物価問題等に関する特別委員会 第13号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/02/28
会議録
○平林委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉永治市君。
○吉永委員 今回の石油危機の中で、ほとんどの資源を海外に依存しております日本の立場、その日本のもろさと申しますか弱さと申しますものを、その実体をほんとうに如実に見せてくれました。それが今回の石油危機の問題であったようでございます。きのうまでの予算委員会での参考人とのやりとり、その他マスコミの論調等を見ましても、この石油危機にまつわる売り惜しみ、買いだめあるいは隠匿などの火事場どろ的な醜事実を遺憾なく見せつけられたのでございます。 それはそれとしまして、私たちはここで、この狂乱の時期に対処する日本の立場、あるいは日本のこれからの進路、方策をじっくりと検討し、そのことについて考えなければならない時期に来ておると考えまするが、長官の御所見を承りたい。
○内田国務大臣 まことに吉永さんのおっしゃるとおりでございます。 ただ、吉永さんも御承知のように、昭和四十七年から四十八年を経て四十九年の今日に至るまでに、日本の経済政策の世界経済の状況の中におけるあり方に実は大きな変動がございました。具体的には、非常な輸出超過による外貨の流入超過から、また国際的には、国際的なインフレ、ドルの低落、換物景気というような事態を経て、今日の石油危機に至りましたのが、いまおっしゃるとおり、今日の物価高、あるいは生活不安に対する国民の憂慮の端緒をなしておりますので、そういう事態をさらに十分見きわめをつけまして、そして今日のこのような事態を一つ一つ徹底的に片づけていきまして、国民生活の安定、物価の平静を得ることが肝要であると考えますこと、あなたの御所見と同じでございます。
○吉永委員 結局するところ、石油に振り回されたこの一年間であったように思います。御承知のように、昨年の十一月までは、日本の政府、民間をあげて、いわゆる情報の分析ができなかった。情報の欠如が非常に不安と動揺の根源をなしてきた。十二月に入りまして、OAPEC、OPECの意図する動きも大体明確になってまいったようでございます。一月に入ってはっきりしてきましたことは、量の問題も大体見通しがついてきた。そうしたおおよその経過をたどったかと思いますが、いろいろジグザグのコースもございましたけれども、残る問題は価格の問題である。それが現時点におきまして一バーレル八ドル六十セント。この一バーレル八ドル六十セントという価格は、長官のお見通し、御判断ではたしてこのまま維持されるものか、それともあるいはもっと低くなる可能性もあるのか、あるいはこれからもっと高くなるおそれもはらんでおるのか、その辺の見通しにつきまして長官の御所見を承りとうございます。
○内田国務大臣 石油の危機といわれている事態、あるいはまた石油価格が非常な上昇を始めましたのは、この一年間と申しますよりむしろ昨年の秋から比較的今日に至るまで短期の間であったと思います。 数量の問題につきましては、吉永さんはおおむね見通しがつかれたという御判断のようでありますし、私どももある意味では、昨年の十一月の時点で考えましたような非常な悲観的の見方に比べてみますと愁眉を開き得るような状態になってきておるものと考えます。しかし、日本の経済は、御承知のとおり、まあ今後は別といたしまして、これまでは毎年実質一〇%以上の成長をいたしておりましたので、昭和四十八年度における当初の石油の輸入計画というものは実は三億キロリットルをこえておりました。三億五百万キロリットルぐらいでございました。その前年の昭和四十七年度はおそらく二億五千万キロリットルぐらい、それを少し欠くぐらいの実績であったと思うわけでありますが、そういう四十八年度の計画輸入量に比べますと、四十八年度一ぱい、あるいは四十九年度の輸入見通しというものもそれほど同じような割合で増加するような見通しはなかなか立ち得ない。四十七年度よりは多いけれども四十八年度の計画量よりは少ない、こういうような状態には変わりはないと思います。 価格でございますが、価格は昨年のたとえばFOBベースの初めごろ二ドル台のベースからあるいは三ドル台になりあるいは四ドルになり、しかりしこうして最終的には到着、FOBベースでも八ドル、九ドルベースというようなことになってきましたが、私はあなたとやや考え方が似たところが実は正直に申すとございまして、これ以上原油の値段が高くなるということは、ひとり日本ばかりの問題でなしに、世界じゅうの低開発国等の国民の生活の水準発展ということを考えますときは、私はまあこの辺が一番高い頂点に来ておるのではなかろうか。これから、これは世界的のグローバルの問題ではありますけれども、私はそこに生産国をも含めた各国の人々の理性が働く方向にいくのではないかというような気がしてなりません。
○吉永委員 経済企画庁の長官のお見通しで、石油の価格は現時点が大体頂点だろう、これ以上高くなることはまずあるまいというような御判断でございまするが、私もほぼ同様の考えを持っております。この見通しの問題は私はこれからたいへん重要な問題だと考えております。これは先ほど長官がおっしゃいましたこととは別に、アラブ産油国自体の原因に由来することでもありまするが、アラブ産油国の埋蔵量、石油資源も、現在の世界の消費量がそのまま推移するということでいけば、これは専門家によって若干の考え方の違いもございまするが、あと三十年くらいで一応消費し尽くしてしまうのじゃないか。これを一割五分あるいは二割程度カットしていっても五十年がせいぜいだろうというのが大かたの専門家の見解のようでございます。その間にアラブ産油国は御承知のように近代国家への衣がえを急いでおる。それは宿命的にそうしなければならない実情に迫られておる。反面に、石油は高くなればなるだけ、消費国にはそれぞれ自国の立場において自国の油田の開発あるいは海底油田、オイルシェール、タールサンドの開発あるいは石炭ガス化というような代替エネルギーを急ぐことは自明の理でございます。日本ももちろんこの方向で前進されるであろうことはこれは言うまでもなかろうと思いますが、長官いかがでございますか。
○内田国務大臣 そのエネルギーの多様化あるいは代替エネルギーの研究ということに言及いたします前に、先ほどの吉永さんと私との問答の原油価格はこれ以上高くなるかならぬかということについては、私は経済企画庁長官としてこれ以上高くなることはなかろうと申し上げているわけでございませんで、産油国をも含めて地球上の全人類の理性がこれ以上石油を高く押し上げるということになるというような方向には行かないであろう、これは言い方が非常に微妙であります。これは国際関係、外交関係等もございますから、私は特にそのことをもう一度、そういう意味で申し上げているということを繰り返さしていただきます。 次の代替エネルギーあるいはエネルギーの多様化ということにつきましては、おっしゃるとおりでございまして、従来も、今回の石油危機に始まらず、私どもの属する自民党におきましても、エネルギーの多様化の検討あるいはまた省資源、省エネルギーの産業への構造改造ということを党としての政策の課題として取り上げてまいりましたことは、これはあなたも私もよく承知しておるわけでございまして、それは日本ばかりではなしに、世界的にエネルギーの消費国がそのようなことを考えていることはもちろんでありますが、ことにわが国のようにエネルギーの大部分を石油に依存し、その石油の九九・七%を海外からの輸入に依存しているというような国におきましては、一そうお説のようなことをこの際さらに十分推進して、そのためにはこれは予算の支出というようなものも思い切って進めていかなければなるまいという思いを私は新たにいたすものでございます。
○吉永委員 代替エネルギーの問題は別途の機会に申し上げるといたしまして、ただいま長官は、人類の英知と産油国の良識がこれ以上の値上げはしないだろう、そのような判断であると申されたわけでございますね。別途の見方からいたしまして、アメリカやソビエト等の国が、特にアメリカの場合でございまするが、自国の開発を急ぎますると大体五年くらいで実現できるのじゃないかといわれております。そうした意味で、これも専門家の意見でございますが、アメリカ、ソビエトともにアラブに対して一応石油価格の妥当な線だと示しておる価格は一バーレル八ドルから十二ドルくらいの間だといわれております。それはアメリカ、ソビエトあたりの油田開発によるところの採算点が大体、これはアメリカの場合でございまするが、オイルシェール一バーレル当たり六ドル、タールサンド四ドル、石炭ガス化でさえも一バーレル八ドルから九ドルの間だといわれております。このようないわゆる産油国以外の国の開発行為の傾向が非常に激しくなってくる。激しくなればなるだけ一番困る立場になってくるのはアラブの産油国の諸国であるということもこれは自明の理であります。このような判断からして、これ以上アラブ産油国の石油高騰はあり得ない。先ほど長官は、人類の英知、産油国の良識がそれを許さぬだろうとおっしゃいましたが、このような厳然たる世界の事実の前から推しても高騰はあり得ない、あってはならない、このように考えるわけでございますが、いかがなものでございましょうか。
○内田国務大臣 OPECの諸国は現在のFOB価格八ドル三十数セント、これはアラビアンライトという原油の種類を例にとっての価格でございますが、それできめられておりますが、三月からの価格についてはまだ別に協議するということになっているはずでございますので、これは上がるか下がるか、私は何とも言えない。しかし、それは私は、いまの人類の英知というようなことで私なりの判断をしただけでありますから、産油国を刺激するようなことは、私はこれは申し上ぐべきではないということをさらに補足をいたしておきます。しかし、石油の価格が、昨年の当初の価格に比べますと三倍にも四倍にもなってまいったということは、わが国を例にとりましても、いままで放置されておった他のエネルギー開発のコストというものと同じかあるいはそれ以上にもなってまいった。したがって、これまで顧みられなかった、放置されておった水力電源の再開発でありますとか、あるいは石炭発電でありますとか天然ガスとか、その他いろいろな水素エネルギーの問題等、そういうものの開発を容易ならしめる事態に来たということは、いまの吉永さんの御説を可能にならしめることであろうと思います。 現にアメリカにおきましても、御承知のようにプロジェクト・インデペンデンスというような計画を立てまして、いまあなたがアメリカの想定する価格をおっしゃいましたが、私はそれが妥当な価格だということは、ここで裏打ちをいたし得る立場にございませんけれども、アメリカのそういう計画なりあるいは共産主義国における石油資源の開発のアクセラレーションというような事態を考えましても、あなたの御説は傾聴すべきものではなかろうかと私は思います。
○吉永委員 ただいま、長官としてのお立場で石油が上がるとか下がるとかということは言えない、しかし個人的な判断からしたら下がるであろうことを期待できると、そのような御意見だと思いましたが、そうでございますね。−そうだとするならば、私たちはこれから若干の下がり得る価格、その価格を想定し得る落ちつく値段を、かりにそれが想定であっても諸情報の周到なる分析によりまして、妥当な一応の見込み値というものがここで確定できるのじゃなかろうか。これはお立場上、たいへんむずかしい御所見になろうかと思いますが、いかがでございましょう。
○内田国務大臣 それはひとつ、ぜひ資源エネルギー庁あるいは通産大臣がお見えの節にお打ち合わせいただいたほうが、私はたいへんありがたいと思います。
○吉永委員 石油部長見えましたか。これは石油部長にお伺いしてもおそらくそうだろうと思いますので、この問題は取りやめます。 いままでの石油価格の高騰が産業に及ぼす影響が、どちらかといえば日本の場合非常にオーバーに、誇大宣伝に過ぎたと私は思ってまいっております。しかしながら、これも専門家の記録でございまするが、石油価格が二倍になっても生産コストの上からいえば一ないし二%の程度である。三倍になっても三ないし四%ぐらいにしか当たらない。エネルギーの多消費型の典型といわれる石油化学、鉄鋼、パルプ等にいたしましても、千円中に占めるパーセンテージはわずかに五十円から八十円どまりだといわれております。石油の高騰によって物価が際限なく高くなると思うのは間違いでございます。ためにせんとするものの扇動である。現時点のように石油を節約を続けていき、価格の面でもコストの面でも量的な面でも代替エネルギーの面でもどんどん開発していけば、決して悲観する事態は来ないはずだ。もう少し科学的な数字の根拠の上に立って経済の現勢というものを見きわめる必要がある、このように思いますが、いかがでございますか。
