予算委員会 第4号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/12/08
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和四十八年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十八年度特別会計補正予算(特第1号)及び昭和四十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。田中武夫君。
○田中(武)委員 社会党を代表いたしまして、総括質問を続けていきたいと思います。 私は、まず最初に、通告したように、一体政治とは何か、政治の目的は何か、こういうことで総理の率直な意見を伺いたい、こう考えております。 だが、ここで私は、別に哲学的なことやら定義を云々しようとは思っておりません。ただ、あなたが総理になられたときに、いわゆる庶民宰相として、国民は大きな期待と、あなたに対するいわゆる支持、人気が集まったのです。ところが、今日ではもう御承知のような状態であります。支持率は、下がりつつというか、ぐんと下がって、半分以下に下がっておる。今日では二〇%をもう割るのではないか。そこで初心に返ってもらいたい。そういう意味において、一体政治の目的、私も二十年近く国会におりますが、私自体も含めて、いまこそ政治の原点に立ち戻ってお互いに考えるべきときではなかろうか、こういう意味でまずお伺いいたすのですが、どうでしょう、一口で政治とは、それは独裁政治、民主政治いろいろありますが、やはり国民のためのものでなくてはならぬ。行政はあるけれども政治がないともいわれておる。あるいは、日本のいまの政治にはあたたかみがないともいわれておる。そういった血の通った政治を、ことにあなたに期待したいと思うのですが、議論はいたしません。簡単でけっこうですが、あなたの考え方をまず確かめておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 立法、司法、行政の三権に分かれて国民の負託にこたえなければならない、こういうことでございまして、主権者は国民でございますので、国民の生活向上、また将来も民族が長きにわたって国家を維持し、国家の興隆をはかっていけるように、細心の配慮のもとに努力を重ねていかなければならない重大な責務を持つものである、こう考えております。 特に議院内閣制でございますので、三権の中で行政の分野を担当しております政府ではございますが、国会に対しては連帯してその責めを負わなければならない。それは行政的なものだけではなく、政治の面に対しては国会に対して責任を負うということになっておりまして、政治は国会を舞台にして御論議をいただき、国民の意思を体しながら政治的方向を定めて、行政運営に遺憾なきを期さなければならない、こう考えております。
○田中(武)委員 三権分立論なんてぶち合ったらきりがございません。そういうことは私、言っておるのじゃありません。ともかく国民生活最優先、これを確認したいのです。 そこで次にお伺いいたしますが、あなたは突如として思いもよらぬ意表をついてくるというような、それがあなたの戦術かもしれません。うっかりあなたのそれに乗ると、どうもあなたにぼんぼんぶたれて、宣伝の具に使われる危険性がある。きのうもというか、昨夜といいますか、社会党の安井君の質問に対しまして、あなたは、これも突如と言えばどうかと思いますが、所得政策なるものをぶち上げてまいりました。インフレと認めるならば所得政策をとらねばならぬ。これはちょっと私、おかしいと思うのです。インフレは即所得政策につながるという、ここも、私は別に理論闘争をやろうと思いません。しかし、そこには飛躍がある。これはどうもあなたは、インフレを認めろ認めろ、こう言うから、逆襲に出たのではないかという感じもあります。もう一つは、アドバルーンを上げておいて、野党の出方、世論の動向を見てという、あなた一流の戦術かもわかりません。しかし、ここで私は所得政策を議論しようとは思いません。所得政策をという以上は、利潤率をどう考えるのか、何が適正な利潤なのか、これは、標準価格、あとに触れますが、三つの法案についても問題になります。あるいは配当をどうするのか、利子その他をどうするのかという、あらゆる経済全般を見た上でないと、アメリカがやっているから、ヨーロッパがやっているからといって、そのままではいかないと思うのですね。やっぱり日本は日本的なものがある。それよりか私は、あなたのきのうの発言は、国民生活最優先であるという立場に立って所得政策を云々せられるならば、まず生活のできる、労働者あるいは低所得者に対する所得を保障する、そういう意味に解したいと思うのですが、どうですか。あえて最低賃金とは申しません。が、そういったような意味でなければならない。あなた自体も、インフレということばは避けておられるし、われわれも、あなたがいやがるなら使いません。しかし、物価が異常な高騰を示しておる事実だけは否定できないんです。その中において、国民生活最優先という政治の姿勢を確認するならば、所得政策は、即最低の所得を保障すると解するのが当然だと思うのですが、どうなんでしょう。
○田中内閣総理大臣 政治は国民のものでございますから、国民生活を最優先にしなければならない、これは申すまでもないことでございます。 それから、私がきのう所得政策云々ということを――端的に申し上げますが、私は、間々申し上げておりますとおり、公私の場において、所得政策をとるような状態にございません、いまとるつもりもございません、国民的コンセンサスも得ておりません、こう非常に強く述べておるわけでございますから、ここはひとつ御理解をいただきたい。 それから、インフレーションというと、すぐ出てくるものは悪性インフレーション、悪性インフレーションというと、物価と賃金との悪循環ということで、インフレーションということばそのものの中に、すぐ所得政策云々ということばも出てまいりますので、私が日本語を使っておるわけでございますと、物価は憂慮する段階にまいっておりますし、しかも、あなた方がこれをインフレーションと申されるならば異議を差しはさみませんと、すなおな日本語でお答えをしておるわけですから、そこらはひとつすなおにおとりをいただきたい。 また、私がテクニックを弄するような政治家ではないことは、三十年にわたる交友の過程において十分評価されるものだと思いますので、そこらはひとつすなおに御評価を賜わりたい、こう存じます。
○田中(武)委員 まず確認をいたします。 いますぐにというか、いまあなたの頭の中には、所得政策は考えていない、同時に、国民的合意がなければそれはやれない、そういうことをまず確認します。 インフレーションということばについては、私も避けたい。避けましょう。これをやっておったって、別に国民生活にちり紙が一枚ふえるわけではない。だから、インフレーションを認めたならば、あなた方の失政を反省しろなんて言われることを避けたいという気持ちがあることもわかります。しかし、そういうこともぼくはきょうは言いません、こういう時期ですから。(「おかしいな」と呼ぶ者あり)しかし、あなた自体の見通しが誤ったというか、政府の見通しが誤ったということ、これだけははっきりとしておかなくてはならぬと思うのです。おかしいぞというあれがありますが、それはそうなんです。しかし、それをいま認めろ認めろと言ったって、あなたは、いや、ああでもない、こうでもないと言うから、時間の空費になるから申し上げておるのです。あなたの顔色に、もうそれは認めておることはわかっておるのです。だから、ここで、あやまりなさいとか、あるいは反省しなさいとは言いません。しかし、少なくともあなたは、国民に対して協力を要請する以上は、まずあなたを含めて政府が反省をすることが出発点です。そうして、見通しを誤ったが、これからはと、こうくるのがほんとうですが、それなくして、ただ協力協力と言ったって、それは聞こえませんということになろうと思います。そういう意味で私は議論をやらないと言っておるのですが、あなた自体、うなずいておるから、認めておるんですよ。おかしくないんです。そういうことを確認をします。 そこで、あなたが一体今日の状態をどう把握しておるのかということになると、またインフレーションの問題に戻るかもわからぬが、新聞の論調を見ても、また、あなたの所信表明あるいは本会議、予算委員会を通じての答弁も、だんだんと軟化してきたという点は若干ありますが、しかし、あなたの認識自体は甘いのじゃないか、これはもう一般の声なんです。だから、もっと厳粛にあなた自体が、あるいは政府の皆さん方が認識を新たにする、改めるべきところは改める、反省すべき点は反省する。いまあえて、戦時中における英国の首相のあの率直な発言とか、あるいはキューバのときにおけるアメリカ大統領の発言あたりを持ち出して、チャーチルだとか、あるいはケネディとかの発言を持ち出して、率直にまずあやまるというか、反省すべき点は反省しなさいなんてもう言いません。その用意もちゃんとしておりますが、それは言いませんが、どうでしょう、認識が甘過ぎるという感じを受けていますが、厳粛な上に立って、ひとつあなたの決意を伺いたい。
○田中内閣総理大臣 私を含め、政府は、事態を正確に認識し、政府の責任の重さを痛感し、適切なる施策に全力を傾けたい、こう考えております。 認識の甘さとか、いろんな見方はございますが、政府の立場や発言が国民生活に直ちにどう反映するかという問題、このこまかい配慮も必要であるということは、申すまでもないわけでございます。まあ国民に直接訴える、ある意味では絶叫する、真に国民の協力を得るというやり方もございます。しかし、それにはそれなりの国の体制もございますし、政府が発言をする以上、直ちに行なわなければならない、行なうことの可能である法制の準備も必要でありますし、いろいろな問題がございます。私は、こういう事態に対しては、静かに国民が事態を認識して、それで国民すべてが正しい認識のもとに、混乱を未然に防止しながら、将来に希望をつないでいくということこそ、政府がとらなければならない問題であるというような配慮もあるわけでございますから、そういうこともひとつ御理解を賜わりたい。いずれにしても、深刻なる事態に対してその責めを負わなければならないということに対しては、まじめにこれに対処しております。
○田中(武)委員 これ以上は論議はしませんが、チャーチルは、あのイギリスの戦時中の暗黒時代に、ドイツの思わざる進撃が早過ぎて失敗したということを率直に反省をし、国民に協力を求めておるのですよ。日本においても、ミッドウェーは、あれは負けたんだ、あの戦争は。だが、勝った、勝ったと言ってやっておったからああなったんですよ。だから、はっきりと、失敗したときは失敗したと、だが今後はこうやるから皆さんもひとつ協力してくれ、こう言うべきだと思うんですね。それはもうあなたには、いまのことばで尽きているから、申しません。 そこで、時間の関係等で、相当用意はしておりましたが、飛ばしてまいりますが、日銀総裁に来ていただいておりますので、一言お伺いします。 異常なる物価騰貴、あるいはインフレということばを使わないとしても、インフレと言うほうがぴんとくると思うのですが、それにはいろいろの原因が複雑にからみついておる。それは、円の切り上げの時期を失したのではないか、あるいは公定歩合を下げて、上げてですか、いわゆる金融緩和と引き締めのタイミングを誤ったのではないか、いろいろあります。しかし、そういうことについてもいま論議はやめますが、ただ、通貨あるいは企業間信用ともいう、これも含めて――まあ一万円札だけでいきましょう。通貨が、はんらんするというか、多く出過ぎておる、こういうことは事実です。きのう若干この点にも触れられた質問があったようでありますけれども、あなたは、二〇%をこえるときには云々ということで発行限度高に対してそういう発言もあったようですが、私は、この通貨、日銀券の限度外発行の問題というか、まず発行限度をきめるにあたっては、経済成長率と見合ってやるべきであると思うのです。私、ここにある程度の資料を持っておりますが、それはやめますが、ともかく常に発行限度高は、経済成長、ことに実質の成長率をこえております。しかも、この限度額をこしても十五日間に回収すればいいという、いわば十五日間は制限なしに発行できる、そういう仕組みに日本銀行法がなっておる。言うまでもなく、三十一条、三十二条、その辺ですね。実はこの辺についても議論はしたいのですよ。そういうことで必要ならばと思って、実は六法全書を切り抜いてきておるのですが、それはやめますが、いわゆる発行限度高をきめるときにおける日銀総裁としての考え方の基礎、成長率をどう見るのか、ことに実質成長率との関係をどう見るのかということ。それから、たとえば一万円札が、これは新聞の記事ですが、十五年間で四千二百十五円になったという記事、これは見られたと思うのです。あるいはもっと以下になっておると思うのですね。そういう点等々を含めて、発行限度高及び限度外発行についての考え方の基礎だけをお伺いしておきたい。今後の方針をあわせて御答弁願いたい。
○佐々木参考人 日本銀行券の発行限度につきましては、ただいまお話がございましたように、日本銀行法第三十条できまっておりますが、これは大蔵大臣が決定されることになっております。この大蔵大臣の決定につきましては、今度新しくきめられましたときには、大体四十年代における毎年の日本銀行券の増発額を考慮しておきめになったように聞いております。この発行限度というものは一応の目安でございまして、日本銀行券というものは、日本における国民の所得並びに消費と関連して発行されるものでございますので、非常に正確に、これ以上は出してはいけないといったような限度は設けにくいものでございます。したがって、一応の目安ということで定められておると思います。 それから、ただいまお話がございました総体としての通貨がどれぐらいがいいかということにつきましては、お話しのように、経済成長率並びに適当なる物価の変動というようなものを考慮してその目標をきめるべきものと考えられますが、いまの日本では、最近引き締め政策がだんだん徹底してまいりました関係上、総通貨、すなわち、日本銀行券と定期預金を含みます総預金、それを加えましたものの伸び率は低下しておりまして、ただいま申し上げましたような水準をむしろ下回るところまで来ておるのが実情でございます。
○田中(武)委員 質問の順序としてまず大蔵大臣に聞くべきだったと思うのですが、限度外発行のことへ先にいってしまったんですが、たとえば、最近では四十七年十二月十六日に六兆七千億という限度額をきめて、四十八年十一月十日に七兆九千億というのをきめておられます。この伸び率と、それから経済成長率といいますか、ことに実質成長率は一一・五%ですね、この間にギャップがあるわけですよ。それがだぶついて、いわゆる物価高――あなたはインフレということばを使うてもいいと言うんだから、インフレの大きな一つの原因だと思うのです。そういうことについて、同じことになりますが、まず三十一条を先に言いましたが、三十条は、あなたが閣議にはかってきめる、こういうことになっておりますから、じゃ、そのことについてちょっと……。
○福田国務大臣 日本銀行の発行限度額は、従来の通貨量を基本といたしまして、将来の大体の見通しをつけてきめる、こういうことにしております。その際には、実質成長率ももとよりでありますけれども、百貨店における取引、百貨店の売り上げ、そういうものがどういうふうになるだろう、そういうものをよく見きわめてきめる。一応の概算でございます。
○田中(武)委員 総理もたしか本会議かどこかで、やはり百貨店の売り上げを見てもわかるんだ、こういうようなことを言われたと思うのですがね。百貨店の売り上げ、なるほど、消費ブームだ、こう言われておるが、ともかく一個何千万円もするようなダイヤとかあるいは金製品等々を買っている人は、庶民じゃないのですよ。いわゆる土地でもうけた者だとか、あるいは株でもうけた者が、金の茶がまを買ったり、あるいは何百万円かぼくは知りませんが、高い絵を買ったり、わかりもしないのに飾っておくというような風潮で上がっておるわけなんですよ。そういう点も見ながら、ただ百貨店での売り上げが云々ということで、直ちに庶民の生活がということには、その間にそういう要素があるということを考えてもらいたい。 そこで、続けてまいりますが、この異常なる物価高、インフレ、これの原因についてはもう議論はやめるということを先ほど申しましたが、そのいろいろの原因を除くことが第一だが、この結果、うんともうけた者、あるいはそのために犠牲になった者、国民に二つの層がある。そのもうけた者はだれか。これはもう言うまでもなく大企業であり、独占企業である。日経か何かに、百社の本年度上半期の売り上げ高、利益、使用総資本利益率を掲げた記事も出ております。これは新日鉄を筆頭に、あるいは別に商社の売り上げについても出ております。これでも明らかなように、もうけた者、だれのためにインフレがあったのかということは、もう言わずと明らかです。そういう議論は別といたしまして、その陰で犠牲になった者、これはいわゆる「てい」所得者、その「てい」には、低い「低」と、定まった「定」所得者、あるいは中小企業、生活保護者、いろいろあります。そういう点にスポットを集めるべきである。これが政治だと思うのです。そのためには一体何をやるべきか。 まず、そういう異常なる物価高によって、インフレによって、国民に、うんともうけた層と、その陰に犠牲になった面があることを認められるかどうか、お伺いします。総理、いかがです。
○福田国務大臣 物価の異常な上昇というものは、その性格といたしまして、小さい者、弱い者、そういう者がおおむねその損失をこうむる、そういう性向を持つだろうと思うのです。したがいまして、政治といたしましては、そういう者に対する特別の配慮、これは大事なことだろう、かように考えます。しかし、より大事なことは、そういうような異常な物価状態というものがなくなるように最善を尽くす、こういうことだと思います。
○田中(武)委員 まず、異常にもうけた面に対しては、それを吐き出させる方法。今度の二法案に、あとでやりますが、課徴金をかけるとかなんとかいっておりますが、この課徴金を遡及できないか、さかのぼってできないかということも考えました。どうでしょうね。ここで法制局長官とやりとりはやる気はありませんが、税金ならば、租税法定主義、憲法の規定によって、これはできない。利益の分は遡及できる。だが、課徴金はどうだろう、こういう点を考えた。法律論はやめますが、それをひとつやる方法がなかろうか。やる気があればやれるのじゃないかという点を、私自体も若干研究をしてみました。 それと同時に、やはり法人税の引き上げですね。しかも法人税が累進課税になっていない。これを累進課税にすべきではなかろうか。ともかく異常にもうけたやつ、しかも犯罪すれすれ、いや、もうすでにドラムかんを隠しておったとか、いろいろなものが出ております。そういう犯罪は別として、あるいは大型脱税が出ておる。だが、そうでなくて、巧みに法網をくぐって異常にもうけたやつを何とか吐き出させる、それを犠牲になった面へ持っていくのが政治である。そういたしますと、まず異常にもうけたものをいかにして吐き出させるかという方法。これは税金、それによる社会保障の充実ということになろうと思います。 そこで、今度は犠牲になった面を考えた場合に、あなたは否定せられておりますが、やはり年内減税は行なうべきではないか。本年度のいわゆる自然増収は幾らあるか。一兆五下億円ともいわれておるが、年内減税可能ではないか。しかも、名目だけ上がったからということで、物はどんどん上がっている、年末調整ではがっぽり取られる、あるいはボーナスも相当税金で持っていかれるというのが実態である。したがって、年内減税をもう一度考え直すべきではないか。 それからマル優制度を云々、こういうことですが、これはきのうもそういう論議があったようですけれども、これはある一定の所得以上の者であって、いわゆる国民大衆には無縁のことである。これは経済企画庁の四十八年二月調査で、一世帯当たりの貯蓄額が百七十三万と出ております。それを、財形貯蓄あるいは郵便貯金、これらを合わせたら一千何ぼまではどうとかというようなことをやっても、あまりぴんときません。また、二兆円の減税等もいわれておるが、これもいろいろ議論があるようです。しかし、これにしても、いわゆる四百万、五百万のところに中心が行く。もっと低所得者のところへ持っていかなければならないのじゃないか。しかし、貯金をしておいても損になる、一五%も物価が上がっておるのに、定期預金が五・五%か六%以下だ、だんだんと減っておるけれどもなお貯金するというのは、子供の教育費、老後の心配、病気になったとき等々、これすべて社会保障ないし社会福祉施設の不十分からくるせめてもの庶民の自己防衛です。それに対してどうやるのか。 それからもう一つは、これはいろいろと問題はあろうと思いますが、貯金をそれでもしておるが、だんだんと減ってくる。これじゃほんとうにどうにもならぬので、金利を物価にスライドさすような方法はとれないものかどうか。 それから、さっきのことをもう一度申しますが、所得政策は、いまにおいては、まず最低生活階層の所得を政府が保障するということ、そういうことでなくてはならぬと思うのです。 いろいろやりたいのですが、時間の関係等でかためて言いましたが、いかがでしょう。
○福田国務大臣 まず、物価高の利益をどういうふうに徴収するか、そういう問題でございますが、これは特に大きいのは土地所得だと思うのです。それに対しましては、この春、特例措置を講じる、こういうことにしてあります。その他のものにつきましては、これは厳格にその利益を追及する、そして適正な徴税を行なう。おとといも全国の国税局長を参集させまして督励をいたしております。 それから、この異常な物価に対しまして不利益をこうむる人、これに対しましては、生活保護費だとか、そういう配慮をいたしております。 それから貯蓄が非常に大事です。この大事な貯蓄者が損害をこうむる、これがあってはならぬ、こういうふうに思いますが、これは、基本的には、何としても貯蓄者が損をしないような物価情勢をつくり上げていかなければならぬ。これは基本だと思うのです。基本を目ざしていきたいと思いまするけれども、当面そういうことができない、こういう状態にある。そこで、マル優制度、これにつきましては、田中さんはどうもマル優制度についてはあまり御評価をいただけない。しかし、三百万円以下の貯蓄、これはほんとうに大衆的な貯蓄じゃないか、こういうふうに思うのです。私は、これは相当善政である、こういうふうに考えております。ああいう制度ができましたから、大いに宣伝いたしましてそうして御協力を得たい、かように考えております。
○田中(武)委員 マル優を否定しておるのじゃありません。マル優によって貯蓄をということは、先ほど申しましたように、一般庶民からいえば、一千万円に上げてもらっても、高ねの花だ。それよりか、私は、物価にスライドの貯蓄利子といいますか、利息を、これはある限度まででよろしい、それを考えるべきじゃないか、こう言っておるのですよ。
○福田国務大臣 預金利子のスライド制につきましては、これはもう相当大きな問題でございます。つまり、スライドして利子を引き上げますれば、貸し出しのほうを上げなければならぬ。これがまたコスト計算の中に入ってくるわけですから、これは物価対策として一体どうだ、こういう問題がある。そういうことを考えますと、スライド制というのは、ちょっと見にはよろしゅうございますけれども、これは非常にむずかしい問題だ。私はそれを行なう考えはございませんです。
○田中(武)委員 そこで私は、ある程度のところまではやはりその考え方、スライドさすということでなければ、貯蓄を幾ら奨励しても、きのう公明党の渡部君も言っておりましたが、それはだめですよ。だから、私は無制限にと言っていません。マル優と同じように、あるいはもっと――三百万円なら三百万円までの貯蓄に対して、その利子はということです。 それから、それでは貸し出し資金の云々ということになります。しかし、それは高くったって、いわゆるどんどんともうけたところから回収するという考え方も取り入れて、再検討を望むということにします。どうでしょう。あまりすげなく否定はしなさるな。
○福田国務大臣 せっかくの田中さんのお話なんですが、非常にむずかしい問題です。これは再検討すると言えば、まあていさいはいいようなかっこうですが、どうも率直に申し上げまして、非常にむずかしい問題で、私はこれを考えてみる――そういうふうに考えております。(「やる気がないからだよ」と呼ぶ者あり)いま、やる気がないというようなお話もありますが、やる気はありませんです。
○田中(武)委員 不規則発言に答えてもらっては困るのですよ。ちょっと前向きなことを言っておったが、不規則発言に、やる気はありませんなんと言われたら、何だ、このやろう、こうなるのです。かつて私は、財投の国会承認ということを執拗にやりました。同じように、この問題については事あるごとにあなたに迫ります。しまいに、おまえの言うことにも一理あるというところまできたのですよ。どうです、もうそのくらいのことを言いなさいよ、あなた。
○福田国務大臣 非常なむずかしい問題でありますが、とにかくせっかくの御要請でございますので、なおようく考えてみます。
○田中(武)委員 総理、もうさっきで結論は出たけれども、所得政策を云々する前に、まず低所得階層に対する最低生活保障所得を考えるということ、これも執拗にあなたに事あるごとに迫ります。どうでしょう、考えると言いなさいよ。そうすると、下がっておる田中人気がばっと上がりますよ。あまり上がってもらいたくないのだが、どうです。
○田中内閣総理大臣 これはもう人気の問題などではございません。社会連帯の責任において、当然国費や地方の負担でごめんどうを見なければならないような部分に対しては、最上の配慮をしなければならない、これはもう当然でございます。そういう意味で生活保護費のかさ上げなどもやっているわけでございます。 ただ、政府がすべてを保障するということは、これはなかなかむずかしい問題であります。そういう意味で、国民の理解をもととしまして、これは国民の負担において行なうわけでございますので、これが惰民政策につながったり、そういうことがないように、何びともが理解ができて、お互いの努力や協力によってごめんどうを見なければならない、それがやがて福祉国家をつくるためには不可欠な要素であるという理解を求めつつ、最大の努力をしてまいるということが基本であると考えております。
○田中(武)委員 この物価の問題についても、実はどこの何店で幾ら上がったということを調査したのを持っております。しかし、もうこれは既定の事実ですから、言いません。 そこでもう一つ、この犠牲になった面に中小企業があります。中小企業は、原料不足あるいは電力の節減等々、あるいは金繰り、どんどん倒れるであろうという予測が出ております。これをいかにして救うか。たとえばタクシー一つをとっても、大手はちゃんと自分のところでスタンドを持っておる。だが、個人タクシーは、三時間も五時間も並ばなくてはLPガスがもらえない、しかもそれは半分しかもらえないということで、おまわりさんが出なくちゃならぬほどで、午前二時から並んだという事実も起こっております。これも弱い点にそのしわ寄せがきたということなんです。そういうことも含めて、中小企業に対する、いわゆる財政というか、金融、これの弾力的な運営が必要である。同時に、物不足のときに際して、中小企業の材料をできるだけ確保してやる。いま物価高の一つは、これら中小企業のつくった製品が上がっておるということも事実です。そのことが、中小企業政策というか、救済政策が、物価抑制の一つのもとにもなると思うのです。これについても議論をいたしたいと思って相当な資料は用意しておりますが、それはやらないことにして、どのような――いや、あるんだよ。中小企業については、私は社会党の中小企業政策は十年からやってきたのだから、それはやったって、三時間でも四時間でもやりますが、まあそういうことは別として、どうでしょう。
○福田国務大臣 先ほど申し上げておりまするとおり、この異常な物価高になりますと、弱い者、小さい者、これが被害者になる、これはそういう大勢だ、こういうふうに認識しております。企業の中でも、中小企業、そういうものが弱い立場に立たされる、こういうことになろうかと思うのです。ですから、こういう際には中小企業に対して特別の配慮をしなければならぬ、そういうふうに考えます。 それで、金融では、御承知のように年末金融、これをやる。それから、もうすでに、この物価高に対しましては、年度の途中においても特別融資額のワクの拡大をいたしております。それから税の面におきましては、来年は何とかして法人税の増税をしたい、こういうふうに考えておりますが、中小企業につきましては特別の配慮をいたしたい、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 次に進みますが、いわゆる石油危機、資源確保の問題について、石油危機の見通しとその打開策、こういうように項目はあげたのですが、これは向こうさんの都合もあるからということであろうが、一体この石油危機についての政府の見通しはどうなのか。それにはこういう手を打った。三木さんも行かれる。三木さんが行くのには、三木さんも気の毒だと思うのだが、スエズの改修のための円借款等をみやげに行くということも伝えられておる。しかし、社会党はすでに一足先に、向こうさん側の招待によって社会党の使節団を出しております。そういう点を見て、ひとつ石油危機の見通しはどうなのか。総理は、来年三月高尾が来るじゃなくて、来年三月物価の異常騰貴は押えると言った。ことしの二月には、秋にはと言い、春はだめだったからお盆には、お盆だめなら正月にはというようなわけにもいかないのです。またこの見通しが、あとで触れますけれども、石油二法の関係につながる等々で、ひとつ見通しを考えてもらいたい。 それと同時に、OPECあるいはメジャーとの関係をひとつ考える必要があるのじゃないか。分け前では争っておるが、もうけておるのは両方とももうけておるのですよ。あとで石油業法にさかのぼってという考え方を持っておりますが、その辺のところをまずお伺いします。
○中曽根国務大臣 需給の見通しは、十一月の時点におきましてメジャーズからの入荷報告等を徴しまして、大体下半期一六%程度の削減であると予想いたしました。十二月は大体そのとおり来ておるようです。一月も、上期ぐらいはその程度でいけるのではないかと思いますが、下期並びにその後全般を通算してみますと二〇%ぐらい平均にいきはしないかと、そういう予想も出てまいりまして、わりあいシビアにものを考えたほうがいいというので、大体二〇%程度に削減が下期通じてあるものと考えて、諸般の対策を打っております。 それから第二に、メジャーズ及びOAPECとの関係でございますが、確かに石油の値上がりによりましてOAPECはそう財政的には困っておらぬようであります。メジャーのことはよくわかりませんけれども、全世界的にメジャーは石油の配分をやっておりまして、たとえばインドネシアとかイランというようにOAPECに属しないところの油も、メジャーズのヘッドクオーターで全世界的配分計画を立ててやっておるようであります。そういう面から見まして、石油の価格の高騰等を見れば一時は苦境に立つかもしれませんが、長い月日の間には順次回復されていくのではないかとお示しのような点があるだろうと思います。
