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72回国会衆議院1974/07/15

農林水産委員会 第45号

発言数
63
登壇者
8
会派数
3
開催日
1974/07/15

会議録

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 これより会議を開きます。  本日出席予定でありました倉石農林大臣が健康上の理由で出席ができないとの連絡がありましたので、御了承願いたいと存じます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  この際、昭和四十九年産米穀の政府買い入れ価格等に関する諮問及び関係資料について、政府から説明を聴取いたします。杉山食糧庁総務部長。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 本日、米価審議会に審議をお願いいたしておりますところの昭和四十九年産米穀の政府買い入れ価格についての諮問及び試算の内容について、簡単に御説明させていただきます。  諮問でございますが、お手元に諮問文と諮問の説明が配付してございます。ごらんいただきます。  朗読させていただきます。       諮  問  1 昭和四十九年産米穀の政府買入価格について、米穀の需給関係を勘案するとともに、生産費及び所得を考慮して定めることにつき、米価審議会の意見を求める。  2 なお、食糧管理の運営の実情にかんがみ、今後の米穀の政府売渡価格の改定について留意すべき事項につき、米価審議会の意見を求める。    昭和四十九年七月十五日            農林大臣 倉石 忠雄     諮問についての説明  (政府買い入れ価格について)  米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その算定については、昭和三十五年以降生産費及び所得補償方式により行ってきたところであります。  米穀の需給につきましては、過剰米について前年度をもってその計画的処理を了したところであり、また生産の調整についても、その計画的実施の四年目を迎え、政府持越在庫の造成を含め、おおむね年々の需要に見合う生産が行われてきております。本年度においては、休耕奨励措置を打ち切り、転作及び土地改良事業の通年施行によって生産の調整を図るとともに、一連の経済情勢をも考慮して、需給に余裕を持たせ、政府持越在庫の大幅な積増しを行うこととしたこともあって、需給はおおむね均衡を維持できるものと考えております。  しかしながら、今後の米穀の需給の均衡を図るためには、なお稲作から需要の増大している他作物への転換の促進とその定着化に努める必要があります。特に来年度以降につきましては、古米の政府持越在庫が既に余裕をもった水準に達していることでもあり、米穀の需給均衡の維持には、これまでにもまして一層意を用いる必要があると考えます。  他方、米穀の生産費につきましては、労働時間の一貫した減少傾向等により生産性の向上がみられます反面、物価賃金等の著しい上昇により最近時の価格で評価替えした生産費は昨年に比しかなりの増嵩となっており、この点について十分に配慮する必要があると思われます。  上記のような諸事情を総合的に配慮して、これに即応した米価の適正な算定を行うため本年産米穀の政府買入価格の算定につきましては、生産費及び所得補償方式によることとし、以上申し述べた事情を勘案して算定することとしてはどうかということであります。  (政府売渡価格について)  米穀の政府売渡価格は、食糧管理法第四条第二項の規定により、家計費及び物価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めるべきこととなっており、従来から、この規定の趣旨により、家計の伸びの範囲内で、一般物価、政府買入価格及び政府経費との関係、財政事情等を総合考慮の上、決定してまいりました。  米穀の政府売渡価格と政府買入価格との関係は、現在においても大幅な逆ざや関係にありますが、特に本年産米穀の政府買入価格が引き上げられれば、その逆ざやはこれまでに例をみない大幅なものとなることが見込まれ、実施を延期しております政府売渡価格の改定を十月から予定どおり実施いたしましても、このような逆ざやの一部を解消するにしかすぎず、なお大幅な末端逆ざやを残すという状況にあります。  このような大幅な逆ざやは、本来の物のコストを反映しないひずみのある価格関係であり、米穀の自主流通の発展の阻害、不正規流通の誘発等米管理の健全な運営に重大な支障を生ずるおそれがあります。また、このような両米価の逆ざや関係により、財政負担も巨額にのぼっており、今日の米穀の流通をめぐる諸状況のもと  でこのような財政負担の意義をどう考えるかと  いう問題も生じております。   一方、最近の消費者家計はかなりの伸びを示  しており、家計費に占める米支出の比重も漸次  低下してきております。また、米の品質や食味  に対する消費者の関心が増し、米穀の自主流通  も定着をみている状況のもとにおいて、政府売  渡価格のあり方をいかに考えるかという問題も  あります。   以上のような諸事情にかんがみ、政府売渡価  格の改定についてどのように考え、どのように  取り扱うべきかということであります。  続きまして、「昭和四十九年産米穀の政府買い入れ価格の試算」について御説明申し上げます。  まず、「算式」でございますが、そこにありますように、Pイコール、分母といたしましてN分のΣNHバー、それから分子といたしましてN分のΣNCバーということになっておりますが、それに一俵のキロ数六十をかけて出すということにいたしております。  この数式の説明は下に書いてございますが、従来どおりの内容でございますので、説明は省略させていただきまして、実際の数値について次のページにございますので、これで御説明申し上げます。  まず、「算定」の1でございます。「求める価格」を出しておりますが、一番左の項は、分母といたしまして平均収量、分子といたしまして米価算定のルールによって算定いたしました平均生産費でございます。四百九十二キログラム分の十万三千六百八十七円、これで単位当たりの生産費が出ます。それに六十をかけまして一万二千六百四十五円、これが全体の平均の米についての生産費の水準から見た価格でございます。  実際に米が取り扱われますのは、政府の買い入れる倉庫、その前まで持ってきていただくということになりますので、そのために要する運搬費を経費として見ますというと、「基準価格」が一万二千七百二十四円ということになります。これはいずれにいたしましても平均の価格でございますが、実際の米が売買されるのは、それぞれの等級品位に応じて価格差がついて売買されるわけでございます。  そこで、個別のそういう価格を求めるために、代表といたしまして、「うるち軟質三等裸価格」をまずベースに出すのでございますが、その価格の出し方が3でございます。2の「基準価格」一万二千七百二十四円に全体の平均、一−五等平均でございますが、それと三等の価格の等級間格差、これを足しまして、それから歩どまり加算の平均額を差し引いて三等裸の価格を出す、その結果の金額が一万二千八百三円ということに相なります。九十八円の等級間格差ば、これは一定のルールによって算定されますところの全体についての一−五等平均価格と、それから三等裸価格の格差の額でございます。全体の平均額よりは三等の価格のほうが九十八円高いのだということでございます。  それから、歩どまり加算、これは特定の地域の米につきましては、御存じのように歩どまり加算がつくことになっております。全体の米につくわけではございません。つく米もあればつかない米もある。そこで、三等ウルチの軟質裸価格を出します場合には、これが一応つかないものとして平均の単価十九円を差し引いて計算するということでございます。  このようにして一ぺん「うるち軟質三等裸価格」を出しましてから、さらにまた平均の価格を出す。この場合の平均は通常農家が取り扱う、販売の対象とするところの米、一−四等ということになります。その一−四等の平均価格を出しますには、三等の価格を基礎にいたしまして、これから今度は平均の価格でございますから、三等の価格よりは一−四等の平均の価格のほうが低い。幾ら低いかというと、六十円でございます。これを差し引く。それから平均の価格でございますから、歩どまり加算を平均でもって計算をいたしますと、十九円ということになる。これを足しまして、さらに実際の米は包装が行なわれますので、包装代を足す。これは俵、かます、麻袋あるいは紙袋、樹脂袋、そういったものの平均の単価でございます。その結果、二−四等の平均価格は一万二千九百二十七円ということになります。  米価はいろいろな形で考えることができますが、普通一般的に米価という場合は、この一−四等平均の価格、生産者手取り予定価格ということで考えられております。いま申し上げました一万二千九百二十七円、これは前年が、すなわち現在の価格でございますが、これが一万三百一円でございますので、比率にいたしまして二五・五%のアップということになります。  次に、「算定要領」でございますが、これは個別に全部説明いたしますとたいへん長くなりますので、はしょって御説明させていただきます。  まず、「十アール当たり平均生産費の算定」でございますが、平均生産費は、四十六年、四十七年、四十八年の三カ年の米の販売農家の十アール当たり平均生産費、これを出すわけでございます。その場合、昨年あるいは一昨年、従来と同様でございますが、四十八年のものにつきましては、いわゆる必要量生産費という考え方によって平均生産費を出しております。そういうふうにして出ましたところの平均生産費につきましては、以下に書いてあるような形で評価がえを行ないまして、さらに、この三カ年のものを平均して算定することになっております。  まず、「家族労働費」でございますが、これは都市均衡労賃によって評価する、いわゆる評価がえが行なわれます。評価がえの対象は、労働省の毎月勤労統計調査報告等によりまして、製造業の常用労働者数の規模が五人以上五百人未満の事業所の賃金、その一時間当たりの単価をとりまして、それに現物給与、実際の給与としては、現金だけではなくて現物で支払われるものもありますので、その現物給与の相当額を加算する、それから通勤手当の相当額を控除するということで算定いたします。その賃金に現物給与相当額を加算し、通勤手当相当額を控除して得たところの額がその下に書いてございます。男女込みの一時間当たり単価が五百七十円五十七銭、男子の単価が六百九十八円五十五銭、これを前年の決定米価の単価に比較いたしますと、男女込みで二九・八%、男子の場合で三〇・四%のそれぞれアップとなります。おおむね三〇%の労賃単価のアップということでございます。  それから、その次に、アといたしまして、賃金自体の算定のしかたが書いてございます。これは労働省の統計が事業所の雇用している人数の規模別にそれぞれ出されておりますので、五百人未満の事業所の賃金が一本で出ませんので、出すためにウエート平均して出すということが書いてあるわけでございます。  ここで従来と違いますのは、期間のとり方でございます。この平均賃金に対する四十八年六月から四十九年五月までの平均賃金の比率を乗じて算定するというところが一番下の行にございますが、従来は、ここのところが四月までの平均賃金の比率を乗じて算定いたしておったのでございます。その意味で、従来よりは一カ月新しい賃金の動向を取り入れたということになります。  最近の賃金、物価の上昇の程度は確かに著しいものがございます。それらの動向を的確に反映するということを配慮いたしまして、特に労働省にもいろいろ御無理をいただきまして、五月の資料を確かめて、五月の平均労賃の比率を乗ずるという新しい要素を取り入れたわけでございます。  