予算委員会 第19号
- 発言数
- 365 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/02/21
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和四十九年度一般会計予算、昭和四十九年度特別会計予算及び昭和四十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、参考人の出頭の要求の件につきおはかりいたします。 本日、日本住宅公団総裁の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○荒舩委員長 これより質疑を行ないます。北側義一君。
○北側委員 今回のつくられた石油危機以来、当予算委員会におきましても、いわゆる石油関連製品の不当な先取り値上げ、このことがたびたび論議されておるわけであります。私も、まずこの石油関係の、特に重油関係の問題について質問に入ってまいりたい、かように考えております。 最初に通産大臣にお伺いしたいのですが、石油製品価格、そのうち特にC重油、品質はSの一・五、これの九月、十月、十一月、十二月、一月の、たとえばシェル等のいわゆる元売り大手業者です。そういう業者から販売された元売り仕切り価格、大体キロリットル当たり幾らになっておるか、それをまずお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 C重油の仕切り価格は、元売りごと及び取引形態ごとに異なっております。御存じのように、C重油は電力用の重油でございまして、各元売り会社から電力会社に渡る値段は、その取引の情勢によって若干の変化があるわけであります。また、S分の割合によって区々分かれているのが実情であります。 そこで、仕切り価格の推移をお示しいたしますと、元売り全社の平均で見ますと、S分一・六%のC重油については、四十八年六月は七千七百円から九千七百円でありましたものが、十二月においては一万一千三百円から一万三千三百円となっており、大口需要者に対する価格は、元売り直売が多いため、ほぼこれと同水準となっております。また小口の需要者についての取引は量的に少ないため、その把握がむずかしいが、重油の性状すなわちS分の情勢、取引の数量及び取引形態によって相違いたしますが、六月はリットル八円ないし十一円であったものが、最近においては、リットル十一円五十銭ないし十三円となっております。
○北側委員 九月、十月、十一月、十二月、一月の価格を言ってもらいたいのですが、キロリットル当たりの。
○中曽根国務大臣 いまのは、リットルですから、千倍すればそれが出てくるわけです。八千円ないし一万一千円になりますか。 なお、一例として、鉄鋼向けの京浜コースタル・タンカー渡しの仕切り価格の月別の推移を示せば次のとおりであります。九月がキロリットル七千八百三十円、十月が八千八百円、十一月以降が一万一千七百円でございます。
○北側委員 それで九月が一キロリットル当たり七千八百三十円、その次十月が八千八百円、十一月以降が一万一千七百円、これを見ますと、九月と十月では約千円上がっておりますね。十月、十一月で約二千九百円、ということは、九月、十月、十一月、この三月間で三千九百円上がっているわけです。この値動きについて、通産大臣、これは妥当と思われますか。
○中曽根国務大臣 この点につきましては、便乗的要素があるかどうか、いまいろいろ精査中でございます。
○北側委員 これは私、中東の原油の価格が上がった、そういういろいろな時点から見ましても、たとえば九月、七千八百円のものが十一月に、一万一千七百円、これは完全に私、便乗値上げだと思うのです。 私、委員長にひとつお願いしたいのですが、実は、今度二十五日に集中審議がなされるわけです。その際、石油関係のいわゆる元売り仕切り価格ですね、大手十二社の元売り仕切り価格をひとつ資料としていただきたいのです。私もいまずっと聞きまして、C重油だけしか現在は出ておりません。それをずっと一ぺん見てみたいのです。その資料をひとつ要求したいのです。
○中曽根国務大臣 原油の値段と元売り仕切り価格の値段を申し上げますと、六月はFOBで二ドル五十四セント、CIFで三ドル九セント、これを円に直しますと五千百四十六円、キロリットルです。七月はFOBが二ドル六十八セント、CIFが三ドル十八セント、これを通関ベースで円に直すと、キロリットル五千二百九十七円、八月がFOBが二ドル七十セント、CIFが三ドル二十五セント、円に直すと五千四百十九円、九月が二ドル七十八セント、CIFで三ドル三十一セント、キロリットル五千五百十九円、十月が二ドル八十五セント、CIFで三ドル四十六セント、キロリットル五千七百七十八円、それから十一月が三ドル九十五セント、CIFで四ドル九セント、六千九百八十四円、十二月が四ドル四十五セント、CIFで五ドル二セント、通関ベースが八千八百四十円。それで、それに対する大体元売り仕切り価格は、そのCIF、通関ベースに関税、精製費、販売管理費等を加えたものでございますが、大体これが四千円から五千円ぐらい、大体四千円台であると思いますが、上期平均、すなわち四月から九月までを平均いたしますと、元売り仕切り価格は九千七百九十四円、キロリットルです。(北側委員「これは何月からですか」と呼ぶ)四月から九月まで九千七百九十四円、十月は一万四百四十九円、十一月が一万二千二百二十七円、十二月が一万四千三百五十七円、こうなっております。 それで、一月はFOBが大体五ドル半ぐらい、これは荒いエスチメーション、推定でございます。CIFが六ドル一セント程度、これは一万一千五百二十円。これでいきますと、元売り仕切り価格は二万円以上になるだろう、これは大体の荒い計算でございます。
○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。 北側君に申し上げますが、いま通産大臣の言いましたものを資料で出すということでよろしゅうございますか。
○北側委員 それと、もう一つ、重油関係だけではなくて、他のいわゆる石油関連製品ですね、これも一応私調べてみたいと思うのですよ。これは私、一つの例としてあげたわけです。そちらの資料がありますと、あとやはりいろいろな問題が出てくると思うのです。できたら、まずその資料を要求したいと思うのです。
○荒舩委員長 それでは通産大臣、いま北側君の資料要求ですが、いま読み上げたばかりでなく、それに関連した資料を明日までにプリントして出せますか。
○中曽根国務大臣 北側先生のところに係をやりまして、どういうものがほしいか聞いて……。いまのだけでは何の品目かわかりませんから。
○荒舩委員長 よろしゅうございますか。
○北側委員 はい、けっこうです。 いま通産大臣は、価格については、先取り便乗値上げであるかどうか調査しておる、こういうことですが、これを見ますと、七千八百円のものが三千九百円、三月で上がっているわけですね。といいますことは、ざっと五〇%以上上がっております。その点で私は、先取り便乗値上げが、やはり元売り仕切り価格、そういうところから出てきて、それがずっとあらゆる面に波動を及ぼしておるのじゃないか、そういうように思うわけなんです。 そこで私、これから具体的にその問題について、まず説明に入りたいと思うのですが、特に石油危機以来、石油関係の、たとえば重油なら重油のいわゆる供給削減が行なわれておるわけです。ある工場において七年間、一社から購入しておる。そうして石油危機で供給削減された。一般論として、大体妥当な供給削減の量というのはどれくらいですか。通産大臣、どうでしょうか。
○中曽根国務大臣 いま御質問の趣旨がよくわからなかったのでありますが、十一月、十二月から電力並びに石油の供給削減をやりました。それで十一月は、二十日から行政指導で電力を中心に一〇%の削減をやりました。十二月も同様にやったわけでございます。ですから、大体一〇%程度の削減が行なわれていると、大口について言えるのではないか。中小企業やその他は別でございます。
○北側委員 中小企業は別だとおっしゃるのですが、中小企業はどうですか。あわせてお答えいただきたい。
○中曽根国務大臣 中小企業は特別の配慮をいたしまして、たとえば電力にすれば五百キロワット以上とか、そういうようなものについていろいろ制限いたしました。それ以下はしなかったわけでございます。
○北側委員 では、先に私、ずっと具体的な例をあげて御説明を申し上げますので、ひとつよく聞いておいていただきたいわけです。 この具体例というのは、私、思うのですが、大手の石油業者のいわゆる先取り便乗値上げ、それがもたらした影響であろうと思うのです。私が質問する内容も、大手企業の零細業者に対する圧力と便乗値上げ、その実態をお話しするわけです。 これは大阪にありますある染めもの工場です。従業員約七十人、そういう工場でありますが、この染色工場では、染色加工をするために多量の蒸気が要るわけです。その燃料としてC重油、これを昭和四十八年四月から九月までの実績で、平均月当たり百八キロリットル使用しておるわけです。この染色工場は、約七年間、日商岩井石油株式会社から買っておったわけです。ところが、昨年のそういう石油危機以来、ここは日商岩井石油のほうから次に言うような措置を受けたわけですね。 どういう措置かといいますと、まず大幅な供給削減です。十二月の一日に、いままで百八キロリットルの重油が購入されておりましたが、その五〇%、五十四キロリットルを一方的に供給削減されております。そうして十二月の十日に、さらに日商岩井石油から一五%、十六キロリットルの供給削減をされておるわけです。実質五〇%と一五%、六五%の供給削減がなされたわけですね。そんなことで、この工場としては週二回休んで、とうとう十二月の十八日からもう全然操業ができぬようになってしまったのです。 そこで、この零細染色工場の工場主は、十二月の十二日、大阪通産局鉱政課石油対策室に陳情したわけです。その陳情したときの資料がこれです。このような文面で陳情しております。これも、内容を読まないでも、いま言ったような内容が書いてあるわけです。そうして十二月の十五日、大阪通産局がシェルに話して、シェルから日商岩井に話して三十二キロリットルの追加供給を受けたわけです。ところが、二日後の十二月の十七日、日商岩井石油株式会社からこの染色工場に対して、おまえのところは大阪通産局に陳情書を提出したが、それを取り下げなければ今後石油供給をしないと言っておるのです。そうして、やむを得ずその取り下げ願いを日商岩井石油株式会社に渡したわけです。その資料がこれです。しかし、日商岩井石油株式会社はこれを通産省に出してない、こう私は聞いております。年がかわって一月十日、日商岩井石油株式会社から十月一日にさかのぼって大幅に値上げを要求されたというんです。 どういう値上げの価格を請求されたかといいますと、十一月までの契約価格は一キロリットル当たり七千百円だったのです。それを、十月一日から十月二十日までのものについてはキロリットル一万二千八百円、十一月二十一日から十一月三十日までのものについてはキロリットル当たり一万三千三百円、十二月一日からの分についてはキロリットル当たり一万五千円。すでに納入されたものまで、これは一月十日に日商岩井石油が請求してきたわけですから、すでにもう石油は入っておるわけです。そうしてその請求明細がこれです。これ一ぺん見てもらいましょう。そして、いま私がお話ししましたとおり、すでに購入されておるものまでそのような請求をなされた。そして、その業者は、染色工場の工場主はやむを得ず七十五万八千四百円の現金を払っております、その差額を。また一月十二日には、重油を供給することについて前渡し金をくれ、このように言われて四十五万円を請求されて、これを現金で払っております。その後もまだずっとあるのです。 私、これを見まして、あまりにもひど過ぎると思うのですが、大阪通産局へ行って、なるほど通産局のあっせんで三十二キロリットルですか供給されましたが、大阪通産局は、もうそういうことを知っておるわけですよ、その内容を。あと、なぜ通産局はこれを指導なさらなかったのか、これが一点。また六五%の供給削減、これは妥当なのかどうかということです。 先ほど通産大臣は、中小企業には供給削減はやってない、こういうことをおっしゃったわけです。また十月、十一月の契約価格キロリットル当たり七千百円で購入されたものが、あとから、年がかわってから一月にその差額まで要求されて、重油ほしさのあまりに現金で支払わされておる、こういうことは妥当かどうかということです。 まず私は、公取委員長に、この問題について、いまお聞きになっておられたと思うのですが、見解をお伺いしたいものです。
○高橋(俊)政府委員 こうした石油の異常な品不足、その品不足に乗じて、いまおっしゃられたようなこと、私はこれは不公正な取引方法に属すると思います。というのは、自由にどこからでも買える状態のときには、あるところが売らないからといって、よそから買えばいいわけです。ところが、そういう状態になってない。いってみれば、相手の弱みにつけ込みまして、いまいったような法外な――実は私はいまおっしゃることが事実だとした上でお話ししておりますが、そうだとすれば、法外なものである。差額を追求した点は、これはわかりませんが、日商岩井石油というのは、おそらく卸商であって、元卸じゃありません。そういうことで、元売りの段階からきたしわ寄せを、最後のツケを消費者に回した、こういうふうに考えられます。この点、たいへん不届きではあると思いますが、その点については、ちょっとこれは私ども、商慣習がどうなっているのか、そのこと自体を直ちに不正であるとか不公正とか言えないかもしれませんが、しかし、非常に優越した立場を利用して、という優越的地位の乱用に当たる行為ではあると思います。 したがいまして、そういう事実はほかにもたくさんあると思いますけれども、実は私どもそれを全部一々追及できませんので、こういうのはやはり通産局が関知しておられれば、なるべくそっちのほうの行政指導で是正さしていただきたいと考えます。
○北側委員 通産大臣、どうでしょうか。
○中曽根国務大臣 いまお聞きした範囲内では、最も悪質な便乗値上げの疑いが十分あります。さっそくそれは取り調べまして、もし便乗値上げでそういう悪質なことをやっておったら、これは吐き出さして、返還させるようにいたします。
○北側委員 しかも、日商岩井石油株式会社というのは、いわゆる大手商社である日商岩井株式会社の子会社のようなものなんです。ちょうどここに七三年度の有価証券報告書がございますが、これによりますと、関連会社有価証券明細表の中で、日商岩井石油株式会社の全株二十七万株、これを全部日商岩井が持っております。そうして、長期貸付金も十二億二千万円になっております。また、日商岩井石油株式会社の取締役中根茂太氏は日商岩井株式会社の取締役で、燃料化学品本部副本部長として、燃料担当の重役です。日商岩井石油のいわゆる取締役が、片方では日商岩井の燃料担当の重役です。さらに日商岩井石油株式会社の監査役村田正行氏、この方は日商岩井株式会社の大阪財務部長の要職にある人です。ということは、全く日商岩井と同じだということです。いわゆる一般のそこらの中小企業の小さな会社がやられることならば、まだ許すこともできると思うのです。これは大手中の大手の全くその系列そのままの会社なんです。それはここの会社謄本によってもはっきりしているのです。 別に私、日商岩井を責めるためにやっているのじゃないのです。これは一つの実例なんです。やはりいままでの石油のいわゆる先取り便乗値上げが、その次の段階でまた先取り値上げをされて、そして購入された分まで請求して金を取る、しかも前渡し金をくれという、これでは中小企業はみな倒れますよ。これは一軒だけじゃないと思うのです。これが全部影響しているのです。そういう実態です。 だから私、この問題について大阪通産局のほうから通産省のほうに報告があったかどうか、それが一点。それから大阪通産局へ提出した陳情書、これを取り下げなければ今後石油を供給しない、そういうことを言っておるわけですが、そんなことが妥当なのかどうか。また三番目には、先ほど大臣が答弁されたからけっこうですが、そういう差額を、事実そうであるならば、これは返済すべきだと思うのです。その点について、もう一度お伺いしたいと思うのです。あわせて四番目、このような、いわゆる先取り便乗値上げというものが中小企業に対して非常な圧力となっておる。しかも前渡し金をくれと言われる。そういうところで資金繰りに非常に大混乱を来たしております。これは一社だけじゃないのです。ここだけじゃないのです。それについて、いま私、四点申し上げましたが、お答えいただきたいと思うのです。
○熊谷政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の第一点の、大阪通産局におきまして本件を取り扱いましたことについての報告が本省にあったかということでございますが、本件につきまして、対策本部での苦情につきましては本省に報告が参っておりまして、この日商岩井石油会社との間をめぐります苦情処理の一環としまして、途中の過程では報告が参っておりまして、大阪通産局におきまして、いま善処方調整中という連絡が入ってございます。 それから、いま先生の御指摘の取り下げ云々の問題は、これはまことにけしからぬことだと存じております。こういったことにつきまして、大阪通産局におきまして、すでに日商岩井石油につきまして厳重な注意をしているはずでございます。 それからなお、今後につきましては、関係者の実態につきまして、さらに本省におきましても、よく実態を把握いたしまして善処いたしたいと考えております。
○北側委員 日商岩井に厳重注意なさっておる、こうおっしゃっておるのですが、一体反応はどうなんですか。また、差額の分は返すのが妥当なんでしょうね。どうなんですか。
○中曽根国務大臣 ともかく、いまのお話を承りますと、便乗値上げの悪質な例であると私ら考えざるを得ません。そういうものにつきましては、その便乗値上げの分は返還させることはもとより、将来につきましても、厳重に戒めていきたいと思います。
○北側委員 法務大臣にお聞きするのですが、昨日の午前中に全国次席検事合同会議が開かれた。その際、法務大臣が、流動的な経済情勢や国民の不安感を利用し、不正な利得を目ざす悪質な事犯は、政府の行政施策の効果を減殺するだけでなく、国民の順法精神をゆるがせるおそれがある、この種事犯には各種法令を十分活用し、断固たる態度で対処されたい、このような要旨の訓示をなさっておられるわけですが、ただいままでの論議を聞いておられて、法務大臣としての御見解を承りたいと思うのです。
○中村国務大臣 こういうような社会情勢にありますから、検察当局としましては、あらわれてきたあらゆる事案について、最も厳正、適切な、国民が納得するような捜査を断行すべきであるという考えを私は持っておりまして、昨日の各地検の次席検事会同でその趣旨を申し述べたような次第で、私といたしましては、検察当局としては、あくまで厳正な態度で臨むべきである、かように思っております。
○北側委員 では、次の質問に移りましょう。 先般の予算案総括質問で、わが党の政審会長の正木委員が企業の放出土地についてお伺いしたわけですが、少し正木委員が残した問題と、あわせて正木委員が要求いたしました資料、すなわち「放出土地譲渡価額調書」が日本住宅公団からこの予算委員会に明らかにされたわけです。この問題につきまして、私ずっと、時間がもったいないですから読み上げますので、もし間違っておりましたら、間違っておると言ってください。 まず千葉県の野田、取得面積が四十三・九ヘクタール、取得原価、すなわち取得価格、これが坪当たり一万三千四百五十四円、そうして管理費、金利、これを加えて坪当たり二万九百七十二円、こうなっております。長津田の三菱地所から来た分につきましては、二十八・五ヘクタール、取得価格坪当たり四万四千二百三十円、管理費、金利を加えて公団が取得したのは、坪当たり六万八千二百九十四円。興和不動産、これは飯能です。興和不動産が取得した価格が坪当たり一万五千八百七十円、それに管理費、金利を加えて坪当たり一万九千七百円で公団が取得しておる。同じく飯能の西武鉄道、十三・六ヘクタール、西武が取得したのは坪当たり一万四千五百五十六円、管理費、金利を加えて坪当たり一万九千九百六十五円、こうなっております。 これは間違いありませんか。
○南部参考人 契約価格についてのただいまの数字は間違いございません。
○北側委員 では公団総裁にお尋ねしますが、各企業が取得して、金利一〇%、管理費四%、その価格が公団が取得する価格ですね。これは妥当だと思うのです。ところがその企業が取得した、たとえば一例をあげますと、東急不動産が取得した野田の場合、長津田の場合は三菱地所が取得した。その前には菱和不動産ですね。飯能の場合は興和、西武、ここが取得したその前の価格、これは御存じでしょうか。御存じだったら教えていただきたいのですが。
○南部参考人 前の価格はわかりません。
○北側委員 私、土地のいわゆる値上がりの実態をじっと見ておりますと、非常に段階を経て上がっていくんです。持ち主が変わる、所有権が移転されるたびにばんばんばんと上がっていくんですね。そこらが非常に土地政策では重要な問題だと思うのです。 たとえば、わが党が調査した分につきまして一ぺん御説明申し上げます。建設大臣、お持ちでしょうか。――これはわが党が調査した分ですが、「大手企業の土地放出の経過と価額」。千葉県野田市の一例、地主から大体その当時、一番最終のほうになりますと反二百万ぐらいになっておりますが、平均大体百万から百五十万が一番多いんです。ということは、坪当たり約三千円から五千円です、地主が大体売ったのが。それは谷古宇産業が昭和四十三年八月ごろ、大体それ以降、いわゆる売買した谷古宇産業が買っているわけです。そうして谷古宇から東急不動産にいくのが、約二カ月ないし三カ月で全部東急不動産に転売されております。そのとき谷古宇が東急不動産に売った価格は、先ほど申し上げましたとおり一万三千四百五十四円、坪当たり。ということは、三千円から五千円の坪当たりの価格が、わずか二、三カ月で一万三千四百五十四円になっております。 それから、神奈川県の長津田の例ですが、これも調査いたしますと、大体三協物産という会社が地主から買っております、全部ではありませんが。その地主から買った価格が、安いので坪約一万七、八千円、一番高いので三万円、大体平均二万円から三万円です。これは坪当たり二万ないし三万です。そうして三協物産から菱和、大体これも二、三カ月で全部売っております。三協物産が菱和へ売った場合には坪当たり四万四千二百三十円になっております。約倍ですね。それも二、三カ月で大体転売されておる。こういう実態です。 中に最もひどいのは、これは、中山さんという人ですが、これのいわゆる登記申請書の写しです。横浜市緑区長津田町九七三番地に住んでおられる方ですが、三協物産株式会社に対して四十五年四月十日に売買しています。いわゆる所有権移転の原因が昭和四十五年四月十日売買となっておるわけです。そうして三協物産が買った。その同日、昭和四十五年四月十日に三協物産から菱和不動産へいっております。これは同じ日です。これはちょっとひどいんじゃないですか。同じ日にいくのですよ。そうして二万から三万のものが四万四千二百三十円になってしまうのですから、こんなぼろい商売ないですよ。だれが苦しむかといったら、そこへ建った団地の家賃へ全部それが来ちゃうのだ。公団の家賃なんて、いまべらぼうですよ。 また、埼玉県の飯能市の場合も、これは正木さんが少し言われましたが、昭和四十六年六月ごろに住宅公団が買収の交渉をしておられた。その当時、地主会の人の話を聞きますと、大体坪当たり五千円から七千円だったのです。それが、ここはもう市街化区域ではない、調整区域で、とても住宅を建てるのに向かないということで、公団が交渉を打ち切りにした。打ち切って、そのあと興和不動産と西武が買っておるのです。そうして興和不動産と西武から住宅公団がまた今度買ったのです。その買った価格が、先ほど申し上げましたとおり興和から一万九千七百円で買っておられる。また西武については坪当たり一万九千九百六十五円で買っておられる。こんなのを見ておりまして、少しひどいんじゃないかと思うのです。 そういうことで、野田の場合にしましても長津田の場合にしましても、また飯能の場合にしましても、これはどうですか、妥当でしょうか、こういうやり方が。これに対して、そういう野放しの土地の値上がりをそのまま置いておいていいのかということです。これはどうでしょうか。
○南部参考人 ただいまお話しの各件につきまして、われわれとしては、直接契約の相手方から、その契約の相手方が取得したこの契約書を基準にして取得原価をはじいたということで、その前の段階でいろいろな操作があるという点について、そこまで調べるわけにいかないという点については、不備な点があったと思います。 それから取得原価につきましては、これは建設省において各企業に放出を要請した際に、大体こういうようなことでという話し合いがございまして、その線に沿って公団としては動いた。ただ、公団が取得するためには、その土地の鑑定評価額を検討いたしまして、そして、それよりも一割ないし二割安いということが前提でございまして、大体一割五分くらい鑑定評価額よりは下回った価格で契約をしておるということで、取得価格の妥当性を検証してきたということでございます。
○亀岡国務大臣 実は私も建設大臣に就任いたしまして、この土地問題、特に土地問題の中でも地価問題、この問題が政治問題としてたいへん重要であるというところから、何としてもこの地価問題の解決をはからなければならないという感じを強く持ったわけであります。 特に、ただいま御指摘になりましたように、何らの付加価値をその土地に付する努力もせずに、ただ買ってそのまま右から左へ転売しただけによって、極端な利益を独占をする、こういうことはもう許されないという国民の世論が、実は高まってきておることも承知をいたしておるわけであります。 そこで、実は田中内閣におきましても、昨年の一月、そういう事態を抑制して、そして土地問題に一つの大きな解決方法を打ち出すべきであるということで、地価対策閣僚協議会におきましていろいろと決定をいたしたわけであります。そして、その決定された一つが、来たる四月一日から実行されます土地の譲渡益に対する高額課税の施策としてあらわれたわけでございまするし、また政府として、土地金融に関する抑制ということで、土地の金融抑制を強化いたしておる。同時に、やはり何と言っても、法的に土地は私有財産であっても、社会、公共というものをもっと前面に強く押し出すべきであるというところから、実は、普通の財産と違うという立場を明らかにしようということで、地価抑制という見地からも、御承知のように、国総法の中に土地規制のかつてないと思われる決断がなされまして、実は、あの条項を読んでいただきますと、土地規制という問題を国会に御提案申し上げておるわけであります。 その趣旨は、やはり何と言っても、ただいま御指摘になりましたような、これはもうだれが聞いても納得のいく問題じゃございません。しかし、現行法において、それをそれでは規制できるかというと、現行法ではそれは規制していけないわけであります。 〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 その辺にわれわれ立法府としてはきちんとした体制をとらなければならないということで、昨年の二月に国総法の……(「立法府ではない、あなたは大臣だ」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。国総法の提案ということに相なったわけでございます。そういう点を考慮いたしまして、実はただいま御指摘になりました点につきましては、公団が現行法の範囲の中で講じた措置ということでひとつ御理解を賜わりたい、こう思う次第でございます。
○北側委員 いま、土地政策は国総法の土地規制しかないように思っておられるのかわかりませんが、私はあれだけじゃだめやと思うのですよ。それはまた建設委員会で今度論議しましょう。 農林大臣、十一時の予定が少し早くなったので、局長でけっこうです。 特にこの千葉県野田市におけるいわゆる企業の放出土地四十三・九ヘクタール、これは約三百ヘクタールある農地の一部です。いいですか。だから、これは全部仮登記になっております。そうしてこの三百ヘクタールの土地は、土地改良区です。そして現在、農地の湛水を防除するための事業が農林省と千葉県で行なわれております。その湛水防除事業は、いわゆる今回の企業の放出土地の中に含まれておるわけですね。これはそのときの証拠です。これは野田の市長さんが千葉県知事に対して、「災害防止施設事業(湛水防除事業)採択申請書」となっております。事業名は湛水防除、事業区分は大規模、三百ヘクタール以上は国のいわゆる補助が六割になるわけです。地区名は野田の南部、所在地は野田市山崎、今度買収したのも山崎です。事業主体は千葉県、受益面積三百六ヘクタール、この中に入っておるわけです。そうしてその計画概要、これは昭和四十五年の当時の資料ですから、いまもっとふえているかもわかりませんが、総事業費二億六千六百八十七万円、受益面積は先ほど申したとおり三百六ヘクタール、事業期間、昭和四十五年度着手、四十七年度終了予定、ただしこれは五十年まで延びるらしいのです。これはその場所の地図です。いわゆる干潟を区画整理されて、湛水防除事業を行なわれた。今度の放出土地はその中の一部です。 これは、私思うのですが、農林省で農業振興のための、土地改良区と湛水防除事業、そういう目的をあわせてこのような国と県の農業振興のための事業費がつぎ込まれた地域、これを公団が企業から放出を受けて買った。これを農林サイドとしてはどのように見ておられるのですか。
○大山政府委員 お答えいたします。 湛水防除事業というのは、御存じのように、都市化が進んだりあるいは状況が変わったりということで、要するに非常に湛水が出てくるというような場合に被害を防除するという目的でございます。したがいまして、その限りにおいては農地だけである必要はないわけでございまして、湛水防除事業の採択基準で申し上げますならば、予想被害の中の農業部分が五割以上というものにつきましては、農林省の湛水防除事業として採択するというかっこうで進んでおります。そして、本地区につきましては、確かに四十五年に県営事業として着工しておるわけでございまして、受益面積といたしましては三百三十七ヘクタール、うち農地が三百六ヘクタール――先生の言われました三百六ヘクタールはその中の農地部分を言われたと思いますが、三百三十七・七ヘクタール、うち農地部分が三百六ヘクタール、こういうかっこうで現在やっておるわけでございます。事業費といたしましては、四十八年単価で申し上げますならば四億六千三百万、こういうかっこうでやっておるわけでございまして、御存じのように、湛水防除事業というものの性格上、農地だけに限定することは技術的に不可能ですし、また、その必要もあまりないことと考えて、現在県営湛水防除事業として継続しているような次第でございます。
○北側委員 これは四十五年から着手しているわけですが、どれくらい金が入っていますか。
○大山政府委員 総事業費で申し上げますと、四十五年が、これは調査費的なものになりますが、四百万円、四十六年が五千七百万、四十七年が七千五百万、そして四十八年までの合計で申し上げますと二億七千二百万ということになっております。そして国費はその六〇%でございます。
○北側委員 二億七千万近い金がつぎ込まれておる。これは相当な規模の工事だと私は思うのですよ、湛水防除事業としては。そういう優良な農地をつくろうとしてそのような湛水防除事業をやっておる。片方ではそれを同じ国が買い上げる。矛盾すると私は思うのです。どうでしょうか。
○大山政府委員 御質問の問題、農林省サイドで申し上げますならば、三十七ヘクタールでございますか、四十ヘクタール近い土地が仮登記されているという事実があるわけでございますけれども、われわれのほうから申し上げますと、それが転用の問題として出ていない以上は、一般の農地という意味で取り扱わざるを得ないというふうに考えるわけでございます。
○北側委員 これ、悪い解釈しますと、結局、そういう地域、農業振興のための湛水防除事業が行なわれた地域である、そこを企業が買った。これはなかなか五条申請はおりない、だから公団が買ったんじゃないか、今度はこういう勘ぐりをしなければならなくなってくるのですよ、質問するほうとしては。これは一般常識的な勘ぐりだと思うのですよ。だから、そういう事業をなさっておったということを、公団はお買いになるとき御存じでしたか。
○南部参考人 公団といたしましては、その辺の調査は十分いたしております。農地につきましては、全部農地転用の許可ということがもちろん前提条件でございまして、これが許可になるということを前提に契約をいたしております。それが許可にならなければ、全部契約は解除するというたてまえでやっておるわけでございます。
○北側委員 許可にならなかったら、もう全部契約が解除になるわけですが、それは私も知っております。公団の場合に許可になりやすいということが一つは言えますね。企業が持っている土地、企業が買った農地は、私らの考えによると、五条申請がおりず、宅地化できない、公団の場合はやりやすい、こういう考え方が出てくるのじゃないか。だから企業は、これを売れということで、ぱっと出したと思うのですよ。そういうぐあいにとられてもいたしかたないように思うのですよ。 先ほどからいわゆる大手企業の土地放出の問題を、正木さんのやられた残りをずっと御説明申し上げたわけです。 私はここで思うのですが、先ほど質問いたしました石油関係の先取り便乗値上げ、これもひどいけれども、この土地もまたひどいですね。わずか同じ日のうちにばっと移転していくなんというのは、むちゃくちゃですよ。しかも倍近くになる。こういう問題についてどうですか。先ほど通産大臣は、そういうものの差額は返させましょうと言ったのですが、こういうものは何か措置できませんか。
○亀岡国務大臣 そういう立場から、実は昨日でございましたが、不動産業界の諸君に来てもらいまして、先ほども申し上げましたように、とにかく付加価値を付する努力をせずに土地でもうけるというような気持ちは一掃してほしい、それがデベロッパーの使命じゃないかということと、四月一日からスタートいたします土地課税に対する問題についても、政府の意図に協力をするように、厳重に要請をいたした次第でございます。御指摘のような問題を今後再び起こらせないようにという気持ちで実はやった次第でございます。業界のほうも、ここまで地価が上昇してまいりますと、いままでのようなやり方でやることを会員の中で許しておったならば、業界自体が成り立っていかなくなるというような話もございまして、協力をしようというように言っておりますが、しかし、御承知のように、これは法律的な根拠が何もないわけであります。したがって、この根拠をつくっていただかなければならない、こういうふうに考えまして、とりあえず母法とでもいうべき国総法に土地問題の中核をおきめいただいて、それに基づいた幾つかの土地立法というものがなされていかなければならぬのではないかというような考えを持っておることも御了承いただきたいと思います。
○北側委員 いま私は企業の放出土地を見ておりまして、次に、先般政府が閣議決定いたしました宅地開発公団法、これを読ましていただきました。そこで私思いますのに、企業放出土地とよく似た形になってくるのじゃないかということを思うわけです。 まず一つ目に、私の言うこと間違っていたら間違っていると言ってください。東京、名古屋、大阪の三大首都圏で住宅難の解消を目ざす。二、昭和六十年までに目標三万ヘクタール、目標戸数七十万戸の宅造を行なう。三、分譲価格、初め十万円前後とおっしゃっておられましたね。四、鉄道、上下水道、関連公共施設の整備、この資金は財投ですね。五、宅地債券を買い、五年ないし十年間積み立てて半分になったとき土地を渡され、残額は二十年ないし三十年で割賦返済。六、昭和四十九年度は千葉ニュータウン開発予定面積三千ヘクタール、約十万戸分の造成ですか、こういう大体の骨子、間違いでしょうか。
○亀岡国務大臣 数字にわたりまして私詳しいことを存じておりませんので、担当局長から答弁させます。
○大塩政府委員 ただいまの数字の中には、七十万戸というのは一応の目標でございまして、公式にそういうことを発表はいたしておりません。その他は大体御指摘のような線で考えているということでございます。
○北側委員 そうしますと、これ私、お聞きしたいのですが、建設大臣でもけっこうですが、昭和六十年までに三万ヘクタール、約七十万戸分ですか、いま言われたですが、はたして三大首都圏にそういう適地があるのかどうかということですね。それと都市計画区域のうち市街化区域、市街化調整区域、都市計画区域外、このように分けてみた場合に、どれくらいのパーセントぐらい早くなります、これで。
○大塩政府委員 首都圏の例で申し上げますと、大体六十キロ圏あるいは五十キロ圏と呼ばれる東京の、グレーダー東京のフリンジを考えておりまして、われわれの調査、大体の調査でございますけれども、そういった適地はまだ存在し得ると考えておりまして、それから大体そういうところは現在首都圏整備計画における近郊整備地帯という地域指定のところに存在しておりまして、都市計画区域がほとんどでございますけれども、現在は調整地域あるいは無指定地というものが多く含まれることになるだろうと思います。 しかしながら、これは事業を実施いたします場合には、当然に都市計画で改定いたしまして、必要な地域制度を塗り変えるということが必要になると思います。
○北側委員 いま言われたとおり、大体市街化区域じゃないのですね。だから調整区域及び都市計画区域外になると思うのですね。 そこで、先般いわゆる企業の取得した土地の発表を建設省がなさっておられますね、この間も社会党の阿部さんの質問で。六万六千ヘクタール、七〇%の退蔵ですね、あれは。この資料で大体見ますと、企業の買い占めた土地の大半は調整区域なんです。しかも私の聞いたところによりますと、いわゆる宅地開発公団が開発するのは相当大規模なものですね。そういう大規模な土地を取得するについては、やはりこれも企業から買わざるを得ないと私は思うのです。どうでしょうか。
○大塩政府委員 現況を調査しておりませんが、中には企業の所有地ももちろんあり得ると思いますし、あるいは農地、山林という形で、現在そういう農耕あるいは林業の用に供されている土地ももちろん多くあると思います。どれくらい企業が持っている土地が存在するかということにつきましては、具体的に個所をきめる段階でないとわかりません。
○北側委員 なるほど場所をきめる段階でなければわからないと思いますが、参考までに読んでみましょう。これは建設省から出た資料ですよ。全国平均で取得土地のうち四十七年三月三十一日保有のもの、都市計画上の区域別内訳になっています。全国でいま市街化区域が一八%、市街化調整区域が三四・四%、都市計画区域内が一七・六%、都市計画区域外が一八・五%、ということは約八〇%は市街化区域以外だということになります、これで見ますと。やはりそういう大規模な土地を取得する場合、どうしても大手が持っておるそれをずぶっと買うことが一番買いやすいですね。おそらくそういう形になるのじゃないかと思うのです。そうしますと、結局、そういういわゆる宅地開発公団でそういうやり方をやった場合に、だれが一番これを喜ぶやろうなと考えると、企業が一番喜ぶのじゃないか思うのですよ。調整区域は、御存じのとおり都道府県では、いまはなかなか開発許可をおろしません。だから、このままおろさないでずっとがんばっておったら、調整区域の地価は必ず下がる思うのです。それをまた宅地開発公団が開発したら、またばあっと上がりますよ、間違いなく。どうですか、その点は。
