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72回国会衆議院1974/02/08

予算委員会 第15号

発言数
334
登壇者
27
会派数
3
開催日
1974/02/08

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和四十九年度一般会計予算、昭和四十九年度特別会計予算及び昭和四十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行ないます。  この際、大平外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大平外務大臣。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 シンガポール並びにクウェートのゲリラ事件について、ただいまの状況を御報告申し上げます。  昨夜来、クウェート政府に対しまして、再度総理の親電を発出いただきまして、ようやく今朝、日本時間一時三十分、クウェート政府が着陸を認めるという御決定をいただきまして、今朝、日本時間の二時五十七分、日航特別機は、人質を釈放の上、クウェートに向けてシンガポールを出発いたしまして、飛行機は、いまクウェートに向かっておりまして、日本時間の正午ごろクウェートに着陸の予定でございます。  クウェート政府は着陸を認めましたけれども、クウェートを最終決着地点にしてもらいたくないという希望でございます。  したがいまして、問題が二点残っておるわけでございまして、一つは、大使館を占拠しておるゲリラを日航機にどうして運ぶか、そして、その際、大使以下の人質をどのように釈放してもらうか、そのメカニズムにつきまして、当方から派遣いたしました在イランの有田大使とクウェート政府との間で詰めを行なっておるわけでございまして、目下、いまの段階で、内容は不明でございます。  第二の点は、クウェートを最終決着地点としないということになりますると、日航機は、犯人を運びまして、第三国に向けて出発しなければならぬわけでございますが、どこを仕向け地とするかという点につきまして、まだゲリラ側の希望も特定しておりませんし、受け入れ国もまだ特定するに至っていないわけでございまして、その点を鋭意詰めておるのがただいまの段階でございます。  したがいまして、外務省といたしましては、その残された点につきまして、周到な配慮を加えまして、人命尊重の立場からこの事件の終結をしなければならぬという決意のもとに、最善を尽くしております。  以上、御報告申し上げます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 湯山勇君。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ただいまの外務大臣の御報告で、クウェートが着陸を認めたということは非常にけっこうだと思いますし、ここまで運んでいった御努力を感謝いたしております。しかし、まだ、いま外務大臣の御報告にありましたように、なお、最終決着までには幾多の困難が予想されると思いますので、なお、人命尊重の立場からも、また、日本の国の立場からも、ひとつ全力をあげて御善処をお願い申し上げたいと思います。  なおまた、これは第二義的な問題でしょうけれども、今日までの日本の政府のとった態度について、幾らか諸外国で批判めいた評論も見られるようでございます。これらにつきましても、ぜひひとつ、政府においてりっぱな理解が得られるような御努力を要望申し上げたいと思います。  この事件とも関連がございますけれども、これに赤軍派が関連しておる、国内の赤軍派の動きもある、あるいはまた、国内で過激派学生がいろいろ事件を起こしている、こういうこともございますので、先般のこの国会の施政方針演説で、田中総理は、決意を新たにして教育を刷新するということをおっしゃいましたが、それとこれとが結びついて、あるいは、秩序ある教育というような視点から、さらに中央集権的なといいますか、権力的な教育行政が行なわれるというようなことがあってはならないと思いますし、また、総理の教育に関連のある施政方針演説並びに今日までの御答弁の中からは、たとえば韓国の義務教育制度の問題に触れられ、あるいは現実を無視していいのなら大学教授になるとか、大学教授というのは現実を無視するものだというようなふうにとれるような御発言とか、あるいは修身教育というようなことの御発言等から見まして、あるいはこういうことが教育に対する国の統制あるいは権力支配ということにつながっては、これは非常に重大な問題でございますから、その辺を御留意いただきたいと思います。   〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 教育の刷新という点から申しますと、これは教育そのものの刷新もありますけれども、今日の教育行政の形態というものが、はたして正常にいっておるかどうかということをまず反省してみなければなるまいと思います。  そこで、その一つの例といたしまして、今日の教育行政の組織から言いますと、特に、地方におきましては、知事部局と独立した教育委員会というものが設けられております。その教育委員会には教育公務員の教育長が置かれている。つまり、文部大臣の承認を得なければ就任できない教育公務員の教育長、それから、その府県の教育委員会の承認を得なければならない市町村の教育長、こういう一つの系列がございます。これが中軸になっている。ところが、その教育公務員である都道府県の教育長に、本来の教育公務員でない者が就任している例が非常に多くなってきている。それをもっと端的に言えば、都道府県の知事部局の人事とこの教育委員会の教育長人事が混乱してきている。そういう重大な問題を最近特に見るわけでございます。  文部大臣にお尋ねいたしたいのですが、都道府県の教育長で、本来教職にあった者以外で教育長になっている者、これは文部大臣の承認が要るわけですが、それがどれくらいあるか、ひとつ、おわかりならば御答弁願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 教育長の前職を調べてまいりますと、さほど大きな変化はないようでございます。  都道府県の教育長で申し上げますと、御承知のように、三十一年に教育長の資格要件が撤廃されたわけでございます。そのときの知事部局の職員が十五名、三十九年が、これは十三人に下がり、四十五年は十八人、四十九年は十八人、若干増減がございますけれども、それほど大きな変化は来たしていないというのが現在の姿でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうふうに、知事部局から相当数出ておりますし、本来、教育公務員もしくは教育の専門職でなかった者が都道府県の教育長につく。いま、文部省からの資料によれば、都道府県の教育長四十七名のうちで、二十六名が教職経験者であって、あとの二十一名は教育経験者でない。つまり、大体大ざっぱに言って、半分程度教育者でなかった者が教育長になっている、こういうことです。  これについて文部大臣はどうお考えになりますか。これは非常に重要なお尋ねですから、大臣ひとつ慎重にお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 湯山さんはたいへんお詳しいわけでございますけれども、敗戦後、占領軍から教育委員会制度の勧告を受け、教育長につきましては、教育職員の免許状を持った者で、教育界で訓練経験を経た者を採用すべきだとされたわけでございます。しかし、現実問題としまして、教育の現場で優秀な教育者が、必ずしも、行政担当の責任者として適格者でもないというようなことから、三十一年にそういう資格要件を撤廃いたしまして、独立後は、広く人材を求めてよろしい、こういうふうにしたわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、市町村の教育長の場合も、都道府県の教育長の場合も、それほど大きな変化は来たしていないということでございます。  それじゃ、教育者でない方が教育長になることを懸念しないのかという御趣旨だろうと思うのでございますが、やはり、行政の担当にあたりましては、もちろん、教育の現場についても深い造詣のあることが好ましいわけでありますけれども、それだけでは十分でない。やはり、予算の問題もございます。また、関係各機関との協議あるいは議会との折衝、あるいは地方住民との関係、いろいろなことがございますので、これは言い切れないのじゃないだろうか。ことに、教育委員会は、学校教育だけを担当いたしませんで、社会教育、社会体育の問題でありますとか、あるいは文化の振興でありますとか、あるいは文化財の保存活用の問題でありますとか、幅広い仕事を担当いたしますので、教育の現場であった人でなければならないということにいたしますと、やはり、教育長に適格者を得にくいのじゃないだろうか、こう私は考えているわけでございます。両方兼ね備えておりますことが申し分ないことは、言うまでもないことでございますけれども、そう限定しますと、なかなか得がたい、かえって教育長としての仕事が円滑を期しがたい、かような気持ちも持っておるところでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 非常に残念ですけれども、やはり奥野文部大臣はおわかりになっておりません。  教育長は教職経験者でなければならないという、非常に重要な規定をはずしたのは、市町村に教育委員会が設置される、市町村の段階では、当時まだ小さいですから、三名くらいの教育委員しか置けない、それが専任の教育長を置くことは困難だし、当時助役が兼務しておったような例がございます。そこでこれをはずしたのですけれども、私は、あの当時あの法律を審議しましたからよく覚えておりますが、教育長には教育経験者を置くことをたてまえとする。そこで、教育公務員ですね。これは、御存じのように、ぽっと持っていったから教育公務員になれるというのじゃありません。現在、教育公務員特例法で指定になっているものは、大学の学長、学部長、それから一般の教職員、それから大学の図書館長、教育委員会では教育長と指導主事だけしかないのです。だから、何の経験もない者をぽっと持ってきて教育公務員にするなんてことは、この規定から見ても、ないはずなんです。だから、そういう文部大臣の御認識だからこういうことになるので、教育委員は、おっしゃったようにうんと幅広くていいのですけれども、教特法でこういう規定があるし、文部大臣の承認になっているのだから、こういうことはないだろうというのが当時の説明でした。  これはどういうことになっているかと申しますと、文部大臣が頂点にあって、その承認による都道府県の専門の教育のわかる教科課程とか、それから、専門の教育指導の指導主事を指図するとか、こういう専門の教育長がある。それから、地教委の教育長がある。つまり、文部大臣を頂点として、教育職がその中心になっているから、いまのような組織ができている。ところが、いまのように半分ぐらいが行政職で、知事部局から来る。ひどいのは、国家公務員からまで行っている。こういうことになると、もはや、教育行政の組織というものは乱れておりまして、こういうところからいろいろな弊害が起こっています。  そこで、総理大臣、これは総理大臣にお尋ねしたいのが私の本旨なんですが、一体、総理大臣は、ヒラメ先生ということばを聞いたことがございますか。ヒラメ先生、ヒラメというのは魚のヒラメです。どういうことでございますか。——これは、ヒラメというのは、ぺたっとなっていて、目が上についています。先生の目は上について、子供のほうを向いていない。これがヒラメ先生です。おわかりでしょうか。  そこで、いまのような文部大臣の答弁のように、行政系列を重んじていくと、役所には局長あり、部長あり、課長あり、課長補佐あり、それから係長あり、主任ありという、ずっと系列があります。そこで、いまのような文部大臣だと、ついその系列のほうを重んじるから、教育行政は、たとえばある市の教育長も行政職、それから県の教育長も行政職、文部大臣もいまのようなことで、自分の直系の上に教育のほんとうにわかっている人が一人もいないから、そうすると、結局、上を向いてやらなければ、子供のほうを向いてほんとうの教育をやっていたんじゃ認められない。そこで、先生たちがヒラメ先生になる。先生たちは、いまのような制度でいくとヒラメ先生だ、こういわれています。  そのもとはどこにあるかというと、総理大臣にある。というのは、総理大臣しかできないことだし、総理大臣がしなきゃならないこと、それは文部大臣の任命です。文部大臣を任命されるのは、そういう点をうんと御配慮になって、そして、ただ単に多数決で通った法律が支配するんじゃない。あるいは、何か悪いことがあったら処分せよということじゃなくて、ほんとうに信頼される文部大臣が、教育の実質とその行政系統を握っておって、それで行政を進めていく、こういうことでないからいまのようなことが起こります。  そこで、総理大臣、いま教育の刷新ということを言っておられますが、日本の教育で一番大きい転換があったのは終戦直後です。そのときの文部大臣を見てみますと、たとえば安倍能成だとか、田中耕太郎とか、それから最後に天野貞祐、そういったように、いままであの大きな戦争教育を進めてきた、その教育を大きく転換していって、教科書も塗りつぶして、いままで軍国主義、戦争で教育してきたのを、今度は戦争はしないのだと、こんな大きな転換をやっていくときに、だれからも信頼される、すべての教師から信頼されるような文部大臣がずっと就任しています。御存じのとおりです。そこで初めて、そんなに混乱なく教育の転換ができたというように思います。  しかし、いまのように、文部大臣を、不適任な人をお選びになるということはないでしょうけれども、とにかく、議員の中からお選びになって、これなら何とか大臣をこなせるだろうというようなことで文部大臣をお選びになるのだったら、それは総理大臣の責任は重大です。こういう大事なときであれば——それ以後、さすがに吉田総理は、大学の先生を曲学阿世の徒なんて言いましたけれども、よく心得て、そういう文部大臣をずっと選びました。それがやはり、あまり大きな混乱なく今日の教育ができている基礎だと思います。しかし、以後、ともすれば人がきまって、あれをどこへ持っていくか——これはそんたくですから、間違ったらごめんなさいですが、どこへ持っていくか、まあ文部大臣に持っていっておくかというようなことがもしあったとすれば、それは重大な問題です。  そこで、文部大臣、奥野文部大臣もいい人です。というのは、この人は、地方財政なんかでしたら、法律よりも奥野さんの言うことのほうがよく力があるぐらいです。けれども、りっぱな人ではあるけれども、教育はわかっていないから、そこで、どういうことをやるかというと、先生を処罰せい。先生のうしろには四十人、五十人の子供がついている。これを考えれば、先生を処罰せいなんということを、文部大臣は言う筋合いはないのです。これは教育委員会の権限ですから。それを指図する。ここいらは、りっぱな行政官であるけれども、やはり教育がわかっていない。また、先生に対して、何か、清掃人夫になったとか、とにかく職業差別——どの先生だって、職業差別はしません。職業による差別のようなことばは吐きません。ところが、奥野文部大臣は、そういうつもりじゃないけれども、誤解を受けている。先生は絶対子供たちの前で親の職業の差別なんか言いません。少年鑑別所へ子供が送られたら、必ず先生が来ます。来た先生が、あの子供は悪いやつだから少しひどい処分をしてくれなんて言う人は一人もいない。これがよくわかっていないと、ついそういうことが出ますので、大臣が、教育が大事だと言われるのならば、文部大臣の人選にあたっては——それは、灘尾先生のようなりっぱな文部大臣もおられまして、教員定数のようなりっぱなお仕事もなさいました。けれども、そうじゃなくて、やめいとまで私は申しませんけれども、ほんとうに先生たちから信頼される文部大臣というのを——憲法にも、大臣は議員でなくてもいいというのがあるのですから、それを御活用になって、ほんとうに信頼の得られる文部大臣、教育長、この行政の中心になる系列をほんとうに教育的なものにしていく、そういう系列をつくるために、文部大臣の任命にあたっては、総理大臣はうんと慎重に、場合によったら、私は、田中総理大臣が文部大臣になったらいいと思う。それはどうしてかといいますと、今日の教育の弊害というのは、上級学校へ行くためにあらゆる教育が犠牲にされています。そこで、もし、田中総理大臣が、いつか総理大臣をおやめになったら、ぜひ文部大臣になってもらって、こんな上級学校進学が人生の目的じゃないんだと、こういうことをほんとうに日本の教育でつくってもらえば、それは田中文部大臣、総理大臣をおやめになってもほんとうに意義があるのです。  そこで、これをお聞きしたい。総理大臣は、文部大臣の任命について——いままでのことをとやかく私は申しませんが、ただ、そういうように、ほんとうに文部大臣は大蔵大臣よりもっと重要な地位だというような御認識のもとに、議員であるなしを問わず、もっとほんとうに信頼される文部大臣を選ぶということで御努力される御意思があるかどうか、これを承りたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 文部行政は、これは国の全く基本であり、その国の文教というものは、どこの国でも基本政策でございます。基本政策というのは、内閣がかわっても、政党内閣のいまの制度がかわっても、大体変わらぬのが普通でございます。これはアメリカにおいても、民主、共和両党に政策の相違はございますが、基本政策に変わりはありません。ほとんど変わりはない。それからイギリスにおいて、労働党内閣と保守党内閣という、日本でいえば社会党内閣と自民党内閣というような政権交代があっても、他の政策には変化がございますが、基本政策にはありません。ありませんから、国民は安んじて政権交代を是認できるわけでございます。  基本政策というのは、そうたくさんあるわけはないのです。第一に何かというと、まず文教。文教は基本政策の第一でございます。それから外交がございます。それから国防とか防衛がございます。あとは、国民の生活を守る治安があるわけです。この四つの政策を基本政策と、大体どこの国でもいっていると思うのです。  ですから、そういう意味で、文教政策が大事である。これは、現在だけではなく、民族の悠久な生命をつないでいくわけでございますから、大事であることは、もう言うまでもないことであります。われわれの地球上における生命は短くとも、子供や孫に伝承する民族の生命は全く不滅なものでございますから、その意味で、教育がいかに大切であるか、それはもう御指摘のとおりでございまして、私も、文部大臣の任命ということに対しては、ほんとうに真剣に考えておりますし、将来も考えてまいります。  奥野文部大臣に対して、あなたも教育者の御出身でございますから、なかなか上品な言い回しではございますが、どうもほんとうに最上の任命でないようなことでございますが、そんなことはないのです。これは、非常に私は慎重の上に慎重に考えて文部大臣の任命、これは内閣改造しても留任をしてもらっておるわけでございますから、それはそんなに簡単な意味でやったわけじゃないということだけは、これはひとつ十分お考えいただきたい。私が申すまでもなく、あなたも教育者としてはりっぱな方でございますし、戦後は天野先生とか、いろいろな方々がずっとやってこられましたが、まあ教育、確かに戦前から全く反対の教育方向になったわけです。  それで、それは御承知の第一のメモのときは、幣原内閣は教育に対しては自信を持てない、持てないような内閣はやめなさいといって、幣原内閣は投げ出したわけであります。そういう歴史の中に新しい文教政策の一大転換がはかられてまいったわけでございます。ですから、あの当時は占領目的達成という面もあったし、名目的には確かに日本の自由化、民主化ということはありましたが、一つの占領目的がメモに明らかに示されておったとおりあったわけです。ですから忠魂碑を取り除きなさい、国歌も歌ってはいけない、国旗を掲げてはならない、もとより無格社である神社の参拝も一切やめる、こういうような非常に急転回が行なわれたわけでありますが、その後、日本の教育界において、混乱はどこにもあります。これだけの大改革ですから、混乱はございますけれども、まあ足かけ三十年の歳月を経て今日に至っておるということは、新しい教育制度も定着しつつある、こう述べるのが大体の評価だと思います。  しかし、三十年もたってきた中に、やはりいろいろな現象も起こっておりますし、これはもうアメリカのメモケースのものが絶対的に日本に適合するものでもないと思いますし、だから、まあこれは広い意味で国民的最重要課題として、国民が常に日本の教育はどうあるべきかということを考えて、それで政府も、議院内閣制でございますし、政党政治でございますから、総選挙やいろいろなものを通じて国民の声をくみ取りながら、教育行政の大きな立場というものの見通しは持たなければ、政府としての責任を国民に果たせないわけでございます。しかし、学問の自由を守り、学園の自治を守る、こういう原則的な問題は当然のことでございまして、そういう問題に対しては、まああなたと同じような非常に真剣な立場で慎重に対処をいたしております。  奥野文部大臣は、ひとつ、いろいろ御注意はざいましたが、御注意をすなおに言っていただいて、現職の文部大臣を信頼しないような状態では教育行政もうまくいきませんから、これは文部大臣も謙虚にひとつあなた方の声を十分聞きますし、国民の声を吸い上げるべく努力をいたしますから、御叱正の上、御信頼をいただきたい、こう思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 質問に答えてください、総理大臣。私は奥野文部大臣を引き合いに出してたいへん失礼いたしましたが、それは奥野文部大臣は文部大臣なりに、それをとやかく言うんじゃありません。今後、いまのような状態から見て、ただ単に議員というワク内じゃなくて、広くほんとうに信頼される文部大臣を選任するというお心がまえがあるかどうか、これをお聞きしておるのですから。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 文部大臣のみならず、半数以上は議員でなければならないという定めがあるだけでございまして、広く人材を求めるという基本的姿勢は絶えずとらなければならない。特に文教とか、文部とか、司法とか、法務とか、そういう立場、それから、そういうものは何とかして許されるならば在野からも人をいただきたい、こういうことも考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いま総理大臣が前段でおっしゃいましたように、教育というものは、国民全体のための奉仕ということですから、そうすれば、議員立法ならばともかくもですけれども、政府提案の法律で対決するとか、政府が対決するような法案を出すとか、あるいはそれを強行突破するというようなことをすれば、結局、そういう法律が今度は通れば一〇〇%教育を支配していくというようなことなんで、これらも、御答弁要りませんけれども、御配慮願いたいと思います。そうしないと、先刻大臣の御答弁といまのと違いますから、議員立法は別として、政府が与野党あるいは国民を二つに分けて対決するというような法律を出すというようなことについては、きわめて慎重でなくてはならないというように思いますので、これも御配慮願いたいと思います。その問題は、いまの、総理大臣が広くとにかく全体から信頼される文部大臣を任命するのだ、奥野文部大臣もその中の一人だということですから、それはそう承っておくことにして、ひとつ、広くいまのような信頼される人をお選び願いたいと、重ねて要望申し上げます。  総理は、同じく施政方針演説の中で、特に重要な問題として農業の問題をお取り上げになりました。食糧の問題は非常に重要な問題で、今日、石油を中心とした物価問題、いろいろありますけれども、そのはしり的なものは、前に総理がおっしゃったように、食糧から去年の夏スタートしています、大豆など。それでは今日食糧が安定しているかというと、食糧の価格もやはりどんどん上がっている。けさもテレビで、文部大臣もごらんになったと思いますけれども、給食回数が減ったというので、おかあさんたちが弁当でいろいろ困っているというのがテレビで出ておりました。そういうときですから、食糧の安定供給というのを大臣が施政演説でお触れになって、国民の生活の安定をはかるのだということを御表明になったことは機宜に適したことであったと思います。  そこで、大臣の演説では、食糧事情は、とにかく国際的にもあるいは国内においても非常に重要だ、そこでこれの自給度の維持向上をはかっていくということを演説で述べておられます。食糧の自給度の維持向上というのですが、俗に食糧の自給率とも呼んでいます。維持向上をはかっていくという以上は、どのくらいの年数でどの程度の食糧を自給するのだということが、総理には大体のめどがおありになると思いますので、まずそれを承りたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 食糧は農林大臣所管でございますから、農林大臣がお答えの上、私がまたと思いましたが、せっかくの御指名でございますから、私からお答えいたします。  食糧の自給度を上げなければいかぬということは、これはどこの国でもみなそうでございます。食糧なくして生命をつなぐことができないわけでございますから、食糧というものは自給度を上げなければいかぬ。できれば完全自給ということが必要であるし、それから備蓄も相当量持ったほうがいいということは、もう理論上当然でございます。  しかし、その中に、日本の国内で自給できるものと、どうしてもできないものもございます。これは国民の嗜好によって食糧の内容が変わってまいりまして、米からパンにというふうになってもまいりますから、どうしても大豆などは、日本では完全自給というところまでは持っていくということになれば、価格が相当高騰するか、税金の負担が多くなるかという問題もありますので、財政上の問題国際的な状態、それから国内における状態等を十分勘案をしながら、しかも非常の場合、災害等があっても、また国際的にどんな不作状態が起こっても、食糧は確保しなければならない、こういうことをやはり第一義に考えて総合的政策を進めていかなければならぬことは言うをまちません。そういう意味で、米は一〇〇%とにかく自給しようということでございます。あとは大豆とか、みそ、しょうゆの原料とかパンとかということがございます。そういう意味で、自給度が国内的に上げられるものは八〇%、七〇%までというふうに、まず可能な限り最善の努力をするということでございます。  それで、日本だけじゃなくとも、これは外国で食糧基地を設けて、その国に貢献し裨益すると同時に、それが世界的食糧の安定に貢献をする、そして、また日本の備蓄にもなるというようなものも、あわせて各地で考えなければならないことでございます。これは安定供給ということで考えなければならぬわけです。もう一つここで申し上げたいのは、南北問題というのがございまして、一次産品しかつくれないという恵まれない国もあるわけでして、主要工業国と一次産品国との間には、国際分業を進めないと、人類の永遠の平和は確保できないという大目的もあるわけですから、この三つの問題を総合的に勘案をしながら、国民には安定的な食糧を絶対的に確保する。これは国内でだけ確保するということに狭義にお考えになる面と、それから第三国を入れての面と、南北問題という人類の大きな問題を解決しなければならない中において、日本はどうこれに貢献しなければならぬかという問題を三つ合わせて、食糧の自給の具体的な立案をはかっておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 大体、日本で必要な食糧の全体として何%くらいをお考えになっておられますか。数字だけお願いします。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまお話ございました米の一〇〇%、これはもうおわかりのとおりでありますが、その他のものを一昨年、政府、農林省が長期計画を発表いたして、御存じのとおりであります。あれによって見ますと、大体七三から七七%ぐらいを目標にして生産計画を立てるようにいたしたい、こういうわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 じゃ農林大臣にお尋ねします。  いま七三から七七とおっしゃいましたが、現在の自給率はどの程度と見ておられますか。今日ただいまの自給率はどの程度と見ておられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 一つ一つの品物は別にいたしまして、大体七六ぐらいなところへ来ておると思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 七六%日本で食糧が自給されているというのは、総理大臣、こういうのは自給率に入りますか。いま原油を輸入しています。石油精製をしています。だから灯油、ガソリンというのは国内でつくっておるわけです。そこでそれは、原油は外国から入れたけれども、精製した石油は一〇〇%自給している、灯油は一〇〇%自給していると言えますか。言えませんね。農林大臣、どうですか。えさをこれだけ入れて、小麦をこれだけ入れて、それでいて七六%自給と言えるのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 これは、わが国は、いま石油のお話もありましたが、石油はほとんど全量輸入品であります。その石油を使って生産されているものはいろいろございますけれども、農産物においても大きな影響力を持っております。したがって、いまお話のございましたように、たとえば豚を飼う、鶏を飼う、そういう場合の飼料を考えてみますと、その大半が輸入品であることは御存じのとおりであります。そういうものを考えまして、現に出ておりますもの、つまり飼料等は輸入品であるが、生産されているものを五十七年には七三ないし七七にいたしたい、こういうことであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 現在をどう見ておられますか。現在の自給率は、さっきは七六とおっしゃいましたが、訂正して幾らに。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 その輸入したものをのけてですか。ちょっとお待ちください。——湯山さん御存じのように、いま大体各国とも自給率の計算をいたしますとき、その輸出額の販売価額で、価額の計算でやっているわけであります。したがって、しばしばここで議論がありますように、オリジナルカロリーでやるべきではないかとか、いろんな説がありますけれども、ただいまお話しのような鶏を飼う、豚を飼うために飼料は外国から輸入している、そういうようなものを控除いたしますと、大体五五%ぐらいなものだろうと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 五五%。大ざっぱにいいます数は五五%、大体半分は外国食糧に依存しているといってもいい状態です。もっと厳密に言う人は、オリジナルカロリーで四〇%台だと言う人もあります。ですから、総理大臣の言われたように、食糧が非常に大事だ、物価問題からいっても今日食糧が大事だということであれば、これくらいなものは、みなぱっと全閣僚わかっておって、どの人に聞いても、いまほんとに自給率はこれくらいだ、だからこうしなければならないということが言えないといかぬのじゃないでしょうか、総理大臣。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 まあ米一〇〇%、それから大豆は九〇%入れているとか、その程度のことはみな知っておるわけですが、しかし、全部合わせた自給率、特にあなたがえさや各種のものを全部差し引いたものは幾らかというお問いでありましたから、正確を期するために申し上げたわけでございまして、お互いに選挙でみな言われているわけですから、これは上げなければいかぬ、これはこうしなければいけません、陳情を受けて、受け答えしているわけですから、そういう意味で申し上げることはみな理解していますが、国会であなたの、専門家の御質問に対してのお答えですから慎重を期しておるわけですから、御理解いただきたい。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、やっぱり総理大臣です。総理大臣、国内でできるものは極力国内でまかなっていくということですから、それは非常にいいことです。たいへん問題が小さいようですが、具体的に、たとえばグレープフルーツの自由化です。これは南北問題ありますまい。それから国内で、もうミカンは過剰生産、去年、今年難儀しています。外貨の事情もこういう状態。消費が美徳じゃなくて、今度は節約が美徳。当然グレープフルーツの自由化というのはやめてしかるべきですね。これは自由化したとたんにふえまして、昨年四十八年中には十万トン入っています。金額にして百億円、こんなのはもう自由化をやめる。当然だと思いますが、総理大臣いかがですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 一次産品を含めて約三〇%ばかりのまだ自由化未済の分があるわけでございます。まあしかし、アメリカのように計算上は自由化は全部しておると言いながら、二国間協定をやっておるものもございますから、日本の自由化率というものは必ずしも低いものではないということでございます。まあしかし、すでに自由化をしたものを、これをまた除外をするということは、国際的にも非常に反響が大きくなる問題もございます。  それから、先ほど申し上げたとおり、一次産品の自由化、無関税ということは、これは国際的の大問題でもございます。そういう意味で、自由化をしたものをまた除外品目として、留保品目として戻すということは非常にむずかしいと思います。むずかしいと思いますが、需給の調整ということは、これはいろんな行政指導もありますので、そういう面で調整をしてまいろう、こう思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いま、これを自由化しておく理由というのはありませんし、それからもっとひどいのは、この上にオレンジやジュースの自由化までずいぶんやろうというような動きがあったと聞いております。当時、櫻内農林大臣は、私が責任を持って自由化はやりませんと、非常に勇気を持ってやられて、倉石農林大臣もおしょうゆでたいへん感謝されておりますが、櫻内農林大臣は、とにかくその自由化措置に責任を持って取り組まれたということを知っておりますが、オレンジの果汁の自由化なんていうことが、この上くるということは絶対ないと思いますが、これはどうでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そういうことをいま考えておりません。櫻内前大臣が非常にこれに努力されましたが、いろいろ国際貿易の関係がございまして、いろいろの説が出ましたけれども、やはり総理も櫻内前大臣もあの当時からそういうことを声明されて、相手国においても大体理解いたしておるようであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それではその次に、この自給と関係を持って、米の生産調整もやめるべきである。これはこの間阿部委員から指摘があったときに、総理大臣のお答えはこういうことでした。国際価格の二倍もしておる米、こういうことが前提になって、それをなおこの上つくって国が買い上げるということは、それは国民の合意も得られないだろう、さらに、外国へ協力で出すにしても、そんな高い米を贈っても、外国ではそのとおり評価してくれない、だから米の生産調整は続けるんだというのが総理の御答弁でした。その前提条件がくずれています。いま米の国際価格は、御存じのとおりカリフォルニアの上質米がもう十八万四千円、タイの米が六百ドルですから、まず十八万円、日本の買い上げの価格は十七万幾ら。つまり国際価格を上回ってきました。そうすると、総理が生産調整はまだ続けると言われたことの根拠がくずれました。そうすると当然、これはもう生産調整をやめるべきだ。ことに総理は、バングラデシュあたりは二百五十万トンも不足しているということもおっしゃったし、もっと大きい問題は、今世紀末の最大の課題は、東西でも南北でもなくて、水と食糧だということもおっしゃった。今世紀末とは、あと何年ありますか。そう百年も向こうのことじゃありません。そうすると、かりにそういうことで外国へ売ったりいろいろやって五十万トンずつたくわえていったとしても、五十万トンずつなら、せいぜい日本の一カ年分しかたまらない、世紀末までには。遠いことじゃないのです。  そうすると、いまのような国際情勢、価格の問題それからいまおっしゃった問題、これらから考えて、いま生産調整をしなければならないという理由はありません。それに、今日までだってそうです。いまかりに五百万トンでも米を持っていたとしたら、バングラデシュへ売るとすれば、とにかく十八万円以上で売れます。もらったほうも、こんな高いものをたくさんもらって感謝される。だから、いま考えてみれば、これはばかみたいなことですから申しませんけれども、こう考えてくると、いま生産調整をやっているというのは、日本は国際的な義務を放棄している、こういうことになりませんでしょうか。その国際的な義務を放棄して、なおかつ窮迫している国際穀物市場へ出ていって小麦を買いあさる、えさを買いあさる、これは道義にも反するのじゃないか。今日の穀物値上げの一半の責任は日本にある、こう言われてもいたし方がない。総理は、物じゃなくて精神が大事だということを、今度東南アジアをお歩きになってつくづく感じてこられた。ここで、そういう状態でなお生産調整を続けるということは、もう理由がなくなりました。  一体この上お続けになるのか、考え直して、よし打ち切る、こういうことになるのか、いま決断しなかったら、ことしの米に間に合いません。決断を願います。   〔櫻内委員長代理退席、井原委員長代理着席〕

