P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
72回国会衆議院1974/03/05

予算委員会 第29号

発言数
61
登壇者
15
会派数
2
開催日
1974/03/05

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和四十九年度一般会計予算、昭和四十九年度特別会計予算及び昭和四十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行ないます。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  本日、日本銀行総裁の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 さきに田中総理に対して、いろいろな政策を展開する土台に土地の問題がある、すべての政策が土地の完全なる把握、この上に立たなければ政策の展開はできない。そこで政府は、現在、このわが国の土地の現状というものを正確に把握をしておるか。そこで、少なくとも今日の福田大蔵大臣の言う狂乱経済、この土台も、私はこの土地の投機、ここから始まったと思います。この土地投機の土台に、田中総理の言う列島改造論、これがあったことは明らかであります。  そこで、当面、前回の質問の際に、上場会社の持っておる土地の状況、このくらいのものは正確な資料が出なければうそじゃないか、こういうふうに申し上げましたどころ、なかなか簡単にいかない。ところが、その際に、田中総理がすっくと立ち上がって、上場会社の土地ぐらいのことは明らかにいたします、有価証券報告書もあることでもありますし、このぐらいのものははっきりさせます、誠意をもって報告します、こういう答弁を前回なさいましたことは、御存じのとおりであります。  その総理の誠意ある調査、誠意ある報告というのが、去る二月の十五日の日に行なわれたのであります。これを見ますと、亀岡建設大臣に言わせますと、全く申しわけない、このような調査しかできなかったのであるが、とても基礎資料などといえるような性格のものではありません、こういうまことに平身低頭、恐縮をした資料を、私のところに亀岡建設大臣は持ってまいりました。  そこで、私はきょうは亀岡建設大臣は呼んでおらないのであります。私も長い間、国会で建設委員会に所属をしてまいりましたが、今日の建設省が、日本の土地の現状というものを正確に把握をする、こういう機能もまた権限も法的な根拠も持っておらないことを、私は十分承知しておるからであります。だからこそ、総括質問の際に、総理に対して、あらゆる政策の土台は土地、土地を離れて政策の展開はあり得ない、そういう観点から提起いたしましたところ、あのような御答弁があって、申し上げましたような、建設大臣があやまりながら持ってこなければならぬような報告が出てまいったのであります。  これは、説明するまでもなく御存じだと思いますが、千三百七十二社の上場会社に対して、アンケートで調査をしたのでありますが、これに対して回答を寄せましたものは一千六十八社、この種アンケート調査では、最も回答率が高い、こう新聞では評しております。この中で六百八十八社は、土地を持っておらないというゼロの回答をしてまいりました。三百八十社は土地を持っておる、しかも転売可能な土地、これは現在六万六千余ヘクタールの土地を持っておる、こういう回答であります。  しかし、この回答が非常にあいまいなものであること、事実と相違をしておることは、すべての人たちが指摘をしておるのであります。現在、上場会社は、自分で土地を実際上は持っておるのでありますが、上場会社にあらざる子会社に土地を買わす、あるいはダミーに買わしていく、こういうやり方をしておるのであります。したがって、そのような実際の土地の状況というものは、この調査では全然明らかにされておらない。したがって、総理が前回、この上場会社くらいのものは正確なものを出します、こういう答弁をしておったのでありますが、全然これは出ませんでした。建設大臣が平身低頭、申しわけないと言いながら持ってくるようなものしか出てこないのでありますが、この状況に対して、まず三木さん、きょう総理大臣は来ておらないから副総理でありますが、私は、そういう意味で、少なくとも予算委員会で総理大臣が胸を張って答弁したことが出てこない、この状況に対してどういうふうに考えられるか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 土地の移動とか保有の状態というものは、国政をやる場合の基礎になるわけですから、これを正確に把握することは必要だと思いますが、従来におけるそういう面の、土地に対する総合的な調査というものが足らなかったことを、率直に認めざるを得ません。建設省がこの間やったのも、七八%くらいの回答があったようですけれども、それはその限りにおいて正確だとは思いますけれども、しかし、いま阿部さん御指摘のように、これは胸を張って答弁できるようなものでないことも事実でしょう。経済企画庁においても、固定資産税の面から全法人に対する調査、四十八年度ぐらいから、建設省もまた経済企画庁も、その必要を感じて、土地の移動、保有、その状態の把握につとめているわけであります。  この点については、今後、少なくとも法人の土地の移動、保有という状態に対しては、政府も、従来のようなアンケート調査というのではなくして、もう少し、これはいろいろ根拠があるわけですから、不動産の登記、あるいはまた固定資産税等の面からいっても、行政目的が違うにしても、そういう面から把握できる方法もあるわけですから、土地の移動、保有については、政府が従来のようなやり方でなく、正確な把握につとめることにいたしたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 大蔵大臣、総理大臣は、有価証券報告書もあるわけでありますから、誠意ある調査をして責任ある報告をする、こう言われたのでありますが、上場会社の有価証券報告書は福田大臣のほうに出される。したがって、総理大臣答弁に対して、大蔵大臣は、調査に対してどのような協力をなさったか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私も、総理大臣のあなたに対する答弁を聞いておって、これは少し何か勘違いがあったのじゃないか、そんな感じをいたしておったのです。  上場会社の有価証券報告書は、これは不動産を主たる業務とするものの不動産報告はあるのです。しかし、その他の企業についてはこれはありませんから、上場会社の土地の状態を、全部その報告書で調べる、こういうわけにいかないわけであります。政策目的が違うものですから、これを報告書で全部土地の状態を把握するということは、いささか無理があるのじゃないか、そういうふうに思います。  そこで、これは三木副総理が申し上げましたとおり、これは何か別の総合的な調査が必要じゃあるまいか、そんなふうな感じがいたしております。しかし、不動産を業とするもの以外のもので土地を保有しているものの状態が、報告書の目的に反しない範囲において、どういうふうに明らかにできるかということにつきましては、そういう方法があるかどうか、いま私も考えておる、こういうところでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私も、相当長い期間、社会党の土地対策のプロジェクトチームの一員としてやってまいりました。したがって、現在の状況では、あらゆる政策の土台である土地、これを政府も完全なる把握はできていない、また、あんまりやろうともしていない、やるといろいろ問題も起こるようである、そこで、ひとつ当面、上場会社の持っておる土地ぐらいは明らかにすべきだと言いましたのに対して、総理大臣はあのような答弁。出てきた結果は、いま申し上げましたとおり、これでは私は話にならぬと思うのです。  そこで、私は官房長官、たとえば大蔵省は、いまの上場会社の関係をいろいろな面で掌握されておられる、行政目的が違うといっても。あるいは自治省は、固定資産税を課しておるのであります。あるいは不動産取得税というものを持っておられる。いろいろな関係で、やる気にさえなれば、そのような資料をまとめることは、決して不可能じゃないはずであります。そういう観点から、土地というものを、政府がその気にさえなれば、私は明らかにすることができると考えておるのであります。比較的完全なる土地把握をしておるものは農林省の農地、これは、わりと現状に近いものが把握をきれておる。あるいは法務省になりますと、登記を持っておるのでありますから、ここでも土地の状況というものは、相当正確に押えておられるはずである。したがって、政府がやる気にさえなれば、土地の現状というものを、正確に把握をすることは決して不可能なことじゃない。ところが、福田さんは、いまごろになって、総理は何か勘違いしているんじゃないかと思ったと言われるが、なぜあのときに、総理、それはできませんよと言わなかったか。はっきり言うべきだと思うのであります。