「現物給与相当額」、これは従来のやり方によって算定しております。  「通勤手当相当額」、これは、昨年の諮問の際の試算の段階では全額控除するということにしておりましたが、決定米価ではなお三分の一だけは残されております。段階的にこれを控除することにするということで、今回の試算にあたっては全額を控除するということで出しております。  次に、(2)の「物財・雇用労働費」でございますが、これはいわゆる米生産費パリティ指数によりまして物価修正を行なっております。物価修正の期間は一−七分の一−五、一月から七月分に対しまして——前年の、でございますが、前年といいますか、それぞれの生産年の一月−七月平均に対しまして、四十九年一月から五月、資料としてとり得る一番最近の時期までのこの期間の変化率をとるということにいたしております。変化率自体は、その下にありますように、四十六年産の米の生産費を基準にいたします場合は一四二・四九、一四十七年産の米生産費を基準にする場合は二二七・八二、同じく四十八年産は一二八・二二というようにして、最近時点の物価に引き直すような算定をいたしておるわけでございます。  次に、「副産物価額」でございます。これもいまの物財・雇用労働費と同様に、ただ変化率のとり方は性格の差がございますので、わらとくず米の価格の変化率をとるということでございますが、同様物価修正を行なっております。  次に、「資本利子」でございます。これは農林省統計情報部の米生産費補完調査の結果に基づきまして、借り入れ金と自己資金にます分けます。借り入れ金の割合が三五%、自己資金の割合が六五%ということでございます。それぞれの金利を計算するわけでございますが、借り入れ金につきましては年利七分五厘ということにいたしております。自己資金については年利七分三厘五毛ということにいたしております。借り入れ金は、現在の決定米価の場合六分二厘四毛ということでございますから、その差一分二厘六毛、これだけの金利の利率のアップということになります。自己資金の場合は、現在の決定米価の見込んでおります金利が六分一厘でございますので、こちらのほうは一分二厘五毛のアップということになります。このことは、要するに最近の物価、賃金あるいは金利、そういった水準の動向をやはり反映したということでございます。  それから、次に、(5)といたしまして、「物件税及び公課諸負担」でございます。これは従来どおりの算定をいたしております。説明は省略いたします。  次に、「地代」でございます。自作地につきましては、現行小作料の最高統制額、五級地の額をとっております。それから小作地と作付地以外の土地につきましては、四十八年産米生産費調査によるそれぞれの地代、いわゆる実の地代をとっております。昨年の試算の段階におきましては、自作地、小作地を問わず最高統制小作料をとっておったのでございますが、昨年の決定米価の段階におきましては、小作地の小作料は実の小作料に変更いたしたわけでございます。今回の試算では、当初からその決定米価の方式を採用いたしておるわけでございます。  「算定値」は、そこで、下にございますが、合計いたしまして、昭和四十六年産が十万七千八百九十九円、昭和四十七年産が十万三千四百四十八円、昭和四十八年産が九万九千七百十四円、この三カ年を平均いたしまして十万三千六百八十七円ということになるわけでございます。ちょっと区切りがはっきりいたしませんでしたが、これが全体の生産費の合計の算定値でございます。  それから収量でございます。これは2といたしまして、「十アール当たり平均収量の算定」。四十六、四十七、四十八、この三カ年の各年産米の米販売農家の十アール当たり平均収量を平均いたしたわけでございます。そこにありますように、平均四百九十二キログラムということになっております。前年の場合が平均四百八十六キログラムでございますから、比率にして一・二%のアップということになります。  それから、「運搬費」は、六十キログラム当たり七十九円、その内訳はそこにお示ししてあるとおりでございます。これは前年が六十三円でございますから、率にして二五・四%のアップということになります。  それから、お示しした資料には載りていないことでございますが、前年までは概算金の利子についてこれを控除するという計算をいたしておりました。概算金の性格についてはいろいろ御議論のあるところでございますが、それが無利子でもって農家に交付されるということになりますと、金利算定上、自己資金であろうとあるいは借り入れ金であろうと、それだけの資金の調達が要らなくなるということから、金利負担が軽減される、その分を差し引くということでやってまいったわけでございますが、御存じのように、本年は、先ごろ概算金の単価も一俵当たり一千円から三千円に引き上げております。最近の賃金、物価の動向を考慮してそういう措置をとったのでございますが、そういう背景等とも考え合わせまして、また、農民、農業団体、あるいは各方面からの御意見もありまして、政府におきましてその控除を取りやめるということにしたわけでございます。  なお、銘柄奨励金でございますが、これは昨年の試算におきましては、いわゆる米価の内ワクとして価格の中に織り込んで算定いたしておりましたが、決定米価の段階で、これは外ワクとして、価格とは別途出されるという措置がとられております。この点につきましては、本年、四十九年産米価につきましても価格の外ワクとして取り扱うということにいたしております。  以上で、説明を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 以上で、説明は終わりました。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 引き続き質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 倉石農林大臣が出席をするということで、理事会で時間の割り振りをきめたわけでありますが、残念なことに倉石農林大臣は病気の関係で出席できないということになって、渡辺政務次官が大臣代行をするわけでありますが、渡辺政務次官も米審とかけ持ちということになりますので、時間が非常に制約されて、少ない時間になりますから、きょうは、渡辺政務次官は大臣になったつもりではっきり明快にお答えを願いたいと思います。それをまず注文しておきたいと思います。  今年産米の米価の諮問案が米審に出されまして、先ほど、この諮問についての内訳の説明が杉山さんからあったわけでありますが、まず、政務次官に聞きたいのですが、われわれは参議院選挙前に米価を決定しなさいということを強く要請をしたわけです。ところが、農林大臣または二階堂官房長官から、参議院選挙が済んでからきめます、そうしないと農民に不利益であります、基礎的ないまの経済情勢の変化、物価上昇等の科学的根拠というものが十分把握できない、だから、参議院選挙終了後に米価決定をするほうが生産農民にとって非常にプラスだ、と、こういう御意見が出たわけであります。ところが、今度の諮問案を見ると、二五・五%のアップ率でありますが、どういう点で参議院選挙前に決定しなかったほうがよかったのか、参議院選挙が終了後決定したほうがプラスになったのか、この点について大臣代行にお答え願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 参議院の選挙前の米価決定と選挙後の米価決定で、どういうように農民に有利になったのかという御質問でございますが、これは御承知のとおり、新聞等に二二%くらいの案ではないかというようなことが出ておりました。これは、四月の物賃というものをもとにして修正をいたしますと大体そういうことになるのであります。それを、五月の物賃というものを織り込んでおりますから、そこで、まず、賃金、物価のべースが少し変わってきておる、こういうような点は有利になった点だ、こういうふうに言えるだろうと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 渡辺次官の答弁を聞くと、依然として理屈に合わないというか、どうもすっきりしないのですね。これは一種の政治的なごまかしということばになると私は思うのです。私たちの立場から判断をして申し上げると、どうも誠意のない、政治家のいままでのありふれた一種のことばのあやでまた生産農民をごまかしたということが言えると思うのです。参議院選挙前にぜひきめなさいということでわれわれは強い要求をして、そうしたらプラスになるということは、農民のほうも、農業団体を含めてそういう受けとめ方があったと思うのですが、今度の諮問の二五・五%というのは、先ほど渡辺次官は、二二%余りが新聞報道だと言われたが、新聞報道はおよそ見当をつけて書いたのであって、五月までには大体全部、統計的な数字も何も基礎資料というものは整っておったと思う。それをごまかしたということは、自民党政府の日本の農政に対する取り組み方、日本の生産農民に対する誠意、この二つが何としても欠けておるということを十分指摘しておきたいと思います。これは、いずれ同僚委員から強い指摘があろうと思います。  それで、四十八年度産米の追加払いの強い要請が農民なり農業団体からあるわけですが、この点についての配慮は今度の諮問にはあったのかなかったのか、これをお答え願いたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 その前に、ちょっとことば不足ですので申し上げますが、四月までの労賃ベースだと、具体的に言えば、一時間当たりが五百五十七円九銭、男女込み賃金ということなんです。五月ベースまで入れまして五百七十円五十七銭、これは対前年度のアップ率を見ると、四月までだと二六・八%のアップになりますが、五月まで入れて二九・八%のアップになる。こういうような点は、決して農民をごまかしておる数字でも何でもなくて、これは労働省の統計から出てくるわけです。ですから、五月まで入れたほうが、賃金が、実態価格が高くなるということで、これは決してごまかしでも何でもない。六月ごろ、あるいはそれ以前には五月までの統計はわからないのです。ですから、そういう意味で有利になっておるということを申し上げたのです。  それから、追加払いの件は、かねて、現在の米価の試算の方式そのものの考え方と相反する問題が出てくるものですから、現在の試案においては、去年の追加払いの点は考慮しておりません。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 それでは、四十八年度の追加払いというのは一切考えていない、この試算米価の中にも入っていないし、別に考える必要もない、こういう判断ですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 普通は四月までで労賃をとっておったのですけれども、ことしは五月までを入れたということは、そういう賃金、物価の動向等も直近年度までのものを入れようという点で、そういう気持ちは十分に入れておるつもりである、こういうふうにわれわれは思っております。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 考え方がどうもおかしいので、気持ちは入っておる、こういう言い方なんですね。額は入ってないけれども気持ちは入っておる。そうすると、それはどういう意味なのか、この点、あなたは超能力者かどうか知りませんが、どうもわれわれ凡人にはわからぬことばなんですね。  それから、全然考えていないということを前段に言われて、気持ちは入れたと言うのですが、それなら、あなたの答弁から言うと、この価格はもはや政治的含みは入れたということですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 賃金、物価の動向を適正に反映をさせる。