○亀岡国務大臣 現行法のままでまいりますと、御指摘のような形になることをたいへん心配するわけであります。そこで先ほど来くどいようでございますけれども、やはり土地規制に関する法律的措置というものと並行いたしませんと、この宅地開発公団というものの円滑なる運営と優良豊富な宅地を供給するということが不可能になるわけであります。そういう点で、できるだけ土地規制に関する措置を講じていただきたいということで国会のほうにお願いをしておるということでございます。
○北側委員 いま言われたとおりだ思うのです。この宅地開発公団法が始動する前に地価政策をがっちりやらぬとできないですよ。それをやってからこれはやってもらいたい。そういうのでやらなかったら、これは喜ぶのは企業だけですよ。それをお約束できますか。
○亀岡国務大臣 私は、いま仰せられた気持ちで実は今回も予算措置を講じて、国会のほうにも法律を提案をいたしておるわけでございます。しかも、一年前にその一番基本の法案が提案をしてございますので、そういう点、ひとつ一日も早くその根拠を国会において御議決を願いたい、こう御要請をいたす次第でございます。
○北側委員 土地の法については、出てからでなければ論議できませんから。で、私のほうの党は党としての意見を持っておりますから、そのとき論議したいと思うのです。 そこで、この三・三平米、約一坪十万円前後で分譲できるか、これがまず一点です。 それから私、これは日本住宅公団からいただいた資料なんですが、これを読みますと、ちょっと聞いておいてください。「昭和四十八年個人住宅用地処分状況および用地買収状況(例)」と書いてあります。首都圏のほうで洋光台、これは有名なこの間の五千倍近い申し込みがあったという分ですね。これが、いわゆる取得年月日が昭和三十八年十二月公団が取得したのですね。そうして、その当時用地の買収単価が平米当たり千五百二十円で公団は買収なさっています。そうして今度それを売ったわけですね。売ったときには、平米当たり三万一千七百五十七円になっております。これで約二十・八倍になっていますね、取得した価格と売るときの価格で。そうすると、大体二十倍、造成費その他あるので、宅地造成は二十倍かかっているということですね。それから北坂戸、ここについては、取得した価格が平米当たり千百三十九円、これは大体四十一年ころに買収なさっていますね。そうして平米当たり千百三十九円、処分するときの価格が平米当たり一万三千二百六十五円、こうなっております。それからその次、新検見川というのですか、千葉県の千葉市にあるもの、これは取得は昭和四十年当時、取得価格が一平米当たり二千六百十三円、処分単価が一万五千五百九十三円、これで六倍、一番少ないです。北坂戸の場合は十一・六倍になっています。朝倉、これは愛知県です。取得価格が平米当たり千五十一円、処分単価が一万四百三十七円、十倍。平均として約十倍になっていますね。取得したときの価格、それに宅造をずっとやって、そして処分価格十倍ということは、大体平均十倍になるんじゃないかと思うのですよ。 ということになりますと、坪十万円で売れる、そんな土地があるだろうかということ、まずそれが一点。ということば、坪十万円で売る場合には、十倍かかったとして坪一万円でいま買わなければならぬわけです。これはあるかないか。どうですか。
○亀岡国務大臣 実は十万というのは、私の努力目標を、建設大臣に就任いたしまして、とにかく宅地がもう極端に足りない、これが何といっても地価上昇の原因であるというところから――政府が積極的に宅地を造成することをいままで政策的に努力がなされておらなかったわけでございます。したがって、住宅公団まかせという面が確かに御指摘のとおりございました。したがいまして、住宅公団でやりますと、公共施設、あるいは水道、下水、あるいはそのほかの公共施設、道路等も宅造の経費の中に実は含めてあるわけでございます。そういうもの全部、宅地を購入する国民の負担ということになっておりますために、御指摘のような非常に高額でなければ採算がとれないという状態になってきておることは、御承知のとおりでございます。 そこで今度宅地開発公団におきましては、公共施設あるいは道路、そういう面は、補助事業なり何なり宅地開発公団が直接受けまして、そしてそういうものをつくってまいりまして、それを宅地の価格に算入しないで分譲できるというような方策をとるべきではないかということで、できるだけ良質で安価な宅地を供給したいという、実は私の願望を十万円というところに表現いたしまして事務当局に検討を命じておる、こういうことでございます。
○北側委員 私、思いますのに、事実マイホームを入手できないのに、できるような夢をやはり庶民、国民に与えると思うのですよ。それはいかぬと思うのです。できないことをできるように言うと、国民はそれを待っております。そういうことはいかぬと思うのですよ。できないことはできないと、はっきり言わぬといかぬと思うのです。 それとあわせて、私、お聞きしたいのは、たとえば宅地開発公団が開発するその土地について、集合住宅が全体の何割とか、公共施設が何割、分譲が何割、どのぐらいの率で見ておられますか。
○亀岡国務大臣 詳しい数字的な率は局長から答弁させますが、考え方といたしましては、いままでのベッドタウン式なニュータウンづくりというものでいいのであろうかというところに反省を加えるべきである。やはりその地域には、独身者の入るべき共同住宅も必要であろう。また、就職をいたしまして、子供一人、二人という、そのライフサイクルに応じた住宅というものがなければ、非常に同じような条件の方ばかりというところに、いままでのベッドタウン式な住宅政策に対する批判が団地の中からも出てきておるという事情を考慮いたしまして、実は事務当局に対して、そういう点も十分検討して、そして先生からいま御指摘を受けた、その割り振りをどのようにしていくのが最もいいかという点も十分考慮した上で具体的な計画にかかるようにということを指摘いたしてあるわけであります。
○大塩政府委員 ただいま建設大臣の答弁にありましたような線でこれから検討を進めてまいりますが、大ざっぱな感じで申し上げますと、今度つくります宅地開発公団は、規模は五百ヘクタール以上、できればもっと大きいものということで考えておりますし、先ほど申し上げましたように周辺部でございますので、当然そういう位置的条件、あるいは地理的な条件によって変わりはいたしますけれども、そういう性格からいたしましても、三割は公共施設分が占めます。 従来、住宅公団等がつくっておりましたのを概略的に申しますと、五、三、二という比率で、五が集合住宅、三が公共施設、二というのが個人住宅的な低層住宅というような比率が多かったように思います。それを逆転した形になる。大体そういった周辺の特性からいたしまして、五がそういう個人的平屋住宅的なものになるであろう。しかし住宅市街地としてつくります以上は、二という数字が集合住宅みたいなものになるであろうか、こういう図式でただいまは考えている次第でございますが、なお、細部につきましては、具体の場所によって違います。
○北側委員 大体いまのお話で集合住宅が二、公共関連施設が三、それから分譲が五、こういう割合だということですね。 そこで私思うのですが、こういう割合でやって、たとえば分譲を受ける人のことを想像してみますと、この金は財投の金ですね。これは金利がつくわけです。初め一生懸命宅地債券を買って、ずっと金を積み上げる、半分になったら宅地をいただく、その宅地もおそらく百三十平米近い。洋光台あたりの例を見ますと、百平米以下なんというのはないですから、やはり相当坪数の大きいものだと思うのです。そのあと、土地が手に入ってから、またずっと長いこと金を払うわけですね。そうして今度家を建てるんですね。かりに住宅金融公庫から借りても金額はしれています。そうすると、自前の金を出すわけです。それができる人というのは、私は住宅にはあまり困らぬと思うのです、正直に話して。 だから、この比率にしたって、集合住宅はうんとふやすべきだと私は思うのです。それがほんとうの住宅難解消の道だと思うんですよ。そうしなければ、いま坪二万円で買って、宅造をやって二十万になって、それを四十坪買ったとしたら、それで八百万です。その八百万の残金をあとずっと払うわけでしょう。それで家を建てるんでしょう。ちょっと不可能じゃないかと思うんですよ、普通の人には。どうでしょうか。
○大塩政府委員 先ほど説明が多少不足いたしましたので補足させていただきますが、五、三、二という図式を申し上げましたのは、面積で申し上げたわけでございます。集合住宅になりますと、当然戸数で申しますればもっとふえるわけでございますので、お説のように、集合住宅というものを組み入れなければ住宅市街地としても成り立ちませんし、かたわの市街地になるという意味でそういう図式を申し上げたのでございます。
○北側委員 戸数別に見ると、それは集合住宅は戸数がふえると思いますよ。しかし面積からいうと、いわゆる分譲が五で、集合住宅は二。土地の利用区分が予想されますね。そこらはやはり少し考えなければいけないのじゃないかということです。 それとあわせて、先ほどこの法案を出すまでに必ず土地規制をきちんとやるとおっしゃっているからいいようなものの、それをやらないでこれをやったら、先ほど申し上げたようにたいへんなことになります。 それと、私は思うのですが、昭和四十四年の地価対策閣僚協議会、ここで三つの地価政策をつくられたですね。 一つは線引き、一つは地価公示法、三つ目は譲渡所得税の分離課税、この三つですよ。いまこれ見てみたら、あんまり地価対策にはなっておりませんね、どれも。たとえば、大蔵大臣、個人の土地の譲渡の分離課税ですね。あれでも、じいっと見ておりますと、たとえば四十五年、四十六年は一〇%、四十七、四十八年が一五%、四十九、五十年が二〇%、こうなっていますわね。なるほど相当量のものを個人が売っておりますわ、調べてみたら。しかし、大多数は企業がそれを買い占めていますね。一般庶民のところにいっていないです、これは。だから、そういう制度ははっきり、新聞でも、毎年毎年慣例のように土地成金のああいう報道をしておるわけですから、やはり政府としては、これは改めるべきは改めなきゃいけないのじゃないかと私は思うのですよ、こういう問題は。どうでしょうか。
○福田国務大臣 土地譲渡の分離制度は、これはああいう制度を使いませんと、どうも土地を切り売りをする、小口放出ということになりますので、租税理論からいいますれば不公平だ、こういう理論にもなるわけですが、しかし、それをあえて犠牲にしても土地の放出を助成しよう、こういう趣旨です。 そこで、お話しのように、これは相当効果がありまして、大量の放出という実績があがったわけです。それは所得税の順位なんかから見ましてもはっきりするのですが、ところが、いまこれも御指摘がありましたが、その放出の相手方が企業でありましたり、そういうケースも非常に多いわけです。そこで、ああいう制度を存続すべきかどうかということにつきましては、いろいろ税制調査会でも議論があった。あったが、最後的には非常に明快な結論を出しておるわけです。 つまり、この制度は、放出、それには非常に効果があるんだ、これはとにかくやらなければならぬ、その放出先が何であるかということにつきましては、これは別途考えなければならぬ、こういうことで、そこで、企業が受け取ったような場合におきまして、それを転売をする、その際に企業の負担すべき税を重課するということを、昨年の税制改正でとり行なったのです。 そこで、これがある程度効果を見出しつつあるわけでありますが、いずれにしても、個人の放出する土地に対する分離課税による優遇政策は、これはもう五十年をもって終了するわけです。ですから、どうしたって、これは次の国会では論議をしなければならぬ。これにかわるどういう制度がいいかということをきめていかなければならぬという問題でありますので、大蔵省でも検討を始めておるわけです。まあこの一年だけは、従来のそういう効果もあった制度でありますので、続けていきたい、かように考えております。
○北側委員 まあ放出の効果はあったが、それを企業が買い占めた、そこでまた宅地開発公団が乗り出していく、どう見てみてもおかしいんですね。 だから、地価政策で私思うのですが、地価をやはりこれを徹底的にやらなければ、しかも、その地価というのは、いまの価格じゃだめだと思うのです。それをもっとぐうっと押えた価格でなければだめだと私は思うのですね。部分的にやったってだめです、これはもう。ほんとうに地価を抑制するためには、物価も石油でひどかったけれども、地価はもうずうっと昭和三十年から続いているんだから。手を打ったって全部すかたんなんですから。これはそのように言われてもやむを得ないのじゃないかと思うのですよ。だから、土地税制のほうでも、四月一日から実施されますが、これももう少しやはり考えなければならない。そっちの建設省で行なう土地規制と税制とからみ合わせなければ、りっぱな地価制度はできないと思うのです。その点、ひとつ真剣に考えていただきたいと思うのです。 時間がないので、もう一つ簡単にやりますが、今回のいわゆる石油危機で、建設資材がいま非常に上がっております。中学校の校舎にしましても、保育所にしましても、公営住宅にいたしましても、非常に困っておるわけです。私は、建設省の今度の四十九年度の予算単価、公営住宅の建設事業工事単価、これをいただいたわけです。一種中層耐火構造、この場合、四十九年度の予算内示が一平米当たり五万五千六百九円になっております。これは間違いないですか。
○沢田政府委員 中層耐火の内地でありまして、内地の分は五万五千六百九円であります。
○北側委員 そうですね。私、だから平米当たり単価五万五千六百九円なんというのはでたらめだと思うのです。鉄筋で大体いま坪三十万言うていますよ、どこで調べたって。だから、このいわゆる超過負担が全部公営住宅の建設のほうへ、建設戸数をぐうっと減らしてしまうのです。そうじゃないですか。実態はそうなんです。 そうして、いま住宅難の最も激しいといわれる東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、大阪市、横浜市、名古屋市の昭和四十八年の計画戸数と十二月末の発注戸数を全部電話で調べてみたのです。こうなっております。全部四十八年です。 東京都が一万九千戸の計画で十二月末の発注が五百八十六戸。神奈川県が当初三千二百戸、計画変更で二千六百戸になって、十二月末発注戸数が二百六十六戸。埼玉県は二千六十戸の計画で十二月末発注戸数九十戸。千葉県千二百九十五戸計画、発注戸数二百九十七戸。愛知県、比較的よろしい、四千百戸、発注戸数二千三百六十八戸です。大阪府一万戸計画、十二月末発注戸数百十戸。これは大阪府あたりは去年の一万戸の分の三千戸まだ残っております。兵庫県三千九百戸計画、発注戸数二百七十五戸。大阪市四千七百戸、発注戸数三百四十戸。横浜市千三百二十六戸計画、発注戸数九百八十戸。名古屋市三千百二十七戸計画、発注戸数二千二百二十七戸。こういう実態です。 おそらくこの計画戸数全部建たないと思うのですね。標準建設費が低い五万五千幾らの金では、超過負担が全部地方自治体にかかる。地方自治体はその建設費、資材の高騰によって、ぐうっと戸数を圧縮する以外にないのです。これは建設省からいただいた資料ですよ。これ、計画は全部減っていますね。初め予算で審議するときの戸数が、全部実際はぐうっと減ってしまっているわけです。今度は特殊な事情があったと思うのですが、たとえばことしについても、この予算書によりますと、公営住宅は九万五千戸、これ昨年から見ると二万九千戸減っていますね。公団住宅も八万戸が七万戸に減っていますね。はたしてこれ建つのでしょうか、どうでしょうか。私、建たないと思うのですよ。書いてあるだけで建たないと思うのです。どうでしょう。
○沢田政府委員 先生御指摘の各事業主体の四十八年度の建設進捗状況、これは多少は数が違いますが、大体の傾向としては、さようなことでございます。ただ、全国的に見ますと、これは大体六〇%弱まで現在発注しておりまして、いわゆる大都市圏、ここにおきまして非常に落ちておる。落ちておる理由は、いろいろございまして、一つには、前々からございますいわゆる地価の問題、あるいは団地拒否問題、あるいは公共投資問題、こういう問題でございますけれども、石油問題以来のいわゆる建築単価の高騰、これによります分が、また非常に響いてきております。そういうかっこうで、先生の御指摘のような数字に追い込まれておるわけでございます。 したがいまして、四十八年度の公営住宅について申しますれば、十二万四千戸という計画でございます。しかし、これが、そういう単価の高騰等によります施工能力が落ちた、あるいは単価をアップしなければいけない、こういうことで、いまの見通しでございますれば、大体、四十八年度といたしましては、十万八千戸程度に落ちるのではないか、かように考えております。私どもとしては、まことに苦難の道を歩んでおるわけでございますが、少なくとも十万八千戸は完成して、五カ年計画にできるだけ近寄りたい、かように考えておる次第でございます。 ただ、四十九年度の今度の予算案でございますけれども、ここにおきましては、昨年度の単価よりも四六%弱上げております。現在の情勢を見ますと、私ども、建築単価につきましては、積算をいたしますと、当初単価より現在では二、三〇%、これは種別によって違いますけれども、かような数字が出てくるわけでございます。ただし、世の中の相場はそうでございませんで、四〇%以上上がる、かようなかっこうになっております。これは先行き不安が入札にあらわれるというふうなこと、あるいは四〇%上乗せしても、なかなか入札が落ちない、こういう状況でございます。しかし、四五・数%上げておりまして、超過負担を解消するとともに、この物価の安定ということに私ども全力を注ぎまして、計上いたしました戸数はぜひとも完成したい、できるというふうに考えております。
○北側委員 いま住宅局長、正直に言われたと思うのですよ。これは、できないと思うのです。できないことは、はっきり出てくるんですからね、その戸数では。だから、私、時間がないからずっと全部言います。 私、実態調査をやってみたのです。東京都で昨年十一月に、一種中層耐火構造で、国の標準建設費よりずっと高い、一平米当たり五万五千四百円で契約しようとしたわけですね。ところが、その建設計画は不調に終わっております。このときの業者単価は、平米当たり八万五千二十円です。もうすでにこれは超過負担を越えて、三万円出ていますね、平米当たり。また、これ大阪市でも、私、ちょっと調べてみたのです。昨年十二月、発注しようとして建設業者に入札させたのです。床面積が五十二平米、国の二月当たりの単価が二百七十万円、ところが、業者の入札は一戸当たり四百七十万円だったとあるのです。とすると、平米当たり九万三百八十五円、このように、はっきり不調にこれも終わっている。そういうことがみすみすはっきりわかっておって、平米当たり五万五千円の単価じゃ、ちょっとひどいのじゃないですか。また、これでは、戸数は当初よりもっと減りますよ。 住宅五カ年計画は、昭和四十六年から五十年までで、計画戸数はきまっているんでしょう、はっきり。一番住宅に困る人は公営住宅しかないのです。それが建たないのですよ。そうすると、五カ年計画を改定せぬとしようがないですよ。どうでしょうか。
○亀岡国務大臣 御指摘の点、その方面に非常に詳しい北側先生でございますから、私どもといたしましても、北側先生のような気持ちで実は四十九年度の予算編成に臨んだわけでございます。 そこで、予算折衝のときまでのいろんな、いま御披露いただきましたような点は、私どもも、実は調査をいたしまして、私どものほうとしては、実は契約のできたぎりぎりの線というものをずっと積み上げまして、そうして、その契約の面にさらに幾らかの伸びを見て、四六%という、建設省としては満足じゃないと思いつつも、この程度の範囲で最善の努力を尽くしていこうということで、以上のような予算編成をいたしたわけでございます。 したがいまして、政府が現在取り組んでおりますが、とにかく、何といっても地価というものが、三大首都圏において公営住宅の建ちません一番の大きな問題でありますので、そういう面についての施策も並行してやってまいりたい。同時に、特に人口増の問題について、各知事さん方たいへんお困りのことは、もう御承知のとおりでございます。したがいまして、これは、いろいろお話をいたしてみましても、結局は、公共施設ということで超過負担がべらぼうに大きくなる、その点に対する政府の施策が、いままで業者に持たせるとか、それがみんな超過負担になってかかっていくというような形になっておりますので、そういう点についても、四十九年度では対策を講じておるわけでございますので、四六%アップの単価で、ある程度実施をしていけるものと確信をいたしておる次第でございます。
○北側委員 もう、これで終わりますが、私は、調べて、そのような実態、東京、大阪の例を申し上げたのであって、これは、あくまでも一種中層のいわゆる住宅の例です。だから、これは、実際は建設大臣の言うように、四十数%上げられたのは、よくわかっておりますが、しかし実際は建たぬですよ。建たぬということが、はっきりわかっているのです。 大蔵大臣、そういうことですから、単価問題、もう少し考えてくださいよ、お願いします。これは、ひとつ検討してください。それでなきゃ住宅が建たないです。
○福田国務大臣 住宅の建設単価につきましては、ただいま建設省のほうから、お話しのように四六%増し、こういう相当思い切ったあれをやったわけです。 問題は、現実の物価がどうなるか、こういうことであろうと思いますが、だんだん総需要抑制政策のきき目も出てきておるように思うのです。建築の中で最も大きな要素を占める鉄なんかにつきましても、一時トン十一万円というのが昨今は六万円台、こういうようなことにもなってきておりまするし、そっちのほうと相合わせまして、十分配意いたしていきたい、かように考えております。
○井原委員長代理 これにて北側君の質疑は終了いたしました。 次に、多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 私は、日本の唯一のエネルギーである、基礎産業である石炭鉱業が、わずか十年足らずで崩壊をしていく過程について、われわれは今後のエネルギー政策の確立から、過振の問題に触れながら、その展望を切り開くために質問したい、かように思います。 昭和三十四年、当時石炭はかなり高炭価といわれて、そうして石油の輸入に対して、京浜地区で重油一キロリットル八千四百円に対して、大体見合うようにするために千二百円引きが行なわれました。そして当時、石炭鉱業審議会は、五年間で三十万人の炭鉱労働者を十九万人に減らす、こういう提案をしてきたわけです。その最も顕著にあらわれたのが三池闘争でありました。これは、総資本・総労働といわれた、まさに死闘でありました。約二万人の労働者が三池のホッパーの下に動員をされる、こういう状態でありました。三井鉱山は、希望退職をとらずして、組合活動家をねらい撃ちをしたという首切り提案でありました。ついに、三池闘争は一定段階で終息をしたわけですが、その後、高松炭鉱あるいは北炭三山、宇部、杵島、貝島と、相次いで合理化、首切りが行なわれました。そこで、昭和三十六年の秋に、いわば炭労の政転闘争というのが組まれ、そして日本列島を四カ所からキャップランプをつけた労働者が上京をして、そうして四千名集結をしました。ことに、昭和三十七年に入ってから、その政策の転換を求めるために毎日五百名、そうして三十七年の四月六日の早朝に、五千名上京する中で、有沢調査団編成が政府の方針として出されたわけです。 私は、これらの経過について、自分でタッチしておりましたから、また、いまの田中総理も、当時、自民党政調会長でありましたから、その経緯については、よく知っておるわけです。 そこで、この第一次有沢調査団の答申が出された、それがわずかの間に崩壊をした。これは、一体、通慶大臣としては、第一次有沢答申が崩壊をした理由を、今日ひるがえってみてどういうようにお考えであるか、まずお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 私は、当時、責任者の地位になかったので、正確な御答弁になるかどうかわかりませんが、私の推定では、昭和三十年代に、非常に安い原油が大量に発見されて、その安い石油が日本に押し寄せて、その結果、石炭と石油との間に価格の差が生じてきて、次第に石炭が窮境に追い込まれる、そういう事態になって、有沢答申が目ざした水準がなかなか維持ができなくなったのではないかと思っております。
○多賀谷委員 通産大臣、これは、今後の政策を立てる場合に、第一次答申がなぜ崩壊したかということが十分検討をされないと、次の政策が出ないのです。ですから、そういう抽象的なことでなくて、有沢調査団ができて、そうして現地をずっと歩いて答申を発表した。その答申自体が、またたく間にくずれていくわけです。それについて、今日どこに問題があったのか、これをお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 しさいな点につきましては、石炭部長から通産省としての考えを申し述べることにいたします。
○高木(俊)政府委員 有沢答申が出ましたのは、三十七年の十月十三日でございますけれども、当時のいわゆるエネルギー革命、ただいま先生御指摘の重油との比較において石炭が安定するということを目標に有沢答申が出たわけでございますけれども、その後、油の価格の低減というようなことが出まして、離山ムードが山に大きく反映いたしまして、労働者の減というのも一つ大きな影響になっております。 それから、そういう不安定な労働者の離山ムードに合わせまして、炭鉱の災害が頻発いたしまして、こういうこととかね合わせまして、第一次答申、右派答申の一次策が思うようにいかなかったというのが実態でございます。
○多賀谷委員 総体的には、そういうことが言えるわけですけれども、その答弁は、第一次答申については、必ずしも的確でない。すなわち、確かに想定よりも油は下がりました。しかし、離山ムードが起こったのではないのです。 有沢答申というのは、大略して言うならば、昭和四十二年に五千五百万トンにする。ですから、かなりベースは維持したわけです。われわれは六千万トンと言ったわけですが、五千五百万トンとする、実トン数で五千七百万トンである、能率は三十八・六トンである、そうして当時十七万九千人おりました労働者を十二万人にする、それは昭和四十二年にする、こういう答申であったわけです。 ところが、その答申が、一年足らずして労働者は十二万人になってしまった、五年間に整理する労働者が一年間で整理された、こういうことです。しかし、それは離山ムードではないのです。会社が閉山をしたわけです。労働旨が自主的に出ていったわけじゃないのです。われわれが想像もしなかった三井三山をはじめとして、相次いで炭鉱の閉鎖が起こったわけです。ですから、五年間で行なう合理化が一年で行なわれたというところに、第一次有沢答申のいわば失敗があるわけです。こういうように的確にものを判断をしておかないと、今後の政策のあやまちがある。 そこで、もう一回、大臣にお尋ねしますが、要するに、これは歯どめがなかったわけですよ。有沢さんは、昭和四十二年までに合理化をするんだ、十七万九千名の労働者を十二万人にするんだ。ところが昭和三十八年度の末に、もう労働者は十二万人になってしまった、すなわち閉山整理が強行をされた、こういう事態なんですね。ですから、全然歯どめがなかったわけですよ。これは、今後の政策にきわめて重要ですから、もう一回認識をして、どこに問題点があったかお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 確かに、お示しのように、歯どめがなかったということは、急激な変化を起こさせる一つの要因になっていると認識しております。
○多賀谷委員 それは、政府は何も規制をしなかったわけです。合理化法がございますけれども、会社が閉山を申請してきたら、みな受けつけたわけでしょう。そうして閉山がどんどん行なわれて、なだれ閉山になって、第二次答申が出た。そうすると第二次、第三次の答申の失敗は、どこにあったか、これをひとつお聞かせ願いたい。
○高木(俊)政府委員 第三次の対策でございますけれども、第三次の対策は、いわゆる千億の肩がわりをするというのが、一つの大きな、企業の体質を直すことによって生産を維持できるのではないかという一つの大きな目標があったわけでございます。そういうことで、企業の体質改善として、当時、千七百億近い借金をかかえている石炭企業に対しまして、約一千億の肩がわりを実施したわけでございます。 なお、第四次政策におきましては、八百五十億の肩がわりを実施したというのが事実でございまして、こういう企業の体質を強めるという方向を政策的にもとったことは事実でございます。 なお、そのほかに電力用炭向けにつきましては、まず引き取ってもらうということも大きな条件になりますので、ここで安定補給金の交付とか、あるいは増加引取交付金を電力用あるいは鉄鋼用に対して交付したという、こういうことをもちながら、石炭企業の体質を強めることが、逆に石炭企業の存続というものにつながるということでの政策をとったわけでございますけれども、いま先生が御指摘のとおり、むしろこれが逆なほうに動いたというのも事実じゃなかろうかと思います。
○多賀谷委員 私は、四次までは聞いていないのです。二次、三次を聞いておる。二次、三次は、要するに閉山をし過ぎたものですから、退職金が払えないから退職金の債務がものすごく膨大になった。それは、あたりまえでしょう、退職金を払わなければならぬから。そんなことは全然計算の中に入れなかったんですよ。どんどん首を切ったわけです。首を切ったものですから、そこで退職金が足りなくなって一千七百億借金になったわけです。そこで、今度は退職金を埋め合わすために、第一次、第二次、第三次の肩がわりをやらざるを得なかった、こういう経過があるのです。五年間で整理をするならばともかくとして、一年間で五年分一ぺんに整理したものですから、退職金がこげついて払えない。そこで、首を切ったはいいけれども、退職金を払えぬものですから、何とかしてくれと泣きついたのが第二次、第三次であった。第二次は、個別政策でした。第三次は、いま申しますように、それを一般化した、いわば制度として、債務の肩がわりを政府がするという一千億の肩がわりなんです。ですから、この二次、三次というのは、全くの企業救済でしがなかったのです。ここには産業政策というものは全然ないのです。企業の体質を改善すると、いま石炭部長は言ったけれども、それはまさに企業政策なんです。石炭鉱業をどうするかという議論はしたかもしれませんけれども、残念ながら、ここでは政策としては出てこない。借金をどうしてやるんだということしか出てこない。これが第二次、第三次の政策の失敗です。 そこで、第四次政策、これは、さっき部長が若干触れましたが、第四次政策はどういうものであり、失敗はどこにあったのか、これをお聞かせ願いたい。
○高木(俊)政府委員 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、第四次政策は八百五十億の肩がわりを実施したということのほかに、いわゆる特別閉山交付金制度というのを、このときに新たに入れております。このときは、いわゆる答申の最終目標といたしましては、これだけの金を出すから、あと企業の存続あるいは閉山については、自主判断におまかせするというのが、答申の一つの大きな項目になっております。そのほか、特別会計の存続期間を延長いたしました。こういうことにより、できるだけ石炭企業の体質を強めることが石炭生産に寄与するんだという方針と同時に、一方では、自主判断に基づく企業の存続をきめてもらいたいということが、答申にうたわれておるような次第でございます。
○多賀谷委員 大臣、日本の政策が、これからがドイツやその他の国と違うところなんです。いままでも誤っておったけれども、四次政策から決定的なあやまちをおかしておる。 それは、なぜかといいますと、日本の石炭鉱業というのは、率直に言いますと、やっぱり石炭紀の石炭ではないことは明らかです。それは非常に圧力が加わって、そして褐炭程度のものが石炭になったのですから、確かに立地条件は悪い。しかし関係者の非常な努力によって、能率といい、コストといい、欧州に比べてむしろまさっておるですね。それなのに、この四次政策ができてからのこの激しい崩壊というもの、ここに問題があったと思う。 社会党は、昭和三十年、当時左右両派分かれておりましたが、社会党左派、社会党右派といっておりましたときに、政府は、現在の石炭鉱業合理化臨時措置法を出してまいりました。要するに、買いつぶす法案を出してきたわけです。このときに、私どもは、ただ買いつぶすだけでは、日本の炭鉱は、将来、輸入エネルギーによって占められる、そして供給の安定性を失うであろう、こういうところから、臨時石炭鉱業安定法案を昭和三十年に本院に提案をいたしました。私は、商工委員会で提案理由の説明をしましたが、そのときの委員長が田中角榮。そして石炭というものは、本来、どこの国でも、たとえばイギリスでもフランスでも国有、公社にしている。これは単にイデオロギー的ではないのです。鉱区というのは、ことに英米の場合は、鉱区は所有権者に属することになっておりますから非常に分割をされておる。そこで、どうしても鉱区統合の必要がある。ですから、英国では労働党が国有化する以前から国有化問題が起こっておる。これは鉱区統合なんです。フランスも鉱区統合なんです。要するに、適正規模の炭鉱をつくるためには、鉱区が分断をされておっては困るから、鉱区統合のために国有化が、フランスでも、それから英国でも行なわれておるわけです。そこで、どうしても鉱区統合のメリットが一番石炭においてはあるわけです。ですから、まず鉱区統合という問題が第一に考えられなければならぬ。その次に、経営軒が努力をしましても、自然条件が悪いと、どうしてもコストが高くなるわけです。ですから、限界炭鉱というものは、どうしてもある程度考えてやらなければならない。そこで、販売の一元化というものが、ことに日本の場合、北海道と九州しか石炭がありませんから、錯綜する流通機構等でどうしても販売機構の一元化が必要である。そして、ある程度の山別の炭価というものを――補給金が必要であろうというので、そのときに、われわれは、そういうものを含めて、さらにどうしてもやめなければならぬ炭鉱については補償協会を設けて、政府のように価値のなくなった炭鉱を、価値をわざわざ認めて買い上げるというようなことはしないで、やはり退職金だとか鉱害であるとか中小企業への売り掛け金というものの補償をすべきだ、こういう案を私どもは出しました。 私ども、今日でもこれは正しいと思っているのです。通用すると思っているのです。しかも、昨年の法律改正で、私どもが指摘した補償方式にようやく変えてきたのですね。私どもが二十年前に提案してきたことを政府がようやく気がついた、こういう状態ですが、そのときに、私どもはガス普及法案を出しました。今度、いまごろ石炭ガス化というのを騒いでおるわけですが、なあんだという感じがします。そして、ルルギ方式を入れるという話をしておりますけれども、われわれはルルギ方式を入れてガス普及法案を三十年に出しておる。全く二十年間何をしておったかという感じがするわけです。 この四十三年の答申のできる前、四十三年に日本でも大議論がありました。それは、もう日本の炭鉱は、私企業としてやれないんじゃないかということと、自由競争のメリットが全然ない、第一、自由競争の原理が石炭については動いてない、それよりも、むしろ鉱区の統合であるとか、労働者の安定問題であるとか、流通問題であるとか、生産問題であるとか、そのために一社にすべきであるという議論が御存じのように萩原さんあたりから出てきた。いや、一社というのは、ちょっと無理だから三社にしたらどうかということで、北海道、九州、常磐一社案が出てきた。そういう中で、ドイツではラインシュタール構想といって――もっともラインシュタールという鉄鋼会社の会議室を借りて協議したのでありますが、ラインシュタール構想というのが発表されて、そしてドイツでも、やはり一社にするという議論が当時起こっておったわけです。 先般、田中総理は、総理大臣はなかなかもの知りでありますから、いろいろお話しになっておるときに、日本とドイツは違うのだという話をされた。ドイツは鉄鋼と電力と石炭が同一会社である、その点は日本とは全然違う、日本は石炭だけが一つの資本だということを言われた。私が言うならば、何を言っているんだ、私は二十年前から、そのことばっかり言ってきたじゃないかという感じがするのです。それは、ドイツは鉄鋼と炭鉱は同一資本です。そうして炭鉱は自分で発電所を持っているのです。そうして工業電力に売電をしておる。そうしてドイツは、石炭会社が石油の販売権の半分以上を持っているのです。ですから、資本主義としてはきわめて強靱なんです。 ところが、日本の場合は、御存じのように、鉄道は明治四十四年に国有鉄道になった。それから永井柳太郎の逓信大臣のときに、電力は日本発送電に統一された。その前に、製鉄は官営から出発し、日本製鉄株式会社が昭和九年に誕生した。要するに、需要業界は全然違うのだ、他人資本なんですよ。ですから、三井の炭鉱は三井の炭鉱だけれども、需要業界は全部別資本だ。三菱でも全部そうですね。ですから、資本主義というけれども、自由競争の原理も動かなければ、資本主義としての強靱性もないわけでしょう。そういうところに、石炭だけを幾ら注入してもできないのですよ。ここに日本の炭鉱の宿命があるわけです。しかも、名前は財閥会社の名前です。財閥発祥の会社です。この財閥発祥の会社というのが、いろいろな新しい構想を出すときに非常にガンになる。 そこで、植村さんが植村構想というのを発表されました。それは、石炭は全部分離をして第二会社をつくれ、その第二会社は、今度は管理会社というのを全国的につくって、その管理会社の中に統合し、再編成をする、こういう案をつくられたわけですけれども、それがオシャカになって、いま石炭部長が言うように、ただ単に第二次肩がわりをします、借金も見ましょう、これだけに終わった。これからが実際問題として総退陣になっていく。 これについて、将来総理の可能性のある福田さん、それから中曽根さん、ひとつ御答弁願いたいと思うのです。いまからこの問題を十分に考えておかないで、幾らやっても石炭政策はできませんよ。日本のエネルギー政策はできないのです一ですから、この点については私はかなり触れてまいりましたから、どういうようにお考えであるか、これは高い見識からお聞かせ願いたい。
○福田国務大臣 まだ日本とすると、これから将来に向かいましてエネルギー源の多様化ということを考えなければならぬ、こういうふうに思うのです。そういう際に石炭、これも多様化の一つとして考えなければならぬ、こういうふうに思います。しかし、ずいぶん荒廃をしておる石炭産業ですから、これをまた再建する、手間のかかることであろうと思いまするけれども、しかし、手間はかかりましても、そういう方向は進めなければならぬ、こういうふうに思います。 そういう際に、石炭産業をどういう形でやっていくかということについては、こういう際でありますので、根本的な再検討をしたらよかろうか、かように考えます。
○中曽根国務大臣 石炭に関する数次にわたる政策というものは、いまから反省してみますと、結果的には後退作戦をやっているような始末になっていたと反省するところであります。 これはやはり、ある意味においては、自由経済のもとに、市場機能とか価格のメカニズムというものにたよって、また会社、個別資本の企業努力というものを非常に重要視してやった政策であると思います。 しかし、最近に至りまして燃料事情に大きな変化が起きまして、石油の値段が急激に暴騰してまいりました。ここで従来の石炭と石油とのバランスがくずれまして、石炭にある意味の希望が生じつつある事態になってきたと思います。そういう現実を踏まえまして、この石油事情がどういうふうに変化していくか、もう少し見きわめつつ、石炭の再評価を行なうべきときに来つつあるように思います。 そこで政府は、総合エネルギー調査会に諮問いたしまして、日本における各エネルギー要素の再評価を行ないながら、どういう位置づけをして、どの程度の役割りを各エネルギーに負担せしむべきかということを、いま諮問しているところでございます。そういう諮問の結果も踏まえまして、この新しいエネルギー事情に基づく石炭の再評価というものをやってみたいと思っております。 そうして、基本的な立場といたしましては、従来、石油に偏重しておりましたエネルギーの依存度というものを、水力やあるいは石炭や、あるいは原子力や、そのほかにできるだけバランスを保たせるように分散化していく、そういう方向がやはり長期的に見て正しいと思います。そういうような観点に立って、石油の価格及び供給事情の推移をもう少しよく見きわめつつ、石炭の再評価と政策の再検討というものをやってみたいと考えております。