私どもは、総理がああおっしゃるものでありますから、きっとりっぱなものが出てくるんじゃないかといってたいへんに期待をした。  ここに、この間のアンケート調査で三百八十社、転売可能な土地を持っておりますというふうな、アンケート調査に対する回答を寄せました三百八十社、これが六万六千余ヘクタールの転売可能地というものがあるということを言ってきた。しかし、これは事実とは、まるっきり問題にならぬような小さなものであることは、何人も認めるのであります。  私ども、首都圏近郊だけを調査しても、福田大臣の出身地の群馬県だけでも、二万七千ヘクタール程度の買い占めが行なわれておる。荒舩委員長の埼玉県でも、一万四千ヘクタール余の買い占めが行なわれておる。千葉県でも二万ヘクタール余の買い占めが行なわれておるのです。茨城も大体同じ程度。したがって、その状況の完全なる把握なしに、政府の政策の展開は不可能であります。自治体の今後の政策展開を、国が自治体の運営と深いかかわりを持っておるわけでありますから、  これを詳しく把握をせずして、あやまちなき政策を展開することは不可能であります。  そういう観点で、官房長官、いま申し上げましたように、法務省は登記を持っておる。大蔵省も土地とかかわるいろいろなものを持っておる。あるいは自治省も土地とかかわるいろいろなものを持っておる。農林省も、農地等々に関するたくさんの土地にかかわるものを持っておる。こういうものを政府で正確に踏まえて、土地の現状の姿というものを明らかにする、このことは私はできると思うのでありますが、そういう考え方を持たれるかどうか。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○二階堂国務大臣 私も、先生の御質問のように、土地の実態の把握というものを、政府がもう少し的確に持っておるべきだという考え方には賛成でありまして、きのう、私もちょっと建設省を呼んでいろいろ聞きただしてみたのですが、先生から御指摘もあって、アンケート調査などもいたしておるようでありますし、また、その結果が、御指摘のとおり皆さんの調査とたいへんな開きがある。また、そういうことにもかんがみまして、さらに資本金一億円以上の上場会社に対しましても、もっとこまかい実態調査もアンケート調査もやっているようでございますが、その結果が、三月の末には出てくると言っておりましたが、しかし、そんなことでは、どうも実態の把握はできないんじゃないかということで、いま御指摘になりましたとおり、自治省それから大蔵省、建設省それぞれ、農地もありますから、そういうものをまとめて、ひとつ大がかりなこの実態調査をやる必要があると私は考えますので、そういう方向で政府部内においても取りまとめをいたしていきたい、かように考えます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 官房長官、それは今度の予算審議の間は間に合いませんね。いつまでを目途としてそれをおやりになるか。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○二階堂国務大臣 この土地のあれを聞いてみますと、なかなか、一筆一筆というのですか、とにかく、それはたいへんなものでございまして、しかも、この予算審議中にそんなものができるということは、私は不可能だと思いますよ。全国にわたる個人や法人やその他団体の持っておる土地を一筆一筆調査して、そして、この使用目的のためにこういう土地がありますとかいうものを明らかにするためには、私は相当な時間がかかると思います。  したがって、この予算審議中に、そういうことを明らかにできるかとおっしゃると、それは不可能だと答えざるを得ません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 経済企画庁長官、いま日本にゴルフ場の土地がどのくらいあるか、御存じですか。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○内田国務大臣 正確には存じませんが、私の感覚では、全国でゴルフ場が千ぐらいあるのではなかろうか。その千ぐらいが、一単位三十万ヘクタールくらいを持っておるとしますと、それの倍数になりますから、相当な大きさにならざるを得ないと私は思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 もっと正確に言ってもらわぬと、一単位三十万ヘクタールなんという、そんなべらぼうなゴルフ場なんてあるものじゃない。  そこで、経済企画庁においてかくのごとしなんです。現在、すでにゴルフ場としての機能を持っておるもの、目下開発中のもの含めて、約十五万ヘクタールをこえようとしております。どんどん広がろうとしております。  私が、この田中内閣の政策展開の非常にでたらめなことを感じてならぬのは、総理は三十万ヘクタールの農用地転用なんということを、きわめて安易に言うのです。ゴルフ場はもう十五万ヘクタールをこえようとしておる。買い占めはどんどん広がっていく、農地はどんどん虫食い状態にされていく、この現状をもっと正確に把握しなければ、この狭い限られた国土であります。この中で、わが国の将来展望というものを、あやまちなきことを期していくことはできないと考える。  そこで、官房長官、いま私が提案いたしましたのは、法務省は登記を持っておる、自治省は固定資産税あるいは不動産取得税というものを持っておる、あるいは大蔵省も土地にかかるものを持っておる、農林省も持っておる、こういうところを、正確に政府部内で分担、任務づけをら明かにして、土地の現状というものを明らかにすべきである。  特に、これならできるでしょう。少なくとも田中内閣登場以降、日本の土地の移動というものがどのように動いたか、このくらいのことはできなければうそであります。田中内閣誕生以降、日本の土地がどのように動いておるか。これを、いま申し上げました四つくらいの、政府の責任ある各省で勉強すれば、それはできないなんということはない。このくらいのものは、一定の時間的なめどをもって調査をいたします、誠意ある報告をいたします、このくらいのお答えはどうですか。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○二階堂国務大臣 全国的な土地調査をするために土地センサスをしようということで、学識経験者その他の意見を求めて、どうこれを進めるかということの具体的なことについて、いま建設省の当局から説明を聞きますと、予算も四十九年度に何がしかの予算を組んでおるということであります。これは、先ほど申し上げましたとおり、それをやったからといって、すぐ短期間のうちに全国の土地の状態が、私は正確に報告されると思いません。相当時間がかかると思いますよ。  ですから、そういうことから考えまして、私は四十七年度からどうかとか、四十八年度からどうかとか、一年間の土地移動はどうかとかいうことについては、これは、いまおっしゃったような考え方をもとにして、ある程度の——まあ、期間はいつまでと言われても、なかなかこれもたいへんだと思いますよ。毎日土地の移動が行なわれているし、一筆一筆調べても、また仮登記で土地が分散されておるというような状態もありますから、これは、人間の移動みたいに移動しているという話もありますから、なかなか正確には私はできないと思いますが、御趣旨の点は、ひとつ政府のほうにおいても十分検討したいと思っております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 土地の移動については、末端自治体のほうがもっと正確にそれぞれ把握をしておるのです。したがって、いま建設省に土地センサスとかなんとかいろいろなことを、予算も組んでと言っておりますが、その予算額、何ぼか知っていますか。二百五十万なんです。二百五十万円の土地センサスの何とかと言ったって、そんなこと問題になりません。したがって、政府がやはり責任ある土地の把握をやってあやまちなき政策展開を期そうというならば、当面、これはそのくらいのものはできるはずであります。したがって、予算委員会が終わるまで、どのあたりの時期までにその構想をまとめるか、このくらいのことはできるでしょう。それはどうですか。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○二階堂国務大臣 いつまでに、私にここで約束しろと言われても困りますが、それは十分ひとつまじめに検討してみます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで農林大臣、千葉県山武郡に大網白里町という地域があります。この地域に農林省は、土地基盤整備、土地改良、これを相当の投資を行なってきました。この優良農地がいまどんどんどんどん買い占められておるのです。  大蔵大臣にも伺わなければならぬのですが、大蔵省は、土地買い占めの資金については、きびしく抑制をするという通達を発せられました。