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72回国会衆議院1974/03/08

予算委員会第四分科会 第4号

発言数
406
登壇者
32
会派数
5
開催日
1974/03/08

会議録

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十九年度一般会計予算及び昭和四十九年度特別会計予算中、農林省所管を議題といたします。  まず、政府から説明を求めます。農林大臣倉石忠雄君。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 昭和四十九年度農林関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、予算の裏づけとなっております農林水産業施策の基本方針について申し上げます。  まず、農業につきましては、最近における農産物の国際需給の動向にかんがみ、国民食糧の安定的な供給確保を基本とした諸施策を積極的に展開することが必要であります。  このため、国内で生産が可能なものにつきましては、生産性を高めながらできるだけその生産振興をはかってまいる所存であります。特に、四十九年度からは、需要の増大にもかかわらず生産の停滞している麦、大豆、飼料作物について特段の生産奨励措置を講ずることといたしました。また、農用地開発公団を新設して、未利用、低利用の土地資源の広く存する地域において、畜産を基軸とする大規模な農業開発を推進することとしております。  さらに、今後需要の増大が見込まれる畜産物、野菜、果実等につきましても、生産、価格、流通加工にわたる各般の施策を拡充強化することといたしました。また、稲作につきましては、引き続き、飼料作物、大豆等他作物への転換を推進することとしておりますが、最近における一連の経済情勢等を考慮し、米の需給に十分な余裕を持たせるため、稲作転換の目標数量を昨年より大幅に減少することといたしました。  一方、飼料穀物、大豆、木材等、今後とも海外に依存せざるを得ない農林産物につきましては、これを安定的に確保するための施策を強化する必要があります。このため、必要な備蓄体制の整備をはかるとともに、新たに設立される国際協力事業団により、国際協力の視点に立った海外農林業開発を総合的に支援することといたしました。  また、生産基盤の整備、農業経営の規模拡大と農業生産のにない手の育成、農村環境の整備等、農業生産の維持増強をはかるための各種施策につきましても、その充実につとめた次第であります。  さらに、生産者の所得確保と消費者の生活安定をはかるため、食料品の価格の安定と消費者対策の充実につとめるとともに、中央、地方を通ずる卸売り市場の計画的な整備を行なうなど、流通の合理化、近代化を推進することとしております。  次に、森林、林業施策につきましては、近年における林地保全や森林の公益的機能に対する国民的要請の高まり、木材の安定的供給の必要性の増大等に対応して、林業生産基盤の整備、国土保全と森林の公益的機能の強化、林業構造の改善、林産物の流通加工対策等、各種施策の拡充強化をはかることといたしました。  水産業につきましては、公害による魚介類の汚染、国際規制の強化等漁業をめぐるきびしい諸情勢に対応して、沿岸漁業の振興、漁場環境保全対策の強化、漁業生産基盤の整備、海外漁場の確保対策等、各般の施策を推進することとしております。また、水産物の価格の安定をはかるため、その流通加工の合理化を進めるとともに、漁業災害補償制度等につきまして所要の改正を講ずることといたしました。  以上、申し述べました農林水産業に関する施策の推進をはかるため、昭和四十九年度農林関係予算の充実をはかることにつとめた次第であります。  まず、昭和四十九年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省所管の関係予算を含めて一兆八千二百八十九億円であり、前年度の当初予算額と比較しまして一一九・二%、二千九百四十四億円の増加となっております。  以下、この農林関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと思います。  よろしく御審議くださいますようにお願い申し上げます。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 この際、おはかりいたします。  ただいま倉石農林大臣から申し出がありました、農林省所管関係予算の重点事項の説明につきましては、省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

湊徹郎自由民主党

○湊主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔倉石国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、国民食糧の安定的確保に関する予算について申し上げます。  国民食糧の安定的確保に資するため、まず、国内生産体制の強化をはかることとしております。このため、麦、大豆及び飼料作物について、新たに、四十九年度から一定期間、長期的な生産目標に即してその生産振興をはかることとし、麦及び飼料作物の生産振興奨励補助金の交付を中心に総額百二十四億七千五百万円を計上しております。  次に、農業生産基盤の整備につきましては、総需要抑制の見地から、全体としては進度を調整いたしましたが、その中でも圃場及び農道の整備、畑地帯総合整備、農村総合整備等に重点を置いた事業を行なうこととしております。特に、農用地開発公団を新設し、広く未利用、低利用の土地資源の存する地域において、畜産を基軸とする大規模な農業開発を推進することとしており、これらを含めた農業生産基盤整備費として総額三千四百七十五億九千四百万円を計上いたしました。  次に、畜産の振興対策について申し上げます。  畜産の振興につきましては、まず、旺盛な畜産物の需要動向に対処して、前に申し述べましたように、新たに農用地開発公団による畜産基地の建設を積極的に推進するとともに、引き続き、公共事業による草地開発を推進し飼料基盤の整備をはかることとしております。  また、酪農及び肉用牛対策につきましては、大家畜資源の維持増大と飼養規模の拡大をはかるため、新たに、乳用牛の資源確保対策、牛の繁殖促進事業等を実施することとしており、豚鶏対策につきましても、養豚団地対策の拡充、養鶏団地の育成をはかる等、事業の充実につとめました。  さらに、畜産経営をめぐる環境問題に対処するため、新たに、環境保全集落群の育成、団体営の畜産経営環境整備事業等を実施するほか、家畜衛生対策につきましてもその充実をはかることにしました。  畜産物の価格対策につきましては、肉用牛等、価格安定事業の保証基準価格の引上げ、卵価安定のための全国液卵公社事業の強化をはかるとともに、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施いたします。  また、流通加工対策につきましては、新たに、生乳流通輸送体系の整備、食鳥流通近代化センター及び鶏卵加工合理化センターの設置等の事業を実施することとしております。  このほか、学校給食用牛乳供給事業を引き続き実施することとし、これらを含めた畜産振興対策の総額は六百六十九億五千八百万円となっております。  次に、畑作農業の振興について申し上げます。  野菜対策につきましては、まず、生産対策として野菜生産出荷近代化事業を拡充するとともに、新たに、施設野菜合理化推進モデル事業及び加工用トマトの緊急生産対策事業等を実施することといたしました。  価格対策につきましては、野菜生産出荷安定資金協会が行なう価格補てん事業につき対象品目の拡大等、事業内容の拡充をはかることにしました。  また都市近郊産地にかわる新産地の育成事業及び都市近郊の優良産地の整備を行なう特別事業、産地及び消費都市における低温貯蔵庫の設置等の事業を行なうことといたしました。  以上のほか、野菜の流通、加工対策等につきましても、所要の経費を計上することとし、これらを含めた野菜対策の総額は、百九十三億四千三百万円となっております。  果樹農業の振興対策につきましては、新たに、需要に応じたウンシュウミカンの生産を確保するための生産安定事業、大規模な産地に生産流通近代化施設の導入をはかる果樹生産流通基地整備事業等を実施することといたしました。  さらに、加工用原料果実の価格安定事業の拡充をはかるとともに、特に、果汁工場に関する予算を大幅に拡充することとし、これらを含めた果樹対策の総額は、六十二億一千二百万円となっております。  その他、養蚕、特産農作物等の生産振興につきましては、新たに、人工飼料による稚蚕飼育の実証事業、てん災輪作体系確立推進事業、沖繩におけるサトウキビ収穫機械導入事業等を実施することといたしました。  次に、稲作転換の推進について申し上げます。  稲作につきましては、さきに申し述べましたように、稲作転換の目標数量を昨年より大幅に減少して、百十八万トンとし、ほかに土地改良の通年施行による調整数量十七万トンを見込んでおります。  この稲作転換の円滑な推進をはかるため、稲作転換奨励補助金を引き続き交付することとし、関係経費総額一千二百七十九億三千五百万円を計上いたしました。なお、土地改良事業の通年施行に関しましても同補助金を交付することとしております。  次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。  最近の国際的な食糧需給の動向に対処して、トウモロコシ、マイロ、大豆、木材等、今後とも輸入に依存せざるを得ない農林産物を、安定的に確保するための施策を強化することとしました。  このため、新たに国際協力事業団を設立して、国際協力の視点に立った農林業開発を積極的に推進することとし、当該事業団関係の新規経費として総額五十億円を外務省に一括計上いたしました。  また、大豆、飼料穀物及び木材につきましては、海外からの供給の急激な減少など不測の事態に備えて一定量の備蓄を行なうこととし、これに要する経費として、総額九億八千六百万円を計上いたしました。  次に、農業構造の改善に関する予算について申し上げます。  まず、農地流動化の促進につきましては、四十九億九百万円を計上して、農地保有合理化法人の行なう事業の拡充及びその運営基盤の強化等をはかることといたしました。  また、今後のわが国農業の発展のためには、農業生産のにない手を育成することが肝要であります。このため、新たに、自立経営育成特別事業を実施するとともに、農村青少年対策の拡充、総合施設資金の貸付限度額の引き上げをはかる等、農業生産のにない手の育成のための施策を拡充強化することといたしました。  このほか、集団的生産組織の育成、農業団地育成対策を引き続き拡充実施するとともに、農業構造改善事業につきましては、総額三百三十八億六百万円を計上して事業の推進をはかることとしました。  また、農業と非農業との土地利用の計画的な調整を進め、農業生産に必要な農用地を確保することが肝要であります。このため、農業振興地域整備計画についての適切な管理及び農地保有合理化法人による農業開発用地の先行取得等を行なわせることにより、農用地の適切な確保と計画的な土地利用をはかることとしております。  農村対策としては、農村総合整備モデル事業の大幅な拡充をはかるほか、農村地域への工業導入、山村・過疎対策等につきましても所要の経費を計上いたしました。  なお、農業者年金制度については、給付水準の引き上げ等の改善措置を講ずることとし、八十六億六千五百万円を計上いたしました。  次に、食料品の価格の安定と消費者対策の充実について申し上げます。  国民の日々の生活に直結する食料品を安定的に供給し、消費者価格の安定をはかることは、農政の重大な使命であります。このため、さきに申し述べましたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するとともに、特に中央、地方を通ずる卸売り市場の計画的整備のため八十五億五千四百万円を計上いたしました。また、新流通経路の開発等、流通機構の整備については、引き続きこれを推進することとしております。  また、消費者保護対策及び食品産業等、農林関連企業対策につきましても、それぞれ所要の経費を計上して施策の拡充をはかりました。  次に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。  まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を三千八百二十億円に拡大し、総合施設資金の貸付限度額を引き上げる等、融資内容の拡充整備をはかり、同公庫に対する補給金として三百二十一億一千三百万円を計上いたしました。  また、農業近代化資金、農業改良資金及び漁業近代化資金につきましては、それぞれ必要な貸付ワクの確保をはかるとともに、中小漁業融資保証制度の改善等を行なうこととしております。  次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  まず、林業生産基盤の整備につきましては、林道事業として二百八十二億八千万円、造林事業として百七十五億九千八百万円をそれぞれ計上し、助成内容の改善をはかることといたしました。  治山事業につきましては、総額六百三億四千六百万円を計上し、このうち、百億五千万円を国有林野内治山事業に充てることとしました。  林業構造改善事業につきましては、七十億五千五百万円を計上して事業の推進をはかるとともに、新たに、林地開発許可制度などに必要な経費を計上して森林の公益的な機能の拡充をはかることとしております。  また、マツクイ虫対策事業の大幅な増額を行なうとともに、林産物の生産流通改善対策、林業労働力対策等につきましても、所要の経費を計上し、これら事業の拡充実施をはかることとしました。  次に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  まず、沿岸漁業の振興につきましては、沿岸漁場の総合的な整備をはかるため、新たに沿岸漁場整備計画の策定に着手し、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等の拡充をはかるため、総額七十億六百万円を計上いたしました。  また、漁場環境保全対策につきましては、二十六億八百万円を計上して、漁業公害の監視指導体制の整備、漁場の浄化、赤潮対策の強化等をはかることといたしております。  漁業生産基盤の整備につきましては、五百六十五億九千五百万円を計上して漁港及び漁港関連道の整備を進めることとしております。  また、海洋水産資源の開発を促進するための各種調査を拡充するとともに、海外漁業協力財団による海外漁場の確保対策につきましては、外務省の関係予算を含め三十六億二千六百万円を計上して事業の推進をはかることといたしました。  その他、漁業災害補償制度につき、赤潮特約の創設等、制度の改善をはかるほか、水産物の価格安定対策につきましては、新たに、大消費地における大規模冷蔵庫の設置等の事業を実施することとし、二十三億五千三百万円を計上いたしました。  以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として二百七十七億三千六百万円、農業改良普及事業及び生活改善普及事業として、百六十七億四千八百万円を計上するほか、林業及び水産業の改良普及事業につきましても所要の経費を計上いたしました。  また農業災害補償制度の実施につき六百二十五億八千三百万円、農林統計情報の充実整備に九十一億三千万円等を計上しております。  次に、昭和四十九年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運営をはかるため、所要の予算を計上しておりますが、一般会計からは、調整勘定へ五千百八十億円、国内米管理勘定へ六百六十九億円、農産物等安定勘定へ四億円、輸入飼料勘定へ五百九十八億円をそれぞれ繰り入れることといたしました。  また、農業共済再保険特別会計につきましては、一般会計から総額三百六十六億八千七百万円を繰り入れることとしたほか、自作農創設特別措置、特定土地改良工事、国有林野事業、森林保険、漁船再保険及漁業共済保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上いたしました。  最後に、昭和四十九年度の農林関係財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等が必要とするものとして、総額三千六十一億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。  これをもちまして、昭和四十九年度農林関係予算の概要の御説明を終わります。  よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————

湊徹郎自由民主党

○湊主査 以上をもちまして、農林省所管についての説明は終わりました。     —————————————

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 農林大臣、私は予算委員会の総括質問の際にも申し上げたのでありますが、その際に、私ども、まだはっきりした御答弁をいただくまでに至っておらなかったと思っておりまする畜産対策の問題について、まずお尋ねをしたいのであります。  二月の初めのころと現時点では、わが国畜産農家の置かれておる状況は、あれから一カ月余、ますます深刻の度を加えております。現状の段階で、畜産農業者がいま農林大臣のほうに、政府に対して求めておるたくさんの課題があるのでありますが、この課題を大筋に、農林大臣としては、どういう問題がいま大きな問題だというふうに受けとめていらっしゃるか、お聞かせを願いたいと思うのであります。どういう問題が、いま畜産生産農家が深刻に問題にしておる問題点なのか、その問題点を、農林大臣は、何と何がいま畜産農家は問題として求めてきておるというふうに受けとめていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 畜産、酪農を含めてでございますが、まず第一に、先般のいわゆる石油危機に端を発しまして、この業を進めてまいりますために、機材関係の高騰それから入手権というふうなことがございましたが、大体、機材の所要量につきましては間に合っているようでありますが、価格の高騰ということは、もう現実にあらわれていることであります。  もう一つは、畜産を継続いたしてまいりますために必要な飼料、これもやはり国際価格の上昇に伴いまして、経営が非常に苦しくなっておる。こういうことの訴えが非常に熱心にございます。  その他、経営上いろいろな希望のことを申し述べておられまして、私どもは、先般来、全中の会長をはじめ、畜産業家のいろいろな方にお目にかかりまして、大体の事情を把握しているつもりであります。いま、そういうことにどう対処するかということについて、私ども部内において鋭意検討中でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 農林大臣、私の認識とちょっと違うので、これは局長のほうから。  いま農林大臣はきわめて大まかに申されました。いま畜産農家が求めておりますのは、機資材等の問題については、値段が高いということだけであって、それが手に入るということについてはそんなに苦しんでおりません。問題は、何よりも深刻なのは、えさの値段が高いということであります。機資材は、一ぺん入れれば、施設や何かはしばらくもつのであります。えさのほうは、毎日毎日食べさせなければどうにもならぬのであります。いま、ちょっとえさの値が高いから、豚も牛もちょっと食わぬで待っておれというわけにいかぬのであります。毎日食べさせなければならない。このえさの値段がどうにもならぬということが一つ、これが最大であります。いま一つは、えさの値段が高いのに対して、そのえさを食べさせて販売する肉なり牛乳なり、そういうものが非常に値が安い、この三つの角度が、実は最大の深刻な悩みなのであります。  そこで局長、いま全農が要求しておる緊急課題は何項目あって、その中身の主要なものは何であるというふうに認識されておりますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 全農といいますか、生産者団体等が、現段階において、畜産政策に対しましていろいろ要求を出しております中で、主要なものといたしましては、来たるべき三月末に、例年きめております四十九年度の畜産物の行政価格、すなわち加工原料乳の保証価格と豚肉の安定価格等の決定に際しまして、最近の配合飼料の値上がりその他、コストの上昇を十分織り込んで大幅に値上げをしろ、こういう要求が第一でございます。  それから、二月に配合飼料の値上がりがあったわけでございますが、この四十九年度の畜産物価格の引き上げを行うまでの間、二月の値上がり以降、経営がかなり圧迫を受けておる、それに対します緊急措置といたしまして、価格の年度内の改定なり、あるいはえさの値上がり分に対する補てんなり、あるいは融資措置なり等を講ずべきであるというのが主要な要求事項でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 局長、御案内だと思いますが、緊急対策七項目、基本対策四項目をまとめて、いま強く要望されておるわけですね。生産農家は倉石農林大臣はしろうとの農林大臣じゃない、経験豊富な、政治力の強大な、たよれる大臣だという期待をみんな持っておると思うのです。ところが、何回大会を持ち、何回農林省に希望を出しましても、なかなからちがあかぬ。そのうち、毎日毎日経営のほうは行き詰まってくる。きわめて深刻なんであります。言うまでもなく、畜産業は一ぺん行き詰まって崩壊いたしますと、これを立て直すことはそう簡単にいかないのであります。したがって、いまのこの七つの緊急対策、四つの基本問題はそう簡単にはいかない、時間がかかると思うのでありますが、七項目の生産農家が希望しております緊急課題に対して、農林省は、当面、どういうスケジュールで、どういうふうにこの課題を解決されようとしておるのか、具体的にひとつお聞かせを願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまお話のございました当面の対策、それから基本問題、これもよく承っております。  そこで、御存じのように、三月末、法律によりまして乳価その他を決定する運びになっておるわけでありますが、私どもといたしましては、なるべく早く諸般の準備を整える必要があると思いまして、先般、畜産振興審議会の皆さま方に集まっていただいて、懇談会を、しかも非常に御熱心に、午前から夕方おそくまで御討議を願いまして、それによって大体の御意見を出していただいておりますが、やはり法に基づいて正規の審議会を開く必要もございますので、来たる十一日からそれを開催いたして、なお御意見を徴してやってまいるつもりでありますが、いま問題になっております飼料対策等、いろいろ御意見がもう出ておりますので、それらを勘案いたしまして対処いたしてまいりたい。もちろんその対処は、再生産の楽しみを持っていただけるようなことでなければなりませんので、それの緊急必要性は、政府も十分承知いたしておるのでありますから、そういうことのために対処するべく、いま鋭意いろいろな準備を進めておるところでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 いま大臣から総括的な御方針を申されましたけれども、局長のほうでは、いまのこの緊急七つの課題に対して、審議会、確かにけっこうです。しかし、問題は、農林省がどうも手のうちを明らかにしないで、さてどうするかという相談をやっても、これは私はなかなかいい答えは出てこないと思うのです。諮問する以上、やはり農林省の腹がまえというものを、この七つの課題に対して一つ一つ、一体どうするのかということの腹づもりはちゃんとしておいて協議をするというのでなければ、さてどうしましょうかなんということをぽんと出しましても、これはなかなからちがあかぬと思うのです。  そこで、局長のほうでは、この七つの課題の一つ一つに対して、どういう考え方を現時点で——これはいま始まった問題じゃなくて、昨年末来、畜産農家はもうそろそろみんな音をあげてきているわけであります。一体、どういうふうに、この七つの課題に対して、農林省としての考え方を現時点で固めていらっしゃるのか、お聞かせを願いたい。七つの課題はわかりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 事務当局が申し上げます前に、昨年のえさ対策につきましては、政府はたいへんな、最大の努力ともいうべき努力をいたしました。私自身も、政府側ではありませんけれども、それに初めから終わりまでタッチいたしておりまして、詳細に承知いたしておりますが、ああいうことをいたしましても、なおかつ昨年の暮れにはすでに値上げをしなければならないという要求が全農からも出ておりました。そういう事情を踏まえまして、先般行ないました審議会の懇談会におきましても、ただどういたすべきやというふうなことではありませんで、もちろん、われわれのほうといろいろな考え方について質疑応答をいたしながら、その結果、お答えが出たわけでありまして、これをひとつ早急に実施に移すための手続きをする、こういうことのために十一日から審議会を開くわけでありますので、私どもといたしましては、そういう方針でやっておりますから、そのことをあらかじめ御了承願いたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 農業協同組合関係からまとめて出ております畜産打開に関する要請、そのうちの緊急対策七項目でございますが、第一点の「飼料値上りによる生産者負担の軽減をはかるため、飼料の価格補てん、政府操作飼料の大量低廉売却などの措置を講ずること。」という点につきましては、現在食糧管理特別会計でやっております政府操作飼料につきまして、適正に末端の農家まで販売が行なわれるように、特に指導を強めております。なお飼料の価格補てんの問題につきましては、今回の値上がりが、一般的あるいは国際的な、あるいは長期的な要因に基づくという点から見まして、非常に困難な現状にあるというふうに思っております。  二番目の「牛肉・豚肉等の輸入の緊急抑止と、在庫の売却調整をはかること。」という点につきましては、これはすでに牛肉につきまして、下期の輸入品のうち約四万トンの輸入を見合わせて、たな上げをいたしておりますほか、上期の輸入分で、最近入りましたものの一万トンにつきましては、畜産振興事業団による調整保管の措置を行なっておりまして、これによりまして、輸入牛肉が市況を圧迫することのないように措置をとっております。  次に、「畜産物政策価格の算定方式・方法を抜本的に改めるとともに、」「年度内改定を実施すること。」という点につきましては、われわれといたしましては、現在加工原料乳の保証価格につきまして、算定方式等につきまして、種々検討すべきであるという課題をいただいておりますので、それを鋭意検討をしておる段階でございますので、四十九年度価格を決定する際に、算定方式の検討とあわせまして、先ほど申しましたように、飼料価格の値上がり、その他コストの動向を適正に反映させる価格決定を行なうということで対処したいというように考えております。  それから四番も同じようなお答えになるかと思いますが、「加工原料乳保証価格、乳製品安定指標価格・基準取引価格の大巾引上げと、還元乳奨励策の即時中止、市乳化促進措置を講ずること。」ということにつきまして、前段につきましては、ただいま申し上げたような趣旨で検討いたしております。「還元乳奨励策の即時中止」につきましては、いわゆる三・八牛乳の販売ということも、その後の飼料事情、あるいは来たるべき四十九年度の価格決定、その中に乳製品の安定指標価格の決定もあるわけでございますので、その点、最近の動向を検討いたしまして、現在見合わせることにいたしております。  次に、「豚肉安定価格の大巾引上げと肉用牛生産振興施策を拡充継続すること。」という第五項目につきましては、前段の「豚肉安定価格の大巾引上げ」につきましては、先ほど申し上げたようなことと同様でございますが、「肉用牛生産振興施策を拡充継続」は、現在御提案申し上げて審議をわずらわせております四十九年度予算において、種々振興対策関係の予算を計上いたしておりますので、それの成立を待って、従来以上に力を入れて実施してまいりたいというふうに考えております。  次に、卵価対策といたしまして「液卵公社鶏卵買上げ価格の大巾引上げと買上数量の拡大をはかること。」という点につきましては、これは液卵公社の考え方が基礎になると思いますけれども、われわれといたしましても、最近の配合飼料の値上がり、特に養鶏の場合は、配合飼料依存率がコストの中で圧倒的に大きいわけでございますので、現在、これまでの買い上げ価格では、やはり不十分であるということで、適正に是正をすべきものというふうに考えております。なお、公社の買い上げ数量の拡大をはかるために、来年度予算が成立いたしますれば、三億円の追加出資をしたいというように考えております。それによりまして、機能の拡大をはかるということで、春以降の季節的な卵価の低落時に備えて準備を進めておるところでございます。  次に、七番目の「緊急特別融資措置の実施と制度資金の返済期限の延長」につきましては、現在、前回と同じように低利融資をすべきかどうかという点について検討をいたしております。  さらに、返済期限の延長あるいは据え置き期間の延長等、いわゆる既貸し付け分の条件緩和につきましても、金融機関を指導してまいりたいというふうに考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 次の基本対策四項目の問題は、まず次の機会にさらにお尋ねをしたいと思いますが、いまの七項目の緊急対策の現状段階における御答弁、私、これでは納得することはできません。したがって、十一日から審議会が開かれるということでありますけれども、審議会の空気を見てなどということではなくて、やはり審議会に臨むにあたっての農林省の基本的な態度というものが、私はそれでは非常に不十分だと思います。特に「緊急特別融資措置の実施」あるいは「制度資金の返済期限の延長」、こういう問題特に延長の問題につきましては、目下検討中、これではちょっと手ぬるいように思います。  したがって、緊急七つの課題に対する農林省の態度は、ことしの予算が衆議院通過する以前、たぶん十二日でしょう。この段階までに、さらに農林省の態度を鮮明にして御発表願いたい、こう思います。したがって私は、この七つの課題に対する農林省の態度表明を待って、私は最後の締めくくり総括の際に若干時間をいただいておりますので、そのときまで質問を留保しておきたい、こう思います。このことを、湊主査のほうにおかれましてよろしくお取り計らいを願いたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 主査報告の中に特掲いたすことにいたします。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 それでは、農林大臣のほうにおかれまして、とにかくたいへんなんであります。ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、ことしの雪害、豪雪被害というのはたいへんなんであります。私ども調査をしてみますると、果樹、これが相当深刻な打撃を受けております。あるいはハウス栽培、この施設などに大きな被害を受けております。  確かに、いまの除雪やそういうものに関しましては、交通確保、こういった意味では一定の措置がとられております。しかし、とかく農林災害ということになりますと、特に農民一人一人の施設の被害でありますとか、果樹が全部やられてしまったとか、こういうようなものの被害はなかなか救済されないのであります。したがって私は、この豪雪被害、特に農林災害に関して、農林省は一体どういう御方針を持っておられるのか。私は今年のような被害の状況を見ますると、当然に激甚災指定、これをもってしなければ救済は困難である、こう判断をいたしております。目下、おそらく各県段階からの調査が集約されつつある段階だと思います。  したがって、これを踏まえて、ぜひひとつ農林災害についても激甚災指定という段階で救済されるように、この被害農家が、いま特に日本の農業生産という問題が石油の混乱の次にもっと大きい問題として提起をされてきているときであります。したがって、このときに、今年の豪雪災害によって、農業者、農業出産というものが大きな打撃を受けておるということは非常に深刻な問題であります。ぜひひとつこれは激甚災指定をもって、農業生産がこの豪雪によって腰を折られることのないような手だてをしていただきたい、こう考えるわけでありますが、御方針をお聞かせ願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 今回の豪雪によります農産物の被害は、果樹などの樹体被害が一番中心でございますが、これにつきましては、実際のところは、雪解けを待ちませんとほんとうのことはわからないかもしれませんけれども、そこでただいま地方の農林省統計情報部が中間的に被害調査をいたしておりますし、また、お話しのように地方自治体からもいろいろな報告を受けております。  そこで、いまお話しの天災融資法、それに関連する激甚災害法適用というふうなことにつきましては、その結果を待たないとよくわかりませんが、私どもといたしましては、ことしはまれにみる豪雪でございますので、そういうことに十分な理解をもちまして対処いたしたいと思って、ただいま情報を収集中でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 ぜひひとつ農林省におかれましては、いまのこの災害の状況について、何せ雪害というのは、雪が消えてしまうと、ある意味でいうと、被害の状況の把握というのは非常にむずかしい面も出てくるのであります。特に果樹などにおきましては、いま私などの調査によりますると、雪で全部埋もったわけであります。徐々に解けてくる。そうするとネズミが非常に横行いたしまして、これが果樹の芽や何かを全部食いつぶしてしまう、こういう状況が起こってきております。したがって、どの程度やられたのかは、秋になって実がなってみないとはっきりせぬなどと言っておったのでは、これはどうにもならぬわけであります。したがって、ぜひひとつこの調査を厳格に指導していただいて、いま農林大臣が御方針をお述べになられましたように、天災融資法、激甚災害の指定というこの措置を発動しなければ、いまの農業生産が、この雪害によって大きな打撃を受けて腰を折られつつある状況に対応した適切な手だてを講ずることはできないと私は考えるわけでありまして、ぜひひとつ、前向きに調査の段階から指導して進めていただきたいということを希望いたしたいと思います。  時間の関係で次の問題に移らせていただきますが、三日前の一般質問のときにもお尋ねをいたしたのでありますけれども、霞ケ浦高浜入干拓の問題であります。  これは農林大臣、あのときにも申し上げましたが、私、何と考えても、すらっと整理されない気持ちであります。あの一千二百ヘクタールに近い酪農地帯、あるいは蔬菜生産の場をつくるというこの干拓事業。ところが、蔬菜の問題を、何も私は霞ケ浦を埋めて、そこに場をつくるなどという諸般の情勢ではないんじゃないかと思います。しばしば伝えられますように、ホウレンソウを畑のまんまで全部つぶしてしまうとか、あるいはキャベツをどうしたとかということがしょっちゅう新聞紙面をにぎわせておる状況であります。蔬菜の需給関係というのは、私はもっと流通対策をしっかりと確立するならば、霞ケ浦を干拓して、ここで蔬菜をつくらなければ、首都圏における蔬菜の供給というものが円滑にいかぬなんという条件にはないと考えます。あるいは、酪農の問題等にいたしましても、これほど交通の状況なども整備されつつある段階では、霞ヶ浦を干拓するなどということ以外に、私は、やはりもっともっと畜産対策、基本的な畜産対策を強化することによって、霞ケ浦などを埋めて、いま、そうでなくとも鹿島開発に伴って、霞ケ浦の水の問題、北浦の水の問題、これが非常に深刻な状況になってきております。このときに、どう考えましても、この霞ケ浦を干拓するというこの発想は、少しわが国全体の構造的現状を判断した場合に、私はどうも納得のできない農林省の神経というふうに思われてならないのであります。  そのことは、しかし、いろいろ議論しても、農林省もとにかく相当補償金も突っ込み、あそこに建設事務所なども置き、あるいはいろんな段取りを進めてきておって、おそらく農林大臣も、言われれば、確かにそんなような気もするけれども、どうもいまさらそういうことになっても、これはまあ長い経過のあることでありまして、というお気持ちだろうと思います。それも私、わからぬわけはない。何も倉石農林大臣が発想して、倉石農林大臣が御自分の信念に基づいて進めたとは思いません。長い長い経過のある問題ですから、私に言われれば、確かにそういうことも考えられぬわけじゃないが、いまごろそう言われてもどうも、という気持ちだろうと思います。そういうことも私もわからぬわけはありません。  しかし、基本的にいうと、国民の合意という観点からいえば、今日の時点であの地域の水資源の問題、あるいは環境保全の問題、そういう観点からいって、あるいは、いままでずっととってきた減反政策の問題、こういう問題等々総合して考えました場合に、いま霞ケ浦を埋めていくというこの考え方は、国民の合意は得られておらないと思う。私はそう確信しております。いまこのことには答弁を求めません。  そこで、私はお伺いしたいのでありますけれども、利根川水系の水という問題、この中にやはり霞ケ浦あるいは北浦の水も、利根川水系、首都圏全体の水資源の重要な一環なんであります。この水資源あるいは水利権というものを、霞ケ浦干拓との関連において、農林省は一体どういうふうに判断をなされておったのかということをお聞かせ願いたいのであります。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生の言われます御意見は、霞ケ浦というものを、いわば調整池として利用するかっこうの利根川水系全体におきます総合利水計画、これの中で高浜入がどういう位置づけにされているか、こういう御質問であろうというふうに思うわけでございますが、利根川の水系全体におきます水資源開発基本計画におきまして、霞ケ浦におきまして、都市用水あるいは特定かんがい用水等におきまして約四十トンの水を取水する、こういうふうな計画に相なっているわけでございます。そして、その四十トンの中におきまして、特定かんがい用水といたしまして約十七トン近い水を予定し、その中において、この高浜入に対しましても、約二トンの水というものを予定いたしまして現在の利根川水系計画ができておる、こういうかっこうでございます。その調整池として利用する際に、高浜入干拓ということによって水がめが減るではないか、こういうこともあろうかと思いますけれども、利根川利水計画の中におきましては、この高浜入干拓というものを前提といたしまして、これによって面積のつぶれることも意識した中で水計算がなされている、こういうことでございます。  端的に申し上げますならば、高浜入干拓で約千二百、千三百ヘクタールぐらいのものがつぶれましても、水面全体から見ますと約七%ということで、そのこと自身が、調整池としての機能に非常に支障を来たすというようなことではなく、むしろ調整池のかさ上げというかっこうにおきまして、従前の霞ケ浦の水面利用というかっこうにおいては、より有効に利用されるというような計算になっておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 私は、この問題もあらためてまた別の機会に本質的な掘り下げをしてみたい。たとえば、私がこの問題を調査いたしましたのは、鹿島の工業開発。鹿島開発というのは、水を非常にむだに使っておる開発計画であります。それがいま、北浦から取水をする工業用水計画を遂行しつつあるわけでございますけれども、全体からいうと、非常に水を大量にむだづかいをする計画になっておるという調査を、私どもいま持っておるのであります。しかも、一方においては霞ケ浦を埋めていく。利根川水系全体、首都圏全体の水資源というものに対する認識のしかた、これはいまあなたがおっしゃるのと、私どもが総体を展望しておるのとでは、相当基本的な考え方の差があります。その問題点は、きょうは時間がございませんからこれ以上は申し上げませんけれども、別の機会にさらに解明してみたい、こう思っております。  そこで、高浜入というのは、霞ケ浦の漁業者全体から見ますると、高浜入というあの地域は、いわば産卵の最も適地なんであります。したがって漁業者から見ますると、この高浜入を干拓されてしまうということは、産卵適地を失うということにもなっているのであります。おそらく、いま農林省のお考えとしては、霞ケ浦の漁業なんというものは、問題にせぬでもよろしいという認識なのかもしれません。しかし、私はそうは考えないのであります。したがって私は、この計画が全体として非常にラフな、非常に荒っぽい計画であるというふうに指摘しないわけにはいきません。  そこで、いま私どももあそこの現地の状況を非常に頭を痛めております。私がいま現地の調査の段階で最も注目をし、関心を集中しておる問題は、この間、農林大臣は、二百七十名余の組合員のうち、三十余名が反対で、あとの全部は賛成でした、こう言っておったのであります。だから三分の二をこえる圧倒的大多数が賛成ですからという意味の御意向でした。ところが、私がいま最も関心を集中しておる問題は、補償金を受け取った賛否の賛の皆さんの相当大部分の皆さんが、この事業に問題ありとして非常な胎動が始まっておるのであります。この皆さんと私は、いろいろな調査の段階でかかわりを持っております。したがって、この事業の前途に対して、私は非常な不安を感じておるのであります。  そこで局長にお伺いいたしたいのですけれども、漁業権というもの、二百七十五名、こうおっしゃるのですけれども、この中で、いまは現実に船もなし網もなし、鑑札を持っておるだけという組合員も相当いるのでございます。この船なし網なし、漁業にほとんど従事しておらない鑑札だけ持っている組合員、これもあそこの漁業で、いわば船もあり網も持ち、いろいろな施設もつくり、こういうものも一緒くたに三分の二以上の議決があればよろしいということにしていいのだろうかどうかという疑問を、非常に現地の皆さん持っておるのであります。この辺は、局長、どうお考えになっていらっしゃいますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 私のほうがお答えしたほうがいいのか、水産庁のほうでお答えしたのがいいか、ちょっとわかりませんが、とりあえず私からお答えいたしますと、あそこの今度の漁業権に関連する漁民の数は、玉造漁協だけでいいますと、先ごろ申し上げたように、全体としては千七百二名、その中で約三十名が反対しておるわけであります。こういうことでございますが、その中の玉造漁協のいわば組合の決議、これが有効かどうかという問題に、結局は帰結するわけでありますが、この点につきましては、われわれのほうの見解といたしましては、とにもかくにも、水協法五十条に基づきます特別決議が行なわれております。そしてまた、原簿の消滅登記もなされている、こういう事態のもとでわれわれの考え方をまとめているわけでございます。  ただ、いまも言われました組合員の資格要件の問題に集中するわけでございますが、この点につきましては、現在水戸地裁に無効確認の訴えが提訴されておる、こういうふうな状態でございますので、その組合員の資格というものが、要するに九十日をこえて従事するという者が、いわば総会開会日を基準にして、過去一年以内に九十日をこえて操業していた者に限るのか、あるいは一年越内ということでなくて、要するに九十日以内の従事であっても、それだけで資格要件がなくなるのかどうかという点については、いま申し上げましたような訴訟が行なわれているという段階でございますので、この点についての意見は、法廷上のこともございますので、差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 この前も指摘をいたしましたが、これは茨城県当局でも非常に弱っております。あそこの農地部長は、かつて私の郷里の県の農政課長もしていらっしゃいました。非常に個人的にはじっこんであります。いまもあそこの農地部長として茨城県に職を奉じて、彼はいま非常に苦悩いたしておるのであります。  そこで問題は、霞ケ浦干拓事業というのは、農林省がやる事業なんであります。それだけに、現地の状況というものを法規、法令、基準に合わして、一点非の打ちどころのないやり方をしなければ、たとえば県の事業であるとか、あるいは民間の事業というなら、国はこれに対して大所高所からの法規、法令、基準に従った指導、調整、こういうものを行なう立場にあるのだと思うのですけれども、霞ケ浦の高浜入干拓事業というのは、農林省が直で行なっておる事業であります。それだけに、いまの漁業権の問題にしましても、私は最も正確を期さなければならぬものだと思うのです。  たとえば、あの漁業補償、霞ケ浦漁連に対してまとめて、もろに渡しておるわけですね。その先どうなったかという確認は、農林省はしておらぬのであります。この事業を行なわんとするほうは、農林省でしょう。したがって、いま漁業権を失わねばならぬ皆さんに対する補償は、霞ケ浦漁連という、法律的にいうとどういうことになるのか知りませんが、一人一人の生活をかけておる組合員から見ると、その上に単協があり、その上に漁連があり、いわば屋上屋を重ねた中間団体のところに農林省は補償金を支払っておる。その先、この補償金がどういう状況になっておるかという確認を、農林省はしておらぬのですよ。やはり農林省がいま事業を行なうのです。いま、生計の基本的な権利であります漁業権を失なうこの皆さんに、やはり事業を行なわんとする農林省の補償というものが、ちゃんと行き渡っていなければいけないと思う。これもぜひ御調査を願いたいということを、この間農林大臣にお願いいたしましたが、霞ケ浦漁連が現地の賛否の賛の側で、どうも、この事業に問題ありという皆さんから私に来ておる調査報告によりますと、霞ケ浦漁連が大体一〇%程度の補償金のピンはねをしておる。それから、その次の段階の単協段階でさらに一〇%前後のピンはねをしておる。したがって、いま経理の公開をしなさいという監査請求が、すでに補償金を受け取っておる賛の側の相当の皆さんから組合に対して公開質問状が発せられ、これに対して、経理の公開がやれなかったために、今度は茨城県当局に対して監査請求が行なわれておる、こういう状況になってきておるわけであります。確かにそういうわけです。補償金は、漁業権を現実に失うであろう、生計の場をここで失うであろう組合員が納得できるような状況において行き渡らさなければいけないのである。これが漁連に渡った。農林省としては、漁連に渡しましたと、こう言っているのである。その漁連の下に単協がある。その単協の下に、ほんとうに漁業をやっている組合員がいるのである。そしていま、単協段階では補償金百万円もらいました、ところが、最近になって実は領収証を、百万円の補償金があなたにいっているのだが、ひとつ三百万円の領収証にしてくれなんということで、幹部間で大騒ぎになっておるという情報が私に入ってきております。  私は、農林省もあそこまで突っ込んでいって、いまさらどうするかということになると、これはたいへんな問題だと思うのです。したがって、現地で起こっている情勢は、建設事務所という農林省の現地部隊は、あそこで激しく争って、普通の建物の中におれぬで、金網を張った中に事務所を建ててがんばっておるのでありますから、その中におる農林省の出先の現地指揮官が、冷静な、客観的な、公平な報告を農林にやれといったってできるはずはない。事業主体は農林省本体が行なうのでありますから、ひとつ、構造改善局の本部のほうにおいて、いまあそこの現場において何が起こっておるのかということを——いま、賛の側から公開質問状が発せられた、従来の系列からいえば、賛否の賛の側から起こっている問題です。この公開質問状がなぜ起こっているのか、そして、経理の公開が行なわれなかったというので、今度は監査請求が行なわれておる、こういう状況等を、ひとつ農林省構造改善局局長の責任において——現地の、出先の金網の中でいま仕事をしておるあなたのほうの第一線部隊に、状況を全部、包まずに報告せよといったって、これはどうにもならぬのです、金網の中ですから。そこで、構造改善局が、じかにひとつ、局長の責任において、いま現地に何が起こっておるかという調査をして御報告を願いたい。これは、締めくくり総括までに間に合いそうにありません。したがって、これはなるべく早い機会に、少なくとも私の判断では、二十日ごろまでの間に、ぜひひとつ、現地において何が起こっておるのかという調査を正確にやってもらいたい。よろしゅうございますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 ただいまの御意見、いろいろの問題が入っているわけでございますけれども、確かに、干拓は国営干拓の場合、国が国の責任において実施する事業でございます。したがって、非申請事業ということになるわけでございますけれども、実際問題といたしましては、非申請事業といえども、地元なりあるいは関係市町村、県、こういうところからの強い希望というものを背景としなければできないわけでございます。したがって、計画設定にしろ何にしろ、関係行政機関との間には密接な連絡のもとに進めてまいらなければならないわけでございます。  そこで、ただいまお話のございました漁業補償でございますけれども、これは、要するに、組合あるいは組合員の委任状を受けた、いわば代理人という資格におきまして、県連との間におきまして補償協定ができているわけでございます。その際に、一切の責任を県漁連及び霞ケ浦漁連において負う、こういうことになっておるわけでございます。その配分の問題というのは、組合の内部の問題ということに本質的になるわけでございます。  ただ、実際問題といたしまして、農林省といたしましては、配分委員会をつくって、その配分基準をつくって、それで配分額をきめるように、こういうような指導をしてきたわけでございます。そういう指導に対しまして、県の報告によりますれば、おおむねその線で行なわれているというふうに聞いているような次第でございます。  そこで、最近公開とか、あるいは県に対して監査請求とか、こういうふうな事態が出ておりました。県のほうからいたしまして、そういう事態に対処いたしまして、組合運営の指導という面から調査をするというふうに聞いているわけでございます。その結果を待って実態の把握につとめたいというふうに考えるわけでございます。  なお、先般来、七つの罪というような弾劾状を持って、一部の反対派の連中が農林省に押しかけてきたりして、調査という名のもとで、実際はいろいろと長時間にわたる交渉が行なわれたりしているようなわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう事態というものは好ましくないということはわれわれとしてよくわかっております。  先ほど先生の言われました漁業補償の配分の問題につきましては、先ほど申し上げましたような県の調査を待ちたいというふうに考えるわけでございます。そしてまた、先般次長が現地のほうにも行くというようなことも、一応は約束しているというような状態でございます。われわれといたしましては、直接出向くか、あるいは当面の前線基地であります関東農政局、こういった各機関を動員いたしまして、あらゆる機会にあらゆる事態に対応しての情勢把握ということについて、また、現地の声ということについても、謙虚に聞いてまいりたいというふうに考えているような次第でございます。  いま先生が、二十日までに調査せよ、こういうお話でございますけれども、この点につきましては、いろいろと現地の情勢というものが非常に険悪化しているというようなこともあり、おとといもまたブロックがだいぶ破られたというような情勢下にもございますので、いろいろとそういうふうな事態の推移も見ながら、必要があれば本省からも出向く、それは隠密裏に行かなければならないような事態もあるかと思いますけれども、いずれにしても、あらゆる機関を動員いたしまして、あらゆる時期に、あらゆる情報を正確にキャッチするという姿勢で今後とも対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 漁業権を消滅させるわけです。そうしなければ事業はできないのです。その場合には、総会の前に、関係漁民の書面による三分の二以上の同意がなければならないという判例が出ておりますね。したがって、総会決議はそういう判例とは異なる方法、しかも、さっき私が言いましたように、非常にあいまいなんです。  いま私に入っておる情報によりますと、これを推進しようという指導者の皆さんが、事業は実際はできないのだ、皆さんどうせ漁業をやっておらぬわけだから、補償金をもらうのが先じゃありませんか、と言って署名を集められた。総会において同意をすることを勧誘された。話が違うといって、また大騒ぎが起こっておるのです。そこで、これはその指導をやった町長がたいへんいま頭を痛めて、これもまた苦悩しておる状況のようであります。  したがって私は、事業を行なうのは農林省ですから、やはり構造改善局の局長の責任において、現地の現状というものを正確に把握をして、どうするのかというふうにすべきものだと思うのです。  そこで、漁業権の消滅には、総会の以前に、関係漁民の書面による三分の二の同意が必要、こういう高裁判決が出て、その以降はどうなっていますか。争っていますか、大分県臼杵。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 大分県のいわゆる臼杵裁判のことでございますが……

