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72回国会衆議院1974/03/07

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
404
登壇者
34
会派数
5
開催日
1974/03/07

会議録

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和四十九年度一般会計予算及び昭和四十九年度特別会計予算中、通商産業省所管を議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上坂昇君。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 私は、石炭の問題について政府の所信をただしたいというふうに思います。  まず最初に、最近石油危機以来、国内資源あるいは、特にエネルギー資源としての石炭の見直しということが、たいへん強くいわれておるわけでありますが、これは一体どういうことなのか、大臣にお伺いをいたしたいというふうに思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 石炭につきましては、第五次答申がございますが、その後、石油事情の大きな世界的な変化がございまして、石炭そのほかのエネルギーの活用ということが、われわれの日程にも強く登場してきたわけでございます。また、日本の国策といたしましても、日本の産業のセキュリティーという面からも考え、国内資源を大事に愛用して、そして日本経済の基礎をさらに安定的に強固にしておく、そういうような考え方からも石炭というものを見直す必要があると、私は就任以来、そういう考えを持ちまして皆さま方に御答弁申し上げたところでございます。  そこで、このような石油事情の大きな変化も出てまいりましたので、石炭審議会におきまして、第五次答申に対する中間報告を十二月七日にいたしました。これによって、五十一年末の出炭量を二百五十万トンふやしまして二千二百五十万トンを下らざる、そういうふうに変えていただき、それと同時に、総合エネルギーの中における石炭の位置づけという問題も、さらに強く見直す段階に来たというふうに考えられておるわけであります。  そこで、通産省といたしましては、その中間報告等も受けて総合エネルギー調査会に、エネルギーの中における石炭をはじめ、そのほかの各重要なエネルギー源の位置づけも含めまして諮問を行ないました。二月十九日から審議を開始したところでございまして、この結果によって、石炭に対する再評価、石炭政策のさらに積極的前進という方向に答申が生まれてくることを、私は期待をしておるわけであります。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 いま調査会に対して諮問を行なったということになっているわけですが、これは石炭鉱業審議会のほうを通じて、いわゆる第六次になりますか、答申という形で出てくるのかどうかという点をお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは、総合エネルギー調査会の答申という形で、別系統として出てくると思います。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 実は、私は今度初めて石炭対策特別委員会の委員になったわけでありますが、この対策特別委員会が国会に置かれているということに対して、非常に疑問を持つというか、奇異の感を抱いておるわけであります。とにかく、昭和三十六年から十三年間もこの国会の中に継続して石特委が設置されてきたということ、これは非常にふしぎなわけです。  その置かれている理由というのは、石炭の安定、あるいは振興というものをどうやってはかっていくかということにあるだろうというふうに思うわけでありますが、それにもかかわらず、いろいろな施策をやったということを政府は言っておるわけでありますが、実は昭和三十年の石炭鉱業合理化臨時措置法以来、スクラップ・アンド・ビルドの政策がとられてきたけれども、ほんとうのことを言うと、これはスクラップ・アンド・スクラップであって、どんどん石炭産業がつぶされていく方向にあったというふうに考えるわけであります。そういうことを考えると、非常にふしぎなのでありますが、とにかく、石炭対策特別委員会が置かれてきているということは、石炭産業の、あるいは石炭鉱業の安定、あるいは振興をはかるということにやはり基本を置いてきたというふうに思うのであります。  何回かのいろいろな決議が行なわれております。三十六年九月の三十九国会では、十月に石炭産業の危機打開の決議が行なわれ、あるいは三十七年には答申が出る。その後も、何回かの決議が行なわれてきておりまして、三十九年の六月には、総合エネルギー政策の決議が行なわれ、四十年の八月には、石炭鉱業の安定策の樹立に関する決議も行なわれておるわけであります。  こうした国会に石特委が置かれ、決議が何回かなされているということについて、政府は一体どういうふうな受けとめ方をしているのかということを、私は大臣にお答えをいただきたいというふうに思うのです。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 石炭産業が、日本の経済に及ぼす重要性及び地域社会に及ぼす重要性にかんがみまして、国会にも特別委員会が設置され、あるいは、法律に基づく審議会が設置されておると考える次第でございまして、国会における決議、あるいは審議会における答申などを踏まえまして、第一次石炭施策から現在の第五次施策まで、国におきましては、国の財政の許す最大限の限度で、石炭産業の振興及び地域問題の解決、振興をはかってきた次第でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 第一次から第五次まで対策を立てて、相当大きな、最大限という表現をしているようでありますが、財政的な措置もやってきたというふうに言われておるわけでありますが、その財政的な措置というのは、言ってみれば、石炭企業あるいは電力会社を助けるためにやったとしか考えられない。  それから、石炭産業が、戦後、日本の経済を背負ってここまで発展をさせてきた非常に大きな力を持っている。まさに基本的な役割りを果たしてきた。しかも、労働者に対しては、黒ダイヤの戦士というふうな美名をもって、掘れ掘れ、石炭を掘れとという形で振興させてきた。そういう状態に対して、エネルギー革命だからといって、あるいはエネルギーの転換ということで、これを一挙に変えてしまうということができないというところから、むしろ税金を使って、そうした肩がわりを何回もやってきて、債務負担を政府がやってきた。そうして、そのことが最大限の財政措置だ、こういうふうにしか私は受け取れないわけであります。  国会に石特委が置かれ、あるいはまた、何回かの決議が行なわれているということは、これは石炭産業、石炭鉱業の振興ということをどうやってはかっていくかということに、ほんとうの基本が置かれてこなければならなかったというふうに思うのです。ところが、第一次対策から第五次対策に至るまで、そうした振興の対策ではなくて、これはどんどん石炭産業をつぶしていく政策であったことは間違いない。そうなりますと、私は、石特委が国会に置かれ、何回かの決議がなされているということに対して、国会を軽視しているものであるというふうに言わざるを得ない。その軽視しているというところで、軽視されながらも、この特別委員会がずっと置かれてきたということに、私は、ほんとうのことを言うとふしぎに思うわけであります。これはいままでの委員の方には申しわけない次第でありまして、初めて出てきてなまいきなことを言うなと言われるかもしれませんが、そういうふうな感じを抱くわけであります。  私は、このいままでの政策は、まさに国会軽視である、こういうふうに考えているのですが、一体、そういうふうに考えていないのかどうか。たいへん国会の決議なり意思というものを尊重して——これは国民の意思でありますが、それを尊重して、石炭政策に取り組んできたということを、一体自信を持って言えるのかどうか、ここのところを、ひとつ、もう一度お答え願いたいと思います。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 政府の施策の努力及び炭鉱労使を含めました関係者の努力にもかかわらず、石炭産業がたどってまいりました過程は、遺憾ながら減産縮小の一途をたどったことは事実でございます。  先ほど大臣が答弁をいたしましたように、昨年秋以来の情勢を踏まえまして、とりあえずは、当面措置すべき事項につきまして、十二月七日の石炭鉱業審議会の中間報告を踏まえまして、四十九年度予算に措置をいたしまして、さらに今年に入りまして、エネルギー全体の新情勢を踏まえた見直しのための総合エネルギー調査会審議の開始、それと、石炭鉱業審議会、これまた総合エネルギー審議会の審議と並行いたしまして、石炭政策の見直しを開始しようとしておるところでございます。われわれは、できますならば、新情勢を踏まえました新石炭政策につきまして、中間段階ででも、とりあえず、また見直すべきものを答申を得て、さらに石炭政策の充実に努力してまいりたい、こう考える次第でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 私は重ねて聞くのですが、これは国会を軽視しているんじゃないというふうに、自信を持って答えることができるかどうかということですね。その点をもう一回お答え願いたいと思うのです。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 昭和三十七年の第一次石炭政策以来、政府といたしましては、財政の許す最大限の限度で施策を行なってきたつもりでございます。また、炭鉱労使におきましても、非常にきびしい悪い自然条件の中で、あるいは苦しい経理のワクの中で、これまた最大限の努力をしてまいったものと考えております。それにもかかわらず、先ほど申し上げましたとおり、結果は、遺憾ながら減産の過程をたどらざるを得なかったというのは事実でございます。  今後、一段の努力を検討いたしてまいりたいと考える次第でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 何べんこのことを聞いても、あまりはっきりしたお答えがないようでありますが、自信を持って、そういうことを言い切れないんじゃないかというふうに思うのです。  というのは、もともと石炭鉱業振興に対する施策というものはないし、基本的な姿勢というものはなかったということだというふうに思うのです。それを何とかうまく隠れみのにしようと思って、石炭鉱業審議会に一切がっさいの責任をかぶせてきているというような状態ではないかというふうに思うのです。  これは何回か調査をやってきて、そのつど、答申については、いろいろなある程度の進展した施策というものは行なわれておりますけれども、それはほとんどが撤退に対するところの施策をどうするかということのような感じが私はします。そこに、政府の基本的な石炭産業を振興させていこう、あるいは新開発をやっていこう、そういうような基本というものがうかがわれないというところに非常に残念に思うわけであります。  そこで、いずれにしても、そういう状態がいままで続いてまいりまして、現実のような状態になってきて、今度の石油危機で石炭の見直しということが行なわれるということであります。政府は見直しをするといっておりますし、総理も、国会の冒頭の演説で、石油偏重のエネルギー体制から脱却し、原子力の開発利用をはじめ、水力、石炭など、国内資源について新たな視点から開発の可能性を見出す、こういうふうに言っているわけであります。したがって私は、やはりこれを受けて、石炭の新しい視点におけるところの開発というものを探っていく必要があるだろう。これは一番えらい人が言っているわけでありますから、やらないわけにいかないと思うのです。  その点をひとつぜひやってもらいたいと思いますが、やるにしても、いままでのような根本的な姿勢を欠いていたのでは、とてもこれはできないだろうというふうに私は思います。  そこで、二月二十八日にも石特委で参考人に磯部北大教授等に来ていただいてお話を聞いたわけであります。その意見の中でもこういうことを言っておられる。石炭の重要性を政府が内外に宣明する、それが一番大切だ。要するに、国内資源として非常に重要性を持つ石炭鉱業を振興させるということについての政府の決意を内外に宣明する、これが一番大切である、こういうふうに言っているわけであります。こういうことが一体やれないかどうか。したがって、生き残っている現在の炭鉱をもっともっと復興するように努力をしていかなければならないというふうに言っております。また同時に、いままでどんどんつぶされてきたスクラップ炭鉱に対して、これの復活といいますか、再開発といいますか、そういうものに取り組んでいく必要がある。もう一つは、新しい炭田を見つけて、見つけるために調査を十分やって努力をし、そしてこれを開発をしていく、こういうようなことがどうしても必要である、こういうふうに考えるのでありますが、こうした点を基本にして、これからの石炭産業の政策を進めていかれるのかどうか、その点をお伺いをいたしたいというふうに思います。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 先生御指摘のとおり、将来のわが国石炭産業の位置づけ、これが最も重要な基本であることは、われわれもお説のとおり感じておる次第でございます。しかるところから、先ほど大臣答弁のとおり、先般、二月十九日から総合エネルギー調査会の審議を始めまして、全体のエネルギー及びその中におきます石炭を含め、各種エネルギーの位置づけをここで確立をいたしたい、こう考えておる次第でございます。  そのような位置づけの中で、先生いま三点おっしゃいましたが、まず、現有炭鉱をさらに振興すること、それから消滅鉱区の再開発の問題及び第三に新鉱開発の可能性、この三点につきまして、できる限り早い機会にめどを設定したいということで、これからの石炭鉱業審議会の審議と、それからまた、並行いたしまして、石炭鉱業合理化事業団の中におきまして、この三点に関します調査、検討をいまやっておるところでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 いままで申し上げたことについて、とにかく石炭の位置づけをきちんとすること、それから、とにかく答申をされるということでありますが、これは石炭鉱業審議会にきちんとした答申をさせるということが、この時点では必要だろうというふうに私は思います。と同時に、その答申が出て根本的な対策を立てるまでは、これは石炭が枯渇した場合は、何ともいたし方ありませんが、それ以外には、一山といえども閉山をさせない、こういう強い方針で臨んでいただくようにお願いをいたしたいというふうに思います。  時間が迫ってきておりますから、もう一つお伺いをしたいと思いますが、常磐炭田のことであります。最近、常磐炭礦の西部礦業所の東二斜坑が、高温水のために採掘ができないということで三十六年に廃止処分になった鉱区の再出願をするという形で出てまいりまして、これが許可になったようであります。ところが、聞きますと、東二斜坑を整備をしていくのに大体五年くらいかかる。これは五、六十万トン年産出せるという見通しであったけれども、それが実際できなくなって、その手当てのためにいま言ったように五年くらいかかる。そこで、新しく出願をした鉱区が、炭量が大体百五十万トンくらい掘れるであろう。そこで、年間二十五万トンくらいの採炭にして、これも五年間くらいかかって、大体両方見合うようなかっこうで進めていく。しかし、いまの千百七十七名の人数は要らないから、そこで三百二十二名の人にやめてもらう、そして八百七十名程度の人員でこれをやっていく、こういうような常磐炭硬の方針が出ているようでありますが、このことについて、東二斜坑のほうのあれが一体技術的にも可能性があるのかどうかということをお伺いしたいと思います。  というのは、可能性がなくて、それで何か労働者に夢を持たして、できもしないのにできるようなことをやるようなことになりますと、労働者は非常に気の毒であります。常磐炭礦に一万何千名もいた労働者がいまや千名を割ってしまったという状況の中で、また再び家族を含めて二千五百名からの人が路頭に迷わなければならないということになったら、これは非常にゆゆしい問題であります。そういう心配がありますので、この点をお伺いをしたいというふうに思います。  それから時間がありませんから、もう一つ聞いておきたいと思うのですが、常磐火力との関係であります。平均四千五百カロリーくらいの石炭を使うことになっておりますが、一号基から五号基までは七七%から八〇%くらいの重油を多く使っての混焼をする。六号基は重油の専焼炉でありますが、七号基は、実は最初五〇対五〇でやろうと思ったんだけれども、五七と、石炭を四三にするというような計画になっているようであります。そういう点で、もっと常磐炭田の石炭を多く使うような方向にしてもらいたいというように思うのですが、現状の中ではなかなかむずかしい問題であると思いますが、足りない分は北海道の大平洋の石炭を二十万トンばかり持ってくるということになっているようですが、九州あるいは北海道にも、大臣が石炭専焼炉をつくる、こういうことを言っているようでありますから、そうなりますと、この手当は一体どうなるのか、そういう不安もあります。この辺も含めてお答えをいただきたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 第一の点についてお答えさしていただきます。  先生御存じのように、常磐炭礦の西部礦の問題だろうと思いますけれども、西部礦につきましては、四十六年でございますけれども、当時、東部と西部がございまして、東部のほうがいわゆる硫黄分が高いということで、炭量その他いろいろ、温泉水の問題ということもございまして、閉山せざるを得なかったという時点で、西部のほうに当時分割しまして、西部のほうを主体に稼働してきたのが事実でございます。  西部炭礦におきましては、その後、いま先生御指摘の東二斜坑区域というものを主体に、当時は西部硬は二カ年で終掘するというようなこともいわれていたのでございますけれども、東二斜坑の開発によりできるだけ寿命を長くしたいということで、いわゆる共同火力への石炭の供給、あるいは温泉水の問題がございますので、温泉水の供給ということもございまして、できるだけ長く寿命を保ちたいということで作業をしていたわけでございますけれども、いま御指摘のように、西部の東二斜坑において水が出てきたということもございまして、それで急遽、このまま閉山するわけにまいりませんので、手前のほうの、一回閉山したところでございますけれども、鉱区調整をいたしまして、ここをもって、できるだけ長い間寿命をつないでいただこう。その間に、いま先生御指摘の東二斜坑区域のもう少し技術的な解明をしてみたいということで、いま、急遽努力をしているところでございます。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 常磐共同火力勿来発電所、出力は七十二万キロワットでございまして、周辺地区における電源として大きな役割りを果たしております。  この発電所は、そもそも常磐炭田から産出する石炭を利用することを主たる目的として発足をいたしまして、そのような形で継続をしてまいったわけでございますが、いま先生御指摘のように、常磐炭田における生産減少、これに加えまして、公害規制、このような事情から、一部重油の混焼を行なって今日に至っておるわけでございます。  四十九年度における燃料計画を見てみますと、常磐炭田から産出する石炭が約三十万トン、それから北海道炭二十万トン、約五十万トンの石炭を使用する計画になっております。それ以後につきましても、大体その程度の水準を確保いたしまして、事業を継続させるよう指導してまいりたいと思っております。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 この常磐の問題については、先ほども申し上げたように、いま八百五十五名の従業員が生産に当たっているわけでありますが、聞くところによりますと、あと七十名ぐらい実は人員が過剰である、こういうことすらいわれておるわけであります。そうなりますと、またぞろ失業問題というような非常にむずかしい問題が起こってまいります。同時にまた、先ほど申し上げたように、東二斜坑のほうが見込みがないのに、見込みがあるようなかっこうで続けられていくということは、これはかえっていろいろな面で不安を持たせるということになる。このことについては、やはり十分注意をして指導していただきたいというふうに思いますが、実は平の支局のほうは人員が非常に不足で、全然これは問題にならない。これも全然撤退をしてしまったというようなかっこうでありますから、なかなか現地の指導というのはできないと思うのです。そういう意味で、中央から強力な指導をしていただきたいというふうに考えます。  もう一つは、それでとどまらないで、先ほど基本的な姿勢を申し上げたわけでありますが、石炭の見直しの中で、これは露頭炭を含めて、再開発あるいは新規の開発というものに十分努力をして、調査をしていただきたいというふうに思うのです。その中で、たとえば常磐炭礦が石炭から手を引いても、働いている人たちがそこへ移って、仕事のできるようにしてもらいたいということが、私の希望であります。というのは、常磐炭礦は、御承知のように転換が非常に早いし、いろいろな企業を持っている。石炭をやめるなんということは何とも思わないような会社のような気がしないわけでもない。するということになるとうまくないから、しないわけではない。そういう点がありますから、そういう事態がたとえ起こっても、やはり関連の事業に行くということも、もちろん大切でありますけれども、石炭の中で暮らしてきた人たち、そうした人たちの生活の安定ということを考えて、そういう意味でも、私は再開発なり、新しい鉱区の調整による振興ということについて、ぜひ格段の努力をしてもらいたいというふうに思いますが、その点について、最後にお答えをいただきたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 いま先生御指摘のとおり、消滅鉱区につきましては、先ほど次長からも説明いたしましたように、現在事業団を通じまして、経済的に掘れる炭量、あるいは保安上の問題というものもございますので、その点を十分いま検討している最中でございます。そういう検討の結果、もし掘れるということになりますと、これはまた法律の問題も、現在では手をつけられぬようになっておりますので、一つ出てくると思いますけれども、ひとつ、先生御指摘の点で十分前向きに検討したいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂分科員 あとの問題については、石特のほうでまたやらしてもらうことにしまして、質問を終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて上坂昇君の質疑は終了いたしました。  次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣、十八委員室と違って、ここは距離が短くて大臣と身近に話ができるように思うのです。いま上坂君の質問に対して、大臣はただ一間だけ答弁をしたが、基本的な問題は、わずか三十分で、議論をすることができないのだから、やはり大臣から答えていただく。具体的なことは大臣に答えてもらいたいとは言いません。そういうことで、ひとつ答弁を願っておきたいと思います。  いま上坂君からも指摘がありましたように、わが国の石炭政策は、スクラップ・アンド・ビルドということではなくて、スクラップにはスクラップ、こういうことで撤退作戦がとられてきた。計画にむしろ先行して、縮小の方向をたどったということが私は言えると思う。大臣もそのとおりだというふうな感触を持っておられるのだろうと思う。資源のあるアメリカでさえ、十年間でもって倍増するという計画をもって見直し政策を進めた。イギリスでは三年間で八千億を投じて、これもまた積極的な見直し政策を進めてきた。特にイギリスなんかでは、経済性よりも供給安定性ということに重点を置いておるということですね。石炭労働者一人当たりの出炭量はわずか四百トン、日本の六〇%から七〇%にすぎない。しかしながら、石炭というものをエネルギーの柱に置いておるということを考えてみますと、世界のエネルギーの趨勢を私は物語っておるような感じがいたします。日本のように資源のない国、この国が貴重な地下資源である石炭を粗末にするということは、問題があるように感じます。  そういうことで、アメリカであるとか、ヨーロッパ諸国のやっておる石炭政策を大臣はどのように把握をしていらっしゃるのか、まずその点に対する見解を伺ってみたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 最近の石油事情の変化等にもかんがみまして、アメリカやイギリスにおいて石炭エネルギーの見直しということが行なわれつつあるということを私も承知しております。日本におきましても、総合エネルギー調査会において、石炭の見直し、再評価という意味において私は諮問をし、二月十九日からその審議が開始されておるところでございます。基本的には先生おっしゃいましたように、一九六〇年代には安い石油が大量に現出いたしまして、遺憾ながら石炭政策は現状維持が精一ぱい、あるいは後退ということすら起きたとわれわれも反省しております。  しかし、先ほど申し上げましたように、固有の大事な資源であるという点、それからわが国産業を維持していくためのセキュリティーという面から見ましても、あらゆる面から、石炭というものをこの際再評価して考え直すべきときであると私は思うのであります。私は、元来、こういう事態が起きる前から、石炭につきましては、そういうナショナルセキュリティーという面からおろそかにすべきでないという自論を持っておりまして、大臣就任の当座からこのことは申し上げてきたところであります。  そういう面から、石炭増産の一翼として北海道及び九州に石炭専焼火力を増設しよう、そういうことも明言してきておるところであり、実行しようと思っておるわけでございます。  そこで、ただイギリスやアメリカと条件が違いますのは、イギリスやアメリカの場合には、わりあいに石炭の蓄積、埋蔵というものがある。それで燃料炭にいたしましても原料炭にいたしましても、いろいろバラエティーに富んだものがある。日本の場合は蓄積及び鉱脈の賦存状況が、外国に比べてかなり貧弱である。したがって、採算上かなり経済的にも劣性である、そういう弱点があることは事実であります。そういう面から、日本の石炭政策が後退と思われるような方向に出てきたのであると思いますけれども、しかし、今日の時点に立って見ますと、そういう条件を克服して、そして、ある一定量の石炭というものは、常にわが国固有のものとしてわが国民によってこれを確保しておく、そういう段階になり、かつ、いままで石油偏重であったエネルギー源というものを、石炭なり水力なり原子力なり、あるいは太陽エネルギーなりにひとしくバランスを得るように再編成する段階ではないか、そういうように私は思っておるのであります。したがって、総合エネルギー調査会の答申に非常に期待しておりまして、総合エネルギー調査会の答申によっては、いままでの第五次答申というものを第五次答申進行中にもかかわらず、これをもう一回白紙に戻して、第六次答申というような新構想に立ったものまで進む可能性も検討してよろしい、そういうように私は目下考えておるところでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それはアメリカと日本と石炭の事情が違うということは、私も知っているのです。しかし、そういう事情の問題よりも、姿勢の問題であると思うのですね。日本にはエネルギー資源というものは石炭しかない。このエネルギー資源というものを大切にするのかどうか。ところが大切にしなかった。だから、いま大臣が答えられたんだけれども、総合エネルギー調査会に諮問をする。総合エネルギー調査会に諮問をすることよりも、石炭鉱業審議会に諮問をするということが、私は先決だという感じがする。  いま一番大切なことは、間違って進めてきた石炭政策を、ここで反省をして転換をするということが、より重要ではないかという感じがしてなりません。  したがって、総合エネルギー調査会の答申を待って云々というようなことではなくて、申し上げたように、石炭鉱業審議会に諮問する、この答申をすみやかに受けるというような考え方というものでなければならないというように思います。その点に対しては、大臣はどのようにお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 アメリカでもそうでありますが、やはり現在は、各エネルギーのバランス及び国内経済を発展させていく上の役目について再評価を行なう段階でありまして、石炭についても同じように再評価さるべき段階である。したがって、その総合的な再評価の基礎の上に立って、今度は石炭に戻ってきて、石炭自体の固有の領域をどうしていくかという考えに立つのが、順序として正しいと思うのであります。  先ほど、第五次答申を白紙に戻してということばを申し上げましたが、これはちょっと行き過ぎのことばであるように思いますので、第五次答申の基礎の上に立って、そして、さらに次の新しい拡大した政策に前進すべきかいなかにわれわれは検討を加えていく、それが正しい表現であるというように訂正いたしたいと思います。  と申しますのは、現在すでに第五次答申を実施中でございまして、その第五次答申の基礎の上に立って、次の新しいものへ展開していくというのが、正確な表現になると思いますので、そのように訂正いたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣、それは間違いですよ。初めの答弁が正しいのですよ。基礎の上に立つなんという考え方は、スクラップ・アンド・ビルドの方針、それが、スクラップというようなことがいまの姿です。これは正しくないのだという考え方を、あなた先ほどお述べになったのだ。それならば、これを解消する、そして新しい石炭政策を樹立をするということから出発をしていかなければならない。せっかくあなたは正しい答弁をしたのを、それを取り消すなんというような答弁は、どだい話にならない。  だから、むしろ当初のほうが正しかった、あとで答弁したのは取り消します、こういう答弁をあなたがなさることが正しいのじゃありませんか。そのことをひとつ答えてください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 中村先生の考えと私の考えは、そう変わっているとは思わないのです。  ただ、われわれは行政当局でございますから、第五次答申をいまやっている最中でありますので、そのやっているものを白紙に戻すとなると、いまやっているものが前途五里霧中になるという危険性もございます。そういうような混乱が起こる可能性もありますから、やはり第五次答申で、せっかく管理委員会のようなものまでおつくりいただいて、前よりは前進しつつあるところでございますから、その第五次答申の基礎の上に立って、さらに新しい、より強力な政策へ展開していく、これは総合エネルギー調査会の答申を待って、第五次答申から次の新しい答申へ前進していく、そういう可能性を私らは検討してみたいと思うのであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 これは残念ながら議論をする時間がないのだけれども、エネルギー事情というものは、根本的に変わったんですよ。経済性のみを追求してきたことは間違いであったということは、いまはっきりしているのですよ。安くて豊富な石油が十二分に入ってくるという考え方が間違いであったということを身にしみて、骨身に徹していまあなたお考えになっていらっしゃるはずなんだ。それならば、それに対応するところのエネルギー政策、石炭政策を進めていくということでなければならない、私はそのように考える。それが、政治家たる、少なくとも総理を目ざしている中曽根通産大臣が目ざさなければならぬ方向なんだ。石炭から間違ったのじゃ、あなた、総理大臣になれない。それじゃもう話にならない。  そこで大臣、あなたは石炭の見直しの原則ということをどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 一つは、やはり日本における経済的採炭量というものの見直しが基本だろうと思いますが、これについては、総埋蔵量は二百二億トン、経済可採量が五・九億トンというような数字が三十年代に出てきております。しかし、五・九億トンというもので、はたしていいのかどうか。これは社会党の皆さん方からもすでに何回もその点についての御質問があり、御主張がございました。現在のような石油の値段が上昇してきたという点においては、経済水準点も変わってきつつあります。のみならず、そういう経済的水準点だけでなくして、石炭というものをセキュリティーの面から見直す、国産資源を愛用するという新しい観点も付加しなければなりません。そういうような面から、経済可採量というものをもう一回見直すということが、まず一つのスタートではないかと思います。  それからさらに、原子力や、あるいはそのほかの諸エネルギーとのバランスの問題、まあ、ある程度石油に依存せざるを得ないのは現状でございますが、それでは偏食しているようなもので、からだが異状を来たします。やはりできるだけ多方面の食物を食べて、からだを健全にしていく。自分の家の庭にできている新鮮なものほどカロリーもいいし、栄養分も多い。ほかの市場から買ってきた日のたったものよりも、はるかに自分の庭でつくったもののほうが、気分的にもいいし、また栄養度も高い。そういうようなもので、石油ばかり偏食しておると、日本の国民経済の体質というものが著しい弊害も出てきつつある面もあります。そういう面から見た総合性ということが、やはり見直しの第二点ではないかと思います。  それから、やはり第三番目には、外炭との問題が出てまいります。原子力やその他のエネルギーとの問題は先ほど申し上げましたが、やはり外炭との関係というものは、これはまた大事な問題点であると思います。  それで、これは前にちょっと申し上げましたが、やはり石炭をもっと活用するという面から見ると、石油のみに依存して、石油のみに偏食しているという形から、石炭やあるいはLNG、LPGに転換していく、その中に石炭というものを、外炭も含まれる可能性は検討していいと思うのです。ただし、その場合に、外炭を使う場合には、一定量の国内炭も使わなければならぬ、そういうパリティの基準をつくれば、外炭を使えば使うだけ国内炭をもっと増産しなければならぬ、そういうことで国内炭増産という面も出てくるのではないか。外炭の値段が安いという場合には、国内炭とそれをある程度並行させる、そういう政策も一つの可能性として検討していいのではないか、そういうように思います。外炭をいたずらに拒否するということは、これは国内炭の縮小を招く危険性もなきにしもあらずだ、国民経済的に見てそういうようにも私、感じておるところでございます。そういうような諸点をいろいろ検討してみる必要があると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私は外炭のことを全く考えるなとは言いません。しかし、外炭を考える前に、国内の石炭政策をどう進めるのかということ、先ほど大臣もお答えになったのだけれども、埋蔵量は二百二億トン、こう言われたですね。実勢炭量にしましても三十一億七千八百万トンという、これは政府のほうから出ている資料なのですよ。大手の業者側の連中が言っておるのも五億九千万トンというような数字が出ている。相当な埋蔵量ですよ、この石炭は。だから、外炭の問題の前に、この日本の貴重な石炭をどうして掘るかということ、高サルファの問題だって、これは技術的に解決可能なんだから、私は、非常に期待を持ってよろしい、そのように考えているわけです。  それから、先ほど総合エネルギー調査会であるとか石炭鉱業審議会の問題が出たのだけれども、私は、石炭鉱業審議会にまず諮問をすべきだということを言っているのは、これは総合エネルギー調査会の中で石炭をどう位置づけるかというようなことは、何といっても、私は、石炭鉱業審議会に諮問をして答申を受ける、その中にあって、初めて石炭の位置づけというものが考えられるというように考えているわけです。  それから、石炭政策のこの見直しの原則ということになってまいりますと、まず安全保障の問題、それから国際収支の問題国際連帯の問題、これは私は重要な問題であるというように感じます。安全保障の問題に対しましては、いま埋蔵量の問題等々触れましたが、この安全保障の点で価格の問題が変わったということは、これは非常に重要な問題である。前に石炭が非常に高くて、石油が安かった、経済性の追求というものが行なわれてきた、この問題はむしろ解消したといってもよろしいということになってくる。それから技術が非常に進歩して、高サルファの問題も解決をするという見通しも立った。ならば、安全保障というものは、これは重要な問題点として石炭を考えていかなければならない。  国際収支の問題にいたしましても、四十九年二月末、外貨準備高は百十九億ドルですね。そうすると、四十八年度の原油の輸入が約六十億ドルでしょう。四十九年は二億七千万キロリットル輸入をするといたしますと、約百五十億ドルの外貨が原油の輸入のために必要になる。このことを考えてみますと、国際収支の問題というものも、きわめて重視していかなければならないのだ。  国際連帯の点からいいますと、世界のエネルギーの三分の一を日本は消費しているのでしょう。それほど石油を中心としたエネルギー消費をやっている日本が、自分の国に資源を持ちながら、これを粗末にして、やれ公害がどうだ、価格がどうだ、そういったようなことで外国の石油エネルギーにのみ依存をしている、石油にのみ依存をするということでは、国際的に批判を受けますよ。国際連帯ということを毛頭日本は考えていない、私はこういう形になってくるのではないか。それらの点に対して、大臣はどのような御見解をお持ちになりますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いまの中村先生のお考えには、私も同感の点が多うございます。  一つは、いわゆる安全保障、セキュリティーの問題、それから国際連帯の問題、そういうすべての問題を考えて、石炭政策を総合的に考えていかなければならぬと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 次に、需要の確保の問題について御見解を伺いたいのですが、私は、この需要の確保といたしましては、電力を中心に割り当て制を強化する。まあ価格が安くなってまいりましたから、価格差補給金の問題は事情がだいぶ変わってまいりましたが、この制度を必要により拡充をしていくということ、それから優先的に排煙脱硫装置をつくっていくというようなことが大切であるというように考える。もう一つは、火力発電所の建設をする。まあ、四十九年度北海道に一基つくるということをおきめになったことは評価をいたしたい。  ですけれども、大臣、商工委員会でもあなたお答えになりましたように、北海道だけではなくて、九州、なかんずく、受け入れ体制をきめて積極的に動いている長崎、ここにどうですか、火力発電所をおつくりになったらいかがですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 電力産業といたしましても、電源の多様化という見地から、石炭火力の建設問題について、十分慎重に検討すべき段階に来たと思っております。ただし、これを具体化するためには、これからの電力需給の見通し、あるいは、これからの石炭需給の見通し、さらには公害問題その他の立地条件、これらについて十分な調査を行なった上でスタートさせたい、こう考えております。目下、部内におきまして、立地地点の見直しについて検討を始めておるところでございます。  御指摘のように、長崎県等の九州は、これらの候補地の中に含めまして、可能性を勉強いたしたいと思っておるところでございます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 長崎県の松島に石炭火力を建設したいという知事さんからの御要望もありまして、私は耳寄りな話だと実は思っておるわけです。ただ、公害防除の問題がございますし、それからサイト自体の適合性という問題もございます。しかし、御方針については私らも非常に共鳴をいたしております。  したがいまして、そういうサイトの問題、公害問題、住民の皆さんの御協力ということが得らるるならば、できるだけ、あるいは電発なり、あるいは九州電力なりその他と話を進めて、前向きに検討していきたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣、よく事情を把握をしていらっしゃる、敬意を表したいと思います。  大臣お答えのとおり、知事も非常に積極的です。ですから、ただつくってもらいたいということだけではなくて、つくらなければならないのだというので、知事は関係方面といろいろと接触を進めておる、こういうことですから、どうしましょうかと、首を横に振っておるようなところばかりあまりさがすのじゃなくて、そのくらい積極的なところにまず火力発電所をつくっていくということで、石炭の需要を確保するということが必要である。三井アルミの第二期工事も、これはもう稼働して、ここで六十万トンくらい必要、それから何でしょう、高砂発電の排煙脱硫装置、これも稼働するということになってまいりますと、ここで二十万トンくらいたくさんたけるということになってくる。火力発電所一つでは若干不足をいたしましょうから、ひとつ増産を大いにやってもらう、こういうことで発電所をつくっていく、中国にもつくっていくというくらいのかまえで、積極的にひとつやっていただきたいというように考えます。  その他の問題で質疑をしたいのですが、時間が参りまして、それに入りますと時間を超過をいたしますから、残念ですけれども、これで終わりますが、最後に、もう一度大臣、総合エネルギー調査会の答申を待って、それから石炭鉱業審議会に諮問をするということでは、私は時期おくれになる、これではいけない。政府も大臣の構想もおいれになることは当然なんだから、見直し政策というものをお立てになって、そして石炭鉱業審議会に諮問をすみやかに行なって、答申を受ける、そういうことになさったらいかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 私は、中村先生の熱意ある御政策の発言を承って、つい勇気が出まして発言を冒頭いたしましたが、待てよ、おれは行政当局の責任者である、第五次答申実施中であるから、これはもう少し慎重にしなければならぬと思って、再答弁申し上げましたが、精神的には大体同じ基盤にあると思うのです。  ただ、野党の先生と、それから与党の行政責任者との差が若干あると思います。やはりこれだけの大きな変動期が来ておるわけでございますから、第五次答申というものも、もう一回見直すときが来つつあると思います。それには、やはり総合エネルギー調査会の内部で全般的なエネルギー情勢の基本を立ててもらって、その上で石炭の中へさく岩機を入れていく、そういう形で進めていきたいと思っておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私は野党も与党もないと思う。ですから、第六次答申を受けるのではない。新しい石炭政策をどうするか、これを諮問して答申を受ける、そういうことでなければならぬと思います。そこに初めて、山から追われてきている貴重な熟練労働者が、石炭にまた魅力を感じ、期待を持って山に戻ってくる。労働者を大切にしなければ石炭政策の前進なんてありませんよ。  ですから、ともかくそういう点で積極的に対処していただきたいということを強く要望いたしまして、これで終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて中村重光君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 きょうは社会党四人そろいまして、今日の最も重要な石炭問題について、続いて政府の見解を伺ってまいりたい。こういう形で、私のあとにも細谷君が質問いたしますが、こういうように、われわれ社会党としては、石炭問題にひとつ全力をあげて取り組んでいこう、こういうことで質問をいたすわけでございますので、ひとつ中曽根通産大臣をはじめとして、各関係の政府委員は積極的な御答弁をいただきたいと思います。  いま中村委員から御質問のありました最後の問題ですが、中曽根大臣が最後若干取り消しを手直しいたしまして、第五次答申の問題については、精神的にはそのつもりでやっていく、こういうような御答弁があったわけですが、それだけでは、実はわれわれはまだ納得ができないわけであります。  そこで大臣にお伺いをいたしてまいりたい点は、第五次答申はこれをやめるという考え方で進められる場合に、少なくともこの点は大臣としては御答弁をいただけるだろうと思いますが、この点はいかがでございますか。  大臣、第五次答申は、御承知のように撤退作戦なんですね。しかし、同時にスクラップ・アンド・ビルド、こういうことですから、スクラップの部分は撤退作戦の分ですね。こういう点については、事実上これはやっていかない、ビルドの面を中心として第五次答申を進めていく、こういうように私たちはいまの答弁を理解してもよろしいかどうか、まずその点を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 スクラップのほうは、自然条件の悪化であるとか、あるいは可採炭量の枯渇であるとか、そういう真にやむを得ざるもののみに限定して、それもできるだけ少なくしておく、そうしてビルドのほうは積極的に展開していく、そういう考え方に立って進めたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 炭がなくなってしまったところを掘れと言ったって、これは話にならぬでしょうが、しかし、自然条件の悪化というのは、これはいろいろな技術的な問題です。こういう問題についても、やはりあらゆる熱意をもって努力をするということならば、これは自然条件の悪化の程度にもよりましょうけれども、こういうことも、これは閉山にしないという方向であらゆる努力をしてもらわなければならないと思いますが、この点はいかがですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 従来ともできる限り閉山を回避する方向で指導してまいったのでございまするが、原則的には、その判断は労使間の話し合いにゆだねてやってまいったという実情でございまするが、今後は、自然条件の悪化、あるいは炭量の枯渇のために、労使の話し合いでもこれはやむを得ないものと認められる一、二の例を除きましては、もしかりにも経済規模の炭量がまだあるのに閉山しなければならないような状態におちいる分につきましては、できる限りの政府助成も講じまして、また、政府及び合理化事業団の中にございまする管理委員会双方できめこまかな指導をして、できる限りの閉山回避に努力をしてまいりたい、こう考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それでは、閉山はやらない、そういうように理解してもよろしいのですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 炭量が枯渇してしまったためにやむなしというものを除きまして、いま申し上げましたとおり、できる限り回避の方向で、きめこまかな指導も加えて努力をしてまいりたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これはまたあとで伺いますが、先ほどから、実は通産大臣をはじめ、政府の石炭問題に対する熱意の問題がいろいろ問題になっている。さっき大臣は、国内における石炭産業に対しては積極的にやりたい、こういう熱意を持っているんだというように、非常に積極的な熱意をお出しになったのですが、その点は確認してもよろしゅうございますか、どうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これだけの石油事情の変化があるのでございますから、もう一回石炭というものを見直して、できるだけ石炭鉱業を振興する方向に可能性を探求していく、そういう熱意を持っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 熱意というのは、国会の答弁だけでは実は困るわけなんですね。あなたはエネルギー問題に対して熱意を持っておられることは、私はわかっております。たとえば、中東に対して二度にわたってエネルギー問題について努力をされた。これは単に口先だけではなくて、エネルギー問題に対して行動であらわしたということの一つだと私は考えております。  それならば、大臣に伺っておきたいが、石炭問題にそれほど熱意があるのならば、現場においでになるという決意がおあにりなりますか。北海道なり、あるいはその他の炭鉱に行って、今日の炭鉱労働者がどんなに苦しんでいるかというのを、坑内の現場でごらんになったらいいと思う。こういう苦しい条件の中で石炭を掘っているんだ、こういう熱意を、単に口だけではなくて、行動の上ではっきり出すことが私は必要だと思うのです。政府が、戦後において大臣が直接に坑内に入ったのは、社会党の当時の水谷商工大臣が入っただけです。大臣で入った人はいない。中曽根さんがそれほど熱意を持っているのなら、ひとつ現場に行って、現場の炭鉱労働者の苦しみも見ましょう、あるいはまた、坑内の条件も具体的に見せてもらいましょう、これくらいの熱意をお示しになることが私は必要だと思うのですが、ひとつ熱意のほどをお聞かせいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 具体的な私の熱意は、岡田さんにも御答弁申し上げましたが、北海道にも石炭火力をつくりたい。(岡田(春)分科員「いや、石炭産業ですよ」と呼ぶ)ですから、石炭火力をつくるということは、石炭産業振興にすぐつながる、需要の喚起ということでありますから。でありますから、早く地点をきめてください。北海道の皆さんが一致して地点をきめていただけば、われわれは予算的用意も大蔵省に無理をしてとってあるわけですから、ぜひお示しください。社会党の皆さんはじめ、与野党の皆さんにお願いしておるので、ぜひその点は岡田さんのほうでも御努力願いたいと思うのです。  北海道の皆さんが、住民の問題その他についてごあっせん願って、そして早く場所をきめさえしていただけば、われわれは直ちに建設できるように諸般の措置を進めてまいりたい。いま九州の問題についても、松島について中村先生にお答えいたしました。知事が非常に積極的なんです。ですから、そういう点で、地点をおきめくだされば、われわれは直ちに、私みずから電発総裁なり九電の社長を呼び出してやるだけの熱意を持っております。  炭鉱を視察することについても、同じように熱意を持っています。私は自衛隊におりましたときは、ジェット機にも乗りましたし、あるいは、運輸大臣のときは機関車にも一緒に乗りました。ですから、もとよりこういうことは好きですから、炭鉱の奥へ入っていって労働者の皆さんと一緒に話をするということは、非常に光栄なことです。だから、もし議会でも終わって、機会が許せば、そういうことをやってみたいという熱意を持っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これは重要ですが、約束していただけますね。国会が終わって、適当な時期において、そういう現場に入ってでも、炭鉱労働者の苦しみや坑内条件については、ひとつ積極的に私がやりましょう、こういうのを約束していただいたと私はいま伺いましたが、そういう気持ちで間違いございませんね。念を押しておきます。明快にやってください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 約束いたします。そのかわり、あなたも、北海道の火力の地点については、三月末までにという約束になっているわけですよ。そっちもひとつ約束して履行していただきたいと思うのです。交換条件にしましょう。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 私は、国会答弁で交換条件なんていうのは聞いたことがない。だから私は、交換条件ではなくて、石炭の需要をどうやって拡大をするかという問題について、私も努力はいたしましょう。しかし、場所の問題はいろいろ検討しなければなりませんから、これについては、よく大臣とも御相談をした上で、お互いに熱意のほどを示し合って、石炭の需要が拡大できるようにやることについては、その火力発電の設置それ自体は、場所はともあれ、努力することを私もお約束をいたします。珍しくあなたは交換条件をおつけになったんだが、私も答えておきます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 設置というのは、皆さんがみんなおっしゃっているので、それはいままでお立ちになった社会党の皆さんは同じことを言っているのですから、いつ、どこにということでなければ、これは話にならないのです。ですから、私らはわざわざあれだけ苦労して予算をとっておるのですから、この予算を流したくないわけですよ。しかし、それにかかわらず、私は石炭労働者の身の上については非常に心配しておりますから、参ります。これは議会が終わって、適当なときにということで御了解願いたい。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 火力発電の問題については、私が言うまでもないけれども、いわゆる公害問題があるのです。公害の問題をやはり十分に検討した上で、しかも、需要がそれに従ってふえるというような方向で私たちもやっていかなければならないと思っているのです。そういう点については、あまりこればかりやっていると時間が済んでしまいますから、続いて伺ってまいります。  これは事務当局のほうにむしろ伺ったほうがいいと思うのですけれども、先ほどから中村委員からいろいろ御質問があったように、総合エネルギー調査会で石炭の位置づけの問題についてきめたい。これはすでに二月に諮問をして、大体それについての方針を出したい。そうすると、私も中村委員の言うとおり、エネ調の関係は、石炭の位置づけの問題ですね。石炭の具体的な政策については、エネ調できめてくれというわけにいかないわけです。そこで、当然、石炭鉱業審議会のほうで具体的な政策をどうとるかという問題になってこなければならないわけですね。もちろん、これはエネ調との関係がありましょう。全体の位置づけの中でどうするかという問題がありましょう。しかし、先ほどの御答弁のように、エネ調の結論が、たとえば六月に出る、それが出てから鉱業審議会をやりましょう、こんなことでは間に合わないですよ。だから、いまからこれは鉱業審議会も並行して作業を開始するのでなければ、当面の今日の四十九年度の差し迫った情勢の中でこれをやるということは、なかなかできないと思うのです。  ですから、鉱業審議会はいつから作業を開始して、いわゆる抜本的な見直しといいますか、新政策といいますか、そういう問題を、石炭鉱業審議会では、いつから、どういう方向でおやりになるのか、こういう点について、事務当局のほうから伺っておきたと思います。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 おっしゃるとおり、石炭政策のほうの問題は、石炭鉱業審議会のほうの問題でございます。先ほど大臣が、エネルギーの新しい情勢を踏まえて、新しい政策を早く打ち出したいということを答弁いたしましたが、われわれ事務方からいたしますと、法律事項も非常に多うございますし、あるいは予算上の問題など、非常に多々ございます。かつまた、世界的なエネルギー情勢、なお、きわめて流動的な要素もかかえて現在動いておるという情勢でございますので、まず総合エネルギー調査会を二月十九日に発足せしめまして、各種エネルギーの位置づけを審議いたしますとともに、同時に、石炭審議会のほうも、政策問題につきまして並行審議を続けつつ、今後の新石炭政策のあり方ということにつきましては、できる限り明確なる形での諮問の形をとりたいというようなわれわれ事務方の考えから、できますならば、総合エネルギーの調査会のほうの位置づけ論議がほぼめどが見えた段階におきまして、そのような新政策の明確なる形での審議、こういう形をとりたいと思っておる次第でございます。  しかしながら、石炭政策の遂行につきましては、その結論を待っておるわけにもいきませんので、並行審議を進めまして、すぐにでもとらねばならない措置などにつきましては、鋭意審議検討を続けてもらいたい、こう考えておる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 ちょっと時間がないので、簡単に答弁してもらいたいんだ。  高木さんに伺っておきますが、鉱業審議会のほうはいま直ちにでもやってもらって、そしてなるべく早く方針を出しませんと、四十九年度はもちろんのこと、五十年度にさえ間に合わないような結果になる危険性がある。というのは、エネ調のほうの答申を待っておったら、上半期済んでしまうかもしれない。そうしたら、八月の末までの予算のあれには間に合わないかもしれないのですよ。そうなれば、石炭鉱業審議会としては、いま直ちに発足をして、それによって作業を進めて、そういう中で、できるだけ早い方針を出してもらいませんと、これは今日のこの急場の問題というものはやっていけないことになるのでしょう。だから、いつからやり出して、大体いつごろまでには、とりあえず当面の問題について——根本的な見直しの全体をあれするのはともかくとしても、当面の急場の問題についてはどうするんだ、十二月の中間答申だけでは、きわめてこれはだめですよ。だから、そういう当面の問題についてどうするんだということを、簡単でいいですから、明快にひとつ御答弁いただきたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 昨年の十二月七日に中間報告をいただきました総合部会がございますので、さっそく総合部会を動かしまして……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 いつごろから。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 いろいろこういう先生方の御審議の関係のあれもございまして……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 今月中にやれますか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 できたら今月中に持っていきたいと思います。法案審議のほうもお願いしておる点もございますので、いつということは、いまここでお約束はできませんけれども、できるだけ早い時期に持っていって、六月の例のエネルギー総合調査会のほうの中間報告と同時に、うちのほうも、いま先生の御指摘のような重要問題については、一応まとめたいというふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは六月中には、重要問題については石炭鉱業審議会ではまとめていきたい、こういうように理解してもよろしいですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 けっこうでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それでは、そういう問題について、当然その答申に基づいて予算化が必要になる場合も出てくるでしょう。そうすると、その予算化の問題は、新年度、四十九年度の石炭特別会計の中でやれるものはやっていく、もしやれないものは、新たに補正予算を組んででも、四十九年度中にそういうものを実現するように努力はされますかどうですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 できる限り、当面の政策問題につきましては早く審議を再スタートいたしまして、六月をめどに中間報告を求めたいと思います。  これの具体化につきましては、いまここで私が、四十九年度予算補正をしてでも行なうかどうかということにつきましては……。六月まで鋭意御審議を願いまして、その結論を待ってお答えするのが適切かと存じます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 あなたは、その結論の中で、どうしても急ぐような問題があったら予算化せざるを得ないでしょう。それは五十年まで待ちますなんて言われたのでは、山のほうが待っていられないですよ。それこそ山が労務倒産にでもなったらどうするのですか。そういう努力はしていただくと、はっきり答弁してください、簡単に。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 六月の結論を得まして、その結論の事項につきましての財政上の取り扱いにつきましては、財政当局ともよく相談しなければいけませんので、いまここでの四十九年度予算あり得べしという点はごかんべん願います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 どうもその弱腰が、石炭政策に対する熱意のなさをあらわしているんだと思うんですよ。自分としては、どうしても大蔵省に折衝をして予算もとります——しかも、総理大臣候補である中曽根さんもついているんだもの、あなた、予算ぐらいとれないという話がありますか。われわれだって、そういう重要な予算だったらどんどんとれるようにやるのですから、大いに努力してください。  そこで、十二月の答申を見まして、私は非常に失望したのです。というのは、二百五十万トン増産するというから、これはいよいよ新しい開発でもやるのかなと思ったのですよ。この間の石炭対策特別委員会を見ていると、その二百五十万トンの大半は露天掘りだ、それ以外に、現有炭鉱の労働強化による——労働強化と私は言うんだ、による増産、それだけが大半ですよ。しかも、当初十二月の答申のときには、露天掘りの問題はなかったはずです。どうですか。露天掘りの問題というのは、現在までにきまっているのは空知と三池、それ以外はほとんど認めないはずですよ。しかも十二月の答申では露天掘りの問題がほとんどなかったのに、今度の場合は二百五十万トン中百三十万トンは露天掘りだ。これはいかにもその場しのぎだといわざるを得ないじゃありませんか。露天掘りの問題について、十二月答申についてはどうなっていたのですか。高木さん、どうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 二百五十万トンの上のせと申しますか、増産につきましては、当時、例の石油の激変に対する国内における石炭資源の供給面の可能性ということで検討していただき、その内数としては、先ほど先生がおっしゃいましたように現有鉱の増産あるいは露天掘りの増産というものをもって二百五十万トンの上のせをしたということでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 四十八年度は大体二千百五十万トンまで行くのでしょう。そして今度二百五十万トンの計画によると、四十九年は二千二百万トンでしょう。あと五十万トンでしょう。四十八年が二千百五十万トンで四十九年が二千二百万トンなら、五十万トンふやす、それについて、とりあえず露天掘りでやりますなんて、大臣、どうですか、情けない話じゃありませんか。  ここは、新しい開発をやるという方針をここではっきり出さない限りは、一時しのぎのそんなことで、まあ露天掘りで何とかやってくださいよ、それで、エネルギーの状態で石油の問題がまた変化してきたら露天掘りはやめてもらいますか——、こんなことで、石炭産業の新しい展望が出てくると思いますかどうですか。ときに、石炭労働者は、今日、私が言うまでもないけれども、他産業に比べて最も安い賃金で、しかも危険な坑内労働を命をかけてやっているじゃないですか。こうやってやっている人が、将来に展望がない、いずれは露天掘りでこれもだめになる、撤退作戦で今度はだめになるかもしれぬ、それじゃ、どうやって労働者は定着できますか。ここは、やっぱりはっきりした方針を出してもらわないと、ほんとうにいま一番大きな問題は労務問題です。労務の安定化なんということは絶対できませんよ。  そこで私、伺っておきますが、今度の石炭鉱業審議会ですね。六月に答申をされるということになるように、先ほど御答弁になりましたが、この答申の中へ、新しい開発か再開発について具体的に手を入れなければだめです。  もっと具体的に言うと、現有炭鉱の骨格構造についても本格的な見直しをする、あるいはまた、天北その他の新フィールド、新炭田、これに対しても手をつける、あるいはまた、事業団の閉山鉱区ですね。これについても再開発をする、これらについて、具体的な見通し、新開発のための具体化の計画というものを六月の答申に入れてもらわないと困ります。こういう点は、はっきり答弁してもらわないと困ります。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 第一番目の骨格構造の見直しでございますけれども、これは当然五十五年あるいは六十年という長期の展望に立ちました現有炭鉱の骨格構造の見直しということで、すでに現在生きております炭鉱につきましては指示したところでございます。  それから、天北炭田の新開発という問題も、いま先生から御指摘ございましたけれども、天北炭田の炭は、低カロリーとか灰分が多いとか、いろいろな特徴がございます。なお輸送費の問題等もございますので、もし天北炭の開発ということになれば、地場消費あるいは電力との直結ということでなくては、現在直ちに開発するということは問題があるのではなかろうかと思います。そういう点も含め、検討させていただくということで御了承いただきたいと思います。  なお、閉山鉱区の再開発の問題につきましては、合理化事業団のほうに指示しておりまして、先ほども申し上げましたように、保安上の問題、あるいはある程度の経済性というものも入れまして、消滅鉱区内にどれぐらいの可採炭量があるかということを検討させておりますので、これをできるだけ早く結論を得、その三つの問題につきましても、でき得るならば、六月——いろいろ事業団のほうに依頼しておることもございますので、いまここで、はっきり六月までということはお約束できませんけれども、できるだけ早くそういう結論を出すように、もう一ぺん重ねて指示いたしたいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 最後はいつもの政府答弁で、できるならば式ですが、これは六月の答申の一番の中心問題ですよ。これは六月までに出してください。それは鉱審の中間答申で出してください。そうでなければ四十九年やれませんよ。  大臣に一つ伺っておきますが、たとえば現有炭鉱の場合に、骨格構造の本格的な手直し、見直しをやるということになると、従来の山の中で、ここに鉱区がある、そうすると、立て坑を掘ってでもやろうというような問題が出てくるわけです。そこまで本格的な見直しを四十九年度の中でやっていかないと、労務問題からいってたいへんな問題なんですよ。あなたは政治家ですから、単に役所の事務的な答弁なんかを聞いておるだけでは私は満足できない。六月の答申を中心として、立て坑の問題を含めて、いまの三つの問題について、新フィールドの開発もやる、事業団の再開発もやる、こういう点を思い切ってやる努力をすると、大臣から答弁を願っておきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そういう問題も含め、広範に研究してもらいたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 答申の中に出せるようにしてください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 出せるか出せないかは、委員の意見によるので、したがって、そういう問題も含めて検討してもらう、そういうことで御了承願いたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは、大臣としては、六月に出してもらうという意味で検討してもらう、そういう意味に私は理解いたします。違うなら違うと言ってください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 検討の対象としてそういうものも入れておく、そういう意味で御了解願いたい。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 しかし、それじゃ、出なかったら、四十九年でなくて五十年になるかもしれない、こういうことですね。事態はいま急いでいるのですよ。四十九年度にそういう開発に着手できるような方向でめどをつけてもらわないと、話にならないのですよ。  そういうめどをつけるという努力をされるのかどうなのか、そこの点をはっきりしておいてもらわないと、われわれとしては、それだけでは納得できない。たとえば、答申を待ちます、答申の中には何も書いてありませんでした、しようがないから五十年でやりましょう、そんな話では困るのです。そこははっきりしためどを出してもらいたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 答申の結論をわれわれがいまからどうこうすることは不適当であり、そういうことは、われわれとしては差し控えたいと思うわけです。したがって、検討の材料としてそういう問題も慎重にまじめにやっていただいて、われわれとしては、できるだけそういうものまで及んで答申が出てくることを期待いたしますけれども、これは、委員の御意見がどういうことであるかによって最終的にはきまるべきものであると思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは、委員がそれぞれ相談することはわかっていますよ。しかし、そういうめどで政府の方針はいますというその方向性だけははっきりしてもらわないと、やはり今日働いている人々の状態から見ても、そうはいかないのです。いつまでも待っていられないのです。  そこで、四十九年度中に、そういう形で着手ができるように政府が極力努力をするということについては、事務当局としても、いま大臣も答弁がありましたが、そういう点で極力努力をして、委員の人々にもそういう話もして、そういう形で実現のできるように御努力を願えますかどうなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 先ほど中村委員にお答えいたしましたように、広範、かつ強力に新しい展開ができるように検討してもらいたい、そういうことを私、申し上げました。  そういう意味において、いま岡田委員の申されましたようなアイテムも今度の審議会の検討の対象として積極的に取り上げていただき、かつ、その結論についても、私たちはそういう点について積極的な姿が出てくるように期待しておる、そういう考えに立っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これは事務当局に伺いますが、いまでさえ、一つや二つ新開発なり再開発できるめどがあるでしょう。そういうことだってあるはずなんだから、あまりそこら辺はあいまいな形の答弁にしないで、はっきり言いますが、一つや二つあるものについては、もう四十九年にやりますというぐらいの努力をひとつあなたやってもらいたい。一つの山の新開発をやったって、三十万トンぐらい出るはずなんです。それぐらい出る新開発があるはずなんです。私は、名前は具体的にここでは言いませんよ。そういう事実を高木さん御存じのはずです。それならば、そういうことでやるという努力をなさって、そういう発言をなさったらどうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 やはり委員会というものがあって、その審議委員になっていただく方々の立場も考えますと、政府が押しつけがましいような発言を国会でやるということは、慎むべきことであります。そういうふうに考えて、いま私がなみなみならぬ熱意をお示ししたことをぜひ御理解願いたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 あまりうしろ向きの答弁をされないで、前向きでやってください。  そこで、この問題もやっているといつまでもあれになりますから、ほかの問題をやっていって、あとまた戻ることにいたしましょう。  今日、石炭産業で一番大きな問題は、石炭労働者の賃金水準の問題をはじめとする労働条件の問題ですよ。  この労働条件については、私がいまここで言うまでもなく、御存じのとおりなんですが、他産業に比べて賃金水準が非常に低い。しかも、さっきも申し上げたように、そういう低い労働条件のもとにおいて、危険をおかして坑内でやっている。しかも、将来の展望がないなんということになったら、これはもう将来展望がないからといって、若い人はやめたくなるのは無理もないんですよ。そういう労働条件をはっきり安定させるようにしなければならないと私は思っていますよ。  そういう点では、これは大臣に伺っておきたいのだが、やはり労働条件を、この中間答申にも書いてあるように、いわゆる適正な労働条件を確立する、こういうことを勧告をしているわけですから、政府がいま考えている炭鉱労働者の賃金水準というものは、他産業に比べてどのような水準を維持すべきである、こういう考え方を、ひとつ大臣にお伺いをしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 賃金水準の問題は、労使の協定によってきまるということが原則でありますが、石炭鉱業におきましては、他産業に比べて低位にあります。このことははなはだ残念なことでありますから、できるだけ他産業の水準に近づけるように、政府としても、財政、あるいはそのほかの諸施策を通じて積極的に努力するようにいたしたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それは他産業並みというのは、具体的にはどういうことなんでございますか。たとえば炭労の要求もあり、われわれ社会党からも、どの水準は少なくともやってもらわなければならない、こういうようにわれわれとしては要求を出しているわけですが、その点はどうなんですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 大臣が考えておられますのは、石炭労働と労働環境において類似の金属工業水準、メタル工業でございますね。これが全産業業種ごとの賃金水準ではトップの高位にございますが、それに近づけたいというふうに、大臣の考えは伺っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 大臣、それでいいんですね。メタル産業並み、こういうことが政府としての考え方である。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 同じような環境にある産業という意味においては、やはりメタル産業というものが類似の環境条件等にあるので、それに近づけたいという意味でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 近づけたいとおっしゃるのが問題なんで、水準はどうなんですか、こう聞いているんで、メタル産業並みである、こういう意味に理解してもいいんでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 けっこうでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 ところが、大蔵省が来ていますか。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 主計局の次長が来ています。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 もう少し労働問題について伺いますが、中間答申の勧告を見ると、一番うしろ、八ページ、労働の(2)に「炭鉱労働者の休日増加のため、炭鉱の操業条件に適した方策を検討すること。」こういう勧告が行なわれているわけですね。これは当然通産省においてもこの勧告を守るようにしなければならないと思います。  特に私、ここで言いたいのは、週休二日制の問題です。ILOの勧告もあって、日本だって、銀行とか大企業のほうは週休二日制をどんどんやっているのですよ。ところが、これは大臣もお聞きをいただきたいのだが、ヨーロッパでは、週休二日制の問題というのは、そういうような机上労務者、ホワイトカラーのほうから起こってきた問題じゃないですよ。最も過酷な労働条件の中にある労働者に対して、週休二日制の問題が出てきているわけなんです。私は、日本においても週休二日制をやるのならば、坑内労働者に対し週休二日制を実行するのはあたりまえだと思う。  そこでこういう問題について、週休二日制の問題になると、賃金との関係が起こります。二日になったら賃金保障はどうなるのだという問題ですよ。週休二日制ということのたてまえは、私が言うまでもなく、それは賃金は見込まれての週休二日制ですよ。一日欠勤して減るなんという、そんな話は問題になりませんよ。ILOの勧告はそういう意味ですよ。  こういう点を含めて、この勧告を一体どういうように通産省としてはおやりになるつもりなのか、これを具体的に伺いたいと思います。労働時間の問題ですね。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 労働条件改善の問題につきましては、従来も石炭労使の間で話し合いが進められてきたことは事実でございますけれども、その改善の進展ぶりは、きわめて遅々たるものでございます。他産業と比べましても、非常におくれておるというのが実情でございます。われわれはこの中間答申を受けまして——しかしこの問題は、いまおっしゃいましたように、給与その他のいろいろな諸条件とのからみ合いが非常に多うございまするので、この問題の処理につきましては、労使間でこの問題専門の委員会をつくって、ひとつ改善の論議を積極的に進めてもらいたい、こういうふうに申しておる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 この問題専門のというのは、労働時間短縮の専門委員会、こういうものですか。そして、それは労使関係にすでに申し入れているわけですか、どうなんですか、そこら辺。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 この中間報告、労働のところの第二項の問題につきまして申し上げている次第でございまして、私、いま、専門の委員会を設定して、鋭意前向きに取り組んでもらいたいということは、まだ政府側からは申し入れをいたしておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 高木さん、どうするの、これ。こういう点について、申し入れ、勧告があったのに、黙って置いてあるなんて、そんな話、おかしいじゃないですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 一応申し入れはいたしましたけれども、いろいろむずかしい問題がございまして、まだ実現いたしておりませんけれども、先生の御趣旨を体しまして、なお、この中間報告も体しまして、再度、そういう点を申し込んでみたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そこで賃金問題になりますが、ことしの春闘における炭鉱労働者の賃上げ要求というのは、最近のようなインフレの状態の中で大幅の賃上げであるというのは当然です。皆さん方だって同じでしょう。大幅な賃上げしてもらわなければ食えないですよ。  こういう大幅な賃上げを実現していくためには、一つ壁が出てきているわけですね。これは私が言うまでもないことだけれども、会社が赤字経営だということですよ。炭労の要求に押されて、賃金は大幅に上げなければならないと考えても、会社の経理がどうにもなりません、こういう状態になってきているわけですよ。また、会社のほうとしたって、賃金を思うように上げなければ、若い労働者というのは、もう散ってしまうんじゃないかという心配があるわけですよ。その壁をどうするんだという問題ですよ。その壁の問題については、やはり政府が積極的に石炭産業については見直しをやっていくんだということになれば、政府自身がその問題に対してどういう措置をとるんだ、どういうことで労働賃金については安定するようにするから、それに基づくところの財政措置になるか何になるかわからないけれども、そういう問題については、一体どうするんだというような具体的な考え方を伺っておきたいと思います。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 給与水準の問題は、本来、労使間できめらるべき問題と思いますが、やはり労働力確保の観点から、政府におきましても、四十九年度予算におきまして、安定補給金の増額その他の増強措置を講じたところでございます。また、現在新石油価格の設定について検討が進められておりまするが、そのような新石油価格との見合いにおきまして、新しい石炭価格も相当程度の炭価アップということのしかるべき時期を迎える、こういうふうに考える次第でございまして、そのような財源を裏打ちといたしまして、賃金水準の改善を期待しておる次第でございます。なお、かりに、炭鉱会社によりまして資金繰りがたいへん苦しいというようなものがありまするならば、合理化事業団の経営改善資金の活用によってこれに融資をしていくようにしたい、こういうふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 いまの御答弁を伺っていると、こういうことですね。いわゆる補給金の引き上げ、もう一つは、石炭の炭価の問題、それから金繰りが困ったならば、これは事業団の改善資金をとりあえずつなぎ融資として何とかする、そういう三つですね。  しかし、今度の場合の賃上げというのは、補給金で穴埋めするなんというそんなちょろいものではありませんよ。去年の場合でも、トン当たり、いろいろな諸手当を入れると、大体五百円ぐらいになるでしょう。五百円ぐらいのアップであるなんというようなお考えだったら、とんでもない話ですよ。  そういう場合において、一体これは財政的にどうするんだ、こういう点について、政府としては、口だけでなくて、真剣に考えてもらわないと困ると思う。こういう点は真剣にお考えになるおつもりがあるのか、どうなんですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 労働力の確保というのは、国内炭の確保上、最も必要なものであるという認識に立っております。  したがいまして、審議会の答申を踏まえまして、今後できる限りの政府の努力もいたしたい、こう考える次第でございます。また、この需要業界のほうの協力というふうな形で、炭価アップの点も、従来とも政府も側面から支援をしてまいった次第でございまするが、今度代替エネルギーが非常に大幅な値上がりがあると思いますので、それとの関連上のプライスアップにつきましても、政府はまた側面からこれを支援をいたしたい、こう考えておる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 実は、炭価アップの問題については、これは北海道新聞の二月二十六日に相当詳細に出ている。これをちょっと読んでみますが、電力をはじめとして、一般業界では、北海道炭に対してカロリー当たり一円五十銭以上の引き合いが続出をしている。そうすると、これで逆算していくならば、現在大体ラウンドで八十銭ぐらいですから、もう実際問題として、現在電力用炭の場合三千二、三百円から四、五百円ですか、それで計算を逆算するならば、その倍以上という計算になるわけですよ。しかも、この間の東京のある新聞なんか見ると、C重油の価格などを見ても、当然これは倍以上というような形になってくるというように見ざるを得ない計算が出てくるわけだ。これは道新はそう書いている。あなたはそういうための努力をされるというお話ですが、政府はこれについてどういうようなことをお考えですか、いまのように、倍以上の問題になってやっていくというような新聞の報道等を見て。これは、炭価問題について、私らのほうでどうこうというんじゃなくて、あなたのほうが答弁を炭価問題についてされたんだが、こういう点についてはどういう措置をされるのか、ここら辺、もう一度具体的な答弁を願っておきたいと思います。簡単にやってください。もう時間があまりないのです。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 競合エネルギーとの見合いにおきまして、石炭価格もきめられるものと存じます。何ぶん、石油の新価格がまだきまっておりませんので、具体的なことはとても申し上げられませんですが、現在、政府内でも、また石炭業界内でも検討をあれこれやっておるところでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 答弁がさっぱりはっきりしないので、いまの答弁じゃわからないのですが、私は道新を読んでまで言っているのですよ。高木さん、どうですか、三千四、五百円が現在でしょう。一円五十銭なんということになると、倍以上になるわけですね。そういうことについて、電力用関係の炭価問題については、政府としてはどういうようにやろう——あっせんをするとか、いろんなことをどういうようにするのか。この値段の問題に結びつけて、高木さん、ひとつ答弁してくださいよ。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 現在、C重油の値段がまだきまっておりませんので、どうこうということは申し上げられないと思いますけれども、少なくとも昔みたいな、いわゆるお願いと申しますか、石炭が高いということではないというふうに今度は転換されるのじゃなかろうかという期待を持っております。その辺、倍になるのか、あるいは幾らになるのか、ちょっといまのところは申し上げられませんし、また私も存じておりませんけれども、いずれも、そういう点から見まして、ある程度の期待というものは持っていいのではなかろうか。それにまた、炭価問題につきましては、これは需要者と供給者の企業側のほうでおきめになる問題でもございますので、その辺を踏まえ、なお、先生から御指摘のございましたある程度の将来の労働確保から見ました賃金ということも頭に置きながら、できるだけの側面的な努力をいたしたいというふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 これは、さっきから何度も言っているように、いまの私の質問は、労働賃金をメタル並みにする、そういうふうなことになると、大幅なアップにならざるを得ない、そうすると、そういう点ではどうなるのだという点から入っているのですから、労働者の条件の安定のためには、ほんとうに努力をしていただかなければなりません。大臣、ひとつこの点はお忘れのないように努力をしていただきたい。  ただ、私、ここで一つ言っておきたいのは、それかといって、これは北海道の——私は北海道にいるわけだからあれですが、現在でもいわゆる家庭用の暖房は石炭を使っているところがまだずいぶんあるのです。電力用炭が上がったからといって、家庭用の一般炭、いわゆる非業務用といいますか、これまで上げるということは、われわれは絶対に認めるわけにはまいりません。しかもその数量は、全体のウエートの中で占めるのは非常に少ないのです。いわゆる家庭用の一般炭、非業務用の一般炭については、値上げをされては絶対に困る。こういう点については、大臣、どういうようにお考えでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 家庭生活を守るということは、われわれの一つの基本方針でございますから、できるだけ御趣旨に沿って努力すべきものと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それじゃ、炭価問題についてはまだいろいろ質問することがあるのですけれども、もうあと六、七分しかなくなりましたので、重要な問題を一つ伺っておきます。  主計局の次長がお見えになっておりますが、まず第一点、きょうは福田大蔵大臣が出るということになっていた。ところが、病気でどうしても出られないということになっていますので、あなたは、大臣のかわりとして質問しますから、責任を負って答弁をしてもらわなければ困りますが、いいですか。