ところが、千葉県山武郡のこの大網白里町の地域におきましては、農林省の長年力を投入してまいりました優良農地、これがいまどんどん買い占められておるのです。買い占めましたのは、名前は差しさわりがありますから伏せますけれども、地崎興業という建設会社、あるいは民間デベロッパーといったほうがいいのかもしれません。この地崎興業の責任者は全国建設業協会の会長であり、自民党の有力な代議士であることは御存じのとおり。これがどんどん優良農地の買い占めをしておるのです。そうして、千葉県当局もその地元の町当局も、優良農地をどんどん買いあさっていくようなことはいけないといって激しい争いになっております。この事実を倉石農林大臣は御存じでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御指摘の具体的な事実は存じませんが、阿部さん御存じのように、いま農地は農地法できびしく基準を定めてやっておりますので、その買い占めという形がどういうふうになっておるか存じませんけれども、まあ普通のやり方、聞いておりますと、仮登記をして金を払うというふうなことをやっておるようでありますが、すでに今日まで、数はいま記憶しておりませんが、あとで御報告いたしますが、そういう優良農地をそういうただいまお話しのようなことで買い占められておりますようなものは、原状回復を各都道府県が命じておる件数が非常に多いのでありまして、われわれのほうでは、やはり正式にこの移動が行なわれる場合には、基準に照らして許可、不許可をきめておる次第でございますので、御指摘のようなことがありますれば、十分調査いたしたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 大蔵大臣は、不動産、土地の買い占めに融資をする、これは厳に抑制をすべきだ、こういう方針で通達を発せられておる。確かに、首都圏における宅地政策その他いろんな問題を持っておる。しかし、大蔵省は土地買い占めのような資金は抑制をするという通達を出した。  地元で伝えられるところによりますと、都市銀行の有力銀行の一つであります北海道拓殖銀行、これがこの土地買い占めの資金の源であるというふうに地元では伝えられておるそうであります。私は、少なくとも与党自民党の代議士が責任者で、しかも、政党政治のもとにおいて、大蔵省が土地買い占めのような資金を抑制せんければならぬという通達を出す、いま農林大臣答弁のように、そういう通達が発せられておるにかかわらず、優良農地をどんどん買い占めていく、その資金は有力都市銀行から出ていく、こういうことは、一体どういうふうに考えます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 私、具体的な案件を承知しませんので、的確なことを申し上げかねますが、まあ原則的に申し上げますと、何の目的もなしに、将来値上がりするであろう、そういう投機目的をもって土地の買い占めを行なう、そういう資金につきましては厳に抑制をする、その方針でやってもらいたいということを銀行にいま通牒しておるわけです。  それで、その通牒の趣旨がはたしてうまくいっているかどうか、こういうことを実地に調査してみよう、こういうので、今月の半ばごろから大蔵省の検査官、それから日本銀行の考査局、また地方財務局、また日本銀行の支店、そういうのを総動員いたしまして、それで実地調査を行なう、こういうことにいたしておりますが、無目的で、将来値上がりをするであろう、こういうのに対して資金を供給するということでありますれば、これはわが大蔵省の通達に違反をする、こういうことになるんですが、いま御指摘の具体的な案件が、はたしてそういう事例であるかどうか、これは私はわかりません。  しかし、実地調査をいたしますわけでございまするから、その実地調査に基づきまして、どうも、いわゆる買い占め資金だというようなことでありますれば、これは通牒の趣旨に沿った措置をとらなければならぬ、こういうふうに考えます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 農林大臣、優良農地を、確かにあそこはまだ線引きはやっておらぬようでありますが、優良農地を、すでに代金は全部支払っている。ところが、農地転用の許可申請は出されないのです。そうして仮登記をどんどんとっておる、こういうやり方は、農地法上どのように思いますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、仮登記というのは私どものほうに把握できませんで、ただいま資料を見ておりますと、昭和四十七年で行政庁から警告されたり、それから始末書をとられたものが、大体年間四千七百件ほどあるようであります。そういうものは、仮登記をいたしまして、それからいよいよ本登記というふうなときに、農地法の基準にひっかかるものですから、これは原状回復をしなさい、こういうような取り扱いをいたして、告発されたものが一年十件ほどございます。  そこで、仮登記という手段がずいぶん行なわれておるようでありますが、そのことは私どものほうで把握はできませんけれども、いよいよ農業委員会を通じて県当局にそれを出してまいります場合に、基準に照らして、これはだめだ、優良農地を確保しなければならぬという立場である場合には却下をいたす、こういう取り扱いをいたしておるわけであります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は、農林大臣、この機会にこのような状況が——いま私は一例をあげたにすぎないのであります。まだ実は、私どもの調査の中にはたくさんの問題の事例があがってきておるのです。私は一つだけいまあげました。時間があればもっとたくさんあげてみたい。  そこで官房長官、先ほど申し上げました土地の現状の流れというものは、もっと正確に把握しなければいけない。この把握をはっきりいたしますと、いまのような問題が全部浮き彫りになるのです。だから私は、どうも政府が、総理大臣が胸を張って答弁しても、アンケート調査など、いまの企業や何かにアンケート調査や何かやって、満足な答えが出てくるなんというふうに思っている人、だれもいないでしょう。この間参考人喚問をやってみて明らかなんです。  私どもはそこで、政府がこの際土地の把握、土地の調査というものを正確に持って、これを踏まえるのでなければ、政策展開あやまちなきを期すことはできない、このことを指摘しておるわけであります。それから、いまの問題につきましては、大蔵大臣、農林大臣、情勢を正確に調査をされて、ひとつ納得のいくような措置をされるよう希望しておきます。  それから農林大臣、私は前にも申し上げましたが、いま減反をやって、草ぼうぼうにすると金をやるんですね。やってきたんです。ところが、霞ケ浦の十分の一をいま埋め立てようとしておるのです。あそこの鹿島の開発にあたっては、農工両全の理想的な開発をやろう。私もずいぶんあの地域に行ってみました。ところが、霞ケ浦の十分の一埋めよう、干拓をやろう。何をやるのか。一千百何十ヘクタールくらいの面積だと思うのでありますが、そこに蔬菜と酪農をやるんです、こういっておるのです、干拓をやって。ところが、一方には減反やって、草ぼうぼうにしてお金を上げますという政策をとっておるのです。このようなときに、鹿島開発によってあそこの霞ケ浦も、あるいは北浦も水質の保全ができない、環境がだんだん維持できない、こういう問題が起こっておる。三木副総理は環境庁長官として、あの霞ケ浦や北浦の環境の維持、保全というものにどういう態度を、この霞ケ浦干拓とのかかわりにおいて判断をなさっておるのか。農林大臣は、一方で減反政策をやって、草ぼうぼうにして金を出しながら、霞ケ浦を干拓するというこの神経は、どうも、私、どう考えても納得がいかぬのです。どういう見解をお持ちになっているか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 阿部さん、草ぼうぼうにしておけば銭をくれるという、それだけ取り上げればそういうふうになるかもしれませんが、ことしから御存じのようにやめまして、それを転作に全力をあげて御協力を願うために、麦その他のものに転換していただく奨励金も出しておることは御存じでありますが、高浜入の干拓につきましては、実は当初は、これを水田に非常にいい土地であるという考えでおりましたけれども、やはり最近地方の状況、それから地方と相談をいたしてみますと、やはり関東で有数な野菜産地として適当である、こういうことで、地元の茨城県、それから関係市町村、それから周辺の農業者の強い要望がございまして、昭和四十二年に着手したわけでありますが、これは公有水面埋立法それから河川法の認可、また事業計画の決定、それから漁業補償金をほとんどもう支払って、施行に必要な手続は完了いたしたわけでありますが、これは、関係漁民一千七百二名のうち三十名だけが御反対のようでありますが、こういうことで高浜入干拓につきましては、いま申し上げましたように、関東地域の蔬菜生産地として、しかも非常になだらかないい地域でありますので、これはぜひやってもらいたいという地元の要望がございましたので、着手をいたしておる、こういう次第であります。