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72回国会衆議院1974/03/28

農林水産委員会 第26号

発言数
261
登壇者
15
会派数
5
開催日
1974/03/28

会議録

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について、調査を進めます。  畜産問題について質疑の申し出がありますので、これを許します。今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 大臣が後刻お見えになるそうでありますので、大臣に対します質問を保留いたしまして、政府委員にお尋ねをいたしたいと思います。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  まず、最初に、乳価の問題についてお尋ねをいたします。  最近のわが国の生乳の生産量は横ばいでございまして、特に、四十八年度は前年に比べまして落ち込んでおります。しかるに、政府の立てました「農産物需給の展望と生産目標の試案」では、昭和五十七年に八百四十八万二千トンということで、年率六ないし七%の伸びを考えておりますが、このように生乳の生産量が停滞している原因は一体何か、政府はこれをどう受けとめておられるのか、まず、お聞きしたいと思います。私が酪農関係者に聞きますと、乳価安に原因があるのではないかというふうに言っておりますが、それに対する見解をまず承りたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それも一つの原因であろうと思いますが、一つは土地の取得権、あるいは土地の値上がり、えさの値上がり、あるいはごく最近におけるけちけちムードというか、いろいろなものがかみ合ってそうなった。特に、去年は、去年の春から夏にかけてべらぼうに肉類が暴騰して、そういうふうなことが屠殺を誘発した等、いろいろな原因があるだろうと思います。

今井勇自由民主党

○今井委員 そういたしますと、今後の見通しは一体どういうふうに考えられるのか。いま政務次官のおっしゃったもろもろの原因を一つ一つ解消していって、もとの政府の見通しに復旧できるというお見通しがあるのか、その点をお聞きしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは、いま言ったように、いろいろ複雑な原因がたくさんあります。したがって、一挙にすべてを解決をするということは非常に時間のかかることだと思いますが、解決できるものから解決していかなければならぬ。その中でとりあえずわれわれとしては、えさの値上がりとか、労働賃金の上昇というようなものに見合って、加工原料乳の保証価格を引き上げるという措置を講じたわけであります。

今井勇自由民主党

○今井委員 それでは、少しこまかくなりますが、今回の加工原料乳の保証価格の算定の内容について、二、三の問題をお聞きしておきたいと思います。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  まず、最初は、昭和四十一年に例の不足払いの法案ができまして、加工原料乳と飲料乳との間の格差を是正しようというものの考え方があったように思います。ところが、昭和四十一年のときの加工原料乳の保証価格、それから飲料原料、いわゆる市乳の価格は、その差が七円三十銭であったのであります。ところが、昭和四十八年におきましては、その差がなんと三十三円四十九銭と、非常にその価格差が激しくなってきております。本来価格というものは一物一価の原則であろうと思います。農林省の出されました例の生産費の資料で比較してまいりますと、昭和四十八年に、一キログラム当たりでございますが、全国平均にいたしまして四十円九十六銭、ところが、加工原料乳の地帯、一道四県で見ますと、三十六円六銭で、その差はあまりないわけですね。にもかかわらず、このように、加工原料乳と飲料乳の価格が、昭和四十八年では三十三円四十九銭も開いてくるということは、せっかく酪農農家を保護しようと言うたてまえでつくった不足払い法が実は足かせ手かせになってしまって、加工原料乳のほうは上がらない、一方市乳のほうは、市場価格で上がっていくという形で、酪農の農民にどちらかというと不安を与えるということに結果的にはなっているのじゃないかと私は思うのですが、この点に対してどういう認識を持っていますか、まず、お伺いしたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 確かに格差が広がったことは事実であります。これは急激なえさの上昇に見合わぬじゃないかというような御批判を受けたわけで、それで、今回は大幅な値上げをして格差を是正するという措置を講じたわけでございます。しかしながら、市乳のほうはどこまでも自由価格でございまして、生産者とメーカーと小売り屋さんも入って交渉をしてきめていく。政府は直接はタッチしないものであります。それから、また、加工原料乳が市乳化することについても、政府がそれを押えるというふうなことはございませんので、北海道地域等においても、市乳化の地域が漸次広がっておるということです。加工原料乳はどこまでも政府の補償する生産費に見合った最低の保証価格である、こういうふうな点がございます。だから、きのうも市乳価格と保証価格と同じ値段にしろという御質問がありましたが、これは基盤が違うので同一にするというわけにはいかない。片方は場合によっては税金で補償する生産費に見合った価格ということですが、それ以上に売ってはいけないというわけじゃ別にないのであります。ですから、市乳化に持っていっても、それを押えるということを特別にやっておらないということであります。

今井勇自由民主党

○今井委員 市乳の問題で、市乳の伸び方が少ないのじゃないかと私は思うのですね。もっとどんどん伸びていきますれば、またおのずから違ったパターンが出てくるはずですね。それじゃ、市乳が伸びない原因は一体どこにあるのか。一つの県でやるというのではなくて、もっと広域化して、ブロック単位にするとか、国全体にするとかという形でこの問題を議論しないと市乳が伸びていかないと思いますが、その点についてはどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 市乳の伸ばし方はいろいろあるだろうと思います。一時メーカーが市乳にヤシ油か何かまぜたというような話が出て伸び悩んだことがあったり、あるいはBHCが牛乳の中にちょっと出たということで非常に伸び悩んだり、ちょっとしたことで非常に伸び悩むことがある。しかし、全体からすれば、もともと日本人は牛乳をたくさん飲むという習慣というものは西洋と違って、ないのであります。その習慣は終戦後であります。終戦後にそういう習慣ができてきた。だから、歴史的に見れば、非常に短い間で、その間に日本人の食生活を相当変えるほど市乳あるいは乳製品というものが使われるようになってきた。そういう意味ではかなり伸びてきたものと評価していいのじゃないかと思いますが、歴史というものがあります。かように考えております。もっと伸ばす方法は、いろいろ皆さんからの御意見も聞いてさらに検討をしてまいりたいと思っております。

今井勇自由民主党

○今井委員 時間の関係もあるようですから、先に進みます。  今回の試算の内容を見まして、私は二つほどの点について指摘をいたしたいと思います。  まず、一つは、かねてから、飼育管理労働と自給飼料の生産労働というものを区別すべきではないということを言われておったと思いますが、しかるに、今回の試算でもそれが区別されておる。一方、厩肥の積算の内容は、家族労働はやはり一道四県の五人以上の工場労働の費用になっておる。にもかかわらず、自給飼料のほうの生産労働は日雇い賃金の単価になっておる。この点についてはずいぶん前からも指摘されていたけれども、今回も改正されていないのですが、この点については一体どう考えておられるのか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 かねてそういう御議論があるわけでございますが、御承知のとおり、飼育管理労働は四六時中ついておらなければならぬし、それから非常に技術を要するというような点から、一道四県の製造業の費用というものをとっておるわけであります。粗飼料の作物をつくるということは一般の耕種農業みたいなものでございまして、一般の管理労働よりはしやすい労働ではないかというようにわれわれは考えておるわけであります。ただ、その中で、トラクターを使ったり何かする部分だけくらいは抜き出してやってはどうかというような議論が実はあるのでありますが、全体の時間数から見ればそれほど大きなものではないということもあって、統計上の問題もあって今回は分離をしなかったといういきさつでございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 いまの政務次官のお話しですと、四六時中やっている、土曜、日曜もない、盆暮れもないんだということですが、一方、調べてまいりますと、森永乳業会社の従業員の労働単価が一時間当たり八百七十五円であるというのですね。今度政府の原案では一時間当たり四百六十円です。約半値ですね。牛の乳をつくるほうが半値の四百六十円で、乳を買ってきて工場で生産してやる労働者が八百七十五円、これではいかにも格差があり過ぎる。だから、いまの一道四県の製造業の労賃を四百六十円とするならば、少なくとも飼育管理の労働については割り増しをするというふうなことくらいは考えてもいいんじゃないかと思いますが、この点はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 森永の月給が高過ぎるのか、片一方が安過ぎるのかという話でございますが、乳業メーカーは大体大部分の人が大都市に住んでおるというようなこともございましょうし、あるいは乳業メーカーが、この部分だけでなくて、いろいろなほかの事業もあわせて経営をやっておるというような点から、今回は――特に、加工原料乳地帯というのは山村に多いわけであります。したがいまして、大都会の賃金あるいは物価等の問題についても、当然、多少実質的には差がある。まあ、日雇い賃金はもう少し安い。現実がそういうことになっておるのであります。しかし、これは酪農振興という点から、管理労働については一道四県の製造業賃金をとっておる。こういうふうに御了解をいただきたい。森永は全国平均というよりも、むしろ大都市に比重がありますから、計算してみなければわかりませんが、おそらくかなり高い数字になるのじゃないか。そういうことで、それを同一に比べるというわけには実際はなかなかいかないだろうと思っております。

今井勇自由民主党

○今井委員 そういう理屈も成り立ちましょうが、私がここで申し上げているのは、畜産の危機だと言われているようなときにこそ、高過ぎるからとかいうのじゃなくて、八百七十五円に対して四百六十円、半分ですから、それが一体いいのかどうかという御判断が当然政務次官としてあってしかるべきだということを指摘しておきます。  次に、乳価をきめる最も大きなファクターになります乳牛の償却費の問題なんですが、これは非常に大きいのです。これは残存率を幾ら見るかということで五円も六円も違ってしまいます。そこで、今度の三百九十五円の単価の中で、これは償却ですから、たぶん残存率は幾らか見たのだろうと思いますが、簡単でけっこうですから、残存率を幾らに見てこれは計算しているのか、教えてください。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  生産費調査によりますれば、生産費調査開始時におきますところの搾乳牛価格、それから廃牛価格、これを出しておるわけでございます。ホルスタイン種で申し上げますと、搾乳牛評価額が二十一万三千三百五十九円でございまして、廃牛の残存価格でございますが、これが十一万五千二百九十八円、こういうことに相なっております。

今井勇自由民主党

○今井委員 約半値ですね。そこでお聞きしたいのだけれども、農家の所得をはじきます場合の大蔵省の省令がありますね。例の必要経費をはじきます省令がありますね。御存じですね。その省令によると、普通は五〇%と書いてあるのですね。ただし、繁殖用の乳用牛については、これは二割にすると書いてありますね。これも知っていますね。  さあ、そこで、こういうことがあるのです。これは税法上の問題だからとたぶんおっしゃるのだろうと思うが、こういう規定があるにもかかわらず、このような乳価をきめるときになぜこれをお使いにならないのか。これだと、結局、肉が高く売れれば肉が高い分だけいいじゃないか、乳牛が安くてもいいじゃないかという議論になるのですよ。乳をしぼって、しぼって、しぼり抜いた牛のまた残りが半分も値段があるなんということをそもそも考えることがおかしいと私は思うのですがこの点はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これは計算の方式の問題であって、大蔵省のようなやり方をやったほうが農家にとっても得だとは私は思わないのです。というのは、たとえば税法でやる場合には評価がえなんということはしないわけですね。取得価格は取得価格です。ですから、いま三十万する牛でも、五万円で買ったものは五万円、その五万円の二割なら二割は残存価格、償却費は五万円の何%という償却をやるわけですね。ところが、こちらはかりに五万か六万で買った牛であっても搾乳牛として二十何万なり三十万と評価すれば、三十万という評価で、償却はその同割と出しますから、償却費がでかく出てくるわけですよ。だから、大蔵省の税法の計算と同じようなことで所得をはじけということになれば、これは仕組みが全然違いますから、どちらがいいか、これは非常な大論争が実はあるところなんです。ですから、考え方によれば、たとえば建物とか農具というようなものも取得価格があって、取得価格から償却していけばいいのですよ。これはほんとうなんです。税法、会計学から言えばそれはほんとうなんです。たとえば石油会社に石油が入ってきても、安く入った石油は安く売りなさい、いま時価が高くなって、いま買おうとすれば高いのだけれども、あなたは安く買ったストックがあるなら、そのまま安い値段で売りなさいと政府は言っているわけですよ。工場の償却をする場合にも、安く建った工場ならば、うまく高く再評価して、それで再評価でうんと高くしてはいけませんよ、それは安いコストでやりなさいと言っているのですから、その面から言うと、これは農具や何かを再評価してはいけないよ、安く買った農具があれば安いままの償却だという、こういう議論が一つ会計学の議論としてはあるわけなんです。しかしそれでは再生産ができないじゃないかということで、擬制的に評価がえというものをやっているわけですから、まあそれは実務にも合うし、擬制的ではあるが、会計上あまりやられていない、税法上は認められていないことだけれども、そうやっておるので、それはものの考え方がおのずから異なっておるわけです。だから、大蔵省のやつをとっていない、こういうことでございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 この問題を議論すれば何時間でもかかるのです。私は、言われている税法上の問題、その評価がえの問題、それはわかるのですよ。普通は五割、半分でいいのだけれども、繁殖用の乳用牛については二割にするのだということで、減額していますね。そういう法のたてまえのものの考え方をなぜ使わないかということを私は言っているのです。だから、あくまでも、乳をしぼり、乳でめしを食っている人たちについては、あとの残存価格があって肉に売れるから云々ではなくて乳をしぼって生きていこうとする農民に対してはそういうふうな税法上の問題でも軽減措置があるのだから、そういう考え方をこういうものに及ぼしたらどうかというようなことを私は言いたいのです。しかし、よくわかっておられるはずですから、これ以上答弁は要りません。  あと三つばかり、私は希望をいたしておきますが、印刷物になりますと、すべての統計というのはいかにもほんとうらしく見えるのですが、実際サンプリングのとり方によってずいぶん違うのですね。そこで、今回の乳の問題でも、その統計のサンプリングの問題に大きな原因があるとぼくは思うのです。だから、出もしない乳が出てみたりするようになるのですね。そこに一つ問題がある。だから、今度は急には間に合わないかもしれないけれども、実態をよくあらわすようなサンプリングのしかたとサンプリングの数というものをしっかり整備して、正しい実態が反映できるような形のものにしてもらいたいと思います。当面としては、これは希望でありますが、資料のサンプリングのとり方によって少し実態がゆがめられるというふうに私は思いますけれども、それを正しい姿にするためには、数学的な手法を講ずれば幾らか補正をする可能性があると私は思う。だから、それを早急に農林当局では勉強をしてもらいたい、これを私は希望しておきます。  もう一つ、乳がだんだん減ってきていますね。これはたいへんな問題なんですから、この際、需給を促進するような形の係数というようなものを乳価の中に織り込めないか。下向きのものを上向きにするためのアルファ、係数、これは勉強すればまたいろいろその方法もあろうと私は思うのです。  それから、市乳ですが、市乳は、先ほど政務次官もおっしゃったようにいろいろな理由で伸び悩んでおりますが、これも伸ばそうと思えば伸びる方法はある。その方法を講ずると同時に、また、市乳を拡大するような係数でその乳価を補正することもできると思うのです。  そういうようなもろもろの問題を私はここで提案をいたしておきます。私自身がまだしっかり数字の係数をはじいてここで御披露できないのは残念でありますが、優秀なる頭を持った農林官僚がおられるのですから、いま申し上げたものについての検討をぜひお願いして、そういう検討の結果を本年度の乳価に反映させてもらいたい。これを要望いたしておきます。  次に、豚価についてでありますが、これはもう基本的な問題でありますので、こまかい問題は別にして、私は、いまの豚価の需給実勢方式には反対であります。  以下、反対の理由を述べますが、まず、第一番は素畜費のとり方です。素畜費のとり方は、在来は過去五カ年の実積に応じまして、その一次生産費との関係で、その数字をそのまますなおに当該年度の素畜費に使っておられた。四十八年度ではそれが四二・三%だったと思います。これが今度は四七%に上がるものですから、それでは非常に素畜費が高くなるということであろうと思いますが、わざわざ四十四年から四十八年の実質額でその素畜費の比率を出されまして、そして、出しておられるわけですね。これはなかなか苦心の作でありますが、こういうふうに素畜費の出し方が年によって変わるようなことであってはいけないと私は思うのです。それが第一点です。  第二点は、需給調整と称しまして、アルファという項目を考えておられます。ところが、アルファの中で、去年にないような項目をまた考えておられる。なかなか非常にこまかいのです。そんなに式をこまかくしているのですが、にもかかわらず、大事なところで抜けている。というのは、豚の供給と需要との数量の推計が、今度のこのパンフレットの中で十六ページにありますが、四十九年度の豚肉の推定供給量の中で、国内産が九十三万二千トン、プラスをして、推定輸入量が三万六千トンと出ているんです。たぶんこれは一月三千トンだろうと思う。去年はこれがどうだったかというと、二万四千トンなんですね。にもかかわらずそういう推定をしておきながら、実勢はどうかというと、十万九千トンですか、これは十四ページにそう出ていますが、輸入量が十万九千トンになっている。そういうふうに見込みと実際とうんと違うんです。そういうふうな数字でありますので、非常に精緻をきわめるような需給調整係数でやっておられますけれども、この二つの理由からだけでも、平常な時代ならいざ知らず、こういう狂乱怒涛の物価のときには、この需給実勢方式というものは通用しないんだというふうに私は思うのです。  そこで、農林省としては、豚肉のようなものでのこういうふうな異常な事態については、今後、だれもわかるような生産費及び所得補償方式に――これは四十八年にやられたが、あなた方の生産費をもとにして、それに対して物価の係数を掛け算する、最もすなおなやり方である。百姓がだれが見てもこれはわかるのです。あなた方のこの表は非常にわかりにくいですよ。よっぽど頭のいい人でないと、農民はこれは理解できません。だから、そういうふうに改めたらどうかというのが私の持論でございますが、それに対してはいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 豚肉価格の算定にあたって所得補償方式をとれということですが、いま所得補償方式をとっておるのは米だけであります。これは全部政府が管理をするというようなことでしかも、国民の最も基礎的な第一の農作物であり全国にわたってつくられておるものであるというふうな点から米についてだけとっておりますが、豚のように、自由に生産をして、自由に売れる、市場も自由、生産も自由というようなものにまでこれを広げるということは、他の農作物との関係もあるのでなかなかできない。しかしながら、豚のある一定量の生産ということはどうしても必要でありますから、それに見合うような賃金あるいはえさの値上がり代というものは十分に織り込んでやっておるわけであります。御承知のとおり、豚や鶏というものは半年とか一年ですぐに大量に生産をされる。そして、生産過剰になると暴落するというようなことをいままで繰り返しておるので、それをなくするために今度の安定基準価格というものを設けて、あんまり暴騰しても困るし、あんまり暴落しても困るというようなことで、その生産等もあらかじめ調整されるような仕組みをつくっておいて、この価格をきめておるわけであります。だから、政府が一応買い入れるものでありますから、非常に採算を高くして、たとえば五百何十円という底値をきめて、それで政府が無制限に買い入れますよといまの制度でやった場合には、たとえば現在のえさが大体ここらで頭打ちだということになり、相当な高賃金と大資本をぶっ込んでもこれは採算がとれるということになれば、商社等が大々的な豚農場というものを今後つくるかもしれない。いまの方法としては、なかなかこれは押えることはできない仕組みになっておる。そこで大生産が始まって、全部無制限に政府に持ち込んでこられるということでも、これは実際農民も困るだろうし、政府も困る。お互いに困る。でありますから、それをあんまり高い価格できめるということも、実際はそういうむずかしい問題とからんでおるということなのであります。  だから、ともかく安定的に生産できる価格というものがやっぱり一番いい。それはどこからであるかということについてはいろいろ御意見のあるところでございましょうが、農林省としては、一応試算に示したようなものがともかく政府が買い入れる価格ということで、あるいはそれを上回った場合には鎮静のために売り渡す価格というようなものをきめておるわけであります。

今井勇自由民主党

○今井委員 私は重ねて申しますが、繰り返すようになりますが、こういう方式でやりまして、平常の場合ならいざ知らず、食料危機であるというふうなときに、この方式がすなおに動けないという事態が現実に非常にあるからぼくは申し上げているのですよ。いまの素畜費のとり方もそうなんです。これは一理屈ありますが、また、当然理屈があってしかるべきだと思うのですが、その理屈が普通世間ではなかなか通らないというふうに私は思うからなんです。それから、また、需給のアルファの供給係数でも、年によってまた項目を追加したりしておられますが、そういうふうに数学的に非常に精緻なものをやりましても、実際はなかなかその間にうまくおさまっていないというふうな実態から見ましても、この方式については見直す必要があると私は思います。時間の都合でこれ以上議論しませんが、農林省もこれだけが唯一無二のものであるというふうにはお考えになっておられぬと思うのですよ。だから、直すべきところは直されたらどうですか。そういうふうなお気持ちがあるかどうかだけ聞いておきましょう。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 農林省としても、これだけを金科玉条の欽定憲法のように思っておるなどということは夢にも思っていないのでありますが、いまのところはやっぱりこれがいいのじゃないかということでとっておるわけです。ただ、この方式の中でも、プラスアルファの部分をもう少し増算させるようにするほうがいいのかどうかというようなことは、これは皆さんの意見を聞いて農林省は試算を出しておりますが、畜産審議会の意見等も聞いて最終的に決定するということであります。しかし、われわれは、これが一番いいだろうと思って出しておるわけでありますから、いまからこれを悪いから直すということは考えておりませんが、これに固執をするものではないので、皆さんからの御意見も、国会の意見も、畜産審議会の意見も聞いて、その上で与党、政府が相談してきめる、こういうことだろうと思います。例年がそうなんですから。

今井勇自由民主党

○今井委員 最後に、卵価の問題について質疑をしたいと思いますが、農産額約五兆でありますが、そのうち卵というのは三千六百十七億円で、相当これは多いウエートを占めておることは御存じだろうと思います。豚よりも大きいのです。にもかかわらず、国の力といいましょうか、国が助成をする割合の非常に少ないものが卵価であります。現実には、いまは例の液卵公社がありまして、それが買い入れておるということですね。四十八年度では、現在、その運営は八億七千万円の出資金の運営の益で買いささえておるわけですね。今度は、四十九年度は、さらにそれに三億円ばかりふえますが、十一億七千万円になるということで、在来の一千トンの買い入れを二千トンにしようとしているわけですね。いずれにしましても、もとの出資金なるものがそうふえないのですから、買い入れる価格並びに買い入れる数量もなかなか飛躍的には増加しないと思うのですね。  そこで、私は、乱暴なことを言うわけでもありませんが、液卵公社が赤字を出してなぜ悪いのだ、農産物の価格の中で相当なウエートを占めておる卵価について、国がもっと助成をしたらどうだろうか、そして、もしも卵が値下りをして困るような場合には、国が補てんをしたらどうだろうか、そのくらいのことをしてやってもいいのじゃないか、他の同じようなウエートを占めるものについて国が助成をするならば、この卵価についてもやるべきではないか、と、こういうふうに私は思っているのでありますが、この点についてはどうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 卵が三千六百億というシェアを占めておるということは、事実そのとおりでたいへんな大産業だと私は思うのです。皮肉な話で、実際鶏は一番めんどうを見なかった。しかし一番先に自由化した。そのために十数年間値段が一定で、上がらない。しかも、生産は減らない。減るどころか、どんどんふえてきて、百八十万トンになってしまった。いまから十年前はちょうど九十万トンぐらいだったのですが、百八十万トンにもなった。非常に健全な伸び方である。確かに農家戸数はうんと減った。減ったけれども、国民の食料を確保するという意味において、国際競争力を持つという意味において、大きな目的を果たしたことは事実なんです。ところが、ここにきてえさの予想外の大幅な値上がりというものがあってしかも、その中で卵価の基準価格というものが二百二円ということではとてもだめだ。ですから、これはかなり大幅に引き上げてやるということが必要だと私は思います。  それと同時に、液卵公社はそれよりも大体十円安ぐらいでいままで買い込んでおりますが、その卵価安定基金の制度にみんなが加入しやすいような仕組みをつくるのには、十日や二十日ではできない。多少時間がかかる。だけれども、その仕組みというものをもう一ぺん直して――その卵価安定基金に加入する生産者の数が、農協関係で一六、商社関係で一〇、二六%ぐらいのシェアしかない。そこで生産調整をやらせるといっても無理ですから、正直者がばかを見たことになりますから、もっとこれをふやすという方法をとりながらさしずめ液卵公社でもっとたくさんの量をとりあえず買い入れるということをやらせたい、私はそう思っています。それは幾らにするのだということは、いま私は結論は申し上げられませんが、かなり大幅なものを――それは助成金でやるか、貸し付け金でやるか、方法論はともかく、やりやすくて早くできやすいもののほうが効果的なんだから、そういうようなことをやらせるようにいま検討をさしておるわけでございます。

今井勇自由民主党

○今井委員 いま大事なことを言われたのですが、そうすると液卵公社が買い入れた場合に、先ほど私は赤字と言いましたけれどもそういうふうなことになっても国が補てんをしていこう、あるいは助成をしていこうということだと了解してよろしゅうございますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これだけえさが上がって、二百二円とか二百二、三十円とかいう数字には卵はならぬと私は思うんですよ。いま実勢で二百四十円とか四十何円、五十円とか言っていますが、現在のえさというもの、賃金の値上がりというものから見ればがこれは安過ぎる数字だと思います。過剰生産だからこうなるのであって、過剰生産をなくせば当然に適正な価格になると思いますから買い入れても一つも赤字になるとは私は思っていないのです。

今井勇自由民主党

○今井委員 最後にもう一つだけ、生産調整の話が出ましたから聞きたいのですが、それはけっこうなことだと私は思うのです。ところが、その完全実施をしようと思っても、商社系あるいは飼料メーカー等が大規模にやっていますね。これにメスを入れなければ、正直者がばかを見るじゃありませんが、ほんとうの意味の生産調整ができないと私は思うのですが、この点について政府は具体的にどう考えておられるのか。いままでみたいに融資をしないとかなんとかいうようなことではとてもだめだと思うんですね。これはどの程度までいま話し合いがついていますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これはやらしてみたらなかなかむずかしいんですよ。むずかしいけれども、何が何でもやらなければならぬが、もちろんこれは商社系、農協系、両方やってもらわなければ困るのです。両方やってもらうにしても、二六%のシェアでは、これはどうにもならぬですね。ですから、もっと生産者が八割も九割も入って、それでともかく二百何十円ということで、それより下がった場合は、補てんしてもらえるというふうな人が七、八割、生産者が入るという仕組みにしなければならぬ。これが先決なんですよ。それには二百二円では、二百二円より下がったら補償してやるよと言っても、これじゃそれまで持たないから、だから、やはり価格を相当上げるということがまず第一で、それによって一般の人を新規に入れようということで、全農に対しても、それから民間系の池田さんのやっている基金のほうに対しても、両方話しているんですよ。ところが、こういうことを言い出しているのです。いまおれたちがかけた掛け金が、今度新しく入った人と同じくなってしまうのか、おれら古くからかけている人と今度新しく入る人とどう差をつけてくれるのだというような話もありまして、掛け金で差をつけるか、どういうふうにするか、技術的な問題もあるが、それはあまり利己主義なことばかり言ってもしかたがないから、多少のハンディはつけなければならぬと思うが、いずれにしても加入をふやすようなことをいま検討しております。  それから、それに対する助成という話で、すぐ金を出せという話になるんですが、それは予算の問題等もあるのです。助成でいま出すということになると、予算のどこから出すのかという問題もあるし、予算もあがらないうちにそんなことを言えば、それじゃ予算を直したらいいじゃないかという話にもなってくるし、なかなかむずかしい話になってしまう。だから、結論は、液卵公社が値段を引き上げられる、それに対して政府が何らかの措置をとって――問題は、結論が出ればいいんでしょう。それには理屈でなくて、もっと実務的にものごとを考えていきたい、こういうことで詰めさせております。

