し上げますが、非常に問題だと思う。いろんな航空政策に対する説があります。いつか私は、秋山龍さんの著を引用いたしまして、こういうことを申し上げたことがある。大体、空港あるいは航空問題で十五年先の見通しを立てるということは、ややこれは空想科学にひとしい、しかし、それ以前のことは、かなり国際間における機材の開発であるとか、いろいろな観点から、とらえようとすればとらえられるんだ、こういうことを申し上げたことがある。しかしながら、さっき申し上げますように、はたして、相当長期に展望を求めた航空政策、ことに空港の立地問題というものが、一連の機材の開発等をとらえながら見ていたかどうか、これは非常に大きな問題だと思うんです。なぜ私がこんなことを申し上げるかといえば、やはりこれからの問題にも非常に大きな関係があるからです。 そこで本論に戻りますが、端的にさっきから申し上げますように、やはり公共性という名のもとに地域における住民の環境、立場というものが全く考慮されなかった。——全くというには多少言い過ぎがあるかわかりませんが、これはきのうの夕刊ですけれども、毎日新聞の記事からいきましても、全国の空港及び新幹線、自動車、いわばきのうの判決に該当するような事例はあまりにも多い、こういうような言い方をして、かなり数字もあげておる。——あとでまた伺いますが。ですから、こういうものから判断をされることは、少なくとも公共性という名のもとにその存立、その優位性、そういうものがことさらに強調され、政策次元で実行に移され過ぎたんじゃないか。いま少しきめのこまかな配慮があったならば、もう少し変わった方向に進んでいるんじゃないかというように私は見るんです。 で、ことに大阪空港の場合には、拡張工事をやる際に、これから先は公害問題等については、一切住民の意思に反するようなことはいたしませんという、何か一札を出しているということも記事に出ているんです。その一札はどういう内容のものか、手にありませんからわかりませんけれども、少なくとも公共性という名のもとに地域住民の生活環境というものが軽視されていた。ここに私は、今回の判決を契機に運輸大臣も環境庁長官も、そして政府全体が目を開くべきじゃないか。これが具体的に言えば、ほんとうの反省ではないか、こう思うんですがね。先ほどの両大臣のお答えでは、やや私は、少し概念的過ぎまして、ほんとうに今回のこの訴訟、そして判決、その背景にあるものに対する政府の認識は十分であるとは思えない。たいへんくどいようですが、非常に重要な問題ですので、その辺の御見解をもう一度承っておきたいと思う。
○国務大臣(三木武夫君) 最初私が申した中にも、騒音に対する騒音防止という見地からの配慮が足りなかったということは、やはり公共性ということで、地域住民にいかなる犠牲をしてもいいんだということは、今日成り立ち得る考え方ではないわけです。むろん、空港の場合は、非常に高度の公共性を持っておることはこれは否定できませんが、だからといって、地域住民に騒音のために生活のいろんな障害を、非常な障害を受けることを、これを甘んじて受けなければならぬということは成り立たないわけです。やはり公共性は認めながらも、できる限りそういう騒音から来る被害を最小限度に食いとめようという努力をすることが、そういう努力は当然なされなければならぬわけでありますから、そういう点で騒音の防止ということに対しての配慮が足りなかったということは、反省をしなければならぬ点だと私は思っておる次第でございます。だから、今後は騒音を防止するという見地に立って、飛行場の立地の当初から、あるいはまたその後においても、騒音防止のために積極的な施策を推進していく責任があると考えておる次第でございます。
○国務大臣(徳永正利君) 今度の判決におきましても、騒音によって地域住民にこうむらせた損害について、不法行為責任を免れないというきびしい判決を、私に対してもいただいたわけでございます。いま長官がおっしゃいましたように、このことは私は、重大な航空行政について、運輸行政について責任があると思います。で、この責任を果たすために、一つは周辺機構の整備でございますとか、あるいはまた音源対策でございますとか、いままでもやってきておりますけれども、さらにそういう面を具体的に一歩でも二歩でも現実に進めていくということをもって、この地域住民の要望、判決にこたえていかなければならない、こういうふうに考える次第でございます。
○森中守義君 これはいままでの空港問題に関しまして、すぐ頭に浮かびますのは、ぎりぎりのところまでいけば、最終的には土地収用法の発動こういう公権力の発動というものが、必ず空港立地の際に背景にちらついておる。これは置きかえてみますと、地域住民が空港立地に対する参加協力というものがまず存在しなかった、こういう一つの経過なども考えてみる必要があると思う。環境庁長官が何か十時四十分にお出かけということですから、その議論はあとにいたしますが、特にこの際、三木長官にお尋ねしておきたいと思いますのは、間髪を入れず出された長官談話、私の手元にあるのは、これはプレスメモのようですが、しかし、非常に内容的には、私はこういうように言っていいと思う。きのうの判決でどうしても十分でなかった点がある。つまり、そういう意味で、判決を補完するような意味合いで長官談話が出たというように内容的に判断する。そこで、きのうもちょっと公害対策委員会で申し上げましたが、この内容を具体的にこれから政策として実行していく、政策ベースに当てはめるということになりますと、非常に重要な問題ですよ。ですから、これは単なる感懐、所信、所見という意味としては私は見のがしたくない。少なくともこれからの、いわば一つの政策ベースに置きかえてもらいたい、こう思うんです。 そうなりますと、在来の閣議了解ですね。四十五年の十一月二十日閣議了解になっている、航空関係の一つの政策の基本というものを、根幹から変えるような内容になりますよ。しかも、この中で総合交通体系についても言及されておる。単にそれだけにとどまらないで、経済社会発展の基本計画、この中に七千七百億を要するという、いわば航空政策の将来の課題も提起されている。こういつたように、かなり政策の根幹をゆるがすというように、きわめて重大な問題なので——もちろん私はこれを大いに歓迎します。しかし、これが各省庁にいろいろな影響をもたらすということになれば、当然、これは一環境庁の環境保全という立場からのとらえ方でなくて、政策の基本という意味に置きかえる必要があろう。そうなれば、この長官談話、一項から五項に至る内容というものは、いわば内閣の統一された見解としてこういうものが採用される必要がある、こういうように思います。何か新聞では、明日、関係の閣僚会議が開かれるというように聞いておりますが、この問題をそういう意味合いで取り扱われるお考えはございませんか。
○国務大臣(三木武夫君) 数年前に、御指摘のように、政府の総合交通体系というものを経済企画庁が中心となってつくりあげたわけでございますが、しかし、そのときは騒音の問題、一つの環境問題といいますかね、こういう問題に対して、むろん、考慮には入れておったけれども、今日のごとく深刻な問題を内に投げかけておることを踏まえて交通体系をつくりあげたとは言えない。 また資源の問題でも、今日、資源というものが、石油にしましても、これは有限なものであって、そういう資源の保有国が資源の保全政策というものを頭に入れてきている。金さえ持っていったならば自由に資源が手に入ったという時代はもう過ぎた。こういうふうな環境とか、あるいは資源というものに対しても、ものの考え方、情勢の変化が起こっておる。こういうことを踏まえて、もう一ぺん日本の交通体系というものは、これは考え直してみる時期に私は来ておると思う。そういうことで、これは御指摘のように、一環境庁の仕事ではありませんけれども、政府全体として、日本の交通体系というものを一ぺん再検討するという時期に来ておると思いますので、私はそういうふうに自分で考えるわけです。しかし、これは政府全体の問題でもありますので、閣僚間において、まあ最初は関係閣僚会議においてこういう必要性を、私の所見も述べて、そして、みなが意見が一致すれば、一環境庁長官の見解でなくして、政府全体の見解まで持っていきたいと考えておるわけでございます。それにはいろいろ閣僚間の意思の統一をしなければならぬという手続を踏まなければならぬわけですが、そういうふうに持っていきたいと考えておる次第でございます。
○森中守義君 非常に重要なお答えでございますし、私は、そういうことにぜひ展開できるように期待をしたいと思う。 それから、いま一つ伺っておきたいと思いますのは、航空機騒音にかかる環境基準ですね。四十八年十二月二十七日の告示百五十四号。これは将来強化をされても緩和されることはない、こういったように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(三木武夫君) これの最終の目標としておるのは、WECPNLというような国際的な水準、これの七〇ということを目標にしておるわけです。これは今日の航空機の技術開発の段階からして相当にきびしい基準であります。だから、いまのような航空機のエンジンの状態では、これをきびしくするということは、私はなかなか困難だと思いますが、しかし、騒音という問題は日本ばかりでもない問題で、国際的に大問題になって、アメリカにおいても——日本は飛行機をつくってないものですから、飛行機というか、エンジンをつくっていないわけですから、外国から輸入をしておるわけですから、どうしでもやっぱり外国の技術開発に依存せざるを得ない。アメリカでも大きな飛行機会社も、アメリカの航空宇宙局も、連邦航空局も一体になって、騒音をひとつ逓減しようという研究のために主力を注いでいるといってもいい状態であります。エアバスなどもその結果として生まれた飛行機であるわけでございますから、そういうことを頭に入れれば、これを緩和することはありませんが、やはり方向としては、強化されることはあっても緩和されることはない基準だとは言えると思いますが、いまの基準をさらにということは、相当な技術開発が伴わなければ困難である、現在においては。しかし、そういう技術開発が行なわれておりますから、将来、さらにその水準というものをもう少しきびしくするような可能性を私は持っておると思います。
○森中守義君 それから、この告示の前に出されました四十六年の十二月二十八日の勧告、この勧告を受け入れた運輸省のほうでは、正確に勧告を守っておられますか。また環境庁は、その辺の認識のぐあいはどうなのか。
○政府委員(寺井久美君) 環境庁の勧告に基づきまして、運輸省におきましてその線で実施をはかってきております。
○森中守義君 これで、三木長官、終わりますが、談話の中の五項ですね、この中に「規制措置をとるよう新しい制度を検討する。」こういう条項がありますが、ここでいわれている制度を検討するというのは、具体的にいえばどういうことですか。つまり、基準を新しく設定するという意味ですか。どういうことをさしておられますか。
○国務大臣(三木武夫君) これは、現在の仕組みでは、空港の周辺の一つの土地利用計画というようなものが、何らかの規制措置は伴っていないわけですから、土地の利用についても建築に対しても、何の制限する条項もない野放しの状態です。各国の空港の状態を見てみますと、空港の周辺に対しては、都市計画的な考え方を入れて、そうして、その土地の利用などに対してもいろんな規制をしたり、建築なども制限をしたりしておる例が多いわけですが、日本の場合は、それは野放しになっているわけですから、そういうことでは、非常にこの空港というものが、騒音の障害を受けるようなところは全部空港の中に含まれるようになれば、これはまあ問題はないわけですが、日本のような地理的な条件のもとにおいて、必ずしもアメリカとかその他の大陸の国につくっておるような空港というものに、みなそういうふうにつくりかえるというわけにもいかぬわけですから、どうしても非常に騒音から来る生活の障害がはなはだしいような地域というものは、なるべくそういうところに対しては、土地の利用とか建築などに対して野放しということに対しては、私は問題が将来残るので、何らかの規制をするような処置を考えてみるべきではないか。 むしろ、何か空港というものを中心にして、新しい都市計画みたいなことが頭の中にあることが、これからは必要なんじゃないかという考えもありますので、いま、こうやって、どういう点でどういう立法をするかというところまでは、私が具体的に頭にそういうことを考えながらこういうことを言ったんではないが、現行の制度はいかにも不合理であるということで、この点は関係各省の間でやはり研究をしてみたい、また研究をすべきである、こういう一つの提言といいますか、そういう一つの考え方も頭にあって、そういう条項を入れたわけでございます。
○森中守義君 特に私が、この長官談話を内閣の統一見解に置きかえるという非常に強い執念を持ちますのは、在来、内閣でいろんなこういうものを出されるのですね、ややスローガンに終わっちゃう。いろんな見識ある人の意見を聞きましても、掲げる内容、標語というものは非常にけっこうなんです。しかし、そのことが具体的に実施段階に入っていけば、期間的に相当かかるし、しかも、検討する、善処するということでみんな終わっているんじゃないかという批判が非常に強いのですね。ですから私は、さっき長官及び運輸大臣が言われるように、いまこの段階で空港立地に関し、ないしは航空政策全体に対して見直すべき段階に来ているであろうというニュアンスに受け取れるお話というものは、非常に貴重なものとして歓迎するのです。それにはこの内容というものが単なるアドバルーン、スローガンではなくて、やや具体的な、実行に踏み切るような方向を求めるようなものでなければ価値がない、こういうようなわけで特に念を押したわけであります。 それから長官、これはひとつ副総理という立場で、これだけ一つお尋ねしてお引き取り願いたいと思いますのは、非常に日中の航空協定が詰めに入って、けさの新聞では、板垣さんが台湾に行かれるということのようですね。それで、内閣としましては、この会期中に政府間協定である日中の航空協定は調印を終了し、この会期中に批准を求めるお考えですか。それとも、もっと時期的にずれるというお考えですか。
○国務大臣(三木武夫君) 日中間の国交が正常化されて、そして、航空協定は第一番にやはりつくろうということであったわけでありますが、貿易協定が先にできたのです。したがって、できるだけすみやかに航空協定というものを調印をして、国会の批准を受けることが、共同声明の精神からいって私は適当であろうと思います。だから、政府自身としても、いろいろ台湾との、板垣さんが、民間ベースでありますけれども、それが台湾に行かれて、台湾との間の民間の航空取りきめということに努力をされるわけでありましょうから、できるだけすみやかに航空協定は国会の批准を受けるものである、受けるべき性質のものである、こういうふうに考えている次第でございます。
○森中守義君 時期の問題です。それはもう当然ですがね。この会期中に……。
○国務大臣(三木武夫君) 時期は、むろんやはりこの国会で批准を受けることが一番好ましいと思いますが、そういう点で政府も努力をしていると思いますが、いろいろ相手もあるものですから、ですが、目標としては、当然にこの国会で批准を受けるということで、非常にその前には解決しなければならぬ問題がたくさんありますから、台湾との関係もそうであります。そのための解決に努力をしているものだと思います。
○森中守義君 運輸大臣、一番最初に、これからの行政の中で、きのうの判決を補完するような仕事はしないのか、こういうお尋ねをしましたが、考え方として一通り出されておりますがね。私は、やはり固有の見解としては、きのうの判決はもちろん十分でない。しかし、だからといって、きのうの判決を唯一のものとして運輸省はおやりになるのはどうかと思う。したがって、具体的に、たとえば九時からというのが十時から、一時間の差がありますね。この間、大体十三便のようですね、大阪空港の便数というものは。こういうものを具体的に九時まで繰り上げてというような、そういう措置などはおとりになりませんか。判決を補完するという意思はありませんか。
○国務大臣(徳永正利君) 私は、地元住民の提訴によって判決が出された。この判決は、一応判決として厳粛に受けとめなければならぬと思いますが、しかし現に騒音等において地元の住民の皆さん方がたいへん苦しんでいらっしゃるということは、現実にここにある問題でございますから、これを運輸行政の面でどういうふうに解決していくか、私はより重い荷物を持っているわけでございます。したがいまして、いま具体的に判決、提訴の中に九時−十時の時間の問題がございましたが、これを、十三便をいま切って、判決を補完する意味で、九時で全部の飛行をやめるというような意思はないかという御質問だと思いますが、私は、そういう端的にそこにだけメスを入れるということが可能であるかどうかというようなことも、一ぺん検討してみなきゃなりませんし、また、そればかりではなくて、騒音というのを減少させるためには、まず減便、便を減らすということが一番手っとり早い話でございます。飛行機の騒音、音源対策の中には、いろんな対策があると思いますけれども、エンジンの問題は、先ほど来議論になっておったような問題でございますが、これはなかなか、手をつけるとしてきょうあすにできることではないと思いますが、この努力は努力といたしまして、もう一つは、減便するにはどうするかというのが、二つあると思うのです。 代替輸送機関に振りかえて、現在の便を切っていく、まあ、お客さんはがまんしていただくと、こういうのが一つと、もう一つは、切るためには、いま考えておりますのは、地元の皆さん方の御理解も得て、エアバス、これは御承知のように、音源にいたしましても、十ホンぐらい少ないそうでございまして、そういうようなエアバスを入れて、そして、これはやや大型になりますから、輸送力も当然ふえてくるわけでございますが、それによって大幅な減便をやっていく、こういう二つの方法があると思いますが、いま、しからば九時に焦点を合わせてということになりますと、いろんな問題を含めておりますから、全体的に総体をにらみ合わせてやはりその騒音対策というものをやっていくということで、いま検討を命じているわけでございます。 なお七時あるいは八時という時間も、一家団らんの時間でございますから、そういうようなところがはたしてどういうふうな機材繰り、あるいはまた外国路線がどういうふうに動いておるかというようなことも検討を命じておりますが、そういう面において誠意を尽くして、そういういわば補完ということばが適当かどうか私ちょっと自信がございませんけれども、おっしゃるような意味合いで努力を続けてまいりたいと思っております。
○森中守義君 ちょっと質問が方々に飛びますが、約四年二、三カ月の公判の中で、運輸省としては、特にどういうところを中心に公判延で主張されてきましたか。
○政府委員(寺井久美君) 公判で国の側といたしまして主張いたしました要点を申し上げますと、まず、午後の九時から翌朝の七時までの差しとめ請求につきましては、この九時以降について、公共性があるから差しとめは認めがたいという主張をいたしておりました。で、結果は御存じのとおり、十時以降の差しとめになったわけでございます。 それから、過去の慰謝料の請求に対しまして、原告側は、生活に対する妨害、健康に対する被害、また精神的な被害がある、これが騒音によってもたらされるという御主張をなさって、それに対する慰謝料といいますか、を要求したわけでございますが、これに対しまして国の側といたしましては、騒音によりまして生活妨害は多少存在する、しかし、その他の健康被害あるいは精神障害というものは因果関係が明らかでないということで、これは法律上の不法行為ではないという主張をいたしておりました。 それから将来分の慰謝料の請求に対しましては、これは今後いろいろ対策を講じてまいり、被害の程度が不確定だという主張をいたしております。
○森中守義君 先ほどちょっと私が示しました環境庁長官の、環境保全上緊急を要する航空機騒音対策についての勧告、これが四十六年十二月二十八日、それから、訴訟が提訴されたのが四十四年の十二月ですね。いま寺井局長の言われる公判延における主張ですね、おそらく、終始一貫そういうものだと、私はいまのお話から受け取りますが、この勧告が出たあと、コースは少し変わってもいいのじゃないか、現実的に見た場合。やや、環境庁長官の勧告というものは、ことさらに環境保全という立場から問題をとらえておりますからね。ですから、運輸省の主張されてきた公判延での論点、これは環境庁長官の勧告を具体的に受け入れようとするならば、少し角度が変わってもよかったのじゃないか、こういうように思いますが、このことを中心にして運輸省ではどういう議論をされたのか。これはこれ、公判は公判、完全に割りきったつもりでおやりになったのですか。
○政府委員(寺井久美君) 公判におきます立場というものは、御指摘のとおり、一貫して変化いたしておりません。しかしながら、環境庁の勧告を受けました後におきまして、特に十時以降の飛行をなくしていく、あるいは飛行コースについて特定の指示をする。また、特にこの勧告の中で、WECPNL八五以上に相当する地域については、住地域内における日常生活が著しくそこなわれないようにするというものがついております。これの勧告に基づきまして、民家の防音工事もできるように騒音防止法の一部改正を御提案申し上げ、ただいま御審議を願っておりますけれども、こういう一連の対策というものをとってまいっておりまして、この考え方の中には、民家の防音工事のほか、空港の周辺というものに、音に対する緩衝地帯を設けまして、なおかつ移転補償も行ない、移転がしやすくなるように代替地の造成等も行ない得るというような考え方から、周辺整備機構という新しい組織を考えまして、これも法律の改正の中に盛り込んでまいる、こういう御勧告の趣旨にしたがいまして一連の措置を打ってまいっております。 羽田などにおきまして、多少指定の時間よりもおくれて入っておるという飛行機が現にまだございますけれども、まあ、おおむね実施してきておりまして、そういう点もこの裁判において主張をしてまいっております。で、不法行為のあるかないかということにつきましては、法律的な論争が中心でございましたので、本質論としては、御指摘のように大きく変化いたしておりません。
○森中守義君 まあ、これは非常にむずかしい法理論の背景を持つものでありましょう。けれども、具体的に九時と十時という一時間の問題、これは航空政策上どういう影響を与えるのか。私の調べでは、大体この一時間十三便というように見ているんですがね。その数字をひとつ正確にしてもらいたいのと、この十三便の離発着というのがどれだけ航空政策に重大な支障を与えるのか、むろん、これは国際線になりますと二国間協定という問題もありますから、それなども含めながら、この一時間というものがどうしても運輸省としては法廷論争で譲れない一線であったのかどうなのか、これ、具体的に解明してください。
○政府委員(寺井久美君) 先生がただいま御指摘になりましたように、まず、国際線の問題がございます。これは二国間の協定に基づきまして、特にお互いに権益を交換し合ったものでございます。時間を無理に制限するというようなことが実際問題として非常に困難だという点は御了承いただきたいと思います。 で、便数でございますけれども、これは便数と発着回数とちょっと分けて御説明したほうがいいと思いますが、国内便は十二発着、つまり便数に直しますと六便でございます。十二発着いたしておりまして、国際線は、これは毎日来ておる会社とは限りませんで、入ってまいります会社が違いますけれども、平均いたしますと二発着、つまり一便出入りしておる、これが現状でございます。したがいまして、便数に直しますと平均七便、こういうことになります。非常に数としては少ない、むしろ、少ない時間帯になっております。これはやはり航空会社等におきましても、いろいろ努力をして前の時間に押し上げていったということもございますけれども、どうしてもこの時間帯になければならないという国内線の例を申し上げますと、たびたび新幹線のごとき代替輸送機関がある区間については、あまりこういう航空輸送は必要ではないではないかという御議論もございますけれども、この九時−十時の時間帯というのは、実は新幹線がすでに利用できない状態になっておる時間帯でございまして、東京−大阪間の便数もございますし、また、九州方面から入ってまいります、あるいは出てまいります最終便、こういうものがございまして、航空局の立場といたしましては、そういう旅客需要——ほかに有効な代替輸送手段がもうございませんし、こういうことのためには非常に公共性があるんですと、こういう立場をとってまいった次第でございます。