賃金、物価の値上がりというものを見込んでくれというふうな話なんですから、賃金、物価の動向を適正に、直近年度までかなり無理をして統計を集めさせて反映をしておるという点は、これは気持ちを入れたということなんです。  それから、概算払いですが、これを一俵千円というのを一俵三千円というようにした。それから、いままでは概算払いをいたしますと、それに対する利息を米価から控除しておったのです。今回は三千円を払うことにいたしましたが、これは米価から控除しないというようなことで、そういうような政治的な考慮もかなり加わって、今回は米価から利息の引き算をやらない。ですから、概算金については、ほんとうに概算金を先に払えば、四千二百億の金が出るわけですからね。四千二百億近い金が出て、それがもし出なければ、借金や何かということになって、利息を自分が負担しなければならぬものを出すから、概算金についてはその分だけ借金しないで済むんだから利息を取りますというのがいままでの考え方ですが、今回はそういうことをやめて、概算金については三千円と、三倍も引き上げるようなことをやりましたが、それについては利息は取らない。去年は千円でも取ったが、ことしは取らないというような政治的な配慮というものを十分してある、こう思っていただきたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 概算払いについては、十一日の農林委員会でわがほうの芳賀委員からきびしく質問があったわけです。きょう私に与えられた時間は三十分ですから、十分数字的な論戦はできませんけれども、しかし、その概算払いの問題は別なんです。私は追加の問題を言うのです。四十八年の追加払いについてはどうするのかということをお尋ねしておる。あなたは何もかも一緒にしているが、どうもあなたはあまり政治性が強過ぎるから、どこまで信用していいかわからないのですが、この点、追加払いはもう全然考えないとか、また別に考えるんだとか、どちらかはっきり言うてもらわないと、われわれは今後の取り組み方があるわけですからね。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 この間から私が答弁いたしておりますように、追加払いという形では考えませんということは政府の統一見解として明らかであります。しかし、物価、賃金の動向というものがなるべく直近までのものでなければ困るということなので、物価、賃金の値上がり分をごく最近までのものが織り込めるようにということで、かなり無理をして五月までのものをとっております。  それから、芳賀委員等から強く指摘をされた概算金ですが、利息を取るのはけしからぬじゃないかとずいぶん言われたわけですよ。これなども、こういう状況でもあるから、いろいろな理屈はあるであろうが、大蔵省的なものの考え方、金融の立場ということで、理屈はあるであろうが、ともかく追加払いを正式にやらないというようなことも勘案をして、これについては三千円にもふやしましょう、金利も取るのをやめましょうというようなことで、追加払いという形ではないけれども、まあまあそういうものを埋めるような気持ちで、いろいろ考慮はしておるわけなんです。  明確でないなと言われると、大体政治的な話というのは、一足す一イコール二というように、きわめて科学的に根拠がぴちっと出るものでもないので、やはり、そういうようないろいろ有利な点はできるだけとるように乗っけてございますので、そこらの点もひとつ御考慮をいただきたいと考えるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 いずれこの問題については、十八日も委員会を開いて論戦が行なわれると思いますから、次に私は大筋だけをお尋ねしたいのですが、私たち、いまの食管会計の財政運営のあり方についていろいろ疑問を持っておるわけです。この食管会計の財政運営についてのあり方を再検計すべきではないかという気持ちを私は持っておるわけですよ。たとえば人件費その他の通常経費についてもメスを入れる必要があるという気がしますし、特に、生産者のほうから言うと、逆ざや、逆ざやと言うて、消費者のほうにも逆ざやということでどろをかぶせる、生産者のほうにも逆ざやということでどろをかぶせる、こういう非常な不信感を持っておる点があると私は思うんです。  それから、食管会計の中身のあり方について検討すべきだという気がするんですが、渡辺政務次官としては、これについて、従前どおりがいいと思っておられるのか。これはもう検討して、一般会計に振りかえるものは振りかえていくというように、もっとすっきりして、生産者にも消費者にもはっきりさせていき、そういう疑問を持たせない、こういう考え方が正しいと私は思うのですが、そういう点についての基本的な考え方を聞かせてもらいたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 確かに、食管会計のあり方については、私ども疑問を持っておるのです。人件費やそういうふうなものを——逆ざやの中には、コスト逆ざや、売買逆ざや、末端逆ざやと、三つ逆ざやがあります。われわれが問題にしているのは、コスト逆ざやまで解消しろというようなことは言っていないんです。ともかく、食管制度の維持管理に要するいろいろな費用等は、これは国が持つのはあたりまえじゃないか、しかしながら、一万三百一円で買った米を七千七百七十円で売っておるといういわゆる売買逆ざや、こういうものは解消すべきではないか。かりに、今回政府が二五%の引き上げをするということになりますと、政府が買い入れするものは一万二千九百二十七円、一万三千円近い米価になるわけです。そして、売り渡しのほうは、現在のままだと七千七百七十円で売り渡すということになりますから、これは五千数百円の売買逆ざやです。売った買っただけで、一俵でそれだけの食い違いが出てきておる。そういうようなものを全部税金でまかなうというような考え方については、ともかくこれは私は非常な疑問を持っておって、その点疑問の持ち方は同じだろうと思っております。しかしながら、コスト逆ざやを含めるともっともっと大きな数字になるわけですから、その食管制度の維持管理に要するような費用等は当然政府が負担しても差しつかえない、かように思っております。  いさいについては、事務当局から説明させます。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 食管会計の赤字の内訳でございますが、国内米管理勘定だけについて見ますと、四十八年の見込みが総額で五千八百八億でございます。そのうち売買差損、つまり高く買って安く売るという、その価格だけでの差損が三千五百八十四億円でございます。差し引き二千二百二十四億円が管理経費ということになります。それから、四十九年の予定は、これは現在審議をお願いしております政府買い上げ価格の引き上げということをまだ計算に織り込んでおりませんが、四千四百五十五億ということになっておりまして、そのうち売買差益が千九百十二億、管理経費が二千五百四十三億ということになります。この売買差益千九百十二億が今回さらに生産者米価の引き上げによって一%、約百五十億でございますが、大幅にふえるという関係になります。  そこで、管理経費が確かにこれは大きゅうございます。大きゅうございますが、じゃその内訳は何かといいますと、四十八年でとってみました場合、いまの二千二百二十四億円の管理経費合計のうち、事務費、人件費でありますとか、その他一般管理費がちょうど五百億円でございます。それ以外の差し引いた千七百二十四億円、これは集荷に要する経費、それから運送に要する経費、保管に要する経費あるいは金利といったような、まさに米自体に直接かかる経費でございます。それから、事務費の五百億円も、これは一般会計で当然負担するような食糧行政関係の経費というのは、これは別途一般会計で負担しておりまして、まさに直接食糧庁が米の売買、管理に要する経費、これを計上しているわけでございます。したがいまして、大体、私どもの考えでは、何も一般会計で負担すべきものをここへ持ってきたということではなく、会計区分としては、まさに特別会計で負担すべきものを計上しているということでございます。  それから、こういった経費の内訳でございますが、できるだけその節減につとめ、国民の負担の軽減をはかるということ、これは当然であろうと思います。  それから、すでにいま渡辺政務次官から御説明申し上げたところでございますが、私どもの逆ざやを解消したいという考えはいろいろございますが、そういう赤字の、管理経費までも含むすべてをいま急に解消しようということを申し上げているわけでもなければ、さらには、また、買い値よりも売り値のほうが低い、その買い値と売り値の逆ざやによって生ずる売買逆ざや、これを解消しようと言っているのでもない、当面は、政府が売った価格に販売業者のマージンを加えたいわゆる末端価格、その価格が政府の買い入れ価格よりもはるかに低いという、そういう管理上不合理な関係にある、それを是正したいということを言っているわけでございます。  管理経費の節減といいますか、内容については十分さらに検討して努力してまいりたいと思いますが、以上のようなことでございますので、御了解いただきたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 大体、管理経費というものは一般会計が全額持つべきであって、そうするとすっきりして、たとえば消費者米価の価格決定にしても、消費者もある程度理解してくれるんではなかろうかという気がするわけですね。また、生産者のほうも、どうも農民いじめの財政運営をしておるんではないかという疑問を持っておるわけでありますから、政務次官、この点については、あなたの政治力で早急に全部一般会計から管理経費はまかなうんだというくらいの政治性がないといけないと私は思うのです。  この点の答弁は、時間がございませんからいずれあとで聞かしてもらうとしても、まず、私は、労働賃金の問題で非常に不満がある。たとえばことし田植え賃金ですが、次官、十アール植えるのにどの程度田植え賃金が要るかというこまかいことをあなたらは知っていないんじゃないかという気がするのですね。いま、実際田植えを一日頼んだら、農作業を一日頼んだら、四千円ぐらいで来てくれるかどうか、どういう人が四千円ぐらいで来て働いてくれるのかということなんですね。何歳ぐらいの人が来てくれるのか。いま、第一次産業に携わっておる平均賃金は大体三千五百円ぐらいと言われている。それから、レジャー産業に携わっておる平均賃金は七千円と言われているでしょう。倍半分違うのですよ。だから、ゴルフの玉拾いが四千円ぐらいだということになる。どろんこになって働く農作業という作業に対する認識があなたたちは足らぬと私は思う。たとえば作業衣がいまどの程度上がっているのか、地下たびが、昨年から言うといま一足どのくらい上がっているのか、農機具にしても、かまにしても、くわにしても、田植え機にしても、どの程度上がっているのか。肥料にしても、統計数字は八%ずつ程度だと言う。いずれ統計数字については別の機会に尋ねますけれども、こういう認識でことしの生産米価をきめようとするところに大きなズレが出てくるのだと私は思う。農民の立場で考える現実の姿、現状分析というものはどういうものか。ただ統計数字で出てくるからということではなく、正直に言うたら、いま、専業農家ほど困っているのですよ。あなたたちは農業基本法で専業農家育成だと言い、選択的拡大方式で規模拡大を言いながら、土地政策は誤ってくる。それで専業農家育成をすると言うておっても、専業農家ほどいま困っておる。昔は、たとえば米の価格が安定しておるからということで、一方では畜産の中でも、養鶏でも、養豚でも、和牛でも、多少の損得は度外視して育成をやっておった。