予算委員会 第2号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/12/06
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和四十八年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十八年度特別会計補正予算(特第1号)及び昭和四十八年度政府機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻原弘市君。
○辻原委員 私は、社会党を代表いたしまして、いまから、当面の社会不安の中で政治がやらなければならぬ重要な課題である物価の対策、石油危機に対処する方策、それに伴う経済政策の方向等につきまして、主として総理にお尋ねをいたしたいと思います。 せんだって来の本会議における質疑討論の中でも、諸般の認識について、私をして言わしめるならば、まことに総理の御認識とわれわれ並びに国民の認識との間には大きなギャップがあるということを痛感いたしました。 その一つの問題についてお尋ねをいたしますが、総理は、これは所信表明、質疑応答だけではなくて、新聞に対するあなたの発表等を見ましても、今日の私どのも実感、認識からいたしますれば異常な悪性インフレであると考えておりますが、総理はいまなおインフレだとはお認めにならない。私は、いまここで、福田さんのように、学者におまかせすればいいのだなどと言って、学者的見解を聞こうという考えでこの問題をお尋ねするのではありません。いまの事態は一体どういう深刻な状態にあるかという認識、決意、そういうものの表現としていわゆる事態認識というものが出てくるのですから、そういう意味でお尋ねをいたしますが、総理はいまなおそうお考えになりませんか。ならないとするならば、インフレではないという具体的な理由を簡潔にひとつお示しを願いたい。
○田中内閣総理大臣 御指摘のとおり、物価は真に憂慮すべき状態にあるということを認識いたしております。物価抑制が当面する政策課題の最重要なものであると、このように考えておるのでございます。
○辻原委員 私の問いにお答えになっていない。 インフレですか、インフレと認識されますか、そうではないと認識されますか。これによって私は非常に今後の対策においても異なってくるから、あえて質問しているのであります。いま一度お答え願いたい。
○田中内閣総理大臣 インフレということばの意義はいろいろあるのでございまして、インフレであるかないかというようなことよりも、私が申し上げておるのは、物価は真に憂慮すべき段階である。あなたがインフレであるという認識をお持ちになっておるならば、あえて異議を差しはさむことはありません。
○辻原委員 インフレの定義はいろいろある。あなたはどう認識される。私はインフレだと認識しているのです。あなたはどう認識されるかということをお尋ねしている。学者の学説を問うているのじゃありません。あなたは、いろいろの学説、諸説のある中でどれを採用して、インフレとお考えになるのか、単なる物価騰貴とお考えになるのか、そこを私は尋ねているのです。お答え願います。
○田中内閣総理大臣 インフレという問題に対しては定義がいろいろございまして、私もインフレに対する統一的な定義を承知いたしておりません。そういうもので、あなたが現段階はインフレなりとお考えになっておるならば、異議を差しはさみません、こう申し上げておるのでございまして、私は、現在の物価は憂慮すべき段階にある、これを押えることが当面の最大の政策課題であると、こう申し上げておるのであって、インフレであるかないのかという問題にこだわること自体がおかしいのです。これは貧乏であるということばと同じことであって、貧乏というものにはいろんな段階がございます。でありますから、そういうような一般的ないろいろ定義のおるものに対して、私が、真に憂慮すべき段階にある、最大の政策課題である、こうお答えをしておるのであって、おなたがインフレなりとお考えになるならば、私もあえて異議を差しはさみません、こう申し上げておるのですから、あなたのほうの考えを強制することは、これはおかしいと思うのですよ。
○辻原委員 そうしますと、私は悪性インフレであると認識をし、そう断定をしているのであります。そのことをあなたはお認めになりますか。
○田中内閣総理大臣 物価は憂慮すべき段階にございます、ですから、物価抑制のためにあらゆる角度から当面最大の課題として政策を進めてまいります、いまの状態があなたがインフレなりと御認定になるならば、異議を申し上げませんと、こう申し上げておるのであります。
○辻原委員 総理、同じことを繰り返さないでくださいよ。同じことを答弁してもらったって意味はないのですから、私の問いに対して正確にお答え願いたい。 私は、インフレに対する一般的な定義を伺っているのでもない、また学説を聞いているのでもありません。私も認識を申し上げたから、あなたの認識はどうなのかと承っている。しかも、私とは違い、あなたは政府当局の最高責任者でいらっしゃる。政策の最高責任者なんだ。その人の事態に対する認識を聞かずして私は政策はないということは、冒頭に申し上げたとおりなんだ。そういう意味で基本認識を聞いているのです。この点は、財政運用の責任者たる大蔵大臣にもひとつ聞く必要があると思うので、あなたおっしゃってください。
○福田国務大臣 ただいまの物価情勢は非常に深刻だと思います。その深刻な状態をインフレというのかどうか、そういうことにつきましては、インフレということばにいろいろの意味があるものですから、総理もなかなかお答えに慎重なんだろうと思う。しかし、総理も、非常に深刻な問題である、こうおっしゃっているのです。その深刻な状態にある物価情勢をインフレと呼ぶというならば、私は何の異議も差しはさみません。そういう深刻な状態をさして、インフレだ、こういうならば、そういう意味のインフレは、今日この現況はインフレといったって別に何の支障もありません。そう考えます。
○辻原委員 そうした意味で、ああした意味でのインフレなんて、私はこだわりは要らないと思うのです。率直にインフレはインフレと認めて、そうしてその時点から深い決意に立って政策を進めるということが、国民の希望する、平たい政府のあり方としての態度だから、私はそう申し上げるのです。私はこの問題についていろいろ議論はしようとは思いません。しかし、そんなことこだわること自体がおかしいというのです。 この経済白書、これは四十八年度です。あえて抗弁するならば、私はこの問題について議論をしなくちゃなりませんが、経済白書の中にだって、世界的インフレと述べている。四十七年の日本の経済状態が深刻なインフレに当面していると、この中で述べているじゃありませんか。これは政府決定でしょう。四十七年度の事態においてすら、そう政府はきめつけておるんだ。世界的インフレで、物価が、小売りにして一四・五%、卸売りにして二〇%以上上がっている。世界最大とOECDがきめつける物価高を、しかも物不足、それをしてなおかつ、世界はインフレだと述べるが、日本だけは違います、異常な物価騰貴ですなんて、これは私は当たらない。そこが国民の実感との間に大きなギャップを生じているということの一例を言っているのです。もしインフレといえば、総理は、いままでやってきた自分の政策の責任を追及されると思っているかもしらぬが、そんなけちくさいことは私はいま言いませんよ。そのことはもちろん大事だ。大事だが、これから真剣に取り組んでもらわなければいけないから、私はそう言っているのです。しかし、この議論を進めておったら時間がたちますから、ただ要望いたしておきます。 総理は、いま言われましたが、政府としてもまだインフレについての統一した見解というものはやったことはないとおっしゃいました。しかし、私どもはこれは非常に重要な問題だと思う。この予算委員会の審議中に、すみやかに政府としての認識を統一してもらいたい。福田さんのお話と総理のお話とは、いま聞いたって違うのですよ、ニュアンスが少し。こういう深刻な事態をインフレというならば、インフレでしょうと、あなたはおっしゃっている。総理は、あくまで、物価騰貴が深刻な事態ですということしか言われない。非常に違うのですよ、これ。だから、統一した見解を出してもらいたいと思います。いかがですか。
○田中内閣総理大臣 インフレということばは日本語じゃございません。インフレであるかないかということよりも、日本語では、物価騰貴、恒常的物価騰貴ということばがあるのですから、そういうものを避けるためにあらゆる努力をすることが必要でしょう。スタグフレーションということばはあります。スタグフレーションということばはもうどこでも使われております。インフレーションということばに対してスタグフレーションということばもだれでも使っておりますが、しかし、これは、生産が少ないにもかかわらず物価は上がるということをスタグフレーションと一般的にいっておりますが、いまの日本がスタグフレーションでありますかどうですか、これをそういうふうに断定をしなさいということは無理だと思うんです。それはどうして必要があるのか。私にも軽度の甲状腺機能高進症があります。あなたは病人ですかと——病人という定義は、相当広範な定義であります。ですから、そういう、いまインフレであるかインフレでないのかという議論を、どうして政府が統一見解を出さなきゃならぬのか、私はそういうものに対してはよく理解できません。 現在、日本語として明確にあるのは、物価が非常に重要な段階に至っておる、この憂慮すべき段階に対して、恒常的に物価上昇を来たさないように当面最大の努力を行ないます、こう述べておるのでございますから、インフレーションとかスタグフレーションとか、そういう一般的にいろいろな面から使われておるものに対して、しかも諸説はいろいろあるのであります。われわれが申すまでもなく、恒常的に物価が上昇をし、しかも、供給が需要に長期的な見通しに立ってみると追いつかない、バランスがとれないような不安定な状態にあるものをインフレーションというと、一般的に理解もされ、そう解釈もされておりますが、インフレーションという世界的なことばの定義というものは、明確にはないわけでございます。 ですから私は、あなたが質問すれば、世界的なインフレーション傾向、国際的インフレーション傾向の中で国際物価が高騰をしと、こうずっと述べておるわけでございますし、だれでもそう議論をし、著述の中にもそう書いてあるわけであります。ですから、インフレ傾向を抑止しなきゃならぬ、悪性インフレ…… (辻原委員「簡単にやってください」と呼ぶ) こういうことでありまして、政府が統一見解を出せるようなものと出せないものということがありますから、そこらはひとつ区別をしてお願いをいたしたい。
○辻原委員 定められた時間があるんですから、総理、私もできるだけ言いたいこともセーブしながら結論をお尋ねしているんですよ。いま総理が答えられたことの中でインフレーション、スタグフレーションということばが出ましたが、私は時間があればそれも聞きたいんだけれども、そうあなたがしゃべっているその中にも、私の頭にいろいろな疑問が生じてきた。一体、総理は、インフレという私の問いに対して、少し先にいってスタグフレーションということばも使われた。総理の認識の中には、いまの事態についてスタグフレーションという認識もあるのかなと、こういう私は錯覚すら起こすように、あなたの答弁はいろいろの混迷を来たします。 また、日本語に物価騰貴ということばがある。確かにそうです。しかし、インフレということばは、もうすでに日本語化しているんですよ。あなたのような論法でくるならば、じゃ、なぜ経済白書の中にインフレということばを使ったんですか。じゃ、削除しなさいよ。この中から削除しなさい。それならば私は了承しましょう。 だから私のお尋ねしたのは、いろいろ諸説もあるし、あなたの見解から聞いてもつかみがたいんです。大蔵大臣の言われることも議論があります。いろいろあるから、まずその土俵、土台をしっかりするために、少なくともこの基本的問題について認識ぐらいは統一してください。そういう意味で、統一見解を出してくださいと言っているんです。出すか出さぬか答えてくださいよ。
○田中内閣総理大臣 辻原さんに先ほどから申し上げておりますが、ちょっと混淆しておられるようですが、インフレーションということばもあります、スタグフレーションということばもございます、全然別なことを述べたわけです。それで、日本語にも病気ということばもございます。しかし、インフレーションということばに対しては幾つもございますし、スタグフレーションということばにも幾つもございまして、現在の状態がインフレーションであるかないかを断定せよと、こう言っても、それは、政府がいまそういうことを断定できるような状態ではありません。ただ、日本語で明確にいっておりますのは、日本語では、物価の騰貴という明確な日本語があるわけでありますから、そういう意味で、物価が憂慮すべき段階にあると政府は考えております、当面する最大の政策課題としてこれと取り組んでおります、インフレーションということばに対しては、あなたがインフレーションと言われるならば、あえて異議を差しばさむものではございませんと、こう明確に述べておるのであって、インフレーションの定義を内閣で統一しろと言っても、それは無理なんです。国際的に諸説がたくさんあるものを、内閣がインフレーションの定義を申し上げる、統一見解を出せと言われても、無理があります。
○辻原委員 あなた、私の尋ねた内容をしっかりつかんでいただきたい。私は、内閣で定義をしろとは要求しておりません。内閣の政策としての認識を統一しなさいと、こう言っているのです。だから、現事態はインフレであるかないか、少なくともそういう認識は政策当局として持っていなければ、政策はないじゃないですか。その統一をしてきなさい、こう申し上げている。 ひとつ委員長にお願いします。ここでやりとりしておりましては、またたく間に時間がたってしまいますから、したがって、これはひとつ委員長から政府に対してその要請をしていただきたい。総理のせっかくの御答弁だけれども、私は了承するわけにはまいりません。 次の問題にまいりましょう。——委員長、それやっていただけますね。
○荒舩委員長 辻原君の、インフレに対する政府の統一見解、あしたまでにひとつ御返事をいただきます。——明日までに、よろしゅうございますか。
○辻原委員 委員長の御配慮で、明日までに見解を出していただけるようなことでありますから、その点はそのように取り計らいをお願いいたしまして、次の問題に移りたいと思います。 総理は、せんだって来からの本会議での御答弁の中に、いわゆる列島改造構想というのは私的なものであり、これは単なる私の論文であり、しかも、その中にとられている指標はいろいろございます、これといま提出しておる国総法とは違いますと、こうおっしゃっておられる。ここは大事な点です。 それから、そこから先は、まあ少しあなたがいたけだかになられたことは、私は、総理としておとなげないと思います。まことにおとなげない。しかし、おとなげないでは済まされないことばもあるから、一言申しておきましょう。 「国総法は、野党のあなた方も賛成をして、超党派でつくってきたものじゃありませんか、それをなぜ反対、撤回しろと言われるのか。」どこかに思考の錯誤がありますね。そうでしょう。 私は、二つの点で総理に指摘をして、訂正をしておいていただきたいと思うのです。 ます、「日本列島改造論」は、単なるあなたの私見あるいは私的な著作ではありませんぞ。過ぐるちょうど一年前の総選挙に、当時の自民党は十大政策というものを掲げられたことは、皆さんも御記憶せられているとおり。その一項の中に、あなたのこの列島改造構想が、政府与党たる自民党の政治公約になっている。私的なものですか。違うでしょう。 それから、野党が賛成していた云々は、あなたの思い違いですね。それは、いまの国総法、いわゆる現在施行されておるものは、大いにわれわれもけっこうだ。おくれている、日本の国土の開発のために、いろいろそれに見合う適正な開発をやることは、大いにわが社会党も推進をし賛成をしてきました。しかし、いま出ているものはそれと異質だから、もの申しておるのです。 この二つの点についてお答え願いたい。
○田中内閣総理大臣 「日本列島改造論」ということばは、私の著作による本の名前でございます。しかし、この中に書いてあるような、日本列島、いわゆる全国土をあまねく対象として均衡ある開発をしなければ、都市の過密やまた物価高の要因になるような交通の障害排除とか公害の排除はできない。しかも、大都市における住みよい大都市生活環境を整備することはできない。そして大都市だけに目を当てて改造を行なおうとしても、大都市をよくするということになれば、それは必然的に求心力を強めることであって、悪循環が続くので、そうなれば、昭和六十年展望で総人口の八五%も都市に集中するであろう。その場合に国民の公共負担はたいへんな状態になるということで、そういう意味から、自由民主党では、四十三年に都市政策大綱の名において国土総合開発の推進を党議決定いたしておる。これは事実でございます。 それから、過般の総選挙に際して、「日本列島改造論」の中に書いてあるような、いわゆる国土の均衡ある開発をはからずして、長期展望に立つ生活環境の整備や国民の生活の向上は不可能なので、国土の総合開発を進めようということも、これは公的な立場で世に明らかにいたしております。これは公約であることは事実でございます。そうして、国土総合開発というものを進めなければならないというのも、新全総の計画が延びましたあの過程におきまして、いままでのように改定新全総ということではいけないので、五十二年までの長期的な展望に立って、経済社会発展計画等、その過程において策定をしながら、朝野の意見をもととして均衡ある国土の総合開発を進めようということも決定をして、政府も作業を進めております。いつ出すのか、出すのかと言われながら、慎重に今日まで、まだ成案を得ない段階であることは御承知のとおりでございます。 そういうような歴史的な基盤の上に立って、国土総合開発法なるものがいま国会の審議にゆだねられておるわけでございます。この国土総合開発法は二十五年に制定をせられたものでございますが、これはいまは閣法になっておりますから内閣提出ということになっておりますが、この成立の過程を見ればおわかりになるとおり、与野党で話し合いをして、あの当時、道路三法を行なったり、いろいろな法律を議員立法で行なったわけでございますが、その中の一法として成案を得たものであることは事実でございます。これは参議院でもって私も質問に答えて正確に申し上げておきましたが、共産党だけは反対でございまして、その他は、委員会も全会一致でございましたし、全会一致だというのはあたりまえで、これは議員立法として、議員の間でもって、各党間超党派で話し合いをしたものでございまして、そして最終段階において、基本法であるから閣法にしたほうがいいということで閣法になったわけでございますから。 それと今度出ておるもの、二十五年制定のときは賛成だったけれども、いまも賛成だという考え方には錯誤があるじゃないか。それは私も一緒にして申し上げたわけじゃないのであって、予告にないこういう御発言がございましたので、私もとっさにお答えをしたということでございまして、その間の事実を分明して申し上げるべきだといえば、以上申し上げたとおりでございまして、いま出ておるものは、当然あなた方が御賛成になるべきだということを前提にして申し上げてないことを、ひとつ御理解を賜わりたい、こう思います。
○辻原委員 長々お答えになりましたが、要は、列島改造構想、まあ論というたら違うとか、本になったら、それは国総法とは違うとか、いろいろ形式論議の仕分けを総理は最近だいぶおやりになっておられるから、私はそんな形式論をお尋ねしているんではなくて、いまあなたがいみじくも答えられたように、形式は私的なものであったが、その考え方は自民党の十大政策、政府の施策に取り入れて、国総法と一体のものであります。間違いございませんね、それは。
○田中内閣総理大臣 私が「日本列島改造論」を書いたときの考え方、方向というものは、自民党の都市政策大綱と、政府がずっとやっております新全総というものを前提にして書いておるわけでございますから、方向的には私は同一の軌条にあるものだ、こういう理解を持っております。
○辻原委員 それから、現在具体的に動いておる国総法と、いまわれわれが議論をし、強く撤回を迫っているものとはこれは違うということも、総理ははっきり申されました。私どもが言うのは、いま申し上げましたとおり、この新しく議論をせられている国総法のバックボーンというか、目ざしている方向が、列島改造構想に基づくものであり、六十年を目ざす高度成長経済政策にほかならぬ、そういうものであるから、これは今日の事態、認めがたいという趣旨を申し上げているわけです。しかも、これはその問題だけを議論する時間はございませんから、いずれ他日やりたいと思いますが、ともかく、あなたが去年の選挙前、この列島改造を盛んに主張され、振り回され、先ほど申したように自民党の政策にも取り入れてやろうという段階から、土地が異常な値上がり、投機が異常なスピードで拡大したことも、これはいまや歴史的事実だと私は思っている。しかも、過剰流動性と相まってこれが投機へ拍車をかけたということも、残念ながら、これは総理、厳たる事実なんですよ。この意味において、われわれはこの政策を基調とする国土総合開発は認められない、こう強く主張しているのですから、国民の気持ちも私はそこにあると思うのだから、あなたもその事態をあっさり認めて、撤回するなり、適当な処置をおとりになることが私は賢明だと思うのです。いかがですか。
○田中内閣総理大臣 時同じくしてというようなことばから、あなたが引用されておるのだと思いますが、「列島改造論」には、御承知のとおり、四十五年価格を基準にしまして、一〇%の場合三百四兆円に名目国民総生産はなります、八・五%の場合は二百四十八兆円になります、七%の場合は二百十六兆円になります、五%の場合は百五十二兆円になりますと、明確にこう述べておるわけです。ですから、それはちゃんとページ数を明確に、五六ページだったと思いますが、ちゃんと明らかに述べておるのです。そういうふうにちゃんと述べておりますから、五%にするか、七%にするか、八・五%にするか、一〇%にするかは、そのときそのときの政治の情勢、経済の情勢からやるべきでございまして、一〇%の部分だけをとって——これは明らかに日本が秘めておる潜在成長率だと書いてあります、明確に本は。(辻原委員「そんなことを言ってないじゃないですか。私が一〇%だと言いましたか。言わぬことを……」と呼ぶ)いやいや、そういうふうに書いてありますから、ですから、国土総合開発法が列島改造という思想によるものだというふうにあなたは断定しておりますが、私はそうは断定しておらないのです。国土総合開発法というのは必要なんですよ。いま全国的に国土の総合開発が必要であるかないかを投票してみればすぐわかりますよ。ほとんどすべての人が賛成だと私は思っている。そうしないで、どうして一体地価を下げ、均衡ある国土の発展ができますかということであって、いま御審議を願っておる国土総合開発法は、私は必要でないなどと考えておりません。これは一日も早くこれを通してもらいたいと、こう考えております。
○辻原委員 私は、国土総合開発というのは列島改造と一緒だ。いま一緒だとお答えになったんです、総理。一〇%がいいのだとか八%がどうだか、そんなことはちっとも聞いていないじゃないですか。べらべら聞かないことを言わぬでくださいよ、時間のむだですから。まあしかし、幸い総理がおっしゃったのですから、私は続いて御質問いたします。 きのうでしたか、参議院の本会議であなたは、資源と環境に見合う適当な成長を今後考えなくちゃいくまいということをお答えになっておられます。いま私と議論した中でも、列島改造の構想は原則として持っておられる、国総法もその精神と一体のものだ、しかし、五六ページにいろいろ書いてあるんですといま言われたのですね。そのいろいろの中でどれをあなたは考えられるのですか。適当な成長とは具体的に一体どうお考えなんですか。ただ通り一ぺんの答弁として、ただその場限りのことばのあやで適当な成長ということばを使われたのか。そうではなくて、事態、今後、将来を十分判断をして、福田さんの言われるような安定成長にこの際スローダウン、転換をしていこう、こう決意をされたのか。国民がやはりここの点は大事だ、聞きたいと言っているのですよ。どうかそれは簡単に、明確にお答えいただきたい。一〇、八、七、六、いろいろあげられたんですね。どれをとられるか。
○田中内閣総理大臣 一〇%成長ということは高いし、ちょっと望めないということは、私もそう考えております。ただ、ここでもって御理解いただきたいのは、昭和二十九年から三十九年までの平均成長率は一〇・四%であります。三十五年から四十五年までの十カ年の平均は一一・一%であります。それで、結局二十九年からが正常になっておるわけでありますから——自立経済が発足したのは二十九年でございますが、二十九年は名目成長率は四%でございました。ところが、その後三十年、三十一年、三十二年は一三%台であり、三十三年の大不況期というのが四・八%でございまして、その後景気浮揚政策をやり、三十四年が一五・五%、一九・一%、二二・二%となって、そこで引き締めをして、三十七年の大不況というのが九・一%でございます。その後一八コンマ、一五コンマとずうっと続きまして、昭和四十年、中小企業が倒産をするからといって、皆さんとともに中小企業対策を緊急にやらなければならなかった当時の成長率が一〇・七%でございます。でございますので、これからは私は過去の数字だけにとらわれて比較をして一〇%とか八%とか七%とかいえないと思います。ただ、資源を無制限に日本に搬入するということが不可能であるという状態もよく理解できますし、しかも付加価値の高い知識集約的な産業、言うなればスイスのような産業がどのように発達をするか、そのテンポがどうなるかということもございますので、それらはやっぱり朝野の知識を十分取り入れながら、これから五十二年までの中期経済見通しといいますか、経済社会発展計画においては九%という数字が出ておりますが、しかし、これも実質九%でもって維持できるのかという問題も、当然今度の石油問題から考えなければならぬ問題でございます。そういう意味で、またしかし、開発輸入がどの程度行なわれるかという問題もございますし、いろいろな産業の構造、事態の変化も考えながら、また、一次産業比率がまだ一五%でありますので、どの程度の状態で二次、三次産業へ移るのか、もう三次産業比率というものは世界で最高になっておりますから、これをどの程度に二次産業比率にまた逆転させなければいかぬのかどうか、いままでの高水準で三次産業比率をそのまま維持できるのかという、広範な勉強が必要だと思うのです。その中で、ノーマルな、国際的な面から見ての成長率というものが幾らであるかということを、これから皆さんの御意見も聞きながら、ほんとうに長期的なもの、中期的なもの、当面するものの区別を明確にしてきめていかなければいかぬというので、私は、いまの新全総の再改訂版の基礎となるものに、主要工業十カ国から日本を除いたものの過去十年の平均数字を一つの試算目標数字としてやってみたらどうか、こういう指示を半年ばかり前からやっておりまして、現在も、コンピューターにかけたり、各国との比較をやったり、資源状態の比較等をやりまして、主要工業十カ国のうちの九カ国、まあ日本を除く九カ国というものの平均数字でいま勉強中でございまして、ここで何%にするということを述べるにはあまりにもむずかしい問題である、こう考えます。
○辻原委員 いま総理が述べられたようなこと、いまここであなたが私的論文だと言われ、いろいろな数字を述べられたそれと、列島改造構想の中のどの数字をとるかというふうな単純論法はいたしませんけれども、いずれにしても、いままでかりに経済社会発展計画にある九%でやってきたとしても、それは高過ぎるというようなことぐらいは、あなたが言われていました資源、それから環境、こういうことを抽象的に想定しただけでも直ちに判断がつくと思う。だから、今日考えられておる成長率を再検討しなければならぬということだけは事実だと思いますね。そのことをお認めになりますね。簡単にお答え願いたい。私も簡単に聞きますから。
○田中内閣総理大臣 公のものとして、政府だけではなく、審議会をつくっていただきまして、日本人のその道の専門家にお集まりをいただいて広範な勉強をしていただいた結果、経済社会発展基本計画なるものができまして、五十二年までは中期見通しとして平均九%というものが出ておるわけでございます。でございますので、この九%が、八%でいいのか、九%そのままでもってやっていけるのかという問題は、絶えず勉強を続けていかなければならぬ問題だと思います。ですから、私も、この経済社会発展計画に対しては、政府では見直しとかそういう問題ではなく、これは第三者から答申を受けて国会に提出をしたものでございますので、しかし、それかといって、事態が変わっておる、前提条件が変わっておる、いろんな困難な問題が出ておるにもかかわらず、五年間はこれで押し通していくのですということを申し上げる気もないのです。ですから、これらの問題に対してはひとつしさいな勉強をあらためてしてもみますし、またいろいろな方々の御意見を徴して、できれば皆さんも、これなら野党といえども認めざるを得ないなあというものがほんとうにできることが望ましいということで、フランクな気持ちで勉強はしてまいりたい、こう思います。