○田中(武)委員 いま石油がどういう状態にあるかということについては、政府も的確に握っておられないんじゃないかと思うのです。現に、これは勇気ある発言だとも言えると思うのですが、山下通産事務次官は石油業界に対して相当強い発言をしております、御承知のように。石油供給業界の責任だ、業界はやらずぶったくり商法である、したがって調査をする、こう言っておる。だが、一方においては、国内において石油戦争、奪い合いが始まっておる。かと思うと、政府の姿勢によっては、LPGを、これはタクシー用に千四百トンですか、首都圏に対して放出するということをきめたようですね。やっぱりあったじゃないかということになるのですよ。そうかと思うと、これは読売でしたか、どこかの新聞が、タンカーの船長に電話か何かで意見を聞いておる、そういう新聞の記事が出ております。ところが、その船長はぴんとこない。満タンでいま帰っておりますよ、こういう発言もある。さがせばある。隠しておるのですよ。中には、一万世帯が一カ月使うだけのプロパンガスを隠しておったという人もおる。かと思うと、アパートでプロパンガスのボンベをこっそり盗むというみみっちいどろぼうが出てきておる。これははっきりとした政府の姿勢をばんと出していないから、よけい混乱が起こるのです。そういうような点について調査をすると言っておられますが、どうなんです。 それから、原因は違います。原因は違うが、石油不安であるということは、すでに十一年も十二年も前から論議があった。だからこそ、三十七年に石油業法というのをつくった。あのときに、私と一緒に商工委員をしておった人が二、三顔が見えますね。その石油業法をつくったときに、一体どう言うたのか、もう一度そのときの提案説明及び――相当私も発言しています。議事録を総理以下お読みになったらどうです。原因は違うが、すでにそういうことは一応あり得るという上に立って石油業法をつくった。そうして、今度は石油の需給ということになっておるが、供給計画を立てるということ等もすでに石油業法でうたっておる。備蓄をふやす、民族系石油、まあ精製業になりますが、これを育成する、あるいは国内の石油資源の開発等々もやるということが論議になっておったじゃないですか。そして何をやったかということになると、小さな民族糸の二、三の精製会社を集めて共同石油にした、それだけぐらいじゃないですか。その共同石油が常に黒い霧によっておおわれておるという事実、これらを一度反省してみる必要があるのじゃないか。いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 今日の事態になってみますと、必ずしも対策が十分でなかったということを反省せざるを得ません。需給関係につきましていまのような混乱が起きたことは、われわれとしても大いに恐縮に存じておるところでございます。ただ、配当とか、あるいは供給を指示するとか、そういう権限が政府にございませんので、そこで、ある程度の行政措置をやっても、強制力がないために執行力が非常に弱いというのが現状であるのであります。まあ石油業法ができまして、大体日本の将来計画もつくり、供給能力、それからメジャーズに対する民族系の育成ということで、メジャーズ、外国資本に対して、国産原油、国民資本と申しますか民族資本と申しますか、その比率が、精製能力では大体五〇%・五〇%ぐらいまでにきて、一応この程度でよろしいという段階まではきたわけです。ただし、販売能力においては、まだ外国資本のほうが五五%程度で、民族系が非常に弱いという情勢です。それからその質におきまして、ガソリンとか、いわゆる上質油は外国資本のほうが非常に能力がありまして、民族系は大体黒い油、重油系統、そういうような、どちらかといえば質があまりよくない――と言うと、これはことばはよくありませんが、重質油系統のものを民族系がわりあい生産しておる。そういう形になってようやくここまできたというのが現状でございます。 しかし、いまおっしゃいましたように、世界情勢をよく見抜きながら、日本の備蓄計画をもっと進めるということ、それから業界について通産省がもっと情報をよく把握しておかなければならなかった、そういうような点については、御指摘の点もごもっともであると思います。
○田中(武)委員 もう大体わかっておられますし、あのときあなたは一緒に商工委員をしておったのと違っておったかな。ここにおる内田君なんかもそうだろう。総理自体も、もうその時分はえらい人になっていたかしらぬが、長いこと一緒に商工におったんだよね。そのときにはメジャーということは言わなかったが、国際石油資本、国際石油カルテルに対して、いかに日本の石油供給を守るかということを大いに議論したはずなんだ。そのときの議事録等をいまさら申しません。しかし、これはもう降ってわいた天災ではない。政府の外交政策の手おくれを――失敗と言うとまた言いわけをするから、手おくれ等々を反省すると同時に、今日あることは、原因はともかくとして、すでに予見をしておったということは事実であります。石油業法をつくるときに大いに議論をした。そういうことをも指摘して、今日を乗り切るために、通産省よ、ひとつしっかりしなさい、同時に、もっと現実を把握しなさい。そうでないと、ますます混乱が起こります。 隠しておるのはたくさんあるんですよ。先ほどちょっと触れた点についても、ここにありますが、これはやはり読売ですが、「石油はある タンカーと交信」として、満タンでいま帰ってきておりますよ、注文だけは入れてくれますよと、こういうことをタンカーの船長も言っておる。だが、あちらさんが二五%とかなんとかを削減するということも事実です。そういうことも含めて、最初確認したように、重点的に国民生活最優先の上に立って、石油対策をいまこそ真剣に考えるべきである。十一、二年前にすでにその議論は一部やっておるのですよ。いまどんな状態にあるのか、はっきりとお示しいただきたいと思いますが、いかがです。
○中曽根国務大臣 下期における石油の輸入量は、先ほど申し上げた十一月時点においては、一億三千四百万キロリットルの見込みでございましたが、二〇%削減という形になりますと、約一億二千八百万キロリットル程度になります。(「数字がおかしいぞ」と呼ぶ者あり)それを基準にしてやっております。そういたしますと、昨年下期に入った油の量よりは若干減る。そういうことでありまして、そういう面からも、物価の暴騰をもたらさないように、まず需要削減等から始め、それから、使用その他につきましても、重点的に配分をして、いまお示しの方面に私たちも重点的に優先的に配当するように努力してまいりたいと思っております。それらは、きょう御提案申し上げましたいまの石油需給適正化法の成立を待ちまして、権限を得ましで有効にこれを実行していきたいと考えております。
○田中(武)委員 こういう事態であるので、急がない公共投資は繰り延べると、こういうことを言っておられますが、一口に公共投資といっても、いろいろあるわけですね。だから、一律にはいかないと思う。この点を指摘だけしておきます。 それから、やはり急がないもので、これはまあ議論になると思うのですが、四次防もある程度繰り延べなくちゃならないのじゃないかと思うのです。四次防を出直せといっても、出直しません、こう言うから、やれやれ、いや、やりません、等々の議論は避けましょう。 長沼判決について、大体国論は三分しておる。御承知と思います。いわゆる「支持する」「しない」あるいは「わからない」といったような……。しかし、その中で、「支持する」が、少しではあるが率は一番高いことも御承知だと思います。私は当然支持いたしますが、これは第一審判決ですが、しかし、裁判所、すなわち司法の判断が出たわけですね。最終判決まではひとつ凍結したらどうです。 そこで、たとえば四次防の中で、ホーク基地を八カ所設ける。七カ所までできておる。一つは関西だという。このホークは、車で運ぶ、ヘリで運ぶ。燃料が要る。昔と違って、軍需最優先なんということばはないのですからね。ここに、防衛庁の年間石油使用量ももらっております。あるいは、その一〇%削減についての、十三項目でしたかにわたる対策ももらっております。しかし、それについてはもう議論は別として、成果をあげておるのかどうか。 もう一つ、八つのうち七つまでやったのだから、一方は、これで燃料がなければ、やるといってもやれないのじゃないか。そういうようなことで、いかがでしょうかね、八分の七までやればいいじゃないですか。そんなに急いでやらなくちゃならぬ問題でもないと思うのですよ。いかがでしょう。防衛庁は決定しておらぬと言うから、あえて私は具体的な場所の名前は申しません。しかし、現地においてはもう現役組がいろいろとやっておることも事実です。いかがですか、ひとつずばりと山中さんらしい答弁を……。
○山中国務大臣 質問者が田中委員であるだけに、そのばりっという明快なところがなかなかむずかしいのですが、まず、節約の実績ですが、先般の通達その他によって、部隊のほうも含めておおむね一〇%、十二月においては六千キロリットル程度の消費が抑制されることが、ほぼ見通しが実績として立つつもりであります。自今も、一月以降もそういう方向で参ります。 さて、そのホークの阪神地区配備につきましては、これは現在の基地取得難その他もありますから、置くとしても、これは既存の自衛隊の敷地内ということになると思います。しかしながら、それについては、ただいまの御意見にございますように、移動するから油を食うというようなものではございません。これは実は、実際にはほぼ固定してございまして、移動可能である、いわゆる取りはずして車に積めば、車で運ぶことも可能である、したがって、中東紛争のSAM6といわれた、機動力そのものが非常な威力を発揮したというものほどりっぱなものではございませんし、したがって、燃料の問題からは、それは問題にならないと思いますが、そういう地域の配慮――基地内に置くのだといっても、それはやはり周辺地域の方々がおられるわけでありますから、それらの方々の御意見、さらにまた、地域を代表される国会議員の御意見等も十分に承りながら、高度の判断をしてまいりたいと存じます。
○田中(武)委員 「置くとしても」というところをいただいておきます。 それから総理、四次防を国防会議にかけて考え直せ、あるいは新国総法というか、国総法改正案を出直せと言っても、またやりとりが行なわれるだけなんです。そこで、防衛庁長官は答えなかったが、長沼判決というもの、これはいろいろの見方をあなた方はしておると思います。しかし、現に国民の世論は三分しておる。その中で一番率の高いのは、やはり「支持する」というのが高いのです。しかし、これは最終判決ではないから、それまではひとつ現状維持でいこうじゃないか、また、石油の問題あるいは予算の問題等々からも、そんなにできないと思うのです。ふやすというても、人も集まらないというのですから、現状凍結ということはどうでしょう。 それから、新国総法の問題については、国総法改正案というが、その中で一ついただきかねるものがあります。これを出直せ、こう言うと、出直さない、またあなたに得意のところをぶたれても時間の空費になります。ただ、この地価抑制部分と開発部分を分けることは憲法違反になる、この点はいただきかねます。また、地価を凍結すると言っているが、国総法改正案の何条にそんなことがうたってあるのだ。地価凍結なんということは、あの中の条文にはありませんよ。もう法律論は避けますけれども、私は得意中の得意だからやってもいいのだが、あるとおっしゃるならばやりましょう。できないとおっしゃるならやりましょう。いかがです。切り離して考えることは可能です。現に、今度の石油二法案で標準価格等をきめて、価格を押えるというのでしょう。動産と不動産に所有権の差異がありますか。登記その他の引き渡しが違うだけなんですよ。だから、そういうことは言わないほうがよろしい。もしおっしゃるならば、あなたは法律は弱いですねということになるのです。いかがでしょう。
○田中内閣総理大臣 まず、長沼判決につきましては、政府はこれを首肯できないということで、上級審に控訴をいたしておるわけでございますから、控訴の判断を待ちたいと考えております。私は、政府の考えておるような、上級審の望ましい判決が必ず出るものだと考えております。 それから、それまで現状を凍結しなければならないかということでございますが、国の自衛、防衛ということがいかに大事であるかは、もう申すまでもないことでございます。そういう意味で、この長沼判決というものがあったから凍結をするという考えは、全く持っておりません。 しかし、後段においてお触れになりましたとおり、防衛計画といえども無制限にできるものではございません。そのときの社会情勢、経済情勢、予算の制約、バランスということも当然あるわけであります。そういう中で十分取捨選択をし、国民の理解が得られ、国会の理解が得られるような状態で防衛予算が組まれるものであるということだけは当然なことでございまして、理解をいただきたいと思います。 あなたは、とにかく法律論に対しては非常にお詳しい方でございますし、それは私もよく評価をいたしております。ですから、法律論ではなく、いわゆる、いま国民が要請をしておる土地の供給をふやす、乱開発を防止する、知事や市町村長、地方公共団体が主体になって、あすへの理想的な青写真をかいていく、その間に、現行法ではどうにもならないような乱開発や、そういうことを少なくとも三年でもとめようということが主体になっております。ですから……。
○田中(武)委員 それは条文はないのですよ。あったら、何条の何項ですか。
○田中内閣総理大臣 いや、知事が特定地域に指定すれば、その特定地域内のものは、三カ年に限っては移動することはできないということで、移動することができないということは凍結でございます。それは、日本語の論争をまたやらなくてもいいわけでございまして、これはお互いに必要なことだけは間違いのないことでありますが、政府が出したものが最上であるとは、私も考えておりません。そういうものこそ国会で審議をしていただいて、各党も修正案を出していただく。それは、自民党にもまだ修正案を出そうという動きもございますから、そういうものがやはり爼上に乗っているわけでございますので、国民が注視をしておるのですから、国民の目の前で討議をしていただいて、それでまた国民各層からの意見も反映できるものがあれば、もう一年間も立案からたっているわけでありますから、そういう意味で、もっともっといい知恵もあると思います、そういうものを全部加味して、一日もいっときも早くこれを成立させていただくということが、国民の要望にこたえるゆえんだと考えておるわけでございますので、そういう立場でひとつお考えをいただきたい。
○田中(武)委員 急ぐべきものと、しばらく見合わすべきものを分けて考えなくてはいけない。そうすると、開発部門と地価凍結のというのは、地価凍結のほうが当面急ぐんだということ、急を要するものだということは、もう明らかですよ。その方面は、単独立法でもできるのです。あなた、できますよ。憲法違反なんて、とんでもないことを言ってはいかぬですよ。どうですか、吉國さん。あなたとはここでやらぬけれども、あなたと私にまかせたらつくってみせると言いたいくらいですよ。――まあその程度で、うん、うん言うておるから、わかっておるということで、次へいきます。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 ここでお互いに考えねばならない問題は、物価の問題あるいは石油製品を含む石油に関連したいろいろな問題の中で、案外死角になっているというか、あるいはこれに便乗しようというものに、公害の問題があります。この公害については、こういう時期ですから、少しぐらいは基準をやわらげてもらいたいとか、できるならば、代替エネルギー源としての地熱発電についての通産、環境で取りかわした覚書を、通産省は薄めるというか、あるいは撤回をしたいというような考え方もあるようです。東京都ではすでに態度を決定いたしております。きょう三木環境庁長官がおられるならば伺いたいのですが、そのあとは代理として保利長官がということですから、保利さんに聞きたいと思ったら、きまっておるけれども、発令は十日だ、こういうことですね。久しぶりに先輩の保利さんと少しここでやってみたいと思っておったのだが、これはどうなんです。十日といっても、日曜日はさんだらあさってだけれども、もうあしたですね。どうです。そういう点について、政務次官が見えているということですが、むしろ、当面の仕事に当たるところの環境庁の担当の各政府委員、できれば総理の考え方を伺いたい。
○田中内閣総理大臣 エネルギーが不足であるということは、当面した現実の問題でございますが、環境基準を維持しなければならないということは、これはもう動かすことのできない重大な問題でございます。そういう意味で、これに藉口して環境基準をゆるめよう、そういう考えはごうまつも持っておりません。これはひとつぜひ政府の真意を理解いただきたい、こう考えます。
○田中(武)委員 総理のそういうことばがあったんですから、こまかい点はよします。ただ、最初に確認したように、国民生活最優先の立場に立って、こういう時期だからこの程度はというようなことのないように、強く要望します。 それに関連してですが、先国会で瀬戸内海環境保全法なるものが成立をいたしました。これは社会党原案を中心として野党案として提出、それを自民党によって薄められた等々のいきさつはあるにしても、もういまから瀬戸内海を埋めて空港をつくるというようなことは、とうてい考えられない問題ではなかろうかと思います。現に、航空審議会の秋山部会長は、現地視察をして、年度内にこれの答申を出すことはできないと言っておる。また兵庫県は、東京-大阪の定期便は、いわゆる定期空路はやめてもらいたいという申し入れを行なうことになっておる。もう行なったかもわかりません。等々を考えた場合に、この新関西国際空港の問題は、狭い日本列島の中に国際空港がそんなに要るのか。私も田中総理より一足先にソ連へ参りましたが、あの広いソ連でも、国内はほとんどジェット機は使っておりませんね。等々を考えて、この瀬戸内海環境保全と公害の問題等々を含めて、新関西空港については、運輸大臣はどう考えておるか。これは、実はあなたの答弁は、まだ憲法六十六条二項がはっきりしない限りは求めぬという気持ちでおったが、そうもいくまいという理事からの話もあったので、大臣、いかがです。
○徳永国務大臣 関西新空港につきましては、いまいろいろ御意見がございましたように、瀬戸内海の環境の問題もございます。また、つい最近は、中央公害審議会から、きびしい航空機の騒音に対する答申も出てまいっております。いまの経済運営としましては、極力総需要抑制をしなければならぬという立場もございます。しかし、長期的な観点から考えますと、先生御存じのように、いまの大阪空港にはいろんな問題をはらんでおることも事実でございます。したがいまして、いま、せっかく、規模や位置等については、審議会にいろいろ御研究なり調査等を御依頼しておるところでございまして、その結論を待ちまして、御意見のあったところを十分配慮いたしまして、慎重に進めてまいりたいと思います。
○田中(武)委員 少なくとも審議会の答申が出ない間は動かない、それだけは確約できますか。
○徳永国務大臣 審議会の答申を待ちまして、慎重に検討してまいります。
○田中(武)委員 もう一つ、公害に関連し、これは一挙両得とでも申しますか、資源不足を、いわゆる資源を生かすといいますか、回収して生かすという点にもつながるわけなんですが、大型ごみ処理ということで、これは地方自治体の頭痛の種になっておる。紙は不足だといっておるが、毎朝、新聞折り込みのチラシは一束くらいあるのですよ。また、過大包装が前から問題になっておりますが、これもそんなに改まったとも思いません。ことに、自動車から電気製品、中には、組み立てのプレハブ住宅ですが、家まで捨てる人がおるわけなんです。ところが、そのまま使ってもこれは四〇%は使える、こういう状態なんです。その処理に、多くの国民の税金というか、金を地方自治体は使っておる。頭が痛い問題です。 そこで、その原因は何かというと、一つは、モデルチェンジの問題がある。それによって、たとえばテレビが、真空管からトランジスター、IC回路等々に変わることによって電力の消費量が三分の一に減ったとかいうことも、メリットも幾らかありましょう。しかしながら、このモデルチェンジによって、一割以上の価格がいつも上げられておることは事実です。したがって、そういう点にどのように対処していくのか。あるいは、部品がない。モデルチェンジすると、前のやつはもう部品をつくらないのですね。だから、ちょっとした修理でも、いや、もう部品がありませんと言われて、いまさらこんなものを、こういういいのがありますよなんてやられて、買わざるを得ないから、古いやつは捨てる。これはもう現在の電気製品ではほとんどできておりますが、関東、関西の電気のサイクルの相違等の問題があります。 そこで私は、一つの提案も含めて申し上げたいのですが、つくったものが責任をもって回収、処理する。これはPCB等々で、化学物質何とか法によってそれは抜き取るという法律ができましたね、中曽根さん。その毒性物だけでなくて、これには使えるところの鉄板もあれば、いろんな資材があるわけなんです。先日、故紙回収について辻原理事も触れておりましたが、そういうことも含めて、まず、つくったものがそれを回収することを義務づける。それから、いわゆる耐用年数というか、そういうものを明示さす。たとえば、テレビならテレビを、これは五年間はもちますよとか、あるいは七年間はだいじょうぶですというように、耐久性に対しては、そういう耐用年数というか、これを明示せしめる。その間は部品は必ず整えておく。そのかわりに、一定の耐用年数をこえた、まあいいものというか、強いものというか、長もちするものに対しては、物品税を下げるとかなんとかという法をとる。そういうようなこと、あるいは、つくったものが回収するということを含めて、必ずそういった大型なものについては下取りをさす。これは自動車等もやっておりましたが、このごろ道のまん中に捨てておるというのがありますね。これだって貴重な資材なんですね。そういうことを含めて、ひとついかがでしょう、まず、総理の決意及び通産大臣その他関係の閣僚の御答弁を伺います。
○田中内閣総理大臣 あなたは非常にいい発言をされますが、いまの中で、特にこの二点、これは非常に示唆を受けておるわけであります。耐久消費財に対してパーツがないというようなことは、これは実際、それなら確実に下取りをさせなければいかぬということになるわけでありまして、これは、三年とか五年とか慫慂はしておりますが、これに対して義務づけがない。私は、これは、ある意味においては、相当強いそういう義務をつけてもいいと思います。場合によれば、法制上の問題を考えてもいいと思いますし、罰則はなくても、引き取らなければならないというぐらいな、やはりそういうことは非常に重要な問題だと思います。そういう意味で、この製造者か――特にタイヤなどは道ばたに捨ててあるということですが、いまタイヤから石油を再生するという問題も始めました。ちり紙がないというときに、毎日山ほど配られる新聞が直ちに回収されて、そしてちり紙になったり――新聞紙がないというとときに、新聞紙以上の折り込みが入ってくるわけです。けさも私はしみじみと見たのでありますが、板のような厚い紙を使って、新聞紙と同じ状態で二つ折りのものが入っていました。こういうものが一体必要なのか――まあ必要であると思うのですが、しかし、それよりも新聞のほうが必要だなという感じをほんとに持ったわけです。 だから、そういうものに対して、やはり国民の理解を求めるということで、じっと政府も待っていたわけですが、あなたのいまのような御発言というものは、国民の理解を得られる。過大な広告とか、毎日毎日新聞紙と同じような折り込みを一体どれだけ見るのかと思うと、少なくとも私の家庭などではほとんど見ていないで、そのままくずかごの中に入る、こういうことでございますので、そういうものに対しても、やはり節約というよりも、再生、むだの排除というようなきめこまかい問題に対して国民の協力を得るべく努力をいたすべきだと、これは全くしみじみたる感じでございます。
○中曽根国務大臣 まず、モデルチェンジの抑制については同感でございます。これが、もうけるためにモデルチェンジをやるという形じゃなくて、公害を防止するとか資源を節約するためのモデルチェンジというなら、肯定されます。そういうほうに育成していきたいと思います。 それから大型のごみの処理につきましては、総理が申されたとおりでありまして、御趣旨に全く同感でございます。
○福田国務大臣 私も田中さんと同様な所感を持ちます。 自動車について言えば、自動車の骸骨がうずたかく集められておる、あれが腐ってしまう、非常にもったいないような感じがします。しかし、これを税法上、つまり物品税にどういうふうに適用するかということになりますと、いまは、私は、非常に高級な品物なんかについて、物品税を御提案のように引き下げるというよりは、むしろ消費抑制ということを考えますときには、引き上げるということが、まず私の頭にはぴんとくるわけなんです。 それから、モデルチェンジを抑制したもの、しないものについて差別を設ける、こういうことにつきましては、物品税というものが、物品を消費するその人の担税力ということを考えておるという、そういう性格上、どうも差別をつけるのはむずかしい。ただ、私も、この廃品活用というか、資源を大事にするという点につきましては全く同感でありますので、物品税についてはそういうふうに思いまするけれども、他の諸政策につきましては同じ考えで対処してまいりたい、かように考えます。
○田中(武)委員 物品税の問題は除いてということですが、これは大事だと思うのですよ。だから、これもひとつ考えてもらう。 それから、物価のときにやるのをちょっと飛ばしましたので、ここでちょっとあと戻りして伺いますが、タクシーが、東京、名古屋、大阪、七七%とか八〇%の値上げ申請をやっております。それに対して運輸省は、認可前に暫定的なものをきめるというようなことも新聞でうたわれておりますが、その点について簡単にひとつ御答弁を願います。
○徳永国務大臣 申請が全部六大都市からそろって出ているわけではございませんけれども、各陸運局に一部出ていることは事実でございますが、暫定的にこれをきめるというようなことは考えておりません。
○田中(武)委員 この点についても論議はしたいのですが、実は時間がもうあと十分、大体その程度になりました。ほんとうはこの石油二法について重点を置きたかった。しかし、きょうから並行審議ということがやられるそうでもあるし、あるいはもう野党修正案等も出しましたので、その点はやめますが、この法律は急いでやらなければならぬということで、いわゆる業界からのサゼスチョンというか、そういうことも大いにあって、ばたばたっとつくったということです。それよりか、こういうような法律は統制につながるとか、あるいは標準価格をどうきめるのか、こういうこともありますが、むしろまず、これは政府もそういうことにいっておられるようですが、物統令を改正強化する、そうして買占め売惜しみの規制法を充実さす、それでまず手を打ってからいまの法案をやるべきでなかったかということが一つ。 それから、この二法案について、通産・公取、経企・公取の間に覚書がある。この覚書の法律的性格等についてもやりたかった。だが、もう時間もないので、私の考え方だけを申し上げます。 覚書ということは、いわゆる行政の慣行としていままで行なわれておる、しかし何ら法的根拠はない。したがって、覚書によって法を修正することはできません。それは確かです。同時に、覚書というものは例外中の例外であるから、できるだけシビアにやるべきである、そういうように思っております。 さらに、公正取引委員長、このごろよくやっていると思うのだ。立ち入り検査、勧告、ことに最近多くなった製紙メーカーに対するあの異例ともいうべき強い勧告、この点をより一そう進めてもらいたい。 それから、実は各条、項にわたって用意をしておりますが、もう時間の関係があるからやめますけれども、この法律で問題になるのは、まず、このことがはたして物価抑制なり石油危機を救うきめ手であろうかどうか、あるいは標準価格をきめるのに、どういうような観点に立ってきめるのか。これが現在の政治のもとにおいては官僚統制につながらないのか。まさか戦時中のようなああいうことにはならないと思う。しかし、それをわれわれは連想する。そういうことのないようにせねばならない。 さらに、カルテルを認めるということになるわけなんです。これは私はあえて申しますが、独禁法にバイハスをつくる、これは、かつて特振法時代にというか、従来から業界、財界、通産省は、独禁法がじゃまものになっておる、だから特振法によってバイパスをつくろうとしたのを、二回にわたってわれわれがこれを審議未了、廃案にした。その思想がこの中に出ておる。したがって、公取委員長はよりそうしゃんとしてもらいたい。 それから、一々私はこういう点についてはどうかということを提案したかったが、すでに野党修正案も提案せられておるので、その点について、中曽根通産大臣は、聞くところによると、ある程度野党の修正する余地を残しておく必要があるというようなことを党内で発言せられたかに伺っておる。では、それはどういう点なのか、そういう点。あるいは、そういうことはやめて、それでは野党修正案を受け入れる用意があるのかどうか。それから、この法律は、もちろん、この種のことでありますから、すべて法律でこまかくきめることは無理でしょう。だがしかし、政令委任があまりにも多い。そこでまず問題になるのは、対象物資はどうなのか、砂糖あるいは紙、そういった日用品あるいは食料品、あるいは鉄鋼その他の鉄材といいますか、基礎材料に及ぶのかどうか、その対象範囲等々についてもいろいろ疑問がある。さらに、野党修正案では出ていないが、私は、これをチェックするために、ひとつ国会にその運営の状態を報告するようにしたらどうか。それから、先ほど申しましたいわゆる石油危機見通しとの関連ですが、この法律は限時法ないし再検討条項を設けるべきではないか、そういうような点について申し上げたい。 もう時間がないので、固めて申し上げますが、ここでお互いに考え直さねばならないのは、昭和十三年、当時の帝国議会において、国家総動員法が提案せられたときに、当時の陸軍省何とか局長の佐藤何がし中佐が、だまれ、この一言で総動員法が成立をした。まさかそんなことは許しませんが、それが戦時統制の突破口になり、政府は、これは慎重に運営すると答えた。また、附帯決議もつけられたが、もう一カ月の後にはそれが発動せられて、御承知のような状態になったということを考えねばならないと思う。そういう点を含めまして、実はあまり時間もないし、ここでやってしまうと、商工委員会あるいは物特等の審議を先取りするから、これだけをもって終わりますがそういうことをまとめて、関係者は総理、通産大臣、経済企画庁長官ですね、簡単でよろしいから、ひとつお願いします。