果樹でもそうですよ。たとえば特用林産物と言われるシイタケにしてもそうですよ。いま、たとえば水田を一町歩つくっておる、和牛を十頭飼っておる、シイタケは一万本つくっておる、別に二反歩ブドウ園を育成しておるというとき、これに対してどれだけの資本投下をして、どれだけの収益をあげておるか、知っているかね。実際、あなた方は現実の末端の農家のことを一つも考えていない。反当たり四百九十二キロですか、そうすると八俵一斗、と、ただそれだけにこだわって、それなら別に転作だとか、たとえば大豆を奨励するとか、飼料作物を将励するという、転作奨励をして成功すると思われますか。ただ、基本は、米価というものをある程度安定させてやらなければ、他に転作には踏み切れないというのが農民の心理なんです。  それから、賃金の問題、労働賃金の押え方というものがあまりにも不見識というか、認識が足らないというか、農民をばかにしているというか、そういうことが私たちの立場から言うと言えるのですが、次官、いまの家族労働賃金の押え方というものがいいと自信を持ってあなたは農民に答えられるか、お答え願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 これはものの見方でございまして、今回の米価に採用した賃金というものは、大体、雇い人の男子賃金で一日が五千五百九十円、八時間労働に直すと大体一日五千五百九十円。それから、男女込みの賃金にして四千五百六十四円ぐらい見ておるわけです。ですから、それはもっと賃金の高いところはもちろんあるのですが、もっと安いところもあるのです。だけれども、全国の五人以上五百人以下の規模の製造業の賃金というようなものを反映してまいりますと、そういうものでの均衡ということになれば、農村地帯においての一日の労働賃金というものはそう低いというようにはわれわれは思っていない。まあまあ妥当なところではないかというように見ておるわけであります。

柴田健治日本社会党

○柴田(健)委員 割り当て時間がもう二、三分ですから十分質問ができませんが、肥料にしても、物財費その他、先ほど諮問の中で説明されたのですが、統計数字から見て、あまりにも生産農民をばかにしているような気がする。四十八年度肥料の計算を見てことし四十九年度産米をきめるのですから、四十九年産米に使った春肥の価格というものは何%上がっていたか、肥料法案の審議をした時分にあなたたちはよく知っておるはずです。よく知っておった。平均四六%上がりました、五〇%弱です、こう言う。われわれが調べたなら、肥料は六〇%以上上がっている。肥料の価格が上がる要素はないのに上げた。今度上がる要素があるから、どのくらい上がるのかと私はここで質問したことがある。いまからたった一カ月半ほど前のことです。四十九年について春肥がどの程度上がったか。あなたたちは統計数字を言うなら、その統計数字の押え方というか、取り上げ方というものがどうも偏してしまっているのじゃないか。要するに、これが偏向政治であり、偏向行政である。だから、日本はどこか狂ってくるのはあたりまえだと思う。狂うのは、やはり政治が狂うておる。偏向政治、偏向行政だと思う。だから、数字倒れというか、あまりにも数字をあやつり、数字でごまかそうとするところに日本の政治が狂うてくる原因があるのじゃないかという気がするわけです。  これから米審が開かれて、あなたは三番町へ行かれるわけですが、とにかく、そういう点を踏まえて、二五・五%で農民が納得するという自信があなたはあるかどうかわかりませんが、私は、おそらく納得しないと思う。その点について、農民の要望にこたえるという姿勢で米審に臨んでもらいたいという気持ちが私はいたしますから、一言だけ決意を聞かせてもらいたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 私どもとしては妥当な数字である。たとえば生産費の問題にいたしましても、お手元に配付の資料のとおり、四十八年度の原生産費は物財・雇用労働費が二万九千八百二十五円が十アール当たりのものであっても、それは三万八千二百四十二円でその評価がえをいたしております。こういうようなことで、実際のものよりも五月までの物賃というものの値上がりを見込んで修正をいたしておりますから、肥料等も三月、四月、五月というようなときに買った高いものについては適正に反映をさせております、と、こういうことなんです。でありますが、私どもが書いたものが絶対天地神明に誓って一銭も一円も動かすべからざるものであるというようなことは考えておりませんで、こういうふうに農林省としては考えておりますが、米価審議会の委員の皆さん、これに対するお考えはいかがでございますかと言って、米価審議会の委員の皆さんに提案をいたしまして、御意見を聞いた上で正式な政府決定をしよう、それには試算を出せといういままでの慣例にもなっているので、一応われわれはこういう思想のもとにこういう試算をいたしておりますということを出しておるわけですから、国会でも柴田さんのようなベテランの方の御発言もあることでもございますし、これは米審の委員の皆さん方の意見も十分聞いて、答申を得た上で最終決定をやりたい、かように考えております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 時間の関係でぶっつけ質問したいと思いますが、ただいま柴田委員の質問を聞いておりまして、第一点として、賃金の問題をお尋ねしたいと思います。  適正な賃金が見込まれたという答弁をしておりますけれども、しかし、これは検討しますと、適正な賃金が見込まれたとは、今回の諮問を見て思われぬわけです。なぜその適正賃金が見込まれていないのかという私の見方でありますが、まず、第一番に、今回諮問しております賃金を、いわゆる対象となる企業の時間に当てはめると、男女込み賃金を表示されておる労働時間は、大体年間二千百時間ですね。これは労働省で発表しておりますが、二千百時間です。この賃金で二千百時間働いた場合、百二十万五千円です。たとえば、人事院勧告はまだ出ておりませんけれども、ことしの春闘の終わったあと、予想される人事院勧告は、高校卒初任給で、年報酬額は大体百万近くなるんじゃないですか。九十何万になると思うのです。御存じのように、大きい産業では高校卒初任給六万二千円という初任給を出しておる企業もたくさんあるわけですね。まさに物価狂乱です。ですから、この賃金は、説明によると約三〇%上げたんだと言いますけれども、前年の四百四十円そのものに問題があるわけです。上げた上げたとは言うけれども、大幅値上げだ。しかし、いわゆる去年の物価高によるベースアップに該当はしないわけですから、去年のベースアップのない米生産農民にはその賃金で米の価格を押しつけて、四百四十円です。しかし、去年の平均は政務次官も言われておるように五百六十二円くらいでしょう。この対象五人以上五百人規模労賃として五百六十二円くらいですね。五百七十円と言ってもいいくらいです。とり方によって若干相違はあります。パーセントで言うのであれば、それから見るべきじゃないですか。  それから、ことし新たにするというのであれば、ことしの五月と言いますけれども一五月の発表というものは四月ですから、ベースアップが反映していない賃金だ、こうはっきり言えるわけです。ですから、去年の追加払い要求も四百四十円と実勢賃金との差額を要求しているわけです。これは正しい要求であって、払いますとか、払いませんとか、ことしは三千円前渡仮払いをして、その利子はいただきませんと言ったって、こんなもの大体三カ月分ですから、年利七分五厘で三カ月分の利子といえば大体六厘該当ですから、米一俵当たり百八十円ですよ。百八十円くらいの利子をもらいませんと言って、三千円の所得格差をごまにすってまあまあ何とかなるんだろうというようなものの考え方は、私は全然おかしいと思うのです。米をつくっている農民の生活実態というものを、極端に言うなら全く冒涜した米価である、冒涜した表現である。そんな賃金で働いておる人間が日本全国どこを見ても、どこにおるのかと言いたいのです。そういう賃金で働いている人が、この物価狂乱の中で、生活費がこういうふうにかさんでおる中で、おりますか。やはり、物価に見合うそれなりの賃金というものは形成されて他の産業は働いておる。農民だけはいつになっても——去年の四百四十円という労賃に今回きめようとする価格をかければ、政務次官が言ったような比率で賃金も見て、これは率においてもあやまちはないが、しかし、その基本がなっていないということです。ゼロにゼロをかければゼロですから、この場合はゼロとは言いませんけれども、基本の政策がいわゆる物価、賃金の均衡をとっていない基本に、ただことしのいわゆる経済変動率というものをかけて、まあこれで均衡された、農民は米をつくって生活できる米価でしょうというものの考え方ですが、これは政務次官がどう答弁されても私は了解できません。この諮問米価というものはそういうことになっていない。なっていないものをなっておるという表現をすることは、これは虚言であると言わざるを得ないのですが、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 私は虚言を言うつもりは毛頭ないのでありまして、先ほど申し上げましたように、賃金のとり方というものはいろいろなとり方がございます。いろいろなとり方がございますけれども、われわれといたしましては、全国の五百人以下の規模の製造業の賃金と均衡させるという点で、男女込みで一日八時間当たりにすると四千五百六十四円、男子にすると、五千五百九十円程度の賃金を見込んでおります。  それから、労働時間の問題等は農協さんとあまり食い違いはないのですよ。労働時間のとり方等については二・九時間の付帯労働表を入れろとか入れないとかいう問題がありますが、そう大きな食い違いはない。  それから、もう一つは、物価、賃金の問題については、生産性のメリットの問題もありまして、年々時間数は減っているわけですよ。ですから、そういうような点で、今回は、一反歩当たり九十時間、十何人の手間ですな、そういうようなものを見ておるんだけれども、現実にはこれであっても、去年八十三時間ですから、八十三時間をさらに五時間ぐらい切るのでないかという見通しなんです。したがって、そういうような点も考えれば、決して不当な賃金ではないというようにわれわれは思っております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 総体所得でどうですか。農林統計で見ても、農家の世帯構成は五人ですね。農家は親たちを扶養しておりますから、大体五人です。今日、五人世帯で百二十万五千四百円がことしの米価で、他産業と同じ二千百時間、男女込み労賃を形成しておるこの企業の労働時間は年間二千百時間です。年間二千百時間働いて百二十万五千四百円というのは、これは生活保護以下ですよ。計算してみてください。東京都における老人二人が全額生活保護の給付を受けた場合に何ぼになるか。そうして均衡がとれておるとか矛盾がないとかと言ったって、それはあくまで虚言だ。政務次官がどう言い回しても虚言である。これは生活保護以下ですよ。農民は米をつくらぬで生活保護をもらったほうがいいんではないかな。まあまあこれでいいんだというものの考え方は、私は同調できません。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 農家所得の問題は、統計によりますと、四十八年は約二百三十万弱ということで、全体的には、勤労者世帯よりも農家世帯のほうが所得がやや上回っておるのです。  それはともかく、農外収入がうんとあるからではないかという議論が一つ必ず出てくるのですが、それはそのとおりなんです。