予算委員会 第20号
- 発言数
- 378 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/02/22
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和四十九年度一般会計予算、昭和四十九年度特別会計予算及び昭和四十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行ないます。津川武一君。
○津川委員 第七十一国会の施政方針演説で、田中総理は、「当面の物価対策としては、まず輸入の積極的な拡大をはかることであります。昨年、対外経済政策の一環として関税率の一律引き下げ、輸入割り当てワクの拡大など輸入増大政策を実施しましたが、今後も国民生活と密接な関係のあるものを中心として、関税率をさらに引き下げるとともに、輸入の自由化と輸入割り当てワクの拡大を推進いたします。」これが七十一国会における田中総理の答弁です。 これに対して、今国会、第七十二国会で総理大臣が、次のように施政方針演説をやっております。「石油の供給制限と輸入価格の大幅引き上げを契機として、物価情勢はきわめて憂慮すべき事態を迎えております。」「食糧の確保も重要な課題であります。今後の世界の食糧需給の動向は、気象条件の不安定性、人口増加等の諸条件から見てきびしいものになることが予想せられます。このため、国民の主要食糧のうち国内生産が適当なものは極力国内でまかない、自給度の維持向上をはかることが必要であります。」これが一年後の田中総理の答弁であります。 この点を、経済の指南番である内田長官と農林大臣が、どう見て、どうするのかをまずお答えを願います。
○内田国務大臣 津川さんの御指摘の点は、総理大臣の施政方針演説ばかりじゃなしに、不肖私、先般の経済演説の中でも実はうたってございます。 それは、エネルギーの問題などの最近の動向を見るにつけましても、私は、食糧についても十分そのことは考えなければならないと思うものでございまして、できる限り自給率は高くすると同時に、どうしてもわが国でつくれないものにつきましても、輸入先の多様化をはかることは必要でございますし、また、その備蓄につきましても、いろいろな配慮を行なう必要があると考えるものでございます。 ことに、小麦とか大豆とか、あるいは濃厚飼料というようなものにつきましては、私は、今後も考えなければならない幾多の点があると考えますが、幸い、総理大臣や私どものそういう考え方は、明年度の予算の上におきましても、その一端があらわれておりますことは、津川さんも御承知のとおりでございます。
○倉石国務大臣 国内でできるものはできるだけ生産して自給度を高める、必要であるが、国内で十分まかなえないものは、安定的な価格で輸入をいたしたい、こういう趣旨であろうと思います。
○津川委員 一年前の田中総理の施政演説でなく、国内で自給できるものはやるということを、長官も総理大臣もここで言明したことがはっきりしました。 そこで、農林省は四十九年度予算案において、大豆、小麦、えさなどの自給率をはかるために予算を組みました。「大豆の主産地としてその振興を図ることが適当と認められる地域を大豆生産振興地域」とする、こうありますが、これは北海道、東北、北九州は含まれますか、農林大臣。
○倉石国務大臣 主としてそういう地帯も有望な地域と考えております。
○津川委員 ところが、七十二国会、昭和四十八年十二月十三日の参議院の予算委員会で、田中総理はこう答えております。「大豆のように、どうしても日本の気候上の制約から考えますと、北海道を除いては国際価格としては合わないというものに対しては、開発輸入、」をやる。農林大臣はいま、東北、北九州もやる。これだから農民はどうにもならないのであります。生産者団体もどうにもならない、地方自治体もどうにもならないのです。この点ははっきり、総理大臣の言明にかかわらず、倉石農林大臣は東北でも北九州でもやる、こう言明できて、農民を叱咤できますか。
○倉石国務大臣 われわれは、農民を叱咤するなんていう気持ちは毛頭ございません。(津川委員「ごめんなさい、激励です」と呼ぶ) そこで、毎日毎日社会の情勢は移り変わっていくわけでございまして、御存じのような状況で、飼料穀物等については、輸入金額がかなり上昇してまいっておりますので、これはできるだけわが国においても助成策を講じて、少しでも増産をしたいという考えでございます。 北海道というところは、前々から有望なところであるということは政府も承知いたしておりますし、これは常識的なことでありますが、しかしその他の地域でも、ことしから休耕奨励金はストップするわけでありますので、そういうことに応じて、地方の方々でこれをやってみたいというような地域、また、それに適当いたしておる地域であるならば、これはやはりできるだけやっていただく、しかも永久作物としてやってもらうように努力をいたしたい、こういうことでありますので、その辺のところは、あんまりかたくお考えいただかないほうがいいんじゃないですか。
○津川委員 私は、いま倉石農林大臣に、総理は北海道だけでやる、農林大臣は東北でも北九州でもやる、だから東北でも北九州でもやるのか、答弁せよと要求したのです。いろんなことをしゃべる。的確な答弁をするように、まず委員長から注意してもらいたいと思います。
○荒舩委員長 的確な答弁をするように、農林大臣、注意をいたします。もう一ぺん的確に発言をお願いいたします。
○倉石国務大臣 望みのある地域ならば、こういうものはできるだけ増産したいという考えであります。
○津川委員 まだこの答弁なんです。私は、東北と九州でやらせるのかと言っているのです。農林大臣、正確に答えるように、重ねて注意していただきたい。
○倉石国務大臣 いま私が申し上げましたのは、私の考えを率直に申し上げたのでありますから、こちらの考えもやはり聞いていただく必要があると思うのです。 そこで、東北、九州においても、これができる地域ならば多々ますます弁ずるつもりでありますということを、お答えいたしておるわけでございます。
○津川委員 四十九年度予算案で予算をつけているところに、東北、北九州は含まれておりますか。
○倉石国務大臣 ちょっと、数字ですから、事務当局からお答えいたします。
○松元政府委員 お答え申し上げます。 大豆につきましては、今後、生産振興奨励補助金を出しまして生産の増大をはかっていこうということでございまして、その場合、予算上は、大豆の集荷の完了が四十九年度末になるものでございますから、大豆の生産振興奨励金の支払いは五十年度内に措置をする、したがいまして、事前にそういうことをきめまして普及指導する、さらに機械、施設等の助成は、本年度じゅうにいたすというふうに予算を組んでおりまして、大豆の生産振興地区の中には、当然東北、九州等も含まれます。
○津川委員 そこで、大豆のことで私は——自給率を先ほど長官と大臣が答えた。日本で自給できるものは、これは総理も言っているとおり、極力生産を振興していく、こういうことなので、全体的なものでありますが、この中で、大豆を中心にして、もう少し詳しくお尋ねします。 昭和三十六年は大豆を自由化した年であります。貿易の自由化です。その年に大豆なたね交付金暫定措置法を公布し、大豆の生産を確保し、農家所得の安定をはかる、こういうふうにいたしました。この年は基本法農政の年ですが、その結果生産がふえたか、自給率がふえたかといいますと、自給率でいきますと、昭和三十年には四一%、この法ができる前の年の三十五年には二八%、法ができた三十六年には二五%、次の年は二一%と落ちて、三十九年には一三%、四十三年には七%、四十六年、四十七年には四%です。振興するために交付金制度を設けてこのような状態なんですが、このことを農林大臣はどんなに考えておりますか。
○倉石国務大臣 全体から見まして、やはりどうしても農家もそろばんをとりますから、そこで、わが国の大豆、しかも、御承知のように、濃厚飼料原料をつくっておる農家の耕作面積、それに使っておる面積はきわめて微々たるものでありますので、生産コストが非常に上がってまいります。したがって、奨励をいたしましても、そういう点から他の作物に有利なものが非常に多いものでありましたから、なかなか伸びるどころではないという、いま御指摘のような現象になってまいった、こういうことだと思います。
○津川委員 せっかくの交付金制度が、目的を達しなかったことを大臣から伺いました。 そこで、昭和四十三年の「農産物の需要と生産の長期見通しについて」これは閣議決定でございます。ここでは、何と昭和五十二年に需要量が四百十五万トン程度、生産量は十二万トン程度、自給率でいくと二・九%です。これが昭和四十三年の閣議決定の方針です。こうなると、このときは大豆の自給率を上げることをあきらめたのでございましょうか。
○倉石国務大臣 あきらめたということではないと思います。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 当時の状況を私はあまりつまびらかにいたしておりませんが、やはり先ほど申しましたような経過でなかなか伸び悩んでおる、こういうことだろうと思います。
○津川委員 その次に、昭和四十五年の農業生産の地域分担、これは農林省の方針です。これは大臣が、倉石さんが農林大臣のときです。これは基本法農政から総合農政、生産調整、いわゆる減反に入ったとき、このとき、稲作から転作の戦略作物として大豆をきめた年だ。ほんとに大豆をやるつもりでかかった年です。このときの目標は、五十二年の生産量はうんとふやして、自給率一二%にするというふうな方針を組んでおります。二・九%から一二%だから、これは倉石さんも思い切ったものだと思って、ああ、やるなと思ったわけです。これは五十二年です。 その次、二年して、四十七年の十月、「農産物需給の展望と生産目標の試案」これも農林省です。五十二年に一二%にするというのを五年延ばして五十七年までの自給率にするというふうに方針を変えたわけですが、先ほど言ったようにだんだん落ちてきた。生産反別も落ちたし、自給率も落ちてきたわけです。どうしてこのようになったのでしょう。
○倉石国務大臣 農林省で初めて農業地図をつくりましたのは、いまお話しのとおりでありますが、その当時から、私どもは、やはり世界的な農産物の動き等に若干の注目をいたしまして、ことに、やはり作物については、適地適作を考えるべきだということでああいうものをつくったわけでありますが、これは農林省だけがつくったわけではありませんで、農林省の責任において作成はいたしましたが、それぞれ地方自治体、農業協同組合等、実際に携わっておられる方々を動員してやってもらったわけでありますが、そのときの大豆の自給率等については、私どももできるだけそういう希望も持っておりましたが、やはり努力さえすれば可能である、こう考えたのでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、やはりいろんな客観的情勢で、なかなか伸び悩んでおるのが現実の姿である、こう考えておるわけであります。
○津川委員 大臣に、もう一回指摘しておきます。 昭和三十年に三十八万五千ヘクタール大豆をつくっておった。あなたが四十五年に、あれだけ稲作の転換作物として腰を上げた。懸命になった。そのときは九万五千、いまは八万台です。こういう情勢なんです。これに対して、大臣にも言い分があったろうから、それはまたあとでやります。 そしてことし、昭和四十九年に、先ほど話しした大豆生産振興地域で一俵二千五百円まで、奨励補助金一億三千四百十万円出すという。まあいいでしょう。 そこで、心配なのは政府の態度。四十三年、四十五年、四十七年、そして四十九年と、二年ごとに方針が変わっているんだ、大豆について。今度の二千五百円も、私、北海道と東北の岩手県の農民のところへ行って、実際聞いてみました。今度の二千五百円も参議院選挙の目当てじゃないかと言うのです。これが農民の偽らざる気持ち。というのは、前回の参議院選挙の直前まで、グレープフルーツの自由化はやらないと政府は声を大きくしてこの国会で答弁した。参議院選挙が終わった直後に自由化してしまった。そこで、四十三年、四十五年、四十七年、四十九年を思い出す。 そこで、今度こそこの奨励補助金が国内大豆の生産をふやして、あなたがねらっている増産になり、少しでも自給率がふえる目的が達せられるまでこういう措置を講ずるのか、この点、言明していただきたい。これを待たないと、農民はなかなか雪がなくなっても大豆をつくれないと言う。いかがでございます。
○倉石国務大臣 御存じのように、農政というものは息の長いものでございまして、やはり長期的にものを考えなければだめだと思っております。国際的な穀物需要から考えまして、政府はやはり飼料穀物等については力を入れるという方針はきめておるわけでありますから、この方針というものは、当分こういうふうにやってまいりたいと思っております。
○津川委員 倉石農林大臣が前回の農林大臣のとき、稲転の戦略作物として大豆を日本の農民に提示した、国民に提示した。ふえなかった。今度二千五百円また提示してきた。当分の間と言って、さあつけた。稲転でやったけれども、五十一年には稲転での奨励金が出ないからやめちゃった。今度二千五百円つけていく。当分ということであって、やるとすれば畑もつくらなければならぬ、人もそこに備えなければならぬ、機械もやらなければならぬ。これで当分安心して、あなたが、農民が要求するまでこの補助金を続けると言ったらいいけれども、当分だから、四十三、四十五、四十七年のように、五十一年に変わったらどうなります。ここのところを農民にはっきりした、大豆と取り組む態度を農民がきめられるように明らかにしてください。
○倉石国務大臣 当分という日本語は、いろいろ受け取る方によって感じが違うかもしれませんが、これは私どもは、一年や二年ではだめだと思っております。それからまた、この助成の方法についても、その状況に応じて、再来年度予算においては違うでしょう。しかし、いま申し上げましたような飼料穀物については、何しろ膨大な輸入量であります。できるだけこれは国産でまかなうようにいたすという方針は変えないのでありますから、こういう助成政策もやはり引き続いてやるべきである、こう思っているわけであります。
○津川委員 私は、日本語の解釈するのにここに来たんじゃないの。日本の国の——そこで内田さんが言ったでしょう。田中総理の去年の方針を変えて、ことしは国の中で自給できるものはやろうと言っている。そのために聞いているわけなんでね。ここのところを、だからあなたが稲作転換の戦略作物としてきめて、昭和五十二年に、あとで五十七年と訂正したが、まあ五十七年でもいい。五十万トン、自給率一二%。現在の生産量は十二万七千トンです。これを五十万トンにする。その目的が達成されるまで——それは一、二年で終わったらそれでいいですよ。それまでこの補助金、こういったものを続けていくというならば、農民もそこに向かって進みます。国民も支持します。消費者も喜びます。この点もう一度、やはりあなたが立てた目標なんだから、それは実現するまでやるというのでなければ、農林大臣でもないし国政でもない。いかがです。
○倉石国務大臣 いまの状況で二千五百円という計算をいたして助成金を出す。そのほかに、やはりいろいろそれに伴う圃場整備等もやらなければならぬでしょう。したがって、さまざまな予算をそこに使うのは当然なことであります。 そこで、今日はそういうやり方で、一般の農家の方も喜んでいただけるかもしれませんけれども、これから先どういうふうに変化するかわかりませんが、私どもといたしましては、当初立てました目的を達成できるような助成策は講じてまいる、こういう考えであります。
○津川委員 当初立てた計画というのは、五十七年に五十万トン、そのときの内需は四百何万トンで、一二%、そのことでございますか。
○倉石国務大臣 大体、一昨年十月につくりました長期見通し、五十七年を目標にしておりますあの自給率にこぎつけてまいるために最大の努力をいたす、こういうことでございます。
○津川委員 そこで、そこまでいくというなら、これはわれわれも国民と一緒にその道に進んでみますが、そこで二千五百円、これでいいかどうかということなんです。 東北で大豆を一番つくっているところは岩手県で、岩手県の中で一番大豆を熱心にやっておる、面積も生産量も多い葛巻という町、ここへ私、町長にも案内され、そこの土谷川という部落、三十一戸のところに行って、全員に全仕事を村の人に休んでもらって、倉石さんが出した二千五百円、その他の機械化やいろいろなものでの援助、これで大豆が増産するかどうかを一日がかりで検討してみました。 この部落は三十二戸、出かせぎ者が四十九人、そうしてこの町は大豆はかなりよけいつくっておりまして、昭和四十八年に二百十六ヘクタール、昭和四十五年に二百六ヘクタール。ふえているのです。非常にいいと思う。そして作付面積に対して一番多いのは、牧草が七割、大豆が九%、そこで、みんなで一緒に検討してみました。大豆の肥料が幾ら要るのか、耕起にどのくらいかかるのか、種子代はどのくらい要るのか、選別、播種をどうするのか、除草をどうするのか、収穫をどうするのか、あの粒をとる脱粒をどうするのか、いろんなことを勘定して、自家労働力を計算しないでがんばってくださいとやってみましたら、十アール当たり現行価格で八千二百五十円の赤字なんです。収量がここのところはわりあいによくて、百七十から百八十キロいっているのです。全国平均百三十幾らだから、皆さん一生懸命やっている。そういうところで八千二百五十円反収で赤字、そこで二千五百円ずつ三俵で七千五百円、赤字はまだ解消しない。これは自分の家族労働見ないでですよ。したがって、家族労働を見るとすれば、食べていくとすれば、これだけではだめなんだね。あなた、二千五百円でやると言う。さあ五十七年までに目標を達成する。四十三年にやってだめだった、四十五年にやってだめだった、四十七年にだめだった。今度四十九年も心配なんです。ここいらあたり、実際にやれると思っていますかどうか、御検討願いたい。
○倉石国務大臣 なお検討を続けまして、所期の目的を達成するようにいたしたいと思いますが、津川さん御承知のように、米も非常に労働時間少なく進んできましたけれども、大豆は大体二十六時間ぐらいだと思います。したがって、つくり始めれば非常にそろばんのとれるものになれると思いますので、十分検討いたしまして、みんなに協力していただけるような施策を講じてまいる必要があるのではないか、こう思っております。
○津川委員 それからもう一つ、日本の大豆の適作地といいますか、一番大きくねらっておる、一番期待を持たれる北海道、大臣、御承知のとおり北海道の十勝、あそこは大豆の主産地です。あそこに芽室という町があります。ここには国立の園芸試験場もあります。私も行ってみたし、ここの篤農家矢野保さん、この人に実際の自分の収支決算をしてもらいました。一緒にこれは検討してみました。それから種代とか、肥料代だとか、農薬だとか、脱穀燃料費、包装費、償却費、ここでも自分の家族労働を入れなくて、せめて一俵一万円なら、四十八年度の価格でわれわれは大豆を進めていける、四十九年度なら一万二千円なければならないな、そうしてくれるなら、われわれは、大臣が立てた目標に向かってかなり大胆に突進して、勇気を持って進めると言うのですが、こういう御検討をされておりますか。
○倉石国務大臣 具体的な事例、私よく存じませんけれども、そういうようなことについては、引き続いて検討いたしてまいります。
○津川委員 もう一つ、これは北海道の総合経済研究所の今野さんという方です。大豆だけではだめだと言っている。私に自分たちの実際の経験から試算してくれました。北海道の中で大豆で反収——今度は残る所得。大豆は反収五千六百七十七円、米が二万八千五十二円、アズキが一万二千五百八十三円、バレイショが六千八百六十七円、てん菜が九千九百四十八円、小麦が五千三百七十九円。せめてアズキ並みにほしいんだがと言う。平均反収二俵半、ここでも二千五百円では足りないのです。そこで研究してみてくれると言いました。 私、いまここで地域と名前を名ざしました。葛巻、土谷川という三十一戸の部落、私は全戸、一日仕事を休んでもらって検討してみました。北海道のこの篤農家の方、いまの今野行男さん、これは名前をあなたに上げます。試算したものも上げます。 そこで実際に、大臣の責任において、こいつを二千五百円でやれるかやれないか検討していただいて、私たちに返事していただきたい。いかがでございます。
○倉石国務大臣 こういう計画をつくって予算に盛り込みますまでには、かなりわがほうも検討いたしておりますが、実情それぞれあるでございましょうから、こういう施策については、もちろん検討を続けていかなければなりません。
○津川委員 大臣、私がいま名ざした三つのことを具体的に調べていただいて、私にも教えていただきたい、このようにお願いしているわけですが、いかがでございます。
○松元政府委員 ただいま津川先生から、具体的地域につきましての生産費と申しますか、についてでございましたが、もちろん、地域地域でいろいろ生産コストは違いましょうけれども、私どものほうで統計情報部の生産費……(津川委員「松元局長、ぼくの言うことは、その三つやるかやらないかについてだ」と呼ぶ)三つにつきまして、実態をもちろん調査いたしますが……(津川委員「そこまででいい」と呼ぶ)私、申し上げましたのは、統計情報部の調査によりますれば、生産費を上回っております。
○津川委員 もういいです。 農林大臣、そこで今野さんという人のまた調査です。 大豆をやるとすれば、大豆だけではだめなのです。大臣御承知のとおり、輪作をやらなければならぬ。そこで大豆、バレイショ、てん菜、小麦。そこで、この大豆の十アール当たりの所得が五千六百円、バレイショが六千八百円、てん菜が九千九百円、小麦が五千三百円。いまの二千五百円を積み重ねて、二俵半で六千二百五十円。そうすると、どうやらアズキまでこれは大豆がいく。次の年今度小麦をつくると五千三百円に落ちる、次の年今度はバレイショをつくると六千八百円に落ちる。したがって、大豆がほんとうにあなたが五十七年度までにねらったところへいくとすれば、大豆だけでなく、これと関連した輪作作物のバレイショ、麦、雑穀、えさ、こういうものも続けていって、農民が生産と生活ができるような体系をとらないとこれはいけないんです。 岩手県の葛巻、ここでは陸稲をやっている、小麦をやっている、雑穀をやっている、そうして牧草をやっている。ここにも輪作体系をつくっていって、そうしないと大豆は育っていかない。この輪作体系全体を必要な分だけ、農民の生産と生活ができるように、あなたがその振興地域と目するところにこういう体制をしがなければ、大豆の生産が、小麦も同じです、えさも同じです、その他の日本の食糧の自給率は上がっていかない。大豆一角上げたことはいいですよ。麦も上げました。しかし、それだけではだめだから、こういう輪作体系全体に対して、この中で大豆をあげていかないと事は実現できない。これがいままで実現できなかった理由なんです。あなたはいろいろなことを申したけれども、この体制をお考えになりますかどうか、御返事願います。
○倉石国務大臣 御意見はよく承りました。
○津川委員 私は、大臣に意見を教えに来たんじゃないんです。国会の場だから、内田さんがせっかく言ってくれた、田中総理が今度、はしなくも自己ざんげしてきめて、一年でああいう方向転換した、これは消費者が待っていることなんです。国民が待っていることなんです。 大豆で去年、おととしどんな目にあったかというと、あの豆腐百円騒動事件が起きていますよ。その前の木材でもああなった。今度は、えさは去年一月、三月、九月、今度二月上げてまた四月上げる。小麦の三五%値上げでどうなっている。これはひとり農民のものじゃない。消費者全体のことなんだ。国の存立の基礎なんだ。田中総理は、輸入によって物価を下げると言ったけれども、今度日本の国民の物価体系を乱しているのは、全部輸入農産物なんだ。したがって、皆さんのこの方向転換というのを私は期待したわけなんだ。ところが、この体制ができていかないとだめなんです。したがって、これは国民的な大事件、国の存立に関する問題、新聞なんかが書くことばで言うと、ナショナルセキュリティーの問題、こういうことなんだ。 内田さん、あなた経済の指南番としてどうです。もう一回答えてください。こういうふうに、生産者だけのものじゃなく、消費者のものであって国の存立の基礎である、こういうふうにお考えでございますか。
○内田国務大臣 それは、農林大臣が先ほどからお答えになっておるとおりでございまして、国際の経済情勢など、この両三年の間に非常な変動があったと私は思いますので、それに応じて、わがほうもいろいろの政策の転換をはかることは当然であると考えます。
○津川委員 この認識、農林大臣、いかがでございます。
○倉石国務大臣 いま内田経済企画庁長官のお答えしたとおりだと思います。
○津川委員 そこで、農林大臣、こういう状態なんです。それを、津川の意見を伺っておきます、拝聴しておきます、これが倉石農林大臣の答弁。いま国の存立の基本が問われている。ナショナルセキュリティーが問題になっている。私は、大豆を六十万トンも日本は食料としている、この大豆の自給率というものは、日本人のエネルギーの、栄養の問題にもかかわってくる大事な事件を、増産のために大豆だけではだめで、これと輪作体系を考えなさい、考えてみてくれますかと言っている。それを、意見を承っておくじゃ、私は心外でどうにもならない。あなたにすぐできるかできないかわからないが、その計画検討してみます。その検討の結果、どんなものが出ても私はいいですよ。輪作体系のことを考えて大豆の増産というものを考えてみます、こういうお気持ちはありますか。
○倉石国務大臣 御意見を承りましたということは、そういう承った御意見につきまして、われわれが検討することは、もう当然な任務だと思っております。
○津川委員 どうも安心ならないので、検討した結果を、いつごろまでに私に教えてくれますか。
○倉石国務大臣 いま特定の地域をさしてお話がございました。私どもは、御存じのように地方にそれぞれの出先も持っておりますので、いろいろこういう五十七年目当ての生産目標を立てるためには、すべてこのわれわれの、あとう限りの努力はして資料を集めておるはずでありますが、そういうことについて検討をいたしてみたい。これは明年度以降の予算をつくりますにも、われわれに必要なことでありますので、その上で十分検討いたしたいと思っております。で、また必要があれば、御懇談をいたしたいと思っております。
○津川委員 これは、私のしゃべり方にも少しぐあいが悪いところがありましたが、私が輪作の体系検討せいと言うのは、葛巻だとか芽室をしゃべっているのじゃなくて、日本の大豆という畑作全体について考えていただきたい。それを一特定地域のことだからなどと言って大臣が逃げた。なかなかじょうずだ、逃げるのに。そこで、私も逃がさない。 昨年の畑作共済のときに何をやりました。大豆、バレイショ、関連する小麦、輪作体系のものを全部畑作共済にやって、この一つでも落ちればこの中に入れないと言っている。あなたはこれから検討するとかなんとか言っているけれども、ちゃんと農林省の法律の中に、この輪作体制全部共済を組まなければ、一つだけ組んだんじゃだめだと言っている。仮定の問題でも何でもない。大豆生産対策をこの輪作体系の中で考えてみる、こういうことは必要であると思いますが、これを検討する、ことしの予算に間に合わなくてもいいから、大体何カ月ぐらいたったら私に返事教えてくれますか。できるかできないか。もう一回答弁願います。
○倉石国務大臣 私はまた、先ほど御指摘の特定地域の検討のつもりで承っておりましたが、あとう限り輪作体制をうまくやれるようにする必要がありますが、そういうことにつきまして、いつと言われてもなんですが、御存じのような農林省の状態でありますので、そう時間はかからないと思います。そういうものを中心にして、またいろいろそれぞれの場所で御懇談をいたす機会を持ちたいと思っております。
○津川委員 倉石さん、私も一生懸命また当選するようにがんばりますが、落選するかもわからないのですよ。そこで、来年の予算を編成するころの八月ごろまでにはいかがでございますか。次年度の、五十年度の予算編成をするころに、あなたたちにも会いますから。そして行ってきめつけておかないと。私は聞けなくなったら、またここでの発言に責任もありますから、ひとつ……。
○倉石国務大臣 あなたは、有名な選挙の強い方ですから……。選挙のことは別といたしまして、これはまた農水でもしょっちゅうお目にかかれる間でもありますし、これはやはり十分に資料を持ってお互いに話し合うということが、さっきナショナルセキュリティーのお話がございましたが、そういう意味でも大事なことだと思いますので、これはほんとうに、御指摘がございましたのは、数字をあげておっしゃいましたので、私も実は頭にぴんときているわけであります。十分検討させまして、また御懇談をいたしたいと思っております。
○津川委員 五十年度の予算の編成過程の中で、この答えをいただけませんか。
○倉石国務大臣 そういうようなことについて、やりたいと思っております。
○津川委員 そこで、もう一つ大事なことで、大豆がふえない原因について、先ほど私、繰り返した、四十三年の閣議決定のときでは、収益性が低い、労働力が不足だ、気象変動の影響を受けやすい、そのために生産が不安定だ、この三つのことをあげておるのです。四十五年の、今度はあなたの指揮した減反のとき、大豆を戦略作物と考えたときも、低収益性、労働力不足、気象の変動を受けやすい、生産の不安定性、同じことばを使っているのです。そして、この四十七年の十月のときには、何と言っているかというと、十アール当たりの反収を二百二十三キロまで上げると、こう言っているのです。ところが、昭和三十一年以来、百三十二、三キロを上下しているのです。十八年かかって百三十二、三キロに固定しておる。あなたは五十七年までに百三十キロから二百二十キロまで上げると言っておるのです。上げられれば非常によろしいのですが、これを上げるためにどんなことをなさいますか。
○倉石国務大臣 数字のことでございますし、私、計算の基礎をよく記憶いたしておりませんので、事務当局からお答えいたさせます。
○津川委員 その次は、稲作転換で、集団でやると四万円、個人でやると三万五千円、それをくっつけたから、大豆がどうやらそれでも——私、さっき盛んに悪口を言ったけれども、稲作転換で減っておるけれども、それでも減り方が少なくなったのです。今度五十一年からこれがなくなる。この点を、稲作転換からほんとうにやるとすれば、稲作転換のための奨励金なり必要な措置は、なお続けなければならぬ。それは、稲作転換という名目でなくてもいいですよ。そういう形でやることが大豆にとって必要だと思うのですが、この点はいかがです。
○倉石国務大臣 津川さんも御存じのように、地方の単協の人たちの話を聞きましても、中央でもそうでありますが、われわれは、農作物価格が上がるにこしたことはないが、それよりも、むしろ生産費を低下させて、労働時間が短くて済むような、そういう基盤整備その他の事業を極力希望したいのだということを言っております。私どもは、そういうことで、できるだけそういうことについて助力をいたしますと同時に、いまお話しの出ておりますような助成金をも出しまして、奨励をいたしてまいるつもりでございます。