田中敬大蔵省主計局次長

○田中(敬)政府委員 私でできる範囲の御答弁をさせていただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 できる範囲じゃ、大臣と同じじゃないじゃないですか。責任を負ってくださいよ。  そこで、石炭の特別会計というのは、私が言うまでもないのですが、いわゆる石炭及び石油対策の特別会計法に基づいて、五十一年まではこれは法的に設置することになっております。ところが今度は、さっきから話が出ておるように、二百五十万トンの増産、それだけではなくて、さっきからの大臣のいろいろな答弁を見ると、二百五十万トンプラスアルファ、こういうことになってくる公算が非常に強いわけです。そうすると、それに基づいた財政措置というものが当然出てくるということを考えなければならないわけですね。そういう点がはっきりされておらないと、政策だけはできたが、政府の財政措置はいままでどおりですなんといったら、これは実際問題として実行できないわけです。  そこで、あなたにもお伺いしたいのは、そういう計画に沿って、それに見合うような財政措置をやはり特別会計の中でやっていってもらわなくちゃならない、こういう点については、今後とも御努力をされますか。

田中敬大蔵省主計局次長

○田中(敬)政府委員 先生御承知のように、特別会計の歳入に充てるべき財源というものは、特別会計法に明定されております。  御承知のように、原重油関税でございますけれども、今後の石油情勢の推移にかんがみまして、原重油関税がどのぐらいの量で入ってくるか、いわゆる原重油の輸入量と、あるいは、問題とされております関税問題にどういうふうに対処するかということによりまして、おのずから歳入面に、今後別途の観点での制約が出てくるのではないかと存じております。しかしながら、現行法におきましては、原重油関税が主たる財源でございますので、通産省で御検討の総合エネルギー調査会、あるいは先生御指摘の石炭鉱業審議会等の御答申を待ちまして、それとあわせて財源問題を検討していきたいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 あなたの話はきわめて抽象的だ。関税問題が基礎になっておることはわかっております。しかし、関税の中の六百四十円という基礎があるわけですよ。それの操作によっても財源をふやすことはできますよ、やろうと思えば。そういうことも含めて検討されるのかどうかということを言っておるのです。