やはり、機械化、近代化が進んで、農作業が、米などでも昔のようにあまり手数がかからないというようなことのために余剰労働力が出ますから、その余剰労働力を遊ばしておかないで、それを他産業なり何なりに向けて、お手伝いをしたり、別な事業をしたり、そういうような点から労働力がよけい生み出されるために、それが農家所得全体としてふえてはね上がってきておるということも事実でありまして、ただ単に勤労者世帯と比べてどうじゃという議論でありますというと、いま言ったように、全体から見るというと農家の世帯のほうがやや勤労者世帯を上回っておるというのが実情だ、こういうことであります。  ですから、賃金の計算それ自体にいろいろ議論はございましょうが、いまのような方式でそう不当なものではない、まずまず妥当なものではないかということでわれわれは諮問案をつくっておるのであります。皆さんの御意見を十分聞いた上で、特に米審の答申を得た上で最終決定をしよう、こういうふうな考えであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いまの発言はゆゆしき発言だと思うのですがね。農家の所得が勤労世帯を上回っておるということは、何を根拠にそういうことを言いますか。たとえば、こういう実例はあると思います。二種兼業農家で、世帯主が、いわゆる五百人規模以上の会社なり企業なりで一人前の身分保障を受けて賃金を家へ持って帰ってくる、家では二反でも三反でも家族がつくっておるということになると、その家族がつくって、たとえばそれは自給であっても、自給要素だけでも都市勤労者よりも上回っておるということがないとは私は言いません。しかし、専業の場合はどうなりますか。今日米を生産しておっても、生産する米の七〇%、八〇%は専業農家です。余剰労働力で他の産業で働いて賃金を持ってきておるという者はありません。専業はあくまでも専業です。ですから、そういうものがないとは私は否定しませんけれども、そんなものの実例を持ってきてやられたのでは、まじめに国民食糧生産のために、米生産に全力を投入しておる農家はどうなるんですか。これしかないわけですよ。  そうすると、たとえば生計し得る所得をあげるには二千五百時間とか、二千八百時間とか、三千時間ぐらい働かなければ、いわゆるベースアップされた賃金に該当する所得が得られないという賃金評価の米価を諮問して、ああだ、こうだという考え一これは米価を上げたくないからゼスチュアでそういうことを言うのか。本気でそういうことを思い込んでおるのだということになると、これはゆゆしき問題だと思うのですね。そういう錯覚におちいった考え方で、これが正しいのだと思っておるのだったら、これはおそるべきことだと私は思うのだ。ゼスチュアであれば虚言ですから、虚言は直してもらわなければならぬし、本気になってそう思っておるということだったら、これは政府当局はたいへんなことだと思うのですね。これでいいんだと本気になって考えておるというんだったら、農政上ゆゆしき問題だと言わざるを得ないです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 決してゼスチュアで申してはおりません。統計上そういうふうに出ておりますということを御披露しただけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 いつまでもこれを言っておってもしようがないが、そういうことであれば、私はもう政府というものを信用しません。信頼できるに足るものではない。こんなものは話にならないと思う。これでは農民を殺してしまう。ですから、農家には後継者がいないでしょう。こういう米価では、米を真剣につくる後継者は出てきません。他産業へ行って働いたほうがいいんですからね。ですから、こういう米価では、だんだんと農村人口は老齢化して、食糧の自給とはほとんど縁遠い農業になり、農村には食糧の自給などということとは全然逆比例な現象が出てくるんです。こういうことでは、私はもう信用できません。何と政府側が答弁しようと、もう信頼することができないと思う。現政府の言っておることは全く虚言であり、でたらめな計算をして、農民の生活を破壊する米価を押しつけて、それで十分だと言うのであります。これはよく検討してもらいたいと思います。ベースアップが入っていないということだが、この物価狂乱の中で、ベースアップが加味されない米価をつくって、去年も四十八年度におけるベースアップを加味しない労働費で米価を押しつけて、米の価格というものを形成して、それに率だけアップしたからこれでいいんだというようなものの考え方は根本的なあやまちです。  それから、次に、地代ですが、原生産費が一方一千百十円で、去年もそうなっておるわけですね。四十七年は九千四百六十四円、それから四十六年は八千三百六円に対して五千三百円。前年度は九千四百六十四円に対して五千三百三十円、本年度は、統調の調査した原生産費が一万一千百十円に対して五千三百四十四円。これはどうして地代を値切るんですか。どうして原生産費を、いわゆる価格決定評価がえのときに、これを値切って低くして、買い入れ米価を安くしようとするのか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 地代の問題は、御承知のとおり、擬制的な経費なんです。現実の問題として、固定資産税はもちろん当然見ておるわけですから、いま農家の場合は、たんぼ、小作の人というのは非常に少ないんです。九五%以上が自作地なんです。五%程度のものが小作地の面積になっているんです。したがって、いままでは自作も小作も一応統制小作料ということでございましたが、小作料の統制も撤廃になりましたので、小作地の部分につきましては実勢小作料、自作地につきましてはなかなか実勢小作料というわけにはいきませんので、統制小作料を擬制的になぞらえて地代を払うという名目をくっつけておるわけです。  それで、この原生産費の地代が何で一万一千円に出て、何で評価がえの地代のほうが五千三百四十四円になるんだという御質問でございますが、これは、原生産費は、小作地については実勢小作料でございますが、自作地については、近傍類地の小作料の実態から見ればこうなるということであって、実質上、自分が自分に地代を払っているという人はないのであります。したがって、これにつきましては、ことしは小作地については実勢だが、自作地については擬制的なものでありますから、反当だり四千七百円程度の地代を払うような形をとっておるというだけのこと、それだけのことであります。ですから、自作地については、実際に小作をしている人が払っているようなものを、自分から自分に払ったようにはしてありませんというだけのことです。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 では、その一万一千円に該当する地代を払っておる立場はどうなりますか。それは全然加味しないのかということが一つ。  それから、もう一つは、こういう米価では、先ほど申し上げたように後継者が残りませんから、その後も専業地帯に離農というものが続きます。離農したあと地はもう原野にしていいのですか、規模拡大を政府としては推進するのですか。離農あと地で売る土地があれば買って規模拡大をしなさいという農政を展開するのか、もう離農したあと地は荒廃させなさいという農政を展開するのか。どういうお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 地代については、それは中には一万一千円あるいはそれ以上払っている人もあるかもしれない。それはやはり採算ベースでお互いにきめていることですから、採算のとれない地代を払う人はないのであって、そこまで部分的なそういうものを持ち出してくると、それはいろいろなことがあるのであります。  たとえば生産費にしたって、ともかく、非常にうんとかかり負けがしてとても採算が合わないという農家だって、現在の米価であるかもしれない。もっと米価を高くしても採算が合わないという人もあるかもしれない。しかし、これは、そういうような一部分だけのものをとって全国統一の米価をきめるわけにいかないのでありますから、やはり、全国的に見て、おおよそこの程度のものというものをとっておるということであります。  それから、離農したものはそのままでいいのかというようなお話しでございますが、先般の国会に農林省等でも農振法の改正というものを提案いたしました。衆議院で引き続き御審議をいただくことになっておりますが、たとえば休耕をしておったけれども、しかし、休耕してつとめてみたら、そのほうがよかった、もうつくりたくないというようなたんぼが全国にあるかもしれぬ。そういうものについては、できるだけ、その隣の人とお互いに話し合いで貸してやってください、しかし、一ぺん貸しちゃって十年間も返ってこないんじゃ、ほんとうに取られちゃうんじゃ困るなというようなことで、貸す人があまりないということでは困るから、自分がつくるときにはいつでも返してもらえるように農地法の例外をこしらえようというようなこと、あるいは、どうしても個人へ貸すのはいやだけれども、農協や町になら貸しますよというなら、農協や町がそれを借りてつくってもよろしいというように法律を直すなどして、離農をする方の土地というものが最も有効、合理的に利用されるように、そして農業生産に寄与するように、そういうようなことを考えて農政を進めていくつもりでありまして、離農したからそれはそのまま放置していいんだということは決して考えておりません。できるだけそういうことのないようにいたしたい、そして、専業農家なり離農しない人が離農した人の土地を合理的に使えるような仕組みというものをこれから考えていく必要があるということでやっておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そうすると、これから先専業地帯の離農は——それは現在耕作に必要はない、しかし、あるいは将来宅地になるかもしれぬ、財産として持っておりたいというところにそういう問題があるのであって、専業地帯の離農は、おおむね離農と同時に土地は譲渡して、いわゆる離農して次の手段を講ずべき換金対策に入るわけですが、そんなことを全然考えていないのですか。あの農振法の改正で、離農者のあと地は全部賃貸借でやらすんだとお考えですか。そんなことしか考えていないのですか。売りたいという土地は、処分するという土地はどう考えているのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 それは、売りたいと言っても買いたい人がなければだめなんですからね。売り買いの問題というのは、売りたい人だけで買いたい人がなければだめなんですからね。ですから、まず、その値段の問題が一つ問題でしょう。買う人が財産として買うんなら、それはコストもある程度高くてもいいければも、農業をやるために土地を買うということになれば、おのずから限界があるわけなんです。そういう土地取得の金については、政府がいろいろな制度で土地の取得資金というようなものを出しましょうとか、あるいはまた、そういうものを買う人がいないという場合には、合理化法人が土地を買って、そいつを転貸するというような制度もあるわけです。それから、売りたくもないし、自分はともかくいまは会社につとめておるけれども、将来会社が不景気のときにいつどうなるかわからぬし、不安だから、一応は貸してはやるが、会社がつぶれたときに自分が戻って百姓ができるようにしたいのだというような人も中にはあるわけでありますから、そういう人には貸借がしやすいような道を法律上開いてやる。こういう両面でいく必要があって、全部強制的に買い取らせるんだというわけになかなかまいりません。