○中曽根国務大臣 まず、公取と通産省とのメモと称するものは、これは独禁法に関する解釈並びに運用に関して独禁法に抵触しないという行政行為であるという確認を行なったということであります。法の解釈並びに運用に関する確認でございます。 それから、修正に関する問題は、国会側の御意見には謙虚に耳を傾けて聞く用意があるということを私は申し上げたのでございます。 価格その他対象物資の問題は、企画庁長官のお仕事でございますから、そちらにお願いいたします。
○内田国務大臣 いろいろ御意見を拝聴いたしましたが、一々ごもっともの点だと私は思います。私が経済企画庁長官としてこの法律の制定並びに発動について考えますことは、この法律が官僚的発想だけに出た法律としてつくられ運用されるのではなしに、国民的理解と支持のもとにこれが運用されるような形にしてこの法律は運用さるべきものだということを心に置きながら、先生の仰せられました政令の問題、その他、品目の選定あるいは標準価格の設定などのことにつきましても進めてまいりたい、これだけお答え申し上げておきます。
○田中(武)委員 まとめて最後に申し上げます。 公取委員長、この法律があることによって公取の権限は何ら制約を受けませんよ。もちろん、この法律と独禁法は、立つ基盤が違います。一方は統制的な面を持つ。一方はあくまでも自由競争である。したがって、最終的なチェック――カルテルはやはりカルテルなんですよ。したがって、強い姿勢で、迅速な事件の処理を望みたい。そのためには、公取の強化あるいはむしろ独禁法の強化を望みたい。それらはこの法案審議のときに出てくるだろうと思います。 そこで、公取委員長の決意と、やはり最終的にチェックしていくのは、もちろん、野党案によると、民間三者によって、いわゆる消費者とか、そういう参加したものが標準価格をきめるのだというようにもなっておりますが、ともかくカルテルはあくまでもカルテルである、それだけは間違いない。いかに指導権が入ろうとも、それはカルテルとしての性格を失うものではない。そうでしょう。どうです。そういう上に立ってき然たる態度でやらなければ、覚書を交換した段階で、この法律ができたときに、あなたのほうの職員は、一部でしょうが、これは独禁法のお通夜だと言ってやけ酒飲んだ人もおるそうだ。それに対してあなたの意見も新聞に出ておった。そういうことも含めてひとつ決意を述べてもらいたい。 同時に、結びとして、いまこそ産業構造の転換の時期である。いままでは、つくれつくれであったが、そのためには、今度は、量でなく、量から質へ産業構造を転換すべきである。 それからさらに、エネルギー源の代替ということになると、石炭、地熱発電、太陽エネルギー、これに便乗して原子力発電等々も出てくるかもわからぬが、原子力発電の問題については、安全性がはっきりするまでは、社会党は社会党としての態度を持っております。そういうもの、及び国内における資源の開発をもっとやらねばならない。非鉄金属あるいは材木等々にも来るであろうということが予想せられる。そのためには、非鉄金属鉱産物に対する減耗控除等がこの三月に切れることになっておるが、それをも含めて、国内資源開発をどう進めるかという問題等々を通じて、少し時間は延びましたが、御了承を得て御答弁を願います。それで終わります。
○高橋(俊)政府委員 公取の問題について、私どもの見解と決意を述べさせていただきます。 先ほどの覚書、二つございますが、いずれの場合においても、どのような批判がありましても、私どもはカルテルを認めた覚えはありませんし、今後もそういう解釈でこれを規制します。ですから、その点は御心配なくということを申し上げておきます。 なお、ほかの一般物資につきまして、標準価格等その他ありましても、それらについてカルテル行為が行なわれる、たとえば標準価格を突き上げるための共同行為、こういうことはあるわけです。ですから、そういうことについても、私どもは独禁法をきびしく適用して規制してまいるつもりでございます。
○中曽根国務大臣 国内資源の活用につきましては、特に非鉄金属等の資源の活用につきましては、これからさらに探鉱並びに製錬その他について強化してまいりたいと思います。
○櫻内委員長代理 これにて田中君の質疑は終了いたしました。 荒木宏君。
○荒木委員 総理にお尋ねいたします。 あなたは今度の所信表明演説で、物価高騰の原内が三つあるということを指摘されました。原因はいろいろあります。しかし、国民は、大企業が過剰資金を使って買い占め、投機に走った、田中内閣の財政金融政策がこれを助けた、こう見ています。田中内閣が成立をしたのは昨年の七月であります。おりしも経済企画庁は、不況は終止符を打った、これは四十六年の十二月だ。日本銀行は、景気が上昇局面に入ったと発表いたしました。その後、景気はどんどん拡大をし、生産はまさにフル操業となりまして、本年の一-三では一〇〇・八であります。そのときにあなたがおとりになった財政政策、昭和四十七年の補正では、決算で伸び率が何と二八・七%、十二兆一千百四十九億円であります。財投は実に四九・六%の伸びです。六兆四千四十八億円、そして本年一般会計で二四・六%の伸び、財投では二八・三%の伸びであります。どんどん景気が拡大しておるときに、それに輪をかけるような大きな財政をばっとぶち込む。あわててブレーキをかけても、これは間に合いはしません。私は、この高物価、これと田中内閣の財政金融政策、これに因果関係があるかないか、そのことをまず総理に端的にお伺いをしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 御承知のとおり、ドルの切り下げからいろいろな現象が起こったわけでございますが、その中で、国としてどうしてもやらなければならないものに、国際収支の改善という問題がございます。非常に大きなアンバランスを起こしておった日米間の貿易収支というものを是正しなければならない。それは、もう日本とアメリカとの貿易関係は、間接、直接を入れると約四〇%に近いわけでございますので、日米間の正常な経済状態を維持するかしないかということは、日本経済そのもの、国民生活そのものに重大な影響を与えるわけでございますので、まずこの国際収支の改善というものが、当面する重要な課題であったわけでございます。そのためには、輸出を内需に転換しなければならないという問題が一つ起こってまいります。同時に、三〇%近いドルの切り下げに中小企業や零細企業が対応できるような状態をつくるためにも、当分の間輸出を内需に転換して、その間に中小企業や零細企業の体質改善を行なうということは、当時求められた当面する急務であったわけでございます。 そういう意味で、景気刺激対策、また金融の緩和政策、それだけではなく、中小企業や零細企業に対して税制上の措置や特例法さえも制定をしていただいたわけでございます。でありますので、そういう政策目的を達成する段階から考えますと、国際収支は両三年かかるであろうといったものが、一年で正常な状態になり、基礎収支の均衡、というよりも、基礎収支に大きな赤字が出るような状態まで改善をせられ、日本とアメリカとの間は正常化し、問題はなくなった。また同時に、アメリカを契機として各国との問題も惹起しつつあったわけでございますが、これらも回避できたということは事実でございます。 また同時に、第二の問題の、中小企業や零細企業が、一年有半という短い時間において、対前年度三〇%余の輸出をそのままふやしていけるような状態まで対応できたというメリットは確かにあったわけでございます。しかし、その結果、物価の上昇というような一つの面が起こってまいりますと、その中には過剰流動性もございましょう、そういうような面から必然的にとらざるを得なかった政策ではございましたが、その結果、一つの物価上昇という面があらわれてきたということは、率直に認めます。私は、率直に言って、病人に対して薬を与え、栄養を与え過ぎたら、病気はなおったけれども肥満児ができたというような状態、これはすなおに認めざるを得ない事実であろうと、こう述べておるわけでございます。その上に今次の石油問題が起こってまいりましたので、先行き不安ということで、物価上昇というものに対しては憂慮すべき段階であるので、国民の混乱を未然に防ぐためにあらゆる角度から施策を続けなければならない。こう考えておるわけでございます。 ただ、四十六年、七年、八年を通算してみますと、確かに心理的影響というものは、あなたが御指摘になったような数字の上で大きな影響があったことは否定いたしません。否定いたしませんが、四十六年度の繰り延べ、四十七年度の繰り延べ、四十八年度の繰り延べを比較してみるときに、国民総支出は、改訂版百十五兆円の中身を見ていただけばわかるとおり、数字としてはそんなに大きなものではないわけでございますが、しかし、いずれにしても対前年度比、御指摘になったような予算を組み財投の補正を行なったというようなものが、国民に与えた心理的影響がなかったとは考えておりません。そういう問題に対して、現実的繰り延べは行なってはおりますけれども、しかし、これらに対しては、総需要抑制という基本的な姿勢において国民の理解が得られるように、よりきびしい姿勢で対処すべきである、こう現在考えておるわけでございます。
○荒木委員 いま、いままでとられた政策、総理は総理なりの理由をおっしゃった。しかし、その結果としていまの事態が起こっておる。つまり、ここに原因があり、こちらに結果がある因果関係をその意味でお認めになっておる。それならば、いまのこの物価高で苦しんでいる人たちに対して要求にこたえる義務があると思います。 私はお尋ねをしたいのでありますが、いま特に、福祉施設にいる人々や、生活保護を受けておる方々、あるいは失対事業で働いておる人たちや老齢福祉年金を受けておられる人たち、こういった、総理のことばでいえば、いわゆる経済的弱者の人たちは、非常に苦しんでいる。一例をあげますと、ある生活保護者は、一カ月豆炭を一袋買う、その程度の保護しか受けていない、月の半分をあとは暖房なしで過ごす、私はそういう話を直接聞きました。しかし、今度の補正予算で見られた生活保護費の引き上げは、きわめてわずかなものであります。一人当たりにいたしますと、十月引き上げ額が、四人世帯、一級地で、一人に算術平均すれば五百四十八円、一日にしますと、これは十八円であります。あなたは所信表明で、経済的弱者についてはきめこまかい措置をしている、こうおっしゃった。そのおっしゃった総理御自身に対して、たとえば「全国生活と健康を守る会」が十二月一日付でいろいろな緊急の要求を出しています。ですから、これらの福祉施設の措置費、生活保護費、そして失対賃金、これは二〇%引き上げるべきだ、老齢福祉年金は直ちに倍にすべきだ、私はこれらの人々の要求はまことに当然であると思いますが、そのことについての、政治姿勢を含めて総理のお考えを伺いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 弱い階層、また、しわの受けやすい階層、社会連帯の責任のもとに対処しなければならない階層、こういう階層に対して、手厚い、また重点的な施策を行なっていかなければならないということは、私もそう考えておりますし、政府自体その姿勢を貫いてまいりたい、こう考えております。そういう意味の第一弾として、御指摘ございましたように、補正予算に生活保護費の上のせをいたしたり、また公共事業の単価補正に対しましては、社会保障部門はどうしてもこれを年度内に既定計画どおりに実行するということを考え、補正に計上したわけでございます。引き続いて四十九年度予算編成中でございますので、その面においても可能な限り最大の配慮をいたしたい、こう考えておるわけでございます。
○荒木委員 私は、それでは足らないと申し上げておるのです。そして国民の皆さんも、それじゃ足らぬ、こう言っているのですよ。この春に一四%というお話がありますよ。しかし、それは本来底上げ分と物価調整分を含んでいますね。皆さんはこれは五・五%だとおっしゃった。それが一三%に開いているのですから、その分だけ、実質、底上げを食い込んでいるのじゃありませんか。しかも個人消費支出、これの実質の伸び率を物価上昇率で計算しますと、九・二%が八・四%に低下していますから、これは〇・八%の伸び率ダウンです。ところが、生活保護を受けている人たちは、今度の一四と五を足して一九、これをいまの、皆さんのおっしゃる一三%で換算してみますと、何と八・一%が五・三%、伸び率が実に二・八%のダウンですよ。格差が開いているのですよ。格差是正は総理も常々おっしゃっておることです。私は、そういう意味で、直ちにいま出ておる要求を年内に実行すべきだ、こう思いますが、いかがですか。
○齋藤国務大臣 私どもは、経済的に弱い階層の生活を守る、これは非常に大事なことだと存じて、真剣に努力いたしておるわけでございます。先ほど総理からもお話のありましたように、生活保護世帯の生活を一般世帯の水準に近づけるという努力をしておるわけでございまして、本年度の予算を組みますときに、一般の消費水準が一三・幾らということになりましたので、生活保護基準は一四%上げましょうということにしたわけでございます。それから八月、九月の消費者物価が一二%程度上がった。それじゃ緊急に改定しましょう。年度内改定ということはあまりやらないのを原則にしておるわけでございます。でございますので、どうであろうかということも考えましたが、一二%程度消費者物価指数が上がっておるということで、急遽五%上げようということにいたしまして、生活保護基準は前年度に比較して一九%、さらに、施設に入っております老人あるいは子供、こういう方々の生活も考えなければならぬというので、それも五%上げましょう。さらに社会福祉施設、これは何としてでも繰り延べなどはいたさないで整備しなければならぬというので、建築費の補助単価等も、一〇・八だったと思いますが、一〇・八%上げて、そして福祉施設の整備をはかろうということをいたしておるわけでございます。 そういうような生活に困っておられる方々の生活、これをどうして守っていくか、これは非常に大事なことで、やはり基本的には物価の上昇を何としてでも食いとめる、これが一番大事なことで、政府としても全力を尽くしておるわけでございます。 さらに老人につきましても、御承知のように、年金法の改正が九月の末に通りまして十月から施行になるということになりまして、老齢福祉年金は三千三百円から五千円、障害福祉年金は五千円から七千五百円、こういうふうに上げるようにいたしました。さらに厚生年金などにおきましては、御承知の五万円水準年金というものを整備させていただき、さらに、現在すでに年金を受けておられる方々については二・二倍引き上げましょうということで、これは十一月一日から実施したということでございますので、生活に困っておる方々、さらに御老人の方々については、私どもとしては全力を尽くして努力をいたし、現在の経済の事態に対処できる、かように考えておる次第でございます。
○荒木委員 私の聞いておることにお答えいただきたいのです。あなたがおっしゃったことはもうすでに予算書を見ればわかるのです。私が言っているのは、そういうことをしても格差が開いていると言っているのです。皆さんは格差是正ということをおっしゃっておるのでしょう。いま物価は上がっているのですよ、申すまでもなく。ことに衣食住が上がっている。十一月の速報では、ごらんなさい、住も衣も二七・二%じゃありませんか。しかも経済月例報告によれば、卸売り物価がこれからもまだまだ上がるだろうということを閣議決定したじゃないですか。そういう事態で、私が申し上げておるのは、方針に沿うように、せめて年内にもやるべきだ、いま厚生大臣が説明されたようなことでは足らぬ、こう言っている。 この問題について設けられておる審議会、総理は御承知と思いますが、十一月の十九日に、総理府の社会保障制度審議会は答申をしておりますよ。生活保護の額を大幅に引き上げることにより格差の拡大防止をはからなければならない、これはあなたあての答申ですよ。これをすぐこの線に沿っておやりになるかどうか、総理の決意を聞かしていただきたい。
○田中内閣総理大臣 先ほどから申し上げましたとおり、いまの補正では補正予算に計上いたしておるわけでございますし、四十九年度予算は作業中でございますので、この編成の過程においてもこれらの問題に対しては十分な配慮をしてまいりたい、こう述べておるのでございますから、これで御了解を賜わりたい。
○荒木委員 いま実際に生活に困っておる経済的弱者の人たちの気持ちを、ほんとうにおわかりになっておらぬです。いまの物価高の特徴は、衣食住関係の卸売り物価がずっと急騰し、しかもそれが非常に早く消費者物価に転嫁されている。私は、いまここで総理にあらためて憲法二十五条を申し上げたい。国は、社会保障、社会福祉の増進と向上につとめなければならないとあります。健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があると規定されています。その最低限度のささやかな要求さえ総理はいま拒否をされた。いますぐやってほしい、これを拒否された。どうですか、総理、私が先ほどあなたにお示しした要求の中には、老齢福祉年金を受けておる皆さん方が、いまのままでは一月支給になる、これをせめて年内に繰り上げてくれぬか、支払い時期だけでも何とかしてくれぬか。涙の出るような要求があるじゃありませんか。しかも、この金は十二月の下旬には郵便局に行くのです。郵便局へ行った金は、郵便局の金庫の中で、ほんとうにいますぐほしいと思っている人たちの手に渡らずに、来月に回る。せめて年の瀬を越すまでにこれをなさるおつもりはありませんか。はっきりとひとつお答えをいただきたい。
○齋藤国務大臣 老齢福祉年金を十二月にという御意見でございます。ところが、私、何も言いわけをするわけでも何でもありませんが、郵便局においていろんな年金の支給の月というものを法律でかちっときめておるのです。すなわち、私のほうで申しますれば、拠出制の年金は十二月に支給する、一月には何、二月には何と、こうちゃんときまっておるわけでございまして、なるほど、私もお気持ちはわかります。お気持ちはわかりますが、やはりいまのところそれを変えるということは非常に困難だ。法律でちゃんとかちっときまっておりまして、郵便局などもちゃんと手薄の中で準備をしてやっているわけです。一月には何、二月には何と、こうやっておるわけです。でございますので、どうもこの点につきましては、御意見に従うというわけにはまいりません。
○荒木委員 法律の問題だとおっしゃった。法律は一体だれのためにあるのでしょうか。法律は国民の福祉のためにあるのじゃありませんか。技術上の法改正だということなら、私だって協力しますよ。私どもだって、そういうお話があれば、これは話し合おうじゃありませんか。幾らでもそれはできるじゃありませんか。総理、どうですか。こういう、金がかからない、手間だけの問題、技術上の法律改正だけの問題について、いまあなたがおっしゃっておる福祉優先、福祉第一ということは一体どういうふうな措置となってあらわれるのでしょうか。ひとつ総理の御意見を伺いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 支給期日につきましては、いま厚生大臣が述べたとおりでございまして、来年度はもう三千五百円上げて七千五百円にし、再来年度はもう二千五百円上げて一万円にしよう、いまこういう考えで予算編成作業を行なっておるわけでございます。
○荒木委員 総理が日ごろおっしゃっておる福祉第一、福祉優先、それがこういう姿のものであるということは、これは必ず国民の大きな批判を受けますよ。できること、相談してやろう、こう言っておることさえ、いまのようなお返事、国民の切実な要求にこたえていない。私はそのことをはっきりと申し上げておきたいと思います。 いまこういった物価高、しかも物価高にあわせて、税金が重い。税金の問題について指摘いたしますと、七十一国会の冒頭の施政方針演説で総理は減税のことについては一言も触れておられない。今度の所信表明でも、減税問題は、さがしましたが、一言もありません。質疑のやりとりの中では出ておりましたけれども、あなたがこれこそとおっしゃったその中には、この問題は一言もなかったのであります。それかあらぬか、今年の減税規模は、御承知のように三千百五十億でありました。これはもちろんいわゆる物価調整分が含まれておりますから、これは試算によりますと千三百七十億であります。五・五%から一三%に皆さん自身が消費者物価を上げていらっしゃる。だとすれば、当然減税分の実質価値は減るわけでありますから、年度当初におっしゃったこの減税の価値をそのまま維持しようとすると、これだけでも、試算によれば三千三百億です。だから、もうすでにこれは元が食われてしまっておるのです。だとすれば、そういう意味からも年内減税を直ちに実行すべきじゃありませんか。四人家族で年収百五十万円まで、これには税金をかけないと、一番初めに国民の皆さんに減税ということでやったけれども、それはもう物価高で食われちゃった。だから、いますぐ年内減税をやります、この程度でやります、これは回復する措置であります、国民はそのことを総理に求めておりますが、施政方針演説、今回の所信表明演説で一言もお触れにならなかった、そのかわりとしても、これはひとつはっきりとお答えいただきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 減税問題につきましては、いま税制調査会の議を経ておるわけでございますので、公式な国会で私がこれを拘束するような発言をしないということは、ひとつ理解がいただけると思うのです。これは、一月休会明けの施政方針演説には、当然、減税についての発言はいたします。そういうことでひとつ御了解をいただきたいと思います。 減税をしなければならない、調整減税としてもしなければならぬという気持ちはよくわかるのです。ですから、二兆円減税というような、いまごろ何を言っているのだ、増税をしなければならないというような物価状態にあるにもかかわらず、二兆円減税ということは何を言っているのだという議論も一部に存することも承知をいたしております。おりますが、しかし、減税に対しては国民的要望にこたえるということで、もう長いこと、四十二、三年、いや、もう非常に長いことシャウプ税制そのものに対しては手がつけられておらないわけでありますから、平年度二兆円ということで、いま大蔵省で勉強してもらっているわけです。 年度内減税、年内減税というのはいまできませんということを、大蔵大臣、明確に申し上げておりますし、私も申し上げておるのです。それはお考えになればよくわかると思うのですよ。それは来年度からの二兆円減税に対しても、再検討しなければならぬじゃないかという一部に議論がありますのも、ゆえなしとしないと私は思うのです。私自身は二兆円どうしてもやりたいということでいろいろ折衝しているわけですが、しかし、物価上昇が起こってきたときにはどうするのかといえば、オーゾドックスな議論とすれば、増税をするか、所得政策をとるかということが、これは第一次に出てくる問題でございます。しかし、いまどんなに物価問題があっても、増税ができるような状態でない。しかも、直接税中心主義で今日まで来ておる、この状態において直接税の増税が可能なはずはないということで、そういう問題に一切触れておらぬわけです。第二の重要な問題である所得政策も、国民的コンセンサスを得られるとは思いません、私はいま考えておりません、こう述べておるのでございますから、現在の段階において、あなたの言われることも、年内減税が非常に希望が多いということも承知はいたしておりますが、いまの物価の上昇その他を考えてみて、年内減税は行なし得ません、こう述べておるのでございますから、ここらの関連性はひとつ理解がいただけると思います。
○荒木委員 そうですか。出すものは出さない、取るものは取る、先ほどのお話を伺っていますと、端的につづめて言えばこういうことになるのでしょう。私はそれなら、再々話には出ておりますけれども、大企業のもうけを一体どうするのですか。東証一部上場企業の決算が発表されておりますけれども、四十七年九月期で経常利益七千億といいます。本年九月期で一兆二千億といいます。石油大手では二・一倍ですよ。鉄鋼大手では五・一倍であります。化学関係では二・二倍で、繊維に至っては、実に五・九倍じゃありませんか。これだけの大きなもうけがここにある。この金は一体どこへいきますか。このだぶついておる金、インフレとか、あるいはそれに関連することをいろいろおっしゃっておりますけれども、それならばこの金が投機に向かわないか。これは吸い上げるべきじゃありませんか。多くの方からも指摘をされました。私は、その吸い上げの方法として、いま、たとえば資本金十億円以上の会社、これは法人の約千分の一であります。ここにたとえば税率五%、これは段階はあるかもしれませんが、そういうことで臨時に、いまのこの事態を総合的に見てここへ税金をかければ、それで入ってくる金が、試算をしますと約四千四十五億余りであります。それで入ってくれば、先ほど私がいろいろと申し上げた、たとえば施設の保護費の問題があります、あるいは生活保護を受けておられる人たちの切実な要求があります。失対事業で働いておられる皆さん方のいま差し迫った要求がありますよ。老齢福祉年金の皆さん方の問題だって、そのお金で解決できるじゃありませんか。まず第一に、これは財源対策になります。そうして第二に、だぶついたお金で投機をさせない、投機防止の効果があります。これはまさに一石二鳥というべきことではございませんか。しかも、これはかってイギリスに例がありますよ。臨時に、そういったところの資本金を基準にして税をかけて、そうしてそれを吸い上げて使った。総理、いかがですか、いまこれをおやりになるおつもりはありませんか。
○福田国務大臣 企業の利益に対しましては、これは、たとえば不動産につきましてはこれを重課するということになり、不動産利益の七〇%が徴収されるということになっていることは、御承知のとおりであります。それからその他の企業利益に対しましては、これは調査を厳重にしたい、こういうふうに考えております。大体五〇%の納税になるわけでございますが、一昨日も国税局長を参集させまして、その調査の徹底方を指示しておる、こういうことでありますが、この際、税率を改正するということは考えておりません。 それから、何か企業に資金がだぶつくというようなお話でございますが、そういう状態じゃございませんです。計算上は利益はあります。しかし、いま金融引き締め政策というので非常に金融の抑制を受けておりますので、総体といたしまして企業の手元は非常に逼迫をしておる。そういう状態でありますから、総体として見まして、買い占めが増税を行なわないために起こるという可能性は非常に少ない、私はこういうふうに見ております。
○荒木委員 国民にはいよいよ冷たく、そして大企業にはますます手厚い施策をなさっておる。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 私は、いままで伺った結果でそう指摘をせざるを得ないと思うのでありますが、ここではっきり、いま問題になっておる物価高、品不足、これについての根本対策、これをひとつお尋ねしたいと思います。 たとえばトイレットペーパーに砂糖の問題これは、物はあるといわれておる。倉庫にはある。町にはない。一体どこにあるのか。すぐ入って検査をする、これでしょう。しかし、あの買占め防止法、ちょうどあの法律に基づく発動というのは、もうほとんどなかったと申し上げてよろしい。やられなかった。それじゃ何もかもやっていないか。どうですか。税金じゃうんとやっているじゃないですか。どんどん立ち入り検査をやっている。来るなと言うても来ているでしょう。一体どうしてそういうことになるのか。まず、税金は、みんな納税義務がある。みんなに義務があるということで、そうして網をかぶせておいて、義務違反かどうかどんどん調べている。ところが、どうですか、総理、この買占め防止法、この問題では、売り惜しみ、買い占めはいけませんという、しちゃならぬという禁止規定はないでしょう、これは。いままでなかったばかりじゃありません。これは今度もないのです。今度、それはいろいろありますよ。やれ、売り渡し命令だとか、罰則だとかありますけれども、どだい、入るその一番玄関口のところでだめになっているじゃありませんか。嫌疑が濃厚でなければ入れないとか、そこへ入るには証拠のかぎが要るとか。だから、幾らここにメスを置いても、そのメスは隣の部屋にあります、入るにはまず証拠というかぎを使わなければ入れません、こういう問題になっているんじゃありませんか。 総理は、今度の所信表明演説で、この売惜しみ買占め防止法、これにいろんなことをやって規制を強化する、こういうことをおっしゃった。ほんとうにそれをやられるのなら、一番肝心な、それをしちゃならぬのだということをひとつこの際はっきりなさったらいかがでしょうか。売り惜しみ、買い占めということは社会に反することであって、それは絶対にしてはならないということを明文の規定をもって設ける。そうして、いま税法でやられておるように、納税義務がある、しかもその義務履行がなされておるかどうかということで、だあっと入る。必要があれば入る。売り惜しみ、買い占めをしてはならないということで、そのことをはっきりさせる。売り惜しみ、買い占めがあるかないかということでさっと入る最も肝心な規定を、あなたが所信表明演説でおっしゃったその部分に関してなさるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○内田国務大臣 売惜しみ買占め防止法というものが去る七月できまして、これは、直接生活に関連する十数品目を指定いたしました経緯については、荒木さん御承知のとおりでございます。しかし、この法律は、いわばしゃっくりをとめるような法律であったと私は思うわけでございまして、したがって、今度私どもが国会に提案をいたしましたその二つの法律案は、しゃっくりをとめるばかりでなしに、真に国民の生活を安定さしたり、国民経済の姿というものを安定させる本格的な形を実は取り入れておりますこと、これも御承知のとおりでありますが、しかし、その際におきまして、せっかくつくった立ち入り防止法でございますので――売惜しみ買占め防止法、それも、荒木さんが言われるような趣旨におきまして、この際一緒に強化、改正をいたしますことも、あなたが御承知のとおりで、ございます。