田中敬大蔵省主計局次長

○田中(敬)政府委員 関税率につきましては、関税率審議会で御検討いただいておるのでございますが、従来の御議論の方向は、むしろ、こういう原燃料に対して関税を重くかけるのはどうかという御議論が、非常に強いのが実情でございます。石炭あるいは石油対策のために、関税収入だけを当てにするというあり方が、関税率審議会で一方で問題にされております。  そういうことでございますので、今後、石炭、石油対策に充てるべき財源を関税収入だけをもって充て得るかどうか、それで十分であるかどうかという問題意識を持っておりますので、それも含めて検討させていただきます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 それでは私は、いまの御答弁は、関税以外からも、何らかの形で財源をつくることを考えてみたいというようにも受け取れる。  そこで通産大臣、あなたはこの間、石炭対策特別委員会の席上の答弁で、若干お間違いの答弁をしておられるので、その答弁はこの機会に訂正しておいたほうがいいと私は思うのです。というのは、塚田君の質問に答えて、石油の価格が上がれば関税の収入もふえてくるから、石炭特別会計もいいのだという意味の答弁をされたのだが、これはもう間違いだと思うのです。これはこの機会に訂正しておいてください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 それは考え違いでありまして、従量税にあらずして従価税である、言い違いであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 ですから、ふえるのじゃなくて、むしろ逆なんです。また間違えた。従価税でなくて従量税、ちょっと訂正しておきましょう、速記で。それは直さないといつまでも……。訂正しておいてくださいよ。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 もう一回言いましょう。私の思い違いでございまして、従量税であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 そうすると、特別会計は、いま大蔵省の答弁も含めて、関税問題に依存することが今後だんだん不安定になって、しかもいま言ったように、むしろふえるのじゃなくて、減る可能性のほうが多い。そういう場合に、どういう政策で今日の政策を——新しい政策ができた場合に、財源措置をとるかという問題になってくる。こういう点については、通産大臣、どういうことをお考えになっていますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは一般財政政策の中で案分すべきものでありますから、大蔵当局とよく相談をしてやらないと、私らだけ独断では申し上げにくいところでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 もうこれで終わります。  さっき大蔵省のほうから若干抽象的に言いましたけれども、今日の石油情勢から見て、中東関係やメジャーの動きを見ると、石油関税それ自体が問題になる可能性が出てきている。なぜならば、石油関税の問題というのは、日本だけなんだから。しかも、その日本だけであるという事実は、中東やあるいはメジャーのほうはよく知っているのだから、関税までかけるぐらいなら、もっと上げたらいいでしょう、こう言うんだ。そういう場合において、一体この財源というものを、法律的には特別会計がある、その財源をどうやって見つくろうか、そういう点については、いま通産大臣も言いましたし、大蔵省の、福田大蔵大臣にかわって答弁をされる主計局次長は、財源問題は真剣に検討していただきたい。この点が一つ。  もう一つは、やはりこの問題は非常に重要ですから、石炭鉱業審議会その他においても、どういう財源にするか、特別会計はどうする、特別会計を残して財源をどうするのだということは、これはぜひとも審議会にかけてきめてください。そうでないと、せっかく政策はできたわ、金がないというのじゃ話になりませんよ。これは事務当局としても、大臣としても、今度の石炭鉱業審議会の中ではっきりしておいてもらいたい。  まだ実は一般炭の外炭問題があるのですけれども、これは省略いたしますが、大蔵省としても、そういうための努力をされるかどうか、それから通産省としてもそれについてどうするのか、この二つの答弁をやっていただいて、私の質問を終わります。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 エネルギー政策遂行の上の裏打ちとなる財源問題につきましては、審議会の中におきます重要な審議項目の一つと考えておる次第でございます。その審議会の結論を踏まえまして、財政当局のほうとよく相談をしてみたいと考えます。

田中敬大蔵省主計局次長

○田中(敬)政府委員 総合エネルギー調査会の検討項目の中に、財源問題というのをわざわざ入れてもらった経緯がございます。先生、先ほど御指摘のようないろいろな周囲の情勢がございますので、現状の原重油関税だけでいいかどうか、あるいは原重油関税のあり方ともからんで、先ほどお答え申し上げた方向でいろいろ検討さしていただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)分科員 終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて岡田春夫君の質疑は終了いたしました。  次に、細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 私はここへ来るのがおそかったものですから、あるいは重複する点があろうかと思いますけれども、短時間でありますので、二、三御質問をいたしたいと思います。  最初に通産大臣にお尋ねしたいのですが、総合エネルギー政策を打ち立てる場合に、いま石油問題に端を発しまして原子力発電というものに重点を置こう、こういう考えがあるのではないかと思うのです。そういう問題も含めて、総合エネルギー政策をつくっていく場合に、基本的に、石炭を残ったところにはさんでおくのか、あるいは石炭をどういう基本的な態度で位置づけていくのか、これは原子力発電と関連を持って、非常に重要な問題点ではないか、こう思うのです。この点、やや抽象的な質問でありますけれども、大臣のひとつ率直なお答えをいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは審議会の委員がおきめなさることですから、われわれがいまから予断をすることは適当でございませんが、われわれが答申を求めた趣旨は、いままで石油に偏食していた日本経済というものを、もう少し均衡とバランスのとれた形に変更する必要があるのではないか、その中には、原子力、石炭あるいは地熱発電、太陽熱エネルギー、そういう諸般のものも入るし、水力発電の見直しということもあり得る、その際に、石炭を全部きめたあとから差し込むというような、そういうへんぱな態度をとるべきものではない、初めから石炭あるいは原子力、水力、そういうものを正面から再検討の対象にして、そして適当なバランスを回復していくべきではないか、そういう考えが基本にわれわれはあって、ああいう諮問をしておるわけであります。   〔主査退席、羽田主査代理着席〕

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 それは審議会がきめるということでありますけれども、あるいは調査会がきめるということでありますけれども、通産大臣の基本的な考えというのは、非常に重要じゃないかと思うのです。  私は、昭和三十年代というのは、大体石炭が一次エネルギーの中において五〇%近いシェアを持っておった。それが今日、いま一〇%前後と、こういうところにきておるわけです。大体において、エネルギーの安全保障、こういう問題を考えてみた場合に、まあ三分の一程度を国内資源で確保する、こういうことが重要ではないかと思うのです。それも、石炭において私は可能だと思うのですけれども、まず唯一の国内資源である石炭を、少なくとも三割なり三割五分なり一次エネルギーの中でシェアを占めさせるんだ、こういう基本的なお考えがあるのかないのか、どうなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 現在のエネルギーに対する依存率を見ると、私の記憶では、たしか石油が、電力も含めて、これが石油として供給された分として約七〇%台、それから石炭がたしか一七%台で、その中には外炭がかなり入っておるわけです。外炭がたしか一〇%前後あったと思いますね。だから、国内炭というものの比率はかなり低いです。それから水力が六、七%である。原子力はもっと微弱である。こういう現在のエネルギーの依存割合を見てみますと、これを急に石炭だけで三分の一持っていくということは、非常にむずかしい状態ではないか、そう思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 まあすぐ、見直しということになりますと、外国炭の輸入と、こういう話が前面に出てくるわけであります。  今日の見直しの中で考えられるものは、やはり国内資源である石炭、国内炭をどう活用するか、こういうことだと思う。私は、いまここまで落ち込んできたのですから、一ぺんにそれを三割に持っていけといっても無理でしょうけれども、新聞等の伝えるところによりますと、いま直ちにでも、掘ろうとすれば、たとえば九州の筑豊でありますね、掘ろうとすれば露天掘りでも掘れる。そういう炭はあるわけですね。そういう問題は、やはり通産省の基本姿勢にかかってきていると思うのですよ。  そういう点で、いますぐあしたから三割にしろ、こういうことでありませんけれども、そういうように位置づける、こういうことでなければ、これはせんだって予算委員会で多賀谷委員が質問しました、第一次から第五次までの計画は立てながら、その計画がすべて画餅に帰した根本的な問題は、やはり石炭問題というものについての取り組みの基本姿勢に欠けておった、こういうところからきていると思うのですよ。  私はそういう意味で計画的に、少なくともやはり国内資源、こういうものを柱にしてエネルギー政策というのを打ち立てる必要があるのではないか、こう思うのです。もう一度お答えいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 国内資源をかなり重視して資源の再活用ということを考えることは、私は大事であると思いますけれども、やはり日本経済全般の現状それから国際価格、それから日本にある既存資源の経済性、そういうようなすべてのものを考えて、バランス、均衡を得た形で国民経済の運営を考えないと、国際的にも国内的にもひずみが出てまいります。それは長続きいたしません。そういう考えに立って、適正なパリティをおのおのが持ちつつ、しかも国内資源の量をふやし、かつ、石油に対する依存率をできるだけ減殺していく、そういう形で新しい均衡状態をつくり出すことが適当であると思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 そうしますと、現在の一次エネルギーにおける石炭のシェアというのを見直すという場合に、ただ単に五次を見直すという基本的なものじゃなくて、新しい観点から検討しなければいかぬと思うのでありますが、その石炭の一次エネルギーに占めるシェアというものをどのくらいにするのか、これについてはいまのおことばでは抽象的でわからないのですが、大臣、率直にひとつお答えいただけませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは総合エネルギー調査会の委員がおきめなさることで、われわれから予断を申し上げることは適当でございません。  がしかし、いま申し上げたような基本的な考えをもってわれわれが諮問をしておる、そういうことは御了承願いたいと思うのであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 それでは、すでに質問が出たようでありますけれども、それはいつまでその答申を求めているのですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 たいへん広範多岐な問題がございまするので、全部の答申完了には時間がかかると思いますが、その途上で、少なくとも今年六月末の時点でひとつ中間的な報告を得たい、こういうことで審議を進めてもらっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 中間的な答申の扱いはどうするのですか。本答申が出なければ、あくまでも中間的な答申だ。それではほんとうの意味のエネルギー政策はできない、石炭政策は打ち立てない、こういうことですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 中間答申を得まして、それを各審議会、石炭審議会とか電気審議会とか、あるいは石油部会とか、いろいろエネルギーごとにございまするが、それぞれの審議会におきましてそれの政策化などの議論をやってもらいたい、こう思っておるわけであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 やってもらいたい、ということになりますと、本答申が出るまでは結論が出ないということなんですか。あるいは、五十年度の予算要求のその基礎としては、中間答申で骨組み、基本骨格はきまるわけですから、それに基づいて五十年度の予算要求をしていくのか、はっきりしませんと、中間答申はあくまで中間答申で、それぞれ部会に持っていってやるのです、こういうことではこれは納得できませんね。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 総合エネルギー調査会の審議と並行いたしまして、各種エネルギーごとの審議会の政策論議も並行して進めるという形で考えておりまして、したがいまして、六月に中間報告が出ますならば、それの政策化、さらに端的に申し上げますれば、それの五十年度予算化等を目ざしまして案を作成する、こういうやり方で進めております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 お尋ねしますが、大臣からお答えいただいて、全体的な総合判断だというのですけれども、原子力の産業会議がありますね。きのうあたりの新聞に稲葉委員が一つの提言をしているようですね。新聞の報道ですよ。  たとえば、この新聞によりますと、六十年のエネルギー需要というのは、大体石油換算で十億キロリットル、こういっておりましたけれども、今日の世界的なエネルギー事情からいって、大体もう七億五千二百万キロリットルぐらいになる。むろん経済の成長率とかいろいろ考えておりますけれども、大体七二・九%ぐらいに、あの最初の、いままでの既定の計画から変わっていくようでありますね。  そうすると、かなり大幅なことでありまして、私どもはっきり知りたいのは、その七億五千二百万キロリットル、石油換算でなるわけでありますけれども、やはりその中で石炭がどう位置づけられていくのか、そして、石炭政策というのがどういうふうに進められていくかということは、過去十五年のスクラップ・アンド・スクラップというそういう実態からいって、重大な関心を持たざるを得ない。したがって、審議会の答申がなければ予見しがたいということでは、どうにもならないと思うのですよ。この辺、いかがですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 御指摘のとおり、六十年石油換算九ないし十億キロリットルという数値は、四十五年のエネルギー調査会の数値でございます。あれ以来、日本の経済の構造など、かなりの変化を遂げておるわけでございますが、さらに世界的なエネルギー情勢も変わりましたし、あるいは国内の立地、公害問題あるいは労働力等の問題等々、内外非常に変化要因が広範多岐に、かつ大幅に起こっておりますので、そのために、先ほど来申し上げておりますような、ここで総合エネルギー調査会を発足して、将来のエネルギー全体及び各種エネルギーについての位置づけを再検討してもらう、こういうことでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これ幾らやってものれんに腕押しでどうにもならぬですが、大臣、いずれにいたしましても、石炭の国内資源というのはかなり活用して、そして積極的な姿勢でエネルギーの中に位置づけていこう、この辺については具体的には数字をあげられませんけれども、基本的な姿勢を堅持をされておるのではないかと思うのですがね。  そういたしますと、私は、そういう問題を推進していく体制というのもいろいろありますが、そういう体制というのもきわめて重要な問題になってくると思うのですね。かつて国有問題あるいは公社問題、いろいろ議論されたことはありますけれども、そういう体制については、いまのところ変更する必要はないとお考えなのか、変更する必要があるとお考えになるのか、この辺、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いまのところ変更する必要はないと考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 変更なしにそういう新しい積極的な石炭政策というのは推進できるでしょうか。これは私ども、炭鉱労働組合等と通産省が折衝したやりとりを見ましても、変更の必要なし、こういうことで、いまの体制でいく、こういうことのようでありますけれども、それで対応できるかどうか、私はたいへん疑問を持っているのですけれども、あくまでも現在の体制でいく、若干の修正をするにすぎない、こういうことなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そのとおりです。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 時間がありませんから、先ほど岡田委員の質問にもありましたけれども、昨年の石炭特別委員会で、私は、中曽根通産大臣なり、あるいは田中総理から、石炭政策を推進していく場合の財政問題、これは重油関税の十二分の十、こういうワク内で特別会計で処理されていっているわけですけれども、必要があれば一般財源を投入するにやぶさかでない、こういう両大臣の、総理をはじめ中曽根通産大臣のおことばでございました。私は、この段階になりますと見直していく、しかも、先ほど岡田委員も指摘されましたように、石油関税そのものが将来の不安定というものも加わってきておるわけでありますし、そういう段階において国内資源を活用していくということでありますから、基本的には大蔵省はどう言おうと、通産省としては、何といってもやはり必要な財源は一般財源をつぎ込んでも確保する、こういう体制をとらなければ、そういう結論を貫かなければ、新しい積極的な石炭政策というのは推進できないと思うのでありますけれども、この点はいかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 どうしても必要あるという場合には、これは財政当局とも相談をして、そういう方途も辞すべきではないと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 いまのどうしてもということでありますけれども、性格上からいきますと、これは一般財源で対処していくことが妥当なやり方で、特別会計の中においても費目があると思うのですよ。これは財源というのは、あげて十二分の十という形で石油関税からきているわけでありますけれども、たとえば産炭地が崩壊していった、その地域社会というものを守るためのいろいろな産炭地振興、そういう方針がとられておりますね。そういう問題は、ほんとうのところは、これは一般会計で対処していくのが筋論ではないか、こう思うのでありますけれども、いかがですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 どうしても必要あるという場合には、一般、特別両会計を駆使して、その対策に充てるということが筋論であると思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 どうもその辺一般会計も、場合によってはということでありますけれども、一向出ないわけでありますけれども、きわめて具体的な点をちょっとお尋ねしたいのですけれども、一昨年の委員会で産炭地域振興等の問題について議論をいたしました。その際に、法律を改めるか、改めなければ、改めたと同じような効果の予算措置でやっていく、こういうことでありました。  ところで、四十七年度の産炭地振興臨時措置法の十一条に基づく引き上げ額というものを検討してみますと、どうしてもその実績の不合理性というのはぬぐい切れない、こういうふうに私は思っております。たとえば産炭地域振興の場合に、十一条を例にとりますと、一般方式と特別方式という形で計算をされております。昨年、大臣の言明によって処理されたものは、特別方式について足切りをやらないで、全体としての産炭地市町村に財政措置を講ずる、こういうことになってやってきておりますけれども、問題があるのですね。  この四十七年度の実績を見て、問題があると受け取っているのか受け取っていないのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 十一条の制度改正についてでございますけれども、産炭地域振興臨時措置法の第十一条に基づく市町村の公共事業に対する補助率引き上げの措置につきましては、御指摘のように、財政力の乏しい六条市町村に広く運用されていないという問題があることは承知いたしております。このため、四十八年度から産炭地域臨時交付金のうちに、特定公共事業に対する調整額を新設いたしまして、予算措置をもって補助率の引き上げの措置を改善したわけでございます。これによりまして、四十八年度におきまして、予算といたしまして約三億という予算を計上いたし、なお交付金が産炭地域の六条市町村に対して交付される見込みでございまして、従来の五十ないし六十市町村しか適用されていなかった補助の引き上げ措置が六条市町村全部に及ぶということになったと考えております。  なお、制度改正につきましては、関係の各省とも協議いたしまして、今後とも継続的に検討してまいるつもりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 予算は大体四十八年度と四十七年度と公共事業について補助率引き上げをするというのですけれども、予算は全部消化できないでしょう。いま三億とおっしゃった。予算は四億五千万くらいあったでしょう。消化できないでしょう。  消化できないのはどういうことかといいますと、産炭地域市町村というのは、全くもう崩壊してしまっているわけですよ。地域社会が崩壊しているばかりでなくて、地方公共団体の財政が崩壊しているわけです。仕事をやるにもやれない。結核の三期の患者が寝ているようなものなんですね。ですから、せっかくのえものも、補助率かさ上げなんていうことも消化できない実態にある。この実態を踏まえなければだめだと私は思うのですね。ところが、六条についてはそうだというのですけれども、十条の市町村と一十条の市町村といいますと、産炭地の周辺でありますね。あるいは過去に山があったところですね。日本には巨大な都市というので指定市というのがありますね。その指定市などというのは、相当の公共事業を消化する力があるものですから、言ってみますと、六条には百幾つある産興市町村のうち、三億はほとんど全部行き渡りました。ところが一つの公共団体では二十億なんて行っちゃうのですよ。そうでしょう。やはりおかしくないでしょうか。  それはやはり十一条の特別算式を依然として温存しているところに問題があると思うのですよ。これを何とか、特別方式ができた経過というのは、あなた御承知だろうと思うのです。最初一般方式しかなかったのですよ。一般方式しかなかったので、ひとつ特別方式をつくろうではないか、こう言いましたら、それはひとつ六%以上やったらば補助率をかさ上げいたしましょう、一五%で頭打ちしますよ、こうしたのですね。そこに問題があるわけですよ。一般方式で救えないのを特別方式でやった経験、これでもやはり不合理がぬぐえないわけでありますから、抜本的な改善をしなければならぬのではないか、それでなければ、これはやはり石炭政策としてこれから前向きに取り組んでいく場合にどうにもならぬ点であろうと私は思うのです。この点をお聞きいたしたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 先ほども申し上げましたように、矛盾があることを十分了承しておりますので、制度改正につきましては、関係の各省とも協議さしていただきまして、今後とも継続的にこれを検討さしていただき、できるだけ早い機会に改正するように持っていきたというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 大臣、よく当時の事情も御承知と思うのでありますけれども、いま、かなり前向きに、法律も改正いたしたい、こういうことでありました。これは産炭地の市町村は、少なくとも離島あるいは離島並み、あるいはそれを越して補助率を適用していただきたい、こういうことが強く出ております。そういう点からいって、根本的に検討をしなければならないものだ、不合理をこのままほっておいてはだめだ、こう思うのです。  そういう点でひとつ大臣、明確な答弁をお聞きいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 事務当局の申し上げたとおりでございます。  これは情勢の変化に応じ、必要性が出てきたという場合には、常に行政ないしは政治の面において検討をし直し、そうして事態に適合するように改革していくという態度が必要であることは申し上げるまでもないところであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 大臣の答弁を聞いて、前向きなのか、あるいは結論は何にも出ないのか、一つもわからぬわけですけれども、まああなたはぴしゃっと不合理を認めて、そうしてひとつ法律改正をする、こういうことをしておりましたから、大臣、そういう通産省の基本姿勢だと理解してよろしいですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 ただいま申し上げたとおりであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 では終わっておきます。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて細谷治嘉君の質疑は終了いたしました。  この際、午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————    午後一時二分開議

湊徹郎自由民主党

○湊主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 中曽根大臣に御質問をいたしたいと思うのですが、きょうは私、初めに例の石油製品の値上げの問題について御質問しようと思っておったのですが、きょうのお昼のニュースを拝聴しますと、自民党のほうも長官の値上げの方針を了承されたという報道がございました。まあ、値上げの方向、やむを得ない問題が多いと思うのですけれども、影響するところが多いわけでございまして、非常に慎重な対策をしていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。そして、きょう特に私、お聞きしたいのは三点ぐらいあるのですけれども、時間がありませんので、私のほうからかいつまんで趣旨を申し上げて、長官の御決意をお伺いしたいと思います。  第一の問題は、十月の上旬から始まった中東戦争、これによって引き起こされた石油危機の問題、これもいろいろと曲折を経て今日に至っておるわけですけれども、この数カ月の教訓というのは、日本の今後にとっても非常に重要な幾つかの問題を含んでおると思うのです。そういうふうな観点から御質問したいのですが、まず、今度の石油危機の歩みといいますか、流れを振り返ってみますと、十月六日に第四次の中東戦争が始まった。そして十月十七日にはOAPECがクウェートで石油の大臣の会議を開いて、九月水準の五%生産削減をする、毎月五%を加算していくという決定をした。これはまた、イスラエルが全占領地から撤収するまで継続するんだというような方針を含んでおる。これが十月十七日。その翌日の十月十八日には、サウジアラビアがアメリカへの禁輸を宣言をした。同じく二十一日にはアルジェリアがオランダへの禁輸を宣言した。これをOAPECの大半の諸国は追認をしたという事実がありました。また、時を同じくしてメジャーは、当初供給予定量の一〇%を上回る供給削減をするというような通告もするような事態もありました。一番最高潮になったのは十一月四日、OAPECが例の九月に対して二五%の削減、そして毎月五%を加重していくというショッキングな報道をされたのが十一月四日でございます。ちょうどそれと月を同じくして、石油関係の有力誌だといわれておるMEESですか、これは、十月末にはすでに二〇%を削減されておる、十一月には二八・五%に達するというような状況も報道された。またその当時、メジャーはいよいよ二五%削減をするんだというような方針も発表をしておる。これが十一月四日から引き続いてこのようなかなりきびしい状況が発表された。  こういうふうな経過を経まして、そして日本もいよいよびっくりして始めた。で、通産省は、十一月の中旬には、四十八年の下期の石油の輸入量は一六%減るだろう。また当時、日本の石油業界は、一六%なんというものではなくて、二三%以上削減するだろうというような予想も発表されておる。ここのあたりが、この十一月の中ごろというのが、石油についての全く暗い見通しがいろいろの報道によってなされた時代だと思うのです。  ところが、それから政府もいろいろと特使を出したり、中東アラブ向けの外交姿勢を改めたりということで、努力もあったと思うのですけれども、十一月十八日にはOAPECはオランダを除く西欧諸国に五%の上のせを中止するんだ。同じく十一月二十七日には日本へも同様にこの五%の上のせを中止するというような決定がなされました。そして十二月二十五日、これがいよいよOAPECが日本への削減を緩和して、そして昨年の一月から九月の平均供給量を確保するようにするんだというようなことになって、一応政府も愁眉を開いた。  これが、大体の今度の石油危機をめぐる重要な事件、あるいは政府その他の機関がいろいろと対処した基本的な態度であったと思うわけです。  ところが、実際の状況を見ますと、この石油の入っておる状況からすれば、大蔵省の通関の実績からすると、十月には二千七百万キロリットル入っている。これは当初見込みの二%増で、ふえている。十一月には二千四百万キロリットル入っている。これは当初計画に対して一四・四%減じている。十二月には二千五百万キロリットル、これも同じく当初計画に対して八・四%減じている。しかし、前年の同月に比べますと、十月は一七%ふえており、十一月は一一%ふえており、十二月も一〇%内外ふえておる。これが実際の石油が日本に入ってきた実情である。  この二つの事実を総合して考えますと、何だか踊らされたような感じがしてならない。これは単に私だけでなくて、国民の多数も、またこの石油問題に関係を持っておる多数の人たちも、そういう実感を強めておるんじゃないかという感じがするのです。  そういうことで、しかし実際には、国民生活にとって大きな混乱が起こり、物価狂乱という状態が起こってきたわけでございます。こういうふうなことを経て、現在また石油製品の大幅な値上げという新しい局面に入ってきているわけでございますけれども、大臣、このような経過を静かに振り返ってみて、きのう私、大平外務大臣にも尋ねたことでございましたが、外務省として、もっと正しい実態を把握するための努力をすれば、あのような大きな混乱なしにこの事態に対処することができたのではないか、同じように通産省も、おそらく通産省が、大臣が得た情報をよく存じませんけれども、メジャー、あるいはメジャーと一心同体のような大部分の日本の石油業界からの情報を基礎にして判断をされたと思うのですけれども、結局それは、客観的な事実から見れば、正確な事実にのっとっておったとはどうも判断ができない。  そういうふうな意味で、今後の問題もあるし、幾つかの重要点に対して反省されるところは反省をし、そして欠陥らしいものについては、きびしく今後の対策を立て直していく、正しい情報をつかむということは、一番根本だと思うのですけれども、そういうことについて、ぜひとも、この貴重な大きな国民の犠牲のもとに行なわれた事実に対して、大臣として、謙虚な反省、あるいは今後への新しい対策というものが必要だと私は思うのです。そういう問題について、大臣の率直な御所信を承りたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 反省してみますと、やはり石油問題に関するOAPECの動向というものは、数年来、初期微動みたいに動いてきておったわけです。これはりアド協定、テヘラン協定、ジュネーブ協定、相次いでそういうものがあり、またヤマニ石油大臣、ファイサル国王あるいはOAPECの外相会議のいろいろな言動等から見ますと、今日の噴火が起こる初期微動みたいな現象はすでにありた。しかし、よもや親米的なサウジアラビアがそれをやることはあるまい、そういう気分もあって、アメリカがわりあいに楽観視して、それに日本が追随しておった、そういう点がまず反省されるべきである。ああいう初期微動は、よほどキーインタレストを持って分析してみて、わが国独自の立場で独自の道を確保しておかぬといかぬということが一つ。それから、それより先に、やはり資源的に見て中近東に偏在したとか、あるいは、石油を偏食して国民経済の体質が片寄っておった、そういう点も当然反省すべき一つの基本的なポイントで、そういう面から見ても、供給源の多面化あるいはエネルギー自体の内容の多様化、国内におけるエネルギー各相互間のバランス化というようなものもここで考え直さなければならぬポイントであります。  それから、短期的に見てみますと、去年の春くらいからそういう動きは少しありまして、私なんかも、多少OAPECがある決意をして動き出す気配を感じておりまして、そういう意味で、いままで日本はメジャーに非常に依存をして、メジャーをこわがってきたという経験があったわけですけれども、やはりウエルと申しますか、油の井戸を握っている産油国の立場は、それよりもっと強い。したがって、産油国と日本との関係を改善しなければ長期的日本の運命はあり得ない、そういう感じを私、すでに持って、サウジアラビアやアブダビや、各国を五月に歴訪したところであり、できるだけ日本に対する印象をよくして、悪い印象を払拭しておこうと思って努力をしたものでもあります。  そのころから、やはりアラブは一大決心をもって取りかかるぞというような片々たる情報も入ってきておりましたが、そういう面について、外交当局や通産当局の情報網がわりあいにアイドルであって、鋭敏にキャッチし、分析し得なかったということは、非常に遺憾な事態であります。あのころは水銀問題だとか、夏の渇水だとか、物資暴騰、物資窮乏という問題で、実は忙殺されておった向きもあります。  それから中東戦争が勃発いたしまして、それからの事態に対しましては、一つは、国民性というものを非常に反省させられました。日本人というものは、非常に過剰反応を示す、過敏過ぎる。特に海外という問題について非常に過敏な傾向を持っておる。それから、反応の度合いというものがマイナスの反応が強い。プラスの反応をやる民族性ではない。つまり、一億総ざんげとか、おれが悪かったんだとか、おまえが悪かったんだとかいう、悪い悪いという面のマイナスの反応が強い民族であるというふうに思いますですね。これに対して、アングロサクソンとかチュートンになると、彼らはプラスの反応のほうが強い。そういう民族的な性格も考えさせられたところであります。  それからいろいろ政治、行政措置の段階に移りましたが、いまから考えてみますと、自分でやったことについては、失敗もあり、またやむを得なかったと思うところもありますが、やはり一番大事なことは、物価を押えるという面において、万全の措置、悔いなき措置を必ずしもやり得なかったという点が一番残念な点であります。これは私らの方針として、統制経済をやるまい。それから役人よりも商人のほうが頭がいい、裏をかかれる。そして一つの物資を統制し始めると、一波万波に及んで、いろいろ日本の社会が暗くなる。それを避けたほうがいい。そして行政官庁が統制能力がないという社会的地盤並びに行政的貧弱性という面から見て、既存の機構を使って、市場のメカニズムとか、あるいは市場機能というものを使って、また価格のメカニズムを使って、できるだけ基本を押えて物資を豊富にしよう。あまりぎくしゃくやれば、必ず物は消えていく、それは大衆の迷惑になる。だから、多少摩擦はあっても、物資を豊富にしておきさえすれば混乱は少なくなるという考えに立って、ともかく物を豊富に店頭にそろえていくという基本方針で、生産の増強、あるいは消費の節減ということでやった向きがあります。  いまから考えてみると、総需要の抑制がおそ過ぎたと思いますですね。あのアラブの問題が起きたときから、もう相当大幅の総需要カットをやるべきであった。通産当局がそれをやったのは、十一月から十二月にかけてでありまして、これは通産省が先を切って三千五百億円の下期における設備投資をカットいたしました。それを大蔵省に対してもわれわれのほうから要求して——ともかく、後半の物資需給関係を見ると、総需要をもっとカットしてもらわなければ、需要のほうが多過ぎて、また火がつくような情勢であると、われわれのほうから、実は大蔵当局に総需要カットを要請し、各省にも要請をしたのでありますが、あれが起きたとたんに、金融当局、政府一体になって、もっと大がかりの総需要カットを思い切ってやるべきであったと思います。  それから、物資を豊富にするという点においては、功罪相半ばすると思いますが、これはあまりびしびしやり過ぎ、ぎしぎしやり過ぎると、物が消えていく、そしてパニックが起こる、そういう日本人特有の、テンション民族というような民族的心理性をよく考えて行政を打っていかぬと間違う。そういう意味で、ずいぶんおこられましたけれども、全般的に見れば、灯油とかLPGに一部不足が起こりましたが、物資はそれほど、当初おそろしいことが起こると考えたほど逼迫はしなかった。これはやはり、石油の供給を維持して、そして物資をできるだけ豊富にして——多少通産省がひっぱたかれどおしではきましたけれども、物はあったんだ、そして、いまこれだけかかえてきて、ショックがあれば表面張力が割れてあふれ出すように、いままさにあふれんとするぐらいに情勢は移ってきている、そういう情勢であると思うのです。  だから、物を豊富にしようという点においては、あまりおしかりを受けることはないんじゃないか。しかし、いま言った総需要のカット、その他物価抑制という面についてわれわれの手が及ばなかったというところは、われわれはおしかりを受けなければならぬ、そういうように考えています。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 時間がありませんので、いま中曽根大臣からのいろいろのお気持ちの表明がございました。こまかく検討する余裕もありませんが、行政管理庁の監察局長さんお見えになっておりますが、この前衆議院の予算委員会で、参考人等に来ていただいて、物価の集中審議なるものをしたんですけれども、特に業界の間違ったいろいろな行動についての追及はありましたが、この問題のもっと基本的な問題についての究明が、ほとんど行なわれていないという段階だと思うのです。したがって、いま大臣がおっしゃられた問題点を含めて、この際、行政管理庁として、行政レベルの総合的な一つの調査として、この石油危機を契機にした外務省の情報取得の実態について、あるいはまた、通産省の行政指導のやり方等について、どういう点で直さなければならないか等の問題を調査する必要があると私は思うのです。これは欠点を追及するというのではなくて、今後の日本の行政を誤りなからしめるために、そういうことが必要だと思うのですが、行政管理庁のお考えをお聞きしたい。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○大田政府委員 お答えします。  行政管理庁では、ことしの一月以降、緊急三法関係につきましては、各関係省庁に全面的に協力しろという長官の御指示がございまして、行政管理庁の出先に配置されています四千五百名の相談員の苦情の情報、それから出先機関のいろいろの情報活動による物価関係の情報というものを集めまして、関係省庁に提供しているところでございます。  来年度の計画につきましては、実は三月中旬ごろには一応決定したいということで、現在すでに一応は決定しております。その中には、緊急三法につきましては、随時監察を実施することがあるということがございます。そのほか、いろいろ関係の行政につきまして監察を実施することにしておりますけれども、緊急三法関係については、そういう情報網を設けまして、適宜実施したいという考え方は持っております。ただ、先生の言われましたとおり、石油関係にしぼってという計画は、実はまだ持っておりません。緊急三法につきましては、これから、どういう問題を中心にするか、いつやるかというそういう具体的な計画を立てるということになろうかと思いますが、現在のところでは、まだそこまでいっておりません。一応そういう情報網を設けまして、適当な時期に実施したいというところまで決定したところでございます。したがいまして、これからどういうことを、どういう時期にやるかということは、一応上司にもおはかりしまして、また、ただいまの先生の御趣旨も御説明申し上げまして、これからどういうふうに実施したらいいかということを決定いたしたい、そういうふうに思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 この問題、これでやめますけれども、国民生活との関連が中心になっていままで論議されておるわけですが、言うまでもなく、それは一番大事なことでございますけれども、やはり日本の安全保障とか、そういう問題とも深く関係のあることであって、大臣、これはひとつ閣議の場でも、この問題を今後誤りなきを期するために、そのときそのときに打った手が、はたしてよかったか、もっといい策がなかったかというような問題を中心にして、ひとつ御検討いただきたいと思うのです。きょうもある委員会で、国会として、いろいろ業者を呼んで追及するということもいいけれども、それだけではなくて、たとえばメジャーという問題を、一体どういうふうにこれをほんとうに把握をして、これに対する国としての対処のしかたというものをどうしたらいいかというような点からも、国会としてそういうものを明らかにするようなことをやったらどうかということを言ったところでございましたけれども、ひとつ、大臣のおっしゃるプラスの反応のできるようなしかたを、これを機会にぜひとも考えていただきたい。特に情報の取得については、各省ではなくて、あるいは経済情報なんていうことだけではなくて、これは政治と結びついたものでないとなかなかむずかしいことでございますから、総合的な情報を、特に重要な国際価格についての動きをキャッチするための新しい一つの措置を考えていただきたい。今度の場合は、先ほど大臣もおっしゃったように、親米的なサウジアラビアがどうしてああいう態度になったのかということについても、表面は対立しておっても、裏ではしっかりと話し合いができておるという実体も次第に明らかになっていると思うのですね。やはりパワーポリテックスに次第に強化されていく状態ですから、そういうような問題も踏まえて、ひとつ誤りなきを期していただきたい、こういうふうにお願いしたいと思います。  それからもう一つの問題は、行政指導の問題が、今度の公取が石油関係業者を告発したということを通じて、再び大きな問題になっておるようですけれども、私は端的に申し上げて、行政指導というものは必要だと思うし、今後またますます強化されていかなければならないとすら私は考えています。いますけれども、それが正しい行政指導にどうしてもなっていかない、いろいろと問題が起こってくる。これは非常に遺憾なことだと思うのですが、その中に、やはり通産省の高級官僚が、あまりに多く業界あるいは関係の団体に天下りが多過ぎるという感じが最近するのです。したがって、行政指導を今後ともますます加重する必要さえあると思われる時期ですから、この高級官僚の天下りという問題を、今後もっと行政指導が必要だという観点から再検討してみる必要があると私は思うのですが、大臣いかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 行政指導と独禁法との関係につきましては、われわれ非常に深甚の注意を持って慎重に行なわなければならぬと心得ております。しかし、行政指導の必要性は御指摘のとおりでありまして、適正な行政指導は、日本の政治の公正を維持して能率化していくためにも、また非常に重要であると考えております。行政指導は千差万別でございますが、しかしいま御指摘のように、行政指導が多く行なわれる分野に当該系統の官庁の人間が天下るというようなことは、できるだけこれは避けたほうがよろしい、そういうように感じます。

