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72回国会衆議院1974/02/12

法務委員会 第3号

発言数
12
登壇者
4
会派数
1
開催日
1974/02/12

会議録

小平久雄自由民主党

○小平委員長 これより会議を開きます。  法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  この際、法務行政等の当面する諸問題について、中村法務大臣から説明を聴取いたします。中村法務大臣。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 委員各位におかれましては、平素から法務行政について格別の御理解と御尽力をくだされ、厚く御礼を申し上げます。  それでは、第七十二回国会における当委員会の御審議に先立ちまして、法務行政に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。  現下、わが国の社会情勢は、いわゆる石油危機をはじめ、諸物価の高騰、公害その他種々の深刻かつ重要な問題をかかえ、きわめてきびしい情勢下にあります。  このような情勢のもとにおいて、法秩序の維持と国民の権利の保全という法務行政に課せられた使命は、まことに重大というべく、私は、昨年十一月法務大臣に就任以来、常にこのことを念頭におき、所管する行政の各般にわたり、その適正な運用をはかってまいりましたが、今後とも、国民の期待に沿うよう法務行政の適正、迅速な処理に一そうの努力を傾注したいと存じております。  以下、私の考えております重点施策につき申し上げます。  まず第一は、治安の維持についてであります。  申すまでもなく、民主主義を維持し、平穏な国民生活を確保するためには、その根底をなす法秩序がゆるぎなく確立、維持されていることが、何よりも肝要であります。  ところで、当面の治安情勢を見ますに、わが国における刑法犯の発生状況、ことに大都市における犯罪情勢は、諸外国に比して、すぐれて安定しているといわれているのでありますが、社会情勢の急激な進展等に伴い、各種の経済関係事犯や企業活動に伴う公害事犯等、新たな形態の事犯の発生を見ておりますし、一般犯罪につきましても、犯罪の内容が従来よりも一段と複雑多様化の様相を呈しており、今後の犯罪情勢は、必ずしも楽観を許さないものがあると考えられるのであります。また、いわゆる過激派集団は、派閥間で殺伐な抗争を繰り返し、勢力の伸長を競っており、機を見てはハイジャックやテロ行為、さらには集団的暴力行動に出るおそれも少なくなく、その動向には、引き続き警戒を要するものがあると考えられるのであります。  私は、このような諸情勢に対処するため、検察その他関係機関の整備、充実をはかる等して、執務の効率的な運営につとめてまいる所存であります。また、不法事犯に対しましては、厳正な態度のもと、適正、迅速に刑罰法令を適用することにつとめ、これら犯罪の根絶をはかり、もって、治安の維持、確保に遺憾なきを期する所存であります。  第二は、民事行政事務の充実、強化についてであります。  登記その他の民事行政事務は、最近における社会、経済の著しい進展に伴い、その事務量は年々増加の一途をたどり、また、その内容も複雑多様化しているのが実情でありますが、これら民事行政事務は、国民生活に直接関係を持ち、その事務処理のあり方は、国民の権利、利益の保全等に影響するところがはなはだ大でありますので、今後とも引き続き、職員の増員をはじめとして、関係法規の整備、組織、機構の合理化、事務の機械化等をはかり、その需要に即応した事務処理体制の充実につとめたいと考えております。  特に、登記所の適正配置につきましては、一昨年の民事行政審議会の答申の趣旨を踏まえ、目下、小規模庁を中心とした整理統合を実施中でありますが、今後とも整理統合対象庁につきましては、地元住民の理解と協力を求めながら、円滑な実施を進め、登記行政の一そうのサービス向上につとめる所存であります。  