○森中守義君 いま寺井局長のお示しになったその国内六便、国際一便、これは訴訟が起こされた時点から何か変化を遂げているんですか、その当時からやっぱり七便ということだったんですか、ちょっとこの推移がどうなっているのか。こういう問題が発生をしたから漸次減便の措置をとってきたのか、その辺の推移はどうなっているんですか。
○政府委員(寺井久美君) ただいまの年度別の推移につきまして、ただいま正確な数字を手元にございませんので、これは後刻御報告申し上げたいと思いますが、この訴訟後、九時−十時の時間帯の便数につきましては、変化があるはずでございます。訴訟が提示されました当時、まだ十時以降もやっておりましたし、その間いろいろの変化があって、現状になっておる、こういうふうに御了解いただきたいと思います。 なお、正確な数字につきましては、追って御報告申し上げたいと思います。
○森中守義君 そうしますと、大臣、いま局長のお話で大体経緯はわかりましたがね。その訴訟前及び訴訟が起きて、その後の便数の状態というのはかなり変化しておる。少なくとも行政裁量でいろんな調整がとられてきているわけですね。そこで、いまその国内線六便、国際線一便というものがぎりぎり絶対もう手直しのきかないものなのかどうなのか。いままでずっと一定の推移をたどって今日の状態に至っておれば、これは直そうとすりゃ直せるだろう。むろん、これは日本航空でも全日空でも、あるいは国内航空でもそれぞれのダイヤ編成等には非常にむずかしい作業も伴うのじゃないか、まあローカル線との関係もありましょうからね。しかしながら、これは物理的にできないことじゃない、やり方だということになれば、最初申し上げましたように、判決では十時からと、こうなっているんだが、申請は九時からだ、この一時間差をどういったように調和をとるかというのが、むしろこれはこれからの、その現地の皆さん方に対する、いわば航空行政を扱われる大臣の誠意だと、私はこう見るのですがね。具体的にこれを検討するということはできませんか。たとえば一挙に六便、これは国際線はどこのものか知りませんがね、これはいまにわかにはできないにしても、国内線の六を三に落とすとか二に落とすという、こういうことなどは、これはやっぱり、まあ判決は判決、しかし運輸行政としては最善の努力をしている、そういう誠意というものは何かの形で表現すべきだと思うのですがね。どうでしょう。
○政府委員(寺井久美君) ちょっと大臣にかわって……。 いまの便数の問題で、ちょっと私の説明が不十分で、十二発着ということが大体六便というふうに申し上げましたけれども、実は到着するばかりの便数、あるいは出発の便数というふうに分かれますので、必ずしも半分でないということをお含みおきいただきたいのです。
○森中守義君 それは局長、すぐだれか、課長なんかで大体この数、把握できるんじゃない。
○政府委員(寺井久美君) 出発便何便、到着便何便ということであとで御報告しますが、いずれにしても、十二離発着やっておりまして、普通一便と申しますと、行って帰りというのが一便になっておりますので、その辺必ずしも正確に半分でないということをお含みおきいただきたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) いま航空局長が訂正いたしましたように、機材繰りとか、それから乗客のローカル線との関連とか、いろんな問題があろうと思いますけれども、地元住民の声には誠意をもってやはり航空行政としてはこたえていかなきゃいかぬと思います。それを全体的な立場から、総体的な立場から、これをいま検討を命じておるところでございます。まあ一番好ましいことは、近く国内に入ってまいりますエアバス——音量の少ない、そういうものをそこに投入すれば私は一番いいと思うわけでございますが、そういうようなものも含めて、そういう点について検討を命じているところでございます。
○森中守義君 大臣の言われるように、それに限らないで、全体の視点を通してというお考えはよくわかりますがね。やはりその訴訟の最大の論点というものは、九時か十時かという問題であったわけですからね。まあそこで、私は特にこの問題につきましては、訴訟前、訴訟後、各年次ごとに何らかの推移をたどっているわけですから、少なくともさっき局長の提示された今日の状態ですね、これはかなりいろんな配慮があったことは、それは私も認めます。しかし、そのことがそういったように技術的に可能なものであれば、これはやっぱり具体的にその問題だけは全体の中の一つといわないで、これは特にひとつやりましょうというようなことは、いま具体的に、じゃゼロにするとか、いや半分にするという答えは、これはなかなか困難でしょうけれども、考え方としては、私は大臣のお答えがあってもいいんじゃないか、こう思いますが、どうなんですか。
○国務大臣(徳永正利君) お説のとおりでございます。そういう点についていろんな機材繰りもございましょうし、いろんな地方ローカル線との関連もございましょうが、そういう問題は、私は、積極的に検討を進めていってこたえていかなければならぬと思っております。
○森中守義君 非常にくどいようですが、九時−十時の問題については具体的に検討を加えて少なくする、こういう答えであるというふうに理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(徳永正利君) いろんないままで申し上げましたことを総合いたしまして、そういう問題に検討を加えていくと、こういうことでございます。
○森中守義君 どうも少しどっかですれ違っていますな。あまり大臣、その辺神経を使わなくても、私は全体を通さなければ、これはやっぱり、こういう問題はできないぐらいのことは知っていますよ。しかし争点が九時か十時かという問題なんだから、これだけについては運輸省当局が、要するに全国に対し、あるいは大阪周辺の皆さん方に対する誠意の表現だと、こういう意味でその問題だけについては、私の問いに少なくいたしましょう、数をどのぐらいにするかということは検討の内容に入りますから、そこまで、半分にせいとか、ゼロにせいとかは具体的に私も詰めませんけれども、考え方として減らす、九時−十時の問題には取り組んでいくんだという、これ、やっぱり全体、全体で言わなくても、ちょっと言えそうなものだと思いますがね。
○国務大臣(徳永正利君) 私もそのとおりなんです。ただ、私が言いましたのは、そこに焦点を合わして、いろいろ重点的に考えていくと、ただローカル線やら飛行機の何か機材繰りというようなやつがあるんだそうです。私にはよくわかりませんけれども、飛行機をどっちに持っていって、どこにとめておいて、その便を、今度いつ飛行機を使うとか、いろんな錯綜した問題があるそうですから、そういうものの整理をつけつつ、そこに焦点を合わして、おっしゃるように、そういうつもりで今後進めてまいりたいと、こういうことでございます。ですから、おっしゃるようなところに焦点を合わして、一便でも減らしていくという努力をやってまいりますと、こういうことでございます。
○森中守義君 そうすると、私の意思というものは満たされるというふうに理解していいんですか。
○国務大臣(徳永正利君) 十分尊重して、満たされるように今後持っていきたいと思っております。
○森中守義君 これはきょう限りのことでございませんので、おおむね私は満たされるというように理解をいたしましょう。ぜひ実現をするように、特段の検討を願っておきたい。 さっき言われるエアバスの問題ですが、いま機材の保有状況がわかりますか。
○政府委員(寺井久美君) 現在、エアバスと申しますのは、747のSRも含めてわれわれ言っておりますけれども、日本航空が一機すでに沖繩線に使っております。それから三月中に次の二機が入ってまいる予定になっております。それから全日空のほうのエアバスがすでに一機入っておりますが、三月末までにたしか四機だと思いますが、入ってまいります。それで最終的には六機になるというふうに了解いたしております。それから、合わせまして日本航空のほうは、SRタイプが四機になるわけでございます。 それで先ほどの九時−十時の時間帯の発と着につきまして御報告申し上げますが、国内線の着が八便、発が四便ございます。それから国際線のほうは、これは一週間でございますが、一週間の間に着が九便、発が五便となっております。
○森中守義君 最初にお示しになったものとそう大差はございませんね。この程度のものであれば、私の意思は満たされるというように思います。 それで、いま局長の言われるエアバスの問題、これは私の手元にもやや正確な資料がございますが、これで東京−大阪間の就航、沖繩を除いた本土の就航というものはどういう計画になりますか。
○政府委員(寺井久美君) 東京−大阪間につきましては、先生も御案内と思いますが、大阪の住民の方々からエアバスを、大型機を入れるときには十分相談をしてくれという話がございまして、私どもも地元の方々の御理解をいただくために、いま鋭意その話し合いを進めておる段階でございまして、現在のところ東京−大阪に入れて、具体的に運航する計画というのは固まっておりません。大阪の地域の方々の御理解を得た上で順次投入をしたいというふうに考えております。したがいまして、この話し合いの進みぐあいにもよりますけれども、できましたら、四月じゅうにまず入れていきたいというふうに考えておりますが、これも今後の話し合いの進展状況にかかっておりますので、いつから具体的に入るということは、ちょっと現段階では御報告できない状態でございます。
○森中守義君 話し合いは何回ぐらい継続されているのか、関係者の意見というものはどの辺にあるのか、わかりますか。
○国務大臣(徳永正利君) 実は、私ももう百数十名の方と二回、けさも実はお目にかかって、いろいろとお話をしたわけでございます。で、エアバスの点については、いろいろと御批判や御不安があるようだけれども、そういうようなものは航空会社が十分なテストと責任をもって就航させるから、どうかひとつ御理解をいただきたいというようなことも、私も申し上げております。で、皆さんと一緒におる中で、「エアバスを約束するのは反対」という声もうしろのほうから聞こえますけれども、この点については、やはり根気よく詰めていかなければならないと思いますが、現地にも派遣いたしまして、現地のそれぞれの当局の皆さん方とも話し合いをさせておりますから、その実情は航空局長から御報告させます。
○政府委員(寺井久美君) 現地に十一市協という団体がございますが、十一市協と申しますのは、大阪伊丹空港周辺の市でございまして、大阪市、豊中市、宝塚市、伊丹市、川西市、それから西宮市、尼崎市、吹田市、箕面市というような市が構成いたしております団体でございまして、主として伊丹空港の騒音問題その他について航空局と話し合いをするようなかっこうになっております。で、その団体に対しましてエアバスを導入する計画をそろそろ立てたいということで、先般事務的にまず連絡を申し上げまして、エアバスの音の状態あるいは運航上の安全性の問題等につき、具体的に今後さらに説明をするという段取りになっております。いま裁判等がございましたので、この直後は少しむずかしいということで、二回目、三回目の話は先に延びるかと存じますが、そういう段取りになっておりまして、話し合いを逐次進めております。
○森中守義君 これは大臣、環境庁長官の談話及び運輸大臣の談話ですね、特にエアバスを入れるかどうか、これが全体を見てという中の大きな柱になっているようです。ですから、この問題につきましては、これはもうよほど慎重に扱っていきませんと、またまたあとたいへんなことになる、こう思うんです。したがって、これは一つの今度の問題の緩和あるいは減少の一策だとは思いますけれども、あまり無理をなさらないように、よほど慎重に扱ってもらいたいと思います。 それから三木さんがおられたころの話にちょっと戻りますが、おおむねわが国の空港立地というものが米軍から引き継いだものが多い。それだけに在来航空政策があったのか、空港立地政策というのがあったのかという一つの問いを出さざるを得ない。それで、ここに欠けているものが私やっぱりあると思うんですよ。現在の航空法なり、あるいは施行規則等ずっと洗ってみましてもきめ手になるようなものがないんですね。たとえば飛行場の立地条件に関する基準というものが具体的に法律上あるかどうかということになりますと、何にもない。ただ三十八条で、大臣の権限が表明されている。結局はどういう地点にどういう基準で選定をするかという、つまり選定の基準というものが法律上確立されていない。これが私は、在来の航空政策、空港立地に関連をした、ことに成田あたりが国際的に大きな注目を浴びるゆえんでもあったと思う。 こういうことを考えますと、やはり空港立地、空港選定の基準というものを、この際は政策の重要な柱として検討すべき段階に来ていると思いますけれども、どうでございますか。
○国務大臣(徳永正利君) 前段のエアバスの点については、これは十分御指摘のように慎重に配慮してまいるつもりでございます。 それから空港の立地条件あるいは空港立地の基準を法的にひとつ確立したらどうかというお話でございますが、これなかなかむずかしい問題だと思います。一つの私は御提案だとは思いますが、いろんな点において基準を空港設置について立てるということは、問題がそれぞれの地域、それぞれの状況によって変わってまいります中で、これに一本法律的な基準というものをつくり上げるということは、まあいまこのぐらい騒音問題の関心の深い時期でございますから、そういう点においては別途補完的な法律等、あるいはまた環境基準の達成というものが一つの基準になっておりますから、十分そういう面で補完されると思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、空港の立地を、その他の面をも含めて法律的にということにつきましては、一つの御提案ではございますが、いますぐこれを先生のお考えに同調して検討するという、まだ私、実は決心がつかないわけでございます。繰り返して申し上げますけれども、問題は環境庁が出しております騒音の基準、環境基準というものが一つのやはり空港設置の、立地の重要な条件であろう、こういうふうに考えるわけでございます。
○森中守義君 大臣、私の申し上げるのは、すべからくこれからの問題はあくまでも住民の協力、参加、これが前提ですよ。 そこで三木長官のきのうの談話の中で非常に注目すべきものがある。この一項の中にこう言われているんです。「騒音問題の解決は重要な課題であるから、将来、新空港ができても、」——これは関西新空港をさしているんです。「なお環境基準が達成されない場合は廃止も含めて、根本的に再検討する。」こういう提起がある。私は、これはちょっと表現がどういう意味なのか理解しにくい点もありますが、供用開始になった、環境基準が達成されないからもうやめっちまえというのでは逆だと思う。ですからそういうことを考えていけば、この「根本的に再検討」ということは、もういまや政策ベースに採用すべき時期じゃないかと思うんですよ。ただ関西空港を変えちまえばよかろうとか、あすこは道のりがいいからどうだろうかというように見て回り、地図の上で判断をする、このあたりならば住民の反対もなかろうという在来のパターンを依然として繰り返すことは適当でない。もうこれは幾つかの教訓がありますよ。 ですから、そういう意味で、やはりきちんと選定の基準、立地の基準というものは確立をしておく必要がある。その前提になるものは住民の協力であり住民の参加である、こういうことを主張しているわけです。すでに環境庁では問題を提起している、根本的に検討を加えろと。 それから五項の中でも、やや同様なことを言われているんですね。「新しい制度を検討する。」——こういうような問題がある。これはやっぱり一と五はかかわりを持った一つのカテゴリーをつくったものだと私は認識をするんですがね。そういう意味で、具体的にいつというそこまでは詰めませんけれども、将来の構想としてはどうしてもそういう構想をとらざるを得ないんじゃないか、こう思うんですけど、やっぱりそれでもいけませんか。
○国務大臣(徳永正利君) 私、それでもいかぬとかいうわけでものを言っているわけじゃないのでございまして、三木長官のお話の、これは私も非常にわかりにくい文章と思いましたが、第一項で言っていらっしゃるのは、おそらく新しい空港ができて、廃止をも含めてというのは、現在の伊丹空港の問題を根本的に再検討すると、こういう意味ではなかろうかと思うわけでございます。 それから五番目の規制措置というのは、三木長官先ほど来御説明のあったとおりでございまして、私もいま先生の言われるお気持ちというものはよくわかります。よく理解しているつもりでございます。住民の理解がなければならないというのが原則であり、さらに環境基準というものが守られないような空港はもうつくっちゃいかぬと、これがまあ原則だと思いますが、環境庁せっかく環境基準をつくってきびしい規制を出してきておられますから、そういうものにおいて満たされるんじゃなかろうか。ただそういうものをひっくるめて、すべてをひっくるめて空港の立地基準というようなものをいまただちに法制化するということについての御提案について申し上げたんでございまして、確かにそういうようなものを総合的にくるめた検討というものは、私は当然なされなきやならぬと思っております。
○森中守義君 いまの大臣のお話からいけば、一応検討に値するというお話のようですが、これは何回も申し上げますように、やっぱりその時期に来ていますよ。ほとんど大ワクというものがないんですね。たとえば成田であろうとどこであろうと、ここならばという、そういう何といいますか、非常に安直に空港ができそうなところをいままで選択をしてきた。しかし、それは物理的なもの、環境的なもの、そういうものはどこまで配慮の中にあったかというと、残念ながら、あれこれ考えたという一つの思考の範囲にはあったでしょうけれども、あまりきちっとした論理というものをわきまえていなかった、であるならば、やっぱり選定の基準、立地の基準というものは、もうこの段階ではきちんと確立する必要がある、こういうふうに私は思います。相なるべくは、できるだけひとつ省内で検討してもらいたいと思いますね。いかがですか。
○国務大臣(徳永正利君) お説のような考えは、確かに一つの御提案と思います。いままで環境庁が出して、長官がものを言っておられる五項の問題についても、これは法制的にはいまのところ、あるいはないんじゃないかと思いますが、これは建設省がやる、そういうふうなことに手を加えるのかどうか、所管するかどうか別といたしまして、そういう問題を後手後手に回らないような、おっしゃるような先手を打った一つの問題点をとらえた法制と申しますか、そういうものについてやるということは、私は必要なことだと思います。確かに検討に値する問題でございますから、十分今後もそういうものをひっくるめて検討してみたいと思っております。
○森中守義君 あまり気の長いことも言っておれませんので、あしたの閣僚会議には大臣出られますね。そういう中で具体的問題を提起されたらどうですか。
○国務大臣(徳永正利君) いますぐ法制化について運輸大臣としてこういう考えを持っているというほど、実は私、まだ思想的に頭の中が組み立ててないわけでございますから、確かに一つの御提案だとは思いますけれども、三木長官の言われております五項等の問題は、どういうふうに今後やるかというようなこと等については、長官のほうからも御発言があることと思いますが、土地の利用とか、あるいは建築の制限とか、そういうような問題を五項では言っていらっしゃるだろうと思う。ですからそういう問題ばかりではなくて、今度新空港を新しくつくる場合にはしかじかかくかくの基準をひとつ順守すべきであるというような法制化について、いま私が、せっかくの御提案でございますけれども、あしたどういう形で会議が持たれるかわかりませんけれども、提案するには、ちょっと自信が、頭の整理ができてないわけでございます。がしかし、きのうの参議院の委員会でこういうような御提案があり、確かに一つの提案だというふうに受けとめておるということは、私、申し上げるつもりでございます。
○森中守義君 いや、何もその提案を無理におっかぶせるという意思じゃございませんけれども、やはり現状判断からいたしますと、これはもう単なる想定ではないというようなことで、特に私は強調しているわけです。 それから大体きのうあたりからの新聞の論調をずっと要約してみますと、実は今回の判決に対しまして、十分な素材は私もないんですよ。したがって新聞の論調等を基礎にして一つの認識を持つにとどまっておりますが、まあどの論調を見ましても航空行政の中で、特に空港問題についてきわめてきめのこまかい配慮ある措置がとられておったという諸説というものはほとんどありませんね。かなり批判的。そこで大臣の言われる今回の法改正が成立を見た場合にはかなりいろんな点で解消できるであろう、こういう意見をお述べになっておりますが、全く自信がありますか。 私は残念ながら、今回の改正案も現行法と基本においてはそう大差ない。こういうたいへん運輸省としては受けかねるというお考えかもわかりませんが、どうもやっぱりそういう気がしてなりません。むろんこれは、いずれこの委員会でも審議をやるわけですから、その際に詳細にお尋ねすることにいたしますが、ただこの際申し上げておきたいと思いますのは、現行法ができて一体その後の予算措置等が即刻対応してつけられたかどうか。これは残念ながらそうだとは言えないようですね。ですから騒音防止法はつくった、予算は二年も三年もつかなかった、これが残念ながら過去の実績のようです。これはきわめて実務的な問題でもありますから、ちょっと航空局長から現行法の制定、これに対する予算措置は具体的にどういう経過であったか、ちょっとお尋ねしておきたい。
○政府委員(寺井久美君) 国の騒音対策の費用、これは当初は学校の防音工事ということから始まりまして、その後共同利用施設、あるいは移転補償、テレビ対策というようなふうに広がってまいりましたが、四十二年度の予算は三億円でございまして、四十三、四十四、四十五と順を追って申し上げますが、それが五億三千万、十億、十九億、三十億八千万、五十八億一千万、百十億三千万というふうに通常の予算のペースに比べますと非常に大幅に増額してまいっております。で、空港整備五カ年計画全体の五千六百億のワクの中で、この当初予定いたしました騒音対策費というのはすでに四十九年度では足りなくなるというような状態になっております。
○森中守義君 実は昨年その改正案が出されたときに日弁連が意見書を出している。これ大臣ごらんになったことがありますか。
○国務大臣(徳永正利君) 申しわけございませんが、実は私それを拝見しておりません。
○森中守義君 局長はどうです。
○政府委員(寺井久美君) まことに申しわけないのですが、私も内容をつまびらかにいたしておりません。