和田耕作民社党

○和田(耕)分科員 時間が参りましたからこれで終わりますけれども、先ほど申し上げた、つまり今度の石油危機の実態を冷静に行政当局として再検討、そして将来のためにプラスになるような方向で検討していくという問題と、そして特に物価の問題について国際価格というものの重要性というものが浮き彫りにされてきていると思うのです。今度の石油製品の値上げということも、田中総理もあんなに苦労しておられることもよくわかるし、それほど重要な問題であるのに、しかも大幅な引き上げをせざるを得ないということがはっきりしてきているわけでございまして、国際価格の動向について、物価問題について、政府が真剣に考えれば考えるほど、もう一段も、二段も国際価格の正しい動き、情報のキャッチについて努力をしなければならない。特に、この問題については国際価格が上がるから何ともならないという感じではなくて、日本はその重要な商品の国際価格の形成に一役も二役も買っているわけです、日本の大商社は。大商社はそれくらいの力を持っているのです。大きな買い手はそれだけで大きな力を持っているわけですから、どこかの国際価格がつくられていく陰には、その裏には日本の大商社の大きな動きを無視してはできないと私は思う。したがって、国際価格がこう上がったからこれはしようがないという形ではなくて、国際価格の上がるメカニズムというものを、日本の大商社のビヘービアとともに特に通産省としては深甚な考慮が必要だと思う、そういうような意味でも経済情報として大商社まかせにしないで、大商社自身が国際価格をつくり上げていくメカニズムのおもな担当者だという立場からも、ひとつ検討してみる必要があると私は思う。そういうことを含めて、ひとつこの国際価格の動向というものに政府としてもしかるべき方法をもって、もっと正確な情報を正しく得るという努力をすべきだと思うのです。  私、きょう質問したい趣旨はこの三つの問題でございましたけれども、時間がありませんので問題を指摘するにとどめまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて和田耕作君の質疑は終了いたしました。  次に、島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 自分の都合で集中石炭の問題の審議から、ちょっと午後のほうに入らしていただきました。私で集中石炭シリーズは最後になるわけであります。  それでまず通産大臣に直接伺いたいと思います。それはこの二月二十七日に日本社会党委員長の成田知巳、それから石炭政策闘争本部長勝間田清一の名で、石炭政策に関する緊急対策の申し入れをいたしました。五項目に分かれております。「一、労働力の安定確保対策をすみやかに実施すること。二、一切の閉山は行なわないこと。三、新石炭政策の確立までは一般炭の輸入は行なわないこと。四、買い上げ、封鎖鉱区、未開発鉱区について、試錐を含む具体的調査を行なうため、財政措置を講じ、直ちに調査を始めること。五、石炭鉱業の現状とその特性にかんがみ、エネルギーにおける石炭の位置づけ及び新石炭政策の確立のためすみやかに実効ある措置を講ずること。」これであります。  当然大臣はこれを受けて、政府を代表しての立場で、はっきりこれに対処せんとするものであろうと思います。英国や西ドイツやフランス、それらの国においてはそれぞれ違った方式でありますけれども、成果をあげているのであります。いまこういうような燃料事情のもとに、大臣としてもはっきりした見通しを立てておられると思いますので、この点をまずお伺いしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 社会党申し入れ書に対する当方の見解は次のようなものでございます。  まず、エネルギーの安定供給の面から一定量の国内炭の確保をはかる必要があり、そのためには炭鉱労働者の確保がきわめて重要となります。現在、炭鉱労働者の賃金水準は低いので、その水準を金属鉱山労働者並みにすることが必要と考え、努力いたしたいと思います。賃金水準の改善は、炭価の適正な引き上げの実現、安定補給金等の助成等により企業経理の改善をはかり、解決すべきものと考えます。  次に、保安確保、労働環境改善はきわめて重要であり、石炭鉱業合理化事業団の近代化資金融資制度の活用等により、住宅その他の福利厚生施設の整備、四十九年度融資額は八億三千万円ばかりでございますが、保安確保のための監督指導、各種補助金の交付、四十九年度は坑道補助金六十一億円、保安補助金二十二億円でありますが、等を行なうこととしております。  また、国産エネルギーとして石炭鉱業を再認識する機運が出てきておることはきわめて時宜に適しておるところでもあり、それだけ保安に対して注意する必要があるので、特に指示して今月中に全国の炭鉱の保安状況について総点検を実施することとし、現在実施中であります。  第二に、今後の閉山については、自然条件の悪化、可採炭量の枯渇によるものであって、労使の間で了解されている一、二の事例を除き、政府としても閉山を避ける方向で指導したいと考えています。かりに経済規模の可採炭量を残して閉山するような事例があれば、各種の助成を講ずるとともに、当省及び石炭鉱業合理化事業団に置かれた管理委員会において、閉山をしないような方向できめこまかい指導をしてまいりたいと思います。  第三に、一般炭の輸入については、石炭の位置づけについても総合エネルギー調査会及び石炭鉱業審議会の審議を踏まえて、国内炭の引き取りに悪影響を与えないような方式について結論を出した上で輸入を行なうというのが基本的な考え方であります。しかしながらそれまでの間において国内炭の供給増につとめても、石炭の需要を十分まかなうことが不可能となるような事態になれば、国内高硫黄炭との混炭用の電力用炭を緊急輸入することを検討する場合が生ずると考えます。  第四に、未開発鉱区、閉山鉱区等の調査については、現在、石炭鉱業合理化事業団等に指示して行なわせることとしており、また現有炭鉱における増産可能性については、石炭会社を通じ調査中であり、そのための財政措置は必要ないものと考えております。  第五に、エネルギーにおける石炭政策の確立及び新石炭政策の確立については、現在、総合エネルギー調査会に諮問して検討をしてもらっており、六月には中間報告を得たいと考えております。また総合エネルギー調査会における審議とも並行して、石炭鉱業審議会総合部会においても引き続き石炭政策について検討を続けてまいる所存であります。総合エネルギー調査会で中間報告が出た段階で、必要があれば石炭鉱業審議会に新石炭政策についての正式の諮問を行ないたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 大体ただいま御答弁ございました中で、やはり第三番目の一般炭の輸入の問題であります。私は、やはり第五次の石炭政策の答申にあるように、石炭の生産が二千百万トン、せいぜい二百万トンあたりまでも十分これを確保して、そして需要もはっきり確立さして、輸入しなくてもいいように、こういうような方式を国内的に指導するのがやはり大臣としての一つのやり方じゃないか、こう思います。現在労働力はもちろん大事であり、このままにしておいたら、また輸入必至になる。五十五年から六十年にかけてはエネルギーの多様化が行なわれるであろうという見通しもはっきりあるわけであります。しかしながら、現在のもとでは、これは保安が十分であれば、もう十分やっていけるという見通しさえ確立しております。そうなった場合には二万五千人の労働力を大事にすることから始めなければならない。理の当然ではございませんですか。そうなりますと、労働力と労賃の問題だということに当然なってまいりますが、現在の山で働く人たちの労賃は都会の新幹線で働く土木関係の人たちの賃金よりもっと下の状態である。こういうような状態ではとうてい魅力ある職場であると、こういわれませんから、当然この方面に対する対処が必要であろうと思います。若年労働力の確保と魅力を持たせることでありましょう。現在のような状態では来いというほうが無理で、やはりその魅力がどこにあるのか、この指導も必要と思います。賃金、福祉、年金、社宅、よい環境、これじゃなかろうかと思うのであります。したがって、エネルギーに対する百年の大計がいままでなかったことの反省を含めて、そして今度いかに油が入ってきても、いかにエネルギー問題が多様化しても石炭を絶対使用するというはっきりした目標を立てる必要がいまあるんじゃないか。もうすでに英国あたりでもそれをやっておる。他の国でもそれをやっておる。この目的ないままにばく然としてやっておると、また需要の問題から輸入も当然必要になってくる、こういうような問題になるじゃありませんか。そういうような観点から、ここにはっきりした、絶対使用するというこれだけの目標は立てておく必要があるんだ、これなんであります。大臣、どう思いましょう。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 ただいま先生から御指摘のございました将来の石炭の位置づけでございますけれども、先ほど大臣からお話ございましたように、エネルギー調査会のほうに現在諮問しておる段階でございます。その中で石炭の五十五年あるいは六十年の長期にわたります位置づけ、当然これは供給面と需要面という両方のほうからの位置づけをしたいということで、いま先生の御指摘のように、将来石炭がふらふらしないような形でぴしゃっとした位置づけをしたいというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そこなんです。したがって、それはどこに求めているのだ、目標をどこに置いているのだ、そしてどういうふうにして諮問しているのだ、ばく然とした諮問でばく然としてこれを受けて立つ、こういうような姿勢じゃなかろうと思うからであります。こういう緊急事態の中でやはりはっきりした見通しも立てておられるのじゃなかろうか、こう思います。したがって二千百万トンの出口を明確にきめておかないで、今度また五十五年から六十年にかけてエネルギーの多様化もはっきりうわさされておるこの現状の中で、石炭の持っているこの位置づけ、どなたからも口に出たと思います。私は特に石炭の出口の問題、この目標をきちっとしておいてもらいたい、これなのであります。  では産炭地で、ことに北海道の場合は、皆さんからいただきましたデータにもはっきりあるように、まだまだ埋蔵量がよけいであります。全国的に見ましても埋蔵量が一番多いのが北海道である。百億トンですか、それくらいになるようです。これは北海道の場合です。そうなりますと、火力発電、北海道に幾つつくる予定でございましょうか。今後やはりそういうようなのも一つの石炭の出口でございましょう。それと同時に国内の火力発電、これに対してははっきりと排煙脱硫の設備をここにさせるべきです。集じん装置、これは電気集じん機その他の研究開発もあるはずです。昔のような状態ではございませんから、当然国内の火力発電はすべて石炭専焼に振り向けるべきじゃないか、そう指導すべきじゃないか、こう思うわけです。この点についてはどういうようにお考えです。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 昨年の石油危機以来電力業界といたしましても電源の多様化をはかるという必要性を痛感をいたしております。その意味におきまして、従来の石油火力中心の体制から原子力、水力、石炭火力等も含めた新しい電源開発のあり方というものをいま研究をいたしておるところでございます。当面問題になっております石炭火力につきましては、私ども従来の石炭火力の稼働率を向上するというような措置を当面考えておりますが、長期的な構想として石炭の新鋭火力の建設等についても、いま申し上げました研究段階におきまして十分討議をいたしたいと思っております。  なお排煙脱硫等の公害対策の充実につきましても、私ども鋭意努力を払ってまいりたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 いま先生の御指摘の石炭関係の公害問題でございますけれども、御存じのように三井アルミのほうで相当な実績を出しておることはもう御承知のとおりでございます。そういう例がございますので、本年度は——来年度になりますけれども、一億八千万の補助金を出しまして、例の高砂の第一号機でございますけれども、排煙脱硫の設備をつけ、いわゆる石炭需要増という点でつとめているところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 やはりいまおっしゃったように、これは排煙脱硫装置、この設備です。それと集じん設備です。その他石炭がうとんぜられたものの原因の一つに、いわゆる公害対策がわりあいに不備だった、この点があるのですから、今後やったならまっ先にこの問題の解決が必要です。それと同時に、その技術的開発はもうなされておるのですから、思い切ってこれに突進してもいいのじゃないか、こう思うのです。初めに言った、北海道が一番埋蔵量がよけいで百億トンもまだあるという見通しだとすると、まず北海道を中心にして、今後の電力の需要に対して北海道では火力発電幾つくらいをまず考えておるのか、これ一点ですが、だれも答弁ないのですが、考えていないのですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 当面四十九年度におきまして石炭専焼火力一基の建設が予定されておること、御承知でございます。それ以降の建設につきましては、先ほど申しました長期的な展望のもとにこれから検討する過程でございますが、その前提といたしまして、今後の石炭需給の見通しなりあるいは電力需給の想定なり、さらにまた各地域の立地条件その他の公害問題も含めた配慮、これらをあわせ考えて答えを出したいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 幾つなんだと数まで聞いているのですが、答えを出したいという段階で、まだ不十分です。まあしようがありません。やはりこれは臨海工業地帯ばかりに集中しないで内陸部も考えて、三十五万キロワット、これに拘泥しないでもっと小型のものでも考えて、そして補助も十分してやったらこれはできる、こういうことでありますから、その点も十分考えているのでしょうね。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 山元で発電をするかあるいは臨海で発電するか、これらはそれぞれ長所、欠点がございます。山元の場合でございますと、やはりその地元に確実な石炭が相当長期にわたって供給されるかどうか、また水の問題、それから用地の問題等々の問題が出てまいります。これらの問題をも全部考慮しながら将来の構想を固めてまいりたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 第二番目として地域の集中暖房、これはもうすでに北海道で行なわれております。そのほか熱供給事業として公社あるいは会社、こういうものはもうすでに各地で行なわれております。そういうようにして通産省が便宜と指導を与えているような事業体に対して、石炭、石油の混焼の施設、こういうようなものでいま行なっておりますが、これはすべて石炭にして指導をなさったらどうか。出口をはっきりさせる問題の一つとして、これはやはり、通産省自身が便宜と指導を与えているこういうようなところから手をつけていってもいいのじゃなかろうか、こう思うのです。まずそれをやらなくては画竜点睛を欠くことになろうかと思いますが、この点等に対する配慮は十分ですか。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 熱供給事業は、最近各地における暖房問題の解決のために計画がかなり多数進められております。ただ、現実の姿といたしましては、石炭を使用しておるものは一社でございまして、それ以外はガスその他の熱源にたよっておるのが現状でございます。その理由といたしましては、熱供給事業が、事の性質上、都市部のわりあいに需要が密集しておるというところが対象となる場合が多いのに対しまして、それらの地域におきましてとかく公害問題が起こりやすいというようなことから、このような姿になったのではないかと思っております。いま御指摘ございましたように、石炭を現にたいております北海道熱供給公社の場合にも、当初は石炭を中心にしてスタートいたしましたが、途中で公害問題があり、また住民等からのいろいろの要望がございまして、途中で他の熱源に転換をしたという経緯もございます。いま御要望の点につきましては、今後いろいろなケースが出てまいると思いますので、そのつど御要望の点も頭に入れながら考えてまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 第三番目の提案は原子力発電。これは政府としても十分重点を置いて考えられておる問題でありますけれども、現段階では技術的に完全なものではない。いかにアメリカの学者や他の国の学者が実験の上で安全だと言っても、日本の場合にはもうすでに二、三日前でさえもその欠陥が指摘されておるほどであります。そういうふうにしてみますと、騒ぐのが無理じゃなくて、こういうような事態に対して早急に、これの安全性を確かめないで実施しようとするほうに無理があるわけであります。したがって、技術的に解決できるまではこれを強行しないで、そして一切石炭専焼の発電にして、安全性が確認された段階で今後これに着手してもおそくはないのじゃないか。なお、石炭に対する正規な出口をつける、目標を位置づける、この意味においてもきわめて現実的じゃないか、こう思われるわけであります。安全性を無視してまでもいまのこの段階で原子力発電を強行する必要はごうまつもない、こう思います。これに対して大臣の見解を承っておきたいと思うのです。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 これからの経済の発展あるいは国民生活の向上のために、やはり電力の供給の拡大ということはまず前提条件になろうかと思います。この増大する電気の供給をいかなる形でまかなうかということは、私どもとしても非常に大きな問題であると思っております。従来は八割以上が石油に依存した体制でございましたが、昨年以来の経験にかんがみまして、今後私どもといたしましては、水力の増強を大いにはかっていく、また石炭発電についても見直しをしていく、また新しい課題として地熱問題についても目を向けていくというようなことを考えております。しかしながら、それらの対策については、やはり量的に見ますとある程度の限界がございまして、残る分野における電力の供給をどうするかということにどうしても考えがいかざるを得ないわけでございます。その際に、石油火力につきましてはある程度の増強をはかれるとしても、将来長い目で見ますと、やはり従来のようにどんどん入ってくるという仮定のもとに進めるわけにはまいりません。そうなりますと、何としても、残る部分はやはり原子力にたよらざるを得ないという感じがいたしておるわけでございます。  いま安全性等に問題ありというようなこと、御指摘がございましたが、私どもは、いま私どもが採用しております安全基準というのは、世界を見ましてもまず第一級の基準をもって審査をしておるという感じがいたします。これらの安全性についてはもちろん今後とも十分研究いたしますし、また対策も講じてまいりますが、それらの措置と並行しながら、原子力発電の安全な、しかし着実な発展をはかりたい、こういう気持ちでおるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 きわめてきれいな日本語で、内容のないことを答弁をしてくださいました。安全性は確かめておる、どこの国で確かめたのだ、日本のどこで調査したのです。全部外国からの受け売りでしょう。そして、それをいま実施して被害を出しているでしょう。その被害を出しておるのは一カ所や二カ所にとどまっていないでしょう。したがって、これを全然やめろとだれが言っておりますか。少なくとも、原子力発電はいまの段階で技術的には完全なものでない、したがって住民がいろいろ騒ぐのはこれは無理もないのです。したがいまして技術的に解決できるまでの間、あまりこれを強行するなと言うのです。そうして、一切石炭専焼の火力発電にして、安全性が確認された段階でこれを始めたらどうですか。それが現実的にいま転換できる、皆さんのやれる一つの方策ではないか。この考えがあるかないかということを聞いておるのです。そういうような安全性が確認されたという大臣の答弁をまねして言ってもらいたくないです。一体どこの国のどこでやって安全性が確認されたのですか。これはやはりあなたではだめなんだな。

岸田文武資源エネルギー庁公益事業部長

○岸田政府委員 安全の確保ということが原子力発電を推進する際の非常に大きな要素であるということは、私どもも十分承知をしておるつもりでございます。この意味におきまして、従来から安全審査にいろいろの対策を講じ、審査に念を入れてまいりましたが、さらにその体制を充実するような措置が明年度予算から講ぜられるように聞いております。また、安全研究の面におきましても、研究をさらに拡充、充実するという方策をいま用意をいたしておるところでございます。確かに御指摘のように、従来の原子力技術につきまして、外国の技術に依存する度合いが多かったことは事実でございます。私どもとしては、世界の最も先進的な技術を取り入れながら、同時に、日本の固有の技術をその中に育てていくという努力を続けていきたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 何回聞いても、きれいな日本語で内容のない答弁しかしない。これではだめだ、何回言ってもわからぬから、もうあなたにはこの質問はやめた。(「大事なことだから、やめずにやってくださいよ」と呼ぶ者あり)いや、ほんとうに大事なんですけれども、それを何回言っても、返ってくるものは同じことなんだ。それをオウム返しと言うのだ。しかし、私は一切やめてしまえと言うのではないのですね。安全性が確認されて、そして自信をもってこれをやらせるときまで、石炭専焼の火力発電、このほうを先行しなさい、それまでの間ストップしておきなさいと言うのです。国民のために当然じゃありませんか。そういうことをしないから、現在のようないろいろな恐慌が起こっておるじゃありませんか。これではだめなんです。これに対してやはり官僚の答弁では私は満足できませんので、大臣にひとつお願いします。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 原子力発電の安全性という問題については、私は安全であると確信をしております。  これは、原子力の問題はまず初めから原爆という爆発行為で起こったものですから、非常に恐怖感を与えておるところが、ほかのエネルギーの場合とちょっと違うわけです。石油とか石炭とかあるいはガスとか、そういういろいろなもののエネルギーの場合は平和利用から始まっておるものですから恐怖感がない。そういう面から、この安全性については非常にしさいな検討と研究が各国でも重ねられて、そうして原子力発電をつくるについてリアクターをつくるについては、非常な細密な注意をもった設計やら検証をやって、いまの原子力のリアクターはできておる。そういう、これは初めての、新しいものをつくるときですから、過去においていろいろな機械ができたり、ボイラーができたり、いろいろするより以上の注意をもって実はできておる、そういうような要素がまず第一にあるということ。それからいままでの実地の経験を見まして、やはり新しい発明ができたという場合には、そのプルーブンはどうであるか、いかなる証明が経験としてあり得るか、これまた非常に大事なところであります。そういう面から見ますと、世界の原子力発電で、自由主義圏の中で行なわれたものが、爆発したとか、そういうような設計その他のミスによって人が死傷するというような事故を起こした例は、私はいまのところまだ聞いておりません。それは多少の放射能が漏れたとかなんとかというのはいろいろあります。しかしそれらはいずれもケアレスミステークでやったか、あるいはこういうことが起こり得るという許容量の中において起こったことを手当てしたのであって、これは事故というほどの性格のものではない。いままでの起こり得る可能性の範囲内において、それに対する対策はとられている範囲内の事故ともいうべきものが起こっている、私の理解しておるところではそういうことであります。それから原子力潜水艦のような、ああいう非常に稠密な、狭い部屋のリアクターにいたしましても事故は起こっていない。特にアメリカその他自由世界においては、私らの知っておる範囲ではそうであります。  その上に日本の場合には地震というファクターが入ってきておりまして、それで私の経験では、コールダーホールのリアクターを東海村に入れるときにも非常に厳重な審査を何回も何回もやって、それで、あれは過熱して膨張し過ぎるときにはコントロールロッドを上から入れるわけです、ボロンの棒を。ところが地震でそのチューブが曲がった場合にはまっすぐな棒は入らなくなるではないか、そういうところまで心配して、その場合にはパチンコ玉みたいな、ボロンのパチンコ玉をばらばらっと流して入れよう、そうすれば地震でチューブが曲がった場合にもころころと入っていく、それによって過熱を中止をしよう、そういうような設計もやりまして、日本の場合にはそのためにばく大な金がコールダーホールの場合にはかかっている。それはいまの軽水炉についても同じような地震対策の措置はとられておるわけです。だから日本の場合にはほかのものよりは高いです。そういうような、いろいろな新しく発明されたものでありますから、ゼロからスタートして、安全性を考えてやってきておるわけであります。そういう面から見まして、まず科学的に考える限り安全性がある。これは絶対かといえば、必ずしも絶対というものはないのですから、レントゲンの技師がいろいろやっておる、これだって放射能はローレベルでどんどん入ってきている要素もあるわけでしょう。あるいは炭鉱で働いている方でもガスでやられるということもあり得る、あるいは高炉のそばにいる人間でもあつい熱にあって肺や内臓に故障が出てくるということもあり得る、そういうようないろいろな事故の可能性という面から見たら、それに比して、原子炉がよけい危険だというファクターはない、私はそう考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 時間を要してしまって申しわけないのでありますけれども、やはりこのままでは済まない。というのは、福島のあの原子力発電所、つい二、三日前の東海村のあの事故、それから福井県の美浜の数回にわたる事故、それによって従業員がやはり放射能を浴びている、これも事故じゃない、こういうようなものはもう安全性は確立されているのだ、こう言うにおいては、私は言語道断だと思います。しかしきょうは原子力の討論に来たのじゃありませんし、石炭の問題でありますから、これはいずれ日を改めてやることにして、ここで時間を食ってしまってまことに残念であります。  このエネルギーのクリーン化、石炭の液化、ガス化、こういうようなものについても、かつては旧軍隊でももう相当程度成果をあげた問題だということを聞いておったわけです。この液化、ガス化、こういうような問題に対しても、やはり通産省としてもエネルギー庁としても、十分これを考えていることだと思うのです。もう五年たつのだ六年たつのだ、まだそのような認識しかないようであります。どうも私はこれはわからない。旧軍隊でもこの問題についてはある程度の成果をあげるところまでいっていた。もう終わってから何十年たちました。これからまだ五年だ、これではあまりに無関心過ぎていた、こう思わざるを得ないのであります。したがってもう五年でやるのか三年か、三年から二年、これほどの努力は当然すべきだと思うのであります。私はそういうようなことからして、この問題に対してどうなっておるのか、当局の意見を聞きます。それとあわせて、五年でなければできないのかどうか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木(俊)政府委員 ガス化の問題につきましては不幸にしまして本年度から取り上げたというのが実態でございまして、石炭関係におきましては、いわゆるガス化発電ということを主体にしました研究と、ガス化の実用化という二つのテーマをとりまして、これは石炭だけのほうの石特会計から出しておるものでございますけれども、一億八千のガス化発電と、ガス化実用化ということで、これは電発に補助金を出しまして、二億という金で、本年度、来年度で、電発のほうのものは西独のルルギ炉を導入いたしまして研究したいというふうに考えております。なおガス化発電の一億八千のほうにつきましては、一応本年度一億八千、来年度六億三千あるいは七六年には七億三千という長期の計画をとりまして、いわゆる低カロリーのガス発電ができるようにということで一つ研究を続けているところでございます。なお、これは工業技術院のほうの関係になりますけれども、サンシャイン計画としまして、SNGのほうの研究といたしまして本年度二億六千万円というものを計上いたし、通産といたしましても、サンシャイン計画の中あるいは石炭関係におきましても将来のクリーンエネルギー化ということで研究をさしていただいておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 ではこれで私は終わります。時間が足りなくてまことに残念であります。  最後に一言だけ。政府のいままでの答弁のように、何かやる気のなさ、こういうものが感じられてしようがないのでありまして、間接に石炭に対して廃退ムード、こういうものをつくり上げた、これは政府の自身の姿勢にあったのじゃないか。いまこそこの意欲をはっきりと国民の前に示してもらいたい、やる気を十分出してもらいたい。かつて傾斜生産を叫んだころのあの鉄と石炭に示したあの意欲のように、もう一回きちっとして、通産省の中で自信を持ってやってもらいたい、この指導をしてもらいたいことを大臣に心から要請して私の質問を終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて島本虎三君の質疑は終了いたしました。  次に、大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 私は限られた時間ですから、医薬品についての体質改善の問題、特に物質特許への移行、それからもう一つの資本の一〇〇%自由化と医薬品産業、こういう二つの点から、当面の医薬品行政についての質問をいたします。  日本の医薬品産業は将来どういう位置づけをされるのか、これは中曽根通産大臣に私はお聞きしたいのですが、これはちょっと大きな問題ですけれども、よく省エネルギーとか省資源とかいうことをいいますね。知的な集約型とかいうことをよくことばではいうわけです。しかしなかなかそういう産業構造の軌道修正は簡単なことじゃないわけです。既成事実があるわけですから、重化学工業中心から移行するというのはなかなかそう簡単ではないわけです。しかし医薬品の産業は省資源とか知的な集約型とかいう場合には、たとえばスイス等でばく大な、半分以上は製品を輸出しているわけですが、日本は生産量は世界で第二ですが、この資料にもありますが、しかしながら輸出は四%程度ですから、ほとんど輸出していないで輸入が非常に多いわけです。だからこれは医薬品産業の資質の問題があるわけです。  そこで、医薬品産業をこれからの石油とかあるいは資源の問題とか環境問題、エネルギー問題等を含めて、やはり日本の国全体としてはどういうふうに位置づけるのかということについて大体どういうふうに——まあ石油に追い回されて忙しいから、そこまで議論がいっておらぬと思うけれども、どういう考えなのであろうか。もしいままで方針として議論をしておることがあれば、ここで明らかにしてもらいたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 医薬品は厚生省の所管でございますが、われわれが考えておりますことは、日本の産業を非常に高度化する、知識集約型に転換していく、医薬品はその重要な一つの要素をなすであろうと思います。したがいまして、医薬品産業というものはわれわれとしては大いに奨励し、助長し、世界に冠たる知識集約型の見本としての医薬品産業というものをつくっていかなければならぬと思います。これが基本方針であります。  それで、何といっても高度の医学知識あるいは薬学知識あるいはそれに必要な培養基やら、そのほかの諸般のインスツルメント、そういうものの総合的な結合でできる産業であると思います。したがって付加価値も非常に高いし、新しいものが発明されれば人類全般についても非常に恩恵をもたらすという直接的効果もあって、人間生活を通じて非常に価値の多い産業である、そういうように考えておりまして、そういうような高度の知識集約型の医薬品産業へ向かって進むように、通産省としても協力してみたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 これは健康保険の改正問題、改悪問題でいろいろな議論になる医療の供給面の改革という面からいいましたら、やはり医薬品の産業構造をどうするかという問題は非常に大きな問題です。たとえば東大の医学部が一番封建的で悪いというのですが、これが学園紛争の根拠になっておるのですが、これは医薬品産業との関係なしとはしないわけです。研究費の問題、研究体制の問題で問題が起きてきたわけです。  そこで時間も限られておりますから、特許庁は、これは通産省の所管ですが、現行の製法特許を物質特許に切りかえるということは、私は基本的には日本の医薬品産業あるいは薬学界における技術を尊重するというたてまえから原則的に賛成です。簡単に模倣ができる製法特許では新規参入、過当競争になりまして、そして悪貨が良貨を駆逐するというふうなグレシャムの法則が作用する。こういうふうにいま医師の世界でも、医薬品の世界でもグレシャムの法則が作用している。そういうことが、言うなれば財政問題や医薬品による体内汚染の問題になっているわけです。それで特許庁は医薬品の物質特許についてはどういう考えでおられるのか、見通しはいつおやりになるのか、医薬品産業に対する影響はどういうふうになるのかという点についての見通しと判断をお答えいただきたい。

齋藤英雄特許庁長官

○齋藤(英)政府委員 ただいまお話がございましたように、私どもといたしましては、現在特許法の三十二条で不特許事由になっておりますいわゆる医薬、化学物質あるいは飲食品、嗜好物、こういうものにつきましての特許が、物質特許が認められておりませんので、昭和四十六年以来、特許庁に工業所有権審議会というのがございますが、それの制度改正部会に、物質特許小委員会というのを設けまして、累次検討を重ねてまいりました。その結果、本年の一月になりまして、制度改正部会で一応中間答申をまとめまして、現在公表をいたしておるわけでございます。  経過はそういうことでございますが、その小委員会あるいは制度改正部会で示されておる考え方でございますが、これは、従来物質特許が認められておらなかったことは、先生御案内のように、かつて外国、主として欧米諸国の技術水準との格差という点あるいは国民生活という点も考えまして不特許事由になっておったわけでございますが、その後、小委員会がいろいろ検討いたしますとともに、小委員会自身で、おそらく五回だと思いますが、関係各方面の専門家あるいは業界の方、その中には医薬品関係の方ももちろん入っております、が、そういう方からのヒヤリングを行ないまして、それからなお、私どもといたしましては、関係行政庁の皆さん方の御意見も一応承りまして、そういうものが制度改正部会の中間答申の中に入っておるわけでございますが、そのいろいろ御意見を承りました結果、現在におきましては、その後数年間、十数年間の技術の進歩が非常にはなはだしいので、現在においてはすでに、いわゆる他人の製法を模倣することしかできないというふうな法制というのは非常に不十分でございまして、むしろ独創的な新規物質の開発意欲を促進するようなあるいは発明者にあまり発明の防衛のためだけに走らせるような、そういうふうな努力をしいるような、そういうふうな製法特許しか認めないという制度は、現在では不適当であるという結論に達しました。したがいまして、いま申し上げましたような諸物質につきましては、製法特許からさらに一段進みまして、物質特許を認める、こういう方針の答申を出したわけでございます。  それで、私ども医薬の専門家ではございませんので、そういう御意見をいろいろ聞いたところの感触でございますが、私どもの感触といたしましては、この医薬関係につきましては、多少、いろいろ基本的な薬理その他については欧米諸国との間で全く問題なしとはしないけれども、いわゆる新しい物質を創製をいたしましたりというふうなことにつきましては、現在の日本の医薬のメーカーの技術水準というのは諸外国とそれほど遜色はない、場合によりましてはむしろそれより優秀なものもあるというふうに私どもは聞いております。したがいまして、もし今回医薬関係につきまして物質特許が認められました場合には、おそらく私どもがいま聞いておりますようなそういうことがそのまま実現をしてきて、日本のそういう方面の皆さんも新しい物質の開発意欲を大いに刺激され、したがって日本におきましても独創的なそういう発明がどんどん出てきて、われわれ日本の社会なり日本経済に裨益するところが非常に少なくない、こういうふうに私どもは認識を持っております。(大原分科員「いつから」と呼ぶ)  スケジュールでございますが、いま申し上げましたように、本年一月に中間報告を出しまして、現在その中間報告を各業界の方あるいは専門家の方、あるいは場合によりましては地方の皆さま方にも、いろいろな機会を通じまして、あるいは説明会を開きまして、そういうことで皆さま方の御意見を聞いておるところでございます。その御意見を、大体、私どものいまの予定といたしましては、本年の七月ないし八月ごろまでに、そういう御意見をよくお聞きいたしまして、それをまた工業所有権審議会において十分参酌の上、本年の夏ごろには一応本答申を出していただきまして、もしその仮定がそのまま実現をいたしますならばこの次の通常国会に改正法案が出せるような準備を事務当局としてはしなければいけないのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。(大原委員「いつやるの。来年……」と呼ぶ)この次の通常国会と申しますか、本年の十二月から始まる通常国会に提案をするようなことになるのではあるまいかというふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 厚生省は薬務行政を担当しておるのですが、特許法が物質特許に変わりました際にはどういうふうなプラスマイナス、メリットがあるのか、あるいはマイナス面があるのか、こういう点を判断しておるか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 ただいまのお尋ねの医薬品について物質特許制度が導入された場合の利害でございますが、まずメリットといたしましては、現在の医薬品の企業、これは開発面の投資におきましては、先生御案内のように、各業界で一番多いという開発費を使っておる状態でございますけれども、ただ製法特許しかないために、一つの医薬品を開発いたしますと、それを防衛いたしますためのあらゆる部門の製法を研究する、あるいはこれに追随いたします業者におきましても、同じ物質に対して新たな製造方法を追求するというようなことが開発面において相当な力を注いで行なわれておりまして、そのためにほんとうに新しい医薬品の開発ということに対する研究投資あるいは学問的な努力というものがともすれば二の次になる、まあ言い過ぎかもしれませんが、そのようなおそれがあったわけでございますが、物質特許の導入によりまして、ほんとうに新しい国民のために役に立つ医薬品の開発に研究の力を注ぎ得るという点が一番大きなメリットであろうというふうに考えております。  それから、デメリットとして従来いわれておりましたところは、いま特許庁のほうからもお話がございました、従来国内の開発能力がなお諸外国に比しまして遜色がありました時期におきましては、諸外国の研究開発された特許によりまして日本の医薬品の新規の開発がほとんど占められるというようなことになりますと、冒頭に大臣に御質問がございましたような、医薬品の民族的企業としての特性を発揮するのに非常に支障になるというような点、あるいは開発力において劣ります中小企業が従来は大企業の開発いたしましたものに追随して製品をつくっておった、そういうことがやりにくくなる、中小企業が不利を受けるようになるのではないかというような点が従来デメリットとしていわれておりまして、一部に反対もあったわけでございますが、現段階におきましては日本の医薬品企業も相当研究開発に力をつけてきておりますし、また世界的な情勢といたしましても、こういうものをやはり基本として行なわなければ医薬品企業はおくれをとるという覚悟もいたしてきております。  それから、中小企業につきましても、発明というのは必ずしも大企業、大資本によってのみ行ない得るものではございませんので、私どもが出しております企業合理化促進法に基づく補助金の例などを見ましても、中小企業におきましてもユニークな研究がなされておるというような例もございますし、またむしろそういった意欲を持つことによりましてそれぞれの特色を発揮して中小企業が伸びていく方法もあるわけでございます。  また、今後の動向といたしましても、あまりにも零細なものはだんだんと力をつけていくというような方向に対する指導もしなければならない。そういう情勢でございますので、彼此考量いたしますと、やはりこの物質特許制度というものは今後におきましては医薬品についても制定されることが望ましい、そのように考えておる次第でござ  います。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それではこの問題に関係しまして資本の自由化、一〇〇%外資による自由化が、通産大臣、昭和四十六年のドル・ショック以来、ドルを減らすために外資の一〇〇%自由化を進めてきたわけです。しかし、そのときの情勢とは最近はかなり変わっておるわけですね。そこで、特許の物質特許への移行と一緒に資本の一〇〇%自由化があって、外国の一〇〇%の資本を持っておる企業が現在でもかなり特別の措置でいろんな形であるのに、どんどん入ってまいりまして、技術的には、話があったようにかなりの格差がある場合に、場合によると日本が外国のそういう医薬品市場の試験場になったり、あるいは日本の独自の知識集約型の医薬品産業が育っていく上において問題があるのではないかという問題等があると思うのです。これらは通産省だけでなしに、あるいは特許庁との関係においてもそうですが、大蔵省もきょう出席をいたしておりますが、大蔵省の外資審議会はもちろん、厚生省などもやはり十分全体的な視野の中で議論をすべきであると私は思うわけです。  一〇〇%自由化は予定どおり行なわれるとすれば、来年いつなんですか。予定どおり行なうのですか。いかがでしょう。