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 あなたの言われることも理解できる面も十分ございます。しかし、日本は合管制度をとっておりますので、国民に安定的に弄い主食を供給しなければならないということでございまして、米を無制限につくるということにたると、一時、昔は精農に対して報奨金が払われたものを、今度、つくらないで草ぼうぼうにしておけば減反奨励金を出すというような、全くさかさまな政策を暫定的でもとらざるを得なかったわけでございます。ですから、来年からは転作奨励金一本にしたわけでございます。  その転作奨励金というものは、先ほど申し上げたとおり、いわゆる日本では自給度の少ないもの、それは小麦であり、豆であり、飼料でありというようなものでございますから、そういうものに対して奨励金を付しながら、それに対処をしようという考えであります。  米をつくって、これを東南アジアに出したらいいじゃないかという問題これは常にどこからも聞かれる問題でございますが、これも対外的な問題でもあるのです。タイは米の有数臓輸出国でございます。タイが輸出をするものはタピオカと米なんです。それで現在も、モチ米はタイから四万トン何とかして入れてもらいたいということも、私がこの間タイに参りましたときに、二万トンというのを四万トンまで何とかしましょう、こういうところまでいったわけです。そのときに、タピオカを日本が入れてくれれば、もうタイとの間の年間二億ドルという問題は直ちに帳消しになるのだというのですが、これは国内でん粉業者との間で、十数年来の日タイ二国間の懸案でありますが、タピオカを自由化するわけにいかないということでございます。そうすると、結局タイ米というものを——日本か援助する場合でも、タイ米をタイに注文をして、タイから出してもらうというようなことによってバランスをとっているわけです。  ですから、国内的な問題だけですべてのものを踏み切るわけにはまいらないわけでございまして、これは日本とタイとの問題もありますし、また東南アジア諸国との問題もありますので、彼此勘案の上、今度は減反政策というような単純な緊急臨時措置はやめよう、そういうことで、まず農民の意欲どおり農業規模が拡大するように、しかも自給度を上げなければならないという品物をつくってもらうように、農民の協力を求める政策に踏み切ったわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それでは、買い上げ制限というようなことは、これはもう当然すべきでないですね。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまも本筋のお話がございましたけれども、御存じのように、米はやはり潜在的に生産が多くなっておりますから、これはある程度調整して、そして、先ほど来お話のありましたえさのようなものは、できるだけひとつ保護政策をさらに強化して増産していこう、一方においてはやはり備蓄のことも考えよう、こういうわけでございます。  したがって、他作物のほうに重点を置いてまいるという考え方から、やはり米につきましては、本年も生産調整をやるわけでありますが、予算案に提示いたしてありますように、百十八万トンでありますから、本年は昨年に比べて非常に減っておる。実はそういうふうに現在の食糧事情を勘案して生産調整、稲作対策は講じておりますから、やはり買い入れ限度というものは一定にきめてまいらなければうまくまいりませんから、これはやるつもりでおります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 どうも御答弁が支離滅裂じゃないでしょうか。というのは、総理大臣は、いま私の申し上げたこともわかった。私、国内だけのことを言っておるのではありません。国際的にいまのような、タイの価格もトン当たり六百ドル、それからカリフォルニア米はもうトン当たり十八万四千円、だから日本の価格より高くなっている。バングラデシュが二百五十万トンなくて困っておるというのは、総理がここでおっしゃった。こういうことを見ていくと、いま、とにかくつくれるものを制限するとか、つくれるものをつくらないとかいうことは、国際的な義務を果たしていないということにもなるのだ。それはそうだ、そこでもう、じゃ、休耕はやめる、これはいいのです。そうすれば、とにかくこれは工業生産じゃないのですから、買い入れをどこでぶった切るなんというようなことは、それはやめるべきだ、こういうことですから、それはそうなんだということでいいんじゃないですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いままでの事情をよく御存じと思いますが、相手方にいろいろ協力を頼まれて米の援助をいたしました。しかし、こういうのは、実績から見ますと、あの時分にはやはり国際米価、しかも現実には援助というような形でありますので、かなり価格を安く仕切っております。しかも、十年据置きの二十年償還とかいうふうなことでございます。相手方にいたしてみれば、その当時の国際価格で計算をしたものの金額しか計算していらっしゃらないのでありましょうから、やはり私ども食糧を扱っておる者の立場から申しますというと、もし援助をされるならば、やはりそれなりの援助をされることがいいのではないだろうか。わが国でほかにつくらなければならないものをやめて米を生産して、それを援助のためにやられるということは、やはり農政のほうから見ますと、いろいろ問題もあるわけでありまして、したがって、私どもが四十九年度予算で百十八万トンの稲作転換対策を講ずる以上は、やはり限度数量というものは設ける必要がある、こういう考えであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 なお、これは小麦粉が高くなったり食料品が高くなって、学校給食がやっていけないというので、一週間に一回は弁当を持って来いというので、弁当を持っていくようになって、親としてはたいへんだということがけさテレビに出ておりました。いま給食を受けている子供が一週間に一回ずつ弁当を持っていけば、一体どれだけ米がよけいに要りますか、計算なさったことございますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 米を全部置きかえたらどのくらいになるだろうという計算は、かつていたしたことがありますが、わかりましたら……。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いいです。かまわぬです。これは主食ですから、米は米、小麦は小麦と分けて考えるのが間違いなんです。うどんを食べに行って、なければいなりずしを食べる、いなりずしがなければ、きょうはもううどんで済ます、パンで済ます、一体に考えなければいけませんよ。こんなことがわからないで食糧を議論するというのはおかしいので、だから、米が余っている、余っているという表現もいけないと思いますけれども、これはまた委員会で農林大臣とやります。   〔井原委員長代理退席、櫻内委員長代理着席〕  そこで問題は、とにかく増産しなければならないということで、総理はこう言っておられます。自給度の維持向上をはかることが必要であります。このような観点から、農林水産業の生産基盤の整備を進めることとともに、麦、大豆の奨励金を出す。基盤整備を進める、食糧を増産しなければならない、そのための基盤整備。土地をつくっていく、当然です、土地を離れて農業はないわけですから。成田委員長に対する答弁にも、同様に基盤整備を進める。村山委員の質問に倉石農林大臣は、食管を除いて、特に食糧が重要だというので、三二・一%も前年度よりも予算がふえている。そこで、政府としては、基盤整備その他には十分な力を入れまして、とあります。  この基盤整備に一体どれだけ昨年よりもよけい予算がついているか。私から申してもいいのですが、農林大臣から言っていただきましょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 基盤整備につきましては、昨年度に比べまして、総体の金額においては約四十億円ぐらい増加だと思いますが……(湯山委員「パーセント」と呼ぶ)パーセンテージは、一・一ぐらいだろうと思います。ただ、しかし、ついでに申し上げさしていただきますが……

湯山勇日本社会党

○湯山委員 いいです。あとで聞きます。  総理大臣も、基盤整備は進めるということでしたが、いま農林大臣のお答えのように、農業基盤整備は一・一%程度しかふえておりません。それから、土地改良の長期計画、これも、昨年に比べて一・三%程度——基盤整備の一般会計の予算は〇・九%じゃないですか、農林大臣。一%もないはずです。一%に足りないでしょう。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 予算ベースで申し上げますと、農業基盤整備事業は一〇〇・九でございます。そうして……(湯山委員「一〇〇・九というと、幾らふえているのですか」と呼ぶ)〇・九でございます。それから、事業費ベースで申し上げますと一〇一・一でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そこで、総理は、施政演説で、基盤整備は進めます、食糧はこんなに大事だからと。どれだけ進めておるかというと、金額にして〇・九%。それから、今度の土地改良長期計画をおさしになっておると思いますが、これで一・三%程度しかふえておりません。  ここで思い浮かべますことは、先般この委員会で、私どもの石橋書記長が大蔵大臣に、総需要抑制というけれども、特に公共事業においては抑制してないじゃないかというのに対して、福田大蔵大臣はこうお答えになっております。この基盤整備も公共事業のうちですから、この中ですから、四十九年度公共事業費は五%の増加になった、こういうことになる。まあ五%である、しかし、物価が非常に上昇していることを考えると、これはかなりの圧縮である、こういうことなんです。仕事の量で言いますと、昭和四十七年度の水準をかなり下回る、そういうことでございますとお答えになっている。石橋書記長も、それはそれで了承して、それじゃいままでうそ言っておったんかと言ったら、大臣は、うそとはけしからぬということで、また御答弁がありました。公共事業のワク内にこれがある、五%の伸びは、これは実質は後退だ、四十七年度くらいへ事業量は減るんだというのが大蔵大臣の御答弁で、総理もそこでお聞きになっておられて、そうじゃないとはおっしゃらなかった。農業の基盤整備は〇・九%、五%よりはるかに低い。それで一体食糧生産は大事だ、基盤整備を大いに進めたということになりますか、総理大臣。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 御指摘のとおり、農業基盤整備費もまた公共事業費でありますので、これは実質的規模はかなり減る、そういうふうに思います。しかし、内容は農用地開発というようなことで、かなり整備してある。決して農業基盤整備をおろそかにしているというわけじゃないので、とにかく当面する最大の問題は物価問題である、こういうとらえ方をしておる、さように御理解願います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 私は、大蔵大臣の言うのがほんとうだと思うのです、総理大臣。総需要抑制、公共事業を抑制した。公共事業抑制よりももっときびしく農業の基盤整備を押えられております。公共事業費全体が四%かそこいらに伸びておる。それに比べると、一%に足りないんですから、予算の上では。だから、これで食糧増産は大事だから基盤整備に力を入れたということにはならないでしょう。  これは重要なのは、総理大臣が本会議でちゃんとそう述べて、全国民に聞こえている。御答弁もそうなんです。これは取り消すか訂正されるか、どっちかじゃないといかぬのじゃないですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 こまかい話でありますから、私から申し上げます。  この基盤整備、御存じのように、かんがい排水その他、政府の補助金というのが六〇%、それからその他県も出ておりますし、事業者はほとんどたいした負担もせずに、将来永遠にわたって生産ができるりっぱなものをつくる、こういうことであります。  したがって、御存じのように、今年は、先ほど来お話しのような経済事情もありましたので、公共は一般に抑制されておりますけれども、採択基準などにおきましてもずっと下げておりますし、それからまた繰り延べがございます、御承知のように前年度からの。これも、今年これと一緒に実行しなければなりません。そういうことから考えますというと一一三・三になるわけでありまして、それらを勘案いたしまして、私どもといたしましては、御存じのように土地改良長期計画が十年計画でございますので、最終的な計画年度までには達成いたせるように、いろいろそのときの事情を勘案しながら伸縮していくことはあり得ることだと思っておりますが、本年この予算が政府案として決定いたしましたときにも、団体等はみんなおいでになりまして、時局柄ではあるのに、たいへんりっぱな予算をつくってもらったとほめられた方も多いのであり、まあいまの場合としては、私は、こういうことで、前年度繰り延べとあわせて、できるだけ工事を完成していきたい、こう思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 大蔵大臣の御答弁と農林大臣の御答弁とは、すっかり違うのです。  大蔵大臣は、繰り延べがあるけれども、この繰り延べというのは、やはり恒常的にいくんだ、公共事業というものは本来繰り延べを持っているんだ、だから、昨年の繰り越しが四十九年度に来ても、四十九年度の繰り越しもできるから、それはそんなに影響ないんだと御答弁になっておるでしょう。お聞きになったでしょう。それを足したら、それじゃ、今度は大蔵大臣が石橋書記長にあやまらぬといかぬ。倉石農林大臣の御答弁があったら、それはそのとおりです、前のは間違っておりましたと大蔵大臣は答弁し直さぬといかぬです。総理大臣も、伸びるというのは、これは伸びておるのですか、圧縮しておるのですか、一体。基盤整備は、実質圧縮でしょう。  これはひとつ政府の統一見解を出してください。そうしなければ、これ質問できないです。農業というのは、一番大事なのは基盤整備です。基盤のないえさの輸入だから、これは自給率に入らない。これは待ちますから、統一見解をお出し願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○福田国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、農業基盤整備費は公共事業であるというたてまえから、これを物価対策上の見地から圧縮する方針をとったわけです。それはそれに違いはないわけです。ただ、倉石農林大臣が申しておりますのは、繰り越しがある、こういう話なんです。そういえば、四十九年度からまた五十年度にも繰り越しはあるはずなんでありますが、しかし、繰り越しが四十八年度からありますから、これを大いに使おうという意欲を農林大臣が持ちますれば、これはまた四十九年度において農業基盤整備費として消化する額はまあ多くなるだろう、こういうふうには思います。思いますけれども、繰り越しがありますから、それで御承知願いたいと、こういうようなことは、あんまり強調はできない問題じゃないか、さように存じます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 だから、あのとおり食い違っておるのですから、こういうように食い違っておりますし、かりに十何%上がっておったにしても、実質は後退でしょう、物価値上がりを考えれば。大蔵大臣の言われるとおりです。だから、総理と農林大臣が間違っている。これはいま四十九年度の予算の審議ですから、こんなので時間をとったのは余分にしてもらわないと困るのですが、違っておるのですから、統一見解を出してください。まず農林大臣と大蔵大臣がお話ししてください。別々に聞いたってしょうがないのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 違っているところはないと思っております。  私どもは、先ほど申し上げましたように、四十九年度予算は、物価抑制のために抑制型の予算をつくるんだというそういう大方針は、農林省ももちろんやむを得ない方針であります。ただ、しかし、私どもとしては、長期十カ年にわたる計画でありますので、その間、客観的情勢によっては、伸縮することもあり得るのでございましょうが、基盤整備に対しては、先ほど申し上げましたように、採択基準を、大きな面積を小さくすることをやったり、その他基盤整備についてできるだけのことをいたしてまいるつもりである、こういうことを申し上げておるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 それは、基盤整備を進めたということになりませんね、いまの農林大臣の御説明は。それから、長期計画は波がある。いま、波のどっちです。上がっておるほうですか、下がっておるほうですか。とにかく、これは大蔵大臣の言われるとおりになっておるのです。だから、農林大臣は、食管を除いて三十何%も上がっておるんだ、だから大いに進めるとまで言っておられるのですから、ですからいいですよ。これ何ぼ聞いても——前農林大臣、わかりましょう。それじゃだめです。休憩して統一見解出してください。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私がこの間本会議でお答えいたしましたことについて、いま三二・一%の話がありましたが、あれは食管と公共を除きました一般われわれのほうの予算、こういうふうに申し上げたつもりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 農林大臣の御答弁も、私、いま会議録を持っていますけれども、公共を除いたとはおっしゃっていないのです。食管を除いたとだけしか……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私のことばが足りなかったかもしれませんが、四十九年度農林予算の総額は一兆八千二百八十九億でございますが、このうち公共事業と食管を除いたものが一三二・一%になっておる、だから、こういうような抑制型の予算を組まざるを得ないときにあたっても、なおかつ一般予算については三二・一%もふやしておるのは、いかに政府がこの食糧政策等に重点を置いているかということについて御理解いただきたい、こういうことを申し上げたつもりでございます。それで、「基盤整備その他には十分な力を入れまして、国内で間に合うものはできるだけその生産を助長してまいりたい。」ということを申し上げましたその前で食管等と言っておりますが、私が申し上げたいのは、この数字で言っております食管と公共を除きました農林予算が三二・一%もふえておりますということについて御理解願いたい、こういうことを申したつもりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 倉石農林大臣の言われることはわかるのですけれども、しかし、本会議の御答弁は、いまさっきおっしゃったように、公共事業を除いてとはおっしゃっていない。いいですか、言われてないんです。読みますから……。もういいでしょう、倉石農林大臣。(「たいしたことない」と呼ぶ者あり)いやいや、大ありだ。基盤整備を進めると言って進めてないんだから、これは信頼の問題です。奨励金だって。これ一番大きい機関紙ですけれども、あとで言いますが、奨励金があれだけ御苦労なさって、櫻内前農林大臣はあのときに責任を持ってやりますと言って、麦、大豆の奨励金、それだって農業新聞には、「奨励金に“公約違反”」、これはあとで言おうと思っています。これでもこうなんです。  いま大事なのは、農民の生産意欲が出てくるかこないか、これが大事なんです。それを、全国民に基盤整備進めます、こうやりますと言っておいて、実態はちっとも進めていない。むしろ後退している、事業は。それを、そういうことをやって、一そう不信感をつのらせて、それで食糧増産できますか。自給度が古固まりますか。そういう観点からこれにこだわっておるのです。  だからはっきり、これは違っておった、こうだと、減っておるけれどもこうだと、はっきり言われたらどうですか、違っておったと。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 私は、「農林水産業の生産基盤の整備を進めるとともに、麦、大豆等の生産の奨励、畜産等の大規模生産基地の建設などを積極的に推進してまいります。」こう述べておるわけでございます。これは精神的にも実際的にもそうである、またそういう決意であることを御理解をいただきたい。  ただあなたは、こう述べておりながら、生産基盤の整備費を、予算の上で見る限りにおいては、対前年度からふえてないじゃないか、ふえてないことはこの言っておることと別だ、こういう御認定でございますが、私は、必ずしもそういう認定をすべきではないという立場に立っております。  なぜかといいますと、これは長期的な基盤整備に対する一つの取り組み方もございます。それから、過去ずっと、従来ともやってきた農業基盤整備に対する政府の考え方や予算の計上の状態もございます。   〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 そういう中で、基本的な姿勢を国民の前に明らかにしなければなりません。そういう意味で農業基盤の整備、自給率を引き上げるための基本的な態度を明らかにしたわけでございます。しかし、四十九年度予算編成に際しては特殊な事情があります。それは総需要を抑制しなければならない。農業の基盤の整備も公共事業の中に、ワク内にあるものでございますから、他の款項に対して比較的に押えられなければならないという面もございます。それでまた、一定規模の中で、合理的に五〇%も六〇%も上げたいというような款項目もあるわけです。中には、社会保障等に対してはできるだけ上げなければいかぬ。少なくとも、金額は小さいといっても、老人に対するものなどは、金額は小さくても五〇%なんですから。そういう意味では、どこかでは縮小される面もあります。対前年度よりも縮小される面もある。もっとうんと縮小される面もあるわけでございます。そういう中で、農業生産基盤、農林水産という基盤に対しては、あなたが、なるほど数字的にも昨年よりもうんと多くなっているしということ、数字の面で御指摘になるとそういう考え方もあるかもしれませんが、私たちは、少なくとも四十九年度の予算編成に際しまして、総予算の中に占める農業基盤の重要性ということを十分勘案をしまして、四十九年度はこういう姿勢でなければならない、また、そうすることによって私は農民の理解を得てまいろう、こういうことをすなおに述べておるのでございまして……(湯山委員「すなおじゃないですよ」と呼ぶ)いや、そうですよ。それは金額だけが大きくならなければ、そんな——今度あなた方は、金額はうんと大きくなっておっても、それでもなおこれは足らないという認定もあるわけですから、それは見解の相違でございまして、少なくとも、政府は四十九年度予算編成に際しまして、農業基盤の整備ということに対して、非常に重点的に考えたということは事実でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうのを強弁されることが一そう不信感を増すと思うのです。総理が、抑制のワク内にあるのだ、公共事業だから、抑制しましたと正直言ったでしょう、いま。そんなら進めたのじゃないでしょう。でたらめですよ。  ことに総理大臣、土地改良の長期計画は十カ年間で十三兆、御存じですか。それの第二年目ですよ。そうすると、前年が六千億、今年六千億、二年で十分の一もいっていないのです。昨年の五月にきめた長期計画から比べても、当然ことしはそれは一兆くらいいっていなければいけない。それも半分近くでとまっている。去年並み。長期計画、去年は途中でできたから、去年はしかたないけれども、ほっとけば当然伸びなければならないのが、それがそのままなんです。これらのことをお考えになったら、決してこれは伸ばしておるほうじゃありません。進めておるほうじゃありません。幾ら強弁なさっても、それは通らない。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 湯山さんのおっしゃることは、私どももよくわかるのでございます。ただ、政府として、ただいまの全体の客観的情勢を勘案して、総需要抑制という考え方に立つ予算を編成するんだという基本方針はきまったわけです。それに基づいて公共事業も抑制されておる、このことは、私どもは、そのとおりなんです。公共事業も抑制されておることに間違いありません。しかし、基盤整備事業は、御承知のように、国営もあり県営もあり団体営もあり、それぞれございます。その事業について、昨年度と金額があまり多くふえていないというそのことは、もう数字の上に出ていることで、そのとおりでありますが、私どもといたしましては、基盤整備を、十カ年の長期の計画にわたって着々実行いたしていくということの計画は、もうそのとおりでございますので、若干その間に伸縮はあるかもしれませんが、やはり農業生産に力を入れておるということには変わりはない。ただ、数字が抑制されておるということは、出ておることでありますから、そのとおりであります。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 現下の事態に対処しまして、総需要を抑制することによって物価抑制の実をあげなければならないということは、これは議論の全くないところでございます。あなたが御指摘になっている、農業の自給率を上げたりするために、農林水産の基盤の整備その他十分に拡大をいたしてまいりますと、こう述べておるわけです。拡大をしているということに対して、予算書を見る限りにおいては、去年度と何もふえておらぬじゃないか……(湯山委員「実質は低下、物価が値上がりしている」と呼ぶ)だから、実質低下というような、そういうことが看取されるが、そうすれば、積極的にやってまいりますというその言い回しと、この予算書に食い違いがあるじゃないかということでしょう。しかし、それはそうですよ。だから、その中には、限られた予算の中で、一九・七%という対前年度比率の何倍も上げなければならない部面もありますし、それから、対前年度よりもうんと引き下げて押えなければならないものもあります。  ですから、四十九年度予算編成の中には、数字的にあなたが指摘されれば、そういう見方も存在することは、私は十分わかります。私は理解をいたします。いたしますが、しかし、政府は、その他の施策もあわせて行なうことによりまして、この農業基盤、水産基盤の整備拡大という方針、熱意というものに対しては、何ら変わるものはありません。  あなた、いま長期十三兆円の計画を出されましたが、この中には書いてございませんけれども、道路整備の必要性というのもあるわけです。道路整備も依然として必要でございます、熱意は持っておりますということは、私たちいつでも演説もしますし、これは港湾だったら港湾整備計画も行ないます、熱意を持っております。しかし、十九兆何千億の中で、去年から考えれば、もう道路整備費もうんと削られているわけです。削られておるということだけをもって、その年次全く農業基盤整備や道路整備に熱意を失っておるものである、そういうことでは私はないと思うのです。(湯山委員「そんなことは私は言ってない」と呼ぶ)だから、言ってなければ、予算の計上は、これだけ述べるにはもう少しよけい計上ができればよかったじゃないか、どこか削っても、農林基盤整備というところへもっとかさ上げできなかったかという御質問なら、これは了解いたしますよ。そうではなく、対前年度の数字よりも減っているというゆえをもって、本会議で演説をしたことと全く逆な予算である、そういうふうな断定には政府は理解ができないと思うのです。政府は、真に乏しい予算の中でも、精力的に農林の基盤拡大のためには予算を盛ったつもりでございます。これは、政府の偽らざる考え方でございますから、そこらはひとつ、十分理解していただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 あらためてもう一度申し上げますが、先ほど、四十九年度予算に計上してあります基盤整備の金額につきまして、前年度対比の伸びは非常に少ない、これで基盤整備に力を入れているとは言えないではないかというお話がございました。  私どもの考えといたしましては、来年は、現在のようなたいへんむずかしい状況、物価抑制をしなければならないという大方針のもとに、総需要抑制を基本方針とした予算を編成いたしましたので、そういう中において、やはり一般公共事業についても抑制されることはやむを得ない。しかし、私が先ほど申し上げましたのは、そういう状況の中でも、やはりいろいろな施策を、内容を充実することに力を入れておるわけであります、こういうことをお答えいたしたわけでありますが、予算金額の伸びが、前年対比少ないということについての湯山さんの御意見につきましては、私もそのとおりだと思いますが、ただいま申し上げました予算編成の大綱をきめました方針について、ひとつ御理解をいただきたい、こう申し上げておるわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 本会議の会議録の訂正なんてことは申しませんけれども、おっしゃったことが適当でなかったという点は、御反省はないんでしょうか。お述べになったことが、誤解を招くようなとか、適当でなかったとか、何かそういう意味はないんですか、それは。もう一度。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御指摘になりました私の本会議における答弁の中で、食管会計等を除いて、生産面に使っております予算が三二・一%云々と、こう申しておりますが、私の腹の中にありましたのは、食管会計等の中には、やはり公共事業を含んでおる、こういうことでございまして、その点は、ことばが足りなかったと存じます。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 先ほどもお答え申し上げましたとおり、農産物の自給率を引き上げたいという考え方は持っておりますし、これからもこれが施策の拡充をはかってまいらなければならぬということは当然のことでございます。  それから、そのための具体的施策の一つとして、農林水産の基盤整備を拡大しなければならないということも事実でございますし、熱意も持っておるわけでございます。しかし、四十九年度予算額計上に際しましては、御指摘のように、対前年度比の伸び率を見ても、そういうことを強調するに当たらないようなと思われる数字であったという御指摘は、私も理解をいたします。しかし、これは総需要抑制という制約の中で行なわれておる四十九年度予算編成でございましたので、その間の事情も御理解を賜わりたいと思います。  しかし、これから引き続いての基盤整備施策の拡充ということに対しては、熱意と誠意をもって当たってまいりたいということで御理解賜わりたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 農林大臣並びに総理の御発言を了承いたします。そして、何といっても基盤が大事ですから、いまから私は、私どもの党で食糧の自給率を九〇%にするという素案をつくりましたが、その内容と対比しながらお尋ねをいたしますから、それらをも参酌していただいて、ひとつ、基盤整備に大いに御努力願いたいと思います。  基盤整備を進めるにあたって、一体、どれぐらい今後草地並びに農地拡張の余地があるか。私どもは、草地ならまだ百万ヘクタールはある、農地も六十万ヘクタール以上はなお新たに造成できるということを前提にして計画を立てました。農林省ではどれぐらいを見ておられますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 草地、農地を含めて、昭和五十七年までに大体七十万ヘクタールほどの造成をするという計画を持っているわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 農林省の資料でも、なお九十四万ヘクタールばかりの草地開発造成可能面積がある。これはやらなければいかぬです。政府の試験場の発表によれば、牧草だって、TDN、可消化栄養分にして冬季で十万トンぐらいはできるのです。そうすれば、フルに使えば百万ヘクタール、それで粗飼料は一千万トンできます。新たにつくった畑地でやれば、これも夏やれば、十万トン以上できますから、そうすれば粗飼料の自給はそれでできる。  それから冬作をしていない面積、北海道を除いていまどれくらいあるとお思いですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 四十八年の冬季不作付面積は、統計情報部の調査によりますと、水田が二百五十五万八千ヘクタール、畑が五十一万七千ヘクタールとなっておりますが、これには東北、北陸等の気象的に冬作導入の困難な地域も含まれておりますので、これを直ちに冬作可能地と見ることはできないのではないか。  それから、いまお話のございました麦作が可能かどうかということでございますが、これも、私どものほうで調べておりますが、稲作その他の夏秋作等の作期の関係で、これは、いま私どものほうの技術研究所で調整できるような種苗について鋭意検討いたしておりますが、面積については、いまお答えいたしたとおりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 政府の資料によりまして、私のほうは四十七年度ですけれども、冬作の不耕作地というのは二百五十万ヘクタール、それだけあれば、北海道を除いてですから、かりにその中の、大ざっぱな計算をしますが、二百万ヘクタール使うとする。そうすれば、麦をつくったとしても、いまヘクタール当たり四トンできる。四トンといえば、反当たり六俵弱ですね。そんなものですか、三トンで五俵ですからね。そうすると、四トンできるとして二百万ヘクタールあれば八百万トン。現在輸入しておる濃厚飼料と大体匹敵します、いま時点ならば。新潟だって小麦つくったことがあるでしょう。大臣、いかがですか。総理大臣、できましょう、小麦。そうすると、本気でやればできる。いま大ざっぱな数字です。それの二割、三割の増減あると見ていいのです。詳しく言えといえば、私、計算してありますから言いますけれども、時間ありませんから。とにかく、やればまだできる。  それから、いま品種の問題をおっしゃいましたけれども、これも先ほどの備蓄とも関係ありますが、あそこの試験場に、米はかん詰めにして種を保管しています。これだと五年間ちっとも変わらない。かん詰めではえそろいます。もみなら八十年生きておるというんです。ただ、それをまいたのではでこぼこだから、かん詰めにして五年間ならそれでいける。その品種を組み合わせれば、稲の収期をおくらす、早める、簡単にできる、品種を組み合わせていきますから。しかし麦の研究はできていないんです、そういうのが。これを研究すれば、現在の時期で、米につながるような品種開発をしてやれば、しかも栽培方法を考えてやれば、麦の四トンはそんなにむずかしい問題じゃありません。そうすれば、さっきおっしゃったように、七三%じゃなくて、これからでも、完全自給できなくても、粗飼料はいまのでできる。濃厚飼料は、いまのようにして八百万トン、一千万トンつくれば、そうすると大体七、八〇%までは飼料は自給できるのです。やるかやらないかという熱意の問題。  そこで、私がいまの基盤整備をうんと言ったのは、それなんです。おわかりいただけたでしょうか、総理大臣。(田中内閣総理大臣「はい、わかりました」と呼ぶ)ちょっとはっきり言ってください。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 あなたの御指摘、十分わかります。これは農地の可能面積というのが約六十万ヘクタール、それから草地が九十万ヘクタール、合わせれば百五十万ヘクタールあります。いま二百五十万ヘクタールの冬季に作付を行なって、いわゆる単作地帯というものの裏作をもう一ぺん考え直すということになれば、これはもう相当な問題であるということは理解します。  そのためには基盤整備を行ない、乾田化しなければできない仕事でありますから、乾田化を行なうということで、そして実際の裏作をやれば、多少は米の収穫量は減りますから、そういうものとのやっぱり比較検討というようなものや、品種改良というものに積極的に取り組めば、相当な成果をあげられるということは、そのとおり理解します。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 総理大臣、よく御理解いただいたので、それをひとつぜひ。そうすれば、さっき言ったように七三%とかなんとかいうのではなくて、もっとうんと明るい展望が出てくるのです。問題は、農民の意欲です。  そこで、今度の麦、大豆の奨励金、これは、私は非常にいいと思います。これをやらなければいかぬ。これも、まだ予算も通っていないのに、もうすでにそれをあてにして、農民は麦の種まきをしています。これも前の櫻内農林大臣が、もちろん総理や大蔵大臣と御相談の上と思いますけれども、予算も通っていない、まだ正式決定じゃないけれども、去年の秋、えさでたくさんの人が陳情に見えておるときに、櫻内前農林大臣は、もう、いまやらなかったら一年おくれるということだ、私の責任でやりますということを言明して、傍聴に来ておった北海道の人たちは、大臣があれだけ言うんだから麦をつくらんといかぬといって、二十数名の人が帰っていったのです。やっぱりこれがないといかぬのです。  これは一体、いつまで続ける御予定ですか、この奨励金。ぽっきりことしだけですか。いつまでやるのか、これをはっきり。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この方針につきましては、経過を見ても考えなければならぬかもしれませんが、しばらく継続してやってまいるつもりであります。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 しばらくなんということじゃ、これはいかぬですね。五年以上十年、あるいは今世紀末まで、どうなんです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 これは、食糧及び飼料の自給率の問題もございますし、いま国際的な変動も非常に激しい時期でございますから、いますぐ長期的なものをつくって提出をするといっても無理でございますが、これは、やはり絶えず検討して、もう麦に転作をしても、いつまたやめられるのかわからぬということになっては、農民の意欲をつなぎとめるわけにはまいりません。ですから、少なくとも何年間という一いや何年間とか十年間とか、そうでないとなかなかむずかしいと思うのです。  それで、私も実情はよく承知しておりますが、国有地の問題で、地域によっては住宅の軒下まで国有地である。こういうものを無税地として転用できないかとか、いろいろな問題もありますが、それを無税地として貸し付けても、いつ引き揚げられるかというのでは投資ができないわけですから、そういうやはり中期的な見通し長期的な見通し、少なくとも納得できる中期的な見通しというものを明らかにしなければ、農民の生産意欲を確保することはできないということは御指摘のとおりですから、これはひとつ検討させます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 総理の御答弁、非常に、まあ明快とまではいきませんけれども、よくわかりましたから、ひとつがんばっていただきたいと思う。  それで、まだあるのです。これは、大蔵大臣いらっしゃいませんけれども、予算技術ですけれども、さっきちょっと申し上げました、せっかくそのことをやりながら、「奨励金に“公約違反”」日本農業新聞、全国の農協に行っておる新聞です。組合員がとっておる新聞。これが問題なんです、実は。これは千八百円を設けたということを言っておりますけれども、私は、それじゃなくて、二千円出すと言ったのが千八百円と二段階になった、みみっちいことをせぬほうがいいということが一つ。この査定段階です。第一次査定で内示が千円で出たのです。もうすでに農民は種をまいておるのですよ。櫻内前農林大臣の言明を信頼して麦の種をまいている。そのときに、第一次内示で千円で出たのです。これは不信感を招きます。もうすでに話し合いのついたものを、何で第一次内示というものを千円にこぎって出さなければならないか。こんなやり方を改めないとどうなるかわからない。いいですか、こういうやり方は、私は改めなければならぬと思う。主計局長、いかがですか。