今井勇自由民主党

○今井委員 いまの生産調整の問題、それから液卵公社の買い上げの問題は、今後ともそうの努力をされまして、養鶏農家が-この間も参考人を呼びまして、その切々たる声をあなたも聞いておられたと思うが、こういうことがないようにぜひお願いいたしたい。  私は、これで質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 本日は農林大臣が出席されることになっておりますが、それまでの間、事務当局に対して質問をいたします。  まず、第一に、昨日政府として畜産審議会に諮問をされました加工原料乳の価格問題でありますが、政府の試算によりますと、四十九年四月からは一キロ当たり六十三円五十三銭、これが加工原料乳の保証価格ということになっておるわけであります。政府の説明によりますと、昨年の四十八円五十一銭に対しまして三一%の十五円二銭の引き上げということになっているわけでありますがこれでは四十九年の四月から始まる加工原料乳に対する実施価格としてはまことに低乳価であって生産農民が意欲を持って再生産活動を持続することはできないとわれわれは考えておるわけであります。  そこで、まず、お尋ねしたい点は、昨年四十八円五十一銭にきめた際に、この保証価格のほかに特別加算して四月からキロ当たりにいたしますと約二円五十銭、十一月から三月までの間は約三円の加工原料乳に対する特別加算が出されておるわけであって、これを合算すると五円五十銭の実績が四十八円五十一銭に加算されておるわけであります。今回の計算については、この実績分の五円五十銭というものが計上されておらないわけでありますが、これについて、これは事務当局からでいいですけれども、明快にしておいてもらいたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。芳賀先生御指摘の、昨年春の、キロ当なりに直しますと二円五十銭という点でございますけれども、これは乳価決定時にあたりまして、緊急酪農総合対策事業というものを、四十八年度、四十九年度を通じましてやってまいろうということで、畜産振興事業団から四十億円の助成を行なうということにいたしたものでございます。これはこの価格の上積みではない、こういうことでございまして、助成事業ということで仕組んだものでございます。  それから、秋の、キロ当たり三円相当という点でございますが、これは先生も御承知のとおり、十月半ばでございましたか、畜産振興審議会の酪農部会の懇談会を開きまして、当時の乳価の見直しをやってみたわけでございますけれども、その結果では乳価改定という結論は出なかったわけでございます。しかしながら、酪農をめぐります事情からいたしまして、何らかの措置が必要であろうということでございまして、これも同じく畜産振興事業団から十五億円をもちまして助成をするということにいたしたわけでございまして、これは価格とは直に関係をいたすものではないという扱いでございますので、今回の四十九年度の価格決定にあたりましてもそのような扱いをいたしたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 下浦君の言うのは詭弁でして、昨年決定の当時、政府側あるいは与党自民党の側におかれましては保証乳価は四十八円五十一銭で、なるほど低いかもしれぬが、そのほかに畜産振興事業団を通じておおよそ二円五十銭に該当する特別加算金を出しておる。あるいはまた十一月以降からの分については、おおよそ三円の特別加算という形で、これも畜産事業団から支出をしておる。つまり、保証乳価においても、四十八年のキロ当たり八円二銭というのは、これは政府予算にも計上されておりますが、手続上の問題としては、畜産振興事業団から八円二銭の生産者補給金というものが支出されておるわけでありますからして、同じ交付機関である畜産事業団が二円五十銭、さらにまた三円の支出をしておるわけでありますからして、政府機関が価格を保証して支出する分については、名目がどうであっても、生産者に対しましては、実質的に保証乳価プラス五円五十銭の価格で現在これが支払われておると言って差しつかえないわけです。そうなれば、四十九年度の価格計算の場合においては、これを実績にして、物価の変動あるいは労賃の動向等を十分に的確に判断して四十九年の乳価というものを計算するのは当然のことでありますが、この点は農林大臣が来てからさらに尋ねます。  次にお尋ねしたいのですが、本委員会におきましても、事の重要性にかんがみまして、農林水産委員会の中に特に畜産問題に関する小委員会を設置して、一昨日まで四回にわたって小委員会において問題を審査して今日に至っておるわけであります。たまたま一昨日の小委員会の席上において、澤邊畜産局長から、農林省として保証乳価に関係する資料を取りまとめて、つまり農林省案というものをまとめて、これを基礎にして大蔵当局と折衝をやっておりますという話がありましたが、その大蔵折衝の問題はわれわれも常識的に判断ができるが、保証乳価の算定をする各項目全部にわたって大蔵省と協議して了解を得なければ計算ができないというものではないのじゃないか。ところが、畜産局長は、そういうことになっておるので、農林省としての取りまとめたその原々案なるものについては御説明する段階ではありません、と、こういうまことに奇怪な答弁を小委員会において行なっておるわけです。そこで本日は大蔵の主計局長の出席を求めておるわけでありますが、参議院等の予算の関係で出席できがたいかもしれませんが、かわって大蔵省の主計当局からこの点についての問題を明らかにしてもらいたい。  たとえば豚肉の基準取引価格をきめる場合においても、あるいは加工原料乳の保証価格をきめる場合においても、その計算の基礎となるあらゆる項目について一々大蔵省がこの経費が多いとか少ないというような検討というものはできないと思うわけです。国として支出する生産者補給金の額については、これは財政当局としての意見を十分聞く必要があるとしても、元来農林省の統計調査を基礎にしてできた生産費を価格決定の次元で物価修正をして計算を整えるという場合において、その内容にまで大蔵省が一々数字上の意見をはさむというようなことはわれわれとしては絶対に容認できないことでありますが、それが事実であるかどうか、大蔵省の担当官から本委員会において明らかにしてもらいたいわけです。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 御答弁申し上げます。  今回決定することになっております各種の畜産物の行政価格でございますが、これは私から申し上げるまでもなく、農林大臣の責任におきまして、畜産振興審議会のそれぞれの部会に諮問するというたてまえであることはもう申すまでもございません。しかしながら、政府の案として農林大臣が諮問される場合におきましても、当然財政負担を伴う問題でございます。したがいまして、その限りにおきましては、農林省限りで財政当局の意向を無視して諮問してまいるということはちょっとできないことであろうかと思います。したがいまして、われわれ大蔵省といたしましては、この財政負担の角度から、必要な範囲内におきまして、その内容について農林省から説明を受け、その当否についていろいろ御相談するということに相なっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この加工原料乳の不足払い制度のもとにおきましての財政負担というのは、生産者補給金、つまり、昭和四十八年度においては補給金がキロ当たりについて八円二銭支出されております。ことしの政府案を見ると、これに対して二円十銭の増額をして、ことしは十円十二銭、こういうけちな財政負担というものが原案に出されておるわけです。この分の多寡について大蔵当局が意見を差しはさむということについてわれわれは特別容喙しておるわけじゃないですよ。それ以外の価格算定上のあらゆる項目について、大蔵省と十分協議しなければどの項目もきめることができないという農林省の澤邊畜産局長の小委員会における言動というものについては、われわれ農林水産委員会としては、常識論から見ても、絶対にこれは了解ができないわけだ。  そこで、大蔵省の担当官に尋ねますが、毎年の価格計算について順序から言えば、たとえば飼育労働費、これを雇い入れ、家族に分けてある。その次の飼料費については、流通飼料並びに飼料作物費、あるいは償却その他に至るまで、これは相当細目に分類した項目に分かれておるが、この一つ一つに対して農林省がどのような案を大蔵省に提案したか。そして、それに対して大蔵当局が意見を差しはさんで、結局四十九年推定生産費なるものが各項目ごとに整理されて、その合計額というものが保証価格としてキロ当たり六十三円五十三銭になっておる。この内容をこの際明らかにしてもらいたい。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 御答弁申し上げます。  まず、農林省案が大蔵省に対してどういう案が出されておったかという点でございます。けれども、これは事柄の基本に関することでございますが、予算要求と違いまして――予算要求の場合は、農林省で正式に省議を決定いたしまして、正式なものがわれわれに届きます。これは財政法の規定によって届けられて、それをわれわれが査定して、そして政府の案としてきめるわけでございますが、今回の行政価格は、申せば農林大臣が諮問するものでございまして、その農林案なるものがすなわち諮問案であると私は了解しております。その諮問案をつくる過程におきましていろいろ御相談にあずかるということはあるということは先ほど申し上げたとおりでございます。  それから、財政負担が二円十銭でちっぽけなものじゃないかというお話しでございますが、この内容につきましては、必ずしもちっぽけなものではないというように私は考えておりますけれども、たとえばこの暫定措置法ができましてから、四十  一年以来四十八年度までに保証価格の合計の伸び額が十一円四十八銭であります。しかし、これを十五円二銭にしたというようなことはかなり画期的なことだと思っておりますけれども、ただ、補給金の単価としていかにも少ないんじゃないかというふうなことを申されますが、この補給金の単価も、この額自体が財政負担としてどうかということにとどまらず、その算式のおおよその柱が動きますとこの補給金の額が大幅に変わってくるわけでございまして、その限りにおきましては、財政当局としても農林省の説明を聴取していろいろ御相談にあずかるということは当然じゃないかと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうの委員会は大蔵の主計官からそういうささいなことを聞くわけではないのですよ。法律に定められた、法律を基礎にした農畜産物の価格を決定する際に、その法律はわれわれが国会で審議して、立法府が成立させておるわけだから、主計官よりわれわれのほうが法律の生みの親だから、おまえさんの説明を開かなくても十分わかっているところなんだ。ところが、農林省の担当局長である澤邊局長が、この生産費の費目全体について一々大蔵当局と相談をしなければ案の内容を説明することができませんということを、小委員会の公式の席上でその理由を述べておるわけだ。それは奇怪な話ではないか。いままではそういうようなことが現実に行なわれたということはわれわれは承知しておらぬが、ことしの場合にそういうことを大蔵当局が特に求めておるとすれば、これは問題であるということになっておるわけです。だから、たとえば労働費の問題についても農林省が案を示して、大蔵省が、これを他産業に比較した場合の評価がえとしては不当であるとか妥当であるというようなことを当然言っておると思うわけだ。特に、えさ代の問題については、昨年一年間にちょうど二倍に上昇しておるわけだ。当委員会のいままでの議論の中においても、畜産物の生産費の中でえさ代の占める割合というものは全体のおおよそ六五%を占めておるのであるからして、価格算定上、えさ代の実勢というものが、乳価の場合においては、四月一日から向こう一カ年間毎日毎日生産された乳量に対して当然適用されることになるので、特に、出発点にあたって、えさの適正な費用というものを正しく計上する必要があるという点を明らかにしておるわけだ。こういう点についても今度の試算内容は非常に小幅の引き上げにしかなっていないわけだ。そうなれば、農林省が実態を知らないで基礎をつくっておるわけではないわけですね。当然、これは、大蔵側において、こういうえさ代の値上げは多過ぎるじゃないか、これはもう少し引き下げるというようなことで、結局こういう当を得ない飼料費というものが出たというふうにわれわれは考えておるわけだ。全部とは言わぬが、おもなる価格算定上、特にこれを左右するえさ代あるいは労働費、償却費というものについては、原案ができるまでの農林、大蔵の事務当局における話し合いの経過というものを率直に明らかにしてもらいたい。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  農林省におきまして諮問案を作成する段階に、事前に大蔵省にいろいろ相談をなさるというのは、事実の問題として本年度に限ったことではございません。米価その他あらゆるそういう行政価格を決定する場合におきましては、当然に財政当局との事前の相談がございます。その点は申し上げるまでもないことかもしれませんけれども、はっきりしておきたいと思います。  それから、農林省の畜産局長が一々各項目について大蔵省の了解を得なければ答えられない、申し上げられないというように申したそうでございますけれども、私の推測するところでは、農林省が責任ある諮問案をつくって出した。ところが、財政当局からも反対がある、政府部内で反対があるということでは、これは責任ある諮問案にはならないわけでございますので、当然、そういうこととして農林省の局長はそうおっしゃられたものと私は推測いたします。  それから、一々の内容につきまして、個々の費目につきましてどういう要求があり、どういう考えを示し、どういう結論になったかというような一々の説明をせよということでございますけれども、こういう御相談ごとでございますから、内容の一々については、行政内部の相談でございますので、私から一々申し上げるわけにはまいりません。そこで諮問案が一致した内容であるということで御了解いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことでは、これは答弁にならぬですよ。いいですか。委員会に出て、農林省の担当局長は、大蔵省の了解を得なければ各費目ごとの農林省の試算というものは説明できないと言い、大蔵省の担当主計官を呼べば、そういうことは部内の問題だから説明できませんと言う。それでは実体がどこにあるかわからぬじゃないか。全部とは言わぬわけだ。いいですか、生産費の中で、たとえば六五%を占めるえさの費用というものは、これは過去一年間の実績というものを基礎にして、それに物価変動係数というものを乗じて、四十九年度に適用されるできるだけ正確なえさの費用というものを計上するわけだから、それを政治的な判断で圧縮するなんということは価格計算上許されることではないでしょう。次に、労働費の問題についても、これは法律の中でも明らかになっておるわけだ。これについても、農林省の統計の結果として、あるいはまた、他産業の製造工場の五人以上の規模の一定時点における賃金というものを把握して、それに対して物価修正を加えて、生乳を百キロ生産する場合にはどれだけの自家労働時間が投下されるかということを計算して費用というものが出るわけだ。償却費についても、乳を生産する個体である搾乳牛というものを対象にして、それに対する一定の厳密な償却の計算をやって出た答えというものが償却費になるわけだ。だから、この三点についてそういうことの説明ができないというのはおかしな話じゃないか。この点だけ明確にしなさいよ。

宮下創平大蔵省主計局主計官

○宮下説明員 お答え申し上げます。  先ほどから申しておりますように、行政内部のいろいろ議論の過程の話でございますので申し上げられないということを申し上げたわけでございまして、諮問案それ自体は、農林省の農林大臣の諮問された最終的なものでございます。したがいまして、それの内容の説明は、これは農林当局が責任をもって説明なさるべき筋合いのものだと思いますけれども、その経過その他につきまして一々ということになりますと、これはいろいろその話し合いの過程で議論もございましたし、そういうことでございますので、一々この問題は申し上げられないということを申し上げているので、諮問案の各項目については十分農林当局から説明があろうかと存じております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 芳賀委員に申し上げますが、農林大臣が見えましたから、大臣質問を先にお願いします。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、大臣にお尋ねします。  いま大蔵省の主計当局を呼んで尋ねておるのですが、問題は、元来、加工乳の保証価格にしても、あるいは豚肉の基準価格にしても、法律に基づいて、農林大臣の権限において決定して告示されるべきものなんですね。それを当委員会がわざわざ設置いたしました畜産問題小委員会において、一昨年、あなたの部下である畜産局長が、農林省が取りまとめをした加工原料乳の経費の内容については、大蔵省の十分な理解を求めなければ各費目について説明することができませんということで、内容あるいは作業の経過についての説明を何ら行なわないで今日に至っておるわけです。こういうことは過去の実例に徴して全くわれわれとしては承知することのできない事態であるので、そこで、実際畜産局長がそういう発言をしておるという事実があるように、大蔵当局において、大蔵主導型のそういう事務折衝によって行なわれるということになれば、これは今後全部大蔵大臣にまかせるか、大蔵の下僚官僚にまかせるほうがいいというようなことになるわけで、これは立法府から見てもたいへんなことであります。そして、それはひいては農林大臣の権威にも関する問題であるとわれわれは憂えておるわけでありますが、こうした事務当局の法律の手順を無視したようなやり方について、所管の農林大臣としてはどう考えておられるのですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 小委員会において私どものほうの担当者から芳賀さんのおっしゃいましたような発言があったかどうか、かりにあったといたしましても、それはたぶんお心やすだてだと思いますが、私ども、もちろん予算編成に際しましても、それから諸般の問題を決定いたしますときにも、予算に関係のありますような事柄につきましては、常に財政当局と緊密な連携をいたしまして、同じ政府部内でありますので、そういう立場でやっておることは御理解をいただいておることだと存じます。したがって、どうしても意見の調整ができないようなときにはやむを得ない場合もあるかもしれませんけれども、全体の財政の都合を部内において十分打ち合わせをいたしまして決定するという段取りでありまして、この価格の決定につきましては農林大臣が責任を負うべきものでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点を下部に徹底してもらいたいのですよ。何も、澤邊君が心やすだてに言ったのではないのですよ。これは十三名で畜産小委員会ができておるのですが、小委員長の坂村吉正君も手を上げちゃったのですよ。大蔵省の了解を得なければ何も言えないというわけですからね。十三名の同僚委員の皆さんもこれにはあ然としてしまったわけです。もう少し農林省が権威を持たなければ、財政に追随するようなことではだめではないか、これは農林大臣が出てきたらはっきりと忠告する必要があるということで、私がにくまれ役になったようなものですけれども、これは率直に申し上げておく次第であります。  そこで農林大臣にお尋ねしますが、本委員会においては、ことしは畜産問題あるいはこれに関係する飼料対策の問題等について、かつてないほど時間を費やして審議を行なっておるわけでありますが、委員会のおおよその意向といたしましては、畜産物の価格を決定するにあたって、特に加工原料乳については、飲用向けの生乳の価格は実勢価格によってこれは掲載されておるわけでありますが、現在飲用向けの生乳生産者価格は、キロ当たり八十二円ということになっているわけです。政府のきめた保証価格はキロ当たり四十八円五十一銭でありますから、キロ当たりについて三十三円四十銭格差があるわけですね。同じ生産された生乳が用途別によってこれほど大きな価格差が生ずるということは、これはまことに不当な状態であるので、まず、価格決定にあたっては、飲用向けの価格と政府がきめる加工向けの生乳の保証価格が、価格上均衡のとれた、同様の水準において決定されるようにすべきであるというのが第一の点であります。  第二の点は、昨年一年間に家畜の飼料である購入飼料がちょうど二倍に高騰しておるわけでありますから、生乳の生産にしても、あるいは畜肉の生産にしても、生産費全体の中に占める飼料費の割合というものはおよそ六五%を占めておるわけでありますから、この飼料費というものが適正に計算されるかどうかによって、これが生産者価格に甚大な影響を与えるわけだからして、この点については、えさ価格というものが、購入飼料であっても、自給飼料であっても、適正な計算によってこれが価格に反映させるようにしなければいけないというのが第二点です。  第三点は、この加工原料乳の補給金法が昭和四十年に成立したわけでありますが、それから八年間におきましても、投下される生産費の中における労働時間というものは、きわめて高度に労働の生産性というものが向上しておるわけです。毎年年率にいたしまして八%程度労働生産性が向上しておる。つまり、一トンなら一トン当たりの生乳を生産するために投下される労働時間というものは、一年間にちょうど八%ぐらいずつ時間が短縮されておるわけでありまして、生産量が減退しないわけですから、それだけ労働の生産性というものは高まっておるわけであります。これを厳格に申し上げますと、農林省の統計によりますと、昭和四十年度に搾乳牛一頭当たりに要した労働時間というものが四百六十七時間であります。これが先般公表されました四十八年度における搾乳牛一頭当たりの労働の投下時間というものは二百三十一時間ということになっておるわけでありますからして、四十年から四十八年までの八年間において、結局投下労働時間はちょうど半減しておるわけです。それで、生産量は、一頭当たりにするとむしろやや増加しておるわけでありますから、八年間に労働時間がちょうど五〇%に減少して、同一の生産性を保っておるということになれば、これは非常に高い労働の生産性をあげておるということになるわけです。ですから、こういう高度な生産性を持っておる農家の自家労働に対しては、この労働報酬というものを評価する場合においては、これに見合う他産業の労働賃金というものをこれに適用するのが当然なわけです。ところが、そういう労働生産性のメリットというものは生産費の低下という形で全部収奪されて、これが低乳価の大きな要因をなしておるというような、そういう政府の不当な価格の決定方法というものは今回根本的に是正すべきである。  この三点が、ことしの乳価並びに畜肉の価格決定にあたって、特に農林大臣において重要事項として留意してやってもらいたい点であるというのが当委員会の一致した意思でありますので、期待しておったところが、二十五日に政府から出されました豚肉の基準価格にいたしましても、昨年審議会に提出されました加工原料乳の政府の試算を見ましても、まことに当を得ない、むしろ日本の畜産を破壊の方向に追いやるような、そういう低い価格が計上されて審議会に出されたということについてはまことに遺憾であると言うよりほかに表現のことばがないわけですが、この点について農林大臣から明快にしてもらいたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 飲用向けの生乳価格は、御存じのように、地域の需給事情によりまして、自由市場において決定されるものでありますが、加工原料乳の保証価格は、酪農適地としての育成すべき主要加工原料乳地域における再生産を確保できるということを旨として、政策価格として、地域における生産費を基礎として算定いたすものであることは御存じのとおりであります。私どもも、なるべくこの価格が接近することは望ましいことでありますが、いま申し上げましたように、飲用向け生乳と加工原料乳とでは価格形成の差がありますほかに、生産地域も違っておりますことから、地代であるとか労賃の関係もあり、いろいろ格差が生ずるのはやむを得ないんではないだろうか、と、そういうふうにいまは考えておりますが、なるべくこれが接近することは望ましいことであると存じて、合理化を促進するようにいたしたいと思っております。  それから、飼料代のことでございますが、これはお説のとおり、私どもといたしましては、いまいわゆる畜産危機と言われております事柄のいろいろな要素がありますけれども、なかんずく大きいものがやはり飼料代の高騰であろうと思いますす。これは御存じのように、外部との関係はもちろん、円相場の変動とか、それから、それによって生ずるフレートの高騰等、そういうことが今日の飼料価格の高騰に原因いたしておるわけでありますから、こういうことはこのたびの価格決定にも十分織り込んでおるつもりであります。  それから、もう一つ、三番目の労働賃金の算定のことでありますが、これは御承知のように、直接搾乳に要する労務につきましては、五人以上の他の産業の賃金を計算の要素にしておりますけれども、その他の労務の賃金の判定につきましては、生産地であります一道四県の労働賃金の平均をとっておる次第であります。いろいろとこういう算定の要素を研究いたしまして、ほかの資料をつくるとか、いろいろな労務費の計算につきましては、その関係しておる周辺の労賃を計算の基礎にすることが妥当であろう、こういう判断のもとにいたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 第一の点で飲用向け価格と政府がきめる加工乳の保証価格が違うのは当然であるというような趣旨の説明をされたが、これは大きな間違いですよ。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 どうして保証乳の価格が低いかというと、これは、政府が加工原料乳保証価格をことさら低い価格できめて、そのワク組みの中に取引を入れてしまうからで、実勢で取引されればまだまだこれが高くなるのを、いまの加工原料乳の保証価格制度というものは、ことさらに行政的に加工原料乳の価格を押えるという行政努力をしているわけです。これを改めなければ、飲用乳と加工乳の価格差の是正ということはできないわけなんです。だから、大臣がそういう認識でやるということになれば、これは大臣の努力に期待することはできないわけですからして、むしろ農林大臣の在任中はこの法律を眠らせておいて、加工乳の取引についてもむしろ実勢にまかせてみる必要があるのではないかという意見も非常に多いわけです。そうなれば、今度の諮問価格よりも上がることは間違いないわけですよ。そのことをわれわれ委員会においては指摘しておるわけです。同じ搾乳牛から生産された生乳が、用途が違うことによって一キロ当たり三十三円も違うというのは不当ではないか、保護すべき法律がむしろ価格を圧迫するようなことは認めるわけにはいかぬ、だから、今回の場合には根本的に改善すべきであるというのが当委員会におけるまとまった意見であるが、これに対する大臣の理解はまだなかなかほど遠いようであります。  それから、えさ代の問題にしても、なるほど去年に比較すると購入飼料については計算上四七%上がっておるが、加工原料乳地帯においては、六五%程度の割合というものが自給飼料ということになっておるわけです。自給飼料であっても、購入飼料であっても、家畜を育成する場合においては、その価値に変わりはないわけなんですよ。いいですか、それが政府の試算においては、自給飼料代についてはわずかに前年よりも四%しか上げていないじゃないですか。購入の部分だけを四七%上げて、自給の部分についてはわずかに一四%しか修正をしていない。そういう結果だから、総合すると、えさ代というものは前年よりも三〇%程度しか上がらぬということになっておるわけであります。その結果といたしまして、今度の政府の試算は、実際の消費割合は自給飼料が六五%、購入飼料が三五%であるにもかかわらず、その価格上の計算が先ほど言ったようなことになっておるので、量の少ない購入飼料の割合が価格上から言うと五五%を占めて、量の多い自給飼料が逆に四五%という価格上の割合ということに変化をしてきているわけです。これはとんでもない間違いですよ。しかも、自給飼料の場合においては物価修正も何もやっていないでしょう。しかも、大臣が言われたとおり、自給飼料は自給飼料作物の生産費の額を自給飼料費として計上しておる。しかも、自家労働というものは、依然として農業臨時日雇い労賃の一時間当たり三百九十円でこれは計算しておるでしょう。飼育労働費については、これも非常に安いわけですが、四百六十円。実際は五人以上規模の製造業の労働賃金というものは五百九十四円になっておるのに対して、それを適用したという労働賃金はわずかに四百六十円にしかなっていないわけです。大事な自給飼料については時間当たり三百九十円、こういう点が全然是正されなくて、ますます乳価を押える方向に作用しておる。こういうことについては、農林大臣は内容を知らぬと思いますけれども、こういうけしからぬ役人が大蔵の役人と共謀して、毎年毎年安い乳価やあるいは畜肉の価格をきめる。これが日本の酪農の破壊につながることは言うまでもないじゃないですか。  北海道においては、一日三万五千トンの乳を生産しておる二百十万戸の全酪農家がきょうから一斉に出荷ストをやるということで、もう実行されておるわけです。こういうことはいままでの歴史にないことですが、今回の価格決定を契機にして、一体酪農を続けるかやめるかという関頭に立たされておるわけでありますからして、この点は、  一国の農政を担当する農林大臣としては、厳粛な気持ちでこの事情というものを判断して、しかも、高度な、的確な政治判断の上に基づいて、ことしの加工原料乳価格にしても、あるいは豚肉の取引価格にいたしましても、適正なものを決定して告示すべきであるというふうに考えますが、この点についての農林大臣の所信のほどを明らかにしてもらいたいわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、  市乳と加工原料乳の格差につきましては、これはなるべく接近することが望ましいことはもう申し上げたとおりでありますが、生乳の大きな主産地でも、消費地に持ってまいりますには、運賃その他の諸掛かりがかかります。これは一方において生乳生産者にも非常な負担がかかることでありますが、それにもかかわらず生乳のほうが若干割り高  であるということでありまして、私どもが今回加工原料乳につきましては十五円アップという、いままでにない値上げを考えましたのもそういう趣旨からでございます。  それから、いまの賃金のことでありますが、直接搾乳いたします労働賃金につきましては、さっきも申し上げましたように、一道四県を基礎とする一般の製造業の平均賃金を出した。これは従来もそういうやり方をいたしておるわけでありますが、その他の労務費につきましては同様なことをいたすわけにはいかないと存じます。これはその周辺のほかの農業労働の賃金を持ってくるのが公平ではないかと思っているわけでありますが、さらに、いま、御存じのように、畜産振興審議会がいろいろ検討をいたしておってくれます。そういう方々もなお例年よりもたいへん御苦労で、日を延ばしたりしておる模様でありますので、そういう答申を見まして、再生産が確保できるように決定をいたしたい、こういう心組みでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に申し上げますが、大臣の言われたとおり、昨年までの据え置き価格から見れば、乳価については去年よりもなるほど三一%の十五円上げということになっておるが、しかし、これも昨年は保証価格以外に二度にわたって特別加算が出まして、それを計上いたしますと保証価格のほかに五円五銭が支払われておるわけです。それを引けば、十五円上げたというのは、実質的には結局九円五十銭しか上げておらぬということに当然なるわけです。しかも、全国の生産者の強い要望としては、今後日本の畜産、酪農を維持するためには、少なくとも乳価についてはキロ当たり八十八円四十三銭以上にしてもらわなければ再生産を維持することができない、豚肉の安定基準価格についても、キロ当たり五百六十八円以上にしてもらわなければ経営を持続することができない、液卵公社が買い上げる卵価にしても、キロについて二百八十六円以上にしてもらわなければ再生産ができない、と、こういう具体的な切実な実現要望というものを、政府に対しても、担当の農林大臣に対しても十分わかるようにして要請が行なわれておると思うわけであります。わが党においてもこの線を踏まえて要望してあるわけでありますからして、そういうものを十分踏まえて、おそらく、三十日の土曜日には、大臣の手元においてそれぞれの価格を決定して公表されると思うわけであります。これから十分の時間はないとしても、そういう点について真剣に最後の検討を加えて、これからの日本の農業あるいは畜産の一大発展をはかって、低下した自給度を高めるための努力を先頭に立って行なうべきであると思いますが、その点の決意はいかがですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、今月中に畜産振興審議会の答申が出るわけでありますから、十分それをしんしゃくいたしまして、それから、また、私どもの食料政策の中でぜひなくてはならない選択的拡大の大きな目標の酪農であり、畜産でございますので、大方の御注意もそういうところに存在するわけでありますので、そういうことはもちろん念頭に置きまして、適正な価格で決定いたすようにしたい、そして、生産者が喜んで再生産に御尽力願えるように努力をしてまいりたい、このように考えておる次第であります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、今井勇君。