波多野敬雄大蔵省国際金融局外資課長

○波多野説明員 明年の四月三十日まで期限つき業種ということに指定されておりますので、それ以降自由化のスケジュールとなっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 通産省や厚生省はこれについては意見がないですか。つまり、当時のドル減らしの政策の中でこの自由化の問題がものすごいアメリカからの圧力等で、外圧でできたわけですけれども、しかし自由化はわがほうの主体的な条件がある場合には、自由競争の矛盾を取り除くのですから、原則的には問題はないわけでしょう。資本主義の体制の中における矛盾をできるだけ少なくする、こういう意味においては自由競争ということが唯一のモラルですから。ですけれども、当時の情勢といまの情勢はかなり変わっておるのではないかということと、医薬品が真に技術が尊重される、薬学の発展や技術の開発の上に立って医薬品産業が質的に脱皮できるということから考えて、この自由化の問題はどういう影響を及ぼすのか、ということについて厚生省は考えがありますか。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 ただいま御指摘のように、いま大蔵省から御説明がありましたように、千程度の業種が、ほとんど大部分が昨年即時自由化がなされました中で、留保されました十七業種のうちに入りまして、二年間の延期がなされておるということは、やはり先生が御指摘になりましたような要素が医薬品企業に付随しておるという理由をもって、私どもも外資審議会にお願いし、外資審議会でも認めていただいたものであるというふうに理解いたしております。そのような意味では、先生御指摘のような懸念が来年の五月になれば全くないかといえば、必ずしもそうは申せないであろうと存じますが、ただ同時に、この自由化の方針は、いま先生がおっしゃったような要素は非常に大きいと思いますけれども、必ずしも当時のドルの貯蔵状態というようなことだけでなくて、基本的にはOECDの規約にのっとりまして、全世界的な経済の流れに沿って行なわれたものであるということで、私どももあるいは日本の薬業界もそういったことはまともに受けとめまして、この二年間に外資と競争するだけの国際競争力をつけていく、技術開発力をつけていくという前提をもって準備をいたしておるところでございます。  医薬品の問題につきましては、一つはいま御質問がありましたような製法特許等の技術的な問題と、それからもう一つは、全体の工業力の問題といたしまして適正な品質を確保するという意味では、いわゆるGMP、品質管理基準ということが国際的に大きな問題になってきておりまして、これにつきましてはすでにWHOからの勧告がなされまして、これは自由化の問題とは別に、わが国といたしましても世界の水準に達するだけのGMPを採用しなければならないという段階に至っておるわけでございまして、いろいろな面からやはり日本の医薬品工業というものは、いずれにしましてもできるだけ国際水準——いまでも別に劣っておるわけではございませんけれども、さらにどの国に比較いたしましてもひけをとらないだけの一流の国際水準に達しなければならない時期に至っておる、そう考えておる次第でございます。したがいまして、そういう意味では、いま薬業界の大勢がそういう方向に向かって一致して努力をしております段階におきまして、現時点において再びこの問題を検討するということよりも、むしろ前向きに各省庁の御協力を得まして、税制あるいは融資等の面におきましても薬業界の力をつけていくという方向に努力をいたしまして、ほんとうに来年の五月には外資を迎え撃ちまして対等の勝負ができる、その結果、日本におきまして、先ほど先生が御指摘になりましたような意味での、ほんとうに民族産業としてふさわしい医薬品企業が育っていくという方向に指導いたすのがいまの私どものつとめである、そのように考えておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 外国から現在輸入している医薬品の輸入金額やあるいは技術を輸入している金額は大体一年どのくらいあるわけですか。おもなものでいいです。

松下廉蔵厚生省薬務局長

○松下政府委員 外国から輸入しております金額は、ちょっと正確な数字を手元に持っておりませんが、私の記憶では、医薬品輸入額は四十七年におきまして八百四十一億でございます。  技術提携につきましては、申しわけございませんが、ちょっといま手元に資料を持っておりません。

大原亨日本社会党

○大原分科員 大体これは、厚生省が薬務行政をやることの是非は別にいたしまして、厚生省が薬務行政をやっている、特許庁が特許をやっている、それから大蔵省も財政金融、ドルや外貨の関係で外貨審議会がやっている、通産省も全体のことをやっている、産業政策をやっている、しかし主としてこれは厚生省がやる、こういうふうなことなんですね。ですから、ほんとうに議論をして、意識統一をして全体としてできておるのかどうかということなんですが、実際には私どもはやはりここにもありますが、世界第二の生産量を日本は持っているわけですが、しかし、企業の数が二千もこえておるというような国、日本のような国はないわけです。八畳の間か十畳の問一部屋くらいの事務所を持っておって、あと原料、バルクを買い集めて、そうして下請けに出してつくってこれを一つの企業だというふうなことでやっている企業まであるわけですね。公害汚染の追跡とか開発とかいうところへいくわけではほとんどないわけです。だから、私はいつも言うのですが、中小企業対策と医薬品企業の質を高めていく、小企業だからだめだということじゃなしに、質を高めていくということを分けて考える必要がある。しかし、輸入の医薬品の量も非常に多い、技術に依存しているのも多い。こういうところで物質特許をやりあるいは自由化を進めていく場合に、全体に日本の医薬品企業にどういう影響を及ぼすか、こういうことを私は十分検討しなければならぬと思うわけです。これからの戦略産業である、付加価値の多い産業であるということからもそうでありますが、特に私のいつも関心を持っているのは、たとえば健康保険、皆保険ですが、その中で八千も薬価基準に登載をして保険薬として採用しているわけですから、その中には類似  というものが一ぱいあって、類似薬をつくって宣伝をして医療機関に売り込みをやれば、これで企業が成り立つというふうなそういう仕組みを長い間保険の制度のもとで続けてきたわけです。ですから、そういうことの改革と一緒に医薬品の企業の質を高めていって、そうして日本がりっぱな、人類に貢献できるような医薬品の開発をやりながらやるということが必要です。そういう面においては、私は物質特許への移行というものは、それは乗り切っていくということが大切ですが、しかし、資本の自由化の問題については、ドル防衛というアメリカの見地からの圧力だけではなしに、日本の企業をどうするか、自由化にしておいてたたき直すという手があるわけです。しかしそれはともかくといたしまして、そういう観点で考えるならば、それらを総合的に私はやはり政府の中において議論をしてやるべきではないか、こういうふうに思います。大蔵省も私は悪いというわけじゃないんだけれども、大蔵省は権限持っているからわが道を行くんで、どんどんスケジュールどおり行くというのでは私はいかぬと思うけれども、どうでしょう。

波多野敬雄大蔵省国際金融局外資課長

○波多野説明員 昨年の自由化スケジュール策定にあたりましては、外資審議会が関係省の意見を十分徴しまして、その上数十回にわたる委員会の討議を経た末出しました答申に基づいて、政府が自由化措置を決定したわけでございます。これに対しまして世界各国は、この自由化措置が若干の制限業種と期限つき業種を残していることに幾ぶんの不満をあらわしてはおりましたが、しかし日本政府がそれなりに最大限の自由化努力を払ったものとして相当の評価をいたしております。このように、わが国といたしまして慎重検討の結果作成した自由化スケジュールを公表かつ国際的に約束してある関係もありまして、今後自由化スケジュールを変更することは、おくらせることは困難かと考えます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 まあ大体期せずして昭和五十年に物質特許への移行も、自由化も進んでいくということになります。しかし、それに対応してどうするかということがあります。問題はやはり中小企業対策は、体質の改善とはきちっと分けて、区分けをして対策を立てる必要があると思うわけですが、それらの問題について私は総合的に政府がこの対策を立てるように強く要求しておるわけですが、最後に、通産大臣眠そうだから答弁してください。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 資本自由化対策は、これは国際経済関係においてOECDのラインに従ってやったわけです。通産省としましても、コンピューターその他、かなり基幹産業部面について開放を決意してやっておるわけでありまして、その体制をくつがえすわけにはまいりません。先ほど厚生省当局から御答弁がありましたように、やはり医薬品におきましても同様のペースを守ってやっていくことを私は強く希望しております。ただ、それを行なうに際して、日本が高度の知識集約型として、医薬産業もまたコンピューター産業も発展していくように、できる限りの協力をしてあげるということは大事であるだろうと思います。特許制度の一つもその問題であろうと思いますが、そのほかの面につきましてもいろいろ努力してまいりたいと思っております。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて大原亨君の質疑は終了いたしました。  次に、荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 経済危機のもとにおける中小零細企業に対する緊急対策についてお伺いしたいと思いますが、初めに、関連をいたしまして、いま石油製品の再値上げという問題が取りざたされておりまして、これは新聞でも報道され、他の議員の質問にも取り上げられておるように聞いておりますが、通産省としてこの問題についての態度決定をなさる時期それからその金額、これについてはどのようにお考えであるのか、これを大臣にお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この問題は目下検討中であり、かつ党内部との調整中の問題でございまして、石油の価格その他の問題は非常にデリケートな問題でございまして、これを不用意に公表したりいたしますと思惑が出たり、非常に害がございます。そういう面でまだ未成熟の問題については発言を差し控えたほうがいいと思いまして、ここで御質問がありましても遠慮さしていただいておるわけであります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 国民生活あるいは中小零細企業の経営にとって非常に関心の深い問題であります。あわせて、価格の凍結品目についても品目数がいろいろ取りざたされておるわけであります。これについてはいまどういうふうな御方針でありますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 石油問題と同時に、価格問題というものは波及してくる危険性もありますので、同じように諸般の措置を検討しておりますが、これもまだ公表する段階ではないと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 時間が限られておりますから、きょうはその問題はそれだけにしておきまして、中小零細企業に対する対策をお尋ねしたいわけでありますが、いまこういった業種の人たちは非常に経済的な影響を受けて、経営が危機的状態にあります。売り上げが伸びない、また工賃の支払いサイトが延びる、さらには諸経費の高騰から金融の引き締め、こういったようなことで、資金需要が非常に強いわけであります。  私はまず、この金融側面の措置について、先日閣議決定もあり発表されたよしも伺っておりますが、ここであらためて大臣から中小零細企業に対する緊急の金融措置について政府の方針を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 年度末にもなり、また中小企業において、建設業その他にいろいろ憂うべき事態も予想されてまいりますので、年度末とりあえず五百億円の緊急融資を三機関等を通じて行なうことに最近決定いたしました。  なお、新年度になりましたら、情勢に応じて繰り上げするとか、そのほかの緊急政策も引き続いて行なう予定であります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 金額の問題についてでありますが、たとえば繊維産業に例をとって申しますと、通産省のほうからいただいた資料によりますと、これはもちろん概算でありますけれども、昭和四十五年に例をとれば、生産額が中小企業一事業所当たり年間で二千六百十万円、月間に直しますと約二百万円余りになります。いま運転資金、資金繰りの点で非常に手元が窮屈になっておることは、これはもう御承知のとおりと思うのでありますが、これを十四万事業所に直しますと、その金額計算だけで二千八百億円になるわけであります。したがって、いま年度末までに約五百億と伺ったのでありますが、新年度の分も含めて、いまおっしゃった額ではとても足りない。また実際にこの業界の実情を聞きますと、こういった資金需要が、いま直ちに対策がとられることが必要であるという声が非常に強く出ております。これは政府のほうでもよく御承知と思いますが、そういう点から、さらに来月の分も含めてもう少し見通しをはっきりとお示しをいただきたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたように、つい先日、年度末金融といたしまして五百億がきまったわけでございます。このうち、繊維産業に対して幾ばくのものが配賦されるかということは必ずしも決定を見ておらない段階でございますが、私たちの気持ちといたしましては、せめてこの三分の一、百五十億程度は繊維産業のほうに、特に零細対策として活用できるように関係の方面と強く話し合いを進めておるわけでございます。  四月以降につきましては、新年度になりまして新しい財政計画も実行に移されるわけでございますが、ただいま御指摘のように、繊維産業、なかんずく零細企業は非常に苦しい資金繰りに直面いたしておりますので、昨年の年末融資あるいは今回の年度末融資でも必ずしも十分ではございませんので、新年度におきましても、所要資金ができるだけ確保できるように関係方面にコンタクトをとりたいと考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 いま零細業者、小規模業者の実態を見ますと、たとえば糸買い製品売りのような場合は、在庫がふえていってその面から資金圧迫がある。賃加工の場合も、工賃がどんどん下がってまいりまして、ある製品についていえば、昨年一メートル当たり五十円であったものが、もう二十円以下に下がっている。こういった状態で、工賃が安い上に仕事が減ってきている。こういう点から、業界、なかんずく零細業者の人たちの当面の経営見通しについても、非常に暗い、むずかしい問題があると思います。政府のほうでは、その点について、たとえば倒産の発生、しかもそれが産地の中で連鎖的に起こる、こういった危険も現地ではいわれておるわけですけれども、どのように実態をごらんになっているか、明らかにしていただきたい。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘になりましたように、運転資金あるいは織り工賃の低下というものが、特に零細企業にその不況感を深くしつつあるかと考えております。一言に申し上げますと、繊維の中小企業、なかんずく零細企業につきましては憂慮すべき事態に入りつつあるのではなかろうか、かように考えておるわけでございまして、特に昨年の秋ごろから金融引き締めの影響が出始めたわけでございます。年末から最近にかけまして、この影響は一段ときびしさを増してきております。私たちといたしましても、常々業種ごとにあるいは産地ごとにその実態の把握につとめておるわけでございますが、全体として申し上げますと、受注が減ってまいりまして、生産の縮小あるいは工賃の低下、原材料とコストの上昇あるいは手形サイトの延長、こういった諸要因が集まりまして不況色を強くしてきておる。また、これに対しまして消費者のほうでの繊維製品の買い控えの傾向も出ております。かたがた、昨年の春契約いたしました輸入貨物が昨年の秋以来通関してきておる。こういったものも圧迫要因となりまして、不況感を強めてきておるのではなかろうかとわれわれのほうでは見ておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 いま、年度内の資金手当については、約五百億のうち三分の一見当、こういうお話を伺ったのですが、先ほど一つの計算例として約三千億足らずの資金需要という見方もあるということで申し上げましたが、これは要するに、いまとられておる対策は非常に少ないということを申し上げたわけでありますが、そういう点から、繊維について、ことに中小零細企業の資金需要の実態をしかるべき方法で早急に把握をして、その調査に基づいて新年度の対策を確実に立てる、こういったことをひとつお約束いただきたいと思いますが、政府の御意見を伺いたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 先生の御指摘を待つまでもなく、当然さような実態調査はいたすべきだと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 同時に、政府系の金融機関だけではなくて、民間の金融機関の資金供給の面でも、政府のほうの格段の御努力を期待したいわけでありますが、この点については、いま繊維業界に対する対策はどのようになっておりますか。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 都市銀行あるいは地方銀行におきましても、年度末融資をやるといったようなお話もございます。ただ問題は、繊維産業の中でも特に零細の方というのは、都市銀行、地方銀行との取引関係がない。せっかくのそういった銀行サイドでの供給がありましても、従来取引関係がないという点がわれわれとしては一等心配であったわけでございますので、それぞれ担当課長を銀行協会等に説明におもむかせまして、できるだけ、従来の取引ルートにかかわらず零細企業に対しての資金供給を配慮していただきたいという強い申し入れを行なっております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 そのことと関連をいたしまして、前のドル・ショックのときの融資、それからあるいは高度化資金の融資、こういった従来の融資の返済の時期がちょうどいまの経済危機の時期に差しかかったわけでありますが、関係業界、なかんずく小規模零細業者の皆さん方の意向としては、そういった従前の融資の返済について、あるいは返済の猶予でありますとか、また返済期間の延長でありますとか、こういった対策についての要求が非常に強く寄せられておりますが、この点についての政府の対策、方針を聞かしていただきたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘の構造改善融資、あるいは自主規則、臨繊特による融資、それからドル対策法による融資、こういった分類で申し上げますと、合計いたしまして四千五百九十七億の貸し付けが繊維業界に対して行なわれておるわけであります。いままで、四十七年度までに償還いたしましたもの二百八十八億、本年度四十八年度の償還見込み額が三百六十億でございますが、これは先ほど申し上げましたような繊維業界の実情からいたしまして、必ずしもここまでの償還が見込めないのではなかろうか。合わせまして、来年度四十九年度の償還見込み額は六百四億、かような見通しを当方としては立てておるわけでございます。この点につきましても、それぞれ関係の省庁と連絡をとりまして、できるだけ返済猶予についてお話を進めておるわけでございますが、いままでの段階では、やはり一律にどの程度償還を延期するかという話はなかなか実現困難なような状況でございまして、むしろ個別に判断いたしまして、どうしてもこの際償還延期をせざるを得ないものについてそういった方向で対処していく、こういう段階でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 基本的なお考えはわかりましたが、ただ、実際に各産地へ参りましてその返済問題についての業者の皆さんと金融機関の折衝の実情を聞きますと、いまおっしゃった救済を要する個別の対応策がなかなかスムーズにいかないことも少なくない。そこで、それに対する対策の一つとして、まず第一に、いまおっしゃった趣旨を文書あるいはその他のしかるべき方法で金融機関のほうに十分念達をしていただきたい。またあわせて関係業界、なかんずく零細業者の方々にその趣旨を徹底するような方途を講じていただきたい。そして第三に、この問題で現地でうまく事が処理できますようならばそれなりにけっこうかと思うのですが、万一むずかしい事態が起これば、政府としてひとつその解決の窓口を開いていただきたい。この三つの点についてお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 まず趣旨を徹底しろという御指摘でございますが、この点につきましては、やはりそれぞれの関係省庁あるいは関係業界等とも十分話を詰めまして、その話を詰めた暁でないと、われわれ金融的に力のない役所から一片の文書を出しましてもむしろ問題かと思いますのは、先ほど申し上げましたような線で関係のところともよく詰め合わせまして、その上で、その実現可能性の点はっきりしたところで趣旨を徹底するような形で、関係の機関なりあるいは関係業界等にもお伝えするようにいたしたいと考えます。  それから、個別にやる場合に、現地で話がつかない場合どうするかということでございますが、私たちといたしましては、地方に八通産局を持っております。あるいは府県当局にもいろいろお願いすることもあるかと思いますが、そういったところに御相談に行っていただく、あるいはそれがうまくいかない場合には本省のほうにはね返していただいて、当方としては一つずつそういったものを調整していくと同時に、全体としてそういった集積のもとに、どういう対策を講ずべきかといったようなことの参考にもなりますので、方向としては、個別の折衝が困難な場合には役所ベースでもこの間何らかの御協力ができるようにいたしたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 御答弁の趣旨はそれなりに理解ができるのでありますが、私が申しておりますのは、事態は非常に切迫をしておりまして、実はきょうも和歌山県のほうから連絡がありまして、約二十億ばかりの負債をかかえた小規模業者の倒産という状態が起こった、これが、泉州あるいはその他の地域にもそれぞれ関連の取引者がありますから、連鎖することを非常におそれておる、こういった陳情や訴えが続いております。そこで、先ほど御答弁の念達ということになりますと、関係機関と話が詰められた上でなければ効果が薄いのではないか、これはそういった面もあると思いますけれども、いまこの時期に政府がこの零細業者の皆さん方の融資その他の要望に積極的にこたえ、その側に立っていろいろ対策を検討しておるということが明らかになる、そのこともまた一つ大きな意味のことだと思います。ですから、そういう関係業界、小規模零細業者の方々に政府のその姿勢がはっきりわかるような手だてを早急に講じていただきたい。このことについて重ねて御答弁をお願いいたします。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 御趣旨を体してそういった方向で検討いたしたいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 次にお尋ねしたいのは、こういった業者の皆さんと問屋筋あるいは商社筋との取引条件の改善の問題であります。  これは、いま局長のほうから触れられた業界の先行き見通しについての背景の問題、これも関連をいたしますが、あらためて申すまでもなく、先年の政府間協定あるいは発展途上国の輸出増加による市場競合の問題、また開発輸入の問題でありますとか、特恵関税の問題でありますとか、こういった国内の関係業界に対する圧迫材料は歴年積み重なってきたわけであります。それがしかも政府の政策、方針のもとに行なわれました。そして国内においても、すでにこのたび法案も用意されておりますが、構造改善の方向がさらに強められようとしている。内外ともに小規模零細業者の経営に対する圧迫がいま加重的に集中してくるような状態になっておりますから、そういった点を踏まえて取引改善のために一そう鋭意努力をしていただきたい。これは昨年の審議会の答申でも部分的に触れられておりますけれども、まず初めにこの問題についての政府のお考えをひとつただしたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいまも御指摘になりました新しい構造改善法の中でも特に一条を起こしまして、小規模零細対策に対する配慮義務を規定いたしておるわけでございます。そういった観点に立ちまして、取引に限定して申し上げますと、一つには、新しい法律とあわせまして、新年度から取引改善のための協議会といったものを設置いたしたい。ここに学識経験者を集めまして標準的な取引のルールの御検討をいただき、かつはでき上がったルールをいかに実行するか、手段面まで含めまして取引改善のための検討を進めたいと考えておるわけでございます。それからいま一つは、これも新年度からになるわけでございますが、商工中金に取引改善のための融資制度というものを創設いたしたい。百六十九億程度の規模で取引改善のための資金融通を商工中金から行なえるように対処いたしたいといま考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 いま御指摘のルールづくりはこの審議会の答申にもありますし、またそれに加えられました七〇年代の施策のあり方、その中でもルールの作成とその公表などを行なうというふうなことが指摘されておるのでありますが、私が懸念しておりますのはその実効性であります。つまり、実際的な政策の浸透がどの程度まで問屋筋、商社筋に及ぼすことができるか、この点を申し上げておるわけであります。実情は政府もよく御存じと思いますが、たとえば工賃手形の場合は、現在、下請代金支払遅延防止法の規定にもかかわらず、九十日というふうなのが少なくありませんし、一方反対に受け取りのほうは、いまや六十日から百八十日というふうなことにまで及んでおる。私は百五十日ぐらいと聞いておったのでありますけれども、産地のほうへ確かめますと、百八十日というふうなものも出てきておるというふうな実情でありますから、この点について——ことに、往復取引をしておるような場合は、受け取るほうは半年以上も先、払うほうはこれが六十日から四十五日に詰められて、その上にまだ市中銀行並みの金利を負担させられて、おまけに一本当たり十円ぐらいの木管代まで加算をされる。あまりにも不公平ではないか。これが不公正な取引というのに法律上当たるかどうかは、これはもういろいろな解釈がありますから、それはそれとしまして、社会的な商業道義的な意味からいっても、放置できないことではないか。この点は、先ほどお話しの一般的なルールづくり、それはそれとして、早急に対策を講じて実行に移していただくべき実情にある、こういうふうに思うのでありますが、政府の御見解を伺いたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 力関係と申しますか、あるいは長い歴史、経過をたどってと申しますか、いずれにいたしましても、御指摘のような、手形サイトの悪化あるいは金利等の問題を含めまして、非常に残念な実態かと思います。われわれといたしましても、できるだけ関係業界と申しますか、両業界の話し合いを応援する形で、改善の努力をいたしてはおるわけでございますが、なかなかわれわれの気持ちが現実に生かされるというには、まだほど遠い段階にあるわけでございます。したがいまして、いま先生も御指摘になりましたような、独禁法だとかあるいは下請代金支払遅延防止法に抵触するようなものについては、極力これを活用いたしまして、そういった不合理な取引関係というものを是正してまいりたい、かように考えておるわけでございますが、かたがた、こういった取引問題につきましては、一つには、警察的な取り締まりと違いまして、経済的な問題でございますので、一度、二度はその話が通っても、三度目ぐらいから、今度は逆にそれに対して供給を停止するとかあるいは取引を停止するといったような事態まで発展いたしますと、これもまた非常に困った問題にもなってくるわけでございます。そういったことも頭に踏まえながら、現行法で処理できる限りにおいて処理すると同時に、行政指導を強く進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 いま御答弁の行政指導を強められる方向と内容でありますけれども、現行法の上でも、たとえば組合協約の規定があり、それについての主務大臣の勧告というふうな条項もあり、また現行法をはずれましても、たとえばこれは政府機関とは別のそういった実態を把握するような一つの機関をつくって、個別の申告とかあるいは通報というものは、とうてい力関係から期待をできませんから、そういう意味から、業界全体としての、商社筋と零細業者の取引のあり方ですね、そういったものを全体として改善していくような組織づくり、これはそれだけがいいとかどうとかいう問題じゃありませんけれども、いろいろな方法が考えられると思います。したがって、そういった方向について、政府としてもぜひ具体的な案を早急につくっていただく。そして、そのことについて私は特に要望したいのは、零細業者、小規模業者の代表の方々をそういった対応策づくりの中へ入れて、民主的にそういう緊急対策を早急に立てていただく。こういうやり方も含めて、いまお答えいただいた今後の対応策のあり方について、重ねて御答弁をお願いしたいと思います。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 先ほど申し上げました取引改善協議会これは仮称でございますが、その中では、当然、そういった案が固まった段階で、それをどういうふうに実行に移すかといった方法論もあわせて検討していただくことにいたしております。その場合に、小規模事業者と申しますか、関係業界も入れる必要性はあると思います。その場合に、委員として入れるのか、あるいは参考人といったような形で入れるのかという問題はあるかと思いますが、いずれにいたしましても、当事者の意見と申しますか、あるいは当事者が日ごろ持っておる問題点といったものが十分反映されませんと、せっかくのルールづくりも徒労に終わるということにもなりますので、そういった場には、学識経験者のほかに、関係業界あるいは御指摘の小規模事業者の代表、こういった方々も入れる必要があるかと思いますので、そういった方向で検討いたしたいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木分科員 産地組合の中には、零細業者が全部加入されていない組合もある実情はもう御承知のとおりでありますから、特にその点に御留意をいただくことを申し添えておきたいと思います。  最後に、先ほど来、政府委員のほうから確認をいただいた諸点、一つは、中小零細企業の資金需要の実態を早急に調査をして、実態に基づいた対策を講じられる。第二点は、民間金融機関にもそういった方向で強力な働きかけをし、実があがるように努力をされる。第三点としては、こういった趣旨を徹底するための念達を早急にくふうをしてやっていただく。第四点は、こういった問題の解決のための窓口をはっきりと設置をしていただく。最後に、いまお話のありました延納の問題についての個別の配慮と、それから取引条件の改善についての零細業者の代表を含めての早急な実施、これらの諸点について大臣に御確認をいただいて、そして早急に国会のほうにも逐次御報告をいただきたい。このことについての約束をいただいて、質問を終わりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 以上の諸点、承知いたしました。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて荒木宏君の質疑は終了いたしました。  次に、左藤恵君。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 私は、昨年の暮れに中東戦争の結果、石油が急に削減をせざるを得ないというような情勢になって、それに関連いたしまして、いままでの通商産業省としての行政を行なっていく姿勢と申しますか、そういった問題につきまして、若干御質問を申し上げたいと思います。  石油の削減が行なわれましたのは昨年の十二月であったわけでありますが、そのときにおきまして、石油が元売りから小売りに配給されます場合に、元売りの会社が全額出資いたしましてスタンドを経営させている、こういうケースがあるのでありますが、そういう場合には、ほとんどこの削減は行なわれていない。   〔主査退席、湯山主査代理着席〕 メジャー系の元売り会社あるいはそうじゃなくて民族資本系の元売り会社がありますが、そういったところでもともに、やはり全額出資するとか、そうして自分のところの社員にスタンドを経営させるというようなケースがある、こういったときは、削減が現実にされていなかったということを聞くわけであります。そうすれば少しでも自分らが出資したものが早く回収できるというふうなことも考えたのか、その辺のところが非常に問題でありますが、そういうことについて削減はされておらないのであります。それから今度は、自分の金をスタンド経営に投じまして、スタンドを建設いたしまして、そしてどこか元売りの会社から一つの系列という形で、メーター制と申しますか、という形で従来からたとえば一〇〇%そういう場合に供給を受けていた、こういう場合には、若干の削減を受ける。たとえば七割とか八割とかというような形で供給を受けて、あの削減が行なわれたときには、まず従来の月の売り上げが百キロリットルといたしますと、八十キロリットルは確保できたというようなことがあったと思います。ところが現実にはそういうところはたくさんないのでありまして、元売りの会社の看板は上げておる。しかし、その元売りの会社からは実際メーター制で供給は受けていない。たとえば三〇%だけはそういう形で供給を受けておるけれども、ほかはいわゆる店頭ものと申しますか、そういうものによって供給を受けている、少しでも安いものをあちらこちらで買いあさっている、そういうスタンドが大部分だったと思います。そういうところにつきましては、いわゆるだぶついた石油が一ぺんになくなってしまったわけでありますので、現実にはその元売りの会社からメーター制で受けている、かりに三〇%それで受けておったといたしますと、三〇%のさらに七〇%ないし八〇%ということになりますので二〇%ないし二五%しか供給は得られなかった、こういう事実があったように思いますが、この点について、まず資源エネルギー庁ではそういうふうなことを承知しておられるかどうか伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 認識しております。当時はやはりそういう縁故関係とか、近いものに対して多配をして遠いものについては配給を減らした、そういう事実がございまして、それについては資源エネルギー庁からもとくと注意したところでございます。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 その場合、消費者にとりまして、一体どのスタンドがどういう元売りと契約をしておるかということにつきましては、一般の消費者はこれはわからないわけであります。かりに、第一に申し上げました全額出資してスタンドを経営しておる、こういう場合のスタンドでガソリンを入れておる消費者にとりましては、もう従来どおり幾らでも入れてくれるけれども、第三の例と申しますか、二〇ないし二五%しか供給が得られなかったときは、これはガソリンに限りません、灯油でもそうだったと思いますが、消費者にとってはたいへん大幅な削減を受ける、こういうことであったと思います。これは削減が行なわれた当時の通産省の行政は、そういうことである時間非常に混乱したと申しますか、そういうことについていま大臣からお話がございましたように指導ができていなかったと私は思う。その後にいろいろと御苦心をいただいてその混乱から抜け出した、そこへ今度は石油がどんどん入ってきだしたというのが実情であろうと思いますが、またいつどういう機会に石油がそういった削減をされるかわからない、私はそういう心配を持つわけであります。そうしたときに、一体今後どういうような方針でやっていかれるか。その後、十二月の下旬から一月にかけまして通産省といたしまして各都道府県にあっせん所をつくられた、一般消費者からの供給不足の苦情の処理をなさった、ちょうど石油もどんどん入ってくるようにもなりましたし、そういった対策もしていただいたので、その場は一応うまくおさまった。さらに最近は逆にこのガソリン等につきましては販売競争ということもあるわけでありますが、そこで先ほど申しました中にありました店頭ものの油がまただぶつくようなことになっている。確かに自由主義経済の中でありますので、少しでも安く石油を供給しようとする販売競争が出てくるのは当然であると思いますが、少し絶対量が不足すると、この店頭ものがぱっとなくなってしまうというような、そういうようなこともあるわけでありまして、こうした非常に流通過程におきますいろいろな問題があって、従来の通産省のいろいろな行政の姿勢と申しますか、そういうようなことにつきましては、私はやはり自由にどんどん販売競争して少しでも安い品物を消費者に提供する、それをひとつ助成すると申しますか、そういった形のものを進行していくというのが通産省の考え方だったと思いますが、私は先ほどから申しましたように、急にそういった削減が行なわれてもそれに対処できるような検討をいまからやはりしておかなければならないと思いますが、その辺についてのお考えはいかがでしょう。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 本来生産ギャップの存在から末端ガソリンスタンド、小売り店の業態につきましてはいろいろな業態の末端店舗が存在することは事実であります。もしまた将来油がタイト化いたしまして、昨年十一−十二月のような事態が起こります場合にはあくどいカット、これは先生御指摘のとおり、それにつながる中小企業者、一般消費者の問題でございますので、よく実態を常につかんで適切な流れが確保されるようにしたいと存じております。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 そういたしますと、いまのお話で適切なということでありますが、将来と申しますか、これからのいろいろな指導の方針として、こういったガソリンスタンドは系列化を進めていくべきであるとお考えになりますか、それとも従来どおりのことであって、そういった緊急の事態があるときには強い通産省の行政指導というものをなさって、やはり系列化はあまり進めるべきでない、このようにお考えになりますか。この辺はいかがでしょうか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、本来生産ギャップの存在から出てくる業者間の転売油、それを調達してきて販売を行なう店舗あるいは直営店あるいは系列店、これは自然発生的に存在する小売りの現実の実態でございまして、その場合に系列店あるいは業転ものを扱う店、それぞれに利害得失がありまして、一がいに系列化がまさるとかあるいは系列化が非経済的であるということを論じられない、こういうふうに考える次第でございます。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 そうしますと、そういった系列化の問題については一がいに言えないというお話ですが、それでは民族資本系の石油の元売り会社に対します指導とメジャー系の会社のスタンドに対しますいろいろな指導あるいは元売り会社に対する指導というもの、これは本来私は同一に考えるべきだと思いますが、最近またメジャーの一部が削減を示唆するような発言をして、これはある意味においての値上げなりいろいろなことについての圧力をかけてくる、そういったことで原油の供給について、やはりある意味でいうとメジャーの会社が生殺与奪の権というのでしょうか、そういうようなものを握っておるといえると思います。われわれの足元を見透かしたような強気の態度に出てきてもその方針はやはり同じようなことでやられるおつもりがあるかどうか、この辺はいかがでしょうか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 原油の供給をほぼ全面的に親会社たるメジャーズに依存しておりますところの外資系の会社、それから短期契約あるいはスポットものあるいは二国間の直接取引というような形で原油を依存しておる民族系の会社との間に、原油の調達面におきましてある程度の格差が生じつつございますのは現実でございます。  民族系の企業育成の問題につきましては従来とも施策を進めてまいったところでございますが、新しいエネルギー情勢を踏まえました今後の新石油政策の論議の過程の中でも、この問題、今後の民族系企業の育成策の問題は、一つの検討課題の項目として審議をお願いしたい、こう考えております。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 私はどうしてこういうことを申し上げますかというと、やはりまず第一に一般消費者を中心にものごとを考えていただきたい。それから、次に流通過程におきまして、特に小売りの場合スタンドのほかに薪炭米穀商、そういった非常に零細な小売りの商店がガソリンなり灯油なりを扱っております。そういう点から考えて、系列化なり何なりの圧力がかかってくることによって、元売りの会社によって取り扱いが変わってくるとかいうふうなことであれば、私は、そうした人たちにしわ寄せがいくのではなかろうか、そういうことを心配するので、そうしたことのないような姿勢で、たとえばあくどいことをするような元売りの会社があれば公表するとか、何かそういったことも含めまして、ひとつ強い行政指導をお願いいたしたい、このように思いますが、その辺いかがでしょう。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 長い年月をかけまして民族系石油会社の育成につとめました結果、次第次第に外資系との間の格差が縮小をしてまいったわけでございますが、ここに来まして、また原油調達の面からその間の条件が悪化しつつあるということは事実でございます。いま先生御指摘のように、それがそのまま末端小売り店から使用者にまで通ずる問題であるということでございまして、外資系と民族系との格差の是正解消の問題につきましては、大きな政策課題の一つとして検討を進めてまいりたいと思います。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 その点はぜひひとつ御配慮をいただきたいと思います。  それから、もう一点私がお伺いしたいのは、昨年の夏、出光石油徳山事業場が事故を起こしました。それ以来エチレンの供給がたいへん不足いたしまして、特にポリプロピレンが非常に不足をいたしました。このときに一次卸の会社が、二次卸の会社以下のところに供給いたします場合に、非常に恣意的でなかったか。これも先ほどのスタンドの経営の場合と同じようなことがあったように思うのであります。前年の実績を正しくはじいて計算していたかというと、必ずしもそうではなかったかと思います。確かに上得意とかいろいろ商売上の問題があろうと思います。何か特別の関係があった者に対しては、優先的に配分するとか、一次卸あるいは元売りの会社がそういうような姿勢であれば、当然にそこに特定の商業の者が入り込みまして、やみ価格というものがあって、それでなかったら供給しないというようなことになる。一般の消費者が特に新しく何かやろうとか、実績がなくてそういったものを使おうという場合には、どうしても普通に配給されます価格の二倍近い値段でなければ買えないという事態があったように思われるのでございます。通産省はこうしたところにも行政指導をなさったかどうか。そしてまた、今後はこういった問題についてはどういうふうな指導の方針でいられるか、この辺についてお伺いしたいと思います。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 出光の徳山工場の事故に基因いたしまするエチレンの問題につきましては、ちょっと私、直接の担当でございませんので答弁能力ございませんが、たぶん所管局におきまして適宜の善処の措置をとったものと存じます。なお、私帰りましたら、担当局長に先生の御趣旨の点お伝えいたしたいと思います。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 石油製品の問題について、昨年はたとえば特にビニールパイプあるいはビニール電線の不足がたいへん話題になった。それで困った人がたくさん出てきた。住宅を建てましても、配線ができないということで非常に困った事例が出てきたわけでございますが、供給の逼迫という問題からこうしたことが生じたわけでございますが、御承知のような石油の需給調整法あるいは国民生活安定法、昨年の暮れに成立いたしました両法の発動によって、供給不足の物資について、場合によっては、そういった恣意のある配分をしたということでやっておる業者は公表するとか、そういう行政指導をぜひやっていただきたいと思います。この問題につきましても、私、ある事例で調べましたが、地方の通産局長に指導の権限が非常に弱いのではないか。本省にすべてお伺いを立てなければ、地方の通産局長では、こういった問題についてもっと適切な価格で配給するようにという行政指導をする権限が弱いということを聞いておりますが、その辺について何かお考えございますか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 石油製品につきましては、極力地方通産局長に権限を委譲いたしまして、地域の円滑な供給を確保するよう措置しているところでございます。なお元売りあるいは大きな精製会社などでそれにもかかわらずうまく話し合いが進まない場合には、直ちにわれわれのほうに上げて、すみやかに本省からも当該石油会社のほうに善処方を申し入れるというようなやり方で処置しておる次第でございます。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 そういうことを強く希望申し上げたいと思います。  最後に、ひとつ大臣にお願いを申し上げておきたいと思いますが、いま申しましたような石油の削減に伴ういろんな体制ということで、どちらかと申しますと通商産業省は、先ほど冒頭に申しましたように、振興行政と申しますか、そういう点にウエートを非常に強く持たれた役所の仕組みになっており、そうしたことが一つの大きな省の使命であったと思います。供給がスムーズにいっておりますときには、そうしたことでもいいと思いますが、一たん供給不足ということになりますと一つのパニックと申しますか、大混乱を起こす危険があるわけであります。そういう意味におきまして、今後ひとつ、たとえば石油の輸入の状況も業界のデータにたよらなければならないとかいうことでなく、積極的に通産省が自分で正しい数字を握っていくことによって、その数字をもとにして強い行政指導をやっていく、そういうことができるような体制に改めるべきである、このように考えますが、その辺の大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 現在の石油業法におきましても、いろいろ、届け出及びそれに対する業界の指導、勧告の権利を持っておりまして、そういう届け出を十分整備すればある程度のことは可能でございます。しかし、御指摘のとおり十全ではございません。もう少し体制を整備して、そして通産省が常時エネルギーのような重要な問題については把握し、かつ適切な行政指導がこちらから独自になし得るような体制をつくっていくことは大事であると思います。これを法的手段によってやるか、あるいは行政的手段によってやるか、これは研究してみますけれども、体制整備は努力してやってまいりたいと思います。