○森中守義君 これはおそらく、私どもの手元にも送ってきておりますから、大臣あるいは航空局長のお手元に届いていないはずはない。これ一回ひとつ熟読してみてください。もちろん日弁連といいますと、これは権威ある法曹界の一つの集まりですから、非常に見識の高い評価をしております。で、この内容からいけば、大体新聞の論調に言われておりますように、これという見るべき騒音対策、航空対策というものがとられておったとは言いがたい。かなりこまかな内容を指摘しておる。 そこで、いまの予算の問題等も、これは四十二年のその制定と同時にはたして抜本的に、ことに環境庁の勧告などが出なくてもいいような対策がとられたかどうかということになるとはなはだ疑問。それから、こういったように非常に世情騒然となってきた、しかも環境庁まで騒音に勧告を出した、あるいは基準が設定された、こういう段階に立ち至って、ややあわてふためいたという感じなんですね。 しかし、これからの航空行政というものが環境というのを無視してはもうやっていけない、これだけはさっき大臣も言われましたし、三木長官も言われたとおりだ。しかしその内容としてどうかということになると、これはもうはなはだ問題が多い。たとえば三木長官が言われている防音対策、こういうものに対する施設の対象とか、あるいはその補助率の割合とか、こういうものを早急に手直しをしないとどうにもならぬ。そこまで私は今日の状況は来ている、こういうように思うのです。どこかの新聞等にも、たとえば補助の対象施設が学校とか病院、それから保育所、それから精薄施設、こういうものに限定をされている。個々の住民に適用されていない。これは一つの盲点だと、こう指摘をしているのですね。 そこで、これをやるには防止法の五条を当然これは直さざるを得ない。それから、この場合は補助の割合が十分の十と、こういうことになっておりますが、ただ額の算定がこれでいいのかどうなのかという問題があります。それから共同利用施設の助成、これは防止法の六条と施行令の五条に該当するようですがね。しかもこの場合は補助の割合が十分の七・五ないしは十分の八、ただし運輸大臣が定める額ということになっておる。この辺のことを抜本的に改正をいたしませんと、今回の判決、おそらくあとあと——名古屋の新幹線の問題ですとか、何か新潟でも同じようなのが出ておりますね、大阪と。で、こういう問題等に、もちろん関係もしましょうが、きめのこまかな配慮ということは一体何なのか。具体的にあげれば、いまの防音の対象あるいは助成措置、いろんな問題があるんですがね。これはどうなんですか。いままでの状態でいいと思っておられますか。ただ今回のその改正の中では、何か機構をつくって、これに肩がわりだというような問題になっているようですけれども、そういうものとの関係はどうなんですか。
○政府委員(寺井久美君) 先生御指摘のように、現在の法制上は民家の防音工事ができない状態になっております。したがいまして、民家の防音工事につきまして今回の改正をお願いしておるのも一つございます。で、こうした補助工事の補助額等につきましては、これは予算との関連で処理できる部分がかなりございます。御指摘のように、補助率が七五%ということではもはやどうにもならないじゃないかという点につきましては、これは私どもは地方公共団体のほうでもかなり御負担いただけるのではないかというふうに考えております。 したがいまして、直接改造される方の負担というものはできるだけ少なくしていかなければならないという方向で目下検討いたしております。周辺整備機構は、国が直接行ないますこうした補助業務のほかに、移転のための代替地造成とか、そういったこともやることになっておりますし、それから周辺の府県がやるべき業務としての、相当空港から離れた場所でございますが、そういった地点の再開発というようなものもあわせてこの新しい機構の中で行なうということになっております。それで私どもがこの周辺整備機構に非常に期待をいたしておりますのは、すでに御案内のことと思いますが、たとえば移転補償というようなものもなかなか予定どおり進まなかったという事実がございます。これはいろいろな原因がございますが、一つにはやはり国の事務能力というものに非常に問題があるということもございまして、こういう点はこの新しい機構の中で十分事務能力をあげてやっていけるというふうに考えております。
○森中守義君 いま局長が言われた自治体の関係ね。これなどは四十七年ですけれどもね、全国民間空港所在都市議会協議会、こういうものが全国的に組織をされておる。伊丹の市会議長の戸田という人が会長である。で、全国のこういう組織の名におきまして、あまりにも自治体が空港のために負担をする限度が越えている。とても財政負担にたえられないと、こう言っている。ですから現行法の助成率の問題、こういう不足分をどうしても自治体にかけるというわけで、自治体では、この助成措置については問題があるし、何とか善処してもらわなければ困る、こういう意見が出るような始末なんですね。 だから私は、この際いま言われる改正案で何ほどのものが消化されるかというのは、これはもう非常に疑問だと思いますよ。けれどもやはり十分の十、百分の百に切りかえるということ、対象のワクを思い切ってこの際は拡大をするということ、こういう一つの原則というものがきちんと運輸省で確立をされておかないとまずいんじゃないかと、こう思うのですよ。むろんこれは改正案を審議する際の大きな中身でもあります。改正案をどう扱うかというのは、これから私どもきめていきたいところですが、大臣いま私が申し上げましたが、対象のワクを広げろ、助成率を百分の百に切りかえる、自治体に負担をかけるな、こういう原則についてはどうお考えですか。
○国務大臣(徳永正利君) 私も実は大賛成でございますが、その点について御審議をやがてわずらわすことになろうかとも思いますが、それまでに歯切れのいい答弁ができるように、ひとつ宿題として預かっておきたいと思います。
○森中守義君 おそらく第三次空港整備計画だと思いますが、今後十年間に空港とその周辺の整備、空港保安施設整備などに約二兆五千億をつぎ込む計画を立てていると、こういうことが伝えられておりますが、この二兆五千億というものは主としてどういうものなのか。同時に、また財政措置はきちんとついているのか。それと今回の補償の問題及び今後発生するであろう、国が補償しなければならぬであろう、そういう財政上の総ワクというのはどのくらい見ておりますか。
○政府委員(寺井久美君) ただいま先生が言及されました二兆数千億という数字は私どもが現実にいま想定しておる数字ではございませんけれども、今後の新しい空港整備五カ年計画を実施いたしますにあたって試算いたしましたいろいろな数字の一つであろうかと存じます。 事務的にいろいろやっておりますが、この基本をなす考え方と申しますのは、環境基準の達成のためにいろんな諸施策を講じていくための経費が大部分になっております。新しく新設空港をつぐるというよりは、むしろ現在ある空港を滑走路のつけかえ、あるいは空港の敷地の再配分というようなことも含めまして、現空港を基準に合わすというところがおもな目的になっております。そして、その財政的なという点についての御質問につきましては、やはりこれは原因者負担の原則で、たとえば騒音料というような性質のものを、この取り方についてはまだきめておりませんが、いずれにしても航空会社あるいは利用者から負担をしていただいて、それを財源にしてそういう環境対策を実施していこうという大まかな考え方に基づいていま検討を進めておるものの一つであります。
○森中守義君 そうしますと、ここでいわれている二兆五千億というものは第三次整備計画の財源の総ワクというものではなくて、これから受益者負担という名のもとに利用者から取ろうという、そういう意味合いのものですか、いまの説明からいくと。
○政府委員(寺井久美君) 少し説明が不足して申しわけございませんが、その数字は全体の規模をあらわす数字でございまして、その中にはその金額を満たすためにいろんな財源が考えられますが、現在やっております空港特別会計の財源ではとてもまかなえない金額になります。したがいまして、新たにいま私が申し上げましたような何らかの財源措置を講じていく必要があると、こういうことでございます。
○森中守義君 結局、国庫によるものではない。これだけはっきりしたようですね。
○政府委員(寺井久美君) 現在の空港特別会計の構成は、もちろん一般会計からも入っておりますし、それから燃料税、通行税、着陸料というような、いろいろなものが空港特別会計の中に入って出されております。先生御指摘の、今後これに上積みされる財源というものが国庫に入るものかどうかという点につきましては、一応空港特会の中に入れて処理をするのが筋であろうというふうに考えておりますが、具体的にどういう形をとるか ということはまだ検討の段階でございます。
○森中守義君 それはそうかもしれない。ただ考え方として必要とする総経費を全額受益者に負担をさせるのか、あるいは一般財源からの、つまり国庫負担分をどのくらいその中で見るのか、その辺のことは固めておりますか。
○政府委員(寺井久美君) その割合、その他具体的な点は固まっておりません。しかし考え方といたしましては、やはり原因者負担という原則で処理されるべきものだと思っております。
○森中守義君 ちょっといまの答弁理解できませんね。原因者負担、どういう意味なのかな。
○政府委員(寺井久美君) 原因者負担と申しますのは、最終的な形がどうなるかは別にいたしまして、航空機を利用する旅客、貨物それから現に航空機を運航いたします航空会社、こうしたものを原因者というふうに考えております。でございますから、今後必要となる財源は現在の空港特別会計の財源となっておりますもののほかに、何らかそういう形のものを徴収していく必要があろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森中守義君 これは大臣、非常に重大な問題なんですね。おそらくここまで発展をしたわが国の航空産業は、いわば一つの壁にぶつかった。そこでこういう二兆五千億という巨大な資金を伴って対策を立てていく段階で、すべからくいま局長のことばを借りるなら原因者負担——私は利用者負担と、こういう簡便な言い方をいたしますが、そういうような方向がこれはいいのか悪いのかね。ですから、いまここでその議論をあまり深追いするというわけにいきませんけれども、少なくとも想定される必要総額が幾ら、その中で一般財源から幾ら、利用者負担が幾ら、これは一つの試算でしょう。 あるいはまた考え方として、いま局長は全額原因者負担という、つまり一般財源はこれはゼロだと、こういうような認識のようですけれども、これは簡単にそれをうのみにするというわけにはいきませんので、大体その辺の構想をひとつ大臣まとめてみませんか、できるならば二兆五千億ですね、これも新聞による数字ですから、できるならば運輸省から必要総額を大ざっぱに計数整理をして、これから十年間環境基準を達成するために幾ら幾ら、何々の設備のために幾ら幾らということを一ぺん出してもらいたい。その資料の提出と財政負担の見解はどういうことなのか、ちょっとひとつ聞かしておいてもらいたい。
○国務大臣(徳永正利君) 実はこの二兆五千億というのがいきなり出てまいって、こちらでもその数字に実はいろいろなつじつまを合わせようと思って、いろいろまごまごしたようでございますが、そういう問題についてはまだ政府部内では検討したものがないそうでございます。一応そういうようなことを考えたという程度のことで、まだ試算もこまかい詰めに入ったというものでも何でもない、そういういまの状況だそうでございますが、第三次五カ年計画というものは来年度から発足しようというわけでございますから、これは作業がすぐ簡単にできるものでもないだろうと思いますが、そういう問題につきましては、なるだけ早い時期に検討に入って、いまおっしゃったように、想定総額に対してどういうような内容を盛り込むのかという点については検討を進めてまいらせるつもりでございます。
○森中守義君 財政負担の比率はどうですか、大臣の見解としては。
○国務大臣(徳永正利君) 財政負担の比率等にもつきまして、まだ私、第三次五カ年計画の構想というものが頭の中にはないわけでございます。そういうような基本的な計画を事務当局に命じまして、その上で私の構想も出していきたいと思っておるわけでございます。
○森中守義君 もう一つ大臣、いい機会ですので問題を出したいと思いますが、さっき申し述べました四十五年の十一月二十日の閣議了解、これは元来運政審の答申が四十五年十月の二十一日に出たものを受けたようですが、この閣議了解というものは少なくとも今日の趨勢にぴしゃっと合致するものとは思えない。ですから、いままでずっと航空行政をその後支配してきたものは、いわばこれが中心であったと思う、政策上の問題としまして。これは依然として踏襲されますか。
○国務大臣(徳永正利君) 私は、いずれ近いうちに検討をし直さなきゃならぬ時期に来ておるというふうに考えております。
○森中守義君 午後また少しお尋ねいたしますが、2の国際航空の問題、この中でこういわれておる。「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。この場合、特に独占運営の弊が生ずることのないよう自戒するとともに、国民的要請に応えうる体制の確立に努める。」、それから「近距離国際チャーター航空については、日本航空と全日本空輸の提携のもとに余裕機材を活用し、わが国国際航空の積取比率の向上に資するよう努める。」、こういうことが了解事項として示されておる。しかもこれは航空法上の問題じゃない。在来観念的に国際線はJAL一社、こういう概念がこれによってきちっと固定されてきておる。しかし航空法のどこにもこういうものはない。 さて、これが午後お尋ねする日中航空協定あるいは台湾との民間協定ですね。同時に国内の路線配分の問題等にも非常に重要な関係がある、よってこれについては手直しの際に検討されるというお考えなのか、どうなのか。むろんいま突然に私は問題を出したわけですから、いままで検討されているものなのか、これから個々の内容にということなのか、それによってだいぶ議論が分かれますけれども、いま私が指摘する限度においてどうお考えですか。
○国務大臣(徳永正利君) 私は運輸政策審議会におはかりして検討する時期に来ておると、かように考えております。
○委員長(宮崎正雄君) 午前中の調査はこの程度といたします。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時四十五分開会
○委員長(宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森中守義君 午前中に引き続きまして、航空問題をもう少しお尋ねいたします。 ちょっと話題が変わりますが、例の環境庁勧告、基準の設定、それに今回の判決、こういう三段階の経過を経まして企業三社はどういうような努力をしているんですか。少なくとも勧告及び基準の設定以降、かなり運輸省から企業三社にも相当なクレームがついたものと理解するのが常識的なんですが、相なるべくは三社の個々の内容についてちょっと御説明してもらいたい。
○政府委員(寺井久美君) 航空会社といたしましては、やはり基本姿勢といたしましては、国が行なう騒音対策に協力をしていくということがまずございます。それで航空会社サイドでこの騒音対策を実施する面につきましては、特に音源対策といいますか、エンジンを低騒エンジンに代替していくというようなことが技術的に可能なものからやっていく、あるいは音そのものの少ない低騒音の航空機というものに代替をしていく、こういうふうなことが基本にございます。 それから具体的には、今後の問題ではございますけれども、音をなるだけまき散らさないように飛行方式等も改善しようということで、これは技術的に非常に問題がございますが、こういった面も検討を始めております。また、しばしば飛行場で問題になります試運転のエンジン騒音、これも時間あるいは場所等につきまして具体的に被害を少なくするようにするということを検討いたしております。で、これらいろいろのことをやりますにつきまして、航空局とも緊密に連絡をとって、この実施、研究、調査等も含めまして対策を進めておる状態でございます。
○森中守義君 これは航空局のほうで画一的に各社に対して一定の条件を提示して、ここまでは基準達成に努力するようにという、そういう何か統一的なものを出されたことはありますか。
○政府委員(寺井久美君) エアラインがみずからやりますものとして、航空局のほうで画一的に基準を設けてこういうことをしろというような言い方はあまりいたしておりませんが、たとえばエンジンの改修などというものは早急に行なえというようなこと、あるいはノイズサプレッサーをつけろ、こういう具体的な指示をいたしておりますけれども、一つの基準を与えてこういうふうにしろというところまではまだいっておりません。
○森中守義君 私の手元に、特に全日空に連絡をしてこの関係の資料をもらったのがある。これからいきますと、かなり内容的に吟味が加えられており、一つの方向を出しております。それでいま局長のお答えからいけば、三社に統一的なものを出したことはない、こういうことですが、これはどちらかといえば少し手おくれですね。もちろん三社が独自の立場から懸命に努力されているその実情は実情として理解いたしますが、やはり三社共通の企業として与うべく義務、果たすべき課題というものが私はあると思う。 そういうことが勧告なり、あるいは基準が設定をされた直後あたり何かやっぱり問題を提起して、きちんとした方向づけをする必要があったのじゃないですか、それは行なわれていないというのは、ちょっと私は理解に苦しむんです。そういうことが非常に困難である。あるいは現実的にやってもあまりメリットがないというようなことであるのかどうなのか。当然やるべきことがやられていないということには、それなりの理由があるというように考えるのですが、何かわけがあったのですか。
○政府委員(寺井久美君) この航空機を中心といたします音源対策につきましては、もちろん一番効果的なものは低騒エンジンの開発でございます。これはわが国では直接まだ行なっておりませんので、こうしたものを開発することにつきましては、外国のメーカーその他に対しましていろいろ働きかけをしなければなりませんし、またICAO等の国際機関の場においてやらなければなしない。 その次にわれわれが当面でき得るという問題といたしましては、先ほどちょっと触れましたが、飛行方式あるいは管制方式等の改善によって音をまき散らさない飛行の方法なり何なりの方法があるはずであります。こういうことを現実にすぐ行ないますには、やはり調査、準備等不十分でございまして、確定的にこのような方向でやればできるという見通しをつけますには今後多少の時間が必要でございますし、また機器等の開発もこれに必要となってまいる、こういう事情もございまして、一定の基準を示してこうしろというところまではまだまいっておりません。 ただこれは非常に必要なことでございますので、航空会社とも協力をしてともに開発していこう。ただいま先生御指摘の全日空の資料の中にもこういうことが触れられてございます。これは非常に、航空会社がむしろこういう考え方をしたということはわれわれ高く評価いたしておりまして、この考え方というものは十分生かしていかなければならないと思っております次第でございまして、こういう点につきましては、先ほど申し上げましたように、やはり官民一体となって今後の方向づけをする必要がある。そのために相当やはり慎重な調査、技術的な裏づけというようなものも見出していかなければならない、こういう状態でございますので、残念ながらいますぐかかる方法でやれということを指示する段階に至っておらないわけでございます。
○森中守義君 必要なことであるということを認められる。しかし現実には、過去においてそういうことはなかったということで、それ以上の深追いはどうかと思いますが、ちょっと日付が入ってないけれども、おそらく二月の中旬前後の記事だと思う。全日空の社長から徳永大臣あてに騒音対策に関する要望書というのが出ている。これはごらんになったことありますか。
○政府委員(寺井久美君) 拝見いたしております。
○森中守義君 日本航空あるいは国内航空から出ておりませんか。
○政府委員(寺井久美君) 日本航空からはこういう公文書の形では出ておりませんが、日本航空もほぼ同様な考え方で、こういう環境保全基本方針というようなものを出しております。東亜国内航空につきましては、まだ私ども具体的なこういうものを受け取っておりません。
○森中守義君 大臣、いま問答をお聞きになっておわかりだと思いますが、運輸省の企業に対する対策としましては非常に理由は特段のものじゃない、特段の理由は局長あげていないわけですね。しかし、その航空騒音ということが、何としてもこれは一運輸省だけのものじゃない。端的に言えば、原因者航空企業にあるわけです。こういう関係の三社に対しまして、環境庁長官の勧告は出た、しかも環境基準は策定をされたというなら、その企業の行政指導をやっていく一つの指針を持たなければまずいですよ。 こういう意味で、私は非常に運輸省の姿勢としては少し合点がいかない。特に全日空の大臣あての要望事項をちょっと見てみますと、官民合同のプロジェクトの設定をしたい、こういうのですね。これはもっと早目に運輸省を中心に関係三社との間に構成され、実働に移り、そうしてある種の水準達成の目標というものが設定されておるのが本筋じゃなかったのか、こう思う。ただ幸いなことに、全日空及び日本航空が、それなりに独自の見解で独自の努力をしている、これはこれなりに評価いたしますが、各社ともやっぱりそこには多少の落差があるのじゃないですか。あるいはどこに目標を置くべきかということも、これは必ずしも軌を一にしたとは言いがたい。こういうことを考えますと、今回のこの判決がこれまた一つの転機になろうかと思う。早急に何をなすべきなのか、こういうことをすみやかにひとつ練り上げて、企業三社に対する指針を与うべきだと思う。時期としては非常におそい、けれどもおそくともいまからやるべきだと、こういうように思うのですが、どうですか。
○国務大臣(徳永正利君) 全くそのとおりでございます。私もそう思います。いま官民合同委員会の設立を準備しろということで、至急いま準備を命じております。いま、おそくともやらないよりはいいのだから至急やれというおことばは、私はまともにこれをちょうだいいたしまして、そういう方向で進みたいと思います。
○森中守義君 あまり企業の財政の内容まで立ち入るのは好ましいことでないと思いますが、やはり三社とも年間予算の中におおむねどのくらいを騒音対策にさいているのか、そこまでやっぱりこれは詰めたかっこうをしないと世間は承知しませんよ。しかも、これからまた新たな課題がどんどん出てきますと、一体運輸省は何をしているのか、企業どうしているのか、こういうような批判というものは当然なこととして発生すると思う。またそれでは公共の名における企業として、またそれを見ていく運輸省として必ずしも現状においては当を得ているものとは思えない、こう思うのです。ですから、そういう財政上の問題等までもある程度たたき台に出してでも、何をすべきなのか、いつまで達成すべきかという、そういうことをできるだけ早く練り上げてもらって、一回ひとつ委員会に出してもらいたい、いかがですか。
○国務大臣(徳永正利君) いまそういう合同の会議を持つように、委員会を持つように準備を命じておりまして、いろいろの接触をやっておりますから、まずこれを早くつくり上げる、そこで委員の皆さん方のいろいろな構想もございましょう、また御意見もございましょうから、そういうようなものをまとめまして、この公害問題、特に騒音問題については進んでまいりたいと思います。 お説のように、各社がどのぐらいの金をこれにつぎ込むかというところまでいくべきかどうかというようなことも、あわせてそういう委員の皆さん方にひとつ御検討をいただいて、十分目的を達するようなひとつやり方をやっていきたいと思っております。
○森中守義君 全日空の内容からいきますと、まあ相当思い切った検討及び施策をやりたい、そのためには財政的にかなり投入せざるを得ない、こういうような言い方をしておりますね。それが一体政府融資等を背景に持つものであるか、あるいは社内態勢としてそういうことであるかよくわかりませんが、やはり読みようではどうにでもとれる。ですから、その辺のことなども全体の輪郭の中に置いたもの、そして極力基準達成が早急に実現できるという、こういうことが望ましいと私は思うわけです。いま局長ができるだけ低騒なものをということなんですが、大体主として眼目にいますぐ置くべきものはどういうことだと思いますか。そういう企業三社に対する一定の指針を与える中心課題は何なのか、ちょっと重要な点を二、三あげてみてください。