○多賀谷委員 私は、ちょうど岡田利春君と二人で、ゴールデンウイークを利用してドイツへ飛びまして、ドイツの炭鉱経営者並びに労働者、鉄鋼の経営者並びに労働者、あるいは連邦政府や州、いろいろな人々に会って聞いてみたわけです。四十三年ですけれども、その際、やはりドイツでも、先ほど申しましたような強靱な資本主義体制でも石炭というものはどうにもならぬ、しかし、このままではどうにもならないから、いろいろ外資資本も入っておるけれども、とにかく統合しようというので、シラー経済相がものすごく骨を折って、とにかく統合にまとめた。そして一九六八年に、西ドイツ石炭鉱業及び産炭地域の適応と健全化のための法律というのをつくって、ルール炭田株式会社という一社にまとめたわけです。それからのドイツは、出炭がずうっと大体安定しておる。昭和四十四年に一億一千百七十八万トン、七二年が一億二百四十七万トンですから、大体安定しておる。それから、イギリスは少し下がっておりますけれども、それでもいま一億二千万トン掘っておる。フランスの炭鉱事情は、率直に言いますと日本よりずっと悪いんですが、それでも三千五十二万トン。当時フランスは、四十四年が四千五十八万トンでしたが、いま三千五十二万トン。しかるに日本は、四十四年が四千三百五十八万トンであったのに、昭和四十八年度はまさに二千万トン程度である。ドイツですらそういう形態をとらざるを得ないといっておるのに、それが日本で、相当の論議をされて、結局出たものは何かといったら、企業救済で終わった。 そうして、第四次答申はこういうことをいっているんですよ。とにかく「政府が石炭鉱業に投入しうる助成の幅には、自ら限度が」ある。だから、「石炭企業は、今後においては、今次の対策で与えられる助成の枠内で最大限事業再建に向かって努力する反面、与えられる助成によっては事業の維持、再建が困難となる場合には、勇断をもってその進退を決すべきである。」要するに、もう助成は、政府はこれだけしかしないから、もし、この助成の中で、とてもやっていけないと思うものは、勇断をもってその進退を決せい、要するにつぶれていけ、こういうことなんですよ。それだものですから、御存じのように、それからずっとつぶれたわけですね。そして、日本の出炭がそれからさらに四割も減じたわけです。こういう状態です。ところが、ドイツやほかの欧州では、みんなそれから安定しておるわけです。 ですから、もう四十四年の時期には、エネルギーはかなり不足をする、原子力の発電も思うようにいかない、エネルギーは将来においてはかなり窮屈だということを各国とも見ておる。日本でも口では、エネルギーの安定確保ということを言っておるのですよ。言っておるけれども、日本は全然政策にのってきていない。その際に、御存じのように、アメリカは増産体制に入ったわけですね。四十四年から四十七年、四十八年と。それがポーランド、オーストラリア、それから韓国も増産に入った。ソビエトも中国も一全部増産に入っておるのです。ここで減産をしておるのは日本だけですよ、ざあっと減産をしておるのは。こんなことぐらい、役所が膨大な機構を持ってやるわけですから、各国の情勢はどうあるかということがわかりそうなものですね。 それは、私は率直に言うと、自民党がイデオロギーに固執したからですよ、この際一社だとか、企業形態に手をつけないとか。この企業形態というものについて、自民党は非常に神経過敏になった。ソフレミンが昭和三十三年に来たときもそうですよ。これはフランスの調査団、これが来たときに、政府並びに日本の石炭協会は何と条件をつけたか。企業形態だけは絶対に触れてくれるなという条件をつけている。このときは七千二百万トンベースを勧告した。そうして政府は閣議で、昭和三十三年に七千二百万トンということを決定しておるのですよ。ですから、どうもあまりにも企業形態にこだわり過ぎたのではないか。 そこで、当時、私は社会党の政審会長をしておりましたが、ここにおられる根本さんも当時政調会長をされておりました。四十三年の暮れ、十二月、押し詰まって、とにかくこのままでは石炭はつぶれますよ、これが最後の機会ですよ、だから各党、すなわち、当時集まりましたのは自民党、社会党、それから公明党、民社党でしたが、各党の政調あるいは政審会長は一致して、ひとつここで何社案か、あるいは一社になるか三社になるかわからないけれども、案を出さなければ、日本の炭鉱はつぶれるのだというので、意思統一をしたのです。すでに文書もかわしたのです。それで、そのことは翌月、一月六日の朝日新聞に出た。それから業界の猛反撃にあって、あわてた政府は、ついに第四次答申、全く中身のない、企業救済に終始した答申を閣議決定した。こういう事情なんですよ。ですから、私は、四次答申というものは、非常に重要な意義を持っておると思うのです。 ちなみに、西ドイツ、フランス、ベルギー、みんなそれから石炭価格が若干上昇しているのです。すなわち当時、昭和四十四年にドイツは、ドルでいきますと、十六ドル八十八、九セントが、七二年は二十九ドルになっておる。フランスは、十四ドルが二十四ドルになっておる。それからベルギーは、十四ドルが二十四ドルになっておるのですよ。しかるに日本では、二千五百円程度の積み地値が依然として二千六百円程度である。揚げ地値が四千七百円程度が五千六百円、若干上がったにすぎない。ですから、あらゆる面においてその政策ができていない。そうして今日になってあわてておる。こういう状態です。 能率だって、欧州とほとんど変わっていないでしょう。どうですか、一カ月一人当たりの出炭能率は。
○高木(俊)政府委員 西ドイツの一人当たりの月の能率が五十三トンでございます。イギリスが四十トン、フランスが三十五トン、日本が六十一トンでございます。
○多賀谷委員 自然条件が悪い中で、これだけ苦労しておるのですよ。ですから、なぜ今日、こういう状態を放置しておったのか。元の炭労の原委員長は、有沢調査団を「地獄からの使者」こういうことで最近の雑誌に書かれておりますが、まさに百年の大計を知らなかったということが言える。そこで私は、この反省に立って、今後の政策を聞きたいと思います。 まず第一には、この埋蔵炭量あるいは実収炭量、経済炭量、いろいろあります。とにかくこれを把握することがまず第一だと思うのです。これはかつて、昭和二十五年から三十一年ぐらいまでに二百二億トンというのを出した。しかし、それからずいぶんだっている、あるいは技術も進んでおる、あるいは労働力の問題もあるのです。とにかく何にしても、この二百二億トン、しかもつぶした炭鉱、買い上げた炭鉱の出炭規模が六十二億トンですから、一体いまどうなっておるのだろうかという調査をする必要があると思います。 それから、先般質問を聞いておりますと、五億九千万トン、これは第五次政策のときに長期計画として調べたものだといわれております。しかし、これは当時二十三炭鉱でありました。いまは、その炭鉱は減っております。 しからば、いまは一体どのくらいになるのか、まずこれらをお聞かせ願いたいと思うのです。
○高木(俊)政府委員 実収炭量として第五次政策のときに出しました五億九千万トンの数字でございますけれども、ただいま先生の御説明のとおり当時生きている、稼行している山の二十三炭鉱の大手分のみでございます。その当時平均いたしまして、コストが四千五百円だということでございましたので、倍の九千円までのコストで掘れるという範囲をとった炭量でございます。その後、五炭鉱閉山いたしております。この炭量が約三千万トンでございます。そうしますと、五億九千万トンは、現在から見ますと、五億六千万トン強というような数字になろうかと思いますけれども、これはコストで見ておりますので、いろいろ計算のしかたはあろうと思いますけれども、またそのほか、閉山した山の炭量は全然入っておりません。そういう閉山した山の炭量を、保安上もいろいろ問題がございますけれども、もし掘れるということであるならば、当然その炭量も見直さなくちゃならぬ炭量として生きてくる数字であろうと思いますけれども、現在、その閉山やまの炭量につきましては、石炭鉱業合理化事業団におきまして、作業を命じておるところでございます。
○多賀谷委員 この調査は、主として原料炭中心にやはり行なわれておるわけです。ところが、いま現実にはどうしておるかといいますと、いままでは、原料炭は売れるが一般炭は売れなかったものですから、一般炭のところは迂回をして、みんな原料炭のところを掘っておるわけです。一般炭は残して原料炭を掘ってきておる。ですから、コストがまた高くなる、こういう形です。しかし、いまからは違いますね。エネルギーというのはこれは一般炭なんです。原料炭は製鉄原料ですから、いまから脚光を浴びてくるのはむしろ一般炭である、こういうことが言えるわけであります。 そこで、私は、この見直しをひとつ早急にやってもらいたい。そこで大臣、予算がないのですよ。これだけ大騒ぎをして、エネルギーの確保、こう言っておるけれども、エネルギーの埋蔵量とか、そういう調査をする予算が全然ないじゃないですか。これは一体どうするのですか。
○高木(俊)政府委員 現在稼働いたしております山でございますれば、先ほど申し上げましたような数字、あるいはいろいろな作業もできます。なお、ボーリングの資料も、現在の山のデータをベースにいたしまして、なお坑道展開、そういうものをベースにいたして数量は出てくると思います。なお、閉山しました山につきましては、合理化事業団のほうでそれぞれ資料を持っておりますので、その資料をもとにいたしまして調査することによって、可採炭量の計算はできると思います。なお、企業が開坑する、いわゆる着手しますときには、もう少し精緻なボーリングをやらなければなりません。このボーリングは、現在の合理化事業団から支出しております近代化資金制度がございますので、その制度を活用することによって、問題なくできるのではないかと考えております。
○多賀谷委員 私は、そういう消極的な態度はだめだと思うのですよ。これは相当要りますよ。たとえば、この間奔別の話が出ましたけれども、奔別は水が出ておる。奔別の水を浴びたあとに、はたして自然発火はしやしないだろうかという心配だってあるでしょう。あるいはまた、従来いわれた奔別、幌内の総合開発問題、赤平、赤間、空知、茂尻、こういうところの総合開発問題だってある。奈井江地区の総合開発だってあるわけです。それから舌辛地区の総合開発だってある。天北だってあるわけでしょう。まだ相当の調査費をかけて、ほんとうにこの時期にしなければ全くじり貧になりますよ。あなた方、いや会社に頼んで、いや合理化事業団にある資料を見て、なんて言っておったのでは、日本の炭鉱は永遠に死蔵されてしまいますよ。 ですから、こういう時期に、一体われわれ日本国民として――これはわれわれの時代だけじゃないのですからね。一体、資源というものがどの程度あるかということを把握しておかなければならぬでしょう。これはいま生きておるわれわれ世代の、国民の義務ですよ。それをいままでのような観念で、いや、あそこは合理化事業団の書類をひっくり返してみればいいとか、いや、炭鉱に頼んで持ってきてもらえばいい、大体そんなものじゃないと思うのですよ。 ですから私は、その考え方、しかもこの五億九千万トンなんというのは、肩がわりをする金を貸すから、金を貸すならば、二十五年なら二十五年、炭鉱がなければ金を貸さぬからということがもとで調べた資料ですよ、あなたのほうの資料というのは。大体金を融資をするには、埋蔵炭量が幾らあるかわからぬから、それで調べた資料でしょう。こんな資料はだめなんですよ。やはり役所とその炭鉱が一緒になってやる資料、これはひとつ大臣、どうです。金がなければ、これは一般会計でも出せるのですからね、石炭会計でなくて。海外の探鉱の調査費というのは、昨年までは一般会計から出ておる。ですから、一般会計から使うから、これはひとつ、国の大きい問題ですから、当然予備費を出して調査をする必要があると思いますが、どうですか。大臣が言われなければ、大蔵大臣がちょうどいらっしゃるから……。
○中曽根国務大臣 そういう考え方も含めて、総合エネルギー調査会でお考え願って、その結果によって、いろいろ予算措置等も、将来講じていきたいと思います。
○多賀谷委員 日本の、ことに石炭の場合の答申というのは、わりあいに実行されます。実行されますけれども、政策の飛躍がない。最初から役所が入ってつくるのですから、答申は絶対に実行されますよ。しかし、初めから役人ベースで答申ができておるでしょう。ですから、私は全く隠れみのになっているにすぎないと思うのですよ、日本の審議会というものが。ですから、確かに答申ができた、その答申ができたときには、大蔵省がオーケーしたときじゃないと答申をつくらぬですから、こういう答申というものがあるかと思うのですね。ですから、政策の飛躍が全然ないですよ。それは大蔵省の主計官まで入ってつくるのですから、できたときにはそればすぐ閣議決定して実行しますよ。検討の時間なんか全然要らない。しかし、そんなことでいいだろうか。それで何か言えば、調査会あるいは審議会に頼んでおります、じゃ、審議会は独自に動けるか。動けないのです。大蔵省の役人も幹事で入るし、通産省の役人も幹事で入る。そしてみんなが議論をして、そして先生方はいい迷惑ですよ。もう、じゃあっと出ておる原案に、ああ、ここちょっとおかしいとかなんとか言うだけでしょう。こういう態度について私は批判している。 ですから、何でも調査会、調査会、あるいは審議会、審議会で逃げることのないように、政府は一体どう考えるか、これが一番必要じゃないですか。ですから、大臣の威光が行なわれないのですよ。主計官と石炭局の裏務当局でやった案しかいままで出ていないでしょう。これが問題なんですよ。忙しい先生に、委員会だけでも何十も委託しておる。とっても先生できませんよ。目を通すことだってできない。会議に来るのがやっとでしょう。そういうようなあり方をしておいて、そして調査会あるいは審議会にお願いしておりますということではどうにもならない、私はこういうように思うのです。ひとつ大臣、御答弁願いたい。
○中曽根国務大臣 確かに、御指摘のように飛躍のないという点はあると思います。しかし、やはりエネルギー事情全般を俯瞰して、そうして長期的に継続できる政策でないと、これは絵にかいたモチになります。 そういう意味におきまして、今回エネルギー調査会に特に諮問いたしまして、いろいろ御検討願っておるところでございますが、石油事情の変化、これが将来にどういうふうになっていくかということも踏まえまして、長期安定の政策を講じていきたいと思っておるところであります。
○多賀谷委員 今後一番大きい石炭鉱業の問題は、やはり炭鉱労務者の確保という問題だと思います。これ一体どういう方法で確保するのか、これは労働大臣にもお聞かせ願いたいと思いますが、とにかく、いま炭鉱労働者の実情を見ると、まことに気の毒な、たとえば同じ坑内でも、金属鉱業の労働者の賃金に比較しますと、同じ坑内で、現在金属鉱業の十二月の、定期給与ですよ、ボーナスは入りませんが、金属鉱業が十四万六千八十二円、石炭の坑内は十万五千五百円ですね。約四万一千円の差がある。坑外その他を含めても同じくらいの格差がある。災害率は普通の産業の、全産業平均の度数率で十七倍、強度率で十三倍、祝祭日をせっかく政府がふやしてやっても、日曜日以外は休みがないのです。勤労感謝の日だって休まないのです、全然。旗日は関係ないのです。そして環境が悪いでしょう。けがをしたら、外科のお医者さんはいるけれども、その他の医者はいない、こういう環境なんです。そして昔の古い炭住がずっと軒並みに並んでおる。そしてさらに、若い人を入れなければならぬですが、一生雇用される職場であるかどうかというのが問題なんですよ。問題は、やはり日本は終身雇用制が残っておりますから、ある程度の期間その職場が安定しなければ、幾ら誘うてみても、ちょうど中堅になったときに首を切られるのではたまらぬですね。 ですから、こういうものを一体総合的にどうするかということですよ。はたして一山で雇用する形態で、終身雇用が保証できるかどうか、何か企業形態全体としてプールして雇うという方式をとらなければ、とてもできないのじゃないか、こういう問題があるわけですね。これらをひとつどういうようにお考えであるかお聞かせ願いたい。 時間がありませんから、もう一問、きわめて重大な問題です。それは、中間報告に一般炭の輸入について書いてあります。この一般炭の輸入を安易に行なうならば、また一般炭がかつての石油と同じ運命をたどり、海外炭が脅威になってあらわれて、かつての石油と同じことになるのじゃないかという危惧がある。いま一般炭は外国ではメジャーの手によって鉱区がどんどん買い占められているそうですが、私はこの不安があるわけです。ですから、商社やその他にまかせておいたら、せっかく国内の炭鉱を再建しようとするけれども、石油のほうは別として、今度は一般炭の輸入の圧力によって国内の炭鉱が圧迫されやしないか。これを一体どう保証するのか。具体的には四十九年度から一体一般炭を入れるのかどうか。その際、国内に対する石炭の不安のない保証をどういうような制度でやるのか、これをひとつお聞かせ願いたい。
○中曽根国務大臣 この間十二月に発せられました第五次答申の中間答申におきましても、外国炭の輸入という問題は、国内炭のサルファ率を引き下げるための混焼用に使う、そういうことで検討するように書かれてございます。私も、エネルギー事情の転換に伴いまして、そういうように国内炭をさらに多消費のほうに持っていく誘発的要因として外国炭も輸入して、混焼してサルファ率を下げる、そういう形にこれを使っていったらいいと考えておりますし、そういう方向に検討しておるところでございます。 なお、雇用問題につきましては、二千二百五十万トンを下らざるというベースを示されておりますから、その線を実現するために今後とも努力をいたしまして、いろいろの賃金その他の条件改善につとめていきたいと思っておるところでございます。この点については、労働大臣にもいろいろお考えがあると思っております。
○長谷川国務大臣 多賀谷委員のお話を承りながら、私も昭和の初年に北九州におって、福岡の鉱山監督の役所に出入りしながら、斤先掘り、タヌキ掘りあるいは炭じん爆発の山、そんなところを歩きながら、若松築港の貯炭というものは日本のエネルギーの中心であるという記事を書き、そして、いまあらためてあなたの言う経過を聞いて非常に勉強したところであります。 いずれにしましても、こういうエネルギー危機のときに、二千二百五十万トン、こういう数字が出ました。これに対しては、やはり石炭労働者に魅力ある職場にしたいというのが私たちの願いでございます。おっしゃるとおり、鉄鋼業、製造業というところと比べると、石炭労働者の賃金というのは低い。しかしながら、これは労使関係の話し合いでございますが、政府全体のエネルギー対策といたしまして、通産大臣その他と相談しながら、こういう改善を極力推進してまいりたい、こう思っております。
○多賀谷委員 国内炭の引き取りに悪影響を与えない形で輸入する。これは制度としてはどういうようにされるのですか。文章は読めばわかりますよ。しかし、これは何か与えないようにするという保証する制度がなければできないでしょう。これは具体的には一体どういうおつもりですか。
○高木(俊)政府委員 現在輸入しております炭は、強粘あるいは弱粘の鉄鋼用向けだけでございまして、一般炭は輸入いたしておりません。いま大臣からお話がございました混炭用あるいはエネルギーの多様化ということで、将来一般炭の輸入という問題が起こってきたときの、国内炭は当然優先的に使わなければなりませんけれども、それで不足するような場合の電力向けの一般炭の輸入というものも、あるいは考えておかなければならないのじゃなかろうかと思います。ただし、その場合、国内を圧迫するような輸入のしかたでは、これは問題がございますので、当然歯どめ策としまして、今後どういう歯どめ策があるかということも検討しなければならぬ問題だろうと思います。
○多賀谷委員 そうすると、当面ないわけですか。この輸入問題というのは、当面考えぬでもいいわけですね。
○高木(俊)政府委員 直ちにというあれではございません。ただ混炭向けに一部出てくるかもしれませんけれども、現在のところは、それはまだ話はございません。
○多賀谷委員 先ほどからるる私が申し上げましたゆえんは、やはり再開発問題、それから新鉱開発問題、こういう問題を含めて、さらに販売問題ことに外炭問題を含めると、どうしてもどこかに国策的な機関が必要ではないかと思うわけです。いま合理化事業団とか、あるいは電力用炭株式会社とか、鉱害の事業団とか、いろいろありますね。何かやはり生産あるいは海外の開発とか、あるいはまた流通問題、補償問題、こういうものを含めての機関がなければ、また同じ轍を繰り返すのではないか。もう弱り切っておりますからね。しかも御存じのように、炭鉱会社というのは、植村構想にも反対したけれども、実際に植村構想と同じことをやったわけです。三井鉱山株式会社も石炭を分離したでしょう。三菱鉱業株式会社もセメントを入れて、三菱鉱業セメント会社にして、石炭は三菱石炭株式会社、別炭鉱にした。松鳥炭鉱もそうです。太平洋炭艦もそうです。常磐炭礦もそうです。ほとんどの炭鉱が別会社にしてしまった。ですから、むしろそういう意味においては、政策はやりやすいともいえるわけです。大体、企業は炭鉱を放棄したのですから、そうして親会社はいわば商社になっておる。販売権だけ持っているわけです。 そんなことは許されませんよ。それなら責任を持って炭鉱をやる機関をつくらなければならぬ。これは大蔵省にも関係がありますから、両大臣はしっかりこの問題に取っ組んでもらいたい、このことについて、最後の御答弁を願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 多賀谷先生の長年にわたるうんちくを傾けてのお話にはわれわれも思い当たるところがあります。しかし、いろいろそのときの予算関係とか、あるいはエネルギー事情とか、そういう考え方からいままでの答申の道をたどってきたと思いますが、この時点におきまして、エネルギー事情がこれだけ転換してまいりますと、かなり根本的な諸点にわたって検討を加える必要があると思っております。 そういう意味におきまして、この総合エネルギー調査会の答申を待ちまして、いまのような基本的な部面についてもいろいろ検討を加えて、改善していきたいと思っております。
○福田国務大臣 エネルギー問題は新しい段階を迎えたわけでありまして、その中で石炭の位置づけをどうするか、これは先ほども申し上げましたが、もうほんとうに原点に立ち返っての考え方でなければならぬ、こういうふうに思います。 そこでエネルギー総合政策、その中での石炭の位置づけというものが考えられるわけでありますから、それに対応して機構をどうするとか、いろいろの問題があると思います。過去のいきさつにとらわれず、思い切った施策を講じなければならぬ、かように考えます。
○井原委員長代理 大原亨君より関連質疑の申し出があります。多賀谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大原君。
○大原委員 所定時間は三十分ですから簡潔に質問をいたしますので、簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 いままでのこの予算委員会の議論を通じまして、いまの日本のインフレがクリーピングからギャロップしておる、こういう狂乱の状況にある。したがって、インフレをおさめるのが先である、こういう議論がありまして、その狂乱のインフレの状況、悪性インフレの状況に対応して、所得の不公正な分配をどういうふうに公正にするか、こういう議論は原則的にはいままで議論をいたしまして、そういう方向についてはあらかた合意があると思います。しかしながら、これを具体的にどういうふうに施策の上に反映させるかということは、今日非常に大きな国民的な関心事であります。 そこで、大蔵大臣に最初にお尋ねをいたしますが、いわゆるインフレ下の不公正の拡大の問題で、暴利を得る者と犠牲を受ける者とのみぞが非常に拡大をしているという不公正の問題ですが、この議論を進めてまいりますと、超過利得税を取っていく、そしてそれを経済的な弱者、低所得者階層に再配分をしていく、こういう政治的なあるいは民主的な、政治の中における最大の課題を具体的にどうするかという問題があると思います。超過利得税の問題についてはここでは議論いたしませんけれども、これは政府側が本気でやる意思があるのかないのかということが問題です。各党ももちろん出しておるわけですが、しかし、各党まかせにしておくというふうな状況ではなしに、政府がどういうことかということが問題ですけれども、いずれにしても、これはずっと審議の段階において具体化していく場合には、超過利得を経済的な弱者に再配分をしていくという基本方針でこれからのインフレ対策を進めていくべきであると私は思う。第一点です。そういうことについて、私は異議はないと思います。 そういたしますと、第二点の問題は、本年度の予算を編成いたしました当時からいうならば、一-三とか四-六とかいうことがあったけれども、当然に、そういう情勢に対応して、予算の修正を、政府みずからがこの議論を通じてなすべきであると思うけれども、この二つの点についての大蔵大臣の所見を明らかにしてもらいたい。
○福田国務大臣 超過利潤を税の形で吸収する、これにつきましては、私は積極的な考えを持っているのです。ただ、その方法につきましていろいろの案を考えてみましたが、一長一短、こういうような状態でございまして、まだ責任をもって国会に提案をいたしまして、そして皆さんの御論議にたえ得るというような案を固めるに至っておらぬ。 そこで、これはとにかく事は経済問題だ。各党もこういう問題について非常に関心を示されておる。各党間で話し合いがついて一致の案ができるということになれば、これはたいへんしあわせだ、こういうふうに思いまして、自由民主党その他各党に御協力方をお願いしておる。各党でも案が出そろいまして、そしてこれから各党間の話し合いが始まろうか、こういう段階に入ろうとしておるのです。 私は、インフレ、物価高の中で、弱い立場の人、小さい者、こういう方々が非常な被害をこうむる。それに対しては、もうほんとうに誠心誠意対策を講じなければならぬ、そういうふうに考えております。 ですから、四十九年度の予算におきましても、公共事業費は四十八年度以下の水準に押える。実質規模からいえば、四十七年度を相当めり込むようなところまでいくんですよ。ところが、社会保障費のごときは三七%も増加する、こういうような考え方を打ち出しておるわけなんです。これから経済事情の推移によりまして、予算が妥当であるかどうかという問題が、あるいは起こってくるかもしらぬ。そういう際に、財源を既定の経費の差し繰りに求めるか、あるいは予備費の支出に求めるか、あるいは他の方法を講ずるか、その方法はいろいろありましょう。ありましょうが、弱い者の立場を擁護するということにつきましては、私は熱意をもって取り組んでいきたい、かように考えております。 それから第二の問題でございますが、超過利得税がきまる、そしてそれから、かりに何がしかの収入があれば、これは弱者の救済に充当すべきだ、こういうような御議論でございますが、これはまだ各党の調整もできておらぬ、こういう段階でありますが、かりにそういうふうになった際におきまして、それをどういうふうに使用するか、これは各党間の調整の過程においてどれがいいかといういろいろな案が出てくると思うのです。あるいは、予算実行上の過程において公債を減らす、こういうような考え方、弱者に対しては別の財源措置を講ずるというような考え方、あるいは弱者に対してそれを使うというような考え方、いろいろ出てこようと思います。そういう御論議の経過を見ながら今後きめていかなければならぬ問題である、かような見解でございます。
○大原委員 齋藤厚生大臣、いままでの質問を踏まえて、社会労働委員会でもやりましたし、予算委員会で八木質問もございました。 そこで、それを踏まえて簡潔に質問するわけですが、生活保護が非常に重要な意味を持っているというのは、たくさんの福祉施設の措置費にも関係があるし、また、日本の所得保障や社会保障の一つの基準になるからです。もう一つは失対賃金にも関係があるわけですけれども、財産制限をいたして生活保護費を給付しておりますから、生活保護の人員は百三十四万人で六十九万世帯ですけれども、そういう財産制限をしておるところに対しましては、これはインフレの直撃を受けるわけですから、それよりあとに引けないわけですから、これをどうするかという問題が一つあるわけです。いままでの八木委員との質疑応答の段階、私どもの段階におきまして、厚生大臣はどうお考えであるかという点です。 昨年の九月二十一日に、十月から五%の生活保護費の値上げをやりました。しかし、それは七月までの物価上昇の実績を基礎にいたしました計算であります。それから八月、九月、十月、十一月、十二月、一月にかけましてものすごい物価狂乱の状況で、これは石油危機だけではないわけです。私のところに資料があるが、これは申し上げませんけれども、それを考えてみますと、一月―三月までの間の是正をするというふうな小手先のことではなしに、少なくともぎりぎりのところに対しましては、昨年の七月のそういう実績を基礎にいたしました五%是正がございますけれども、八月以降のものすごい、前月比一〇%、十数%、二〇%上昇いたしましたやつを受けて、今回はやはり年度内における是正措置を講ずべきであると思うが、いかがですか。
○齋藤国務大臣 生活保護世帯というのは、お述べになりましたように、物価高の影響というものをもろに受ける方々でございます。したがって、この方々の生活を守っていくということは、社会保障の上においてきわめて重要な問題であるわけでございまして、最近における物価の動向とか消費生活水準、そういうものを十分見定めて、必要があれば改定していくということが絶対に必要である、私はかように考えておるわけでございます。 そこで、きのうも八木委員の御質問にお答えいたしましたように、一月の東京都の物価指数は発表になりましたが、まだ全国の統計が発表になっておりません。(「そんなことは言いわけにはならぬ」と呼ぶ者あり)言いわけではございませんで、その統計が発表になりました段階において、きのうもお答えいたしましたように、一時金という形において生活を守っていくというやり方がいいか、あるいは生活保護基準を改定するというやり方がいいか、そういう点を十分に勘案して、熱意をもってこの事態の解決に当たりたい、こう考えておる次第でございます。
○大原委員 齋藤厚生大臣の答弁は、少なくとも一時金的な、つまり、年度末における一時的な是正をいままでの問題を含めてやる。将来の保護基準を新年度から引き上げるかどうかという問題も考えるけれども、ここまではやる、こういう考えと理解してよろしいか。
○齋藤国務大臣 来年度はと申しますか、四月からは、四十八年度当初の保護基準から二〇%を引き上げる、四十九年度は二〇%引き上げる、これはもう予算に提案をいたしておるとおりでございます。年度内の問題については、一月、二月の物価動向というものと見合った対応の措置は、一月の統計が出ましてから措置をしたい。四十九年度は二〇%アップしたい、これはもう予算で御審議をいただいておるとおりでございます。
○大原委員 質問は前進しないけれども、つまり、この九月二十一日の五%の緊急是正は、昨年七月を基礎にしておるわけです。それで、八月以降、八月が前年比で一二%、九月で一四%、その次が十月で一四%、十一月が一五%、十二月が一九%で、一月が、東京ですが、二〇・四%。しかしながら、卸売り物価が、大企業優先型、主導型で上昇しているから、一月、二月、三月も上がるだろう。 そこで、年末の二千円ということがあるけれども、それらを踏まえて、いままでのものについては一時金を出す。それらのぎりぎりのところで出しておいて、それを基礎にして二〇%の上に積んでいく、これは昨年の五・五%のときに一四%上げたんですから、その議論はしません。しませんが、そういうことが当然ではないかと私は思うわけですよ。大蔵大臣、いかがですか。
○福田国務大臣 昭和四十九年度につきましては、これは経済見通しで、御承知のように、消費者物価が九・六%上がります。いま大原さんがおっしゃっている二〇%とかそういう数字は、これは前年の同月と比べての数字なんです。平均からいいますと九・六、こういうことにいたしておりますので、二〇%ということになると、それに比べるとかなり手厚い考え方をしておるんだ、こういうことになるわけでありまして、ただいまのところ、この二〇%というものを修正するという考え方は持っておりません。
○大原委員 大蔵大臣は、一時的な緊急給付をすることについては、原則的に了承されておりますね。
○福田国務大臣 その問題は、いま厚生省で鋭意具体案を詰めております。その具体案ができますれば、私どものほうは、前向きでこれにおこたえをするという考えでございます。
○大原委員 だから、これは一応議事録に残しておきたいと思うのですが、つまり、昨年の当初のときには、五・五%の物価値上げの予想のときに、物価プラス生活水準を考えて一四%上げたわけです。それで緊急是正しまして二〇%になったわけでしょう、年度を通じて。それで、新年度は二〇%になっているのですけれども、それは九・六%という見通しですよ。しかしながら、四十八年度の実績は、一四%ではおさまらないんです。政府はそういうふうに言っておりますが、一四%ではおさまらないわけです。これは経済企画庁も、一四%プラスアルファだ、こういうふうに言っております。そうすると、それらの状況を踏まえて、一時金の支給をやりながら、このぎりぎりの生活保護を、まず、新年度においても二〇%を、予算編成したときとは違っているわけですから、これを緊急是正をしなければ筋道が合わないではないか、これはきわめて明確な議論です。
○福田国務大臣 ただいまの段階で、物価が当初の見通しよりもかなり上がってきた、これは事実なんです。しかし、だからといって、昭和四十九年度の九・六%の上昇率というのをまだ修正する段階ではない、こういうのが政府の見解なんです。その九・六をもとといたしまして算出した二〇%という生活保護基準の引き上げ、これは、したがって、ただいまのところはこれを修正する考え方はない、こういうことを申し上げておるわけです。
○大原委員 それは政府の公式の見通しは四十九年度九・六%、それは是正されていないわけですよ。是正されていないが、昨今の実情によると、経済企画庁長官、それでは済まなくなっているのですよ。全国の卸売り物価が三四%こえているわけですね。いま東京都の消費者物価が二〇%でしょう。この三四%の卸売り物価は、いままでの農業とか中小企業主導型から、大企業の製品主導型、便乗値上げ型に変わっているのですよ。悪質化しているのですよ。これは直ちに消費者物価へはね返ってくるスピードを早めているわけですから、その見通しに立つならば、これから一月、二月、三月、四月とかけて――一年じゅうのことを言わないで、経済企画庁長官、これは一月、二月、三月、その実績の見通しを経済企画庁はもう立てておると思うのですよ。これは、いままでの政府想定以上であって、その基礎の上に九・六%がずっとあるわけですから、これは政府の見通しは、九・六%の消費者物価上昇は是正すべきである、こういうときに来ておると思うけれども、いかがですか。
○内田国務大臣 四十八年度の、これはまあ三月までの物価の上昇を入れた見通しと、それから四十八年度に対する来年度予算編成の基礎になっている四十九年度の物価の見通しと、両方あるわけでございますが、いまおっしゃられるように、四十八年度につきましては、一月までの卸売り物価並びに小売り物価――これは小売り物価といいますか、消費者物価、東京都だけでございますが、それはもう出ているわけであります。おっしゃるように、一月の消費者物価が、東京では二〇・四でありますから、それが全国では二月、三月どうなるかという問題につきましては、これは私どもも正確には数字的にはじくというか、将来のことでありますから、わかりませんけれども、過去の数値あるいは最近の数値からいたしますならば、それはいろいろ考えてまいらねばならない点があります。 ただ、何か議論を聞いておりますと、少し食い違いがありますのは、私どもがあげております数字というものは、いまのことしの一月と昨年の一月との月別の比率、あるいはこれから二月、三月となってまいりまして、その二月、三月と昨年の二月、三月の比率ではなしに、年度と年度の比率でございますから、そういうことを想定いたしますと、おおむね年の中間と中間を比較するようなことになりますので、いま一四%プラスアルファと言われましたが、まあ大体その辺にある。卸売り物価についても二〇・二%という推定をいたしておりますが、しかし、今日、一月、二月の卸売り物価の推定を発表されておるところは、三四%とかなんとかいう数字でありますが、これも年と年とを比較するということになると、私どもは四十八年度に見ている二〇・二%ということに、大体その辺になるだろうと思います。 しかりしこうして、四十九年度につきましては、四十八年度がこう上がってきますから、それが上がったものに対して来年の見通しになりますから、これはむしろげたはできますけれども、その四十九年度というものは、いまの情勢で著しく上がってしまうということではなしに、九・六%というものを――大蔵大臣の言われますように、小売りについては九・六%、卸売りについては一四・六%、その辺をいま私どもは変える客観情勢にない、こういうふうに私は考えております。
○大原委員 経済企画庁長官、四十八年度の見通しは、当初の五・五%が一四%。そして一四%プラスアルファは経済企画庁は認めているのです、計数的に全部。一四%はくずれたわけですよ。一四%の見通しと来年度の九・六%がつながっておるわけですが、しかし、それもくずれるじゃないか。そういうことになれば、ぎりぎりのそういう計算の基礎がくずれるのであるから、私は、生活保護基準についても考えるべきである、こういう点を指摘しておるわけですよ。いままでの答弁からいっても、あなたの答弁はおかしいじゃないですか。九・六%におさまるという見通しはないですよ。鉄鋼が上がるでしょう。石油も待っておるでしょう。新聞代だって上がりますよ。それから米価と鉄道運賃の凍結が解除されるでしょう。どうっと上がりますよ、これは。ですから、そういうむちゃくちゃな議論をしたって、国民は納得できないですよ。 そこで問題は、私は時間に限りがあるので申し上げるのですが、大蔵大臣、こういう年金の問題についてインチキな計算があるわけですよ。 というのは、福祉年金と拠出の年金二つを一緒に考えるのですけれども、こっちは一般財源に入れていますね。考えるのですけれども、この基本的な議論は別にいたしまして、私どもは、西ドイツやその他がやったように、インフレのときに対応して積み立て方式を賦課方式に変えたわけですよ、インフレのときには積み立て方式の長期計算は立たないわけですから。一年間で二割近くも上がるということになりますと、新日鉄のように一兆一千億円も借金しているところは二千二百億円減るわけですから。三菱商事のように一兆三千億円も借金しているところは借金が減るわけですけれども、しかしそのことによってこの年金の組み立て方というものはめちゃくちゃになるのですよ。だから、積み立て方式を賦課方式に変えるべきだという議論をするのですが、しかし、百歩譲って積み立て方式をやる場合といえども、保険料の目減りがしないようにしなければいかぬ。 そこで、この厚生年金、国民年金の長期財政の基礎を見てみると、積み立て金の運用の利回りは七・五%になりましたね。七・五%なんです。しかし、その基礎になる保険料、個人個人が出す保険料の計算は、昨年十月からようやく五・五%を六・二%にしたわけです。保険料は一つの税金であり、貯金なんです。強制貯蓄なんですね。それの計算は六・二%でしておるのです。それは物価の上昇の半分以下なんですね。運用利回りの七・五よりもさらに一分以上の差があるわけです。これはピンはねをやっておるわけですね。この利回りを、六・二を七・五に上げる、あるいは一〇%に上げていきますと、保険料と給付の中身は変わってくるのです。そういうことについても是正措置をしないでおいて、インフレ対策でございますといったって、それは不公正の解決はできませんよ。百歩譲って積み立て方式でいくにしても、年金の計算基礎というものが、全然非民主的であり、不公平ではないですか。六・二%を七・五%に引き上げる、運用利子等のピンはねをなくする、あるいはこれを一〇%に引き上げる、物価と同じように一四%に引き上げる、プラスアルファ、こういうふうになりますと、たとえば厚生年金の一年間の財政計算というものはぐらっと変わると思う。どのくらいの差がありますか。