さらに、人権の擁護につきましては、昨年十の地方法務局を選び、それぞれの管内に、町程度の生活圏を単位とする人権モデル地区を設定し、特に力を注いで人権思想の啓発活動を展開してきたのでありますが、さらに、今後おおよそ四年間に、すべての法務局、地方法務局管内に、この人権モデル地区を設け、人権思想の一そうの啓発活動を行なう所存であります。  第三は、少年非行者及び犯罪者に対する矯正及び更生保護の充実についてであります。  少年非行者や犯罪者の改善更生につきましては、少年院、刑務所等の矯正施設における施設内処遇と、保護観察等実社会における社会内処遇を充実強化するとともに、これら相互間の連携を密にすることが肝要であると考えます。  そのためには、個々の犯罪者等の特性に最も適合した処遇方法を講ずるための分類処遇及び矯正医療の充実と、社会復帰に役立つ職業訓練、刑務作業の再開発、教科教育の拡充等をはかる必要があり、また、保護司など民間篤志家による更生保護活動の充実を促進し、これら民間協力者と保護観察官の連携を一そう密にして、犯罪者等の社会復帰を容易ならしめることが必要であると考えております。  第四は、出入国管理行政の充実についてであります。  近時、わが国の出入国状況につきましては、国際交流の活発化、輸送手段の大量化に伴い、出入国者はますます増加の一途をたどり、その結果、出入国及び在留管理に関する事務は、いよいよ複雑、困難の度を加えてきております。そこで、このような情勢に対応した出入国管理制度を確立するため、過去数回にわたり、出入国法案を提出したのでありますが、遺憾ながら御賛同を得られず、いずれも未成立に終わった次第であります。  かかる事情を踏まえて、出入国法案の内容につきまして、各方面の意見を承り、御賛同を得て、すみやかに成立を見るよう法案の検討を重ねるとともに、現行制度のもとで、できる限り業務の合理化をはかり、機動力を充実させるなどして、出入国手続の適正、迅速な処理につとめ、出入国管理行政に遺憾なきを期してまいりたいと存じます。  また、いわゆる未承認国との人の交流につきましては、国際情勢の推移を踏まえ、国益を十分考慮しながら、適切、妥当な措置を講じてまいる考えであります。  最後に法務省施設の整備改善についてであります。  法務省の施設につきましては、その組織の複雑性及び機能の特殊性から、他省庁に比してその庁数はきわめて多く、現在、二千九百余を数える実情にあります。しかも、このうちの約五〇%は、依然として未整備庁であります。このような実情から、法務省といたしましては、毎年度施設整備の予算を計上して、その整備改善をはかっておるところでありますが、昭和四十九年度におきましても老朽、狭隘度が特にはなはだしい施設や、民間、地方公共団体等から返還あるいは移転要請を受けている施設を重点的に取り上げ、その整備改善を実施してまいる所存であります。  なお、私は、現下の社会情勢にかんがみ、経済秩序を乱す企業の悪質な違法行為に対しましては、現行の各種法規を活用して、その効果的な取り締まりをはかり、秩序の確立を期したいと考えているのでありますが、これに関連いたしまして、さきの国会において継続審査に付され、本国会において引き続き御審議を願うことに相なっております商法の一部を改正する法律案外二法案の審議につきまして、格別の御理解をいただきたいと存じます。同法案では、監査制度を改善し、会社の不正な経理、違法な業務行為に対する監視を強化し、株式会社の運営の適正化をはかることを重点の一つといたしており、現下の社会経済情勢にかんがみますとき、この改正法案は時宜を得たものであると考えております。何とぞ、立法の趣旨について十分な御理解を賜わり、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  以上、法務行政の当面の諸施策について所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力により、その実をあげることができますよう、一そうの御支援、御鞭撻を切にお願い申し上げる次第であります。     —————————————