○辻原委員 総理がフランクな立場に立てば、われわれも決してただあげ足をとったり、あなたがたいへん困っている問題のみをつついたりするようなことはいたしません。あなたがフランクじゃないから、われわれもきめつけざるを得ない。だから、率直に、いまのようにわれわれの意見も十分聞いて、大いに日本経済の将来について語り合い、いい点はひとつまとめていこうという態度があるならば、積極的に提案してください。いつでも応じますよ。 すでに経済社会発展計画、ここに私はいただいたのでありますが、十一月三十日に計画推進委員会がフォローアップしたものがありますね。私はゆうべずっとこれに目を通してみました。この中には、明らかに、一言で申し上げると、いわゆる前提条件がくずれてきておる、策定当時の三月から見れば、わずか短い、せいぜい十カ月足らずの間にこんなに乖離しているということを指摘されているのです。ですから、いま総理もおっしゃったが、私は、もちろん広範な第三者を集めてつくられた経済社会発展計画、それ自体意味もあったでしょうが、前提がくずれた今日、幾ら衆知を集め時間をかけてやったものだからといって、これを一つの国の基本的構想、将来のあるべき姿として考えるわけにはいかない。だから、当然いまおっしゃったような——私は、形については、いまここでこうこうしようなんということは申し上げませんが、すみやかに再検討を加え、国民なり、またわれわれ野党も納得すべき経済政策を構想すべきだと考えます。その点については明確にひとつ総理にお約束を願っておきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 国際情勢も変化しておりますし、日本を取り巻く国際環境も大きく変化しておるのでございますから、経済社会発展計画の中に、中期計画の中に書いておる数字そのものや認識等に対して乖離が生ずるということは、これはもう御指摘のとおりでございます。しかし、先ほどから述べましたとおり、衆知を集めて御答申をいただいたものでございます。四十九年度予算編成は、当面する問題ということで予算編成もできるわけでございますし、経済見通しも当然できるわけでございますが、しかし、五十二年までのものということに対して、ここで再検討するとかどうとかということよりも、先ほどから申し上げているように、こういう変転きわまりない情勢の変化に対応しつつ十分勉強してまいりますということで御理解をいただきたい。
○辻原委員 だめですな。総理、日本人はお互い腹芸じゃというようなことをよく言いますがね、大事なことはやはりきちんとしておかないといかぬと思うのです。勉強はあなたもされておるだろうと思うが、私も一生懸命勉強しているのです。だから、やはり明瞭に、政府としてのお答えを私は聞いておるわけだから……。
○田中内閣総理大臣 経済社会発展計画、中期計画は五十二年までで出ておりますし、国会にも提出しておるのでございますから、これを押し通しますなどということは申し上げません。この事態の変化があるわけでございますから、これはしさいに検討もし、勉強もしまして、国民が納得できるようなもの、国民の理解が得られる、協力を得られるということでなければならないということで、これに全くとらわれて予算を編成するというようなことのないように十分配意をいたします。
○辻原委員 そういたしますと、ここで一つ問題になるのは、明年度予算の編成をどうするかということなんですね。いままで伝えられているところによると、大体毎年やっているのと同じような方式で年内に編成を終わる、こういうことを打ち出されているようでありますが、これは大蔵大臣、できますか。私はあとで、これからの経済見通しについてもう少しあなたとも議論をいたしたいと思っておりますが、その前に、いま総理がおっしゃったから——そういう勉強、作業で国民の納得、そういうものをつくり上げたいとおっしゃる。私はそれはたいへんけっこうなことだと思うし、大いにわれわれも協力すべき面もあるが、意見も申し上げる。しかし、少なくとも今後の経済的見通しというものか明瞭にならなければ——それか結果として正しいかどうかは、やってみなければわかりません。私はいま結果を追及しようとしているのじゃない。しかし、当然、いま考えられるあらゆることを想定し、現状認識を深めて、その上に立つ長期あるいは短期の経済見通しというようなことを明確に国民に示す必要がある。それが前提であります。示せますか。確信がありますか。年内といいますと、もうあとわずか二十日余りでしょう。その間に四十九年予算編成を例年のごとくきちんとやるだけの確信があなたにはありますか。いかがですか。
○福田国務大臣 非常に激動といっていいくらいな世界情勢、また日本の経済情勢です。そういう中の予算編成でありますから、これはなかなか容易なことじゃありません。しかし、予算は通常国会に提出しなければならぬ、そういうことを考えまして、経済の見通し等につきましては、ある程度大胆な見通しというものをつくらなければならぬ、こういうふうに思います。その上に立ちまして、予算は年内にはぜひとも編成を終えたい、かように考えております。
○辻原委員 あとでもう少しその問題を触れたいと思います。 その前に、少し議論をもとへ戻しまして、あなたはかねてから、いわゆる抽象的にいうと安定成長論者、こういうふうにいわれておるのですね。 それで、私は、かつて佐藤前総理が初めて組閣された直後のやはり予算委員会で議論をしたことがあります。というのは、ちょうど佐藤、池田の総裁選挙のときに、たまたま私はその総裁選に向かってのおのおのの政策パンフレットというものを手に入れた。それを見ますと、これはどっかの政党の間違いじゃないかと思ったくらい、当時の池田政権に対して佐藤さんの経済政策なんていうのは手きびしい批判があって、池田は高度成長、おれは安定成長、これがいけないから物価は上がるんだ、こういって書いているのです。だから私は、そのことを組閣早々の佐藤さんにお尋ねをした。あなたはこう言っておられるが、ほんとうに安定成長をやりますかと言ったら、やります。それはいつごろまでにできますかと言ったら、ことしの——その当時のですね、ことしの秋くらいまでにはそれをやりますと言ったんですよ。そのときの参謀はたしかあなたなんです。私は予算委員をたびたびやっておりますから、ずっとそれ以来のあなた方のおやりになることを見てきた。ところが、ちっとも違っていないんだね。 そこで、私がいまここで疑問に思うことは、今度もいろいろ新聞で、田中は経済成長論者、福田さんは——どうも失礼。田中総理はです。それから、福田さんは安定成長論者だ、こういっているけれども、確かに私はその姿勢というのは大事だと思うのですよ。しかし、国民なりわれわれがこんないま生活不安、社会不安の中にあるんだから、そんな抽象論議をもてはやすよりは、成長論というものと安定成長論というものは一体どこがどう違うんだというのが聞きたいのです。私もいままでやってきてわからないんだ。たしか佐藤さんも、やります、秋までと言ってここでいばったんです。将来のことは私はそれ以上言わなかった。秋まで待ったけれども、一向に安定成長にならなかったのですね。多少の調整はありましたよ。しかし、基本としてはやっぱり伸びていった。いまここで資源もデッドロックに乗り上げた。国民の環境もともかくこれ以上こわすわけにいかぬという事態がいま来ておるのです。その中で、あなたが言われる安定成長論というのは、国民の中に何か一つ救世主のようなイメージを与えておって、それをあなたがだまくらかすということになると、これは罪が重いんですよ。だから、そこをはっきりどう違うのかということをあなたは言わなければならぬ。ところが、この間から言っておるのは、結論において一致しますとか、それから、どこかで一致いたしておりますとかなんとか話しているんだが、さっぱりわからない。だから、あなたの安定成長論というものは、私はかく考えるんだ、ここがいままでのやり方とこう違うんだということを明瞭に私に教えていただきたい。私も勉強いたします。同時に、国民にもわかるように御説明がいただきたい。
○福田国務大臣 私は前から安定成長論者、これはそのとおりですが、これは二つの内容を持っているのです。一つは、成長の高さです。私は、成長の高さにつきましては、物価の状態、国際収支の状態、資源の状態、また環境保全という問題この四つの点をにらみながらその成長の高さをきめなければならぬ、こういうふうに考えます。特に私は、今日わが国におきましては資源の問題というのが非常に重要性をもつ、こういう見方をしておるのであります。 わが国は確かに工業大国である。しかし、資源小国であります。その立場を深く認識しなければいかぬだろう、こういうふうに思います。ところが、いま世界じゅうで非常に日本の今後の経済政策、また日本の国の歩み、これがどうなるか、関心を持ちだしている。それはいろいろあるのですよ。あるが、経済面について言いますと、日本が先進諸国の二倍以上の速度でいままで発展してきた。この勢いで発展したら、一体日本の国の経済は世界にどういう影響を及ぼすか。世界のマーケットを荒らしちゃうじゃないか、あるいは資源を食いつぶすじゃないか、そういうようなことです。そういうようなことで、非常に日本の成長政策に対して批判、警戒を持つようになってきておる。ところが、世界は一体いまどういう状態にあるか、こういうことを考えてみますと、これは政治的には緊張緩和という状態でありますが、経済的に見ますと、競争激化。つまり、その激化という要因は資源であります。ローマクラブというのがああいう警告を世界に向かってやった。あの資源が地球上において有限であるという点に世界じゅうが着目をしておる。私は、そういう世界の大勢下において、日本を見る目というものは非常に警戒的になってきておる、こういうふうに思うのです。事実、いままでのような勢いで日本が成長政策を進めて十年もたつということになったら、鉄にいたしましても、あるいは非鉄金属にいたしましても、これは世界の資源の輸出の大半を日本が買うというようなことになってくる。これは、世界はそれを黙って見ておらぬと思うのです。そういうことで、石油の問題がいま出てきておりますけれども、石油の問題を含め、資源小国である日本の立場をどうするか、こういうことが非常に重大な問題になってきておる。そういうようなことを考えましてこれからの日本の行く手をきめていかなければならぬ。 成長率につきましては、いままでのような高成長、これはもうとるべきじゃないし、また、とり得ない、こういうふうに考えます。また、とることは適正ではない。さっき総理も言われましたけれども、国際社会の動き、これに大きな焦点を置いて、それとそう大きく乖離しないような成長路線というものを探らなければならぬだろう、こういうふうに考えております。 それからもう一つの面は、内容の問題であります。いままでは、成長政策ですから、成長の成果のその大部分を次の成長へと投入する。産業中心、成長中心、こういうことであります。これからの日本国は、これだけの経済力ができたのだから、もう国内のこのおくれた社会状態の取り戻しに総力をあげなければならぬ。成長の成果は、これは全部これを転換するというわけにはまいりません、成長のほうにも投入しなければなりませんけれども、主力は国づくりの方面に投入する、そういう時期になってきておると思うのであります。つまり、成長から福祉社会の建設へという方向へ大きくかじを転換していかなければならぬ。そうすると、この面からも一つの問題が起こってくる。つまり、成長の成果は、その主力を次の成長には使わない、こういうのでありますから、これは成長の速度にはブレーキがかかってきます。つまり、その面からも成長への制約というものが来る、こういうふうに見ておりまして、そういう基本的な考え方でやっていけば、わが日本はほんとうに、速度は多少は鈍るかもしれませんけれども、世界に誇るべき福祉平和日本社会というものを建設できる。これが成長論の概要であります。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕
○辻原委員 総体的に承ると、わが党が、社会党が言っておったようなことをいまあなたが述べられている。しかし、実際問題として、あなたがその決意でおやりになるということならば、大いにわれわれも賛成だ。 総理、いま福田さんがみずからの安定成長論を述べられたわけでありますが、あなた何か御意見がありますか。異論がありますか。あれは、おっしゃっていただきたい。
○田中内閣総理大臣 ありません。
○辻原委員 ということになると——これは冗談じゃありません、きわめて大事な点なんです。福田さんが述べられたことを私はここで私なりに集約いたしますと、いままでわが国経済のいわゆるGNPの成長、あるいはそれに伴う、それを押しささえる諸般のファクターというものは、いずれにいたしましても非常なスピードと過大であった、そのことをまず認められておるわけです。そうして、従来やってきたような、常識化しているいわゆる九%ないしは一〇%以上の成長というものは論外であるということにあなたの御意見は集約される。 そこで、一体どういうことが適正かどうかは、ここで簡単な議論で詰む問題ではないと私は思うが、ただあなたは、従来やってきたようなああいう高い成長率は絶対不可であるということを申された。同時に、いままで、これは自民党の諸君も絶えず演説会になると、まずパイを大きくするのだとやったのですね。パイを大きくしなければ大きく分配できないじゃないか、社会党のようにともかくパイを大きくすることを考えないなんという——私はそんなことは考えたことはないけれども、そういう反論をやられた。しかし、大きくしようとしたけれども、それは食えないようなものであったわけなんですね。高度成長というものは、必ずしもパイを大きくしたからそのパイが公平に分配できるというメカニズムにはならなかったということ、そこを福田さんはいま反省されたと思うのだが、そうしてそういう成長じゃなくて、スピードよりは、ここでわれわれはいままでの行き過ぎの中でできたひずみというものを重点にし、国民福祉のあれをやりたい、この決意を、私は、りっぱだ、これは一大政策の転換といわなければならぬ、そう把握した。そうですね、福田さん。
○福田国務大臣 私は、そういう転換期に来ているということを申しているのです。まあ、本会議でもるる申し上げたのですが、わが国はとにかくここまで、いまあなたのおことばをおかりいたしますれば、パイができたのです。このパイをつくるということは、しかし目的じゃないのだ。このパイを手段としなければならぬ。これを手段としてこれから雄大な日本国の国づくりにスタートすべきそういうときに来ておる、そういうことを申しているのです。その国づくりにスタートする今後の展望といたしましては、いままでのような成長中心、成長重視の考え方ではいかぬ、やはり福祉社会建設ということが重点になる、そういう考え方でなければならぬ、こういうことを申し上げているわけであります。
○辻原委員 そこで、四十八年度の今回の補正予算を出されるについて、その前提となる経済見通しを改定されましたですね。それを拝見いたしますと、非常に大きな改定をされておる。改定というか、見通しの訂正をされておる。この見通しの訂正は一体何がゆえに生じたか。これは大蔵大臣、どうあなたは認識されていますか。
○内田国務大臣 主として今年の中ごろからの卸売り物価並びに消費者物価の異常な値上がりと、また国際収支の状況のかなりの動き、こういうことを前提といたしまして、私どもは良心をもって改定の試算をいたしたものでございます。
○辻原委員 あなた、えらい自信たっぷり言われましたが、そうですか。私はちゃんと読んできているのですよ。でたらめというか、大ざっぱな話を聞いているのじゃありませんよ、ここでは。正確に言いなさい、正確に。
○内田国務大臣 申し上げたとおりでございまして、たとえば、本年の経済見通しは、物価におきましては、消費者物価の値上がりを五・五%ぐらいに見られておりましたのが、最近の状況では、それが前年に比べますと一四%をこえるような上昇が見られるようになってまいりましたし、卸売り物価につきましては、当初の見通しが二%の上昇ということでございましたのが、二〇%をこえるような著しい上昇、これがいま私が申し上げました物価の変動でございます。また、国際収支におきましては、貿易の輸出入の関係が、これはまあ輸出も伸びましたけれども、輸入が、国際物価の値上がりもあり、また、私どもが国内の生活安定対策といたしまして輸入の促進というようなこともいたしましたために、輸出以上にその輸入に伴う支払いが伸びて、その関係が黒字ではございましたけれども黒字の幅が大幅に減ってきた。その上、貿易外の支払いとか、あるいはまた長期資本の収支というものを見ますると、この方面でも当初とはかなりの変更があった。この国際収支の変動が今度の改定試算の主たる柱である、こういうことを申し上げたわけでございます。
○辻原委員 物価動向一つ見ましても、いま御説明のあったように、卸が二%の想定、これが一七%ですか……(「二〇か二二か」と呼ぶ者あり)いやいや、経済見通しの中では一七と書いてある。私は読んできてやっていると言っているじゃありませんか、あなた。大ざっぱな話をするんじゃないというんですよ。
○内田国務大臣 それはこういうことでございます。これまでの経過から、四十八年の卸売り物価を四十七年全体の卸売り物価と対比しますると、年平均で一七になりますが、最近の著しい物価の上昇というのは、十月分なら十月分を昨年に対比いたしますと、これは異常な二〇%の上昇ということが、前月だけを見まするとそのような状態があらわれておる、こういうことを申し上げました点、御了承いただきたいと思います。
○辻原委員 補正予算の前提になる経済見通し、政府がこれを出してこられたのを見て私は質問しているんですよ。いまのあれなら二二%です。だからあなた方の今回の補正をされたその経済見通しには、卸を二、それを一七とやっているでしょう。違いますか。だからとりあえずそこだけを私はいま議論しているんですよ。それにしても八・五倍。それから消費者物価、CPIは、五・五が二二と是正されておる。だから、これの適否については別の問題があるんです。それはあとで議論いたしましょう。しかし、いずれにしても卸においては八・五倍、消費者物価においては少なくとも三倍近い狂いが生じておる。その狂いはなぜ起きたんですかと私は言っているんです。あなた方はこれを作成するときになぜそんな狂いが起きたんですかと言ったらば、いろいろおやりになりましたが、私がその経済見通しを読んだ範囲におくとこういうふうに指摘しておる。こっちから申し上げましょう、時間の関係で。 円切り上げのタイミングを失したことが一つ問題である。それから金融引き締めの時期を失したことによる過剰流動性の膨張が問題である、こう指摘しておる。違いますか。
○内田国務大臣 円切り上げの時期等につきましては、昨年からの輸出の非常な好況を見合いとする外国為替特別会計からの円の流出というようなものが非常にございまして、そういう関係もございますし、その上、外国の物価の動きというものもございまして、それで私は二〇%の卸売り物価の上昇、また、辻原さんが年平均で見ますると一七%の上昇ということ、そのとおりでございますけれども、海外の物価の上昇というものが国内におけるいろいろの施策を越えまして実は大きい事情になっております。ここにこまかい数字もございますが、省略さしていただきますけれども、海外の物価の上昇がわが国に反映する輸入物価の上昇というものが、わが国の物価上昇の要因といいますか、寄与率のうちで三〇%ぐらい占める、こういうような状況も影響いたしてまいりました。
○辻原委員 いずれにいたしましても、この政府みずからの経済見通しの中で述べられることは、これは、せんだって本会議で田中総理が所信表明として、あたかも今日の、あなたのことばをもってすれば物価騰貴、われわれの認識からすればこの異常なインフレの原因というものは、主として他動的原因をあなたはあげられているんですね。しかし、あなたの内閣がつくられた今回の経済見通しによると、明らかにみずからの失敗を認めておるんです。円切り上げのタイミング、金融引き締めに対する態度のタイミング等々ですね。これは明らかに私は違っていると思うのです。御意見があれば御意見をおっしゃってください。企画庁、違いますか。私の申し上げたことが間違いですか。経済見通しの中でそういうことは触れておりませんか。触れられてないならば、私は取り消します。
○内田国務大臣 先ほどから申し上げますとおり、そういうことが要因でございますが、その円切り上げの時期でありますとか金融引き締めの時期というものが、昨年からことしへの景気対策の取り上げ方のタイミングと関連をする問題でございまして、そのタイミングの問題につきましては、いろいろ施策として課題があったところであろうと私は考えます。
○辻原委員 そんなこと聞いているのじゃないですよ。円切り上げのタイミングは、それじゃ間違っていませんでしたとあなたはいうのですか、間違っていたというのか。金融引き締めの適切な時期、その判断が正しかったというのか、誤っておったというのか、それはどうなんですかと言っているのです。それが前提でしょう。
○内田国務大臣 金融引き締めの時期とか、あるいは円切り上げの時期に関連をいたすことではありますけれども、いまも述べましたように、その時期が誤っていた、間違っていたという判断を私どもはいたしておりません。
○辻原委員 いまや、間違っていたということは、これは学者の間においても経済界においても常識なんですよ。しかも、あなた方のこの作成過程におけるあれは明らかにそれを認めておりますよ。きょうは国民の皆さんが聞いておるわけだから、いや、円切り上げのタイミングは全然間違っておりませんでした、金融緩和のタイミング、引き締めのタイミング等々もこれはすべて正しかった、そのことをもしここでおっしゃるならおっしゃってごらんなさい、また別の角度から私は議論いたしますから。
○内田国務大臣 これは見方の問題でございまして、政府といたしましては、たびたび申しますように、昨年からの景気の推移、景気をよくいたしまして、できる限り国際収支の状況を、外貨がたまり過ぎないようにするというようなことにも関連する問題などもあったようでございまして、政府としては、適当の施策である、また適当の時期であると考えてやったことと私は判断をいたします。
○辻原委員 先ほどからだいぶ総理も率直にいろいろ見解を示されたので、私はこれは非常にいい傾向だと思ったのですが、まただいぶおかしな答弁が出てきていますね。だから、誤っておったと——私は決して結果を追及しておるのじゃないと言っているでしょう。見通しに対する結果はいろいろな考え方があるでしょう。しかし、起きた事態については率直に認めなさいと言うのです。そうしないと政策の転換とか是正ということはできない。そういうこだわりがあるからだめなんですよ。それを捨てなさいと言っているのです。だから、間違っておりましたと言ったからといって、けしからぬと私はここで声を大にして言うつもりはありません。そんなことは国民が判断しておるのですから。誤っておったならば、それじゃこれからどうするかということを私はむしろ聞きたいのです。しかし、それをいろいろ説がありますがなんというような答弁をされると、全く困るのですよ。そんなあいまいのことを答弁されると困るのです。国民も迷いますよ。これでよかったんかな、あれでもよかったんかな、また今後もああいうことが起こりやせぬかな、ここに政治不信が生まれると言うのです。総理、いかがですか。やはり、誤っておったことは誤っておった、間違いは間違いだ、率直にそう披瀝をして次の対策をやることが、国民の支持を求める大事なポイントだと私は思うのです。こんなことを繰り返しておったら、ますます政治に対し、自民党内閣に対する政治不信は高まりますよ。率直にお答えになることが必要です。しかし、その議論をここでやりまするにはあまりにも時間が少ない。 そこで私は総理にこれからの問題をお伺いをいたしますが、この間からのいろいろの議論の中で、国民が非常にもの足らぬと感じている一つは、いろいろといま起きている事態に対する陳弁あるいは解説はあったが、これからどうするかという具体的な見通しについてはきわめて不十分だということなんです。一番大きな問題はインフレ対策、物価対策なんですね。もちろんむずかしいことは、何人が考えてもむずかしい問題です。だが、政府当局者はそうは言っておられないのです。これを解決する責任がある。同時に見通しを立てる責任がある。夏ごろには総理は、記者会見だったか何だったか、秋ごろには物価は鎮静するであろうと述べられておりました。おさまるであろうと言われておった。それを聞いただけでも国民は何がしの安堵感を持ったかもしれない、事実は裏切りましたけれども、しかし、いまここで国民が期待することは、一体田中内閣はこの異常な物価高、社会不安をいつごろ鎮静するつもりなんだろうかということなんです。そのことに対する答えがない。それを私はここでお答え願いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 物価高騰の要因は幾つかございますが、その中の大きなものの一つに海外要因があることは、もう否定できない事実でございます。海外要因という、海外の物価高ということは、しかしこれは国際通貨の問題、国際流動性の問題、資源開発の資金をどうするかという問題等、広範な問題と関連をする問題でありますので、これは前愛知大蔵大臣が、なくなられる直前まで、ヨーロッパへ飛ぼうとしておったような努力を積み重ねてきておるわけでございます。これは国際協調、広くは南北問題の解決という大きな問題の中で解決をしなければならない問題でございます。 それから、それにあわせて第二の大きな要因としては、これから先行き、石油の供給が不安であろう、資源もまた同じであろうという感じから、在庫や、流通経路には品物が豊富に存在するにもかかわらず、先高を見越しての現在の品物の高騰という問題があるわけでございますから、この第二の問題に対しては、外交的な問題として解決したり、また石油の需給安定というものに対して国内的節約を訴えたり、また国民の生活必需物資に対しては可能な限り最大の石油供給を行なう等、国内施策をとらなければならぬという問題がございます。 第三は、やはり総需要の抑制ということに踏み切らざるを得ないわけでございます。総需要の抑制という中に——総需要というよりも、仮需要というものがいまだ存在をいたします。これはいつも御指摘を受けておるわけでございますが、外為特別会計の払い超のピーク時には七兆五千億円も散布されたわけでございまして、そのうち相当部分が揚げられておるわけでございます。これは百億ドルも外貨が減っておるということになれば、それだけでも三兆円近い金が揚げ超になっておるわけでございます。しかし、現実問題として、四十六年の四月から計算をしてみますと、必ずしもまだすべてのものが揚げておるということではございません。財政はいま対前年度比一兆七、八千億、十二月になれば二兆円くらいの揚げになると思いますが、しかし、それよりも大きく日銀信用が膨張しておるということもございます。その当時対前年度比一兆二千億円であったものが、三兆五千億円をこしておるということでございます。この内訳もいま全部調査をしておるわけでございますが、都市銀行等は減っておるにもかかわらず、農協資金その他が非常にふえておるとかいうこともございますので、こういう金融的な面からの状態を考えると、いまだ手元流動性というものが完全に解消しておるというわけにはまいりません。また、三十七年とか、いろいろな年度別に計算してみますと、民間の設備投資、それから民間の住宅投資、そういうものが非常に大幅に伸びておるわけでございます。そういうような状態に対してもメスを入れざるを得ないというようなことをこまかく配慮してまいらなければならないということでございまして、そういう結果から申し上げても、予算はきびしいものにならざるを得ない、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○辻原委員 そういうようなきめこまかい対策をやりつつ、また基本的な要するにインフレ対策をやりながら、それをいつを目途に安定させていきたいのか。物不足、物価騰貴、この二つの問題をからめて、いつ目途に政策運用をされておるかということが一つ聞きたい点なんです。
○田中内閣総理大臣 これは海外要因がございますから、どのようにということは明確には申し上げられません。これはLPGなどに対しては、いまガルフからの要求、三倍をそのままのまざるを得ない、こういう状態もあります。輸入価格を三倍にして、完全に据え置くということもむずかしいわけでございます。ですから、そういう問題いろいろございますが、いずれにしても、仮需要というようなもので物価が押し上げられるというような面は直ちに断ち切るべく政策を行なわなければならない。そのために、御承知のとおり、二法案の緊急な御審議をお願いしたい、こう申し上げておるわけでございます。政府や民間その他の需要そのもの、総需要の抑制ははかります、こういっておるわけでございます。それで、仮需要を押えて資金を吸収するということを行なえば——海外要因でもってどうにもならないというものは、別途政策の上で調整をしなければなければならないわけでございまして、異常なというような状態、昨年の下期から、十一月ころからでございますが、十一、二月ころから現在に至るようなものに対しては、これは来年の上期ぐらいには、いずれにしても正常なもの、国民がどういう角度から見ても納得できるような状態というものをやはりつくるべく最善の努力をしなければならないのだ、こういま考え、政策に取りくみ、また諸般の手続によって国会の審議を仰ごう、こういう考えになっておるわけでございます。
○辻原委員 政府の伝えられているいろいろな政策を私なりに総合判断をしますと、今後のそれらに対するまず的確な——的確というのはなかなかむずかしいと思いますけれども、想定が必要だと思うのです。計画には必ず想定が必要です。その想定が全然どこにも出ていない。ただ、そこはかとなくわかるのは、とりあえず三月末までこうしよう、総需要の抑制にしてもまあそこまではどうにもなるまい、来年も何とかせなければいくまいといったような程度の判断しかおありにならぬような気がするのです。この点について、本会議での質問に対しても、大蔵大臣も、それから中曽根通産大臣も、物価についてはなかなかわかりません、石油については神さまだってとてもわからぬでしょうなんというような、植木等の歌じゃありませんが、やっていりゃそのうち何とかなるだろう、これじゃ困ると私は言うわけで、だからやはり一つの想定を明らかにして、それに政策を集中する、そうして国民の理解と協力を求める、この態度が必要だ、私はそう考えるがゆえに、むずかしい問題だけれども、あえてその考えを明らかにここでお述べになる必要があるということを要求しておるわけです。私はそういう趣旨なんです。そうでないと、そのうち何とかなる。しかし、いままで、そのうち何とかなったことは少ないのだから、これはたいへんだ、自衛手段を講ずる以外はないと国民が考えたときには、何が起きるか、わかりますか。ひとつおれだけは物を買って、おれだけはひもじい目、苦しい目をしない、買いだめをやりましょう、こういう気分を国民にさらに助長しないとは限らない。ある者は、とてもとても政府などにたよっておってはどうにもならぬ、こういう風潮を助長してはたいへんだと私は思うから、政府はいま可能な限り内閣の思想を統一して、その見通しを立てるべきだということを強調しているのです。だから、くどくど内容の点について——私も、あなた方ほどの知識はありませんけれども、ある程度のものを持っております。だから、いろんなことの解説は不必要だから、その政策者の決断、見通しというものをこの際明らかにしていただきたいということを私は重ねて要求いたします。