今井勇自由民主党

○今井委員 先ほど大臣に対します質問を留保してございますので、時間もあまりないようでありますから、二点にしぼってお尋ねをいたしたいと思います。  最近までのわが国の食料政策といいましょうか、これはなるべく安い国際市場で手当てをいたしまして、国民をもっともうかる工業のほうに回して、その製品を輸出して外貨をかせげば、所得も向上するし、食生活も豊かになるというふうなことでやっておったのであろうと思います。ただ、主食であります米はそうもまいりませんので価格維持をいたします。たとえば十アール当たりの粗収入で見てまいりますと、米が六万七千八百円に対しまして、小麦一万五千六百円、大豆が一万五千三百円というふうなことでありました。だからこそ、三十五年には小麦は三九%の自給率でありましたのが非常に減りまして、四十二年では五%というふうなことになってまいっております。同様に、大豆も、三十五年が二八%のものが、四十二年には四%というふうに減ってまいったわけでございます。確かに、その当時は、こういうふうな政策でやっておりましたことについて成功しておったわけですが、この一、二年は需給関係はがらっと変わりまして、大臣も御存じのように、米も、小麦も、輸入価格のほうが高くなっているというようなことでございます。したがって、ここで大きな政策転換をしなければならぬというのはわれわれと同じようなお考えであろうと思います。たとえば米などは、現在の見通しでも自給できるのだということになっておりますが、実際ほんとうにそれが実現できまするのは、一つ条件があると思います。というのは、現在われわれが食べております米は、一日のカロリーにいたしまして約九百カロリーでありますが、これは全体の摂取量から言えば三七%にしかすぎません。あとの六割強のものがその他のもので食べているわけです。その他のものというのは、ほとんどが何らかの形で輸入をしている形になろうと思います。直接輸入しているものもありましょうし、えさのような形で輸入しているものもありましょう。したがって、今後そういうものが輸入の状態が変わってくれば、国民は必要なカロリーを米で補給せねばならぬとなりますと、必ずしも米自身もあんのんとしておるわけにはいかないと私は思うわけであります。そこで、この際、長い目で見ました食料の自給というものについては、よっぽどしっかりした展望に立って今後の農政を運営していかなければならないように私は思います。  そこで、昭和四十七年十月に、農林省で、農産物需給の展望と生産目標の試案という形で発表されているものがありますが、それによると、昭和五十七年にはこのくらいのものをつくりたい、自給率を幾らにしたいというふうなお見通しでございますが、きょうの本論であります畜産物に限って具体的な例を申しましても、たとえば生乳でありますが、昭和四十五年に四百七十六万トンでありましたものが、四十六年には少しふえまして四百八十二万トン、四十七年には四百九十四万トンとふえたのはいいのでありますが、四十八年になりましてがたっと減りまして、四百九十一万トンでございます。これに対して、昭和五十七年の目標は八百四十八万トンということでございます。同様に、牛肉につきましても、昭和四十五年には二十六万一千トン、それから年を追いまして三十七万五千トン、二十九万四千トンまで昭和四十七年には上がってまいりましたが、四十八年には二十二万五千トンというふうに減ってきております。しかも、これは、五十七年には五十万トンにしょう、四十五年の倍にしようというわけでございます。こういうことでございますから、この四十七年につくられた資料なるものは、新しい局面を迎えたときにもう一度見直す必要があるのではなかろうかというふうに私は思いますが、大臣は、この試案に対して今後一体どういうふうにされようとするのか、まずお考えを伺いたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 食料について不安を持たれるようなことがあってはならないのでありまして、そういうために私どもはつぶさに一つ一つの品目について計画をもっておりますが、いまお話しの五十七年の長期展望でございますが、とりあえず今日のような状況でございますので、昨年は米は二百五十万トンの生産調整をいたしましたが、四十九年度におきましては百三十五万トンにこれを減らしております。そして備蓄等も増強してまいる。端境期には三百六十万トンあまり持てるような計画で、そういう点については御安心いただけることと思います。  いまお話しの畜産酪農でありますが、最近牛肉が非常に世界的に減少してきております。そういう関係もありまして、値段がよかった時期がありますものですから、乳の、つまり乳牛の子供などを屠殺して値段のいいほうに出してしまうというふうな傾向もございました。いろいろなことで伸び悩んでおりますことはただいま御指摘のとおりであります。  そこで、私どもといたしましては、まず第一にそういう増産をはかることのために、たとえば四十九年度予算で御審議を願っております畜産基地というものを全国に二十七カ所新たに設定いたしますと同時に、農用地開発公団をつくりまして、未利用地、低位利用地等を活用する四カ所の大きなスケールの、これは酪農が主としてでありますが、そういうものを全国に設定いたす。これは全国の方々からたいへん歓迎をされておるものでありまして、こういうものの計画も進めておると同時に、それに要しまする飼料――これは御承知のように、毎年アメリカからかなり大量に買っておりましたが、昨年はソビエトロシアとか中国大陸から膨大な数字の買い付けがにわかにありましたために、今日のようなことになっておる一つの原因でありますが、そういうようなことを考えまして、私どもは、輸入先の多角的なことを考えて、御審議を願っております海外経済協力を中心とした事業団等の計画もそういうことでありますし、また、国内においても、小麦、大豆というようなものにつきましての増産対策をいたしておることは御存じのとおりでありますが、これは、わが国土全体を調べてみましても、全部そういうものを国内でまかなうということはなかなか困難であります。しかし、できるだけの自給度をふやしたいということで、昨年は麦にしましても十五万ヘクタールくらいでありましたが、今年は十八一万ヘクタールの作付が済んでおるというぐあいで、これは一俵当たり二千円の助成金を出すことにいたしておりますので、まあ、五俵とれるとしても一万円になりますので、裏作としてはそろばんの合うものではないかと私は思っておりますし、また、実際の農家にお聞きいたしましてもそうであります。そういうようなことで、飼料殻物等についての増産をはかりますと同時に、酪農品等の価格もある程度に引き上げなければならないということで、今回の酪農関係の価格については、先ほどもお答えいたしましたように、近来にない思い切った買い上げ価格を決定しようといたしておるわけであります。  なお、私どもといたしましては、この五十七年の長期見通しにつきましては、いま農政審議会でもたいへん勉強していただいております。流通部会で非常に熱心に検討していただいておりますので、そういうものも加味いたしまして、現実の国際社会の中におけるわが国の食料事情に対して対処してまいりたい、そういうときにはまた皆さま方にも大いに御協力をいただかなければならない、こういうことを考えておるわけであります。

今井勇自由民主党

○今井委員 大臣のおっしゃるとおり、目標を掲げましても、それに到達する道順、手順につきまして十分な配慮がなければ到達できないということはお説のとおりでございます。何にも増して大事なのは、実際にこれをやります農民が納得をし、自分たちが十分にこれで再生産ができるのだという価格であってこそ、はじめてこれで食べていこうという気になるのであって、日本の国の食料はわれわれにまかせておけということになるのであろうと私は思います。農業基盤の整備ももとより大事でございましょうし、また、その他政府の助成ももちろん大事でございますが、要は農民の、心をつかむことであり、農民が自分でやっておりますことにほんとうに誇りを持たせるためには十分な価格が保障されるということがなければならないと思うわけでございます。  最近の新聞を拝見いたしますと、大臣が、二十六日の閣議後の記者会見で、「畜産物をはじめ農産物価格は、これから大幅に引き上げなければ再生産が確保できない状態である。このために農産物価格の上昇を盛り込んだ新しい物価体系のあり方について近いうちに関係閣僚と話し合いたい」というふうな趣旨のことを言っておられると新聞に出ておりますが、この内容につきましては、後ほどお伺いしたいと思いますけれども、ここで大事なことは、再生産が確保できる十分な価格であるということがもう一つ大事であろうと私は思います。同時に、物価対策も大事でありますが、消費者のほうだけを向いておりまして、農民が十分納得できない価格であってはとうていその目標は達成できないと思いますので、大臣のおっしゃいます大幅な引き上げということ、再生産ができる状態ということ、この問題についての大臣の御所見を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 前段の今井さんのお話しは全く御同感でございまして、私どももそういうっもりで農政と取り組んでおるわけでありますが、私どもが一番心配いたしております物価騰貴を押え、インフレーションを押えるということは予算編成の最大の大眼目でありますけれども、そういうことにいたずらにとらわれて、価格の抑制一点ばりだけで考えておりますというと生産に障害を来たすわけであります。物がなくなりましたときには幾ら騒いでも間に合わないのでございまして、ある程度国民の需要を満たすだけの生産は続けていくのでなければ価格も安定しないのでありますから、そういう意味で、再生産の確保ということが何よりも大事なんだという考え方のもとに物価に対する考え方をきめるべきではないかということを私は提唱いたしておるわけでありまして、物価を押えるということと再生産の確保ということは矛盾するかのごとく見えますけれども物が払底していて物価の騰貴を押えようなどということがそもそも間違いでありまして、必要なものは供給を十分にするという考えがまず先行するのではないかというふうに私は思っておるわけであります。

今井勇自由民主党

○今井委員 いまの御答弁で私も意を強くしたのでございますが、農産物の中でも特に畜産物は、工場製品と違いまして、もとになります牛なり何なりを一たんつぶしたりいたしますと、その後に生産いたしますのに非常に時間がかかります。特に牛の場合はそうでございます。したがいまして、この際、農民が政府にあいそをつかしまして、牛そのものを殺してしまうというふうなことにならないように十分な御配慮をいただきたいことを希望いたしまして、私の質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣、いま、農民の、特に畜産農民の自殺が相次いでおります。せんだっても、わが党の春日正一議員が参議院の予算委員会で自殺した農民の方々の遺言状をお示しになりましてあなたの見解を伺ったのでありますが、その際あなたは非常に暗然とした気持ちだと言われたが、そこまではいいわけでありますが、今後の計画としては生産性を拡大する、あるいは経営規模を拡大する、国際競争力に耐え得るような畜産をやらなければならない、経営努力に見合うようにがんばるんだ、そういう施策をとるんだ、と、こういうことも言っておるわけですがどころが、このような自殺した方々は、ほとんどが零細ではなくて、一定規模以上の方々であって、生産性もぎりぎりのところまでやっている人たちなんですね。こういうりっぱな篤農家である方々が次から次と自殺しなければならないという現在の状態であるわけで、おとといも新潟県一の養豚家が自殺したわけでありますが、こういうことは、あなたのほうの畜産農政の中に抜本的に欠けるものがあるのだ、つまり、いま苦しくても、農民が少ししんぼうすれば来年はよくなるという見通しも何にもないのだ、そういうものをみんなむしり取った現在の日本の農政のあらわれだ、そういうことじゃないかということで、まず第一点にあなたの見解を求めるわけであります。  また、昨年の十月からのあの異常なえさ高のときに、畜産農民も、私たちも、こういう異常なときこそ直ちに審議会を開いて価格を改定しなければならない、そのことをやりなさいということを何回も要求したわけでありますが、しかし、あなたのほうでは法律をたてにとっていままでこれをずるずる延ばして今日に至っておるわけです。こういうことについての農林大臣の責任は重大だと私は思うのですが、そのこととあわせての二つをまず最初にお伺いしておきたいと思うわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 えさの高い理由は、さっき私がここでお答えいたしましたとおりであります。そこで、昨年は二回飼料代を上げざるを得ないということで、農業協同組合の中央会からしばしばお話しがありました。そこで、私どもといたしましては、畜産農家のために非常に困ることになるからえさの値上げはやめてもらいたい、そのかわりに全農の基金に二百十億を繰り入れてこれを強化いたしましょうということで、臨時にそういう措置を講じました。同時に、また、四分という低利資金で、大体六百億近い臨時の融資をいたしました。そのほか、また、食管会計でかかえておりました古米を全部で五十何万、もうすこし多いかもしれませんが、帳簿価格十五万円あまりのものを一万円程度で全農に払い下げたりして、非常な財政上の努力をいたしまして飼料代の値上げを阻止してまいったことは御存じのとおりでありますし、全国の農業協同組合の方々もそれによってたいへん喜んでおいでになった。そういうことでありますので、今回は、同じようなことはなかなかできませんけれども、いまのようなえさ高を織り込んだ価格決定をして再生産に励んでいただくように措置をしたいということで最大の努力をしておる、と、こういうことであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣、私が聞いたことは、そんなことを聞いたのじゃないのです。あなたはあれもやったこれもやったとおっしゃいますけれども、そういうことの中でたくさんの自殺者が出ておるのです。あなたはこの前遺言状をごらんになったでしょう。いまの畜産農政というものは、皆さん方は何だかんだと言いますけれども、全く未来に夢を失うようなこういう状態である。したがって、ここで抜本的に考え方を改めるということでなければ畜産農家は救われないということが事実としてあらわれておるのであります。  それから、もう一つは、昨年の十月段階で、私たちはすぐ審議会を開いて価格を改定せよということを要求したでしょう。そのときもあなた方は法をたてにとってずるずる延ばしにして何もやらなかった。もしもあの時点で審議会を開いて価格改定をしたならば、こういう痛ましい犠牲者、自殺をする人は出なかったはずなんだ。そういうことを怠ってきた農林大臣の責任はどうするか、と、このことを聞いておるのです。しかし、時間もないから――ちょっと待ってください。  その次に……

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 聞かれたことだけ先に答えましよう。  そういういまのお話しでございますけれども、私は昨年はまだ政府におりませんで、政党の政務調査会長の地位におりまして、その相談にあずかったのでありますが、全国の酪農家をはじめそういうことに関係していらっしゃいます農協の方々にはずいぶんお目にかかりまして、これはこういうことでいかがですかという話を政府との間に入って実行いたしてきた当事者であります。今年もそうでありまして、もう毎日のようにいろいろなお方にお目にかかっております。いろいろ。要望もございますが、それを十分に達成するということは、諸般の事情で一〇〇%ということは困難かもしれないが、この辺でどうですかというふうな話もずいぶんいろいろな方にしておるのでありまして、私どもはみんなにお目にかかるわけにいきませんから、そういうところにおいでいただく代表者とお目にかかっていろいろ懇談をいたしました結果、政府としてもできるだけのことをいたし、先方もまたこの程度でありましょうなあという  ことで、今度の措置を講じよう、こういうことで、なお最大の努力を最後までし続けることはもちろんのことであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林大臣が大体そういう答弁しかできない。これは、この深刻な問題について、農民の実態から全くかけ離れた事務的な答弁というものです。そういうことでは、今後ともいまの問題の解決にはならないと私は思うわけです。ましてや、先ほども申しましたように、自殺をしている方々は普通規模以上の方で、あなたの政府の言うなりにがんばってきた畜産農家の方々です。そのことを踏まえられるならば、抜本的にいまの畜産農政を変えなければならない。このことを強く指摘しておきたいと思うわけであります。  ところで、あなたは先ほど豚価の基準価格が四百八十円だ、加工原料乳価の保証価格が六十三円五十三銭だ、大幅に上がったと言われたが、そうすると、これでやっていけるのか、これで採算がとれるのかどうか、この点について、簡単でいいから一言御答弁をいただきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私どもは、始終条件を勘案いたしましてああいう諮問を出した、こういうことであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると採算がとれるということなんだな。  ところで、それじゃお伺いしますが、その採算のとれる度合いの問題です。たとえは、酪農家は昭和四十六年以来毎年約三万戸ずつ減っているんですね。養豚農家は四十六年以来毎年五万戸づつ減っているんですね。特に、酪農で見ますと、昨年一年間で三万一千戸が減っておる。一日平均で八十五戸がやめておる。つまり、こういう方々がやめなくてもいいような採算になっているのかどうか、そういうやめる人がもういないという状態での採算ベースとしてのあなたの今度諮問した豚価であり、乳価であるのかどうか、この点をはっきり答えていただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私どもといたしましては、先ほども二度もお答えいたしておりますが、酪農、畜産というのはわが国で一番大事な品目の一つであります。そういうものを継続的に、しかも、逐次増産してまいるということに焦点を合わせまして政策を実行いたしておるものでありまして、そういう立場からいろいろな条件が加わって、職業を選択されるについても、それぞれのお考えで対処されるでありましょうが、要は、最終的には酪農、畜産の製品の増大をはかっていくということ、こういうことに主力を置いてやっておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、そういうように年々減少する人々も食えるような諮問の価格かどうかということを聞いているのに対して、あなたはほかのほうのお答えをしているのです。私に与えられた時間も来ましたからやめますけれども、つまり、  いまのお話しの中からもわかるとおり、畜産というものは非常に大事なものだ、大事なものだといいながら、あなた方は中小農民をばったばったとつぶしていってしまっているんですね。そうして一握りの大規模経営だけを拡大している。こういうことでは、日本の畜産というものは、日本人のたん白資源というものはほんとうに守られていかないということがはっきりしているんですね。したがって、私たち日本共産党・革新共同は、中小農民にも引き合う価格を保障すべきであるということ、つまり、農民が要求している今日の価格をどうしてもやれということを強く主張したいと思いますが、最後に農林大臣の御見解をいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 そういう点において私どもと少し食い違っているところがあるんじゃないかと思うのです。酪農も、畜産も、その他の農業も、一つの産業として成り立つようにしていかなければ競争力はできないのでありますから、なるべく規模を大きくして、生産性をあげて、そしてコストダウンをしてまいるということでなければ、国内の生産した肉が価格が高ければ、消費者のほうが多いのでありますから、どうしても外国から入れろというような意見も出てくる。それではわが国の自給度を高めるわけにいきませんので、私どもとしては、消費者も納得のできるような価格でりっぱに供給し得るためには、生産費を下げて供給のできるような、産業として成り立つ畜産、酪農を育成していくということでなければだめだと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまの大臣の答えでは、中小零細畜産農家は死ねということの宣告のように承ったわけでありますが、中小零細の人も成り立つようにというわが党の主張を強く申し上げて、私の質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、林孝矩君。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 政府が二十七日に畜産振興審議会に加工原料乳の保証価格の引き上げを諮問し、引き上げ幅十五円二銭ということであったわけでありますが、その状態について見てみますと、四十八年度四十八円五十一銭のところが、四十九年度六十三円五十三銭になった。十五円二銭ということでありますが、この中で、不足払い額が、四十八年度は八円二銭、四十九年度は十円十二銭、二円十銭の財政負担だ、こういうふうになっておるわけであります。そこで、それでは、あとは二円十銭の財政負担以外はどこのだれがその負担をすることになるのかということでありますが、乳業メーカーが原乳を買い取る価格である基準取引価格の引き上げに転嫁する。また、それはどういうところに影響を及ぼすかと言いますと、乳製品の消費者価格を押し上げることになる。重要な問題は、そのことによって今度は消費需要の減退を来たし、その消費需要の減退は今度は逆に畜産危機を招くということで、こういう一連のつながりがあるということをまず指摘したいのでございます。したがいまして、大臣が今日の畜産危機の状態を緊急事態として認識しておられるならば、この不足払い制度の運用というものに対しては格段の勇気を持って臨んでいかなければならないのではないかと私は思うわけであります。  そこで、まず最初に大臣にお伺いしたいことは、このような状態をほんとうに緊急事態という認識をもってとらえて、その上に立って今回責任者としての施策をやろうとなされておるのかどうかという、その認識の問題についてお伺いしておきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど来お話し申し上げておりますように、飼料価格の高騰ということが今回の酪農問題についての一番大きなファクターであろうと思っておりますが、これは先ほども申し上げましたように、意外な国からアメリカに対して買い付けがあった。たとえばソ連が二千万トン、中国大陸がアメリカ、カナダ等から七百五十万トン余りの買い付けをいたしたというようなことが一つは価格の高騰に大きな影響を持ってきている。そこへ持ってきて石油の高騰によるフレートの高騰等、いろいろな条件が重なってきておりますので、そういう意味におきましては、一時的な要素もあるかと思います。しかし、全体としては、輸入飼料の価格の高騰というものはある程度避けられないのではないか。しかし、いま見ておりますと、私どもはかなり長期の見通しを立てて相手国と話し合いをいたしておりますが、大体弱含みの模様であります。アメリカが昨年は非常な天候で、史上まれに見る穀物の豊作である。ソビエトロシアも大体において平常より少し上だと聞いております。したがって、そういう面においては先行きは弱含みではあろうと思いますけれども、以前のような低落は予測することはなかなか困難ではないかと思いますので、したがって、そういうことを織り込んだ価格形成をしなければなりません。  いま、非常に大事な点のお話しがあったわけでありますが、生産価格が高騰してくると消費が減退するのではないかということは、これは現にいろいろなものにもすでにあらわれておりますが、そういうことで、私どもは、国内の消費と見合いまして、価格形成をしていくのにはたいへんむずかしい問題が多くあると思いますが、飼料等は、いまのような情勢は、大体恒常的にこういうふうにわりあいに高いところで不安定にいくのではないかということで、そういうことを考えて対処しなければいけないのではないかと思っております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 ちょっと理解が違うわけですが、私が申し上げましたのは、いま緊急事態であると認識されておるかどうかという点が一点であります。そして、その説明といたしまして、そういう認識であるならば、今回のこういうことの対策については、いわゆる不足払い制度を機動的に運用しなければならないのではないかということなんです。政府の財政負担が二円十銭だ、たったの二円十銭の負担でこの問題を処理しようというところに緊急事態であるという認識がないのではないかということなんです。なぜかならば、この保証価格の十五円二銭という上げ幅に対して二円十銭という政府負担で、このあとはどういう形で国民に影響していくかということをいま話したわけです。その影響というものは、いまのインフレの狂乱物価の状態にあって、三カ月後の購買力というものは何%になるかということは計算されておるわけでありますが、そういう見通しの上に立って考えても、消費者の購買力の減退というものが当然のこととして起こってくるというふうに言われていることはもう常識になっているわけです。そして、そこにさらに価格の値上げというものがそういう形で転化されていきますと、結局物価の上昇というものを起こして、それが購買力の減退、消費力の減退というものにもつながって、さらにまた畜産危機を招来していく。こういう一つの関連というものが必ず起こってくるのではないかと思うのです。これが通常の場合ならば、そういうことで起こってくるということも少ないアベレージになるかもわかりませんが、このような物価狂乱の時代にあっては、それは非常に重大な影響を与える可能性もあると私は思うわけであります。したがいまして、この状態を緊急事態だという認識に立ったならば、この不足払い制度というものに対しても、たったの二円十銭ということではなしに――これは大蔵省がそういうふうな主張をして、農林省がそれに押し切られたというような報道もあるくらいなんですが、そういうことではなしに、いまの緊急事態にあたってなすべきことは何かと言いますと、この二円十銭という財政負担をさらに幅を広げて、あとの影響というものの歯どめにすること、そして、そのことは即畜産農民に対しても、あるいは消費者に対しても、大きな安心といいますか、そういうものをもたらしていく重大な適切な施策ではないかということを私は申し上げているわけなんです。  私の持ち時間も限られておりますし、大臣の参議院への出席時間の関係もあって、私は協力しておるわけでありますが、簡単明快にこのことに対しての答弁をお願いしたいと思うわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 よくわかりました。私もそういうことを心配しているわけであります。  そこで、安定価格でございますが、これは乳価もそうでありますし、豚価もそうでありますし、両方ともそうでありますが、いまの実勢を全然無視したような価格を決定いたすということは無意味でありまして、私どもといたしましては、実勢がいまの御存じのような状況でございますので、そういうことを勘案してまいるのがいいのではないかという考えに立っておるわけでありますが、緊急事態であるかどうかというふうなことにつきましてはいろいろ見方があると思います。私は、かなりの部門は緊急的事態であると思いますけれども、これがいつもっと下がって下位で安定していくかという見込みについては、私どもとしては、そういう見込みはちょっと危険ではないかと思っております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 大臣、それは重大な問題でありまして、これはもう緊急事態だということは日本人の常識じゃないですか。そういうところに発想が改められなければならない点があると思います。  もう時間が来たようですから私は終わりますが、大臣が今後そういう認識に立って施策を進められない限りにおいては、いまの状態は救われませんし、現場の畜産農民の将来に対する不安が安心に変わるということはあり得ないと思うわけです。したがいまして、大臣は責任ある立場でありますから、そういう面に対して今後全力を傾けて行政に当たられることを要望する次第であります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、稲富稜人君。

稲富稜人民社党

○稲富委員 時間がありませんし、大臣も参議院のほうでお急ぎのようでございますから、素朴な問題について一、二点だけお尋ねしたいと思います。  先刻から私は大臣の御答弁を承っておったのでございますが、畜産危機だということは大臣も言われております。私たちは、今日の日本の畜産はほんとうに重大な危機に当面しておると思います。大臣も、先刻から、畜産というものを健全な産業として取り組ましていかなくちゃいけない、選択的拡大のもとにおいてやっていかなければいけないとおっしゃっているのでありますが、ただ、私たちが今日畜産危機ということを言うゆえんのものは、現在はこれが産業として成り立つための条件がないということでございます。現在の畜産というものを見ると、生産すれば生産するほど赤字が出るというのが今日の畜産の実態なんです。昔の封建制度の政治というものは一番悪い政治だと言われたが、それは、農民に対して生かさず殺さずの政治をやったわけです。ところが、現在の畜産行政というものは、生かさず殺さずではなくして、生かさず殺してしまえという政治である。生産すれば生産するほど赤字が出るということは生かさず殺してしまえという政治である。これは封建制度よりも悪い。こういうような畜産の状態に置いておくということは封建制度よりも悪政じゃないかと私は思う。私は、これはあえてあなたを責めるわけではございませんが、その原因はどこにあるかということ、問題は非常にえさが高くなったということなんですが、これに対して大臣は、えさが今日高くなったということは、従来の外国からえさを入れておったものが海外の事情によってこういう状態になったのだとおっしゃっておりますが、もちろん、私たちもそれはわかります。私たちは、今日までの長い間日本の畜産のえさというものが海外に依存していたことに問題があるということを論じてまいりましたが、しかし、政府は今日までえさというものは海外に依存するような態度をとってきた。それを私はいまここで責めようとはしませんし、そういうことを責めておる時期じゃございませんが、ただ、生産すれば生産するほど赤字が出るという当面の日本の畜産をどうするかということが今日の緊急な課題であると思うのでございます。そういう点から申し上げますと、先刻大臣も言われましたように、非常にえさが高くなったということが原因なんです。  それで、先般来畜産振興審議会に政府から諮問をされておりますえさに対する答申の中にも、「飼料及び畜産物の価格動向その他の経済事情をも考慮しつつ、必要に応じ弾力的に対処されたい一と前置きして、「記」の中で、2に、「今回の飼料価格の値上げに伴う畜産経営に与える影響を極力緩和するため、緊急対策として特別な措置を早急に講ずること。」ということをはっきりとうたっております。これはえさに対する対策をやって、そして生産を償うようにするということが必要であると思うのでございますが、そうするためには、今回の生産費を上げるためにはえさの上がり方というものがどの程度に上がったかということをまず政府がどのくらい認識するかということなんです。御承知のとおり、えさというものは生産の大半を占めます。それで、えさの上がり方というものを政府が十分認識すると同時に、畜産農家がこれに働くための労働賃金というものをどれほど見積もるかということ、この二つによって畜産問題は解決すると私は思うのでございます。それがためには、現在のえさの上がり方というものについての政府の見方は、今日のこの諮問なんかを見ましても、十分に認識されていないのじゃないかということに私たちは非常に不満を持つわけなんですが、総合的にえさというものがどのくらい上がったという認識のもとに今年度の価格形成をやろうとされておるのか、この点を承りたいと思うのでございます。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しのございましたように、この答申がございますが、この答申の趣旨を尊重して私どもは対処いたしてまいるつもりでありますが、飼料価格の諮問の中に入れております配合飼料につきましては、御存じのように、大体倍を見ております。  それから労働賃金でありますが、飼育に直接携わる賃金につきましては、さっき申しましたように、五人以上の製造業の平均賃金を取り上げておる。これは米以外にはそういう採用のしかたを賃金において見ておるものはないのでございまして、非常に特別な措置を講じておることも御存じのとおりであります。