○内田国務大臣 それも私は、吉永さんのお考えに同意をするものであります。ただ、昨年秋ごろ石油の供給がショートする、また現実に日本への供給価格が上がってきたというような、その状況に対しまして、石油製品を原材料としあるいはエネルギーとする産業の製品というものが、本来計数的にあるべき姿以上に上がってきたということも、今日当院におけるいろいろな御調査や御検討の結果明らかになりつつあることも、私はたいへんけっこうなことであったと思います。ただ、昨年の秋ごろまでには、石油問題ばかりでなしに物価の高騰とか、あるいは石油ばかりでなしに物資の需給が窮屈になるという、他の事態も重合をしておって、人々の心にインフレマインドといいますか、あるいは物資が非常に不足になるというような心理を植えつけつつある最中でございましたので、そういう心理的影響も大いにあったと思います。 また吉永さんがいま数字的に引用されました、石油が幾ら上がれば製品が幾ら上がるはずだ、それ以上上がっているのはそれは便乗である、先取りであるというお話、それはおそらく通産省や経済企画庁あるいは行政管理庁等、数省庁で協力をいたしまして、約五百ぐらいの産業が相互に価格要素等を関連せしめてつくりました、非常にこうかんな産業連関表というものがございます。これは昭和四十五年の電子計算機に入れるソフトウエアの一種でございますが、単純にそれによりますとお話しのような数字が出るはずでございます。しかし、これも人間のつくった連関表でございますために、いろいろなファクターを全部取り入れているとは申し得ないものがございます。たとえば、物資が窮屈になった際にはそれだけ設備の稼働が落ちますから、遊びの設備に対する金利償却というものがかさんでくるとか、あるいはまた昭和四十五年の金利ベースと昭和四十八年度の金利水準というものは、まるで違った高い水準になっているとか、あるいは労務費の推移とかいうようなもの、関連せしむべきすべてのファクターが取り入れられているというわけのものではございませんので、あの産業連関表のとおりであるとは思いませんけれども、あれを人間の電子計算機ではない、いまの私どもの経済的な頭で補正をしながらやっていけば、私はあの油がこれこれ上がったらば製品はこれこれ上がるべきであるというおおむねの見当がつくべきであると思いますので、この間たしかこの委員会でございましたか商工委員会で、通産大臣御自身も産業連関表のことに言及をされておりましたが、私はあれはあれなりに大いに活用をいたす余地のあるものであると考えますので、今後といいましてもそう遠い将来ではありません、ごく近く、私どもはいろんな作業をします際にあれをまた活用いたしてまいりたいと思います。
○吉永委員 油がこう上がれば製品はこうなるというその関連の事実を、いまおっしゃいました長官のそのようなことを、国民の前に具体的事例として周知徹底せしめるということが私は非常に大事だと考えます。便乗値上げを策動したりあおったりするような不運なものが介入する余地を与えないようにするためには、その処置を迅速に、的確にやっていただくことを特にお願いを申し上げます。 時間がありませんので急ぎますが、ここでお尋ねいたしたいことは、いわゆる総需要の抑制、財政の緊縮、金利の引き上げ、さらに石油二法の発動によっても、また物統令の適用体制を整えてみても、物価は依然として高騰状態を続けております。現時点がそうであります。一部の例外はもちろんあります。これは世界的なインフレの波、輸入原料の暴騰等の理由があるにしましても、おさまる見通しがなかなかつかない。これは一体なぜだろう。どういうところに原因があるのか。一つの考え方でございますが、過剰流動資金がまだ底流に強く残って力をふるっておるという見方でございます。国民の不安感から来る思惑が絶えない。政府も国民もあらゆる階層の人々が、ここはその事態を踏まえて自粛に徹するということがいまほど大事な時期はないじゃないか、このように考えますが、長官の御所見を承りたい。
○内田国務大臣 私も吉永さんと同感であります。 しかし、過剰流動性の征伐——征伐ということばは適当でありませんが、抑制につきましては、すでに昭和四十八年の少なくとも春から夏にかけまして徹底的に進めてまいりましたことは御承知のとおりでございます。たとえば、日本銀行の公定歩合につきましても、春のころには年率四・二五%でございましたのが、ほとんど一カ月おきに五回上げまして、十二月にはとうとうそれが九%になっておる。また、昭和四十八年度の予算編成の後におきましても、実際の予算支出の繰り延べ、契約の繰り延べ等をたびたび行ないましたことも御承知のとおりでございますし、その他いろいろの面におきまして過剰流動性の抑制につとめてまいりましたが、結論を申しますと、これは田中総理大臣も今日でも始終私どもや大蔵大臣の顔を見ると言われることでございますけれども、お説のように、過剰流動性のしっぽがどこかのある部分のしわの中にまだ残っている。それを徹底的に追い出して締め上げろ、こういうことを言われておるわけでございます。たとえばそれは、預金と貸し出しが両建てになっておるような場合には、貸し出しを放置する限りにおいては預金はいつでも引き出して流動的なものになりますので、そういうものの両建てを解消することも一つの方法だというようなことを総理は指摘されております。 しかし、現状におきましては、日本銀行の銀行券の平均残高の増加率も目立って減ってまいりました。また、それに預金を加えましたいわゆるマネーサプライというようなものの残高も目立って減ってまいりました。また、市中銀行等の貸し出しの増加率もこのところ目立って減ってまいりましたので、金融面に関する限り、過剰流動性というものの締め上げはかなりきつくなってきておる。問題は、むしろ中小企業等々の一部にその影響がどう及ぼすか、それをどう対処するかという問題もありますことも、吉永さんはじめ自民党の皆さん方、また国会の皆さん方が御心配になられているような事態も生じておりますので、そういうことにも、心を置きながら、お説のように、過剰流動性の一そうの締め上げをぜひやるべきであると思います。
○吉永委員 最後に一言でございますが、先般ここで社会党の先生が、インフレ、狂乱物価に対処する国民の心がまえと申しますか、教育問題について適切な御意見を述べておられました。私の場合、いささか思考する内容は違いますが、日本を正しく公平が支配するようにするためには、この際、企業の社会的責任を忘れて自由経済の倫理と秩序を破壊した企業エゴイズムというものは徹底的にたたかれ、制裁を受けなければならない、私たちはこのように考えます。買いだめ、売り惜しみ、隠匿物資を許した元凶ともいえる過剰流動性の資金も底をつくまで引き締めを続けるべきである。恥を知る経営者、社会的責任を知る企業家の節操を求めていかなければなりません。その具体的な事実は、製品の引き下げにあると私は考えておりますが、いかがなものでございましょう。 同時に、この狂乱の非常の時期に右往左往して、生活用品を二重、三重に買いあさるような一部の人たちにも、そのことが日本経済、日本の命運の上からして取り返しのつかないようになることを戒め、安心感を得せしむるように指導することは、政治家としての、特に政府の一番大事な基本的な心がまえ、方針でなくてはならない、このように考えておりますが、お考えのほどを聞かしていただきたい。
○内田国務大臣 吉永委員からそのように仰せられますことをまことに心強く私は存じます。ぜひ御趣旨を体しまして、私どもは単に国民にいろいろ注文するばかりではなしに、政府みずからが、あなたのおっしゃるのと歩調を合わせた姿勢をとって、断固としてやるべきことはやってまいりたいと思います。
○吉永委員 終わります。
○平林委員長 次に、中村茂君。
○中村(茂)委員 中村でございます。 きょうの新聞に、三分の一をさいて総理府の「つぎつぎうたれる物価の鎮静剤」ということで大きく広告が出ております。これはそれぞれの週刊誌にも全部出ているわけですけれども、私はこの広告を見て、実際の物価に対する消費者、国民の感情と非常に感覚的にずれているし、空虚な広告はないだろう、こういう感じを強く受けたわけであります。「四省庁に強力Gメン本部」「学用品の値下げ第2弾」「大衆薬の値上げに「待った」こうあるわけですけれども、実際の国民の感情は、いま物価が非常に上がってきている、国会の中で便乗値上げまたは悪徳商法がそれぞれ追及されている、その記事が出て、ずっといって中身を見ると、「政府はいろいろな方法で強力に物価安定策にとりくんでいます。」こうなっているわけであります。 それはそれにして、いま特に経済企画庁が物価行政、物価に対して国民の前にどういう姿勢と対策を示すかということが非常に重要な時期だというふうに私思うのです。特に長官にお聞きしたいのは、ここに広告にもいろいろ出ているわけですけれども、やはり便乗値上げ、それから急騰してきた現在の物価をその前の十月現在に戻すという強い姿勢が特に必要ではないかというふうに私は思うわけであります。そのことが消費者から強く要求されております。そういう物価対策についての考え方と方針について、長官の御所見を承りたいと思います。
○内田国務大臣 物価の狂乱状態というものを早くおさめるということが私どもの使命であると、私はほんとうに考えておるわけでございます。原油の日本への入着価格は、これはつくりごとではない、もう世界じゅうの現実でございますので、それが石油製品に反映し、さらに石油製品が他の生活関連物資あるいは基礎資材等の価格に反映をすることになりますと、これはいま申しましたような私どもの願いが実現されないことになりますので、私のまた私どもの現在の最大の関心事は、原油価格の上昇にかかわらず主要な物価の上昇を食いとめ、またできる限り便乗値上げ等を洗い流して以前の物価に返す方向の努力を続けるということでございまして、それが私の努力であり、願いでございます。
○中村(茂)委員 業界は、こういう便乗値上げ等について追及されたり、いろいろ中身がはっきりしてくると、次にまた新しい手を考えてくるわけです。それについては、これから各種の問題についてあわせて追及し、長官の御意見を承ることとして、いまの問題は一応ここでとめておいて、次に入っていきます。 ここに「農業生産資材総合技術対策会議資料」という小冊子があります。これは長野県農業石油類・資材確保対策会議、この会議の構成は長野県、長野県農協、長野県農業会議、こういうところで作成した資料でありますが、その中に「昭和四十九年(四十九年一月一日から四十九年十二月三十一日まで)農業機械需給見通し」という表があるわけです。この表の作成は、中央の全農、それからメーカーにいろいろ聞き、相談してつくったという表であります。 まず、昭和四十九年度の供給度合い、供給の率ですけれども、これもほとんど八〇%から九〇%で供給は間に合わない、こういう中身になっているわけでございます。特にこれに対しての説明がどうしても納得できないわけであります。非常に長いものですが、一部分だけ読んでみます。「春期需要農機の物不足は解消されそうにない。しかも、旺盛な需要は現在も続いており、供給は輸送事情の悪化と相まって混乱と不安の状態にある。供給能力は今後どのように推移するか疑問であるが、四十九年一杯供給不安は続くものと考えられる。」こういうふうになっています。これはメーカーがいっている意見というものがそのまま載っているのではないか、こういうふうに思われる節が非常に多いわけであります。 まず、この農機具を担当しております通産省に、この需給見通しについて通産省はどのように考えているか、また農林省にもあわせてお聞きしたいというふうに思います。
○安田説明員 御説明させていただきます。 農業機械の生産につきましては、四十五年、四十六年と対前年比で少し減少いたしましたが、四十七年には七・四%ほど増加いたしました。四十八年の数字につきましては、まだ十二月分が出ておりませんので正確な数字はわかりませんが、一−十一月の十一カ月分をとってみますと二千二百三十七億円でございまして、十一カ月分だけ比較いたしてみますと対前年度比五六%という大幅な増加となっております。これは需要が最近急増いたしましたので、トラクターとかコンバインとか、あるいは田植え機とか、そういうものにつきましては、一部では、先生御指摘のとおり品不足のために若干各方面に御迷惑をかけておる事態もございますが、それを必要とする時期までにできるだけ充足するよう、私どもといたしましてもメーカーを督促いたしている状態でございます。 今後の需要見通しといたしましては、機種別に見ますと、需要が一巡したと見られます機種につきましては、たとえば耕うん機とか脱穀機とかいうものにつきましては需要はさほどふえないのではないかと思いますが、トラクターとかコンバイン等の機種につきましては、これはやはり営農規模が拡大するとか省力化をしなければならないような状況から相当に伸びが予想されております。また田植え機につきましては、最近になりまして普及が進んでまいりました機種でありますだけに、春の農繁期におきます労働力の問題等も考えますと、需要の伸びは相当大きいと思いますので、この点につきましては若干需要に追っつかない面もあるかとも思います。しかしながら、私どもといたしましては、このような需要の実態を十分把握いたしまして、農林省とも十分連絡をとりました上、これに対処をし得るよう、資材面、それから生産面で電力その他支障がありましたら、そういった点につきましてもいろいろ隘路を除去いたしまして、生産を拡大して、農民の生産に支障のないようにいたしたいというふうに考えております。
○二瓶説明員 お答えいたします。 ただいま通産省のほうからお答えがあったとおりでございますが、この春季の需要につきましては、特に仮需要が増大しない限りにおいては不安がないのではないか、かように見ておるわけでございます。特に最近価格の面がやや上昇していることもございまして、需要が従来に比べましてやや鈍化の気配が見られる状況でございます。 以上でございます。
○中村(茂)委員 これは、ここでいっておりますように、「混乱と不安の状態にある。」「四十九年一杯供給不安は続くものと考えられる。」というこの趣旨からいくと、機種によっては若干そういう面もあるけれども、ほとんどのものについては何とか努力してこういう不安のないようにしたい、こういうふうに集約できますか。