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○三木国務大臣 霞ケ浦の汚染というものは相当に進んで、東京湾、伊勢湾、琵琶湖とともに、われわれとしていま調査を進めておるわけですが、これは富栄養化なぎも進んでおって、あそこを総量規制をやりたいというので、全体としての汚染を防止するためにいま調査を進めておるところであって、日本においても、汚染が相当進行しつつある地域であることは明らかでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いま三木副総理が言われましたように、あの地域の環境汚染は非常に深刻であります。  かつて、鹿島の開発に伴って工業用水路を建設をした。その場合に、一人の農民が、開発そのものに反対はしないが、しかし、どうも企業はどんらんですから環境対策をしっかりやらない、環境対策をしっかりやるまでは、わずか二十メートルか二十数メートルだと思うのですが、その人の持っておる土地の底に工業用水のパイプを通す、このパイプを通さすためには、当初の約束のとおり環境対策をしっかりとやらなければいけない。ところがなかなかやらない。そこで争いになったのです。そうすると、最初補償交渉の際には、たしか、私の記憶では十二万か幾らかの補償金だったと思うのです。ところがいつの間にやら、二十数メートルのところに工業用水のパイプを埋設する補償金、これが五十万円になり、百万円になり、五百万円になり、一千万になったのです。一千万という金が、その二十七メートルの土地にパイプを埋設しなければならないという農民のところに現実に払い込まれたのです。私はその払い込まれた通知を見せられました。私、まだ持っております。ところが、その方は逆にびっくりして、一千万を突っ返したのです。  したがって、いま鹿島開発に伴う環境破壊というのは、三木さんおっしゃるとおり非常に深刻な状況にある。そのときに、一方において減反政策をとってきたわが国が、なぜ霞ケ浦の十分の一ほどの高浜入地区の埋め立てをやらなければならぬのか。私はあそこの地域の住民感情とは別に、賛否両論とは別に、何としても政府のこの基本的なたてまえというものがわからぬのです。一方では減反政策をとる情勢、一方では環境破壊の著しいあの地域の霞ケ浦を埋め立てていく、この考え方はどうしても納得ができないのです。  私はこれ以上申し上げませんが、農林大臣、あの地域に支払われた補償金、これがいまどういう状況になっておるかということを御存じですか。事務当局でもいいですよ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 漁業補償権につきましては、十一億七千三百万円ほど支払われております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 その金は、いま現地でてんやわんやの大騒ぎになっております。あそこに霞ケ浦漁協というのがある、漁連ですか。その下にそれぞれの漁業協同組合があるのです。いま大騒ぎになっておりますのは、前に補償金を受け取った皆さん、この皆さんが、どうも中身がおかしいと言って経理の公開を求める公開質問状を発したりしておる。監査請求も出そうなんという動きになっておる。実際は百万円の補償金を渡された人に対して、三百万円の領収書を何とかつくってくれなどと言って回っておるという話も私の耳に入ってきております。  こういう現状において起こっておる状況を、農林省は正確に把握しておるのかどうか。また会計検査院は、先ほど申し上げましたように、一方で減反政策、一方で干拓ですから、少なくとも国費をむだづかいするようなことがあってはいけない。その意味で、支払われた補償金というのはどういう状況になっておるのか。これは伺いましたところ、漁連に渡ったということまで知っておりますが、その先のことはわかりませんというのが会計検査院の報告であります。したがって、いま賛否両論の賛のほうも、いま言った百万円の金を受け取って領収書をちゃんと出しておりましたところ、今度は領収書だけは三百万にしてくれという問題などが起こって、現地がてんやわんやになっておるという報告が私のところにきております。  こういう状況を農林省は正確に把握されておるか、会計検査院はこういう現状を、国費のむだづかいがあってはいけませんから、速急に正確な調査をすべきである、こう思うのですが、どうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまお話のようなことにつきましては、何にも報告を受けておりませんけれども、お話がございましたことですから、さっそく調べまして——そのお話といまの干拓の必要性というのは、私は別個な問題だと思うのですが、生産調整のために休耕させたというその土地につきましては、いまのような食糧事情でありますので、必要な他作物について全力をあげて増産対策をやっておるわけでございますので、そういう点は御理解を願えると思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 会計検査院はどういう方針ですか。

田中稔会計検査院事務総局第四局長

○田中会計検査院説明員 私どもは、検査権限の関係もございまして、国から県漁連までの支出は検査いたしておりましたが、それから先は農林省の行政指導で、適正に、早期に被補償者に渡るようにという意見を表明いたしまして、実は、ただいま先生のおっしゃいましたような事態は存じ上げておりませんでしたが、補償の趣旨からいいまして、先ほども申し上げましたとおり適正に、早急に被補償者に渡るべき筋合いのものだと思いますので、そういう事情があるかどうかは、早急に調査いたしたいというふうに思っております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 農林大臣、首都圏の中におきましても、たとえばホウレンソウの場合など、いろいろな作目にわたって豊作である。ところがそれを、価格が割りが合わぬというので、畑のままで全部捨てておる、こういう状況がしょっちゅうテレビやなんかで報ぜられておることも御存じのとおりであります。そのときに鹿島の開発に伴って、あそこの霞ケ浦の水をどういうふうにするのか、こういう重大な問題があるときに、一方では、畑のほうは畑で作物をどんどんみなつぶしておるじゃありませんか。私はどう考えても、いま農林大臣のおっしゃることは納得がいきません。しかも現地の状況は、いま申し上げましたとおり、新しい問題がたくさん出てきておるのであります。早急に実情調査をされて、補償金はまだ現場に渡っておらぬのです。おらぬ人がたくさんいるのです。受け取った人も話が違う。実際はやらぬのだなどということを先に立っておる人が言うので、それじゃ補償金だけもらっておくかといって賛成したんだなどという人まで、私の調査では出てきておる始末である。私は、やはり農林省は早急に調査をして、あやまちなき方途を講ずべきである、こういうふうに考えます。これを希望しておきます。  それから外務大臣、日銀の総裁もおいでいただきましたから、いまわが国の企業や、いろいろな海外に進出しておる人たちが、海外で土地を買っておるという状況が次第次第に出てきておるのであります。一番多いのは確かにアメリカであります。アメリカなどの場合は、向こうも先進国家であり、しかも自由取引の立場に立っておるわけでありますから、まだまだいいと思うのであります。しかし、開発途上国、この方面に日本の企業なりが海外進出をして土地を買っていくということの場合は、相当に慎重でなければならぬと思います。  これを外務大臣のほうでは、海外で日本の企業が、あるいは日本の海外進出をしておる皆さんが、土地をどのように買っておるかという正確な資料を、外務省はお持ちかどうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 これは、現在、御案内のように、日銀の自動許可制になっておると承知しておりまして、私どもその通報を受けておりませんので、一々掌握いたしておりません。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 外務大臣は正直だと思うのです。私もいろいろ調べましたが、外務省は、日本の企業が外国に行ってどういうことを、特に土地などをどういうふうに買っておるかなんということは全然わかりません、こう言っておるのです。しかし、これがわからぬのでは、田中さんがインドネシアに行ったり、あるいはバンコクに行ったりして、デモにあったり、石を投げられたりという状態が起こるのだと思うのです。  したがって、いまこの関係をチェックしておるのは一体どこなのか、だんだん調べましたら、日銀が為替の関係でチェックをしておる。本来、この問題は大蔵省に責任があるのでありますけれども、海外で日本の、土地の問題も含めていろいろな動きは日銀が為替の関係でチェックをする、これ以外に方法がない。特に土地の関係についても、大蔵省が一々チェックするという方式はとらずに、日銀が自動的にこれをやっておる、こういう状況にあるようです。