○齋藤国務大臣 その数字が必要ございますれば年金局長から答弁させますが、御承知のように、年金という長期的なものでございますので、そういう中にあって、運用の利回りをどう計算するかということを慎重にしなければならぬ、私どもはこういう考え方でそういたしておるような次第でございます。 数字につきましては、年金局長からお答えさせます。
○横田政府委員 保険料と積み立て金の利息収入の関係でございますが、保険料の立て方は、長期にわたっての計算をいたしまして、それで一定の保険料率を設定いたして、そしてそれを段階的にやるわけでございます。したがって、かりに四十九年度なら四十九年度だけをとりまして、利率をどのように変えた場合にどうなるかという数字を申し上げますと――ただ、これはあくまでも長期計算の前提に立っての四十九年度じゃございませんから、直接保険料には響きません。もし、かりに利率が六・二%であったとした場合に、四十九年度の利息の収入は、厚生年金について申しますと、五千三百八十億円でございます。積み立て金の全体が六・二%に回った場合です。それを、もし七・五%に回したといたしますと千百三十億円ふえるわけでございます。ただ問題は、この利息は、契約時における利率でもって七年間その利率が定まりますから、全体が七・五%に回るとか、全体が一〇%に回るということは、あくまでも仮定の上の数字であるということも御了承いただきたいと思います。
○大原委員 つまり、これは二重の罪悪なんです。積み立て方式をとりまして、昭和四十九年の三月、昭和四十八年度の末ですね、厚生年金だけでいえば八兆一千億円積み立て金ができるわけですが、積み立て金を運用する場合に、これが目減りがするわけですから、そういう面における長期計算をする積み立て方式の矛盾がある上に、長期計算であるという理由で、個人個人が出す保険料の利子計算を、強制貯蓄の利子計算を六分二厘に昨年十月にようやく変えた。こういうことだけで一年間をとってみますと、一千百三十億円一年だけでもあるわけです。これを機械的にどんどん一年ごとに利回りを変えていきましたならば、それだけでもばく大な財源が出てくるわけですね。だから、福祉年金の増額を含めて、これは一般財源ですから、年金については、この際インフレに対応できるように抜本的な改革をすべきであると私は思う。 私はこの議論はあと続けてまいりますけれども、これで終わるわけではないので、その点に対しまして、ひとつ両大臣から見解を述べてもらいたい。
○齋藤国務大臣 御承知のように、厚生年金というのは、非常に長期にわたった運用を確実にしなければならぬ、こういう考えで、御承知のような財政方式をとっておるわけでございまして、さらにまた福祉年金は補完的な年金として一般会計で行なう、一応こういう仕組みでございます。いつの日にか根本的な改革を必要とするときがくると私は思いますが、いまの段階では、現在の財政方式が最も適当である、かように考えております。
○福田国務大臣 こういう物価の異常な際には、どうしても、いま御指摘のような金銭債権債務、こういうものにつきまして、非常な不公平な問題が起きてくるわけなんです。 これをどういうふうにするかというと、それはできる限りの手当て、細工はできますが、しかし、抜本的なことになりますと、これはもうこういう異常な事態をほんとうに短期で解決する、そのほかないのです。 いま御指摘の各種年金の問題、これは非常に長期にわたる問題ですが、いまの異常な物価問題を克服した後の日本の経済がどういうふうな姿になるか、そういうことを見て検討すべき問題である、こういうふうに考えます。当面は、財政上の負担等によってできる限りのつなぎをするというところかと存じます。
○大原委員 私はこれで終わりますが、いまの質問は問題提起ですが、こんなインチキはないです。ギャロッピングインフレーションのときには、狂乱のときには、それの歯どめはそういうことでしなければいかぬわけである。そのことがインフレ対策の歯どめになるわけです。だから全くその点になると、インフレ対策について、将来を嘱望されている福田大蔵大臣にして、なおかつその見識が足りないのではないか、私はこう思います。 以上をもちまして終わります。
○井原委員長代理 これにて多賀谷君の質疑は終了いたしました。 午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時九分休憩 ――――◇――――― 午後二時十分開議
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 理事会の協議により、田中武夫君の発言を許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 ただいま委員長の御発言のごとく、理事会の決定に基づきまして、二、三法務大臣に御質問を申し上げます。 実は、本日の読売新聞をはじめ二、三の新聞に、法務省の刑事局長から文書をもって予算委員長に対し、公取委員会から告発を受けておるところの、実はきのう当委員会において決定をいたしました石油関係の参考人について、参考人として呼ぶことについては、捜査上まずいからやめてほしいといったような意味のことが、文章でもって申し込まれたように報ぜられております。 まず、そういう事実があったのかどうか、委員長から明らかにしていただきたいと思います。
○荒舩委員長 田中君に申し上げます。 ただいま田中君の発言のような、それにひとしいような文章が私に届いておりまして、私が預かっております。
○田中(武)委員 いま委員長が言われたような意味の文章が、法務省の一局長から委員長あてに出されたということは、私は重大なことではなかろうかと思うのです。そのようなことについて、法務大臣は知っておられたのかどうか。 言うまでもなく、国会の国政の調査権は、憲法の六十二条に根拠を置き、国会法、議事規則、先例等々によって明らかにせられておるところであります。それに対して、一行政庁から、ことに一局長から委員長に対して、書面をもってそのようなことを申し入れたという事実は、私の調査した限りにおいては先例がございません。 この点について、おそらく刑事局長が大臣に相談なくやったとは思いません。法務大臣は、そのことについて知っておられたのかどうか、どのような相談を受けられたのか、ひとつ明らかにしていただきたいと存じます。
○中村国務大臣 お答えを申し上げます。 実は、一昨日、すでに公表されておりますように、公取委員会から告発がありまして、検察当局といたしましては、着々捜査の打ち合わせ、準備を遂げておる段階でございます。 そこで、昨日相談をしまして、その書面にも記載してございますように、参考人として呼んで調べていただくことをかれこれ申し上げるのではありませんし、また、参考人は困るということでもないのです。 問題は、告発を受けている被疑事実については、捜査の上にいろいろ、被疑事実そのものについていろいろ国会で事前に審査をされますと、証拠隠滅とか、その他そういう捜査上支障を来たすおそれがあるということで、省内で相談をいたしまして、これは大臣から申し入れたほうがいいか、どうしたほうがいいかという相談をしましたが、結局、法務省としましては、刑事事件関係の担当局長は刑事局長でございますから、刑事局長名でそういう希望を申し述べることがよかろう、こういうことに実は相なって、その処置をとりましたような次第でございます。 なるほどお説のように、従来からも書面でそういう申し出をしたことはないように私も思いますが、ただ、実際問題としましては、すでに捜査に着手しておる被疑事実につきましては、国会に御配慮を願うような申し出を口頭でして、国会のほうでも、被疑事実について、参考人や証人として呼ぶことはいかがなものだろうかということで、御遠慮を願った過去もあるようでございますので、昨日のような結果になったような次第でござ います。 この点は、私も相談の上でやったことでございますが、この点は、ただ問題は、参考人としてお呼びいただくことの可否を言っておるのではありませんので、被疑事実について、ということを書いておりまして、そういう趣旨であったということを御了解を願い、今後十分に注意をしてまいりたい、かように思っております。
○田中(武)委員 法務大臣、あなたは三権の分立、これについてどのように把握をしておられるか。われわれは、あえて捜査の妨害をしようとは思っておりません。捜査権は尊重いたします。あくまでも、立法府と行政府との関係においてわれわれはけじめをもって臨みたいと思っておる。したがって、あなたは、この三権に対してどのように把握をしておられるのか。あるいは、国会へ出てきた場合に、捜査権を妨害する、そのようなことがあるように思っておられるならば、われわれに対する侮辱である。これは立法府と行政府との問題であって、単に与党とか野党とか、そういった視野の狭い問題ではございません。その点を十分に考えていただきたい。 まず、三権についてどう考えておるのか。さらに、あなたが相談を受けてということであるならば、事はより重大であります。法務大臣が申し入れてきたと解釈をいたしてもいいことになるわけなんです。そのようなことについて、法務大臣はどのように考えておられるのか、あるいは、その責任をどのように感じられておるのかを重ねてお伺いをいたします。
○中村国務大臣 私といたしましても、三権分立が確立されておることは、よく承知いたしております。ことに、国会の立法府としての独立した権能については、重々承知いたしております。ただ、いま申し上げたように、被疑事実について御配慮を願いたいという希望を申し出た次第でございまして、その点は、別段行政府が立法府に干渉するというようなものでないし、さような意図も毛頭ありませんし、この点はよく御了解願いたいと思います。
○田中(武)委員 三権の分立については十分心得ておる、こういうことでありますが、あまり理解をしておられないようであります。ここで、法務省が相手ですから、三権分立とは何ぞや、憲法六十二条に基づき、国会法、議事規則等々について深く論争を求められるならば、いたします。しかし、私は、この際そういうことは抜きたいと思います。だが、ただ遺憾でございましたとか、あるいは法務大臣が頭を下げてものを言ったとかといって済まされる問題ではございません。 なお、この際、昨日の楢崎質疑の際にも出ておりましたが、公取の告発についての最高検次長検事の新聞記者会見等々は、ここでも問題になったように、おかしな問題である。また、それを監督すべき法務大臣の姿勢の問題が問題になります。これをもあわせて深く反省を求めますが、いかがです。
○中村国務大臣 昨日もこの席で申し上げましたように、次長検事が記者会見をしたという結果になっておりますが、これは記者クラブのほうが、告発の事実を聞きまして、確認に押しかけてきたという会見でございますので、次長検事といたしましても、内容については何ら触れておりません。告発があったかないか、ありましたと言っただけで、あるいは、人によっては、そんなことは言えないと言えばよかったではないかというお話もありますが、事実、告発があったものですから、告発のあった事実だけは新聞記者に語ったというだけでございます。
○田中(武)委員 私は、何も楢崎質問に対してあなたの答弁を求めているんじゃありません。その際にも問題になったように、法務省、法務大臣の監督というか、それ自体が問題である。ことに、こういうことについて、ただ単に遺憾であったとか、三権分立については私も十分考えておりますとか、了解いたしておりますで済まされる問題ではございません。 ここで私は、ことに声を大にして申し上げますが、これは、先ほど申しましたように、与党とか野党とかという問題ではありません。事は、立法府としての国会と、行政府の中にある法務省とのといいますか、行政府との関係であります。したがいまして、これは単にこの場でおさまるという問題ではございません。 そこで、委員長に一言お願いをいたします。(「国会の権威の問題だ」と呼ぶ者あり)それでは、委員長に提案をいたします。 いま申しましたような事柄でございます。よって、これで事は終わりません。大きくいえば、国会の調査権、国政調査権に関する重大なる問題である。先ほども不規則な発言があるように、国会の権威の問題でもあるとともに、立法府と行政府の関係である、このことを十分に考えていただいて、ひとつ善処をお願いいたします。 と同時に、二十六日になりますか、集中審議のときに、これら参考人が、そのことを理由に委員の質問を拒否するようなことのないような、もしあるとするならば、これはまた重大な問題に発展をいたします。考えようによっては、そういうことを拒否できるような足場をつくる、あるいは、きのうも話がありましたように、それらの業界、会社代表の立場を守ってやろうというような立場から、このような申し入れをしたとも解せられます。 したがって、自後の取り扱いについては、委員長に重ねて善処を申し入れまして、私は、委員長の答弁により、この質問を終わりたいと思います。 〔林(百)委員「委員長の発言のある前に、関 連」と呼ぶ〕
○荒舩委員長 ただいま田中君の発言でございますので、この発言につきましてお答えをいたします。林君の発言を許しません。 田中君の発言にお答えをいたします。 あなたの発言は、各党を代表して、理事会の総意によって発言せられております。したがいまして、この結論は重大でございますので、これはあなたの御提案のとおり、理事会におきまして善処をすることに決定をいたします。 〔林(百)委員「委員長、議事進行。田中君は、私にいいと言っているのです。一言、関連で言わしてください」と呼ぶ〕
○荒舩委員長 田中君が委員長じゃございません。荒舩清十郎が委員長でございますから、どうぞお間違えのないように。林君の発言は許しません。 安里積千代君に発言を許します。安里積千代君。
○安里委員 石油問題、物価問題で連日熱い議論が戦わされておりますが、これらのすべての問題が、考えてみますならば、国際問題と密接なつながりを持っておる問題だと思っております。石油資源の開発その他を含めまして、最近いろいろと問題が拡大されるでありましょうし、大陸だなにおける石油資源の開発という問題も、日韓におきまする協定という問題、こういった問題が進展をいたすであろうことも予想されてまいります。そうして、そのようなことが発展をいたしていきまするならば、当然、沖繩の地域というものが最も大きく国際的な接点になってくる、こう考えます。そこで私は、現在の実情から越えまして、将来の見通しの中に立ちまして、若干の質問を行ないたい、こう思っております。 通産大臣が所用でまだお見えになっておりませんので、まずその前に、先般発表されました沖繩の軍用地の返還の問題に関連をいたしまして、外務大臣並びに防衛庁長官に質問をいたしたいと思います。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 外務省から発表されました先般の日米安全保障協議委員会の第十五回の会合におきまする発表によりまして、沖繩におきます軍用地が若干開放になりました。返還するということが約束づけられております。ただし、これは三段階に分かれておるようでございまするが、まず私がお聞きいたしたいのは、この発表の中におきましてこのような「整理・統合は、本問題に関する沖繩県民の強い要望に沿うものであることを確認した。」ということばがあります。特に私は、このことばが発表の中に入れられておるということに疑問を持つわけであります。 お聞きいたしたいのは、はたして今度発表されましたところの返還を約束づけられました土地というものが、「本問題に関する沖繩県民の強い要望に沿うものである」か。結論を申し上げますと、私どもから見まするならば、沖繩県民の強い要望に沿うものであるとは考えておりませんが、特にこのことを強調されておられます。 そこで、今度返還を約束づけられましたところのものが、これが「沖繩県民の強い要望に沿うものである」ということをいわれまする根拠と申しますか、理由と申しますか、そういうものを、話し合いの主体でありまする外務大臣にお伺いいたしたいと思います。
○大平国務大臣 沖繩返還後二年近くたつのでございますが、その間、若干の返還を部分的に見たことは御承知のとおりでございますけれども、今般は二千八百九十九万平方メートルという内地における関東計画に匹敵する規模を持ちました返還がこの段階で了承されましたことは、沖繩県民の多年にわたる要望の線に沿ったものであると思います。われわれは、その要望を常に念頭におきながら、この問題の処理に当たってまいった次第でございます。 しかし、沖繩における提供施設、区域はたいへん広範にわたりまして、沖繩の面積の一割をこえておるということは、われわれも十分承知いたしておるわけでございます。したがって、今後とも米側との間で折衝を続けてまいりまして、要望の線に沿いまして、逐次返還の実現を期したいと念願しておるわけでございまして、言う意味は、今日達成できましたものも要望の線に沿ったものである、今後もその線に沿って努力する所存であるという旨は、一月三十日の安保協議委員会の発表におきましてもうたわれてあるとおりでございます。
○安里委員 もちろん、沖繩県民の最終的な要望を達するためには、時日も要するでございましょう。また、それなりの交渉の過程も必要であるということはわかります。しかし、少なくとも今回話し合われましたところの問題が沖繩県民の――確かに数において、広さにおいてこれまでよりも大幅になってはおります。しかし問題は、その量じゃなくして、質の中にあると考えております。 いま、一々具体的な地区につきましてかれこれ言うのは一応まず避けますが、沖繩の市町村あるいは地主が強く返還を要求しましたのは、もちろんこの中には入っておりまするけれども、ほとんどこれは除外をされておるということがうかがわれるわけでございます。私はその内容についてあとで触れたいと思いまするけれども、その前に、沖繩県民の要望に沿うものであるということをおっしゃっておりまするけれども、昨年の九月でございますか、確かに、沖繩の市町村から軍用地の開放、返還を求めますところの要求というものが出されておるはずでございます。どういう地域を、これは概括でもけっこうでございまするけれども、どれだけのものを返還しろという県民の要求というものが確かに出されたはずでございまするけれども、その出されたものがどの程度のものであったか、数量だけでけっこうでございまするからお答え願いたいと思います。
○田代政府委員 いま手元にこまかい資料を持ち合わせておりませんが、私の記憶によりますると四千五百万平米ではなかったかと思います。
○安里委員 単位が、数字が違いやしませんか。四千ですか。地域の数において幾らですか。
○田代政府委員 ちょっと数を精細に調べた資料がございませんので、また後ほど申し上げたいと思います。
○安里委員 一応その要求されましたところの地域につきまして、ぜひ一応資料をいただきたいと思います。委員長のほうではからわれることをお願いをいたします。 これは相当の数でありまするし、また、単に要求するというだけでなくして、この返還によって、都市計画あるいは土地利用あるいは産業、こういったものを主体にして要求がなされておるはずでございます。今度の約束づけられました地域は、直ちにいわゆる全面的に返還されるところの区域、これが七カ所でございます。この七カ所のうち、関係市町村も地主もぜひ返還をといって要求されたのが、私は二カ所でないかと思っております。そのほかの地域につきましては、いろいろな問題があって、返されても直ちに困るというような問題もあると考えております。 これは施設庁のほうにお伺いしたほうがいいと思うのでございますが、別表にありまする移設を要せずに返還される施設、区域というのが、全部返還で七カ所かございます。その七カ所の中で関係地主、市町村もぜひ返還しろということを要求された個所がどこどこありますか、おわかりでしょうか。
○田代政府委員 お答えします。 ただいま精細な資料がございませんので、直ちに突き合わせができません。後ほどまた資料として差しあげたいと思います。
○安里委員 私は、ほんとうの熱意を込めて返還要求をするなら、たった七つぐらいの個所において、どの個所がどうだったということが頭になければならない問題じゃないか、こう思うのです。 それでは、こういうことをお伺いしたいと思います。これは前回の沖特委におきましても、公明党のたぶん渡部委員からの要求だったと思っております。一体、アメリカに対してこれだけを返還しろという交渉と申しますか、結論はここにあるようでございまするけれども、日本政府側から要求されたところの地域、施設、これがどういうふうな地域であるかということの資料をたぶん沖特委で要求されておったはずであります。これは外務当局がやっておられるということで沖特委ではなにされておりますが、その詳細なるところの、つまり政府側として、アメリカに要求をしたその明細というものが、今日の段階において整っておりましょうか。
○大河原(良)政府委員 沖繩の施設、区域の返還の問題につきましては、昨年の春以来安保運用協議会の場その他を通じまして、鋭意米側との折衝を重ねましたあげく、ことしの一月の三十日に第十五回日米安保協議委員会の席上におきまして、先般発表されましたような合意が行なわれたわけでございます。 ただいま御質問のございました、その際に、日本側が米側に返還を要求した施設の内容、数その他をという御注文でございますが、この点につきましては、交渉の内容そのものであり、また沖繩の施設、区域につきましては、今後とも米側との交渉を続けてまいる考えでございますので、今後の交渉のこともあり、その内容を申し上げることを差し控えさせていただきたいと思います。
○安里委員 おかしいのですよ。皆さん方のこの発表には、これは沖繩側の要望に沿うものであるということを特に明記してあるんです。では、沖繩側の要望としてはどうであるかというならば、五十一カ所相当の地域が、いまの都市計画あるいは産業、地域開発、あらゆる理由から要請が出されておる。そうして、それをもとにして政府もアメリカ側に対して折衝したはずであります。それらの要求をしたけれども、これこれはいれられなかったというようなことにしか、いま感じ取られません。 逆に言いますならば、日本政府は、アメリカに対して、沖繩のこれだけ膨大な土地を返せという積極的な交渉をなさらずに、ただアメリカが、これだけのものは返すんだ、しかも無条件でなくして、いろいろ条件をつけて返すんだということを言って、これだけがまとまったという感じを受けるわけです。ここには沖繩県民の要望に沿うものであるというように、特に断わっております声明でございますので、見ますならば、いかにも今度返還されたそのものが沖繩県民の要望に沿うものであるというふうに受け取れるのです。私はそれを明らかにしたいのです。 そうしますと、沖繩県民からの要求というものは頭に置かずに、特にその要望に沿うて政府がアメリカに返還を要求したものはなくて、アメリカ側がこれだけは承知したというものが、今度の発表になったものでございますか。
○大河原(良)政府委員 このたびの施設、区域の整理統合の交渉におきましては、その以前からの現地の強い要望を当然考慮に入れましたと同時に、昨年の春以来の交渉の過程におきまして、現地地主連合会あるいは現地の市町村、この現地側の強い要望が防衛庁なり外務省に寄せられておりました事実をも十分念頭に置きまして、現地の事情を十分頭の中に入れながら米側との折衝を行なったものであります。
○安里委員 ではちょっと具体的に聞きたいと思います。 久志訓練場が移設を要せず返還される地域に入っております。この久志訓練場は、それに接続しますところの水域も含まれますか。
○田代政府委員 久志訓練場の水域でございますが、これは、この案を考えた際には水域まで考えておりませんが、具体的に返還になる際に、あわせてまた検討するという問題じゃないかと思います。 それからもう一点、先ほどたいへん失礼いたしましたが、七カ所のうち二カ所ということをおっしゃられましたが、手元の資料をいろいろ繰ってみますと、おそらく西原陸軍補助施設、新里通信所ということじゃないかと思います。
○安里委員 久志訓練場のほうは、いよいよ返還になるときに、水域はどうするかという問題もあわせて考えるというわけですか。それはちょっとおかしくありませんか。訓練場に接続する水域、これは訓練場と一体となって設定されたものだと思います。それはそれとしてよろしゅうございます。 屋嘉訓練場、久志訓練場、これは返還協定審議の当時においても問題になったものでありまして、復帰前は軍用地でなかったものが、一時的に使用その他の形でアメリカに使用されておったもので、本来の意味の軍用地でなかったものであります。先ほど二カ所のうちの西原陸軍補助施設ということをおっしゃったのでございますが、これは地主あるいは村から積極的に要望されている地域でないはずであります。牧港調達事務所、これも復帰前軍用地でなくて、復帰とともに一時使用のものが軍用地になったものであります。お話がありました新里通信所、与座岳陸軍補助施設、これが地主、市町村から強い返還要求のあった二カ所であると私は見ております。三番目の平良川通信所は、もちろん返還の要望はされておりますが、あとでちょっと触れたいと思いますけれども、前に返還されました天願の区域と同じように、地籍の問題が必ず持ち上がるところの地域でありまして、こういう問題とあわせて解決しなければあとに問題を残すということで、返還の要求にまだ渋っておる地域であるというように考えております。こう考えてみますと、直ちに返還される地域というものは、本来軍事基地として使われておったものではなくして、ほとんど用をなさない地域であります。北部訓練場でございましても、安波訓練場でございましても、一部返還ということになっておりまするけれども、安波訓練場なども一時使用の区域でございました。しかも、これらは海洋博などとも関係がございまして、水源地の関係で部分が返還になっただけだと思っております。 いろいろ、一つ一つ取り上げますと時間がかかりまするけれども、総体的に見まして、ほんとうに沖繩県民の要求によって、要望に沿うて返還されたというよりは、アメリカの戦略の変更により、アメリカ自身が、もうあってもなくてもいいというようなもの、あるいは軍用地にとらなくてもよかったようなもの、こういったものが今度の対象になっておるようでございまして、政府側からの要求によって返されたものというよりは、アメリカの立場が主体になってこれは返されたものだ、私はこういうふうに見るわけでございます。政府が沖繩の基地を整理縮小していくという当初からの考え方は、ちっともあらわれていない、こういうふうに思うわけでございますが、その点、いかがでしょうか。
○山中国務大臣 沖繩県民の皆さんから見れば、確かに、おっしゃられるような点があるかと思います。しかしながら、米側との間には一年余りの交渉が続けられておりまして、その間、米側として、日本側の要望に対して沿い得る第一段階として示してまいりましたものは十月末ごろであります。そのまま合意すれば、十一月の初めごろには日米安保協は開けたわけでありますが、しかしながら、米側で俗にいう山中メモというようなものを追加いたしまして、私の知っております範囲の沖繩県民の御要望に沿い得る余地がまだあるということで、その後三カ月近くを費やして、ようやく米側の譲歩をかちえて、今回の、先ほど外務大臣が申しました要望に沿い得る第一歩として私も同意いたしたわけでございます。 もちろん、沖繩側の要望は、最終的には、基地のない戦前の沖繩にして返せということでありますから、したがって、われわれから見て、なかなか困難であろうと思われる嘉手納空港にしても、普天間空港にしても、とにかく返してくれという御要望の中に入っております。しかし、私どもがそのままをぶつけて交渉いたしましても、これはなかなかうんと言わない部門がございますので、沖繩県民の方々の御要望の中で、現時点においては要望することそのことが、若干交渉を困難ならしめる点については、私どもの判断で落とした点がございます。その点は率直に認めたいと思います。 しかし、私どもとしては、これを第一段階とし、さらに県民の、あるいは県の振興開発予定の計画、あるいは各町村がそれぞれ持っておられます市町村段階の基地がなかりせば、という新しい振興開発の未来図というものをよく念頭に置いて交渉してまいりたいと思いますが、アメリカ側はアメリカ側として、やはり沖繩における米軍の基地機能という問題についての米側の立場もあります。それらの点については、日本政府の立場として、十分に県民の意向にさらに沿い得るように努力を重ねてまいるつもりであります。
○安里委員 山中長官は、沖繩問題に対しまして日ごろから熱意を示されておることは、よく理解をしております。それであってさえも、復帰後におきまする軍用地の整理あるいは返還というものが、この程度にしかならないということは、私は残念に思っております。しかも、受け取り方からしまするならば、初めから要りもせぬ、あるいはまた、あったって何にもならない土地を返す、それでもって、表面上は、これがこの問題に対する沖繩県民の強い要望に沿うものであるということを確認したということになりますと、むしろあとの交渉に非常に差しつかえるのじゃないか。なぜ特にこういうことを、外交辞令的なことばで――むしろこれは、沖繩県民の要求には十分満足を与えるものじゃないけれども、というなら話はわかるけれども、わずかなものを返しながら、本問題に関する沖繩県民の強い要望に沿うものであるというような、県民を、あるいは国民をごまかすようなそういうあり方はいけないと私は思うのです。政府としては、国民としては不満足な、これはむしろアメリカの基地の統合、強化ということにつながるものであって、返還協定の中における趣旨には合致しないものである、多くの不満を表明するくらいの強い態度がなければ、これから後の返還要求につきましても、運ぶのが非常におそくなる、実現がおそくなる。ある場合には、むしろこれで満足しておるというふうにとられますと、今後の交渉にも支障を来たすのじゃないか、こう考えております。 そこで、移設を要せず返還する区域、こういうものが、いつ実行に移されるという見通しのもとにこの話し合いがなされておりましょうか。
○山中国務大臣 移設を要せずして返還されるもの等については、近く第一弾は出ると思いますが、具体的な作業等を詰めまして、そして逐次、今年じゅうに返還されると思います。それでもなお新しい境目ができますから、一部フェンスをつくったり、あるいは瑞慶覧の射撃場の一部を移設したりなどするようなものも予算化いたしておりますので、こういうものは、今年度中には話が具体化して返還されるものと考えております。
○安里委員 これは、施設をするという、さくを設ける費用というものが予算に組まれておりますのは、そういうことを予想しての予算でございましょうか。 問題は、これに限りませんけれども、今後返還される土地に対し、復元補償、あるいはそれに対する処置を考えなければならぬと思っております。単に返すだけではおさまりがつかぬと思いますが、本年度の予算の中におきましては、これら返還される土地に対します補償問題に関する予算は全然考慮されておらないでしょうか。
○山中国務大臣 これは復元補償並びにそれぞれの地籍確定に要する経費等がその主でございますし、また地籍が確定し、個人の、地主の所有の私有財産に帰するまで、すなわち、その活用の道が個人として開かれるまでの間は、本土において三カ月間となっております賃借料相当分も、沖繩においてはそれを払っていくという予算措置もいたしておりますので、地主に御迷惑をかけないで、きちんと整理をしていきたい、そういう手段をとる予算はとってございます。
○安里委員 賃料その他の問題については、相当の額についてはおっしゃるとおりだと思います。この中には、取りこわさなければならぬ施設、そういったものはございませんか。そういったものに対する経費、これはどちらが負担するわけですか。
○山中国務大臣 それは復元補償に要する経費でございますから、賃借料等は別でございますが、復元補償も当然支払いもいたしますし、また、後ほど御質問があるかもしれませんが、測量その他の境界画定の困難な問題等についても、それぞれ明確な作業分担を進めてまいりたいと考えております。
○安里委員 私がそのことを承りますのは、そういったものの復元補償に対する費用が必要だとするならば、もし本年度中になされるならば、予算の裏打ちというものがなければならぬじゃないか。もっとも、これは一月の末の発表でございますのでその間もなかったかもしれませんけれども、これから見まするならば、こう発表されましたけれども、少なくとも本年度内には実際返還のあれがむずかしいんだというような感じを受けるからであります。ただ一つだけ、移設措置等の実施にかかる合意の成立後に返還される区域がございますが、この那覇港湾施設についてだけお伺いしたいと思います。 この那覇港湾施設の返還というのは、いま那覇港を使っておりまするところのアメリカのものを、ほかに港をつくる、あるいはほかの港を利用する、こういったような処置がなされることを前提にして那覇港を返還する、こういうことでございましょうか。
○山中国務大臣 そのとおりです。
○安里委員 沖繩に、これにかわるところの新しい港をつくる、あるいはどこか既設の港を利用するということになりますというと、これに要しまする費用は相当大きいものだと考えます。あるいはまた、はたしてそれが可能であるかどうかということもわかりません。一体どこを予想しながら、頭に描きながら、あるいはまた、この交渉の段階においてアメリカ側の示唆を受けながらこの約束がつけられたものでございましょうか。
○山中国務大臣 那覇港というのは、沖繩県の一番大きな港であり、沖繩の玄関ですし、県庁所在地那覇市の中心にあるわけであります。その北岸の一部を除いては、全部これが米軍の専用岸壁になっております。しかも、その岸壁の取り扱い数量は、御承知のようにベトナム戦以後急速に収縮して、約三万トンぐらいの取り扱い量に落ちておりますし、全面返還を無条件でしてもらいたいと思うのですけれども、やはり牧港補給所等に対する物資の常時陸揚げ等が、アメリカとしては必要なことも否定できません。 そこで、返してもらいたいということについては承知しました、しかしながらそのかわり、いまの那覇軍港みたいな大規模なものでありませんが、それにかわる米軍の物資の陸揚げ場所をさがしてもらいたい、ではわれわれはそれを何とか努力しよう、それができたら返してくれということに合意したわけでありますが、これは、私たちが政府の意思でもってここにしようと言いましても、現地には複雑ないろいろな利害がございますから、私どもがどこだと言うわけにはまいりません。しかし、少なくとも県知事、いわゆる県庁と港湾管理者である那覇市、そして牧港補給所の所在しております浦添市、これらの責任者の方々が御相談をいただきまして、現在ある那覇軍港を撤去することが第一である、それならば残った機能の軍港施設をどこに、あるいは既存のどの場所をあらためてその代替として認めるかという問題は、少なくとも現地側の合意というものをいただかなければなりません。 したがって、その合意をいただきましたならば、それに対して米側の最低要求規模というものと、これはわれわれが国費でもってつくるわけでありますから、リロケーション施設というものについての合意を地元との間に取りつけなければならぬだろうと考えておりまして、これはこれから現地の県並びに関係市の皆さまと御相談をしなければならない事柄でございまして、米側は、かわりの施設があれば返すことに同意したという基本的なことを示したにすぎないということであります。
○安里委員 私はこれはたいへんなものだと思っております。返すことは返す、しかし、これにかわるところのほかの施設を提供しろ、こういう要求がなされておるわけであります。そうなりますと、おそらく新しく軍用地に提供しなければならない、あるいはまた、承諾を得ることができなければ強制もしなければならない、もし強制を避けるならば、話し合いのつくまで、ということになりますというと、逆に、このいま軍港に使っておりまする施設を引き延ばす口実にしかなってこないじゃないか。それは、こういう話し合いができたけれども、現地でかわる施設というものを提供してくれない、だから返さぬのだ。逆に、那覇港の返還というものが、それはほかも全部、施設をつくって云々というところの地域全部ではございまするけれども、これらのものが、アメリカ側からするならば、こういう話し合いができた、ところが、政府が、あるいは現地がかわるべきものを提供しない、だから返さぬのだという逆の結果になって、これはまずい結果にむしろなってきはせぬか。これは、話のつくまでは返さぬというところの根拠がここでできた、こういうことになるおそれはございませんか。
○山中国務大臣 そういうことはないようにいたしたいと思いますし、これはまず米軍に、内心はおそらくうんと言わないだろうと思って当初交渉した場所の一つでありますが、米軍は、わかりました、じゃ那覇軍港は将来返してよろしゅうございます、そのかわりに、規模はずっと小さくなるでしょうが、残存の必要数量の陸揚げに要する場所、施設というものをお願いします、こういうことでありますから、それに藉口して、米軍が逆に那覇軍港を今後も引き続き、しかも、いまスペース等においては相当な余裕がございますので、そういうような状態の使用を認める根拠にするのだという意思は全くありませんし、米軍も、一たん表に出しました以上、それを開き直る意思もないと見ております。 でありますから、私は沖繩の現地の事情をよく存じておりますから、県と那覇市と浦添市あたりが御相談を願って、何かいい知恵があれば、あとは、地元には経費はかけないわけでありますから、国のほうで代替の必要規模の施設をつくるということの努力を急ぎますれば、那覇軍港は戦前よりももっとりっぱな、那覇商港として活用されるだけの機能を持って、米軍自身もまた広げたりつくったりしておりますので、大いに沖繩振興に役に立つというふうに考えておりますし、またそれは急がなければならない。かといって、私どもがどこにしよう、どこにしなさいと現地に命じ、もしくはまた要請する事柄としては、ちょっと現地においては感情的にも相いれないものがあろう。したがって、これは御相談ごとである。そしてすみやかにその御相談をまとめていただいて、那覇軍港を名実ともに商港として返したい、そういう精一ぱいの気持ちでございます。
○安里委員 これは、そういう希望的な観測をされましても、見方をされましても、実際問題として新たな基地の提供ということが行なわれまするし、沖繩にあの施設にかわるべきものを提供するということを前提に考えました場合には、私はおそくなるという可能性が非常に大きいのじゃないかと心配をいたします。 それはそれといたしまして、移設措置としてその実施ができてからという地域というのが十二カ所もあります。さらにまた一部返還もありますけれども、全部返還と一部返還を合わせますと相当のものがございます。 私はちょっとこれだけお伺いしたいと思うのですけれども、今度合意されましたところの、移設措置をしてから返還するというこれがほんとうに全部できるとしますと、一体どのくらいの経費を政府は負担しなければならないと目算されますか。