○荒木委員 法律はいろいろありましょう。私が申し上げておるのは運用であります。法律はこれから審議をされます、委員会で。ここで言っておりますのは運用の問題であり、田中内閣の政治姿勢であります。この春の予算委員会で、総理はあるいは御記憶かと思いますが、私はこの場でそのことをあなたにはっきりと申し上げた、それがなければできませんぜと。案の定、いま言われたとおりの状態じゃありませんか。そして……(田中内閣総理大臣「いろいろあります。明文がいろいろあります」と呼ぶ)質問中です。ちょっとお待ちください。 政府は、今度のこの事態で、先般石油の問題で、緊急対策要綱として、一〇%の供給削減を指導する、こういう方針をきめられた。総理、どうですか、いま産業界はこのとおりやられていますか。十一月の十六日に、あなたが本部長としておきめになったあの一〇%の供給削減の指導は、そのとおりやられていますか。日石と三菱石油、これは、どうですか、王子製紙に対して二八%のカットをやっているじゃないですか。あなたが一〇%の行政指導と、こうおっしゃっているにかかわらず、石油元売り業者は、二八%だというて自分でかってにがあっとやっているじゃないですか。共同石油、シェルに出光はどうですか、大王に対して、あなた、実に五〇%もやっているじゃないですか。そのために、何よりも大事な新聞が減ページになっております。この民主主義社会で一番大事な権利である言論、表現の問題、そしてそれをささえておる新聞が減ページになっておる。石油元売りがかってなことをどんどんやっておる。これは明かに売り惜しみじゃありませんか。総理は規制強化ということをおっしゃっておりますけれども、それなら、もしあなたが、明文の規定がある、やれるとおっしゃるならば、いますぐでも、きょうでもあすでも、日石へひとつ行け、タンクのメーターを見せろ、これをやりますか。やるかやらないか、このことをはっきりおっしゃってください。
○中曽根国務大臣 石油の需給関係につきまして、当初いろいろ混乱がございました。各メジャー別ごとにカットの数字が違っておったり、それから滞船の状況とか、あるいは自分のほうのタンクの情勢とか、そういういろんな複雑な情勢がございまして、そのためにいろいろメーカー側についても各石油供給業者からの通告が乱れておりまして、そのためにメーカー側にたいへん御心配をおかけしたことは、まことに遺憾でございます。そういうようなことは、一面において需給関係が不安定であるというところから、石油精製業者あるいは元売りの方面において、多少自分のほうにストックを持っておこう――それは、装置産業ですから、できるだけ原料を持っていないと操業が困難になるというので、そうした気配があります。しかし、それは行き過ぎでありますから、そこでわれわれのほうとしてはその後大いに行政指導をいたしまして、通産省の指導するラインに沿って正常化するようにやりまして、いま逐次そういう方向に移行しているところであります。
○荒木委員 これは全くだめですな。私がお聞きしておるのはそういうことじゃないのですよ。いま、つい先月皆さんがおきめになったばかりのことすら守られていない、そうして、その守られていないということが新聞で堂々と発表されておるのに、そこへ行って、そして立ち入って、さあ、メーターどうや、それをなさろうとしない。明文の規定があるとおっしゃる。あるなら、それをしてはならないと、ひとつはっきり示していただきたい。そしてその上で、あるとおっしゃるなら、ひとつそれをはっきりやっていただきたい。きょうでもあすでもやっていただきたい。そしていま新聞が減ページをやろうかというような状態をすぐ改善をしていただきたい。これをおやりになることができるかどうか。総理はいかがですか。
○中曽根国務大臣 その点は、石油業界も呼びまして、通産当局としても指導いたしまして、大体そういう線に沿ってやるという約束ができまして、いま正常化しつつあるところでございます。
○田中内閣総理大臣 とにかく一〇%というのは、この石油事情の急変という事態に対処して、一応一〇%ということでもって正常化をはかっていこう、また石油事情が変われば、これは一五%になり二〇%になることもあり得るわけでございます。また緩和すれば、五%になり、もとに戻るということもあるわけでございますので、まず、当面する課題として一〇%の削減ということで通知を行ない、これが励行されるようにいま行政指導をやっておるということでございますが、法律的には、物統令の一四条に、不当な利益を得るの目的をもって売り惜しみ、買い占めをしてはならないという規定がございます。もちろん、これは罰則が適用されるわけでございます。しかし、物統令以外に、買占め売惜み防止法というのが成立をしましたので、これによって立ち入り検査が行なえる、しかも公表もできるということになっております。石油その他は、御承知のとおり、この第二の段階である買占め売惜しみ防止法によって指定物資として追加をしておるわけでございます。でありますので、混乱が起こるような状態があるとすれば、当然立ち入り検査をしなければならないということでございますが、いまの状態では、急場でございましたので、各会社別に対して不徹底なものもあったということで、いま通産省の行政指導ということに対して各社もこれをおおむね了解し、軌道に乗る状態にあるということでございますので、事態の推移に対応していきたい、こう考えます。 もちろん、この買占め売惜しみ防止法による特定物資に指定してあるのでありますから、立ち入り検査を行ない、この法律の命ずる処置をとらなければならないような事態が起これば、迅速にこの法律が発動されることは申すまでもないことでございますし、また緊急二法案が成立すれば、その法律にも罰則もございますし、より合理的な調整指示権もあるわけでございますので、場合によれば割り当て制度も行なえるということを今度法律できめていただくということになるわけでございますので、完ぺきに近い行政権の発動が可能である、こう考えております。
○荒木委員 総理、私は、これからはどうなるだろう、もし通ればという仮定の話をしているのじゃないのです。いまの話をしているのです。将来のことはもちろん大事ですよ。それはあとでお伺いをいたしますが、しかし、いまきめたことがそのとおりやられなくて、そうして大体だとか何だとか、いま目の前に起こっておる事態が即刻やられなくて、一体そういう政治姿勢でほんとうに国民の要求にこたえることができますか。このことを申し上げておるのです。物統令の話を言っているのじゃありません。売った者も買った者も両方とも引っぱっていって処罰しよう、しかも小売り段階で一番つかまえやすい、そんな物統令の話をしているのじゃないのですよ。日本石油にどうですか、三菱石油にどうですか、私はこのことを申し上げているのです。大企業にメスを入れる、それについてほんとうにやる気がおありにならないで、まあ、はっきり申し上げれば、言いのがれというふうにもとれるような、そういったような答弁では、今度のあの二法にしても、これじゃまともな運用はできない。法案の内容はこれから審議になりましょう。国民の皆さんは一日も早くこの問題の解決を求めているわけですから。 そこで、私はいまこの量の把握の問題について言いましたけれども、今度はひとつ値段の点をお伺いしたいと思うのです。 標準価格ということがいわれています。しかし、これは一体どうですか。私は将来のことを言うのじゃないですよ。いまこの価格問題について、たとえば石油業界は、この間から起こったような事態について、石連は、あなた、文句を言っているじゃないですか。公取が入ったって何だというようなことを言っているじゃないですか。いまの業界がどういう姿勢でおるか、これをひとつはっきりと認識していただかなければならぬと思います。たとえば、鉄鋼で日本で一番大きいといわれる某会社の会長は、新聞の座談会に出て、標準価格というようなことを言っているけれども、あれはわれわれがきめるのだ、われわれがおぜん立てをして、それに基づいて政府がきめるんだ、ぬけぬけと言っているじゃないですか。こういうことで、業界主導で高値がきまる、そうしてきまった高値がそのあとに残る。現に灯油三百八十円、これすら守られていないでしょう。運賃の問題あるいは容器の問題、いろいろありましょう。しかし、実際に買いにいったら、それじゃないのですから。 そこで、私は総理に提案を申し上げたいのでありますが、そういう業界主導で国民が被害を受けるような価格のきめ方、標準価格、これを一体どうするか。国民の力で民主的にこれを規制する。総理もいつも、国民の皆さんの協力を得て解決したいとおっしゃっている。ですから、そういったほんとうに民主的な審議会をつくって、そうしてこの審議会についての問題は、まず第一点に人選であります。どういう人をだれが任命するか。国民の圧倒的多数を占める勤労者、労働者、その団体の推薦に基づいて政府がきめる。学識経験者、これは言うまでもなく日本学術会議であります。日本学術会議法の第二条には、内外の学術についての代表する人々で構成する、こうなっているのですから、その学術会議の推薦に基づいてこの審議会のメンバーをきめて、その人たちが物価の問題に当たる。農民の代表の皆さんも入れましょう。消費者の代表の皆さんも、その団体の推薦に基づいてきめられなければならない。あの人はいい、この人はいかぬと、政府がかってにおきめになるようなことじゃ、これはあまり役には立たぬのじゃなかろうか。そして、そうした人選に基づいてきめられた審議会、これは政府は尊重していただかなければならぬ。結論が出れば完全に実施をする。こういう国民参加、ほんとうに民主的な国民参加の審議会をつくって、それでこの業界主導の標準価格の問題を解決する。総理、いかがですか、あなたは、国民の協力を得てとおっしゃっている。私は、総理の政治姿勢の問題として、この私どもが提案をしておる民主的な審議会、民主的な規制についてのお考えを伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 石油需給適正化法の場合は、大体緊急事態において機動的に対処するという実務的処理が中心でありますので、時間的にも敏速にやる必要もあり、審議会になじまないものである、そう考えております。
○内田国務大臣 標準価格のきめ方には、私どもはいろいろの考慮をいたしておりますが、ある品目を指定いたしましても、その一つの品目というものはいろいろな規格もございましょうから、まずその中のどういうものをとるかということが一つの問題になりますけれども、それについては標準品目のようなものをとりますが、それは一般的に申し上げますならば、やはり標準的な生産費なり、あるいは仕入れ価格なり、輸入価格なりというものに適正な利潤を乗せましたものに対しまして、さらに実際の経済の動き方とか、あるいはまた、消費者の考え方とかいうようなものも織り込みまして、これはまあ標準価格でありますから、標準価格というようなものをつくるわけであります。そのつくり方につきましては、品目ごとに、もちろんその物資を主管する各主管大臣が中心になりましょうけれども、私ども経済企画庁のような、企業に直結しない中正な官庁が協議を受けまして、いま荒木さんがおっしゃいますような、いわば審議会の運用があったと同じような考え方できめてまいるつもりであります。一つ一つの品目について、標準価格決定審議会のようなものをつくりますことにつきましては、いろいろ考えてみましたけれども、かえってかけ込み値上がりみたいなものがなしとしない面もございますので、そのような審議会をつくることにつきましては、私は必ずしも適当と考えていないことは、いまの通産大臣と同じ考え方でございます。
○荒木委員 敏速ということをおっしゃいますが、それじゃ皆さんいままで迅速におやりになりましたか。たとえば石油業法、昭和三十七年にできましたが、ここの十五条に標準価格というのがあります。これから二法の改正ということはお話に出ておりますけれども、しかし、あの規定でも、生産費を基準としてそして標準価格をきめる。そのためには調査を求められる。しかもこれは罰則つきです。いままで十一年の間に発動したことがありますか。この業法で標準価格を使ったのは、昭和三十七年にたった一ぺんじゃありませんか。しかも、これは値が下がらぬように下をささえたのであります。十一年の間に、これが上がらぬようにこの規定を使ったことがありますか。十一年の間ありながら一ぺんもしないでおいて、いま、迅速とは一体どういうことですか。いままでスローテンポでのろのろ、のろのろしてきて、そして道くさを食い、ああだこうだと言って使わないでおいて、にわかに、あなた、バトンを持ちかえたといってフルスピードで走れますか、それで。 私が言っておりますのは、いま総理は席をはずされましたけれども、きのう、物価安定政策会議ですか、これのお話も出ておりました。私は、国民参加ということでやられる以上は、ほんとうに国民の皆さんの協力を得てやらなければこれはできはしない。だってそうじゃありませんか。いま石油の価格は傾斜体系でしょう。そして大企業向けは安く、もう一々価格を申し上げる必要はありません、よく御存じのとおりですが、消費者向けば高くなっている。そしてその価格の計算方法といえば、たとえばいわゆるエッソ方式みたいなことで、計算根拠の中身はない、あなた、政策価格じゃありませんか。しかも業界のほうは開き直っている。 総理、よろしいですか。きのう、総理が他の議員さんの御質問に触れて物価安定政策会議ということをおっしゃったけれども、私が言っておるのは、いままで、業法ということで標準価格の規定がありながらも、何にもしやしないで、逆に業界を助けるようなことだけしておいて、いまあなたがバトンを握ったからといって、にわかにびゅうっと走れるか。国民の皆さんの協力を得て、それで一緒に解決したらどうか、こういうふうに申し上げておるのであります。少し席をはずされましたので、話があるいは中途が飛んだかもしれませんけれども、政治姿勢の問題としてひとつ総理のほうから御答弁を伺いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 関係大臣から申し述べましたとおり、迅速に事に処さなければならないということで、必ずしも審議会その他がなじまないということでございましたが、しかし、現下の情勢に対処しまして、行政権は敏速適正に行使できるように全力を傾けてまいるつもりでございます。 いまの状態としてすなおにひとつおとりいただきたいのは、一〇%というのは、とにかくさしあたり一〇%ということでいかなければいかぬというのは、どの程度の輸送状況にあるのか、どの程度の積み込みができるのか、各社別の状態がどうなるのかということがさだかに把握できないままに、まずさしあたり一〇%、こういうことをやったわけでございますが、時間がたつに従って各社の内容も十分把握できてまいりましたし、いままで一体流通経路にどのくらいあるのか。確かにあるはずであります。あるから、テレビに報道されるように、ドラムカンの何百本もそこらにごろごろしておるというのも出ておるわけでございますから、こういう経路もすべて把握をしながら、正常なルートに乗せる、そして物価のつり上げや不当な売り惜しみ等を行なわせないようにやらなければならぬわけでありますから、今日の事態に対処して、なまぬるい考えは持っておりません。手きびしい行政権の行使を前提としておることをここで明確に申し上げておきます。
○荒木委員 ことばの問題ではないのです。実際にどういうことをやるか。私は、先ほど来のお話を伺って、これは全く大資本奉仕だ、このことをはっきりと申し上げておきます。これでは国民の皆さんは納得しませんよ。大資本奉仕であるばかりでなく、アメリカにも奉仕しているじゃありませんか。たとえばガソリン。アメリカ軍に入れているガソリンは、キロリットル当たり二万四千三百円安くなっているでしょう。国民が使うガソリンよりも、アメリカ軍が使うガソリンのほうが安い。いまガソリンが足らぬ。それが高い。トラックの運転手の皆さんやバスの関係の皆さんやら、毎日毎日目の色を変えている。にもかかわらず、はっきりとそういうふうな違った扱いがとられている。これでは納得できはしません。国民の皆さんの理解を得るために、この問題の多い石油製品の製品別の原価、それの算出根拠、これをひとつはっきりさせて、そうして国民の理解を得る、こういうお気持ちはありませんか。
○田中内閣総理大臣 これからの問題としては、原油価格、それから輸送費、それから備蓄をしておるものの金利その他、また元売り価格、卸値、流通経路におけるマージンというものを考えるということは、当然やらなければならぬわけであります。公定価格をきめるということになれば、これは非常に数が多い。多いということになっても、戦前のような例になれば、植木ばちまで入って、どうにもならなくなったということでございまして、それはできないにしても、国民生活に必要な緊急不可欠な問題に対してその程度の調査を行なうということは、当然のことでございます。この前の国会で成立をしました税法のうち、法人が所有する土地等に対して二〇%の税の重課が行なわれるようになっておるわけでございますが、もうすでに一月一日からこれは適用されるわけであります。そういう面に対しましても税のもとになる金額を算定するのでありますから、厳密な算定をしなければならぬことは当然であります。でありますので、行政府としましても、重要な物資に対する適正な価格というものに対しては、十分な調査を行なってまいらなければならないと考えております。
○荒木委員 お伺いしたことに正面からお答えがないようであります。私が伺ったのは、アメリカ軍に有利に国民に不利に、これじゃ国民は納得しませんよ。ですから、原価を製品別にはっきりと公開して、その算出根拠も示したらどうですか、これをあなたにお尋ねしたわけであります。
○田中内閣総理大臣 駐留米軍に対する供給ということは、これは安保条約に基づいて、日米安全保障条約の上において行なっておるわけでございますから、これは当然のことでございます。(荒木委員「値段なんですよ」と呼ぶ)値段がどうなっておるかは私はわかりませんが、通産大臣からでも答えますが、それはそれなりの理由があると思います。外国に出す品物は安く、日本人が使う肥料は高いということはございましたが、これはわれわれが外国に行っても、日本人として外国でもって物を買う、時計はその国の人たちよりも安く手に入るというのは、外国人に対しては物品税を免除しておるとか消費税を免除しておるとかいういろんな方法があります。それは制度上の問題であり、法律上の問題でございますから、どういう状態になっているかわかりませんけれども、適法な状態として供給をしておるということには間違いはないと思います。 それだけではなく、米国政府に対しましては、日本の石油の不足の状態に対して、駐留米軍だけではなく、日本の石油に対してもひとつ最大な御協力を願いますと、向こうではメジャーを集めて日本に対しての協力をわざわざキッシンジャー長官がやってくれておることも報道されておりますし、また、米軍自体が使うガソリンに対しては、できるだけ日本のガソリンを使わないようにという配慮をしてもらっておるということも事実でございます。そういういろいろな問題がございまして、私は、アメリカの駐留軍に不当な値段で供給をしておるなどということはごうも考えておりません。
○中曽根国務大臣 安保条約に基づく地位協定によりまして、税金関係は駐留米軍は免除されている。これは大体国際的な通例でございまして、日本もその適用を受けているわけです。それで、ガソリンにいたしますと、私の記憶ですと、一リットルかりに七十円といたしますと、二十八円ぐらいが税金になっております。そういう税金がかなり大きな分野を占めておりますので、米軍に対する供給は安くなっているというのは当然のことであります。
○荒木委員 いまこの時期にそれを聞いて、国民がほんとうに納得するでしょうか。現在ある法律の適用上の問題はあります。私は国民感情と政治姿勢の問題で問題を提起しておるのであります。日本の国民ばかりじゃありません。アラブの人たちが聞いたら一体どう思うでしょうか。イスラエルに武器を援助しているそのアメリカ軍に、理由はどうあれ、国民よりも安くガソリンを提供している。私は、このことについて、いままで伺った一連の石油問題についての総理の御発言から考えられる政治姿勢、これははっきりと転換されるべきだということを申し上げておきたいと思います。 最後に、物価の母といわれる土地の問題についてお伺いをいたします。 私どもの調査では、ここ数年大企業が取得した土地は四十七万ヘクタールであります。先般の経済企画庁から発表されました新全総総点検中間報告書、これで、法人がここ数年で取得した土地は四十万ヘクタール。私どもが言っておりました地価の値上げ、いろんな原因がありましょう。ありますけれども、その一番大きな原因、これはこの大企業の土地の買い占めである、ここにあるのだということが、そういう意味からも証明をされた、こう思います。そしてその中では、法人が持っておる土地で未利用地、これはすぐ住宅用地として、そして公共団体が手に入れるように転換をしたらどうだ、そうすべきだ、こういっておりますけれども、この中間報告のいっておるこれを総理はすぐ実行して、これを放出させる、これをなさるかどうか、これを伺いたい。
○田中内閣総理大臣 放出をさせたいのでございます。まあ、いつも申し上げるように……(荒木委員「時間がありませんから」と呼ぶ)いや、これは重要な問題ですから、ここがポイントですからひとつ聞いていただきたいのですが、土地というのは、需要と供給の問題ですから、供給をふやさなければなりません。そして土地を開発して宅地として提供するには、国がやる方法もございますし、公営でもってやる場合もございますし、地主がやる場合もございます。これは地主や所有者がやって、公共が行なったと同じ価格で売り出されるならば、最も合理的でございます。公営でもってやる場合には、土地の対価を、いずれにしても社会に放出しなければなりませんから、土地の価格のほうが建築費よりも高いということを考えれば、どこの国でもやっているように、土地を持っている者に適正な価格でこれをやらせるということが一番正しいわけであります。そのためには、誘導税制や補助政策を付加してやらしておるというのが一番合理的でございます。国がいま法人の持っている土地を全部買ってやるといったら、これは財政が膨張するにきまっておるわけでございましてこんなことはできるわけはございません。じゃ、交付公債でといったら、交付公債というのは、これは本人が承諾しない限り交付公債でやれるかどうか、これこそ戦時の総動員法と同じことでございます。ですから、いま考えておるのは、国総法を通していただければ、あの中に書いてあるじゃありませんか。国総法では、三年間地方自治体がその地域を指定して、そして指定するような規格のものをつくらせればつくれるし、無断では開発もできない、移動もできません、それで最終的には地方公共団体に売らなければならないというふうになっておるわけでございます。あの法律が適用されれば、これは実際において、いまの考えでは、市街化区域外、いわゆる調整区域内などに大規模な土地を持っておる民間がもうけるのがしゃくにさわる、もうけさしてはいけない、こういうことでありますから、これは国総法が通過してそこを指定すれば、いやおうなしに市町村や県の所有に帰することは、火を見るよりも明らかでございます。そうでなければ、ちゃんとした規格の建物をつくって、適正利潤を計算して、これで売り出しなさい、売り出さなければ、県や国がこれを代執行するという法律がちゃんといま審議を求めておるわけでございますから、この中にちょっと条文を入れればすぐできる。通していただければすぐやります。
○荒木委員 いまの答えは、私が伺ったことと二つの点で大きな違いがある。あなたがおっしゃっておるのは規制地域と特定開発地域でしょう。私が言っておるのは、大企業が持っておる遊んでいる地域ですよ。これが必ずそこへぴしゃりとはまるという、そういうたてまえにはなっておらぬのであります。 問題は価格の問題です、これもあります。あなたは先ほどからしきりに適正価格、適正価格とおっしゃる。いまおやりになられた新幹線、たとえば東北新幹線、一例をあげれば、栃木県の黒磯というところがあります。ここは昭和四十六年の十月に新幹線の計画が認可されて、ここに新那須野駅をつくるということになった。固定資産税の課税台帳、これの登載価格を見ますと、四十五年は百二十円です。四十八年にある鉄道関係の企業がこれを何と四万八千円で買ったのですよ、そこに新幹線の駅ができるというので。地価の問題と、それからおっしゃるところの新全総、経済社会基本計画、この関係は、この一例を見ても私は明らかだと思うのであります。これは取得原価、そこに維持費をプラスして、これでとる。適正価格というような、そんなうまいことばでごまかしちゃだめですよ。現にそういう例は、不動産業者と建設省の間で話がまとまった実例もあるのであります。ですから、そういうふうな国総法だとか、やれ何だとかいうのではなしに、いま目の前にある法人の未利用地、遊んでおるところを、これを住宅用地にすれば、どんなに住宅がほしいと思っている人たちが喜ぶかしれはしません。それをやれというんです。報告書もいっている。しかも、国総法で新幹線だとか、やれ何だとか、特定開発地域のところへ目がついていけば、ずっと地価が上がるという実例がある。そして一方、そんなことをやっている間に、この指定地域、開発地域から漏れた法人の持っておる未利用地は、値上がり利益を待ってそこでたんまりと抱いておるのであります。だから、国総法なんというのは土俵違いだ。私どもの言っているのは、それを撤回して出直してまいりなさい。 私は、時間が参りましたから、いままでのすべての質問についてお答えになった点を特に指摘をしておきたいと思いますが、まず第一に、総理は国民の切実な要求についてはすべて拒否をされた。金のかからぬ手間の問題で一緒に力を合わせてやりましょうや、この問題は、法律的な技術的な問題だけなんだから。これさえ拒否をされた。そして石油関係の大企業については、いますぐやれるのに、やろうとされない。そしていま土地の問題で申し上げたような売り惜しみ放置、土地投機野放し、そして高度経済成長政策を全体としてはやって、なおかつ基本計画も将来の目標も話さぬと、こう言われる。私どもは絶対にこれは承服できないし、国民もこのことについては強く抗議をしている。政策の転換をはっきりとここで要求をして、私の質問を終わります。
○田中内閣総理大臣 ただいまの御質問、御発言に重大な断定がございますので、一言だけ政府の意見を申し述べておきます。 大企業が持っておる土地を直ちに住宅に転換しなさい、これは、総動員法でもあれば直ちに命令をいたします。命令を聞かなければ罰則を適用します。そういう法律がないのでございますから、国総法が通ればそれも可能であるということでございます。現行法においては、法人が売買をした場合においては、それに対して二〇%重課をするという法律的な手段しかないということだけは明確に申し上げておきます。
○荒木委員 私の質問を終わります。
○荒舩委員長 これにて荒木君の質疑は終了いたしました。 午後一時四十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時四分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十三分開議
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。折小野良一君。
○折小野委員 私は、今回提案されております補正予算を中心といたしまして、現在、緊急の問題になっております石油危機の問題そのようなものを交えまして若干の質疑をいたしたいと思います。 まず最初に、総理にお伺いをいたしたいと思います。 今日の石油危機の問題は、わが国にとりまして非常に大きな、しかも重要な問題であることは、申し上げるまでもございません。しかも、その当事国、これが中東紛争の関係もございまして、国民の目がアラブのほうに向いておる、これもまたやむを得ないことでございましょう。そういうような点から、政府といたしましても、今回、三木特使をアラブに派遣をされる、また、場合によっては通産大臣を派遣される、こういうようなことになっておるようでございます。今日まで、わが国のアラブ外交というものができていなかった、こういう面からいたしますならば、この際、アラブに対しましていろいろと外交手段を講じていく、これは当然なことかと思っております。 しかし、当面の石油の問題を考えてまいりますと、わが国の石油がただ単にアラブ諸国からだけ来ておるのではないということでございます。申し上げるまでもなく、メジャーの手を通じて入っておる石油というのは、非常に大きな比重を占めておるわけでございます。こういう面からいたしますと、なるほど、アラブ諸国は石油の二五%も削減する、しかし、また一面、メジャーの中には、三五%の削減の通告をしてきておるところもある、こういうような状況でございます。メジャーと申しますと、何といってもアメリカ資本が非常に大きな比重を占めておる。しかも、アメリカにおきましては、ユダヤのいろいろな動向というのが報道をされております。こういうような面から見まして、やはりアメリカに対する対策というものを無視するわけにまいりません。もちろん、これはただ頭を下げて頼むというようなことでなく、また、泣き言を言って何とかしてもらうということでなくて、少なくとも対等の立場で、友好国であります以上は、わが国の現在の事態を冷静に、しかも正しく判断をして対処してもらいたい、こういう意味における新たなアメリカ外交というものも必要じゃなかろうかということを私どもは感ずるわけでございます。そういう面についての総理の御所見並びに対策をお伺いしておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 日本は、現実におきましても三億キロリットルをこす油を必要としておるということでございます。その四〇%をアラブ諸国にたよっておるわけでございますが、しかし、その六〇%はメジャーズその他他の方法によって入れていることは、数字上明らかでございます。日本が、この膨大もない石油に対して、その九九%以上、約一〇〇%と言っても過言でないほど外国から全部入れておるわけでございますので、いままでのように、石油は安くどこからでも入るんだというような感じでは、とてもこれを満たしていけるわけはございません。また、石油にかわるべきいろいろなものや、産業構造そのものを変えていかなければならぬとはいいながらも、いまの三億キロリットルというものが急激に減って二億五千万キロリットルになり、三億キロリットルになるということは考えられないわけでございます。そういう意味で、六十年展望を七億五千万キロなどということは、とてもできるわけはありません。六億五千万でもできない。五億五千万でもなかなかたいへんである。しかし、五億ぐらいのものというのは、どう考えてみてもやはり必要であるということになるわけです。 そういう意味で、開発輸入その他いろいろなことを進めておるわけでございます。輸入先の多様化ということを前提にしてアブダビの開発に参加をいたしましたり、また北海開発に参加をいたしましたり、それからガボンやアフリカの旧英仏植民地等に対しまして、現地政府と協議をしながらいま開発を進めておるわけでございます。また、ペルーやその他の地域からの引き合いもございます。しかし、最も大きい問題は、やはりメジャーズの大宗をなしておるアメリカであるということで、いま御指摘のとおり、私が資源外交ばかりやっておるという一部の批判を受けながらも、サンクレメンテ会談のときから、シベリア開発に対してアメリカ側の意向を打診したりしておるわけでございまして、第二回会談、ハワイ会談では、アメリカ、日本、イギリス、フランス、西ドイツ等、石油を消費する国々は、お互いに協力をして石油の開発を行ない、備蓄を行ない、また、その中には、ロンボックの問題のように産油国の参加も求めてまいりたい、特に、これらの中東諸国の産油に関しましては、油送船等の会社は産油国側でつくりたいという意思も表明されておりますので、こういうものもすなおに考えながら協力をしてまいろうということで、基本的にはアメリカ、わが国、イギリス、フランス、西ドイツ、この五カ国は大体において合意に達しておるわけでございます。なお、豪州及びインドネシア政府とも、このような方向で備蓄、開発等に対しても話を進めておるということでございまして、現在、日米間に石油問題その他に対してそごはございません。ないばかりではなく、チュメニ油田に関しては、日米共同でもって行なおうという合意がいま進んでおるわけでございますので、そういう意味で、アメリカ側との将来に向けての、石油問題も含めて十分な配慮を続けてまいりたい、こう考えます、