したがって、いま外務大臣が答弁されましたように、日本の企業なり海外進出を遂げておる皆さんは、特に開発途上国において、特に土地などの問題の場合には慎重でなければならない。どういう土地の買い方をしておるかというようなことは、正確に把握をしておかなければ、将来の外交の点でたいへん重大な問題だと思うのです。  その点について、チェックをしておるのは、いまは日銀だけ、しかも為替の関係だけ。日本の企業なり日本の海外における活動は、為替だけではチェックしきれないものがたくさんあるでしょう。一体どうするのかという問題について、大蔵大臣の見解を聞きたいと思う。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 いま、わが国の国際収支が非常に悪化してきておるわけです。昨年一年間を調べてみますと、実に百億ドルの赤字になる。その要因は、九十七億ドルまでが長期資本の流出、そういうことになるわけであります。長期資本の流出赤字が九十七億ドルに及ぶ。これはいろいろの内容があるわけでありますが、その一つに、これは金額は少ないのでございますけれども、わが国の国民が海外において不動産を取得する、これが四十七年、四十八年と急増をいたしておるわけであります。  その急増の主たる焦点はアメリカにあるわけでありまして、あるいはハワイに、あるいはカリフォルニアとか西部海岸地方、それが、私もどういうことでそういうふうになってきたのかということを考えてみますと、これは御承知のように、一昨年から昨年にかけまして外貨が非常にたまった。そこで、外貨減らし政策というものがとられまして、奨励はいたしませんけれども、外国において不動産を取得する、それをチェックしない。このチェックする手段といたしましては、一つ為替管理法というものがあるわけであります。その為替管理法の運用は日銀におまかせをいたしておったわけでございまするけれども、日本銀行においては、これは自動承認というか、別に使用目的等についてはチェックする必要はない。そういうので、日本銀行窓口はフリーに不動産取得というものが認められてきた、こういういきさつがあるのだろう、こういうふうに思います。  ところが、外貨事情が急変をいたしてきましたので、この考え方はこれは一変させなければいかぬ、そういうふうに考えまして、過般来、日本銀行に対しまして、不動産取得、特に投機的目的をもってする不動産の取得、こういうものにつきましては抑制していただきたい、こういうことを要請しておりますので、今後はそういう実需、つまり工場を建てますとか、そういうようなものにつきましてはこれは格別でございまするが、ただ単に、そういう計画なしに、いわゆる買い占めというような形の不動産投資ということは、為替管理の面からは抑制できるというたてまえになっております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 いまの大蔵大臣の御答弁ですが、いままでは土地に関する海外での投資、土地買い、この場合のチェックする手段は為替以外にしておらない、こういう状況です。したがって、この為替の問題も一々大蔵省まで上がってくるのではなくて、自動的に日銀で全部やっておったのであるが、これは私は日銀を信用しないということではありません。しかし、これからだんだん開発途上国相手にそういう問題を発展さしていく場合には、相当きびしいチェックをしていかないと、開発途上国の諸国民の、いわば民族感情というものを刺激していくというおそれがあると思います。  そういう意味で、日銀総裁、特に海外における投資あるいは土地買い、こういう問題の場合には、現在、日銀が唯一為替の問題でチェックをしておる、これ以外にないのである、このチェックはもっともっと厳重であるべきだ、こう考えますが、日銀総裁の御見解をお聞きしたい。

佐々木直日本銀行総裁

○佐々木参考人 外国為替管理の仕事は、ただいま大蔵大臣からお話がございましたように、大蔵大臣の権限でございまして、日本銀行は大蔵大臣から委託を受けまして、許可認可の事務を担当しておるものでございます。  ただいまのお話のございました海外に対する不動産投資、これにつきましては、一般論、原則といたしましては、それを自由化する方向に各国とも進んでおりまして、OECDの規約に基づきまして、日本もこの自由化につとめてまいったわけでございます。したがって、その段階では、不動産投資について資本移動という面から、資本の動きという面からチェックすることは困難な状況でございました。しかし、最近の国際収支の情勢から、そういうような資本の移動の自由につきましても、ある程度制約もやむを得ない、特に、投機的な目的で行なわれます土地の取得などはこれを押えるべきものだと考えまして、最近になりまして大蔵大臣からの指示もございまして、いままで自動的に許可をいたしておりました不動産取得を、これを目的によりまして選別して許可するように動かしてまいりました。  それからもう一つ、外貨貸しという制度がございまして、それによって外国へ投資ができるような道が開かれておりますけれども、それにつきましても、これは不動産業、サービス業に対しては外貨貸しを行なわないことに改めました。  それから、最後に、日本の国内金融におきましても、不動産関係、サービス関係の資金供給を非常に強く押えておりますので、こういう業種が、外国で土地を買おうということで外貨を取得しようといたしましても、その対価の円が調達が困難であるということから、そういう方向の投資も制限されておると思います。  ただ、いま御指摘のございましたように、日本銀行の外国為替管理の窓口といたしましては、為替の面だけの調整をいたしておるのが実情でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 先ほど外務大臣は、在外公館は、日本の企業が海外において不動産投資をしておるというような状況などは、外務省としては全く把握ができない、しておらない。これは、私もいままで外務省のほうにいろいろ連絡をとりましたら、やはりそういう答えが出てまいりました。これは、私はやっぱりいかぬと思うのです。  したがって、いまの日銀総裁の御見解、大蔵大臣の御見解、こういうものを踏まえて、少なくとも外務省が日本企業なり日本の海外におけるいろんな活動というものを、正確に把握をしておるということが前提にならなければならぬと思います。こういう方向での見解を、この際お聞きしておきたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 海外へ進出いたしました日本企業は、進出先の国の法律の規制のもとに事業をやるたてまえになっておるわけでございまして、また、そうあらねばならぬわけでございまして、日本における外国人企業も、そのようなたてまえのもとで営業をやっておるわけでございます。  在外公館が、そういう事業活動につきまして、どういう態度で臨むべきかということは、確かに御指摘のように問題があると思うのでございまして、ただいまのところ、私どもといたしましては、関係国から、日本人による、あるいは日本企業によるホテルの取得だとか土地の取得等について、政府から苦情が申し出された経緯はございません。  しかしながら、ハワイ等におきまして、新聞等で、日本人のそういった事業活動について、好ましくないのではないかという記事が散見されたことはございます。したがって、そういう場合におきましては、在外公館におきまして関係企業に対しまして、また関係者に対しまして、あるいは勧告し、あるいは助言し、あるいは指導するという姿において、わが国に対するその国の国民感情をそこねることのないように、御留意をいただくように努力をしてまいっておるわけでございます。  今後も、それを続けてまいるつもりでございますが、海外におきましての日本人あるいは日本企業の事業活動というものに、在外公館がどこまで有権的に介入すべきかどうか、介入するとして、どういう方法があり得るかというようなことにつきましては、よくよくこれは検討さしていただかないと、私も即答いたしかねるわけでございますので、問題を承りまして、なお検討させていただきたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 時間がございませんので、公取の委員長さんおいでをいただいておりますが、実は、やみカルテルが非常に横行しておる。これがある意味で言うと、福田さんのおっしゃる、今日のこの狂乱経済の土台になっておることは明らかであります。  そこで、実は私の知り合いで自動車のタイヤの販売を業としておる人がおるのであります。これがちょうど去年の秋、あの時期から、たとえばブリヂストン、横浜タイヤあるいは住友ダンロップ、こういったものが、同じ割合で同じ種類のタイヤの値上げが一斉に行なわれておる。私は、その店の納品書なり何なり実はちゃんといただいてきておるのであります。見ますと、ほんとうにふしぎなくらい、同じ種類の商品が同じような割合で一斉に値上げをされておる。いままで、タイヤ業界のこのような状況は、私はこの資料を見ますと、カルテルを組んでおるということは明らかであります。  