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 結論だけでいいです、時間がないから。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 臼杵裁判そのものは、それで終わっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 そうすると、この判例もあるわけであります。あそこの場合は、書面による総会以前に三分の二の同意なんというものは得ておらぬのである。非常にずさんなかっこうで、網なし、船なし、実際漁業をやっておらぬ人まで全部総会にかり集めて、三分の一こえました、こういうやり方であります。これもぜひひとつ調査をしてもらいたい。いまあそこの干拓地外の、地区外の漁業権者を含めて、六千人余の皆さんが干拓反対という署名をまとめたようであります。井上茨城県農地部長は、弱った、しかし賛成者はまだ七千人ぐらいだ、したがってまだ賛成者のほうが多い、こう言ったところ、この六千名は賛のほうですよ、従来の賛というのは賛のほうが入っておるのです、この六千名という中には。そこで井上部長に対して、六千人の反対署名というのなら、まだ反対七千人ぐらいいるつもりだ、こう言ったところ、それじゃ七千人以上反対署名がまとまったらどうするのかといわれて弱っちゃっておる、こういう事情等も起こっておるのです。しかも、あそこの農林省の建設事務所の建設の問題については、農地法違反の状況等もある。いろいろな問題があるのです。  したがって、これは局長、私もしろうとじゃありませんから、おざなりじゃなくて、現地に起こっておる状況は、少なくとも局長の責任で、あらゆる手段、方法で正確な把握をして、これを大臣に報告され、事態をどういうふうに解決するのか、この方針をひとつ二十日までに鮮明にしてもらいたい、このように思いますが、どうでしょう。一言でいいです。できる、できない、これだけでいいです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 われわれといたしましては、極力現地の情勢というものは正確につかみたいと思います。ただ二十日という日にちにつきましては、まあできるだけ早くというふうに御理解いただきたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 大臣、この問題はぜひひとつ——私はただものごとをぶちこわせばいいなんて、そんな量見を持っておりません。事態は非常に深刻であります。ぜひひとつ大臣におかれて、この事業を取り巻く、起こっておる状況に対して、正確な御方針を出されるように希望いたしたいと思います。  時間がありませんので、次の問題。これもこの前の一般質問の際に申し上げたのでありますが、千葉県大網白里町地域において起こっておる地崎宇三郎氏の地崎工業が、優良農地の買い占めを行なった、このことを私、この間農林大臣にお尋ねをいたしました。そうしたら、その翌日、私のところにあるところから電話がかかってきて、あなたは一体なぜ地崎工業だけを指摘するのか、こういって、ちょっとすごみのある電話が入ってまいりました。  大臣、私はここで問題に思うのは、あの地域はたいへんいろいろな問題があるのです。たとえば大きなニュータウンのような開発をやる場合に、水の問題がめどが立たぬのですよ。そこで千葉県当局はもちろんのこと、大網白里町当局としても、無制限な開発をやられたのでは、水問題もかかわってくるし、それはいけませんという判断をして、しかも、昭和四十五年までかかって、農林省が相当の投資を行なって優良農地として整備をした地域、ここをどんどん買い占めておる。そこで、あそこの町当局者が、この優良農地をどんどん宅造その他の予定地として土地買いをやられましても、開発許可をするわけにいかぬ場所ですよと注意をした。そういたしましたら、土地買いに来ている皆さんは、地崎工業の背後には北海道拓銀がついておって、八十億という資金を持っておって、これでいまやっておるので、いますぐ許可が出なくとも、いずれあそこはそうなるのだからだいじょうぶなんですということで、どんどん買い伸びをしていっておる。いまやここは優良農地で、地崎工業で買った分が三十万坪をこえておるという報告であります。ところが、水の問題とのかかわりもあり、直ちに開発可能のめどの立たぬところをどんどん買っていく、しかも買って、代金は支払われて、仮登記を全部とられておるそうであります。こういう状況について、農林省が、どうも私のほうは、登記の関係は法務省だからまだはっきりわかりませんというようなことではなくて、優良農地をこういうぐあいにどんどん——確かにあの地域はまだ線引きは行なわれておりません。どんどんそういう形で買い伸びをしていくということについては、農林省が正確な指導を行なうべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生の御指摘のあの場所でございますが、われわれのほうでも、先生の御指摘を受けまして調査しましたところ、四十八年の三月に市街化区域の線引きをすベき地域というかっこうで、建設省のほうから指定がなされております。したがいまして、今年の十月ごろになりますと——私のほうの農振地域にはなっておりますが、農用地区域の指定がない、農用地区域といいますか、農用地計画がまだできていないという段階にありますし、一方、市街化区域の線引きの問題が出てまいりますので、その段階におきまして、建設省、農林省の間で協議いたしまして、両方の間の線引きの問題の調整をいたしたい、こういうふうに考えるわけでございます。  もう一つ、仮登記の問題がございましたけれども、仮登記そのものは、いわば法定条件づきの契約、つまり許可があった場合は、という条件つきで、いわば債権を保全するような登記でございますので、それ自身は、農地法の上では何ともいたしかねる。ただ仮登記がなされているという事実だけをもって、われわれは農地法の許可の当然適用にするというような考え方はさらさらございません。仮登記があろうとなかろうと、農地法に基づきまして、われわれのほうは、許可もしくは転用の許可申請が出てまいりましたら対処してまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 時間が参りましたので、これを詰めることができません。別の機会にいたしますが、少なくとも大蔵省は土地買いに対する金融の引き締め、こういう通達を出しておられる。そのやさきに、いま申し上げましたようなかっこうで、都市銀行が資金バックになって買っておるとすれば、これは私はたいへんな問題だと思うのです。しかも、あそこは水問題があるのです。大きなニュータウンなり開発は困難だということで、町当局も県の当局も、この問題で非常に頭を痛めております。何せ、一方は大きな政治力をバックにしておりますから、いろいろなかっこうで圧力がかかってくるというので、私のほうに来ております報告では、町当局も県当局も苦悩しておる、こういう状況なんです。私は、少なくとも優良農地をそんなかっこうで買い占めをやっていくということについては、農林省の的確な指導あるべし、こう思うのでありますが、時間がございませんので、他の機会にさらに解明したい、こう考えます。  以上で終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて阿部昭吾君の質疑は終了いたしました。次は石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 私はきょう、市場の問題、特に水産物の問題について質問したいと思います。  それは、昨日私も、住んでおります横浜の中央卸売市場の南部市場を視察してまいりました。  魚が高くてなかなか一般庶民の口に入らない。昔に比べますと、私は漁場で、宮城県の石巻で育ちましたから知っておりますけれども、その当時に比べても、なまものが非常に少なくなっている。冷凍魚が私たちの口に入るほとんど大部分になっている。しかも、私どもで言えばネコまたぎといわれたようなそういうサンマなんというのは、とてももったいなくて、なかなか食べる機会も少ない、こういう状況になっておりまして、どうしてこのような高い魚になるかということについて、私は、この流通過程の問題、特に市場の問題にやはりメスを加えていかなければならぬ、こういうふうに考えるわけであります。  そうした問題に入る前に、私は、二、三、事実についての御確認をお願いしたいと思いますので、それについて、イエスかノーということで、きちんと簡潔に答えていただきたい、こういうふうに思います。  全国最大の水産物、魚類の中央卸売市場でございます築地市場のいわゆる出荷団体、出荷の会社の上位三社について、農林省に資料要求をお願いしました。ここにありますABCDEというのが上位五社になっておりますけれども、これに間違いありませんか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 間違いございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 このABCDEというのは、私の調査によりますと、Aというのが大洋漁業、Bが八水株式会社、Cが日魯漁業、Dが日本水産、Eが丸共星、つまり三崎におけるマグロの大きな会社でございますけれども、この五つであると思いますが、それには間違いありませんか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 間違いございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 次に、この築地市場では、五つの荷受け会社が指定されております。そのうち、たとえば大都魚類は大洋漁業、中央魚類は日本水産、東都水産は日魯漁業とお互いに株を持ち合って、これらの出荷の大手の水産会社が荷受け会社の大株主になっている。たとえば大洋漁業は大都魚類の株約百六十万株、それから日本水産は中央魚類の株七十八万株を持って、これは最大の株主でありますし、日魯漁業は東都水産の三十九万株を持って大株主であります。これに間違いございませんか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 間違いございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 それから、市場にはそういうふうに荷受け会社があって、それについて、せりその他の売買に参加する売買参加者という参加人がございます。これの名簿を資料要求によって得まして、その中を調べてみました。つまり、築地市場の水産部の売買参加者の中には、日本水産、大洋漁業あるいは日本冷蔵、そうした大手の水産会社、あるいはそうしたものが入っておりますけれども、これに間違いございませんか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 御指摘のように、築地市場におきましては、大洋、日水、極洋、日本冷蔵といったような会社がそれぞれ株を持っておることは、間違いございません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 築地では、特に水産の中で冷凍魚が一番多くなっておりますけれども、そうした冷凍魚などを貯蔵する冷蔵庫の問題ですが、これは私の調べでは、運輸省にもいろいろお伺いして、営業用冷蔵施設の大手の五社は、日本冷蔵、大洋漁業、日魯漁業、日本水産などだそうであります。それでありますから、非常に貯蔵においてもこれらの大手水産会社が大きな力を持っているわけであります。特に私は、そうした出荷、それからそれを荷受けする、それに売買参加権を持つ、そうしてそれを貯蔵する膨大な施設を持っている、この大手水産会社、大資本が、この流通過程の中で、やはり価格の決定においても決定的といわれるほどの大きな役割りを持っている。この問題は、私は、流通過程の中でメスを加える場合に、最も重大な問題だと思っております。  そこで私、お尋ねしたいのは、特にこれらの大手の出荷会社、こうしたものが買参人という、売買参加権に加わっているということは、この流通過程、いわゆる生鮮度の高いものをできるだけ流通を円滑にし、われわれのたん白源である魚を消費者に届ける、こういう本来の市場法の目的から申しましても、私は好ましくない、こういうふうに思いますけれども、この点について、一体どういうふうに考えておられるか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 ただいま御指摘のように、もしこの大手の水産会社が、不当に市場の価格形成機能を圧迫するような形で、株主支配を通じて悪い影響を与えておるという事実があれば、これは直さなければならないことは当然でございます。  ただ、ただいま御指摘ございました株の支配力は、大洋にいたしましても、大都魚類に対して〇・六%程度でございますし、また、中央魚類につきましても〇・七%、あるいは東都水産にいたしましても〇・八%、いずれも株による会社の支配という形の実態には、まだかなり差があるのではないかというふうに考えております。  また、大手水産会社が築地の中央卸売市場へ出しております出荷単位としては、大口の出荷者であることも、これは事実でございますが、その取り扱い高は、全体の割合から見て、僅々一〇%内外のものでございます。したがいまして、単に比率だけで問題にするということについては、なお分析的には問題の点もあろうかと思いますけれども、いまの段階におきましては、なお圧倒的にこれらが支配をしているんだというふうな状況ではないというふうに考えております。  なお、現在の卸売市場法は、必ずしも出荷者が売買参加者として認められてはならないんだというたてまえをとっておらないことは、御承知のとおりでございます。いま現実には、むしろ何%とか、だれがどうしたとかいうことよりも、そういう危険性が、価格形成機能の中に現にあるかどうかという認識の問題だと思いますので、私どもとしては、もし御指摘のような実態というものが、将来大きく出てくるということになれば、これは当然、公正な価格形成機能を守るための必要な調査をいたしまして、十分指導していかなければならぬというふうに考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 実際起きているから私は問題にしているのです。あなたは、いま株の比率について言いましたけれども、あなたたちの資料提供によっても、これらの会社が、それぞれの、先ほどの系列会社に対しては、最大の取り扱い量を持っているのですよ。  そういうことについて、私、時間がないから一々論駁はしませんけれども、それでは、いま市場外で取引を許されている場外の保管場所がございます。これは、築地の荷受け五社が持っているのは、東京都内で三百四十四カ所あるはずですけれども、これはどうですか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 私のほうの調査によりますと、大差はございませんけれども、三百五十一カ所というふうに掌握しております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 それは横浜が入っておるから、京浜が入っておるからね。七カ所入っているわけです。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 七を引いておっしゃったわけですか。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 ええ。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 それではそのとおりでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 この場外の保管場所というのは、市場にそこから荷を出す権利を持っておるところでしょう、保管場所ですね。それで指定されておる。  ここで一体どういうことが行なわれているか、あなたたちはどういう実態をつかんでおるか。私、これを監督している東京都に聞いたんです。そうしたら、そこでどういう取引が行なわれておるかというところまではわかりません。とてもとても人員も足りないし、三百四十四カ所。それで監督するということは、そういうことを指定するということはやっております、しかし、その後、そこでどういうことが行なわれるかについて調べておりませんというお話でございました。あなたたちはつかまえておられるかどうか知りませんけれども、たとえば私の持っている、これはあるとしておきましょう。保管場所に指定されているところでモンゴイカが一月に入っております。それが全部出たのが十二月です。約一年間ですよ。途中で出始めたのが半年ぐらいたっています。その中で、物は動かないけれども、名義だけが六回変更になっておるのですよ。物は動かないのです。しかし、名義だけが変わっている。東都水産も入っておるのですよ、荷受け会社も。そうしたことが、東都水産が入って、また東都水産に回って、ぐるぐる回っているのです。これは出所の関係で、私はこれ以上は明らかに言えません。しかし、そのたびに値段は少しずつ上がりますね、当然売るときには少しでも高くなりますから。  こういうことで、つまり私どもが小さいとき食べたなまのイカじゃない、こういう冷凍のイカは鮮度もなまよりももっと低い、そういうものが値段が高くなっていく。こういうことは、出荷の制限、つまり高いときに出すということができるわけです。これが一つの例でありますけれども、エビだとか輸入ものについては、こういう場外で取引されるものが非常に多くなっておりますからあれですけれども、しかし、市場外で取引を許されている場外の保管場所という指定をされた、監督を責任をもってやらなきゃならないそういう保管場所を活用して、こういうことが大っぴらに行なわれている。つまり生鮮だから、できるだけ早く鮮度の高いものを送るということの中で冷凍魚の比率が増すということで、どんどんどんどんこういう貯蔵というものがふえている。この在庫のものはどのくらいあるか。六日分だとか何かまでいろいろあるそうですけれども、そういった在庫についても、正確な情報を私は得ることができなかったです。こういうことが保管場所ということを通じて行なわれている。このようなことが普通よくいわれているのです。キャッチボールだとかなんとか、もう業界では常識みたいになっているらしいです。私は、このような価格操作のために行なわれる名義変更、そういうことは、全体じゃなくて、そういうことが行なわれて、結果として、庶民には不利、そして大手水産が一方ではばく大な利益をあげていくというようなことが行なわれているというような実態について、あなたたちはほんとうにつかんでいるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 御指摘のように、魚の流通が冷凍魚を中心に非常にウェートが高まってきておりますために、温度調節のきく冷蔵庫の中で、取引の物件の鮮度を落とさない形のままで大口の卸から小口の卸、さらに仲買い、小売りという形に売り渡されるという、一種の冷凍魚の慣行的な流通経路があることはよく知っております。  ただ問題は、いま御指摘のように三百五十カ所近いこの場外の指定倉庫というものがそういう形に使われておるではないか、こういうことでございますが、御案内のように、現在の中央卸売市場は、築地にいたしましても非常に狭隘でございまして、とても全国をまかなうだけの十分な能力を施設的に収容できない状態にあるわけでございます。したがいまして、どうしても開設場所を動かさずに現在の機能を果たそうといたしますと、こういった場外の指定場所から見本を取り寄せて見本ぜりをする、見本売買をするという形を場内で行なって、あとは現物の取引はこの場外指定場所において行なわせるという形をとらざるを得ないというのが、現実であることも事実でございます。  したがって、築地の市場におきましては、これはもう御承知のとおりだと思いますけれども、東京都の条例をもちまして、俗にいうピンポン取引と称しておりますけれども、卸売り業者が、その市場の中で一ぺん卸売りをされた物品につきまして、仲卸業者とか、あるいは売買参加者からまた販売の委託を受けたり買い受けたりしてはいけないんだという仕組みができておって、これはよそにちょっとない非常に厳重な規定だと思いますけれども、市場の中では、少なくとも売ったり買ったり、同じところでぐるぐる回しをして手数料をかせぐ、価格を上積みをするということはできないというたてまえになっておるわけでございます。  問題は、市場外、市場へ入ってくるまでの間、あるいは出ていってからあとの間、そのときにたくさんのそういった御指摘のことが一体あるかどうかということになりますと、これは残念ながらなかなかその追及はむずかしい現実にございます。私どもといたしましては、少なくとも、もしピンポン取引のような実態がいささかでもあるとすれば、これは厳重に取り締まらなければいけませんが、御案内のように、買参は開放主義を新立法のもとではとっておりまして、私どもとしては、東京都の都知事の権限下にあるこの買参というもののあり方と、それから荷受け業者、これは私のほうで直接監督いたしておりますから、この両方から少なくともピンポン取引などが行なわれるというような形がいささかでもないように、これは厳重にひとつやっていきたいと思いますし、またさらに、その場外におけるいろいろな流通経路については、これは自由な売買でございますので、もし御指摘のように、それが買い占め、売り惜しみという形で著しく価格形成の中に不届きな形が出てくるようであれば、それはねらい撃ちでひとつやっていくというふうな形で、別途の行政措置をとるほかはないというふうに考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 私は大臣にお伺いしたいと思います。  いま答弁にありますように、実際には実態を把握しておられない。また、東京都にいろいろお伺いしても、人員の体制その他の問題で非常に困難だ。私は、保管場所が指定されること、場外でそういうものが必要であるということについては、否定はしてないのです。問題は、そこで見本取引もできる、現物の受け渡しもできるというような、そういう仕組みを利用して、いまの価格操作、出荷制限、売り惜しみ、買い占めというようなことが行なわれているとすれば、監督権を持つ、まあ東京都ですけれども、皆さん方だって責任持つわけですから、そういうことについて、やはり監督をする必要があるのじゃないか。  たとえば、これは保管料の請求先が違いますから、取引があればすぐわかるのですね。それから、そういう、いま言われたようなピンポン取引も含んで、市場法本来の目的に沿って保管場所というものが、場外保管場所がきめてあるわけですから、それがほとんど市場に関係ない品物で全部占められているとか、そして、そういう市場外の価格操作に利用されているとかいうことになれば、場外指定にしたという意味があるのかどうか、そういうことも実態を調べなければわからぬのですよ。  そういうことについて、この水産物の全体の流通過程でいまいろいろの問題が起きておりますので、私は農林大臣に、こういう点についての何らかの監督上の強化の対策が必要なんじゃないか、こういうふうに考えますけれども、どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど政府委員からお答えいたしました考え方が、私どもの考え方でありますが、まず第一に、ただいまの築地の市場は非常に狭隘でありまして、あの施設は、いまの東京都の人口の半分ぐらいなころ、そのころでちょうど間に合った程度の狭隘なことは御存じのとおりです。したがって私は、いまのような保管場所等を考えてみましても、それからまた、取引の便宜を増す点ににおきましても、あそこの施設を拡大するということが何よりも必要なことでありまして、もう数年来、東京都に向かってそういうことを慫慂いたしておるのでありますが、今日なお遺憾ながら行なわれておりません。  それからいま倉庫、保管場所の指定の話がございましたが、これは東京都知事が責任者でございますが、いま私が申し上げましたように、消費者対策のためにできるだけ運営をうまくやる、そういう趣旨は、私ども中央市場法を改正いたしました当時もいまも変わらない考えでありますので、改善につきましてはもちろん努力をするつもりであります。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 私は再度お尋ねしますけれども、先ほどから何べんも言っておりますように、場外に持つということについて否定しているわけではないのです。その場所を利用して、先ほど私が一つの例で申し上げたような実態がある。それが流通の問題市場法の本来の目的からいっても、流通全体の消費者に安いもの、鮮度の高いものを早く届けるということからいっても、きわめて逆行するような事態が現に起きておる。しかし、そのことについては、当局はその実態をつかんでいない。またつかむすべが——いま東京都自身がそういっているわけでございますから、これはただ東京都だけの問題だというふうに私は思いません。そういう意味で、このようないわゆる価格操作のための名義変更というような形で、保管場所を利用して、売り惜しみ買い占め、あるいは価格上昇というようなことが行なわれていることについて、東京都とも協力して、何らかの、いわゆる監督権を行使して、たとえばどのくらいどういうふうに利用されているか、その実態、在庫の調査、あるいはその市場の荷受け会社がそこの中に一ぱい貯蔵して、何カ月間も滞留しているようなことがないかどうか。これは税関なんかでも保税倉庫でやっているでしょう。あれは二カ月間以上ですか、二カ月以上になると、調査しまして、まあ放出の命令まではないのですけれども、いろいろその問題について事態を調査する。ほかの官庁ではやっていますよ。特にいま大手水産会社ではあるいは物の売り惜しみ買い占めがあるんじゃないか、現実に高いのですから。それを引き下げなければならぬ。安いものを食べたい、こういうことは、もう全国民の願いなんです。そういう点から、国の責任としても、自分を含めて指定してあるのです。もちろん、直接には東京都知事の指定でございますけれども、監督権を持つ公共的な施設の一つにしてあるわけです、補助的なものにしても。やはり監督をそういう意味で強化して、よく実態をつかんでいただく、そして、いま言われたような点での不都合なことがあれば、きちんと是正さしていくということによって流通の円滑化をはかる、鮮度の高いものを消費者に届ける努力をするというのが、私は国の態度だと思うのですけれども、もう一度、農林大臣にその点についてお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 消費者のために鮮度のよい、しかも安定した価格で魚介類が提供できることを考えることは、もう当然なことであります。ただ、先ほど来のお話を承っておりまして、これは前々から私ども言っておることでありますが、あの狭隘な市場で、よその倉庫を使わないでいま千万人以上の人口をかかえております東京都の人々の食ぜんに供する魚類を一カ所に集中するということは、もう不可能であります。したがって、これはどうしても施設を拡大してもらうということ、私どもは数年来、大井の新市場のことについても、東京都に口をきわめて申しておるのでありますけれども、いまだに実現しておりません。最近は東京都民の多くもそういうことに気がつきまして、だいぶ都議会あたりでも熱心にいわれるようになってきた模様でありますけれども、まあそういうことが基本的に大きな問題であります。  大阪と東京を比べてみまして、食料品については、いつでも大体大阪のほうが割安、これは何であるかというと、流通機構が東京よりも向こうのほうがうまくいっているということであります。だれが見てもそういうことは是認いたしておることであります。そういうふうにしてまいる、根本的にはそういうことの改善が必要だと思っておるのであります。もちろん、あれは直接は東京都のものでありますけれども、私どもの立場において、お話のように、消費者に対して円滑に、低廉な価格で供給できるように努力をいたすことは、もう当然のことでございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 それでは、こういうふうに理解していいですか、あんまり答弁が長いのであれですけれども、場外保管場所については、そういう実態があるかどうかという問題、あるいは必要な運営について東京都といろいろ協議をして、監督権を行使して何らかそういうことのないようにするということでよろしゅうごさいますか。——大臣はうんと言っているのだから、ちょっと局長さん、黙っていて……。簡単にしてください。時間がないから、イエスかノーか。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 これは都が指定した場外の指定場所でございますから、都にその中身を、問題点があるかないかを十分洗ってもらう。その洗ってもらうことについて問題点があるなら、私どもも幾らでも手をかす、そういうことでいきたいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 次に、私、視察をしてみまして、非常に伝統的なというふうにいわれておりますけれども、市場の中で改善しなければならぬ問題がたくさんあると思うのです。特に福利厚生施設がほかの産業に比べて非常に低いということです。これの改善について、国のもっともっと大きな努力がぜひ必要だというふうに感じております。特に、私の住んでおります横浜の中央卸売市場の南部市場で、昨年十一月に開設して、診療所がないのです。あそこは御存じのように、非常に不便なところでございますから、そういう意味で診療所がぜひとも早くほしい。いま一定の努力をされているようですけれども、医師会やその他の関係でなかなかむずかしいということでありますので、この点での援助、あるいは両方とも——両方ともというのは、東神奈川の本場についても浴場がない。こういうふろとか保育所とか福祉会館とか、いろいろございます。そういう意味で、ああいう二千人も働いている南部市場の中で、非常にりっぱな施設であるけれども、もっともっと福利厚生施設を強化していただくという点について、特にいま申しました二つの診療所と浴場の設置などについては非常に緊急な問題だと思いますので、ぜひ国としての促進方をはかっていただきたい、こういうふうに思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 御指摘のとおり、診療施設につきましても、また浴場施設等につきましても、とにかく朝早くからの非常に労働条件の悪いところで働いているという環境でもございますので、私どもとしては、昭和四十五年度から福利厚生施設を補助対象に組み入れまして、すでに四十八年度では、中央市場関係では総額六十億、それから、ただいま審議をお願いいたしております新年度の四十九年度では七十九億という予算を背景にして、これらのものについても、重点的によく考えていきたいというふうに考えておるわけでございます。  ただ、診療施設につきましては、施設だけではだめなんで、御指摘のお医者さまをさがさなければいかぬという問題がございまして、横浜の南部市場につきましても、いませっかく現地でもお医者さまをさがすことで一生懸命努力しておるようでございますが、私どもとしてもできるだけの援助をしていきたいというふうに考えます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 最後に、これもいつも改善しなければならぬ一つだと思っていますせり時間の引き下げなんですが、これは横浜でも五時四十分であり、五時開場になっておるのですが、せり時間については、そこの関係者との協議を経ませんと、結局はきまらない問題だと思います、いろいろ複雑な問題がありますから。しかし、あれがああいう早朝に行なわれているということによって、市場に働く人たちに労働強化、あるいはいろいろな問題が出てきております。これについては、関係者との協議を必要とする複雑な問題については、非常に関係者との協議を必要とする複雑な問題がございますので、そうした市場関係者と協議の上、せり時間をできるだけ引き下げていくということで、ぜひ国の指導を強化していただきたい、こういうことをお願いしたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 先ほど、消費者の手になるべく新しい魚をという御希望が片一方でございましたように、せり時間を引き下げますというと、まさに効果は逆になってくるわけでございます。したがって、ここらは、消費者に新しいものを食べさせることが優先か、それに携わっている従業員の方々の条件を改善することがいいのか、ゼロか百かではなくて、それは調整しなければならぬ問題だと思います。  そういう意味で、横浜市の中央卸売市場につきましても、せり時間の決定につきましては、取引改善委員会というものが設けられておりまして、毎月そのときの条件によってきめるというふうなことでございますが、なおその改善委員会等で決定されております中身についていろいろと御指摘の事項等ございますれば、いつでも私どもとしては直接指導する体制をとりたいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田分科員 私はこれで質問を終わりますけれども、ただいまの一言気にかかるから、消費者のために鮮度の高いものを送ることをすごく気にかけているようだけれども、そういうふうにやるんだったら、私は冒頭から言っているように、何カ月間も貯蔵さしておいて、そうして鮮度の低いものを、南太平洋で夏にとれたあぶらのないマグロを冷凍して持ってくる、あるいは西で寒ブリじゃないけれども、今度は春先になってあぶらのないブリを冷凍して、そしてその高いものをやる、こういうようなことが、大手水産、大手企業のああいう一連の系列の中で現実に行なわれている。そういう実態も知っていない、知ろうとしない。こういう状況の中で、鮮度の高いものをやると、せり時間にどうのこうの言っていますけれども、そういうことを言うなら、もっと根本的なところにメスを加えて、きちんと流通過程について真剣に取り組むことを要求いたしまして、私の質問を終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて石母田達君の質疑は終了いたしました。  次に、和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 昨年の一年間を通じまして、大手の総合商社が買い占め売り惜しみで大もうけをしたあげく、今度は小売り市場に手を出してこようというような、こういう動きがあるわけです     〔主査退席、羽田主査代理着席〕 昨年の暮れに、大阪の羽曳野市というところに、三菱商事が永大産業と積水化学等と共同出資いたしまして、資本金が四十億でありますが、木材をはじめ建材の直売のためのダイヤハウジングという会社を組織いたしまして、大型店舗をつくりました。ダイヤハウジングセンターといいますが、そして木材の需要者への直売をやっておるわけでありますが、こういうように大手の総合商社のこの種の動き、全国的にどのような状態であるか、農林省のほうでつかみ得ておる内容について、この際明らかにしていただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 最近、御指摘のように、中小企業分野でございますと、木材の販売部門に、大企業が出資をして設立された企業の進出が見られることは御指摘のとおりでございます。このような事例としまして、四十七年の十一月に大企業五〇%出資による大阪への進出、それから四十八年の四月には大企業五一%出資による仙台への進出の例がございます。これらの進出企業は、当初予定していました需要者への直売について、地元の木材販売業、特に小売り業でございますが、こういった業界から反対されましたために、当事者間で協議の上、卸売り業務に限り行なうことで話がまとまりまして、大阪では昨年の十一月から、仙台ではごく最近でございますが、営業を開始しておるのでございます。  これらの進出企業は、現在の段階では、中小の木材販売業者の経営の安定に悪影響を及ぼしているとは見られないのでございます。しかし、今後の業務の拡大あるいは新規の進出は、その地域の事情や進出のしかた等によっては、流通業界等に混乱を招きまして、既存の中小企業の経営に影響を与えることも考えられますので、今後とも、大企業進出の影響については、十分注意を払ってまいりたいと思っております。  いま御指摘のありました大阪のダイヤハウジングのほかに、仙台ではグリーンハウザーという例がございます。これも最近そういった話がつきまして、卸業務にとどめることとしておるのでありますが、なおそのほかに、広島で山陽ハウジングセンターという話がございまして、これにつきましても、仙台の例と同じように卸売り業務にとどめるという話がついているというふうに、私どものほうでは承知いたしております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 いまお話しのように、これらの大店舗が商社の手によって、業者である大工さんやあるいは工務店に、最初は小売りを目的として計画されたものであり、木材業者といたしましては死活問題でありますので、必死に抵抗いたしました。林野庁の行政指導の中で、一応は小売りをしないという形で卸に専念するということにはなっておるわけなんです。しかし、これもいつまで続くか、将来にわたっても、小売り市場を荒らさないというような保証もないわけでございまして、いまなお木材小売り業者にとってみれば、戦々恐々としておるというのが今日の偽りのない状態であります。今後とも、これらの大型店舗が小売り市場に進出しない、こういうことが保証できるのかどうか、さらにお答えいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 最近の事例は、いま申し上げましたように、こちらからの行政指導で一応話はついておるわけでございますけれども、先生御指摘のように、今後その点は絶対だいじょうぶかという点を考えますと、この点については、いろいろ心配しなければならぬ点があるわけでございます。  木材の流通の現状におきましては、大企業の進出によりまして、中小企業が大きな影響を受けておるような事例は、いま申し上げた程度でございますけれども、進出してきます大企業の事業計画等につきましては、現在あります中小企業と十分協議を行なうということが、まず先決的な基本的な姿勢であると考えております。今後とも、大企業進出の実態、その影響を把握しながら、必要があるならば、行政指導を行なってまいる姿勢でいきたいと思っております。  なお、現在の法制のもとでは、中小企業対策の一環といたしまして、中小企業団体の組織に関する法律に基づきまして設立されますところの商工組合につきましては、この法律の十七条第五項によりまして、進出してきます大企業との間で、進出計画の一時停止とか、あるいは計画変更とかを行なうことを契約することができるようになっております。大企業の急激な進出計画の調整をはかる道も、こういったように開かれておるのでございますが、この場合には、関係業者が商工組合をまず組織していることのほかに、大企業が大規模な事業の開始をする、または拡大することによって、その地区間の中小企業の不況事態を発生させまして、それで中小企業者の経営の安定に著しい悪影響を及ぼすおそれがあるというふうな制限があるわけでございます。その場合には、そういった大企業と業者との間でこういう契約を締結することができますけれども、しかし基本的には、それ以外に末端の消費者に迷惑がかからぬように、たとえば、それによって物価が上がるとか、そういうことも心配しなければならぬわけでございまして、そういうことも考慮いたしまして、そういう影響がない場合には、そういった契約ができるという制度も開かれておるのであります。それらの、いま申し上げました中小企業団体の組織に関する法律もございますので、それをもとにしまして、申し上げましたような趣旨で、今後指導してまいりたいと思っているわけでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 このことは、商社自体がむしろ逆手をとって、従来の木材の販売ルートの革命である、流通部門へ商社が進出することによって、かえって消費者のためになるのだというような宣伝が、ダイヤハウジングセンターを設立する準備過程でビラもまかれたし、宣伝これつとめた面もあるわけですが、皆さん方のほうでも、やはりそういうことが肯定される考え方も皆無ではないというように私は思うわけなんです。ところが、実際に生産者から消費者に直結ということで、木材の場合に、商社が小売り市場に進出してまいりまして、従来の複雑な流通過程を簡素化することによって木材は下がる。なるほど、一時的には、こういう小売りの店舗ということを許すならば、当分の間値段を下げて売るというようなことがありましても、将来にわたって、それがまた保証されるものでもないと思いますし、また、そのことによって、直接住宅が安く消費者の手に入るかどうかということについては、やはり疑問視するわけなんです。決してそのようなことが、直接消費者のためにはならぬというように私は思うわけなんですが、そういう流通過程が簡素化されることによって、将来にわたってこのような大規模な店舗が商社の手によってつくられる、そして小売り、販売までもやっていくということになったときに、私がいま言いましたように、決して消費者には直接得をする、利益になるということにはならないというように私は考えますが、あなたのほうは、どういうようにその点は把握しておられますか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 確かに、複雑な流通段階をなるべく短絡化していくということは、消費者のために利益になるということは、一応は言えるわけでございますけれども、御参考までに申し上げておきますが、いま日本の製材工場の数だけ取り上げますと、合板を含めて約二万三千ございます。それから木材の販売業者が一万五千、卸売りが約三千でございまして、それ以外の小売りが一万二千、それから市売り市場が五百くらい、それから木材センターが約六十というぐあいに、非常に流通段階が複雑でございます。  ですから、基本的な姿勢としましては、これをできるだけ大型化して、協同組合というものを強化いたしまして、それで外材に対抗できるような流通組織にしてまいりたい、こう思っているわけでございます。ただ、短絡化したからといって、それじゃ消費者のほうがすぐ安く買えるかどうかということについて、非常に先生御指摘の問題がございます。でございますので、先ほどもちょっと触れました法律にもございますように、そういう点は話し合いはできるけれども、国民経済の健全な発展に支障を生ずるようなおそれがあると認められる場合とか、それから中小企業者が経営の合理化を円滑に行なうため必要な限度を越えないこととか、あるいは、関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこととかというふうな一応の制限事項を付しているわけでございまして、そういう趣旨で、この流通段階をできるだけ短絡化していくと同時に、いまございますところの中小のこういった組合の人たちが協同して仕事ができるように、いわゆる協業の推進であるとかというふうなことにも重点を置いて考えておりまして、この協同組合の強化の中で、一応そういった消費者の皆さんには御迷惑がかからぬように持っていくという姿勢で指導していきたいと思っているところでございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 たとえば合板製品の場合は、商社自体が流通量の九〇%も占めておるという現況であるわけですから、いまの流通規模を改革していくということはいいといたしましても、直接商社が一手に、商社の考えているように小売りをやるということになりましたら、これは寡占化しているわけですから、最初は安く売るとしても、必ず既存の業者がどんどんつぶれていく中では、かえって寡占価格化して価格をつり上げていくということになると私は思うわけでございますので、商社の小売り市場への進出、大型店舗によるところの小売りということは、絶対に許すことができないというように私は思うのですが、将来にわたってもその保証を取りつけるように、いまも御説明がありましたが、一段のひとつ行政指導と申しますか、商社が小売り市場に進出して市場を制覇して、小売り業者がどんどんとつぶれていってしまう、こういうことにならないように、将来にわたってひとつ努力をしてほしい、こういうように思うのですが、絶対ということばはどうかと思いますが、将来にわたって、大商社に小売りをやらせないように、きちっと規制していくことができるかどうか、もう一度ひとつお答え願いたい。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 御指摘の方向に沿ってやっていかなければならぬと、私もそう思っておりますので、繰り返して申し上げますが、中小企業を保護し、それを協業の形で、また共同取引という形で、一般消費者も喜ぶような形で指導してまいりたい、かように思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 それだけの気がまえでやってもらうとしても、やはり大手商社が、さらに資本力にものを言わせて、彼らは彼らなりにいろいろと手を打ってくることだと思うわけであります。私は、そう簡単にその手はゆるめないのじゃないかというように考えます。これはいまに始まったことではなくて、ここ数年前からの大手商社の計画があったわけでございますから、一カ所何とかできたということになりましたら、それをテストケースとして考えておるわけですから、これがさらに伸びていく。そういうように、商社がみんな思い思いの考え方で直接やるなり、あるいは別会社をつくるなり、あるいは変わった形の姿であらわれてくるということが考えられます。木材関係でそのことでうまい味をしめれば、それだけでなくて、その他の小売り業者の事業分野までもやはり開拓をはかっていくということになるのじゃないか、こういうように私は思うわけでございますので、どうあってもこれはひとつ阻止してもらうように、さらに一段のお力添えをお願いを申し上げたいというように思うわけでございます。  御案内のとおり、中小の企業者や、あるいは小売り商人というものは、これはもう歴史的に、国民経済のあらゆる分野にわたってそれぞれの発展に寄与してきたことでもありますし、国民生活の発展に大きな役割りを果たしてきたということは、これは皆さん方もおわかりのとおりであります。  したがいまして、大手商社が、先ほども申し上げましたように、金力にものを言わせて無慈悲に中小企業者の、あるいは小売り業者の事業活動の分野を破壊しようというこの一連の動き、これはいま言われました中小企業等の団体法、そのことで行政指導するということだけでなくて、このような大商社が、中小企業や小売り業者の事業分野に将来にわたって進出しないように、行政指導じゃなくて、法的な規制まで考えてもらう必要があるんじゃないかと思うのですが、そういうような点はどうお考えか、ひとつお答え願いたい。