○田中内閣総理大臣 いま御指摘になられたことは一番重要な問題でございますし、政府も異常な決意をいたしておるわけでございます。海外要因ということで——日本は資源を海外に仰ぐ国でございますから、海外要因によって資源の輸入価格が引き上げられるということは、これは避けがたいことでございます。避けがたいことでございますが、こういうものに対しては、外交努力、相互の信頼や開発計画とか、いろんなものを進めることによって、可能な限り最大の努力をしていくということ以外にはないわけでございます。これは、資源を仰ぐ国はいずれの国といえども例外ではないわけでございます。 資源多消費型のものはとにかく押えなければいかぬということになれば、これはもう総需要を押える中に当然含まれるわけでございます。しかし、いまの状態において、日本は現在品物が不足をしているのかというと、生活必需品というようなものは、これは現実的には確保されておるわけであります。ですから、トイレットペーパーがないといえばすぐ出せるわけでございますし、また、洗剤がないといえば直ちにこれを出せるわけでございます。ただ、灯油のようなものは、いままでのように幾らでも使っておってもいいのだということではありませんので、灯油に対しても、ガソリンに対しても、電力に対しても節約をお願いをして、そしてまあ諸外国でやっておる水準くらいまではひとつ押えるような努力をしなければならぬし、ということをいまお願いしているわけです。 そうすると現状においては一体どうなのかというと、ほかの国よりも相当な品物がたくわえられておるということは事実でございます。これは数字を申し上げなくてもおわかりになるとおり、在庫投資や民間の投資が十分行なわれておりますし、すでに去年に比べて百億ドル以上の品物が日本に輸入をされておるわけでございますから、私も本会議で述べましたように、生産段階、流通段階その他に、当面の必要とする物資は十分にあるはずでございます。ただ、先高を見通してというようなことで売り惜しみや買いだめが行なわれないように、買いだめに対してはひとつ御協力をいただくということでございます。それには、政府が、必要なものは確実にこれを供給いたしますという決意を表明しない限り、あなたがいま御指摘になるような危険性がございますので、国民の協力を訴えています。ただ、中間段階にあるものがパイプを締めているために流通経路で退蔵されておるというものに対しては、緊急二法によって処置をしたい、こういうことを考えておるわけでございます。そういう意味で、当面する問題に対して——長期的に見たらいろんな問題がございますが、当面する問題で物価が急激に、ちょうどこの間トイレットペーパーや灯油が上がりましたようにべらぼうに上がるはずはありません。セメントとか鉄材の問題に対しては、これは今度総需要を抑制いたしますから、そういう問題とバランスがとれるようになるわけでございまして、国民の不安を除去するための施策はもう品目別に明らかにしなければいかぬということで、緊急二法の制定をお願いしているわけでございます。 ここでちょっと申し上げると、結局残るのは総需要の抑制問題にかかってくるわけでありますが、二十六年からずっと四十八年まで見まして、成長率が一〇%を割ったのは、二十九年の四%、三十三年の四・八%、三十七年の九・一%だけでございますが、このときに数字として非常に明確になっておりますのは、民間の設備投資がマイナスになっておる。それから在庫投資がマイナスになっておる。それから民間の住宅建設等が対前年度比の二三%、二八%というものが、三十三年の場合九%に下がっておる。これ三つでもって国民総生産はどかっと一〇%下がっておるわけです。これはちょうど四十六年、四十七年に見ますと、四十六年の一〇・七%というのが二十九年からの第四番目の低い成長率でございますが、このときにはやはり民間の住宅投資が七・七%、民間の設備投資は一・七%増となり、前年度に対して一二%余も落ちたわけでございます。それから四十五年に対して、民間の住宅建設等は半分以下になっておるわけであります。在庫投資は対前年比五三%減となっています。そしてそのときにおける政府支出は前年同額でずっときておりましても、国民総生産は一〇・七%に下がっておるわけでございます。これを四十八年に比べると、この数字がうんと大きくなっておりますから、こういうものを締めていく、正常な状態になれば総需要の抑制は可能である、こういうことになるわけでございまして、御指摘のように、現在世界のどの国に比べても、アメリカを除いては生活必需物資にこと欠くような日本でないということは、これは事実であります。しかも、国民総生産の一〇%以上の輸出余力を持っておるわけでございますから、アメリカがやったように、とにかく安定的なものを確保するためには、ある一時期輸出の何%を禁止するという措置がとられるとすれば、これは新しい法律ではそういうことができるようになっておりますが、そうなれば、国民生活の必要物資は必ず確保できる。これは戦時中とは全く違う状態にある。また、それを今度緊急輸入するには、それに対応する外貨は他の国と違って十分な保有があるということですから、この実態を国民の前にこまかく明らかにして協力を仰ぐということになれば、混乱は避け得る、こういう考えを前提にしておるわけであります。
○辻原委員 解説はひとつ簡潔に総理、お願いいたしたい。 私がお尋ねしているのは、そういう個々の大筋としての対策、総需要の抑制なり民間設備投資の抑制等々のそういうものから始まるきめこまかい対策を否定するものではない。方法論については、いろいろ意見がありますよ。意見はあるが、それよりも、そういうことをいつまでやって、いつの時点にどういう物価安定をさせようと政府はお考えになっているか、そこが基本なんだから、少なくともそれに対して、むずかしい問題だけれども、あなたはその方針を明らかにする必要があると申し上げているのです。お答えがありません。しかし、これがないと、いま幾ら国民に協力要請をしていこうと、私は、なかなか国民の不安というものは除去されない、こう考えております。 というのは、たとえばいろいろ国民も迷っていると思うのです。希望的観測もあると思うのです。ある者は、金融はおそらく参議院の選挙が始まるまでには緩和されるであろう、いまの政府のやり方を見ていると、公共事業の抑制も三月までは一応繰り延べしているようだが、来年度はそれを上積みしていくのだから、さしたる影響はないであろう、民間設備投資も下期についてはこうやっているが、来年についてはまだ言っていない、こういう国民の間にある種の安易な期待感があるとするならば、総理が言われたようなことは、おそらく私は成功すまいと思う。そこで、そういう点についての見通しと態度をはっきりすべきだというのです。 たとえば、金融緩和はどうするのだ。政府の考え方は、いまの時点でこう考えている、ここまではこういう対策をやらなければならぬ。しかし、その時点にこういう対策をやるならば、必ず物価は卸売りも小売りも安定するであろう、物不足も解消するであろう、そういう見通しを大筋として国民に明らかにしなければならぬと言っている。おっしゃらぬから、私はそこで個々に——ひとつ簡単に願いますよ、もうあまり時間がないのですから。 いまの金融対策、第四次金融引き締めをやっている。これは一体どの時点で、どういうところまで堅持されますか。それから総需要の抑制について、公共事業は一兆ばかり繰り延ばす。上のせしたら何にもならぬでしょう。これに対する態度を、少くとも来年度はこの程度に押えたい。まあわれわれの考え方とするならば、この際、地方的にはいろいろ問題もあるにいたしましても、何といっても一番大きな問題は、物価が安定しなければ工事だってやれないのですから、物の不足があっては工事だってやれないのですから、それまでみんなで一緒にしんぼうしようということで、それを、少なくとも繰り延べじゃなくて削減ぐらいの強硬措置は、私は万やむを得ないと思う。民間設備投資にしたってそうだと思うのです。そこの点のはっきりしたことをお示しになる必要がある。具体的な、いついかなるときにこうこうするというようなことは、ちょっと時間の関係で聞けませんけれども、それは、やはり大前提ぐらいはやる必要があると思う。 それからもう一つの問題は、総理、あなたがずらっとこの間あげられたいろんな要因について、その中で一つ気がかりなのは、一番最後にお話しになった五十兆にのぼる個人消費の伸びとおっしゃる点が問題だと私は思うのです。 これは総務長官おられますね。九月の勤労世帯の家計収入の伸びと支出の伸び、名目、実質、数字だけでけっこうです。解説は要りませんよ。数字だけお答え願いたい。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 本年の四月から九月までの上半期の結果を申し上げますが、名目の伸び率は、実収入が一七・四%、消費支出が二八・三%の増加でございます。また、この間におきます物価上昇分の影響を総理府統計局で作成している消費者物価指数によって除去した実質伸び率は、実収入が五・一%、消費支出が四・一%となっております。
○辻原委員 総理、ちょっと大事な点ですね。いま総務長官お答えになりましたこと、おわかりですね。——九月の勤労世帯の収入は名目で一六・一、実質ではわずか一・六%、その差は物価騰貴なんです。だから、名目は幾らふえても家計の実収入はふえておらぬということがここに如実に出ている。それに対して支出はどうかというと、名目で約二〇%でしょう。一九・五だ。それから実質でも四・二%。収入の伸び一・六、家計の支出の伸びが四・二、マイナスでしょうが。今日、そういう勤労世帯、勤労者の生活状況下にあるわけです。 そのときに、あたかも消費支出が物価騰貴の原因であるかのごとき考え方、そういう政策をとるということは、私は間違いだと思うのです。しかも、消費支出の実質内容というものを分析する必要があると思う。いま私が申し上げたように、おおよその勤労者というものは、家計支出は大幅にふくらんで実質生活水準というのは下がっておるのです。これはエンゲル係数を見ればはっきりしていると思うのだが、それはまた別にしましょう。 そういう状況下に消費支出を抑制しなければならぬという政策をとるとするならば、これこそ角をためて牛を殺すたぐいです。何がゆえにインフレ対策をやるのか。何がゆえにわれわれは総需要を抑制するのか。それはあげて国民生活を守るというためにやるのに、その国民生活をぶっこわすようなことをやって、まさに私は本末転倒だというのです。だから、そういう政策はとるべきじゃないし、そういうことを総理が強調することは、理論的には間違いでないとしても、政策運用者としては大間違いだと思う。 そこで、時間もございませんから、そういうことを前提にするならば、当然、このインフレ下に苦しんでいる国民各層、勤労世帯もそうであれば、最近の農産物の値下がり、上がっていないものは農産物だけでしょう。ミカンなんて、私のくにでは暴落をして、いまきゅっきゅっいっています。漁業者は救いもない、魚もそういっときに上がらない、困っている。こういう勤労世帯層に対して、どういった今日の緊急保護政策をやるかということを真剣に考えてもらわなくちゃならぬ。幾つかの手立てがありましょう。インフレ手当をいま一生懸命に勤労者は要求して、〇・三を公務員にも今回は適用することになりました。すみやかに私は全公務員に及ぼすべきであろうと思う。 同時に、もう一つぜひやっていただきたいことば年内の減税なんです。一兆五千億にのぼる自然増収はすでに指摘されておりますとおり。それと、去年、おととしやってきたのです。佐藤内閣のときにもやりました。去年も年内減税をやりました。ところが、田中さんになって、こんなインフレなのにやってくれない、国民のそういう思いだけ残りますよ。せいぜい私どもが試算をしました範囲でも、三万円程度の税額控除をして五千億あればいいと思うのです。非常に大きな総需要、その中に占める消費支出の中で、わずか年内減税は五千億です。一年半たった田中内閣が、いろんなことを総理もおっしゃったけれども、国民の実感としていま残っているものは何か。田中内閣で物価が上がりました、物価が上がったのは田中内閣のせいです、こういう思いだけ残るということは、総理、あなた政治家としてさびしいじゃありませんか。一つぐらい国民に、大向こうをうならせて、ほんとうに拍手してもらえる政策をやったらどうかと思うのです。せっかくあなたが提唱された二兆円減税も、お隣の大蔵大臣が少しけちをつけておられるようであるが、国民はほんとうにがっかりしますよ、絵にかいたもちばかりだと言ってね。一つぐらい実行したらどうですか。決断と実行、いいことばですよ。ひとつやってくださいよ。
○田中内閣総理大臣 年内減税はいまのところ考えておらないわけでございますが、四十九年度の予算編成、税制改革に際しまして、平年度二兆円、こういう数字を私は期待をしておるわけでございます。この問題は、予算の規模、そして財源、公債発行額というような問題とも関連をする問題でありますが、いま大蔵省や税制調査会で十分審議をいただいておるわけでございますので、何年も後ということじゃございません、四十九年、五十年度ということでいま大きなことを考えておるわけでございます。そういう意味で、それに匹敵するような期末手当の繰り上げ支給ということもいま実行しつつあるわけでございますから、そういうところで御理解をいただきたい、こう考えるわけでございます。
○辻原委員 その大きなことというのは何ですか、一体。また絵にかいたもちですか。大きなことというのは何ですか、一ぺん聞かしてくださいよ。ひとりのみ込みしないで、みんな言ってくださいよ。いいことだったら賛成しますよ。大きなことというのは一体何ですか。
○田中内閣総理大臣 五千億ばかりの小さな話ということでございましたが、そうではなく、年内減税は考えておりませんけれども、四十九年度、五十年度という展望に立って二兆円減税に期待をかけておる、こういうことでございまして、五千億に比べれば大きい。これは大き過ぎるという議論もあるわけでございますので、大きいという表現は適切なものとしてお受け取りをいただきたい。
○辻原委員 来年のことを言うと鬼が笑うというのは、昔から言ってきているのですよね。ましてや、五十年なんということは、私も信用いたしません。国民も信用していないでしょう。そんなことよりも、ことしとりあえず——十二月になれば、今度は非常に大きな年末調整でしょう。そういう中で、やはりほんとうに家計はきびしいのだし、たいへんな期待感を裏切っているわけだから、せめて——五千億円で済むのですよ、年内は。来年はまたひとつでっかいことをあなたにやってもらいましょう。とりあえず、小さくてもいいから、年内の減税はおやりなさい。 同時に、もう一つ考えなくちゃならぬのは、非常に古くさいことばで恐縮だけれども、昔から言うじゃありませんか、民は乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂える。今日の社会の風潮の中にこのことがある、現象の中にこのことがあるから、国民が政治を信頼しないのです。これを直さなくちゃいけません。 具体的な方法としては、昭和四十七年以来の投機ギャンブルによって過当、不当にもうけた利潤をどう一体吸い上げるか。同時に、この国民の困っておるインフレに藉口して大もうけをした大法人、大金持ち、こういうような利潤を一体どうして吸い上げるか。ますます格差が大きくなっておるじゃありませんか。それに対して政府は一言も声がないじゃありませんか。だから私は、年内減税と対比して、当然そこに少なくとも四十八年度中の過当な、過超な利得を吸い上げる方途を講ずべしということを、ひとつこれは特に福田さんに提言をしておきたいと思いますが、あなたのお考えはどうですか。
○福田国務大臣 過当利益の問題、これは確かにあると思うのです。つまり物価変動が非常に多い、こういう際にはそういうことが起こりがちである。特に不動産、土地ですね、これに関連しての過当利益という問題これは国民に非常にいろんな感触を与えておる、かように考えますが、そういうことを考えまして、この春、土地重課のための立法をお願いした、こういうことでありますが、この立法を鋭意励行してまいりたい、かように考えております。 その他の点につきましては、昨日も全国の国税局長の参同を求めまして、これからの税務行政につきましての督励をいたしたわけでありますが、やはりこういう際にはでこぼこが非常に起こるから、厳格に税法に従ってその利益を追及し、そして過当なものは過当なりの納税をしていただかなければならぬ、かように考えておるわけなんです。いろいろ資料等も整備いたしまして、そして鋭意過当利益の吸収につきましてはこれを実行してまいりたいという決意でございます。
○辻原委員 けさのテレビの報道によりますと、フランスも公共料金の一カ年凍結を断行いたしましたね。それから家賃、地代等の凍結も断行したようであります。私は、昨年二月の西ドイツの例は、これはわが国にとっても大きな他山の石になると思うのだが、西ドイツの例を見ると、いま私が申し上げました過超利得についての吸収は実にきびしくやっておりますね。しかも、それを連邦銀行が政府の特別勘定としてこれを凍結までしておる。なぜ一体日本がそれをやらないか。あるいは、この間本会議で、あなたは、特別な国債を検討しておると言いましたけれども、すでに西ドイツでは、安定国債として資金吸収策をはかっておる。そういう総合的な対策は、いまあなた方は、総需要の抑制と、それから石油の行政指導と、二法案の提出ぐらいでいろいろやっておりますけれども、まだ考えれば幾らでもあると思うのです。 たとえば、資源の問題にしたって、いろいろ資源先の多元化とか資源の抑制とか、「節約は美徳なり」というふうな訓話とか、いろいろやっておるが、そんなことよりやはり実行策なんですね。たとえばアメリカでは、一九七〇年に資源再生法をつくりましたね。いま通産では故紙回収法を検討しているように聞いておりますが、これなどは、私は何人も反対がないと思う。古い紙を回収する。私もいろいろ調べてみました。いまトイレットペーパーがない、ちり紙がない、しかし故紙を徹底的に回収すれば、九〇%いまの技術でも再生可能だということははっきりしておる。しかも、故紙の値段が下がれば家庭に集めに来ないでしょう。家庭では、しかたがないから、小さいボイラーを買って燃やしているのですね。これは要するに、廃棄物の処理と資源の活用という面から見て一石二鳥、三鳥なんです。そういうことに手をつけていないでしょう、あなた方は。それだけじゃありません。その他、プラスチックの製品にしたって、アルミ製品にしたって、十分再生可能だということは、科学者の間でも一致しておる。なぜ一体、アメリカのようなバーター資源国でやっておることを、資源なき日本で実行しないかということを私は言うのです。 だから、国民に節約しなさい、美徳ですよと説く前に、国はあげてこういう異常な決意でこのこともやるのだということを、肌に感じてもらわなくちゃいかぬじゃないですか。だから、一つの具体例なんだが、資源再生法、故紙回収法をやりますか、総理。
○田中内閣総理大臣 緊急には、いま二法案の早急な成立をお願いしておるわけでございますが、これから必要なものについては、いま政府部内でもこまかく検討いたしております。それで、国民生活に直接影響があまりないもので節約できるものに対しては思い切った節約を行なうということで、これは一つの例としては、トイレットペーパーがない、新聞紙がないというようなときに、一体あの膨大もない電話帳を全部配らなければいかぬのか。電話帳だけでも八万トンの紙をいま必要といたしております。そういうものは必要な者には差し上げる。要らないものを持ってきては困る、置き場所がないという生活者もまたおるわけでありますから、そういうものとか、いろいろなものをひとついま考えると同時に、故紙の回収とか廃品の回収とか、いろいろな問題に対して、いま政府部内では検討いたしておりますし、必要ならば立法措置をまたお願いいたします。
○辻原委員 ぜひやれるものから手をつけて、国民の協力を求めるべきである、私はそう思います。 だいぶん時間も切迫をいたしてまいりましたので、あと二、三問お尋ねをいたしたいと思いますが、けさほどの新聞あるいはテレビニュースでも、非常に重大な危機だとして、一つは電力の問題、それから一つはタクシーのプロパンガスの問題が報道されておりましたが、私はふしぎでならぬのです。 まず、石油について、全体としての需給見通しはどうなっているのだろう。もう時間がありませんから私のほうから申し上げますが、大ざっぱに言って、本年度の全体予想が大体三億キロリットルといわれておった。通産省は、二億七千万キロリットルぐらいになるであろう、こう想定されておる。そういたしますと、大体去年とそう違わないということが答えとして出るわけなんです。それだのになぜ一体——私のところにも電話がかかってきます。個人タクシーは、一日もう三十リットルしか、いままで行っておったガソリンスタンドではくれないのだ。また、突然行ったら、そのガソリンスタンドではもう売ってくれません。また、価格が三十五円だったものが六十円になりましたでしょう。灯油だって同じことでしょう。去年二百四、五十円だったものが一ぺんに、政府が指導している価格だって三百八十円。何でこんなに値段が上がるのでしょう、こういう疑問に対して、私は明確に答えてもらいたいと思うのです。石油はスローダウンしているというものの それはこれからなんですよ。しかし、いま現実には全体としてそう大きな需給のアンバランスが生じているとは思わない。にもかかわらず、なぜ一体ガソリン、灯油、プロパンがないのですか。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕 なぜ一体値段が倍にも、四割、五割も上がるのですか、これについて御解明を願いたい。言いわけではなしに解明をしていただきたい。どうだということをはっきり申していただきたい。
○中曽根国務大臣 数字はこの前も申し上げたとおりでございますが、一つは、下期に集中して削減がきているということ。それで、われわれとしては、下期、大体十二月以降二八%程度の削減であると予想してまいりましたが、最近ペルシャ湾において各国のタンカーが殺到しておりまして、そういうような面から見まして、約二〇%前後になるのではないかという予想が少し出てまいりました。これらは、みんな日本に来ております各メジャーたちから、配船の状態、着荷の状態等、毎日のように電報でとりまして、趨勢を見ておるわけでございます。それで、各国がみなおのおの競ってタンカーを回して殺到しておるものですから、予想は必ずしも的確につかないわけであります。 そういうような不安感から、石油会社のほうにおいて、おそらく、自分の操業度を維持するためにある程度のストックを持っておきたい。通産省としては、十二月分ぐらいはある程度のストック分をもう吐き出す、食い込む、そういう考えでいままで指導してきましたけれども、また会社は会社で、ある程度の自衛措置も講ずるという思惑もあるのではないかと思うのです。そういう意味で、われわれから見るとやや大目のカット率を、各業界に対して石油会社のほうから連絡しつつあるようでありました。 そこで、通産省といたしましても、次官の談話を出したり、それからエネルギー庁長官がきのう、おととい、石油の各メーカーを呼びましてその是正を要請いたしまして、そして大体一六%、悪くても二〇%程度を頭に置いた修正、そうしてストックに食い込んでもやむを得ない、そういうような行政指導をやりまして、アンバランスをいま是正している、こういう状態であります。
○辻原委員 通産大臣、いま使っておる石油ですね、ちょっと値段をお尋ねしておきたいと思うのだが、輸入原油の価格はリットル当たり幾らになりますか。聞いた点だけ答えてください。
○中曽根国務大臣 エネルギー庁長官に答えさせます。
○山形政府委員 お答え申し上げます。 原油の値段につきましては、OAPECのほうの通告以降、最近、現時点におきましては、平均でバーレル四ドル程度でございます。
○辻原委員 そういたしますと、従来——ちょっとエネルギー庁長官、現在入っておる原油というのは、バーレル四ドルじゃないでしょう。三ドル十セントでしょう。違いますか。——そこにおってください、ちょっとこまかいことを聞きますから。これは大事な点なんですよ。
○山形政府委員 お答え申し上げます。 一般的な原油価格の標準ものといいますのは、アラビアンライトという、ペルシャ湾の軽質油が標準になっておりますが、それが大体去る十月のOAPECのあれで三ドル六十五ということになったわけでございますが、それについてはそれほど上がっておらないわけでございます。しかしながら、軽質油で、たとえばインドネシアの、ミナス原油等につきましては、これは非常に品質がいいものでございますので、現時点では、バーレル六ドルということで引き取りになっております。私の申し上げましたのは、これらの油を平均化した全体の価格がバーレル四ドルと申し上げたわけでございます。
○辻原委員 ちょっとそこにおってください。 そうすると、それをリットル当たりに換算すると幾らになりますか。大体六百円ぐらいでしょう。違いますか。六百円ちょっとだ。
○山形政府委員 一バーレルはたしか百五十七リットルでございますから……。
○辻原委員 そんなことぐらいがわからなくて、エネルギー行政を一体やれますか。国民はバーレルで買っているのじゃないですよ、リットル幾らだ。——もう時間かないから私のほうで言いましょう。
○荒舩委員長 しょっちゅう計算しておけ。
○辻原委員 三ドルとしますと、大体リットル当たり五円三十銭、それがバーレル五ドルになった場合には八円八十銭、十ドルになっても十円五十銭、大体こういう見当だろうと思うのです。これは私の試算ですから、正確には多少違っておるかもしらないが、おおむね当たっておると思う。大体そんなものですね。違いますか。(「割り算もできぬのか」と呼び、その他発言する者あり) では、その次の数字を聞きましょう。 ナフサは一体リットル幾らか。それから企業向け、これは特に電力、鉄鋼その他大企業向けの重油のリットル価格は幾らか。それから灯油のメーカー出し価格は幾らか。それから、あわせて聞きましょう。ガソリンの末端価格はいま幾らになっておるか。これだけの数字。 時間がありませんから、私の試算が間違っておれば、後日御指摘を願いたいと思うが、私どもの試算によりますれば、ナフサ、すなわち石油化学向けのナフサについては、これは税金も入りますが、いわゆる還付金ですね、おおむねリットル当たり七円三十銭。それから重油、先ほど言ったいわゆる独占企業向けのあれが大体七・九円というのですから、八円程度。それから灯油についてはほぼ二十一円。ガソリンはいま非常に変動しているが、安いところで七十円、高いところでは百円に達していると思う。こういう現況にある。その数字を私はなぜ聞いたかというと、いまかりにOPECが幾ら値上げをしてきても、いま私が申し上げましたように、バーレルが十ドルに至るまでは、原油の価格はまだまだ余裕があるわけです。十ドルになったと仮定したって、リットル十円五十銭だ。それかなぜ——灯油の場合には、十八リットルに換算すると、二十一円として三百八十円でしょう。ガソリンが一体なぜ百円にもなるのですか。しかも、いま平均して一いみじくもエネルギー庁長官が言ったでしょう、平均したならば、いま使っているものはバーレル四ドルだというんだ。四ドルならば、そんなに高くないですよ。私が申し上げましたリットルほぼ六円内外のものが、なぜそんなに高くなるのですか。ナフサとガソリンというのはほぼ同じでしょう。だけれども、ナフサは七円だ。しかし、それが末端のガソリンの、いわゆる営業用でいま問題になっているタクシーにしろ使っているのが、最低七十円ぐらいでしょう。十倍ですよ。工業用ナフサが七円で、そして運送用に向かっているガソリン等が七十円とは一体何事かというのです。どこに問題があるのか解明しなさい、この点は。ここではそれだけの解明の時間がありませんから、私はそれを指摘をする。お答えなさい。
○山形政府委員 お答え申し上げます。 ナフサにつきましては、これは御存じのとおり石油化学の原料でございまして、いまから四、五年前に政策的な価格が業界間で形成されまして、非常に割り安の原価形成に相なっております。 ガソリンにつきましては、いま元売りの出し値が二万円ぐらいでございますが、これに対しまして、いわゆるガソリン税というのが、キロリットル当たり二万八千円加重されるわけでございます。したがいまして、この二つ足しますと四万八千円、これに最近、いま御指摘のとおり、原油価格の高騰等を反映しまして値上がりがなされておるわけでございますが、ほぼ五万五千円ぐらいに相なるわけでございますが、この間、いまのは元売り段階の話でございますので、末端までいきます間の流通マージンが、キロリットル当たり約一万二千円ぐらい計算されておるわけでございます。 われわれのほうといたしましては、いま各社が値上げをしようとしておりますものを、便乗値上げは絶対避けるという形で、各社別に一応ヒヤリングをいたしておる段階でございます。
○辻原委員 ナフサについては、業者間の何か話し合いの結果、きわめて割り安の価格で納められている。要するに七円三十銭ですからね。ガソリン税はリットル当たり二十八円何がしですよ。それを引いたって、かりに最低の七十円と見ても四十二円でしょう。それとナフサと——ナフサとガソリンというのは、私はしろうとですけれども、要するに沸騰点の違いだけで、ほぼ同じ段階で出てくるのでしょう。ナフサとガソリンはほとんど質的に変わらない、化学的に変わらない、構造式は知らぬけれども。それが、片一方そういう消費に回るものは、いまお話しのように、かりに原価五十円、そして末端価格は百円にもなる。片一方、ナフサは、同じものなんだが七円三十銭。こんな矛盾をほうっておいて、私は、何の価格指導、何の物価統制だというのです。基本からやり直さなければならぬのですよ、これは。だから、ちょうど私の持ち時間が参っておりますから、この点については同僚議員に譲りますけれども、まず価格を洗い直すべし、そして割り当ては適正公正に行なうべし。そうでないと大混乱を起こすということを私は心配いたします。 優先順位の問題、あるいはアラブ外交の資源外交の問題等たくさんきょうはお尋ねしたいけれども、私に与えられた時間は二時間でありますから、これで終わりますけれども、どうかひとつ、まずきびしい姿勢は政府みずからとるべきである、そういうことを前提にして、最後にひとつ、総理の決意表明をここで承って、私の質疑を終わりましょう。
○田中内閣総理大臣 国民の生活必需物資は絶対にこれを確保すること、また、物価はこれを押えるということに最重点を置いて、また、国民の必要とする物資が不公平に分配されることのないよう二法案の御審議をお願いするわけでございますが、必要なものに対しては、追加で御審議をお願いすることもございます。政府もほんとうに決意を新たにして、いま御指摘になったようなものに対しても、国際比較、また、国際比較かどうあろうとも、現下日本が当面しておる実態に即応でき、国民の理解が得られるように、事実を明らかにしながら事態に対応してまいりたい、こう考えております。