稲富稜人民社党

○稲富委員 それで、もう最後の結論でございますが、今回のえさの答申では、いま申しましたように、えさが高騰したことを審議会は答申の中にもはっきり認めておりますし、これに対して政府はまず対策をやるべきであるということになっております。卵価に対しましても、えさの高騰というものが非常に影響しているんだということがはっきり答申になっております。食肉におきましても、「飼料等生産資材価格の高騰により生産費が大幅に上昇していることに照らし、養豚農家の生産意欲を高めるようこれを引き上げること。」ということがはっきりと答申の中にある。これほどはっきりと上げろということをうたっておることは御承知だと思います。  きょう決定されるであろう乳の問題に対しましても、当然えさの値上がりを考えて決定されるであろうし、答申の中にもおそらくそれがうたわれるであろうと思うのでありますが、これに対して、えさの上がり方及び労働賃金というものを十分見なければ、さっき大臣が繰り返して申されておりますように、次期生産を確保して健全な産業として成り立たせることはできないと思いますので、この点に対して、十分なる認識を持って、十分引き合う価格に政府は取り組まなければならないと思うのでございますから、これに対する政府としての決意のほどを承っておきたいわけですが、畜産農家がほんとうに希望を持ってやれるような畜産を成り立たせるんだという決意で臨まなければいけないと思いますので、この点に対する大臣の特段の決意が必要であると私は思うのでございます。  先刻芳賀君からも質問しておったのでございますが、今日まで、こういう価格決定に対しましては、農林省としては、ややもすると大蔵省の意見をまず聞いてやるというような態度である。これは今度の問題に限らず、常に何か財政支出のほうだけによられるというような点があるということは、畜産行政を立てる上から私たちは非常に遺憾だと思いますので、大臣は畜産行政に対する主管大臣でございますから、財政支出をする大蔵省がどう考えようと、農林大臣は農林大臣の立場において、畜産農民が立ち行くような価格を決定するんだ、こういう対処をするんだと――将来の生産コストを下げるためのえさの問題はまた将来考えるとして、恒久的な問題は恒久的な問題として考えるとして、現実の問題として対処するという心がまえが大臣には必要だと思いますので、特にこの点を私は要望いたしまして、これに対する大臣の決意のほどを承って、私の質問を終わりたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お説のとおりでございまして、私もこのたびの審議会の答申を全部読んでみましたが、なかなか大事なことをよく指摘しておられます。豚価のこと、それから鶏卵のこと、こういうようなことは、私どもが考えておりますことを指摘していてくれるわけでございます。したがって、こういうことを念頭に置きまして――それから、また、私ども農政の中で、ただいま非常に重大な大事な部門としての畜産、酪農を考えておる。これはもう農林省をあげてそういう考えで対処をいたしておるわけでございまして、財政当局の特段の圧力が加わっておるような御発言でございましたが、そういうことは全然ありません。もちろん、部内でありますから連絡はとって、全物価体のことの相談は常にいたしておりますけれども、財政当局においても今日の畜産の状態をよく心得ておりますし、私どもの決定いたしますものは政府全体としての意思でございますので、その点は御安心をいただきたいと思っております。

稲富稜人民社党

○稲富委員 重ねてそのことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 次に、芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほど来、加工原料乳の価格算定について、特に、飼料費並びに労働費の関係についてただしてきたわけでありますが、あとは事務当局でよろしいですが、お尋ねをします。  第一の点は、四十九年度の飼料費の計算にあたりまして、搾乳牛一頭当たり、購入と自給を合わせて、数量的にどれだけの飼料を供給するという計算の上に立って経費が計上されたか、その点をまずお尋ねいたします。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答えいたします。  飼料の給与の量の問題でございますが、今回の試算におきましては、一道四県の四十八年の調査結果の搾乳牛一頭当たりの給与状況に従いまして計算をいたしております。TDNの量で申し上げますと、合計三千九百九十六キロということになっておりますが、そのうち自給飼料が二千八百八十キログラム、購入飼料が千百十六キログラム、こういうことに相なっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、単価をどういうふうにしたのですか。飼料の単価ですね。価格。百キロ当たりでもいいし、一トン当たりでもいい。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 単価につきましては、流通飼料につきましては、実際に購入をいたしました価格、それから飼料作物の分につきましては、自給飼料の分につきましては、費用価の価格を用いております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことではなくて、四十九年度の乳価に適用するえさ代ですから、ことしの四月一日からどれだけの数量を単位当たりどれだけの価格で購入し、自給して、その計算上えさ代というものはどうなるかと、そういうことでなかったら計算できないじゃないですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 先ほど申し上げましたとおり、この調査期間中に購入をいたしました価格、これは流通飼料についてのみでありますが、それから飼料作物につきましては、この調査期間中の費用価ということで計算をいたしておりますが、十一月から一月までの直近三カ月の物賃を用いまして、これを修正いたしております。なお、配合飼料につきましては、さらに三月、三月分の値上がりをそれに織り込んで計算をいたしておるということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうではなくて、酪農家が四月から購入飼料あるいは自給飼料を、依然として生産を維持するために搾乳牛に給与するわけでしょう。この乳価から言えば、四月からの購入飼料は、たとえば一トン当たり、あるいは百キロ当たり幾らで購入して経営をするかということが明らかにならなければだめじゃないですか。幾らのえさ代でこのえさは買えるのか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 配合飼料で申し上げますと、トン当たり六万二千五十円ということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 四月から配合飼料は六万二千五十円で農家は必要量だけ購入できるというわけですね。自給飼料はどうするわけですか。ただというわけにいかぬだろう。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 自給飼料につきましては、何と申しますか、市場価格というものがございませんので、先ほど申し上げましたとおりの費用価を用いまして、直近三カ月でこれを修正した価格ということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはおかしいじゃないですか。一道四県の飼料の内容については、自給飼料のほうが割合が多いわけでしょう。自給飼料はただ生産されるわけじゃないのだから、結局、搾乳牛にとっては、購入であろうと、自給であろうと、その飼料の養分に変わりはないわけだから、乳の生産あるいは肉の生産をする場合、購入だから価格を付していい、自給だから価格計算をしなくていいというようなことでは、生産された乳や肉の適正な価格というものを算定することができないじゃないですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 自給飼料につきましては、飼料作物費といたしまして千三百九十九円、これは百キログラムでございますけれども、これを用いておるわけでございます。その内訳といたしましては、労働費が三百九十円、畜力費が十四円……(芳賀委員「そういうことではなく、自給飼料の価格は幾らなんだよ。」と呼ぶ)  自給飼料の価格という点につきましては、これは流通をいたしまして価格が形成されるというものでございませんので、こういう方式を用いておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 流通飼料であってもなくても、家畜を養育するために必要不可欠な飼料というものはこれは価値に変わりはないわけでしょう。だから、自給、購入の区分は参考上してもいいが、実際に一年間給与した飼料については、一定の単位計算をして、それに一定の価格を乗じて、搾乳牛一頭一年間にどれだけの数量的なえさが必要であって、その価格は一頭当たり年間どれだけ必要である、それを生乳百キロに換算した場合においてはどうなるという、こういう綿密な計算をしなくて、自給飼料は流通の対象になっていないから計算しなくてもいい、ただでいいということで、ことしもまた低乳価をはじいているわけだが、これは間違いですよ。一カ月以前の当委員会において、搾乳牛一頭について可消化養分総量で計算した場合において、総体でどれだけの飼料が必要である、それを実態的に購入と自給に分けた場合においてはどうなるという、その資料要求をしておるにもかかわらず、まだ具体的な説明も資料の提出もないじゃないですか。ことしはこの問題をほおかぶりして価格決定をするわけにはいかぬですよ。下浦審議官は、去年はいまよりももう少し明快な答弁を当委員会でやったじゃないかね。一年たってぼけたわけでもないでしょう。きょうは局長が来れないのだから、あなたから明快に答えてもらわぬと困る。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 先生のおことばを返すようではございますけれども、私どものほうの算定の方式と申しますか、仕組みと申しますか、これは費用価方式をもって算定をいたしておりますので、おっしゃいますような仕組みにはなっておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 なっていませんと言ったって、これは加工原料乳補給金法のどこにそういう根拠があるか。えさ代を計算する場合は、法律の何条によるとか、政令の何条によるとか、省令のどの規定に基づくということになっていなければ、でたらめ計算することはできないじゃないですか。一体どこにその根拠があるのだ。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 法律上の根拠は別段ないと存じますが、先ほど申しましたような事情でございますので、私どもといたしましては、統計情報部で調査をいたしました結果をさらに修正をした方式をとっておる、こういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは下浦審議官と統計情報部長に聞きますが、以前統計情報部で私の手元に寄せられた四十七年の搾乳牛の飼料費計算の表がありますが、これに基づいてお尋ねします。  四十七年度の搾乳牛一頭当たり一年間の飼料の給与状態については、これは全国と北海道に区分されておるので、一道四県というのはありませんが、およその趨勢はわかると思うわけです。そこで、濃厚飼料と粗飼料の関係を区分すると、これは可消化養分総量に基づく計算ですが、全国の場合は、濃厚飼料が五〇%、粗飼料が四七%、放牧等によっての飼料の給与が三%、これで一〇〇%ということになっておるわけです。北海道については、濃厚飼料が二六%、粗飼料が六五%、放牧地等における粗飼料の給与が九%で一〇〇%。これを可消化養分総量で計算をすると、全国の一年間の飼料の数量が、一頭当たり三千三百四キロ、北海道の場合は、可消化養分計算で三千七百十四キロということになっておるわけです。この計算というものが農林省において間違いがなければ、ことしの乳価あるいは豚肉価格の計算も、これに基づけば相当正確な計算が可能であるというふうに考えるわけです。  この可消化養分の数量を、今度は濃厚飼料に計算がえをしますと次の結果になるわけです。全国平均の搾乳牛一頭当たりの場合には五千五百キロ必要である、北海道の場合には可消化養分計算で六千二百キロ必要であるということになるわけです。こういう計算というものは行なえばできるわけですね。それをことさらにこういう合理的な科学的な計算を行なわないで、自給飼料の場合には、その対象になる飼料作物の統計情報部における生産費の調査だけを基礎にして、それを価格として計上するから、全く現実と合わぬものになるわけです。いま私が示したものは統計情報部の資料を基礎にしたわけでありますから、四十八年度の分ももうすでに結果が判明しておると思うわけであります。だから、これを基礎にして、対象になる一道四県ということであれば、一道四県の、特に購入飼料はもちろんであるが、自給飼料関係の実数というものをこの際緊急に明らかにして、そうして、費用の計算については、購入であっても自給であっても、可消化養分総量に基づいた同一の単価によって価格を計算しなければ、正確な飼料費というものは出ないわけです。この点は、先ほど指摘したとおり、四十八年の購入飼料代が千百三十一円、これは百キロ、自給飼料が千二百二十七円、こういうことになっておるので、これを割合にすれば購入が四八%、自給が五二%ということになるわけです。ところが、四十九年度の場合には、購入飼料だけを四七%上げて、自給飼料は一四%しか修正していないので、金額的には購入が千六百六十七円、自給が千三百九十九円で、合計三千六十六円、四十八年の合計は二千三百五十八円、こういうことになっておるので、金額割合は、今度は購入飼料が五五%で、自給飼料が四五%という逆なことになっておるわけです。こういうでたらめな費用計算をして、いかにも正確にできたようなことで保証乳価を下げるというのはけしからぬやり方ですよ。こういうことについても小委員会で何らの説明をしないで、これもすべて大蔵省と打ち合わせするまでは説明ができませんということで、今日まで逃げてきたわけです。この点は三十日に大臣が決定して告示するまで、あとで非難を受けないような飼料代の計算というものを、加工乳についても豚肉についても的確にやるべきであると思うわけであります。  最後に質問しますが、先ほど大臣に言いましたとおり、五人規模以上の製造業の平均労賃が四百六十円にしかなっていないわけだ。われわれの計算した五人規模以上の製造業賃金は五百九十四円になっておるわけだ。労働者の毎勤統計を基礎にする場合においては、こういう大きな懸隔というものは絶対にあるべきではないわけなんですよ。これも四十九年の四月一日から適用される価格を計算して告示をするわけだからして、それより既往の時点において計算するということは間違いでしょう。しかも、牛乳の場合に、 四月一日から三百六十五日、一年間、これは毎日毎日生産されて取引が行なわれる。だから、年度途中においても、たとえば四半期ごとに、再計算をして、価格が上昇しておれば、そこで年度内の改定をするということは当然なことです。あとは社会党の同僚の各委員から詳細な質問をすることになっておるが特に、この飼料代の計算の問題あるいは自家労働の計算の問題については、厳格な約束の上に立って計算した答えというものが、昭和四十九年四月一日から、実態としてこれが妥当であるという価格が現実に計算されるように事務当局としても鋭意努力すべきだと思うわけです。  生産費調査についても問題がありますが、もう時間が参りましたので、この二点だけについて、下浦審議官並びに吉岡統計情報部長から、私が指摘したような正確な方法で作業のやり直しをするかしないかという点についてそれぞれ明快にしてもらいたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 いろいろな御意見があるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように私ども費用価方式をとっておりますわけでございまして、自給飼料につきましては、作物別ではございませんで、費目別に見てそれぞれ物価修正をしておりますわけで、それはそれなりの理由があるということでございます。  それから、五人以上の問題でございますけれども、これも道四県の五人以上の製造業労賃をとりますと……

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 あとは本会議散会後、再開後にしてください。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 あの価格になるというわけでございます。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 この際、午後三時二十分より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時十六分休憩      ――――◇―――――    午後三時二十二分開議

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  芳賀貢君の質疑に対する政府の答弁を求めます。下浦審議官。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  自給飼料の価格でございますけれども、この点につきましては、私ども従来から費用価方式で推算をやってまいっておりまして、この方式によりますれば、作物別でなく費目別でそれぞれ物価修正ができるということでもございますので、最も適切な方式ではないかと考えておる次第でございます。  なお、四百六十円の製造用労賃についてのお尋ねがございましたが、これは一道四県の製造用労賃に置きかえておるということで、そういう数値に相なるわけでございます。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 吉岡統計情報部長。

吉岡裕農林省農林経済局統計情報部長

○吉岡説明員 先ほど先生の御質問の中にありました最初の点は、乳用牛一頭当たりの主要給飼量が四十九年にどういうことになるであろうかという御質問が一つあったと存じます。  私どもの生産費調査で出ております過去の、四十六年、四十七年の一頭当たりの給飼量は、四十七年につきましては先ほど先生が申し述べられましたようなことでございまして、四十六年をチェックいたしましたところ、四十六年も四十七年とほぼ同様な給飼水準になっております。したがい四十八年につきましても、まだ正確な集計はできておりませんが、おおむね同じような水準の給飼が続いておるものというふうに考えております。  なお、そのほか、家族労働の評価賃金につきましていろいろ御意見がございましたが、この点につきましては、かねがね先生をはじめとしまして自家労働の評価方法についていろいろ専門的な立場からの御意見をいただいておるわけでございまして、私どもとしましても常時検討を重ねておりますが、現在のところ、自家労働を観客的に表現をいたします労賃といたしましては、農業臨時雇い労賃を使うよりいたしかたがない、これが最も客観的な賃金として実在をしておるものであろうと考えておりまして、これを使ってまいっておるわけでございますが、今後この労賃計画の問題につきましては、最も客観的に生産費というものを出していくというのが私どもの統計情報部のつとめでございますので、その中身につきましては今後ともそういう観点から検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 質疑を続けます。美濃政市君