橋口收大蔵省主計局長

○橋口政府委員 お答え申し上げます。  予算編成の政府部内の手続の問題でございますが、御承知のように大蔵原案を閣議に提出をいたしまして、それに基づきまして内示をして、それを起点として折衝に入るわけでございます。  いま御指摘がございましたのは、大蔵原案に基づく財政当局の内示が一千円であったという問題であろうかと思います。これは、御承知のように折衝の起点でございますから、その折衝の結果、政府案としてまとまりましたものにつきまして御審議をわずらわしておるものでございますが、御注意の点は、今後十分勉強してまいりたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 勉強するような問題じゃないのです、これは。いいですか。もうお百姓さんと約束して種をまかしておるのですよ、ちゃんと。そうしておいて、今度は、これ半分にこぎって第一次査定で出して、新聞に出て、今度は運動せぬとやらぬので、また農協の人は頭をかかえて出てくる。そんなことさしていいのですか、総理大臣。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 それは、あなたが申されるような事項に関しましては、すぱっと、財政当局と農林大臣との間で事前に打ち合わせをして、最終的なものが提示できるようにすることが、一番政治に対する不信を招かないことだと思います。  ただ、申すまでもないことでありますが、財政法のたてまえ上、各省各庁の長は、大蔵大臣に対して予算の概算の要求をしなければならない、大蔵大臣は対案を付し、閣議に付議しなければならない。でありますので、財政当局としての法律に基づく対案を閣議に付議するわけでございます。そこで農林大臣が、それは話が違うぞ、わしのほうはこういうことをすでにやっているんだから、協力を得られるためには、そういう値段は承認するわけにまいらないということで、農林大臣は、法律的な権限の行使によって最終的な段階をきめたわけでございますから、その間の行政的な手続の状態は御理解をいただきたい。  ただ、まあそういうことをこまかく知っておる方は——国民は知らぬわけですから、そういう意味で、何カ月も前にもう種をまかしておきながら、十日間でも一週間でもおくらせるだけへたじゃないかということはよくわかります。だから、そういう問題もひとつ、これから十分配慮してまいりたい、こう思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 次に、このことでわかりますように、やはり生産費と所得を補う、補償するということが大事です。そこで、いまの農産物価格というものはまちまちです。たとえば、今日のように麦をおとし込んできたという一つの最大の原因というのは——いま非常に極端な例で申します。こちらから申します。農林大臣、四十七年のおもな作目、たとえば米、麦の農家の一日当たりの家族報酬、四十七年のございますか。——私から言います。これも農林省の資料ですから同じことになると思います。「農産物生産費調査」というので、四十七年の米の一日の家族労働報酬は三千四円です。それから小麦が七百二円、大麦が一千百四十九円。ですから、三千円に対して大麦、小麦が千円程度、裸麦は何とマイナス三十三円です。同じ食管のもとにあって、そして政府が米審にかけてきめた価格で、いろいろ事情があったのはわかりますけれども、結論的に、一日働いて三十三円吐き出す、こういう価格をきめて、これで麦をつくれと言えますか。  私は、大事な問題は、農民の働きというものについては、米をつくろうが、麦をつくろうが、その働きは正当に報いられるという価格保障でなければ価格保障という意味はない。もし、ほんとうに責任のある大臣であれば、この当時この結果が出たら、これはいかぬ、すぐ追加払いをして、とにかくこの再生産を確保するという、この精神に反する価格は埋め合わせするというぐらいな配慮がないと、これは、なかなかいかぬのじゃないかというように思います。いかがでしょう、総理大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農作物いろいろございますが、いま裸のお話がございました。  大体、麦につきましては、いままで、来年度予算では十八万ヘクタールもうすでにわれわれも期待し、また種まきも終わっているようでありますが、最近まで十一万そこそこヘクタールでございます。そういうところの生産費というのは、非常に高価になることは御存じのとおりであります。あとで事務当局から数字で申し上げますが……。したがって、米審等におきましても、将来、日本の農政の中で麦は一体どうあるべきであるかということを、しばしば論議されたわけであります。したがって、だんだん麦がなくなってまいりましたのも、いまお話しのような理由が原因をなして、こういう結果になっておると思うのであります。さればこそ、今度は奨励金を出したり、補助金を出したりしてやるわけでありますが、生産費それ自体ということになりますというと、非常に高価なものになってまいります。  したがって、米審においても、常にこの論議の最中に、これでは麦の生産を期待することはできない、根本的にものの考え方を変える必要があるんだ、こういうことでありましたが、生産費を償うために、いまの麦価の計算をいたしますというと、非常に高価なものになる、したがって、それがだんだん後退してまいった、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 高価なというのは、当時の国際価格に比べての話で、今日のを比べれば、二千円かぶせても一向高くはなっていないのです。ですから、その辺を、外国の事情によってふらふらするのじゃなくて、自給するという以上は、きちっとやっておけば、再生産は保障するんだ、たとえパリティでやろうが、生産費所得補償方式でやろうが、不足払いでやろうが、とにかく耕して一日というのはここだというように働きを尊重しなかったら、農業というのは立っていかない、これを、ひとつぜひ総理大臣、この施政方針のとおりやるのなら、やらせてください。  それから、それだけ出したからというので、そんなに国民のコンセンサスが得られないというものではありません。今日、公害がどんどん出てきている。空気がよごれている。空気をきれいにするのは、一体だれがしているか。結局農業です。その農業が空気をどれだけきれいにしているかというのを、農林省は計算しておるでしょう。幾らになっておりますか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 お答え申し上げます。  農業の役割りは、食糧の安定的供給だけでなくて、環境保全機能、その他の役割りがあるということで、一定の前提を置いて、洪水調節機能なり、水源涵養機能とか、土壌侵食防止機能とか、酸素供給機能とか、保健休養機能とかを計量的に評価した数字がございます心森林などのそれらの効果というものとパラレルに考えたきわめて仮定的な試算で、五兆八千億というような数字をはじいたことがございます。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 そういうことで、とにかく洪水調節、たんぼへ水をためることによって地下水の保全、そういうのが相当ありますし、酸素だけでも三兆六千七百五十億。みんな公害工場で困っておるときに、これをきれいにするというのは、これしかありません。資源生産産業というのは農業しかないんですから、まともなものは。これを評価すれば、一俵に二千円出したって、そんなに多過ぎはしないじゃないですか。  それから、やっぱり食糧を確保するということは、国民生活安定の基礎です。国の安全保障の基礎です。こういうことを考えれば、いま国際価格より高いときもあり、低いときもある、けれども、とにかくその働き、米一粒とれなくても、つくった米は、それだけの働きをしておるんですから、それに報いるという意味で、やっぱり正当に働きを評価する、これが原則でなかったら、これはなっていきません。いかがでしょうか、総理大臣。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 御承知のとおり、麦は急激に生産が減ってまいりました。それは外麦が非常に安かったということでございます。そういうような、金さえ出せば買えるというような考え方が、食管会計の中における外麦さえも赤字で処理しなければならないというような事実をもたらしておるということは事実でございます。  そういう意味で、生産費所得補償方式を、麦や豆その他いろいろなものにすべてとれるかどうかという問題は、これはいろいろ専門家の意見を徴したり、検討していただかなければならぬわけでございますが、一つには、生産意欲を阻害しないようにしなければならない。できれば、そういう土地を高度に利用することによって、いま御指摘のように、他の面から、公害除去に対しては、一般会計から支出さえしなければならないという面もあるわけです。  そういう面から、自然浄化というものは、これはもう人間社会における大きな要素でございますから、そういう広範なものは、やはり算定基準に入れて、生産農民が納得できるような価格というものが広範に検討される必要がある、これはもう当然だと思います。少し高く売れるからといって、三大都市圏の農地が全部花ばかりやっているというよりも、麦畑にすることによって、いろいろまた別の効果もいま算定されるわけです。ですから、そういう意味で、広範な立場で、どうしますというよりも、誠意をもってひとつ勉強してまいるということは、申し上げておきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ただいまの答弁は、きょうの総理の答弁の中で一番いい答弁で、ほんとうにそうやってもらいたいというように思います。  それから、時間がありませんので、このこと等に関連して、総理の三十万ヘクタール解放の問題です。  これらもあまりくどく申しません。というのは、基盤整備もちゃんとやって、農地造成もやって、いまのような補償もして、さて三十万ヘクタール何とかならないかと言うなら話はわかるのです。それをやらずに、それも何にもやらないで、いまのように基盤整備をやったような顔して、予算はふやしもしないでおって、そしてぽんと三十万ヘクタールと言うから問題が大きいんです。いいですか、順序が逆でしょう。わかりますか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 三十万ヘクタールと一言に申し上げましたのは、御質問の中で、いまのような御質問があるとよくわかるのです。これは農協とも話したり、いろいろな農業団体と話をしまして、こういう状態であるということは言ってあるんです。それは、いま六万ヘクタールないし七万ヘクタールずつ年間やっていますから、五年たてば三十万ヘクタールつぶすわけですが、それに必要なところだけつぶしていくということで、農民全体も村全体も困っておるわけです。ですから、村が全く初めから整理をちゃんとして、ここは公共用地、住宅用地ということがきめられれば、もう村の倉庫をつくったり、託児所をつくるために、こんなに高く用地を買わなくてもいいんだという問題もあります。  そればかりでなくて、一つだけ申し上げておきたいのは、地域によって、九州とか四国とか東北はそうですが、国有林開発法というのができたわけですが、実際、国有地は、軒下まで国有地でもってどうにもならないという地域があるわけです。それを長期無税地として貸し付けるとか、払い下げるかというようなものは、合わせて三十万ヘクタールというようなもので土地の需給調整の計画を立ててみてくれと、こう言っているのでありまして、ただ三十万ヘクタールというのじゃないんで、これは国有地の提供が考えられるなら、計画的に三十万ヘクタールを押えたほうが、地価安定のためにも、農業基盤の拡大のためにも非常に有利だ、こういうことを前提にしておりますが、そこまでは私は論文をずっと出したわけじゃないのでありまして、そういうことで、慎重にひとつやってもらいたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 ところが、総理大臣のは、いまの三十万ヘクタール、農家を圧縮してやれ、基盤整備のほうはずっと延ばせ、こういう受け取りをされるからいかぬのです。だから、先に基盤整備をやってからおっしゃる。  それで、ただそれだけじゃないのです。こういうことを発表になったために、たとえば農振地域で違法がある、これの復元命令を出しておるのを、あるいはどこかインターチェンジの付近の妙なことをしておるのを勧告しておったのが、開き直って動かない、そういう例を農林大臣は幾つか御存じでしょう。そういう例がありましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そういう話は聞いておりますけれども、農林省といたしましては、いずれにいたしましても、農地法に適格でなければ許可をいたしておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 具体的な例を私は申し上げてもいいのですが、もう申しません。もし、いまのようなことがあると、これこそ正直者がばかを見ます。言われたとおりしないで、強引に造成しておったのが、総理大臣が、国道、県道の両側はいいと言ったものだから、もうてこでも動かぬ、言ってもはねつけられる、こんなことです。だからひとつ、三十万の問題は一ぺん白紙に戻して御検討願うということで、要望だけします。  最後になりましたけれども、ちょっと……。  農産物価格、生鮮食料品の値上がりというのは、いま石油の陰に隠れておるようですが、非常に深刻な問題です。これを忘れてもらっちゃ困る。いま東京でも、小麦粉がもうないのです。中央線のずっと向こうのほうでは、店に小麦粉がありません。きのう行ってみました。一体、小麦粉がこんなに上がった原因はだれがつくったのかというと、やはり日本も責任がある。国際市場に行って、日本を代行しておる商社が熱気を含んで買いあさっておるのがテレビに出ました。これが大いにあおっているのですから、国際価格が上がったといいながら、その責任の一端は日本にもある。これも反省しなければならないという問題です。それから今日の生鮮食料品の値上がり、キャベツなんか何倍ということでたいへんです。これをどうするかというのは、非常にむずかしい問題ですけれども、私は、一つは、こういう問題があると思うのです。  いまの市場というもの、これが市場本位で運営されています。市場の手数料が野菜なら八・五%、くだもの七%、それなら安いものを扱うよりも高いものを扱ったほうが手数料がたくさん入る、同じ量を扱うならば。そこで、市場のほうでは、おのずから高いものを扱うように仕向けている。また農林省の指導、倉石農林大臣のところの御指導も、今日のような農業だから、農家の所得を少しでもよくしてやろうという御配慮はわかるのですけれども、こんなふうに丁寧に野菜の標準価格というものをつくって指導しています。たとえばキュウリなら長さをそろえる。それからキュウリはこうゆがみますが、ここのゆがみが二センチ以下はA、四センチまでがB、それ以上は規格外。五センチ曲がっておろうが四センチ曲がっておろうが、関係ないのです。ところが五センチ曲がっておるのは規格外ですから、値段が半分以下、三分の一。県によっては、インゲンマメの長さもきまっています。フキの長さ——私があるところに行ったら、フキがたくさん残っている。どうするのですかと言ったら、これは捨てるのだと言う。市場に出すフキの長さがきまっている。長いまま食べるフキじゃないのですよ。切って食べるのだから、長い短いはそんなに影響はないが、長さがきまっているのです。そして一枚の葉で上を包んで、これで出さなければだめなんです。あとは出すといったって、手間が足りないから、運賃が高いから出せない。エンドウまで長さがきまっている。三センチのエンドウ、五センチのエンドウ、区別して入れぬといかぬようになっています。これは地元の指導もあるのです。タマネギは、農林省のほうで指導しているのは、五センチ以下はだめです。こういうことです。そうしますと、市場は高いのだけしか扱わない。規格外はほとんど扱いません。結局、近いからというので、地元の小さな市場や店へ規格外は出る。ここへ来ればたたかれる。これは何日でしたか、調べてみましたら、関西もののフキでしたか、それだけが規格外で扱われている。規格外はほとんど入りません。これは三分の一から二分の一です。まだあります。ホウレンソウのあの三百グラムの束、これも下を切ってちゃんとくくって、農家の練達した主婦で一日二百ぱです。二百ぱですと、二千円の手間とすれば、元値が一わについて十円ホウレンソウにかかっている。これが市場を通って卸からずっといって出たときには、二十円以上についているのです。  こういうことをほうっておいたのでは、結局、都市の周辺の人は苦しみながら高いものをしかたなく買う、こういうことになります。こういうのを改めなかったら——総理大臣は、今度は言わなかったけれども、この前、去年のいまごろは、生鮮食料品の値上がりが、小売り物価値上がりの張本人だと言われたでしょう。これです、問題は。リンゴもそうです。紅玉、国光はほとんどありません。いまごろになったら紅玉、国光もけっこううまいんですけれども、出ていないんです。高つぎして高級品種と変えてしまっている。だから、安いほんとうのリンゴというのは口に入らないのですよ。一々値段も調べておりますけれども、時間がありませんから申しません。この市場の経営を改めなければ、生鮮食料品の問題は解決しない。いまのような、フキが長かろうが小さかろうが、かまわぬですから、しかも、それをどんどん出して安くすれば、土地もそれだけ利用ができる。基盤もそれだけできる。農家の収入もよくなる。もう一挙両得も三得もです。この解決をどうするか。  総理大臣は、トマトはくだものだと思いますか、野菜だと思いますか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 どうも学問的な問題は、ちょっとあとにしていただきたいと思います。公の席ですから、よく聞いて確認してからお答えいたしますから、そこは、まあひとつ、ごかんべんいただきたいと思いますが、いまの市場法の問題は、これは、もうほんとうに問題になっておりながら解決できない問題である。きょうは非常に有意義な御指摘をいただいて感謝いたしております。  これは、東京だけでいっても、五百万人でもってつくられたものでありまして、しかも、その当時の市場というのは、百三十万人か百五十万人でした。五百万人は大き過ぎるといって反対があったにもかかわらず、五百万人単位でつくったわけです。ところが、東京の中に住んでいる人だけでも千百万人ですし、とにかくよそから入ってきて、夕方野菜を買って帰る人を入れたら、これは膨大もない人口になるわけです。ですから、市場機能がもう麻痺しておるわけです。そこへもってきて、いまのように画一、一律的な大きさでもって制限する。不合格品のほうがうまいことは、これは、もう言うまでもないのです。そんなに画一、一律的に生産されたものはうまくなくなる、大味になるというのは、これは、もうあたりまえな話なんですが、やはりそういうところにも問題がある。これは、公設市場等の問題もありますし、いろいろな農林省の市場に対する監督とか行政の問題もありますので、御指摘を契機に、農林省だけではなく——一つには、端境期や大ストが行なわれた場合に、一体、生鮮食料品をどうするんだという問題があるわけなんです。これは、たいへんなことになります。その場合、政府だけではできないんです。ですから、これは地方公共団体でも、いま通達をしまして、政府も半分持ったり、いろいろなことをするから、この危機だけは、食料品だけは確保できなくなったらたいへんなことになるということでありまして、あらゆる意味で食料品の確保ということと、価格の安定、質の向上、そのための一つの問題として市場法の問題もいま考えておりますので、そういうことで御理解を賜わりたい。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 実は、トマトの問題は、トマトを箱にちゃんと入れて——春、早いときです。これは、くだものとして出せ、くだものとして扱う、一々包んで出せ、これは市場の要求です。ここじゃないんです。でも、農民は反発しました。それで、トラブルがあったのですが、結局、途中で、何月何日まではくだものとして扱う、だから、きちんと箱に入れて出せ、何月何日から向こうは野菜として扱うからバラでよろしい、こういうことまでやった。それからキュウリは、大臣御存じないから言いますが、まっすぐにするために、おもりをかけるのです。自転車のタイヤを三ミリぐらいに切って、その中に石をはめて、針金をつけて、それをひっかけてまっすぐにする。たいへんな作業です。  ですから、私が申し上げたいのは、市場の手数料、規格外のものを、そんなに規格を厳重にしないように農林省で指導する、そして、そのかわり扱った多寡に対して、金額じゃなくて量に対しても、規格外を扱ったら補助を出すというような道もあると思うのです。これをひとつ、ぜひやってもらうということをお願いして、よくおわかりいただきましたから、以上で質問を終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて湯山君の質疑は終了いたしました。  午後は一時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ————◇—————    午後二時五十分開議