○山中国務大臣 まあ、一番金目なものは、やはりメーター当たり何十万といわれる港湾だと思うのです。しかし、いまのところ港湾は、いまの質疑応答でいたしましたように、場所すらもまだ未定でございますからその計算は成り立ちませんが、成り立ち得る計算として、行き先がまだきまらなくとも、残りの牧港の九百八十一戸というものがやはり一番大きいだろうと思います。そういうもの等を念頭に置きながら考えますと、那覇軍港を除いては約六、七百億であろう。那覇軍港もいまのような大規模なものじゃありませんから、まあ三万トン程度のものが揚げられるという規模であるならば、合わせて一千億を若干こえるのではないかというような気持ちでおります。
○安里委員 これは私はたいへんなことだと思います。沖繩返還にあたりまして何億ドルかの金を出したということも、沖繩返還というのが金で買われた云々という問題もずいぶん問題になりました。しかし、返還後の今日において、さらに返還する部分については新たに施設をしなければならぬ、その施設はさらに日本政府が負担しなければならない、あるいはまた復元補償を要する地域というのも相当多うございまするが、それだけの金を考えますと、国民の非常な大きな負担になってくる。こういった財政的負担というものが、また逆にいいますならば、返還に対しまする要求のブレーキになるというようなことも私はおそれるわけであります。アメリカ自身の戦略的な立場のために施設をし、またそのために国民が非常な大きな負担をして、返還後の今日においてもなお新たな負担をしなければならない。私は、こういうふうに沖繩の基地が扱われるということが、沖繩県民の心でもないし、また、そのような負担というものが国民にかかってくるということは忍びない問題だと思っております。これは、沖繩の軍用地の整理につきましては、基地提供に対しまする行政協定がどうなっておりましょうとも、アメリカのために新たに負担をして施設をしてやる、そうしてこっちを返してもらう、すっきりしないものが私はそこにあります。 山中長官、外務大臣もですよ、ひとつ御在任中に、行政協定が誤りでありますならば、あるいは是正すべきものがありましたならば、アメリカがほんとうに友好国であるとしますなら、日本にそのような負担をかけ、復帰後も、返還後も、なおまたさらに次から次へと負担がかかってくる、こういうようなことに対しまする是正の道を考えることが、外務大臣として、また防衛庁長官として、私、責任でないかと思います。何でもかんでも金をやって、アメリカ云々というふうになりますと、納得のいかない問題だと思います。今後の返還につきましても、返還することが多くなればなるほど国民の負担がたいへんにかかってくる、これを避けなければならぬ、こう考えておりますが、外務大臣、どうでしょうか。相手のあることでございまするけれども、私は、そのことが中心にならなければ沖繩県民の意思に沿うところの返還とはなってこない、こう思います。
○山中国務大臣 よくわかります。しかし安里先生、こういうふうにとっていただけないでしょうか。 日本政府が負担をしてでも、沖繩において基地を整理統合してもらいたいという努力を私たちは続けているというふうに受け取ってほしいと思います。われわれ防衛庁といたしましても、リロケーションの経費が、広い意味の、各国と比較される場合の軍事費とか、あるいはわが国の防衛費の金額の中に入ってまいりますし、はたしてそれがほんとうの防衛費であるかどうかに疑問な点も持っておりますが、しかし、それはなおかつ乗り越えてでも、沖繩の場合は、本土政府が相当犠牲を払ったとしても、沖繩の忍従の歴史というものを考えた場合に、それはわれわれが耐えて、沖繩において望まれる返還というものを努力して、金を出していかなければならぬのだ、そういう、一生懸命誠意でやっているのだというふうにお受け取りをいただきたいと思いますし、金がかかるから、基地の返還要望はあっても、それはやめたというような姿勢はとっていないというふうにお考えをいただきたいものと考えます。
○安里委員 政府が金を出しても、沖繩の返還を云々という、これは非常に好意的に聞こえますけれども、ほんとうは、沖繩の県民からしまするならば、その意思にほんとうは沿わないのです。長い間アメリカがかってに使っておって、かってと言っては語弊があるかもしれませんけれども、そうしてもう要らなくなったら返す、返すためにはまた国民に多くの負担をかける。それは国民の側からしまするならば、沖繩に対する配慮があるということになるかもしれませんけれども、沖繩の側からしまするならば、金まで出してやったのだという、こういうように受け取られることは、私は沖繩県民のほんとうの考えにそぐわないものだと思うのです。 もう一歩進んで、まあ請求権の放棄の問題にもさかのぼるかもしれませんけれども、もっとこういうものに対して、アメリカ自身がやったことなんだから、日本がさらにそれに追い打ちをかけるように負担をしなければならないというような、そういうことを避ける努力をやるべきじゃないだろうか。沖繩側にとっては、金まで出して返還してもらったというような立場は、私はとりたくないと思っております。むしろこの点は、アメリカにこのように新しく金まで出して提供するというような、そういったあり方を是正しなければならぬ、私はこう考えております。この問題につきましてはその点を要望いたしておきます。 通産大臣にお伺いしたいと思いまするけれども、石油問題というものが、今日の経済界、特に国会においても大きな問題になっておりまするが、石油業法に基づきまするところの計画ですか、これは一体毎年度の計画は、いつごろ立てられて、いつごろ行使されるものでございますか。
○中曽根国務大臣 大体、年度の初めごろにその一年の計画と、上半期、下半期ぐらいの計画をつくっておるわけでございます。
○安里委員 石油ショックといわれた以後におきましては、いろんな状況の変化と申しますか、事情が変わってまいっておりまするけれども、この計画というものは、変更になったでしょうか。あるいは、年度初頭に立てられた計画そのままでございましょうか。
○中曽根国務大臣 先般国会でも御質問がございまして、長期計画をつくりまして、そして、たしか昭和五十二年度に三億三千万キロリットルという数字がございます。これが毎年毎年計画を検討しながら先へ行くごとに直していっているわけでございますが、この石油事情が大きく変化いたしましたので、その五十二年度三億三千万キロリットルというものも含めて、もう一回近く見直そう、そういうことでいろいろ準備しておるところであります。
○安里委員 もちろん長期的な展望に立たなければなりませんが、法に定められました五カ年計画の五年の計画を策定しなければならぬということを中心に私はお聞きしたわけでございます。 それはそれとしてよろしゅうございますが、そこで、長期の展望に立ちまして、いま石油問題がこのようにいろんな制約を受ける中にございまするけれども、この供給計画の中に、長期的展望に立って、新しい開発というような問題に対する構想と申しますか、大体のビジョンと申しますか、どのように具体的に持っておられましょうか。
○中曽根国務大臣 この長期計画の中には、大体いわゆる自主原油と申しますものを三〇%程度にふやそう。つまりメジャーズから買うものでない油で、政府が直接投資して獲得する油、たとえばアラビア石油のようなものであります。あるいはインドネシアに対していろいろ日本が金融的措置等を講じて獲得しておる、日本自体が自主性を持って獲得する権利を持つ、そういう油を大体三〇%ぐらいに上げたい、そういう目標で進んでおります。
○安里委員 先般調印されました日韓大陸だなの協定、これはその目的というのが、日韓共同開発による海底油田の開発ということが目ざされて、そのための大陸だな契約だと、こう思いますが、日本の国内において、あるいはまた大陸だなにおいて、この開発に力を入れようというところの計画、ねらいというものがあられるわけですか。
○中曽根国務大臣 日本近海におきまして石油が自主的に獲得できるものならば、これは非常にいいことでありますから、こういう熱意をもちまして、いま新しく日本周辺の大陸だなの開発については再点検をやりまして、そして積極的にこれを推進していこうと思って準備をしております。 それで、韓国との共同開発の問題は、あの地域に日本側がたしか三社、韓国側が、主としてこれは外資系、ガルフその他でございますが、四社がダブって鉱区を出願しております。 そこで、この問題については、外務省を中心としていろいろ協議をして、共同開発ということで調印を行なっておりますが、まだ批准はしてないところであります。そのほか太平洋沿岸あるいは本州の日本海沿岸あるいは沖繩列島にかけて、かなり油が出る可能性も最近は見えてまいりました。そういう意味におきまして、日本としてはできるだけ努力をして、それらの地域についての開発を進めていきたいと思っているところであります。
○安里委員 日韓の大陸だなの協定は、もちろん批准をしなければならぬし、国会の承認を受けなければならぬと思いますが、これはいつごろ一体批准するお考えでございますか。外務大臣に伺いたい。
○大平国務大臣 今国会で御審議を願うように、いま手続を踏んでおるところでございます。
○安里委員 大陸だなに関する国際条約、これに日本はもちろん加盟しておらないわけでございます。この大陸だなの共同開発に対する協定に対しましては、この間もどなたからか質問があったわけでございまするが、中国側から文句が出たということも報じられております。 お聞きいたしたいのは、このような国際的な条約は、条約に加盟していないところの国も拘束するものでございましょうか。
○高島政府委員 お答えいたします。 国際法の一般の原則といたしまして、二国間で協定をした場合に、その協定が、いかなる意味でも第三国を拘束するということはございません。
○安里委員 かりに、この大陸だなの条約からしまするならば、日本と韓国だけでこのような契約をするということは、大陸だなに関しまする国際条約に抵触と申しますか、趣旨に沿わないものになってくる結果にはならぬでしょうか。
○高島政府委員 日韓間で現在調印いたしました大陸だな共同開発の協定は、日韓間で国際法上、共同開発し得る水域における取りきめでございまして、いかなる意味でも第三国の権利を持っているところを侵してまで日韓間で協定したという趣旨のものではございません。そういうことでございますので、第三国、特に中国がこの協定について疑問を持ち、あるいはいろいろな意見を持つということはもちろん考えられますけれども、その点につきましては、私ども十分に中国政府側に対しまして説明いたし、かつ、わがほうといたしましては、日中間の大陸だなの境界につきまして話し合いをしたいということであれば、いつでも喜んでこれに応ずるという姿勢をとっておる次第でございます。
○安里委員 大陸だなに関しまする条約の中におきまして、二種類と申しますか、隣接するところの地域と、それから相対するところの地域、二様にあると考えております。この日韓の場合は、一体どちらにそれは該当するのですか。
○松永政府委員 先ほど御指摘のごとく、大陸だなに関する条約の日本は当事国になっておりませんが、この条約の第六条にございます規定によってみますならば、この第六条一項にございます「向かい合っている海岸を有する二以上の国の領域に同一の大陸棚が隣接している場合」、その場合に該当するかと存じます。
○安里委員 その「向かい合っている」ということになりますと、当然中国も関係者ということになりませんか。
○松永政府委員 全体の問題といたしましては、当然日本と中国との間の大陸だな、向かい合っている両国の間に大陸だながあるわけでございますが、今回韓国との間で協定いたしました共同開発の区域は、そのうち、日韓間で取りきめることができる区域に限定しているわけでございます。したがいまして、中国との間の関係はないと存じております。
○安里委員 ちょっと、日韓だけでできる範囲内というのは、どういう根拠なんですか。それは相対するところの地域の国だということになりますと、日韓だけでこれが処理できるものであるとは思われませんがね。第二項の相隣接するというものじゃないでしょう。それならば相対しまするところの中国と無関係に、それを除いて日韓だけでできるということはちょっとおかしくありませんか。
○松永政府委員 日中間の大陸だなの境界とは、今回調印いたしました協定は全く関係を持っていないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、日韓間にわたって存在します大陸だなの部分についてのみ協定いたしたわけでございます。
○安里委員 この問題は、もちろん国会で批准になるでしょうから、その機会に皆さん方が論じていただくでありましょうけれども、いまのお話は、大陸だな条約に関しまする問題を、私の誤解であるかどうかは知りませんが、どうも間違った解釈をされておるのじゃないか、こういうふうに思います。 それはそれといたしまして、心配をいたしまするのは、沖繩がまだ本土に復帰前から、アメリカは大陸だな条約を批准いたしておりますが、アメリカの会社が台湾の、あのときは中華民国政府の鉱業権を得て、台湾に接続しまするところの沖繩の尖閣列島、あの大陸だなに対しまする鉱業権を申請して、権利を獲得しておるというようなことも報じられております。私がいま心配しますのは、日韓の間で大陸だな協定ができた。その延長線であります、前から問題になっております尖閣列島の問題、なお言いますならば、台湾にあります中華民国政府、これも大陸だなに関する国際条約に加盟しております国といたしまして、必ず当然これに対する権利を主張してくる可能性があり、また、実際にその国際条約に基づいて沖繩近海にまで手を伸ばしてくる、こういうことが私は考えられるわけでありますが、東シナ海に通じます日韓協定がいま延長されまして、中国の問題、台湾の問題、ことに石油資源の開発ということが非常にいわれておりますので、あの地域において、国際的に、石油開発をめぐりまして将来非常な紛争が起こるんじゃないか、これを私は非常に予想するのです。 いまわれわれの目の前にあるいろんな問題を、かれこれ解決することもあれでございますけれども、少なくとも、この数年の間におきまして、大陸だなの、ことに九州、沖繩につながるところの地下資源開発に対しまして、非常な争いが起こってくるんじゃないか。その場合に、大陸だな条約の相対する国、隣接する国、あの地域が法的にどのような国の権利のもとに属するかというような問題というものは、非常に重要な問題だと私は思って、いまから慎重な配慮というのがなされなければならぬじゃないか。そうしないと将来に悔いを残すと私は考えまするし、そこへもってきて、日韓にはすでに協定を結んだということになりますと、その問題をさらにこじらすというような結果も来たすのじゃないか、こう思うのですけれども、日韓大陸だな協定に関連をいたしまして、この点、外務大臣どのようにお考えでしょうか。国際問題はちっとも心配要らない、あるいはこの地域における大陸だなの開発にも、日本の将来の石油資源の開発にも支障を来たさないというふうにお考えでございましょうか。何の心配もないものだというふうに考えられましょうか。
○大平国務大臣 大陸だなの境界につきましては、たとえ友好国の間におきましても、間々見解の違いがあることは御承知のとおりでございまして、それがあるからといって、その当事国の間が友好的でないということにはならぬと思うのであります。けれども、そういう問題が提起された場合に、どのように対処するかがわれわれの任務でございまして、日韓の間の問題につきましては、中国から抗議があったわけでございまして、中国側にはよく説明を詳細にいたして、理解を求めておるところでございます。 尖閣列島周辺の問題について御心配でございまして、私も安里委員と同様に、この問題につきましては関心も持ち、また、心配もいたしておるわけでございます。 この問題は、日韓間における今度の共同開発区域の設定のように、簡単に問題はいかないと思うのでありまして、各国の間、あるいは各国政権の間の状況、関係がたいへん複雑でございまするし、また錯綜いたしておる地域でございまして、この問題につきましては、仰せのように慎重に検討し、あやまちのないように対処していかなければならぬわけでございまして、いま確たる方針を、日本政府が持っておるというものではございません。
○安里委員 非常に外交的なデリケートな問題がありましてあれでございますけれども、尖閣列島の問題につきましては、ずっと前から、これは日本の領土である、沖繩の一部であるということには、論の余地ないのだということで済まされてきておりますが、もちろん、そのようにわれわれは真に主張しておるのでございます。また一方、台湾側からいうならば、陸地の延長であるというふうに主張するし、この前の大陸だな条約を批准する場合におきましても、これに対します留保権を行使しての条約の批准であったというふうに見ております。 そういったいろいろな動きからしますと、何を彼らがねらっておるかというようなこともあわせまして、非常な複雑なものを含んでくるんじゃないか、私はこう思っております。これは日本の石油資源の問題を今後扱うにいたしましても、たいへん大事な問題だと思っていますので、国際的な紛争を起こさない、しかも、道理を通すようにやっていただきたいと思っております。 あわせまして、先島、宮古、八重山の近海におきましても、その可能性があるというふうに伝えられておるし、それから、復帰前から鉱業権を申請されたものがあるはずであります。現在におきますその取り扱いがどうなっておりますか。
○中曽根国務大臣 尖閣列島を中心にする地帯につきましては、沖繩在住の個人等が鉱業権設定の出願をしております。また台湾も、米国系石油開発企業に対して、これと重複する区域について探鉱開発権を付与する等、近隣諸国との間に、大陸だなの境界において意見の相違がございます。 こういう状況に対して、政府としては、近隣諸国との間の話し合いを行なって、円満な解決をはかるべく努力しており、この地域の大陸だなの開発は、境界問題の解決をまって行なうよう、慎重な態度で処していきたいと思って、まだ鉱業権を設定はしておりません。出願はしておるけれども、鉱業権は設定していないというのが現状であります。
○安里委員 私はきょうは、予想せられますところの将来の石油資源の開発に対する一つの問題提起にとめたいと思っておりますが、私は、なぜこのことを取り上げるかと申しますと、尖閣列島の問題であれ、あるいは先島近海の油田の問題であれ、いろいろと注目されております。もしこのようなことが実際になってきますと、沖繩がこれまでとは違った新しい意味において、非常な国際的な接点になります。 従来アメリカの軍事基地ということで、沖繩が国際的に非常な重要視された地点でございますけれども、今後石油に関する限りにおきまして、沖繩近海の大陸だなの開発をめぐりまして、中国、台湾あるいは韓国、北朝鮮を含めて、非常な大きな問題になってくる。としますならば、沖繩が復帰した、何だか沖繩問題は終わったというふうに感じられますけれども、むしろ今後新しい観点に立って、沖繩問題を政治の段階において重要視して、これに対処する道を誤ってはいけない、こういうことを私は強く考えるわけであります。そういうことを念頭に置きまして、日本の石油開発について誤りのないように、十分留意されていただきたいことを要望して、この点は、私はこれだけにとめておきたいと思っております。 続きまして、先ほど防衛庁長官にもちょっと聞いたのですけれども、施設返還の地域の中におきましては、この前返していただいたところのものにつきましても、地籍の問題で調査ができない、こういうことで、トラブルと申しますか、問題が解決になっておりません。今度返そうという地域にも、それに関連するものがございます。 そこで、この問題は前からいわれている問題でございますけれども、なかなか抜本的な道というものがまだ講じられておりません。確かに開発庁の所管としていろいろな調査が行なわれておるように思いますけれども、一応長官とされまして、この問題に対しまするお考えをいただきたい。
○山中国務大臣 この問題は、現地の地主の方々にとってたいへん深刻な問題でございますし、また、先ほど来の、将来の開発計画を立てられるのにも重大な障害になっている問題であります。そこで、やや不明確な形で今日まで推移している形がありますので、きょうは整理して申し上げます。 まず第一に、国土の地籍調査というものは経企庁の仕事であります。しかし、沖繩の場合においては、そういう一般論でもってはとてもやっていけない。そこで、いまお話もありましたように、すべての土地を含めて、すなわち、現在軍用地であるところが中心でありますが、調査の済んでいない、主として本島部分が大部分でありますけれども、これは総理府の沖繩開発庁において、予算をつけて所管をして調査を進めていこう。しかし、先ほど来お話し申し上げましたように、これが返還を逐次なされていく、そういたしますと、返還をされた土地の地籍確定は焦眉の急務であります。しかも形状変更等その他もなされております。したがって、幸か不幸か、米軍は爆撃前に必ず空中写真をとっておりまして、これが爆撃される前の村落の状態を非常によく残しておいてくれております。私どもは、これを手がかりの重要な一つとしていま作業を進めておりますが、最終的には、それぞれの権利者たる地主の立ち会いのもとに確認し、合意し、登記という手段に出て、初めて私有財産になるわけでありますから、その間において作業と経費がかかります。 したがって、その作業は、沖繩の戦後も残されました土地調査事務所という役所を中心といたしまして、私どものほうが資金的な御援助を申し上げ、そしてさらに、具体的な協力としては、市町村、そしてそれぞれの部落の方々、関係者の方々の御協力をいただく。私有権の確定でありますから、それに伴う測量、境界策定のための作業等は、私どものほうも経費、事務ともに御一緒にいたしながら、最終的な所有権の確定を行なおう。 もちろん、復元補償等も行なうわけでありますが、その最終的な所有権が確定いたしませんと、返還はされたが、私有財産としての処分の自由、利用の自由が地主さんには戻ってきていないわけでありますので、したがって、先ほどちょっと触れましたけれども、本土において三カ月間のみ許されている賃借料相当の管理費と申しますか、そういうものを、地籍確定まで沖繩においては、賃借料相当分をお支払い申し上げるということで、昨年返還されましたものも含め、今回の返還されるであろうものも含めまして、予算措置も済ましておるところでございますから、今後は、その処理が、明確な行政責任とともに進捗していくことを期待いたしております。
○安里委員 ただいま、山中長官から詳細な御答弁がございましたが、この問題は一体どこが主管局になりましょうか。私はまだそれがはっきりしないのですが、現実には、いま予算をつけてもらって開発庁がやっておるはずであります。開発庁がやっておる法的根拠は、国土調査法に基づいてやっておるんじゃないか、こう思います。そうしますと、経済企画庁の所管というようなことも考えられるのでございますが、この問題は、もちろん軍事基地の中におきましては防衛庁長官の関係もあられるわけでございます。こういった複雑な関係。今度は登記の関係になりますと、法務大臣の関係も出てくるわけでございますが、いまの状況では、開発庁を通じて国土調査法に基づく整理、これは開発庁長官にお聞きすべきだったかもしれませんけれども、きょうはほかの御用でおいでになりませんのであれでございますが、これは政府当局とされてどうなっておりますか。どこが主体でございましょうか。
○山中国務大臣 明確に申し上げたつもりでございましたが、さらに明確に申し上げますと、沖繩開発庁において調査費を計上しておりますものは、まだ返還もなされていない地域についても調査をするということであります。それも、県の土地調査事務所等の御協力もいただかなければならぬということでありますが、さらに返還をされましたものについては、防衛施設庁、すなわち防衛庁が責任を持ちまして、そして経費、実測その他、土地調査事務所と一緒になって、形式的にもまた心理的にも、市町村あるいは関係住民の方々の御協力を願いたい。そして地籍確定が合意し確認されましたならば、境界を確認をした後登記所に、すなわち法務省のほうに私有財産の最終的な確定登記を行なうという行為になるわけでありますから、今回は明確になるわけであります。
○安里委員 私は、どういう法に基づいて地籍の確定の調査をしていらっしゃるかということなんです。もしそれが国土調査法ですか、あれに基づく調査でありますならば、企画庁が主体であるかとも思うのですけれども、しかし、いまの軍用地に関する限り、現行法の国土調査法に基づいて確定するということには、ぼくはほんとうに疑義がございます。これは防衛庁もあるいは施設庁も測定するでございましょう。測定したものが所有権の一つの実体をあらわしてくるということになりますと、それは、どういう法の根拠に基づいて所有権が確定されてくるのか。それは調査し、測量することは可能でございましょう。帳簿をつくることも可能でございますが、それがどのように具体的に所有権と相一致していくものであるか、所有権の実体というものをそれであらわすものであるかということになりますと、法の裏づけがなければならぬのであって、ただ現実に測量調査したから、それだというようなことでは相ならぬじゃないかと思います。ことに軍事基地の中におきましては、よけいそのことが確立することは私はできないんじゃないか。いま先ほど、関係地主の合意というお話もございましたけれども、それ以外にあるかもしれませんし、あるいはまた、それによってつくったものが、すなわち所有権をあらわすところの地籍の確定だというようなことも、いささか疑義が出てくるわけでございますが、これは法的にどうなりましょうか。単に、それは調査して、あるいは関係者の話を聞いてそのとおり測量した、測量したからそのとおりだ、これはちょっと法的根拠というのが薄弱じゃないか、こういう気持ちもしますが、どんなものでしょうか。
○山中国務大臣 国土調査法という法律がありますが、沖繩では、そういうものではとても間尺に合わぬ。だから、沖繩では、行政手段として、ただいま申し上げましたような、重複は避けますが、仕分けをして、そして問題は、何のためにやるんだということは、地主さんが、返還された軍用地というものを、確実に私有財産として自分の考えているとおりの利用をなし得る状態にして登記することである、その目的を達するために、それぞれ手分けをしてやろう、したがって、ただいま申しましたような区分をしておさめていこうというわけであります。
○安里委員 これも私、もう少し煮詰めたいのでありますけれども、今度の沖繩の地籍の調査というものは、国土調査法ですか、決してあれに基づく調査であってはならぬと私は思います。また、あの法の適用を受けて沖繩の土地の調査がなさるべきものじゃない、こう考えます。そして話し合いがつけば、あるいはそれによって確定するかもしれませんけれども、関係者自身が何名おるかということ自体からまた確定してこなければならないということになりますし、そう簡単なものじゃないのでございまして、私は結論を申し上げますと、そのように、ただ調査をし、話し合いをするというのじゃなくして、この整理に関します何らかの特別立法をして、そして、それによる調査が行なわれなければいかぬのじゃないか。そしてその結果については、創設的効力を生ぜしめるような法のもとにおいて、可能な道を、特別立法処置をとらなければ、現在の法で処理しようということでは、やはり将来に対するところの所有権の争いに対し、終止符を打つことができるものではないのではないか、このように思うわけです。 もし、この問題に対して法務大臣とされましてお考えがありましたならば、法的立場から、沖繩の軍用地、調査もまだできない軍用地、帳簿も何もありません、この中から地籍を確定していこう。この場合に関係者がどれだけあるか。関係者以外の者もたくさんおります。これを、どのようにして個人個人の所有権を確定していくか。できたものを登記することは、これは簡単な問題でございますけれども、この所有権の確定につきましての法的処置というものが必要じゃないか、私はこういうふうに思うのですが、法務大臣として、何かこれに対する御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 お説のとおり、ほんとうにむずかしい問題だと思います。 そこで、法務省としましてもこの問題を承知いたしておりますので、あらゆる協力を惜しまないつもりでございますが、ただ問題は、法務省の登記所で所有権の登録をいたしたくも、まず基本の地籍がきまらない、境界が画定しなければできませんので、この境界画定をどうするかという問題は、開発庁を中心に、防衛庁でも施設庁がありまして関係がありますので、そういう関係の役所で関係権利者と十分に協議をして、遺憾のないように、でき上がったところを法務省が引き受けるという以外には方法がないと思うのであります。その場合の、登記の迅速を期するとか、いろいろなことにつきましては、御期待に沿うようにやってまいりたい、かように思っております。
○安里委員 登記の問題は、でき上がったあとの問題でございますので、私はあまり気にしませんけれども、どう考えてみましても、この問題は、御承知のとおり復帰前から問題になっておることでございまして、調査も進められておることはわかりますけれども、ここで抜本的に何らかのすっきりしたところの道というものが、根拠というものがつくられる必要があるのではないかということが考えられますので、この点はまたお互いに検討もしたい、こう思っております。 最後に、一つだけ外務大臣にお伺いしたいと思いますが、先般ちょっと沖特委で問題提起をしたのですけれども、去る十三日にインド洋で、沖繩の、つまり日本国漁船というものが、マグロ漁船が航行中、インド海軍に拿捕されたという事件があって、そのことを外務省は知っておるかと言ったら、当時まだ情報は来ていなかったようでございます。 その後どのようになっておるか、また、外務省としてはどういうふうに手を尽くされておられるか、釈放されたのか、あるいは、どういう嫌疑でもってマグロ漁船が拿捕されたかどうか、その経過、わかっておりましたならば、お聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大平国務大臣 私、まだ本件、残念ながら報告に接しておりません。急いで調べます。
○安里委員 私は、もちろん別に質問の通告もしておったわけでございませんけれども、これは外務大臣、たいへんなことですよ。沖特でこの間、ちょうどその日に情報がありましたので、その日は無理もないだろう、調べておけということを申しておいたのですよ。復帰後初めて――復帰前だったらば、日本の国旗も掲げることができませんから、拿捕なんか、いろいろあったのですけれども、堂々と日本の国旗を掲げて航海しておるところのマグロ漁船というものが、インド海軍の手によって拿捕された。これは非常に重大な問題なんです。人命、財産を守るべきところの政府といたしまして、当然これは出先機関から報告もあるはずですが、何も聞いていませんか。 大臣も何も聞いていないということは、この問題の処理に対して、解決したから、もう何の報告もないという意味でしょうか。大臣の耳にも達していないということは、外務省、何をしておるかということになりますよ。おかしいね。関係の方々、だれもわからないのですか、その問題を。それはすぐ翌日沖特委で問題になった点ですよ。
○小坂国務大臣 この前、沖特で御質問いただきまして、そのとき、私も知らないでたいへん失礼いたしました。 その後調査をしてもらいまして、御報告をいたしておりますが、その後、遺憾ながら、インド側が非常にスローモーションであって、理由が何であるのか、どういう状態になっておるのかということについては、まだ私の手元にも正確な情報が参っておりません。そして、外務省の関係筋のほうでは、重大な問題であるという認識のもとに調査を進めておるという報告が入っただけであります。
○安里委員 総務長官の権限でも何でもないですよ。外務省がまっ先に立ってあれしなければならぬ。総務長官のそれだけの情報というものは、外務省からしか聞けないでしょう。ところが、こんなほんとうに重要な人命、財産に関する問題が、こういう時代に拿捕があったということが、大臣の耳にも達していないということは、出先の大使館ですか、何もしていないということですか。国民の保護のためにやっていないということになりますと、非常に重大ですが、どなたかおわかりの方、電話でも、係の人が違うならば――しかしこんな問題、係もくそもないはずですがな、国民がひどい目にあっておるのに。ハイジャックにあった場合には非常に大騒ぎしますのに、これと同じように、国民が外国軍隊に拿捕されたという問題について、何も知らぬということは、たいへんな問題じゃないですか。
○大平国務大臣 ただいま報告が参りまして、東京並びにニューデリーにおきまして、わがほうの抗議を繰り返しておりますけれども、先ほど小坂長官の御報告がありましたとおり、インド政府におきまして、なぜか明快な返答をいまだにいたさないのでございますが、わがほうといたしましては、執拗にその解明を求めておる状況でございますので、これが判明いたし次第、本委員会に御報告いたします。
○安里委員 事件が起こってから十日にもなるのですよ。やっといま時分、こういう中間的なお話がございましたけれども、出先機関が何もしなかったら、これは出先機関がぐずかもしれませんけれども、こっちから出かけていってでも調査をするぐらいの熱意を、外務当局は示してもらいたいと私は思います。 質問を終わります。
○櫻内委員長代理 これにて安里君の質疑は終了いたしました。 次に、湯山勇君。
○湯山委員 まず、二十日の日に、いまお立ちになりました法務大臣が全国八高検の次席、それから五十地検の次席検事をお集めになって、春闘について、違法なことがあればひとつきびしく対処し、法秩序確保の重責を果たされたい、こういう訓示をしたことが伝えられております。どうも取り締まりとかいうようなことについては、早手回しに準備をなさるのですけれども、しかし、さきに、九月三日になりますか、四日というのがいいのか、とにかく公務員制度審議会の最終答申がなされまして、今日まで日本政府のとってきた労働者の権利の何といいますか、抑制、そういうことは、今日の状態じゃいけない、もっと権利を認めるべきだというような趣旨の、詳しく申し上げませんけれども、答申がなされた。それを受けて、もう九月ですから、大かた半年たっております。これらは、特に重要な権利に関する問題ですから、うんと作業が進めば、いまの法律では、とてもこれはいけないというのが当然だというようになる部分もたくさんあるはずなんで、そういう作業をどんどん進めておくことが大事だと思いますけれども、新聞紙上等では若干伝えられるところもありますが、正式に政府からは一向何の御発表もない。 一体、その進捗状況はどうなのか、その今後のスケジュール、それはどうなっておるのか、まず小坂長官からお答えをいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 九月三日の公制審の答申を受けまして、九月二十一日に総務長官を中心といたします関係各省次官をもって構成いたします公務員問題連絡会議というものを設置いたしました。その第一回の会合は十月二日に開かれておりまして、その後引き続いて、局長クラスの会合、また課長クラスの会合等をこの下部機構につくりまして、今日まで約十三回、公式な会合をいたしておりますが、なお、現在のいろいろな問題を控えまして、このところ週に二度以上、総理府の人事局中心に会合を開いております。 その中で、やはり問題なのは、法律改正にまで及ぶ問題と、また法律改正をしないでも、公制審の答申によって措置できるものと、一応の振り分けをする段階にまでやっときたところでございます。もちろん、たいへんおそいという御指摘もあるかもしれませんが、各省ともその成立の淵源がいろいろ違っておりまして、そうした問題の中での問題を、公制審の答申の趣旨を尊重しながら行動しておりますので、はかばかしくは進捗しておりませんが、実は、来週に、さらに連絡会議を開きまして、もう一段とこれを促進するという方向を、現在考えております。
○湯山委員 こういう労働者の権利というようなものについては、非常にスローである。こういうことでは、ほんとうに人間尊重の政治というのはできない。いまの物価の問題にしても、公害の問題にしても、いずれもそういうところに問題があると思います。 時間が短いですから、この問題は、また別の機会に譲りまして、これと関連のある、当然、労働者の権利の問題でもあるし、なおかつ、今日、非常に重要な木材の需給の問題、あるいは公害の問題等ともからんで、国有林で働いておる労働者の権利の問題が、もう二十年来放置されております。これも、慎重に審議する、審議すると言いながら、二十年も放置されている。こういう問題を、今度の公制審の問題とも関連づけて解決つけなかったなら、これは、もう重大な問題なので、特に、きょうは関係の閣僚の皆さんに御出席いただいて、この問題をひとつお尋ねいたしたいというように思います。 これは、単に労働問題だけじゃなくて、農林大臣が御担当の林政審議会から田中総理あてに出ておる答申にも、今日、林業労務者が非常に少なくなってきておる、そして優秀な林業労務者を確保するということが当面の急務である、そこで、それを受けて、福田大蔵大臣のところでも、そういう優秀な労務者を得るために、民間を含めて雇用の安定をはかっていこうということで、来年度は一億七千万円ばかりの予算をつけられておる。しかし、そういう民有林を含めて山林労働者の地位の安定、雇用の安定をはかっていくのに、肝心かなめの国の林野庁が、あるいは国有林が、いまのような問題を解決しないままでいるということは、これは許されないことだと思います。 具体的に申し上げますと、現在、国有林には約一万六千名の、毎日出て働いて、しかも平均勤務年数は十年をこえ、長きは二十年、三十年に及んでおる、そういう人たちが、今日なお、その国有林の事業では、基幹要員であるということは認められておりながら、日々雇用、とにかく一日一日の雇用で、そして身分は臨時であって、非常に不安定な雇用条件のもとにある。このことは、それぞれ御出席いただいた各大臣は、よく御存じと思います。 そこで、一番近くにいらっしゃる大蔵大臣から、その点御存じなのかどうなのか、御存じなら、知っておるということだけでけっこうでございます。
○福田国務大臣 よく承知しております。私は、前に行管長官をしておりましたので、そのとき知り得た知識であります。
○湯山委員 これは、大蔵大臣は前行管長官として御存じというのでは困るのですが、あとで申し上げます。これは、もう二十年来の問題です。 そこで、これはいろいろ論議を呼びまして、結局、国有林野事業の基幹要員である。その基幹要員が、しかも、こんなに多数の人が日々雇用という状態で置かれている。他の現業官庁で見ましても、こういう例はありません。たとえば、郵政省関係でいえば、郵便業務、保険業務、貯金業務、こういうのが現業の現業たるゆえんであって、これらの人は、ほとんどみんな定員に入っている。ただ、郵政省にも、この常用の人たちと同じような身分の人たちがありますけれども、それは、年末の郵便が忙しいときにアルバイトを雇う、これらがそうです。したがって、国有林では十年をこえて二十年、三十年近くも、しかも毎日働いておる、そういう人を郵政省に直してみると、年末のアルバイト扱いをしている、こういうことですから、これはたいへんな問題だということで、各省御協議になって、昭和四十六年の四月の十三日に、関係省庁の統一見解なるものが出されました。このことも、よく御存じと思いますが、これも、ひとつ大蔵大臣、代表して、御存じかどうかお答えいただきたいと思います。
○福田国務大臣 承知しております。