平松甲子雄林野庁林政部長

○平松政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、大資本が中小企業の分野に進出いたしまして、中小企業がいろいろ苦労をなさる、あるいは、場合によると、破産をするというような状態も起こり得るということから、商社等の大資本が中小企業の分野に進出することについて、法的規制を加えたらどうだというようなことで、これは木材業界ということだけでなしに、業界全体を、主として商業部門について、そういうような形のものをやったらどうだというふうな動きがあることは承知をいたしております。  ただ、その際に、先ほど長官から申し上げましたように、木材の取引の場合はことにそうでございますけれども、従来の、零細で、かつ日本の従来の工法に適応したような形で、小売り店舗が非常に小規模であって、しかも多様な形で存在しておる一方、住宅建築等については、大規模な大型化というような形のものが進んでおりまして、そういう大型化なり大型消費というものに対応するような形の流通機構が必ずしも十分でない。これはおそらく、木材取引以外の分野についてもそういうことがあるであろうと思いますが、そういうような観点から、大企業が進出するというふうなこと、そういうふうなものに対して、大企業の進出の弊害面だけでなしに、やはり長所の面も考えざるを得ない。また、そういう長所を考えた場合には、今度は中小企業にえらい迷惑をかけるということも、あわせて考えなければならないというようなことで、目下、通産当局が中心で検討しておられるということに承知いたしておりますが、私どもも、木材取引について、先ほど長官からお答えをいたしましたような線で、各省の打ち合わせというふうな段階では話をしてまいりたい、こういうふうに考えます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 いまのおことばの中で、長所ということ、これは先ほど触れたわけですが、やはりその長所という把握のしかたですね。これは、率直に申し上げてなんですが、あなた方のほうは、商社が小売りをやっていくということは、それではほんとうに長所があるというように思っておられるのですか。どこが、自信を持って長所だというように考えているのか、説明してください。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 実は、最近の木材の情勢は、先生すでに御案内と思いますが、外材が約六割を占めておりまして、今後も外材の比率が六割から六割五分ぐらいまでは、ここ数年の間伸びてまいると思っております。原因は、需要が今後相当伸びるからでございます。ただ、国内の生産がそれになかなかしばらくの間対応していけないという実態にございます。  実は、国内の生産は、いろいろな樹種がございますし、いろいろな生産形態をなしておりますので、先ほど申し上げた工場の数がたくさんあるとか、あるいは流通機構がたくさんあるということは、やはりそこにも一つの原因がございます。  ところが、御承知のとおり、外材は非常に単純でございます。規格も単純ですし、樹種も単純でございますから、非常に大型の工場なり大型の消費ができるという形でございまして、特に、いま六割以上の外材を扱っている工場というのは、海岸地帯に相当多いわけでございます。そこで非常に能率をあげて、しかも、それが消費のほうに結びつきやすい傾向をいま出しておるところでございます。ですから、先ほどもちょっと、そういう生産形態に合った国内の製造業、あるいは流通業というものをできるだけ協同組合の形で強化して、この外材の工場に対抗させていく必要があるということを申し上げたのでございます。  というのは、林政部長申し上げました外材を扱う工場のいい点はそこにあるわけでありまして、それに負けないように、ひとつ協同組合を強化して、それの能率をあげることを一生懸命考えていかなければならぬということでございます。そういう方向に向かって、まあいいということなのか、考えようによっては、非常に悪くなる点もございますから、そういう特徴も生かして、国内のそういった生産業、加工業、流通業が外材に対抗していけるような育成ということは、絶対必要だと私、考えておりますので、これは、先ほどから申し上げておる趣旨を少しこまかに御説明申し上げると、そういう趣旨でございます。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 ただ、商社のほうが直売ということになっても、これは卸売りまででとめてしまう。これはあなた方の長所といわれることを小売りまで発展させてもらうと、たいへんなことですので、私の言いたいのは、長所は長所としても、その長所を小売りまで発展させてもらったら、これはいかに小売り業者が協同組合をつくろうが、あるいは協業化しようが、やはり資本力に負けてしまいますよ。  だから、私の言いたいのは、やはりどうしても小売り分野に介在させないように、卸売りの段階でとめて、小売り業者の保護に当たってもらうということを私は言いたいわけなんですよ。そこをもっとひとつ、きちっと把握して御答弁願いたい。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 確かに私たち、短絡化の目的に沿うて一例を申し上げますというと、生産する人たちのグループと消費するグループ、これは建具屋さんでして、それと直結したものでございます。ところが、一度に便利になって、今度それを配分するのに弱っちゃって、結局、やはりそういう小売りの必要性というものを認識した例も、実は去年あたり見ております。でございますので、先生のおっしゃる意味はよくわかりましたから、限度がございますが、そういう方向でひとつ厳重に指導してまいりたいと思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 これはほかの生鮮食料品なり、あるいは家庭用品と違いまして、木材の場合は、小売りから直接買うのは、私たち消費者じゃないわけなんですね。たな板つくったり小修理するというのは、これは直接消費者が小売り業者との直結になりますけれども、木材の場合は、需要者というのは、直接私たちじゃなくて、やはり小なりとも大工さんであるとか、あるいは大小の工務店であるとか、建て売り業者であるとか、そういうところへ行くわけですね。そうすると、それらの販路と申しますか、それぞれの小売り業者が各近在の販路の結びつきというものは、長い歴史の過程で、もうその販路を開拓して結びついているわけですよ。それだけの努力をいままでしたものが一瞬にしてつぶれてしまうという、こういうことになるわけなんです。ほかの小売り業者とは違って、不特定多数の消費者を相手にした小売りじゃないわけなんですから、その点がやはり特殊な小売りであり、需要者であるということを考えていただくならば、そう簡単に機械的に、やむを得ないんだということで、大商社に小売りをやらせていくというようなことがあってはならない、こういうふうに私は思うわけなんです。  したがいまして、先ほどからいろいろと御答弁もあったわけでございますが、既存のあらゆる法律を生かして、そして、いままで以上に行政指導を強化してもらって、こんりんざい大商社の小売り事業分野の開拓をはからせない、どんなことがあっても卸売りの段階で最小限食いとめる、こういう気持ちになっていただいて、小売り業者の小売り事業分野の確保のために、保護のためにぜひともがんばってはしい、このように私は申し上げたいわけでありますので、その点について、最後に大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 われわれの考え方は、ただいま林野庁長官がお答え申し上げたとおりでありますが、中間のロスをなるべく省いていくということが、一方消費者のためには考えられることでありますけれども、広く考えまして、社会一般から考えて、やはり零細な業者というものをめんどうを見て保護してあげるというのは、これは当然なことでございますので、いま事務当局が申し上げましたように、十分そういう意味で研究してまいりたいと思っております。

和田貞夫日本社会党

○和田(貞)分科員 最後に申し上げますが、先ほども述べましたように、木材の場合は、需要者が土建屋さんあるいは大工さんあるいは建て売り業者でありますから、かりに、木材が大商社の手によっていまの流通機構を簡素化して、生産者から消費者のほうへ直接いくんだというようなことになったとしても、直接の消費者が建て売り住宅を買い求めるといったときに、必ずしも安い値段で住宅が手に入るということにはならない。建て売り業者のもうけがそれだけ上積みされるということにすぎないわけでありますから、そのことにも、零細の小売り業者の生活権を守っていく、いままでの長い歴史の中で開拓してまいった販売ルート、分野を守ってあげるという立場に立って一段の努力をひとつはかっていただきたい、こういうことを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。  この際、午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

湊徹郎自由民主党

○湊主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。新井彬之君。

新井彬之公明党

○新井分科員 まず初めに、私は木材の件につきましてお伺いをいたしたいと思います。  建設資材の高騰等に伴いまして、最近住宅建設に非常なしわ寄せが起こっているところでありますけれども、その中の一つとして、昭和四十七年以来の木材の急騰も大きな原因の一つとなっておるわけでございます。林野庁が試算したところによれば、国有林野事業特別会計の四十八年度決算では六百十三億円の大幅な黒字になる見込みであるわけでございますが、これは同特別会計が昭和二十二年に発足して以来の最大の黒字となるわけでありまして、黒字自体は、会計法、財政法などによって市場の実勢価格で木材を販売することが義務づけられているところでありますのでこれはしかたないこととして、木材価格の高騰を反映した結果によるものであるというぐあいに思われるわけでございますが、物価高に苦しむ国民感情としては納得しがたいものがある。こういうことでこの大幅な黒字を今後どういうぐあいに活用されるおつもりなのか、まずお伺いしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、国有林野特別会計の四十八年度の決算の見込みでございますけれども、相当大幅な収支の黒字が出る予定になっております。この過去約三年ぐらいをとってみますと赤字続きでございまして、約五百三十億ぐらいの赤字の累積があるわけでございます。大体いままでの傾向は四年か五年に一ぺん黒字が出まして、あとは非常な木材界の不況で赤字が続くということを繰り返してまいっております。そういう状態は好ましくない状態でございますので、それらの点につきましての対策を考えております。  では、このあがった黒字をどうするのかということでございますが、これは一応従来出ました利益の半分を特別積立金に積みまして、そしてこれは予算のきめるところに従いまして一般会計に繰り入れて使用するということになっております。つまり一般会計に寄与しているわけでございます。残りの約半分は利益積立金ということで、赤字ができた場合にこれを補てんするというような制度になっておるわけであります。  したがいまして、いま御指摘の点につきましては一応一般会計に寄与するという道はあるわけでございます。  ただ、私たち今後懸念いたしますことは、人件費がいま相当高い比率を占めておりまして、約七割近くになっております。かりにいまことしのベースアップを昨年の比率でいくといたしますれば、それだけでもって約三百億をこす原資が必要な状態でございます。そういうことも含めまして、国有林の経営改善につきましては抜本的な制度改正を、林政審議会の答申を受けましていま鋭意検討中のところでございます。  以上、お答えになりましたかどうか、御説明とさしていただきます。

新井彬之公明党

○新井分科員 特別会計の四十八年度決算によりますと、歳出が千八百八十億円となり、前年度より五十九億円ふえておりますが、歳入は二千四百九十三億円と前年度よりも七百十五億円ふえて、さっき言いました六百十三億円の黒字になる見込みになっておるわけでございますが、このことは林産物売り上げ高が四十八年度は二千二百七十六億円となって前年度より六百七億円、三六・三%もふえるためということでありますが、しかしその販売量そのものはほぼ横ばい状態になっておるわけでございまして、収益のほとんどが木材価格の高騰によってもたらされたことになる。このことは、日銀の卸売り物価指数でも国産丸太材が四十八年は前年比三八・二%も上昇し、これが国有林野事業の林産物売り上げを前年度比三六・三%もふやすことになっていることでも裏づけられておるわけでございます。  したがいまして、この黒字自体は、先ほども言いましたように、会計法とか財政法上やむを得ないといたしましても、国有林野事業には木材価格の安定をはかる役割りもなくてはならない、このように考えるわけでございまして、政府全体としてあるいはまた林野庁として木材価格安定対策が当然考えられてしかるべきでありますけれども、どのようにお考えになっておるか、さっきの答弁をもう少し具体的にお答え願いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 木材の価格安定対策に国有林がもっと寄与すべきではないかという御質問でございますが、現在国内で消費されます木材の総量は約一億立方メートルでございまして、このうちの約六割は外材でございます。国内材は四割、つまり自給率は四割しかないという状態でございます。国有林材の占めます割合は、国内材だけについて見ますれば約三割ございますけれども、いま申し上げました一億立方メートルという総量に対しましては現在のところ約一三%、一割ちょっとという状態でございます。しかもその国有林から出ております材は特殊なものが多うございます。針葉樹でいうならば、大とえば木曾ヒノキであるとかあるいは秋田杉、広葉樹ならばブナという特殊なものが多いというのが一つの特徴でございます。  そういうこともございまして、国有林材の供給によって木材の需要安定に寄与するということは、私たちはできるだけつとめておりますけれども、一昨年木材が高騰しましたときには、増伐で対処するということは自然保護で問題がございますので、販売のしかたを考えて、その時期を繰り上げるというふうな操作あるいは従来利用されていないいろいろな間伐材の利用を促進するというようなことで対処してまいってきております。  一般に国有林材を安く供給する方法が一つございます。それは台風等がございまして非常な災害が出たときには国有林から価格を半分ないしはそれ以下に下げて供給するという道もございます。しかし基本的には価格安定対策としましては、需給の安定対策という立場に立ちまして、でき得れば需給安定法のようなものがほしいわけでございます。それらについてはいろいろ価格問題の検討会の答申を得まして検討いたしております。  いま考えておりますことは、一つは備蓄の制度でございます。現在はこの備蓄につきましても、発足初年度でございますので四十九年度は一応一番使われておりますところの米材を中心にして、しかもその中の構造材、つまり柱とか土台とかいうようなものを中心に備蓄をやってまいりたいと思います。将来は、こういったことの中に国有林の問題を含めて対処していきたいと思っておりますけれども、そういう価格安定対策としましては短期的には国有林材のさっき申し上げた対応のしかた、あるいは長期的には備蓄制度を通じて国有林の参画のしかたをいろいろ考えてまいりたい、かように考えております。

新井彬之公明党

○新井分科員 いまも災害のときに適用される物品の無償貸付及び譲与等に関する法律の第四条、今回のインフレ事態にそういうものが適用されるかどうかということについてはいろいろ見解のあるところでございますけれども、どちらにしましても、国有林というものが価格の安定供給というものに対して何らかの寄与をしなければならない。しかしながら、これは植林をいたしましてから三十年あるいは五十年の長期間にわたる一つの大きな計画も必要なことでありますし、特に現在においては、いまもお話がありましたように、一三%しか国有林がない。あとの六〇%は外材にたよっているというようなことになっておるわけでございますけれども、やはりこういうことであれば、いま米材にいたしましてもワイアット法あるいはモース法、そういうような関係においてどうしても輸入がしにくくなるということでございまして、国有林の安定供給、そしてまた価格の安定をはかるということについてはひとつがっちり考えていただきたいと思うのです。まだまだ検討がそういう面においてはなされていないような感じがするわけですけれども、いまもお話がありましたように、昭和四十八年の十月十五日に木材価格安定対策研究会から八項目にわたって今後国がとるべき態度について提言がなされております。いまも備蓄計画ということについてはちょっとお話がございましたが、今後これをどのように具体的に実施に移していくのか、そういう点についてお伺いしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 木材価格安定対策研究会の報告書の八項目の提案のうち、それを具体的にどうやっているのかという御質問でございますが、一応この中で四十九年度予算に入れて御審議をお願いしておりますことは、一つは国産材の原木供給の円滑化の問題でございます。これに対しまして、予算を約四百六十六万六千円要求しております。これは森林を伐採しまして素材を生産する、その流通組織がございますが、その素材生産の流通については何らの対策もいまなされていないということが問題でございまして、これらの人たちの団体の育成あるいは計画の樹立ということに対する助成でございます。  次は、外材輸入を適正円滑にしよう、こういう問題がございます。これにつきましては、木材の需給対策費としまして、需給の動向等を把握する会議その他の経費を二千三百万要求しておるのであります。これは直接外地の市場等を調べる問題も含めております。  次は、木材の需要の安定的拡大の推進をはかる必要があるという答申がございます。この中で木材の需給問題の調査費としまして約二百六十万、これは需給の見通しをつくる手法の検討でございます。そういったものを考えております。  次は、需給調整のための木材の保管体制の確立、いまお話のございました備蓄の制度でございます。これにつきましては、政府の出資を含めまして三億一千二百万円の要求をいたしておるわけでございます。  その次は、流通機構の整備合理化の問題でございます。特にその中で加工木材等の規格化推進についての普及指導費でございますが、たとえばツー・バイ・フォー工法、これはカナダの一つの整備工法でございます。カナダは、こういったものでやるなら日本に幾らでも輸出するということをいっております。そういったものを日本の建築工法に入れる研究費でございますが、こういったものを含めて三千七百九十九万四千円を予定いたしております。  次は、木材利用の高度化と加工の合理化の問題でございます。この中で特に住宅用の加工木材の需要開発の推進、これは端的に申し上げますと、間伐材等のそういう小径木を利用する問題でございます。それから木質建材の品質評価委員会の経費それから部材の良否を検討するそういう経費、約九千八百十六万一千円を要求いたしております。  最後に、需給、価格情報の収集と伝達のシステム化ということで、林産物の市況調査費としまして二百二十七万七千円を要求いたしております。合計いたしますと、約四億八千八十二万二千円でございます。こういうことでございます。  なお、このほかに、木材輸入を適正円滑に行なうということが必要でございますので、四十九年度には国際協力事業団の中で、発展途上国の森林資源の育成に対する協力の推進を中心としましてこの予算を要求しておるところでございます。

新井彬之公明党

○新井分科員 先ほどもこの八項目に対しての予算措置のお話がございましたけれども、その中でも一番ユニークな提言とされておるのは備蓄計画ということであろうかと思います。いままで提言されておったようなことが、現実には、何といいましても日本の木材の需要の状況からいきますと、当然前々に手を打たれておらなければならなかったことだと思います。この備蓄計画の内容でございますけれども、どういうような内容になっておるのか、お聞かせを願いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 四十九年度から木材の備蓄計画をいたそうということで予算要求をいたしております内容を簡単に御説明申し上げたいと思います。  先ほど申し上げました約六割は外材に依存しておるわけでございますけれども、価格の変動に一番影響を来たしますものは、主としてアメリカから輸入しております針葉樹の製材品、ベビースクエアと申しておりますが、柱とか土台になる材料、それから最近板のかわりに非常に進出してまいりまた合板でございます。このアメリカから輸入しますところのベビースクエア、それから合板は主として台湾、韓国から輸入されております。それから外国から原木を輸入して、日本で加工したいま申し上げた角材なり合板、これらを含めましてこれを備蓄する。  これを持っていますと、木材の価格が高騰したときにそれが放出できて、すぐ役に立つわけです。もしこれを立木なり原木で供給するというと、半年なり一年かかってしまうのでございます。すぐ使えるものを備蓄するという考え方でございます。比較的規格も単純でございますし、国内の材料と比べて対応できるということで、まずこれから始めようということでございます。そこで全国で一番影響力を持つ三大都市の東京、名古屋、大阪にこれを置いて、価格が高騰しましたときに直ちにこれを放出するという体制をとっております。その数量は、初年度は合板百万枚、それから角材は約五万立方メートルということにいたしております。しかしこれは初年度でございますけれども、いずれこれをふやしまして、三十万立方メートル、六百万枚を備蓄する考え方にしております。

新井彬之公明党

○新井分科員 時間がないから、こちら側からどんどんしゃべりますけれども、とにかくこの備蓄計画というものは、長官も御存じのように、先ほども話があったように、材木というのは安定的な供給ができない、非常に流動性があるということで、あるときには黒字になりあるときには赤字になるということがある。これもやはり景気の動向によって非常に左右されるという基本的なものがあるわけです。だんだんと材木の需要も伸びてきておるわけですけれども、とにかくいま建設省としては住宅五カ年計画、こういうことで鋭意努力をいたしております。あるいはまた財形貯蓄等においてもやはり住宅を建てなければいけない。いろいろと需要の調査が出ておりますけれども、そういうことからいきますと、当然潜在的に——現在は景気がこういうことで、金融引き締め等の関係で一応落ちておるわけでございますけれども、これが今後このままではなくて金融が緩和される、そういうような状態になってきたときには、また一斉に木材というものが非常に需要期を迎えることになると思います。そうなった場合に、除々に備蓄するということは、これは一つの考えで大事なことです。これは一ぺんに買ったためにかえって買占めみたいな形で木材が高騰するということがありますけれども、こういうのはそういうようなものとのからみ合いにおいて備蓄をしていかなければいけない。したがいまして、予算的にも初年度幾ら、その次幾らということでうまくいけばいいわけでございますけれども、私の考えでは、やはり住宅とかそういうような需要状況からいたしまして、この物価高がある程度安定化する、あるいはまたそのために金融が緩和される、こういうときにはまたやはり材木の需要というものはふえてくると思います。したがいまして、ことしなんかが一番予算を組んでやっておかなければならないときだと思うのですね。  これは私の聞いたところでは、昭和四十九年と五十年の二年間におきまして三十万立方米と六百万枚の合板ですね、それだけのものを備蓄するというのですけれども、初年度としては三億二千万円という金額は、これは利子補給の金であるとか、そういうようなお金で、実際には三十数億の予算が動くようでございますけれども、ちょっとやはりこれは少ないんじゃないか、こういうぐあいに思うのですけれども、そういうようなところの見通しとの関連はどうなんですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 木材の価格安定対策といたしまして、いま申し上げております備蓄事業だけで完全だとは考えていないわけでございます。基本的には、やはり国内資源の充実ということはこれは大事だと思っておりますし、外材の輸入につきましても相手国の立場を考えながら対策を講じてまいる、しかしその中でも備蓄というのは一番効果的だろう、速効的なものであろうということで四十九年度から出発したわけでございます。ただ、御承知のようにほかの物資と違いまして これは相当ボリュームのあるものでございます。また相当質も変わりやすいものでございますので、それらの点を考慮いたしまして、四十九年度はまず最小限度から出発しまして、四十九、五十年度二カ年間で先ほど申し上げた計画量を確保したいと思っております。  やや長期的には、それ以外に国内材が非常に規格が複雑でございますし、そういった意味からも建築様式の規格の問題等建設省ともいろいろ相談いたしておりますけれども、大衆の建築につきましてはもう少し規格を単純化する等のことを考えながら、いずれはいま申し上げた樹種以外にもこれを拡大し、場合によっては国有林材に対してのそういう参画のしかたも検討してまいりたい、こう考えております。

新井彬之公明党

○新井分科員 とにかく今回この物価高によって物が高くなっただけではなくて、品物がないということで業者の方もたくさん陳情等に商社までみずから行って要望している。そういう中で、やはり国有林をお持ちの林野庁といたしましては当然そういうようなことまで、これは大蔵省にも建設省にもあるいはまた通産省にも関係があることでございますけれども、五分五分というのじゃなくて、やはりそういう動向を的確につかんで、国有林の運営とともにやっていただきたい、こういうことを強く思うわけでございまして、この備蓄計画においても早急に整えていただく必要があるんじゃないか、このように思うわけでございます。  それから、現在またもう一つ問題になっておりますことは、林業労働者の不足が非常に叫ばれておりますけれども、林野庁では林業労働力の確保とその流動化をはかるためにどのような方策を講じておるのか伺いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 林業労働力の山村地帯からの減少は最近目立つものがございます。ここ一、二年ややそれの状態が緩和されてはおりますけれども、将来を考えますと決して安心できない状態でございますので、特に民有林の労働力対策といたしましては従来通年雇用の促進が必要であると考えまして、ことし、四十九年度は百九十日以上出役した人たちに対しましては、それぞれ本人あるいは市町村、県、国出し合いまして退職手当を支給するということをいたしております。それによってだんだん長期化の現象が出てまいっておりますけれども、それは要するに社会保障、社会保険に加入する資格を得ていただくのが最後のねらいでございます。  その他流動化の対策としまして、なかなか林業労働力は外部に流動化というのはむずかしい問題でございます。これは出かせぎ状態というのは流動化の最たるものですから、ここにも一つ問題はございましょう。林業労働力の少なくとも隣の町村とかいうくらいは流動化していくためのいろいろなそういう施策の予算も組んでまいっております。あるいは労働環境を整備するためのいろいろな施策、たとえて申し上げますと、通勤の場合のマイクロバスに対する補助とかそういう環境改善の助成もいたしております。これだけで完全とは思ってはいないのでございますけれども、将来はあるいは賃金水準の問題であるとか賃金の支払い形態の問題だとかいろいろと労働条件に関する問題ございます。それらの問題についてもただいま林政審議会等に検討をお願いしているところでございます。

新井彬之公明党

○新井分科員 林業技術実習指導施設というのをやっておりますね。その経過はどうなっておりますか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 これは農業の場合にはあるのでございますが、林業には大きなそういった訓練施設がございませんでしたので、昭和四十七年度からこの制度を発足いたしまして、四十七年度に三カ所、四十八年度にも三カ所、四十九年度にも三カ所この施設を実施いたし、また実施する予定にいたしております。これは研修の施設でございまして、主として機械化その他の近代的作業を習っていただくための施設でございます。予算は現在のところ四十九年度は一億五千万を予定いたしております。これは今後逐次各県に拡充してまいりたいと思っております。

新井彬之公明党

○新井分科員 いまの年に三カ所ずつそういう機械化の実習といいますかそういうことでおやりになるということは非常にいいことだと思いますが、やはり要望がいろいろあるようでございまして、そういうところで確かに実質的にそういうことが早く行なわなければならないというところをひとつ設置をしていただくということを要望しておきたいと思います。  もう一つ、これはもう時間がありませんから簡単に申しますが、地方自治体が土地収用法第三条によりまして土地所有者から農地を取得する場合におきまして、その譲渡の条件として代替農地を要求するものに限って農地法第三条第二項第五号に定める制限面積に達しない農家であっても、売り渡し面積の範囲内に限り市町村長の証明により知事の権限において許可できるようにしていただきたい。こういうことで、多くの市町村がいま道路であるとかあるいはまたほかの開発のような関係のところにおきましてどうしてもこれは公共事業で必要だ、しかしながら農業をしている人たちは代替地をいただけるならば当然それは考えてもいい、しかし、ただとられてしまったのではこれはもう渡しようがないということでわりかた紛争があるわけです。  そういうことで、今後そういう要望についていまは法律では北海道では二ヘクタール、それからほかの都府県においては五十アール以上の面積の場合は許可されるようになっておりますけれども、特に都道府県の区域の一部について都道府県知事が農林大臣の承認を受けているところは別ですけれども、またほかに適用がありますけれども、たとえて言いますと兵庫県なんかはそういうものを受けていないわけですね。したがいまして五十アール以下はだめであるということになるわけですけれども、そういうことについてどのようなお考えを持っておるか、お答え願いたいと思います。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 御指摘の農地法第三条の運用につきまして、原則として五十アールということを中心にいたしまして、農地の取得は、五十アール未満の農家の農地取得は認めない、こうしておりますのは、限りある農地という中におきまして、できるだけ経営規模の大きな農家らしい農家をつくる、こういう趣旨に基づいているような次第でございます。  御指摘のありました、土地収用法で収用された農家の代替地というような問題については五十アールの例外にしてはどうか、こういうお話でございますけれども、かりに公共事業、それはどういう場合に限るかという問題になってまいりますときわめてその範囲がむずかしいわけでございます。つまり、収用された場合はいいとして、収用される前に自発的に売った場合どうなるとか、あるいは一つのグループとして宅地化したい中に一人反対している人間を納得させる場合にどうするとか、その辺の区別のしかたにおいて非常にむずかしい問題がございますので、いまのところは非常にむずかしいと申し上げるほかございませんけれども、農政上あるいは法制上の観点から今後慎重に検討してまいりたいと思います。