小平久雄自由民主党

○小平委員長 この際、高橋法務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。高橋法務政務次官。

高橋文五郎自由民主党法務政務次官

○高橋(文)政府委員 一言ごあいさつを申し上げます。  先般法務政務次官を拝命いたしました高橋文五郎でございます。一身上の都合でごあいさつがおくれ、恐縮に存じております。  私は法務行政につきましては全く未経験でございますが、中村法務大臣のもと、全力を尽くして国民の期待する法務行政の推進に努力してまいりたいと存じます。どうかよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 なお、昭和四十九年度法務省関係予算及び昭和四十九年度裁判所関係予算の説明聴取につきましては、関係資料をお手元に配付してありますので、これをもって御了承を願います。      ————◇—————

小平久雄自由民主党

○小平委員長 次に、内閣提出、民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案並びに裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。中村法務大臣。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、最近において民事及び家事の調停事件が複雑多様化している実情にかんがみ、調停制度の充実強化をはかるため、調停委員の制度及び調停の手続について緊急に必要とする改正を行なおうとするものであり、その内容は、次のとおりであります。  第一は、民事調停委員及び家事調停委員の制度を新設することであります。  従来、調停委員は、地方裁判所または家庭裁判所が毎年あらかじめ選任する調停委員となるべき者、すなわちいわゆる調停委員候補者等の中から各事件ごとに指定されたものであり、この場合、その事件を処理する限りで非常勤の裁判所職員となると解されておりましたが、手当の支給は受けておりませんでした。今回、このいわゆる調停委員候補者等の制度を改め、新たに、当初から非常勤の裁判所職員である民事調停委員及び家事調停委員の制度を設け、その職務内容を定めるとともに、その地位及び職務内容にふさわしい手当を支給することができることとしております。  第二は、民事調停の手続について、その規定を整備することであります。  まず、当事者間の合意を前堤とする紛争解決の手続を整備するため、従来、商事調停事件及び鉱害調停事件についての特則であった当事者間の合意により調停委員会の定める調停条項をもって調停が成立したものとみなす制度に関する規定を民事調停事件全般にも適用される通則規定に改めることとしております。  さらに、被害者の救済等をはかるため、交通調停事件及び公害等調停事件の管轄の特則を設け、従来の管轄裁判所のほか、交通調停事件については損害賠償を請求する者の住所または居所の所在地を管轄する簡易裁判所に、また、公害等調停事件については損害の発生地または損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所に、それぞれ土地管轄を認めることとしております。  第三は、家事調停の手続について、その規定を整備することであります。  当事者が各地に散在することが通常予想される遺産分割調停事件について、調停の成立を容易にするため、遠隔地に居住する等の理由により出頭することが困難であると認められる当事者が、あらかじめ調停委員会または家庭裁判所から堤示された調停条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が期日に出頭して当該調停条項案を受諾したときは、当事者間に合意が成立したものとみなすこととしております。  以上が民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願いいたします。  次に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、下級裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。  第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、高等裁判所における刑事長期未済事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補の員数を二人増加し、また、簡易裁判所における道路交通法違反事件の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事の員数を三人増加しようとするものであります。  第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数の増加であります。これは、下級裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のため、裁判所書記官について六人、家庭裁判所調査官について五人を増員するほか、裁判所事務官については、事務の簡素化、能率化に伴う六十八人の減員を差し引いてなお十四人を増員し、以上これらの職員を通じてその員数を合計二十五人増加しようとするものであります。  以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願いいたします。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 引き続き、民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案について、補足説明を聴取いたします。勝見司法法制調査部長。