○折小野委員 当面、現在の石油危機に対応いたしまして、多面的な資源外交を展開しなければならないということは、もう当然なことでございます。と同時に、石油につきましては、この問題が解決すれば事はおさまる、こういう問題ではない、こういうふうに私ども考えておるわけでございます。特に最近、わが国におきまして消費いたしております石油の量は三億キロリットルにも及んでおるわけでございます。しかも今日のこの危機に際しまして、今後どれだけ削減をされるか、あるいはその期間がどれだけに及ぶか、これはいまのところ政府におきましてもはっきりした見通しは立っていないであろうというふうに考えます。現在、通産省の指導によりまして、一〇%削減という指導をなされておるのでございますが、先ほど通産大臣から、今後は二割削減、こういうことも考えてまいらなければならない、こういうような見込みのお話がございました。もしそういうことであるといたしますならば、結局いまの三億キロリットルの石油の消費を二億四千万キロリットルくらいに縮めなければならない、それをもとにして今後のわが国の経済というものを運営していく、そういうことをもう今日予測していかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えます。 今日までの情勢を見ますと、わが国の経済成長は非常な勢いで進んでまいっておりますが、世界の各国を見てまいりましても、経済成長の伸びと石油消費の伸びとは、ほとんど歩調を一にいたしております。これだけ石油の供給が削減されるということは、すなわち、それに対応してわが国の経済というものもそれだけ規模を縮小しなければならない、こういうことに当然つながってくるのじゃなかろうか、こういうふうに考えますが、これはなかなかたいへんなことでございます。二億四千万キロリットルの消費でやっていこうということになりますならば、おそらくは四十六年度程度の経済の規模に落としていかなければならないということになってまいりましょう。その変動が急激であるということになってまいりますならば、これは非常な混乱が起こることが予想されるわけでございます。 こういうような面に対しては、今日、ただ単に当面の危機を追っかけておるだけでなしに、将来に対する見通しというものを十分立てて対処しなければならないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、こういう点について、ひとつ経済企画庁長官の見通しあるいは心がまえ、こういう点をお伺いいたしたいと思います。
○内田国務大臣 私は、正直に申しまして、非常にきびしい見方をいたしております。しかしまた、この問題は、国際的な動きにも大いに関連するところでもございますし、また、経済は生きものでございますから、いたずらに国民に将来に対する悲観を与えるということも適当でない面のあることも考慮しなければならないと私は思います。しかし、現実をおおい隠したり、私ども目をつぶるべきでないと考えまして、先般も、本年度の経済見通しにつきまして思い切った改定の試算を発表いたしたわけでございますので、明年の経済見通し等の要因を慎重にただいま検討をいたしておりまして、明年度の予算編成の基盤とも関連をいたしまして、遠からず一応の見通しを立ててまいりたい、かように考えております。
○折小野委員 したがいまして、今後の見通しに即応した適切な施策をとってまいらなければならない、こういうことは当然なことでございますが、そういう際に、とかく安易にやられますのは、一律削減あるいは一律規制、こういうようなことが行なわれまして、実際の国民生活というものが、いろいろな面におきまして阻害をされる、こういうことを私どもはおそれるわけでございます。したがって、こういう面につきましては、国民生活優先の立場から、必要なところには必要な石油が回される、不要不急のものについては規制をきびしくする、このような運営がなされる必要があるんじゃなかろうか、こういう風に考えるわけでございます。こういう点につきましては、当面、近くできるであろう石油需給適正化法案の運用に携わる通産大臣の御所見を承っておきたいと思います。
○中曽根国務大臣 まさに同感に存ずる次第でございます。やはり中小企業、農漁業、あるいは医療関係、あるいは大衆交通手段、特に食糧生産関係、食糧輸送関係、こういう問題は、優先的に配慮しなければならぬと思っております。
○折小野委員 そこで、さらにもう少し、先ほど私が申し上げた質問に関連をいたしまして、長期的な石油政策というものを考えてまいりますと、これはやはり政府におきまして相当対応する対策というものを講じておく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えます。 現在、石油開発公団法がございまして、公団がいろいろと石油に関する施策を講じておるわけでございますが、これは民間石油業界に対して資金をあっせんする、こういうような程度の機能しか果たしておりません。こういうような情勢の中において、このような機関がもっともっと石油対策として十分な機能を発揮するためには、やはりこのような法律を改正いたしまして、今後に対する有事即応の体制をとっておく、こういうことが必要であろうと考えるわけでございます。したがいまして、公団に対しまして、石油の鉱区取得、あるいは開発輸入、あるいは政府自体の備蓄、こういうような業務をも行ない得るような体制をとっておくことが必要であろうと思うのでございますが、こういう面についての法改正、これに対する通産大臣としての御意向を承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 御同感でございまして、そういう御趣旨に沿って法改正をいたしたいと思います。
○折小野委員 今日のこの石油危機がどういうような形になっていくかということは、なかなか予断を許さない面がございます。しかしながら、きわめてきびしい情勢になっていくのじゃなかろうかという見通しにつきましては、多くの一致した見通しであろう、こういうふうに考えます。ということになりますと、エネルギー多消費型の産業、石油多消費型の産業、これは当然でございますが、石油関連の多くの企業におきましては、これは操短に追い込まれる、こういうことが予想されるわけでございます。しかも、これは緊急に予想される事態にある、私はそういうふうに考えます。これに対しましては、もちろん、企業自体といたしましても、防衛のためのいろいろな施策を講じてまいらなければなりませんし、当然講ずるでございましょう。しかし、それが進んでまいりますと、結局は一時帰休あるいは人員整理、こういうことにつながってくるわけでございまして、そういうような異常な事態に対しましても、今日からすでに用意をしておかなければならないんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、政府におきましては、こういうような事態に対しましてどのような措置をとっていこうとしておられるのか。特に、こういうことになりましてその被害が及びますのは、勤労国民大衆でございます。そういう面に対する労働省としての対策をお聞かせいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 石油危機の問題については、この内閣が全力投球して解決すべくがんばっているところであります。それが経済混乱を招かないゆえんだ、こう思っております。 そして、ただいま御質問されたようなことになりますと、雇用面につきましては、御承知のとおり、ただいまは若年労働者の場合には一人に対して十人、二十人の求人があるし、また経済企画庁の発表によりましても、一人に対して二人の求人がある、こういうことで、非常に需給関係が逼迫している時期でありますから、急にそういう事態はないであろうと思いますが、御心配のようなことにつきましては、今後の情勢を的確に判断いたしまして、事態の推移に対応して適当な手段をとろうと思って研究しております。
○折小野委員 ただいまの大臣の御答弁によりますと、緊急にそういうような事態にはならないであろうという、きわめて楽観的なお見通しのようでございますが、私どもは、すでに一部におきまして、一時帰休等を考慮しておる企業が出ておることを承知いたしております。しかも、緊急にそういうような対策が多くの企業においてとられようとしておる、そのようなきびしい情勢も私どもは聞いております。そういう点からいたしますと、政府の対策というのは常に後手後手に回るわけでございますが、今回もそういうようなことになってはいけないんじゃないかと私どもは考えるわけでありまして、たとえば一時帰休につきましては、西ドイツ等におきましては、操短手当、こういうような制度の中におきまして帰休者の所得を保障する、またアメリカ等におきましても、失業保険金の運用と、さらに失業手当を考慮いたしまして、そういう面の配慮をかねていたしております。こういう点につきましては、やはり政府といたしましても当然考慮しておく必要があろうかというふうに考えるわけでございます。 また、わが国におきましても、かつて繊維危機の時期におきまして、失業保険法の運用をやられたはずでございます。今回の場合は、そういう状態がもうすぐ目の前に見えておるわけでございまして、そういう面についての心がまえ、対策、これはもう当然緊急にやっていただかなければならない、こういうふうに考えます。いかがでございますか。
○長谷川国務大臣 お答えいたします。 いろんな情勢を全部調査分析して、私のほうでもあらゆる場合に備えようと思ってやっております。ただいまお話のありました失業保険制度の問題につきましては、抜本的な見直しをしようと思って、これは積極的に検討をいま進めているところであります。いろんな場合に備えて、私たちは勤労者を守る側でございますから、一生懸命やろうと思っておりますから、御理解願います。
○折小野委員 緊急の事態に対しまして対策が後手にならないように、ひとつあらかじめ十分用意をしていただき、また、かねて対応する対策を講じておいていただきたい、こういうふうに考えます。 ところで、石油の問題と関連をいたしまして、今日の異常な物価高に対しまして、今回、国民生活安定法案というものもすでに国会に提案なされまして、審議に入ろうといたしております。この問題に関連をいたしましてひとつお尋ねをしておきたいと思います。 諸物価の値上がり、これはいまに始まったことではございません。しかも、きわめて急激な値上がり、これもまたすでに数カ月前から始まっておるわけでございます。こういうような事態に対しまして、政府においても何らかの規制をしようという話が出、また、物価を規制するための国民生活安定法というようなものの立案が急がれておる、こういうような報道の中におきまして、御存じのように売り惜しみ、買い占め、一そうの物価の高騰、これが進んでおるわけでございます。中には、もうすでにことしの夏ごろ契約をいたしまして、そうして品物も入っておる、それがいまになって、そのときにさかのぼって価格を上げる、こういうような申し出があって、非常に困っておる中小企業者あたりも現実にはたくさんあるわけでございます。法律は原則として、それが制定されましてから適用される、これはもう当然なことでございましょう。しかしながら、こういうような問題につきましては、そのことのために、いままで行なわれたそのような不当な行為、それがそのまま是認されるということになってまいりますならば、これは社会正義という面から見てゆゆしい問題になろうと思っております。物価の面からいたしましても、結局、高物価安定というような形になっていってしまいます。したがいまして、今回この法律が出るにいたしましても、今日までのそのような情勢を考え、これもまた是正をするのだ、規制をするのだ、これもまた実質的に対象にするのだということでなければ、ほんとうの対策にはならないというふうに考えるのでございますが、そういう点についてはいかがお考えになっておりますか、企画庁長官の御答弁をお願いします。
○内田国務大臣 今度の緊急措置法におきましては、標準価格というようなものを、指定物品をきめました際には、遅滞なくきめることになりますが、その標準価格のきめ方は、先ほども私が他の委員の御質問に対して申し上げましたように、なかなかむずかしい面もございます。一つの物資の中にもいろいろな銘柄、品種がございますので、全部についてきめられない。したがって、標準品目というようなものを、どのものを標準品目としてとるか、こういう問題から出発をいたしまして、その標準生産費、あるいは仕入れ価格、あるいは輸入価格というものに、何が適正利潤かというようなことまで検討をいたして積み上げるわけでありますから、その積み上げの過程において、折小野さんがおっしゃったように、あらかじめこのことあるを想定して、安いうちに買い占めておいて、そうして今度の価格指定の際に、不当な、適正ならざる、いわば買い占め利潤みたいなものを標準価格の中に織り込むようなことになることは、これは私はいろいろの問題があると思います。 そこで、法律のつくり方も、これはだんだん当該委員会において御議論いただくことになると思いますが、そういう算術的な積み上げのほかに、実際の経済の動き、物の需給のあり方、あるいは消費者側のほうにおけるいろいろな事情というようなものも勘案をしてきめてまいる、こういう一般的の考え方をとるわけでありますが、これは、もう各省におまかせすると、各省それぞれの事業に関連をする立場にもございましょうから、私どもは、中正な立場において中正なきめ方を協議の上していく、こういう考え方で進みたいと考えるものでございます。
○折小野委員 一般的にはわかりますが……。 具体的に申し上げます。 最近、物不足というようなことで、トイレットペーパー、砂糖、こういうものが急激に値上がりをいたしました。この法律ができました段階においてはそう値上がりがなかったにいたしましても、すでにこういうような状態はいまあるわけなんですね。このトイレットペーパー、砂糖、これも標準品目に取り入れて、そうして標準価格をきめて、そして下げる、こういうことをいたしますか。できますか。
○内田国務大臣 トイレットペーパーとか――砂糖を対象にいたすのは、いいかどうかわかりませんけれども、とにかく生活関連物資の中から、この際最も必要なものを指定物資として指定をいたします。その際の価格が――トイレットペーパーの騒ぎも御承知のように一時落ちついてはいますけれども、高値安定だといわれておりますから、その高値安定の価格がそのまま標準価格になるかどうかということにつきましては、私はいろいろ問題はあろうかと思います。しかし、必ず下に引き下げて、いまから何カ月前の値段に引き下げて、それを標準価格にするのがいいか。まあ標準価格でございますから、値幅もございましょうから、その辺のとり方につきましては、先ほど申しました一般的な考え方のもとに、妥当な、消費者の方々にも、またディーラーの方々にも納得していただけるような中値標準価格というものをきめる、こういうことになろうと思います。
○折小野委員 ひとつ具体的に御努力を願いたいと思います。時間もございませんので……。 次は、沖繩海洋博についてお伺いをいたします。 今回の補正予算におきまして、沖繩海洋博の準備経費、それから沖繩海洋博に関連する公共事業費、それについてそれぞれ追加予算の措置がとられております。この補正によりまして事業が計画どおりに進捗するものである、こういうふうに考えてよろしいのかどうか。したがって、沖繩海洋博についての今日までの準備段階、これがこれまでの実施計画にあわせてどういうような進捗状況になっているのか、お伺いをいたします。
○中曽根国務大臣 沖繩海洋博につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、現地の屋良知事の御意向もよく承りまして、慎重に処理していきたいと思っておるところで、これを中止するという考えはもちろんございません。 そこで、現在の進捗状況は、海洋博協会は、本年八月本部を那覇市に移し、また現地に工事本部を十月に建設し、本格的に工事を推進する体制となって、目下土地造成工事が比較的順調に進められているほか、施設の建設も近く着工される予定であります。 政府出展施設の海洋文化館、水族館、アクアポリス及び海浜公園についても、近く着工の運びとなっております。さらに関連事業についても、縦貫道路等主要工事については、すでに工事に着手しております。 外国の参加動向については、現時点ですでに参加を決定している国及び参加が見込まれている国は、約四十カ国及び数国際機関に達しております。
○折小野委員 沖繩海洋博につきましては、申し上げるまでもなく、きわめて重要な意義があるわけでございます。すなわち、沖繩の本土復帰に伴いまして、沖繩の開発、本土との一体化、こういうものを一つの目的といたしました国家的な行事として計画をされました。したがって、これの遂行につきましては、その当時の沖繩政府立法院におきまして満場一致の要請もあったはずでございます。そしてまた、現地沖繩の人たちも、その推移について重大な関心と期待を寄せております。それからさらに、万博につきましては、申し上げるまでもなく、これは国際的な行事でございますので、その成否は国の面目にもかかわる、こういう問題もあわせてあるわけでございます。 そういうような沖繩海洋博の重要性を考えまして、私どもは、ぜひ既定計画どおりに地元の期待に沿って完成をしてもらいたい、こういうふうに考えておったのでございますが、先ほど来の新聞報道によりますと、延期の方針を政府はきめまして、そういう立場から現地の打診を行なった、あるいはパリの海洋博事務局に対しまして了解を求めるための使節を派遣したというふうに伝えられておるわけでございます。 この問題に関連いたしましては、おそらく現地の不安、混乱、こういうものがいろいろあろうかというふうに考えるわけでございますが、はたして海洋博をどうするのか。ただいま担当通産大臣は、中止することはしないと、こういうふうに申されました。そしてまた、通産省のあの正面のかどには海洋博の看板がかかっております。五十年三月二日から八月三十一日まで、けさはたしか、あと四百四十九日ですか、こういう宣伝塔が建てられております。この問題は、早急に決断すべき問題だというふうに考えるのでございますが、政府の真意を、これはひとつ総理にお尋ねいたします。
○田中内閣総理大臣 沖繩海洋博は、御承知のとおり、世界で初めて行なわれる海洋博でございますし、沖繩返還という歴史的な事実に対して、沖繩と本土との一体化をはかるための大事業であるということは、御指摘のとおりでございます。 この沖繩の海洋博というものを、沖繩の経済復興、将来の沖繩というものの一つの方向づけをするためのものにしたい。沖繩の自然環境を守りながら、海洋工学、海洋開発とか、そういう問題の先駆をなそうということで、国際的にも注目をされておる事実でございます。でありますから、いま四十カ国参加しておりますけれども、これが開催がもう少し切迫すれば相当なものが参加をするということでございますし、アメリカなどは、次回に行なわれるハワイ博の前段における海洋博として非常に注目をいたしておるわけでございます。特に、海洋学者などはたいへん注目しておるものであります。ですから、国の内外から注目されておる大事業であるということでございますので、これを中止するという考えは全くないということでございます。 ただ、いま、延期するかどうかという問題がございます。延期といっても半年ぐらいの問題でございますので、これが混乱を起こすのか安定をするのかという問題が起こるわけでございますが、実際において延期がされた場合でも、混乱が起きるというよりも、スムーズに事業が執行できるという見方が多いわけでございます。なぜかといいますと、労働者が足らない、急速に他の工事までが影響を受けている、日時が限られておりますので突貫工事を行なっておるということで、いろいろ現地に問題が起こっておるわけでございます。ですから、三カ月延びるか、四カ月延びるか、六カ月延びるかということはございますが、真夏のことよりも秋口からのほうがいいという気候的な見方もございますし、いま急ピッチになっておる事業を、このまま進捗させるよりも、多少先が延びる、ゴールが延びるということであれば、より合理的な工事を進捗せしめられるというような問題もございますので、現地当局の意向も聞きながら最終的判断を求めておるというのが政府の実態でございますが、この海洋博は、やはりどうしても成功させなければならぬ問題であって、国際的だけではなく、国内的にも、沖繩もこれでもって二十五年間、四半世紀の苦労を忘れていただきたいというのではございませんが、やはりそのぐらいな大きなメリットを持つものであるという考え方でございますので、合理的な沖繩博の開催を目ざして、いま苦慮しておるというのが実情でございます。
○折小野委員 時間がございませんので、いろいろと申し上げませんが、私は、この際、沖繩県民の信頼にこたえるということが一番大切なことだというふうに考えます。いろいろな困難はございましょうが、多くの困難を克服して、県民の信頼にぜひひとつこたえていただきたい、こういうふうに期待いたします。 次は、超過負担についてお伺いをいたします。実は、こまかにそれぞれお伺いをする予定でございましたのですが、時間もございませんので、たいへん申しわけありませんが、一括して申し上げます。 超過負担につきましては、かねてから言われておることでございますが、特に、先ごろ大阪府の摂津市から、保育所の超過負担の問題について政府に意見書が出されました。また最近は、政令九市から、一般的な超過負担の解消についての意見書が出されました。この超過負担につきましては、ぜひひとつこれを解消して、そうして地方自治体が国民福祉の向上のために多くの公共事業を円滑に実施できるように、こういうふうにやっていくべきであろう、こういうふうに考えるわけでございます。ことしの補正予算におきましても、最近の異常な物価高に対応いたしまして基準単価の是正を行なっておられますが、しかし私は、これをもって超過負担が解消されるというふうには見ておりません。その辺の見通しと、今後の解消のための対策、これを自治大臣と大蔵大臣にお願いをいたしたいと思います。
○福田国務大臣 超過負担問題は、これはなかなか長い問題でありますが、最近におきましては、昭和四十七年に調査をいたしまして、その調査に基づきまして、四十八年、九年にこれを解消する、こういう計画で進行中であったのです。ところが、その過程におきまして、今回のこの異常な物価高に際会するということになりましたので、予算の執行上のやりくりでその一部を解消する、それから、なおまた今回の補正予算においてその補完措置を講ずる、こういうことにいたしたわけです。この問題は、前からも、四十八年、九年にこれを解消する、こういうことになっておりますので、四十九年度予算の編成にあたりましてはぜひさようにいたしたい、さような考えであります。
○町村国務大臣 ただいま大蔵大臣が大体御答弁になったとおりでございまして、本年度の実行段階で、すでに二回にわたりまして補助単価の引き上げをいたしまして、その解消につとめておるところでございますが、明年度の予算等につきましても、この点、単価あるいは補助基準等の改正につきましても、十分ひとつ配慮をいたしてまいりたいと考えております。
○折小野委員 なかなか今日までの対策も十分じゃないわけでございます。私が把握した数字から見ましても、たとえば住宅の中層耐火構造一種、これが平米当たり、ことしの当初の基準単価で三万八千円、今度の改定によって四万七千円。しかし、つい最近契約ができました東京都下のある市におきましては、これが七万七千円、これでなければ現実に住宅一戸建たないわけなのであります。こういう面からいたしますと、今回の是正が行なわれたりとはいえ、きわめて大きな超過負担があとに残るということでございます。自治大臣は、特に地方団体の立場に立ちまして、この超過負担の解消のために一そうの御努力をお願いいたしたいと考えます。 それから、さらに同じような形におきまして公共事業の執行を阻害いたしておりますのが、土地の問題地価の問題でございます。この点につきましては、土地問題ということでいろいろ出されておるわけでございますが、一刻も早く有効な地価対策を講じていくべきである、こういうふうに考えます。 これにつきましても、国総法に関連いたしまして総理のいろいろなお考えがございますが、それは一応別といたしまして、公有地だけについて申し上げますと、現在、自治省を中心にいたしまして、公有地拡大のいろいろな政策がとられてまいっております。このためには、起債も大幅に増額しょう、あるいは地方開発公社というものを認めてそうして公有地を確保できるようにしょう、こういうような対策がいろいろ進められておりますが、その反面には、それぞれの自治体が持っております公有地を安易に払い下げてしまう、こういうような例が多々あるわけでございます。こういう面は、基本的な土地対策の立場からいたしましても、適当な指導あるいは規制がぜひ必要である、こういうふうに考えるのでございますが、自治大臣の御所見をお伺いいたします。
○町村国務大臣 自治体にも、いろいろ事情がそれぞれ違うところがございますが、中に、いま公営住宅などを建てたいと考えましても、その土地がないために建てられないという事情のところもあることは、私どもも承知をいたしておるわけでございます。御承知のように、国といたしましては、地方公共団体につとめて公有地を取得させたいという考えのもとに、種々の対策を講じておるわけでございますが、今後さらにこの対策はより強く進めてまいりたい。 なおまた、いま折小野委員から、土地を安易に手放すというお話がございましたが、これはいろいろな事情があってそういうことが起きておるのかもしれませんけれども、要するに、財政事情等からやむを得ずやっておるというようなところもあるかと存じます。そういったものに対しましても、せっかく手に入れました公有地を手放すというようなことのないように、起債その他で私どもが援助のできるものにつきましては、できるだけそういった配慮を進めてまいりたい、こう存じておる次第でございます。
○折小野委員 それから、同じ公有地の関係でもう一つ具体的にお尋ねをいたします。これは大蔵大臣にお伺いします。 公共事業を行なうときの土地を取得いたします場合に、それを取得しやすくするために、土地の所有者に対しまして税の優遇措置を講じてございます。ところが、公有地拡大ということで、最近は先行取得ということをやられておるわけでございます。そしてまた、開発公社等があらかじめ公共用地になる予定のところを先に取得をしていく、こういうような対策も講じられております。ところが、本年度の公共事業に対する用地に対しましては、税の優遇措置を講じられておる。しかし、先行取得その他、あるいは開発公社の取得に対しましては、その措置が講じられない。片一方で政策を出しながら、片一方で足を引っぱる、こういうようなことになってきておるわけであります。そういう点につきましては、先行取得であろうとなかろうと、公有地拡大の趣旨に合致するものについては、同じ税の優遇措置を講じていく、こういうふうにされたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
○福田国務大臣 国公有地の取得に対しまして、その取得を容易にするための所得税の特別控除という制度のお話だと思いますが、これは、その取得の態様で差別をしておるわけです。つまり、土地収用法というような、強制的に国、公共団体が買い取るというような体系のものにつきましては、二千万円という高額の特別控除をする。これはことしの春の国会で、そういうふうに控除額が増額されたのかと思います。それから、その他の任意で出すというもの、そういうものにつきましては、任意で出す態様に従いまして、千万円とか五百万円とか百万円、そういうふうになっておるわけでありますが、ほんとうに先買いだというような場合におきましては、これを全く任意に土地所有者が提供する、そういう性格のものでありますので、百万円ということになっておるわけですが、大体、いろいろ検討した結果その辺が妥当じゃあるまいか、こういうことになっている次第でございます。
○折小野委員 公共事業の推進をはばみ、あるいは国民の福祉を実質的に高めるための施策を阻害しておる、その中で超過負担と土地の問題を申し上げました。その結果がどういうことになっておるかというふうに考えてみますと、学校建設におきましては、今回の補正を含めたにいたしましても、四十七年度は四百八十一万平米ができております。ところが、ことしは四百万二十四平米しかできません。それから保育所ですと、四十七年度は六百八十カ所建設されておる。ところが、ことしは、この補正を見ましても、五百五十一カ所しか建設をされません。公営住宅につきましては、四十七年度十二万戸の計画の中で九万七千戸しかできませんでした。今度の補正で、ことしの公営住宅十万八平戸と、一万六千戸も減らされました。しかも、減らされたこの計画も、はたしてどれだけできるのかわからぬというのが現在の実態でございます。ことしの予算につきましては、国民の福祉を高める福祉予算だ、こういうふうにおっしゃいました。福祉元年ということばまでございました。ところが、結果は、四十七年度よりかなるほど金額は上がっておりますでしょう、しかし実績は、保育所においても、公営住宅においても、学校においても、四十七年度の実績を下回る予想しか立たない。しかも、これから三月までの情勢を見ますと、もっともっと下回るであろう、こういう状況でございます。私は、これは福祉予算どころじゃない、福祉元年という看板はおろしてもらわなければならない、こういうふうに考えます。総理の見解をお承りしたい。