新井彬之公明党

○新井分科員 農林大臣、いまの問題は、多くの市町村が公共事業のときにみんなひっかかっている問題です。特にいまは日本の農地であるとかそういうところを道路が通ったりいろいろなことがありますので、公共事業については、いまも答弁がありましたけれども、そういう法律がある以上は話し合いも何もできないわけですね。したがいまして、そういう希望があるところについては当然考えてあげるべきではないか、こういうぐあいに思うわけですけれども、農林大臣、いかがですか、これを最後に質問して終わります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 むずかしい問題だと思いますが、十分検討してみたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて新井彬之君の質疑は終了いたしました。  次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣の見解をお伺いしたい。  石油ショックを受けて漁業者が、あるいは肥料値上がり等で農民がいまたいへん困っているようですが、御承知のとおり、石油ももうけを吐き出させるという通産大臣の態度表明というものがなされている。ところが石油の値段を上げてやらなければメジャーから供給規制をされるのだというので、まだもうけも吐き出さないうちに値上げをしようというような方針が決定された。私はたいへん不可解に思っているわけですが、時間の関係もありますから、中身について多く申し上げることを避けますけれども、メーカーもたいへんまだもうかっている。実際吐き出していない。卸もあるいは小売り段階においても石油ショック以来非常に値上がりしているのですね。  最もわかりやすい例でいうと、小売りの場合ガソリンスタンドのもうけが一リットル八円から十円であったのです。これがいま三十円になっているのです。プロパン業者なんかにしても一キロ七百円から八百円で売っておったのが行政指導価格、横すべりでこれが標準価格になりましたら、千三百円になった。そういったことで、小売り段階においてもいままでは薄口銭であったのです。これは若干調整してやらなければならないということは、中小企業を擁護するという立場から、私はそれは同感なんです。しかし、便乗値上げの形がメーカーの指示によってなされたということは事実なんです。  そういう段階的な便乗値上げというのを是正させるのではなくて、ただ原油の価格が上がって九ドル原油になったのだということだけで、今度は、いま凍結している価格を上げなければ、メジャーは入れない、だから上げる。これは各段階における便乗値上げというようなものを調整するという姿勢を全然示してないということは問題だ。  ところが、漁民であるとか農民になってまいりますと、結局これは小売り店から石油を買わなければならぬという形になってくる。大臣もこれは陳情を受けておられると思うのですけれども、私どももたいへん陳情を受けてその深刻さに実に気の毒に思っているのです。四、五日前対馬から私のほうへ切々として電話がかかってまいりました。漁船の使用している重油、ドラムカン一本二百リットル入りが二月二十日現在で小売価格五千円です。三カ月前までは二千八百円から二千九百円でしたが、二月末には七千五百円ぐらいに値上げになりました。中小の漁船、二十馬力前後の船で一本を五日から七日以内に消費しますので、とても生活をささえていけません。出漁すればかえって赤字になりますので、出かせぎ、土方と転業がなされています。これを特筆しております。これは実態だろうと思うのですね。  それから漁連なんかから私どもの手元に陳情という形で出ておりますものでは、十一月の半ばでもってキロリットル一万四千七百円であった。それが十二月の初旬では一万八千九百円になり、四十九年の一月十五日には二万一千四百円というような価格になっておるのですね。  ところが、魚の価格ということになってくると、これは五年平均でもって百十何%ですか、こういったようなことで、これではとうてい漁業を営むこともできないわけですが、したがって生活ができないという深刻な事態に立ち至っている、こういうことなんですが、そういうことについてどのようにお考えになっているのか、その対策について一応大臣からお伺いをいたしまして、個別の問題について時間の許す限りお尋ねをしてまいりたい、そのように思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいまお話のございましたような問題が、私ども所管の業種についてございます。農業もそうでありますし、漁業もそうであります。私どもといたしましてはこういうことを考慮いたしまして、まず第一に資材の入手ができるようにということに最初一番努力をいたしましたが、そのほうは大体目鼻がついておるようでありますが、いまお話のございましたような輸入価格が非常に高騰した、こういうことによってそれらの業種が業を営むのにコスト高になりますことは当然なことでございます。  そこで私どもといたしましては、それぞれの仕事によって対策は違うわけでありますが、一般的に申しまして、やはりできるだけコストダウンができるように合理化を奨励いたし、それに対する助成は十分にいたさなければなりません。もう一つは、やはり生産品の価格にはね返ってくるのは当然でございますので、そういうものについて適正な価格が維持されるようにあらゆる面で最善の努力をいたしていかなければならない、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 基本的な考え方はわかるのですよ。しかし、基本的な考え方だけでは、これを具体化しなければ、これは救われないという形になってまいります。  局長からでけっこうですが、このワカメの養殖漁業者の置かれている実態をどのように把握しておられるのか。それからノリ養殖の場合も同じなんですが、ワカメも御承知のとおり韓国からの輸入が相当量あるわけですね。それで漁業組合というのは在庫をかかえているのですが、なかなか売れ行きが伸びない。価格は昨年の半額だという状態。一方、今度は容器は段ボールの値段が昨年の約三倍になっている。それから漁業者の手取り金は、石油の値上がりというものも合わせまして昨年の四分の一、こういう実態になっておる。そうすると、ノリの場合は、本年は承知のとおり豊作型であるわけですから、昨年の約四倍強でございましょう。一方、今度は天気が悪いために品質は落ちる。価格は約五割安になってくる。経費は重油値上げ等がかさんでおるというような実態で、ノリは輸入価格は昨年が約十五円、ことしは八円ということでしょう。経費は二・五倍、こういった状態になっていますが、こうしたワカメとかノリ、この具体的なものに対する対策はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 まず最初に、ノリの需給動向及び価格動向でございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、ことしは非常にノリが豊作でございます。そこで価格は確かに低下傾向にございまして、そういった面から価格が下がっておるということはございますが、一方収量が非常に多いということで、経営面に対する収支についてどうなるかにつきましては、私どもとして現在慎重に検討中でございます。  それから経費面において、石油その他の資材が上がっておるということも事実でございますが、油の消費自体につきましては、漁業の中では、ノリ養殖は比較的油の比率が低い部門に入っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 いまお答えのようなことでは、漁民がたいへん気の毒な感じがいたします。油の消費量が低いということで簡単に片づけられることではありません。大体沿岸漁民の収入自体が低いわけでしょう。したがって、油の使用量が低いけれども及ぼす影響は大きい。資材の場合でも同じです。資材の使用量が低いのだからたいしたことはありませんと言うのは、水産庁としては——まさにあなたを親のように漁民は思っている。それが冷酷無情だというようにあなたを恨むことになってくる。それじゃ私はいけないと思うのですね。しかし個々の問題について議論をしてもどうしようもありません。  そこで大臣、価格の調整、価格の保障、それから具体的な例としてあげました韓国ワカメ等の輸入制限または漁業資材の値上がりに対するところの具体的な価格の調整なんということは、なかなかできることじゃありませんが、水産物に対してどうするかという点について、まずお考え方を具体的に聞かしていただきたい。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 私の答弁が、まことに申しわけないことでございますが、何もやらぬというような感じをお与えしたとしましたら、まことに遺憾でございます。大臣が先刻の御答弁でいろいろ対策をやるということを申されたわけでございますが、私どもといたしましても、もちろん水産業全体としての最近の資材値上がりに対する対策は講じるつもりで、いろいろ内部で検討しておるところでございます。もちろん、その中で沿岸漁業についても対策を検討するわけでございますが、油の話だけをとってみますと、他のマグロだとかあるいは底びきなんかに比べれば比較的使用量が少ないということを申し上げたので、誤解をお与えしたことは、まことに申しわけないことだと思います。  それから、今後こういった資材の値上がりに伴って、水産物の価格その他についてどういうふうに考えていくのかということでございます。  そこで、まず第一に、資材の値上がりの点につきましては、私どもも、漁業の場合には、石油ではA重油と軽油を基準に使っておるわけでございますから、通産省に対して、A重油と軽油の価格については十分配慮してくれということを申しております。それから漁綱、漁網もまた大きな資材でございます。これらにつきましても、原料の化学繊維の値段の安定化、その他について、これも通産省にいろいろ要求しております。  それから次に、水産物は比較的、他の産品と違いまして、需給事情によって価格がきまってくるという面がございますので、従来から産地、消費地の冷蔵庫に対して助成しておりますけれども、そういった施策をさらに拡充いたしまして、安定化をはかっていくということを考えなければいけないのじゃないか。直接、価格差補給金的な価格表示は、やはり水産物の場合にはいろいろ技術的な問題もございますし、なかなかむずかしいのではないか。  それからさらに、今後資材が上がってまいりますので、漁業者の経営安定のために、何らかの金融措置等についても検討を加える必要があると思いまして、現在いろいろ検討している段階でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 まあ水銀とかPCBの場合は直接的に来ましたから、また対策も直接的に講じている。そして今度は石油ショックだ。ダブルパンチでしょう。これはもうたいへんだと思う。だから、水銀とかPCBのときと同じような考え方で、あなたのほうは受けとめなければいけませんよ。先ほど申し上げた、石油の価格は系統の価格なんですね。系統外の価格というものは、ものすごく高い。一時高くなったのです。最近は、石油の事情がまた変化したのだというので、幾らかそういうでこぼこが少なくなってきた。たいへん気の毒だと思う。だから、一般的な形ということで何とかするのだということだけでは、これはどうにもならない。現実に魚は、五年間の平均で一一〇・六%の沿岸の魚類の値上がりにすぎない。一方この資材というものは、統計をあなたのほうがお調べになってもおわかりでしょうが、二倍増、三倍増という形で現実に起こってきているのだから、それじゃ売るものは安い、買うものは高いということになれば、何らの蓄積もない漁民の方々はどうするかということです。死を待つ以外にはないということです。そういう実態に置かれてきていることは事実なんですよ。  だから、一般的な考え方の中で問題を解決しようといったって、現実に解決できないでいるわけなんだから、だからその蓄積を豊富にため込んでおるような大資本の連中、流動通貨で幾らでも持っておる連中は、それは一年や二年食いつないでいくことはできますけれども、そういうことのできない谷間に取り残されている連中、これを何とかしなければならぬというのは当然じゃありませんか。  だから、申し上げたように、価格の調整とか価格保障の問題なんかも真剣に考えなければならぬ。倉石農林大臣のように農政通であり、政策のベテランがおられるわけなんだから、私は、そういうことに対する期待感というものだって大きいだろうと思うのですよ。大臣、どうなんですか、あなたへの質問に対して水産庁の長官からお答えがあったのですけれども、前向きの考え方を持っていないですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 はっきりした打撃を受けておることは、もう私どももそのとおりであると思います。これをどのようにしてまいるか。もちろんそれぞれ漁業の方々も、私どもが計画いたしておりますような——今度も漁業の安定のために三つの法律案を国会に御審議を願うために提出しておりますが、あの三つの法律案の考え方などをごらんいただければわかりますように、われわれは漁業というものが立ち行くようにするために、いろんな方法を今度は講じようとしているわけでありますが、ただいまの石油ショックというふうな問題について、すぐにこの法律が間に合うというわけでもございませんが、とにかく与えられております打撃をどのように、できるだけあたたかい手を差し伸べるかということにつきましては、水産庁もるる検討しているわけでございます。したがって、そういうような研究の結果を待ちまして、なお対処してまいりたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それでは、水産問題は、まだいろいろ突っ込んで御意見を伺いたい、また私も申し上げたいのだけれども、時間の関係がありますから、えさの問題についてお尋ねをいたします。  大臣、相次ぐえさの値上がりで七万円のえさになってしまったのですね。どうしてえさというのはこんなに値上がりをするわけですか。その原因というものを端的にお聞かせをいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 今回の二月の配合飼料価格の値上げは、各メーカーごとによりまして、畜種別のえさの割合が違いますので、必ずしも一律ではございませんけれども、約一万一千円ないし一万二千円程度、トン当たりでございますが、値上がりをしておるわけでございます。これの原因いかんというお尋ねでございますが、これは国際的に飼料穀物価格の値上がりということもございますけれども、今回の場合は、飼料価格自体も前から上がっておりますので、今回の値上がりの要因としては、主としては円為替レートの急落ということと、石油不足等に伴います海上運賃の高騰ということ、それと関連いたしまして、国内運賃なり包装資材の値上がりというのが主要な原因であるというふうに見ております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 まあそういった点も、当たっておる面もあるということは肯定いたします。しかし、実態以上に、このえさがないのだというようなことをメーカーが宣伝する。それからそういう恐怖感なんというものを持たせる、作為的なものだと思うのだけれども、気に入らない特約店をメーカーは切ってみたり、品物を流すことをカットする。一方、特約店は、日ごろ特約店に文句を言うような農民に対しては申し込みをカットするというやり方。それで実際大福帳的なことでやっている農民はわからないのですね。値段が上がることも困るのだけれども、品物をもらえないということはより深刻に受けとめる。それをまた巧みに利用するというやり方をやっている。これは悪質な、まさに便乗値上げというものが多分にあるという受けとめ方をしているし、当然政府もそういう受けとめ方をしなければならぬ。これは農林水産委員会でも議論されたやに伺っておったわけですが、どうなんですか。  横浜の、例のはしけにえさがストックされておった。農林省は調査をされたようでしたが、実態は買い占め、売り惜しみというためのストックであったと受けとめていらっしゃいますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 はしけに滞貨しておったという事情は昨年の秋ございまして、われわれも調査をいたしまして、さっそく港湾当局とも相談をして、なるべく早く倉庫に引き取るようにというような指導をいたしまして、現在は緩和しておるというふうに見ております。  ただ、いま売り惜しみということがなかったかという御質問につきましては、これはそれぞれの段階でわれわれもその後調べておるわけでございますが、二月の値上がりの前、十二月の末ごろからメーカーの出し値がかなり上がるというようなうわさがございました。事実そういう動きがございまして、われわれといたしましては、十二月、一月は延期するようにということで指導をしてきたわけでございます。そういううわさがございましたので、末端の需要農家がかなり買い急いだという傾向も見られます。したがって、出荷量が例年に比べましてかなりふえております。その間にまた支払いの悪い農家等に対して、今度は売り惜しんだというような現象は確かに一部にはあったと思いますが、そういうことのないようにということを指導いたしまして、その後二月に値上がりがあったということもございますけれども、現在はそういう事態は解消しておるのではないかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 十一月から十二月にかけて三十隻以上のはしけに大豆やペレット、大豆かすを積んだ船が停船しておった。五日に一回回転するのだけれども、二十五日に一回ぐらいの回転であった。私も調査したんですから……。一月二十六日現在、大豆七千トン、ペレット、大豆かす等一万三千トンを積み、停船をしている。それから問題は、一週間前に立ち入り検査をするという通知をした。そしてまたあす立ち入り検査をするからといって、前日に通知をした。これはまことにけしからぬ。明らかに業者と役所となれ合いだということを証明するものですね。こういう事実はお調べになったのですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 そのような事実は聞いておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 これはやはりお調べになって、厳重にこういうことは取り締まるように、処分するところは処分するということでなければいけないということを申し上げておきます。  それからえさの問題でもう一つ。農民の方々がぜひやってもらいたいといっているのですが、われわれ不可解に思っているのは、飼料の原価と配合率を公表すべきであるということ、それから商社系のえさ代と全農系のえさ代というものは大体同じでやっていいのではないかということ、これはどうして同じではないのかということについて疑問を持っているのですが、この点はいかがですか。もう時間がありませんから端的に答えてください。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 原価、配合率を公表すべきであるという点につきましては、原価につきましては今回の値上げに際しまして、われわれといたしましては種々値上げの要因に関する資料をとりまして、なるべく押えるようにということで指導したわけでございますが、各メーカーそれぞれ公表しないという前提でわれわれとっておりますので、現在われわれから公表するということは差し控えたいと思っております。  なお、配合率につきましても、実はこれは原料の価格、需給の動きによりまして、原料の配合率というのはしょっちゅう変わっております。これはいまに始まったことではないわけでございまして、原料を数十種類使いますので、成分に合わせてそのときどきに価格あるいは原料手当て上有利なものを使う、そして成分は維持する、こういうようなことをやっておりますので、原料の表示につきましては、全部表示するように最近は指導いたしておりますけれども、配合率についてまで袋に表示させるかどうかという点は、できますればそれは望ましいことだと思いますが、先ほど言いましたように、しょっちゅう原料の配合率が変わっておりますので、成分は規格以上ということで取り締まっておりますけれども、個々の原料の配合は変わっておりますので、それを全部表示させるという点についてはなお検討すべき問題があるということで現在研究会でいろいろ検討しておるところでございます。  なお、価格につきまして、全農とメーカーとの関係で差があるのはおかしいではないかという御指摘でございますけれども、配合飼料は非常に銘柄、種類が多様でございまして、養鶏用、養豚用その他種類がありまして、一般的にいいますと、養鶏用が一番高いわけでございますが、その辺各メーカーごとに配合率も違えば、成分につきましても最低基準を押えていますから、それ以上は違いますので、一律に比較はできないと思いますが、全農が四〇%シェアを持っておりますので、大体プライスリーダーとしての力を持っておりますので、それを基準にしてそれぞれ品質の差に応じて価格形成が行なわれているというふうに思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 ともかく素朴で善良な農民に疑問を持たせるというようなやり方ではなくて、よくわかりますというようなやり方をひとつぜひやる必要がある。  それから、時間がありませんからまとめて質問いたしますが、配合飼料の購入資金の貸し出し条件を改める方針であるのかどうかという点が第一点であります。  それから、担保や保証人でたいへん困っていますから、中小企業等にもありますように、無担保、無保証の制度というものをぜひ確立をする必要がある。小規模企業なんかの場合におきましても改善資金があるわけであります。いろいろなショックを受けた場合に相当前進した扱いがなされているわけでありますから、そうした無担保、無保証に対する考え方をお聞かせいただきたい。  それから、卵価の基準価格、えさの値段が上がるということはコストアップになってまいりますから、この基準価格をどうしようとお考えになっているか。同時に液卵公社の買い上げ価格、買い上げ数量等に対する考え方等をお聞かせいただきたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまお尋ねございましたまず第一点の、今回の値上げに伴います経費、経営負担を軽減するための低利融資ということについてでございますが、これは昨年二回にわたりまして四分資金まで利子補給をいたしまして低利融資をしたわけでございます。今回の対策といたしましてもその点を含めまして現在検討中でございます。  なお、無担保、無保証という点につきましては、他の金融制度との関係もございますので、それを検討いたしたいというふうに思います。  なお、卵価安定基金の基準価格の問題と液卵公社の買い上げ価格あるいは買い上げ量の問題でございますが、養鶏は、御承知のように、配合飼料の依存率が各畜種の中で一番高うございますので、今回の値上がりによる影響を一番大きく受けているというふうにわれわれ理解しております。したがいまして、現在きめられております価格はやはり低過ぎるというふうに思いますので、適当な機会に、これは農林省が一方的にきめる筋のものではございませんで、基金なり公社がきめるわけでございますが、十分指導いたしまして適正な価格に是正をしたいというふうに考えております。  なお、公社の機能拡充につきましては、来年度予算におきまして追加出資をいたしまして買い上げ量をふやし得るような措置をとっておりますので、予算成立いたしますればそのように実行したいというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 局長は別の場所で液卵公社の買い上げ価格を数字まであげてお答えになったことがあるのじゃありませんか。だから、そういった点は端的にお答えをいただきたい。  それと、いまのつなぎ資金の利子補給の問題だけれども、御承知のとおり、銀行は公定歩合が上がって預金利子というものが高くなっている。したがってコスト高になるから、貸し付け金利が九%というようなことでは、銀行は貸すことをできれば避けようとする。だから、利子補給というのを五%ではなくて七%くらいにする、貸し付け利率も若干引き上げるということをやらなければ、いい制度をやったのだと声は大きくなるのだけれども現実には農民は喜ばない。また、貸し付け条件もたいへんきびしいから、一回、二回とも消化できなかった。余った。それほど、余らすほど農民は楽じゃない。条件がむずかしいからそういうことになる。  ですから、その利子補給の問題も、これを引き上げていって現実的におやりにならなければ、お役所がかっこうだけをうまくつけて、相手が、食べる人が喜んで食べないようなことじゃ話にならないと私は思います。そういった点はいかがですか。これは大臣からお答え願わぬと、基本的な問題ですから。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 買い上げ価格につきまして他の委員会で明らかにしたことがあるのではないかという点につきましては、先ほどお答えした以上具体的な数字をもってお答えしたことはございません。これは公社自体がきめるべきことでございまして、農林省が一方的に幾らにするときめる筋のものでもございませんので、なおそれは公社ともよく相談をして適正にきめたいと思います。きめたいといいますのは、もちろんいまのよりは上げるという方向で是正したいというふうに思っております。  金融の問題につきましては、確かに基準金利が低過ぎるじゃないかという御意見もありますけれども、これは系統等の場合は同じ組合員に貸す場合のものでございますので、できるだけこういう事態を認識して……(中村(重)分科員「系統じゃい。銀行から借りるのだ。」と呼ぶ)銀行につきましても、畜産の現状をよく御理解をいただいてできるだけ協力していただくように指導してまいりたいというふうに考えます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま事務当局からお答え申し上げましたのでいいのではないかと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私はむずかしい問題をお尋ねしているのではないですよ。常識的なことですよ。利子補給等をやることはけっこうなことなんだ。しかし、せっかく利子補給をして農民に貸そうとするならば、農民がほんとうに借りやすいようにしてやるということでなければほんとうに親切じゃないのですよ。九%でいま貸せといっても、銀行はどうかすると九%で預金の導入をやっている。そういうときにはそれはなかなか喜ばない。現に銀行へ行ってどうでしょうかといっても、待つことができないで銀行に問い合わせすると、そんなことは聞いていません、いま九%で貸せなんといったって貸せませんよ、そういう態度で銀行は農民には臨むんですよ。それじゃだめなんだから、やはり五%を七%くらいに引き上げてやって、そして貸し付け利率を若干調整していくというやり方、そういうことでせっかくのいい制度が喜ばれる、そういう方法を講ずる必要がある。無担保、無保証の問題もしかりであります。ともかくもう少し日本農業というものを大切にしてやらなければ。私はこれが基本だと思う。農業の基盤というものがほんとうに確立されなければ安定経済も何もあったものじゃないと私は思う。  だから、自信を持って農林大臣は大いに政策も立案し、これを実行してもらうし、閣議においても、石油の問題は先ほど申し上げたとおり農民や国民を忘れたかというような態度でき然として臨んで、そうした谷間に放置される者が苦しみあえぐというようなことがないように、ひとつ責任ある施策を講じてもらいたいということを強く要請をいたしておきたいと思います。いまのは姿勢ですから、最後に大臣からお答えいただきます。  それから、先ほど横浜の問題を取り上げましたから、あれに対して調査の結果をお知らせいただきたいというように思います。そのことについてのお答えを願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいま御激励を賜わりましたおことばよくわかりましたので、平素私ども部内においていろいろなことを検討しているわけでありますから、どうぞひとつこの上とも御支援賜わりますようにお願いいたします。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 横浜の問題につきましては、先生の御指摘のとおり、さらに後ほど詳しくお聞かせいただいた上でよく調査してみたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 では、終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて中村重光君の質疑は終了いたしました。  次に、久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 私は倉石農林大臣とは予算の分科会でだけお会いすることになっておりまして、しかも高浜入干拓だけでこれで三回お尋ねをしているわけであります。あるいは四回になるかもしれません。私が記憶をたどってみますと、正確には三回であります。すでに同僚各位からもいろいろお話があったようでありますが、私は地元で一番よく知っているのです。最初からの経緯も現在の実態も私が一番よく知っている。そういう立場から、いまから限られた時間でありますがお尋ねをするわけであります。  その高浜入干拓に入る前に、いま中村君から最後に尋ねられておりました畜産農業の安定、その中でも特にえさと卵価の問題にしぼってお話がありましたが、いままで聞いておりまして、何か一、二の対策についてはお話がありましたが、どうも語尾が局長明確でない、と同時に政策も明確でないようでありました。いまわれわれの地元もたいへんな騒ぎであります。日本全体たいへんなんでありますが、われわれの地元では、畜産全体、牛、豚あるいは養鶏、こういうもの全体をとりまして約三割の経営規模がいま縮小しております。そしてこれもこのままでいくならばとめどもなく縮小していくだろう。というのは、高いえさを食わせてとてもやっていけるものじゃないというので、いま飼っているものに食わせるだけでもこれは容易でないということですね。ましてや経営規模を拡大するなんというわけにはいきませんから、だんだん飼育の頭数や羽数も全部減らしていくということですね。  そういうさなかにいま質問があったのでありますが、大臣、これはあまりこまかい問題は別にお聞きするつもりはないのです、すベてひっくるめて三十分間でありますから。いまの畜産危機というか、狂乱の中に一枚入っちゃったかっこうですが、この畜産危機に対していかなる方策をおとりになるつもりでおられるのか、そしてそれはいつになったならば安定するめどがあるのか、この点だけでいいから簡単にお答えをいただきたいのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お説のとおりでございまして、畜産家はたいへんいま困難をいたしておる状況、これは私どももよくいろんな方にお目にかかっておりますので承知いたしておりますが、先ほど来お話のございましたように飼料が高騰しております。そういうことについて特に配合飼料を多く消費するほうの側においてはよけいそうでありますが、そこで、私どもといたしましては、今日のような状況を踏まえて、先般畜産振興審議会の懇談会を開きまして一日非常に熱心にやっていただきまして、その大体の御意見も承りましたが、これは正規でございませんので、来たる十一日から正規の振興審議会を開催いたしまして正式にひとつ御意見を承って対処する。  これは御存じのように法律でそうなっておりますからそういうことでありますが、これは三月三十一日でありますけれども、その前にもすでに本年初頭よりえさが高騰しておることはもうわかっておることであります。それらの問題も含めてどのように対処するかということについてただいま各方面と私どもが意見の調整やら検討をいたしておる最中であります。したがって、いまお話がございましたが、私どもといたしましては、必要であって、国内で生産をしなければならないもので外国に若干依存しなければならないものを使っておるというのは、畜産でありますから、こういう畜産を、明日への生産意欲を阻喪さしてしまうようなことがあってはたいへんでありますから、そういうことを踏まえて善処いたしてまいりたいということで、ただいま鋭意勉強中でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 大臣、たいへん失礼ですが、勉強されているそのことについては敬意を表しましょう。しかし、きょうこのごろ起きた問題じゃないんですね。えさを中心にする飼料の高騰あるいは流通過程における問題、その他いろいろの問題があるわけですね。あるいは畜産物価格の問題も同じでありますね。いろいろな要求はもうとっくに出そろっているのですよ。ところがいまのお話では、これからの手続をお述べになったと思うのでありますが、それは手続を経なければならぬものは手続をお経になることはあたりまえでありますが、畜産農家のみならず全体の農民にとって、どうも少し間遠い感じがいたします。失礼ですが。大体最近の役人——役人といったら前にいる方にたいへん申しわけありませんが、商社ばかりじゃないですね、大企業ばかりじゃなくて、役人そのものも無責任きわまりない態度が非常に多いんですね。これは長い話は禁物でありますけれども、二年かそこらたてば局長から今度は次官になれるとか、あるいは公団に天下りができるとか、あるいはついこの間課長でいたのがどこへ行ったかと思ったら、名簿をさがしたら局長になっていたとか、そういうことで二年かせいぜいつらくとも三年がまんすれば先へいけるからというので、そういう押し出しのかっこうなんですね。これをコントロールできるいわゆる責任政党である自民党はほんとうにコントロールできるのかというと、たいへん失礼ですが、実権はお持ちのようですが、なかなかしさいにはコントロールできない。私は別に悪口を言っているわけじゃない。反省すべき点だと思うのですね。  さっきから局長のお話を聞いても、さっぱりわけのわからぬ話をしているんですね。それは液卵公社がやることだから、どうしようと私は関係ありませんというんだ。そういうことで日本の農業なり畜産を安定させるなんてことはできませんよ。きょうも夕方牛にえさをくれたり、豚にえさをくれなければならぬ農民の立場に立ったら、そんなまどろこしい話を聞いている人はどこにもないんじゃないですか、これははっきり言って。私は棒書きでいいから具体的な対策をお示しいただけるものと思って、実は冒頭質問したんです。いずれにしてももう少したがを締めてやってもらうという以外に言うことばがありません、はっきり言って。手が出ないということですね。なるほど懇談会を開いて御意見を聞いて——御意見を聞かなくてもわかっているんですよ。えさが高くて売るものは安くて困ったということですよ。どうしたらいいんでしょうかということですよ。対策はそれに対する対策ですよ。局長、あなたは専門家だから何か言うことはありますか。あったら述べてください。棒書きでいい。当面何をやろうというんだ。何をもってこたえるというんだ。お聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま政府としてやるべき事柄について、いろいろなデータに基づいて責任のある処置を講じようとしている途中でありますので、どうも残念ながら、こんなことも考えている、こういうこともというふうなわけにはなかなかいきません。それはもう久保さんおわかりのとおりであります。だから、みんな政府も一生懸命でやっているんだなということを十分御理解の上におっしゃっていらっしゃるんだとこちらは推測しております。たとえば液卵公社のことでも、さっき畜産局長は、これらの機能を大きくして御期待に沿うように予算措置もやっております、こう言っておるのでありますし、私が申し上げておりますことは、これは役所の考え方というよりも政府全体として対処するためにいま材料を集めて研究して、その間においては農協長その他と十分打ち合わせをして、私どもは事情を十分把握いたしておりますので、そのやりますことがお気に召すかどうかは別といたしまして、やはり畜産家たちとも十分打ち合わせの上に万全の策を講じてまいりたい、こう思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 せっかく御精進いただいて、日本の、そして私の郷里の畜産農家が安心できるようにお願いしておきましょう。  こまかいことはまた別な席でお話しすることにして、きょうはもう三十分しかありませんから、本論に入ります。なぜ畜産問題を高浜入干拓の前にことさら言ったのかというと、大いに関係があるので申し上げたのです。  そこで、質問に入ります。時間がたくさんありませんから、高浜入干拓はいま何のためにやろうとするのか、目的を述べてもらいたい。あまりくどくどは要らない。何のためか、だれのためにということです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 御注意がございましたので、簡単に申し上げます。  県の振興計画におきましても、乳製品なり蔬菜というものについて非常に大きな需要がある、それに対して本地域において相当程度を期待したい、こういうふうな県の振興計画もある。そして都心にも近い。こういうような情勢の中におきまして、とにもかくにもあそこに広域な、平たんな、地味肥沃な耕地をつくることによりまして、地元の背後地も含めた構造の改善にも寄与し、ひいては、間接的にいうならば背後地の保全なり、こういったことも含めてこの地帯に対して非常に大きな寄与をするだろう、こういうことで高浜入干拓を始めたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 いま蔬菜の供給基地の話をされましたが、そういうふうにいま考えているようですが、これは一夜にして蔬菜基地になったのです。局長が課長時代ぐらいのことですよ。最初はいわゆる農家の次三男対策、これから出発したのです。それでそのためには開田しようということで、当時は食糧増産でありましたね。そういうことのうちに、今度は農業の事情が変わってきた。高度成長政策の中で、重化学工業を中心として輸出を中心にする日本の経済政策というか、その裏側は農産物の自由化も現在のようにやむを得ぬということでやってきた。  そこでどんどんこれが広がってきて、御承知のように水田ではおかしいじゃないか、片方では休耕であるというので、それじゃというので、予算をつけようがないじゃないかということでやりましたが、新しい計画があるわけでも何でもありませんでした。忘れもしませんが、その年の予算要求の最終段階の十二月二十五日、その日に一転して蔬菜基地にでもしようかということで、ああそれなら理屈がつくなということでこうなった。最近ではどういうことになっているかというと、蔬菜基地のほかに霞ケ浦のヘドロがたまったから、ヘドロの処理の場所としてひとつやろうじゃないかというのが、地元の県にもあるし、それから皆さんのほうにも考えがあるようであります。  こういうふうに二転、三転しては、だれのために、何のためにやるのかわからぬということが地元にはあるわけであります。この点はよく御理解をいただきたい。結局、いまの蔬菜基地にしようというのは、当然土地と農業との関係を結びつけて考えているわけですね。局長、そうですな。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 確かに四十二年着工当時においてはそういう前提に立ちましたが、その後水田抑制というような問題からいろいろ検討の結果、野菜とそれから畜産でいくというふうな方向になってまいりまして、そして地元の希望につきましても、すでに千七百人近い人が累積しますと四千ヘクタールをこすような希望をしている、こういうふうな情勢のもとでやっているわけでございます。それで一晩にしてなったというよりは、水田抑制という空気で、抑制のもとにおきまして地元も含めて協議した結果でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 局長、書いたものを読まなくてもその辺はわかるでしょう。時間がないから私の質問だけに答えてください。私のしゃべるのは、少しよけいしゃべっておかぬとわからぬからしゃべっているわけです。よろしゅうございますか、かってな話ですが。結局私は、土地と農業というか、畜産なり蔬菜基地、そういうもののために干拓、そして耕地を造成しよう、こういうことですね、と聞いているのです。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 食糧供給という問題もあります。それからもう一つは、そこに広域な大型機械化施行をするということを通じ、背後地の人たちをそこに入れるかっこうで、背後地を含めた地域の構造改善にも資する、この両面でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 いまのお話、いろいろ述べておりますが、結局いま当面する農業の問題は、いま畜産の問題で質問したように土地にかかわりはないのです。経営規模を拡大するとか協業化するとかいう問題ではない、いまは。そうでしょう。そんなものに関係ないのですよ。二人首をかしげているけれども、集約してみれば、いまは農畜産物価格の問題になっている。そういうさなかに、しかも片方では、三十万ヘクタールか何か知らないが、街道の両側の土地を宅地にしようとかいうようなこと、あるいはそうでなくても、茨城県の高浜入干拓をやろうというところでも、大地の広々としたところがたくさんあるのです。それから休耕田もたくさんあるのです。だから、何もことさらそういうふうに埋め立てを強行して土地を造成する必要はないというのが、私がこれまで主張してきたところなんです。  これは一方的かもしれない。しかし農業の基本は、御承知のように、食糧の自給度を高めようということは意見としては出てきているが、自民党内閣の基本では、さっきも申し上げたとおりでありまして、はっきり言って自給度を高めようということにはまだなっていない。だから休耕もあるでしょう。ばらばらというか、何を考えているかわからぬようなかっこうが、高浜入干拓を中心に展開されている日本の農政ですよ、はっきり言うと。こういうものはわれわれは思想としてもいかがかと思う、政策としてもどうかと思うということをいままで言ってきた。  そこで、時間もありませんから申し上げますが、最近、地元の農漁民から、強引なやり方については反対だ、やめてくれという要請が農林省にも別な形で来たはずだ。来ていましょう。来ていないとすれば、下のほうにきっと来ているはずだ。それから千何百名が賛成するというのは、その土地を千何百名に配分するわけでも何でもないわけだ。できないですよ、そんなことは。関係のない人が何ぼ賛成したり反対したって、これはみんな関係がないんです。極言すれば、その地先で漁を営む者、農業を営む者がどういう意向であるかということが一番問題なんだ。地域住民の意向というものを重視しない限りはだめだということですよ。  ところが、いままで意向を重視するということはやってきていない。私は予算分科会でずっとやってきて、きょう分科会の議事録をずっと持ってきました。これは四十五年、倉石農林大臣のときであります。農林大臣が答弁にも立ちました。このときはちょうど八郎潟と一緒になりまして、八郎潟はちょっとストップというか、これは少しあと始末だけやっていこう、高浜入は新規でやろうという、これが一夜にして一転したときなんです。これは四十五年の三月です。当時は中野農地局長ですね。  それから四十六年の二月、これもいろいろ答弁していますが、農林大臣が最後に私に答弁した中でこう言っている。「またなるべく早く解決いたすように、最善の努力をいたしていきたいと思っております。」これはもちろんその当時、農林大臣の頭の中は、干拓をやろうということでありましょう。しかし問題があるから最善の努力をしようということですね。  それから四十七年の三月の分科会、当時の農林大臣は赤城さんでした。茨城県の出身でありますが、この人も、選挙区でありますから干拓の企画はよく知っている人であります。最後にこの人は「計画変更ができるならば、いい方向へ変更していくということはやぶさかではないと思っております。」こう答えております。  次に四十八年、これは櫻内農林大臣で、新規な人でありました。当時の構造改善局長は小沼さん。これが私に対する答弁の中で、「この事業については地元の反対者の了解を得てこの事業を円滑に進めてまいりたい、かように考えております。」と言っておる。  それから去年の八月の建設委員会、これは水源地域対策特別措置法というのが出ましたから、それに関連して当時質疑に入りまして、そのときに出てきてもらったのが課長の山本さんですね 山本課長は「われわれといたしましては地元の客観情勢が許されるならば着工したい、こういうふうに考えております。」と言われた。  時間がありませんから、一応四十五年から政府当局のそれぞれの答弁をいま抽出して述べたわけでありますが、どこをとっても、私の質問に対して、徹頭徹尾反対である、聞く耳持たぬということは一言半句も入っていない。集約すれば最善の努力をするということです。それからごく最近では「客観情勢が許されるならば着工したい、」という意向を漏らした。客観情勢は着工を許すような情勢であったのかどうか。  いまも、御承知のとおり、機動隊を背景にして、その防御のもとに工事をやっているのですね。こういうことはいい姿であるかどうか、これはもう言うまでもありません。これはまさに国家権力を背景にして、地域住民の要求というか希望というか、そういうものを押えつけようという象徴ですよ。もちろん第三勢力というか、そういうものもあることは事実であります。しかし、中核をなすものは地元の関係住民なんですね。皆さんは、学生が来ているとか、関係のない応援者が来ているとか、そういうことを口実にして機動隊を入れているのかもしらぬが、実際の中身はやはり地域住民が主導権をとらなければならぬ。まあ当然ですね。地域住民が賛成だと言えば賛成の方向ですよ。反対だと言えば反対の方向ですよ。そういうものをひっくるめて考えた場合に——いままでの答弁は、私はそのとおりだと思うのです。しかしながら、一向その努力をしていないことは事実じゃないですか。何もやってない。これを背信行為という。  私はこの分科会で前後五回やっているかっこうですね。農林大臣とは、さっき言ったようにきょうで三回お目にかかっておる。分科会というのはそういうところですか。あなたの御意見を端的にお聞きしたい。努力をしたのかどうか。ちっともしてないんじゃないですか。それでいま、機動隊を背景にして今後もおやりになるつもりでありますか、お聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 高浜入干拓のことについて、私が最初農林省に参りましたとき、久保さんとお話し合いをいたしたことをよく記憶いたしております。今日になってなるほど時間がかかるものだなとつくづく感じておるような次第であります。その後の情勢、私どもが入手いたしております報告は、近村の各町村長、それから周辺の関係者の大部分がこれを促進するようにという要望である、県当局も同様な意見である、こういうことで着工に踏み切ったわけでありますが、これをただいま中止する意向はございません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 県並びに周辺の町村とか関係の住民とかおっしゃるが、さっきから申し上げておるように、言うなら直接農業をやる人でも漁業をやる人でもないのですよ。ただこれまでのメンツにこだわって、一応十年もかけてやってきたのだからやること以外に方法はないじゃないかという、一つそういう考え方があるのですね。それから役所は役所で、さっきも申し上げたように、計画を立てたのだから、予算もつけたのだから、この辺でやはり着工させてもらわなければいかぬという、あなたの答弁どおりのことを考えているわけですね。  そういうことでごり押ししてはたして干拓事業そのものがうまくいくのかどうか。農政の基本さえ確立しないままにおいて干拓だけ強行しようといったって、それはそううまくいくものじゃありませんよ。それからずっと未来永劫機動隊を背景にしておやりになるのですか。それはどうなんです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私、ことばが少し足りませんでしたけれども、政府においてはなお他の意見を持っていらっしゃる方々にもさらに説得の努力は続けてまいるつもりでございます。それからまた補償等につきましても、私は報告書を見ましたけれども、大体けっこうだという感じを持っております。でありますから、一日も早くひとつ平和裏に工事が進行いたしますように期待いたしておるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 平和裏にといったって、自分できめたことは一歩も引かぬ、おまえらはだめだ、聞く耳を持たぬ。説得ということと了解ではずいぶん違うのです。説得は説き伏せるというのです。だからそういう態度がどうも少し官僚的だし、権力的ではないかというふうに私は思うのです。  私は、ここで休戦を提案します。いずれにしても機動隊を背景にして工事をやるなんというのは、それは大それたことだと私は思っておるのですよ。これはやめたほうがいい。というよりは、やめろといったら、やめなさい、こう言うでしょうから、いずれにしてもこれはやはり地元との話し合いをやるべきだと私は思います。それはいま関係者の漁民の三十名か四十名の人ばかりじゃなくて、地域住民が、もうこれでは困るからやめてくれ、こう言っておる。そういう声を聞かないでこのまま強行することについては、これは問題があるということですよ。はっきり言って大義名分は立ちませんよ。  それからもう一つは、勘ぐっちゃ悪いのだけれども、ことしの強行した裏には、来年度予算がぽんとつきましたね、一次査定で。みんなふしぎがっているのですよ。これは政治的な陰謀だというふうに私はとっているのです。時間がありませんから、解明する時間がありませんで残念でありますが、陰謀ですね。そうして三億なら三億取ったから、取ったからには今年度の予算を消化しなければいかぬということで無理やりやってしまえということで決断したのがこの一月の着工でしょうね。非常に強引なやり方ですね。  こういうやり方について、何べん言ったって反省はないのでしょうけれども、公共事業は御承知のように総需要抑制で基本的にこれは繰り延べだ。ところが客観的情勢、さっきの山本課長の答弁じゃないが、客観的情勢が許せばということだが、許していない。そういう中で無理して、しかも順調にいってもこれから十年かかる仕事をこの際何で急ぐのか。予算のつけ方についても私は疑問がある。  だから、こういう予算について、これは賛成するわけにはいきません、はっきり言って。だからそういうものを考えて、この際話し合いをするために休戦をしなさい。地元の了解を得るなり、努力をしなさい。私は提案します。時間がありませんから、あとからまとめて御答弁いただきたい。  それから警察庁にお尋ねします。  警察庁については、機動隊を背景にして、これは要請があればいつまでもやっているつもりなのかどうか。機動隊というのはそういうところにも使って、年がら年じゅうこれから十年間も使うつもりでいるのかどうか。そうだとするならば、これはたいへんなことになると思うのだ。これについてどう思いますか。もちろんそれは妨害があっては困るからという要請に基づいて——事実そういうものもある、だからこれはそのとおりやっていくということで答弁があるかもしれないが、こういうもの自体は誤りですよ。もちろんこれは引くに引けないものがあるでしょう。  だとするならば、あなたらは単に要請があったから出て行って、こん棒を振り回す、あるいはたてを振り回すということが能じゃなくて、むしろ農林省なり県に対して、この事業に対してもう少し地元の了解が得られるように話し合いに入るようにあなたのほうからも要請すべきだ、実際言って。これはどうなんですか。警察のほうから先に御答弁いただきましょう。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  高浜入干拓の反対闘争に対する警備でございますが、四十六年以降極左暴力集団が中に介入してまいりまして、これまで三十九件に及ぶ施設あるいは建物の破壊、人命に対する攻撃というようなものが行なわれて、検挙者も三十四名出ておるという状況でございますし、二月においてもかなりの数の極左の集団がそれぞれの施設を攻撃する、こういう状況でございますので、公共の安全と秩序を維持する責任を持っておる警察としては、所要の警備措置を講じておるところでございます。  将来ずっとやるかというお話でございますが、そのような情勢の変化をにらみ合わせて妥当な警備措置を講じていきたい、このように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 大臣から予算について……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 現状の把握があなたと少し違うところがあるかもしれません。けれども、この工事は、先ほど事務当局からも申し上げましたように、関東地域の蔬菜地としては非常に有望なところであるということで、私どもはぜひやるべきであるという考えを持ちましたので、予算要求もいたしたわけでございますが、もともと地域住民の利益にもなるためにやることでありますので、私どもとしては極力——先ほど説得と申しましたが、私の申し上げておりますのは、十分に話し合って御納得のいくようにさらに努力を続けてまいりたい。いまもやっているところであります。