○辻原委員 最後に、委員長に要望いたしておきますが、いま総理も最後に言われたように、事実を明らかにするとおっしゃっているのだから、いま私が指摘したような石油の輸入から、それぞれの石油の品目にわたって、私がいま言ったほかにはまだ軽油もあれば、A・B・Cの重油もありますから、そういうものの輸入価格及びメーカー、卸、小売り等各段階における精密な価格についてのデータ、資料を当委員会に提出することをお願い申し上げておいて——委員長、いたしますか、いまの資料。
○荒舩委員長 これは理事会でよく相談いたしまして、そうしてなるべく早く提出できるように御相談をしたいと思っております。
○辻原委員 私の質問は以上で終わります。
○荒舩委員長 これにて辻原君の質問は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————————————— 午後一時六分開議
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。倉成正君。
○倉成委員 私は、自由民主党を代表して、当面の外交、内政の諸問題について、国民の立場に立って政府の所信をただしたいと思います。 まず、外交問題についてお伺いいたします。 政府は、去る二十二日の官房長官談話に引き続き、三木副総理を特使としてアラブ諸国へ派遣することに決定しましたが、世上、日本は石油制限というアラブの圧力に屈したのではないかといわれておりますが、いかがなものでしょうか。三木特使派遣にあたっての基本的考え方について、あらためて総理の所信をお伺いいたしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 アラブ諸国に三木副総理を派遣いたしますのは、先般、官房長官談話で発表いたしましたように、アラブ諸国に対するわれわれの友好的な姿勢というものを各国に説明をし、同時に、アラブ側の日本に対するいろいろな考え方等をただしたいということでございます。 武力による占領と領土問題については、日本は、平和憲法のたてまえ上からも、一貫してこれを容認しない立場をとっておるわけでございます。国連決議の線に沿って、アラブの恒久的平和が樹立されることこそ望ましいことであり、日本がこのために応分の寄与をし、貢献をしたいという日本の考え方を明らかにいたすということでございます。石油問題が起こったから、そのためにということであるというふうに考えることは、政府の真意をそのまま理解するものとは思いませんが、しかし、石油問題も起こりましたので、これを契機にして三木副総理を派遣するということもまた事実でございます。そういう日本の立場をフランクに示して、日本、アラブ諸国の友好関係を増進してまいりたい、こう考えます。
○倉成委員 ただいま総理が申されましたとおり、日本のとるべき立場は、油がほしいというのではなく、アラブ諸国と話し合いを進める、特に日本の持っております平和憲法に基づくわが国の立場を十分に理解を求めるとともに、中東和平に貢献するという立場を内外に向かって宣言するという意味で、きわめて意義深いものだと思います。 同時に、私は、さきに政府のアラブ寄りの姿勢に対して、米国からの警告が発せられたと聞いております。わが国にとって友好国である米国との間に意見の食い違いなり不協和音があるということは、国民の間で非常に心配に思っておることでありますが、この点についていかがなものでありましょうか。特にこの点に関しては、関税・経済の共同体であるECの中においても、アラブによって、フランスは友好国として取り扱われ、一方、オランダは敵性国としての取り扱いを受けておるということを考えると、まことにふしぎな感じもするわけでございますが、この点もあわせて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○大平国務大臣 中東政策につきまして、日本とアメリカの間に相違が見られるということは、御指摘のとおりでございまして、十一月二十二日の日本政府の声明に対しまして、アメリカ政府は、遺憾である、しかしながら、日本の立場は理解できるという意思の表明を行なったと伺っております。それぞれの国はそれぞれの事情があるわけでございまして、外交的手法におきまして必ずしも日米間に軌を一にしない面があってもふしぎではないと思います。ただ、日米間に、こうしたことのために無用な摩擦が起きたり、信頼をそこねるというようなことがあってはならないことと思うのでありまして、そういう点につきましては、日米両国とも十分気をつけておるわけでございまして、御心配になるようなことはないのでございます。 ECを構成する国々に対するアラブ側の取り扱いが、今回、石油の供給制限につきましての取り扱い方が違っておるということは、御指摘のとおりでございますが、その点について日本政府側といたしましてコメントすることは、差し控えさしていただきたいと思います。
○倉成委員 今回の対アラブの外交姿勢は、重要資源のほとんどすべてを海外に仰ぎ、かつ、強力な外交手段を持たないわが国が、独立国としてこのきびしい国際社会の中に生きていくということがいかにむずかしいものであるかということを、われわれ国民に教えたものと思います。これからの日本の外交の進路を考える場合に、十分な考慮を要する事柄であります。日本は、これから他国との外交を進める場合に、とり得る選択の幅というのはきわめて限られておると思うのでございます。中東和平にしましても、決定的な影響は米ソにたよらざるを得ないというのが世界の現実でございます。OPEC諸国は石油を、米ソはその軍事力と政治的影響力を、さらにアメリカは五つのメジャーを持っておるということ、さらに、旧植民地を有した宗主国は、旧植民地に対し、文化と教育をその外交的武器として使用することができるのでありますが、はたして日本は何を外交的武器として使用することができるのか。世界の中で尊敬される独立国として生きていくためには、いかにあるべきかということについて考えてみなければならないと思います。この点に関して、御所見あらば、お伺いしたいと思います。
○大平国務大臣 わが国が資源小国として、きわめて脆弱な立場にありますことは、御指摘のとおりでございまして、あらゆる外交的努力を傾けて生存を維持して、国民の福祉を守ってまいらなければならない立場にあることは、御指摘のとおりでございます。 しからば、外交的な武器としてわが国に何があるかというお尋ねでございます。別に奇手妙案があるわけでは決してございません。申すまでもなく、一番大事なことは、わが国が抜きがたい国際信用を持つ国であるということが第一であると思うのでございます。約したことは実行する国であるという信用を持つことが第一であると心得ております。さらに、わが国は平和国家としての道を選択したわけでございますので、わが国の意思を十分各国に理解し、かつ、評価していただかなければならぬと思うのであります。この点につきましては、わが国がアラブ紛争に対しまして武器弾薬を供与できる国でないということ、このことはアラブ諸国も十分理解をしていただいております。わが国が中東地域におきまして手をよごしていない国であるという評価を、私は受けておると確信をいたしておるわけでございます。 また、わが国といたしましては、わが国の持っておる力量を十分はかりながら、その範囲内において世界の安定と平和の創造に参加していかなければならぬと思うのでありまして、われわれが持つ経済、技術、知識、情報、そういった力を、代償を頼むことなく、世界のために貢献してまいるという心がまえで、険しい道でございますけれども歩んでまいりますならば、世界はわが国に対して正当な尊敬と評価を与えてくれるに違いないと私は確信いたします。
○倉成委員 次に、田中総理は、来年一月早々、一連の首脳外交の締めくくりとして、東南アジア諸国を歴訪する予定と聞いておりますが、日中国交正常化、日米関係の調整という二大外交課題を成功裏に解決した田中総理として、今後の日本の外交の進むべき方向を示すものとして世界の注目を浴びておるところであります。 これまでのアジア外交をめぐる議論は、太平洋戦争による贖罪論、アメリカ帝国主義と日本軍国主義復活論、あるいは民族に関する評価、アジア唯一の先進工業国としての日本の役割り、アジアの一員としての発想と脱アジア論との対立を中心として展開されてまいりましたことは、御承知のとおりでございます。しかし、今日のアジアの情勢は、流動的かつ複雑で、これまでの議論だけでは不十分であります。米中接近、米中ソ三国の利害と思惑の錯綜、各国それぞれの特殊事情があると考えるとき、国情に即したきめこまかい配慮とともに、アジア全体として一体これにどう対処するか、これらのアジアの諸国が何を感じ、何を考え、望んでいるのかということを、謙虚な気持ちで聞き役に回る努力が必要であると思います。総理の所見をお伺いしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 明春早々、アジア諸国を訪問したいと考えております。この訪問は前から考えておったわけでございますが、訪米、訪欧、訪ソ等で今回になったわけでございます。今度は、日本もアジアの一員でございますし、平和的に、また民主的に経済の自立、国の建国ということに努力をずっとしてきておられるアジア各国、これらの国々とよき隣人としてのつき合いをこれから長きにわたってしていかなければなりません。アジアには、貧困とか、また宗教上の問題とか、いろいろ複雑な問題がございますが、しかし、アジアは、世界の人口の中で最も大きな部面を占めておりますし、東南アジアの諸国は資源も豊富であり、ほんとうにお互いが理解をし合いながら、自主独立を尊重し合いながら協力をすれば、私は、東南アジアの将来というものは、非常に明るく、希望の持てるものであると考えておるのでございます。 そういう意味で、今度の訪問によってお互いに隔意ない話し合いをしながら、真に日本に対する理解を求めたい。また、日本が平和主義をとり、相手を尊重しながら、協力できるものに対しては協力をする、ただ資源の開発先、輸入先というようなことを考える日本でないという、日本の東南アジアに対する真の考え方、態度、世界政策等に対しても隔意ない話し合いを首脳の間に行ない、東南アジア諸国と日本との間をよりよき間柄にいたしたい、こう考えておるのであります。
○倉成委員 総理の東南アジア訪問の十分の成果を期待いたしたいと思います。 次に、内政問題に移りたいと思います。 総理は、施政演説の中で、物価の安定は当面する最重要課題であると述べておられます。まさに私も国民の一人としてそのとおりであると思います。物価上昇の原因は、総理の演説にも述べられたとおり、国際的なインフレ、農産物価格の高騰、過剰流動性、賃金の大幅上昇等々各種の要因が複合しておることも、御指摘のとおりであります。私は、今日の完全雇用のもとで経済成長を続けていく場合に、ある程度の物価上昇は、払わなければならぬコストであると考えます。また同時に、国際的な商品の値上がりによって国内物価が上がってくることも、これもやむを得ない原因であると思います。これらのことは、残念ながら、避けることのできないことであります。しかしながら、いま今日、国民が問題としておるのは、われわれが理解し得る物価の上昇を乗り越えて異常な物価高であるという事実であります。 私は、午前中、辻原議員と総理との間のインフレ論争を静かに伺っておりまして、ある意味において不毛の議論であるという感じがいたしました。おそらく、総理がインフレということばを直接使いたくないというお気持ちは、戦争中、また戦後の悪性インフレを連想する、また欧米のスタグフレーションのようなものを考えてみるならば、今日の日本はそういうものではない、そういうお気持ちであろうかと思うのでありますけれども、私は、そういうインフレの論議の問題前に、今日の事態が国民の理解し得る以上の異常な物価高であるということ、また物価の間にいろいろなバランスがくずれておる、一体日本には物価があるのかどうか、もし、いま今日の状態で物価を凍結するといたしますならば、もうかる者はむやみにもうかり、損する者はいたずらに損をする、こういうアンバランスが今日の日本の経済の中にあることは事実であります。この事実をお認めになって、この事実は一刻の猶予も許さないということを認識するかどうかということが、問題の出発点でなければならないと思います。 今日、国民の間に広がっているインフレへの恐怖感、社会的不公正に対する不満、これから起こってくる政治不信、どうしようもないのだという無力感、これはやはり経済問題を乗り越えて大きな社会問題政治問題に発展しつつあると私は思います。最近のトイレットペーパー、砂糖、合成洗剤等の誤った品不足の情報におびえての極端な買い急ぎの行動や、石油危機に便乗する各種物価の急上昇の傾向は、まさにインフレ心理と申すべく、その対策には一刻の猶予も許さないと思うのであります。 まず、こういう前提に立ちますときに、政治のなすべきことは何かということになりますと、私は、従来の行きがかりを捨てて、率直に至らざるところは反省し、現下の物価、生活資源確保に全力をもって取り組むという姿勢を具体的に示すことが必要であると思います。 過剰流動性の問題についても、先般いろいろ議論がありました。四十七年当時は、与野党を問わず、円切り上げを絶対に避けるべきである、円を切り上げたらたいへんなことになる、国益に反するというのが支配的な意見でありました。このような状況の中でとられた財政金融政策が、過剰流動性の発生の原因であったことは、率直に認めなければなりません。この政策のゆえに、多くの中小企業の倒産を防ぎ、また日米間の貿易のアンバランスを是正したという大きなメリットはあったにせよ、いまにして思えば、他に選択の道がなかったのか、日本経済の適応力を過小評価したのではないかということを、私は与党の政策担当者の一人として責任を感じておるのであります。政策に関する評価は別として、謙虚な反省の中から将来への挑戦が必要でないでしょうか。 今日、国民の求めていることは、百の議論よりも、正直者がばかをみないこと、不当利得を得た者には制裁が加えられること、政府は約束を必ず守ること、この三つの、だれにでもわかる単純なことを政府がやれるかどうかということであります。政府の言うとおりに行動すれば心配は要らないということを現実に示すことではないでしょうか。 私は、この意味において、最近のトイレットペーパー、砂糖、洗剤等についての一連の騒ぎについて、徹底的に原因を究明し、国民の前に真相を明らかにする必要があると思います。あとで品物は出回ったけれども、値上がりだけが残ったということでは、消費者は浮かばれません。消費者の納得のいく解決に努力をされることを期待いたしたいと思いますが、この点に関して総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 物価抑制、国民生活の必需物資は安定的にこれを確保し、これを供給するということは政府の責任でございます。でございますので、当面物価の安定ということを最大の政策課題として取り組んでまいりたいと考えます。それからなお、国民生活の安定のために必要な施策は積極的にこれを採用し、実行してまいりたいと考えます。 まあ、自由民主党政府というものは、戦後長きに政権を維持してまいりました。そのためには、いろんな外的要因があったとはいえ、今日の事態が招来されておるということで責任を免れるものではないというきびしい立場をとっておることは事実でございます。いまも御指摘がございましたが、国際通貨の問題、円の切り上げの問題等、外圧であることは事実でございます。また同時に、その事態に対処して国際競争力を培養し、また中小企業や零細企業という特殊な階層に倒産等を行なわしめないために、金融の緩和措置をとらなければならなかったことも事実であります。しかも、国際収支の改善をはかるためには、内需を振興して輸出を内需に振り向けなければならなかったことも事実であります。しかし、そういう事態に対処してもその結果いかなる事態が起こるか、起こり得る問題を想定しながら諸般の施策を行なわなければならなかったということもまた当然のことでございます。石油問題ということが突然起こった外圧ではございますが、しかし、これは九九%の石油というものを外部から受けておるのでございますから、こういうことを、全くないものと断定もできなかったわけであります。そういう意味で、私も組閣以来、エネルギーの多様化とか開発輸入の問題とか、いろいろな問題を訴え、また産業の構造改善等も訴えてきたわけでございますが、結果として、今日アラブの石油削減というものに対応できないような事態を招いたということに対しては、率直にこれを認めて、おそまきでも万全の責任体制をとらなければならないということを痛感いたしておるわけでございます。 ただ、この際私は申し上げたいのでございますが、お互い戦前のたいへんな事態を経験いたしておりますが、戦前は、石油だけではなく、すべての資源の輸入の道も断たれておったわけでございますし、国内自体が国民総生産の六〇%を対象にして臨時軍事費を調達しなければならなかったという事態でございますし、国民総生産の大半が軍事生産であったということに比べて、今日の日本の産業形態というものはまったく異なった事態であるということは、これは一つは、全く違う状態でございます。 もう一つは、世界じゅうで日本の品物がはんらんして、反日的な行動さえ一部に起こり得るというほど輸出力は強大でございます。国民総生産の一〇%を上回る輸出力があるわけでございますが、この一〇%でも二〇%でも、ある時間、かつてアメリカ大統領がとり、現在も一部とりつつあるような輸入抑制をはかっても、国民の生活必需物資はこれを確保するということを行なえば、それをやるだけの力は十分現在備えておるんだという事実。それからもう一つ申し上げると、その場合国際収支はどうなるのかといっても、それに一年、一年半、二年耐えられないような外貨準備高ではないということは、これは私が申さなくとも、数字を御存じのあなたは十分理解できると思うのでございます。 しかも、第四の問題としては、この一年間で去年の輸入に比べて百億ドル以上、ベースで多く入っているわけです。ですから輸出と輸入が逆転をしておる。二百何十億ドルというものが百億ドルよけいになって、三百何十億ドルになっているということでございます。 〔委員長退席、櫻内委員長代理着席〕 それだけのものが入っておるので、当面国民が必要とする物資を供給できないような状態ではない。石油でも、七二年一ぱいのものは、二〇%以上削減されても確保をしておるわけであります。 しかし、そういう状態でありながらも、混乱が起きておることは事実であります。ですから、私もこの間からいろんなことを検討しておるのでありますが、土地の凍結とか物価の凍結とか、いろんなことをやろうとしても、ほかの国には全部そういう権限がございますが、わが国では、災害等における場合の緊急やむを得ない事態における短期の権限しか委任されておらないわけであります。しかし、災害はいつ起こらぬとも限らない。今日の石油問題は災害の一つだと思います。そういう意味で、これから法制上整備しなければならないものは、おそまきながらでも、国会にその実情を訴え、すべてのものを完備することによって、政府の持つ公の責任を果たしてまいりたい、こう考えておりまして、過去のいきさつ等にはとらわれておりません。これは一内閣、一政党の問題ではなく、長きにわたる日本国民の発展、安定ということを、いまこそ求めなければならないときである。その責めの重大さをしみじみと感じておるわけでございます。
○倉成委員 過去のいきさつにとらわれないで、これから新しい決意でやりたいというふうに、私は総理のおことばを受け取ったのですが、御案内のとおり、洗剤については、ことしの一月二・六五キロ四百五十円していたのが、十一月に四百五十五円、最近、これを二〇%上げると大手メーカーが言っておる。ちり紙は、八百枚、ことしの一月百二十二円であったのが、十一月の段階で二百五十四円、二倍になっておる。もっとも、トイレットペーパーは、御案内のとおり、放出トイレットペーパーが、これは総理も御存じと思いますが、五十五メートルものから六十メートルもの、六十五メートルもの、質がいろいろ違うけれども、大体百八十五円から百九十五円ということで放出されておるということで、ちょっと落ちついておりますが、とにかく買い急ぎのあとに残ったのが値上がりということで、庶民はこれに非常な大きな関心を持っておるわけです。 そこで、政府の言っていることを守ればちゃんとうまくやっていけるんだ、それには新しい法律が必要だと言われるお気持ちもよくわかりますけれども、私は、やっぱりできないことは政府は言わないということじゃないか。その一つとして——まあできないというのは言い過ぎかもしれませんけれども、私は通産大臣にお尋ねしたいと思いますが、最近、通産省による十八リットル当たり三百八十円の灯油、家庭用の灯油だけは三百八十円で必ず守ると、通産大臣はテレビを通じ、あるいはいろいろな機会に申されたわけでございますけれども、実際はこれを上回る価格で、御案内のとおり、これは店頭の配達料抜きの価格でありますから、配達料に大きなかさ上げしたり、あるいは店頭で裸では売らないとか、いろいろとそういう混乱があちこちで起こっておる。そうなってくると、政府は守れないことを約束したということになるわけでありまして、まことに遺憾であります。政治が信頼を失うことになるわけであります。したがって、この問題について、今後政府がいろいろなことを国民の前に言う場合に大きな支障になるかと思うのでありますけれども、一体、この約束についてこれからどういう姿勢で対処していかれるつもりであるか、お伺いをしたいと思います。
○中曽根国務大臣 約束しましたことは誠実に守っていくように、今後も努力をいたします。 灯油につきましては、裸店頭三百八十円ということできめたのでございますが、それは全国の情勢を見まして、いまその値段で安定させなければいかぬと思いまして、全石商連及び石油の元売りメーカーと話し合いをして了承させまして、そして了承を得ましたので思い切ってそれを公表して、全国民並びに販売業者等に知悉させたわけであります。しかし、小売りの末端の中まで必ずしもそれが浸透しなかったわけで、販売者の一部では、まだ知らぬと言って、それに関係しないという態度をとった向きもございました。しかし、その後、通産省と各メーカーあるいは元売りとの間でさらに説得をいたしまして、現在三十八府県から、全部小売りに至るまで協力するという約束ができまして、あと数府県残っておりますが、これも説得できる見込みでございます。こういうふうにして、業界と一体になって、その安定価格を順守するように、今後も懸命に努力してまいるつもりでございます。 ただ、一部には、運搬賃というものは千差万別でございまして、近所の団地へ運ぶ場合、あるいは遠く離れた山の中のうちまで運ぶ場合、みんな運賃その他が違うわけであります。だから、運搬賃までこれを凍結するということは 実際はできなかったわけであります。そういう意味で、運賃は別にいたしまして、裸価格ということできめたのでございますが、今後ともその三百八十円を厳守するように努力いたしますし、運賃についても、不当な値段をとらないように行政指導をしていくつもりであります。
○倉成委員 非常に全国多数に散らばっておる小売り店の問題に、なかなか手が行き届かなかった点がある。また、一日も早く灯油の値段を安定したいという意味において、見切り発車をせざるを得なかったという点は、まことに私も理解するものでありますけれども、ただいま通産大臣が言われましたとおり、この約束を、国民がほんとうに政府は言ったことを守ったんだということを、ぜひ実現していただくことを期待するものであります。 そういう意味から申しますと、私は、現在の行政機構に、もちろん今国会において政府が提案の予定の法律の成立を一日も早く期待するものでありますけれども、現在においても非常に手薄な点があると思います。それは何かと申しますと、いま価格調査官という制度が各省に設けられておりますけれども、この数わずかに三百六名、企画庁で十一名、厚生省三名、農林省百三十九名、通産省百五十三名。この百五十三名で、いろいろ繊維であるとか、紙であるとか、灯油であるとかいうのを分担しているというのが現状であり、しかも、これらの価格調査官は全部兼任であります。専任というのはほとんどない。そうなると、幾ら大臣が一生懸命何かをやろうとしても、実際その手足がない。したがって、これは権限を大幅に地方に委譲するとか、あるいはいろいろなこの価格調査官をもし本気で活用するなら、もっと大幅にふやして、現実に実効があがるようにしなければならない。そういう点をやはり総合的に考えていかないと、仕組みだけはでき上がっても、なかなか実際として動かないと思いますけれども、これはひとつ総理大臣、この点について強力なやはり行政体制を整えるということが大切と思いますけれども、いかがでしょうか。
○田中内閣総理大臣 現在もそうでございますが、緊急二法が制定されれば、当然これらの問題、製造段階から末端消費段階までの在庫の調査を行なったり、また、適正な流通経路の流れを調査したり、また、価格に対しての調査を行なわなければなりません。これはまあすべてを統制時代のように価格調査を行なうというわけにはまいりませんので、兼任しておる者よりも、専門官を置くということも一つの考え方として検討いたしておりますし、これによってすぐまた官吏の数をふやすというわけにはまいりませんので、こういう重点的にやらなければならないときには、他の仕事を削減してもこれに振り向けるということをやらなければなりません。その意味で、総定員法をつくりましたが、行政の効率的運用を行なうということになっておるわけでありますから、定員の振りかえを行なう等、専任の調査官を置くということも考えなければならないと思いますし、やはり各地方地方に権限を委任をするということによって、末端的な価格や——実際その村に異常な物資が退蔵されておるというようなものは、村ではもうほとんど知っておるわけです。村や部落へ行けばすぐにわかるわけです。トラックが何台入った、入ったにもかかわらずなぜ売らぬのだということは、これは官の力でやるというわけにはまいりません。ですから、こういう仕事はみんないやがるのです。なるべくやらないようにということがございますが、そういうような状態では国民の負託にこたえられないということで、国も地方公共団体も力をあわせて価格調査等を行なってまいりたい、こう考えています。 それだけではなく、やはり消費者の政府に対する直接の投書——投書というよりも報告、投書ということばはどうもあまり気に入りませんが、いわゆる国民自体の協力を得るということで、中央郵便局私書箱第一号ということを直ちに設定したわけでございますが、これは場合によれば、町村や府県に全部設置をしてもけっこうなわけでありますので、やはり国民全体の協力を得ながら、しかもその中に、国民生活が混乱するような行動に巻き込まれないように、真に物価の安定ということをはかれるような合理的な組織、体制、陣容等を当然整備してまいりたい、こう考えます。
○倉成委員 非常になれないことをいまやっているわけですから、若干の混乱が起こることはあり得ると思います。 そこで私は、この教訓をいかに生かして国民の信頼を獲得することかと思うわけでありまして、それには具体的に何をなすべきか。まず正月用のしょうゆ、みそ、野菜であるとか、牛肉、豚肉、カズノコ、モチ米、砂糖、そういういろいろな正月用品の確保と、それから輸送というものについて、庶民の方々、国民の方々が心配しないでよいのだというような体制をしっかりとって、的確な情報を国民に流す、そして年末から正月にかけて、国民のそういう生活必需物資が安定して国民の手に渡る、そういう形であるということを示せば、これは政治の信頼を回復するゆえんのものであると思います。非常に小さいようでありますけれども、そういうこまごましたきめのこまかい対策ということが、私は今日の政治に一番期待されているところと思います。総理大臣の御所見を伺いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 これは小さいことではなく、ほんとうに暮れから正月にかけての一番政府のやらなければならぬことでございます。年に一回の盆と正月というその正月のものでございますから、これらに対しては、政府の中でもいま十分配慮いたしております。 モチ米は、御承知のとおり用意をいたしておりますし、それからカズノコは、自由化をいたしましたので、非常に安くなっておるはずでございます。ただ、安くなっておる、ある時期よりも何分の一かになったといいながら、それが退蔵されれば、季節品であるだけに出回らないということもございますので、これらの問題とか、黒豆とかいろいろなものがあるわけです。中には、しめ飾りも高くなるだろう、松はやめようというような町内会の動きもあるようでございますが、そういう国民の暮れから正月にかけての必需品、こういうものまで急激な値上がりをするということになれば、何をか言わんやということでありますので、小さい問題としてではなく、まず政府の手初めの問題として、業者の協力も得ながら、せめて正月はスタートがスムーズに行ったわいというような体制をとるべく万全の努力をしてまいりたい、こう思います。