やはり、所有者の意見を尊重して、売ったほうがいいのか、貸したほうがいいのか、それはともかく所有者がまず判断をし、その意向に従って政府がそれに援助をしてやるという方向でいくしかないんじゃないかと思っております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 そこで、政府がそういう関係を強制せいと私は言っておるわけではないんだが、こういう米価の中で保障されている地代ですね。それがこういう条件で、たとえば三分五厘の資金を借りて償還の見通しが立ちますか。たとえば、政務次官もいやしくも農林政務次官ですから、あなたの県で、宅地を加味しない、米をつくる田は十アール何ぼですか。こんな地代で三分五厘の土地取得資金を借りて償還できますか。統調が計算した原生産費の地代も認めないで、三分五厘の資金を借りたって、これは償還できぬでしょう。結局そこには荒廃が起きますよ。宅地にでもなるような、宅地の資産価値が将来見込めるようなところは別として、全部の田がそうではないわけです。たとえば、内地といっても、新潟とか富山とか北陸あたりの広い田の地帯になれば、まあここ百年や二百年で宅地になるという資産価値が発生するなどというようなことはだれも考えていない。そういうところでは、こんな地代のつけ方では取得できぬじゃないですか。  こういうことを考えると、今度の米価は、米作というものを真剣になって農民がやれないという米価なんです。これでは全くやれないです。離農者ができて、あと地を売るから引き取ってくれといっても買えない。それは農地法を厳格に運用して、五千円から逆算すれば七万円か八万円、十方円以下でなければ、この地代で土地取得資金を借りて償還できませんよ。現実はそんなものはないでしょう。日本列島改造とかなんとかいってあふりつけて、無差別にその土地価格を引き上げさせてしまって、これは全部政府の責任でしょう。私に言わせたら、これは全く米生産を破壊するということです。こんなことでだいじょうぶなんだ、いま米が若干需給が緩和されておるからといってこういう政策を踏襲していったら、近き将来、生産は減退しちゃって、直ちに米は不足してきますよ。こんなことでは、農民はまじめになって米をつくって生活できないということだ。  その次に、もう一点伺いますが、これは統計情報部長が来ておりますが、これはいつも問題になるのですが、いわゆる生産費調査を委託する農家の記帳能力やなんかの関係で、統計情報部が発表する調査委託農家の十アール収量というのは高いわけですね。その偏差は何%、何ぼぐらいあると統計情報部は押えておられるか。ないと言ったって現実にあるわけですからね。これはどうですか。統計情報部は、実際に農民が作付した水稲総面積に対する総収量と、委託農家との偏差は何ぼぐらいあると押えておるか。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 最初に、私どものやっております生産費調査がどういう目的でやっておるかということから申し上げないと、関係がよく御理解いただけないと思うのでございますが、生産費調査の対象農家というものを、米や麦につきましては、一俵以上の販売農家を対象にしておる。その他の作物につきましても、ある一定面積以上の作付をした農家を対象として調査をしておるということでございまして、要するに、その自給農家も含めまして、当該農作物を生産しますすべての農家を対象にして調査をしておるというものではないわけでございます。  それから、もう一つは、集計にあたりまして、たとえば米の場合でございますと、二〇%以上の被害のあった農家というものはやはり異常な例でございますので、これは集計からはずしておるというふうなわけでございます。  そういう次第でございますので、そのような生産費調査をいたしました農家の平均収量と作付面積と、全体の収量の関係から割り出されます平均収量というものは、出す基礎が違いますので、その点は一致いたしません。そこで、いま先生からお話しのございましたようなやり方で、作物統計の十アール当たりの収量を四十八年産米について出してみますと、四百七十キロということになっております。生産費調査のほうで出ております十アール当たり収量というのは五百十一キロということになっておりまして、約八%強の差がございます。しかし、この差は、先ほど申し上げましたような理由によりまして生産費調査をいたしておりますので、この点は統計上はやむを得ない差であろうというふうに考えておるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 ここにまた一つ問題がありますね。いま、統計情報部長がはっきり言っておるでしょう。米をつくった農家の実際の平均収量は四百七十キロである。そして、調査対象農家、そういう二〇%被害のあった農家を削って、それでも五百十一キロだというのでしょう。価格試算をした四十八年度の収量の五百十六キロというのは、これはどういうことなんです。これこそ全くからくりの、低米価をつくり出すテクニックではないですか。どこに五百十六キロという根拠があるのですか。昭和四十八年度収量五百十六キロの根拠は何もないでしょう。これはでっち上げの収量でしょう。調査対象農家で十アール当たり五百十一キロだ、実際に米をつくった農家の平均収量は四百七十キロだと統計情報部長がはっきり証言しておるでしょう。五百十六キロという試算をした根拠は何もないということだ。この収量は、安い米価をつくり出すためのでっち上げだ。さっきの労働賃金の評価といい、この十アール当たりの収量といい、全く低米価をつくり出すでっち上げの手段であると言わざるを得ないです。こういう試算というものはあり得べからざることでしょう。ない架空な数字を持ってきて、それをかければ、あの試算米価が安くなるということははっきりしておるわけです。低米価をつくり出すテクニックだ。答弁のしようがないでしょう。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 統計情報部長から御説明がありましたように、米価算定に用いている米生産費調査の対象は、米の販売農家に限られております。それから、いま美濃先生御自身が言われましたように、異常な災害を受けた農家の高くつく生産費、これは除外するというような処理を行なっておるわけでございます。それに対しまして作物統計のほうは、これは私どもの理解でございますが、本来、総体としての作付面積や収穫量を把握するということを目的としているものでございますので、作付農家の性格の違いでございますとか、災害があったとかないとか、そういう状況のいかんを問わず、すべての米作農家を対象とした包括的な統計資料ということになっていると思います。こういう統計の対象の違いが当然平均収量にもあらわれて、生産費調査の平均収量が作物統計の平均収量よりも高いということが出てまいると思います。  それから、統計情報部の生産費調査は、それ自体の収量が、四十八年の場合五百十一キロである、これに対しまして、実際の私どもの米価算定に用いているのが五百十六キロであるということでございますが、これが安くするために特別にそういう収量をこしらえたものだという御指摘でございますが、これは、現在の米価算定のいたし方といたしまして、平均を出す場合に、いわゆる必要量生産費というものを使っておりまして、統計の対象となりました農家を、生産費の安い、能率の高いものから順々に並べてまいりまして、必要量を満たすところまで、比率においてでございますが、具体的な比率は九七%ということになります。そこまでの個々の対象農家の生産費について平均を出すということをやっております。これを収量の面から見ますと五百十六キログラムになるということでございまして、必要量生産費の算定をとる限り、理屈としてはそういうことになるので、全体の生産費調査の対象の平均の五百十一キロよりは若干高いという数字が出てまいります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 必要量生産費ということばを使うのだが、その必要量生産費というのは、需給均衡で九十何%というのは、それだけ確保できたらいいのだから、だから、その必要量を得るために、ほしい量に、生産費やなんかを削減して、そうして減産をはかるという考えですか。もう一回わかるように言ってくれませんか。どうもそういうふうに私には聞こえたんですが……。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 減産をはかるとかなんとかということは、これは全体として、生産対策を含めまして、具体的には生産調整といいますか、稲作転換といいますか、そういうような施策もとられている、そういった全体の農政の中で処理される問題であろうと思います。米価の算定におきましては、実際にはそういう必要量をも越えて生産が行なわれているという実態がある場合、必要量を満たすところまでの生産農家についての生産費を対象としてこれを算定に織り込むということをやっているということはございます。そのことが、必要量を越えるものについてどうこうという話を直ちに算定から意味するものではないというふうに理解いたしております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 きょうは時間をちょっとオーバーして失礼いたしましたが、指摘した、いわゆる収量の問題、それから地代の問題、それから労働費の問題、この三点は、政府当局の答弁は欺瞞である。私は了解することは全然できない。こういう欺瞞な米価で決定するということに対しては、私どもは、最後まで、これはこのままでよろしいと言うわけにはいかぬと思います。  ですから、委員長にお願いしておきますが、日程はつくられたと思いますけれども、米価はほんとうに農政の基本でありますから、休会中で忙しいけれども、さらに委員会を継続して十分審議を尽くさなければ、こんなことでわかりましたと言うわけにはいきません。  以上で終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 最初は数字の問題からちょっとお伺いしますが、いまちょうだいした「昭和四十九年産米穀の政府買入価格の試算」というガリ版刷りの一番最後の一一ページに「算出基礎」というところがございますが、この四十八年度のところを見ますと、「原生産費」が、こちらの「米価に関する資料」という本物と数字が違っているんですよ。たとえば収量については、ガリ版刷りのほうは五百十六キログラムだが、こちらで見ますと五百十一ですね。それから、原生産費の合計も、こちらの本物によると、——これが本物かどうかわかりませんが、こちらで見ますと六万七千二百十一円で、こっちのガリ版のほうは六万五千五百九十六円になっている。あとのこまい数字も各項目違うんですね。これはどっちを信用したらいいのですか。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 先ほども私が説明の中でも触れましたが、三ページのところに「算定要領」がございます。十アール当たり平均生産費の算定のしかたでございますが、四十六年、四十七年は一〇〇%、必要量はそのままというとで、特段のそういう調整措置なしにそのまま原生産費を出しておりますが、先ほど美濃先生の御質問にも収量の点でお答えいたしましたように、四十八年につきましては、そのカッコの中にありますように、「四十八年産にあっては、米生産費調査の米の販売農家を六十キログラム当たり生産費の高低順に並べ、生産費の低いものからの累積販売量が総販売数量の九七%になるところまでの米の販売農家についてのもの」ということで、これについて生産費を算定するということにいたしております。その結果、原生産費の算出基礎の一覧表に示してあるところの、この数字が若干高く出ているという結果になっております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そういう点については、これは米審の方も何ということだろうと思うと思うのですよ。