○安田説明員 確かに一部のものにつきましては部品の問題、設備の能力の問題等から若干不足するものもあるかとも思いますが、そういうものにつきましては隣路を打開いたしまして、できるだけ御要望に応ずるように増産を奨励してまいりたいというふうに考えております。
○中村(茂)委員 それはまた価格の問題と関連してまいりますから、価格のほうへ移らしてもらいたいと思いますが、やはりこのところでつくったこの資料で分析しているわけでありますけれども、価格について「四十八年四月と四十八年十二月の価格を比較すると総平均で二〇・二%の値上げをされており、更に今年一月に於ては一三・一%の再値上げとなっている。これも三月までの暫定価格であり、四月以降は現時点では価格確定が困難であり、値上げはあっても値下げはないものと思われる。大手メーカーでも供給可能数量と価格をセットで二カ月先までの目途しかたたず、中小メーカーは翌月の数量と価格しか提示できず、殆んどなりゆきまかせの状態である。」 ここで三つほど私は問題があると思うわけでありますが、いままでは農機具の価格というものは春先に上がって、大体一年間安定していたんです。ところが四十八年はここには出ていませんけれども、七月にも若干上がっているはずです。そしてこれは十二月、一月というふうに上げて、平均四八%この一月の分まで入れると上がってきているわけであります。これはこの表にずっと出ております。 そして、なお次に問題の点は、三月まで暫定価格という示し方をしているわけですね。しかも大手メーカー等についても、供給可能数量と価格をセットにして二カ月先までしか価格を示してこない。中小メーカーに至っては翌月、それしか指示できない。こういう関係がありますから、先般農林省でも大手メーカーを呼んで、一応契約しておいたのを新しい価格を示してすりかえたとか、いろいろ問題は、現在価格をずっと示すのも暫定価格ということで示して、しかも大手メーカーで供給の可能数量と価格をセットにして二カ月光までしか言わない。中小メーカーについては翌月ぐらいしか言わない。これはいままでも国会の中やいろんなところで悪徳商法ということでいろいろ指摘されてきましたけれども、まず需給見通しなりそういうものについて品不足という印象を与えておいて、それで価格についてもこういう価格の示し方で、いつでも便乗値上げできるような、価格の変更できるような——しかしいままでの農機具というものは、これは先ほども申し上げましたように、大体一年間安定していたものなんです。それを数回やって、こういうやり方に変わってきている。この点については私は、農協というのは外国に行くと観光会社だと思っているそうですけれども、何か総合商社じゃなくて農協商社、全く大手メーカーの手先で、これをそのまま受けて今度これを農民に、農家の人に押しつけているわけであります。この価格の示し方と現在こういう価格の状態になってきているということについてどういうふうにお考えですか。
○安田説明員 確かに御指摘のように価格につきましては、特に昨年末以来二度にわたりまして急激に値上げを行ないました結果、三〇%以上ぐらいの値上げ率になっております。また御指摘のありましたように、従来一部の農業機械につきましては供給が間に合わないという状況にありましたので、荷渡しのほうも相当おくれるという事態がございました。そのために値上げが間にはさまりましただけに、すでに契約した分につきましてその古い価格を新しい価格に改定してくれというような要望をリーダーのほうから行ないましていろいろな問題を生じております。しかしながら、この供給につきましては今後直ちに一〇〇%すぐ供給できるかといいますと、やはりメーカーの生産の能力の点からいきまして逐次作業に支障のないようにお渡しするよう督促するということにいたしたいというふうに考えております。 なお、値上げにつきましては、原価、部品が非常に価格の上昇が激しい段階でございますが、この点につきましては非常に農民に対する影響が大きいだけに、私どもとしましては今後価格上昇につきましてはできるだけ抑制いたしたいと考えておりますし、そこにいま御指摘のありました三月、四月の値上げ等につきましても、これを厳に抑制するよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○二瓶説明員 農業機械の価格の関係でございますが、先ほど先生からお話がございましたように、四十八年の七月に全農の購入価格、これが七%値上げになりました。その後石油危機等もございましていろいろな部品等の値上がり等もございまして、十二月からの全農の購入価格がさらに一四%値上げとなりました。それからさらに、この二月、三月の取り扱いの数量、機械につきましてさらに一四%ということで、現在時点で前年と対比いたしますと三八%の値上げということに相なっております。先ほど先生がこの資料につきまして比率等を申し上げられましたが、大体それに符牒が合っておる、かように思うわけでございます。 問題は二月、三月の扱い分が、ただいま申し上げましたように対前年三八%というような姿になっておりますが、四月以降の価格の問題を今後迎えるわけでございますが、農林省といたしましては極力そういうような値上げを抑制するというような姿勢で通産省とも連携をとりつつ対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中村(茂)委員 通産省も農林省も、価格の面については極力抑制ということしか一歩も出ていないわけであります。しかし、先ほどから言っておりますように、これは二月までに四〇%台まで上がって、これからの価格についてまた一月なり二月くらいしか示さないし、暫定価格しか示さないという状況の中で、極力抑制なんということではなしに、もっときちっとした姿勢で、値上げどころか、二月まで示しているものをもっと下げてきちっとさせるというぐらいな態度が必要でありますし、もう一つは、暫定価格とか二カ月向こうまでしかわからない、一カ月向こうまでしかわからないということではなしに、やはり一年間ぐらいな価格の安定の方向というものをきちっと示さなければならないし、そういう対策をきちっと立てなければ農家の不安というものはつのるばかりだ、こういうふうに私は思うわけであります。したがって、その二点のところの態度を明確にひとつしていただきたいと思います。
○安田説明員 今後の値上げにつきましては、これは私ども十分に事前にメーカーから話を聞きまして、いやしくも不当な値上げのないよう厳に監督してまいります。 価格の安定の問題につきましては、他の部品その他の物価の値上がりがない限り、ぜひ安定させるように指導してまいりたいと思っております。
○中村(茂)委員 いま政府があげて物価の安定をはかっているわけでしょう。それを、他の物価の上昇がない限りというような前置きをして、これは石油のことを言っているかどうか知りませんけれども、いずれにしてもいままでの農機具の価格体制とは全然変わってきているわけですよね、先ほどから言っているように。去年は三回も値上げして、しかも全然その見通しが立たないというようなかっこうにしてきたわけでしょう。ですからこれはもう全力をあげて、抑制どころではない、現在二月まできめているものをなおしさいに検討して下げさせる、しかも将来の見通しをきちっとさせるという明確な態度をひとつ要求をしたいというふうに思います。
○内田国務大臣 これはらちがあかぬようでありますから私からひとつ答えさせていただきますが、いま私どもは、少なくとも三十ないし四十の業種といいますか、重要製品を取り上げまして、今度原油の価格が上がったのに伴って石油製品価格がかりに上がったといたしましても、そういうものは生活関連物資ないし重要資材には反映させないという押え込み、凍結の検討を、通産省なら通産省、農林省なら農林省でやってもらっておるわけであります。機械といえどもこれは重要産業機械でありますから、私は当然その範疇に入れまして、高くなるかもしれない石油製品を使っても上げさせない、それがすでにもう便乗値上げになっているような事態でありますならば、他の幾つかのすでに通産省が始めております品目と同じように、切り下げ勧告というものの対象にもするという方向で検討をしてもらうように、私からも通産大臣にも申し入れ、また農林省の方も見えておるようでありますからぜひやってくれと言って、農林省のほうも通産省のほうと打ち合わせいただきたいと思います。 ただ問題は、先ほどからもお話に出ておりますが、幾ら工場の仕出し価格を安くいたしましても、中間の、この場合には半分かそれ以上は全農が取り扱うようでありますから全農のほうもしっかりして、そうしてメーカーのほうに注文をするなりあるいはマージンを下げるなりして、直接その農家または農家の団体にそういうものが渡るように、全農にもぜひしっかりしてもらうように農林省にも私のほうからも言いたいと思います。以上で御承知ください。
○中村(茂)委員 いま長官が最後のほうで言いました全農、これは私もちょっと指摘しましたように、やはり全農がほとんどのものを扱っているわけでありますから、メーカーの直接の売り込みをそのまま受けて、まあここで言っているのは、これ以上分析できなかったかどうか知りませんけれども、これではメーカーの言っているままですよ、これは。ですから、いま長官も言われましたように、農林省も全農の態度というものについて、よくいわれておりますように、そういうメーカーと癒着してそのまま受け売りして農家を苦しめるというようなことではなくて、もっと農林省あたりと監督官庁と連絡をとってこういう問題についてはきちっとさせていかなければ、これはたまらぬと思うのです。したがって、その点を十分指導するようにお願いいたしたいというふうに思います。 時間がありませんから次に進ましていただきたいというふうに思います。 次に、再販制度の問題についてお聞きしたいと思いますが、最近、九月一日から再販規制が行なわれるということで各業界でいろいろな動きが出てきております。特にこの場でひとつ見解をただしておきたいというふうに思いますのは、化粧品メーカーに資生堂、まあそのほかありますけれども、特にこの際は資生堂の態度でありますが、二月四日から六日、これは伊東で販売研究会議、こういうものが開かれた。これは資生堂の主催であります。それから二月六日から八日、これも三日間、東京の帝国ホテルでゼミナールを開いた。そのときに、まず一つとして、再販制度を維持する。それから二番目に、参議院選挙まで政府の物価高対策に同調する。三、当面、全国粧業小売連盟が提訴した再販裁判の推移を見る。四、九月前に強力な再販対策を打ち出す。こういうものであります。 ここで非常に問題になるというふうに思いますのは、再販制度を維持しよう、こういう話の出てきたのは、一つは、昨年の暮れから、いままで指摘されてまいりましたように再販にしておいた。しかし、便乗値上げをするために、それを取り下げて便乗値上げをしてきた。ところが、おそらくここのところで言っているのは、参議院選挙まで政府の物価高——これは政府は物価高対策を参議院選挙まで、まあ政府がとるのか、分析としてそれまで続くだろう、それ以降になってくると値くずれというものが起きてくる。だから今度、そういうふうに取り下げて便乗値上げでどんどんしてきたものを再販にまた組み込んでいかなければならないというメーカーの立場がこういうふうになってあらわれてきているんではないか。 それからもう一点は、再販が取り下げられて最近問題が起きているのは、今度仕入れ価格の値上げによって小売り商のマージンというものが切り詰められてきた、やはり再販のときのほうがきちっと仕入れ価格と小売り価格が安定していた、こういう反省が小売り商の中から最近出てきている。そうなってまいりますと、まあ同床異夢というか、考えなり置かれている立場は違うけれども、やはり再販という同床に結びついてきて、こういう論議がこのような会合で起きてきた。そうしてこの全粧連というのが再販裁判、まあこの推移を見るとこういうふうに言っているわけですけれども、これはすでに資生堂などがあと押しをして、この全国の化粧品小売り連盟が一つの県について十万円ずつ金を出して、弁護士を三人雇って再販維持の裁判を起こそう、こういう準備をしているわけであります。先般、公取の委員長がわが党の松浦委員に対して、西独のように出版物程度に縮小していきたいという強い考え方をお示しになったわけであります。しかし、いま私は化粧品業界のこのことを申し上げたわけですけれども、あらゆる業界でこの再販制度の九月一日を目がけての規制というものについて反発の態度、維持していこうという態度が、いま申し上げたようなかっこうで強く出てきているわけであります。したがって、その点について公取と企画庁の考え方を承りたいと思います。