○田中内閣総理大臣 この問題はひとつ来年度は何とか片づけたいと思っておるのでございますが、それには、根本的な考え方を変えていかなければならない問題がございます。 それは、いま全国的に見て、社会保障施設等が完全に消化できないというのは、土地の問題がございます。それから事業単価が上がっておるという二つの面がございますが、問題は、やはり土地の取得が一番大きなガンでございます。そういう意味で、あなたが先ほど指摘をされたような公用地の先行取得というものに対しましては、現行法の問題がありますが、国総法の審議の過程においては当然出る問題だと私は予測しておったのです。これは、やはり先行取得をするという場合でも、収用と同じようにしなければいかぬのだという感じを私は持っておるのです。そうでなければ任意拠出はいたしません。百万円といえば、坪三千円で一反歩でございますから、とてもそれではできるわけじゃございません。ですから、その土地を拠出する人が換地を要求する、そして国や地方が換地を出せるような場合は、これは税の負担というものに対して特例を認める必要はないと思いますが、そうではなく、公の立場でもってこれを提供してもらうということになれば、収用と何ら異ならないわけであります。場合によれば収用法を発動すれば済むわけであります。形式的に発動しているところもございます。そういう不公平があってはいけないので、やはり具体的に実情に合うようなものにしなければ、なかなか土地の取得は困難であるということを考えています。 それからもう一つは、公営住宅ができないということは、東京、大阪、名古屋の三大都市圏がほとんどできない。一割も消化できないということでございます。これは一〇%減ではなく、割り当ての一割もできないわけでありますから、九割減でありますから、これは総体的に見て建設戸数が減るのは当然のことであります。だから、これはやむを得ざる事情として、近隣の府県にこれを求めておるわけでございますが、近隣はとても、千葉県も埼玉県もごめんでございます、こういうことで、条例でもって今度禁止しようということでありますので、なかなかできない。 そこで、私が述べておりますのは、不良街区の改良というように特定地域を指定しまして大規模の街区整備を行なったりして、その中に公営住宅をつくるということでなければなりませんし、今度筑波学園都市に転出をするあと地がございますが、このあと地をそのまま不特定多数に抽せんでやったら、これはとても消化はできません。来年度消化しても再来年はできませんから、ここには街区を指定しまして、その区域の人たちを入れるためのものをつくって、そしてそこを空地にしたら、そこにまた公営住宅をつくって、そして第二の街区の人たちをそこに入れるというようなことをしなければ、いまのような状態で、坪五十万円だ、百万円だというような三大都市圏において公営住宅が消化されるとは、私は思わないのです。 ですから、具体的な問題は現にみんな明らかになっておるわけでありますので、やはり単価を上げるだけではこの問題は片づきません。単価を倍にしなければ片づかないというほどの問題でありますので、そういう意味で、公営住宅というものを、来年は質を一年ぐらいよくしなければいかぬ。量から質へと転化すれば建設戸数は少なくなりますけれども、いつまでもそうやっておれないので、分譲住宅とか賃貸住宅の数をきめて都心部にこれをつくる、職住の近接をはかる、こういうようなことを積極的に進めるということによって公営住宅の消化をはかっていくということが必要だ、こう考えております。
○荒舩委員長 折小野君、約束の時間が来ておりますので、もう一問許します。
○折小野委員 いろいろお話がございますが、やれないんじゃなくて、やらなければいけないんだというふうに考えます。 時間も参りましたので、これで終わります。
○荒舩委員長 これにて折小野君の質疑は終了いたしました。 次に、小林進君。
○小林(進)委員 私に与えられた質問時間は一時間四十分であります。答弁を含めて一時間四十分でございますので、それを私は、物価問題で十分間、社会労働、社会厚生問題で二十分、それから農林、労働、郵政で三十分、あとの四十分は外交、特に金大中、韓国問題というふうに時間を配分いたしておりますので、その配分以内で、御答弁をいただくほうも、密度の深い、しかも合理的な答弁をお願いいたしたいと思います。 まず第一番に、私は大蔵大臣にお伺いいたしますが、高度成長と安定成長についての大蔵大臣の御所見を承りたいのでありますが、これについての理論的な構成は、何回もここで答弁を承っておるのでありますが、私がお伺いをいたしたいということは、過去の実績を通じて具体的にあなたの安定成長をどう示されたか。これはもっと言いかえれば、あなたは池田内閣のときの――池田内閣は高度成長でありました。その中におけるいまの田中さんは、池田高度成長内閣の大蔵大臣であり、高度成長のチャンピオンであった。それに対して、あなたは終始一貫この高度政策を批判された。安定政策でなければならないということで、巷間伝うるところ、あなたはそのために池田さんから四年間の冷や飯を食わされた。その池田内閣がやめて今度佐藤内閣になったとき、あなたは今度佐藤内閣の安定成長論者のチャンピオンとして、今度は佐藤内閣の中枢部にすわられて、約七年八カ月の佐藤内閣の中で、あなたは大蔵大臣を二回おやりになりまして、通計四年有余カ月大蔵大臣をおやりになっている。 そこであなたは、今度はあなたの主張どおりの安定政策をお進めになったわけでありまするけれども、そのあなたの安定政策と池田内閣における高度成長政策とどう違うのかということで、実はあらゆる資料を克明に私は調べたのであります。調べたのでありますが、どう調べてもわからない。 そこで、今度は学者に尋ね、あるいは資料等もここにありますが、ここには岸内閣、池田内閣、佐藤内閣、田中内閣に至るまでの成長のグラフがあるのであります。これを見ていってもどうしてもわからない。 そこで、私は、時間がないですから、何しろ十分でやろうというのでありまするから、私の主張はやめますが、ひとつ具体的に実績を通じて、高度成長と安定成長は、過去においてもこう違ったのだということを、これは理論は要らぬです。実際でお示しをいただきたい。
○福田国務大臣 私は、四年数カ月大蔵大臣をやっておる。そのときには、経済運営上物価と国際収支を重視する、これに破綻を生ずるような運営はしない、こういうふうに言ったのですが、よく諸指標を見てもらいたいです。まあ、多少のことはありますが、大体において物価と国際収支に、あれだけの成長をいたしましてもそごを来たさなかった、これは、非常にわが戦後経済史において安定した時期であった、こういうふうに私は考えております。
○小林(進)委員 それで、私どもは高度成長か安定成長かいろいろな角度で、あなたは資源だの物価だの、いろいろ四つの項目をおあげになっていますが、それは別として、私どもはやはり高度成長は伸び率、その伸び率の中における名目と実質、その差がどうあるかというようなことも重要な資料の一つだと思っています。 これを見てみますと、鳩山内閣のときは、これはふしぎでありますが、三十三年、ここでは名目成長よりも実質成長のほうがむしろ上回っておる。実に私はおもしろい現象だと思うのでありますが、名目五%に対して実質が五・八%。岸内閣のときは、時間がありませんから、ぶっとばしましょう。それで池田内閣に至って、とにかく三十六年はこれはひどいのです。名目が二三%で実質が一四・二%ですが、三十七年、八年をずっと見ますと、大体名目が一八%で実質が二二%、三十九年、名目が一六%で実質が一二%、四十年は名目が一一%で実質が五・五%なんでありまするが、そこでチェンジをいたしまして、今度は佐藤内閣に移っていくのでありますが、あなたの代になると、四十一年が名目が一七%で実質が一二%、四十二年が名目が一八%で実質が二二・五%、四十三年が名目が一八%で実質が二二・五%、四十四年が名目が一八%で実質が二・五%。なるほどみな一八%まで名目がいっていますから、その意味においてはあるいは安定したとおっしゃるかもしれません。名目と実質の開きはちっとも縮まっておりませんし、その成長率は、実に池田内閣のときよりもっと高いのであります。四十五年もありますが、やはり名目が一六・五%で実質が九%ということですよ。 どうもこれを見ると、高度成長、安定成長と、みんなことばの上で何か区別があるように幻惑をされて、今度は安定成長大蔵大臣だからわれわれの生活もよくなるのじゃないかと、これは期待をしておりますけれども、数字の上には一つも出てこない。 同時に、いま一つ私はお聞きをする。私はあなたを攻撃しているのじゃない。私はあなたの財政政策を尊敬しながら、私の疑問に答えていただきたいという謙虚な気持ちで聞いておるのでありますから、ひとつ……。あなたは、あなたの時代に初めて公債政策ということをおやりになった。国債発行になった。私の常識からすれば、ドッジ以来、健全財政というものは、収入をやっぱり税収でまかなっていく。公債というものは借金政策だ。借金政策なんというものは不健全財政だというのがわれわれの常識なんだ。あなたはその借金政策を、安定成長の中で初めてお開きになったことは――赤字公債ではないですな。まあ建設公債という名目でございましたけれども、これはわれわれから言わせれば、健全財政に対する一つの空気穴をつくったことではないかと思うのでありますが、これを含めて、どうしても私はあなたのおっしゃる安定成長と高度成長の差別がわからぬのでありますよ。それはことばじゃないのですよ。まさに四つの項目なんか、もう何回も聞きましたからいいのです。形でひとつ、実際の面でこう違うのだ、予算の内容でこう違うのだ、定義でこう違うのだということをお示しいただけないか。無理でございましたら、あとから文書でもよろしゅうございます。
○福田国務大臣 無理じゃありませんから、いまお答えしましょう。 いま小林さんの話がありましたその数字ですね、それが端的に安定成長という姿を示しておるわけです。つまり、実質一二%あるいは二二%、それからノミナルがまあ一七、八%、その差が五%ぐらいです。つまり、その五%の差で推移しているということは、物価が五%ぐらいの上昇でとどまっている。しかも成長が一二%だ。これはまあ相当の実績をあげているわけだ。それにもかかわらず物価が、まあ満足すべき状態じゃありませんけれども、まあやや安定です、これは。また卸売り物価はまあ横ばいだ、こういう情勢でありますから、まあまあ私はよかった、こういうふうに思っております。 それから国債の発行につきましては、私は好況のときにはこれは国債はなるべく発行しない、不況のときには公債は発行する、そういう考え方をとったわけなんです。そのとおりやってきておりまして、まあ好況が続きましたから、公債漸減政策、それをとって、そのとおりにやってきております。数字をごらんになればよくおわかりになる、かように存じます。
○小林(進)委員 何しろ時間の制約がありますものですから、ここでやっているとどうも時間がないし、しますので、納得がいかないところがありますけれども、一応ひとつ、せいぜい大蔵大臣の考え方としておことばだけを聞いておきましょう。これはしかし、私はまだ決して問題を解明したわけではございません。また私もひとつ研究させてもらいますから……。 次に今度は、今年度に入ってからの、あなたのおっしゃる名目と実質の違いであります。これは田中内閣になってからであります。これは驚くなかれ、四十八年一月から三月までの、月計算で名目五%です。実質が三・五%。四月から六月までが、名目が五・五%に実質が〇・七。いいですか、この統計ですけれども、これは実質的には経済の成長がすっかりとまっちゃった、逆転です、これは。七月から九月に至っては、名目が四・八%伸びて実質は〇・五です。だから実質成長率はもはや逆転を打っているわけですな。このままで年間計算でいったら、これは実質は一体どこまで落ち込んじまって、前年度に比較してどこまで落ち込んで、名目は一体どこまで――名目はおそらく五〇%から六〇%くらいも伸びて、実質はがた落ちをしていくのではないかという、こういう一つの数字があらわれているのであります。この現象は、あなたの安定成長論から見て、一体どういうことになるのでございましょうか。
○福田国務大臣 改定見通しによりますと、実質が六%、名目が一七%でございます。その差が一一になっておるわけであります。しかもそれが、だんだんと年度初めから年度終わりに近づくにしたがいましてふえておる、こういう状態です。これは私は異常な状態だ、こういうふうに見ておるわけであります。
○小林(進)委員 この異常な状態という認識の上に立って、これにどう手入れをされるかという、私は何も学問的に議論しているわけではないのでありますから、政治の面においてこれはどう一体手入れをしていくかということが問題なんでございますが、時間もありませんから、私は結論として、あなたの四十九年度の予算の仕上げです、その仕上げの中で、いまあなたの言われるいわゆる安定成長という一つのイデオロギーをどう具体化されるかということは、私はこれからの命題だと思う。それを聞きたいからこそ私はいまのことを申し上げてきた。 それに対して、これは私の考えですけれども、なくなられた愛知大蔵大臣、この人は四十九年度の予算編成に着手しながらなくなられていったが、そのときには、今年度の予算に比較して二三%の伸びで押えたい、二三%を中心にして押えたい、こう言われた。ところが、幽明境を異にしたのでございますが、しかしわれわれは、愛知さんはやはり高度成長論者の一人であるというふうに判断をしておりました。それは批判はいつでもよろしいが、今度はそこへあなたが入ってこられて、一切は白紙だ、この非常事態宣言の中にあっては、もはやいままでの予算編成方針は改めて、これから白紙でやるんだ。私は非常にけっこうだと思います。けっこうだが、しかし、その中で世人は見ておるんだ、福田さんの安定成長論、お手並み拝見だぞと。しかし、社会保障等の当然増もありますし、どんなに安定成長と言葉だけは安定成長論をやっても、実質の面においてこれを二〇%のワクに押えることはできぬだろう。おそらく、苦労したところで二二%ぐらいの伸びにおさまるんじゃないか。もし二一%とすれば、愛知高度成長と差のあるところはわずかに二%、二二%なら一%の差しかない。ことばでは安定だけれども、愛知と福田をかえてみたところで、予算編成の表面に出た数字は、何だ同じじゃないか、そういうことになってしまって、やはりこの内閣改造、福田さんを大蔵大臣にしたのは、これは田中総理の勝利だね、福田さんは総理に縛りつけられちゃったけれども、実質の面において愛知も福田も同じゃないかというようなことで、むしろ福田大蔵大臣は苦境に追い込まれるのではないか、こういう一般の世評なんでございますが、これが一つです。いわゆる来年度予算の中に、今年度の予算に比較してどれだけの伸び率を見せるかというのは、あなたの手腕、いわゆる福田財政の中心的手腕の一つですから。 いま一つはその内容です。二〇%にするか一八%にするか、同じ伸び率の中に盛り込める材料が、成長の資材、産業中心にした成長の項目をたくさん入れてくるのか、いわゆる別な、生活に直結する項目をたくさん入れてくるのかという、問題は内容の問題であります。これを一体どう処置せられるのか、十分の範囲でございますから、早急にひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○福田国務大臣 たいへん御同情を賜わりましてありがとうございます。 伸び率につきましては、これは三二%にかかわらずできる限りこれを圧縮したい、こういうふうに思っております。 それから公債の発行額につきましても、これはいままでの一つの流れがありまするけれども、これもできる限り圧縮したい、こういうふうに考えております。なお中身につきましては、国民各位から、あれはりっぱな中身だと言っておほめいただけるような中身にしてみたいと、ただいま勉強中でございます。
○小林(進)委員 何しろ時間でございまするから、私は残念ながら、大蔵大臣の御健闘をひとつお祈りして、またその内容については、年を改めて、本予算を見たところで御対決を申し上げることにします。 次は総理大臣に、これも一問だけでございますけれどもお伺いいたしますが、高度成長と安定成長と、いまこれはちょっと御答弁いただきましたが、これに対比して、やはり国民が理解し得ないようなことばが一つあります。それはすなわち産業優先経済と福祉優先経済ということなんです。盛んに去年から福祉ということばが使われまして、四十八年から産業優先を福祉優先にする、福祉元年にするという、政府からこういうキャッチフレーズをいわれておるのでありますけれども、国民の側から見ると、四十八年度の予算を見たところで、従来どおりの経済成長予算と何にも変わってない。どこに一体福祉予算と銘打たれる性格の相違があるのかという、これはどうも疑問が解けない。その原因を追及してまいりますと、やはり政府側にも国民の側にも、福祉という概念が明確に浸透していないのであります。福祉とは何ぞや、まずそういう概念をきちっときめておいて、それに基づいて財政というものが動いていけば、なるほどこれはここで流れが変わったんだ、こういう理解がつくわけでございます。 そこで総理大臣にお尋ねいたしますけれども、あなたが最も力を入れておられる社会福祉の、いわゆる福祉という概念、定義についてひとつ承っておきたい。これが一つです。 時間がありませんから、続けて申し上げます。第二には、四十九年度の予算の中にその概念、その定義をどう生かすか、どう内容を盛り込むかというこのことでございまして、まずそれをひとつお伺いをいたしておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 国民福祉という概念は、広い意味でとらえなければならないと思いますが、人間性を中心とした、また生活を中心とした、国民としてほんとうにこの国に生まれたことがしあわせであると真に考えられるような社会構造をつくるということが基本的だと思います。いままで、そういうことをするには予算が必要である、そのためには資源を持たない日本でありますから、まず働かなければならないということで、資源を輸入し、国民の勤勉が今日の日本を築いてまいりました。でございますので、経済社会基本計画の中で、五十二年まで、五カ年間の計画をつくって、この国民福祉という大きな目標を達成するための中核的な政策である福祉政策、社会福祉の増進ということの長期計画を立てようということを国会で述べておるわけでございます。 きのうから御質問もございますが、それは九%という、ある意味では高いといわれるような平均成長率を見込んでおりますが、しかし、この成長率が、今次の石油問題等で幾ぶん低目に押えられるような事態が起こっても、また当然起こり得ると思いますから、来年度の予算は、直ちに九%で組めるはずはないと思いますし、また、八%の予測もむずかしいと思います。しかし、五十二年までの経済成長率が落ちたにしても、この国民福祉という概念に基づく社会福祉政策というもののこの予測される数字は、できるだけ変えないような大前提を置いて、非常に困難な予算でも予算編成をしてもらおうということを考えておるわけでございます。 そういう意味で、経済社会基本計画がそのまま達成せられたとして行なわれるであろうと国会で御説明を申し上げた社会福祉政策が、成長率が落ちても、これを実行しようという基本的な考えに対しては、これは評価がいただけると思うわけでございます。困難な仕事でも、これは非常に重要な問題として正面から取り組んでいきたい、こう考えます。
○小林(進)委員 次は、その安定成長、福祉経済の両面にまたがる問題として、私はいま一問だけお尋ねして次に移ります。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 これは総理大臣、大蔵大臣、どなたもお答えいただきたいと思います。具体的に私は、一つの限られたワクの中で経済成長から福祉経済にいくとするからには、どうしても内容を変えなくちゃいけない。その内容は、成長のほうの予算をどこかでとめなければ福祉のほうへ財政が流れていくわけがない。そこで具体的に申し上げます。 まず第一に、第七次道路五カ年計画十九兆五千億円、四十八年から五十二年の計画、これを一体どうする。第二、港湾整備計画、五カ年間二兆一千億円、これも五十年完成。それから第三、第二次空港整備計画、五カ年間五千六百億円、四十六年から五十年。第四番目、第四次治山計画、五年間六千八百億円、四十七年から五十一年まで。第五番目、第四次治水五カ年計画、四兆五百億円、四十七年から五十一年。第六、新土地改良十カ年計画、十三兆円、四十八年から五十七年。第七、第五次漁港五カ年計画、七千八百億円、四十八年から五十二年。それからその次、新幹線建設七千キロ、これは四十八年から五十二年まで。経済社会基本計画にこれはあります。それからその次、電信電話の拡張七年計画の整備、四十六年から五十三年までの八兆五百億円。それから第四次防衛力整備五カ年計画、四十七年から五十一年、四兆六千三百億円。次に問題になっておるところの本州四国架橋計画、六十年目標三ルート完成、一兆三千三百億円。加えて沖繩の海洋博と、これが全部経済成長、高度成長を基盤にしてでき上がった計画でありますが、これをこのままにやっぱりおやりになるのかどうか。それじゃあんた福祉経済なんかできっこない。 これを一切洗い直して、私どもは、福祉経済というからには――先ほど総理から御答弁かありました。ありましたが、それを具体的に言えば、教育施設の内容を充実するとか、あるいは保育所をはじめ児童施設の充実をはかるとか、環境施設、下水とか上水道の整備をはかるとか、こういうことであります。この中にある、私、先ほど読み上げませんでしたけれども、かりに第三期住宅建設五カ年計画等というものは、安定経済成長の中でも、どんどんこれは進めてもらわなくちゃいけない。あるいは第三次下水道五カ年計画、二兆六千億円等も、これはやはり生活に直面するのでありまするから、安定経済の中でもうんと進めてもらわなければならない。これは福祉経済の一環です。こういう、うんと伸ばすべきものと、この際、その速度を押えてもらわなければならぬものが、私がいま読み上げただけでもこれだけあるわけです。これを一切洗い直して、新規にひとつ四十九年度から再出発される考えがあるかどうか、あるいはこのまま続けられるのかどうか、これもひとつ承っておきたいと思うのであります。
○福田国務大臣 ただいまの長期諸計画を、全部改定するという考え方は、いま、しておりません。しかし、その長期計画には五年とか十年とかという年限があるのです。その年限とそれから総額をきめておる。総額と年限とを見ると、大体四十九年度は幾らになるだろうという見当はつくんです。しかし、そのつく見当の額を、そのすべてについて進めるわけにはいかぬと思うのです。でありまするから、来年はさしあたりいわゆるスローダウンというか、まあ執行が当初の見積もりよりは繰り延べになる、こういうことになるだろう。長期計画全体をこの短期間にやり直すということは、これはとうてい不可能でございます。
○小林(進)委員 これもひとつ、本予算をお組みになったときのお手並み拝見ということにいたしまして、そのお手並みを見て、また新春早々ひとつ対決をいたしたいと思います。 次に、私は社会保障についてお伺いいたしたいと思いますが、二十分でございますので、ひとつ……。 それは、やっぱり先ほどからもお話がございましたが、こういうインフレのときになりますと、一番国民の中で泣かされるものは、第一、低所得者階層です。すなわちボーダーライン層。次には、住民税を払っても、ぎりぎりの住民税等を払っているほんとうに気の毒ないわゆる納税義務者。第三番目は生活保護者であります。心身障害者、母子家庭を含めての生活保護者、次には年金生活者、それから、これは労働大臣の管轄になりましょうが、自由労働者、日々これ雇用の日雇い労働者、こう方々がもろに物価のあおりを受けるわけであります。したがって、行政というものに血が通うならば、まあ建設大臣もいられるが、それは建設業者や請負師も、実際仕事にならないのでありまするから、公共事業を年に二回も三回も、それはちゃんと不足分を資金の手入れをされることも必要だが、こういう人たちなんというものは、〇・一%の物価の値上げも、ちり紙の一円の値上げにも、すぐその日の生活に響いてくる一番気の毒な人たちなんだ。生活の直面にいるのです。 だから、こういうインフレのときには、何をおいてもこういう人たちにまっ先にその手入れをしなければならない性質のものなんです。これが生きた政治というのです。ところが、〇・一%の生活物資の値上げにも悲鳴をあげなければならぬ、マッチ一つの値段にも悲鳴をあげなければならないというそういう人たちに対する、生きた行政というものが何もないじゃありませんか。あると言って、あなた言いわけありますか。何もない。そこを、私はいかにも残念にたえないというのであります。言いかえれば、こういう方々には時のズレといいましょうか、タイムラグ、学のあるところをお見せしますけれども、これを何とかしなければ、それはとても救済にならない。 たとえば、日雇いなんか、労働大臣いられるが、これはあとまた時間があれば言いますけれども、これは十月に日雇いの賃金を五%上げたじゃないか、これは実にりっぱな善政のようにあなたお考えになるかもしれませんけれども、その前に卸売り物価が二〇%も上がり、消費者物価が一四%ないし一五%近くも上がっていて、しかも、こういう低所得者に一番必要な生活物資が四〇%も五〇%も上がっておるそのさなかに、この十月にたった五%日雇い賃金を上げたところで、そんなものはもう何にもならない。焼け石に水なんです。いわゆるこれが時のズレなんです。もはや物価が上がるという徴候を見るときに、その前に、先に気がついて手入れをしていただければ、この五%はまことに地獄で仏でございましょうけれども、上がちゃったあとのあと追いなんです。あと追いだから、やってくれたときには、もはやその人たちはさらに強い悲鳴を上げていなければならないというのが、これが低所得者層に対する生活の実際なんです。これをよく考えていただきまして、このタイムラグの問題を厚生大臣は一体どう処置されるか、これが一つであります。時間がないから続けていきます。あなたよくメモしてください。 第二番目は、やっぱり低所得者の生活基準の問題でありますが、これも話がありましたから、私は具体的な例は別として、ここにもあります社会保障長期計画懇談会、これは委員長は有沢広巳さん。厚生省の招聘に基づいて長期計画をお立てになったのでございましょうが、この中に、生活保護の基準について、これは厚生省の意見を代表しておるのでありましょうけれども、生活保護基準について、一般国民の生活水準との格差を縮小する見地から、毎年相当の改善を行なっている、したがって、昭和三十五年度の三八%から四十六年度は五三%まで格差を縮小してきた、今後はさらにこれを縮小することを目標にして生活保護基準を定めたい、こういうことを言っておるのです。いいですか厚生大臣、生活保護基準というものは、人間が人間として生きていく最低の基準をきめるものなんですよ。人間か他の動物か、人間以外の動物と人間との最低の線をきめるのが生活保護基準なんです。これは実に峻厳なものですよ。これはちょっとはずせばもはや人間でなくなる。犬になるか馬になるかキツネになるか、人間を失格するというのが、これがぎりぎりの生活保護基準です。だから、生活保護法の第一条にも、生活に困窮するすべての国民に対し、いわゆるその最低限度の生活を保障しなければならないということをいっている、これは憲法第二十五条に基づいて。その最低基準というものは厚生大臣がこれをきめなさいと、あなたにちゃんと義務づけているのです。この義務は、私は、ほかの義務と義務が違うと思いますよ。あの足をつけましょう、この足をつけましょう、予算のぐあいで引っぱったり、縮めたりするような性格のものとはこれは違いますよ。人間ぎりぎりのものなんです。だから、この問題は真剣なかまえで、厚生大臣みずからの全責任においてこの基準をきめなければだめだと言っているのだ。いいですか、それをわざわざ、一般国民との格差を縮めることをもって基準を定めるなどという、この実にあいまいもこたる進言は、人間を冒涜する最たるものだと私は思っている。しからば一体、一般国民の基準はどこか、どこでとっているかといったら、東京都庁が発表しています、何か一般勤労者世帯云々という、法律的根拠も何にもない、そういう一般勤労者の生活世帯、その五三%でよろしい、三八%でよろしい、いま少し上げるのが生活基準だという。これは私はたいへんな間違いであると考える。 そこで、時間がありませんから、これも私はあなたに申し上げまするが、人間が人間として生きるための最低の生活基準というものは、一体今日現在において幾ら要するか、これを科学的、しかも客観的に、何人も納得するような形でこれは文書をもって御提出をいただきたい、時間がありませんから。また新春早々、そのいただいた文書によって、私は、新年度予算の中で、これは生活基準の問題についてひとつあなたと論議をいたしたいと思います。これは第二番目であります。何しろ時間がありませんから、第二問としてあなたに注文をつける。 第三問をひとつ申し上げます。これは時間の関係でやむを得ません。これは社会福祉行政についての問題であります。これは第三問としてあなたに御質問する。 これは総理大臣もお読みになったと思う。これは、ここにもありますように、社会福祉施設緊急整備五カ年計画というものが、昭和四十六年厚生省によってこの計画が立案されまして、いま進行中であります。実は、時間があればこの進行状態も私はあなたにお伺いしたいのでありまするけれども、時間がないからあなたになりかわって私がここで申し上げまするけれども、もはや四十八年度も終わろうとするときに、その進行状態を見ますると、寝たきり老人の施設においてはまだ三三・五%しか進捗いたしておりません。五〇年には完成しなければならぬ目標に向かって三三・五%、重度心身障害児の施設については、まさにまだ一七・九%の進捗しか見ていない。二割もいっていませんよ。それから保育所、百六十二万人のこの幼児を養うべき保育所の進行状態が、これは非常に成績がいいほうで六六・八%、福祉センター等の施設に至ってはこれも六六・七%です。これは全部読み上げればよろしいのでありまするけれども、一、二例にしておきますが、かくのごとき状態であります。もしこのインフレの中に福祉行政を重点的に進めるというならば、むしろこの五カ年計画を一カ年くらい縮小いたしまして四年間に完成して、インフレの荒波の中から落ちていく気の毒な低所得者や気の毒な人たちを、さらに根強く救済するというのが、私は福祉行政の中心でなければならぬと思うのです。 先ほど総理大臣は、どんなに困難でも予定どおり完成するとおっしゃった。私は予定どおりの完成じゃおもしろくないのであります。そんなことあたりまえなんであります。それは平常時においてこそ平常時に計画どおり進めてもらわなければならぬが、こういうインフレが高まっているときに、こういう気の毒な人たちを入れる施設というものは、むしろ完成の期日を一年間も一年半も促進するというのが生きた政治でなくちゃならぬ。この問題をどういうふうに四十九年度の予算の中に、財政の中に措置をされるのか。これが質問の三つ目です。もし何なら文書をもってひとつ回答をいただきたい。その文書に基づいて、私、新年度ひとつあなたと対面をすることにいたしましょう。 第四問をひとつ申し上げます。時間がありませんから……。第四問は、私は年金制度について申し上げます。 