○説明員(棚橋泰君) ただいま先生の御指摘のございました全日空からの報告書、私どもも相談を十分受けておりまして、事前の検討その他についてもいろいろ私どものほうからの協力とか、いろいろやっております。 そこで先生御指摘の、当面重点を置くべき事項は何かということでございますが、まず第一はやはりエンジンの低騒音化。現在使っております飛行機のエンジンが、研究が進みまして、若干の改修をいたしますとエンジンの音が下がるというのが量産化に成功いたしておりますので、それを早急にやらせる、これがまず第一だと思います。これにつきましては、四十九年度政府関係金融機関の融資ということを財政投融資の中に計上いたしております。 それから飛行方式でございますけれども、飛行方式につきましては、現在諸外国で非常にいろいろな研究が行なわれておりまして、全日空の報告書にございますのは、その中でかなり実用化の可能性の高いものを全日空がアメリカ等で研究をしてまいりましたものでございますが、これにつきましては、わが国のたとえば管制官の技量とか、それから航行援助施設の問題、その他パイロットの技量の問題、その他の問題がございまして、実用化にはまだ若干時間が要るかと思いますが、まずその飛行方式の改善、特に着陸等について二段着陸というようなもの、これは一部アメリカでは実験を行なっておりますが、さようなあたりに重点を置いてやっていきたいというふうに考えております。
○森中守義君 まあいまのことは、御答弁でとりあえず了承いたしますが、ぜひ充実していくように要望しておきます。 それから午前中触れました閣議了解の問題ですが、これは大臣は手直しの時期に来ていると、こう言われるので、考え方としては異論ございませんが、大体どういうことをどうしようというような構想なんですか。まとめたものがおありであれば聞かしてもらいたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) 私、きょう先生がいろいろ項目をおあげになったこと等を頭の中に描きつつ実はそういうふうな答弁をしたわけでございますが、いま具体的にこの点をこういうふうな形でというような、審議会に対して御答申をいただくというような具体的なものは実はいままだ固めておらないわけでございますが、しかしばく然とと言ってはまことに答弁にはなりませんけれども、いろいろな問題が実はここにはあるわけでございます。先ほどおあげになりました中にも、それぞれに問題を含んでいるわけでございまして、そういうようなものをも含めて、一度政策審議会の御審議をわずらわしていかなきゃならないのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森中守義君 これはさっき申し上げましたように、四十五年の十月二十一日運政審の答申が基礎になっておるようですが。しかし中を、どれをこれを見ましても、大体その時点における重要な航空政策上の問題点というものは巧妙に幾つか列記されて、それに一つの指針を与えたという程度のものなんですね。したがって、これは先をどこまで見通しているのか、どういう時代にどういう対応策をとるかという、そういう政策路線としては必ずしもきちんとしたものじゃない。いわば時代の変遷に対応していこうという程度にすぎない。もちろん閣議了解というのはそういうものだと思う。 そこで私は、やっぱり閣議了解ということが一切がっさいの政策の基本になっていいものなのかどうなのか、閣議了解それ自体が問題だと思う。ですからずっと見れば、どれもこれも非常に問題が多いですよ、同時にまた、さらに追加すべき問題等がある。よって、個々的な議論にはあまり触れる時間もございませんけれども、大臣どうなんです、ここまで来ますと、けさほど環境庁長官も多少所管違いという気はしましたけれども、この際ひとつ航空問題については全面的に見直す必要があろうという見解であり、所管の運輸大臣もほぼそれに似たような見解をお示しになった。よってこの際、多少政策の先取りというような意味を含めて、航空政策の基本原則を確立するという何か方策はできませんか。従来と同じように運政審に問うてみた、答えが出た、また閣議了解という、こういうことではなくて、これを立法措置によるものであるのか、そのような方策でいくべきものであるか、それは別といたしましても、少なくとも国会がつくられた基本に対して同意を与えられる、そういったような全体的な規模のもとに、こういう政策の原則というものがこのあたりで立てられてもいいと、こう思う。 ですからいまの閣議了解の中身を一々は詮議立ていたしませんけれども、すでに過去のものである、現代のものではない、これだけは言えそうだと思うのですね。で、そういうことから、何か大臣のお考え、浮かんできませんか。
○国務大臣(徳永正利君) お説のように、四十五年の閣議了解事項によって、いままでそれが中心になって動いているわけでございますが、確かに過去の、当時のものを中心にものを考えたことには間違いないと思います。ただ客観情勢は刻々に変わってくるわけでございますから、ある程度の将来を見通した政策というものも当然必要になってくると思います。したがって客観情勢を踏まえて、その客観情勢の中にはいろいろと実は項目がありますけれども、その項目はどうか、私も言いにくいことも実はあるわけなんでございます。そのことはおわかりいただけると思いますが、そういうようなものも踏まえて将来の政策というものを立てて、当面のいろんな問題に処する一つの基本というものを、これは法制的なものがいいか、あるいは行政的な立場から、それに刻々対応できるようなものがいいか、いろいろお考えはあろうと思いますが、そういうようなものも含めて審議会のひとつ意見を聞いてみたいと、かように考えているわけでございます。
○森中守義君 たいへん前向きなお答えですからけっこうだと思いますが、できるだけ早急にそういう措置をおとりいただきたい。 ただこの中で、午前ちょっと触れましたように、国際線の問題についてはどう思われますか。特に日中航空協定が、むろんこれは北京側を私はさしているわけですが、政府間協定に移す場合に国際線一社という原則、ここでいう原則、これは踏襲されますか、それとも相当の弾力性をもって処理されますか。
○国務大臣(徳永正利君) 実はこの日中間の問題というのはただいま交渉中で、まだ原則の域を出てなくて、いまからなるだけ早い時期にということで努力をしておる最中でございまして、この事例を引き合いに出されましての御質問でございますが、まあそういうようなことをも含めて一ぺんいろいろ考え、政策審議会の意見をまとめてもらいたいと、かように、たいへん歯切れの悪い答弁で恐縮でございますけれども考えているわけでございます。
○森中守義君 それでは少し、日中関係が問題に供されましたので、ちょっと入っていきますが、私は日台の民間協定、これもやっぱり法理論的には非常に問題がありますよ。ただまあ単純な考え方をしますと、航空法の百二十六条だか何条だかの、大臣の認可があれば国際航空路も許容できるという航空法上の許容はありますが、しかし日台のむずかしさ、これが片がつけばいよいよ北京側とという、そういう段取りだと思いますがね、どうなんですか。ここら非常に大臣、この問題で就任以来だいぶもまれ続けということはいろいろ聞かされておりまして、やや気の毒のような気もいたします。けれども、いよいよ政府間協定に入っていく、これからの実務協定をどうするかということになると、そろそろもう運輸省でも見解をまとめておいてもおそくない。むしろもうどっか金庫の中にしまい込んである、こういう見方が私は正しいんじゃないかと思うんですね。 田中さんが帰ってみえて、その直後あるいはその前、ちょうど新谷前大臣のころ、ずいぶんこの委員会でも日中問題を激しく渡り合ったものです。しかもその後、関係の各省庁が北京へ行ってたたき台を出し合ったという、内容等も、もうこの委員会では一度は議論済みなんです。しかし一般的に考えられることは、私が金庫の中に入っているだろうというのは、まさに私はそのとおりじゃないかと思う。おそらく北京と二国間交渉をやる場合に、二国間協定を結ぶ場合に、どういうことなのかという輪郭はつくっておかないとうそですよ、これは。しかしいまのところ以遠権の問題あたりが全然出ない。これは大臣からたいへん言いにくければ、航空局長からでも、その辺の政府間協定については運輸省事務当局としてはかくかくの考えを持っているぐらいのことは漏らしておいてほしいですね、どうですか。
○政府委員(寺井久美君) 先生御指摘の日中間の政府間航空協定というものは、昨年来交渉を開始しまして一年近くたっております。この内容につきまして以遠権をどうするのだというお話でございますが、具体的な内容につきましては、これから交渉を詰めていく性質のものでございますので御容赦願いたいと思いますけれども、考え方といたしましては、日中間の航空協定でわれわれが期待いたしておりますのは、北京と日本との間に航空路を開設すればよいというわけのものではございません。当然北京より先のことを考えております。 したがいまして、この先のもの、以遠権を取るにつきまして、中国側からも東京以遠というものを要求されるということになります。その間、交渉の過程におきましてお互いにバランスがとれたというかっこうで以遠権を交換し合うという結論になるかと思います。具体的な地名その他につきましては御容赦願いたいと思います。
○森中守義君 この日台の問題は、けさ板垣さんが出発されて、いよいよ話し合いに入る段階のようですし、いきさつがいきさつとして多少わかっておりますかは、あまりきざな聞き方はよしますけれども、ただ、これを機会に何か新しい会社をおつくりになる、これは確定しているのですか。それを台湾側に提示される、もしそれが確定しておれば、どういう内容によるものか、大体の構想もまとまっていると思いますので、これは公にされた日台間のダミーか何か知りませんけれども、新しいものによって通い合わせようということであれば、一通り構想もまとまっていると——どういうお考えをお持ちなんですか。
○政府委員(寺井久美君) 板垣さんがけさ出発されましたけれども、これは民間取りきめの交渉を開始したいということでお出かけになったわけでございます。そこでただいま先生御指摘の新しい企業が就航するのか、そういうことがこの話し合いの場で話題になるだろうかという点でございますが、私どもが考えております現在の民間取りきめの中には新しい会社というようなことがまず出てこないだろう。と申しますのは、就航する企業そのものはその国が決定をするということがたてまえでございますので、その民間取りきめの中に何々航空会社ということが出てくる必要はない。通常の航空協定で御承知だと思いますけれども、国が指定をする企業というふうになっております。それと同じようなスタイルをとろうというような考え方になっております。したがいまして、具体的にどういう会社が行くのだというような点につきまして、まだ私ども検討の段階でございますし、事実問題としても、それを提示できる状態にないわけでございます。
○森中守義君 大臣、これは在来の委員会での経過を振り返ってみますと、いままでどちらかといえば、事日中航空問題になりますと、常に運輸省は控え目、すべて外務省にという、そういう姿勢だったのですね。もちろんこれは外交交渉の一つですから、無理からぬ一面もあったと思います。しかし最近では、たとえば外務大臣がかって運輸大臣といろいろ協議したいということなどを、日中航空協定であまりコメントしたことがなかったですね。最近はそういうのが非常に多い。多いというのは、外務省の外交姿勢が変わったと見るべきであるのか、あるいはいよいよ実務段階に入ってきたので、これは運輸省との話をひとつまとめておかにやならぬという、そういう必然性に迫られたのか、この辺の判断は、さしずめここでは必要はないと思いますけれども、かなり変わってきたことは事実です。 そこで私は、運輸大臣が日台並びに日中の実務協定の、いわばもう一つの責任者でもありますから、台湾との原則的な話し合いがきまったならば、すぐ北京との話し合いに入るのか、あるいは一切がっさい台湾との話がまとまらなければ北京と話し合いに入らないのか、その辺の手順はどうですか。どうもけさほどの新聞の感触からいきますと、政府の見解では。いや何もかにもまとまる必要はない、大づかみにわが国が台湾側に所定の条件を一方的に示す、それが相手のほうの合意が得られたとするならば、細部協定はもうあとにしてでも北京にすぐ話し合いをと、こういう段取りのように見受けるのですが、午前中そういう意味もありまして、環境庁長官に、ここはひとつ副総理という立場でという問い方を私はいたしました。そこで、そういう立場に置かれてでしょう、この会期中に日中の政府間協定は批准をしたい、そういう政府は見解を持つんだということが表明されたわけですが、運輸大臣としては、そういうワクの中で、とにかく原則的な話し合いが日台間でまとまったならば、すぐ北京との話し合いに移すというお考えなのか、何もかにも固まらなければなかなかやりづらいということであるのか、その辺どうでございますか。これはあまり中に入り込んでいくと、だんだん貝がらのように縮まってきましょうから、あまり多くを聞くのもできるだけ差し控えたいと思いますが、これはどうなんでしょうか。
○国務大臣(徳永正利君) 実は日本と台湾の路線も維持すると、そうして日中の航空協定もやると、こういう二つの実は命題を持っておるわけでございます。したがいまして、正式には国交がございません台湾に対して、きょう板垣さんが、実質的な外交でございますから、板垣さんが外務省のいろんな意見をポケットに入れて行かれたということでございます。いまのところ、しからばどの時点で、どういうふうに日中間の交渉を始めるのかという御質問でございますが、これは日台間の交渉の過程もございましょうし、いろいろとその点につきましては外務省でも配慮しつつ両路線を確保するということでございますから、いつの時点でどういうふうになるだろうかということは、いまのところ、その過程を見てお答えするよりほかにちょっと方法がないと思う次第でございます。
○森中守義君 これは、もともと現在までの継続されている日台間の路線というものは、これは過去の日華条約の八条条項を踏まえたものか、あるいは単なる運輸大臣の行政認可によったものか、これはどっちでしたか。
○政府委員(寺井久美君) 現在、日台間を運航いたしております向こうの中華航空に対する取り扱いは運輸大臣の航空法に基づく許可でございまして、過去にございました行政取りきめに基づくものではございません。
○森中守義君 そうなると、実際問題としては日華条約の八条に基づいたものでもない、結局、運輸大臣の認可事項であったということであれば、たいした変化は今回もないわけですね。性格上はほとんど変わらないんじゃないですか。その辺の解釈どうですか。
○政府委員(寺井久美君) 現状は、ただいま申し上げましたように、運輸大臣が一方的に許可をしております。日本航空に対して先方の航空局長なり交通部が許可をしておる。したがいまして、非常にある意味では不安定な状態にございます。今後、民間取りきめ——これは民間取りきめではございますけれども、民間取りきめによってこの航空路をしかるべき形で維持するという点が合意されますと、その取りきめを政府が尊重して、やはり同じような手続にはなりますけれども、許可をするというかっこうになります。したがいまして、そこへやはり法律的な根拠という点になりますと、多少問題がございますけれども、道義的な義務が発生いたしまして、その意味で現状よりは安定的な姿になるというふうに考えております。
○森中守義君 これは非常に大事なことなので、ちょっと詰めておきましょう。民間協定ということであれば、もとより政府は介入しない。つまり既存の日本航空が行けばこれ、全日空が行けばこれ、国内航空が行けばこれが当たる、新しいものが出ればそれが出るというわけで、双方の、いわばエアライン相互間の協定という解釈が正しいですか。
○政府委員(寺井久美君) ただいま先生が言われましたエアライン相互間の協定ということとはちょっと性質が異なりまして、私どもが現在考えておりますのは、いま唯一の準政府機関と申しますか、とにかく民間の取りきめをする最も適当な機関といたしましては交流協会、こういうものを考えておりまして、航空会社自体が取りきめる、いわゆるわれわれ申します商務協定というものとは違ったものを考えております。したがいまして、基本的にどういう形でこの日台路線を今後続けるかということを交流協会のレベルで合意をいたしまして、それを両国政府が行政的に認め合っていくというかっこうを頭の中に描いておるわけでございます。したがいまして、エアライン同士が協定を結んでそれを承認するというやり方もございますけれども、それとはちょっと違った形を現在考えております。
○森中守義君 いやいや、航空局長、それはいよいよ変わったものになりますね。在来、私の認識からいけば、エアライン相互間で取りきめをして、それを運輸大臣が所定の根拠に基づいて認可を与える、こういう形のものなのかなと実際は私は思っていた。いま御説によれば、交流協会と亜東協会というのか、これはいわば交渉の窓口、あるいは世俗的に言えば根回しをするというような意味合いなのかなと、こう思っていたのですが、そうじゃなくて、交流協会と亜東協会というものが協定を結ぶ、こういうことですか。
○政府委員(寺井久美君) ただいま先生の申されたとおりでございまして、交流協会と亜東協会の間で基本的に、従来政府間で取りきめております航空協定の中にありますおもなもの、たとえば路線のごときものをそこで合意する、そしてそれを双方の政府に勧奨するといいますか、こういうことになりましたからひとつよろしくということで、双方の政府がこれを承認していく、こういう形を考えております。
○森中守義君 ちょっと少し頭の整理ができませんが、要するに亜東協会と交流協会が一切がっさいの責任をもって交渉をやり、しかも最終的には取りきめを結ぶ、それを運輸大臣が認可をする、こういうことですね、整理をすれば。
○政府委員(寺井久美君) 先生のおっしゃった大筋、そのとおりでございますが、両方の協会が合意をいたします、その合意をいたしましたことをおのおのの協会がおのおのの国に、こういう合意をいたしましたので、この線でひとつ日台航路の維持をしていただきたい、こういう勧告といいますか、推薦をいたします。それをお互いに承認しよう、こういうことでございます。
○森中守義君 これは大臣、実に日台の民間協定というのは、そういう意味ではちょっと手が込み過ぎてきましたね。私はいま話を聞くまでは、やはり交渉の窓口にそれがなるんだと、双方とも外交公館というのがもはやありませんからね。そういう意味で中に入ったんだと、こう思っていた。ところが実際は、エアライン相互間の協定が結ばれて大臣の認可と、こういう筋書きかなと見ていたんですがね。しかし、いまの答弁からいきますと、一体交流協会とは何ぞや、亜東協会とは何ぞや、こういうことになっていくんですね。大体交流協会というのは、なかなか私も不勉強で申しわけないのですが、どういう性格の機関なんですか。そうなれば、そこからやっぱり少し議論を掘り下げていかないと、これは得心できませんね。
○政府委員(寺井久美君) 交流協会、亜東協会の性格につきまして、私あるいは認識が少し足りないかもしれませんけれども、私の了解している範囲内では、これは形式的には一つの法人でございまして、従来の外交関係がなくなりましたために、一応民間ベースという形で、従来公館が行なっておりました業務に近い業務を行なうという関係になっております。で、この目的の中に、日台間の実務協定の維持について便宜をはかるというようなことがあったやに記憶いたしております。その関連からこの航空路の維持と航空上の実務関係の維持ということも含まれておるというふうに解釈いたしております。 なお、これにつきましては、やはり外務省から直接御回答をいただいたほうが誤解が少ないかと思います。念のために申し添えておきます。
○森中守義君 外務省をきょう私は呼んでいない、と申しますのは、本来であれば当然この種問題では外務省もということになるんですが、最近の傾向からいけば、運輸大臣が外務大臣と肩を並べてこの問題の処理に当られるという認識をしておるものですから、十分運輸大臣で事足りる、こう思っておるからです。そこで、きょう呼んでおりませんが、こういう形態のものであれば私どもとしてもよほど吟味の必要がある。むろん日台の民間協定それ自体が、本質的にはちょっとやっぱり問題ですからね。少なくとも日中の共同宣言、しかも合意された十三項目か、あれからいきますと、まさにこれは異例のケースですよ。異例のケースに端を発してやろうとするわけだから、こういうことも異例の中の一つに考えていいとは思いますけれどもね。 しかし、この交流協会と、そのメンバーのリストアップ、それから法人と言われるけれども、いつ法人として設立されたのか、定款はどういうものであるのか、こういうものを、ひとつこの次出してくれませんか。最も大事な協定の当事者になるとすれば、よほどこの辺のことは十二分に吟味しないと、これはちょっと運輸委員会としてもたいへんな問題だと思う。 そこで、この議論が閣議了解から発展したわけですが、さっきの局長の答弁だと、亜東協会と交流協会、これが協定に当たるということなんですけれども、実際の運航に当たるエアラインというものは、さっき、まだ構想が固まっていないと、こう言われるけれども、ある程度構想は固まっているんじゃないですか。具体的に考えてみても、すぐしろうとではできない。これはやっぱりキャリアを持ったものでないといかぬ。それならば日本航空なのか、全日空なのか、あるいは国内なのか、あるいは三つが少しずつ出し合ったものであるのか。資本金の問題等はさほど大きなことにならぬと思う。しかし運航に当たるものはどうなのか、これは何としても安全の問題があります。 そこで大体、要約していきますと、これはずぶのしろうとが、だれでもひとつ路線申請を出して、さあ運航しようというわけにはいきませんよ。それはそういう意味で、大体の構想が固まっていなければ、これはなかなか提案もできないじゃないですか。同時に私がさっきから申し上げるように、原則がきまればすぐ北京に移すのか、何もかも固まらなければできないのか、つまり時期の問題がありますね。私はこれは原則がきまれば北京側に移る、それでこの会期中に批准ができるという、まあこういうコースをとっていけば非常に淡々といくでしょうね。しかしそう簡単にいけない側面がある。実際問題も含めてということになりますと、もうすぐにでも新会社の設立ということは日程にのぼらざるを得ない。日程にのぼる前に考えられることは、しろうとではできない。どういうようなことをやろうとするのか、どういう構想なのかというのはもう固まっているんじゃないかと思うんですよ。もしお述べになることが困難であれば、あえてそれを問おうとは思いませんがね。しかし一般的にはそういうことは当然考えられる、こう思いますので、可能な限りお述べいただければけっこうだと思います。国務大臣(徳永正利君) 実はまだ御指摘の内容が決定してないことは事実でございます。で、先ほど来お話を申し上げましたように、そういうものをも含めて、閣議了解事項のもとになっております運輸政策審議会に、いろいろ御相談したいと、こういう段階でございまして、ほんとうのところ、まだそういう具体的なものを決定しているわけではございません。 私は森中先生と航空局長の問答を聞いておりまして、ちょっと誤解があってはいかぬと思いまして——まあ誤解なかろうと思いますけれども申し上げるわけでございますが、交流協会と、台湾側の亜東協会の間で民間協定を結ぶことになると思います。その線に沿いまして台湾の航空会社が航空法上の許可申請を私のほうにしてくる順序になると思います。そのときには運輸大臣がこれに判こを押して許可すると、こういう手続になろうと思いますし、また台湾は日本の航空会社に許可を与えると、こういう手順になろうと思います。まあ誤解はもちろんないと思いますけれども、一応そういうことと御了解いただきたいと思います。