○湯山委員 そこで、その統一見解の内容でございますけれども、その内容は、こういうふうになっております。「関係省庁の統一見解」、関係省庁というのは、大蔵省、農林省それから総理府、行政管理庁、人事院、この五音になっております。その五者の統一見解というのは、初めから申し上げますと、「「国有林野事業の作業員の取扱いについて」国有林野事業の基幹的な作業員の勤務形態の取扱いについて関係省庁と協議いたしましたところ、次のような見解を得ましたので御報告いたします。」前文です。本文は、「国有林野事業の基幹的な作業員は、その雇用および勤務の態様からすれば、長期の継続勤務となっていること等、常勤の職員に類似している面があるものと思料される。」つまり、このことは、国有林の常用、定期を含めてこれらの基幹要員は、これは勤務の態様からいえば、当然常勤職員に類似している。つまり、長期にわたって継続勤務しているという事実をあげて、これは、当然常勤とすべきだという立場の文章になっています。「しかしながら、これらの基幹的な作業員を制度的に常勤の職員とすることについては、国家公務員の体系にかかわる仲々困難な問題でもあるので」といって、今度は、それはそうだけれども、常勤の職員にすることについては――何をいっているのか抽象的です。「国家公務員の体系にかかわる」と、一方は時期とかちゃんと具体的にあるのに、ここでは抽象的に、「体系にかかわる仲々困難な問題でもあるので」こう両論を並記して、そこで「慎重に検討して参りたい。」どうするかの結論を慎重に出す、こういうことなのです。これが三年前です。四十六年の四月十三日ですから、約三年前。三年間いろいろ御協議をなさったのですけれども、適切な結論が出たのか出なかったのか、農林大臣から伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 これらの問題につきましては、関係省庁でなお慎重に検討中でございます。
○湯山委員 いつまで検討して御結論をお出しになるのですか。今度の公制審の答申等にからんで、これらの人の権利という問題は、当然討議される問題です。いつまでに結論をお出しになる御予定なのか承りたいと思います。
○倉石国務大臣 御存じのように、私どもの林野の職員のみならず、同じような立場にあります常用勤務者、ことに、私どものほうでは、いろいろその文句の中にも書いてございますが、種々検討中でありますけれども、その間にも、やはり常用雇用者に対しては逐次待遇の改善に努力いたしておることは、御存じのとおりでございます。
○湯山委員 これは、私は結論は出ないと思う。というのは、二本立てなんです、この答申は。一方を支持する側と、一方を支持する側と、はっきり分かれている。これは、いつまで置いたって出ないと私は思うのです。 そこで、これは最初農林省へ、私自身がこの問題を取り上げて、もう十年以上になりますけれども、農林省で、あるいは農林委員会でずいぶん議論をいたしました。結局、こうやって出てみますと、農林省だけではどうにもならない。いま大蔵大臣おっしゃったように、行管のほうがいろいろ問題がある、人事院にも問題がある、この五者それぞれに問題があるということで、これは、一つずつ当たっていかなければならないというので、委員会に出ていただいたり、あるいはその他の機会を通じて順次当たってまいりました。しかし農林省は、いまのように行管、人事院あるいは大蔵省、こういうところそれぞれ問題があってということです。 そこで、大蔵省のほうへ当たりました。ところが大蔵省は、もとは大蔵省もそういうことをやっておったけれども、いまは、もうそれは全部無関係だ、そういう問題については、委員会等でも大蔵省がお答えしないで、それぞれ所管省に答えてもらっているということでございます。次に人事院のほうへ当たってみました。これは人事院では、私のところは非常勤は調査の対象にしていたい、どのような仕事をしているか、作業内容も承知していない。これはちょうど、きょうは運のいいことに、前櫻内農林大臣が委員長席におられますので、まことに好都合なんですが、その時代に人事院が、委員会での御答弁ですが、タッチしていない、ただ形式的には非常勤だから、日々雇用の継続ということになっておって、林野庁もそう言っておる、こう答えています。この人事院じゃ、これはどうにもならない。そこで行管のほうに伺いました。これも伺った方も見えておりますから、間違っておったらお答えいただきたいんですけれども、行管のほうは、どう言われるかというと、それは私のほうの所管ではありません、そういうのを判定するのは、総理府のお仕事です、だから、私のほうへ来られても、それについてお答えするわけにはいかない、こういうことです。それじゃ総理府のほうへ伺いました。総理府は、どう言われたかというと、さてな、行管がそういうことを言うわけがよくわからない、やっぱりその責任は主管省の農林省じゃないか、とうとうもとへ返ってしまいました。これで一体結論が出るのですか。 それで、役所というのはこうだな、これを官僚的というんだな、こういう感を私は強く持ちまして、そこで、これは一委員会で幾らやってもだめだ、きょうは、幸いその関係各省庁の代表の大臣に御出席を願って、ここでひとつ、この問題を詰めていただこうと思ってやりましたところが、実に、天はみずから助くる者を助くということばがあるんですが、調べてみますと、福田大蔵大臣は、前行政管理庁長官であるばかりでなくて、農林大臣もしていらっしゃいます。そのころから問題なんです。ですから、これは知らぬとおっしゃられない。それから新行政管理庁長官保利大臣は、これも幸いなことに農林大臣しておられる。しかも、この問題に直接関係のあるころに労働大臣をしていらっしゃる。ですから、これは関係のある方がお二人そろわれて――そう思いますと、今度は倉石農林大臣も、やはり関係のあるころの労働大臣をしていらっしゃる。ですから、これもまことに都合がいい。その上へもってきて、前農林大臣の櫻内さんが委員長ですから、ここで解決つかなかったら、もう絶対解決つかない。これは確かに運もよかったし、いい機会だったと、たいへん喜んでおるわけです。ですが、いまのようなんです。 お聞きのとおりで、どこが一体これは解決する責任があるんですか。役所はそう言って逃げます。それからこの申し合わせも、おれは知らぬといえばそれまでです。あとで、順々に申し上げますけれども、自分は、その当時のことは知らぬと言われれば、言っていくところないのですけれども、この一万六千の人たちというのは、一体どこへ言っていったらいいか。 今日、それだけ山に愛着を感じて、どんなにしているかといいますと、私の知っておる一つの例を申し上げますと、それこそ大きな峠を越えて、そして、どちらへ行くのも峠を越えていかなければならない。そこへ部落をつくって、事業所があって、学校も、もちろん林野庁のほうへ頼んでやってもらうし、つい先年は、ピアノがほしいというので、無理を言ってピアノもやってもらって、とにかくやめてもそこを離れられない。そこで、切れ端や何かもらって、企業組合をつくって、定年になった人はそこでやっておる。奥さんたちもそこで働いて、全くもうそのためにそこへ残って協力しておる。その大部分は日々雇用です。こういう状態に置いていいかどうか。それでいて、民間の林業労務者の雇用条件の改善なんて一億七千万出したって、これは何の役にも立たない。しかも、この人たちは基幹要員ですから、いま、御存じのように白ろう病と戦いながら、腰痛と戦いながら、なおかつ山に残っています。こういうふうにしておいて、その責任はどこへ行っても、おれは知らぬ、おれは知らぬと、それではたしていいものかどうか、こういうことの責任はだれに問うたらいいか、ひとつ委員長、指名してください、どの大臣というのを。だれが主管大臣で、だれがやらなければならないのですか。 そこで、さっき申し上げましたけれども、ひとつよく御判断いただきたいのです。というのは、まず最初に、保利長官、保利労働大臣のころに、公共企業体等労働法、その直前には労働組合法、こういう法律があって、大臣が御担当であったのを御記憶になっていらっしゃいますか。――まあ、ようございます。保利労働大臣のころです。労組法とか、それから労働大臣に御就任になる直前に公共企業体等労働法が、大臣の御任期中にも、二十五年六月から二十六年十二月まで労働大臣でしたから、その中の二十五年に改正になっています、この公共企業体労働法は。だから、もしこのときに、保利労働大臣が、林野のはどうだったかなということを思っていただければ、今日のことにはなっていなかったということもいえるのですが、これは決して責任を追及しておるわけではありません。それから、そのあと、二十八年に農林大臣に御就任になった。そのころに、実は、今日の国の経営する企業に勤務する国家公務員の給与の特例法、いわゆる特例法というのが出されました。これは二十九年の六月一日に施行になっています。ですから、大臣が農林大臣をされたのは、二十八年の六月から二十九年の十二月ですから、二十九年の六月はやはり農林大臣の期間です、いまの保利長官が。 このときにこういうことがありました。これは、当時法務大臣であった加藤鐐五郎大臣が人事担当の大臣で、私も、実は偶然ですけれども、そのとき人事委員会というのがありまして、出て、そこで論議いたしました。そのときの説明は、これらの現業官庁は現業が中心だ、そこで、その人たちは、それぞれ労働協約によって団体交渉で賃金を上げていく、しかし一般事務員、その他の人は、そういうわけにいかない、一般職の給与で縛られていて追いつかぬから、一緒にした特例法をつくるというのが趣旨で、それで、そのときにも、林野というのは、伐木とか植林ということが主なる業務であるといわれております。 それが二十九年で、そして、その前に、それじゃ現業官庁というのはどういうところか。それまでは、以前は三公社だけが公労法適用でした。それが拡大されて、現業へも拡大されたときにその見解を労働省から出しているのは、これは倉石農林大臣が労働大臣に御就任になる三十年の直前です。すぐ前ですけれども、こうあります。「行政権限の行使その他本来の行政事務でない業務を行なうもの」ですから、本来の行政事務じゃない事務を行なうもの、これが主体だ。それから第二番目は、「肉体的労働または機械的労働を主体とするもの」これが二番目です。こういうのが現業官庁だ。それでいて「経済行為を業務の主体とする企業的性格のもの」だ。「企業としてある程度の組織的一体性を有するもの」この四つが条件です。そうすると、林野庁の場合は、いまの常用とか定期とかいうその基幹要員、山で木を切ったり植えたりする、そういう人を除けば、あとは一にも二にも該当しない。つまり「行政権限の行使その他本来の行政事務でない業務を行なうもの」これには当てはまりません、定員内の職員はほとんど。「肉体的労働または機械的労働を主体とするもの」この条件にも当てはまらないのです。これに当てはまる人は、みんな定員外の臨時の日々雇い、こういうことに置かれている。これはもし、労働大臣に三十年御就任になったときに、はてなと思っていただければ、倉石農林大臣は気がついておられたはずです、こういう問題。 それから、福田農林大臣のころには、この人たちはどういうことをやっておったかというと、これはそのころは定員減のときでした。人を減せというので、その当時四十万もいたのが、どんどん減っていって、いま十万そこそこですか、何もかも入れて。そんなに減していくまっ最中でしたので、福田農林大臣のころには、定員のワクをちゃんと守ってほしいということや、できるだけ常勤化してもらいたいということで、福田農林大臣も、そのほうの努力はなさったが、身分的にそうなっているということには、おそらくそんなにどんどん削減のまつ最中ですから、手がお回りにならなかったと思いますけれども、この当時のことを思い出していただけば、これもわかっていただけると思います。特に、福田大蔵大臣は、私どもがいま参議院にいる小枝さんと一緒に山村振興法をつくるときには、大蔵省がなかなかむずかしいというので、福田大臣に、当時は、大臣をしていられなかったので、夜大蔵省へ行っていただいたことも記憶しています。それぐらい山林に御理解があるのですから、もしこの当時わかっていたら非常によかったと思うのは、あの三十六年の閣議決定、定員法、これらが決定的にむずかしい問題にしてしまいました、ここで。 そのあとどうなったかは、いま農林大臣がお答えになったとおりです。どうにもこの壁が破れない。定員は減らしていかなければならない。むしろ林野庁は、定員を減らせ減らせばかり言われてきている。そこで苦肉の策です、いま倉石農林大臣がお答えになったのは。それ以後、歴代農林大臣、もちろん櫻内農林大臣も含めまして、無理をして、日々雇用でありながら、二カ月更新あるいは一年雇用の繰り返しというようなことを、ずいぶん苦労をしてなさった。その間には、三十年ですけれども、人事院規則によってそういう者には退職金は出せない、四月から九月まで退職金が一文も出なかった、こういうこともあったのですけれども、これもまあいろいろやって解決して、どうにか出るようになった。 したがって、その後いろいろな、たとえば一部の機械要員を定員に入れるとか、休日、休暇をどうするとか、あるいは保険とか年金、そのほかやっておりますけれども、いまもし非常にきびしく言えば、それらはいずれも、もしこれが形式的に日々雇用の臨時日雇いということになれば、みんなこれに疑義があります。いまやっておりますいろいろな施策というものは疑義がありますけれども、目をつぶっているというにすぎない。そのことはひとつ御理解願えますでしょうか。総務長官、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 いまの日々雇用の問題は、言うなれば民間における臨時工と同じようなことで、私も、現在の林野庁に六万二千人のそういう日々雇用の人がいるということを聞いておりまして、その問題が、御指摘のように非常に長年放置されている。それはやはり林野庁の経営の問題にも根ざしている問題だというようなことも聞いておりますが、そうしたようなことで、いま、私といたしましては、やはり働く人たちの問題として重要なことであることは十分理解ができます。同時にまた、そうしたことを放置しておくこともいかがかと思いますが、やはり林野庁の見解を早くまとめてもらうということが、先決ではないかと考えております。
○湯山委員 総務長官、もう一度お尋ねいたします。 林野庁の見解が出たら、それへ協力されるということでございますか。
○小坂国務大臣 林野庁の見解、それは同時に大蔵省の処理の問題につながると思いますが、私は、それの政府内部の意見統一、それがまた林野庁の結論になると考えまして、そうしたものが出れば、私は、その線で行動してまいりたいというふうに考えております。
○湯山委員 総務長官、総理府は直接権限、責任はないんですか。
○小坂国務大臣 現時点では、やはり一応形式的には、この問題を、ただ川向こうの火事として見ていることはいけないと思いますが、しかし、実体的に見ますと、やはりこれは林野庁自体の経営の問題であるし、同時に、その予算の問題でもあります。それを推進するということにつきましては、林野庁自体の見解を明確にしてもらったほうが、われわれはいいというふうに考えております。
○湯山委員 保利長官にお尋ねいたします。 行政管理庁の見解は、その権限は総理府にあるということを行政管理局長も言っておられましたが、長官の御見解はいかがですか。この問題の常勤職員であるかどうかという判定、それは総理府の権限であるということを、見えておったら局長からでもいいのですが、それは総理府の所管であるということを申しておりました。大臣はどうお考えでしょう。
○保利国務大臣 お話しの件は、皆さん方も御心配になっておるように、国有林野事業がきわめて大事な段階にあるわけでしょう。したがって、国有林野事業の改革については、林野庁はいま熱意を傾けて取り組んでおる中で、その中に働いておられるそういう方々の処遇の問題、その処遇の問題は、定員化する、しないは別個の問題として、十分安心して働いていけるような処遇改善の方途を講ずることが大事だということで、先ほど農林大臣お話しのようなことが講ぜられてきておるわけです。 この件は、行政管理庁は全然関係ないのかと言われれば、常用作業員を、全部じゃないでしょうけれども、いわゆる定員化すべきものであるかどうかという問題がかかったときは、当然これは行政管理庁の権限事項になってくると心得ております。おそらく、そういう意味は、行管事務当局も理解されてお答えしたのだろうと思うのであります。
○湯山委員 行管局長見えておりますか。――局長の御見解をひとつ。いまの大臣の御答弁とあなたの考え方と違いますね。
○平井(廸)政府委員 お答え申し上げます。 基本的には違っておりません。ただ、私どもが先生に申し上げましたのは、まず私どもが所管いたしておりますのは、行政機関定員法でございまして、いわゆる総定員法でございますが、その場合における定員とは何ぞやという概念でございますが、定員とは、要するに恒常的官職に充てるべき職であって、かつ、常勤の職員がこれに当たるものということでございます。 そこで、この問題につきましては、もしそういう林野庁の職員の中に恒常的な官職に当たる職につき、かつ、常勤的な職員として勤務される方があれば、これは当然定員内職員として処遇すべきものである、そういう職員の方々であれば、当然定員内の問題として処理すべきである、大臣の申し上げましたのはその趣旨であると思います。 ただ、現在の検討の段階におきましては、前段階である常勤の職員という性格の問題、この問題についてまだ議論をされているところでございまして、四十六年の統一見解におきましても、基幹的な作業員を制度的に常勤の職員とすることについては、国家公務員の体系にかかわる困難な問題だというふうに指摘をいたしていますが、その意味で、まず常勤の職員制という点について御論議をいただく必要がある、この段階においては、私どもはまだタッチすべき段階ではない、そういう趣旨でございますので、もし常勤制ということが明らかになり、かつ、その仕事の常勤の態様その他を確定した上で、かつ、恒常的な官職につくということになれば、当然定員内職員の問題として論議をいたしたい、こういう趣旨でございます。
○湯山委員 もう一つ聞きます。局長、あなた総理府で聞けと言ったのは、どういう意味ですか。
○平井(廸)政府委員 お答え申し上げます。 いまお答え申し上げた点に関連するわけでございますが、制度的に常勤の職員とすることは、国家公務員の体系にかかわる問題であるということを明らかにここで指摘しているわけでございます。 そこで、私ども申し上げましたのは、これが常勤職員であり、かつ、恒常的官職につくという場合において私どもの問題になる、したがって、常勤職員として制度的なものをそういうふうにつくるかどうかという問題、これについては、やはりここに書いてございますように、国家公務員の体系問題だということでございますなれば、これは総理府の御所管であるのではないか、それは総理府人事局の所管事項としてお考えいただくのが妥当ではなかろうかというふうな趣旨でございます。
○湯山委員 保利長官、それから小坂長官、両長官、いまのようなことです。だからそれはそう認められて、それを定員化するかしないかになれば行管で、認めるのはうちじゃない、それは小坂長官のところだ。いまでも小坂長官、それはやっぱり林野庁だ、こういうことです。ここでもぐるぐる回るのですね。一体これでいいのですか。
○保利国務大臣 国有林野を管理しております林野庁で、この状態におられる作業員の方々を、どういう扱いをすべきかということをお考えになって、そして、それが総理府人事局なり、あるいは定員化すべきであるならば行政管理庁に御相談があることだ、そう思うのでございます。
○湯山委員 私が御指摘申し上げたいのは、それぐらいむずかしい問題です。これだけ判断のおできになる、そして御経験のある、労働大臣もなさったし農林大臣もなさったし、そういう大臣でも、これはどうなのかなと思うような問題、これは皆さん同じだと思います。事務当局も、いまのように、なかなか明確には答えにくいという問題です。だから、これを一国有林にまかしてやれといってもなかなかできない。できないからこそ五者の統一見解というものが出たので、そのゆえんはここにあると思うのです。 ただ、私がなお申し上げたいことは、これは政府だけが悪かったというわけじゃありません。組合自体に問題があったわけです。と申しますのは、戦前は、この人たちは庄屋とか組とかいうことで、林野庁の仕事の請負をやったわけです。それが戦後切りかえになりましたから、身分ががたっと変わった。そこで、そんなことどうなっているかわからないというままで、組合つくれというんで、あっちこっち組合もできましたけれども、組合の何たるかもよくわからないしする状態が続いて、全農林というしっかりした組合ができましたけれども、われわれのほうは臨時だからというんで、別な組合をつくったりしておった。それがいまの二十九年の保利農林大臣のときの特例法で入れることになった。それはなぜか。この人たちが基幹要員だからです。そのときに、これは基幹要員だ、これをはずしたら、ちょうど郵便事業で集配を除けば郵便事業が成り立たないように、伐採、植林をやるのはこの人たちだ、だからこれは基幹要員だから定員化しなければならなかったのですが、本人たちもわからない。そこであとは、これは臨時だというけれども、福田農林大臣のころは、とにかく継続して雇うようにしてくれ。そのうちに、二カ月以内の雇用じゃ退職金もらえぬ、ではもらえるようにしてくれというような、そんなことに追われて、実際にはそれに気がつかなかった、そういう点もあるのです。 だが、今日になってみればだんだん整備されてくるし、よくわかってきた。わかったときにはもう手おくれです。三十六年のそれでぴしっとやられている。これはどの大臣も直接御関係ないので非常に残念なんですけれども、三十六年に行政管理庁が、常勤にする者を申し出いということを通知されて、各省庁申し出された。そのときに、林野庁は残念ながらしていないのです。それは当時、いま申し上げましたように、減せ、減せという中ですから、できなかったわけです。というのは、さっきの現業の位置に該当しない職員をたくさんかかえておりますから、ですからできない。そこで該当なしという報告をした。これが一切の壁になって今日に累を及ぼしている。 そこで、いま保利大臣もおっしゃったように、いろいろな方法で待遇改善をはかっています。けれども、根本の身分が確立しなければどうしても改善でききらない分がある、これは基本的なものですから。もっと極端に言えば、これを臨時日雇いで除外しておいて、一体林野庁が現業といえるかどうかということさえも言えるわけです。 こういう基本的な問題ですから、これは人をふやしてくれとか、くれるなとかという問題ではなくて、今日まで誤っておったのを、あやまちを、だれのあやまちというのじゃない、そのあやまちを合法化するために、実際は二十年も繰り返し雇用されておりながら、日々雇いでないと筋が通らないというので、人事院は、とにかく日々雇いだというそういう解釈しかできない。これが実情です。だから幾らなさっても、林野庁のほうで、農林省で、幾らこのワク内で改善をはかっても限度があります。その限度はどこにあるか。どうしてもこれじゃ不利だという面がまだかなり残るし、残っておるはずですが、それはどういう点か、大臣からか林野庁長官からか、御説明願いたい。
○福田(省)政府委員 おもなる点だけ二、三点申し上げます。 退職手当の関係でございますけれども、退職手当は、第四条、つまり長期勤務者、これは二十五年以上でなければならぬというような制限がございます、常用作業員の場合は。それから勧奨退職等の場合、第五条でございますが、これは死んだ場合とか、公務災害にかかった場合にしか出せない、こういう制限がございます。それから期間の計算でございますけれども、月のうち二十二日以上でなければ一カ月として計算しない、こういうような制限がございます。 それから第二点は、共済組合関係でございますけれども、これは、常勤職員は採用と同時に適用されますけれども、常用作業員の場合は一年たたなければだめだと、こういう制限がございます。 それから第三点は、休日、休暇その他の諸手当でございますけれども、これは種目は、最近ほとんど適用は同じになってまいりました。ただ、金額について制限がございます。
○湯山委員 いまのような、だいぶよくなったといいながら、まだ大きい基本的な問題が残っています。こういうのを残しておいて、福祉国家なんという資格はない。正常な、他の民有林関係の雇用の安定、労務者を入れるための対策をやっていくのだと言っても、そういうことはこれはもうナンセンスです。やはりこの基本を解決しなければならない。このことは、労働大臣の御経験のある保利長官も倉石農林大臣もよくおわかりだと思いますが、ひとつお二人から御答弁を伺いたいと思います。
○倉石国務大臣 お話しの統一見解は、従事者の雇用及び職務の態様から見まして、関係各省のそれぞれの認識の上に立ってああいう結論を得た次第でありますので、直接常用労務者を使っております私どもの立場としては、この趣旨が実現のできるように努力はしてまいるつもりであります。その間に、なおかつ、いま林野庁長官がお答えいたしましたように、昔から見ますと、かなり待遇の改善をいたしておりますが、今後も引き続いて、そういうことには努力してまいるつもりであります。
○保利国務大臣 もうよく御承知のように、四十六年の統一見解というものを結論づけるということは、なかなか容易でないようでございますが、ただ、三十六年でございますか、そういうふうな定員化すべき職員は定員化する、それ以外はしないというような非常勤職員の常勤化防止に関する閣議決定がある。そのときに、三十三年から三十七年の間に約十二万に近い各省定員の組み入れが行なわれて、そしてその後は、そういうことはやらないということでなにしてきておりますが、四十四年にいろいろまた国会で御論議があって、急速に定員化すべき必要があるかどうかということについての実態調査を一ぺんいたしたようでございますが、行管の当局からよく話を聞いてみますと、四十四年の実態調査においては、定員化すべきものはないというのが、各省の結論であったようでございます。その状態で今日に来ておるわけでございます。
○湯山委員 倉石農林大臣は、これを結論とおっしゃいましたけれども、統一見解というものは結論にはなっていないのです。つまり、これはなかなか困難な問題でもあるから、慎重に検討しようということで、宿題なんです。この統一見解というものは、これは結論というよりもスタートです。そうじゃないですか。「慎重に検討して参りたい。」というのですから、結論じゃなくてスタート、スタートの結論と言ってもいい。そうじゃないですか。
○倉石国務大臣 そのとおりでありますが、方向は、文句の中にも示しておると思います。
○湯山委員 ちょっといまのはわかりませんが、方向が二つあるのです。肯定するのと否定するのと、米価の二本立てみたいなもので、これはいわば二本立て答申です。結論といえば、どちらもとれないから、慎重に検討していくという結論になっておるのです。スタートになっている。そうでしょう。そういうことです。 そこで、総務長官は財政の問題もある云々がありましたけれども、これは特別会計でこれらの人の給与は出ておるわけですから、それによって財政負担が著しくふえるなんてこともそうあるもんじゃないと思います。ことに三十五年ごろでしたか、この人たちの給料が、囚人よりも低かったということで問題になったことがあります。御記憶ないでしょうか。北海道でこういう事業に囚人を使ったことがありました。そのときの給料が、囚人のほうが高くて、すぐ訂正しましたけれども、そんな中で今日までやってきたわけです。それですから、さっき小坂長官言われたように、そう単純に財政の問題というわけでもありませんし、それから、林野庁はいままでのいきさつから追い込まれてしまって、定員化とよう言わない。ばんそうこうを張られている。だから苦しいことをしておる。これは一般官庁の定員増とはわけが違います。やり方が不適当であったというので直すのですから、それはいわゆる定員増とは違いますし、それから総則の規制はあるにしても、御存じのとおりこれは総定員法は適用外です。そうですね。国家公務員の定員法のワク外でしょう。答えてください、農林大臣。
○倉石国務大臣 そのとおりであります。
○湯山委員 いまのようにワク外です。ですから保利長官、ワク外ですから、いまの定員法で窮屈に縛る必要はないのです。小坂長官もおわかりですよね。だから今度の予算のように、公取のをふやすときに、五人減しておいて十一人ふやして、十一人ふえたかと思ったら実質六人だった、そんなインチキしなくてもいいのです。これだけは当然入れるんだということにすれば済むことなんです。 もう時間も参りますから、最後にこれはお願い申し上げたい。というのは、今日山で働いておる二十万の林業労働者のために、せっかくそれぞれつながりのある各大臣が力を合わせてやっていただけば、閣議決定も緩和することもできますし、この各省の統一見解も事務当局にまかせないで、ひとつ大臣みずからやっていただきたい。そうすればそうむずかしい問題じゃない。経費の問題からいっても、法的にもこれは実態に合わないのです。このいまのやり方というのは、事実はこうして長期継続勤務で、全く常勤と同じだ、その事実は認めておりながら、着物が小さいからというので、着物にからだを合わしている。そういう無理が後段です。「公務員の体系にかかわる」というのはそれなんです。 ですから、これは直接従来も御関係になっておられた福田大蔵大臣、保利長官、倉石農林大臣、小坂大臣、それから証人として櫻内前大臣、委員長も加わっていただいて、これは早急に御協議願って結論を出していただきたいと思います。もう三年もたなざらしですし、さっきの三十六年のにしてみれば、十二年もたっていることですから、ここで再検討するといったって決しておかしくないのですから、ひとつ早急に、正しい実態に合うような結論を出すということで御協議をわずらわしたいと思いますが、お約束できますでしょうか。各大臣から一言ずつ御答弁いただきたいと思います。
○倉石国務大臣 統一見解、政府内でやったことでございますので、これは政府一体でありますから、ことに私どもの従業員のことでありますので申し上げますが、私どもは、先ほどお答えいたしましたように、こういう問題についてはずいぶんいろいろ検討いたしておりますが、続けてその努力をしてまいるつもりであります。
○湯山委員 統一見解は五者の統一見解なんです。だから、農林省だけやったってさっきのようになりますから、ひとつ五人の大臣がお集まりいただいて、そしてそこで協議して――統一見解というのは、何べんも申し上げて恐縮ですけれども、これから検討しますというのがこれです。三年もやってまだどうにもならないというのは、いまのような事情で直接ごらんになったとおりですから、ひとつ五人で協議して結論を出そう、こういう努力をしていただけるかどうかということですから、そんなにこだわらないで御答弁いただけばいいと思います。これはやはり福田大蔵大臣が、一番長い間大蔵大臣として、行管長官として、農林大臣として御関係ありますから、これは福田大蔵大臣から順次お願いします。
○福田国務大臣 御提起の問題は林野行政の問題で、これは農林省で所管しておるのです。農林省から御相談があれば、誠意をもって御相談に応ずる、かようにいたします。
○保利国務大臣 同じようなことですけれども、先ほど申し上げましたように、それはやはり林野事業の経営、林野庁が管理しておられるわけで、林野庁もかなり頭を痛めて、いま改革をやろうという意気込みでかかっておられる。そこで、まず林野庁が一つの案を持たれて御協議いただかないと、ただ会って、どうしたものかということでは結論はついていかないだろう、そういうふうに考えております。
○小坂国務大臣 先ほどから申し上げておるとおり、やはり林野庁の結論、そしてまたそれを十分われわれが納得するというディスカッションの中で協力をしたいと思っております。
○湯山委員 農林大臣、ああいう皆さん非常に誠意のある御答弁をいただきました。だから、ひとつ農林大臣は、林野庁長官にまかせきりにしないで、みずから積極的に、いま御答弁いただいた各大臣、人事院はもちろんですから、人事院が文句言ったら、いままでそれはやっていないのですから、ぜひいい結論を出すように、この際これらの人の問題を解決するように、ひとつ農林大臣には積極的に、特にいまの御答弁を受けての御活躍をお願いしたいと思いますが、御答弁いかがですか、簡単に……。
○倉石国務大臣 先ほどお答えいたしましたとおり、私どもは努力いたしてまいっておるわけであります。
○湯山委員 どうも、農林大臣、これからのことです。いまのお話はいままでやってきたということでしょう。これからなんです。
○倉石国務大臣 いままでの継続をやります。
○湯山委員 あれじゃいかぬでしょう、委員長。いままでは、その壁にぶち当たって、内部でいろいろ御苦労しておる。それはわかるのです。しかも、もっときびしく言えば、刃物の刃を渡るようなことをしてきておるのですよ。ちょっと突かれたら、違法になるようなことまでしてきておるのです。それじゃだめなんです。それは長官が言ったとおり。ですから、いまのを受けて、各大臣協力してやろうと言われるのですから、それを受けて、やりますと言われたらいいのです。
○倉石国務大臣 先ほどから、あなたの御質問時間を気がねしてしゃべっているわけでありますが、林政審議会に労働小委員会というのがございまして、そこでは、この問題をはじめ、職員の待遇改善についても検討してもらっておるわけでありますので、そういうことを引き続いて継続いたします、こう申し上げておるのでありまして、私どもといたしましては、最善の努力をさらに加えるつもりであります。
○湯山委員 最後に、委員長、ひとつ委員長に証人になっていただいて、こういうふうにそろうとは、偶然というのはほんとうにふしぎだと私は思うのですが、たまたまそういうことになりましたので、ひとつ委員長、これは証人喚問じゃありませんけれども、証人になって、側面から進めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○櫻内委員長代理 委員長代理としては、きょうの質疑応答を通じまして、政府の最善の努力を要望する次第であります。
○湯山委員 わかりました。
○櫻内委員長代理 美濃政市君より関連質疑の申し出があります。湯山君の持ち時間の範囲内でこれを許します。美濃政市君。
○美濃委員 関連して若干の質問をいたしたいと思います。 最初に、外務大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、この委員会におきましても、いま海外に進出しております日本の企業あるいは商社活動が、現地の実情に合わなくて非難されておる、それが排日感情にも通じておるという、いろいろ御意見があります。 そこで、その問題をいろいろ私は私なりに検討してみましたが、もちろん、もうけ本位の姿勢というものが悪い状態を起こしておるということも、一面そのとおりだと思いますけれども、しかし、一つには、海外に進出した企業は、子会社をつくって海外に進出します。出先の子会社の意思決定は現地の、いわゆる被進出国の法律や、あるいは金融その他の規定や、あるいは国民常識ではなくて、それを主体にして経営するものじゃなくて、日本の法律、日本の常識、日本の規定で、その親会社の本社が意思決定をして、そして向こうで企業活動なり商社活動が行なわれる。そうすると、その中には被進出国の、いわゆる主権の範囲を越える活動が起きてくる、これが紛争の原因として多く起きてきております。これがやはり日本の海外における商社活動や、あるいは企業活動の間の紛争の原因をかもしておる、こう思うのです。そして、そういうことが重なって、いまではとにかく外資に対する警戒が、発展途上国間にだんだん高まってきておる、こう私は見ておるわけですが、この私の見方に対して、外務大臣はどのようにお考えになっているか。私の見方が全く当たっていないのか、それともそういうことがあるかどうか、ひとつ外務大臣の見方をお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 美濃さんは、わが国の海外進出企業の行動が、相手国の主権侵害に及ぶような場合が、対日反感を醸成しておるのではないかという趣旨の御発言でございましたが、主権侵害というのは重大なことでございまして、その国に進出いたしておる企業といたしましては、その国の主権のもとにおきまして、その国の法令のもとで企業の運営をやってまいるのは当然のことであると思いまして、主権の侵害ということにはならぬと思うのでございます。 ただ、あなたの言われる主権の侵害という意味は、おそらく進出企業の行動が、相手国の利益、あるいは相手国の主体的な立場をそこねるようなマナー、そういう状況になることによって対日批判が起こるのではないかという御指摘だとすれば、私は、そういう場合はあり得ることと思うのでありまして、現在海外でそういう問題が起こっておるところの状況を見ましても、たとえば相手国の商慣習、そういうものに十分なじまないわが国独自のものごとの運び方、そういうものが、いかにも油と水のように食い合わないということ、あるいは雇用におきまして、一般の先方の賃金水準と当方の日本人の給与との格差があまり大き過ぎるとか、あるいは日本の企業に雇われておる現地の方々と、一般の現地の企業に働く方々との格差、そういったものが、意外に問題になっておるケースが多いと思うのであります。そういう意味におきまして、現地の状況になじんでまいりまして、長くそこで信用を博して、社会的な摩擦を起こさないようにやってまいることは、御指摘のように非常に大事なことと私は考えます。
○美濃委員 いや、私の問い方も、主権侵害があるんではないかという趣旨で聞いておるわけではないわけで、御答弁のように、やはり法律上の主権もありましょうし、その国の民族習慣なり、あるいは、金融問題であれば、金融常識なり規定なりというものがある、そういうものと単になじまないというだけではなくて、日本であればそれが当然なことが、相手方の国だとおかしい、こういうふうになっておるものがある。それからもう一つは、民族が違いますから、常識なりそういうものの食い違いがある。やはり日本であれば当然の行為であって、非難されるべき事業計画や活動ではないものが、相手方の国では、それがやはり非難される条件となる、こういうものはかなりあると思うのです。そう考えて間違いないですね。
○大平国務大臣 仰せのような場合は、往々にしてあると思います。
○美濃委員 そこで、私はそういう前提に立って考えますときに、今回政府が計画しております国際協力事業団、これは問題があるのではないかと私は思うのです。結論から申し上げると、おやめになったほうがいいのではないか、こう思います。ということは、やはり相手方の国から求められれば、技術援助、それから日本の経済力に可能な範囲の資金援助は賛成であり、大いにすべきだと私は思います。国際友好親善を高めるためにそれはけっこうなことだと思いますけれども、事業団をつくって、進出した国の先で請負工事をやる、あるいはその一部の計画の中には直接投資をする、たとえば建て売り牧場をつくって売り渡すとか、直接投資行為をやるなどということは、これはいま申し上げたように、民間企業であってもなじまない面が出てくるわけであります。まして日本政府が事業団をつくって、政府機関としてそういう方法手段で進出するのは間違いではないか。ですから、日本は現在の資源不足あるいは食糧不足という時代を迎えて、私はやはり国際間の友好親善は、技術協力、資金協力はけっこうだ、賛成ですと申し上げておるのですから、私は、やはりその範囲を越えないで、そういう協力によって友好親善を高めて、そうして日本側に友好的に買い付けができるように、同じ値段であれば日本に売りましょう、同じ値段であれば日本のものを買いましょう、こういう友好親善の感覚を高めることが一番大切でないか。あるいは、開発輸入という発想の中には、そういう行為をして割り安に取得をしたいという考えが、あるかないか私にはわからぬが、もしあったとしたら、これは永続性がない。それこそ友好じゃなくて害をなす。いささかの協力をしたことによって、国際価格より多少でも有利に買い付けしようなどという意図があるとするならば、これは持続性がないです。相手方の国は、単年度は協力によってがまんしておるかもしれぬけれども、持続性のある条件ではないし、そういう買い方というものは、必ず対日悪感情につながってくる。やはり日本は男らしく、海外に求めるものは、割り高に買うというのも日本経済上困るけれども、国際価格で買うのだという姿勢は貫くべきである。開発輸入という発想の中に、そういう援助をして、割り安に確保をしたいという考えは間違いを起こすと思うのですが、いかがですか。