こういうあいまいなものじゃなくて、もっとわかりやすいものを出してほしいと思います。  それから、第二番目でお伺いしますが、農林政務次官、実は、ある自民党の方が、いままでの自民党農政は大成功でございます、と、おっしゃっておりますね。その大成功だということの根拠は何かという点になりますと、徳川時代は農家が九〇%以上占めていたが、いまは一六%でも飢え死にする人がいない、だから大成功なんだ、と、こういう論をなしておられる方があるのですが、これについては農林政務次官はどう思われますか。大成功だとお思いですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 それは見方の問題であろうと思います。というのは、その人は、徳川時代は国民の八割も九割も働かなければ食糧がまかなえなかったが、いまは一五%程度の人が働けば食糧がまかなえるのだという意味で、ともかく農業就労人口が減ったということを言ったのかどうか、どういう意味で言ったのか、私はわかりませんが、それはだれが言ったのですか。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 就労人口が減った。これは自民党政府の時代になる前から減っておるわけですね。これは自明の理なんです。だから、そういうことは私は暴論だろうと思うのですが、だれが言ったかというお尋ねでありますから申しますが、これは田中総理であります。その点はどうお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 ともかく、農政問題は、部分的にはいろいろ御批判を受けることがございますが、全体から見れば、たとえば米作なんかの問題を取り上げると、生産性は非常に高くなっておるし、大成功かどうかは私は知りませんが、それなりにうまくいっておるのじゃないだろうかという気がします。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 その辺がやはり農家と意見の食い違う点なんですね。農家の方も、出かせぎやら何やらで、言い尽くされておりますが、塗炭の苦しみなんですね。自民党農政はごめんだということが、今度の参議院選挙で一つははっきり出たわけです。だから、こういう認識は改めていただきたい。これは強く要望しておきます。  それから、三番目にお伺いしたいのは、諮問の一ページに、食管法の第三条の規定によって、「米穀の再生産の確保を図ることを旨として」という説明をしております。それで、この再生産の確保の問題ですが、確かに、農民は、生産費を償わなくとも、所得が補償されなくとも、作付はなさるだろうと思うのですよ。今度の期待に反した安い諮問でも、来年度の作付はやるだろうと思うのです。そうでないと食えませんからね。しかし、この再生産の確保が、たとえば農業収入だけでは家も建てられない、あるいは出かせぎに出なくちゃならない、後継者も家に残らないという現状ですね。この「再生産の確保」という意味はどういう内容なのか。たとえば農家が自分たちの労働力をつくり出すための家屋、雨露をしのぐ家屋、こういうものを農業収入から得られないような現状にいまあるわけですね。この間も私は山形県の大蔵村の災害現地に行ってきましたが、あの方々なんかは、ほんとうに出かせぎの農外収入でやっと建てた家ですね。これが見るも無残に、あのとおりの地すべりで崩壊して、しかも、その下敷きになって死んだ。こういう悲惨な例があるのですね。ああいう家もやはり農外収入によらなければ建てられない。米価のきめ方の問題で、再生産の確保と言っても、これではこの辺は見られていないんじゃないかと私は思うのですよ。それから、農業後継者を育てるということも、これはやはり次代の労働力をつくり出していく生産力なんですね。これがもうどんどん出かせぎに行っており、村へ帰ってこない。これで、再生産の確保がはかられる米価なのかどうか、この辺御自信がおありなのかどうか、これを伺いたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 食管法で書いております再生産の確保というのは、個々の一つ一つの農家の再生産の確保という意味ではありません。政府として、国民食糧に必要なる米の全体の再生産の確保ということを言っておるわけです。したがって、それはやめる人もあるかもしらぬが、家によっては、やめた人の土地を借りるなり、あるいは買って再生産してくれる人もある。いろいろありましょう。しかし、あなたのおっしゃるように、米価が採算に合わないから、出かせぎに行ったほうが米をつくるよりも有利であるというような人も中にはあるかもしれませんが、多くの方がそういうような状態になったのでは全体の必要量の確保はできないのですから、そういうことになることはたいへんである。国民食糧の確保は農林省の重大な使命でございます。したがって、それについては、全体としてはそんなことにならないように適正な米価を決定するということで、賃金等の問題についても、五月までの物賃というものを織り込んで、先ほど申し上げましたように数字をつけたわけであります。  この問題については、政府といたしましては、米価審議会の委員にはかって、そして、その中には消費者代表もおれば、中間の代表もおれば、また生産者代表もおりますし、いろいろ学識経験のある方でございますので、そういうような方々の御意見を拝聴して、そうして最終的な米価決定をして、再生産の確保をはかってまいりたいと思っておるわけであります。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そういうお話しですが、現実の統計を見ますと、専業農家がどんどん減っていっているのですね。このごろ、ことばをかえて中核農家とかなんとか言っていますが、兼業農家がふえているという現実の実態は、米価算定の方式がこういう再生産を確保しないから専業農家が減っていっているんだ。次官は個々の農家の問題じゃないとおっしゃっていますが、日本全体から見ても、いわゆる農業の大黒柱である米の専業農家が減ぞいくという実態は、あなたのおっしゃるように、再生産の確保がむずかしくなっていっている証左だろうと私は思うのです。  その点で、今度私も米審の会場に参りましたが、きょう出された諮問、二五・五%、一俵当たり一万二千九百二十七円、これに対してはごうごうたる非難が渦巻いているわけですね。これは御認識いただいて、どうしても直してもらわなくちゃならないと私は思います。  それから、若干の数字も私は持っておりますが、私の地元の宮城県に古川というところがあります。ここはいわゆるササニシキの主産地でありますが、ここのAさんという農家が三・八十五町歩、三町八反五畝をりくって、粗収入が二百七十四万円余であります。端数は切り捨てますが、これに対して経費計算をやると、百二十六万円出ております。そうすると、いわゆる所得というものが差し引き百五十万円なんですね。専従者二人と奥さんが天、この辺がおやりになっているわけですが、約四町歩つくって、百五十万の手取りしかない。これはいわゆる単純計算で、一カ月平均の月給に直しますと、お一人六万一千円なんですね。それから、先ほどの十アール当たり八十三・七時間の計算でまいりますと、約四町歩近くですから、約二千七百時間ぐらいになりますか。そうしますと、これで計算してもやはり一人が六万円にしかならないのです。そうすると、この解決は、出かせぎに行って足りない分を補うか、あるいは何か複合経営をやって補うかするしかないわけでしょう。労働省の統計によっても、ことしの五月のいわゆる賃金水準が十一万八千円余でありますから、はるかに及ばないのですね。それから、中学校出たての初任給がやはり五万から六万いっている。高等学校は七万から八万取っているのですね。ですから、こういった四町歩近くつくっている農家だって、農業だけでは食っていけないという実態があるわけです。しかも、今度の米価でこれがぐっと上がるという保証は全然見られないのですが、その辺はどのようにお考えになるのか、簡単でけっこうですからお答えいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 確かに、あなたのおっしゃるようなことだろうと思いますね。それは、米価だけで一年間を生活するということで、一年間で割り算をすれば、月給六万円というような数字が出てくるのかもしれません。しかし、いま、出かせぎの問題というのは、どうしてしやすくなったかと申しますと、労働時間が米作に対して非常に減ってきたのです。ともかく、数年前までは十アール当たり百二十時間とか百三十時間とかかかっておったものが九十時間台になり、八十時間台になってきた。去年は八十三時間になった。ことしはそれを切れるでしょう。一反歩当たり十人手間を切れるというようなことになってまいりますと、面積が一定で人が全じなら当然人手が余ってしまうのです。余った時間をうちでじっとしておるということではなくて——田植えは一人で一反歩しか植わらなかったものが、田植え機によって六反歩も植えてしまう、コンバインによって稲刈りなんというのはばさばさとすぐ終わってしまう、脱穀もできてしまうということになりますから、仕事が非常に早く終わる。仕事が早く終わるので、結局生活程度が高くなる。高くなるためには、結局は労働が浮きますから、浮いた労働を別な作業に振り向けるというようなことは自然的に行なわれるようになってくる。そこで、その米作のために働いた時間と収入だけで一年間を全部生活をして、それで生活程度を高くするということは非常にむずかしい状態であることは間違いない。間違いないけれども、もう非常に手数は少なくなって、冬の間はほとんどやることがなくても、それを米作だけで全部保障しなさいということになりますと、相当多くの面積をつくっておらなければなかなかできないというのも現実なんです。しかし、一方、米の値段というものは、実感として、諸物価から比べて安いというようなお話しも確かにございます。したがって、それらも含めて今回はともかく米価を決定をしたい、しかし、政府としては、こういう根拠でこれだけの諮問をいたしております、そこで、皆さんからの御意見もたくさん聞かしてくださいというのがきょう現在の状態であります。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 では、若干角度を変えて伺いますが、生産性向上は機械化その他によってあがっているわけですが、しかし、生産性向上のメリット、この分がどうも農家には還元されていないようなんですね。いわゆる工場生産をやっている企業家あるいは大企業の場合なんかは、合理化すればするほど労賃分が多くなる可能性もあるし、配当が多くなる可能性もあるし、あるいは膨大な含み資産を持つようになる。こういうメリットが工業その他の企業の場合はあるのですが、農家の場合は、とにかくもう時間が減ってくる、それにかける労賃だというかっこうで、いわば、生きぬように、死なぬようにという江戸時代以来の農政に対する考え方が依然としてあるんじゃないかと私は思うのですよ。農家だって、生産性をあげて、一生懸命働いて、能率をよくして、それで家も建てたい、あるいは、次には、借金しないでこういう機械も買いたいという希望はみなあるだろうと思うのですね。しかし、いまの米価の立て方からいくと、特に今度の米価の立て方からいくと、ほとんどその希望がないという感じを私は抱いているわけですが、この辺は次官はどうお考えになりますか。簡単でけっこうですから伺いたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 これも非常に議論のあるところでございまして、それでは、一般の企業が賃金を上げただけ物価を上げていいのかという話と同じことになるのですよ。