○津川委員 昭和三十六年に大豆の自由化をやってから、ずっと同じことを聞きました。議事録にも同じことが載っております。機械化する、基盤整備をやる、そしてずっと下がってきました。このことも必要ですよ、機械化をやって基盤整備をやることも。しかし問題は、農家に入る収入がどれだけ上がっているか。昭和三十六年の法律を制定したときに、交付金の制度を制定したときに、何といっているかというと、問題はきわめて単純なんです。法案が修正されているのですよ。「一定期間の大豆又はなたねの生産者の販売価格に農業パリティ指数を乗じて得た金額及び大豆又はなたねの生産事情その他の経済事情を参酌し、大豆又はなたねの再生産を確保することを旨として農林大臣が定める」パリティ指数を乗じた金額とそういう経済事情を加えてきめる、これが法の精神。こういう点で、これは激しい議論になって修正されてこうなった。これが法律。 ところが今度は、このきめたパリティ指数に比べて、政府が交付金制度できめた基準価格、昭和三十二年には基準価格六十キロ三千二百円、パリティ価格三千六百円で、四百円の損失。四十二年基準価格四千百三十円、パリティ指数で四千七百十四円。四十八年六千七百五十円、これは基準価格、七千百四円がパリティ価格、こういうことなんです。法律を守ってくださればよろしいのだ、大臣。私はあなたに、無理に飛び上がれと言っているのじゃない。私たちはパリティ価格でも不足だと思っているが、せめて法律どおりパリティ価格分だけ払ったらいかがかということなんです。大臣、事務局のほうを見ていますけれども。 そこで、実際にどうなったかということをあなたに話してみます。昭和四十五年、大豆の交付金に五億円予算を組んで、お払いになった金額は五百万で、百分の一。昭和四十六年に九億二千万円組んで、お払いになったのは六千八百万円。昭和四十七年に大豆の生産量が十二万七千トン、交付金で恩恵を受けたトン数千三百トン、百分の一。ここに皆さんのきめた基準価格が問題になる。せめてパリティ指数ぐらい、原価計算ぐらいやっていたらこの予算が使えた。十二万七千トンに対してたった千三百トンなんです。五億円予算を組んでいて五百万だよ。私は、あなたに無理な注文は申し上げません。法律どおり、予算どおりお使いになってみてくださいとお願いしている。いかがでございます。
○松元政府委員 まず、数字の問題についてお答え申し上げます。 御指摘のとおり、大豆の基準価格はパリティ価格を若干下回っておりますが、これはまた、パリティ価格を基準といたしまして、生産費は、先ほども申し上げましたが、全国平均的には、冷害等の異常な年を除きましては、生産費は償っているわけでございます。しかし、確かにおっしゃるような事情ございますから、年々、パリティ価格とのギャップと申しますか、そのときの事情を反映いたしまして、パリティ価格との乖離と申しますか、漸次引き上げるという経緯もございまして、そういった諸般の事情を考慮して価格をきめているわけでございます。 それからもう一つ、予算に比べまして交付した金額が少ないということは、価格の問題とも関連はございますけれども、もう一つの問題は、御案内のように、大豆と申しますのは、北海道のようなところは非常にまとまっておりますが、都府県の場合でございますと、非常に産地がばらばらでございまして、なかなか正規の流通に乗らない。私ども極力これを正規の流通に乗せまして、交付金の対象としたいと思っておりますが、あまりにも零細分散性、これは経営もそうでございますし、産地もそうでございまして、なかなか正規の流通に乗りがたい、こういう事情もございまして、そういう結果になったわけでございます。
○津川委員 局長のお話を聞いたら、あっちこっち散らばっているから、交付金の制度をおやりにならなかったわけですね。 そこで大臣、もう一回読みますよ。これは交付金制度の、第二条二項です。「一定期間の大豆又はなたねの生産者の販売価格に農業パリティ指数を乗じて得た金額及び」だからプラスですよ。「大豆又はなたねの生産事情その他の経済事情を参酌し」農林大臣がきめる。あなたがきめることができる。法律があり、予算がある。これを全部消化してみるお気持ちはありますか。パリティ指数で勘定してみるお気持ち、ありますか。
○倉石国務大臣 いままでやっておりましたやり方につきまして、いま事務当局から御報告いたしたとおりでありますが、あれでも御理解いただけたと思いますが、非常に零細な、しかもばらばらになっているところをどういうふうにやっていくかという、なかなかむずかしい問題もあるかと思いますが、これは私どもは、究極においては自給度を高める目的がございますので、十分検討してみたいと思っております。
○津川委員 法の二条の二項のパリティ指数をかけたもの及び経済事情を参酌して見るという、パリティ指数でやってみるお気持ちはありますか。もう一回お答え願います。
○倉石国務大臣 これはきめられておるやり方があるわけでありますから、十分調べてみます。
○津川委員 やってみますか、どうですか。
○倉石国務大臣 そういう、いま事務当局から御報告させましたようなことにつきまして、私は詳細によく存じておりませんので、調べてみますと言っているのであります。
○津川委員 大臣は、国務大臣として、国の法律を守っておやりになるお気持ちがあるかと、私はここでそれは聞きません。そこで、法律の二条二項どおりおやりになりますか。 〔発言する者多し〕
○櫻内委員長代理 静粛に願います。
○倉石国務大臣 二条二項というのは、私よく存じませんが、法律を守ることは当然のことであります。
○津川委員 法律のその交付金の第二条を、お守りになりますか。
○倉石国務大臣 法律を守る義務は当然ございます。
○津川委員 どうもこういう態度なんですか……。 もう一つ、この態度で自給率がふえていかなかったのですが、これに対するアメリカの態度なんです。食糧庁の需給課長虎谷秀夫さん、食糧庁の検査課長補佐田戸憲治さん、加工食品課課長補佐井上弘之さん、需給課係長新井敏朗さん、畜産局流通飼料課長補佐山口雄康さんというのですか、この方々が、昭和四十七年に、アメリカの農商務省の費用で招聘を受けてアメリカに行っております。四十六年にはやはり五人行っております。四十五年にもこれは四人行っております。こういうことが十カ年続いております。私、この人たちに電話で聞いてみました。農林省が出張命令を出したと言っています。お金はアメリカの農商務省からいただきました。こうして大豆や小麦の買い付け、畜産局の幹部だから、えさの買い付けをしているわけです。このことをどう思います。
○倉石国務大臣 関係の役所の者が、他国に招かれて行くことはあり得ると思いますが、それはやはり、相手国の事情等を研究してくるのに好都合でございますから、つい最近も、農林省の技術者を中華人民共和国に招きたいというので許可いたしたような、そういう事例ばかなりございます。
○津川委員 そこで、どこで何をして、何を聞いて、どんな話し合いになって、指令を受けたかわかりませんけれども、指令を受けたかどうかなどということを後刻報告をとって、私に教えてくれますか。この人たちがアメリカへ行ってどんなことをして、農商務省とどんな話し合いをしたか、この報告を私に教えてくれますか。この委員会に報告してくれますか。
○倉石国務大臣 私、実はいま御指摘の話、よく存じませんが、調べてみます。
○津川委員 この人たちに電話で聞いたら、報告を農林大臣に出したと言っていました。その報告、この委員会に、後刻出してくれませんか。
○倉石国務大臣 どういうことであるか、いま申し上げましたように私、聞いておりませんが、そういう問題は、予算委員会におきまして委員長の御指示があれば、どういうことであるかということは御報告できると思います。
○津川委員 委員長、ひとつ農林省にその報告書を提出させるように、委員長から取り計らっていただきたいと思います。
○櫻内委員長代理 委員長は、理事会で協議をして取り計らいます。
○津川委員 そこで農林大臣、内田長官、私、あなたたちにフラニガン報告書を読んでおくようにお願いしてありましたから、読んでくださったと思います。 アメリカが、日本に対する農産物の基本的戦略戦術をきめた一つの報告書で、アメリカの状況がわかるやつですが、ここには、アメリカとして最も好ましい目標は、穀物、飼料、畜産物部門を日本とECが完全自由化することだといっている。二つ目には、アメリカの一九七二年の小麦、飼料穀物価格水準を基礎としつつ、日本の支持価格水準を下げるといっている。三つ目には、こういう自由化をやらせると、アメリカは年間八十億ドルのプラス、日本は百四十億ドルのマイナス、日本の農民が四十億ドル以上の損失をこうむると書いてある。もう一つ、日本を納得させて牛肉を自由化させられれば、アメリカの供給が急増したとき、日本が安全弁の役割りを果たすことになる、これら三カ国は、再度輸入数量制限措置をとらなくても済むことになろう、したがって、米国としては、ガット主催であれ、その他の場所であれ、機会をとらえて日本に圧力をかけて、牛肉の自由化を早めさせねばならない、供給が不足しているいまこそチャンスである、これがアメリカの戦略戦術。あらゆる手段を講じて、日本というものをそういうふうにさせる。その手段の一つとして、食糧庁の幹部と畜産局の幹部をアメリカの費用で招待しておる。こうではありませんか。いかがでございますか。
○倉石国務大臣 アメリカが、何を考えていようと御自由でありますが、そういう目的、いまのフラニガンレポートの目的で、日本の役所の者を招待したかどうかということは、にわかに判断はできないことだろうと思います。よくあることであります。各省とも、アメリカだけではない、ほかの国にもずいぶん招かれて行って調査検討しております。 それから、フラニガンレポートは、これは御存じのように、一九七二年の七月につくられたものでございまして、その当時は、アメリカ合衆国というのはばく大な入超でございまして、貿易またドル保護のためにあらゆることを講じなければならなかった時代に出されたレポートでありまして、津川さんも御承知のように、これはアメリカの政府の決定ではありませんで、フラニガンレポートでございます。しかし、先般行なわれました東京における国際新ラウンドにおけるあちらさんの考え方を聞いておりましても、やはり私どもといたしましては、アメリカはアメリカなりに、自国を中心にしたものの考え方をしておるなということは念頭に置きつつ、こちらの施策は講じなければならないと思っております。
○津川委員 われわれが、アメリカからたくさんの品物を買っているから、日本の責任で、国民の税金で調査に行くことをやらなければならぬ。だが、アメリカの費用で、農商務省の招聘で農商務省に行く、これはよくない。これからもこういう招聘を、出張命令を出してやらせますか。
○倉石国務大臣 先ほども申し上げましたように、たとえばただいまでも、ドイツのエルトル農務大臣から招待をされて、そしてドイツ、ECを中心にした農業問題についてやっております。先方の招待であります。先ほど申しましたように、中華人民共和国でも、きわめて最近そういう招聘がございまして、これは許可いたしております。いまアメリカのお話がございましたが、招聘があれば、どういう事情でどういうことのために招聘されるかということは、もちろん事務的にも調べまして、その上で許可するはずでございます。
○津川委員 日本の費用で調査することは必要ですが、向こうのお金をもらって農商務省に行って、いろいろなことを教えてこられたり、指示されてくることをやめなさいね。 そこで、次は、農業の飼料、農機具、肥料、農薬、ビニール、段ボール、バックなどが値上げされて、非常に困っておって、きょうも農民が全農にすわり込んでいます。そこで、私は肥料の価格について少しお尋ねします。 尿素の値上げは、この一月から一六・三%値上がりしましたか、させましたか。通産大臣、いかがです。
○中曽根国務大臣 昨年十二月初め生産業者は、最近の石油製品価格と総資材価格、労務費等の急激な上昇、石油、電力削減に伴う操業度の低下を理由に、販売業者である全農に価格改定を申し込みました。 このため、政府としては、法の目的及び肥料の農業基盤資材としての重要性にかんがみ、改定交渉の際には、価格上昇要因としては、石油製品、包装袋のみを考慮し、労務費、運送費、金利等その他の経費及び操業度の低下については、考慮すべきでない旨交渉当事者に強く要請いたしました。交渉の結果、昨年十二月十七日、当事者は、農林省及び当省に改定前価格に比べ一六・三%上昇の新取りきめ価格を届け出ましたが、この新価格は、上記指導に従ったものであるので、一応妥当なものとして受理した次第であります。 なお、硫安の新価格についても、尿素に準じた引き上げを認めることといたしました。
○津川委員 そこで、硫安の一六・三%の価格アップの基準はいかがでございました。それを一つ一つ調べてみましたか。尿素では、ナフサの値上がり分九・四%だとか、重油が四・何%だとか包装二・九%、合わせて一七・一%、それを一六・三%にやった。硫安ではいかがでございます、通産大臣。
○飯塚政府委員 尿素の値上げと同時に、硫安につきましても一六・三%の値上げを認めたわけでございますが、今回は期の途中でもございますので、硫安につきまして詳細なコスト調査をやらなかったわけでございますが、尿素にスライドいたしまして二八・三%という結果になったわけであります。
○津川委員 通産大臣、硫安の価格は算定しないで、通産大臣が一六・三%値上げさしたわけですが、このことはどうしてこうなったのでありますか。
○中曽根国務大臣 大体、硫安の有効成分であるアンモニアは、ナフサ等の石油製品を主要原料としておるので、今回の価格改定は、尿素の上昇率と同じく、旧価格に対して一六・三%の上昇となったものであります。
○津川委員 硫安の価格構成におけるいろいろな原価計算を、しなかったのでございますか、したのでございますか。通産大臣、もう一回。
○飯塚政府委員 お答え申し上げます。 硫安につきまして、コストの詳細な調査はやっておりませんけれども、その後いろいろ試算をしてみますと、やはり一六・三%というのは妥当ではなかったかというふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 算定しないで、硫安の一六・三%値上げを承認した、こういうことでございますか、通産大臣。
○飯塚政府委員 そのとおりでございます。
○津川委員 そこで通産大臣、硫安の精製過程ですが、法律ができたとき、硫安合成するのは、全硫安のうち六〇%。いまは石油化学が非常に発達したために、硫安として合成しているのが一・三%、合成繊維のカプロラクタムなど、あの繊維をつくるときに回収するのが七七・三%、コークスなどの炉から出てくる副産物として硫安をつくるのが二一・四%です。この回収するやつ、カプロラクタムをつくるときには一緒に硫安が出てくる。したがって、農民は何と言っているかというと、あれはただで出ているのだ、昔は捨てたものだ、捨てたものから出てきたのだ、これはただにすべきじゃないか。 通産大臣、私、肥料工場へ行って見てきました。非常に詳しく教えてもらいましたよ。そうしたら、肥料工場は何と言っているか。硫安というものは、この合成繊維カプロラクタムなどつくるときにどうしてもこうしても出てくる、不可避的に出てくるのだ、出ざるを得ないのだ、硫安をつくらざるを得ないのだ、不可避的な硫安だ、価格の構成なんかありません、価格構成せいと言ったってめんどうであります。一体、コークスの炉から副産物として出てきたものの値段をどうするかという、これは連産品です。連産品の価格というのはきめることが非常にめんどうだし、通産省は一回といえども連産品の価格を、最近、昭和四十五年以降にきめたことがありますか。
○飯塚政府委員 御指摘のように、現在、硫安は回収硫安が大部分になっておりますが、一番典型的なものは、ナイロンの原料でございますカプロラクタム生産の際に、併産品として硫安が出てまいるわけでございますが、現在、カプロラクタム生産の際に、硫安というのは不可避的な併産品でございますので、したがいまして、かつてナイロンの生産を開始した当時、きわめてわずかな量しか回収硫安ができなかった時代とは変わりまして、現在におきましては、併産品すべてにつきましてコストの割り振りを行なうことが適当ではないかと思うわけであります。 ただ、その際に、最も理論的に考えて、カプロラクタムと硫安についてどういう比率でコストを割り振るべきかということは、いろいろ理論的に検討すれば、非常にむずかしい問題であることは御指摘のとおりだと思います。
○津川委員 原価の計算をしていない。やるとすれば非常にめんどうだ。理論的にはできるが、やらなかった。それを一六・三%値上げを通産大臣は認めた。それが、この肥料価格安定等臨時措置法の第二条でやっています。しかも通産大臣、これをほかからくちばしをいれられないように、第十四条で、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用を除外している。こういうふうにきめられているわけですね。 そこで、通産大臣、一度硫安の原価を算出してみる必要がありませんか。
○飯塚政府委員 今回の十二月の値上げの際に、新たに硫安のコスト算出はやっておりませんけれども、もとの四十八肥料年度、つまり値上げ前の価格の算定の際には、四十七年度のコストにつきまして検討をし、それをもとにして四十八肥料年度の価格がきまったわけでございます。
○津川委員 まさに局長の言うとおり、そのときの価格、企業が任意的に、恣意的にきめた価格によってきまる、これが連産品の価格です。石油でいうならば、原油からナフサだとか灯油だとか重油だとか軽油が出る。このときに、売れそうで、もうけそうな灯油に値段を高く、強くぶつける、工業が使うナフサに少なくかける、これが大体連産品の価格の決定の方式なんです。したがって、通産大臣、この原価の計算をしないのをあなたが承認した。したがって、いますぐ硫安の価格をストップして、原価計算してみて、一六・三%が正しいかどうか見て、正しければ私たちも国民も納得します。カプロラクタムなどというものから不可避的に出てくるものは七七%なんです。農民の感情は、この価格はゼロだと言っているのだ。こういう国民感情がありますので、まず第一に、原価を明らかに確かめること、これが一つ。原価がわかって、諸経費がわかって、適正な硫安の価格が出るまで価格をストップする。したがって、硫安が入っておる一切の合成肥料の値段も三一、二%上がっておりますが、これもストップさせる、このことが二つ。三つ目には、連産品の、石油関係の日本のすべての価格、企業が恣意的にそのときの流通価格できめてしまうのをやめて、かなりの部分に、重要なものに対して原価計算をする、この三つ必要があると思いますが、一つ一つにお答え願います。
○飯塚政府委員 四十八肥料年度の当初きめました価格を十二月に改定いたします際に、これは尿素でございますけれども、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、ナフサ、重油、包装資材等、値上がりのきわめてはっきりしたものだけについて認めまして、そのほかの人件費あるいは金利、償却費、本社費、そういったものは、コスト的にはあるいは上がっているかもしれませんけれども、そういうもののコスト増は全然見なかったわけであります。したがって、一六・三%の尿素のアップにつきましても、実際のコストアップ要因から考えますと、かなり厳格に措置したつもりでおるわけでございますが、御指摘のように、硫安そのものにつきましては、コスト試算はやっておりませんけれども、そういう尿素の二八・三%をベースにして、硫安の価格も一六・三%と、同じように値上げしたわけでございます。したがって、コストから考えまして、硫安につきましても、今回の値上げが過大であるというふうには、私どもは考えておらないわけでございます。 なお、これをコストの計算ができるまでの間値上げをストップすべきではないかという御指摘でございますけれども、現在、すでに春肥の需要を目前にいたしまして、いまの値上げした価格で、硫安につきましても取引が行なわれておるわけでございますので、現在の段階におきまして価格をまた変更するというのは、いろいろ困難も起こす心配もございますので、この点につきましては、いずれ来肥料年度におきまして、当然またコストを分析いたしまして、もしコストアップがあれば値上げというようなこともあるわけでございますが、その際に、十分考慮していく必要があるかと思っております。
○津川委員 中曽根通産大臣、いま局長が言うとおり、原価がわからないままに一六・三%値上げした。だから、まず第一に、原価計算してみるかどうか。これは絶対必要だと思うのです。この点は大臣、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 肥料の値段は、法律によりまして、当事者同士でネゴシエーションをして、そして当事者同士できまった値段を農林省及び通産省に届け出て、その届け出たものを農林省、通産省が承認する、そういう形になっておる由であります。それで、通産省としては、この届け出た値段についていろいろ検証してみたそうであります。その結果、妥当である、そういう考えに立ってこれを承認した、そういうことでありますから、その妥当であるという判定を下すにつきましては、四十七年度における原価計算の基礎を基礎として、それに、それ以後におけるナフサその他の値上げも考慮し、また、いま申し上げたような人件費やそのほかの費用のコストアップは認めない、そういう方針でこれを査定もしたわけでございますから、妥当であるという判定のもとで、再びこれを、価格改定を改めるというような考えはありません。 しかし、原価計算というものをもう一度やれという御指定でありますならば、やること、やぶさかではございません。
○津川委員 大臣、四十七年、四十六年のときには、硫安が値上がりしてない。だから、何も値上がりする要素がないから、四十六年のやつでも四十五年のやつでも、次の年はいいのだ。いまは上がっているの。だから農民が問題にするの。それをほんとうに原価をつかんだことのない、そういう形のもので——もう一回それじゃ聞きます。局長、ほんとうに原価をつかんだことありますか。
○飯塚政府委員 値上げ前の価格の、四十八肥料年度の価格決定の際には、四十七年度のコストにつきまして調査をいたして、それをベースにして価格取りきめが行なわれたわけでございます。
○津川委員 通産大臣、聞きましたか。連産品の価格というのは、そういうふうに前の流通のやつにこうやっていくのです。それじゃ四十六年はいつきめた。ほんとうの意味の原価計算をきめたことがあるかというのだ。法ができたときには、そのものとして生産するのが六〇%、いまは合成するものが一・三%。したがって、基礎がかなり変わってしまっている。したがって、最近の、特に昭和四十五年以降の石油化学が発達したときのこの形の中で、正確な原価計算をして、それに経費を加え、流通経費を加え、利子を加える、これならよろしい。前年度までずっと動いてきたから、でたらめに動いてきたものを基準にしてつくっているのが現在の連産品の価格です。大臣は必要ならばやってみると言うが、局長、どうです、ほんとうに原価計算したことがありますか。
○飯塚政府委員 例年、四十七年度まで、コストにつきまして調査をいたしてきたわけでございます。
○津川委員 どんな調査をいたしましたか。
○兵藤政府委員 毎年、メーカーとそれから肥料の使用者であるところの全国農業協同組合連合会のほうで、価格取りきめ交渉をやるわけでございます。その両者から、原価計算についての資料を交付するよう請求が法律上認められております。この法律上認められた権限によりまして、メーカー、農業団体が、農林大臣、通産大臣に対して実績原価調査の結果を資料として提出するように要請します。農林、通産におきましては、前会計年度の実績原価を調査し、この調査は各メーカーから報告をとっております。その報告の加重平均価格、さらにわがほうが実際に調査して、それが妥当であるかということを判断して、資料を作成しこれを交付する、こういうことを例年やっておるわけでございます。
○津川委員 中曽根大臣、私はあなたの部下の兵藤審議官といろいろ話しました。兵藤審議官がたくさんのことを教えてくれました。ありがとうございました。その席上、兵藤審議官が私に教えてくれたことは、硫安の原価計算をしておりません、こういうことでございます。 したがって、通産大臣、硫安の原価計算をしてこの委員会に報告してくださいませんか。これが一つ。それまで硫安の一六・三%の価格アップは一たん停止すべきと思いますが、いかがでございます。
○兵藤政府委員 実績原価調査は、例年、前会計年度についてやっております。ただし、今回の値上げにつきましては、一六・三%、尿素に見積もられたものをそのまま、同じようなアンモニア系窒素肥料であるということで、硫安にも適用したということでございます。 なお、一六・三%が硫安について妥当であるかどうかということを検証しました。その結果、尿素の場合と同じように、妥当であるというふうな判断をわれわれはいたしました。
○津川委員 硫安の四十七年に計算した資料をまず出す。これが一つ。 もう一つには、通産省が、石油の値上げで、他の関連の経費に及ぼす比率というものを純理論的に私に教えてくれました。それは石油化学肥料に対しては六・六%。硫安の石油とナフサの使用度が、尿素よりもはるかにはるかに少ないことは皆さんが御承知のとおりであります。したがって、そういう基礎も考えて原価を計算して、硫安の基礎価格、原価そのものを何できめるのか、これが一つ。 第二番目に、今回の一六・三%値上げの基礎が何であったのか。尿素がそうなったからでは済みません。これは比率がうんと違います。問題になりません。その点を明確にしてこの委員会に報告していただく。通産大臣、いかがです。
○中曽根国務大臣 判断の基準になりました資料を提出いたします。
○津川委員 終わります。
○櫻内委員長代理 これにて津川君の質疑は終了いたしました。 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 まず、大蔵大臣並びに労働大臣に最初お尋ねをしておきたいと思うのであります。 いま、御承知のように公定歩合の引き上げを行なっておりますし、二月の物価動向いかんによっては、さらに日銀、大蔵省で公定歩合の引き上げをやる、金融の引き締めをやる、こういう状況になりつつあるわけでありますが、御承知のように、そういう金融引き締めの片一方で、実はしり抜けが行なわれておるわけであります。 御承知のように、本院でもだいぶん議論されたわけでありますが、労働基準法第十八条に強制預金の禁止規定があるわけであります。ところが、この禁止規定については、労使間で協定を結ぶ、あるいは従業員の代表と会社側とで協定を結んで、それぞれもよりの監督署に届け出をすれば、監督署の行政指導で、最低六分、最高七分三厘七毛というたいへん高金利の社内預金というものを認めることになっておるわけであります。ところが最近、禁止規定であるにかかわらず、たいへんきびしく社内預金を強制する企業があらわれてきております。協定は結んでおるのでありますが、実際的には、半強制的な形で社内預金の募集をする。 時間がありませんから、私のほうから申し上げますが、昭和四十八年三月現在で労働省調べ、社内預金総額一兆七千百八億円、事業所数四万四千七百五十七事業所、社内預金人員五百八十五万人という、昨年の年度末でたいへんな額であります。これが今日、一年経過をいたしまして、大体一年間平均三〇%程度社内預金というものは伸びてきておるわけでありますが、こういった金融引き締め、そのあおりを受けた企業自身が、自分の従業員から社内預金を高金利でどんどんと吸収していくという形が、露骨にいま出てきておるわけであります。 こうしたあり方について、たてまえである強制預金禁止規定の監督官庁である労働大臣はどう思っておられるのか。 それから同時に、時間がありませんから大蔵大臣にも御説明いただきたいのでありますが、こうしたことを野放しにしておくと、一面、大企業は、幾ら金融を引き締めても、どんどんと手持ち資金はふえていくという逆現象を起こすわけでありますが、こうした問題についての今後の取り組み、これについて大蔵大臣からもお答えいただきたいと思います。
○福田国務大臣 社内預金につきましては、いま松浦さんから、昭和四十八年三月の数字が述べられましたが、その後の数字はまだ集まっておらぬようでございます。しかし、私どもが企業に接触をする、そういうような感触からいたしますと、これはかなりふえてきておるんじゃないか、そういうふうに判断をしております。 それが、総需要抑制政策のしり抜けになっておるのではないかというお話でありますが、私は、しり抜けというのは妥当じゃないだろうと思うのです。しりが来ておる、むしろ逆なんですね、そういうふうに見ておるわけでございます。これが何か行き過ぎだとかなんとかいう問題があれば格別でありますが、これが経営者と勤労者との間の話し合いによって順調に進んでおる、円滑に進んでおるということであれば、私は、ここでとがめだてをするというふうな性格のものじゃないのじゃないか、かように考えております。
○長谷川国務大臣 お答えします。 数字については、あなたのおっしゃるとおりです。そこで、一人当たりが大体二十九万円、こういう形になっております。 問題は、社内預金は労使の間の話し合い、そして私のほうは預金者を守るという立場でして、昭和四十年に企業倒産したために、その社内預金がパアになった、それをあとでとうとう返させる、こういうふうな形でございまして、私は、労使の間において、あまり利子が上がったり下がったりということのないようにしながら、安定した貯蓄をするという話し合いが進むことはいいのじゃないか。私のほうは、預金者の保護と、そしてこれだけ進んだものを急に禁止する、定着したものを禁止するという形はとり得ないのではないか、こう思っておりまして、御注意についてはよく承っておきます。
○松浦(利)委員 私は、禁止せよと言っているのではないのです。問題は、こういった状態になってきて、本来ならば、協定で紳士的に行なわれるべき預金が、企業側のほうから半強制的に預金をさせるという姿が、いま露骨に出てきておるのです。特に、大手の民間企業等において出てきておるのです。そういう行き方は、協定を結んでおっても、確かにこの禁止条項に該当する、明らかに行き過ぎだ、こういうあり方は企業に対して自重を促すべきじゃないか、こういうことが、私は正しい行き方だと思うのですよ。いまたいへん苦しんでおるときに、会社のほうから、おまえ預金をしなければと言うと、預金をしないやつは出世をしないような、差別扱いを受けるような感じを受けるのです、弱い従業員、労働者というのは。だから、泣く泣く給料から預金をするというかっこうが現実に出てきておるのですよ。こういった行き過ぎは、改めるべきじゃないかということを私は聞いておるのです。労働大臣、簡単でけっこうです。