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中島武敏君。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、本論に入る前に、外務大臣に一言お尋ねしたいと思います。  それは、ほかでもありませんが、アメリカの原子力潜水艦の入港問題についてですが、昨年は非常にしばしばアメリカ原子力潜水艦が日本に入港いたしました。ことしはまだそういう話について、アメリカの側から申し入れがないかどうか、この点、最初にお伺いしたいと思うのです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 原子力潜水艦の入港につきましては、日米間の了解といたしまして、二十四時間前に通告があることになっておるわけでございまして、それ以上のことにつきまして、私ども承知いたしておりません。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私どもは、一部アメリカの原子力潜水艦が、近々、今月中にも入港するのではないか、こういう話を聞いたのですけれども、そういうことはないということでございますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いまお答えを申し上げましたように、二十四時間前に日本政府に通告してくるわけでございますので、それより前広に通報いただくという仕組みにはなっていないということを、御承知願いたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 アメリカの原子力潜水艦の入港問題というのは、非常に重大な問題でありまして、私どもはかねて、日本の安全を守るという立場から反対をいたしております。特に過日、この委員会におきましても、あの例の分析研のことが問題になりまして、非常に明らかになりましたように、放射能汚染から安全をはっきり守るということが、まだ保障されていないような実態であります。言うまでもないことでありますけれども、もしそういうような申し入れがアメリカの側からあったという場合には、断じてやはりこれを許してはいけないと思うのです。なお、そういう申し入れがあれば、直ちに報告をしていただきたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 原子力潜水艦の入港につきまして、御指摘のように、その安全性の問題は、昭和三十八年にこの申し入れを受けまして以来、日米間で慎重に協議いたしました結果、口上書あるいは覚書の形におきまして、アメリカ側がとるべき安全保障の措置につきまして、合意をこまかく見ておるわけでございます。その際、同時に日本側も調査ができるということになっておるわけでございまして、日本側におきましても、先般来御論議がありましたように、入港前、入港時またはその後、常時いろいろな機関によりまして調査が行なわれておることは事実でございまして、ただいままで百四回の入港がございましたけれども、格別の問題がなかったわけでございます。  しかし、この間不破さんが御指摘のように、昭和四十三年にソードフィッシュ号の入港に関連して、一時問題が出たことがございまして、それにつきましても、また三木・ジョンソン会談によりまして、その後措置すべき事項を日米間で合意を見て、そのとおり実行してまいったわけでございます。  しかし、御指摘のように、その一部の機関の不始末によりまして、国民の疑惑を招いていることにつきましては、政府としてたいへん遺憾に思っております。この事実が起こりましたことにつきましては、アメリカ側にも通報いたしてあるわけでございます。  いまお尋ねの、いつ入港するかということにつきまして、さだかでないことはいまお答えいたしたとおりでございますし、そして、いま日本政府は、この事実を踏まえて、アメリカ側に、原子力潜水艦の入港につきまして、どのように自制を求めるかということにつきましては、まだ意思表示をいたしておりません。何となれば、科学技術庁のほうにおきまして、放射能監視体制の再編成を急いでおるようでございまするし、私どもは、その成り行きを見ておるところでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 きょうの本論に入りたいと思います。  エネルギー危機あるいは石油危機、こういうことがいわれるようになりまして、日本におけるエネルギー問題というのは、まさに非常に重大な政治的な、また社会的な問題になっているわけであります。一方では、石油関係の大資本が、一昨日も共産党の荒木議員が明らかにしましたように、それこそ千載一遇のチャンスとばかりに、国民の苦しみをよそに、たいへんな大もうけをあげるということに狂奔いたしております。ゼネラル石油も、どんな悪徳業者と言われてもやむを得ないというふうに言っているほどであります。また一方では、石油の節減というようなことが、非常にこの問題を通じて問題になってきて、国民は、これまた、まさに暗く寒い冬を送らなければならないというようになっております。個人タクシーの運転手さんの中には自殺者まで出ている。まさに私は、エネルギー問題というのは、国民生活と日本の産業にとってきわめて重大な問題だと思うのです。そういう点で、いま起きているいろいろな問題の一番根本的な問題として、このエネルギーの問題ということを直視しなければならないと思うのです。  日本は、六〇年代に、なるほど確かに大きな高度成長を遂げました。しかし、この高度成長をささえたエネルギー源は、ほかでもない、石油だったわけであります。このために、エネルギーの自給率は急速に低下をいたしてきました。昭和三十年にエネルギーの自給率七六%、ところが、三十五年には五五・八%、そして四十五年には一六・五%、四十六年には一五・一%というようになっております。  そのおもな理由は何か。これは、石炭がつぶされていったということも一つの大きな原因であります。エネルギーの構成比の中に占める石炭の割合を見ますと、昭和三十三年に四六%だった。ところが、三十五年、四一・五%、四十五年二〇・七%、四十六年、一七・五%であります。しかも、国内炭を見ますと、三十五年に三四・四%、四十五年には八・一%、そして四十六年には六・三%になってしまっております。  この国会の本会議におきまして、田中総理も、非常に石炭の重要性ということを強調されたと思うのです。施政方針演説の中で、エネルギー源の多様化の一つとして、石炭の積極的活用ということを強調されました。私が問うまでもないことだと思いますし、また御存じのことだと思いますが、日本の石炭の埋蔵量というのは、一体幾らあるというふうに総理はお考えになっていらっしゃるでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 わが国の理論可採炭量は、約二百二億トンと算定されております。これは、昭和三十一年度に通産省が行なった埋蔵炭量調査の結果に基づく理論的数値であって、実際に取得できる炭量を意味するものではありません。実収炭量は三十一億八千万トンと算定されます。これは、理論可採埋蔵炭量から、自然条件の制約により採掘できないもの及び人為的条件により採掘できないものを除いたものであります。  昭和四十六年度において、経済性を加味した炭量は五億九千万トンと算定されます。これは昭和四十六年度に存在した炭鉱の骨格構造を基礎にし、追加投資及び新規投資により開発され得る実収炭量を、当時の生産原価一トン九千円以下で採掘できるものを対象としたものであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 二百一億トンというのは、昭和三十一年時点のものだということでございまして、たいへん古い、二十年近い前の調査ということだと思うのです。  それで、重ねてお尋ねしたいのですが、石炭エネルギーの将来性について、どんなふうにお考えになっていらっしゃるかということについてお尋ねしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 いまの中島さんのお話のように、六〇年代におきましては、非常に安い油が大量に世界じゅうに発見されて、それが日本へ参りましたために、油に対する荷重が非常にふえまして、そのために、石炭の役割りが順次薄れてきたのでございます。しかし、最近のこの油の値段が、たとえばバーレル八ドル三十セントとか、あるいはサルファ分の薄いものについては十二ドルとか十三ドルとか、そういう値段になってまいりますと、石炭の対抗力が次第に出てきつつあるものであると思います。  たとえば、石炭発電と、それから油の火力とのコストをちょっと調べてみますと、たしか昭和四十年度くらいの計算では、石油専焼火力が二円四十二銭ぐらいであったと思います。それで石炭のほうが三円十銭から三円二十銭ぐらい、北海道と九州で約十銭ぐらい開いております。そういうことで、この油に対する負荷が非常にふえてきたわけでございます。  しかし、油がこういうふうに非常に高くなってまいりますと、順次その差は減ってきておるわけでありまして、今後、われわれがこの油の値段の推移を見つつ、かつ、石炭鉱業の重要性を認識しつつ、その辺の情勢をよく勘案しながら、当面、第五次答申を充実して実行していきたい、そういうわけでありまして、一時よりも石炭に対する見通しはやや明るくなっている、そういうように感じております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 石炭についての見通しが明るくなってきているというような通産大臣のお話だったのですが、石炭エネルギーそのもの、これの将来性といいますか、これはどういうふうに活用されなければならないかという点について、どういうふうにお考えになっているか、このことを私はお尋ねしたわけであります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 イランの皇帝のシャーアン・シャーは、油というものは、もはやこれを暖房とか燃料に使うべきでない、これは化学製品に転化して使うべきである、そうすればイランの油はあと三百年もつ、さもなければ五、六十年か八十年ぐらいでなくなってしまう、たぶんそういうようなことをおっしゃったように私、記憶しておりますが、そういうふうに、油が、単に暖房とか燃料に使われないで化学製品として使われるというような形になりますと、油の値は高くなっていくし、もしそういうような形で油の生産が制限されれば石炭の値打ちは出てくる、そういう油との相関関係があるだろうと思うのです。  しかし、全般的に見ますと、やはり油に対する再認識ということが順次行なわれつつあり、また他面において、石炭については、ガス化の研究であるとか、あるいは液化であるとか、あるいは採炭に関する技術の開発であるとか、そういう面で、石炭の事情を好転させるような研究も今後進められていくだろうと思います。そういうような情勢からして、石炭に対する期待というものは、いままでより以上にかけられてくるのではないか、そう思っております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 重ねてお尋ねしますが、将来の石炭エネルギーの活用、そういう点では、いまガス化とか液化というようなお話もありましたが、そういう点を、政府として、いつからそういうふうに認識をされるようになったかということについてお尋ねしたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この点は、おととしごろからそういうような認識が次第にふえてまいりまして、それから、おととしから去年にかけまして産油国側が、テヘラン協定あるいはジュネーブ協定あるいはリヤド協定、そういう諸協定を結んで、次第に油の制限が出てくるという予想、あるいは油の値段が高くなってくるという予想、そういうものが出てくるにつれて、石炭に対する期待が加重されてきまして、そういう過程において、通産省におきましても、ガス化あるいは液化そのほかの研究を強化してきておるところであります。  また、日本の民間におきましても、三井大牟田を中心にいたしましてガス化の研究がかなり進んでおりまして、今回、通産省ではサンシャイン計画という計画を発足させまして、特に石炭ガス化の問題等については、かなり力を入れて進めるようにしておる次第であります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、ここでひるがえって新全総などを見てみますと、やはりこの新全総では、石油が非常に自由に入るということを前提にして、遠隔の地にたいへん大型のタンカーの入れる石油基地を大規模につくる、石油パイプラインをつくるというようなことが、非常に中心的に打ち出されておりまして、石炭というものについては、まあいわば、言ってみればアフターケアというようなことしか書かれていないわけであります。一昨年ごろから、通産大臣は、石炭の将来性の問題について、ガス化、液化の問題を含めてやはり重要だというふうに考えるようになってきたという、いまお話がありましたけれども、そういう点からいいますと、どうでしょう、この新全総などは間違っていたのじゃないかということも、もう一度考え直さなければいけない、そういうことじゃなかろうかと思うのですが、どうお考えになりますでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これは、内田企画庁長官の御担当でございますから、いずれ御答弁願いたいと思いますが、確かに新全総をつくる、あるいは新々全総をつくる過程においては、こういう石油問題というものがクローズアップされない時代を前提としてできておるものでありますから、もしこういう異常状態が長期的に続くものとすれば、これは条件変化が出てきていると思います。そういう意味において、この石油状況がどう変化するか慎重に見守りながら、新全総問題も考えなければならぬのではないかと思っております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 まさに私は、そういう点では、やはり新全総をもっと見直さなければいけないということだと思うのです。その中では、石油のことはうんと書いてあるけれども、しかし、石炭のことについてはきわめて位置づけられていないというのが実態だということだと思います。  ところで、私は、この石炭の問題についていろいろ調べているうちに、非常に重要な報告として、ソフレミン報告というのがあるということを発見いたしました。このソフレミン報告について御存じでございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 ソフレミン報告は、ソフレミンというのはフランスの鉱山試験協会のことだそうでありまして、この調査団は、国と業界の招きにより来日し、昭和三十二年四月から十二月にかけて、わが国の石炭鉱業の現状及び将来に関する詳細な調査を行ないましたが、その結果を昭和三十三年四月、ソフレミン報告書として提出いたしました。  その報告書で指摘された事項のうち、次のような点について、その後の石炭政策に取り入れられたものがあります。すなわち、炭田総合開発調査及び原料炭炭田調査を実施し、その結果に基づき、昭和三十三年から未開発炭田の開発に着手いたしました。南大夕張炭鉱はすでに開発され、有明及び夕張新炭鉱が現在開発工事中であります。  第二に、石炭に関する技術の試験研究を行なうため、石炭技術研究所を昭和三十五年に設立いたしました。  第三に、中小炭鉱の技術水準の向上、経営基盤の強化のために、中小炭鉱合理化指導を昭和四十二年から実施いたしております。  次に、石炭鉱区の合理的開発のために、鉱区調整制度を昭和三十三年に新設いたしました。  次に、炭鉱における管理技術の向上のために、インダストリアルエンジニアリングあるいはオペレーションズリサーチなどの、現場における合理的な作業管理手法の普及につとめております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私も、これをいろいろ読んでみたのです。そうしますと、非常に重要なことで、いま通産大臣が言われて、取り入れたとおっしゃっておられることもありますが、同時に、非常に重要な指摘があるということを私は思いました。  それは、一つは、石炭は国民的な資産であり、国が保護する責任とコントロールの権限を持つべきであるというふうに指摘しているわけであります。それからまた・炭鉱の一時的な閉鎖は永久的な閉鎖につながるのだから、国の義務としても、石炭鉱業の継続的な安定をはからなければならないということも指摘しております。また、こういうこともいっております。技術的に見た出炭力も、日本の見方よりも大きい、こういうふうにもいっているのです。そして昭和四十年には七千万トン、昭和四十五年には七千六百五十万トンの出炭が可能である、こういうふうにこのソフレミン報告は指摘をいたしております。  ところが、それからわずか二年後の所得倍増計画であります。所得倍増計画が出された。この中では、固体エネルギーから流体エネルギーへの移行ということが非常にうたわれて、そして昭和四十五年、御存じのように石炭は三千八百万トンの出炭、その二年後にはもう第五次政策において二千万トン体制への移行というようなことがいわれる、そういうふうになっているわけであります。所得倍増政策から、石油を非常に重視するといいますか、そちらへ変わってしまっておる。ソフレミン報告が出された当時には、政府の新長期経済計画の中にもこれが反映しておったわけですけれども、わずか二年の間になぜこんな大きな変化が起きたのか、変更が行なわれたのかという点についてお尋ねしたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 おそらく、コストの問題ではないかと思います。中近東における油田が発見されまして、低廉な油が大量に日本に供給されるようになってきた。そういうような事情をとらまえまして、日本の国内において、新しい国土計画や、あるいは経済社会発展計画をつくるにあたって、昭和三十年代において臨海工業施設をつくり、そこに大きなタンカーをつくって横づけさせ、その油と鉄鉱石とを利用しながら、低廉な鉄鋼やそのほかの生産物をつくって、それで日本の輸出を伸ばしていこう、そういう思想に日本の立地計画というものが変わったんではないか。その基本は、やはりコストの問題ではないか、それから量の問題ではないか、そういうように考えます。  しかし、いま考えてみますと、それがエネルギーの過剰浪費を招いたり、あるいは公害を発生したり、そういう点で反省すべき点も多々あるというふうに感じております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 いま、コストの問題が一番大きかったのじゃないかというお話なんですけれども、私は、コストの問題というのは、非常に変動するものだと思うのです。先ほども通産大臣からお話がありましたけれども、やはりコストというのは、きょうは高くてもあしたは安くなるというようなのが実情だと思うのです。  現在の石炭と石油のコストは、一体どうなっているかという点について、もう一度ちょっとはっきりお伺いしたいと思うのです。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○山形政府委員 お答え申し上げます。  現在、これは四十八年の上期の実績でございますが、重油がトン当たり八千六百九十五円でございます。石炭のほうは、これは積み地と揚げ地と非常に違うわけでございますが、揚げ地、たとえば東京市場で計算いたしますと、トン当たり五千五十四円ぐらいの価格に相なっております。カロリー換算をいたしますと、大体電力用炭がカロリー当たり八十五銭ぐらいでございますが、上期におきまして、すでに重油のほうが八十九銭ぐらいというのが現状でございます。これは御存じのとおり、油の価格が非常に上がった点が、一つの大きな原因に相なっておるわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 確かに現在のところは、もうすでに電力用の炭は石油よりも安くなっているというような実情です。先ほども申し上げましたように、私は、価格の問題コストの問題というのは、やはりきわめて変動するものであるということです。昭和四十五年前後ごろに石油が安かった、だからそうするのだ、石油を入れてくるのだということだけでは、エネルギー政策を立てていく上では非常に不十分だというように私は思うのです。  当時私は、このコストの問題ということだけではなくて、石炭から石油に切りかえられていくということの非常に大きな問題として、むしろエネルギー革命の問題というようなことがいわれていたのではないかと思うのです。もちろんコストの問題を含んでですけれども、私はそういうふうにいわれていたと思うのです。所得倍増計画でも、先ほど申し上げましたように、固体エネルギーから液体エネルギーへの移行ということが非常に強調されているわけであります。  そういう点でいいますと、私は、ここには、もっともっとひるがえって考えてみなければならない非常に重要な問題があるのではないだろうかと思うわけであります。  こういう点について、田中総理、一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、伺いたいと思うのです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 御指摘のとおり、三十六年当時、世界的エネルギー革命が徐々に進行し始めたわけでございます。その当時から、戦後日本の産業をささえてまいったものは、戦後の十年間余は石炭だったわけでございます。石炭の採炭量、出炭量というものが、日本の経済を支配しておったというような重要な産業でございました。それが、石油の開発というような問題で、固体から液体にというような状態になり、第三のエネルギー革命としては原子力とか、第四の問題としてはクリーンエネルギーその他の問題に移行していくわけでございます。世界的な状態でそういうことが行なわれてまいったということは事実でございます。  ところが、その当時、ときあたかも大規模な炭鉱災害等も起こりましたし、また輸入炭というのは露天掘りでございますから、京浜埠頭揚げでも相当な差があったわけでございますが、日本が人工島をつくって海底炭を採炭したり、斜坑でもって掘らなければならないようになったり、在来の石炭鉱山はほとんど立て坑でもってやっておりますので、だんだんと災害防止というためには投資が必要になるというようなために、国内炭の見直しというものが学界や政府の部内でも検討されるようになったわけでありまして、そこで初めて、石炭のわが国エネルギーに占める位置をどうすべきかという検討が始まったわけでございます。その後また、いろいろな段階において、公害問題その他付随してくる問題がございます。  いずれにしても、御指摘のとおり、世界的なエネルギー革命という時期を契機にして、国内採炭が、最高六千万トンが、五千万トン、四千万トン、三千万トン、二千万トンと、こういうふうに急激に下降してきたわけでございますから、そういうような状態をたどってきたということのきっかけは、御指摘のとおりであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 総理が言われた、いま日本では非常に立て坑であるとかあるいは斜坑が多いということ、それはそのとおりであると思うのですね。しかし、その問題に関して言えば、欧州の場合もほとんど日本と同じ条件になっているわけです。ソフレミンもやはりそのことについてはっきり指摘しておりまして、特に日本が、そういう点では条件が悪いというふうには言えない。アメリカなどは、いま言われたように露天掘りであります。ですから、これは条件がいいということはありましょうけれども、欧州との間にそんな大きな違いはないということを指摘もしているわけであります。それからまた、その後の経済審議会エネルギー部会の報告というものなどを見ましても、やはり同様なことを指摘しているわけですね。その点では、日本だけが石炭について非常に条件が悪かったので、そのために石油に切りかえるという理由に、これは本来してはならないし、また事実としても、そうじゃなかったのじゃないかというふうに、むしろ私は考えております。  それで、日本が石油のために石炭を放棄しているというようなときに、いま話の中に出ました欧州はどうだったのか、あるいはアメリカはどうだったのかという問題を見てみますと、これは、私は非常に違っていたと思うのです。はっきり申し上げますけれども、非常に違っていたと思います。ちょうど日本が石炭を放棄したこの時期に、アメリカでは、あの石油のメジャーがどんどん石炭に対する投資をふやしていくということをやって、石炭を買い取っていくわけですね。そして、石炭二〇%というところまで侵食をしていくわけであります。  アメリカ政府は当時何をやっていたか、私はそのことを考えるのですけれども、やはりそのときに、石炭の重要性ということを非常に重視して、そして昭和三十五年、一九六〇年に石炭研究法を制定をする、あるいは石炭研究局を創設する、これも一九六〇年、昭和三十五年でありますが、そして、石炭のこれからの方向として、ガス化であるとか液化であるとかいうような研究に非常に力を入れるというふうにしていったわけであります。  イギリスやドイツはどうだったかということも私は考えるのです。イギリスやドイツの場合でも、非常に石炭に対する保護政策をとっておる。なるほど石油が世界的にのしていきました。しかし、そういう中で、石炭を守らなければならないということで非常に保護政策をとっているわけであります。現在だって、かなりの石炭を掘っております。イギリスで一億四千万トンをこえる石炭を掘っているとか、あるいはまたドイツでは一億トンをやはりこえる石炭を掘っているというふうにして、特に最近のいわゆる石油危機というようなものが叫ばれるようになってからは、さらにこの保護政策に力を入れる、もっと増産に力を入れるというふうに変わってきているわけであります。  そういう点では、やはり当時非常にエネルギー革命ということがいわれた、そしてまた、総理がいま言われたような経緯をもって今日非常に石油に依存をする、こういう実態が生まれてきているわけですけれども、これは世界各国の政府が全部同じように、エネルギー革命ということでは対処しなかったということは、非常に重要な問題だというふうに私は思うのです。  そういう点では、はっきり申し上げますけれども、日本の石炭をつぶしたのは、率直に言って日本の政府じゃないか、私ははっきり申し上げますけれども、やはりそういうふうに考えるわけであります。そして、いまどういう状態になっているか。いま、先ほどから申し上げておりますように、石油危機だということで非常にうろたえなければならないというような状態になっておるわけであります。私は、そういう点では、エネルギー政策というのは、まさに国家百年の大計でなければならないと思うのです。これは目先のことで、五年、十年あるいは二十年というだけのことではなくて、国家百年の大計に属する問題である、私はそう思います。  そういう点から申しますと、あの昭和三十五年ごろを契機として、石炭から石油へというふうに切りかえていったこと、このことは、まさに私は、十年足らずで、あるいは十年ちょっとで破綻してしまったのではないかというように考えるわけです。その点では、所得倍増政策とか、こういう長期計画を立てるという問題は非常に重要な問題でありまして、こういう問題で誤ると、えらいことになってくるのだということを、ほんとうにやはりここで反省をしなければならぬところなんじゃないだろうか、私はそういうふうに思うのです。その点で、総理のこの問題についてのはっきりした反省を求めたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 石炭問題が非常に重要な問題であったということは、過去三十年間、足かけ三十年間、これは国会の相当なものであったということだけは事実でございます。戦後の一番の問題は石炭問題でございますから、三千万トンを確保するためにはどうするかというのが、政治的最大の課題でありました。それが昭和二十六、七年になりまして、日本の特殊性ということで、電源開発促進法を議員立法で行なうことによって水力発電所の増設に踏み切って、二十七、八年からずっとエネルギーは、石炭と水力を主として昭和三十五、六年まで持ってきたわけでございます。でありますから、昭和二十九年から三十九年までの一〇・四%平均の成長率という中に、石炭が占めた功績というものはたいへんなものであります。   〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 そういうことでありますから、石炭に対しては、石炭鉱山の終閉山という問題に対して、関税益金をそのまま回すような特別会計の設置とか、国会に石炭対策特別委員会をつくられることに対しては、異議もなくみんな理解を示したわけでございます。  しかし、あなたが述べられたとおり、日本にはまだ採掘のできる石炭だけでも相当ある。とにかく埋蔵量は、先ほど申し上げたとおり二百二億トンもあるということも事実でありますし、まだまだ調査をすれば、海底炭というような問題を考えれば、もっとあるということも指摘されておりますから、これはもっと検討すべきであったということは、それは私もわかります。わかりますが、この当時からヨーロッパと違う問題が一つあることを、私は率直に、国会でもさんざん議論したことでございますから申し上げます。  ヨーロッパは、電力会社とか鉄鋼会社と石炭は全部同一資本なんです。そこに非常に強みがあるわけです。それに政府の施策が加わっておるというところに石炭は非常に強いのですが、日本は全然別な生産形態があるわけです。  一つは、北海道などは三井、三菱という大きな企業、旧財閥系というのがやっておりましたが、財閥の解体、経済力集中排除という占領軍政策によって分割されたというところに、非常に石炭鉱業が弱体化してきたという問題が確かにあります。そこにも専門家がおりますが、私たち長いこと、お互いに論争し合ってきたわけでございまして、ここに弱体化があるでしょう。いわゆる経済力集中排除と財閥解体ということでもって、石炭問題は切り離されてしまったということが一つあります。  もう一つは、九州は全部中小炭鉱が主体であったということにあわせて災害が起こったということで、人命という問題などがあって、石炭というものに対して、国家がやらなければいかぬか、国家がやるか、国家がやるということは非能率になるから、何か電力や鉄鋼というものと資本を一緒にするかというようなことを考えたのですが、占領軍政策というものがありまして、どうにもならなくなって、いまの電源開発促進法に移行していったわけです。  そしてその中で、日本にある資源というものはどこへも行かないんだから、これはある意味において温存されておるものであって、必要のときは  いつでも掘れるんだという一般的な考え方もあったのです。(発言する者あり)いやいや、それはほんとうです。これはまじめな話でしてね。そういうところに石油が非常に安く入ってきた。だから、安い石油が、金さえあればいつでも得られるという考え方、そこには確かに問題があります。問題があるから、いままいっておるわけですから。問題があります。問題がありますが、非常に経済的なテンポの早い問題に対して日本人の性格も反映したと思いますよ、実際において。石炭や水力や、火力のバランスというもの、シェアをきめて、どんな場合があっても安定的にという議論もあったわけですが、しかし、そういう意味でいまのような事態になった。  これは、政府が全部つぶしたということじゃありません。これは、もう第五次答申まで、日本じゅうの偉い人に全部検討していただきまして、そして炭労や労働者、経営者の理解も得ながら今日になってきたわけであります。ですから、そこらは歴史的事実でございますので、これは、総合的なこれからのエネルギー政策の中で、石炭の見直しもございます。  だから、そういう意味で——ただし、ある時期には、北海道においてさえも石炭専焼火力はごめんである、北九州においても石炭専焼火力はごめんであるといわれたようなときもございました。鉄道が非常に煙をまき散らすという状態もありまして、急速に電力にかわり、火力発電所にかわっていったという問題。それは顧みれば、マイナス面はないなんて言いませんよ。それは配慮に欠けておった、もっと慎重にやらなければならなかったというところもありますが、おおよそとしては時の流れであったろう、こういうふうにひとつ理解していただきたい。  しかし、これからエネルギーの問題は、やはり五年、十年、三十年、できるだけ長期にわたって俯瞰的、鳥瞰的にものを見る。ものを平面的に見て、とにかく外貨がたまったから、すぐ右から買えばいいんだ、こういうことできめるべき問題じゃないということは、もって頂門の一針となすべきである、こういう考え方のその部分には、私も首肯いたします。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、いまの総理のお話を伺っていて、総理、非常に大事なことも言っていらっしゃる。つまり、従来安い石油だからといって飛びついた、これはやはり問題があったということについてはお認めになっていらっしゃる。それから、やはりもっと検討しなければいかぬということについても認めていらっしゃる。しかし、これはやはり問題だと思いますのは、日本の産業、電力とあるいは石炭を一緒にしようかどうしようかというような議論で、実は欧州とはその辺が違っているんだとか、あるいはまた、日本人の性格もあったというところまで言われますと、私はやはりこの問題では、そういうところに一番大きな問題を求めるのではなくて、先ほども私、申し上げましたように、ソフレミンの報告が出る、新長期経済計画も出る、そしてそこでは非常に石炭を重視していた。わずか二年後に所得倍増政策、これで方向は変わったのですね。私は、これはだれが変えたのかということになれば、これはやはり政府がやったことだと思うのです。これは決して民間のだれかがやったという話ではありません。これはやはり政府の方針としてそういうふうにやったわけであります。  私は、そういう点では、やはりいろんなことがあったけれども、政府の責任というものについては、はっきり認められる必要があるのではないかというように考えるのです。どうでしょう。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 いや、政府の政策が完ぺきであった。一〇〇%であり、一一〇%であった、パーフェクトであったということは述べません、こう言っているのです。政府も、長期的視野に立って考えれば、もっともっと慎重を要するところもあったと思います、こういうところで述べているのですから、そこらでひとつ理解していただきたい。これは、民主政治でございまして、やはり国民の世論、マスコミの世論も十分聞かなければならなかったのです。  ですから、今日の段階において、石油という安いものがあるのに、いつまでも国内生産に片寄ってはいかぬ——今日はもう世界的食糧事情の不足ということで、米の生産をふやせ、備蓄をふやせということは、これはだれもあまり文句を言わなくなりましたが、一時は、国内の米価が倍であるにもかかわらず、米価を引き上げたり、そうすることは国民の税金をむだづかいすることであって、許しがたいことであるというので、ほんとうに米をつくることが、政府が犯罪を犯しているようにさえいわれたのです。  ですから、やはり炭労が、石炭鉱山が、いわゆる石炭が日本の戦後の経済復興に対して大きに寄与し、貢献をしたという度合いは認めるが、しかし、新しいエネルギーが出てきた場合にこれに転換しなければならないというのは、ほうはいと起こった世論でもあったわけです。(「人のせいにしてはだめだ」と呼ぶ者あり)そんなことはありませんよ。ですから、そういう意味で、石炭鉱山というものの終閉山はちゃんと考える。国会の記録を見ればわかるのですから。終閉山に対してはちゃんと十分な手当てをしなければならぬ。同時に、石炭の離職に対しては、政府はあらゆる予算的処置をしなければならない。しかし、水力に転換することによって鉄道の電化をまかないなさい、そういうような世論もあったわけでございまして、これは政府が、すべて世論でとか、すべて国民がそういっておりましたからというようなことでもって逃げようとしているのじゃございません。事実をそのまま述べておるのです。  ですから、いまでも石炭の見直しや、クリーンエネルギーの開発等と合わせて、全部総合エネルギー調査会に諮問をして、これが判断を待っておるということは事実でございますので、政府もひとつ、少しぐらい反対があっても、長期的見通しが必要であるなら断固やれということだと思います。そういう意味で国総法を出しているわけです。それはほんとうですよ、実際ね。そういうところがあるのですが、なかなか理解が得られないじゃありませんか。まあ理解は得られると思いますよ。  そういう意味で、なかなかそう政府がいうことだけでやっぱりいかないのでございまして、国民の世論も待ちながら、習熟を待って、民主的に政策を進めてきた過程における問題でございますので、これはひとつ、十分政府も努力をしてきた、しかしそれが、まだまだこれからもう一ぺん石炭を見直さなければならないという現実、こういうものは政府は是認し、直視をしておるということで、ひとつ御理解いただきたい。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、まだ総理は十分自分の政治的な責任を感じていらっしゃらないのじゃないかということを思います。しかし、長期的な見通しを立てるということが非常に必要だということは、総理も認められた。私はこれは非常に大事だと思うのです。  そういう点に立ってひとつお伺いしたいのですけれども、先ほど、日本では二百二億トンの可採埋蔵炭量があるというふうに言われ、しかし、現在掘れる石炭は昭和四十六年で五億九千万トンだ、こういうふうに通産大臣は言われたのです。私はその話を聞いていて、これは一体どういう根拠で、こんなに二百億トンをこえるというふうにいわれているにもかかわらず、掘れる石炭は五億トンだ、六億トンだ、こういうふうに小さくなっているのかという問題ですね。ここのところ、やっぱりはっきりする必要があるのじゃないか。これから見通しをはっきり立ててやっていこうという場合に、いや、国内には資源はないのです、石炭はないのです、実際には。これでは話にならないのですよ。私は、総理がいま言われた長期の見通しを立てていくという、そしてそれに向かって進んでいくという上からいっても、いまのこの問題ははっきりする必要があるのじゃないかというように思っているのです。  そういう点で、重ねて、一体なぜ、掘れる石炭は非常に少ないというふうに言われたのか、根拠を伺いたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 私も中島さんと同じように、できるだけ国内からエネルギー資源を確保しておきたいほうに入る者なんです。それで、やっぱりこれは、食糧及び燃料というようなものはできるだけ自給自足するほうが、国民生活のセキュリティーという問題からも当然政治家として考えなければならぬところで、国内産の石炭に依存する部分をできるだけ多くしたいというのが、通産当局の念願でもあるわけであります。したがって、石炭というものを重要視するという気持ちにおいては、あなたに負けるものでありません。  そこで、一番大きなことは、どの程度資源があり、その中でどの程度現在の油の値段に対抗して経済的に採掘できる量があるかということの推定であります。  これは、いま申し上げた数字は四、五年前の数字でございますから、これはさらに、常時ふやすという意味において、何回も検討し直さなければならぬ数字であるとは心得ておりますが、あの当時の時点におきまして、トン九千円というものをたしか頭に置いて、そして経済的に採算が合う量は幾らであるかということを炭鉱別に調べてみ、また新しく開発可能な分野についても調べてみて、そういう結論が出たのであろうと思います。この点については、詳細について政府委員から御答弁申し上げます。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○山形政府委員 補足的に御説明申し上げます。  大臣の御答弁ありましたとおりでございますが、当時、四十六年ごろの生産原価がほぼ四千五百円であったわけでございますが、これを九千円という二倍に引き上げまして、できる限り経済性の水準を高くして、できる限り掘れる炭量というものを各社別にヒヤリングをし、全部積み上げ計算をいたしたわけでございます。その結果が、いま申し上げましたように五億九千万トンというふうになったわけでございます。  ちなみに、生産原価につきましては、四十六年ごろトン四千五百円のものが、現時点では七千三百三十六円と、われわれのほうでは総合的に加重平均で計算いたしておりまして、まだ九千円以下であるわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 この問題について、いま通産大臣からも、また資源エネルギー庁長官からも、価格問題、このことを一番中心に置いて答弁があったのです。  私は、非常にこれは残念なことだと思うのです。相変わらず価格問題を中心にこの問題を考えていくならば、これはだめだ。そうじゃなくて、先ほども申し上げたように、価格問題というのは、確かに変動するものなんです。そして、三十五年当時といまと比較してみても、大きな変化が行なわれてしまっている。またあしたどうなるかわからない。こういうことを一番中心に置くのではなくて、さっき総理もちょっと言っておられたようでありますけれども、やはり石炭は非常に大事だ、だとするならば、これに対して、はっきりした保護政策をとっていくというそういう立場に立って、一体、日本には石炭はどれだけあるのかということについて、また、どれだけ掘ることができるのかということについて、私は、もっと見直してみる必要があるんじゃないかというように思うのです。  第一、先ほど通産大臣が言われましたように、この調査が行なわれましたのは昭和三十年ごろでございましょう。約二百二億トンという数字が出たというのは昭和三十年当時であります。もういまから二十年近く前の調査なんです。それ以後、政府のほうで石炭についての調査をやっておられるでしょうか。私が知っている限りでは、これは伺いたいと思いますけれども、政府が責任を持った本格的な調査というふうなことについては、やっておられないと思うのですよ。おられないはずであります。いや、やっているんだということがあれば、それはもちろんお話を聞かしていただきたいですけれども。  それからまた、海底探査という話も先ほどちょっと出ました。しかし、その海底探査の問題について、はたしてやっておられるのかどうか。これは私が知っている限りでは、やはりそういうことについてもやっておられないわけであります。それから、六〇年代にどんどん山をつぶしてきた。しかし、これをほんとうに再開発するということをやれば、一体どれだけできるのかということについても、検討が加えられているでしょうか。あるいは、新鉱を発見しよう、見出そうというような努力も、はたしてやられているのかどうかということであります。現在のものも、どうすればもっともっと掘ることができるかどうかということについても、もっと調査を進めなければならないのじゃないでしょうか。  私は、五億九千万トンという数字を聞いて、しかも、その一番基礎になっている考え方がやはり価格問題、依然として価格問題を考えておられる、ここに非常に大きな問題があると思うのです。石炭資源を守っていかなければならない、これは当然じゃないか。皆さん認めていらっしゃるとおり、通産大臣も、あなた以上に私はそう思っているというふうに言っておられるのです。  私は、資源エネルギー庁長官に言いたいと思うのです。やはり資源エネルギー庁あたりが、石炭をほんとうに守るという立場に立って問題を見直してみる、考えてみるということが必要なのじゃないかと思うのです。第一、政府部内で資源エネルギー庁長官あたりが、もっと石炭を守ろう、資源を守ろうという立場に立たなかったら、だれが一体立つ人がおりますか。私は、そういう点ではしっかりした見直し、そして一体どれだけあるのかということをやる必要があるのじゃないだろうかというように思うのです。  そして、やはりここで必要なことは、一つは、政府が責任を持って、どれだけ埋蔵量があるのか、二十年前のもの、それを根拠にするというだけではなくて、もっとはっきり政府が責任を持った調査をすることが必要なのじゃないだろうかというふうに考えるのです。五億九千万トンというだけじゃなくて、先ほど申し上げたようにすればもっともっとふえてくるのじゃないだろうか。あくまでそういうことを固執されるというのだったら、私はこれは敗北主義だと思うのです。これじゃだめだと思うのですね。それはどうでしょうか。もっと責任を持った調査もやってみるということが必要じゃないでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 石炭が国産の自主的なエネルギー源として非常に重要であるという認識においては、中島さんに私は負けないと思うのですけれども、やはり国民経済を運営していくという別の面から見ますと、経済性をまるきり無視するというわけにもいかないわけです。なぜならば、国民の税金負担にそれはかかってくるからであります。現在でも外国から来る油に関税をかけて、約一千億円のお金でいろいろ石炭政策をやってきておるわけで、その油に関税をかけるということが、また産油国がこれを非難して、その分だけ油を上げろということを言っておるわけですね。そういうような事情から見ると、では、もしそれをとるとほかの税金に負担がかってくる、国民の負担に全部それはかかってくる、そういうことでもありますから、政府としては、そっちの国民の一般的負担とそれから石炭産業の重要性と、それから沖の経済性と石炭の経済性と、そういうものを全部見合いながら、石炭をどの程度もっと強く伸ばしていけるかということを選択しておるわけであります。  そういう観点から、いままで、できるだけ石炭を大事にしようという考えに立ちつつ政策を持ってきたので、今回客観条件がまたその昔と変わりました。  そういう意味において、われわれはもう一回石炭というものを見直そう。それで、第五次答申というものが出ておりますけれども、十二月に中間答申をわざわざ求めまして、いままで、五十一年末二千万トンを下らざるというのを、二千二百五十万トンを下らざるというふうに、下のほうを直していただきました。それからそのほか、諸般見直すべきであるという答申をいただきまして、その線に沿っていま見直しを始めようというので、いま総理がおっしゃいましたように、総合エネルギー調査会にかけて、日本の各種エネルギーの比重をもう一回考え直す、そういう検討に入っておるわけであります。  それで、ではどの程度埋蔵があるか、可採炭量があるかという点でございますけれども、大体二百億トンという埋蔵は、これはもう動かせない程度の確実性が私はあるのじゃないかと思うのです。問題は、経済性がどれくらいあるか、それから実収炭量がどの程度あるかという点であると思うのです。  それで、先ほど申し上げました実収炭量を見てみますと、かなりこれは各地について調べておりまして、たとえば北海道の場合には、理論可採埋蔵炭量が百億六千七百万トン、それに対して実収炭量が十三億二千九百万トン、経済性を加味した実収炭量が約三億八百万トン。それから本州が、理論的な埋蔵量が二十一億八千八百万トン、実収炭量が五億トン、そして経済性を加味した実収炭量が約一千万トン。それから九州が、理論可採埋蔵炭量が七十九億九千百万トン、実収炭量が十三億四千九百万トン、経済性を加味した実収炭量が二億七千二百万トン、こういう数字が出まして、それで理論可採埋蔵炭量が二百二億トン、それから実収炭量が三十一億七千八百万トン、そして経済性を加味した実収炭量が五億九千万トン、こういう数字が出ておりまして、かなり正確に調べているとは思います。  しかし、この経済性を加味したというものは、客観条件によっていつでも動くものでありますから、この量をできるだけ多くできるように私たちも努力していきたい、こう思うわけであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 先ほど私が申しました、もう少し調査をしてみようという気持ちはありませんか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 この経済性を加味した実収炭量はどの程度あるかという点は、繰り返し繰り返し精査してみたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、経済性をまるきり抜きにしてしまえということを申し上げているわけではありません。ありませんけれども、しかし、経済性を第一に考えてしぼっていけば、これは、もうどうしたって実収炭量は非常に少なくなってしまうというところへ追い込まれていってしまうのです。これではほんとうに石炭を守ることはできないということを私は思うのですよ。そういう点で、先ほどから繰り返し申し上げているわけです。たとえばウランなんかだったらどうだということになれば、相当低品位のものも動燃で非常にさがすということをやろうとしておられる。あるいは水力だったらどうだ。緊急な対策組んでもっと水力発電できるようにやろうとしている。私は、そういうふうなことを考えれば、もっと石炭について、そうしたはっきりした立場をとるということは必要なんじゃないかというように思うのです。  そこで、もう一つお尋ねしたいのですが、総理は本会議におきます答弁で、可採炭があるならば、できるだけ閉山しないようにしたい、こういうふうに答弁をされました。これは共産党の金子満広議員の質問に対してお答えになったわけであります。これは変わりないでしょうか。ないと思いますけれども、念のためお尋ねしたいと思うのです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 閉山ということにつきましては、労働組合、それから経営者、それから地元当局等々の意向を十分しんしゃくをしながら、真にやむを得ないものは閉山する、こういうことになっておるわけでございます。でありますから、政府が計画に基づいて閉山をそのまま認めていくというようなことはないわけです。ですから、現在北海道でもって閉山が行なわれると同時に、新鉱が三口も今年度あけられるというような事実もあるわけでございまして、そういうものに対して、可能な限り十分な石炭採掘というものをやっていきたいという気持ちは、そのとおりです。ですから、わずか一年ちょっとばかり前の話でありますが、二千万トン程度と頭を押えようということでございましたが、二千万トン以上、それがいま通産大臣述べたとおり二千二百五十万トンまでかさ上げをされておるわけでございますから、協力が得られるならば、そういう問題に対しては援助をしてまいらなければならない。あわせて、長期的な見通しの石炭政策、日本のエネルギーに占める石炭の位置というものは、これから十分な検討を続けてまいらなければならない、こう思います。  ただ、ここで念のため申し上げておきたいのは、国際価格も上がりましたし、アメリカのように、石炭をいままでどんどんと出しておったものでも、石炭の輸出制限をするというような声も聞こえております。現在は京浜埠頭で、トン当たり約千七百円ばかりまだ違うわけであります。そういう経済性だけ言っているわけではありませんが、そういう経済性の面が一つあります。  もう一つは、経営者そのものが、明治から、炭鉱といえば大手は経済界にたいへんな位置を占めておったわけでありますが、明治からの投資というものが、ゼロになるよりもほとんどマイナスになってしまった。こういう状態で、なかなか新しい投資というものは、よほど経済性が合わないと投資ができないということが一つあります。  もう一つは、天下に誇った炭労も三万人を割った。二万七千人ぐらいじゃないですかな。そういう状態であって、それが全部東京とか大阪とかで新しい職場を求めて定着をしてしまった。それは結局、石炭鉱山で炭価を上げていって、石炭鉱山労働者の賃金が上がるよりも、よその賃金のほうがよけい上がる。そういうようなところで、どうも関税収入を渡してもらうということで、石炭労働者というものが他の労働に対して優遇されないというような面がありますし、現在の状態では、災害は絶対起こさないように、安全の保障ということが絶対に確保されない限り新鉱は開けないというような状態にもございます。  ですから政府は、在来の意識どおりで終閉山をどんどん進めていくというような考えに立ってはおりませんから、これはもう経営者それから労働者、地元、これは閉山をしたあとは産炭地事業団、いまの工業再配置公団でもって金をかけて、あと地の整理から、とにかくたんぼに復元する工事までみな税金を対象にしてやっておるわけでありますので、そういうものに対しては、彼此比較をしながら適切な結論に基づいて行動しておるということでありますから、そういう事情はひとつ御理解いただきたい、こう思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、いまの総理の話を聞いて非常にがっかりしたのですよ。もっとやはり積極的な姿勢で臨む必要があるんじゃないかと思うのです。  それで、私もこの問題いろいろ調べてみますと、たとえば五次答申ですね。この中でも、石炭がたくなったから山をつぶすという、そういう考え方じゃないのですね。鉱量が中心じゃないのですよ。やはりこの中ではっきりしておりますことは、何かといえば、需要面から幾らだ、千五百万トンだ、しかしそんなに急に千五百万トンに減らしてしまえば社会的な不安が起きる。いや、いろいろ政府の財政にも限度があるとか、あるいは労働力にも限度があるとか、いろいろなことがあるので二千万トン体制にしよう。昨年の暮れには、それを土台にして二千二百五十万トン体制ということに中間答申を得ているわけですけれども、私は、その中にある考え方というのは、決して石炭の鉱量が一番中心問題ではなくて、ほかの要素がやはり中心問題になっているということであります。私は、総理が本会議ではっきり答弁されたように、可採炭があるのだったらやはり掘っていくという姿勢ですね、これにぜひひとつ立ってただきたいというように思うのです。  それで、たとえばこれは非常に北海道で優秀な炭鉱でありますけれども、奔別の炭鉱がありました。これもつぶれた。しかし、それも鉱量がなくなったからつぶれたのじゃないのですね。ここに、有価証券報告書に、住友が何といってこの問題について報告をしているか。これは大蔵省に対する報告であります。これを見てみると、決して炭がなくなったから閉山をするんだということではないんですね。そうじゃなくて、むしろこう書いてありますよ。これは、「奔別炭砿株式会社に対する営業譲渡契約並びに解除 奔別砿は四十六年九月一日以降奔別炭砿株式会社として分離し新会社としてスタートさせることにより心機一転業績好転を期待し九月一日付営業譲渡契約を締結致しましたが新会社発足早々にして従業員の予想外の離山により再建に必要な不可欠な人員確保が困難となったので閉山の止むなきに至ったため十月十八日に本営業譲渡契約を解除した。」こう書いてあるのです。これはまさに鉱量がなくなったということではないわけなんですね。そのことをこれは非常にはっきり証明しているのです。  私は、こういう問題は非常に重大な問題だと思うのです。それは、炭労は三万人を割ってしまったというのですけれども、なぜそうなっていったのかということですよ。いま、先ほどからいろいろな話があったように、もっとここでしっかりと見直さなければならないという立場に立ったならば、私はやはり、鉱量があるにもかかわらず閉山をするというようなことは、はっきりやめなければいけないのではないだろうか。いや、もっとはっきり言えば、第一次からずっとやられてきたいろいろな答申、それが政策として政府も閣議決定してきた二千万トン体制だ、いや、五十一年まで、少し石油の事情がこうなってきたから今度は二千二百五十万トンだ、これでは私は、ほんとうに山を救っていくことはできないのじゃないかというように思うのです。  そういう点で、はっきり申し上げたいと思うのですが、来年度の予算を見ましても百五十万トン閉山計画が入っているわけなんです。この閉山計画というものを取りやめる、そしてこの予算についてもやはりはっきり組みかえて、ほんとうに山を復興させるという方向に向けるべきじゃないかということが第一です。それからもう一つの問題、第二の問題は、第五次政策、これをやはりやめる。そして、閣議決定しているのですから、これを取り消すということですね。そして第三には、それこそ先ほどから話が出ておりますように、長期計画をほんとうに組むということが必要なのじゃないかと思うのです。  いま、炭鉱に働く人たちが何に一番不安を持っているか。それは山を去りたいということじゃないのですよ。働こうと思っても働けない。なぜか。石炭はこれからどうなるのかという問題について、はっきりした政府の長期的な政策というものが確立していないのです。ここに一番大きな不安を持っているのですよ。だから、私はこの際、いま申し上げたこの三つの点をはっきりするということが必要じゃないかと思うのです。そうでなければ、ほんとうに石炭を重視しているということにはならないのじゃないかと私は思うのです。総理、どうでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 まず、閉山の問題でございますが、閉山がないようにわれわれもできるだけ努力していかなければならぬと思っておりますが、もし万一そういうものが起きた場合に、退職される方々にやはり退職金もめんどうを見てあげなければならぬ、肩がわりもしなければならぬ、そういう意味において、不測のことに備えるというお金も国としては用意しておかなければならぬ。そういう意味で、四十九年度予算にも、そういう万一の際の用意をしておるわけであります。  それから第五次答申につきましては、これはいま進行中でありまして、そして今度の石油危機等にかんがみて特に中間答申をいただいたのでございますから、これは誠実に実行していくし、また、中間答申の線に沿って見直しも検討していきたいと思っております。  長期計画については、先ほど御答弁を申し上げましたように、日本のエネルギーの中で石炭、石油、原子力、水力等の比重をどういうふうに今後持っていくか、そういうことも含めて、いま総合エネルギー調査会で検討してもらっておるところでございまして、その答申を得まして策定してまいりたいと思っております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 私は、これではやはり反省されているという立場ではないと思うのですね。そういう点で、総理がどういうふうにお考えになるのかということについて聞きたいのですよ。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 石炭の見通しにつきましては、先ほど通産大臣が述べたとおりでございまして、いま総合エネルギー調査会の議題としていただいておりますし、長期的にこの結論が出れば、また、出ればというだけではなく、並行して行政的な面からも検討を進めておるわけであります。  そういう意味で、ある期間、中期計画になりますか長期計画になりますか、そういうものの答申があれば、その中で、やはり石炭鉱業に従事する労働者というものが安心して、また他の産業に働く者と同じような、均てんした労働条件、労働給与等も受けられるように、安心するような体制をつくらなければ、先ほど住友の例を御指摘になりましたが、労働者を得ることはあたわず、真にやむを得ず、可採炭があるにもかかわらず終閉山のやむなきに至りますということもあるわけですから、そういう面も、十分あわせて結論を出していかなければならぬと思います。  政府の行政機構整理の中で、電源開発株式会社を廃止しなさいという答申が出たわけでございますが、政府は答申尊重の立場にありながらも、これはだめです、こういうことをやってきたのです。それはやはり民間の九電力に全部石炭をたきなさいといっても、なかなかいまの公害問題その他がございまして、とにかくもう都市ではたけないという問題もあります。また、公害を排除するような装置をつけるとすれば、三分の一程度の隣接敷地を拡大しなければならぬという面もありまして、なかなかむずかしい。そういうことからいうと、結局、特殊会社としての電源開発会社が、石炭専焼火力を行なうということ以外にないじゃないかということで、電源開発会社を温存してきたわけであります。それでこういう事態にぶつかりました。まあそこらは政府が慎重であり——先見の明ありなんて言いませんが、慎重であったということの一つの証左にはなるわけでございます。  北海道電力においても、石炭はなかなかなかないということでございますし、そういう意味で、石炭の液化とかいろいろな、石炭の用途の多様化もはからなければならぬし、研究も続けていかなければなりません。公害防除施設に対しても研究しなければいけません。同時に、石炭を使う機関というものも、これは本州縦断の送電線をつくって、石炭火力から発生する電力を供給することによって、十分に電力料金の中で吸収できる面もあるわけでありますから、そういう面も幅広くいま検討を進めておるということが事実でございますので、どうも本会議で積極姿勢を述べながら、政府は、結局いままでと同じような状態を考えているのだというふうにはおとりにならないで、いわば政府の石炭に対する基本的な姿勢ということもひとつ理解をしていただきたい、こう思います。(「長期展望を聞いているのだ」と呼ぶ者あり)  長期展望に対しては、いま国民的英知が集められた総合エネルギー調査会において検討していただいております、政府もまた行政の範囲内で最善の努力をいたしております、こう言っているのですから、ここらはよく御理解いただけると思うのです。   〔櫻内委員長代理退席、井原委員長代理着席〕

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 いままでの石炭政策と、どこが実際に違ってきたのかということは、いまの総理のお話では私はわからないのですね。これは非常に私は残念だと思うのです。それは総合エネルギー調査会で検討もしてもらっているでしょう。しかし、政府としてどうしていくのかということについて、やはりもっとはっきりした態度というものがほしいと思うのですね。総理としてどう考えるのかということですね、この点がほしいと思うのです。本会議では、もう少し幾らか積極的な発言のように私は受け取っていたのです。しかし、いまお話を聞いてみると、従来とは何も変わらないという印象なんですね。どうなんですか、総理。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 変わっているのです。先ほどから述べているとおり、答申が出るときには、二千万トンをこえないようにという答申だったのです。そういうときに、大臣から特に頼んで、二千万トンを下回らないという、上にかんぬきをかけようという世論がまとまりつつあったときに、下にかんぬきを入れたのですから、これは相当なものなんですよ。しかも、二千万トンといっておってから一年しかたたないときに、二千二百五十万トンまで上げよう、こういうことをいま考えておるわけですし、電源開発株式会社には専焼火力も考えよう。ただ、これは地元の協力を得なければできないことであります。  そういう意味で、ただ石油が詰まってきたから石炭を掘ってください、こう言ったら、石炭労働者の協力なんか得られるはずがありません。私たちは、そういう意味で、総合的な石炭政策というものは、やはり政府でも検討しなければならぬし、日本の有識者からの答申も求めなければならない。そういうことでございまして、二千万トンの、上にかんぬきをしようとしておったような情勢に対しても、下にかんぬきを入れており、一〇%以上も総量において伸ばしておる。そうして、石炭というものは国内のエネルギーとして大事にしなければならないんだ、あらゆる角度から見直しを行なうべきである、こういうことでございますから、これは、一ころの考え方などというよりも、もう全然違っておって、積極的なものだ、こういうふうに記録の上でも比較ができるわけですから、どうぞ御理解をいただきたい。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 下にかんぬきの話とか、あるいは二千万トンが二千二百五十万トンに二百五十万トンふえた、これで何か大きな変更が行なわれたというふうには私は思わないのです。そういう点では、もっともっとしっかりした検討が必要じゃないかということを重ねて申し上げたいと思うのです。  なお、もう一つだけお尋ねしたいと思うのです。それは、石炭技術研究の問題なんですが、日本の場合には昔から相当な蓄積が、ガス化、液化問題であったわけであります。現在どうなっているかということについてお尋ねしたいと思うのです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 おもな石炭研究機関は、国立としては公害資源研究所、北海道工業開発試験所、九州工業技術試験所、それから民間では石炭技術研究所があります。これらの機関のほかに、ガス化の研究等については、九州大牟田を中心にして、三井系統でかなりいい研究が進んでおります。  それで、ことしの予算関係で、石炭ガス化関係の予算を申し上げますと、SNGの製造として研究開発費が一億七千七百八十万円、これは公害資源研究所、それから委託費として八千五百万円、委託先はまだ未定です。それから、ガス化発電のための低カロリー石炭ガス技術開発が一億七千二百十二万円、これは石炭技術研究所、それから石炭ガス化実用試験研究、これは電発に対して二億三百八十七万円交付しておりまして、合計で六億三千八百八十万円ばかりを石炭ガス化のために投じておるところでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 通産大臣に伺いますが、いまのお話を聞いて、石炭のガス化、液化ですね、この研究はいつ始められたわけですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 だいぶ前からこれはやっておるようです。しかし、最近こういう石油の問題が起こりまして特に重要性を感じて、今年度予算をつくるに際しまして、私からも特に重点事項として指示したものでございます。工業技術院を中心にやっていましたが、民間では三井の大牟田におきまして、アメリカと肩を並べるぐらいのガス化の研究は進んでおります。私もできた製品等を見ておりますけれども、これらに力を入れて、さらに開発を促進さしていきたいし、アメリカとも連携をしてやらしていきたいと思って、いま指示しているところであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 工業技術院における研究は、一時中断したんじゃありませんか。いつからいつまで中断したのか伺いたいと思います。