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私は、加工原料乳の保証価格につきまして若干の質問をいたしたいと思います。  まず、第一に、便宜上私は角度を変えまして、今回酪農部会に提示して、いま検討されております試算乳価を、加工原料乳地帯で一年間百トンの牛乳を生産する農家の経営収支に当てはめて質問したいと思いますが、もちろん、加工原料乳地帯はまだ平均百トンになっておりませんから、一年間の生産乳量が百トン以下の農家は、それよりも悪いのだと解釈をしてもらわなければならぬわけです。この乳価で、私は前提として申し上げますが、六十三円五十三銭という試算乳価は完全に酪農を崩壊さす、とても酪農の経営収支が償う乳価ではないということ、これをまず前提として申し上げておきます。  なぜそうなるのか。この試算どおりで、百トンの経営農家の収支を推定試算はできるわけでありますから、そうすると、家族労賃と飼料作物の生産労賃、これを合わせたものが、百トンの牛乳を生産して、キロ当たり二十一円三十何銭でありますから、下を切り捨ていたしまして、二百十三万の所得を保証しておると、こう言えます。しかしその下へいきまして、まず第一点としては、この副産物収入として、キロ当たりにすると十三円十六銭、百キロ当たり千三百十六円の副産物を控除しておる。これはとうてい私どもでは容認できる副産物ではありません。どうしてこういう計算になったのか。  まず、百トン農家と言えば、分べんして、大体一カ月置いて、十二カ月で完全に妊娠するものではありません。ですから、私どもの計算は十四カ月、総頭数に対して十四カ月回りで出産をするという計算をいたします。そうすると大体百トンの牛乳を生産する経産牛の飼養頭数というものは二十二頭ないし二十三頭です。それが十四カ月で生まれますから、出る子っこは大体十七、八頭ということになります。そのうち牡犢ですが、これが統計上の標準から言っても約十頭です。いま加工乳地帯で、生まれて一週間たった牡犢が、五十キロ以下の牡犢は、肥育しても、体質が弱いのか、若干こじれて生まれた子っこでありますから、それもそのまま五千円程度で加工屋へ入ってしまうわけです。五十キロ以上の牡犢で大体一万円ないし少しいいもので一万五千円、平均して一万円です。そうすると、十頭生まれて十万円ですよ。それから、この計算では、雌牛については、大体四カ月程度の飼育労働、飼育経費を見ておる。そのとおり計算しても、大体四カ月飼育して六万円。この頭数は、一応七頭と計算して四十二万円です。私は北海道ですから、いま北海道の百トン農家の実態に当てはめてみても、五十万ないし六十万が生まれた子の売り上げ高であります。もちろん、この場合、牝牛については、その後代替牛として育成するものについても、一応六カ月で売り上げ計算をして、全頭一応そこで売り上げたことに計算してみて、五十万ないし六十万。堆肥は去年は二円何がしを費用価計算をして副産物として売りましたけれども、ことしは三〇%ロスを見るということを言っておるが、私どもはこれは了解することはできません。堆肥は肥料代に見ていないわけであります。堆肥を肥料生産費に見れば別であります。経費に見ればここで副産物収入に見てもいいけれども、経費にも見ないということになると、酪農家のどこを歩いても、堆肥を売った金が入ったというものを私は見たことがありません。肥料として経費に見ない以上は、堆肥はやはり畜産経営の汚物処理でありまして、それに労働時間と寝わらがかかっておるからといって、それを副産物収入として見るという計算はあくまで私どもは容認することができません。そうするとここでキロ当たりにすると八円、百キロ当たりにすれば八百円という過剰な、全然ない副産物を計上しておるということであります。十三円十六銭というこの副産物収入はですね。とうていこれは容認することのできない計算です。まぼろしの計算です。架空な計算です。これが第一点であります。  それから、第二点は、かかる費用のほうであります。労賃はあとに回します。まず、第一番に、この飼料作物費の算出基礎の中で、肥料費が百キロ当たりにして百九十六円、キロ当たり一円九十六銭が経費として計上されております。これは、私は、去年五日間かかってこれらの資料は全部克明にとり、あるいは個別経営で間違いがあったら困るから、北海道の酪農だけをやっておる。他の作物と混同しておるとほかへ肥料を使ったのではないかと疑惑も受けますから、牧草と牛しかいない釧路、根室地帯の農協の決算書までもらってきて提示してあるわけです。一万トンの牛乳を出す農協の年間の購買として、肥料の取り扱い高二千五百万から二千八百万。前年度の肥料価格で、ですよ。ですから、キロ当たりにすると、大体前年度で二円二十銭ないし二円三十銭、牧草に肥料、金肥をやって、粗飼料を生産しておるのです。ことしはそれが三〇%上がりました。これは農林省の肥料機械課から、三〇%の値上がりはやむを得ません、過燐酸は四三%上がります、燐鉱石が上がり、運賃が上がったのだからやむを得ませんと言っておるのですよ。全然それはどこにも見ていないということです。前年度はキロ当たり一円九十一銭、百キロにして百九十一円見た粗飼料生産費を、キロ当たりにするとたったの五銭の引き上げ、これはどうしても二円七十銭をここで計算しなければ全然合いません。  その次の、その他飼料作物生産費の費用でありますが、これも前年度一円三十何銭見ております。これは計算を担当しておる乳製品課の方に聞きますと、大体牧草を処理するトラクターのオイルが主体であって、トラクターの石油というものは倍なんですよ。前年度の三月と今年度の三月の対比は一挙に倍になったわけで、去年の十月時点、年が明けた今回の石油類の値上がりで完全に倍になっております。また、粗飼料生産のその他資材として必要なビニールがあります。良質の干草をつくるためには、日本は湿度が高いですから、ビニールをかぶせるわけです。昼はとって、夜はビニールをかぶせて、自然乾燥の中で良質の干草をとっております。それからサイレージをつくるには、大体サイレージ用のビニールが百トンにつき三本要ります。前年度は一本五千円でありました。百トンの牛乳を生産する農家がトレンチサイロで牧草サイレージをつくる。あれは三本要るわけです。一本が前年度は五千円で買えたが、ことしは一万五千円。三倍です。石油製品ですからね。それらが何も計算されていないのです。それで飼料高や資材高は吸収した。さっき聞いておったら、大臣は答弁するわけです。ここに吸収されておりません。えさのほうは、率直に申し上げまして、この計算からすればある程度吸収されておる。しかし不足であります。そうすると、私の計算では、この不足分が六円五十銭となります。六円五十銭、キロ当たりにすると費用の見方が足りない。百キロ当たりに計算すれば六百五十円足りない。この二つを足しますと、八円と六円五十銭足せば十四円五十銭になります。これを安い家族労働費から引きます。六十万であります。どうして一家五人の世帯が――百トンの酪農と言えば、大ざっぱに計算して三千万であります。牛、土地、機械、三千万の設備投資をして、四千時間働いて――この計算では四千時間です。粗飼料生産労働と飼育労働合わせたら、百トンの牛乳を生産する労働時間は四千時間ですよ。これもこの計算どおりで計算して四千時間。三千万の資本投資をして、四千時間働いて、六十万しか所得を得られないというのが六十三円乳価なんです。どうしてこんなもので経営維持ができるのですか。  その次に、私どもは、前櫻内農林大臣からも、一応現地の事情に明るいのだから、算出の基礎を改良する案を率直に出してみてくれないかという要請を受けて、出しております。それからも反映されたと考えております。それはどの辺かと言うと、この計算の中で、まず第一に資本利子。資本利子の計算は、大体私どもが提示したものよりちょっと少ないのですけれども、資本利子の今回の試算については、まあまあ大体ここらでがまんしなければならぬのではなかろうかと思いますが、ちょっと足りません。それから地代、建物、これも物価修正、再評価が多少行なわれまして、前年度よりかなり上がっております。それから、乳牛償却もやかましく言いまして、時価額評価を採用した。ですから、乳牛償却、賃料料金、建物費、農具費、それから地代、資本利子、この計算については多少不十分であるけれども、この際がまんせぬければならぬだろう、かなり接近して前向きに取り組まれたものである、こう評価をします。ですけれども、十四円四十銭足りない。その結果、六十三円乳価。この乳価は北海道でも東北でも同じことになります。百トン農家が六十三円乳価でことし経営をしていくと、労賃の中から六十万円しか出てきませんし、機械や建物の修繕費を引きまして、ここに地代、資本利子が十二円、百トンで百二十万あります。結局は生活費に食い込まざるを得ない。そうすると、借り入れ金は一銭も払えない。よく聞いておいてください。私も北海道の幕別農協という農協の組合長です。去年の十二月、私は、私のところの組合員の酪農家の負債を、所得がなくて請求することができませんでした。政府の借り入れ金は、農協が、主として畑作、飼料農家や酪農家以外の貯金で全部立てかえて、政府に善管義務を果たしておるわけです。元利償還をしております。これはもうことしはできません。六十三円乳価では、政府から借りておる酪農家の総合資金やそういうものを償還することはできません。生活費に食い込んでしまいますから。ですから、どうしてもここで不当な副産物価額を八円修正する。足りない費用を六円四十銭修正して、所得は何ぼになるのか。その段階の所得は、それを修正しても二百万の所得にしかならぬのです。そして、百二十万ありますから、二百万で生活をがまんすれば元利償還はできます。北海道の牛乳百トンを生産する農家は大体一千万あるのです。一千万の負債ということになると、借り入れ利子は高いですから、元利償還は百二十万を要しておる。去年その資料も全部あなた方にあげてあるわけでしょう。これが違うと思ったら見てきてくださいということを再三言っておる。ですから、この程度の計算は計算されて、百二十万円は保障されたが、全く変なものがあるものだから、もう元利償還はできません。政府の責任で棒引きにしてもらう以外に方法はないです。ことしは立てかえ払いはできません。何年もそんなことはできません。所得がないのでありますから、酪農家から償還を求めることもできません。こういう乳価を出してきて、どうして何とかなるんだ。この乳価ではどうにもなりませんよ。  そこで、私どもは、三千万の資本投資をして四千時間働くんだから、どうしても所得で三百万、大きな借金をかかえておるんだから、地代、資本利子、そういう資本経費として認められたものは、百二十万は元利償還に必要である。所得の三百万を確実に保障する。さっき芳賀委員も言いましたが、農民は技術者ですよ。私は何回も言っておるけれども、二十何頭の牛を飼育するということになれば、高度の技術者ですよ。何ぼ農林省の局長さんであろうと、審議官であろうと――これはまた有能な国家公務員だと私は尊敬をいたしますが、立場は違いますが、それなら、いかに畜産局長であろうと、百トンの牛の管理をしてみなさい。できない。これは高度な技術者です。高度な技術者が三千万の資本投資をすれば、三百万の所得を保障するのは当然です。  また、いつも言っていることですが、今日他産業並み労賃と言いますけれども、年所得にいたしまして、いま日本の社会において、一家を形成する三十五歳から四十歳年齢の平均給をとってみたら、時間当たりにすれば七百円、八百円ですよ。ことしは平均労賃でも春闘が終わったら七百円をこすと私は思う。七百何十円という時間当たり労賃になる。どうなんですか、この四百円だとか、粗飼料生産労働三百九十円。これを込みにして家族労働費をキロ当たり十円、百キロ当たりにすると千円、ここで修正をすれば三百万の所得になります。そうすると、保証乳価は何ぼになるか。一キロ八十八円となります。四十三銭はまけることができますけれども、八十八円は一円もまけることができません。まけるというのであれば、借金は払えない。政府からの借り入れ金は償還することができない。払わぬというのじゃありません。そんなものは払えないんだ。どうせ経営収支が償わぬで離農するのであれば、私どもは農協として、もう立てかえて酪農家の借金の善管義務を果たすことができません。私は道連の役員もしておりますから、北海道信連にも立てかえをやらすことはできません。これは全部政府の責任でやってもらう以外に方法がないですよ。払えぬ条件で乳価をきめておいて、政府の貸し付け金を払えなんという、そういうまぼろしの農政はやめてもらわなければならぬ。六十三円という乳価はまぼろしの乳価だ。経営維持はできません。はっきり申し上げます。御回答願いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 美濃委員の御質問は、専門家でございますから、なかなかいいポイントを突いておると私は思います。しかし、ものは考え方でありまして、実は、私、聞いておって思ったのですが、この計算方式というものは、実費の計算をやっているのじゃないのです。計算方式の約束ごとに従って計算をしているわけなんです。ですから、実際の実情というものになりますと、個々の農家によってみんな違う。全部借金でやっている人もあれば、借金の比較的少ない人もあれば、経営能率の高い人もあれば、そうでない人もあれば、いろいろあるわけであります。そこで、ある一定のサンプルをとって、実際の原生産費というものを出して、それからあとは一部擬制計算になっておるわけであります。これは御承知のとおりであろうと存じます。したがいまして、たとえば飼育管理労働の問題にいたしましても、管理労働費というものについては、現実に北海道なら北海道でお互いに雇われてきて管理するというような実賃金をとるのでなくして、一道四県の製造業の賃金を家族労働費に換算をいたしておりますということですから、現実にそれはおそらく北海道の実賃金よりも高い賃金が出ておるわけです。実際の支払われる賃金よりも、この計算では擬制的に計算していますから、米の場合も同じですが、高い賃金が払われておることになっておる。そういうことをまず御了解いただきたい。  雇い入れ人の問題については、実際に人を雇った場合に支払った賃金、その賃金をここで支払ったように計算が出ておるわけであります。これも去年の六月までの計算でありますから、当然六月以降、七月、八月、九月と上がってくるわけですから、そこで実際の実態というものにさらに賃金の値上がり率、さらに十一月からことしの一月までの値上がり分も物賃修正で修正し直しておる。こういうようなことで、現時点に近い、たとえば擬制計算のものも都市の賃金が上がっておるのだから、上がったものにスライドさしたものをここにとっておるのだ、こういうことを御了解いただきたいわけでございます。  建物の問題においても同じことが言えるわけでございまして、先ほども私はお話ししたのですが、建物の中には、ことしつくった人もあれば、もう五年前につくった人もあれば、当然みんな減価償却費が違うわけなんであります。しかし、古いもので、非常に安く、もう十年も前につくった人だってある。だけれども、そういうものも評価がえをいたしまして、そうしてともかくほんとうにごく少しの減価償却しか認めないというのが税法上の普通一般会計学のやり方でございますけれども、この場合、再評価をして、そうしてこれを減価償却に認めておる。これもやはり擬制計算でありまして、実際の費用よりも余分に費用がかかったことに計算をされておる。こういうふうなやり方をやっておるわけであります。  そこで、あなたがいまいみじくもおっしゃいましたが、牛の償却費についてはまずまずであるというお話しがありました。これは農家の方からすれば、たとえばいま牛が三十頭おっても、その中には二年ぐらい前に買ったものもあるし、五、六年前に生まれたものもあるということで、いろいろでございますけれども、それを個別の原価から言えば実際はみんな違うのであります。みんな違う。だけれども、それは一応ともかく再評価をいたしまして、そうして牛の値段は幾らという統計がございますから、その原価にかかわらず、その人がたとえば三万円で買ったというふうな牛であっても、二十万、三十万という統計情報部の調査がありますから、それにさらに物価の値上がり分を乗じたもので、高い金額にいたしまして、それから廃牛価格を引いて、それを耐用年数分で、それでさらにそいつを物賃計算をして、またもう少し費用をふやして、そして引き算をしておるということで、これも擬制計算、実際の計算でなくて、実際よりも高く見積もった計算をやっておるわけです。  そこで、問題は副産物収入の話になってきた。これはほんとうにあなたがおっしゃるような問題が一つ起きておる。どういう問題が起きておるかというと、たそえば去年の六月という時点で牛が三十万円かりにしたとすると、ところが牛の値段が下がって、ことしの一月なら一月で二十五万なら二十五万というふうに下がっちゃった。下がっちゃったときに物賃計算で物価の値上がり率を掛け算しますから、二十八万なら二十八万にまた戻るわけですね。そこで、減価償却をやるからそのほうはいいとしても、では子供のほうはどうなんだという議論が確かに一つ出てくるのです。子供は、ともかく去年の六月から一年の平均をしますから、平均すると高いときは六万円もした。安いときは六千円だった。平均三万円なら三万円だった。ところが、それから半年たった現在になってみると、だんだん下がってきちゃって、いまあなたがおっしゃるよう片六千円とか一万円しかしないじゃないかということになる。ところが、その三万というようなものに、物賃計算して三万五千円とか――これはたとえばですよ。そういうふうな値段が出るということは、引き算のほうがでかく出てきちゃうじゃないか、けしからぬ、こういう話があるのです。そうしますというと、それが実際実情に合わないということになれば、それじゃ、方式としては、物賃で再計算をする擬制的なやり方を全部やめちゃって実額計算でいったらいいじゃないか、実際の額の計算でいったらいいじゃないかという議論が一つあります。そうしますと、これは常に変動がありますから、高いときぶつかったとき、安いときぶつかったときで、一年間が全部安定していればいいけれども、一年間の中にこういう波がある。そこにこの欠点があるわけです。うんと高くなってみたり、実情に合わなくうんと安くなってみたり、その時点だけで評価するということになると、政府の保証価格として一年間持たせようという価格としてはでこぼこに出てくる危検性があるという問題がある。  そこで、これはいままでのやり方のように実額計算をやってきたのですが、ところが、いまのあなたのような御指摘もあるので、実は、子牛の計算というものは直したのであります。たとえばそういうふうに出っぱなしの、調査期間中のものに、物賃計算をして、値上げをして、引き算をしたというのではなくして、過去の五年間の搾乳牛の価格と、過去五年間の雌子牛の価格というものの比率をとって、それでその比率を搾乳牛の価格に掛け算をして、それでその雌子牛の価段をきめた。ですから、去年と同じ計算をすれば、わかりやすく言うと、ここで副産物収入というのは一千六百何十円になっちゃうのです。いま一千三百円で高いとしかられているのだけれども、去年と同じ方法をとると一千六百円になっちゃう。それは、しかし、計算の方式としては、約束ごとでいくとすれば確かにそういう方法もあるけれども、それはあまりにも実情に合わなすぎるということで、そういうものはやめるべきだということで、いま言ったような過去五年間の、ずっと前の雌小牛が安かったときのものを採用して――引き算のほうはそれだから、雌小牛が安かったときのものを採用しているから、一千六百円が一千三百円まで現実には下がった。そこのところをもっと政治的に何かこれからやれというようなお話しも踏まえての御発言だと思いますが、そこらのところになってきますと、これはもう実際に農林省の手を離れるみたいな話なんです。  したがって、これらの問題についてはそういう約束ごともあって、実際は実支払いよりも高く払っておる部分もあるのだから、そういうところもやはり見てもらわないといかぬ。総合的に勘案してわれわれとしては試案を出してありますが、ともかく、この試案は絶体絶命、何が何でもこれを守るのだというなら、何も審議会にかけなくても、われわれのほうで計算したところで告示をして、それで終わりということなんだけれども、皆さんの意見を、審議会の意見を十分聞いて――そこには生産者の代表の方もおるし、学識経験者もおるし、消費者代表もおるし、そういう人の意見も十分聞きまして、そして、また、審議会で最終決定をして、政府がきめる前にも、このように国会の農林水産委員会を開いて皆さんからいろいろと実情の話を聞いて、われわれのところに手落ちがなかったかどうかというような諸等も十分に踏まえて最終的な決定をしたい、こういうように考えておるわけでございます。おわかりになったかどうかわかりませんが、そういうことであります。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 きょうはもう四時です。私の時間がありませんから長くやりませんが、あとから――これはあとからと言っても、これは決定をしなければならぬのですから……。  いまの政務次官の擬制計算というのはちょっと問題があると思います。私どもが提示したいわゆる償却方式なり、あるいはこういうインフレで一頭当たりの設備投資が牛舎サイドで三十万にもはね上がったような、こういうときにはやはり再評価をして償却費を充当しないと、たとえば借金のない農家で、自己資金でやった農家としても、こういう乳価では設備を食って経営が行なわれておるということで、建てるときには昔自己資金でやった人でも、今度建てるときには金が蓄積されていないから、資本蓄積が行なわれていないから、大借金をやらなければならぬ。ですから、こんなばかなことはやれぬということで、後継者というものに魅力がなくなってしまう。そこで離農という問題が起きてくるわけですね。ですから、こういうインフレ下におけるそういう現実に立って――インフレでなくても、建物の償却は二十年ですから、二十年前も今日も木材や建築価格が同一であればこういう計算をする必要はないのです。架空な計算だとか、擬制の計算ではありません。  それから、もう一つは、最近経営規模を拡大して、投資を借り入れてやった者こそ、その実情に合う償却を考え、資本利子を計算してやらなければ負債消化ができない。そこで、先ほどお話しがありましたように自殺者が出てくる。それを気にする良心的な農民は遺書を残して自殺するという問題が出てくる。こんな残酷な話はないだろう、こういうことなんであります。ですから、そこは政務次官ももう一歩進んで検討してください。  それから、もう一つ、副産物収入は、計算の約束ごとだと、言うけれども、それはちょっとおかしいわけです。計算上の約束ごとというのはないはずです。計算の原理から言って見て、過剰である。  それから、御説明がなかったのですが、飼料作物費の肥料代の問題、オイルの問題、これは前年度と比べて据え置き程度で、キロ当たり何銭しか上がっていない。倍になったものを、三倍になったものを、キロ当たり何銭でありますから、全然加味されていない。これは計算して六円五十銭ある。全然加味されていない。前年度据え置きのようなものです。石油は倍になった、トラクターのオイルも倍になった、ビニールは三倍になったという、その経費を見ておるどころか、据え置きに近いものである。全然話にならぬ。それは資材の部分です。キロ当たり総計六円五十銭に達する。それと八円の過剰償却がある。それから、三千万の設備投資をして、四千時間の労働をしておるんであるから、所得は三百万を保障しなさい。優秀な技術を発揮しておるのであるから、他産業の世帯を形成しておる平均労働賃金になるだけの所得でなければ、どうして農業がやれるんですか。この六十三円乳価がこのままきまったとしたら、全く高校卒の初任給にもならないんですよ。家族五人もおって、年寄りもおる。農村には概して年寄りが多いわけです。両親を世話して、夫婦でまっ黒になって働いて、酪農から逃げ出すよりほかしかたがないんですよ。高卒初任給にもならない労働賃金で、そういう不十分なところは、結局は所得の中で払わなければならないんです。払わなければ借金はふえていくわけですね。何ぼ負債整理してもだめです。負債整理したら、あとからあとから借金ができます。そこで去年も百五十億負債整理をしたんでしょう。ああいうことを何回やってもだめです。それから、また、借金の中に、去年はえさの値上がり分を融資で補てんしておりますから、またその借金もふえておるというわけです。ことしになってえさが下がって、さっきの政務次官の話ではないけれども、去年高かったから、去年借金もあるから、その分はことしのえさ代に見込もうという条件でもあれば別です。ことし解消できますか。借金は払えません。えさは依然として上がるばかりで、去年貸し付けたえさ代の借金まで、これは流通飼料の中に見込んであるんですか。これは去年の借金を払う分も計算して入れたんですか。去年えさで借りた借金を何で払うという計算になっているんですか。私は入っていないと思う。この計算は全く私は承知できないと思うんだ。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 去年借りた、ことし借りたと、いろいろなことをおっしゃいますが、これは、実は、ここで資本の利息というものを見てもらえばわかるように、借金の額が去年六月までにふえたもの、あるいは金利の上がったようなもの等は一応見込んであるわけなんですよ。  私はあなたの説明を聞いていてわからないことが一つあるのは、その賃金の中に食い込んでくる、食い込んでくるという話があるんですが、そこのところが私はよくわからない。私は会計の専門家なんですよ。専門家なんだけれども、実際そこがわからない。あとの話は、それは立場が違いますから、違ったことを言っても私は理解はできるんです。ですから、去年借りた個々の具体的な借金がどうなった、こうなったと言われましても、それは全体の統計の中で言っていることですから、だから、それについて答弁をしろと言えば、われわれとしては、それは資本利子の中に入っておりますというような答弁しか実際はできないんです。  それから、先ほどの質問は、飼料代が上がったじゃないか、ビニール代、石油代も上がっているじゃないか、それなのにその他の費用があんまり上がっていないんじゃないか、と、こういうふうな質問ですね。これは質問としてごもっともな質問だと私は思いますよ。しかしながら、先ほども言ったように、それでは牛の値段はどうかと言うと、いま牛肉やなにかが下がっちゃって酪農崩壊だと言われている。牛の値段も酪農ブームじゃないから下がっています。これは現に下がっているのに、では何で牛の償却費が上がっているんだという反対の質問も出てくるわけなんですよ。牛の償却費が上がっているということは、牛の値段が上がったから、耐用年数が同じなら償却費が上がるということなんですが、牛が下がっておるのに何で牛の値段を上げるんだということが逆に裏側から言えば出てくるわけなんです。この計算方式は、そういうふうなもの等を総合的に考えて、一つの約束ごとに基づいて計算がされておるのです。したがって、実際の個々の計算でなくして、擬制的な計算が一部この中に採用されております。擬制が悪ければ推計計算と言ってもよいですね。推定して計算しておるわけですから、実態調査したものに対して物賃をかけたり、いろいろなことでつくっているわけです。ですから、そういうようなことで、われわれは大体これでやれるのではないかという総合的な結論で――部分的に言うといろいろなことがあるのです。あなたのおっしゃるようなことがあるのです。それはあるのだけれども、それでは物賃修正もやめてしまってという話になると、また別の話になってきてしまう。そこで、皆さんが言うようにそういうことでスタートしても、それでは賃金が七、八月になってばたっと上がったとか、えさがさらに倍にも上がったとか、そういうときにどうするのだと言われれば、これはそこまでは考えていないわけですから、そういうふうに著しく変動があった場合には、当然畜産審議会を開いて相談する。われわれが予想しなかったような問題が起きたときには、それは法律にも書いてあることでありますから、その意見を聞いて訂正をするということには当然やぶさかではないし、そうあるべきものであると私は思いますよ。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私は、あの分、この分と言って、借金を、あの借金、この借金と言っておるのではないのですよ。流通飼料費の中に、去年上がったものを融資でまかなっておるのです。融資でまかなえば払わなければならぬでしょう。それはことし幸いにしてえさが下がったのだけれども、去年融資で貸した分の推定価が何ぼあるから、何ぼ高く見ておるから、去年えさのために借り入れた借金はことしのえさ代の中に何ぼ修正点で入っておるから、たとえばキロ当たりことしのえさ代は十四円で十分なんだけれども、去年の高いやつを金で貸してあるから、それを前年度貸し付金で、乳価を上げないで済ましてあるから、その分が一円何がし入っておりますというような計算になっておるかということを聞いておる。私はそこまでは入っていないと思うのです。それが一つ。  それから、何としてもこの副産物収入は不当です。約束ごとと言うが^確かに、政務次官が言うように、乳牛償却は、平均償却法をとると――これはわれわれが主張したわけですが、平均償却法をとると、高い安いの中で若干そういう問題が出てきます。出てきても、五円五十八銭というのはまるまる出っこないのです。ここに一円やそこらを詰めると、政務次官の言っておることも、そういうふうに計算された中で、多少有利な計算もないとは言いませんが、あったとしても、そんなものは一円か一円五十銭ですよ。この現実が八円も高い副産物収入を控除しておるのですから、これはやれないです。私は百トンで言っておるのは、百トンの牛乳を生産しておる経営単位の収支を申し上げておるわけです。やりようありませんということを言っておるのです。そんな約束ごとの計算だとかなんだとかいうこととは違うわけです。経営の実態に当てはめてやりようがない。ですから、政務次官は著しく変動した場合には修正すると男らしく言っておるのですから、それなら、いま提案しておるのですが、これは六十三円に近い価格で決定が行なわれた場合、この国会が終わったら責任ある者が厳密に調査してください。調査した結果、私の言うことに間違いなければ、その時点で間違いだったという修正をしてしかるべきですね。直れば幸いです。直らなければあくまで追及します。調査要求もします。そして、いま言ったように、著しく計算違いなんだ。変動じゃなくて、著しく計算が違っておるものは遡及修正をしてもらわなければならぬ。著しく計算が間違っておるということがはっきりした場合は、遡及修正をする義務があるのじゃないですか。著しく変動した場合に直すぐらいだったら、著しく計算が違っておったというのは、変動よりもまだ悪いでしょう。これは直す義務があると思うのだが、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは、著しく間違ったことをやっているということなら直すのはあたりまえですが、私のほうはそういうふうな間違いはしておりません、と、こういうことを申し上げているのです。  そこで、誤解をされては因るのでございますが、たとえば借金の問題をいまお話しになりましたが、その借金は評価がえをしていないんですね。御承知のとおり、五年前に借りた借金はやはり五年前に借りた借金の額なんです。ところが、かりに百万円借りて建物を五年前につくったとして、その建物は、減価償却は幾らかしておりますが、これは百万円以上に――それは数字として、一つの例としてあげるのですが、かりに再評価をして百五十万なら百五十万に評価をいたしております。借金は百万ですね。建物のほうは再評価して百五十万ということになれば、これが償却が終われば、結局、百五十万の借金に充当する金ができるわけでしょう。実際は借金は百万しかないのでしょう。利息はもちろんついていますけれども、利息は利息で別に見ているわけですから、だから、そういうように再評価をしたということは、これは普通はやらないんですよ。これが公に認められるとすれば、石油会社が建物、コンビナートをつくった、いまから十年前につくった、その償却は、ともかくいま新しくつくるとすれば――これは一億でつくったんだが、いま新しくつくろうとすれば八億かかる、それじゃ八億として経費を認めろといっても、そんなものは認めないんですよ。やはり、十年前につくったものが一億なら、一億の経費分しか認めていないのです。だから、石油を輸入してストックを持っていても、それを売るときに、いま買えば高くなるのだ、倍になったのだから、倍に上げないで売れば、今度は全部売っても、その金で半分しか石油が買えないじゃないかと、よく石油会社が言っているわけですよ。それはしかたがないな、それはともかく借金して穴埋めしろと、ほかには言っているわけです。しかし、農家の場合においてはそうは言わないで、ともかく時価に再評価――時価再評価ということばは正確でありませんが、それよりもある程度評価がえをして、実際の取得限界以上の経費は見てあげましょうということでゆるみはつけてあるんですよ。そのかわり、あなたのおっしゃったように、子牛のような問題については、それは多少不利な面があるのです。ですから、総合的に判断をして、われわれとすればまあまあこれはいいだろうと――これは理屈を言い出すと、全部首尾一貫してその理屈をやらなければならなくなってくるから、こういうようなものは個別的には統計を利用しなかったらとてもできないのですから、個別的にはいろいろなケースができない。だから、その調和点としてこういう計算が出されておるのです。問題は結果論でしょう。問題は結果で、六十三円がいいのか、もうちょっと上げたほうがいいのかどうなのかというようなところは、ここまで来ると、これは政治判断の問題なんですね。したがって、われわれとしては、これでおおむねよろしい、しかし、物価、賃金に異常な狂いが出た場合においては、これを直すことにはやぶさかではないと言っているわけですし、皆さんからも貴重な御意見を承っておりますし、審議会でもいろいろ意見を聞いておりますから、政府としては、その意見を踏まえて、いままでの慣例に従ってこれは処理をしてまいりたい、かように考えております。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 私の時間が大体なくなりましたのでこれ以上やりませんが、政務次官は約束したんですから――私は著しく計算が違っておると思う。これはこれ以上議論しても並行線になりますが、あなたは違っていないと言うけれども、政務次官の言っている有利に計算された面というのは、率直に申し上げると、キロ当たりにすると一円や一円五十銭、そういう面があるということも認めましょう。だけれども、片や全く前年度に据え置いて、六円五十銭の費用増加が否認されておるという面、何としてもキロ当たり十三円何がしという、この副産物控除というものは認められない。これは八円ですからね。政務次官が言っていることは、一円か一円五十銭ですから、厳密に言えばそのぐらいのものはあるかもしらぬけれども、それらを相殺したとしても、大幅に改善しなければ……。政治的判断の前にやって、その上、農林大臣なり政務次官が政治的な判断で、そういう私の言っているようなものが大幅に修正されて、その上、キロ当たり一円でも二円でも政治的判断で、酪農が停滞するのですから、この計算もおかしいんですね。時間がだんだんなくなってきましたけれども、本来から言うなら、前年度の限度量が百五十万一千トンなれば、この加工乳地帯は、どんどん草地開発もやっておるわけですから、多少市乳化しても、限度量四百五十万一千トン確保できて、そうして自給体制の方向へ向かうのでなければならぬけれども、限度量は減って百三十八万トンでしょう。いいですね。ですから十二万トン、去年よりこの乳価では減りますということを表示しているんじゃないですか。計算の上でも、この乳価がきまれば、加工乳地帯は減ります。減るから限度量を減したのでしょう。  以上で私の質問は一応終わりますけれども、そういう点が全くまぼろしの六十三円、これは重ねて申し上げておきます。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 たいへん貴重な意見を承りましたが、私が数字でお手元で説明するチャンスがないので、いずれ委員会が終わってからでも、時間があれば、よく、とくと納得のいくように説明をさせます。しかし、見解の相違のところはどうかわかりませんけれどもね。ですから、たいへん参考になる意見が多々あったことを感謝を申し上げます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員 最後に、答弁は要りませんが、もし時間があれば、これは決定前に私のほうから政務次官のほうに出向いてよろしゅうございますね。ここでこれ以上こまい話をすることはやめて、畜産局長も入れて話し合いする時間を、できれば持ってください。  以上で終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 もう間もなく畜産審議会の答申が出ると思いますが、けさほど来のやりとりを聞いておりますと、政府の諮問案というものは、かなり固執をしておられるだけに、審議会としても、おそらく、まず、諮問案どおりの答申ということになるだろうというふうに私どもは予測をいたしております。しかしながら、いままで芳賀、美濃両委員からも指摘がありましたとおり、非常に問題の多い試算結果であるだけに、これでこの危機状態におちいった経営を立て直して、真に政府側が期待をしているような日本の酪農の振興と確立というものが一体できるかどうかという点については、私はたいへん危惧するものであります。  私は前者の質問になるたけ重複しないように進めてまいりますが、ただ、どうしても私どもが納得できないのは、この労働評価が、飼養管理労働と牧草つくりでなぜこんなに違うのか。政務次官、幾ら理屈に合った話だとおっしゃっても、私どもはこれは理解ができません。しかも、飼養管理労働の四百六十円というもののはじき出し方についても、私どもとしては、これは絶対に承服できないところであります。  第一に、これは後ほども申し上げますけれども、私どもが長い間言ってきたことで、私も昨年、ばかの一つ覚えだと言われるほど繰り返して言ってまいりましたことは、同じ関連産業に携わる者の労働賃金は少なくとも同じにしてもらいたいということ、特に、牛乳という白い乳の生産に携わっている者が、加工業者も含めて労働賃金が同じであるということがいわゆる政治の公平というものではありませんかと、こういうふうに言ってまいりましたが、今回はこれが是正されるというふうに期待をしておりましたところが、案に相違して、全く前年と同じ取り扱いになっているという点はこれがほんとうに政治なんだろうかということに私はいま深い疑念を持っているわけであります。政務次官は、少なくとも政治というものは公平でなければならぬということをしばしばおっしゃるわけですが、私は、いま申し上げたような点から考えて、政府側がこうした試算をされたことに対して非常に大きな憤りを感じます。しかも、不足払い法が発足以来一貫してこの問題は爼上にあげられて、多くの委員からも、まさにこの点については是正すべきであるという強い意見が出されているにもかかわらず、今回これが見送られたのはどこに理由があったのでしょうか。第一点として、まず、それをお尋ねいたします。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、飼育労働管理については、これは一道四県の製造労働者の賃金をとっております。それから、流通飼料費については、要するに日雇い賃金をとっております。だから、一方は三千六百円の賃金になります。一日三千六百八十円かになります。片方は二千六十七円のなにになります、と、こういうことを言っておるわけなんです。これを、普通の農作業も何も含めて、家族労働費というものを全部一時間四百六十円で計算しなさいというのが島田さんの要求なんですが、これは準所得補償方式みたいな話になってくるわけなんです。それで、この問題については、先ほど言ったように、実際に牛が安くなっても、牛の値段を高く計算して経費に見ておるとか、それから、十年前の借金は十年前の借金であっても、それでつくった家のほうは、百万円のものも百五十万とか百三十万とかいうふうに再評価して、余分に経費を見ております。