○大平国務大臣 御指摘になりました御趣旨は、私、よく理解できます。 ただ、海外に進出すると、あるいは海外との経済的な協力関係を持つということは、あるいは資金の供与あるいは技術の協力というような形を、政府の場合も民間の場合もとることでございますが、したがって、直接であれ間接であれ、投資活動が行なわれること自体は、いい悪いの問題ではないと思うのでありまして、問題は、そういうものが、あなたが先ほど御指摘になりましたような、先方の立場、先方の慣行、先方の主体性というようなものにさわってまいりますと、これはゆゆしい問題になると思うのでございます。これは国際協力事業団をつくろうとつくるまいと、日本の官民による経済協力のあり方として、常に心がけておかなければいかぬことだと思うのでございます。 したがって、国際協力事業団という一つの組織をつくってまいるということは、資金の供与にいたしましても、技術の協力にいたしましても、いままでもやってまいりましたが、それをこういうまとまった姿において、日本国といたしましては組織的にやってまいるほうが、より有効に国際協力に役立つのではないかという善意の発想でございまして、こういうことによって日本の利益をより多くはかっていく、あるいは安く物を買ってやる、経済の支配を高めていくのだというような、そんな気持ちは毛頭ないわけでございます。 その点は、近く御審議をお願いすることになると思いますけれども、法律案そのものについて御検討を賜わりたいと思いまするし、その際、われわれといたしましても十分御説明申し上げて、御審議の資にしたいと考えます。
○美濃委員 いまの大臣のお考えのようであれば、何も事業団をつくって、直接に事業的な事業団をつくって進出するのではなくて、私の考えは、技術協力をして、その技術協力の中で、計画された事業を相手方の国が自主的にやるべきである。それに対して資金が必要であれば、相手方の国に対して、日本側は可能な限り協力するという態度が、一番親善をそこなわないのではないか。どうしてもそういう問題が出てくると思います。 ですから、この問題は、いまおやめになったほうがいいんでないですかと私が申し上げても、外務大臣はやめますということは、いま言えぬでしょう。きめたことでしょう。法案審議のときにいろいろそういう問題が提起されると思いますが、私は、相なるべくはこれはこの国会に出さぬほうがよろしいんじゃないか。そういう姿勢で、日本側は相手方の自主性を助長する。相手方の自主性でいかなる事業もやってもらう。日本側が事業団をつくって、相手方の国に対して事業的に請負をしたり、事業的な手段をもって援助するというのは、何ぼ好意的にやっても、かえってマイナスの面がどうしても出てくる。またマイナス面が出なかったとしても、まともに国家同士が主権というものを尊重し合う以上、たとえば日本にどこかの国が事業団をつくって、こういうこともやってやる、ああいうこともやってやる、相手方の外貨を持ってきて直接投資が日本国に行なわれる、よろしゅうございますという気持ちになれますかね。そういうことはやめたほうがよろしいと私は思います。この程度でこの問題は打ち切りますが、よく再考願いたい。大蔵大臣おいでになりますが、共管大臣ですから、外務大臣、大蔵大臣、もう一ぺん再考願いたい。国会へ出して論争する前に、政府として、もう一ぺん再考されたほうがよろしいんでありませんか、こういうふうに申し上げておるわけです。 もう一ぺん再考するかしないか、私の考えについての見解を承りたいと思います。
○大平国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、こういう姿においてやることが、より経済協力の目的を達するに有効でないかという考え方に基づいておるわけでございます。 さらに、ふえんいたしますならば、いまある海外技術協力事業団も、そういう姿においてわが国の技術協力を各国に提供してまいっておるわけでございますが、そういうのを吸収し、さらにそれよりスケールの大きい社会開発、経済開発等で相手国の要望に応じて、わが国が協力し得る部面におきまして、この事業団が担当するということもあわせて盛り込みまして、今度の事業団を構想いたしておるわけでございますので、一度われわれの法案を精細に御審議をいただきたいと思うのでございまして、ただいまの段階で断念するというわけにはまいらぬと私は考えます。
○美濃委員 そこで、新たな検討をお願いしたいと思うのでありますが、そういう事業団はおやめになったほうがいいのではないか。これに対してはしつこく言いませんから、今後の問題でけっこうでございますけれども、この際、せっかく事業団とか公社をつくるのであれば、昨年から起きております大豆問題、それから木材の問題、最近は石油の問題、こういう経過をふり返ってみて、日本国将来のために、ここでいわゆる管理貿易体制を高めるべきだ。公団にするか公社にするか、いずれでもけっこうであります。主要物資の買い付け、特に食糧の買い付け、これは食管と公社と管理貿易体制を高める、そうして、そういう友好親善の上に立って、海外に直接事業投資するのではなくて、友好親善は、そういう相手方の国に対する融資と技術援助にとどめて、その友好親善の中から長期契約を安定的にする。その価格は、先ほど申し上げたように、国際価格より安い条件ということを考えるべきではない。相手方の国からやはり友好親善が高まって、同じ価格であれば日本に売りましょう、同じ価格であれば日本のものを買いましょう、こういう関係を高めていく、国内においては、管理貿易体制を高めれば、それらを国内の企業に原料として渡す場合でも原価がはっきりしております。そうすると、政府が指定する販売価格も原価がはっきりしておるから、それに対する加工コストをかければいいわけです。物価監視員もずっと少なくなっていいのではないか。そして将来、いま危惧されておるように、食糧不足や資源不足は必ず来るのであります。そういう不足の中で調整をして、国民経済を守るためには、やはり管理貿易体制を高めるべきだ。これはどうしても必要度から見て、もうかるものよりも、これに加工しなさい、国民の需要度はこっちが多いのだからという、売り渡し条件にいわゆる製品指定もできるでしょう、管理貿易を高めれば。ここで私は、せっかく公社をつくるのなら、管理貿易体制を日本政府としては高めて、全部やれとは言いませんから、輸入物資をいま管理貿易にせよという主張じゃない。食糧とか石油とか、重要物資は管理貿易体制にして、そして日本経済の安定と国民生活の安定をはかるべきである、こう思います。 これは即答は無理でありますけれども、こういう将来の体制に対して、ここにお見えの四大臣の方は、それぞれどういう構想をお持ちになっておるか、そういうことを検討されるお考えがあるかどうか。
○中曽根国務大臣 どの程度の管理を加えるかという問題も、一つの究明すべき問題でございますが、原則的に管理貿易を行なうという方向は、私は賛成できません。なるほど、一手買い占め、あるいは一手輸入という点については、メリットがあるように感ぜられるときもあると思います。しかし、長い一つの制度として見る場合には、やはりいまやっている貿易のように、日本の民間人の自由な活動にまかして、そして、ビビッドな活動をやらせるというほうが、結局は安いものが入るのではないか。こういうような危機の状態が起きたある時点におきましては、そういうことも痛感されますけれども、それらは、また別の対策によって処置できるものではないか、そういうように思っております。しかし、物資が逼迫するとか、そういうような場合には、法律なりあるいは行政措置によって、しかるべき措置を当然また行なわなければならない、そういうふうに考えております。
○倉石国務大臣 農林物資につきまして申し上げますが、先ほど外務大臣がお答えになりましたような、ああいう構想で御審議を願って、この国会で成立させていただきたいと思っておりますが、ああいう構想によりまして、相手国の政府とわが国の政府との問に協定ができまして、そして、先方でほしいものは先方にも上げられますが、余剰のものはわが国のほうでもそれを持ってくるということをやりますには、やはり政府間ベースで、ある程度協定をしておきませんと、われわれは、御承知のように必要な飼料作物等でありますので、これはぜひそういうふうに願いたいと思っております。 その他、一番大手はアメリカでありますが、たとえば麦は全部食管のえさ勘定にございます。その他えさの管理、これも食管でやっておりますが、こういう状況を見ますと、特段にここでほかの組織をつくるという必要は考えておりません。いまのままで十分にやれるのではないか、こう思っております。
○福田国務大臣 ただいまお尋ねの問題は、これは一がいにこうすべきだというお答えはできないと思うのです。いまの体制は過当競争というようなことがあり、かつ輸入先に、そういう過当競争の結果、日本の商社、日本の企業が価格つり上げの引き金をつくったというような批判を受けるとか、いろいろな欠陥はあるのですが、さて、ではそれを統一して国営貿易にするか、こういうようなことになりますと、これはまた外交上の問題が貿易に重大な影響を与えるというおそれもあろうかと思うのです。 たとえば、いま石油を輸入しようとする。これを国家管理で輸入するということをした場合に、輸出国とわが国、輸入国との間に何か外交上の案件等がありまして、ほかの、こういう問題を聞かなければ輸入をとめるぞというようなことになりますれば、たいへんな影響になってくるだろうと思うのです。そういうので、現在の自由輸入体制というものは、非常に弾力的な緩衝地帯を形成する、そういう意味においてメリットを持っておる。それは非常に重要だと思うのです。 そういうので、私は、一がいにそういういまの体制を否定するということはできない、しかし、いまの体制にデメリットがずいぶんありますから、そういう点は是正していかなければならぬ、かように考えています。
○大平国務大臣 三大臣からお話がありました考えと同工異曲でございますが、わが国はガットの加盟国でございまして、ガット協定を尊重し、順守してまいる責任があるわけでございまして、そういう一つの大きな国際的な約束があるということをひとつお考え願いたいと思います。 しかし、そういう中におきましても、食管物資であれ財政物資であれ、現在、あなたの言われる管理貿易体制でやっておるわけでございますが、最近のように売り手市場になってまいりまして、石油をはじめその他の資源の輸入がままならぬ状況になってまいりました場合、仰せのようなことを理解できないわけじゃございませんけれども、これはいま三大臣が言われたとおり、個々の具体的なケースを吟味いたしまして、やむを得ない範囲にとどめるべき性質のものではないかと私は考えます。
○櫻内委員長代理 これにて湯山君の質疑は終了いたしました。 美濃政市君。
○美濃委員 私は、別の観点からこれを申し上げたいと思いますが、過般平和島の冷蔵庫を視察に行きました。そうすると、東京都内の冷蔵庫を全部調べたわけじゃないのですが、輸入した肉が二万トンあそこに貯蔵されておる。平和島は、公称、スペースの収容トン数は十七万トン、それで東京都内には全部で七十万トンの冷蔵庫がある。そうすると、同様な条件で入っておるとすると、約十万トン、調査時点における都内の輸入肉の在庫がある。いろいろ肉の需要から見ると、これは過剰輸入である。最近、国内の生産者価格は、ものすごくえさ高で、豚を生産しておる農家も牛を生産しておる農家も、全く採算が合わないで倒産寸前にある。しかし、そこへ行ってみると過剰輸入が行なわれる。そうして設備投資をして、そういうものの生産が一時的に破壊されてしまう。国内農民の所得、生産体系というものが経済的に破壊されてしまう。しかも、全部だとは言いませんけれども、市場管理人から聞くと、一日に三回も寄託主が変わる、これは全く投機の材料にしておるのだろうと私は思います。 どういう理由で変わるかというところまではまだ調査はしておりません。しかし、食料商品を輸入して、一日に三回も寄託主が変わって、転々として転売が行なわれるということは、確かに投機の対象として扱っておるといわざるを得ないわけです。そういう点をこれから政府としてはどういうふうにするのか。全く国内生産を破壊し、国民も農民も一時的に困らしてしまう。それかと思うと、日本の国際収支も石油高等で、一月に上がれば、前年対比百六十億になるという計算ですね。石油だけの輸入総額百六十億ドル、前年度は七十億ドル。同じ量の石油が入って百六十億ドル外貨を払わなければならぬ。外貨の問題も出てくるわけです。 国内生産と自給体制を整えて、可能な限り国内で物を調達するという、それがそういう独善的な、いわゆる投機的な輸入によって一時的に破壊されてしまう。そのあとには輸入が円滑にいかなければ、とにかく生産が破壊されているから、たとえば昨年の一時期のように、国民生活上必要な肉類が暴騰してしまう。こういうことでは、政府は何をやっておるかと私は言いたいのです。ですから、貿易の秩序をどう考えるか。そういうことが起きなくて、円滑な輸入が行なわれておれば、管理貿易体制を高める考えはありませんかと聞かないのです。しかし、管理貿易はぎこちないというならば、しからば、日本のいま行なわれておる、この国会でも証人か参考人かで大論争がかわされておるが、物価安定の大体の見通しですね。どういう方法で、どういう見通しで、国民生活はどうなっていくのだという見通しを国会でつけなければ、われわれはお互い、くにへ帰れぬと思うのですよ。イデオロギーや政党政派の問題じゃないと思うのですよ、われわれ国会議員として。 そういう時期にあたって、しからばこのままでいいのかということです。こういう行為をいつまで許しておくのか、どうですか。それは多少ぎこちなくても管理貿易にして、公団なり公社の貿易体制にして、原価を明確にする。全部を専売制にせいと私は言っておるわけじゃないのです。そうすると物価監視員も少なくて済む。原価を国が掌握するということ、公団が掌握することになる。直接よりも、公団、公社による貿易体制を高めたらどうか。そうしなければ、いま申し上げたような秩序はどうするのですか。心配なさるな、管理貿易よりも、いま起きておるそういう悪というものをこういう方法できちっとやるから安心してくださいという御説明を願いたいと思います。
○倉石国務大臣 平和島倉庫の実情ということにつきましては、私、つまびらかにいたしておりませんが、ただいまの肉につきましては、国民一般の所得水準の向上に伴って肉の需要量がだんだんふえてまいりましたことは御承知のとおりでありますが、その反面において、国内生産が、増大いたしまする需要に必ずしも十分に対応しかねておることも御存じであります。 そこで輸入をわれわれは考えたわけでありますが、まず第一に、牛肉につきまして、一昨年の秋以降における牛肉価格はたいへん高騰いたしました。そのために輸入割り当てを増加させまして、四十八年度におきましては上期七万トン、下期九万トンの割り当てを行なった次第でありますが、最近の牛肉の卸売り価格は、諸物価の値上がりに伴う牛肉消費量の伸びの鈍化等によりまして、昨年の十月をピークに下落傾向に転じました。今後ともこの傾向が続くといたしますれば、牛肉の国内生産にきわめて悪影響を及ぼすことをわれわれは知らなければなりません。 ことに、飼料の値上がり等によって畜産が非常に困窮いたしておることもよくわかっておる次第でありますので、私どもといたしましては、このために、畜産振興事業団の輸入牛肉の買い入れ、売り渡し業務を通じまして牛肉の需給調整機能を活用いたしまして、国内産牛肉の価格の維持をはかるために、現在畜産振興事業団が手持ちをいたしております約一万トン、これを調整保管いたしますとともに、四十八年度下期に割り当てております、これは割り当てが済んでおりますが、九万トンのうち約四万トンはこれを当分の間見合わせることにいたしております。今後とも、私どものほうでは、肉に関しましては畜産振興事業団が調整機能を発揮いたしておりますことは御存じのとおりでございます。 また、豚につきましては、昨年は豚肉価格の高騰が続きましたこともございまして、関税の減免措置を講じております。これも御存じのとおりでありますが、三月から十月にわたりましたこの減免措置のために、輸入量は約十二万トンと、一昨年を大幅に上回りましたけれども、この減免措置は昨年十月末で打ち切りましたために、その後の輸入量は大幅に減少しております。(美濃委員「お話中ですが、農林水産委員会の中でそんなこまかい点はまとめて……」と呼ぶ)そういう状態でありまするので、私どもは、いまお話しの農水でもいろいろお話があるでありましょうが、生産者価格についての考慮を払わなければならない責任、立場が一方においてございます。一方においては、消費者に対する立場を考える、そういう両方面のことを考察いたしまして、いま申しましたように、豚肉においては関税の減免措置等、それから牛肉については、割り当てはいたしましたけれども、その買い入れを中止しておる、こういう次第であります。
○美濃委員 私が聞いておるのは、そういう一例を牛肉にたとえましたが、そういういわゆる輸入したものを、自由と言いますけれども、暴利の自由、それから大切な国民の食料を投機材料として扱う投機の自由、そこまでを政府としては自由とお考えになるのか。法律上の犯罪とは言いません。日本は非常に非常識な国でありますから、法律がなければ犯罪ということにはなりませんから、犯罪と私はきめつけませんが、政府は、そういう国民食料が一日に三回も四回も冷蔵庫の中で投機的な転売が行なわれたり、全く投機的に扱われる、あるいは、輸入した商社が国民にどういう迷惑をかけようと、再三これが問題になっておりますが、どういう行為をしようとそれは自由なんだ、当然なんだ、こういうお考えですか。それは自由なんだから、そういう自由は守るのだというのか。それは自由なのか自由でないのか、見解を、これは通産大臣から承りたい。自由な貿易はとうとばねばならぬが、自由な貿易ということとそういうこととは完全に一致した自由で、当然の行為と考えておるか。どうなんですか。
○中曽根国務大臣 乱用された自由というものは、われわれは排除すべきであると思います。しかし、それが正常な過程に行なわれている自由であるならば、私は歓迎すべきものであると思っております。 そこで、先ほど来お話しの問題でございますが、長期安定契約をやることは非常にいいと思います。それから備蓄政策を進めていくことも、非常に大事であると思います。それからそういうような政策をやるために、国がいろいろな施策を講じて、たとえば財投で援助するとか、あるいはある一定の目標をきめて、そして業者に保有させる。たとえば石油の設備許可を与えるというような場合には、何日分備蓄せよ、そういう条件つきで与える。そういう形で備蓄とか、あるいは長期安定契約とか、あるいは開発輸入計画とか、そういう形でやるのが好ましいと思います。なるほど、政府のいっている輸入公団方式によるということは、こういう急迫した場合にはメリットも多少あると思いますけれども、平常時においては、相場に非常に高下があるものですから、かなり損することもまたあり得ます。外国が買い出動に出る、日本はそれに対してどうするか、そういうような問題が出てくる場合には、とても官僚の能力は商人の能力には及びません。私らはそれで赤字もずいぶんできるし、また情勢によっては人間も要るし、予算もかかる。そういう面からして、これはやはり商人あるいは商社、企業の自由にまかしておいて、国としてチェックすべき重要なポイントだけは確保しておく、そういうやり方が、当面のやり方としては妥当であると考えます。
○美濃委員 ちょっと通産大臣、それは重要だと思うのです。能力の下の人間が、能力の上の者のやっていることをチェックする能力が出ますか。通例、私は出ないと思います。 たとえば一例ですが、それに対する具体的な質問があります。たとえば大工作業一つ見ても、棟梁の能力のない者、棟梁の下働きをしている者、その者が棟梁をチェックする能力が出ますか。ちょっとそれは、私は表現としてどうかと思うのですね。役人はとても商社能力はない、そんなことをする能力はありません。能力のない者がチェックできますか。どうですか。
○中曽根国務大臣 商売については、という条件がついているわけであります。やはり商売についてみたら、向こうの商人、生産者あるいは取引所、そういうものの情勢をよく知悉して、国際的な情報網も持っていなければ、貿易の業務というようなものはなかなかうまくいくものではないと思います。ですから、ジェトロみたいな仕事なら役所でもやれます、これは普及、宣伝というようなことでありますから。しかし、実際利得を伴う勝負という形になると、とても官僚は商人には及ばない。しかし監督する能力はまた別にあります。それは別な機能を官僚というものは持っているものだ、そう思います。
○美濃委員 それはどうもちょっとあいまいだ。まあ、いずれ別の機会にします。しかし、それは私としてはゆゆしき体制だと思います。通例、能力のない者は能力のある者をチェックする能力はない、能力の下の者が能力の上の者をチェックするといっても。それがいま起きてきている現状ではないかと思うのですね。そういう体制を今後検討してもらえば、物価監視員が少なくてもよくなる。十分検討してもらいたいと思います。 次に、時間の関係で、あと一、二の問題をどうしてもこの機会にお尋ねしておきたいと思います。石油の問題で、きょうは私は農林水産に関する所管事項をおおむね質問材料にしているわけですから……。 農林漁業用の油は優先割り当てをするということ、優先供給をするということを、あの石油二法をつくるときにも約束をされております。今日の時点では、四十九年度、本年度の供給量を何ぼと策定されるか。これは都道府県等とも十分連絡をとったと思うのです。それをこの際、明確にひとつ御答弁を願いたい。
○中曽根国務大臣 農林漁業用の石油の確保、特に四月-六月の春耕期も近づいておる今日において、どういう対策を講じておるかという御質問でございますが、農林省と協力の上、施設園芸用石油及び漁船用石油については、その円滑な供給をはかるため、関係団体を指導し、特にきめこまかい対策を実施しております。 これは去年の十一月、十二月にわたりまして、農林省とわれわれのほうと協議いたしまして、特に漁業関係それから農林関係と、二つに分けて大体石油の供給量の目標をきめまして、それを業界に指示いたしまして、そしてその系統、系統を通じて確保し、また流しておるわけであります。 それで、春耕用石油の確保につきましては、現在農林省と共同で二月末を目途としてその具体策の検討を行なっており、適正な必要量を農業者に供給できるものと考えております。 施設園芸用石油の確保と円滑供給に関する特別措置の実施要領というものをつくっておりまして、これは四十九年一月十九日付で石油部長名で通達してあります。これは石連会長及び元売り十五社の社長それから全石会長あてに指示しておるものでありまして、これは農業団体等と協議会を設置して関係者の意見を調整する、それから購入者名簿を作成して、石油の供給を受けられない農業者を解消する、それから供給予定数量、販売予定数量を決定して、販売店における在庫が底をつくことのないように措置する、苦情の処理は県が受け付けてこれを円滑に処理する、大体こういうような要点によってやっておるわけです。 漁船用の石油につきましても、同じように一月三十一日付石油部長名で通達を出しておりまして、同じく協議会を設置する、漁業者に販売店特定のためのあっせんを行なう、大型船については、給油計画の提出により石油の円滑な供給を受けられるように措置する、苦情の処理は県が受け付ける、こういうことにして、密接な協力をしてやっておるところであります。
○美濃委員 総量はどうですか。
○中曽根国務大臣 それはその必要量を出してもらっておりまして、その必要量は確保しております。これは重油、軽油、A重油あるいは灯油、そのおのおのの油種別にやっておるものであります。
○美濃委員 そこで、もう一つ石油の供給でお尋ねしたいのですが、春耕期を迎えますと、どうしても特に農業用トラクターの免税軽油、これは三月中に、全国に特に春耕用の油は行き渡っていないと困る。確保したということを言うが、四月、五月になって油の供給が始まりますと、当該農家は、農作業もやらなければならぬ、毎日油も買いに出なければならぬということになる。ですから三月中に輸送を完了してもらいたい。そして春耕期に入ったときには四、五、六月の春耕期用の油は農家の手元に届くという体制をやってもらわぬと困る。漁船、舶用あたりは、港ですから、何月を切ってどうという問題はございません。必要量が絶えず供給されればいいのです。農業用トラクターの油というものは、たとえば北海道地域あたりは広いですから、過疎地帯の酪農地帯になると、スタンドまで出るのに四キロ、十キロという農家があるわけです。それが四月、五月に春耕用の油が入るということになると、毎日使用量を取りに行かなければトラクターは動かない。たとえば実績ある農協のスタンドにしても、あるいは業界のスタンドにしても、受ける業界は四月、五月ですから、そこでそれを一括渡したんでは、どこかに動かない車ができてしまう。結局、春耕前に油を渡しておかなければならぬ。この作業はできますか。
○中曽根国務大臣 その点は、去年はなかなか苦しんだ問題でございまして、特に灯油及び軽油につきましては、各地の農協の皆さんからもいろいろ苦情も受けた経験がございます。それで、ことしはそういうことがないように、特に石油部長からもそういう通達を出して準備さしておるところでございまして、特に軽油、A重油、灯油等につきまして摩擦や混乱が起きないように、十分手配をして御期待に沿うようにいたします。
○美濃委員 農林大臣、いかがですか。これは大切なところだ。責任をもって支障を来たしませんと……。
○倉石国務大臣 春耕期になってまいりますので、油がたくさん要るわけでありますが、ただいま通産大臣のお話にございましたように、両省協議をいたしまして、ことに、地方では実需者それから農協等も参加をいたしまする協議会等も設けて、その点は万全を期しております。
○美濃委員 通産大臣、けっこうです。終わりました。 次に、農産物価格の問題の大綱をお尋ねしたいと思います。 申し上げるまでもなく、農林省が出しました資料、というよりも情勢ですね。肥料が総合で前年対比三一%上がるわけです。一番多く要る過燐酸石灰が四三・七%上がると思いました。総合で三一%。いわゆる石油類、石油製品、ビニールハウスや何かに使いますこれらは倍になる。その他資材も四〇%上がる。政府の行政価格の家族労賃と他産業間の賃金格差は五〇%以上開いたわけであります。五〇%くらい下回っておるわけであります。これらを踏まえて考えると、いま特に専業農家は、ことしの農業をやっていいかどうかという不安におちいっておるわけであります。これは農林省や大蔵省へも各農業団体から陳情団が来ておるが、ことしの行政価格は早期決定をしてくれ、この状態では、政府が責任を持つ価格を早期に決定してくれなければ種おろしができない、うっかり種おろししてそうならなかった場合には、一年間の赤字で、もう倒産してしまうから、それならもうつくらぬというのですね。こういう状況になってきておるわけです。 そこで、基本的なかまえとして、いま申し上げたように、各行政価格は、物によって多少違いますけれども、いまの状況から踏まえると、政府がきめる行政価格のある農産物、これは五〇%価格を引き上げる。物により品目によって多少の差はありますけれども、基本姿勢としてはそうなるから、食糧不足のときだし、精力的に食糧を増産してくれという姿勢を政府が示さなければ、何ぼで買うかわかりません、どうなるのかわかりません、高い資材を使って安く売れば、それは農民の責任です、こういう政府の態度では、物がつくれないということです。ここに農林、大蔵両大臣おるんですから、その基本姿勢をひとつ示して、農家、農民が安心するように――もう春耕期に入ってきたわけだ。まだ耕す気にはならぬけれども、種子を用意する、肥料を購入するという段取り期間に二月というのは入ったわけですから、やはり政府として、おおよそ個々の農産物について、ここで時間もないのにどうするこうするという論争はしませんが、大綱としてどうするという方針を示してもらいたい。また政府として示す必要があると私は思います。
○倉石国務大臣 お話のように、最近の諸情勢は、きわめてわれわれのほうにきびしいものであるということはよく覚悟をいたしておりますが、そういうことで農民の生産意欲を阻害するようなことがありましては、これはたいへんなことでございますので、再生産を確保してまいりますために、生産構造その他の対策を十分やっていくことはもちろんでございますが、農産物の価格政策につきましても、農産物ごとの商品特性、それから生産、流通、需要に即しまして、そういう一々に対しての措置を講じてまいらなければなりません。 その価格政策の運営にあたりましては、生産費ないしはパリティ指数の動向、それから需給事情、物価その他の経済事情等を十分勘案いたしまして、適正な価格水準が形成されるように農産物に対してはつとめてまいりたい、こういう考えでやっております。
○美濃委員 価格論争になると、いつもそういう表現を使うのですが、そういうおざなりの、たとえばパリティという表現がありましたが、従来の算式ではじかれたのでは農民は倒産してしまいます。インフレ、インフレと言ってきましたけれども、従来のように農業資材が二%、三%であれば問題ありません。肥料が三一%上がっておるのです。去年のパリティに価格決定の月のあれをかけた算式でどうなるのです。そういう算式できめた価格で生産ができますか。 ですから一言、そうさせぬと言ってください。赤字になるような価格は決定しない。つくったものに対しては、そういう資材が上がっておるのだから――どんなものでも高く買うと言わなくていいのです。資材の値上がり分については、政策で責任を背負うか価格で背負うか、いずれにしても、資材の値上がりその他によって農民が損をして、生産した結果が赤字になって倒産することは、政府としてやらさない、それだけ言ってください。他の算定方式なんか要らぬです。
○倉石国務大臣 美濃さんは専門家でいらっしゃいますから、簡略に申し上げれば御理解いただけることだと思って申し上げたわけでありますが、農産物に対しましては、大体七割そこそこ、農林省がその価格決定に参与いたしておることは御存じのとおりであります。したがって、数多くの品物に対して一般論を申し上げましたが、あの一般論の中に、パリティだって計算いたしてみますと非常に上がっております。一々申し上げませんが、そういうことで、諸般の物価事情等を考慮いたしまして決定をするつもりでございますと、こういうふうに申し上げているわけであります。
○美濃委員 倉石さんの実績が悪いので、あなたが農林大臣になると、どうも農政が暗くなってしまう。離農も続出するし、自由化もあなたが一番多くやっている。同じ農林大臣でも、ここにおる櫻内さんは明るかったし、赤城さんはなおよかった。どうも私どもは倉石さんのイメージが悪いのです。この際、せっかくまた農林大臣に返り咲いたのですから、いままでのイメージを変えて、農民に期待を与えて、倉石農相は、最後の仕上げの農林大臣はよかったと言われるだけの信念を持ってください。いままでの実績は悪いですよ。おそらく与党の人だってそう思うと思う。あなたの言うことはきれいごとを言うから、うっかりそうだろうと思っていたら、なあに、やった結果はだめなんです。全くいままでの実績が悪いですから、そういう点をひとつ十分再考願って、農民が損をしない、自給ができる体制をつくっていただきたい。 それから、時間になりましたから一つ資料を要求しますが、こういう時期になりますと、国際的な食糧不足の状態で、あるいは砂糖なんか安い外国糖を買えばいいじゃないかというが、どうですか、最近のロンドン市場は、きょうの新聞を見たら二百四十五ポンドですね。粗糖買い付けが、現地でトン当たりにして百七十六ポンドが国際相場です。この国際相場で北海道のてん菜糖あるいは沖繩のキビ糖を計算したら、北海道のてん菜糖はトン当たり二百四十六ポンドで、それから加工費を引いて、てん菜の一五%の歩どまりで計算すれば一トン二万円でいいんですよ。てん菜一トンが二万円というのが国際相場なんです。そのようになってきておるわけですから、高安の問題は通り越したと思うのです、ものによっては。まあ、それは何か砂糖が去年の生産量が多少落ちて、一時的な現象という考えもあるでしょう。ですから、私はきつく、この一時的現象をもって全部の問題を論じたり、あるいは一時的現象が恒久的に続くんだという考えで言っておらぬが、しかし、一時的現象といっても、起きておるじゃないか、砂糖についても。えさを見なさい、北半球が豊作だから下がるだろうと言っておる。そうじゃなくて上がったじゃないか。来年に入れば、北半球は豊作だから下がるというのは、まあ運賃やなんか上がるから、現実には下がるという期待は薄いけれども、まあ上がらぬことは間違いありませんと十二月ごろ言ったじゃないか、農林省は。どうなんですか、それは。上がらぬと言った口の下から上がるんでしょう。 ですから、ここで資料として、政府はもうおつくりになっておると思いますから、田中内閣としての国内農業の生産の計画を出していただきたいと思います。どれだけの量を確保するという方針を明示してもらいたい。いままで出したことないんですね。農林省試案だとか需給の展望とか、それでは困ります、こうなれば。内閣として国内生産の指標、目標というものを明示すべきだ、こう思いますが、その資料を出してもらえますか、もらえませんか。
○倉石国務大臣 一昨年の十月、櫻内前農林大臣の時代に、五十七年を目途といたしましてわが国の農産物の自給率の指標を出しております。私どもといたしましては、ただいま美濃さんのおっしゃったようなことがいろいろ伝えられております。そこで、農政審議会にただいまいろいろな資料を提供して検討を願っている最中であります。それがきまり次第、何らかの形で私どもも、さらにこの目標を出してまいりたいと思っておるわけであります。
○美濃委員 私の要求しておるのは、やはり内閣として閣議で決定した基本方針を出してもらいたい、こう思います。 それから、農政審議会ということばが出ましたが、これも参考に申し上げておきますが、私の計算では、こういう物価事情になり、この物価騰貴に伴う所得が伴わないということになれば、米は安いですから米を食べる、米の消費量は、私はことしはふえると思っております。膨大にふえると思います。ですから、米なども生産調整をしておると、不幸にして、ことしあたりもう周期が回ってきておりますから、北海道、東北が冷害で凶作ということになれば、百万トンぐらい米不足が一挙に起こるかもしれません。元来、日本人の体質は、米と塩とあれば最低生存できるわけです。それを、あなた方が、口を開けば農政審議会。農政審議会のメンバーの中には、米を劣等食品と言うのがおるのですよ。乳脂肪やなんかは高級食品。日本人はどうですか、食糧不足になって、バターと塩で生存できますか。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 米と塩があれば、日本人は何年でも生きられるのですよ。その米を、劣等食品という考えの農政学者を寄せた審議会はおやめなさい。今後あの審議会のメンバーの中から、米を劣等食品と考えておる者を出してしまいなさい。そんなものの判断を誤った者を寄せて、審議会でありますなんていって、何を相談しておるのですか、農林大臣は。ばかみたいな者を寄せて、方向のきまった、頭の狂った人間を集めてその意見を聞いた農政、その中から何が出るのですか。厳重に注意を申し上げておきます。 以上で終わります。
○荒舩委員長 上原康助君から関連質疑の申し出があります。美濃君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上原康助君。
○上原委員 私は、限られた時間ですので、おもに第十四回日米安保協議委員会で合意を見た、いわゆる本土の関東計画といいますか、基地の整理縮小問題、そして先般第十五回の安保協議委員会で合意に達したといわれておる、沖繩の基地の整理問題とのかかわり合いでお尋ねをしたいと思います。 本論に入る前に一、二点ばかり、最近の自衛隊の勧誘問題、あるいは自衛隊員が乱暴行為をやったという記事なり報告を受けております。それについてまずお尋ねをしておきたいと思うのです。 一つは、仙台における自衛隊員を勧誘する問題ですが、知恵おくれの青年を無理やりに自衛隊に入隊をせしめようとしたという新聞報道なり、また、確かめてみましたが、そういう嫌疑があるという報告を受けております。 これについて、防衛庁長官あるいは防衛庁は報告を受けておられるのか、また実際調査をなさったのか、そういうことについてどういう措置をとられたか、お尋ねをしておきたいと思うのです。 いま一つは、二月十三日、沖繩現地で起きた事件のようですが、自衛隊員が深夜電話局に酒を飲んでどなり込んできたという報告がなされております。全くあるまじき行為ということで、市民や県民のひんしゅくを買っている。これこそ軍隊の正体だというような言い分さえあるわけですが、この件について報告を受けておられるのか、あるいはこの行為があったということは事実なのかどうか、その点についてのお尋ねをまずいたし、お答えをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 事実関係でございますが、若干知能指数の低い者を勧誘している事例があることを私も認めます。したがって、それに対しては、充足難という一方の要請にこたえるための努力でありましても、やはり大切なお子さんをお預かりすることでありますので、親御さんの気持ちも考えなければなりませんし、また、入隊後の隊員としてのあり方にも問題がありますから、いままで防衛庁の方針として、なるべくたくさん募集してきた者が部内表彰を受けるというような傾向でありましたものを、今後はそういう表彰の基準はとらない、質の問題であるということに募集の重点を置きかえております。 なお、沖繩における問題は、たしか、いま電話局というお話でありましたが、たぶん自衛隊の電話は私用を取り次がないとか、いろいろトラブルが若干ございまして、その後、幸い両方御理解を賜わっておさまっておるようでありますが、その中間でそのような事件が起こったかもしれないと思いますが、飲酒の上どなり込んでいったといった件は、私のところにまだあがってきておりません。