○吉田(文)政府委員 再販の問題につきましては、いろいろ業界で動きがあるということは聞いております。資生堂の話は具体的に聞いておりませんけれども、本年の一月十六日に株式会社ムラサキや外三百九十五名の化粧品小売り業者から、東京地裁に対しまして、昨年十月十九日の公正取引委員会告示、これは化粧品の指定改正でございますが、これの取り消しの訴えが出された。私どものほうにもその訴状の写しが参っております。 それから、最近特に目立ちますのは、この物価高に便乗いたしまして、せっかく再販契約しているものを廃止をいたしまして、値上げのために再販契約をやめるというケースが非常に目立ってきております。たとえば化粧品の場合でございますと、四十八年十月から四十九年の一月の末までに化粧品で再販廃止した商品数は五百十三でございますが、そのうち値上げのためと見られるものが百三十八というふうに相当の数になっております。こういうものにつきましては、再販契約から離れたわけでございますから、私どもは関係各省庁に連絡をいたしまして、値下げを指導していただいておるわけでございます。しかしこれは、いまの物価高がおさまりまして、将来また物価が下降の傾向をたどる、物も豊富になるという場合には、また再販契約をしたいといって申し出てくる可能性がございますので、そういうものについては認めない方針をとりたいというふうにいまのところ思っておるわけでございます。 それから、今後どうするか、これは昨年の十月十九日の告示の改正によりまして、化粧品、これは一容器当たり千円をこえるものは指定を取り消す、医薬品は五十四品目のうち二十八品目を取り消す、石けん、洗剤、歯みがきは指定を取り消すという方針を打ち出しておりまして、九月一日から実施することになっております。これは決して変更するつもりはございませんし、今後につきましても、昨年の八月二十九日に発表いたしました方針どおり、再販制度というものは段階的に縮小、廃止していくという方針でございます。
○小島政府委員 再販問題に関します企画庁の態度は、実は数年前にいわゆる物懇で再販問題を取り上げまして以来、物価政策の観点から基本的に好ましくないという考えで一致しておるわけでございまして、特にこの間までは、要するに値下げ防止のために再販制度を利用し、しかも今回の物価狂乱の事態になってくると、むしろそれは値上げのためにマイナスになるという観点から取りはずしを申請し、さらにまた、そういう状態がおさまって物価問題がノーマルになれば、また再販を利用しようというような考え方は非常にえてかってだと思うわけでございまして、先ほど来公取のほうで御答弁いたしておりますように、当面の問題としても一度はずした以上は、またノーマルに戻ったら再申請しようというような動きに対しては、当然非常にシビアな態度で措置していただくことが必要だと思いますし、さらに長期的な問題といたしましても、昨年公取で打ち出しました整理の方針というものに従って、むしろ将来だんだんやめていくという方向で処理していただくことを強く希望しておるところでございます。
○中村(茂)委員 しかもけしからぬというふうに思いますのは、いま申し上げました会合の内容は、時局柄政府、関係官庁、特に公取委や消費者団体、マスコミ関係を刺激することを極度におそれて、資生堂の意向で絶対秘密にすることになった、こういうわけであります。しかも、薬の業界から参議院に出る候補があるそうですけれども、その人を推して、そして再販制度を維持するということを約束して、それで積極的に再販制度を維持していく、こういう中身が含まれて、そういう意向とあわせて絶対秘密、こういう話に発展したようでありますけれども、いずれにしても、ここには再販制度と、いろいろなこまかい点が出てまいりますが、この中身は全体として政府の物価政策に対する挑戦であるし、ばかにしておることじゃないですか。ですから、政府、関係官庁、特に公取委や消費者団体やマスコミ、こういうものを刺激するのを極度におそれて、これはできるだけ秘密にしておこう、それで片方では全粧連にいろいろ話をつけて金まで出して、弁護士を三人も雇って再販維持の裁判を起こしていく。しかもいっておりますように、参議院選挙までは政府の物価高のやつに同調して、その後は……。政府の物価政策に対して挑戦しておることじゃないですか。長官の御見解を承ります。
○内田国務大臣 問題にならない会合で、けしからぬ会合であると私は思います。再販問題についてはしばしばこの委員会で公取委員長も言明をいたしておりますように、価格引き下げを行なわないための再販制度というものが、今日では価格引き上げのためにはじゃまになるということで、再販の辞退というものを申し出ておるような状況にございますが、そうしたものがかりにいわゆる出直し再販みたいなことで持ち込んでまいりましても、公取はそういうものはもう認めない、こういうことを言っておるわけでありますから、私はその考え方がけっこうであろうと思います。 また、あのことばの中かその文章の中にありますように、参議院選挙までは政府は物価高で業者をもうけさせる方針を維持するであろうからそれに協調して云々というようなことは全く逆でありまして、それは参議院選挙があるから、あればあるだけ政府は物価を下げて、そして、自民党とは言いませんけれども、国会に対する国民の信頼というものを大いに増さなければならないわけでありますから、そういう業者はもう根本的に認識が間違っている、こういうことであると私は思いますので、今後そういう業者に対する対応策というものは、公取はむろんのこと私どもも大いに強い態度をもって臨みたいと思います。
○中村(茂)委員 最後に、いま申し上げたようなそういう業者については、やはり内容についてただして、そういう政府の物価政策に挑戦するようなそういう業者には、話がありましたように、きちっとした姿勢と態度または指導をするようにお願いして、私は終わりにいたしたいと思います。
○平林委員長 次に、野間友一君。
○野間委員 私は、商社金融の問題について若干の御質問をしたいと思うのです。 予算委員会の集中審議あるいは一般質問等で、商社の悪徳商法ぶりが次々と明らかにされました。このような買い占めや売り惜しみあるいは脱税というものについては、法に従って厳正な措置をとられることは当然のことでありますけれども、ここで私がいろいろお尋ねすることは、一つや二つの不心得な企業、これが悪徳商法をやったということではなくて、石油にしても商社にしても、すべて共通してこのような悪徳商法ぶりがあらわれておるわけであります。このような基盤をつくった政府の責任もまたきわめて重大であるというふうに私は考えておるわけであります。私は、商社の手元資金のだぶつきについては、政府系の金融機関、とりわけ輸銀の問題ですね、これが一役買っておるということを問題にしてきたわけでありますけれども、この点についてさらに続いて質問をしたいと思うのです。 そこで、初めに、これは集中審議の中で私が明らかにしたことですけれども、三菱商事のタイにおける合弁会社、G・S・スティールですね。もうすでに新聞等で御承知だと思いますけれども、この中でタイ国やタイ人をべっ視して、急速に露骨な金もうけを展開してきた。豚は太らせてから料理、あるいは鶏はひねたらしまいだ、卵をどんどん生ます、こういうようなことで荒かせぎをいたしまして、今日では配当が二〇%、こういう荒かせぎぶりを私は社内報を用いまして指摘したわけであります。 三菱商事の社長は、私のこの質問に対しまして、派遣した役員、これは副社長であり常務であるわけでありますが、これがばかな社員だ、このことを繰り返しておるわけでありますけれども、単にこれは派遣した社員がばかであるということでなくて、三菱商事そのものの経営姿勢、海外進出のこういう姿勢、これがやはりあの社内報に出ておる、こう言わざるを得ないと思うのです。社内報におきましても、「G・Sを通じて——わが社の合弁事業」こういうタイトルで、しかもこれは社内報でありますから、編集、発行は言わずと知れた三菱商事であります。こういう姿勢に対しまして、通産省、あるいは輸銀の関係でいいますと大蔵省、どのようにお考えになるのか、最初にお聞かせ願いたいと思います。
○森下政府委員 三菱商事から問題部分の記事を取り寄せて、私も読ませていただきました。いま御発言のように、「豚は太らせてから料理せよ」とか、いろいろ、とにかく売ればいいんだというような商売感覚からだけしか見ないような発言の記事がございまして、特に海外の合弁会社等では、ただ経済問題だけではなしに、やはり国際的な親善とか、また国際親善の中でわが国の企業が発展、発達すべきである、そういうような大きな国際問題も含んでおりまして、不穏当な発言またはそういう記事はまことにけしからぬ内容でございます。 それで、三菱商事のほうの、先般予算委員会で野間先生が御指摘になって、直ちにその社員については処分をするというような発言もあったようでございますし、通産省としても、三菱商事のほうにその件について問い合わせてみました。ただ、いま社長は実はフィリピンのほうに海外出張しておりまして、三月の初めに帰ってくる。その段階で結論を早急に出したい、こういうようなことでもございます。よく通産省もこの点注意しながら、早急に結論を出すように、先般予算委員会の社長が発言して約束したことを早く実行するように、通産省としても指導していきたいと思っております。
○野間委員 大蔵省にお願いしますけれども、実はG・S・スティールに輸銀からも昭和四十一年と四十三年、貸し出しがなされておるわけです、これはすでに返済は済んでおりますけれども。と同時に、三菱商事に対してもかなりの融資がなされておるのは当然です。監督する立場から、このような合弁事業の方針をもってこういう社員が派遣された、出向された姿勢、これについて大蔵省の次官からもひとつ御所見を賜わりたいと思います。
○中川政府委員 主務官庁であります通産省と十分相談をして、その内容が明らかになりました場合には、それ相当の措置をとってまいりたいと思います。
○野間委員 そこで、輸銀そのものについて若干お尋ねをしたいと思うのです。 最初に、輸銀融資の目的は一体何なのか。輸銀が貸し付けをするわけですけれども、貸し付けをした先の企業に何を期待しておるのか、これについて簡単に御答弁願いたいと思います。
○中川政府委員 輸銀は、御承知のように海外に対する輸出の促進あるいは海外における事業の発展、促進、こういうことを目的にして融資をいたしておるのでございます。
○野間委員 私は、当然、諸外国との関係では平等互恵の立場でこの融資が生かされなければならぬ。ところが先ほども言っておりますように、G・Sの場合には、現地のタイの国やあるいは人民をこういうべっ視をして、優越感に満ち満ちて現地におもむいたとか、あるいはあとは金もうけに専念するのみ、そしてネット百万ドル、これで喜び勇んで帰国した。こういう姿勢を持つ会社に輸銀が融資をしておる。さらに三菱の場合にも調べてみますと、四十三年九月から四十八年九月の五年間に輸銀からの借り入れが七倍にふえておるわけです。千三百十五億五千万円、これだけの多額の輸銀融資を受けている会社の海外活動が、このような——先ほども通産次官がけしからぬというふうに言われましたけれども、これは明らかに輸銀融資の目的に反しておると思うのであります。なるほど輸銀そのものは、一つのプロジェクトに対して貸すわけです。それがそのままどこでどうということは私言っておるわけじゃありません。こういうふうに政府関係の機関、しかも低利の金を借りた三菱商事なりあるいはG・S・スティールがこういう姿勢で外国で商売をやっているということは、これは単に三菱の企業の悪徳商法ぶりだけが問題ではなしに、対外的な信用の問題とりわけこの場合には、タイ国との親善友好という関係から考えましても、ゆゆしき問題だというふうに思うわけです。その点について大蔵省は、このような企業に融資をしたという輸銀の指導庁としてどのような責任をお感じになるのか、一言お答えを願いたいと思うのです。
○中川政府委員 最近において、東南アジア、わけてもタイ、インドネシア等において、日本の企業のあり方について非常なきびしい批判があることはわれわれも十分承知いたしております。そこで、今後そういったことについては十分反省をするようにしていかなければならないということは、しばしば田中総理も国民の前に明らかにしておるところでございます。そこで、今回の問題につきましては、それが事実として明らかになりましたならば、遺憾であった、今後かかることのないように十分配慮してまいりたい。いま通産省でもよく調査中でありますから、先ほど申し上げましたように、きびしい反省の上に立って、今後処置していくようにいたしたい、このように考えております。
○野間委員 それから、特に私が強調したいのは、単に一つの企業、一つの商社が結果的にはこういうことをやっておったということだけではなくて、やはり郵便貯金とか厚生年金を原資にして、そして互恵平等の立場で輸出入を振興するというのが輸銀の目的であるとすれば、やはりもっともっときびしく輸銀が貸し出しについて監査をやっていく、同時に、大蔵省がこれを指導するというようなことが今日までやはり欠けておった、私はそのように考えるわけです。ですから、その点からいいましても、やはり政府の責任も重大である。 そこで、三菱商事について、これはいま御指摘申し上げた、海外におけるこういう態度、活動だけではなしに、国内においても、これはわが党の神崎議員その他が集中審議その他で明らかにしたわけですけれども、灯油の買い占め、売り惜しみですね。工業用灯油と家庭用灯油とをごっちゃにして、そして政府が価格を凍結しておるにもかかわらず、高い価格で指導に反してこれを商売する、こういう価格つり上げの操作まで、国内においても、世界の三菱といわれておるこの会社が行なっておったことは御承知のとおりであります。 また、伊藤忠商事におきましても、すでに通産省が、五条に基づく強制調査あるいはきびしい警告書を通産大臣みずからが出される。この事実からしても、在庫分散、こういう文書を出して、しかもそれがあたりまえに通っておる。一月八日に出したものが二月二十日までそのまままかり通っておった。これはゆゆしいことだと思うのです。 予算委員会におきまして、私は一般質問のときに大蔵大臣に対して、こういう悪徳企業に対しては輸銀の融資をストップすべきじゃないか、こういうことをただしたわけであります。これに対して大蔵大臣は、反社会的な行為をした企業に対しては金融的な制裁を行なう、こういう答弁もされておりました。この答弁は、大蔵委員会におきましても、わが党の荒木委員の質問に対しても同様の答弁をされております。そこで、申し上げたいのは、三菱とか伊藤忠、このような悪徳商法を行なう企業、これについては少なくとも輸銀の融資を引き揚げるべきじゃないか。百歩譲って、引き揚げがいまの時点では直ちにできないということであれば、少なくとも新規の貸し出しをストップすべきである、こういうふうに私は考えるわけですけれども、大蔵次官、いかがですか。