これはそういうようなメリットもあるわけなんです。ですから、それらと総合的に勘案をしておる、こういうわけなんです。したがって、米のように政府が全部買い上げてしまって、そうしてほかに売ったら罰則がかかる、政府以外には売っちゃいけない、流通ルートもきまって、管理規則があって、罰則がうしろについておるというものとはなかなか一緒にできないし、そうなってくると、ほかの農作物との問題があります。ビートの問題もございましょうし、大豆の問題もありましょうし、あるいはなたねの問題もありましょうし、政府が関与している他の農作物にこれは影響する問題でございます。したがって、それらは自由で、加工原料乳地域だから、それ以外のものに売ったものは罰則がかかるとか、罰金だとか懲役だとかいうことも全然ないのでありまして、したがって、それは、ホクレン等においても東京に持ってくる牛乳もあれば、あるいはおたくの近くでも、都市周辺では何か市乳に転換しているところもあるそうであります。それは御随意なことになっておるわけですから、まあ、おっしゃる趣旨はわかるんですが、そういうような点等もありまして、農作業費まで一ぺんに都市賃金に置きかえるというところまでは農林省としてはなかなか踏み切れないというのがざっくばらんの話でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 ざっくばらんの話にしては、まことに私は理解ができないんです。それじゃ、牧草づくりの労働の評価が、二百五十八円なんという、昨年に比べて約五十円ぐらいしか値上げになっておらぬようなものにどうしてなっているのか。そのことも問題ですけれども、牧草をつくる労働の質も、牛を飼う労働の質も、何ら変わりがない。この実態はいままで耳にたこができるほど申し上げてきたから、もう繰り返す必要がないほどおわかりの点だと私は思うのです。しかし、いまこれにかわるほかのほうにならして、その部分でメリットを埋め合わせているからという趣旨のお話しですけれども、それは私はいただけないのです。そして、また、他作物との関係もあるというお話しですけれども、他作物も全部同じように取り扱うべきじゃないですか。牛乳に限らず、ビートも必要ならその労賃をとるべきだし、米と同じように取り扱っていくというところに公平の原則があるのではないかと私は思うのです。ですから、政務次官が幾らおっしゃっても、それこそあなたのおっしゃることはへ理屈だとしか私には思えないのです。実情を全く無視している。現に私自身も牛を飼っていますが、草をつくるときに、よそから頼んでくる安い労働で草づくりをしているのではありません。私は前に極言をしたことがありますが、腰の曲がったばあちゃんや、中学校の女の子が学校から帰ってきてちょっと手伝うとか、そんな労働で牧草をつくらせるようなことを考えているのではないのかと言ったら、そんなことはありませんという御返事でしたけれども、しかし、幾らそうではないとおっしゃったって、これだけの単価の差をつけて、牧草の増産をせよ、飼料作物を一生懸命つくれと言ったって、つくれるもんじゃありません。言っていることとやっていることがこれでは首尾一貫しないではありませんか。せめて、思い切って、ことしは労働評価を一本化するということに次官は踏み切ってくれるものと私は期待をしておりましたが、これはみごとに裏切られた。いまのお話しを聞いていると、どうしてもその点が私は納得できません。むしろ、極端なことを言えば、よそのメリットで埋め合わせするなんというような、そんな小手先のことではなくて、これこそまともに取り組むべきではないですか。これが酪農を推進させていく最も大事な政治の基本ですよ。そのことを私は強く申し上げたいのですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 小手先で埋め合わせをしようというのではなくて、私のところには統計情報部があるわけですね。その統計情報部の調査によってこれはやっておることであります。ですから、実際の日雇いの実態というものを反映させて、それでやっているんです。人によってこれはうんと違いがありまして、統計情報部の統計を見ると、これは去年の四十八年のものですが、たとえば酪農家の牛乳生産費というんですから、加工原料乳から何から一切がっさいを含めた統計等を見ても、非常にばらつきがありまして、平均すると、一日当たりの家族労働報酬というのは約四千円ぐらいになっているんです。しかしながら、今度は、四十七年、四十八年にかけての階層別になりますと、一、二頭だと二千円未満にしかならない。たとえば十頭から十三頭ということになりますと四千三百円ぐらいになる。あるいは、二十頭から二十九頭で五千四百八十八円になるというようなことで、これは階層別の問題もありますから一がいにどうこうというわけにはまいりませんが、結論は農家の所得だと私は思うのです。計算の方法がどうであっても結論的に実入りが多ければいいわけですから、家族労働報酬というものは、その中に地代も入れば、あるいは、いま言ったように、実際の労働時間は政府の考えたよりも少なかったという人はもっと利益が強く出るわけですね。そういうようなことで、たとえば先ほど言ったように、減価償却費でも、買ったものは当時は安いんだから、実際はそんなにかからない。だけれども、高く評価がえをしていて、それで乳価をもらうということになれば、そこも家族労働費にはこれははね返ってくるわけです。実態の調査との関係がありますからね。ですから、総合的に勘案をすると、皆さんからけしからぬとしかられるほどではないと思う。農林省としては、ことしの今度の試算というものは、ただ単にえさ代の値上げを織り込んだというだけなら、えさ代の値上げは六円とも言えば、ともかく五円とも言っているわけですよ。計算によっては三円だなんていう人もある。いままでの見方から見ても、一円とか、三十銭とか、あるいは去年はずば抜けて上げて三円だったと言うけれども、そんなものではなくして、最初から十五円というようなものを政府の原案として出しているのですから、それはきわめて一生懸命誠意をもってやったというようにお考えをいただきたいと私は思っております。  また、あなたの見解も十分聞いて、われわれはここでどこまでもこれ以外は絶対にはねつけるというのではなくて――そうかといって、これに自信はあるのですよ。自信はありますが、しかし、謙虚な立場で皆さんの御発言に耳を傾けますと言っているわけですから、これは総合的に御判断をいただきたいものです。部分的なことを言うと、また部分的な話が出て、それじゃ、百万円で買ったものをなぜ百五十万円で評価がえして、そんなよけいな経費がつくんだなんという議論も出てしまうのですから、これは総合的に御判断をいただきたい。十三円というやつは、いままでの過去の例から見て、そんなにしかられる数字ではないような気が私はいたすのですが、いかがでございますか。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 次官と話をしていますと飛躍した結論になっていくのですね。私はいまそれを言っているのじゃないのですよ。試算の方式の内容を言っているわけですね。総体的にいまの統計の数字に出てきた一日当たりの賃金というものからいまお話をされているようですが、その結果出てきたものがどうあろうとも、それをはじき出していくための単価というものは逆算から出るべき性質のものじゃないかとうのではないことを私は言っているのです。労働の質を正しく評価をすべきではないですかということを言っているわけです。ですから、結果がそれは六十三円でやれるというものであれば私は何も申し上げるつもりはありません。また、次官が一生懸命にこの問題に取り組んだということについて、私は少しもいちゃもんをつけているのではありません。一生懸命やらなかったとは言っていないのです。  ただ、いまの現状を踏まえたときに、非常な酪農の危機だということは自民党の皆さんもおっしゃったわけですね。それは与野党みんな認識は同じなんです。その中で私も生懸命やったし、あなたも生懸命やったが、そのことは話は別なんですよ。幾ら一生懸命やったって、結果が悪ければいけないわけなんだから、結果が悪くないようにするためにはどうすべきかということを私は言っているのです。その中で、今日の乳価の試算の中で一番問題になるのは、いわゆる酪農家の労働評価をどうするのかということが一番大事な点です。これを見たときに、あなたが一生懸命に誠心誠意を込めてやったというのには、まことにこれはお粗末な数字ではございませんかということを私は指摘しているのでありまして、せめてこの労働の問題だけはことしは解決しなければいけないと私は思うのです。そうでなければ農業で働くことがばかばかしいというような気運がいま非常に台頭しているわけですね。同じ日本人であるなら、飛び抜けた話は別として、近郊で働くのであるならば同じ賃金が取れるということの仕組みをいま社会的につくっていきませんと、それこそたいへんな社会混乱が起こっている中で解消できないじゃないですか。だから牛を飼っても、ビートをつくっても、米をつくっても、労働の単価は同じであり、そういう中で一生懸命努力したけれども、経営上赤字の出る農家も出た、黒字の出る農家も出たというのなら、これはしかたがないと私は思うのです。ところが、基礎的な条件を統一しないでおいて、牛飼いはこれだけでいいんだ、しかも大事な基礎飼料になる牧草つくりはこれだけの労働単価でいいんだというような、そういうきめ方をするということは政治家のやることではないのじゃありませんかということを私は言っているのであります。  これは、これだけで時間を食ってしまいますので御答弁は要りませんが、私の申し上げていることはおわかりになっているのでしょうね。わかっているのか、わかっていないのか、それだけ答えてください。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 あなたのおっしゃることはいつも非常に良識ある発言だと思って私は聞いておりますから、実によくわかっております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そうじゃないのです。どうか茶化さぬでいただきたいのであります。これは私はほんとうに大事な点だと思うのです。これを直せば、ほかの、そのときどきに出てくるところの、肉の価格はどうだとかこうだとか、こんな問題なんか解消してしまうのです。だから、これこそまさに今日の政府側の考え方の象徴になっている悪い点だと私は思うのです。これをなぜ直せないのかという点については、どうしても納得ができない。そういうことを私は強く申し上げておきます。時間の関係で先に進まざるを得ませんが、どうやら、この議論については、もう少し別な機会にやらなければいけない点だと思うのです。  そこで、この要求の中には、ことし初めて付帯労働という項目が一つ出てまいりました。これは米で間接労働ということばでつけられている項目でありますが、特に酪農家の場合は、私がいまここで時間もないのに長々おしゃべりする必要はないほど非常に技術の要するものである。そして、また、いろいろな機械を使ってやる。また、装備のたいへん複雑な業種でありますから、これに対する技術の習得というものは、ずいぶん時間をかけてやることを必要としなければならぬ部分であります。しかも、相当綿密な計画を立てて、常に点検を繰り返しながらこの経営を続けていかなければならぬという、高い経営者としての能力を要求されるものであります。それだけに、直接牛の乳にぶらさがっている時間とか、牧草をつくっている時間とか以外に、いわゆる経営をスムーズに進めていくための相当の時間というものが付帯して必要であります。このことは申し上げるまでもありません。昨年も同じことを繰り返し繰り返し言ってまいりました。こういう時間というものは経営をやるために必要な時間なんだけれども、これをなぜ酪農の場合は認めようとしないのか。この点、ことしはそういう議論を部内でおやりになりましたか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  いろいろと御要望もございましたので、部内では検討をしてみました。ただ、この付帯労働費につきましては、研修とかその他の労働の関係になるわけでございますけれども、それに要する時間でございますとか、そういったような点につきましてはなかなかきめ手がございません。したがって、データもないわけでございますので、これはなかなか取りがたいという結論になった次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 基礎になる数字がなかったから取り上げなかったということでありますが、しかし、これはかなりの調査をする気なら、こういう時間というものは当然出てくるはずであります。やる気にならなかったのではありませんか。最初から問題にしていなかったということのほうがお答えとしては適切なのではありませんか。私は、そう疑わざるを得ません。ずいぶん長いこと、こういう問題についてはわれわれも主張してまいりました。実際にやってみると、非常にそういう時間というものがたくさんかかる。米の場合は認めたが、酪農は、米と比べて決して少なくない。こういう間接的な技術習得と、それから、また、いろいろな記帳もこまやかにやらなければならないし、正直言ってたいへんなんですよ。一日の搾乳が終わったあとで一頭一頭の野帳を整理して、そして乳量記帳をやりながら、また、飼料もそのときどきによって非常に基礎飼料も変わりますから、あすからどういう飼料を食わせるかというようなことも計画の中で盛っていかなければなりません。経営を進めていく場合に、手さぐりで、ごさんぱちに経営をやっているのでは決してありません。非常に綿密な計画のもとに進めていっているのであります。そういう時間というのは、茶の間で寝そべってテレビを見ているのとは質が違います。この労働を価値として認めないということも、前段の議論と同じように、きわめて不親切な不適当なやり方ではないかという気が私はいたします。政務次官、いまの私の意見はお聞きですか。これは大事な点なんです。部内では議論があったようでありますけれども、しかし、基礎資料がない。手がかりになるものがないので今回これは取り上げなかったという審議官のおっしゃり方ですけれども、最初からやる気がなかったというふうな感じに私にはいま聞こえました。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 初めから検討をしなかったのではないかというお尋ねでございますけれども、先ほどちょっと申し落としましたけれども、付帯労働費というものの範囲につきましてもいろいろ問題がございます。それから、そのとりようによりましては、これはみずからやるべき仕事ではないかというようなものもございます。そういったような振り分けをどうするかという点につきましてもかなり問題がございますので、先ほど申し上げましたこととあわせまして、採用をしがたいということになった次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 統計上はこれは出てこない項目ですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 統計情報部の統計上は出てまいりません。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 政務次官、これは今後の統計上、統計によらなければならぬということを盛んに依拠点として強調されているようでありますから、これは統計上の一つのミスと言っていいと私は思うのですね。今後こういう項目は統計情報部に命じて直ちに調査を進めるということをやっていただかなければならぬと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 どうして載っていないのか、私もあまり技術的なことはよくわかりませんが、一ぺんよく検討してみます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 そこで、受胎率の関係でありますけれども、今回の試算の中では、受胎率をどのくらいに見ておりますか。それから、種つけ周期といいますか、分べん周期については何カ月を基礎に置きましたか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 子牛の出産につきましては、年間雄、雌合わせまして〇・九二頭の計算になっております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 分べん周期は何カ月に見ているのですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 新しく入ります初産の若雌牛の関係がございますので、ちょっと厳密には計算上申し上げられません。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それがわからぬで、どうやってこの計算が出てきたのですか。調べてみてください。  それでは、次に進みますが、ところで、副産物の中の子牛の評価額でありますが、政府の試算内容を見ますと、二万四千円という評価をしているのであります。これは肉価格にして、単価幾らではじき出しているのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これは、先ほど言っているように、あなたの言おうとするところは、いま二万四千円しないじゃないか、かつては六万円もしたけれども、いまは六千円か五千円しかしないじゃないかということを言いたくて言っているのだろうと私は思うのですよ。だから、最初から私は言っているのです。これは統計上の、人の計算の約束ごとであって、たとえば牛でも、この表を見ればおわかりになるように、牛の減価償却費が去年よりもふえたということは、死亡率が高くなったという意味じゃないのです。牛の値段が高くなったということなんですよ。ところが、実際には牛の値段は安くなっているじゃないかということですが、だけれども、それは去年の六月時点のやつを物賃修正をしているからそういうふうな擬制計算になって、安い牛を高くなったことにして減価償却が行なわれて、そいつが生産費の中に入っています。だから、同じようにこの子牛の値段も、いまの時点で言えば安いのだから、いまの時点でやれということになれば、全部いまの時点で、建物もいまの時点、それから、牛の値段も減価償却もいまの時点、全部そういうことになってしまう。どっちがプラスかと言えば、いまの時点でやった場合は、農家の経費は少なくなってきて、減価償却なんか、乳価の点ではこれは非常に不利になります。部分だけを取り上げれば、いま言ったような問題があります。だから、全体で見てくださいということを私は言っているのです。島田さんの言わんとするところはそこをつきたかったのでしょうから、先回りして、お答えして申しわけないが、そういうことで御了解をいただきたい。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 ぼくは、正直言って、もっと先回りをしているのです。政務次官が先ほど美濃委員に対して答えられたこともよく承知をして、同じことをいま聞いたわけですけれども、私がいま言おうとしているのはこういうことなんです。そういうふうに、取り扱う場合にいろいろな操作のできる部分であるわけでしょう。言ってみれば、いま政務次官のおっしゃったようなやり方もできる。たとえば、いまの肉価格三百円に、四十五キロから五十キロぐらいの生まれた子牛の目方をかけていった一万五千円というふうな評価でやることもできる。このように非常に幅のあるものなんです。そして、また、それは非常に政治的に判断をすることのできる部分でもあるわけです。かつては雄子牛などというのは、私なんかもそうでしたが、しょうちゅうか酒一升つけて人にもらっていってもらった時代があったのです。これはずいぶん長いことそういうことが続いた。最近少しばかり肉の値段がよくなったために、今度は逆に、しょうちゅうをつけるどころじゃない、大事にして売ってやるというふうなことになったのですけれども、しかし、雄子牛ばかりを私は言うのではなくて、昨年の動きを見ていますと、肉価格がよくなるということは、言ってみれば、本来の酪農が、いわゆる牛乳生産が下降線をたどっていくということの一つの現象なんですね。その一つのあらわれなんです。ですから、こういう部門にあまり大きなウエートをかけた計算なんかはむしろやるべきではなくて、こんなものくらい――こんなものぐらいと言ったら悪いですが、この部分ぐらいは酪農家が息をつく余裕として残すべきではないですか。私は極端に申し上げますけれども、これはこの計算の中から除外すべきだ。実は、わが党は昨年十一月に農林大臣にこのことを申し入れをいたしたわけですけれども、この部分は政策的に判断をして、今日酪農がこういう状態の中ですから、しばらくの間除外項目とすべきではないか。堆肥も同じように私は考えているのです。ですから、政務次官のお考えよりももっと先に進んだ考え方で私はいま申し上げているわけですが、こう幸いう政治判断についてはいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これは、除外ということはできないと思いますが、いま言ったように直観的に見るとどうもおかしいという点があるのですよ。しかし、それは親牛のほうを忘れてしまってはいけませんよ。親牛のほうも下がっているんだから下がったときに何で再評価して高くして、よけいに経費がかかったようにして乳価をふくらますんだという議論も出てくるわけですからね。だから除外はできませんけれでも、あなたのおっしゃるこういう事態の問題であるから、よくそこらのところは研究してくれという話だと思います。したがって、いま言った労働費の問題や何かは、われわれとしては皆さんの意見も十分に聞いてみたいと考えております。しかし、私が先ほど言ったように、おまけといっては何ですが、擬制計算上余分についているところもかくかくあるのですよということをやはり頭に入れておいていただきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 政務次官が盛んに強調される部分については、ことしのような場合は、試算方式例を思い切って変えるということの発想があってしかるべきだと私は思ったのです。ところが、実は、全体を通じてはっきりとああここが政務次官が言ったような点だなということがよく中身を調べていかないとわからぬように、それほど目立ってこの試算方式を変えている部分がないから、だから、せめてこの部分ぐらいは試算を変えるという発想に立ってやるべきではないかということでこの労働費の問題とか、こういう償却の副産物の評価の問題とかをいままで申し上げているわけです。  そこで審議官にお尋ねしますけれども、ずっと調べていきますと、乳牛の共済掛け金というものがどこに入っているのかがちょっとわからないのですが、これはどこに入っていますか。共済掛け金ですね。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 打ち合わせしているようだから、その前に、政務次官どこがうまく特別ことし変えたところかということから申し上げますがそれは、素牛、搾乳牛の評価を去年は六分の一だけ物価修正しているんですよ。評価がえを、ですね。ことしは全頭数について評価がえをしているんです。だから、かなりの差が出てきている。かなり変えているんですよ。だから、それはもうあなた方の日ごろの議論も聞いて、それは変えろということでこれはつくらしておるということもついでに御理解をいただきたいと存じます。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 共済掛け金でございますが、家畜共済制度につきましては、これは掛け金をかけ、給付を受けるというような仕組みになっておるわけでございますので、この計算上は、掛け金のほうも給付のほうも両方見ておりません。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 両方を見ていないと言いますけれども、共済金をもらうほうの者は――これは本来乳価の中に入るような筋合いのものじゃありませんね。ところが、掛け金というのは経営費の中なんですよ。経営を守っていくため必要な経費なんですよ。ところが、もらう者は事故が起こったからもらうんであって、事政が起こらなければこんなものはもらうものじゃないのです。ですから両方入れてないという議論にはこの部分はならないんですよ。これは入れてないというのは、次官、重大なミスなんです。私は入れてないと思ったからいま聞いたんですが、あにはからんや、いまのような御答弁では、これは本末転倒なんです。片や事故が起こるからもらう金なんであって、経営を守るために必要な掛金と同じく取り扱うということにはならないのですよ。明らかに経営費なんです。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、共済につきましては、掛け金をかけますその見返りといたしまして、病傷の場合にも、それから死亡の場合にも必ず給付があるわけでございますので、両方とも見ないということにいたしたわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それはおかしい話ですよ。そんなばかげた話がありますか。だって、経費じゃありませんか。これは経費です。経費じゃないのですか。どうですか。これは経費ではないとおっしゃるのですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 経費の扱いにはいたさない、こういうことでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それはどうしてですか。しないならしないでけっこうですが、どうしてですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 再々お答えいたしておりますとおり、これは見返りといたしまして必ず給付がある仕組みでございますので、そういう扱いにいたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 必ず給付があるというのは、一体どういうことですか。必ず給付なんかないんですよ。これは一年間かけっぱなしなんですよ。何年かたったら金利がついて返ってくる生命保険と違うのですよ。それは何と言われても、そういう御答弁には私は納得できませんね。それは違いますよ。明確にこれは違うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 厳格に言えば、それは当然両方入れるべきだと思います。収入にはもらったほう、それから、支出はかけたほう、と。しかしこれは、私は計算していないから常識論で申し上げますが、全体的にかけたほうともらったほうとを比べれば、それはどっちが多いかと言うと、これは大体皆さんすぐ想像がつくだろうと思います。もらわない人ももちろんありますが、数でいっていますから、国のほうは必ず助成をしてかけたもの以上のものを出しているわけですからね。それが統計に出てきますから、乳価の計算上プラスになるかどうか、これは私は非常に疑問がある。むしろマイナスになるのではないかという気がいたします。だけれども、理屈から言えば、あなたのおっしゃるように、キロ三十銭かそこらだそうですが、これは経費に入れる。そのかわり、もらったほうは収入に入れるようにするのがあたりまえだ。しかし、これは、乳価全体として上げようと思ってお話したけれども、実際はそのことがやぶへびになって、農林省に変なことを教えちゃったみたいなことになってもどうかなという気もいたしますし、ここで正確な会計論議をやるわけではございませんので申しませんが、そういうふうな、収入、支出は載せるべきものであるが、全体として、われわれとしては必ずしもプラスにならぬと思う。それで、金額も実際僅少であるという点から、収入にも支出にも入れてない、こういうことであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 しかし、私は、その議論にはちょっと承服しかねますよ。払うのは経費です。経費の中に完全に入る。それはもらったあとのバランスで、結果的にはいま次官がおっしゃったように多くなるという場合もあるかもしれません。しかし、それは乳価の中に入るべき性質のものではないのです。一つの補償金ですからね。しかも、その金は、もらった場合には税金で引かれるんですよ。これは税金で取られるんです。税法上だってこれはおかしいんですよ。経費の中から払う掛け金なんです。それをもらったやつは牛乳代と同じような収入だという見方は、それは見方が違うんです。これはそういう性質のものではありません。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは見解の相違だと思いますが、廃牛処分したものはもちろん収入に入るわけです。だから、私も大まかに書ってちょっと言い過ぎたかもしれませんが、疾病傷害等の獣医師に支払った料金及び使用した医薬品、防虫、殺虫剤、消毒剤のほか疾病傷害共済掛け金は、これを計上してある。――してあるんだそうです。ちょっと訂正いたします。疾病掛け金としては、その他の収入で獣医師及び医薬品という中に入っておる。しかし、これは一キロ当たり幾らという非常に小さなものである。(「入ってないと言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)だから、それを訂正いたします。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 これは入ってないでしょう。いまおっしゃっているのは、医療費とか獣医さんにかかったものは、それは入っていますよ。それはわかっているんです。掛け金が入っているのかどうか……。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 私のあやまちで、つつしんで訂正さしていただきます。  ただいま政務次官がお答え申し上げたとおりでございまして、獣医師及び医薬品費の中に疾病傷害共済掛け金ということで計上をされております。たいへん失礼を申し上げました。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それは幾ら入っているんですか。(渡辺(美)政府委員「わからぬな。これは統計調査にでも聞かなければわからない」と呼ぶ)わからぬという話ですけれども、しかし、わからぬで、項目だけあげているという、そんなばかな話がありますか。たとえ一銭であろうと、五厘であろうと。(発出する者あり)  それじゃ、先に進みますが、しかし、その辺、数字的に明らかでないというのでは、ただ入っています、入っていますと言われても、どこをさがしてもどうもよくわからぬから私はお聞きしたわけです。訂正の部分がありましたから、訂正は訂正として、それは私は肯定いたします。しかし、そういうふうなわからない入れ方というのはやめて、やはり明確にすべきではないかと思います。どうもその辺が私もまだ疑心暗鬼で、入っているという訂正があったからそうかなと思っているだけで、明確にそうだという根拠がないので、私としても、この点はこれからよく数字を示してもらった上で検討したいと思います。  そこで、三月になりまして当委員会でも問題になりました乳業メーカーの不当利益という問題があります。そこで、今回のこの基準取引価格の算定にあたって、この点が非常に私ども気がかりになる点であります。私どもがいろいろと調査をいたしましたのはもうすでにこの委員会で議論がなされておりますから、二番せんじのお話しをして恐縮でありますけれども、今回基準取引価格を決定するにあたって、これは非常に重要な意味を持ちますので、私はあらためて別な角度からこの点をお聞きしたいと思うのです。  それぞれ指摘があったように、四十七年度における不当利益ということばを使って発表されました数字というのは、四十七年度で実は六十九億二千六百万、四十八年度で、予測を入れまして六十二億にのぼるだろうというふうに言われております。合わせますと百三十一億数千万にのぼるというふうに実は推定がされるわけであります。最近の乳業メーカーのいろいろな動きを見ておりますと、確かに酪農家がこれぐらい困っているのに、乳業メーカーは余裕があるばかりか、えらくもうけたんだなという印象を持たざるを得ないようなことが一つ出てまいりました。三月二十五日にそれぞれの労働組合と使用者との間で賃金の問題の交渉があった中で、二十五日に第一次回答が出てまいりました。これは一つの報道によるものでありますから確かなことはわかりませんが、これによりますと、雪印、明治、森永、協乳、グリコのこの大手五社がそれぞれ第一次回答を出しているのを見ると、なるほど百三十一億もうけたということが裏づけされるなという感じの回答が出ておるようであります。それによると、かつてない大型な賃金の上昇額が示されたということですが、たとえば雪印は一万九千百五十円という第一次回答だそうですよ。一回言ったらすぽっと出してきたという回答がこれなんだそうでありますが、こういうふうに見てまいりますと、不当利得だと騒がれている問題については農林省も調査を進めたようでありますが、この結果については非常に関心を持って見守らなければならないと思います。私はこの点を考えますときに、今回の基準取引価格を決定するにあたって、たとえば四十八年度で推定されるのはキログラム当たり四円六十三銭、四十七年度の結果では、逆算いたしますと、四円九十七銭がいわゆるこの基準取引価格より、もうけた分で、安定指標価格が飛び上がったことによって得られた一キログラム当たりに換算する金額になっているのであります。こういう点を今度の基準取引価格の決定にあたってどのように配慮をされたのか、この点がまず一つ聞きたい点であります。  それから、安定指標価格のきめ方でありますけれども、この中で、実は、メーカーの製造コストというものが試算されております。この中の、いわゆるメーカーで働く労働者の平均賃金は幾らになっているのでしょうか。  この二つをまずお尋ねいたします。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 この前の国会でも、安定指標価格と実勢価格が遊離し過ぎているじゃないか、実勢が八百円以上になっている、けしからぬじゃないかと話いうがありまして、全くそのとおりだということで、去年もキロ一円ですか、出させることにして、ことしも一-三月のうち幾らか出させようということで、合計十数億円ぐらいの金になりましょうが、そういう考えをわれわれは持っておるわけであります。しかし、これは、最初からそういうふうに高く売るのならば物価の問題等もあるのでございますが、現実に安く売らないというなら、ひとつ安定指標価格を上げちゃって、そうして乳業メーカーのもうけを少なくしちゃう、と、こういうふうなことを考えまして、今回の試算の中では約十三円弱、十二円九十二銭をメーカーに負担をさせる、ぎりぎりの線をやらせるということに実はしたわけであります。  そこで、また、メーカーがその分だけ値上げして売るということになりますと困りますから、今度は、売るほうは相当強力な行政指導をして植上げを押えていく、それでなければストレートで酪農製品の値上がりを消費者にかけるということになりますので、それは極力押えていく、こういうような方針でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 ことしのこの安定指標価格を決定するにあたって、いわゆるマージンというのを何%に想定いたしておりますか。それは乳価一キログラムに換算いたしますと幾らになりますか。  それから、もう一つは、販売費用の中の純利益というのが四十七年度で二・八三%含まれていますね。ことしのこの指標価格決定にあたっての、この利潤の率はどのぐらいの数字に押えているのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 こまかいことは事務当局から答弁させますが、不況産業並みにやれ、不況産業並み、去年よりも少なく、そういうことで計算をいたしております。具体的な問題は事務当局から説明をさせます。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 メーカーの利潤でございますけれども、来年度の、ただいま開催いたしております審議会に諮問をいたしております試算では一・二六%と相なっております。(島田(琢)委員「それはマージンですか」と呼ぶ)製造業者利潤でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 不況企業並みにということがありましたけれども、昨年の基準取引価格は四十円四十九銭ですね。ところが、先ほど私が言いました四十八年度の超過利得部分と思われるキロ当たりの金額は四円六十三銭であります。そうすると、昨年一年間で四十五円以上の乳価をメーカーが払ってもよかったはずであります。ですから、先ほど三円を取ることにしたというお話しでありますが、この三円をどうやって取るのか、私はわかりませんけれども、ことしの見込みから言いましても、もっとこの基準取引価格というものは上げてしかるべきではないか。いま一・一%かのマージンということで計算をしているということでございますが、しかし、実質は、原料バターにいたしましても、脱粉そのほかの指定乳製品にいたしましても、市況は強含みで、決して安くなるという気配がありません。だからといって、われわれは政治家でありますから、消費者の皆さん方に全部負担を押しつけていいということを言っているのではありませんが、少なくとも消費者のところにも返っていかなければ、生産者にも返ってこない、どんどん有利な配当ができるような不当な利得を許すということは、これはいけないわけでありますから、適正にこの基準取引価格をはじき出して――私が言う適正ということばよりももっと強い語調で、いま次官からは不況企業並みにことしは扱うということでありましたが、そうだとするなら、きめられたことしの基準取引価格というものはまだまだ低過ぎるという気が私はするのです。これはもっと検討し直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 諸般の事情を考慮して、妥当なものと認めて提案をしておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 それから、次に、もう時間が参りましたので最後になりますが、かつてない非常な酪農の危機を迎えているさなかにおける保証価格の決定でありますが、昨年度のいわゆる三円三銭の値上がりによって政府が財政負担をいたしましたものが、推定ですけれども、百七億くらいだろうと思います。その後つかみ金として四十億が支出され、今度二月の時点で十六億というようなことでありますから、そうしますと、まだ出ておりませんけれども、四十八年度中には、実質財政上の負担として見込まれるものは百六十三億になるわけです。十六億を除きましても、昨年出されました四十億では百四十七億という財政負担になる。ところが、ことしは政府の財政負担額というのは、諮問案による限り百三十七億ぐらいの推定であります。そうすると、国の財政負担というのは昨年より減るということであります。こういう危機状態を回避しようとするときに、政府が財政上の手当てをするということに前向きの姿勢を示すべきだと私は考えるのですが、こんな程度で、国はさっぱり手をつけないでいて、どこかの責任で酪農の危機を回避しようなどというような姿勢は、私は、これはきわめて消極的だと思うのですが、次官、これはいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 国の財政負担というのは国民の税金から負担をするわけであります。したがいまして、国の財政負担をする前に、あなた方がおっしゃるように、乳業メーカーは同社もありますが、そういうところに不当な利益を与えてはいけません。したがって、それをまず吐き出させる、そして今度は国の財政負担もする、こういうことでありますから、全体のものはかなりなものになっておる、こういうふうに御理解をいただきたいのであります。