通産省に言わせますと、こういう状況を一体どういうふうにして指導しておるのかと言いましたところ、まあ合成ゴムも上がりましたし、それからシンガポールの天然ゴムの値段も相当上がった、したがって、上がるのはやむを得ないみたいなお話が通産当局からは出てくるのであります。  しかし、タイヤ業界の状況を見ますると、原料のゴムの値段が、全体の商品の上にどの程度はね返るのかということは、実は割合からいうと非常に小さいのであります。したがって、通産省もどうも暗黙のうちに値上げはやむを得ないというような態度。ところが、上げる上げ方を見ますると、各社とも同じような割合で値段を上げておる。あの業界は、言うまでもなく、六つくらいの大きい会社、特にブリヂストンは市場全体の半分近い、五〇%に近い市場占有率を持っておる。したがって、ここではカルテルを組んでおるということは、私はこの資料を見ますと歴然としておるのであります。  通産省は、この状況をどういうふうに把握をされ、どういうような態度で臨まれたか。また、公正取引委員会の高橋委員長は、この業界に対してどういう態度をとってこられておるのか、このことをお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 自動車タイヤ、チューブの生産は、四十八年度四月から九月については二十六万一千トン、前年同期一九%増、また、本年度下半期四十八年十月から三月についても、石油、電力の削減がありましたが、二十六万二千トン、対前年同期一〇%増が見込まれております。したがって、四十八年度計で五十二万三千トン、前年同期比に対して一四・四%増の生産が見込まれております。以上に対して、自動車の保有台数及び本年度の生産見通しから予想される本年度の自動車タイヤ、チューブの需要は五十二万トン弱でありますから、全体として、需給のバランスはとれていると見込まれております。  そこで、わりあいに価格はいままで安定的に推移してきましたが、昨年後半から原料等の値上げによって暴騰したことによって、製品価格の値上げが行なわれまして、本年一月の価格は昨年十月に比べて約四〇%も上昇を示しております。  このような事態に対処して、通産省としては、自動車タイヤメーカーに対して、補修用タイヤについて平均一五%の値下げを行なうように指導いたしました。その結果、関係業界はこれに従って、二月中旬から値下げを実施することになっております。大体、トラック、バス用の場合で、値下げ前が三万三千五百円一本のものが二万九千円程度に、それから乗用車のものが、九千円一本のものが七千五百円くらいに下げさせることにいたしております。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 もうすでに、これは十分御承知と思いますけれども、公正取引委員会というのは、特にこういうカルテル被疑事件というふうなものについては、司法的機能を完全に備えているわけです。一般の行政官庁のように、いま通産省が一五%、高過ぎるから引き下げろ、こういう指導を行なう官庁であれば、これはいいのですけれども、そうでないと、たとえば、たびたび申しておるのですけれども、こういう公開の場で、これはカルテルじゃないか、どういう態度をとるんだ、こう言われますと、ちょうどあたかも——私どもがいつも極秘のうちに内偵を進めて、そして急に四十六条で立ち入り検査をする、それによってようやく証拠らしきものが捕捉できる場合が多いわけです。私どもは、あらかじめ予告して、やりますよということを言ってから立ち入り検査をしたんでは、それはもうほとんど徒労に終わるという結果になりますので、できますれば、私どもは、たびたびお願いしているのですけれども、公開の場で、これはカルテルではないかと断定できる、なぜやらぬかということを言われましても、職員としてはたいへんつらい立場になる。審査部がやっているわけですが、その中にいろいろ責任者がおりますが、からぶりとわかって立ち入り検査をするということは、職員にとってたいへんつらい。つらいだけじゃなくて、非常に長い時間かかる。長時間を要して、しかも結果が出ないということになりますので、この事件につきましても、やるやらぬということは、ひとつ私どものほうにおまかせ願いたいし、また、カルテルであるということは証拠の問題もございますので、事実の問題だけではだめなんでございます。その点を、ひとつよろしく御配慮願いたいと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 これは確かに、私がこの問題を公取のほうといろいろ連絡をしてみましたら、いま内偵をしておる段階なんで、ぜひひとつという、こういう話でありました。私はこれを見ますと、挙証責任は、むしろ悪いことをやった業界のほうで証拠をあげなければならない、こういうぐあいにしていかなければ、公取はわずかの人員で、いまのほんとうに悪い業界の連中を、びしっと押えてやっていくというようなことは困難だと思うのです。  このタイヤ業界は、いま通産大臣がおっしゃるような値段じゃないのです。私なんかの乗っているタイヤも、前に五千円だったものが、十一月、十二月に入ったら一万円になったのです。一本倍になっておるのです。そこで、おまえおかしいじゃないかと言いましたところ、いや、実は仕切り書をごらん願いたい、価格表をごらんいただきたいと言って私のところに来た。私もびっくりして見たのであります。歴然たるカルテル行為であります。  ところが、これだけじゃ公取はカルテルだといってやるわけにいかない、こういう問題ですね。したがって、私は、カルテルでないという証拠は、悪いことをやった業界のほうで出さなければいけないというぐあいにしていかなければならぬのじゃないかと思うのです。通産大臣、どうです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 挙証責任の問題は、やはり非常にむずかしい問題で、私は、いまの御発言のようなことにすることは、訴訟法その他の関係から見ても、むずかしいんではないかと思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 時間がございませんので、いままで私が申し上げました問題、特に土地に関する問題は、先ほどの答弁の趣旨に沿って、特に地崎興業の優良農地買い占め、これに対する先ほどの答弁をどう具体化をするか、これを、私はあらためての機会にまた追及をしたい、こう思います。  いま、国民春闘のさなかにおいて、政府と春闘を指導しておる指導部との間に協議が持たれておる。この間出されました低所得階層、恵まれない人々に対する政府の見解は、まるで問題になっておりません。こういう問題につきまして、わが党の田邊委員から関連質問をしていただきますので、委員長のほうでお取り計らいを願いたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 経済企画庁長官、先ほど阿部昭吾君の質疑に対して、適当でない発言と思われますので、この際、お取り消し願いたいと思う。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○内田国務大臣 先ほど、全国におけるゴルフ場の数並びにその地積についての御質問中、数のほうはあれでよろしゅうございますが、地積は、私が、一カ所当たり三十万坪と申し上げるべきところを、三十万ヘクタールと申してしまったようでございますので、その点、取り消させていただきたい、訂正させていただきたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 田邊君より関連質疑の申し出があります。阿部昭吾君の持ち時間の範囲にてこれを許します。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 狂乱物価、悪性インフレ、この中で国民は大きな犠牲をこうむっておりまするけれども、中でも、所得の少ない人たち、あるいは低額の年金で暮らしておるお年寄りの方々、その他各層の方々は、この国会における物価問題に対して、真剣なまなざしで見詰めております。それと同時に、一体自分たちの生活を政府はどうやってめんどうを見てくれるのかということに対する、切ない気持ちでわれわれを見詰めておることを、われわれは忘れてはなりません。  したがって、物価問題と並んでこれらの層に対するところの手当てをどうするかということは、現在、政府に課せられた緊急にして最大の課題であると思います。私は、時間が限られておりまするから、本日の質問を通じて問題を指摘し、私どもの提案をいたし、さらに分科会、総括等を通じて、この問題に対する政府の所信をただし、その問題の解決に当たってまいりたいと思うのであります。  御案内のとおり、二月における消費者物価は、ついに二四%を突破するという状態になりました。この状態の中でもって、生活保護の世帯あるいは施設に入っておる方々、そして年金で暮らしておる人たち、失対労働者、こういった人たちの生活実態は一体どうなっているか。