○長谷川国務大臣 強制はさせるわけにまいりません。これから、そういう御注意は私のほうでよく承りながら、よく監督してまいりたい、こう思っております。
○松浦(利)委員 それではこの問題は、これからますますきびしくなりますから、ぜひ行政指導をお願いしたいと思います。労働大臣、どうぞお立ちになってけっこうです。 それでは続いて、物価問題に入らしていただきたいと存じます。 実は、委員長の手元にも、それから大臣の手元にも、それからきょうお集まりの与野党の皆さん方にも、花王石鹸株式会社から十二月に、「合成洗剤の品切れについて 国会議員への送付資料」というのが全部皆さん方に渡ったはずであります。それから一月十六日に、「花王製品の価格改訂について」という文書が、各議員の皆さん方全部のポストに入ったはずであります。それから一月二十二日に、「合成洗剤の店頭品切れについて(続)その後の経過と対策」というのが、全議員の皆さん方の手元に配付されたはずであります。 私は、これを読んできわめてふしぎな感がいたしました。この花王石鹸は、合成洗剤の品切れについてこのように述べておるわけであります。十二月十四日、「国会の質疑応答が民生安定に大きな影響をおよぼすおりから、このご報告がこんごの指針の一助となれば幸いに存じます。」という書き出しで、生産量はふえているんだ、事態緩和にとった措置はこうなんだ、全社あげて緊急体制に入ったんだ、法解釈上問題があるかもしれないと承知しながらも、定価以上で売った小売り店に対しては、断固として出荷停止の処置をとったんだ、在庫はほとんどゼロになった、それでは、こうした生産体制、在庫放出という形をとったにかかわらず、なぜ品切れになったのか、それは、品切れの原因は消費者の買いだめによるというのが、花王石鹸の結論であります。そしてさらに、書かなければいいのにこういうことまで書いてあるのです。「石けんや洗剤は大衆とともにあり、そのメーカーは国民に対して愛情と責任を痛感しております。もし正しい指導があったなら、このような間違った混乱は起きなかったでありましょう。もし当局のかたがたが、何が民生不安解消のために必要であるかをもっと明確に」これは間違っておるのですが、「もって言動」ということばになっておるのですが、「もって言動してくださっていたならば、このような混乱は早期に終熄したでありましょう。国会の質疑応答をいま国民は真剣に見守っているのであります。」こういうふうに締めくくっているわけであります。 私は、絵解きではありませんけれども、パズルではありませんけれども、それではこの国会の審議を通じて、消費者が買いだめたかどうかという事実について、これから政府の皆さんと一問一答を通じて明るみに出していきたいと思います。 そこで、公正取引委員会の吉田事務局長おいででありますが、これは過般の物価特別委員会でも質疑をいたしましたから、あるいは経済企画庁長官は御承知と思うのでありますが、おさらいの意味で、もう一ぺん整理をしてみたいと思います。簡単に、事実がそうだったかなかったかだけでけっこうでありますから、御返事をいただきたいと思います。 まず、石けん業界は、昨年一年間に、実はどうかして製品の値上げをしたかった。一番最初の動きとしては、昨年の七月花王石鹸から、再販製品の一〇%値上げを十月一日から実施したいと公正取引委員会に申し出があったはずであります。これに公正取引委員会は、当時消費者その他から、再販見直しのたいへんな問題がありましたので、三十八億円の再販見直しのために、再販見直し中の値上げは困るということで、そのときは一〇%値上げを認めなかった、そういう事実があったかなかったか、そのことだけ御返事いただきたいと思うのです。
○吉田(文)政府委員 確かに、おっしゃるとおりの事実はございました。
○松浦(利)委員 それで、石けん業界は、七月に十月一日からの値上げを申請した段階から、実は洗剤の業界、卸はすべて、年内の再販値上げについてずっと浸透していったわけであります。 そこで、今度は例の石油問題が起こりました。そこで今度はライオン油脂のほうから、石油高とそれから七月に申し込んだ一〇%、合わせて約二〇%の再販引き上げについて公正取引委員会にお願いをした。そこで公正取引委員会のほうは、それでは書類を出しなさいと言って、書類の提出が、ライオン油脂から十一月にあったことについては、事実だったかどうかをお聞かせいただきたいと思う。
○吉田(文)政府委員 事実でございます。
○松浦(利)委員 そのときに、公取と花王石鹸との間で、ライオン油脂のほうは、再販に残って二〇%の値上げをしてくれ、そうでなければ再販をおりる、こういったことについて公正取引委員会に強く要望があったわけですが、公正取引委員会はそのいずれもだめだ。しかも、石けん業界は公取の態度を受け入れないというきびしい情勢にあった。公取のほうはだめだということを言ったという事実について、そういうことがあったかなかったかを明らかにしていただきたいと思うのです。
○吉田(文)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○松浦(利)委員 その結果、十一月三十日に再販をおろして、十二月一日付をもちまして製品の一部を値上げをした。そして一月四日以降、相争って再販をおろして値上げをしたという事実があるわけでありますが、そのことについては、お認めいただけますか。
○吉田(文)政府委員 そのとおりでございます。
○松浦(利)委員 ありがとうございました。 いま公取の事務局長と私とやりとりしたのが、実は昨年一年間、石けん業界と公取で再販問題について議論をし、石けん業界が値上げをしようとした動きの経過であります。 どうぞ公取事務局長、委員会でお忙しいそうですから、お引き取りいただきたいと思うのです。 こういう背景があった事実を、きょうおいでの大臣皆さん、特に中曽根通産大臣は了知しておられたかどうか、その点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。簡単でけっこうです。
○中曽根国務大臣 それはあとで知りました。
○松浦(利)委員 いま通産大臣が言われたとおりに、通産大臣はあとから知られたそうであります。 ところが、こういう背景の中で、実はあの十一月の洗剤のパニックが起こったわけであります。それは、先ほどの品切れについての国会議員への送付資料の中では、消費者が買いだめに走ったからこうなったんだと規定づけておりますが、しかし、消費者というのは、一部の消費者といえども、何か買いだめしなければならないきっかけがなければ、洗剤は買うはずはないのであります。何かがあったからこそ、買い占めようと行動に出るわけであります。そのことについては、経済企画庁長官、お認めになりますでしょう。何もないところに買い占めはないわけであります。このことはお認めになりますね。——うなずいておられるからそのとおりだと思うのです。 ところが、その何かを演出した人がおるわけであります。それをいまから提示をいたします。 それでは、仕掛け人の文書をお見せいたします、通産大臣。この文書は四十八年十月、花王石鹸株式会社が販社に対して、製品販売会社に対して通知した四十八年十月の文書であります。この薄っぺらい一枚のほうは、同じく十月、ライオン油脂株式会社が卸問屋に通知した文書であります。 花王石鹸のその文書、本文を読み上げます。昭和四十八年十月に、「花王製品の定価表示廃止のご案内」「日頃から格別のお引き立てにあずかり厚くお礼申し上げます。最近の原材料価格の高騰により、近日やむを得ず一部製品の価格を改訂させていただかざるを得ない状況になってまいりました。従いまして価格改訂の際、店頭での新旧価格表示品の混乱をさけるため、現在パッケージに印刷しております定価表示を逐次全製品につき廃止してまいりますので、なにとぞご了承賜りますようお願い申し上げます。」これが花王石鹸株式会社の通達であります。ライオン油脂のほうも同じように、「この商品は価格表示をしておりません」「最近の原材料の値上がりにより、価格の改訂をしなければならない現状にありますので、その対応策として価格は表示してございません。」こういう通達を昨年の十月、それぞれのルートの卸店に、あるいは販店に流したのです。いいですか、流したのです。こういう文書を流すと、いかなる再販品であろうと、ああこれは間もなく値上げがあるということをだれでも感ずるのじゃないですか。だれでも感ずる。 そこで、そのあとにつけ足しのように何と書いてあるかというと、ライオン油脂の場合は、「なお、この商品は再販商品です。従来通り下記のお願い価格でご販売下さいますようお願い申し上げます。」花王石鹸のほうも、「なお、定価表示を廃止いたしますが、ご販売価格の維持には従来通りご協力いただきたくお願い申し上げます。」どうしても売りたい人は、価格がなくても再販品で売りなさい。しかし、価格の改定をするということが前段にちゃんと書いてあるのです。前段に価格を改定するかもしれないという文章を入れますと、これは利益を追求するのが商売ですから、そうなってきますと、いままでストックしておったもの、いままで自分の在庫しておったものを、全部流通に流すまいとするのは、これは当然の行為じゃありませんか。そういう行為に出るのは当然じゃありませんか。その点について中曽根通産大臣、どう思われますか。
○中曽根国務大臣 品がすれが出てくるという事態が目前にあるというような場合には、確かに消費者としては、心理的に影響を受けると思います。
○松浦(利)委員 私の質問が正確を欠いておったのですが、大臣が聞きのがしかもしれませんが、要するに卸問屋が、こういう指令を製造元から、石けん業界からもらったら、そのストックしておる卸商、卸問屋は、これは間もなく値上げするかもしれぬというので、在庫してしまい込んでしまって流通パイプを締めますでしょう。それは当然じゃないですか。
○中曽根国務大臣 そういう可能性はあると思います。
○松浦(利)委員 花王石鹸は十月の中旬から下旬の間に、ライオン油脂は十月の下旬から十一月の初めにかけておろされた文書であります。全部おろされた文書であります。洗剤のパニックが起こったのは十一月でしょう。十一月じゃありませんか。そうなってきますと、この通達文書が仕掛け人なんです。よく読んでみてください。これから値上げをするかもしれませんから、どうぞ定価表示の廃止等について御協力をください、しかし、どうしてもあなたが売るときには、これは再販品ですから従来の価格で売ってくださいよ、そういう通達をすることによって、いままで、先ほどずっと公取とのやりとりでおわかりのように、一連の値上げムードにあった流通業界が、一斉にストックするのはあたりまえじゃありませんか。 同時に、この花王石鹸は、こういうことまでわざわざまた言っておるのです。「商品の定価表示廃止と呼称について」花王石鹸の二枚目にありますが、いままではこうだったけれども、今度はこういうふうに表示します。現在はこうだけれども、改定したのはこうだ。しかも、帳票類への表示、伝票を書くその帳票類への表示も、これからはこうします。そしてその帳票類への表示の一覧表は、この書類に記載をされておるのであります。そうなってくると、もう事前に値上げすることを予告しておるでしょう。十二月に再販をおろして値上げするということは、すでに花王石鹸もライオン油脂も十月にちゃんと見通しておったのです。 そこで、われわれ社会党も調査をし、各野党も調査をしました。公明党の皆さんも調査をした。他党のことでありますが、どうもこの販社、製品販売会社に品物がたまっておるのじゃないか、早く行って倉庫をあけさせなさいと、二階堂官房長官に公明党が申し入れしたけれども、あなたたちは動かなかった。ところが、私自身が調べた、入手したこの資料によりまして見ても、結果的に第一次卸問屋、この販社に品物があったことを裏づけておるじゃありませんか。これはその販社に対して通達された文書であります。経済企画庁長官は、私たちと同じようで、たいへん人がいい。一生懸命工場を見学に行った。花王石鹸の工場を見学に行った。見学に行って、どんどん洗剤が出ていくのを見て、こんなに洗剤がある、末端のほうには洗剤が不足しておる、どこに洗剤が隠れておるのだろうかとあなたは新聞記者に話をし、またテレビでもそういうことを言っておられるのですね。ところが、実際はここにあったのです。いいですか、笑いごとじゃないのです。 四十八年十二月に、国会議員へ花王石石鹸はわざわざこういう資料を送付して、消費者が悪いのですよということを私たちに見せしめるためにやった。われわれにくれた。ところがそうじゃなかったのです。実際は、私たちにこの文書をくれたこの人たちが、実は洗剤パニックをつくり出した責任者なんだ。流通パイプを締めれば末端の商品が薄くなる、さあ品物がなくなるからといって奥さんたちが殺到するのは、これは当然の現象じゃありませんか。仕掛け人はここなんだよ。大臣も国会議員も、ここにすわっておる委員長も、この文書をもらった連中はみんな、花王石鹸、ライオン油脂のピエロにすぎなかったのだ。踊らされたのだ、われわれは。われわれは真犯人に踊らされているのだ。この花王石鹸株式会社がいみじくも言った。「国会の質疑応答をいま国民は真剣に見守っている」というのですよ。何をふざけたことを言っているのですか、これは。私がいま言った事実について、経済企画庁長官、物価担当大臣として、あなたもピエロで踊らされたのだから、そういう事実について、あなたはどう思われますか。
○内田国務大臣 私が経済企画庁に参りましたのは、十一月の二十六日でございました。また、私が花王石鹸の工場あるいは販社、小売り店等を一応見て回りましたのは一月の七日でございましたが、私が見て歩きましたころは、もうとにかく物が出回っておらないという状況でございますので、私は見て回りました結果、これはとにかく増産をして、一般の消費者が、品物がどんどんふえるから心配がないという状態をつくり出すことが、いまの洗剤不足の状態を解消する一番の近道だ、こう考えたわけでございます。 私が見て回りましたときには、各工場は正月休みでございまして、やっと仕事を始めたばかりのときでございましたし、そういう関係もありましたが、販社の倉庫も実は見たのでありますけれども、これは私は、非常に大きな計画を持って見たわけではございませんけれども、私が見て回ったときには、販社の倉庫にもありませんでした。私自身も、これは消費者に不便をかけないことが一番大切なことであると考えまして、いま言うような増産を要請をしたというときに、私はいろいろ活動をいたしました。
○松浦(利)委員 長官、どうですか。増産するとかしないとかということは、パニックを抑制するために、在庫を関西や何かに送ったことは事実ですね。しかし、洗剤というのは、増産しなくても、再販をおろして一定の価格に上がったときに、ぞろぞろ市場に出だしたのですよ、実質的には。事実はあったわけだ。在庫はあったわけなんだ。要するに、再販をおろして値上げをした段階にはぞろぞろ出てきだしたわけなんだ。ですから、さっき言ったように、販社の倉庫には、あなたが行かれたときにはもうないのですよ。その次の流通段階にまた行っておるわけだ。値が高くなりさえすれば物が出る。なぜかというと、安いときに買い占めたものを高くなるまで待っておったのだ、さっきの通達で。そして高くなったから出したのだ。担当である通産大臣、極端に言うと、あなたをもごまかしたような悪徳商人ですよ。こういうものに対して、中曽根通産大臣、怒りを覚えませんか。
○中曽根国務大臣 洗剤につきましては、たしか名古屋の通産局が、流通経路をあのころずっと調べまして、それで一次問屋にあるということを当時突きとめました。そこで通産省では、ほかの通産局にも、一次問屋に目をつけて、その倉庫、あるいは一次問屋を指導して、下のほうへ流すようにやれとそのころ指示したのでございますが、確かに、おっしゃるとおり一次問屋に滞留しておって、それが消費者の手に届かなかった、そういう事実があったと思います。 いまお示しになりました文書等を見て、これははなはだ遺憾なやり方であって、こういうやり方は許してはいかぬ、そう思います。
○松浦(利)委員 それで、大体国会議員に——皆さん方も読んでみてくださいよ。いま大臣は結論を出した、けしからぬと。ところが、そのけしからぬ会社がぬけぬけと、国会議員まであざむくように、正義の味方であるがごとく、金をかけてこういう三冊の文書をわれわれに配っておるのですよ。こういう事実は、私は明らかに国会に対する侮辱だと思うのですよ。そういった意味では、私は、中曽根通産大臣が先ほどけしからぬと言われたけれども、こういった企業に対しては、通産大臣のほうから呼びつけて、きびしく措置をとっていただきたいというふうに思うのです。その点について、どうなんですか。
○中曽根国務大臣 呼びつけまして戒めますし、また、その実態を見きわめまして、責任をとるべきものにはとらす、そういう考えを持っております。
○松浦(利)委員 経済企画庁長官、あなたもピエロで踊らされたのですよ、物価大臣が一企業の社長から。私は、経済企画庁長官として、一つはあのときに、あなたがお回りになる前に、赤松委員からも指摘をしておるように、せっかく与野党、真剣な議論を通じて通しておったその投機防止法を、三条であれ五条であれ、発動するという積極的な姿勢がなかったところにも私は問題があったと思うのですよ。いまこういう事実が出てきたときに、通産大臣も先ほど言われたように、事実あったのだ。あったということを認めておられるのだ。それなら、そのときに三条、五条をなぜ発動しなかったのか。これは私は、やはり担当大臣として時期を失した。あなたの前かもしれないけれども、しかし、それはそれとして、経済企画庁長官としての、物価担当大臣としての積極性が従来なかったのじゃないか。法律だけは通ったけれども、まあやりたくないという気持ちがあったのじゃないか。こういうところにも、こういう企業をのさばらした原因がある。 その点について、まあ責任ということばは強くなりますが、その政治的な所感ですね、どういうお気持ちでおるのか、その点をお聞かせいただきたいと思うのです。
○内田国務大臣 私は、経済企画庁に就任いたしまして、洗剤が消費者の手元に出回っていないというその現実にぶち当たったわけであります。でありますから、私はあの際ああいう行動をとりましたが、当時はまだ洗剤が、投機防止法の特定商品として指定されておりませんでした。しかし私は、すべて善意をもって、これは増産させると同時に、退路を断つという意味におきまして、同時に買占め売惜しみ防止法の対象商品としても指定をさせたということは、実は私の最大の善意であり、努力であったわけでありますけれども、それはあの指定があってもなくても、いまのような経済の状況でありますから、それは三条、五条の問題は、指定がないものについてはないわけでありますけれども、しかし、政府の行政指導下に企業はあると考えられますので、もっとやるべきことはやっておくべきであったということにつきましては、松浦さんの御批判を受けるものでございます。
○松浦(利)委員 それで、私は、いますわっておられる方が荒舩委員長でないことを非常に残念に思いますけれども、こういう国会、国会議員を侮辱するような企業があることを——現実にあるのですよ、いま通産大臣も経済企画庁長官も言われたように、そういうように思っておられるのだ。こういう企業を、なぜ国会に証人として呼んで、国民の立場に立ってきびしく追及しようとせぬのですか。なぜ強行採決までして、こういう企業まで参考人でいいというのですか。企業というのは、参考人として呼ぶだけでは問題にならないのですよ。こういう事実については、きびしく国民の立場に立つべきだ。しかも、わざわざ書いておるじゃないですか。「国会の質疑応答をいま国民は真剣に見守っているのであります。」本人が書いておる、花王石鹸が。その本人にここへ証人で来てもらうことは、私は一つも悪くないと思う。そのことが国会議員としてとるべき道だと私は思うのです。しかし、もう強行採決できまったことだから、くどくど言ったってしかたがありませんけれども、実際に私は、そういった事実について非常に残念に思います。
○櫻内委員長代理 関連質問を許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 ただいま松浦委員が指摘しておるこの書類は、国会議員にも送られてきておる。こういう行為は、国会議員ないし国会を侮辱したところの行為である。したがって、当委員会としてもこれをほっておくわけにいきません。委員長は、代行がすわっておられますが、どのように処置をせられますか、お伺いします。
○櫻内委員長代理 田中武夫君のお申し出の件につきましては、後刻、理事会においてよく協議々さしていただきたいと思います。
○松浦(利)委員 それでは、いまの問題はたいへん重要な問題ですし、各与党の皆さんもピエロでありますから、ピエロにされた側は、ひとつ、この問題についてはぴちっと解決をするように、理事会でりっぱな結論が出るように期待をしたいと存じます。 それでは、洗剤関係については、一応これで終わらせていただきたいと思います。 次に、もう時間が六十分しかありませんから、ほかの農林大臣、その他運輸大臣等も来ておられますから、保税倉庫の関係についてお聞きをしたいと思うのです。 それでは時間がありませんから、この前、実は物価特別委員会で調査に参りましたところ、いま保税地域で一番長期間退蔵しておるものを調べましたところが、実はいま農家の方が、飼料不足で、また飼料が高騰してたいへん困っておられるわけでありますが、その飼料、大豆、それから家庭用品で一番上がっておる木材、こういったものが、実は長期蔵置貨物として保税倉庫に滞留しておるわけであります。そのために輸入してきた品物が、入関手続ができずに倉ばしけ等で滞留しておる、こういう事実が実はこの前の調査ではっきりしたわけであります。 運輸大臣が来ておらぬので、そこで私は、まず大蔵大臣にお尋ねをしたいのでありますが、大蔵大臣は、いま保税倉庫に、大豆、それから木材、飼料、こういったものがどれくらい滞留しておる、何日ぐらい滞留しておる、六十日以上はどれくらい、一カ月以上はどれくらいという、そういうものについて調査をして、集計が終わりましたですか。
○福田国務大臣 たしか十一月ごろだったと思いますが、毎月調査をいたしまして、その調査の結果は出ておりますから、政府委員から御報告申し上げます。
○大蔵政府委員 お答え申し上げます。 税関といたしましては、昨年の十一月から保税倉庫あるいは保税地域における物資の蔵置状況に関しまして調査をいたしておりまして、現在、私どもが手元にございます一番新しい資料と申しますのは、一月末現在の資料でございます。 それに基づきますと、一般貨物といたしましての大豆の倉庫にございますところの在庫の状況は、輸入許可の未済の貨物といたしまして二万五千トン、それから輸入済みの許可がすでにございますのが五万八千トン、さらにそのうち、三カ月以上長期蔵置されておりますところの在庫量が二万五千トン、こういう数字になっておるわけでございます。
○松浦(利)委員 あとの品物については、後ほど資料として局長、いただきたいと思いますから、委員長、そう言ってください。
○櫻内委員長代理 はい。
○松浦(利)委員 お願いしておきます。 それで大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、大蔵省のほうは、保税倉庫なり保税地域に大豆なら何トン、木材なら何立米、飼料なら何トンというふうに、全体的な数量の把握だけであって、その滞貨をどこのだれが持っておるのかということについては、調べておられるのですか。
○大蔵政府委員 保税地域の、保税倉庫あるいは保税工場の性格といたしまして、ある倉庫に入っておる品物に対する依頼主と申しますのは、ある品物に関して非常に多数ございまして、これは、私どもの現在の税関の人間をもってしては、これをだれが、どれだけということを調べることは、実際問題としてはできない状況でございます。
○松浦(利)委員 大臣、いま言われたように、だれが持っておるかどうかわからない、こういうことなんです。 そこで、私は飼料と大豆の倉庫を調べさしていただいたわけです。ところが、そこには寄託者の伝票が必ずこういうふうにあるわけです。寄託者の伝票というのは、その倉庫に入っておるものはだれだれのものですよ、だれだれのものが幾ら入っておる、そして何月何日に幾ら搬出した、残高はどれだけですよという伝票があるわけであります。これは飼料倉庫でとった伝票記載であります。農林大臣、いいですか、飼料倉庫です。いま農民はこれだけ苦しんでおる。これほど苦しんでおるこの飼料が、現実に私が調べた一つの飼料倉庫の中がどういう状態になっておるのか、調べた内容を発表いたします。 メーズ、メーズというのはトウモロコシ、トウモロコシがこの倉庫に、四十八年の五月十四日に入庫しておるわけです。これは飼料の大きな問屋である叶産業、総額は六万四千八十キロであります。ところが、おそらくきょう現在、私が調べたのは、これは二月の十四日現在でありますが、この四十八年五月十四日に入ったメーズがそのまま、六万四千八十キログラム動かずにそのままそこの倉庫に置いてあるわけです。また同時に、この叶産業が四十八年六月二十一日入庫したその総額は二十万一千七百二十四キロである。ところが、このうち現在、私が行った二月の十四日現在在庫しておるものが、何と七万七千四十五キログラムであります。これを、まあ五月、六月でありますから——これは農林省の資料であります。大体五月、四月ころの価格。いま二月でありますけれども、十二月までの調べしかありませんから、まあ単純計算をして、この二月のトウモロコシの輸入価格と十二月現在の輸入価格の間差をとりますと、この叶産業は、この倉庫に置いておくだけで、四十八年五月十四日のこの飼料は、何と九十一万五千円値上がりしたことになっておるのです。倉庫に置いておる間だけで九十一万五千円の値上がりで、四十八年六月二十一日のものは九十六万六千円の値上がりであります。この保税倉庫、保税地域が、農家の人たちが苦しんでおるその苦しみをよそに、倉庫を利用してこういうふうに値上げをしておるわけであります。 なぜこういうことが起こるのか。それは先ほど言ったように、大蔵省自身が調べようと思えば調べられる。倉庫には、物を入れたときには、物を入れた従業員が、ちゃんとここに何月何日入る、出したときには何月何日出した、残高は幾らと、ちゃんと伝票があるのです。これを、めんどうくさいでしょうけれども、ほんとうに国民の立場を考えるなら、集計をすれば、ちゃんとどこのだれが幾ら持っておるというのが、この一つの倉庫で、私が調べた限りでは、こういうふうに出てくるのです。 さらに、わが党が調査をしていろいろと指摘をしたのですが、丸紅飯田、たまたま調べたこの倉庫に丸紅飯田のメーズが入っておった。一月二十九日に入庫しておる。どういうものかというと、八十キロのものが千九百九袋入っておる。総量にして十五万二千七百二十キログラムであります。ところが、どうでしょう、丸紅飯田はその全量々倉林商店、それから神保、三喜精麦、両毛物産と、何と実需者に行く間に四へんもこの中で伝票をかえておる。しかも、在庫しておるものは一つも動いておらないのですよ、これは。伝票が動いただけ、持ち主がかわっただけであって、この倉の中で値上がりを待っておる。そういう現実が明らかにこの表の中で出てくる。 もう時間がありませんから、全部申し上げますが、大豆の問題でもしかりであります。国民が大豆でたいへん騒いでおる。大豆を見ますと、直接大豆を輸入した企業は、入ってきたら必ずすぐ持ち出すのです。いいですか、たとえばキッコーマン。ここで私がいまから言うのは、全部一緒の船で一緒に入港したものでありますが、キッコーマンの大豆は二月一日に入庫してどんどん毎日動いておる。あるいは旭松の冷やどうふ、これも動いておる。そういったように、実需に行ったところは直接動いておるのでありますが、二月七日に調査をしたときには、三菱商事がやはり六十キロのものを三千五百九十二袋輸入しておるけれども、三菱のものは一つも動いておらない。二月七日に調べて、もう動いておるだろうと思って二月十四日に調べてみたけれども、やはり動いておらない。現実に丸紅飯田はころがしてもうける、三菱商事は寝かしておってもうける。保税倉庫、保税地域が全部実はこの値上がりブーム、国際インフレによる輸入物資の価格上昇を利用した、便乗値上げに利用されておるというのが実態じゃありませんか。 農家の方は泣いておるでしょう。そういうものを早く安く農家の皆さん方の手元に渡すのが、実は政府の役目じゃありませんか。農林大臣はこういう事実について把握をしておられたのか、農林大臣はこういうものについて、運輸大臣なりあるいは大蔵大臣に、早く出してくれというふうな要求をなさったのかどうか、そういう点について、私は的確にお答えいただきたいと思うのです。
○倉石国務大臣 輸入の飼料原料は、御存じのように年間一千四百万トンそこそこございます。ことに、国際需給が昨年来逼迫いたしておる現状でありますので、それからまた大豆の輸出規制の話などもございましたので、例年以上のペースで買い付けを促進しておるわけでありますが、輸入量は、いまお話しのメーズ、マイロで、昭和四十八年四月から十二月までで四百十一万トンから五百八十一万トン、前年対比一一八%ふやしております。それから大豆かす、これは四万トンから二十三万トンにふやしております。 そこで、通常飼料原料の在庫量は、品目によって差がございますけれども、ただいまお話しのようなメーズ、マイロは約一カ月分ございますが、現在では、石油危機等による到着おくれの模様もございますので、いまは若干下回っておると思います。 いずれにいたしましても、百万トン程度の在庫が常時存在いたしておるわけでありまして、需要量に比べまして大量に倉庫に眠っているということは、どうも理解できないのでありますが、ただいま特定の名前を指摘されましたので、さっそく当方において、綿密に調べてみたいと思っております。
○松浦(利)委員 農林大臣、この前私たちは横浜の税関を調べに行ったのです。ところが、たくさん大豆倉庫に詰まっておるために、あるいは飼料倉庫に詰まっておるために、うしろから来たものが揚がらないのですよ。そのためにたいへん通関手続がおくれるのですよ。保税地域に全然入れないのです。 一つの例です。先ほど言った叶産業に四十八年五月十四日に入庫したのは、その船は四十八年二月十九日に横浜に入港しているのですよ。四十八年二月十九日に入港した、品物を持ってきた、メーズを持ってきた船が、ずっと二カ月近くも外に待っておって、何と入庫したのは四十八年五月十四日ですよ。たいへんな滞貨が前のほうに詰まっておる、前のほうに押し出すパイプが詰まっておるから、輸入しても輸入してもここにとまる。ところが、寄託した者が安く買ってきたものが、二カ月間船でとまって、そして入関手続をして揚がってきますけれども、しかし、実際には安いものが、その二カ月の間に実は投機の対象となって、国内に入ったときは高くなるということになるのですよ。ただ、入関手続において、ああ何ぼ入った、ああ何ぼ何ぼだ、そういう感覚ではいまはもうやれないのです。飼料の九割、ほとんど大半を外国から輸入するんでしょう。そういう事実がありますから、入ってきたものがほんとうに流通しておるのかどうか、そういう行政に目を向けなければだめなんですよ。 そういった意味で、運輸大臣以下——運輸大臣が来ておらぬから運輸大臣のことも含めて言いますけれども、運輸大臣が農林所管物資について監督ができなければ、あなたがやったらどうですか。大豆を入れる倉庫とか飼料を入れる倉庫は、ちゃんとわかっておるのです。あなたが思い切ってやったらどうですか。