○瀬谷英行君 空港問題に関連して私のほうから質問したいと思います。 大阪空港の問題できわめて重要な判決が明らかにされたわけですけれども、大阪の空港——私は大阪が地元じゃありませんので、めったに大阪空港というのを利用したことがありません。しかし、それでもごくまれに利用したときに、これはえらいところに空港があるなということを実感として感ずるわけなんです。したがって将来の問題として何とかしなきゃならぬだろうということは、しろうとが考えたって想像がつくと思うんです。 そこで関西空港が一体どこに建設をされるべきかということを政府として考えなきゃならぬじゃないかと、こういう気がするんですね。それからそれともう一つ、これは成田空港とも関連してくると思うんですが、成田空港が御存じのとおりいつまでたっても店開きできません。しかしこれは、成田空港そのものの立地条件を考えてみると、大阪空港と同じような問題が派生をするんじゃないかという心配があるわけです。というのは周辺にやはり農地が多いわけですし、かなり人口も調密です。あの近辺は私も見たことがあるんです。そうすると、いままだ空港は使われてないから、あまり問題は起きてないけれども、かりにあそこににぎやかに飛行機が離着陸するようになった場合には、当然あの成田空港周辺でも、たとえば牛の乳が出なくなったとか、鶏が卵を産まなくなったとか、こんな迷惑もうけっこうだなんという問題が出てくると思うんですよ。 それから地理的にもきわめて不便なんですね。六十キロ以上離れています。そうすると、あそこに新幹線を建設すると言ったって、東京から成田まで、これまたかなり人口の密集地帯を通過しなきゃならぬ。どう考えてみてもたいへんな難事業だろうという気がいたします。したがって、はたして成田空港を東京の国際空港として選んだのは、適地であったかどうかという疑問が出てくると思うのですよ。本来からば空港なんかの場合は海岸べりにこしらえて、たとえば海のほうから入ってきて、出ていくときも海の上に出ていくと、こういう形をとれば一番理想的ではないかという気がするんです。そうすれば迷惑をかける範囲がないですからね。そういうことを考えてみると、成田空港そのものをいまさらどうするこうすると言っても間に合わないかもしらぬけれども、将来のことを考えると、関西の空港——大阪空港を新たにつくり直しをする場合にどういうところにつくったらいいのかということを真剣に検討して結論を出す必要があるのじゃないかと思うのですね。 それは当面、公害問題でいろいろ判決も出ていることだから当座のしのぎにいろんな対策はあるかもしれない。しかし根本的には現在の位置では、これはどうもならぬということは、だれが見てもはっきりしているのだから、新たに関西に空港をつくると、それは公害問題等を十分に考えた上でいろいろめんどうな問題の起きないような場所を選んで関西に空港をつくるという必要が出てくるのじゃないか。それはもうすぐにでも検討をして結論を出す必要があると思うのですよ。これは焦眉の急だと言ってもいいんじゃないかと思うのです。 それから一方において、東京の成田空港、あれが十分にその東京空港としての機能を発揮できないという場合には、その成田空港じゃなくて、関西空港のほうが国際空港としては新たにつくる場合には適当だという結論が出てくるかもしれないでしょう。そうなればなおさら日本の国際空港のあり方として、政府として取り組まなければならない問題になってくると思うのでありますがいその辺を考えて、政府としてはどのように対策を立てるのか、その辺のところをお伺いをしたいと思うのです。
○国務大臣(徳永正利君) 御指摘のように、大阪の伊丹空港の問題は深刻な公害を付近の市民に与えておるわけでございまして、これの抜本的な対策としては新しい空港をつくるよりほかにないわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、四十六年の十月だったかと記憶しておりますけれども、航空審議会に大阪新国際空港の建設につきまして諮問をいたしておるわけでございます。今回までにもう二十数回の審議をわずらわしておりまして、今年の七月ごろには大体の御答申をいただけるんじゃないかと期待しておるわけでございます。 まあどういう形になりますか、いろいろ審議会の中でいま御検討をわずらわしておりますが、地元公共団体とも十分連携をとりまして、いま御指摘のございましたように、これがためにまた新しい問題を引き起こし、いろいろつまずきないように配慮しつつ急いでおるというのが実情でございます。
○瀬谷英行君 そうすると、政府の考え方としては、いまの伊丹空港はもうどうにもならぬと、したがって、これを廃止をして新しい関西空港をつくると、こういう前提に立ってこの答申を待つということになるのかどうかということですね。その点はどうなんですか。
○国務大臣(徳永正利君) まあこれはざっくばらんに申し上げますと、最初は、答申した当時は伊丹空港も残したいということでおはかりしたのだそうです。ところがだんだんいろいろな問題が醸成してまいりますし、そういうようなものの軌道修正を途中でやっているようでございます。したがいまして、いまの伊丹空港は新しい空港の建設によって、これが機能と考え合わせて、廃止をも含めてひとつ検討をしようということになっておるわけでございます。昨日、三木長官の談話もそういうことを第一項にうたっておりますし、なお昨年でございましたか、航空局長の通達にも、新空港ができた時点で廃止をも含めてひとつ検討いたしますと、こういうことに多少ニュアンスが軌道修正してきたというのが、これが実情でございます。
○瀬谷英行君 それともう一つ。それは廃止ということになると、廃止しっぱなしでいいというわけにいかないでしょう。当然新しい空港ということを考えなきゃいかぬでしょう。だからその新しい空港を関西でもつくらなけりゃいけない。その場合に政府としては公害対策等を十分に考慮しなければならぬわけですね。伊丹空港の場合は判決は出たわけです。痛み入ったような判決が出たわけですよ。だから、これはもうどうしたってやめて新しいものをつくると、その場合に、政府としては基本的にはどうしたらいいかと、公害対策その他について。どの辺がいいのかということぐらいは明確にしなきゃならぬでしょう。それは成田空港なんかで一つの苦い経験をしているわけでしょう。ああいう内陸地の空港というのは、どうしたって公害は避けられないわけです。 だからこういう問題を避けるためにはどうしたらいいかということは当然考えなけりゃならぬでしょう。だから、この前の成田空港を決定をするときに国会でもずいぶん論議しているわけですよ。あんなところがいいのか悪いのかということ。それよりも将来の公害を考えたならば、なるべくなら海を埋め立てをして迷惑をあまり及ぼさないところがいいんじゃないかという議論も出ているはずですよ。そういう議論というものを十分に参考にして、新しい方向というものを政府として、あるいは運輸省として打ち出す必要は当然あるんじゃないかと思うんです。航空局なんというのは、そのために専門家が一ぱいいるはずなんですよ。そういう結論も出せないようだったら、これは何のために月給もらっているかわからぬことになる。だからそれは当然運輸省として方向を出してもいいはずだ。 ただし、どこの場所がいいかと、さらにこまかな専門的な問題があれば、それはいろいろ諮問機関をつくって諮問をするということもいいかもしらぬ。しかし大綱としては当然政府としてかくあるべきである——国際空港のあり方、それは空港だけではなくて、その空港と陸路をどうやって結ぶか、陸上交通をどうやって連結するかという問題とも関連するわけです。したがって道路の問題、鉄道の問題、モノレール、あるいは船、いろいろな問題を全部総合したりっぱな国際空港というものを建設する必要があるということになるでしょう。 それについて全く暗中模索で、裁判所のほうから判決は出た、しかし政府としては暗中模索だ、どうしていいかわからないと、これじゃあお粗末だろうと思うんですよ。だから、それは当然政府としてちゃんとした考え方というものを明らかにする必要があるということを私は言っているんです。それがなければおかしいということを言いたいんですよ。したがって政府としてはすみやかに、これはゆうちょうな問題じゃないと思うんです。すみやかに方向というものを明らかにすべきではないかということを私は言っているんです。その問題と成田空港との問題もあわせて御質問をしているわけなんです。
○政府委員(寺井久美君) 先生の御質問に直接的なお答えになるかどうかわかりませんが、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、関西新空港につきましては、すでに規模と位置について諮問が出ております。で、これを受けました航空審議会の関西空港部会におきまして審議を重ねておりますが、その中心課題となっておりますのは、環境公害、つまり公害のない空港というものをいかにすればどの位置にできるかということが論点の中心になっております。で、昨年末、環境庁のほうから空港の騒音に関しまして告示がなされました。この告示をきちっと守れる空港でなければ当然いけないわけでございますので、そういう空港がどの位置にできるか、もちろんこの空港そのものは騒音の問題、環境の問題が重要でございますが、同時にやはり空港機能というものがございますので、建設過程の技術ともあわせまして諸般の検討を進めておりまして、大体この部会におきまして検討の山を越しまして、おおむね七月ごろには御答申いただけるという現在段階になっております。で、政府として、こういう空港であるべきだということを直接的には申しておりませんけれども、環境基準を正確に守れる空港ということで一つはっきりいたしましたものさしができましたこと。それから従来から公害のない空港ということでこの計画ができております。関西空港につきましては、そういう状態になっております。 それから成田の新空港のほうでございますが、成田の新空港はあの時期に、あの位置にきめられたわけでございまして、その後、建設等にかなり時間を要して、いまだ開港することができない状態になっておりますが、この新空港につきましても、環境基準の適用が完全に守れるような体制をとるべく、いまいろいろ準備をいたしております。特にこの成田空港につきましては、五カ年間で八五WECPNLというような一つの基準が出ておりますが、これは開港の時点に何とかその目標値を達成したいということで、いま努力を進めておるところでございます。
○山田勇君 エアバスのことについて二、三質疑したいと思います。 きのう判決がありましてから夜十時ぐらいまで、私の家のほうにも、私も地元にいるもんですから電話がかかってまいりました。次の闘争はエアバス乗り入れに対する絶対反対運動を展開するんだということでございました。その中で、午前中と午後の森中先生の質疑応答の中で、まあ判決が出たんで、その刺激が強いということで、そのエアバス乗り入れについての地域住民との話し合いというのは少しゆるめていこうということですが、まあそれはいろんな事情があって、それなりの思惑があると思います。その中で私が申し上げたいのは、ここ一週間ばかりの新聞を大臣もごらんになったと思いますが、全日空、日本航空を含めて、新聞半ページの、エアバスのいわゆる性能等を非常にきらびやかに宣伝をなさっております。 その中で、そういう集まりに私もよく参りまして聞くのは、民間の一つの企業が、これだけ大きな、ばく大な宣伝料を使うものがあれば、なぜそういうものをもっと騒音対策のほうに振り向けないのかということがよく聞かれます。まあ企業としては、そのエアバスそのものについて地域住民の理解を求めようということの一つの宣伝でもあろうかと思いますが、かなり大きな広告スペースをさいて宣伝しております。そういう等々が地域住民の非常な反発を買っているということを私は申し上げると同時に、やはりあくまでもこれは話し合いなんですから、そういう点で今後どういう形でそのエアバスを乗り入れていくのか。私は、乗り入れることによって減便される、減便されるということは、それだけ騒音というものがなくなるということは、これはもう原理としてよくわかるんです。しかし、それをやるためには相当な時間を要すると思うんですね。そういう点について一方的なそういう誇大な宣伝方法をやるということは、ぼくはまずいと思います。 かつて大阪空港を私、視察したときに空港長——いま空港長の官舎が騒音の真下にあるはずで、私自体が被害者でしてと苦笑いをされたことを覚えているんですが、いまでも官舎はあろうかと思うんです。あのようにして私の住んでおります豊中も電波障害を完全に受けております。そういう中でエアバスを今度入れていくということの問題が第一点。 それから先ほど瀬谷委員が申し上げましたとおり、関西新空港についてよく尋ねられるのですが、答申がまだでき上がってないものですから、資料などをいただいたり、またどの程度関西新空港について調査が終わっているのか、これは予算で調査費がついているはずですから、鋭意作業を進めているはずなんですが、そういう意味では私たちは全くつんぼさじきに置かれている。答申ができ上がってから、この答申を尊重して云々で、法文化するものは法文化して審議に入るわけなんですが、しかし、その前にもっとそういうものの理解を求めるという形で関西新空港の問題についても、いまも関西財界、また関西に住んでいる者の一番の大きな焦点は関西新空港だろうと思うんです。いや泉北沖だ、いや神戸沖だ、いやいや弱電メーカーのだれそれが淡路島で大量に買っているから淡路島だということ。ぼくはよく地元で講演を依頼されても、私たちは常にそういうことで惑わされるわけです。 だから四国新幹線の循環線——新幹線整備法のなんというのがありますから、四国循環、それから本州との架橋と並行して新幹線を通す、そうしますと大量輸送手段の問題、いろんなことがございます。この委員会でも関西新空港が海にできた場合、海から入って海に抜けるというのが理想だと、橋本運輸大臣の当時に、そういう大型化されると、ジャンボが就航する前ですが、そういうようなことも論議されたこともあります。そして海に浮かぶ空港だと、それをどういう形で、大量輸送手段で棄客をはかすのかということになると、五車線の隧道を掘るとか、しかしそういうことがはたして可能なのかということで鉄建のほうの技術者に聞くと、近代土木の粋を集めるとそういうことは可能であるというふうなことがありますし、四国架橋の新幹線の問題そういういろんなことがうわさされるのですが、私自体の勉強不足かもわかりませんが、そういうことについて一切運輸省からの資料もありませんし、そうして地元の中ではそういうことの論争が渦巻いているという状態なんですが、そういう点を大臣としても、航空局長としてもどういう考えで、どこに、これはもう決定が一年以上おくれているはずですね。前総理の時代からこれは決定する事項でおくれている。そしてパイロット協会とか、そういうところには全部気象状況とか、飛行の状態とか聞いたり、また気象台とも非常に綿密な記査を行なっている。しかしどの程度調査を行なって、どの程度どうなるかということは全く私ら知るところでありませんので、そういう点を含めて、二点御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) エアバスのことにつきましては、いま御指摘のあったとおりでございまして、これは地元の皆さん方のよく理解を得た上でやりたいと思っております。 お説のように、エアバスは音もいままでの飛行機よりも小そうございますし、また収容力も多いために減便するには非常な大きな効果が出てくるわけでございますから、そういうようなこともあわせて地元の皆さん方によくお願いもし、御理解もいただきまして、ぜひエアバスの就航についての御理解を賜わりたい。その上で就航ということにさせたい、こういうふうに考えております。 それから広告が非常に地元を刺激をしたということですが、広告のやり方もあるいは適当でなかったかもわかりませんが、会社としては善意なつもりでやったのだろうと思いますけれども、こういう点については、今後心すべきことだろうと思います。 それから新空港については、先ほど瀬谷先生からお話がございましたのですが、私は三つと思ったのですが、四ついま候補地があるそうです。海の中に候補地が三つあるそうでございます。播磨灘、それから神戸市の沖と泉南市の沖、それと淡路島、この四つの地点を、成田の二つの舞いを繰り返してはいかぬということも、ざっくばらんに言えばあると思いますし、それから公害の基準にこれをどういうふうに適合していくかというようなことで、いろいろ航空審議会の部会でいま御検討を願っている最中でございまして、私も実は泉南市長なんかからも、おれのところの沖につくるのは反対なんだと、反対陳情を、まだきまってはおりませんけれども、ちょうだいしたことも覚えております。 いろいろこれには地元の皆さん方のやはり御理解をいただかなければならないわけでございまして、ただいまのところ、そういう四候補地を部会でいろいろ検討し、公害の問題これは主として騒音と思います。それから輸送の問題等々もあわせて御審議をいただいて、なるたけ早い時期に答申をいただく、私どもは七月ごろには答申をいただけるのじゃないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。
○山田勇君 伊丹空港の問題に関連してですが、八尾飛行場というのがございます。これもいまかなり騒音の問題で、第二の伊丹空港になるんではないかというようなことで地元も非常に心配をしておりますし、少なくとも関西新空港がどこに立地されようとも、その間の運航上、国内線を若干八尾飛行場のほうに誘致するとかいうふうなこともいわれておりましたし、先ほど聞きますと、二本立てのものが一応軌道修正で一本立てになった。それなどもいつどこで、どういう形でこういう軌道が修正されたのかわかりませんが、私たちの知るところでは、二本立てが一本立てになったというのは、きょう初めて聞くわけで、伊丹空港廃止の方向に向かいながら関西新空港をつくるということは、初めて私も聞いたのですが、そういうようなことで、八尾飛行場の問題について、わかれば教えていただきたいと思います。それで私の質疑を終わります。
○政府委員(寺井久美君) 先生の先ほどの質問で、大臣のお答えにやや補足させていただきます。 関西新空港部会でいろいろな調査を行なっておりまして一その調査結果について、どうもあまり知らされておらないという点でございますが、これはできました調査は逐次府県に対して出しております。実はこういう非常に広範囲な調査を行なっておりますけれども、答申が出ましたときに調査結果をつけまして、こういう調査に基づいてこういう判断をしたということを御理解いただくために、その答申のみならず、それもつけた上で関係の府県、あるいは市等に対しまして御検討を願いまして、地方の御意見を十分伺った上で、この実施に入りたい、こういうふうに考えております。ですから調査結果というものは、いずれ多くの皆さんのお目にとまることになると思います。しかし現在でもその関係の部局にはいっておるはずです。 それから関西新空港の関係でございますが、関西新空港と現空港の関係につきましては、新空港ができましたときに現在の伊丹空港というもののあり方を検討する。この場合、たとえばその時点においても環境基準が充足されないというような空港であれば、まあ当然これは廃止の方向に考えざるを得ないでしょう、こういうことでございまして、軌道修正と大臣が先ほど申し上げましたのは、そういう面も含めて新空港のあり方をいま検討しておる、こういうことでございます。 それから八尾飛行場のお話が出ましたけれども、確かに非常に現在の伊丹空港が込んでおります関係で、一部八尾を使おうという話があったことも事実でございます。しかし現在そういうことはございませんで、現在の八尾は、御存じのようにもっぱら新聞社あるいは小型機のプロペラ機ばかりが就航しております。で、あまり音の問題はないというふうに了解をいたしております。
○森中守義君 先ほどの日中問題で、以遠権が少し明瞭を欠いておりますから、当然政府間交渉になった場合には、そのことも重要な協定の内容に入るというように理解していいですか。
○政府委員(寺井久美君) ただいま先生御指摘のとおり、航空協定の中では、以遠権を含む路線というものが通常付表に書かれますけれども、航空協定の重要な部分でございます。
○森中守義君 大臣、この項目をこれで終わりにいたしますが、ともに参議院におきまして、四十七年の十一月十三日、日中共同声明に関する決議というものを全会一致で決定をしております。こういう原則に立っていけば、正直に申し上げて、いまさら一体、というような気がしてしようがありませんね。なぜこの辺にかくもこだわらねばならぬのか。しかし国際関係あるいは生きた政治というものはそう単純でもございませんので、いま取り進められている日台の問題も、それなりに促進をさるべきだと思うのです。 しかしながら、何としても日中国交回復、しかも両院においては友好の決議をした、共同声明を全面的に支持するという院の決議がある。こういう一つの、わが国の対中政策というものがいかなることがあっても踏みはずすことがないように、いわんや二国間の信義にもとるようなことがないように、けさの副総理の答弁で尽きておりますけれども、ぜひこの会期中に正規な二国間の協定が成立するように一そうの努力を願っておきたいと思います。 それから、朝来の一連の航空問題ですけれども、答弁の中でも非常に重要な点が幾つか浮き彫りにされました。で、それをいま私は整理をしてみますと、環境庁長官の勧告、それから環境基準の設定、昨日の判決、こういう一連の流れを見て、現在の運輸大臣及び省首脳部の考えというものですね、騒音防止法の改正を出している、で、この改正案が成立を見たならば各般の問題は大半消滅をするであろう、まあこういう実は見解が大体支配的だろうと思う。そこで私は、さてその出されている改正案というものは、この委員会でいずれ審議をすれば明らかになりましょうけれども、やっぱり改正案じゃ片づきませんよ、これは。けさ私は日弁連の意見書を引用いたしましたが、これに準拠するまでもなく、改正案の主要な問題点というのは、なるほど在来適用されていなかった民家に至っても防音装置をやろうではないか、あるいはどこか立ちのく際の用地の取得、こういうこともやろうではないか、こういう意味ではかなり前向きのように見れる。しかし問題なのは、さっき局長の答弁でもはっきりしましたけれども、企業三社に対してこういったように規制すべきではないか、あるいはその基準に合致するように、運輸省はかく考える、企業はどうなのかという まあこういういわば発生源の規制というのが全然改正案の中にない、ここが私は問題だと思うんです。 ですから口ぎたない言い方をするならば、民家に防音装置がよろしかろう、移転をする場合に補償もしようじゃないか、ただし問題になってくるのは、周辺整備機構というものをつくろうとするんだから、その中に住民のコントロールがきくのかきかないのか、まあ言ってみれば住民の代表が入っていない、全くこれはコントロールきかないですね。ですから在来の四十二年制定された防止法の骨幹というもの、一つの流れというものは改正案では解消しておりません。ですから私は、この際何としてでも発生源をどう規制していくのか、これがやはり両輪の一つとして回っていきませんと片づかないと思うんです。まあこのことは法案審議の際にもっとこまかく掘り下げる必要があると思うんですが、いわば今回の改正案が今日の航空騒音に対する一つのアンサーであるという、こういう見解が正しいとは思っておりません。したがって大臣の行政指導、行政措置で限界を越えるまでひとつふんばってもらいましてね、原因規制について特段の御配慮を必要とするのではないか。それが具体的に目に見えてきますと、もう少し私は世論の方向というものは変わってくるんじゃないか、こういうように思います。いまはしかし発生源の非常に強烈な規制というものが、具体的に運輸省の施策の中に、残念ながら見れない。これに取り組んでいただき、かたがた住民への誠意ある措置をとっていくべきである、こう思うんですね。ですからこのことをひとつきょうの航空問題の私の結論にさしてもらいたいと思うんですが、発生源の規制をこの際は強化する、同時に住民への不安をこの際は除去するための一切がっさいの方策を講じていこう、そのためには具体的に九時から十時までの便をどうするのかというのを午前中の大きな問題にしましたが、そういうことを十二分に検討してほしいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(徳永正利君) 航空騒音の周辺機構の問題につきましては、いま衆議院に御審議をわずらわしている最中でございまして、これをもって、私はとてもおっしゃるように全きを期するなんていうようなことはとうていできないと思います。しかし、いろいろな面から検討を加えておりますし、午前、御指摘がございましたように、財源の問題、地域の問題、国庫補助の問題、これはそのときにもう少し歯切れのいい答弁をいたしますとお約束しておりますから、こういうことにつきましても、それまでによくさらに検討を続けてまいりたいと思います。これはまあ、いわば法改正は周辺対策の問題でございますから全きではございませんけれども、これを地方の県、市とも力を合わせて進めてまいりたいと思うのが一つでございます。 それからもう一つ、音源対策でございます。これはいまおっしゃいましたように、この法律の中に入れるのが適当かどうかということもいろいろあると思いますが、これは先ほど来御指摘がございましたように、おまえ、ひとついままでの議論を十分腹の中へ入れてふんばっていけという御激励でございますが、私も運輸省の勧告あるいはいろいろな一連の指示と申しますか、そういうものをも踏まえ、また昨日の判決をも肝に銘じまして、今後できる限り力を振りしぼっていきたいと存じます。そして具体的に、やっぱり目に見えぬと、がんばるがんばると言ったってものになりませんから、ひとつ何か目にものを見せてやろうと思って腹の中で考えているわけでございますが、いまここで、それでは目に見えるようなものを手のうちにすぐ出すというわけにもまいりませんが、そういう覚悟で進んでまいることをお約束いたします。