久保三郎日本社会党

○久保(三)分科員 時間でありますから、これで終わりにしますが、いまも説得というか話し合いを続けておるとおっしゃるけれども、ちっともそれはしてないのですよ。何もしてないですよ。これは全然してない。だからそれはやはり休戦が前提です。休戦というか、工事をそういう形でやることもやめて、そして了解を得るなら得る。それから計画も、一ぺんきめたらこれでやらなければならぬなんて、どこから割り出した算術か数学か知りませんけれども、高浜入干拓をいまの計画どおりやらなければならぬなんという理屈はどこにもないのですよ、これははっきり言って。  それから、警察庁にも言いますが、警察庁も、それはいろいろ農林省の仕事に対して妨害がある、これは困るから警備しているのだ、妨害の原因についても——妨害すると言うが、片方妨害されておるものがあるわけだな。そういうものについてはあなたらは全然ノータッチなんだな。しかもこの間の経緯を見ていると、大体十何人か逮捕したが、これは証拠不十分で釈放せざるを得なかったとか、それからこの間はある婦人を誤って逮捕してけがをさせた。本来ならこういうものは告訴なんか待つまでもなくやはり自分の手で捜査して、理非曲直を明らかにしなければ住民は納得しないですね。そういうものを含めて、本問題はやはり単純な干拓事業として考えていくのか、それとも政治的な問題として考えていくのか、これは正念場だと思うのですよ。  そういう意味で、私はぜひ休戦をして、一ぺん地元に平和を取り戻して、話し合いで今後の解決をはかっていくということを提唱しておきます。それを聞く聞かないは別であります。おそらく聞かぬでしょうね、いままでも四年も五年もかかって、努力しますと言って、一ぺんも努力してないんですから。私も実ははっきり言って非常に信用していないのです、皆さんを。しかし私は地元の一人として、これはやはりやらなければいかぬ。こういうものをそのままにしておいて、機動隊をうしろに置いて着工するとか工事をやるなんというのは、もうそれは愚の骨頂ですよ、だれが見たって。やめたらいい。最後にそれだけ申し上げて終わりにします。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて久保三郎君の質疑は終了いたしました。  次に、多田光雄君。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 冒頭大臣にお伺いしたいのですが、さきの国会に提出されて現在参議院で審議されている森林法の改正案ですが、その主要点の一つに民有林の開発行為についての許可制の導入という条項が新しく提案されているわけです。これは私どもも賛成している立場ですが、重要な改正点でありますので、まずこの点について基本的な点で二点お伺いしたい、こう思っています。  第一に、この条項を新設するに至った社会的背景といいますか、開発行為の現状それから国民の要求など、これをどのように考えておられるのか、これが一点であります。  それから第二点は、もう一つ今国会には保安林整備臨時措置法、これの十年間の期限延長を求める改正案が出されております。これは今後十年間の保安林行政を進める第三期保安林整備計画の出発点となるものというふうに私ども考えておりますが、そこで今後の第三期計画の中心テーマはどこに力点を置いておられるのか、これをひとつお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 森林の持っております公益的機能の発揮ということについて、国民的要請が高まっておるわけでありますが、さらにまた土地の投機的取引それからゴルフ場とか別荘地造成等によります乱開発が見られる、これはまことに困ったことでありまして、これに対しては現行保安林制度によって対応しておったわけであります。  しかし普通林におきましては現行制度上はいかなる目的、方法でも開発が可能であるということに私どもは対処いたしますために、今度の法律で御承知のように都道府県の中には土地利用に関する規制条例等を設けておるわけでありますが、権利規制を条例で行なうことには限界があると存じますので、全国的に統一的な規制を行なう必要性がある、こういう考え方でございまして、このために農林省では第七十一国会に大規模な林地の開発を規制する開発許可制の導入を内容とする森林法の一部改正法案を提出いたしまして、先般衆議院で御可決をいただいた次第でありますが、今後本法案のすみやかな成立を待ちまして、これの厳正な運用によって、いま申し上げました土地の投機的取引や乱開発の防止につとめてまいりたい、こういう思想でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 要するに過去の実例あるいは事例から見て、いま大臣がおっしゃった投機であるとかそれから無秩序な乱開発、こういうものから森林を守っていくということが主要なねらいというふうに私は承っております。  そこで、これは林野庁でよろしいと思うのですが、お伺いしたいのは、従来森林の乱開発をしてきたおもな事業、これは何なのか、つまり政府が七十一国会に提出した「公害の状況に関する年次報告」というのを拝見しますと、大都市周辺の森林が急速に減少しているということが指摘されて、そして森林の他用途への転用を促進させている大きな特徴として、いま大臣も述べられましたけれども、ゴルフ場あるいは観光その他のレジャー施設をあげておりますが、このように理解してよろしいですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 いま御指摘の点について具体的な事例を示せというお話でございますが、いろいろ原因はございますけれども、一番大きいものを二、三拾ってみますと、宅地造成につきましては、件数がパーセントにしまして三二%、面積にしまして二一%、これが一番多いのでございます。第二点はゴルフ場でございます。件数にしまして二六%、面積にしましては六一%を占めております。それから次は土石の採取なのでございますが、これも件数にしまして二四%、面積は比較的少なくて四%、これを見ますといま申し上げたようなことが一番やはり態様別に見まして問題を生じたところでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 いまゴルフ場が六一%占めている。つまり、件数は二位であるけれども、その面積は最高ということになっていますね。私は札幌なんですけれども、札幌市内にもゴルフ場が十五カ所あるのです。それから札幌のすぐわきに広島という小さな町があるのですが、これは大臣も耳に入れておいていただきたいのですが、この小さな町にゴルフ場が七カ所ですよ。ある私の知り合いの農民が営農できなくなって、それをゴルフ場に売った。そこへその山はだをはぎに仕事にいっているのですね、奥さんがからだが弱くて。そのはだを裂くのは自分のはだにくわを入れるような感じだ、こう言っているのが、ゴルフ場建設の裏にあるわけですね。  それだけに、どれほど、ゴルフ場が即それが乱開発といえないとしても、非常に大きな森林その他の乱開発につながっているかということがこれでおわかりになると思うのですが、そこで私は森林法の改正それからもう一つ保安林指定のこういう精神からいってみて逆行するのじゃないかというふうに思うような事例、これをひとつきょうお伺いしたいと思うのです。  そこで、昨年十二月十二日付で札幌市長から農林大臣あてに、札幌市西岡地区の水源涵養保安林の解除申請、これと同知事からの意見書が出されているはずです。これは間違いなく、きのうも伺いました。林野庁でこれを審査しているのかどうなのか、あるいは審査は書類上の審査をしているのか、これをひとつ伺いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 御指摘の件につきましては昨年末林野庁にその書類が参っております。保安林の関係する問題でございますので、保安林の中で一号から三号、つまり水源涵養保安林と土砂崩壊、土砂流出保安林については大臣の承認を必要といたしておりますので、ただいまそれを受けまして事務局で検討いたしておるところでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 それではもう一つ伺いますが、この保安林解除に関して、これは二月十八日付だと思いますが、農林大臣あてに札幌市の豊平区羊ヶ丘、そこの自然愛好会の会長の山本正さんという人から、保安林を解除しないでもらいたい、こういう趣旨の要望書、これが大臣その他に出されているわけです。これは表題にはこういうことを書いていますね。「ゴルフ場へのための市道設置に水源かん養保安林を解除することに反対する要望書」こういうふうになっております。このゴルフ場はイーグル観光株式会社というのが造成しているわけです。その内容についてまだ検討されておりませんか。また、検討しておるとすればどのような御検討をなさっているのか、お伺いしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 そのような陳情が参っておりまして、その反対陳情の理由は、自然破壊につながるという趣旨でございますので、ただいま検討をいたしております。ただ、現地のほうにつきましてよく検討いたしたいとは思っておりますけれども、ただいまのような気候状態でございますので、慎重に現状につきましても検討いたしたい、こう思っております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 ところで、このイーグル観光というのは、一昨年から仕事を始めているのですが、昨年の七月段階まで森林法違反、これをどの程度のものを何回くらいやっているか、御存じでしょうか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 詳細承知いたしておりません。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 では、私のほうから述べましょう。このイーグル観光は、一昨年から、森林を伐採してそれを搬出するという名でもって、保安林を通っている林道を定山渓営林署から借りた。伐採したもの、パルプ材を運ぶという名によってそれを借りたようなんですね。そのあとにゴルフ場建設、これはもう造成がどんどん始まっているのですが、その資材をどんどん運搬していった。その過程でどういうことが起きたかというと、これは道議会でも確認されていることです。  一つは、保安林の無断伐採、これは北海道庁調べでは一・一三ヘクタール。しかもその伐採地をゴルフ場に転用した。これについては道知事から原状復帰の命令が出て、一千三百六十本の菌木を植えた。ここに写真がある。膨大な広さを切って、小さな苗木を植えて、これが生長するまでに五十年かかるという。  それから第二の違反事件、その後ゴルフ場への送電線工事で保安林伐採の違反をやった。これに対して道知事からまた中止命令と監督処分を受けている。  三番目の違反、ゴルフ場造成のための資材置き場を保安林内に無断でつくった。この際、保安林の伐採、それから道路の拡幅をやっちゃった。これも写真がある。道路を拡幅して——これです。ちょっと写真は見ずらいと思うけれども、ここだけ、広げてしまって、ここにもあるかないかわからないこんな小さな苗木を原状復帰でもって植えただけなんです。  それからもう一つ違反がある。これは保安林問題じゃないのだけれども、ゴルフ場のレストハウス、これを建設した場所が市街化調整区域であったために、札幌市から中止命令を受けている。こういう事実を地元の札幌営林局長から報告を受けておりませんか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 御指摘の点につきましては、道知事から、ゴルフ場造成内の送電線の違反についての報告は最近受けております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 こういうゴルフ場建設のための会社が、三件にわたって森林法違反の事件を起こしている。それが正確にあなた方の耳には入っていない。それで、この森林法違反が昭和四十八年七月十九日の北海道議会予算特別委員会で問題になった。そして道の仲村林務部長はその事実を認めてこう言っておる。イーグル観光株式会社は原状復帰の命令も守ってくれない。ここに速記録がありますが、「私どもの保安林の管理について非常に不行き届きの点のあったことは当然いま反省しているわけでございます。」こう答弁して、陳謝しておる。しかも地元ではこのことがわかっておりながら、この市の申請書に対しては札幌営林局長が保安林解除の許可を与えておる。これは大臣の手元にあるはずです。これでほんとうに保安林を守れるのか、森林法を改正して乱開発を防ぐというその精神をほんとうに守り切れるのかどうなのか、これは私はたいへん疑問がある。確かに、いま新法はまだ施行されておりません。しかしながら、こういう重大な事犯が刻々と皆さんの耳に入って、それに善処していくという方法をとらないと、森林は今後も引き続き法の網をくぐって乱開発、そしてつぶされていくことははっきりしておる。  そこで、私はもう一つ申し上げたい。札幌市道をつくるということで、これが保安林解除の主たる目的になっておりますね。そこで伺うのですが、この道路の行き着く先はどこでしょうか。そこまで調べておりませんか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 この道路計画の行き着く先はゴルフ場であるというふうに承知しております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 そのとおりなんです。ところが、札幌市から出された文書を見ますとその目的が何と書いてあるか。「市民の憩いの場所として自然歩道の作設並びに奥地には、遊園地を開設する等広く開放し、多くの利用者を迎えるべく造成がほぼ完了しているところであります。」ここにはゴルフ場のゴの字も出てこない。しかもこの遊園地というものは何なのか。ゴルフ場のはるか向こうの奥に、イーグル観光が自分の三百ヘクタールの中にわずか二ヘクタールつくって、札幌の中心部から十五キロも離れておるところです。それを市は市民のレクリェーションの場にする、こう言っておる。これを使う者はゴルフ場に行った本人か家族くらいしか使えないのです。一体これに公共性があると言えるでしょうか。  道路の行き着く先がゴルフ場、そしてそのためにいま保安林の解除申請をしてきておる。しかも地元の営林局長は森林法違反の事犯が三回もあり、道の林務部長が原状復帰を言ってもなかなか言うことを聞いてくれないという会社、これがいま市道をつくるからと大事な保安林の解除を言ってきておる。しかも腹立たしいことは、この申請書の中によくまあこういうことが書けたと思うのだが、ここには、事業者が別添の協定書によってこの道路をつくるとある。この別添の中身を見ると、ゴルフ場をつくるイーグル観光が、建設から金まで出して市道をつくってやるというのです。もう見え透いてきておる。これが一体公共的なものなんでしょうか。  保安林解除というのは——保安林を守ること自体が非常に大事な公共性です。ところが、一企業のゴルフ場建設、しかもその道路も企業がつくってやる、こういうために大事な保安林、しかもいま新法がつくられようとするときにそれを認める、そういう保安林行政でほんとうに森林を守ると言えると思いますか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 いまのゴルフ場、それから遊園地、これは面積の関係も承知いたしました。御指摘のように今回森林法の改正をお願いしておるわけですけれども、保安林の行政でなお足らぬところについて普通林に対する規制をお願いしておりますが、もともとの保安林の制度をしっかりやっていかなければならぬという御指摘、まことにそのとおりでございます。したがいまして、知事からの意見書を添えて出ております。この許可の申請につきましては、なお十分に現地等を含めて検討してまいりたい、こう思っております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 そうしますと、机上の審査というだけでなくて、あなた方もひとつ現地へ行ってごらんになる、そういう立場をおとりになるでしょうか。というのは、私、ここに地図を持ってきておりますが、これは遠くてちょっと見えないかもしれませんけれども、この赤いところがゴルフ場です。このすぐ隣が、これは環境緑地保護地域です。それから、これ全体が水源涵養保安林です。そこにはさまれているんです。そしてここには農林省の林業試験場、これがあるんです。この辺全体を、一昨年、道も市も保健保安林にしてもらいたいということを決議したんです。議会で決議したんですよ。決議しておきながら、イーグル観光の仕事が始まったら、どう思ったのか札幌市はこの保安林を解除してくれという。ですから、これは昨年の八月二十三日の新聞、中央紙ですが、根強い開発優先の姿勢ということでこれを批判しているんです。この新聞だけじゃありません。もしこういうことがまかり通っていくならば、どんなに新法をつくっても、皆さんが努力をされて乱開発から森林を守るんだ、こう言ってみたって、現実にそれを進行してしまうんです。  だから、私はこういう大都市周辺で残された森林を守るためには、あなた方自身が実際現地に行ってみる。しかもこれは利害関係が対立していて、多くの市民がいま反対運動をやる。そしてまた多くの学者や文化人が札幌周辺自然保護緑化懇話会というのをつくって、ここを保健保安林にしてもらいたいという要請、ここを保安林を解除しないでもらいたい、こういう要請をしているんです。どうでしょうか。机上書類だけじゃなくて、実際現地に行って、こういう関係者や隣接する林試や農試の職員、そういう方々の意見も十分聞いて御判断をされるということをおとりになるかどうか、それを伺いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 私たちのところにも地元関係から反対の陳情が相当参っております。したがいまして、これは机上の書類だけの審査では決定しない面もあったと思いますので、時期を見てできるだけ早い機会に現地を十分調査し、なお関係の人たちの御意見も伺った上で判断いたしたい、かように思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 イーグル観光が無知ともいえるめちゃくちゃな法違反をやって、しかもことしまた一月から三月三十日までこの林道の使用許可をとっているんです。私は、国の林政の第一線に立っておる皆さんが苦労をされている、そして第二期の森林整備においても目標超過達成をする、そういう努力をされておることを重々知っております。そういう努力も私は評価したいと思うのです。ところが、実際にそれがくずれていっている。しかも、一業者にゴルフ場建設のために私道をつくらせる。そのために大事な保安林を解除しよう、こうなってきておる。そこで、私このイーグル観光というのを調べてみた。ここの定款や役員、お調べになりましたか。簡単でよろしいからそれを言ってください。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 一応調べております、申請書類に添付されておりますから。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 時間もあまりありませんので、私がこれから述べることは国の林政に対して札幌市民の多くの方々が非常に疑惑を持っているんです。たとえば二年前の新聞にこういうのが出ているんです。大平外相や安田代議士がイーグル観光の役員だ。——私は大平外相の名誉のために言っておきますが、法違反をやって新聞にたたかれ、市民の批判を受けたあとに、昨年十一月に大平外相だけは役員をやめております。これは登記書がありますから。やるよりはやめたほうがよろしいでしょう。しかし、この時点で道民や札幌市民はどういう印象を受けているでしょうか。市民のほんとうにいこいの場になる山を削ったイーグル観光、そこの役員に国の閣僚が名前を並べているということは、どんなに政府が森林を守ると言っても、どんなに新法をやろうとしても、一体その失われた信用をどうやって回復するんでしょうか。  ですから、新法がいまだ施行されてない。目下審議中です。これが一日も早く出ることを私は期待します。しかしながら、魂の入らない法律は幾らつくってもそれはざる法になってしまう。そういう意味で、現実に目の前に進んでいるこの乱開発、しかも法違反を三回も繰り返している、こういうものに対して、一体農林大臣あるいは林政を担当している皆さんはどういう態度をとられるのか。  私はいまこう思うのですね。二つの道がある。もしこの保安林解除をそのまま皆さんが認めてしまうならば、こういうむちゃをやって国の林政にどろを塗ったことを追認することになる。間違いなく追認することになる。そして市民はあるいは道民は国の政治に対して一そう不信感を持っていく。一方、いま進行しているこの乱開発に対して、その事業そのものを押えられないとしても、保安林の解除要請を却下する。その行動こそは失った国政に対する市民の信頼をかちとるだけではなくて、現実にこれから出るであろう新法の魂をあなた方が実行することになる。どっちの道をあなたは選びますか。これは大臣とあなたに伺いたい。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 林野庁としましては、保安林の指定の目的に合うように、つまり保安林の機能がそこなわれないように処置していくことが一番大事だと考えている点であります。したがいまして、保安林の制度につきましてはなお強化拡充していく考えでございますし、普通林につきましても森林法の改正を待ってこれを強化していきたいと思っております。そういう姿勢で対処してまいりたいと考えております。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 林野庁長官の申し上げたとおりであります。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 私の伺っているのは、こういう二つの道がいま迫られているのだということなんです。ほんとうにやろうと思えば私は却下以外にないと思う。たとえ札幌市がこれを要請してきたものであっても、おっしゃるとおりゴルフ場なんだしから、それを公共性の高い保安林を伐採する、だれが見たって白黒はっきりしていることでしょう。一体何をおそれているのですか。しかし、これは皆さん行って見てないというから、ぜひひとつ雪が解けてから行って見て、どんなにむちゃな乱開発をされているか、これを見てじっくり考えて、解除するかどうかをひとつきめていただきたい。  同時にもう一つお願いしたいことは、これは札幌市民のおそらく大半だと思いますが、こういう美しい残された森林を、環境庁も喜ぶし、皆さんも喜ぶのだから、これを保健保安林にしていく、そういう積極的な指導を地元に対してとられるかどうか、またそういうことも考慮に入れているのかどうなのか、それを伺いたいと思う。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 御指摘の点につきましては、現地を十分調査しました上で対処いたしたいと思っておりますし、また地元の方々に対し、そういう緑を守る、こういう姿勢に立ちまして保安林の行政なり、あるいは普通林につきましてもそういう森林を守るという姿勢で対処してまいりたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 そうすると、皆さんが実際現地をごらんになってみるまで、いま出ているこの保安林解除の申請に対して結論を下さない、こういうことですね。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 御指摘のとおりでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 それからもう一つ、現実に乱開発が進んでいってゴルフ場が半分ほどできてきている。しかもここは火山灰地で、しかも傾斜地です。一度雨が降ったらすぐそのわきの川がはんらんするのです。この写真もある。川が詰まってしまった写真もここにあります。そうすると、いま新法ができる。もちろんこれは施行前です。それまで事業をストップさせる、あるいはそういうふうな努力をされるということもひとつお考えになっていただけませんでしょうか。  それからもう一つ、一月一日から三月の三十日まで林道の使用を許しているのです。しかもこの大臣に対する申請書にはこう書いておるのです。「転用にともない、工事中及び転用後の災害防除を十分考慮しており、保全上の支障はないと認められる。」三回も違反の事例を持ち、道自体の原状復帰の言うことを聞かないというこのイーグル観光という会社がはたしてゴルフ場をつくったあとにどんなことをするか、これは手のひらを見るよりはっきりしている。そういう思い切った処置、これは法律的にどうなのか、これは検討しなければならないとしても、そういう意味も含めて現地の札幌営林局長を指導されるかどうか、ひとつ伺いたいと思う。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 そういう御意見も十分念頭に入れまして現地を指導いたしてまいりたいと思っております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 時間も来ました。最後に、保安林は非常に解除件数が多いということですが、年間どれだけ来ていますか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 最近、保安林解除についての件数というのは非常に多いのですけれども、三千件ぐらい参っております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 その二千件を処理する林野庁の職員は何名おりますか。それにかかわっている人です。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 現在のところでは十五名でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 大体一日に五件以上の保安林解除の審査をするということになるのです。確かにこれは現地へも行かれることもあるでしょうけれども、主たるものは書類での審査が中心になるのだろう、こう思うのですね。それにしても私はたいへんだと思う。なぜなら一つ一つの保安林を解除する裏には何十人か何百人かの農民だとか関係住民、この涙があるのです。かけがえのない自然の破壊が進行していっているのです。しかも、それを十五名の人でもって二千件のものを処理をする。これは間違いがないとすればおかしいことです、そういう意味では。  私は、定員法もあるけれども、これは大臣もとくと胸に入れておいていただきたいと思うのだけれども、やはり人員をふやして十分審査をする。たとえば地元では、ちょっと耳に入れたことですが、この保安林を監視している人が一名くらいだ、だから一年にわたってこの違反が行なわれていてもそれを指摘する勇気も出てこないのです。そういう意味で保安林行政を強化していく。これは単に保安林だけの問題ではなくて、日本の自然と日本の森林を守っていくという非常に大きな民族的な仕事なんです。そういう意味でもっと体制を強化していくということもひとつお考えになっているかどうか、それを伺いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 保安林の整備につきましては、保安林整備臨時措置法という法律がございまして、この四月で期限が切れますので、この国会にその延長をお願いしておるところでございます。その延長しました中での考え方としましては、国土保全に関する保安林、あるいは水資源涵養に関する保安林、それから国民全般の方々の御利用になる保健保安林、これを特に強化していきたいと思っておりますので、仕事分量も相当ふえてまいります。そういう意味で、御指摘の線に沿って努力してまいりたいと思っております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 最後に私は大臣に特にお願いしたいことは、先ほども言いましたように、どんないい法律ができても、それを厳正に守っていくという姿勢、とりわけ国民の命と暮らし、あるいは日本の自然を守るということにかかわる問題についてはきちんとしていかないと、必ずそれがこぼれてしまう。特に大企業がこういうことを平気でやっている。しかもそれが国の閣僚がついせんだってまで名前を並べているという行政指導のもとでは、ほんとうに自然を守れるのかという、国民が不安を持つのは当然のことです。そういう意味では、閣僚の百責として農林大臣はどういうようにお考えになっているのか、お話を伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 林野に関する法律を忠実に順奉してまいるつもりであります。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田分科員 終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて多田光雄君の質疑は終了いたしました。  次に、安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 当面政府が結論を迫られている農畜産物の価格問題から始めたいと思います。  まず、酪農とか養豚等、畜産が一つの危機に見舞われているという実態については、もう政府も把握されているとおりでありますが、生産資材がおそろしいほど値上がりを示しています。飼料をはじめそういうふうな状態があらわれているわけですが、せんだって北海道農務部が初めて、農業生産資材の高騰が北海道の農業経営にどのような影響を及ぼしているかについて調べた試算があります。その試算によりますと、四十八年農業経営費は前年に比して三〇ないし四〇%の値上がり、そこで問題なのは農業所得率の落ち込みです。これはそれぞれ部門別に書いてありますが、稲作、畑作等については、たとえば五四・五%が五〇%ぐらいに四・五%のダウンということになっておりますけれども、きわ立って酪農については前年の所得率が三八%ぐらいだったのが二四・五%に大幅な落ち込みを示しているという数字が出ています。それだけでありません。政府の統計でも、たとえば牛乳乳製品統計によれば、一月の生乳生産量は前年に比して一・二%下回り、昨年八月以来六カ月連続減少しているようであります。こういう事態はおそらく戦後始まって以来で、何とかかんとか生産量だけは上向いてきたのがいままさに頭打ちになってダウンし始めた、こういう状態があります。豚についても、配合飼料は四十七年の暮れ三万四千円台であったのが、ことしの二月には六万八千円と、まさに倍増です。その上、肉の値段でささえられていたのが、輸入肉でこれまたがったり落ちて、若い豚もつぶして売るというような状態で、借金で自殺をするという人も出てきている。  こういうふうな幾つかの事態の中で明らかなことは、酪農畜産から離脱をする農家がどんどん出てきたり、生産量も頭数も停滞し、これは単なる一時的な危機というよりも、非常に重い病気だというふうに理解したほうが間違いがないのではないか。そこで、当面たくさん問題があるわけです。それからまた長期的な解決点がありますけれども、いままさに解決しなければいけないのは飼料問題と、それからやはり価格問題だと思います。  飼料問題でありますが、年間千五百万トンも輸入する、それもしかしいままではすごく安い価格であったが、そういうふうな上に成り立っている畜産、石油によく似た状況ですが、こういうようなことに基本的な問題があるわけでありますけれども、この際は飼料価格を極力低く押えるための積極的な財政援助こそが必要ではないか、これは生産者を助けるためにもそうだし、消費者のためにも、そのことに政府はいま全力をあげるべきではないか。狂乱物価の中においてこれはやはり政府としての重大な決断ではないかと思うのですが、具体的にいまの飼料の問題に対してどういうふうに取り組もうとしておられるか、それをまず伺います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 飼料価格はまさにお説のように私どもたいへん心配いたしております。御存じのように、飼料、ことに穀物の輸入価格が逐年高騰して、最近特に高騰してきております。そういう中でございますので、われわれといたしましては来年度予算でも御審議願っておりますように、これの自給度を高めることに全力をあげておるわけでありますが、当面価格決定の問題が追っております。そういう場合に、ただいま財政的な方面で考慮すべきではないかというお話でございますが、私ども昨年はやはり飼料価格の値上げによっていろいろなことをいたしたことは御存じのとおりでありますが、今回はどういうふうにこれを対処すべきであるか。そこで先般来酪農家の方々も各地にお集まりになりまして、その代表の方々にもお目にかかって、御希望のことをよく聞いております。そういうことも念頭に置きながら、御承知のように乳価、豚価等を三月末に決定することになっておりますので、そういう材料を織り込んで審議会の答申し十分得られるようにしてそれを待って決定をいたしたい、こう思っておりますが、飼料の輸入価格につきまして、これはできるだけ合理的に、できるだけ安いものを入れるように、これは最善の努力をいたすつもりでおります。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 抽象的にはわからぬではありませんけれども、現実にいま上がっているのはこれだけ下がるのですよという説明がなければ、価格問題はいま火がついているわけですからね、そういう段階ですから、農民の側は納得しないと思うのです。現実に事務局でもけっこうですが、どんな作業が行なわれているのか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 三月末に例年のとおり四十九年度の原料乳の保証価格と豚肉安定価格等をきめることになっております。これにつきましては、今回の飼料の値上がり、その前の値上がりも含めまして、その他コストの動向というものを十分反映をした価格形成をするように作業を急いでおるところでございます。  さらに四十九年度までの間、二月に値上がりしたわけでございますが、いろいろな経営に対する影響が出ております。これに対してどのように対処するかということにつきましては、低利融資という前回やりましたようなことも含めて現在検討をいたしております。  なお個々の問題といたしましては、たとえば乳雄等の牛肉価格が非常に下がっておるというようなものにつきましては、畜産振興事業団の輸入調整措置をすでにとっておりますので、漸次その効果があらわれてくるかと期待をいたしておるわけでございます。  さらに牛肉につきましては、末端の小売り価格が十分卸価格を反映して下がらないというような問題がございますので その点につきましても小売り業者の団体を通じて強力に指導しておるところであります。  さらに現在予算を御審議いただいておる中に、政府直接ではございませんけれども、政府の助成によりまして子牛の価格の安定あるいは鶏卵の価格を安定するための液卵公社の買い入れに対します出資増というような関係の予算を出しておりますので、これらの成立を待って早急に対処したいと思っております。  また、鶏卵につきましては、ここ二、三年来生産過剰ぎみになっておりますので、この際生産の計画化をやるということで、現在生産者諸団体等とその具体的なやり方につきまして協議をしておるところでございます。早急にきめて実行に移したいということで現在いろいろ検討しておるところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 どうも通り一ぺんの御答弁のようで、もう少し深く入った現実のお答えをと思うのですが、少したくさんお聞きしたいことがあるものですから、あまり深くいま入るわけにはいきませんが、あとで次の委員からの質問の際に明らかにしていただかなければならぬ問題もたくさんあるだろうと思います。  そこで、いまの御答弁のうち、飼料作物への生産奨励金、トウモロコシにも作付面積に応じ生産奨励金を出すようにしてくれないか 一代雑種はこれは米とほとんど劣らないぐらいの反当カロリー量を持っています。それぐらいの生産があるわけですからね。これもすべきではないかという声が非常に高いのですが、これはどうですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 トウモロコシにつきましてはいろいろ国でも実験事業をやってまいりましたけれども、これは労働生産性あるいは反収等につきましてかなり現在輸入しておりますアメリカのもの等と比べて差がございますし、さらに御承知のようにトウモロコシの実取りの場合はこれは表作でございますので、有利な米その他とかなり競合する面がございます。したがいまして、いま直ちにトウモロコシを大いに生産を拡大するんだということを全面的にとるというのにはまだ解決すべき問題があると思いますけれども、ただ現に飼料作物の生産奨励をやることにいたしておりますので、やれるところでおやりになるならば、当然それは対象にしてまいりたい、来年度からしたいというように考えております。  もう一点、ちょっと失礼しましたが、後段のお尋ねは品目は何でございますか。もう一つお尋ねがあったように思いますけれども、トウモロコシのほかに……。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 いや、それだけでけっこうです。  えさの問題は、いまやはり最大の関心事だと思います、畜産全体についていえば。したがって、この問題については、やはりきちっとした答えを出していただきたい。なるほどな、こう思われるものでなければならぬと私は思います。しかも、これからあと価格の問題を議論する場合にも、消費者にはね返るわけですから、いまの物価の状況に対するはね返りを押えるのはやはりえさに対する対策以外に私はないと思うのですよ。そういう含みにおいての対応をぜひしていただかなければならぬと思いますので、その点だけひとつ強く申し上げておきます。  そこで、価格の問題ですが、短い時間ですから原料乳価格だけを取り上げてみますと、現在の不足払いの仕組みが四十一年に発足したときには、飲料乳と加工乳との差はキログラム当たり約三円ぐらいだったのが現在ではもう約三十円の差に開いてきている。しかも、不足払いが発足してから一度も実勢乳価交渉の上積みもありません。まるで不足払いというのは乳業メーカーのためのものだというふうな批判も今日強まってきているような状況であります。理論的にいえば不足払いがあるのだから心配ないはずなんですが、ところがその保証価格というのはまず大蔵省が財源をきめて、その財源から逆算をされて乳価がはじき出されている。問題はここにあるわけですよ。問題はあべこべなんですね。農民の生産が十分に保証できるような価格をきめるのではなしに、初めに財政ありき、それから逆算されて保証が行なわれるという仕組みが今日のようなばかげた実態をつくり上げてきているのではないかと思います。飲料乳も加工乳も同じものですよ、これは。それがそんな大きな差になっているところに一つの大きな問題があると思います。だからやはり農民がずっと要求しているように、われわれもそういう主張を続けてまいりましたけれども、生産費所得補償方式よりほかに私はだれも納得させるものはないと思う。こういう本質からもう一度価格の問題について考え直すべきではないかと思いますが、これは大臣、基本問題ですから、いかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 加工原料乳でありますが、これはもう毎々申し上げておりますように、先ほどもお話しありました今月末審議会がございまして、そこの答申を得てやるわけでございますが、もともと私どもは生産条件それから需給事情、諸般の経済事情等を勘案いたしまして決定するということになっておるわけでありますが、もう先ほどお話しのように、基準価格等についてもだいぶ狂ってきております。そういうような諸般の状況を勘案いたしまして、明日への再生産の楽しみを持っていただくことを念頭に置いてこれは決定しなければいけない、こういうことは思っておりますけれども、率直に申し上げますと、いま各方面でいろいろなことをやっている最中でありますので、なかなか申し上げにくい点もあることをひとつ御了承願いまして、私どもはいま申しましたように最終的にはなくてならないものを生産していただくのでありますから、それが継続できますように対処いたしたい、そういうことのために最大の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 総論としては全くそのとおりです。なくてはならないものの生産のために最善の努力を政府は傾けていただく、そのとおりなんですよ。問題は各論なんですがね。言いがたきところがたくさんあるというふうなお話なんですが、私は二つだけちょっと伺いたい。  その一つは、これは畜産局長、飲料乳と原料乳との価格バランスはいま相当開いていますが、これはどの程度が適当だというふうに政府はお考えなのかということが一つ。  それからもう一つは、昨年も飼料がおそろしい値上がりを示しているのだから、乳価は当然上げろ、こういう農民の主張に対して、畜産の審議会に対する政府の資料が三十六銭むしろ下げたほうがいい、それは子牛が上がったり肉の価格が上がったりしているのだから原価計算をすればそうなるんだという資料をお出しになった経過があって、もう一度いまの算式について考え直すということのお約束があるはずです。それがどう出るかということがことしの場合の最大の問題点になっているわけでありますが、どうなんですか。その子牛の値段とか肉の問題、それを去年のようなああいう不合理な答えが出ないような仕組みを当然考えておられると思いますがね。私はいまの二点、これについての政府のお考えをひとつ伺っておきます。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 飲用乳と加工原料乳との価格の格差の問題でございますが、御指摘ございましたように、不足払い制度発足の当初四十一年ごろは約九割ぐらい、まあ一割安かった程度でございます。現在は六割ちょっとというようなところでかなりの格差が出ております。これはどの程度の幅がいいかというお尋ね、なかなかお答えにくいむずかしい問題でございますが、現在の不足払い制度の考え方は、飲用乳につきましては需給実勢に応じて生産者とメーカーとの間の折衝によって実現する価格で大体再生産が確保できる、ただ加工乳につきましては、御承知のように需要の問題、あるいは輸入の問題、あるいは季節的にどうしても余剰になった場合に回すというような問題、さらに加工乳につきましては、産地が遠隔地に限定されまして、飲用乳として自由にどこへでも運ぶというようなことについては大きな限界があるというような点から、何らかの国の支持、価格的な面での支持保証をしなければいけないというような考え方から、不足払いについてのみ、現在のような生産費をもとにいたしまして、生産費所得補償方式まではいっておりませんけれども、一部につきましては五人以上の製造業の労賃に評価がえをして生産費を修正した上でそれに基づいて保証価格をきめておるというようなやり方をしておるわけでございます。  ただ、どの程度の格差が適正であるかということにつきましては、確かにいま開き過ぎておるという感じを持っております。したがいまして、できるだけ市乳化を促進する、飲用乳化を促進するということで、遠距離輸送、特に北海道地域におきまして濃縮乳の製造工場に対しまして出資をしたりしまして、これを関西地域に運ぶとかいうようなことをやっておりまして、それらの輸送圏を拡大することによりまして、できるだけ市乳に回すということによりまして、その格差を縮小していくというようなことを進めておりますが、今後とも引き続きそのような方向で進めたいと思っております。  それから、乳価の算定方式の問題でございますが、御指摘のように、小牛価格あるいは廃牛の価格が肉の価格に応じてかなり大幅に変動する。それが現在のやり方では牛乳の価格に影響して牛乳の価格自体の変動を大きくするという不安定性があるという御指摘はかねてから非常に強いわけでございますが、この点何かもう少しならす方法はないかということで、どのような方法で手直ししたらいいかということを現在検討しておりますので、近く審議会に諮問するまでには、その方式の手直しも加えた上で試算数字をおはかりしたいというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 たしか十一日審議会ですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 そうです。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 それに何を提案し、何をおきめになるおつもりですか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 十一日は畜産振興審議会の総会でございますので、そのときには政府操作の飼料の四十九年度の需給計画、それから加工原料乳の保証価格、乳製品の安定指標価格、それからメーカーが生産者から加工原料乳を買う場合の基準取引価格、それから不足払いの対象となります限度数量というもの、それから豚肉の安定価格、安定上位価格と基準価格、大きくいいましてこの三本について諮問を出すことにしております。  さらに例年のようにその後において部会をそれぞれ飼料部会、食肉部会、酪農部会を下旬にかけて開催をいたしまして、具体的に数字の試算も提出しながら御審議をいただくことにしております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 そうしますと、十一日にはそういう算式だとか、試算だとか、そういうものもお出しになるのですか。それと総体的なスケジュール、いつまでの御決定をお考えになっておられるか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 試算を出します場合に、例年のことでございますけれども、最新のデータを使うということもございます。具体的には四十八年度の生産費調査がまだ出ておりませんので、それが出てから急遽最終的な試算をいたします。それから物賃の最新のものも使うということでございますので、どうしても十一日に具体的な数字で諮問するということは例年のように間に合わないのでありますが、飼料部会は十八日、食肉部会は二十五日、酪農部会は二十七日を一応の予定にいたしております。これは総会においてきめますので、いま私のほうでこうきめたということではございませんけれども、その辺がわれわれのいま言いました最新のデータを使った作業の進捗ぐあいから見て適当ではないかと思っておりますが、例年より若干繰り上げてやる予定にいたしております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 どうも、そういう次の機会があるからかもしれませんけれども、大臣のお話じゃないが、あまりはっきりしたお答えをきょうはいただけないようであります。いずれにいたしましても、あくまで生産費と所得を保障せよという農民の要求と、それからあまり家計に響かされては困るという消費者の要求と両方あると思います。そういうような中で、その調整の役割りをするのは、私は政府でなければいかぬと思う。飲用乳のほうは需給バランスで、加工原料乳のほうは財政の都合できめるというむちゃなきめ方が、今日酪農をめちゃくちゃにしているわけですから、そういう事態を踏まえての正しい結論を出していただくことを、畜産物の価格の問題について私はお願いをしておきたいわけです。  次に、てん菜の最低生産者価格の問題が日程に上がるはずでありますが、これについて簡単に伺っておきます。主要畑作物の収入比較をしてみても、小麦は十アール当たり二万七千六百円、アズキは二万三千四百円というふうな中で、てん菜だけは二万九千二百十円と、比較にならないくらい落ち込んでいるわけであります。昨年の価格決定についても、てん菜だけは非常におくれています。大豆が一六・四%、米が一五%の引き上げに対して、ビートだけはただの三・八%の引き上げ。こういうようなことが、ことしはひょっとすると、去年六万一千ヘクタールあったのが四万五千から四万八千ヘクタールに落ち込むのではないか、ビート工場二工場がつぶされるだけの落ち込みを見せるのではないかという話さえ現地ではあります。そういう実態を踏まえた決定が価格決定の際に配慮されなくてはならぬと思うわけでありますが、まだちょっと時間があるかもしれませんけれども、これについての基本的な考え方だけでもきょう伺っておきたいと思います。

池田正範農林省食品流通局長

○池田政府委員 てん菜の作付について、現地のほうで見て、いろいろと減少するかもしれぬという非常に悲観的な情報があることは私もよく承知しております。それらについては当然私どもとしてはその減反を防止するということに全力をあげなければいかぬというふうに考えておりますが、これまでのてん菜のたどってきた道を見てみますと、比較的新しくあとからつくられたこともございますけれども、北海道の恵まれた経営規模の中でかなり急激な伸びを示してまいっておりまして、ほぼこの十年間に四万二千ヘクタールから六万一千まで伸びてきた実績があるわけでございます。しかも今後、最近における農業資材その他の値上がりというふうなものをどう織り込むかの問題はこれからの問題でございますけれども、少なくとも現在まで、いま先生御指摘の三・八%しか上げてないじゃないかというふうに非常に低く見積もられたその価格を基準にいたしましても、実は生産費とそれから政府できめました行政価格との間では、常に生産費を上回って動いてきているという実態もあるわけでございます。だから非常に余裕があると申すわけではございませんけれども、行政価格の中では比較的カバーのできておるものの一つであるというふうには言えるというふうに私どもは思うわけでございます。  問題は、そうは申しましても、今後減るぞという実態のもとで、一体どうするんだということかと思いますけれども、私どもといたしましては、これらの実態を踏まえて、いわば優等生であるべきてん菜というものを今後北海道の畑作のローテーションの中で安定させる。そのために一体六万一千ヘクタールがいいのか、あるいは六万ヘクタールがいいのか、もう少し伸びていいのか、この辺の問題がまだあると思います。しかしながら、限られた北海道の土地の中での組み合わせがうまくローテーションの中で回っていくということが実現できればいいわけでございますけれども、私どもといたしましては、この法律に書いてございますような再生産が十分できるような形に、勘案事項も十分考慮に入れまして、そしててん菜全体が五十七年の長期の見込みに向かって少しでも近づくという形をとれるように努力をしたいと考えておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 もう時間ですから、これが最後になると思いますが、大臣にちょっと申し上げておきたいのは、いま局長からもお話がありましたけれども、いままでてん菜が相当伸びていたのがいまなぜ急に減るかというと、これは小麦なり豆類に対して奨励金が出るからですよ。奨励金が出るから反当たりの所得率が上がるのでさっといく、それだけなんですよ、問題は。だから、いままでが安定し、伸びていたからそれでいいというものでは私はないと思う。私は、そこで大豆やそういうものに対して奨励金を出すなというのでは決してありません。やはり畑作農業というのは根菜類があって、それから上に禾本科の植物があって、そういうローテーションの上に成り立っていくのが本来の畑作経営であるべきですよ。それなしに、ただ価格で奨励金を出したらあっちにいったりこっちにいったりするというような形に放置しているというところに問題があるので、何の作物をつくってもきちっとローテーションをやっていれば、それで農家の所得はきちっと安定し確保できるのだという、そういう仕組みをつくることこそが農政の基本であって、かってにつくれ、奨励金は足りないからこっちにつける。みんなこれはざるの中に入れた豆がこうやられるような、そういう形に置いておくところに、それはそれこそNOの農政でしかないと思うのです。ほんとうの農政、総合的に安定した経営が成り立つような農政の方向をやはりきちっと出していただきたい。そのことだけ大臣からの御答弁を願って、終わります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御高見を十分に参考にいたしまして、われわれの施策を進めてまいりたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて安井吉典君の質疑は終了いたしました。  次に、小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 私は、昨年六月、第三水俣病でいろいろ騒がれました有明海沿岸の漁業者に対する国のつなぎ融資の問題と公害補償との関係について質問します。     〔主査退席、羽田主査代理着席〕  前国会で水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法が成立をいたしまして、この法律に基づいて指定区域内の被害漁業者に対しては現在融資が行なわれているわけですが、有明海沿岸の長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県の四県に対する融資額の総額は幾らになっているのか、それと、念のために各県別のものもあわせてひとつ説明を願いたいと思います。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法に基づきまして、有明海関係四県の指定地域の融資金額は、福岡県が十五億四千七百万円、佐賀県が五億五千二百万円、長崎県が十三億七千八百万円、それから熊本県が二十一億円、合計五十五億七千七百万円になっておりますが、熊本県だけは全県分でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 それでは、一方四県の漁業組合連合会が、この加害者である三井東圧、日本合成と漁業補償の交渉を行なっていますが、この交渉の現況はどうなっておるのか、その点いかがですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 私どもが承知しておりますところでは日本合成、三井東圧は見舞い金として一応十九億円程度を出そうという話し合いが進められているように聞いております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 おそらく見舞い金といってもこれは補償金額というようにみなさざるを得ないと思うのですが、現在十九億ということで交渉はまだ継続中だと思いますけれども、しかし一方、先ほど来申し上げますように四県の合計額は五十五億で、これは熊本県が全部入っていますけれども、熊本県を除いたとしても三十三億の融資を行なっているわけですね。そうしますと、熊本県を除いて考えますと三十三億と十九億、十九億というのはまだ今後流動的ではありますけれどもおそらく三十三億になるか、五十五億になるということになれば問題はありません。しかしかりにこれが二十億、二十五億になった場合にいまの五十五億の差額の三十億、たとえば三県だけでも三十三億の場合に二十五億の差額八億、この八億なり三十億なりのこの漁業補償額と融資額の差が出てきますね。これはどうするつもりですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法でとられた措置はあくまで融資でございまして、先生御案内のように緊急措置として、魚介類の水銀等の汚染問題によってその生活または家計に著しい影響を受けた漁業者に対して行なわれたものでございます。したがいまして、この法律に基づいてとられた措置は融資でございますから、当然それは返してもらわなければならぬということになるわけでございます。漁業者の立場からいけば返さなければいかぬ、こういうことになります。一方、漁業公害は原因者負担の原則に従って雇用者たる企業がその損失を補償すべきものであるということになっているわけでございますので、原因者から補償額を受け取った場合はそれをもって返済に充てることができるわけでございます。ただ、一つ問題なのはこの融資措置と損害額というものが必ずしも因果関係を持っていないというところにいま先生が御指摘のような問題が出てくるわけでございます。したがいまして、そうした場合にはやはり融資でございますから償還の問題が起こってくる、こういうことに相なるわけでございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 あれだけ有明海の水銀汚染の問題が大騒ぎをして、それで衆議院においても農林水産委員会、公害委員会、あるいは参議院の農林水産委員会、公害委員会も現地を調査いたしたわけです。さらにこれは本会議を開いて緊急質問をやったという経過がある問題なんです。したがって、そのとき一番質問の中心になったのは、やはりこの漁業補償の問題であったわけです。したがって、いま長官が言われておることとわれわれが理解しておること、またいままで公害の委員会、本会議で三木環境庁長官あるいは櫻内農林大臣、荒勝水産庁長官が答弁したこととは若干ニュアンスが違っておるわけです。参考のために、この点は明確にしておかないと、これはわれわれもそうですけれども、この有明海沿岸漁民もあれだけ国会に傍聴に来て、いま長官が言うように、自分たちが融資を受けた分は返すことは当然なんです。しかしそれに見合うものはこちらの公害補償のほうでとれるもの、それで実際は自分自身は負担しなくてもいいというような理解を持っているわけです。またそういうような答弁をしておるわけですから、私はいまからその例を、議事録を読み上げますから、この点は明確にしてもらわぬと、あとで漁民から農林行政についてはかなりきびしい批判が出てまいりますよ。  まず昨年の六月二十一日の公害対策並びに環境保全特別委員会の議事録を読んでみます。ここで小澤委員の質問に対して三木長官はこういうふうに答えているわけですよ。前文を省略しますけれども、「その間のつなぎ資金として政府が低利な資金を融資する、しかしそれは原因者がわかったときには、その融資をした金はやはり補償の中にそういう金は組み入れられて原因者が負担をすることになる、こう申し上げておるわけですが、そういうことでよろしゅうございますか。」という答弁をやっていますね。よく聞いておってくださいよ。それからさらに同日の委員会で、これは私の質問に対してやはり三木長官が「やはり加害者に責任を負わす——いま漁業に対してつなぎ資金を出しても、そのしりぬぐいは企業がしなければならぬという原則はくずさないという方針だけは、これはもう貫いていきたいと思っております。」それからさらに荒勝水産庁長官はこの私の質問に対して「今回の水銀もしくはPCBの汚染ということによりまして、緊急融資を行なうということになってきておりまして、原因があくまで汚染があったからこういう融資は始まったわけでございまして、ただいま環境庁長官がおっしゃいますように、将来において原因者が究明された場合におきましてはその間の被害の漁家が受けた融資の分につきましては、当然に原因者が元利合計で負担してもらうものと私どもは理解しておる次第でございます。」こういうふうに言っているのですよ。もう一つ言います。今度は本会議のものを申し上げます。これも林議員の質問に対してこれも三木長官は、「そこで、結局は、原因を与えたる者が、健康に対しても財産に対しても補償するというのが原則であります。政府は、この原因者が負担するという原則を曲げる考えはないのです。しかし、原因者が究明されるまでの間につなぎの資金を必要としますから、今回、非常災害並みの条件のもとにつなぎ資金を出すことにいたしたのであります。しかし、それには、たてまえ上三分の金利がついておりますけれども、これは、原因者がわかったならば、原因者が負担するものでありますがゆえに、たてまえ上三分の金利はついておっても、漁業者の負担にはならないという性格の資金であることを申し上げておきたいのであります。」本会議です。よう見とってください、大事なところですからね。それからまた櫻内農林大臣は土井議員の質問に対して、「公害等による被害については、原因者負担の原則により原因者によって補償がなされるべきであるという基本的態度は、先ほど環境庁長官から示されたところでございまして、私もそのとおりに心得ておるわけであります。」それから次は中島議員の質問ですが、これは同じようなことです。「なお、原因者が明確になったときは、原因者負担の原則によってその経費を支弁させることにいたしておるのであります。また、原因者負担については、被害漁業者と原因者との話し合いがすみやかに行なわれますよう、都道府県に対し適切な指導を行なってまいります。」それから今度は私の質問に対して、これも田中内閣総理大臣ですが、「なお、原因者が明確になったときには、原因者負担の原則によって、その経費を支弁させることにいたしたいと考えております。」ほかにこれに類するような答弁が公害委員会、本会議でなされているわけです。どうです、長官。それは漁業者と企業との間の交渉であって、われわれはそんなことは関知しないんだ。関知しないということは言わぬと思いますけれども、融資と補償とは密接につながっておるということがこの中でははっきりしているわけですよ。補償問題についても、これは十一月十日ですか、水銀等汚染対策推進会議でも、水産庁はこの補償問題についても都道府県を指導して解決することにつとめます、そういうふうなことが決定されているわけです。それをもって、熱気のあるときは非常に前向きのことばを言っておるような感じを持たせながら、いまになってみたら、ほとぼりがさめたからといって、そんなことはわれわれ知りませんと言う。そういうふうな対策会議の結論が出たから、私は十一月十三日の公害対策並びに環境保全特別委員会で水産庁に対して質問をやった。そのときの次長の答弁もちょうど長官と同じような答弁であった。そのとき私は、こういうような議事録をもってひとつ明らかにさせよう。そうしなければ、先ほど申し上げましたように有明海沿岸の漁民は、融資は融資で、当然融資を受けてこれは返済する。しかしながら、いままでに答弁されたような経過から見て、当然公害補償の中にその問題も入って、それと同等のものが補償されれば、この融資を受けた漁業者は負担にならぬです。しかし、いまのように現実は十九億だ。融資総額は佐賀県、長崎県、福岡県で三十三億。熊本県を入れなくても三十三億です。かりに熊本県の分が半分入ったとしても、これまた四十三億ぐらいになる。そうした場合に、いま支払いが始まったとしても最終的には三年ぐらいかかるから、そのときにはまたごまかせると思っておったらたいへんなことで、この点は明確にしていただかないといけない。いままでの答弁といま長官が言われたこととは非常に食い違っておるように私は思うのです。いま私がこの日本語を読んでみて、長官、たとえば補償額と融資額とは別だというふうな印象を受けますか。いま私が読んだ長官の答弁の問題にしても、議事録には間違いありませんね。環境庁だれか来ておりますか。環境庁、私の議事録に間違いないですね。確認します。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 先生お読みになったとおりでございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 そのとおりなんです。そうした場合に水産庁と環境庁との間にはこの問題についての考え方に食い違いがあるということになりますか。櫻内農林大臣ははっきり言っている。荒勝水産庁長官もちゃんと、環境庁長官が答弁したとおりでございますと、はっきり言っているのだから。どうですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、水銀等による水産動植物の汚染に係る被害漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法はあくまで融資でございます。  そこで私も、汚染者負担の原則ということは、先ほども申し上げましたように、原因者がわかって、その汚染者から補償をとった場合には、それをもって返済に充当するということを申し上げておりますので、先ほど先生から御指摘のございました各種の答弁と私の申し上げていることは矛盾がないというふうに私は確信しております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 いまの答弁を聞いてみても、あなたたちはこの問題を切り離したような考え方をしておる。あなたが言われるように、つなぎ融資は当然返していただく、これはもうはっきりしておるわけです。そして環境庁長官は、答弁の中で、利子も含めてということをはっきり言っておるのですよ。そうしたら、これは当然返していただく。しかし、その補償の問題で、融資に見合うものが同額出なければ各漁民の負担になるわけですよ。そういうふうな漁民の負担になることが、いまの本会議、委員会の答弁と食い違うことになりゃしませんか。どうですか。もう一ぺん読みましょうか。この点、大臣どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 当時私は党のほうにおりまして、四省との間にいろいろあっせんをいたしました。三木長官のおっしゃること、間違いないと思います。要するに、加害者があらわれた場合には加害者の負担である。しかし、いま有明が議題になっておりますが、有明とか徳山湾のほかに、全国に何地区か汚染の騒ぎがありまして、大体九水域。それで水産庁は厚生省、環境庁とも打ち合わせまして、ずいぶん長時間かけてやったわけでありますが、そういうことをしている間にもやはり魚というものは汚染されているものだというふうなうわさが全国に広がりまして、そういう気持ちが出てきたものですから、漁業者やそれの関連産業がたいへんお困りだ。そういうお方にはひとつ融資をして差し上げるべきではないかということで、一方融資を考えましたが、加害者が被害者に向かって補償をするということにつきましてはもう当然なことであるということで、三木長官のお話は、これは政府でも一致いたしておるところであります。したがって、その返済を前提にした融資と補償との問題はそういう関係に立っておりますので、それを御理解いただければ氷解するのではないかと思います。ただ、いまお話しの問題は、補償額がどのくらいであるかということについては、個々別々のケースがございますので一がいにいえないと思いますが、加害者負担の原則と融資はそういう関係に立っていると理解しております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 そのPPPの原則ですね、そのことばも皆さんがみんな了解しておるわけです。ところが、漁業者の方が、たとえば百万円の損害を受けた場合に、加害企業が五十万だけしか支払いできぬということで、百万の被害に対して五十万だけ補償した。それでもPPPの原則というものは、私は半分は生かされたと思うのですよ。被害に対して全額補償するというのがPPPの原則じゃないのか。そういうような意味で、なるほどつなぎ融資の問題とは性格はちょっと異にしておりますけれども、いままでの一連の国会答弁の中ではっきり言ってきているわけなんです。  それでは、そのPPPの原則を貫くために農林省はどうしたのか。それは漁業組合と相手方との話し合いです。本会議、委員会でこういうふうに堂々と答弁しておるなら、PPPの原則を貫くためにどれだけの努力をされたというのですか。ただ通達だけじゃないですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 繰り返して御答弁申し上げますけれども、私どもも汚染者負担の原則は貫かなければならぬというふうに思っているわけでございます。現に有明湾につきましても、先ほど数字を申し上げましたけれども、関係の漁協と三井東圧及び日本合成との間で話し合いが行なわれておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、その話し合いが円滑に進むように、水産庁としても極力援助と申しますか、話がうまく進むようにやらなければいかぬ、これは当然でございます。同時に、これは融資でございますから、先ほどから申し上げておりますけれども、返済問題が起こってくるわけでございます。その場合に水産庁といたしましては、あの地域の沿岸漁業の振興をはかりまして、五年間に返さなければならぬわけでございます。指定地域につきましては一応三分ということになっておりますけれども、関係の業界からの負担で無利子ということに実際なっております。そこで、あの地域の沿岸漁業を振興して一日も早く返せるようにしたいということで、先生の御案内のように、今度熊本県に栽培漁業センターをつくりまして、これは三年かかるわけでございますが、種苗の放流等をやりまして、あの地域の漁業振興をはかってそういった返済に資するようにしたいと考えておる次第でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 それでは、別個のものとして考えた場合に、四県の漁業団体から三井東圧、日本合成に対しての要求額は幾らですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 要求額は六十億六千万円でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 一応つなぎ融資の問題はこちらにおいて、必ずしも要求そのものが妥当かどうか、私資料を持ち合わせてないので何とも言えませんが、しかし、一応は四県の漁業組合連合会ではこれだけの被害を受けたということで、その被害総額をまとめて六十億何がしの金を相手に要求した。現在回答が十九億だとした場合に、その差は四十一億でしょう。そうすれば、PPPの原則からいえばその四十一億はどういうふうになりますか。PPPの原則を貫くというならば、要求額に対して十九億ということになれば四十一億の差がある。その差は完全にかちとってこそPPPの原則は貫かれたというふうに私は考えるのですが、その点いかがでしょうか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 汚染者負担の原則の場合におきましても、あくまで損害額について負担させるということになるわけでございます。六十億か十九億かという問題でございますが、これは損害の査定をどうするかという問題になると思います。具体的な額をどうするかということについては当事者間で話し合われるべきことであるというふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 当事者間、当事者間と言っておりますが、当事者間でするような問題であれば、何も三木長官も荒勝水産庁長官もこういうような答弁をせぬでいいですよ。それは当事者間で十分話し合いをやらして、水産庁も指導しますというぐらいに言っていればいい。十一月二十三日の議事録の中にもありますけれども、水銀等汚染対策推進会議で、その漁業補償について、汚染者負担の原則により、水産庁が都道府県のあっせんのもとに解決をはかるという決定をしておるわけです。  この決定の内容から見れば、私たちはこれを日本式に考えると、水産庁が主導権をもって、各都道府県がそれに協力していただいて、この漁業補償の問題を解決するというふうに理解する。いまのような長官の話であれば、いやそれは当事者間の話し合いであって、われわれは知りませんというようなことでは、このいままでの一連の国会答弁から見ても、あまり無責任じゃないですか。もう時間が来ましたから、この問題はまた農林水産に行ってやりますが、しかし、その点あまりにも無責任じゃないですか。どうですか。