山形栄治資源エネルギー庁長官

○山形政府委員 石炭の液化、ガス化の研究でございますが、これは戦争中、主として航空機用のガソリンをいかに入手するかということが非常に国家の目的になりまして、民間及び国立試験研究機関で研究が進められたわけでございますけれども、先ほど来出ておりますように、石油事情の変更で、ほぼ昭和三十七年ごろこの辺の研究が中断いたしておるわけでございます。相当の研究が国立、公立、民間企業でいろいろと進められたわけでございます。  したがいまして、これらを踏まえまして、先ほど来出ておりましたように、特にサンシャイン計画を中心に、本年度からこれを画期的に進める。それからもう一つは、ドイツのルルギ社というところで相当低品位炭のガス化をやる技術がございますので、これを早急に試験的に入れていただきまして、これを火力発電のところに併置して、日本の低品位の炭のガス化の研究も四十九年度から発足させようということで、いま予算の要求中でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 いま言われたように、この研究が古くからやられているにもかかわらず、中断しているんです。これは私は非常に重要な問題だと思うのです。なぜかといいますと、考えてみるのに、こういう技術研究のあり方はどうなければいけないのかという問題なんです。  この点では、これまた率直に申しますけれども、非常に系統性と多様性が必要なんじゃないか。そしてまた、実際にこれに携わる人たちの意見を十分に聞くということが必要だと思うのです。実際これに携わっている人たちの意見がくみ上げられるのでなければ、私は、ほんとうにいい研究は保障されていかないと思うのですよ。そういう点では、やはりこのことが非常に重要だと思うのです。   〔井原委員長代理退席、委員長着席〕  さっきもお話がありましたように、だんだん、だんだん石炭が六〇年代に駆逐される、それとともに研究も非常に抑圧されて、そして、とうとう中止に追い込められるというような事態に至っているわけです。今度はサンシャイン計画だというような話で、その中の一つに石炭のガス化、液化の話もあります。今度は急に予算もうんとつけたと通産大臣は言っておられる。もっと研究をやれ、いままでは研究は抑圧された、そして中断した、今度は、さあやれというわけであります。このために、研究者は非常に苦しんでいるというのがいまの実態であります。私は、時間があればもっとこの問題についてもはっきりやりたいと思うのですけれども……。  そこで、何で研究者が一番苦しんでいるかということになれば、やはり幾つもの問題について苦しんでいるわけでありますけれども、一番苦しまれるのは、自分たちの意見が何にも聞かれないで、あるときにはやれ、あるときにはやめてしまえ、そしてまた、あるときにはやれ、こういうふうにくるくる変わってくるのですね。これではほんとうの研究にならないということを非常に心配しているわけです。  それから、またもう一つ心配しているのは何かといえば、一時は石炭研究がちょっともてはやされていた、ところが石油になった、今度は石油だということで石油がもてはやされるようになった、それからまたもう一度石炭だ、これでは、ほんとうに研究しようと思っても、これから一体自分たちの研究はどうなるのかということで、これまた研究者は非常に苦しんでいるわけであります。  この問題を考える場合に、私は、先ほどもちょっと触れましたけれども、アメリカにおける研究のあり方、やり方というものについてやはり感じさせられるものがあります。それは何かといえば、アメリカはずっと日本より石炭のガス化、液化の研究がおくれていた。ところが、これは二十年間かかって、もう日本を追い抜くというようなところにきているわけであります。  私は、そういう点でいえば、先ほどからずっとこの石炭問題をやってきましたけれども、石炭の技術の研究問題あるいは技術の開発問題ということ一つ考えても、一番大事なことというのは、あわててどたばたいろいろなことをやるというのではなくて、やはり本格的なこの問題についての反省が必要である。そして、その上に立って研究を促進するということが必要なんだと思うのです。そのことをひとつはっきり申し上げたい。  それから、いまサンシャイン計画というようなお話もあった。そこでもう一度研究だということがいわれているわけですけれども、しかし、さっきもこれは申し上げましたように、幾ら研究したって、今度は日本には掘る石炭はあまりないんだということになったら、何のために研究しているのかということにもなってしまうのです。そうしたら、どうしても外炭にたよらなければならない、外国の石炭にたよらなければならないというような事態になってくると思います。しかし、外国の石炭はもうすでに、新聞でずいぶん報道されておりますように、あのメジャーがどんどん買い占めにかかっている。鉱区権を買い上げるということをやっているわけであります。そうなると、やはりどうなるだろうかということを考えざるを得ない。私は、そういう点では、もう一度石炭を見直すとかいろんなことを言いましても、やはりまた石油と同じ運命をたどらなければならなくなってくると思うのです。  そういう点で、ほんとうに石炭の自給率を高めるということが必要だと思いますし、この研究もしっかりやらなければならないと思いますし、一番肝心なことは、何といっても長期の見通しに立った、そういうりっぱな計画をはっきり立てるということが必要なことじゃないかと、私は重ねて強調したいのです。そこにこそ、このエネルギー問題の一番根本問題があるんじゃないかというように思います。このことを申し上げて、最後に、総理に御意見があれば伺って終わります。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 総合エネルギーという立場で、ただ短期的に見て安いとかいうような状態で律すべき問題でないということは、もう国民各層の理解もいただけるようになったと思います。戦後は急テンポに成長してまいりましたし、国際的な環境や状況も変わってまいりましたので、学者や国民世論の動向を見ても、やはり国民の負担を軽減するという、そういう経済面が強調されておったということは事実であります。これは私も認めます。  そういう意味で、一時研究してきたものが中断をした、そして石油問題であわてふためいてやっている、こういう御指摘もございましたが、それは、こういうむずかしい技術の開発というものは、一朝一夕にしてできるものではないし、非常に組織的、広範なものでなければ、なかなか短い間に結論も出ないということでありまして、やはり研究開発というものは絶えず時間をかけ、歴史をかけてやらなければいけない、そういうものが思わざるところに成功の芽を吹くわけであります。  そういうものに対しての配慮が足らなかったというような御指摘もございますが、今度は、これはもう国民的英知を結集しまして、長期的なエネルギー政策というものに対しては確固たるものを、野党の皆さんからも、今日の段階においては、これ以上しようがないだろうな、そう言っていただけるような総合エネルギー政策を立案すべく、最善の努力を傾けてまいりたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島委員 終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。  次に、安宅常彦君。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 私は、まず最初に、朝鮮の問題についてお伺いをいたします。特に対韓経済協力の問題で政府の見解を明らかにしていきたいと思いますので、何とぞひとつよろしくお願いいたします。  まず、第一番目に伺いますが、この質問にあたってぜひ資料をほしいと思いまして、「外資導入案内」というものを通産省からいただいたのですが、この「外資導入案内」の一部だと思うのですけれども、「一、外資に対する基本姿勢」というのをいただきましたが、通産省のどなたでもけっこうですが、これはどこでつくったものでしょうか。

和田敏信通商産業省通商政策局長

○和田(敏)政府委員 ただいま先生から拝見させていただきました資料だけでは、恐縮でございますが、発行場所等はわかりませんです。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 では、おそらくあなたのほうの部下が私の部屋に届けてくれたと思うのですが、あとで調べて、そしてあとでもいいですから、質問の途中でもけっこうですから返事してください。

和田敏信通商産業省通商政策局長

○和田(敏)政府委員 さっそく調査させていただきます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これで見ますと、文書の形態からいって、これは韓国で書いたのではなくて、「わが国」「わが国」と書いてあるところを見ると、日本でつくった文書なんですが、この一番最初のほうに、「七〇年以降実施された次のような施策は外国企業にとって、韓国への進出をより魅力的なものにしたものであった。すなわち、外国人投資企業の労働組合および労働争議の調整」これはストライキの禁止のことです。「に関する臨時特例法の制定公布、外国人技術者および管理者に対する所得税の減免、」それから「外資導入関係業務手続きの簡素化と窓口一元化、輸出自由地域設置法の制定公布、またときにわが国にとって、日韓税協定の締結、日韓工業所有権協定の締結などがそれであり、これらは外資の韓国への進出をより促進する要因となった。」したがってそれによって、ずっと中は省略いたしますが、「七三年に入って三月までのわが国からの投資は七十五件、一億三百九万ドルにのぼり、七三年三月末現在の日本からの投資累計額は二億五千六百二十五万ドル(四百三十八件)に達し、同時点で件数、金額でもこれまで首位であった米国を上回った。」たいへん魅力のある、経済進出にとって魅力のある国になった、こういうふうに書いてあるのですね。  これは、いわゆる経済援助といいますか、経済協力、本来ならば経済協力というのは互恵平等、お互いの主権を尊重して、そしてどちらが上になったり下になったり、そういうことではないものでなければ民族的な支持を受けられない、これが原則だと思うのですが、こういう文章がどこで書かれたかによって、たいへん私は、日本の韓国に対する経済協力のしかたの真の姿があらわれているような気がしてなりません。これが、業界であろうと官庁であろうと、日本から出たことは間違いないのでありますが、通産大臣として、そういう衝に当たっているあなたは、どういう感想を持ちますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 韓国に対する企業の進出あるいは投資に関する解説みたいなもののようにいま拝聴いたしました。おそらく馬山地域における自由貿易地域の設定等がわりあいに焦点になっている文章のように思われます。  なぜなれば、馬山地域の自由貿易地域におきましては、いまのような諸項が政策としてとられておるからであります。そういうような解説をそこで表現したというふうに私、いま拝聴したところでございますけれども、そういう客観的な叙述という、その人の見方によってそういうふうに評価したというふうに私、拝聴いたしまして、そういう見方もある、そういうふうに考えたわけであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 その見方はけっこうなものだと思いますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 調査がついたそうですから、まずお答えさせます。

和田敏信通商産業省通商政策局長

○和田(敏)政府委員 ただいま調査いたしましかところでは、七三年の十月ごろ発行されました日本貿易振興会の発行にかかわる「投資ガイドブック」の一部が、先生御指摘の資料じゃないかと考える次第であります。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 わかりました。  それではまた通産大臣にお伺いいたしますが、中曽根五原則というのですか、「韓国に対する経済協力についての基本的考え方」通商産業省、四十八年 二月二十二日。これは、あなたの部下は中曽根五原則と言っております。こういうものを見ますと、たいへんいいことが書いてあるのですが、ここで第五項、「日韓閣僚会議は両国の経済関係全般について率直な意見交換を通じて基本的な方向づけを行なっていくという本来の性格を貫くこととし具体的な経済協力の案件については、今後はプロジェクト毎に事務的に十分吟味して決めていく方式をとること。」これは要するにプロジェクトごとにやる、そういう援助、協力が正しいんだという意味だと思うのですけれども、十二月二十六日に日韓閣僚会議が、われわれ非常に反対したのですが、開かれました。その前の日も交換公文がかわされております。その前の二十四日にはいわゆる商品援助、これはプロジェクトなどがない、言うなればつかみ金、こういうものが交換公文で成立しておるわけですけれども、どうでしょうね、これはあなたの中曽根五原則の第五番目とたいへん違った行き方ではないでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 中曽根五原則というのは略称で、簡単な呼び名として部内で言っているのかもしれませんが、まずこれを出しました意図は、対韓経済協力につきまして国会でもいろいろ御批判もあり、われわれとしても、いままでの経緯を考えてみまして、両国の経済協力をさらに両国国民から歓迎されるようなものに底固めをしたい、そういう過去の反省も込めまして、私、事務当局に指示してつくったものであります。   〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕  その内容は、各省にも通知いたしまして、通産省はこういう考え方に立ってやる、そういうことを示したものでありまして、これはこの間日韓閣僚会議の際にも、韓国側に対してわがほうの考えとして説明したところであります。  その第一は、わが国の……(安宅委員「いや、いいですよ、わかっていますから」と呼ぶ)そこで最後のところで、いまお示しの、日韓閣僚会議は、両国の経済関係全般について意見交換をする基本的な方向づけを行なうものであって、そして具体的な経済協力の案件については、プロジェクトごとに事務的に今度はやっていく、そういう意思表示をしたわけであります。  今般、閣僚会議の前にきめましたものは、そういう意味で事務的にいろいろふるい落とし、吟味をやりまして、そしていろいろ過去において、不幸な事件が昨年はありましたものですから、そういう背景も考え、また将来のことも考えてみて、そういう意味でかなり厳選をした、そういう反省も出たものと御了解願いたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 私は、反省ができてないんじゃないかと聞いているのです。あなたが方針を出されたのは十二月二十二日。プロジェクトごとにやる経済協力ではない、いわゆる商品援助というのは二十四日。いいですか、あなた、こういう方針を出したならば、こんなつかみ金で、プロジェクトごとの計算もできないものは反対だと言わなければならないお立場なのではないでしょうか。たいへんりっぱな文章を二日前に出したばかりなんですから。どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 これらは、ずっと事務的にいろいろ両方で吟味して、そして閣僚会議の前に大体事務的に詰めが終わったということでありまして、詳細については外務大臣にお尋ねをお願いいたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 要するに、せっかくそういうりっぱな文章を第五項に書いたのでございますが、その直後に、二日後に、プロジェクトごとに計算はできない経済協力が交換公文となってあらわれた。中曽根通産大臣としてははなはだ残念だ、こういうところでありますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 商品援助は、いろいろ発展途上国にもやっておるところでございまして、その国の民生安定、経済繁栄にも貢献するところでございますが、われわれとしてはできるだけそういうものは少なくしたい、そういう考えで臨みたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 わかりました。  それで、せっかくあなたがそういう反省に基づいてつくったものができたのですけれども、まだやっぱりほんとうの反省ができてないようなかっこうになっている。したがって、これまでの分は若干の問題があった、不幸な事件も起きた、いろいろございますが、七三年七月十七日、パリで開かれたOECDの開発援助委員会が対日本審査において、日本の援助態度が加盟国中最も悪いものであると指摘した。これはお認めになりますか。これは外務大臣、どっちでもけっこうです。知っていますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 政府援助の条件が、ほかの先進国と比較いたしまして、まだそれに達しないという状況にあることを指摘されたことは、承知いたしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 時間がありませんからもう詳しいことを言いませんけれども、これは、日本の場合には低廉な労働力を目的としたものだ、こういう文章や、最後に結論的にどういうふうに書いてあるかといいますと、「日本の二国間政府ベース援助の九八パーセントがアジア諸国に集中されていることによって、いまただちには爆発的事態が誘発されないにしても、「ニクソン・ドクトリン」による一種の空白地帯に、日本の援助姿勢とは正反対の中共の援助がはじまるとすれば、日本はアジアの「略奪者」に転落する可能性は十分にあるわけである。」という、これは韓国のイ・ジェソルという人の解説なんですけれども、こういう評価が大体定説になって、そのことは私は非常に重大だと思っているのです。  そして悪いことに、韓国のイ・ジェソルという人、これは経済企画院の次官でありますが、日本に対してどういうことを言っているかというと、「彼らはほんとうの意味における援助をしようとしていません。彼らはひたすら利益だけを追求していながら恩人ぶっています。彼らのそのような姿勢がわれわれの気ざわりになるのは、彼らが韓国戦争およびベトナム戦争をカサに経済大国となっているためであります。」と辛らつに評しております。一国の、これは日本でいえば経済企画庁の次官ですね。この人が、せっかく民生安定のためとか経済伸長のためとかいって、なけなしの国民の税金で援助したり、協力のために金をやったりしているのに、向こうの政府の要人がそう言っているのですから、これはたいへんなことではないでしょうかね。どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 先進国と開発途上国の間には大きな格差がございます。格差があるのみでなく、年々歳々その格差が拡大いたしておることは、たいへん不幸なことと思うのでございます。そういう格差を前にいたしまして、先進国に対しまして発展途上国側から、そのいま御指摘になりましたような感じを持たれておるということに対しましては、十分理解もできまするし、また、先進国側として、十分そういう点を配慮しながら事に当たらなければならないものと私は思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 援助を受けておる国の立場をあなたは説明いたしました。  少し古い話でありますが、一九七〇年四月二十二日、この日に、アメリカ議会の下院外交委員会の特別調査団が提出した報告書、この一部を引用しますと、「日本は年間十億ドルの外援提供を誇っているが、受援国がアジアに局限されているうえ、援助のほとんど全部が日本製品輸出の拡大のための補助的なものであるばかりでなく、その条件がか酷な硬借款(高利・短期債)形態をとっているだけに、それは援助というよりはむしろ「経済搾取」となっている。日本経済の全体的印象は、あらゆる手段を講じて弱い動物への服従を強要する、いわば弱肉強食の経済である。七〇年代末ともなれば、日本は再び新軍国主義国家として登場、その昔の「大東亜共栄圏」の夢を描くおそれがある。」これはアメリカの下院外交委員会の報告書であります。  だから、援助を受けている立場はそういう気持ちにもなるでしょう、こう言っていますが、客観的にたいへんいいパートナーだとかなんとか言っているアメリカの議会の外交委員会が、そう評しているということは重大だと思います。どうですか、外務大臣。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 わが国の経済協力がアジアに片寄っているということは、安宅委員が御指摘のとおりでございまして、九割強がアジアに集中いたしておるのでございますが、これは、沿革的には、わが国の戦争賠償、あるいは賠償にかわる無償経済協力というところから、戦後の経済交流に手を染めてまいりました沿革があるわけでございまするし、また、アジア諸国からの要請がたいへん多かったということでございます。そういう沿革を、ひとつ御考慮いただきたいと思うことが一つございます。  それから、条件でございますけれども、わが国の戦後は、資本の蓄積のないところから経済の発展を来たしたわけでございますので、資金コストが非常に高い金を使わざるを得ない状況にありましたことも、あなたが言われる客観的な条件として、諸外国の理解を求めておかなければならぬわけでございますが、しかし、わが国がここまで参りました以上、先ほども申しましたように、政府の海外援助の条件がまだ先進国並みになっていないということに対しましては、たびたび政府が申し上げておりますとおり、その質的改善につきまして、いま鋭意努力中でございます。  そういう過去の事情というものを抜きにして御批判をされれば、いま御指摘のとおりのようなことになるわけでございますけれども、わが国の事情につきましても、また諸外国の理解をわれわれとしては求めなければならぬと考えます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そうすると、貧乏人からいきなり成り上がったから、そういうがめついもうけ方をしなければなかなかうまくいかなかったのです、その分は反省いたします、今後は、大きくなったからそういうようにいたしません、具体的に言うと、いまのはそういう答弁だったですな。どうなんですか。そうですね。無から出てきたから……。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 戦争で資本の蓄積が灰じんに帰したわけでございまして、それから立ち上がった日本でございまするから、資本を十分に持っておる国々と比較いたしまして、援助条件がきつくなってまいったということは、やむを得ない事情があったと私は申し上げたわけでございまして、がめついもうけをするために、特に援助条件を悪くしたというものではないと御了解をいただきたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 がめつい要素はあとでどんどん述べます。  それで、途中でありますが、その前に、きょうの新聞を見ますと、毎日だとか日本経済で私、拝見したのですが、韓国への無償援助の例の金烏の、大統領の生まれたところにある高等学校の援助について、五億六千万円の援助をするということで交換公文がひそかに調印された、こう書いて、各紙みなセンセーショナルにそれを取り上げているわけですが、この問題はやはりおかしいと思うのですね。  一つは、この間日韓閣僚会議が開かれたばかり。それからその前に、二十五日にも交換公文で、輸銀やその他のものがきまったのがあります。二十四日には、先ほど言ったように、商品援助の交換公文がかわされています。これはなぜそのときにやらなかったのですかね。いまごろ急に、何か大統領の問題で——あのときは、非常に評判が悪い金大中事件があったから、少し熱をさましてからひょっこり出てきたみたいな気がいたしますね。どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 あなたの御質疑の中で、ひそかにというのが、私、ちょっと気にかかるのでございますが、私ども、これをひそかにするつもりは毛頭ないのでございまして、いま御指摘の援助案件につきましては、昭和四十五年以来の案件でございまして、今回をもって完結いたしたものでございます。交換公文の署名まで発表を控えておっただけでございまして、この案件について、特に事を秘したというつもりもありませんし、そういう事実もございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 「政府筋によると、」大体政府筋というと、いままでの慣例は官房なんですけれども、「国会開会中を配慮し日韓双方とも公表しない措置をとった」こういう意味のことが書いてある。大体そういうふうに、新聞社の皆さん同じ言い方です。時事通信もそうだったし、それから日本経済もそうでした。普通ならば、こういうものは交換公文をやりましたということを、外務省は直ちに記者会見か何か普通はやっているでしょう。それをやらなかったからそういうことになったと思うのです。それを、逆に抜かれてしまってあわてて発表した、こういういきさつだから、こういう新聞記事になったというふうに私は推察いたします。違うならば議論いたしません、時間がありませんから。  ただ問題は、先ほど言ったように、二十四日も二十五日も、それから日韓閣僚会議で話し合う場合も、機会は幾らでもあったのに、なぜいまごろいきなりひょっこりぽんと出てきたか、これだけは国民はどうしても納得がいかないと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 先ほど通産大臣に御質疑がありました案件も、一昨年の閣僚会議の申し合わせ事項を検討いたしまして、交換公文化されたのがあの時期に発表されたわけでございまして、第七回日韓閣僚会議とは関係のないものであることを、まず御了解をいただきたいと思うのでありまして、私ども交換公文を取りかわした段階において、その時点において発表いたし、実行の準備に入るわけでございまして、そういう手順を、どの案件につきましても同様にいたしておるつもりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 おととしの分だとかなんとかはわかっているわけですよ。金大中の問題が起きたから、あなたのほうはこれを結べなくて、日韓閣僚会議の、しかも直前にいきなりやって、それから日韓閣僚会議が開かれたという異例な措置をとったのですよ。もしこれが大統領の生まれた村でなかったら、そのときだってさっと入ったと思うのです、私の想像ですけれども。なぜいまごろぽっかり出てきたかということは、非常に重要です。  それで聞きますけれども、これは去年が三億九千四百万円、そうですね。その前が一億三千万円、みんな合わせて十億円の援助をするということで大体大ワクがきまっているわけですね。閣僚会議できまっているわけですね。それで、残りが五億六千三百万円、これは最後の援助なんですね。そういうことになっているわけですよ。  ところが、ここでふしぎなのは、学校はできている。きょうあなたのほうの部下の説明では、実験資材だとか、そういうものでございます。たいへん大きなりっぱな資材ですが、聞きますけれども、いままでずっと工事が続けられておったんじゃないですか。中断しておったのですか。みんなでき上がったのですか。どうですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 お答え申し上げます。  韓国側では、この金烏の工業高等学校というものの開校を非常に急いでおりましたので、十分な器材が入りませんけれども、第一学年のための教育用の器材は昨年度で整えることができましたので、そこで開校して、その後に、あとから入れるものはあとから入るということで学校は進めておったという事態でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 たとえば去年の、七三年の六月とか七月とか八月とか、そのときは、資材搬入があったり工事が続行したりしておったんじゃないですか。どうですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 御指摘のとおり、ずっと資材の搬入等は続けておりましたのでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そうしますと、どこの予算でやっておったのですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 第一次、第二次で供与いたしました分の中でございまして、第三次の分につきましては、これから調達をするわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そうすると、七三年にはいわゆる繰り越し明許ですか、この繰り越しの制度によってやっておったのですか。どうなんですか。繰り越し資金でやっておったのですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 今年度の予算の中に計上されてございますものの交換公文を、今度締結したということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 何もそんなことを聞いておりませんよ。交換公文ができなければ金は使えないでしょうが。だから、去年じゅうずっとやっていたというなら、どこの金でやっておったのか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 それは御指摘のとおり、資材の調達等はその後続けていたわけでございます。それは、前に交換公文を取りかわした分の中からやっていたわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それは、七三年度中にはできないじゃないですか。七三年は空白になるのじゃないですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 その点でしたらば、確かに調達のときに支払いますお金は繰り越しの中から払っておるということになるかと存じますが、実際には、私は、その点のところはよく明快にはしておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは、わが党の岡田春夫さんが外務委員会で、九月十九日と九月二十五日、二回にわたって質問しておるのですよ、この予算の関係を。そうしたら、繰り越しでやっておるのだと初めて言ったのです。そうしたらあと二十五日には、そういう繰り越し明許の制度はあることはあるけれども、そういうふうにはやっておりません、ですからその点はこれは訂正いたしますと政府委員が言っておりますが、政務次官が立って、その点は、いま申し上げましたように御訂正申し上げましたが、私からも重々おわびをいたしまして、今後こういうことがないように、局長だけでなく、省内全般によく通達をしておきたいと思います、こうなんですよ。  だから、繰り越しないのです。繰り越しないのにどんな金払っていたのですか。繰り越しでやっていたと初め十九日に言って、あとから、訂正さしていただきますと政務次官があやまっているのですよ。それだから、この交換公文がかわされるまでは金は使えないはずです。どうなっておるのですか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 ちょっと言い間違いましたかもしれませんが、四十七年度に支払うべきものは四十七年度のうちに日本側の支払いは済んでおりますが、その後、韓国側のいろんな工事等は続けられておったのかもしれませんということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それはおかしいのじゃないですか。大統領の特別のお声がかりの高等学校だと予算がなくても建つのですかね。(「日本は無償援助しておるのだよ。韓国がどうしたの」と呼ぶ者あり)日本の無償援助の金じゃありませんか。どうなんですか。おかしいじゃありませんか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 日本から提供いたしますものは、器材でありますとか暖房器具でございますとか、そういったいわゆる器材の分でございまして、建物、そういったものは韓国側が提供するということになっておりまして、韓国側の提供する分についての工事は続けておったというふうに……(「入れておると言ったじゃないの」と呼ぶ者あり)いや、先ほど工事は続けておったというふうに申し上げたと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 はっきり言ったじゃないですか。建物を建てるのは向こうの金、品物はそういうものでやるのだ、無償援助で。だから、それは搬入もやっておりましたと言うのですからね、それはおかしいじゃありませんか。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 訂正さしていただきますが、日本から……

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そんなところ訂正されたら困りますよ、よくわからないで。何回あなた訂正するのですか。九月十九日、二十五日と、またきょうも訂正するのですか。

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長代理 落ちついてはっきり答弁をしてください。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 日本から提供いたしますものは所要の器材でございまして、建物の分は韓国側が提供する、まずそれが前提でございます。  そこで、韓国側といたしましては、第一学年の学生を収容するに十分な建物を建てて、それに必要な器材を日本側は四十七年度うちには搬入した。それからあと不足の校舎その他の講堂等は、その後にも工事は続けておりまして、それから今度は、四十八年度の予算につきましての交換公文は、これから調達をして器材が搬入される、こういう手順になるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そうすると、今度いろいろ問題が出てくるのですよ。あとで調べなければなりませんよ。四十七年度から繰り越したというのですから、四十七年度の交換公文がいつ出たかまで今度調べなければなりませんし、器材は四十八年度中、たとえば四月とか六月とか八月とかというように私は月を切ってしゃべっておるのですから……。当時器材を搬入中でありましたと、あなた言ったじゃありませんか。そんなばかな、インチキな話はないですよ。だから、こういうインチキな援助が行なわれると私は言っているのです。しかも、朴正煕の生まれたところだと何でも無償援助で、そんな学校——日本の学校は、校舎を建てるにも金がなくてばたばたしているときに、無償援助で、そうしてめちゃくちゃな予算の使い方をやって、もし繰り越しだったんなら、向こうの前年度の決算を少なくして、予算はそのままでしょうから、それで今度こっちの五億六千万が一億余ったら、六億六千万になってたんだったら、私は何も文句言いませんよ。使いかねておったというのだったら。それはおかしいよ。納得できません。だから、日本の援助というのは、こういうものだという実例をいま言っただけなんです。そんなものは信用できないじゃないですか。国民の税金なんですよ。日本の学校は危険校舎まであるのだ。

御巫清尚外務省経済協力局長

○御巫政府委員 日本側の四十七年度中の支払いは、全部四十七年度中に完了しております。その後、搬入等があるいはどうなったか、その辺のところ明確なところはございませんが、支払いは済んでおります。  それから、四十八年度につきましての交換公文は、今度できましたものに基づきまして支払いが開始されるというわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ますますわからなくなりましたね。私、こんなことで、朴正煕の地元の学校だけで三十分も食った日には間に合いませんから、これは委員長にお願いいたしますが、あとで理事会等ではかってはっきりした答弁をあとでもらえば、私はあとは異議を申し立てませんから、よろしく。留保だけはしておきます。