○中川政府委員 企業の内容が明らかに反社会的で許されないということが明らかになりました場合には、もちろん考えなければならないことでありまして、これは大蔵大臣が答弁したことと同じでございます。今回の場合につきましては、これは主務官庁であります通産省と実態を明らかにした上で、その上でしかるべき措置をとるべきかどうかの判断をいたしたいということでございます。
○野間委員 私がお聞きした中で、もう一つは、新規の申請があった場合にどのように対処されるのか、あるいはすでになされておるのかどうか、なされておるとすれば、これにどう対処されるのか、そういう点についてもお聞きしたわけです。
○中川政府委員 新規の要求が出ているかどうか、私まだ調べてきませんが、かりにあったとした場合、これはプロジェクトがまず大事でありますから、プロジェクトの内容その他を見ると同時に、その企業がどうであるかについては、いま申し上げたとおり、その内容、反社会的内容について検討した上で、プロジェクトを犠牲にしてでもそういう会社はやるべきでないという結論になるのか、今後そういうことのないように十分注意を与えてやるのか、これは検討してみなければならないところだと思います。
○野間委員 もう少しお聞きしたいわけですけれども、それじゃ、事務当局から、その新規の問題について、伊藤忠あるいは三菱商事、G・S・スティールですね、それがあるのかないのか、それを具体的にお答え願いたい。
○山田説明員 先生おっしゃったタイの案件については、その後はございませんですけれども、通常の商社活動の一環といたしまして、輸出金融なりあるいは海外投資金融の申し込みは、当然にあるだろうと思います。大商社でございますから、継続して生じてくる問題だと考えております。
○野間委員 そこで私は要求するわけですけれども、このような国内的にも国際的にも大きな問題を起こした商社について、新規の貸し出しの申請があった場合に、これが、いま次官の話にもありましたけれども、反社会的な行為ですね、この実態が明らかになるまで、かりにその申請があった場合には、これはストップして調査すべきである、調査して結論が出るまでこれは貸すべきじゃない、このように私は考えるわけでありますけれども、重ねてその点についてのお答えを願いたいと思います。
○中川政府委員 伊藤忠につきましては立ち入り調査中でございまして、輸銀の扱いは、その調査の結論を待って、どうするかをきめたいということでございます。
○野間委員 ちょっといまの答弁の中身がよくわかりかねるのですけれども、新規の申請があった場合に、これは調査を待って、調査を待った上で融資をするかどうかをその時点で判断したいという趣旨なのかどうか。
○中川政府委員 そのとおりでございます。
○野間委員 この点については、三菱商事も同様だと思うのです。したがって、これは厳正にひとつ調査をして、そのようなきびしい態度をとっていただきたいと思うのです。これは手元流動性の問題云々、これは買い占め、売り惜しみとも直接関連するわけですから、ぜひその点強く要望しておきたいと思います。 そこで、時間があとわずかしかありませんので、貸し付け金の問題について、さらに少しお聞きしたいと思うのです。 商社がいろいろ貸し付けをやります。この貸し付け金は、公取の調査報告書を見ましても明らかですけれども、これは卸商あるいは小売り商としての行動を越えて、まるで金融業、銀行のような機能を果たしておる。そしてぼろもうけをしたその利益を内部留保して隠す、そういう操作をしておることは、いろいろなものの本とかあるいはその他審議の中で明らかになったと思うのです。そこで、その引き当て金、準備金、社内留保、これについて若干調べてみました。大手商社十社について、これは「総合総社年鑑」でいろいろと拾い出したわけですけれども、資本金の合計が、四十五年三月が、これは十社の合計ですけれども、千三百五十六億円。四十八年三月には千七百六十六億円にふえております。ところが、同じ時点をとってみますと、引き当て金準備金、これは四十五年三月が千五百七十億円。これが四十八年三月には三千二百四億円に社内留保がふえておるわけですね。特に引き当て金準備金が。この引き当て金準備金のうちで貸し倒れ引き当て金が四十八年三月末には千四百十五億円、こういうふうになっておるわけです。この数字は私は誤りないと思いますけれども、一応この数字が相当かどうか確認をしたいと思います。
○森下政府委員 誤りございません。
○野間委員 そうしますと、これらの数字から見ますと、四十五年三月末までは引き当て金準備金が資本金を若干上回る、こういう程度であったわけですね。ところが、三年後の四十八年三月末、これは資本金の約二倍近くにふえておるわけですね。しかも、この引き当て金準備金のうちで貸し倒れ引き当て金、これは約四四%占めております。十社の資本金に近い多額のお金が貸し倒れ引き当て金として蓄積されている、こういうことを示しておるわけですけれども、つまりこのことは大手商社におきましては、貸し倒れ引き当て金が内部留保を増加させる上でかっこうの隠れみの、こういうことになっておると思うのです。しかもこの引き当て金は無税になっておるわけでありますけれども、商社の貸し倒れ引き当て金の繰り入れの限度額ですね、これは一般の卸、小売りと同じだと思いますけれども、そのパーセンテージ、これをひとつぜひお聞かせ願いたいと思うのです、事務当局。
○甲斐説明員 商社につきましては千分の二十という割合が定められております。
○野間委員 そうしますと、二%ということですけれども、製造業とか、あるいは金融保険業ですね、これは一体何%になっておるか、こちらから数字を申し上げて誤りかどうかただしたいと思いますけれども、製造業が一・五%、金融保険、これは一・二%、こういうふうになっておると思うのです。この点について数字の確認を願いたいと思います。
○甲斐説明員 そのとおりでございます。
○野間委員 そこで、製造業が一・五、金融保険が一・二。ところが、商社は二%まで限度額は認められておるわけですね。私はここに大きな問題があると思うのです。これは商社も、卸、小売り業ということで、その限度額は高くなっておるわけでありますけれども、中小の商社はともかくとして、六大あるいは十大商社、これがはたして二%の貸し倒れ引き当て金、これが必要かどうかですね。私はこの際、これはやはり検討し直す必要があると思うのです。その点について、次官、いかがですか。
○中川政府委員 この問題は、いま御指摘をいただいたのでございますが、十分検討はしてみますが、危険性は、商社は卸、小売りと同じようにかなりほかのものよりは多いのじゃないかという感じはいたします。
○野間委員 それはいまの商社の機能をやはり御理解されていないと思うのです。いろいろ私も調べてみたわけですけれども、実際に貸し倒れの可能性があるのかないのか、こういうことなんです。これはないと思うのです。ある商社でずっと調べてみますと、この貸し付けについては、取引先を、信用限度設定先と、それから省略先と、この二つに分けております。省略先とは、グループ内の会社、あるいは子会社、それから新日鉄をはじめとする優良大会社ですね。これは信用は無制限に与えられております。ところが、限度設定先、これに対しては、担保に見合った限度額、これをきめられて、これをこえないように厳重に管理が行なわれておる。つまり、このようにして、全く貸しても回収が一〇〇%保証される会社と、そうでなくて、信用限度額を設けなければならぬ会社については厳重に担保をとって貸し付けをやっているというのが現在の商社の実態なんです。さらに、ほとんど貸し倒れという危険がないと思われるものに、たとえば商社が契約の当事者となっていないで、ただ単に代金の収支を行なうもの、たとえば原料炭あるいは鉄鉱石、この輸入では、大部分の売買契約は高炉メーカーと山元で直接やるわけですね。そうして商社は実務代行契約、これを高炉メーカーと結びまして輸入決済実務あるいは配船、これを行なうだけなんです。ですから商社には何のリスクもないわけです。この場合には為替リスクも全部高炉メーカーが負担するというふうになっているわけですね。それからLCベース、この輸出取引、これも売り先がもし支払わない場合には現地の銀行が肩がわりする、こういうことになっているわけですね。だからこういう確かな貸し金はない。しかもこの点については公取のいろいろな調査の中でも報告が出ておりますけれども、たとえば調査報告書の中にはこういうふうに書いてあります。企業に対する商社の貸し付けは、従来は焦げつき債券のたな上げなど、うしろ向きのものが多かったが、最近ではこれら不良債券は一掃され、取引先確保のための前向きの貸し付けがほとんどであるといわれておる。これは確かに分析したらそうなるわけですね。したがって、単に中小零細のいわゆる卸、小売りということとは商社は全く機能が違うわけです。ですから、先ほど次官から答弁されましたけれども、こういう企業に着目して、この実態を見た場合には、この二%というのはいかにも高い。これをもっとやはり下げるべきだ。これが諸悪の根源であるだぶつき資金、そしてそれが買い占め、売り惜しみ、これに結びついておるということを考えて、この点については十分検討し、これを下げるべきである、こういうふうに私は思うのですけれども、これは次官、それから通産次官も同時にお答え願いたいと思います。
○中川政府委員 確かに大手の商社はそういう担保といいますか、保証がはっきりしておるので、貸し倒れが非常に少ないことは御指摘のとおりだと思います。 そこで、これは税制の問題でございますので、今後研究してまいりたいと思いますけれども、中小の商社においてはやはり危険性は非常にあるのじゃないか、そこの線の引き方などにも問題があろうかと思いますから、今後十分検討さしていただきたいと存じます。
○森下政府委員 この差のある問題につきましては、いろいろ危険度の問題、取引条件の問題等でこういう差がついたのだろうと思いますけれども、なお十分過去の実績、また現在の趨勢を検討して、早急に結論を見出していきたい、このように思っております。
○野間委員 この点についてはさらに私今後もいろいろと質疑をしていきたいと思いますけれども、いずれにしても、大商社の悪徳商法ぶり、これは目に余るものがある。これは田中総理をして、これはゼネラル石油ですけれども、言わせた、あれを典型として、いまほんとうに国民の生活を破壊する反面、大企業だけがぼろもうけをしてほくそ笑んでおる。しかも商業道徳も何もあったものじゃない。国内においても海外においてもこういうことをやっておる。ですから、この際この問題について、いま大蔵省あるいは通産省とも十分検討したい、こういう答弁がありましたけれども、それも含めて商社のいろいろな問題点、実態を調査する、公取も引き続き調査すると言っておりますけれども、たとえば一例をあげますと、貸し付け金の問題についても、政府機関から安い金利で借りる、さらに都銀などでの貸し出しを見ましても、大体年利率五・五%以内の借り入れが約半分以上占めておるわけですね。安く借りて、しかもそれをどんどん高く貸していく。私あるところで調べてみますと、日銀の公定歩合、大体あの程度の金利で都銀が商社に貸し付けをやっておる、こういう実態もあるのです。ここには銀行と商社の完全なる癒着、しかもその商社がどんどん銀行から低利で借りてこれを貸し付けして、そうして垂直統合をやっておる、系列支配していく、強化していく、この中でCIのマークを自分の手から離れたものについても張りかえろ、こういう強力な支配体制が出てきておるわけであります。したがって、これらの問題については、また別の機会にやりますけれども、通産省、抜本的にこの商社の実態を洗い直すということをここでぜひお約束していただきたいと思うのです。
○森下政府委員 国内外における商社活動の実態につきまして十分調査するとともに、今後の商社のあり方について鋭くメスを入れていきたい、このように思っております。
○野間委員 終わります。
○平林委員長 次に、石田幸四郎君。
○石田(幸)委員 公取と通産省にまずお伺いをいたします。 去る二十六日、予算委員会におきまして、四十六年の石油連盟に対する価格カルテルの勧告問題が追及されたわけでございますが、そのとき石連の密田会長は、この四十六年度の価格カルテルは通産省の指導に基づいたそういう協定であるから、いわゆる言われているところのやみカルテルではない、こういうふうに強弁をして、四月二十二日の通産省の指導の内容をあげられたわけでございます。 きょうの読売新聞によりますれば、この石連の密田会長発言は全くのうそを言ったものであって、いわゆる二月二十二日の営業委員会の価格カルテルをさして公取は勧告を行なったのであって、四月二十二日の問題ではない、こういうふうにいっておるわけですが、この指摘は正しいですか。まず公取から伺いましょう。簡単に言ってください。