○倉石国務大臣 松浦さん御存じのように、メーズというのは、すぐに品質が変化いたしますので、長い間退蔵いたしておくというのが、どうも調べてみないとよくわかりませんけれども、実はそういうお話もちょっと承りましたので、一番大手でございますのが農業団体の全農でございますが、その全農について昨日来調査させておりますけれども、全く心当たりがない。飼料穀物につきましては、大体バラでこちらへ送ってまいりまして、バキュームで吸い上げまして、すぐに製品にいたしまして、それでサイロに積んでおくというやり方をやっておるわけでありますから、保税倉庫にそういうふうに長期間滞留いたしておるというのは、ちょっと私どもも想像がつかないのでありますが、御指摘がございますので、十分に調べてみたいと思っております。
○松浦(利)委員 大蔵大臣、いま担当の大臣は、どうもそういう長期間滞留しておるのはふしぎですねと首を傾げておられるんですが、ところが、大蔵省のおたくの局長は、先ほど大豆、飼料がたいへんに滞留しておるという数字をあげられた。しかも、私たちがこの前調査をした内容、これは横浜の税関でくれた資料でありますから間違いないのでありますが、本船より船おろし後倉ばしけに積載されて、そのままほったらかしにされておる、それを横浜税関で調べたら、三十一日から六十日の中で一番多いのが、大豆であり、大豆かすであり、飼料なんですよ。農林大臣の言っておることと、この大蔵省の資料とは全然違うじゃないですか。こういうことにならないはずだ、いま大蔵政府委員が言ったように。 こういうお粗末な輸入行政、こういうお粗末な営業倉庫の行政をやっておるから、農家の人は泣かなければいかぬわけですよ。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 ただ形式的に文章づらを見て、何ぼ入ったから幾ら出ておるはずです、実際にそういう飼料というのは変質しますから、長期間滞留するはずはありません。現実にこういう状況が、大蔵省のものであるわけなんです。 そういった意味で、もう時間が来ましたから私はこれ以上は言いませんが、もっと積極的に大蔵省の通関なり何なりを利用しなければいかぬ。どういう状態になっておるかということを、もっと積極的に、国民の立場に立ってやらなければいかぬ。しかも大蔵大臣は、そういった問題について、滞留しておったらすぐ調べて、あなたのところの大豆はこれだけ出ておるのだが、あなたのところはどうかせい、そういう横のつながりというものが全くないじゃありませんか。 私は、一つの例としていまここで申し上げておるのですが、こういったことをしておるから、物価対策がふぬけになるんですよ。ほんとうに物価対策をやろうとするなら、ほんとうに農家に安い飼料を与えようとするなら、国際価格が幾ら上がっても、上がった中でもできるだけ安く提供するというのが農林省じゃありませんか。できるだけ安く供給しようというのが政府じゃありませんか。そのためには、四六のガマじゃないけれども、一生懸命物価に取り組みますと総理大臣も言ったし、大蔵大臣、閣僚言っておられる。 私は、いま申し上げたことを指摘して、総理がおられませんから大蔵大臣から、こういった行政のあり方について、今後どういうふうにしていくのか、その決意を正確に国民の前にお聞かせいただきたいと思うのです。
○福田国務大臣 御指摘のメーズの問題につきましては、これは農林省でよく調査をしていただくことにいたします。 なお、物資所管官庁、それから税関との連絡、こういうことにつきましては、格段、意を用いてまいりたい。まあ、税関で見たところ、これは、どうもちょっと問題がありそうだという際には、農林省に通報するとか通産省に通報するとか、そういう相互の連絡を密にしたい、かように考えます。
○松浦(利)委員 私は、持ち時間がきました。文部大臣をお呼びして、文部大臣に質問する時間がなかったことをおわびいたします。 いずれにしても、物価問題について政府の閣僚が、ほんとうに口で言うんじゃなくて、いま、私が指摘したような問題を含めて、あたたかい行政をされるように要望し、要求して、私の質問を終わります。
○荒舩委員長 次に、細谷治嘉君より関連質疑の申し出があります。松浦君の持ち時間の範囲においてこれを許します。細谷君。
○細谷委員 最初に、厚生大臣にお伺いいたしますが、時間が十分ありませんから、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。 昨年十二月二十六日に、政府は児童福祉法の政令を改正いたしました。この改正は、改正前の政令とどこが一体違うのか、まず簡潔にお答えいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 従来の政令は、児童福祉法並びにその施行令によりまして、市町村が建設した保育所に要した経費から収入を差し引いた額を国が支払わなければならない、こういう規定でございました。 そこで、この規定につきましては、私どもは、毎年次官通達をもちまして補助基準というのをきめて、そして、これだけの規模でこれだけの補助をいたします、こういう補助基準を示して、それに基づいて市町村から申請を受け、それに基づいて補助金を交付する、こういうやり方をしておりました。ところが、これが規定が明白でありませんでしたので、誤解を受けるようなことがあってはいけない、こういう考え方をもちまして、昨年十二月政令の改正をいたしたわけでございまして、その政令の内容は、施設につきましては、厚生大臣が整備計画に基づいて承認をした施設、それに対して補助金はどうするか、それについては、従来、厚生次官の次官通達できめておったような基準は、これは適当でございませんので、厚生大臣が補助基準をきめて、その補助基準に基づいて補助をいたします、こういうふうに直したものでございまして、私どもとしては、従来の政令並びにその政令を受けての次官通達の趣旨を明確にし、誤解を受けないようにしよう、こういうふうにいたしたものでございます。
○細谷委員 そういたしますと、今度の政令の改正は、従来の政令と実質的に違わない、こういうことですか。
○齋藤国務大臣 従来の政令並びにその政令の運用の次官通達、そういうものをひっくるめて明確にしたものである、かように考えております。
○細谷委員 時間がありませんから、個々に、具体的に政令の内容について議論することは避けますけれども、法律を受けての従来の政令、それから、それを受けての次官通達、それから今回の政令、これは実体は変わらないと思いますけれども、明らかに内容は違っておる、従来の政令と今回の政令は違っておる、こういうふうに私は考えます。具体的に言えば、幾らでもありますけれども、たとえば厚生大臣の承認だ、きちんと厚生大臣がきめた基準だ、こういうことを明示しておるわけでありますから、これは、まさしく内容が違っておる、こう申さなければなりません。 そこで、お尋ねいたしますが、この政令改正は、摂津の訴訟と関係がございますか、ありませんか。
○齋藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、従来の政令並びにそれに基づく次官通達、それを明確にしたという意味で、内容的には変わっていない、この点は、意見の相違かもしれませんが、そう考えているわけでございます。 そこで、今回の政令は、十二月に公布になりました政令でございますから、摂津訴訟は、その前の年次の問題でございますから、新しい今度の政令は、摂津訴訟には影響を与えない、関係はない、かように考えておる次第でございます。
○細谷委員 少なくとも関係はないとおっしゃいますけれども、摂津の訴訟点、問題提起、それに対する閣議決定の通知書、こういう問題をお見受けいたしますと、明らかにこれと関係がある、こういうふうに私は考えざるを得ません。どうですか、大臣。
○齋藤国務大臣 その摂津の訴訟によりまして、なるほど、いままでの政令というものは、非常に不明確であったという反省をしたことは事実でございます。しかし、法律関係から申しますれば、今回の政令は、十二月に公布になりました政令でございますから、それ以前の訴訟は、従前の古い政令の解釈として起こるわけでございますから、今回の新しい政令の改正は、摂津訴訟には影響を与えない、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
○細谷委員 従来の政令というのは、おっしゃるように、確かに大臣の承認を得てとか——承認とはどういうことなのか、基準はどういうことなのか、そういうことは書いてありませんで、いわゆる精算補助という原則を貫いておったわけでありますから、従来の法律の精神、それを受けての政令の内容と今回の政令というのは、やはりうんと違う。実体は、従来やっておったことと変わらないけれども、違う。言ってみますと、政令は法律の精神を改悪しておる。そういう点で、法律と政令との関係を政府がどうも悪用した。言ってみますと、法律よりも政令が優先したような取り扱いをしている、こういう点に問題点があると思います。 そこで、お尋ねいたしますが、この摂津というのは、大阪府にあるわけでありますけれども、四十八年度に、大阪府の保育所について大臣がお認めになったものは幾つありますか。
○齋藤国務大臣 政府委員をして答弁させます。
○翁政府委員 お答えいたします。 大阪府から申請のございましたのは、同和地区の保育所とそれから一般の保育所でございまして、厚生大臣がお認めになりましたのは、同和地区の保育所すべてでございまして、一般地区の保育所については承認がございませんでした。
○細谷委員 大阪府が協議書を提出した数は、一般の保育所は三十カ所、同和地区が九カ所ですね。同和地区は、特別措置法に基づいて補助率も違うわけでありますから、同和地区の九つについては、協議成立していまして、九つは認めました。大阪の一般の保育所三十、これは一つも認めておらない、こういう御返事であります。四十六年度は、大阪府に一般の保育所について五カ所、同和地区について七カ所、四十七年度は一般の保育所について五カ所、同和地区について九カ所、四十八年度は同和地区は九カ所、申請どおり、そして四十八年度の一般保育所についてゼロ、こんなことありますか、大臣。常識はずれしているでしょう。これはどういうわけですか。
○齋藤国務大臣 保育所の設置につきましては、全国的に非常な要望がありますので、保育所の設置が見られないような市町村に優先的にいく、数の制限がございますために、優先的にそちらのほうにいくということになりますために、大阪は保育所の設置がたしか多いのではないか、おそらくそういうふうなことが理由になっているのではないか、私はそう思います。
○細谷委員 それは全くごまかしですよ。従来の実績というのを、ずっとたどって見ますと、一般の保育所は五つずっとやっているんですよ。どこの県でも、この県は二つ、この県は三つ、大阪の場合には五つ、こういう実績できているわけですよ。大阪の場合には、おたくのほうと協議をする場合には、三十のうち一番、二番、三番と番号をつけてくるわけです。それが一つも四十八年度に認められない。まさしく突然変異でしょう。大阪府に伺いますと、理由がわからぬというんですよ。しかも、その協議というのは、ずいぶん早くからやっているでしょう。四十九年度の協議というのも、この三月にやろうというのです。いままで、もっと早くから協議しているんですよ。でありますから、これはまさしく全く激変。何か原因があるのじゃないですか。
○齋藤国務大臣 原因は、特にそのほかには何もございません。同和地区に優先的に設置しようということであったと聞いておりまして、そのほかの特別な理由は何もございません。
○細谷委員 同和地区を優先するといっても、同和地区から申請が出たのは九つ、昨年も九つ、おととしは七つ認めているんですよ。でありますから、従来の実績と変わりません。従来の実績と明らかにはっきり違っているのは、一般の保育所について変わっているんですよ。この問題については、どうも摂津の訴訟問題にからんで報復措置をとっているのじゃないか、私はそう思わざるを得ません。どうなんですか。
○齋藤国務大臣 これは、その摂津訴訟と何も関係ございません。先ほど私、冒頭に申し上げましたように、保育所の設置につきましては、地方から非常に要望がございまして、やはり数に制限がございますので、市町村に一つもないようなところ、そちらのほうに優先したのではないか、私はかように考えております。
○細谷委員 大臣、これはどうやろうとも、従来の五つというのが——今度はとにかく補助金が上がりましたから、予算の関係で。要するに、従来頭打ちであったものが頭打ちでなくなったわけですから、そういう点で、全体的な予算のワク内という形で押えるだろうということは、いまの政府の姿勢から想像するにかたくはありませんけれども、従来五つという実績がゼロになったということは、大臣、どう申し開こうと、そんなことで説明つきません。私は納得いたしません。しかし、時間がありませんから、この問題だけを指摘して、次に移りたいと思います。 自治大臣、あなたはせんだっての所信表明の際に、この国会に地方自治法の一部を改正する法律案を提出いたします。その内容として、「長年の懸案となっております地方事務官制度につきましては、現在関係省庁との間で鋭意協議を進めている段階でありますが、この協議が早期にととのうよう努力をしてまいりたいと考えております。」こうあります。協議がととのっておるのか、いつごろこの法律が閣議決定になるのか、この問題が片づかない場合には一体どうするのか、お答えいただきたい。
○町村国務大臣 申し上げるまでもなく、地方事務官制度というのは、暫定的な制度ということになっておるわけでございますし、また、現実に都道府県の総合的な行政の執行の上にも、かなりいろいろな支障が起きておるというようなこともございまして、自治省としては、かねてから関係省庁との間に、ぜひこの廃止のことを早急に進めたいということで、鋭意協議をいたしておるということは、すでに御承知のとおりでございます。 ただ、遺憾ながら今日までのところ、まだ関係省庁との間に十分な話し合いができませんので、話は煮詰まっていないという段階でございますけれども、目下鋭意、その点については協議を進めておりまして、でき得れば、本年のこの国会に成案を得て提出したいものだ、かように考えて、努力をいたしておるところであります。
○細谷委員 行管庁長官にお尋ねしますが、四十九年の二月十五日に、全国知事会が、地方事務官制度の廃止に関する緊急申し入れということを行なったはずでございますが、長官、御存じですか。
○保利国務大臣 知事会議とされて、そういう申し入れを政府に行なわれた、おそらく細谷さんに言われれば、そうだろうと思いますが、私は、直接そのことは受けておりません。
○細谷委員 この件、自治大臣、御存じであるかどうか。
○町村国務大臣 承知をいたしております。
○細谷委員 これは全国知事会の決議ばかりではございませんで、この国会の参議院の本会議における代表質問で、総理は、できるだけ早い機会に結論を出す、こういうふうに約束したことを大臣、御存じですか。
○町村国務大臣 総理がさような答弁をされたことも承知しております。
○細谷委員 大蔵大臣はおらぬですな。——前行管庁長官としてまず聞きたかったのですが、それでは行管庁長官、お尋ねしますが、昨年の十月九日、前福田行管庁長官は、齋藤厚生大臣、新谷運輸大臣、加藤労働大臣に、多年の懸案である地方事務官問題に決着をつけたいから、十月三十日までに各省の対応策を提出してほしいと要請をしたはずであります。その要請に対して、三つの省から、どういう回答が来ておるのか、お答えいただきたい。
○保利国務大臣 前長官が、この地方事務官制度の問題について、たいへん熱心に推進をされており、したがって、事務引き継ぎにおきましても、このことは、自分は相当力を入れてやってきた、引き継ぎますということで引き継をしていただいて、私も部内から、その様子を逐一承って承知をいたしておりますが、問題は、第一次的な自治省が、厚生省あるいは労働省、運輸省、各大臣と各省と話を詰めていただいて、そうして推進をしていくようにということで、せっかくいま自治大臣が、自治省が各省と相談を進められておるという状態である。 したがって、行管庁としましても無関心ではあり得ないわけでございますし、また前長官から引き継いでおりますから、十分側面から推進をはかっていくようにということで、努力をいたしておるわけでございます。
○細谷委員 この問題につきましては、臨時行政調査会あるいは地方制度調査会の答申、それから知事会の緊急申し入れの中にも、労務管理面、あるいは行政運営に大きな障害になっている、こういうことを明記しております。 そこで自治大臣、長年の懸案、言ってみますと、これは地方自治法附則八条に基づいて政令が出ておりますが、その地方自治法附則八条には「当分の間」と、こういうことが明記してあるわけです。そして戦後、今日まで「当分の間」が続いておるわけです。まさしく長年の懸案でありますよ。その問題がどうして解決できないのか、その障害はどこにあるのか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○町村国務大臣 申し上げるまでもなく、現在の地方事務官制度というのは、社会保険に関する行政、あるいは職業安定に関する行政、さらには陸運行政に関する行政について、地方事務官という制度が今日なお存続いたしておるわけでございます。 申し上げるまでもなく、私どもは、地方事務官を廃止せられ、全部を地方公務員として都道府県知事の指揮監督のもとに置きましても、ただいまの社会保険に関する業務なり、あるいはまた職業安定行政に関する行政の執行には、支障は万あるまいというふうに私どもは考えておるのでございますけれども、その点につきましては、残念ながら、まだ厚生省並びに労働省、それに運輸省との間に、どうしても話し合いが現段階においてはついていないというのが現状でございます。そのために話が進んでいないということであります。
○細谷委員 問題は、厚生省、労働省と話し合いがつかない、こういうことでありますけれども、まず厚生大臣にお尋ねいたしますが、あなたは、昨年の社会労働委員会における本問題についての質問で、現在の地方事務官制度、いわゆる附則八条の地方自治法施行規程、こういうことを改めることは、いわゆる事務を都道府県に移管することは地方自治になじまない、こういうふうにお答えいたしておりますね。なぜなじまないのですか、具体的にお答えいただきたい。
○齋藤国務大臣 現在の社会保険事務所は、私が申し上げるまでもなく、厚生年金、医療保険、そうした仕事を全国一律に、画一的に運営をいたしておるわけでございます。厚生年金の保険料徴収の事務というのは、特別会計において行なっております。しかも、これは将来の年金給付の財源に充てらるべきものでございます。さらに、医療保険の問題しかりでございます。こういうふうな純粋に国家的な事務である、私はかように考えておるわけでございます。 そこで、この附則八条の地方事務官問題につきましては、こういう制度をいつまでも存続さしておくことについては、私も好ましいとは思っておりませんが、問題は、やめたあとどういう機構で厚生年金、あるいは医療保険の業務をやっていくことがベターであるかという考え方から申しますと、こういう性質のものは純粋の国家事務でございますから、国の機関でこれを行なうべきものである、私はこういうふうに考えております。 しかし、そうなりますと、この現在の社会保険の仕事に従事しておる職員の給与の格差という問題が解決されない。国家機関として国家公務員にしてしまいますと、現在、地方公務員とそれぞれの社会保険事務所との間に、いろいろな給与の問題がございますが、その問題の解決ができない。 そこで、給与問題が主になるか、国の事務が主になるかというところで、私も非常に苦心をしておるところでございます。性格は、まさしく国家事務だと思いますが、給与の問題、それからこうした事業の経営の責任を国が負うべきであるという考え方、それとの関係においてどう解決していくか、相当まだむずかしい問題がある、こういうわけで決着がつかないのが実情でございます。
○細谷委員 いまの厚生大臣の答弁は納得できないですよ。あなたは厚生年金なり、あるいは政管健保等の問題については、国が直接やらなければ自信がない、都道府県知事頼むに足らず、こういう前提に立ってお答えしているようでありますけれども、それなら、あなたのほうの事務である国民年金などどうしますか。国民健康保険などどうしますか。国の地方事務官が全部やられますか。あるいは農林省で森林保険等もあるでしょう。いろいろありますね、失業保険も。全部おやりになるつもりですか。けっこうどこも間違いなくいっているでしょう。現に、知事部局の中に、その機構の中に入っているでしょう、厚生省なり労働省は。運輸省は違いますよ。どうしてこの政管健保なり厚生年金だけはやらなければいかぬのか。そうして国民年金とか、あるいは国民健康保険とか、そういう問題については市町村なり知事にまかせる。ほかの省のだって、ちゃんと知事にまかしてきちんといっているでしょう。あなたのそのことばでは、それは理解できません。どうですか。
○齋藤国務大臣 もう、これは先生に申し上げるまでもなく御承知だと思いますが、国民健康保険は市町村の組合でやっておるわけでございまして、これは当然、市町村が経営をしてやっておるわけでございます。 そこで、お尋ねのうちで一番問題なのは国民年金だと思います。国民年金につきましては、市町村長に事務の委任をいたしておるわけでございます。したがって、厚生年金それから医療保険、すなわち政管健保ですね、そういうふうに政府が特別会計をつくって、全国画一的、統一的に運営をしていく、こういう制度については、どうも地方事務になじまないのではないか。そこで、国家機関を独立さしてやるべきだ、こういう私は考えを持っておりますが、しかし、それをやろうとすると給与の問題が、非常にむずかしい問題がある。したがって、私は、その中に入ってどうすればいいかということで苦慮しておるというのが、きょうの現在でございます。
○細谷委員 これは、もうあくまでも納得できない。たとえば国民年金の事務は市町村長に委託しております。それでけっこういっているでしょう。市町村長は信用できるけれども県知事は信用できない、こういうことにもなりますよ。あなたの考えであるならば、そういうものは全部国の事務としてやります、こういうことでなければいかぬですよ。ある部分は社会保険のほうでやる、そして国民年金なんというのはこれはもう市町村長にまかせる。たとえば農林省の森林保険なんというのだって、これは県で徴収しているでしょう。あなたの省に関係のないところでもきちんとやっているのですよ。そうできているのですよ。でありますから、これは、もうあなたのは全く納得できません。 そこで、時間も来ましたので、自治大臣、この間ある新聞に——ことしも増員するのでしょう。増員するのですよ。この厚生省の社会保険事務官、地方事務官と、それから運輸省のは増員するのですね。あなたのほうも、いろいろ具体的な問題を提起しているようでありますけれども、時間がありませんから言及いたしませんけれども、その政令改正は自治省がやるというのでしょう。これは自治省が所管の政令ですね。そうでしょう。ある新聞には、この話し合いがつかぬければ、責任ある自治省としては政令改正を拒否する、こういう強い意見まである、こういっておりますよ。やるつもりありますか。
○町村国務大臣 事務の増加に伴って、人員の増加ということが予算できまることになろうと思います。その場合には、やはり現行制度がありまする限りは、やはり私はこれを拒否するということはできない、かように考えております。
○細谷委員 午後、若干の時間をいただいておりますので、この問題の残りと、それから地方債の運用の問題について、たいへんいま大きな問題が起こっておりますので、その点を午後質問することにいたしまして、午前中の質問を終わっておきます。
○荒舩委員長 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。 本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後三時二十五分開議
○井原委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 本日、雇用促進事業団理事長の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○井原委員長代理 質疑を続行いたします。坂口力君。
○坂口委員 昨年末の石油危機がありましてから、日本の外交がどうあるべきかということにつきまして、あらためて問い直されているわけでございます。特に、田中総理が一月に東南アジアに訪問をされるに及びまして、特に低開発国に対する日本の責任の重さというものがだれ人の胸にも痛切に感じられているわけでございます。その東南アジアにおけるいろいろのあの反日感情、田中総理に対しますところのあの暴動化いたしました反日感情、この原因につきましてはいろいろあろうかと思いますが、しかし、何と申しましても、その大きなものは、やはり日本の、東南アジア諸国に対します援助のあり方、常にひもつきであり、日本のための援助である、あるいはまた、多くの企業が自分たちの金もうけのためにだけ海外進出をしてくる、そういうことに対する大きな怒りが一番中心ではなかったかと思うのであります。特に、タイにおける学生が、経済怪獣田中帰れ、そう叫んだのは、やはり象徴的なことばではなかったかと思うのであります。 そこで、まず外務大臣にお聞きをしたいと思うわけでありますが、特に日本の東南アジアに対する今後の外交のあり方、どういうふうな方針を堅持されていくのか、まずお伺いをしたいと思います。
○大平国務大臣 わが国の繁栄にはいろいろな条件があるわけでございますが、その大きな要件の一つに、隣接の東南アジア諸国から多くの資源の確保をお願いし、また、この地域に広大な市場の御提供をいただいておるということは大きな柱であると思うのでありまして、そういう関係から、この相互補完関係というものを、相互理解の上に立ちまして順便に発展させてまいらなければならぬことも一つでございます。それから、戦前、戦時中を通じまして、多くの損害を与え、多くの不愉快な、不幸な歴史を持っておるわけでございますので、日本といたしましては、十分贖罪の気持ちを持ち、謙虚な気持ちを持ちまして、この国々に対処してまいらなければならないことは、申すまでもないことでございます。わが国が今日まで経済協力の名におきましてやっておりますことの九割までが、東南アジア地帯を中心にやってまいりましたことは事実でございますが、いま坂口委員があげられましたように、多くの批判が、わが国の経済進出に対しまして向けられておることに、十分わがほうで検討を加え、これに対応いたしまして、経済進出あるいは経済協力につきましても十分な配慮を加えて、将来長きにわたりまして、相互の補完関係をゆるぎない基礎の上に据えるように、最大限の努力を傾けてまいらなければならぬと考えております。
○坂口委員 重ねて外務大臣にお伺いしますが、田中総理は一月十日にタイの学生代表と会見をされました。そのときにタイの学生からこういう発言があったと聞いております。日本の企業は、国内で公害問題が非常にやかましいため、海外へ進出をして問題を起こしているのではないか。現在、公害をたれ流している企業をどう処理するのか、こういうことばが学生から出たと聞いております。これに対して、総理はどのようにお答えになったのか、御答弁をいただきたいと思います。
○大平国務大臣 お答えいたします。 その際における総理の御発言でございますが、一つは、日本として公害を輸出する意図は全くないということ、第二に、タイの公害に関する立法措置に資するため、わが国の公害基準に関する資料等を参考に供する用意があること、第三に、要請がございますならば、公害関係技術者や専門家の派遣を行なう用意がある旨述べられたと承知いたしております。
○坂口委員 新聞の伝えるところによりますと、日本としては公害輸出はしない、あくまで現地の要望に沿って進めており、このため現地との合弁事業も多い。公害については、タイにおける外国企業はタイの規則に従っていく必要がある、タイ国内の公害規制に対する努力については、日本としても十分協力していくつもりである、このように新聞は報じておりますが、間違いございませんか。
○大平国務大臣 大要、そういうものであったと承知しています。
○坂口委員 田中総理のことばを待つまでもなく、日本は公害先進国として、かけがえのないこの地球をこれ以上よごしてはならないと思うわけであります。そういう意味で、公害防止の範を世界に示さなければならないと思うわけであります。特に東南アジアなど、これから開発がされます国に対しましては、最も日本は現在までに経験しましたことを提示しまして、そうしてその範をたれる必要があると思うわけであります。 この点につきまして、外務大臣と、それから環境庁お見えでありましたら、御答弁をいただきます。
○大平国務大臣 いままで私ども承知している範囲におきまして、具体的な問題として、タイにおきまして日系企業による公害問題として指摘されたものが一つございます。 これは塩酸合成設備二基が事故で故障を来たしまして、余剰塩素が規定以上の濃度で付近の川に流出した事件でございます。その後、タイ当局の改善命令に即しまして会社側が改善措置を講じておりまして、タイ工業省のその後の調査の結果を見ましても、結果は良好であると聞いておるわけでございます。その後、タイ工業省より大使館を通じまして、公害専門家の派遣要請、それに関する研修員の受け入れ要請がきておりまして、その点は、前向きにただいま検討中でございます。 公害関係として問題のありました件は以上でございます。
○信澤政府委員 一昨年ストックホルムで行なわれました国連の人間環境会議におきましても、日本政府を代表した大石長官が、日本のあやまちを繰り返さないでほしいと、こう強く訴えたわけでございます。 さような意味で、いま先生お話しのような方向で、国際的にも日本はそれなりの使命を果たすべきだ、このように考えております。
○坂口委員 私はいろいろの意味で、公害に国境はないと考えております。 そこで、きょう私が取り上げたい問題は、農薬問題を中心にした東南アジアに対する日本の責任についてであります。公害の中にもいろいろ種類がございますが、特にいろいろショッキングな話題を幾つかつくりました農薬公害について、きょうは討論を重ねたいと思います。 そこで、まずお伺いをしたいと思いますが、農薬の中で現在販売の禁止になっているものはどういうものがあるか、それらの薬品はどういったものかということについて、農林省から具体的に御答弁をいただきます。