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長代理 理事会でよく協議いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それでは、さっき通産大臣から馬山の話が出ましたから、たとえば馬山では、その自由地域というのは、勤労所得税は、日本の会社員は無税ですよ。永久に無税。それから、事業所得税からその事業に対する固定資産税から、五年間は税金はほとんど全部免除ですね。そして、いろんな資材の割り当てからあるいは労働者の、つまりお世話ですね、これも政府にまかせておけばいいというやり方になっていますね。これはやはり反感を買うのじゃないでしょうかね。そして月給はどれくらいかというと、日給ですけれども、日当制と向こうで言いますがね、三十日一生懸命働いて、女子工員さんなんか一万二、三千ウォンですから、日本の金にして九千円くらいですね。私、日本の弱電の経営その他は少し詳しいのですけれども、租税公課みな合わせて、それから運搬賃からいろいろあるでしょうけれども、管理費からみな引いて、利益率というのは、下のほうの小さた請負業者なんというのは、やはり三%、四%にならないのです。電子産業なんというのは、大体向こうにダミーが行っていますからね、そしたら、大体平均がどれくらいになっているかというと、一〇%ぐらいになっているのですね。その利益金の送金というのはばく大な金にのぼっています。そうして日本の職員は、日本の国におったときよりも高い金をもらって向こうに行っているのです。税金はかからないのですよ。一番最低の給料しかもらわない女子工員だって、いま勤労所得税がかかっている。それが九千円くらいしかもらえない。寮費が六千円くらいだそうです。こういうような過酷な労働条件で雇われている。それで今度日本語を強要される。仕事を覚えないから困るというので、日本語でやれと強制された工場もあります。そのために、これは十一月中でございますか、初め使用者側が女子工員を少しなぐったらしいのですね。そのために女子工員が百人ほど、もう団結をしちゃって、日本の職員がさんざっぱらぶんなぐられたという事件まで起きているのです。女の子が百人かたまって、男の職員を襲撃するなんというのはただごとでない情勢だと思わなければなりません。これはたいへんなことですよ。こういう状態が、今日の馬山の自由地域の実態です。  先ほど朴大統領の郷里の話が出たのですが、あすこに亀尾というところ、洛東江の湾曲部になっているところに三百万町歩ですかの工業団地ができて、これは松下やら、この間焼けた阪本紡績ですね、これは韓国人の社長さんですが、ああいうものが八社ほどすでに入っておりますが、人口が二、三千だそうです。この馬山は二十万ぐらいですね。そこに何万という労働者が集まるということになると、幾ら経済構造が日本と違ったとしても、これは労働者は、労働力がそんなに集まらないはずです。どういうふうにしているかということを調べてみたら、いまのところ相当遠くからも、私を雇ってくださいと、韓国の国内企業よりも高いと思ってまだ来るそうです。だけれども、そろそろ——外務省の係官からも聞いたのですが、相当遠いところから来て、登録制でやっているのです、性別から経験から年齢から。その登録制をとって職業のあっせんを相当強力なものにしてやらなければ労働者が集まらない。言うなれば、近代版の昔の連行制度、日本に連行する必要ないから国内でしょうが、そういうおそれがある。こういうことを私どもは非常に憂えているのです。  特に、技術の研修生というものが、奈良やら岐阜やらでいろいろ問題を起こしていましたね。お医者さんのほうを使っていたり看護婦さんなんかも使ったり、こういう人がたくさん来ていますが、この実態を労働省はつかんでいるでしょうか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 安宅委員御承知のとおり、強制労働をやっちゃいかぬということは、わが国ではILOで批准しております。  ただ、ただいまお聞きしました馬山自由地域、これはよその国のことでございますが、そういうことが行なわれたとするなら、非常に遺憾なことでございまして、労働省といたしましては、最近よその国でいろいろな問題が起こりますので、ことに進出企業などがそういう事件を起こさないように、しかも、韓国に対しましては明年度予算に、ソウルにレーバーアタッシェをつくって指導してまいりたい、こう思っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そういう報告は来ておりますかということは——国内のことしか聞きませんでしたね。申しわけありません。国内における研修生の実態というものを把握しておりますでしょうか。あっちから来た人ですがね。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 時間の都合上、韓国だけ申し上げます。  外国人の研修生は、これは法務省の入国管理事務所の所管でございまして、六カ月以上のものは労働省が御相談にあずかる。そして四十八年度で韓国は六社、人間にいたしまして五十五名が、私どものほうが協議して入って、そちこちで研修することを許可している、こういうことでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それは労働省が呼んだ研修生ですね。民間で呼んだ事業所に働いている研修生というのは、あなたのほうではつかんでいないわけですね。  それでは、時間がありませんから、あわせて、法務省、これは大臣と言ったってあまりなんでしょうから、政府委員でけっこうですが、いろいろと研修生という名前でいろんな人が入国の申請を出すそうでありますが、相当却下した件数も多いそうですね。こういうもので、申請のあったもので却下したものとそれから許可したものと、却下したものにはどういう種類のものがあるか、人権にわたると思いますから氏名なんか要りませんけれども、そういう件数と人数、大体どこに来ることに申請はなっておったか、これぐらいの資料はぜひいただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 研修生として入国申請のありましたものにつきましては、その研修の具体的な必要性とか、あるいは具体的な研修の設備、あるいは来る者の研修能力、こちらの指導能力、そういうようなことを厳重に審査をいたしまして許否を決定いたしておりますが、こまかいことは、入管の局長が来ておりますから、必要に応じて御説明させますが、昭和四十八年度の現在では、入国申請が総数四百五件、人数にして二千七十七名、それから許可をいたしました件数はそのうちの三百二十五件、千六百八名、こういうことになっております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは総理、よく聞いていただきたいと思いますが、私は登録制度というものと、いまの研修生という向こうから来る人たちが、またこれ、二万円か一万五千円くらいで働いているんですよ。この手記がたくさん私のところにあるんです。きょう時間がありませんから読みません。日本の皆さんには五万円をいただいておりますがとか、文法のなにが少しおかしいのですけれども、私には一万五千円しかあげておりませんなどということを書いた切々たる文書が来ているんですよ。そうして、大体外国から来た技術の研修生を国内の労働者、実際に働いている人の四分の一ぐらいの賃金をくれて研修させておくなんという国は、世界に例がないと私は思いますが、いかがなもんでしょうかね。——労働大臣、どうですか。把握してなければしかたがありません。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 労働省としましては、六カ月以上の人で研修生については受け入れの体制、寄宿舎、医療施設、そういうものを吟味して、そうしてときどきはそういう人の情報をとりながら間違いのないように監督しているつもりでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これはやはり戦前における、朝鮮人を日本に拉致してきたというんですか、連行してきたこの近代版だと思うのです。先ほど言った馬山の自由地域というものは、率直に言って、日本の従業員は勤労所得税はかからない。それから法人税から財産税から全部免除をする。それからいろんな輸入税から物品税まで免除されるし、ストライキは絶対政府がやらせないようにするし、税関、税務署、出入国管理事務所、郵便局、検疫所、みなそういう一元化した役所をここに置く、外国為替銀行支店がここにまた駐在をする、発生利益、そういう利益配当金などの対外送金は稼働初年度から保証される、こういうふうにたいへんな恩典なんですね。だから、これは私は租界だと思いますよ。戦前の租界。これは、初め台湾につくったんだそうですけれども、今度フィリピンか何かにつくるという計画があるそうですが、ぜひこういうのはやめてもらいたいと思います。必ず、さっき言ったんですが、いま経済危機が非常に深刻化している韓国では、非常大権の措置をとっている状況ですから、反朴運動というのはなかなか正面切ってやれない。ですから、田中さんが——これは悪いことです、あの発言は。ですが、遺憾だとあなたは言っていますけれども、だけれども、あることばをぱっととらえて反日運動に転化させて、逆なほうから改憲運動や何かと一緒にして新しい政府をつくろうというふうな動きが、言うなればこういうところには、非常にきちっとしたものと、あるいは、みんなどこにもやれない陰湿なうっぷんですね、そういう状態の中で反抗、反逆といいますか、しんが刈られて、そういうものが爆発点に達しているのじゃないかと私は思うのです。だから、日本の在外公館や、こういうところの自由地域の工場なんというものは、私は、これが自然発生的に大きな波に発展した場合には、焼き打ちがあったりいろいろなことがあるような気がしてなりません。  こういうことについて、私が言ったことが非常にオーバーだと聞こえるかもしれませんが、どうでしょうか、こういう租界みたいな、そういう自由地域などというものはあとはほかにつくらない、これもやめてしまうような方向に政策を転換したらどうかと思いますが、いかがなものでしょうか、総理。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 安宅委員御指摘のとおり、最近韓国に限らず、東南アジア等に進出した日本企業においては、向こうの国の法規、慣例あるいは労働慣行の違いから、いろいろな問題を起こしているものがたくさんありますので、これは労務管理上たいへんなことだと思っております。  労働省としては、そういう進出企業に対しての海外の情報の収集等を行なって、国内関係者にこれを提供して指導に当たらせるということが一つと、もう一つは、いまの馬山の問題ですけれども、私のほうは、外国人研修生が来ましても、六カ月以上の者は非常によくフォローしております。そしてそれを業者にも伝え、管理をよく徹底するようにしておりますが、問題は、六カ月以下の入ってくる諸君の把握ができないわけです。こういうことにつきましては、いまから法務省とも連絡をとりながらよく実態調査をして、誤解を招かないようにして親善をはかる、こういうふうな感じでやっておりますことを御了承願います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 総理、どうですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 これも、自由な地域をつくらないようにという御指摘がございましたが、これはこちらの問題ではないわけです。これは韓国とか、また他の国がつくれば、その国の政策として行なっておるわけであります。何も、日本が韓国の馬山地区に出かけておるということよりも、韓国の状態として、外国企業の誘致を促進するために地域を定めておるわけであります。そして、ある期間は税制上の優遇措置を与えたり、企業活動が十分活発に行なえるようなメリットを与えておるわけでございます。そういう意味で、日本だけではなく他の国もいろいろ進出をする、また、外国からの企業の進出を促進させるために、韓国側がそのような措置をとっておるわけでございます。  しかし、それかといって、どんどんと企業進出が行なわれて、いろいろな摩擦が起こるようなおそれがあっては困るので、そういうことに対しては、やはりいろいろな配慮が必要であるということはよくわかります。しかし、工業比率の非常に低いところ、かつて日本もそうでございましたが、そういうところは企業の進出を求める、そしてまた、そういう先進工業国に対して勉強に出す、実習見習いに出すというようなことは、これはどこでもやっておることでございますが、そういう者の国内受け入れ、こちらは少なくとも外国の人たちを受け入れるわけですから、向こうは勉強に来ているので、それは労働に来ているのじゃないんだ、労働力としてこちらへ入れたのではなくて、技術習得を目的として入れているんだから、それは、一万五千円とこちらの五万円とを比較するのはおかしいんです、などということだけではなく、やはり外国の留学生が日本に来ても、わずかな問題が反日感情になっておるということを、私はASEAN諸国へ行ってみましてよくわかりました。そういうこともございますので、受け入れる側の日本としては、相手側の立場というものになって、日本に来てよかった、日本で技術の習得ができてよかったというような状態というものをつくってあげるように、十分な配慮が望ましいということは、もう御指摘のとおりだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは、向こうがそういうようにやってくれるんだから、それに乗っかって、非常に魅力のあるものだ、問題はそこですよ。だからそこの調整だと思うのです。  ですから、この間の予算委員会で、プライスメカニズムというものについて、それをそのままにしておいて、総需要の抑制や流通機構などをいろいろ議論したって、なかなかそうはいかないんじゃないですか、それを除外した形の体制というものが非常に必要じゃないかと言ったら、社会主義は日本にはなじみませんと言って、あなたは場はずれな答弁をしたのですが、日本もいまそういう状態でしょう。そういう状態になっている。ゼネラル石油を悪徳商人の見本だなんてあなたが言ったくらいですからね。こういうものの気持ちというものがそこにあるのです。あるから、やはりいろいろな意味で大げさになって、いばってみたり、月給が高いのをいいことにして鼻にかけてみたり、いろいろなことが出てきて民族感情とぶつかる。  これは、民間がやっておるからしかたがないという意味にはなりません。その半数ぐらいは、輸銀あるいは基金からの融資を得たりなんかして、国民の金を使って進出した企業がたくさんあるわけであります。しかも、最近はちょっと韓国も考えて、五〇対五〇になったようですが、日本側が株はほとんど一〇〇%投資ですね。こういうものなんですから、これは非常に、民間の主導型がいいとか国の主導型がいいとか、いろいろ議論はありますけれども、その以前の理念の問題だと思うのです。ですから、そういう意味で、外国のほうでやってくれたんだからいいじゃないか、とははっきり言わなかったけれども、その部分が半分ぐらいあるようなことでも、反日感情が起こるというならば、やはりこれに対する対策というものは、根本的に直さなければならない時期が来たような気がいたします。  ここで、私は、時間がありませんから、そのほかに公的な、先ほど無償援助の話もありましたが、政府間の借款がございますね。こういう場合でもいろいろ問題があります。私、非常に残念に思うのは、日韓閣僚会議が始まるその数カ月前に、必ず日韓協力委員会というのをやっているんですね。たとえば三月の二十何日からですか、今度は東京で日韓合同の民間の経済協力委員会ですかが開かれることになっています。協力委員会というのは、政府に先立って、政府のかわりみたいな、権威づけたような顔をして、おまえのは何とかしてやるというやり方なんです。交換公文で何かきまれば、閣僚会議が終わったあとは、今度日本の資本家がずらりと集まって、そしてこれはだれにいただかせるかという会議、このパターンというものをどこかで断ち切ってもらわなければならない。  たとえば、商品援助にしても、いまの無償援助の学校の資材にしても、入札をするときには公開にするとか、そういう協力委員会などという人たちが牛耳ってやれるようなシステムというものは、この際やめてもらわなければならないと思うのです。これは名前を出してたいへん失礼ですが、会長は岸信介さんであったり、日韓協力委員会ですか、それから矢次さんという人の名前なんかがちらちらと出てきますし、それから東南アジアあたりも、この間首相が回る何カ月か前に行っていますね。だから、そういう何か露払いみたいなものがいつもいるような気がして、そこに疑惑があったりするといけませんから、そういう場合の経済協力のいろいろなものは、外務省と通産省が協議して公開で入札をさせるとか、何かもっと明朗なやり方があるような気がいたしますが、通産大臣、どうでしょうかね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 お説のように、やはり公明なものでなければならぬと思います。御指摘の点はよく調査してみまして、是正すべきものがあれば是正いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それで、私はここで、やはり理念の問題だという結論じみたことを申し上げましたが、アメリカ型というのでしょうかね、反共ブロックをつくるために、その肩がわりを今度は日本がやったと、いまいわれておりますが、事実そのとおりだと思うのです、ニクソン・ドクトリンの問題もありますし。要すれば、そういう軍事独裁国家に対する軍事的な、政治的な援助という色彩が、日本の経済協力の場合に非常に強いのですよ。だから、OECDあたりから勧告があったりするのです。こういうやり方の援助は即時中止をすべまである。特に韓国の場合には、非常に危険な危機に立っておるような、そこまで来ている国ですから、日本の首相を悪くしてみたかと思うと、向こうは悪いことをしてもなかなかあやまらないなんという側面もある国でして、なかなか扱いにくいと思いますが、どっちみちこういう性格の援助だということを私は断定せざるを得ないのですが、そういうものはやめてしまう、こういうことが一番正しいと思うのですよ。そうして恨まれて、何だかんだ言われて、たとえば大統領の郷里の高等学校にだけ無償援助をやったということを、韓国の人はみんな知っていますよ。それは何だよということになるでしょう。権力と権力だけ結びついて何だよということになる。これが、いまの非常大権措置を強行しなければならない朴政権の今日の姿だと言っても過言でないと思うのですよ。これが一つ。  それから、一般的にいって、日本の大企業の経済侵略をやめる、相手国の国民経済形成に貢献する、そういう、これは中曽根五原則に似たような文章がありますが、これをほんとうに主目的としたものに改める、こういうことが必要だと思うのです。特に私は、予算という立場で言うならば、海外経済協力基金と輸銀、その他事業団の資金、そういうものは、資金運用の実態など全面的に公開して、定期的に国会に報告させる制度をぜひつくってもらいたいと思うのです。これは非常に重要なことで、去年の予算委員会で、田中さん、あなたに私、質問したのですよ。私が、予算を組むときから公開しろと言ったのですよ。そうしたら、どこの国とどこの国に経済援助するなんて初めからきめるのを明らかにしたら、君、うまくいかないでしょうとあなたに言われた。なるほどそうだと思いますよ。だから、その運用と結果をいま絶対——輸銀の部分は商取引でございますから私は知りません。そうじゃない、国の金を使って、税金を使って、全部日本の国家の援助によってやったあれでしょう。ですから、それを国民の代表である国会に明らかにしない、資料を出せと言えば、どこの企業が何ぼなんて書かない、ABCDくらいにごまかして、田中産業だの安宅産業なんて絶対書かない。  だから、そういうことでは、どこの系列の会社にだけどうもそういう注文が行っているようだとか、それから、いろいろここで価格の問題があるとか、そういうことをしさいに検討してチェックする機関というものを設けなければ、膨大な海外経済協力——このごろ石油の問題であっちへ行ったりこっちへ行ったりして、約束してきたのたくさんありますな、皆さんが。そういうものは、それこそチェックする民主的な機関というのはここしかない。国会しかない。この制度はひとつ必ずつくっていただきたい。いや、つくるように政府もぜひわれわれに賛成してもらいたい、こう思いますが、いかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 特定の政権を援助するような経済援助はやめるべきだという御所見でございます。政府は、たびたび申し上げておるとおり、特定の政権援助を目的として援助をいたしておるわけではございません。どういう政権を選ぶかは、その国の国民の選択でございまして、私どもはとやかく言うべき問題ではないと考えております。私どもといたしましては、その受益国の国民の福祉の向上、民生の安定ということを祈念いたしまして、それを支配する当該政府等からの申し出に応じまして、その内容を吟味して、その目的に合致するものにつきまして援助を実行いたしておるわけでございますので、そういう特定の政権を援助することを目的としてはいないばかりか、結果的にも、その国の民生の安定向上ということに貢献いたしておるものと私ども考えております  もっとも、この実行にあたりまして、安宅委員から御指摘がございましたように、内容は十分吟味しなければいけないし、公明を期してまいらなければならぬことは当然と考えておりまして、そういう点に十分配慮してまいるつもりでございます。  第二点といたしまして、わが国の政府レベルの援助ばかりでなく、輸銀ベース、基金ベース等の援助につきましても、その結果について国会に報告すべしという御所見でございます。この問題につきましては、確かに言われる御趣旨はよく理解できるわけでございますが、どういうものが御提出できますか、いま即答はできませんけれども、よく検討さしていただきたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 大平さん、私はあなた個人を非難するつもりはありませんし、時間がございませんからきょうは言いませんが、一つは、少なくとも大平さんなり田中さんなり、特に首相ですから田中さんでもけっこうですが、あなたの郷里の村に、ある国から、その学校を建てるためにばく大な金が来たなんていったら、たいへんな問題になるのではないでしょうか。だから、こういうことを考えた場合に、朴大統領の生まれ故郷の高等学校に無償援助するなんていうことは、その国の民生安定のためになんて幾ら大平さん言ったって、人々の常識から判断したら、そんなものは、うそ言うな、こういうことになるのですよ。それから、軍事的な援助とかそういうことはしないと言っていますが、それでは、韓国の軍隊が、日本から自動車あるいはその他いろいろな器材が、別な意味で通信や何かの器材も行っていますが、そういうものを軍が使っている証拠とか、そういうものは私はきょうは言いませんが、どこまでも公表しないということは、政府がいつまでも意思がかたかった場合には、この間カンボジアの病院が使われたとか、自動車が使われたとかいって、一台か二台でも大問題になったが、韓国の場合には、それがあたりまえな気がしているような日本人の感覚はないでしょうか。  こういうことを私どもは考えた場合に、軍事的なものに使っておらないと思いますなんて言ったって、私は今度証拠を出してきて、本委員会なりどこかの委員会でも徹底的にそれを追及いたします。特に、朝鮮の問題について私は必死の調査を、いまいろいろな意味で国益になるための調査なり運動なりしている立場から言うならば、こういうことをあっさりお逃げにならないで、ぜひ前向きの検討をしていただきたいと思います。どうでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 検討さしていただきます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それでは、日韓の大陸だな共同開発について、わが党の岡田さんからきのう質問ありましたけれども、中国の問題についてお話がございました。この大陸だなの問題については、どうもアメリカのウインデル・フィリップスという人が——韓国は一九七〇年だと思いますけれども、海底資源鉱物開発法というものをつくった、そして韓国の西海岸は全部アメリカの石油資本に鉱区を売っ払っちゃったんですね、採掘権を。そういうときにぱっと入ってきた人が、第七鉱区という日本石油開発が日本政府に申請したものとぶつかるようなところにもぐり込んできてごちゃごちゃなったり、さっき言った矢次さんなんかも、そのときに名前が出てくるのです。いろいろこんがらかった事情のあるこの鉱区なんです。この間も、日韓閣僚会議を強引に開くというのは、韓国の危機を救うために商品援助をいきなりやるのは、日本が石油をほしいからじゃないかと、私は皮肉を言ったんですが、現実にいま問題になってきておるわけです。  それで、中国と協議するのが当然ではないか、中国が抗議するのも当然ではないかという岡田さんの話に、あなたは、そういうことになっていないとよく説明したはずです、了解を得るようにしたつもりですと言っているが、現実に来たんです、抗議が。そうしたら次の日に韓国が、中国と協議をする用意があるということを声明いたしましたね。それを御存じですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 その点はまだつまびらかにいたしておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 外務省のどなたか知ってますか。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 韓国は、韓国の大陸だなと称する区域につきまして、中国からそれについて、抗議かどうかは私は覚えておりませんが、何か声明があった際に、去年、たしか韓国としては、中国と話し合いをする用意があるということを申しました。今回もまた同様に、同じ立場を確認したということだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 去年やはり三月ごろだったと思いますね、そういう態度を表明しているのです。そこできのう、そのときに大平外務大臣は、朝鮮半島には二つの政府があるので、これはめんどうだ、中国はずっと離れておるから、大陸だな条約で協議の結果ととのわなくても、半分といった場合にはだいじょうぶだろうと思ってやりました、こう言いましたね。中国と韓国は国交が回復しておりませんね。そうですね。だけれども、中国と協議をする用意があると韓国は言っているのですよ。そうしたら、朝鮮民主主義人民共和国もやはり抗議の声明を出しています。二つの政府があると、あなたははっきりおっしゃいました。この問題は、いろいろな場合にたいへん大きな問題があるかもしれませんけれども、この問題に局限して言うならば、やはり二つの政府のうちの一つの政府であります。したがって、韓国が中国に対して協議をする用意があると言うくらいならば、朝鮮民主主義人民共和国も抗議の声明を出しているのでありますから、これは日本も協議をする用意があるぐらいのことは言うのが礼儀ではないかと私は思いますが、いかがなものでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 今回の共同開発区域の設定にあたりましては、日韓間で当面の国際法上の原則に従って処理できる区域だけに限って考えておるわけで、ございまして、日韓間でやり得る仕事であると私どもは考えてやったわけでございます。  これに対しまして、中国から抗議がありましたことは御指摘のとおりでございますけれども、私どもの見解では、中国側の権利を侵しておるというようには考えていないし、その旨、中国側にも説明を繰り返ししておるところでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 韓国があなた方と一緒に条約を結んだ。まだ批准しておりませんがね。その相手国である韓国が、中国と協議をする用意があると言っているということは、差しつかえないと思ってやったという日本の主観的な意図は、そこで消えるのじゃないですか。どうですか。相手国がすでに第三者と協議をすると言っているのですよ、あなたと組んでいる人が。おれはいやだなんと言ったってしようがないのじゃないですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 韓国と中国との間の大陸だな資源についての境界線について協議するということにつきまして、韓国がどういう見解を持っておるか、私は存じませんけれども、私どもがいまやっておる仕事につきましては、日韓間で処理し得る問題ではないかという見解のもとにやったということを申し上げておるわけでございます。  それから、朝鮮半島には二つのエンティティーがあるということは、かねがね申し上げておるところでございまして、中国側の抗議の中に、これは関係国みな集まって協議すべきものでないかという意見が盛られておることも承知いたしておるわけでございますけれども、これにつきましては、実際上、中国と韓国との間にはいま国交が開かれていないということが一つございます。  それから、私どもが日韓間でこういう取りきめをやりまして、将来朝鮮半島に統一朝鮮ができたということになりましても、これは踏襲される性・質のものであるということも考えまして、この問題につきましては、日韓間でこういう取りきめを結びましても差しつかえなかろうという判断で、私どもはいたしたわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 さっき政府のことについて英語で言いましたが、私、小学校しか出ていないものですから、日本語で言うと政府という意味ですか、どうですか。皮肉じゃありません。確かめておきたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 現実に、有効に特定の地域を支配している政府があることは承知しております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 その政府が、両方とも全部支配しているとがんばっているのですから、これはあなた、了承してもらわなければなりません。だから、私は、その中国と国交を樹立していない韓国が、中国に対して協議の用意があると言っているのですから、日韓間でやれると思ってやったんだと言ったって、相手がもううわ気してあっちのほうを向いているのですから、どうもならないのじゃないですかね。これはあとで論争しましょう、このことについては。ひとつこの点ははっきり心の中に外務大臣とめておいていただきたいと思います。  それで私は、ここで、いま韓国が中国の問題について協議をする用意があると——なかなかはでなことをやる国だと思いましたが、社会主義の国とも仲よくするなどと最近言っております。しかし、この問題について、いつも問題になるのですが、韓国というのは、さっき私は軍事独裁政権だと言いました。クーデターによって成立した国ですね。総理は、このことについては、民主主義を志向している国だと盛んに最近、あなたの統一見解ですか、同じことばを使います。志向しているのですからどこかに向かっているのですね。志して向かっているわけですから、では、現在はどういう政権なんですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 これは、志向しておる国でございまして、ほんとうにそういう方向に向かっていま努力しておるということは、これは事実なんです。でございますので……

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 志向というのは、何かがあって志向するのでしょう。いまそういう段階にあるのですね。民主主義を志向する、あっちのほうにあるのですから。いまは何だと聞いているのです。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 もうとにかく建国以来日もたっておりますし、まだこれから永遠に続く韓国の生命でございます。そういう意味で、民主主義国として発展段階、発展を希望し理想に向かって邁進をしておる国である、ゴーイング、いわゆる進行形である、こういうふうにやはり見ていただかなければいかぬじゃないですかな。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 どこからどこへ進行形なんですか。それはやはり、インフレだと言うとインフレと言いたくない、最後までがんばる人ですから、あなたとここでこれを論争したってしかたがないからやめますが、具体的に話をしていきます。  ここで私は、金大中氏の事件のことについてぜひお尋ねしたいと思います。  いわゆる外交的にケリをつけた十一月の一日ですか二日ですか、あの段階で、十二月十日の私の質問に対して、大統領の親書を金鍾泌首相が持って来まして述べたのですから、それを信用する以外にない、つまり原状回復も、それから今後の保障の問題も、犯人の捜査も処罰も、それを信用するほかない、田中さんはそうおっしゃったのですね。いまでもそう考えておるか、これが質問なんですが、本人がいないのじゃしようがない。それじゃあとでやります。  それから、私から言わせれば、一つも原状回復も今後の保障も何にもまだ解決していないと思いますが、大平さん、どうですか。できたのは、たとえば陳謝に来たと思われる節がある、それぐらいじゃないですかね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 この種の国際刑事事件の始末の問題でございますが、まず加害側におきまして陳謝をするということ、それから、再びこういう事件を起こさないという保障、そういったことが国際慣例としてとらるべき措置と心得ておるわけでございまして、この事件の性質といたしまして、私ども、あの時点におきまして韓国側がとられました措置は、国際慣例上として日本が受け入れてしかるべき措置であると判断いたしまして、この事件の外交的な側面からの処置はつけたいと考えて、そういう措置にいたしたわけでございます。  しかしながら、国際刑事事件としての金大中事件そのものはまだ残っておるわけでございまして、この事件そのものを解決した、そういうものではございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それで、総理、まだそのものが国際刑事事件として解決したものではない。したがって、あなたは、あのとき私の質問に答えて、信用できるのかと言ったら、大統領の親書を持って首相が来た、一国の責任者が来たので、それを信用するのは当然ではありませんか、こう言ったのですが、あの後何日もえらい日にちたっているけれども、まださっぱりだめなんですね。捜査もやっていないし、中間報告も来てないし、そうでしょう、どうにもなりません。だからいつまでも、百年も信用しているんですか、これナシのつぶてでも。総理、どうなんですか。何らの進展もない。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 金東雲書記官の容疑を認めて、法に照らして調べた上、法に照らして措置するということが約束されておるわけでございます。金大中氏、すなわち被害者につきましては、一般の市民と同様の出国を含めての自由を保障し、別件によって逮捕されるというようなことはない、そういうことが約束されておるわけでございます。それから金東雲氏の、容疑者である方の監督の立場にあった方々に対して所要の措置を講ずるということ。それから、先ほど御答弁申し上げましたとおり、韓国政府といたしまして、日本に対する陳謝と今後の保障がなされたわけでございますので、私どもとしては、国際慣例上、これだけの措置をもって、外交的決着をするに必要にして十分であると考えたわけでございます。  ただ、あなたが御指摘のように、これはお約束をいただいたことがまだ実行されていない面がございますが、それは、お約束になりました以上、そういうラインで措置されることを、日本政府としては期待いたしておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そういう議論していると、時間たつだけですから……。  たとえば待ち切れなくなって、一月十七日か八日に、あなたのほうは韓国側に対して督促をしたのではないか。私は時間がありませんから、簡単に個条書きに言っていきますから、政府委員でもいいですから個条書きの答弁をしていただきたいと思います。  それから、金大中氏の自由というものは、私はまだはっきりしていないということ、つまり格下げの自由なんですね。普通人と同じ自由、外国に出るにも。これは議論したってしかたがありませんからあれですが、それから金東雲の捜査は、日本ではやらないことになっているとか、いろいろ論争しましたね。これもやめましょう。ただここで、いま言った十七、八日ごろ抗議か督促かしたのではないか、これが一つ。  第二番目に、韓京鎬という当時領事ですね、この人のは、金東雲がうんと言わなかったら、第二の捜査やってみたらはっきりしている証拠がある、指紋か何かわかりませんけれども、動かぬ証拠がある、こういうふうになっている人物のはずだ。これが第二点。  それから劉永福横浜副領事の車、これはあなたのほうでは——マスコミはもう判定した記事の書き方をしております。金大中氏を連行するに使用されたことが、そうらしいという発表をしておりますが、捜査当局は明白に確定しているはずだ、私どもはそういうふうに見ているのですが、第三番目はそういう質問。  したがって、少なくとも二人はいわゆる決着しているんですから、両者とも出頭を要求すべきではないか、これが第四番目です。まあこの辺でひとり……。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 第一点だけについてお答えいたします。  一月の中旬でしたかに、先生が、韓国のほうに何か申し入れ、催促したことがあるかというお話でございますので、これはそのとおりやった記録がございます。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  ただいま御質問になった韓某という者は、われわれの捜査線上にはあがっておりません。  それから、横浜領事館の劉永福副領事の車、これについては、当時ホテルから出庫した、その時間帯に出た車の捜査の結果、この車が使われた疑いが非常に濃いという段階まで来ておりまして、これについても、韓国政府のほうにその間の事情の説明を求めておりますが、これについてまだ回答はないという現状でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 私は、外務省の相当の最高に属する高官から、もう車まではきまったのです、安宅さん、船から向こうがわからないのだと説明を受けたのですよ、非公式には。それはあなたのほうの公式の答弁であって、本来ははっきりしているのじゃないですか。どうですか、重ねて伺います。これはあとでその人の名前を出さざるを得なぐなります。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 もう少し詳しく御説明いたしますと、当日ホテルから出た車、これは時間帯にして約三十台の容疑があるわけでございます。それで結局その捜査の結果、2077という数字が出まして、それが劉永福副領事の使った車ではないかというところまでいったわけでございますが、その現場を見た者もおりませんし、その点、もう少し詰めが必要である、こういう段階でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それでは次に質問いたしますが、ミリオン資料サービスという、自衛官が現職のまま、休暇中のままで興信所をやっておった坪山晃三さんという人と江村何がしという人のいまの住所、それからどういう仕事をなさっておるかということについて、警察庁はお知りなんじゃないですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  その秘密探偵社の二名の方、この方はいろいろと捜査について協力をしていただいたわけですが、その前提として、その名前とか住所は申し上げられない、こういうことで、もちろん現在もそういう仕事をしておると思いますけれども、その住所や名前については申し上げられないということでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 要すれば、何か危害を加えられるおそれがあるから、あなたのほうで保護をしているから言われないという意味ですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 そういうことではございません。最初のお約束で、名前や住所を言わないでほしいということで、最初の向こうからの申し出の際の条件として、名前や住所は外に発表しないでほしい、その上で協力をしたいということでやっておるわけであって、本人が危害を及ぼされるおそれがあるかどうか、そういうことを心配して発表をしないということではございません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 名前なんかはっきりしているのじゃないですか。名前ははっきりしているのでしょう、当時。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  名前は発表いたしておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 坪山というのは偽名ですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  私のほうは御本人との約束を守って、名前等は申し上げないという態度で終始いたしておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは非常に不明朗ですね。  それから大平外務大臣、あなたにぜひお願いしたいことがあるのですが、この前の十二月十日の予算委員会で、このKCIAの組織、人員その他、それかわかるならば——それは組織がわかるならばなんて言いません。それを資料として出してくれ。それから、金大中氏事件の外交の文書があるはずですから、記録はとってありますと、こう言っていましたが、それを出しますと言ったのです。それで外交の関係があるから、記録文書は向こうの了承を得た分だけ出しますということになっておりますが、きのうの七日にあなたのほうから出てきたのです。いっ、韓国と、どういうふうにして、だれが交渉してああいう文書になったのか。それから、KCIAのことだと外務省はさがせるはずがないのですから、警察庁にさがしてもらえないかという照会などしたかどうか、それを伺います。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 最初の、日韓間の金大中事件に関しまする交渉経緯についての書類が、たいへんおそくなりましたことは申しわけございませんが、これはわがほうが在韓大使館を通じまして、先方の外交部といろいろ打ち合わせしながら、発表し得るものを整理するのに時間がかかった、その結果でございまして、おくれたことにつきましてはたいへん申しわけないと思っております。  それから、韓国の中央情報部の組織その他につきまして調べるということにつきましては、昨年、金大中事件が起きた当時から、私ども国会のほうでいろいろ要請を受けまして、ずいぶんそのための調査につきまして、韓国側にいろいろ聞いているわけでございますけれども、これは中央情報部の組織等については、発表しないということになっておるということでございまして、幾ら聞きましても、これは内容を確認することはできません。  それから、中央情報部の人員につきまして、特に日本におる人員につきましては、これは韓国のたてまえといたしまして外交部の職員として来ているということであって、中央情報部の職員として来ているわけではないという立場を堅持しておりまして、そういう関係からどうしてもわからないわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 向こうに正面切ったら、だれも言うばかはいないじゃないですか、秘密諜報機関が。たとえば日本の警察に、ぜひひとつさがしてもらうようなわけにいかないかとかという政府部内の連絡なんかあったんでしょうか。警察庁長官。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  外務省のほうから、日本における中央情報部の活動の実態はどうかという照会がございましたけれども、私のほうは、そういうものは把握しておりませんので、承知していないというふうに返事いたしております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 さがしてくれとは言わなかったのですね。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 調査してほしいということだけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それならば大平さん、これは本委員会であなたが出しますと言った外交記録は、向こうと相談しなければなりませんから、少しは削ってもしかたがないと思いますが、KCIAのやつはどうも出ませんでした。それから外交記録も何カ月かたってからじゃなくて、今度私の質問が始まる前に要求されて出してくるなんという、そういうのは国会軽視じゃないでしょうかね。どうなんですか。忘れておったんですか。事務当局はどうなんですか。これは私、納得できないんです。そんなばかな話ありませんよ。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 国会に対する御報告がたいへんおくれまして恐縮をいたしておりまして、今後十分注意いたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そっぽ向いたような顔してやられたのじゃどうもおもしろくない話ですが、これは今後気をつけるというのですからいいでしょうが、しかし、そのことについては、あとへいろいろ尾を引くのじゃないかと思います。  それから、警察当局にたった一つ聞いておきたいのですが、韓国公報館のあるホテル・ニュージャパンで八月五日、金大中氏事件が起きる三日前に、その連合グループが最後の作戦会議を開いた、そのときに第六局長らしい、いわゆるKCIAの局長が出席した事実がある。なぜこれを発表しないのでしょうか。ホテルの関係者から事情聴取をしておるようですね。どうなんですか。なぜ発表しないのですか。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 そのような事実は、捜査上われわれは把握しておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 わかりました。じゃ、きょうはあとは言いません。それを論争すると時間がたつだけですから。  それで、私どもは、ここで非常に重要なことを言わなければなりませんけれども、さきに読売新聞ソウル支局の閉鎖を韓国は行ないました。そうして記者の追放を行ないました。さらに一月のファッショ的なあの非常大権の措置によって、この措置は外国人にも適用するというので日本人記者団をねらい撃ちしたと思われる、非常に取材をすることの拒否を行なう、つまり取材できないような状態にさす。また最近、朝日新聞の輸入禁止まで行なってきている。これは言論の自由に対して重大な、他国の、友好国のということばを使ってもいいと思いますが、国際的には非常に非礼なやり方だと私は思いますが、外務大臣、どうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 外国の内政につきまして、とかくの批判は差し控えたいと思いますけれども、言論の自由ということにつきましては、日本政府といたしましても重大な関心を持っておるわけでございます。したがいまして、わが国の新聞社による在韓取材活動が支障なく行なわれるように、私ども希望いたしておりまするし、そういう配慮を先方政府に可能な限り求めておる次第でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これはえらいなめられたことだと思うのですよ。じゃ、日本の朝日新聞が、日本の読売新聞が、何かその世界の通念である言論の自由の範囲を逸脱した記事を書いたから、やはりそういう措置を受けたとあなたはお思いですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いま御答弁申し上げましたとおり、わが国のマスコミによる取材活動というものにつきまして、それが円滑に行なわれることを期待いたしておるわけでございまして、韓国におけるそういう問題が起こりましたことをたいへん遺憾に存じておる次第でございまして、そういうことがなるべくないように、そういう問題が起こりましたつど、先方の政府に対しまして希望をいたしておる次第でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 マスコミの方も気をつけてもらって、なるべくそういうことのないようにということは、日本の朝日新聞なり、これは輸入禁止を食ったのですから、それから、特に閉鎖をされた読売の支局なり追放された記者なりが、そういうことをやったからということを、あなたが承認の上にいまの発言が行なわれているのですか、どっちですか。なるべくそういうことのないようにということを言っておることは重要ですよ、あの発言は。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 取材活動が可能な限り自由に行なわれるように希望いたしておるわけでございまして、韓国における読売新聞の問題朝日新聞の問題ということにつきましては、たいへん私は遺憾に存じておる次第でございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 遺憾というのは、どっちにかかることばかわかりませんが、いいですか、読売新聞や朝日新聞は、日本の有力な新聞として、言論の自由の立場から何も文句は言われる筋合いはないという立場で、韓国に抗議をしたりいろいろ了解を求めたりしているのか、そこのところを確認しないで外交の活動をなさっているのか、どっちですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 それぞれの国はそれぞれの体制を持って……(安宅委員「いや、どっちだかさえはっきりすればいいのです、あなたの主観ですから、ほかの点はどうでもいいのです」と呼ぶ)持っておるわけでございますけれども、全体を通じまして、言論の自由が尊重されねばならないというのは、非常に国際的な大原則であると心得ておるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、今回の事件につきまして、たいへん遺憾に存じ、先方政府に対しまして善処を求めておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 つまり、こちらには、わが日本の有力な新聞である朝日新聞や読売新聞や、あるいは主要な新聞がみな駐在しておるわけでありますが、非常大権措置によってとられた措置、そういうことは、本来、言論の自由をきちっと正しく守っておる、そういう立場にある日本の新聞社だということを認めた立場であなたは向こうに善処を要望している、こういうことですな。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 取材活動の自由が尊重されるように、先方政府に要請をいたしておるわけでございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それでは、とにかく社会党が海外経済協力の実態調査に入国したいと言えば、その友好国であるはずの日本の国会議員の入国を拒否したりする国ですね。新聞記者を追い出す国ですね。それが民主主義を志向している国だなんて、田中さん、これはあなた、何ぼごまかしたってだめですよ。こういう国に、しかも向こうの首脳部から、あなた方は安い労働力を求めてきているのじゃないですか、援助なんか受けているわけじゃありませんと、公式な立場で国会で答弁した人もおるのです。  こういう状態の中で、実際にいま反日運動というのは、先ほど言ったような理由で大きく燃え上がろうとしている。三月、四月の危機は必ず来るといわれている。いま日本の在外公館なり進出企業なりが、非常に危険な状態にあると私どもは判断している。これは外務省に対しても、向こうの在外公館から、そういう危険があるということについての報告が来ていると私は聞いておりますが、どうですか。韓国の政治危機ですね。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 お答えいたします。  いろいろ、韓国の内政につきましての情報の報告があることは間違いない事実でございまして、そのうちの一部に、現在学生が休暇中でございますけれども、学生が大学に復帰する時期になりますと、また何か起きるかもしれないというような趣旨の、そういう報告はございます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは、そういう意味で、ぜひひとつ政府は、そういうことが起きたり、あるいはまた、ゆえのない意味で反日暴動みたいなものしがあって、金大中事件以上のゆゆしい事態になるなどということがないような対策をとっていただきたいと思っております。  最後に、法務大臣にちょっとお伺いいたしますが、この間の予算委員会で、朝鮮民主主義人民共和国の最高人民会議の代議員が七名ほどおられるのだが、これはIPUに加盟をしておるので、IPUの会議に出席するのは当然だが、その事前の打ち合わせやそういうことで、向こうから来たり向こうに行ったりすることはかまわないんじゃないかという話で、非常にあなたからもいろいろ御答弁をいただいたのですが、それは当然だというふうにあなたお考えだと思うのですけれども、ぜひ簡単に御答弁願いたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 お説のように、IPUの総会という特殊の事情がありますから、お話しの点につきましては、十分善処いたしたいと思っております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それで、労働問題に入りたいと思いますが、総理府総務長官、公務員の、あるいは公共企業体等の職員のストライキ権について、昨年九月三日、公務員制度審議会は、労使の意見が激しく対立した中で答申を行ないました。その後、公務員問題連絡会議が設置されまして、第一回会合はいつ開かれましたか、それをちょっとお伺いいたします。