勝見嘉美法務大臣官房司法法制調査部長

○勝見説明員 民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案について、補足して御説明いたします。  わが国の調停制度は、大正十一年の借地借家調停法の制定以来、逐次整備され、今日まで五十年余の間広く国民に利用されてきたところでありますが、最近における社会情勢の著しい変動、ことに、科学技術の進歩、経済規模の拡大、社会生活の変化、国民の権利意識の向上等に伴い、調停の場にあらわれる民事及び家事の紛争は、ますます複雑化するとともに、交通事故、公害等にかかる新しい類型の紛争が加わって一そう多様化しており、その処理はいよいよ困難なものとなっております。そこで、このような実情にかんがみ、民事及び家事の調停制度を国民の期待に沿い得るよう充実強化しようとするのが、今回の法改正の目的であります。  ところで、この法律案の本則は、二カ条からなっておりまして、第一条は民事調停法の一部改正、第二条は家事審判法の一部改正であり、いずれも調停委員の制度及び調停の手続についての改正を内容とするものであります。  第一条の民事調停法の一部改正から御説明いたします。  まず、調停委員の制度に関する改正であります。  第一点は、現行法第六条についてでありまして、同条では、調停委員会は、調停主任一人及び調停委員二人以上で組織することとされておりますが、今回、新たに民事調停委員の制度を設けるのに伴い、調停委員会は、調停主任一人及び民事調停委員二人以上で組織することとしております。  第二点は、現行法の第七条第二項及び第三項についてでありまして、同条第二項に規定されているいわゆる調停委員候補者及び当事者の合意に基づく調停委員並びに同条第三項に規定されているいわゆる臨時調停委員の各制度を廃止するとともに、調停委員会を組織する民事調停委員は、裁判所すなわち受調停裁判所が各事件について指定することとしております。  第三点は、現行法第八条に規定されているいわゆる調停補助者の制度を廃止して、新たに同条として民事調停委員の職務内容及び身分に関する規定を設けることであります。すなわち、同条第一項において、民事調停委員は、調停委員会を組織して調停に関与するほか、裁判所すなわち受調停裁判所の命を受けて、調停委員会の構成員として関与する以外の調停事件について専門的な知識経験に基づく意見を述べ、また、裁判所すなわち受託裁判所の命を受けて、嘱託にかかる紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行ない、その他調停事件を処理するために必要な最高裁判所の定める事務を行なうものと規定し、同条第二項において、民事調停委員は非常勤の裁判所職員として身分を明確にするとともに、裁判所法第六十四条が裁判官以外の裁判所職員の任免は、最高裁判所の定めるところによりこれを行なう旨定めている規定の趣旨等にかんがみ、民事調停委員の任命資格、任免権者など任免に関して必要な事項は、最高裁判所が定めることとしております。  第四点は、現行法第九条を改め、民事調停委員には、別に法律で定めるところにより、すなわち、裁判所職員臨時措置法によって準用される非常勤職員の給与に関する規定である一般職の職員の給与に関する法律第二十二条第一項の規定により手当を支給することとし、あわせて最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給することとしております。  次に、民事調停の手続に関する改正であります。  第一点は、現行法の第二章特則第三節の商事調停において規定され、回章第四節の鉱害調停において準用されている調停委員会の定める調停条項に関する第三十一条の規定を民事調停事件全般についての通則規定に改めることであります。これは、さきに御説明しましたとおり、交通事故、公害等にかかる新しい類型の調停事件が増加していること等にかんがみ、当事者間の合意を前提とする紛争解決の手続を整備する必要があるからであります。すなわち、すべての民事調停において、当事者間に合意が成立する見込みがない場合または成立した合意が相当でないと認められる場合で、当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の書面による合意があるときは、調停委員会は、申し立てにより、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができるものとし、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとみなすこととしております。その要件及び効果は、いずれも現行法第三十一条に規定されているものと全く同一であります。  第二点は、最近激増している交通調停について、新たに第二章第三節として交通調停の節を設け、第三十一条として交通調停事件の土地管轄の特則を設けることであります。すなわち、自動車の運行によって人の生命または身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、被害者の簡便な救済をはかるため、現行法第三条に規定する相手方の住所等の所在地を管轄する簡易裁判所または当事者が合意で定める地方裁判所もしくは簡易裁判所の管轄のほか、損害賠償を請求する者すなわち被害者の住所または居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とすることとしております。  第三点は、新たに第二章第五節として公害等調停の節を設け、第三十三条の二として公害等調停事件の土地管轄の特則を設けることであります。