○松元政府委員 お答え申し上げます。 全面的に販売を禁止いたしておりますのは、DDTとBHCでございます。
○坂口委員 ただいま説明のありましたDDT、そしてBHCについて、いかなる理由で販売が禁止になったのか、その点の御答弁をお願いします。
○倉石国務大臣 DDTとBHCは、殺虫剤として稲、くだもの、野菜等に広く使用されてまいりましたが、対象作物、特に稲わらにその成分が残留いたしまして、これが牛乳等に検出されるに至りましたほか、土壌等の環境汚染という問題もありまして、DDTについては昭和四十六年五月一日から販売を禁止いたしました。 また、BHCにつきましても、適切な代替農薬のない森林害虫を除きまして、同様にその販売を禁止いたしましたが、これについても代替農薬ダイアジノンが開発されましたこと等に伴いまして、昭和四十六年十二月三十日から販売を禁止いたしました。
○坂口委員 厚生大臣、ひとつ厚生省の立場から、このDDT、BHCの生体に及ぼす影響、そういったものについて御答弁いただきます。
○齋藤国務大臣 BHC、DDTにつきましては、大量に摂取いたしますと、嘔吐、けいれん等の中枢神経症状、肝臓及びじん臓などに障害が起こる、こういうふうに報告されておりまして、食品中に残留する残留基準につきましては、現在、米、キュウリ及びトマト、三十六食品につきまして〇・二PPM以下、こういうふうに非常にきびしい基準できめておるわけでございます。
○坂口委員 続いて厚生大臣にお尋ねしますが、WHOやFAOの農薬残留専門家会議では、世界各国での食物データをもとにいたしまして、各種の農薬のADI、すなわち一日における人体摂取量を算出して各国に勧告をしております。どういう勧告をしているのか御答弁をいただきます。
○齋藤国務大臣 WHOにおきましては、果実、蔬菜とも、BHCは三PPM以下、DDTは七PPM以下という案でWHOにおいて現在検討を進められておりますが、正式な勧告としてはまだ出てない、こういうふうに承知いたしてございます。
○坂口委員 WHOからは、人体一キログラム当たりについて、DDTは〇・〇〇五ミリグラム、BHCは〇・〇一二ミリグラムという数字が示されているはずでございます。WHOやFAO以外に、わが国において農薬の残留基準を設けていると思いますが、その残留基準はどうなっているか、あわせて御答弁をいただきます。
○石丸政府委員 わが国におきましては、BHC、DDT以外に砒素、鉛、パラチオン、ディルドリン、エンドリン、EPN、マラチオン、ダイアジノン、そのほか各種の農薬につきまして、それぞれそれを使用いたします野菜あるいは果実類の種類ごとにその残留濃度を定めております。 DDT、BHCにつきましては、あらゆる種種の野菜、果実につきまして残留濃度〇・二PPM、こういう基準になっております。
○坂口委員 いまお話がありましたように、WHOは世界に対しまして、DDT、BHCが非常に危険なものである、そういう意味で残留基準を設けて勧告をし、日本はさらにその勧告を上回ったといいますか、それよりも非常にきびしい残留基準を設けているのであります。これは言うまでもなく、有機塩素糸のBHCやDDTが土の中、あるいは人間のからだの中に非常に残りやすい、残留性がある、慢性中毒を起こしやすいということに起因をしているだろうと思うのです。一たん、たとえば土の中に入りますと、その九〇%が消失しますまでには、BHCは六・五年、DDTは十年もかかるといわれているわけです。それが野菜などの植物を経て人体に入る、あるいはまた、その野菜を家畜が食べて、その家畜の肉をまた人間が食べる。最終的には人間のからだにたまってくる。この家畜の中から出ますところの、たとえば牛乳、そういったものの中に非常にたくさんこのDDTやBHCがまざってくるということが、初めてアメリカに取り上げられましたのは、いまからもう十年も前のことであります。すなわちアメリカのカーソン女史が、DDTがバターの中に牛乳の二十倍も濃縮されて入っているということからこの問題について警告を発しまして、時の故ケネディ大統領がいち早くこれを取り上げまして、牧場に有機塩素系の農薬をばらまくことを規制したわけです。十年前の話であります。 日本におきましても、昭和四十一年全国各地で、いわゆるくさいお米というのが問題になりました。その分析の結果、ガンマBHCが一・二ないし十PPMも検出をされました。配給米にも二・五PPMあることがそのときにわかったわけであります。米の中の残留許容量、ガンマBHCは〇・三PPMでありますから、数倍ないし数十倍あったわけであります。 なおショッキングでありましたのは、昭和四十六年の四月にベータBHCが、関西を中心にしまして、ほとんどの牛乳から検出されたことが厚生省から発表されたことであります。WHOとFAOが一九六八年にきめた牛乳のガンマBHCの残留許容限度〇・〇〇四PPMでありますから、それよりも蓄積されやすいといわれておりますベータBHCが、大阪では六百倍、長崎では三百倍以上という驚くべき数値が出たことは記憶に新しいところでございます。日本農村医学研究所では、全国の十都道府県から牛肉、豚肉あるいは鶏肉、こういったものを取り寄せまして、その中に多量のDDTやBHCが含まれていることを明らかにしましたし、また愛媛大学の立川助教授は、四国の松山市で購入しました食品の献立から、一日当たり最高〇・三九ミリグラム入っているということを明らかにしました。さらにまた驚いたことには、若い婦人の母乳からBHCやDDTが多量に検出されたことであります。三キログラムの生まれたばかりの新生児が、一日たとえば五百ccの母乳を飲むとしますと、母乳の中のBHCは許容量の約二倍強となるわけであります。こういった意味から、どうしてもいち早くこのBHCやDDTの日本における使用は禁止をしなければならないということが、日本国をあげて起こったわけであります。 御存じのように、また先ほども申しましたとおり、この有機塩素系の農薬は非常に体内に蓄積される特徴がありまして、脳などの中枢神経や肝臓の障害、先ほど厚生大臣が御答弁になったとおりであります。そのほか、再生不良性貧血でありますとか白血病などというような、いろいろおそろしい不治の病を起こしてくる。また、フランスのガン研究所では、DDTが非常に発ガン性が強いという発表をするに至ったのであります。こういうことから、どうしてもこれはほっておけないというので、先ほど御答弁がありましたように、DDTについては四十六年の五月一日、そしてBHCについてはその年の十二月三十日に発売禁止という形になったわけであります。 以上申し述べましたことに対しまして、厚生大臣、何か意見がありましたらお述べください。
○齋藤国務大臣 そのとおりでございまして、私どもは果実、蔬菜等につきまして、この基準が十分守られるようにしなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○坂口委員 すなわち、人体にきわめて危険な劇薬である。このような有毒性のあるDDTやBHC剤は、風土あるいは人種あるいはその環境、そういった点において差はないということを、WHO勧告で示したと思うわけでありますが、その点、どう御理解になっておるか、お伺いしたいと思います。
○石丸政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、こういう化学物質につきましては、その温度の差あるいは地域差、人種差、そういったものについての差異は認めておりません。
○坂口委員 農林省にお伺いしますが、現在使われておりますもので、DDTやBHCにかわる農薬にはどういうようなものがあるか、御答弁をいただきます。
○松元政府委員 お答え申し上げます。 DDT、BHC等の有機塩素系の代替といたしまして、有機燐剤のものを代用いたしております。
○坂口委員 どういうふうなもの……
○松元政府委員 種類名、品目名、多様にわたりますものですから、性質で有機燐剤と申し上げたわけでございます。
○坂口委員 私のほうの調べておりますデータによりますと、DDTやBHCにかわる農薬品といたしましては、MEP剤すなわちスミチオン、マラソン剤、ダイアジノン剤、PAP剤、すなわちエルサン、パプチオン、それからMPP剤、すなわちバイジット、DEP剤、NAC剤、こういったものがございます。これらはDDT、BHCの代用として十分使い得るものだというふうに私どもは思っておりますが、いかがでございますか。
○松元政府委員 先ほどは種類で申し上げましたが、御指摘のようにそういったスミチオン、マラソン剤、これ等は、使い方に若干の差はございますが、十分代替いたすものでございます。
○坂口委員 厚生大臣にお伺いいたしますが、日本におけるこれらのDDTあるいはBHCによるところの農薬事故にはどういうふうなものがあるか、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 食品の残留から申しますれば、私どもの承知しておるところでは、事故は発生していることを承知いたしておりません。
○松元政府委員 ただいま厚生大臣がお答えいたしましたとおりでございまして、発生をいたしておりません。
○坂口委員 決して発生をいたしておらないことはないのでありまして、把握されていないだけでございます。その問題をいまやっておりますとたいへん時間が長くなりますので、農薬による事故は非常に多かったということだけを申し上げまして、次に移ります。 東南アジア等において、こういうふうな農薬に対する害があるというようなニュースは入っておりませんか。
○大平国務大臣 まだ承知いたしておりません。
○坂口委員 マレーシアでは、一九七二年八月七日付のストレイズ・タイムズは、農薬、特にこれはおそらくBHCと思われますが、これを散布した後、女性が吐きけを催しまして、その後間もなく死亡したというニュースを伝えております。これは農薬による急性の中毒でございます。ここで使われましたBHCは、現地で、日本との合弁会社の中において生産されたものではないかというふうにいわれておりますが、東南アジアにおいて合弁会社をつくって、そこでDDTやBHCを生産している企業があるのかどうか。あれば、何社あって、一体どこの国で、どこの企業がここに進出していっているのか、具体的に御説明いただきたいと思います。
○大平国務大臣 マレーシアにおける全貌はよく承知いたしませんけれども、在マレーシアの日本とマレーシアの合弁企業でACM社、アグリカルチュアル・ケミカルス・マレーシアという会社がございまして、これが農薬をつくっており、それに日本から原料を供給した実績があるということは承知いたしております。
○坂口委員 どこの会社かわかりませんか。
○大平国務大臣 日本から原料を供給いたしました会社は、私、いまつまびらかにしておりませんが、御要請がございますれば、調べます。
○坂口委員 これは大蔵省からいただいた資料でございますが、「東南アジア及びブラジルにおける農薬製造業に出資した本邦企業一覧」というのがございます。それを見ますと、私のほうで申しますが、タイにおきましては三笠化学工業、それから組合貿易、クミアイ化学工業、こういったのが行きまして、出資比率は四九%でございます。いずれもBHC、DDTの農薬を生産をいたしております。それからマレーシアにおきましては、日本農薬それから丸紅飯田、これらの会社が行きまして、そして先ほど名前の出ましたアグリカルチュアル・ケミカルス・マレーシアというような投資先の企業名になっておりますが、やはりBHCなどの農薬をつくっております。このほか台湾には三笠化学工業、ブラジルにおきましては三井物産、クミアイ化学工業、住友化学工業、日本曹達、武田薬品工業、それから東邦化学工業、こういった企業名があがっております。間違いございませんか。これは大蔵省から資料をいただいたものでございますから、大蔵大臣、いかがでございます。 それでは大蔵大臣にお伺いしますが、外国に、たとえば合弁会社をつくりますようなときに、大蔵省では、その内容については許可をするときにチェックをなさいますか。
○福田国務大臣 それはものによります。つまり、政府資金が入ったりなんかする場合には、これは通産省とか、あるいは外務省から協議を受けますので、そのときはチェックをするわけです。
○坂口委員 たとえば、そのときに、出資率だとか、あるいは金銭的な問題ではチェックされるけれども、その企業の内容がどういうことをするかということについては、何らごらんにならないわけでございますか。
○福田国務大臣 政府資金を出す場合において協議を受ける場合には、それは、ある程度内容につきましても相談を受けるわけであります。
○坂口委員 通産大臣、この点いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 大蔵大臣が答弁しましたとおり、政府資金が関係する場合にはいろいろチェックいたしますが、そうでない場合には自由にしておるわけです。
○坂口委員 そうしますと、一般の場合には、もう何をしようとそれはかまわない、そういうことは何ら政府ではチェックをしない、こういう意味でございますね。 それじゃ、ひとまず話をそこで切りまして、国内に戻しますが、DDT、BHCが昭和四十六年の末で販売禁止になりましたけれども、そのときに、いわゆる不用農薬残留分として幾らかのものが残っていたはずでございます。そのものが一体どのように処理をされ、現在どうなっているか、農林省にお答えをいただきます。
○倉石国務大臣 販売が禁止されましたDDT、BHCの処分につきましては、農薬安全対策の観点から、コンクリート製施設に密閉いたしまして、地下水の汚染及び処理施設の破損等のおそれのない場所を選びまして、土中に安全に埋没させるよう指導いたしましたわけでありますが、昭和四十七年の三月末に約六千トンございました。それが現在十四トンが残っておりますが、これについて、いま申し上げましたように、安全対策上問題のないところに厳重に保管させております。
○坂口委員 いま農林大臣が御答弁になりましたその中で、十四トンがまだ残っているというのは、こちらもわかっております。どういうふうな方法で処理をするかということにつきましても、先ほど農林大臣が簡単に言われました。 これは農林省から出ておりますいわゆる通達のことであろうと思います。昭和四十六年四月十七日に農林省農政局長名で「有機塩素系殺虫剤等の処分について」というのが出ております。この内容を見せていただきますと、いまお話がありましたように、埋没する場所の選定についてというので、埋没に要する土量を掘り上げた場合に地下水が出てくるような場所は避けること、あるいはまた、なるべく粘土質の場所を選ぶこととか、それから飲料水の水源または掘り抜き井戸がある場所は避けること、こういうふうなきびしい規制がございます。それから処分の方法につきましても、一カ所に三百キログラム以内にして埋めることとか、あるいはまた、乳剤はその百倍量程度の粉剤、あるいは粘土粉または消石灰に吸収して埋没すること、いろいろこういうふうなこまかいきめがございます。こういうふうに、非常にこまかいきめが設けられているということは、いかに農薬というものが人体に対してきびしい害を与えるものであるかということを物語っていると思うわけであります。 ところで、この残っておりました六千九十九トンの中で現在十四トン未処置のものがありますけれども、それ以外のものは、どの県で全部処理されたか、把握なさっておみえになりますか。
○松元政府委員 ただいまの大臣答弁を補足して申し上げますが、全体で約六千トンございましたが、さらに、そのうち一部輸出に結果的に向けたものもございますが、それ以外は大部分が埋没いたしておりまして、県別に例を申し上げますと、量的に多いものから申し上げますと、たとえば広島県で五百七十二トン、岡山県で四百五十六トンというふうに県別に数字を把握いたしております。
○坂口委員 続いてお聞きいたします。そこにおってください。 輸出をしたというのは、どこの国に、どれだけ輸出していますか。輸出というのはけしからぬじゃないですか。どこの国にどれだけ輸出されていますか。
○松元政府委員 輸出いたしました仕向け先はタイ、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、フィリピン等でございます。
○坂口委員 輸出したメーカーは、一体どこのメーカーが輸出しているのですか。
○松元政府委員 メーカーは、日本農薬、クミアイ化学、八州化学、三笠化学、日本曹達、三共等でございます。
○坂口委員 先ほど農林大臣が言われたように、非常にきびしい処理する方法をちゃんと市町村に教えて、先ほど私言い忘れましたが、そのほかに政府から補助金も出ているわけです。三千百五十八万三千円の処理するための補助金も出ておるわけです。補助金を出して、しかもこれほどきびしい内容を設けて、先ほど大臣が言われたように、コンクリート詰めにまでして埋めよというようなことを指導して、それなのに、なぜ外国に出ておるのですか。外国に出すためなら、なぜこんな補助金を出すのですか、どうですか。——それじゃこれは、このほかにまだ外国に出ておる例もあるのですか。これ以後、どうですか。答弁。
○松元政府委員 御質問の趣旨を取り違えましたら恐縮でございますが、農薬の安全処理について補助金を出しましたのは、先ほどの埋没につきましての補助金を出したのでございます。
○坂口委員 埋没に対する補助を出したということは、この農薬がいかに有害なものであるかという証拠ではないですか。外国に出していいものなら、なぜ埋没の金を出したのです。おかしいじゃないですか。 それじゃ、時間がむだですので、続いてお聞きをいたしますが、日本では昭和四十六年に販売を禁止された以後、一体この農薬はどういうふうになっているのか。つくられているのですか、つくられていないのですか、どうですか。
○松元政府委員 それ以後も製造いたしております。 製造いたしておりますのは、まず申し上げますが、BHCを製造いたしております。DDTは製造はいたしておりません。したがって、BHCを一社製造いたしております。
○坂口委員 先ほどから何度か申しておりますように、日本の中で、あれほど人体に悪い影響があるということがわかっていながら、そして、その日本においてBHCやDDTの販売を禁止した、そのときに残った中の一部千二百八十七トン、これを輸出をした。これだけでもけしからぬことなのに、それ以外に、まだそれ以後もDDTやBHCをつくっている。いまはDDTだけだというふうに——BHCだけですか。BHCだけと言いましたが、DDTは絶対つくっていませんか。
○松元政府委員 お答え申し上げます。 DDTの原体は製造いたしておりません。
○坂口委員 それじゃ、DDTは何を製造しておるのですか。原体以外のもので何を一体製造するのですか。
○松元政府委員 私申し上げましたのは、BHCの原体は一社が製造していると申し上げまして、DDTの原体は製造していないと申し上げたわけでございます。
○坂口委員 それでは、DDTやBHCを日本から外国に輸出しているのは、一体どれだけですか。現在それはしているのですか、していないのですか。
○濃野政府委員 お答え申し上げます。 DDTの原体、DDT製剤、BHCの原体及びBHCの製剤につきましては、輸出実績はございます。四十八年、昨年の一月−十一月の実績で申し上げますと、DDTの原体は約十一トン、DDTの製剤が二百八十七トン、それからBHCの原体が二千六百二十トン、BHC製剤が千六十五トンでございます。概略の数字でございます。
○坂口委員 これは一体どういうことなんですか。 あれほど日本の中で販売禁止になっているものを、なぜこんなによそへ輸出しておるわけですか。しかも、その輸出先がタイだとか、シンガポールだとか、あるいはインドネシアだとか、そういった、いわゆる東南アジア諸国にたくさんこれ輸出しておるじゃないですか。 一番最初話を聞きましたとおり、公害輸出はしないと田中総理はお答えになった。そう外務大臣お答えになったじゃないですか。そして外務大臣自身も、今後の外交方針として、不幸ないままでの歴史を持っている、これを繰り返してはならない、そういう意味で、われわれは今後東南アジア外交に対しては努力をしていく、そうさっきあなたはおっしゃったじゃないですか。これと全然違うじゃないですか。日本の国で日本の人間にこれほど危険なものが、東南アジアの人にはこれは危険ではないのですか。どうなんです、これは。外務大臣。
○大平国務大臣 いま御指摘の、農薬が残留効果があるということ、そして、日本において禁止になっているということは承知いたしております。 これは使用量が限度をこえていった場合のことでございまして、その国々がそれぞれの基準を持って規制しておることと思うのでありまして、輸出実績があるということは、それだけの需要があるということでございまして、外国の公害立法に私が干渉するわけにはまいりません。
○坂口委員 そんなことをお聞きしているわけじゃないのです。それは量が多くなれば害があって、最が少なければ害が……、それはそのとおり、外務大臣おっしゃるとおりの話。しかし日本は、こういうものを農薬として使っていると、非常ないろいろの害が出てきた。また、新しい、生まれてくる子供たちに害の起こる可能性が十分にある、そういう意味で販売禁止になったと思うのです。そうじゃないですか。しかも、それでありながら、その製品を、今度は自分のところが使わないから外国に売る、ほしいというから売る。(「もうけるためには何をやってもいいのか」と呼ぶ者あり)いま声がありますように、もうけるためには何をやってもいいということじゃないですか。そういうのを死の商人というんだ。こういうふうな態度で、東南アジアに対する今後の外交が続けられますか。
○大平国務大臣 ちょっと私の御答弁が意を尽くさないわけでございまして、もう一度言い直しますと、BHCの原体が、ある数量輸出されておるという通産省から御報告があったわけでございますが、その原体が何に使われておるかということまで、私は承知いたしていないのであります。 それから、貿易の体制でございますけれども、これは通産大臣のほうからの御説明があると思いますけれども、政府としては、いま既成の貿易体制のもとで貿易が行なわれておるわけでございまして、輸出を禁止する、あるいは規制するというためには、これは立法政策との関連もあるわけでございまして、政府がかってにこれを禁止するとかいう権限があるかどうか、それは私、調べてみなければわからないと思うのでございまして、いきなり、日本で禁止になっておるものに関連しておるものだからこれは輸出させないという、直ちに政府にそういうことができるかどうか、そういうことを国会がお許しになっておるかどうか、それはよく調べてみないとわからぬと思いますので、念のために、その点は調べさしていただかなければ、正確な御答弁はできません。
○坂口委員 それじゃ、通産大臣、これは四十七年、四十八年の生産量については、通産省の係ですか。
○中曽根国務大臣 農薬の製造監督は農林省の所管です。
○坂口委員 じゃ、農林大臣、この昭和四十六年以後、禁止になりました以後、四十七年、四十八年に生産しておるものについては、農林省の管轄でございますね。
○松元政府委員 数字でございますから、私から御説明申し上げますが、四十七農薬年度——農薬年度は前年十月から当年の九月まででございますが、BHC原体の国内生産量は、四十七農薬年度で九百四十七トン、四十八農薬年度で千九百七十四トンでございます。そのほか、同種のものといたしましてリンデン原体の生産量は、四十七農薬年度二百四十トン、四十八農薬年度四百三十九トンでございます。
○坂口委員 そうしますと、これは農林省の所管になっておりますね。農林大臣、どうですか。
○倉石国務大臣 農薬会社は農林省の所管でございます。 そこで、お話の御参考にちょっと申し上げたほうがいいと思いますが、DDTを全面的に使用を禁止しておる国は、日本とアメリカ、アメリカでも州政府によりまして規制が異なっておりますが、ニューヨーク州とカリフォルニア州は全面的に禁止で、その他の州も一部の作物に使用を限定しております。それから、一部の作物等に使用を認めておる国は、フランス、西ドイツ、イタリア、イギリス、ソ連、カナダ、ノルウエー、スウェーデン、アルゼンチン、インド等でございます。 BHCを全面的に使用を禁じておる国は日本であります。一部の作物等に使用を認めておる国は、アメリカ、フランス、西ドイツ、イタリア、イギリス、ソ連、カナダ、ノルウエー、スウェーデン、アルゼンチン、インド、こういうようになっておる模様であります。
○坂口委員 私はそういうことを聞いているわけじゃないのです。 いま話がありましたから申しますが、先ほどから申しておりますとおり、この農薬につきましては——農薬だけじゃありません。日本は、公害についてはいわゆる公害先進国なわけです。日本のように多量にこういう農薬をばらまいたという国は、ほかになかったわけです。そのいわゆる公害先進国としての日本が、まずもってアメリカに次いで全面禁止をしてきたということは、これは日本として当然のことだと思うのです。だから、これから開発をしてくる、日本のような農業をしてこようとする東南アジアに対して、日本の二の舞いを踏んではならぬ。日本であの水銀中毒だとか、いろいろのああいうふうな公害を起こした。ああいうふうなことを、このBHCやDDTで日本が起こしてはならぬというので禁止をした。これと同じく、東南アジア諸国に対してもこういうことを起こしてはならぬ、そういうことを教えるのが日本の仕事じゃないですか。どうですか。それはそうですよ。 環境庁長官、この点、環境庁長官としてどうお思いになりますか。
○三木国務大臣 これだけ日本が公害問題で、公害先進国とまでいう汚名を受けておるわけでありますから、この経験に徴しても、低開発国などに対する経済協力、あるいは企業の進出、こういうものに対して、公害を輸出する国であるというような、そういう非難を受けるようなことがあってはならないので、通産省とも相談をしておるわけでありますが、これはやはり強い行政指導をしてもらって——行動基準のようなものが要るのかと考えたのですが、行動基準というのも、何か抽象的な面もありますから、通産省の強い行政指導のもとに、公害輸出国という汚名を受けるようなことのないように今後していかなければならぬ問題だと思います。
○坂口委員 いま環境庁長官が言われますように、これは非常に強い指導のもとにそういうことが行なわれなければならないわけでありますが、その強い行政指導がなされていないわけであります。日本から向こうに技術援助にたくさん行ってお見えになりますが、その団長さんなんかが、どういうふうな指導をしておられるか。向こうで、この農薬の仕事については、どのようにすべきかということを指導してお見えになりますか。 日本から行っておりますいわゆる農業技術援助者、こういう人たちが、向こうでこういう問題をどういうふうに指導しているか、御存じですか。日本でDDTやBHCが販売禁止になったのは、これは野党の反発によるものだ、けしからぬ、われわれとしてはどんどん回数をふやしてこれは使っていい、そう向こうで言っておるということが学術会議で討論に出ておるじゃないですか。こんなことがあってよろしいですか。二回で済むところを付回か使ってもいい、そういうふうな指導がされていることは皆さん御存じですか。 日本が東陶アジアの農業に対する技術援助をしておりますが、その派遣する人たちに対して、どういう指導をしてお見えになるのか、私はお聞きしたい。これは政府自身の姿勢に、日本で禁止をしているような農薬をどんどん使ってもいいというような指導方針があったのか、それとも、指導不十分なために、企業ベースや派遣技術者の間でこのような混乱が生じたのか、その点をはっきりしてもらいたいと思います。
○大平国務大臣 わが国の技術協力は、私どものほうの責任で遂行いたしておるわけでございますが、受け入れ国側の要請に応じまして、それにふさわしい技術者に受け入れ国に行っていただく仕組みになっておるわけでございまして、その技術者が、先方におきまして、具体的にどのような専門分野におきまして、どのような活動をしておるかにつきまして、詳細に私は不敏にして承知いたしておりません。 いま御指摘のような公害問題につきまして、そういう発言を公の席でしておるということなのかどうか。その点につきましては、私どものほうでも注意して、調べてみたいと思うのでございますけれども、しかしその場合、科学者でございまするから、現実にいま御指摘の薬品の残留効果というようなもの、あるいは、それの適用にあたりまして、留意すべきことは、客観的に十分正確なデータを先方に知らせる必要はあると思いますけれども、それを越えて、先方の公害政策につきましてまで踏み込んだ指導をするということにつきましては、行き過ぎがあるのではないか。あなたの御質問から直ちに受ける印象は、そういう感じがするのでございまして、そういう事実の有無等につきましては、調べさしていただきたいと思います。
○坂口委員 それでは、外務大臣の時間がちょっと迫ってまいりましたので、続けてお聞きをいたしますが、去る一月、最初にも申しましたとおり、田中総理が東南アジアを訪問されましたときに、農業援助について、特にお約束になったかどうか、承りたい。
○大平国務大臣 総理が東南アジアを御訪問になりました際、総理が言われたことといたしまして、東南アジア諸国の経済開発には農業部門の開発が特に重要であると日本政府は考えておるということを、強調されたことは事実でございます。それから、そのために、とりわけフィリピン、インドネシア等におきまして、わが国の方針として農業の開発、これにはダムを含むかんがい施設の問題とか、あるいは農業の機械化、また肥料の供給等、農業増産の問題につきまして、協力にやぶさかでないということを先方の首脳に説明されたことは、承知いたしております。
○坂口委員 特にこの農薬の輸出についての約束はございませんか。
○大平国務大臣 特に農薬の輸出という問題を中心にお約束したことはございませんけれども、石油危機に伴いまして、日本からの供給が減殺されるおそれのある原材料につきまして、各国から引き続き協力の要請がありましたことは事実でございまして、その中に農薬も含まれておるということは、承知いたしております。
○坂口委員 それはどういうふうな農薬、いま申しましたDDTやBHCでございますか。
○大平国務大臣 御要請のあった農薬はまさにBHCでありますが、その要請のBHCが原料の供給を意味するかどうか、この点はさだかでございませんで、照会いたしておる段階でございます。
○坂口委員 BHC製品そのものにするのか、それともBHC製剤のための原料の輸出にするのか、その点はまださだかでない。しかし、田中総理がマレーシアに行って、マレーシアの総理と会われたときに、BHCを輸出するということを約束なさったのは事実だ、こういう意味だと思います。
○大平国務大臣 私が申し上げたのは、先方からそういう要請があった、それに対しまして、可能な限り日本も御協力いたしましょうという一般的な協力の意思の表明があったことは事実でございます。