○倉成委員 総理から力強いお答えがありましたので、国民は期待してその成果を待っておると思います。 通産大臣にお尋ねしたいと思いますが、最近、LPGの小売り価格が大幅に引き上げされるという動きがあると聞いております。LPGにつきましては、全国千六百七十万世帯が煮たきをしたり、家庭用、暖房用等いろいろなことに使っておるわけでございます。タクシーの二十三万四千台のうち、二十万台がLPGを使っているという現況であります。これが大幅に値上がりするということになると、これらの家庭やタクシー等についてたいへんな影響を受けるわけでありますけれども、これについてどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思うのであります。これはLPGの価格形成について、流通マージンあるいはその他の価格形成についての十分な調査を現在なされているかどうか、これらの値上げが、合理的なものでなくして不当な便乗値上げにならないかどうか、そういうことについて、通産大臣はどのようなお気持ちで対処しておられるか、お伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 LPGの輸入の見通しでございますが、これは原油処理が一〇%削減したベースで申し上げますと、国内生産が、四十八年下期の見通しとして二百三十三万トン、輸入が二百五十六万トン、供給力が合計四百八十九万トン。大体昨年とそう大差ない八百八十万トン程度の消費量でございまして、四百八十九万トン程度の下期における生産供給が見込まれておるわけであります。 ただ、最近LPGに関して心配が少し起きているといわれておりますのは、LPGの半分は外国から輸入しておりますが、その輸入量の五〇%は、サウジアラビアや、そのほか現在OAPECの国からきているわけであります。そういうわけで、船積みその他の関係で渋滞しているのがあるのではないかということから、LPGの元売りその他において、多少手元に多く置こうという気配が出てきたのではないか、そう思われるわけです。それで、いまの需給関係から見ますれば、この流通を円滑にやらしむれば心配はございません。したがって、われわれはそれを厳格にやらせるようにいま努力しているところでございます。 価格の構成比を見ますと、輸入価格は、CIFで、キログラム・円としまして、一キログラム十円六十銭、元売りが大体二十円四十銭、それが卸になって三十五円ないし三十八円、それが小売りになって七十円から百二十円、こういうのがいまの趨勢のようであります。それで、小売りでなぜこんなに高くなってきているかといいますと、一つは、あれは容器に入れておるわけでございますが、あの容器は、高圧ガス容器の取り締まり規則のもとに、かなり厳重な保安規則のもとで管理されて手数がかかる。それからあの容器自体がかなり値がつく、その減価償却。それからこれは持ち運びが非常に不便で、重いものですから、運搬賃がかかる。そういうようなことでいまのような小売りの値段がかなり高いということになっております。しかし、今般こういうような情勢が起きたといって便乗価格を持つことは許しません。先般、家庭用プロパンも、例の売惜しみ買占め規制法の特定物資に入れまして、これに対する監視を厳重に行なうことにいたしました。今後も、いまの需給関係が円滑に流れるようにいたしまして、御心配をかけないようにするとともに、価格につきましても厳重に監視していくつもりでございます。
○倉成委員 時間がありませんので、次に進ませていただきます。 石油の制限がだんだんきびしくなってまいりますと、この石油制限によって一番影響を受けやすい中小企業、農林漁業、これに対する対策を十分にやらないと、末端では、出漁、魚をとりに出かけようというときに、船に対する油の供給が十分にうまくいかない。そういうようないろいろな混乱が現に起こりつつあるし、また将来も起こる可能性が強いわけでありますけれども、これらの点についてどのような配慮をされておるか、通産大臣にお伺いしたいと思います。
○中曽根国務大臣 石油類の配当にあたりましては、中小企業、農漁業、医療関係、大衆交通手段、それから家庭における生活物資、そういうようなものを特に重点にし、また、特に食糧生産についてはこれを一番大事にして配当していきたいと思っておるわけでございます。現在、灯油の関係、軽油の関係等でビニールハウスその他農協関係で心配なさっている向きもございますけれども、これらの問題については、できるだけ優先配当して心配かけないように、いま手配を農林省とやっておる最中でございます。 今後もそのように、いま申し上げたような物件は、先般の緊急対策本部のきめました緊急対策要綱の中でも特に指定されておるものでございまして、各省と緊密な連携をとりながら重点的配当をして、御心配をかけないようにいたしたいと思います。
○倉成委員 石油の規制に関する点は、新たな法律を政府が提出されるようでありますから、こまかい議論は譲るといたしまして、私は、この石油対策について、これから非常に不確定の要素が多いということを考えてまいりますと、当面の短期の対策と、それから中期、長期の対策と分けて考えないと、政策に混乱が出てくるのではないかと思います。特に、短期の石油削減というようなことになってまいりますと、やはり急激な価格上昇は避けなければならない。そのためには緊急避難的な措置もしなければならない。割り当てもするというような、緊急避難的に混乱を避ける強力な手段を講じなければならないと思うのでございますけれども、やはり中期、長期にものを考えてまいりますと、資源の枯渇という点から、ある程度の価格の上昇は避けられない。これはやはり割り切らなければならないと思います。いま世界で一番石油事情が困っておるのはイタリアであります。これは非常に無理な価格統制をしたために困っておるというのが、現実の経済の姿であります。 そういうことを考えてまいりますと、やはり長期の見方からいたしますと、いたずらな価格統制をやめて、プライスメカニズムを活用いたしまして産業構造の転換をはかるべきであると思う。また同時に、石油というものが豊富低廉に入るという考え方を捨てて、省エネルギー、代替エネルギーの開発等に積極的に取り組むべきであると思いますけれども、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 まさに御指摘のとおりであると思います。長期的には市場機能、価格メカニズムを尊重してやりませんと、物が出なくなったり、店頭から姿を消したり、あるいは非常にゆがんだ価格体系が出て、恒常的な機能がそこなわれてまいります。結局、それは民衆にふりかかってくる問題でございます。しかし、短期的に見ますると、これはある程度緊急避難的に価格機能も無視して大衆生活を守る、暫定的に緊急避難的にそういうこともあるいは必要でないかという気もいたします。しかし、いずれにせよ、大衆生活を守るという面から、適切な処理をその時点、ケース・バイ・ケースで行なっていくべきであると思います。 日本のような場合は、今回の教訓にかんがみまして、産業構造の質的転換を強力に進めてまいりますとともに、いま御指摘のありましたような新しいエネルギー資源の開発、多面化に努力をいたすべきであると思います。特に太陽熱あるいは原子力、あるいは石炭、あるいは水素の直接還元、そういうような面、特に石炭の部面につきましては、これをガス化するとか、化学的にこれを使うという面について、大きくわれわれも工業技術院等を通じて研究させてまいりたい。サンシャイン計画という総合的計画をもちまして、来年から思い切って大規模に発足する予定でございます。
○倉成委員 次に、最近外国から帰ってきた人たちの話を聞きますと、どうも石油については日本ほど困ってない諸外国、フランス、オランダ、ベルギーあるいはアメリカ等において、日曜ドライブを禁止したり、速度を制限したり、あるいはガソリン店を閉鎖したり、そういういろいろな強力な措置が行なわれ、またネオン等も相当自粛しておる、しかし日本に来てみると、そういうことがさっぱりないが……というふしぎな印象を持っておるということを聞かされておるのでありますけれども、これは外務大臣、いかがです。諸外国の石油の規制の状況というか、これについてどういう情報を持っておられるか、お聞かせいただきたいと思います。 〔櫻内委員長代理退席、委員長着席〕
○大平国務大臣 石油規制の方法として各国がとっておりますのは、まず第一にドライブの規制でございまして、フランスは、自動車競争、ラリーを禁止いたしております。西独、イタリア、オランダ、ベルギーは、日曜日の自家用車の運転禁止をいたしております。 それから、第二は速度の制限でございます。これは米、仏、西独、イタリア、ベルギー等、それぞれその国のハイウエーと一般道路と分けまして速度制限をいたしております。 それから、その他の措置でございますが、アメリカは、エネルギー緊急措置法案の成立を待っておりまして、それが成立次第、土曜日夜九時より日曜夜十二時までのガソリンの販売を禁止する予定と聞いております。英国は、通産大臣が、十一月二十一日から十二月二日の間に、石油供給の不安定性に備えて、ガソリン配給クーポンを自動車、乗用車に配付するという措置をとっております。西独は、十一月二十七日、日曜日の自動車運転禁止、セカンドカーの禁止、ガソリンの配給制の実施を検討中であるとブラント首相が言明をいたしております。オランダは、一月七日より自動車及びモーターサイクル用のガソリン月割り当て制を実施する旨発表いたしました。
○倉成委員 それぞれの国情があろうかと思いますから、外国のまねをしろとは申しません。しかし、今日の日本の状況を考えてまいりますと、やはり日本国民というのは非常に賢明な国民でありますから、十分なPRと、それから国民の協力を求めるということになれば、外国並みのことは十分やれると思います。やはり政府は、いろいろな施策について自信をもって国民を引っぱっていくぐらいの気概がなければならないと思います。その点、特に御要望申し上げておきます。 次の問題に移ります。 午前中、辻原委員から、経済社会基本計画の見直しの問題がございました。私も、実はこの経済社会基本計画が昭和四十八年二月十三日に閣議決定されておるわけでありますけれども、この第一には、「物価を安定させ、地価の高騰を抑制することは、この計画に即して活力ある福祉社会を実現するための基礎条件である。このため政府は、インフレーションの防止を最も重要な政策課題の一つとする。」そのほかいろいろな資源の問題であるとか、社会保障の問題とか、まさに今日そのまま当てはめてもよろしいような閣議決定が四十八年の二月十三日にされておるのであります。しかし、残念ながら、物価の点、投資の点、国際収支の点で、この経済社会基本計画は初年度において大きな相違を来たしてまいりました。 そこで、物価の問題と投資の問題はおくといたしまして、国際収支について不安がないかどうかという問題についてお伺いをいたしたいと思います。 昭和四十八年度の経済改定を見ますと、基礎収支において八十六億ドルの赤字ということになっております。いま日本の持っております外貨準備が百四十億ドル前後だと思いますけれども、そのほか、短期の資本や為替勘定等の操作があろうかと思いますけれども、かような大幅な基礎収支における赤字が四十八年度の経済見通しの中で出ておるわけでありますけれども、そういう点から、しろうとが考えると、国際収支が必配じゃないかというような感じも抱くわけでありますけれども、この点について大蔵大臣はどのようにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
○福田国務大臣 国際収支につきましては、昨年、一昨年、これは非常に好調でございまして、わが国の外貨保有高がことしの二月には百九十億ドルに達する、こういう前古未曽有の黒字を現出したわけであります。そういう状態でありましたので、昨年、一昨年ぐらいの間は、国際収支という問題はあまり念頭に置くというような状態でなかった。ところが、実際はこの国際収支というものは国政の運営上非常に重大な問題なんです。それをことしになってあらためてしみじみと感じておるというのが、偽らざる心境でございます。 非常なさま変わりをしてきておる国際収支の状況、なぜそういうふうになってきたかということを考えてみますると、一つは、これは円の実質上の切り上げの影響が出てきた、こういうことかと思います。それからもう一つは、海外における食料品をはじめとする値上がりの傾向、最近におきましては石油にそれが見られる。そういうことが響いてきておる。それもありますが、しかし、やはり国内の経済の成長の行き過ぎ、これが大きな原因じゃあるまいか、そういうふうに思っておるのです。 それで、私はこれからの経済成長政策をどういうふうに考えるかということにつきましては、物価、国際収支、それから資源、環境、そういうことをよく考えなければいかぬということを申しておるのですが、これから景気抑制政策をとる、景気成長の勢いが一服ということになりますると、また国際収支は改善されてくるのではあるまいか。つまり、いま物価対策としてとろうとしておる総需要の抑制政策、これが進行いたしますれば、また国際収支のほうも同時に改善されてくる、こういうふうに見ておる次第でございます。
○倉成委員 国際収支の問題について大蔵大臣から御所見がございましたけれども、私は、つい三年ぐらい前は、国際収支の帳じりを見て日本の経済は運営されたということを考えると、まことに隔世の感があるわけでありまして、国際収支の問題について当面は心配しなくてもよいという、ある意味においては非常に恵まれた条件の中においてこれからの経済政策を進めていくということになるわけでありますから、私は、この条件を最大限に生かすべきじゃなかろうかと思います。いま今日の日本の経済に、国際収支に心配しなければならないという事態が起こってきたら、今日の経済事態はまことに想像に絶する困難な状況になるのではなかろうかと思うのであります。 そこで、午前中も質疑がございましたけれども、いわゆる安定成長について大蔵大臣のお考えは大体理解いたしました。ただ、私は、ここに平和経済計画会議、高橋正雄氏がこれの事務局長をいたしておりますが、平和経済計画会議における、安定成長ということについて非常に興味の深い叙述がありますので、御参考までに御披露いたしますと、これはもちろんアラブの事態の、石油危機が起こる前でありますけれども、資源の問題は十分考慮した上の議論であります。「少なくとも、昭和三十年代前半の成長率」ちょっとその前を読んでまいりますと、いろいろなことを申しまして、「したがって、資源問題からみても、おそらく、年率一〇%をこえる高度成長の継続は至難であり、少なくとも、昭和三十年代前半の成長率(八・八%)の水準までスローダウンした安定成長へ、転換することが必要となるであろう。それに、公害問題や産業立地という深刻な制約もある。」云々と書いてあるわけでございます。いわゆる平和経済計画会議のメンバー、あるいはこれを論拠としていろいろ議論しておられる方々も、私は承知しておるわけでありますけれども、安定成長というのは、何かゼロ成長に近いようなものであるというような間違った議論が世の中に横行しておるということは、これは全く遺憾であります。私は間違いであると思います。 わが国のように、やはり若い経済、特にこれから先社会資本を充実し、社会福祉をある程度これから充実していかなければならないということになると、適度の成長、大蔵大臣の言われるように、国際収支、環境あるいは物価、資源、また国際社会に迷惑をかけないような節度ある態度、そういう条件が生かされるなら、その条件の中でやはりある程度伸びていかなければ、福祉の充実も社会資本のおくれも取り戻すことはできないと思うわけであります。したがって、その点について、安定成長の数字を何%でなければならない云々という議論は、これもまた不毛の議論であるということを私は考えておるわけでありますけれども、大蔵大臣、いかがでございましょう。
○福田国務大臣 私もそう思います。つまり、成長の高さというものは、これはときどきの客観情勢によって動いていく。動いていきますが、大体の目安を一体どこに置いて長期計画を進めるかという問題はあるわけなんです。その大体の目安というのは、先ほど私が申し上げているようないろいろな条件を考えて、それとのバランスがちゃんととれるような、そういうところに置くべきじゃないか、そういうふうに考えております。ゼロ成長なんというのを考えたら、これはいかぬ。そうじゃなくて、やはり国際社会においてわが国が肩を並べて前進する、しかも、わが国は国際社会の中において多少おくれた立場にある、そのおくれを取り戻すというところも配慮しなければならぬ、それくらいの気概を持って伸びていく日本でなければならぬ、かように考えます。
○倉成委員 この議論はこの程度にいたして、次の問題に進ましていただきたいと思います。 昭和四十九年の経済を考えてまいりますと、石油という非常に不確定な要素があるわけであります。しかし、非常にきびしい石油の削減があるということになりますと、石油文明のもとに立った日本の経済というのはたいへんな打撃を受けてくる。しかし、考えようによっては、昭和四十七年の程度の石油の輸入は確保されるということを考えると、昭和四十七年ごろの日本の経済というのは、それほどわれわれが困っておったかというと、決してさようではないということを考えてみますと、それほど悲観するにはあたらない。まあ楽観するのはいけないけれども、また過度の悲観は私はあまりとるべきでない。いろいろなくふうがありましょうし、石油かただで——ただというのは言い過ぎですが、石油が安く幾らでも手に入るという前提で経済運営をやっておるわけですから、産業の面でも国民生活の面でも、もっともっとうまくやれば石油を節減できると私は信じます。そういうことから考えまして、昭和四十九年度の経済見通しというのは、来年度の予算を年内編成をするということになると、いやおうなしに、予算編成の前には、昭和四十九年度の経済見通しを立てなければならないわけであります。 そこで、これもある意味において腰だめになる場合もあろうかと思いますけれども、実質成長ゼロという場合があり得るかどうか。もしかりにそういう場合を想定した場合には、経済の姿はどのような形になるか、どういう覚悟をしなければならないかということ、これは非常に仮定の質問でありまして、なかなかお答えにくいかとも思いますけれども、大蔵大臣からお答えをいただきたいと思います。
○内田国務大臣 昭和四十九年度の経済見通しは、倉成委員が言われますように、その見通しの前提を整備することが、現段階においては非常にむずかしい状態でございます。しかし私は、そのもう一つ前提をなしますところの昭和四十八年度の経済成長の見直しというものを、四十八年度の下半期、来年の三月までの見通しから先般計算をいたしまし七、そして本年度の実質成長はおおむね六%余りという推定を立てました。しかし、それは本年度全体でございますから、下期だけを分離をいたしてみますると、六%よりも少ないという数字にならざるを得ません。それは通産省等からのお話によりまして、石油の削減の状況とか、また、それに対応する設備投資やその他の基礎物資の供給の削減というようなものをかなり悪い状態に見まして、いま申しますような四十八年度の改算、また下期についての想定を出しました。 明年度ということになりますと、これは四十八年度の経済成長がやはりしり上がりに上昇をしてまいってきておることも、これは石油なんかについての実数を見ましてもわかりますとおり、いわばげたがございますので、どんな悪い状態においても、四十九年度の実質経済成長率が四十八年度よりも低くなるという数字は、私の想定では出ない状況にございます。それに石油その他の経済の諸般の前提が、これはもう明年の一年間には非常な変動もございますので、私どもは政治家として、やはり国民に先のまっ暗な状態というようなものに立っての計算はすべきではないという気持ちもございまして、私は、比較的心配のない見方を、この予算編成とともに年末までにはつくるようなことがよいではないかという気持ちさえも持っております。しかし、詳細については、現段階では申し上げかねます。
○倉成委員 これは鋭意いま作業中のことであろうかと思いますから、これ以上論及は避けたいと思いますけれども、やはり非常にきびしい状態の場合もあり得る。これを外部に発表するとかしないとかいう問題は別として、そういうことも頭に置いてこれから先の経済運営を考えていかないと、なかなかたいへんだということを御指摘いたして、次の問題に進みたいと思います。 金融政策の現況と今後の方向についてであります。 御案内のとおり、年初以来かなりきびしい金融引き締めが今日まで続いてまいりました。これはある意味において相当各業体にびしびしとこたえてきていると思うわけでございますけれども、辻原委員からもお話がございましたけれども、これは選挙もあるから何とか緩和されるのではないかというような思惑もあって、なかなか設備投資なりあるいは在庫の手持ちというのが強いということも現実の姿であります。 そこで私は、やはりどちらかというと今日まで少し金融におもしがかかり過ぎた。金融のほうで締めてもらって、財政は福祉充実というたてまえをとってまいったわけでありますけれども、やはり金融のほうにおもしがかかり過ぎたという感じを率直に持っておるわけでありますが、同時に、何か金融引き締めが緩和されるのじゃなかろうかというような思惑がありますと、これは非常に経済の運営を誤ると思いますので、金融の引き締めは堅持する、同時に、生活物資あるいは中小企業、農業、そういうわれわれ国民生活に非常に関連の深い面について、きめこまかい配慮をしていく。端的に言うと、選別融資をしていくべきではなかろうかという私見を持っておりますけれども、この点に関して、金融政策が現状としてどういう段階にあるのか、これからどういう金融政策をおとりになるつもりであるか、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
○福田国務大臣 金融引き締め政策がとられましてから、だんだんとその効果が今日浸透してまいっておる、こういうふうに見るわけです。つまり、それは金利がかなり高くなってきておるという点にも端的にあらわれておりますし、また企業の手元流動性がたいへん窮屈にもなってきておるのです。これがさらに浸透を続けていく、そういう過程において、経済の上昇にかなりの水をさす結果になってくる、こういうふうに判断をしております。 ただ、倉成委員が御指摘のように、やはり総需要抑制が大事なんです。金融引き締め政策がどういう効果を持つかといいますれば、これは主として設備投資、産業部面に影響する、こういうことになる。総需要は、何といっても一番大きいのが個人の消費であり、また産業投資、これと肩を並べて財政の需要である、こういうことになりますが、やはり私は、この段階になってまいりまして、どうしても財政のほうにもおもしをかけていく必要がある、こういうふうに見ておるのです。そうでないと、やはり金融一本という需給均衡政策は、金融に片寄り過ぎる。その結果、やはり非常な、いろいろな不公平ができたり、特に大企業、中小企業の格差の問題というものも出てくる。あるいは農林漁業というような弱い立場の問題が出てくる。そういうことでありますので、これは財政のほうのこともまた特段と考えます。しかし、さらばといって、金融引き締め政策の基調を変えていくという段階ではございませんです。これはどこまでも堅持しなければならぬ。そして物価、国際収支、そういう方向で顕著な改善の傾向が見られるというときに初めてこの基調は解除する、こういうことでありまして、この金融政策のかじとりは、選挙とはいささかの関係もありませんから、その点はとくとひとつ御了解願います。
○倉成委員 大体において私の見解と一緒でありまして、非常にわが意を得たという感じがするわけです。 ところが、私はやはり、選別融資をやるためには、金融機関の自主性と申しましても、これはなかなか、もうこれからだんだん詰まってまいりますと、金融機関の自主性だけにまかせたのではうまくいかない、ある程度政府でその基準というか、そういうものをつくらざるを得ないのじゃないかという感じがいたしますけれども、この点はいかがでしょう。
○福田国務大臣 御説のとおりでございます。この金融引き締め政策は、どうしても選別的にやらぬと思わざる犠牲者を生ずるということになります。また選別的にやりませんと、有効な効果をあげ得ないという面があるわけであります。そこで政府のほうでは、金融引き締め政策を進めるにあたりましては、中小企業、そういうようなものにつきましては特別の配意をする。同時に、商社、これが過剰流動性を持ったというような批判もあるわけであります。それから不動産業、これが土地投機をやる、こういう問題がありますので、この二業種につきましては、特に引き締め政策下においてこれを厳格にやる、こういう政策をずっと続けてきておるのでありまして、その政策はかなりまた効果をあらわしておる、こういうふうに見ております。 しかし、石油の問題が出てまいりまして、これから経済の先々非常にきびしい局面でございます。そういう際でございますので、さらに選別を強化いたしまして、そして不要不急というようなものにつきましては金融の面からもこれを厳に抑制する、こういう姿勢をとりたい。そのためには、金融機関に対しましてお示しする選別一覧表と申しますか、青写真を必要とするわけであります。ただいま、その青写真の作成中でございます。
○倉成委員 金融問題に関連しまして、私、日ごろいろいろな方からいろいろな御意見を聞きながら、十分解明できないでおりますことを一つお尋ねしたいと思います。 日本銀行総裁が見えていないので残念でありますけれども、日本銀行券の平均発行高の残高、これが御案内のとおり、昭和四十五年では一七・六%、四十六年が一六・〇%、四十七年度の平均が二一%、最近、ことしの十月では二六・一%と下がりましたけれども、大体ことしは二七%台を前後したということで、この一年ちょっとの間に日銀券の発行残高が非常に高い。これについていろいろな人がいろいろな説明をしておりますけれども、どうもわれわれしろうとにはよくわからない。この点についてどのようなお考えをお持ちになるか、大蔵大臣、ひとつお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 いまインフレということがずいぶん論議をされる、そして物価を抑制するために、まず一つの方法として、日本銀行の通貨発行の量を押えちゃったらどうだ、こういう意見をなす者が非常に多いのです。現在、日本銀行券の発行はもう毎月毎月ふえておりまして、ただいまお話しのような状態で、昨年に比べて今日この時点では二六%も上回っておるという状態です。 日本銀行券の発行というのは、一体どういう状態でふえたり減ったりするのかというと、これは一つは、個人の消費活動、これが非常に大きく響くと見ておるのです。次いでもう一つの大きな要因は、企業の経済活動です。そこで、これは経済諸指標でよく出てくるのでありますけれども、百貨店の売り上げなんかの指数、これと通貨発行高の動き、これが大体並行して動きます。それからGNPでありますとか、あるいは生産活動諸指標、こういうものとは、高さは違いますけれども、傾向的な線としては同じものが出てくるわけでありまして、結局、日本銀行券の発行の多寡というものは、それはそういう個人並びに企業の消費活動、生産活動、そういうものの総和がそこへ出てくる、そういう諸活動のしりがそこへ出てくる、こういうふうに見ておるのです。 しからば、日本銀行では経済のそういう動きに対して何ら自身としての影響力はないのかというと、これはないわけじゃない。あるのであります。つまり、金融引き締め政策というものは何としても日本銀行が中心なのでありまして、その政策意図によりまして経済活動にもまた影響する、こういう相関関係もあるわけでありまして、そういう相関関係を保ちながら、今日、昨年に比べまして二六%の銀行券の増加こういうふうになっておりますが、先ほどから申し上げておりまする金融引き締め政策の効果が、実体経済面にいまや浸透せんとしておるのであります。 そういう状態を見ますると、私の勘といたしましては、だんだんだんだんと銀行券の増加比率というものは下降傾向に移っていくのではあるまいか、そういうふうに見ております。今後ともいろいろくふうをこらしまして、日本銀行券の発行が前年に比べて二六%というような状態でないように、もっとこれを正常化するように努力をいたしていきたい、かように考えます。
○倉成委員 ただいまの点は、とにかくお金が、現金通貨がだぶついておるということを示す指標であろうかと思いますので、将来の研究課題として御検討いただきたいと思います。 それでは、時間がございませんので、あとお伺いしたいのは、四十九年度の予算編成、地価と住宅政策の問題あるいは賃金と物価との関係等々、重要な問題が相当の項目残っておりますので、端的にポイントだけをお伺いしたいと思います。 昭和四十九年度の予算編成にあたっての基本的な態度をお伺いしたいと思います。 時間の関係上、私から要点を申し上げて大蔵大臣の御見解をお伺いしたいのでありますが、まず、このような事態の中でわれわれが対処しなければならないのは、昭和四十九年度の予算については、予算規模、財政投融資規模ともに極力抑制をする、また公債の依存度を低下させる、また、公共事業その他建設的事業についてはその伸びを押える、またその裏づけとなる物資労力を勘案して決定をする。ただし、物価の影響を最も受けやすい老人であるとか、身障者であるとか、母子家庭であるとか、生活困窮者、恩給、年金生活者等に対して、社会保障については格段の配慮を払う、こういう態度が望ましいということを、自由民主党の方針として一応われわれは決定したわけでございます。 これにあわせて、私は、四十九年度の予算の中で特に考慮しなければならないことは、一つは、機動的な、弾力的な運営ではなかろうかと思うのであります。これは、やはり予算を組みましても、いろいろな不確定の要素がこれから起こってくる可能性があるということを考えてまいりますと、予算単年度主義であり、また国会の議決を経て権限を与えられるわけでありますけれども、やはりいろいろな事態に対処し得るような形で予算を編成しておかないと、なかなか実体経済に合わないということが出てくるのじゃなかろうかという点が一点と、もう一点は、予算の規模を縮小すると申しましても、当然増の経費がたくさんあるという現況から考えますと、既定経費の徹底的な洗い直しということをやらない限り、予算規模の抑制ということは実際上できないと思うのであります。はたして、そういう既定経費の徹底的な洗い直しということができるのかどうか。これはもう単に大蔵大臣のところだけではできないと思います。これは総論賛成で、規模縮小ということについてはだれも反対しないでしょうけれども、おれのところだけはよこせという各論反対、総論賛成、各論反対ということになろうかと思うのでありますから、これはよほどの決意をもって臨まなければならないと思うわけでありますが、まずこの点について、総理大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 予算編成の基本的な考えは、いま党の決定を述べられたとおり、そのとおりであります。 予算は、いま御指摘がありましたように、いやしくも予算が景気を刺激したり物価を押し上げたりする要因にならないように、先駆的な役割りを行なわないように引き締めていかなければならないということは当然でございます。しかし、当然増経費というような、いわゆる一月からやったものを平年度に引き直すだけでもって二八、七%にもなるというようなことが実態でございますので、効率的な予算でなければならない。ただ一律、画一的な予算というわけにはまいりません。大蔵省はいま苦労しておるところでございますが、とにかく国民の理解が得られる、これで物価抑制ということに対して政府は思い切った手段に出たんだという姿勢はどうしても貫かざるを得ない。総論賛成、各論反対、まさにそのとおりになると思います。積み上げていけば二五%にも二八%にもなるわけでございますが、しかし、そういうことではなく、各位の御理解も得、国民的理解を得なければ、予算編成はなかなか合理的な編成はできないと思いますので、その実情を訴え、政府も、洗い直すべきものは洗い直すし、メスを入れなければならぬところにはメスを入れるということで、国民の理解を得られるように、また賛同を得られるような予算をつくり上げたいという基本的な考えを持っております。