すなわち、最近、問題となっている公害または日照、通風等の生活上の利益の侵害により生ずる被害にかかる紛争に関する調停事件は、紛争の適切な処理及び被害者の簡便な救済をはかるため、さきに御説明しました現行法第三条に規定する裁判所の管轄のほか、損害の発生地または損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所の管轄とすることとしております。  以上のほか、現行法中、調停にかわる決定に関する第十七条、第三章罰則中の第三十七条及び第三十八条その他について所要の整理をしております。  次に、第二条の家事審判法の一部改正について御説明いたします。  まず、調停委員の制度に関する改正でありますが、この点については、民事調停法の一部改正について御説明しましたところと全く趣旨を同じくしております。  すなわち、第一点は、現行法の第三条第二項及び第二十二条第一項についてでありまして、今回、新たに家事調停委員の制度を設けるのに件い、調停委員会は、家事審判官一人及び家事調停委員二人以上で組織することとしております。  第二点は、現行法の第二十二条第二項及び第三項についてでありまして、同条第二項に規定されているいわゆる調停委員候補者及び当事者の合意に基づく調停委員並びに同条第三項に規定されているいわゆる臨時調停委員の各制度を廃止するとともに、調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所すなわち受調停裁判所が各事件について指定することとしております。  第三点は、新たに第二十二条の二として家事調停委員の職務内容及び身分に関する規定を設けることでありまして、同条第一項において、家事調停委員は、調停委員会を組織して調停に関与するほか、家庭裁判所すなわち受調停裁判所の命を受けて、調停委員会の構成員として関与する以外の調停事件について専門的な知識経験に基づく意見を述べ、また、家庭裁判所すなわち受託裁判所の命を受けて、嘱託にかかる紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行ない、その他調停事件を処理するために必要な最高裁判所の定める事務を行なうものと規定し、同条第二項において、家事調停委員は非常勤の裁判所職員として身分を明確にするとともに、その任命資格、任免権者など任免に関して必要な事項は、最高裁判所が定めることとしております。  第四点は、新たに第二十二条の三の規定を設け、家事調停委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給することとし、あわせて最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給することとしております。なお、この関係で、参与員及び調停委員の旅費、日当及び止宿料に関する現行法第五条の規定を削除し、参与員については、止宿料を宿泊料と改めた上、別に第十条の二として独立の条文を設けております。  次に、家事調停の手続に関する改正であります。  これは、遺産分割調停事件の当事者が通常各地に散在しており、調停の成立が困難な実情にあるのにかんがみ、その成立を容易にするため、新たに第二十一条の二として同事件についての特則を設けることであります。すなわち、遺産の分割に関する調停事件において、遠隔の地に居住する等の理由により出頭することが困難であると認められる当事者が、あらかじめ調停委員会等から提示されに調停条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が期日に出頭して当該調停条項案を受諾したときは、当事者間に合意が成立したものとみなし、遺産分割調停事件に限り、いわゆる当事者出頭主義の例外を認めることとしております。  このほか、現行法中、合意に相当する審判に関する第二十三条第一項、調停にかわる審判に関する第二十四条第一項、第四章罰則中の第三十条第一項及び第三十一条その他について所要の整理をしております。  以上が、この法律案の本則についてでありますが、以下附則について簡単に御説明いたします。  第一項は、との法律の施行期日に関する規定であります。  第二項は、今回の改正により調停委員の制度が改められ、調停委員会の組織が変わりますので、従前の調停委員会においてした手続及び裁判所がした調停委員の意見の聴取について、その効力を引き継ぐこととする規定であります。  第三項は、この法律の施行前に調停委員、いわゆる調停補助者または参与員がした執務にかかる旅費、日当及び宿泊料または止宿料の支給について、所要の経過措置を定めた規定であります。  第四項及び第五項は、民事調停法第三十七条及び第三十八条並びに家事審判法第三十条第一項及び第三十一条に規定する罰則の適用について、所要の経過措置を定めた規定であります。  民事調停法及び家事審判法の一部を改正する法律案についての補足説明は、以上のとおりであります。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党

○小平委員長 この際、最高裁判所長官指定代理者の出席説明の承認に関する件についておはかりいたします。  本会期中、ただいま趣旨説明を聴取いたしました両案の審査にあたり、最高裁判所長官指定代理者から出席説明の要求がありました場合には、その承認につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党

○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次回は、明十三日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時九分散会

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