左藤恵自由民主党

○左藤分科員 以上、大臣、いまお話ございました点についてひとつ根本的に考え直していただくということを強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

湯山勇日本社会党

○湯山主査代理 これで左藤忠君の質疑は終了いたしました。  次に、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 私は中小企業対策について若干お尋ねしたいと思いますが、その前に、福岡県北九州の洞海湾に関しまして若干触れてみたいと思います。  御承知のように、この洞海湾を取り巻く大企業、中企業等からそこにたれ流されたいわゆる工場の廃液というものが、洞海湾を七色の海に変えた。つまり汚濁度日本一とありがたくない名前までつけられたのですが、非常によごれた洞海湾になってしまったわけです。死の海とまでいわれておりますが、この洞海湾の現在の問題は、海底に堆積されているヘドロのしゅんせつ作業の問題であります。このしゅんせつ作業が、第一期工事がすでに開始されているわけでございますが、要するに第二次公害、これが起こりはしないだろうかというようなことでいろいろと心配されまして、完全に処理できる体制を整えない限りはその作業はやらないというようなことで、かねがね当局は、大学の先生など十三名で構成されております洞海湾浄化調査研究会というものをつくって、研究あるいは実験を重ねてきたわけでございます。その研究の成果が、しゅんせつ工法あるいは安全性などがもう全くだいじょうぶだというようなことがまとめられて、報告書となっているわけでございますけれども、北九州の管理港組合がその報告書に基づいて、いわゆる第一期工率を一月の十四日から始めたわけです。  ところが、地元の「北九州公害とたたかうグループ」あるいは同市職員労働組合、あるいは学生グループの中から、ヘドロから溶出する水銀定量の安全値があいまいである、しゅんせつ工事でヘドロが拡散、二次汚染が起こり、第三の水俣病の発生の危険がある、こういうことで当局に抗議を申し込んでおります。同時に、これをひとつただそうではないかということで、この洞海湾浄化調査研究会に対して、住民参加での公開討論会を申し入れたわけです。それが受け入れられまして、一月の二十二日の午後に福岡市の北九州大学工学部水工土本会議室で開かれたわけでございますが、そのときの先生方は、十三名の中の五名の方が出席なさっているわけですが、その質疑応答の中から非常に不安に思われる問題が出てきた。つまりその合同討論会の結果は、大きな二つの疑問点といいますか、深刻な問題を投げかけたようでございます。結論から申し上げますと、北九州管理港組合がPRいたしております、安全性といいますか、安全度についての疑問ということですね。その質疑応答の要旨をまず最初に申し上げますので、あとで、環境庁の方、あるいは運輸省の方、来ていらっしゃると思いますので答えていただきますけれども、質疑要旨は次のとおりでございます。  新聞等にも報道されているわけでございますが、地元住民から、まず、「工事で拡散した水銀がプランクトンを汚染するおそれがあるが調査は十分やったのか。」こういう質問に対して、石尾教授は、「調査はやっていないが、無関係と思われないので、さっそくプランクトンの実態調査をやり、含有水銀量などを分析する。」こう答えられまして、研究が十分でなかったということを認められたわけですね。さらに、住民のほうから、「検出されてはならない水銀が〇・五PPMも出たところがある。この水銀が拡散しないと言い切れるかどうか。」こういう質問に対しまして、石尾教授が、「しゅんせつと同時に環境調査も並行していると管理組合で言っているので、おそらく結果は出ると思うが、危険とわかればやめざるを得ない。」こう答えたわけです。そこで、管理港組合は、大学の先生のお墨つきです、二次公害の心配はありません、絶対だいじょうぶです、こういうふうにPRして始まったこの工事でございますけれども、肝心の大学の先生方の公開討論におけるところの答弁というものは、このPRとはだいぶ食い違ったと感じられるわけですね。  さらに具体的な問題点が指摘されているわけでございますが、まず住民から、「ヘドロの捨て場所の西八幡泊」これは洞海湾の一部にあるわけですけれども、その「底には何も敷いていないけれども、だいじょうぶか。」こう追及されたわけですけれども、そのときは、山内教授は、「ビニールでもよいから敷くのが理想です。そうでないと、水銀などが地下水へ流れ出すおそれがあり、少なくとも十分とは言えません。」こう答えるなど、いまやっている工事が必ずしも十分でないことを認めたことになったわけです。  そこで、私が心配しているのは、管理港組合はもうだいじょうぶだということで始めたわけですが、このような住民の心配、また公開討論等での質疑応答から、なるほど住民が心配しているような問題点がありそうだということでございまして、これはやはり一時工事を中止してでも、この問題点を明らかにして、公開の上で、安全宣言をやった上で事業の再開をすることが妥当ではないか、まずこう考えるわけですが、この問題について環境庁はどうお考えになりますか。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 工事によってヘドロがまき上げられ、それが拡散してプランクトンを汚染するおそれがあるということで、調査をやる必要があるのじゃないかということでございますが、もちろんやるにこしたことはございませんが、はたしてプランクトンそのものが汚染の指標として適当であるのかどうか、一応水質の環境基準とか、そういった水質としての指標も別にあるわけでございますし、そういうことで監視が十分ではあろうかという気がいたします。はたしてプランクトンの汚染が魚の汚染にどう結びつくのか、その辺が必ずしも明瞭じゃございませんので、プランクトンの調査をやっても、それをどう評価していくかよくわからないようでございますので、指標になるかどうかはちょっと疑問がございます。したがいましていま私どものほうでしゅんせつ方法についての監視の方法について、関係各省相談いたしまして、私ども中心でヘドロの処理のための小委員会をつくっておりまして、その中でいろいろ監視の方法等も詰めておるところであります。もしそういうところでそういう汚水が出るようであれば、そういうふうに指導したいと思いますけれども、いまのところプランクトンというのは非常に試験のしにくい、かなり大量に集めなければいかぬ、サンプリングの問題などもございまして、はたして適当な指標であるのかどうかについてかなり詰める必要があると思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 北九州港管理組合が作業を始めるからには、学者先生方の結論が出ての上でやっておるからだいじょうぶだといってやったわけですね。それについて、公開討論では多少不安な点が述べられた、絶対だいじょうぶだとは言ってないわけですよ。特にヘドロの捨て場所ですね。その下には何も敷いてないけれどもいいのかという質問に対して、いやそれは少なくともビニールを敷かなければだめだ、不十分だというようなことが答えられているわけですね。こういうままで作業を進めていいのかどうかという問題なんですよ。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 ヘドロの捨て場所の問題でございますが、これは聞いたところによりますと、底のほうはN値が五十、六十、つまり非常に浸透性のない地盤であるということでございまして、その十三名の検討委員会でございますか、その中ではまず心配ないのじゃないかという結論になったというふうに聞いております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 それで、その公開討論の席上でその中の先生が、それはやはり地下水に浸透していくおそれがある、こう答えたわけですよ。ですから住民の中では、もうあの研究会のやっていらっしゃることでも不信が出てきたということになっておるわけです。ですから私はいま言いたいことは、これからいよいよ工事の始まりです。初めが大事だと思うのですよ。ですからこういう問題についてももう少し確証ある裏づけをもってこうこうこうだからだいじょうぶでございます、御安心くださいませということを地域住民にPRした後、仕事にかかっていったらどうか、こう言っているわけです。どうぞ……。

山村勝美環境庁水質保全局水質管理課長

○山村説明員 通常そういった浸透の問題は、N値が五十、六十というような地盤にはまず浸透することはないというのが常識的な考えでございまして、その辺で十三名の委員会の中で問題ないということで進められたものとわれわれは理解いたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 実はそのほかのある先生がこういうことも言っておるのですよ。調査研究会が管理組合の上部機関でないので悩みがある、はっきり言えば井島教授の発言だそうですけれども、大学の先生に調査してもらったからだいじょうぶとする管理組合とかなり隔たりある答えが多かったわけですね。それだけに住民の皆さんは不信を抱き始めたわけですよ。不安を抱いているわけですよ。ですから私は、間違いなければもう一回公式にそれを住民に発表してくださいというわけですよ。実はいま環境庁が中心となって、運輸省、建設省、通産省、水産庁がグループになって第二次公害の防止のための基準を作成しているという話でしょう。しかしこれは、ほんとうは内容はあと一カ月かかるというのですよ。これが出てから実際は作業を始めてもよかったのじゃないかという感じを持っていますから、問題がなかったらそれこそすぐできるわけですから、その中身を、こうこう、こういう問題についてはこれだけの内容でございます、御安心くださいませということを北九州港管理組合を指導して、それを公開の場ではっきりと確認して仕事にかかったらどうか、こう言っているわけです。  というのは、その問題にされていることは、一方ではその水銀問題があるので慎重な作業がなされている、そのすぐ横に航路のしゅんせつ作業が行なわれているわけです。こちらは囲いをやって慎重にやる、こちらは野放しに航路のしゅんせつ作業が行なわれている。これは運輸省関係のことになりますけれども、それだけにまた住民は驚いているわけですよ。一体何のためなんだ、ナンセンスだと、こうやっているわけですね。それだけにこの洞海湾の浄化についてはものすごい関心を持っておりますし、同時に第二次公害が起こらないようにという素朴な願いが強いわけでございますから、そういう意味からも、私がいま言わんとするところをくみ取ってもらって措置していただきたい、こう思うのですがね。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○大久保説明員 ただいま洞海湾の有害物質を含んだヘドロの、汚泥のしゅんせつのことにつきましていろいろと御指摘ございましたが、先生が冒頭に仰せられましたように、現在の洞海湾は過去の堆積物が相当ございまして、底をきれいにしなければならないという課題があるわけでございます。ところが、いわゆる有害物質というものがどの程度以下であれば安全かということ、その点につきましてもいろいろとまだ議論のあるように承っております。それで、片一方でこれを処理しなければならないという使命を帯びております北九州港の管理組合といたしましては、やはり専門の方々の御意向を十分拝聴いたしまして、その結論に従って、二次公害を起こさないようにという配慮のもとにこの調査委員会をつくって、そのお答えをちょうだいして工事にかかるようにしたと承っております。  それで、私ども承っておりますのは、何ぶんにも相当未知の問題もあるものでございますので、専門の方々の間でもいろいろと意見の活発な交換がなされたのだと思いますが、そういうようなことを総合した結論としまして、いまやろうとしておりますやり方でだいじょうぶであるという結論を得たのだというふうに伺っているわけでございます。  それでまず一つの例といたしまして、ビニールを底に敷くという問題につきましては、その埋め立て地に投入いたしますところの土砂に含まれております水銀が、溶出試験の結果溶出しないということが判定されている、そういう点からいたしますと、いわゆる地下水に浸透して外に出るというようなことはまず心配はない。しかもその地盤がいま環境庁から御説明ありましたような地盤である、そういうようなことで、まあビニールを敷くということについてはその必要はないというふうな結論である。ただ護岸の面には内側にビニールをやるということを考えているそうでございます。これはすき間等から外に出ることをおそれてのことでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 それでは、それだけ確信があるのだったら、いま言ったように公開討論等での質疑応答の中で、多少不信を抱かせているので、さらに北九州港管理組合を指導して、そういう点公表するようにしていただきたいことをお願いするのですけれども、それはやってくれますか。

大久保喜市運輸省港湾局技術参事官

○大久保説明員 私どもも承っておるところでは、その調査委員会の議事録といいますか、その詳細について公開するということにつきましては、参加されました先生方にもいろいろと御意見、御希望もあろうかと思います。しかしながら、結論につきましては、もし先生のお話のような疑念がございますといけませんので、これは何らかの方法でそういう心配の起こらないような措置をとるように指導いたしたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 北九州の住民にとってはきわめて関心の深い重大な問題でございますので、適切な措置をお願いしたいと思います。  それではもう時間がないから、これは終わります。けっこうです。  それでは中小企業対策についてお尋ねいたしますが、通産大臣はいま——それでは事務局のほうに聞きますけれども、中小企業の定義といいますか、どういうものを中小企業といっておるか、その企業規模等から説明願いたいと思います。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 中小企業の範囲は中小企業基本法にはっきりと出ておりまして、製造業につきましては資本金一億、従業員について三百人、それから卸売り業につきましては資本金三千万、従業員百人、それから小売り、サービス業につきましては一千万、五十人、それ以下のものを中小企業ということで定義をいたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いま中小企業は五百十一万事業所、三千八百七十九万人。一般にいわれている中小企業は五百七万事業所で二千九百九十四万人と伺っておりますが、この理解でよろしいですか。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 そのとおりでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 経済環境の激変で中小企業にとってこの三月が一番きびしい経済情勢となるのじゃないか、そういわれてきたわけでございますが、中小企業の今後の経営状態の見通しについて、実は大臣にお伺いしたかったのですけれども、まだお見えじゃないようですから、あなたのほうからでもけっこうですが、説明願いたいと思います。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 中小企業をめぐります経済環境はいつもの年と違いまして、ことしは特別にきびしいと申しますか、そういった角度で問題をフォローしていかなければいけないと考えております。  まず第一には、物不足の問題がございました。さらには原材料の高騰という問題もございました。そういった問題がいつもの年と違って加わっている反面、金融の引き締めということが非常に大きな影響を与えております。そしてこの一月、二月と注意して見てまいりましたけれども、物の不足問題について若干明るい見通しがきた反面、金融引き締めのほうが非常に強く響いてくるというのが今後の問題点ではなかろうか、こう考えておる次第でございます。  手形サイトの問題等含めまして、三月がまず一つの問題点である。さらに四月以降も常時その状態をつかんでいかなければいかぬ。そして適時適切な対策が必要であるという判断のもとに、先般、三月五日に三月分といたしましてとりあえず政府系三機関に五百億の資金追加をいたしました。四月以降も状況をよく見まして、適時適切な対策を打ち出していきたい、こう考えておる次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 石油の量的な危機はめどがついた。あるいは物不足は、結果的には生産者在庫あるいは流通在庫の形でいわば偏在をしている。ここに問題があるわけでございますが、こういう事情のもとに、中小企業の経営というものは、特に金融、また資金繰りが大きな問題と思うのでございますが、この辺から私はどうしても大臣に実はお尋ねしたいのですが、いらっしゃるまで休憩していいですか。

湯山勇日本社会党

○湯山主査代理 ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕   〔湯山主査代理退席、主査着席〕

湊徹郎自由民主党

○湊主査 速記を始めて。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いま中小企業の実態をお尋ねしたわけでございますが、三月度が山ではないかといわれるほど窮屈な状態になっている。そこで中小企業の皆さんは、特に金融の問題だ、資金繰りの問題だということでいま話が進んできたわけですが、一昨日の新聞でしたか、五百五億円の年度末緊急融資をするということが発表されていたようでございますが、私が言いたいことは、この緊急融資が一番必要と思われる小零細企業者まで行き渡るのかどうかということですね。実際これまでいろいろと経験したことですけれども、措置されますけれども、肝心な必要と思われる方には窓口規制がきびしくてなかなか行かないのです。その点これは政策金融でございますので、そういう窓口規制をぐっと広げて措置をしてもらいたいということをお願いしたいわけですよ。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 年度末を控えまして、手形の決済、税金の納入等で中小企業にはひしひしと金融問題が迫ってきておると思います。  そこで、長官からもお答えがあったと思いますけれども、この際非常にきめのこまかい指導をする必要があるように思います。したがいまして、政府系三機関はもとより、市中金融機関、特に相互銀行やその他につきましても、大蔵省と連絡をとりまして、そういう向きに毛細管に血の通うようなやり方で、特に懇切丁寧に指導なり助言なりあるいは融通なりをするように手当てをいたしたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 実は私の友人でネオンサインの工場をやっていたのがいるのですが、この方がもう少し運転資金があれば生きられたのに、手続等のひまがかかりまして、とうとう間に合わずに倒れました。倒産件数がいまいろいろと発表なされておりますけれども、口では何軒倒れた、幾ら幾らの負債額であると簡単でございますけれども、現実に倒れたその従業員、家族はみじめなものです。それこそかわいそうの一語に尽きますね。あのときあんなにまごまごしないでさっとやってくれたならば、こういう気がしてならないのです。いま大臣から、毛細管まで浸透するような配慮で行政指導をやっていくと聞きましたので、ほんとうに強くこれは要望しておきます。  もう時間が参りましたので次に移りますけれども、大企業の社会的責任やあるいは経営者のモラルがあらためて問い直されてきている現在でございますが、これもきのうでしたか商社活動を規制する、こういう検討を進めているということが新聞に載っておりましたけれども、特に中小企業を守るための商社活動規制ということはむしろ望むところだと私は思うのですが、その内容について、要点だけでけっこうです、説明願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 中小企業を守るための大企業の規制につきましては、中小企業団体の組織に関する法律に基づく特殊契約制度というものがあります。ところがわりあいにこれが利用されておらないのが現状でございます。しかしこれをほうっておくわけにはまいりません。特に最近は商社につきまして、洗たく屋からラーメンまでといわれるように、大きな資本力を利用して中小を圧迫するというようなことがあってはならない。公正取引から見ましても、力の強いものがそれを利用して力の弱いものを圧倒するというようなことは適当なことではございません。そういう意味において、いまこの団体法の活用によってこれをもっとやるようにするか、あるいは特別に立法措置をして中小企業の分野を守るか、これは研究課題であると思うのです。  元来商社というのは、貿易商社からスタートしたので、海外貿易に大いに雄飛してもらうべきであって、国内の中小企業のところまで根を張ってくるのは邪道である、私はそう思っております。もとの商社に返りなさいという思想を私は持っております。そういう意味におきまして、去年は一年間商社の海外活動や国内活動、いろいろ見守って警告も発しつつやってまいりましたけれども、実態がだんだん明らかになるにつれて、これをそのまま放置しておいてよろしいかどうか。零細中小企業問題にしぼってこの問題は検討してみる必要がある、そう思って当局に検討を命じておるところであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いまの御答弁では、事の次第では立法措置もするというふうに理解してよろしいですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そういう考えをもって検討させております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 次に移りますが、中小企業省をおつくりになる意思はないかどうかということです。もう結論から言っておきます。実はこれまでの通産省の行政指導を見ておりますと、どうしても大企業偏重といわざるを得ない姿でありますし、いまの中小企業のシェアの実態から見てまいりますと、これは重大な状態にありますので、私は中小企業庁ではもうささえ切れなくなったのではないか、省に昇格して本格的な対策に乗り出すべき時期ではないか、こう考えておるのですが、いかがなものでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この問題はわれわれも検討いたしており、また目下も検討中でございますが、なかなか利害得失がありまして、いい面も確かにありますが、やはり中小企業、零細企業といえども、大企業や中堅企業との連係でできておる。それで、下請代金支払いとかそういう関係もございまして、上のほうをかなりきつく取り締まらぬと下のほうに恩恵が及ばない。それから、一次問屋あるいは特約店の関係から末端の小売り店の関係というものがあります。これもみんなメーカーから連係ができておるものです。そういうもので、ここで切るということは必ずしも適当でないという行政的要素も実はあるのです。  それからまた、役所を一つつくって、官房長とか何とかというものをうんとつくって、かっこうばかりはいいけれども実際は動かないという例が多い。パーキンソンの法則じゃありませんが、ジュネーブに国際連盟の大きな殿堂ができたときに国際連盟はすでに死んでおった。建物や役所ができたときにはもう生命力がなくなっているというのが、人間の社会によくあることであります。したがって、今回は実質をねらって足腰を強くしよう。それで指導員をうんとふやすとか、あるいは零細関係のお金を三百億から千二百億にふやすとか、あるいは税務指導を強化するとか、そういう実質をねらった強化策を今度やって、足腰を強くして、小まめに歩いて中小企業を指導するという方向に今度は政策を展開しつつあるわけであります。これらの実施の情勢も見ながら、いま中小企業省という問題についても検討していきたい、そう思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 もう時間が参りましたのでこの辺で結論を出しますが、かつて田中総理も中小企業省は必要であるというような言及をなさっておることでありますし、ほんとうにそういう方向で検討を進めてもらいたいということです。そうでないと、むしろ旗を立てて通産省に押しかけて来るかもしれませんよ。このままではとてもじゃないです。  もう時間があと一分でございますので、最後に一つ要望を、これは全然話は変わりますけれどもいたしますが、それは町の一アイデアマンが、公害防止と石油の節約という一挙両得的なすばらしいことを研究し、そして実験の結果も明らかになっているわけでございますが、それは自動車のバッテリーの電極の接点をある特殊技術によって完全なものにするというだけで非常に簡単なんですが、排気ガスと燃料消費量がぐんと減少するという内容になっております。私はこの事実を知りまして、このままほうっておくのももったいないような気もしますし、時節柄公害防止と石油節約がほんとうにできるのであればたいへんな発見である、そう考えまして実はお願いするわけでございますが、きょうここにその本人の研究、または実験データをまとめておりますので、これを上げておきますから、ゆっくりこれは検討していただきたいと思います。  以上をもって終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて大橋敏雄君の質疑は終了いたしました。  次に、田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 大臣御承知のとおり、戦後公営ギャンブルが非常に盛んになってまいりましたが、これによっていろいろな面における弊害が起きてきております。自殺者が出たり一家倒産になったり、いろいろな社会的な悲劇がたび重なる、こういう事態でございます。そういう中で、この公営ギャンブルを廃止すべきであるという世論が非常に高まってきておることは御案内のとおりであります。したがって、政府もこれを受けて三十三年の閣議了解等によって、今後公営ギャンブルの数をふやすことはしない、その後における長沼答申も、数はふやすべきでないというこういう考え方を披瀝されておるわけであります。  この精神は、いま申し上げたようにこのギャンブルの持つ社会的な悪というかいろんな悪い要素というものを考えたときに、だんだんとこの公営ギャンブルは廃止の方向に行くべきである、こういう考え方に沿ったものであると私は考えておるわけでありまして、そういった点から見て、政府はこの公営ギャンブルの廃止ないし縮小に向かって努力を続けていかなければならぬ、このように思っておるわけですが、大臣のお考え、いかがでございましょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この問題は、倫理的な面と、それから行政運営上の実際上の面とございまして、倫理的な面からはそういう要求もまたございますが、しかし行政運営の実際から見ると、それで社会福祉施設がずいぶんできたり、そういう貢献もあるわけです。ですから、革新知事の間にも意見が分かれておりまして、美濃部さんは反対だけれども蜷川さんは大賛成である。そういうようにして革新陣営でも分かれておる。自民党の陣営でもいろいろ議論が分かれておる。そういうところでありますから、一がいにどうということは、政府当局としては断定できない問題であると思います。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 しかし閣議において、数はふやさない、増加は認めないという考え方というのは、これは本来的にいえば、その持ついわば毒素というものをなくしていくというこういう形になっておるわけであります。その精神はいまも生きているわけですから、当然方向としては廃止ないし縮小の方向に向かうべきがたてまえだと思うのです。あなたのおっしゃることに対して私も意見がありますけれども、地方自治体に対するところのいろんな財政面に対する意見はありますけれども、その前に、本質的なものとしてはそういった考え方に立って政府は努力をする、これは当然のことですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これ以上はふやさないという方針は持っております。ただ、復活するとか移転するとか、昔あったものをまたやるとか、そういうものは例外として認めておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 したがって、いま大臣も言われたように、例外は別としても、本質的にはそういう方向であるということがうかがい知れると思うのでありまして、この方針をさらにひとつ堅持をして、今後やはり公営ギャンブルに対する政府の考え方というものをその廃止の方向に進めてもらいたいと強い要求を私は持っております。大臣もその点基本的な面では合意されたと私は思う。ただいろんな経過的な問題もありますし、財政的な問題もありますから、それらは一体どうするのかということについてはまた自治大臣なりと今後いろいろな面で折衝されたり検討される必要はある、このように思いますけれども、その点は、さっきも言われましたけれども、そのとおりですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 法や行政が許す範囲内において地方の自治体がやるという場合には、やはり地方自治の本旨に基づいて自治体の意向というものは尊重せざるを得ない、こう私は思います。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 したがって、最近の例として、これはもう閣議でもってそういう確認をしているわけですから、新しく認めたという例はもちろんないわけですね。事務当局、そうですね。

齋藤太一通商産業省機械情報産業局長

○齋藤(太)政府委員 先生御指摘のように、昭和三十三年の閣議了解が現在も生きておりまして、公営競技につきましては競走場の新設は今後は認めないというように方針がきまっておりますので、三十三年以後全くの新規として認めたものはございません。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 そこで大臣、いまあなたもいみじくも言われました、地方自治体の財政が非常に苦しいというとき、必要悪としてこのままこれを認めておいたらどうかという意見があったことは事実ですね。また確かにその財政が潤って、いままでの状態から見ますと、第一番目に学校の建設費、第二番目に土木関係、都市復興、第三番目に公共施設、社会福祉施設、第四番目に公営企業等の納付金、失対事業、これに使われておるということは、これはいままでの例で明らかであります。  しかし、これが持っておるところの弊害というのが最近非常に大きくなっていることは、これもまた疑いない事実でありまして、四十八年度におけるところの競馬、競輪、競艇、オートレース、この四品目の売り上げというのが三兆円をこえているという報告がなされております。そのうちの国営の中央競馬を除くと二兆三千六百億円、四十七年よりも三〇%増、こういう状態であります。したがって払い戻し金や運営費を差し引きますと、約二千八百三十億の金が自治体に入るという勘定になるという報告があります。これをいわば歴史的に見ますと、オートレースだけに限ってみますと、それだけでもう昭和二十五年に比べて四十七年は約五百倍の車券の売り上げ、一開催地域だけ見ましても三十倍の売り上げ、一日平均にいたしましても二十倍の売り上げがあるという状態であります。  確かにこれは飛びつきたいことなんですね。しかしそのことによって起こる地方自治体間の格差、これが最近非常に目立ってきておるという形でもって、もし公営ギャンブルがあっても、それによって得るところの収入は、これは各自治体にその収益を均等配分すべきじゃないかという意見が自治省を中心として出てきておる。これは私は理の当然のことだと思うのですよ。ですから、ただ単にこの収入によって恩典を受けるというようなところがあるといっても、これは一つのきわ立った自治体だけで、全体の自治体にそれが及んでいるわけじゃないのであります。その不均衡、その格差、こういったものが非常に大きくなってきている、これは非常に憂慮すべきである、こういう意見が出てきておるのですね。これは自治省の考えるべきことでありますけれども、しかし許可を与えるところの通産省といたしましても、そういったことも、ただ収入があるから、地方自治体はそれによっていわば財源的に余裕ができてくる、いろんなものがつくれるじゃないかというだけで考えるべきでない、こういう弊害についても当然われわれとしては考えていかなければならないということがいえるのじゃないかと私は思うのです。大臣はさっきの簡単なお答えですけれども、なかなかそういうようなぐあいに財源が潤って、ものができるというような考え方だけでもって、この問題を認めているというのは、私はこれは合わない、このように思っておるのですが、その点はどうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 元来こういう施設は戦災都市の復興のために初め認められたという歴史的経緯もあり、もう戦災都市が完全に復興してきたという今日にあっては、できるだけすべての自治体に均てんする、そういう方向に自治省も指導し、少しずつ改正されてきておるようであります。私もこういう政策については賛成であります。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 ですから、財政面で見た場合にはそういう措置が——もしいままでの公営ギャンブルがあったにいたしましても、だんだんそういう措置をとらないと、いわば全体の地方自治体のこれから先の運営に大きな支障がある、この点は大臣と合意をいたしました。  もう一つは、これはもう言わずもがなですけれども、大臣、昨年から一番石油危機等でもって実は非常に苦慮されてきておる。それで来年度の予算は総需要抑制といういわばかつてない状態をとりつつあるというときであります。したがって、将来にわたるところの問題は別として、当座はこの問題に対して、私は公営ギャンブルを認めるなんということはこれは私は国の政策上からいってなすべきでない、こういう考え方に立っておるのです。大臣も御存じだと思いまするけれども、四十九年度においてはもうとにかく総需要は抑制します、あまり仕事してもらっちゃ困るという形ですから、地方自治体から千六百八十億円も地方交付税を召し上げているのですね。これは福田さんもずいぶん酷なことをやったもので、ごうごうたる非難がありますよ、地方自治体から。しかし政府の立場に立てばそうしなければならない現在の状態だ、何をおいてもこの物価を抑制する立場で、そういった形をとらざるを得ない、泣いてくれよと、こういうふうに地方自治体に言っておるわけですね。その政府の現在のいわば苦境に立ったこの物価抑制の最大の目標、こういった点から見れば、これは将来の問題としてこの財源の均等化等はもちろんこれはやらなければならない、廃止の基本的な考え方に立っていろいろと研究されなければならない、当座は、いわばこの政策を実行する上からいってこれらの公営ギャンブルを新しく認めるなり、あるいはまた移転や復活等においてもこれは一ぺん抑制をしていかなければならない、やはり十分な考慮をしていかなければならない、慎重な配慮をしなければならぬ現時点だろうと私は思うのです。この点の認識はどうでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 総需要抑制ということはやはり非常に必要な政策であると思います。これは総需要ですから、あらゆる需要という面であって、その中でも特に石油の多消費型の部面あるいはレジャーとか、どっちかというとよくいわれる不急不要という方面に入るものはできるだけ抑制するということは好ましいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 したがって、信用目的や、その内容がいずれであっても、私がいま言ったように、地方自治体全体に金を渡すことを削ってもやろうというのですね。地方自治体にしてみれば福祉施設もつくりたい、学校もつくりたい、これはいろいろ交付税を受けてやりたいという面が数多くあるけれども、やはりそれは縮めようという形でありますから、したがってそういった点から見れば、これは私は当分の間はこの公営ギャンブルの許可についても慎重な配慮をすべきであるという点は私はおわかりいただけると思うのです。どうでしょう。そうですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 慎重に配慮してやりたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 そういった点から、これは大臣、もう私があまりこまかく言わなくてもおわかりでしょうけれども、大臣が言われた美濃部さんはギャンブル廃止という観点に立って大井のオートレースは昨年の三月に廃止をするという形になりました。これを持っているのは東京競馬株式会社でありまするけれども、この廃止になって一年たつわけでありまするが、御承知のとおり、東京競馬は都が過半数の株を持っておるわけでありまして、世論の廃止の意向に従ってこれをやめるという形になってまいって、事実上現在ないという形であります。さっき移転、復活等の話が出ましたけれども、これはその場所において暫定的に何かこういう都合でやめておいてそれを復活するという、これは意味がある。その意味ですね。移転というのは一つの場所がいろいろな面で交通やその他のことでもってそこでできなくなる。そこでもってそれをやめて移転をする、こういうかっこうでありまするけれども、この大井におけるところのオートレースは東京都が廃止いたしまして一年近くなる、事実上これはもう廃止であります。廃止をされたと同然であります。  したがって、こういったものが実は今後新しく期間をおいて移転するというようなことがあっても、これは私は本質的には許可をする条件に当てはまらないと思う。形式的には移転、復活になるように見受けられまするけれども、実質的な面ではすでにこれは廃止をされている。一年近くもこれがないという条件ですから、これを私は認めることはないだろうというふうに思っておりますのですが、この移転の許可申請がいま通産省になされたという事実はありませんね。

齋藤太一通商産業省機械情報産業局長

○齋藤(太)政府委員 移転につきましての申請はまだ出てまいっておりません。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 しかも東京競馬は、いま申し上げたように、東京都が半分以上の株を持っており、東京都はそういった廃止の意向を示しておるという形で、聞くところによりますというと、東京都はこの廃止をするにあたって、この会社に対し四十億もの補償金を出した、こういうことも聞いておるわけでありまして、したがって、それを受けたこの東京競馬株式会社はいわば東京都の意向に従ってこれは廃止をしたということについての承諾をしたというふうに私は見て差しつかえないだろうと思うわけでありまして、そういったその間の事情について若干わかればひとつ簡単にお示しをいただきたいと思います。

齋藤太一通商産業省機械情報産業局長

○齋藤(太)政府委員 お話しのように、大井のオートレース場につきましては、美濃部知事の方針としましてこれを廃止しようということになりまして、昨年の三月末をもちまして大井におきますオートレースはそれ以後実施されておりません。廃止するにつきましての、この施行者でございました東京都と施設の持ち主であります東京都競馬会社の間で契約ができまして、補償が行なわれておりますが、その補償によりますと、補償は、これまでの東京都競馬会社が設備の持ち主として都の財政等に貢献したことに対する補償ということで二十二億五千百万円が支払われ、また施設の撤去費として二億九千四百万円、合計二十五億四千四百万円補償が行なわれておりますが、その際の補償契約によりますと、その内容は主たる点が二点ございます。  一つは、この大井のオートレース場においては、今後は主催者がだれであろうとオートレースは行なわないこと、それから四十九年の三月末日までに大井オートレース場の施設は全部撤去すること、こういったことが契約の補償を行ないます場合の条件になっております。そういうことで、この契約によりますと、大井における施設は撤去することになりますけれども、そのあとこの施設をどこかに移転をいたしまして、オートレース場として再建するかどうかということにつきましては、東京都との契約の間ではこれを拘束するような規定はないように見受けられます。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 ですから、私はいま国の基本的な考え方に基づいてこれは事実上の廃止をしている。この種のものに対して、相当な時間がたっておる今日において、これを再び認める、まあ大井ではやらぬということですから、再び認めることはないと思いまするが、そしてまたどこかへ持っていってこれをやるというようなことは、私は三十三年の閣議了解事項にも反すると同時に、いま大臣も私といわばその点では意見が一致しておるところの廃止の方向に政府は行く、そうしてまた現在のいわば緊縮的な財政のもとでもって、こういったものについては慎重な配慮をすべきであるという国の考え方からいって、これらのものについては当然私は認むるべきでない、こういう立場に立つべきだという意見を申し上げているのですが、その点はどうですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 大井のオートレース場、東京都の関係で廃止、やめるというとき以来、大井のオートレースのほうでは移転地を非常にいろいろさがし回っておったようであります。だから、廃止するという意思ではなくして、移転という意思で初めからこの問題が処理されておったようであります。そういう面からいたしますと、これを廃止すべきものと断定するという筋のものでは必ずしもない。どういう申請が出てくるか、そういう内容等も審査してみまして、その申請を持ちましてわれわれは検討すべきものと考えます。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 大臣は結論を言われましたから、私は多く言いませんけれども、あなたと私と同じ群馬県です。その群馬県の伊勢崎市でもってこれを誘致したいという話は、地元の新聞等で御存じかと思うのであります。もちろん事務当局は、これは公式には聞いておらないだろうと思うのですが、私は、いま言ったような観点で、慎重に取り扱うべき性質のものである、こういうように思っています、まだ出ていませんから、何とも言えないでしょうけれども。  つけ加えて言えば、伊勢崎市の受け入れ体制というものも一つございましょうけれども、これも市の当局が市会に提案をしてやるという筋のものでしょうけれども、伊勢崎市は非常に変則でもって、議会で議員提案でもってこの受け入れに対するところの議決をしている。こういう変則のこともございます。そしていま間近く市長選挙もあるというようなこういう事態の中で、いわば地元はいろいろな面で意見が分かれている、こういうことも聞いているわけでありまして、われわれは、そういったことを踏まえ、しかも私がいまるる申し上げたような現在の事態、こういったものを考えたときに、私は、この問題に対しては非常に慎重な態度で当たるべき問題であり、また時期である、こういうように考えておるわけでありますが、その点はひとつ大臣も当然その観点に立って対処されなければならぬと思っておるわけですが、それはよろしゅうございますな。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 申請の内容、条件、周囲の環境、そういうすべての問題並びに自治体の意向等についても、よく検討してみます。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 またこの問題については、事態の推移等をながめまして、私も大臣の考え方をただしていきたいと思いますし、また、同じ県の政治家の一人として、私はこれは通産大臣としてでなくても、同じ県選出の議員という立場でも、いろいろと意見の交換をしてみたい、こう思っておるわけでありますから、そういった点で、あなたの現在の立場、国の政策、そしてまたいろいろと政治家としての考え方等も織りまぜながら、私は、あなたがこれに対して適切な考え方を出していただくように、そしてまたわれわれの考え方もいれながら慎重な対処をしてもらうようにということを強く要望しておきたいと思うのです。よろしゅうございますね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 慎重に検討してまいります。