島田琢郎日本社会党

○島田(琢)委員 もちろんそのことも大事であります。しかし、国みずからも、今日の酪農の危機を回避する、日本の酪農の確立をはかるという前向きの姿勢が同時に示されて、初めてそれが今日の政治の姿勢だと私は思うのです。そういうものを同時に示すという強い考え方をこの際持っていただきたい。したがって、大幅な乳価の改定が必要だということを私は強調しておきます。  さらに、また、もう一言だけですが、先ごろ全中の宮脇会長が田中総理と会見をいたしました。乳価問題、畜産物の価格問題で会見をした際、総理から、諮問案は別にして、今日の酪農の危機はようわかっているから――例によってのわかったわかったという程度では困るのでありますけれども、政治責任においても、ぜひとも皆さんの期待に沿えるような乳価をきめていきたい、と、諮問案が出た後にそういうことを言っているわけです。これは相当大幅にいまの諮問案を手直しするというふうに総理はお考えだと私は受け取っておりますが、それを受けて立つ農林省は、それを否定されるような行動があってはたいへん困ることでありますから、総理の意思に沿って、十分な手直しをして、少なくとも八十八円四十三銭という最低の要求を実現されるように特に要望いたしまして、私の質問を終わります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 中川利三郎君。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 午前に引き続きまして重ねて質問するわけでありますが、先ほどもお話しがありましたように、乳業の大きなメーカーが不当利得をあげておる。その額は年間百二十億だというお話しが出されて、前回の委員会でだいぶ問題になったのでありますが、その後これがどうなっているのか。還元させるのかどうかですね、これをあらためて御答弁いただきたいと思います。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 いま百二十億という数字を出されましたが、どこから百二十億が出たのか、この間の話では六十億円ぐらいもうけたじゃないかと――これは共産党じゃなかったかな、どこかからそういう話が出ましたが、しかし、その六十億円が不当利得かどうかということになると、必ずしも不当利得ばかりとは言えない、それだけ余分にもうかった計算にはなっておるが、その中から、メーカーとしては、その牛乳の送配とか、あるいはそのほかの助成金とか、いろいろなものが出ておりますから、それを差し引いたものはまあよけいにもうけたものだ、したがって、そういうようなものについては、一-三月の間においてもある程度のものを出させるようにわれわれは交渉いたしております、と、こう言ったわけです。  それから、ことにこれから先の一年間において、安定指標価格をそのままにしておけば、それはそのもうけが累積をされるということで、そうなれば百億ぐらいもうけになるかもしらぬ。したがって、それはけしからぬということなので、今回は十二円九十何銭という、約十三円近いものをメーカーから吐き出させるということで、その安定指標価格が実勢価格とほぼ同じで、それ以上に高く売らない限りは、今度はそういうもうけは出てこないはずであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が百二十億と言ったのは、二年間でということの注釈つきで、この間どなたか話したのをいま引用したのであります。あなたはいま、一-三月のものは乳業メーカーにある程度吐き出させると言ったが、つまり、吐き出させるというのは、このような乳業資本が不当利得をあげたから吐き出させるというのか、それとも、農民の窮状に同情して、政府がそれにお手伝いして吐き出させるというのか、どっちなんですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 御承知のとおり、安定指標価格というのは、なるべくその程度で末端売り値を安定させようという価格なんです。ところが、実勢がそこに落ちつかないで、それよりも高くなってしまった。そのために、その差額についてよけいに金が入ったということになるわけですから、そういう意味からも、また、一方、えさの値上がりというような点で農家の方が非常に苦しいというような点からも――これはメーカーがつぶれて農民が栄え、農民がつぶれてメーカーが栄えるということは、両方あり得ないことなのでありますから、ある意味では持ちつ持たれつのところも当然あるはずで、ホクレンの場合も同様のことであります。したがって、われわれは、その両面から考えて、それを出させるように行政指導する、こう申し上げたわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、安定指標価格を突き破って実勢価格で売った分は、不当な利益ではないというのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは、予定よりも以上に収入が入ったということになるでしょう。したがって、その間において、収入が入ったからベースアップもしたとか、あるいは収入が入ったから奨励金的なものも出したとか、あるいは収入が入ったから集配の経費も出したとかいうようなものがあれば、そういうものは、そのもうかったはずのところに当然食い込んでいるわけですからね。ですから、計算上もうかったはずであっても、べースアップが行なわれたり、経費がよけいかかったりすれば、当然その中に食い込んでおるので、それ全部が残ったままのぼろもうけというわけには考えられないわけです。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、一-三月分は何ぼ還元させるのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 前例もあることですから、そういうのを考参にして出させるように強力に指導したいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは、農民に還元させることをこの前約束して、その間、その実態を調査するということをおっしゃいましたね。しかし、調査した結果、そういう還元の額がまだきまらないというのは、おたくの調査というのはどういう一体調査をしたのか、調査の経過について御説明いただきたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  先般、当委員会におきましていろいろ御指摘のあったところでございますので、その後、各メーカーに対しまして、生産者側に対する各種の契励金の支出状況等につきまして報告を求めておる最中でございます。それがまとまりましてから、先ほど次官がお答えになりましたものが金額的にどのくらいということがわかってまいると存じております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この前問題になった焦点は、不当利得かどうかということは調査しないとまだわからないということでありましたね。したがって、そういう不当利得であるかどうかということを中心とした調査でありますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 ほんとうの話が、不当利得かどうかまだわからないんだよ。それはともかく、メーカーのほうも、安定指標価格で売った場合と実勢価格で売った場合と差がありますから、余分の収入が入った、しかし、メーカーのほうは支出が全然ふえなかった、月給も上げなかった、ボーナスもふやさなかった、広告もしなかったというのじゃなくて、おそらく、十二月のボーナスとか、そういうふうな世間並みの物価高による出費の増加もあったでしょう。だから、そういうものは当然食い込んでおるし、それから、奨励金の形で支出をさしたものや、あるいは集乳の経費等も出しておれば、そういうものもその中に食い込んでおるわけですから、全額について不当利益であるというふうには断定はできません。だから、その内容についてどういうふうな状況であるか報告させるという約束をしておるわけであります。あなたのこの前の質問から時間がそんなにたっておりません。鋭意こちらはやっているのですが、当方としては、御承知のとおり、酪農の計算もやらなければならぬし、乳価の関係、豚の関係、鶏の関係と、全部一諸に同じ時期に重なってきておって、そのほうだけに集中してやっておるわけではないので、事務手続が多少おくれておりますけれども、それはお約束した方向でやっておることは間違いありません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この前の農水委員会で、澤邊局長から、指摘される不当利益については、確証がないので調べたいという御答弁があったわけですね。いままた次官から、不当利益かどうかわからないので、それをいま調べ中だという意味の御発言があったわけですね。私の手元にある資料によりますと、農林大臣の倉石忠雄さんが、昭和四十九年三月十五日に乳業各メーカーにあてた通達があるのです。それは、「「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」第二十三条に基づく報告の徴収について」というものですが、つまり、先ほど澤邊さんのおっしゃったのは、これを出していま調べておるということですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 おっしゃるとおりでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この通達によりますと、昭和四十九年三月十五日にこの通達を出して、そして、徴収の期限として、四十九年三月二十三日までにこの報告をせよということが書いてありますね。あなたはいま徴収中だというお話しでありますが、きょうは三月二十八日でございますから、二十三日までということでございますので、どういう結論が出たのか、そこら辺をお答えいただきたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 提出期限が二十三日となっておりますが、若干ずれずれにおくれておるようでございます。全部出そろっておらないということでございまして、ぼちぼちと報告が来ておる状況でございますが、早急に促進をさせまして、取りまとめをいたしてみたいと存じております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたはぼつぼつといま集めつつあるのだ、まだ全部集まっておらないのだというお話しでありましたが、しかし、何百社に出したのではなくて、森永、雪印、明治、もう一つどこかの会社、四つの会社に期限つきで通達を出して、それで、二十三日までに報告が来たのはどこの社ですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 ただいま問い合わせをいたしまして後刻御報告をいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは、ぼつぼつ集まっている、まだ全部集まらないと言ったでしょう。それで、まだこれを問い合わせをしなければならないのですか。  では重ねて聞きますが、きょう現在までに集まっておるのはどことどこですか。あわせて御答弁いただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 農林省のほうにいま問い合わせをしておるのです。あらかじめあなたのほうから、こういうことで、あしたは前の催促をして、こうなっておるからと親切に言ってくれれば、いますぐさっとお話しするのだが、突然言われたのでは、持ってきていないので、農林省のほうに問い合わせをしておるわけですから……。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林省への問い合わせだから、いまここで電話で問い合わせができると思うのです。それでは、その返事が来るまでこの質問は保留します。  そこで、お伺いするわけでありますが、不当利得であるかどうかを調べるという皆さん方の趣旨であるにかかわらず、倉石農林大臣が――これは局長通達じゃない、大臣通達だな。それで、どういうものを各会社に記入させておるかということだが、これを見ますと、「生乳取引状況報告」という本もつくって、これに従って書いてよこしなさいというやつだ。これを見ますと、一つは「用途別価格の内容」ですね。二つは「奨励金等の内容」ですね。こうなっていますね。特におもしろいのは、この備考欄といいますか「記入要領」というところがございまして、その四番目を見ますと、「奨励金等の額とは、名目の如何を問わず、生乳の取引に関連し、指定生乳生産者団体又は直接農協等に支払ったものをいう。」というふうに書いてあるんだな。あなたはメーカーの代理じゃないでしょう。メーカーがどれだけ農民なり農業団体に奨励金として還元したか、つまり、そういう立場でこの備考の「記入要領」を書いていますね。もう一つ見ますと、「集送乳関係助成額についても、集送乳助成金等として乳業者が支払ったものは、奨励金等として扱う。」ということも書いてある。この全部のどれを見ても、一体、どこで不当利益が明らかになるようなしかけになっているのですか。むしろ、メーカーの立場を代弁して、農民に対して、メーカーがいかにすばらしい、いいものであるかということで、還元しているのがあとこれもないか、これもないかということをかわりになってさがしてやっているようなものじゃないですか。あなたの御趣旨である不当利得かどうかということを判定することと、この調査内容の各項目というのは何も関係ないでしょう。これを見ますと、どこを押せばそういう不当利得の判断ができるということになるのですか。その点をお伺いするのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 そうあらたまってお伺いされてもなんでございますが、確かに奨励金というものをどこに払ったか、奨励金と言われてもわからぬということの御質問等があろうかと思って、電話でどういうことになったか私は知りませんが、奨励金というものは名目がどうであっても、牛乳の取引に関係をして、指定生乳の生産者団体あるいは農協などにともかく直接還元をしてやったというようなものは全部書いて出しなさい、こう言ったのであって、そう何でも勘ぐられてものをいわれても困るのでありまして、われわれとしては、国会でも最初からこれは全部不当利得だとは断言しておらないのですから、それだけ金が入って、その中から経費として出たものもあるだろう、だから、どういうふうな金がどういうふうに出ておるか、その余分の出費について皆さんが不当利得だ、不当利得だと言うから、実際どれぐらいの支出の状況になっておるか、それを報告しなさい、こう言ったのであって、われわれのほうが、最初からおまえは不当利得で、不当にネコババをしたというようなことは農林省の立場としては申し上げられない。ですから、客観的に、冷静に、われわれとしては、あなたはこれだけの金が入ったはずですが、その金の中で余分に入った金はどういうふうにお使いになりましたか、それから農業団体や何かに御寄付なさったとおっしゃるならば、どういうふうに御寄付なさっていますか、こういうことを書いて出してください、こう言ったのですから、メーカーの手先だなんて頭からきめつけないで、もう少し紳士的にお話しをいただきたい、かように考えます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 客観的に、冷静に紳士的にもう一回お伺いしますと、あなたは、メーカーを不当利得ときめつけるわけにいかないと言うけれども、それにしても、メーカーの特定不当利益かどうかが前回の農林水産委員会で焦点になったわけですね。そういう農水の各議員の質問に答え得るような内容のものがこの中にもないでしょう。あなたは何だかんだと言いますけれども、これでは、全くメーカーの代理になっていると同じような、客観的な効果しか生まないでしょう。ほんとうに還元してほしいという農民の要求にこたえるものがこの中にどこにあるかということ、このことでお聞きしているわけですが、それをあなたは非紳士的だなんて言うことは、少し口が過ぎるんじゃありませんか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは、農林省のほうは、最初から全部不当利得であるというようには申していないのですよ。調査の結果、それはどういうふうなことになるかわかりませんが、最初からそういうことは言っていないし、不当利得の内容調査だというようなことも言っていないのです。だから、あなたのほうから話があったし、もっともなことでもありますから、それは、余裕があるものならば、やはり農民に還元をしていただきたいという気持ちは同じなので、われわれとしてはこういう照会を出したわけです。この照会の内容が「記入要領」等と書いて、その記入要領等が少し親切過ぎるとか、あるいはどうとかいうふうな御批判があるかどうか知りませんが、なるべくわかりやすく書いたほうがいいだろうと思って書いたので、別に他意はございません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こういう問題が問題になったら、まずお調べになるのは、メーカーが団体にどれだけ奨励金を払ったかなんということを調べるんじゃなくて、メーカーの原価構成をはっきりつかむこと、そして、どうなんだ、これはおかしいじゃないか、と、こういうことなら私はまだ話がわかるんです。何ですか、これは。あんまり長く言えばあんたもまたあれでしょうから、それでは、次にお伺いしますが、安定指標価格というものがあるわけですね。この中にはメーカーの当然のもうけ分が含まれているはずだと思うわけでありますが、どの程度のマージンを織り込んでいるのか、この点についてお聞きいたします。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 製造業者の利潤といたしまして一・二六%を見込んでおります。これは、四十八年度の基準取引価格の試算にあたりましてきめました利潤二・三七%からかなり下回った数字で押えております。これは、先ほど政務次官からお答えがございましたとおり、趣旨といたしましては、酪農の昨今の状況にかんがみまして、不況産業並みの利潤ということで定めましたものでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 不況産業並みの利潤を織り込んで何百億円ももうけるとは、メーカーというのはいい商売ですね。やめられないね。  そこで、お伺いするわけでありますが、いずれにしても、安定指標価格の中には、推定製造販売費用だとか、製造業者のマージンといった、メーカーのもうけ分がちゃんと含まれているわけですね。ですから、それを突き破って、つまり、実勢価格とこの間が不当利得だとわれわれは考えているわけでありますが、しかし、先ほどの政務次官のお話しを聞きますと、人件費が上がるとか、いろいろなものも上がっているから、あるいは奨励金として還元されたものもあるかもわからないから、必ずしもそうは言われないのだ、と、こういうお話しでありますが、そういうものでしょうか。もう一回お聞きします。(渡辺(美)政府委員「もう一回」と呼ぶ)  あなたは何を聞いているんですか。もう一回ですか。この時間はひとつタイムの外側にしてください。  だから、私がお聞きしているのは、つまり、安定指標価格の中には推定製造販売費用だとか卸売りマージンというものが入っているわけですね。したがって、この安定指標価格を突き破って、実勢価格と言われるより高い価格でメーカーが売るわけですから、安定指標価格と実勢価格の間のものが、私たちの常識によれば不当なもうけをしたことになると思うのです。ところが、あなたの話をお聞きすれば、それは必ずしも不当ではないとして、その根拠として、たとえば人件費がその後上がるだろうし、その分もある、あるいは農協、農民団体に奨励金として何ぼかお返ししている分もあるだろうと、そういうことを言うておりますが、そういう考え方ですかということをもう一回念を押しているんです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 ですから、安定指標価格というのは、統制価格とかなんとかというんでなくして、この程度の価格水準でいいじゃないかという一つの行政的な水準の価格なんですよね。安定指標価格というものは、絶対それ以上で売っちゃいけない、もうそれでくぎづけである、それを突破して売った場合は罰則をかけるとかどうとかということではないので、実勢価格がそれよりも高くなったということについては、たとえば安定指標価格よりも高くなれば、政府は、それをさます方法として、たとえばバターを輸入するとか手持ちの脱粉を放出するとかして、そして、ともかく外的な圧力によって安定指標価格に戻そうという、これが目標価格なんです。ですから、安定指標価格をきめた場合は、その安定指標価格はいま言ったように標準の価格だから、これ以上に高く売れそうなときは、政府が手持ちのものを放出したり、外国から輸入したりして、大体その価格を維持しようと努力をしたのだけれども、実勢価格が強くてそれよりも上にいってしまった。だから、政府がもっと輸入すればよかったじゃないかという議論は、それはありますよ。もっともっと輸入してぼんぼんやったならば冷えるんじゃないかという議論もございますが、そこまではやらなかったということなんで、直ちにこれがメーカーの不当利得で、犯罪行為だというようにはならないのです。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 安定指標価格は必ずしも統制価格ではないんだと言うが、しかし、その中にはメーカーの当然の取り分が含まれているということはお認めになりますね。したがって、それ以外の所得というか、利得というものは、不当かどうかは別といたしまして、余分のもうけであるということだけは御確認いただけますな。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 実は、政府の畜産振興事業団の持っているものは、バターとか、チーズとか、脱粉とか、たくさん持っておって、それをぼんぼん放出すれば、安定指標価格が上がったときずっと下がるのですよ。だから、それがともかく不足したということ。それから、もっと大がかりな輸入をして下げるということをやればいいんだけれども、それをあまりにタイミングをはずしたという点もあるでしょう。いずれにせよ、それは政府に全然責任がない。安定指標価格よりも高くなったものはもっと下げろという意見は当然な意見なんです。だけれでも、それはともかく、いろいろな事情で、そういうような事情で輸入も足りなかったあるいは手持ちの放出も足りなかったということで、安定指標価格より、実勢価格が上がった、その結果的に余分な金が入ったということは事実なんです。だからこそ今度入ったものから十二円なり十三円というものをごそっと取りますぞ――ことしはこの水準を安定指標価格にしてしまっているんだから、これ以上にうんと上がる場合には、輸入あるいは政府の手持ちの放出、そういうふうなことで、あなたの言うように安定指標価格を上げてはいけないということになれば、それはそういうふうな間接的なもので押える以外にないのです。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこで、私が聞きたいのは、メーカーや乳業資本に対しては実際のもうけを保証したほかに、実勢価格だといって、より以上のもうけを保証するような仕組みになっているわけです。その中には不当利得もあるでしょう。何ぼかの支出もあるでしょう。つまり、そういう弾力的な余地を十分残しておきながら、一方、畜産の農民に対しましては基準価格を設けまして――これは一年一回ですか、きめなくては動かすことができないのだ。実勢価格を認めるならば、農民に対する、畜産農家に対する基準取引価格を変化させるということは当然じゃないですか。メーカーや乳業資本にはそんな弾力をたくさん認めさせて農民には、一たんきめれば紹対動かされない、こういうことは片手落ちだとは思いませんか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 そういう議論が出ますとやはり、不足払い制度をやめたほうがいいじゃないかという議論にこれはつながるのです。それは一つの見識なんです。つまり、一般の生乳、市乳の問題を考えてみれば、かりにメーカーが高く売るということになれば、生産者団体は黙ってはおりませんから、当然値上げをしなさい、それでなければ乳はとめますよと、幾らでもやれるわけですよ。ですから、そういうことになれば、生乳と同じように政府は介入しないで、メーカーと生産者と面接取引――もう普通の市乳のように、直接団体交渉といいますか、市乳は全部交渉をやってきめているわけですね。政府は介入してないわけだからね。それと同じような方式のほうがいいじゃないかという議論があるのです。生産者団体の幹部の中にもそういう議論があります。ある程度上げてもらって、あとはメーカーと生産者団体にまかしてもらいたいという議論も、私のところにも来ています。しかし、いま直ちにそれをやるということは、物価安定というような点からも考えて適当ではないというように私どもは判断をいたしておりまして、四十九年度はこの値段でいきましょう、しかし、安定指標価格よりも実勢価格が高くなって、ともかくこれを輸入や何かでさまそうとしてもなかなかさめない状態にあるから、この実勢価格まで安定指標価格を上げましょう、その近くまで上げましょう、それによってメーカーがよけいもうけたなんてことを言われないようにしましょう、こういうことが今度の試案なんですよ。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは質問したことに答えてくれればいいのであって、不足払い制度がどうのこうのなどということは一言も言っているわけじゃないのです。大体、メーカーや乳業資本には、人件費が伸びたからその分も当然かかっただろうとそういう大きい余地を残しておいて、片方の農民や畜産農家に対しては、年一回きめる基準価格で固定させる。えさはどんどん高くなっているわけですね。四回も高くなったら、それはやっていけないのがあたりまえでしょう。したがって、私が言いたいのは、たとえば四半期ごとにこの基準価格を見直すということが当然要求されてしかるべきじゃないかということです。農民の声としてのこれが不当なのかどうか、このことでお聞きしているのでありますから、間違いなく答えてください。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 安定指標価格というのは安定なんだからね。安定というのは、極端なことを言ったら、毎月変えていったら安定にならないのですよ。少なくとも、安定と言うからには、一年ぐらいを目途として、一年ぐらいは動かさないというのが安定なんですよ。ですから、それよりも高くなりそうなときには、さまして、その価格に押える。そうでしょう。それで、実際問題としてメーカーが買い切れない問題については、保証価格で政府がその差額を不足払いをする。制度がそうなっておるのですからね。ですから、ちょいちょい一年のうちに何回も直すというようなことは、これは穏当じゃない。ただ、ことしのように突然二月からまた値上がりしたというときに、ともかく年度内改定をすべきだったんじゃないかという議論は議論として当然あると思います。したがって、私どももこれからこの価格をきめるわけで、安定指標価格を上げたから、それで落ちつかせる努力をいたしますが、いろいろな努力をいたしましてもそれができないというような場合には、これはやはり畜産審議会を開いて、そうしてともかく改定するということにやぶさかではございません。しかしながら、安定指標価格をきめた以上は、その価格に落ちつかせるように、法律のたてまえがそうなっておるのですから、そういう法律のたてまえに従ってやります。そういう法律のたてまえでまず努力をしますということを言っておるわけですよ。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 法のたてまえに従って、乳業メーカーやそういうものに対してはより多くもうけさせるということを裏返して言えば言えると思うのです。そういうやり方がある限り畜産は救われないということを申し上げているわけです。  そこで、先ほどあなたのほうで調査したというその調査結果ですが、各業者、メーカー団体から農林省に二十三日までに何ぼ回答が来たか、二十八日のきょうまで何ぼ来たか、このことは御回答があったでしょう。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 さっそく電話で問い合わせをいたしました結果、一応全部持参はいたしておるそうです。ただし、できる限りのものを持ってきたというものもあるようでございまして、これは結果的に部分的にしか来ていないということでございますけれども、その不備を現在督促いたしているという段階でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 何だか、あなたの言うことはよくわからないな。来たのか来ないのかということで聞いているのです。部分的に来たとか、その中間だとか言うが、おたくでは二十三日までに報告せよと言っているんだよ。農林省がそれだけなめられておるのかどうか知りませんけれども、二十三日に来たのがどの会社とどの会社で、きょうまでに来たのはどの会社とどの会社か、と、このことを聞いたのです。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 会社につきましては、全部持参はいたしておるそうです。ただし、内容的に不備なものがあるので、その不備を是正するように督促中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が伺ったところでは、きのうまではほとんど来ておらなかったはずだ。そういうことだから、乳業資本からも自分方の親類づき合いだと思われているのかどうか知りませんけれども、そういう権威のない農林大臣通達なわけだね。しかも、あなたは、先ほどの御答弁の中では、いま、それらについて、ぼつぼつ来たものから整理したり、調査しているという話をしたが、何にもできていないじゃないですか。あなたの先ほどの答弁は、何もわからないで答弁したということですね。どうですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 私がこの間うちから聞いておりましたのは、ちょっとおくれておるというようなことを聞いておりましたので、その旨を御答弁申し上げたわけでございますが、ただいま確認いたしましたところでは、いま御報告を申し上げたとおりの状況でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこで、いまの不当利益かどうかということに関連いたしまして、私は私なりに安定指標価格を定めているもの――特に四つの品目ですね。原料バター、脱粉、全練、脱練、これについて、政府の指標に基づいて私が計算してみましたが、この安定指標価格を定めているものだけについて、まず一度試算してみたわけでありますが、昭和四十六年には、十一億六千五百十万円という不当利得を私は試算することができました。おたくの計算方式によってですよ。昭和四十七年度には超過利潤分として十七億六千四百三十二万円、昭和四十八年には二十億七千八百九十五万円、こういうふうに超過利潤を試算することができました。算式その他、ここに持っています。つまり、年々よけいになっているのだな。しかもその三年間の総合計を見ますと、五十億七百三十七万円になっているのですね。これだけのものをはっきりやればできるのです。不当利得かどうかわからないから、今度は何ぼか一-三月分やるのは恩恵的なものだというような意味のものではなくて、あなたはもっときびしい態度で臨まない限り、いまの畜産農民のほんとの切実な要望にこたえることにならないと私は思うのですけれども、農林次官の断固たる答弁を求めます。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 その調査やなんかがおくれておるということについては、いま局長から言ったように、持ってはきたが、どうも不備な点があるということで、再問い合わせをしておるというようなことであります。ただ、先ほどから言っておるように、安定指標価格から上に上がったものは、それすなわち全額が不当利得であるということは、これは断定できないのです。不当利得であるとは断定できないのですよ。それは先ほど言ったように、安定指標価格というものは、何べんも言うけれども、行政的にこの辺に安定させようという価格ですから、これを上回ったときには、政府の手持ちのバターや脱粉を放出して、どんどん売り飛ばして値下げをして、ここで押える。それでも足りないときには輸入をどんどんやって、そしてここで押える、こういうふうな目標価格ですから、そいつが手落ちがあって上がっちゃったということになれば、なぜもっと輸入しなかったかという議論はありましょう。それはありますけれども、それだけをもってメーカーが法律違反をして不法不当にもうけたものであるというようには断定できない。したがって、われわれは、そのメーカーに対しても、これだけ上がっちゃったんだから、上がって、あなた方のほうでも費用その他でかかった点もあるでしょうけれども、農民に対してももっとやりなさいと言ってこの間もやらしたわけですよ。また、一月-三月分について、それを見てできるだけのことをやらせよう、その資料をいまとっている最中だ、こういうことなんです。メーカーに対しては、あなたのおっしゃるように、われわれのほうからも厳重にきつい態度で臨む、そういうつもりでおります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 おざなりな答弁はもうあまりたいした意味がないわけです。私は四半期ごとに見直すべきだと言う。畜産農家のこういう変動に対しては、これは私だけが言っているのじゃないのです。あなたは、そうなれば不足払い制度をやめなければならないということを言いますけれども、一つの例をあげますと、畜産振興審議会が今回の諮問にこたえて答申している。これは豚価の答申ですが、その附帯決議の中にもちゃんと書いてあるのですよ。「物価、飼料価格その他の経済事情に著しい変動が生じた場合には、すみやかに本審議会を開催し、安定価格の改定につき検討すること。」ということまで書いてあるということをまず一度御認識いただきたいと思うわけですが、この問題だけにかかずらわっているわけにはまいりませんので、次に進みます。  加工原料乳の生産の戸数は、全国で一体何戸なのか。それからそのうちの主要な一道四県、つまり、北海道、青森、岩手、山形、福島の主要な生産県で加工原料乳の生産をしておる戸数は一体何戸なのか。それから、今回、おたくでこの生産費その他の資料を出しましたが、この調査の対象になった戸数は何戸なのか。この三つを御答弁いただきたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 加工原料乳の生産をいたします農家戸数というものは、これはわかりません。と申しますのは、そのときどきの需給実勢によりまして、各農家それぞれ動く話でございますので、これは把握できないわけでございます。  それから、この一道四県の調査対象戸数でございますけれども、これは四百三十一戸ということになっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたにもう一つ聞いたはずなんですよ。この主要な加工原料乳の地帯である北海道、青森、岩手、山形、福島では何戸やっていますかということも聞いたのですから、あわせてお答えいただきたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 一道四県で七万四千戸となっております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そこでお伺いしますが、全国の酪農の方々のものはつかめない、その主要なところだけでは七万四千戸だ、今度の生産費を出すために調査したのは四百三十月だ、四百三十一戸のサンプルで全体を割り出す、そういうことなんですね。だが、そういうことではたして正確な生産費のデータが出るかということですね。大体ここにそもそもの矛盾があるのではないかと思いますが、これについての御見解はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 これは統計上の問題でありまして、わが農林省統計情報部は学術の粋を集めていろいろやっております。どういうふうな形がいいか、全体の調査をするということは不可能ですから、階層別とか、地域別とか、いろいろなくふうをやっております。私はあまり専門的な統計学はわかりませんけれども、お役所がいままでの長い経験と技術によってやってきた統計のやり方というものは信用してよろしいと考えております。統計上の学問的にどういうふうな食い違いがこまかくあるとかどうとかということは私はわかりませんが、しかし、結論は私は信用しております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 統計上の学問的な立場からお伺いしますならば、政府が渡した「保証価格等関係説明参考資料」にこの生産費の一覧を書いたものがございますね。四十八年生産費に物価修正係数をかけて今回の推定生産費を出したものですね。そうすると、この数字の出た基礎になった資料については何にも説明しないし、何にも私たちのほうに見せてくれませんな。農民にはもちろん見せておらない。それは科学的にどういうことになるのですか。つまり、このデータを出した基礎は全く国会にも出さないし、農民にも出さない、だれにも出さない。こういうことでどうして科学的な議論をわれわれがすることができるかということをお伺いしたいわけでありますが、この点はどうでしょうか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 統計情報部の一道四県の生産費調査、この原票からそれぞれとりました数値が、お配りしました資料の原単位となっておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 原単位と言うが、何も書いてない。これはどこの資料をどうとったかということは何も書いてないでしょう。しかも、先ほど申し上げましたように、この数字の根拠となった資料は何も出さないでしょう。出していますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 皆さんのところにもお配りしてあると思うが、「保証価格等算定要領」という中で、たとえば保証価格の問題については「農林省統計情報部の牛乳生産費調査による昭和四十八年度の主要加工原料乳地域(北海道、青森、岩手、山形及び福島)における頭数規模別生産費を頭数規模別生産量により加重平均した平均生産費について次により評価替えを行って」云々というようなことで、統計情報部でいろいろな計算をして、膨大な資料の中からコンピューターその他を使って出した、その結果をわれわれは利用しているのであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 たとえば秋田県の人、青森県の人――秋田県は除きましょう。青森県の人、いわゆる主要なところですね。それから岩手県の人、こういう人がおれのほうにはどれだけの生産費が――政府が出したこれが正しいかどうか、これがはたして妥当なものであるかどうかということを判定するといったって、その基礎資料がなければ、判定のしようがないでしょう。われわれも初めて見せられてこれをすぐ論議せよと言ったって、大体基礎的なものが出ないのですから、各県の人は全然わからない。国会議員もわからない、そういうことでしょう、下浦さん。この状況では、これが正しいかどうかさえわれわれは判定できないわけですね。この点についてどう思うかということを聞いておるのです。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 県別の数字についてのお尋ねでございますが、これは県別には集計をいたしておりません。全部一道四県の合計ということで集計をいたしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 したがって基礎資料はないということです。ここへあらわれた数字はあるけれども、その基礎になったものはないということを明らかにしたものだと私は思います。あったら出していただきたいわけですが、それも出さないでいるわけであります。  そこで、お伺いするわけでありますが、しかも、この生産費のデータの中に農具費というものがあります。農具費というものは百キロ当たり何ぼかかるかということで、保証価格関係で見てみますと、四十八年度生産費は百二十五円、これに物価修正係数一・一二八〇をかけまして、四十九年の推定生産費は百四十一円ということになっています。この三ページです。ところが、農機具は、御承知のとおり、この前も国会で問題にしましたけれども、二月に一四%の価格改定が行なわれています。しかし、ここにはそういうものは何も含まれておらないでしょう。これでは、この係数そのものがおかしいと言わなければならないと思うのですね。二月にあれだけ大幅の値上がりがあったにもかかわらず、この中にはそういうものを係数としてとらえておらない。このことについてはどうでしょうか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答えいたします。  この農具の関係でございますけれども、これはいろいろな機種がございまして、厳密にどういう機種の構成で農具を使っておるかということが把握をできません。したがいまして、計算ができませんので、計上いたしておらないということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農具が個々の種類によって変わるというけれども、一四%二月に上がったのですよ。これは各社ほとんど上がったのです。だから、カルテルなどといって、いま公取委で一斉に捜査をしているわけでしょう。ところが、それについてはあなた方は何も調査しておらない。二月にそんなものが上がっているのははっきりしていながら、それを含んでいなければおかしいのではないですか。さっそく修正すべきだと思うのですが、どうですか。一つの例でありますけれども……。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 全体の二割につきまして一四%程度の値上がりということでございますが、先ほども申し上げましたように、その中身について、酪農生産をいたしております者が現実にどういう農機具の種類を使ってやっておるかという点が一つわからない要素でございます。したがいまして、これは技術的に計算ができないということでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、先ほど来私が指摘したように、技術的に計算できないとおっしゃっているわけだ。しかも、この四ページ目に参りますと、農具の場合は、物価修正係数は四十八年十一月から四十九年一月までの分を修正した変化率であるということが横に書いております。現実に上がったことがわかっておったら、その分をかけなければならないでしょう。二月に上がったのですからね。一月までしかこれは掛けない。しかも、その一月にやった分についてさえ、正確だかどうだかわからないというような、そういう答弁ですね。非常に私は残念だと思います。  同時に、たとえば生産費を見ましても、副産物価格として、費用合計の中から、たとえば牛のくそも皆さんは農家の収入だということで計上しておりますね。こういうやり方ですね。大乳業メーカーやその他に対してはたいへんな幅を持たしたやり方だけれども、畜産農家の皆さん方からは、牛のふんまで所得になるからといって差し引く。ここにあなた方の基本姿勢があるのではないかと思いますよ。どうですか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 副産物の中で、厩肥の関係でございますけれども、これは敷きわらその他で、生産の段階で現実に使います分、これが費用合計の中で敷料費ということで入ってまいりますが、その結果、堆肥ということで出てまいりまして、現実に農業用に使われるということでございますので、ここで副産物の扱いをしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 最後でありますが、けさほども私は農林大臣に対して、自殺者が出ておる現況についていろいろ御質問したわけでありますが、さらに突っ込んでいろいろ具体的な問題で御質問いたしますと、必ずしも明確ではない、むしろ不明確だ、納得できない、そういうふうなご答弁ばかりであったような気がして非常に残念なわけでありますが、このようなたいへんな状況の中で、大規模の方々でさえももうやっていけない、自殺しなければならないという状況に追い込んだ政府の根本的な責任をわきまえて、そして、さしあたっては、保証乳価やらあるいは基準価格とかが出ておりますけれども、こういうものに対して、わが共産党・革新共同は、ほんとうに農民の要求に根ざした大幅な値上げをやらなければならないということを強く主張して、私の質問を終わります。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕      ――――◇―――――

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 この際、畜産問題に関する小委員長より小委員会の経過並びに畜産危機打開に関して発言を求められておりますので、これを許します。坂村吉正君。

坂村吉正自由民主党

○坂村委員 畜産問題に関する小委員会における審査の経過の概要について御報告申し上げます。  小委員会は去る三月七日の本委員会で設置が決定され、同日十三名の小委員が指名され、私が小委員長をつとめることになったのであります。  三月八日に第一回の小委員会を開き、小委員会の運営方針並びに討議の究極目標等につき話し合った結果、当面の運営は、切迫している畜産危機の打開をはかるべく、飼料緊急対策並びに畜産物価格の改定等に討議の焦点を置くこととし、恒久対策等については、今後さらに小委員会を継続して開催することにより、その結論を見出すこととした次第であります。  以降、小委員会は、三月十一日、三月二十二日及び三月二十六日の四回にわたり開催され、特に、三月二十二日には関係参考人から意見を聴取する等、問題解決のための熱心な討議を重ねてまいりました。  かくて、本日の小委員懇談会において、本問題の緊急性にかんがみ、この際、ただいま委員各位のお手元に配付しておりますとおりの結論をまとめ、畜産危機の打開策につき、政府にその実現を督励することとした次第であります。  以下、結論を朗読いたします。     畜産危機打開に関する件(案)   わが国畜産業は、配合飼料等生産資材価格の末曽有の高騰に加え、畜産物価格の低迷という二重の打撃を受け、今やその経営基盤は崩壊の危機に直面している。   かかるときに当たり、今回政府が加工原料乳生産者補給金等暫定措置法及び畜産物の価格安定等に関する法律に基づき提示した加工原料乳保証価格及び豚肉の安定基準価格等は適当とは認めがたいので、政府は、左記事項に留意し、適正価格の実現等に万遺憾なきを期すべきである。       記  一、加工原料乳保証価格については、算定方式を改善し、特に、飼料及び生産資材価格の高騰並びに家族労働費等を適正におりこみ、生乳の再生産確保が図られるよう大幅な引上げ措置を講ずること。  二、豚肉の安定基準価格等については、飼料及び生産資材価格の高騰並びに家族労働費等を適正におりこみ、豚肉の再生産確保が図られるよう大幅な引上げ措置を講ずること。  三、鶏卵の生産費が大幅に上昇している実情をふまえ、液卵公社の買入数量の増大と買上げ価格の引上げを行い、これに必要な財源措置を講ずるとともに、卵価安定基金の強化拡充を図ること。  四、畜産物の輸入については、これが国内生産者価格に悪影響を及ぼすことのないよう適切な輸入ルールを早急に確立すること。  五、飼料価格の大幅値上げを極力抑制し、制度資金の償還期限の延長、配合飼料価格安定基金に対する財政的援助、政府管理飼料の弾力的運営等各般にわたり特段の措置を講ずること。    なお、政府管理飼料については、対象品目の拡大その他有効な管理措置を講ずるよう法律改正を含め必要な措置について検討すること。  以上であります。何とぞ、本日の小委員懇談会において取りまとめました結論を、本委員会の決議とされますようお願い申し上げ、小委員会の報告といたします。(拍手)

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 ただいまの小委員長の発言により、畜産危機打開に関する件について、本委員会において決議すべきとの動議が提出されました。  本動議について、別に発言もありませんので、直ちに採決いたします。  本動機に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 起立総員。よって、本動議のとおり決定いたしました。(拍手)  ただいまの決議に対する政府の所信は、後刻、倉石農林大臣の出席の際に求めることといたします。  なお、ただいまの決議について、関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 質疑を続けます。林孝矩君。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 私は、きょう午前中に倉石農林大臣に畜産危機の問題に関する質問をいたしました。そのときに、的確なる答弁がなかった点について確認をしますとともに、一連の問題に関してお伺いしたいと思います。  私の質問の第一点は、現在のこの畜産危機の状態を的確に緊急事態と認識しているかどうかということでございまして、いま、本委員会は、わが国の畜産業等はその経営基盤は崩壊の危機に瀕しておるという決議をしたわけであります。この崩壊に直面しておる畜産危機を打開するために今日まで本委員会は議論をしてきたわけでありますが、午前中の倉石農林大臣の発言の中に、ある意味においては緊急事態であるという発言があったわけであります。私は、そういう認識自体が問題であるということを指摘したわけでありますが、政務次官にお伺いいたします。  今日、政府の加工原料乳生産者補給金、あるいは畜産物の価格安定等に関する法律に基づいて提示した加工原料乳保証価格及び豚肉の安定基準価格、こういうものに対して、われわれは、緊急事態に対処するものではないという見解を前提にして政府の見解をただしてきたわけであります。その前提とは、政府の提示した価格が不適当であるという前提であるわけでありますが、政務次官は、この見解に対してどのように判断をされておるか、最初にお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 先ほどから再三お答えをいたしておりますが、いずれにせよ、えさの大幅な値上がりというようなものは適正に価格に織り込まなければならないということで、われわれとしては、価格に織り込んで提案をいたしましたし、また、去年までは、搾乳牛の減価償却費をいかに認めるかというものについても、再評価というのは六分の一しかしておらなかったが、今回は全額全頭について再評価するというようなことをはじめ、幾多の点において実情に沿った手直しをいたしておるので、私は、価格としては適当なものである、と、こういうことで提案をしたわけであります。  しかしながら、これは学識経験者、生産者代表等をまじえた畜産審議会の意見を聞いて決定をするということになっております。その答申が今晩出ると思いますが、その答申の意見を聞いてきめますし、また、国会の皆さん、与野党のいろいろな方々の御発言も十分承知をいたしておりますので、そういうものを踏まえた上で、与党、政府において最終的には話し合いをして決定する、こういうような段取りになるだろうと存じます。  酪農の問題ばかりでなくて、鶏にいたしましても、豚にいたしましても、えさの異常な値上がりというものはまことに困った問題でございますから、これに対しては適切な対応策をとっていかなければならぬと私は考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 そういう学識経験者あるいは与野党の意見を聞いてきめるといういま、その事前に、二十七日だったと思いますが、田中総理が政治加算を示唆したということが報道されております。事前にそういう政治加算を表明するというような総理のやり方というものは筋道ではないし、非常に重大な問題であるというふうに私は認識をしておるわけでありますが、かねてより正義と良識と勇断を持論とされておる政務次官でありますから、この問題に対してどのように考えられておるか、見解をただしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 私は、田中総理がだれに対してそういうことを言ったのか知りません。新聞等に出ておったという話がありますが、そういうことを存じておりません。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 説明しますと、宮脇会長以下三名の農業者代表に対する表明であります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 どういうふうな具体的な話があったか、ほんとうにそういうことをやるというのであるならば、当然農林大臣に指示があるはずでございますが、大臣からも聞いておりませんから、私は、この際それについて意見を申し上げることはできません。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 もしそういうことが行なわれたとした場合に、この委員会の審議だとか、あるいは審議会の審議というものと関連して考えた場合に、これは仮定の話になりますが、政務次官としてどのような見解を持ちますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 最終的に決定をする場合は、閣議にかける事項ではございませんが、これだけの重要な問題でございますから、当然、総理、農林大臣は相談をして最終決定をするということになるだろうと思います。したがって、私が先ほど言ったように、具体的にどういうことを言ったのか、ニュアンスがいろいろあるのだろうと思いますから、その事実を知らないで批評をすることはできない。私は、仮定の問題についてはここでお答えはできないということであります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 それでは、次の問題に入ります。  きょうの午前中に、私は、政府が財政負担をなぜ出し渋るかという点について質問いたしました。それは、いわゆる保証価格が四十八年から四十九年まで十五円二銭引き上げられておる、しかし、不足払いの額というのは、政府が負担するのは二円十銭である、このあとの分は一体どこにしわ寄せがいくのかということについて質問をしたわけでありますが、私のその質問の際における見解は、そのあとの額が転嫁されるのは、いわゆる基準取引価格の引き上げ、それから消費者価格に対する押し上げで、そして、私の指摘するところの問題点は、こういう狂乱物価のインフレ下において消費者の購買力というものが減少していくという傾向にあることで、直接また間接的にも、これが畜産経営へ及ぼす影響という問題は、これまた非常に重大である。したがって、私が緊急事態であるという考えをなぜただしたかといいますと、そういう見解に立ったときに初めて――今回、緊急事態であるがゆえに、この不足払いに対しては、積極的に機動的に運用をはかるべきで、したがって、二円十銭ということではなしに、この大幅な価格の不足払いの支出というものを、財政負担というものを政府は考えるべきである、これが生産者に対しても消費者に対しても適切な施策ではないか、と、そういう提示を私はしたわけでありますが、政務次官の見解をただしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 私の承った質問の中で、消費者サイドからのそういうような御質問が出たことはたいへんけっこうなことだと私は思います。全く御指摘のように、かりに畜産物価格が大幅に上がるということになってまいりますと、需要の減退を招くのではないか、需要の減退を招いて、片一方は採算が十二分にとれるということになれば、そこで過剰生産というような問題が起きて、また値下がりというふうな騒ぎが起きるのではないかというふうな疑問は当然出てくる疑問であります。それぞれのケースによって違いますが、加工原料乳の点につきましては、ともかく、今回の六十三円というものは、一応いろいろ総合的に考えて、まず適切な値段であるということでわれわれは提案をしたわけであります。当然、十五円のアップになりますから、だれがそれを持つかということになってくるわけであります。  そこで、いますでに実勢価格が高くて、現実に消費者がそれだけの金を払っておるのですから、それが農民の手に移らないということは、結局メーカーがそこで取るということになるので、まず、メーカーの取り分を吐き出させるということをわれわれは第一義的に考えて、ともかくいま以上に上がらないような手を一方で打ちながらメーカーから十二円何がし、十三円を取る、そして政府のほうからは二円何十銭を出すということで、とりあえず今側の案を出したわけであります。  まず政府から出す金というものは、御承知のとおり、これは国民の税金から出す金であります。したがって、メーカーのほうにゆるみがあるというような状態で政府が金をよけい出すということは、これは許されることではございません。したがって、まずそういうようなゆるみをなくして、その上に政府としては、必要があれば政府の財源の中から出す、こういうふうなことが順序だろうと思うのであります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 順序はそれとして、それでは、畜産農家の生活を安定させるためにも、その中間のマージンの吐き出しというものは、具体的にどういう対策を講じられようとしておるのか、明確にしていただきたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 それは、結局、畜産メーカーが原料を買い入れる価格を引き上げておりますから、そこでメーカーは、その分だけ原価が高くなるわけであります。十三円弱の分がメーカーの原価に食い込んでくるわけであります。そこで、メーカーが現在の実勢価格よりもさらに高い実勢価格で売るようなことがあっては困りますから、それはまず法律の指定によって、事業団の手持ちの放出あるいは輸入の増大等によってそれを下げるというようなことをわれわれはもちろんいたします。しかし、それでもきかないというような問題が起きますから、強力な行政指導によって、今回きめた価格が上に上がらないようにいろいろな手段を講じてまいりたい、かように考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 生乳生産は、昭和四十八年度に初めて対前年比を割っている、一方、需要については堅調に推移しておる、需給が非常に逼迫しておる、こういう状態にあるわけであります。私は、いま大事なことは、政府の酪農に対する施策が不十分であったという認識にまず立つべきであるというふうに考えるわけですが、その認識に立った上で政府が対策を講じておるのかどうかという点を、まず一点お伺いしたいと思います。  それから、大都市地域においては、飲用牛乳の需要が増大しておる。ところが、生乳生産は停滞ないし減少しているのが現状であります。このような需給事情に対して、いわゆる地域間需給の調整という問題が必要だと私は思うわけであります。  この二点について、政府はどのような対策を考えているのか、その二点についてお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 生産が停滞したという原因については、一つは、牛肉の値段が去年非常に上がって、たとえば去年の八月、牡犢が六万とか七万とかいうように、投機的と言われるほど十倍にも一ぺんに半年のうちに上がってしまったというような事態が一つありまして、そのために乳用牛等が、まだ耐用年数があっても、それが屠殺をされて肉に回されたというような点もございましょう。それから、もう一つは、えさが急激に上がってきたということのために、ともかく酪農の採算がどうも思わしくないというようなことから、買い控えをするという点もあるでしょうし、いろいろなそのほかの原因もあると思いますが、それらについては、これは全部はうまくいったというふうにはわれわれ認めておりません。したがって、今回も、価格の大幅な引き上げというようなことをはじめ、そういうような認識のもとに出発をしておるわけでございます。  第二番目は、ある地域では牛乳がたくさんとれる。たとえば大阪というようなところではともかく消費が非常に多くて、結局牛乳が足らないというようなことをさしておるのだと思いますが、特に生乳が足らぬ。したがって、地域間のこのアンバランスというものをもっと解消しなさい、そのためには北海道の牛乳を大阪なり東京なりにもつと生乳の形で持ってきたっていいじゃないか、と、こういうような御指摘だと思いますが、これは現に自主的に農協等がやっておることでございますし、特に、濃縮乳の輸送というようなことについては政府は助成措置も講じておりますので、今後も必要に応じてそのようなことで、なるべく生乳で売ることができれば、生産者もその分はよけい金が入るんですから、そういうようなことについては今後とも協力をしてまいりたいと考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 ただいま政務次官の話にもありましたように、いわゆる配合飼料価格の値上げが畜産経営に与えた影響というものは想像に絶するものがあるわけであります。一つは、いま政府が五十七年を目途として畜産経営に対する見通しを立てておるわけでありますが、その五十七年という目途と別途にもっと短期の見通しというものを立てて、そして、その見通しが積み重ねられて五十七年の目途を達成する、そして、この短期と長期が有機的に機能するというものでなければ、いわゆる経営に携わる立場から考えますと、安定した経営というものが将来はたして保てるのかどうか。それは今日までここの委員会でも議論されてきましたように、やめるべきかやるべきかというような残酷な状態を招来してしまうということにつながるわけでして、そこに一つの希望あるいは夢というものがなければ酪農経営も続けていくことができないというふうに私は考えるわけであります。したがって、いま私が申し上げました短期の目標を明らかにして、そして、それを積み重ねて、こうすれば五十七年の目途を達成できるのだ、こうすればこういう生活とこういう経営が成り立つんだ、それにはこれだけの予算を注ぎ込んでいくんだという裏づけ、そういうものが一貫してなされなければ、毎年毎年の乳価、豚価の審議のたびに同じ議論を繰り返さなければならないということになるわけでありますが、政務次官のその点に対する見解を伺っておきたいと思うわけであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺(美)政府委員 非常に大切な問題でございます。私は農林省の官房にもいま言いつけておるのでありますが、日本の畜産はどこまで伸びられるかということを、まず自給飼料という面で一ぺん洗い直してみなさいということを言っております。ということは、なるべく国内で自給飼料をこしらえるといたしましても、どの程度の面積ができるのか――いま、土地改良十カ年計画で飼料畑を四十万ヘクタール、あるいは普通の畑を三十万ヘクタールつくると言っておるわけでございますが、いま輸入しておるえさを全部国内でまかなうのには、七百二十万ヘクタール程度の、現在の耕地の倍以上のものが必要なんですから、それは事実上不可能であります。すでに何年かたって乱開発は進んでしまった。残っておるところもあるが、森林法を今度改正して規制をする。あるいは、農振法の改正がまだ通っておりませんが、これが通ったものと仮定をして、乱開発をまだされていない地域は残していく。まず、土地の取得が先決問題でありますから、それに網をかけていく。土地なくして飼料の生産は不可能であります。だから、その二つの法律が通ったとして、土地についてどの程度のものがあてがえられるか、そこでどの程度の飼料がつくられるか、それによって日本の需給できる頭数というものはどの程度のものであるかということが問題である。しかしながら、日本の食生活がどんどん高度化して、国民が牛とか豚とかをもっと食べたいということになれば、特に牛の需要というものはふえると思うのです。豚などはかなり頭打ちになってきておる。鶏も大体頭打ちになって、世界の三、三番程度の水準まで卵の消費は日本はふえております。したがって、これがもっと伸びるというふうには私は考えておらない。倍にもなるということは考えない。世界の水準ですからね。やはり、牛肉の消費あるいは酪農製品の伸びというものがまだ余裕があるというように私は見ております。しかし、それをつくるためには、たとえば牛肉のようなものは、牛肉一キロにえさ一キロでいいというものじゃないのです。これは何倍も十数倍もかかるということですから、日本国内でできない部分は外国にえさを依存せざるを得ない。したがって、加速度的にえさの輸入がふえていくという状態であります。それだけ加速度的にふえていくえさが、いまの状態ではたして円滑に輸入ができるのかどうか、非常な疑問を私は持っておるのであります。輸入ができなければ、これ以上畜産を伸ばすことはできないのですから、これ以上えさを外国に依存してもっとふやすということができなければ、日本の畜産をこれ以上伸ばすということは言うべくしてなかなかできない問題であります。したがって、そこらのところの計算を一ぺんやり直してみろということと、それから、もし外国から入れるとすれば、アメリカだけでなくて、カナダ、ブラジル、オーストラリア、それから東南アジア各国の開発輸入の可能性、長期安定的な契約、どの程度のものが可能なのかというような観点に立ってもう一ぺん再計算をしてみてもらいたい、と、こういうことで話してあります。したがって、五十七年のあの計画については、そういうような実情を踏まえて一度洗い直しをする必要があるだろうと私は考えております。当面はあれでいくという姿勢でございますが、もっと現実的な面を研究する必要があると考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 局長に伺いますが、特に、配合飼料価格の安定については、今後の畜産経営に与える影響というものは重大であります。したがいまして、これに対しては抜本的な拡充政策というものがなされなければならないと思うわけであります。そこで、事務レベルで、いま私が質問いたしましたような安定供給がはたしてなされるかどうかという、そういう見通しが立っておるのかどうか、その点を具体的に明確にしていただきたいと思うわけです。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  先生御承知のとおり、配合飼料の原料は、その大きな部分がトウモロコシ、あるいはマイロというような飼料穀物でございます。したがいましてこれは、そのほとんどを外国からの輸入ということに依存をしておるわけでございまして、そのために非常に国際需給状況の影響を受けやすいという状況でございます。  本年の配合飼料用の原料の手当てでございますけれども、これにつきましては、昨年来、特に大豆関係の輸出規制がございましてから、輸入の促進ということにつとめました結果、ことしの九月ぐらいまでの分につきましてはおおむね確保ができておるという状況でございますので、心配はないものと見ております。ただ、長期的に見ますれば、先ほど申し上げましたような事情がございますので、今後とも政府といたしましても必要な手は打っていかなくてはならぬということでございます。  一つは備蓄の問題でございますけれども、この備蓄の件につきましては、ただいま一月分のランニングストックを国内で持っておりますけれども、これにもう一月の備蓄を上のせをいたしたいということで、来年度からこれに手をつけるという段取りになっております。これにはサイロのスペースの問題等もございまして、民間だけではなかなかできがたいということもございますので、政府と民間と両建てでこの備蓄をやってまいるということをいたしておりまして、来年度、政府におきましては六万トン強のランニングストックの増加を行ないますとともに、十五万トン程度の大麦の備蓄を行なうという計画を持っておる次第でございます。  それから、これも四十九年度から新しく設置をされます国際協力事業団の関係でございますけれども、この業務の一環といたしまして、開発途上国等の飼料原料の開発に協力をいたしてまいるということを通じまして、輸入先国の多元化ということに努力をいたしたい、こういうことによりまして飼料穀物の安定的輸入ということを確保いたしたい、こういうことを考えております。  さらに、国内におきますところの飼料作物等の増産でございますけれども、これはもうすでによく御承知のとおりでございまして、生産奨励措置を麦、大豆とあわせまして来年度からとることになっております。また、この麦の中では、飼料用の麦につきましても生産奨励措置をとることにいたしておる次第でございます。  今後、国際的な需給動向を見きわめながら、この飼料穀物の安定供給にさらにつとめてまいりたいと考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 いまの御答弁の中に国際協力事業団の話がございました。具体的に多元的輸入という表現を用いられたわけでありますが、国ははっきりしておるわけでしょうか。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 まだ事業団もできておりませんので、これは確定いたしておるわけではございませんけれども、私どもといたしましては、東南アジア、タイのトウモロコシでございますとか、あるいはインドネシアでのトウモロコシの生産、あるいは南米のトウモロコシ、それからマイロ等を考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 次に、今回の豚価の算定にあたっての問題でありますが、先ほどから申し上げておりますように、特に、配合飼料のこの二月、三月の値上げという問題、これがどのように加味されておるかということは非常に重大であると私は思うわけであります。この二月、三月の配合飼料の値上げをどのように考慮されたか説明をしていただきたいと思うわけであります。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 養豚用の配合飼料の値上がり分をいかに豚価の中に織り込んだかという御質問でございますけれども、これは二月、三月分平均をいたしまして、一万一千円ないし一万二千円、さらに平均いたしますと、一万一千七百円程度になるわけでございますが、この分につきましては、全面的にこれを織り込んでおります。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 時間がありませんので結論を急ぎますが、飼料費、それからもろもろの資材の値上がりに対処するためには、安定価格の引き上げのみでは、基本的な、根本的な解決にはならない。より安定した養豚経営の育成をはかる必要があると私は思うわけであります。そのためには、これは一つのものの考え方であると思いますが、繁殖経営、肥育経営、繁殖・肥育一貫経営等と分かれている経営形態を、繁殖・肥育一貫経営に力点を置いて育成するということ、そうすれば子豚の価格の変動による経営の不安定を回避することができると同時に、生産費の減少も見込まれると私は考えるわけであります。これを強力に推進するための政策を講ずるべきであると思いますが、その点に対してはどのような施策をお持ちになっておるか、具体的に説明をしていただきたいと思うわけであります。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答え申し上げます。  養豚の繁植・肥育の一貫経営についてのお尋ねでございますが、ただいまわが国におきまして一貰経営体系をとっておりますものは、四十三年、約一〇%ぐらいでございましたけれども、四十七年には一四%程度になってきております。この一貫経営タイプの内容といたしましては、繁殖豚、肥育豚の飼養構成がさまざまございまして、肥育素豚の需給状況もまちまちでございますけれども、大きく分けますと、繁殖を主体にいたしておりましたものが肥育を取り込んだというようなものと、逆に、肥育経営が繁殖を取り込んだというようなものと、二つのタイプに分けられるようでございます。前のほうのタイプは、子豚価格の変動によります不安定性を避けるためのようでございますし、それから、後者のタイプは、素豚供給条件の不安定回避、あるいは予防衛生の確保等をはかろうとするためのもののようでございます。このような一貫経営形態は、主として子豚の需給上の問題を回避するというための対応と見られます。ただ、繁殖部門と肥育部門のそれぞれの作業工程におきましては非常に差がございまして、したがって、生産性の向上の観点からいたしますと、一貫経営形態が直ちに合理的なものとはまだ即断できない問題がございます。したがいまして、一貫経営の評価につきましてはなおしばらく検討を要するのではないか、こういうぐあいに考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 最後に、先ほど私が最初に質問いたしました不足払い二円十銭についてですが、この財政負担というものがもっと大幅に検討されなければならない。これはこの問題の大きなかぎを握っているのではないかというふうに私は思うわけであります。特に、こういう緊急事態において、これと関連してもう一点申し上げますと、いわゆる算定方式を改善するということと、この二つが、この緊急事態に対処する問題として重要なことではないかと私は思うわけであります。したがいまして、この二点に関して局長の考え方をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

下浦静平農林大臣官房審議官

○下浦説明員 お答えいたします。  算定方式の問題につきましては、昨年の秋の酪農部会懇談会におきましていろいろ問題も出たわけでございますし、それと同時に、いろいろな方面からの御意見も寄せられたわけでございますので、私ども、今回の算定にあたりましては、いわばない知恵をしぼったというようなことでございます。さらに今後よい方式がございますれば、なお検討いたしたいと考えております。  なお、前者のお尋ねでございますけれども、これは先ほど政務次官がお答えを申し上げましたとおり、やはり、民間でまず支払われるものは支払いに充てるということが優先をすべきものではないかと考えております。

林孝矩公明党

○林(孝)委員 終わります

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 暫時休憩いたします。    午後六時五十一分休憩      ――――◇―――――    午後七時七分開議

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほど、畜産危機打開に関する件について、本委員会として決議を行なったのでありますが、ただいま倉石農林大臣が出席されましたので、本決議について政府の所信を求めます。倉石農林大臣。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 今回政府が試算いたしました加工原料乳の保証価格及び豚肉の安定価格につきましては、適切なものと考えておりますが、ただいまの御決議もありましたので、十分検討し、適切に対処すべく努力いたす所存であります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後七時八分散会

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