年金制度は、御承知のとおりことしは、まあ福祉年金がいま五千円、総理大臣の公約で来年の十月には七千五百円、五十年には一万円にするとおっしゃった。それから六十五歳の十年年金は、ことしの十一月から一万二千五百円にお上げになりました。あるいはその他は二・五倍ずつお引き上げになりました。それはいいです。そしてスライド制もお認めになりました。その努力は買いますよ。率直に買います。しかし、そのスライド制は御承知のとおり、まあここにもありますが、厚生年金に至っては、これはことしの十一月から実施ですから、来年の十一月にならなければスライド制は実施できない。福祉年金に至っては、五十年の一月に至らなければスライド制が実施できない。国民年金に至っても、これは四十九年の十二月に至らなければスライド制は実施できないように法律で縛られておる。この吹きまくるあらしの中に、この先一年間もこういう年金がスライドしないということも、私はこのインフレに対応する生きた政策ではないと思う。いいですか、そういう意味において、私は、やはりこの縛っている一年間、来年の十一月以後実施するスライドというものは一年繰り上げて、ほんとうに困っている人たちのために、ことしの十一月から順次スライド制を繰り上げ実施すべきではないか。これがあなたに対する、年金問題に対する第四間点であります。 なお加えて申し上げまするけれども、年金について、これは緊急の問題でありませんけれども、また来年度ひとつあなたと対抗する意味において問題を提起しておきますが、年金の基本的な問題といたしましては、年金開始年月の統一です。一人は五十五歳で年金をもらい、ある者は六十歳で年金をもらい、ある者は六十五歳で年金をもらい、ある者は年老いて七十歳に至るまで一銭の年金ももらえないなどという、こういう年金開始の不統一は、これは文化的、民主的国家としてあるべき姿ではございません。これは当然に統一すべきであります。これが一つ。 いま一つは、やはり積み立て金であります。年金の積み立て金もささいな労働者の金が積み重なってまさに九兆円、来年になればもう十兆円になりましょう。その金がほとんど産業育成のために使われておる。この金を積み立てた労働者のしあわせのためにはあまり使われていない。国民のために使われていない。まさに成長経済から福祉経済に移ろうとする今日でありまするから、この労働者の血も涙もすすり出たような年金の積み立て金は、その使用方法についても新しく考えていただかなければならない。これは問題は大蔵省でありまするけれども、頑迷固陋な大蔵省に対抗するためには、まず厚生省みずからが姿勢を正しくしなくちゃなりませんから、厚生省はこの積み立て年金を、来年度はいかに有利に福祉行政のために使用すべきかという原案をつくって、われわれに示していただきたい。これが第四問目であります。いまのは文書でひとつ提出してもらいたいのです。これはみんな新年度の四十九年度予算で対決すべき問題でありまするから……。 第五番目。厚生大臣、第五番目の質問であります。医療に関する問題であります。この医療基本法を――それじゃひとつ、後方から声ありていわく、厚生大臣に答弁をさせろということでありますから、ぜひいまの四問について御答弁をいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 福祉の前進につきまして、非常に力強く御激励いただきましたことを感謝申し上げます。 まず第一に、こういう物価の状況のもとでございますから、経済的に弱い方々の生活を守るということは非常に大事なことでございます。そこで、時が大事だとおっしゃいますが、そのとおり、私どもも実はこの十月から、あなたは五%では少ないとおっしゃるかもしれませんが、緊急改定をしたということだけは評価していただきたいと思うのでございます。 それから保障基準の設定の問題でございますが、戦後は御承知のように、マーケットバスケット方式とかエンゲル方式かいろいろございました。しかし現在は、一般の世帯の生活水準に近づけるという努力をしておったわけでございますが、こうしたきめ方につきまして、私どももいろいろ考えなければならぬ問題があろうと思います。いずれ、これは書面でということでございますから、書面で提出をさしていただきたいと思います。 それから社会福祉五カ年計画、四十六年から五十年五カ年間、保育所のほうは非常に進捗率はいいんです。これは御承知のように、約七〇%近くすでに四十八年度で完成しております。ただおくれておりますのは、その中で寝たきり老人とそれから重度心身、これは確かに多少おくれておりますが、これは五カ年間の計画達成の率が違うのでございまして、初年度は一〇%、その次は一五、その次は二〇、二五、三〇と、こういうわけですから、来年、再来年、二カ年で五五というわけですから、まあ四〇%前後達成しておれば、これは小林委員にそうしかられぬで済む計画ではないかと私は考えるものでございます。それから繰り上げるといいましても、なかなか財政の都合もございましょうし、その辺は、やはり厚生大臣としても考えなければならぬ問題だと思います。しかし、困っている方々の生活は守る、こういうことはあくまでも胸に秘めて努力をいたしたいと考えております。 それから、厚生年金の例のスライド制の問題ですが、これは十一月に実施したばかりでございますから、来年の十一月になりませんとこの法律は発動しません。これはもう御承知のとおりでございますが、今後とも、物価がどう動いていくか、物価の動向については十分に監視しながら対処していかなければならぬ問題であろうと思います。 それから、年金の開始年齢の統一ということでございますが、これはもう年金についてはそれぞれのいわく因縁、沿革がございまして、たとえば役人のような方々は恩給法の流れをくみますから五十五歳、早く役人をやめるという関係で五十五歳ということで、年齢の統一ということは私は一番望ましいと思いますが、なかなか、その五十五歳を今度は六十五歳、西欧諸国は全部六十五歳ですから、それを六十五歳に延ばすということになったら、公務員の共済組合、これはたいへんなことになると思うのです。ですから、私もよく気持ちはわかりますが、一朝一夕にはこれ、なかなかいかぬものでないか、かように考えておるものでございます。 それから、積み立て金の運用については、もとよりお述べになりましたように、できるだけこれは福祉に還元融資をし、福祉に使っていく。そしてその保険給付に充てるための零細な積み立て金でございますから、安定的、有利に活用し、同時に福祉に使っていく、こういう方向は強く打ち出してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○長谷川国務大臣 小林委員にお答えいたします。 失対の賃金、五%上がったのは少ないじゃないかという話がありましたが、失対制度が生まれて、十月に五%上げたのが初めてでございます。物価高を見越しまして五%上げたということを御理解いただきながら、明年度の問題についてはまたその実情に照らし合わして善処したい、こう思っておりますから、御理解をお願いします。
○小林(進)委員 私は、三時半までに農林問題も全部おさめて、三十分から外務大臣と対決するつもりでいたのでありますけれども、どうも答弁が長過ぎて時間を食い過ぎました。三十分分もらえるならばなんでありまするが、これも残念ですけれども、それでは厚生大臣、いま一問質問申し上げておきましょう。 これは医療基本法、これは何といっても四十年から、佐藤総理大臣以来十年間持ち越しの問題であります。なおかつ、歴代厚生大臣、そのつど、医療基本法は必ず提出いたします。政府の公約です。これをどう処置されるのか。四十九年度の通常国会にどう処置されるのか。出せないならば、天下に頭を下げてその不明を謝すか。ともかく、これは明確に結論を出してもらいたいと思います。 救急医療体制の充実であります。救急医療体制、休日、夜間医療、僻地医療、言えば三つの問題でありまするけれども、医療行政の中心はマンパワーです。看護婦がない、医者がない、あるいは医療従事者がない、担当者がない、全部マンパワーに関する問題でありまするが、そういう問題に対して、一体四十九年度予算の中でどうこれを処置されるか。こだわる問題ではありませんから、これはその計画を私は文書でちょうだいいたしまして、新年度予算の、年がかわった中でひとつ対決していきたいと思います。 それから、いま一つは中医協の問題であります。もはや過去七カ月にわたる中医協との実に醜い争いの問題を、ここでミスを指しているいとまはありませんから、それはやめます。迷惑をしたのは国民だということだけを、三者とも肝に銘じて考えておいていただきたいと思います。 同時に、その間において自民党政府は、いままでの中医協を改組するといわれました。新しい制度をつくり上げるという公約をされました。どういう新しい制度をおつくりになるのかどうか、これもひとつあらためて文書でお聞かせをいただきたい。 同時にいま一つは、多年の懸案であった医薬の分業をこの際どう処置をされるのか。また中医協の答申についても、厚生大臣の希望としては年内でこれをひとつ結論を出して、正月から実施したいと言うが、この点は私も賛成です。正月から実施される見込みがあるかどうか。できるなら早くやってもらったほうがいい。 時間が惜しいですから、答弁をほしいのでありまするけれども、あわせて差額ベッドだ。いま国民皆保険の中で医者にかかれませんよ。病院に入れば法律上にない差額ベッドなどというもので、まるで貧乏人はもはや入院できない。保険に基づくベッドなんかありませんよ、どこへ行ったって。全部差額ベッドだといっていいくらいです。この全国における差額ベッドの内容、どれぐらいこれがびまんして、どれだけ入院を不可能にしているかということを数字をもってお示しいただきたい。 同時に、基準看護の問題であります。ことしの春で、月三万円以上の難病に対しては全額政府が持っていただくという、非常にけっこうなんです。この点は医療行政の一つの進歩だと私は思っています。たいへん進歩でしたが、それはそれで助かったけれども、差額ベッドがあったり基準看護の問題があって、だからつき添いを連れていかなければ入院もできないということで、あの難病対策の問題は全部パアパアです。依然として貧乏人には開かれざる道であります。こういうことを福祉行政、福祉経済の中では、本質的に四十九年度からきちっと解決をしていただかなければなりません。これを一体どう処置するか。(「答弁を聞こう」と呼ぶ者あり)君はやじらぬでくれ。そうすると時間を食われちゃって次のことに行かれない。これは文書で回答です。 それからいま一つは、これは労働大臣にも要求しておきます。財形貯蓄の問題であります。これは最低生活者じゃない。勤労者の問題でありまするが、といって、しかし勤労者、労働者といいながらも、財形貯蓄に入っている者は高度の労働者じゃない。中産階級から以下の人たちだ。まあ四十七年度に実施せられて、今年度までにもう二百五十万人もこれに加入せられて、労働者のほうに非常に受けがいいようでありまするが、内容は貧弱過ぎる。このままでいけば、これはやはり収奪と変わりない。労働者の血と汗の結晶だ。これがだんだん低下をしていく。あるいは、労働者のたった一つの夢であります、生涯をかけて、ひとつ自分の晩年を楽しく生きたいという、それが水泡に帰す。最近の例としては、いい例は西独なんかがあります。西独の例などはきちっとそれができた。労働者がちゃんと財形貯蓄をしていけば、毎年毎年伸びていって、希望が未来に向かってだんだんふくらんでいくという、はなやかな未来を予想されるその財形貯蓄方式が行なわれているけれども、わが日本はだんだんしぼんでいくじゃないか。労働者の夢がしぼんでいくような、そういう貧弱なやり方でありまするけれども、これじゃいかぬ。四十九年度の予算編成期を目がけて、一体労働大臣はどこまでも労働者の代表として、この問題を解決される意欲を持っていられるか。簡単でよろしゅうございますからひとつ……。
○長谷川国務大臣 お答えします。 まさに、労働者に夢を持たせるのが私たち政府の仕事です。西ドイツが成功しているのは長い歴史がありますが、そういう先例などをならいながら、財政上の優遇措置、あるいはまた審議会からは答申としてプレミアムまで出されておることでもありますので、そうしたことで取り組みながら労働者の夢を拡大させていきたい、こう思っております。
○小林(進)委員 はなはだ答弁は不満足でありまするけれども、時間がありません。 今度は農林大臣にひとつお尋ねをいたしたいと思います。 いま石油危機、資源危機で、国をあげて石油問題で狂奔をいたしておりまするけれども、実際はことしの危機の問題は、資源じゃなくて食糧から始まった。まずことしの春から、農民は飼料がない、飼料危機のために畜産農家は全滅するというので大騒ぎした。そのさなかに今度は大豆です。大豆がない。そして大豆の値段が五倍もするというので、まさにことしのこのインフレと、いわゆる危機は食糧問題から始まったのであります。この食糧問題は、遠く原因をたずねれば一体どこに理由があるかといえば、やはり多年の農林行政だ。これは政府の重大責任だと私は実は思っているわけでございます。これは大蔵大臣もしばしば言われる、日本は経済大国になったが、資源小国であると言われた。私は、資源小国であると同時に、日本は食糧の小国になったと思う。時間がないから言いませんけれども、もはや、カロリー計算においても、自給自足のたてまえからいけば、四割しか日本は自分の国民を養う力がないじゃないですか。食糧危機。それから第三番目は社会福祉小国だ。資源小国、食糧小国、社会福祉小国、この三つが恥ずべき日本の現状であります。この三つの小国をどう政治の面で改めるかというのが、われわれに課せられた重大な使命だと思っておりますが、いまあなたにお尋ねするのは、その中の一つの食糧小国の問題であります。いいですか、これは私、あなたに質問すればいいのですが、時間がありませんから、私がみんなあなたに教えてあげるのでありまするけれども、あなたのほうの農林省の出した統計によれば、昭和三十五年には自給率は九〇%でありました。それが昭和四十六年になったら七二%になった。十一年間に一八%もこの自給率を低下せしめた。これは重大な行政の失敗でないかと思いませんか。これをオリジナルカロリー方式でいっても、日本の食糧の自給率は五三%、所要作付面積の計算でいけば、まさに自給率は四〇%というのがあなたのところの統計であります。 そこでこの際、その自給率の低い食糧と自給率の高い食糧、これをまずあなたにひとつ区別をしていただいて、それからいま一つは、これから国内で自給率を間に合わしていける食糧と、将来とも国内では間に合わない、どうしても外国の食糧に依存しなければならないという、そういう食糧を、簡単でいいからひとつここでまず農林大臣にお伺いをしておきたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいまのお話でございますが、小林さん御存じのとおり、昨年の十月、農林省では昭和五十七年を目途に自給度の計画を立てまして世間に発表いたしましたことは御存じのとおりでございますが、大体あの中で、ただいま御指摘のありましたように、米は一〇〇%、これは間違いない。その他野菜、果実、肉類、乳製品、そういうようなものにつきましては、御存じのように段階的に、八五ないし九〇%の自給度を維持するようにしてまいりたい、そういう計画を発表いたし、その計画に基づいてその生産の計画を進めておる次第であります。
○小林(進)委員 どうもそれでは何も答弁になりません。答弁にはなりません、農林大臣。 現状を私が申し上げましょう。自給率の低い品目ではまず大豆です。国内で四%だ。国内産小麦八%、大麦は二三%、裸麦が二九%です。これは特に自給率の低い作物。いいですか、自給率の高い作物、野菜が九九%、鶏卵九八%、米が九二%、乳製品が八八%、肉類が八三%、果実が八一%であります。これを国内の自給率から大きく分けていきますと、間に合うものは米と野菜と果実の三つなんです。肉は八三%じゃないか、鶏卵は九八%じゃないか、肉類は八三%だというが、卵一つさえこれをつくり上げるのは全部外国の飼料です。全部外国の飼料によらなければ、卵一つ、肉一つ、牛一頭飼えないというのがわが国の畜産農政でありまするから、これはだめなんだよ。いいも悪いも、自給率を持っているものは、これはいま申し上げまするように米と野菜と果実だけなんですよ。しかしながらあなたたちが、この前も総理大臣がおっしゃったが、時間があれば総理大臣にお聞きしたいのでありますが、自給率八〇%まで持っていきたい。何を持っていくのか、何を持っていこうとするのか、具体的にちゃんと科学的、計数的に示してもらわなければいけない。ないじゃないですか。この飼料を九〇%以上も、あるいはトウモロコシがアメリカから五六%――こまかいことはやめましょう。タイから二四%、コウリャンがアメリカから四一%、アルゼンチンから二九%というものを、全部外国に依存しなければ、いまも肉が、畜産ができないという状態を一体どう解決するか。あなたはこれをどうおやりになっていくか。四十九年度の予算の中に八〇%の自給率というのが、ちゃんと財政の中にあらわれてこなくちゃいけない。どういうふうにこれをお持ちになっているか、私はお尋ねをしたい。 次に、今度は日本人の食生活の変化です。だんだん日本人の食生活は変わってまいりました。カロリー計算も変わってくる。これから必要になってくるのは砂糖です。油脂です。肉です。乳製品です。こういう方向へ日本の食生活が変わってくるが、この変わってくる日本の食生活に対して、いまの自給率というその変わりの中から、一体どういう自給政策をおつくりになるのか、これも四十九年度の計画の中で明確にひとつ、われわれがわかるようにお示しをいただきたい。どうもあなたの先ほどの答弁を聞いただけではとてもだめでありますから、文書をもってひとつ私はお示しをいただかなければだめだと思う。 そこで、私が農林省に特にお伺いしたいことは、従来の農政を根本的に変える必要があるのではないか。いわゆるいままでの国際分業論、大資本に追っ立てられて、大資本の言うままに、減反政策や、食糧をつくらせない方向に行ったいわゆる国際分業政策というものは、今年度のインフレの根幹をなす外国食糧の輸入の上昇化というその名目によってはね返ってきて、いま国民は苦しんでいるのでありますから、これをひとつやめていただかなくちゃならない。減反政策もやめていかなければならぬ。こういうことが一つであります。そこでこれを、どういうふうな農業政策の転換をおやりになるのか。これは基本姿勢です。これをひとつお示しをいただきたい。これは文書でお示しいただきたい。時間がありません。 それから答弁いただきたいのは、いわゆる備蓄政策です。いまガソリンの備蓄がない、何カ月もの備蓄がないとここで大騒ぎしているのでありますが、食糧も資源なんです。国民の生活に一番必要なのは食糧なんです。その食糧の備蓄政策においても、いままでは農林省は一貫して備蓄の必要なしという持論に立ってこられました。そのとおりですね。立ってこられました。ところが、いま外国の例を見ますと、ここに備蓄に関する諸外国の例がある。スイスにおいて、アメリカにおいて、イギリスにおいて、スウェーデンにおいて、ソ連からフランスから中国、よその国は全部ある。アメリカなんかは、戦争中の非常時にも備えて一年分の食糧を備蓄しております。みんなやっている。いまわれわれは資源の備蓄不足で泣いているが、これを一つの例にしても、いま食糧の備蓄政策というものは真剣に、まず農業政策の上にあらわれてこなければならぬと私は思いますが、これくらいのことは農林大臣でも答えられましょうから、これだけひとつ答えてみてください。
○倉石国務大臣 失礼いたしました。たいへんお急ぎのようでありましたので、発表をいたしましたものはもうとうにごらんいただいておると存じましたので、二、三の項目を申し上げただけでございますが、ただいま御指摘のとおりに、農林省が出しております計画であります。そこで、あとは文書で来年度予算について出せというお話でございますので、そういう方法にいたしてまいりたいと思いますが、ただいまのような石油危機と、それからまた、私どもたいへんことしショックを受けましたのは、いままで御承知のように濃厚飼料の原料の大部分をアメリカ合衆国から輸入いたしておりましたが、ソビエトロシアや中華人民共和国のような人口の多い国から、あれだけ大量に買われてしまいますと、わが国に参りますような分も非常に減殺されました。そういうようなことでありますので、私どもといたしましては、いま御指摘のように、第一は、国内で生産する分量をできるだけ多くするということで、減反政策をやめて、来年度予算にも計上いたしておりますように、麦及び大豆等を国内生産するために助成金を出す計画を予算に盛り込んでおる次第であります。 それから、備蓄のことももちろん、これはまあ米につきましてはいまは昔のようにもみ貯蔵でなくても済む技術も進歩いたしておりますし、大体カントリーエレベーターも必要でございますけれども、そういうことにつきまして、当然私どもといたしましては備蓄の政策も、来年度予算の中に要求をいたそうと思っておるところでございます。
○小林(進)委員 あとでまたひとつ文書でちょうだいすることにいたしまして、農村問題で基本的には、また当面の問題として、私はもう時間がありませんからほんのちょっと、急いでいきますが、農村の超インフレに対する資材をどう確保するかという問題であります。ちょっと申し上げまするけれども、農業用資材だけでも一〇・一%値上がりしております。農業用の労働賃金が一九%値上がりしております。畜産用の動物は、驚くなかれ今年度は四九・二%値上がりをしております。肉用の子牛が七九%も値上がりをしております。乳用の子牛が七三・四%、農村における建築材料に至っては四五・九%、五〇%値上がりをしております。これではほんとうに百姓はできません。しかも、飼料の点に至っては二〇・四%、農業用の被服に至っても一八・九%というふうに、全面的にこれはもう農村の資材は上がっておる。その中で米の値段だけ今年度は、あれこれつけて一六・一%生産者米価を上げたというけれども、これもあと追いです。こういう資材から一切の値上げの状況を見れば、あの米の一六・一%くらいで米なんかつくれるものじゃありません。これはたいへんなところの間違いを起こしていますが、ひとつ警告を発する意味において、特にこのインフレ対策をどうするかということです。 あわせて、農業用の石油の確保であります。これも一体どうなさるのか。農業用燃料として必要なのは、「農林水産関係石油製品需要見込み」という、これは農林省官僚がおつくりになった資料であります。これだけでも一千六百九十五万キロリットル農村には必要だ、これは日本国内における総需要量の八・五%というふうにおっしゃった。八・五%、これをどう確保していただけるのか、いただけないのかという問題であります。前半と後半がありましょう。これは私は四十八年度の前半が幾ら、後半が幾らというのではないのであります。四十九年度も含めて、こういう食糧生産に必要な一千六百余万キロリットルの石油です。この中には――仲間が非常に心配しておりまして、小林君、これだけは落とさないで言ってくれと言いましたから、私はつとめて言いましょう。その燃料は農業用の燃料です。それから飼料や食糧などを外航船舶によって運ぶための燃料、それから輸送用の燃料、冷蔵庫用の燃料、農耕用の機械を動かす燃料、この総計であります。どう確保していただくか、簡単でよろしゅうございますからひとつ御答弁いただきたい。
○倉石国務大臣 通産省と私どものほうで、ただいまお話のございましたような量のことにつきましては打ち合わせも済んでおりますが、これが円滑に授受できますように、最善の力を入れていただくように、ただいま協議を進めておる最中であります。
○小林(進)委員 ぜひともひとつこの点は――通産大臣、あなたは眠っていられるようですけれども、ちゃんとしっかりして、これは間違いのないように私は確約をしていただきたい。――あなた、うなずかれましたから公約をされたものとみなして、あなたの答弁を求めませんが……。 そこでひとつ、私は最後に、時間がありませんからこれは言いますが、実はいまの農業界の不正事件であります。私は、実はこの事件は、農協の宮脇さんも来ていただいてやるつもりでございましたが、時間がない。それから、残念ながらまだ大蔵省からも資料が出てきません。国税庁からも資料が出てきません。農林省からも資料が出てまいりませんので、この問題は後日に譲りますが、来春早々、いま申し上げた方々等も参考人に御出頭いただいて徹底的に解明をしたいと思う。いま末端の農民は泣いております。その農民の上にあぐらをかいている中央の農業界がそういう黒い霧に包まれて、不正事件になっているなんということは、これは天人ともに許さざる罪悪でありまするから、年明けとともにこの問題を徹底的にやりまするから、それまでに国税庁も農林省も、一言半句漏れなくひとつ資料を全部私のところに提出していただきたい。サボタージュはいけませんよ。サボタージュはよしていただきたい。これだけ要求いたしておきます。 それから、米の問題でいま一つ、これは大蔵大臣、よく聞いていただきたいと思いますが、消費者米価の内容の問題です。時間がありませんから、私はほんとうに簡単に申し上げまするけれども、米のからくりはどういうふうになっているか。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 買い上げる米は四十八年度の米でありますよ。四十八年度の米、この中で政府が買い上げる米は五百十万トン、自主流通米が百六十万トンです。それから五等米を含めて、七百二十万トンを政府は買い上げている。御承知のとおり、この米は生産者価格で計算をいたしますと、十キロで計算するが、政府米は十キロ一千七百十七円です。それに小売りの手数料を含めますと、小売りの手数料はきめてありますからね。十キロ二千百二十円なんです。二千百二十円になれば、政府も損をしない。小売り商人も中間マージンもちゃんと入って、これは正当に消費者のところに行くという値段です。 それに対して、政府がいわゆる財政負担をされておりますな。財政負担をされている結果、その小売り商人に行く米が千三百一円で行くんです。いいですか。だから、これに対して政府が負担いたしまする価格は十キロについて四百十六円です。四百十六円を政府が財政負担をして、十キロ千三百一円でこの小売り商人におろしているんですよ。いいですか、大蔵大臣、農林大臣、よく聞いてくださいよ。私の数字にうそがあったら、うそだと言ってください。それが、その千三百一円で小売り商人に出す米の中に銘柄米があるのです。まあ若干、十キロについて五円か三円の開きはありましょうけれども、銘柄米と非銘柄米があるのです。そのために、政府が四百十六円も負担をしている米だから、非銘柄米だけは標準米として千六百円で売りなさい、店頭に置きなさい。店頭米というやつなんです。それが千六百円になって、これは三百円からの利益があがっています。けれども、その四百円負担した米の中の、非銘柄米と銘柄米と区別して、銘柄米は値段の規制はいたしません、千八百円で売ろうと二千円で売ろうと三千円で売ろうとあなたの自由です。しかし、農林省はさすがにぐあいが悪いと見て、これを中米と称している。中米と称して、同じ千三百円でおろした米だが、銘柄米で少し品物のいいほうは千七、八百円で売りなさい――いや、売りなさいと言わないんですよ。中米と称しなさいと言っている。いいですか、自主流通米というのがその上にありますね。これに対しても政府は、いま自主流通米には、四百云々の金じゃないが、この半分だけ補助している。おわかりになりますか。ですから、十キロについて二百何ぼ補助せられている。二百八円の補助金がついている。それが末端に行って、いま小売り商人のところに行って、繰り返しくどいようでありますけれども、千三百円で行くのでありまするが、それが一体末端の小売りから消費者のところへどう化けているかという問題でしょう。これは物統ではずしたのであります。私は米は全部調べました。これで申し上げますが、ちゃんと米屋へ行くと標準米はあります。これは政府の指示どおり千六百円の米は置いてあります。これはいわゆる非銘柄米です。これでも三百円もうかるのです。それ以外の千三百円の銘柄米は、これを混合米と称して二千四百円、ササニシキと称して二千六百円、コシヒカリと称して二千八百円で売られている。これは一軒のお店屋です。 今度は、いま一つのお店屋へ来たら、同じく標準米、これだけは農林省が指導しておりますから千六百円で出ております。同じく千三百円で政府がおろしてくれた米の中の銘柄米を、これは政府指定米と称して千九百円で売っております。あとそのほかは、この政府の千三百円、四百円の補助金を出した米、二百円の補助金を出した米が、彼らの言いなり次第で、ゆり印と称して三千百円、いわく二流品、近県米と称している。さくら印、自主流通米、近県上質米と称して三千三百円、ばら印、東北ササチンキ米と称して二千六百円、きく印、新潟コシヒカリ云々と称して二千七百円というふうに売っている。はなはだしきに至っては水戸のデパートにおいてはこれが四千円に売られていたことは、われわれより農林省がよく御存じのはずです。十キロ四千円にも売っている。もとをただせば千三百円だ。自主流通米だって千五百円だ。二百円ずつ政府がみな補助金を出している。 またいま一軒の店には、徳用上米千三百円、これは政府の指示だ。そのほかには、普通米が千六百円だけは置いてある、これは置けというのでありますから。あとは、農林省に聞いたら、同じ政府の米でも、指定米は中米と称して千七百円なり千八百円であるはずですなんと言うけれども、そんなものはどこの米屋へ行ったってない。あとは、たのしみ上米二千二百円、よろこび特上米二千四百五十円、宮城ササニシキ上米二千六百円。みんなこれは化けている。大体、米というものは国民生活の基本でございましょう。一体こういうふうな天井知らずにかってな米の値段をつけさせておいて、それで行政がりっぱだとお考えになっているのでありますか。 これは農林省の役人に聞いてみましたよ。小売り屋の代弁ばっかりしていました。小売り屋からよっぽどわいろかリベートでももらわなければ言えないように、小売り屋の言いわけばかりしていました。いまは、この世の中ですから二五%ぐらいの配達料を取るのはあたりまえでございますとか、あなたのおっしゃるようにそんな倍ももうけていませんとか、三千円なんという米はありませんとか。現に水戸に十キロ四千円というのが出ているじゃありませんか、贈答米と称して。そんな米はありませんよと言う。こういうような食糧消費行政の中で、生産者農民は何にも恩典に浴していない。消費者はこのとおり。せめて米の値段は二千円なら二千円でもいいから統一してくれないか、その統一した米の中で、混合米なら混合米にしてくれ、これではたまりませんと言って悲鳴をあげている。喜んでいるのは小売り屋だけです。その陰に踊っている農林官僚だけです。こんなようなところへ三千億円だの四背の九円だのといって国民の税金を一体なぜたたき込む必要があるのか。 私は結論を急ぎますけれども、物統令は再開すべきだ、頂点、天井は押えるべきだ。いま資源についても、あなた方は物統令をやろうというのでしょう。標準価格をきめて、それを超過したものは課徴金を取るといっているのでしょう、あなた一方は。なぜ一体米にそれができないのです。一番大切な食糧の米に天井知らずにかってな値段をつけさせておいて、なぜそれを野放しにしておくのですか。これは農林大臣の問題であると同時に、財政当局、大蔵大臣の問題でもあると思います。政府全般の姿勢の問題であると思いますから、この点はひとつ明確に御答弁をいただきたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいまの米の流通につきまして、御承知のとおり標準米は千六百円ということで出しております。ところが、物統令の適用を除外いたしました当時もいろいろ国会でもお話し合いがございましたけれども、昨今はわが国においてもだんだんと銘柄米を好む風潮が多くなり、値段は若干高くてもうまい米という希望が出てまいりましたので、しかもいろいろなことが行なわれるようになりますので、これは希望する方には必ずお手渡しできるように用意をしなければならないという制度を設けた上で物統令の適用を除外いたした次第でありますが、いま私ども承っておりますと、各地でいろいろな、コシヒカリとかササニシキとかいう昔ながらのりっぱな銘柄のほかに、いや、ゴールデン何とかとかいろいろなものをつける、そういうことはよくないということで指導はいたしておりますしそれから、いま私どもは地方別に最高価格をきめて、銘柄の額をきめて、その範囲内で取引をするようにせよということで指導をいたし始めておる次第であります。したがって、私どもといたしましては、必要に応じて千六百円の標準米だけはいつ何どきでも、どこにでも置かれるということは変えない次第でありますが、さらに希望に応じて、上限額をきめて、その範囲内で売り渡しをさせる、こういうようなことで考えておりますので、物統令を再び米に採用するというふうな意思は、いま考えておりません。 それから、ただいま承っておりますと、農林省当局の監督についてお話がございましたけれども、監督の巧拙はございましょうけれども、私は、食糧庁においてただいまお話しのございましたようなことは断じてないことを承知いたしておりますし、さらにこれからも十分に監督をいたしまして、一般生産者、消費者の御期待に沿うようにいたしたいと存じております。