小坂徳三郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○小坂国務大臣 第一回会合は十月二日に開かれております。  なお、この連絡会議の下部に、局長クラスの会議と課長クラスの会議を持っておりまして、それは、お尋ねございませんが、あわせて申し上げますと、局長会が一回、課長会が今日まで十三回開かれております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 重ねてお伺いいたしますが、これは会議である以上、各省ごとに態度をきめて会議に出てこなければ、お茶菓子食って小田原評定するぐらいしか何にも役に立たないと思うのですが、その態度をおきめになっている各省の、あなたが総括者ですから、わかっていたらお述べ願えませんか。その内容まで私は聞きません。

小坂徳三郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○小坂国務大臣 お答えします。  私は基本的には、今度の公制審の答申というものは、非常な御苦労の末できたものだし、また公労使三位一体の答申でございますので、これは従来どおり、政府としては大いに尊重していくということは変わりございませんが、   〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 私は、いまのいろいろな現状を見ますると、この中でできること、やれることがあるように思います。私は、最近はこの連絡会議を開いておりませんけれども、できること、やれることをまずやるような方向で、そして協議をまとめていくという方向を指示しております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 総理にお伺いいたしますが、今日の経済情勢、政治の情勢、こういう状態からいって、労働者階級というのですか、労働者の意見というものを反映する、聞く、そういう中で発言というものを非常に大事にする、そういうことでなければ、この高度に近代化した民主政治の形態というのは、私は運営できないと思っておるわけです。  そういう意味で言うならば、労働者の基本的な権利をないがしろにして正常な近代国家というものは栄えたためしがない、私はそういう信念を持っているのです。国を運営する責めにある者として、総理大臣は、ぜひ大至急その結論を出すように指示していただきたいし、労働者の基本的権利、罷業権、団体交渉権、団結権、これを保障するために最善の努力をしてもらいたいと思いますが、あなたの御所見を伺いたい。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 労働者の地位の向上、また労働基本権を守って、すばらしい環境を築きたいという考えに対しては、私も人後に落ちるものではございません。ですから、建設的な意見を聞くこと、またそれを施策に反映させることに対しては、常に意を用いてまいらなければならない、こう考えております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは、いつごろ結論を出されるかということをいま聞いても、まだちょっとほど遠いような話ですから、そういうことを含めて、やはり労働組合の代表と総理が会って、いろいろ意見を聞くというふうな機会をひとつつくってみたらどうかと思うのですが、そういうことについては、御賛成いただけますか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 私は、いずれ近く労働各層に集まっていただきまして意見を聞きたい、こういうことでございますし、また協力も求めたい、政府の真意も伝えたい、こういうつもりでございますから、そういう機会にはいろいろな問題が提起されるだろう、こう考えております。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 ところで総理、最後に近くなったのですが、韓国、いま軍事独裁国家だと私は言いましたね。この韓国では、一月二十八日、低所得層に政府米の緊急大量放出をいたしました。政府公示価格以上で売る者はいかぬ、それは摘発して、物価安定法に従って刑事罰で臨むことになりました。なお、一月十四日、非常大権の措置の第三号を発動して、農民に対しては政府に対する売り渡し米の追加払いを決定いたしました。これは八十キログラムで五百ウォンですから、日本の金でいうならば、大体一俵二百五十円ぐらいの追加払いだと思います。賃金の問題からいったらこれは相当の追加払いであります。こういうことをやることを声明いたしました。それから勤労所得税、事業所得税及び住民税を一月から一カ年間大幅減免する、そういう措置をいたしました。それから、搾取だというので国民から評判の悪かった、まだできていない国民福祉年金、教員年金制度の実施を一カ年延ばすことを決定いたしました。それから大衆交通手段の通行税を減免することを決定いたしました。それから公務員の給与の引き上げと体系の調整を繰り上げて二月から実施することにいたしました。その他たくさんございますが、こういう政策をとったということをお知りでしょうか。——知っている人、おりませんか。外務大臣も知りませんか。——外務省というのは、一体何しているのでしょうか。大使や何かはそれは知らないでおるのですか。外務省、報告ないのですか。アジア局長。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 いま詳細はここに資料ございませんけれども、いま先生のおっしゃったことは、大体そのとおりだと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 日本ではこういうことについて相当参考になると思うのですけれどもね。いいですか、田中さん、朴政権よりもやれないようだったら、これは恥をかきますからね。もう声明して措置をとったんですからね。だから、これはやはりあなたは、いまインフレ下にある、そして非常に国民的な規模で、労働組合が低所得層などと一緒になってそういう春の戦いをやるなんて、いまだかつてないことでありますが、そういう大きなうねりの中で、このインフレというものに対して国民が非常に関心を持っているときに、やはり韓国のやった措置、こういうものは、私は非常に参考にしていただかなければならない、こう思っています。  ところが日本では、農林大臣、どういうことをしようとしているかといいますと、この前の予算委員会で私は言いましたけれども、大体四二%が標準価格米ですね、つまり非銘柄米、そしてあとの何%ですか、二三%が自主流通米、それから銘柄米が二八%、こういうふうになっているわけですね。ところがあなたは、大都市では特に、四二%出回っているはずの普通の標準米が半分くらいしか売れない、こういうことを認めておられるわけです。そうすると、売れ残るわけですね。売れ残ったのは、本来格上げして売るなどということがないはずなんですよ。それを、あなたのほうは三月から上限価格を設けて、そうして銘柄米や自主流通米を少しませて売っている。ぱらぱらとまぜるのか、米屋さんのことだから混米したかどうかという証拠はありませんよ。鼻くそまるめて万金丹ということがあるけれども、実際わからないのだから。そうでしょう。そういう売れ残った米を、売れ残ったものは、昔からバーゲンセールか何かで安売りするのがあたりまえなのに、日本の農林省だけは変わったところでありまして、証拠もない米を、りっぱな米が少しまじったかまじらないかわからない米を、今度は二千六百円以下では絶対だめだなどと、米の小売り商からおどかされながら、どこにきめるか知りませんけれども、売れ残った米を高く売る。このままいくとどういう現象になるか。  端境期までいくと、総理、こういうことになるのです。みんな都会の方々は自主流通米や銘柄米を買いたがる、だから一般の標準米が残る。自主流通米は八月ごろになったら売り切れました、銘柄米は残念ながら売り切れでございます、政府はそれしか出さないのだから、あとは標準米だけ残りましたというのが商売人ではないでしょうか。それを、売れ残ったからかわいそうだなどといって、少しまぜてもいいといって、中米だの上米だのという名前をつけて高く売ろうなどという不届きな政策をなぜあなたはとるのですか。売れ残ったほろは安く売るのがあたりまえじゃないですか。ばかな話がありますか。韓国と反対だぜ、韓国と。朴政権に劣るよ、君は。やめなさい、それは。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しの中に、標準米、大体これが場所によって、なくて困るということを言われる声は若干ありますので、食糧庁といたしましては、巡回いたしまして、必ず店屋に置くように指導いたしております。大体このごろは出回っておりますが、それは御承知のように千六百円。そこで今日のようになると……(安宅委員「なくて困るなんということはないよ。」と呼ぶ)まあちょっと聞いてください。自主流通米等、やはりところによっては若干上値で売っているものも見受けられる。そこでそういうことのないようにいたしたい。  ところが、農林省だけでそれを指導いたしましても万全にはいかないかもしれませんので、地方の県当局、それから生産者と需要者の代表等もまぜて協議会を開きまして、地方地方によって、およそこの限度で押えてもらいたいというようなものを出してもらって、それを尊重してやるほうがいいのじゃないか、こういうことであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 それはおかしいのですよ。ごまかしですよ。総理、米屋さんは、高いのがございます、よい米がございますよと言って——農協中央会の人なんかが行って標準米はありませんかと言うと、顔を知っているものだから出すそうですよ。ところが、普通の奥さんが行くと絶対出さないのですね、こっちにいい米がございますと言って。だから売れ残るのです。その売れ残りを、少しぱらぱらといい米をまぜて千八百円か二千円で売ったって、倉石さんは黙っていることになっているわけですね。それが三千円にもなってしまったらこれはたいへんだというので、少しまぜて、二千五百円くらいで売るつもりか何か知らぬけれども、三月一日からやるというのです。売れ残ったものを安く売るのだったら格別、売れ残った米を、少しいいのをまぜたことにする。それもどうだかわからないのです。しろうとでわかるものじゃないですよ。あなただってわからない、そんなもの。そしていい米だと言われて買わされる消費者からいえば、石油どころじゃない、これは悪徳商人だ。あなたは米の商人なんですから、国民に対する。そんなばかなことはないでしょう。これは悪代官の政治です。総理、やめさせてくださいよ。しかたがないじゃないですか、自主流通米や銘柄米がなくなったら、それしか出回ってないのですから。農家からそれしか買ってないのですから。そうなれば、おまえのところはうまくない米だから安くしか買えないよといった米を、中央が操作して高く売ったら、農民が追加払いを要求するのはあたりまえじゃないですか。そんな悪政はやめてくださいよ。必ずやめてくださいよ。どうですか。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 それは、あなたがいろいろな状態を想定されて述べられるわけですが、自主流通米というような、真に高い米に需要が集まって、残ったものが標準米だけだ、そうすると、その標準米をまた自主流通米のごとき顔をして売ることなどは許せるはずがありません。それをとめることは一ばらばらとまぜたか、ませないか、なかなかわからないくらいむずかしいものであるとすれば、標準米は必ず需要者の要求にこたえなければならぬ、こうすれば押えられるんです、これは。標準米は年がら年じゅう要求どおり売りなさい、こう言えば、標準米はあっても、私のほうは自主流通米を、少し高くてもそっちのほうを選びますというのは、自由選択でありますから、これはとめるわけにいきませんが、少なくとも食管制度があるわけですから、とにかく標準米を要求したときに、標準米はありません、これだけでございます、こういうことを言うに至っては、それはあなたの御指摘のとおり、言語道断だと言われるかもわかりません。私もそう思います。  ですから、標準米の要求に対しては必ず標準米を売り渡す、こういうことで、そういう不正を押えていくということでなければならぬ。米はなかなかむずかしいものですから、これは非常にむずかしいから、そうするのが私は適当だ、至当だ、こう思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは農村に行ってごらんなさい。農業協同組合の倉庫は半分以上ないですよ。四月から消費者米価が九・八%上がるというので、大量使用する事業体だとか、それから食堂だとか、レストランだとか、米飯提供業者、そういうものが全部買い占めている証拠があるのですよ。だから、そういう意味でいま流通がうまくいってないのであって、本来ならば、自主流通米や銘柄米は量が少ないのでございますから、しかも、それにみな飛びつくのですからなくなるはずなのに、なかなかそれがなくならないで、そして標準米がないところもありましたなんて農林大臣言うのならば、それこそあなた、わが農林省は食管制がありますから、米のほうは御自由でやれませんなどというのんきなことはやっていられない。そういう事態に持っていくのが正しいのであって、売れ残りの米を、少しまぜたかまぜないかわからないその米を二千何百円かで売るなんていう、売れ残りの米を高くするような、そういう上限価格を設けてやるような制度は断固としてやめてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 少し話がこんがらかってしまったようでありますが、第一は、標準米は常に置くように指令をいたしまして、そのようにやっております。  それから、よく言われます話は、標準米のようなものと、つまり千六百円のものとほかのものとを混米して売っていはせぬか、それによって利益をあげているものがありはせぬかという説がございます。そこで、そういうことのないように、食糧庁といたしましては、そういう点についてきびしくいたしておりますけれども、お話もございますので、なお食糧庁を督励して、そういうことのないように全力をあげさせます。  もう一つは、これからやろうといたしておりますのは、いまあなたも御指摘になりましたように、かなり生活水準が高くなったような方々は、銘柄米といって値段の高いのがいいと思って、どうもとかくそういうものをお買いになる方もありますので、自然に上限が上がってきた傾向がある。そこで、こういうことではよくないからというので、地方の生産者、県当局、それから消費者代表というふうな方々に集まってもらって、各県でそういう組織、協議会をつくりまして、その地域におけるこの銘柄は、一体最高はどの辺まででとめなければいかぬ、これ以上高くしてはいけませんよという、地方に応じた協議会をつくっていこうではないかということをいま検討しているわけでありまして、二つの話がこんがらがりましたけれども、私どもが期待いたしております千六百円の標準米につきましては、必ず米屋に置かせるように、なお最善の努力をいたします。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これはこんがらかってないのですよ。東京都内の十二月の第二週の上米平均小売り価格は、十キログラム二千四百四十六円、つまり、あなたのほうで標準米は千六百円、それから銘柄米幾ら、自主流通米は幾らというふうに指導価格を指導しているのでしょう。事実、それは破れているのですよ。灯油が三百八十円だというのに、それ以上こえているのですよ。もうやみの米相場が立っていて、初めは柳橋あたりの料亭でやっていたのです。もうちゃんとそういうものが立っているのですよ。だから事実上はそういうことになっている。それを指導価格まで下げなければならないのじゃないですか。それがあなたの任務です。だから、それはその土地によって、どういうふうにしたらいいかという上限価格をきめろなんというのは、いま私が言った理論と同じ結果になる。あとからそうなったときに、あなたは責任をとりますか。だからいまのうちやめなさいと言っておくのです。——もういいですよ、あと同じことを答弁するのですから。  最後ですから、私、申し上げますが、先ほど韓国の例をとりました。いま未組織労働者やあるいはまた、何といいますか、全日自労などに入っている失業対策の労働者、それから生活保護者、身体障害者、老人、年金生活者、いろいろたくさんおります。これはわが党の八木さんやあるいは辻原さんや多賀谷さん、こういう方によって一つ一つ政府に教えておったようですから、皆さんよくわかっておると思いますが、こういう人たちに、このインフレ下において臨時応急の何らかの措置をしなければならない、こういうことをこの前の予算委員会で労働大臣に私、言っておいたのですが、そうするとあなたは、失対労務者に対しての五%の話をいたしました。きょうの新聞を見ますと、厚生省が生活保護者に年度末手当を支給するという方針をきめた、こういうふうに出ております。これはほんとうなんでしょうね、厚生大臣。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 お答えを申し上げます。  生活保護世帯に対します生活の扶助基準は、物価の動向をにらみ合わせて行なっておるわけでございまして、さようなことはきめておりません。今後とも、物価の動向を見て臨機応変に対処したいとは考えておりますが、新聞に出ておるような、一時金を支給する、そういうことはきめておりません。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これは日本経済新聞の本日の記事なんですけれども、そういうことはきめておりませんなんて大いばりであなた答弁するんじゃなくて、韓国でさえもやっておるのですから、日本の厚生大臣はよくやったなと思ってほめてやろうと思って質問したら、木で鼻をくくったみたいに、やっておりません、そんなばかなことはないですよ。だから、これは、中小零細企業に働く労働者などには、だれか経済閣僚が、首相が先頭に立ってもいいのですが、産業界に呼びかけて、ぜひそういうインフレ手当みたいなのを出すべきだ。それからさっき言った年金の生活者だとか生活保護家庭だとか、政府の補助によって、金を出されている部分を含めて、それで生活している人、こういう人たちに対して、あとインフレが収束するまでどうなるかわかりませんけれども、とりあえずある程度の金をみんなに出す、こういうことでもしなければ、韓国じゃないけれども、たいへん政治に対する恨みつらみというものが津々浦々に広がってくるのですから、どうかひとつ政府としてはそういう立場を、そういう対策をとるべきじゃないか、こういうことがひとつ。  それからもう一つは、制度的にこれをやる必要がある。たとえば一つの卑近な例を言いますと、国家企業である農林省の林野庁の第一線で働く現場の労働者、これは常用といまいっておりますが、通年雇用の日給制の労働者がおりますね。それから、四月から九月や十一月ころまでで、あとは山をおりる人がいる。こういう人は、本来、国家公務員という肩書きがついているのですけれども、後者の場合なんかは何十年つとめたって——ここに資料がございますけれども、二十年以上つとめた人が相当おるのでございます。十年から十五年くらいつとめた人が七千六百人もおります。五年以上十年未満が四千五百七十五人いる。十五年から二十年未満が二千六百五十八人いる。二十年以上もつとめている人は二十六人いる。これは退職手当はもらえない。毎年毎年失業するのだからといって、退職手当の法律第十条だかによって、失業になったら退職手当を、失業保険に相当する額をもらっている。そういう立場の人に、雇用政策としてまことに封建的なそういうことをいまでもやっている、これは改めるべきだと思うのです。通年雇用者は相当よくなりつつあります。人事院なんかに聞きますと、もし人事院が、これは公企体ですから人事院の管轄でないけれども、われわれの管轄だったとするならば、こんな不合理なことはもうすでに改まっているはずだと人事院はいっておりますよ。これは重要なことですからね。そしてまた、六カ月やそこら、八カ月くらい使っておって、あとは六割の失業保険をくれておくのだったら、どうなんですか、枝にかかった雪を払うことだってあるでしょう。雪の降らないところだったら下刈りもあるでしょう。林道の整備もあるでしょう。そういうことをさせておいて、そして、六割の失業保険をくれて遊ばせておくのだったら、なぜ十割くれて、その人に、二十年つとめたら二十年、二十五年つとめたら二十五年の年金をくれるという、そういう立場に置かないのでありますか。どうですか。これは農林省、林野庁長官——長官よりも首相ですね。いろいろと何か労働契約でもきまっておるようでありますけれども、ぜひこういうことについては、基本的には政府統一見解もあるのですから、急速にこれを、こういう時代ですから特に急速に、制度的にもそういう低所得者というものを、政府の機関からも追放できるような措置をとるべきだと思いますが、ぜひこれは賛成していただきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しのような常用雇用者、農林関係では一万六千人ほどおります。この常用につきましては、公務員制度審議会等のお話もあり、そればかりでなく、従来もまた林野庁におきましては、御存じのように、逐次改善の方向に向かっておるわけでありますから、なお、よく承知いたしておりますので、改善策を講じてまいるつもりであります。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 これで終わります。申しわけございません。  これは三年間も投げております、一たん全林野の労働者といろいろ統一見解も出てから。それから国会でも附帯決議をやっております。そういうことをやってから三年間もさっぱりだめなんだ。そうじゃなくて、さっきの基盤整備と同じに、やる気持ちだなんと言ってもやらないのと同じみたいにならないように、それは当然ことしじゅうに解決しなければならない。こういうインフレのときに困った人が出てくるんですから、ほんとうに生活保護家庭と同じくらいの賃金にしかならない人が必ず出てきますよ、そのままにしておけば。いままでだってあったんですから。ぜひこれは総理、あとで総括的に答弁していただきますが、あなたの所見もひとつ聞いておきたいと思います。  それから、最低賃金制の問題ですけれども、これは全国一律の方向に向かわなければならない時期が来ていると思いますが、当面、地域的な最低賃金制でいろいろ各県ごとにきまっております。ところが、資料を見てみますと、四十八年なんかもありますけれども、四十七年くらいにきまって、このインフレの世の中に物価がどれくらい上がったでしょうか。そして、非常に家内労働に近いみたいな産業に働いている人々の職種や、そういう地域、こういうところにおる労働者ですから、時間給百七十円だの二百三十円だのというのばかりですね。こういう人たちを、審議会の賃金がなかなかまとまらないものですから二年間も投げておく、こんなばかなことはないと思うのですね。だから、これはひとつ政府の指導で大至急そういうものを、物価にスライドするということは私は反対ですけれども、生活費にスライドするのは当然ですね。それを中心にして、なかなか間に合わないならばこれも臨機の措置で、大至急これを、二年間投げておくというものをすぐに改める。これは何カ月なんという余裕はないと思います。こういうことでひとつ措置をしていただく。このことについて、所管大臣と、先ほど全林野の話をいたしましたが、二つの見解を総理から最後に承って、質問を終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 お答えいたします。  先ほど農林大臣が答弁された国有林野の問題は、農林省と私のほうも相提携して改善の方向に向かっていきたいと思っております。  それから最低賃金の問題につきましては、全国一律はなかなかむずかしいですけれども、これは御承知のとおり、いまの最低賃金は、地域別あるいは業種別にそれぞれやっておりまして、前にまだ決定しないもの、あるいは改正できないものは、前向きなつもりでやっていこうと思っております。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 林野の問題は、歴史的にも長い経緯を持つものであることはもう御承知のとおりでございます。また、坂田農林大臣当時、これを全部直用に切りかえるというような大手術も行なったわけでございます。そういう結果、林野会計のいろんな問題も起こっておるわけでございます。そういうような状態もよく承知をいたしておりますので、現実に目をおおうようなことがなく、しかも特別会計としての、政府の会計でございますから、こういう状態ともにらみ合わせながら、可能な限り最善の努力をいたしたい、こう考えます。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 どうもありがとうございました。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて安宅君の質疑は終了いたしました。  次に、小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 わが党に割り当てられた総括質問の時間の残余一時間弱を、まあ残飯整理の形で私が御質問を申し上げることになっておりますので、理論の構成はあとにいたしまして、事実の問題だけでひとつ簡単に受け答えをさせていただきたいと思います。  まず、外務大臣にお尋ねしますが、金大中氏はほんとうに自由が与えられているのでございましょうか。正直にお答えを願いたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 韓国の政府におきましては、一般人と同様に、出国を含めて自由を保障すると言われておりますので、私ども、その政府の言明を信頼いたしております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 金大中氏が昨年の八月八日に、わが日本から白昼公々然と拉致せられて、すでに五カ月有余の歳月が経過をいたしております。その間あなたは終始一貫、韓国政府のメッセンジャーボーイでもないのに、韓国政府がこう言ったから私はそれを信頼しておりますと、十年一日のような返答をされておる。それで一体、一億の国民を代表する外務大臣としての責任が果たされているとお考えになるのでありまするか。私どもは民間人であります。国家権力はありません。しかし、人の生命と自由に関する問題でございまするから、非常にこれを心配している。心配をいたしております国民のすべてを代表いたしまして、あらゆる手を伸ばして韓国の金大中氏の、氏自身並びにその周辺に連絡をして事の真相を尋ねております。返事は何と言っておりますか。金大中氏が自由であるか自由でないかは、一番知っているのは日本の外務大臣ですよと言っている。日本の外務大臣が一番よく知っているはずですよと言っているんだ。それをあなたは、そういう返答しかできないというのはひきょうじゃありませんか。人をだますのもほどほどにしなさいと私は言いたくなる。正直な返答をしてください。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 ただいまお答え申し上げました以外に、私よりの返答のしようがないわけでございますし、それ以外に私の、自由を確かめる道はないわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それでは、いまのあなたの、こういう歴然たる事実をなおかつそういう答弁で、そしてこれで一体日本の国会を過ごし得るとお考えになっているのか。また、これぐらいずうずうしい答弁を聞いて、一体私どもがこれで引っ込められるとお考えになっていますか。それではいけませんよ。でありますから、私はこの前にも言ったが、金大中氏には自由がない、拘禁をせられたままである、しかも、非常に緊張をした環境と圧迫の状況の中にあって、まさに殺される自由があるのみだというのが周辺の一致した考え方です。  しかし、ほかの問題ならば、あなたは韓国の外務省の答弁だけでよろしゅうございましょうけれども、実際は金大中氏は、わが日本法治国の法律のもとで不法拉致せられたのでありますから、それは日本の政府としては、やはり原状に復帰する責任はあるはずです。義務があるはずです。他人ごとの情報をここで交換しているような無責任な答弁で済む問題じゃない。人一人だけでも拉致せられても、その人が拘禁せられれば、全警察力を動員してもその人の自由を獲得するというのが、近代国家のあり方じゃありませんか。ましてやあなた、韓国における国民の半分に近い世論の支持を受けているその著名な人が、わが日本の国から不当に拉致せられて、しかも、公々然といま拘置、監禁をせられているという事実を知って、それを他人ごとのように、向こうの政府の言い分を信頼いたします、というだけの答弁で過ごされると一体お考えになるかどうか。しばらくこの問題は留保しておきましょう。あなたは、七時になったらアメリカへ行くなんというのでありますけれども、これは、ことによったら、七時になっても私は解放しませんよ、そんな答弁じゃ。  そこで、私はお尋ねいたしますけれども、日本の警察は世界でも一番優秀な警察だというのだ。検挙力も世界一だといわれるのでございますが、日本の警察当局は、この国会の中でも終始一貫して、真相追及のために努力しているということを繰り返されているのでありますが、その後の捜査の経過は一体どうなっているのか、お尋ねしたい。  九段のホテル・グランドパレスから日中拉致せられて、船に乗せられて京城へ行って、いま京城の私宅に拘禁せられているまでの経路を、ひとつ詳しく、調査の結果をお聞かせ願いたいと思うのであります。

山本鎮彦警察庁警備局長

○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。  本件は、昨年の八月八日の午後一時過ぎに起きた事件でございます。詳しくというお話でございますので、やや詳しくなりますが、届け出の時間がかなりおくれたということ、それから被害者である金大中氏から事情を聞いておらないということ、それから当時現場を見ておった梁一東、金敬仁氏が忽々として帰国してしまったために、これもよく事情を伺えなかったというような、捜査の非常に困難な条件があったわけでございますが、それを何とか克服いたしまして、当日のホテルの中の目撃者の捜査、目撃者を発見するということに非常な努力を傾けた結果、エレベーターの中で金大中氏が拉致される現場を見た複数の目撃者が出てまいりました。  それから、さらに捜査を進めまして、現場に残した遺留指紋からこれの照合に成功いたしまして、結局、種々総合した結果、拉致した六人のいわゆる犯人の中に金東雲一等書記官が間違いなくいた、こういう確信を得まして、九月五日に任意出頭を求めたわけでございます。その他の五人の犯行に加担したと思われる者の捜査は、現在まで引き続いてやっておりますが、まだ確定を見るに至っておりません。  それから、現場から連行いたしました車の捜査でございますが、これは当時ホテルの車庫におって、大体その時間帯に出庫したと見られる車が三十台ございました。この三十台の車は、残念でございますが、下四けたのナンバーしか控えられておりませんので、これの捜査に非常に時間がかかりまして、約八千五百台の同一番号の捜査を逐一克明にしたわけでございます。その結果、2077というこの時間帯に出た車が最も容疑が濃いというところまでまいりまして、さらにこの車について全国に手配をいたしまして、約千三百台余このナンバーの捜査を継続したところ、諸般の事情から、当時横浜の領事館に勤務いたしておりました劉永福副領事が使用しておった品川55も2077の車、これの疑いが非常に濃くなってまいったわけでございますが、すでにその車は当時廃車になりまして、ほかの館員の所有に帰属して、ほかのナンバーがついておるというような状況で、捜査はこの段階でとまらざるを得なくなりまして、これについても、韓国政府のほうにその間の事情の説明を求めておるわけでございますが、まだ車の捜査のほうは、完全にぴたりこれであると断定するまでには至っていないのは非常に残念でございますが、そういう意味で、まだ捜査は続けておるわけでございます。  それからどの経路を通って行ったかという連行の経路でございますが、これについても、金大中氏のソウルにおける供述というものが非常に有力な内容になって、これをもとにしてずっと捜査を継続いたしておりますが、東名高速その他の関連の捜査は全部いたしましたが、はっきりした事情はつかめておりません。それから、関西方面に行って、車庫に入って、車庫からエレベーターで上にのぼっていけるような、そういうアパートにしばらくおったというような供述をもとにして、そのような構造のアパート、あるいはアンの家というような表現もございまして、そういうような名称のアパート、これも千余軒について徹底した捜査を行ないましたけれども、ある程度の疑いのある場所は出てきておりますが、これも間違いなくこの場所であると確定するに至っておりません。  それから、海岸に出てモーターボートで船まで行ったということでございますので、当時の大阪、神戸、和歌山方面の約千八百台に及ぶモーターボートの捜査は全部いたしましたけれども、これについても確定に至っておりません。  それから、使用した船舶、当時の時間帯において韓国に出帆した船舶、これは海上保安庁と協力して捜査いたしまして、三十六隻について徹底した捜査をいたしたわけですが、これについても、まだはっきりした線が出てきておらないわけでございます。  現在においては、去る十一月に金鍾泌首相が来られて、金東雲一等書記官についての韓国内の捜査の結果については、こちらへ通報するということでございますので、その結果も待ちながら、それから、最初申しました被害者である金大中氏、重要参考人である梁一東、金敬仁両氏の来日を再三要請しながら、あわせて、現場に即した捜査も体制をくずさず継続して、何とかこの困難を乗り越えて真実を発見したい、こういうところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、まだいまのお話を承って、その使用されたモーターボートも発見できない、それからモーターボートから船舶に移ったというその船舶も発見できないというのは、少しどうも捜査力を誇る日本の警察としては、いまの答弁はもの足りないですな。そのくらいのことは、やはり真実をつかんでもらわなくちゃ私はいけないと思いますね。同時に、お話を聞いておりますれば、どうも韓国側は、そういう自動車ナンバーを変えたことやなんかで、ことばの上では協力すると言っておきながら、事実の上には何も協力をしていないということが、あなたのお話の節々で私は感知をした。  私が、この問題をなぜこうやかましく言うかといいますと、それは外務大臣、日本の政府みずからが事の重要性を知らない。この問題は、何といっても日本の主権に関する重大問題だ。これは後世ずっと歴史に残って、一国の主権が侵害されたかどうかというときに、こんなあいまいな解決のしかたをしたということは、これは世界に向って、後世たいへんな悪例を残すということになるから、しかも事の重要性は、国内における問題と性格が違う。いま一つは、やはり自由人権の問題です。その自由人権と主権の侵害という問題だから、私は、これはあくまでも黒白を明らかにするまでは断じて引っ込まないぞということを申し上げている。  そこで警察当局も、いま少し事の重要性を考えていただいて、モーターボートがわからない、その船舶がわからないなどと言わないで、真剣に私は追及してもらいたいと思います。  まあ時間がありませんから言いませんけれども、捜査の人員を縮小されるようなことはないでしょうな。縮小されましたか。いままでのこれに対する捜査の人員というものは、これは断じて縮小してはいただかないということを私は念を押しておきたいと思います。だいじょうぶですか。