○坂口委員 単にこれを、たかが知れた一つの農薬だというふうに考えるかどうかということです、問題は。初めにも外務大臣が申されたとおり、とにかく東南アジアに対しては範をたれ、しかもいろいろの資料を提供し、経済協力については十分検討を加えていく、不幸ないままでの歴史を繰り返さないようにしていく、そういう姿勢でなければならないわけであります。この農薬の問題は、ただ一つの単なる農薬ではない。日本の国がこれによって非常に大きな危険を感じた、そうしてやめた農薬、はっきりしておるわけです。その農薬を、そのお隣の国のマレーシアに譲りましょう、こういうわけです。いうてみれば、毒まんじゅうと知っていながら隣にやるようなものです。そうじゃないですか。しかもそのBHCは、一体どういうものであるかということもよく総理は御存じなはずです。一国の総理が、自分の国で国民の健康に大きな害を与えるという理由で生産中止をしたものを、隣の国のマレーシアにお売りになる。マレーシアの首相は、はたしてこれを、農薬のおそろしさを知っていたかどうか。田中総理は、この農薬のおそろしさをよく説明された上で、輸出することをお約束になったかどうか。もしそうでなかったとしたら、近い将来においてマレーシアの、たとえば若い母親の母乳から多量のBHCが検出される、あるいはまた肝臓をおかされる、ガンが発生する。そういうふうなことがもし起こってきたときに、先進国日本としてどうこれは申し開きが立ちますか。 この問題を、単なる農薬の問題と思うか、それともこの一つの輸出を、われわれと同じ東南アリアに住む人々の命を守るものかどうかという目安にするかどうかということです。私はそこを言うている。単なる売れさえすればいい、相手がほしいと言いさえすればそれをやる。それで、はたして東南アジアの先輩としての日本のその立場が貫けるかということを私は言うているのです。日本がそれで、はたしていいかということを言うているのです。 三木長官、総理がこういうことをなすったということに対して、副総理としての立場からもどのようにお考えになりますか。
○三木国務大臣 日本が苦い経験を持っておるわけですから、そういう日本の経験に徴して、相手国に対して被害を与えるような懸念のあるものは、輸出をしないほうがいいと思います。
○坂口委員 三木長官がいま仰せになるとおりだと思うわけであります。 政府の考え方は、植民地的発想であり、低開発国べっ視の思想だと思うのであります。そういう急味で、田中総理はこれは死の商人だと思うのです。相手のほうが言ったからというて、そのときに田中総理は、やはりこのBHCはこれこれの害がありますよ、だからこれはひとつお控えなさい、そういう言ってこそ先進国の総理じゃないですか。それすらなぜこれは言えないのですか。しかもBHCにかわるべき製剤はたくさんある。先ほど農林省から御指摘のあったとおりであります。ああいうふうなものがあるにもかかわらず、それでもなおかつこれを使うということを向こうから言われたからといって、これをそのまま真に受けて、よしやろう、それで先進国の総理としてのつとめがつとまるかと私は言いたいのです。
○大平国務大臣 田中総理マレーシア訪問の際の首脳会談の間におきまして、多くの問題の中の一つに、石油危機に伴う日本からの原材料の供給を、そごのないように、ひとつ安定供給をはかってもらいたいということが先方から要請がありました。 それでそれの中には農薬も含まれておったと承知しておりますが、総理大臣は、それに対しまして検討を約したということでございまして、BHCという問題を頭に置いて、それで協力をいたしましょうと約束したわけではないわけでございまして、そこまで坂口さんが追及されるように、田中総理はふるまっていないと私、思うのでございます。つまり、そういう原材料の供給一般につきまして、引き続きお願いしますという中に農薬が入っておった、それを日本政府としても検討いたしましょう、そういう話し合いになっておると承知いたしております。
○坂口委員 その点が、非常に田中総理のお考え方が甘い、その態度、姿勢が非常に悪いということを私は申し上げているのです。このような外交がもし続いたとしたら、将来また日本の総理に対する激しいデモが起こる、これはもうやむを得ぬと思うのです。真に東南アジアの諸国を友として、そして日本がその国々の先に立って行くとしましたら、私は、日本の国はもっと誠実な態度をとっていかなければならないと思うのです。私たちの国はこういう問題で非常に危険な目にあいました、この問題につきましては、使ってはいけませんよと、なぜ一言それが言えないのでしょう。私の言っていることが道理に合いませんか。こういうことでは、対日感情は悪化するばかりです。第二の石油危機や、あるいはまた食糧危機が、こういうふうな状態では来ないという保証ができますか。連日この予算委員会で、悪徳商社がやり玉に上げられております。政府はこの商社を一応悪者にし、自分たちは清潔なような顔をしております。しかし、トイレットペーパーやあるいはまた洗剤、そういったものの買い占め、そうしたものによるぼろもうけをした商社というのは、これは悪いには違いありません。しかし、それは悪いからといっても、からだに、あるいはまた、それが高いからといっても、からだに害になるわけではないのです。しかし、BHCやDDTはからだに善を与えるわけです。売れさえすれば、相手がからだを害しようとしまいとかまわないというような態度、しかも、一国の総理が、公害輸出はいたしませんとタイの学生に約束をしながら、それからわずか四日後、舌の根もかわかないうちに、不本意にもこういうふうな農薬を輸出することを約束をする。これでは、私は日本の将来を憂えざるを得ないわけであります。 先ほど環境庁長官が、強い行政指導が必要であるということを言われましたが、通産大臣、こういうふうな問題について、向こうにおける商社といったものに対して、今後どのような指導をされますか。
○中曽根国務大臣 DDTの場合は、私はインドネシアに戦争中長くおったことがございますが、やはりマラリア予防で、蚊を殺すために非常に使っておるのではないかと思います。だから、食糧として口に入るものに農薬として使う場合と、そうでなくて、マラリア予防のために使う場合と、若干性格の違うところもあると思います。そういう点では、やはり保健衛生という面が多少あると思います。ですから、これは使用の実態をよく見きわめるということが、まず大事だと思います。 それから第二に、農薬として口に入るようなものに直接使われるという場合には、やはり御趣旨のとおり、われわれとしては、公害を輸出しないという考えに立って、今後は、わが国ではこれこれの理由によって使っておりません、禁止されております、わが国の科学者はこう言っております、にもかかわらず、あなたの国はそれでもお引き取りになるのですか、そういうように、政府がよろしいと、そういう許可証を持ってきた場合に輸出を認める、そういうふうにしたいと思います。
○坂口委員 一応前向きな答弁だと思います。 しかし、もう一つあるのです。と申しますのは、先ほども少し話が出かかっておりましたが、昭和四十七年にはDDTが三百トン、四十八年には七百六十トン輸入をされているわけであります。この日本に輸入をされておりますのは、これは一体どこで使われて、どこに一体行っているのか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○濃野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、DDT原体が四十七年で約三百トン、四十八年の一−十一月で約七百六十トン入っておりますが、これが国内でどうなっておりますか、私どもとしてはつかんでおりません。
○坂口委員 そうすると、これは一体どこでつかんでお見えになるわけですか。通産省ですか。
○松元政府委員 農林省といたしましては、国内生産は所管いたしておりますし、国内の使用については責任を持っておりますが、ただいまの輸入のものが、これは国内に使われるはずはございませんから、どのように処理しましたか、ちょっと私のほうで的確につかんでおりません。
○坂口委員 そうすると、これは通産省の管轄に入るわけでございますか。どこでどうなっておるかはけっこうです。
○濃野政府委員 お答えいたします。 ただいまのDDT原体、これは輸入は自由品目になっておりまして、私がただいま申し上げました数字は通関の統計の数字でございまして、具体的にどこの商社がいつ入れたかということは、私ども、個々には存じ上げておりません。
○坂口委員 このように、日本で禁止されたはずのものが非常にずさんな形で国外に行き、また国内に入ってきているわけであります。そして、それがどこからどれだけ入り、どこでどうなっているのかもわからないというのが現状であります。こういうことでは、何のために日本の国の中でこれらの薬剤を禁止したのか、販売を禁止したのか、使用禁止したのかわからないわけであります。 もう一つ伺いたいことがありますが、英国では一九六九年から七一年の二年間の間に、輸入をいたします農作物の中から二百四十八件について、その船荷のすべてに、BHCとそれからDDTの検査をいたしております。その結果、BHCがすべてに検出されておりますし、そのうち一〇%は基準の〇・五PPM以上の残留を見ております。またDDTは、三九%も船荷から検出をされております。日本においては、こういうふうに外国から入ってきているものについてチェックされているかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 輸入いたします食品、農産物等の残留農薬の検査でございますが、これは私どものほうでは、実は十三の港でそれぞれ食品衛生監視員が派遣されて検査をしておるわけなんですが、今日までの検査は、主として添加物が中心でございまして、この残留農薬についての検査は十分でなかったということを、私は率直に申し上げなければならぬと思います。 しかし、私どもは、今後はそういう食品添加物の検査ばかりでなく、いまお述べになりましたような、DDTなりBHCなりの残留農薬の検査をやっていかなければならぬであろう、かように考えておる次第でございます。
○坂口委員 日本で禁止をしながら、日本でその農薬を生産して、それを東南アジアへ出される。そこからできた農作物を日本に輸入する場合に、その検査をしていない。頭隠してしり隠さずというのはこのことです。たとえばタイを見ましても、トウモロコシ十八万七千百三十一トン、コウリャン一万五千二百四十トン、お米にしましても二千四百十四トン、これはたくさん輸入されております。あるいはまた、インドネシアからも、トウモロコシは四万五千百十二トン、あるいはまた肉類につきましても、タイからは肉として二十二トン、またインドネシアからはコンビーフとして一トン、こういうふうにたくさん入っています。もし、この地でこういうふうなものが使われるといたしましたら、ここでこういうふうな農薬が入ることは間違いないわけです。その検査を何もしていないということは、これは全くずさんな話です。 一体、いま何人ぐらいでこれをおやりになっておるわけですか。
○齋藤国務大臣 十三の港に三十六人ほどの食品衛生監視員というのがおるわけでございますが、いまお述べになりましたように、東南アジアにおいて、そういうふうにDDTが農薬として相当使われるということになりますれば、私どもは、そういうところから入ってくる農産物について、今後は厳重に検査をしなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○坂口委員 私の聞いた範囲内では、わずか三十六人でこういうふうな検査をやっておみえになるという。このうち三人で、いわゆる添加物それからその中のいろいろなものを調べる。これはできないのは無理もないところもあるのです。厚生大臣として、こういうふうなことに、もっと厳重に対処すべきだと思うのです。大蔵大臣は狂乱の物価だということを言われました。しかし、狂乱なのは物価だけではなしに、これでは狂乱の外交です。インドネシアに進出をしておりますオーストラリア、このオーストラリアなどは、自分の国のきびしい公害規制に準じて、インドネシアでもちゃんと指導いたしております。オーストラリアにできて日本にできないというはずはないのであります。やはり自分の国のきびしい公害規制に準じて、東南アジアに対しても、自分たちの行なおうとしておることを率直に援助しなければならぬと思うわけであります。 結論として私が申し上げたいのは、農薬取締法の十六条の三に、輸出についての適用除外というのがございます。これは農林大臣御存じのとおりでございます。日本の国においてはこれは使ってはならぬ、販売をしてはならぬけれども、外国にはこれは適用除外になっておるわけです。直ちにこういうことは改正すべきだと思います。日本で悪いものはやはり外国にも出さない、そういうきびしい態度が、公害先進国日本としてのとるべき態度だと思うのです。環境庁長官、どうですか。
○三木国務大臣 坂口委員のお話、理屈があると思います。これはよく研究を、私も、環境庁だけの一存でできる問題でもございませんので、検討をいたすことにいたします。
○坂口委員 ついでに、農林大臣としても御意見を賜わっておきます。
○倉石国務大臣 これは、海外に技術指導なんかいたします場合にも、私どもとしては十分注意をしてやらなければいけない、こう思っております。
○坂口委員 もう少しちょっとことばが足りませんので……。いま申しました農薬取締法の十六条の三に適用除外がありますが、これは、非常にこういうふうなBHCやDDTが危険であるということで騒がれる以前にできたものである。四十六年に法改正で禁止になったわけでありますが、そのときに、これはそのまま残っておるわけであります。だからこの問題は、日本がそうした以上、やはり諸外国にもそういう迷惑をかけない、日本の国だけの健康を守るということではなしに、やはり日本が友好を結ぶその国の人々の健康も守る、そういう立場から、どうしてもこの問題については検討すべきだ、改正すべきだ、こう思うわけでございます。その点についてお聞きをしておるわけでございます。
○倉石国務大臣 よその国で日本のものを買っておりますのは、日本がきびしくこういうことをやっているということを承知の上で、なおかつ引き合いをよこすわけであります。しかし、私どもといたしましても、われわれが、これは使わないほうがいいと禁止しているものでありますので、そういう点、十分にひとつ、関係方面と相談をいたして検討してみたいと思っております。
○坂口委員 それから、これは環境庁にもう一つお聞きをしますが、海外進出企業の行動基準を、私はこの際どうしてもつくるべきだと思う。先ほどから長官の御意見にも出ていたわけでありますが、これはほんとうに環境庁としてはおつくりになるお気持ちがあるのかどうか。おつくりになるとしたら、いつごろこれはおつくりになるのか、お聞きをしたいと思います。
○三木国務大臣 公害問題というのに、これだけ日本が悩んでおるわけでありますから、海外経済協力の場合においても、公害輸出というようなことにならないようにする道義的責任を日本は持っておるわけであります。 私も、何か行動基準のようなもの、そういうようなものがあったほうがいいのかということで、通産省とも、これは一番関係が深いわけですから相談をしたこともあるのですが、どうも行動基準といっても、きめられることが抽象的になるので、もっと実際的なことは、通産省のほうで強力に行政指導をして、そして、いやしくも公害の輸出というようなことにならないようにするほうが、実際的ではないかということで、まだ、そういう行動基準をつくるというような話し合いが進んでおるわけではない。やはり通産省のほうで強力な行政指導をすることが、私は実際的だと思うので、まだそういうものをつくろうというような結論には達していないのでございます。一時は、それをつくりたいと思っていろいろ考えたこともあることは事実でございます。
○坂口委員 環境庁でせっかくそういうふうなことをお考えになりながら、それが御破算になりかけつつあるという裏には、これは非常に通産省の横車があるというふうなニュースが流れております。 通産省として、こういうふうな海外進出企業の行動基準についてどういうふうにお考えになっているか、お聞きをしたいと思います。
○中曽根国務大臣 通産省は横車なんか押しておりません。去年、私はタイへ参りまして、日本の企業の行動等を見まして、帰ってまいりましてから、商社その他財界の人々を集めて、君ら、自主的に自分でまずやりなさい、もしやらない場合には、われわれとしてもそういう規制を考えなくちゃならぬ、そういうことを申し渡して、海外における投資活動の基準という、そういう基準を財界、商社とが自主規制としてつくったわけです。それが六月ごろできまして、それを各国の日本の大使館及び商社並びにジェトロに回しまして、その主義にのっとってやるように、大使館並びにジェトロは厳重に監督してきておるところでございます。 その投資活動の基準の中に、現地の人々のためを思ってやるべきで、いやしくも指弾されるようなことをやってはならない、そういう抽象的なことばがございます。その中には、いまお示しの公害問題も私は含まれると思います。したがって、その条項を根拠にしまして、今後も厳重に取り締まっていくつもりであります。
○坂口委員 自由にまかすというその結果が、現在向こうで非常ないろいろの公害につながっているわけであります。そこで、行動基準をつくろうというような話が環境庁でも起こったと思うのです。 最近の新聞の伝えるところによりますと、マレーシアあたりは、自分のところの国で、外国の企業に対する規制をしようという動きを示しております。相手の国にそういうふうな基準をつくられてから、やおら日本がやるのではおそいわけです。日本は、やはり公害問題にいたしましたならば、幸か不幸か、これはどうしても先進国なわけでありますから、自分たちで率先をしてそういう基準をつくり、そうして、あなた方の国の中ではこれ以上のことはいたしませんよと、ここにちゃんとそれを示すのが、これは当然の姿ではないかと思うのです。 環境庁長官も一時はそれを考えたけれども、何かしりすぼみになったような発言をされましたけれども、これはもう少し積極的に続いて検討をし、そうして、これはどうしてもつくるという方向に進んでもらうべきだと思うのです。もう一度御答弁いただきます。
○三木国務大臣 いま通産大臣も御答弁になりましたように、公害問題というこれは最近の大きな問題ですから、これを頭に入れて、強力な行政指導をやろうということで努力をされておるようですが、これがどうも効果があらわれぬというときには、何らかのそういうふうなことは考えるべきであるし、あるいはまた、必要な規制を行なうことも考えるべきだと思いますが、いまは、公害がこんなにやかましい時代ですから、通産省としても、そのことは頭に入れて海外への企業の進出というものをやらなければ、これはもう各国から反発を受けることは事実でありますから、現在のところでは、通産省の行政指導にゆだねたい。それが、行政指導というものが目的を達成するのに、どうも何らかの基準とか規制とかいうものが要るというならば、そういうものをつくることにやぶさかではありません。
○坂口委員 時間がありませんので、これ以上続けるわけにまいりませんが、しかし、現在もうすでにそういう公害がたくさん起こっているわけです。いま通産省の自由にゆだねるとおっしゃいますけれども、いろいろあるのです。私、きょう、もうそれをやるひまはありませんけれども、マレーシアにおいて、あるいはシンガポールにおいて、いろいろのことが起こっているわけです。だからもう、いましばらくこれを様子を見てというようなことでは手おくれになるのです。だから、どうしても、この行動基準というものは早急に検討する、そこまでやはり環境庁長官としては、この際腹をきめていただかざるを得ぬと思うのです。どうですか。
○三木国務大臣 第一番に必要なことは、やはり進出企業が、これだけいろんな公害企業というものが国民的な摘発を受けておるときに、海外へ出て行って同じことを繰り返すということは、自覚が足りないわけですから、これはいろんな、行動基準といっても抽象的な文句になりますから、まずは、やはり進出企業が、これだけ国内において問題を起こしておる企業が、どれだけ世界的な責任を問われておるかということは、もういやというほど経験済みですから、企業の自覚、またこれを指導する通産省の、公害輸出をさしてはならぬというきびしい行政態度というものが、やはりこの問題に対して対処する一番実際的な方法だと思いますが、それで十分でないというなら、新たなる規制を考えざるを得ないという心境でございます。
○坂口委員 環境庁長官と通産大臣の良識を待つといたしまして、この問題を締めくくらせていただきたいと思います。 時間が全くわずかになりましたが、労働大臣、お見えいただいておりますので、ひとつお伺いをしたいと思う。 と申しますのは、特に身体障害者、この雇用状態でございますが、現在のところ、いわゆる雇用率の達成状況が非常に悪いわけであります。特に、未達成の事業所が三六、七%もありまして、そうしてその中でも大企業ほど、いわゆる身体障害者を雇い入れる割合が少ないわけであります。だから、その点に対してどういうふうな指導をなすっているのか、ひとつ簡潔にお願いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 民間企業のうちで五百人以上の企業、こういうところが、おっしゃるように、身体障害者の雇用率が悪いということは事実でごごいます。現在、民間事業所の身体障害者の法定雇用率が一・三%ですが、五百人以上の場合には、それが一・一七というふうに低率でございます。これを推進するために、これからは、大企業中心に雇用率の達成につとめたい。 一つは、簡単に申し上げますと、雇い入れ計画の作成命令を積極的にやる、そして、事業主による自主的な身体障害者雇用促進団体をつくらせる、四十九年度に五千万の金を用意してあります。さらにはまた、推進委員をつくるというようなことで目的達成に向かっていきたい、こう思っております。
○坂口委員 公共職業安定所長は、雇用率未達成事業所に対しては、身体障害者の雇い入れに関する計画の作成を命ずることができるようになっているわけです。これがどういうふうになされているか。また、五百人以上の事業所で未達成のところが、これは四十七年十月でございますが、四四・六%あるわけであります。事業所数にして千六百二十二カ所あるわけです。これに対して、どういうふうな計画の作成を命じてお見えになるのか、そして、その結果がどうなっているのか、この点についてひとつ御答弁いただきます。時間がありませんから、簡単にお願いします。
○長谷川国務大臣 四十六年から四十七年の九月まで推進しまして計画を作成させましたが、一年間に、そのうち百三十三人の身体障害者が雇い入れされております。いまでも、この雇い入れ計画に対して、ときどき実施状況の報告を受けながら計画的にこれを推進していく、こういうふうにやっております。
○坂口委員 時間がなくなってまいりましたので、最後に大蔵大臣にひとつお聞きをしたいわけでありますが、この身体障害者を雇い入れる事業所の中で——中でと申しますか、身体障害者を雇い入れる事業所に対する、いわゆる税制等の優遇措置というのは存外ないわけであります。昨年この雇用関係の改正がありまして、その中で、いわゆる三分の一の割り増し償却ということだけが取り入れられているわけであります。しかし、これくらいでは、一つの事業所の中で、中小と申しましても、小、零細企業でございますが、特に、半数以上身体障害者を雇い入れるというような企業に対しては、もう少し税制面の援助をすべきだと私は思う。この点について、ひとつ積極的な御意見をいただきたいと思います。
○福田国務大臣 お話しのように、昨年の国会で割り増し償却制度が創設されたわけです。これはとにかく、昨年の四月一日から施行になっているわけなんです。まだ一年にもならぬ。しかしこれは二カ年の時限立法でありまして、五十年度にはこれはおしまいになる。これは様子を見たいと思うのです。 税というものが身体障害者の雇用政策にどういう影響があるか。とにかく割り増し償却制度を始めたばかりでありますので、その様子を見た上、税制上どうするかということは考えてみてよろしゅうございます。
○坂口委員 もう一つだけ。公益法人の場合には、身体障害者だとか、あるいはまた精神薄弱者、こういった人たちを半分以上雇い入れているところについては課税されないという道があるわけです。公益法人にはこういうことがあるわけでございますので、一般の企業に対しても、これは何らかのそういうふうな、たくさん積極的にボランティア精神で受け入れてくださるようなところに対しては、やはりそれだけのお報いをしなければならぬ。ただ、パーセントだけこうせい、こうせいといって上から圧力をかけるだけが能ではない、こう思うわけです。ひとつその点、十分御検討をいただきたいと思います。
○福田国務大臣 公益法人と営利企業とはまた全く性格が違うのでありまして、身体障害者を多数使用したからといって、営利事業のその法人を免除するとか、そういうわけにはいかぬと思うのです。そういうことで、いま割り増し償却制度というようなものを始めたわけですが、これは五十年度をもって終了しますから、その時点でこの法律の成果等を見まして、そしてひとつ検討してみる、かように御了承願います。
○井原委員長代理 これにて坂口君の質疑は終了いたしました。 次に、細谷治嘉君。
○細谷委員 質問に入る前に、私の午前中の質問で、全国の保育所に対する設置、そして厚生省が承認を与えました実績、都道府県単位に四十七年度と四十八年度の実績見込みを、一覧表をひとつこの委員会に資料として出していただきたい。これをお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
○齋藤国務大臣 委員会としての要請でございますれば、必ず提出いたします。
○井原委員長代理 資料の問題は、別途理事会で協議いたします。
○細谷委員 自治大臣、こっちに来てくれませんか。文部大臣、いらっしゃいますか。これは厚生大臣も関係ありますけれども、これからの質問は文部大臣が非常に重要な関係がありますから。
○井原委員長代理 間もなく来るそうです。間もなく来るようですからちょっと……。
○細谷委員 最初に自治大臣にお尋ねいたしますが、四十九年、ことしの二月十五日に全国知事会から昭和四十九年度の地方債計画の弾力的運用に関する要望、こういうものが出ております。内容は、地方公共団体において社会福祉施設の充実、生活関連公共施設の整備、高校の急増対策、さらには、緊急な民生安定対策等について財源難が起こっておる、こういうことで地方債計画の弾力的な運用をはかって、所要の地方財源の確保措置に遺憾のないよう期してほしい。これが全国知事会の要望であります。これは知事会はこういうことでございますけれども、たとえば全国の市町村、特に過密地帯における小、中学校等の義務制の学校を建設していくこと、あるいは保育所等福祉施設をつくっていくということで、全国知事会のこの要望の内容よりももっと深刻な実態にある、こういうふうに私は理解しております。 これについて、自治大臣は、こういう要望をごらんになってどういうふうに受け取っておるのか、まずこれを承りたいと思います。
○町村国務大臣 全国知事会からそういう御要望が出ておりますことも私、承知をいたしております。 御承知のように、総需要抑制という、今日の場合最も重大な問題を処理いたしますために、私どもも御承知のように昨年の十一月、特にやめることのできないような義務教育施設でございますとか、あるいは保育所の施設でありますような、そういったようなものを除きましては、一応現在契約をいたしておりませんような事業については、これを繰り延べるようにということを、地方公共団体に要請をいたしたような次第なのでございます。したがって、個々の市町村等におきましては、そのためにいろいろな問題が起きておるということを私も重々承知はいたしておりますが、ただ、先ほど御指摘のございましたような義務教育の施設等につきましては、その起債等は、これを抑制をするという考えがございませんで、そういった措置を講じておるということは御承知おきをいただきたいのであります。
○細谷委員 義務教育等については支障が起こらないようにしたいということでありますが、これはまさしく希望的な観測でありまして、現実はたいへんな深刻な事態にあります。 そこで、具体的にそういうものをあげる前に、いま自治大臣がおっしゃった昨年の十一月二十日に「地方公共団体の事業執行の繰り延べについて」という財政局長通達が出ております。この財政局長通達には、庁舎とか会館を除いたいろいろの事業をあげまして、「上記の工事、事業にかかる用地の取得又は漁業補償で必要と認められるものについては例外とする。」こういうふうに書かれてあります。ところが、十一月の二十八日の通達によりますと「公有地の効率的な確保」こういう形で表現されております。ちょっと読んでみますと、「公有地の計画的な確保に資するため、今回、土地開発基金の積立に要する経費を基準財政需要額に算入することとしたが、各地方団体においては積立を確実に励行するとともに、土地開発基金の運用に当っては、最近の経済情勢、地価の動向を十分把握して、公有地の効率的な確保を図られたい。」こういうふうにいっております。この十一月二十日の通達と二十八日の公有地の効果的な確保というのは、きわめてあいまいな表現でありまして、自治省は一体どういう態度なのか。総需要抑制に協力するということは、基本的にわかります。しかし、その例外として、公共用地、特に義務制の学校なり、高等学校なり、あるいは社会福祉等の土地については例外として扱う、こういう通達を出しておきながら、公有地の効果的な確保ということで、あとの通達でお茶を濁しておる。これが今日の困難の一つの原因になっておるんじゃないか。これは自治省の姿勢ですよ。どうなんですか。
○町村国務大臣 政府委員がおりますので、あとでひとつ補足して説明をさせますけれども、実は私どもの基本的な考え方といたしましては、申し上げるまでもなく、義務教育、あるいは今日当面緊急な社会福祉施設等の設置のために必要な公有地というものは、これは確保させるという方針のもとに地方債の計画にも当たっておるわけでございまして、いま細谷議員御指摘になりました後段の通牒でございますか、その点につきましては、私、はっきりと記憶をいたしておりませんので、政府委員からお答えをさせることにいたします。