内村良英水産庁長官

○内村(良)政府委員 損害額につきましては、水産庁が都道府県のあっせんのもとに解決をはかるようにしろという御決定があったわけでございます。そこで私どもといたしましても県に働きかけまして、極力早く解決するようにいま一生懸命やっております。しかし、幾らにするかということを水産庁が裁定するというような性質の問題ではございません。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 最後に、それでは水産庁の理解のしかたと環境庁とでは若干違うようですが、環境庁はそういうように理解していますか。

青木英世環境庁企画調整局企画調整課長

○青木説明員 先生おっしゃいましたように、昨年の十一月十日の第三回水銀等対策会議におきまして、水産庁の指導のもとに、都道府県のあっせんにより企業と漁業関係者との解決をはかっていく、こうなっておりますので、私ども、文字どおりそういう姿で適正な補償が行なわれることを期待しておる次第でございます。

小宮武喜民社党

○小宮分科員 環境庁、いま大臣の答弁は、大体具体化、実現化するために、環境庁としては長官が答弁しておるんだから、元利合計とも漁民の負担にならないようにいたします。櫻内農林大臣もそれを言っているわけです。  この問題については、ここでは時間がございませんからやめますけれども、環境庁と水産庁、農林省で十分意見の調整をやってください。これは非常に問題になります。せっかく皆さん方がつなぎ融資をしても、その支払いが完了する時点になると、大きな問題にまで発展しますから、その点はひとつ環境庁、水産庁で十分意思の統一をやって統一見解を出してください。また別の機会にやりますから、これで終わります。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて小宮武喜君の質疑は終了いたしました。  次に、川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 農林省を中心にした第四分科会に時間をいただいたので、ここでぜひ農林大臣に伺っておきたいことは、いわゆる農業政策が予算にどのように織り込まれているか。というのは、特に私があえて聞きたいのは、予算の一般質問で大臣も聞いておられたと思うのですが、失業保険の改正をめぐってかなり農民が動揺しておる。それは雪国の農民であり、半年土地を利用できない農耕地を持つ農民である。冬場の労働力をどうするかという問題を考えますと、ひとつこの辺で過去にかなり期待された農業政策がいろいろな名前で政府自民党から鳴りもの入りで宣伝されましたけれども、どうもさっぱりこれという農業具体策があまり期待できないというのが現実の偽らざることだと思う。どうかその辺を特に四十九年度は雪国の農民、冬場の労働力をどうするかという問題と相まって、特に大臣は労働問題にもかなり造詣の深い方でございますから、ぜひ少し詳しくお聞かせ願いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話のございました農業に関して失業保険法等のことでございますので、いま東北における出かせぎ問題等も含めてのお話だと思いますが、私どもは、農政を計画的に進めてまいっております中でも、やはり地域的に非常にたくさん変わった状況のありますことも念頭に入れてやらなければなりません。そういう意味で、数年前に農産物の地域指標というようなものを出し、またそれからの計画にもそういうものを主として念頭に置いてやってきておるわけでありますが、東北地方におきましては現在のような日本の経済情勢のもとで、それからたとえば水田単作地帯というふうなものが多いわけであります。そういう農業労働の季節性の大きい地域でございまして、地元兼業機会の乏しい地域におきましては、農家所得の確保という立場から、この出かせぎが行なわれておる実情にあるのでありますが、私どもといたしましても農業面においてはなるべく出かせぎ等をせずに済むようなことを希望するのでありますが、いま申し上げたような状況でございますので、そこで農業地域に工業導入等によりまして地元の就業機会の創出をはかるとか、また農業生産基盤の整備、農業団地の育成あるいは農地流動化等の対策を講じて、農業それ自体によって他産業従事者との均衡のとれた生活を営むことができるような自立経営農家を育成してまいりたい、こういうふうなことで進めておるわけでありますが、お話のございましたような農業労働力についての諸般の取り扱い等につきましては、なお今後も十分心を入れて対処してまいりたいと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 そういう考え方は前からずっと述べられてきたので、どういう方針なり法律なり施策を出すんだ、こういうことに対して政府は四十六年に例の農村地域工業導入促進法、これを制定して、これができればかなり解消するということで基本方針を出された。その基本方針を、これは政府から出したので、私たちがやってくれという文章じゃありませんから、その基本方針を参考までに読んでみますと、「昭和五十年度における工業出荷額ベースでおおむね九兆円の規模の工業を農村地域に導入することを目途とするものとし、また、これにより雇用される労働力としては、」ここが大事だと思うのですがね、「これにより雇用される労働力としては、おおむね百万人を見込むものとする。」こういうような方針を確認されて、関係大臣から流されておるわけですが、ところが、おたくのほうの事務当局なり調査室の話によると、百万人なんというのはとてもとても夢でありまして、四十八年度まで企業導入して操業しているのは二百四十一企業だ。その雇用者数は何人かといったら、百万人の理想だったが一万七千七百八十人でありますと、こういう資料を出された。それじゃやはり大臣が希望的な意味で言った、はたして農業のかたわら自立経営の農外産業の導入というのはわが国の雪国の農村地域、特に食糧供給基地、ここにはもう夢だろうか、もうおそらく無理だろうというように考えるほうが正当なんだろうか、どういうものでしょうか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 確かに先生御指摘のように基本方針におきまして労働力として百万人、こういうふうに見たわけでございますが、基本計画で見ておりますのは八十一万人、こういうふうなことで見ているわけでございます。それに基づきまして県あるいは市町村において実施計画が樹立しておりますのは県、市、町村の実施計画ができましたのが、四十八年の見込みも入りますけれども、一応五百三十七、それから県拠点実施計画が九十、六百二十七ということに相なっているわけでございます。  で、そういうことで現在操業しているのは先生御指摘のように二百四十一、こういうかっこうで雇用している人間を平均すると、七十五人くらい、こういうことでございますので、当初計画したよりはだいぶ落ちているのではないか、確かにそういう点は言えると思います。  ただ、われわれ現在操業しているところ、あるいは今後操業するであろうところ、現在導入が決定しているのはほかに三百七十八ございますが、実はきょうは資料を持ってまいりませんでしたが、この場合電力事情との関連においてどういう地帯においてこれらの企業が入っているか、つまり電力会社における電力の需要と供給で余っている地帯とそうでない地帯でどういうふうな比率で入っているかというのをちょっと調べてみますと、非常に電力の余っている地帯にたくさん入ってきている、こういうのがございます。今後の電力事情というようなことも考えるならば、こういうようなかっこうでの農村工業導入というものは、別のファクターも含めて、今後さらに伸びてくるのではないだろうか。先生の言われるように、ここまでの実績をもって断定的に言われるほど私たちは悲観しないで今後とも進めてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 局長、悲観しないのはいいのだが、五十年で百万人だよ、もう来年だよね。現在一万七千人、これは悲観しないでおれも希望を持とうかと思うのだけれども、それじゃ来年度の予算、四十九年度の予算に例の出かせぎ解消関係の予算というのは一体どのくらいを要求しておるのか、やはり具体的に聞かしてもらわないと、悲観するなと言ったって……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 農業の就業近代化関係といいますか、出かせぎの特別営農対策でありますとか、あるいは導入関係、こういう予算といたしましては二十億九千万でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 そのラウンドで二十一億という数字ですが、それじゃ一体手短かにいって、指導する具体策、農村に半年こういうものをやりなさいという構造改善なり、農林省全体でどういうことを考えているのか聞かしてみてください。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 二種類あると思います。一つは農村工業導入の特別対策事業費といたしまして十三億を組みまして、これによって農村工業地帯における導入の可能になるような土地基盤の整備等も含めて進めてまいる、こういう予算が一つでございます。  それからもう一つは、これはむしろ工場側のサイドから自由に、どういうところがいいであろうかというようなコンサルタント的な仕事をやってまいる農村地域工業導入促進センター、こういうものの機能を拡充することにおきまして、工場側からのそちらへの関心を深める、こういった二種類の方向からこれらの問題に対応したい、こういうふうに考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 それで、いま雪国、東北一帯で、農林省のどこの所管か知らぬが、シイタケ、ナメコの指導をかなりやっておられる。ところが原木高騰で経営難ということで、去年、おととしまでは農林省の指導するナメコ、シイタケが軌道に乗ってかなりよかった。ところが、この間社会労働委員会で初めての経験ですが、出かせぎ現場を見て歩いたら、去年まではシイタケ、ナメコでよかった、出かせぎに出てこぬでよかった、ところがあの原木の高騰ではとても太刀打ちできぬから手をあげて、ことしは出かせぎに出てきた、こういうことなんです。そこでこれはたいへんなことだというので、地元の新聞なりテレビなり大騒ぎをしておる。この間もマッシュルームでしたか、「スタジオ一〇二」に出ておりました。そういうことを考えると、この所管はどこか知りませんが、ちょっとこの問題について御意見を伺いたいのです。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 ナメコそれからシイタケ、そういう菌費類につきましては、一応森林の中の副産物ということで従来林野庁が指導しておるところでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 それでは、はたしていま原木がそんなに値上がりをしたんだろうか。木材の高騰は物価騰貴で大体一般に知られておるんだが、通産省なりに輸入材の価格も聞きたいところだが、あんまり時間がないから直接林野庁に聞きたい。一体去年とそんなに違う原木を無理じいにあっせんしているものなのか、これは地元の新聞が少し大げさに書いているのだろうか、聞かしてもらいたい。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 ナメコのほだ木にしますブナその他の広葉樹でございますが、その原木の価格は御指摘のように四十八年度は前年度に比べると上昇いたしております。  一例を引いて申し上げたいと思いますが、実は先般予算委員会の際に御質問を受けまして私のほうで調査すると申し上げた肘折湯泉における調査の結果がわかりましたので、これは非常に極端に上がった事例でございますのでこの席でお答えしておきたいと思います。昭和四十八年の予定立木価格でございますが販売の例で五千七百円になっております。四十七年が八百十九円であったのでございますが、これは非常に大きな値上がりをしていることは事実でございます。  その理由は、一つには御承知のようにこのナメコは逆算方式で立木を販売しておりますので、市場価格が倍になりますと、それから市場に出てきますところの伐採費、運搬費を差し引きまして、したがって市場価格が倍になりましても、伐採費、運搬費があまり動いていませんと、立木価格が非常に上がったような形で出てくるわけでございますが、そういった理由が一つございます。こういった事情を調べてみましたら、四十七年から四十八年にかけて場所が変わっておりまして、非常に大径材があったという報告を受けております。それから市場価格が上がったことはいま申し上げたとおりでございます。それから伐採、搬出のコストが前年度に比べると、上がったのではなくて、逆に八七%下がっておる。場所によって違うわけであります。  それにしましても、非常に大きな上昇でございますが、四十四年、四十五年ごろには二千六百円という事例もございました。一けた高い場合もありましたけれども、問題はやはり急激に上がるというのが非常な問題でございますので、今後細心の注意をいたしましてこれを指導してまいりたいと考えておるところでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 そうだろう。過日の一般質問では、長官は、そんなことはない、せいぜい二倍だ、こう言う。それで資料の数字をはっきり読み上げた、どこの数字か知らぬけれども。じゃ、私のほうの数字はうそだろうか。やっぱり地元の新聞はあおって無理して書いたのだろうか。こういうことだった。じゃお互いに調べよう。こういうことで別れた。そうしたら案の定、四十六年の単価が立米六百三十九円、四十七年の単価が八百十九円、四十八年の予定が、何と大臣、五千七百円。(予定)となっている。昨年の八百十九円が五千七百円になった。これじゃちょっと、大臣が夢を見る自立経営をやれといったって、(予定)になっているということは、あっせん拒否なんです。とても買えない、そんなものは。これは当然ですよ、八百十九円が五千七百円になったのだから。  そこで長官は、特殊な地域であり、引き出すコストの云々を言われましたけれども、寒河江の営林署の総平均が昨年の三・四倍、山形県全体のブナの市場価格が二・三倍、いろいろとある。あるが、しかしナメコそのものは原木はきまって五倍から十倍に上がっておる。それはナメコに適したような材料を買わなかったからだ。これでは業者と同じだ。木材業者と同じである。農林省が構造改善を指導して、出かせぎ解消具体策を所管する農林省でなければまだ話はわかるのだが、農林省が御自分で指導しておって、そして七倍から十倍に上げて、一方には解消具体策だ、こういうことなんです。一体こういう考え方を通していくつもりなのか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 極端な値上がりをいたしましたことはまことに御迷惑をかけたことであって、私もこれは注意しなければならぬということで、営林局ないしは営林署にその点注意をいたしておりますが、この木材価格の高騰の中でも、特に地元対策に必要なこういうナメコの原木類が急に上がったということについてはまことに申しわけないことだと思っているわけでございます。今後これに対してどう措置をしていくか、詳細に検討しておるところでございますが、申し上げてよろしければちょっと申し上げます。  一つは、ナメコの原木に向くようなものを先に選び出して安く出す。これだけ見ますと二、三割しか上がっておりません。そういうことで、倍も上がっておるのは、大体は太い、たとえば家具材に向くものであるとかあるいはパルプ材に向くものは非常に上がっておるのでありますけれども、キノコに向くものは細いので皮がついたままでけっこうなんですから、これはそう上がっていません。ですから、それを最初に選び出すということ。それから立木で売るわけですから、なかなか区分けがむずかしいので、そういう場合には共同販売いたしまして、キノコに向くものだけをキノコをつくっている人たちが買う、ほかはほかの人に持っていく共同買い受け方式でございます。それから、そういう区分がむずかしければ、一括して買って、高いものは別途に販売するようにあっせんしてあげるというのも一つの方法でございます。  そのほか、もう一つ大きく注意しなければならぬ点は、山形県はいまこういった原木を使っておられるのでございますけれども、全国的に見ますと、最近はおがくずを使って栽培している比率が高くなっております。できますれば、こういうおがくずを使ってこれを栽培する方向に御指導していきたい、こう思うわけであります。これはもちろん地元の皆さんの御意見も聞かなければなりません。こまかいことですけれども、おがくずを使ったものよりはほんとうはほだ木を使ったほうが品質のいいものが出ますから、そういうものを望む場合はそれでけっこうですけれども、おがくずを使ったほうがいろいろと合理化もできますし、安く上がるということもあります。全国的に申し上げると、おがくずを使っているのは全国で六〇%になっております。山形県はまだ一〇%でございますので、秋田県でもすでに五〇%近くおがくずを使っておりますから、そういうことも考えてあげたいと思っておるわけでございます。  そのほかいろいろございますけれども、たとえた例を申し上げました。そういうことで、できるだけ地元の皆さんがそういった影響を受けないように御指導してまいりたい、こう思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 そんなおがくずを指導するとかなんとかいったって、今度は売り上げの単価にできばえがあって違うんだから、林野庁で原木を使って指導するという予算をとり、具体策を持っておるのが、おがくずでやりなさいといったら予算も何も要らないですよ。林野庁が指導しなくったってできる。  その前に、私はきょうは原木価格のあれは時間がないけれども、特別会計の収支が、御承知のように、ことしは赤字を見込んでいる。それで積み立ての取りくずしも考えている。ところが、損益計算でも、三月末で大体六百億ぐらいの増収を見込んでいるんだろう。これはどうなんです。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 四十八年度の決算見込みのことについての御質問と思いますが、四十八年度の決算の見込みは、まだ確定いたしておりませんが、歳計剰余金、つまり収支差では五百億、それから損益では六百十三億という見込みになっております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 だから、木材高騰の一環の中で、ナメコ栽培がだめ、そして出かせぎ解消具体策がおじゃんになりつつある、四十八年度の五千七百円という単価を変えないということなんだ。これは何も山形だけじゃないよ、長官。時間があればずっと並べるのだけれども……。  では、最後に私は詰めますけれども、四十八年度のナメコ原木を農民が買えるところまでの単価に下げるべく交渉の余地があるのかね。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 いま申し上げましたように、木材価格の中のやはり一種でございますので、できるだけ安くあっせんしてあげるような努力をしたいと思います。法的にはそのものずばりで半額にするとかなんとかいう方法はございますけれども、これは災害復旧の場合の材料提供の場合だけでございますので、いまある制度の中でできるだけのことをしてあげたいという一つの方法は、いま申し上げましたように、キノコに向く材料だけを選び出して、これは安く売ってあげることができるわけですから、手のかかることではございますけれども、そういうふうに選んで、それから仕分けをして安い原木を差し上げるというふうにいたしたいと思っておるのが一番手っとり早い方法だ、こう考えているわけでございます。  あと、申し上げましたように、栽培の問題につきましていろいろな方法がございますけれども、それはまた融資の問題なり補助の問題にも関連することでございますが、これは地元の皆さん方の意見を伺いながら指導してまいりたいと思いますけれども、ここだけで申し上げてもあれですので、実はさっそく山形県御当局と林野庁と打ち合わせいたしまして、一つの対策の組織をつくりまして、速急にこれを解決するようにいま検討中でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 それはぜひ頼む。  それで、問題は姿勢なんだが、安いものをあっせんするのだという感覚は、もちろん林野庁長官としては大事かもしらぬよ。しかし、そうじゃなくて、高いものだって、シイタケ栽培で出かせぎ解消策をやるのだという一翼も林野庁が持っているのでないかというのだよ。そうでしょう。だから、予算にあらわれるべきじゃないかというのだよ。どうですか、そこを少し聞かしてください。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 その点は十分私も考えていかなければならぬと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 いま無理に立てかえ払いか何かで買ってやっている人方がいるわけだよ、高い単価で。まだ買えないといって拒否しているグループもあれば、すでに買って、赤字を覚悟でやっている人方もいるのだ。そういうこまかい手だてをするということを約束できるね。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 現在原木そのものについて補助の制度はございませんけれども、融資の方法もございますし、あるいはまた、その融資した場合のあとの保証等の方法もございますので、その点につきましても具体的によく詰めてまいりたいと思います。  なお、先ほどちょっと申し落としましたけれども、昔のまきとか木炭をつくるいわゆる薪炭林、この中でナメコなりシイタケなりの原木をつくる専門の林分を設定して、部分林設定の方法もございますので、そういったようなことも考えてまいりたいと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 ちょっと大蔵省に伺いたいのですけれども、補助制度はないということで、聞いておったと思うのだけれども、そうすると予備費ということになる。ところが本年度の予備費は四百億だ。ところがこれは雪とその他でほとんど使ってしまう。ところが、いまの物価狂乱のおかげといってはあれなんだけれども、かなり自然増収が見られておると思う。どのぐらいの自然増収を見込んでいいのだろうかね。

渡辺喜一大蔵省主税局総務課長

○渡辺説明員 ただいままでに税収で実績が出ておりますのは一月末現在でございます。一月末現在で一般会計歳入済み額は十兆三百六十六億でございまして、これは四十八年度の補正後予算額の七九・七%を歳入済みということになっておるわけでございます。これからあと幾ら入ってくるかという話は、三月の確定申告等がどうなるかというふうなことが非常に大きく響くものでございますから、ちょっと現在のところでは見通しがはっきりしないという状況でございます。  自然増収は一応補正予算を組みますときに補正予算の歳入に受け入れておりまして、したがって、補正後になお幾ら出るかという話でございますが、これはちょっと確定申告を見ないとわからないという状況でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 時間がないから、最後に大臣に伺いますが、最初に大臣がおっしゃった出かせぎ解消策、自立経営、できれば出かせぎせぬでいい農業政策、食糧供給に専念してほしいということを、予算委員会でも言っておられましたが、そこで、いまは補助制度はない、融資制度しかないのだが、しかしやはり補助制度まで検討するという方向をしないと、これはおそらく全部が機材が高騰するし、ブロイラーだってそうでしょう。飼料がこのとおり値上げしたのだから、そういうことを考えますと、全部雪国の農業政策はだめなのです。そういう面において、やはり前向きで方向を検討しなければならないのだろうと思うのだけれども、どうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農政の立場からは、しばしば申し上げておりますように、基盤整備その他の施策を十分やりまして、農業として成り立つような農業を育成していくという大方針を貫いていきたいと思っております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣分科員 終わります。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。  次に、山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 わが国の食糧の自給率というものについてまずお伺いをしたいのであります。  私どもの聞いているところでは、金額にしては七六%程度でありますが、カロリー換算をいたしますと、あるいは四〇%を切れているのじゃないか。少なくとも四〇%程度ではないかというふうに言われているわけであります。確かに米は千二百万トン、一〇〇%ありますけれども、これのシェアは大体半分程度で、あとは大豆とか小麦とかそういった畜産物等もあるわけでありますから、一体いま農林省としては食糧の自給率はどのくらいカロリー換算であるというふうに考えておられますか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 四十六年で農畜産物につきましては、先生御案内のとおり穀物換算をいたしますと、それで、このオリジナルカロリーで五五%でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 四十六年で五五%といわれるわけでありますが、現在、四十九年で相当それよりも下降をしている、減っているというふうに考えるのでありますが、一体農林省としては、現在の世界的食糧危機といわれる中で、どの程度のものを目標として、政策の指標としておられるかをお伺いしたい。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 御案内のとおり、農林省といたしましては、農産物の需給の長期見通しと生産目標を設定いたしまして、現在これは農政審議会で検討中でございますが、そこにおきます五十七年における自給率は七三ないし七七%。これは供給量は変わりませんが、将来の経済成長なりあるいは消費支出の伸びいかんによりまして一定の幅を持たせているわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 七十数%のシェアをそれじゃちょっと教えてください。米とか農畜産物とか……。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 五十七年見通しにおきますそれぞれの自給率につきまして、主要なものについて申し上げますと、米はもちろん一〇〇%でございます。それから小麦が八%、大裸が二八%、それから大豆が一二%、くだものにつきましては特に消費支出によってフレが大きいものでございますので、八一ないし八八%、肉類につきましても、牛肉なりあるいは豚肉なりあるいは鶏肉等についての代替関係がございますので、肉類は鶏肉を除きまして一本にいたしまして約九〇%、鶏卵は一〇〇%、牛乳乳製品が、これも若干幅を持たせまして八七ないし九七%でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 米の一〇〇%はわかりますが、小麦はいま三%くらいじゃないでしょうか。そういう意味でいま言われたものの現在のパーセンテージをちょっと比較して言ってください。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  四十七年度につきまして申し上げますと、米は一〇〇%でございますが、小麦が五%、大裸が一八%、大豆四%、果実八二%、肉類が八一%、鶏卵九八%、牛乳乳製品が八七%でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そうすると麦類が相当これは努力をしなければならぬ、大豆を大いにやらなければいかぬという形になりますね。  そこで、米については確かに一〇〇%だと言われますが、いま言われた換算にしまして米は全体のシェアは、自給率の中でどのくらいを占めるものですか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 自給率で占めるという御質問でございますが、五十七年における農業総生産におきますシェアということで御判断願わなければならないと思いますが、二四%が農業総生産における五十七年におけるシェアでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 そういう目標を立てるとするならば、今後の農業政策の基準というのは何に置かれるわけですか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 これはしばしば大臣からもお答え申し上げてございますように、申すまでもなく農業基盤の整備を進め、機械化その他集団的生産組織の育成というような諸事業を進めるわけでございますが、端的にはこれにつきましては先般改定いたしました五十七年までの十年間の土地改良長期計画、十三兆の投資額を予定しております土地改良長期計画等においてこれを実施するあるいはさらに今日的課題といたしましては、一番諸条件について困難な条件を持っております麦なりあるいは大豆、飼料作物等につきましては、御案内のとおり本年度からこれに対して特別の生産奨励措置を講ずるあるいは畜産が五十七年には先生御案内のとおり総生産シェアで三割以上を占めることになりますが、これにつきましての施策といたしましては、草地改良事業はいま申し上げました土地改良長期計画の中でも相当部分を占めますし、さらに今年度の予算等におきましても、畜産基地の建設を主体といたします農用地開発公団の発足というような諸般の施策をもちまして、ただいま申し上げました生産目標の達成につとめたいというように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 確かにお話はけっこうなんですが、これはいま私がここへこう資料を持ってきたのですが、あとで飼料の値上がりのことについては触れますけれども、飼料だけではなくて肥料をはじめとする農業資材の非常な高騰というものが現在いわれております。肥料につきましては入荷は大体できるだろうという見通しでありますが、価格は三二%程度上がるのじゃないだろうか。これはある農協なんであります。私の選挙区のある農協でありますから、全国的にそうであるかどうかは別でありますけれども、一つ例を申し上げてみたいと思うのですが、肥料価格は平均三二%アップ、農薬は二五%程度アップする。農業機械になると、これはたとえば田植え機などはなかなか入らない、耕うん機も半分くらいしか入らない、エンジンもそんなものだというように、予約をしておっても全く予想は立っていないということで、しかも入荷をするとしても非常におくれる。田植え機は三〇%くらいしか入らないのじゃないかというような状態であります。     〔羽田主査代理退席、主査着席〕 また農業用ポリに至っては、これは御承知のように見通しが全く立たない。特に急を要する苗しろ用に至っては緊急手配をしているけれども、非常に見込みが薄い。価格は二四〇%ないし二七〇%、昨年に比して上がっている。それから苗しろ用の温床紙などは三五%上がっている。農業用のビニールは五五%程度上がっている。出荷用のダンボールに至ると、非常にいま入手困難であるというふうにいわれておるし、価格は約七〇%程度の値上げであるという。これだけちょっと例をあげてみたわけでありますが、農家が、こういう農業用資材がすべてこれだけ値上がりをし、かつものによっては入手が非常に困難であるという形になっているわけでありますが、こういう地域の農協に対して政府としてはいかがお考えになっておられるか。こういう価格の値上がりを一体どういうふうに農畜産物に吸収していけるのかという点についてひとつお伺いをしたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいま農業資材の需給、価格について具体的数字で御質問があったわけでございますが、私ども、農業生産資材につきましては昨年来の石油削減を機といたしまして需給が不安になっては困るということで、まず物の確保に全力を注いだわけでございますが、肥料につきましては全体といたしまして供給にまずまず心配ないようにエネルギー源の手配とかあるいは原材料確保につとめたわけでございまして、価格はただいま述べましたように、四十八肥料年度当初に比べて約三一%上昇しているわけでございますが、これは原材料でございますナフサでございますとか重油でございますとかあるいはまた輸入の燐鉱石等が上がっておりますので、まことにやむを得ざる次第であるわけでございますが、結果的に上がっておるわけでございます。  それから御指摘の機械でございますが、これにつきましては、これも年度途中で価格の改定がございましたものでございますから、それとの関係もありまして、物としますと、実は出荷台数等を見ますと、需要も強いものでございますが、かなりたくさんつくっているわけでございますが、一部、たとえばタイヤ等にネックがあるという問題がありますし、それと価格の関係がございまして荷動きが若干不円滑という地域がございますので、これにつきましては全体の量は相当ふやしておりますから、物が実際に間に合わぬということはまずまずないと思っておりますが、いま言った価格問題との関連もございまして、これは具体的な物の現地への確保、さらに価格につきましてもトラブルを生じないというように強力に指導をいたしているわけでございます。  それから温床紙につきましても、原料のクラフト紙の上昇によりまして、三五%、約三割程度上昇はいたしておるわけでございます。ビニールも大体そういうふうに上昇をしている。それからポリでございますが、一時はかなり需給が逼迫いたしたように見えたわけでございますが、私どももこれについては非常に心配いたしまして、特にこれは原料のレジン、さらにまた雑用ポリとの関連もございますものですから、農業用フィルムに原料を優先確保するようにということで、通商産業省と協議をいたしまして業界にも指導し、さらに具体的に地域、地域で足りないという話があれば特に原料を回すようにということに、中央のメーカーにもいろいろ話をいたしまして具体的に手を打っているわけでございますが、価格のほうは残念ながら、雑用ポリを含めまして全体のフィルムが上がっておりますものですから、二倍ちょっとというふうに確かに上がっているわけでございます。  以上のような物の需給、価格の動向でございますが、私たちは物の確保には万全を期する、それからまた価格につきましても、何ぶん原材料の上がった分でやむを得ない面はございますが、便乗値上げは押える。特に農業生産資材の価格は、これは全国農業協同組合連合会、いわゆる全農が各メーカーと価格取りきめをいたしまして、それが基準になっている。したがいまして、それをベースといたしまして、末端で適正にいきますようにということで指導いたしているわけでございますが、いま言ったように、何ぶん原材料価格の高騰によりまして、かなりの価格の値上げを余儀なくされておる次第でございます。  そこで、あとはやはり農政全般の中でどう受けとめるかという問題になるわけでございますが、特に農産物価格につきましてはこういった動向も十分考慮して今後の価格対策に当たらなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 吸収をどうするのかということについてはあまり具体的なお話がないのですが、いまお話があったように、相当資材が上がっている。一〇%や一五%じゃありませんから……。相当資材が上がっている、肥料も上がっている、それから一般の物価も上がっているという中で農産物の価格というものを上げれば消費者が非常に困るという形になるわけでありますから、そういう中に立って考えなければならないということは、私はやはり価格安定政策というものを強力に実施していかなければ農産物の価格というものが——生産者も安心してつくれないし、また消費者も高い農産物、畜産物を食べるということになってくるわけでありますから、やはり価格安定政策というものを農林省としてはもっと積極的にやらなければいけないのではないかというふうに考えるわけです。  そこで畜産物の価格保証の基本的な考え方をお聞きいたしたいのでありますけれども、特に最近は飼料が値上がりして、いま全国の農協で話を聞けば、何といっても畜産物の飼料の値段が非常に上がったということが畜産農家にとって一番たいへんなことだということを聞くわけであります。昨年の一月に三万八千八百円であったものが六万五千円くらいに上がっているというわけであります。  そこで、飼料に対して、価格の保証のためにトン当たり三千円を出しておったわけでありますが、この問題はどうされるのか、あるいは四月以降、融資をされて、末端金利四分の利子補給の問題については一体どうなっていくのか、この二点についてお伺いしたいと思います。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 ただいまお話しございましたように、二月から各メーカーとも、配合飼料の価格を平均一万円ないし一万二千円程度値上げをしたわけでございます。これによります畜産経営に対する影響は畜種別に必ずしも同じではないと思います。さらにそれぞれ価格の動向にも影響されますので、かなりの差異があるわけでございますが、全体を通じて相当な経営に対する影響をもたらしているということは否定できないわけでございます。これに対しましてわれわれは、今回の値上がりの要因が主として国際的な要因であり、また他の物資とも共通する一般的な要因であり、しかもえさの価格は先行き急速に下がるという見通しもないという意味ではやや長期的にものごとを考えなければいけないというような点を考慮いたしまして、一部に、前回九月値上げの際に行ないましたような補てんをぜひするようにという御要望もございますけれども、前回の場合は一時的な値上がりで、いずれ安定するのでは、下がるのではないかというような見通しもあってあのような措置をとったわけでございますが、今回は、いま言いました要因からいたしまして、同じような措置がなかなかとりにくいような事情にあります。ただ、基本的には、えさを含めた生産費の値上がり分は価格に反映さしていくということが必要ではないかというふうに考えておりまして、来たるべき畜産物の安定価格なり保証価格決定に際しましては、そのような事情を織り込んで適正にきめたいと思っております。  自由市場で形成されます卵なりブロイラーの価格等につきましても、やはり価格の中に適正に織り込んでいくという努力をしなければいけないと思いますが、これはすぐにできる話ではございませんので、その間のつなぎ的な措置といたしまして低利融資ということも、前回と同様な措置について現在検討をいたしておる段階でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 価格保証の問題について具体的に伺いますが、子牛の保証価格が約二十万ぐらいになるというふうに聞いておるのですが、どうも生産費が二十四万円程度に上がるというように考えられる。先ほど言いましたように、飼料の値上げ、えさ代にスライドして安定価格というものをきめていっていただきたいと思うのですが、この点はどうか、第一点。第二点は、私は京都府におったときに子豚の価格安定を独自に取り上げたわけでありますが、子豚の価格安定方式というものを約二万円程度で考える意思はないかどうか。第三点で、加工原料乳は御承知のようにキロ当たり八十八円四十三銭ということを農業団体が要求をしておるわけでありますが、これについてはどう考えるか。それから四番目に、牛肉の生産者価格の保証制度を確立する意思がないかどうか、この四点についてお伺いしたい。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 子牛の価格の安定制度が現在各県に設けられておるわけでございますが、来年度の保証基準価格につきましては、現在御審議をわずらわしております来年度予算におきまして、和牛につきましては全国平均で十九万五千円、これは現在十万二千円だったと思いますが、十九万五千円まで引き上げるということで、かなりの引き上げ率になっております。十万二千円を十九万五千円、まあ九一%ぐらいの引き上げにいたしております。今回の配合飼料値上げによります影響は、先ほど申し上げましたように畜種別にかなり差がございますが、和牛の場合は比較的影響は少ないほうだと思います。そういうことから考えまして、四十八年の生産費は幾らになるかまだわかっておりませんけれども、四十七年の生産費調査の結果を見ますと十七万円弱というところでございますので、この子牛の保証基準価格といいますのは、平均の価格ではなくしてこれ以上下がっては困る価格という考えもとっておりますので、今回程度の引き上げでいいのではないかというふうに考えております。  なお、全国平均の数字を申し上げましたので、地域差はかなりございまして、たとえば京都の場合などは平均よりはかなり上回っておりまして、いま御指摘のございました、おそらく二十万円を上回るということにきめられるのではないかというふうに思います。  子豚の価格安定制度につきましても、同様な安定基金制度を各県ごとに設けておりますが、これは現在全国平均で八千百円ちょっととなっておりますが、これにつきましても、これは和牛の場合よりは配合飼料の値上がりによる影響が大きいわけでございますので、適正な価格に引き上げたいというように考えております。それから、牛肉の価格の保証制度につきましては、御承知のように現在牛肉は外割り制度によって輸入数量を制限しております。さらにその中で九〇%は畜産振興事業団が輸入をすることにいたしておりますので、輸入が適正に行なわれますれば、それを通じまして国内価格が安定できる可能性を持っておるわけでございますが、最近のように価格が、経済事情が激変いたしまして、四十八年度の牛肉輸入が国内の牛肉の価格を圧迫しているという現象が見られておりますが、今後、事業団の牛肉輸入のやり方につきましては、何らか国内価格の安定目標のようなものを具体的に設定をしまして、それを目標にして輸入数量をきめるとかあるいは輸入を実行する、あるいは場合によっては輸入を中止するというような仕組みを、いまよりも精度の高い仕組みを検討いたしたいと考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 肉用子牛の保証価格は地域差がありますから、もっと地域に合った価格をきめるようにひとつ指導してほしいと思います。これは重要です。  それから牛肉の価格安定制度を非常に強く要望されているので、いまのようなお話で指導価格等だけでなしに、将来これはぜひとも価格保証制度を確立していただきたいということを要望いたしたいと思います。  それから加工原料乳保証価格について、八十八円四十三銭の要求が出ているということは御承知のとおりでありますが、これに対してはどういうふうに考えられますか。