○吉田(文)政府委員 私どもで違反としているのは、昭和四十六年二月中旬ごろ外国の原油供給業者から会員に対して原油の販売価格を引き上げる旨の通知があったので営業委員会でその対策を検討して、四十六年二月二十二日に引き上げを決定した、こういうことでございます。ですから密田会長のおっしゃるのはそのあとの問題でございます。
○石田(幸)委員 違うというわけですね。
○吉田(文)政府委員 その前に決定をしている。これは審判開始決定書にはっきり書いてあります。
○石田(幸)委員 四月二十二日の指摘ではないというわけですね。
○吉田(文)政府委員 はい。
○石田(幸)委員 きょうの読売新聞によりますれば、通産省はこの問題指摘をいたしまして、いわゆる二月二十二日、四月二十二日の食い違い、これを指摘して、通産省は石油連盟に対して厳重抗議をした、こういうような報道がなされておりますけれども、抗議をした事実はありますか。森下政務次官にお伺いします。
○森下政府委員 この件につきましては通産省が関知しておらない、これはそのとおりでございます。それで、抗議した事実等詳細につきましては係官来ておりますので、詳細に説明さしていただきます。
○熊谷政府委員 お答え申し上げます。 いま御説明がありましたとおり、事実関係について石連の会長の発言と食い違っておることは明確になったと思いますが、通産省としましては、石連が一体どういう判断でそういうことを申したのか、私どもとしては石連に対しまして釈明を求めたいというふうに考えておるわけでございますが、形式的に会長を呼んであるいは文書をもってということは、きょう現在まだいたしておりません。しかしその点は近く明らかにいたしたいというふうに思っております。
○石田(幸)委員 近くその密田発言についての真意をただしたい、こういうような意味だと思いますが、いつごろ行なうのですか。
○熊谷政府委員 本件につきましては早急に明らかにいたしたいというふうに考えております。
○石田(幸)委員 くどいようでございますが、政務次官、いまの問題について、当然相談をなさるのだと思うのですけれども、ここ一日二日のうちに行なわれると解釈してよろしゅうございますか。
○森下政府委員 そのとおり解釈していただいてけっこうです。
○石田(幸)委員 それでは公取にもう一度お伺いをいたしますが、この昭和四十六年の石連に対する勧告、現在審判中ではございますけれども、この密田発言はきわめて重大な発言であると思います。いわゆる物価狂乱の、物価に対する集中審議の参考人という形で出頭いたしましたけれども、国民注視の中に行なわれたそういう中において問題の完全なすりかえをあえて行なった、悪意にとればごまかしたというふうにいわざるを得ないのでございますけれども、では一体この審判の場において、石連側が、この四十六年度の問題に対して、通産省の行政指導についてどのように述べておられるのか、御報告を願いたいと思います。
○吉田(文)政府委員 この事件は現在審判中でございますけれども、審判は公開でございますので、審判の場においてどういう主張を向こう側が、石連側がしているかということを申し上げます。 まず指導の時期でございますが、昭和四十六年の三月の下旬、通産省、これは担当審議官及び課長、これから、出光計助さんというのは当時の石連の会長でございますが、それに指示の内示があった。指示の内容はあとで申し上げます。それから続いて昭和四十六年の四月二十二日に石油連盟の営業委員会におきまして、通産省の担当課長から正式の指導があったという主張をしております。それで指導の要旨でございますが、原油のコストアップ分の全額をユーザーに転嫁することは適当でない、製品換算キロリットル当たり二百三十五円を業界が負担し、同じく八百六十円をユーザーに転嫁するのはやむを得ない、各社の事情に合わせて行動するようにということが指導の要旨でございます。
○石田(幸)委員 この問題はこれで、以上にいたしておきます。いずれにしましても前回の密田発言は四十六年二月二十二日の公取のやみカルテルの指摘に対して四月の問題を取り上げてあえて問題をすりかえをしたということは事実であることが判明をしたわけであります。 では、私は、きょうの主題であります、前回取り上げましたプロパンの問題についてもう一度通産省並びに経企庁の物価局のほうに確認を申し上げたい。 前回私は、プロパンの標準価格を千三百円と決定した根拠がきわめて薄弱であるという旨をいろいろとただしてまいったのでございますが、きょうはこれを一覧表にしてまいりましたので、その点順次ひとつ御確認を願いたいと思います。 〔石田(幸)委員、政府委員に資料を示す〕
○石田(幸)委員 時間がありませんから、ごく端的に申し上げますが、この前私は、いわゆる容量売りと重量売りの場合に、当然これは標準価格を中心に考えて、その間に大きな格差が出てくるという問題を指摘いたしました。いわゆる冬場において、ごく寒い期間、ですから十一月から約三月までとこのように考えていいと思うのでございますが、これを業界、小売り業をずっと回って確認をいたしましたところ、大体十キロボンベの中には一〇%、一キロぐらいは残ガスとして残るのだ、こういうふうに残るのが実情だというようなことを確認をしてきたのでございますが、そうしますと、重量売りの場合、実質九キログラムでいわゆる千三百円というふうに消費者が購入していることになりますけれども、これはこのとおりでよろしゅうございますか。簡単でけっこうです、順次確認をしていくわけですから。
○松村説明員 お答えいたします。 残ガスがボンベの中に残るということは、これは先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、十キロボンベで売りました場合に、その残量が幾らになるかということをその場で計量、チェックいたしまして(石田(幸)委員「計量じゃないよ、重量売りの場合、一本売りの場合」と呼ぶ)重量売りでございまして、たとえば十キロボンベを売りました場合に、その中に若干残るというケースが非常に多いわけでございますが、その場合にはその十キロから残りました分を引いて精算するということが正しい販売方法でございます。
○石田(幸)委員 いや、一キロ分を引いて精算するとか何とかおっしゃっていますけれども、そうじゃなくて、一本売りの場合は、いわゆるボンベの中に入っているガスが容器ごとに売られているのであって、それにはメーターがついてないやつがあるわけでしょう。それを言っておるわけですよ。残ガスが一〇%残れば、九キロ千三百円で買わされていることは間違いないじゃないですか。もう一ぺん端的に、簡単に言ってください。
○松村説明員 十キロボンベで一本売りをいたしました場合に、それにたとえば一キログラム残る、あるいは二キログラム残ったところでいろいろな配送上の都合からそれを取りかえるといったような場合には、当然その分を差し引いて代金決済をするということが正しい方法でございます。
○石田(幸)委員 実情はそういうふうな形では行なわれてないのですよ。メーターがついてないのですから、残ガスがどれだけ残っておるかわからぬでしょう。そういう適当なことを言われては困るのですね。一本売りですよ。メーターがついてないのですよ。それで残ガスがどれだけ残ったかというのは、ではどうやってわかるのですか。もう一ぺん。
○松村説明員 十キロボンベ入りに確かに十キロ入っているかという点については、それは計量いたして十キロ入っているという確認をするわけでございますし、それを他の新しいものと取りかえる場合には、そこにどれだけ残ガスがあったかということは、計量器でもって測定いたしまして、その分を差し引いておるというのが正しい方法でございます。
○石田(幸)委員 それはそういうやり方が正しいのですよ。正しいのだけれども、実際には行なわれていないでしょう。行なわれていませんよ。一々残ガスを計って、それで一キロ残っておりますから一キロ分引いて次の分をお渡ししましょうなんという販売方法が、行なわれておりますか。それは計量器がついているものはあなたがおっしゃるとおりに売られておるのです。計量器がついてないのですよ。一々計量器を持っていってメーターを計って、そしてチェンジをしているかというと、そういうことは行なわれてないでしょう。どうですか。
○松村説明員 LPGの販売方法については、重量売りの場合にいろいろそういった問題があるわけでございますので、私どものほうでは、まずメーター、産気率によるメーターセールスということの普及をひとつはかっておりますのと同時に、重量売りの場合でも、先ほど私が申し上げましたような方法で販売をするようにという指導をいたしているところでございます。
○石田(幸)委員 そんなことを聞いておるのじゃないのですよ。
○平林委員長 いや、そういうたてまえはわかっているのだけれども、それが実際に行なわれているのかいないのかという点を聞いているのだよ。
○松村説明員 お答えいたします。 私どもが聞いております範囲においては、そのような、何といいますか、計量によって販売するという方法が普及しつつあるというふうに考えております。
○石田(幸)委員 まあいいでしょう。あなた方、実際小売り店を回っているわけじゃないから。しかし、そういうような形で行なわれているということは承知しておいてくださいよ。時間がありませんからね。 それから二番目の問題、いわゆるメーター売りの場合、これはいわゆる二枚目の資料で差し上げてありますように、各地においては年間平均気温、最高気温、最低気温というふうにあります。その気温の差によってえらい価格の差が出てくるのであって、いま各県とも、この産気率について何円にしたらわが県は妥当であるかということで、非常に苦労をしておるわけですね。そうして、この三枚目として資料を差し上げたのは、埼玉県では産気率四・五四の場合は立方当たり二百八十六円、そういう計算でやっているわけです。そうすると、気温がマイナス十度、その場合に千三百二十円、ところが年間の平均気温は十三・九度、最近の状況がこれにだんだん近くなっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、最近の気温状況から見ますと十度、ここら辺がいわゆる現在の気温であろう、そういうようなことで、埼玉県ではいわゆる、その場合の産気率は通産省が示された産気率の換算からいけば五・〇三ぐらいであろうというので、値上げを八十六円をかけて千四百三十八円で売っておるわけです。東京の場合も、いわゆるいまごろは十度ぐらいないし十度をちょっとこすぐらい、低くなる場合もありますから大体十度としまして、これに立方メートル当たり二百八十円というものをかけて産気率をかけてみると千四百八円。そうすると、通産省の指導要項を基準にして考えてみると、いわゆる現在の標準価格は千四百円から千四百五十円ぐらいだ、こういうようなことになってしまうのでございますけれども、これでは現在の状況から見ると非常に高値の標準値段になってしまうというので、各県とも困っておるわけですね。しかしこれでやる以外にない。やっておる。埼玉県、東京都、神奈川県、この三県だけでも確認いたしますけれども、こういうことでやっておるでしょう。いかがですか。わかりますか、わかりませんか。
○森下政府委員 プロパンガスのメーター制によるそれぞれの地域における、またそれぞれの気候的条件によります千三百円、標準価格との対比におきましては、御指摘のような点もあることはわれわれも承知しております。できるだけ画一的に全国的に統一できるように検討はしておりますけれども、先般の委員会でも御指摘いただいたように北海道価格を含めまして各地域におけるそういうようなアンバランス、これはわれわれも認めながら早急に千三百円以下で取引ができるように、先ほど言われました重量制の問題も含めて今後の問題として早急に通産省としても検討していきたい、そういうことでやっております。
○石田(幸)委員 早急に、いま全国に対して千三百円で売られるように指導なさるということですけれども、しかしあなた方がお示しになったこの基準によりますれば、現在東京ではどうしても十キロ入りのボンベについては千四百八円で売らざるを得ないわけですよ。百円も高いですよ。最近は特にプロパンガスの値段も若干値くずれがしておるというので、千円前後で売られている場合もある、こういうふうに言うておるわけですね。そうすると相当高い値段を東京都は明示をせざるを得ないわけでございますけれども、これをどういうふうに是正をされるつもりですか。
○森下政府委員 重量制の問題は、先ほど課長から御説明いたしましたように、できるだけメーター制によって九キロが千三百円で売られないような、そういうような矛盾をなくしていきたい。ただし、容量制になりますと、産気率の問題が非常に格差をつけることも事実でございます。 問題は、この千三百円が現状高いか安いか、これが私は一番基本的な問題であると思うのです。もちろんLPGのみならず、灯油にいたしましても、他の石油製品にいたしましても、一応指導価格とか標準価格は設定しましたけれども、通産省としてはできるだけこれを下げる方向に行きたい。石油製品もわれわれが思った以上に減らないようでございますので、そういう点で千三百円が決して標準的な価格ではない、一応上限価格という感覚できめております。これを千二百円とか千百円とか、できるだけ安くするのが通産省の方針でもございます。そういう問題も含めて千三百円に固執せずに、またそういう千三百円を上限価格とする標準価格の中でアンバランスがないように御注意等もございますので、そういう内容も十分よく注意し、また参考にして、ちゅうちょなく手直しもしていきたい、またそういうデータ等の間違いがあれば、こういうものも訂正していきたい、このように思っております。