厚生省は、最近のこれらの人たちに対するところの生活の状態についに、これを正確に把握して、調査を行なったことがございますか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 私どもは、生活保護世帯の生活というものを、十分関心を持って見守っておるわけでございまして、その意味において、今日まで、消費者物価指数が上がれば、十分関心を払いながら、扶助基準の改定を行なってまいってきておるところでございます。  御承知のように、本年度当初、四十七年度に対して一四%の引き上げを行ない、さらにその後、消費者物価指数がのぼってまいりましたので、昨年の十月から五%を引き上げ、現在は、一九%の前年度に比してアップ率になっておるわけでございますが、一月の東京の消費者物価指数が二〇%というふうなことになりましたので、一、二、三の生活を考えながら四月までのつなぎとして、一時金二千円を一人当たりに支給するということにいたしたわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 厚生大臣は、現在のこの状態に対する正確な認識に欠けている。私は、いまの状態の中で、生活保護の人たちが、一体この生活保護基準によって実はどの程度の生活をしているか、あるいはまた、施設に入っている方々が、一体どういう状態の中でもって毎日を暮らしているかということに対する実態調査をいたしました。  あなたのほうでは正確な数字がないそうですけれども、全国の社会福祉協議会がつい最近、各地の施設を対象にした物価の値上がりに対する影響についての調査をしたことが発表になっております。これを見ましても、日常のいろいろな値上がりによって、各施設は、実は多くの赤字を生んでいるということが明らかにされております。収容児施設一つをとってみましても、一人当たり一万八百十円の赤字になっておるということを、この社協の調査は報告をいたしておるのであります。  私は、実はこれを受けまして、具体的に標準的な老人ホームの実態を、一年間正確に調査をいたしました。それによりますると、非常に内輪に見積もってみましても、一人のお年寄り当たり、この一年間、昨年の一月から今年の一月までの間、六千八百円の赤字を生んでおることが明らかになりました。具体的に、その中身について一々申し上げることはできませんけれども、一番の重点であるところの食費にとってみましても、たとえば野菜は、一年間に三六・二%の値上がりであります。魚は三七%の値上がりであります。肉は一三・四%の値上がりを示しております。とうふ類は二九・九%の値上がりを示しております。調味料が一〇・七%。そして食費以外のいろいろな生活物資についても、異常な値上がりを示しておりまするし、油については、すでに御案内のとおり、重油Aについて一二四%、Bについて四三%、これはつい最近灯油に切りかえましたけれども、灯油についても実はかなりの値上がりを見ておる、こういう状態であります。こういったことを私が原価計算をいたしますると、これは大体一万円以上の赤字になるのは当然であります。  ただ、厚生省は、赤字を生んでも、何も手当てをしてくれない。したがって施設は、やむなくこれに対してどういう手当てをやっているか。言うなれば、結局は、その主要な使途であるところの食費、これを実質的に質を低下させる、量を減らす、こういう以外に実は措置がないのであります。牛乳一本を半分にしている、ときには脱脂粉乳にしたという報告もあります。あるいはバターの一人一回の使用量を減らしている、こういう状態もあります。さらには、ほとんど魚介類は冷凍魚を用いている、こういう状態になっているのでありまして、実は、表面は現在の措置費でまかなっておる、あるいは保護基準でまかなっておると見られまするけれども、実際には、その底においてたいへんな実は生活の切り下げをやっておるという状態であります。しかも、お年寄りは、実は一番の望みであるところの入浴の回数も、油の不足等によって、週三回を二回にしているという報告もあります。私は、実は私のうちも老人ホームの経営をしているのでありますけれども、実は、この入浴の回数を減らすことが身を切られるように痛いのでありまするけれども、現にそうせざるを得ない状態なのであります。  これらの実態調査を私どもが見たときに、現在のいわば政府の手当てというものが、いかに貧弱であり、現在に適応しないかということは、これは明らかなとおりであります。いま厚生大臣は、つい最近これらに対処するため、一月から三月までの赤字を見越して、大体一人平均二千円ないし二千五百円の支給を決定した、こういうことの発言がございました。一体、いまの私の実態調査といかにかけ離れているかということを、あなたは御認識をいただきたいと思うのであります。  しかも、一人平均二千円、生活保護の家庭でいいまするならば、四人世帯が標準でありまするから、これを八千円と仮定して、十月の生活保護基準は、一級地において五万二千五百七十五円であるから、したがって、これをプラスすれば約六万円になる。これは、来年度の生活保護基準一級地六万六百九十円にやや相当する、こういう実はつじつまを合わしておりまするけれども、私どもは、そんなことでもって生活を潤すことはできない、このように思っておるのでございまして、私が申し上げたことがもし誤りであれば、あなた方は指摘していただきたい。私の言うことが実際の状態であるということを御認識であれば、このようなスズメの涙ほどの支給でもって、現在のこの状態を乗り切ることは断じてできないという御認識の上に立つならば、政府はこの措置に対して、これを大幅に上積みをする、そして実態に即応してこの赤字解消ができるような措置を早急にとるべきである、私はこのように考えておりまするけれども、政府のこれに対するところの明快な所信を、ひとつ承りたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 昨年来、物価が非常に上がってきておりまして、生活保護世帯なり、あるいは社会福祉施設に入っておられる方々の生活が、非常に苦しいことは私も十分理解をいたしております。したがって、施設におきましては、それぞれ苦労をなさっておられると思います。施設の経営者は、ほんとうに御苦労だと私も思っております。  そこで私どもは、そういう事態にかんがみまして、昨年の十月から五%引き上げ、さらにまた十二月の年末におきましては、普通の年のもち代よりも多く出すようにし、さらに一月になりましてから、一、二、三と三カ月分の物価の値上がり等を考えまして、四月になりますと二〇%上げるわけでございますから、つなぎとして一応二千円ということに考えたわけでございます。したがって、三人家族ならば六千円、四人家族ならば八千円、こういう仕組みでやっておるわけでございまして、これでもちろん十分だなどとは私も考えませんが、要するに財政等も考え、また消費者物価指数の動向も考えて、まあまあこの辺でごしんぼうをいただきたい、こう考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 昨年十月五%上げたときは、七月末の消費者物価を基準にして上げられた。その当時は、消費者物価は前年に比べて一二・四%。いま、二月におけるところの消費者物価は、東京においては二四%、倍率にして約倍の実は物価の値上がりであります。したがって、十月に五%、年末に千円、そして今年に平均二千円、これだけでもって足らぬことは、物価のいまの上昇率を見れば御案内のとおりです。あなたは、この委員会において、孤軍奮闘されてこの問題を取り上げてまいりましたわが党の八木委員の質問に対して、一月の全国の消費者物価の統計が出れば、その時期になりまするならば、この問題に対するところの一つのものをきめなければならぬだろうとお答えになっております。現実にいま二四%の物価上昇が示された。したがって厚生大臣は、これに対して新しい何らかの手当てを講じなければならぬ政治責任を負っていると私は思いまするけれども、いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 一月の消費者物価指数が、東京は二〇・幾らという数字が出たわけでございます。そこで、全国統計がどうなるであろうかということを心配しておりましたが、なかなか思うように早く出していただけません。  そこで、過去のいろいろな体験から考えまして、二二、二三%になるであろうということを予測いたしまして、こういうことはなるべく早くきめることが適当であろう、こういうふうに考えまして、二千円ということにしたわけでございます。  二千円という額は、一月で計算いたしますと、一八%アップになるはずでございます。扶助費のあと払いというのは原則としてございませんけれども、一月、二月、三月というものをべたに考えてみますと、月六%アップという前提で考えてみれば、一カ月にまとめれば一八%になる、こう考えまして、二千円というのが、消費者物価とにらみ合わせまして適当な数字ではないだろうか、こう考えたわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 具体的な数字については、あなたがいかに反論いたしましても、これはつじつまが合いません。