澤邊守農林省畜産局長

○澤邊政府委員 四十九年度の加工原料乳の価格は三月末までにきめることになっておるわけでありますが、これに関連して、ただいま御指摘のありましたように生産者団体からは八十八円三十四銭ですか、かなりの引き上げ、大幅引き上げ率という要望が出ていることは承知しているわけでございますが、現在最新のデータが近く出ますので、それを待って試算をして、審議会にはかって決定をしたいと思っておりますが、加工原料乳の保証価格の算定方式について、かねていろいろ問題点が指摘されておりますので、これもあわせて検討中でございますので、算定方式について必要なる手直しも行ないながら、適正な価格を決定したいということで、鋭意作業中でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 生糸の関係の価格安定の問題について伺いたいのですが、私、京都でございますが、京都には全国のほとんど大部分のシェアを持つちりめんの、丹後ちりめんというのがあるのですが、いま非常に不景気で困っているわけでありますけれども、全体的にいって生糸の相場というものが非常に不安定であるということが、この企業の一番の悩みであるわけであります。昨年はキロ当たり一万五千円であったのが、ことしは一万円だ。安いことはけっこうなんでありますが、御承知のように京都は蚕糸業あるいは農家が蚕を飼っているわけでございますから、これが安くなれば、蚕を飼う農家というものが、そうでなくても減ってきている状態の中で、ますます減っていくということになります。特に蚕は音から婦人の労働によって行なわれるわけでありますから、それが衰微をしますと、また出かせぎに行かなければならぬという形になっております。  そこで、生糸の価格安定という問題なんでありますが、現在は八千円ということで、基準糸価が安定法によって保証されているわけでありますけれども、少なくても一万円以上という線、現在、実勢一万二百円ないし三百円だということでありますけれども、一万円をこえるところにおいて価格の安定策をぜひやってもらわなければ、これは消費者側もあるいは生産者側も、また機織りをやっている中間の加工業者も困るということになっておるわけであります。生糸の相場というのは、商品の相場の中で非常に不安定さを示しているわけでありますが、適正な価格で安定をさせてほしいというのは、多くの偽らざる声であります。これに対して農林省はどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり、価格安定がきわめて重要である、私どもそう思っております。そして現在の価格は、ただいまございましたが、四十七生糸年度におきましては需要が順調でございまして、非常に順調な動きを見せた。ところが、四十八年に入りましてやや過熱と申しますか、そういうことで非常に高くなりまして、一時は一万五千円というような相場も出た。そこで、価格安定上好ましくないわけでございますので、取引所の取引のしかたにつきましてもいろいろ改善を加える。それからまた日本蚕糸事業団の短期保管の措置というのも活用しまして価格の安定をはかったわけでございますが、下がりまして——過程を申し上げますと、一時非常に上がり過ぎた。過熱し過ぎた。したがって、取引所においていろいろ規制をした。そういたしましたら逆にまた今度は下ってまいった。一万三千円推移、それからそれがまたさらに下って、たとえば一万円推移というように動きが非常に激しいわけでございます。したがって、高値についても抑制をしなければならぬ、逆にあまり下がり過ぎましてまた不要な思惑を起こしてもいけないということで両面で安定が必要であるというふうに存じておるわけでございます。ただ、昨年の経験にかんがみますと、あまりにも変動が大きいということが一つと、それからもう一つは、生糸の実勢水準が、はたしてそういった相場とか思惑ということを抜きにしまして、出産者にとっても消費者にとっても、いわば安定した本来の実勢水準はどの辺にあるのだということをしかと見定める必要があるわけであります。したがって、私どもはそういったイレギュラー変動をなくすように価格安定に一そう努力をしなければなりませんし、同時にまた、そういった生糸の本来の実勢というものに見合いましてこの価格安定制度の運用、それからまた近く基準価格もきめるわけでございますが、そういうことにおきましてもそういう点を十分配意をし注意いたしまして、適正な価格水準に安定させるように価格の運営をはかってまいりたいというように考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 非常に抽象的なんですが、いま私が言いましたように少なくとも一万円以上、一万二千二百五十六円というような数字が出ておりますが、そういう程度に生産者側からしてみれば要求をしているわけでありますから、具体的にどの程度が現段階において適正かということをひとつお答えいただきたい。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 現段階におきましては、先ほど申し上げましたが、近く価格をきめるわけでございますので、その作業をいたしておりますので、計数的にはまだ申し上げる段階ではございませんが、いま言ったような生産に対する影響と申しますか、要するに生産農家が意欲を失ってはいけませんから、意欲を起こさせるような価格、そういうことを生産費を基準といたしまして考える。同時にまた、先ほど来申し上げましたが、思惑等を除きました本来の実勢と申しますか、実情というものを見定めて、両々相まって適正な価格にいたしたい。現段階はまだそういった数字の作業の過程でございますから計数では申し上げる段階でございませんが、そのような考え方でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 生糸の輸入については抑制をする意思があるかないか、その点についてお伺いをしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 価格安定につきましては輸入の問題が非常に大きなウエートを占めている。かつては輸入というのはほとんどなかったわけでございますが、現在で約三割が輸入で占めている。したがいまして、価格安定の場合には輸入のいかんが大きな意味を持ってくるわけであります。したがいまして、いわば秩序あると申しますか、節度あると申しますか、そういう輸入にいたしてまいりたい。ただ、御承知のように現在出糸は輸入自由になっているわけでございまして、そこのところは輸出国の大宗でございます中国、そういうところを考えますと、いわば秩序ある輸入というのをお互いの話し合いで行なうべきではなかろうか。従来民間ベースでいろいろ話はいたしておりますが、そういうことを踏まえまして、無秩序な輸入が行なわれぬように、それによって国内の糸価が混乱することがないようにということで、いわば輸入の秩序化と申しますか、正常化と申しますか、そういうことにつきまして民間ともいろいろ話をしまして、そういう方向に進めてまいりたいというように考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)分科員 養蚕農家が生産意欲をそこなわないようにその点をひとつ十分考慮をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて山田芳治君の質疑は終了いたしました。  次に坂井弘一君。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 果樹のうちミカンについてお尋ねいたしたいと思いますが、昭和五十六年度を目標年度といたします農林省の「果樹農業振興基本方針」がございます。これを見ますと、昭和五十六年度における需要の見通しを四百九万九千トンないし四百二十三万八千トン、四十七年度から昭和五十六年度までの植栽目標を、五十一年度まで一万五千ヘクタール、五十二年から五十六年度まで一万ヘクタール、そして昭和五十六年度における生産目標を四百十九万二千トン、こうした目標によりましてこの基本方針を公表されているわけでございますけれども、五十六年度に至るまでこの方針どおりお進めになりますか、いかがでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまお話しのように、五十六年度のミカンの生産目標あるいは需要見込み数量というものにつきまして基本方針を策定いたしておるわけでございます。これにつきましてはその後の運営率を見ているわけでございますが、これまでこれは四十六年に策定いたしまして十年間、その間五年ごとに分けているわけでございますが、御案内のようにミカンの生産量は四十七年も大豊作で、それからまた四十八年もいわゆる裏年でございますがかなりの量ということがあるわけでございます。これは両年とも非常に暖冬でございましたし、さらに生育期、成熟期ともにきわめて天候がよかったという事情がございますものでございますから、恒常的にこうかどうかはまだ判定には若干問題があるというように考えておるわけでございます。しかしながら、他方見ますると、植栽面積の増加が基本方針における目標を上回る傾向にあることも事実でございまして、そこで植栽を目標の範囲におさめるように指導しておりまして、最近では若干その伸びがとまっている状況でございます。  それからまた、需要につきましては、これは過去におきまする一人の消費量、それから個人消費の関係とか人口見通し、こういうことを見てきめたわけでございますので、まあ加工需要の増大もございますが、ほぼ妥当じゃないかと思っておりますものですから、現段階におきましていま直ちに基本方針を変えるということは考えておりませんが、いま言った需給事情がいろいろございますから、そういうことにつきまして引き続き十分に検討をしてまいりたいというように考えています。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 現段階においては直ちに基本方針を変える必要はない、しかし将来の方向としてやはり検討せざるを得ないというのが、実情にかんがみた基本方針に対するいわゆる手直し、検討のし直しということのお考えがおありなような感じに私は受けとったのですが、そのように理解してよろしゅうございましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 その基本方針につきましては私からお答えいたしたほうがよかったのでありますが、ちょっと取り込んでおりまして失礼いたしました。将来、人口、それから個人消費支出、そういうものをよく勘案いたしましてやらなければなりませんが、最近は御承知のように加工の需要がかなり高まっておりますし、それから私どもの施策といたしましても加工にかなりの力を入れて来年度予算等においてもできるだけのことをいたしておりますので、先ほど政府委員から申し上げましたのは、こういう状況でございますので当面基本方針は変えないでやってまいりたい、こう思っておるわけであります。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 くどいように申し上げて恐縮なんですけれども、大臣、やはり基本方針は少なくとも五十六年度に至るまでの間には検討し直さなければならぬのではないか。私きわめて実情を客観的に見てそういう感じがしてならないわけですけれども、その辺は幾らかの含みを持ち、あるいは少なくともそうした方向への検討の必要ありというお考えのもとに、いま少なくともそうした考慮がなされているのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 基本方針は、法令の定めるところによりまして、五十一年が改定の年に当たっているわけでありますが、お話のように、また私先ほど申し上げましたような状況にございますので、その間の状況をつぶさに判断をいたしまして、対処してまいりたいと思っております。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 大臣のおっしゃること、私は理解するにやぶさかではございません。昨年、実は私当時櫻内農林大臣に基本方針のことについてたいへん見通しが甘いのではないかという点を指摘しながら、実態に即しながらいろいろとお尋ねをしてまいりました。その際櫻内大臣は、諸要素に基づく計算からは一応妥当なものである。つまり、この基本方針を変更する考え方はさらさらないということを強調されておったようであります。しかしながら、私は現状を見る限りにおいては、わずか一年足らずでございますけれども、少なくともこの基本方針は見直さなければならぬのではないか、もう一回洗い直して検討せざるを得ないような状態に来ているのではないかという点を実は率直に指摘しながら、大臣の御見解を承りたいということで、前段そうした質問を、むしろ疑問でございますが、申し上げたようなわけでございます。  そこで、加工の問題も出てまいりましたが、その前段といたしましてお伺いいたしたいと思いますことは、四十九年度の生産と需要の見通しでございます。どれくらい見込んでいらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これは先生御承知のとおり、作柄によって非常に大きく左右されるものでございますから、私たちもいろんな方法で各種の試算はしておりますけれども、計数的に現段階でどのくらいの数量というふうなものはなかなかきまらぬわけでございます。ただし、先ほど来申し上げましたとおり、面積もふえておりますし、それからまた特に成園面積がふえておりますという要素がございますものですから、収量によって非常に幅がございますから、今後の天候を見なければわかりませんけれども、要因としますれば植栽面積の増加、さらに成園面積の増加という要素がございますから、通常ベースでございますればふえる。ただし、先ほど申しました、くどいようでございますが、作柄の影響が非常に大きいというので、これから天候をもうちょっと見定めまして、これからの推移で漸次数字を固めたいと思っております。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 そういたしますと、まだ四十九年度の数字については見通しとしても立たないということでございましょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 計数といたしまして、たとえば何十万トンというふうに詰めたところまではまだ十分に詰まっていない段階でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 実は四十八年度が三百三十万トンだったわけですね。私は必ずしもこの三百三十万トンというのは正確ではないと思っております。もっと上回るでしょう。しかし、少なくとも農林省においては三百三十万トンということを公表していらっしゃるわけでありますが、つまり裏年で三百三十万トンという、天候のせいもある。天候のせいにされるとちょっとどうかと思いますけれども、四十九年度は表年でございますし、少なくともおそらく四十九年度は四百万トン、あるいはこれを上回るんじゃないかということがもっぱらの予想としていわれているようでございますけれども、そうした感じについてはいかがお考えでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 非常に役人として慎重過ぎるかもしれませんが、現段階で数字につきまして、確かにお話のとおり四十七年度の数量も心得ておりますし、それから本年がいわゆる裏年であるにもかかわらず数量は三百三十万トン、予想より多かったということは十分念頭においておりますが、現段階数字として一義的に何トンというまでまだきめかねる段階でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 たいへんお苦しいと思いますよ。しかし大臣、やはり四百万トンは下回ることはまずあり得ないのではないか。まずことしは四百万トンはどうも生産が上がりそうだ、こういうことでずいぶん心配する向きが実はあるわけでございます。  それはさておきまして、たとえば四百万トンという数字、これは仮定の数字でございます、予想でございますが、しかし一応これを踏まえるといたしまして、かん詰め、ジュース等に回すいわゆる加工ですね、これは四十九年度はどのくらいに見込んでいらっしゃいますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まず四十九年度につきましては、御指摘のとおり生産が非常にふえるということを前提に置きまして、特にそれは生食用は当然でございますが、かなり加工用に回るというふうに考えまして、いわゆる加工工場の建設費につきまして予算措置も特段の措置を構じたわけでございます。したがいまして、生産能力から申し上げますと、従来は補助事業によりまして工場を建設してまいりまして、現在まで七工場でき上がっておりますが、それ以外に民間で自力でつくったものもございます。そういうことをやりまして、まず四十七年度におきましては、加工用が、これは果汁でございますが約三十一万トン、そのほかかん詰め等もございますから、加工用全般といたしますと約六十万トンそれに対して四十八年は加工用が、これは生産能力をフルに上げまして前年よりも約四万トンふえまして三十五万トン、その他合わせまして、加工用全体としまして六十四万トンと見込んでおるのでございますが、かん詰め等はほぼ同じ数でございますから、そのうち果汁につきましては、先ほど来申し上げましたが、従来まで稼働しております政府の補助分でやりましたものが七工場、その他民間もございますが、それによっていまの生産をいたしたわけでございますが、この工場をさらに大幅にふやしまして、四十九年度は、補助工場といたしまして十工場増加するというふうにいたしております。したがいまして、四十八年の果汁の生産量約三十五万トンに対しまして、この施設能力からいたしますれば、これはもちろん操業度にもよりますし生産によりますが、二十万トン程度は増加するという能力を寄与することになる。したがって、五十五万トンないし六十五万トンくらいのことは可能であるというふうでございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 ずいぶん甘いと思いますよ。しかし、かりにいまの数字を一応いただくといたしまして、果汁が五十五万トンないし六十五万トンといたしますと、全体で八十五万ないし九十万トンということになりますか。いかがでしょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 果汁が幅がございますが、五十五ないし六十五と見ますと、八十五万トンないし九十万トン程度加工用全体でなるということになります。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 では、一応その数字を私いただくとしましょう。そういたしましても、前段申し上げましたように、かりに四百万トンという生産量が見込まれた場合に、いかがでしょうか。輸出が最高伸びましても二十ないし二十五万トン。そういたしますと、やはり三百万トン内外というものが生食用に回さなければならぬ。つまり、これを平たく計算の上から申しますと、一人当たり三十キロ、赤ちゃんから老人に至るまで一億の人口すべからく、ダンボール箱二箱なまミカンを食べなさい、そうでないと消化できない、こういうことになるわけですね。ちょっとこれは不可能ではないか。事実、昨年におきましても相当量のミカンを腐らしたというようなことで、ミカン農家がたいへん困窮いたしましたということは御承知のとおりであります。つまり、私はやはり四百万トンという表年の生産量というのは、おそらく可能性として、従来の経緯から見てまいりましても、まずそれぐらいの量はとれるんじゃなかろうか。そういたしますと、加工にたとえ八十五万ないし九十万トン消化できたとしても、生食が三百万トン、これは需要が非常に無理ではないかという感じがしてならぬわけであります。したがって、消費の拡大につとめるという方向で農林省としてはまさに苦慮をされていらっしゃるところであろうとは思います。思いますが、こうしたいままでの経緯を踏まえつつ、この現状をどう打開するかということになりますと、いまのジュースの加工にいたしましても、新しく十工場ふやす、けっこうであります。しかし、これは局長もいまもおっしゃっておりましたが、事実、いままでのジュース工場の運転の模様を見ますと、まさにフル運転というよりも二十四時間ですね。それで、たとえば一万トンの適正な稼動能力のある工場が二万トシから二万四千トン。つまり昼夜兼行でしぼっておる。そういうことなんですよね。今度十工場ふやしましても、はたしてそれだけのミカンがしぼれるかということもはなはだ疑問ですね。加工用は消化できるのはいいところ七十万トンぐらいじゃないか。そういういままでの実態なり実情から見まして、そこら辺が妥当ではないか。そういたしますと、どう考えても、ミカンにつきましては、いわゆる需給の関係において相当アンバランスな状態が生ずる。そのようにおそらく予測されるわけでありますから、事前にやはり何らかの手当てをしなければならぬではないかということを実は真剣に考えるわけであります。  そこで、いまの加工の問題に入りましたので、お尋ねしたいのですが、十カ所ということでございますが、十三カ所補助を決定されていらっしゃるんじゃないでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまのお話は、予算上のことをまず申し上げたわけでございます。その他いろいろ運用もございまして、これはまだ現段階では正式に決定いたしておりませんものですから、そういうふうに申し上げたわけでございます。  それで、おっしゃるとおり、あるいはちょっと先ばしった答弁になってしまっては恐縮でございますが、私どもも四十九年産のミカンの生産につきましてはきわめて憂慮いたしておるわけでございます。  ただいま私数字は確定的なことは申し上げられないと申したわけでございますが、いろいろな予想もいたしまして、それぞれの場合にどう対応するかということをいろいろ検討いたしておるわけでございますが、確かに御指摘のとおり、かりに四百万となりますと、この消化は容易ならぬことだというふうに思っているわけでございます。したがいまして、それを単純に、それだけの生産が出るのを放任、と申しますと語弊があるかも存じませんが、しておいて、加工さえふやせば何とかなるのだということではございませんので、やはりこれにつきましては、生産面、それから流通面、加工面、三つを合わせまして、いわば適正な生産、適正な流通、そして消費というふうにしなければ、なかなかこれに対処することはむずかしかろうと考えておりまして、各般の面でいろいろきめこまかく施策を講じなければならぬというふうに思っている次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 天然果汁ですね、これはたいへんけっこうじゃないかと思います。この加工工場をふやすということにつきましては、私はその方向はよろしいのじゃないかと思うわけですが、先ほど申しましたけれども、十三カ所ばかりはもう決定されたのじゃないでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 実は四十九年度予算はまだこれからでございますから、正確な意味において決定というわけではございませんが、そういう予定でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 わかります。問題は標準事業費ですね。これは非常に現状にそぐわないのじゃないかということを申し上げたいわけです。つまり、補助率が非常に低いですね。これはいつおきめになったものですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり、予算積算単価と申しますか、これはいろいろルールと申しますか、いろいろなバランスがございまして、最近の実態に即応しますれば、特に最近物価が上昇いたしておりますから、そういう関係では、なかなか十分とは買いかねる面もございますが、全体のバランスとか、それから数の問題がございまして、そういう単価になっている次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 標準事業費の決定したのはいつでしょうかということをお尋ねしたわけです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 四十五年が基準でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 四十五年の決定、補助率は四十五年をそのまま四十九年度も適用する、こういうことでございましょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これは補助事業といたしますと、一万トンを基準といたしておりまして、四十五年にきめたわけでございますが、それをそのまま継続いたしておるわけでございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 そのとおりでございますね。私も手元にありますが、これが予算の算出基礎となるものでございまして、農林省でお使いになっていらっしゃる。この補助基準に基づいて、四十九年度もこれをそのままそっくり当てはめまして加工工場をつくろう、こういうわけであります。つまり、申し上げたいことは、最近の狂乱物価、資材高騰等によりまして、この補助率ではとうてい加工工場の建設はどだい最初から無理だということが、これがもう実情でございます。それで、ずいぶんいろいろな話がありまして、困ったことだなと思うのですけれども、ことしに入りまして、農林省では各都道府県に対しまして説明会を持たれたようでございますが、いつ行なわれて、そのときは各都道府県が納得されたのでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 これは納得という意味にもよるわけでございますが、一月十日に説明会をいたしまして、それでこういったいわば予算単価と申しますか、標準事業費、それから補助率というものを前提といたしまして、事業をいたしたいということでございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 実は言うなればやっぱり一方的という聞こえ方になるわけですね。補助率はこれこれしかじかですよ、こういうことで、ただ、どうもやはり加工工場を持ちたい。しかし、補助率を四十五年のものを押しつけられて、いやとも言えないのがどうやら本音らしゅうございます。実際、加工工場を、申請は出してみたものの、はたしてこれでもってできるかどうか。地元の負担がたいへん大きいというわけであります。非常に困難をいたしておるようでございますので、その点につきまして、あとで一言大臣からうんと前向きの御答弁をちょうだいいたしたいと思うのですが、その前にたとえば先ほど申しました四十八年度の総生産量に対します加工量、これは三百三十万トンに対します六十四万トン、つまり加工率が一九%弱でありました。四十九年度はまだはっきり出ていないようですけども、つまり生産量がわかりませんから出ないようですが、大体加工率としてはどれくらい見込んでいらっしゃるでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のとおり、生産量を一時的に見込んでおりませんから何でございますが、従来から加工率はおおむね二割程度というふうに想定いたしておりまして、生産量が多ければ結果的に上がる場合もございますが、おおむね二割程度というところでございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 ちょっと手が届かないのじゃないかという実は私は感じがいたします。  たとえて申しますと、和歌山県の場合でございますが、四十八年度が三十万一千九百トン、これは生産であります。このうち生食が三十六万六千トン、加工に三万四千トン。ですから加工率は和歌山県の場合は一三%ですね。これは全国平均一九%に比べますと非常に低いわけでありまして、四十九年度では二万トン工場を一つつくるということで、これはだんだんと農林省との間において話し合いが進んでいるようでございます。ただ、これができましても一四%程度じゃないか。いま一九ないし二〇%程度見込まれていらっしゃるでしょうが、そうしないと勘定が合いませんけれども、実態は、加工率は和歌山で見る限りはこれは全国平均より低く一四%程度にしかならないということであります。  と同時に、いまの加工工場の建設そのもの自体が、資材高騰、補助率が低い、それらのことで非常に建設が危ぶまれる。勢いそれがどういうことになるかといいますと、たとえば和歌山の場合で申しますと、一億九千万円の国の補助、県も同額の補助、合わせて約四億でございますね。それから農協はミカン農家に五億依存する。これはあとになって恐縮ですが、総事業費がやはり二十八億ぐらい要るだろう。当初は二十億くらいで済むじゃないかといったのが二十八億かかる。つまり二十八億のうち国庫補助が一億九千万、県費が同じく一億九千万、合わせて約四億、それに農家から五億、合計いたしますと約九億でございますね。そうすると総事業費二十八億に対して十九億ほどは資金調達をしなければならぬ。これは私はたいへんなことだと思うのですね。なかなかできがたいのではないか。これは全国のいま建設を予定している加工工場においてみなしかりであります。したがって、この補助率をアップするか、あるいはたとえば農林中央金庫の近代化資金を、これは相当優遇されているようでございますけれども、特にやはりミカン農家、最近のオレンジ果汁の自由化攻勢、こういうことに対応してわが国農業の中のミカン農家、ミカン農政というものを確固たらしめるためにも、この辺でひとつ農林大臣がうんと御決断されてしかるべきではないか、こう思うわけでございます。いまのような辺をあわせて大臣の御所見をひとつ伺いたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 事業費が非常に高騰しているという御指摘がございましたが、国の補助につきましては、ただいま私が申し上げたとおりでございますが、そうなりますと、要は借り入れ金ということになるわけでございます。したがいまして、この借り入れ金につきまして、この所要の資金をどのように確保するかということでございます。  そこで、これは本来の性質といたしまして、近代化資金でございまして、その場合近代化資金は、これは各県の施設でございますから、第一義的には県信連というのがこの資金供給をすることに相なるわけでございますが、昨今のいろいろ金融事情もございまして、なかなか県信連の資金力だけでは融資に応じ切れないというケースもあるやに聞いておるわけでございます。したがいまして、これは国といたしまして、本来は県信連の資金がたてまえでございますけれども、全体が国の施策でございますから、県信連が金がなかったら何ともならぬというわけにはまいりかねるわけでありますので、そのような県につきましては、事情によりましては、一部農林中金のほうで協調融資をできないだろうか。その場合の資金の種類、条件等はいろいろまた個別の御相談もあろうかと思いますけれども、何か資金について農林中金として協調融資ができないだろうかということを中金に要請いたしておりまして、中金もその線に沿って融資を行なうということを検討いたしておる段階でございまして、いわば県信連と中金と一緒になりまして、全体として所要資金確保に万遺憾なきを期してまいりたいというふうに思っている次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 最後に大臣に一言お聞きしておきたいと思いますが、冒頭申し上げましたとおり、「果樹農林振興基本方針」、これは農林省がすでに確定して公表されていらっしゃることでございます。この方針については、この方針どおり進められるという決意に立たれるか、さなくんば、いまの現状を——この方針に立たれるならば、実際にその加工工場の問題一つにいたしましても、現実にいまのような面で建たないという矛盾もございますし、かつまた、もうすでにあちこちと生食がどんどんふえてまいっております。したがって、当然生産量もどんどん上がっていくでしょう。これはある程度、基本方針に従うならばセーブせざるを得ないということになるでしょう。そういたしますと、日本のミカン農家というのは大混乱をきたすということにもなりかねません。したがって、やはり現実を踏まえてその上に立つという考え方というものが、一つには現実の対応策としては非常に大事ではなかろうか。つまり、この基本方針にこだわることなく、現実の、ミカンの農家、この立場に立ってこの見直しを御検討されるということもあってしかるべきではないかというようにも思われます。  いずれにいたしましても、これはやはり農林大臣として慎重にかつ早く基本方針の確固たるものを発表なさるということが、私は全ミカン農家にとって非常に待たれるところである、こう思いますので、最後にその辺の大臣の御所見、御決断を承って質問を終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、基本方針は基本方針でございますが、改定年が五十一年でございますし、その間先ほど政府委員も申し上げておりますように、いろいろな状況の変化もございましょうが、予備的に早目にそういう点を検討いたしまして対処してまいりたい、このように思っております。

坂井弘一公明党

○坂井分科員 終わります。ありがとうございました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて坂井弘一君の質疑は終了いたしました。  次に、庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 最近、肥料、飼料並びに農機具、その他資材が非常に値上がりしまして、農民は、昨年の生産者米価の一六・一%、これはもうとっくに取り返されてしまった、しかもおつりをわれわれが出しておる、これじゃもう米をつくる意欲がなくなったという農家が相当出てきているわけです。その点できょうは時間の関係で肥料の問題だけでお伺いしたいのです。  最初にお伺いしたいのは、肥料価格安定等臨時措置法、こういう法律がありますが、これについて全農とメーカー間で協定が結ばれて、平均で三二・一%上げたわけです。その協定にあたって、伺いたいのは、全農なりメーカーから農林省あるいは通産省に法第二条の一項に基づく届け出がなされたのは何日だったのか、たしか昨年だと思いますが、それをひとつお答え願います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 硫安、尿素につきまして価格取りきめの届け出がありましたのは、昨年の十二月十七日でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 十七日付けですね。現実に受理したのはいつですか。

兵藤節郎通商産業大臣官房審議官

○兵藤政府委員 メーカー及び全農のほうから十二月の十七日に値上げの書類を持ってまいったわけでございますが、法律に基づきまして農林省及び通産省のほうでこれが妥当なものであるかということを判断した上で受理するということになっておりますので、十七日以降、一週間経過した後においてこれを受理する、こういうことになったわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 続いて伺いますが、両大臣が二条の二項に基づく変更を命じられたのかあるいは届け出のとおり承認したのか、その点簡単でいいですから伺います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 変更を命じないで受理したわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それから伺いますが、第三条にはもし両者から、メーカーあるいは全農から必要な資料の公表を要求された場合は交付しなければならない、こうなっておりますが、こういった資料の交付要求はありましたか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 従来、毎会計年度生産費を調査いたしておりまして、これを要求して交付いたしておりまして、最近の四十七会計年度のものはすでに交付いたしておりましたが、今回の価格改定取りきめに際しましてはそういう形の資料交付の要求はございませんでした。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これはメーカーの原価についての資料の要求ももちろんなかったということですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 改定に際しまして、その時点における原価についてのものはなかった。したがいまして、一番直近の前に交付いたしました四十七会計年度のものをベースにしたということでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それではなぜ一月一日から三二%の値上げを認めたのか、その根拠、これは時間がありませんからほんとうに簡単に述べていただきたい。  それからもう一つ、一月一日からの値上げで肥料メーカーが採算がとれるという判断をしたのかどうか。たぶんその判断の上でやったのだろうと思いますが、その二点を伺います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 四十八肥料年度は当初価格に比べまして平均三一%でございますが、その内訳はこの肥料価格安定等臨時措置法に基づきます硫安、尿素の分とそれによらない分と両方でございます。前者の法律によりまする硫安、尿素につきましては一六・三%上昇いたしたわけでございますが、これは主といたしまして重油、ナフサ、包装代、そういった原材料の値上げというふうに限定いたしまして、それが大幅に上がったために値上げを余儀なくされたものでございます。後者のその法律の対象外でございますが、燐酸肥料それからカリ肥料、それといわゆる化性肥料、これ等につきましては、まず燐酸カリにつきましては、主といたしまして輸入の燐鉱石及び輸入のカリの上昇、それからまた包装材料の値上がり、そういうこと等によりまして上昇を余儀なくされたものでございまして、全体を総合いたしまして平均三一、こういうふうになっておるわけでございます。  それからメーカーの採算でございますが、私どもは直接メーカーの採算と申しますよりもまず原価を基準にいたしておりまして、したがいまして四十七会計年度の生産費調査がございますからそれをベースにいたしまして、その後のそういったものの値上がり状況を織り込みまして判断をいたした次第でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それで私は農林大臣に、この問題が非常に深刻な影響を与えている点について少し申し上げてみたいと思うのです。  宮城県の北部のいわゆる大崎耕土といって非常に広大な米の単作地帯がありますが、そこの農民が最近請負耕作をさせてもう出かせぎに出たほうがいい、耕作放棄をやっている傾向が非常に顕著になってきています。これはよく日本一うまいなどといわれておりますが、ササニシキの主産地なんです。そういう農民がいま生産放棄をせざるを得ない、そういう判断の根拠に一連の肥料、飼料その他の値上がりがあるわけです。農協が請負耕作をやる、その機関になるということで、これは東北農政局あたりからクレームがついたりしておりますが、そういう実情がいま進展している。  それから埼玉県のある農民ですが、石油事情、これはごまかしだったことがいまになるとはっきりしている、経済連あたりも肥料の値上げについて再考すべきじゃないか。一片のビラでもって、ビラというのは農家に配った経済連のビラですが、これではとうてい納得できない、ほんとうにこの値上げが正当なものならデーターをひとつ公開して説明してほしい、こう言って話し合いに行っている農民もあるのです。この農民がやはり同じようにいろいろな農業資材の値上がりの中で、いまでもぎりぎりなのだから、もうこれ以上上がったのでは農業をあきらめる以外にはないのだ、ぜひ再考してくれ、考え直してくれ、こういう悲痛な叫びをあげているわけですね。こういういろいろな農業用の資材の値上がりが農民に生産意欲の停滞をどんどん起こしている。耕作放棄も起きている。もう一つ、いま農協あたりの動きでは、こうやって生産資材がどんどん上がりながら、それで生産者米価を二八・一%くらい上げて澄ました顔をしていられたのではたまったものじゃない、ことしからはいまの値上がりを加味して田植えをする前に生産者米価をきめてほしい、これは当然だと思うのですが、そういう声さえ起きて農民春闘、これをやろうという声がいまほうはいとして農協中央会の中にも盛り上がっている。石油危機に次いで日本の食糧危機がもし起きたら重大な問題ですからね。そういう点で農業用の資機材の問題で、特に肥料について、農林大臣としてこのまま放置しておいていいのかどうか、農林大臣の所信を簡単でけっこうですからまずお伺いしたいのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 肥料は遺憾ながらやはり原材料の値上がり等で値上げになりました。しかし、御存じのように、肥料の価格をきめますときには、やはり生産者であります農業団体の全農——それから全農は、販売者の立場にも立っておるわけであります。そしてメーカーとの間に話し合いをいたしまして、価格を決定しているわけであります。したがって、原材料の値上がりについていまいろいろお話がございましたけれども、やはり石油、ナフサ、そういうものの値段が上昇いたしておるという事実に即して、遺憾ながら値上げをすることはやむを得ない、こういうことで全農も了解をいたして、決定しておるようでありますので、上がらないほうがいいとは思いますけれども、やむを得ないことではないか、こういうふうに考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そうすると、ことしの生産者米価は、やはり昨年を上回って上げなければならない事情にあるということは、農林大臣もお認めになられますね。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 大体まじめに農業をやっていらっしゃる多くの人と相談をいたしてみますと、もちろん価格を上げてもらうことも大事なことではあるが、やはり生産費をダウンしてもらいたい、土地改良その他を十分にやって、そして営農がしやすいようにしてくれという要望を、じみちな農村の人々からはたくさん承っておるわけであります。したがって、私ども農政の中で一番大事なのは、そういう点にできるだけ予算を使うということであろうと思っております。  それから、いまお話しのございました田植えの前にということでございますが、田植えの前に米価をきめたことは、今日まで御存じのようにありません。大体六、七月、私は、農家の立場に立ってみますならば、やはりそういう価格をきめますときには、出荷のできる一番近い時間までのもろもろの事情を勘案してきめてあげるということのほうが、生産者のために非常に親切なやり方ではないか、私どもはそのように理解をいたしておりますので、田植え前に米価をきめるというようなことは、考えたことはありません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そうすると、いま農林大臣がいみじくもおっしゃったように、生産費をダウンする。そうすれば、もちろん生産者米価を上げる必要はないわけですから、この生産費をダウンする方向にいわゆる構造改善やその他も、もちろんあるとは思います。しかし現実に肥料が上がる、飼料が上がる、飼料は、米価とは関係ありませんが、あるいは農業用の資機材が上がる。これを上げないで下げる努力ですね、これをぜひ農林大臣にやっていただきたいのですが、ひとつその御決意のほどを簡単にお伺いしておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 分科会はたいへん時間が短いので、お聞きになる方のために、私は少しことばを省略しまして、肥料が上がった、あるいは畜産で飼料が上がった、こういうような問題は、やはり生産原価に響くことでありますので、そういうことに対しての考慮というものが当然行なわれなければなりませんので、私、さっき申しましたのは、それもありますけれども、やはりコストダウンするようにもろもろの施策を講じていくということも、非常に大事なことだということを申し上げたのでありまして、所要とする原材料の値上がり等については、やはりそういうことを考慮して、価格政策をやっていかなければならないことはもちろんのことだと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 ですから、私は、そういう農産物価格の生産費を引き下げる基本的な政策とあわせて、現時点は、こういった目の前でどんどん上がっているわけですから、これをひとつ下げる努力をするのだ、こういうふうに当面了解しておきます。  それからもう一つ、どうも便乗値上げが、この間は農機具の問題でやはりあったようです。それから一方的な契約破棄も農機具で、あった。これは農林水産委員会で論判された点です。肥料でも、もしもこういう便乗値上げがわかったならば、これは農林省としても、通産省としてもやはり断固たる処置をとっていただきたいのですが、便乗がわかって、便乗分、これは払った農民にやはり返していただきたい。これをひとつお願いしたいのですが、その点どうでしょうか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいま便乗とおっしゃられたわけでございますが、問題は、その内容いかんによろうと思うわけでございます。確かに農機具の場合には、あれは耐久財の関係がありまして、契約関係でございますが、肥料の場合は、通常は当座買いでございますので、いわゆる便乗とおっしゃられても、中身いかんによりまして、不当なものはもちろん措置いたしますが、具体的にどういう取引関係がございますか、それによって判断しなければならぬと存じておるわけであります。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そこでもう一点だけ基本的な点を伺っておきます。  特に春耕用の肥料が非常に不安にさらされているわけです。この春耕用の肥料の確保についての見通し、これは十分確信がおありなのかどうか。もし確信がなければ、それについての努力をどういうふうにするのか。この点ひとつ伺っておきます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 肥料の供給につきましては、私ども万全を期するように供給確保に努力をしている次第でございまして、したがいまして、そのために、特に石油によって影響されてはいかぬというふうに存じまして、肥料の製造に要しますエネルギー源の確保、それからまた必要な原材料の確保につきまして、これは通商産業省とも十分相談いたしまして、肥料の供給確保に不安はないというふうに生産確保をいたしておるわけでございます。  さらに、また生産されたものが、的確に末端に届くようにということで、輸送その他にも万全を期するように目下いろいろやっている次第でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 具体的に春耕用の肥料、これは絶対にだいじょうぶですか。

兵藤節郎通商産業大臣官房審議官

○兵藤政府委員 春耕用の肥料といいますと、たとえば北海道におきますと、大体八月ごろから春耕用の肥料の手当てが始まるわけでございます。国内におきましても、年末から一月、二月にかけて春耕用の肥料の手当てをする、こういうふうなことが大体言えるかと思いますが、昨年末に起こりましたところの石油ショックによりまして、電力あるいは原料であるところのナフサあるいは重油、こういうものが不如意になったということで、十二月段階におきますところの生産は、硫安、尿素等につきましては、一〇%のダウンをしております。それから高度化成を中心としました燐酸系の肥料につきましては、ほぼ前年並みの生産をあげている。しかし硫安、尿素になりますと、これは内需のみならず輸出もあるということからしまして、一月から、先ほど松元局長から答えられましたように、石油あるいは電力、ナフサ、重油、こういうものを特配をやりまして、現在そのおくれを取り戻し、ほぼ前年並みの生産をあげ得る、こういう見通しになっておるわけでございまして、総生産量としましては、内需につきましては、万々御迷惑をかけるようなことはない、こういうふうに信じておるわけでございますが、生産は単に一次メーカーのみならず、そこから原料を買って、二次メーカーが肥料をつくっているわけでございます。これは二次メーカーがどういうふうに原料を入手して、そしてそこで製造し、卸、小売りと、こう販売していくわけでございますが、その間、いろいろの思惑、こういったようなものが、あるいは動いてくる余地もなきにしもあらずというふうに思うわけでございますが、私どもが直接監督しておりますところの一次メーカーの段階におきましては、いま申し上げましたように、総生産におきまして、内需に対しまして御迷惑をかけるようなことは、万々ないと考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それでは私、先ほど便乗値上げの問題にちょっと触れましたが、私が入手した若干の資料があるわけです。  その資料を見ますと、やはり昨年の十二月あたりに、どうも各社しめし合わせて、軌を一にしてこの便乗値上げの基礎をつくったと思まれる節があるのですね。これは、具体的な資料に基づいてひとつお伺いしたいと思うのです。  これはことしの一月十八日付ですね。三井物産株式会社仙台支店、支店長代理の吉村さんという名前で各三次問屋に出された通達と申しますか、通告と申しますか、こういう文書があるのです。これはたまたま西武化成——これはスタンプでその分だけ西武化成と押してあります。ですから、これは判こさえ変えれば、ほかのメーカーの分も全部はいれる文書様式なんですね。これを見ますと、先ほどいろいろ御答弁があったような肥料事情ですね。値上げのやむなき至るような事情を述べています、燐鉱石が高くなるとか、あるいは石油が危機だとか電力事情が悪いとか。さらに、全農向けの価格が平均三二・二%も上がったという事情もあると、こう述べて、上記事情によって、西武化成、この分の一月から三月に積み込むものについて、たとえばハイトップ四七四号二十キログラム、これを九百六十五円と価格条件を改定させてくれ、それから「尚、原料ノ入手困難ヨリ肥料全般ノ供給量ハ、昨年実績ヲ可成り下回ルコトハ必至ノ状況ニアリマスノデ、」必至だといっている。これは通産省と少し違うのですね。必至なので、限られた量を末端に公平に配分してくれ、これはどういう意味かわかりませんがね。決済条件も短縮させてくれといっているのです。  それから、これまであなた方におあげしていた予約奨励金、前もって予約をすれば奨励金を出していたようですが、これも廃止する。年内指図についても、予約奨励金を廃止する。それから出荷はメーカー一任とし、価格は積み月価格、こういうふうにする。それで、従来の契約は破棄するんだ、こういっているのですね。  ですから、これは西武化成だけじゃなくて、判こを変えれば、どのメーカーにも適用する文書ですから、全部の三井物産が扱っているこのメーカー品について一斉に値上げして、一斉に前の契約を破棄した文書なんですね。そうして、品不足と称して一方的に供給削減を迫っておる。さらには、予約奨励金その他も全部解削する。  そういう点で、一方的な契約破棄、これがもう相次いで起こっているという一端を示しているんですね。これは典型的な一つの事例なんです。二次卸の方々がこれでかんかんになっておこっています。弱い立場にあるこの二次卸を、資本の圧力で、有無を言わせず言うことを聞かせる横暴なやり方だ、これは予算委員会の前の段階で明らかにされた石油業界と同じ手口だ。その点で私は、農林省が、こういうふうに簡単に一方的に契約を御破算にされていること、こういうことをどうお考えになっているのか。肥料安定法に照らしてみても、確かに尿素、硫安については、これは一月十八日ですから、全農との協定ができたあとの文書です。だから、それに右へならえしておるといわれる節はあります。しかし、ほかのいわゆる特定肥料以外、さっきの二品目以外の全品目にわたってこれがやられている。  これは一体どういうことなんだろうということなんですよ。農林省、どうお考えだか、これは聞かしてもらいたいのです。