○石田(幸)委員 時間がありませんから、まとめて申し上げますと、もう一つガスの問題では、イ号とロ号の問題があるということをこの間御指摘いたしました。だから、いま私が言わんとしているのは、いわゆる標準価格というものはおそらくこれは夏場になりますれば引き下げるか、あるいは撤廃するかというようなことになろうかと思います、これはあたたかくなれば。しかしまたたいへん高い原油が入ってきているわけでございますから、来年の冬場になりますれば、また標準価格設定ということは当然問題になってくると私は思います。そういう場合、いま言ったように重量売りの場合、メーター売りの場合、イ号とロ号の場合、三つの違った要素があるわけですね。 それからいま政務次官がおっしゃったように、北海道と沖繩ではえらい気温の差があるわけですね。そういう問題を加味して、そしてやはり全国的に一律に千三百円というようなやり方をしますと、こういうような混乱が起こってくるわけですよ。それから重量売りの場合とメーター売り、メーター売りをいま行政指導で推進していらっしゃることはわかるけれども、現実にまだ重量売りがたくさん残っておるわけです。やはりそこら辺も標準価格設定の場合は明確な御指示をしないと各所に混乱が起こるということをいま私は御指摘をしているわけでございますから、現在の問題は問題としまして、この次ひとつこういうようなケースが生まれてきたときにはもう少しきちんとした指定をなさるように要望をいたしたいと思うのです。きょうの新聞等を見ますと、いろいろ灯油あるいはプロパンガス等についても報道がなされておりますが、いわゆる「十キロ入りプロパン九百五十円という投げ売りが一部に出始めたものの、標準価格通りのケースが大部分。このため、消費者の間には「標準価格が値下げのブレーキになっている」という不満の声が多い。」」それを裏づけるかのように日本LPガス連合会の高橋専務理事は「九百五十円から千二百円という下値はごく一部だが、標準価格は九九%守っている。高値安定の感じを与えている一面は否定できないが」、云々というふうにやや値くずれの状態を肯定されておるわけでございますけれども、灯油はいわゆる需要期というようなことでこの三百八十円の標準価格というものが期限つきできめられております。プロパンガスの場合は期限がないのでございますけれども、こういう値くずれ状態、あるいは将来の原油の値上がりの問題というものをからめて、一体これを一ぺん撤廃するのか、標準価格というものを灯油、プロパンガスについては撤廃するのかどうか、そして新たに再指定をするのか、あるいは標準価格撤廃だけを当面考えているのか、ここら辺のお考えについてはいかがですか。
○森下政府委員 当初から標準価格をきめましたときに実勢価格に応じてこの千三百円とか、また灯油の三百八十円がいわゆるつり上げになるような事態になった場合には遅滞なくこれを下げるとか、また取りやめるというような考え方もございました。灯油につきましては需要期も大体もう過ぎ去らんとしております。またLPGにつきましてもかなり出回りもよくなって、一部にはかなり安く売られておるような例も聞いております。そういうような実勢的な全国的なデータをよく集めたり、また調査したり、また一月一日からの原油の値上がり、これが将来においてどういうようなコストを形成するかというようなことを見比べながら、引き下げとか、またそのまま据え置くかというようなことも検討してきめていきたい。 いまのところはいろいろ石油業者等のいわゆる便乗値上げ等の問題が予算委員会等でも解明されております。できるだけ通産省としては便乗値上げ等によるもうけを、現在出血しておるわけでございますけれども、これを十二分に出血する、また蓄積までも出してもらう、そういうような社会的制裁、経済的な制裁的な意味も込めまして物価値上がり等の、石油製品がならないというようなことも含めてでき得る限り値上げの方向には持っていかない、こういう方針で実はやっております。 結論は、やはりよく実勢を見きわめながら、また過去におきますいろいろな経済情勢、また取引の内容、また石油業者等のあり方、そういうことも含めて政治的に判断をしていきたい、このように思っております。
○石田(幸)委員 だから、現在の実勢、それからいま御指摘を申し上げましたプロパンガスの千三円の根拠というものは、きわめてあいまいなものでございますから、これを早い機会に見通しを立てて、そして標準価格の引き下げをするとかあるいは撤廃をするとか、そういう方向を早く出さなければだめだと思うんですね。 標準価格というものは、何も永遠不滅のものではないわけでございますから、そこら辺のところをいつごろに見通しを立てて検討をされておるのか。非常にむずかしい問題もそれはあろうかと思いますよ。しかし、だんだんあたたかくなりますと、標準価格と実勢価格の間に大きなギャップができて、標準価格はいわゆる非常に高値安定を示すような、そういう指導的な価格になってしまうわけですよ。ですから、これは将来の問題なんというふうに考えないで、とにかく夏場はこうしようというような方針を早く出さないと、また通産省はたいへんな指摘を受けると思いますけれども、もう少し明快な御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森下政府委員 後手後手にならないようにやっていきたい、こういう気持ちでございますけれども、いろいろこの値段の問題等につきましては、非常に微妙な事情もございまして、ここで何月何日からどうしますということは発言しかねます。この問題については、早急にいわゆる先手先手できめていきたいし、またそのように早急に資料を集めたい、またよく情勢を見きわめて決定していきたい、このように思っております。
○石田(幸)委員 それでは最後に、きめられるときはきわめて勇断をもっておきめになったわけですよ。しかしプロパンの値段なんか調べてみると、非常に問題がある。だけれども、値くずれが起こってきたときには慎重にしなければならぬというのでは、これは国民もたまったものじゃないのであって、とにかく早く、もう春場に向かっておるわけでございますから、春、夏、秋のそういう価格をどう指導するかという問題を早くひとつ検討し御決定をいただきたい、これだけ要望しまして終わります。
○森下政府委員 御趣旨を体しまして、努力をしていきたいと思っております。
○平林委員長 次に、和田耕作君。
○和田(耕)委員 きょうは森下政務次官と竹内政務次官を中心にして、少し気楽にひとつ答えていただきたいと思うのですけれども、予算委員会の物価集中審議というのが一応終わりました。そして大商社、大企業の間違った行動について、相当明らかにされたわけでございますけれども、何だかこれでもって狂乱物価の問題点というものが終わったような感じを受けてもらっちゃ困ると私は思っているわけなんです。そこで、そういうふうな意味で御質問をしたいと思うんですけれども、今回この狂乱物価といわれる事態というのは、たとえてみますと大きいテーブルにごちそうをたくさんそろえた。このごちそうに対して、さあ皆さん、自由だからこれをより取り見取りだということで、そういう状況を提供した。それに各業界は、力の強い者勝ちにわれ先にと飛びかかっていった。そして自由経済という体制のもとで、思う存分にもうける者はもうけ、悪徳商法の限りを尽くしたという形になると思うんですね。 そこでわれ先にルールもわきまえないで突進した連中のことは、今回の予算委員会でいろいろ明らかになったんですけれども、さてそのテーブルの上にごちそうを並べて、さあ食べなさいとした、この演出をつくった者は、まだ追及をされていないという問題が残ると思うんですね。今後、いろいろ大商社、大企業のビヘービアについての問題は、明らかにしていかなきゃならないわけですけれども、やはり今後の一番大きな焦点はこのテーブルの上にごちそうを並べた、しかもこれを無秩序にわれ先に奪い取らしの状態を現出させた原因はどこにあるのかという問題なんですね。 こういうふうな問題を考えてみますと、やはり今後、この一年ほど前からやかましく言われました過剰流動性という問題が一つあります。大きな必要でないところに必要な資金をだぶだぶと提供した、そしてまた回収できる状態の資金すら回収さえしないで、もっと借りてくれ、借りてくれといったような金融資本の問題もあるし、そういうふうな状態を認めた政府の状態もあるわけですね。 もう一つの問題は、この狂乱物価に火をつけたのは、今度の石油危機の問題について的確な判断をすることができなかった政府の貧弱な情報取得の体制にもある。この問題は、深刻に反省してもらわなければ困ると私は思うんです。 実はこの前の委員会で、この問題についてざっと触れたわけでございますけれども、きょうはこの問題について若干事務的ないろいろな質疑を含めて、重要な提案を私してみたいと思うんですが、お二人の政務次官に、今回の中東問題が起こって石油が非常におそろしいような状態になるということができた場合に、政府はどのような情報をどういう形でとったのか。外務省の方もお見えになっておりますからお聞きしていきますけれども、私の判断では、実際のたよりになるのはメジャー筋、メジャーと密接な関係を持っている石油大手、この人からの情報をしかも事後になってとっておるという状態ではなかったのか。 大蔵省の通関統計というものもあります。これも事態が発生して、はるかあとのことになる。通産省の情報というのは、業界からとった情報だ。そのほかに、現地現地でいろいろな情報機関があるわけですけれども、そういう情報にしても、石油に対する情報についてはこれというようなものは考えられない。つまり事後だということですね。しかもメジャーと関係のある業界からの情報だということですね。こういうふうな問題についてどのような御反省をなさっておられるのか。あるいはまた、いやそれ以外にこういう方法で情報をとったんだということがあれば、きょうお見えになっている通産あるいは外務、企画庁の方々からお答えをいただきたい。
○森下政府委員 量の点については、船の配船計画とかまた到着予想それから十日間別の船積みの状況、こういうことはわかるわけでございます。しかしこれは一応向こうで積んで以降の問題で、一カ月とか二十日間とか、それくらいのいわゆる供給量は大体わかりますけれども、価格の上がり下がりの問題ですね。もちろん下がりはしませんでしたけれども、昨年から一ドル半くらいのバーレル当たりFOB価格が、最後には十ドル以上になってきた、こういう価格の上昇についての情報というものは、まことに手おくれのような状況になったと私は見ております。特に中東戦争を境にして、いわゆるOAPECの国が石油資源というものを一つの戦略的な物資として使用したということも、つまびらかでございませんけれども、新聞等にもございますし、また情報としても聞いております。ヨーロッパの諸国でも、あれだけ削減されるということにつきましては、非常に不審な気持ちを持っておった。それが、ある国際石油会社のだめ押しによって、情報によって、結局はほんとうだというようなことも実は聞いております。そういうことで、今回の急上昇の問題につきましては外務省からも御報告あると思いますけれども、残念ながらあのような原油価格の高騰については、通産省としても十分な情報を得ておらなかった、また見通しもなかったように私は思います。 ただ、一昨年中曽根通産大臣が中東を訪れまして、将来やはり石油というものは資源として非常に大切であるということの先見性に基づいた中東の訪問ということを、私は高く評価していただきたいと思いますし、特に昨年の七月に、いろいろな問題もありましたけれども、資源エネルギー庁というものを通産省につくりまして、この問題に真剣に取り組まなければいけないという先見性も評価もしていただきたい、このように思っておるわけでございます。
○川出説明員 外務省経済局の川出でございます。 石油危機に関連いたしまして、外務省の情報活動は必ずしも十分でないという御指摘をいただいたのでございますが、先生御指摘のように、私どもの情報活動、外交活動の中に必ずしも十分でなかった点があることは、はっきりと自覚いたし反省いたしておるのでございます。私ども非常に少ないスタッフをもちまして、たとえば中近東諸国あるいはヨーロッパ、アメリカの諸国で、石油関係の各会社とかあるいは産油国の政府と接触いたしまして、こうした石油が政治的な武器として使われる可能性については全然承知しておらなかったわけではございませんので、たとえば昨年の七月に東京で開かれました中東大使会議の際にも、中東諸国は石油を政治的武器として使うおそれもあるというような指摘も、出席の大使から出されておりますし、また在外公館の情報活動の一環といたしまして、またこの在外公館の情報活動には外務省出身者のみならず通産省その他関係各省庁の出向者も含まれておりますが、一致協力いたしまして公館長の指導のもとに情報収集につとめておりますが、その一つといたしまして中東諸国から、どうも中東諸国の動きが非常に危険である、おかしいということで、政治的な武器として石油が使われるのじゃないかというようなことを示唆する情報も参ったのでありますが、私ども十分にこうした情報を把握し分析しておらなかった点を深く反省しておるものでございます。 今後とも、在外公館の機能を使いまして、たとえばOPECの事務局ともっと接触を深めるとか、あるいは産油国の政府関係者と接触を深めるというような方法によりまして、石油関係の情報をもっともっととってまいりたい、そして正しい分析のための基礎にさせていただきたい、このように考えております。