○森中守義君 目にものを見せるということは、大臣の決意次第でできないことでもございませんし、これはひとつやる気十分というように受け取りますから、ぜひ実行してもらいたい。そのことが判決をどういったように受けとめるかという具体的な証拠にもなろうかと思います。 国鉄総裁、実はせんだっての委員会で運輸大臣にこういうお尋ねをしたんです。国鉄の労使の紛争の中で重要な項目に賃金問題がある。しかして今日のように、極度なインフレの中で新賃金の要求もしくはインフレ手当の要求、まあ国鉄の財政は財政として、ゼロ回答か有額回答か、所管大臣としてどうでしょうか、こういう問いをいたしました。なかなかものわかりのいい大臣で、わかっとる、有額回答だという要するに返事があったわけで、これがまさかきょうの委員会で後退するとは思いませんが、何か運輸大臣のほうも財政上の手当てはだいぶ考究されておるようでございますよ。 そこで、いまのすでに展開をされている国鉄労使の問題ですが、どういうような解決の方向にいこうとしているのか。相なるべくは少し具体的に教えてもらいたいと思う。 なおまた、私の質問中に同僚諸君から、この問題並びにそれ以外の国鉄問題でいろいろと関連のお尋ねもあるようですから、そのおつもりでひとつお答え願いたい。
○説明員(藤井松太郎君) 第一の問題でございますが、総評その他の労組に属する労働団体がストをかまえまして、特に国鉄におきましては動労、国労というのがあしたの午前零時から二十四時間ストをやるというんで、はなはだ苦慮をいたしておるわけでございます。苦慮をいたしておると申し上げたわけは、闘争の目標にしているものがインフレの解消であるとか、あるいは年金制の改正であるとか、あるいはスト権の回復であるとか、こういった大きな問題ばかりで、国鉄の労使双方ともに手に余る問題で、これで片づく問題じゃないんだということなんで、しかし一たび彼らが言ってるような二十四時間ストというようなものが起こってきたら国民の各位に御迷惑をかけるんで、片づかぬ問題は問題として、いかにしてこれをおさめるかということが根本の問題なんで、これに関しましては、運輸大臣からも非常な御指示もございましたが、われわれのところじゃ、おまえのほうがそう言うんなら、これをやるからどうだという何も持ってないんですから、結局労組の諸君の良識に訴えて、それで国民の各位に御迷惑のかかり方を少なくしていく。不幸にしてああいったストが起こりましても、お耳に入っているように、受験生の諸君であるとか、生活の必要物資であるとか、こういったものは最小限度生かしていきたい。これは不幸にしてストに入った場合でございますが、その場合もそういうことをいたしたいというんで、説得と申しますか、彼らの良識に訴えて頼み込んでおるというような現状でございます。 先ほども申し上げましたように、しからばわれわれの自由になる目標があれば、それはこうするというようなことは言えますけれども、インフレの制圧とか物価問題とか言われても、これはお互いに力の及ばぬ範囲なんで、やはり良識に訴えて、あまり御迷惑をかけぬように、できるだけ被害を軽減していくという以外に方法がないのではないか、かように思っております。 それから第二の問題、これはまだ現実に問題が起こっておりませんが、追って問題化するだろうと思いますけれども、これも、いわゆるそれを出さなければストだというようなことにあらずして、せっかく公労委の委員会とかなんとかございますので、やはりその団体交渉に乗せて議論をすべきものは議論をして、しかる後に意見の分かれたものは公労委の意見を伺う、政府の意見を伺うというふうに持っていきたい、かように考えておる次第であります。 先ほどのお話もございましたが、これは政府にお願いしないと、私どもどうこうなる問題でないんで、そういう問題も含めてひとつ団体交渉をやって、その結果を公労委に持っていって何とか破局的な終結にならずして解決していく、かように考えている次第であります。 具体的にあした一体どうなるんだ、最小限おまえは努力すると言ったがどうなるんだということにつきましては、担当の者がおりますので詳しく御説明申し上げます。
○説明員(加賀谷徳治君) いまの森中先生の御質問につきましては、総裁のお答えで大体よろしいんじゃないかと思いますので、あしたの問題がいま御存じのとおり残っておりますが、これは実は、先ほど総裁も非常に苦慮しているという表現を使ったとおり、対政府問題であると、組合自身もこれは政府の返事次第だというようなことなんで、私どもはそういう事態を避けるために、極力あらゆる手段を尽くして違法行為を行なうべきじゃないということを説得しておるわけでございますが、遺憾ながらちょっとポイントに届かない点があるわけでございまして、その点につきましては、もし入ったらということで、次善の策として、組合もスケジュール発表後、緊急物資の問題とか、それから受験とか、そういったようなことで、ある程度世論の攻撃を受けて、多少そういった面についての方針を変えておるような感じでもございますが、私どもの手でできるだけそういった迷惑を避けるというような意味で、緊急輸送対策を講じておるというのが現状でございます。
○杉山善太郎君 関連で申し上げます。 ずばり総裁にひとつお答えいただきたいんですが、問題は、国鉄の労使問題という問題が一つと、いま一つは国鉄のサービス問題という問題に限定してお尋ねいたします。 山より大きい獅子は出たためしがないので、なるほどいまの四十九年の春闘は戦後十九回目の春闘であることも御承知だと思いますけれども、国民春闘だというふうに評価されておるわけでありますが、その中で、ちょうど総裁が就任された当時、この委員会で、当時新谷運輸大臣でありましたんですが、あなたは労使問題のもののとらえ方は、要するにトップが腹を割って話すことが、すべての労使問題解決の原点であるというふうに言われておりましたが、まさに私はそのとおりであると、それでいいんだと、そういうふうに評価しておりますが、いまの心情もそれに変わりありませんか。その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) いま先生のおっしゃったことに変わりはございません。やはりトップが腹を割って同じ仲間だという意識を呼び起こして話し合う以外に解決の道はないだろう、かように考えております。
○杉山善太郎君 その腹に徹して誠実を持って、過去の経過からいえば、磯崎総裁のときにはそういう例がほとんどなかったわけでありますが、大体煮詰まったところでということでありましたが、腹を割って、総裁が先頭に立って、誠実の限りを尽くせば国鉄一家は必ずどういう難問奇問であっても、やはりそれは問題解決のポイントになるんだと、そういうことを肝に銘じて、ひとつ実行していただきたいということを強く御要望申し上げておきます。 いま一つの国鉄のサービスの原点は、何と言っても安全がすべてであるという点について、あなたのお考えをひとつ聞いていきたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 私は就任早々、財政の再建も必要であり、いろんな必要なものもあるけれども、まず何をおいても安全が第一であるということを申し上げ、かつ職員にも強く訴えているところでございまして、不幸にして、いろんな場面が広うございますので、おまえはそう言うけれどもやっぱり事故は起こるじゃないかというようなおしかりも十分承知しておりますが、まずもって安全が第一であるということで、日夜苦慮している次第であります。全く同感でございます。
○杉山善太郎君 あの森羅万象のもろもろの現象は、言うならば百聞は一見にしかずということがありますので、実は私がしいて誘導したわけじゃありません。少なくとも権威ある総裁や運輸大臣に対して、サービスの原点は安全であるという問題について、実は新潟を拠点として東京へ通ずるビジネス特急「とき」が、これは朝出て宿屋に泊まらなくても帰れるということで、昨年の十月の時点でダイヤ改正がありまして、十三往復ビジネス特急「とき」が走り出したわけでありますけれども、今日的には確かに十年周期で豪雪があるということは、科学的に論拠があるなしにかかわらず、三十八年に豪雪があったんですが、三十八年から九年にかけて量的にはそれ以上の豪雪があるわけでありますが、その豪雪に関連をして「とき」が腹痛を起こしたり、とにかく運休を起こしておるということは、これはゆえなき詭弁であって、実はそうではないんです。 でありまするから、ひとつ、実はきょうは質問の時間がだいぶ経過しておりますので、私は別の時間でとっくりと、これは運輸大臣にも総裁にも来ていただいて、別途質問することにいたしますけれども、要するに、この間、瀧山技師長ですか、お見えになったようでありますけれども、またかてて加えて、常務理事会では一八三型三十八両を、十二月までに十何億円かをかけて「とき」を補完をするというようなことが、実は新聞にも出ておりますが、ただその程度で解決つく問題じゃないと思います。 少なくとも「佐渡」から始まって「とき」に入った。そして、いわゆる上越新幹線は総需要抑制等々の問題に関連をして、なかなか予定どおり、計画どおり五十二年の春までにはいきますまいと思っております。それまでは「とき」というものが機能しなきゃならぬわけです。ビジネス特急「とき」として機能しなきゃならぬ。そういうために、ぜひひとつ、予告編なしに新潟へ来ることを、総理とあなたと気侠があってあなたも鉄道の総裁になられたわけですから、とにかく一ぺんぜひ来てください。総理もいずれ始まりがありゃしまいがあるわけで片づくでありましょうけれども、そのことをお約束願っておいて、ひとつきょうは実は休憩をして三時間ぐらい往復の時間がほしかったわけでありまするけれども、比較対照して、より当面大事なものは何かというかっこうで、いろいろ同僚のほうに譲りまして、私はいまそれならひとつ行こうということをお約束願えればそれでいいと思うのですが、その辺の点について。
○説明員(藤井松太郎君) 適切な質問、適切なおしかりということはないのですが、御承知のように、「とき」という事は実は車が古うございまして、古くてああいう、端的に正直なことを言うと、あまり雪のたくさんあるところには弱い車である。それを無理して使っているゆえをもって、御指摘のような故障が起こりますので、これは先生のおしかりを受けるまでもなく、われわれのほうはいかにしょうかということを非常に苦心しているところでございまして、過日もとりあえず三〇%ぐらいの新車を投入することと、それから第一番に御指摘になった、これはきたないとかなんとかいうことに先立って、一体そういう事故ばかり起こしているやつがおそろしい事故を起こす可能性があるのかどうか、安全なのかというようなことを調べさせまして、軌道の関係があったり、車の関係で動揺の多いようなところもありますけれども、安全には懸念がないという確証を得ましたので、これから漸次改良していくと同時に新車を投入していく。しかも二番目か何かに御指摘のように、上越新幹線が不幸にしておくれるというようなことになれば、新潟−東京の交通路は確保しなくてはいかぬのですから、やはり「とき」のような類のものの増強によってカバーしていくしか方法がないと、かように考えておりますが、とにかく私も知らぬとは決して申しませんけれども、せっかくのあれでもございますので、ひとつぜひとくと「とき」の運転状況その他をにらんで決心を強くしたい、かように考えております。
○杉山善太郎君 私がいみじくも国鉄のサービスの原点は安全だと申し上げたのは、それはあなたのほうの技術陣で精密に点検されて、とにかく安全だと言われましても、もし北陸トンネルのような、あれも電気故障から発展したが、サービスが安全の原点だということ、それから実際において実務を担当しておる多様化した国鉄労組の中でも一致する点は、「とき」はあぶない、安全は保障されないんだということをみんなが言っておりまするから、そういう点で、ひとつ肝に銘じて、私の言わんとするサービスは安全が原点だということは、このままの状態で多少の時間をかけて補強補完があっても、ただいまは四十九年のやがて三月ということでしょう、十二月までに若干の新車を補完されても、上越新幹線が走るまでには相当な時間がありますので、そういう点で、十分考えていただきたいわけであります。 ついでに総裁もおられるうちに申し上げておきますが、運輸大臣にもよく聞いておいていただきたいと思いますけれども、お聞きになったかどうか知りませんけれども、けさのNHKの「私たちのことば」の中に、雪に弱い新幹線について一言という、これは庶民の声であり、新幹線というものに関心を持つ人が言っておることでありまするけれども、私はこの上越新幹線、東京−新潟間の建設を担当している日本鉄道建設公団の書いたものを見たわけであります。なるほど雪害対策という項が設けてありまして、七項目にわたって書いてありまするけれども、これはただでさえ雪に弱い新幹線という感覚は、これは東海道新幹線というものを一応名ざしておると思いますけれども、大体雪は、過去の経過からいって十カ年サイクルで豪雪になるんだと、二年おいてまた三年目には降るというような小きざみな周期もあるということになるので、いろいろな公害であるとか振動であるとか騒音というものもありますけれども、特にあらゆる科学と技術の粋を集め、題目として雪害対策があって、項目として七項目の柱が立っておりまするけれども、これは念には念を押して十分やっていただかないと困る。ということも、総裁がやはり過去の経歴からいって技師長であったという、技術人であるという点と、おやりになるのは建設公団であるにいたしましても、それを行政ルートで管理監督されるのはやっぱり運輸大臣でありまするので、これは別途次の時間のあるときにいろいろなものを込めてお尋ねいたしますけれども、そういう点も十分ひとつ考えておいてください。
○政府委員(秋富公正君) 上越新幹線は、先生いま御指摘のように、非常に豪雪地帯を含んでいる線区でございます。従来の東海道新幹線あるいは現在建設しています山陽新幹線と違いまして、上越新幹線あるいは東北新幹線は非常に豪雪地帯というものを通りますので、雪害あるいは雪の場合の安全ということにつきまして、私たちといたしましても各面からこれについて検討をしているわけでございます。特に国鉄、公団、それぞれこの面におきましても技術を尽くしておりますし、現に上越新幹線につきましては、浦佐付近にすでに四十七年に約一キロ高架構造の施設をつくりまして、いろんな実験を行なっているところでございます。 今後車両の問題あるいは地上施設の問題あるいは気象の監視問題と、すべての問題について国鉄、公団それぞれにおきまして、この解決あるいは配慮ということにつきまして、個々の項目につきまして検討を重ねておる状況でございます。
○杉山善太郎君 総裁いいですね、一ぺん来てくださいよ。いま県議会でも、国民春闘のローカル版としては、「とき」の問題について、もう「とき」をやめて「佐渡」を整備してもらいたいと。「とき」と「佐渡」の二つあるでしょう。「佐渡」の時分のほうがよっぽどいまの「とき」の——ストライキで汽車がとまるのはやむを得ない、双方合意の上でそうなることは宿命であってやむを得ないけれども、計画で十三往復やって、ビジネス特急で便宜を供与すると言いながら、当局のほうの御都合で間引き運転では、これじゃないよりましだけれども実はないほうがいいと、こういうことでありまするので、そういう県民感情を政治的に総裁は——まあいみじくも運輸大臣はこの間新津まて御用があって行かれましたけれども、一回や二回じゃわかりません。ぼくらは毎日のようなぐあいに往復さしてもらっておりますけれども、ぼくらはただで乗してもらっているので遠慮しているわけでございまするけれども、金を出しておる者は非常におこっておりまするので、まず総裁が来るということになればそれだけに県民感情もやわらぐでありましょうから、どうぞひとつそのおつもりで……。来てくださいますね、総裁。
○説明員(藤井松太郎君) 「とき」の問題でおしかりを受けたんでございますが、必ず私が伺いまして、よく私自身で調べたいと思います。 それから先ほどの、雪に弱い新幹線というようなお話でございましたが、これは鉄監局長からるる詳しく御説明がありましたけれども、実はいま一般が言っている雪に弱い新幹線というのは、関ヶ原に雪が降りまして、これが新幹線のおしりにくっついて、それがだいぶあったまってくると、氷になっておったやつがぼとんと落ちて石を飛ばして付近の家のガラスを割ったり、あるいは悪い場合は自分の機器をこわすというような懸念が二、三回あったんで、これはかなわぬというんで、雪の上に水をまきまして、雪が飛んでおしりにくっつかぬようにしておる。これは非常に原始的な方法なんだが、まあそれでやって、そいつが間に合わぬときに新幹線がおくれたとかなんとかいうんで、雪に弱いというおしかりになっておるんでありますが、今度はその東北だの上越になるとそんなやさしいこっちゃないんで、事実雪が列車の進行をとめるということになるんで、どうするかと申しますと、上越系のやつは雪を高架の上へとめておいて、端的にいえば大きなボイラーを使ってこいつを溶かしちゃうということを主眼にして研究をやっておる。 それから東北系のほうは、高架の横へたなみたいなものをつくっておいて、雪をそこへとめておいて、それを列車の運行のないときにしかるべく処理する。こういうことを中心にして研究をやっておる。おしりの雪を取るということじゃなくて、もう少し本格的な研究を進めておりますので、こいつがうまくいかぬと上越だの東北系の新幹線は走らぬので、これは致命的な問題なんで、おしかりのあるなしに関せず精一ぱい研究をいたします。
○森中守義君 技術担当が山岸常務……。
○説明員(山岸勘六君) はい。
○森中守義君 いま「とき」の話が出ているんですがね、これはどういうときに「とき」は悪くなるのですか。もう一回二回じゃないようだな、事故が発生したのはね。それはどういうときに「とき」は悪くなっているのか調査の結果も出ているでしょうから、説明してください。
○説明員(山岸勘六君) 実は先ほど杉山先生のほうから話がありましたように、昨年の十月に三往復増発をいたしました。このときに山陽線で使用しておりました「とき」を回しまして増発したわけであります。この車のいわゆる雪害工事と申しましょうか耐雪工事が実は十分でなかったのであります。私も新潟で、先々週になりますけれども目で確かめてまいりました。中には配電盤から煙が出たというようなところを視察いたしますと、ふぶきなら当然これでは雪が入るんじゃなかろうかというようなすき間、ことしの雪は特に非常に温度の低いところでのふぶきが多かったわけでありますけれども、空気が入れば雪が入るという状態であります。一般の常識とは違ってまいりますのですが、それに耐えられるようにはなっていなかったと。で、それらの車が、いわゆる耐雪工事が十分でない車が事故を起こしてまいり、これに非常に手を食ったと。手を食いましたから順次全体としての整備がおくれていったというような現象を来たしたわけでありますが、現地におきます人手につきましても、部外の能力はもちろん、部内におきます能力も順次経験のある者をその部分に当てるというような増強措置を講じまして、いまの段階では三月中には十三往復復せる。その上でさらに、増強した余力あるいは部外能力を使いまして、ことしの冬十二月を迎えたい。 同時にまた、先ほどお話がありましたように、三個編成の新しい車、もちろん雪に強い車を充当いたしますので、この分だけ弱い車も取りかえることができるといたしますと、一そうその他の車に対する増強施策が十分手が回るという考え方をとっております。
○森中守義君 そうすると、いま山陽線にいたのを回したとこう言われるんだが、かなり老朽車というわけだな。
○説明員(山岸勘六君) はい。
○森中守義君 それで東海道新幹線の営業開始の時代にいた車は、これはまだ現役で走っているんですか。 それと幹線を走っていたのを、いまの「とき」のように、ほかに回すというようなのは、何年目ぐらいに回すんですか。
○説明員(山岸勘六君) 現に東海道で最初につくった車が走っております。これらの車は何年目ぐらいに東海道から回すかというような、あるいは幹線から幹線に回していくかという御質問でございますけれども、これは新しい電化区間の延長とかそういった場合に、車を新しく必要とします。そういった場合の増強によって結局他線区への転換ということが行なわれるわけでございますけれども、何年にどう回るかというようなことは、これは一がいに言えないわけでありまして、「とき」の場合も一番古いのは東海道で新製したものでありますし、また上越として新製したものもありますし、さらに東海道から山陽を経由してまいったものもございます。
○瀬谷英行君 労使問題等について、それから杉山さんのサービスの問題について、私もちょっと関連してお聞きしたいと思います。 総裁から先ほど御答弁ありました、どうにもならぬと。国鉄総裁の権限としてどうにもならぬということは、言いかえれば当事者能力の問題だろうと思うのです。当事者能力の問題でどうにもならぬでもって済ましていたのでは、これまたどうにもならぬと。したがって、むしろ総裁のほうから、現行制度の中で国鉄総裁の権限がはたしてこれでいいのかどうかという問題について考えてみる必要があるんじゃないかと思うんです。もう何か責任だけは問われるけれども、権限がないということは、あなたが総裁に就任をされてみても、あまり総裁のいすのすわりここちがよくなかろうと思うのですね。せっかくならば自分がすわった総裁のすわりここちをよくしてもらいたいというわけじゃないけれども、その地位にふさわしい、責任にふさわしい権限を持つようにすべきであるというふうに私は考えていいんじゃないかと思う。そのためには総裁としてはどのように思っておられるのか。私は現行の状態ではどんな問題にぶつかっても、ストライキやると言われても何とかやめてくれということしか言えないでしょう。やめてくれと言ったって、じゃおれのほうはやめてもらうかわりにこうするという約束ができないでしょう。それでは総裁たる者まことに責任と権限という点がアンバランスであるということをみずから痛感をされるのではなかろうかと思うので、その点をまず第一にお伺いしたいと思うのですが、どうですか。
○説明員(藤井松太郎君) 御指摘になった問題は非常にむずかしい問題でございまして、私個人としては全くお説に御同感でございますけれども、やはりそれをやっていくと一体公共企業体というような形態はそもそもどうなのかという議論から始めていかなくちゃならぬということになりますので、お説のような気もいたしますので、漸次お願いすることはお願いしていきたいと思いますけれども、にわかに当事者能力で物価対策も十分やれなんて言ってみたってしょうがない話なので、漸次できるものから、お説のようなことに沿ってひとつ努力はしたい。しかし、はなはだ初めから迷ったような話なんだが、はなはだむずかしい問題である、かように考えております。