○倉成委員 予算の問題と関連いたしまして、二兆円減税の問題に触れてみたいと思います。 現在、二百五十万円の夫婦子二人の給与所得者の所得税の負担額は、現行で十三万七千九百四十五円であります。この二百五十万の収入の方が、かりに三百万に収入が上がったといたしますと、現行の税制では、二十万七千四百十四円と、一ぺんに税金がぐうっと上がる。そこで、こういう中堅層の負担を軽減するという立場をとりますと、改正試案に基づきますと九万二千四百円、いままで十三万七千円払っておったのが、九万二千円程度の税金で済むということでありますので、これは中堅所得者にとってみますと、この程度のことはこの物価高にやってもらいたいというのは、私は偽らざる気持ちであろうかと思うのであります。同時に、先ほどからの話のように、経済全体の中で税というのは考えていかなければならぬということでありますので、さようないろいろな国民の願望と照らし合わせながら、ひとつこの減税という問題については取り組んでいただきたいということを、これは希望だけ申し上げておきたいと思うのでございます。 そこで私は、この所得税の減税の問題と関連しまして、やはりこれから先、福祉を充実していくということになれば、ある程度の租税負担の増強ということを長期的には考えていかなければならぬということになると、また、わが国の租税構造が直接税に片寄っているということを考えると、おそらく、総理あるいは大蔵大臣の頭の中には、できれば将来間接税をだんだん大きくしていって、そして欧米に近いような税負担体系を持ってくる、そして社会福祉の充実に充てるという構想があろうかと思うのでありますけれども、そういう長期的な問題は別といたしまして、最近の資源節約、消費抑制の見地から、自動車関係の諸税あるいは間接税の増徴、あるいは法人税という問題について、現段階でどのようにお考えになっておるか、ひとつこれは大蔵大臣からお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 増税問題は、これは減税問題と深い関係を持つわけなんです。いま二兆円減税という構想がありますが、それには財源が要る。財源は何だといいますれば、自然増収、それから見返りの増税、さらに国債とのからまり、こういうことになるわけですが、私は、国債のほうはできるだけ減らしたい、こういうふうに考えておるわけなんです。それから自然増収のほうは、石油のこの緊急事態で従来とはかなり様相が変わってきておるという問題もある。そこへ、しからば残された増税の問題はどうなるか、こういいますると、これも、いまガソリン、自動車重量税あるいは印紙税、そういうようないろいろな構想があるわけなんですがこれらは近く結論を出さなければならない問題でありますが、物価情勢という問題これとのからまりにおいて慎重に扱わなければならぬ、こういうふうに考えておるのです。まだ結論は出しておりませんけれども、それらのただいま申し上げました諸問題を検討しておる、かように御理解を願います。
○倉成委員 予算の具体的な問題になってまいりますと、やはりいろいろな多くの国民の願望をこの予算の中に盛り込まなければならないわけでありますけれども、昭和四十八年度の当初予算におきましては、社会保障関係費が総予算の中で一四・八%、それから文教、科学関係の経費が一一%、それから地方交付税が一九・五%、公共事業関係諸費が一八・〇%と、公共事業が全体の約二割に社会保障が一五%前後、この経費をどのように扱うかということが、やはり来年度の予算の性格の目玉になろうかと思うのでありますけれども、公共事業、将来に向かってやはり社会資本を充実していかなければならないということは私も考えておるわけでありますけれども、現時点ではいろいろな点である程度押えなければならない。しかし、公共事業の中身をどうするのか、また社会保障経費についてどのような態度で予算編成に臨むのかという問題について、大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 先ほど総理からお答えしましたが、当然増、これがとにかく四十九年度は四十八年度に比べまして一七%ないし一八%ふえる、こういう状態なんです。なぜふえるかというと、一つは、社会保障費が四十八年度に相当増額された、そのしりが四十九年度に回るという関係があるのです。それからもう一つの大きな問題は、これは地方交付税交付金なんです。一般の予算の当然増の総体は伸びが一七%だ一八%だという辺でございまするが、交付税交付金は実に三〇%伸びる。しかも、これが予算の大宗をなす問題ですから、この辺が来年の予算を非常に圧迫してくる問題なのでございます。そういう意味合いで、当然増を洗い直すというお話でございますが、なかなかこれは容易ならざる問題、そういうふうに考えて苦慮しておるという現状でございます。 そこで来年の予算、これは新規に追加するという幅が非常に少なくなるわけでございますが、その中におきまして、当然増としての社会保障費の伸びは多うございます。しかし、その種の系統のものにつきましては、引き締め政策だからといって、そう一律にというわけにはいくまい、これは引き締めの体制下においても特別な配慮をしなければならぬだろう、こういうふうに考えております。 公共事業費につきましては、これはやはり特に大型プロジェクト、そういうものにつきましてかなり抑制的な姿勢をとらなければならぬだろうか。しかし、地方の、まあ奥地の山道を直しますとかなんとかいうような、そういう地方の中小の企業にも特に関係の深いような事業、そういうものにつきましては、同じ公共事業といえども特別な配慮をしなければならぬし、また、公共事業と申しましても、福祉諸施設に直結するような事業、こういうものにつきましても、これは配慮をしなければならぬだろうか、かようにただいま考えておる次第でございます。
○倉成委員 予算の、党のほうから政府に申し入れました中に、やはり物と労力について配慮をせよという申し入れをいたしておりますが、官公需は、地方公共団体を含めまして、粗鋼において官公需の占める比率が一五ないし二〇%、セメントについては、官公需が、地方団体を含めまして五〇%から六〇%ということで、セメント不足の場合の公共事業というのが非常に大きな影響をことしは及ぼしたわけでございます。したがって、この辺の資材、労力、こういう面の配慮というのを、特に来年度の予算、特に公共事業については御検討をいただきたいと思います。 そこで、私は社会保障の問題について一言申し上げたいのであります。 こういう非常に窮屈な予算編成の時代であっても、社会保障だけは確保していかなければいけないという基本的な姿勢は、まさにおっしゃるとおりでありますけれども、わが国の社会保障というのが、どちらかというと、体系はもう欧米並みに整っておりますけれども、まあその年限が浅いというようないろいろなことがございまして、どちらかというと、グランドデザインがなくて、ずっとだんだん積み上げていったという感じがいたすわけでございます。したがって、全体の中で社会保障をどう位置づけるのか。物価が上がってしまうと社会保障というのは吹き飛んでしまいます。幾ら社会保障と称するものが充実しても、住宅問題が解決しなければ、これは真の意味の社会保障にはならない。生活環境、教育訓練、雇用、税制、こういういろいろな問題の中で社会保障をどう位置づけるのか。また、いかに国や公共団体が努力をいたしましても、やはり企業が社会的責任を痛感して、いかに社会に貢献するかということを考えなければ、この社会保障も十分な力を発揮することができない。社会連帯の思想、また、地域社会において、それぞれ離島、僻地、あるいは東京と九州ではいろいろな事情が違う。そういう全国平均で考えられる社会保障と、それぞれの地域の実態に即した社会保障というのでは、非常に大きな相違があるわけです。幾ら全国的に医師が十万人に何人いるといいましても、離島、僻地には一人のお医者さんもいない。医療を受けるチャンスがない。そういうことを考えてまいりますと、やはり社会保障全体をこういう際に十分見直してみる必要がある。そして何が現在の段階において一番大切であるかということをひとつ考える必要があると思いますけれども、この点についていかがお考えでしょうか。
○齋藤国務大臣 私の所管に関することだけについてお答えを申し上げますが、社会保障の大きな問題の一つは年金だと思います。この年金につきましては、先般の国会におきまして、御承知のような五万円水準年金というものを実現し、しかも、この年金制度についての非常な特徴は、物価スライド制を採用したということが大きな内容だと思います。この制度が、御承知のようにこの十一月一日から施行いたしたばかりでございまして、特に最近のような経済変動期におきましては、私どもはこの年金制度を盛り立てていくということに全力を尽くしてまいりたいと思います。 それと同時に、先ほど来もお話のありましたような、所得が少なくて、減税をかりにやりましても減税の恩恵を受けることのできないような人、あるいは賃上げということを期待することのできないような老人だとか、あるいは母子だとか、身体障害者だとか、そういったふうな方々の生活を守るために、今後ともきめのこまかい対策を行なってまいる、こういうふうにいたしたいと思います。 それから離島、それから無医村、こういったふうな問題についても御意見ございましたが、その地域地域に適した施策を行なっていく、こういうふうな方面で今後とも力をいたしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○倉成委員 次の問題に移らしていただきます。 地価抑制と住宅政策についてお伺いをいたしたいと思います。 やはりこの異常な物価高騰の中でわれわれが考えておかなければならないのは、その中で土地の問題をどう取り扱うかという問題であります。土地によって相当大きなキャピタルゲインを得た人々をどう扱うかという問題と同時に、やはり最近の地価の高騰は非常に著しく、このままでは庶民は住宅や宅地を取得するということがたいへん困難になっておるわけであります。もちろん、金融引き締めがございましてある程度の落ちつきを示しておるわけでありますけれども、しかし、ちょっと金融がゆるめばまた土地が上がってくるという可能性を持っておる。そういう中で、今日国総法の成立がおくれているというのは、まことにわれわれにとっては遺憾千万のことでありますけれども、現状において地価抑制について、特に住宅確保というようなことを考えてまいりますと、一日も猶予を許さないと思うのでありますけれども、総理、この問題についていろいろ御検討いただいておる模様でありますので、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○田中内閣総理大臣 地価抑制が緊急の問題であるということは、もう事実でございます。地価抑制に対していろんな政策がとられてまいったわけでございますが、まあ地価は頭打ちになったというような気分だけでございまして、地価が下がるというような状態にまだなっておりません。まあしかし、もっと金融を引き締めるという状態を続けますれば、これは投げ出さなければならないという事態も必ずまいると思います。これは、先ほど金融の問題がございましたが、ことしの一月から十一月までの財政資金は二兆円ばかり揚げております。しかし、日銀信用の帳じりは三兆五千億になっておるわけでございますから、いずれにしても、金融が引き締め基調を堅持しなければならないということは事実なんです。これはこまかい数字を私持っておりますが、金はことしになって出たのではなくて、四十七年に出てしまったわけでございます。四十七年にうんと出たんです。ですから、ここでも御説明申し上げましたが、ピーク時における外為特会の払い超が七兆五千億をこしたときもあるわけでございますから、そのうち三兆円揚げたとしても、まだ四兆五千億がそのまま市中に散布されたままになっておる。これは数字に明らかでございます。ですから、身動きができないような状態にはなっておりますし、新しく買う力はない。話はかけておって手金は打っておりますが、あとはもう買えないということになっております。ゴルフ場などでも、三十六ホールのうちせめて九ホールだけ何とかしたい、しかし、もうあとの十八ホール分はどうにもならないということで、どんどんと契約破棄が行なわれておるというような事実がございますが、まだ現在の状態のままで続くとすれば、整理を行なうという段階にならなければ、これはどうしても土地が放出をされないということでございます。まあ私はそういうところまで金融は引き締め基調が堅持されていくと思います。 しかし、ここで二つだけ簡単に申し上げますと、やっぱり需要と供給の問題ですから、供給をふやさなければならないということが一つでございますから、国総法が必要であるということは、もう論をまちません。 もう一つだけ、私が長く述べておるんですが、このごろだんだんとそういう機運が出てまいりましたが、どこの国でもやっておりますように、土地の所有権までというのではなく、大都市においてはやはり土地の利用権ということが拡大をされなければならないということでございます。ですから、市街化区域内の農地ということよりも、現に一・七階平均でどうにもならない都心部分を特定街区に指定をして、これを二十メートルで制限をするのではなく、二十メートル以上というようなものに短い時間で改造をしなさい、そうすれば低利、長期の金を融資いたします、それから固定資産税は二十五年免税をします、しかも、それができなかったならば、国総公団か住宅公団で代執行いたしますと、こういうことをやらなければ、平面都市は幾ら広げようとしても、東京に職場を持つ人は、埼玉県はごめんでございます、千葉県はごめんでございますと、こういっておるのですから、結局、市街化地域の再利用、再開発ということをあわせて行なうということでございまして、これは国総法の最終段階においては、都市の特定街区の改良ということを修正案として出していただいてもけっこうだ、こう思っておるわけであります。
○倉成委員 非常に弾力的なお話がございました。ちょうど大蔵大臣が行政管理庁長官の時代に、一年間ばかりいろいろ土地問題について委員会で検討されまして、三大都市圏における地価の凍結、あるいは、さきに建設省で検討中と伝えられております高価譲渡所得税等の構想があるようでございまして、これらの興味深い案についてお伺いしたいのでありますけれども、時間がございませんので、将来に譲ることといたします。 賃金と物価の関係についてお尋ねをしたいと思います。 これまで、われわれは財政金融政策を通じ、その他の諸政策を通じまして議論してまいりましたのは、総需要の抑制政策であります。これはまことに、潜在供給力に対する有効需要の行き過ぎということを押える、そういう意味において、オーソドックスの経済政策としては正しいものであると思います。しかし、御案内のとおり、一九六七年から七〇年に至るイギリスの労働党のとってまいりました総需要抑制政策も、一九七〇年に至りまして、これはどうも総需要抑制政策ではなかなか物価の上昇を押えることはできないということを、イングランド銀行の総裁が演説をいたしました。そのように、総需要抑制政策についてはおのずから限界がある。どうしても、鶏と卵の議論は別といたしまして、賃金の大幅上昇というのが物価上昇の原因に働いておることは、否定できない事実であります。十月十九日の読売新聞の世論調査によりますと、物価と賃金をともに一定期間凍結する形の所得政策を日本でも導入することに賛成した者が、驚くなかれ、四三・三%、反対者の二二・三%をはるかに上回っております。いわゆる人気の悪い政策といわれておる所得政策に対して、このような結果が出たことは意外でありますけれども、アメリカにおいても所得政策の支持率は一ころ予想外に高く、USニューズ・アンド・ワールド・レポート誌によりますと、一九七一年八月に行なわれたニクソン政権のきびしい賃金、物価抑制政策の支持率は七五%であります。 このように所得政策の支持率が予想外に高いのは、所得政策に人気があるのではなくして、最近における物価の急騰がいかに国民の福祉を脅かしているかということを物語っておるのであります。私は、所得政策に踏み切る前に、政府の姿勢、企業の社会的責任、いろいろやるべきことがたくさんあると思います。これなくして賃金の問題に手を触れるということはまことに間違いであると思いますけれども、やはり今日の物価高を克服するためには、労使の賢明な話し合い、また、政府もガイドポストのようなものを提示して、このような形になればこのような経済の姿が出る、そういう議論の素材を提供するぐらいのことはやらなければ、今日の異常の物価高を克服することはできないと思うのでありますけれども、総理の所見を伺いたいと思います。
○田中内閣総理大臣 非常に重要な御発言だと思います。いままでのこの種の発言に対しては、賃金が上がるから物価が上がるんだということで、賃金と物価との悪循環ということでございました。しかし今度は、物価が上がるからインフレ手当を出しなさいという問題、まあ結果的には物価と賃金との悪循環という問題も、これはやはり国民的課題として十分検討していかなければならない問題でもあります。ただ、まっ先に取り上げるべき問題でないという御所論は、そのとおりであります。まず総需要の抑制とか、あらゆる面から手をつけてまいりまして、そうしてどうしても物価問題の中で避くことのできないものであるとしたならば、そのときに国民のコンセンサスを求めるということで、慎重な配慮をやらなければならない。これは、世界で最高の賃金水準ならば別でありますが、そうではない現在でありますので、理想に向かって一歩ずつ前進をしておるという状態においては、一番最後、慎重にすべきである。同時に、国民的コンセンサスは現在得られるような状態にない。まず政府から正してまいりましょう、こういうことを言っているわけでございます。
○倉成委員 十分御検討をいただくべき段階に来ているんじゃなかろうかと思いますので、問題提起だけにとどめておきたいと思います。 では、時間がなくなりましたので、最後の締めくくりをいたしたいと思いますが、いかなる政策も、国民の理解と支持がなければ、その効果をあげることはできないということを、総理は施政演説の中で述べられております。いわゆる国民との対話の問題であり、まさにそのとおりであると思います。私は率直に言って、国民の理解と協力を得るための努力が総理並びにその周辺において不十分であったということを指摘せざるを得ません。日本の今後の進路を一言にして言えば、平和と福祉に尽きよう。「人間は自然と切離しては生きていけない。」「心身をすり減らして働く国民のバイタリティーを取戻すためには、きれいな水と空気、緑にあふれた自然を破壊と汚染から守り、国民がいっでも美しい自然にふれられるように配慮することが緊急に必要である。」これはいずれも田中角榮著「日本列島改造論」の一節であります。 せっかくの総理の理想も、野党の宣伝により一般国民には誤って伝えられています。「日本列島改造論」の発表と同時に設けられた列島改造懇談会においても、九十人に及ぶ朝野の有識者がそれぞれ貴重な意見を寄せられました。しかるにかかわらず、私はここにこの資料を持ってきておるわけでありますけれども、その後これらの意見がどのように取り入れられ、どのように処理されたかということを聞いておりません。総理、私はここに考えなければならない問題があると思います。 すべての問題についても謙虚に耳を傾け、そのよいところは取り入れていくということが何よりも大切であります。しょせん、一人の力、一内閣の力には限りがあります。国民の心からなる協力と理解があって初めて大きな力を発揮することができます。今日ほど政治の役割りが国民に期待されておる日はありません。まさに新陣容を整えた田中内閣は、歴史的転換期を迎えた日本の運命を切り開くために、思いを新たにしてこの難局に対処せられんことを切望して、質問を終わります。
○荒舩委員長 これにて倉成君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 今日起こっておるいろいろな問題、どの一つ取り上げても、先ほどの倉成委員も言われたとおり、国民の信頼なりあるいは協力がなくては乗り切れない。したがって、私はそういう観点から、政治姿勢とのかかわりにおいて、今日的な課題になっておる諸問題のうち、具体的な問題を明らかにしながら政府の見解をお聞きしたい、このように思います。 そこで、まず冒頭に、去る二十七日に、この間の田中改造内閣の徳永運輸大臣、亀岡建設大臣に対して、この方々は旧職業軍人であるから、「内閣総理大臣その他の國務大臣は、文民でなければならない。」という憲法第六十六条第二項の規定に違反するため罷免せよという請願書が、田中総理大臣あてに出されておるという報道を見たわけであります。これは非常に重要な提起であろうと思います。本日もまた私の質問の経過の中で両大臣に質問しなければならない問題も起こるかもしれないし、内閣の構成に関する重要問題ですから、ひとつこの憲法六十六条二項のいわゆる文民規定について、田中総理大臣はどのような解釈を持っておられるか、そしてどのような解釈のもとにこの両大臣を任命されたのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○田中内閣総理大臣 内閣改造にあたりまして、亀岡、徳永両君を閣僚に起用したわけでございますが、憲法六十六条第二項に定める文民である、もちろん文民であるという認定のもとにこれを起用いたしたわけでございます。この憲法六十六条第二項の「文民でなければならない。」という規定は、武人に対するちょうど反対のもの、新しい憲法の精神を背景にして文民と規定したということでございます。これは当時の占領軍メモの中から、衆議院段階においてはなかったわけでございます。しかし、参議院段階においてあらためて占領軍のメモとして強く要請を受けて、参議院の段階でこれが挿入され、現憲法となったことは、御承知のとおりでございます。 そのときの事情から申しましても、当時日本には軍隊というものが存在しないのだから、武人というようなものと文民と区別をする必要は一体あるのかという素朴な議論に対して、考えられたものは、旧軍組織の中にあった職業軍人で、特に新憲法の精神に反するような思想の強い持ち主という、局限されたものを武人と、こう考える、それは将来ともそういうことがあってはならないというためにこの条項が挿入されたと、こう記憶をしておるわけでございます。 そういう意味で、亀岡、徳永両君はそういう思想の持ち主ではないということは、もう皆さんからも御理解をいただけると思いますし、かつての将官、第一線でもってみずから立案をし、作戦命令を発したような地位にあったわけではありませんし、私は、両君が、この六十六条第二項の文民というものの中で、当然この反対の武人の中に入るものなどとは考えておりません。そういう意味で、両君を閣僚に起用したことは、憲法の定めるところに従ったものだと、こう理解をしておるのであります。
○楢崎委員 いまの点について、総理は特にどなたかに諮問なり、お考えを聞かれましたか。
○田中内閣総理大臣 もちろん、法制局長官の意見もただし、いままで憲法制定から今日に至る間の事情を十分調査の上、お答えをしておるのであります。
○楢崎委員 私も過去の経緯は十分調べておりますから、それは省きます。ただし、私がなぜこの際この見解を明確にしなければならないか、その理由を申し上げておきます。 まず、いまおっしゃったとおり、当時は参議院はないのです、貴族院段階で修正案が出された。そのときの貴族院が出した最初の修正案ですね、貴族院に政府が出された修正案、この内容は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、武官の職歴を有しない者でなければならない。」となっておったのです。そしてこの「武官の職歴」というのは、兵役の義務の履行またはこれに準ずるような経歴を除いての、いわゆる職業軍人の経歴をさすものであったわけです。これは明確になっております。これに対して、いまおっしゃったとおり、貴族院は、シビリアンをそのとおり文民と、いまだかつてない日本語をそこに置いて改めたわけであります。しかし、それで貴族院が通ったとき、当時はそれを今度は枢密院にはからなければならなかった。枢密院に諮問されたときに、政府は、やはりこの審議に際しては、文民とは武官の職歴を有しない者の意味である、そしてこの語義の解釈は、将来問題となり得るであろうと、政府から説明を枢密院においてなされております。それがいわゆる一つの過去の事実であります。 次に、担当大臣でありました当時の金森国務大臣は、この六十六条第二項の文民規定について、このように答弁をされております。「この解釈は、将来国会、内閣、裁判所の判断にまかせる。「文民」であるならばその余地があると思う。」このように答弁をされております。 それから、過去の実例に照らしましても、昭和二十九年十二月、第一次鳩山内閣における野村吉三郎参議の起用の問題二番目に、翌年昭和三十年三月、同じように第二次鳩山内閣にあたって、再び鳩山総理は野村参議を起用されようとした。これは防衛庁長官であります。それから三番目は、昭和三十一年十二月、石橋内閣においても同じような提起が行なわれた。しかし、いずれの場合もやはり疑義があるということで、野村参議の入閣は実現しなかったわけであります。そして憲法上のこの解釈の疑義は全然今日まで解明されずに、依然として未解決のまま今日に至っておるのが実情であります。 ところが、今日、当時の憲法が夢想だにしなかった自衛隊が出現をいたしました。同時に、この自衛隊は違憲の存在であるという長沼判決も下された。そしてこのたび、亀岡、徳永両大臣が具体的問題として任命をされた。 こういう事態を受けて、私はこの際、やはり六十六条二項の文民の確定解釈を、金森国務大臣がおっしゃったとおり、内閣の意見は聞きましたが、国会においてもこの判断を下さなければならない。この憲法制定当時は、御承知のとおり軍人は存在しなかった。また、この憲法のもとで軍隊が設けられようなんということは夢想だにしなかった。こういう事実を受けまして、今日、自衛隊の出現を前にすれば、特にこれは明確にする必要がある。 したがって、いま文民でない者は何が考えられるか。三者あると思います。一つは、旧憲法時代の軍人、それから現在の自衛官、及び過去において自衛官であった者の三者であろうと思います。そうすると、今日の事態に合わせれば、私はこの文民の解釈は、現在軍人でない者、及びこれまで職業軍人の経歴を有しない者と解するが一番妥当である。この軍人というのは、もちろん職業軍人であります。 そこで、先ほど申し上げましたとおり、これは委員長にお願いをしたいのですが、内閣の構成にもかかわる問題であるし、われわれの先輩の国会議員が、あるいは大臣が、当然問題になるところである、したがって、将来国会、内閣、裁判所においてこれを判断を下さるべきであるという宿題を与えられておりますから、私はこの問題について各党にも意見があろうと思うので、早急に、この予算委員会の期間中に、しかるべき、これを徹底的に審議する機会をぜひ設けていただきたい。これが私の要求であります。理事会におはかりをいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○荒舩委員長 ただいま楢崎君の御発言でございますので、理事会において追って協議をいたす、こういうことをお約束申し上げます。よろしゅうございますか。
○楢崎委員 これについて一つだけお伺いをしておきますが、これは昭和四十年五月三十一日、当衆議院予算委員会で、わが党の石橋現書記長でございますが、石橋委員の質問に対して、当時の高辻法制局長官は、自衛隊の自衛官は職業軍人である、これは明確に答弁されました。そうしなければならぬ。 では、元自衛官はどうなりますか。それだけ聞いておきます。
○吉國政府委員 憲法第六十六条の第二項の文民の意味については、先ほど総理から答弁されたとおりだと思いますが、過去に自衛官であったとしても、現に国の防衛のための実力組織である自衛隊を離れておりまして自衛官の職務を行なわない者、元自衛官というものは、文民である。文民でないとはいえないと思います。つまり文民でございます、元自衛官は。
○楢崎委員 そうすると、たとえば——これはたとえばです。幕僚長を防衛庁長官にしたい、ぐあいが悪いからやめさせて任命することはできますか。
○荒舩委員長 はっきり答弁してください。聞いていてわからない。
○吉國政府委員 憲法上は可能であると思います。
○楢崎委員 これはたいへんな見解であると私は思う。あなたがそういう答弁であれば、あなたを罷免しなければならないようになりますよ。したがって、この問題も含めまして、先ほどの委員長の処理におまかせをしたい、このように思います。 次に、私は、石油問題がわが国の防衛計画なりあるいは兵器、装備計画にどのように影響を与えるか、これを、一つは予算削減方針と来年度防衛予算の関係において、次に、四次防はいままででいいのかどうか、こういう観点から質問いたしたいと思います。 ちょっと自治大臣に聞いておきます。 自治省は、各都道府県知事に対し、去る九月七日に、「財政の執行の繰り延べ及び建築投資の抑制について」という事務次官通達を出されましたね。これに続いて、十一月二十日に、「地方公共団体の事業執行の繰り延べについて」という財政局長の通達を出された。これは、「(1)昭和四十八年度地方債を財源に予定している事業のうち、十一月二十日現在において契約を終えていない、緊要性のうすい事業については、契約を見合わせること、(2)すでに地方債許可予定額通知ずみの事業でも、緊要性のうすい事業で未契約のものは、可能な限り自主的に四十九年度以降に契約を繰り延べること、(3)上記(1)の方針に反し、今後の許可予定額の通知をまたずに契約をすすめた場合は、当該契約にかかる事業について起債の許可はしない、」というきびしい要請をされておるわけです。十一月二十日に、いまの通達と同時に出された地方債課長の事務連絡によりますと、軍事基地対策事業は、この繰り延べ通達の対象から一括除外されておるそうであります。これは一体どういうことなのか。これは後ほども大蔵大臣が見えましたからお伺いしたいところですけれども、あとで自治大臣の見解も聞きたいと思います。こういう軍事優先の措置が許されていいのかどうか、あとで一緒にお伺いします。 大蔵大臣にお伺いしますが、来年度予算の伸び率は、大体大蔵大臣の頭の中ではどのくらいになっていましょうか。