○小林(進)委員 私は、この消費者米価の政策に対してはとうてい了承できません。私は、不足の資源についてさえも物統令で上限をきめて、課徴金もとろう、罰則もとろうというこの中で、国民生活に一番密着している米の問題を、国家の財政をこれぐらい多額に注入しておきながら、なおかつ小売り商人が天井知らずでもうけるなどという政策をそのまま放任しているなんて、こんなものは悪政です。了承できませんが、時間がないから、これはあらためて来年度予算でまたやることにいたします。 金大中事件と韓国問題について私は御質問いたしますけれども、十二月二日に韓国金鍾泌内閣が倒れました。李厚洛中央情報部長、金溶植外務大臣以下、駐日大使もかわったのであります。かわることによって、一体わが日本に対する金大中事件の内容が少しは変わったかどうか、わが日本の主権侵害の問題がいささかでも進歩したのか、あるいは金大中氏自身の自由の問題について様子が変わったのかどうか、私はまず外務大臣にこれだけお伺いしておきたいと思います。
○大平国務大臣 金大中事件がわが国の主権を侵害したものであるかどうかという点につきましては、侵害したともしないともまだ断定できない状態にございます。わがほうできめ手になる証拠をつかむに至っておりません。韓国側におきましても調査が進められておると承知いたしております。 金大中氏の自由の問題でございますが、この件につきましては、韓国政府におきまして、同氏の出国の自由も含めて、市民としての自由が回復されたということを声明いたしておりまして、それがどのように実行されてまいるか注視いたしておる段階でございます。
○小林(進)委員 外務大臣、私はあらためて言いますが、主権侵害と基本人権の問題は、日本国内の問題でもなければ、これは国際的な問題であると同時に、日本民族あるいは世界の歴史、日本の歴史に残る重大問題ですから、私はその意味においてもきょうの質問の時間を全部あなたにさきたかった。あなたは私にうそを言いましたね。あなたは私にうそを言いました。それは、私はここにも速記録を持っております。この十一月十三日の決算委員会において、あなたはこう言われた。この種の事件を処理するためには国際的なものさしに照らして恥ずかしくない解決をした。いわゆる日本と韓国と外交的に決着した。何の理由で決着したのかと言ったら、国際的なものさしに照らして恥ずかしくない解決をしたと言う。 しからば一体、その国際的な解釈というのは何だと言ったら、一九六五年フランスとモロッコの間において起きた事件をあなたはとって、それを私に引かれた。その引かれた文章を私は読みましょうか。これは決算委員会。「たとえば一九六五年に、いま小林さんが言われたように、フランスとモロッコの間にも同じような事件がありまして、モロッコの野党の指導者であるベン・バルカ氏がパリで誘拐された事件がございました。フランス政府は、モロッコによるフランスの主権の侵害であるということで強い主張をいたしたわけでございますが、ベン・バルカ氏は、安全が保障されないばかりか、いまなお行くえ不明であるのでありまして、しかしながらフランスとモロッコの外交関係はその後正常化いたしておるのであります。」間違いありませんか、この答弁は。
○大平国務大臣 そのように私は承知しています。
○小林(進)委員 あなた、それはたいへんなうそです。間違いです。私はくまなくこれは資料をとって調査をいたしました。あります、ここに。私は、こういう答弁ですからちょっと時間をかしてください、重大問題ですからこれは。いいですか、一九六五年十月二十九日パリで誘拐されたベン・バルカ氏は、モロッコにおいて人民勢力国民連合を創設、あすのモロッコ共和国の大統領と目された人物であります。一九六三年、モロッコとアルジェリアとの武力衝突があったときアルジェリア側を支持し、フランスのパリに亡命した。彼はフランスに亡命した。欠席裁判で反逆罪の理由により死刑の宣告を受けた。そのベン・バルカ氏が一九六五年十月二十九日でパリで誘拐された。一九六六年の一月の十七日であります、パリ郊外のフォントネでベン・バルカ氏の射殺死体が発見された。 フランス警察の捜査によれば、モロッコ官憲、モロッコのウフキル内相が関係していることが判明した。フランス政府は一九六六年一月モロッコと国交の関係を断絶いたしました。大使館員の相互引き揚げをやりました。モロッコとの経済関係を断絶をいたしました。そしてウフキル内相に対しては国際逮捕状を発令したのであります。そして一九六六年の九月、フランスはパリにおいてベン・バルカ誘拐事件に関する裁判を開始した。そしてウフキル内相の引き渡しを要求、モロッコはこれに応じなかった。裁判は欠席裁判でウフキル内相に対し死刑の宣告をすると同時に、いわゆるドリミ国防相に対しても八年の禁錮刑を宣告したのであります。それで一九六七年にはモロッコ内閣の改造が行なわれて、一応ウフキル氏は就任をしたが、間もなく逮捕されて、そして自殺をしているのです。内相、実力者、これは自殺をしているのです。一方の国防相は、フランス政府の裁判を受けて八年の刑を受けてからフランスの警察に出頭いたしました。一九六六年十月十九日です。そうして、いわゆるいままでの非をフランス政府に謝罪をして、ややモロッコ、フランスの関係が緩和した。 あなたは何でそんなうそを言う必要があるんですか。行くえ不明じゃないじゃないですか。しかも、これほど激烈な両国間の緊張事態を惹起しているじゃないですか。外務大臣ともあるものが、しかも速記録をつけた公の席で、何でこんなうそを言う必要があるんですか。何で私をだます必要があるんです。何で私にうそを言う必要があるのでありまするか。――いや、冗談じゃありません。こういう国際的な事例というものは、わが日本の金大中事件だってそのでんですよ。やはりこれは後世に、歴史に残る国際問題なんですから、私どもはきちっとものを整理していかなくちゃならぬと思います。何でうそを言う必要があるのか。国会を軽べつしたのですか。私を侮辱したのですか。あるいはそれほどまで、うそをついてまで韓国の朴政権に忠勤を励まなければならぬ理由が、あなたどっかにあるんですか。
○大平国務大臣 国会を侮辱するようなことは毛頭考えておりませんし、小林さんをだますつもりなんというのは毛頭ございません。あなたの御質問に関連いたしまして、金大中氏の人権の問題が問題になったわけでございまして、そしてこの金大中氏事件というのはいわゆる国際的な刑事事件である、これに似た二、三の同様な事件がある、その場合の被害者である方の人権というものがどのように取り扱われたかということの一例といたしまして、いま言ったモロッコの野党指導者であるベン・バルカ氏が行くえ不明になった事件というものを私が取り上げたわけでございまして、このベン・バルカ氏があとで殺されたというあなたのお話がございましたが、外務省の持っておる情報といたしましては、ベン・バルカ氏はいまなお行くえ不明であるというように承知いたしておるわけでございます。 それに引きかえまして、今回の金大中氏につきましては、本人がともかくも韓国において安全であって、韓国政府も市民としての自由を保障するという状態にあることは、私は不幸中の幸いであると思っておるわけでございまして、決して私は、あなたをだますとか虚偽の答弁をする必要を一つも感じていないし、そういうふらちなことを考えておるわけではないのでございます。
○小林(進)委員 私は、その資料が外務省にあるというなら、後日ひとつその資料を通じて争いましょう。私も確信があるんですから争いましょう。もし外務省の資料に偽りがあった場合には、あなたにあやまっていただきますよ。責任とってもらいますよ。そのかわりに私が間違ったら、あなたの前に土下座してあやまりましょう。私が官にあれば、その官を投げ捨ててもあなたにあやまりますけれども、官がないから私はあやまりようがない。あなたは外務大臣だから、間違ったらひとつやめなさい。それだけの確信があったら、あなた、そこで言いなさい。 こういう国際問題の慣行に基づいて、もはや国際関係が平常の状態に帰したなどという、国民はだれも信じてないんだ。まだ異常の状態にあると思っているのだ。日本の主権は侵害されたままなんです。日本の独立は侵されているんだ。国の名誉は侵されたままになっているのだ。しかも金大中さんの問題も、言いましょうけれども、身柄は自由じゃない。自由であるなら、私はあとで申し上げますよ。自由の証拠は、あなたにもこの前も言った。見してくれと言った。見せられないと言ったが、それは別として、いまこの問題だけに限定して言いまするけれども、何でそれほど牽強付会の弁をしてでも、いわゆる国交が正常化したということを言わなければならぬのかというそのあなたの根性なんだ、私が言いたいのは、私の聞いているのは。 同じくここでも、アイヒマン事件においてもしかりでありますと、あなたここで答弁している。言ってみましょうか。アイヒマン事件についても、これはこれほど、殺されたのを行くえ不明だと言うほどの大きなうそは言ってないけれども、問題を非常に軽視をしてか、軽く考えて、そうして私にちょろまかす答弁をしている。いいですか、あなた。あなたの答弁聞きましょうか。いいですか。「一九六〇年にアルゼンチンとイスラエルの間で起こりましたアイヒマン事件もそうでございまして、アイヒマンという人物は、アルゼンチンから拉致されてイスラエルに持っていかれたのでございますが、アルゼンチンが引き渡しを求めましてもイスラエルはこれを殺害してしまったのでございますが、本件につきましては、金大中氏は韓国において自由が保障されておるという状態においてあるわけでございまして、」云々。アイヒマンは殺された、金大中は自由があるから、国際的な慣行としていま外交を平常に帰しても、むしろこれはりっぱだと言わんばかりの答弁をしているが、事はそれほど、アイヒマンの事件は単純でございましたか。それほど単純でございましたか。 いいですか、あなた、アイヒマン、一九六〇年五月十一日、イスラエル政府の地下密偵部員五人が、ブエノスアイレスの市内において、ベンツの自動車工場から帰宅途中にあったアイヒマンという者を逮捕した。しかし、そのアイヒマンは、御承知のとおりドイツ・ナチスの秘密警察のユダヤ課長であります。兼ヒットラー総統の親衛隊の大佐であります。幾百万のユダヤ人を殺害した人類の敵であります。敵ではあるけれども、アルゼンチンは自国の主権を侵害されたという点においては一歩も譲らなかった。アイヒマンが人類の敵であろうと極悪犯人であろうとも、イスラエルの政府によって、イスラエルの官憲によってアルゼンチンの独立を侵害されたという事実に対しては断じて了承できないと言って、一九六〇年六月八日にはアイヒマン逮捕について厳重な抗議を申し込むと同時に、アイヒマンの身柄の送還をも要求しているのであります。あわせて、アルゼンチンは国連の安保理事会にこの問題を提訴いたしまして、安全保障理事会は一九六〇年六月二十三日、このアルゼンチンの提訴を取り上げて、安全保障理事会において決議をしている。イスラエルの行為は加盟国の主権の侵害である、適当な賠償を行なうべきであるという国連の決議が行なわれている。 問題は、かくのごとくそれぞれの国々が至厳にこの問題を処置しているのです。これに対してイスラエルは、アルゼンチンの経済的援助そのほか個々の問題はありましても、二年もかかってようやく解決をしているのでありますけれども、あなたが言うように、アイヒマンはイスラエルの官憲で死刑になったなどという単純なものじゃない。西独政府も主権の侵害許すべからざるだけれども、アイヒマンの罪に対する死刑の執行までは西独政府は干渉をいたしません、こういうことで西独政府の了解も得ながら、非常に困難な道を二年間も歩いて、そしてイスラエルは裁判にかけて、あるいは上告して最高裁においてこれを死刑にする。二年の歳月を経過いたしております。まことにあなたは、この重大な問題に対する答弁はずさん過ぎます。何の意図があってそういうことをやるのか、私は憤慨にたえない。まだ国際的な例といたしましては――こういうは例がみんな残るのですから、金大中、この主権侵害なんという問題は。そこにもここにもあるという例じゃない。世界の歴史をひもといてもせいぜい四つか五つしかないのです、こういう重大問題の例は。 そのほかにまだ、アントワープのアルブ事件というのがある。フランスの陸軍大佐でございますが、こういう事件もありまするし、西独における韓国留学生の蒸発事件などというものは、これはもう何回もこの席上で言われたのでありますから、私は繰り返しませんが、この韓国のいわゆる情報部員に基づく韓国の留学生を韓国政府が拉致した問題については、西独政府は、経済の断交、国交の断絶もおそれずして厳重な抗議を申し込んでいる。そして全部学生をまた西ドイツに送還したじゃないですか、十七名連れていった学士を全部。西ドイツの主権侵害を回復せいという要求で全部返したじゃないですか。返して、しかもこの問題が、西ドイツが完全にこの問題を解決するまで四年の歳月を経過いたしております。一九六七年六月にこの問題が西独において起きた。解決するまでには一九七一年までかかってようやくこの問題を解決するという、これは国際的なたいへん前例となる重大問題なんです。 そんな安易なことで、なぜ一体外交が正常化したのですか。そしてあなたは韓国政府におべんちゃらを吐かなければならぬのか。何でそんなに早急にやらなければならぬのか。国民はだれでも了承いたしません。私は、この問題についてはあなたの答弁は了承できないのであります。いいですか、いま一回繰り返しまするけれども、私の言うことが間違いあれば、私はあなたの前に土下座してあやまりますから、あなたの答弁が間違っていたら、あなたはひとつ外務大臣をやめてください。外務大臣やめてください。やめなさい。
○大平国務大臣 小林さん、誤解せぬようにしていただきたいのですが、私どもが国際慣例に従ってこの問題を処理したいと考え、そういうラインで外交的落着をつけたという、言うところの国際慣例というものは、ベン・バルカ事件がこうであった、アイヒマン事件がこうであったからと言っておるのではないのであります。このベン・バルカ事件とかアイヒマン事件につきましては、国際刑事事件で被害者の人権あるいは自由という問題に関連しての御質問がありまして、国際刑事事件で被害者の自由と人権というような問題は、なかなかこの処理がむずかしいというイグザンプルとして私が説明したにすぎないのでありまして、国際慣例というのは、国と国との間に起こりましたこの種の事件におきましては、まず第一に加害国のほうから陳謝をする、今後こういうことを起こさないという保障が必要である、関係者の処分をちゃんと行なうとかいうようなことが、国際慣例上妥当であると認められておるラインに沿いまして、韓国政府がどこまで誠意を示されますか、八月以来、私ども終始これを期待してまいったわけでございまするが、御案内のように、韓国政府といたしましても、国際慣例から申しまして決して甘くない処置をとられるに至ったわけでございますので、それで外交的な問題としてはここで落着をしようという決意をしたのでございます。 しかしながら、本件は国際刑事事件としての解明はまだ残っておるわけなんでございまして、私があなたの質問にも答えましたように、これが主権侵害であるかどうかという問題の解明が終わったなんて、私は一口も言っていないわけでございまして、この種の刑事事件といたしましては、日韓双方の捜査当局が依然としてまだ捜査を続けておるわけでございまして、外交的な関係といたしましては、こういう程度の誠意が示された段階におきましては、一応落着をつけるべきだという判断をいたしたにすぎないわけでございます。
○小林(進)委員 私は、外務大臣の答弁を了承するわけにはいきません。そういう一つの速記録をつけてうそを言っておいて、そんなものは問題の中心じゃない、国際慣行上正常化したなんて何が一体――韓国はどこへ陳謝をいたしましたか。主権侵害に対してどこへ陳謝いたしましたか。金大中さんのいわゆる身分、自由の保障をどこでやりましたか。韓国人がたまたまこの問題に関係していたから、その点でおわびしましただけの話じゃないですか。そんなのがおわびになりますか。国民に対する侮辱もいいかげんにしてください。まあしかし、私はこの問題は言いません。 次に、あなたの答弁で言いまするけれども、あなたは、金大中氏は自由である、出国も含めて自由であるということをしばしば言われましたが、この点間違いないですか。 時間がないからかためて言いまするけれども、最近、朴大統領に会って、そしてアメリカへ帰ったアメリカの某実業家としておきましょう、その人が、アメリカの新聞紙を通じて、朴大統領に会ったんだけれども、金大中氏は断じて韓国から出国はさせません、国からは出しません、こういうことを言っておりましたということ、これはもう日本の新聞にも発表されたことであります。あなたは、外務省としてこの事実を確かめられましたか。あなたはそれでもまだ、出国も含めて金大中氏の身は自由になったと抗弁をされるならば、その理由をひとつ示してください。 いま一つ言いましょうか。最近警視庁から高宮が、これも名前はおきましょう、韓国へ行かれて帰ってこられたはずです。その人の報告は、これは警察庁を通じて報告書があるはずです。金大中氏の自由に関する報告があるはずです。それも含めてひとつお知らせを願いたい。あなたはいまでも、金大中氏は出国も含めて自由であるとおっしゃるのかどうか、お聞かせを願いたい。
○大平国務大臣 最初申し上げましたとおり、本件が主権侵害に当たるかどうかということは、まだ断定するに十分な証拠を持っていないということを申し上げておるわけでございまして、あなたがそれを前提として陳謝があったかというお尋ねに対しましては、その前提が満たされていないということを、まずお答えしなければならぬと思います。 それから、金大中氏の自由の問題でございますが、私どもが外交ルートを通じまして韓国政府との折衝におきまして、先方が、金大中氏は出国を含めて自由を保障するという約束をいただいておるわけでございまして、一実業家の聞き込みということについて私は関知いたしておりませんで、韓国政府の言明を私どもは受け取るよりほかにないのでございまして、冒頭に申し上げましたように、それが今後どのように履行されてまいるかということを注視いたしたいと思っております。
○小林(進)委員 人間の命は地球よりも重いというのだ。しかし、その命に私は差別をつけようとはしません。しませんが、しかし、金大中氏は韓国における約半分の国民の支持を得て大統領にも立候補された人だ。その人が、独立国家たる日本から拉致をさせられていって、しかもその人の自由がいまどうなっているかわからぬにもかかわらず、あなたは韓国政府の言い分だけに万全の信を置いて、まだ自由ではない、こういうふうに出さないという、その一切の新聞記事や放送に対して、それを確かめてもみようとしなければ、一実業家の弁だなどと言って軽くいなしておるということ、それが一体人間の生命に対する日本国民の代表の外務大臣としての責任ある答弁ですか。私一人が言っているのじゃないのだ。日本国民が全部、金大中さんのこの自由の問題については憂えかつ心配をしているのです。私をごまかしても国民をごまかすわけにはいかない。何で一体誠意のある返事ができないのですか。 それからもう一つ、私は申し上げます。もう時間がないのでありまするから続けて言います。金大中氏は一体健康でありますか。私はここに金大中さんの診断書を持っております。診断書を書いた人は慶応義塾大学病院の医師の五島雄一郎さんであります。日付は昭和四十八年の十二月二日であります。「診断書 金大中殿 一、病名 座骨神経痛及び不安神経症 頭書の疾病により入院加療の必要を認む」。談話として、あのままの状態ではたいへんです、早急に入院の必要があります、こういって書いてあります、金氏は非常に重い神経痛に悩まされている、即刻入院が必要でありますと権威ある慶応大学の医師が言っている。あなたはこの問題も、一医師の言い方であるから私は関係がない、あくまでも韓国政府の言い分を聞くのであると抗弁をされますか。そういう━━━━━外務大臣で、あなたは日本国民の負託に沿っていると思われますか。 時間がないですから、私はまだ申し上げましょう。まだ申し上げますよ。金東雲という人がおりますね。外務省の一等書記官ですね。しかし、この人は名前が偽名であって、本名でないことは間違いない。けれどもその本体まで問うのはやめましょう。一応金東雲一等書記官としてわが日本に滞在した。警視庁の努力によって、金大中氏を九段のホテルから拉致するときの重要な役割りを演じたということは、指紋の摘発によってわが日本の警視庁がこれを押えたことは事実であります。 最初金東雲氏は、断じてこの問題には関与しないと韓国政府は終始抗弁いたしましたことは事実であります。あなたが一番信頼している韓国政府は、初め抗弁をいたしました。ところが、わが日本の警察当局のあくなき追及と証拠を突きつけられたときに、今度は彼らは何と言いました。なるほど金東雲一等書記官は関係はしておりましたでしょう、しかし、それは個人の行為であって、外交官として韓国政府の公権力を代表した行為ではない、こういうことを言われた。それをあなたは代弁いたしました。こっちを見ていらっしゃい。あなたほんとうに重大問題ですよ。私はあなたと━━━━━たいくらいの怒りを持って言っているのです。そんな甘っちょろいことで日本の国の名誉と独立を侵されてたまりますか。あなたそのとき何と言った。向こうの政府が、なるほど金東雲は関係したけれども、個人の行為である限りには、主権の侵害があるともないとも断ずるわけにいかない。 一体、外交官の行為をどこまでが個人の行為であり、どこまでが一体公権力の行為であるとどこで線を引かれるのか。私どもが、わが日本の外交官がパリに行って行動する、イギリスのロンドンで行動する、その行動を、どこまでが一体個人の行為であり、どこまでが一体公的行為であるという判断をするか。私は全部学者の意見を聞いてまいりました。なるほどその外交官、日本の一等書記官がロンドンへ行って、飲み屋へ行って酒を飲んで、いい気持ちになって器物をこわした、コップをこわした、そういう行為は、それはだれが見ても個人の行為でございましょう。しかし、あなたが言われた外交官の行為が、公的行為であるか私的行為であるかということは、本国政府の指示があったかどうかによってきまるのだ。金東雲氏の場合には、韓国政府はそれを指示したことがないのだから公の行為ではない、私的行為である、だから主権の侵害ではないとあなたは言われた。韓国政府の外務大臣と同じ言い方であります。日本の外務大臣らしい悲憤に燃えた、国の独立を守るというところが一つもない。そういう答弁をされた。しかし、一体外交官の一つ一つの行為に、本国政府の指示があったかないかどこで判断するのですか、どこで一体これを判断するのかどうか、私はそれをひとつお聞きしたい。 そこで学者は、いわゆるその外交官の行為が公的行為であるか私的行為であるかということは、その行為自体を客観的に見て、公権力として外観を持っているときはすべて公権力の行為であると推定すべきであるというのが多数学者の意見なんだ。外交官の行為は、その駐留国におけるその行為が公権力としての外観を持っているときは、すべて公権力の行為であると推定すべきである。学者の意見です。金東雲が一等書記官の肩書きで拉致する行為は、公権力の発動おのずからそのままじゃありませんか。 しかも、学者はなおも言った。それが公権力に基づく外交官の行為でないという、本国政府の指示でないというならば、その立証の責任は、その外交官の所属する本国が証明すべきである、というのが学者の意見です。韓国政府は証明しましたか。初めはそんなものは関係していないと言って抗弁し、今度は、途中からは関係したかしれないけれども、それは本国政府の指示によらざるものであって、個人の行為であると言いっぱなしだ。立証責任一つ韓国政府は負わぬじゃないですか。確かなる証拠も出さぬじゃないですか。そういうようなでたらめなやり方に対して、あなたは日本を売ろうというのか。日本の独立を売ろうというのか。(「ことばが過ぎるぞ」と呼ぶ者あり)過ぎない。過ぎない、私は。何が過ぎる。あなたは韓国レベルだからいいだろうが、あなたのほうが過ぎる。 〔発言する者あり〕
○荒舩委員長 御静粛に願います。
○小林(進)委員 私は言う。冗談じゃない。国を売ると同じだ、これは。日本の独立に関する重大問題です。主権の侵害に関する重大問題です。私は、売るも売らぬもない、何度も言う、その点は。そんなことで簡単に下がれる問題ではありません。これは歴史に残る問題であります。民族の独立に関する問題です。 こういうことまでもあなたは――日本を売って、そして早く閣僚会議を急ごうとする。何で閣僚会議を急ぐ必要がある。聞けば二十一日に東京においてやられるという評判であります。その閣僚会議でやる仕事の半分は何だ。国民の税金を持っていって韓国にくれてやることじゃないか。補助することじゃないか。経済的援助じゃないか。物もらい会議であり、物をやる会議だ。何でそんなことを急いでやる必要がある。しかもわが日本には、こうやって物資がない、資源がない、物がない、国民は資源不足で泣きぬれているとき、なぜ地下鉄あたりに資金を持っていく必要がある、なぜ浦項の製鉄所あたりに資金を持っていく必要があるのか、私は了承できません。 つとめて言うが、これは人道問題でございまするので……。金大中さんは、いまの診断書に示すとおり、まさに生命の危険もあり、健康の危険もあるのであります。外務大臣の責任において日本へ持ってきなさい。われわれ国民は全部金大中さんの身を守って、慶応病院でもよろしい、どこの病院でもこれを入院せしめて、りっぱに回復せしめるという国民的体制を整えておりまするから、あなたは責任をもって外交交渉で金大中さんの、ひとつ身柄を日本に持ってきてください。持ってきてください。
○大平国務大臣 金大中氏の身柄は、いま韓国法域の中にあるわけでございまして、日本国の法域の中にあるわけではないわけでございます。したがって、この方の自由は韓国政府のもとにあるわけでございまして、韓国政府が、その人の自由を保障すると言っておるわけでございますから、これをどのように履行されるのか、それをわが国としては注視いたしたいと存じておりますことは、先ほど御答弁申し上げたこおりでございます。 それから、小林さんの人道的な高邁なお考え方は私もよくわかるのでございますが、わが国の外務大臣といたしましては、やはり守るべき節度がなければならぬわけでございまして、外国とのおつき合いでございますので、独立国と独立国の間のおつき合いといたしまして、国際刑事事件というのは、この独立国の平等な主権の間に起こりました問題でございまして、韓国の行動についてわれわれは拘束力を持てないわけでございまして、その間に処してこの問題を、普通国際慣例に従いまして、第三国が見ましてもまず理解ができる状態において解決することが私の責任であろうと思いまして、鋭意努力を傾けてまいっておるつもりでございます。 それから、閣僚会議の問題は、これは毎年定例的に開かれておる会議でございまして、政府は、本事件が起こりました当時から申し上げておりますとおり、本事件があるからといって対韓政策の根本を変えるつもりはない、またそういうことをすべきでない、この事件は納得がいく解決をすべきでありまして、対韓政策は対韓政策として進めるべきであるという態度を終始主張してまいったわけでございまして、私どもといたしましては、準備の整い次第閣僚会議を開かしていただきたいと考えております。もっとも、小林さんが御指摘のように、いまの対韓政策にいろんな批判があることは、私も十分承知いたしておるのでありまして、そういった批判は十分念頭に置きまして、この会議の持ち方、態様等につきましては、十分配慮しながら会議を開催いたすべく、せっかく準備をいたしておる最中でございます。
○小林(進)委員 時間も過ぎましたので、これで私は……。 いまの答弁では私は満足いたしません。特に金東雲氏だけでもそのとおり。最初は関係ないと言っておきながら、あとからは今度は、関係しておりますけれども個人だろうと言って、終始一貫うそばかり言っているその問題を、国際慣行などと称してなぜそれほどまで信頼していかなければならぬのかということは納得できません。二十一日に開かれるいわゆる閣僚会議の問題、世論をあげて、国民をあげて私は反対をいたします。先頭に立って反対をいたします。そして質問は留保いたしまして、本日はこれで質問を終わります。
○荒舩委員長 ただいまの小林君の発言中、適当でない言辞があったと思いますので、委員長において速記録を取り調べの上、適当に善処いたします。(小林(進)委員「反対」と呼ぶ) 御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 異議なしと認めます。 これにて小林君の質疑は終了いたしました。 次回は、来たる十日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会