○竹内(黎)政府委員 石油事情に関しまして、経済企画庁としては独自の情報機関ないし情報ルートを持っておるわけではございません。したがいまして、通産省からのインフォームをそのまま信じてきたというのがありのままの事実でございます。
○和田(耕)委員 アメリカのニクソン大統領が登場して、キッシンジャーさんが世界政治を担当するという状況になって、世界が一挙に権力外交といいますかパワーポリティックスというような状態に入ってきた、これはもう何とも否定できない事実だと思うのですね。こういうふうなパワーポリティックスの場に、単に、政治の問題、軍事の問題だけではないのです。当然この資源、経済の問題が入ってきておる。したがって、重要な資源地帯は単に経済の価格の上がり下がり、商売の何とかかんとかいうことではなくて、その背後にある政治的なかけ引きという問題が入ってくる。こういう情報をキャッチしなければ独立国としての日本の国益は守られない。こういうような段階にきているときに、いまの外務省あるいは通産省の情報のとり方で十分だとお思いになりますか、いかがでしょう。
○森下政府委員 残念ながら十分とはいえません。特に、通商産業省は産業だけじゃなしに通商というやはり国際的なつながり、これが大きなウエートを持っておりますし、やはり日本の産業もまた日本民族の生存も、国際貿易によって成り立っておるということを考えました場合に、やはり国際的な動き、特にこの資源問題は油だけではなしに食糧等も含めて国策としても非常に重要な部門であるということの認識はしておりますけれども、いま申し上げましたように、残念ながら十分な機能を果たしておるとは思っておりません。
○和田(耕)委員 外務省いかがですか。
○川出説明員 ただいま先生御指摘のとおり、キッシンジャーが登場いたしましてから石油問題をめぐりまして非常に政治的な動きも目立ってまいりまして、石油は単に一商品であるのみならず、きわめて政治的な商品でございまして、これに関する情報は経済的な角度からもまた外交的な角度からも総合的な立場で情報を収集し、分析する必要があるのでございまして、この面におきます私どもの活動は必ずしも十分でなかったという点は大いに反省しているところでありまして、今後、外務省の情報活動、外交活動の一つの主要な柱は資源に関する情報の収集、資源に関するところの外交活動の強力なる展開に向けるべきである、このように考えております。
○和田(耕)委員 いま通産省も外務省のほうも、非常に不十分であるということを言われました。この前も指摘したのですけれども、今後日本の悪性インフレに対する対策として、国際物価の高騰ということを第一の重要な要件にあげている。これは総理の施政方針演説でもはっきり明らかになっているし、政府の幾多の文書でもそのことをまっ先に書いてある。この問題について、いまお聞きになるように、担当各省がほんとうに十分だとは思ってないという認識を持っておられる。にもかかわらず、政府は国際物価の高騰ということを言うだけで、これに対する対策をとっていない。今回の予算の措置の問題でもあるいは政府の方針演説の中にも、そういう問題に対して重要な関心を持っておるとは思われない。これいかがでしょう。それだと国際物価の高騰というものが日本のインフレに対して重要な要素であるということを指摘するだけであれば、弁解としかとられない。今後またいろいろな状態が起こってきても、国際物価が上がったのだからしかたがないということになれば、いまの石油の業界のように値上げをするのは当然のことだ、値上げをしなければ物は入らなくなるというような居直りの態度に出るということも何ともできないことになる。これに対してどういう対策をとっておられるのかということですね。これは通産省と企画庁、両政務次官と外務当局からの御答弁をいただきたい。
○森下政府委員 私どもは、いわゆる国際的な物価の動向とか、また原油が大きく上がったから、これによって日本の物価上がるんだというような理屈づけにすべきでないと思います。やはりそういうような国際的なインフレ状況、これは石油だけの問題じゃなしに、食糧問題も含めてすべてが高騰いたしておることは事実でございますけれども、そのことを理由にして、だからわが国もこうなんだということはもちろん言いたくないし、ただ、そういう国際的な環境下で、よく国際経済情勢を認識しながら、いわゆる内政面で物価高騰に対するいかなる施策をしていくか、また通産省は通産省として、消費者の方々に迷惑をかけないような方法はいかにすべきであるかというようなことのために、昨年末以来、二つの法案をつくっていただいたり、いろいろ自由経済の中で一つの秩序を見出すために努力をしてきたわけでございます。また、多少これとても手の打ち方が鈍かったとか、また、あまり統制の方向に行き過ぎると、せっかくの自由経済のよさというものも失われるであろうというような、自由と公平の二つの原則問題で苦悩をしてきたし、また、このコントロールをはかるために、われわれも努力を現在もしておるわけでございますけれども、通産省としては、従来の産業育成、もちろんこれも大事でございますけれども、それよりも、むしろ消費者のために通産行政はあるんだということのいわゆる方向性、また福祉大国としての日本のあり方、それに対する物価問題ということも考えながら、最大の努力もしなければいけない、このように思っておるわけでございます。ただ、当面の油の価格が二倍になってきた、これは現実の問題でございます。このはね返りをどういう形で吸収していくか、これは一通産省だけの問題でございませんし、いろいろ外務省、また大蔵省、いわゆる内閣すべての問題でございますので、通産省は、その中でよく通産省の任務を体しながら、福祉大国になるべく、また消費者のためになるような通産行政をやっていきたい、このように思っております。
○和田(耕)委員 一時から本会議ですから、じっくりと御質問する時間もありませんので二つだけ問題を提起してみたいと思います。 一つは、たとえば中東地帯あるいはインドネシアあたりを中心とした東南アジア、南米、アメリカ——アメリカの問題は一応別として、アフリカの特定地域、そういうところに、つまり重要資源地域です、日本の経済にとって死活の重要性を持っている地域に、いまの各省ばらばらじゃだめですね。ばらばらでも、相当のお金を費して力を持っていればまた別ですけれども、情報をとるという姿勢じゃないですね。大体いまの日本の役所は、事実をあとから見て、そして業界の行き過ぎを訂正するという姿勢ですね。これは自由経済の一つの姿勢ともいえるんですけれども、いまのパワーポリティックスの時代ではそれでは間に合わないのですね。したがって、全般的にこうしろというわけではありません。各重要な資源地帯では、各省が協力した一つのいま申したプロジェクトを中心として、情報をとるための協力体制をとる。これはどこが中心になるかよくわかりませんけれども、そういうふうなことをやる必要があると私は思うのです。それが第一点。 もう一つは、石油のような商品、これは一般の商品とは違いますね。現在の日本の石油商社ができるのには、戦後いろいろのいきさつがあります。占領中のいきさつもあります。そのいきさつを私も承知いたしております。しかし、戦後の現在の商社ができた状態といまの状態とは、まるきり違った状態です。石油というものが日本の経済に対しての重要性という意味から見ても、まるきり違った状態です。したがって、石油という日本の経済にとって死活の重要性のあるものを、いまのような石油商社の形に放置していいのかどうか。いろいろな識者の中には、石油というものをもっと国が管理できるような状態に石油業界のあり方を変えなければならない、こういう意見も出ております。その中には国営論というものも出ております。つまり、そういうふうな問題を石油という特殊な重要性を持っているものについては検討する必要があるのじゃないか。そういうようなことになれば、石油情報というものも、この数カ月示されたようなたいへん国民に迷惑をかけるような状態もなしに、もっと早い段階に独自の情報がとれるようになるのじゃないか。 この二つの問題をぜひとも御検討をしていただきたい。これはまた違った機会に、私は大臣諸公のおられる機会にこの問題を提起してみたいと思うのですけれども、あらかじめ申し上げておきますが、この二つの問題をぜひとも検討しなければならない時期に来ている。ドイツあるいはフランス等でも、いまのメジャーの行動に対して、かなり国として積極的な行動をとっているようです。アメリカでもそうです。アメリカの議会もそうです。しかし日本では、メジャーと日本の石油大手との関係を本格的に問題にしていない。政府もしようとしていない。いままでのアメリカと日本の関係なら、できなかったかもしれません。現在はそういう状態ではないのです。また、いままではアメリカの情報、メジャーの情報によって、八〇%はうまくいったかもわかりません。あと二〇%うまくいかない場面が出たために、日本は百億ドルも一気に損しはしないかというような状態にもなってきている。こういうときですから、いま私が申し上げた二つの問題について、かりに三十億、五十億という金がかかったとしても、それをあえて避けるべきではない。独立国として当然のことです。外務省がいまどういう機密費を持っているか知りません。どういうたとえば諜報機関を使うことができる能力を持っているか、知りません。諜報機関というのは、だれもタブーとして取り上げなかったのだけれども、独立国ですから、あたりまえのことですよ、正しい独立国として、パワーポリティックスの時代に情報を得るための諜報をやるということは。そういうことを含めて、もっと検討する時期に来ていると私は思う。そういう問題、いかがにお考えになっているでしょうか。
○森下政府委員 全く同感でございます。初めの各省がよく協力して十分な情報をとれ、そのとおりでございまして、従来は残念ながら各省ばらばらのような印象を与えたような情報しかとれなかった点もあると思います。今後はやはりよく各省共同して、今回海外開発事業団の問題もございまして、これも一本化して御趣旨に沿ったような方向でいくべきであるし、また、そのような方向に行きつつあります。そういうことで、第一の問題は、中東だけでなしに、東南アジア等も、先ほどの野間先生の質問にもございましたように、ああいう問題できらわれないように、愛されながら現地とよく協力して、そして日本の資源外交を進めなければいけない。そのためには十分情報もとらなければいけない。情報のない通商も、私はこれはだめだと思います。そういう点で、そういう方向でやっていくべきであると思います。 それから、第二の問題は、確かに石油は原料でもございます。重要な資源であります。食糧以上の、また食糧と同じような重要な問題であるし、特に日本にとっては軍事問題とか防衛問題以上の重要な問題でもあるということを考えました場合に、将来ともこの石油の確保のためにはわが国の安全保障問題として、そろばんだけではない、前向きの国策的な施策を講じなければいけないと思っております。 なお、いつまでも私はこの石油を浪費したり石油ばかりにたよることもいけない。だから、将来はサンシャイン計画など立てておりますけれども、そういう面で節約できる点は他のエネルギーにかえていくような方向で、将来は石油を貴重品として、化学原料等はどうしてもこれはなくてはなりませんけれども、電力などの問題は水力の見直しとかいろいろ方法はあると思うのです。資源のないわが国でも、頭と金を使えばかなりの開発のできる余地がございます。いままでのように石油を湯水のように使って、また外貨を使ってきた資源対策を今後は改めまして、できる限り民族的な資源の開発もしながら、やはり石油の重要性も考えて、安全保障条約の一環とするくらいのつもりでやっていきたい。 なお、この問題は非常に大きな問題でもございますし、われわれごときが答弁するような問題でもないかもわかりません。また大臣から御答弁の機会があると思いますので、この程度で私の答弁を終わらしていただきます。
○川出説明員 ただいま先生から、外務省の今後の情報活動の一つの中心として資源重要地域での活動を実施するようにという御指摘をいただきましたが、まさに外務省も今後アジア、アフリカ、中近東あるいは中南米という発展途上国で、しかも日本経済にとって重要な資源の存在しますところには、強力な大使を派遣し、強力な館員を出し、また外交工作費の点につきましても優先的な配慮をするということで、必要な資源関係の情報をとり、正しい分析をして、国内官庁、通産省、大蔵省、経済企画庁、農林省等にその正確な情報をしかも早く差し上げる、こういう努力をしてまいりたいと考えております。 なお、情報活動の強化の必要につきましても先生の御指摘のとおりでございまして、各国ともこうした政治情報に並びまして、経済あるいは資源情報の収集に懸命になっておるのでございますが、日本もこの面におきましても、ひけをとらないように十分に力を入れてまいりたいと考えております。
○和田(耕)委員 では、時間もありませんからあとでまた御質問することにいたしまして、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
○平林委員長 これにて質疑は終了しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会