○瀬谷英行君 むずかしいから考えてもらわなきゃいかぬと思うのですよ。いままででもそうですけれども、これは毎回問題になっていることです。 それでスト権の問題ですけれども、いまのところ労使の間ではスト権をめぐっていろいろと論議されていますけれども、これは国鉄労使の間だけで解決できないということは確かそのとおりだろうと思う。それならば政府として当然思い切ってさっぱりとこの問題について割り切るという必要があろうと思うのですよ。法律上ストライキできないのだからやめろということの繰り返しでは問題は進まないと思うのですね。 むしろそうやって、法律を中心にしてストライキやっていいとか悪いとかということをごちゃごちゃやっていれば、かえって闘争の形態が複雑になって長引いて、お互いにめんどうな思いをするだけでばかばかしいと思うのです。これがもしスト権を割り切って組合側にも与えるということであれば、それこそ問題の処理がビジネスのように処理できるのじゃないかと思うのですね。やれやっちゃいけない、やるぞ、それでやったあげくごたごたあとに尾を引くということをやっていたんでは、これは事務処理の問題だって手間どるばっかりじゃないですか。いっそのことはっきりとストライキはやりますよと片っ方が言えば、じゃしかたないと、そのかわり新しい提案をするがどうだろうということであれば、公労委もへったくれもないです。当事者双方でもって問題を解決するということも可能になってくる。運輸大臣としてもそのほうが楽だというわけじゃないけれども、いいんじゃないかなという気がするんですがね。その点は政府として考える余地はないんですか。
○国務大臣(徳永正利君) まあそういうふうにすぱっと割り切れますと非常にさっぱりするわけでございますけれども、この問題につきましては、政府としては、このたびの労働四団体の要求に対しましていろんな問題が提起されております。それに対しまして、スト権のような問題は、これは総務長官のところを窓口にして話し合うということに統一しているわけでございます。このことは四団体に対しても話が届いているわけでございます。 それから谷間にある方々のいろんな生活の問題でございますとか、あるいは身体障害者の方々とか、そういうような方々に対する問題は厚生大臣を窓口にして話しましょうということになっておりまして、そのほかのいろんな問題については労働大臣が窓口になってお話し合いを進めようと、こういうことに政府間の統一ができておりまして、しかもその線に沿っていまいろいろな会合、会見が持たれておるわけでございます。おっしゃるように、私も労使——当事者は国鉄総裁でございますけれども、全交運の皆さん方ともこの間お目にかかりました。しかし政府としては、そういう一貫した窓口をもって話を進めていこうということに相なっておりまして、内容等については、なかなかむずかしいスト権等の問題については、さっぱりと割り切るというところまでいまのところいっていないのは、私が御説明申し上げるまでもなく御承知のとおりでございます。
○瀬谷英行君 今回、国民春闘というふうにいわれて非常に規模が大きくなっているわけですけれども、まあ問題が非常にたくさんあり過ぎるので運輸委員会だけでは消化しにくいんですけれども、たとえば物価の問題だって、卸売り物価指数だって三十何%だと、二割も三割も物価が上がるということになれば、これは感情的に労働者がストライキをかまえて対決をするというのは当然なんですよ。それを法律上禁止されているとかされていないとか、そんな技術論でもって問題を解決しようとしたってこれは無理な話です。したがって政府みずからがこの問題を解決するために全力をあげるという努力を私はすべきだと思う。その努力が先に立つべきであって、やるとかやるなとか、そんなような話し合いを先に持ち出すということは、主客転倒のような気がするわけです。いまお答えになった範囲から進まないかもしれませんから、それはそれとして、政府としての努力は当然これは続けなければいけないということを一つ指摘したいと思う。 それからもう一つ、杉山さんの質問にもありましたが、サービス問題が「とき」の問題に関連をして出てまいりました。考えてみると、私はもう一つ問題があると思ったんですよ。「とき」の車両は確かにぐあいが悪いです。私はめったに乗ることないですけれども、それでもときたま乗ることがある。そうすると非常に動揺が激しいです。普通急行よりも特急料金よけいにもらっていて、それで動揺が激しいんです。速いからしかたがないといえばそれまでですけれども、これはなぜそんなに動揺が激しいのか、ちょっと疑問に思いました。たとえば道床が悪いのかどうか。道床じゃどうしようもないと思ったんだけれども、それならば先ほどの杉山さんの話じゃないけれども、「佐渡」のほうがまだいいじゃないかという問題はちょっと解決しないわけです。 ということは、結局お古を使っているということじゃないのかという気がするんですね。十何年も前に東海道線でさんざん使われた車両が山陽線に行って、それがまた戻ってきて、上越線の雪の降るところへ行って雪の中でえんごすると、こういうことになっているんじゃないかと思うんです。これは一つの問題とすれば、この上越線なんかに新しい上越線向きの車両というものを運転するということを考えないで、東海道線の古物を持ってきて間に合わすという、こういう考え方にそもそも問題があるんじゃないかという気がするんですよ。 これは何回か私、指摘したことがあるんですけれども、東京と上野と二つの駅を比較したってはっきり言えるんです。上野駅に行って東京駅と比べると、薄暗くて——薄暗いのはいまとこの駅も同じだけれども、構造が複雑で、しかも非常に利用者の数に比べて設備が悪い。たとえば便所だって、乗りかえの途中で用を足そうと思えばスムーズに用が足せない。並んで待っていなければいけない。男の便所だってそうだから、女の便所なんかも、のぞいたわけじゃないからわからぬけれども、なお暗いんじゃないかという気がするんです。電話をかけようと思ったって、赤電話ですら並んで待たなきゃかけられない。要するにすべての設備が東京駅に比べるとぐっとおくれているわけです。おまけに列車のほうは、特急においてすらいい例が「とき」なんです。「とき」のために待たされる普通電車に至ってはもう話にならぬ。 また上野から出る列車なんかは時刻改正で、急行列車でありながら普通列車と同じぐらいのスピードで走るのがある。これは何かの都合でゆっくり走ったのかなと思って、私はダイヤを取り寄せてよく見たらそうじゃない。ほんとうにのろいんですね。これで、しかも急行料金だけちょうだいしている。スピードは各駅停車並みで看板は急行の看板を掲げて料金だけもらっている。これは詐欺と同じですよ。こういうことを平気でやっているわけです。だから杉山さんが言われたサービスの問題は、改善すべき点は、まず手近なところからやらなければならぬということは上越線も東北線も東海道線も差別をしちやいかぬということです。これはごく簡単なことだけれども、守られていない。これからやっていかなければならぬだろうという気がいたしますが、あとのサービスの問題については国鉄総裁から。それから全般的な交通労働問題に対する対処のしかたとしては、政府を代表する形では運輸大臣しかないから運輸大臣のほうから、両方からお答えをいただきたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 上越線は東海道を走り、なおかつ山陽を走ったのが来ておるわけですけれども、「とき」に関する限りそのとおりの経路をたどっているのでございますが、国鉄の財政というのは、御承知のとおり東海道で十年ぐらい走ったから、まだ物理的に使えるけれども、もうこれは廃車にしちゃってということは、実ははなはだ申しわけないのだけれども、お金のほうの制限もございまして、われわれ貧乏人が子供のときに兄の洋服をもらって破れるまで着たという対策をとらざるを得ないのですが、それがいいか悪いかという議論になってくると非常に考える余地がある。御趣旨のこともよく頭に入れまして具体策を考えていきたいと、かように考えますが、とにかく使えるものは使うんだと、安全を犠牲にしちゃ困りますけれども、そういう立場で国鉄というのは過去からいままで運営されておったというところにおしかりの根源がある、かように考えます。
○国務大臣(徳永正利君) このたびの春闘が国民春闘といわれているぐらい要求も広範なものもございますし、また政治的に解決しなければならない問題もあるわけでございます。先ほどお答え申し上げましたように、政府といたしましても、これに対していろいろな対策を立てて生活保護法の対象者とか、あるいは身体障害者の方々であるとか、あるいは老人の福祉年金の問題、そのほか障害年金、母子年金、そういうようなものについては不十分だというおしかりはあるいはあるかもわかりませんけれども、現状においてできるだけの支出と申しますか、対策を立てて発表した次第でございます。さらに国会の御審議をわずらわさなきゃならぬような問題等もございまして、そういう問題等につきましては、改めてまた政府間の協議を経てお願いすることになろうと思いますけれども、政府として格段の努力をしろというお話につきましては、全くそのとおりでございまして、できるだけそういう要求に対して、いれられるものは十分配慮して、今後も努力していかなければならないと思います。 それから、さっき上野の駅の話が出まして、私、上野の駅もよく利用さしていただきますが、赤電話も少ないというようなお話でございます。便所の少ないのは確かに少のうございます。私もあそこでよく利用いたしますけれども、そしてまたたけが低いものでございますから、何だか薄暗くて非常に東京駅と比べてそういう面はございます。赤電話等はこれはさっそく少なければそういうような手配も可能なことでございますから、やれるところからやっていかなきゃならぬと思っております。
○委員長(宮崎正雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(宮崎正雄君) 速記をつけて。
○瀬谷英行君 まだこまかい話もありますけれども、時間の都合もございますから若干省略しまして、新幹線の問題についてお伺いしたいと思うのです。 新幹線はやはり空港と同じで、公害が非常に問題になるわけです。そこで公害問題がいろいろと障害になって東京周辺では成田新幹線なんかいい例なんですが、上越新幹線も、東北新幹線も大宮−東京間というのはなかなか思うように進みません。そこで新幹線全体の進捗計画。それから昨今のように資材が不足したり、あるいは資材の価格が暴騰したり、こういう状況の中で新幹線がはたして当初の予算でもって建設できるのかどうかということは、大いに問題があるんじゃないかという気がいたしますし、総需要抑制という政府の方針の中で、一体新幹線はどのようにこれから計画を進めていく考え方なのか、まず総論のほうからお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(秋富公正君) 新幹線につきまして、まず山陽新幹線につきましては、これは本年の十二月に開業という所期のとおりに、これはすべての予算もつけてございまして、現在鋭意工事を進めておるわけでございまして、これは所期どおりにまいる予定でございます。 次に東北、上越新幹線でございますが、これは昨年の——昨年と申しますか四十八年度と同じ予算規模にいたしております。現在東北新幹線につきましては測量は八九%完成いたしております。用地の買収は四四%でございます。工事の着工は三八%でございます。上越新幹線につきましては測量は八〇%、用地買収は二五%、これは隧道が多いので用地の関係は二五%でございますが、工事着工は四五%いたしておるわけでございます。で、本年は総需要抑制という関係で当初の予算規模に比べまして、四十八年どおりということでございます。この点は先生御指摘のとおりでございますが、運輸省といたしましては、また国鉄、公団といたしましても、非常に長期の期間を要します隧道のようなところ、あるいはいろいろと設計協議その他に期間を要しますいわゆるインターチェンジといったようなところ、あるいは用地の買収に苦労いたします人口稠密なところの用地買収、こういったようなところに集中的に資金を投入いたしまして、そして五十年、五十一年におきましては、あかり部分と申しますか、その際に集中的に工事を行なうことによりまして、工期の取り返しができると、こういうふうにいわば重点的に工事を四十九年度は進めていくという考えでございまして、所期の期間にできるだけ間に合うように現在努力いたしておるところでございます。 次に成田新幹線でございますが、これは御承知のように、いろいろと地元との協議が進んでいない状態でございますが、成田空港の部分につきましては本年の二月からこの工事に着工いたしておる状況でございます。
○瀬谷英行君 山陽新幹線は予定どおりに進んでいるというふうに言われましたけれども、予定どおりに進んでいるとは言うものの、やはり公害問題ですわり込みがあったとかいったようなニュースもちょっと聞きました。それらの問題についての話し合いはついたのかつかないのか。それから話し合いがもしついたとすれば、どういう形で話し合いがついたのかということ、それから結果的には山陽新幹線はいつ開業できるという現在のところの見通しなのか、これもあわせてお聞かせいただきたいと思います。 それから予算は現在の状態で、かなり各価格が高騰しているんじゃないかというふうに考えられますが、この物価高の影響ですね、資材その他の価格の暴騰といった影響、これはどの程度なのかということ、これもあわせてお伺いしたいと思うんです。
○説明員(内田隆滋君) 第一点の、いま博多駅の手前、ちょうど吉塚付近でございますが、ニュースで御承知のようにすわり込みをされておるわけでございますが、これは新幹線の建設予定のすぐそばに市の市営のアパートがございまして、それが現在建設中の新幹線に非常に近いということでまあ線路におおいをするか、あるいは防音工事をしてくれということで、昨年の十月ごろから話がございまして、国鉄がいま環境庁の基準を示されておりますので、その環境庁の基準に従っていわゆる防音工事等をやりますという説得をいたしておるわけでございますが、それではなかなか聞きいれないというのが現状でございます。まあ幸か不幸か、市営アパートでございますので、しかもこのアパートは新幹線のルートを発表してから後につくられたものでございますので、市もそういう意味では責任があるということで、市を中に入れまして話し合いを目下進めておる最中でございまして、まだ解決は見ておりません。しかし何らかの形でこれは必ず解決をして、工事は無事に進めたいというふうに考えております。 それから物価の問題でございますが、確かに先生御指摘のとおり、建設資材が相当上がっております。しかし鋼材等につきましては、新聞で見られますとおりに、一時のトン十万円をオーバーしていたというような時代から現在は八万円を割っておるというようなことでございまして、逐次鎮静をしております。それからセメントにつきましては、約二割昨年の暮れに上がりましたけれども、これもそのままというようなことで、まあ総体的に申しまして約三割程度の物価の高騰が前年度に比べてあるのじゃないかというふうに考えますが、幸い山陽新幹線につきましては、物価の高騰だけではなくて、いろいろの工事増その他を含んで今度の四十九年度の予算に、現在審議をされています中で増額を認められておりますので、予算が国会を通過いたしましたならば、それで十分大業をやる自信がございます。 東北新幹線等につきましては、まだ工期も長うございますし、今後の政府の諸施策その他をあわせて、なるべく所期の予算の中でおさめるように今後努力してまいりたいというように考えております。
○瀬谷英行君 公害の問題、山陽新幹線のように比較的順調にいったと思われるところでもすわり込みがあったということなんですが、結局そのアパートと線路との間がわりあいと近いということだろうと思うんですね。だから解決の方法としては、じゃ一番近いそのアパートの一棟をこわしちゃって、そして別のところに、線路から離れたところに新しくつくって、そこへ入れかえるといったようなことができるかどうか、そういう問題の解決の方法もあるし、それからおおいをつけるということもあるでしょうが、もしそれをやるとすれば、これはこれから新幹線を建設をしようとしている地域で、その新幹線と接近をしているところでは注目をしていると思うんですね。それだけに問題の解決のしかたというのは、どういうことになるかということは——あんまり適当にはできまいと思うんです。その場合に、国鉄の方針としては、あとから市がこさえたんだと言えば、市のほうにも責任があるわけだけれども、その費用等はどういうふうな形でもって支出をしていくのか。基本的な考え方としては、防音装置をつくるということに重点を置くのか、周辺に家屋をつくらないようにするということに重点を置くのか、その辺はどうなんですか。
○説明員(内田隆滋君) 騒音の問題につきましては、昨年の十二月に環境庁から勧告が出ておりまして、それに従って現在の新幹線も騒音対策をやっておるわけでございますが、その方針は御承知だと思いますけれども、目標を八十ホン以下にしなさいという指針がありまして、しかし、これは音源対策その他の技術開発がそうすぐには進まないであろうから、できるだけ八十ホンを目標といたしなさいと。ただし音源対策をやっても八十五ホン以上の音が出るようなところにつきましては障害防止対策をやりなさい。障害防止対策の中身といたしましては、いわゆる二重窓あるいは天井、壁等を増強しまして音を遮蔽する。なお、そういうような場所につきましては換気装置、要すれば冷房装置を入れるというようなことになろうかと思います。 で、今回の場合は幸い鉄筋コンクリートの五階建ての建物でございますから、あとからやったとかいうことは別にいたしまして、完全な防音装置をいたしますれば、もし八十五ホンより高くてもそれで十分やっていけるという見通しがございます。ただ、この場所は博多駅に非常に近いところでございまして、速度も相当落ちるという見通しがございますので、そういう点では十分目的を達し得るのではないかというふうに考えております。これは、いわゆる環境庁の基準というものをわれわれのほうで一つのめどとして折衝を進めておるということでございます。
○瀬谷英行君 建設省で道路をつくる場合、関越自動車道路にしても東北自動車道路にしても、かなりの幅をとるわけです。これは建設省の担当者に聞いてみたいんですが、これらの関越自動車道路あるいは新大宮バイパス道路といったようなものはどのくらいの幅で買収をしてあるのか。この幅に比較をすると新幹線のための幅というのはずっと狭いと思うんですね。そこで建設省でできることを、たとえば建設省なら五十メーター幅をとったというのに、国鉄の新幹線の場合はその三 分の一か四分の一の幅しかとれないというのはちょっと解せないような気がするわけです。 そこで、とりあえず建設省のほうから聞いてみたいのですけれども、建設省の場合は、一体関越自動車道路あるいは東北自動車道路、これらの首都圏内における幅はどのくらいとってあるのかということをまず聞いてみたいと思います。それから、あわせて新大宮バイパスなんというのはかなりまん中に高速道路予定地等がとってあって、その用地もかなりあるような気がするんですが、これらの道幅を一体どのくらいとって買収してあるのか、この点もこの機会にお伺いしたいと思うんです。
○説明員(大島哲男君) 高速道路の幅につきましては、担当でございませんのではっきりしたことは申し上げにくいのでございますけれども、現在の東名高速道路の路面の幅は二十五・四メーターでございます。それに盛り土でございますとのり面がつきますので、たとえば十メーターの高さがありますと片側ののり面は十八メーターだけ延びてまいります。したがって両側で三十六メータープラスという割合で広がっております。 それから新大宮バイパスでございますけれども、これは幅員は四十二・五メーターでございます。現在のところは六車線ないし四車線で供用開始しておりまして、中央部のいわゆる高速部というところは、現在は予定地として使用しておりません。
○瀬谷英行君 そうすると、その両側の盛り土の部分を含んで三十六メーターあるいは新大宮バイパスの場合が四十二メーター半ということでございますが、新幹線だったら十一・二メーターでしょう。そうすると新幹線の三倍ないし四倍道路の場合はとっているわけですね。買収の幅となるともっと広くなるんですか。大体この三十六メーターぐらい、あるいは四十メーターぐらいが限界なんですか。その点はどうですか。
○説明員(大島哲男君) 新大宮バイパスは、これは都市計画決定がしてございまして、これは原則として同じ幅でずっと買ってございます。で、東名高速道路とか一般国道は、その地形に応じて幅が広いところ狭いところ出てまいりまして、で、きまりになりますのは一番初めに路面の幅がきまってまいります。それからのりがこう下がってくる。こういうことですから、地盤からの高さによって敷幅が多くなったり小さくなったりするということでございます。先ほど東名の例を申し上げましたが、高さが十メーターありますと、天幅の二十五・四メータープラス三十六メーターという数字でございます。これは路面の幅から左右されてまいりますので、鉄道でも盛り土でおやりになれば盛り土分だけは広がってくるという勘定になります。
○瀬谷英行君 少なくとも建設省で買収をした道路の幅というものは四、五十メーターになるわけですな、あるいはそれ以上になるわけですね。買収した最大の幅はどのぐらいになりますか、端的に言って。
○説明員(大島哲男君) これは一がいにどのくらいということは申し上げられないんですけれども、たとえば四車線の道路ですと、大体二十五メーターぐらい。で、これが平地ですとその二十五メーターで事が足りるわけです。それから、それが少し高くなりまして、盛り土の斜面といいますか、のりと私ども申しておりますが、のりが出ますと、のりの分だけ広がってくるという勘定でございます。広いところでは、実際に買った幅では百二十メーターになるところもございますし、それからただいま申し上げましたように、路面幅だけで済むところもございます。
○瀬谷英行君 建設省で道路をつくるために買収した幅が三、四十メーターから百メーターに及んでいるわけですね。そうすると、少なくも百メーターぐらいの幅でもって買収をしてあれば、そのまん中を新幹線が通るという場合に、おそらくあまり問題は起きないんじゃないかという気がするんです。その新幹線のそれこそ鼻先を、何メーターも離れてないところに人家があるというところに問題が出てくるんじゃないかと思う。アパートにせよ、住宅にせよですよ。いま東海道新幹線でもかなり接近したところに住宅があるという実例をわれわれも見ております。しかし、それらのところが深刻な公害問題で悩んでいるわけです。 だから少なくとも、これから建設をしようという新幹線は、住宅と線路との間にはかなりの空間を置くと、少なくとも三十メーターやそこらの空間を置くということに留意をしていけば、騒音、振動の公害というものはある程度解決できるのじゃないかという気がするわけです。それは新幹線の建設予定地を高速道路並みに買収をしていけば事が足りるということにもなるのじゃないかと思うのですがね。それだけの用地を惜しんでいたら、かえってそのために工事がはかどらないということになるのじゃないですか。思い切って将来の新幹線のあり方を考える場合に、そのくらいのゆとりを持った線路用地を確保するという考え方があってしかるべきだと思うが、どうですか。
○政府委員(秋富公正君) 鉄道と道路はおのずから機能が違うわけでございまして、鉄道の場合は二車線でございますが、道路の場合は四車線、あるいは六車線ということによりまして、おのずから幅が違ってくるという問題があるわけでございます。しかし、いま先生のお話のような、軒先をかすめていくというような新幹線は今後つくるべきでないということも事実でございまして、現在は一応四メートルの幅で両側を買っていっているというのが山陽新幹線等でございますが、今後はさらに都市計画とマッチいたしまして、できるだけ地元の御協力をいただきまして、一般の街路だとか、あるいは公園緑地と、こういったようなものを合わせて、都市計画をつくることによりまして、民家から鉄道の路盤を遠ざけるという努力を今後さらに進めていきたい。ことにいま調査を国鉄、公団がいたしております五新幹線につきましては、十分にこういった点についても地元との意思の疎通をはかり、地元の御協力もいただきまして、そういった道路あるいは公園、緑地といった都市計画とマッチして進めていきたいと考えております。