○福田国務大臣 愛知大臣のときの流れがありまして、それが大体二三%昭和四十八年度に対して伸びる、こういうことでございますが、私はなるべく総ワクを縮小したい、こういう見地から、いま全部を見直しておる最中でありまして、幾らになるか、まだ見当はつきませんです。
○楢崎委員 その二三%より押えたいということは、事実でございましょうね。
○福田国務大臣 そのとおりでございます。
○楢崎委員 実は四十七年二月七日、国防会議、閣議決定「第四次防衛力整備五か年計画の大綱」この中に、一番最後の四項にあるのですけれども、「第四次防衛力整備五か年計画は、国の他の施策と調和して実施するものとし、各年度ごとの予算は、その時々の経済財政事情を勘案し、他の一般諸施策との均衡を考慮しつつ、これを決定する。」となっておるわけです。当然、いまの大蔵大臣のお考えを受けて、来年度の防衛予算もやはり抑制の対象にならざるを得ない、こう思いますが、どうでしょうか。
○福田国務大臣 そのとおりに心得ております。
○楢崎委員 防衛庁長官にお伺いしますが、もしそういう削減要請があったときに、やはり一番防衛予算で支出が大きいのは人件費であります。一応定員はきまっておる。しかし、予算定員はいつも低いわけですね。やはり定員問題に影響する。二番目に、いわゆる新装備、目玉商品といわれる、いま急に要らない高い兵器を買うわけですね、あるいは予定しているが、こういうものが対象にならざるを得ないと思いますが、どうでしょうか。
○山中国務大臣 人件費については、実人員を、自衛官といえども人の子でありますし、公務員でありますから、これを削減することはちょっと考えられませんけれども、増員その他については、当然検討の対象になるだろうと思いますし、また、正面装備等の問題等についても、いまお話のありましたような、目玉という表現が当たっているかどうか疑問でありますが、要するに大蔵省の総需要抑制の一環として、また最近の情勢としては直接に油の問題もありますし、それらの問題で、道路整備五カ年計画、あるいはまた港湾、漁港、治山治水、そういうような公共事業的なものの一般の大蔵省の編成方針をにらみながら、ただいまの閣議決定の末尾にある、そのときの経済情勢の変動を見てバランスを私どもも合わせていく立場にあると考えております。
○楢崎委員 新装備の場合は、どういうところを削減の対象に考えておられますか。
○山中国務大臣 これは私どもの場合においては、実際上、各幕において、あるいは統合幕僚会議において、当該年度を踏まえた上の業務計画その他をいろいろと練らなければなりませんから、したがって、現在の、まだ十二月の初めでありますから、この時点において、予算編成の前に、新装備についてどうするという見解をこの場においてお述べすることはできないと思いますが、予算が終わりました後の年明けの予算委員会においては、十分にお答えできると思います。
○楢崎委員 AEW、PXLに対する考えはどうですか。
○山中国務大臣 これは、御承知のように、国防会議において専門委員会をつくってありますから、この専門家会議において、外国の早期警戒機もしくはまた次期対潜哨戒機等についての調査を十分に終わりまして、国産かどうかも含めて慎重な検討が進められておりますので、直ちに来年度予算に響くものではありませんし、また、わがほうとしては、来年度予算に対してAEW、PXLについての予算要求はいたしておりません。
○楢崎委員 残しておりました基地交付金も含めて、何で自治省は、こういう状態のときに、この軍事基地対策事業だけ繰り延べの対象から除外されたのですか。何でこういう緊急性なり必要性というものが——こういう事態を目の前にしてなぜそれだけ例外にするのですか。それほど軍事優先しなければならない事態であるのかどうか、御見解をお伺いしたい。
○山中国務大臣 国の起債抑制措置対象は、すでに御指摘もございましたけれども、教育施設あるいは社会福祉施設等がございます。基地対策につきましては、御承知のように、これが存在することによりまして地域住民に重大な障害を与えておる。したがって、関係地域住民の生活を守ってまいりまするために、この事業は抑制する必要はない、かような判断に基づいた次第でございます。
○楢崎委員 いまの理由では、ほかの問題についてそれほど繰り延べを要請しておきながら、この基地関係だけ優先させるという理由はちっとも出てきませんよ。それではちっともわからない。そういうことではだめですよ。ほかのだっていろいろな点で必要なものありましょう。それでも繰り述べているのだから。何で基地関係だけそんなことするのですか。
○町村国務大臣 お答えします。 おそらく基地交付金のことであろうと思うのでありますが、申し上げるまでもなく、この基地交付金をつくりました趣旨というものは、この基地の存在によりまして地域住民が非常な障害を受けておる、したがって、これをこの際減額をするということは、地域住民の福祉を守っていくという上において適当でない、こう判断したからでございます。
○楢崎委員 防衛予算も削減の対象になると大蔵大臣は答弁されているのですよ。 大蔵大臣、どうでしょうかね、こういう自治省の特別優遇措置というのは、こういう事態においてどう考えられますか。
○荒舩委員長 ちょっと待ってください、大蔵大臣は。
○楢崎委員 大蔵大臣にちょっと見解を聞きたい。
○荒舩委員長 いいのですか、大蔵大臣。ちょっと違うような気かする。——町村自治大臣に先に聞きます。(「さっき聞いたのだよ」と呼ぶ者あり)わからないからまた聞くのだ。——松浦財政局長。(「財政局長になんか聞いていないよ」と呼ぶ者あり)委員長の権限だ。静かにしたまえ。
○松浦政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げました趣旨でございますが、今回の公共事業の繰り延べにつきましては、学校あるいは災害というような全然繰り延べをいたしておりませんものと、四%削減率のものと、八%削減率のものと、こういうふうに区分けをして国のほうで繰り延べを行なっております。民生安定のための基地対策事業費につきましては、四%削減という形で生活環境その他と一緒に処理をいたしておりますので、私どもといたしましては、八%の一番ひどい規制対象になっておりますものについて起債の抑制をいたしたい、こういう趣旨で通達を出したわけでございます。
○楢崎委員 一例をあげますと、たとえば問題の山梨県です。ここではいろいろ経過があったことは、ここではもう言いません。このいまの通達によって、甲府市立病院のお年寄りの病棟の増築事業、これは抑制される対象になる可能性があるのです。病院のお年寄りの病棟ですよ。それなのに、いいですか、この北富士演習場周辺の、青年の家とか、農業研修センターとか体育館、こういうものはどうして対象からはずすのですか。具体的なこういう問題が起こるのですよ。
○松浦政府委員 ただいま御指摘のございました病院のたぐいについては、起債の制限の対象と考えておりませんし、また、先ほど申し上げましたように、国の事業抑制の方向に沿って通達を出したわけでございまして、基地対策、民生安定という意味から、基地対策によりまするコミュニティーセンター、青年の家、こういったものについては、八%の削減でなくて四%の削減になっております。したがって、私どもといたしましても、これについては、それぞれ必要なものについては起債を認めよう、こういうことにいたしておるわけでございます。
○楢崎委員 私は、こういう際ですから、いわゆる緊急度と申しますか、そういうものをよく考えて、基地対策事業ははずすというようなことばやめてもらいたい。 それから、さらにお伺いをしておきますけれども、いまの石油問題とからんで、たとえば兵器産業、こういう工場に対する石油の供給なんかは、特にこの際その削減幅を大きくすべきである、これが国民の感情だと思うのです。通産大臣のお考えが聞きたい。
○中曽根国務大臣 これは一般の産業、いわゆる重化学工業と同じ並みに考えておりますけれども、もし電気やあるいは石油の消費が多量であるという場合には、多量の削減ということも考慮いたします。
○楢崎委員 あなたは いわゆる順序を考えるとかなんとか答弁されておりますが、そういう点も十分気を配らないと、やはり国民感情のほうから見ると、何をやっておるのだ、こうなるのじゃないかと思うのです。 それで、本格的な論議は、私は年明けの通常国会に譲りますけれども、いずれにしても、総理大臣に考えてもらいたいのは、四次防も含めて、こういう経済情勢であれば——防衛庁設置法の六十二条二項に、どういう事態のときに国防会議を開いてはからなければならないかということが書いてあります。私は、こういう事態を受けて国防会議を開いて、四次防ははたしてこれでいいのか、やれるのかということを検討してもらいたいと思うのです。どうでしょうか、総理大臣、国防会議議長として。
○田中内閣総理大臣 四十九年度予算編成に際しましては、現下の情勢に対応できるように厳粛な気持ちで予算編成に当たります。この中で防衛庁予算がどう位置するかという問題は当然検討され、最終的に決定をされるわけでございますが、四次防というものは必要最小限のものとして決定をしたわけでございまして、今日、単年度の四十九年度予算編成の過程において、四次防そのものの再検討を含めての会議を開いたりする必要は全くないという感じでございます。
○楢崎委員 いまも、繰り延べなくてはいかぬとおっしゃっているのですよ。先ほど申し上げた四次防計画大綱の中にそうなっておる。そうすると、石油問題もこれあり——石油問題の先行きがとうなるかということは、神さまでなくてはわからぬと通産大臣は言っておるのでしょう。この四次防はいつまでですか。五十一年まででしょう。だから、そういう問題も含めて、四次防は——いいですか、石油問題もある、総需要抑制の点からも、それから人員の点からもありましょう。防衛庁長官、もう募集しようと思ってもできないわけでしょう。何ですか、大館市の自衛隊秋田地方連絡部大館出張所では、入隊しなければただではおかないと募集員が少年を脅迫してまで書かしておるのですよ。それで受験は、ちゃんと手伝いして答案まで書いている。ここまでしなければならないように、人員の面からもすでに限界にきている。あわせて、先ほど申し上げたとおり、石油問題あるいは総需要抑制の観点から、当然これは六十二条二項の「計画に関連する産業等の調整」それが必要になったときは、国防会議にはからなければならないと書いてあるのですが、これに私は該当すると思う。その結論がどうなるかはわかりませんよ。それはわれわれも注文があるけれども、少なくともこの際、国防会議を開いて四次防を見直す、最低これぐらいしないと、私は、われわれとの最低の、共通の土俵ができないと思う、審議するにしても。それだけはひとつ考えて下さい。——総理大臣です、国防会議の議長ですから。
○田中内閣総理大臣 御承知のとおり、四十七年、四十八年、まだ二年ということでございます。四十八年もまだ第三・四半期中でございますし、これから四十九年度の予算編成作業を進めるわけでございますが、この四十九年度の予算編成は、現下の情勢に適応した予算を編成いたします、その中に防衛庁関係費というものがどう位置するかということに対しては、慎重に予算編成の過程で対処してまいります、こう申し上げておるわけであります。まだ四十九年、五十年とあるわけでございまして、これらの問題を、いま国防会議を開いて再検討を含めて議題にするというときではないし、いまその考えを持っておりません。
○楢崎委員 あなたは、もう少し野党が真剣に言っていることに耳を傾けたらどうですか。国防会議を開いてどれだけの損がありますか。それくらい、ひとつそんなに言うなら検討してみよう——検討した結果は、やっぱりということになるかもしれない、それは。それくらい耳を傾けられないと、防衛問題に対する共通の広場はできませんよ。実に残念に思う。 で、ちょっと聞いておきますけれども、通産大臣、自衛隊に対する石油の供給、あるいは在日米軍に対する石油の供給に対してはどのようにお考えですか。
○中曽根国務大臣 自衛隊並びに防衛庁に対しては、一般官庁並みの節減を要請し、実行しております。自衛隊の中でも、スクランブルのように、領空侵犯に対抗するための措置のようなものは、あれはやはり緊急なものでありまして、やはり重要視していかなければならぬと思いますし、そういう練度も落としてはならぬと思います。しかし、一般の庁費、あるいは部隊におきましても管理事務、そういうようなものにつきましては、一般官庁並みにやってもらっております。 それから米軍に対しましては、先般キッシンジャー氏の来日の際に、総理大臣より、また外務大臣よりも、私からも、その点について日本の石油の現況を説明して、米国方の協力を強く要請いたしました。キッシンジャー氏は、とくと考えて善処いたしましょう、そういうことで、いま自発的に向こうは削減使用しております。
○楢崎委員 どのくらい削減に協力しておるのですか。
○中曽根国務大臣 数量については、いま確定した数量を聞いておりませんが、日本側に準じてやっておると聞いております。
○楢崎委員 そうすると、米軍にどのくらい石油を供給しておるのですか、総額、総量は。
○中曽根国務大臣 大体見当はついておりますけれども、ここで正確な数字を申し上げるほど自信のある数字をまだ持っておりません。
○楢崎委員 それでは、自信のある数字を、ひとつ私の質問の終るまでに確かめておいてください。
○大河原(良)政府委員 在日米軍が日本で調達いたしました石油製品の数量は、四十七年度につきましては三十八万キロリットル、ことしの一月から八月まで合計五十五万キロリットルでございます。
○楢崎委員 そのほかに、米軍はいわゆる自国から持ってくる分もあろうと思う。総額、米軍が使っているのは大体どれくらいだと推定されておりますか、防衛庁長官。
○山中国務大臣 なかなかこの推定はむずかしいですけれども、まあ大体年間百万もしくは百十万キロリットル程度と見ております。
○楢崎委員 それはたいへん低い数字でありまして、二百万キロリットルは下らない。おそらく三百万キロリットルは使っていると思いますよ。だから、そのうちの——いまの答弁によれば、日本側のやっているものは三十数万キロリットルですから、だから私は、総額におけるパーセンテージから考えても、日本からの供給は中止すべきである、自分の国から持ってこれるのだから。どうでしょうか、中曽根大臣、やはりそのくらいやってみませんか。
○中曽根国務大臣 日米の安保条約というものもまた非常に重要な機能を果たしておるのでありまして、国の政策を総合的に見ますと、やはり日米関係の靱帯をある意味において固めておくということも非常に重要なことでありますので、まず米国の協力を要請して、そうして自発的な削減を日本に準じて行なうということが適当であると思います。
○楢崎委員 まあ私は結論だけ言っておきますけれども、一体、こういう二五%ぐらいの石油の供給削減でこんなにてんやわんやになっている。これを自衛艦が守れますか。守れましたか。飛行機が守れましたか。これはむしろ石油を食うほうですよ。だから、いまの事態、国を守るとは一体どういうことなのか、国民の命と暮らしを守るということは一体何なのかという原点に立ち返って考えるときがきたんですよね。むしろ、こういう事態を目の前にすれば、今日の憲法がこのような事態をこそ予見して、何よりも平和な外交、これを志向しているこの予見に、いまさらのように私は頭が下る思いがするんですよ。こういう本質論論議は、私は休会明けの通常国会に譲りたいと思います。 それで、いま問題を変えまして、総理大臣にお伺いしますが、あなたは、われわれ野党の、国総法はこの際撤回しなさいという要求に対して、あるいは、出すならば、いわゆる開発部分と土地規制部分を分けて出せば、協力の用意があるということも野党は意思表示しているはずですが、あなたは、それに対して、記者会見でございましたか、いや、それは分離すると、土地規制法の部分だけになると憲法違反になるとおっしゃいましたが、どこが憲法違反になるのですか。
○田中内閣総理大臣 私権を制限するという場合には、公共の使命というものを明確にしなければなりません。そうであることは私が申すまでもなく、私権制限ということはほんとうに局限さるべきものであるということは、東京国際空港があれだけ必要であっても、一坪地主というものは存在したわけでございますから、そういう意味からいっても、私権を守るということに対して、これはお互いにみなそういう考えでございます。しかし、私権を守るということであっても、公共のため、多数のためには私権は制限されることはやむ得ない、こういうことでございます。でありますから、道路であっても、同じ空港であっても、空港のどうしても必要な滑走路は収用できても、そうではない仮パイプラインに対しては、収用ではなく、話し合いで解決しなければならない。そのために二年間も開港がおくれてもやむを得ない。やはり守るべきはお互いに守っておるのであります。でありますから、国総法においては、少なくとも知事が指定をすれば、三年間移動は禁止されるわけであります。また開発も禁止をされます。同時に地価はそのままで凍結をされるわけであります。大きな私権制限であることは申すまでもありません。そうしなければ住宅用地や国民大多数のために土地を提供することはできない、こういうために国総法の審議をお願いしているわけであります。 先ほども申し述べましたように、それでは東京とか大阪の、現に人が住んでおる市街地などの高層化や住宅を与えることができないじゃないかということであれば、それも入れましょう。ですから、ダムでも、それから鉄道でも道路でも、厳密に規定をしなければ私権の制限はできないというところに——制限の部分だけを切り離して何にでもできるというような法制というものは、いまの憲法下では適当だとは思わない、ですから、具体的に事例をちゃんとはっきりして、そしてこの目的達成のために知事は特定地域に指定することができる、そうすれば、もうやむを得ず不服の者は買い取り請求権を行使することができるというふうになっておるのでありまして、あの法律はそんな無理な法律じゃありません。無理ではなく、私は、いままでの状態なら、野党側のみなさんから、これでは私権制限が大きいじゃないかというような異論が差しはさまれる程度まで相当踏み切っておる法律である、こういう考え方で、分離というのは不可能であって、審議の過程においては、特定地域を指定する場合には、もっと、用途とか、その計画とか、完全に限定しなければ、私権は制限をすべきではないという議論が起こるとは思っておりましたが、その規制の部分だけを分離せよという議論には、どうしても、どうも私はそれでいいという感じにはなれないわけであります。
○楢崎委員 いまのような答弁は、規制部分を離せばなぜ憲法違反になるかというその答弁にはなりませんよ。それは御承知のとおり、開発部分はアクセルの部分ですよ。規制の部分はブレーキの部分でしょう。車だって、アクセルとブレーキは同時に踏めないのですよ、これは。特にいまは、いわゆる坂道を下っておる状態だから、ここはひとつブレーキに主眼を置かなくちゃならない。だから、いまのような御見解であれば、土地規制部分を引き離して、全文でない、その趣旨を盛れば、憲法違反との関係は解決できる。その程度のことであればですよ。 〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 それは私は、分離ができない理由にはならないと思うのですよ。あなたは、どうしてもやはり開発部分にこだわっているから、そんな詭弁を弄するのです。だから、ここで与野党が一致する、野党の賛成している部分だけでもせめて手をつけたらどうですかということをわれわれは言っているのですよ。どうですか。
○田中内閣総理大臣 あれは、私は、野党の皆さんがずっといままで国会で御論議をし、発言されておったことのほとんどをあの法律案は盛っておると思っておるのです。現在、あの法律がなければ乱開発が行なわれるでしょう。それの規制ができないでしょう。ですから、知事はそれに対して三年間凍結することができる、これからの値上りというものを見越して買い込んだ業者の宅地でも何でも、思い切って知事が指定することができますと書いてあるのです。 ですから、普通なら、ただ知事の権限によって指定をするということはおかしいじゃないか、いままではそういう議論が大多数でありました。だから、私権を制限するときには、厳密に道路は幅員をちゃんと公示をして、そうしなければ収用の対象にはならない、こういったものを、今度は事実収用と同じように私権を制限するわけであります。収用はしませんが、収用と同じように、不服があれば買い取り請求権を行使する以外にない。このぐらい厳密な私権の制限を前提といたしてあるのでありますから、やはり私は、いわゆるその目標とするものを列挙して、そしてこれを前提とした用に供するために知事は特定地域に指定することができる、こうするのが車の両輪であって、これを切り離して、知事は指定ができるということ自体に問題があると私は思うんでして、そういうことになると、ほんとうに規制だけだというと、今度滑走路を延長するから、その前に何かあるから直ちに指定してしまうということが可能になるわけでありまして、私は、どうもそういう法制の立て方そのものに対しては、遺憾ながら首肯できない、こう申し上げておるのです。
○楢崎委員 あなたは、いかにそういうことを言われても、これは野党は納得できませんよ。新聞論調だって全部そうでしょう。もう少し耳を傾けられたらどうでしょうかね。いかにあなたがブルドーザーつきコンピューターだといわれても、ほんとうにたかだか、そろばんつきリヤカーぐらいでしかないということになるんですよ。 それで、私はこの深い議論の掘り下げというのは同僚議員に譲りますが、なぜわれわれがこういう開発部分を切り離しなさいと言っているか。いわゆる大型公共プロジェクトが具体的にはどういう形で進められておるのか。住民不在であって、利益だけを追っておる、その利益第一主義の企業ベースですべてこれらが進められておる。しかも、一方において土地の買い占めがあり、土地価格を上げている。私は具体的な例をあげてみたいと思うのですよ。そうすれば、われわれが反対している理由がわかると思う。 で、私はお聞きしますが、東京湾の横断道路の建設問題はどうなっておりますか。(発言する者あり)
○亀岡国務大臣 東京湾の横断道路については、かねて基礎的な調査を継続してきておるわけであります。 〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 東京湾岸道路は、地域住民の非常な支持を受けておるわけでございます。したがいまして、東京湾のこの横断道路につきましても、将来は建設をしていきたいという考えでおるわけでございますが、御承知のような情勢でございますし、経費も相当食うことでありますので、この横断道路そのものをどうするかということにつきましては、私としてはこれから慎重に考慮をしていきたい、こういう考えでおる次第でございます。
○楢崎委員 まあ、いまも声がありましたが、われわれとしては、あなたはまだ認知を受けてない。だから、声だけ聞いておきます。同級生ですから、声だけ聞いておきます。 これは御承知のとおり、総事業費五千三百億、官民共同出資による特殊法人として東京湾横断道路株式会社を設立する、そしてこの建設管理に当たらせる、四十九年度にはその会社法案をこの国会に出される予定である、そして会社を設立して、工事実施に必要な調査研究を開始することになっておったわけです。で、総事業費十二億が予定されておったはずです。このプロジェクトの官民の民のほうは、どういう会社が中心になるんですか。——こういうときこそ事務当局でいいです。
○荒舩委員長 指名をいたしましたから、亀岡君の答弁を許します。
○亀岡国務大臣 半分認知をいただきましたので、今度は大きな声で答弁いたします。 これは東京湾横断道路研究会というものが、今日まで十年近くいろいろ検討を加えてきておるわけでございます。そこで、この研究会がそのまま民間側の体制になって会社をつくる、こういうふうになっておるわけでございます。 それで、この研究会の会員を申し上げますと、新日本製鉄、日本鋼管と、それから日立製作あるいは川崎重工、三井銀行あるいは東京電力、日本興業銀行等も入っております。 以上でございます。
○楢崎委員 これは新日鉄と興銀が自民党の皆さんとお話をして、そして引き受けさせてくれというような経過があるのですよ。 で、いまお話しのあったとおり、新日鉄や興銀が中心になっている。大きなところは大体四社ですよ。このプロジェクトに関して、ジャパン・デベロップメントという会社が設立されている。これはどういう会社なんですか。目的、設立年月日、構成を明らかにしてもらいたい。
○亀岡国務大臣 ただいま申された会社は、私、レクチュアでは、いまのところ承知いたしておりません。聞いておりません。
○楢崎委員 新任ほやほやですから、やむを得ないでしょう。 それじゃ、私は、以下申し上げることを調査して報告をしてもらいたい。 いま申し上げたジャパン・デベロップメントという会社も、このプロジェクトに関してわざわざ設立されたわけです。そしてこれの主体も、まさにその道路研究会の主体である新日鉄、興銀が中心になっておる。そしてこの横断道路の乗り入れるところ、つまり、千葉県側の木更津市盤ノ津地域、それから君津市近郊地域、この地域を新日鉄の子会社である、ダミーである日鉄不動産、それから興銀の子会社である興和不動産、並びに新日鉄自体あるいは興銀自体が膨大な土地を買い占めておる。これはある時点における調査ですけれども、日鉄不動産が八十一万五千平方キロ、新日鉄が六万三千三百五十平方キロ、興和不動産が四万五千五百平方キロ、これはいままだ買い占めていると思うのです。 一体、こういう姿は何なのかと私は言いたいのですよ。いいですか。このプロジェクトの研究会をその企業がつくる、そして今度は政府の金も入れた会社をつくる、そして自分たちがその会社に横すべりする、そしてその道路の建設でまず利益をあげる。一方、乗り入れ地点のあれは、研究会の主体ですから、もうどの辺ということはわかっている。だから、あらかじめその土地を買っておく。私が言うとおりですよ。全く政官財癒着による住民不在の、もう企業ベース、利益第一のあり方じゃありませんか。 そして、これに対して私はさらに寒心にたえぬのは、稲山新日鉄社長がこういうことを言っているのですよ。もうけ仕事でなく、高い見地から社会開発に協力する。私は、何を言うかというのですよ。住民をこれほどばかにしたことがありますか。だから私は、石油問題にしてもそうですけれども、ほんとうに企業や業者は、この言動、これと一緒ですよ。口じゃうまいことを言って、陰じゃとにかく自分たちの利益だけあげていく。私はこういうプロジェクトは絶対にもとへ戻すべきである。これが姿ですよ、総理。いいですか。具体的な姿なんですよ、幾らきれいごとおっしゃっても。だから私は、ジャパン・デベロップメントという会社がどういう会社で、その関係企業がどういう買い占めをやっておるか、それを資料として出してもらいたい。これを要求しておきます。
○亀岡国務大臣 ただいまの資料、提出をいたします。 と同時に、一言申し上げておきたいわけでありますけれども、民間の力によって東京湾の開発を進めるということは、これは私は悪いことではないと思うわけであります。ただ、その開発を理由にして不当な利得をあげるということは、これは許されてはならないことでありますから、この点については、所管大臣としては厳重に関心を払っていきたい。しかも来年度の情勢を見ますとき、まだ調査も十分でございませんので、大型プロジェクトの一つとして、総需要抑制の立場からも、ただいまの御意向等も十分しんしゃくをいたしまして決断をしていきたい、このような考えでおる次第でございます。
○楢崎委員 いずれにしても、その資料が出てきた段階でこの問題はさらに追及をしてみたいと思います。で、これは一応保留しておきます。 そこで、私は、石油問題に入る前に、石油問題に対する政府の姿勢として二つの具体的な問題について政府の御見解をお伺いしてみたいわけです。 一つは、チュメニ油田に関する問題であります。このチュメニ油田開発交渉の進展のぐあいはいまどうなっておりますか。
○中曽根国務大臣 シベリアにおける石油等の天然資源開発に対してわが国の協力については、先般訪ソの際、総理とブレジネフ書記長、コスイギン首相との会談において、当事者間の話し合いを促進することで意見の一致を見ました。日本政府としては、各プロジェクトについて両当事者間が合意に達すれば、必要な信用供与等前向きに対処する方針であります。チュメニの開発につきましてもこうした方針で臨む所存でありまして、当事者間の話し合いが行なわれ、速急にまとまることを期待しているという状況であります。
○楢崎委員 そんな抽象的なことを私は聞きたいんじゃないですよ。いいですか。最初の開発プランは、これはソ連側からの内示で、対日原油供給量は、初年度年間二千五百万トン、ピーク時に四千万トン、それがことしの九月になって修正申し入れがあった。ピーク時でも二千五百万トンしか出されない。しかも、これは原油を全部日本に渡さずに、対日供給分のうち千二百万トンをナホトカに新設する製油所で精製し、そのうち六百万トンをソ連内需に向けて、残りを日本に輸出する、そういう構想に変わってきつつある。それが事実じゃないですか。だから、いま向こうとの交渉は進展してないでしょう。 それで、時間を省きますが、重要な問題であると思いますのでお伺いしておきますけれども、政府部内の意見は一致したというが、このパイプラインの厳寒地における地下埋没敷設の技術を持っておる企業は、日本ではどこですか。
○中曽根国務大臣 パイプラインの埋設の技術ですか。おっしゃった……。
○楢崎委員 厳寒地における、あの寒いところに……。
○中曽根国務大臣 その点は私まだよく知悉しておりません。たぶん日本では、たいへんな極寒な地でありますために非常にむずかしい技術であって、その点はいま関係者で検討しているんではないか、外国の技術を入れるか、あるいは日本の技術ではたしてできるかどうか、管自体は、日本のパイプは非常に耐寒性がある様子でありますけれども、埋設の技術については、検討しているんではないかと思います。