高橋幹夫警察庁長官

○高橋(幹)政府委員 いま私どもに対する御要望なりあるいは激励があったと存じておりますが、私ども確かにまだ不十分な捜査がありますので、これをいかにしても真相を明らかにするというのが、私、警察としての責任者でありますので、いまの警視庁をはじめ、関係府県の現体制を維持いたしまして、一日も早く真相を明らかにいたしたい、こういうふうに思っております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 せっかく世界に名の冠たる日本の警察も、金大中事件で名声と信頼を失いつつありまするから、名誉回復のためにも、ひとつ断じてこれを追及していくことを明らかにしてもらいたいと思います。  私は、この問題について、事が重要性がありまするがゆえに、むしろ文書をもって、主権の侵害に関する質問主意書というのを二回政府に出しております。四十八年の十二月二十日に出してその回答をいただいたが、回答は私の質問に答えておりません。ごまかしだらけであります。それでありまするから、あらためて四十九年の一月十四日、私は再質問をいたしております。それに対してまた政府は一月二十二日、再度の回答をいただきましたけれども、しかし、ここでも私の質問に答えておりません。非常に作為的に、いわゆる質問をはぐらかしております。  時間がありませんから、私は一々これを説明するわけにはいきませんけれども、第一問としては、こういうふうな主権侵害に対するいわゆる国際的な例というものは、われわれがあらゆる文献を調べたところでは、国際的な例証として、西独の韓国留学生蒸発事件、アイヒマン事件、アントワーヌ・アルグ事件、ベン・バルカ事件という四つの例証しかない。この例証はいずれも、それぞれの国が主権侵害にからんで激しく事の真相を追及するとともに、国交も回復しない、経済封鎖もやる、あくまでも名誉を回復するために努力しているという例証だけあって、日本の政府のような、事の真相をあいまいにして、これが政治的の妥協でございますなどといって国民をだましながら手を握った例はないから、いま大平さんが私に、国際的な例証に照らして決して甘い解決ではないと思いますと言わるるならば、これ以外にあなたは、例証とされるその例を提示していただきたいと繰り返し言っているけれども、この問題に答えていないじゃありませんか。なぜ答えないのです。それほどこういう主権侵害の問題について、あなたが国際的に例証として恥ずかしくないという例があるなら、例証を出してください、出してくださいと私は文書で繰り返し言っているじゃないですか。なぜ出さない。  あなたの回答は何と言っている。その回答は失敬千万です。回答は、「今回の外交的決着の性格については、前回の答弁書の四(ロ)において述べたとおりであるが、主権侵害に該当しない事案についての国家責任の問題の処理として、いかなる措置が採られたかについての先例としては、」云々とこう言って、主権侵害に該当しない事案と言ってこれまた問題をすりかえて答弁している。そうじゃない。主権侵害に該当する事例を示せと私は言っているんだ。こんなに問題をすりかえてまで国会をごまかし、国会議員をごまかしているというひきょう千万な手がありますか。  昔は軟弱外交というものがあったが、しかし、軟弱外交にも哲学があった。幣原さんには信念があった。あなたは、コンニャク、とうふより悪いよ。こんな貧弱にして信念のない、こんなに恥ずべき外務大臣は、わが日本創立以来初めてです。良心に省みて答えなさい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 私は、本件で、小林議員をはじめ、国会を欺瞞しようなんという気持ちはみじんもございません。そういう必要も全然ないわけでございます。  主権侵害になるかならぬかという問題につきましては、政府はたびたび申し上げておりますように、政府は、本件は主権侵害とも言えないし、主権侵害をしていないとも言えない、つまり、断定できないという立場にいまおるということを言っておるわけでございます。  したがいまして、今回の外交的決着は、そういう前提に立ってやっておるということでございます。いまあなたがあげられたほかの事案につきましては、主権侵害という断定があった事案の例証でございまして、今回の事件とは違うわけでございますので、その点は、まずもって御了解をいただきたいと思うのでございます。  それから第二に、いま警察庁長官も仰せられましたとおり、この事件は国際刑事事件として捜査中でございます。したがって、この捜査を通じまして、主権侵害という新たな事実が出てまいりますならば、それについての問題提起は韓国側に留保いたしておるわけでございますので、その点も、あわせて御了解をいただいておきたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そんなことで一億の国民が了承すると思いますか。しかも、あなたの答弁は、四カ月前の答弁と同じじゃないですか。どこに努力をしたあとがありますか。どこに一歩でも進歩した努力のあとがありますか。四カ月前の依然とした答弁で、それで世の中をほおかむりでごまかそうとするから、あなたは最低だと私は言う。しかも私の質問に対して、ベン・バルカ事件について、みんなそれの被害国、加害国は、事の真相を追及するまでは国交も回復いたしておりません。経済の取引もいたしておりません。三年かかろうと四年かかろうと、問題の追及のためには国をあげて、あるいは与党も野党もない、国会の総決意をもってまでも真相追及に努力をしている。その間には、一つの経済的な取引もしておらないというのが、私がさっき申し上げた四つの国際的慣行なんだ。  だから、その中でも日本の事犯に一番近いベン・バルカ事件について、できれば、一体どういう経過を経てきたのか、その真相をひとつ外務省から教えてくれと言ったら、何という返事が来た。「この事件が本来友好的な関係にあったフランス・モロッコ両国間に大きな緊張をもたらした事件であり、紆余曲折を経た上で両国は完全に和解しているだけに、事件の当事国でもなくまたフランス・モロッコ両国と友好関係を有する我が国として、この事件の経緯につき詳細にわたって論ずることは適当でないと考えられるとの趣旨である。」と言っている。このフランス・モロッコの主権侵害の問題で、私の主意書に答えることが何で国際上よろしくないんだ。それほど、国会議員に過ぎ去ったことの真相を伝えることが、両国の関係と日本の関係に影響しますか。これに対する回答は、まことに宮廷官僚の政治と同じだ。国民には事の真相を知らしめないという思い上がった答弁です。そういう失敬な答弁のしかたがありますか。  総理大臣、あなたが本会議場の中で、韓国の問題に関連して、ノリがどうの義務教育がどうのと言われただけでも韓国は何とこたえた。韓国の独立に影響する、主権に影響する、名誉に影響するからといって、直ちに反響を示したじゃないですか。それくらい国家の独立に関するというものはとうとく、慎重でなければならないという。長崎の国旗事件、しかりですよ。中国は、国旗が一つ土足にけられたということで、一切の日本との経済取引もやめにした。独立国と独立国の主権に関する問題というものは、それほど真剣でなくちゃならぬ。  あなたは、外交的にりっぱに問題は終止符を打ちました、あとは刑事事件が留保されているだけ、あとはこの問題が残されているだけだと言うけれども、外交上で一体韓国にどんな強い交渉をした。どんな激しい論争をした。どんな要求をした。警視庁だけはそれでも、金大中氏を返してくれ、証人に出頭させてくれ、車のナンバーのことを教えてくれ、あらゆる要求をしているが、外務省がこの問題について、国の名誉をかけて韓国の政府に筋の通ったきびしい交渉をしたという例証は、文書の上に一つも残ってないじゃありませんか。あったら、去年の、四十八年の八月八日から今日に至るまで、どれくらい筋を通してこの主権侵害に対するきびしい韓国との交渉をしたか、一切の資料を出してもらいたい。それならば、私もその資料に基づいて、あなたの努力を一部分くらいは認めるところがあってもいいかもしれませんけれども、いまのところは何にも一つも努力をしていない。一切が不明のままであります。  ただ、十一月の一日に金鍾泌氏が日本に来た。朴大統領の親書を持ってきた。悪かったと言ったから、これで外交の終止符を打ったと言うけれども、何が悪かったと言った。主権の侵害をして悪かったと言ったのか言わないのか、明確でないじゃありませんか。金東雲一等書記官が、いわゆる外交官としてその行為に参画したのかどうか、これも明確じゃないじゃないですか。われわれ日本国民が要求している問題を一つも明らかにしないままに、ただ親書を持ってきたから、これで外交的問題の終止符を打ったなどという、そんなごまかしで、国民が了承するとあなたはお考えになっているのかどうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 小林さんは、主権侵害があったという前提に立っての御議論のように私は拝聴するわけでございますが、先ほど私が御答弁申し上げましたように、日本政府はそういう断案を下していないわけなんでございますので、第一、私と、あなたの質問は、どうも一階と二階の質問のような感じがするのでございます。私は、そういう断定をし得ない立場にある状態において処置したということを申し上げておるわけでございます。  あなたが仰せられるとおり、主権の侵害というのは、国にとって死活の大問題でございます。したがって、これを侵害したという断定をするにつきましては、十分の証拠がなければならぬわけでございますが、日本政府は、残念ながらその証拠を握るに至っていないわけでございますし、また韓国側も、これを否定いたしておるのが今日の実情なんでございます。  ベン・バルカ事件というのは、フランス政府はモロッコによって主権が侵害されたという断定に立って処置したわけでございますので、本件とは全然性質が違うということでございます。  それから第二は、ベン・バルカ事件についての政府の、あなたの御質問に対する返事が、きわめて簡略であるということでございまするが、問題は、フランスとモロッコの間に起きた事件である。したがいまして、その問題について詳しく言及することは、この両国と友好関係を持つ日本の外交的マナーとしては、賢明でないという判断からいたしておるわけでございまして、それを包み隠すという意味でもなく、あなたの御質問を軽視するという意味でもなく、日本の外交的立場としてはそうすべきであるという、われわれの信念に基づいてやったわけでございますので、御了解をちょうだいいたしたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私の聞きたいことは、わが日本の法治国の法律下にある人が拉致せられて、いま現実に韓国の政府に拘禁をされていたじゃないかと言うんだ。そういう拘禁をされて、日本の要求に対してその身柄を日本の政府によこさないような、そういう国際的な例はどこにあるか、その例を示してくれというのです。ほんとうに自由があるならば、なぜ一体原状に、九段のホテル・グランドパレスまで金大中氏の身柄を返してくださいという正当な要求がいれられないのかと言うんだ、私は。なぜ言えないのかと思うんだ。韓国の一方的な言い分だけをあなたは伝えているだけの話であって、それが答弁になると思っていられるのか。この現実の事実をながめれば、客観的に韓国政府が主導的な役割りを演じて、主権を侵害したというのが、常識的な日本国民の判断なんです。そうでないというからには、ないという立証の責任を韓国側がやるべきじゃないか。それを求めるのが国民を代表する日本政府の外交、外務省としてのやり方ではないか。その努力が一つもない。答弁は要りません。もう要らない。金大中氏を、いまでもいいから日本へ返してもらうというその交渉をするかしないか、返させる交渉をするかしないか、それだけ言ってください。金大中氏を日本へよこしてくれ、それ一つでよろしい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 韓国政府は、わが国に対しまして、一般市民と同様に出国を含めての自由を保障するということを申しておるわけでございまして、その実現が一日も早いことを私ども希望いたしておるわけでございまするし、いままでも、再三にわたりましてわれわれの希望は伝えてまいりました。今後とも、機会あるごとに要請を続けてまいるつもであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 もうその答弁には飽きましたよ。あなたはこの前は、韓国政府は捜査中だから、捜査が終われば身柄は自由にすると言った。もはや一月になったけれども、まだ身柄は自由にならない。その証拠に、あなたの党の宇都宮徳馬君自身も、あなたが、金大中氏は近く自由になるという言外の保障をしたということで了承したけれども、その事実がうそだということで、党も脱退する、議員も辞職するというような、そういう大きな憤りに燃えていることも、これも事実でしょう。  そういう大きな事実の中で、あなたが私の質問を通じて、ごまかそうと思ったところでごまかせることじゃないのだ。やるかやらないか、それだけ言ってくれればいいんでありまするけれども、あなたはやる気がないのでしょう。金大中氏の身柄を日本へよこしてくれ、それを言うか、言わないか、イエスかノーかだけ言ってもらえばいいのです。やる気がありますか。身柄を日本へよこしてくれ。捜査はもう済んでいるはずです。半年もたっているんだから、済んでいるはずです。イエスかノーか。もう時間が来ましたから……。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 わが国と韓国との間の了解を一日も早く実現していただくように、先方に、機会あるごとに今後とも要請を続けてまいるつもりであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 あなたは、何かアメリカへこれから行かれる時間だそうですから、残念ながら、もうこれで行かれてもよろしいですが、何ならもう帰ってこなくたっていいです。もっといい外務大臣つくらなくちゃならないから。もういい、あなたみたいなものは。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 退席されてけっこうです。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それで次に、私は文部大臣にお伺いをいたしますが、船舶振興会というのがございまして、その船舶振興会の笹川良一という会長さんが、文部省の監督下にあります体育協会に対する寄付金の問題に関連をして、体協のあり方については了承できない点があるから、約束をした二億有余の金はやるわけにはいかない、しかし、いままで遂行した事業のあと始末の意味も兼ねて、私のポケットマネーの二千数百万円は差し上げましょうという、こういう問題が最近起こっていることを御承知だと思いますが、この経緯について承りたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 いまお話しになりましたとおりでございまして、二億数千万円の助成金を、日本船舶振興会から財団法人日本体育協会に交付するという予定になっておったわけでございまして、そのうち、地方体育スポーツセンターと申しましょうか、北海道の深川に建設されております施設につきましては、そのスポーツセンターの運営について適当でないという考え方を持っておったようでございまして——いままで六億前後の金かすでに支出されていると思います。すでに運営を可能にしている状態なんだから、今回の支出は差し控えたい。反面、またいろいろな事業に対する助成がございまして、それにつきましては、すでに日韓の間の高校の交流、スポーツ大会等、事業が施行済みである、施行済みであるものについては船舶振興会の助成金は交付できない、しかし、これではお困りだろうから、自分のほうから寄付をするということで、財団法人日本体育協会は、その金を受けたという経緯がございます。  いまお話しになりましたことを、さらにつけ加えさせていただきますと、そういうことでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 時間もありませんから、はしょってお尋ねしますけれども、体育協会は、これは日本のアマチュアスポーツの殿堂でございましょう。いわゆる青少年のスポーツを振興し、なおこれを育成していくという最も純真な団体であります。しかも、その団体の会長は、かつて、われわれが崇敬をした衆議院議長の石井さんでございましょう。副会長はといえば、現参議院議長の河野密先生——河野謙三先生、まあ同じようなものでありますけれども……。そういうスタッフで日本全国のアマチュアスポーツを育成強化していこうという法人であります。しかも、監督官庁は文部省でありましょう。  一体、船舶振興会って何ですか。これは競艇からあがった金を、いわゆる船舶工業その他もろもろの福祉行政等に、法律も改正せられて配分をするというけれども、これはばくちのテラ銭だ。ばくちのテラ銭を扱う一つの振興会であります。そこへ、いやしくも会長の石井さんが、数回も頭を下げて金もらいに行って、しかもあなたのやり方はよくないからやれませんよ、ただ、私のポケットマネーの金でやりましょうというようなことは、すなおにこれを受けても私どもは非常に不愉快であります。私自身も不愉快です。私だけじゃないです。こういう新聞の報道をながめた者みんなが、特に高等学校の生徒あるいは小中学校の生徒は、一体、先生これはどうしたんですか、われわれがスポーツにいそしむそのわれわれの最も心のよりどころである体育協会が、こんな競艇というばくちのテラ銭をもらいに行ってはねのけられて、そういうところの親方のポケットマネーをもらってまでこれをやっていかなければならないほどわが日本の政治というものはへん曲がっているのでございますか、一体、文部省はこれをどう監督されているのでございますかという質問がたくさん来ているのであります。  いいですか。監督官庁として、あなたはそれでよろしいと思っていますか。よろしいとお考えになっているかどうか、国民に対する影響も考え、青少年に及ぼす影響も考えて、ひとつ御答弁をしていただきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 日本体育協会は、たいへん重要な団体でございますので、その運営費につきましても、あるいはまた事業につきましても、国庫から助成をいたしているわけでございます。そのお世話は、文部省がいたしているわけでございます。  別途、御承知のように、モーターボート競走法でありますとか、自転車競技法等に基づきまして、その収益金を、スポーツでありますとか社会福祉でありますとかいうような、各方面に支出されることになっているわけでございます。その法律の規定に基づきます助成金を、日本体育協会も、それぞれに対しまして交付の申請をされてきているということでございますので、法に基づく助成金を、財団法人日本体育協会が申請されることは、私は、何ら差しつかえないことじゃないか、かように考えております。もとより税金の金は、私たちとしては、できる限り多く日本体育協会に助成させてもらいたい、こういう希望は持っておりますけれども、法に基づきますまたいろいろ別途の金がある、その金を日本体育協会が求められても、何ら不都合だとは私は思わないわけでございます。あえて体育協会が求めることを私はすすめるつもりはございませんけれども、体育協会が求められますことを、拒否することも適当じゃないだろう、私は、かように考えておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、なるべく個人の名前は申し上げたくはございませんが、船舶振興会の会長は笹川良一氏です。笹川良一さんは、どういう経歴の人か、私がここで申し上げなくても、皆さんよく御存じだと思います。同時に、この人は、いわゆる全国モーターボート競走会連合会の会長だ。モーターボートを経営し、テラ銭を取っているのは各地方自治体でしょうけれども、それを運営したり管理したり、その役員をつくったり審判員をつくったりする、そういう当事者に近い仕事をしている連合会の会長だ。その人を、今度は、あわせて振興会というテラ銭を配分する会長にだれが任命したか、私はわからぬけれども、それを会長に任命しておいて、そうして皆さん方が監督している。文部省の監督下にある体育協会のやり方がいいの悪いの、だれがその金をやるのやらないのという批判を解消して——こういう青少年の魂も腐らせるような、新聞面をにぎわしている、それが一体いいことか悪いことかと言っているんだ。一体、監督官庁の責任はどこにあるかというんだ。  時間もありませんから言いますが、体育協会の規約もみんなあります。予算書も決算書も全部文部省へ出して、その予算の使用がいいか悪いか、あなた方がまず見なくては、体育協会の運営はできない。しかも、済んだ決算書も全部文部省が見て、それを承認することになっている。その予算に重大な関係がある、いわゆる二億何千万円の金の問題だ。当然、文部省に提出し、認可を得たその予算書の中にこの金も含まれている。それを、他人ごとのような話をして、もらうのは一向差しつかえない、文部省は関係いたしませんという言い方は、一体何ですか。監督官庁の責任がそれで果たされますか。  時間がないから、私は続けて言いまするけれども、こういう重大問題だから、あなたのほうから書面で回答をよこしなさいといって書面を要求した。「日本体育協会と日本船舶振興会との問題について」、その回答だ。あなたのところから来た回答には何と書いてある。「日体協は、スポーツセンターの建設及び運営については、責任を負うとのことであったので、この事業は、日体協に任せて、文部省としては、特別の関与はしない方針をとってきた。従って、この問題」すなわち体協と船舶振興会とのトラブルの問題であります。トラブルの問題については、二つの団体の問題であると考えて、特に文部省としては関与しないことにしたのであります。こんな監督官庁が一体どこにありますか。これほど人心を濁している問題に、船舶振興会と体育協会の問題だから、文部省は関与しないことにいたしました、こんな答弁がまともな答弁ですか。それなら監督官庁やめなさい。もはや文部省に青少年のスポーツをまかしておくわけにはいかない。やめなさい。日教組ばかりいじめるのを商売にしていて、あとは何も気のきいたことしないじゃないか。大事な問題ですよ。国民はみんな知っていますよ、振興会が何で、モーターボートの競走会か何でと。——文部大臣、悪かったら悪かったと後悔しなさい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○奥野国務大臣 先ほど私は、体育協会が船舶振興会に助成金の申請をする、それは法に基づくことであるので、これを不適当だとは思わない、こう申し上げたわけでございます。また同時に、船舶振興会が助成金を交付する、交付しない、これまた船舶振興会の権限に属することでございます。おっしゃいましたように、笹川氏が体育協会のスポーツセンターの運営について、若干疑問を感じてまいってきているようでございまして、そういうこともございまして——深川につきましては、すでに運営できるような状態になってきているということでございました。そういうこともございまして、その意見を受け入れて、体育協会では運営を開始した、こう承知いたしておるわけでございます。  同時にまた、なお一そう日本体育協会として宿泊室の増設等をやっていくについては、資材が高騰しているさなかでもあるわけでございますので、四十八年度の事業をこれ以上進めることについては、むしろこの際一応取りやめて、いままでの施設についての運営に当たっていきたい、こういう気持ちも持たれたようでございます。これは、両者の間で話し合った結果、そういうことになったようでございまして、これは、やはり両者の関係にゆだねてよいことじゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。また、体育協会から、ぜひその金が必要であるのだということでありますならば、文部省も積極的に乗り出していって、できる限り体育協会の運営が円滑にいくように、私としても努力をしていかなければならない、かように考えるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 冗談ではありません。ちゃんと二億数千万円振興会からもらうという、文部省に出している予算書の中に入っている金です。あなた方がその予算書を見て、そしてそれに承認を与えたんじゃないですか。監督官庁として了承を与えた、その予算書に基づいてもらいに行ったら、やり方がだめだといってトラブルを起こした。それは、そのトラブルの中には、いろいろ要素がありますけれども、いずれにしても、文部省は監督官庁として、そういうものに関与しないという無責任な行動を正当化すという考え方が間違いだと言うんだ、私は。文部省の体育局をつくったのは、われわれがつくったのでありまするけれども、ああいうものをつくってたいへん損した。やめてもらおうじゃないか、そんなものは。むしろ誤った癒着をやっている。  なお、私はそういうことを言いたくありませんけれども、それは競輪や競馬にはない、この競艇にだけついて回る特異の現象であります。この競艇法は、数度にわたって改正せられておりまするけれども、いまこうして振興会の会長と理事長、少数の者がその配分をきめるということで——地方のものは別です。私はあえて言います。政界人まで、このばくちの金をもらうために、お百度参りと言っちゃ悪いけれども、俗なことばで言えば、笹川参りをやっている。もちろん、笹川氏個人でやれるわけじゃないでしょうけれども、世間的に見ても、みったくないじゃありませんか。いま二百有余の事業に全部出ています。船舶振興会から百有余億円のばくちのテラ銭が、それぞれの事業に配分をせられている。その配分を得るために、政治家までが、その金をもらいに行くなどというみったくないことが行なわれている。  しかも、これは週刊朝日に載せられた記事だ。これはうそでしょうけれども、笹川良一氏のことばです。「船舶振興会のような公職と個人はきちんと区別しとる。あの高橋警察庁長官が振興会に寄付をお願いにきた。そのあと「お礼に御馳走をさしあげたい」といってきたが「カネを寄付した相手とは飲まん」といって断ったよ。これが笹川主義だ。警察、裁判所、検察庁からつつかれてもビクともしないよう、公開で仕事をしておる」云々と言っておりますが、私は、この真相を、まさか警察庁長官がおいでになった、こんなことは——これは、思い上がった話だと私は思います。けれども、いいにもつけ悪いにもつけ、一国の警察権力の頂点におられ、人格、識見りっぱな長官までが、こういうばくちの金をもらいに行ったと一言しゃべられただけでも、青少年に及ぼす影響がどんなに大きいか。私は、大局からものを考えていただきたいと思う。体協にお聞きしましたけれども、この事実はないと返事を承っておりまするから、ここで繰り返すことはやめますが、聞いております。調べております。  そういうことを、文部省自身、内閣自体としてきちんと姿勢を正し——二人ですよ。政界、与党、野党を問わず、こういうばくちの金をもらいにお百度参りをするようなことは、断じて、禍根を断つようにして——これはスポーツの殿堂です。監督行政は、ひとつりっぱにやってもらいたいと思う。  いいですか、時間がないから言うんだが、運輸大臣、この船舶振興会の直接の監督権はあなたにある。人ごとのように聞いているけれども、少ししゃんとしなさい。一言だけきちっと決意のほどを……。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 お答えいたします。  決して人ごとのように聞いておりません。この問題は、もう私がこまかく御説明申し上げるまでもなく、先生、この仕組みはよく御存じだと存じます。交付金の委員会その他の経緯を経てきちっとやっておりますが、なお、そのようなことがあるとするならば、今後も厳重に監督いたしまして、間違いのないようにやってまいりたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 法律改正も含めて、ひとつ根本的に考え直していただきたいと思います。  次に、私は、厚生大臣にお伺いをいたしますが、もう時間もありませんからかけ足で言います。私は、厚生大臣に二つ。  一つは、政府は、総理大臣をはじめ昭和四十八年から福祉行政をやる、福祉国家をつくる、福祉政策をやるということを言われているが、ことばの投げ合いだけやっている。福祉行政、福祉政策、福祉国家というものの骨格やアウトラインは一つも出てこないのであります。だから、総理大臣に聞けば、総理大臣は福祉行政とはこういう政策なんです、大蔵大臣に聞けば、福祉政策とはこんなことです、経済企画庁長官に聞けば、福祉行政とはこんなものです、みんな抽象的なことばの投げ合いに済んでいる。私どもは、文章を推敲しているのじゃない。政治を論じている。福祉政策、福祉国家というものは、こういう骨格のものですというアウトライン、構想を示してもらわなくちゃいかぬ。  たとえて言えば、経済社会基本計画はちゃんとあります。経済成長に基づく経済社会基本計画というものが。そういうふうなものに似通っていいですか、福祉国家のためには文教政策はどうする、交通政策はどうする、児童政策はどうする、教育政策はどうする、中小企業政策はどうする、年金と医療だけじゃありませんで、そういう総合的な基本計画というものが福祉国家、福祉行政ということばの中に出てこなくちゃならぬと私は思いますが、それがありますか。去年から私は、それをつくりなさい、それを示して、そのグラウンドの上でお互いにひとつ議論しようじゃありませんかということを強く追及してまいりました。もうできているはずですから、ありましょうから見せてください。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 福祉社会という定義と申しますか、構想と申しますか、各方面にいろいろ意見があると私は思います。  私をして言わしむるならば、すべての国民が健康にして文化的な生活が享受できるような社会、それは、いわゆる社会保障と、さらに生活環境、住宅、そういうものを全部ひっくるめた概念であろうかと考えておりますが、私が担当いたしておりますのは、そういう社会建設の中のいわゆる社会保障、そういう問題について全力を尽くさなければならない、すなわち医療、あるいは所得保障あるいは社会福祉、こういうふうなものが私の担当であろうか、かように考えておる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 経済企画庁長官、経済社会基本計画をおつくりになったのは経済企画庁ですな。政府は、このごろ福祉を売りものにしておるのですから、それに匹敵するような福祉社会基本計画というものは、四十八年から福祉元年にするといえば、当然できていなくちゃならない。そうでしょう。その中に社会保障全般はどうする、生活環境はどうする、労働政策はどうする、文教政策はどうする、経済政策の一部として中小企業はどうする、農業政策はどうするという、この形の骨格ができてこなければ、われわれは議論できないじゃないですか。これをつくるかつくらないか。つくっているはずなんだ。私は、去年からつくりなさい、つくりますと政府が言っているのですから、できているはずですから、これを見せてください。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○内田国務大臣 小林さん、よく御承知のとおり、経済社会基本計画というのは、これは、私がつくったものではございませんけれども、私は、非常によくできていると思います。昨年の二月にできたものでございまして、「福祉社会の建設のために」というような副題をつけまして、そうして少なくとも振替所得を現在のベースから八・八%まで引き上げるように、それぞれ政府全体として、厚生省は厚生省なりに、あるいはまた大蔵省は大蔵省なりに、あの基本計画ラインを踏むようにすることを示唆しているものでございまして、あれを具体的にするために、私どもはさらに努力をいたさなければなりませんけれども、あの考え方というものは、小林さん御承知のとおりでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理大臣にお尋ねしますけれども、総理大臣、いまこの福祉基本計画というものを政府がつくるべきであるという私の主張は、総理大臣は頭のいい方でございますから、十分もう御理解を得たと思うのでございまするけれども、この作業を進めていただけるかどうか、一言でよろしゅうございます、お答え願いたいと思います。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 経済社会基本計画の中には、社会福祉面の長期計画を策定するということを国会で答弁をいたしております。しかし、社会福祉の政策だけではいけないわけでございまして、生活環境の問題、それから文教政策の問題農業をどうするかというような各般の問題を整備しなければならないことは、御指摘のとおりでございます。  私は、そういう意味で、六十年展望のあるべき福祉日本というものの姿を想定して、各般にわたって長期計画をつくらなければならないということは切実に考えておりますので、政府部内におきましても、十分な勉強をするとともに、国民的英知を傾けながら——こういう石油問題がありましたから、ちょうどいい機会だと思います。あらゆる問題をひとつ展望しながら、政府として世に問えるものでなくとも、たたき台でもけっこうですから、ひとつ出して、そうしてそこで皆さんの御意見やいろいろなものを聞いて、なお補正をして、よりよきものをつくるという体制に出べきだということは、切実に考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理大臣は、「日本列島改造論」という名著をお出しになって、これが紙価を高めたのでありまするが、私は、その裏版といってはなんでございまするけれども、政府としておつくりいただければいいが、総理大臣個人でもいい、ともかく福祉社会基本計画というものを早急に作業をして、そうして世論に訴えるという、ぜひそれを私はやっていただきたいと思います。いまの御確約に大いに期待をいたしまして、毎日、一日千秋の思いでそれをお待ち申し上げるということを私は申し上げておく。  次に、私はもう時間が参りましたので、医療基本法の問題について一言申し上げます。  これも新しい問題ではございません。何回もここで繰り返した。これは、もう佐藤総理大臣の前から出ている問題。政府は、医療保険の根本改正、健康保険法の財政的改正法案と一緒に医療基本法というものを必ず出します。それは昭和四十二年じゃないですか。必ず出します、そうして医療供給の体制を基本法で決定いたします。いまは、三時間待って三分間の治療だ、僻地の医療難はまだ二千四百もある、医者にかかれない僻地が幾つもある、そういう問題も含めて医療の管理体制、医薬分業から医師の不足、従事者の不足、全部含めて、その中心を医療供給体制に置いて医療基本法をつくりますと、何回政府はこの国会で約束いたしましたか。夜店のバナナのたたき売りじゃないのですよ。ここは、ことばの投げ合いをしているところじゃないということを私は繰り返し言っている。何十回約束をした。また今度の、四十九年度の国会だけは、もうその違約はできませんから、齋藤さんお出しなさいよ、私は親切にも、この予算委員会が開かれる前に、去年の十月ごろからあなたに非公式に勧告してきた。なお、それを出さないようなら、この予算委員会はもうおさまりませんよと私は言ってきた。出してないじゃないですか。ないのならないでいいです。それじゃ、あのときはあの情勢、情勢が変わったから医療基本法はもうできません、かんべんしてくれとあやまるなら正式にあやまりなさい。やるやると言ってここまで人を引っぱってきて、まだ約束しないなんということは、政治家の風上にも置けない。そんなことは、この国会の中で許されることではないのでありますから、その点だけを明確に——だめならだめだと両手をついてあやまればいいじゃないか。やるならやると明確に言えばいい。国会はお互いにうそを言い合うところじゃないのでありまするから。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 医療基本法の問題でございますが、すでに御承知のように、一昨年の五月でございましたか、自民党政府からこの医療基本法が提案になりました。廃案になったわけでございますが、これに対しまして、各方面の批判が非常にきびしいものがありまして、なかなかこれをまとめるという段階ではございません。  そこで、私は、この問題の取り扱いは非常に大事な問題だと思うのです。すなわち、医療供給体制の施設、マンパワーの養成、それから医薬分業の問題、各般にわたる非常に広い問題でございます。そういうふうな問題でございますので、私は積み上げ方式で、できるものからやっていく、こういうことが一番いい方式じゃないかと思うのです。  そこで、医療供給体制のうちで一番大きな問題は、すでに御承知のように、無医村対策、それから救急医療、休日夜間、こういう問題があるわけでございます。それから看護婦の養成の問題がございます。看護婦の養成というマンパワーの問題は、すでに御承知のように、社会保障長期計画懇談会で先般来一つの案が出されております。  そこで、施設の整備の問題について特に私が非常に頭を痛めておりますのは、無医村対策の問題だと思うのです。そこで、この無医村対策については、単独立法を出す必要があるのではないかと、そう考えているのです。集大成された医療基本法というものは、実際問題としてなかなかできない。これはできません。そこで一番いま困っているのは何か。地方で困っておりますのは、すべての国民があまねく充実した医療を受けられるような仕組みをつくる、これが大事だと私ども思うのです。そういう考え方から、いわゆる無医村、無医地区に対する医療供給体制を整備するための単独立法をつくる必要があるのではないか、こういうことを実は考えております。そしてこの問題については、いま自民党の中で、この問題の案を具体的に考えましょうという運びにまで来ておりますので、近く党と政府と一緒になって、この問題を解決するようにしてまいりたい、かように考えております。  したがって、基本的には、実施可能なものから積み上げ方式で解決していく、こういう方式が一番適当であろう、かようにいまのところ考えておる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私も予算委員会の理事でございまして、理事がどうも与えられた時間を無制限に超過するようでは、お互いの約束をみずから破るようで感心したことではございませんので、もうこれ一問で終わって委員長との約束を正しく守りたい、こういうふうに考えております。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 協力を感謝いたします。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それで齋藤厚生大臣に言いますが、あなたは医療基本法はできないとおっしゃった。できないとおっしゃった。初めてこれは明確に答弁された。しかし、医療基本法の中心である僻地医療の問題、いわゆる無医村、無医地区の問題については単独法を出して、いまその作業を与党の諸君と進めつつある、こういうことを言われた。私は、ああやって歴代総理大臣が約束してきたのを、いまここで厚生大臣ができないと初めて言明したことについては、非常に遺憾の意を表しますが、しかし、その基本法の中に盛られるべき重要な項目の一つである無医地区の問題を、単独立法でひとつ日の目を見せますと言われるのは、ややその期待にかなった答弁でありますので、一体、今次国会中にその単独立法を必ずお出しになるという見通しがあるかどうか。その見通しがあるとおっしゃるなら、私はあなたの答弁の半分だけはひとつちょうだいをして、質問を終わることにいたしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○齋藤国務大臣 この問題は、党と政府といま打ち合わせをしておりますが、党の提案として出したほうがいいではないか、こういうふうな意見もあります。そういう問題につきまして、党と政府と一緒になって検討を進めてまいりまして、してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理大臣の御答弁を聞いて、私も席を下がりたいと思います。いまの無医地区の医師の配分の問題であります。それから医療基本法の問題です。

田中角榮自由民主党内閣総理大臣

○田中内閣総理大臣 無医村、無医地区の解消という問題は、非常に緊急を要する問題であり、また必要な問題であることは、もう私が申し上げるまでもありません。  現実的に、北海道を例にあげますと、実際無医村がどのぐらいあるかということは、数で公になっているわけです。こういう寒いところで、非常に大きな地域であって無医村といったら、これはもうほんとうに医療の恩恵を受けられないわけです。しかも医者を置こうとすれば、月給三十万円以上四十万円も払わなければならない。そうすると、事実、払うこと自体も不可能であるということでございますが、それを無理をして特別議決をとって医師を招聘しようとしても、なかなか行き手がないということでございます。そういう事実を無視して、無医村の解消というのはなかなかできないわけです。  でありますので、私も二つ、三つ具体的な提案をしております。それは反対もあります。反対もありますが、では反対があったなら、どうすれば解決できるかという具対策がなければ、いわゆる無医村の解消の力点を置いて踏み切らざるを得ない。だからいま、私学の医学部などに対しては非常に物議をかもしておることは、もう言うまでもありません。しかし、それなら、幾ばくかの学費の値上げなどを考えないで、まるまる、優秀な人には国立、公立の医科大学に入ってもらう、医学部に入ってもらう、そのかわりに、資格を取ったら三年間でも五年間でもいいから、やはり勤務地を指定させてもらって行ってもらうというぐらいなところまで踏み切らなければ、これは自治体の負担を軽減しながら無医村の解消はできません。  ですから、私は医師会に対して、とにかく老人医療とか無医村対策というものに対しては、普通の民間の医師であっても、一年間三百六十五日を通じて三日でも五日でも無給で供出をしてもらいたい。そうすれば、無医村対策とか老人医療の問題に対しての相当部分が解決するという問題もあるわけです。ですから、そういう問題も私自身具体的な問題として提案をしておるわけでございますから、ここらは、やはり、無医村が三分の一に及ぶ地区があるというようなことを看過するわけにはまいりません。だから、これが立法等に対しては全力を傾けてまいりたいと思います。  また、医師会の問題も申しましたが、私の知る限りの医師は、これは北海道に行けったってなかなか行けるものではない。しかし、若い、資格を取ってすぐのお医者さんが、レントゲンをとり、いろいろなことをするよりも、老人ホームに行くようなことなら、車で自分でもって一日つぶして行って、目をひっくりかえして見たり、舌を出しなさい、おばあちゃんだいじょうぶですよと、こういう心のこもった医療は十分協力ができると、こう言っているのです。  ですから、そういう問題は私は事実だと思う。だから、やはり現実というものをちゃんと把握して、できるだけ早い機会に解決を行なうという熱意を持っております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 総理大臣の御答弁に期待いたしまして、私の質問を終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これにて小林君の質疑は終了いたしました。  以上で、総括質疑は全部終了いたしました。  次回は、来たる十二日午前十時より委員会を開会いたします。  なお、明日午前十時より理事会を開会いたします  本日は、これにて散会いたします。    午後七時四十分散会

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