昨年の十月における改定から約半年間、この間に平均一一・六%の実は値上がりでありまするから、あなたがいかに、平均六%の値上げに対してこれだけの措置をしたと言っても、これが不十分であることはもう御案内のとおりです。そしてこの政府の措置が、きわめて当面を糊塗するものであると同時に、将来に対するところの、これは一つのごまかしを実は提起していると思うのであります。いま、いみじくも言われましたとおり、来年度は二〇%の生活保護基準の引き上げであります。すでに二月におけるところの二四%の消費者物価の値上がりであります。したがって、この面だけを見ましても、あなた方の、実は当初の計画を上回る異常な物価の値上がりに、あらためて対処しなければならぬ時期が来ている、決断の時期が来ていると私は考えるのです。  大蔵大臣、金はありますね。これはまだ最終の年度末の状態はわからないけれども、つい最近の大蔵省の発表によっても、自然増収は、補正後におきましても、おそらく一千億程度を上回る可能性がある。いろんな不安定要素はありましても、この自然増収はあるであろう、こういうことがいわれておりまするが、そのとおりですね。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 補正後の自然増収につきましては、まだ大蔵省は発表しておりませんです。  ただ、はっきり申し上げることができますのは、補正後の租税収入の収納進捗率が前年度より一・三%ふえておる、こういうことです。一・三%ふえたら、一体幾らぐらいな自然増収がその後出るんだろうという憶測がいろいろありまして、あるいは二千億円ぐらい出るようなことを言う人もありますが、私どもとして、責任のある見積もりというものが、まだできる段階ではないのであります。まあ、幾らか補正後に比べまして自然増収があろうかと思われる程度でありまして、金額で、どのくらいという段階ではございませんです。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 大体、十カ月で九割以上かせいでいるという状態ですから、大蔵省は二千億以上の自然増収を見込んでも、これはふしぎはないわけです。これはもちろんいろんな使い方もありましょう。政府の万般の施策をわれわれが考えたときに、この使い道については慎重でなければならぬでしょう。  しかし、現在のこの異常な物価高の中でもって、一体国民が何を望んでいるか、国民の中でもって一番犠牲を受けている者は一体だれであるか、このことを考えたときに、これは極端な言い方でなくて、この自然増収でもって、当初の税収を上回るというこういう状態があれば、これを政府は集中的に、所得の少ない方々に振り向けるという措置をやって初めて、いわば福祉予算、福祉政策、これをやったということが言えるのでありまして、厚生大臣は、総額約百三十億の金を今度出したから、これでもってもう残りはないとおっしゃるけれども、絶対にそういったことは言い切れないと私は思うのであります。  この際政府が思い切ってこれらに対するところの措置を集中的に講ずる、こういう決断をしてもらわなければならぬ、私はこのように考えておるのであります。私は、政府がこれに対するところの十分な検討をする財源と、そしてまたその必要があるということを、繰り返し申し上げておきます。  それと同時に、厚生大臣、労働大臣も一緒にこれをぜひ検討してもらいたいことは、財源がある以上、まず本年度におけるところの措置をとってもらいたい。それと並行いたしまして、来年度に向けるところの一つは、生活保護基準の二〇%引き上げではこれはきわめて不十分である。したがって、物価値上げの見通しがだんだんと政府の予想を上回るという状態である限り、この生活保護基準の引き上げを、私は再検討すべきではないかと思います。  第二番目、福祉年金をはじめとするところの年金受給者の生活の実態を考えたとき、この福祉年金は、昨年の二月に田中総理が、四十九年度は七千五百円、五十年度は一万円、こう公約をいたしておるのでありまするけれども、その後におけるところの物価の値上げで、実はこの価値はたいへんな相違を来たしておるのでありまして、単純に計算をいたしましても、この七千五百円は、現在九千円にしなければ当時の公約は実行できない、こういう形になってまいるわけでありまするから、この福祉年金の額の引き上げをしなければならぬのではないかというふうに私は思っておるのであります。そして、物価の急騰に対応するためには、どうしても三カ月ないし四カ月ごとにおけるところの、いわゆるスライドを実施しなければならぬと考える。と同時に、ひとつ厚生大臣、私はできることは全部やってもらいたいと思う。そして、いままでのように行政ベースで、常識的にこれはできないじゃないか、事務的に間に合わぬじゃないかというような話があっても、それを克服してやってもらいたいと思うのです。できるはずです。  たとえば、年金の改定時期は、いままで、いろんな事務の状態から見て、厚生年金は十一月、国民年金は一月、こういう状態であります。したがって、厚生年金は支給期は翌年の二月、国民年金は三月でありました。事実上、物価の値上がりを来たし、そしてそれに並んでおるところの、生活に即応するためには、これは一年おくれであります。これをどうして年度初めから支給できませんか。事務的にその作業が、たとえば秋になったにいたしましても、これを遡及して支給することは、公務員給与に比べて決して不可能ではないのであります。したがって、この年金の改定期、スライドの時期、これを年度当初に繰り上げることはできるのでありまして、いままでこれを考えないで、これを実行しないできたのは政府の怠慢であります。  この際ひとつ、四十八年度の物価の値上がりが三月できまった、四月なり五月にそれの結果が出た、作業をして十月になった、ひとつ四月からさかのぼって年金を改定しましょう、これはできますね。これは事務的にできるのです。あなた方が決断をすればできるはずであります。したがって、このスライドの実施とこの改定期の繰り上げ、これは政府の責任でやってもらえるところの措置である、このように考えておりまするけれども、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 まず、来年度の扶助基準の問題でございますが、これは、来年度における消費者物価指数がある程度伸びるということを前提として二〇%という扶助基準の改定を行なわんとするものでございまして、いま直ちに、これを改める必要はないと考えております。  さらに、福祉年金の問題でございますが、これはいろいろ言い分もあろうと思いますが、昨年に比べまして五〇%引き上げということでございますから、これは、この辺で御了承を願いたいと思います。  そこで問題は、最後の拠出制年金のスライドの問題でございます。これは今日まで予算委員会でも御質問いただいたわけでございますが、御承知のように、昭和四十八年度の消費者物価指数が全部わかりますのは、大体五月の上旬になるわけでございます。すなわち、本年三月までの全部の資料でございますから、わかりますのが本年の五月、それから三百五十万に及ぶところの拠出制年金受給者について、一人一人年金額の物価引き上げに伴いまする改定をやっていくということになりますと、電子計算機を動かす。私は実は、これはやりたくないから言うんじゃないんです。事務的に調べてみましたら、そのプログラムをつくるのに数カ月かかる、さらに三百五十万の拠出年金の受給者に対して、一人一人それをやっていくということになりますと、これはたいへんな時間がかかるということで、せっかくの御意見でございますが、これはできない、こういうことでございます。  しかし、せっかくの御意見でございますから、私はこれでもう研究はこれ以上しないとは申しません。十分今後とも研究は続けますが、いまの段階では非常に困難である、こういうことを申し上げておく次第でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 私は、当座の赤字を補てんするための政府の措置、これは労働大臣にいま質問をいたしたいのですが、時間がございませんから一緒にお聞きをいただき、これに対する政府のあらためての措置を、私はぜひひとつやってもらいたい。それと同時に、生活保護基準の引き上げ、福祉年金の引き上げ、そしてスライド制の緊急的な実施、あわせて年金の改定期の繰り上げ、これの提案をいたしまして、非常に困難であるけれども検討するという厚生大臣の御発言でありますから、したがって、これを受けて、政府も早急にこれに対するところの態度をきめていただきたい。と同時に、私どもはこの中身について、引き続き分科会あるいは総括質問等を通じて政府の所信をただしてまいりたい、このように考えておりますので、これをもって終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。  これをもって一般質疑は全部終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