○細谷委員 政府委員はいいです。時間がかかってしまう。 そこで、私は具体的に例をあげて、その深刻さを申し上げてみたいと思います。 大阪府の場合です。これは一月二十五日現在の数字でありますけれども、すでに契約をいたしました分が三百二十億です。このうち府立の高校が十四億、病院、保育所等もあります。それで、いまのところどうしても見当のつかないもの、融資をしていただかなければいかぬというものが五十九億円であります。このほかに住宅公社の土地の買収が二十八億二千万円ありますので、大阪府だけでどうしても確保しなければいかぬものが八十七億ある。これはすでに契約済み。それで協議が成立しておらぬけれども、契約寸前にあるというものがどのくらいあるかといいますと、これは百四億あります。これが大阪府の実態であります。それで、すでにもう契約したのが、約束を守らなければいかぬのが、先ほど申し上げましたように五十九億、それに住宅公社の二十八億を加えて八十七億というのは、大阪府はどうにもならぬ、こういう実態であります。 これは府の問題でありますけれども、大阪府下の市町村の実態はどういうことかといいますと、土地開発公社である、すでに契約の完了しておるものが五百三十九億円あるのです。このうち、現在のところ全然見込みのないものが百五十二億円あります。そのうち小学校、中学校の敷地、この問題の五五%というのは義務制の学校でありますけれども、これが二百九十七億、どうしても見込みがつかぬものが八十七億九千万、こういうことであります。このほかに上ものがやはりできております。それが七十七億、見込みのつかぬものが三十三億あるというのです。合計、大阪府下の市町村だけで、どうにもならぬ金額が今日百八十五億七千万円あるというのであります。 これを放置しておきますと、大臣、学校は建ちませんよ。土地の上に家を建てるわけでしょう。土地が、契約しておっても買えないわけであります。 もう少し具体的に、これは府下の市町村の例を申し上げたわけでありますから、もう少し申し上げますと、たとえば、新聞等でもしばしば指摘されておりますように、枚方市、これは人口急増地帯であります。一月に既契約した分の残りの金が四十八億円ある。一月にどうしても、四十八億円のうち四十二億円がこれは契約して払わなければならぬ金であります。そうして一月に契約見込み分が六億八千万、二月の契約分見込みが三十三億、三月が四十九億、合計百三十七億円、これが枚方の実態であります。高槻市も全く同様であります。高槻市は、どうにもならぬ金額が現在八十八億あるというのであります。その大部分というのは学校敷地であります。四十八年度に公社で土地を確保してもらう。四十九年度で一般会計から、公社からその土地を買う、その上に校舎を建てる、そして五十年度の四月一日の一学期に間に合わせる。こうしなければならぬわけですね。そのためにやってきたのでありますけれども、どうにもならぬところに来ている。ですから、あなたは例外だと言っていますけれども、例外になっていないのですよ。見当がついていません。 いま私が申し上げたことを事実として認めるかどうか、お答えいただきたい。
○町村国務大臣 義務教育の施設の敷地等のために土地開発公社等がすでに契約をしてしまっておるというものが相当にあるということは、私どもも承知をいたしておるのでございます。御承知のように、かなりきびしい融資規制の措置が講ぜられておるということで、地方自治体等がたいへん難渋しておられるということも私、聞いておるわけでございます。 そこで、自治省といたしましては、緊急そういったものはやむを得ないものでございますから、どうしてもこれは措置されなければならないということで、大蔵省とも協議をいたしておりまして、私は、その相当分につきましては年度内に措置ができるもの、かように考えておるところでございます。
○細谷委員 自治大臣は、年度内にその資金は確保できるものと——これはぜひしていただかなければならぬのでありますけれども。 文部大臣にお尋ねいたしたいのですけれどもね。 いま私が申し上げたような実態であります。これは人口急増の地域はみな同じであります。私は例として大阪府を申し上げたわけであります。あるいは枚方なり高槻市を申し上げたわけですけれども、文部大臣、こういう実態を御存じでしょうか。あなたは、とにかくこの辺の長い間の専門家でございますから、よく御承知じゃないかと思うんだけれども、いかがですか。
○奥野国務大臣 人口の急増しております地域におきましては、小中学校の建設に追われておるわけでございまして、追われているばかりじゃなしに、必要な土地の確保が大問題でございます。したがいまして、それらの地域におきましては、土地を求めるために難渋するばかりじゃなしに、その購入費がばく大な金額にのぼるわけでもございますので、その資金手当てにも苦慮しておるわけでございます。 大阪は特にそういう問題の多いところでございます。ことに大蔵省のほうから、土地の融資については特にきびしい姿勢をおとりになってまいりました。そのことを受けまして、いま御指摘になりました土地の購入は、市町村みずから購入する場合と開発公社が購入する場合と、両方あろうと思います。開発公社が土地を購入しなければならない、いままでは銀行から比較的円滑に融資が受けられた、しかし、いま申し上げましたような国の方針から、土地開発公社が校地を取得したいのに融資が受けられないということで大騒ぎになりました。文部省といたしましても、自治省、大蔵省双方にお願いをしてまいったわけでございまして、その結果、十年先、二十年先の土地までと言われると問題があるわけだから、個々に具体の市町村の土地について話を持ってきてもらいたいということで、自来大蔵省も骨折っていただきまして打開策が進められつつあるわけでございます。 今後につきましても、個別の問題として、小学校、中学校の用地につきましては、資金手当てにつきましても格段の各方面の御協力を得ていかなければならない、そういうことで努力をしているところでございます。
○細谷委員 文部大臣のおことばを聞きますと、問題は解決への前進を見ているかのようなおことばでありますけれども、全くそうじゃないんです、実態は。そうして、まあお伺いいたしますと、確証あるわけじゃありませんけれども、文部大臣は、もしそんなことがあるなら銀行のほうからあげてきてくれ、こういうふうに言っておるということであります。こんな消極的なことでは、とてもじゃないが、四十九年度、五十年度、これは人口急増市町村では二部教育をやらなければならぬという事態になります。でありますから、特に文部大臣は地方財政については専一的な方でありまして、いまのようなことばで前向きに片づいておるような考えを持っておると、実態に沿いませんから、もっとひとつ積極的に取り組んでいただかなければならぬ、私はこう思います。いかがですか。
○奥野国務大臣 御指摘のように、片づいているとは思っておりません。私が、土地に対する融資についてのきびしい措置から、大阪で守口その他からもいろいろな意見を聞きました。それは一月の当初でございまして、自来努力を続けているわけでございます。融資当局の立場もわかるわけでございますけれども、校地の確保もなかなかそう簡単なことでございませんので、確保できるときには金融の道もつけて確保していかなければならない、そういうつもりで、今後も努力を払ってまいります。
○細谷委員 大蔵省の銀行局長いらっしゃいますか。あなたのほうで銀行局長通達というのを出しましたね。その銀行局長通達を拝見いたしますと、第一は「優占的に取扱うべきもの」、その中に、国民生活安定緊急措置法に関するもの、あるいは医療、教育、住宅等に関するもの、こういうことがあります。「抑制的に取扱うべきもの」として「土地取得に関連する資金。」と、こういうことであります。三番目に「地方公共団体等に対する融資」として「地方公共団体及び地方公社等に対する融資についても、上記措置に準じ、その適正化に努めるものとする。」、この通達は何を言っているかわからぬですよ。どっちへひっかかっているのかわからぬ。そこで、あなたのほうで銀行を押えるもんですから、もう銀行は融資はこう押えられる。きびしくあなたのほうから押えられるもんですから、貸そうと約束しておったのを破棄しております。そういう事態が起こっておりますよ。この点、御存じですか。この通達の意味はどういうことなんですか、お伺いいたします。
○吉田(太)政府委員 いま御質問のございましたとおりの通達でございますが、土地融資については、基本的にきわめてきびしい姿勢で臨んでおります。 その中で、いまも読み上げられましたように、学校とか、あるいは生活関連の施設については特にその中で優先して考えなさい、こういう趣旨でございます。で、土地融資については、全体の貸し出しの伸び率以内に押えるという基本原則の中でそういうものを優先的に考えなさいということに指導しております。
○細谷委員 時間がありませんから。局長、あなたは、土地開発公社が、国の直轄事業まで委託して土地を取得していることは御存じですか。その金額は幾らぐらいありますか。時間がありませんから詳しく申し上げませんけれども、相当の金額の国の直轄事業を買っておりますよ。そうして、国のほうが総需要抑制だというわけで、年度を追って買っていくやつのこれがおくれる。逆ざやだ。たいへんな被害が国の直轄事業の問題からも起こっておりますよ。これ御存じですか。イエスかノーか教えていただきたい。
○吉田(太)政府委員 よく承知しております。一般の貸し出しが三%ぐらいの伸びに対しまして、地方公社関係の資金需要が前年比二〇%をこえる伸びになっておる、その中でいかに優先すべきかということが、私どもの当面の問題でございます。
○細谷委員 時間がありませんからずいぶんはしょるんですけれども、局長、岩瀬審議官という方いらっしゃる。私はせんだって大阪に行きましたら、たいへんな事態になっておるその人口急増の市議会なり、あるいは市長が岩瀬審議官に会ったら、現在契約したものについては、間違いなく残金については保証いたします、こういうことを約束したそうですが、御存じですか。
○吉田(太)政府委員 先ほど申しましたとおり、学校その他の緊急を要するものについてはそのとおり約束いたしまして、現に金融機関を指導しております。 いま私どもが銀行から受けております報告によりますと、御指摘の大阪府の例で申しますと、一月分、二月分については、支払い期限が来た場合にこれの融資を必要最小限考える範囲内においてやっておる、こういうふうに聞いております。
○細谷委員 ごとばは必要最小限度でなんとかと言っているようでありますけれども、大体において、既契約分についての残金支払いができないものは考えましょう、そういうことで、具体的に電話なり何かで関係都市に返事をしたようでありますけれども、事実は、大阪のある市を例にとりますと、もう支払い期限が来ているのに、四十億円の金が要るというんですけれども、四方八方銀行に工作をして、コロガシの金額も含めて、三月末に返さなければいかぬ、そういうコロガシの金額も含めてたった十億円しか入っておりませんよ。これで一体どうなりますか。
○吉田(太)政府委員 私どもは、学校の建設分につきましては大体支障なくお認めしておる、その期限が来るごとにその分についての融資をしておる、かように聞いております。ただ、将来の計画についてまで、現在の段階においてそれを承諾するということはなかなかむずかしい、こういう状況に聞いております。
○細谷委員 大蔵大臣、はしょって申し上げておりますから少し意味がおわかりにならないかと思うのでありますが、学校の問題についてはやりますということでありますけれども、事実は、土地問題というのは、なかなか買収が進みませんで、銀行局長通達が出たあとで数日後に契約ができたものもありまして、それには四十九年度に上ものを建てなければならぬというものもあります。あるいは、公社等で土地が入ったらば、とにかく授業に差しつかえないようにということで上ものをやって、そしてそれを一般会計が買収しなければならぬという金額もあります。これはちょっと問題がありますけれども、便法でやっておるのです。そこまでやらざるを得ないところに、義務制でありますから、いっておるわけですね。けれども、三月一ぱいに契約したものについて見ないということになりますと、たいへんでありますから、私は端的に具体的にお聞きしますが、四十九年度と五十年度の必要な学校の土地については、融資の裏づけをいたしますか。これをお答え願いたい。
○福田国務大臣 さっき銀行局長がお話ししたように、融資規制下ではございまするけれども、学校については気を非常に使っておるのです。自治省で検討する、そして、これはどうしてもやむを得ないというものにつきましては、大蔵省としては、銀行をそういう方向で指導する、こういうことになっておりまして、現に大阪府なんかは大体、一、二月の支払いが来るというものにつきましてはおおむお話がついておる、こういうふうに聞いております。三月分についていま話をしておる、こういう段階だそうです。 細谷さん、いま非常に重要な段階になってきているのです。とにかく物価を押えなければならぬ。この物価狂乱を巻き起こした引き金は何だ、土地である。その土地が、総需要抑制政策、そういう影響を受けまして、いまや大体頭打ちで、これから下落傾向になるかという境です。そこで、きのうでありましたか、本委員会でもお話があった。住宅公団に土地を買え、買えとずいぶん殺到する。それをみだりに買ったということになれば、それは土地価格の高値安定、こういうことになってしまうのですよ。 そこで、従来、地方公共団体におきましても、先行取得というようなことをずいぶんやってきておるのですが、それをいま、従来のような方向でやるわけにはいきません。しかし、学校のような、特に人口急増地帯における学校のようなもの、これなんか、例外的にやらなければならぬというので、それはケース・バイ・ケース、自治省とよく相談いたしまして、やむを得ざるものにつきましてはやっておるのです。非常に重要な段階に来ておる、そういう中であるにかかわらず、学校については特別の配慮をしておる。この辺でうるさい自治体、千葉県、これも大体ただいま申し上げたような方向で話はしておる、もうついております。また福岡県、これなんかも大体話はつけました。そういうような状態で、非常に機微な、重要な段階である。 そこで不動産投資、これには特に気を使っておるわけでありますが、その中におきまして、銀行は中央、地方を含めまして、昨年の十月から十二月の三カ月、これが三%から五%ぐらいの資金の増加、貸し出しの増加で抑制したわけです。ところが、そのわずかな三%だ、五%だという増加の中におきまして、土地開発公社、これは実に二二%もふえるわけなんです。ですから、これは黙っておるわけにはいかない。いかないが、そういうきめのこまかい配慮をしておるという点は、ひとつ御理解願います。
○細谷委員 大臣、土地開発公社というのは、公有地拡大法という法律ができて、昨年度さっと公社ができたんですよ、五百も。現在七百くらいあるそうですけれども。でありますから、過去の実績に対して何%の伸びなんて、前には実績がないわけですから、ですから伸びが大きくなることはあたりまえ。もう一つは、いまのような規制をやりますと、銀行のほうは、利子の高い、投機的な民間投資等のほうに金が流れてくるわけです。公共団体でありますから、土地を買うにも、先行取得する場合にも、むちゃくちゃな投機的な意思で買っているわけじゃありません。利子だって一般の民間よりも安いということになりますから、資金の流れというのはどうしても民間に行く、そして、あなたが言うように、実績問題なんて考えますと、行かぬわけでありますから、私はやはり学校については、四十九年、五十年の開校に、あるいは児童、生徒の収容に支障のないようにひとつ土地を確保していただく、そのためには選別融資基準、土地について、学校なり、あるいは保育所なり社会福祉施設、あるいは住宅、そういうものについてはぜひ資金を確保していただかなければ、この総需要抑制という中で動いていく中において、四十九年度の地方財政はたいへんな事態、現状よりももっときびしい、苦しい事態を迎えると私は思っております。 そういうことでありますから、ひとつその辺は、教育を大蔵大臣も守っていただきたい。学校を建てさせる、そのための土地を確保していく、あるいは、福祉のほうへ政治が転換していっているわけでありますから、それについてもやはり優先的に融資措置を講じていただく、こういうふうにしていただきたい。これを強く要望して、時間が過ぎましたので、不十分でありますけれども、私の質問を終わります。
○井原委員長代理 久保三郎君から関連質疑の申し出があります。細谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。久保三郎君。
○久保(三)委員 まず第一に、雇用促進事業団理事長、おいででありますか。——おいででありますね。おいででありましたならば、あなたの事業団でおやりになっている移転就職者用の宿舎の運営の現況、これをお知らせいただきたいと思うのです。 てまえどもの知る範囲におきましては、現在までおおよそ八万二千戸ほど建設をされている。もちろんこれは十一月末現在でありますから、四十八年度末には約九万戸になるのだろうと思うのでありますが、八万二千戸余ができている。それに対して、現在入居しているものが六万六千、七万足らずですね。率にして八一%、約二割というものがあき家になっている。戸数にしますれば、差し引きしまして、一万六千戸ほどあいているということです。これは過去において、もちろん多少は出入りがあったものもあると思うのでありますが、ほとんどといっていいくらい新しく建てたものが大体そのままで、一万六千戸もあき家になっている。 私が現実に調べたもののうち、最もひどい例は、鹿島臨海工業地帯に近い場所に建っている宿舎でありますが、これは四十六年あるいは四十七年度に建っておりますから、古いものは三年、新しいもので二年ということですね。それが九棟で四百戸あるわけです。そのうち入っているものが、促進事業団のほうの報告によりますと四十六戸、五十戸足らず。そうしますと、四百戸でありますから、ずいぶんべらぼうな数が建てたままになっているわけです。もちろん鉄筋で、中層というのでしまうか、そういう住宅でありますから、木造じゃないから多少は違うのでありましょうが、すでに畳などはふけて使えなくなるものが出ているのではなかろうかと思うのであります。そういうのがある。ごく最近でも、これもやはり茨城県に建っている住宅でありますが、去年の秋に建った下館の五所宮住宅などは、これは八十戸でありますが、一月現在でたしか六戸ですね。岩瀬町に建ったものが、これが八十戸のうち十六戸入っているだけ、もちろん、去年の秋でありますから多少期限がまだ短いというか、そういうせいもありましょうが、公団住宅をはじめ、いま住宅難で非常に困っているわけですね。困っているさなかに、理由はこれからいろいろお述べになると思うのでありますが、何といっても世間がこれは許しません、はっきり言って。公団住宅に入るのには何十倍もの、いや何百倍というか、それで何回も抽せんをしても、運の悪い者はとうてい入れないという現実ですね。それから一般の住宅をさがすといっても、これはなかなか普通のサラリーマンでは至難のわざになってきた。あとから一般住宅についてもお尋ねいたしますが、そういうさなかに、理由はどうあれ、一万六千戸も日本じゅうにあいている公的な住宅があるといったらば、これはたいへんな問題だと思うのであります。 もちろん、そういうことがありまして、去年の十月に入居基準の一部改正を法律改正でしたようでありますが、この入居基準の改正をもってしても、私はとてもそういう所期する目的どおりの入居者を得られるわけにはいかないと思っているわけなんです。これはあとからもお話が出ましょうが、入居基準を多少変更したくらいで、この住宅を、国民というか、勤労階級に貸し与えるなんという簡単なものではなさそうに思うのであります。と同時に、雇用政策なり、失業保険の対策にもかかわりのある重大な問題だと思っているわけなんですね。雇用促進事業団はあせっているようでありますが、いろいろ問題があって、こういうような現況になっていると思うのでありますが、いずれにしても、これらについて、さしあたり理事長おいででありますから見解を——労働大臣ですか、労働大臣からお述べいただいてもけっこうでありますが、現況というか、こまかにはいまから申し上げますが、こういう現況に対して、どんなふうにお考えであるのか、お答えをいただきたい。
○長谷川国務大臣 お答えいたします。 移転者住宅と私たちは称しておりますが、私の町にもあるのです。そこで、その実態は、帰ったとき私も見ます。 何といいましても、移転者住宅は、経済の変動なり、あるいはそれによって人が就職に来る、そういう場合にちゃんとあけてお待ちする。でありますから、一割だけはいつもあけておくのです。ただいま久保先生がおっしゃったように、パーセンテージにおいて九割のところが八割三分、だからたくさんあいているじゃないかというお話がありますが、当初工場誘致などを予定しておったところが、その予定などがおくれますと、自然に、せっかく建てた建物があいていく、こういうことであります。 もう一つは、あなたがおっしゃったように、昨年の十月、これは大体一年未満そこに入っておって、新しく家を見つけるとか公営住宅に入るとか、そういう準備期間に置いておったのですが、そんなことでは間に合いませんので、これをあと一年間延ばしたという形で、私も実態を知っておりますから、それがようやく努力をして八三%ですが、当初の予定どおり九〇%にすることが大事だろう、こう思って、せっかく努力をさしているところであります。 なお詳しいことは、理事長にお聞きいただけばけっこうです。
○堀参考人 ただいま労働大臣からもお述べがありましたが、移転就職者用宿舎は、労働者の地域間の移動を円滑にするために建設することになっております。 最近の利用状況は、ことしの一月末現在におきまして運営しております戸数八万二千六百二十六一尺このうち入居戸数は六万七千八百八十三戸であります。したがいまして入居率は八三%でございます。このうち、建設されましてから間もない六カ月未満の宿舎の入居率はきわめて低いわけでございまして、六カ月以上の宿舎の場合には、入居率は八四%ということになっておるわけでございます。 それから、この率につきましては、私どもは大体、移転就職者の方が来られましてお入りになるためには、やはり一定率のあいておる戸数は必要であると思っておりますが、まあそれは大体一〇%程度であることが妥当であろうと思います。ところが、現状が、ただいま申し上げましたように八三%でございます。これはいろいろな理由がございますが、一つは、工場の建設あるいは工場団地の誘致というようなことを見越しまして——これは設置するにあたりましては、労働省が全国的な労働力の需給状況を勘案し、それから広域職業紹介の計画を勘案し、その地方の需要がどれだけあるかということも勘案いたしまして、全体的な案を考えまして、それに基づきまして、わが事業団におきまして、今度はどの地区のどの町に設置するかというようなことを具体的にきめて実行しておりますが、その当初の見込みが、最近の経済変動、あるいは景気の停滞、あるいは工場誘致がおくれた、そういうようなことによりまして狂ってくる場合が最近は相当ございます。 そのような典型的なものが、ただいま御指摘のありました鹿島の隣の大野宿舎でございます。これはいまもお話しのように四百戸、昭和四十四年の初めに用地を買収いたしまして、四十五年に着工し、四十六年に運営を開始したものでございますが、大体入居いたしましたものが八十三でございまして、それに対しまして、のきましたものが三十七、差し引き四十六戸ということでございます。これはまことにどうもぐあいが悪い状況でございまして、結局こういうものにつきまして、あき家の多いようなアパートにおきましては、移転就職瀞以外の労働者でありましても、住宅に困っておられる方を入れることは必要ではないかというふうに私どもは考えまして、その要望も関係方面には申し上げたところであります。昨年の十月に法律を改正していただくことになりました。それに基づきまして、この八三%という率を九〇%を目標にしてやろうということで、目下鋭意努力中でございます。 大野の宿舎につきましては、現在ございます四十六に対しまして、現在確定いたしましたものが約六十数戸、それからそれに加えましてさらに二十数戸、合わせて八十数戸は最近のうちに入居されるであろう、そうなりましてもまだ百二十戸でありまして、三三%ぐらいにしか達しません。これにつきましては、あらゆる機関に働きかけまして、入居を促進することに努力をいたしたいと思っておる次第でございます。 見込みが違いましたことにつきましては、今後私どもは、そういうようなことのないように十分気をつけてまいる所存でございます。
○久保(三)委員 労働大臣も理事長も言いわけだけでありまして、私が聞いているのは言いわけではないのでありまして、どうしたら一ぱいになるか、どうしたら利用してもらえるかということなんですね。 〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 いまお話があった、たとえば鹿島の大野の団地の話ですが、これもあなたの見込みでいっても百二十戸しかふさがらぬというのですね。あとどうしますかというのですよ。それからその他のものもありますが、大体私が調べた範囲では、入居率のいいのは、あとから聞きます入居基準をはずして実際は入れているのですよ。入居基準というのは一年でしょう。そうでしょう。一年未満で出ていってもらうということが基準になっているのですよ。そんなのをいまの住宅のない人に押しつけようといったって、それは行き場所ないということですよ。そういうものを基準として持っている限りは、これはだれがやったってできません、はっきり言って。しかも、じんぜん、三十七年ですかに始まって、もう十年以上になるのですよ。それに気がついてきたというか、困ってきて、どうもていさいが悪いといって通達を出したのが、ていさい悪いとは書いてありませんけれども、一般の住宅事情からも、あき家に対する近隣の感情からしても、早急に入居の促進をはからねばならぬという通達を出したのは四十五年の夏なんです。そして、そのあとどんどん建てているのですよ。見込み違いとおっしゃいますが、それは当てずっぽうというのですよ、早く言えば。腰だめ鉄砲だ。 これは労働大臣もしっかり考えてほしいのですが、たとえば鹿島なら鹿島に工場が来るだろう。それは来るだろうという計画は、いわゆる経済企画庁なり建設省なり運輸省なり、あるいはいろんなところでやって、臨海工業地帯の工場の配置その他、地元の県もやりますね。進出企業の数もわかりますよ。おおよそ操業開始はどのくらいでどのようだ、これはわかる。そこまではいい。しかし、それをもとにして臨海工業地帯はできてくるのですよ。ところが、遠くのほうからこれを見ていて、大体何人ぐらい移転して就職する者が来るだろうということで四百戸建てるわけですよ。だから、あと今度は広域職業紹介で来ればたまたまあいているから、あそこはあいていますよ、入りなさい、こういうことなんだな。もともと移転就職者用宿舎というのは、炭鉱離職者のために発想したのですね、考えたんですよ。当時は炭鉱がつぶれて、それで、これはどこかに就職しなければならぬということで、建てたのはどこかというと、たとえば名古屋とか大阪とか東京とか、そういういわゆる求人のあるところを予想して宿舎を建てて、移転しなさい。それで同時にやったのは何かというと、いわゆる求人開拓ですよ。積極的にこれはおまえのところ雇わないかということでやって、何人雇います、それじゃ入れましょうということで、表裏一体になったのですよ。私はそう見ているのだ。その当時はこれは有効に活用できたと思うのですよ。 ところが、いまや情性に流れて、何か頭の中で考えただけで、移転就職者用宿舎というものを、例度として何とか存続しようということが片方にあった。それからもう一つは、それはいい考えじゃないかということでやってみた。金は失業保険の運用益からどんどん、湯水のごとくといったらしかられるかもしれませんが、大体要求するものは、失業保険からどんどん出てきているわけです。そういうもので建てているから、畳がふけて、二年も三年もだれも入る人がなくても、極端なことを言うと、あまり急がない、あせらないということじゃないのかということなんです。 それから、聞けば、ある町村などに、雇用促進事業団がひとつ府会を建てようじゃありませんかというと、遠慮するそうですよ、辞退するそうです、いや、けっこうですと。いまどき、住宅の誘致に反対するものは何もないんだな。ところが、これに反対というか、けっこうです、といって辞退するものがある。それは、住宅は建って、土地もあっせんしてやった。ところが入ってくる人の当てもないし、限定されたものでは、とてもじゃないが町のためにもならないということで、おそらくそういう事態があるのだろうと私は見ているのです。 話はそっちこっちに飛んで恐縮でございますが、いずれにしても、この責任は大きな問題だと思うのですね。入居基準について、あらためて聞きましょう。理事長さんからお答え願います。
○堀参考人 移転就職者の入居の基準につきましては、資格は、当初は、仰せのように炭鉱離職者、あるいは労働省が職業安定法十九条の規定に基づいて計画を立てました広域職業紹介計画に基づく移転就職者に限る、こういうことになっておりました。その後、炭鉱だけでなしに、全国的に各地において、産業構造の変化や景気の変動によりまして、労働力の移動というものが相当顕著になってまいりました。そういうようなことからいたしまして、この基準につきましては、実は二度改正がありました。最初は、いまの炭鉱離職者、あるいは広域職業紹介計画に基づくところの移転就職者でありましたのを、職安の広域職業紹介に基づく移転就職者であればよろしい、こういうことになりました。それから次に、広域職業紹介でなくても、同一の職策安定所の管内でも、通うのが非常に不便な僻陬の地におるところの労働者は入れてもよろしい、こういうことになりました。これはいままでの法律の根拠のワク内で、ぎりぎりの拡大解釈をしてやったわけでございます。 しかし、その後の状況にかんがみまして、場所によっては一〇〇%あるいは九九%というような宿舎もあちらこちらにございますけれども、場所によっては、その後の慕情の変更によって率が非常に低いところがございます。そういうところについては、もう少し拡大したほうがいいじゃないかということで、昨年十月の雇用促進事業団法の改正に基づいて、そういう移転就職者でなくてもよろしい、要するに、住宅に困窮しておる労働者であれば差しつかえないというふうに法律の根拠が改まりまして、それに基づいて、この十二月から私どもは入居の促進をしております。 なお、入居の期間につきましては、原則は一年。この移転就職者用宿舎を設置いたしましたのは、移転して就職する労働者の暫定宿舎ということで設置されました関係で、入居期間は一年を原則とする、このようになっております。ただし、やむを得ない事情があるときは二年間まで延長することができる、このようになっております。しかし、私ども率直に申しまして、その後の状況を見てみますと、やはり人によりましては、なかなかほかにうちが建たない、あるいは、よそに移動できないということで、お気の毒な方々もだいぶおられるわけです。 そこで、私どもといたしましては、労働省の御了解も得まして、二年以上になりましても、行く先がほんとうにきまらない方につきましては、これを追い立てるようなことはいたさないということでおります関係で、現在の入居者の中には、相当年数たっても入居しておられるという方が相当おられることは事実でございます。これは一般住宅事情の改善に伴いまして、原則に戻していくことが必要だと思いますが、現在はそういう取り扱いをしております。 なお、大野の宿舎につきましては、先ほど申し上げました八十数人というのは、この三月から四月ごろまでに入居させたいと思っております。その後の問題につきましては、これをさらに増加させるように関係機関とも連絡いたしまして、極力努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