一般の企業で賃金が三〇%上がった、そうすればそこの会社の製品は全部三〇%値上げしてもいいのか。これはやはり生産性向上の中で賃金分というものは吸収をして、必ずしも、賃金が上がったからその分だけストレートに全部物価を上げておるというわけではありません。この米価の場合を考えましても、あなたのおっしゃるような点があるのです。たとえば、四十六年は九九・一時間直接労働時間がかかった。四十七年は八九・六時間である。四十八年は八十三時間である。ことしは一体幾らになるのかわからないけれども、いまの趨勢から見れば、これだけ田植え機の発達がどんどん全国的に普及しており、コンバインが普及していれば、さらに五時間くらいはおそらく減るのじゃないかと私は見ております。そうしますと、米価の計算のときに、生産向上のメリットを農家に返していないかというと、そんなことはありません。というのは、去年でさえも八十三時間で終わったのですから、ことしは七十七、八時間くらいになるのじゃないかと一応推定がつくのです。にもかかわらず、ことしの平均時間数というものは九十・八時間で計算しているのです。この諮問案というものの試算は、九十・八時間かかりますということで計算しているのです。そうしますと、現実にさらに五時間減ってくるとすれば、ともかく、そこでは、九十・八時間との差は十二時間くらい出てくるわけです。そうすれば、かなりのものが、実際にはかからなかったものがメリットとして還元をされておる。その間賃金や物価もある程度上がるじゃないか、十一月まで上がるじゃないか、こういう議論もあります。それを埋め合わせしても、なおかつ時間の減少のほうが大きいですから、その分はやはりメリット還元という形に一つはなっておりますよ。  もう一つは、賃金のとり方だけれども、農村の賃金というものは、都市の製造業賃金よりも全体から見たら高いとは必ずしも思っておりません、私は、低いと思います。秋田県やあるいは新潟県の米作農家の賃金が都市製造業の労働者の賃金よりも高いということは実際にはない。日雇い賃金をとるな、やはり都市労働賃金をとれということは、地元の日雇い賃金のほうが低いから、日雇い賃金をとってはいけないというのであって、地先の日雇い賃金が都市の賃金より高ければ、地元の日雇い賃金をとりなさいと言うにきまっているのです。それを都市の賃金をとりさいと言うから、われわれは都市の賃金をとった。都市の製造業というのは何で賃金が高いかというと、生産性が高いから賃金が高い。したがって、現実に農村で支払われている賃金よりも高い都市の賃金をとっておるということ自体は、擬制的にとっておるのですから、その点でも、生産性向上のメリットというものは農家に還元をされておるというようにわれわれは見ておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 時間もありませんから簡単に伺いますが、いま例にあげた三町八反五畝の農家ですが、これは農業だけでやれば一人六万円くらいですよ。ここから家を建てるようなメリットは出てきませんね。これはお認めになりますね。だから、結局、家を建てるのは出かせぎにたよる以外にないというのがいまの現実なんです。それも、借金しいしい建てるわけですよ。だから、今度二五・五%くらい上げてもらったからといって、昨年の狂乱物価にそれでも追いつきません。やっとそれくらいになるかならないかぐらいの上げ幅ですよ。もっと農家が働けば家も建てられる、後継者も残る、そして米の再生産を確保し、しかも、余った労働力は、農外に出ていくのじゃなくて、ほかの適地適作をやり、価格保障もやって、農業内に労働力が残るというふうにして、農家が農業をやって家も建った、機械も買えた、おじいさんからおばあさんからお孫さんまで一つ屋根の下で暮らせるという、こういう農政をやるためには、今度の米価では、とてもじゃないが話にならないと私は思うのですよ。そういう点をぜひ御再考をお願いしたいと思うのです。  それから、もう一つ、追加払いの問題でさっき次官もおっしゃいましたが、また物価が上がる。もう現に六月から鉄鋼が上がった、石油が上がった、七月にまた再値上げの申請をやる、私鉄運賃も上がるという状況があって、狂乱物価の第三段階を迎えようとしている状況なんですね。そういうときにあたって、去年分の追加払いは全然認めないと同じような諮問です。しかも、この追加払いを認めないという姿勢がある限り、ことしの秋に予想される狂乱物価に対しても何ら対策がないだろうと思うのです。その点で、この追加払いについては決断をもってやってもらいたい。  それから、最後に伺いますが、食管赤字の中身の問題について先ほど御説明があったようですが、あれは、やはり、金利の問題にしても、日銀扱いの金利になっている。これは政府の余裕金なり、あるいは丸紅とか伊藤忠といったところへ年四分五厘なんかで貸してやっている金が相当あるのですね。今度は五分五厘になりましたが、これは五年据え置きの二十五年払いだ。こういう金を回せば、金利負担だって、これは私の試算ですが、八百億ぐらい倹約できるわけです。食管赤字の中身の問題も、私はそういう疑問を持っているのです。  それから減らす問題ですが、赤字は確かに困ります。減らすとなれば、あなた方は消費者米価に寄せていくというお考えですが、そうじゃなくて、農業用の資材の値上がりを防ぐ、諸物価の値上がりを防ぐ、これで生産資材を極力上げないようにする、あるいは逆に下げていくという、このくふうがまだまだ足りないのじゃないかと思うのです。諸物価は上げっぱなしです。だから、今度の参議院の選挙で痛烈な批判を受けたわけですが、その辺は、生産者米価を上げないためには物価を下げるというくふうもなくちゃならないのです。これは国民の税金ですから、何にでも使っていいとは思いません。しかし、食管赤字がたとえば一兆円ぐらいになったとしても、日本の食糧を確保するためには必要な金だ。そういうものは、租税特別措置ですね、あれは十億円以上の会社について、私の試算で見たところだけでも約二兆円くらいあります。たとえば土地税制で分離課税をやって、この分だけでもまけてやっているのが五、六千億あるだろうと思うのです。こういうくふうをなぜできないのかということですね。  最後に次官から総括的に御答弁を願って、もう一ぺん最後のだめ押しですが、この諮問米価についてはもう一ぺん再考して、農民団体が要求する米価を実現していただきたい。この点を御質問申し上げて、終わらせてもらいます。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 簡潔にお答えいたします。  米価の最終決定につきましては、先ほどから再々言っておるように、米価審議会の答申を待って適正な米価を決定するということを申し上げます。  それから、諸物価の問題について、これを極力押えるということはほんとうにそのとおりでありますので、できるだけこれは押えるようなくふうを一そう真剣にこらす必要がある。私も同感であります。  租税特別措置法その他の問題については、これは各般にわたる問題でございますが、これについても、すでに目的を達したようなものについては、いさぎよくばさばさ切ったらいい、しかしながら、必要なものは残さざるを得ない、私はそういうように考えております。  以上でございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 この際、芳賀貢君から資料要求について発言を求められておりますので、これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この際、昭和四十九年度米価の審議に必要な資料の要求をいたします。  まず、第一は、昭和四十二年の算定方式により計算した四十九年の生産者米価、六十キロ、一俵当たりの価格とその算定の資料、これは算定要素である基準農家収量、収量については標準偏差マイナス一シグマであります。三番目が家族労働費、これには現物給与相当額並びに付帯労働費を評価したものを含めた家族労働費。四番目が資本利子。五番目が生産性向上の利益還元額、これは生産性向上メリット分の二分の一還元方式であります。六番目が地代。七番目は、その他米価算定上計上すべき経費。これを内容を明らかにして、特に、今回政府が試算米価として提出されました米価の内容の要素と比較対照できるような一覧表にして提出を願いたいわけでございます。  なお、六十キロ当たり一俵の金額については、ただいま説明の用意があれば、この分だけはあとで数字の説明を願います。  二番目は、家族労働費の計算資料でありますが、四十八年六月から四十九年五月までの各月の労働賃金の平均値というものを出した自家労働費の計算でありますが、元来、今年の米価をきめる場合でありますから、四十九年の米の生産活動開始以降の平均的労働賃金でこれは評価すべきでありますが、資料の要求といたしましては、今回政府が試算されました男女込み一時間当たり五百七十四円三十五銭、男子の七百三円十八銭、これを、その根拠となる各月の実績賃金というものを、それぞれ男女込み賃金、男子賃金と区分をして提出をしてもらいたいと思います。  第三番目の資料としては、七月十二日に統計情報部から公表されました四十八年産米生産費の中の自家労働費の内容が、一時間当たり二百七十七円、一日当たり二千二百十六円という非常に不当な自家労働費というものが計上されておるわけでありまして、これを四十七年産米の生産費と比較した場合に、労働生産性、十アール当たりの時間だけで六・四%生産性が向上しておる。時間としては六・五時間十アール当たりの労働時間が短縮されておるわけでありまして、これはどう考えても適正な自家労働費の算定ということにはなりませんし、農業労働の生産性向上の実態に反すると認められるので、そうでなければこれを実証するに足る実態資料というものを提出してもらいたいわけでございます。  以上三点の資料については、提出できれば、できるだけ本日中に委員長を通じてお出し願いたいと思います。  最後に、昨年、四十八年の米価について、これを昭和四十二年方式で算定した場合においては、六十キロ当たり一万三千九百八十一円になっておるわけであります。したがって、四十二年方式で行なえば、私の試算によれば、六十キロ一俵当たりおおよそ一万八千円台になると思われますが、この際政府において、この金額の点だけについて、用意があれば、四十二年方式で六十キロ一俵幾らになると、この点だけを示してもらいたいと思います。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 いろいろ資料要求がございましたが、中になかなか作成が困難と思われるものもございます。できるだけ努力いたしまして、間に合うものは本日中にお届けいたしたいと思います。  それから、たいへん恐縮でございますが、いろいろコメントがございましたので、詳細な点間違うといけませんので、幸いだと存じます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 冗談じゃないよ。何を言っているのだ。

杉山克己食糧庁総務部長

○杉山説明員 失礼いたしました。取り消します。では、後ほど私のほうでもって……。  それから、「うるち一−四等平均、包装込み、生産者手取予定価格」でございますが、これは、現在私どものところで計算した金額は一万七千六円でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、いま要求した資料については委員長におかれて、できれば本日中に政府側から提出するように取り計らいを願います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十六分散会

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