○楢崎委員 この点も、いまお聞きのとおりはっきりしない。保留しておきます。 そこで、この敷設技術を持っている国は、世界でも限られているんですね。限られているんです。総理が向こうへ行かれたとき、西ドイツで、西ドイツへ敷いてもいいとおっしゃったのは、私は理由があったろうと思うのです、この問題ともからんで。それで、政府部内の意見統一ができているというが、防衛庁は、このチュメニ油田開発についてどういう見解を持っておられますか。
○山中国務大臣 防衛庁としては、この問題にはタッチしておりませんし、相談も受けてはおりません。したがって、今後、いまおっしゃったように各種の難点があって、はたして日ソのみなのか、日米ソなのか、それらの問題もわかりませんし、われわれとしては、いまのところ所見を差し控えたいと思います。
○楢崎委員 外務大臣は防衛庁から、このチュメニ油田開発について、わが国の防衛にどういう影響があるかというような、いわゆる資料をもらわれた覚えはございませんか。
○大平国務大臣 そういう事実はございません。
○楢崎委員 それがあるんですね。昭和四十八年五月二十三日、防衛庁が外務省に提出した資料の一部を私は披露したいと思うのです。これは「チュメニ油田開発が我国の防衛に及ぼす影響」そうなっておる。この資料の存在を確かめたいのですが、どうですか。
○山中国務大臣 私の就任前のことでありますが、そのようなことを、統幕の内部において、一研究者の論文としてそれを印刷した事実がある。そのことが外務省に届けられているかどうかについては、私は知悉しておりません。
○楢崎委員 お聞きのとおり、大臣は知られないそうですから、どういういきさつになっておるか。これは外務省に提出されてあるはずです。それは私は調査してもらいたい。保留しておきます。 この論文の中には、驚くべきことがここに見解として出されておる。私はこれはたいへんな見解であると思うのです。たとえば、その三の「わが国の防衛に及ぼす影響」のところですよ。これの(1)のところの一番最後に、いまのようなプロジェクトが完成されると、「極東ソ連軍の後方支援能力がいちじるしく増大し、欧ソから支援を受けずに、極東の作戦を遂行しうるもめとなり、中国および日本に対する侵攻能力をいちじるしく増大するものとなります。」だから四として、「日本が開発に協力する場合の着意事項」で、条件を出してこれなら賛成すると書いてある。その条件は何かというと、まず日米が共同参加することである。その中に、なぜかというと、「ソ連は力を背景として対外政策を進める国であることを十分に認識し、軍事力が必ずしも十分でないわが国としては、一方的に協定を破って供給を停止し、あるいは価格を引上げるなどの行為をソ連が行ない得ないような油田の開発、クレジットの供与、オイルパイプの敷設、石油の供給各段階に軍事大国米国を引入れて日米共同参加とすることが必要であります。」それから二番目に、輸入量の限定もしなければならない。三番目に、侵攻能力の強化防止をしなければならない。そのためには、「ソ連軍の侵攻能力の強化を防止するため、オイルパイプを埋設せず、地表面に敷設し、中ソ国境から近いシベリヤ鉄道と平行に設置すれば、建設費も安く維持管理も容易で、しかも有事には脆弱なものとなるため、このような建設とすることが望まれます。」何ですか、これは。そして結論として、「ナホトカへのオイルパイプ敷設は行なわないことが最良であります。」 総理大臣、こういう見解を出しておるのです。私は、実に驚くべき見解であると思う。この思想は、全くソ連を仮想敵国、いわゆる敵視政策をあらわしておる。そしてこれは、いわゆるソ連に対する不信の表明である。このような思想が政府部内にある限り、総理がいかにきれいごとを言われても、信頼関係を基調とするこの種の対外経済協力が成立するわけがない。私は、その総理の御意見をお伺いし、この文書の対処のしかたを、これは明確にされたい。
○山中国務大臣 その文書は、防衛庁の権威ある資料でもなければ、私の決裁を経たものでもありませんし、内局との意見調整がなされたものでもありません。一研究者の立場において、そのようなテーマを中心に自分の考え方を述べたものである。 ところが、それが一部、前段と後半に分かれておりますが、前段は客観的な考察に終わって主観があまり入っておりませんが、それが限定部数でありましたけれども、印刷配付された雑誌の中に入っていた。そこで私の目にとまりましたから、直ちに後半について、このようなものは、個人の研究であっても、権威あるもののごとき発表をしてもらうことは非常に困る。したがって、研究については、各自の研究はいろいろな立場からなされたにしても、それはあくまでも所定の手続を経た上でもって、私の最終的な了解なしにそのような文書等がつくられることは禁止するということで、それは現在事実上消えております。
○楢崎委員 あなたは消したつもりであろうが、私はここであえて言いませんよ。どこでこれがつくられて、だれが中心になってつくったかは言いません。しかし、現にユニフォームにこういう思想が、いわゆる国家の予算で公然と研究をされておる、そしてそれが参考資料として外務省に渡されておる、こういう事実を私は看過するわけにいかないのですよ。これは、いまのような、ちょっと何か問題が起こると、それは一個人的な文書だとか研究論文とか、そういうことじゃ私は許されない。これは明確にひとつ措置をしてもらいたい。だれがどこでどういう形でつくったか。これも保留をしておきます。 次に、インドネシアの石油開発問題に触れてみたいと思う。そのうち、特にLNG開発援助の問題についてお伺いしたいのです。時間がありませんから、私は要点だけ申し上げておきます。 十一月三十日に両角通産省顧問とラジウス・インドネシア商業相が仮調印されたという新聞報道がありました。この合意議事録の内容を明らかにできますか。通産大臣、資料として本委員会に提出できますか。
○中曽根国務大臣 いわゆるレコード・オブ・ディスカッションというのができて、仮調印はしてありますが、それは先方の了承なしに、こちらで単独で出すことはできないと思います。
○楢崎委員 ことしの四月二十日に東京で、やはり両者によって覚書がかわされておる。このときの両角さんの資格は、田中総理の委任を受けて、中曽根大臣の代理の資格で署名されたといわれている。この覚書の内容が、今度仮調印された合意議事録の基礎になっている。それは間違いありませんか。
○中曽根国務大臣 いまのお話のときは、両角君はたしか事務次官でございまして、先方は、国立銀行の総裁か、あるいは商務大臣か、どちらかであったと思います。そういう意味において、両国政府の関係者が、日本に対してクリーンエネルギーを長期的、永続的に供給するという意味において話し合いをいたしました。そして大体の重要項目についていろいろ討議をいたしました。そういう事実はありますが、私の代理とか田中総理の委任とか、そういうことはなかったと思います。事務次官としての職責においてやったと思います。
○楢崎委員 かつて防衛庁長官の中曽根さん、例の久保・カーチス協定のときも問題になりましたが、あの久保・カーチス協定とこの覚書の性格はどう違いますか。
○中曽根国務大臣 久保・カーチス協定というのは、沖繩返還に伴う米軍の配置について話をしたものであって、かなり公的な要素を持っております。その協定に基づきまして、自衛隊の配置やら米軍の撤収とか、そういうことが行なわれたのでございます。しかし、両角君が次官としてやったものは、二人の間の大体の考えの一致点等をまとめたものでありまして、正式に国の記録として残っておるものではございません。しかし、久保・カーチス協定の場合には、国の記録として残っておるものであると思います。
○楢崎委員 あなたはそのようにおっしゃいますけれども、十一月の九日にも両角さんはまたラジウス氏と会って、そしてこの四月二十日覚書、これを基礎にして話をしておるのです。このときのおおよその了解点は、全く覚書のとおり。そして、外務省の経済協力局長御巫さんもラジウスさんと会ってますね。この四月二十日覚書は資料として出せますか。
○中曽根国務大臣 これは両者のメモという形でできたのでありまして、もし衆議院のほうで資料として御要求があれば、出してもいいと思います。
○楢崎委員 私はなぜそれを言うかというと、いま申し上げた十一月九日に両者がお会いになったときでも、この四月二十日覚書の内容を再確認されておるのですよ。そしてそういう積み上げの上に、今度両角さんが行かれて、十一月三十日に、いわゆる合意議事録に仮調印なさった。そして来年初めには、田中総理がいよいよ本調印をやる。これは私どもの予算委員会としても、石油問題と関連をしてその内容が知りたいところです。したがって、まず基礎になっておるこの覚書というものを資料として出していただきたい。さらに、仮調印された合意議事録も出していただきたい。再度御答弁をお願いします。
○中曽根国務大臣 両角次官がやりましたときのメモと、それから最近通産省顧問並びに外務省顧問のステータスで先方とやったレコード・オブ・ディスカッションの内容は、最近の石油価格の騰貴の情勢からかんがみまして、若干異なっております。それはやむを得ないところであります。しかし、大体毎年七百五十万トンのLNGをインドネシアが長期にわたって日本に供給する、これで非常に日本はエネルギー事情が助かるわけであります。そういう意味で私らは積極的にこの成果を評価しておるものでありまして、田中総理がインドネシアへ行かれれば、当然このことは議題にのぼり、両国の意思表示が正式になされる可能性があるのではないかと、私らは、エネルギーを担当しておる者として、それをこいねがっておるものでございます。 そういうような事情でございますが、いま申し上げました相手方との正式のレコード・オブ・ディスカッションは、相手方が承知しなければ出すわけにはまいりませんが、いまの前段階のメモにつきましては、当委員会の御要求があれば提出いたします。
○楢崎委員 ぜひ出していただきたいと思います。ぜひ出していただきたいと思います。覚書は出せるとおっしゃいましたから。いま通産大臣……。
○中曽根国務大臣 前のメモのほうも、やはりラジウスさん、相手の了解がないとむずかしいそうであります。でありまするから、やはりこれも相手の了解を得次第提出ということに訂正さしていただきます。
○楢崎委員 この覚書の内容について総理は御存じですか。
○田中内閣総理大臣 インドネシアの問題に対しては二件ございまして、一件は、御承知の二億ドル借款という問題を前提として長いことかかった問題でございますが、今日は、その結果百万トンずつ石油が入っておるということで、今日の段階では、非常に高く評価をされているわけであります。 第二の問題としては、LNG七百五十万トンないし一千万トン、まあ九百五十万トンという数字でございますが、これはヨーロッパ諸国、アメリカ、日本等、いろいろな問題で、これをだれが確保するかということで問題になっておったものでございます。ございますが、これを確保せざるを得ないという観点から、インドネシア政府の大統領の特使としてのラジウス氏と、こちらも国の代表ということのメモの交換ということでなければいけなかったわけでございますが、当時いろいろな事情がございまして日程がつかないというので、両角次官との間にメモの交換を行ないました。これでアメリカ側との分配問題等もありまして、これは全部アメリカのほうにいくのではないかということで、日本でも非常に心配をしておったわけでございますが、インドネシア政府の考え方としては、日本を主体にしてこれを輸出しよう、日米間の分配等に対しては日米間で十分相談をするということになっておるわけでございます。私が一月インドネシアを訪問するときまでにはもう少し詰めまして、このような石油事情でございますので、クリーンエネルギーとしての最低七百五十万トンというものの確保ということは何とか合意に達したいというのが、私のいまの希望でございます。
○楢崎委員 私は、こういう石油事情のときですから、この交渉自体を問題にしているのではないのですよ。誤解のないように。やり方を私は問題にしている。 それで、この覚書がかわされる二日前の四月十八日に、あなたはラジウスさんたちと官邸でお会いになりましたね。会われたはずです。だから内容を御存じのはずです。 この内容によると——間違っておったら間違っておると言って下さい。間違っておったら、本物を出さぬと私は承知しませんから。いま総理がおっしゃった、いわゆるLNG会社をつくるわけでしょう。それへの投資の割合が問題になった、いまおっしゃったとおり。四月二十日の段階で、プルタミナが七〇%、日本が二〇%、アメリカ一〇%とする。これはアメリカの了解を得ていないはずである。しかも、製品の全量を日本側に、新しく設立される輸入会社に販売するとなっておる。この点についても、全量日本に導入するということは、日米協調の本旨にもとるものであるということで、アメリカのほうとしても不満があるはずである。どうしてそういうアメリカの了解なしに、こういうパーセンテージがここでかわされたのか。それからさらに価格の問題ですが、日本におけるLNGのCIF価格は、一ドル三百八円を前提として、百万バーレル当たり九十五セントとする。ただし書きはついております。為替変動による価格調整はあり得る。 円がフロートになったのはいつですか、大蔵大臣。
○福田国務大臣 私ははっきり覚えておりません。たぶん二月だったと思います。
○楢崎委員 二月です。だから、この四月二十日の段階ではすでにフロートになっておる。この四月二十日の円相場はどうなっておるかというと、東京銀行対顧客外国為替相場によりますと、二百六十六円四十銭、現にそうなっておるのです。それを、わざわざここで三百八円を前提となぜされたのか。これが疑問の一つです。そうすると、当然実勢価格としては、これは三百八円を前提として九十五セントだから、二百六十六円にすれば、優に一ドル数セントになるはずである。しかも、まだ天然ガスも本格的に開発されておりませんよ。いわゆるアメリカのハーフィントン、それからモービルオイル、この二社がボーリングを入れていま開発中です。本格的には開発されていないのですよ。したがって、天然ガスのほうがまず幾らになるかということも未決定。しかも、これを液化するLNG製造工場の設備投資、またしたがって、LNG価格もわからぬはずです。すなわち、LNGのFOB価格、フレートも決定できていない段階ですよ。 このように、LNG原価が全く判明しないのに、LNGのCIF価格が決定されたということは、まことに不可解であります。まことに不可解である。そして、ここにただし書きで、為替変動による価格調整はあり得る。ただし書きをつけたことによって、これはよけいおかしくなっている。そういうただし書きをつけるのだったら、どうしてここで三百八円にしたのですか。二百六十六円にすべきてあろうと思います。——まあ待ってください。時間がないから一ぺんで言います。 しかも、四月二十日の段階でこのLNGの価格を一ドル以上にきめたということは——この段階において日本がLNGを入れてますね、アラスカ、ベネズエラ等から。この契約価格は、百万バーレル当たりCIFで幾らか聞かしてください。相当な差がある。
○中曽根国務大臣 調べてみますと、当時イランとLNGの輸入の話をやはりしておりまして、前年からやっておった。そのときの先方との価格が三百八円で、そのとき九十五セント百万BTU、そういうような相場になっておったそうです。それで、いろいろ円がフロートするという将来を考えてみて、九十五セントの場合は三百八円のレートでそれがちょうどつり合う、もし三百八円が移動ずる場合には九十五セントを上がったり下がったりする、そういうスタンダードをきめる意味で、イランと同じようなレートでこれがきまった、そういうように言っております。 それから、米国云々の話がございましたが、その後の話では、七百五十万トンは日本に全量供給する、そういうような話が、最近の両角君が行ったときの話ではきまりまして、たしか二十年間それだけ大量のものを供給するように話がついたということであります。
○楢崎委員 お答えがなかったのですけれども、現在日本が輸入しているLNGの百万バーレル当たりCIFの価格は、アラスカの場合は、七二年まで五十二セント、CIFでです。それから昨年五月からやっと百万バーレル当たり五十七セントになった。ブルネイの場合は、一次契約分が四十八セント、二次契約分が、上がって八十三セント。この段階で一ドルをこすなんということは考えられない。 そうすると、その価格の差額、よけい払い過ぎた分、これは、たとえば二十五セントに計算しても、七百五十万トンであれば、年間百五、六十億円になるのです。一体この金はどこへいくのですか。それほど高く買ってやってどこへいくのですか、こういう疑問が残るのです。そしてこういうところに、現実にとかくのうわさが出てくるのです。したがって、これは、来年早々総理も行かれることですから、予算にも関係することだし、審議に必要であるから、予算委員会に覚書とその合意議事録を資料として、ぜひ相手国の了解を得て出してもらいたい。これを要求しておきます。どうですか。
○中曽根国務大臣 LNGの輸入については、アラスカ、ブルネイあるいはアブダビ、それからインドネシア、サラワク、そういうような国々と話があって、すでに契約済みのものもあり、実施中のものもありますが、これらの値段は、大体そのときの相場によってやっているようですが、みんなエスカレーションがありまして、原油の価格が上がっていくに従って、LNGの値段もそのたびそのたびごとにネゴシエーションによって上げておるようです。したがって、アラスカの場合でもブルネイの場合でも、いまみんな原油の値上げと同時に上がってきておりまして、それが、いま日本のガスの値を上げているわけでもあります。 インドネシアの場合も、そういうような将来のエスカレーションということも考えて、為替変動やその他の場合も考えた用意が、いろいろな話し合いの中に行なわれたんだ、そう思います。その中には、不正や不実なことはありません。
○楢崎委員 この私が要求した覚書と、それから合意議事録の内容を、資料として当委員会に提出することについては、理事会でひとつお取り扱いをお願いします。
○中曽根国務大臣 先ほど来申し上げましたように、これは外国相手の話でありまして、その相手方の了承を得ないと出すことはできないということでございますから、一応了承を得る努力はしてみます。
○楢崎委員 これは審議について必要ですから、田中総理も来年行かれることで、晴れやかな気持ちで行ってもらいたいので、疑問を解かれる責任があると思うのです。ぜひ理事会で、提出されるようにひとつお取り計らいをお願いいたします。 そこで、しかもこれについて——ちょっと待ってください。これについてわざわざ輸入会社をつくるのです。ここもおかしいのです。トンネル会社でしょう。値段が高くなることはわかっておりますよ。それからさらに、これを今度リードしていくのに、このエネルギー・ポリシー・ボードですか、それをつくるんでしょう。しかもこれは財界だけです。石油問題もこの種の問題も、私に言わせれば、全く国民不在、全部財界ベースでやられておる、そういう印象をぬぐい切れない。だから、このポリシー・ボードなんかには、特にいわゆる国民の意見を代表し得るような人も構成員として入れるべきです。何もかも企業でやってしまう。どう思いますか。
○荒舩委員長 楢崎君に申し上げますが、ただいま要求の契約の文書というようなもの、これは対外的な問題もありますので、よく検討いたしまして、なるべく御趣旨に沿うように努力をいたします。
○田中内閣総理大臣 非常に重要な問題でありますから、この際申し上げておきたいと思いますのは、この問題は、世界的に話題になっておる問題であるということは、御承知のとおりでございます。もうすでにこの問題の当初は、アメリカのEXIMが三億ドルの供与をしての話でございまして、アメリカ側がこれを受け取るということにみんな見ておったわけでございます。しかし、あの当時国内においては公害問題が非常にたいへんでございまして、クリーンエネルギーとしてナフサをたかなければならないということで、ナフサをたいたり、LNGの輸入ということに対してはたいへんな状態にあったわけでございます。そういうときに、日本側に対してこのようなメモを交換してもらったということは、インドネシア政府の非常に大きな好意というもので、本件が、日本に七百五十万トン二十年間供給をせられるということになったわけでありまして、石油の状態がこのようになったことを思えば、やはりこの事実というものはよく認めていただきまして、こういうような論争が、インドネシア政府に不快の念を与えるようなことがあってはたいへんな問題であるということが、私が懸念をする問題でございます。 それで、新聞の報道するところでもおわかりだと思いますが、アメリカ側には相当な問題がいまあるわけであります。でございますので、両角特使が訪問した過程において、最終的にはインドネシア政府と日本とアメリカとの間に本件に対しては了解を求めるということでございますので、その間の事情というものに対しては、ひとつ誤解のないようにしていただきたい、こう思います。
○楢崎委員 そのためにも、さっきも申し上げたとおり、相手国の了解を得てぜひ資料として出してもらい、疑問を解明してこれは取りかかるべきである、そのように思いますから、重ねて取り扱いを理事会に一任をしたいと思います。 そこで、時間がもうほんとうに少なくなりましたが、中近東外交問題に触れてみたいと思うわけです。 それでその前に、例の六七年二四二決議ですね、これの正文は、英語になっておりますか、フランス語になっておりますか。
○田中(秀)政府委員 六七年の安保理事会決議二四二号、これは英文と仏文の正文がございます。
○楢崎委員 英文と仏文が正文ですね。両方とも正文ですか。ありますことは知っておりますよ。どっちが正文ですかと言っているのですよ。
○田中(秀)政府委員 両方が正文でございます。
○楢崎委員 英文と仏文で、重要な個所で違っておりますが、それはどうなっていますか。
○田中(秀)政府委員 決議の中に、イスラエル軍の撤退を求める個所がございますが、その場合、占領地という表現に、英文のほうは定冠詞がついておりませんで、フランス語のほうはついておるということでございます。
○楢崎委員 この違いについて、あなた方はどう認識されておりますか。
○田中(秀)政府委員 この決議は、いろいろな経過を経まして採択されたものでございますが、私の了解しておりますところでは、仏文のほうは、定冠詞を入れないと、フランス語として正確に表現ができないということで、定冠詞が入ったのだというふうに聞いております。
○楢崎委員 仏文のほうは、定冠詞を入れないと文章にならないから入れた。そうすると、むしろ正文に「ザ」がないことが非常に意味があることになるわけですね。そしてそれが現に問題になっていることも御承知のとおり。そして十一月二十二日官房長官談話、これは二四二号よりも親アラブ寄りになったといわれておるしろものであります。 で、この官房長官談話のうちの二のうちの(2)に、「一九六七年戦争の全占領地からのイスラエル兵力の撤退が行われること」この「全」というところにこれがかかわってくるわけであります。だからこそ、この二四二号では、その占領地域はあいまいになっている。しかし、それよりも進んだという官房長官談話は、これを明確にして「すべての」になっている。これはアラブ要求の個所と一緒です。そういうふうに、私はこの二四二号よりその官房長官談話の前進を評価しておるのですが、官房長官、どうでしょうか。
○大平国務大臣 仰せのとおりでございます。
○楢崎委員 そこで、時間がないようですから、まとめてお伺いしておきたいと思います。 問題のシナイ半島、これから撤退を要求されているわけです、イスラエルは。それからゴラン高原。そのシナイ半島のほうをイスラエルはすでに石油その他の開発を行なっている。これがイスラエルの石油需要の七五%なり一〇〇%を満たしている状態である。したがって、なかなかシナイ半島から撤退しにくいという事情がイスラエルにある。現実の問題条件としてはですね。 そこでお伺いしておきますが、イスラエルのシナイ半島におけるその石油開発、この鉱区権と申しますか、採掘権は、国際的にはどうなるのですか、大平外務大臣。
○大平国務大臣 日本政府の官房長官談話は、国連決議二四二号の解釈を明確にしたにすぎないのでございまして、そのあなたの言われる、占領地における占領者の権利に触れたものではございません。
○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。私が聞いていてよくわかりませんから、もう一ぺんひとつ大平外務大臣お願いします。何のことだかわからない。
○大平国務大臣 二四二号の、日本政府はこう解釈するということを明確にいたしたものでございます。すなわち、全占領地からイスラエルは撤退すべきであると日本政府は解釈するということを明確にしたものでございまして、現にイスラエルが占領しておる地域におけるイスラエルの権利がどうなるかということにつきまして、直接触れたものではないと申し上げたのでございます。
○楢崎委員 だから、日本政府としてはどう考えるかと具体的に私は出しているのですよ。鉱区権なり採掘権はどう日本政府としては考えられるかと。
○大平国務大臣 官房長官の談話は、われわれは今後事態の推移を注視していきたいということを述べておるわけでございまして、一番大事なことは、占領地からイスラエル軍が撤退するということ、それが平和解決への一番大事な骨子であると判断いたしておるわけでございまして、撤退されたあとどうするかということはそれからの問題でございまして、日本政府のいまの見解を問われるならば、今後の事態の推移を注視しておりますと答える以外にございません。
○楢崎委員 この種の問題は、当然ジュネーブ和平会議の問題になろうし、いずれ国連に持ち込まれると思うのですよ。だから、そのときそのときに、つまりその場しのぎ外交をあなた方はしていったことがいま問われておるのですよ。いまのような態度はどうせ問題になる。そしてあえて言えば、こういう問題に対する見解をきちんとしておかぬと、日本にもかかわりがあるのですよ。尖閣列島、これは石油の埋没ということが明らかになってきた。台湾は領有を表明しておる。もし台湾がかってに掘ったら、日本政府はどういう態度をとるかということにもかかわり合いがあるし、あるいは日韓の大陸だな問題にもかかわり合いがあるのですよ。だから、そのときの推移を見て結論を出すなんというような、そういうあなたの外交姿勢が問題を起こしている。あえて言えば、あのキッシンジャー構想でしょう。あれは軍事面が入っておったから日本政府は冷ややかであった。ところが、これを田中総理はヨーロッパへ行って持って回られた。これは先進工業国が一つのグループをつくる、そういう点では、つまりアラブのほうから見ればこれは反対ですよ。それを知っておるから、ヨーロッパ各国も冷たかったのでしょう。最初はキッシンジャー構想に批判をしながら、今度は訪欧のときには総理がそれを持って回る、そして帰ってきた記者会見で今度また態度を変えて、日本は当分これにかかわらないことにする、一転、二転、三転でしょう。そういういわゆる外交、つまり、その場限り、その場しのぎの場当たり的な外交、これが問題になっているんですよ。だからこれは明確にすべきである、このように思います。 次に、九月の非同盟諸国会議の宣言、特に経済宣言、これを日本政府はどのように評価をしておるか。これは私は重大であると思う。それは国連の資源に対する恒久主権の問題の決議も知っております。しかし、この非同盟諸国会議の経済宣言、これをどのように踏まえるか。日本にとって不利であるから、これをくずす方向で今後考えていくのか、あるいは、この宣言を、つまり資源は資源国の主権に属するというこの原則を踏まえて、その上に対策を考えていくか。これは重要な分かれ目である。しかも、三木副総理が行かれるのについて、こういう態度は明確にしておかないと、いずれ行かれて問われるのです。むしろ、石油問題の解決にしても、いわゆる非同盟諸国会議の経済宣言を踏まえて、その上に対策を立てていくというような方針でなくては、私は、三木さんは困られると思います。 いずれにいたしましても、私は、今後の中近東外交に対する日本の方針、あるいは今後の外交一般に対する方針としては、欧米中心のいままでの外交から、やっぱりこのAA会議中心の方向に転ぜざるを得ない、これが原則であろうと思う。今度の石油問題だって、それは南北問題ですよ、一般的に言えば。しかも、これは石油に限らず、今後、銅の問題あるいは木材の問題、こういう資源国が同盟機構をつくって、そして政治的な戦略武器として使う可能性が非常に多いのです。だから、こういう点に対して、やっぱり外交もその場限りでなしに考える必要がある。田中総理は、パンダからモナリザまで、呼び屋としての能力はたいへんですけれども、こういった問題を含めてほんとうにお考えにならぬと、この石油の問題一つとったって、見通しがないですよ。三木さんはたいへん困られると思う。いままで言ったことについて御見解を聞いて、一応、保留分は保留をして、終わりたいと思います。
○大平国務大臣 楢崎さんの所見は拝聴いたしましたが、いまあなたがあげられた問題につきまして、まだ世界のいずれの国も見解を表明いたしておると承知していないのでございまして、私といたしましては、先ほど申しましたように、今後の事態の推移を注視しながら、わが国の国益を踏まえて、慎重に対処さしていただきたいと考えます。
○楢崎委員 総理、一言だけお伺いしておきます。これはやっぱり私は三木さんにおってもらいたかったのですよ。野党も一生懸命——この問題になっておる、それで三木さんも行かれるのでしょう。たかが二、三分時間が過ぎたといって、私もやめると言っておるのだから、もう少しがまんしてくださいよ。私は、三木さんに対して建設的な意見を言いたい。いいですか、一つだけ聞いておきますよ。 この十八日ですか、ジュネーブの和平会議がありますね、この中近東の問題について。これに対して、日本政府として、正式にオブザーバーを派遣するお考えはないか、それだけ最後に総理大臣の御見解を聞いておきます。それぐらいの熱意を示さないとだめですよ。具体的な一つ一つですね。
○大平国務大臣 ただいまそういう考えは持っておりません。
○楢崎委員 問題になりませんよ。 これで保留しておきます。
○荒舩委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○荒舩委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりをいたします。 明七日及び明後八日、日本銀行総裁の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次回は、明七日午前十時より開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会