兵藤節郎通商産業大臣官房審議官

○兵藤政府委員 ただいまの御議論に入る前に、元売り段階におけるところの出荷状況をお話し申し上げておきたいと思います。  昨年の暮れが異常な時期であったわけでございまして、価格の値上げ問題等も発生しておるということで、私ども政府といたしましては、流通段階でいろいろの混乱が起こることを防止せねばならぬと、こういう立場から、少なくとも元売り段階における出荷につきまして前年を下回るようなことがあってはならない、こういうことを強く指導してまいりまして、十月におきましては、大体前年比一〇〇%ないし一一〇%程度の出荷をやっております。それから十一月、十二月、この段階では一一〇%ないし一三〇%ということで元売り段階では出荷をやっておるわけでございまして、それがどのように末端に流れていくかということにつきましては、われわれも十分警戒をしておったところでございます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 いまの中に、価格の問題その他の条件と申しますか、それと量の問題、いろいろとございますが、まず量につきましては、これは一月十八日でございますからなにでございますが、確かに、一時期は供給が心配だという時期がございましたけれども、そこで、御承知のとおり、肥料の場合は、全農の扱いが全体の約七割を占めているわけでございますが、末端の単協では九割になるわけでございまして、そういう農協系のウエートが圧倒的に高いわけでございます。それでもその全農も心配いたしまして、一時供給のめどについて確約しなかったということが十一月ごろあったわけでございますが、その後は物に不安がないということで、春耕期の肥料につきましては、注文をとって応ずるという体制にいたしましたので、一月十八日ごろと申しますと、その境目に当たりますのでちょっと気になりますが、いずれにいたしましても、量についてはもう心配ない段階になって、いわば標準的な一番基準になります全農の扱いでは、そのように下部の経済連にも指示をいたしたわけでございますので、まあいささか量が足りないからということで——ちょっと形容詞が多過ぎるかもしれませんが、実態は、量については、そういう問題はないと私たちは考えていたわけでございます。  それから、また価格につきましても、これも御承知のとおり、肥料の法律の対象となっている硫安、尿素もそうでございますが、ほかのものにつきましても、これは全農の扱いが七割を占めているわけでございます。したがって、それとメーカーとの取りきめ額、これは法律に基づく取りきめ額と、法律に基づかざる取りきめ額と、両方あるわけでございますが、いずれにしましても、全農とメーカーとの取引価格、これが基準になっているわけでございます。その基準を改定いたしますと、その場合に、特に農協糸の場合には、若干契約のしかたが、機械等とは違いまして、これは消耗品でございますから、たしか、いつまでのものは幾らという、そういう契約ではなくて、いわば数量を供給する、価格はそのときの価格で仕切るというので、たとえば全農系でございますと、一月出荷指図価格というふうに昔からいたしておるわけでございまして、それが系統の場合は末端に混乱なくいく、したがって、いまの三井物産さんと、それから卸との契約関係がぴしゃりとどうきまっているか、ちょっと私もそこまで調査していなかったわけでございますが、やはりこれは基準になりまする全農価格が一月から改定が行なわれる。それに従って、改定するという趣旨ではなかろうかと思うわけでございまして、その点機械におきまして、価格までぴたりきめて契約をしていくということは、少し事情が違うのではなかろうか、いずれにいたしましても、ちょっと私も契約関係を確認する必要がございますので、何ぶんにも基準になる全農価格の扱う仕事でございまして、これは法律によるものも、よらないものも同様でございまして、それに準じた扱いをしたのだろうと思われるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 通産省のほうは、品物はとにかく十分確保されている、こういう御答弁なんです。ところが、一月十八日段階で、三井物産が、なお原料の入手困難より、肥料全般の供給量は、昨年実績をかなり下回ることは必至の状況だとこうやって、各二次卸に品薄だという状況を伝えているわけです。そうすると、こういう文書はこれは売り惜しみが出てくる原因になるのですよ。品薄だ、それからまた値段も上がるだろう、これはやはり便乗値上げを醸成する一つの土台になる文書だと私は思うのですよ。だから、こういう文書について、農林省も通産省もぜひ御調査いただいて、厳重な指導をやってもらわないとたいへんだろうと思うのです。  これはこれでやめますけれども、もう一つ重要な文書があるのですよ。これは非常に重要だと思うのですが、昨年の十二月七日に日産丸紅商事株式会社、これが二次卸に一斉に配った文書なんです。「拝啓毎々格別ノ御引立ニ与リ厚ク御礼申上ゲマス。扠テニ部品料情勢変化ニツイテ」という見出しで、その内容はいわゆる石油事情あるいは電力の事情、こういうことを同じように述べ立てております。それから、燐酸肥料の異常な値上がりの問題です。問題は、そこでいままであなたのほうにおあげしていた肥料の全品目にわたり大幅値上げとなり、いいですか、十二月七日の段階ですよ。いわゆる農協とメーカーの協定が、届け出があったのは十二月十七日ですね。大幅値上げとなり、受注していた商品の一部は出荷不能または延期となり、さらに従来限月適用価格は原則として指図限月でありましたが、こういった諸事情の変化のため、出荷限月価格適用とならざるを得ない、こういっているのです。ですから、いままでの契約で差し上げるはずだったのだが、今度は出荷限月、出荷した月の価格適用とならざるを得ないのだ、こういっているわけです。そこで二次問屋の皆さんも、卸、小売り、いずれの場合も、新規注文はもちろんのこと、すでに注文のあった分も、すでに契約した分もそれなりの御配慮をお願いする、こういっているのです。そして、なお新価格はきまり次第お知らせする、こういう文書なんですね、これは。十二月七日の時点で品不足を宣伝して、値上げを予告しておる。さらに契約破棄を通告している。これは私はもう非常な先取りだと思うのですよ。大体農林大臣に届け出る、通産大臣に届け出る全農とメーカーの交渉、これがまだ届け出もしていないうちからこういうことをあおり立てている。商人がこういう通告をもし受けたら、二次問屋でもいいです。これはもう卸だって小売りだって特約店だって、いずれ値上がりになるのだ、品不足になるのだといわれたら、いま売るばかはいないということですよ。これは、良心的な人は売るでしょう。仕入れが高くなるのを覚悟しても売るでしょう。しかしやはり商いの道ですから、隠したくなる、売りたくなくなる。これは人情です。ですから、これは品物を隠すそそのかしをやっている文書なんですね。しかもこの文書は日産丸紅だけではないのです。あらゆる商社、三井も三菱も伊藤忠も住友も流しているはずだと、業界ではもっぱらの取りざたなんです。しかも年間価格表である条件表を改定するわけですから、やはり文書がなければこれは混乱するはずなんです。ですから、私は文書としては、典型的なのはいまこれしか持っておりませんが、これはどうも一斉にやられた節があるのです、あとで別な資料もお見せいたしますけれども。ですからこれは非常に悪質な、悪徳商法の見本じゃないかと私は思うのです。これはもうつくられた物不足ということはいまになれば明確なんですから、この物不足を宣伝して品物を隠し、または隠させて、全国の農民に深刻な不安を与えた上、さらにこの物不足、石油危機に便乗して不当な企業利益を計画したものだ、こう思わざるを得ないのです。しかもこれが十二月という、私は宮城県の農協でも聞いてきました。十二月という月は、春耕に備えて、早いところは十月から十二月にかけて春耕用の肥料のストックをやる、こういう時期なんですね。これは全農糸以外の商社系だって同じなんですよ。商社系から買っている農協もまだ相当あります。そういう決定的な時期にこういう文書を流して品不足をあおり立てて、価格の改定をやります、こう言っているこの文書が出されている。これはほんとうに悪徳商法の一つの典型的な例だろうと私は思うのですが、この点どう思われますか。

兵藤節郎通商産業大臣官房審議官

○兵藤政府委員 ただいまの日産丸紅の件につきまして、私どもいま先生から初めて聞かされた、こういうわけでございますが、日産丸紅自身は二次メーカーから肥料を買い取って、そしてこれを卸に売って歩く、いわば一種の商事会社でございます。この商事会社の行為につきまして、私ども直接監督はいたしておりませんが、まず第一に明らかにしておかねばならぬ点は、冒頭お話のございました価格の取りきめ、これは硫安、尿素の単肥についてでございます。この単肥が一次メーカーから二次メーカーに流れていく段階での価格でございます。あるいは硫安、尿素等につきましては、一次メーカーから全農に対して渡るときの価格が取りきめられておるわけでございます。そこから二次メーカーが買い取って、さらに二次メーカーはこの硫安、尿素のみならず、燐安とかあるいはカリとか、その他有機質肥料の原料とか、いろいろあちこちから買い集めてつくっているという段階で、数から申しますと、一次メーカーが全国で約四十ほどございます。二次メーカーと称するのが全国に約二百ほどございまして、二次メーカーは一次メーカーから買い取ったいろいろの原料を、二次製品としてつくり上げている。これをいまのようなお話のございました日産丸紅のほうに売っているというようなことでございます。日産丸紅が、いまのようなことで、たとえば契約限月を出荷限月に訂正した、あるいは過去に契約したものを、さかのぼってそれを破棄して、新しい価格を適用するとかいったようなことをやっている、こういうふうなお話でございますが、私ども、その事実については十分承知しておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これはあと差し上げますから、調べてもらえますか、日産丸紅、それからさっきの三井。日産丸紅は日産化学と丸紅との合弁でしょう。そうじゃないですか。そうすると、日産化学は一次メーカーですか、三次メーカーですか。

兵藤節郎通商産業大臣官房審議官

○兵藤政府委員 日産化学は一次メーカーでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そうでしょう。ですから、一次メーカーの日産の品物が、丸紅としてやはり流れている。これはそのための商事会社でしょう。ですから私は二次メーカーだけを扱っていると言われると、若干違うんじゃないかと思うのですよ。そういうところが、やはりこういうたいへんな事態を起こすような文書を出している。これはどうしても調べていただいて、それで厳重に注意してもらう必要があるのです。そして、これはもう明らかに便乗値上げをねらっている文書ですから、しかも品物を隠せといわんばかりの文書ですよ。こういう文書を出すこと、これはやはりたいへんな問題だと思うのですよ。いままでの国会でも再々問題になっています悪徳商法の……。こういうことを十二月という、非常に春耕用の肥料にとって大事な時期に出して、物を隠したらどうなります。ひとつ、厳重に調査していただきたいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私もいまの文書はいま伺ったわけでございますが、ただそんたくいたしますると、一つには、もちろん交渉のまっ最中でございますが、すでにメーカーのほうから、全農に対して価格改定の申し込みは、たしかしておったわけでございます。したがいまして、そういうことを、届け出はあとでございますが、すでに交渉は行なわれる過程にあったわけでございます。そういう事実を踏まえたということと、それからそんたくいたしまするに、いままではなかったことでございますので、そういうことに備えて連絡したんだろうというふうに思われます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それから同じ日産丸紅が、この文書を受けて、新しい価格については、いずれ追って通知する、これを受けて十二月の二十四日に、やはり同じ会社から各第二次御店あてに文書を出しているんです。  これを見ますと、まず冒頭に、メーカーには石油危機などの不安要素があるが、それを押えながら、何とか現行指図分からでも、きまるものから値段をきめて次のとおり御案内する、そのあとの分については、きまり次第また連絡する、こういって、いろいろな朝日化工であるとか——これは二次だろうと思うのです。あるいは東陽商事とか大洋化学とか、そういうところの品物について、一つ一つ値段について指図をしているわけですね。  これに共通なのは、これは朝日化工の例に典型的に出ておりますが、まず一番目として、十二月二十一日以降出荷の分から十二月まで積み出してくれと指定のあった指図物は、十二月限月から一装当たり四十五円高くする。全農メーカーでは一月一日から、こうなっておりますよ。一月以降の積み期指定の分は、一月以降の限月価格の五十五円高だ。三番目に、新規指図は別途相談する、しかもこの新規指図というのは、十二月三日以降の指図のことである、こう書いてあります。これは非常に重大なんですね。さかのぼって値上げをする。二十四日に出した文書ですから、二十日ぐらい前にさかのぼって値上げをする、こういうふうに書いてあるんです。ですから、年度間契約ができておるわけですね。この契約できまっていたものの十二月積み出し指図物さえ四一五円アップする。一月のものはさらにアップする。新規指図の分は、さっき言ったとおりですね。十二月三日にさかのぼって値上げをする。これは非常にけしからぬと思うのです。これはさっきの十二月七日の文書の具体化なんですね。追って値上げをしますといったやつの値上げの具体的な内容なんです。こういう文書が発送されているわけです。ですから、これは非常に悪徳商法の見本だと私は思うのです。  農林大臣、こういうことが、たまたまこれは日産丸紅の問題ですが、ほかの三菱、三井、伊藤忠あたりもやっている疑いが十分あるんです。現にこれは、私が三菱系の二次卸の方から聞いた話です。三菱系の二次卸の方々も、このことで大憤慨して、三月五日か六日に、たしか三菱本社に乗り込んで要請行動を集団的にやっているといわれております。これは聞いておりますか。局長ですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 その事実は存じておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは三菱もあるんです。これは聞いてごらんなさい。それから三井も、さっきの文書のとおりの次第があるんです。丸紅もある。こうなると、私は、こういった主流がやっている限りには、業界全体がこういう便乗値上げ、物隠しのような意図、これがやはり十二月前後にあったんだと思うんですね。  きょう公正取引委員会の人はいらしていると思いますが、肥料安定法で除外されたカルテル行為以外のやみカルテル、この対象になると思うのです。これはぜひ公正取引委員会で調べてもらいたいのですが、この点、どうですか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田(文)政府委員 私もいま先生から初めてお伺いしましたので、その具体的な事情、内容についてはよくわからないわけでございますけれども、たとえば価格等について、メーカーが話し合いで一斉値上げをするというようなことであれば、これは共同行為の疑いが出てくるわけであります。ただし、これは具体的な事件でございますので、なるかならないかというような意見を言うことは差し控さしていただきたいと思いますけれども、事件として申告されるということであれば、端緒として検討はいたしたいというふうに思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは農民が聞いてかんかんにおこっているのです。これはほんとうに全国の農民はおこります。ですから、公取がうっかりこの場で調べるなどと言えば、連中は風を食らって証拠隠滅をはかりますから、言わなきゃよかったのかもしれませんけれども、これはぜひ早急に手を打ってほしい。要請しておきます。  それから、いま一連の文書で申し上げましたが、農林大臣、いま申し上げたようなお話を聞いて、どうお感じになっておられます。これはやはり便乗値上げの疑いが非常に濃いんじゃないですか。それから物隠しを指示した疑いが強いんじゃないですか。  そうなれば、農林省として、これら一連の問題をぜひ調査して、国会に報告してもらう必要があると思うのですが、ひとつ、大臣の御答弁をお願いしたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そういう取引は、正当な取引をやってもらうようにしなければいけないと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それでは私は一つ具体的な事例で農林省に伺いますが、これは一方的な契約破棄の事例なんです。これは農林省もたしか調査を進められているはずなんですから、それから報告書も来ていると思います。秋田県の大潟村ですね、八郎潟を干拓したこの大潟村の農協ですか、三井物産が本間物産の秋田営業所を通して東亜化成の肥料を大量に契約していた分をキャンセルしたという事件なんです。しかも、契約していた価格は昨年十一月の安い価格の契約だった、この一件です。  私は農林省が二月二十七日の午後に調査に入ったと聞いているのですが、この調査に入られた事実がありますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私どもは、かねて問題がございました農機具について調査いたしましたが、肥料については、そういうかっこうの調査はまだいたしておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは一つの具体的な農民と直接関係のある事例ですから、農機具の調査とあわせて、ひとつ調査して報告してもらいたいと思うのですが、どうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まずその前に、実は私ども、こう理解しておったわけでございます。  先ほど申し上げましたが、肥料の流通は、ほかと違いまして、全農が七割を握っているわけでございます。したがいまして、価格の基準はすべて全農の価格でほぼきまってくる。かりに不当なことをして、それが高ければ農家は普通は買わないはずでございますから、したがって、肥料の場合はまず問題ないと思っていたわけでございます。ただし、途中多少のフレはあるかもしれませんが、基本的にはまずまずと思っていたわけでございまして、したがって、契約関係及びその処理も、ほぼ農協に準ずると思っていたわけでございますが、おそらくほかの例も、農協の基準が変わったからそれに追随したということだろうと存じますが、なお問題がございますれば、調査いたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 ですから、確かに全農価格は、いままでだとプライスリーダーであったわけです。七十%のシェアですから。これはいままでの話なんです。これは商社系の流れを規制していたわけです。ところが、昨年の秋以来、この事情が変わったのですね。つまり、いわゆる品不足、物不足、これが宣伝され物不足が生じてくる。そうなると、物不足の状態では、やはり売り手市場になるのです。ですから、全農のプライスリーダーが商社系には及ばなくなってくる。これはある程度の規制力はあるでしょう。しかし、物がなくて売り手市場なんですから、全農さんはそれだけで売っているだろうが、うちのほうは物がありませんからもっと高くしてください、こう言われれば、やはりいままで全農から買わないで農業をやらしていた方々、あるいは農業をやらしていた農協、これは非常に弱い立場になっているわけです。  たとえば、宮城県の松山町の農協なんというのは、これは口は悪いのだけれども、業界でいわれているいわゆるうわ気買いというやつですね。安いときは農協から買う、こっちの商社系が安ければ商社から買う、だから実績があまりない。それで、この新しい上がった価格で一〇〇%肥料をもらっているというような事例もあるのですよ。  だから、そういうふうに事情が変わっているのですから、局長のおっしゃるようないままでのような流儀は通用しない事態があったのだ、私はこう思うのです。その点、局長、やはり去年の秋から十二月にかけての事情は、認識を改めてもらう必要があると思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいま物不足という関連であったわけでございますが、確かに十二月ごろは、全般を通じてそういうことが非常に懸念されたわけでございます。ただ、その後、先ほども申し上げましたが、非常に生産の増強につとめまして、まず全農系でもその心配はなくなった。そこで、故意に意識的に物不足を宣伝して価格をつり上げるということをいたしましても、長続きするはずはないと実は思ったわけでございまして、そういうことで、過渡期の混乱期に若干そのようなことがあったかもしれませんが、今後は基本的には正常に戻っていくと思っておりますが、過渡的な妙な問題がございますれば、これは私ども調査いたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 ですから私が申し上げるのは、いまあなたは正常だ、こう仮定されておるようですが、私はこれは必ずしも正常ではないと思っています。具体的な事例もあります。しかし十二月を境にしたあのいわゆる混乱期に、これで便乗をやった明らかな疑いが十分あるのですから、これはやはり調査してもらわないとだめなのです。そうして、そういう悪徳な業者は、やはり政治的な意味でも何らかの制裁を加える必要があるのです。公表するなり、あるいは政府系の融資の問題やなにかにしても制限するなり、そうやらないと、こういう悪徳な業者はやはり改心しないわけです。その点、やはり具体的な措置をとっていただきたい。さらに調査して、事実が明らかになったら、これに対する何らかの措置をやる、そうして便乗している分があったら、これは農民に返してもらう、これをひとつ農林大臣にお約束していただきたいのです。農林大臣、ひとつ御答弁をお願いします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 問題は、年度途中で価格の改定に伴った、いわばそういう問題でございますから、これは全農が基本的に建て値を変えたわけでございますから、もしも全農のそれと違った扱いをして、その結果、特に高くなっているという事例がございましたら、そこは調査して、その事態に応じて対処いたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 最後に、私が一々事例をあげた日産、丸紅、三井、それから住友商事については、こういう事例もあるのです。これはあなた方、いろいろそんたくなさるだろうとは思いますが、最近売られた肥料、これは重過燐酸石灰ですが、非常に上がった値段で売られました。これは売る場合、輸入業者保証票というのを必ずつけなくちゃならないのですね。その保証票に四十八年八月に輸入したものだという証明書がついているのです。四十八年八月というのは、いわゆるモロッコやフロリダやそういうところの値段が上がらない時点です。そういう悪徳な例もあるのです。  これは、いろいろ私は弁解も聞いていますよ。これから上げる分を、ここまで上げるやつをここまでにするんだから、これはひとつかんべんしてくれというような弁解も聞いておりますが、これはやはり農民の心理からいって、許されない問題だと思うのですよ。これも私は悪徳の一つだというふうに指摘しておきたいと思うのであります。  時間が参りましたから、私はこれで終わりますが、ぜひこの問題について徹底的な究明を、農林省、通産省、それから公正取引委員会で行なわれるよう強く要望申し上げて、終わりたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 庄司幸助君の質疑は終了いたしました。  次に、島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 私は、最近のはやりになっております職業病、頸肩腕症候群から腰痛症に至るまで、いろいろと各階層からこれが蔓延してまいりました。ことに、林業労働者の中には振動病の大量発生の問題について憂慮すべき問題がございまして、七十一国会では、実態調査の結果を踏まえて、労働大臣それから農林大臣の見解をただし、予防と治療と補償対策の万全を期することを確認してあったわけでございます。  その後一年たちましたが、国有林及び民有林における振動病患者の発生状況はどうなっているのか、ブレーキをかけるような状態になっているのか、それとも、大いに促進するような状態になっているのか、その数をお知らせ願いたい。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 林業関係の職業病でございますレイノー現象でございますが、民有林の関係につきましては、昭和四十七年までにおきまして、四百八十七件となっております。それから国有林の関係は千四百五十一名、この中には退職者百四十四名含んでおるのでございますけれども、そういう状態になっております。  いろいろと、その後改善対策あるいは治療対策等を講じてまいっておりますが、数字を申し上げますと、以上のとおりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 労働省、来ておりましょうか。——民間林業労働者関係はどういうふうな状態になっておりますか。四百八十七件ということですか、そうすると、数において非常に少ないということになりますが、実際に把握できなくてこれだけの数字ですか。それとも、林野庁のほうがきっぱり把握しておって、労働省のほうではほんとうに民間四百八十七件しかないほど、これは十分指導しているんだ、こういうようなことになるのでしょうか。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 ただいまお答えがありましたように、労働省としては、四十七年末で四百八十七名把握しております。先生の御指摘のとおり、検診自体の不十分な点もございますので、十分に把握されているとは考えておりません。  したがいまして、昨年末から昭和四十八年度中に、主要な林産県を対象に約六千名の健康診断をただいま実施中でございますので、その結果によりまして、療養等を要する者の数が、あるいは大幅に変更があるかと存じております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 この治療対策にこれをしぼってみたいと思うのですが、この一年間行なってきた治療方法の効果、これはどうでしたか。

山口全労働省労働基準局補償課長

○山口説明員 治療につきましては、先生御存じのとおり、非常に未解明の分野がございまして、現在のところは、個々の症状に応じまして各医療機関にゆだねておるわけでございますが、根本的には、この治療指針を早急に策定する必要があるということでございまして、ただいま私どものほうでは、振動障害の検診委員会の治療部会において、具体的な治療指針の策定について検討中でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 林野庁ではどうですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 林野庁につきましては、現在のところ、民有林関係は先ほど申し上げましたけれども、国有林の関係につきましては、労働省あるいは厚生省といろいろ御連絡いたしまして、現在のところは、この前もお話しいたしましたけれども、具体的な方法の一つとしまして、温泉治療の計画を進めています。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 温泉治療の方法を採用して進めているというのですが、これは、完全な治療方法の開発研究、こういうようなことを並行させながらやっているんですか。この治療方法の開発研究、これはどの程度進んでいるんですか。

山中和厚生省医務局国立病院課長

○山中説明員 白ろう病は、レイノー現象でございまして、実は対症療法ということで現在は対処しておるわけでございます。  それで、温熱療法も一つの重要な治療法でございまして、そのほかマッサージ、電気療法あるいは薬物の療法もございます。それで昨年林野庁のほうで温熱療法、つまり温泉療法を災害補償のほうに取り上げられまして、それで厚生省としましても、国立病院に温泉病院がございますので、現在長野病院、これが長野営林署から依頼を受けて、患者を受け取っております。それから三朝の温泉病院は倉吉の営林署から受けてございます。それからそのほか塩原、白浜の病院が近く営林署から依頼がある予定になっております。現在長野病院では十名の入院患者、三朝温泉病院では二名の外来患者を引き受けてございまして、もちろん温熱療法と同時に対症療法を施しておるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 実際この白ろう病、いまレイノー現象と、こういうような表現になってまいりましたが、長官や、これはもう労働省でも御存じのように、われわれ白ろう病と初め言っていた。そして、それも放てきされたものを、今度は認定して治療させるようにした。その治療方法がまだ完全な開発が行なわれておらない。それを認定するところまでになった。  ただし、白ろう病として認定する場合には、もうすでに重症患者なのであります。白ろうの状態になって認定したのでは、もう重症患者になっておるわけです。少なくも、そうなる一歩手前にこれを認定して、治療を施すのでなければならないわけでありますが、名前が白ろう病であった、こういうようなことから、白ろう状態になってから認定したら、ソ連やそのほかの林業を扱っておるこういうような人たちの状態から見れば、日本の認定された状態では重症患者なのであります。したがって、発見するというよりも、早く認定して早く治療させる、この方向がいま一番急務です。完全な治療方法の開発研究はまだ十分進んでおらない。温泉治療程度である。これはわれわれとしては遺憾にたえません。  それと同時に、昨年、国有林事業として、療養施設の新設について努力する旨の態度表明があったわけです、七十一国会で。四十九年度予算ではどのようにこれを計画されてございましょうか。この点……。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 全般的には、ただいま厚生省のほうからお話ございましたように、各営林局それぞれ、厚生省関係等御連絡して、お願いしているわけでございます。  現在実施しておりますものは、トータルでは、実施中の者が六十二名、それから実施済みの者が十七名、合わせまして、現在七十九名の治療を実施したのでございます。  いま御質問のございました国有林みずから実施する計画は、これは専門のお医者さんが国有林におるわけでもございませんので、四十九年度の予定といたしましては、わずかではございますけれども、ただいまのところ一カ所でありますが、設置を計画いたしまして、現在その設置の個所、運営方法等について検討しておるところでございます。高知か、あるいは熊本か北海道か、そのいずれかにいたしたいと思っておりますが、そこで専門のお医者さんもお願いし、それから、そういった治療対策等についてもいろいろ検討していただきまするし、その結果を踏まえて、現在、いま話しました各局でそれぞれ厚生省にお願いしているものとあわせて検討した結果に基づいて、五十年度から本格的にこの治療診療所を増設してまいりたいと、ただいまのところは考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 予算要求は、額として幾らですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 金額は八十一万円でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それは一カ所ですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 さようでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、計画は何カ所要求したんですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 ただいまのところでは、いま申し上げましたように、まだ確立した療法というものではございませんので、実験を兼ねたと申しますか、そういう意味もございます。  冒頭申し上げましたように、林野庁だけでいろいろ計画ができませんから、四十九年度はまず一カ所だけにしまして、当初から一カ所の計画でございます。そうして、厚生省なり、あるいは関係の省庁と連絡をし、この実験の結果を踏まえて、現に十四局にいろいろお願いしている、そういった実施の結果等踏まえて、五十年度から本格的に大きく要求してまいりたいと思っておりますので、要求してきまったのは、現在のところ一カ所でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 ただ一カ所。営林局は十四営林局あるんですね。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 さようでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、十四営林局の中で、最低一カ所ずつですか。それとも、日本国じゅうで一カ所ですか。十四営林局に一カ所ずつというふうにちょっと聞こえてきたんですが、そうじゃないんですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 林野庁みずから実施するのは、全国で一カ所でございます、四十九年度は。現在はそれぞれ十四局の中で全然やってないわけでございませんで、その地区にあります温泉を利用して、関係省庁と連絡して、先ほど申し上げましたように、七十九名の療養を実施している状況にございますので、直接に林野庁みずから各局に実施させるのは、そういったものを踏まえて、結論を得てから慎重に検討した結果、五十年度から本格的に実施してまいりたいと思っておりますので、御指摘の点については、全国で一カ所でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 十四営林局あって、最低一カ所ずつは必要か、こう思っていたんですが、私の聞き違いで、全国で一カ所だ、こういうようなことでありますが、しかし、私としては、これではどうも熱意がないんじゃないか。  頸肩腕症候群があります。これはいま速記者や、それから総理府自体の中にも統計局の中にこれが発生しております。裁判所では速記者がやはり頸肩腕になっております。それから電電公社では電話交換手もそういうふうになっております。  こういうふうにして見ますと、腰痛症を訴える人はもちろんあるわけでありますけれども、このレイノー現象、いわゆる白ろう現象というようなものは、農林省や、または労働省が指導しております山林労働者に限るわけであります。そういうような点から見ても、もっともっとこの点では手厚くこれを行なってもいいのじゃないか、そう思うわけでありますけれども、ただ一カ所だけ予算を請求して、それでいいものだとは考えられないのですよ。これ、どなたか、それでいいと言ったのは、長官自身の考えですか。農林大臣の考えですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 それは大臣の御了解を得ておりますけれども、私の考えでございます。  繰り返して申し上げますけれども、一カ所以外は、温泉療法やっていないという意味ではございません。みずから実施するものについては、四十九年度要求したのは一カ所だけではございませんでしたけれども、いろいろいまお話した理由で一カ所だけになったわけでございます。実際は、それぞれの局で、そこにあります温泉を利用して治療はいたしておるわけでございます。ですが、直営でいたします場合には、冒頭に申し上げましたように、まだ治療対策についてはっきりした点が確立されておりませんので、それらの点を踏まえて、しっかりしたデーターに基づいて、五十年度の計画を大きく要求したいというふうに考えているところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 完全な治療方法がなければ、医師に委託してプロジェクトチームでもつくって、専門にこれに当たってやるというのが、官庁の指導者たるあなたのつとめじゃないだろうか。他のほうでは、プロジェクトチームをつくって、これと取り組んでおるのは、頸肩腕症候群の例に見られるように、関東逓信病院のお医者さんをはじめとして、これをやっておるのです。どうして林野庁がこれに対してそういうような手段さえ講じてくれないのか、これはまことに私は遺憾なんです。一生懸命やる人にこういうような病気が発生している。  大蔵省、来ておりますが、たしか一カ所、これは三千万円程度と聞いているのですが、五百万円程度だったのですか。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 私のほうからお答えしたいと思いますけれども、折衝の結果、ただいま申し上げましたように、八百万円余ということになったわけでございますけれども、要求しました結果、一カ所八百万円になりました。  しかし、いま繰り返して申し上げますけれども、これはやっぱり私のほうと大蔵省との間の打ち合せの結果そうなったのでございまして、ただ数さえ多ければいいというものでもないというふうに私も考えます。確かに、一カ所だけでなくて、十四局の中でそれぞれ治療はいたしておりますが、ただ林野庁みずから実施しますものについては、それらの結果を踏まえて、五十年度以降、拡充してまいりたいと思っておるところでございます。  もう少し砕いて申し上げますけれども、実は、いろいろと白ろう病対策につきましては、それぞれの機関に研究をお願いしております。血管系の問題につきましては、四十三年から四十七年度の計画で東大の医学部第一外科にこれを委託しまして、その結果はすでに出たのでありますが、これは健康診断に現在活用いたしております。それから骨関節系統の問題につきましては、関東労災病院に四十五年から四十九年までの予定でただいま調査をお願いしております。それから事後措置関係につきましては、東京労災病院に四十五年から四十九年度、こういうことで調査をお願いしておりますし、神経系につきましては、東大医学部の神経内科に四十五年から四十九年までの予定で調査をお願いしております。また、温泉療養につきましても、長野病院に先ほど話がありましたように四十七年から四十九年までの予定にしておりますし、労働衛生サービスセンターに対しましても、同じように温泉療養につきまして四十八年から四十九年まで予定しております。なお、総合調査といたしまして、東大の医学部の第一外科に四十八年度から四十九年度というふうに調査をお願いしておるわけでございます。四十九年度をすべて最終年度にいたしております。  いま申し上げました五十年度からという意味は、そういったような調査の結果を踏まえてということでございまして、具体的に申し上げますとそういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 何回聞いても、私は何か手ぬるいのような気がしてしようがないのであります。やはりこの完全な治療方法がわからない、検討中だ、研究中である、こうだとすると、少しでもよいと思われるような治療方法をすべてやって、病気の進行を食いとめる、せめてここまでやってもいいじゃありませんか。わからないからといって、温泉療法のことしかやらないということは、怠慢のそしりを免れない。病気になった人のことを考えてみた場合には、やはり長官のかわいい部下であり、いわば子供みたいなものですから、専門に治療を促進してやらぬとだめなはずであります。一カ所、それも私、三千万円かと思っていたのですが、八百万円だ。けたが一つ違っている。十四営林局かと思ったら、全国で一つだ。どうもやることがけた違いのようでありまして、治療対策、これじゃ十分行なわれないことがよくわかりました。長年にわたってこの治療研究等、試験段階をもう経た、結論ももう出ているはずなんですが、依然として、この腰痛症と合わして白ろう病の結論が出ていない、こうなりますと、私はほんとうにこの上なく残念に思うわけであります。  それと同時に、この病院はどうなっているのですか。北海道では、これは昭和五十年に一億三千万円程度かけて、林業労働者の職業病リハビリテーションをつくる構想で検討が進められ、四十九年度予算に調査費を計上している、こういうふうに聞いているのですが、こういうようなことに対して、林野庁のほうでは八百万円で、全国で一カ所だ。地方自治体の対策にも劣るんじゃありませんか。北海道の一億三千万円程度をかけて林業労働者の職業病リハビリテーションをつくる構想、これが検討されて、四十九年度の予算で調査費を計上した、こういうようなことなんであります。自治体のほうが、林野庁の直接の雇用のもとにある、病気になった人に対してのこういうような治療の態度、積極的じゃありませんか。聞いてみたところが、管理運営はそのかわり町でやりなさい、こう言われて、建物だけは建ててやるが、管理運営の面でいま行き詰まっておる、こういうような話なんであります。  林野庁はこういうような点では、もう少し画期的な意識を持って進めるべきじゃありませんか。いま私のデーター、これは聞いておりませんか、長官。

福田省一林野庁長官

○福田(省)政府委員 北海道の例については、私、聞いておりませんでしたけれども、八百万円と申し上げましたのは、この温泉療法の一部だけでございますが、これはあるいは弁解がましく先生、おとりになるかもしれませんけれども、レイノー対策といたしましては、いろいろと、調査研究費につきましては約一千八百万、事業費関係におきまして、いろいろとその対象に、八百万円を含めまして約八千八百万円、そのほか機械の開発導入等のために一千二百万円、約一億円ぐらいを四十九年度予算の中ではレイノー対策としていろいろ講じております。  私は、レイノーの病気につきましては、先生御指摘ございましたように、かかる前の対策というのをまず重視しなければならぬ、こう思うわけでございます。つまり、予防対策ということでございます。  それらについては、先生も十分御承知かと思いますので、内容は省略いたしますけれども、まずかからないようにする、そのための機械とか、あるいは訓練施設、特に民有林におきましては、四十九年度からそういう訓練施設も設けることにいたしました。まずその予防対策に重点を置きまして、不幸にして、かかりました場合には、できるだけ治療に全力を注ぐ、それにしましても、まずその診断の基準であるとか、あるいは、これはもうなおったんだというふうな基準を確立することが非常に大事だと思いますので、それらも、近く、それぞれの関係省庁から出る予定でございますので、それらを待ちまして、五十年度から本格的に取り組んでまいりたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 五十年から考える。考えないよりはいいのですが、少いテンポがのろいということを言っているわけです。  私の入手した資料、これがほんとうだとすると、高知県でも同じようなことが行なわれているようです。北海道では、五十年度は、治療施設にするか、休養施設にするか、今後の検討課題になっているけれども、施設をつくるというところでは明らかになっている。四十九年度はそのための調査費を計上している。現在折衝中の施設の構想、これはもう非公式でありますけれども、温泉のあるところ、それから国有地内に敷地を求められるところ、それから建物の経費は一億から一億三千万程度のところ、こういうふうなことで話し合いが進んでおる。現在のところ、職業病リハビリテーションとして設置して、振動病、それから腰痛症を含むものとするように働きかけが行なわれている、こういうようなことが入手されているのです。もうすでに具体的じゃありませんか。それと、高知県でも四十九年度の予算は九百二十八万円。これはもうあなたがやっているよりも高いじゃありませんか、高知県という一つの県で。そうして、もう振動病対策費を計上しているけれども、検診が中心である。それから二千四百人が検診し、訓練センターに模擬訓練施設や、簡単なマイクロバスに切りかえられるようなものにしてこれをやっている。治療対策については、若干の経費を見込んではいるけれども、まだ本格化してはいない。県当局では、現在、高知市にでき上がりつつあるリハビリテーションに、振動病対策のための施設を併置する構想で進めておる。国有林が経費を——国有林というのは林野庁です。経費を負担するなら、県も考えてもよろしいという立場で、再三営林局に折衝しているけれども、何らものにならない。まあこういうようなことなんですけれども、一番不熱心なのは林野庁である。  こういうようなことになり、やはり積極的に進めているのは、具体的な例によって、私の手元には北海道と高知県があるんです。そのいずれよりも、林野庁がやっているのは八百二十何万で、少ない。これは熱意がないということじゃありませんか。一つの県、一つの道単位より劣る。こういうふうなことで、ほんとうにレイノー対策を真剣にやっている、こういうふうには、とうていわれわれは考えられないのであります。  大臣、これは大臣のほうからも、もう少しきつく言って——自分の使っている部下がレイノー現象、それでなければ腰痛症、これになっているんですから、これは一種の職業病なんです。これに対しては、積極的にその療養施設並びに保養施設、こういうふうなものを完備して、一日でも早くなおるようにしてやりたい、またやらなければならない、こう思うわけなんであります。私はもう、高知の場合には、営林署がそっぽを向いているんだ、こういうふうなことを聞いて、少し慨嘆にたえないわけでありますが、この職業病に対して、林野庁は必ずしも積極的じゃない、他の省庁に比べて積極的ではない、私はそう思うのであります。積極的だという反論があるならば言ってもらいたい。電電公社、それから民間では日本航空、あそこは腰痛症です。それから港湾に働く労働者、腰痛症です。こういうふうなほうと比べて、林野庁は一番積極的なんだと、この反論がほしい。しかし、いまさら討論してもしょうがございませんのでこの辺でやめますけれども、しかし、営林署全体として、まだ対策はのろい。私は、もっと積極的に進めてほしい。予算の方面は進んで大臣のほうからやって、少なくともこういうふうな病気にかからないような予防施設と治療施設、これだけは完全にしてやってもらいたい、このことを心から要請したいのです。  大臣のこれに対してのはっきりした見解を伺わしてもらいたいと思うのであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 民有林、国有林のことにつきまして、先ほど林野庁長官から御報告申し上げましたが、いつも島本さん、この職業病についてたいへん御配慮を願っておりまして、私どもも感銘しているのでありますが、職業病につきましては、これはほんとうに真剣にやらなければなりません。  じん肺とか白ろう病というのは、一ぺんかかったらなかなかなおりにくいといわれております。先ほど林野庁の長官からお答えいたしました中に、各大学とかあるいは労災病院等で研究をしてもらっておりますし、私自身もときどき労災病院に入りますので、お湯の中に入って治療をしておる方などを見受けて、それについてお医者さんに聞いてみますというと、先ほどもちょっとお話がありましたが、やはりかかる前の予防がもうほんとうに必要なことでございまして、私、実はじん肺とか白ろう病の患者を見ておりますので、心からそう思っておるわけであります。  林野庁におきましては、チェーンソーなどの使い方、その他の予防的な措置については、民有林も国有林にもそのつもりで指導をしておるわけでありますが、なお一そうこの点に私自身も力を入れてまいりたい、こう思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 時間ですので、今後対策を一そう進められて、そして一人でも職業病、レイノー現象や腰痛に悩む者がないように、明るい職場にするように大いにこれを進めるように要請して、私は質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて島本虎三君の質疑は終了いたしました。  次回は、明九日土曜日午前十時より開会いたしまして、引き続き農林省所管について質疑を行なうこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時三十二分散会

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