○瀬谷英行君 今後の新幹線を考えた場合に、公害問題は抜きにしては考えられないと思うのです。空港だって同じだと思うのです。空港ほど場所はとらないでいいと思うのですよ、新幹線の場合は。両側がおそらく線路から五十メートルも離れてしまえば、あまり問題はなくなってしまうと思うのです。空港はそうはいきませんからね。 その点考えると、永久的な計画なんですから、ここで変に予算をけちけちして、それで買収面積を最小限度にしようということを考えると、必ず騒音公害といったような地元の反撃を食うというのは、もう火を見るよりも明らかです。それを考えるならば、十分な余裕をもって線路と住宅との間には緩衝地帯を置くという考え方に立つべきだと思うし、それは決して不可能じゃないと思うのです。それと、それだけの用地を買収したならば、それを公園に使うなり、あるいは道路に使うなり、線路の両側に道路を建設するなりということでもって、建設省と運輸省がむしろ共同して、両方が有無相通ずるような方法を講ずるということがむだを省くためには必要ではないかという気がいたしますけれども、どうもいままでの例を見ると道路は道路、線路は線路、これは全然別々に計画をしているように思われるわけです。もっとも道路と線路とは場所によっては離れざるを得ない場所があるのはしかたありませんけれども、しかし今日のように、用地問題で大きな壁にぶつかっているときには、当然これは運輸省と建設省が妙ななわ張りでもって競合するのではなくて、お互いに助け合うというような形でもって、効率的に用地を確保するという考え方を持つのが私は当然だと思うのですが、これは大前提としてそういう考え方を持ち得るのかどうかということからして、お伺いしたいと思うのです。
○政府委員(秋富公正君) 私たちもその点十分反省いたしておりまして、単にこの問題だけに限らず、住宅団地と鉄道との関係、こういったことがございまして、今度宅地開発公団法、こういったものにおきましても、やはり全般の計画というものと合わせていかなければいけませんので、私たちといたしましては、さらに一そう建設省のほうと十分協力し、密接な連携を保っていきたいと思っております。
○瀬谷英行君 総論的な話は、いまのようなことなんですけれども、ちょっと客論的なこまかい話になると、きょうは時間的にも無理がありますので、きょうはこの辺で私の質問はやめておきたいと思います。次回に回したいと思います。
○森中守義君 鉄監局長、いい機会ですので、こまかな問題だけれども少し指導してもらいたいのです。 今月の二月二十五日、読売新聞の都内版でこういう記事が出ておる。「少ない駅のトイレ」、要するにたいへんな人が集まるのに便所の数が少ない、こういうことなんです。これは東急を例にあげている。ある御婦人が子供さんを連れて電車に乗った、用便を子供が言いだして泣きだしたので、さがしてもなかなかないというわけで、駅長事務室にかけ込んで行ったら、けんもほろろに断わられた。助役さんか何か来て、こっちに来なさいということで職員便所に連れていかれた、こういうことなんですね。 それでずっと東急をあげてありますが、全体を通じてどうも民鉄関係の駅の構造が、どうも便所の数が少ないというふうなことが指摘されている。何か運輸省も指導に乗り出したというようなことを言っておりますよ。これちょっとよく一ぺん状況を見てもらって、こういう生理上の問題であまり迷惑かけないように、ひとつつくらしてみたらどうですか。
○政府委員(秋富公正君) 私ちょっとその記事を見ていないのでございますが、実は昨年の国会におきましても、身体障害者に対する輸送サービスの改善ということがいろいろと委員会においても御指摘がございまして、昨年の十一月に身体障害者、学識経験者あるいは実際の御不自由な方々と一つの懇談会をつくりまして、そこでいまお話のございました便所の問題だとか、あるいはめくらの方については、いわゆるホームにおきます安全施設の問題とかいうことを、いろいろと具体的に検討をしてきているわけでございます。 そのときに問題になったのは、やはりまず重点的に施設をつくっていくということで、実は私のほうといたしましても、この方は別に身体障害者でないと思いますけれども、まずやはり乗りかえ駅と申しますか、ターミナル駅というようなところをこれから重点的にやっていきたい。それから身体障害者の場合でございますと、そういった養護施設とかいうような利用の多い駅から行なっていくというふうに進めていく考えでございますが、いまたまたま東急でございますが、私自身もそういった駅の手洗いが少ない、あるいは必ずしもそれが明示されてないということは、私も感じている点でございまして、こういった点につきましては、さらに指導してまいりたいと考えております。
○森中守義君 それから内田常務、九州でいま問題になっているのが一つある。それは古い建物である門司の駅舎、これを国鉄側は小倉に移したい、地元はそれは困る、こういうわけでたいへんな紛争が起きている。これは何か円満に結着をつけるために、九州の総局長が、いまの建物を解体をして用地はひとつ渡しましょう、そのあとに大型の団地を形成すれば相当な数が入れる、そうなると門司の繁栄のためにはむしろよくなるんではないか、こういう実は意見を出して、市の議会側がまっこうから反対をしているということで、ちょこちょこ九州で問題になっているのですがね、どうなさるつもりですか。
○説明員(内田隆滋君) この計画はまだほんの計画の段階でございまして、国鉄側としては、現在の門司のいわゆる総局を中心といたしましたあの宿舎群というのは、ごらんのような老朽した建物でございますので、いつかは改築をしなければならないという段階に現在立ち至っていることは事実でございますけれども、それを改築する場合に、現位置でやるのか、あるいは交通の非常に便利な場所に持っていくのかということも含めて、現在検討中でございます。 ただ国鉄側といたしますと、やはり九州の機関がああいうひげ線の中に入っているよりか本線に出てきたほうが、あらゆる面で便利だということを考えておりますので、幸い国鉄の用地もいわゆる昔の旧小倉駅のところにございますので、まあそういう希望を持っていることは事実でございます。しかし、これは何といたしましても、長い間あそこにおりまして、地域住民の皆さんのお世話にもなっておりますので、北九州市の皆さんの御賛同を得なければ、なかなかそういう計画は実現できないというふうに考えますので、これは総局長を中心に北九州市長ともよく相談をいたしまして、国鉄の計画その他につきましても地元の同意が得られるように十分お話し合いをして、その後に計画を進めていきたいというふうに考えております。
○森中守義君 これは大体の予定からしますと、本計画に入るのは何年度くらいからですか。
○説明員(内田隆滋君) まだ具体的に何年から着手するというようなことはきめておりません。現在の場所にはいわゆる現場の機関が相当ございますので、それらのものを撤去して、そのあとにつくるということになりますので、具体的に何年からやる——まあしかし、国鉄としてはできるだけ早くやりたいということは考えております。
○森中守義君 確かに九州の鉄道の発祥地ですし、なかなか歴史も古い。したがって小倉に移り住むということになりますと、まさに民族の大移動ということになるでしょうが、まあ地元もおそらくそろそろのぼってくると思う。熊本にも何か二、三回、私どもに手伝ってくれぬかという連絡もあったようです。いわんや福岡県出身の関係の議員等もおそらくは大きな問題として表に出てくるようなときも決して遠いことでないと思う。これはひとつ、できるだけ円満に、しかも双方の意向が満たされるような配慮をしてもらいたいと思う。 それから伊江常務、一日すわっていていただいてどうも恐縮なんですが、実はダイヤを変える作業、これは本社できめられる範囲はどの範囲、総局でどの範囲、地方管理局でどの範囲という区別をちょっと示してくれませんか。
○説明員(伊江朝雄君) 大体時刻改正は、全国的にやります改正は、大きな設備ができた、あるいは全国に関連する電化工事の完成ができたと、こんなようなことがきっかけになって時刻改正をするわけでございますが、大体本社で直接関与いたしますのは、数局通しの特急列車あるいは数局通しの急行列車ということでございます。それから地方にはそれぞれ北海道でございますと北海道総局、あるいは九州では九州総局、そのほか各地に駐在の理事室がございまして、そこには輸送の関係の職員がおりますが、これは大体その分担の範囲内の輸送の調整ということでございます。その分担の範囲内というのはどういうことかと申しますと、九州総局の例を特に申し上げてみますと、あそこには先生御承知のとおりに局が四つございます。この四つの局にまたがる列車の運行の時刻改正は九州総局が直接やるわけであります。もちろんその計画につきましては関係の局がそれぞれ意見を持ち寄りまして、それで最終的な調整が総局と、こういうことでございます。それで管理局の単位になりますと、その管理局単位の中の列車のやりくりは、相当の特急、急行列車が走っておりますので、それに当たらない程度のローカル列車の改善——これはもちろん車両があることか前提でございますが、その現在ある車両をやりくりしながらいろいろと輸送ダイヤの改善をする、これは局長自身でできると、大体こういう三つのやり方でやっております。大きな時刻改正はもちろん本社に全部集まりますが、地域的な改正はそれぞれの総局あるいはそれぞれの局ということでやると、こういうことでございます。
○森中守義君 それで改正のつど、総局あるいは地方局のほうに特定の地域の皆さんからいろんな要望あるいは陳情が出てくると思う。そういうことを別段統計をとられたこともないと思いますが、大体持ち込まれてきた希望がおおむねどの程度消化されていますか。ただ、もうきめたものはきめたものということでつくっていかれるのか、あるいは受け入れる多少の余裕があるのか、まあ過去の実績からいったらどういうことになりますか。
○説明員(伊江朝雄君) 御質問の御趣旨にあるいは直接お答えにならないかと思いますけれども、また一がいにこれはなかなか申し上げにくいことでございますが、ただ、いままで地元のいろいろの御要望の種類はどんなものであるかというところから申し上げておいたほうがおわかりになりやすいかと思いますので申し上げますが、まず一つには、朝の列車を少し繰り上げて出すとかあるいは繰り下げて出してくれという、いわゆる発時刻の問題、それからその発時刻というのは、結局また、これは終列車の繰り上げの時間が少し早過ぎるのではないかというふうなことの始発、終列車の時刻の問題、それから通勤通学列車についての御要望が非常に多うございます。それからもう一つは停車駅、これはいままで急行がとまってないのを、あるいは特急がとまってないのをとめてくれと、こういう要望に大体分かれるかと思います。 私ども現地の局、これは全国的に本社でもやっておりますが、大体毎年旅客の流動の安定いたしますのが十月でございまして、十月には大体旅客の流動調査をいたしております。これは全国的にそれぞれの局を指定いたしましてやっておりますが、また管理局自体も毎日の旅客列車各列車の乗車効率と申しますか、各列車につきましての乗車効率をとってございます。これをずっとトレースいたしております。したがいましてその線区の運行状況、乗車効率の状況と御要望とあわせながら検討いたしておりまして、大体私どもは、これ一がいに申し上げられませんけれども、時刻改正のつど消化しているということでございます。 ただ問題は、先ほどもちょっとお話が出ましたが、車の回転がなかなかうまくいきません。絶対量が、逐次ふやしてはございますけれども、老朽化の取りかえ、置きかえはいたしておりますけれども、大きく車両の増というのがなかなか急にまいりませんので、御要望には全面的に従えないという点が多々ございます。しかし通勤通学列車については最重点にというのが私どもの願いでございまして、パーセンテージがどの程度で充足しているかというのは、実はちょっと申し上げられないわけでございます。
○森中守義君 結局、国鉄側としては極力地元の要望には沿いたい、こういう姿勢は現在もまた将来も可能な限りということで取り組んでおられるというように理解していいんですか。
○説明員(伊江朝雄君) 仰せのとおりでございます。
○森中守義君 それで、実はすでにお耳に入っておりましょうし、また熊本の大石局長にも大いに努力してもらっているものと思っておりますが、例の肥薩線、これが今回の場合非常に強い要望が出ている。 せんだってまで九州におられたのでだれよりもお詳しいと思うけれども、これは地元の言い分からいきますと、本土に乗り入れる列車が一つもない。ところが、あの沿線には御承知のように人吉ですとか、あと幾つかホットスプリングもあるんですよ。だから地元ではいわば一つの観光資源なんだと、それなのにカーブが多いためにスピードがあまり出ない、かたがた本土乗り入れの特急というのは全然ない、こういうものをこの機会にひとつつくってくれぬかという、いわば要約するとそういうお話なんです。 この前、人吉市の市会議員等が大挙して見えまして、本社にも陳情のあっせんを私はしたことがありますが、これなどは聞いてみれば全くそのとおりであり、私ども当該の地元の者として、かつまた運輸関係にやっかいになっている者としまして、何とかしてあげたいというような気持ちが一ぱいなんですが、いろいろ技術的に検討していただいて、ひとつ鹿児島始発、人吉経由、これを本土に結びつけるという御配慮をいただけませんか。
○説明員(伊江朝雄君) その問題につきまして、確かに地元の方がお見えになりまして、いろいろ御要望を承りました。 一つは、肥薩線に特急を走らせます今度の計画につきましては、地元に非常に喜んでいただきました。ただ問題は、現在走っております急行を特急に格上げして、急行が一本なくなったという不便さの問題が一つ不満であるというお話。それから先生いま御指摘の、関門を通って直接に関西あるいは東京に行く列車がない、これについての要望、こういうお話がございましたので、こういうふうに私はお答え申し上げておきました。 実は、山陽新幹線の博多までの開業を私どもこの十二月に予定しているわけでございますけれども、九州内の列車、つまりもっと申し上げますならば関西あるいは東京から特急でもって関門を通って九州に入ってまいります列車あるいは関門を通って上りの列車、これは大体原則的に新幹線で肩がわりするであろうということで、大幅に新幹線への輸送力の転移を考えまして、特急列車の実は削減を考えておるわけでございます。 そういたしますと、鹿児島——人吉経由の肥薩線のお客さまも、むしろ博多までのスピードの便宜をおはかりしたほうがいいんじゃなかろうか。新幹線がない時代ですと、なるほど直通の上り列車あるいは直通の下り列車が必要だと思いますが、せっかくもう目の前に博多開業を控えていますから、むしろその地区と博多までの時間距離を大いに、また頻度もふやしまして便利をおはかりしたほうが私どもは得策だと思います、こういうふうに地元の代表の方にはお話ししておきました。 この辺につきましては、まだイエスという御返事をいただいておりませんけれども、おそらくこういうふうに博多の駅との接続の便利な列車をおつくりすれば御満足がいくんじゃなかろうか、こういうことで目下のところは、本土直通というのは、時期がもうじき新幹線の開業でございますので、ちょっとまだ検討はしていないわけでございます。
○森中守義君 地元でもなかなか専門家がおりましてね、非常にこまかな計算をしておりますよ。私のところに寄せられたお話では、なるほど入れてもらった、しかし、それは博多までで、鹿児島から博多までの間は八分短縮するだけだ、それで特急料金とは少しでか過ぎやしないか、まあこういうことなんですね。あの線というのは私もちょこちょこ乗せてもらいますが、確かにカーブが多くてかなりスピードに規制を受けていることは事実でしょうね。それで地元のほうでは、その八分の短縮もがまんしよう、特急料金も出そうじゃないか、そのかわりに博多まで八分間の特急料金では高いから、あまりにも犠牲が大き過ぎるから、払うがその分を東京まで通せ、こういう計算のようなんです。 これは聞いてみるとなるほど鹿児島から博多まで肥薩線経由で特急が走ってわずか八分間の短縮、しかもそれは停車時間をぐっと縮小することによって八分間を生み出しているということのようですね。で、これにもやっぱり一理屈ありますよ。その代償としてという意味合いなどもなかなかユーモラスな話で、ちょっとほうっておけないような気がするんですが、大石局長はどういう判断を示すか——もちろん、これは総局に上がっていく話ですね、ですから大石局長と総局長の間でどういう話になるのか、まだその間の経緯はさだかじゃありませんけれども、ひとつ調整に乗り出してもらって——あの沿線はなかなかのドル箱ですよ。おそらく全国のあのたぐいの路線からすると採算のいい線だと思いますから、もっともっとサービスを提供してもあまり損ではないんじゃないかと私は思っておりますが、ひとつ調整してくれませんか。
○説明員(伊江朝雄君) それは調整をいたすように努力いたしますが、御承知のとおり、いい線区ではございますけれども、非常に災害の多い線区でございますし、それにスイッチバッグをするところ、これが一番の難所でございまして、あの辺でスピードがどうしてもとれない。しかも連結両数もスイッチバッグの線で規制されますので、非常にむずかしい運転線区でございます。そういうことでございますけれども、御指摘の点いろいろと検討さしていただきたいと存じております。
○森中守義君 それからいま一つ、これはいずれ運賃改正法がもう一回出てきますから、そのときの本格的な論議にもなりますが、例の赤字線区の問題ね、これはいまちょっとさたやみという感じですが、これに対する現在の本社の取り組みはどうなんですか。
○説明員(伊江朝雄君) 運輸省からの御答弁があると思いますが、私どものいまの計画で考えておりますのは、全般的な八十三線区の赤字線を全部年度計画によって撤去するという当初の方針は、やはり地域の御賛同を得られない面がたくさんございましたので、地域の御賛同を得て、しかもほかに自動車輸送の代替機関がある、年々また御利用が減ってまいる、こういう線区につきましては、やはり従来の方針どおり道路輸送に転換をしていただきたい。ただし、あくまで地元の御同意を得たい、こういうことで大体年間に三十キロ程度というのが線の撤去という候補の長さだというふうに考えております。これは地元の御同意を得られなければ進められない問題でありまして、いま目下のところはまだ特に具体的に進んでいるところはございません。
○政府委員(秋富公正君) 一昨年におきましては三千四百キロといいますものを計画的に廃止していこう、しかもその際には十分地元の御同意を得ないで頭から運輸大臣が認定していくという形で考えたわけでございますが、それを一昨年のいろいろと国会の御審議もございましたものですから、この点につきましては、昨年の再建計画におきましては変えた次第でございます。 で運輸省といたしましても、地元の同意を得ながらでございますが、やはり総合交通というたてまえからまいりまして、今後、自動車に転移すべきものは転移していく。ただ一つ新しい要素が出てまいりましたのはエネルギー資源の問題でございまして、今後長い目で見た場合に、一体、鉄道輸送でいくべきかあるいは道路輸送に転移すべきかというような点につきましても、これは単にこの数カ月のエネルギー問題ということでなくて、こういった点からもやはり長い目で見ていくべきだという点につきましても私たちは配慮してまいりますが、しかし一方におきましてやはり総合交通という面からまいりまして、非常に道路が整備されてまいりまして、鉄道輸送というものが年々衰微していく、利用者も少なくなるというようなところは、やはり大局的立場からこれを廃止していくという方針には今後も変わりないという気持ちでございます。
○森中守義君 わかりました。 そこで、もう一つ、おりからの労使問題ですが、これで国鉄の場合には、先ほど総裁もちょっと言われたようですが、たとえば生活に必要な緊急物資の輸送、こういうものの輸送力は完全に確保されておりますか、それが一つ。 それから、ことに大臣、いまそれらの業界、たとえばタクシーあたり、LPGの価格がある程度、四十四円ぐらいから四十円に下がっている、しかし、これから先のコストがどうなるか、これは買い付け価格等も非常に影響がありましょうが、その需給関係を非常に気にしている向きがあるようです。したがって、もし今回のこの労使紛争によってLPGなりあるいは軽油、重油等でこういう輸送に停滞を来たすということになると、またまた油問題に火がつくというような危険性がないでもない、こういうように見ているんですが、そういうものを含めて緊急物資の輸送には事欠かさない、こういうような体制ができておるかどうか、これをひとつ最後にお尋ねして、きょうの質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) 明日の問題につきましては、国鉄等におきましても、私も国鉄総裁にもお願いすると同時に、数日前に組合の幹部にも会いましてお願いをして、それは私どももやりますよというようなことを、御心配のないようにやりますというような御返事もいただいていますけれども、実際にいまどうなっているかは国鉄のほうから御返事があると思います。自動車の輸送関係につきましては、さしあたり明日の問題につきましては、いまそれぞれの局を通じまして対策を立てておるところでございます。今後の成り行き等につきましてはさらにいろいろ対策を立てていかなければならぬと思いますけれども、いまのところそういうところでございます。
○説明員(伊江朝雄君) あらかじめ明日のことが予定されておりましたために、貯蔵のききます緊急物資につきましては、たとえば米でございますと食糧庁とお打ち合わせをいたしまして、大幅に先送りの態勢をとってございます。石油についても同様でございます。したがいまして貯蔵のきかない生鮮食料品あるいはなま野菜といったものにつきましては、これはなかなか貯蔵がききませんので、特に明日のストライキということになりますと、市場向けの列車というものが一番重要な要素を持ちますので、明日、東京、大阪あるいは名古屋、この三大消費地に到着いたします生鮮食料品につきましては、大体五十九本程度の輸送力、列車を確保いたすことにいたしております。ただ相手のあることでございますので、どういう事態が起こるかわかりませんが、目下のところは全力をあげまして五十九本の運行をいたしまして、明日の朝の市場のせりに間に合うということの見通しがだんだんついてまいりました。それから一日当日は、これはもう全面的にストップする可能性が非常に大でございますけれども、いま申し上げました生鮮食料品につきましては最大限十本程度は確保したいということでございます。 なお、この五十九本あるいは十本というものの位置づけでございますが、私どもは生鮮食料品、米、肥料——目下急ぎます春肥でございますが、肥料あるいは飼料あるいは石油、こういったものを実は緊急物資と称しまして列車を指定して運んでおりますが、これが全国で一日に百九十九本動いております。この約二百本の中の約六十本が今晩からあしたの朝にかけて三大消費地に到着する、それで一日の日はできるだけの努力をいたしまして、十本程度は急送品列車を確保いたしたい、かように考えております。先ほど申しましたように、要貯蔵の主要食料品は先送りの態勢をすでに済ましておりますので、心配ないのではないかというふうに私どもとしては考えております。
○森中守義君 もう一つ、在来のこの種の紛争の経過を見ますと、公安官の出動によって不要に刺激を与えたり、不当な紛争に発展をしたというそういう事例がたくさんありますから、公安官の指揮につきましては細心の注意を特に払われるようにお願いをしておきたいと思いますが、その辺のことは言うまでもないことでしょうが、何か別段のお考えありませんか。
○説明員(伊江朝雄君) 労働問題に介入するという立場から公安官を出しているわけじゃございませんで、大体、駅頭の乗客の整理ということに主として当たりますと同時に、また近ごろは私どもの職場に部外から入ってまいります場合もございますし、そういった意味の警戒も兼ねまして、秩序維持という立場からやっておりますので、先生の御指摘のような心配のないような措置がとられるものだ、かように存じております。
○委員長(宮崎正雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会