○上原委員 この種の事件といいますか、あるいは勧誘の方法というのは、今回に限ったことではないわけですね。時間がありませんので、きょうはこの問題についてはあまり詰めた議論はいたしませんが、特に仙台における件などは、明らかに強制的に自衛隊に入隊をせしめようという意図があったということは、その経緯を見ても明らかなんですね。質を高める、それはまた議論の違う面もあると思うのですが、こういう方法で隊員を充足していくというようなやり方というのは、自衛隊員を募集する手順からいっても、いろいろな面で、市民の権利という面からも問題があると思うのです。しかも、勧誘をしておって、入隊試験を受けさせるまではあの手この手で、ことばは悪いかもしれませんが、すかしておいて、目に幾らか欠陥があるというようなことで、身体検査をした結果は不合格だといわれた。ショックを受けて、その青年は非常な衝撃を受けた。親の立場に立ってみれば、あまりにもむごい仕打ちだというのは、これはあたりまえなんですね。単に自衛隊に入隊ということでないにしましても、そういうやり方というのはもってのほかだと思うのです。 しかも、これに対して仙台施設局なり防衛庁は、何らの釈明もしておらない。試験にまだ合格しておらないのだから、道義上は責任はあるのだが、対策といいますか、補償というのは全然できないのだという立場でいいのかどうか。道義的な問題であると同時に、青年のいわゆる就職の自由そのものを奪ったということにもなると思うのです。このことに対して、長官はどういうように処理をなさろうとするのか。いまの御答弁ではあまりにも形式的で、実態をまだおつかみになっていないのじゃないかという気がするのです。あらためて十分調査の上で、防衛庁としては当然、この青年に対する十分な処置といいますか、その人がこうむった被害に対する補償、ということばが当てはまるかどうかは知りませんが、何らかの形の釈明なり措置をすべきだと思うのですが、その点に対して、あらためてお尋ねをしておきたいと思います。 先ほど電話局と言いましたが、那覇電信電話局の誤りですから訂正いたします。これも承ってみますと、いま長官もいみじくも少し触れられたのですが、電話をかけたいのだ、そこで番号を調べている間に、かからぬもので、われわれが自衛隊員だからそういう態度に出るのだろうということで、一たん引き返して、またグルーブでやってきて、職員に対して暴言を吐いた。これなども、やはりあるまじき行為なんですね。こういうことをするから自衛隊の質が疑われるし、軍国主義問題というものを私たちは絶えず警戒をしなければいけない。これに対しても、いま飲酒をしておったかどうか報告は受けていないということですが、事件があったということは御報告は受けたのですか。また、もしかりに酒を飲んでそういう行為に出たとするならば、当然公務員としての処分を受けるべき筋合いのものだと思うのですね。これに対しても、どういう態度で処理していかれようとするのか、あらためてお尋ねしたいと思います。
○山中国務大臣 第一点の問題は、たしか色盲の青年の問題だと思うのですが、これは確かにそういう点の迷惑をかけた事情もありますが、その後色盲でないことがわかって、親も納得されたという話でございますが、事件の案件が違っておれば、また別途人教局から説明させます。 さらに、沖繩における問題は、その前に宮古分局においていろいろトラブルがございまして、自衛官の電話は取り次がないというようなこと等がございまして、いろいろやりとりがあって、現在は、御理解をいただいておるように聞いておりますが、集団で飲酒して電信電話局に乱入したという報告は受けておりません。すぐ調べて処理いたします。 ただし、飲酒に基づくものは、飲酒運転であれあるいは飲酒に原因するものであれ、きわめてきびしい処分をいたしておりますし、必ず起こした事件は、全部私の手元に毎日日報をあげております。 その処分については、私が月報をとって、全部、処分が妥当であるかどうかについての審査もいたしております。
○上原委員 いまの二点の件について、十分御調査の上でとるべき処分をとっていただきたい。これは単に自衛隊のそういう行為をやった人だけが処罰されるということじゃないのですよ。監督不行き届きなんです。問題を起こした人はゆうゆうと居すわって、部下だけをいじめるというのも、これはあってはいけない。その面は、ぜひ、出先の監督者を含めて十分な処置をやっていただくように要求をいたします。 それと、委員長に要望申し上げておきたいのですが、いまの仙台における件と、沖繩における自衛隊のこの行為についての、防衛庁としての調査の結果を、資料として提出させるように要求いたします。
○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。答弁しているのですから、資料ということより、答弁でいいんじゃないですか。
○上原委員 その処置の結果について報告をしていただきたい。
○荒舩委員長 承知しました。そういうふうに取り計らうようにいたします。
○上原委員 そこで、基地の整理縮小問題、基地返還についての本論に入りたいと思うのですが、四十九年度の予算に、駐留軍施設の移転費というものはどれだけ計上されているのか、御説明をいただきたいと思います。
○田代政府委員 お答えいたします。 四十九年度予算における移転経費につきましては、一般会計で八十三億四千二百万、特別会計で百二十億一千二百万、合計二百三億五千四百万でございます。これ以外に国庫債務負担行為といたしまして、一般会計で八十六億七千万、特別会計で百五十三億九千八百万、合計二百四十億六千八百万でございます。
○上原委員 四十八年度は幾らでしたか。
○田代政府委員 移転経費といたしまして、四十八年度は、一般会計で八億三千七百万、特別会計で百九億一千二百万、合計百十七億四千九百万でございます。
○上原委員 年々基地の整理縮小に伴うわがほうの負担というものが増加をしてきていることは、いまの数字でも明らかであります。 そこで、具体的な点についてはこれからお尋ねをしていきたいと思うのですが、これまでも基地返還の問題については、本委員会あるいはその他の委員会でも、わが党はじめ野党が鋭く取り上げてきた問題であることは言うまでもありません。実は、この基地の整理縮小に伴うわがほうの、いわゆるわが国の負担問題については、沖繩返還を境に相当議論されてきたことも記憶に新しいところであります。 おそらく地位協定なり、そのほかの点を持ち出して答弁なさると思うのですが、私はまずお伺いしたいことは、あらためて基地の返還なり整理縮小を要求していく、あるいは対米交渉する場合のわが国の政府の基本姿勢というのは、どういう方向でやっておられるのか、あらためてお尋ねをしておきたいと思うのです。これまでもいろいろ答弁はあるわけですが、ほんとうにどういう立場で皆さんは、対米交渉あるいは地域住民の要求に沿う基地の返還というものを求めて米側と今日まで交渉してきておるのか、その基本的な考え方をもう一度明確にしていただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 わが国は、米国との間に安保条約並びに関連取りきめを結んでおるわけでございまして、国際信義の上から申しまして、この約束は守ってまいらなければならぬわけでございます。したがって、基地の返還を求める場合におきましても、在日米軍の機能をそこねないということは、根本の要請の一つであると心得ております。 しかしながら、戦後長い間たちまして、社会経済の状態も大きく変化してまいりました。とりわけ都市化の現象も激しくなってまいりまして、基地が設定された当時から様相が一変してまいっておるわけでございまして、したがって、基地をめぐる緊張もたいへん高まってまいり、基地返還の要請も強まっておりますことは、よく承知いたしおるわけでございまして、この両面の要請を、可能な限り充足してまいるということは、われわれに課せられた任務であると心得ております。
○上原委員 いまの御答弁は聞かずもがなの答弁ですが、しからば、これまた愚問と受け取られるかもしれませんが、在日米軍の機能をそこねないことを根本原則にするんだ、これは福田大蔵大臣、かつて沖繩国会でもいろいろそういうことを盛んに述べられておったのですが、じゃ、逆にお尋ねして、いわゆる安保条約、安保体制あるいは地位協定、だから米側に基地を提供する義務があるのだ、せざるを得ないのだ。そういたしますと、いま外務大臣がおっしゃった後半の、地域住民の福祉ということ、あるいは都市化ということとてんびんにかけて、一体どちらにウエートを置いておるのか、愚問と言うかもしれませんが、根本はそこなんですね、実際問題として基地問題というのは。可能な限り調和をとるというのは、安保を大前提としての立場でのことなのか、地域住民の要求を優先させるという立場での考え方なのか、その点、もう一度明確にしていただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 安保条約上の約束は守らなければなりません。そして基地周辺の住民の福祉に対しまして政府は重大な関心を持ち、これに最大限の配慮を加えてまいることも、政府にとって大きな責任でございまして、二つともきびしい現実でございます。これをどのように調整しながら一つ一つ解決してまいるかということが、われわれの課題であると思います。
○上原委員 そういう基本的な立場に私は問題があると思いますし、いまの大臣の御答弁では納得しかねる面多いのですが、進めていきたいと思うのです。 そこで、基地を返還する場合にどういう態様があるのか、御説明をいただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 施設、区域の返還につきましては、単純に全面返還されるもの、また単純に返還されますけれども、一部返還のもの、また移設の措置並びにその実施についての合意を見た上で返還されるもの、その中でもまた全部のものと一部のもの、こういうことになると思います。
○上原委員 そのような取りきめを行なう場合の機関は一体何なのか、あるいははまた、基地返還の、いまお述べになった大体三つの態様があるのだ、二ないし三つだ、そういう基地返還の合意を見る根拠は何なのか、説明いただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 先ほど御答弁いたしましたような施設、区域の返還にあたっての日米間の合意は、日米合同委員会において正式に合意を見るわけでございます。 また、根拠とは何だということでございますけれども、地位協定の二条二項に、「日本国政府及び合衆国政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極」すなわち二条一項に基づく施設、区域の提供でございますが、これを「再検討しなければならず、また、前記の施設及び区域を日本国に返還すべきこと又は新たに施設及び区域を提供することを合意することができる。」ということがあるわけでございます。
○上原委員 そういたしますと、地位協定の第二条に基づいて返還がなされるということですね。
○大河原(良)政府委員 施設、区域の提供が、地位協定の第二条によって行なわれますが、先ほど御説明いたしました二条の二項によりまして、返還について絶えず検討し、その状況が熟しました場合において返還の合意を見ることができるわけであります。
○上原委員 その取りきめは合同委員会でなされる、最終的に基地の返還について結論を出す機関というのは、地位協定二十五条で定められている合同委員会、そういうふうに解釈していいですか。
○大河原(良)政府委員 合同委員会は、地位協定二十五条に根拠を置く機関でございますが、この日米合同委員会におきまして、施設、区域の措置に関する合意を結ぶことになるわけであります。
○上原委員 合同委員会と安保協議委員会との関係は、どうなるわけですか。
○大河原(良)政府委員 安保協議委員会は、日米安保条約締結の際に交換されました交換公文によって、日米間にその設置が合意を見ている機関でございます。 合同委員会は、先ほど御説明いたしましたように、地位協定二十五条に基づく機関であります。
○上原委員 では、まず合同委員会の件からお尋ねをいたしますが、合同委員会の構成メンバー、そして合同委員会に常時出席する行政府の代表は、一体だれなのか、説明いただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 日米合同委員会の日本側の代表といたしましては、外務省アメリカ局長でございます。代表代理といたしまして、防衛施設庁長官、法務省の民事局長、外務省アメリカ局参事官、防衛庁渉外参事官、大蔵省大臣官房審議官、農林省構造改善局長、これが代表代理として任命いたされております。 合同委員会は、二週間に一度開催されますが、日本側の代表、並びに案件に基づきまして、必要な代表代理が出席いたしております。
○上原委員 合同委員会の構成メンバーといいますか、代表あるいは代表代理は、いまお答えあったとおりでございますが、ここに法務省民事局長というのも代表代理になっているわけですね。法務省の民事局長は、合同委員会に出席しておられるのか、また、出席している場合に、どういう権限を持っておられるのか、その点をお答えいただきたいと思うのです。
○大河原(良)政府委員 法務省民事局長は、代表代理としまして、所管事項に関する問題が取り上げられる際に、出席を期待されているわけでございますが、最近は、法務省の民事局長は、実際上は合同委員会の本会議には出席いたしておりません。
○上原委員 民事局長いらっしゃいますね。――いま出席していないんだ。私が調べた点でお尋ねしてみますと、ここ二、三年民事局長は全然出席していないんだ。しかし、ここに疑問があるわけですね。 はたして法務省の管轄事項というのが、この合同委員会で検討されることはないのかどうか。大いにあると思うのです。なぜ出席しないのか、しない理由を、もう少し明らかにしていただきたいと思うし、また民事局長として、この合同委員会に対する見解もあれば、同時にお答えいただきたいと思うのです。
○川島(一)政府委員 お答えいたします。 私が合同委員会に出席しない理由でございますが、一つは、私が忙しいためでございます。それからもう一つは、これは事務的な連絡があまりよくございませんで、その会議のつど、御連絡をいただくということがございません。そういう関係で、お尋ねのような結果になっているわけでございます。
○上原委員 あなた、実にまじめな御答弁なさるので、一応免罪にしたいと思うのですが、忙しいから出席をしないということでは、食言にもなりかねないですよ。そういうたぐいのものでないのですよ。そうして、いま事務連絡が不十分だということは、ここに、やはり私は、外務省の正体を見る気がするのです。あとで二、三の例をあげますが、そういう政府の不統一な中で、だだっ広い基地を返すところに実際は問題がある。そういう答弁で納得できませんよ。なぜ連絡が不十分なのか。まさか代表だけがこの構成メンバーじゃないわけでしょう。代表代理も当然――局長はここにちゃんと、二十五条の日米合同委員会の組織図の中には明確にされているのです。分科会なら話は別。少なくとも全体会議は、いまアメリカ局長が答弁したようなメンバーでやらなければいけないはずなんだよ。その点の食い違いを、もう少し明確にしておいていただきたいと思うのです。
○大河原(良)政府委員 合同委員会におきましては、そのときどきの、そのつどの問題を取り上げることに当然なるわけでございますが、たとえば施設、区域の返還の問題、あるいは施設、区域に関連いたします問題につきましては、合同委員会の下部機関であります施設分科委員会において、十分な検討が行なわれるわけでございます。したがいまして、このような下部機関におきまして検討を行ないました上で、上部機関である合同委員会に上がってくるという実際上の仕組みになっております。 したがいまして、下部機関において十分な検討を行なうという仕組みのもとに合同委員会が開催されているわけでございまして、法務省民事局長の場合には、たまたま下部機関に相当する分科会を持っておりませんために、合同委員会の場で検討されます議題が、直接的に必ずしもつながってこないという事情がありますために、この数年、事実上、法務省民事局長が代表代理としての資格において、合同委員会に出席することがなかったということでございます。連絡不十分という点につきましては、法務省民事局長の出席を必要とするような案件がなかったというふうな、事実上の関係に基づくものであります。
○上原委員 いまの御答弁は、ほんとうに外務省的な答弁で納得しかねます。そういうことじゃないと思うんですね。いろいろ問題があるのですが、そういう答弁をなさるなら、じゃ、お尋ねしておきたいと思うのです。 たとえば、地位協定の第三条の一項の後段には、この第三条は、御案内のように、施設及び区域内外の管理の件について規定されておりますが、その後段のほうに、「関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。」いわゆる施設内の運営、警護または管理の問題、これも、ここでいう関係法令というのは、一体じゃ国内法なのかどうなのかも説明していただきたいと思うのです。 さらに二項。二項は、現にいま県道封鎖の問題なり一つの事例が起きているわけですが、二項では、「合衆国は、1に定める措置を、日本国の領域への、領域からの又は領域内の航海、航空、通信又は陸上交通を不必要に妨げるような方法によつては執らないことに同意する。」絶対排他権じゃないわけですよね、施設内外の使用権といっても。交通を不必要に妨げてはならない、通信を不必要に妨げてはならない、そういう条件は、この条文からも解釈されると思うんですね。この種の問題については、当然、法務省の民事局長の見解なども仰いで、合同委員会では、アメリカ側とも話すのが、法を適正に運用する、適用していく皆さんの立場であってしかるべきだと私は思うのです。そうじゃないんですか。全然この二、三年――二、三年どころか、あなたは五、六年と言っている。じゃ、何のための構成メンバーなのか。いま外務省だけがきめているようなものじゃないですか、それと自衛隊の制服と。その点についてお答えいただきたいと思うのです。
○大河原(良)政府委員 地位協定第三条の第二文を御引用でございましたが、これによりますと、「日本国政府は、施設及び区域の支持、警護及び管理のための合衆国軍隊の施設及び区域への出入の便を図るため、合衆国軍隊の要請があったときは、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。」ということでございまして、関係法令と申しますものが、たとえば国有財産法に根拠を置いて措置をとらなければいけない場合には、関係法令と申しますのは、すなわち国有財産法である、こういうふうな形になるわけでございます。 また、その次の第三文についても言及がございましたけれども、これは、「合衆国も、また、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で前記の目的のため必要な措置を執ることができる。」と書いてあるわけでございますが、私どもが、施設、区域の運用、また地位協定の現実の運用をはかる上におきまして、当然、外務省限りで事が運び得ないわけでございますから、関係の当局に十分御協議をしながら、その打ち合わせの上に立ちまして、合同委員会の議を進めてまいっているわけでございます。 したがいまして、法務省に関係のある問題につきましては、当然のことながら、事務当局間において十分な協議を行ないまして、必要に応じこの問題の話し合いを行なってきている、こういうことでございます。
○上原委員 ここで条文をやりとりしておっても始まりませんので……。大臣、やはり合同委員会の構成メンバーに民事局長も入っているわけですよ。事務レベルだけの問題じゃないと思うのですね。こういう協定の解釈問題をめぐって、法務省の民事局長が、当然、合同委員会に入るべきだと私は思う、必要に応じて。そういった正式なメンバーさえも活用されていないというところに、私は、基地問題を、なおかつ地位協定を拡大解釈したり、変質せしめてみたり、いろんな問題が起きると思うのです。そこいらについて、政府として整理をするという考えがあるのかどうか。当然、整理をすべきだと思う。そういった事務的なことだけでは、それは納得できませんよ。その点に対しての明確な答弁をあらためていただきたい。
○大平国務大臣 外務省をはじめ関係各省におきまして、地位協定に定められました合同委員会の機能は、十全に果たされているものと私は承知いたしておりまするし、その関係者の能力と誠意に信頼を置いておるわけでございます。今日まで、そのためにそごを来たしたことはないように私は思いますが、今後とも、この運営につきましては、十分留意してまいることは、当然の任務であると心得ております。
○上原委員 この地位協定の各条文の問題は、いろいろ理解しにくい点、あるいは、政府がこれまで国会の審議を通して御答弁してこられたことに対しても、納得しかねる面が多いわけです。 時間がありませんので、こまごましたことまでお尋ねできないのは残念ですが、この条約上あるいは協定上は、基地の整理縮小を合意できる機関というのは、やはり合同委員会なんですね。しかし最近のことは、安保運用協議会をつくってみたり、あるいは日米事務レベル協議会でやってみたり、いろんな面で錯綜している面が多いわけですよ。 したがって、具体的にお尋ねしたいのですが、日米安保協議委員会で合意をする、たとえば第十四回あるいは第十五回の合意事項といいますか、発表をされた内容というものは、日米両政府を拘束するものなのか、その点、御答弁いただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 先ほどちょっと申し上げましたけれども、日米安保協議委員会は、日米安保条約の付属となっております交換公文によって設置を見ております、日米安保条約に関連いたしまする協議の機関でございます。施設、区域の整理統合の問題につきまして、日米間のいろいろな経路で折衝が重ねられました上で、日本側、外務大臣並びに防衛庁長官、米側、在日米大使並びに太平洋軍司令官、これを構成メンバーとします日米協議委員会にこれをあげまして、この協議委員会の了承を得るという手続を最近はとっております。しかしながら、あくまでも日米間の正式の合意を見る機関は日米合同委員会でございます。 さらに、つけ加えて言わせていただきますならば、日米協議委員会が、ただいま申し上げましたようなきわめて高いレベルで行なわれるという性質のものでございますから、この委員会におきます合意事項というものは、きわめて重要な合意であることは間違いないわけでございます。
○上原委員 私がお尋ねしているのは、そんな長長な御答弁は要らないわけですよ。この日米安保協議委員会で合意を見て発表されますね。第十四回は、御承知のように関東計画だ。あるいは今年は、沖繩は一〇%も軍用地が返還されるのだと大大的に報道されている。しかし、中身を見るまでもなく、全くのから手形なんですね、言わぬでもわかりますように。この日米安保協で合意を見たと皆さんが発表する内容は、日米両政府を拘束する文書なのかということなんですよ。また、十五回の場合、閣議で決定されておりますか。十四回は、たしか決定されたのじゃないかと思うのですが、きわめて重要な文書であるというのは、私だってわかるのだ。日米両政府を拘束する約束ごとなのかどうか、それをお尋ねしているんですよ。
○大河原(良)政府委員 第十五回の安保協議委員会に臨むにあたりまして、日本側は、この協議委員会にはかられるべき事項について、閣議に外務大臣から報告をいたしております。しかしながら、日米安保協議委員会の合意事項と申しますのは、正式の合意ではございませんで、正式の合意は、あくまでも日米合同委員会において、正式に行なわれるものであるわけであります。
○上原委員 そうしますと、日米の約束じゃないわけですね。正式のことは、合同委員会でしかできないということですね。その点、はっきりさしてくださいよ。あなたの答弁は、いつものらりくらりするから、外務省はへんちくりんになっちゃう。質問に答えてくださいよ。
○大河原(良)政府委員 きわめて高いレベルで行なわれます日米協議委員会の合意というものは、日米間の重要な約束ではございますけれども、手続的には、正式の合意は日米合同委員会において行なわれるものであります。
○上原委員 そこで、少しばかり問題は明らかにされつつあるわけですが、指摘したいことは、関東計画においては、返還のめどということがはっきりいたしておりました。しかし、今回の場合は、いわゆる沖繩計画と皆さんが名づけてあるのは、返還のめどは全くないわけですよ。その点はどうなんですか。それも、合同委員会でしかきまらないということ、そうなると、これは全くのインチキじゃないですか、外務大臣。日米の閣僚レベルが出て、基地の整理縮小はこうこういう方法でやりますと、確かに大ワクはきまったということではあるにしても、大々的に報道するわりには、情勢の変化いかんによっては、これは功を奏しない、いわゆる約束ごとではないという結果になるわけですね。その点、明確にしていただきたいと思うのです。 なぜならば、関東計画、第十四回においては、今後の整理縮小計画について、年次計画なり一応めどづけというものがあったわけですね。第十五回の場合には全くない。その矛盾と、沖繩の返還計画を、これだけ皆さんは報道したわけですが、今後、どういう形でどう具体的にそれを実行していくのか。またアメリカ側は、それはだめだ。しかも、原則としてというような表現があるわけです。この点、大臣のほうからお答えいただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 十五回の安保協議委員会で決定を見ました沖繩における施設、区域の整理統合の計画の中で、たとえばカテゴリーの一という部類に属しますものは、移設なしに返還される施設、区域でございまして、これは全部の返還が七件、一部の返還が十三件ございます。
○上原委員 私は、そういうことはいいのです。わかります。拘束力はあるかどうかということです、政府は。どうなっているかということです。
○大河原(良)政府委員 そこで、これは高いレベルで行なわれました日米間の原則的な合意でございますから、日米両政府とも、この原則的な合意に基づきまして細目の取りきめを作成いたすことになるわけでございまして、細目の取りきめがまとまりました段階におきまして、日米合同委員会で正式な合意が手続的に行なわれるわけでございます。 そこで、カテゴリーの1の部分に属します先ほどの二十件につきましても、これを、なるべく早く具体的な細目取りきめという形でまとめ上げるように手続を急ぎたい、こういうことを考えているわけでございまして、先ほど山中防衛庁長官から御答弁ありましたように、でき得れば、四十九年度中にも、これの実現方をはかっていきたいというのが、私どもの考えでございます。
○上原委員 外務省にお尋ねしても、そういう御答弁しかなされませんので、角度を変えて少しお尋ねしたいのですが、時間がありませんから、十五回の安保協で決定された点に触れます。 いわゆるこの計画が発表された段階で、那覇防衛施設局は、今回の基地返還は、近い将来に予定されている沖繩基地全体の整理統合計画の予備作業である。二点目に、全部返還の七施設の、北谷の射撃訓練場などを除く移転に多額の費用を必要とする施設の移転工事については、早急に詰めていく。三点目、今回返還される施設、区域の線引きを二十日までに完了、地主に通告をしたい。安保協が開かれてから、今日まで合同委員会は開かれたんですか、それが一つ。 いわゆるここでいっている、今回きまったのは、あくまでも返還をめどづけたものではなく、将来に予定されている沖繩基地全体の整理統合計画の予備作業である。もしそうであるならば、なぜ安保協の会談においても、そういうことを明確にしないのか。大々的に基地を返還するという政治的な宣伝だけやって、中身がないというところが、むしろ問題を複雑にしているわけでしょう。はたしてそういう考えでこの問題をやっているのかどうかということ。 さらに、これは本土の新聞でも取り上げられたことですが、今回の基地の整理統合にあたって、これは山中長官にお尋ねしたいのですが、山中メモがワシントンまでいっているということも、非公式に大臣の口から聞いたこともあります。それもぜひ明らかにしてもらいたいし、皆さんは、五割程度の基地の整理縮小を要求したんだが、一〇%にしかならなかった、恩きせがましくみんなそういうことを言っているかもしれませんが、その事実の有無を、ぜひ明らかにしていただきたいということ。しかし、アメリカ側の言い分は、基地機能を維持し、日本の防衛に共同責任を負う以上、基地の返還縮小は好ましくないが、日本が強く要請するのであれば、日本側の負担で同じ規模、機能の代替施設を新設することが条件ということで、基地返還計画の決定の際に、それを明文化するよう米側は強く迫った。いわゆるここで、地位協定の解釈問題が出てくるわけですね、二十四条あるいはその他の面が。日本側が要請するのであれば、日本側の負担で同じ規模、機能の代替施設を新設することが条件だ、これが今回の第十五回安保協できめられた事項なんだ。そして、そのことを明文化するようにアメリカが強く追った。これに対して日本側が、明文化することについては強く難色を示し、暗黙の合意事項として確認したということ。また密約なんだ、これは。そういう事実があったのかどうか。われわれが承るところでは、少なくともそういう過程でしかめどづけもされない、今後、どういう形での返還作業をしていくかも明らかにされない、全く裏取引で第十五回の合意は見たというふうにしか受け取れていないわけですね。 この点に対して、政府は、いま私が触れた二点に対してどういう態度で臨んだのか、あるいはその会談の中身というのは、ここで報道されているような問題があったのかどうか、また、日本側が具体的にどういう基地を返せという要求をしたのか、お答えいただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 第十五回日米安保協議委員会には、山中さんと私が出席いたしました。一月三十日のことでございます。この会合の結果につきましては、外務省情報文化局から発表いたしております。それ以上のものでもなく以下のものでもございませんで、何か裏取引とか、そういういやらしいものは一切ございません。 それから、そこにうたわれておりますように、第二の問題のめどの問題でございますが、上原さんも御指摘のように、沖繩の基地は、全面積の一割以上を占めるというたいへん膨大なものでございまして、これが沖繩の民生、産業の開発にとりまして大きな桎梏になっておりますことも、われわれよく承知いたしておるわけでございます。 一方、安保条約の約束を守りながら、これをどのように整理統合の歩みを続けてまいるかということにつきましては、われわれ防衛庁と相はかりながら苦心をいたしておるところでございまして、一月三十日現在までに、合同委員会でクリアいたしました、そして発表いたしました基地整理の部分につきまして、これを了承いたしたわけでございます。そして最後に、「双方は、委員会が両国の理解の促進及び協力関係の強化に貢献していることを確信し、委員会を通ずる協議が、日米安全保障関係にとって今後とも有益であろうとの見解を表明した。」私ども、これで基地の整理を打ち切るつもりでもなければ、安全保障協議委員会を、これで店をしまうわけでもないわけでございまして、今後の基地の整理統合につきましても、鋭意くふうをいたしまして、そして日米間の合意を見たものは、今回のように整理を遂げて、一つ一つ仕上げていくつもりでおるわけでございます。
○上原委員 外務省は、いつもそういうことをおっしゃるんですね。発表されたもの以外はないんだ、それ以上のものもそれ以下のものも、いやらしいものもないと言うんだが、ときおりいやらしいものが出てくるのです。きょうは出しませんが、必ず、今回のこの返還協定、十五回安保協議委員会だけじゃなくして、いろいろな合意がされていることは間違いないと思うのです。その点は、後日より明確にしていきたいと思うのです。 そこで、時間が非常に少なくて残念なんですが、いま大臣は、今度の十五回に限らず、さらに基地の整理縮小を進めていくんだということをお述べになっているわけですが、もう少し、私はやったことには責任を持っていただきたいと思うのですよ。わからない国民は、あなたがここでそういう御答弁をなさると、そう思うかもしれない。これは、防衛庁もぜひ聞いていただきたいのですが、第十四回安保協議委員会で皆さんがきめられたことは、遅々として進んでいないわけでしょう。那覇空港の移転問題、返還協定からそうでしょう。今回のものに至っては、これだけ大規模なものといいながら、めどさえもない。そのことは、具体的にいずれ機会を見てやりたいと思うのですが、そういう状態で、今後もやりますと言ったって、実際に日米間できめられたことさえも履行されていないという現実。もう少し外務大臣、政治家大平ともあろうものが、そういうことに対しては、責任を持ってものを言っていただきたいと思うのです。 そこで、大蔵大臣、長い間お待たせしましたが、いま総需要抑制、いろいろいわれております。具体的に、きょう数字を出して触れられませんが、今後、基地の整理縮小にあたっては、膨大な予算がかかるということは、これまでのやりとりにおいて大体めどがつくと思うのです。しかも、十五回安保協できめられたことは、四十九年度予算には全然入っていないでしょう。あなたはやりますと言うが、四十九年度予算に入っていないのだよ、今回のやつは。今後、どのくらいそういう予算がかかると思うのか、また、国内の抑制問題あるいはインフレ問題、いろいろな面との関連において、私たちの素朴な疑問は、なぜアメリカに対してそれほどまでに、日本政府が、国民の税金を使って、古くなったコンセット兵舎をつくってあげるとか、港をつくってあげるとか、道路をつくってあげるとか、飛行場の滑走路をつくってやるとか、それほどまで手厚い処遇をしなければいけないのかという素朴な疑問は、これは、私ひとりではないと思う。国民全体そう思うのだ。 これに対する大臣の見解と、一体将来、どのぐらいの予算が見込まれているのか、また、第十五回安保協できめられた処理は、予算上どうなさろうと思っているのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○福田国務大臣 米軍の基地の整理統合につきましては、ぜひ整理統合の実をあげてまいりたい、そういうふうに考えておるわけです。ですから、これは財政の事情もよく考えなければいけませんけれども、必要最小限のものは充足するというふうにいたしたい、かように考えております。 それから、これからの見通しといたしましては、これは、まだ私も見当はつきませんけれども、関東計画だとかその他いろいろの問題があります。そういうことを考えますと、今後なお、昭和五十年度以降においても、かなりの経費を必要とする状態であろう。しかし、それに対しましても、ただいま申し上げたような方針で対処していきたい、かように考えております。
○上原委員 防衛庁長官にお尋ねしておきたいのですが、これからの問題については、予算を計上しなければできないわけですね。そうしますと、十五回安保協できまった沖繩計画というのは、一体、具体的にはどう進んでいくのか、これは外務省の管轄かもしれませんが、大ワクの予算はどのくらいかかるのか、何年で、皆さんは十五回安保協できまった返還を達成しようとするのか、そのめどというものは、ぜひ明確にしていただきたいと思うのです。
○山中国務大臣 来年度予算にも、大体、十二月ごろに予想がつきましたものについては、八カ所ほど、移転に伴う、たとえば典型的なものはキャンプ瑞慶覧の射的場移転等でありますが、予算化されております。これは、すぐに実行できるわけでありますが、問題は、今後、幾らぐらいかかるかということになりますと、大蔵大臣のほうの、先ほどの御答弁にもありましたとおりでありますが、今後、場所、その規模等について、相当相談を要しなければ金額が出てこない。那覇の軍港施設以外を考えますと、大体、主として大きなものは、牧港住宅街の残りの九百八十一戸が中心でありますが、大体五百億ないし六百億、現在の工事単価で予想しております。
○荒舩委員長 上原君に申し上げますが、もうすでに時間が過ぎていますから、どうぞ簡潔にお願いいたします。
○上原委員 あと一、二点だけ、ぜひ委員長お許しいただきたいのですがね。
○荒舩委員長 一点でどうですか。
○上原委員 きょう、時間がなくて詰められないで残念なんですが、昨年の六月二十六日の内閣委員会での議論ですが、いわゆるリロケーションの問題に対して、協定の二十四条の解釈について、防衛庁と外務省で検討を進めていくという長官の答弁があるわけですが、その後調整したのかどうか。わがほうの負担に対しての問題について、いろいろ議論をされて、問題があるようであるので、外務省と十分検討してみますという答弁が明確になされているわけです。この問題、後日詰めたいと思いますので、その後やったのかどうかというのが一点。 もう一つお聞かせいただきたいのですが、先ほどもちょっと触れたのですが、沖繩における県道百四号線の問題ですね。これは絶えず問題になってきている。現在も実弾演習をやって、地域住民の反対運動で、もう実弾演習するところまで住民は入り込んでいって、現地では、きのう、きょうにかけて大きな問題になっているんです。こういうことが、しかも県道を実力で封鎖をする中で行なわれているということ、このことに対しても、施設庁なり外務省なりは、県道までも封鎖して、そういう実弾射撃演習をしなければいかないのかどうか、これに対しての報告を受けているのかどうか、即時中止をさせていく申し入れを、外務大臣も防衛庁長官もやる意思があるのかどうか。今日まで、もう復帰後すでに六回やられている。非常に危険な状態になっているわけです。ぜひ、アメリカ側に対して、県道封鎖で実弾射撃訓練をやる、そういう無慈悲なことは、不当なことはさせてはならないと思うのです。そこにも、やはり安保条約や地位協定の解釈の問題をめぐっていろいろある。だから、私は民事局長の問題も出したのです。アメリカ側に申し入れていただきたい。その二点に対して、明確な御答弁をいただきたいと思います。
○大河原(良)政府委員 昨年六月の内閣委員会で御提起がありました問題につきましては、いわゆるリロケーションということにつきましては、地位協定上明確な表現はございませんけれども、政府としては、昨年の春の国会でも御説明いたしましたように、地位協定二十四条二項によって読むべきものであるという考えをずっととってきております。したがいまして、今回、十五回安保協議委員会におきまして、いわゆるリロケーションの対象となり得る施設、区域の整理統合の問題を話してまいります際におきましても、十分、防衛庁、施設庁とこの問題についての見解を固めた上でこの交渉に当たってきたということでございます。 第二の、沖繩におきます実弾演習の問題でございますが、これはキャンプ・ハンセンを施設、区域として提供いたしておりますと同時に、その施設、区域内を県道百四号が走っておるという現実の状況におきまして起きた問題でございますが、けさほど開かれました合同委員会の場におきまして、日本側から、この問題について米側に注意を喚起し、今後、米側は事態の調査方を約したわけでございます。 今後、こういう問題が再発しないように、できる限りの努力を払っていくべきものである、こういうふうに考えております。
○荒舩委員長 ちょっとお待ちください、上原君。(「時間が過ぎてるよ。」と呼び、その他発言する者あり)どうぞ上原君、結論を出してください。
○上原委員 そんなにうるさくしちゃ困りますよ。これで終わりますが、私がお尋ねしたのは、防衛庁長官に聞いているのです。あんたに聞いていないのです。防衛庁長官に聞いているのです。外務省と調整の上やっていく。 それと外務大臣に、もう一度念を押したいのですが、県道封鎖をしてまで実弾演習やっていることに対して、私は、アメリカ局長からの答弁をもらっていない。アメリカに対して、そういう申し入れをする政府の意思があるかどうかを聞いているのです。そういう答えを皆さんやっておけば、もう十分も二十分も早く済んでしまうのだ。明確に答えていただきたい。
○大平国務大臣 キャンプ・ハンセンの提供に関する合同委員会の合意におきまして、わが国は、当該道路を施設、区域の一部として提供して、かつ、本道路の上空を使用して射撃訓練を行なうことを認めますとともに、射撃訓練等に伴って必要となる範囲で、一般通行の制限を行なうことが合意されております。したがいまして、射撃を行なうこと自体が、地位協定に違反するというものではないと思いますけれども、いまアメリカ局長が御報告申し上げましたように、御指摘の事態にかんがみまして、こういう危険な事態を避ける意味におきまして、日米とも努力すべきであると思いまして、アメリカ側に注意を喚起いたした次第でございます。
○荒舩委員長 これにて美濃君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十二日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時十二分散会