田邊誠日本社会党

○田邊分科員 終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて田邊誠君の質疑は終了いたしました。  次に、阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 前に予算委員会の総括質問のときに、中小企業の金融対策についてお尋ねをしたのであります。当時中小企業庁の御判断としては、年末から一月ごろにかけて相当きびしい状況が出るのではないか。ところが思ったよりは案外であった。こういう状況。ところが、三月、四月あるいは五月という状況は必ずしもそう楽観を許さぬのではないか、こういう感じを持っておるのであります。その中で、通産大臣から、年末の特に三機関に対する特別融資ワク、これと同じ程度のものを当面の情勢に対応してさらに考えておる、こういう御答弁があったのであります。  その以降、それがどういう状況のもとに、どういう時期に、どういうふうに具体化をされるのであろうかということを、各方面にいろいろ伺ってみますると、中小企業庁、大臣のほうは非常に積極的にこの課題を進めていらっしゃる。ところが、大蔵省当局は、どうもなかなかそう簡単なわけにまいらぬという態度だというふうに承っておるのでありますが、大臣が、年末特別融資ワクと同じ程度のものを当面の情勢に対応して三機関の特別融資ワクとしてさらに考える、この問題が現時点でどういう情勢に進んでいるのか。  それから、年末、一月、今日までの段階で、中小企業の倒産というものが思ったほどきびしい情勢にならなかった。ところが、どうも三月、四月、五月、このあたりにかけまして、業種によっては相当きびしい情勢が出るのではないかというふうに思われるのであります。  こういう状況を、これは大臣から概括的に、事務当局からそういう情勢判断を少し具体的にお聞かせを願いたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 まず市況でございますが、やはり少しずれてきておりまして、最近ようやく建設関係あるいは繊維関係あるいは自動車の下請あるいは機械メーカー、そういう面に不況がしんしんとしてまいってきておるようであります。私の感じでは、やはり四月、五月、六月ぐらいがひどくなるのではないかという感じがしておりまして、そういう考えをもっていろいろ手配をしております。とりあえず三月一ぱいの年度末までに、五百五億円の緊急融資を三機関を中心に実行したところであります。  その他の点につきましては、長官から御答弁申し上げます。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 情勢判断はいま大臣がお話しなさったとおりでございますが、私どもとしまして、まず第一の現時点でどう進んでいるかという点でございますが、これはいまもお話がございましたように、三月末の、つまり一カ月分といたしまして、五百五億の追加融資をいたしました。そのときにも、同時に大臣のお話にもございましたように、四月以降も含めまして、つまり、今後も随時情勢に応じて適時適切な機動的なワクの追加というものを考えるのだ、情勢いかんによってはそういうことを考えたい、とりあえず三月末までを目当てとして五百五億の追加をしたい、こういうふうなことで進めたわけでございます。  したがいまして、今後の情勢判断がやはり大事でございまして、四月以降の状況いかんによってはさらにいろいろ、たとえば三機関の融資の繰り上げというふうなことも含めて対応策をとる増加ワクということも考えなければならぬかもしれません。その辺は今後の課題として慎重に見守っていきたいと思います。  それからもう一点の、四、五月ごろの判断はどうかという点でございますが、この点は私も実はやはり、四月以降だんだんとこの総需要抑制の効果が出てくるというふうな点から、製品需要の減退というふうなことが各方面に出てくるのではないだろうか。建設関係につきましてはすでにその懸念が出ておるわけでございますが、各方面にそういった点の影響が出てくるおそれがある。したがいまして、四月以降六月ごろまでの時点というのはかなり注意して情勢を見ていかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 三月分として五百五億円ですか、これを緊急に手当てをなさった。そういたしますと、中小企業庁が原資を直ちに持っておるというわけではなくて、したがって、大蔵とのかかわりが出てくるのだと思うのですが、前に大臣が言われておったこの三千四百億程度、年末緊急の特別ワク程度のものを、当面の情勢に対応する、そういう考え方でというお話があったわけでありますが、その全体の規模というもの、これが政府部内ですでに中曽根大臣の大方針に対して全部一定の合意に達しておるのかどうか。そうしてその程度のワク組みで、いま大臣がおっしゃる四月、五月、六月というこの情勢を十分乗り切ることができる、こういうふうに御判断なさっていらっしゃるのかどうかですね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これはそのときの必要性がどの程度に緊迫してくるかということによってきまります。でありまするから、緊迫度が強く、非常に必要であるという場合にはそれよりもっと多くワクをつくらなければなりませんし、それほど緊迫してないというときにはもっと少なくても済む、そういう景気の動向をよく注目しながら必要に応じてそれらの人々に十分手当てがいくように措置していきたい、こう考えておりまして、そういう点においては大蔵当局とも考え方の原則は一致しておるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 中小企業庁の事務当局は、大蔵がなかなか渋いんだと言うのです。大臣が相当ハッパをかけたので、ようやくいまの緊急の融資も何とかなったんだ、なかなか大蔵はむずかしいことを言っておるぞ、特に福田大蔵大臣の中曽根通産大臣に対するつら当てみたいなものもあるんじゃないかななどということも言うのですよ。まさかわが国の経済の相当重要な部分を持っておる中小企業対策が、中曽根大臣に対する福田大蔵大臣のつら当てなんということで変なことにはならぬものだと私は思います。思いますが、情勢に応じてと、こう言われるのですが、私などよく現場の国民金融公庫なりあるいは中金の支店長なり商工中金の現地の指導者の皆さんにいろいろ当たってみますると、なかなかその先々の見通しが立たぬと言うのです。いま当面のことは、自分たちいろいろきびしく現地の窓口を持っておるわけですからそれはわかる、けれどもその先々のことがどうなるのかということがなかなかはっきり大もとのほうから展望が明らかにされぬものでありますから、現地におけるさじかげんというものがうまく立たぬのだ、こういうことをよく言われるのです。  したがって私は、大臣のおっしゃる緩急自在、情勢に応じていろいろにと、それは実力大臣ですからそのくらいの緩急自在のことをおやりになると思う。しかし大臣の傘下におって、三機関のように中小企業と特に密着しておる運営の衝にある現地指揮官は、そのときどきだけではどうにもならぬものがあるのです。大体ことしの流れはこうで、したがってこういう情勢になるんだという展望を持っておって、その上でやはり現地窓口をどの程度のさじかげんでさばくのかということをやらなければならぬ、こう言うのですよ。一般的に中小企業庁のほうから流れてくるのは、とにかくきびしくやれ、総需要抑制なんだ、したがってどのあたりでどうすべきかという判断が非常にむずかしいところだということを、大臣の傘下にある三機関の現地指揮官の皆さんはそうおっしゃるわけなんです。したがって私は、ここ当面の長期的な数カ月間の展望を立てながら、その中では大体情勢をこのように踏まえてこういうような措置をするんだということが、やはり現地指揮官にはっきりと意思統一がされておらぬと困るじゃないかということを三機関の現場を預かっておられる皆さんとのいろいろな話し合いの中で痛感するわけであります。  そういう意味で、緩急自在ではなくて、緩急どのようになるかということを先取りされて——これは中曽根大臣得意の先取りであります。そしてやはり一定の見通しを立てられて、現地のそういうところに、数カ月間の見通しの上に、いま起こってくるいろんな情勢に対応できるようにしてあげるべきではないかというふうに思うのです。いかがでしょう。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 現地の三機関の窓口が現地の情勢をどう判断するかということも私どもにとってはたいへん参考になることでございます。同時に、私どもがどういう点を問題にしながら三機関のワクの問題を考えるかということも大事なことだと思います。いずれにしましても、三機関の現地の情勢判断というものを今後私どもも十分尊重してまいりたいし、また適宜適切にいろいろな意見を窓口からも伝えてほしい、こういうふうに考えるわけでございますし、私どもも別途の観点から諸情勢を判断いたしまして、いま御指摘のようなことについての意思の疎通を欠くことのないように努力をしてまいりたい、こう考える次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 こういう経済激動期、この流れの中で特に金融対策一つで相当淘汰をされるべき部分が出てくると思うのです。したがって、大臣のほうで、日本の現在の産業組み立て、流れ、この中で、この情勢でほうっておいても伸びていくものあるいはほうっておけばつぶれていくもの、こういうあれが鮮明に、鮮烈に浮き彫りになってきておると思うのです。したがって、政府のほうに、この機会にある意味でいえば足手まといな部分の産業構造を淘汰をしようというような意図などもどうかするとあるのじゃなかろうか、これは私どものけれんみのある憶測かもしれません。したがって、いま起っておるこの現地情勢に対して、まんべんなく全部総合的にずっと何とかしてやろうということなのか、この機会に日本の産業構造というものを選別をして、むしろ足手まといな部分は淘汰をしようというお考えを持っておられるのかどうかですね。私、たちの悪い意味で申し上げているわけじゃなくて、この機会に日本の産業構造、特に中小企業の面においてはどういうふうになさろうとお考えになっていらっしゃるのか。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 私どもといたしましては、こういう中小企業に不当なしわの寄りがちなときでございます。したがいまして、健全な中小企業がそのために大きな影響を受けて倒産になるようなことを防いでいくことが非常に大事だろうと思います。もちろん中小企業によってはいろいろございましょう。こういうことがなくても非常に放漫経営のようなことでつぶれるような企業もあるかもしれませんが、しかし、ともかくも健全な中小企業の育成とそれの発展ということに焦点を置いて、中小企業金融は補完金融としての政府系三機関の機能を果たしてもらいたい、こう考えているわけでございます。いま御指摘のような、たとえば産業構造政策の中でそのために中小企業の金融についてもそういう道をつけるべきであろうというふうなことは、いままでも、たとえば構造改善政策とかいろいろな近代化政策の中でそういう政策融資をやはり一定のワクを設けてやっております。したがいまして、今後もそういうものが必要になるといいますか、中小企業金融の中にそういうことの位置づけをさらに豊富にしていくということも必要だろうと思います。しかしこれはこれとしてまた私どもとしては勉強してまいりたい、こう考えるわけでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 これは大臣にお伺いしたいのですが、たとえば建設業、これはいまおそらく登録業者、許可業者が大きいのかち小さいのまで全部合わせますと十七万ぐらいいらっしゃるのじゃないかと思うのです。したがって、地方社会で私どもがそのメカニズムを追及してみますると、ある程度規模の小さい仕事まで全部大手が乗り込んできて受注する。ところが乗り込んできた大手は何をやるかということになると、最近学校を出て間もない技術屋が一、二乗り込んできて、あとのものは全部地方業者に対して下請をやらせる。その地方業者のもとに地方のもっと零細な業者がさらに三段階目の下請をする。結局いまのように資材は値上がる、だんだんだんだんきびしくなってまいりますと、全部のしわ寄せが最末端の地方零細業者の上に及んでいく。こういう一連の流れが特に建設業界などでは相当顕著なのであります。  かつて私ども建設行政の中で、従来の登録制から許可制に切りかえるという段階で、ある意味でいうと全国十六、七万もになった業界をある程度整理していこうというねらいがあったことは事実だろうと思うのです。ところがそのことと今回の経済変動というものが重なり合って、一番現場で働きバチのようになって働いておるこの部分に致命的なしわ寄せというのが非常に目についてまいりました。  したがって一体どうするのかということになりますると、これはひとり建設業界だけじゃありません。たとえば繊維業界などでも、商社なども介在をして、地方に零細な三段階や四段階目ぐらいの下請工場のようなのが、二十人、三十人ぐらいづつのものがどんどんつくられています。あるいは電機産業などの面でもたいへんな何段階かの下請系列というのが地域にいまつくられておる。こういうぐあいに経済情勢がきびしくなってまいりましても、本体はなかなかゆらがぬ。そして調整、安全弁の役割りは全部最末端の働きバチの上に、これを切ったりあるいはまた復活させたりということで本体自体には激動の経済状態がもろにはかぶらぬようなしかけになっておるように私ども思うのであります。  そういう一連の情勢の中から、この激動期、ある意味でいえば相当歴史的な今回の激動だと思うのです。このときに一体日本の産業構造というものをどうするのかということが、私は通産省の中にはあるんじゃないかという気がするわけなんです。総花的に、いま起こっている現象に対して対症療法をまんべんなく全部やっていこうという御方針なのか、この機会に再編成しようという考えなのかどうだろうかという疑問をしょっちゅう持つのでありますが、いかがでしょう。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 御指摘の考え方は、産業政策全般の中での御質問かと存じますが、その点は私の答えるべき問題ではないかもしれません。中小企業の範囲で申し上げますと、先ほど申し上げましたような考え方で私どもとしては運用してまいりたいし、そしてまた構造政策の一環として、中小企業政策にもやはり一つの重点を置いた融資政策というものがだんだんとウエートを増してくるということが、やはり今後の展望から見ると大事ではないか、こう考える次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 そこで、金融対策の問題でありますけれども、先ほど大臣が言われましたように、私も四月、五月あるいは六月、このあたりまで相当きびしい情勢が出てくるという感じを持っております。そういたしますると、従来市中銀行との間に取引があったが、この市中銀行の資金というのがなかなかきびしくしぼられてきておる。従来国民金融公庫なりあるいは商工中金なりにあまりお世話にならなかった皆さんが、従来の取引相手であった銀行との関係がきびしくなってきたというので、どんどん政府関係三機関に対していわば横すべりしていくというのか、なだれ込んでいくというのか、こういう現象があらわれてきておるのであります。こういう現象を長官のほうではどういうふうに把握されていらっしゃるか、そしてまたこういう状況に対してどういう指導をされておるのか。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 市中銀行の貸し出し態度というのは、やはり景気、不景気によってたいへん違うわけでございまして、統計を見ましても、非常に中小企業金融の伸びておるときと非常に伸び方の乏しいときというのが時期によって非常にございます。   〔主査退席、羽田主査代理着席〕 また今回のような引き締めをいたしますと、どうしても市中銀行の中小企業向け貸し出しについては、大企業向けと違って維持するように、あるいは伸ばすようにということをお願いしましても、やはりいつもに比べればどうしても伸び方が落ちてくる。そうなりますと、そのしわがどうしても政府関係三機関のほうにかかってくるということは一つの傾向として指摘できると思いますし、またそういうことに対応して、三機関にもそういうときにはやはりいつもよりも多目の資金ワクを出しまして、そしてそれに対応できるように私どもとしてはつとめているつもりでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 大臣、この前予算委員会で御答弁くださった年末の特別ワク三千四百億、この程度のものをさらに別途に準備をする、こういうふうに言われましたが、この御方針はいまも変わっておらないのかどうか。これがある意味でいえば最低限で、そして起こってくる情勢に対してさらにまた情勢に対応して考える、こういうふうに私ども考えてよろしいのかどうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 基本的にはそういう考えを持って臨みたいと思います。やはり四−六というものはかなりきびしいという考えを持っておりますから、それくらいの考えをもって臨まぬと十分ではないとわれわれは考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)分科員 わかりました。ぜひひとつこの御方針を大臣の傘下にある現地の三機関の指揮官の皆さんに——実は従来はすんなりいっておったが、情勢がきびしいし、何とか従来程度のことはやってもらえると思って国金なり中金にお願いに行ったところ、いまはそんな甘い情勢じゃない、きびしいのだ、こういうわけで、なかなか従来のように動かぬ、こういう情勢が起こっておる。そこで私ども、現地の三機関の指導者の皆さんにお話をすると、やはりきびしい。そして一体どうなるのかということについては、当面短期的な指示は中小企業庁のほうからもある、あるいはこっちの本店のほうからもある、しかし長い展望で一体どうなるのかということはなかなかはっきりしない、したがって、私ども現地を預かる者としてはやはり少しでも控え目にきびしくやらざるを得ない、こういう言い方をなさるわけであります。したがって、総体の流れを、いま大臣が申されましたように現場で実際の問題に携わっておられる指導者の皆さんにその方針を徹底するようにしてほしいということを希望申し上げたいと存じます。  もう一問あったのでありますが、時間がございません。したがってこれは次の機会に、建築資材の値上がり状況は決してまだ私は楽観しておりません。特に間もなく石油の値上げという声が出てきておるわけであります。この情勢いかんによっては再び建築用資材などというものが相当大きな問題になってくる。そういう情勢に対応して、たとえば現地でそういう不足物資に対してあっせん所をつくったなどといいましても、下部末端にはなかなか徹底しておらぬのであります。したがって、そういう対策をひとつ早手回しに段取りをぜひ立てていただきたいということを希望申し上げまして、時間がございませんので別の機会にまたお願いしたいと思います。  以上で終わります。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて阿部昭吾君の質疑は終了いたしました。  次に、小沢貞孝君。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 去年の十月ごろの紙の値上がりから、紙のことに頭を突っ込み出して、またきょうも紙のことを主体にお尋ねをしたいと思うわけです。そのもとは、方々に行って小さい印刷業者が、たとえば複写紙のごときは、もうおととしあたりはキロ百円か百四、五十円で買えておったものがとてもじゃないが間に合わないし、最近は三倍にもなりまして五百円をこえる、こういうようなことで、どうにも困っているというのをあちこちに散見して、それから紙問題に取りついていろいろ考えてみたわけであります。  そこで、基本的にはこれは大臣にお尋ねしたほうがいいかもしれませんが、通産省がずっと戦後製紙の関係で指導してきたことは、製紙の製造設備の増設をなるべく停止するように、こういうような指導、それから新増設の抑制、紙パルプ設備の投資調整、こういうようなことをずっと一貫して指導してきたわけであります。それからまた、これは公取もそうだと思いますが、昭和四十七年二月から四十七年七月あるいは四十七年二月から四十七年十二月まで、中しん原紙や外装用ライナー、こういうものの不況カルテルを認める、こういうようなこともやってまいりました。そういうようなことが両々相まって、最近の情勢では結果的には寡占化がだんだん進んできたのじゃなかろうか、こう思います。  たとえば上質紙でいうならば、上位五社が六割四分、中質紙でいうならば上位五社が九割一分、上ざら紙、これは二社で九四%、ざら紙は三社で八六%、こういうような状況になってきたわけであります。こうなって価格操作が容易になってきたというようなことで、この間も参考人の大昭和製紙の斉藤社長にも質問をしたわけですが、昭和四十八年中にやみカルテルの審決が六回に及ぶ、こういうようなことをやって寡占化が進んで、適当に協定をしてどんどん値を上げてきた、こういうのが実態ではなかろうか、こう思います。  したがって、この寡占化を促進するような従来の通産省の方針というものが、この機会に反省されてしかるべきでなかろうか。こんなぐあいに考えるわけですが、いかがでしょうか。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、紙パルプ業界におきましては、かつて設備調整を長期的な需給の適正化という観点に立って実施しておったわけでございます。パルプ設備につきましては昭和三十三年から四十七年三月の末まで、抄紙機につきましては三十七年十二月から四十三年十二月まで実施したわけでございます。  この投資調整のねらいを若干説明させていただきますと、パルプ設備につきましては、前半の三十三年の二月から三十八年の九月まで、この間における設備調整のねらいといたしましては、当時、未利用資源といいますか、まだ使いものにならなかったところの広葉樹、それから廃材、チップ等を使用する設備を調整にあたりましては対象外にいたしまして、そういった設備が導入されることによって価格上昇の著しい針葉樹から原料転換をはかりたい、合理化を進めたいという観点で実施したわけでございます。後段の三十八年の十月から四十七年の三月末までの設備調整にあたりましては、今度は海外原木をいかにかして活用していきたいという観点からいたしまして、そういった設備につきましては調整の対象外にするということで、海外からの原木資源の開発輸入というものを計画的に、積極的に進めてまいりたい、かような観点に立ちまして、パルプ設備については設備投資の調整をやってきたということでございます。  それから、抄紙設備につきましては、過剰設備の発生を未然に防止したい、投資効率と申しますか、需給の適正化のもとに投資設備の効率化をはかりたい、かような目的で実施してきたということを初めに申し上げておきたいと思うわけでございます。  それで、ただいま先生から上質紙あるいは中質紙等につきまして寡占度の御指摘があったわけでございますが、さような紙の種類を分けていきますと、まさに御指摘のような集中度を示しておるわけでございます。これを過去と比較いたしますと、若干ながら集中化が低下してきている。これはほんのわずかでございますが、そういった傾向でございます。かたがた紙全体として上位五社を比較いたしますと、二十八年当時が三九・六%でございます。それから三十七年が三六・七%、四十七年が三三・二%、こういうふうに、紙全体として見ましても、だんだん集中度は低下傾向を示しておるというのが現実でございます。それともう一つは、紙、板紙を問わず、一般に景気動向に左右されやすい。需給、価格等も景気動向と並行的に動いている場合が過去のトレンドを見ても多いわけであります。  そういったところから、寡占化、集中化によって必ずしも不当な価格形成が行なわれているということにはならないかと思いますが、ただ、これも先生から御指摘がございましたように、集中度が高ければ、それだけやはり価格形成を自由にしやすい傾向というものはあるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、ただいま申し上げたような事情ではございますが、特に印刷用紙等につきましては、さような御指摘になったような事態が発生しないように、十分に監視してまいりたいと考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 最近の経済情勢から見て、紙の消費の伸び率というものは大体どのくらいに見たらいいでしょうか。それから去年全体を見ると、これは製紙連合会の発表なんかも参考にしながら申し上げるのですが、対前年比一割七分の製造の伸びであります。だから、消費が幾ら伸びても大体これくらいではなかろうか、こう思うわけです。  そういうことだと、生産も消費も大体バランスをとりながら来ておるんだから、去年の初めと、暮れからことしの一月にかけて二倍以上も値が上がるということがどうしても解せないわけであります。これは原料が上がった、人件費が上がった、いろいろあろうと思いますが、こういう動向を見てみると、いまお答えがあったように、寡占化というか価格協定がしやすい状態になって、現にそういう動きがあったがためにこれだけの値上がりになったんだ、こういうふうに私は結論をしたいのですが、そういう動向であることは認められるでしょうか。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 過去の実績を見ますと、大体一〇%前後の伸び率というのが一般であったわけでございます。ただ昨年十二月について実績数値が出ておりますので申し上げますと、生産が千五百九十六万二千トン、一七%の上昇でございます。それから出荷が千六百十三万三千トン、一七・九%の増。この点はまさに政府側として予知できなかったかというとおしかりを受けるかもしれませんが、過去のトレンドとして見ますと、かように一七、八%も伸びたということについては事前に十分そこまでの予側は困難であった。と申しますのは、生産の面におきましても、四十五年を一〇〇といたしまして、それよりはるかに上回る稼動率指数を見せて、たびたび当方からも増産を指示する、あるいは要請をするといったことで能力一ぱい発揮いたしまして、一七%の生産増をもたらしたわけでございますが、需要のほうが、ちょうど昨年いまごろから景気回復過程に伴いまして非常な上昇を示し、需要がきわめて旺盛であった。生産も一生懸命これに追いつこうと努力したわけでございますが、そういったところから昨年一年間の需給がタイトに推移したということを一つ申し上げておく必要があるかと思います。  反面、値上がりの問題につきましては、先ほど先生が原料の問題について御指摘になったわけでございますが、原木あるいは故紙が生産コストの中でどういたしましても四五%ぐらい占めるわけでございます。これが故紙のたぐいで申し上げますと、ものによりますと三倍から四倍になっておる。あるいは原木、広葉樹を見ましても八割から九割程度上がっておるといったこともございます。かたがた、その他の燃料代とか副資材等の値上がりもあるわけでございまして、そういったコスト要因が非常に上昇につながっておるということはやはり否定できないのではなかろうかと考えるわけでございますが、昨今に至りましてようやく総需要抑制の効果と申しますか、あるいは先行きの見通しがある程度立ってきたと申しますか、かつての先高見込みから、どちらかといえば弱含みの推移をたどるのではなかろうかといった形でユーザーサイドのほうでも若干の安心感が出てまいりました。そういったところから、この二月以降かなり需給が緩和してきておる、そういったきざしが認められますし、かたがた価格面でも、これもほんのわずかでございますが、キロ当たり二円あるいは三円程度ではございますが、一応値下がりの方向を示しつつあるというのが現状でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 昨今の情勢は、確かに政府の総需要抑制の効果、私は端的にこういう効果もあったと思います。私のほうで一月二十九日に、製紙連合会長を呼べ、コクヨの社長を呼べと言ったとたんに、上げるのを上げないようにと全国に指導したりした、そういうところもあったと思います。それからまた二月八日だかの新聞にあるように、大昭和製紙に対して忠告をするというような、いろいろの要因が重なったんじゃなかろうか、こう思います。  確かにコストの上がった要因もあろうと思いますが、私はやはり便乗的な要因もあったんではないか、そういうことを認めたからこそ、この間答弁書もいただいたように、一部の製紙会社に忠告をした、こういうことも一部は認めていただかなければならないんではないか、こういうように考えます。これは私はあまり追及しようとは考えませんが、あとでこれから質問の材料にもなろうと思いますので、どうでしょう。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 メーカー段階でどうであったか、集中度が高まることによって相当便乗的な値上がりの動きがあったのではないかという先生の御指摘でございますが、これにつきましては、やはり私も一部のメーカーにおきましてさようなふらちな行為に出たものがあるかと思いますが、全体として見ましては、やはり需給問題、コスト問題というふうに考えております。  それからいま一つは流通段階の問題がございます。御承知のように、非常に流通経路が長うございます。かたがた従来の商慣行といたしまして、小売り値の四割ぐらいを、マージンを含む流通経費として慣行的に実施しておったといったようなところもございます。そういったところにつきましては、たとえば標準価格をきめる際に流通マージン率を四〇%から三〇%に一〇%カットするとか、あるいは流通業者がみずから自粛制限をいたしまして二%ずつマージン率を落とすとかいったような態度も見えてきておるわけでございます。したがいまして、今回の高値の問題につきましてはいろいろございますが、やはりそういった一部のメーカーにさような不心得の者がおったということは否定できないと思います。かたがた流通面にもやはり幾らかの問題があった、かように考えております。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 一部のメーカーは確かにそういうことがあったと思います。それはきょうはこれ以上追及をしないことにして、私がいまお答え願ったように、この紙の流通機構の改善というものを考えなければいけないんじゃないか、こう思います。紙の種類が二十五万種類、二十六万種類、いやこれは実に膨大なものでびっくりしちゃうわけです。いろいろの種類があれば流通段階においていろいろの、お得意さまにすぐこたえなければならない、こういうことになると、これだけの種類のあるものをわずかずつでも在庫を持たなければならない、こういうことに私はなっていくんではなかろうか、こう思いますから、やはり通産省の強力な指導で紙の種類をある程度規格化をする、こういうことがより流通を円滑ならしめる基本ではないか、こういうようにも考えます。それから流通の合理化等の問題についても、やはりこういう機会に何らかの対策を立てなければならないんではないか。こう二つ考えるんですが、いかがでしょう。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 御指摘のように、紙につきましては流通の改善ということが非常に重要な問題になるかと思います。特に紙につきましては、一般にバルキーな荷物でございます。それからいま一つは都市型産業ということから交通との関係もございます。さようなところから、紙業界自体につきましては、どちらかと申しますと、他の業種に先がけて流通の改善に意を用いてきておった、また政府もこれを応援してきておった、かようなことでございまして、ただいま御指摘になりましたような規格の統一化もすでに作業に入っております。現在二十五万あるといわれるわけでございますが、それを四千種類程度にまで規格を制限いたしたいということで、現に作業に入っております。  それから、流通センターにつきましても、すでに全国で五カ所ほど建設を促進いたしております。この結果、いまも御指摘になりましたように、紙の重複在庫あるいは交錯輸送を排除するといったような、きわめて紙の立場からいたしましてもそうでございますが、都市交通という立場からいきましても効果があるんではなかろうか、かように考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 積極的にすでにそういうことをお進めいただき、今後もやろう、こういうことですから、さらに私は先に進みたいと思います。  今後の紙の消費の伸び、それに対して原木その他の手当てがなかなか困難、公害問題もある、こういうようなことから先行きの見通し、これらの対策についてこの機会にひとつ。  この間も大昭和の斉藤社長から、しかったりおこったりするばかりが能じゃない、あなた何か希望はないか、こう言ったら、やはり公害の問題でコストが上がるから公害資金なり何なりひとつ頼むと、こういう話もありました。それから原木の手当ての問題もあります。さらに、これは大臣、苦労をしているところなんだが、あの石油が値上がりになっていく、人件費が値上がりになるという中において、できるだけメーカーのほうのコストも下げなければならない、こういうことになると、どういうような対策を講じてやっていこうとしているか、簡単にひとつ。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 御指摘ありましたように、原木あるいは故紙といったような原料について十分の対策を講ずることが紙の長期的な需給あるいは価格の安定に直に結びつく問題である、こういう認識のもとに、原木につきましては、ブラジル、ソ連あるいは南方地域等に積極的に関発計画を進めておるわけでございます。かたがた、国内の原木につきましては、林野庁等とよく連絡をとりながら価格安定について協力をお願いをしておるわけでございます。  故紙につきましては、これはいろいろな意味もございますが、四十八年度から故紙の集団回収事業というものを進めておりますが、これをさらに来年度は拡充いたしたい。同時に、故紙の再生利用を促進するためにセンターをつくりたい。このセンターのファンクションといたしましては、故紙問題について一般国民の認識を深めるための啓蒙宣伝事業、それから故紙回収業者の近代化のための債務保証あるいは故紙の備蓄場の建設と運営、かような事業をやるセンターを新年度から発足さしたいということで、現在準備を進めておる段階でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 ちょうど話が出ましたから、故紙回収についてお願いをぜひしておかなければなりません。  人件費が上がるのでだれも集めに来なくなっちゃうわけです。いなかあたりへ行くと、ちり紙と交換だ、それ持って飛んでいけと言ったって、向こうはあまり集めたくないもんだからさっさと出かけていっちまうみたいなことがあるので、この資源愛用の時期に、これには相当なやはり力を入れていただかないと、十分な故紙回収ができないのではないか、こういうように考えますし、いま一方、私は消費の節減、この運動も呼びかけないと、資源が少ない日本において、これはもうたいへんなことになっていくんではないかと思います。故紙回収は即資源の愛護だと思いますが、消費の節減というような問題について、まあここには新聞社の方がいらっしゃるが、率直に言って紙が少なくなってありがたいですな、このごろ新聞のページ数が減りました、たいへん喜ばれるような意見が方々から聞こえてくるわけであります。広告は山のごとく十会社、二十会社、こんなに厚く毎日広告があの新聞の中に入ってこなければならないような、こういう問題についても、やはり資源節約のおりから何らかの指導対策があってしかるべきだ、こういうように希望だけを申し上げておきたいと思います。  それから最近の需給、若干鎮静の状況で、さして重要な問題ではないかと思いますが、紙あっせん相談所がこれは十分機能を果たしておらなかった、こういうようなことで問題があろうと思います。というのは、従来の商慣行その他をあまり混乱させたくないという通産省の考え方、あるいは業界の希望等があったと思いますが、私は鉄鋼のあっせんを見て、大メーカーに契約しておるのを一部さいて、そして直接やった、あの鉄鋼あっせんのときにはそれなりに価格を鎮静させる役目を十分果たした、なかなかむずかしい点もあったのですが、果たしたと思うんだが、どうも紙のあっせんのほうにいくと、従来の商慣行その他を尊重し過ぎて十分な機能を果たさなかった、こう思います。最近は鎮静化してきたからさして問題はなかろうと思いますが、その後の改善策について……。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、昨年九月に相談あっせん所開設以来、いろいろ問題があったわけでございます。たとえばあっせん件数にいたしましても九百十七件で全体の七四・四%、数量といたしましては二千三百三十六トンで五五・二%。これは一にやはり玉の手当てが十分できなかったということへの反省につながってくるかと思います。かたがた、あっせんの申し込みをいたしましてから実際に現物を入手するまでにかなりの日数がかかった。ひどいものになると四十日ぐらいかかったといったような経験に徴しまして、二月五日から運営を改善いたしたわけでございます。  内容は三点ございまして、一つは、申し込み量が一件三十連以内の場合には原則として無審査で迅速にあっせんを処理する。これを上質紙で換算いたしますと、一連が五十五キロでございますから、三十連といたしますと千六百五十キロに相当します。この運営を改善する前の実績を申し上げますと、上質紙の平均あっせん申し込み量は千四百キログラムであったわけでございますので、まず三十連まで無審査でやれば御要求にこたえられるんではなかろうか。  第二点は、あっせん用の玉を確保するために、まずこの事業に協力を約したメーカーから別ワク出荷させまして、これを在庫しておき、必要な場合すぐ出せるような形で準備いたしております。月にして約二千トン、このうち上質紙は六百トン予定いたしております。  三番目はあっせん価格。量的にはだいぶ、御指摘にもございましたように改善のきざしが見えてきておるわけでございます。むしろこの段階では価格のほうに重点を置きたいということで、あっせん価格につきましてはメーカーの出し値に流通業界の適正マージンを加えた額でごあっせん申し上げる。具体的に上質紙の例をとりますと、あっせん価格は大体百九十円から二百円ぐらいになるかと思います。市中相場はかつて三百円をこしておるときもあったこと、また、現在下がってきておるとはいえ、二百二十円から二百五十円ぐらいしておるんじゃなかろうかと思います。したがいまして、かようなあっせん価格を立てることによりまして、一般的な価格引き下げの糸口といたしたい、かように考えております。  さらに、先日も印刷業界に話をいたしまして、高値通報制と申しますか、流通が非常に幅広く、奥行きが長いわけでございますので、そういった印刷業者のほうに対して、便乗的高値販売をするような業者を発見した場合には直ちに当方に報告してもらいたい、その内容によりましてはメーカーに話をつけまして、そういう卸業者、流通業者には出荷停止をさせる、かような措置もあわせて考えておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 時間がありませんが、いませっかく印刷のお話もありましたので、これは印刷業界から強い要望が当局にも出ていると思いますが、建設業界等は、物価が上がって資材が上がった場合には、スライド制を採用して、年度途中で価格改定をやっているわけであります。印刷の官公需については、全国の印刷の関係の一割ぐらいあるそうですが、契約も競争入札でスポットのものもあれば、定期刊行物で随契で当初に契約をして一年じゅうそれでずっと通しておるものもある。役所によってそれぞれ違うし、地方の自治体においても違うと思いますが、少なくとも建設省が出したスライド条項を厚生省とか地方の県庁や役場までみんなまねして、この基準にのっとって、それじゃ改定をするか、こういう目安になっているわけです。  これは印刷の注文について、そういうことまではいかないと思いますが、この印刷業界は零細な企業ですから、一回約束したことを果たさなければ次のときにも影響するということで、善処を願っておるわけで、スライド条項までいかなくも何らかの方法で——これは窓口はやはり通産省だと思います。各役所に連絡をつけるなり通報するなりして、それなりの価格改定、スライド条項式なものが実現できるような方途を何らか考えていただけないか、こういうことです。