○久保(三)委員 あまり時間がありませんから、私も多少は知っておりますから、長い御説明は要りません。 そこで、いまのお話の中で、入居基準で、入居基準を緩和しているのではなくて、実情からいって、一年未満で立ちのくなんということ自体、入居基準にしておくことがおかしいから、気のきいた管理人は、あるいは気のきいた出先は、言うならば二年なり三年なり入れているんですよ。私は入れることについて非難しているわけではない。しかし入れる前に、入居基準に合うものを入れているでしょう。だから、たとえば広域職業紹介でなくても云々とワクを広げたとおっしゃいますが、こんなもの広げたって何にもならないのです。これはたいしたことはないですよ、はっきり言って。しかもこれは、本来ならば宿舎だから、宿舎といえば仮住まいですね、大体いまの用語の解釈からいくと。議員宿舎も仮住まいです、いざという場合には立ちのくということですから。そうでしょう。公務員宿舎もそうですね。これも宿舎なんだな。宿舎だから、これは暫定期間であるということでしょう。しかし、暫定期間であるなんというのは、これはどこの宿舎にも実はないのですよ。これは資格がなくなれば出ていくということです。それが宿舎の定義だ。公務員の宿舎も同じだ。そうでしょう。ところが、これは無理して宿舎にしているわけです。しかも一年で、だめなものは二年間はいいだろうということでしょう。そういうことをやっていったって、行き先がないから入れてもらったのでしょう。本来ならば、企業が、進出企業か何か知りませんけれども、企業がその宿舎から住宅に移すのが、大体は本来の目的なんです。 それからもう一つは、建設大臣もおられますが、本来は、この宿舎から公営住宅のほうにつなげて移動させるという仕組みがなければ、これはいわゆる住宅政策としては成り立たないし、雇用政策としても非常に大きな欠陥がある。追い立てをいま食わないけれども、本来一〇〇%入った場合に追い立てを食うんじゃないですか、まごまごすると。おまえ五年も入っているんだから、おまえ出ろとやられるんじゃないですか。幸い、幸か不幸かわからぬが、大体一万六千戸もあいているからまあいいようなものの、これが一ぱいに入ってきた場合に、長いものは追い出されるでしょう。追い出される先がないという政策は、政策じゃありませんよ、はっきり言って。だまして入れておいて、おまえ出ていけとけ飛ばすでしょう。こういう政策を考えてもみなかったところに、私はふしぎがあると思う。ふしぎだと思う。 行政管理庁長官おいででありますから、お尋ねしますが、四十六年に、行政管理庁長官はこの事業団のこの宿舎の運営について勧告をしておりますね。これは、言うならば入居基準に合わないものが入っておる、こういうふうにいっていますね。「事業団が設置し運営する移転就職者用宿舎は、失業の発生を防止するため、失業保険特別会計の出資を受けて、移転就職者を臨時的に入居させるための施設として設置されたものであるが、本来の移転就職者以外の者の入居の増加および入居の固定化により、施設本来の設置目的に適合しない結果となっているので、その設置および運営について改善を図ること。」こういうふうになっていますが、これはいかなる見解でお出しになっておるのか、どういうふうに改善しろとおっしゃるのか、入居基準はそのままで的確に守れということなのか、いかがでしょう。
○保利国務大臣 炭鉱の閉山等で、先ほど久保さん御指摘のように、移転宿舎、移転就職者のいわば臨時的な住宅、住宅さえあれば就職は可能である、そういうことでこういう臨時的な宿舎施設が雇用促進事業団でやられるようになっておる。したがって、雇用状況が変わってまいりますと、おのずからその運用には弾力がなければならぬ、私はそう考えますが、いま言われました四十六年九月に行政管理庁からこの運用についての勧告をしております。 その第一点は、利用者の便利でない、立地条件が悪いところがあるのじゃないかというのが第一点。第二は、お話のように移転就職者でない方に利用されておるのじゃないか。第三点は、いわゆる住居基準をはるかに越えて長期間そこを使われておるのじゃないか、そういうのが目につくが、改善されたほうがいいじゃないか。おそらく先ほど理事長が申しておりました法改正は、そういう趣意も取り入れられて行なわれたものだと私は理解をいたします。 いずれにいたしましても、雇用状態が変わって、流動しておりますから、固定した考えをこの場合とるのはあまり適当じゃないだろう。要するに、宿舎さえあれば就職ができるという場合に、巧みにそれに対応していけるような運用をはかっていくべきじゃないか、私はそういう感じがいたしております。
○久保(三)委員 いまの行政管理庁長官のお話だと、行政管理庁のこの勧告とは別な意味に解釈してよろしいように思うのですが、そうですか。いわゆるもう少し実情に合った弾力的な運用をしたらどうだろうか。この勧告は、先ほど読み上げたように、きついんですね。きついんですよ。入居の資格のない者が入っておるとか、長くなっておるとか、言うなら、早く出ていけということですよ。そういう意味の勧告なんですね。いまの長官のおっしゃることとはずいぶん違うのです。もう一回お答えをいただきたい。
○保利国務大臣 四十六年の時点で運用状況について監察をいたした結果、こういう三点がかなり顕著にあらわれておる、これは改善される必要があるじゃないかということを勧告いたしておりますが、いずれにいたしましても、そのことは、その時点で私は正しいと思うのであります。けれども、雇用状況がきわめて流動的でありますから、そのときの時点で固定的に考えていくと、設置された目的を誤ることになるのじゃないか、そういう点は考えなければいかぬのじゃなかろうか、そういう意味を申し上げております。 したがって、四十六年の監察いたしました当時の状況は、そういう三点が目について、三点の改善方について勧告をした、これは私は正しいと思います。
○久保(三)委員 四十六年の時点での勧告は正しい、しかし現時点では、先ほどお述べになったように、もう少し実情に合って運用すべきではないか、こういうお話ですね。そうですね。しかし、私は四十六年度のこの勧告も正しくないと思っているのです。ずいぶんこれはしゃくし定木の役人がやった仕事だなという感じを持っているのです。 というのは、先ほど申し上げたように、事業団そのものも四十五年にあき家が多くて困っちゃった。ていさい悪くてどうも困るから、もっと早く促進して入れなさいという通達を出しているのですよ。それを行政管理庁がその一年あとへいって、もっと基準どおりにきびしくやれというようなことは、どうもいまの長官のお話から見れば、ずいぶん話がおかしいんじゃないか。 話は飛ぶけれども、行政管理庁というのはいっとき存在が問題になりましたね。これは私、話が飛んで恐縮でありますが、昨年のたしか十一月、ある行政管理庁の地方の出先機関に連休前の日に行った。それは物価の問題で、おまえのほうはひとつ関係各出先、県、地方自治体なり、あるいは通産局なり、あるいはその方面のそういうところに一応窓口をつくるように、君のほうからも勧告してほしいという申し入れに行ったんだが、いたのはたった二人きりしかいなかった。何やっているんだと言ったら、いや、女の子が町に出ていろいろ調べていますというような話。調べてどうするのだと言ったんだ。調べるのは君らでなくでも、ほかのほうが調べると言ったんだが、大体そういうことで、行政管理庁長官になかなかお目にかかれないからここで言っておくが、こういう行政監察ならば、私は要らないんじゃないかと思うのですね。もうちょっと裏の裏まで見て監察してほしいと思うのだ、はっきり言って。いまの長官の現時点においてのいわゆる運用については、これはそのとおりと思いますよ。私もそのとおりと思っていま質問しているのですが、しかし、この四十六年度は正しかったという御発言はちょっといただけませんので、これはお返ししておきたいと思う。 それからもう一つ、もう時間もありませんからあれですが、建設大臣にお聞きします。 入居基準の緩和については、労働省か事業団か知りませんけれども、何とか、さっき申し上げたように、四十五年から、どうも、ていさい悪くてかなわぬということもあるし、じりじりしていたことは事実なんですね。ところが、この緩和については、住宅政策もおありのことだと思うのでありますが、緩和については、建設省の見解がやはり制肘を受けて緩和ができないのだという話も聞いているのですが、まず、その問題は別として、建設大臣として、建設省として、移転就職用宿舎についての御見解はどういうふうにお持ちですか。
○亀岡国務大臣 住宅難が非常に激しい、きびしいおりでございます。移転就職者用宿舎一割はあけておくと申しながらも、一面においては一〇〇%入居しておる宿舎も多いわけでございます。 そこで、建設省としましては、住宅政策の立場から、毎年予算編成の際に、労働省と打ち合わせをいたしまして、絶対的な戸数の面において打ち合わせをする、それから住宅五カ年計画をつくりますときにも、労働省のほうと緊密な連携のもとに五カ年計画を立てておるわけでございまして、宿舎とは申しながら、やはり住宅五カ年計画の中に戸数としては入っておるわけでございます。 そういう意味合いにおきまして、やはりつくられた以上は、これがほんとうに目的のために円滑に、しかも能率よく活用されるということがきわめて望ましいわけでございます。そういう意味合いにおきまして、先ほど来の御論議のとおり、私どもとしても、労働省ともっともっと詰めなければならない点があることを私、自身感じました。これは事務当局をして、積極的に解決の道を講ぜさせなければならない。宿舎だから、永住させる建物じゃないから、もう一年以上はだめなんだといったような、棒をのんだような形では問題が解決できないのじゃないかという感じを、私はいま持ったわけでありますので、その点については、よく労働省のほうと緊密に連絡をとって、ほんとうに目的に沿って——いまどき一万戸以上もこの住宅難のおりにあいておるというようなことは、いかにあれとは申しながら、やはりその一戸一戸の住宅が一年間に少なくとも一回か二回は活用される、二年に一ぺん、三年に一ぺんは全部が活用されるというような方向にいきませんと、目的に沿わないという感じも持ちますので、そういう点は、十分労働省と協力をして改善策を考究したいと考えております。
○久保(三)委員 どうも抽象的な話で……。いま現に一万六千戸あいているのですよ、大臣。それを、よく相談してなんと言って、大体御方針がありそうなものだと思うのだね。こういうふうにしましょう、しかし相談はします、そういう気がまえがなければどうかと思うのですね。私は無通告で質問しているわけではない。通告をしてやっているわけですから……。 そこで、理事長にお聞きしましょう。あなたは当面の責任者だから、一万六千戸を充足するのに、さっき労働大臣は一〇%をあき家にしておくというのだが、第一、そんなことを考えているから一ぱいにならない。必要なものはやはり利用させねばいかぬですよ。そうでしょう。何で一割あけておかねばいかぬ。必要なものならまたあと足せばよろしい。そうでしょう。九〇%までやろうなんて、そんなばかばかしい話は聞いていられませんよ、はっきり言って。入居基準を緩和するのにはどうしたらいいか。入れるのには緩和する以外にないですよ。あき家に入れるのには、入居基準を拡大すべきなんです。どういうふうに思いますか。
○堀参考人 ただいまお話の点は、まことにごもっともだと思います。私どもは、入居基準につきましては、従来は、いまいろいろ御質問がございましたように、何と申しましても、法律のワクがございましたが、今度は幸い実情に合うように御改正をいただいたわけでございますので、これに基づきまして入居基準をいま緩和することにいたしまして、その線で続けてまいりたい。そこで、一〇%余すというようなことでやっておるのではございませんので、必要なところは、なるべく多く入っていただくということで、ぜひ努力したいと思います。 昨年一年間の実績を見ますると、入居されました戸数が約二万戸でございます。それに対しまして、退去された戸数が一万五千戸でございます。まあ暫定宿舎で回転も相当なされておるということでございますが、この点につきましては、私ども、事業団の本部といたしましても、一年、二年たったから出てもらう、こんなような形ではもちろんございませんで、必要に応じまして、その実情に合った入居をしていただく、このように弾力的に考えてまいりたいと思っております。
○久保(三)委員 理事長、あなたが一番困っているのでしょう。困っていれば、ここは国会なんで、別に労働大臣に陳情するわけではなくて、ぼくの質問に答えればいいのだよ。建設大臣に答弁するのではないのだから。いまのような答弁だと、ちっともふえないということをさっきから、てっぺんからぼくは断定しているのですよ。十月の改正ぐらいで、一〇〇%というか九〇%も入る見込みはありませんよ、はっきり言って。それが証拠に、鹿島の大野村の、四亘戸充足しないことは、さっきあなたおっしゃったとおりでしょう。あなたの勘定だって百二十戸しか充足しない、二百八十戸は余り。それをどうするかと聞いている。どうするか。ちっとも答えになってないじゃないですか。 労働大臣、いかがです。あなた監督されているのだろうけれども、いま一万六千戸も置いて、この間十月に改正したから、まあ大体そのうちにだんだん、徐々に入ってくるだろうなんて、のんびりしたことを考えているわけじゃないと思うのですがね。これはどうです。ここで御答弁できないですか。入居基準を緩和するとか、もう一つは、流動的にする必要があるならば、建設省がやっている公営住宅との間のコネを取る、ルールを取る。 それからもう一つは、進出企業に対して何らの責任がないんだな、おかしな話ですよ、これは。事業団と国だけが責任で、しかも現地は失業保険の運用益から持っていっているんだな。こんなばかばかしい話は聞いていられませんよ、はっきり言って。進出企業のために、いつ何どきでもいらっしゃいというので、大半のあき家をかかえているなんというのは、世の中通用しませんよ。だったら、あき家についても企業に、補償をしてもらったら。企業の宿舎としてひとつ指定してもらったらいいです、責任を持って。何で事業団がかかえて、いらっしゃいなんていうんです、来もしないものを。もちろん、その失業保険からの出資だから問題はないんだな。催促をする人も取り立てる人もいない。ありがたい話だ。そういうことをやっちゃいかぬということだ。労働大臣、これどうでしょう。
○長谷川国務大臣 私も、移転者住宅を自分の町村に誘致するときには、ただ無計画じゃなくて、町村に工場がよけい入ってくる、こんなことから町村が先頭に立ち、県を経てそして雇用促進事業団あるいは労働省に陳情したことがあります。そしてほかのものと違って、土地から何から全部雇用促進事業団が買い上げて、その上にこの住宅を建てる。私はそこにその地方に住む者としてメリットを感じておったのです。しかし、久保委員がお話しのように、一年未満で変わっていくわけでありまして、その間住宅のないというふうなことは、私の地方だけじゃなくて全国的にそうだろう、そういうことが国会で、あるいはこういうところの御議論やらの中に、これを二年未満というふうに直した、こういう進歩があろうと思います。 一方、最初から全部一ぱいにすることもいいけれども、やはり経済構造の変化によって人が入ってきたときに、それを受け入れする、こういう労働者のための福祉安定、生活の確保、こういうことからしますと、やはり若干はあけておくというところに一つ意味があるのじゃなかろうか。しかしながら、一方、どうしても一ぱいのほうが、その地方の実情に応じて必要だということならば、これは前向きに、いまから先も入居の制限の緩和ということは当然いまからしっかりと御議論に沿うて考えて、前向きの姿勢をとっていきたい、こう私も思っておりますことを、御答弁申し上げます。
○久保(三)委員 時間もなくなりましてなんですが、これは大蔵大臣は別に答弁は要りませんけれども、こんな予算を漫然とつけているんだろうかというふしぎさがあるのですよ。理事長もずいぶんがまんの強い人だな、一万六千戸も入れないのに。労働省もずいぶんがまんが強いなというふうに私は思うのですよ。だから、これは早急に解決をはかるということをもう少し——いろいろなことを言わぬでいいですよ、労働大臣。早急に解決をはかって、家のない者に家を与えるというのが原則なんですよ。それ以外のものはみんなその次からくっつくんで、原則はそこなんですね。家のない者に与えれば文句はないのですよ、これは。家のある者に与えたらたいへんです。そうでしょう。 それからもう一つ、労働大臣に言っておくが、さっきも言ったが、これは進出企業との間の、いわゆる関連性をきちっと持たせることが必要だということですよ。責任を持ってもらう。何で大企業奉仕といわれるのか、そういうところが大企業奉仕といわれるのじゃないですか。あき家までつくって待っているなんて、企業は御の字ですよ。だから、ちゃんと進出企業には何戸ぐらい必要だという目安がつくわけだから、それに対しては責任を持ってもらう、財政的にも責任を持ってもらう、そうすることが私は望ましい。失業保険の運用益があるからというような安易さに流れてやるべきじゃない。 それからもう一つは、建設大臣の関係であります。先ほど言ったように、この移転者の宿舎から公営住宅に円滑に移動ができるようなシステムをやはり確立する。それだから、たとえば、さっき建設大臣の御答弁では、この宿舎も住宅だから住宅政策の中へ、計画の中へ入れているというが、計画の中へ入れただけじゃ何にもなりませんよ。政策は別々でしょう。それじゃ困るので、政策は、いま言ったようなものを網羅して一本化してもらいたいと思うのですが、両大臣から簡単に御答弁いただきたい。
○長谷川国務大臣 失業保険の被保険者である労働者が入る移転者住宅でございます。そこで久保さんのおっしゃるように、将来この国会に提出しております雇用保険法案などが通過の暁には、これは完全に事業主の責任においてやると、こういうふうに考えておりますし、おっしゃるとおり前向きの姿勢で、働く諸君の住宅確保、住宅の不足、その解消に向かっていきたいと思います。
○亀岡国務大臣 何といっても、あき家があるということは、建設大臣としては、ほんとうに久保さんと同じような気持ちでございます。 そこで企業側にも、労働省としても、やはりその地域のいわゆる移動就職者の見通しといいますか、今後一年なり二年、どういうふうな企業になって、どういうふうになっておるのかというその見通しが、企業ももう来ない、移動就職者もあまりなさそうだというようなところは、一割をあけておく必要もないのじゃないかなという感じもいたすわけであります。そういうところは、積極的に条件緩和をするということも具体的には考えられると思うわけでございます。と同時に、公営住宅、これは各自治体が中心になって進めていただいておるわけでございますが、これはもう六大都市を除きましては、ほとんど一〇〇%の遂行率になっております。したがいまして、この公営住宅の計画を持ってまいりました際、やはり建設省といたしましては、各自治体に対しまして移動就職者用宿舎の関連を十二分に検討いたしまして、やはり両方生きるように指導してまいりたいと思っております。
○久保(三)委員 労働大臣に申し上げますが、私は人の責任を追及するのはあまり好きじゃないのです。しかし、さっきも言ったように、長いことたくさんの家をあき家にしながら、どんどんどんどん建設した責任というのはだれが負うのかということですよ。家がなくて、あるいは家があっても四畳半か六畳か知りませんが、三畳間か、この間六人寝て子供が死んだなんということもあるんですね。そういう人からいったらば、だれが責任を負ってくれるのですかということを問われると思うのですね。私は責任を云々するわけじゃありませんが、大体惰性に流れているのじゃないですか、事業団とか公団とか。だから、行政管理庁長官もいらっしゃるけれども、こういう時代になって、事業団、公団というのは、実際に積極的に本腰を入れて仕事をやっているのかどうかということを一ぺん監査してもらいたいと思うのです。あまりのんびりしているんじゃないかと私は思うのです。 たとえばこの法律改正が去年の十月にありました。その通達が現場管理者までおりていくのに、何と今月の初めですよ。今月の初めにいわゆる入居の緩和、入居の緩和といっても大したことはありませんが、その間に行くのに、十月一日に法律が施行になって、それが二月の初めまでかかってやっと現場の管理者のところに行った、こういうマンマンデーを私は許すべきではないというふうに思うのです。 あとからまとめて答弁いただきますが、責任のある場所をはっきりしてもらいたい。それから、もしも建設省が入居緩和について制肘を加えたということがあるならば、これはゆゆしい問題だと思うのですね。住宅政策に大きな看板を掲げている建設省が、もっと積極的にこのあき家について処理するぐらいの気かまえがなければ、うまくいきませんよ、これははっきり言って。これは意見として申し上げておきます。 それから最後に、建設大臣に時間もありませんから申し上げますが、一般の貸し家、このいまの質問しておりました二DKなどは、大体高くて月七千円ぐらい、これは安くていいのですよ。高いこと必要ないのですよ。大体原資は失業保険から出ていくのでありますから、修繕費と維持費というか、そういうものが家賃として織り込まれる範囲においては七千円でいい。ところが、一般民間は、御承知のように二DKで二万五千円、私の知っている者が都内に借りている六愚一間が二万円です。りっぱな部屋じゃありませんよ、これは。便所が少しくさいようなところが二万円です。いまや庶民の生活というのは、そういう家賃の問題があるのですね。御承知のように、地代家賃統制令というか、これは昭和二十五年度までのものに対してのみ統制令がしかれて、あとは野放しですね。もちろん、土地政策が確立しませんから非常に問題が多いとは思うのですが、この家賃、地代についても非常にばらつきが多い。それで、貸し家の組合といってはおかしいが、貸し家を持っている人の団体の話を聞くと、いま紛争の係争中で法務局に供託中のものが、大体協会で調べただけでも七十万件あるそうです。大家とたな子との間の係争が七十万件あるというんだな。これはもちろん家賃、地代の統制令というか、そういう規制がないから一つには問題があるのですね。最近、住宅政策というか、新しくことしから、去年からですか、住宅の計画の中で貸し家の住宅の問題も取り上げてはきていますが、微々たるものですね。民間のほんとうにデラックスなマンションなどは別として、庶民が入らねばならぬ家賃が天井知らずで、ばらつきが多いのでは、これはインフレとともに上がっていくことは必然でありますよ。これについて、家賃あるいは地代、そういうものは、われわれがいままで言ってきているように、少なくともいまの統制令を拡大して、そして現状にマッチさせてひとつこれを押えていく、抑制していくということが必要ではないのかというふうに、てまえどもは思うわけなんだ。家賃、地代についてどういうふうに思いますか。
○亀岡国務大臣 久保委員も御承知のとおり、この家賃につきましてては、やはり一番、何と言っても地価の上昇というものが、家賃の高騰の大きな原因になっておることは御承知のとおりでございます。ところが、この地価というものに対する法的規制というものはほんとうにおくれておるわけでございまして、この点、私どもとしても非常に申しわけない、こう思っておるわけでございます。何とかしてこの地価の抑制をはかるという前提でございませんと、この家賃の問題についても、安い家賃で、安定した家賃で借家を建てていくということはなかなかできない。統制令で押えてしまうということも一つの考え方ではありますけれども、そうしますと、結局、土地を持っておる人でも積極的に貸し家を建ててくれない。したがって、公的住宅というものに中心を置いていかなければなりませんわけでありますけれども、御承知のように、公的住宅だけでは、もう年間の住宅需要にとてもとても応じていくことはできないということになりますので、現在家賃等につきましては、若い時代の月給の安いときに家賃を安くいたしまして、そして収入がふえると同時にその家賃を高くしてまいる。現在はしょっぱなから相当高い家賃になるわけでございまして、そのために公的住宅が利用できないという面もございますので、そういう制度を四十九年度からは全公的住宅に適用していきたい、こんなふうにも考えておるわけでございます。 それから、家賃等に関しましては、住宅審議会に実は相談、御諮問申し上げておるわけでございまして、近く結論が出ることになっておりますので、それによって判断をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○久保(三)委員 建設大臣、あなたの御答弁はちっとも私の質問に答えていただけなかったと思うのですよ。私は町の中にある家賃を何とかしてくれと言う。ちっとも策がないんですね、土地の規制がないから。規制がなければ、土地政策については、それぞれの向きからそれぞれの提案がなされている。その土地政策をやることも一つでありますが、まず緊急のインフレというか、大蔵大臣がよくおっしゃるように物価狂乱の時代に、家賃、地代が野方図に一緒に上がっていくということについて政府は何にも考えていないのですか。家賃、地代が野方図に上がる、土地がだんだん上がっていくからやむを得ませんというようなことなら、はっきり言って、答弁じゃありませんよ。どうなさるおつもりですか。全然策がないのですか。これはお考えになることは当然だと思うのですが、どうなんです。内閣ではだれも考えていないのですか。時間がないから、簡単に、考えているなら考えているだけでいいです。あとから聞きます。
○沢田政府委員 具体的には、民間の住宅が適正な家賃で供給されるということが目的でございますので、そのために土地持ちの方が、住宅を銀行などからのお金を借りて事業としてやられる場合に、住宅金融公庫と同じ程度の五分五厘まで金利を薄めるという補助金の制度をつくっております。かようなことで供給をさせながら家賃を押えていく、かような手法を講じております。
○久保(三)委員 そういうのは予算説明書でわかっている。別に聞く必要はない。さっきもだからそれを言ったんだ。時間がないんですよ。聞きたいのは、いまある——これから建てるものもあれでしょうが、とにかくいまあるものがどんどん上がっているんですよ。どんどん上げられているんですよ。だから、家主の組合というか、この組合は何というか、御承知と思いますが、全国共同住宅協会というのがあるんですね。この共同住宅協会の幹部も値上げを自粛するように通達をしようという話までしている。業者がしているんですよ、建設省の役人さんじゃないんだ。だから、そういうことも考えて、緊急対策として家賃、地代を押える方法を早急に考えなさい。いまあるものを——いまから土地を買って建てるものは建てるものでまた別個に考えればいい。しかし、いままでの答弁からいくと、さっぱりわけがわからぬ。いずれにしてもこれは考えてもらいましょう。 もう時間でありますから、最後に労働大臣に御返事いただきたいのはさっきの件ですね。責任はだれが負ってくれますか。 もう一つ、あなたの御答弁で、今度雇用保険法が通れば、そのことは事業主の責任になります。保険法が通らぬでも、それは事業主の関係がやろうと思えばできるのですよ。結局いまのような一万六千戸も余して、それへどんどん二百億以上の金を毎年失業保険の運用益から持っていくというようなやり方について、失業保険の被保険者はそれだけでも反発していますよ。今度は雇用保険というのでしょう。だから、運用益は、本来ならば失業保険の給付に還元するのがあたりまえだ。そうでしょう。ところが、そういうものが回り回って、名目は、大義名分は立つかもしれませんけれども、実際は失業保険というか、失業対策にはなっていない。雇用対策にもあまりなっていない。なっていないですよ。だって四百戸も建てて、四十六戸でしょう。なっていますか。なっていないですよ。そういうものについて、いまやろうと思えばできるのですから、雇用保険を通すために、そんなあなた、それは通せば事業主が責任を持つことになりますなんて、そんなのおかしいですよ。もう一ぺん御答弁をいただきたい。
○長谷川国務大臣 労働省所管の問題で不始末を起こしているものがあるとすれば、あげて私の責任でございます。 さらに、先ほど久保さんがおっしゃったように、やはりこういう制度の中において二DKで七千円の家賃ということ、そして最近はなかなか多様化しておりますから四十九年度からは二DK、そして一部は三DKも建設して、そうした皆さん方の御希望に沿っていきたい、こういうふうに考えております。
○久保(三)委員 いまの労働大臣の答弁もなかなか了承しがたいのでありますが、まあ私は、いずれにしてもあき家を本来の目的というか、本来の目的だと行管の四十六年の勧告になってしまいますが、さっき行政管理庁長官がおっしゃったように、現状に即して運用するぐらいの話は、これはここですべきですよ。一カ月後に満ぱいにしなさいよ、はっきりいえば。住宅がなくて困っている人がたくさんいるのですから。まず第一にその移転就職者用宿舎と雇用の開拓というか、求職の開拓というか、そういうものがつなぎ合っていないのですよ、労働政策として。ただ何人ぐらい必要だろうなんという雇用計画だけ立てている。雇用計画と実際の行動が合っていなければ何にもなりません。どうかそういう意味で早急にやってもらいたい。 それからもう一ぺん建設大臣、最後だ。しつこいようだが、地代と家賃について緊急措置をとる考えがあるのかないのか、それだけ聞いておきます。
○亀岡国務大臣 その問題につきましては、審議会にいま諮問中でございますので、緊急措置として、統制令等による処置というものは考えておりません。
○久保(三)委員 審議会にかけてというが、私は統制令というのは一つの例で言ったので、緊急措置をとりなさい、こう言っている。それを審議会にかけていって、いつ結論が出るのです。いかがです。
○亀岡国務大臣 統制令にかけますと、御承知のように、もう何べんも申し上げますけれども、借家が建たなくなるということは、これはもう御理解いただけるところでございます。非常にこの家賃問題、いろいろな問題がからみ合ってむずかしいことも、久保先生万々御承知のとおりでございます。したがいまして、審議会のほうに対しましても、速急に結論を出していただくようにお願いをしておるという段階でございます。
○荒舩委員長 これにて細谷君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十三日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十三分散会