外山弘中小企業庁長官

○外山政府委員 官公需を中小企業者のために確保するという仕事を私どものほうでやっておりますので、私からお答えしたいと思います。  官公需の契約価格につきましては、物価の動向等を総合的に判断しまして適正なものとすることが必要だろうと思います。それでこの趣旨を関係の各省に対しすでに要請をしているところでございまして、今後とも必要に応じまして関係各省に連絡をとって、単価の適正化ということを大いに推進してまいりたい。  いま御指摘のスライド制は、確かに先生御指摘のように問題がございまして、建設工事の場合は相当長期の契約が多いので建設省の採用ができたのだろうと思います。私どもとしましては、印刷にこれをやるとなりますと、何らかの指標にスライドをして自動的に決定するということになると、技術的に非常に問題が多いのじゃないだろうか、こう考えるわけでございますので、先ほども申しましたように、単価を必要に応じ見直すといいますか、単価の適正化をはかる、そういった点を今後とも強力に各省に要望してまいりたいというふうに考える次第でございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 時間がないので、それをぜひひとつ強力にやっていただいて、通産省が契約をしているものは率先してやってみせて、ほかの省には何かの会議のときにまねしろよというぐあいにやっていただけば、業者のほうは通産省は下げてくれたぞ、文部省は何をしているんだ、こういうことになって、また私たちのところへ話が来れば文部省に話すというぐあいにうまくいくと思いますから、率先垂範それをやっていただくことと、ひとつ各省に御連絡をいただくようにお願いをしたいと思います。  時間が参りましたので、最後に、民芸産業振興について。これは私たちのほうにもなかなか関心があるわけであります。漆器などはまずもって取り上げていただかなければなりませんし、ウルシがなくて困っているような問題についても、この法律のできた暁には、すでに予算もとってあるようですから、ぜひ御配慮をいただきたい。どういう対策を持っておられるか御答弁をいただくと同時に、これはつむぎのことで、いなかの奥へ行けば、私のほうの信州の奥、あるいは伊那の奥、あるいは飛騨の高山、こういうところへ行くと、十人とか十五人のお年寄りが機織りでもってつむぎをやっておるわけで、人間国宝みたいなもので、その人が終わってしまうととだえてしまう。何か新潟県においては、短大出身者があとを継がなければいけないということで一生懸命でやりだした、こういうようなこともありますし、魚津の山奥にもあるということで、これは各地に点在をしておって、はたしてストレートに民芸産業の今度の立法に該当するかどうかわかりませんが、きょうも電話があったわけです。長野県大町へ高松宮が来たが、どうしてもつむぎをあげたいということで、かねてからやっていたところへ飛んでいって一反ほしいと思ったらゼロ、だからしようがない、飛騨の高山まで一反六万円で買いに行って高松宮にあげたという話であります。何か報道機関がこれを興味と関心で報道したら、全国からの注文が殺到して応じ切れない。ただ年寄りだけがやるんだから何らかの方法を講じなければいけない。こういうことは全国に非常に多いと思います。こういうものについてもひとつ御検討をいただくようにお願いをしたいと思うわけであります。  ちょっと御答弁をいただいて、質問を終わります。

橋本利一通商産業省生活産業局長

○橋本(利)政府委員 ただいまの伝統的工芸品の指定につきましては、振興法案の第二条の規定によりまして、通産大臣が審議会の意見を聞いて指定するという手続になっております。時間の関係で省略いたしますが、幾つかの要件がございまして、その要件に該当するかどうかを判断しなければいけないということでございますが、一応具体的な計画が固まってくる段階で検討さしていただきたいと思います。  それからウルシ等の原料につきましては、これは天然原材料はどちらかといいますとウルシに限らず一般にだんだんなくなっていく傾向にございます。それが振興法案の提案になった理由の一つでもあるかと思いますので、これにつきましても審議会の場で検討いたしたいと考えております。  それから、最後に対策でございますが、一般会計予算といたしましては一億二千一百万計上されておりまして、主として後継者育成事業の補助に使いたい。そのほかはコンクールだとか展示会の開催費用も計上してございます。それから財投につきましては、国民金融公庫と中小企業金融公庫で貸し付けワクを設定いたしたい。その他税制につきましても諸般の対策を準備いたしておるわけでございます。

小沢貞孝民社党

○小沢(貞)分科員 時間ですから終わります。

羽田孜自由民主党

○羽田主査代理 これにて小沢貞孝君の質疑は終了しました。  次に、米原昶君。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 私は、本土から離れた離島の物価問題についてお聞きしたいと思います。   〔羽田主査代理退席、主査着席〕  特に今度の国民生活安定緊急措置法で標準価格を指定しているような物資、そういうものの価格が離島では本土より高くなっているわけです。それでそれをまた指定価格ときめてもそれ以上に高くなっているという例がたくさんあるわけです。これは鹿児島県の奄美諸島とか、沖繩、あるいは長崎県の島々、こういうところでも私たちが断片的に知った材料だけでもみんな共通ですが、私、伊豆七島の物価状況について先日調査に行きまして幾つかわかったものですから、主としてその具体的な事情でお聞きしたいわけです。  たとえばプロパンガス十キロの標準価格が千三百円、それが飛行機で行けば十五分か二十分で行ける東京のすぐ目の前にある伊豆大島では千五百円と指定価格をきめていて、実際には千五百五十円とか千六百円とかいう価格を押しつけられている事態があります。八丈島だともう少し高くなります。  そういうような事態になっているので、日本の物価はこの十年来非常に高くなってきたわけですが、その中で、本土でも物価高には国民は苦しんできましたけれども、それ以上に離島が特にひどい上がり方をしているわけです。いま離島に行きますして一番関心のある問題は何かというと、最近じゃもう物価ということになってしまいました。それだけにせっかく今度標準価格というものがきまった中で、それすら実際は守られていないということに対しては非常に不満を持っているわけです。いま申しました標準価格が事実上守られないでそれとは別の価格、こういうのがきめられているわけですが、この点は国民生活安定緊急措置法の第六条の中にカッコに入って書いてあります、あそこのところが法的には唯一の理由になっているわけでしょうか、この点をまずお聞きしたいのです。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 法律上の根拠は御指摘のとおりでございまして、それを受けましてプロパンで申し上げますと、十キログラム千三百円、標準価格ときめました通達におきまして、「離島、山間へき地その他輸送及び配送に著しく費用のかさむ地域、場所については、実費加算を認める。」こういう通達を出しておる次第でございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 つまり一月十四日に通産省で出された指示の通達ですね。そこで考えるのですが、とにかく実情を聞いてみますと、たとえばたばことか塩の専売品、これは全然本土と変わりないわけです。いまでも変わりありません。それは小笠原へ行っても変わりないのです。それからそれだけじゃなくて、たとえば店で売っているチョコレートのようなもの、キャラメルのようなもの、商品にちゃんと価格のレッテルを張っているような品物、これも全然高くないわけで、本土と同じです。  ところが、生活に必要なもののほうが逆に上がっているわけです、米だけは幸いにして本土と同じですが。それ以外の必需品、たとえばしょうゆ、みそ、そういうものからほとんどのものが上がっている。伊豆七島ですから魚だけはあるから、魚は逆に本土より安いだろうと思ったら、季節のものは確かに安いのです。ところが最近では、逆に本土から逆輸入みたいな状態さえあるのですね。そのために平均的に見ると魚すら本土と大体同じだと見て差しつかえない。野菜も大体本土よりも高いです。  こういう中で、今度の問題が起こったわけですから深刻なわけです。こういうときにこの法律の第六条のこういう規定があるけれども、やたらにこれを乱用してはならないと思うのです。法律の趣旨はそういうことじゃなくて、非常に特定なところにやるべき措置で、できるだけ全国一律の標準価格にするという精神であるはずだと思うのですが、その点をひとつ確かめておきたい。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 専売品のように全国一本で運賃もすべてプールして統一価格でできるようなケースと、それから数多い石油各社がそれぞれの地域で営業をやっているわけでございまして、おのずからやはり地域の特殊事情をある程度考慮せざるを得ないのではないかと石油製品の場合には考える次第でございますが、ちょっと実情を申し上げますと、御指摘のように伊豆七島などの場合には非常に海上輸送費がかさみます。いまプロパンで十キログラム当たり東海汽船の場合の運賃を申し上げますと、竹芝−大島間で二百三十円、竹芝−三宅島間で二百九十五円、八丈島では三百四十二円、こういう実情になってございます。  それで、先ほども申し上げましたとおり、海上輸送費等特別な理由で経費がかかるという場合には、都道府県知事が小売り業者に対し妥当な価格以下で販売するよう、きめこまかな指導を行なっております。それで東京都におきましては、東京都知事はいまの海上輸送費等との関係も織り込みをいたしまして、伊豆大島の場合には十キログラム当たり千四百五十円、それから三宅島の場合には千五百円、それから八丈島の場合には千五百五十円を妥当な価格ときめまして、それ以下で販売するように都において指導中、こういうふうに報告を聞いておる次第でございます。  また灯油につきましても、LPGと同様な事情がございますために、一かん三百八十円の店頭価格以上のものも伊豆七島においては一部存在することは事実でございますが、東京都は引き続きその引き下げを指導中でございます。そのような事情でございますので、一律に本土並みにするということを強行いたしますと、コストなどの面でかなり困難な事情がございますので、強行いたしますれば、今度はそれがはね返って供給上の不安の問題も惹起しかねない事情もあるかと考えるわけでございまして、全く実費相当程度のものを織り込みつつ、なるべくそれ以下で販売方を指導するのが実情に適するのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 その点は東京都のほうの対策も調べてきましたから、あとで言いますけれども、ただ問題は、こういう実費加算というようなことは特殊な例外ですから、これはできるだけ少なくするというのが原則だと思うわけです。法律の趣旨もそうだろうと思います、書いてあるわけじゃありませんけれども。ただ、法律には加算できるような条項があるもので、それがやたらに乱用されるきらいがあるんじゃないかと思う。  と申しますのは、いま申しましたように、何も専売品だけではなくて、ふだんから一定の商品は本土とちっとも違わないわけですよ。たとえばチョコレートのようなものは違わないわけです。マークがついているのは全然違わない。これはおそらくある意味でメーカーのほうが運賃を負担しているんだろうと思うのです。つまり、そのくらいのことはやらせてしかるべきじゃないかと思うのですが、ただ原則としてと、申しますのは、先日もわが党の北海道選出の多田議員が聞いたんですが、北海道の場合、内地と比べて二百円標準価格よりは高い。そういう北海道価格というのが指定価格としてでき上がっている。これは何としても不合理だということですね。前からずっといつでもそのくらい北海道は高いというならこれはさもありなんと思うわけだけれども、たとえば北九州あたりと比べると、北海道のほうがもともとは安かったんだという実勢があるわけです。それなのに今度の標準価格がきまると、北海道だけは二百円全部高くなった。この矛盾がこの前も問題になって、政府のほうでもこの北海道価格というものは撤回を含めた意味での再検討をするという答弁があったようですが、その後どうなったでしょうか。その点、明らかにしてもらいたいのです。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 第一の点の法律の規定の乱用は厳に慎むべきであるという御趣旨につきましては、全く同感でございまして、極力その線で運用してまいりたいと思います。  それから第二の北海道価格の点でございますが、本州に比べて割り高に設定されるいわゆる北海道価格という問題は、従来から油に限らず存在をしたものでございますが、今回、このLPGの標準価格設定の際にも、従来からの値差二百円というものを一応認めつつ、施行後漸次これを解消をはかるということも、ちょっと告示か細則か忘れましたが、書いておる次第でございまして、現在、地元通産局長が地元の元売りなどと折衝しつつ、まずその卸値の、出し値の段階から下げてかからないと実現ができませんので、その努力を鋭意やっておるところでございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 本来からいえば、少なくともそんなにたくさんの物資をいま指定しているわけではないので、わずか四品目でしょう。生活必需品、絶対欠かせない、そういうものだけに限られているわけですから、これだけは何とか一律にする。たとえば伊豆七島の中でも青ケ島というところがありますね。ここに行きますと、八丈島からここに運ぶこと自体が容易でないようなむずかしいところですね。そういうところは幾らか高くなってもやむを得ないという問題があり得ると思いますけれども、原則としては毎日飛行機が、たとえば八丈島は八便も行っているでしょう。汽船も毎日行っている。大島なんかほんのすぐ先ですね。こんなところはやはり標準価格で全部できるというふうにしてもらいたいのです。  というのは、現にこういう指導価格なんかきめられましても、たとえば私たちが知っているのでは、新島とそれから幾つかの島では本土の標準価格と同じ千三百円で売っていますよ。それは特殊な事情は確かにあるのです。そこの業者と組んで、いろいろな土木工事をやったりするために資材などを運んでくる船なんかを使って、非常にじょうずにやっていますからできるのですが、しかし、そういうことはもっとくふうすべきじゃないか。とにかく一律に標準価格でやれるようにするということが根本精神でなければならぬ。  灯油のほうは幸いにして伊豆七島はあたたかいところですから、いまのところは灯油はあまり問題じゃなくなっています。これから要りませんからね。灯油のほうは本土と比べてそう高くはなかった。というのは、八丈島とそれから大島に貯油タンクがありますから。だから、東海汽船の運賃で計算していくというのはおかしいのですよ。だって、八丈島には貯油タンクがあるのだから、そこから売っているのですから、これは標準価格どおりにしたっていいはずなんです。大島もそうですよ。ところが、全部それが実費加算だと称して東海汽船の船賃を入れるわけですね。このやり方はおかしいじゃないですか。どう考えたって私はおかしいと思うのですよ。タンクがあるから、灯油のほうはタンカーで運んでいるようですから、これは非常に運賃が少なくて済むでしょう。  その点を考えますと、プロパンも何かあそこに貯蔵できる設備をつくってタンカーで運んでしまうということができるような措置を平生からとっておく必要があるじゃないか。運賃を加算するというのは一時的なやむを得ない措置だとしても、これはできるだけ早くやめてそういう体制にしないといけないんじゃないかと思うのです。そういうことを考えたらどうですか。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 合理化につきまして一そうのくふうと努力を、都にも取り扱い業者にも、また役所自身も考えてみたいと思います。  なお、先ほど私、東海汽船の十キロ当たりの運賃を申し上げましたが、東京都知事が妥当と認めて加算をしておる額は、その運賃よりはだいぶ小さな幅のものでやっておることは事実でございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 そこのところがよくわからないけれども、東京都知事は通産省のこの通達に基づいてそうやっているわけでしょう。

北村昌敏資源エネルギー庁次長

○北村政府委員 はい、そうです。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 東京都としては、政府がやることとは別に、生活必需品に対しての運賃の補助を出しておるわけですよ。東海汽船に対して三〇%も補助を出しています。これは何も今度の指定物資に限らず、すべての生活必需物資に対して三〇%の補助を出しておる。それ以上にまたこの実費加算というのが今度の指示でくっついておるのです。これは私ずいぶん不合理な話だと思う。東海汽船の運賃が実費加算されているといわれますが、これは海上運送法の十九条の六にある賃率表が届けられていると思うのですが、そういうふうになっておりますか。それでその賃率表は妥当な運賃と言えるかどうか、ここらあたりについて、運輸省のほうから答弁していただきたいのです。

阿部雅昭運輸省海運局内航課長

○阿部説明員 運賃の問題につきましてお答えいたします。  海上運送法で届け出ることになっております運賃でございますが、旅客船が旅客と貨物両方積むようになっております。その旅客船のお客さんの運賃は認可制でございますが、貨物の運賃については届け出るようにということになっておりまして、それが届け出てございます。それから一般の貨物船、これは旅客船のほかに貨物船が走っておるわけでございます。この運賃につきましては海上運送法でもあるいは内航海運業法でも届け出ることにはなっておりませんが、一応旅客船の貨物運賃というのは、その貨物船の運賃をベースに設定されておるのが実情でございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 私がこの問題を聞きますのは、この前も北海道のあれが二百円も標準価格よりも高いということが問題になって、京浜地区から北海道の苫小牧までのLPGの運賃が何ぼかというと、これがトン当たり四千円、そうすると十キログラムで四十円ですね。もちろん個品の運送ですから、タンカーで送るのとは確かに意味は違いますがね。しかし、京浜地帯から北海道までが十キログラムで四十円、ところが東京から大島まで運ぶとそのほうの運賃は百六十円かかる、利島までが二百円だ、こんなことになっていくわけですね。これはかなり矛盾しているんじゃないかと思うのです。ことにこれが生活必需品にからんでくるからたいへんな問題だと私は思うのです。  このあたりを考えてもらって、これはどうしても——東京都がそのほかに三〇%の補助金まで出しているのです。この東海汽船というのは、物資不足とか値上がりに乗じて、こういう機会にというので、めちゃくちゃなもうけを上げているような印象を受けるわけです。内航海運業法の第十六条で定められている標準運賃は実際に守られているかどうかということを感ずるのです。

阿部雅昭運輸省海運局内航課長

○阿部説明員 内航船につきましては、内航海運業法に基づいて標準運賃という制度がございまして、現在内航の貨物と申しますのは実は石炭ですとか鉄鋼ですとか、いわゆる産業基礎資材のような貨物でございまして、現在設定しております標準運賃は、石炭とそれから重油とそれから鋼材についての、北海道と京浜との間ですとかそういう大宗航路について、これは一般の内航の標準的な運賃という形で設定されております。  現在設定しております標準運賃と申しますのは、実は四十六年の五月に告示されたものでございまして、相当古い、あるいはその原価計算をした時点などはさらに古いものを基礎として設定したものでございまして、実はわれわれ昨年石油危機等の始まる前にも、そういう船員費の状況ですとかその他一般コスト等の上昇もございますので、改定作業をしなければいかぬということでやっておったわけでございますが、その後の諸コスト要因というものがさらに非常に変動してございますので、標準運賃改定といった作業は現在若干中断といいますか、事務的にさらにその資料を検討しているというのが実情でございます。

米原昶日本共産党・革新共同

○米原分科員 それで非常にはっきりわかりましたが、この標準運賃というのが鉄鋼とか石炭とか、ある意味では大企業に必要なものだけきめられている。これはあくまでも大企業擁護だと思うのです。むしろ私は今こそこの標準運賃を生活必需品に適用する、これはできるわけですから、そういうことをやるべきじゃないか。そして生活必需品をとにかく最低限守るわけですから、いまこそ標準運賃というものを生活必需品についてつくっていけば、これは伊豆七島だけに限らず、こんなべらぼうな不公平が起こらないで済むのじゃないか、つくづくそう感ずるわけなんです。この問題は非常に深刻な問題で、離島の人たちは何とかこれを解決してくれないかというのが深刻な要望なんです。  実際には、たとえばいま物価の値上がりの中で社会福祉の問題、生活保護の問題なんか深刻な問題になっておりますが、こういう問題でも、たとえば東京都区内は一級地ですが、伊豆七島は四級地と生活保護費でも規定されているものですから、だから都区内では生活保護費が標準家庭で六万六百九十円もらえるのに、伊豆七島ではこれが四万四千二百九十六円しかもらえないんですよ。これほど物価が上がって苦しんでいるところが逆に生活保護費では二万円も低い、そういうことが日常あります。この問題いま聞いているわけじゃありませんが、たとえばの話ですよ。そういうように非常に苦しめられている。そのときに物価が上がってきている。とにかく標準的な価格とか指定物資とかこういうふうに国がきめた以上は、やはり例外はできるだけつくらないで、日本国民全部が一応法律の前には平等なはずなんですから、やむを得ないという例外はできるだけ最低限に少なくする、そうしてその中にはいま言ったような運賃の問題なんかの非常な矛盾が確かにあるのです。  ですからこの場合、いままでは鉄鋼とか石炭とかそんなものの標準運賃というものがきめられてきた。これは企業擁護のときには必要だからですよ。ところがいま必要なのは、国民の生活を第一に考えるという考え方なんです。だから生活必需物資に標準運賃をきめていくというような措置は、法律のたてまえからいえばできるのじゃないか。私は、そういうやり方によってこの問題を一日も早く解決していただきたいと要請いたしまして、質問を終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて米原昶君の質疑は終了いたしました。  次に、庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 今度の四十九年度の予算で、電算機産業振興対策費として二百三十六億五千五百万円ほど計上されております。それから四十七年以来三カ年で、この四十九年度も含めますと、五百十三億五千六百万円、非常に膨大な予算が費やされているわけですが、なかんずく一九八〇年代の第四世代としてのパターン情報システム、この研究開発、これも四十九年度から始まるわけです。これは総額で三百五十億円、これぐらいの予算でやられるわけですが、その点で私も昨年七月に通産大臣に、電算機開発の第一弾として行なわれてきた超高性能電算機、この開発問題で質問したわけです。こういった補助金がさらに巨額に出資されるわけですから、もう一ぺんこの扱いの問題で御質問申し上げたいと思うわけです。  第一番目にお伺いしたいのは、昨年私が質問した際、工業技術院の院長ですか、太田さんですね、この方が、いわゆるマル超電算機は電総研と日立との共同研究に使っている、こういうふうに御答弁なすったわけですが、このマル超電算機、これはその後どうしておられますか、この点伺います。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 お答え申し上げます。  この電算機は試作機でございまして、この試作にかかわる国の研究としての本来の研究は二年前に終了しておるわけでございます。その後追加的な補足研究を電総研と日立でもって行なってまいりましたが、昨年末でこの研究が完了いたしましたので、現在電算機は秦野の日立の工場にございまして、この財産は電子総合研究所が管理しておるところでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 昨年は、太田さんが、その後の機械の処置について、原則としては国立の研究機関の中に持ち込んでさらに使ってもらう、あるいは場合によっては廃棄処分にする、こういうふうな御答弁をなすったわけですが、これがどういうふうにきまったか。廃棄処分なのか、あるいは国立の研究機関あたりに使わせるというふうにきまったのか、この点ひとつお答え願います。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 いま申し上げましたように、昨年十二月でもって研究が完了いたしましたので、これはいまお話が出ましたように、利用を希望する国立研究機関に移しかえて、そこでまた研究用に使ってもらおう、そういう考えでございまして、いまその問い合わせと申しますか、それを国立研究機関に出しておるところでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 その場合、システム全体として払い下げるのか、あるいは委託がえですね、それをやるのか、あるいはパーツとして部分的にやるのか、ばらばらにしちゃうのか、その辺どうなります。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 システム全体として移管ということを考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そうしますと、四十九年度予算でマル超電算機の維持管理費、これはほっておけばほこりをかぶってさびついたり何かするわけですから、この維持管理費、計上しておられますか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 これはなるべく早くこの処理を考えておりますので、現在計上はしておりません。なるべく早くこれを処理したい、こう考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 早くといって、具体的にこの目途がついておりますか、どこか引き受け手が。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 それをいま国立の大学あるいは国立の研究所、そういうところに問い合わせを出すべく準備をしておるところでざいます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは年度内に大体可能だと思いますか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 年度も迫ってまいりましたけれども、なるべく年度内にこれの処理は全力をあげていたしたい、そういうふうに考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 もし年度内に引き取り手があらわれない、あるいはまた当分続くという場合はどうなさいますか。日立の秦野の工場にいままでの関係でただで維持しておいてほしいという要請を出されるのか、あるいはこの維持費を何らかのかっこうで捻出しておたくのほうでおやりになるのか、その辺どうなります。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 年度内にできるだけ処置をしたいと思いますけれども、もしどうしても年度内にできないという場合には、やむを得ませんので、電総研のこれは財産になっておりますので、電総研の予算をもってこれの保管ということを考えてまいる所存でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 この間の質問の際、このマル超については、私はできるだけ多くの人に利用してもらって、多くの方々からの検証を受けたほうがいい、そういうことを御質問申し上げて、それに対する答弁として、使ってもらってもいいという御答弁があったわけですが、そういう申し入れがございますか、いま。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 現在、マル超電算機を使用する会というところから申し入れがございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 その会に対して、許可なりそういったたぐいの回答は出しておりますか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 まだ出しておりません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは使わせてもらえますか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 これはただいま国立研究機関に移しかえという考えでおりますけれども、この国立の研究機関あるいは国立の研究所でその希望がない場合をわれわれは考えなければいけませんので、その第二の段階としまして、もし国の研究所がなければこれは民間の払い下げの希望を公募によって募りたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この財産をそれまでは適正な管理をしてまいらなければいけませんので、民間に対する希望者の使用はできない、お断わりするというふうに現在考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 おかしいじゃないですか。そうすると、この間の答弁とだいぶ食い違ってきますね。それからいまの答弁でも、とにかくできるだけの努力をして国立の機関に使わせる、その目途は一応年度内にして、それがあがらない場合はできるだけ早い機会にやる、こういう精神の御答弁だったわけですね、いまも。それからこの前の御答弁も、とにかく使わせたい。それが、何か民間公募がもう自明の理のようないまの御答弁じゃないかと思うのですが、その点どうです。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 これは国の財産でございますので、あくまでも国の機関で有効に使って今後の研究に役立ててもらいたいというのがわれわれの希望でございますけれども、どうしても国の大学あるいは研究所からそういう希望がなければ、これはもう一段今度は考えまして、民間に払い下げをして、そこでもし利用されるならば使ってもらう、そういう考えでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 どうも同じような御答弁でちょっとわからないのですがね。太田さんの場合は去年、これは速記録にあるのですが、それを使い得るような能力を持った方から申し出があれば、これは原則として可能でございます、こう言っておるのですよ。それを松本さんの代になって今度はまるっきり反対のようなことになったのでは、私はちょっと国会軽視じゃないか、こう思うのですが、その辺どうですか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 これは移しかえというような措置をとるということにきめましたので、そのためにこういう考え方になったわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それは私は非常におかしいと思いますね。こういったソフトも含めてマル超に使った金は百億円ですよ。これは国民の非常に貴重な血税です。それが確かに評価委員会の評価は受けたといっておりますけれども、やはり日本の電算機産業を発展させる、技術を向上させるという場合は、もっと広範な分野の御検討をいただいて、それでこそ私は日本の電算機技術の発展がより一そうはかられる、こう思うのですよ。そういう点で非常に秘密主義があるし、移しかえがきまったから今度は使わせないというようなことは私には納得できないのですよ。国民の皆さんも納得できないだろうと思いますよ。しかも前回答弁で、可能だ、こう言っておいて、今度は移しかえを理由にしてだめだ。これじゃ何かあの性能について国民から疑問が提示されるのがこわい、工技院当局がそういう態度をとっているように疑われても私、やむを得ないのじゃないかと思うのです。  工技院の院長ですから、当然科学者のりっぱな御精神を持っていらっしゃると私は思うのですよ。特に科学の発展では自主、民主、公開の原則というのは非常に大事なんですね。それを官庁によってもしも隠すというようなことがあれば、日本の科学の発展は阻害される。その点、工技院長、やはり科学者の精神に立ち返って、しかも太田さんの答弁もあることですから、これは申し出もあるわけですから、ぜひ使わしてもらいたい。これは強く要望するのですが、もう一ぺんひとつ考え直して御答弁願いたいと思うのです。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 この計算機はあくまでも研究用の試作機でございまして、一般のいわゆる商用機とは非常に性格も異なるものでございます。ただこれを、やはり多額の金を投じて試作したものでございますから、今後の研究になるべく有効に用いていただきたいという考え方から、できるだけ国の研究所に移しかえたい。それで、それでももし希望がなければ民間の研究に使っていただきたい、そういうふうな考え方でこれを移しかえをした、こう考えておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それはさっきからの御答弁の単なる繰り返しだと私は思うのですよ。やはり科学というのは、これは釈迦に説法ですが、公開というのが科学を発展させる一つの道だと思うのですよ。それが国のほうへ移しかえをする。あるいは民間に売り払う。そのためには、何かこわされる心配もある、手ずれがする心配もある、そういうことで惜しくてさわらせない、こういうしみったれな根性では、私は日本の科学は発展しないと思うのですがね。その辺、どうですか、もう一ぺんひとつ再考を願いたいのですが……。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 これは決して公開することを拒んでおるというようなことではございませんし、また、これの評価に関しましては、先ほども先生からお話もございましたように、私どものほうといたしましては、工業技術協議会、現在それは発展的にかわりまして産業技術審議会ということで、そこの大型技術開発部会の評価分科会におきまして、日本のこの分野における最高の権威の方々にメンバーになっていただいて適正な公正な評価をしていただいておるわけでございまして、これについては決して隠しだてをするというようなことは全くございません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これはもう時間がなくなるので、この辺でやめますけれども、ぼくは評価委員会の評価が悪いとか全く間違っているとか、いまはそういうことを申し上げているのじゃないのですよ。もっと広い層に使ってみてもらって、それにもし欠陥が発見されればもっと日本の科学技術が進歩するのだ。だからそういう見地から、これは私のようなしろうとに使わしたってわかりませんから、やはり相当の知識を持った専門家の集団なり団体なりに使わせるのなら、私は、電算機産業の発展のためにも非常に役に立つのじゃないかと思うのですよ。どうも工技院の院長、なかなかおかたいようですから、大臣、どうですかね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 国の費用でせっかくできたものですから、適格性を有する団体なり会社なり研究所なりにできるだけ広く活用されるということが望ましい。ただ国の費用でせっかくできたものでありますから、適格性を有するということは大事な点であると思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 そうすると、大臣の御答弁は、適格性があればいいということですから、松本さん、いま現実に申し出のある団体はこの適格性がないからだめなのか、あるいは適格性があると考えているのか。そのだめだという理由が変わってきますね、いまの大臣答弁で。それからその適格性の判断、どういう基準でやるのか、その辺ひとつ院長さんからお答え願います。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 適格性に関しましては、われわれもまだ十分に検討しておりませんので、今後検討することにいたしますけれども、この機械はあくまでも先ほど申し上げましたような試作機でございますので、この機械について云々ということにはならないと思います。しかもこれは今後適正な国の研究所等で十分研究用に使ってもらいたい、そういう考えでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それは研究用に使いたいために申し入れしてあるわけですよ。決してこれの品定めをやってけちをつけようとかなんとかという目的じゃないと思いますよ。だからぜひこれは使わしてもらいたいと思うのですよ。当該団体とよくひとつ話し合っていただきたい。いいですか委員長、その点確認できますね。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 承知いたしました。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 それからひとつお伺いするわけですが、例のパターン情報処理システム、この開発を三百五十億円の予算でやるわけですが、これはメーカーはどこにやらせますか。

松本敬信工業技術院長

○松本(敬)政府委員 このパターンに関しましては、これの中心となるのが工業技術院の電子技術総合研究所でございますので、これが中心となって検討をいたしまして、日立、東芝、富士通、この三社との共同ということにきまったわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 富士通が入っておりますね。私は、富士通という会社については、去年の決算委員会でも御指摘申し上げましたが、非常に疑問があるんです。日本ソフトは三十億円ぐらいですね、委託費ですか、補助金ですかをもらってやっていたわけですが、日本ソフトの労働争議があった。現在も続いておりますが、その中で地裁なり都労委の段階でだんだん明らかになってきたんですね、去年の段階よりも。世間のことばで言うと、まるで火事場どろぼう的なことをやって、国民の血税三十億円もかけた貴重な知識の集積を私物化している疑いが十分なんですね。ひとつその証拠を御紹介しますけれども、たとえば日本ソフトの当時の内藤社長、この人は富士通の常務ですが、七二年の五月にこういうメモを書いているのですね。これは日本ソフトを取りつぶす作戦要務令みたいなものですよ。まずこの日本ソフトを取りつぶすについて、新しい会社をつくる。これはできているのです。SSLといいますか、できている。この新しい会社をつくって、日本ソフトから技能者集団をごっそり持っていく。  承認を得る順序として、これは富士通の川崎工場の管理部の山本さんとか、あるいはやはり川崎工場の石井さんとか、この二人にまず相談する。その次の段階で二番目に相談するのは、富士通の常務の小林さん、それから副社長の清宮さん、企画部部長の原さん、勤労部部長の小出さん、この四人にその次に相談する。そして最後に、富士通の高羅社長に相談するのだ。こういう順序が書いてあるわけです。その最後に、日本ソフトの株主会社である日電、日立、興銀、これに相談する。  そして今度は、設立の手順が一項目から七項目まで書いてあります。一番先に、これからは富士通は日本ソフトには発注しませんという宣言をする。こういう段取りをこのメモに書いているのです。ですから、明らかに富士通が日本ソフトの発注をストップしておいて、そうして日本ソフトを困らして新会社をつくる、こういう段取りが書いてあるのです。二番目には、日本ソフトの役員会を開こう。そして三番目には、ひとつ新会社設立の段取りをやろう。そしてさらに悪どいのは、その新会社に日本ソフトから五十名くらい、これは人数は書いてありませんが、技能者を引っぱる。そしてこの新しい会社の役員の人事まで考えている。  これはたいへんな問題ですよ。日本ソフトという技術者の一つのネットワーク、集団、これは有機的な集団です。これが富士通によってかすめとられていく。現実にいま五十名ですね、SSLのほうに、富士通の子会社に入っています。これでは三十億円投じた日本ソフトの国家の補助金、国民の血税を私物化するといわれてもしかたがないのですよ。実に悪質だと思うのですよ。こんなところに国家の財政を三十億円も投じていいかどうか。それから、これから三百五十億円のばく大な国民の血税を投じてこの富士通に委託する、仕事をやらせる、こういうことがあっていいのか。これは国民は納得できないと思うのですよ。  その辺、私は通産大臣にお願いしたいですが、こういう疑惑があるわけですから、しかも三百五十億円というばく大な国費を費やす事業ですから、これはぜひ一ぺん富士通の内容、やり口、それからこのSSLという会社の設立の経過、こういうやり口についての疑問、通産省で一ぺん調査して国会に報告してもらいたいと思うのですよ。そうでないとこの予算、これは通せません。たいへんオーバーなような言いぐさですが、非常に重大な疑惑です。国家財政を私物化するといわれてもしかたのない問題なんですよ。しかもIBMの自由化の波がいままさに日本に押し寄せようというときに、国費を私物化するような、内部のごたごたがある、こういうことじゃもう話にならないと思うのですよ。その点で大臣、どうですか、ひとつ調査して国会に報告してもらえますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 そこの問題をいろいろ聞いてみると、労使関係のもつれとかあるいは会社間の契約の問題であるとか、そういう要素が多いので、そういうところへ国が乗り出していって介入がましいことをやることは、これは少し慎重にしたほうがいいと私は思います。ただ、国家の補助金を使って電算機を発展させるということについては、補助金の使用等については経理を厳重にして、いいかげんなところに使わないように、もちろん通産省としては監督いたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これは確かに労使間の紛争からこういうことが漏れてきているわけですが、紛争がなければあるいは漏れないで済んだかもしれません。しかし、やはり事実としてそういう——いまのところは疑いとしておきましょう。重大な疑惑がある。それは労使間の紛争があろうとなかろうと、疑惑は疑惑ですから。それに巨大な国費を三百五十億円、これは全部富士通であるとは思いませんけれども、一端が行くということは、やはり国会として非常に重大な関心を払わざるを得ないと思うのですよ。その点、大臣、そういう労使間に介入するとかなんかの問題じゃないのです。やはり疑惑を晴らす。国民の疑惑ですから、それから国会の疑惑ですから。これはひとつ調査をして国会に報告する分には何も私は労使間の介入にはならないだろうと思うのですよ。それをひとつぜひお願いしたいのですが、どうですか、もう一ぺんひとつ。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いま御答弁申し上げましたように、ともかく労使間のもつれや会社間の私的契約に関するものには国は介入することは適当ではない。補助金の使用については、これは厳格適正に行なうように監督をいたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 これで終わりますが、労使間問題には介入しない、これはいいんですよ、それで。ただ、補助金のこれからの使途についてじゃなくて、これまでの使途についてもそういう疑いがあるわけです。いま言っているのはこれまでの使った分の使途についての問題なんです。これはひとつやはり御調査の上ぜひ国会に報告してもらいたいと思う。これをもしやれない、大臣からやると言われないとなりますと、当然これは社労は社労でやるだろうと思います。それから決算は決算でこれはやらなくちゃならない問題ですから、だから、そういう前にやはり国が責任持って補助金の使途について疑惑を晴らすという立場でひとつやっていただきたい。これをもう一ぺんひとつくどいようですが、御答弁願いましょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 補助金の使途につきましては、厳格適正に監査をいたします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司分科員 じゃ終わります。

湊徹郎自由民主党

○湊主査 これにて庄司幸助君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、昭和四十九年度一般会計予算及び昭和四十九年度特別会計予算中通商産業省所管に関する質疑は一応終了いたしました。  次回は、明八日金曜日、午前十時より開会し、農林省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時三十三分散会

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